以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<<操作ナビを制限する実施形態>>
以下に説明する第1実施形態から第4実施形態は、AT(アシストタイム)遊技において操作ナビ(遊技者にとって有利な停止態様を導出させるストップボタンの操作に関する情報を報知する演出)を制限する実施形態で構成されている。
[第1実施形態]
本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、かつ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
所謂AT(アシストタイム)遊技中においては、停止操作が単調となる傾向がある。特に、AT遊技において、左リール、中リール、右リールの順序で停止する順押しの情報が報知されたゲームでは、報知された情報に従った停止操作を行って所定の利益が得られたとしても、遊技者にとっては、通常よく行う停止操作と同一なので、あまり得した感じが得られない場合がある。一方、AT遊技において何ら停止操作に関する情報の報知が行われないゲームでは、遊技者はたぶん利益が得られないものと推測し、退屈と感じてしまう場合がある。
本実施形態の遊技台は、AT遊技中において停止操作を単調とせず、遊技意欲を向上させることができる遊技台である。
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。
詳しくは、左リール110の上段(表示位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(表示位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(表示位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(表示位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(表示位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(表示位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(表示位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(表示位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(表示位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110〜112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110〜112にそれぞれ縦方向に三つ、合計九つ表示される。
そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサ;図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン(以下、有効ラインともいう)は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。
本実施形態では、表示位置2、5、8によって構成される中段水平入賞ライン、表示位置1、4、7によって構成される上段水平入賞ライン、表示位置3、6、9によって構成される下段水平入賞ライン、表示位置3、5、7によって構成される右上がり入賞ライン、及び表示位置1、5、9によって構成される右下がり入賞ラインの5本の入賞ラインが設定されている。
本実施形態のスロットマシン100は3枚賭を推奨する遊技台であり、メダルの投入枚数(ベット数)が規定枚数(3枚)に達すると上記5本の入賞ラインが有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。また、推奨しない賭け数の遊技(ベット数が1枚又は2枚の遊技)において、ベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する入賞役内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役(ボーナス))に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。なお、本実施形態の払出枚数表示器127は、停止操作に関する情報(例えば、ストップボタン137〜139の操作順序や操作タイミングなど)を報知する操作ナビ実行装置としても機能する。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型の押下スイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。
以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作といい、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという場合がある。さらに、回転中の各リール110〜112を全て停止させるためのストップボタン137〜139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。第1停止リールを左リール110とする停止操作とする操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とする停止操作とする操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
ナビ発生状態報知ランプ190は、主制御部300の遊技状態が後述するナビ発生状態1又は2のいずれかにある場合(以下、「ナビ発生状態にある場合」という)に点灯するランプである。遊技者は、ナビ発生状態報知ランプ190の点灯態様からナビ発生状態であることを把握することができる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
本実施形態の液晶表示装置(演出画像表示装置)157は、停止操作に関する情報(例えば、ストップボタン137〜139の操作順序や操作タイミングなど)を報知する操作ナビ実行装置としても機能する。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<筐体内部>
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110〜112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に第1副制御部を構成する第1副制御基板を収納した第1副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110〜112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源スイッチ244は前面扉102を開けることで操作可能となり、閉じた状態では操作が困難または不能である。
電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、液晶表示装置157の上部には、演出装置160、及びこの演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272を設けている。液晶表示装置157の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔181に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御部の回路構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、1払出枚数表示器127、ナビ発生状態報知ランプ190)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。また、主制御部300は、主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、シャッタ163を駆動する駆動回路424が設けられ、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路426が設けられ、センサ回路426には入力インタフェースを介してシャッタセンサ428が接続されている。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428の状態を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157などの制御を行う。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU1504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM516のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図4を用いて、各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、左リール110の番号1のコマには「ベル図柄」、中リール111の番号0のコマには「リプレイ図柄」、右リール112の番号0のコマには「スイカ図柄」がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役1〜再遊技役3、小役1〜小役4)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1及び特別役2は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態(RT3とも表記。詳しくは後述)に移行する役である。また、再遊技役1〜再遊技役3は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、及び再遊技役1〜再遊技役3への入賞が含まれる。
特別役1及び2(以下、「特別役」と総称する場合がある)は、入賞により特別遊技状態(RT3)に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」であり、特別役2が「BAR−BAR−BAR(RB)」である。
特別役に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(RT2とも表記。詳しくは後述)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1又は2に内部当選した遊技において内部当選した特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば特別役1に内部当選した場合は「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」の図柄組み合わせ)が、揃って入賞しやすい状態になる。
主制御部300は、内部当選した特別役に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(RT3)に移行させる。さらにこの特別遊技状態において、所定の枚数の払出しがされると通常状態(RT1−1とも表記する。詳しくは後述)に移行させる。
再遊技役1〜3(以下、「再遊技役」と総称する場合がある)は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組み合わせは、再遊技役1(「通常リプレイ」ともいう)は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、再遊技役2(「昇格リプレイ1」ともいう)は「リプレイ−リプレイ−ベル」、再遊技役3(「昇格リプレイ2」ともいう)は「ベル−リプレイ−リプレイ」である。
主制御部300は、通常状態(RT1−1)において再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態をナビ発生状態1(RT1−2とも表記。詳しくは後述)に移行させる。また、ナビ発生状態1(RT1−2)において再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態をナビ発生状態2(RT1−3とも表記。詳しくは後述)に移行させる。
「小役1〜4」(以下、「小役」と総称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1(「スイカ」ともいう)が「スイカ−スイカ−スイカ」、小役2(「チェリー」ともいう)が「ANY−チェリー−ANY」、小役3(「押順ベル」ともいう)が「ベル−ベル−ベル」、小役4(「共通ベル」ともいう)が「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
本実施形態では、小役1(スイカ)及び小役2(チェリー)は、それぞれ、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選し、かつ停止操作の操作タイミングが好適な場合に入賞する。また、小役3(押順ベル)は、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選し、かつ正解の停止操作順序で停止操作を行なった場合に入賞する。押順役ともいう。一方、小役4(共通ベル)は、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選した場合、停止操作の内容(操作順序、操作タイミング)に関係なく、常に入賞する。引き込み1の役、押順不問役、ともいう。
本実施形態において、小役3(押順ベル)は押順役、小役4(共通ベル)、再遊技役1(通常リプレイ)は、押順不問役である。
本実施形態では、小役3(押順ベル)と小役4(共通ベル)は、同一の図柄組合せをしており、メダル付与数も同一であるため、有効ライン上に「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが表示された場合、遊技者は小役3(押順ベル)に入賞したのか、小役4(共通ベル)に入賞したのかを判断することができない。以下、小役3(押順ベル)又は小役4(共通ベル)のいずれかに内部当選して、有効ライン上に「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが表示された場合を「ベル入賞」という場合がある。
小役3(押順ベル)は、遊技者のストップボタン137〜139に対する第1停止操作から第3停止操作までの操作順序に応じて利益度が異なるように設定されている。より詳しくは、小役3(押順ベル)は、図6に示すように、小役3a、小役3b、小役3c、小役3d、小役3e及び小役3fに細分化されて設定されている。なお、この6つの役の内部当選確率は、それぞれ同一である。
例えば、(1)小役3aに内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112とする停止操作(以下、「左中右」と略記する)が正解の停止操作であり、この正解の停止操作が行われた場合には、小役3aに入賞し、8枚のメダルが払い出される一方、この正解以外の停止操作が行われた場合には、小役3a(押順ベル)に入賞せず、8枚のメダルは払い出されない。同様にして、(2)小役3bに内部当選した場合には、第1停止リールを右リール112、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを中リール111とする停止操作(以下、「右左中」と略記する)が正解の停止操作であり、(c)小役3cに内部当選した場合には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110とする停止操作(以下、「中右左」と略記する)が正解の停止操作であり、(d)小役3dに内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを中リール111とする停止操作(以下、「左右中」と略記する)が正解の停止操作であり、(e)小役3eに内部当選した場合には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112とする停止操作(以下、「中左右」と略記する)が正解の停止操作であり、(f)小役3fに内部当選した場合には、第1停止リールを右リール112、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを左リール110とする停止操作(以下、「右中左」と略記する)が正解の停止操作である。
これに対して、小役4(共通ベル)は、遊技者のストップボタン137〜139に対する第1停止操作から第3停止操作までの操作順序に応じて利益度が異なるように設定されておらず、小役4(共通ベル)に内部当選した場合、上記6択のいずれの操作順序で停止操作が行われても、必ず小役4(共通ベル)に入賞し、8枚のメダルが払い出される。
なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。なお、入賞ラインに入賞に係る図柄組合せが停止されないことを、「ハズレとなる」、と称する場合がある。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
ここで、入賞役の内部当選確率について概説する。
以後に説明する各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば、65535)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。尚、設定値とは、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合を調整するための値であり、いわゆる「払出率」と称されるものであり、複数段階の設定値、例えば、設定「1」〜設定「6」まで設定可能である。
なお、本実施形態の小役3(押順ベル)は、単独役として設定されていたが、複数の役に同時に当選する重複役として設定されていてもよい。例えば、小役3と小役5(図示せず)と小役6(図示せず)に同時に当選する役として設定されていてもよい。この場合、正解の停止操作が行われたとき、小役3(押順ベル)に入賞し、不正解の停止操作が行われたとき、他の小役に入賞したり、ハズレとなったりする。
また、本実施形態では、小役3(押順ベル)に内部当選し、正解の停止操作が行われた場合、小役3に入賞し、8枚のメダルが払い出される一方、不正解の停止操作が行われた場合、小役3に入賞せず、メダルの払出は行われなかった。しかしながら、上述したような小役3(押順ベル)を重複役として設定した場合には、当該重複役に内部当選した場合、正解の停止操作のとき、小役3(押順ベル)入賞に基づいて8枚のメダルを払い出し、一の不正解の停止操作のとき、他の小役入賞に基づいて8枚より少ない所定数のメダルを払い出すようにしてもよい。つまり、不正解の停止操作の場合、正解の停止操作の場合よりも少ないメダルが払い出されるようにしてもよい。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、後述する入賞役の内部抽選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役1(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ラインに停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技役1に内部当選すると、そのタイミングに係わらず100%入賞することになる。
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類及び遷移について説明する。図7(a)は、スロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300は、大別すると、通常状態(RT1−1)、ナビ発生状態1(RT1−2)、ナビ発生状態2(RT1−3)、特別役内部当選状態(RT2)、及び特別遊技状態(RT3)を有する。なお、通常状態(RT1−1)、ナビ発生状態1(RT1−2)、及びナビ発生状態2(RT1−3)を総称して「通常遊技状態」ともいう。また、ナビ発生状態1(RT1−2)及びナビ発生状態2(RT1−3)は、上述したように総称して「ナビ発生状態」という場合がある。ナビ発生状態のナビとは、操作ナビの意であり、操作ナビに関しては後述するAT系の遊技状態にて詳述する。本実施形態では、この5つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態(以下、AT系の遊技状態という)も制御しており、主制御部300が決定したAT系の遊技状態に従って、第1副制御部400は遊技状態を設定するようになっている。
以降、図面を適宜参照しながら、スロットマシン100のRT系の遊技状態について説明する。
<通常状態(RT1−1)>
通常状態(RT1−1)は、内部抽選の結果が概ねハズレ(特別役、再遊技役、及び小役のいずれにも内部当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、通常状態(RT1−1)は、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。
通常状態(RT1−1)は、初期状態において設定され、また、ナビ発生状態1(RT1−2)若しくはナビ発生状態2(RT1−3)において、規定回数の操作ナビが実行された場合(詳しくは後述)、又は特別遊技状態(RT3)において規定枚数を超えるメダルの払出があった場合(詳しくは後述)、通常状態(RT1−1)が設定される。
一方、通常状態(RT1−1)において、再遊技役2(昇格リプレイ1)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)には、ナビ発生状態1(RT1−2)に移行する。また、特別役に内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT2)に移行し、特別役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
<ナビ発生状態1(RT1−2)>
ナビ発生状態1(RT1−2)は、AT系の遊技状態がAT状態にある場合、小役3(押順ベル)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビが実行される遊技状態である。
ナビ発生状態1(RT1−2)は、通常状態(RT1−1)において再遊技役2(昇格リプレイ1)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)に、設定される。
ここで、ナビ発生状態1(RT1−2)を設定する場合には、図7(b)に示す規定回数抽選テーブルを用いた規定回数抽選を実行し、1、2又は3のいずれかを規定回数に設定する。ここで、規定回数とは、本実施形態の場合、小役3(押順ベル)に内部当選して実行される操作ナビの最大回数を意味し、規定回数の操作ナビを実行した場合、ナビ発生状態1(RT1−2)は終了し、通常状態(RT1−1)に移行する。例えば、規定回数として3が設定された場合には、ナビ発生状態1(RT1−2)において小役3(押順ベル)内部当選に対する操作ナビを3回実行した場合に、ナビ発生状態1(RT1−2)は終了する。
ナビ発生状態1(RT1−2)において、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役3に入賞した場合)には、ナビ発生状態2(RT1−3)に移行し、ナビ発生状態1(RT1−2)において、規定回数の操作ナビを実行した場合には、通常状態(RT1−1)に移行する。また、特別役に内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT2)に移行し、特別役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
<ナビ発生状態2(RT1−3)>
ナビ発生状態2(RT1−3)は、ナビ発生状態1(RT1−2)と同様に、AT系の遊技状態がAT状態にある場合、小役3(押順ベル)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビが実行される遊技状態である。
ナビ発生状態2(RT1−3)は、ナビ発生状態1(RT1−2)において再遊技役3(昇格リプレイ2)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)に、設定される。すなわち、ナビ発生状態1(RT1−2)において規定回数(例えば、1〜3回)の操作ナビをすべて実行するまでの間に再遊技役3(昇格リプレイ2)に入賞した場合、ナビ発生状態2(RT1−3)は設定される。
ここで、ナビ発生状態2(RT1−3)を設定する場合には、図7(c)に示す規定回数抽選テーブルを用いた規定回数抽選を実行し、30、40又は50のいずれかを規定回数に設定する。例えば、規定回数が30の場合には、ナビ発生状態2(RT1−3)において小役3(押順ベル)内部当選に対する操作ナビを30回実行した場合に、ナビ発生状態2(RT1−3)は終了する。ナビ発生状態2(RT1−3)において設定される規定回数は、ナビ発生状態1(RT1−2)において設定される規定回数よりも大きいので、ナビ発生状態の期間という観点から、ナビ発生状態2(RT1−3)はナビ発生状態1(RT1−2)よりも有利な状態である。
ナビ発生状態2(RT1−3)において、規定回数の操作ナビを実行した場合には、通常状態(RT1−1)に移行する。また、特別役に内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT2)に移行し、特別役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
<特別役内部当選状態(RT2)>
特別役内部当選状態(RT2)は、特別役1又は特別役2に対応する内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで、このフラグに対応する特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。
特別役内部当選状態(RT2)は、通常遊技状態(通常状態、ナビ発生状態1、ナビ発生状態2)において、特別役に内部当選した場合に設定される。一方、特別役内部当選状態(RT2)において、内部当選した特別役に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
<特別遊技状態(RT3)>
特別遊技状態(RT3)は、遊技者にとっては利益となる遊技状態である。つまり、特別遊技状態(RT3)は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。
特別遊技状態(RT3)は、通常遊技状態(通常状態、ナビ発生状態1、ナビ発生状態2)、又は特別役内部当選状態(RT2)において、内部当選した特別役に入賞した場合に設定される。一方、特別遊技状態(RT3)において、規定枚数が払い出された場合に通常状態(RT1−1)に移行する。具体的には、特別役1に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、300枚を超えるメダルの払出しが終了すると通常状態(RT1−1)に移行する。また、特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、100枚を超えるメダルの払出しが終了すると通常状態(RT1−1)に移行する。
なお、本実施形態では、特別遊技状態(RT3)が規定枚数の払い出しが実行されると終了するが、例えば、所定の役(例えばシングルボーナス)に当選した場合に終了するものや、さらには所定の回数(例えば8回)の入賞があった場合、または所定の回数(例えば6回)の遊技が行われた場合に終了するものであってもよい。
また、本実施形態では、通常状態(RT1−1)において再遊技役2(昇格リプレイ2)に入賞した場合、ナビ発生状態1(RT1−2)に移行したが、通常状態(RT1−1)において再遊技役2(昇格リプレイ2)に内部当選した場合に、ナビ発生状態1(RT1−2)に移行するようにしてもよい。同様にして、ナビ発生状態1(RT1−2)において再遊技役3(昇格リプレイ3)に入賞した場合、ナビ発生状態2(RT1−3)に移行したが、ナビ発生状態1(RT1−2)において再遊技役3(昇格リプレイ3)に内部当選した場合に、ナビ発生状態2(RT1−3)に移行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、特別遊技状態(RT3)が終了した場合、一律に通常状態(RT1−1)に移行したが、これに限定されず、ナビ発生状態2(RT1−3)から特別役内部当選状態(RT2)及び特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、特別遊技状態(RT3)が終了したとき、ナビ発生状態2(RT1−3)に移行するようにしてもよい。
また、本実施形態の通常遊技状態において、再遊技役の内部当選確率の変更に関しては特に言及しなかったが、ナビ発生状態2(RT1−3)の内部当選確率を他の通常遊技状態(RT1−1、RT1−2)よりも高く設定してもよい。
<AT系の遊技状態>
図8(a)は、スロットマシン100の主制御部300のAT系の遊技状態の遷移図である。
AT系の遊技状態は、非AT状態とAT状態とに大別される。AT状態は、停止操作の内容に関する報知演出(以下、「操作ナビ」という)を実行可能な状態をいい、非AT状態は、操作ナビを実行不可能な状態をいう。すなわち、AT状態は、遊技者に有利な結果がもたらされるように、操作タイミング又は停止操作の操作順序を含んだ操作ナビが実行される遊技状態をいう。本実施形態では、AT状態において小役3(押順ベル)に内部当選した場合、より詳しくは、小役3(押順ベル)のうち、小役3b〜小役3fのいずれかに内部当選した場合、正解の操作順序を示す操作ナビが実行される(理由は後述)。
本実施形態では、非AT状態においてAT開始条件が成立した場合、所定のATゲーム数が付与され、AT状態が開始される。本実施形態のAT開始条件は、入賞役内部抽選の結果に基づいて成立するようになっている。また、AT状態において、付与されたATゲーム数をすべて消化した場合、AT状態は終了し、非AT状態に移行する。
ここで、本実施形態のATゲーム数とは、小役3(押順ベル)内部当選に対する操作ナビの回数、つまり上述した規定回数を意味する。
ナビ発生状態は、その名から「操作ナビ」を実行可能な状態であるが、RT系の遊技状態とAT系の遊技状態は必ずしもリンクしていないため、ナビ発生状態であっても、「操作ナビ」が実行されない場合もある。例えば、通常状態(RT1−1)のAT開始条件が成立していない状態において、再遊技役2に入賞しても、ナビ発生状態(RT1−2)に移行するが、AT状態ではないので、「操作ナビ」は実行されない。同様にして、ナビ発生状態(RT1−2)のAT開始条件が成立していない状態において、再遊技役3に入賞しても、ナビ発生状態(RT1−3)に移行するが、AT状態ではないので、「操作ナビ」は実行されない。
なお、ナビ発生状態1(RT1−2)において規定回数の操作ナビを実行した場合は、ナビ発生状態1(RT1−2)のAT系の遊技状態はAT状態にあるので、通常状態(RT1−1)に移行するとともに非AT状態に移行する。同様にして、ナビ発生状態2(RT1−3)において規定回数の操作ナビを実行した場合は、ナビ発生状態2(RT1−3)のAT系の遊技状態はAT状態にあるので、通常状態(RT1−1)に移行するとともに非AT状態に移行する。
<操作ナビ>
本実施形態では、AT状態の小役3(押順ベル)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、(1)主制御部300による操作ナビ、及び(2)第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する。以下、単に「操作ナビ」と表記した場合には、(1)及び(2)の両方の操作ナビを含む。本実施形態の操作ナビは、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序を報知する。すなわち、「左中右」「左右中」「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の6つ、所謂6択の中の一つの操作順序を報知する。
AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビについて、詳しく説明すると、本実施形態では、AT状態の小役3aに内部当選したゲームでは、操作ナビを実行しない。すなわち、AT状態の小役3b〜小役3fに内部当選したゲームにおいて、操作ナビは実行される。AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行しないのは、操作ナビの内容が「左中右」の順押しの場合、「左中右」の順押しは、遊技者が通常行う停止操作と同一なので、遊技者はあまり得した感じを受けないからである。そこで、本実施形態では、正解の停止操作順序が「左中右」の順押しの小役3aに内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行しないこととした。なお、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行しなくても、遊技者は、大概の場合、「左中右」の順押しの停止操作を行うので、結果として小役3に入賞することが予想される。
また、本実施形態では、AT状態において小役3(押順ベル)に内部当選したゲームだけでなく、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームでも操作ナビを実行する。これは、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて操作ナビが実行されないことに起因する。小役3aの正解の停止操作順序は、「左中右」の順押しである。仮にAT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいてのみ操作ナビを実行するとなると、「左中右」の順押しを示す操作ナビは実行されないこととなる。そこで、本実施形態では、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいても操作ナビを実行することとし、「左中右」の順押しを示す操作ナビを実行することとした。なお、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおける操作ナビの内容は、主制御部300が実行する押順抽選により決定される。
図8(b)は、押順抽選で用いられる押順抽選テーブルの内容を模式的に示す表である。本実施形態の押順抽選では、図8(b)に示すように、ストップボタン137〜139に対する第1停止操作から第3停止操作までの操作順序を正解の操作順序として設定する。すなわち、再遊技役1(通常リプレイ)は、いずれの停止操作でも入賞する役となっているが、本実施形態では、図8(b)に示すように、所謂6択の中の一つを押順抽選により、正解の停止操作として決定する。具体的には、「左中右」の順押しの当選確率は、7/12、それ以外の操作順序は、それぞれ、1/12となっており、「左中右」の順押しの操作ナビを実行する確率は高くなっている。上述したように、小役3に内部当選したゲームでは、「左中右」の操作ナビは実行されないので、AT状態の操作ナビを実行する全ゲーム(小役3b〜3f又は再遊技役1のいずれかが内部当選したゲーム)において、6択の操作内容が略均一に報知されるように設定したものである。
このようにAT状態の小役3(押順ベル;ただし小役3aは除く)又は小役4(通常リプレイ)に内部当選したゲームでは、主制御部300が操作ナビの報知内容(停止操作順序)を決定するので、主制御部300は、小役3(押順ベル;ただし小役3aは除く)又は小役4(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビの報知内容を示すコマンド(内部当選コマンド、押順コマンド)を第1副制御部400に送信する。この結果、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビでは、主制御部300による操作ナビと同一の報知内容を報知することが可能となっている。
ここで、主制御部300による操作ナビとは、具体的には、払出枚数表示機127を用いた7セグ点灯演出であり、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビとは、具体的には、スピーカ272、277を用いた音声出力演出、液晶表示装置157を用いた画像表示演出である。
図9(a)は、主制御部300による操作ナビの点灯態様を示す図である。例えば、次の停止操作が左リール110に対する停止操作である場合には、「L」の文字を表示する7セグデータを選択して払出枚数表示機127を点灯し、次の停止操作が中リール111に対する停止操作である場合には、「C」の文字を表示する7セグデータを選択して払出枚数表示機127を点灯し、次の停止操作が右リール112に対する停止操作である場合には、「R」の文字を表示する7セグデータを選択して払出枚数表示機127を点灯する。
図9(b)は、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビの表示態様を説明する図である。例えば、操作ナビの報知内容として、6択のうちの「左中右」が選択された場合には、左から右に「123」の数字が描かれた文字画像を液晶表示装置157に表示する。以下、操作ナビの文字画像を操作ナビ画像d10と表記する。
図9(c)は、操作ナビの報知内容として「右中左」が選択された場合における操作ナビの報知態様の推移を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作の時点t1Aにおいて、払出枚数表示機127に「R」の文字を表示するとともに液晶表示装置157に「321」の文字で構成された操作ナビ画像d10を表示する。また、スピーカ272、277より「右」の音声を出力する。これにより、遊技者は、右リール112が第1停止リールであることを把握することができる。次に、スロットマシン100は、第1停止操作が行われた時点t1Bにおいて、払出枚数表示機127に「C」の文字を表示するとともに液晶表示装置157に「32」の文字で構成された操作ナビ画像d10を表示する。また、スピーカ272、277より「中」の音声を出力する。これにより、遊技者は、中リール111が第2停止リールであることを把握することができる。次に、スロットマシン100は、第2停止操作が行われた時点t1Cにおいて、払出枚数表示機127に「C」の文字を表示するとともに液晶表示装置157に「3」の文字で構成された操作ナビ画像d10を表示する。また、スピーカ272、277より「左」の音声を出力する。これにより、遊技者は、左リール110が第3停止リールであることを把握することができる。最後に、スロットマシン100は、第3停止操作が行われた時点において、払出枚数表示機127の表示を終了するとともに液晶表示装置157の操作ナビ画像d10の表示を終了する。
図10は、非AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を説明する図である。
図10に示すように、スロットマシン100は、非AT状態では、小役3a〜小役3fのいずれの役に内部当選したゲームにおいても、操作ナビを実行しない。また、非AT状態において小役3(押順ベル)に内部当選したゲームでは、主制御部300は、小役3を示す内部当選コマンド(小役3a〜小役3fのいずれの役に内部当選したかは不明な情報)を第1副制御部400に送信する。非AT状態では操作ナビを実行しないので、正解の操作順序に関する情報を送信する必要はないからである。この結果、第三者により不正にコマンドを解析されたとしても、正解の操作順序が把握されることはない。
図11は、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を示す説明図である。
図11に示すように、スロットマシン100は、AT状態では、(1)小役3aに内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行しないが、(2)小役3b〜小役3fのいずれかの役に内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行する。
詳しくは、AT状態において小役3aに内部当選したゲームでは、主制御部300は、小役3を示す内部当選コマンド(小役3に内部当選したことはわかるが、小役3a〜小役3fのいずれの役に内部当選したかは不明な情報)を第1副制御部400に送信する。この場合、AT状態であっても操作ナビを実行しないので、正解の操作順序に関する情報を送信する必要はないからである。この結果、第三者により不正にコマンド解析されたとしても、正解の操作順序が把握されることはない。
これに対して、AT状態において小役3b〜小役3fのいずれかの役に内部当選したゲームでは、主制御部300は、内部当選した小役3b〜小役3fを示す内部当選コマンド(内部当選した役を示す情報であるとともに正解の操作順序を示す情報でもある)を第1副制御部400に送信する。この場合には、操作ナビを実行するからである。
この結果、AT状態の小役3b〜小役3fのいずれかの役に内部当選したゲームでは、主制御部300及び第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビが実行される(図9(c)参照)。
図12は、非AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を説明する図である。
図12に示すように、スロットマシン100は、非AT状態では、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行しない。また、非AT状態において再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームでは、主制御部300は、再遊技役1(通常リプレイ)の内部当選を示す内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する。
図13は、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を説明する図である。
図13に示すように、スロットマシン100は、AT状態では、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行する。詳しくは、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)の内部当選したゲームでは、主制御部300は、再遊技役1の内部当選を示す内部抽選コマンド、及び正解の操作順序を示す押順情報を含んだ押順コマンドを第1副制御部400に送信する。なお、押順情報は、押順抽選により決定された情報である(図8(b)参照)。
図14は、AT状態における操作ナビの実行状況を示す図である。図10〜図13を用いた説明の総括になるが、スロットマシン100は、AT状態では、再遊技役1(通常リプレイ)、又は小役3b〜3fのいずれかの小役3(押順ベル)に内部当選したゲームでは操作ナビを実行し、小役3aに内部当選したゲームでは操作ナビを実行しない。
<スロットマシンの動作>
以下、主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図15を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図15に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、賭け数設定/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。
ステップS104では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する乱数取得処理を行う。
ステップS105では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ここで、小役3(押順ベル)に内部当選した場合の内部抽選コマンドについて説明すると、(1)AT系の遊技状態が非AT状態にある場合には、小役3に内部当選したことを示す情報(小役3a〜小役3fのいずれに内部当選したかは不明)を送信し、(2−1)AT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3aに内部当選した場合には、小役3に内部当選したことを示す情報(小役3aに内部当選したことは不明)を送信する一方、(2−2)AT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3b〜小役3fのいずれかに内部当選した場合には、小役3b〜小役3fに内部当選したことを示す情報を送信するようにしている。
ステップS106では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。
ステップS107では、主制御部300の操作ナビの設定を行う主制御部・操作条件表示設定処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS108では、リール回転開始処理が実行され、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS109では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110〜112の何れかを停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS110へ進む。なお、このステップS109では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ−スイカ−スイカ」が揃っていたならば小役1(スイカ)に入賞したと判定される。また、このステップS110では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS111では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS112では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では各遊技状態(RT系の遊技状態、AT系の遊技状態)の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在の遊技状態を示す情報を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図16のステップS1006)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に図16を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS1004では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS1006では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1007では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS1008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ336、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS1009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1010に進む。
ステップS1010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図15に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS1011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図15に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<主制御部・操作条件表示設定処理>
次に、図17(a)を用いて、主制御部・操作条件表示設定処理について説明する。図図17(a)は、図15のステップS107の主制御部・操作条件表示設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にあるか否かを判定する。主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にある場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、主制御部・操作条件表示設定処理を終了する。
ステップS202では、操作ナビの設定に関する操作ナビ設定処理(詳しくは後述)を実行する。
<操作ナビ設定処理>
次に、図17(b)を用いて、操作ナビ設定処理について説明する。図17(b)は、図17(a)のステップS202の操作ナビ設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、当該ゲームにおいて小役3(押順ベル)に内部当選したか否かを判定する。小役3(押順ベル)に内部当選した場合には、ステップS302に進み、そうでない場合には、ステップS304に進む。
ステップS302では、小役3(押順ベル)のうち、小役3aに内部当選したか否かを判定する。小役3aに内部当選した場合には、操作ナビ設定処理を終了し、そうでない場合、つまり小役3b〜小役3fのうちのいずれかに内部当選した場合には、ステップS303に進む。
ステップS303では、内部当選した小役3(押順ベル)の正解の操作順序を操作ナビの内容として、操作ナビの演出設定を行う。例えば、小役3bに内部当選した場合には、「右左中」の操作順序を示す操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。ステップS303の終了後は、操作ナビ設定処理を終了する。なお、主制御部300は、小役3b〜3fのいすれかに内部当選したことを示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に送信しているので(図15のステップS105参照)、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した内部抽選コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。
ステップS304では、当該ゲームにおいて再遊技役1(通常ベル)に内部当選したか否かを判定する。再遊技役1(通常ベル)に内部当選した場合には、ステップS305に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS305では、押順抽選を実行して、正解の操作内容を決定し、決定した正解の操作内容を操作ナビの内容とする。詳しくは、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の6択の中からいずれか一つの操作順序を操作ナビの内容とする(図8(b)参照)。
ステップS306では、ステップS305で決定された操作ナビの内容に従って、操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。また、ステップS306では、操作ナビの操作内容(押順情報)を含む押順コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した押順コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。
<第1副制御部の処理>
次に、図18を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図18(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図18(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図18(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図18(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。
ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS3004では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
ステップS3005では、演出制御処理を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。例えば、本実施形態では、AT状態において、小役3(押順ベル;小役3aは除く)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選した場合には、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビの設定を行う。
ステップS3006では、ステップS3005の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS3007では、ステップS3005の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS3008では、ステップS3005の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS3009では、ステップS3005の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS3002へ戻る。
次に、図18(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS3101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図18(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、図18(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS3002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS3202では、ステップS3608で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図19を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図19(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図19(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図19(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図19(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図19(a)のステップS4001では、各種の初期設定を行う。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS4002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS4003の処理に移行する。
ステップS4003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS4004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS4005では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS4004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS4006では、ステップS4005の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS4005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、第1副制御部400及び第2副制御部500による操作ナビを実行する場合には、操作ナビ画像を表示する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS4002へ戻る。
次に、図19(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS4101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図19(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS4201では、図19(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS4002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS4002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS4202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図19(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS4006の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS4301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS4302では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS4303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS4303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS4301でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP516に指示する。VDP516はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS4304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS4305では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS4306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS4306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
以上、本実施形態によれば、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビを実行しないので、「左中右」の順押しの操作ナビを実行するときの利益量を減少させる遊技性がある。しかしながら、AT状態の操作ナビがない場合であっても、遊技者は通常は「左中右」の順押しの停止操作をすることが多いので、この操作に起因して小役3(押順ベル)に入賞する場合がある。これにより、遊技者はAT状態の操作ナビがない遊技であっても停止操作を単調とせず、遊技意欲を向上させることができる。
<変形例>
上記実施形態(第1実施形態)では、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行しなかった。しかしながら、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいても、所定の条件が成立した場合に操作ナビを実行してもよい。また、AT状態の再遊技役1に内部当選したゲームでは、必ず操作ナビを実行したが、所定の条件が成立した場合に操作ナビを実行するようにしてもよい。また、AT状態の他の役に内部当選したゲームにおいても、所定の条件が成した場合に操作ナビを実行してもよい。
図20は、本実施形態(第1実施形態)の操作ナビ設定処理の変形例を詳しく示すフローチャートである。この変形例では、小役3a、再遊技役1、ハズレに内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行可能とした。
ステップS401では、当該ゲームにおいて小役3(押順ベル)に内部当選したか否かを判定する。小役3(押順ベル)に内部当選した場合には、ステップS402に進み、そうでない場合には、ステップS407に進む。
ステップS402では、小役3(押順ベル)のうち、小役3aに内部当選したか否かを判定する。小役3aに内部当選した場合には、ステップS404に進み、そうでない場合、つまり小役3b〜小役3fのうちのいずれかに内部当選した場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、内部当選した小役3(押順ベル)の正解の操作順序を操作ナビの内容として、操作ナビの演出設定を行う。例えば、小役3bに内部当選した場合には、「右左中」の操作順序を示す操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。ステップS403の終了後は、操作ナビ設定処理を終了する。なお、主制御部300は、小役3b〜3fのいすれかに内部当選したことを示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に送信しているので(図15のステップS105参照)、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した内部抽選コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。
ステップS404では、操作ナビ実行抽選を行う。操作ナビ実行抽選は、操作ナビを実行するか否かを決定する抽選である。具体的には、小役3a(押順ベル)に内部当選した場合の操作ナビ実行抽選の当選確率は1/2である。
ステップS405では、ステップS404の操作ナビ実行抽選の結果、当選した場合には、ステップS406に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS406では、内部当選した小役3a(押順ベル)の正解の操作順序を操作ナビの内容として、操作ナビの演出設定を行う。具体的には、「左中右」の操作順序を示す操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。
また、ステップS405では、操作ナビの操作内容(押順情報)を含む押順コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した押順コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。ステップS406の終了後は、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS407では、当該ゲームにおいて再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したか否かを判定する。再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選した場合には、ステップS408に進み、そうでない場合には、ステップS412に進む。
ステップS408では、操作ナビ実行抽選を行う。操作ナビ実行抽選は、操作ナビを実行するか否かを決定する抽選である。具体的には、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選した場合の操作ナビ実行抽選の当選確率は1/4である。
ステップS409では、ステップS408の操作ナビ実行抽選の結果、当選した場合には、ステップS410に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS410では、押順抽選を実行して、正解の操作内容を決定し、決定した正解の操作内容を操作ナビの内容とする。詳しくは、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の6択の中からいずれか一つの操作順序を操作ナビの内容とする(図8(b)参照)。
ステップS411では、ステップS410で決定された操作ナビの内容に従って、操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。また、ステップS411では、操作ナビの操作内容(押順情報)を含む押順コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した押順コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。ステップS411の終了後は、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS412では、当該ゲームにおいて入賞役内部抽選の結果がハズレであったか否かを判定する。当該ゲームにおいて入賞役内部抽選の結果がハズレであった場合には、ステップS413に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS413では、操作ナビ実行抽選を行う。操作ナビ実行抽選は、操作ナビを実行するか否かを決定する抽選である。具体的には、入賞役内部抽選の結果がハズレだった場合の操作ナビ実行抽選の当選確率は1/8である。
ステップS414では、ステップS413の操作ナビ実行抽選の結果、当選した場合には、ステップS415に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS415では、押順抽選を実行して、正解の操作内容を決定し、決定した正解の操作内容を操作ナビの内容とする。詳しくは、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の6択の中からいずれか一つの操作順序を操作ナビの内容とする。
ステップS416では、ステップS415で決定された操作ナビの内容に従って、操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。また、ステップS416では、操作ナビの操作内容(押順情報)を含む押順コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した押順コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9参照)。
このように、小役3aに内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビを実行する場合があってもよいし、また、再遊技役1(通常リプレイ)の内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行しない場合があってもよいし、また、ハズレであっても、操作ナビを実行する場合があってもよい。これにより、遊技者はAT状態の操作ナビがある遊技と操作ナビがない遊技とにおいて、停止操作を終えるまで入賞結果が分からないこととなり、停止操作を単調とせず遊技意欲を向上させることができる。
また、上記実施形態では、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行しなかった。しかしながら、当該ゲームにおいて小役3(押順ベル)に内部当選したことを示唆する演出(以下、小役3当選示唆演出という)を実行してもよい。
図21(a)は、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、小役3当選示唆演出を実行した場合の演出例を示している。図21(a)に示す小役3当選示唆演出では、スタートレバー操作時において、小役3当選を示唆する画像(以下、小役3当選示唆画像という。例えば、画面の周縁に表示されたベル当選を示唆する黄色の画像枠など)d20を演出画像表示装置157に表示する。遊技者は、小役3当選示唆画像d20を視認することにより、小役3(押順ベル)に当選したことを把握するので、通常の停止操作である「左中右」の順押し操作を実行することが予想される。図21(a)は、遊技者が「左中右」の順押しを行った場合の第3停止操作後における、リールの表示態様及び演出態様を示している。この場合には、小役3入賞を示す小役3入賞画像d30が演出画像表示装置157に表示される。
図21(b)は、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、小役3当選示唆演出を実行した場合の別の演出例を示している。図21(b)に示す小役3当選示唆演出は、スタートレバー操作時において、シャッタ163a及び163bを左右に振動させる演出である。このように小役3当選示唆演出は、画像演出でなくてもよい。遊技者は、シャッタ163a及び163bの振動により注意喚起されていることを認識し、操作を慎重に行ったほうがよい(つまり、順押し以外の操作は行わない方がよい)ことを把握するので、通常の停止操作である「左中右」の順押し操作を実行することが予想される。なぜなら、従前の遊技台において通常の停止操作である「左中右」の順押し操作を実行しない場合、その順に応じたリールの引き込み制御が実行された結果、意図しない取りこぼしを生じさせてしまうことがあったからである。図21(b)は、遊技者が「左中右」の順押しを行った場合の第3停止操作後における、リールの表示態様及び演出態様を示しており、小役3入賞画像d30が演出画像表示装置157に表示されている。
また、上記実施形態の小役3(押順ベル)は、「左中右」「左右中」「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の6択の中の一つを正解の操作順序として決めた。しかしながら、細分化された小役3(押順ベル)の一つは、第1停止操作に対してのみ正解を設定してもよい。例えば、図22に示すように、小役3(押順ベル)を小役3ax、小役3bx、小役3cx、小役3dx及び小役3exの5つに細分化し、小役3axの正解の停止操作を「左中右」「左右中」の2つとしてもよい。すなわち、小役3axに内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作を行えば、小役3(押順ベル)に入賞するようにしてもよい。この場合には、AT状態の小役3axに内部当選したゲームでは、操作ナビを実行せず、AT状態の小役3bx〜小役3exのいずれかに内部当選したゲームでは、操作ナビを実行する。AT状態の小役3axに内部当選したゲームでは、操作ナビがなくても遊技者は第1停止リールを左リール110とする第1停止操作を行う確率が高いので、遊技者は小役3に入賞する確率が高い。なお、この5つの役の内部当選確率は、それぞれ同一である。
図23(a)は、AT状態の小役2(チェリー)又は小役3a(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビは実行しないが、遊技者に期待感を与える演出aを実行することがある場合の変形例のタイムチャートである。ここで、小役2(チェリー)は、当該役に内部当選した場合に、ATゲームの上乗せや特別役(ボーナス)との同時内部当選など所定の利益が付与される可能性がある役である。すなわち、演出aは、ATゲームの上乗せや特別役(ボーナス)の内部当選が期待できる演出である。なお、小役3a(押順ベル)は、ATゲームの上乗せや特別役(ボーナス)との同時内部当選など所定の利益が付与される可能性がない役とする。
図23(b)は、演出aの表示態様の一例を示している。演出aでは、例えば、期待感を示す画像(以下、期待感画像という。例えば、「激熱」などの文字)d40を演出画像表示装置157に表示する。遊技者は、演出aの期待感画像d40を見ることにより、ATゲームの上乗せを期待し、期待感を向上させることになる。
しかしながら、従来、このような期待感画像d40が表示されたゲームにおいて、小役2に入賞できなかった場合には、遊技者は落胆し、遊技の興趣を低下させることにもなっていた。
そこで、本変形例では、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいても演出aを実行し、期待感画像d40を演出画像表示装置157に表示することとした。これにより、演出aを視認した遊技者は、中リール111を最初に停止させた場合にチェリー図柄が有効ライン上に停止せずに小役2に入賞しなかったとしても、有効ライン上にベル図柄が停止していれば、その後の停止結果で小役3aに入賞する可能性があることを期待できるので、落胆せず、期待感を維持することができる。
なお、本変形例では、図23(a)に示すように、AT状態の入賞役内部抽選処理においてハズレの場合にも演出aを実行することがある。このようにハズレの場合にも演出aを実行してもよいし、しなくてもよい。
また、図23(a)に示すように、AT状態の小役2(チェリー)又は小役3a(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて演出aを実行しない場合もある。このように、本変形例では、AT状態の小役2(チェリー)又は小役3a(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて実行抽選を行い、当選した場合にだけ演出aを実行するようにしている。しかしながら、これとは別に、AT状態の小役2(チェリー)又は小役3a(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて必ず演出aを実行するようにしてもよい。
また、本変形例では、小役3aを、ATゲームの上乗せなど所定の利益を付与されない役として設定したが、ATゲームの上乗せなど所定の利益を付与される可能性がある役として設定してもよい。小役3a(押順ベル)入賞により、遊技者の期待感をさらに向上させる場合がある。しかしながら、この場合、小役2(チェリーの場合よりも上記所定の利益の付与の確率は小さい、又は利益の大きさを小さくするのが好ましい。
なお、AT状態の小役2に内部当選したゲームとAT状態の小役3aに内部当選したゲームとにおいて演出aを実行することしたが、同じ演出aを実行するものでなくてもよい。同系列の種類の演出であればよい。例えば、「激熱」などの文字を表示するが背景色を期待感が低いことを表す青色とする演出a1と、「激熱」などの文字を表示するが背景色を期待感が高いことを表す赤色とする演出a2とを用意し、AT状態の小役2に内部当選したゲームでは演出a2を実行し、AT状態の小役3aに内部当選したゲームでは演出a1を実行する。小役3aに内部当選したゲームではATゲームの上乗せがない(または、ATゲームの上乗せがある確率が低い)ことから、演出a1は演出a2よりも期待感の低いことを示す演出を行うことが好ましい。このように、演出aは一部の文字等が同じであっても他部の文字等が異なるものであってもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態では、AT状態の小役3(押順ベル;ただし小役3aは除く)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームだけでなく、押順不問役の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいても操作ナビを実行する。そして、押順不問役の再遊技役1(通常リプレイ)又は小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビでは、主制御部300による操作ナビを実行せず、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビだけを実行する。これは、主制御部300の処理負荷の軽減の観点による。押順不問役は、停止操作の順序に関係なく常に入賞するので、押順役に比べて操作ナビの重要性は低い。そこで、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビだけとし、主制御部300の処理負荷の軽減を図ることとした。
なお、AT状態の押順不問役に内部当選したゲームにおいて、主制御部300による操作ナビを実行しない構成を採用した場合、操作ナビの対象となる押順不問役が1つしかないと、操作ナビの報知態様から内部当選役が遊技者に把握されてしまうので、第2実施形態では、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいても操作ナビを実行することとした。
例えば、小役4(共通ベル)の当選確率が設定1〜設定6で異なる場合、AT状態で小役4(共通ベル)に内部当選した場合に操作ナビを実行しないと、操作ナビが実行されずにベル入賞があったときに内部当選役が小役4(共通ベル)であったことが分かってしまう。その頻度をカウントすることで設定値を推測することが可能となる。また例えば、小役4(共通ベル)が内部当選したときにAT状態のゲーム数上乗せ抽選を行う場合、AT状態で小役4(共通ベル)に内部当選した場合に操作ナビを実行しないと、操作ナビが実行されずにベル入賞があったときに内部当選役が小役4(共通ベル)であったことが分かってしまう。その都度AT状態のゲーム数上乗せを期待してしまうが、実際に上乗せが無ければ遊技意欲を低下させてしまうこととなる。
そのため、第2実施形態では、第1副制御部400・第2副制御部500だけによる操作ナビを実行しても、内部当選役が遊技者にばれることはない。
第2実施形態においては、第1実施形態と異なる構成、機能及び処理のみ説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
図24は、非AT状態及びAT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を説明する図である。
図24に示すように、スロットマシン100は、非AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行せず、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、主制御部300による操作ナビを実行せず、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する。
なお、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)又は小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビの報知内容は、第1副制御部400により決定される。すなわち、AT状態において主制御部300が再遊技役1(通常リプレイ)又は小役4(共通ベル)の内部当選を示す内部当選コマンドを送信した場合には、第1副制御部400は、再遊技役1(通常リプレイ)又は小役4(共通ベル)の内部当選を示す内部当選コマンドの受信を契機に押順抽選を実行し、操作ナビの報知内容を決定する。
また、第2実施形態では、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、必ず第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行するようにした。しかしながら、これとは別に、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、実行抽選を行い、当選した場合にだけ、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行するようにしてもよい。
図25は、第2実施形態のAT状態における操作ナビの実行状況を説明する図である。また、図26(a)は、AT状態において小役3a、小役4、又は再遊技役1に内部当選したゲームの操作ナビの報知態様を示す図である。
スロットマシン100は、図25に示すように、(1)AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)、又は小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、主制御部300による操作ナビを実行せず、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行し、(2)AT状態の小役3b〜3fのいずれかの小役3に内部当選したゲームにおいて、主制御部300及び第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行し、(3)AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて主制御部300及び第1副制御部400・第2副制御部500のいずれでも操作ナビを実行しない。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態の変形例と同様に、小役3aに内部当選したゲームにおいて実行抽選を行い、当選した場合には、操作ナビを実行するようにしてもよい(図20のステップS402〜S406参照)。
図26(b)は、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビの報知態様の変化を示す図であり、図26(c)は、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおける操作ナビの報知態様の変化を示す図である。
第2実施形態では、図26(b)及び(c)に示すように、押順不問役に対する操作ナビの報知態様は同一となっている。入賞役内部抽選処理の結果が遊技者に把握されないようにするためである。具体的には、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、演出画像表示装置157上に表示された操作ナビ画像d10は、ベルを認識させる黄色ではなく黒色の文字による画像である。また、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、演出画像表示装置157上に表示された操作ナビ画像d10は、リプレイを認識させる水色ではなく黒色の文字による画像である。このようにAT状態において押順不問役に内部当選した場合、操作ナビ画像d10の表示態様を同一とし、内部当選役が把握されないようにしている。
[第3実施形態]
第3実施形態の再遊技役1(通常リプレイ)の図柄組合せは、第1実施形態における再遊技役1(通常リプレイ)の図柄組合せと異なっている。図27(a)は、第3実施形態の特別役1、特別役2、及び再遊技役1の図柄組合せを示す図である。特別役1(BB)に対応する図柄組合せは、「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」だけであり、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せは、「セブン2−セブン2−セブン2」と「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。それ以外の入賞役の種類及び図柄組合せは、第1実施形態と同一である。なお、第3実施形態においては、第1実施形態と異なる構成、機能及び処理のみ説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の再遊技役1(通常リプレイ)は、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選し、(1)「右中左」の逆押しの停止操作が行われた場合、有効ライン上に「セブン2−セブン2−セブン2」の図柄組合せが表示され、(2)「右中左」の逆押し以外の停止操作が行われた場合、有効ライン上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが表示されるようになっている。なお、(1)の再遊技役1をボーナス図柄の再遊技役1といい、(2)の再遊技役1をリプレイ図柄の再遊技役1という。
また、第3実施形態では、図27(b)に示すように、AT開始条件が成立した場合、第1副制御部400だけが先にAT状態となり、主制御部300は、AT開始条件が成立した以降の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの次ゲームからAT状態となる。図27(b)は、第3実施形態のAT系の遊技状態の遷移、期待感演出の報知態様、及び操作ナビの実行状況を示す図である。
第3実施形態では、AT開始条件が成立した以降の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、停止操作の内容を含んだ期待感演出を実行する。期待感演出は、所定の特典付与を期待させる演出であり、本実施形態では、AT状態への移行を期待させる演出である。期待感演出は、具体的には、図27(b)に示すように、操作ナビと同様に、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序を示す操作ナビ画像d10、セブン2図柄を狙うように指示する画像d50を表示するとともにスピーカ272、277を介して操作順序を示す音声を出力して、ボーナス図柄の再遊技役1の入賞を促す演出である。すなわち、期待感演出は操作ナビの報知内容を含む演出となっている。本実施形態の期待感演出の報知内容は、「右中左」の逆押しの停止操作順序を示す情報となっている。遊技者は、期待感演出の演出画像d10及びd50を見るとともに、期待感演出の音声を聞くことにより、AT状態への移行を期待する。
なお、期待感演出を実行したゲームにおいて、ボーナス図柄の再遊技役1に入賞しても、ボーナス図柄の再遊技役1に入賞しなくても(リプレイ図柄の再遊技役1に入賞して)も、期待感演出を実行したゲームの次ゲームからは、主制御部300のAT系の遊技状態は、AT状態となる
このような遊技性を前提とする場合、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、「右中左」の逆押しの操作順序の操作ナビを実行すると、ボーナス図柄の再遊技役1が表示されてしまうので、遊技者は、誤解をして期待感を向上させてしまう場合がある。そこで、第3実施形態では、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいては、「右中左」の逆押しの操作順序の操作ナビを実行しないこととした。
図28(a)は、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの押順抽選で用いられる押順抽選テーブルの内容を模式的に示す表である。図28(a)に示すように、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの押順抽選では、「右中左」の逆押しが選択されることはない。そして、「右中左」の逆押しを回避するため、「左中右」の順押しが選択された確率を高く設定している。したがって、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームに限ると、「左中右」の順押しの操作ナビの実行確率が高くなる。
第3実施形態では、この点を鑑みて、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて、「左中右」の順押しの操作ナビを実行しないこととした。AT状態全体としての「左中右」の順押しの操作ナビの実行頻度を抑えるためである。
なお、第3実施形態では、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいても操作ナビを実行する。すなわち、第3実施形態のAT状態では、小役3(押順ベル:小役3aは除く)、小役4(共通ベル)、又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、主制御部300及び第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する。そして、「左中右」の順押しの操作ナビは、小役4(共通ベル)、又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて実行可能である。
図28(b)は、期待感演出、及びAT状態における操作ナビの実行状況を示すタイムチャートである。総括すると、スロットマシン100は、AT開始条件が成立した以降の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、期待感演出を実行する。また、AT状態では、再遊技役1(通常リプレイ)、又は小役3b〜3fのいずれかの小役3(押順ベル)、小役4(共通ベル)に内部当選したゲームでは操作ナビを実行し、小役3aに内部当選したゲームでは操作ナビを実行しない。
よって、「左中右」の順押しの操作ナビは、小役3aに内部当選したゲームで実行されない分、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームで実行されるため、実行頻度が少ない印象を与えることない。従来、AT状態において実行頻度の多い操作ナビの内容を覚えておき、通常遊技状態でその内容の操作を行う遊技者がいたが、順押しの操作ナビの実行頻度が少ない印象を与えることがなければ、通常遊技状態で順押しの操作を行うことを結果的に促す効果が期待できる場合がある。
[第4実施形態]
第4実施形態は、第3実施形態と類似する。ボーナス図柄の再遊技役1に入賞するための操作条件が異なっており、それ以外の遊技性は第3実施形態と略同一である。すなわち、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せは、第3実施形態と同様に「セブン2−セブン2−セブン2」と「リプレイ−リプレイ−リプレイ」があるが、本実施形態の再遊技役1は、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選し、(1)「左中右」の順押しの停止操作が行われた場合、有効ライン上に「セブン2−セブン2−セブン2」の図柄組合せが表示され、(2)「左中右」の順押し以外の停止操作が行われた場合、有効ライン上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが表示される。
図29(a)は、第4実施形態のAT系の遊技状態の遷移、期待感演出の報知態様、及び操作ナビの実行有無を示すタイムチャートである。スロットマシン100は、AT開始条件が成立した以降の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、期待感演出を実行する。期待感演出は、所定の特典付与を期待させる演出であり、本実施形態でも、AT状態への移行を期待させる演出である。期待感演出は、具体的には、「左中右」の順押しの停止操作順序を示す操作ナビ画像d10、セブン2図柄を狙うように指示する画像d50を表示するとともにスピーカ272、277を介して「左中右」の操作順序を示す音声を出力して、ボーナス図柄の再遊技役1の入賞を促す演出である。
このような遊技性を前提とする場合、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、「左中右」の逆押しの操作順序の操作ナビを実行すると、ボーナス図柄の再遊技役1が表示されてしまうので、遊技者は、誤解をして期待感を向上させてしまう場合がある。そこで、第4実施形態では、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいては、「左中右」の順押しの操作順序の操作ナビを実行しないこととした。
図29(b)は、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの押順抽選で用いられる押順抽選テーブルの内容を模式的に示す表である。図29(b)に示すように、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの押順抽選では、「左中右」の順押しが選択されることはない。そして、「左中右」の順押しを回避するため、「右中左」の逆押しが選択された確率を高く設定している。
第4実施形態では、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビはを実行しないという点を鑑みて、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームでは、「左中右」の順押しの操作ナビを実行しないこととした。仮にAT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビを実行した場合には、当該ゲームは小役3(押順ベル)の内部当選であることが遊技者に把握されてしまうからである。
なお、図示しないが、第4実施形態のAT状態では、第3実施形態と同様に、再遊技役1(通常リプレイ)、又は小役3b〜3fのいずれかの小役3(押順ベル)、小役4(共通ベル)に内部当選したゲームでは操作ナビを実行し、小役3aに内部当選したゲームでは操作ナビを実行しない。
よって、「左中右」の順押しを除く操作ナビが実行された場合は、小役3aまたは再遊技役1(通常リプレイ)に入賞する可能性があり、遊技操作を終えるまで何れかの結果になることを期待させることができる。
[第1〜第4実施形態における変形例]
上記第1〜第3実施形態では、AT状態の全期間において、小役3a内部当選時に「左中右」の順押しの操作ナビを実行しなかった。しかしながら、AT状態の一部の期間において小役3a内部当選時の「左中右」の順押しの操作ナビを実行するようにしてもよい。例えば、図30(a)に示すように、AT状態を開始してから所定のゲーム数(例えば、500ゲームなど)までは、小役3a内部当選時の操作ナビを実行し、所定のゲーム数(例えば、500ゲームなど)以降においては小役3a内部当選時の操作ナビを実行しないようにしてもよい。また、例えば、図30(b)に示すように、AT状態における差枚数が所定の数(例えば、1000枚など)までは、小役3a内部当選時の操作ナビを実行し、AT状態におけるゲーム数が所定の数(例えば、500ゲーム)を超えた場合においては小役3a内部当選時の操作ナビを実行しないようにしてもよい。ここで、差枚数とは、メダル払出枚数からメダル投入枚数を引いた総合計数である。
このようにAT状態を長時間経験し、操作ナビに対して慣れてきた遊技者に対しては、操作ナビを実行しない、又は操作ナビの頻度を下げるようにしてもよい。遊技者の疲労感を軽減できる場合がある。
また、AT状態の小役3a当選時の「左中右」の順押しの操作ナビは、原則実行しないようにし、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて小役3に連続して所定回数、非入賞だった場合に、次回のAT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビを実行するようにしてもよい。
図31は、このような変形例における操作ナビの状況を説明する図である。図31は、AT状態の小役3aに内部当選したゲームG1、G2及G3において、操作ナビを実行していないこと、及び小役3(押順ベル)に非入賞だったこと(こぼし目が表示されている)を示している。また、図31は、その結果、次のAT状態の小役3aに内部当選したゲームG4において、操作ナビを実行して小役3(押順ベル)に入賞したことを示している。つまり、図31に示した例は、連続して3回小役3(押順ベル)に非入賞だった場合、次回の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームで操作ナビを実行する場合を示している。なお、小役3(押順ベル)の非入賞の回数は、3回に限定されるものではなく、また、連続回数のほか、積算回数としてもよい。
このようにAT状態の小役3aに内部当選したゲームの入賞結果に基づいて、次回、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を決定するようにしてもよい。
また、小役3(押順ベル)に内部当選した場合に表示されるこぼし目の図柄組合せに応じて、主制御部300の遊技状態が変化するようにしてもよい。例えば、(1)小役3b〜3fのいずれかに内部当選し、小役3(押順ベル)に非入賞であった場合には、こぼし目Aが表示されることがあり、(2)小役3aに内部当選し、小役3(押順ベル)に非入賞であった場合には、こぼし目Bが表示されることがあるようにしてもよい。
ここで、こぼし目Aは、遊技状態の移行を伴う図柄組合せであり、不利な遊技状態への移行を伴う図柄組合せとなっている。一方、こぼし目Bは、遊技状態の移行を伴わない図柄組合せである。すなわち、AT状態において小役3aに内部当選し、小役3に非入賞だった場合には、不利な遊技状態の移行し難いが、AT状態において小役3b〜3fに内部当選し、小役3に非入賞だった場合には、不利な遊技状態の移行が容易となるようにしてもよい。
図32は、このような変形例における操作ナビの状況を示すタイムチャートである。AT状態の小役3aに内部当選したゲームでは、操作ナビが実行されないため、仮に小役3(押順ベル)に非入賞だったとしても、こぼし目Bが表示されやすくなっている(こぼし目Aは表示されにくい)。一方、したがって、AT状態の小役3b〜3fのいずれかに内部当選し、操作ナビが実行されたゲームにおいて、小役3(押順ベル)に非入賞だった場合には、こぼし目Aが表示されやすくなっている。したがって、AT状態の小役3aに内部当選し、かつ小役3(押順ベル)に非入賞だったゲームは、AT状態の小役3b〜3fのいずれかに内部当選し、かつ小役3(押順ベル)に非入賞だったゲームに比べて、不利な遊技状態へ移行し難くなっている。
なお、上記第1〜第3実施形態は、小役3(押順ベル)を、所謂6択の中の一つの操作順序を正解操作順とする役としたが、例えば、所謂3択の中の一つの操作順序を正解操作順序とする役としてもよい。ここで、3択とは、例えば「第1停止操作が左」「第1停止操作が中」「第1停止操作が右」とする停止操作をいう。この場合、小役3aの正解操作を「第1停止操作が左」とする停止操作に設定し、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、「第1停止操作が左」とする操作ナビを実行しない。従来、「左中右」の「順押し」と「左右中」の「挟み打ち」の操作を推奨操作順序とする遊技台が多くあったことから、AT状態において、「順押し」(左中右)又は「挟み打ち」(左右中)の停止操作を行った場合に取りこぼしを生じさせにくくできる。
また、「左中右」の「順押し」と「左右中」の「挟み打ち」の操作を推奨操作順序とした場合、小役3(押順ベル)を所謂5択(小役3a〜小役3e)とし、小役3aの正解の停止操作順序を「左中右」と「左右中」とし、小役3bの正解の停止操作順序を「中左右」とし、小役3cの正解の停止操作順序を「中右左」とし、小役3dの正解の停止操作順序を「右左右」とし、小役3eの正解の停止操作順序を「右中左」とする。小役3aに内部当選した場合に取りこぼしを生じさせ難くし、選択数を増やすことができる。
さらには、推奨操作順序を「右中左」の「逆押し」とする遊技台を前提とする場合には、AT状態において、「逆押し」(右中左)を正解の停止操作とする役に内部当選した場合に、操作ナビを実行しないようにしてもよい。
また、従来、第1停止リールを左リール110とし、黒BAR付近を操作すると取りこぼしが最小となる遊技台が多くあったことから、AT状態において、第1停止リールを左リール110とし黒BAR付近を操作すると取りこぼしを回避可能な役が内部当選した場合に、操作ナビを実行しないようにしてもよい。
また、複数種類の再遊技役を備えるようにし、複数種類の再遊技役のうちの少なくとも1つの再遊技役が、特定の遊技状態において、「左中右」の「順押し」の停止操作を行った場合に特定の遊技状態を維持する図柄組み合わせが停止し、「左中右」の「順押し」とは異なる停止操作を行った場合に特定の遊技状態よりも遊技者に不利な遊技状態に移行する図柄組み合わせが停止する移行再遊技役であるとしてもよい。そして、AT状態かつ特定の遊技状態において、移行再遊技役が内部当選当選した場合に操作ナビを実行しないようにしてもよい。
<<チャレンジゾーンを設けた遊技性の実施形態>>
以下に説明する第5実施形態から第6実施形態は、上記第1実施形態から第4実施形態で説明した、AT(アシストタイム)遊技において操作ナビを制限する実施形態ではなく、AT遊技に移行しやすい状態(チャレンジゾーン)を設けることにより新たな遊技性を実現している実施形態である。
[第5実施形態]
第5実施形態においては、第1実施形態と異なる構成、機能及び処理を中心に説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
<入賞役の種類>
図33は、第5実施形態(本実施形態)に係る入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
図33に示すように、本実施形態の入賞役には、再遊技役2(昇格リプレイ)及び再遊技役3(降格リプレイ)は存在しないが(図5参照)、その他の役は、第1実施形態と同一である。また、図33に示した役(具体的には、特別役1、特別役2、再遊技役1、小役1、小役2、小役3、小役4)の図柄組み合わせ、付与数、及び役の内容は、第1実施形態で説明した通りである。
なお、本実施形態のスロットマシン100は、3枚賭け専用の遊技台ではなく、メダルの投入枚数(ベット数)に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定する。詳しくは、メダルが1枚ベットされた場合、中段水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。
<遊技状態の種類>
図34は、本実施形態に係るスロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300は、大別すると、通常遊技状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT2)、及び特別遊技状態(RT3)を有する。本実施形態では、この3つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、通常遊技状態(RT1)は、通常状態と、期待状態(チャレンジゾーンともいい、以下CZと略記する場合がある)と、AT状態と、にさらに細分化される。この通常遊技状態(RT1)の細分化された遊技状態をAT系の遊技状態という。すなわち、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態も制御しており、主制御部300が決定したRT系の遊技状態及びAT系の遊技状態に従って、第1副制御部400は演出遊技状態を設定するようになっている。
以降、図面を適宜参照しながら、本実施形態に係るスロットマシン100のRT系の遊技状態の遷移について説明する。通常遊技状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT2)、及び特別遊技状態(RT3)の定義は、第1実施形態と同一である。
通常遊技状態(RT1)は、初期状態において設定され、また、特別遊技状態(RT3)において規定枚数を超えるメダルの払出があった場合(詳しくは後述)、通常遊技状態(RT1)が設定される。なお、初期状態において設定される通常遊技状態(RT1)及び特別遊技状態(RT3)から遷移する場合に設定される通常遊技状態(RT1)は、通常状態である。また、通常遊技状態(RT1)において、特別役に内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT2)に移行し、特別役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
特別役内部当選状態(RT2)は、通常遊技状態において、特別役に内部当選した場合に設定される。一方、特別役内部当選状態(RT2)において、内部当選した特別役に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
特別遊技状態(RT3)は、通常遊技状態(RT1)、又は特別役内部当選状態(RT2)において、内部当選した特別役に入賞した場合に設定される。一方、特別遊技状態(RT3)において、規定枚数が払い出された場合に通常遊技状態(RT1)の通常状態に移行する。具体的には、特別役1に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、300枚を超えるメダルの払出しが終了すると通常状態に移行する。また、特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、100枚を超えるメダルの払出しが終了すると通常状態に移行する。
次に、図面を適宜参照しながら、本実施形態に係るスロットマシン100のAT系の遊技状態について説明する。
通常状態及び期待状態は、操作ナビが実行されない遊技状態である。通常状態及び期待状態は、期間全体を通してメダル払出数<メダル投入数となる状態であり、遊技者のメダルが目減りする状態である。一方、AT状態は、操作ナビが実行される遊技状態である。AT状態は、期間全体を通してメダル払出数>メダル投入数となる状態であり、遊技者のメダルが増加する状態である。AT系の遊技状態において、AT状態は遊技者に最も有利な遊技状態である。
また、通常状態及び期待状態は、所定の条件が成立することにより、AT状態に移行することが可能な遊技状態である。期待状態は、通常状態よりもAT状態への移行が容易となっている。つまり、期待状態は、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態である。
このように、通常状態と期待状態とは、期待状態が通常状態よりもAT状態に移行し易い点で差違がある。さらに、通常状態と期待状態とは、期待状態が通常状態よりAT状態への移行を期待させる演出が実行され易い点でも差違がある。つまり、期待状態においてはAT状態への移行を期待させる演出が実行される頻度は高い(毎遊技実行される)が、通常状態においてはAT状態への移行を期待させる演出が実行される頻度は低い。
なお、期待状態を操作ナビが実行される遊技状態としてもよい。このときAT状態よりも低い頻度(押順ベルに内部当選したゲームのうちの一部のゲームで操作ナビが実行される)で操作ナビが実行される遊技状態とするのが好適である。
ここで、本実施形態の操作ナビについて説明すると、本実施形態では、AT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3(押順ベル)に内部当選したゲーム、より詳しくは、小役3a〜小役3fのいずれかに内部当選した場合に正解の操作順序を示す操作ナビが実行される。
図35(a)は、本実施形態の特典期間を説明する図である。本実施形態では、AT状態と期待状態が交互に連続する遊技性に特徴を有しており、このAT状態と期待状態で構成される期間を特典期間と称している。開始された特典期間は、リミッタに到達した場合に終了し、リミッタに到達した時点のAT系の遊技状態(例えば、AT状態又は期待状態)から通常状態に移行する。本実施形態におけるリミッタ到達は、基本的には特典期間における1000ゲームの消化である。つまり、特典期間において1000ゲームを消化した場合、特典期間は終了する。
なお、リミッタ到達の条件として他の条件を設定してもよく、また、1000ゲームの消化の条件の他に別の条件を設定(複数種類の条件を設定)し、いずれかの条件を満たした場合をリミッタ到達の条件としてもよい。
なお、本実施形態では、この特典期間においてナビ発生状態報知ランプ190が点灯可能となっている。また、詳しくは後述するが、本実施形態では最後のAT状態に対してATゲーム数補正処理が実行される場合、特典期間におけるゲーム数が1000ゲームに到達しなくても特典期間は終了する場合がある。
図35(b)は、本実施形態のAT系の遊技状態の遷移を示す表である。
まず、通常状態から他の状態への移行について説明する。通常状態において、毎遊技実行される、期待状態に移行するか否かを決定する移行抽選1に当選した場合、期待状態に移行する。また、通常状態において、毎遊技実行される、AT状態に移行するか否かを決定する移行抽選2に当選した場合、AT状態に移行する。ここで、移行抽選1の当選確率は、移行抽選2の当選確率よりも高く設定されている。例えば、移行抽選1の当選確率は、1/100であり、移行抽選2の当選確率は、1/500である。したがって、通常状態においては、AT状態に移行するよりも期待状態に移行する方が容易となっている。
次に、期待状態から他の状態への移行について説明する。期待状態において、予め定めたゲーム数を消化した場合には、通常状態に移行する。ここで、予め定めたゲーム数とは、移行抽選1に当選した場合に設定されるゲーム数を意味する。詳しくは、移行抽選1に当選した場合、期待ゲーム数抽選が行われ、図35(c)に示すように、ゲーム数として10、20又は30のうちの1つが設定される。例えば、移行抽選1に当選し、期待ゲーム数抽選により10が設定された場合には、期待状態において10ゲームを消化した場合、期待状態を終了して通常状態に移行する。また、期待状態において、特典期間のリミッタに到達した場合には、期待状態を終了して通常状態に移行する。
なお、期待状態においてリミッタに到達すると遊技者の期待感を低下させる場合があるため、リミッタ到達までの遊技数が残り少ない場合は、期待状態を設定せずに通常状態を設定してもよい。例えば、期待状態を設定する際に、リミッタに到達するまでのゲーム数を判定し、30ゲームより少ないゲーム数である場合、期待状態を設定せずに通常状態を設定するようにしてもよい。
期待状態において、AT移行抽選に当選した場合には、AT状態に移行する。詳しくは後述するが、AT移行抽選には、期待状態に移行した最初のゲームで実行されるAT移行抽選1と、期待状態の各ゲーム(最初のゲームを除く)で実行されるAT移行抽選2と、がある。また、これも詳しくは後述するが、期待状態において、AT移行抽選に当選した場合には、期待状態を中断して即時AT状態に移行する場合と、期待状態の予め定めたゲーム数を消化した後にAT状態に移行する場合と、が存在する。
次に、AT状態から他の状態への移行について説明する。AT状態において、特典期間のリミッタに到達した場合には、AT状態を終了して通常状態に移行する。また、AT状態において、予め定めたゲーム数を消化した場合には、期待状態に移行する。ここで、予め定めたゲーム数とは、移行抽選2又はAT移行抽選に当選した場合に設定されるゲーム数を意味する。詳しくは、移行抽選2又はAT移行抽選に当選した場合、ATゲーム数抽選が行われ、図35(c)に示すように、ゲーム数として10、20、30、33、50、55又は70のうちの1つが設定される。本実施形態では、特典期間の最初のAT状態に対するATゲーム数抽選では、ゲーム数として10が設定されようになっており、また、33及び77は、設定値を示唆するゲーム数となっている。例えば、設定値として設定「1」〜設定「6」がある場合、33及び77は、設定「4」〜設定「6」が設定されている場合に選ばれやすい。以後、AT状態のゲーム数として、10、20、30、50及び70を、通常数、33及び55を、設定示唆数という。
なお、本実施形態では、期待状態から通常状態への移行条件を、期待状態の消化ゲーム数としたが、これに限定されない。例えば、ハズレの数、再遊技役1への当選回数などとし、期待ゲーム数抽選は、ハズレの数、再遊技役1への当選回数などに複数の選択肢を設けるようにしてもよい。この場合でも、期間が異なる複数種類の期待状態を設けることができる。同様にして、本実施形態では、AT状態から期待状態への移行条件を、AT状態の消化ゲーム数としたが、これに限定されない。例えば、押順役である小役3(押順ベル)の操作ナビ回数、メダル獲得枚数などとし、ATゲーム数抽選は、小役3(押順ベル)の操作ナビ回数、メダル獲得枚数などに複数の選択肢を設けるようにしてもよい。この場合でも、利益度の異なる複数のAT状態を設けることができる。
また、図35(b)に示したAT系の遊技状態における移行条件を、設定値(設定1〜設定6)に係わらず同一の条件としてもよいし、設定値ごとに異なる条件としてもよい。
図36(a)は、ATゲーム数抽選の内容を詳しく説明する模式図である。ATゲーム数抽選では、まず、10、20、30、50、又は70の中から1つのゲーム数を選択し、次いで、選択したゲーム数が50又は70の場合には、さらに抽選を実行する。例えば、選択したゲーム数が30の場合には、33選択抽選を実行し、33選択抽選に当選した場合には、ゲーム数として33を設定する。一方、選択したゲーム数が50の場合には、55選択抽選を実行し、55選択抽選に当選した場合には、ゲーム数として55を設定する。
なお、この1回目の抽選において、選択したゲーム数が10、20若しくは30の場合、又は、選択したゲーム数が50又は70であって2回目の抽選(33選択抽選、55選択抽選)に非当選だった場合には、選択したゲーム数をそのままAT状態のゲーム数として設定する。
なお、特典期間における初回のAT状態に対するATゲーム数抽選の場合には、AT状態のゲーム数として10を設定する。初回のAT状態に対して、10、20、30、50、70のうちの数が多いものが選ばれる仕様とすると、AT状態の連続(上乗せ)の頻度を多くできない可能性や、AT状態開始確率が低くなる可能性が生じるからある。また、特典期間における最後のAT状態(詳しくは後述する)に対するATゲーム数抽選の場合には、33選択抽選及び55選択抽選は行われない。つまり、最後のAT状態に対するATゲーム数抽選では、まず、10、20、30、50、又は70の中から1つのゲーム数が選択される。最後のAT状態では、ATゲーム数補正処理(詳しくは後述)を実行するためである。
図36(b)は、33選択抽選の内容を説明する模式図である。本実施形態の33選択抽選では、設定値に応じて当選確率が異なる抽選となっている。具体的には、設定値が設定1、3又は5の場合、33選択抽選の当選確率は30%となっており、設定値が設定2、4又は6の場合、33選択抽選の当選確率は70%となっている。すなわち、AT状態のゲーム数として33が設定された場合には、設定値は偶数である確率が高いと推定することができる。換言すれば、AT状態のゲーム数33は、設定値が奇数か偶数かを判断可能な数字であると言える。
図36(c)は、55選択抽選の内容を説明する模式図である。55選択抽選の内容を説明する模式図である。本実施形態の55選択抽選では、設定値に応じて当選確率が異なる抽選となっている。具体的には、設定値が設定1、2又は3の場合、55選択抽選の当選確率は30%となっており、設定値が設定4、5又は6の場合、55選択抽選の当選確率が70%となっている。すなわち、AT状態のゲーム数として55が設定された場合、設定値は高設定である確率が高いと推定することができる。換言すれば、AT状態のゲーム数55は、設定値が高設定か低設定かを判断可能な数字であると言える。
このように本実施形態において、AT状態のゲーム数33及び55は、設定値を示唆する設定示唆数となっている。そして、設定示唆数55は設定示唆数33より遊技者により有利な情報を与える数値となっている。
図37(a)及び(b)は、特典期間の別の例を説明する図である。特典期間は、図35(a)に示したように、AT状態と期待状態が交互に繰り返し連続することにより、一連の期間と認識されることを想定している。しかしながら、図37(a)及び(b)に示すように、AT状態と期待状態だけで終了してしまう場合、期待状態だけで終了してしまう場合も存在する。
図37(c)は、特典期間のゲーム数をカウントするカウント期間c1を示す図である。本実施形態の場合、特典期間カウンタが特典期間の開始からゲーム数をカウントし、特典期間カウンタの値が1000に到達した場合、特典期間を終了するようにしている。
図38は、特典期間における初回のAT状態のゲーム数と2回目以降のAT状態のゲーム数を説明する図である。
図38(a)は、特典期間における初回のAT状態のゲーム数及び初回のAT状態が終了した後の期待状態のゲーム数を説明する図である。具体的には、図38(a)は、初回のAT状態のゲーム数10、その後の期待状態のゲーム数10の場合を示している。
本実施形態では、上述したように、特典期間における初回のAT状態は10ゲームが設定される。そして、この初回のAT状態が規定ゲーム数の10ゲームを消化して終了した場合、初回のAT状態の後に開始される期待状態のゲーム数は、期待ゲーム数抽選の結果に基づいて、10、20又は30の中から選択されるが(図35(c)参照)、短いゲーム数、具体的には10が選択される確率が高くなっている。その結果、本実施形態では、特典期間において短い期間のAT状態が設定された場合、短い期間の期待状態が設定される確率が高い。初回のAT状態は短い期間であるため、初回のAT状態で得られるメダル数はそれほど多くない。そのため、初回のAT状態の後に開始される期待状態の期間も短くし、期待状態で失うメダル数を少なくすれば、遊技者がメダルを途中で買い足す可能性を低くできるという趣旨による。
なお、本実施形態のように初回のAT状態を固定的に10ゲームとするのではなく、短いゲーム数が設定されるようにしてもよい。例えば、10、20又は30の中からゲーム数を選択するようにしてよい。また、初回のAT状態の後の期待状態に対して、短いゲーム数が設定される確率を高くするのではなく、固定的に10ゲームを設定するようにしてもよい。
また、AT状態が10ゲームであった場合、期待状態の期間として必ず10が選択されるようにしてもよい。また、AT状態が20ゲームであった場合、期待状態の期間として20ゲーム以下となる数(10又は20)が選択されるようにしてもよい。
図38(b)は、特典期間における2回目以降のAT状態のゲーム数及びこの2回目の移行のAT状態が終了した後の期待状態のゲーム数を説明する図である。具体的には、図38(a)は、2回目のAT状態のゲーム数20、その後の期待状態のゲーム数20の場合を示している。
本実施形態では、特典期間における2回目以降のAT状態に対しては、10を除くゲーム数が設定されるようになっている。具体的には、ATゲーム数抽選を行い、20、30、33、50、55又は70のゲーム数の中から選択される。つまり、2回目以降のAT状態は初回のAT状態に比べて長い期間となるため、2回目以降のAT状態では、初回のAT状態よりも獲得できるメダル数は多くなる。そして、この2回目以降のAT状態が規定ゲーム数を消化して終了した場合、2回目以降のAT状態の後に開始される期待状態のゲーム数は、期待ゲーム数抽選により20又は30のゲーム数の中から選択される。その結果、本実施形態では、特典期間において長い期間のAT状態が設定された場合、長い期間の期待状態が設定される確率が高い。2回目以降のAT状態は長い期間であるため、2回目以降のAT状態で得られるメダル数は多くなる。そのため、2回目以降のAT状態の後に開始される期待状態の期間も長くし、期待状態で失うメダル数を多くしても、遊技者がメダルを途中で買い足す可能性を低くできるという趣旨による。
なお、特典期間における2回目以降のAT状態に対して、10、20、30、33、50、55又は70のゲーム数の中から選択されるようにしてもよい。この場合、2回目以降のAT状態で10が選択される確率は低くなるため、2回目以降のAT状態で獲得できるメダル数が多くなる確率は高くなる。
なお、図38では、通常状態からAT状態に移行する場合について説明したが、通常状態から期待状態を経由してAT状態に移行する場合も同様である。特典期間における最初のAT状態は、期待状態を経由した後のAT状態を、特典期間における最初のAT状態とすればよい。
図39は、期待状態において実行される、AT移行抽選を詳しく説明する図である。AT移行抽選は、上述したように、期待状態に移行した最初のゲームで実行されるAT移行抽選1と、期待状態の毎ゲーム(最初のゲームは除く)に実行されるAT移行抽選2と、がある。
図39(a)は、AT移行抽選の当選確率の一例を示す表である。図39(a)によれば、AT移行抽選1の当選確率は1/6、AT移行抽選2の当選確率は1/50である。この数値は、通常状態において実行される移行抽選2の当選確率よりもはるかに大きい数値である。この数値からも、期待状態は、通常状態と比べてAT状態に移行しやすい遊技状態であると言える。
図39(b)は、AT移行抽選の実行時期を示す図である。AT移行抽選1は、上述したように、期待状態に移行した最初のゲームで実行され、AT移行抽選2は、期待状態の毎ゲーム(最初のゲームは除く)で実行される。なお、AT移行抽選1及びAT移行抽選2は、遊技の開始時、つまりスタートレバー操作時に実行される。
図39(c)は、AT状態のストック数を説明する図である。本実施形態では、AT状態に移行する権利はストック可能であり、ストック数として、0〜255までの数値をメモリ上に記憶することができる。ストック数が1以上の場合には、期待状態が終了した後、AT状態に移行することが確定している。つまり、ストック数が1以上の場合、次回のAT状態が確定している。
図39(d)は、期待状態終了抽選の当選確率の一例を示す図である。図39(d)によれば、期待状態終了抽選の当選確率は1/2である。本実施形態では、AT移行抽選2において当選した場合、さらに期待状態終了抽選を実行し、期待状態を中断してAT状態を即時開始させるか否かを決定する。期待状態終了抽選に当選した場合には、期待状態を中断して、AT状態を即時開始させ、期待状態終了抽選に当選しなかった場合には、期待状態を継続して、規定ゲーム数を消化した後、AT状態を開始させる。期待状態は、期間全体を通してメダル払出数<メダル投入数となるため、AT状態を即時開始させたほうが遊技者に有利となる。なお、2回目のAT状態以降の期待状態において、期待状態終了抽選は行われ、1回目のAT状態後の期待状態においては、期待状態終了抽選は行われない。
図39(e)は、期待状態からAT状態に移行する場合の2つの移行パターンを説明する図である。
ケース1は、予め定められた規定ゲーム数を全て消化した後、AT状態に移行する移行パターンである。具体的には、ケース1は、規定ゲーム数として30ゲームが決定されていた期待状態の15ゲーム目においてAT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に非当選だった場合を示している。この場合には、AT移行抽選2に当選したので、AT状態に移行することは確定しているが、期待状態終了抽選に非当選だったため、期待状態において30ゲームを消化した後にAT状態を開始する。
これに対してケース2は、予め定められた規定ゲーム数を中断して、即時AT状態に移行する移行パターンである。具体的には、ケース2は、30ゲームのゲーム数が規定された期待状態のゲーム15ゲーム目においてAT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に当選だった場合を示している。この場合には、AT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選にも当選したので、15ゲーム目で期待状態を終了し、次ゲームからAT状態を開始する。
このように本実施形態の期待状態では、予め定められた規定ゲーム数を完走した後にAT状態に移行する場合、及び予め定められた規定ゲーム数を中断して即時AT状態に移行する場合の2つのパターンが存在する。
しかしながら、10ゲームの期待状態では、ケース2のパターンは存在しない。すなわち、10ゲームの期待状態では、AT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選にも当選したとしても、パターン1が選択され、規定ゲーム数である10ゲームの消化が要求される。10ゲームの期待状態は、最も短い期間の期待状態であるので、完走させてもメダルが目減りする影響はそれほど大きくないと考えられるからである。加えて、期待状態ではAT状態のストックを多く獲得させたい趣旨による。
なお、本実施形態では、AT移行抽選を期待状態において実行するようにしたが、これに限定されず、AT状態においてAT移行抽選2を実行するようにしてもよい。AT状態においても遊技の興趣を向上させることができる。
図40は、期待状態からAT状態に移行する場合の移行時期を示すタイミングチャートである。
図40(a)は、AT移行抽選1に当選し、AT状態への移行が決定した場合のタイミングチャートである。この場合には、期待状態の1ゲーム目G1において実行されるAT移行抽選1に当選したのでストック数は1になる。その後、期待状態において実行されるAT移行抽選2では非当選だったので、期待状態の規定ゲーム数を消化した後、ストック数を0にして、期待状態が終了したゲームの次ゲームG2からAT状態を開始する。
なお、図40(a)に示すように、AT移行抽選1に当選した場合には、期待状態の開始時に既に次回のAT状態が確定しているので、期待状態中の演出にメリハリをつけることが可能となる。
図40(b)は、AT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に非当選で、AT状態への移行が決定した場合のタイミングチャートである。この場合には、期待状態の1ゲーム目G1において実行されるAT移行抽選1に非当選、その後、期待状態のゲームG3で実行されるAT移行抽選2に当選したのでストック数は1になる。しかしながら、期待状態終了抽選に非当選であったため、期待状態の規定ゲーム数を消化した後、ストック数を0にして、期待状態が終了したゲームの次ゲームG2からAT状態を開始する。
図40(c)は、AT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に当選して、AT状態への移行が決定した場合のタイミングチャートである。この場合には、期待状態の1ゲーム目G1において実行されるAT移行抽選1に非当選、その後、期待状態のゲームG3で実行されるAT移行抽選2に当選したのでストック数は1になる。また、期待状態終了抽選にも当選であったため、期待状態のゲームG3にて期待状態を終了し、ストック数を0にして、ゲームG3の次ゲームからAT状態を開始する。
図40(c)に示すように、規定ゲーム数の期待状態を即時終了し、AT状態を開始する場合には、不利な状態を終了して有利な状態に移行するので、メダルの獲得という観点からは遊技者にとって有利である一方、残りの期間の期待状態において毎ゲーム実行されるAT移行抽選2による特典は受けられなくなるので、AT状態の権利付与という観点からは遊技者にとって不利である。
図41は、特典期間とメダル獲得数との関係を示すグラフであり、AT状態と期待状態とが交互に連続する遊技性においてメダル獲得数を説明する図である。ここで、メダル獲得数は、毎遊技のメダル払出数−メダル投入数の合計で算出される。ここで、傾斜s1は、特典期間における理論上の出玉傾斜を示しており、傾斜s2は、AT状態における出玉傾斜を示している。
図41(a)は、特典期間のうちAT状態では、獲得したメダルが増加すること、期待状態では、獲得したメダルが減少することを示している。短期間(例えば、最初のAT状態だけ)で見れば、傾斜s2>傾斜s1となり、メダルが理論上の出玉傾斜を超えて増加することもあるが、長期間(例えば、AT状態と期待状態とが複数回交互に連続した期間)で見れば、特典期間全体の出玉傾斜は緩やかになり、傾斜s2に近づくこととなる。短期間のAT状態の後には短期間の期待状態が設定され、長期間のAT状態の後には長期間の期待状態が設定されることによる。
図41(b)は、このことを示しており、期待状態を短縮させることなく、AT状態と期待状態が交互に5回連続して特典期間を終了する場合を示している。このように、期待状態を短縮させず完走させた場合には、AT移行抽選2の機会が多くなるので、次回のAT状態の発生確率も高くなる。これにより、AT状態と期待状態が交互に複数回連続する確率が高くなり、結果的に長い特典期間が形成されるので、出玉率は傾斜s1に近づきながらメダル増加を実現することができる。
一方、図41(c)は、期待状態を短縮させて、AT状態と期待状態が交互に3回連続して特典期間を終了する場合を示している。この場合には、短期的にメダル獲得数は多くなるが、次回のAT状態の発生確率は低くなってしまうので、AT状態と期待状態の連続性が少ない回数で途絶えてしまい、結果、特典期間は短い期間で終了してしまう。
このように本実施形態では、AT移行抽選が受けられる期待状態を完走させた方が一連の長い特典期間を実現することができ、出玉傾斜も理論上の出玉傾斜s1に近づけることができる。一方、期待状態を短縮させた場合には、短期的にメダル獲得数を多くすることができる。
<通常遊技状態の演出>
次に、図42〜図48を用いて、通常遊技状態の演出について説明する。
・期待状態の演出
図42(a)は、操作ナビの有無の観点から期待状態及び通常状態の演出を説明する図である。上述したように、期待状態及び通常状態は、操作ナビが実行されない遊技状態である。期待状態及び通常状態は、メダル払出を抑制することを目的とした遊技状態であるからである。
図42(a)は、具体的には、期待状態及び通常状態のそれぞれにおいて、小役3bに内部当選したゲームの演出を示している。図42(a)は、期待状態及び通常状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて操作ナビは実行されないことを示している。なお、図42(a)には図示していないが、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビは実行される。しかしながら、この演出態様は第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する(図9参照)。
また、図42(a)は、期待状態ではストーリ演出が実行され、演出画像表示装置157上にはストーリ表示d110が行われることを示している。図42(b)は、ストーリ表示d110の一例を示している。本実施形態のストーリ演出は、期待状態の規定ゲーム数に亘って実行される連続演出であり、AT状態への移行を期待させる演出となっている。
なお、本実施形態では、通常状態及び期待状態において操作ナビを実行しなかったが、低確率にて操作ナビを実行するようにしてもよい。通常状態及び期待状態は、メダル払出を抑制することを目的とした遊技状態としつつも遊技意欲を向上させることができる。
図43(a)は、ストーリ演出の種類を示す表である。本実施形態のストーリ演出は、ストーリ1からストーリ6までの6種類の演出で構成されている。ストーリ演出は、期待状態への移行時に設定される。
ストーリ1は、期待状態のゲーム数が最小ゲーム数である10ゲームの場合に設定されるストーリ演出である。ストーリ1は、短い期間のAT状態の後の短い期間の期待状態であることを示唆する演出となっている。そのため、期待状態の各ゲームにおいて遊技者の緊張感を高める場合がある。
ストーリ6は、AT状態が確定している場合に設定可能であり、AT状態が確定していることを示すストーリ演出である(AT状態が確定していても、他のストーリ演出が設定されることもある)。なお、期待状態のゲーム数が最小ゲーム数である10ゲームの場合には、AT状態が確定していてもストーリ6が設定されることはない。つまり、ストーリ6は、期待状態の期間が長い場合に設定されるストーリ演出である。遊技者は、メダルが減少する期待状態の期間が長いと退屈を感じる場合があるが、ストーリ6のストーリ演出が実行されることにより、遊技意欲を高めることができる。
図43(b)は、特典期間におけるストーリ表示d110の一例を示すタイミングチャートである。具体的には、図43(b)は、特典期間における最初のAT状態の後に開始される期待状態の期間を10ゲーム、特典期間における2回目のAT状態の後に開始される期待状態の期間を20ゲームとした場合のストーリ表示の一例を示している。
この場合、10ゲームの期待状態では、ストーリ1のストーリ表示d110が演出画像表示装置157に表示されている。ストーリ1は、期待状態のゲーム数が最小ゲーム数である10ゲームの場合に設定されるからである。遊技者は、ストーリ1のストーリ表示を見ることにより、期待状態は短い期間で終了することを把握できる。
また、20ゲームの期待状態では、ストーリ6のストーリ表示d110が演出画像表示装置157に表示されている。このことは、20ゲームの期待状態では開始の時点においてストック数が1であり、次回のAT状態が確定していることを示している。遊技者は、ストーリ6のストーリ表示を見ることにより、期待状態の期間は長くなるが、次回のAT状態が確定しているので安心して遊技を進行することができる。
図44は、ストック数1で開始された期待状態においてAT移行抽選に当選し、ストック数2になった場合の特典期間におけるストーリ表示d110の一例を示すタイミングチャートである。
図44(a)は、ゲームG11から開始されるストーリ演出は、ストーリ6であり、ゲームG13から開始されるストーリ演出は、ストーリ6の場合を示している。
ゲームG11から開始される期待状態は、開始時点において既にストック数1であるため、期待状態終了後、AT状態への移行が確定している、そのため、次回AT状態の確定を示すストーリ6が選択された場合を示している。これにより、遊技者はゲームG11から開始される期待状態が終了するとAT状態が開始されることを把握する。次に、ゲームG11から開始される期待状態は、ゲームG12でAT移行抽選2に当選かつ期待状態終了抽選に当選するので、期待状態を中断して終了し、AT状態が開始される。これにより、遊技者は、ゲームG12の次ゲームから開始されるAT状態の他にもう一つAT状態が確定していることを把握することができる。
ゲームG13から開始される期待状態は、開始時点においてストック数1であるため、期待状態終了後、AT状態への移行が確定している。そのため、次回AT状態の確定を示すストーリ6が選択された場合を示している。これにより、遊技者はゲームG13から開始される期待状態が終了するとAT状態が開始されることを再度確認することができる。
図44(b)は、ゲームG11から開始されるストーリ演出は、ストーリ3であり、ゲームG13から開始されるストーリ演出は、ストーリ6の場合を示している。
ゲームG11から開始される期待状態は、開始時点においてストック数1であるため、期待状態終了後、AT状態への移行が確定している。しかしながら、ストーリ演出としてストーリ3が選択された場合を示している。この場合、遊技者はゲームG11から開始される期待状態が終了してもAT状態が開始されるか否かを把握できない。次に、ゲームG11から開始される期待状態は、ゲームG12でAT移行抽選2に当選かつ期待状態終了抽選に当選するので、期待状態を中断して終了し、AT状態が開始される。これにより、遊技者は、ゲームG12においてAT状態移行抽選に当選し、AT状態への移行が決定したことを把握することができる。
ゲームG13から開始される期待状態は、開始時点においてストック数1であるため、期待状態終了後、AT状態への移行が確定している。そのため、次回AT状態の確定を示すストーリ6が選択された場合を示している。これにより、遊技者は、ゲームG13から開始される期待状態が終了するとAT状態が開始されることを把握することができる。また、遊技者は、ゲームG11から開始される期待状態においても実はAT状態が確定していたことを確認することができる。
なお、本実施形態では、期待状態においてストーリ演出を行ったが、AT状態においてストーリ演出を行うようにしてもよい。この場合、ストーリ演出は、複数回のAT状態に連続性のあるストーリ演出を行ってよい。例えば、最初のAT遊技にストーリ演出の第一話を実行し、2回目のAT遊技にストーリ演出の第二話を実行し、3回目のAT遊技にストーリ演出の第三話を実行し、この継続によりAT遊技の実行回数に応じた物語演出を実行するようにしてもよい。そして、ストーリ演出の最終話を実行した場合、該AT遊技をもって特典期間を終了し通常期間を開始する。これによれば、特典期間の進行度合いを把握しやすくなる。
・AT状態の演出
図45は、AT状態において実行されるATゲーム数報知演出d120の一例を説明する図である。
ATゲーム数報知演出d120は、AT状態の期間全体のゲーム数や残りゲーム数を報知する演出である。ATゲーム数報知演出d120では、AT状態の期間全体のゲーム数を表示する全ゲーム数表示d121、AT状態の残りゲーム数を表示する残りゲーム数表示d122などを演出画像表示装置157に表示する。また、ATゲーム数報知演出d120には、(1)全ゲーム数表示d121をAT状態の最初のゲームだけで行う場合(以下、1回で全ゲーム数報知を行う場合という)の他、(2)全ゲーム数表示d121を最初のゲームを含む複数回に分けて行う場合(以下、複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合という)が存在する。
なお、全ゲーム数報知の回数、及び複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合のそれぞれの全ゲーム数表示d121の数値(ゲーム数)は、メモリに予め記憶された報知回数テーブルの報知パターンに応じて決定される。
図46に報知回数テーブルの一例を示す。図46は、報知回数テーブルの内容を示す模式図である。例えば、AT状態の期間が70ゲーム(通常数)の場合には、図46(a−2)に示すように、70ゲームに対して複数種類の報知パターンが記憶されており、抽選により決定された一の報知パターンの回数に基づいて決定される。図45(b)に示す報知パターンは、図46(a−2)のNO.2であり、2回に分けて報知するパターンである。図46(a−2)のNO.2の報知パターンは、70を20と50に分割して報知するパターンであり、1回目で報知するゲーム数は20、2回目で報知するゲーム数は70(=20+50)となる。
ここで、ATゲーム数報知演出d120において1回で全ゲーム数表示をする場合、例えば、AT状態の期間が70ゲーム(通常数)の場合には、AT状態の最初のゲームで70ゲームを示す全ゲーム数表示d121を行う。また、AT状態の期間が55ゲーム(設定示唆数)の場合には、AT状態の最初のゲームで55ゲームを示す全ゲーム数表示d121を行う。
以下では、複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合について説明する。ATゲーム数報知演出d120において複数回に分けて全ゲーム数表示d121を行う場合には、最終回で正しいAT状態の期間全体のゲーム数を報知し、最終回以外では、偽りのAT状態の期間全体のゲーム数(報知する時点において残されたAT状態のゲーム数よりも小さい数)を報知する。また、AT状態の期間を示す数値が通常数であって、複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合、それぞれの全ゲーム数報知において設定示唆数を報知することはしない。設定示唆数を報知した後に通常数を報知した場合には、遊技者に誤解を与えることになるからである。
図45(a)は、AT状態の期間が70ゲーム(通常数)の場合の遊技進行に関するタイミングチャートであり、図45(b)は、図45(a)に示した各ゲームG21〜G26−EのATゲーム数報知演出d120の演出態様を示す図である。なお、図45(a)に示した各ゲームG21〜G26−Sは、遊技の開始時、G26−Eは、遊技の終了時を示す。
図45(b)に示す例は、2回に分けて全ゲーム数報知を行う場合を示している。具体的には、1回目の全ゲーム数表示d121において20ゲームを表示し、2回目の全ゲーム数表示d121において正解の70ゲームを表示する場合である。
まず、スロットマシン100は、AT状態を開始したゲームG21のATゲーム数報知演出d120において、1回目の全ゲーム数表示d121を行い、20ゲームを表示する。これにより、遊技者は、これから始まるAT状態の期間は20ゲームであることをと把握する。
次いで、スロットマシン100は、AT状態の2ゲーム目であるゲームG22のATゲーム数報知演出d120において、19ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
遊技が進行して、スロットマシン100は、AT状態の20ゲーム目であるゲームG23のATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
なお、本実施形態では、残りゲーム数表示d122が示すゲーム数が3以下となると、残りゲーム数表示d122の数字の色が特殊な色(例えば、それまでは数字を黒色で表示していたが、特殊な色として赤色とするなど)に変化して、AT状態の継続又は終了を煽るAT継続示唆演出を実行する。AT継続示唆演出では、演出画像表示装置157にAT継続示唆画像d122Sを表示する。すなわち、ゲームG23における残りゲーム数表示d122は、AT継続示唆表示d122Sでもある。遊技者は、AT継続示唆表示d122Sを見ることにより、報知に基づくAT状態の残りのゲーム数は数ゲームとなったが、AT状態が継続することに期待を寄せる。
なお、本実施形態のAT継続示唆表示d122Sは、残りゲーム数表示d122の数字の色を目立つ色に変化させる画像表示としたが、AT継続示唆演出の演出態様はこれに限定されない。AT継続示唆表示d122Sは、残りゲーム数が閾値以下となった場合、複数ゲームに亘って実行される画像表示であればよく、例えば、AT状態のゲーム数の進行に従って登場するキャラクタが増えるような演出画像としてもよいし、残りゲーム数表示d122の数字の大きさを大きくし、残りゲーム数表示d122の数字の周囲にエフェクト表示を追加するなどして、残りゲーム数表示d122の数字の表示が目立つ変更を行ってもよい。
次いで、スロットマシン100は、ゲームG23の次ゲーム(AT状態の21ゲーム目)であるゲームG24のATゲーム数報知演出d120において、2回目の全ゲーム数表示d121を行い、70ゲームを示す表示を行う。この2回目の全ゲーム数表示d121は、AT状態の全期間の正しいゲーム数を示している。この結果、遊技者は、AT状態が今後も継続すること、そして1回目の全ゲーム数表示d121は誤りの数字であったことを把握する。また、スロットマシン100は、AT状態の残りゲーム数は50ゲーム存在するので、50ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
次いで、スロットマシン100は、AT状態の22ゲーム目であるゲームG25のATゲーム数報知演出d120において、49ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
遊技がさらに進行して、スロットマシン100は、AT状態の70ゲーム目であるゲームG26−SのATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
なお、ゲームG26における残りゲーム数表示d122は特殊な色のAT継続示唆表示d122Sではない。つまり、2回目の全ゲーム数表示d121において70を表示した場合には、報知に基づくAT状態の残りゲーム数が閾値以下となってもAT継続示唆表示d122Sを行わない。2回目の全ゲーム数表示d121で示した70は、AT状態の最長期間を示す数字なので、これ以上AT継続示唆演出を実行する必要がないからである。
最後に、スロットマシン100は、ゲームG26の終了時であるゲームG26−EのATゲーム数報知演出d120において、終了を示す文字画像を表示する。これにより、遊技者は、AT状態が終了することを把握する。
なお、図45では、2回に分けて全ゲーム数報知を行う場合を示したが、3回以上に分けて全ゲーム数報知を行ってよいのは勿論である。例えば、図46(a―2)に示すように、AT状態の期間が70ゲームの場合には、70ゲームを10、20、40と分けて、1回目の全ゲーム数報知で10、2回目の全ゲーム数報知で20、3回目の全ゲーム数報知で70と報知してもよい。
図47(a)は、AT状態の期間が20ゲーム(通常数)の場合の遊技進行に関するタイミングチャートであり、図47(b)は、図47(a)に示した各ゲームG21〜G26−EのにおけるATゲーム数報知演出d120の演出態様を示す図である。なお、図47(a)に示した各ゲームG21〜G26−Sは、遊技の開始時、G26−Eは、遊技の終了時を示す。
図47に示す例では、2回に分けて全ゲーム数報知を行う場合を示している。詳しくは、図46(a−1)に示した報知回数テーブルのNO.2を選択した場合の報知パターンを示している。具体的には、1回目の全ゲーム数表示d121において10ゲームを表示し、2回目の全ゲーム数表示d121において正解の20ゲームを表示する場合である。図47では、図45との違いを中心に説明する。
まず、スロットマシン100は、AT状態を開始したゲームG21のATゲーム数報知演出d120において、1回目の全ゲーム数表示d121を行い、10ゲームを表示する。これにより、遊技者は、これから始まるAT状態の期間は10ゲームであることを把握する。
遊技が進行して、スロットマシン100は、AT状態の10ゲーム目であるゲームG23のATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。この残りゲーム数表示d122は、AT継続示唆表示d122Sである。遊技者は、AT継続示唆表示d122Sを見ることにより、報知に基づくAT状態の残りのゲーム数は数ゲームあるが、AT状態が継続することに期待を寄せる。
次いで、スロットマシン100は、ゲームG23の次ゲーム(AT状態の11ゲーム目)であるゲームG24のATゲーム数報知演出d120において、2回目の全ゲーム数表示d121を行い、20ゲームを表示する。この2回目の全ゲーム数表示d121は、AT状態の全期間の正しいゲーム数を表示している。これにより、遊技者は、AT状態が今後も継続すること、及び1回目の全ゲーム数表示d121は誤りの数字であったことを把握する。また、スロットマシン100は、10ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
遊技がさらに進行して、スロットマシン100は、AT状態の20ゲーム目であるゲームG26−SのATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。ここで、ゲームG26における残りゲーム数表示d122はAT継続示唆表示d122Sでもある。つまり、2回目の全ゲーム数表示d121において20を表示した場合には、報知に基づくAT状態の残りゲーム数が閾値以下となった場合にAT継続示唆表示d122Sを行う。2回目の全ゲーム数表示d121で示した20は、AT状態の最長期間を示す数字でないので、3回目の全ゲーム数表示d121を行う可能性を示唆するためである。遊技者は、AT継続示唆表示d122Sを見ることにより、報知に基づくAT状態の残りゲーム数は当該1ゲームあるが、AT状態が継続することに期待を寄せる。
しかしながら、スロットマシン100は、ゲームG26の終了時であるゲームG26−EのATゲーム数報知演出d120において、終了を示す文字画像を表示する。これにより、遊技者は、AT状態が終了することを把握する。
図48(a)は、AT状態の期間が55ゲーム(設定示唆数)の場合の遊技進行に関するタイミングチャートであり、図48(b)は、図48(a)に示した各ゲームにおけるATゲーム数報知演出d120の演出態様を示す図である。なお、図48(a)に示した各ゲームG21〜G26−Sは、遊技の開始時、G26−Eは、遊技の終了時を示す。
図48に示す例では、2回に分けて全ゲーム数報知をする場合を示している。詳しくは、図46(b−2)に示した報知回数テーブルのNO.2を選択した場合の報知パターンを示している。具体的には、1回目の全ゲーム数表示d121において20ゲームを表示し、2回目の全ゲーム数表示d121において正解の55ゲームを表示する場合である。図48では、図45及び図47との違いを中心に説明する。
まず、スロットマシン100は、AT状態を開始したゲームG21のATゲーム数報知演出d120において、1回目の全ゲーム数表示d121を行い、20ゲームを表示する。これにより、遊技者は、これから始まるAT状態の期間は20ゲームであると把握する。
遊技が進行して、スロットマシン100は、AT状態の20ゲーム目であるゲームG23のATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。この残りゲーム数表示d122は、AT継続示唆表示d122Sである。遊技者は、AT継続示唆表示d122Sを見ることにより、報知に基づくAT状態の残りのゲーム数は当該1ゲームあるが、AT状態が継続することに期待を寄せる。
次いで、スロットマシン100は、ゲームG23の次ゲーム(AT状態の21ゲーム目)であるゲームG24のATゲーム数報知演出d120では、2回目の全ゲーム数表示d121を行い、55ゲームを表示する。この2回目の全ゲーム数表示d121は、AT状態の全期間の正しいゲーム数を表示している。これにより、遊技者は、AT状態が今後も継続すること、及び1回目の全ゲーム数表示d121は誤りの数字であったことを把握する。
遊技がさらに進行して、スロットマシン100は、AT状態の55ゲーム目であるゲームG26−SのATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
なお、ゲームG26における残りゲーム数表示d122はAT継続了示唆表示d122Sではない。AT状態の期間において55以上のゲーム数は確かに存在する(例えば、70ゲーム)。しかしながら、2回目の全ゲーム数表示d121において設定示唆数である55を表示したため、設定示唆数を表示した後に3回目の全ゲーム数表示d121を行った場合、2回目の全ゲーム数表示d121において表示された数が否定されるとともに、2回目の全ゲーム数表示d121において示唆された設定値も否定されるものなのか否か、遊技者に疑念を生じさせることになるからである。
なお、本実施形態では、全ゲーム数表示d121において設定示唆数を表示した後にはAT継続示唆表示d122Sを表示しないようにしたが、これとは別に一定の条件の下、AT継続示唆表示d122Sを表示するようにしてもよい。例えば、全ゲーム数表示d121において表示した設定示唆数よりもさらに有利な情報を報知する設定示唆数が存在する場合には、その後、AT継続示唆表示d122Sを表示してもよい。具体的には、全ゲーム数表示d121において33を表示したとしても、その後、AT継続示唆表示d122Sにおいて55の表示を行ってもよい。本実施形態の設定示唆数の中には33より大きな55が存在するからである。また、33より55のほうが高設定である可能性が高ければ、遊技者には有利な情報となるからである。
また、図45〜図48に示したAT継続示唆演出では、残りゲーム数表示d122の表示態様を変化させる演出として説明したが、AT継続示唆演出の報知態様はこれに限定されない。
例えば、図49(a)に示すように、複数種類のAT継続示唆演出を備え、複数種類の中から一つのAT継続示唆演出を選択するようにしてもよい。図49(a)は、(1)全ゲーム数表示d121において設定示唆数である33又は55を表示した場合には、以後、AT継続示唆演出を実行しないが、(2)全ゲーム数表示d121において33及び55以外の数字を表示した場合には、複数種類のAT継続示唆演出の中からいずれか一つを選択して、選択したAT継続示唆演出を実行することを示している(AT継続/終了示唆演出を実行しない場合もある)。
例えば、図49(b)に示すように、2種類のAT継続示唆演出を用意し、次の全ゲーム数表示d121において設定示唆数を報知する場合には、演出Aが選択される確率を演出Bが選択される確率よりも高くなるように設定する一方、次の全ゲーム数表示d121において設定示唆数を報知しない場合には、演出Bが選択される確率を演出Aが選択される確率よりも高くなるように設定してもよい。AT継続示唆演出として演出Aが実行された場合、遊技者は期待感を高めることができる。なお、全ゲーム数表示d121において設定示唆数を報知するか否かは、上述した報知回数テーブルを用いた抽選処理により決定された報知パターンに基づく。
この場合、図49(c)に示すように、演出Aは、AT状態の残りゲーム数の表示色を赤色とし、演出の実行期間を5ゲームとする一方、演出Bは、AT状態の残りゲーム数の表示色を緑色とし、演出の実行期間を演出Aよりも短い演出期間である3ゲームとしてもよい。すなわち、演出Aは、演出Bよりも色彩及び実行期間においてより目立つ演出としてもよい。
なお、本実施形態のATゲーム数報知演出において複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合、複数ゲームに亘って複数回の全ゲーム数報知を行ったが、図50に示すように、1ゲームにおいて複数回の全ゲーム数報知を行うようにしてもよい。図50に示す変形例では、2回に分けて全ゲーム数報知を行う場合を示しており、1回目の全ゲーム数表示d121において20ゲームを表示し、2回目の全ゲーム数表示d121において正解の70ゲームを表示する場合を示している。
より詳しくは、スロットマシン100は、ATゲーム数報知演出d120において、AT状態を開始したゲームのスタートレバー操作の時点t31において1回目の全ゲーム数表示d121を行い、その後、ATゲーム数報知演出を発展させた後の時点t33において2回目の全ゲーム数表示d121を行っている。このようにゲームの進行でなく、演出の進行に合わせて2回目以降の全ゲーム数報知を行ってもよい。
<最後のAT状態>
次に、特典期間における最後のAT状態について説明する。ここで、特典期間の最後のAT状態とは、例えば、1セット50ゲーム(数が上乗せされる場合あり)として設定されたAT状態があり、当該AT状態が終了した後は通常状態が開始されるAT状態、つまり、特典期間のゲーム数がリミッタに到達したとき、または特典期間のゲーム数がリミッタ付近となったために当該AT状態が終了した後は通常期間が開始されることが決まったときのAT状態を意味する。本実施形態では、最後のAT状態の設定に対してはATゲーム数を補正する処理(以下、ATゲーム数補正処理という)を実行する場合がある。
図51(a)は、ATゲーム数補正処理の概要を説明する図である。ゲームG41から開始されるAT状態のATゲーム数は、ATゲーム数抽選(図36参照)の結果、70ゲームであったが、ゲームG41から70ゲームを消化すると、特典期間のリミッタである1000ゲームを超えてしまう(ゲームG44>1000)。そこで、このような場合、本実施形態では、ATゲーム数補正処理を実行し、設定されるATゲーム数を補正するようにしている。図51(a)に示した例では、70ゲームを50ゲームに補正して、最後のAT状態のATゲーム数を50に設定し、1000ゲーム手前のゲームG42にてAT状態及び特典期間を終了している。
最後のAT状態の設定に対してATゲーム数の補正をする場合には、図51(b−1)に示すように、ATゲーム数を、1000ゲームまでの残りゲーム数(ゲームG41からゲームG43までのゲーム数)に補正し、特典期間において1000ゲームを消化することにによりAT状態を終了させるという考えもある。しかし本実施形態のATゲーム数補正処理では、図51(b−2)に示すように、リミッタの手前でAT状態を終了するようにしている。補正された中途半端なATゲーム数が設定示唆数になってしまう可能性を排除できないからである。
また、リミッタの手前で最後のAT状態を終了する場合には、リミッタまでの遊技数が残り僅かであっても最後のAT状態を終了後に期待状態を設定し、期待状態にてリミッタに到達させ、期待状態にて特典期間を終了させる考えもあるが、本実施形態のATゲーム数補正処理では、図51(a)及び図51(b−2)に示すように、リミッタの手前で最後のAT状態及び特典期間を同時に終了させるようにしている。つまり、リミッタまでの遊技数が残り僅かである場合に期待状態でAT状態が終了しないようにしている。期待状態はメダルが目減りする期間なので、リミッタ近傍で遊技者に損した気持ちを与えず、最も多くメダルを獲得したときに気持ちよく特典期間を終了させるためである。
図52は、ATゲーム数抽選の結果、AT状態のATゲーム数が70ゲームに決定された場合のATゲーム数補正処理の内容を示す図である。なお、図52に示す数値は一例であってこれに限定されるものではない。
例えば、特典期間の消化ゲーム数が855ゲーム未満においてAT状態を開始する場合には、補正されず70ゲームが設定され、特典期間の消化ゲーム数が885〜914ゲームにおいてAT状態を開始する場合には、補正されて50ゲームが設定される。
本実施形態のATゲーム数補正処理では、ATゲーム数抽選により得られたATゲーム数が同一であれば、図52(b)に示すように、その時点においてリミッタまでの残りATゲーム数が多いほど、特典期間が短くなるようにAT状態のATゲーム数を補正する。つまり、本実施形態のATゲーム数補正処理によれば、補正前ATゲーム数が同一であれば、設定された最後のAT状態の期間が長いほど、結果として特典期間は短くなり、設定された最後のAT状態の期間が短いほど、結果として特典期間は長くなるという傾向を有する。遊技者に気持ちよくAT状態を終了させるとともにメダル払出数を抑制するためである。
なお、本実施形態では、最後のAT状態に対するATゲーム数抽選では、設定示唆数が選択されないようにしたが、これとは別に設定示唆数が選択されるようにしてもよい。ただし、最後のAT状態に対して設定示唆数が選択された場合には、該設定示唆数に最も近く、かつ該設定示唆数より小さい通常数を再度、選択し、この通常数を最後のAT状態に対するATゲーム数として設定するものである。
図53は、特典期間の最後のAT状態が終了した後に実行される設定示唆演出を説明する図である。図53(a)は、設定示唆演出の実行タイミングを示す図であり、図53(b)は、設定示唆演出の種類を説明する図である。
設定示唆演出は、キャラクタを用いた演出であり、演出画像表示装置157には、キャラクタを表示するキャラクタ画像d130を表示する。設定示唆演出は、図53(a)に示すように、最後のAT状態の最終ゲームの第3停止操作の後に実行される。設定示唆演出を実行する場合、複数のキャラクタの中からキャラクタ抽選に基づいていずれかのキャラクタを決定し、決定したキャラクタに基づく設定示唆演出を実行する。
図53(b)は、設定示唆演出に登場する複数のキャラクタを説明する図である。本実施形態では、キャラクタ1、2及び3は、設定値を示唆しないキャラクタとなっており、キャラクタ4、5及び6は、設定値を示唆するキャラクタとなっている。例えば、(1)キャラクタ4は、設定値が偶数の場合、10%の確率で選択され、(2)キャラクタ5は、設定値が4、5又は6の場合、20%の確率で選択され、(3)キャラクタ6は、設定値が5又は6の場合、20%の確率で選択されるようにしてもよい。遊技者は、設定示唆演出のキャラクタ画像d130を見ることにより、設定値を推測可能となる。
本実施形態では、最後のAT状態を終了した後に設定示唆演出を実行するので、最後のAT状態において、上述したATゲーム数報知演出d120の残りゲーム数表示d122を実行する場合、設定示唆数を表示しないことが望ましい。最後のAT状態で設定示唆数を報知してしまうと、その後、設定示唆演出を実行しても、設定示唆演出の期待感を高めることができないからである。例えば、最後のAT状態を55ゲーム(設定示唆数)とした場合、最後のAT状態の開始時に残りのゲーム数が55ゲームあることの表示を行った時点で、設定値は高設定である確率が高いと推定させている。加えて、最後のAT状態を終了した後に設定示唆演出を実行することが予定されていても、その演出を見た遊技者には役に立つ情報とはならない。
図54は、設定示唆演出の実行時期の変形例を示す図である。本実施形態の設定示唆演出は、図54(a)に示すように、最後のAT状態が終了した後に実行されるが、図54(b)に示すように、最後のAT状態において実行されてもよい。
<スロットマシンの動作>
以下、本実施形態(第5実施形態)に係る主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図55を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図55に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS501で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS502では、賭け数設定/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。
ステップS503では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。本実施形態では、1〜3枚のメダル投入が可能である。
ステップS504では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する乱数取得処理を行う。
ステップS505では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS504で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ここで、小役3(押順ベル)に内部当選した場合の内部抽選コマンドについて説明すると、AT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3a〜小役3fのいずれかに内部当選した場合には、小役3a〜小役3fに内部当選したことを示す情報を送信するようにしている。
ステップS506では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。
また、ステップS505では、AT系の遊技状態に関する抽選処理を実行する。例えば、通常状態の場合、移行抽選1及び2を実行し、期待状態の場合、AT移行抽選1又は2を実行する。また、AT移行抽選2に当選した場合には、期待状態終了抽選を実行する。
ステップS507では、主制御部300の操作ナビの設定を行う主制御部・操作条件表示設定処理を実行する。主制御部・操作条件表示設定処理では、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3(押順ベル)に内部当選した遊技において、操作ナビの設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。
ステップS508では、リール回転開始処理が実行され、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS509では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110〜112の何れかを停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS510へ進む。なお、このステップS109では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS510では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ−スイカ−スイカ」が揃っていたならば小役1(スイカ)に入賞したと判定される。また、このステップS510では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS511では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS512では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では各遊技状態(RT系の遊技状態、AT系の遊技状態)の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在の遊技状態を示す情報を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS502へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、前述した主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図16のステップS1006)において送信される。
<遊技状態制御処理>
次に、図56(a)を用いて、遊技状態制御処理について説明する。図56(a)は、図55のステップS512の遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS601では、RT系の遊技状態制御処理を行う。
ステップS602では、AT系の遊技状態制御処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS603では、遊技状態コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。ここで、遊技状態コマンドには、RT系の遊技状態、AT系の遊技状態、トータルのATゲーム数、残りATゲーム数、AT状態のストック数、ATゲーム数報知の報知パターン、ストーリ演出の種類などの情報が含まれる。
<AT系の遊技状態制御処理>
次に、図56(b)を用いて、AT系の遊技状態制御処理について説明する。図56(b)は、図56のステップS602のAT系の遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS701では、ステップS505で実行されたAT系の遊技状態移行に関する抽選処理の結果を取得する。例えば、通常状態の場合、移行抽選1及び2の結果、期待状態の場合、AT移行抽選1又は2の結果を取得する。また、AT移行抽選2に当選した場合には、期待状態終了抽選の結果を取得する。
ステップS702では、AT系の遊技状態移行に関する抽選処理の結果に基づいて、AT系の遊技状態の設定を行う状態移行処理Aを実行する。状態移行処理Aでは、例えば、ステップS701で移行抽選1に当選した場合、期待ゲーム数抽選を実行して、期待状態のゲーム数を決定し、AT系の遊技状態を期待状態に設定する。また、例えば、ステップS701で移行抽選2、T移行抽選1又は2に当選した場合には、ATゲーム数抽選を実行して、AT状態のゲーム数を決定する。そして、移行抽選2に当選、又はAT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に当選した場合には、AT系の遊技状態をAT状態に設定する。また、AT状態を設定する場合には、報知回数テーブルを用いた抽選処理を実行し、ATゲーム数報知演出d120の演出態様を決定する(1回で全ゲーム数報知を行うか、複数回で全ゲーム数報知を行うかなど)。
ステップS703では、カウント処理を行う。カウント処理では、例えば、特典期間にある場合、特典期間カウンタの値をインクリメントする。また、例えば、期待状態にある場合、期待状態のゲーム数をカウントするカウンタ(以下、期待状態カウンタという)の値をインクリメントし、AT状態にある場合、AT状態のゲーム数をカウントするカウンタ(以下、AT状態カウンタ)の値をインクリメントする。
ステップS704では、ステップS703でカウントアップされたカウンタ値がAT系の遊技状態を移行させる閾値(以下、状態移行値)に到達したか否かを判定する。カウンタ値が状態移行値に到達した場合には、ステップS705に進み、そうでない場合には、AT系の遊技状態制御処理を終了する。
ステップS705では、ステップ703のカウンタ値に基づいてAT系の遊技状態の設定を行う状態移行処理Bを実行する。状態移行処理Bでは、例えば、特典期間において特典期間カウンタの値がリミッタに到達した場合、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。また、期待状態においてストック数0の状態で期待状態カウンタの値が規定ゲーム数に到達した場合には、AT系の遊技状態を通常状態に設定する一方、期待状態においてストック数1以上の状態で期待状態カウンタの値が規定ゲーム数に到達した場合には、AT系の遊技状態をAT状態に設定する。また、AT状態においてAT状態カウンタの値が規定ゲーム数に到達した場合には、AT系の遊技状態を期待状態に設定する。
<内部抽選コマンド処理>
次に、図57(a)を用いて、内部抽選コマンド処理について説明する。内部抽選コマンド処理は、図18(a)に示した第1副制御部メイン処理のステップS3004のコマンド処理において内部抽選コマンドに対応した処理である。図57(a)は、内部抽選コマンド処理を詳しく示したフローチャートである。
ステップS3301では、AT系の遊技状態がAT状態であるか否かを判定する。AT系の遊技状態がAT状態である場合には、ステップS3302に進み、そうでない場合には、ステップS3304に進む。
ステップS3302では、内部抽選コマンドに基づいて小役3(押順ベル)に当選したか否かを判定する。小役3(押順ベル)に当選した場合には、ステップS3303に進み、そうでない場合には、ステップS3304に進む。
ステップS3303では、内部当選した小役3(押順ベル)の正解の操作順序を操作ナビの内容として、操作ナビの演出設定を行う。例えば、小役3bに内部当選した場合には、「右左中」の操作順序を示す操作ナビの演出設定を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500による操作ナビが実行される(図9(b)(c)参照)。
ステップS3304では、その他の内部抽選コマンド処理を実行する。
<遊技状態コマンド処理>
次に、図57(b)を用いて、遊技状態コマンド処理について説明する。内部抽選コマンド処理は、図18(a)に示した第1副制御部メイン処理のステップS3004のコマンド処理において遊技状態コマンドに対応した処理である。図57(b)は、遊技状態コマンド処理を詳しく示したフローチャートである。
ステップS3401では、当該ゲームの遊技状態制御処理においてAT系の遊技状態が期待状態に更新されたか否かを判定する。当該ゲームにおいて期待状態に更新された場合には、ステップS3402に進み、そうでない場合には、ステップS3403に進む。
ステップS3402では、次ゲームからストーリ演出を実行すべく、ストーリ演出の設定を行う。ストーリ演出の種類は遊技状態制御コマンドに含まれる情報に基づく。この結果、次ゲームから第1副制御部400及び第2副制御部500によるストーリ演出が実行される(図42、43参照)。
一方、ステップS3403では、当該ゲームの遊技状態制御処理においてAT系の遊技状態がAT状態に更新されたか否かを判定する。当該ゲームにおいてAT状態に更新された場合には、ステップS3404に進み、そうでない場合には、ステップS3405に進む。
ステップS3404では、次ゲームからATゲーム数報知演出を実行すべく、ATゲーム数報知演出を設定する。ATゲーム数報知演出の演出態様は遊技状態制御コマンドに含まれる情報に基づいて決定される。この結果、次ゲームから第1副制御部400及び第2副制御部500によるATゲーム数報知演出が実行される(図45(b)、図47(b)、図48(b)参照)。
ステップS3405では、その他の遊技状態コマンド処理を実行する。
[第6実施形態]
第6実施形態は、第5実施形態と比べて、AT系の遊技状態の構成が異なっている。
図58は、第6実施形態(本実施形態)に係るスロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
なお、第6実施形態においては、第5実施形態と異なる構成、機能及び処理を中心に説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態のAT系の遊技状態は、通常状態と、期待状態(CZ)と、AT状態と、AT状態(エンディング)と、を備える。すなわち、本実施形態のAT系の遊技状態は、AT状態(エンディング)を備えることを特徴としている。
AT状態(エンディング)は、AT状態と同様、操作ナビが実行される遊技状態である。AT状態(エンディング)は、メダル払出数>メダル投入数となる状態であり、遊技者のメダルが増加する状態である。また、AT状態(エンディング)は、他のAT状態では実行されることのない連続演出が実行される状態である。加えて、AT状態(エンディング)が終了した場合、通常状態を開始する前に、特典期間の終了を示すAT終了演出が行われるようになっている。
AT状態(エンディング)は、AT状態において特典期間における消化ゲーム数が990ゲームに到達した場合に設定される。そして、AT状態(エンディング)において10ゲームを消化した場合、つまり特典期間における消化ゲーム数が1000ゲームに到達し、特典期間のリミッタに到達した場合には、AT状態(エンディング)を終了して通常状態に移行する。このように、AT状態(エンディング)は10ゲームの固定期間であるため、AT状態(エンディング)に移行すれば、特典期間において確実に1000ゲームを消化することができるようになっている。
例えば、特典期間におけるゲーム数が991ゲームとなるまでの権利しか得ていない場合、消化ゲーム数が990ゲームに到達した場合にAT状態(エンディング)となり、その後の10ゲームはAT状態(エンディング)となる。特典期間にリミッタがある場合において、リミッタに到達して終了した場合であっても遊技者に損した気持ちを与えないことができる場合がある。なお、AT状態(エンディング)においてベット数が1枚又は2枚の遊技を行った場合、AT状態(エンディング)の固定期間が変更されることはない。10ゲームの固定期間に対応する連続演出を実行することから、遊技数を変更することが好ましくないからである。
また、本実施形態のAT状態(エンディング)は、特典期間の完走が確約されているため、AT状態(エンディング)においては新たにAT権利を付与する抽選(例えば、AT移行抽選など)は実行されない。抽選を実行してAT権利を付与する結果を報知すると、リミッタに到達して終了した場合に遊技者に損した気持ちを与えてしまう場合があるが、新たにAT権利を付与する抽選を実行させないことにより、気持ちよく特典期間を終了させることができる。
図59(a)は、特典期間のゲーム数をカウントするカウント期間c1、及びAT状態(エンディング)のゲーム数をカウントするカウント期間c2を示す図である。本実施形態の場合、特典期間カウンタが特典期間の開始からゲーム数をカウントし、特典期間カウンタの値が1000に到達した場合、特典期間とともにAT状態(エンディング)を終了するようにしている。また、特典期間カウンタの値が990に到達した場合、AT状態(エンディング)を設定するとともに、次ゲームからエンディングカウンタがAT状態(エンディング)のゲーム数をカウント開始し、エンディングカウンタの値が10に到達した場合、AT状態(エンディング)とともに特典期間を終了するようにしている。
図59(b)は、カウント期間c1をカウントする特典期間カウンタが参照する閾値であり、図59(c)は、カウント期間c2をカウントするエンディングカウンタが参照する閾値である。これらの閾値はROM306に予め記憶されている。 図59(b)に示す第1閾値は、AT状態(エンディング)を開始させるとともにエンディングカウンタをカウント開始させるための数値であり、第2閾値は、特典期間を終了させるための数値である。また、図59(c)に示す閾値は、AT状態(エンディング)を終了させる数値である。
なお、AT状態(エンディング)直前の状態は、必ずAT状態となっており期待状態とはならない。期待状態はメダルが目減りする期間なので、AT状態(エンディング)を開始する前に期待状態があると遊技者に損をした気持ちを与える可能性があるからである。つまり、AT状態(エンディング)直前の状態においてAT状態(エンディング)を実行しない場合は、AT状態を終了すると期待状態とはならず特典状態を終了して通常状態となる。
なお、AT状態の次にAT状態(エンディング)があることを鑑み、AT状態(エンディング)開始前までに遊技者が獲得したメダル数に係わる表示を、AT状態において表示せずにAT状態が終了した次のゲーム(通常状態の開始ゲーム)で表示する。AT状態の次にAT状態(エンディング)が開始される場合には、遊技者が獲得したメダル数に係わる表示を一旦行うことなくAT状態(エンディング)を開始でき、AT状態(エンディング)が終了するときに遊技者が獲得したメダル数に係わる表示を行うことができる。これに対して、AT状態の次にAT状態(エンディング)が開始されない場合には、AT状態の終了と共に遊技者が獲得したメダル数に係わる表示を行うことができる。
図60(a)は、本実施形態のAT状態(エンディング)終了判定処理の概要を示すフローチャートである。AT状態(エンディング)終了判定処理は、遊技状態制御処理(図55のステップS512)の中に含まれる一処理である。
本実施形態のAT状態(エンディング)終了判定処理では、まず、エンディングカウンタによるカウンタ値が10に到達したか否かを判定し(ステップS1)、エンディングカウンタによるカウンタ値が10に到達した場合(ステップS1:YES)には、AT状態(エンディング)及び特典期間を終了する。したがって、エンディングカウンタが正常に動作している場合には、特典期間カウンタを用いることなく、AT状態(エンディング)及び特典期間を終了させることになる。
これに対して、エンディングカウンタによるカウンタ値が10に到達しない場合(ステップS1:NO)には、特典期間カウンタによるカウンタ値が1000に到達したか否かを判定し(ステップS2)、特典期間カウンタによるカウンタ値が1000に到達した場合(ステップS2:YES)には、AT状態(エンディング)及び特典期間を終了する。したがって、特典期間カウンタを用いてAT状態(エンディング)及び特典期間を終了させるのは、エンディングカウンタが正常に動作していない場合である。このような不慮の事態に備えてステップS2は設けている。
図60(b)は、エンディングカウンタが正常に動作していない状況下で、特典期間カウンタのカウンタ値に基づいてAT状態(エンディング)及び特典期間を終了させた様子を示したタイミングチャートである。このように、エンディングカウンタが正常に動作していない場合であっても、特典期間カウンタが存在するため、確実にAT状態(エンディング)及び特典期間を終了させることができる。
なお、図示しないが、特典期間カウンタとは独立した別のカウンタを設け、特典期間をカウントするようにしてもよい。本実施形態では、図59及び図60で説明したように、エンディングカウンタが誤作動したとしても、特典期間カウンタによって特典期間及びAT状態(エンディング)を終了することができるようになっているが、エンディングカウンタは、特典期間カウンタの値に基づいてカウントを開始するため、特典期間カウンタに誤作動が生じた場合、エンディングカウンタにもこの誤作動の影響が生じる可能性がある。そこで、さらなる確実性を求めて、別のカウンタを設けるものである。この場合、特典期間カウンタ及びエンディングカウンタに不具合が生じても、特典期間及びAT状態(エンディング)を終了させることができる。
本実施形態では、特典期間のリミッタを消化ゲーム数のみとしているが、特典期間のリミッタに消化ゲーム数に加えて別の条件(例えば、メダル払出数、メダル獲得数など)がある場合には、この別のカウンタは、特典期間カウンタがカウントする指標(例えば、ゲーム数)とは別の指標(例えば、メダル払出数、メダル獲得数など)をカウントすることが好ましい。
図61(a)は、AT状態(エンディング)の演出の概要を示す図である。
AT状態(エンディング)では、10ゲームに亘って1ゲームにつき一話の連続演出(以下、エンディング演出という)を実行する。エンディング演出では、図61(a)に示すように、AT状態(エンディング)のゲーム数を表示するゲーム数画像d140(例えば、AT状態(エンディング)の1ゲーム目の場合、第1話、1/10などの文字画像)を演出画像表示装置157に表示する。遊技者にAT状態(エンディング)の残りゲーム数を認識させるためである。
なお、ゲーム数画像d140には、特典期間におけるゲーム数を表示しない。複数種類のゲーム数表示があると、遊技者は数値の把握に注意が奪われ、遊技を楽しめなくなるからである。すなわち、本実施形態のゲーム数画像d140には、エンディングカウンタの値を表示し、特典期間カウンタの値を表示しない。
図61(b)は、AT状態(エンディング)の10ゲーム目のエンディング演出の内容を詳しく示す図である。スロットマシン100は、AT状態(エンディング)の10ゲーム目では、スタートレバー操作に基づいて、10ゲームを示すゲーム数画像d140を表示するとともにAT状態(エンディング)の最終ゲームであることを示す最終ゲーム予告画像d150(例えば、「ラストゲーム」などの文字画像)を演出画像表示装置157に表示する。これにより、遊技者に当該ゲームにおいてAT状態(エンディング)が終了することを遊技開始時に認識させることができる。
表示開始された最終ゲーム予告画像d150は、スタートレバー操作から所定時間T1(例えば、約0.5秒)が経過すると消去される。ここで、所定時間T1はスタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)よりも短く設定されている。
なお、本実施形態のエンディング演出では、10ゲームに亘ってゲーム数画像d140を表示したが、ゲーム数画像d140を表示するゲーム数はこれに限定されない。例えば、AT状態(エンディング)の6ゲーム目から5ゲームに亘ってゲーム数画像d140を表示するようにしてもよい。つまりこの場合、AT状態(エンディング)のラスト5ゲームになるまでは、AT状態(エンディング)のゲーム数を表示しない。ストーリ性のある演出期間を短くすることにより、AT状態(エンディング)の終わりを意識させる期間を短くすることができる。
図62(a)は、AT状態(エンディング)の最終ゲームで小役3(押順ベル)に内部当選し、操作ナビを実行した場合において、遊技者が第1停止操作において操作ナビの操作順序に従わない停止操作(不正解の停止操作)を行った場合のタイミングチャートを示している。
この場合、スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいて、操作ナビ画像d10、10ゲームを示すゲーム数画像d140及び最終ゲーム予告画像d150を表示開始し、スタートレバー操作から所定時間T1が経過した後、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去し、不正解の第1停止操作に基づいて操作ナビ画像d10の表示を消去する。これにより、第1停止操作時にはエンディングゲーム数画像d140は消去されているので、停止操作のミスがあった場合でも、ラストゲームの印象を弱めることができる。
所定時間T1は、スタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)よりも短いため、第1停止操作時に停止操作のミスがあっても、操作ナビ画像d10の表示の消去がある前に最終ゲーム予告画像d150の表示が消去されている。そのため、停止操作のミスの後にもラストゲームである状態が継続しているとの印象を与えにくくする場合がある。第1停止操作が不正解の操作になる場合の他に、第2停止操作、第3停止操作が不正解の操作になる場合があるが、第2停止操作、第3停止操作が行われたときには、最終ゲーム予告画像d150の表示が消去されているため、同様に停止操作のミスの後にもラストゲームである状態が継続しているとの印象を与えにくくする場合がある。
なお、所定時間T1をスタートレバー操作から約2.0秒としてもよい。スタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)とした場合に、第1停止操作が行われた後に最終ゲーム予告画像d150の表示が消去される可能性が高くなるが、1ゲームに必要な時間(約4.1秒)の半分より短い時間であるため、ラストゲームの印象を弱めることができる場合がある。
ここで、停止操作のミスは、操作ナビ画像d10(押順を示唆する画像)に従った操作を行わない操作をした結果、遊技者が得られるメダル払出がなかったり少なくなったりすることを意味する。例えば、操作ナビ画像d10が押順を示唆する画像でなく、内部当選役を示唆する画像や停止図柄を指定する画像とした場合、これに従わない操作をした結果、遊技者が得られる利益がなかったり少なくなったりすることも含まれる。換言すれば、停止操作のミスとは、内部当選役に係わる図柄組み合わせを入賞させることができない所謂取りこぼしが生じる操作の場合もあるし、内部当選役が複数種類ある場合には内部当選役のうちの遊技者に最も有利な役に係わる図柄組み合わせを入賞させることができない操作の場合もある。
図62(b)は、最終ゲーム予告画像d150の消去タイミングを時間でなく、停止操作の内容とした変形例のタイミングチャートである。図62(b)も図62(a)と同様、AT状態(エンディング)の最終ゲームで小役3(押順ベル)に内部当選し、操作ナビを実行した場合において、遊技者が第1停止操作において操作ナビの操作順序に従わない停止操作(不正解の停止操作)を行った場合を示している。
この場合には、不正解の第1停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去している。なお、正解の停止操作を行った場合には、第3停止操作後に最終ゲーム予告画像d150の表示を消去する。
なお、第1停止操作が不正解の操作になる場合の他に、第2停止操作、第3停止操作が不正解の操作になる場合があるが、第1停止操作が不正解の操作になった場合と同様に不正解の操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去している(図示せず)。また、不正解の停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示と操作ナビの表示との両者を消去している。正解の停止操作を行っている限り、停止操作を行ったストップボタン(ストップボタン137〜139の何れか)に対応する操作ナビの表示が消去され、残る停止操作に対応する操作ナビの表示が残ることになるが、不正解の停止操作が行われると、その時点で残る停止操作に対応する操作ナビの表示が消去される。そのため、そのときの最終ゲーム予告画像d150の表示の消去も行えば、液晶表示装置157の画面上から一斉に多くの表示が消去されることとなる。つまり、最終ゲーム予告画像d150の表示が消えたことに気がつき易くなる。これにより最終ゲームではなくなったことを印象付けることができる場合がある。
<最後のAT状態、AT状態(エンディング)>
図63(a)は、本実施形態のATゲーム数補正処理の概要を説明する図である。本実施形態のATゲーム数補正処理は、第5実施形態のATゲーム数補正処理の内容と略同一であるが、図63(a)及び(b)に示すように、AT状態の後に10ゲーム固定のAT状態(エンディング)が存在するので、ATゲーム数の補正をする際、10ゲーム分を考慮して補正値を決定する。本実施形態でも、1000ゲーム手前のゲームG53にてAT状態(エンディング)及び特典期間を終了させている。
また、リミッタの手前でAT状態(エンディング)を終了させる場合には、図51(a)及び図51(b−2)に示すように、最後のAT状態を終了後、期待状態を介入させることなく、AT状態(エンディング)にて特典期間を終了させるようにしている。特典期間はメダルが目減りする期間なので、最後のAT期間の後はAT状態(エンディング)とし、リミッタ近傍で遊技者に損した気持ちを与えず、気持ちよく特典期間を終了させるためである。
図64は、特典期間のAT状態(エンディング)が終了した後に実行される設定示唆演出を説明する図である。設定示唆演出は、図64(a)に示すように、AT状態(エンディング)の最終ゲームの第3停止操作の後に実行される。
図64(b)及び(c)は、設定示唆演出の実行時期の変形例を示す図である。本実施形態の設定示唆演出は、図64(b)に示すように、AT状態(エンディング)の開始時に実行してもよいし、図64(c)に示すように、AT状態(エンディング)の間に実行してもよい。
<その他の変形例>
上記第6実施形態では、AT状態(エンディング)のゲーム数は10ゲームと固定されていた。しかしながら、これとは別に、AT状態(エンディング)のゲーム数を可変としてもよい。例えば、AT状態(エンディング)において所定の条件が成立したゲームを10ゲーム消化した場合に終了するようにしてもよい。所定の条件の成立とは、例えば、AT状態(エンディング)におけるメダルの投入枚数(ベット数)が3枚のゲームである。つまり、ベット数が1枚又は2枚の場合には、AT状態(エンディング)において所定の条件が成立したゲーム数としてカウントされない。ベット数が1枚又は2枚の遊技は、ベット数3枚の遊技に比べて、小役3(押順ベル)の当選確率が低く設定され、AT状態となっても操作ナビが実行される確率が低くなており、出玉的に不利な仕様となっているので、不利な遊技に対しては、AT状態(エンディング)としてカウントしない趣旨である。
なお、本変形例では、ベット数が1枚又は2枚の遊技が行われることを配慮しつつ、特典期間において1000ゲームを消化した場合には特典期間を終了させる必要があることから、1000ゲームから10ゲームを引いた990よりも前の値(例えば、950)となった場合にAT状態(エンディング)をの開始することにした。
図65(a)は、このような変形例のAT状態(エンディング)を示すタイムチャートである。図65(b)は、カウント期間c1をカウントする特典期間カウンタが参照する閾値であり、図65(c)は、カウント期間c2をカウントするエンディングカウンタが参照する閾値である。
本変形例では、AT状態において、特典期間カウンタの値が第1閾値である950に到達した場合、AT状態(エンディング)を開始する。つまり、AT状態(エンディング)への移行条件は、特典期間において950ゲームを消化した場合に成立する。
AT状態(エンディング)では、エンディングカウンタが作動し、エンディングカウンタの値が閾値である10に到達した場合、AT状態(エンディング)及び特典期間を終了する。ここで、本変形例のエンディングカウンタは、AT状態(エンディング)の3枚ベットのゲームだけをカウントする。なお、本変形例の特典期間カウンタは、ベット数に関係なく特典期間のゲーム数をカウントする。
図65(a)に示す例では、特典期間の951ゲーム目から開始された特典期間は、962ゲーム目に終了している。これは、951ゲーム目から962ゲーム目の間にベット数が3枚でないゲームが2ゲームあったことを意味する。
このように本変形例は、エンディングカウンタは、1枚又は2枚ベットのゲームをカウントしないので、AT状態(エンディング)の期間は10ゲーム以上に延長される可能性がある。そこで、本変形例では、第6実施形態の場合と異なり、AT状態(エンディング)の開始時期を特典期間の951ゲーム目からとした。
しかしながら、制限なくAT状態(エンディング)の期間を延長することは、不正遊技の温床となりうるため、できないので、特典期間カウンタの値が第2閾値である1000に到達した場合、強制的にAT状態(エンディング)を終了させ、特典期間を終了することとしている。つまり、特典期間カウンタの値は1枚又は2枚ベットのゲームであっても更新される。
なお、第6実施形態で述べたように、AT状態(エンディング)においては1ゲームごとにストーリ演出を実行するが、ベット数が1枚又は2枚の遊技においては、演出を進行させないようにしている。例えば、ベット数が1枚又は2枚の遊技においては、直近のベット数が3枚の遊技のストーリ演出を再度実行するようにしてもよいし、直近のベット数が3枚のストーリ遊技の演出を停止したままとしてもよい。例えば、AT状態(エンディング)の3ゲーム目(3枚遊技)で演出Aを実行した場合、4ゲーム目(2枚遊技)で演出Aを実行してもよい。
[第5〜第6実施形態に関連するその他の実施形態]
上記第5及び第6実施形態では、特典期間におけるゲーム数消化を特典期間のリミッタとした。しかしながら、特典期間のリミッタはこれに限定されない。例えば、特典期間におけるゲーム数消化、又は特典期間におけるメダル獲得枚数をリミッタに設定してもよい。以下に説明する実施形態では、特典期間において1000ゲームを消化した場合、又は特典期間における累積メダル獲得枚数(MY)が2000枚以上となった場合に特典期間は終了するものとする。
ここで、MYとは、MYカウンタによりカウントされる値であり、当該ゲームのメダル付与処理において(1)払出枚数>投入枚数の場合には、加算値=払出枚数−投入枚数とし、MYカウンタの値に加算値を加算する一方、(2)払出枚数≦投入枚数の場合には、減算値=投入枚数−払出枚数とし、MYカウンタの値から減算値を減算する。なお、更新の結果、MYカウンタの値<0の場合にはMYカウンタの値を0とする。すなわち、MYカウンタの値はマイナスとなることがない。
なお、以下に説明する実施形態では、第5実施形態と同一のAT系の遊技状態を備えているものとする。つまり、AT状態(エンディング)は存在しない実施形態として説明する。また、以下、AT状態の最終と予想されるゲーム(以下、最終予想ゲームという)の画像表示について説明するが、ここで、AT状態の最終予想ゲームとは、当該ゲームにおいてMYの値が2000枚以上になる可能性があるゲームを意味する。例えば、現在、MYが1995枚であり、当該ゲームにおいて小役3(押順ベル)に内部当選した場合、小役3(押順ベル)に入賞すれば、8枚のメダル払出によりMYは2003枚となり、特典期間のリミッタに到達する。しかしながら、小役3(押順ベル)に非入賞であれば、MYは1995枚のままであり、特典期間のリミッタには到達しない。AT状態の最終予想ゲームであるか否かの判定は、当該ゲームのスタートレバー操作時であり、入賞役内部抽選処理の結果に基づいて判定される。そして、AT状態の最終予想ゲームにおいて、特典期間のリミッタに到達した場合、当該ゲームはAT状態の最終ゲームとなる。
<AT状態の最終予想ゲームの演出画像>
図66〜図74を用いて、AT状態の最終予想ゲームの演出画像について説明する。なお、以下、特に但し書きがなければ、小役3(押順ベル)に内部当選し、AT状態の最終予想ゲームとなった場合について説明する。つまり、AT状態の最終予想ゲームにおいて操作ナビが実行される場合について説明する。また、図66(a)に示すように、AT状態の最終予想ゲームのスタートレバー操作時を時点t61、第1停止操作時を時点t62、第2停止操作時を時点t63、第3停止操作時を時点t64と以後、表記する。
図66(b)は、AT状態の最終予想ゲームにおいて、演出画像表示装置157に表示される演出画像の変化を説明する図である。図66(b)は、最終ゲーム予告画像d150を時間経過で消去する方法を示している。なお、図66以降に示す画面上の(AT遊技画像)の文字は、AT状態の背景画像などAT遊技の画像が表示されていることを意味する。
スロットマシン100は、AT状態の最終予想ゲームのスタートレバー操作に基づいて、時点t61から最終ゲーム予告画像d150及び操作ナビ画像d10を同時に表示する。スロットマシン100は、この最終ゲーム予告画像d150を、時点t61から所定時間T1(例えば、0.5秒)が経過した後、消去する。所定時間T1はスタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)よりも短く設定されているので、最終ゲーム予告画像d150は第1停止操作前に消去される。
遊技者が正解の停止操作をした場合には、スロットマシン100は、各停止操作に従って対応する停止操作のナビ画像d10を消去し、第3停止操作後には、AT終了画像d160を表示する。
AT終了画像d160は、AT状態が終了した旨、及びAT状態における利益度合い(合計の払出枚数など)を表示するため、AT状態の終了に際して欠かせない演出画像である。しかしながら、ゲーム開始時に最終ゲーム予告画像d150を表示することなく、いきなりこのAT終了画像d160を表示した場合には、遊技者は唐突感を覚えることになる。そこで、本実施形態では、最終ゲーム予告画像d150を表示した後にAT終了画像d160を表示するようにしている。
一方、遊技者が不正解の停止操作をした場合には、スロットマシン100は、不正解の停止操作(例えば、図66(b)は第1停止操作でミス)の時点でナビ画像d10すべてを消去する。ここで、AT状態の最終予想ゲームにおいて不正解の操作をした場合には、特典期間のリミッタに到達しないので、AT終了画像d160は表示されず、次ゲームもAT状態が継続する。
なお、次ゲームでは、前ゲーム同様に最終ゲーム予告画像d150を行うことを可能としつつ、次ゲームにおいてメダル払出数>メダル投入数とならないことが確定した場合には特典期間における累積メダル獲得枚数(MY)が2000枚以上とならないため、最終ゲーム予告画像d150を行わないようにした。具体的には、メダル3枚投入後の内部当選結果が3枚以上の払出しがある役の内部当選であった場合に、最終ゲーム予告画像d150を行い、メダル3枚投入後の内部当選結果が、はずれ、再遊技役、または3枚未満の払出しがある役の内部当選であった場合に、最終ゲーム予告画像d150を行わない。遊技者に過剰な頻度で報知を行うことを防ぐことができる。
図67は、従来におけるAT状態の最終予想ゲームの演出画像を説明する図である。AT状態の最終予想ゲームにおいて最終ゲーム予告画像d150を表示する場合の演出画像である。
従来においては、最終ゲームと予想される期間は最終ゲーム予告画像d150の表示を行うようにしていた。スロットマシン100においては、1ゲーム間に複数回の操作があるため、消去のタイミングによっては遊技者の操作に影響を及ぼす可能性がでるとの考えによるものである。よって、図67に示すように、例えば、第1停止操作で不正解の停止操作をした場合、第1停止操作以降、ナビ画像d10の表示を消去するが、最終ゲーム予告画像d150の表示を継続していた。なお、第2停止操作、第3停止操作で不正解の操作をした場合でも同様である。その結果、最終ゲームを示す表示を残したまま、AT状態を継続させていたので、遊技者に違和感を覚えさせていた。また、最終ゲーム予告画像d150が次ゲームも継続して表示される可能性も存在していた。
本実施形態では、このような不具合が生じないようにするため、停止操作の前に最終ゲーム予告画像d150の表示を消去することとした。
図68は、AT状態の最終予想ゲームにおいて、演出画像表示装置157に表示される演出画像の変化を説明する別の一例の図である。図68は、最終ゲーム予告画像d150を停止操作のミスで消去する方法を示している。
図68(a)は、第1停止操作で不正解の停止操作をした場合を示しており、スロットマシン100は、第1停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去している。一方、図68(b)は、第2停止操作で不正解の停止操作をした場合を示しており、スロットマシン100は、第2停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去している。なお、正解の停止操作をした場合には、第3停止操作後に最終ゲーム予告画像d150の表示を消去する。
この一例では、不正解の停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150と操作ナビ画像d10が同時に消去されるので、操作ミスに基づいて最終ゲームでなくなったことを把握することができる。
図69は、AT状態の最終予想ゲームにおける演出画像の変形例を示す図である。この変形例では、最終ゲーム予告画像d150を文字画像とするのでなく、色彩が変化する画面全体の画像としている。より具体的には、最終ゲーム予告画像d150Aは、正解の停止操作に従って徐々に暗くなっていく色彩画像である。遊技が開始されると、第1停止操作が行われる前に画面の色彩が暗く変化(変化1)し、第1停止操作が行われると画面の色彩が暗く変化(変化2)し、第2停止操作が行われると画面の色彩が暗く変化(変化3)し、第3停止操作が行われると画面の色彩が暗く変化(変化4)する。この変化により変化1<変化2<変化3<変化4の順で画面が暗くなる。徐々に暗くしていくことにより、AT背景画像を見えにくくし、AT状態の終了を印象づけるようにしている。なお、このような最終ゲーム予告画像d150は単一色でも全体に所定の図柄を施した画像としてもよい。
図69(a)は、正解の停止操作をした場合を示しており、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作と停止操作が進行していくごとに最終ゲーム予告画像d150Aは、徐々に暗くなっていき、第3停止操作後に、AT終了画像d160が表示されることを示している。
図69(b)は、不正解の停止操作をした場合を示しており、第1停止操作が操作ミスの場合には、第1停止操作以後、最終ゲーム予告画像d150Aの表示は消去され、第2停止操作が操作ミスの場合には、第2停止操作以後、最終ゲーム予告画像d150Aの表示は消去され、第3停止操作が操作ミスの場合には、第3停止操作以後、最終ゲーム予告画像d150Aの表示は消去されることを示している。
このように最終ゲームである旨の予告を、直接文字で報知するのではなく、画像の色彩で表現するようにしてもよい。
なお、画面全体の色彩が変化させるものでなくてもよく、例えば、操作を行う毎に終了を示唆する画像の表示領域を拡大する変化を行うようにしてもよい。遊技者に操作とともに終了が近づいてくることを認識させられる場合がある。また、画面全体の色彩が変化させるものでなくてもよく、例えば、遊技の進行とともに画像が変化する主要な画面領域だけ色彩が変化するようにしてもよい。遊技者に操作とともに終了が近づいてくることを認識させられる場合がある。
図70は、AT状態の最終予想ゲームにおける演出画像の別の変形例を示す図である。図70(a)に示す変形例では、最終ゲーム予告画像d150Bを操作ナビ画像d10よりも先に表示開始するとともに最終ゲーム予告画像d150Bを徐々に拡大表示していく。これにより、最終ゲーム予告画像d150Bを目立たせることができる。
図70(b)に示す変形例では、操作ナビ画像d10よりも最終ゲーム予告画像d150Cを大きく表示し、かつ最終ゲーム予告画像d150Cと操作ナビ画像d10を重ねて表示する。これにより、操作ナビに注目する遊技者がAT状態の最終ゲームであることに気が付きやすくなる。
図70(c)に示す変形例では、最終ゲーム予告画像d150Dを徐々に拡大表示していき画面全体に表示した後、消去する。拡大表示中に最終ゲーム予告画像d150Dは操作ナビ画像d10に重なる表示となる。最終ゲーム予告画像d150Dは、スタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)より短い時間(例えば、0.5秒)に表示される。これにより、操作ナビ画像d10の視認性を妨げるような表示を行ったとしても遊技者の停止操作のミスを誘発することなく、操作ナビに注目する遊技者が、AT状態の最終ゲームであることに気が付きやすくなる。
図71は、AT状態の最終予想ゲームにおける演出画像の別の変形例を示す図である。
詳しくは、図71は、AT状態の最終予想ゲームにおいて停止操作のミスをし、特典期間のリミッタに到達しなかった場合において、当該ゲームの次ゲームにおいて入賞役内部当選処理の結果に係わらずスタートレバー操作の時点t61から最終ゲーム予告画像d150を再度、表示開始する場合を示している。
この場合には、例えば、次ゲームにおいて再遊技役に内部当選したり、ハズレにななったりして、特典期間のリミッタに到達しない場合であっても、最終ゲーム予告画像d150を表示する。この結果、最終ゲーム予告画像d150は複数遊技に亘って何度も表示されるため、遊技者はAT状態の最終ゲーム近傍にいることを把握することができる。
ここで、2回目以降の最終ゲーム予告画像d150は、1回目の最終ゲーム予告画像d150と同一の表示態様としてもよいし、異なる表示態様としてもよい。後者の場合には、例えば、2回目以降の最終ゲーム予告画像d150は1回目の最終ゲーム予告画像d150よりも小さな表示としてもよい。2回目以降の最終ゲーム予告画像d150を目立たない表示とすることにより、他の演出画像がより目立つことになるので、停止操作のミスを軽減することができる。
なお、小さな表示は目立たない表示の一例であり、例えば、表示画像の濃度を薄くし、表示箇所を隅の箇所に移動することで目立たない表示としてもよい。また、後者の場合には、例えば、2回目以降の最終ゲーム予告画像d150は、1回目の最終ゲーム予告画像d150よりも大きな表示としてもよい。2回目以降の最終ゲーム予告画像d150を目立つ表示とすることにより、AT状態の最終ゲームの近傍にいることを把握することができる。なお、大きな表示は目立つ表示の一例であり、例えば、表示画像の濃度を濃くしたり、表示箇所を中央に移動したりすることで目立つ表示としてもよい。
図72は、AT状態の最終予想ゲームにおける演出画像の別の変形例を示す図である。
詳しくは、図72は、図71とは異なり、AT状態の最終予想ゲームにおいて停止操作のミスをし、特典期間のリミッタに到達しなかった場合において、当該ゲームの次ゲーム以降においては最終ゲーム予告画像d150を表示しない場合を示している。一度、最終ゲーム予告画像d150を表示することにより遊技者は認識済との判断による。
この場合には、例えば、次ゲームに入賞役内部抽選の結果、特典期間のリミッタに到達した場合又は到達しない場合のいずれであっても、最終ゲーム予告画像d150を表示しない。
なお、図71及び図72に示した変形例の最終ゲーム予告画像d150は、時点t61から所定時間T1(例えば、0.5秒)が経過した後、消去する場合を示している。
なお、図69に示した変形例では、正解の停止操作が行われた場合、最終ゲーム予告画像d150の表示を継続し、不正解の停止操作をした場合には、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去するようにしたが、これに限定されず、図73(b)に示すように、不正解の停止操作をした場合も、最終ゲーム予告画像d150の表示を継続するようにしてもよい。
勿論、不正解の停止操作の場合には、第3停止操作後、AT終了画像d160は表示されない。また、不正解の停止操作の場合には、AT状態は継続するので、次ゲームのメダル投入操作に基づいてAT終了画像d160は消去される。すなわち、AT状態の最終予想ゲームにおいては、リミッタに到達し、AT終了画像d160を表示するまでの間は、停止操作の内容に係わらず最終ゲーム予告画像d150の表示を継続するようにしてもよい。
このように操作に応じ演出態様が変化する最終ゲーム予告演出があり、当該最終ゲーム予告演出中に操作ミスがない場合には、第3停止操作後に、AT終了画像を表示する一方、当該最終ゲーム予告演出中に操作ミスがある場合には、AT終了画像を表示せず、次ゲーム以降も最終ゲーム予告演出の表示を継続するようにしてもよい。操作ミスがあったことを操作時に気が付かなくても、AT終了画像の有無により操作ミスに気が付くことができる。
また、本実施形態では、AT状態の最終ゲームと予想されるゲーム、つまり最後の1ゲームににおいて最終ゲーム予告画像d150を表示したが、これに限定されず、複数ゲームに亘って最終ゲーム予告画像d170を表示するようにしてもよい。例えば、図74に示すように、ラスト3ゲームに亘って最終ゲーム予告画像d170を表示するようにしてもよい。この場合の最終ゲーム予告画像d170は、ゲーム進行とともに残りゲーム数を表示する画像である。例えば、残り3ゲームの時点では「ラスト3G」、残り2ゲームの時点では「ラスト2G」、残り1ゲームの時点では「ラスト1G」のように表示するものである。
なお、ラスト3ゲームの判定は、MYカウンタの値から判定する。例えば、MYカウンタの値がリミッタに近い所定の閾値(例えば、1800など)に到達した場合に最終ゲーム予告画像d170を表示開始するようにしてもよい。
図74(a)は、操作ナビに従った停止操作をして、最終ゲーム予告画像d150を表示開始してから3ゲームでAT状態を終了した場合を示している。図74(a)に示す例では、ゲームG71で小役3b入賞、ゲームG72でハズレ、ゲームG73で小役3b入賞という結果でAT状態を終了させている。つまり、この変形例では、最終ゲーム予告画像d150を開始後、ラスト3ゲームのメダル獲得枚数に関係なく、AT状態を3ゲームで終了させている。
一方、図74(b)は、操作ナビに従わない停止操作をして、最終ゲーム予告画像d150を表示開始してから3ゲームでAT状態を終了しなかった場合を示している。図74(b)に示す例では、ゲームG71で操作ナビに従わない停止操作をして小役3b非入賞であったので、次ゲームの最終ゲーム予告画像d150の残りゲーム数の表示は変化していない。同様に、ゲームG73でも操作ナビに従わない停止操作をして小役3b非入賞であったので、次ゲームの最終ゲーム予告画像d150の残りゲーム数の表示は変化していない。このように本変形例では、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対しては、次ゲームの最終ゲーム予告画像d150の残りゲーム数を変化させず、前遊技の最終ゲーム予告画像d150をそのまま表示するようにしている。つまり、この変形例では、最終ゲーム予告画像d150を開始後、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対してはAT状態の残りゲームの対象とせず、そのゲーム分AT状態を延長するようにしている。
なお、最終ゲーム予告画像d150を開始後、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対してはAT状態の残りゲームの対象とし、そのゲーム分も残りのゲーム数に含めるようにしてもよい。遊技者は最終ゲーム予告画像d150を見ているので、早期に終了させてあげることで、違和感なくAT状態を終えることができる場合がある。また、この場合、最終ゲーム予告画像d150を開始する前の遊技において、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対してはAT状態の残りゲームの対象とせず、最終ゲーム予告画像d150を開始後の遊技において、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対してだけAT状態の残りゲームの対象とするのが好ましい。
なお、図66〜図74を用いて説明した実施形態のAT系の遊技状態は、AT状態(エンディング)を備えない構成であった。しかしながら、AT状態(エンディング)を備える構成としてもよい。この場合、特典期間において1000ゲームを消化した場合と、特典期間における累積メダル獲得枚数(MY)が2000枚以上となった場合とにおいて、AT状態(エンディング)を行い、該AT状態(エンディング)ではエンディング演出を行うものとする。エンディング演出は、特典期間において1000ゲームを消化した場合に行うエンディング演出と、特典期間における累積メダル獲得枚数(MY)が2000枚以上となった場合に行うエンディング演出とを異なるものとする。何れの場合に行われたエンディング演出であるか認識し易くする。また、一方のエンディング演出が行われている場合には、他方のエンディング演出の開始条件が成立しても他方のエンディング演出を開始することなく一方の演出を継続させるとよい。実行中のエンディング演出を最後まで遊技者に見せることができる。
また、図66〜図74を用いて説明した実施形態は、特典期間のリミッタとしてMYに関する条件を追加した。しかしながら、MY以外の条件でもよい。例えば、メダルの払出枚数が所定の数に到達したら終了、所定の役の入賞回数が所定に回数に到達したら終了とする条件をリミッタとして追加してもよい。
また、AT状態の期間は、固定の期間(例えば、50ゲームなど)又は可変の期間(例えば、50ゲームのAT状態に20ゲームの上乗せのATゲームが加算されるなど)のいずれでもよいが、固定のAT状態の期間、又は可変のAT状態の場合は初期のAT状態の期間においては、特典期間の最初のAT状態と2回目以降のAT状態を比べた場合、最初のAT状態の方が2回目以降のAT状態よりも長い期間としてもよい。AT状態となっても多くメダルを獲得できない悪い印象を与えないことができる場合がある。
また、AT状態の遊技進行の結果に基づいて、該AT状態終了後に開始される次の期待状態の期待度(AT状態への移行の期待度)を決定するようにしてもよい。例えば、AT状態中の各遊技で抽選処理を行い、期待状態の期待度を決定するようにしてもよい。AT状態の期間が長くなるに従って、次の期待状態の期待度を高めることができる。この構成によれば、最初のAT状態が2回目以降のAT状態より長い場合には、初回のAT遊技を開始させることで2回目以降のAT遊技の実行に期待感を持てるようになるし、AT状態中に期間が長くなる変更が可能であれば、期間が長くなる変更が1度でもあれば、AT遊技が次回実行されることを期待できる場合がある。
また、AT状態を複数の部分(パート)に分けてもよい。例えば、AT状態を前半部分と後半部分に分けてもよい。この場合、前半部分は、ゲーム数が固定(例えば、5ゲーム固定)の期間とし、前半部分においては、AT状態の前半部分であることを把握可能な前半部分演出を実行するようにしてもよい。一方、後半部分は、ゲーム数が可変の期間とし(例えば、5ゲーム以上で可変)、前半部分においては、AT状態の後半部分であることを把握可能な後半部分演出を実行するようにしてもよい。これによりAT状態が終了するまでの経過の把握が容易となる。また、前半部分では遊技が継続することの安心感を与えられ、後半部分では遊技が長く続くことへの期待感を与えられるため、一の状態で異なる印象を与えられる。
また、AT状態を前半部分と後半部分に分ける場合、前半部分の期間を、後半部分の期間よりも短い期間とするのが好適である。この場合には、遊技が長く続くことへの期待感をより高められる場合がある。一方これに反して、前半部分の期間を、後半部分の期間よりも長い期間としてもよい。この場合には、遊技が継続することの安心感をより高められる場合がある。
また、AT状態を前半部分と後半部分に分ける場合、前半部分演出を連続性のある物語演出としてもよい。例えば、特典期間の最初のAT状態の前半部分において、物語演出の第一話を実行し、特典期間の2回目のAT状態の前半部分において、物語演出の第二話を実行し、特典期間の3回目のAT状態の前半部分において、物語演出の第三話を実行するようにしてもよい。つまり、特典期間におけるAT状態の実行回数に応じた物語演出を実行するようにしてもよい。なお、物語演出の最終話を実行した場合、該AT遊技をもって特典期間を終了し通常期間を開始するのが好ましい。これによれば、特典期間の進行度合いを把握しやすくなる。
また、AT状態を前半部分と後半部分に分ける場合、AT状態の前半部分の期間に関して言えば、特典期間における初回のAT状態の前半部分の期間を、特典期間における2回目以降のAT状態の前半部分の期間よりも長い期間とするのが好適である。この場合には、AT状態を開始できれば多くのメダルを獲得できる印象を与えることができる場合がある。これに対して、特典期間における初回のAT状態の前半部分の期間を、特典期間における2回目以降のAT状態よりも短い期間としてもよい。この場合には、2回目以降のAT状態を開始できれば多くのメダルを獲得できる印象を与えることができる場合がある。
また、AT状態を前半部分と後半部分に分ける場合、さらにAT状態の後半部分を前半部と後半部と分けてもよい。この場合、AT状態の後半部分の前半部は、ゲーム数が固定(例えば、10ゲーム固定)の期間とし、後半部分の前半部においては、AT状態の後半部分の前半部であることを把握可能な後半部分前半部演出を実行するようにしてもよい。一方、AT状態の後半部分の後半部は、ゲーム数が可変の期間とし(例えば、0ゲーム以上で可変)、後半部分の後半部においては、後半部分の後半部であることを把握可能な後半部分後半部演出を実行するようにしてもよい。なお、ゲーム数が可変の場合、複数種類の可変ゲーム数のうちの少なくとも1つが、後半部分の前半部(例えば、10ゲーム固定)の期間を超える期間(例えば、20ゲーム)となるようにしてもよい。遊技者の期待感を高めることができる場合がある。
また、期待状態の期間に関しては、直前のAT状態の期間の長さに依存せず、期待状態の期間の長さを決定してもよい。例えば、期待状態の開始時に一律に10ゲームと決定し、その後、期間延長の条件が成立した場合には、直前のAT状態の期間の長さの係わらず期待状態の期間を延長してもよい。直前のAT状態で得たメダルがどの程度減少するか予想をしやすくなる。
<<AT状態の終了時に復活演出を実行する実施形態>>
[第7実施形態]
第7実施形態は、AT状態の終了時に実行される復活演出に工夫を施すことにより新たな遊技性を実現している実施形態である。
AT状態においては、期間の長短の設定に自由度が高い。そのため、AT状態が一旦は終了したかのような演出を行い、その後にAT状態の残りゲームがある演出を行う遊技機がある(例えば、特開2018−161399号公報)。
しかしながら、このような演出はパターン化されており、面白味が少ない演出になっている。
本実施形態の遊技台は、AT状態の終了時に面白味のある演出を提供することができる遊技台である。
<全体構成>
まず、図75及び図76を用いてスロットマシン2100の全体構成について説明する。図75は、スロットマシン2100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図76は、入賞ラインの一例を示す図である。
図75に示すスロットマシン2100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体2101と、本体2101の正面に取付けられ、本体2101に対して開閉可能な前面扉2102と、を備える。本体2101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール2110、中リール2111、右リール2112)収納され、スロットマシン2100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール2110〜2112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール2110〜2112が構成されている。リール2110〜2112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓2113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。
図76を用いて具体的に説明すると、左リール2110の上段(図に示す1の位置;図柄位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール2110の中段(図に示す2の位置;図柄位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール2110の下段(図に示す3の位置;図柄位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール2111の上段(図に示す4の位置;図柄位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール2111の中段(図に示す5の位置;図柄位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール2111の下段(図に示す6の位置;図柄位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール2112の上段(図に示す7の位置;図柄位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール2112の中段(図に示す8の位置;図柄位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール2112の下段(図に示す9の位置;図柄位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール2110〜2112のそれぞれの図柄は図柄表示窓2113を通して各リール2110〜2112にそれぞれ縦方向に三つ、合計九つ表示される。そして、各リール2110〜2112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール2110〜2112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。
なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン2100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール2110〜2112の背面には、図柄表示窓2113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン2100内部において各々のリール2110〜2112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサ;図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール2110〜2112を停止させる。
本実施形態では左リール中段図柄、中リール中段図柄および右リール中段図柄で構成される中段入賞ラインL1、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がり入賞ラインL2、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がり入賞ラインL3、左リール下段図柄、中リール下段図柄および右リール下段図柄で構成される下段入賞ラインL4、の4つの入賞ライン2114が設けられている。図2には、これらの入賞ラインが示されている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。本実施形態のスロットマシン2100は3枚賭け専用機であり、メダルの投入枚数が3枚未満のときはどの入賞ラインも有効にはならず、メダルが3枚ベットされたときに全入賞ラインL1〜L4が有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー2135を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、入賞ラインの数については4ラインに限定されるものではない。例えば、中段入賞ラインL1、右下がり入賞ラインL2および右上がり入賞ラインL3の3ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
入賞ライン表示ランプ2120は、有効となる入賞ライン2114を示すランプである。
BB中ランプ2123は、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。本実施形態では、ボーナス遊技の開始から終了までの間(後述するRT系の遊技状態がRT3(特別遊技状態)にある間)、点灯する。遊技メダル投入可能ランプ2124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ2122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ2128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタン)2130〜2132は、スロットマシン2100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン2130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン2131が押下されると2枚投入され、ベットボタン2132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン2132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ2129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ2121が点灯する。
メダル投入口2141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン2130〜2132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口2141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器2125は、スロットマシン2100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器2126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器2127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器2125、遊技情報表示器2126、および払出枚数表示器2127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。なお、本実施形態の払出枚数表示器2127は、停止操作に関する情報(例えば、ストップボタン2137〜2139の操作順序や操作タイミングなど)を報知する操作ナビ実行装置としても機能する。
スタートレバー2135は、リール2110〜2112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口2141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン2130〜2132を操作して、スタートレバー2135を操作すると、リール2110〜2112が回転を開始することとなる。スタートレバー2135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット2136には、ストップボタン2137〜2139が設けられている。ストップボタン2137〜2139は、スタートレバー2135の操作によって回転を開始したリール2110〜2112を個別に停止させるためのボタン型の押下スイッチであり、各リール2110〜2112に対応づけてそれぞれ設けられている。より具体的に言えば、左ストップボタン2137を操作することによって左リール2110を停止させることができ、中ストップボタン2138を操作することによって中リール2111を停止させることができ、右ストップボタン2139を操作することによって右リール2112を停止させることができる。
以下、ストップボタン2137〜2139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作といい、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという場合がある。さらに、回転中の各リール2110〜2112を全て停止させるためのストップボタン2137〜2139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。第1停止リールを左リール2110とする停止操作とする操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを右リール2112とする停止操作とする操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン2137〜2139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン2137〜2139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
演出ボタン2171は、所定の演出を実行させるために設けられたボタンである。本実施形態では、復活演出2を実行中に演出ボタン2171が操作された場合、復活演出2のの結果を報知する(詳しくは後述する)。
メダル返却ボタン2133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン2134は、スロットマシン2100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口2155から排出するためのボタンである。ドアキー孔2140は、スロットマシン2100の前面扉2102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口2155は、メダルを払出すための払出口である。
ストップボタンユニット2136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル2162が設けられている。タイトルパネル2162の下部には、メダル払出口2155、メダルの受皿2161が設けられている。
音孔2181はスロットマシン2100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ2144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉2102の上部には演出装置2160が配設されており、演出装置2160の上部には音孔2143が設けられている。この演出装置2160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ2163a、左シャッタ2163bからなるシャッタ(遮蔽装置)2163と、このシャッタ2163の奥側に配設された液晶表示装置2157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ2163a、左シャッタ2163bが液晶表示装置2157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置2157(図示省略)の表示画面がスロットマシン2100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
本実施形態の液晶表示装置(演出画像表示装置)2157は、停止操作に関する情報(例えば、ストップボタン2137〜2139の操作順序や操作タイミングなど)を報知する操作ナビ実行装置としても機能する。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部の回路構成>
次に、図77を用いて、スロットマシン2100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン2100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部2300と、主制御部2300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部2400と、第1副制御部2400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部2500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン2100の主制御部2300について説明する。主制御部2300は、主制御部2300の全体を制御する基本回路2302を備えており、この基本回路2302には、CPU2304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM2306と、一時的にデータを記憶するためのRAM2308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O2310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ2312、WDT(ウォッチドッグタイマ)2314を搭載している。なお、ROM2306やRAM2308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部2400や第2副制御部2500についても同様である。この基本回路2302のCPU2304は、水晶発振器2315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU2304は、電源が投入されるとROM2306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ2312に送信し、カウンタタイマ2312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU2304に送信する。CPU2304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器2315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部2300は、水晶発振器2315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路2316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路2338を備えており、CPU2304は、この起動信号出力回路2338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部2300は、センサ回路2320を備えており、CPU2304は、割り込み時間ごとに各種センサ2318(ベットボタン2130センサ、ベットボタン2131センサ、ベットボタン2132センサ、メダル投入口2141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー2135センサ、ストップボタン2137センサ、ストップボタン2138センサ、ストップボタン2139センサ、精算ボタン2134センサ、メダル払出装置2180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール2110のインデックスセンサ、リール2111のインデックスセンサ、リール2112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路2320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路2316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路2316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口2141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー2135センサは、スタートレバー2135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン2137センサ、ストップボタン2138センサ、および、ストップボタン2139センサは、各々のストップボタン2137〜2139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン2130センサ、ベットボタン2131センサ、およびベットボタン2132センサは、メダル投入ボタン2130〜2132のそれぞれに設置されており、RAM2308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン2134センサは、精算ボタン2134に設けられている。精算ボタン2134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置2180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール2110のインデックスセンサ、リール2111のインデックスセンサ、およびリール2112のインデックスセンサは、各リール2110〜2112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU2304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部2300は、リール2110〜2112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路2322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ2170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路2324、メダル払出装置2180に設けたモータを駆動する駆動回路2326、及び各種ランプ2336(入賞ライン表示ランプ2120、遊技メダル投入可能ランプ2124、再遊技ランプ2122、遊技メダル投入ランプ2129、遊技開始ランプ2121、貯留枚数表示器2125、遊技情報表示器2126、払出枚数表示器2127、BB中ランプ2123、有利ランプ2190、補助信号ランプ2191)を駆動する駆動回路2328をそれぞれ設けている。
また、基本回路2302には、情報出力回路2334が接続されており、主制御部2300は、この情報出力回路2334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路2652にスロットマシン2100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。また、主制御部2300は、主制御部2300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路2330を備えており、電圧監視回路2330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路2302に出力する。
また、主制御部2300は、第1副制御部2400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部2400との通信を可能としている。なお、主制御部2300と第1副制御部2400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部2300は第1副制御部2400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部2400から主制御部2300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン2100の第1副制御部2400について説明する。第1副制御部2400は、主制御部2300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部2400の全体を制御する基本回路2402を備えている。この基本回路2402は、CPU2404と、一時的にデータを記憶するためのRAM2408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O2410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ2412を搭載している。基本回路2402のCPU404は、水晶発振器2414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部2400は、第1副制御部2400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM2406を設けている。
CPU2404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM2406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ2412に送信する。カウンタタイマ2412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU2404に送信する。CPU2404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部2400には、音源IC2418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ2272、2277が接続されている。音源IC2418は、CPU2404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ2272、2277から出力する音声の制御を行う。音源IC2418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ2272、2277から出力する。
第1副制御部2400には、また、駆動回路2422が設けられ、駆動回路2422には入出力インタフェースを介して各種ランプ2420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ2144、タイトルパネル2162ランプ等)が接続されている。
また、第1副制御部2400には、シャッタ2163を駆動する駆動回路2424が設けられ、駆動回路2424には出力インタフェースを介してシャッタ2163が接続されている。この駆動回路2424は、CPU2404からの命令に応じてシャッタ2163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部2400には、センサ回路2426が設けられ、センサ回路2426には入力インタフェースを介して各種センサ2428(シャッタ2163センサ、演出ボタン2171センサ、等)が接続されている。CPU404は、割り込み時間ごとに各種センサ2428の状態を監視している。
また、CPU2404は、出力インタフェースを介して第2副制御部2500へ信号の送受信を行う。スロットマシン2100の第2副制御部2500では、液晶表示装置2157などの制御を行う。
次に、スロットマシン2100の第2副制御部2500について説明する。第2副制御部2500は、第1副制御部2400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部2500の全体を制御する基本回路2502を備えており、この基本回路2502は、CPU2504と、一時的にデータを記憶するためのRAM2508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O2510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ2512を搭載している。基本回路2502のCPU2504は、水晶発振器2514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部2500は、第2副制御部2500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM2506を設けている。
CPU2504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM2506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ2512に送信する。カウンタタイマ2512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU2504に送信する。CPU2504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
第2副制御部2500には、VDP2516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP2516には、バスを介してROM2506、VRAM2518が接続されている。VDP2516は、CPU2504からの信号に基づいてROM2506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM2518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置2157に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図78を用いて、上述の各リール2110〜2112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール2110、中リール2111、右リール2112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
各リール2110〜2112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール2110〜2112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール2110の番号0のコマには「ベル図柄」、中リール2111の番号2のコマには「セブン1図柄」、右リール2112の番号1のコマには「リプレイ図柄」、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図79を用いて、スロットマシン2100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の付与数(メダルの払出枚数)を示す図である。
スロットマシン2100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2、特別役3)と、一般役(再遊技役、小役1〜小役3)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
本実施形態における入賞役のうち、特別役(特別役1、特別役2および特別役3)は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、特別役3および再遊技役への入賞が含まれる。
特別役1、特別役2および特別役3は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」、特別役2が「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」、特別役3が「BAR−BAR−BAR(RB)」である。
特別役1、特別役2又は特別役3に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部2300のRAM2308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部2300は、遊技状態を特別役内部当選状態(以下、この状態をRT1と称することがある)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1、特別役2または特別役3に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば、特別役1に内部当選した場合は「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」の図柄組合せ、特別役2に内部当選した場合は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」の図柄組合せ、特別役3に内部当選した場合は「BAR−BAR−BAR(RB)」の図柄組合せ)が、揃って入賞しやすい状態になる。この特別役内部当選状態(RT1)については後述する。
主制御部2300は、特別役1、特別役2または特別役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(以下、この状態をRT2と称することがある)に移行させる。
再遊技役は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。再遊技役(リプレイ)に対応する図柄組み合わせは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
小役(小役1〜小役3)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役2が「チェリー−ANY−ANY(チェリー)」、小役3が「ベル−ベル−ベル(ベル)」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール2110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール2111と右リール2112の図柄はどの図柄でもよい。
ここで、入賞役の内部当選確率について概説する。
各々の役の内部当選確率は、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、後述する内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン2100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図80は、スロットマシン2100の主制御部2300の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン2100の主制御部2300は、大別すると、図80(a)に示すように、通常遊技状態(RT0)、特別役内部当選状態(RT1)、及び特別遊技状態(RT2)を有する。本実施形態では、この4つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態(以下、AT系の遊技状態という)も制御している。主制御部300のAT系の遊技状態は、図80(b)に示すように、RT0において、通常状態、及びAT状態の2つの遊技状態を有する。
<通常遊技状態(RT0)>
通常遊技状態(RT0)の内容は特に限定されないが、例えば、内部抽選の結果が概ねハズレとなり、遊技者が所定期間の遊技を行った場合に遊技中に獲得できるメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数に満たないような遊技状態をいう。
通常遊技状態(RT0)は、初期状態のほか、特別遊技状態(RT2)が終了した場合に開始される。また、通常遊技状態(RT0)において、特別役1、2又は3のいずれかに内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT1)に移行する。
<特別役内部当選状態(RT1)>
特別役内部当選状態(RT1)は、内部当選した特別役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。
この特別役内部当選状態(RT1)は、通常遊技状態(RT0)において、特別役1、2又は3のいずれかに内部当選した場合に開始される。また、内部当選した特別役1、2又は3に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に終了し、特別遊技状態(RT2)に移行する。
<特別遊技状態(RT2)>
特別遊技状態(RT2)は、全ての遊技状態中で最も遊技者に有利な遊技状態である。 特別遊技状態(RT2)は、特別役内部当選状態(RT1)において内部当選した特別役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に開始される。また、特別遊技状態(RT2)は、予め定められたゲーム数(本実施形態では、15ゲーム)を消化した場合に終了し、通常遊技状態(RT0)に移行する。
<AT系の遊技状態>
AT状態とは、遊技者に有利な結果がもたらされるように停止操作方法(操作タイミング又は停止操作の操作順序)を報知する演出が実行される遊技状態をいう。本実施形態のAT状態では、通常遊技状態(RT0)において小役に内部当選した場合に、演出画像表示装置2157の画像を用いて、内部当選した小役に入賞するための停止操作(例えば、内部当選した役に対応した図柄組合せなど)を報知する停止操作報知演出を実行する。一方、通常状態は、スロットマシン2100の電源投入後やリセット後に最初に移行する初期の状態であり、上述した停止操作報知演出を実行しない状態である。
本実施形態では、通常状態(RT0)においてAT抽選に当選した場合には、ATゲーム数として30ゲーム(初期ゲーム数)が付与され、次ゲームからAT状態(RT0)が開始される。そして、AT状態(RT0)において、付与されたATゲーム数を消化したときに通常状態に移行する。
また、本実施形態では、AT状態(RT0)においてAT上乗せ抽選に当選した場合には、所定数のATゲーム数が上乗せ(加算)されるようになっている。なお、本実施形態では、初期ゲーム数の期間において上乗せ抽選に当選し、上乗せされるATゲーム数が存在しても、AT状態の初期ゲーム数の終了時にAT状態が終了するか継続するかを示す一連の演出を実行するようになっている。つまり、AT上乗せ抽選の当選時にはAT上乗せ抽選に当選した旨の報知は実行されない。
<AT状態の初期ゲーム数終了時の演出>
図81は、AT状態の初期ゲーム数(30ゲーム)終了時の演出の流れを示すタイムチャート図である。また、図82は、AT状態の初期ゲーム数終了時に登場する演出の種類を示す図である。
AT状態の初期ゲーム数終了時の演出には、(1)終了演出1、(2)復活演出1、(3)終了演出2、(4)復活演出2の4つが存在する。終了演出1及び2は、AT状態の終了を示唆する演出である。例えば、終了の文字を表示したり、AT状態における獲得枚数やゲーム数を表示したりする。復活演出1及び2は、一旦は終了したかに思えたAT状態が継続する可能性を示唆する演出である。例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタが戦う演出であったり、演出ボタン2171の操作を促す演出だったりする。そして、復活演出1及び2の結末としては、AT状態が継続することを示す演出、又はAT状態が終了することを示す演出のいずれかを実行する。例えば、主人公キャラクタが勝利した場合には、勝利の文字とともに上乗せATゲーム数を表示してAT状態が継続することを示したり、主人公キャラクタが敗北した場合には、敗北の文字を表示してAT状態が終了することを示したりする。また、演出ボタン2171の操作に基づいて上乗せATゲーム数を表示して、AT状態が継続することを示したり、演出ボタン2171の操作に基づいて残念などの文字を表示してAT状態が終了することを示したりする。
本実施の形態では、まず、AT状態の初期ゲーム数終了時において、AT状態の終了を示唆する終了演出1を実行する。終了演出1では、演出画像表示装置2157に終了表示1(図面上ではd210と表記;具体的な表示画像は後述)を表示する。つまり、AT状態の30ゲーム目(Gnゲーム目と表記)に終了演出1が実行され、終了表示1が表示される。
本実施形態では、次いで、AT状態の31ゲーム目(Gn+1ゲーム目と表記)となると、一旦終了したように思えたAT状態が継続する可能性を示唆する復活演出1を実行する。復活演出1では、演出画像表示装置2157に復活表示1(図面上ではd220と表記;具体的な表示画像は後述)を表示する。この復活演出1は、Gn+1ゲーム目の遊技操作に従って進行するストーリ演出で最終的には、AT状態の継続を示唆する復活表示1−a(図面上でがd220Aと表記する;具体的な表示画像は後述)、又はAT状態の終了を示唆する復活表示1−b(図面上でがd220Bと表記する;具体的な表示画像は後述)を表示する。復活表示1−aが表示された場合には、次ゲームからAT状態を開始する。
一方、復活表示1−bを表示した場合には、その後、復活演出2を実行する場合がある。詳しくは、復活表示1を表示した後に復活表示2を表示することなく終了する場合と、復活表示1を表示した後に復活表示2を表示する場合とがある。つまり、復活表示1−bが表示されたとしても、常に次ゲームから通常状態を開始するわけではない。復活演出2では、演出画像表示装置2157に復活表示2(図面上ではd230と表記;具体的な表示画像は後述)を表示する。詳しくは、復活表示1−bを表示した場合、演出画像表示装置2157に復活表示1−bを表示しつつ復活表示2を表示する。つまり、本実施の形態では、復活演出1を実行する期間と、復活演出2を実行する期間に重複する期間がある。
その後、図81に示すように、演出画像表示装置2157には復活表示2だけが表示され、遊技の進行とともにAT状態の継続を示唆する復活表示2−a(図面上ではd230Aと表記する;具体的な表示画像は後述)、又はAT状態の終了を示唆する復活表示2−b(図面上ではd230Bと表記する;具体的な表示画像は後述)を表示する。また、復活表示2−a又は復活表示2−bが表示された場合には、その後、終了演出2を実行する。終了演出2では、演出画像表示装置2157に終了表示2(図面上ではd240と表記;具体的な表示画像は後述)を表示する。つまり、AT状態の31ゲーム目(Gnゲーム+1目と表記)に終了演出2が実行され、終了表示2が表示される。
詳しくは、復活表示2−aが表示された場合には、復活表示2−aとともに終了表示2を表示し、次ゲームからAT状態を開始する。一方、復活表示2−bが表示された場合には、復活表示2−bとともに終了表示2を表示し、次ゲームから通常状態を開始する。
なお、復活表示1−a又は復活表示2−aが表示されるのは、当然のことながらAT状態の初期ゲーム数の期間においてAT上乗せ抽選に当選し、上乗せゲーム数が付与された場合である。つまり、AT状態を開始してから終了演出1が実行されるまでの間に上乗せゲーム数が決定しつつも、そのゲーム数を遊技者に報知する演出を実行していなかった場合である。一方、復活表示2−bが表示されるのは、AT状態の初期ゲーム数の期間においてAT上乗せ抽選に当選せず、上乗せゲーム数が付与されなかった場合である。また、復活表示1−bが表示された場合には、その後、復活表示2−a又は2−bのいずれも表示されるので、AT状態の初期ゲームにおいてAT上乗せ抽選に当選し、上乗せゲーム数が付与された場合、及びAT状態の初期ゲームにおいてAT上乗せ抽選に当選せず、上乗せゲーム数が付与されなかった場合のいずれも存在する。
このように本実施形態では、復活演出を1回で終わらせるのでなく、復活演出を2回に分けて実行する場合があるので、遊技者の失望感を低減させて、期待感を再び向上させることができる場合がある。
図83は、遊技者による演出ボタン2171の操作の有無を追加して、図81に示した演出の流れをより詳しく示したタイムチャート図である。本実施の形態の復活演出2は、具体的には、演出ボタン2171の操作を促す演出となっているので(表示画像は後述)、実際には、演出ボタン2171の操作に基づいて演出内容が変化するようになっている。すなわち、図81に示した復活表示2−a又は復活表示2−bの分岐の契機は、演出ボタン2171に対する操作である。このように本実施形態では、復活表示2を表示中に演出ボタン2171の操作が行われた場合には、復活表示2−a又は復活表示2−bが表示される。
一方、演出ボタン2171の操作を促す復活表示2が表示されても、演出ボタン2171に対する操作が行われない場合には、復活表示2を継続表示し、その後、終了表示2とともに復活表示2を表示する。すなわち、この場合には、復活表示2−a又は復活表示2−bが表示されないので、遊技者は次ゲームが開始されるまでAT状態が継続するのか否かを把握することができない。なお、終了表示2の表示を消去するタイミングにおいて復活表示2の表示も消去される。
なお、本実施形態では、復活表示1−aを表示した場合、終了演出2を実行せず(終了表示2を介さず)、AT状態の演出を実行する。この場合、早いタイミングでAT状態の継続を報知したので、次のチャンスの機会を残して継続したことを認識させやすくできる。また、復活表示1−bを表示した場合において上乗せゲーム数が付与されなかった場合には、復活表示2を表示せず(終了演出2を実行せず)にAT状態を終了し、通常状態を開始してもよい。復活表示2が表示された場合に期待感を高めることができる。
一方、本実施形態では、復活表示2−aを表示した場合には、終了演出2を実行する。終了表示2を行うことにより、これが最後のチャンスであったことを遊技者に認識させることができるからである。
図84は、本実施形態においてAT状態の初期ゲーム数終了時に実行される演出の演出態様を示す図である。
終了表示1は、図84(a)に示すように、終了の文字とともにAT状態における獲得枚数やゲーム数を表示している。また、復活表示1は、図84(a)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタが戦う画像を表示しており、復活表示1−aは、主人公キャラクタが勝利する画像とともに勝利の文字及びAT上乗せゲーム数を示すAT30Gの文字を表示し、復活表示1−bは、主人公キャラクタが敗北する画像とともに敗北の文字を表示している。なお、画像とは動画の一部を意味するものであり、各演出の表示は、動画(ムービー)からなる。
復活表示2は、図84(a)に示すように、操作ボタン2171に対する操作を促す画像(例えば、操作ボタンの画像、操作ボタンに向かう矢印画像、及び押の文字画像)を表示しており、復活表示2−aは、図84(b)に示すように、AT上乗せゲーム数を示す文字(例えば、+30Gなど)を表示し、復活表示2−bは、図84(b)に示すように、AT上乗せゲーム数がなかったことを示す文字(例えば、残念)を表示している。
終了表示2は、図84(b)に示すように、終了の文字を表示して、AT状態の終了を報知している。
ここで、復活表示1−bは、図84(a)に示すように、徐々に消えていく画像であり、最終的には完全に消去される画像である(後述する図85にて説明する)。なお、復活表示2を表示中に演出ボタン2171に対する操作がない場合には、図84(c)に示すように、復活表示2が継続して表示され、その後、復活表示2に加えて終了表示2が表示される。演出ボタン2171に対する操作の受け付けの終了が近づいていることを認識させることができる。ここで、AT状態の初期ゲーム数の間にAT上乗せ抽選に当選し、AT上乗せゲーム数が付与された場合には、Gn+2ゲーム目の開始(Gn+2ゲーム目の投入操作)とともにAT状態を示すAT背景画像d250が表示される。すなわち、AT上乗せゲーム数が付与されたとしても、演出ボタン2171に対する操作がなかったので、AT上乗せゲーム数を報知する機会は与えられない。一方、AT状態の初期ゲーム数の間にAT上乗せ抽選に当選せず、AT上乗せゲーム数が付与されなかった場合には、Gn+2ゲーム目の開始(Gn+2ゲーム目の投入操作)とともに通常状態を示す通常背景画像d260が表示される。
なお、図84(a)と図84(b)に示す「AT状態*」は、図84(c)に示すAT背景画像d250を意味し、図84(b)に示す「通常状態*」は、図84(c)に示す通常背景画像d260を意味する。
図85は、復活表示1と復活表示2の重複期間を説明するタイムチャート図である。なお、図85は、演出ボタン2171に対する操作が行われなかった場合を示している。
復活表示1―bは、Gn+1ゲーム目の入賞判定に基づいて表示を開始する。詳しくは、Gn+1ゲーム目の入賞判定の時点t1から演出ボタン2171の操作受付が可能となる時点t3まで表示される。上述したように、復活表示1―bの画像は、徐々に消去されていく画像となっているので、時点t3は、復活表示1―bの画像は完全に消去された状態である。
復活表示2は、時点t1から所定時間TA(本実施形態では、0.5秒)が経過した時点t2から表示される。詳しくは、Gn+1ゲーム目の時点t2から、(1)演出ボタン2171に対する操作が行われた場合には、この演出ボタン2171に対する操作が行われたときまで、(2)演出ボタン2171に対する操作が行われなかった場合には、Gn+2ゲーム目の投入操作の時点t5まで表示される。
演出ボタン2171に対する操作受付が可能となるのは、時点t3からである。つまり、演出ボタン2171に対する操作を促す復活表示2は時点t2から表示されているが、演出ボタン2171に対する操作受付が可能となるのは、その後の時点t3からである。時点t2から時点t3の間は演出ボタン2171を操作しても操作受け付けされない。このように本実施形態では、復活表示1−bが完全に消去されてから演出ボタン2171に対する操作を受け付けるようにしている。この結果、復活表示1−bのストーリをすべて見せた後に演出ボタン2171に対する操作を受け付けるので、遊技者は、重要な告知を見落としたかもしれないという不安を持つことなく次の演出に期待することができる。
なお、時点t2から時点t3の間は演出ボタン2171の操作受け付け行うが、この期間は操作受け付けによる演出実行がない期間とし、時点t3以降の演出ボタン2171の操作受け付けにより演出実行するものとしてもよい。前述同様に復活表示1−bのストーリをすべて見せる目的を達成することができる。
終了表示2は、Gn+1ゲーム目の時点t1から所定時間TB(本実施形態では、3秒)が経過した時点t4から表示が開始される。
以上から、本実施形態では、復活表示1−bと復活表示2は、時点t2から時点t3まで表示が重複するようになっている。
図86は、AT状態のGnゲーム目(具体的には、AT状態の30ゲーム目)とGn+1ゲーム目(具体的には、AT状態の31ゲーム目)に実行される連続演出を説明する図である。この連続演出は2ゲームに亘る連続演出であり、図86(a)に示すように、4種類の連続演出を備えている。
連続演出1は、1ゲーム目(AT状態のGnゲーム目)において、演出A1を実行し、2ゲーム目(AT状態のGn+1ゲーム目)において、演出A2を実行する。同様にして、連続演出2は、1ゲーム目(AT状態のGnゲーム目)において、演出A1を実行し、2ゲーム目(AT状態のGn+1ゲーム目)において、演出A3を実行し、連続演出3は、1ゲーム目(AT状態のGnゲーム目)において、演出A1を実行し、2ゲーム目(AT状態のGn+1ゲーム目)において、演出A4を実行し、連続演出4は、1ゲーム目(AT状態のGnゲーム目)において、演出A1を実行し、2ゲーム目(AT状態のGn+1ゲーム目)において、演出A5を実行する。
図86(b)は、連続演出を構成する各演出のシナリオを模式的に示す図であり、図87は、遊技操作に割り当てられたそれぞれの演出データの内容を示す表である。
例えば、演出A1は、図86(b)に示すように、入賞判定時に演出A−1を実行するシナリオとなっており、演出A−1は、図87に示すように、終了表示1を表示する演出である。
また、例えば、演出A2は、図86(b)に示すように、スタート操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時、入賞判定時、及び次ゲームの投入操作時に、それぞれ、演出A−2、演出A−3、演出A−4、演出A−5、演出A−9、及び演出A−11を実行する。演出A−2〜A5は、図87に示すように、復活表示1を表示する演出であり、主人公キャラクタと敵キャラクタの決闘シーンの演出である。演出A−9は、復活表示1−aを表示する演出であり、決闘シーンにおいて勝利を表示し、AT上乗せゲーム数を表示する。演出A−11は、AT状態の開始を表示する演出である。
したがって、連続演出1は、1回目の復活演出において、AT状態が継続することを示す演出である。
また、例えば、演出A3は、図86(b)に示すように、スタート操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時、入賞判定時、及び次ゲームの投入操作時に、それぞれ、演出A−2、演出A−3、演出A−4、演出A−5、演出A−10、及び演出A−12を実行する。演出A−10は、決闘シーンにおいて敗北を表示しつつ、終了表示2を表示する演出である。演出A−12は、通常状態の開始を表示する演出である。
したがって、連続演出2は、1回目の復活演出において、通常状態に移行することを示す演出である。
また、例えば、演出A4は、図86(b)に示すように、スタート操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時、入賞判定時、演出ボタン操作時及び次ゲームのスタート操作時に、それぞれ、演出A−2、演出A−3、演出A−4、演出A−5、演出A−6、A−7及び演出A−11を実行する。演出A−6は、図87に示すように、復活表示1−bを表示しつつ復活表示2を表示し、さらに終了表示2を表示する演出である。演出A−7は、図87に示すように、復活表示2−aを表示し、終了表示2を表示する演出である。
したがって、連続演出3は、1回目の復活演出においてAT状態の終了を示唆する表示をするが、その後、2回目の復活演出が実行され、2回目の復活演出においてAT状態が継続することを示す演出である。
また、例えば、演出A5は、図86(b)に示すように、スタート操作時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時、入賞判定時、演出ボタン操作時及び次ゲームのスタート操作時に、それぞれ、演出A−2、演出A−3、演出A−4、演出A−5、演出A−6、A−8及び演出A−12を実行する。演出A−8は、図87に示すように、復活表示2−bを表示し、終了表示2を表示する演出である。
したがって、連続演出4は、1回目の復活演出においてAT状態の終了を示唆する表示をした後、2回目の復活演出が実行されるが、2回目の復活演出においてもAT状態の終了を示唆する表示をして、通常状態に移行することを示す演出である。
このように本実施形態の連続演出は、AT上乗せゲームという特典を付与するか否かを報知する特典付与演出である。。
図88は、終了表示2の表示タイミングを演出ボタン2171に対する操作タイミングと対比して説明するタイムチャート図である。なお、図88は、演出ボタン2171に対する操作に基づいて、AT状態の継続を示す復活表示2−aを表示する場合を示している。
図88(a)は、AT状態のGn+1ゲーム目の入賞判定時t1から所定時間TB(本実施形態では3秒)経過する前に演出ボタン2171を操作した場合の終了表示2の表示タイミングを示しており、図88(b)は、AT状態のGn+1ゲーム目の入賞判定時t1から所定時間TB(本実施形態では3秒)経過した後に演出ボタン2171を操作した場合の終了表示2の表示タイミングを示している。
図88(a)に示すように、復活表示2が表示されてから比較的早めのタイミングで演出ボタン2171が操作された場合、まず、演出ボタン2171に対する操作が行われた時点t3から次ゲームのメダル投入時点t5までは、復活表示2−aが表示され、次いで入賞判定時t1から所定時間TBが経過した時点t4から次ゲームのメダル投入時点t5まで終了表示2が表示される。つまり、終了表示2は、時点t4から時点t5までの間、復活表示2−aと重複する。
一方、図88(b)に示すように、復活表示2が表示されてから比較的遅めのタイミングで演出ボタン2171が操作された場合、まず、入賞判定時t1から所定時間TBが経過した時点t4から次ゲームのメダル投入時点t5まで終了表示2が表示される。次いで、演出ボタン2171に対する操作が行われた時点t3から次ゲームのメダル投入時点t5まで復活表示2−aが表示される。つまり、終了表示2は、時点t4から時点t3までは、復活表示と重複し、時点t3から時点t5までは復活表示2−aと重複する。
図89(a)は、AT上乗せ抽選において付与される上乗せゲーム数を説明する図である。本実施形態では、主制御部300は、AT状態において毎遊技、AT上乗せ抽選を実行し、AT上乗せ抽選に当選した場合には、図89(a)に示すAT上乗せゲーム数の中からいずれか1つが選択されるようになっている。つまり、AT上乗せ抽選に当選した場合には、10ゲーム、20ゲーム、30ゲーム、40ゲーム又は50ゲームのいずれか1つが選択される。
図89(b)は、AT状態の初期ゲーム数終了時においていずれの連続演出を実行するかを決定する仕組みを示す模式図である。本実施形態では、AT状態の初期ゲーム数終了時(正確には、AT仮終了ゲームの時点。詳しくは後述する)において、AT状態の初期ゲーム数の間に付与されたAT上乗せゲーム数の合計値に基づいて連続演出1又は3のいずれを実行するかを決定する。
ここで、連続演出1及び3は、いずれもAT状態の継続を示す演出である。また、AT上乗せゲーム数の合計値とは、例えば、AT状態の初期ゲーム数の間に2回AT上乗せ抽選に当選し、1回目のAT上乗せ抽選で10ゲーム、2回目のAT上乗せ抽選で20ゲームが付与された場合には、合計値は30ゲームとなる。
なお、AT状態の初期ゲーム数の間にAT上乗せ抽選に当選せず、付与されたAT上乗せゲーム数が0の場合には、図示しない演出抽選テーブルに基づいて連続演出2又は4のいずれを実行するかを決定する。ここで、連続演出2及び4は、いずれもAT状態の終了を示す演出である。
本実施形態では、図89(b)に示すように、AT上乗せゲーム数の合計値が50未満の場合には、20%の確率で連続演出1を実行し、80%の確率で連続演出2を実行する一方、AT上乗せゲーム数の合計値が50以上の場合には、80%の確率で連続演出1を実行し、20%の確率で連続演出2を実行する。すなわち、本実施形態では、付与されたAT上乗せゲーム数が多いほど(具体的には、50より大きいと)、1回目の復活演出である復活演出1においてAT状態の継続を報知する確率が高くなっており、AT上乗せゲーム数が少ないほど(具体的には、50より小さいと)、2回目の復活演出である復活演出2においてAT状態の継続を報知する確率が高くなっている。つまり、1回目の復活演出では多くのAT上乗せゲーム数を報知し、2回目の復活演出では少ないAT上乗せゲーム数を報知する確率が高くなっている。
多くの上乗せが得られる機会よりも少ない上乗せが得られる機会のほうが多くなる遊技性であれば、後者に対する報知が行われる頻度が前者に対する報知が行われる頻度よりも多くなる。従って、2回目の復活演出が行われることへの期待を高めようとした場合に、2回目の復活演出では少ないAT上乗せゲーム数を報知する確率が高くするとよい。
なお、この逆、つまり、1回目の復活演出では少ないAT上乗せゲーム数を報知し、2回目の復活演出では多くのAT上乗せゲーム数を報知する確率を高くしてもよい。2回目の復活演出に対する期待感をさらに向上させることができる。2回目の復活演出が行われる頻度が少ないが、実行されれば多いAT上乗せを期待できる演出となることを印象付けることができる。
<スロットマシンの動作>
以下、上記特徴を反映した、主制御部2300、第1副制御部2400、及び第2副制御部2500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図90を用いて、主制御部2300のCPU2304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部2300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)2332を設けている。この起動信号を入力した基本回路2302のCPU2304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM2306に予め記憶している制御プログラムに従って図90に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS801で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU2304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O2310の初期設定、RAM2308に記憶する各種変数の初期設定、WDT2314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS802では、遊技開始処理を実行する。遊技開始処理では、メダル補助収納ケースのメダルオーバーフローに関するエラーチェック、ボーナス信号の更新、メダルの規定枚数の設定、また、再遊技(リプレイ)に内部当選した場合には、メダル投入枚数に前回遊技で投入されたメダル投入枚数を設定し、再遊技(リプレイ)に内部当選しなかった場合には、非遊技状態の時間を監視する遊技アイドルタイマの設定を行う。
ステップS803では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ2120を点灯させる。また、第1副制御部2400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー2135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部2400に対してスタートレバー2135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
ステップS804では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS805では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS806では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM2306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS805で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部2400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ステップS807では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止制御データの候補を選択するリール停止データの候補選択処理を行う。
ステップS808では、リール回転開始処理が実行され、全リール2110〜2112の回転を開始させる。また、このステップS808では、リール2110〜2112が回転開始したことを示すリール回転開始コマンドを第1副制御部2400に送信する準備を行う。
ステップS809では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン2137〜2139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、ステップS807で選択されたリール停止制御データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール2110〜2112の何れかを停止させる。全リール2110〜2112が停止するとステップS810へ進む。
なお、このステップS809では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン2137〜2139に関する停止ボタン受付コマンドを第1副制御部2400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンドを第1副制御部2400に送信する準備を行う。
ステップS810では、表示判定(入賞判定)を行う。ここでは、有効化された入賞ライン2114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が揃っていたならば小役1(スイカ)入賞と判定する。また、このステップS810では、表示判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部2400に送信する準備を行う。
ステップS811では、メダル払出処理を行う。メダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS812では、遊技状態を移行するための制御が行われる遊技状態制御処理を行う。例えば、特別役に入賞の場合には次回から特別遊技状態(RT2)を開始できるよう準備する。また、このステップS812では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを第1副制御部2400に送信する準備を行う。例えば、遊技状態が特別遊技状態(RT2)の場合には、特別遊技状態(RT2)を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。また、遊技状態コマンドには、RT系の遊技状態を示す情報のほか、AT系の遊技状態を示す情報も含まれる。
ステップS812では、主制御部300のAT系の遊技状態が通常状態にある場合、毎遊技、AT抽選を実行し、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にある場合、毎遊技、AT上乗せ抽選を実行する。また、ステップS812では、では、AT抽選の結果を示すAT抽選結果コマンド(当選/非当選、付与されたATゲーム数)、AT上乗せ抽選の抽選の結果を示す(当選/非当選、付与されたAT上乗せゲーム数)AT上乗せ抽選結果コマンドを副制御部2400に送信する準備を行う。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS802へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図91のステップS7006)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に図91を用いて、主制御部2300のCPU2304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部2300は、所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ2312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS7001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU2304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS7002では、WDT2314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT2314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約1.5msに1回)リスタートを行う。
ステップS7003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O2310の入力ポートを介して、各種センサ2318のセンサ回路2320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM2308に各種センサ2318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS7004では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ2318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う。例えば、割込みステータスがメダル投入処理中であれば、メダル投入受付処理を行い、また、割込みステータスが払出処理中であれば、メダル払出処理を行う。
ステップS7005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS7006では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部2400に送信される。第1副制御部2400では、受信したコマンドに含まれるコマンド種別により、主制御部2300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、コマンドに含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS7007では、外部信号設定処理を行う。この外部信号設定処理では、RAM2308に記憶している遊技情報を、情報出力回路2334を介してスロットマシン2100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS7008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS7003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ2318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ2170(メダルセレクタ2170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ2338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS7009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS7011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS7010に進む。
ステップS7010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS7001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図90に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS7011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM2308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図90に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部の処理>
次に、図92を用いて、第1副制御部2400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部2400のCPU2404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部2400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図同図(c)は、第1副制御部2400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図92(a)を用いて、第1副制御部2400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS7101で初期化処理(詳しくは後述する)が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM2408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS7102では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS7103の処理に移行する。
ステップS7103では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS7104では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部2400のCPU2404は、主制御部2300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS7105では、演出制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS7104で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM2406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS7106では、ステップS7105の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS7105で読み出した演出データの中に音源IC2418への命令がある場合には、この命令を音源IC2418に出力する。
ステップS7107では、ステップS7105の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS7105で読み出した演出データの中に各種ランプ2420への命令がある場合には、この命令を駆動回路2422に出力する。
ステップS7108では、ステップS7105の処理結果に基づいて第2副制御部2500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS7105で読み出した演出データの中に第2副制御部2500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS7102へ戻る。この結果、設定された制御コマンドは、第2副制御部2500に送信される。
次に、図92(b)を用いて、第1副制御部2400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御2400が、主制御部2300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS7201では、主制御部2300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM2408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図92(c)を用いて、第1副制御部2400のCPU2404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部2400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS7301では、図92(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS7102において説明したRAM2408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS7102において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS7302では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図93を用いて、第2副制御部2500の処理について説明する。なお、図93(a)は、第2副制御部2500のCPU2504が実行するメイン処理のフローチャートである。図93(b)は、第2副制御部2500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図93(c)は、第2副制御部2500のタイマ割込処理のフローチャートである。図93(d)は、第2副制御部2500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図93(a)のステップS7401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS7401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM2508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS7402では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS7403の処理に移行する。
ステップS7403では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS7404では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部2500のCPU2504は、第1副制御部2400のCPU2404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS7405では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS7404で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データおよびシャッタ演出に関する演出データをROM2506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM2506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS7406では、ステップS7405の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS7405で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS7407では、ステップS7405の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS7405で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS7402へ戻る。
次に、図93(b)を用いて、第2副制御部2500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部2500が、第1副制御部2400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS7601では、第1副制御部2400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM2508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図93(c)を用いて、第2副制御部2500のCPU2504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部2500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS7601では、図93(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS7402において説明したRAM2508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS5002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS7602では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図93(d)を用いて、第2副制御部2500のメイン処理におけるステップS5007の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS7701では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU2504は、まず、VRAM2536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置2157に表示される。次に、CPU2504は、VDP2534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM2506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM2536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM2506からVRAM2536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM2506からVRAM2536に転送する。その後、VDP2534は、転送終了割込信号をCPU2504に対して出力する。
ステップS7702では、VDP2534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS7703に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS7703では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU2504は、ステップS7701でVRAM2536に転送した画像データに基づいてVRAM2536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM2536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP2534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS7704では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU2504は、VDP2534に画像の描画開始を指示する。VDP2534は、CPU2504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS7705では、画像の描画終了に基づくVDP2534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS7706に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS7706では、RAM2508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<第1制御部の演出制御処理>
図94は、図92(a)のステップS7105の演出制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS7801では、遊技者による操作(例えば、メダル投入操作、スタートレバー操作、停止操作、演出ボタン操作など)が行われたか否かを判定する。遊技者による操作が行われたか否かは、主制御部300から送信された各種コマンドに基づいて判定する。遊技者による操作が行われた場合には、ステップS7802に進み、そうでない場合には、ステップS7808に進む。
ステップS7802では、ステップS7801の操作に基づいて、演出の更新処理を行う。例えば、AT状態の連続演出を実行する場合には、設定された連続演出の、ステップS7801の操作に対応した演出データを設定する(図86(b)、図87参照)。
ステップS7803では、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にあるか否かを判定する。主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にある場合には、ステップS7804に進み、そうでない場合には、ステップS7808に進む。
ステップS7804では、AT遊技更新処理を行う。AT遊技更新処理では、AT状態のゲーム数の更新、獲得枚数の更新などの処理を行う。
ステップS7805では、当該ゲームがAT仮終了ゲームであるか否かを判定する。AT仮終了ゲームとは、AT状態の初期ゲーム数(30ゲーム)の1ゲーム手前、つまり29ゲーム目をいう。当該ゲームがAT仮終了ゲームである場合には、ステップS7806に進み、そうでない場合には、ステップS7808に進む。
ステップS7806では、AT上乗せゲーム数合計処理を実行する。AT上乗せゲーム数合計処理では、AT状態のAT仮終了ゲームまでに付与されたAT上乗せゲーム数の合計値を算出する。なお、AT上乗せゲーム数は、主制御部300から送信されたAT上乗せ抽選結果コマンドの内容に基づく。
ステップS7807では、連続演出設定処理を実行する。連続演出設定処理では、ステップS7806のAT上乗せゲーム数の合計値に基づいて基づいて連続演出の設定を行う(図89(b)参照)。
ステップS7808では、その他の演出制御処理を実行する。
なお、AT状態のAT仮終了ゲームから初期ゲーム数の終了までの間にAT上乗せ抽選に当選し、AT上乗せゲーム数を付与された場合には、ステップS7807で設定された連続演出のシナリオを変更してもよい。例えば、連続演出4を設定した次のゲームでAT上乗せ抽選に当選した場合、当所予定されていた復活表示2−bを表示せず、復活表示2−aを表示するようにしてもよい。この場合、直前の特典付与状況を反映した連続演出を実行することができる。
<第7実施形態の変形例>
・終了演出2の変形例
図95は、終了演出2の演出態様の変形例を示す図である。上記実施形態では、終了表示2は、AT状態が終了することを直接的に示す「終了」の文字を表示して、AT状態が終了することを報知していた。しかしながら、終了表示2の表示態様はこれに限定されない。例えば、図95(a)に示すように、AT状態の終了を間接的に示唆する文言(例えば、「カードの取り忘れなどお忘れ物が無いように」)を終了表示2として表示するようにしてもよい。遊技を終了し席から離れる時期になったことを認識させられる。また、図95(b)に示すように、のめり込みを防止する文言(例えば、「のめり込みに注意しましょう。適度に楽しむ遊びです」)を終了表示2として表示するようにしてもよい。AT状態(特典期間)の継続中は報知し難い内容の表示が行われることで、AT状態(特典期間)が終了したことを認識させることができる。さらに、これらののめり込みを防止する文言は、ボーナス終了時に表示されることから、AT状態の終了であることを間接的に報知することができる。また、図95(c)に示すように、文字がない終了画像(例えば、AT状態の終了時に表示する画像、通常状態の開始時に表示される画像)を終了表示2としてもよい。文字の表示を行わなくとも遊技者が画像を見て直感的にAT状態が終了したことを把握することができる場合がある。
・復活演出2の変形例
図96は、復活演出2の演出態様の変形例を示す図である。上記実施形態では、復活演出2の演出態様を、演出画像表示装置2157に表示される演出画像とした。しかしながら、復活演出2の演出態様はこれに限定されない。例えば、図96に示すように、演出ボタン2171を発光することにより、演出ボタン2171に対する操作を促すようにしてもよい。演出ボタン2171の内部に備えるランプを発光するものでもよいし、演出ボタン2171の外部に備えるランプで演出ボタン2171を照明するものでもよい。この場合、演出ボタン2171が非点灯の状態(非発光の状態)において、演出ボタン2171に対する操作は受け付け不可であることを示し、演出ボタン2171が点灯の状態(発光の状態)において、演出ボタン2171に対する操作は受け付け可能であることを示す。この場合でも、復活演出1の実行期間と復活演出2の実行期間には重複する期間がある。
なお、演出ボタン2171を発光するものでなくても、ランプを発光することにより演出ボタン2171に対する操作を促すものでもよい。例えば、演出ボタン2171を備える操作パネルに備えたランプを発光させて、演出ボタン2171に対する操作を促すものでもよい。なお、音や振動などによって演出ボタン2171に対する操作を促すようにしてもよい。例えば、「演出ボタンを操作してください」と音出力する演出や、演出ボタンの振動させる演出を行ってもよい。
なお、復活演出2は、復活演出1と同様に主人公キャラクタと敵キャラクタが戦う演出であってもよい。例えば、復活演出1に登場した主人公キャラクタと復活演出1に登場しなかった敵キャラクタが戦う演出としてもよい。例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタが戦う演出のうち戦いの勝ち負けが分かる場面までの演出は復活演出1と復活演出2とで同一の演出を使用してもよい。例えば、復活演出1に別の演出を追加して復活演出2としてもよい。
・演出ボタンの受付期間の変形例
図97は、演出ボタン2171の操作受付期間の変形例を示す図である。上記実施形態では、図85に示すように、AT状態のn+1ゲーム目の復活表示1−bが終了した時点t3ら演出ボタン2171の受け付けを可能としたが、図97に示すように、AT状態のn+1ゲーム目の入賞判定時t1から演出ボタン2171の受け付けを可能としてもよい。勿論、この場合には、復活表示2も、AT状態のn+1ゲーム目の入賞判定時t1から表示される。復活表示の結果を少しでも早く知りたい遊技者を満足させることができる。
・獲得枚数の表示の変形例
上記実施形態では、終了表示1においてAT状態の獲得枚数を表示するようにしたが(図84参照)、AT状態の獲得枚数の表示はこれに限定されない。例えば、図98に示すように、AT状態の初期ゲーム数終了時の演出期間(AT状態のGnゲーム目、Gn+1ゲーム目に亘る連続演出の期間)において、AT状態の獲得枚数d211を表示するようにしてもよい。AT状態の初期ゲーム数終了時の演出期間に亘って終了表示1の一部(AT状態の獲得枚数)を表示することにより、一連の演出期間であることを強調することができる。なお、AT状態の初期ゲーム数終了時の演出期間の一部において遊技者がAT状態の獲得枚数d211を視認できない期間を設けてもよい。
・復活演出の実行回数の変形例
上記実施の形態では、復活演出を2回実行する構成を採用した。しかしながら、復活演出の実行回数は2回に限定されない。復活演出を3回以上実行してもよい。ここで、復活演出をN回(例えば、N≧3)実行可能な構成を採用した場合であって、N回復活演出を実行する場合には、N−1回目の復活演出(特典が付与されない結果を報知する)とN回目の復活演出(特典が付与される結果、又は特典が付与されない結果を報知する)の実行期間に重複期間がある。
・復活表示2−a又は復活表示2−bの実行契機の変形例
上記実施形態では、復活表示2−a又は復活表示2−bは、演出ボタン2171に対する操作を実行開始の契機としたが、演出ボタン2171に対する操作がなくても復活表示2−a又は復活表示2−bを実行するようにしてもよい(例えば、復活表示2を表示開始してから予め定めた所定時間が経過したときなど)。この場合も、復活表示1と復活表示2の重複期間が設けられ、復活表示1の落胆感を軽減することができるからである。
<他の遊技台>
なお、上記実施形態においては、遊技台の一例として、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンを示したが、これに限定されるものではなく、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンや、パチンコ機、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール、カジノマシン等に適用可能である。
なお、スロットマシンは、メダルを使用せずに電子データのやり取りのみ行うスロットマシンであってもよく、この場合の遊技媒体は、メダルに相当する電子化したデータを含むものであり、遊技媒体の投入は、所定の外部装置(電子貯留装置)から、電子化したデータを入力することを含むものであり、遊技媒体の払出は、所定の外部装置(電子貯留装置)へ、電子化したデータを出力することを含むものである。以下、本発明をパチンコ機に適用した実施形態について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図99を用いて、本発明の別の実施形態に係るパチンコ機1100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機1100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機1100は、外部的構造として、外枠1102と、本体1104と、前面枠扉1106と、球貯留皿付扉1108と、発射装置1110と、遊技盤1200と、をその前面に備える。
外枠1102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体1104は、内枠と呼ばれ、外枠1102の内部に備えられ、ヒンジ部1112を介して外枠1102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体1104は、枠状に形成され、内側に空間部1114を有している。また、本体1104が開放された場合、本体1104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉1106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機1100の前面側となる本体1104の前面に対しヒンジ部1112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉1106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材1118が設けられ、前面側には、スピーカ1120や枠ランプ1122が取り付けられている。前面枠扉1106の後面と遊技盤1200の前面とで遊技領域1124を区画形成する。また、前面枠扉1106が開放された場合、前面枠扉1106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉1108は、パチンコ機1100の前面において本体1104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉1108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置1110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿1126と、上皿1126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿1128と、遊技者の操作によって上皿1126に貯留された遊技球を下皿1128へと排出させる球抜ボタン1130と、遊技者の操作によって下皿1128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー1132と、遊技者の操作によって発射装置1110へと案内された遊技球を遊技盤1200の遊技領域1124へと打ち出す球発射ハンドル1134と、遊技者の操作によって各種演出装置1206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン1136と、チャンスボタン1136を発光させるチャンスボタンランプ1138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン1140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン1142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部1144と、を備える。また、下皿1128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置1110は、本体1104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル1134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆1146と、遊技球を発射杆1146の先端で打突する発射槌1148と、を備える。
遊技盤1200は、前面に遊技領域1124を有し、本体1104の空間部1114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体1104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域1124は、遊技盤1200を本体1104に装着した後、開口部から観察することができる。
図100は、図99のパチンコ機1100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機1100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク1150と、この球タンク1150の下方に位置し、球タンク1150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置1152に導くためのタンクレール1154とを配設している。
払出装置1152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール1154を通過して払出装置1152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置1152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部1600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機1100の表側に配設した上皿1126に到達するように構成しており、パチンコ機1100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置1152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部1300を構成する主基板1156を収納する主基板ケース1158、主制御部1300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部1400を構成する第1副基板1160を収納する第1副基板ケース1162、第1副制御部1400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部1500を構成する第2副基板1164を収納する第2副基板ケース1166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部1600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ1168を備える払出基板1170を収納する払出基板ケース1172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部1630を構成する発射基板1174を収納する発射基板ケース1176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部1660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ1178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部1300に出力するRWMクリアスイッチ1180とを備える電源基板1182を収納する電源基板ケース1184、および払出制御部1600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部1186を配設している。
図101は、遊技盤1200を正面から見た略示正面図である。
遊技盤1200には、外レール1202と内レール1204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域1124を区画形成している。
遊技領域1124の略中央には、演出装置1206を配設している。この演出装置1206には、略中央に装飾図柄表示装置1208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置1210と、第1特別図柄表示装置1212と、第2特別図柄表示装置1214と、普通図柄保留ランプ1216と、第1特別図柄保留ランプ1218と、第2特別図柄保留ランプ1220と、高確中ランプ1222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置1206は、演出可動体1224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置1208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置1208は、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cおよび演出表示領域1208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208bおよび右図柄表示領域1208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域1208a、1208b、1208c、1208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置1208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置1210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置1212および第2特図表示装置1214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ1216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ1218および第2特図保留ランプ1220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ1222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置1206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口1226と、普図始動口1228と、第1特図始動口1230と、第2特図始動口1232と、可変入賞口1234を配設している。
一般入賞口1226は、本実施形態では遊技盤1200に複数配設しており、この一般入賞口1226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口1226に入賞した場合)、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿1126に排出する。上皿1126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口1226に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口1228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域1124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤1200の左側に1つ配設している。普図始動口1228を通過した球は一般入賞口1226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口1228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機1100は、普図表示装置1210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口1230は、本実施形態では遊技盤1200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口1230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第1特図表示装置1212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口1230に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口1232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第1特図始動口1230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口1232は、左右に開閉自在な羽根部材1232aを備え、羽根部材1232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置1210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材1232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第2特図表示装置1214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口1232に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口1234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施形態では遊技盤1200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口1234は、開閉自在な扉部材1234aを備え、扉部材1234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材1234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口1234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿1126に排出する。なお、可変入賞口1234に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材1236や、遊技釘1238を複数個、配設していると共に、内レール1204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口1240を設けている。
このパチンコ機1100は、遊技者が上皿1126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆1146および発射槌1148によって外レール1202、内レール1204を通過させて遊技領域1124に打ち出す。そして、遊技領域1124の上部に到達した球は、打球方向変換部材1236や遊技釘1238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1226、可変入賞口1234)や始動口(第1特図始動口1230、第2特図始動口1232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1228を通過するのみでアウト口1240に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機1100の演出装置1206について説明する。
この演出装置1206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置1242およびステージ1244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体1224を配設している。また、演出装置1206の背面側には、装飾図柄表示装置1208および遮蔽装置1246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置1206において、装飾図柄表示装置1208および遮蔽手段は、ワープ装置1242、ステージ1244、および演出可動体1224の後方に位置することとなる。
ワープ装置1242は、演出装置1206の左上方に設けたワープ入口1242aに入った遊技球を演出装置1206の前面下方のステージ1244にワープ出口1242bから排出する。
ステージ1244は、ワープ出口1242bから排出された球や遊技盤1200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ1244の中央部には、通過した球が第1特図始動口1230へ入球し易くなるスペシャルルート1244aを設けている。
演出可動体1224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部1224aと前腕部1224bとからなり、肩の位置に上腕部1224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部1224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体1224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置1208の前方を移動する。
遮蔽装置1246は、格子状の左扉1246aおよび右扉1246bからなり、装飾図柄表示装置1208および前面ステージ1244の間に配設する。左扉1246aおよび右扉1246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉1246aおよび右扉1246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉1246aおよび右扉1246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置1208を視認し難いように遮蔽する。左扉1246aおよび右扉1246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置1208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置1208の表示の全てを視認可能である。また、左扉1246aおよび右扉1246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉1246aおよび右扉1246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置1208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置1208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置1208を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図102を用いて、このパチンコ機1100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機1100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部1400と、第1副制御部1400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部1500と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部1600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部1630と、パチンコ機1100に供給される電源を制御する電源制御部1660と、によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機1100の主制御部1300について説明する。
主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御する基本回路1302を備えており、この基本回路1302には、CPU1304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1306と、一時的にデータを記憶するためのRAM1308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1312と、プログラム処理の異常を監視するWDT1314を搭載している。なお、ROM1306やRAM1308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部1400についても同様である。この基本回路1302のCPU1304は、水晶発信器1316が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1302には、水晶発信器1316が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路1318(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路1318および基本回路1302に出力するためのセンサ回路1322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置1212や第2特図表示装置1214の表示制御を行うための駆動回路1324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置1210の表示制御を行うための駆動回路1326と、各種状態表示部1328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ1218、第2特図保留ランプ1220、高確中ランプ1222等)の表示制御を行うための駆動回路1330と、所定の可動部材、例えば第2特図始動口1232の羽根部材1232aや可変入賞口1234の扉部材1234a等を開閉駆動する各種ソレノイド1332を制御するための駆動回路1334を接続している。
なお、第1特図始動口1230に球が入賞したことを球検出センサ1320が検出した場合には、センサ回路1322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路1318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路1318は、第1特図始動口1230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口1230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路1318は、第2特図始動口1232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口1232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口1232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路1302には、情報出力回路1336を接続しており、主制御部1300は、この情報出力回路1336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路1350にパチンコ機1100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部1300には、電源制御部1660から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1338を設けており、この電圧監視回路1338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路1302に出力する。
また、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1340を設けており、CPU1304は、この起動信号出力回路1340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部1300は、第1副制御部1400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部1600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部1400および払出制御部1600との通信を可能としている。なお、主制御部1300と第1副制御部1400および払出制御部1600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は第1副制御部1400および払出制御部1600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部1400および払出制御部1600からは主制御部1300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機1100の第1副制御部1400について説明する。第1副制御部1400は、主に主制御部1300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部1400の全体を制御する基本回路1402を備えており、この基本回路1402には、CPU1404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM1406と、一時的にデータを記憶するためのRAM1408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1412を搭載している。この基本回路1402のCPU1404は、水晶発信器1414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM1406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路1402には、スピーカ1120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC1416と、各種ランプ1418(例えば、チャンスボタンランプ1138)の制御を行うための駆動回路1420と、演出可動体1224の駆動制御を行うための駆動回路1422と、演出可動体1224の現在位置を検出する演出可動体センサ1424と、チャンスボタン1136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ1426と、所定の検出センサ、例えば演出可動体センサ1424やチャンスボタン検出センサ1426からの検出信号を基本回路1402に出力するセンサ回路1428と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)1208および遮蔽装置1246の制御を行うための第2副制御部1500と、を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源制御部>
次に、パチンコ機1100の払出制御部1600、発射制御部1630、電源制御部1660について説明する。
払出制御部1600は、主に主制御部1300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置1152の払出モータ1602を制御すると共に、払出センサ1604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部1606を介して、パチンコ機1100とは別体で設けられたカードユニット1608との通信を行う。
発射制御部1630は、払出制御部1600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル1134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル1134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆1146および発射槌1148を駆動する発射モータ1632の制御や、上皿1126から発射装置1110に球を供給する球送り装置1634の制御を行う。
電源制御部1660は、パチンコ機1100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部1300、第1副制御部1400等の各制御部や払出装置1152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部1660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部1300のRAM1308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部1660から払出制御部1600と第2副制御部1500に所定電圧を供給し、払出制御部1600から主制御部1300と第2副制御部1500と発射制御部1630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図103(a)〜(c)を用いて、パチンコ機1100の第1特別図柄表示装置1212、第2特別図柄表示装置1214、装飾図柄表示装置1208、普通図柄表示装置1210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。 図103(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
第1特図始動口1230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口1232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置1212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置1214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置1212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置1214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。図103(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図103(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のパチンコ機1100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当たり遊技終了後および15R大当たり遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当たり図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当たり図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当たり図柄であり、「特図H」は第2小当たり図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当たりは、2R時短無し大当たりと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置1208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
なお、本実施形態のパチンコ機1100には、15R特別大当たり図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当たり図柄等の他の図柄についても同様である。
図103(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口1230または第2特図始動口1232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口1230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口1232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置1208の左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域1208a〜1208cに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当たり、「特図F」の突然通常と称される2R大当たり、あるいは「特図G」の第1小当たり、「特図H」の第2小当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当たり、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域1208a〜1208cに図103(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図103(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口1228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置1210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この図103(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部メイン処理>
次に、図104を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1340を設けている。この起動信号を入力した基本回路1302のCPU1304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM1306に予め記憶している制御プログラムに従って図104に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS6001では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU1304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O1310の初期設定、RAM1308に記憶する各種変数の初期設定、WDT1314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT1314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS6003では、WDT1314のカウンタの値をクリアし、WDT1314による時間計測を再始動する。
ステップS6005では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路1338が、電源制御部1660から主制御部1300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU1304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS6003に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU1304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS6007に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS6003に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS6005は繰り返し実行される。
ステップS6007では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ1312に設定する処理、I/O1310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部1400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM1308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS6009では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部1300の基本回路1302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS6013)に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ1180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS6013に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM1308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS6013に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM1308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS6011に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機1100を初期状態にすべくステップS6013に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS6013に進む。
ステップS6011では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM1308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM1308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU1304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機1100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS6015内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図102に示す主制御部1300における基本回路1302に搭載されているRAM1308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS6011では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部1300のタイマ割込処理におけるステップS6133において、第1副制御部1400へ送信される。
ステップS6013では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM1308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部1300のRAM1308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部1300の初期化処理(ステップS6013)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部1300のタイマ割込処理におけるステップS6133において、第1副制御部1400へ送信される。
ステップS6015では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれを生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM1308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS6107でも更新する。
主制御部1300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS6015の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図105を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部1300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ1312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS6101では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU1304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS6103では、WDT1314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS6105では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O1310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ1320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM1308に各種センサ1320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS6105では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS6105では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図66に示す主制御部1300のROM1306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS6105では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口1226、可変入賞口1234、第1特図始動口1230、および第2特図始動口1232への入球、または普図始動口1228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口1226、1234やこれらの始動口1230、1232、1228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口1226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口1226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口1226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口1226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部1300のROM1306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS6107およびステップS6109では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS6015で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部1300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM1308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM1308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM1308に設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS6111では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部1300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS6113では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置1210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置1212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置1214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS6115では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口1226、1234や始動口1230、1232、1228に入賞があった場合に、RAM1308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS6117では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口1230、第2特図始動口1232、普図始動口1228および可変入賞口1234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS6103における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。第1特図始動口1230へ入賞があった場合且つRAM1308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路1318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図1当選乱数値として取得するとともに特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図1乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。第2特図始動口1232へ入賞があった場合且つRAM1308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路1318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図2当選乱数値として取得するとともに特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図2乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。普図始動口1228へ入賞があった場合且つRAM1308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口1234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口1234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS6119では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部1600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS6121では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置1210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置1210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置1210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置1210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM1308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置1210は、当り図柄(図103(c)に示す普図A)および外れ図柄(図103(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM1308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM1308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口1232の羽根部材1232aの開閉駆動用のソレノイド(1332)に、羽根部材1232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM1308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM1308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS6123に移行するようにしている。
ステップS6123では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口1232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM1308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置1210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM1308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM1308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS6125)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置1214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置1214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部1300のRAM1308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図103(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置1214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM1308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置1214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第1はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM1308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM1308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM1308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM1308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口1234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口1234の扉部材1234aの開閉駆動用のソレノイド(1332)に、扉部材1234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口1234の扉部材1234aの開閉駆動用のソレノイド(1332)に、扉部材1234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM1308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当たり遊技の終了と同時に、RAM1308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM1308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りする可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口1232の一対の羽根部材1232aの1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材1232aは多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当たり遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当たり遊技中に普図高確率状態であると、大当たり遊技中に可変入賞口1234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口1232に多くの遊技球が入球し、大当たり中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM1308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM1308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS6127に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS6127)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS6125およびステップS6127における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS6129)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS6131)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部1300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置1208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口1232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口1230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
ステップS6133では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部1400に送信される。なお、第1副制御部1400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口1230への入賞の有無、第2特図始動口1232への入賞の有無、可変入賞口1234への入賞の有無などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM1308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM1308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM1308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置1208・各種ランプ1418・スピーカ1120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM1308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置1208・各種ランプ1418・スピーカ1120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS6133では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM1308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部1400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部1300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS6135では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM1308に記憶している遊技情報を、情報出力回路1336を介してパチンコ機1100とは別体の情報入力回路1350に出力する。
ステップS6137では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS6105において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部1400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド1332を駆動して第2特図始動口1232や、可変入賞口1234の開閉を制御したり、表示回路1324、1326、1330を介して普通図柄表示装置1210、第1特別図柄表示装置1212、第2特別図柄表示装置1214、各種状態表示部1328などに出力する表示データを、I/O1310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS6119)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O1310)を介して第1副制御部1400に出力する。
ステップS6139では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS6143に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS6141に進む。
ステップS6141では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS6101で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図104に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS6143では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM1308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図104に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部の処理>
図106を用いて、第1副制御部1400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部1400のCPU1404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部1400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部1400のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部1400の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS6201では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS6201で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM1408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS6203では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS6205の処理に移行する。
ステップS6205では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS6207では、コマンド処理を行う。第1副制御部1400のCPU1404は、主制御部1300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS6209では、演出制御処理を行う。例えば、S6207で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM1406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS6211では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS6209で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS6213では、S6209で読み出した演出データの中にVDP1434への命令がある場合には、この命令をVDP1434に出力する(詳細は後述)。
ステップS6215では、S6209で読み出した演出データの中に音源IC1416への命令がある場合には、この命令を音源IC1416に出力する。
ステップS6217では、S6209で読み出した演出データの中に各種ランプ1418への命令がある場合には、この命令を駆動回路1420に出力する。
ステップS6219では、S6209で読み出した演出データの中に遮蔽装置1246への命令がある場合には、この命令を駆動回路1432に出力する。
ステップS6221では、S6209で読み出した演出データの中に第2副制御部1500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S6203へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部1400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部1400が、主制御部1300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS6301では、主制御部1300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部1400のCPU1404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部1400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS6401では、図106(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS6203において説明したRAM1408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS6203において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS6403では、ステップS6221で設定された第2副制御部1500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部1400のメイン処理におけるステップS6213の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS6501では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU1404は、まず、VRAM1436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置1208に表示される。次に、CPU1404は、VDP1434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM1406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM1436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM1406からVRAM1436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP1434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM1406からVRAM1436に転送する。その後、VDP1436は、転送終了割込信号をCPU1404に対して出力する。
ステップS6503では、VDP1434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS6505に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS6505では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU1404は、ステップS6501でVRAM1436に転送した画像データに基づいてVRAM1436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM1436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP1434に指示する。VDP1434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS6507では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU1404は、VDP1434に画像の描画開始を指示する。VDP1434は、CPU1404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS6509では、画像の描画終了に基づくVDP1434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS6511に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS6511では、RAM1408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
図107を用いて、第2副制御部1500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部1500のCPU1504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部1500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部1500のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS6601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS6601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM1508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS6603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS6605の処理に移行する。
ステップS6605では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS6607では、コマンド処理を行う。第2副制御部1500のCPU1504は、第1副制御部1400のCPU1404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS6609では、演出制御処理を行う。例えば、S6607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM1506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS6611では、第1副制御部1400からの遊技盤用ランプ1532や遊技台枠用ランプ1542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路1520に出力する。
ステップS6613では、第1副制御部1400からの演出可動体1224への命令がある場合には、この命令を駆動回路1516に出力し、S6603に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部1500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部1500が、第1副制御部1400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS6701では、第1副制御部1400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部1500のCPU1504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部1500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第2副制御部タイマ割込処理のステップS6801では、図107(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS6603において説明したRAM1508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS6603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第2副制御部タイマ割込処理のステップS6803では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<装飾図柄表示装置における演出画像>
次に、図108〜図112を用いて、装飾図柄表示装置1208を用いた演出について説明する。
図108は、特図低確率状態と時短状態の背景画像を示す図である。本実施形態では、特図低確率状態と時短状態では背景画像が異なっている。具体的には、特図低確率状態の遊技(以下、通常遊技という)では、通常背景画像d3(例えば、二人のキャラクタ(殿、爺)が座っている画像)を装飾図柄表示装置1208上に表示し、時短状態の遊技(以下、時短遊技という)では、時短背景画像d4〜d6を装飾図柄表示装置1208上に表示する。図108(a)は、通常背景画像d3を示しており、図108(b)〜(d)は、時短背景画像d4〜d6を示している。
本実施形態の時短遊技は、最大30ゲームであり、10ゲームごとに背景画像が変化するようになっている。詳しくは、108(b)は、1〜10ゲーム(荒野ステージ)の時短背景画像d4、図108(c)は、11〜20ゲーム(砂浜ステージ)の時短背景画像d5、図108(d)は、21〜30ゲーム(月面ステージ)の時短背景画像d6を示している。なお、ここでいう1ゲームとは、特図始動口1230、1232に球が入球して、装飾図柄の変動表示が開始され、装飾図柄の変動は停止表示するまでをいう。
本実施形態の時短遊技では、各ステージ(正確には、荒野ステージ及び砂浜ステージ)の最終ゲームにおいて時短遊技が継続するか、時短遊技が終了して通常遊技に移行するかを報知するジャッジ演出(上記実施形態の「復活演出」に相当する演出)を実行するようになっている。すなわち、ジャッジ演出は、特典を付与するか否かを報知する特典付与演出である。また、時短遊技を30ゲーム実行した場合には、時短遊技を終了し、通常遊技を開始するようにしている。
詳しくは、ジャッジ演出では、時短遊技の区切りのゲームにおいてジャッジ表示(上記実施形態の「復活表示」に相当する画像)を表示する。ここで、区切りのゲームとは、背景画像が変化するゲームをいい、具体的には、時短遊技10ゲーム(時短背景画像d4から確変背景画像d5に変化する可能性のあるゲーム)、20ゲーム(時短変背景画像d5から時短背景画像d6に変化する可能性のあるゲーム)をいう。また、ジャッジ表示には、ジャッジ表示d11(上記実施形態の「復活表示1」に相当する画像)と、ジャッジ表示d12(上記実施形態の「復活表示2」に相当する画像)と、が存在する。
ジャッジ表示d11は、具体的には、背景画像を覆う挿入画像であり、画面の左方から右方に向かってその領域(画像面積)を拡大し、略画面全体を覆った後、今度は逆方向(右方から左方)に向かって移動してその領域(画像面積)を縮小していき、最終的には画面上から消滅する画像である。遊技者は、ジャッジ表示d11が表示される間、背景画像を視認しづらくなるので、ジャッジ表示d11は、遊技者の期待感を向上させる演出となっている。そして、ジャッジ表示d11が消えた後、背景画像の表示態様に基づいて、遊技者は時短遊技が継続するか否かを把握する。
本実施の形態のジャッジ表示d11には、(1)継続の文字を示すジャッジ表示d11−a(上記実施形態の「復活表示1−a」に相当する画像)を表示して、ジャッジ表示d11が装飾図柄表示装置1208の画面を全面的に覆う場合と、(2)継続の文字を示さないジャッジ表示d11−b(上記実施形態の「復活表示1−b」に相当する画像)を表示すし、ジャッジ表示d11が装飾図柄表示装置1208の画面を全面的には覆わない場合と、がある。
上記(1)の場合は、時短遊技の継続を示す直接的な文言が表示されるので、時短遊技を継続する場合である。一方、(2)の場合には、時短遊技が継続する場合と、時短遊技が継続しない場合がある。(2)の場合、ジャッジ表示d11−bは、その表示態様から時短遊技が終了する報知である。しかしながら、この後、ジャッジ表示1の表示中にジャッジ表示2を表示する場合がある。そして、ジャッジ表示2を表示した場合には、このジャッジ表示2の表示後に時短遊技が継続するか否かを報知するようにしている。つまり、ジャッジ表示2は、遊技者の落胆した気持ちを軽減し、期待感を再び持たせる演出となっている。
ジャッジ表示d12は、ジャッジ表示d11−bが表示された場合に表示されことがある画像であり、具体的には、チャンスボタン1136の操作を促す画像である。本実施形態のジャッジ表示d12では、遊技者がチャンスボタン113を操作することに基づいて、背景画像を変化させるので、背景画像の表示態様から遊技者は時短遊技が継続するか否かを把握することができる。
図109は、時短遊技の10ゲーム目で時短遊技の継続を報知する場合の表示態様を示している。つまり、時短遊技は11ゲーム以降も継続される場合である。詳しくは、時短遊技の9ゲーム目が終了した後、特図始動口1230、1232に球が入球して10ゲーム目を開始した場合の装飾図柄表示装置1208の表示態様を示している。なお、本実施形態の時短遊技では、ゲーム終了時(装飾図柄の変動表示が停止した時)、時短遊技の経過ゲーム数情報d13を画面の左上方に表示するようにしている。
図109(a−1)は、9ゲーム目における装飾図柄の変動表示が終了した状態を示している。なお、時短遊技の9ゲーム目なので、背景画像には時短背景画像d4が表示されている。また、経過ゲーム数情報d13として、「9回経過」が表示されている。
図109(a−2)は、10ゲーム目における装飾図柄の変動表示が開始した状態を示している。本実施形態では、図109(a−2)に示すように、区切りのゲームを開始したとき、つまり区切りのゲームにおいて装飾図柄の変動表示を開始したときを契機にジャッジ表示d11の表示を開始する。
ジャッジ表示d11は、図109(a−2)〜(a−4)に示すように、画面の左方から右方に向かってその領域(画像面積)を拡大しながら移動していくので、その結果、時短背景画像d4は徐々にその領域(画像面積)を縮小していく。そして、図109(a−4)に示すように、ジャッジ表示d11は、装飾図柄表示装置1208の画面を全面的に覆い、時短背景画像d4は見えなくなる。本実施形態では、ジャッジ表示d11が全面表示される場合は、時短遊技の継続が確定している場合なので、ジャッジ表示d11上には「継続」の文字のジャッジ表示d11−aも表示される。
次に、全面表示されたジャッジ表示d11は、図109(a−5)〜(a−7)に示すように、画面右方から左方に向かってその領域(画像面積)を縮小しながら移動していくので、時短背景画像d5が画面上に徐々に表出しその領域(画像面積)を拡大していく。最終的には、ジャッジ表示d11は画面上から消失し、時短背景画像d5が全面的に表示される。そして、図109(a−8)に示すように、時短背景画像d5が全面的に表示され、装飾図柄の変動表示は停止した状態において、経過ゲーム数情報d13として、「10回経過」が表示されている。
以上、遊技者は、ジャッジ表示d11−a、及び時短背景画像d5を視認することにより、時短遊技が継続することを把握することができる。
図110は、時短遊技の10ゲーム目で時短遊技の終了を報知する場合の表示態様を示している。つまり、時短遊技は10ゲームで終了する場合である。詳しくは、時短遊技の9ゲーム目が終了した後、特図始動口1230、1232に球が入球して10ゲーム目を開始した場合の装飾図柄表示装置の表示態様を示している。
図110(a−1)〜(a−3)は、図109(a−1)〜(a−3)と同一であるので、説明を省略する。その後の図109(a−4)〜(a−7)のジャッジ表示d11の動作を見ると、図109の場合と異なり、ジャッジ表示d11は全面表示される状態にならず、「継続」の文字もないので、図110(a−4)に示したジャッジ表示d11は、ジャッジ表示d11−bである。また、その後、図110(a−5)〜(a−7)に示すように、ジャッジ表示d11−bが表示された後、ジャッジ表示d12も表示されず、背景画像は時短背景画像d4のままである。つまり、1回目のジャッジ表示d11において時短遊技の継続の報知もなく、また、2回目のジャッジ表示d11が表示されなかった場合であり、結果、時短遊技の10ゲーム目で時短遊技が終了する場合である。
したがって、図110(a−8)に示すように、装飾図柄の変動表示は停止した状態において、時短背景画像d4に代わって通常背景画像d3が表示される。
以上、遊技者は、ジャッジ表示d11−b、及び通常背景画像d3を視認することにより、時短遊技が終了し、通常遊技が開始することを把握することができる。
図111は、時短遊技の10ゲーム目の1回目のジャッジ表示d11では時短遊技の継続を報知しなかったが、その後、2回目のジャッジ表示d12が開始され、2回目のジャッジ表示2においてチャンスボタン1136の操作が行われて時短遊技の継続を報知した場合の表示態様を示している。
図111(a−1)〜(a−6)は、図110(a−1)〜(a−5)と同一であるので、説明を省略する。つまり、この場合も1回目のジャッジ表示d11において時短遊技の継続を報知しなかった場合である。
しかしながら、その後、図111(a−6)に示すように、チャンスボタン1136に対する操作を促す画像であるジャッジ表示d12を表示する。本実施形態においては、図111(a−6)に示すように、ジャッジ表示d11とジャッジ表示d12が重複する期間が存在する。この結果、ジャッジ表示d11の結果に落胆しても、すぐにジャッジ表示d12が表示されるので、落胆する期間を短くでき、特典に対する期待感を再び向上させることができる。
遊技者は、このジャッジ表示d12に従ってチャンスボタン1136に対する操作を行ったので、その結果として、図111(a−7)に示すように、時短背景画像d5が表示される。つまり、チャンスボタン1136に対する操作に基づいて、時短背景画像d4が時短背景画像d5に変化した場合である。これにより、時短遊技は11ゲーム以降も継続される。
以上、遊技者は、ジャッジ表示d12の視認、及びチャンスボタン1136の操作に基づく時短背景画像d5を視認することにより、時短遊技が継続することを把握することができる。
図112は、時短遊技の10ゲーム目の1回目のジャッジ表示d11では時短遊技の継続を報知しなかったが、その後、2回目のジャッジ表示d12が開始され、2回目のジャッジ表示2においてチャンスボタン1136の操作が行われず時短遊技の継続を報知した場合の表示態様を示している。
図111(a−1)〜(a−6)は、図110(a−1)〜(a−6)と同一であるので、説明を省略する。つまり、この場合も1回目のジャッジ表示d11において時短遊技の継続を報知しなかった場合であり、かつ、ジャッジ表示d12が表示された場合である。なお、この場合も、図112(a−6)と同様に、ジャッジ表示d11とジャッジ表示d12が重複する期間が存在する。この結果、ジャッジ表示d11の結果に落胆しても、すぐにジャッジ表示d12が表示されるので、落胆する期間を短くでき、特典に対する期待感を再び向上させることができる。
しかしながら、その後、図111(a−7)に示すように、チャンスボタン1136に対する操作が行われなかった場合である。
遊技者は、このジャッジ表示d12に従ってチャンスボタン1136に対する操作を行わなかったが、図112(a−8)に示すように、装飾図柄の変動表示は停止した状態において、時短背景画像d5が表示される。つまり、チャンスボタン1136に対する操作はなかったが、時短背景画像d4は時短背景画像d5に変化した場合である。これにより、時短遊技は11ゲーム以降も継続される。
以上、遊技者は、ジャッジ表示d12の視認後に時短背景画像d5を視認することにより、チャンスボタン1136に対する操作がなくても時短遊技が継続することを把握することができる。
[実施形態の総括]
(1)以上、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作に基づいて所定の利益を付与する利益付与手段(例えば、主制御部300、メダル付与処理S511、遊技状態制御S512など)と、
前記操作手段に対する操作情報(例えば、停止操作の内容に関する情報)を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間(例えば、AT系の遊技状態)のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、AT期間(例えば、AT状態)と、チャンス期間(例えば、期待状態)と、を備え、
前記チャンス期間は、前記通常期間よりも前記AT期間に移行しやすい期間であり、
前記報知手段は、前記AT期間において前記操作情報を報知可能な手段であり(例えば、AT状態において小役3に内部当選した場合など)、
前記遊技期間設定手段は、前記チャンス期間において第一の移行条件が成立した場合(例えば、AT移行抽選に当選した場合)、前記遊技期間を前記チャンス期間から前記AT期間に移行する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記AT期間において第二の移行条件が成立した場合(例えば、ATゲーム数を消化した場合)、前記遊技期間を前記AT期間から前記チャンス期間に移行する手段であり、
前記AT期間は、第一のAT期間(例えば、10ゲームのAT状態)と、第二のAT期間(例えば、20、30ゲームのAT状態)と、を含み、
前記第一のAT期間は、前記報知手段により報知された前記操作情報に従って前記操作手段に対して操作が行われた場合、前記利益付与手段により付与される前記所定の利益の総量が第一の利益となる期間であり、
前記第二のAT期間は、前記報知手段により報知された前記操作情報に従って前記操作手段に対して操作が行われた場合、前記利益付与手段により付与される前記所定の利益の総量が前記第一の利益よりも多くの第二の利益となる期間であり、
前記チャンス期間は、第一のチャンス期間(例えば、10ゲームの期待状態)と、第二のチャンス期間(例えば、20、30ゲームの期待状態)と、を含み、
前記第二のチャンス期間は、前記第一のチャンス期間より長い期間であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第一のAT期間において前記第二の移行条件が成立した場合、該第一のAT期間の終了直後、前記第一のチャンス期間を、前記第二のチャンス期間を設定する確率よりも高い確率で設定する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第二のAT期間において前記第二の移行条件が成立した場合、該第二のAT期間の終了直後、前記第二のチャンス期間を、前記第一のチャンス期間を設定する確率よりも高い確率で設定する手段である、
ことを第1の基本的構成とする。
この第1の基本的構成によれば、利益度の低いAT状態の後に短期間のチャンス期間、利益度の高いAT状態の後に長期間のチャンス期間が設定される可能性が高いので、長いチャンス期間であっても遊技者を飽きさせることがないという効果を有する。
上記第1の基本的構成において、
前記遊技期間設定手段は、前記通常期間又は前記チャンス期間から移行して、最初の前記AT期間を設定する場合、前記第一のAT期間を設定する、
ことを第1の好適な構成とする。
この第1の好適な構成によれば、出玉増となりにくいAT期間を設定することができる。
上記第1の基本的構成、又は第1の好適な構成において、
前記遊技期間設定手段は、前記第一のチャンス期間において前記第一の移行条件が成立した場合、該チャンス期間を即時終了することなく予め定めた期間を終了した後に前記AT期間を設定する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第二のチャンス期間において前記第一の移行条件が成立した場合、該チャンス期間を即時終了して前記AT期間を設定する、又は該チャンス期間を即時終了することなく前記予め定めた期間を終了した後に前記AT期間を設定する手段である(例えば、図39(e))、
ことを第2の好適な構成とする。
この第2の好適な構成によれば、第二のチャンス期間では即時AT期間が開始される場合があるので、長いチャンス期間であっても興趣を向上させることができる。
上記第1の基本的構成、第1の好適な構成、又は第2の好適な構成において、
前記AT期間は、さらに第三のAT期間(例えば、50、70ゲームのAT状態)を含み、
前記第三のAT期間は、前記報知手段により報知された前記操作情報に従って前記操作手段に対して操作が行われた場合、前記利益付与手段により付与される前記所定の利益の総量が前記第二の利益よりも多くの第三の利益となる期間であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第三のAT期間において前記第二の移行条件が成立した場合、該第三のAT期間の終了直後、前記第二のチャンス期間を、前記第一のチャンス期間を設定する確率よりも高い確率で設定する手段である、
ことを第3の好適な構成とする。
この第3の好適な構成によれば、第二のAT期間よりも利益度が高い第三のAT期間の後、第二のチャンス期間が設定される可能性が高いので、さらなる出玉増を期待することができる。
上記第3の好適な構成において、
前記報知手段は、前記第一のAT期間、前記第二のAT期間、及び前記第三のAT期間のいずれにおいても、同一の報知条件の成立(例えば、AT状態において小役3に内部当選した場合)に基づいて前記操作情報を報知する手段であり、
前記AT期間及び前記チャンス期間は、いずれもゲーム数で規定された期間である、
ことを第4の好適な構成とする。
この第4の好適な構成によれば、AT期間とチャンス期間をゲーム数という共通の指標で比較することができるので、遊技性がわかりやすい。
上記第1の基本的構成、第1の好適な構成、第2の好適な構成、第3の好適な構成、又は第4の好適な構成において、
前記第二の頻度は、発生する確率がゼロである、
ことを第5の好適な構成とする。
この第5の好適な構成によれば、
AT期間とチャンス期間が交互に連荘したとしても急激な出玉増となることはない。換言すれば、適度なAT期間とチャンス期間の連荘を頻度高く実行することができる。
(2)以上、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作情報を報知する報知手段(例えば、停止操作の内容に関する情報)を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間(例えば、AT系の遊技状態)のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
所定の演出を実行する演出実行手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157など)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、AT期間(例えば、AT状態)と、チャンス期間(例えば、期待状態)と、を備え、
前記チャンス期間は、前記通常期間よりも前記AT期間に移行しやすい期間であり、
前記報知手段は、前記AT期間において前記操作情報を報知可能な手段であり(例えば、AT状態において小役3に内部当選した場合など)、
前記遊技期間設定手段は、前記チャンス期間において第一の移行条件が成立した場合、前記遊技期間を前記チャンス期間から前記AT期間に移行する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記AT期間において第二の移行条件が成立した場合、前記遊技期間を前記AT期間から前記チャンス期間に移行する手段であり、
前記演出実行手段は、前記遊技期間設定手段により前記チャンス期間の終了直後に前記AT期間を設定することが確定している場合、該チャンス期間において確定示唆演出(例えば、ストーリ6のストーリ演出)を実行可能な手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記演出実行手段が前記確定示唆演出を実行している前記チャンス期間において、該チャンス期間を即時中断する条件が成立した場合(例えば、AT移行抽選に当選して、期待状態終了抽選に当選した場合)、該チャンス期間を即時中断して前記AT期間を設定可能な手段である、
第2の基本的構成とする。
この第2の基本的構成によれば、遊技者にAT期間の確定を知らせつつ、チャンス期間の短縮を期待させることができる。
上記第2の基本的構成において、
前記遊技期間設定手段は、前記演出実行手段が前記確定示唆演出を実行している前記チャンス期間において、前記即時中断する条件が成立した場合、該チャンス期間が終了した直後に前記AT期間を設定し、該AT期間が終了した直後に前記チャンス期間を設定し、該チャンス期間が終了した直後に前記AT期間を設定可能な手段である(例えば、図44(a)など)、
ことを第6の好適な構成とする。
この第6の好適な構成によれば、遊技者は、AT期間の追加とチャンス期間の短縮という2つの利益を得ることができる。
上記第2の基本的構成、又は第6の好適な構成において、
前記チャンス期間は、第一のチャンス期間(例えば、10ゲームの期待状態)、と、第二のチャンス期間(例えば、20、30ゲームの期待状態)と、を含み、
前記第二のチャンス期間は、前記第一のチャンス期間より長い期間であり、
前記演出実行手段は、前記第一のチャンス期間において前記確定示唆演出を実行しない手段であり、
前記演出実行手段は、前記第二のチャンス期間において前記確定示唆演出を実行可能な手段である、
ことを第7の好適な構成とする。
この第7の好適な構成によれば、長いチャンス期間において確定示唆演出を実行するので、不利な期間が長く続いても興趣を向上させることができる。
上記第2の基本的構成、第6の好適な構成、又は第7の好適な構成において、
前記演出実行手段は、前記遊技期間設定手段が前記チャンス期間を即時中断した場合、該チャンス期間の終了直後に開始される前記AT期間が終了した直後の前記チャンス期間において、前記確定示唆演出を実行する手段である、
ことを第8の好適な構成とする。
この第8の好適な構成によれば、AT期間を2つストックしていることになるので、チャンス期間を退屈させず、AT期間に対する期待感を高めることができる。
(3)以上、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作情報(例えば、停止操作の内容に関する情報)を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間(例えば、AT系の遊技状態)のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、特典期間(例えば、特典期間)と、を備え、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間に複数回のAT期間(例えば、AT状態)を設定可能な手段であり、
前記AT期間は、前記報知手段が前記操作情報を報知可能な期間であり、
前記遊技期間設定手段は、複数回の前記AT期間を設定する場合、前記特典期間に含まれる最後の前記AT期間を除く前記AT期間(以下、第一のAT期間という)に対しては、複数種類の値(以下、第一のグループ群という)(例えば、10、20、30、33、50、55、70)の中からいずれか一つの値を選択し、選択した該値を前記第一のAT期間を特定する第一の値として設定する手段であり、
前記複数種類の値は、それぞれが前記AT期間の長さを意味する値であり、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間に含まれる最後の前記AT期間(以下、第二のAT期間という)に対しては、前記第一のグループ群の一部の値(以下、第二のグループ群という)(例えば、10、20、30、50、70)の中からいずれか一つの値を選択し、選択した該値を前記第二のAT期間を特定する第二の値として設定する手段である、
ことを第3の基本的構成とする。
この第3の基本的構成によれば、特典期間の最後のAT期間に対しては、AT期間を特定する数値の選択肢を狭めることにより、特典期間の終了に向けた特別なAT期間を設定することができる。
上記第3の基本的構成において、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間の上限となる所定の特定期間終了条件(例えば、特典期間のリミッタに到達した場合)に基づいて、前記特典期間を終了する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第二のAT期間を設定する場合、前記所定の特定期間終了条件の制限の下、前記第二の値を設定する手段である、
ことを第9の好適な構成とする。
この第9の好適な構成によれば、特典期間の範囲内で最後のAT期間を設定するので、過度の利益を遊技者に付与することを防止することができる。
上記第9の好適な構成において、
前記所定の特定期間終了条件は、前記特典期間の遊技回数が第一の遊技回数N1(例えば、消化ゲーム数が1000)に到達した場合に成立する条件であり、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間において前記第一の遊技回数N1までの残りの遊技回数がR1(例えば、残り100ゲーム)において、前記第二のAT期間を設定する場合、前記第二のグループ群の中から選択された所定の値(例えば、70)を補正した値A1(例えば、50)を前記第二の値として設定し、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間において前記第一の遊技回数N1までの残りの遊技回数が前記R1よりも小さいR2(例えば、残り50ゲーム)において、前記第二のAT期間を設定する場合、前記第二のグループ群の中から選択された前記所定の値(例えば、70)を補正した値A2(例えば、20)を前記第二の値として設定する手段であり、
R1−A1>R2−A2である、
ことを第10の好適な構成とする。
この第10の好適な構成によれば、適度に出玉を抑制しつつ気持ちよくAT状態を終了することができる。
上記第3の基本的構成、第9の好適な構成、又は第10の好適な構成において、
複数種類の設定値(例えば、設定1〜6)の中から選択された設定値に対応付けられた抽選データを用いて遊技に関する抽選処理を実行する抽選手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理S505)をさらに備え、
前記複数種類の設定値は、前記抽選処理により遊技者に有利な結果が導出される可能性が高い高設定値(例えば、設定4〜6)と、前記抽選処理により遊技者に有利な結果が導出される可能性が低い低設定値(例えば、設定1〜3)と、を含み、
前記第一のグループ群の値には、前記高設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技において選択される設定示唆値(例えば、33、55)と、前記高設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技、及び前記低設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技の双方において選択される通常値(例えば、10、20、30、50、70)と、を含み、
前記遊技期間設定手段は、前記第二の値に前記通常値を設定する、
ことを第11の好適な構成とする。
最後のAT期間に対しては第二の値が補正され得るので、第二の値を設定示唆数とした場合、遊技者を困惑させることになる。そこで、この第11の好適な構成は、第二の値を通常値として遊技者を困惑させないこととした。
上記第3の基本的構成、第9の好適な構成、第10の好適な構成、又は第11の好適な構成において、
前記遊技期間設定手段は、前記第二のAT期間の終了直後に、予め定められた固定期間(例えば、10ゲーム)を有するエンディングAT期間(例えば、AT状態(エンディング))を設定する手段であり、
前記特典期間は、前記エンディングAT期間を含む期間である、
ことを第12の好適な構成とする。
この第12の好適な構成によれば、特典期間を固定期間のAT期間で終了することができいるので、安心して遊技を進めることができるとともに通常期間に対する準備をしておくことができる。
(4)以上、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作情報を報知する報知手段例えば、停止操作の内容に関する情報)を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
複数種類の設定値(例えば、設定1〜6)の中から選択された設定値に対応付けられた抽選データを用いて遊技に関する抽選処理を実行する抽選手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理S505)と、
所定の演出を実行する演出実行手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157など)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、特典期間(例えば、特典期間)と、を備え、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間に複数回のAT期間(例えば、AT状態)を設定可能な手段であり、
前記AT期間は、前記報知手段が前記操作情報を報知可能な期間であり、
前記遊技期間設定手段は、複数回の前記AT期間を設定する場合、前記特典期間に含まれる最後の前記AT期間を除く前記AT期間(以下、第一のAT期間という)に対しては、複数種類の値(以下、第一のグループ群という)(例えば、10、20、30、33、50、55、70)の中からいずれか一つの値を選択し、選択した該値を前記第一のAT期間を特定する第一の値として設定する手段であり、
前記複数種類の値は、それぞれが前記AT期間の長さを意味する値であり、
前記遊技期間設定手段は、複数回の前記AT期間を設定する場合、前記特典期間に含まれる最後の前記AT期間(以下、第二のAT期間という)に対しては、前記第一のグループ群の一部の値(以下、第二のグループ群という)(例えば、10、20、30、50、70)の中からいずれか一つの値を選択し、選択した該値を前記第二のAT期間を特定する第二の値として設定する手段であり、
前記複数種類の設定値は、前記抽選処理により遊技者に有利な結果が導出される可能性が高い高設定値(例えば、設定4〜6)と、前記抽選処理により遊技者に有利な結果が導出される可能性が低い低設定値(例えば、設定1〜3)と、を含み、
前記第一のグループ群の値には、前記高設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技において選択される設定示唆値(例えば、33、55)と、前記高設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技、及び前記低設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技の双方において選択される通常値(例えば、10、20、30、50、70)と、を含み、
前記遊技期間設定手段は、前記第二の値に前記通常値を設定する、
ことを第4の基本的構成とする。
この第4の基本的構成によれば、最後のAT期間に対しては設定示唆値ではなく通常値が設定されるので、遊技者はその後の演出の実行に期待感を向上させることができる。
上記第4の基本的構成において、
前記遊技期間設定手段は、前記第二のAT期間の終了直後に、予め定められた固定期間(例えば、10ゲーム)を有するエンディングAT期間(例えば、AT状態(エンディング))を設定する手段であり、
前記特典期間は、前記エンディングAT期間を含む期間であり、
前記演出実行手段は、選択された前記設定値を示唆する設定値示唆演出(例えば、設定示唆演出)を実行可能な手段であり、
前記演出実行手段は、前記エンディングAT期間において前記設定値示唆演出を実行可能な手段である、
ことを第13の好適な構成とする。
この第13の好適な構成によれば、固定期間のエンディングAT期間において設定値示唆演出を実行可能なので、確実に設定示唆演出の内容を認識することができる。
上記第13の好適な構成において、
前記遊技期間設定手段は、所定の特定期間終了条件(例えば、特典期間のリミッタに到達した場合)に基づいて、前記特典期間を終了する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第二のAT期間に対して前記第二の値を設定する場合、前記所定の特定期間終了条件及び前記エンディングAT期間の前記固定期間を加味して、前記第二のグループ群の中から値を選択する、
ことを第14の好適な構成とする。
この第14の好適な構成によれば、特典期間の範囲内で最後のAT期間、前記エンディングAT期間を設定するので、過度の利益を遊技者に付与することを防止することができる。
また、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作情報を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
複数種類の設定値(例えば、設定1〜6)の中から選択された設定値に対応付けられた抽選データを用いて遊技に関する抽選処理を実行する抽選手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理S505)と、
所定の演出を実行する演出実行手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157など)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、特典期間(例えば、特典期間)と、を備え、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間に複数回のAT期間(例えば、AT状態)を設定可能な手段であり、
前記AT期間は、前記報知手段が前記操作情報を報知可能な期間であり、
前記遊技期間設定手段は、複数回の前記AT期間を設定する場合、前記特典期間に含まれる最後の前記AT期間を除く前記AT期間(以下、第一のAT期間という)に対しては、複数種類の値(以下、第一のグループ群という)(例えば、10、20、30、33、50、55、70)の中からいずれか一つの値を選択し、選択した該値を前記第一のAT期間を特定する第一の値として設定する手段であり、
前記複数種類の値は、それぞれが前記AT期間の長さを意味する値であり、
前記遊技期間設定手段は、複数回の前記AT期間を設定する場合、前記特典期間に含まれる最後の前記AT期間(以下、第二のAT期間という)に対しては、前記複数種類の値の一部の値(以下、第二のグループ群という)(例えば、10、20、30、33)の中からいずれか一つの値を選択し、選択した該値を前記第二のAT期間を特定する第二の値として設定する手段であり、
前記複数種類の設定値は、前記抽選処理により遊技者に有利な結果が導出される可能性が高い高設定値(例えば、設定4〜6)と、前記抽選処理により遊技者に有利な結果が導出される可能性が低い低設定値(例えば、設定1〜3)と、を含み、
前記第一のグループ群の値には、前記高設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技において選択される設定示唆値(例えば、33、55)と、前記高設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技、及び前記低設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技の双方において選択される通常値(例えば、10、20、30、50、70)と、を含み、
前記遊技期間設定手段は、前記第二のグループ群から選択した値が前記設定示唆値の場合、該設定示唆値に最も近く、かつ該設定示唆値よりも小さい前記通常値を、再び前記第二のグループ群から選択し、選択した該値を前記第二の値に設定し、
前記演出実行手段は、前記第二のAT期間が開始された後に、選択された前記設定値を示唆する設定値示唆演出(例えば、設定示唆演出)を実行可能な手段である、
ことを第5の基本的構成とする。
この第5の基本的構成によれば、最後のAT期間に対しては設定示唆値ではなく通常値が設定されるので、遊技者は最後のAT期間において設定値示唆演出の実行に期待感を向上させることができる。
(5)以上、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作情報を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
複数種類の設定値(例えば、設定1〜6)の中から選択された設定値に対応付けられた抽選データを用いて遊技に関する抽選処理を実行する抽選手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理S505)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、AT期間(例えば、AT状態)と、を備え、
前記AT期間は、前記報知手段が前記操作情報を報知可能な期間であり、
前記遊技期間設定手段は、複数種類の値(例えば、10、20、30、33、50、55、70)の中からいずれか一つの値を選択し、選択した該値を、前記AT期間を特定する特定値として設定する手段であり、
前記複数種類の値は、それぞれが前記AT期間の長さを意味する値であり、
前記複数種類の設定値は、前記抽選処理により遊技者に有利な結果が導出される可能性が高い高設定値(例えば、設定4〜6)と、前記抽選処理により遊技者に有利な結果が導出される可能性が低い低設定値(例えば、設定1〜3)と、を含み、
前記複数種類の値には、前記高設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技において選択される設定示唆値(例えば、33、55)と、前記高設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技、及び前記低設定値に対応付けられた抽選データを用いて前記抽選処理が行われる遊技の双方において選択される通常値(例えば、10、20、30、50、70)と、を含み、
前記遊技期間設定手段は、前記設定示唆値又は前記通常値のいずれかを前記特定値として設定する、
ことを第6の基本的構成とする。
この第6の基本的構成によれば、AT期間を楽しみつつ設定値を推測することができる。
上記第6の基本的構成において、
設定された前記特定値を報知す特定値報知手段(例えば、ATゲーム数報知演出、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157など)をさらに備え、
前記特定値報知手段は、前記特定値(例えば、20)を複数回に亘って報知する場合、初回の報知において前記特定値よりも小さい値(例えば、10)を報知し、前記初回の次回以降の報知において前記特定値(例えば、20)を報知する手段であり、
前記特定値報知手段は、前記通常値(例えば、20)が前記特定値として設定されていた場合、前記初回の報知において前記特定値よりも小さい値である前記通常値(例えば、10)を報知し、前記次回以降の報知において、前記特定値である前記通常値(例えば、20)を報知する手段であり(例えば、図45、47など)、
前記特定値報知手段は、前記初回の報知及び前記次回以降の報知のいずれにおいても、前記設定示唆値を報知することがない手段である、
ことを第15の好適な構成とする。
この第15の好適な構成によれば、特定値として通常値が設定されていた場合、設定値を推測されることはない。
上記第15の好適な構成において、
前記特定値報知手段は、前記設定示唆値が前記特定値(例えば、55)として設定されていた場合、前記初回の報知において前記通常値(例えば、20)を報知し、前記次回以降の報知において前記設定示唆値(例えば、55)を報知する(例えば、図48など)、
ことを第16の好適な構成とする。
この第16の好適な構成によれば、特定値として設定示唆値が設定されていた場合、後の報知にて設定値を推測することができるので、遊技者の判断を迷わすことがない。
上記第16の好適な構成において、
前記特定値報知手段が前記特定値を報知することを予告する予告演出(例えば、AT継続示唆演出)を実行する予告演出実行手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157)をさらに備え、
前記予告演出実行手段は、前記特定値報知手段が前記通常値を報知した後に前記予告演出を実行可能な手段であり(例えば、図48(b))、
前記予告演出実行手段は、前記特定値報知手段が前記設定示唆値を報知した後に前記予告演出を実行しない手段である(例えば、図48(b))、
ことを第17の好適な構成とする。
この第17の好適な構成によれば、予告演出を無駄とすることなく効果的に用いることができる。
上記第15の好適な構成において、
前記設定示唆値は、第一の設定示唆値(例えば、33)と、第二の設定示唆値(例えば、55)と、を含み、
前記第二の設定示唆値は、前記第一の設定示唆値より遊技者に有利な情報を含む値であり、
前記特定値報知手段は、前記第二の設定示唆値が前記特定値として設定されていた場合、前記初回の報知において前記第一の設定示唆値を報知し、前記次回以降の報知において前記第二の設定示唆値を報知することが可能な手段である、
ことを第18の好適な構成とする。
この第18の好適な構成によれば、初回に設定示唆値が報知された場合であっても、次回目以降の報知に対して興趣を向上させることができ、設定値を推測する楽しみが継続される。
(6)以上、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作に基づいて所定の利益(例えば、メダル払出枚数)を付与する利益付与手段(例えば、主制御部300、メダル付与処理S511、遊技状態制御S512など)と、
前記操作手段に対する操作情報を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間(例えば、AT系の遊技状態)のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
演出画像を表示する演出画像表示手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、AT期間(例えば、AT状態)と、を備え、
前記報知手段は、前記AT期間において前記操作情報を報知する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記AT期間において所定の終了条件が成立した場合(例えば、MY2000枚など)、該AT期間を終了させる手段であり、
前記所定の終了条件は、前記操作手段に対する操作態様が第一の操作態様(例えば、押順役に内部当選した場合の正解の停止操作)である場合に成立する条件であって、前記操作手段に対する操作態様が前記第一の操作態様とは異なる第二の操作態様(例えば、押順役に内部当選した場合の不正解の停止操作)である場合に成立しない条件であり、
前記遊技期間設定手段は、前記AT期間の最終予定の遊技において、前記操作手段に対する操作態様が前記第一の操作態様となって前記所定の終了条件が成立した場合、該AT期間を終了する一方、前記操作手段に対する操作態様が前記第二の操作態様となって前記所定の終了条件が成立しなかった場合、該AT期間を終了せず、継続する手段であり、
前記演出画像表示手段は、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記AT期間の最終遊技であることを示す最終遊技演出画像(例えば、最終ゲーム予告画像d150)を表示する手段であり、
前記演出画像表示手段は、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記報知手段による前記操作情報の報知に従ったことにより、前記操作手段に対する操作態様が前記第一の操作態様となって前記所定の終了条件が成立した場合、前記AT期間が終了したことを示すAT期間終了演出画像(例えば、AT終了画像d160)を表示する一方、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記報知手段による前記操作情報の報知に従わないことにより、前記操作手段に対する操作態様が前記第二の操作態様となって前記所定の終了条件が成立しなかった場合、前記AT期間終了画像を表示しない手段である、
ことを第7の基本的構成とする。
この第7の基本的構成によれば、AT期間の予定された最終遊技において期待感を向上させることができ、AT期間の予定された最終遊技において所定の終了条件が成立した場合には、利益を得た満足感を持ってAT期間を終了することができる。
上記第7の基本的構成において、
前記演出画像表示手段は、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記最終遊技演出画像の表示を開始した後、前記操作手段に対する操作態様が前記第二の操作態様となる以前に前記最終遊技演出画像の表示を終了する手段である、
ことを第19の好適な構成とする。
この第19の好適な構成によれば、遊技の結果に係わらず最終遊技画像の表示が遊技者を混乱させることはない。
上記第19の好適な構成において、
前記演出画像表示手段は、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記最終遊技演出画像の表示を開始した後、前記操作手段に対する操作が可能となる前に、前記最終遊技演出画像の表示を終了する手段である、
ことを第20の好適な構成とする。
この第20の好適な構成によれば、操作前に最終遊技画像の表示を終了するので、操作ミスがあり、次ゲームが存在しても遊技者に違和感を与えることがない。
上記第19の好適な構成において、
前記演出画像表示手段は、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記操作手段に対する操作態様が前記第一の操作態様となって前記所定の終了条件が成立した場合に前記最終遊技画像の表示を終了する手段である、
ことを第21の好適な構成とする。
この第21の好適な構成によれば、操作の内容に基づいて最終遊技画像の表示を終了するので、AT期間の終了又は継続の認識が容易となる。
上記第7の基本的構成、第19の好適な構成、第20の好適な構成、又は、第21の好適な構成において、
前記演出画像表示手段は、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記操作手段に対する操作態様が前記第一の操作態様となって前記所定の終了条件が成立した場合、前記最終遊技演出画像に加えて、又は前記最終遊技演出画像に代えて前記AT期間終了演出画像を第一のタイミングで表示する一方、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記操作手段に対する操作態様が前記第二の操作態様となって前記所定の終了条件が成立しなかった場合、前記最終遊技演出画像を少なくとも前記第一のタイミング(例えば、第3停止操作)まで継続して表示する手段であり、
前記演出画像表示手段は、前記AT期間の前記最終予定の遊技において、前記操作手段に対する操作態様が前記第二の操作態様となって前記所定の終了条件が成立しなかった場合、少なくとも前記第一のタイミングまで継続して表示された前記最終遊技演出画像の表示を消去した後、前記AT期間の前記最終予定の遊技の次遊技において前記最終遊技演出画像の表示を開始する手段である、
ことを第22の好適な構成とする。
この第22の好適な構成によれば、操作ミスの場合でも遊技者に的確に状況を伝えることができる。
(7)以上、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作情報を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間(例えば、AT系の遊技状態)のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、特典期間(例えば、特典期間)と、を備え、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間に複数回のAT期間(例えば、AT状態)を設定可能な手段であり、
前記AT期間は、前記報知手段が前記操作情報を報知可能な期間であり、
前記特典期間の経過を計数する第一の計数手段(例えば、特典期間カウンタ、主制御部300)と、
前記特典期間に含まれる最後の前記AT期間の経過を計数する第二の計数手段(例えば、エンディングカウンタ、主制御部300)と、
を備え、
前記遊技期間設定手段は、前記第一の計数手段が前記特典期間の経過において前記最後のAT期間を開始する開始数(例えば、カウントc1の第1閾値990)まで計数した場合、前記最後のAT期間を設定する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第一の計数手段が前記特典期間の経過において前記特典期間を終了させる第一の終了数(例えば、カウントc1の第2閾値1000)まで計数した場合、前記最後のAT期間及び前記特典期間を終了させる手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第二の計数手段が前記最後のAT期間の経過において前記最後のAT期間を終了させる第二の終了数(例えば、カウントc2の閾値10)を計数した場合、前記最後のAT期間及び前記特典期間を終了させる手段であり、
前記第一の終了数は、前記開始数に前記第二の終了数を加算した数以上である、
ことを第8の基本的構成とする。
この第8の基本的構成によれば、最後のAT期間及び特典期間を確実に終了させることができる。
上記第8の基本的構成において、
期間の経過(例えば、ゲーム数画像d140)を表示する経過表示手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157)をさらに備え、
前記経過表示手段は、前記最後のAT期間において、前記第二の計数手段が計数した経過を表示する一方、前記第一の計数手段が計数した経過は表示しない手段である(例えば、図61)、
ことを第23の好適な構成とする。
この第23の好適な構成によれば、遊技者に最後のAT期間が終了することを確実に認識させることができる。また、特典期間が終了することを過度に煽らない。
上記第8の基本的構成又は第23の好適な構成において、
所定の付与条件の成立に基づいて前記AT期間を付与するAT期間付与手段(主制御部300、AT移行抽選など)をさらに備え、
前記遊技期間設定手段は、前記AT権利付与手段が前記AT期間を付与し、かつ所定の開始条件が成立した場合(例えば、ストック数1以上、期待状態の規定ゲーム数消化)に前記AT期間を開始する手段であり、
前記最後のAT期間は、固定の期間(例えば、10ゲーム)であり、
前記AT権利付与手段は、前記最後のAT期間において前記所定の付与条件を成立させない手段である、
ことを第24の好適な構成とする。
この第24の好適な構成によれば、最後のAT期間はAT期間の付与の機会がなくても固定期間であるため、確実に特典期間を完走することができる。
上記第8の基本的構成、第23の好適な構成、又は第24の好適な構成において、
前記第一の計数手段とは独立し、前記特典期間の経過を計数する第三の計数手段(例えば、特典期間カウンタ2)をさらに備え、
前記遊技期間設定手段は、前記第三の計数手段が前記特典期間の経過において前記第一の終了数まで計数した場合、前記最後のAT期間及び前記特典期間を終了させる手段である、
ことを第25の好適な構成とする。
この第25の好適な構成によれば、第一の計数手段に不具合が生じた場合、第二の計数手段の計数にも不具合が生じる可能性があるが、第三の計数手段の存在により、最後のAT期間及び特典期間を確実に終了させることができる。
(8)以上、上記実施形態(例えば、第5〜第6実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
遊技者が操作する操作手段(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記操作手段に対する操作情報を報知する報知手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、操作ナビなど)と、
所定の条件の成立に基づいて、予め定められた複数種類の遊技期間(例えば、AT系の遊技状態)のうちのいずれか一つの遊技期間を設定する遊技期間設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S512)と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の遊技期間は、通常期間(例えば、通常状態)と、特典期間(例えば、特典期間)と、を備え、
前記遊技期間設定手段は、前記特典期間に複数回のAT期間(例えば、AT状態)を設定可能な手段であり、
前記AT期間は、前記報知手段が前記操作情報を報知可能な期間であり、
前記特典期間は、複数回の前記AT期間を含む一連の期間であり、
前記特典期間の経過を計数する第一の計数手段(例えば、特典期間カウンタ、主制御部300)と、
前記特典期間に含まれる最後の前記AT期間の経過を計数する第二の計数手段(例えば、エンディングカウンタ、主制御部300)と、
を備え、
前記遊技期間設定手段は、前記第一の計数手段が前記特典期間の経過において前記最後のAT期間を開始する開始数(例えば、カウントc1の第1閾値950)まで計数した場合、前記最後のAT期間を設定する手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第一の計数手段が前記特典期間の経過において前記特典期間を終了させる第一の終了数(例えば、カウントc1の第2閾値1000)まで計数した場合、前記最後のAT期間及び前記特典期間を終了させる手段であり、
前記遊技期間設定手段は、前記第二の計数手段が前記最後のAT期間の経過において前記最後のAT期間を終了させる第二の終了数(例えば、カウントc2の閾値10)を計数した場合、前記最後のAT期間及び前記特典期間を終了させる手段である、
ことを第9の基本的構成とする。
この第9の基本的構成によれば、最後のAT期間及び特典期間を確実に終了させることができる。
上記第9の基本的構成において、
前記第二の計数手段は、前記最後のAT期間において所定の計数中断条件が成立した場合(例えば、1枚又は2枚ベット)、前記最後のAT期間の経過を計数することを中断し、前記最後のAT期間の経過を計数することを中断した状態において所定の計数再開条件が成立した場合(例えば、3枚ベット)、前記最後のAT期間の経過を計数することを再開する手段であり、
前記第一の計数手段は、前記最後のAT期間において前記所定の計数中断条件の成立の有無に関係なく、前記特典期間の経過を計数する手段であり、
前記第一の終了数は、前記開始数に前記第二の終了数を加算した数以上である、
ことを第26の好適な構成とする。
この第26の好適な構成によれば、最後のAT期間に多様性を持たせたとしても、最後のAT期間及び特典期間を確実に終了させることができる。
上記第26の好適な構成において、
所定の付与条件の成立に基づいて前記AT期間を付与するAT期間付与手段(主制御部300、AT移行抽選などをさらに備え、
前記遊技期間設定手段は、前記AT期間付与手段が前記AT期間を付与し、かつ所定の開始条件が成立した場合(例えば、ストック数1以上、期待状態の規定ゲーム数消化)に前記AT期間を開始する手段であり、
前記最後のAT期間は、固定の期間(例えば、10ゲーム)であり、
前記AT期間付与手段は、前記最後のAT期間において前記所定の付与条件を成立させない手段である、
ことを第27の好適な構成とする。
この第27の好適な構成によれば、最後のAT期間はAT期間の付与の機会がなくても固定期間であるため、確実に特典期間を完走することができる。
上記第9の基本的構成、第26の好適な構成、又は第27の好適な構成において、
前記第一の計数手段とは独立して前記特典期間の経過を計数する第三の計数手段(例えば、特典期間カウンタ2)をさらに備え、
前記遊技期間設定手段は、前記第三の計数手段が前記特典期間の経過において前記第一の終了数まで計数した場合、前記最後のAT期間及び前記特典期間を終了させる手段である、
ことを第28の好適な構成とする。
この第28の好適な構成によれば、第一の計数手段に不具合が生じた場合、第二の計数手段の計数にも不具合が生じる可能性があるが、第三の計数手段の存在により、最後のAT期間及び特典期間を確実に終了させることができる。
(8)以上、上記実施形態(例えば、第7実施形態ほか)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
所定の特典(例えば、AT上乗せゲーム数)が付与されたか否かを示す期待演出(例えば、復活演出1、2)を実行する演出実行手段(例えば、演出画像表示装置2157、第1副制御部2400、第2副制御部2500など)を備えた遊技台であって、
前記演出実行手段は、N回(Nは自然数)(例えば、2回)の前記期待演出を実行可能な手段であり、
前記演出実行手段は、1回の前記期待演出を実行する場合、該1回目の前記期待演出において、前記所定の特典が付与されたことを示す第一の期待演出(例えば、復活演出1−a)を実行可能な手段であり、
前記演出実行手段は、N回(Nは2以上の自然数)(例えば、2回)の前記期待演出を実行する場合、N−1回目(例えば、1回目)までの前記期待演出において、前記所定の特典が付与されなかったことを示す第二の期待演出(例えば、復活演出1−b)を実行し、N回目(例えば、2回目)の前記期待演出において、前記第一の期待演出(例えば、復活演出2−a)を実行可能な手段であり、
前記演出実行手段は、N回(Nは2以上の自然数)(例えば、2回)の前記期待演出を実行する場合、N−1回目(例えば、1回目)の前記期待演出が終了する前にN回目(例えば、2回目)の前記期待演出を実行開始する手段である、
ことを第10の基本的構成とする。
この第10の基本的構成によれば、N−1回目の期待演出が終了する前にN回目の期待演出を実行開始するので、遊技者が落胆する期間を短くすることができ、遊技者の興趣を再び向上させることができる。
上記第10の基本的構成において、
前記所定の特典には、第一の特典(例えば、AT上乗せゲーム数が合計で50未満)と、前記第一の特典よりも遊技者にとって有利な第二の特典(例えば、AT上乗せゲーム数が合計で50以上)と、が含まれ、
前記演出実行手段は、前記第二の特典が付与される場合、N回(Nは2以上の自然数)の前記期待演出を実行する確率よりも高い確率で1回の前記期待演出を実行する手段であり(例えば、図89(b)など)、
前記演出実行手段は、前記第一の特典が付与される場合、1回の前記期待演出を実行する確率よりも高い確率でN回(Nは2以上の自然数)の前記期待演出を実行する手段である(例えば、図89(b)など)、
ことを第29の好適な構成とする。
この第29の好適な構成によれば、複数回の期待演出で特典を付与する場合には、1回の期待演出で特典を付与する場合に比べて、特典の大きさが小さくても、N−1回目までの期待演出における失望感を低減させることができる。
上記第10の基本的構成、又は第29の好適な構成において、
遊技者が操作する操作手段(例えば、操作ボタン2171)を備え、
N回(Nは2以上の自然数)の前記期待演出を実行する場合、N回目の前記期待演出は、前記操作手段に対する操作が行われる前に実行される操作前演出(例えば、復活演出2)と、前記操作手段に対する操作が行われた後に実行される操作後演出(例えば、復活演出2−a、2−b)と、から構成され、
前記操作前演出は、前記操作手段に対する操作を促す演出であり、
前記操作後演出は、前記第一の期待演出を含む演出である、
ことを第30の好適な構成とする。
この第30の好適な構成によれば、操作手段に対する操作を契機にN回目の期待演出の結果が報知されるので、遊技者の操作手段に対する操作を促すことができる。
上記第30の好適な構成において、
前記演出実行手段は、N回(Nは2以上の自然数)の前記期待演出を実行する場合、N回目の前記期待演出において、所定の状態の終了を示す終了演出(例えば、終了演出2)を実行する手段であり、
前記演出実行手段は、前記操作手段に対する操作が行われない場合には、前記操作前演出を実行した後、前記操作前演出と前記終了演出の双方を実行する手段である、
ことを第31の好適な構成とする。
この第31の好適な構成によれば、操作手段に対する操作がないと操作後演出が実行されず、終了演出が実行されるので、遊技者の操作手段に対する操作を促進する効果を有する。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。