JP2020137197A - ガス絶縁機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁スペーサを挟んで隣接するタンクのガス区画を同一雰囲気とする場合と分割する場合とで、隣接するタンク間を繋ぐガス配管を別に設ける必要がないことは勿論、絶縁スペーサに特別なガス流路を設けることなく、隣接するタンクのガス区画を同一雰囲気としたり、分割したりすることが可能なこと。【解決手段】隣接して配置された第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を分割する場合は、第1のタンクのフランジ51に設けられた袋ねじ穴と絶縁スペーサの貫通穴の全てに締結材が挿入され、一方、第1のタンクと第2のタンクのガス区画を同一雰囲気とする場合は、第1のタンクのフランジに設けられた少なくとも1つの袋ねじ穴を更に軸方向に追加で加工して追加貫通穴とし、この追加貫通穴と絶縁スペーサの貫通穴が連通してガス流路が形成され、このガス流路を介して第1のタンクのガス区画と第2のタンクのガス区画が連通していることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明はガス絶縁機器に係り、特に、通電導体が絶縁ガスが充填されたタンク内に絶縁保持され、隣接するタンク間を絶縁スペーサでガス区画されている例えば、ガス絶縁開閉装置やガス絶縁母線等に好適なガス絶縁機器に関する
一般に、電力系統に用いられるガス絶縁開閉装置は、遮断器、断路器、接地開閉器或いは計器用変圧器等を通電導体により互いに電気的に接続し、それらをタンク内に格納した上で絶縁性ガスをタンク内に充填することにより構成される装置である。
また、ガス絶縁母線は、ガス絶縁開閉装置の相互間若しくは変圧器、碍子とガス絶縁開閉装置との間で電気的に接続される通電導体を密閉タンク内に格納した上で絶縁性ガスをタンク内に充填することにより構成される装置である。
上記したガス絶縁開閉装置及びガス絶縁母線においては、通常、通電導体は、絶縁スペーサによりタンクの空間内に絶縁保持されており、絶縁スペーサは、隣接するタンクの接続部においてタンクのフランジに固定され、通電導体を保持する機能と、絶縁スペーサを挟み隣接するタンクのガス区画を分割する機能を持つ。
このような絶縁スペーサが、隣接するタンクの接続部においてタンクのフランジに固定され、通電導体を保持する機能と、絶縁スペーサを挟み隣接するタンクのガス区画を分割する機能を持つ先行技術文献としては、例えば、特許文献1及び2が挙げられる。
この特許文献1及び2には、接続部相互にそれぞれ設けられたフランジを互いに対向させて配設された第1のタンク及び第2のタンクと、これら第1のタンク及び第2のタンクの対向するフランジの間に介装されタンク内部を相互に区画する絶縁スペーサと、少なくとも一方が外フランジ部を有する上記フランジの周方向に所定間隔で複数設けられ該フランジ相互を上記絶縁スペーサを挟んで締結する締結部材とを備えてガス絶縁開閉装置が記載されている。
しかしながら、上述したような従来のガス絶縁開閉装置或いはガス絶縁母線では、絶縁スペーサを挟んで隣接するタンクのガス区画を同一雰囲気とする場合に、隣接するタンク同士を繋ぐガス配管を別に設けるか、若しくは絶縁スペーサにガス流路を設ける必要がある。
絶縁スペーサにガス流路を設ける場合は、絶縁スペーサの絶縁材部か又は中心導体のいずれかに貫通穴を設けてガス流路を確保することになるが、絶縁スペーサの絶縁材部に貫通穴を設けると、絶縁スペーサの機械的強度が低下するという問題がある。
一方、絶縁スペーサの中心導体に貫通穴を設ける場合は、絶縁スペーサの中心導体に他の通電導体を取り付けした後は、その絶縁スペーサの中心導体に貫通穴が設けられているか否かの識別が難しく、絶縁スペーサを挟んで隣接するタンクのガス区画を分割しなければならないのに、中心導体に貫通穴の設けられた絶縁スペーサを適用するといった誤組立を見つけにくいという問題がある。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、絶縁スペーサを挟んで隣接するタンクのガス区画を同一雰囲気とする場合と分割する場合とで、隣接するタンク間を繋ぐガス配管を別に設ける必要がないことは勿論、絶縁スペーサに特別なガス流路を設けることなく、隣接するタンクのガス区画を同一雰囲気としたり、分割したりすることが可能なガス絶縁機器を提供することにある。
本発明のガス絶縁機器は、上記目的を達成するために、隣接して配置され、内部に絶縁ガスが封入されている第1のタンクと第2のタンクが、それぞれのフランジを介して又はそれぞれのフランジの間にアダプターフランジを介在させて接続され、前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジに絶縁スペーサが締結材により固定されているガス絶縁機器であって、前記絶縁スペーサの周方向に所定間隔をもって複数の貫通穴が形成され、この前記絶縁スペーサの貫通穴のそれぞれに対向して、前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジの周方向に複数の袋ねじ穴が設けられ、前記第1のタンクと前記第2のタンクのガス区画を分割する場合は、前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジに設けられた前記袋ねじ穴と前記絶縁スペーサの貫通穴の全てに締結材が挿入され、一方、前記第1のタンクと前記第2のタンクのガス区画を同一雰囲気とする場合は、前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジに設けられた少なくとも1つの前記袋ねじ穴を更に軸方向に追加で加工して追加貫通穴とし、この追加貫通穴と前記絶縁スペーサの貫通穴が連通してガス流路が形成され、このガス流路を介して前記第1のタンクのガス区画と前記第2のタンクのガス区画が連通していることを特徴とする。
本発明によれば、絶縁スペーサを挟んで隣接するタンクのガス区画を同一雰囲気とする場合と分割する場合とで、隣接するタンク間を繋ぐガス配管を別に設ける必要がないことは勿論、絶縁スペーサに特別なガス流路を設けることなく、隣接するタンクのガス区画を同一雰囲気としたり、分割したりすることが可能となる。
以下、図示した実施例に基づいて本発明のガス絶縁機器を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用ずる。
図1に、本発明のガス絶縁機器の実施例1であるガス絶縁開閉装置の全体構成を一部破断して示す。
図1に示すように、ガス絶縁開閉装置は、断路器、接地開閉器、計器用変圧器及びそれらを電気的に接続する通電導体4が格納され、内部に絶縁ガスが封入されると共に、絶縁スペーサ3を挟んで隣接して配置される第1のタンク5と第2のタンク6から成る金属製のタンク1と、遮断器や変流器等を備えた遮断器ユニット2とから概略構成され、通電導体4をタンク1の空間内で絶縁スペーサ3により絶縁支持されている。
図2は、本実施例のガス絶縁開閉装置における絶縁スペーサ3の締結部を示し、図3は、本実施例における第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を分割する場合の図2のA−A線に沿った断面図であり、図4は、本実施例における第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とする場合の図2のA−A線に沿った断面図である。
該図に示すように、本実施例の絶縁スペーサ3の締結部は、隣り合う第1のタンク5と第2のタンク6を締結するための第1のタンクのフランジ貫通穴52及び絶縁スペーサ3をタンク1の内部で締結する袋ねじ穴53が、それぞれ周方向に等間隔で加工された第1のタンクのフランジ51を有する第1のタンク5と、隣り合う第1のタンク5と第2のタンク6を締結するための第2のタンクのフランジ貫通穴62が、周方向に等間隔で設けられた第2のタンクのフランジ61を有する第2のタンク6と、上記第2のタンクのフランジ貫通穴62と第1のタンクのフランジ貫通穴52を通し、第1のタンク5と第2のタンク6を締結する例えば、ボルトとナットから成る第1の締結材7と、第1のタンクのフランジ51と第2のタンクのフランジ61との間、及び第1のタンクのフランジ51と絶縁スペーサ3との間の気密性を保つシール10a及び10bと、絶縁スペーサ3と第1のタンクのフランジ51とを締結する例えば、ボルトから成る第2の締結材8とにより構成されている。
なお、第1のタンクのフランジ51と絶縁スペーサ3の間に介在されているシール材10bは、袋ねじ穴53より内側に介在されている。
また、本実施例では、第1のタンクのフランジ貫通穴52と第2のタンクのフランジ貫通穴62及び袋ねじ穴53は、周方向に等間隔で偶数個、本実施例では12個設けられている。また、本実施例では、絶縁スペーサ3は、周方向に等間隔で12個の絶縁スペーサ貫通穴32が設けられており、第2の締結材8を、全ての絶縁スペーサ貫通穴32に通し袋ねじ穴53に螺合することで、第1のタンクのフランジ51に固定されている。このとき、隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画は分割されている。
図2において、絶縁スペーサ3を挟んで隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とする場合には、図4に示すように、第1のタンクのフランジ51に加工された袋ねじ穴53を、更にドリル等で軸方向に追加で加工して追加貫通穴54を形成する。
この追加で加工して形成された追加貫通穴54の個数は、絶縁スペーサ3を機械的に支持するために必要な第2の締結材8の個数を、絶縁スペーサ貫通穴32の個数から引算した数となる。
本実施例においては、12個設けられた袋ねじ穴53のうち半数の6個に対して、袋ねじ穴53と追加貫通穴54が交互に配置されるように、追加貫通穴54を追加加工して形成している。
追加貫通穴54を追加加工して形成した後、6個の袋ねじ穴53と同数の第2の締結材8により絶縁スペーサ3を第1のタンクのフランジ51に締結する。追加で加工された追加貫通穴54と、それに重なる絶縁スペーサ貫通穴32が連通して、第1のタンク5と第2のタンク6を繋ぐガス流路となり、第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とすることができる。
この時、追加貫通穴54が形成されていない第1のタンクのフランジ51に設けられた袋ねじ穴53と絶縁スペーサ貫通穴32には、第2の締結材8が挿入されている。
このような本実施例によれば、第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とするにあたって、第1のタンク5と第2のタンク6の間を繋ぐガス配管を別に設ける必要がない。また、絶縁スペーサ3にガス流路を設ける必要がないから、絶縁スペーサ3の絶縁材35に貫通穴を設けることによる機械的強度の低下がなくなる。
また、絶縁スペーサ3の中心導体34に貫通穴を設ける場合、その貫通穴の位置によっては、絶縁スペーサ3の中心導体34に取付される他の通電導体4が、その貫通穴の外部からの視認性を悪くするため、絶縁スペーサ3の中心導体34に他の通電導体4が取り付けされた後では、その絶縁スペーサ3がガス流路を持つか否かを外観から識別することが難しく、絶縁スペーサ3を挟んで隣接するガス区画を分割とするか同一とするかを間違えて組立が進むリスクがある。
しかし、本実施例によれば、絶縁スペーサ3の中心導体34に対して他の通電導体4を取付した後でも、絶縁スペーサ3を締結する第2の締結材8が絶縁スペーサ貫通穴32と同じ数だけ取付されているか否かを確認するだけで、絶縁スペーサ3を挟んで隣接するガス区画が分割されているか否かの識別が可能であるため、上記のような誤組立のリスクを避けることが容易である。
そして、絶縁スペーサ3を挟んで隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とする場合には、第1のタンクのフランジ51のガス空間中の領域のうち、追加貫通穴54を追加加工で形成する対象を袋ねじ穴53に限定することで、第1のタンクのフランジ51のガス空間中の隙間100に、追加貫通穴54を追加加工で形成する場合に比べて、第1のタンクのフランジ51のガス空間中の隙間100を小さくすることができる。
このことにより、第1のタンクのフランジ51のガス空間中の隙間100に、追加貫通穴54を追加加工で形成する場合に比べて、第1のタンク5と第2のタンク6の内径を小さくしてタンク1の全体の大きさを小さくすることができ、また、絶縁スペーサ3の外径を大きくし、絶縁スペーサ3の絶縁性能の向上を図ることができる。
従って、本実施例によれば、絶縁スペーサ3を挟んで隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とする場合と分割する場合とで、隣接する第1のタンク5と第2のタンク6間を繋ぐガス配管を別に設ける必要がないことは勿論、絶縁スペーサ3に特別なガス流路を設けることなく、隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気としたり、分割したりすることが可能となる。
なお、本実施例では、第1のタンクのフランジ51に、第2の締結材8により絶縁スペーサ3を締結した例を述べたが、第2のタンクのフランジ61に、第2の締結材8により絶縁スペーサ3を締結してもよい。
また、本実施例では、ガス絶縁開閉装置についての例を述べたが、ガス絶縁母線に適用しても、本実施例と同様な効果を得ることができる。
次に、図5、図6及び図7を用いて、本発明のガス絶縁機器の実施例2を説明する。
図5は、本実施例のガス絶縁機器である図1に示したガス絶縁開閉装置における絶縁スペーサ3の締結部を示し、図6は、本実施例における第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を分割する場合の図5のB−B線に沿った断面図であり、図7は、本実施例における第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とする場合の図5のB−B線に沿った断面図である。
該図に示すように、本実施例の絶縁スペーサ3の締結部は、隣り合う第1のタンク5と第2のタンク6を締結するための第1のタンクのフランジ貫通穴52が、周方向に等間隔で設けられた第1のタンクのフランジ51を有する第1のタンク5と、隣り合う第1のタンク5と第2のタンク6を締結するためのアダプターフランジ貫通穴92及び絶縁スペーサ3をタンク1の内部で締結する袋ねじ穴93が、それぞれ周方向に等間隔で加工されたアダプターフランジ9と、隣り合う第1のタンク5と第2のタンク6を締結するための第2のタンクのフランジ貫通穴62が、周方向に等間隔で設けられた第2のタンクのフランジ61を有する第2のタンク6と、上記第1のタンクのフランジ貫通穴52と第2のタンクのフランジ貫通穴62及びアダプターフランジ貫通穴92を通し、第1のタンク5と第2のタンク6及びアダプターフランジ9を締結する例えば、ボルトとナットから成る第1の締結材7と、第1のタンクのフランジ51とアダプターフランジ9との間、アダプターフランジ9と第2のタンクのフランジ61との間、及びアダプターフランジ9と絶縁スペーサ3との間の気密性を保つシール10c、10d及び10eと、絶縁スペーサ3とアダプターフランジ9とを締結する例えば、ボルトから成る第2の締結材8とにより構成されている。
なお、アダプターフランジ9と絶縁スペーサ3の間に介在されているシール材10eは、袋ねじ穴93より内側に介在されている。
また、本実施例では、第1のタンクのフランジ貫通穴52と第2のタンクのフランジ貫通穴62、アダプターフランジ貫通穴92及び袋ねじ穴93は、周方向に等間隔で偶数個、本実施例では12箇所設けられている。また、本実施例では、絶縁スペーサ3は、周方向に等間隔で12個の絶縁スペーサ貫通穴32が設けられており、第2の締結材8を、全ての絶縁スペーサ貫通穴32に通し袋ねじ穴93に螺合することで、アダプターフランジ9に固定されている。このとき、絶縁スペーサ3を挟んで隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画は分割されている。
図5において、絶縁スペーサ3を挟んで隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一とする場合には、図7に示すように、アダプターフランジ9に加工された袋ねじ穴93を、更にドリル等で軸方向に追加で加工して追加貫通穴94を形成する。
この追加で加工して形成される追加貫通穴94の個数は、絶縁スペーサ3を機械的に支持するために必要な第2の締結材8の個数を、絶縁スペーサ貫通穴32の個数から引算した数となる。
本実施例においては、12個設けられた袋ねじ穴93のうち半数の6個に対して、袋ねじ穴93と追加貫通穴94が交互に配置されるように、追加貫通穴94を追加加工している。
追加貫通穴94を追加加工した後、6個の袋ねじ穴93と同数の第2の締結材8により絶縁スペーサ3をアダプターフランジ9に締結する。追加で加工して形成された貫通穴94とそれに重なる絶縁スペーサ貫通穴32が連通して、第1のタンク5と第2のタンク6とを繋ぐガス流路となり、両タンク間のガス区画を同一雰囲気とすることができる。
この時、追加貫通穴94が形成されていないアダプターフランジ9に設けられた袋ねじ穴93と絶縁スペーサ貫通穴32には、第2の締結材8が挿入されている。
このような本実施例によれば、第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とするにあたって、第1のタンク5と第2のタンク6の間を繋ぐガス配管を別に設ける必要がない。また、絶縁スペーサ3にガス流路を設ける必要がないから、絶縁スペーサ3の絶縁材35に貫通穴を設けることによる機械的強度の低下がなくなる。
また、絶縁スペーサ3の中心導体34に貫通穴を設ける場合、その貫通穴の位置によっては、絶縁スペーサ3の中心導体34に取付される他の通電導体4がその貫通穴の外部からの視認性を悪くするため、絶縁スペーサ3の中心導体34に他の通電導体4が取り付けされた後では、その絶縁スペーサ3がガス流路を持つか否かを外観から識別することが難しく、絶縁スペーサ3を挟んで隣接するガス区画を分割とするか同一とするかを間違えて組立が進むリスクがある。
しかし、本実施例によれば、絶縁スペーサ3の中心導体34に対して他の通電導体4を取付した後でも、絶縁スペーサ3を締結する第2の締結材8が絶縁スペーサ貫通穴32と同じ数だけ取付されているか否かを確認するだけで、絶縁スペーサ3を挟んで隣接するガス区画が分割されているか否かの識別が可能であるため、上記のような誤組立のリスクを避けることが容易である。
そして、絶縁スペーサ3を挟んで隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とする場合には、アダプターフランジ9のガス空間中の領域のうち、追加貫通穴94を追加加工で形成する対象を袋ねじ穴93に限定することで、アダプターフランジ9のガス空間中の隙間101に追加貫通穴94を追加加工で形成する場合に比べて、アダプターフランジ9のガス空間中の隙間101を小さくすることができる。
このことにより、アダプターフランジ9のガス空間中の隙間101に追加貫通穴94を追加加工で形成する場合に比べて、第1のタンク5と第2のタンク6の内径を小さくしてタンク1の全体の大きさを小さくすることができ、また、絶縁スペーサ3の外径を大きくし、絶縁スペーサ3の絶縁性能の向上を図ることができる。
従って、本実施例によれば、絶縁スペーサ3を挟んで隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気とする場合と分割する場合とで、隣接する第1のタンク5と第2のタンク6間を繋ぐガス配管を別に設ける必要がないことは勿論、絶縁スペーサ3に特別なガス流路を設けることなく、隣接する第1のタンク5と第2のタンク6のガス区画を同一雰囲気としたり、分割したりすることが可能となる。
なお、本実施例では、第1のタンクのフランジ51に締結されたアダプターフランジ9に、第2の締結材8により絶縁スペーサ3を締結した例を述べたが、第2のタンクのフランジ61にアダプターフランジ9を締結し、このアダプターフランジ9に第2の締結材8により絶縁スペーサ3を締結してもよい。
また、本実施例では、ガス絶縁開閉装置についての例を述べたが、ガス絶縁母線に適用しても、本実施例と同様な効果を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換える事が可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加える事も可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をする事が可能である。
1…タンク、2…遮断器ユニット、3…絶縁スペーサ、4…通電導体、5…第1のタンク、6…第2のタンク、7…第1の締結材、8…第2の締結材、9…アダプターフランジ、10a、10b、10c、10d、10e…シール、32…絶縁スペーサ貫通穴、34…絶縁スペーサの中心導体、35…絶縁スペーサの絶縁材、51…第1のタンクのフランジ、52…第1のタンクのフランジ貫通穴、53、93…袋ねじ穴、54。94…追加貫通穴、61…第2のタンクのフランジ、62…第2のタンクのフランジ貫通穴、92…アダプターフランジ貫通穴、100…第1のフランジのガス空間中における第1のタンク及び第2のタンクの内径と絶縁スペーサの外径との間の隙間、101…アダプターフランジのガス空間中における第1のタンク5及び第2のタンクの内径と絶縁スペーサの外径との間の隙間。
Claims (7)
- 隣接して配置され、内部に絶縁ガスが封入されている第1のタンクと第2のタンクが、それぞれのフランジを介して又はそれぞれのフランジの間にアダプターフランジを介在させて接続され、前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジに絶縁スペーサが締結材により固定されているガス絶縁機器であって、
前記絶縁スペーサの周方向に所定間隔をもって複数の貫通穴が形成され、この前記絶縁スペーサの貫通穴のそれぞれに対向して、前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジの周方向に複数の袋ねじ穴が設けられ、
前記第1のタンクと前記第2のタンクのガス区画を分割する場合は、前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジに設けられた前記袋ねじ穴と前記絶縁スペーサの貫通穴の全てに締結材が挿入され、
一方、前記第1のタンクと前記第2のタンクのガス区画を同一雰囲気とする場合は、前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジに設けられた少なくとも1つの前記袋ねじ穴を更に軸方向に追加で加工して追加貫通穴とし、この追加貫通穴と前記絶縁スペーサの貫通穴が連通してガス流路が形成され、このガス流路を介して前記第1のタンクのガス区画と前記第2のタンクのガス区画が連通していることを特徴とするガス絶縁機器。 - 請求項1に記載のガス絶縁機器であって、
前記追加貫通穴が形成されていない前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジに設けられた前記袋ねじ穴と前記絶縁スペーサの貫通穴に締結材が挿入されていることを特徴とするガス絶縁機器。 - 請求項1又は2に記載のガス絶縁機器であって、
前記追加貫通穴の個数は、前記締結材の個数を、前記絶縁スペーサの貫通穴の個数から引算した数となることを特徴とするガス絶縁機器。 - 請求項3に記載のガス絶縁機器であって、
前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジ或いは前記アダプターフランジに設けられた前記袋ねじ穴は周方向に偶数個形成され、この偶数個形成された前記袋ねじ穴の半数に前記追加貫通穴を形成し、前記袋ねじ穴と前記追加貫通穴が周方向に交互に配置されていることを特徴とするガス絶縁機器。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガス絶縁機器であって、
前記第1のタンクと前記第2のタンクが、それぞれの前記フランジを介して接続されている構成では、前記第1のタンクのフランジと前記第2のタンクのフランジの間及び前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジと前記絶縁スペーサの間にシール材が介在され、
前記第1のタンクのフランジ又は前記第2のタンクのフランジと前記絶縁スペーサの間に介在されている前記シール材は、前記袋ねじ穴より内側に介在されていることを特徴とするガス絶縁機器。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガス絶縁機器であって、
前記第1のタンクと前記第2のタンクが、それぞれの前記フランジの間に前記アダプターフランジを介在させて接続されている構成では、前記アダプターフランジと前記第1のタンクのフランジの間及び前記第2のタンクのフランジの間、更には、前記アダプターフランジと前記絶縁スペーサの間にシール材が介在され、
前記アダプターフランジと前記絶縁スペーサの間に介在されている前記シール材は、前記袋ねじ穴より内側に介在されていることを特徴とするガス絶縁機器。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のガス絶縁機器であって、
前記ガス絶縁機器は、ガス絶縁開閉装置或いはガス絶縁母線であることを特徴とするガス絶縁機器。
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- 2019-02-15 JP JP2019025283A patent/JP2020137197A/ja not_active Ceased
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