JP2020130822A - 遊技機 - Google Patents

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充慶 後藤
Mitsuyoshi Goto
充慶 後藤
武臣 井本
Takeomi Imoto
武臣 井本
俊彦 鬼頭
Toshihiko Kito
俊彦 鬼頭
貴紀 澄川
Takanori Sumikawa
貴紀 澄川
大輔 薗田
Daisuke Sonoda
大輔 薗田
暢紘 鈴木
Nobuhiro Suzuki
暢紘 鈴木
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Abstract

【課題】可動体の位置を適切に補正する技術の提供。【解決手段】演出制御CPU126は、特別図柄の変動確定の2秒前に変動確定前補正処理を実行し、7セグ表示装置が原点にいるか否か、所定の予告演出に当選しているか否か、SPリーチ変動であるか否かを確認する。そして、7セグ表示装置が原点におらず(S950:Yes)所定の予告演出に当選しておらず(S952:Yes)SPリーチ変動でない場合には(S954:Yes)、7セグ表示装置補正処理を実行する(S956)。一方、所定の予告演出に当選しているか(S952:No)SPリーチ変動である場合には(S954:No)、変動確定前に所定の予告演出やSPリーチ演出の終了に伴い原点位置に戻されるため、敢えて補正処理は行わない。これにより、停止表示中に行われる各可動体の位置の補正処理に先行して7セグ表示装置を原点に戻すことができ、停止表示される図柄の視認性を確保できる。【選択図】図75

Description

本発明は、遊技の進行に伴い実行する演出に可動体を用いる遊技機に関する。
この種の遊技機においては、遊技中に可動体が想定される位置に存在するか否かを確認し、想定される位置に存在しない場合には可動体を想定される位置に移動させるのが一般的である。例えば、特別図柄の変動表示が終了する度に、各可動体に対応する可動体検出センサからの検出信号に基づいて各可動体が基準位置に存在するか否かを判断し、少なくとも一つの可動体が基準位置に存在しない場合には、存在しないと判断された各可動体を基準位置に移動させるよう制御する遊技機が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2011−55947号公報
上述した先行技術によれば、可動体が基準位置からずれて停止していることに起因して、特別図柄の変動表示が終了した後においては、可動体が他の演出手段による演出を妨害したり可動体が不自然な演出を行ったりすることを低減することができると考えられる。しかしながら、可動体が特別図柄の変動表示が終了する前にずれているとしても、そのずれは変動表示の終了前には補正されないため、特別図柄の変動表示が終了する前に可動体が想定外の動きをする虞がある。
そこで、本発明は、可動体の位置を適切に補正する技術の提供を課題とする。
本発明は、上述した課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、変位可能に設けられた複数種類の可動体と、抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、前記所定の抽選が実行されると、抽選結果に応じて決定された変動時間にわたり図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄表示手段と、図柄が停止表示されている間に少なくとも1つの前記可動体の補正を実行可能とし、複数種類のうち所定の可動体については図柄が変動表示されている間にも補正を実行可能とする位置補正手段とを備えたことを特徴とする。
本解決手段の遊技機では、例えば以下の流れで遊技が進行する。
(1)遊技盤面(遊技盤ユニット)には、変位可能に設けられた複数種類の可動体が設けられている。
(2)遊技球が発射されると、障害釘や風車、構造物等に案内されながら遊技領域内を流下し、その過程で何らかの領域を通過したり、各種の入球口に入球したりする。遊技球が始動領域(始動ゲート、始動入賞口)に通過/入球すると、抽選契機が発生する。
(3)遊技中に抽選契機が発生すると(始動入賞口に遊技球が入球すると)、所定の抽選(特別図柄抽選)が実行される。
(4)上記(3)で所定の抽選が実行されると、予め決定された変動時間にわたって図柄(特別図柄)が変動表示された後に停止表示される。図柄の停止表示態様は、所定の抽選の結果を表すものとなる。
(5)上記(4)の図柄が停止表示されている間には、上記(1)の複数種類の可動体(全ての可動体)について位置の確認がなされ、正常な位置に存在しない可動体に対しては位置の補正が行われる。また、所定の可動体については、図柄の停止表示中に加えて、図柄が変動表示されている間にも位置の確認がなされ、正常な位置に存在しない場合には位置の補正が行われる。つまり、図柄の停止表示中に実行される位置補正処理(位置確認を含む)は、複数種類の可動体に共通して実行される(複数種類の可動体に共通の処理である)のに対し、図柄の変動表示中に実行される位置補正処理(位置の確認を含む)は、所定の可動体のみに実行される(所定の可動体に専用の処理である)。
遊技機においては、図柄の変動表示に伴って様々な演出が実行されるのが一般的である。そして、それらの演出の一部として、可動体が変位したり、或いは一定の位置で所定の動作(例えば、振動)をしたりする。このとき、可動体の動作が正常に制御されていれば、可動体は想定される位置に存在しているため、他の演出手段(例えば、液晶表示器)による演出を妨害する等の想定外の動作に陥る心配はない。しかしながら、何らかの要因(例えば、他の部品との干渉による停止や、ドツキ行為により生じた位置のずれ等)により、可動体が想定される位置に変位できていない場合がありえ、そのような場合には想定外の動作に陥る虞がある。
このような事態への対策として、図柄が停止表示されている間に、全ての可動体を対象としてそれらの位置を補正する処理を実行することが考えられる。このタイミングで補正処理を実行することにより、図柄の停止表示が終了した後における各可動体の動作を想定される正しい位置から開始させることができる。しかしながら、このタイミングでの補正処理によっては、図柄の変動表示が終了する時(図柄の停止表示が開始される時)に可動体が想定外の動作に陥ることを未然に防ぐことはできない。
そこで、本解決手段においては、所定の可動体については、図柄が停止表示されている間に加え、図柄が変動表示されている間にも、補正処理を実行可能としている。本解決手段によれば、このタイミングでも所定の可動体に対し補正処理が実行されるため、図柄の変動表示が終了するまで(図柄が停止表示されるまで)の間に、所定の可動体を正しい位置に復帰させることができ、したがって、図柄の停止表示が開始される時点で、所定の可動体の正しい動作を想定外の動作に陥ることを未然に防ぐことができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、解決手段1において、図柄の変動表示に対応させて演出画像を表示しつつ、前記複数種類の可動体を前記演出画像が表示される領域の手前側を変位可能とする態様により変動演出を実行する変動演出実行手段をさらに備え、前記位置補正手段は、前記演出画像の表示位置との関係に基づいて前記所定の可動体の補正を実行可能とすることを特徴とする。
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(6)上記(4)の図柄の変動表示に対応させて、変動演出が実行される。変動演出においては、演出画像が表示されるとともに、演出画像が表示される領域(液晶表示器の画面)の手前側を上記(1)の複数種類の可動体が変位可能である。
(7)上記(5)の所定の可動体の位置の補正は、上記(6)の演出画像の表示位置との関係に基づいて実行されうる。
図柄の変動表示中には、液晶画面に演出画像が表示されるだけでなく、液晶画面の手前側の領域を可動体が変位可能とされている。そのため、可動体の変位の態様によっては、液晶画面を遮るような位置に出現する場合も考えられる。そのような変位が想定された通りの正しい動作であれば問題はないが、想定外の動作である場合には、液晶画面に表示される演出画像の手前側を可動体が遮ることで、演出画像の視認性が低下することになり、好ましくない。
また、液晶画面の手前側を変位する可動体についても、特に視認させたい可動体が想定された通りの正しい動作をしていれば問題はないが、そのような可動体が想定外の動作をした場合(例えば、想定とは異なり液晶画面との関係で視認しにくい位置に留まっている場合等)には、その可動体の視認性が低下することになり、やはり好ましくない。
これらの懸念に対し、本解決手段においては、演出画像の表示位置(液晶画面)との関係に基づいて所定の可動体の位置を補正する処理が実行される。したがって、本解決手段によれば、所定の可動体が想定外の動作をした場合でも、図柄が変動表示されている間に補正処理が実行され、図柄の変動表示が終了するまで(図柄が停止表示されるまで)の間に、所定の可動体を正しい位置に復帰させることができるため、図柄の停止表示が開始される時点での演出画像や所定の可動体の視認性の低下を未然に防止することができる。
本発明の遊技機によれば、可動体の位置を適切に補正することができる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 7セグ表示装置200及びその周辺を拡大して示す図である(1/2)。 7セグ表示装置200及びその周辺を拡大して示す図である(2/2)。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。 電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。 特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。 第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。 第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの一例を示す図である。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 終了処理の手順例を示すフローチャートである。 通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 通常モードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 ドライブモードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 ドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(1/2)。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(2/2)。 擬似変動演出の演出例を示す連続図である(1/2)。 擬似変動演出の演出例を示す連続図である(2/2)。 擬似変動演出のさらなる演出例を示す連続図である(1/3)。 擬似変動演出のさらなる演出例を示す連続図である(2/3)。 擬似変動演出のさらなる演出例を示す連続図である(3/3)。 スーパーリーチ演出の演出例を示す連続図である(1/5)。 スーパーリーチ演出の演出例を示す連続図である(2/5)。 スーパーリーチ演出の演出例を示す連続図である(3/5)。 スーパーリーチ演出の演出例を示す連続図である(4/5)。 スーパーリーチ演出の演出例を示す連続図である(5/5)。 大役中演出の例を部分的に示す連続図である(1/2)。 大役中演出の例を部分的に示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(1/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(2/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(3/3)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(1/2)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(2/2)。 擬似変動と擬似連変動の関係性を示す図である。 LED色変化演出の制御の流れを示す図である。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 LED色変化演出仮決定処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 LED色変化演出本決定処理の手順例を示すフローチャートである。 擬似変動演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 擬似変動演出に関する演出グループの一例を示す図である。 擬似変動演出に関する演出グループ内パターンの一例を示す図である。 擬似変動と演出パターンとの対応を示す図である。 変動確定前補正処理の手順例を示すフローチャートである。 所定のパターンによる切替予告演出の発生前後における7セグ表示装置200の動作態様を示す図である。 スーパーリーチ演出の発生前から特別図柄の停止までの7セグ表示装置200の動作態様を示す図である。 演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、CRユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、CRユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(CRユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図9)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒〜6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30(アタッカ)は、可変始動入賞装置28の下部に配置された装置であり、1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復して開閉動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4及び図5は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、特定領域31xに向かって下方に延びており、他方の第2通路31eは、排出孔31yに向かって下方に延びている。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図4中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出されている状態である。
図4中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図4中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が右側に変更され、第2通路31eに向かう。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図5中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図5中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図5中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって右方向に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図6は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータやソレノイド)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、液晶表示器42の下部には、7セグ表示装置200が配置されている。7セグ表示装置200には、3つの7セグメントLEDが配置されている。7セグ表示装置200は、特別図柄の変動中に7セグ演出図柄を変動表示したり、大当り遊技中の演出を表示したりする。また、7セグ表示装置200は、表示装置であると同時に、演出用の可動体としての役割も担っており、7セグ表示装置200には図示しない7セグ表示装置200用の駆動源(例えばモータやソレノイド)が付属している。7セグ表示装置200は、図3に図示された位置からの上下方向への変位や静止の他、振動や回転等の動作が可能に設けられている。なお、7セグ表示装置200の動作態様については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
さらに、7セグ表示装置200の右下には、記憶表示装置300が配置されている。記憶表示装置300は、内蔵するLEDの発光(点灯や消灯等)により記憶に関する演出を実行することができる。
記憶表示装置300には、第1特別図柄記憶表示領域M1、第2特別図柄記憶表示領域M2、当該記憶表示領域X1、演出表示領域X2が設けられている。
第1特別図柄記憶表示領域M1には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第1特別図柄の記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数)に対応している。
第2特別図柄記憶表示領域M2には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第2特別図柄の記憶数(第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)に対応している。
当該記憶表示領域X1には、1つのフルカラーLEDが配置されており、LEDが点灯していることで、特別図柄が変動中であることを示している。
演出表示領域X2には、1つ又は複数のフルカラーLEDが配置されており、LEDの点灯色によって、特別図柄抽選の当選の期待度が高まることを示している。演出表示領域X2は、内部的に抽選されたLEDの色(保留色)と同じ色で点灯するため、遊技者に分かりやすい告知を行うことができる。
記憶の色変化演出を実行する場合、本来であれば対象となるLEDの点灯色を変化させるが、本実施形態では、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2に白色LEDを配置している。このため、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2では、色変化演出を実行することができない。このため、記憶の色変化演出を実行する場合、演出表示領域X2の点灯色を変化させることによって、色変化演出の代わりとしている。ただし、この場合、どの記憶が対象となっているか分かりづらくなるため、対象となるLEDは点滅表示させることが好ましい。
なお、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2にフルカラーLEDを配置して、色変化演出を実行するようにしてもよい。
〔7セグ表示装置の位置〕
図7及び図8は、7セグ表示装置200及びその周辺を拡大して示す図である。
7セグ表示装置200は、上述したように、可動体としての側面を有しており、原点の位置から上下方向や左右方向、前後方向に変位して静止したり、或いは振動(小刻みな動作)したり回転したりすることが可能である。なお、7セグ表示装置200の変位方向はその他(例えば斜め方向)でもよいし、変位に際して7セグ表示装置200が回転する態様であってもよい。
図7中(A):7セグ表示装置200が原点の位置に静止している状態を表している(以下、この位置を「通常位置」と称する場合がある。)。通常位置においては、7セグ表示装置200は、その下端部が転動ステージ40eの奥側に隠れているものの、7セグメントLEDの部分については概ね全体が転動ステージ40eの上方に現れている。したがって、通常位置にある7セグ表示装置200は、7セグメントLEDに表示されている内容を遊技者に視認させることができる。また、転動ステージ40eの手前側及び奥側を区画する壁部はいずれも半透明又は透明な部材で形成されているため、転動ステージ40eの奥側に隠れている7セグ表示装置200の下端部についても、これらの壁部を通してうっすらと(又は容易に)視認させることが可能である。
図7中(B):7セグ表示装置200が最大限まで下降した位置に静止している状態を表している(以下、この位置を「下降位置」と称する。)。下降位置においては、7セグ表示装置200は、ほぼ全体が転動ステージ40eの奥側に隠れている。したがって、下降位置にある7セグ表示装置200は、7セグメントLEDに表示されている内容を完全な状態で遊技者に視認させることは困難である。
図7中(C):7セグ表示装置200が最大限まで上昇した位置に静止している状態を表している(以下、この位置を「上昇位置」と称する。)。上昇位置においては、7セグ表示装置200は、ほぼ全体が転動ステージ40eの上方に現れている。したがって、上昇位置にある7セグ表示装置200は、7セグメントLEDに表示されている内容を遊技者により確実に視認させることができる。
図7中(D):7セグ表示装置200が上昇位置にて振動している状態を表している。この状態において、7セグ表示装置200は、ほぼ全体が転動ステージ40eの上方に現れているとともに、ガタガタと振動している。したがって、この状態の7セグ表示装置200は、7セグメントLEDに表示されている内容を遊技者により確実に視認させるとともに、振動により意外性や驚き等の演出の新鮮味を与えて遊技に対する期待感を抱かせることができる。
このように、7セグ表示装置200は、演出上で特別な変化が生じない場面では通常位置に静止している。これに対し、特別図柄の変動に伴う演出がスーパーリーチに発展した場合等には、7セグ表示装置200は、液晶表示器42の画面に表示されるスーパーリーチ演出の視認性を高めるために、下降位置に退避して静止する。また、演出の実行過程で遊技者を演出に注目させたい場面で実行される演出(例えば、予告演出等)の一部として、7セグ表示装置200は、上昇位置まで上昇し、静止したり振動したりする。
なお、演出の実行過程における7セグ表示装置200の動作例については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図9は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
演出制御装置124には、上記の7セグ表示装置200及び記憶表示装置300が接続されている。7セグ表示装置200及び記憶表示装置300による表示は、演出制御装置124(演出制御CPU126)により直接的に、或いは、不図示の制御装置を通じて間接的に、制御される。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57や可動体センサ58が接続されている。可動体モータ57は、複数のモータを内蔵しており、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fや7セグ表示装置200を駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。また、可動体センサ58は、複数のセンサを内蔵しており、各センサは可動体40fや7セグ表示装置200に対応している。各センサがそれぞれに対応する可動体を検出すると、検出信号がパネル電飾基板138を通じて演出制御装置124に入力される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図10及び図11は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図11に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図13中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図13中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図13)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図12は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図10)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図13は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図14は、スイッチ入力イベント処理(図13中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図13)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図15は、第1特別図柄記憶更新処理(図14中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図14)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図13中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図14)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図16は、第2特別図柄記憶更新処理(図14中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図14)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図15)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図13中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図15)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図15)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図15)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図15)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図14)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図17は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図15中のステップS37,図16中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図15中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図16中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図15)又は第2特別図柄記憶更新処理(図16)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図15中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図16中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図15)又は第2特別図柄記憶更新処理(図16)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図13)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図18は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が3ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば3回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で3回あれば、これらを「3ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、3ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として3ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図13中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、「2ラウンド大当り」、「3ラウンド大当り1,2」、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」が設けられている。「2ラウンド大当り」及び「3ラウンド大当り1,2」は特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始されるのに対し、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」は特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」のうち1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「3ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「3ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド大当り」は「第3当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り」は「第4当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「7ラウンド大当り」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「4ラウンド大当り」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが2ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、2ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、6ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
このように、本実施形態では、いずれの当選図柄に該当しても、大当り遊技終了後には、「時間短縮状態」に移行する。なお、複数ある当選図柄のうち一部の当選図柄に限って「時間短縮状態」に移行するようにしてもよい。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図19は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図13中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する(第2抽選優先実行手段)。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数等)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す(いわゆる優先消化)。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば(第1特別図柄のみが該当)、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図13中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図20は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図19中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する作動記憶が残存しているか否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が1以上である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が0である場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図19)に復帰する。
〔図19:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は同一の319分の1に設定され、小当りに当選する確率は6分の1に設定されている。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図13中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
変動パターンには、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターン等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよく、変動開始時作動記憶数に関わらずに共通のテーブル内容としてもよく、当選時には当選種類に応じたテーブル内容としてもよい。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば変動開始時作動記憶数に応じて3.0秒〜29.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はそれよりも長い変動時間(例えば30.0秒〜150.0秒程度)に対応するものである。
変動パターンは、擬似連続予告演出(擬似連)が実行される変動パターンである場合もある。擬似連続予告演出とは、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄が擬似的に1回又は複数回変動する演出である。
ここで、擬似1の変動(擬似1:1回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動であり、擬似2の変動(擬似2:2回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動である。また、擬似3の変動(擬似3:3回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動であり、擬似4の変動(擬似4:4回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が4回実行される変動である。
また、変動パターンは、擬似変動が実行される変動パターンである場合もある。擬似変動とは、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄が擬似的に1回又は複数回変動する演出である。
ここで、1回目の擬似変動とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動であり、2回目の擬似変動とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動であり、3回目の擬似変動とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動である。
1回目の擬似変動〜3回目の擬似変動に関しては、変動パターンを別に設けずに、共通の変動パターンとすることもできる。
例えば、主制御装置が14秒の変動パターンを選択した場合、演出制御装置で、「6.5秒の1回目の擬似変動+1.0秒の仮停止+6.5秒の2回目の擬似変動」とすることもでき、最初から高速スクロールを継続して14秒頃に、左右中と演出図柄が停止するような単なる14秒変動とすることもできる。
また、主制御装置が21.5秒の変動パターンを選択した場合、演出制御装置で、「6.5秒の1回目の擬似変動+1.0秒の仮停止+6.5秒の2回目の擬似変動+1.0秒の仮停止+6.5秒の3回目の擬似変動」とすることもでき、「6.5秒の1回目の擬似変動+1.0秒の仮停止+14.0秒の2回目の擬似変動」とすることもできる。
なお、擬似変動は、はずれ時の変動でなく、当選時の変動にも導入するようにすることが好ましい。ただし、全ての変動に導入しなくてもよい。
さらに、変動パターンは、擬似連続予告演出(擬似連)と擬似変動とが複合して実行される変動パターンである場合もある。この場合、1〜3回目のいずれかの擬似変動が実行された後に擬似1〜4のいずれかの擬似連続予告演出(擬似連)が実行される。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」だけである。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図21は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「99」,「1」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の99(=99%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の1(=1%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく1〜5回であってもよく、7回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「6回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が6回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
また、「100回(又は104回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が100回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が104回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図22は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の100(=100%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。
〔図19:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第2当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、主制御CPU72は、非時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグをOFF(00H)にリセットし、時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグの値をON(01H)にセットする。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。3種類の内訳は、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第4当選図柄」であれば、「第4当選図柄A」、「第4当選図柄B」、「第4当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図23は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「14」,「36」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の14(=14%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の36(=36%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第4当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」又は「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄〜第6当選図柄」に該当した場合(第4当選図柄〜第6当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図19:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図18:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図19中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図24は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図18中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回又は100回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値は規定の数値(例えば10回又は104回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第2回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回)に設定される。このため、時間短縮状態で6回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で6回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で4回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば6回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
〔表示出力管理処理〕
次に図25は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図13中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応する表示ランプ38a,38b,38cの組み合わせである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、表示ランプ38a,38b,38cの全てのランプ)に対する点灯信号を生成する。また、連続作動回数ステータスの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、ランプ38aのみ)に対する点灯信号を生成する。3つの表示ランプ38a,38b,38cでは、6通りの点灯パターンを表示することができるので、本実施形態の5種類の大当りに対応させることができる。なお、ラウンド数に対応する点灯パターンの詳細は、遊技者に明確に伝達しておくために、表示ランプ38a,38b,38cの周辺に表示しておくことが好ましい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図26は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図27は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図28は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図29は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は2ラウンドであり、その内の2ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から2ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に2ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図28:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド〜最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、3ランド大当り(第1当選図柄及び第2当選図柄)に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、3ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「3ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「3ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図27)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図30は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図31は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図30:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図27)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図32は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図26)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図33は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図30中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310〜ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図30中)のステップS5265)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図26)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310〜ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図32)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図34は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図33)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図33)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図35は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該等した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第4当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄〜第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄〜第6当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第4当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第4当選図柄」〜「第6当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、本実施形態では、「第4当選図柄」〜「第6当選図柄」に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、必ず時間短縮状態に移行させているが、例えば、特定の当選図柄だけ時間短縮状態に移行させるようにしてもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図33)に復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図36は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下、第5当選図柄、第6当選図柄においても同様)。また、9ラウンドのうち9ラウンド分が出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は7ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は6ラウンド)であり、その内の6ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から7ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に6ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は4ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は3ラウンド)であり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒であり、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、2ラウンド目から4ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図37は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図28中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図35中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380〜ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図28中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図35中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図26)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380〜ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図32)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図38は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図26中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図30中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図26中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図39は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図19中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図35中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば6回(又は10回)、100回(又は104回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「6」又は「100」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」又は「104」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図18中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図40は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「低確率非時間短縮状態」であり、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「低確率時間短縮状態」であり、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、普通図柄の当選確率は「高確率状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、通常モード(非時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図41は、通常モードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図42は、ドライブモードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。なお、ドライブモードは、非時間短縮状態である場合もある。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その4)〕
図43は、ドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、第2特別図柄抽選で当選した場合は、通常モード(非時間短縮状態)に滞在していても、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及び7セグ表示装置200の表示態様について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、7セグメントLED等による記号的な図案であり、「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、7セグ表示装置200に、7セグ演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」〜「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
7セグ表示装置200に表示される7セグ演出図柄には、例えば左側の7セグ演出図柄、中央の7セグ演出図柄、右側の7セグ演出図柄の3つが含まれており、これらは7セグ表示装置200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」〜「9」が表示されている。ここで、各7セグ演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図44及び図45は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図44中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の上部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の上部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
7セグ表示装置200では、7セグ演出図柄がはずれの態様(「4」−「6」−「7」)で停止表示されている。このとき、7セグ表示装置200は、通常位置に静止しているため、7セグ表示装置200の下端部は転動ステージ40eの奥側に隠れている。なお、以降に図示する演出例においては、7セグ表示装置200のうち隠れている部分(直接的に視認することができない部分)を破線で示すこととする。
また、記憶表示装置300では、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが4つとも点灯しているため、第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが全て消灯しているため、第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図44中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。なお、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動表示、及び、液晶表示器42の演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している(以下、同様)。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、低確率非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、特別図柄の変動表示中において、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が4個から3個に減少する。これにより、第1特別図柄の記憶が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
また、変動開始前は、当該記憶表示領域X1のLEDは点灯していないが、変動開始後は、当該記憶表示領域X1のLEDが点灯し、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで点灯し続ける。
〔左演出図柄停止〕
図44中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔右演出図柄停止〕
図45中(D):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図45中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは、ともに「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、当該記憶表示領域X1のLEDが消灯する。これにより、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔擬似変動の演出例1〕
図46及び図47は、特別図柄の変動表示中に実行される擬似変動演出の演出例を示す連続図である。ここでは、特別図柄が1回変動する間に擬似変動が3回実行される場合の流れを例に挙げて説明する。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔擬似変動1回目〕
図46中(A):第1特別図柄の変動開始に略同期して、7セグ表示装置200に表示されている7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに液晶表示器42の画面右上に表示されている演出図柄Hzがスクロール変動することで、変動表示演出が開始される。また、演出図柄Hzの変動表示中には、液晶表示器42の画面右上で第4図柄Z1が変動表示され、記憶表示装置300で当該記憶表示領域X1のLEDが点灯する。
このとき、液晶表示器42の画面には、野良猫のキャラクターが横断歩道を左側から右側に向かって横切っていく様子を表した背景画像が表示されるとともに、画面の左下部には、「街中」との文字が表示されている。この背景画像は、例えば図44及び図45に示した「公園」の背景画像を出発点として場面が一部遷移したものであり、遊技の状態が通常モード(公園モード)であることを表している。また、この画面表示に連動して、スピーカ54,55,56(以下、単に「スピーカ」と称する場合がある。)からは、「BGM1−1」というパターン番号により識別されるBGM(背景音楽)が再生される。
〔擬似停止1回目〕
図46中(B):少し経過すると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzがはずれの態様(例えば、「1」−「5」−「6」)で仮停止されるが、第1特別図柄及び第4図柄Z1は依然として変動表示されており、当該記憶表示領域X1のLEDも点灯し続けている。なお、仮停止状態の7セグ演出図柄は停止状態と異なる態様で表示(例えば全体又は一部が明滅表示や点滅表示)でもよいし、液晶表示器42の演出図柄Hzについては、変動表示を継続してもよい(以下、同様)。
このとき、液晶表示器42の画面には、引き続き野良猫のキャラクターが横断歩道を左側から右側に向かって横切っていく様子を表した背景画像が表示されるとともに、画面の左下部には「街中」との文字が表示されているが、時間の経過に伴って、野良猫のキャラクターの位置が直前よりも右側に移動している。また、この画面表示に連動して、スピーカからは、引き続き「BGM1−1」というパターン番号により識別されるBGMが再生されている。
〔擬似変動2回目〕
図46中(C):仮停止されていた7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzが再び変動表示を開始する。
このとき、液晶表示器42の画面が切り替わり、今度は野良猫のキャラクターがブロック塀の上を左側から右側に向かって歩いていく様子を表した背景画像が表示されるが、画面の左下部には、直前の場面(横断歩道)と同様に「街中」との文字が表示されている。また、この画面の切り替わりに連動して、スピーカからは、「BGM1−2」というパターン番号により識別されるBGMが再生される。
〔擬似停止2回目〕
図47中(D):再変動を開始してから少し経過すると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzがはずれの態様(例えば、「2」−「7」−「8」)で仮停止されるが、第1特別図柄及び第4図柄Z1は依然として変動表示されており、当該記憶表示領域X1のLEDも点灯し続けている。
このとき、液晶表示器42の画面には、引き続き野良猫のキャラクターがブロック塀の上を左側から右側に向かって歩いていく様子を表した背景画像が表示されるとともに、画面の左下部には「街中」との文字が表示されているが、時間の経過に伴って、野良猫のキャラクターの位置が直前よりも右側に移動している。また、この画面表示に連動して、スピーカからは引き続き「BGM1−2」というパターン番号により識別されるBGMが再生されている。
〔本変動(擬似変動3回目)〕
図47中(E):仮停止されていた7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzが再び変動表示を開始する。
このとき、液晶表示器42の画面が再び切り替わり、今度は野良猫のキャラクターが空き地に並べられた土管の上に寝そべっている様子を表した背景画像が表示されるが、画面の左下部には、直前の場面(ブロック塀)と同様に「街中」との文字が表示されている。また、この画面の切り替わりに連動して、スピーカからは、「BGM1−3」というパターン番号により識別されるBGMが再生される。
〔確定〕
図47中(F):再変動を開始してから少し経過すると、第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzは、いずれもはずれの態様(例えば、「4」−「1」−「5」)で停止表示される。また、第4図柄Z1もはずれの態様(例えば白表示色)で停止表示され、当該記憶表示領域X1のLEDは消灯する。
このとき、液晶表示器42の画面には、引き続き野良猫のキャラクターが空き地に並べられた土管の上に寝そべっている様子を表した背景画像が表示されるとともに、画面の左下部には「街中」との文字が表示されているが、時間の経過に伴って、直前には欠伸をしていた野良猫のキャラクターがここでは寝入っている。また、この画面表示に連動して、スピーカからは引き続き「BGM1−3」というパターン番号により識別されるBGMが再生されている。
以上のように、特別図柄が1回変動する間に擬似変動が3回実行される場合には、3回目、すなわち最後の擬似変動が本変動となり、本変動(3回目の擬似変動)の停止をもって図柄が確定する。また、擬似変動の3回の実行に伴って場面が2回切り替わる。そして、2回の場面の切り替えに連動して、液晶表示器42の画面には、全部で3種類の背景画像(上記の演出例では、「横断歩道」→「ブロック塀」→「土管」の3種類)が表示され、スピーカからは、全部で3種類のBGM(上記の演出例では、「BGM1−1」→「BGM1−2」→「BGM1−3」の3種類)が再生される。
これらの背景画像やBGMは、いずれも「街中」という同じグループに属しており、「街中」の中で、「横断歩道(BGM1−1)」→「ブロック塀(BGM1−2)」→「土管(BGM1−3)」という場面切り替えがなされている。このようにして、擬似変動が行う毎に場面(背景画像、BGM)を切り替えることにより、あたかも特別図柄が何度も変動しているかのように見せることができる。したがって、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzがはずれの態様で停止表示(仮停止または確定)されるとしても、特別図柄が次々と変動しているような印象(実際の回転数より多く回転しているような印象)を遊技者に与えることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めて遊技意欲を持続させることが可能となる。
〔擬似変動の演出例2〕
図48〜図50は、擬似変動演出のさらなる演出例を示す連続図である。ここでも、特別図柄が1回変動する間に擬似変動が3回実行される場合の流れを例に挙げて説明する。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔擬似変動1回目〕
図48中(A):第1特別図柄の変動開始に略同期して、7セグ表示装置200に表示されている7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに液晶表示器42の画面右上に表示されている演出図柄Hzがスクロール変動することで、変動表示演出が開始される。また、演出図柄Hzの変動表示中には、液晶表示器42の画面右上で第4図柄Z1が変動表示され、記憶表示装置300で当該記憶表示領域X1のLEDが点灯する。
このとき、液晶表示器42の画面には、野良猫のキャラクターが横断歩道を左側から右側に向かって横切っていく様子を表した背景画像が表示されるとともに、画面の左下部には、「街中」との文字が表示されている。この背景画像は、例えば図44及び図45に示した「公園」の背景画像を出発点として場面が一部遷移したものであり、遊技の状態が通常モード(公園モード)であることを表している。また、この画面表示に連動して、スピーカからは、「BGM1−1」というパターン番号により識別されるBGMが再生される。
〔擬似停止1回目〕
図48中(B):少し経過すると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzがはずれの態様(例えば、「1」−「5」−「6」)で仮停止されるが、第1特別図柄及び第4図柄Z1は依然として変動表示されており、当該記憶表示領域X1のLEDも点灯し続けている。
このとき、液晶表示器42の画面には、引き続き野良猫のキャラクターが横断歩道を左側から右側に向かって横切っていく様子を表した背景画像が表示されるとともに、画面の左下部には「街中」との文字が表示されているが、時間の経過に伴って、野良猫のキャラクターの位置が直前よりも右側に移動している。また、この画面表示に連動して、スピーカからは、引き続き「BGM1−1」というパターン番号により識別されるBGMが再生されている。
〔擬似変動2回目〕
図48中(C):7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzが仮停止された直後(仮停止されたことを視認可能な程度の短時間が経過した後、例えば仮停止から0.5秒後)に、仮停止されていた7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzが再び変動表示を開始する。
〔切替演出〕
このとき、液晶表示器42の画面には、依然として横断歩道の背景画像が表示され、画面の左下部には「街中」との文字が表示されているが、この背景画像を瞬間的に白くフラッシュさせる(光らせる)とともに、7セグ表示装置200を瞬間的に上昇位置まで上昇させてガタガタと振動させる態様により、切替演出が実行される。なお、切替演出に連動して、その時点でスピーカから再生されているBGMの音量をフェードアウトさせてもよい(以下、同様)。
図49中(D):切替演出が実行された直後に液晶表示器42の画面が切り替わり、今度は野良猫のキャラクターが消波ブロックが所狭しと設置された浜辺の道を散歩している様子を表した背景画像が表示される。また、画面の左下部には、直前の場面(横断歩道)とは異なり、今度は「浜辺」との文字が表示されている。この背景画像は、直前までの「街中」を示す背景画像から場面が遷移したものであって「公園」の背景画像の延長上にあり、やはり遊技の状態が通常モード(公園モード)であることを表している。そして、この画面の切り替わりに連動して、スピーカからは、「BGM2−1」というパターン番号により識別されるBGMが再生される。このとき、7セグ表示装置200は通常位置に戻されて静止している。
〔擬似停止2回目〕
図49中(E):再変動を開始してから少し経過すると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzがはずれの態様(例えば、「2」−「7」−「8」)で仮停止されるが、第1特別図柄及び第4図柄Z1は依然として変動表示されており、当該記憶表示領域X1のLEDも点灯し続けている。
このとき、液晶表示器42の画面には、引き続き野良猫のキャラクターが消波ブロックが所狭しと設置された浜辺の道を散歩している様子を表した背景画像が表示されるとともに、画面の左下部には「浜辺」との文字が表示されているが、時間の経過に伴って、野良猫のキャラクターの位置が直前よりも海側に移動している。また、この画面表示に連動して、スピーカからは引き続き「BGM2−1」というパターン番号により識別されるBGMが再生されている。
〔本変動(擬似変動3回目)〕
図49中(F):仮停止されていた7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzが再び変動表示を開始する。
このとき、液晶表示器42の画面が再び切り替わり、今度は野良猫のキャラクターが砂浜でビーチパラソルの下でくつろいでいる様子を表した背景画像が表示されるが、画面の左下部には、直前の場面(消波ブロック)と同様に「浜辺」との文字が表示されている。また、この画面の切り替わりに連動して、スピーカからは、「BGM2−2」というパターン番号により識別されるBGMが再生される。
〔確定〕
図50中(G):再変動を開始してから少し経過すると、第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzは、いずれもはずれの態様(例えば、「7」−「6」−「7」)で停止表示される。また、第4図柄Z1もはずれの態様(例えば白表示色)で停止表示され、当該記憶表示領域X1のLEDは消灯する。
このとき、液晶表示器42の画面には、引き続き野良猫のキャラクターが砂浜でビーチパラソルの下でくつろいでいる様子を表した背景画像が表示されるとともに、画面の左下部には「浜辺」との文字が表示されているが、時間の経過に伴って、直前には足を組んでいた野良猫のキャラクターがここでは近寄ってきたカニのキャラクターに体をつままれて飛び上がっている。また、この画面表示に連動して、スピーカからは引き続き「BGM2−2」というパターン番号により識別されるBGMが再生されている。
〔次変動の開始〕
図50中(H):第1特別図柄の変動開始に略同期して、7セグ表示装置200に表示されている7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに液晶表示器42の画面右上に表示されている演出図柄Hzがスクロール変動することで、次変動に伴う新たな変動表示演出が開始される。これに伴い、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が直前の1個から0個に減少する。また、演出図柄Hzの変動表示中には、液晶表示器42の画面右上で第4図柄Z1が変動表示され、記憶表示装置300で当該記憶表示領域X1のLEDが点灯する。
〔切替演出〕
このとき、液晶表示器42の画面には、依然として砂浜の背景画像が表示され、画面の左下部には「浜辺」との文字が表示されているが、この背景画像を瞬間的に白くフラッシュさせることで、切替演出が実行される。なお、ここでの切替演出は、上記の図48中(C)における場合とは異なるパターンにより実行されており、7セグ表示装置200は、変位も振動もすることなく通常位置に留まっている。
図50中(I):切替演出が実行された直後に液晶表示器42の画面が切り替わり、今度は野良猫のキャラクターが鉄格子の中に閉じ込められて大粒の涙を流している様子を表した背景画像が表示される。また、画面の左下部には、直前の場面(砂浜)とは異なり、今度は「収容所」との文字が表示されている。この背景画像は、直前までの「浜辺」を示す背景画像から場面が遷移したものであって「公園」の背景画像の延長上にあり、やはり遊技の状態が通常モード(公園モード)であることを表している。そして、この画面の切り替わりに連動して、スピーカからは、「BGM3−1」というパターン番号により識別されるBGMが再生される。
この後も、引き続き変動表示演出が実行される。そして、最終的に、第1特別図柄が非当選(はずれ)又は当選の態様の態様で停止表示される。
以上のように、この演出例においては、場面が、擬似変動の3回の実行に伴って2回切り替わり、次変動の開始に伴ってさらに1回切り替わっており、場面の切り替えが合計3回発生している。そして、3回の場面の切り替えに連動して、液晶表示器42の画面には、全部で4種類の背景画像(上記の演出例では、「横断歩道」→「消波ブロック」→「砂浜」→「鉄格子」の4種類)が表示され、スピーカからは、全部で4種類のBGM(上記の演出例では、「BGM1−1」→「BGM2−1」→「BGM2−2」→「BGM3−1」の4種類)が再生される。
擬似変動を行う毎に場面(背景画像、BGM)を切り替えることにより、あたかも特別図柄が何度も変動しているかのように見せることができ、特別図柄が次々と変動しているような印象(実際の回転数より多く回転しているような印象)を遊技者に与えて、遊技者の遊技に対する期待感を高めるとともに遊技意欲を持続させることが可能となる。
ところで、上記の場面のうち、「横断歩道」の背景画像が表示されている画面には「街中」との文字が表示され、「消波ブロック」及び「砂浜」の背景画像が表示されている画面には「浜辺」との文字が表示され、「鉄格子」の背景画像が表示されている画面には「収容所」との文字が表示されている。画面に表示されたこれらの文字は、上記の場面のうち、「横断歩道(BGM1−1)」が「街中」というグループに属し、「消波ブロック(BGM2−1)」及び「砂浜(BGM2−2)」が「浜辺」というグループに属し、「鉄格子(BGM3−1)」が「収容所」というグループに属していることを示している。
そして、この演出例においては、切替演出が実行される場合には、その前後で各場面の属するグループが変化しているのに対し、切替演出が実行されない場合には、その前後で各場面の属するグループは変化していない。
具体的には、画面左下に表示される文字は、切替演出が実行された図48中(C)までは「街中」であったが、実行後の図49中(D)では「浜辺」に変化している。また、切替演出が再び実行された図50中(H)までは「浜辺」であったが、実行後の図50中(I)では「収容所」に変化している。これに対し、例えば、図49中(E)での「消波ブロック」の背景画像から図49中(F)での「浜辺」の背景画像に切り替わる際には切替演出が実行されていないが、この場合には、切り替えの前後の各場面において、いずれも画面左下には同じ「浜辺」の文字が表示されている。
見方を変えると、この演出例においては、同一グループ内で場面の切り替えが行われる場合には切替演出は実行されず、グループを跨いだ場面の切り替え(異なるグループに属する場面への切り替え)が行われる場合には切替演出が実行される、と捉えることもできる。
グループを跨いでの場面切り替えは、同一グループ内での場面切り替えと比較して、背景画像やBGMの変化の度合いが大きく、液晶表示器42の画面表示やスピーカからの再生内容ががらりと変化する。したがって、こうした大きな場面の変化と連動させて切替演出を実行することにより、何らかの特別な展開が生じたのではないか、と遊技者に思わせることができ、遊技者を一段と遊技に惹きつけることが可能となる。
なお、この演出例では、切替演出が背景画像を瞬間的に白くフラッシュさせる態様により実行されているが、切替演出の態様はこれに限定されず、演出抽選により複数種類の中から決定された態様により実行することが可能である。
また、上記の2つの演出例では、発明の理解を容易とするために、特別図柄の1回の変動中に3回の擬似変動が実行される場合を説明しているが、擬似変動の回数は3回に限定されず、3回より多くても少なくてもよい。また、上記の2つの演出例では、いずれも特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合における擬似変動演出の流れを説明したが、変動表示中に擬似変動演出が実行された末に特別図柄が当選の態様で停止表示される場合もある。
なお、擬似変動演出を実行する上での具体的な制御方法や、擬似変動演出の実行中に場面毎に切り替えられる背景画像やBGMを分類するグループについては、別の図を参照しながら詳しく後述する。
〔スーパーリーチの演出例〕
図51〜図55は、特別図柄の変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の演出例を示す連続図である。なお、ここでは大当り時に実行されるスーパーリーチ演出の流れを説明するが、スーパーリーチ演出は大当り時だけでなくはずれ時においても割合は比較的低いが実行される。また、ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
また、以下の演出例は、擬似変動が実行された後に擬似連続予告演出(擬似連)が実行される演出例である。
図51中(A):第1特別図柄の変動開始に略同期して、7セグ表示装置200及び液晶表示器42において変動表示演出が開始される。なお、ここでは背景画像が「公園」のままとなっているが、上述した「街中」等の背景画像に遷移する態様であってもよい。
図51中(B):7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄がはずれの態様で仮停止される(「1」−「2」−「3」)。ただし、特別図柄及び第4図柄Z1は、変動中の状態である。
図51中(C):仮停止されている7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄が再変動を開始する。
〔LED色変化演出〕
ここでは、LED色変化演出が実行されている。具体的には、再変動の開始時に、当該記憶表示領域X1のLED、及び、演出表示領域X2のLEDが「青色」で点灯する演出が実行されている。また、LED色変化演出を実行する場合には、液晶表示器42においてLED色変化演出が実行されることを強調する強調演出を実行してもよい(以下、同様)。図示の例では、「色変化するよ」という台詞を発するキャラクターが表示されている。
図52中(D):7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄がはずれの態様で仮停止される(「4」−「5」−「6」)。ただし、特別図柄及び第4図柄Z1は、変動中の状態である。
図52中(E):仮停止されている7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄が再変動を開始する。
〔LED色変化演出〕
ここでは、LED色変化演出が実行されている。具体的には、再変動の開始時に、当該記憶表示領域X1のLED、及び、演出表示領域X2のLEDが「緑色」で点灯する演出が実行されている。ここでも、液晶表示器42においてLED色変化演出が実行されることを強調する強調演出が実行されている。
〔擬似連続予告演出〕
図52中(F):ここで、擬似連続予告演出(擬似連)が実行される。
図示の例では、液晶表示器42の中央に、擬似連図柄が停止される演出が実行されている(擬似連継続演出)。擬似連図柄は、楕円の図形と、その中央部分に表示された「NEXT」の文字情報によって構成されている。
また、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄がはずれの態様で仮停止される(「7」−「7」−「8」)。ただし、特別図柄及び第4図柄Z1は、変動中の状態である。なお、「仮停止される」とは、「所定の停止態様で停止されること」を含む意味である。
図53中(G):仮停止している演出図柄を再変動させる演出が実行される。
擬似連続予告演出は、演出図柄が再変動した回数に応じて大当りの期待度が高まる演出である。画面左上には、擬似的な変動回数を示す「×2」の文字情報が表示されている。なお、演出図柄を仮停止させて再変動させている間は、第1特別図柄は変動中の状態である。
〔LED色変化演出〕
ここでは、LED色変化演出が実行されている。具体的には、再変動の開始時に、当該記憶表示領域X1のLED、及び、演出表示領域X2のLEDが「赤色」で点灯する演出が実行されている。ここでも、液晶表示器42においてLED色変化演出が実行されることを強調する強調演出が実行されている。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図53中(H):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図53中(I):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先のリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図54中(J):変動表示演出の中期にさしかかると、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図54中(K):そして、次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄が変動を停止する。この例では、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、7セグ表示装置200及び液晶表示器42において、「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される。なお、液晶表示器42の演出図柄Hzに関しては、明確なリーチ状態を発生させずに、「変動中」−「変動中」−「変動中」の表示状態としてもよい。
図54中(L):リーチ状態の発生に伴い、スーパーリーチ演出が開始される。これに伴い、7セグ表示装置200が下降位置まで下降して静止するため、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄は直接的には視認できない状態となるが、液晶表示器42の画面はより広い領域を視認可能となり、画面で実行されるスーパーリーチ演出を見易くすることができる。
〔リーチ発生後予告演出〕
リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図55中(M):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。このとき、7セグ表示装置200は、引き続き下降位置で静止している。
図55中(N):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。このとき、7セグ表示装置200は、やはり下降位置で静止している。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図55中(O):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。このとき、このとき、7セグ表示装置200は、既に通常位置に戻って静止している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄が変動を停止する。この例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「7」を示す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「7」以外の数字を示す演出図柄が停止され、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の表示態様(表示色)は、リーチ演出が開始された等の所定の契機が発生した時点で通常の表示態様に戻すようにしてもよく、所定の契機が発生しても表示態様を維持するようにしてもよい。
〔大役中演出〕
図56及び図57は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図56中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図56中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、3つの○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの2つの○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは3ラウンドであること、現在のラウンドがその3ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
ここで、「○印」の数は、当選図柄に応じて増加する。例えば、当選図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」であるが、当選図柄が「第3当選図柄」である場合には、「○印」の数は「2個」である。また、当選図柄が「第4当選図柄」である場合には、「○印」の数は「9個」であり、当選図柄が「第5当選図柄」である場合には、「○印」の数は「6個」であり、当選図柄が「第6当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」である。
〔3ラウンド目〕
図56中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、3ラウンド目に移行すると、例えば、3つの全ての○印が赤色で表示される。これにより、この3ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図57中(D):そして、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図57中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面左上に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行してもよく、時間短縮状態の開始時にだけ実行してもよい。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、液晶表示器42の画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り10回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算され、非時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図58〜図60は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図58中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。7セグ表示装置200に表示された7セグ演出図柄の組み合わせは「7」−「7」−「7」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」−「7」−「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図58中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶が1つ貯まっている(第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが1個点灯している)。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図58中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して4個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶が4個貯まる(第2特別図柄表示領域M2のLEDが4つとも点灯する)。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り10回のままである。
図59中(D):第2特別図柄の記憶は、第1特別図柄の記憶よりも優先して消化されるため、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図59中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「5」−「2」−「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」−「2」−「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り9回となっている。
図59中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図60中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図60中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記図56中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図61及び図62は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動ではずれとなりながらも、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の変動開始前は、第2特別図柄の記憶が4個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り4回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図61中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても普通図柄抽選にて当選する確率は低い。このため、可変始動入賞装置28が開放状態に移行することは困難であり、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で4回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図61中(B):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「2」−「2」−「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」−「2」−「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り3回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図61中(C):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図62中(D):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第4当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図62中(E):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記図56中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。
図63は、擬似変動と擬似連変動の関係性を示す図である。
ここで、「確定」とは、特別図柄の停止表示(図柄確定)や演出図柄の停止表示のことを意味している。
「本変動」とは、先読み変動(当該変動の前の変動)や、当該変動(先読みの対象となる変動)の最後の擬似変動のことであり、予告演出が出現しやすい区間である。
「擬似停止」とは、演出図柄を仮停止することを意味しており、擬似変動において実際の変動が確定したかのように見せることができる。
「擬似変動」とは、特別図柄による1回の図柄変動内で演出図柄による複数回の変動が行われているように見せる変動である。擬似変動の演出態様は、いわゆる通常時に最も出現するガセ変動(演出図柄の変動が開始して停止するのみの変動、単なるはずれ変動)と同様の見せ方となる。
「先読み擬似変動」とは、先読み中に行われる擬似変動である。
「擬似連」とは、擬似連続予告演出のことであり、専用の継続演出から発展する。擬似連の回数は、擬似連継続演出によって区切られ、擬似連2回目(擬似2)、擬似連3回目(擬似3)は、本変動によって構成される。擬似連1回目は、擬似変動と本変動を含めたものとなるが、擬似連1回目は、後続に擬似連2回目、擬似連3回目がある場合のみに存在するものとしてもよい。なお、後続に擬似連2回目、擬似連3回目がない場合は、当該変動とすることができる。また、擬似連2回目(擬似2)や擬似連3回目(擬似3)に、擬似変動を含めるようにしてもよい。
〔擬似連と擬似変動の違い〕
擬似連は、継続回数(連続回数)で当選の信頼度を向上させるように見せるのが目的であるのに対し、擬似変動は、当選の信頼度向上の有無に関わらず、1回の変動内に複数回の変動が行われているように見せるのが目的となっている。擬似変動によって、回転数が少ない(回らない)という体感を軽減させることができる。
そして、図中(A)は、「擬似変動1回→本変動」となる記憶1の先読み変動(当該変動の1つ前の変動)が実行され、「擬似変動2回→本変動」となる記憶0の当該変動(先読みの対象となる当該変動)が実行される例である。
具体的に、先読み変動では、最初に、1回目の先読み擬似変動が実行され、次に、1回目の擬似停止が実行され、さらに、本変動が実行され、最後に、確定となる。
また、当該変動では、最初に、1回目の擬似変動が実行され、次に、1回目の擬似停止が実行され、さらに、2回目の擬似変動が実行され、その上、2回目の擬似停止が実行され、次に、本変動が実行され、最後に、確定となる。
図中(B)は、「擬似変動2回→本変動(擬似連1回目)→本変動(擬似連2回目)」となる記憶0の当該変動が実行される例である。
具体的に、当該変動では、最初に、1回目の擬似変動が実行され、次に、1回目の擬似停止が実行され、さらに、2回目の擬似変動が実行され、その上、2回目の擬似停止が実行され、次に、本変動が実行され、擬似連継続演出が実行され、本変動が実行され、最後に、確定となる。
ここで、1回目の擬似変動の開始から擬似連継続演出の終了までは、擬似連1回目とすることができ、擬似連継続演出の次に実行される本変動の開始から確定までは、擬似連2回目とすることができる。
このように、擬似的な変動演出は、擬似変動(第1の擬似的な変動演出)、及び、擬似変動とは演出の種類が異なる擬似連(第2の擬似的な変動演出)を含んでいる。
そして、擬似変動は、演出図柄の擬似的な変動回数が、入賞時に(先読み情報が生成される際に)決定され、特別図柄の変動が開始される際に、決定されている擬似的な変動回数を変更するか否かが判断される。
一方、擬似連は、演出図柄の擬似的な変動回数が、入賞時に(先読み情報が生成される際に)決定され、特別図柄の変動が開始される際に、決定されている擬似的な変動回数を変更するか否かが判断されない。
図64は、LED色変化演出の制御の流れを示す図である。
LED色変化演出とは、当選の期待度に応じて記憶表示装置300のLEDを変化させる演出である。
〔入賞時〕
図中(A)に示すように、記憶1,2が存在している状態で、記憶3が新たに貯留された場合を想定する。記憶3は、スーパーリーチ変動に対応しているものとする。
ここで、記憶1とは、当該変動の1変動前の変動に対応する記憶(保留)を示しており、記憶2とは、当該変動の2変動前の変動に対応する記憶を示しており、記憶3とは、当該変動の3変動前の変動に対応する記憶を示している。
この場合、記憶1,2は、擬似変動1回、擬似変動2回、擬似変動3回のいずれかになる。つまり、記憶3より前の記憶1,2が変動する場合、変動開始時まで、擬似変動の有無や擬似変動の回数は分からない。これは、記憶数に応じて変動パターンが選択されるからである。
〔第1処理〕
図中(B)に示すように、入賞時の処理として第1処理が実行される。第1処理では、擬似変動の擬似的な変動回数が1回であると仮定して、下り抽選を実行し、色変化演出のシナリオの大枠を決定する。下り抽選とは、最終色から演出の期待度が成り下がるように演出の内容を決定する抽選である。
ここでは、色変化演出のシナリオとして、入賞時には、記憶3の色を「白色」とし、記憶1の変動開始時に記憶3の色を「点滅」とし、記憶2の変動開始時に記憶3の色を「緑色」とし、記憶3の変動開始時に記憶3の色を「赤色」とするシナリオが決定されたものとする。なお、実際には、記憶3に対応するLEDの色は、変化させることができないので、演出表示領域X2のLEDの色を変化させることになる。当該変動に到達すると、演出表示領域X2のLEDの色と当該記憶表示領域X1のLEDの色は同じ色で点灯する。
演出表示領域X2は、第1特別図柄記憶表示領域M1や第2特別図柄記憶表示領域M2、当該記憶表示領域X1等とは別の保留変化演出にかかる補助的な演出を実行する領域となる。
記憶の色は、「白色」→「点滅」→「青色」→「緑色」→「紫色」→「赤色」→「金色(黄色)」→「虹色」の順番に当選期待度が高くなるようになっている。
そして、記憶1と記憶2は、色の差分が2以上となっている。つまり、記憶1と記憶2の間には、「青色」を挿入することができる状態である。
〔第2処理〕
図中(C)に示すように、変動開始時に第2処理が実行される。各記憶の変動開始時には、擬似変動の回数が決定するため、第2処理では、決定した擬似変動の回数に基づいて、色変化演出のシナリオの内容を調整する。
図示の例では、記憶2の変動開始時に、擬似変動が2回として決定されたことに基づいて、色分割抽選処理を実行し、1回目の擬似変動の変動開始時に「点滅」から「青色」に変化させ、2回目の擬似変動の変動開始時に「青色」から「緑色」に変化させるように、色変化シナリオを変更することができる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、大役中演出、液晶表示器42や7セグ表示装置200、記憶表示装置300を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図65は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、7セグ表示装置演出管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、電源投入コマンド、RAMクリアコマンド、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、記憶表示装置300を用いた演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御CPU126は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:7セグ表示装置演出管理処理では、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、7セグ表示装置200による表示を制御する処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、7セグ表示装置200に表示する演出内容(7セグ演出図柄に関する内容)を決定する処理を実行する。演出図柄Hzと7セグ演出図柄は、基本的に同じ動作をするようにすることが好ましいが、異なる動作をするようにしてもよい。異なる動作をするように場合は、例えば、演出図柄Hzと7セグ演出図柄が停止するタイミングを異ならせてもよいし、停止する図柄を異ならせてもよい。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、演出制御CPU126は、例えば、可動体40f及び7セグ表示装置200の駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40f及び7セグ表示装置200は、それぞれが可動体モータ57に内蔵された別のモータを駆動源として個別に動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。また、演出制御CPU126は、可動体センサ58に内蔵された各センサからの検出信号の入力を受けて、適宜必要な処理を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図66は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ点灯させる演出を選択する。
ステップS703:演出制御CPU126は、LED色変化演出仮決定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、LED色変化演出を実行するか否かを判断し、実行すると決定した場合は色変化シナリオの内容を仮決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、後述する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応する第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ消灯させる演出を選択するとともに、当該記憶表示領域X1のLEDを点灯させる演出を選択する。なお、当該記憶表示領域X1のLEDは、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。また、演出表示領域X2のLEDを点灯させている場合には、演出表示領域X2のLEDも、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図65)に復帰する。
〔LED色変化演出仮決定処理〕
図67は、LED色変化演出仮決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS710:演出制御CPU126は、LED色変化演出の演出実行条件を満たすか否かを確認する。LED色変化演出の演出実行条件は、例えば、一定の変動秒数以上の変動パターン(例えば一定時間以上の変動時間を有する非リーチはずれ変動パターンやノーマルリーチ以上の変動パターン等)が当該変動で選択される予定である場合であり、かつ、演出用の乱数抽選に当選した場合(所定の演出実行条件が満たされた場合)に満たされる条件とすることができる。変動パターンは、変動パターン先判定コマンドにより確認することができる。
その結果、LED色変化演出の演出実行条件を満たすことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS712を実行し、LED色変化演出の演出実行条件を満たすことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は作動記憶演出管理処理(図66)に復帰する。
ステップS712:演出制御CPU126は、最終色決定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、変動パターン先判定コマンドの内容(当該変動で選択される予定の変動パターン)に基づいてLEDの最終色を決定する処理を実行する。最終色としては、はずれ時は、「点滅」、「青色」、「緑色」、「紫色」が選択されやすくなっており、当選時は、「赤色」、「金色」、「虹色」が選択されやすくなっている。
ステップS714:演出制御CPU126は、色変化シナリオ抽選処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、ステップS712で決定したLEDの最終色や現在の記憶数、入賞時から確定している当該変動の擬似連の回数等に基づいて、入賞時から当該変動の変動停止までの色変化シナリオを決定する。擬似変動の有無や擬似変動の回数は、変動開始時まで不明であるため、ここでは、擬似変動が有り、かつ、擬似変動の回数が1回であると仮定して(仮決定して)、色変化シナリオを決定する。
例えば、ステップS712にて最終色を「赤色」と決定し、当該変動の変動パターンがリーチ後当り変動パターンであり、現在の第1特別図柄の記憶数が3個である場合、入賞時の記憶3の位置で「白色」とし、記憶2の位置で「点滅」とし、記憶1の位置で「緑色」とし、当該記憶の位置で「赤色」とするといった色変化シナリオを決定する。また、色変化させる場合は、演出の実行タイミング(変動開始時、擬似変動の開始時、擬似変動の変動中、擬似連の開始時、擬似連の変動中、リーチ演出中等のタイミング)も決定する。
ステップS716:演出制御CPU126は、ステップS714において決定した色変化シナリオをRAM130に保存する処理を実行する。演出制御CPU126は、保存されている色変化シナリオに基づいてLED色変化演出を実行する。なお、色変化シナリオは、当該変動が終了した際に消去される。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、作動記憶演出管理処理(図66)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、変動パターン先判定コマンド(先読み情報)が生成される際に(入賞時に)、擬似変動の擬似的な変動回数や色変化シナリオ(擬似的な変動演出に関する演出内容)を選択可能とする(第1処理実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、LED色変化演出(擬似的な変動演出に関する演出内容)として、少なくともLED色変化演出(特別演出)の最終色(最終的な段階)を選択可能とする(第1処理実行手段)。
〔演出図柄管理処理〕
図68は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図18中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。また、演出制御CPU126は、状況に応じた背景画像の切り替えや、各種の可動体の位置の補正を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図69は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図65中のステップS404)、ランプ駆動処理(図65中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御CPU126は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御CPU126は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
小当り時、大当り時、はずれ時の変動演出パターンを決定する際には、擬似連続予告演出(擬似連)の演出パターンや、擬似変動の演出パターンも合わせて決定する。なお、擬似連続予告演出(擬似連)の擬似的な変動回数は、選択される変動パターンによって定まるため、入賞時から決まっている。一方、擬似変動の擬似的な変動回数も、選択される変動パターンによって定まるが、変動開始時に決定される。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS613aを実行する。
ステップS613a:演出制御CPU126は、擬似変動の変動回数の決定処理を実行する。擬似変動の変動回数は、変動パターンの内容や記憶数に応じて決定することができる。例えば、擬似変動の変動回数を「0」と決定した場合には擬似変動は実行されず、擬似変動の変動回数を「1」と決定した場合には擬似変動が1回実行され、擬似変動の変動回数を「2」と決定した場合には擬似変動が2回実行され、擬似変動の変動回数を「3」と決定した場合には擬似変動が3回実行される。このため、同じ変動パターンが選択された場合であっても、抽選によって擬似変動の変動回数が異なることがある。
ステップS613b:演出制御CPU126は、LED色変化演出本決定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、仮決定している色変化シナリオの内容を必要に応じて変更する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、後述する。
ステップS613c:演出制御CPU126は、擬似変動演出管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、ステップS613aで決定された擬似変動の回数に基づいて、特別図柄の変動中に実行する擬似変動演出の内容を決定する。なお、擬似変動演出管理処理の具体的な内容については、次のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御CPU126は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図68中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄Hzや7セグ演出図柄を1回又は複数回にわたって変動させる擬似変動(擬似的な変動演出)や擬似連続予告演出(擬似的な変動演出)を実行することができる(擬似的変動演出実行手段)。
〔LED色変化演出本決定処理〕
図70は、LED色変化演出本決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御CPU126は、色変化シナリオが保存されているか否かを確認する。色変化シナリオはRAM130に記憶されている。
その結果、色変化シナリオが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS622を実行し、色変化シナリオが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図69)に復帰する。
ステップS622:演出制御CPU126は、擬似変動の有無を確認する。擬似変動の回数は、演出図柄変動前処理(図69)の擬似変動の変動回数の決定処理(ステップS613a)において決定されており、擬似変動回数が0回の場合は擬似変動が無いと判断する。なお、擬似変動回数が1回の場合も、擬似変動が無いと判断してもよい。
その結果、擬似変動が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図69)に復帰し、擬似変動が無いことを確認できない場合、すなわち、擬似変動があることを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS624を実行する。
ステップS624:演出制御CPU126は、差分が2以上であるか否かを確認する。
「差分が2以上である」とは、色変化シナリオにおける当選期待度の段階が2以上離れていることを意味している。
例えば、「点滅」と「青色」は差分が1であるため、差分が2以上ではない。また、「点滅」と「緑色」は差分が2であるため、差分が2以上である。さらに、「点滅」と「紫色」は差分が3であるため、差分が2以上である。
その結果、差分が2以上であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は、ステップS626を実行する。一方、差分が2以上であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図69)に復帰する。
ステップS626:演出制御CPU126は、色分割抽選処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、差分の値に応じてLEDの変化色を追加する処理を実行する。この処理では、擬似変動の回数と、変動開始時の色、変動終了時の色を考慮して、色分割抽選を実行する。
例えば、変動開始時の色が「点滅」であり、変動終了時の色が「緑色」であるという色変化シナリオがあり、擬似変動の回数が「2回」である場合、1回目の擬似変動の開始時に「点滅」から「青色」に変化させ、2回目の擬似変動の開始時に「青色」から「緑色」に変化させるという色変化シナリオに決定する処理を実行する。つまり、色変化の段階が飛んでいる箇所があれば、擬似変動の回数に応じて、色変化の段階を飛ばさないように色変化させるというシナリオに変更する。
ステップS628:演出制御CPU126は、色変化シナリオ変更処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、ステップS626の処理によって決定した内容によって、RAM130に保存されている色変化シナリオを変更する処理を実行する。これにより、変更後の色変化シナリオによってLED色変化演出が実行される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図69)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、特別図柄の変動が開始される際に(変動開始時に)、入賞時に選択された演出内容(擬似変動の擬似的な変動回数や色変化シナリオ)の少なくとも一部が異なる演出内容を擬似変動の擬似的な変動回数や色変化シナリオ(擬似的な変動演出に関する演出内容)として選択可能とするか、入賞時に選択された演出内容を選択可能とする(第2処理実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、特別図柄の変動が開始される際に(変動開始時に)、仮決定した演出内容(擬似変動の擬似的な変動回数や色変化シナリオ)を変更するか否かを判断し、変更すると判断すると、仮決定した演出内容の少なくとも一部を変更した演出内容を、擬似変動の擬似的な変動回数や色変化シナリオ(擬似的な変動演出に関する演出内容)として利用可能とし、変更しないと判断すると、仮決定した演出内容をそのまま利用可能とする(第2処理実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、擬似変動や擬似連の演出(擬似的な変動演出)とともに実行される演出であって、当選期待度に応じた複数の段階を有し、段階が進行する可能性があるLED色変化演出(特別演出)を実行可能とする(特別演出実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、LED色変化演出(擬似的な変動演出に関する演出内容)として、LED色変化演出(特別演出)の最終色(最終的な段階)以外の表示色を選択可能とする(第2処理実行手段)。
さらにまた、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、擬似変動(第1の擬似的な変動演出)又は擬似連(第2の擬似的な変動演出)のいずれであってもLED色変化演出(特別演出)を実行可能である(特別演出実行手段)。
〔擬似変動演出管理処理〕
図71は、擬似変動演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
疑似変動演出管理処理は、変動パターンの内容や作動記憶数等に応じて決定された擬似変動の回数に基づいて、特別図柄の変動中に実行する擬似変動演出の内容を決定する処理であり(背景演出制御手段)、演出図柄変動前処理の過程(図69中のステップS613c)で実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS900:演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理の過程で擬似変動演出管理処理が呼び出される前(図69中のステップS613a)に決定された擬似変動の回数に1加算した値を、作業用カウンタにセットする。ここで、「作業用カウンタ」とは、擬似変動演出を管理する上で一時的に用いられるカウンタのことであり、例えばRAM130のカウンタ領域に記憶される。
ステップS902:演出制御CPU126は、グループ決定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、背景画像やBGMを分類する複数種類のグループの中から、擬似変動演出に利用する演出グループを抽選により決定する。なお、演出グループの構成例については、次の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS904:演出制御CPU126は、グループ内パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、前ステップS902で決定された演出グループに属する背景や音声に関する複数種類のパターンの中から、擬似変動演出に利用する演出パターンを選択する。なお、演出グループに属する演出パターン(以下、「グループ内パターン」と称する場合がある。)の構成例については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS906:演出制御CPU126は、作業用カウンタの値を1減算して更新する。
ステップS908:演出制御CPU126は、作業用カウンタの値が0より大きいか否かを確認する。作業用カウンタの値が0より大きい場合には(ステップS908:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS910を実行する。一方、作業用カウンタの値が0以下である場合には(ステップS908:No)、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図69)に復帰する。
ステップS910:演出制御CPU126は、切替演出パターン決定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、擬似変動演出毎の場面の切り替えに伴い実行する切替演出のパターンを抽選により決定する。
切替演出のパターンには、図50中(H)に示した演出例のように、背景画像を瞬間的に白くフラッシュさせる態様の「白フラッシュ通常」や、図48中(C)に示した演出例のように、背景画像を瞬間的に白くフラッシュさせると同時に7セグ表示装置200を瞬間的に上昇させてガタガタと振動させる態様の「白フラッシュ特殊」の他にも、例えば、現在の背景画像を覆うようにして次の背景画像を表示させる態様の「ワイプイン」や、シャッターが閉じる様子を表した画像を表示させる態様の「シャッター」等、複数種類のパターンが用意されており、切替演出パターンの抽選テーブルには、これらの各パターンに対する振分値(選択比率)が定義されている。また、切替演出パターンの抽選テーブルには、切替演出を実行しない場合のパターン(「デフォルト」)に対する振分値(選択比率)も併せて定義されており、抽選により「デフォルト」が選択された場合には、切替演出は実行されない。
ステップS912:演出制御CPU126は、前ステップS910の処理にて切替演出のパターンとして「デフォルト」以外が選択されたか否かを確認することにより、ステップS904で選択されたグループ内パターンによる擬似変動演出(擬似変動+擬似停止)を実行した後に切替演出を実行するか否かを判定する。
その結果、切替演出を実行する場合には(ステップS912:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS902に戻り、演出グループを再決定(直前とは別の演出グループに変更)してから、そのグループ内パターンを選択した上で、それ以降の手順を再度実行する。一方、切替演出を実行しない場合には(ステップS912:No)、演出制御CPU126は、ステップS904に戻り、直前と同じ演出グループのグループ内パターンを選択した上で、それ以降の手順を再度実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図69)に復帰する。
なお、上記の手順は、疑似変動演出管理処理の呼出前に決定された擬似変動の回数に本変動分が含まれない場合の例であるが、擬似変動の回数に本変動分が含まれている場合には、上記のステップS900及びステップS906は実行不要である。
例えば、本変動分を含まない擬似変動の回数が「0」と決定された場合には、ステップS900で作業用カウンタに「1」がセットされ、ステップS902,S904を経て擬似変動演出に係る演出パターンが決定される。そして、決定された演出パターンは、本変動の演出パターンとして利用される。
また、例えば、本変動分を含まない擬似変動の回数が「2」と決定された場合には、ステップS900で作業用カウンタに「3」がセットされ、先ず、ステップS902,S904を経て擬似変動演出に係る1つ目の演出パターンが決定される。その後、ステップS910の結果に応じて戻り先となるステップが変わるが、最終的には擬似変動演出に係る2つ目及び3つ目の演出パターンが決定される。そして、決定された1つ目の演出パターンは1回目の擬似変動に用いられ、2つ目の演出パターンは2回目の擬似変動に用いられ、3つ目の演出パターンは本変動に用いられる。
上記の手順例はあくまで一例であり、適宜変更が可能である。例えば、擬似変動回数に対応する回数分の演出グループ及びグループ内パターンを先に決定しておき、決定された演出グループに変更が生じている場合に、その変更に対しての切替演出パターンを決定する構成とすることも可能である。
〔演出グループの例〕
図72は、擬似変動演出に関する演出グループの一例を示す図である。
本実施形態においては、「街中」、「浜辺」、「収容所」、「街中(特殊キャラあり)」、「浜辺(特殊キャラあり)」、「収容所(特殊キャラあり)」、「リムジン」、「宮殿」の8種類の演出グループが設けられており(背景分類手段)、これらの中から擬似変動演出に利用する演出グループが決定される。なお、図44、図45等に示した「公園」は「街中」のベースとして考えることができるので、ここでは別途「公園」を1つの演出グループとしては示していない。
このうち、「街中」、「浜辺」、「収容所」は、通常の場面(特別な意味を有しない場面)に対応するグループである。これらの各グループには、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
また、「街中(特殊キャラあり)」、「浜辺(特殊キャラあり)」、「収容所(特殊キャラあり)」は、リーチに発展する可能性を有している場面に対応するグループである。これらの各グループにも、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
「リムジン」は、リーチ以上の状態となることが確定している場面に対応するグループである。このグループには、単一の演出パターンが設けられている。
また、「宮殿」は、激熱な場面に対応するグループである。このグループにも、単一の演出パターンが設けられている。
なお、グループ決定処理(図71中のステップS902)においては、先ず、特殊キャラの有無が抽選により決定され、その上で、決定結果に対応するグループのうちいずれかが選択される。ここで、「特殊キャラ」とは、期待度が高いことを示唆する特殊なキャラクターのことである。グループ名に「(特殊キャラあり)」と付されたグループの演出パターンは、特殊キャラが出現する内容で構成されている。
抽選により「特殊キャラあり」と決定された場合には、この決定に対応する「街中(特殊キャラあり)」、「浜辺(特殊キャラあり)」、「収容所(特殊キャラあり)」の3種類の中から、いずれか1つのグループが選択される。一方、抽選により「特殊キャラなし」と決定された場合には、「街中」、「浜辺」、「収容所」、「リムジン」、「宮殿」の5種類の中から、いずれか1つのグループが選択されることとなる。
そして、グループ内パターン選択処理(図71中のステップS904)においては、選択されたグループに設けられた演出パターンの種類が複数存在する場合、すなわち演出グループとして「街中」、「浜辺」、「収容所」、「街中(特殊キャラあり)」、「浜辺(特殊キャラあり)」、「収容所(特殊キャラあり)」のうちいずれかが選択された場合には、グループ内パターンの中から順番に1つの演出パターンが選択される。一方、選択されたグループに設けられた演出パターンの種類が単一である場合、すなわち演出グループとして「リムジン」又は「宮殿」が選択された場合には、単一の演出パターンが常に選択されることとなる。
〔演出グループ内パターンの例〕
図73は、擬似変動演出に関する演出グループに属する演出パターン(グループ内パターン)の一例を示す図である。
図73中(A):背景に関するグループ内パターン、すなわち液晶表示器42の画面に表示される背景画像に関するグループ内パターンの一例を示す図である。
「街中」グループには、背景に関するグループ内パターンとして、「街中1」〜「街中10」の10種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、いずれも街中に関連した内容で構成されている。
「浜辺」グループには、背景に関するグループ内パターンとして、「浜辺1」〜「浜辺10」の10種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、いずれも浜辺に関連した内容で構成されている。
「収容所」グループには、背景に関するグループ内パターンとして、「収容所1」〜「収容所10」の10種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、いずれも収容所に関連した内容で構成されている。
「街中(特殊キャラあり)」グループには、背景に関するグループ内パターンとして、「街中特殊1」〜「街中特殊10」の10種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、いずれも街中に関連した内容で構成されているが、特殊キャラが含まれている点において、「街中」グループに属する「街中1」〜「街中10」とは異なっている。
「浜辺(特殊キャラあり)」グループには、背景に関するグループ内パターンとして、「浜辺特殊1」〜「浜辺特殊10」の10種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、いずれも浜辺に関連した内容で構成されているが、特殊キャラが含まれている点において、「浜辺」グループに属する「浜辺1」〜「浜辺10」とは異なっている。
「収容所(特殊キャラあり)」グループには、背景に関するグループ内パターンとして、「収容所特殊1」〜「収容所特殊10」の10種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、いずれも収容所に関連した内容で構成されているが、特殊キャラが含まれている点において、「収容所」グループに属する「収容所1」〜「収容所10」とは異なっている。
グループ内パターン選択処理(図71中のステップS904)において背景に関するグループ内パターンを選択する際に、その直前に演出グループが変更されている場合には、変更後の演出グループ内で最初に配列されている演出パターンが選択される。例えば、演出グループが「街中」から「浜辺」に変更されている場合には、「浜辺」グループ内で最初に配列されている演出パターンに該当する「浜辺1」が選択される。
これに対し、演出グループが変更されていない場合には、その演出グループ内で直前に選択された演出パターンの次に配列されている演出パターンが選択される。例えば、演出グループが「街中」のまま変更されておらず、「街中」グループ内で直前に選択された演出パターンが「街中1」である場合には、直前に選択された「街中1」の次に配列されている演出パターンに該当する「街中2」が選択される。
図73中(B):音声に関するグループ内パターン、すなわちスピーカから再生されるBGMに関するグループ内パターンの一例を示す図である。
「街中」グループには、音声に関するグループ内パターンとして、「BGM1−1」〜「BGM1−4」の4種類の演出パターンが設けられている。
「浜辺」グループには、音声に関するグループ内パターンとして、「BGM2−1」〜「BGM2−4」の4種類の演出パターンが設けられている。
「収容所」グループには、音声に関するグループ内パターンとして、「BGM3−1」〜「BGM3−4」の4種類の演出パターンが設けられている。
「街中(特殊キャラあり)」グループには、音声に関するグループ内パターンとして、「BGM1−1」〜「BGM1−3」の3種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、冒頭部に専用の効果音(SE)が加えられる点において、「街中」グループに属する「BGM1−1」〜「BGM1−3」とは異なっている。
「浜辺(特殊キャラあり)」グループには、音声に関するグループ内パターンとして、「BGM2−1」〜「BGM2−3」の3種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、冒頭部に専用の効果音(SE)が加えられる点において、「浜辺」グループに属する「BGM2−1」〜「BGM2−3」とは異なっている。
「収容所(特殊キャラあり)」グループには、音声に関するグループ内パターンとして、「BGM3−1」〜「BGM3−3」の3種類の演出パターンが設けられている。これらの演出パターンは、冒頭部に専用の効果音(SE)が加えられる点において、「収容所」グループに属する「BGM3−1」〜「BGM3−3」とは異なっている。
グループ内パターン選択処理(図71中のステップS904)において音声に関するグループ内パターンを選択する際に、その直前に演出グループが変更されている場合には、変更後の演出グループ内で最初に配列されている演出パターンが選択される。例えば、演出グループが「街中」から「浜辺」に変更されている場合には、「浜辺」グループ内で最初に配列されている演出パターンに該当する「BGM2−1」が選択される。
これに対し、演出グループが変更されていない場合には、その演出グループ内で直前に選択された演出パターンの次に配列されている演出パターンが選択される。例えば、演出グループが「街中」のまま変更されておらず、「街中」グループ内で直前に選択された演出パターンが「BGM1−1」である場合には、直前に選択された「BGM1−1」の次に配列されている演出パターンに該当する「BGM1−2」が選択される。
但し、「街中」、「浜辺」、「収容所」の各演出グループで最後に配置されている演出パターン、すなわち「BGM1−4」、「BGM2−4」、「BGM3−4」の各演出パターンは、作動記憶が残っていない(0個である)場合にのみ選択される演出パターンである。
したがって、演出グループが「街中」、「浜辺」、「収容所」のいずれかであり、かつ、作動記憶が残っている場合には、これらの演出パターンは選択されない。例えば、作動記憶が残っており、かつ、演出グループが「街中」のまま変更されておらず、「街中」グループ内で直前に選択された演出パターンが「BGM1−3」である場合には、その次に配列されている「BGM1−4」は選択できないため、先頭に戻って次に配列されている「BGM1−1」が選択される。つまり、演出グループが「街中」、「浜辺」、「収容所」であり、作動記憶が残っている間は、グループ内の先頭から3番目までの3種類の演出パターンが循環的に1つずつ選択されることとなる。
なお、作動記憶が残っている場合に選択されうる各演出パターンにおいて、変動秒数の種類(例えば、3秒、6秒、14秒等)に合わせた複数のパターンを設けてもよい。例えば、演出パターン「BGM1−1」の場合には、「BGM1−1a(3秒バージョン)」、「BGM1−1b(6秒バージョン)」、「BGM1−1c(14秒バージョン)」という複数のパターンを設けることが可能である。
〔擬似変動と演出パターンとの対応〕
図74は、擬似変動と演出パターン(背景パターン、音声パターン)との対応を示す図である。なお、この図は、擬似変動、擬似停止、本変動、確定の各項目と各演出パターンとの対応関係を理解し易くするために簡略化して表したものであり、各項目における帯の長さの相対比は、実際の演出における長さの相対比とは一致しない。
〔演出グループが変化しない場合〕
図74中(A):図46中(A)〜図47中(F)で説明した1つ目の演出例における擬似変動と演出パターンとの対応を示している。
1つ目の演出例の場合には、1回目の擬似変動及び擬似停止が行われる区間、すなわち、図46中(A)〜(B)に示した区間においては、背景パターンとして「街中1」(横断歩道の背景画像)を用いつつ、音声パターンとして「BGM1−1」を用いた擬似変動演出が実行される。
また、2回目の擬似変動及び擬似停止が行われる区間、すなわち、図46中(C)〜図47中(D)に示した区間においては、背景パターンとして「街中2」(ブロック塀の背景画像)を用いつつ、音声パターンとして「BGM1−2」を用いた擬似変動演出が実行される。
そして、本変動(3回目の擬似変動)及び確定停止が行われる区間、すなわち、図47中(E)〜(F)に示した区間においては、背景パターンとして「街中3」(土管の背景画像)を用いつつ、音声パターンとして「BGM1−3」を用いた擬似変動演出が実行される。
このように、1つ目の演出例においては、特別図柄の1回の変動中に3回の擬似変動演出が実行される。そして、この演出例においては、切替演出が実行されていないため、用いられる背景パターン及び音声パターンは、いずれも「街中」の演出グループに属しており、擬似停止の前後において演出グループの変化が生じていない。
〔演出グループが変化する場合〕
図74中(B):図48中(A)〜図50中(I)で説明した2つ目の演出例における擬似変動と演出パターンとの対応を示している。
2つ目の演出例の場合には、1回目の擬似変動及び擬似停止が行われる区間、すなわち、図48中(A)〜(B)に示した区間においては、背景パターンとして「街中1」(横断歩道の背景画像)を用いつつ、音声パターンとして「BGM1−1」を用いた擬似変動演出が実行される。
また、2回目の擬似変動及び擬似停止が行われる区間、すなわち、図49中(C)〜図50(E)に示した区間においては、先ず冒頭で切替演出が実行される。その上で、演出パターンが切り替えられ、背景パターンとして「浜辺1」(消波ブロックの背景画像)を用いつつ、音声パターンとして「BGM2−1」を用いた擬似変動演出が実行される。
そして、本変動(3回目の擬似変動)及び確定停止が行われる区間、すなわち、図49中(F)〜図50中(H)に示した区間においては、背景パターンとして「浜辺2」(砂浜の背景画像)を用いつつ、音声パターンとして「BGM2−2」を用いた擬似変動演出が実行される。
さらに、次変動の開始に伴う1回目の擬似変動が行われる。この擬似変動が行われる区間、すなわち、図50中(I)に示した区間においては、先ず冒頭で切替演出が実行されている。その上で、演出パターンが切り替えられ、背景パターンとして「収容所1」(鉄格子)を用いつつ、音声パターンとして「BGM3−1」を用いた擬似変動演出が実行される。
このように、2つ目の演出例においては、特別図柄の1回の変動中に3回の擬似変動演出が行われ、次変動の開始に伴いさらに1回の擬似変動演出が行われる。そして、この演出例においては、切替演出が2回実行されているため、切替演出の前後において演出グループの変化が生じている。具体的には、1回目の切替演出の前後において演出グループが「街中」から「浜辺」に変化しており、2回目の切替演出の前後において演出グループが「浜辺」から「収容所」に変化している。
なお、次変動の開始時に実行される切替演出のパターンについては、演出図柄停止表示中処理(図68中のステップS506)の過程で決定してもよいし、上記の擬似変動演出管理処理(図71)の過程で併せて決定するように構成することも可能である。
〔変動確定前補正処理〕
図75は、変動確定前補正処理の手順例を示すフローチャートである。
変動確定前補正処理は、7セグ表示装置200の位置を補正する処理、すなわち7セグ表示装置200が原点の位置に存在しない場合に7セグ表示装置200を原点の位置まで戻す処理であり(位置補正手段)、7セグ表示装置200専用の処理として構成されている。変動確定前補正処理は、特別図柄の変動が確定する(特別図柄が停止する)2秒前に演出図柄変動中処理(図68中のステップS504)の過程で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS950:演出制御CPU126は、7セグ表示装置200が原点の位置に存在しないか否かを確認する。演出制御CPU126は、可動体センサ58からの検出信号の入力状況に基づいて、7セグ表示装置200が原点の位置に存在しないか否かを確認することができる。
確認の結果、7セグ表示装置200が原点の位置に存在しない場合には(ステップS950:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS952を実行する。一方、7セグ表示装置200が原点の位置に存在する場合には(ステップS950:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS952:演出制御CPU126は、予告選択処理(図69中のステップS614)において所定の予告演出に当選していないか(所定の予告演出が選択されていないか)否かを確認する。ここで、「所定の予告演出」とは、当該変動において短い変動時間(例えば、4秒以下)に対応する変動パターンが選択されている場合の先読み予告に使用される、変動が確定する2秒前の時点で予告に伴う7セグ表示装置200の動作が終了しない予告演出のことをいう。
確認の結果、所定の予告演出に当選していない(所定の予告演出が選択されていない)場合には(ステップS952:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS954を実行する。一方、所定の予告演出に当選している場合(所定の予告演出が選択されている)には(ステップS952:Yes)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS954:演出制御CPU126は、当該変動がスーパーリーチ変動でないか否かを確認する。当該変動がスーパーリーチ変動でない場合には(ステップS954:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS956を実行する。一方、当該変動がスーパーリーチ変動である場合には(ステップS954:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS956:演出制御CPU126は、7セグ表示装置補正処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、7セグ表示装置200を原点の位置まで変位させる。なお、7セグ表示装置200は、どの位置に存在しているとしても、2秒より短い時間(例えば、約1.8秒)で原点の位置まで変位可能な設計とされている。したがって、演出制御CPU126は、特別図柄の変動が確定するまで(特別図柄が停止するまで)の間に余裕を持って7セグ表示装置補正処理を完了させることができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
所定の予告演出に当選している場合には(ステップS952:No)、変動が確定する2秒前のタイミングでは、予告に伴う7セグ表示装置200の動作が実行中であり、未だ終了していない。そこで、予告に伴う動作との干渉を避けるため、所定の予告演出に当選している場合には、7セグ表示装置補正処理は実行されず、したがって変動確定の2秒前のタイミングでは7セグ表示装置200の位置は補正されない。なお、この場合には、所定の予告演出の終了に伴って7セグ表示装置200を原点位置に変位させる制御が実行される。
また、当該変動がスーパーリーチ変動である場合には(ステップS954:No)、リーチ状態に発展すると液晶表示器42の画面においてスーパーリーチ演出が実行され、スーパーリーチ演出の実行が終了すると変動が確定し図柄が停止表示される。したがって、スーパーリーチ演出の実行中には遊技者を液晶表示器42の画面に注目させたいため、画面の視認性を高めるために、7セグ表示装置200を下降位置まで下降させた状態で静止させる制御が実行される。そして、変動が確定する2秒前のタイミングでは、スーパーリーチ演出が実行中であり、未だ終了していない。そこで、スーパーリーチ演出との干渉を避けるため、当該変動がスーパーリーチ変動である場合には、7セグ表示装置補正処理は実行されず、したがって変動確定の2秒前のタイミングでは7セグ表示装置200の位置は補正されない。なお、この場合には、スーパーリーチ演出の終了に伴って7セグ表示装置200を原点位置に変位させる制御が実行される。
これに対し、7セグ表示装置200が原点位置に存在せず(ステップS950:Yes)、所定の予告演出にも当選しておらず(ステップS952:Yes)、さらに当該変動がスーパーリーチ変動でもない場合には(ステップS954:Yes)、特別図柄の変動が確定する2秒前のタイミングで7セグ表示装置補正処理が実行されて、確定するまでの間に7セグ表示装置200の位置が補正される。
7セグ表示装置200は、所定の予告演出に当選している場合や当該変動がスーパーリーチ変動である場合には、特別図柄の変動が確定する2秒前の段階で原点の位置にいないことが想定通りの正しい動作である。これに対し、その他の場合には、特別図柄の変動が確定する2秒前の段階では、原点の位置にいることが正しい動作であり、制御が正常になされている限りは、7セグ表示装置200は想定通り原点の位置に存在する。しかしながら、何らかの要因により、途中で何かにひっかかって停止していたり、或いは原点の位置まで戻りきれていなかったりすることで、正しい位置に存在しない場合が生じうる。そのような場合を想定し、本実施形態においては、保険処理として変動確定前補正処理を組み込んでいる。
したがって、そうした異常な事態が発生した発生でも、本実施形態によれば、上述したような制御を実行することにより、特別図柄の変動が確定する前に7セグ表示装置200の位置を補正することができるため、変動確定時(特別図柄の停止時)には、7セグ表示装置200を原点の位置(通常位置)に静止させて、7セグメントLEDに表示される停止図柄の内容を遊技者に確実に視認させることができる。
また、これにより、演出図柄停止表示中処理(図68中のステップS506)の過程で実行される各可動体の位置の補正処理に先行して、図柄が停止する前の段階で7セグ表示装置200の位置を補正することができる。仮に、演出図柄の停止表示中に行われる補正に先行して7セグ表示装置200の位置を補正しなかった場合には、演出図柄の停止表示中に補正が行われることになるが、7セグ表示装置200の7セグメントLEDにより停止図柄が表示されている間に7セグ表示装置200の位置を変位させることは、停止図柄の視認性を低下させる虞があるため、好ましくない。これに対し、本実施形態によれば、演出図柄の停止表示中に行われる補正に先行して7セグ表示装置200の位置を補正することができるため、7セグ表示装置200の7セグメントLEDに表示される停止図柄の視認性を確保することができる。
〔7セグ表示装置の動作態様〕
図76及び図77は、演出の実行中における7セグ表示装置200の動作態様を演出例に沿って表した図である。以下、図面毎に演出例に沿って説明する。
図76は、図48〜図50で説明した演出例のうち、所定のパターン(例えば、「白フラッシュ特殊」)による切替予告演出の発生前後の期間における7セグ表示装置200の動作態様を、演出例に沿って表している。
図76中(A):図48中(B)に示した演出の実行時には、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzがはずれの態様で仮停止される。このとき、7セグ表示装置200は、通常位置で静止しており、液晶表示器42の画面には、横断歩道の背景画像とともに「街中」との文字が表示されている。
図76中(B):図48中(C)に示した演出の実行時には、仮停止されていた7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzが再び変動表示を開始する。このとき、液晶表示器42の画面において背景画像が瞬間的に白くフラッシュさせる態様により表示されるのに合わせて、7セグ表示装置200は、瞬間的に上昇位置まで変位してガタガタと振動させる態様により動作する。
図76中(C):図49中(D)に示した演出の実行時には、液晶表示器42の画面が切り替わり、消波ブロックの背景画像とともに「浜辺」との文字が表示されている。このとき、7セグ表示装置200は、既に通常位置まで戻っており静止している。
ところで、切替予告演出は、上述した所定の予告演出には該当しない。また、図48〜図50における特別図柄の変動は、スーパーリーチ変動ではない。そのため、特別図柄の変動が確定する2秒前のタイミングで7セグ表示装置200が通常位置に存在しておらず、かつ7セグ表示装置200の位置を補正することがその時点での演出に干渉しない場合には、7セグ表示装置200の位置の補正が行われる。したがって、7セグ表示装置200の7セグメントLEDに表示される停止図柄の内容を遊技者に確実に視認させることができる。
図77は、図51〜図55で説明した演出例のうち、スーパーリーチ演出の発生直前から特別図柄の停止までの期間における7セグ表示装置200の動作態様を、演出例に沿って表している。
図77中(A):図54中(K)に示した演出の実行時には、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄が変動を停止する。これにより、7セグ表示装置200及び液晶表示器42において、「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生する。このとき、7セグ表示装置200は、通常位置で静止している。
図77中(B):図54中(L)に示した演出の実行時には、液晶表示器42の画面において、スーパーリーチ演出が開始され、リーチ発生後予告演出が実行される。このとき、7セグ表示装置200は、下降位置まで下降して静止する。その後も、スーパーリーチ演出が実行されている間(図54中(L)〜図55中(N))は、7セグ表示装置200は下降位置で静止し続ける。このような動作により、スーパーリーチ演出が実行されている液晶表示器42の画面全体を遊技者に確実に視認させることができる。
図77中(C):図55中(O)に示した演出の実行時には、特別図柄の停止表示に略同期して、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄が変動を停止する。このとき、7セグ表示装置200は、既に通常位置まで戻っており静止している。このような動作により、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄を遊技者に確実に視認させることができる。
このように、図51〜図55における特別図柄の変動は、スーパーリーチ変動である。そのため、特別図柄の変動が確定する2秒前のタイミングではスーパーリーチ演出が実行されているため、7セグ表示装置200の位置の補正は敢えて行われないが、スーパーリーチ演出の終了に伴って7セグ表示装置200は通常位置に移動する。したがって、この場合にも、7セグ表示装置200の7セグメントLEDに表示される停止図柄の内容を遊技者に確実に視認させることができる。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図78は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御CPU126は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御CPU126は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「4」である場合は、擬似時短カウンタに「4」が設定される。
この処理を終えると、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御CPU126は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御CPU126はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御CPU126は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御CPU126は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS665:演出制御CPU126は、可動体補正処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、各種の可動体(例えば、可動体40fや7セグ表示装置200)がそれぞれ想定される位置(例えば、原点)に存在するか否かを確認し、想定される位置に存在しない可動体については、想定される位置に移動させて位置の補正を行う(位置補正手段)。
可動体に関して、演出制御CPU126は、電源投入時に(主制御CPU72から送信された電源投入コマンド又はRAMクリアコマンドの受信を契機として)、可動体が正常に作動することを確認するために全ての可動体を最大可動位置まで一旦出現させて可動体を完成させた後に収納位置まで戻す動作(イニシャル動作)を実行している。こうしたイニシャル動作の実行時や可動体を用いた演出の実行時には位置の検出(例えば、原点検出)を正常に行うことができたにも関わらず、図柄の変動終了時には検出を正常に行うことができなかった可動体が存在する場合には、可動体補正処理により、その可動体の位置を補正する。可動体補正処理は、7セグ表示装置200を含む全ての可動体に共通の処理として構成されている。
ステップS666:演出制御CPU126は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御CPU126は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図68)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図79は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御CPU126は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り時の演出パターンに関する各種画像データを、当選図柄に応じて読み出す処理を実行する。
ステップS804:演出制御CPU126は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン(例えば女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる演出)を選択し、右打ちを示唆する演出を選択し、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターン(自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる演出)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図68)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図80は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「4」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り10回〜残り5回」又は「残り100回〜残り5回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御CPU126は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御CPU126は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図65)に復帰する。
ステップS858:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り4回〜残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図65)に復帰する。
以上に説明したように、本実施形態によれば以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、特別図柄の変動が確定する(特別図柄が停止する)2秒前に変動確定前補正処理(図75)が呼び出され、その時点で7セグ表示装置200が原点位置にいない場合でも、変動が確定するまでの間に余裕を持って位置の補正を完了させることができるため、変動確定時(特別図柄の停止時)には、7セグ表示装置200を原点位置(通常位置)に静止させて、7セグメントLEDに表示される停止図柄の内容を遊技者に確実に視認させることができる。
(2)本実施形態によれば、所定の予告演出に当選している場合には、特別図柄の変動が確定する2秒前のタイミングでは7セグ表示装置200の補正を行わないため、その予告に伴う7セグ表示装置200の動作との干渉を避けることができるとともに、所定の予告演出の終了に伴って7セグ表示装置200を原点位置(通常位置)に復帰させることができる。
(3)本実施形態によれば、当該変動がスーパーリーチ変動である場合には、特別図柄の変動が確定する(特別図柄が停止する)2秒前のタイミングでは7セグ表示装置200の補正を行わないため、スーパーリーチ演出の実行中における液晶表示器42の視認性を確保することができるとともに、スーパーリーチ演出の終了に伴って7セグ表示装置200を原点位置(通常位置)に復帰させることができる。
(4)本実施形態によれば、演出図柄の停止表示中に実行される各可動体の位置の補正処理に先行して、図柄が停止する前の段階で7セグ表示装置200の位置を補正することができるため、7セグ表示装置200の7セグメントLEDにより停止図柄が表示されている間に7セグ表示装置200の位置を変位するのを未然に回避することができ、7セグメントLEDに表示される停止図柄(7セグメント演出図柄)の視認性を確保することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、7セグ表示装置200の原点を通常位置とする場合の例を説明したが、必ずしも原点を通常位置とする必要はなく、原点とは異なる位置を通常位置としてとしてもよい。
上述した実施形態では、7セグ表示装置200の動作態様を特別図柄の変動表示中に実行される演出例に沿って説明しているが、これらは飽くまで一例として挙げたものである。7セグ表示装置200は、特別図柄の変動表示中に実行される演出においてのみならず、その他の演出(例えば、大当り遊技中に実行される大役中演出等)においても演出の内容に応じて変位させたり振動させたりすることが可能である。
上述した実施形態では、変動確定前補正処理(図75)を特別図柄の変動が確定する2秒前に実行しているが、変動確定前補正処理を実行するタイミングは、7セグ表示装置200の構成に応じて適宜変更が可能である。例えば、原点以外の位置から原点の位置まで変位させるのに2秒より長い場合(例えば、約2.2秒)を要する場合には、それに応じて変動確定前補正処理を実行するタイミングを、特別図柄の変動が確定する2秒前よりも手前のタイミング(例えば、2.5秒前)に変更すればよい。すなわち、変動確定前補正処理を実行タイミングは、位置の補正を特別図柄の変動が確定する前に完了させることができる任意のタイミングに変更可能である。
上述した実施形態においては、7セグ表示装置200が単独で動作(上昇、下降、振動等)する演出例を説明したが、これは飽くまで一例であり、演出によっては7セグ表示装置200が他の可動体と複合して動作する場合もある。そのような場合においては、7セグ表示装置200の動作が他の可動体の動作よりも優先的に制御される。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
上述した実施形態では、7セグ表示装置200を備える遊技機の例で説明したが、7セグ表示装置200を備えていない遊技機であってもよい。
また、7セグ表示装置200は、ドラムユニット(例えば、3列のリールを備える装置)に変更してもよく、液晶表示器に変更してもよい。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
33 普通図柄表示装置
33a 普通図柄作動記憶ランプ
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
34a 第1特別図柄作動記憶ランプ
35a 第2特別図柄作動記憶ランプ
38 遊技状態表示装置
42 液晶表示器
45 演出切替ボタン
70 主制御装置
72 主制御CPU
74 ROM
76 RAM
124 演出制御装置
126 演出制御CPU
200 7セグ表示装置
300 記憶表示装置

Claims (2)

  1. 変位可能に設けられた複数種類の可動体と、
    抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
    前記所定の抽選が実行されると、抽選結果に応じて決定された変動時間にわたり図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄表示手段と、
    図柄が停止表示されている間に少なくとも1つの前記可動体の補正を実行可能とし、複数種類のうち所定の可動体については図柄が変動表示されている間にも補正を実行可能とする位置補正手段と
    を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    図柄の変動表示に対応させて演出画像を表示しつつ、前記複数種類の可動体を前記演出画像が表示される領域の手前側を変位可能とする態様により変動演出を実行する変動演出実行手段をさらに備え、
    前記位置補正手段は、
    前記演出画像の表示位置との関係に基づいて前記所定の可動体の補正を実行可能とすることを特徴とする遊技機。
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