JP2020129529A - 電池内デンドライトの発生予兆検出方法 - Google Patents

電池内デンドライトの発生予兆検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池を解体することなくデンドライトの発生予兆を検出することができる電池内デンドライトの発生予兆検出方法を提供する。【解決手段】電池の充電及び放電を行って電池のクーロン効率を求める処理を繰り返す第1ステップと、電池内のデンドライトの発生予兆を、予め規定された閾値を超えるクーロン効率の低下が生じたことをもって検出する第2ステップと、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、電池内デンドライトの発生予兆検出方法に関する。
リチウムイオン電池は、小型、大容量、充放電効率(クーロン効率)が高いという極めて優れた特徴を有する。このようなリチウムイオン電池は、近年、電力貯蔵用途への適用が検討されている。リチウムイオン電池は、低温環境や大電流での充電時に、負極上に金属リチウムがデンドライト(樹枝状晶)状に析出し、内部短絡を起こす可能性があることが知られている。電力貯蔵用途の大型蓄電池は、屋外の低温環境下での大電流による充電も想定される。このため、電力貯蔵用途の大型蓄電池では、デンドライトの発生を未然に防ぐことが電池の信頼性及び安全性を確保する上で極めて重要になる。
これまで、デンドライトの発生は、電池の内部短絡による異常発熱や、これに伴う電池容量の急激な低下等によって検出されることが多かった。このような状況でデンドライトが検出された場合には、電池は、既に致命的なダメージを受けており、続けて使用するのが困難な状態になっている。
以下の特許文献1には、リチウムイオン電池の内部短絡が発生しない状態で、リチウムデンドライトの析出を検出することが可能な技術が開示されている。具体的に、以下の特許文献1に開示された技術では、定電圧充電下におけるリチウムイオン電池の充電時において、リチウムデンドライトの析出の判断を、充電電流が下降から上昇に転じる極小点の有無を検出することにより行っている。
特開2012−3863号公報
ところで、屋外の低温環境下で使用され得る電力貯蔵用途の大型蓄電池において、デンドライトの発生を未然に防ぐためには、デンドライトの発生条件(例えば、デンドライトが発生する温度と充電電流との関係)を詳細に解析する必要がある。デンドライトの発生条件が既知であれば、例えば低温環境下では充電電流を制限して、デンドライトの発生を防止するといった対策を行うことが可能になるからである。
ここで、デンドライトの発生条件を解析する際に、デンドライトが大きく成長してしまうと内部短絡が生じて電池が致命的なダメージを受けるため、デンドライトが成長する前の段階でデンドライトの発生予兆を検出することが重要になる。しかしながら、このようなデンドライトの発生予兆を検出することは極めて困難である。尚、上述した特許文献1に開示された技術は、運用時において、リチウム電池を解体することなくリチウムデンドライトの析出を検出することが可能であるが、デンドライトの発生条件を詳細に解析する用途には不適であると考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電池を解体することなくデンドライトの発生予兆を検出することができる電池内デンドライトの発生予兆検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様による電池内デンドライトの発生予兆検出方法は、電池(BT)の充電及び放電を行って前記電池のクーロン効率を求める処理を繰り返す第1ステップ(S12)と、前記電池内のデンドライトの発生予兆を、予め規定された閾値を超える前記クーロン効率の低下が生じたことをもって検出する第2ステップ(S13、S14)と、を有する。
また、本発明の一態様による電池内デンドライトの発生予兆検出方法は、前記電池の充電及び放電を行う周期よりも長い時間間隔で、前記電池の周囲温度を変化させる第3ステップ(S11)を更に有する。
また、本発明の一態様による電池内デンドライトの発生予兆検出方法は、前記第2ステップが、前記時間間隔内において、予め設定された基準値に対する前記クーロン効率の低下が、前記閾値を超えたことをもって、前記電池内のデンドライトの発生予兆を検出するステップである。
或いは、本発明の一態様による電池内デンドライトの発生予兆検出方法は、前記第2ステップが、前記時間間隔内の異なる2つの時点で求められた前記クーロン効率の差分が、前記閾値を超えたことをもって、前記電池内のデンドライトの発生予兆を検出するステップである。
また、本発明の一態様による電池内デンドライトの発生予兆検出方法は、前記第2ステップが、前記クーロン効率の低下に加えて、前記電池の劣化率を考慮して、前記電池内のデンドライトの発生予兆を検出するステップである。
また、本発明の一態様による電池内デンドライトの発生予兆検出方法は、前記第1ステップが、前記電池に接続されて前記電池とともに恒温槽(10)に配置されたシャント抵抗(12)を用いて前記電池に流れる電流を測定するステップと、測定された電流を用いて前記電池の充電容量及び放電容量を求め、前記充電容量及び前記放電容量を用いて前記クーロン効率を求めるステップと、を有する。
本発明によれば、電池を解体することなくデンドライトの発生予兆を検出することができるという効果がある。
本発明の一実施形態による電池内デンドライトの発生予兆検出方法が適用される検出装置の装置構成を示すブロック図である。 図1に示す検出装置の等価回路を示す図である。 本発明の一実施形態による電池内デンドライトの発生予兆検出方法を示すフローチャートである。 リチウムイオン電池の実際の試験結果を示す図である。 各温度におけるリチウムイオン電池のクーロン効率及び劣化率の平均値を示す図である。 図5に示す各温度におけるリチウムイオン電池のクーロン効率及び劣化率の平均値をプロットしたグラフである。 各温度におけるリチウムイオン電池のクーロン効率の変化量を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による電池内デンドライトの発生予兆検出方法について詳細に説明する。
〈装置構成〉
図1は、本発明の一実施形態による電池内デンドライトの発生予兆検出方法が適用される検出装置の装置構成を示すブロック図である。図1に示す通り、検出装置1は、恒温槽10、充放電電源11、シャント抵抗12、ヒートシンク13、電圧計14、電圧計15、及びデータ処理装置16を備えており、試験対象であるリチウムイオン電池BT(電池)内のデンドライトの発生予兆を検出する。
恒温槽10は、内部の温度を設定された温度に保持する容器である。この恒温槽10の内部には、リチウムイオン電池BT、シャント抵抗12、及びヒートシンク13が配置される。リチウムイオン電池BT及びシャント抵抗12が恒温槽10の内部に配置されるのは、リチウムイオン電池BTの積算容量(放電容量、充電容量)を高精度(例えば、有効数字5桁)で求めるためである。恒温槽10は、内部の温度を、例えば−50〜+150℃程度の温度範囲で変化させることが可能なものが望ましい。
充放電電源11は、リチウムイオン電池BTを充電するとともに、充電されたリチウムイオン電池BTを放電させるための電源である。つまり、充放電電源11は、リチウムイオン電池BTのサイクル試験を行うための電源である。充放電電源11は、例えば1時間率(1C)でリチウムイオン電池BTの充電を行った後、1時間率(1C)でリチウムイオン電池BTの放電を行うといった動作を繰り返し行う。
シャント抵抗12は、充放電電源11とリチウムイオン電池BTとの間(例えば、充放電電源11の正極とリチウムイオン電池BTの正極との間)に設けられる抵抗である。このシャント抵抗12は、リチウムイオン電池BTに流れる電流を測定するために設けられる。尚、シャント抵抗12の抵抗値は、リチウムイオン電池BTに流れる電流の大きさに応じて設定されるが、例えば50mΩである。ヒートシンク13は、シャント抵抗12に取り付けられており、シャント抵抗12で生ずる熱を放出するために設けられる。
電圧計14は、リチウムイオン電池BTの正極と負極との間に接続され、リチウムイオン電池BTの電圧を測定する。電圧計15は、シャント抵抗12の両端に接続され、シャント抵抗12の両端電圧(シャント抵抗12における電圧降下)を測定する。尚、電圧計15の測定結果は、シャント抵抗12を介する電流(リチウムイオン電池BTに流れる電流:リチウムイオン電池BTに流入する電流、及びリチウムイオン電池BTから流出する電流)の算出に用いられる。尚、電圧計14及び電圧計15としては、例えばディジタルマルチメータ(DMM)を用いることができる。
データ処理装置16は、電圧計14及び電圧計15の測定結果を収集してリチウムイオン電池BTのクーロン効率を求める。具体的に、データ処理装置16は、電圧計15の測定結果をシャント抵抗12の抵抗値で除して、リチウムイオン電池BTに流れる電流を算出する。そして、データ処理装置16は、リチウムイオン電池BTの充電時の電流を積算してリチウムイオン電池BTの充電容量を求め、リチウムイオン電池BTの放電時の電流を積算してリチウムイオン電池BTの放電容量を求める。そして、データ処理装置16は、リチウムイオン電池BTの放電容量を充電容量で除することでクーロン効率を求める。データ処理装置16は、リチウムイオン電池BTが充放電される度に(1サイクル毎に)、クーロン効率を求める。
また、データ処理装置16は、求めたクーロン効率に基づいて、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出する。具体的に、データ処理装置16は、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を、予め規定された閾値を超えるクーロン効率の低下が生じたことをもって検出する。本実施形態では、金属リチウムの反応性が極めて高いことを利用して、金属リチウムの僅かな析出があった場合に、クーロン効率が僅かに低下する現象を利用して、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出している。
例えば、データ処理装置16は、恒温槽10の内部の温度が一定に維持されている状態(温度が変更されていない状態)で、予め設定された基準値に対するクーロン効率の低下が、予め規定された閾値を超えたことをもって、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出する。或いは、データ処理装置16は、恒温槽10の内部の温度が一定に維持されている状態で、異なる2つの時点で求められたクーロン効率の差分が、予め規定された閾値を超えたことをもって、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出する。
ここで、データ処理装置16は、リチウムイオン電池BTの劣化率(放電容量低下の傾き)を求め、クーロン効率の低下に加えて、リチウムイオン電池BTの劣化率を考慮して、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出するようにしても良い。例えば、データ処理装置16は、上記の閾値を超えるクーロン効率の低下が生じ、且つ、リチウムイオン電池BTの劣化率が予め規定された値よりも大きくなった場合に、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出するといった具合である。
データ処理装置16は、各種処理結果を、液晶表示装置等の表示装置に表示する。例えば、データ処理装置16は、収集した電圧計14及び電圧計15の測定結果、求めた放電容量、充電容量、クーロン効率、劣化率、及び検出したデンドライトの発生予兆等を表示する。尚、各種処理結果の表示形式は、数値での表示であっても良く、グラフでの表示であっても良い。
尚、データ処理装置16は、恒温槽10及び充放電電源11の制御が可能なものであってもよい。このようなデータ処理装置16を用いれば、リチウムイオン電池BTの周囲温度(恒温槽10の温度)を予め設定した通りに変化させつつ、予め設定した条件でリチウムイオン電池BTの充放電を行わせることができ、リチウムイオン電池BTの試験の自動化を行うことができる。また、例えば、デンドライトの発生予兆が検出された場合に、試験を自動的に停止させるようにすることで、リチウムイオン電池BTが致命的なダメージを受けるのを防止することもできる。
図2は、図1に示す検出装置の等価回路を示す図である。尚、図2においては、図1に示した構成と同一の構成については、同一の符号を付してある。また、図2においては、データ処理装置16の図示を省略している。図2に示す通り、検出装置1は、充放電電源11、シャント抵抗12、及びリチウムイオン電池BTが直列接続された回路を有する。電圧計14は、リチウムイオン電池BTに並列接続されており、電圧計15は、シャント抵抗12に並列接続されている。尚、シャント抵抗12及びリチウムイオン電池BTは、恒温槽10内に配置されている。
〈電池内デンドライトの発生予兆検出方法〉
図3は、本発明の一実施形態による電池内デンドライトの発生予兆検出方法を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、例えば、試験開始から試験終了まで繰り返し行われる。尚、データ処理装置16が恒温槽10及び充放電電源11の制御が可能なものである場合には、図3に示すフローチャートは、例えば、試験を実施する者(以下、実施者という)のデータ処理装置16に対する開始指示があってから終了指示があるまで繰り返し行われる。
試験が開始されると、まず、恒温槽10の温度設定が行われる(ステップS11)。つまり、リチウムイオン電池BTの試験を行うための初期温度の設定が行われる。この初期温度は、任意の温度に設定することができる。ここでは、初期温度が45℃に設定されるとする。次に、サイクル試験を行いつつクーロン効率を算出する処理が行われる(ステップS12:第1ステップ)。
具体的には、充放電電源11によってリチウムイオン電池BTの充放電が繰り返され、充放電時におけるリチウムイオン電池BTの電圧が電圧計14で測定され、充放電時におけるリチウムイオン電池BTに流れる電流が電圧計15の測定結果を用いて算出される。尚、電圧計14及び電圧計15による測定は、予め規定されたサンプリング周期(例えば、50msec程度)で行われる。電圧計14及び電圧計15の測定結果は、データ処理装置16に収集される。
データ処理装置16では、リチウムイオン電池BTが充放電される度に(1サイクル毎に)、リチウムイオン電池BTの充電容量と放電容量とを求め、リチウムイオン電池BTの放電容量を充電容量で除することでクーロン効率を求める処理が行われる。尚、リチウムイオン電池BTの充電容量は、リチウムイオン電池BTの充電時の電流を積算することによって求められ、リチウムイオン電池BTの放電容量は、リチウムイオン電池BTの放電時の電流を積算することによって求められる。
次いで、閾値を超えるクーロン効率の低下があったか否かが判断される(ステップS13:第2ステップ)。例えば、恒温槽10の内部の温度が一定に維持されている状態で、予め設定された基準値に対するクーロン効率の低下が、予め規定された閾値を超えたか否かがデータ処理装置16で判断される。或いは、恒温槽10の内部の温度が一定に維持されている状態で、異なる2つの時点で求められたクーロン効率の差分が、予め規定された閾値を超えたか否かがデータ処理装置16で判断される。
閾値を超えるクーロン効率の低下があったと判断した場合(ステップS13の判断結果が「YES」の場合)には、データ処理装置16は、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出する(ステップS14:第2ステップ)。これに対し、閾値を超えるクーロン効率の低下が無いと判断した場合(ステップS13の判断結果が「NO)には、ステップS14の処理は行われずに、図3に示すフローチャートが終了する。
尚、図3に示すフローチャートでは、便宜的に、ステップS12(サイクル試験を行ってクーロン効率を算出する処理)の後に、ステップS13(閾値を超えるクーロン効率の低下があったか否かの判断処理)を図示している。しかしながら、ステップS13の判断は、デンドライトが成長するのを防止するために、ステップS12においてサイクル試験が1サイクル行われる度に行われる。
試験終了でない場合には、再び、恒温槽10の温度設定が行われる(ステップS11:第3ステップ)。つまり、リチウムイオン電池BTの周囲温度が変更される。ここでは、恒温槽10の内部温度(リチウムイオン電池BTの周囲温度)が、45℃から25℃に変更されるとする。尚、図3に示す通り、ステップS11にて恒温槽10の温度設定がなされると、ステップS12にてサイクル試験が行われることから、リチウムイオン電池BTの周囲温度の変化は、リチウムイオン電池BTの充電及び放電を行う周期よりも長い時間間隔で行われているということができる。
恒温槽10の内部温度が変更されると、サイクル試験を行いつつクーロン効率を算出する処理が行われる(ステップS12:第1ステップ)。そして、閾値を超えるクーロン効率の低下があったか否かがデータ処理装置16で判断される(ステップS13:第2ステップ)。閾値を超えるクーロン効率の低下があったと判断した場合(ステップS13の判断結果が「YES」の場合)には、データ処理装置16は、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出する(ステップS14:第2ステップ)。以下同様に、図3に示すステップS11〜S14が、試験終了まで繰り返される。
本出願の発明者は、図1に示す検出装置1を用いて、図3に示す検出方法により、リチウムイオン電池BTの試験を実際に行った。試験対象であるリチウムイオン電池BTは、容量が3Ah級であり、負極材料としてグラファイトが用いられている市販のものを用いた。恒温槽10の温度は、45℃、25℃、15℃、5℃、−5℃、0℃、5℃、10℃、25℃、45℃の順で変化させた。尚、温度を維持する時間は、デンドライトが成長するのを防止するために適宜調整した。
リチウムイオン電池BTのサイクル試験は、ここでは1時間率(1C)で行った。つまり、1時間率(1C)でリチウムイオン電池BTの充電を行った後、1時間率(1C)でリチウムイオン電池BTの放電を行うといった動作を繰り返し行った。尚、リチウムイオン電池BTは、容量が3Ah級のものであることから、リチウムイオン電池BTの充放電時に流れる電流は3A程度である。また、シャント抵抗12は、抵抗値が50mΩのものを用いた。電圧計14及び電圧計15のサンプリング周期は、測定誤差を極力小さくするために、50msecに設定した。
図4は、リチウムイオン電池の実際の試験結果を示す図である。図4(a)はリチウムイオン電池BTの容量(充電容量、放電容量)の変化を示すグラフであり、図4(b)は、リチウムイオン電池BTのクーロン効率の変化を示すグラフである。尚、図4(a),(b)に示すグラフの横軸は、リチウムイオン電池BTの充放電回数(サイクル数)である。
図4(a)において、リチウムイオン電池BTの放電容量を白丸印「○」で示しており、リチウムイオン電池BTの充電容量を黒丸印「●」で示している。図4(a)を参照すると、リチウムイオン電池BTの充電容量と放電容量とは、温度が変更された直後は大きな差が現れることがあるものの、温度が安定しているときには、ほぼ同じであることが分かる。
また、図4(a)を参照すると、リチウムイオン電池BTの充電容量及び放電容量は、温度が低くなるにつれて小さくなり、温度が高くなるにつれて大きくなる傾向があることが分かる。但し、温度が0℃付近まで下がった後に、元の温度(例えば、45℃)に戻ったとしても、リチウムイオン電池BTの充電容量及び放電容量は元の容量に回復しないことが分かる。
更に、図4(a)を参照すると、温度が0℃よりも高い温度で安定している場合には、サイクル数が増えても、リチウムイオン電池BTの充電容量及び放電容量が大きく低下してはいない。しかしながら、温度が0℃以下になると、温度が安定していても、サイクル数が増えるにつれてリチウムイオン電池BTの充電容量及び放電容量が急激に低下することが分かる。
図4(b)を参照すると、リチウムイオン電池BTのクーロン効率は、温度が45℃から5℃になるまでの間は、温度が変更された直後を除いて、ほぼ一定であることが分かる。しかしながら、リチウムイオン電池BTの周囲温度が−5℃になると、サイクル数が増えるにつれてクーロン効率が急激に低下することが分かる。また、図4(b)を参照すると、リチウムイオン電池BTのクーロン効率は、温度が0℃付近まで下がった後に、元の温度(例えば、45℃)に戻れば、図4(a)に示すリチウムイオン電池BTの充電容量及び放電容量とは異なり、元の値に回復することが分かる。
図5は、各温度におけるリチウムイオン電池のクーロン効率及び劣化率の平均値を示す図である。図6は、図5に示す各温度におけるリチウムイオン電池のクーロン効率及び劣化率の平均値をプロットしたグラフである。尚、図6(a)が、図5に示す各温度におけるリチウムイオン電池のクーロン効率の平均値をプロットしたグラフであり、図6(b)が、図5に示す各温度におけるリチウムイオン電池の劣化率の平均値をプロットしたグラフである。
図5及び図6(a)を参照すると、リチウムイオン電池BTのクーロン効率は、温度が5℃以上であれば概ね一定(0.997以上)であるが、温度が0℃以下になると大幅に低下することが分かる。また、図5及び図6(b)を参照すると、リチウムイオン電池BTの劣化率は、温度が5℃以上であれば概ね一定(0.004以下)であるが、温度が0℃以下になると大幅に上昇する(悪化する)ことが分かる。このようなクーロン効率の大幅な低下、及び劣化率の大幅な上昇は、金属リチウムの僅かな析出に起因して生ずるものと考えられる。よって、クーロン効率の大幅な低下が生じたことを捉えることで、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出することができる。
クーロン効率の大幅な低下は、例えば、クーロン効率に対する基準値(例えば、0.999)を予め設定することで捉えることができる。具体的には、基準値に対するクーロン効率の低下が閾値を超えたこと(例えば、クーロン効率が0.996よりも小さくなったこと)をもって捉えることができる。尚、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆の検出は、クーロン効率の低下に加えて劣化率の閾値(例えば、0.003)を考慮して行っても良い。
図7は、各温度におけるリチウムイオン電池のクーロン効率の変化量を示す図である。具体的には、各温度における異なる2つの時点で求められたクーロン効率の差分を示す図である。例えば、ある温度におけるサイクル試験が開始されてから3サイクル目に得られたクーロン効率と、その温度におけるサイクル試験が終了する3サイクル前に得られたクーロン効率との差分を示す図である。尚、図7は、各温度におけるリチウムイオン電池のクーロン効率の変化量を示す図ということもできる。
図7を参照すると、リチウムイオン電池BTのクーロン効率の変化量は、温度が0℃以上であれば極めて小さい(絶対値が0.002よりも小)であるが、温度が0℃よりも低くなると大幅に増大することが分かる。このようなクーロン効率の変化量の大幅な増大も、金属リチウムの僅かな析出に起因して生ずるものと考えられる。よって、クーロン効率の変化量の大幅な増大が生じたことを捉えることで、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出することができる。クーロン効率の変化量の大幅な増大は、例えば閾値(例えば、0.005)を予め設定し、クーロン効率の変化量が閾値を超えたこと(例えば、0.005よりも大になったこと)をもって捉えることができる。
以上の通り、本実施形態では、金属リチウムの反応性が極めて高いことを利用して、金属リチウムの僅かな析出があった場合に、クーロン効率が僅かに低下する現象を利用して、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を検出している。具体的には、リチウムイオン電池BTの充電及び放電を行ってリチウムイオン電池BTのクーロン効率を求める処理を繰り返し、リチウムイオン電池BT内のデンドライトの発生予兆を、予め規定された閾値を超えるクーロン効率の低下が生じたことをもって検出している。これにより、リチウムイオン電池BTを解体することなくデンドライトの発生予兆を検出することができる。
以上、本発明の一実施形態による電池内デンドライトの発生予兆検出方法について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、リチウムイオン電池BT内デンドライトの発生予兆を検出していたが、本発明は、デンドライトが発生し得るリチウムイオン電池BT以外の電池(例えば、ナトリウムイオン電池)にも適用することができる。また、上記実施例では、リチウムイオン電池BTのサイクル試験を1時間率(1C)で行ったが、1時間率(1C)はあくまでも一例である点に留意されたい。
1 検出装置
10 恒温槽
11 充放電電源
12 シャント抵抗
13 ヒートシンク
14 電圧計
15 電圧計
16 データ処理装置
BT リチウムイオン電池

Claims (6)

  1. 電池の充電及び放電を行って前記電池のクーロン効率を求める処理を繰り返す第1ステップと、
    前記電池内のデンドライトの発生予兆を、予め規定された閾値を超える前記クーロン効率の低下が生じたことをもって検出する第2ステップと、
    を有する電池内デンドライトの発生予兆検出方法。
  2. 前記電池の充電及び放電を行う周期よりも長い時間間隔で、前記電池の周囲温度を変化させる第3ステップを更に有する請求項1記載の電池内デンドライトの発生予兆検出方法。
  3. 前記第2ステップは、前記時間間隔内において、予め設定された基準値に対する前記クーロン効率の低下が、前記閾値を超えたことをもって、前記電池内のデンドライトの発生予兆を検出するステップである、請求項2記載の電池内デンドライトの発生予兆検出方法。
  4. 前記第2ステップは、前記時間間隔内の異なる2つの時点で求められた前記クーロン効率の差分が、前記閾値を超えたことをもって、前記電池内のデンドライトの発生予兆を検出するステップである、請求項2記載の電池内デンドライトの発生予兆検出方法。
  5. 前記第2ステップは、前記クーロン効率の低下に加えて、前記電池の劣化率を考慮して、前記電池内のデンドライトの発生予兆を検出するステップである、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電池内デンドライトの発生予兆検出方法。
  6. 前記第1ステップは、前記電池に接続されて前記電池とともに恒温槽に配置されたシャント抵抗を用いて前記電池に流れる電流を測定するステップと、
    測定された電流を用いて前記電池の充電容量及び放電容量を求め、前記充電容量及び前記放電容量を用いて前記クーロン効率を求めるステップと、
    を有する請求項1から請求項5の何れか一項に記載の電池内デンドライトの発生予兆検出方法。
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