JP2020124300A - 遊技機 - Google Patents

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俊輔 徳田
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Abstract

【課題】ATとリアルボーナスを有機的に結合させ、遊技興趣の低下を防止することが可能な遊技機を提供する。【解決手段】遊技状態に、ボーナス役BBを抽籤する「通常一般中」と、「BB作動中」を含み、「通常一般中」にアシストタイムATを可能にする。「BB作動中」は、「BB一般中」から始まり、シフト役SFTの当籤に基づく作動図柄の組合せの表示後、「SFT作動中」に移行させ、シフト外しにより「SFT内部中」に移行させる。「SFT内部中」の獲得メダルの期待値を、AT下における「通常一般中」の1.773よりも高い4.188とし、「SFT作動中」の期待値を、例えば1以下の0.5148にする。【選択図】図133

Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に設けられた複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルやコインなどの遊技価値が投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せ(表示役)が表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。なお、遊技者に付与される特典の例としては、遊技価値(メダル等)の付与、遊技価値を消費することなく再度、内部抽籤処理を行う再遊技(以下、「リプレイ」ともいう)の作動、遊技価値の付与機会が増加するボーナスゲームの作動等を挙げることができる。
また、このような遊技機では、特定の役(例えば、遊技価値の付与に係る役)の成立確率が高まるように遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知する機能、すなわち、アシストタイム(以下、「AT」という)の機能を備えるものがある。また、特定の図柄組合せが表示される等の特定の条件が満たされた場合にリプレイの当籤確率が通常時より高い遊技状態が作動する機能、すなわち、リプレイタイム(以下、「RT」という)の機能を備えるものもある。さらに、ATとRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えるものもある。
従来、特許文献1に記載されているように、第一種特別役物に係る役物連続作動装置によるリアルボーナスRBBを、その作動中の総獲得メダル枚数が総投入メダル枚数を下回る減るボーナスとし、RBBの当籤フラグが持ち越されたボーナス内部当籤中(RBB内部中)にずっと止まり、RBB内部中にチャンス役等の特定の内部当籤役と関連づけて、純増約3.0枚/Gの性能をもつアシストタイムATを作動させ、押し順ベルの当籤時に高配当が得られる正解押し順を報知してメダルを増加させる、俗に言うアクセルATを搭載した遊技機が知られている(段落0072、図6等)。
また、特許文献2に記載されているように、メダルを積極的に増加できるリアルボーナスRBB1,RBB2と、再遊技確率を高めたリプレイタイムRT2中にアシストタイムATを可能にするアシストリプレイタイムARTを組合せ、リアルボーナスによるメダルの増加と、ARTによるメダルの増加とを期待できる、俗に言うA+ARTを搭載した遊技機が知られている(段落0061,0065,0066、図5等)。
特開2017−99645号公報 特開2018−68526号公報
しかし、上記文献1を含む従来のアクセルATを搭載した遊技機は、ATを作動させるボーナス内部当籤中に、別のリアルボーナスを抽籤することはできず、メダルを増加させる契機は専らATに頼らざるを得ず、メダルの増加速度はAT中の純増性能で決まる一律的なものとなり、遊技が単調化し、遊技興趣が低下する恐れがある。
一方、上記文献2を含む従来のA+ARTを搭載した遊技機は、AT中の純増及びリアルボーナス中の純増を共に高めると、射幸性が過度になるため、せいぜい、AT中の純増は2.0枚/Gを下回る1.6〜1.8枚/Gに止めざるを得ないと共に、総獲得メダル枚数が297枚等の200枚を超えるリアルボーナスは、当籤確率の極低いプレミア扱いとするか、ある程度の頻度で当たるリアルボーナスは、総獲得メダル枚数を63枚等の100枚以下に抑制せざるを得ず、ARTもリアルボーナスも期待するほどには頼りにならず、どっちつかずの遊技性に陥り易く、遊技興趣が低下する恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、アシストタイムATとリアルボーナスとを有機的に結合させ、遊技興趣の低下を防止できる遊技機を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技状態に、所定のボーナス役(例えば、BB等)を抽籤するボーナス非当籤状態(例えば、「通常一般中」等)と、前記ボーナス役の作動図柄の組合せの表示により開始させるボーナス作動状態(例えば、「BB作動中」等)とを含む遊技機において、
前記ボーナス非当籤状態中に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させるアシストタイムを作動可能にしており、
前記ボーナス作動状態は、遊技媒体の獲得に係る小役の抽籤態様を前記ボーナス非当籤状態と同じにしたボーナス作動中の一般遊技状態(例えば、「BB一般中」等)から始まり、
前記ボーナス作動中の一般遊技状態からは、所定のシフト役(例えば、SFT等)の当籤に基づいて表示可能なシフト役作動図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「青7」−「ブランク」等)の表示後、小役の抽籤態様を変動させるシフト役作動状態(例えば、「SFT作動中」等)に移行可能にしていると共に、前記シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、前記シフト役の当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態(例えば、「SFT内部中」等)に移行可能にしており、
前記シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態(例えば、1.773等)よりも高くし(例えば、4.188等)、
前記シフト役作動状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態(例えば、1.773等)よりも低くしている(例えば、0.5148等)
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス非当籤状態では、アシストタイムの作動に期待できると共に、ボーナスの作動にも期待できる。ボーナス作動中の一般遊技状態では、シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、シフト役内部当籤状態において、指示機能の作動下におけるボーナス非当籤状態よりも高い期待値の遊技が行える。一方、シフト役作動状態では期待値を指示機能の作動下におけるボーナス非当籤状態よりも低くしているため、アシストタイム及び/又はボーナスの作動により獲得遊技媒体数が過大になるのを抑制でき、アシストタイム及び/又はボーナスの当籤確率や獲得性能等を所望の高値にでき、遊技者を満足させることができる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技状態に、所定のボーナス役(例えば、BB等)を抽籤するボーナス非当籤状態(例えば、「通常一般中」等)と、前記ボーナス役の作動図柄の組合せの表示により開始させるボーナス作動状態(例えば、「BB作動中」等)とを含む遊技機において、
前記ボーナス非当籤状態中に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させるアシストタイムを作動可能にしており、
前記ボーナス作動状態は、遊技媒体の獲得に係る小役の抽籤態様を前記ボーナス非当籤状態と同じにしたボーナス作動中の一般遊技状態(例えば、「BB一般中」等)から始まり、
前記ボーナス作動中の一般遊技状態からは、所定のシフト役(例えば、SFT等)の当籤に基づいて表示可能なシフト役作動図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「青7」−「ブランク」等)の表示後、小役の抽籤態様を変動させるシフト役作動状態(例えば、「SFT作動中」等)に移行可能にしていると共に、前記シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、前記シフト役の当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態(例えば、「SFT内部中」等)に移行可能にしており、
前記シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記シフト役作動状態を含む他の遊技状態よりも高くしている(例えば、4.188等)
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス非当籤状態では、アシストタイムの作動に期待できると共に、ボーナスの作動にも期待できる。ボーナス作動中の一般遊技状態では、シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、シフト役内部当籤状態において、シフト役作動状態を含む他の遊技状態よりも高い期待値の遊技が行える。一方、シフト役作動状態では期待値が低いため、アシストタイム及び/又はボーナスの作動により獲得遊技媒体数が過大になるのを抑制でき、アシストタイム及び/又はボーナスの当籤確率や獲得性能等を所望の高値にでき、遊技者を満足させることができる。
以上の各遊技機において、
遊技媒体の獲得に係る小役に、投入数を超える第1高配当(例えば、12枚等)の遊技媒体を獲得できる第1高配当役(例えば、NML01〜07等)と、前記第1高配当を超える第2高配当(例えば、13枚等)の遊技媒体を獲得できる第2高配当役(例えば、NML11〜17)とを重複当籤対象に含む特定役(例えば、押し順ベル、共通ベル等)を有し、
前記特定役の当籤時、前記ボーナス非当籤状態では、前記第1高配当役を入賞可能とし、前記シフト役内部当籤状態では、前記第2高配当役を入賞させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、シフト役内部当籤状態における獲得遊技媒体数の期待値を効果的に高めることができ、ボーナスの作動による遊技媒体の獲得速度を、アシストタイムの作動による場合よりも高くできる。よって、遊技が単調になるのを効果的に防止できる。
以上の各遊技機において、
前記ボーナス非当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態(例えば、1.773等)よりも低くした(例えば、0.5148等)所定の役物(例えば、普通役物SB1〜18等)を抽籤する
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス非当籤状態において獲得遊技媒体数が過大になるのを一層効果的に抑制でき、アシストタイム及び/又はボーナスの作動による遊技性を十分に引き出すことができる。
本発明によれば、アシストタイムATとリアルボーナスとを有機的に結合させ、遊技興趣の低下を防止できる遊技機を提供することができる。
本発明の一実施形態における遊技機の機能フローを説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の外観構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態における遊技機の内部構造を示す図である。 本発明の一実施形態における遊技機の内部構造を示す図である。 本発明の一実施形態の遊技機が備えるセレクタの構造を示す図である。 本発明の一実施形態の遊技機が備える回路の全体構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における主制御回路の内部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態におけるマイクロプロセッサの内部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における副制御回路の内部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態におけるメインCPUが有する各種レジスタの構成図である。 本発明の一実施形態における主制御回路のメモリマップを示す図である。 本発明の一実施形態における主制御回路のセキュリティモードを説明する図である。 本発明の一実施形態におけるパチスロのボーナス状態及び非ボーナス状態間における遊技状態の遷移フローを示す図である。 本発明の一実施形態における遊技機の非有利区間、通常有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローを示す図である。 本発明の一実施形態における図柄配置テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における内部抽籤テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における内部抽籤テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における内部抽籤テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における図柄組合せテーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における図柄組合せテーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における図柄組合せテーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における図柄組合せテーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役等との対応関係を示す図である。 本発明の一実施形態における内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役等との対応関係を示す図である。 本発明の一実施形態における当り要求フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域の構成を示す図である。 本発明の一実施形態における持越役格納領域の構成を示す図である。 本発明の一実施形態における遊技状態フラグ格納領域の構成を示す図である。 本発明の一実施形態における作動ストップボタン格納領域の構成を示す図である。 本発明の一実施形態における押下順序格納領域の構成を示す図である。 本発明の一実施形態における図柄コード格納領域の構成を示す図である。 本発明の一実施形態における内部当籤役と抽籤番号と当籤役番号との対応関係を示す図である。 本発明の一実施形態における内部当籤役と抽籤番号と当籤役番号との対応関係を示す図である。 本発明の一実施形態における非有利区間中の遊技の流れを説明するための図である。 本発明の一実施形態における通常有利区間中の遊技の流れを説明するための図である。 本発明の一実施形態におけるラインバトル状態中の遊技の流れを説明するための図である。 本発明の一実施形態におけるラインバトル状態で参照される各種テーブルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるラインバトル状態の表示装置の表示例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるラインバトル状態の表示装置の表示例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるラインバトル状態の表示装置の表示例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるラインバトル状態の表示装置の表示例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるラインバトル状態の表示装置の表示例を示す図である。 本発明の一実施形態における権利獲得抽籤状態及び権利獲得状態中の遊技の流れを説明するための図である。 本発明の一実施形態におけるエンディング1状態及びエンディング2状態中の遊技の流れを説明するための図である。 本発明の一実施形態におけるエンディング1状態及びエンディング2状態中に行われるエンディング演出を説明するための図である。 本発明の一実施形態における各遊技状態と内部当籤役とナビデータとの対応関係を示す図である。 本発明の一実施形態における遊技機の主制御回路により実行される電源投入(リセット割込み)時処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における遊技復帰処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における設定変更確認処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における設定変更コマンド生成格納処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における通信データ格納処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における通信データポインタ更新処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における電断時(外部)処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるチェックサム生成処理(規定外)の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるサムチェック処理(規定外)の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるサムチェック処理(規定外)の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における遊技機の主制御回路により実行されるメイン処理(主要動作処理)の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるメダル受付・スタートチェック処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるメダル受付・スタートチェック処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるメダル投入処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるメダル投入チェック処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるメダル投入チェック処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるエラー処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における乱数値取得処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における内部抽籤処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における図柄設定処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における圧縮データ格納処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における引込優先順位格納処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における図柄コード取得処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における論理積演算処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における引込優先順位取得処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における引込優先順位取得処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるリール停止制御処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における入賞検索処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるイリーガルヒットチェック処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における入賞チェック・メダル払出処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるメダル払出枚数チェック処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるBBチェック処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるRTチェック処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における遊技機の主制御回路により実行される割込処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における通信データ送信処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるWDT設定処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における7セグLED駆動処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における7セグ表示データ生成処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるタイマー更新処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における遊技機の電源投入時の動作の例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態における遊技機のメダル投入時の動作の例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態における遊技機のボーナス役当籤報知演出の演出例(その1)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機のボーナス役当籤報知演出の演出例(その1)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機のボーナス役当籤報知演出の演出例(その2)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機のボーナス役当籤報知演出の演出例(その2)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機のボーナス役当籤報知演出の演出例(その3)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の遊技性の他の例(その1)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の遊技性の他の例(その1)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の遊技性の他の例(その2)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の遊技性の他の例(その3)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の遊技性の他の例(その4)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の遊技性の他の例(その5)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の遊技性の他の例(その6)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の遊技性の他の例(その6)を説明するための図である。 本発明の一実施形態における遊技機の有利区間のリミッタの別例を示す図である。 本発明の一実施形態における遊技機の枚数リミッタの制御方法を示す図である。 本発明の一実施形態における遊技機の枚数リミッタの調整打法を示す図である。 本発明の[有利区間中の引き戻しを成立役+ポイント管理にする]変形例のメインCPUの構成図である。 本発明の[設定差有りBBと設定差無しMBを利用した上乗せ抽籤システム]変形例のボーナス役の説明図である。 本発明の[通常時のRT状態によって有利区間の当籤率と恩恵を切り替える]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[図柄組合せの管理手法によるデータ削減]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[図柄引き込みに関する新たな概念を取り入れた優先順位付け]変形例の範囲優先に従う停止制御の説明図である。 本発明の[RT転落ナビ]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[ART準備中を無くすためのシステム]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[非有利区間中のART当籤確率変動]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[RT移行に設定差のある有利区間搭載機]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[有利区間中のシフトタイプボーナスにおける上乗せ抽籤]変形例のJACフラグ間ゲーム数に応じた上乗せ抽籤テーブルの説明図である。 本発明の[ボーナス中の上乗せ抽籤システム]変形例のART抽籤テーブルである。 本発明の[有利区間突入時における有利区間最大区間ゲーム数抽籤]変形例の抽籤テーブルである。 本発明の[出率差をつけやすい有利区間を搭載した遊技機]変形例の遊技説明図である。 本発明の[くじの結果によらない同一の処理による出率差をつけるシステム]変形例の一般遊技中内部抽籤テーブルである。 本発明の[有利区間搭載機のモーニング]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[有利区間搭載機の天井]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[有利区間を使用しない周期チャンスゾーン]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[有利区間差枚獲得ゾーン]変形例の遊技説明図である。 本発明の[新ゲーム数管理タイプ]変形例の遊技ロック抽籤テーブルである。 本発明の[状態別におけるベース及び有利区間移行確率操作]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[規定数を利用した有利区間中AT発動]変形例の遊技状態の遷移フロー図及び遊技説明図である。 本発明の[チャンスゾーン有利区間]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[有利区間RTチャンスゾーン]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[6号機における天井機能]変形例の遊技期間説明図である。 本発明の[ST型有利区間継続方式]変形例の遊技状態の遷移フロー図である。 本発明の[MYで完全管理するAT仕様]変形例の遊技説明図である。 本発明の[純増2.0枚のATに一般的な確率のBBが搭載可能なシステム及びシフト外しタイプBBの純増速度増加]変形例のリールの図柄配列、内部当籤役の構成(1/3)の説明図である。 同内部当籤役の構成(2/3)の説明図である。 同内部当籤役の構成(3/3)の説明図である。 同遊技状態の遷移図である。 同遊技状態別の内部当籤テーブルある。 本発明の[出玉を取るか設定を取るか]変形例の再遊技役及び設定示唆演出の説明図である。 本発明の[押し順推理型AT]変形例の再遊技役及び押し順当てゲームの説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る遊技機としてパチスロを例に挙げ、図面を参照しながら、その構成及び動作について説明する。なお、本実施形態では、ボーナス作動機能、AT機能及びART機能を備えたパチスロについて説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。また、遊技媒体は、「遊技価値」、あるいは「遊技用価値」と称されることもある。
遊技者によりパチスロにメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値という)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の1つである。内部当籤役の決定により、後述の有効ライン(入賞判定ライン)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、以下では、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称する。また、ボーナスの作動(ボーナスゲーム)に係る役を「ボーナス役」ともいう。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがあり、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」と称されることがある。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の1つである。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバーのようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、ストップボタンのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに有効ラインに図柄が表示されることを、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」などと表現する場合がある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。この入賞判定手段もまた、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の1つである。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置などによる映像の表示、各種ランプによる光の出力、スピーカによる音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
具体的には、スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値が抽出される。演出用の乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述の副制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の1つである。また、後述の主制御回路が演出内容を決定する場合には、この演出内容決定手段を、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の1つとすることもできる。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、例えば、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図5を参照して、本発明の一実施形態に係るパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ1は、図2に示すように、外装体(遊技機本体)2を備える。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット(筐体)2aと、キャビネット2aの開口を開閉可能に取り付けられるフロントドア(前面扉)2bと、を有する。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3R(変動表示手段、表示列)が横一列に並べて設けられている。以下、各リール3L,3C,3R(メインリール)を、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rともいう。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有する。そして、シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向(リールの回転方向)に沿って所定の間隔をあけて描かれている。なお、各リール3L,3C,3Rは、「図柄表示手段」、「可変表示手段」、あるいは「可変表示器」などと表現される場合もある。また、これらの構成要素として、後述の図柄表示領域4を含む場合もある。また、「図柄」は、遊技者が視認により識別可能な情報であればよく、その意味において「識別情報」などと表現される場合もある。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、腰部パネル12と、台座部13とを備える。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられる。ヒンジは、パチスロ1の前方側(遊技者側)から見て、ドア本体9の左側の側端部に設けられる。なお、キャビネット2aは、単に「箱体」と称することもできるし、フロントドア2bは、単に「扉」、あるいは「前面扉」と称することもできる。また、キャビネット2aは、フロントドア2bを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」などと表現される場合もある。また、フロントドア2bは、複数の扉部材によって構成されるものであってもよい。例えば、キャビネット2aの開口の上方側に取り付けられる上扉部材と、キャビネット2aの開口の下方側に取り付けられる下扉部材とによって構成されるものであってもよいし、遊技機の前面側からみて、キャビネット2aの開口側に取り付けられる内側扉部材と、遊技機の前面側に取り付けられる外側扉部材とによって構成されるものであってもよい。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に設けられている。このフロントパネル10は、開口10aを有する枠状部材で構成される。フロントパネル10の開口10aは、表示装置カバー30によって塞がれ、表示装置カバー30は、キャビネット2aの内部に配置された後述の表示装置11と対向して配置される。
表示装置カバー30は、黒色の半透明な合成樹脂により形成される。それゆえ、遊技者は、後述の表示装置11により表示された映像(画像)を、表示装置カバー30を介して視認することができる。 また、本実施形態では、表示装置カバー30を黒色の半透明な合成樹脂で形成することにより、キャビネット2a内への外光の入り込みを抑制して、表示装置11により表示された映像(画像)を鮮明に視認できるようにしている。
フロントパネル10には、ランプ群21が設けられている。ランプ群21は、例えば、遊技者側から見て、フロントパネル10の上部に設けられたランプ21a、21bを含む。ランプ群21を構成する各ランプは、LED(Light Emitting Diode)等で構成され(後述の図6中のLED群85参照)、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
腰部パネル12は、ドア本体9の略中央部に設けられる。腰部パネル12は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源(後述のLED群85に含まれるLED)とを有する。
台座部13は、フロントパネル10と腰部パネル12との間に設けられる。台座部13には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置(メダル投入口14、MAXベットボタン15a、1ベットボタン15b、スタートレバー16、3つのストップボタン17L,17C,17R、精算ボタン(不図示)等)とが設けられる。
図柄表示領域4は、正面から見て、3つのリール3L,3C,3Rに重畳する領域で、かつ、3つのリール3L,3C,3Rより遊技者側の位置に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rにおける所定領域を視認可能とする。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを視認することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リールの周面に設けられた複数の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)が表示される(リール表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。
そして、本実施形態では、リール表示窓4の枠内において、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶライン(センターライン)、左リール3Lの上段領域、中リール3Cの上段領域、及び、右リール3Rの上段領域を結ぶライン(トップライン)、並びに、左リール3Lの下段領域、中リール3Cの下段領域、及び、右リール3Rの下段領域を結ぶライン(ボトムライン)を、入賞か否かの判定を行う有効ラインとして定義(規定)する。なお、有効ラインは、「入賞ライン」、あるいは「判定ライン」とも称されることがある。
なお、本実施形態では、他のライン、例えば、左リール3Lの下段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの上段領域を結ぶライン(クロスアップライン)、並びに、左リール3Lの上段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの下段領域を結ぶライン(クロスダウンライン)を、さらに有効ラインとして定義してもよい。また、本実施形態では、有効ラインは上述の3つのラインである(あるいは、ここで説明したように5つのラインであってもよい)が、そのライン数は適宜増減できるものとする。例えば、センターラインの1つのラインのみを有効ラインとしてもよいし、トップライン及びボトムラインの2つのラインのみを有効ラインとしてもよい。また、有効ラインを定義する際には、上述した図柄が一直線に並ぶ各ラインに替えて、あるいはこれとともに、図柄が一直線に並ばないラインを有効ラインとして定義することもできる。すなわち、各列(左リール3L,中リール3C,右リール3R)ごとのいずれか一の図柄(の領域)を通るラインであれば、直線又は折れ線で結んで構成される一又は複数のラインを有効ラインとして設定可能である。
例えば、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの下段領域、及び、右リール3Rの上段領域を結ぶライン(変則ライン)などを有効ラインとして定義するようにしてもよい。すなわち、本実施形態では、リール表示窓4の枠内に、3行×3列の態様で図柄が表示されるようになっていることから、27通りの有効ラインを定義することが可能であり、そのうち少なくともいずれか1つのラインが有効ラインとして定義されるようにすればよい。
リール表示窓4は、台座部13に設けられた枠部材31の開口により形成される。また、リール表示窓4を画成する枠部材31の下方には、略水平面の台座領域が設けられる。そして、遊技者側から見て、台座領域の右側にはメダル投入口14が設けられ、左側にはMAXベットボタン15a及び1ベットボタン15bが設けられる。
メダル投入口14は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口14から受け入れられたメダルは、予め設定された所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えたメダルの枚数分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能(遊技媒体貯留手段))。
MAXベットボタン15a及び1ベットボタン15bは、キャビネット2aの内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、MAXベットボタン15aの内部には、メダル投入が可能な時に点灯するベットボタンLED(不図示)が設けられている。また、精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
なお、遊技者がMAXベットボタン15aを押下操作すると、単位遊技のベット枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタン15bが1回、押下操作される度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタン15bが3回操作されると、単位遊技のベット枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
なお、以下では、MAXベットボタン15aの操作、1ベットボタン15bの操作及びメダル投入口14にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)をいずれも「投入操作」という。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rともいう。
また、リール表示窓4の下方の略水平面の台座領域の略中央には、情報表示器6が設けられる。なお、情報表示器6は、透明の窓カバー(不図示)によって覆われている。
情報表示器6には、特典として遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、「払出枚数」という)の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグメントLED(以下、「7セグLED」という)や、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、「クレジット枚数」という)などの情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDが設けられる。なお、本実施形態では、メダルの払出枚数表示用の2桁の7セグLEDは、エラー発生及びエラー種別の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDとしても用いられる。それゆえ、エラー発生時には、メダルの払出枚数表示用の2桁の7セグLEDの表示態様は、払出枚数の表示態様からエラー種別の情報の表示態様に切り替わる。
また、情報表示器6には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(不図示)が設けられている。指示モニタ(指示表示器)は、例えば、2桁の7セグLEDにより構成される。そして、指示モニタでは、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で、2桁の7セグLEDが点灯、点滅又は消灯することにより、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。
なお、ここでいう、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「1st(第1停止操作を左リール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作を中リール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作を右リール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示するなどの態様のことである。なお、指示モニタにおける停止操作の情報の報知態様(後述のメイン側で決定されるナビデータ)については、後述の図45等を参照しながら後で詳述する。
また、情報表示器6には、遊技者にとって有利な有利区間(後述の「通常有利区間」及び「有利区間」を含む。後述の図14参照)であること報知する状態表示器(不図示)が設けられている。状態表示器は、例えば、7セグLEDにより構成される。状態表示器は、原則として、有利区間に移行することが決定された遊技中の所定のタイミング(例えば、遊技開始時〜遊技終了時までのいずれかのタイミング)で点灯し、有利区間が継続している間はその点灯が継続する。そして、有利区間が終了したときにその点灯が終了し、消灯するようになっている。これにより、遊技者にとって有利な有利区間が開始すること、当該有利区間中であること、及び当該有利区間が終了することが全ての遊技者に報知されるため、遊技の公平性が担保される。
情報表示器6は、後述の図6に示すように、ドア中継端子板68及び遊技動作表示基板81を介して主制御基板71に電気的に接続され、情報表示器6の表示動作は、主制御基板71内の後述の主制御回路90により制御される。また、上述した各種7セグLEDの制御方式は、ダイナミック点灯制御である。
なお、本実施形態のパチスロ1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知する構成を設ける。具体的には、後述のプロジェクタ機構211及び表示ユニット212(図3及び後述の図6参照)により構成される後述の表示装置11により停止操作の情報を報知する。
このような構成を適用した場合、指示モニタにおける報知の態様と、副制御基板72により制御されるその他の手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とはいえない)。一方、後述の表示装置11等のその他の手段によるサブ側(副制御基板側)での報知では、停止操作の情報を直接的に報知してもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタでは報知する押し順と一義的に対応する数値「1」を表示するが、その他の手段(例えば、表示装置11等)では、左リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知してもよい。
このような構成のパチスロ1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。また、このような停止操作の情報の報知の有無は、遊技状態に応じて制御することができる。例えば、後述の通常区間における遊技状態(通常状態)では停止操作の情報が報知されずに、後述の通常有利区間及び有利区間における各遊技状態では停止操作の情報が報知され得るようにすることができる。
また、遊技者側から見て、リール表示窓4の左方には、サブ表示装置18が設けられる。サブ表示装置18は、図2に示すように、ドア本体9の前面部のうち、台座部13の略水平面の台座領域から略垂直に立設するように設けられる。サブ表示装置18は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイで構成され、各種情報を表示する。
また、サブ表示装置18の表示面上には、タッチセンサ19が設けられている(後述の図6参照)。タッチセンサ19は、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。そして、本実施形態のパチスロ1は、タッチセンサ19を介して受け付けた遊技者の操作(タッチセンサ19から出力されるタッチ入力情報)に応じて、サブ表示装置18の表示を切り替え可能にする機能を有する。なお、サブ表示装置18は、タッチセンサ19から出力されるタッチ入力情報に基づいて後述の副制御基板72(後述の図6参照)により制御される。
ドア本体9の下部には、メダル払出口24、メダル受皿25、2つのスピーカ用孔20L,20R等が設けられる。メダル払出口24は、後述のホッパー装置51(メダル払出装置)の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿25は、メダル払出口24から排出されたメダルを貯める。また、2つのスピーカ用孔20L,20Rからは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音声が出力される。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、キャビネット2aの内部構造を示す図であり、図4は、フロントドア2bの裏面側の内部構造を示す図であり、図5は、フロントドア2bの裏面側に設けられた後述のセレクタ66の構造を示す図である。
キャビネット2aは、図3に示すように、上面板27aと、底面板27bと、左右の側面板27c,27dと、背面板27eとを有する。そして、キャビネット2a内の上部には、表示装置11が配設される。
表示装置11は、プロジェクタ機構211と、プロジェクタ機構211から投射された映像光が投影される箱状の被投影部材212aとを有し、プロジェクションマッピングによる映像表示を行う。具体的には、表示装置11では、立体物となる被投影部材212aの位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて映像光を生成し、その映像光が、プロジェクタ機構211により被投影部材212aの表面に投影される。このような演出機能を設けることにより、高度で且つ迫力のある演出を行うことができる。また、図3には示さないが、箱状の被投影部材212aの裏側には、表示面が湾曲した別の被投影部材が設けられ、遊技状態に応じて、どちらか一方の被投影部材が、映像光が投影されるスクリーンとして使用される。それゆえ、キャビネット2a内は、遊技状態に応じて、被投影部材を切り換える機能(不図示)も設けられる。なお、表示装置11は、遊技者にとって画像を表示可能な装置であれば、他の種々の表示装置(例えば、液晶表示装置)を用いることもできる。
キャビネット2a内の下部には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置という)51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53とが配設される。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板27bの中央部に取り付けられる。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は、精算ボタンが押下されてメダルの精算が実行されるときに、メダルを払い出す。そして、ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口24(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置される。また、メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板27bに対して着脱可能に取り付けられている。
電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53b(電源供給手段)とを有している(後述の図6参照)。この電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板27cに取り付けられている。電源装置53は、サブ電源装置(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
また、キャビネット2a内の電源装置53の上方には、副制御基板72(後述の図6参照)を収容する副制御基板ケース57が配設される。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72には、後述の副制御回路200(後述の図9参照)が搭載されている。この副制御回路200は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路200の具体的な構成については後述する。
キャビネット2a内の副制御基板ケース57の上方には、副中継基板61が配設される。この副中継基板61は、副制御基板72と後述の主制御基板71とを接続する配線が実装された中継基板である。また、副中継基板61は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板や各種装置部(ユニット)などとを接続する配線が実装された中継基板である。
また、図3には示さないが、キャビネット2a内には、キャビネット側中継基板44(後述の図6参照)が配設される。このキャビネット側中継基板44は、主制御基板71(後述の図6参照)と、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ75(後述の図6参照)及びメダル払出カウントスイッチ(不図示)のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。
フロントドア2bの裏面側の中央部には、図4に示すように、ミドルドア41が、配設され、リール表示窓4(図2参照)を裏側から開閉可能に取り付けられている。また、図4には示さないが、ミドルドア41のリール表示窓4側には、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられ、ミドルドア41のリール表示窓4側とは反対側には、主制御基板71(後述の図6参照)が収納された主制御基板ケース55が取り付けられている。なお、3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ(不図示)が接続されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路90(後述の図7及び図8参照)を有する。主制御回路90(主制御手段)は、内部当籤役の決定、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。また、本実施形態では、例えば、ATあるいはARTに関する決定に係る処理、ナビ情報の指示モニタへの表示処理、各種試験信号の送信処理などの制御も主制御回路90により行われる。なお、主制御回路90の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bの裏面側において、ミドルドア41の下方には、スピーカ65L,65Rが配設される。スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔20L,20R(図2参照)と対向する位置に配置されている。
また、スピーカ65Lの上方には、セレクタ66と、ドア開閉監視スイッチ67とが配設される。セレクタ66は、メダル投入口14に投入されたメダルを検出する装置であるとともに、投入されたメダルが適正なメダルであるか否かを選別する装置であり、適正なメダルであると選別される場合には、そのメダルがホッパー装置51側へと案内されてホッパー装置51内に収容されるように駆動し、適正なメダルでないと選別される場合には、そのメダルがメダル払出口24側へと案内されてメダル払出口24から排出されるように駆動する。すなわち、セレクタ66は、メダル投入口14に投入されたメダルを、ホッパー装置51側又はメダル払出口24側に振り分ける装置でもある。
図5に示すように、セレクタ66は、メダルが通過するメダルレール(メダル通路)802が形成されたベース803と、投入されたメダルをホッパー装置51側又はメダル払出口24側に案内するセレクトプレート804と、投入されたメダルが適正なメダルでない場合にそのメダルをメダル払出口24側に押し出すメダルプッシャ805と、投入されたメダルをメダルレール802の上流側で検出する上流側メダルセンサ(第1メダルセンサ)806と、投入されたメダルをメダルレール802の下流側で検出する下流側メダルセンサ(第2メダルセンサ)807と、を備える。
また、図5には示さないが、セレクタ66には、セレクトプレート804によってメダルがホッパー装置51側に案内される場合に、セレクタ66からホッパー装置51へのメダルの流路を形成するメダルガイド(不図示)と、セレクトプレート804によってメダルがメダル払出口24側にされる場合に、セレクタ66からメダル払出口24へのメダルの流路を形成するキャンセルシュート(不図示)と、が着脱可能に取り付けられている。
セレクトプレート804は、セレクタ66が備えるソレノイド(不図示)によって駆動する。セレクトプレート804は、ソレノイドが駆動しているときには、通過するメダルをホッパー装置51側に案内するガイド位置に移動する一方、ソレノイドが駆動していないときには、通過するメダルをホッパー装置51側に案内しない(すなわち、メダル払出口24側に案内する)排出位置に移動する。具体的には、ソレノイドが駆動しているとき、セレクトプレート804はパチスロ1の後側方向に移動してメダルの上方をガイドする一方、ソレノイドが駆動していないとき、セレクトプレート804はパチスロ1の前側方向に移動してメダルの上方をガイドしないようになっている。なお、セレクトプレート804によるメダルのガイド手法はこれに限られるものでなく、例えば、パチスロ1の上下方向に移動可能な機構とすることで、ガイド位置及び排出位置の移動を可能とするものであってもよい。すなわち、セレクトプレート804は、ソレノイドあるいはその他の駆動源により、メダルレール802上において、通過するメダルがホッパー装置51側に移動することを妨げないガイド位置と、通過するメダルがホッパー装置51側に移動することを妨げてメダル払出口24側に案内する排出位置との間で変移可能とする機構であれば、いずれの機構を採用することもできる。
メダルプッシャ805は、例えば、セレクトプレート804がガイド位置に移動している場合には、パチスロ1の後側方向に突出しないように動作し、セレクトプレート804がガイド位置に移動していない(排出位置に移動している)場合には、パチスロ1の後側方向に突出するように動作する。すなわち、メダルプッシャ805が、パチスロ1の後側方向に突出しない位置にあるときには、通過するメダルをホッパー装置51側に案内するガイド位置となり、パチスロ1の後側方向に突出する位置にあるときには、通過するメダルをホッパー装置51側に案内しない(すなわち、メダル払出口24側に案内する)排出位置となる。
上流側メダルセンサ806及び下流側メダルセンサ807は、メダルが通過したことを検出する遊技媒体検出手段を構成する。各メダルセンサは、例えば、一対の、あるいは複数対の発光素子及び受光素子から構成される反射型センサで構成され、発光素子からメダルに対して光を照射し、メダルから反射された反射光を受光素子が受光することでメダルの通過を検出する。なお、センサの構成は適宜変更可能であり、例えば、透過型センサ等を採用することもできる。また、上流側メダルセンサ806を設けることなく、下流側メダルセンサ807のみによってメダルの通過を検出するようにしてもよい。また、各メダルセンサの検出結果(メダルセンサ入力状態)に基づく具体的な制御については後述する。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ66の左斜め下に配置される。このドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号をパチスロ1の外部に出力する。
また、図4には示さないが、フロントドア2bを裏面において、ミドルドア41により開閉された領域であり且つリール表示窓4の下方には、ドア中継端子板68が配設される(後述の図6参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ、副中継基板61、セレクタ66、遊技動作表示基板81、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、MAXベットボタン15a、1ベットボタン15b、ドア開閉監視スイッチ67、後述のBETスイッチ77、スタートスイッチ79等が挙げられる。
<パチスロが備える制御系>
次に、パチスロ1が備える制御系について、図6を参照して説明する。図6は、パチスロ1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に設けられた主制御基板71と、フロントドア2bに設けられた副制御基板72とを有する。また、パチスロ1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板74、設定用鍵型スイッチ54(設定スイッチ)及びキャビネット側中継基板44を有する。さらに、パチスロ1は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板47、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ75、リセットスイッチ76及び電源装置53を有する。なお、ホッパー装置51の構成については上述したので、ここでは、その説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
設定用鍵型スイッチ54は、主制御基板ケース55に設けられる。設定用鍵型スイッチ54は、パチスロ1の設定値(設定1〜設定6)を変更するとき、もしくは、パチスロ1の設定を確認するときに使用される。なお、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。なお、本実施形態では、設定値が高いほど後述のボーナス役の当籤確率が高まるようにして遊技者の有利さの度合いを変動させることもできるし、設定値が高いほど後述のATやARTに係る抽籤の当籤確率が高まるようにして遊技者の有利さの度合いを変動させることもできる。
キャビネット側中継基板44は、主制御基板71と、外部集中端子板47、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ75、リセットスイッチ76及び電源装置53のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティ信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられる。メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52に設けられ、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。リセットスイッチ76は、例えば、パチスロ1の設定を変更する際に用いられる。
電源装置53は、電源基板53bと、電源基板53bに接続された電源スイッチ53aとを有する。電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときに押下される。電源基板53bは、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されるとともに、副中継基板61を介して副制御基板72にも接続される。
また、パチスロ1は、ドア中継端子板68、並びに、該ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81、副中継基板61、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302を有する。なお、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
BETスイッチ77(投入操作検出手段)は、MAXベットボタン15a又は1ベットボタン15bが遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン(不図示)が遊技者により押下されたことを検出する。スタートスイッチ79(開始操作検出手段)は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80(停止操作検出手段)は、回転しているメインリールを停止させるための回路と、停止可能なメインリールをLEDなどにより表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板80には、ストップスイッチ(不図示)が設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、情報表示器(7セグ表示器)6及びLED82に接続される。LED82には、例えば、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、「投入枚数」という)に対応して点灯する、メダル投入枚数表示用の3つのLED(以下、「第1LED」〜「第3LED」という)や、遊技動作表示基板81から入力される信号に基づいて、メダル投入が可能であることを表示するマーク、遊技開始を表示するマーク、再遊技を行うマークなどを点灯させるLEDなどが含まれる。第1LED〜第3LED(表示手段)では、メダルが1枚投入されると、第1LEDが点灯し、メダルが2枚投入されると、第1及び第2LEDが点灯し、メダルが3枚(遊技開始可能枚数)投入されると、第1LED〜第3LEDが点灯する。なお、情報表示器6については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302はともに、パチスロ1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71の主制御回路90には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、例えば、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号などは、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
副制御基板72は、ドア中継端子板68及び副中継基板61を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ1は、副中継基板61を介して副制御基板72に接続された、スピーカ群84、LED群85、24hドア開閉監視ユニット63、タッチセンサ19及び表示ユニット212を有する。なお、タッチセンサ19については、上述したので、ここでは、その説明を省略する。
スピーカ群84は、スピーカ65L,65Rや図示しない各種スピーカを含んで構成される。LED群85は、フロントパネル10に設けられたランプ群21や、腰部パネル12の装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源などを含んで構成される。24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴情報を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41が開放されたときに、表示装置11によりエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路200)に出力する。表示ユニット212は、例えば、表示装置11を構成する被投影部材212a、及び、被投影部材212aの裏側に設けられた表示面が湾曲した別の被投影部材を含んで構成される。
また、パチスロ1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87を有する。なお、ロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72とともに副制御基板ケース57に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、サブCPU201により実行される各種制御プログラムと、演出用の画像(映像)、音声(スピーカ群84)、光(LED群85)及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と、表示装置11を構成するプロジェクタ機構211、及び、サブ表示装置18との間の接続配線を中継する基板である。なお、プロジェクタ機構211及びサブ表示装置18については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
<主制御回路>
次に、図7を参照して、主制御基板71に実装される主制御回路90の構成について説明する。図7は、パチスロ1の主制御回路90の構成例を示すブロック図である。
主制御回路90は、遊技動作を制御する遊技制御部として機能し、マイクロプロセッサ91と、クロックパルス発生回路92と、電源管理回路93と、スイッチングレギュレータ94(電源供給手段)と、役比モニタ(不図示)とを備える。
マイクロプロセッサ91は、遊技機用のセキュリティ機能付きマイクロプロセッサである。なお、本実施形態のマイクロプロセッサ91では、プログラム上で規定可能な該マイクロプロセッサ91に特有の様々な命令コード(以下、「メインCPU101専用命令コード」という)が設けられている。本実施形態では、このメインCPU101専用命令コードを用いることにより、処理の効率化やプログラム容量の削減などを実現している。マイクロプロセッサ91の内部構成については、後述の図8を参照して詳述し、マイクロプロセッサ91に設けられているメインCPU101専用命令コードについては、後述の主制御回路が実行する各種処理において詳述する。
クロックパルス発生回路92は、メインCPU作動用のクロックパルス信号を生成し、該生成したクロックパルス信号をマイクロプロセッサ91に出力する。マイクロプロセッサ91は、入力されたクロックパルス信号に基づいて、制御プログラムを実行する。
電源管理回路93は、電源基板53b(図6参照)から供給される直流12Vの電源電圧の変動を管理する。そして、電源管理回路93は、例えば、電源が投入された際(電源電圧が0Vから起動電圧値(10V)を上回った際)には、リセット信号をマイクロプロセッサ91の「XSRST」端子に出力し、電断が発生した際(電源電圧が12Vから停電電圧値(10.5V)を下回った際)には、電断検知信号をマイクロプロセッサ91の「XINT」端子に出力する。すなわち、電源管理回路93は、電源投入時に、マイクロプロセッサ91にリセット信号(起動信号)を出力する手段(起動手段)、及び、電断発生時に、マイクロプロセッサ91に電断検知信号(停電信号)を出力する手段(停電手段)も兼ねる。
スイッチングレギュレータ94は、DC/DC変換回路であり、マイクロプロセッサ91の直流駆動電圧(直流5Vの電源電圧)を生成し、該生成した直流駆動電圧をマイクロプロセッサ91の「VCC」端子に出力する。
役比モニタ(不図示)は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、後述のメインCPU101によって集計された遊技情報に関する集計結果に対して、後述の演算回路107が所定の比率計算を行い、その比率計算の結果を比率情報として表示する。本実施形態では、複数種類の比率計算が行われ、役比モニタは、その結果に基づいて、複数種類の比率情報を順次表示する。
なお、役比モニタの上位2桁には、その比率情報の種別を示す種別情報である「略記」が表示され、下位2桁には、その種別情報に対応する比率情報である「比率」が表示されるようになっている。例えば、役比モニタの第1の桁(略記10の位)に「7」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「U」が表示される場合(すなわち、略記「7U」が表示される場合)、役比モニタの下位2桁には、比率情報として、所定の総遊技数(175000回)の間に占める、ART機能が作動した(すなわち、遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知されていた有利区間の)遊技数の比率(有利区間比率)が表示される。具体的には、有効区間比率が10%である場合、第3の桁(比率10の位)には「1」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「0」が表示される。なお、有利区間比率は、AT機能及びART機能が作動した遊技数の比率を表示するものであってもよい。
また、例えば、役比モニタの第1の桁(略記10の位)に「6」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「Y」が表示される場合(すなわち、略記「6Y」が表示される場合)、役比モニタの下位2桁には、比率情報として、特定の総遊技数(6000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、役物連続作動装置(本実施形態ではBB。なお、第2種特別役物(CB)が連続で作動する役物連続作動装置(MB)が搭載されている場合には、それを含む。以下同じ)が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(中時間連役比率)が表示される。具体的には、中時間連役比率が59%である場合、第3の桁(比率10の位)には「5」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「9」が表示される。
また、例えば、役比モニタの第1の桁(略記10の位)に「7」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「Y」が表示される場合(すなわち、略記「7Y」が表示される場合)、役比モニタの下位2桁には、比率情報として、特定の総遊技数(6000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、全ての役物(本実施形態ではBB。なお、上述のMBの他、上述の第一種特別役物(RB)が単独で搭載されている場合、上述の第2種特別役物(CB)が単独で搭載されている場合、普通役物(SB)が搭載されている場合には、それら全てを含む。以下同じ)が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(中時間役物比率)が表示される。具体的には、中時間役物比率が59%である場合、第3の桁(比率10の位)には「5」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「9」が表示される。
また、例えば、役比モニタの第1の桁(略記10の位)に「6」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「A」が表示される場合(すなわち、略記「6A」が表示される場合)、役比モニタの下位2桁には、比率情報として、所定の総遊技数(175000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、役物連続作動装置が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(総連役比率)が表示される。具体的には、総連役比率が25%である場合、第3の桁(比率10の位)には「2」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「5」が表示される。
また、例えば、役比モニタの第1の桁(略記10の位)に「7」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「A」が表示される場合(すなわち、略記「7A」が表示される場合)、役比モニタの下位2桁には、比率情報として、所定の総遊技数(175000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、全ての役物が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(総役物比率)が表示される。具体的には、総役物比率が25%である場合、第3の桁(比率10の位)には「2」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「5」が表示される。
なお、本実施形態では、主制御回路90が直接的に役比モニタを備える構成を例に挙げて説明しているが、役比モニタは、主制御回路90によってその表示内容が制御され、また、必要なとき(例えば、主制御基板ケース55を視認したとき)にその表示内容を認識可能であれば足り、主制御回路90が直接的に備えない構成を採用することもできる。例えば、役比モニタが遊技動作表示基板81に接続され、主制御回路90が遊技動作表示基板81を介してその表示内容を制御するようにしてもよい。また、この場合、役比モニタが、情報表示器6、LED82、又は指示モニタ(指示表示器)と兼用されるようにし、それらのうち、一又は複数を用いて所定の比率情報が表示されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、役比モニタに表示される所定の比率情報として、有利区間比率、中時間連役比率、中時間役物比率、総連役比率、及び総役物比率を例に挙げて説明しているが、これら以外の比率情報を表示可能としてもよい。例えば、所定の総遊技数(175000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、ART機能が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(総有利区間獲得比率)、特定の総遊技数(6000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、ART機能が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(中時間有利区間獲得比率)、特定の総遊技数(6000回)の間に占める、役物連続作動装置が作動した遊技数の比率(中時間連役区間比率)、特定の総遊技数(6000回)の間に占める、全ての役物が作動した遊技数の比率(中時間役物区間比率)、所定の総遊技数(175000回)の間に占める、役物連続作動装置が作動した遊技数の比率(総連役区間比率)、所定の総遊技数(175000回)の間に占める、全ての役物が作動した遊技数の比率(総役物区間比率)等も所定の比率計算を行って表示することができる。
また、本実施形態では、役比モニタに表示される所定の比率情報の母数(分母)として、所定の総遊技数を「175000回」とし、特定の総遊技数を「6000回」として説明しているが、所定の総遊技数及び特定の総遊技数はこれに限られない。例えば、上述した各種比率のうち、一部又は全部を算出するための母数(分母)として、所定の総遊技数を「17500回」とし、特定の総遊技数を「3000回」としてもよい。もっとも、遊技店では様々な種類の遊技機が設置され運用されており、比率計算に最適な遊技数も異なる場合もあること等から、上述した各種比率を算出するための各遊技数は、上述したものに限られず適宜変更可能である。なお、この場合、各種比率のうち、一部又は全部を算出するための母数(分母)及び子数(分子)となりうる遊技数を、遊技店側で任意に設定可能とするようにしてもよい。
また、本実施形態では、中時間役物比率及び総役物比率において対象としている全ての役物の中に、ART機能の作動を含ませないようにしているが、ART機能の作動を役物の作動としてとらえ、中時間役物比率及び総役物比率の比率計算を行うようにすることもできる。また、上述したもの以外であっても、それが有益な情報である限り、2つの値を集計して比率計算を行い、その比率計算の結果を比率情報として表示可能であることはいうまでもない。また、役比モニタの説明において、「ART機能が作動」として説明している箇所については、「AT機能の作動」が含まれるようにしてもよいし、除かれるようにしてもよい。
<マイクロプロセッサ>
次に、図8を参照して、マイクロプロセッサ91の内部構成について説明する。図8は、マイクロプロセッサ91の内部構成を示すブロック図である。
マイクロプロセッサ91は、メインCPU101(演算処理部)と、メインROM102(第1記憶部)と、メインRAM103(第2記憶部)と、外部バスインターフェース104と、クロック回路105と、リセットコントローラ106と、演算回路107と、乱数回路110と、パラレルポート111と、割込みコントローラ112と、タイマー回路113と、第1シリアル通信回路114と、第2シリアル通信回路115と、を有する。そして、マイクロプロセッサ91を構成するこれらの各部は信号バス116を介して互いに接続されている。
メインCPU101は、クロック回路105で生成されたクロックパルスに基づいて、各種制御プログラムを実行して、遊技動作全般に係る制御を行う。ここで、メインCPU101の制御動作の一例としてリール停止制御について説明する。
メインCPU101は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3L(メインリール)のステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU101は、各リールの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リールの所定の位置に設けられ、各メインリールの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片とを備えたリール位置検出部(不図示)により検出される。
ここで、各リール3L,3C,3L(メインリール)の回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM103に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM103に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リールに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理する。したがって、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。なお、メインROM102及びメインRAM103の内部構成(メモリマップ)については、後述の図11を参照して詳述する。
外部バスインターフェース104は、マイクロプロセッサ91の外部に設けられた各種構成部(例えば、各リール等)が接続された外部信号バス(不図示)と、マイクロプロセッサ91とを電気的に接続するためのインターフェース回路である。クロック回路105は、例えば分周器(不図示)等を含んで構成され、クロックパルス発生回路92から入力されたCPU作動用のクロックパルス信号を、その他の構成部(例えば、タイマー回路113)で使用される周波数のクロックパルス信号に変換する。なお、クロック回路105で生成されたクロックパルス信号は、リセットコントローラ106にも出力される。
リセットコントローラ106は、電源管理回路93から入力されたリセット信号に基づいて、IAT(Illegal Address Trap)やWDT(watchdog timer)のリセットを行う。演算回路107は、乗算回路及び除算回路を含んで構成される。例えば、プログラム上において、「MUL(乗算)」命令を実行するときには、演算回路107がこの「MUL」命令に基づく乗算処理を実行する。
乱数回路110は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535又は0〜255)を発生させる。また、図示しないが、乱数回路110は、2バイトのハードラッチ乱数を得るための乱数レジスタ0と、2バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ1と、1バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ2〜7とで構成されている。なお、メインCPU101は、乱数回路110で発生させた所定範囲の乱数の中から1つの値を、例えば内部抽籤用の乱数値として抽出する。パラレルポート111は、マイクロプロセッサ91と、マイクロプロセッサ91の外部に設けられた各種回路(例えば、電源管理回路93等)との間で入出力される信号のポート(メモリーマップI/O)である。また、パラレルポート111は、乱数回路110及び割込みコントローラ112にも接続される。スタートスイッチ79はパラレルポート111のPI0〜PI4のいずれかの入力ポートにも接続され、スタートスイッチ79がオン状態になったタイミング(オンエッジ)で、パラレルポート111から乱数回路110の乱数レジスタ0へラッチ信号が出力される。そして、乱数回路110では、ラッチ信号が入力されることにより乱数レジスタ0がラッチされ、2バイトのハードラッチ乱数が取得される。
割込みコントローラ112は、パラレルポート111を介して電源管理回路93から入力される電断検知信号、又は、タイマー回路113から1.1172ms周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、メインCPU101による割込処理の実行タイミングを制御する。電源管理回路93から電断検知信号が入力された場合、又は、タイマー回路113からタイムアウト信号が入力された場合には、割込みコントローラ112は、割込処理開始指令を示す割込要求信号をメインCPU101に出力する。メインCPU101は、タイマー回路113からのタイムアウト信号に応じて割込みコントローラ112から入力される割込要求信号に基づいて、入力ポートチェック処理、リール制御処理、通信データ送信処理、7セグLED駆動処理、タイマー更新処理等の各種割込処理(後述の図79参照)を行う。
タイマー回路113(PTC)は、クロック回路105で生成されたクロックパルス信号(メインCPU作動用のクロックパルス信号を分周器(不図示)で分周された周波数のクロックパルス信号)で動作する(経過時間をカウントする)。そして、タイマー回路113は、1.1172msecの周期で割込みコントローラ112にタイムアウト信号(トリガー信号)を出力する。
第1シリアル通信回路114は、主制御基板71から副制御基板72にデータ(各種制御指令(コマンド))を送信する際のシリアル送信動作を制御する回路である。第2シリアル通信回路115は、主制御基板71から試験機用第2インターフェースボード302にデータを送信する際のシリアル送信動作を制御する回路である。
<副制御回路>
次に、図9を参照して、副制御基板72に実装される副制御回路200(副制御手段)の構成について説明する。図9は、パチスロ1の副制御回路200の構成例を示すブロック図である。
副制御回路200は、主制御回路90と電気的に接続されており、主制御回路90から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路200は、演出動作を制御する演出制御部として機能し、基本的に、サブCPU201、サブRAM202、レンダリングプロセッサ203、描画用RAM204、ドライバ205を含んで構成される。
なお、サブCPU201は、ロムカートリッジ基板86に接続される。ドライバ205は、液晶中継基板87に接続される。すなわち、ドライバ205は、液晶中継基板87を介してプロジェクタ機構211及びサブ表示装置18に接続される。
サブCPU201は、主制御回路90から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とによって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU201が実行する制御プログラムが記憶される。例えば、制御プログラムには、主制御回路90との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用の乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクを実行するための各種プログラムが含まれる。また、制御プログラムには、決定した演出内容に基づいて表示装置11による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED群85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ群84による音の出力を制御する音声制御タスク等を実行するための各種プログラムも含まれる。
データ記憶領域には、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれる。また、データ記憶領域には、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等も含まれる。
サブRAM202には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路90から送信されるサブフラグ(内部当籤役)等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
サブCPU201、レンダリングプロセッサ203、描画用RAM(フレームバッファを含む)204及びドライバ205は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を表示装置11(プロジェクタ機構211)及び/又はサブ表示装置18に表示させる。なお、表示装置11(プロジェクタ機構211)及びサブ表示装置18は、副制御基板72により、それぞれ個別に制御される。
また、サブCPU201は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ群84により出力させる。また、サブCPU201は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群85の点灯及び消灯を制御する。
<メインCPUが有する各種レジスタ>
次に、図10を参照しながら、メインCPU101が有する各種レジスタについて説明する。なお、図10は、メインCPU101に含まれる各種レジスタの概略構成図である。
メインCPU101は、メイン・レジスタとして、アキュームレータA(以下、「Aレジスタ」という)、フラグ・レジスタF(フラグレジスタ)、汎用レジスタB(以下、「Bレジスタ」という)、汎用レジスタC(以下、「Cレジスタ」という)、汎用レジスタD(以下、「Dレジスタ」という)、汎用レジスタE(以下、「Eレジスタ」という)、汎用レジスタH(以下、「Hレジスタ」という)及び汎用レジスタL(以下、「Lレジスタ」という)を有する。また、メインCPU101は、サブ・レジスタとして、アキュームレータA′、フラグ・レジスタF′、汎用レジスタB′、汎用レジスタC′、汎用レジスタD′、汎用レジスタE′、汎用レジスタH′及び汎用レジスタL′を汎用レジスタとして有する。なお、各レジスタは、1バイトのレジスタで構成される。
また、本実施形態では、BレジスタとCレジスタとをペアレジスタ(以下、「BCレジスタ」という)として用い、DレジスタとEレジスタとをペアレジスタ(以下、「DEレジスタ」という)として用いる。さらに、本実施形態では、HレジスタとLレジスタとをペアレジスタ(以下、「HLレジスタ」という)として用いる。
フラグ・レジスタF,F′の各ビットには、図10に示すように、演算処理の結果等を示す所定のフラグ情報がセットされる。例えばビット6(D6)には、演算結果の判定処理において演算結果が「0」であるか否かを示すデータ(ゼロフラグ)がセットされる。具体的には、演算結果が「0」である場合、ビット6にデータ「1」がセットされ、演算結果が「0」でない場合には、ビット6にデータ「0」がセットされる。そして、演算結果の判定処理では、メインCPU101は、ビット6のデータ「0」/「1」を参照して判定(YES/NO)を行う。
また、メインCPU101は、拡張レジスタQ(以下、「Qレジスタ」という)を有する。Qレジスタは、1バイトのレジスタで構成される。なお、本実施形態では、後述の各種処理フローの中で説明するように、プログラム上において、このQレジスタを用いてアドレス指定を行う各種メインCPU101専用命令コードが設けられており、この命令コードの使用により、処理の効率化やメインROM102の容量削減などを実現している。なお、Qレジスタを用いてアドレス指定を行う各種メインCPU101専用命令コードでは、Qレジスタには、アドレスの上位側のアドレスデータ(アドレス値)が格納される。なお、Qレジスタには、メインCPU101のリセット直後に、初期値として「F0H」がセットされる。また、Qレジスタを用いた「LDQ,n(8ビットデータ)」命令において、「n」に任意の1バイトのデータをセットして該命令を実行することにより、Qレジスタの値を変更することができる。
さらに、メインCPU101は、1バイトのレジスタで構成された、インタラプト・ページアドレス・レジスタI及びメモリ・リフレッシュ・レジスタR、並びに、2バイトのレジスタで構成された、インデックス・レジスタIX、インデックス・レジスタIY、スタックポインタSP及びプログラムカウンタPCを専用レジスタとして有する。
<メインROM及びメインRAMの内部構成(メモリマップ)>
次に、図11A〜図11Cを参照しながら、主制御回路90(マイクロプロセッサ91)に含まれるメインROM102及びメインRAM103の内部構成(以下「メモリマップ」という)について説明する。なお、図11Aは、メモリ全体のメモリマップを示す図であり、図11Bは、メインROM102のメモリマップを示す図であり、図11Cは、メインRAM103のメモリマップを示す図である。
主制御回路90(マイクロプロセッサ91)が備えるメモリ全体のメモリマップでは、図11Aに示すように、アドレスの先頭(0000H)側から、メインROM102のメモリ領域、メインRAM103のメモリ領域、内蔵レジスタエリア及びXCSデコードエリアが、不使用領域を間に挟んでこの順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
メインROM102のメモリマップでは、図11Bに示すように、メインROM102のアドレスの先頭(0000H)側から、プログラムエリア、データエリア、規定外エリア、商標記録エリア、プログラム管理エリア及びセキュリティ設定エリアが、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
なお、プログラムエリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU101により実行される各種処理の制御プログラムが記憶される。データエリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU101により使用される各種データ(例えば、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等)が記憶される。すなわち、プログラムエリアとデータエリアとからなる遊技用ROM領域(遊技用記憶領域)には、遊技店で遊技者が実際に行う遊技の遊技性に関連する制御処理(遊技性に関する処理)に必要な各種プログラム及び各種データが格納される。
また、規定外エリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理(遊技性に影響を与えない処理)の制御プログラム及びデータが記憶される。例えば、パチスロ1の検定試験(試射試験)で使用されるプログラム及びデータ、電断時のチェックサム生成処理や電源復帰時のサムチェック処理などで使用される制御プログラム及びデータ、並びに、不正対策プログラム及びそれに必要なデータ等が、規定外エリアに格納される。
また、プログラム管理エリア及びセキュリティ設定エリアには、制御プログラムの実行、あるいは、セキュリティ機能に関する各種の設定及び管理情報が記憶される。例えば、プログラムエリアに記憶された制御プログラムの開始アドレス及び終了アドレス(すなわち、データ範囲)の設定及び管理情報、読み出し可能なRAM領域のアドレス数の設定及び管理情報、WDTのリセット設定及び管理情報、割込み設定及び管理情報、プログラムエリアに記憶された制御プログラムの読み出しの許可/不許可の設定及び管理情報、乱数回路110の起動、更新方法等に関する設定及び管理情報、並びに、後述のセキュリティモードの設定及び管理情報等が、プログラム管理エリア及びセキュリティ設定エリアに格納される。なお、本実施形態では、プログラム管理エリアにセキュリティ機能に関連しないその他の設定及び管理情報が記憶され、セキュリティ設定エリアにセキュリティ機能に関連する設定及び管理情報が記憶されるものしているが、これに限られるものでなく、例えば、単一の管理エリアとしてこれらの設定及び管理情報が記憶されるようにしてもよい。
メインRAM103のメモリマップでは、図11Cに示すように、メインRAM103のアドレスの先頭(F000H)側から、遊技用RAM領域(所定格納領域、遊技用一時記憶領域)及び規定外RAM領域(規定外一時記憶領域)が、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
遊技用RAM領域には、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する制御プログラムの実行により決定された例えば内部当籤役等の各種データを一時的に格納する作業領域及びスタックエリアが設けられる。そして、各種データのそれぞれは、遊技用RAM領域内の所定アドレスの作業領域に格納される。
また、規定外RAM領域には、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理の作業領域となる規定外作業領域と、規定外スタックとが設けられる。本実施形態では、この規定外RAM領域を使用して、例えばサムチェック処理等の遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理が実行される。
上述のように、本実施形態のパチスロ1では、メインROM102内において、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理に使用される各種プログラム及び各種データ(テーブル)を、遊技用ROM領域とは異なるアドレスに配置された規定外ROM領域(規定外記憶領域)に格納する。また、そのような遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理は、メインRAM103内において、遊技用RAM領域とは異なるアドレスに配置された規定外RAM領域を使用して行われる。
このようなメインROM102の構成では、従来の規則上においてプログラム等の配置不可とされていたROM領域(規定外ROM領域)に、遊技者が実際に行う遊技そのものには不要なプログラム及びデータを配置することができる。それゆえ、本実施形態では、遊技用ROM領域の容量の圧迫を回避することができる。
<セキュリティモード>
次に、図12を参照しながら、主制御回路90(マイクロプロセッサ91)が有するセキュリティ機能の一部である、セキュリティモードについて説明する。なお、図12は、セキュリティモードを説明するための図である。
セキュリティモードは、例えば、パチスロ1の電源が投入され、電源管理回路93からリセット信号が入力されたときに、マイクロプロセッサ91が動作する動作状態である。このセキュリティモード中は、セキュリティ設定エリアに記憶された設定に応じた期間、メインCPU101の起動を遅延させる(すなわち、メインCPU101によって電源投入時の処理(後述の図46参照)の実行が開始されることを遅延させる)。このセキュリティモードを経てメインCPU101が起動することにより、マイクロプロセッサ91のセキュリティ性を担保し、また、電源投入時の起動制御に必要な時間を確保してメインCPU101を安定的に起動させる。
なお、本実施形態では、例えば、リセットコントローラ106が、電源投入時に入力されたリセット信号を所定期間遅延させることによって、メインCPU101の起動を遅延させるようにするここともできるし、割込みコントローラ112が、電源投入時のリセット割込処理(後述の図46参照)の割込許可を所定期間遅延させることによって、メインCPU101の起動を遅延させるようにすることもできる。また、各コントローラが協働してメインCPU101の起動を遅延させるようにすることもできる。また、例えば、マイクロプロセッサ91内(あるいは、リセットコントローラ106若しくは割込みコントローラ112内)に、遅延回路を設け、この遅延回路によってメインCPU101の起動を遅延させるようにすることもできる。すなわち、マイクロプロセッサ91内でセキュリティ機能を実行する構成(セキュリティ部)は、その仕様に応じて適宜変形して適用することができる。
図12に示すように、セキュリティモード中の遅延期間は、固定延長時間(固定期間)とランダム延長時間(可変期間)とが設定可能となっている。本実施形態では、例えば、各々異なる固定延長時間が対応付けられたモード1〜モード8のうち、いずれかのモードを選択して設定することで、複数の固定延長時間の中から一の固定延長時間が設定可能となっているとともに、各々異なるランダム延長時間の範囲が対応付けられたモード1〜モード4のうち、いずれかのモードを選択して設定することで、複数のランダム延長時間の範囲中から一のランダム延長時間の範囲が設定可能となっている。
例えば、固定延長時間として「モード4」、ランダム延長時間として「モード4」が選択され、セキュリティ設定エリアにこれらの設定が記憶されている場合、マイクロプロセッサ91は、パチスロ1の電源が投入され、電源管理回路93からリセット信号が入力されたときに、まず、固定延長時間として約4秒(4000ms)、メインCPU101の起動を遅延させ、次に、ランダム延長時間として0〜500msの範囲の中からランダムに一の延長時間が選択され、当該選択された時間、メインCPU101の起動を遅延させる。
なお、固定延長時間及びランダム延長時間の範囲は適宜設定可能であるが、本実施形態では、パチスロ1の電源投入時に設定変更が可能となるまでの時間を短縮する観点より、ランダム延長時間の範囲としてランダム延長時間が必ず「0」となる「モード1」が設定されることが望ましい。
<遊技状態の遷移フロー>
次に、図13及び図14を参照しながら、本実施形態のパチスロ1の主制御回路90(メインCPU101)により管理される各種遊技状態及びその遷移フローについて説明する。なお、図13は、パチスロ1の基本的な遊技状態の遷移フロー図であり、図14は、報知(AT・ART)機能の作動の有無を考慮した(すなわち、遊技の区間として、通常区間と有利区間とを区別した)遊技状態の遷移フロー図である。
[基本的な遊技状態の遷移フロー]
本実施形態のパチスロ1では、ボーナスゲームの種類として、ビッグボーナス(以下、「BB」と記す)が設けられる。BBは、第一種特別役物と呼ばれるレギュラーボーナス(以下、「RB」と記す)に係る役物連続作動装置であり、RBを連続して作動させる。
それゆえ、本実施形態では、主制御回路90は、ボーナス役の当籤/作動(入賞)の有無に基づいて遊技状態を管理する。具体的には、図13に示すように、主制御回路90は、ボーナス役(後述の名称「F_BB1」,「F_BB2」,「F_BB3」,「F_BB4」の内部当籤役)の当籤/作動(入賞)の有無に基づいて、「ボーナス非当籤状態」、「フラグ間状態」及び「ボーナス状態」と称する3種類の遊技状態を管理する。
なお、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤であり、かつ、ボーナスが作動(入賞)していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。また、本実施形態では、ボーナス役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが入賞するまで複数回の遊技に渡りボーナス役が内部当籤役として持ち越された状態が発生する。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態、すなわち、ボーナス役が当籤し、かつ、ボーナスが作動していない状態である。
なお、ボーナス役の当籤の有無は、メインRAM103に設けられる後述の当り要求フラグ格納領域(後述の図25参照)及び持越役格納領域(後述の図26参照)に格納されるデータに基づいて管理される。また、ボーナスの作動(入賞)の有無は、メインRAM103に設けられる後述の遊技状態フラグ格納領域(後述の図27参照)に格納されるデータに基づいて管理される。
また、本実施形態では、図13に示すように、ボーナスが作動していない遊技状態(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT5遊技状態の6種類の状態(以下、それぞれ「RT0状態」〜「RT5状態」という)が設けられる。なお、RT1状態及びRT4状態は、リプレイ役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT5状態はリプレイ役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT0状態、RT2状態及びRT3状態は、リプレイ役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態である。なお、本実施形態では、ボーナス非当籤状態のRT状態は、RT0状態〜RT4状態のいずれかとなり、フラグ間状態のRT状態はRT5状態となる。
それゆえ、本実施形態では、主制御回路90は、ボーナスが作動していない遊技状態(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、さらに、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率に基づいて、RT0状態〜RT5状態の6種類の状態も管理する。
なお、RT0状態〜RT5状態は、メインRAM103に設けられる後述の遊技状態フラグ格納領域(後述の図27参照)に格納されるデータに基づいて管理される。具体的には、本実施形態のパチスロ1では、RT0状態フラグ〜RT5状態フラグの6つのRT状態を示すフラグが設けられ、これらのフラグのオン/オフ状態をメインRAM103により管理することによりRT状態が管理される。そして、主制御回路90は、オン状態であるRT状態フラグに対応するRT状態を現在のRT状態として特定する。なお、RT0状態フラグを設けないようにし、全てのRT状態フラグがオフ状態である場合には、主制御回路90は、現在のRT状態がRT0状態であると特定するようにしてもよい。
図13に示すように、ボーナス非当籤状態(RT0〜RT4状態)においてボーナス役(後述の名称「F_BB1」,「F_BB2」,「F_BB3」,「F_BB4」の内部当籤役)が内部当籤役として決定されると(図13中、「ボーナス当籤」)、主制御回路90は、遊技状態をボーナス非当籤状態からフラグ間状態(RT5状態)に移行させる。また、フラグ間状態においてボーナス役が入賞すると(図13中、「ボーナス成立」)、主制御回路90は、遊技状態をフラグ間状態からボーナス状態に移行させる。
ここで、ボーナス状態としては、BB1遊技状態(BB1状態)、BB2遊技状態(BB2状態)、BB3遊技状態(BB3状態)、及びBB4遊技状態(BB4状態)が設けられる。なお、主制御回路90は、RT状態と同様に、後述の遊技状態フラグ格納領域(後述の図27参照)に格納されるBB1状態フラグ、BB2状態フラグ、BB3状態フラグ、及びBB4状態フラグのオン/オフ状態によってボーナス状態を管理する。また、後述するように、BB1〜BB4状態中は常にRB遊技状態(RB状態)となることから、これも同様に、後述の遊技状態フラグ格納領域(後述の図27参照)に格納されるRB状態フラグのオン/オフ状態によって管理する。
ボーナス非当籤状態において、後述の名称「F_BB1」が内部当籤役として決定され、フラグ間状態において、対応する図柄の組合せ「C_赤同色BB」が有効ライン上に表示されると、主制御回路90は、遊技状態をフラグ間状態からBB1状態に移行させる。BB1状態では、常にRB状態となり、BB1状態において規定枚数「240」枚を超えるメダルが払い出されると、BB1状態が終了し(図13中、「ボーナス終了」)、主制御回路90は、遊技状態をボーナス状態からRT4状態に移行させる。
また、ボーナス非当籤状態において、後述の名称「F_BB2」が内部当籤役として決定され、フラグ間状態において、対応する図柄の組合せ「C_青同色BB」が有効ライン上に表示されると、主制御回路90は、遊技状態をフラグ間状態からBB2状態に移行させる。BB2状態では、常にRB状態となり、BB2状態において規定枚数「240」枚を超えるメダルが払い出されると、BB2状態が終了し(図13中、「ボーナス終了」)、主制御回路90は、遊技状態をボーナス状態からRT4状態に移行させる。
また、ボーナス非当籤状態において、後述の名称「F_BB3」が内部当籤役として決定され、フラグ間状態において、対応する図柄の組合せ「C_赤異色BB」が有効ライン上に表示されると、主制御回路90は、遊技状態をフラグ間状態からBB3状態に移行させる。BB3状態では、常にRB状態となり、BB3状態において規定枚数「165」枚を超えるメダルが払い出されると、BB3状態が終了し(図13中、「ボーナス終了」)、主制御回路90は、遊技状態をボーナス状態からRT4状態に移行させる。
また、ボーナス非当籤状態において、後述の名称「F_BB4」が内部当籤役として決定され、フラグ間状態において、対応する図柄の組合せ「C_青異色BB」が有効ライン上に表示されると、主制御回路90は、遊技状態をフラグ間状態からBB4状態に移行させる。BB4状態では、常にRB状態となり、BB4状態において規定枚数「165」枚を超えるメダルが払い出されると、BB4状態が終了し(図13中、「ボーナス終了」)、主制御回路90は、遊技状態をボーナス状態からRT4状態に移行させる。
RT4状態において、後述の図柄の組合せ「R_RT1移行目」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT1移行目成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT4状態からRT1状態に移行させる。また、RT4状態において、後述の図柄の組合せ「S_RT3移行目」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT3移行目成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT4状態からRT3状態に移行させる。
RT1状態において、後述の図柄の組合せ「S_RT3移行目」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT3移行目成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT1状態からRT3状態に移行させる。また、RT1状態において、後述の図柄の組合せ「S_RT0移行リプ」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT0移行リプ成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT1状態からRT0状態に移行させる。
RT0状態において、後述の図柄の組合せ「S_RT3移行目」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT3移行目成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT0状態からRT3状態に移行させる。また、RT0状態において、後述の図柄の組合せ「R_RT1移行目」が有効ライン上に表示されるか、後述の図柄の組合せ「S_RT1移行リプ」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT1移行目 RT1移行リプ成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT0状態からRT1状態に移行させる。また、RT0状態において、後述の図柄の組合せ「S_RT2移行リプ」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT2移行リプ成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT0状態からRT2状態に移行させる。なお、設定値が変更された場合、あるいは後述の「RAM異常」などの初期化条件が成立した場合(図13中、「設定変更・初期化条件成立」)には、初期状態として、遊技状態がRT0状態となる。
RT2状態において、後述の図柄の組合せ「S_RT3移行目」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT3移行目成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT2状態からRT3状態に移行させる。また、RT2状態において、後述の図柄の組合せ「R_RT1移行目」が有効ライン上に表示されるか、後述の図柄の組合せ「S_RT1移行リプ」が有効ライン上に表示されると(図13中、「RT1移行目 RT1移行リプ成立」)、主制御回路90は、遊技状態をRT2状態からRT1状態に移行させる。
RT3状態において、予め定められた期間(本実施形態では、「8」ゲーム。すなわち、8回の遊技の間)の遊技が行われると(図13中、「8ゲーム消化」)、主制御回路90は、遊技状態をRT3状態からRT0状態に移行させる。なお、RT3状態が継続する期間は適宜設定可能である。また、RT3状態が継続する期間を特に定めないものとしてもよい。この場合、RT3状態において、後述の図柄の組合せ「S_RT0移行リプ」が有効ライン上に表示され得る内部当籤役が所定の確率で決定されるようにすればよい。
[報知(AT・ART)機能の作動の有無を考慮した遊技状態の遷移フロー]
本実施形態では、主制御回路90(メインCPU101)により、遊技者にとって有利な停止操作を報知する機能(AT・ART機能)の作動の有無が決定される。それゆえ、本実施形態では、上述したボーナス非当籤状態、フラグ間状態、及びボーナス状態のみならず、AT・ART機能の作動/非作動状態も遊技状態として管理する。なお、本実施形態では、AT機能が作動している遊技の区間を「通常有利区間」と称し、ART機能が作動している遊技の区間を「有利区間」と称し、AT機能及びART機能のいずれも作動していない遊技の区間を「非有利区間」あるいは「通常区間」と称する。
また、本実施形態では、有利区間(「通常有利区間」及び「有利区間」を含む)においてボーナス状態となった場合、遊技者にとって一連の有利な遊技の区間であるとして、当該ボーナス状態は有利区間に含まれ、上述した状態表示器の点灯が継続する期間(有利区間中報知期間)となるとともに、有利区間が強制的に終了される(継続が規制される)ための遊技回数が計数される期間(規制監視期間)(本実施形態では、「1500」回の遊技)ともなる。もっとも、後述するように、「非有利区間」においてボーナス状態となった場合、当該ボーナス状態の終了後に「通常有利区間」や「有利区間」に移行する場合があり、この場合には、当該ボーナス状態は上述した期間に含まれるものとする。なお、非有利区間においてボーナス状態となった場合、当該ボーナス状態の終了後に「通常有利区間」や「有利区間」に移行しない場合(「非有利区間」が継続する場合)には、遊技者にとって一連の有利な遊技の区間でないとして、当該ボーナス状態は有利区間に含まれず、当該ボーナス状態は上述した期間に含まれないものとする。もっとも、ボーナス状態はそれ自体で遊技者にとって有利な遊技状態であることから、その前後で「通常有利区間」や「有利区間」となっているか否かにかかわらず、ボーナス状態は常に有利区間に含まれ、上述した期間に含まれるようにすることもできる。
本実施形態のパチスロ1では、図14に示すように、主制御回路90は、非有利区間(通常区間)の遊技状態として「通常状態」、通常有利区間の遊技状態として「高確1状態」〜「高確4状態」及び「本前兆状態」、有利区間の遊技状態として「ラインバトル準備状態」、「ラインバトル状態」、「権利獲得抽籤準備状態」、「権利獲得抽籤状態」、「権利獲得状態」、「エンディング準備状態」、「エンディング1状態」及び「エンディング2状態」を管理する。
(非有利区間(通常区間)の遊技状態)
非有利区間(通常区間)の遊技状態である通常状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT・非ART)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。通常状態において、通常有利区間に移行することが決定されると(図14中、「通常有利区間移行当籤」)、主制御回路90は、その決定契機に応じて、遊技状態を通常有利区間のいずれかの遊技状態に移行させる。なお、通常状態における遊技の流れの詳細は、後述の図33を参照しながら後で説明する。
なお、本実施形態では、通常状態のボーナス非当籤状態において、ボーナス役以外の特定役(後述の図33参照)に当籤した場合、通常有利区間のいずれかの遊技状態(高確4状態以外)に移行することが決定され、各設定値間で同一の当籤確率が設定されているボーナス役を含む内部当籤役(「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」以外)に当籤した場合、通常有利区間の高確4状態に移行することが決定され、また、当該ボーナス役に基づくボーナス状態の終了後、有利区間に移行することが決定されている場合には有利区間のラインバトル状態に移行することが決定され、有利区間に移行することが決定されていない場合には通常有利区間の高確4状態が所定期間(32ゲーム)継続するようになっている。
また、通常状態のボーナス非当籤状態において、各設定値間で異なる当籤確率が設定されているボーナス役を含む内部当籤役(「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」)に当籤した場合、通常有利区間に移行することは決定されず、当該ボーナス役に基づくボーナス状態の終了後、非有利区間の通常状態が継続する。また、通常状態のフラグ間状態においては、いずれの役が内部当籤役として決定された場合にも、通常有利区間に移行することは決定されない。
また、本実施形態では、非有利区間の通常状態から通常有利区間のいずれかの遊技状態に移行した場合、上述した有利区間中報知期間が開始される(すなわち、状態表示器の点灯が開始される)とともに、上述した規制監視期間が開始される(すなわち、一連の有利な遊技の区間が継続する上限となる「1500」回の遊技回数の計数が開始される)。
(通常有利区間の遊技状態)
通常有利区間の各遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知され得る遊技状態(AT)であり、通常状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態である。通常有利区間の各遊技状態において、有利区間に移行することが決定された場合(通常状態においてすでに有利区間に移行することが決定されている場合を含む)であって、通常有利区間が終了した場合(図14中、「通常有利区間終了 有利区間移行当籤」)、主制御回路90は、その決定契機に応じて、遊技状態を有利区間のいずれかの遊技状態に移行させる。また、通常有利区間の各遊技状態において、有利区間に移行することが決定されていない場合であって、通常有利区間が終了した場合(図14中、「通常有利区間終了 有利区間移行非当籤」)、主制御回路90は、遊技状態を非有利区間の通常状態に移行させる。なお、通常有利区間の各遊技状態における遊技の流れの詳細は、後述の図34を参照しながら後で説明する。
通常有利区間の各遊技状態では、主制御回路90は、押し順小役(後述の「F_上段左ベル1」,「F_上段左ベル2」,「F_上段中ベル1」,「F_上段中ベル2」,「F_上段右左ベル1」,「F_上段右左ベル2」,「F_上段右中ベル1」,「F_上段右中ベル2」,「F_中段左ベル1」,「F_中段左ベル2」,「F_中段中ベル1」,「F_中段中ベル2」,「F_中段右左ベル1」,「F_中段右左ベル2」,「F_中段右中ベル1」,「F_中段右中ベル2」,「F_下段中ベル1」,「F_下段中ベル2」,「F_下段右左ベル1」,「F_下段右左ベル2」,「F_下段右中ベル1」,「F_下段右中ベル2」の内部当籤役)のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知するか否かの決定を行い、報知することが決定された場合、遊技者にとって有利な停止操作の情報(すなわち、遊技者が最も多くメダルを得ることができる停止操作の情報)を報知する(後述の図45参照)。
また、通常有利区間の各遊技状態では、主制御回路90は、押し順リプレイ(後述の「F_RT0中リプレイ1」〜「F_RT0中リプレイ6」,「F_RT1中リプレイ1」〜「F_RT1中リプレイ6」,「F_RT2中リプレイ1」〜「F_RT2中リプレイ3」の内部当籤役)のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知するか否かの決定を行わず、遊技者にとって有利な停止操作の情報(すなわち、遊技者にとって有利なRT状態に移行させ、あるいは当該有利なRT状態を維持することができる停止操作の情報)を報知しない(後述の図45参照)。この意味において、RT機能は作動せず(偶発的に押し順が正解したときを除く)、AT機能のみが作動する状態(AT遊技状態)となっている。
ここで、本実施形態では、通常有利区間の各遊技状態において、RT3状態又はRT5状態であるとき(すなわち、後述のRT3移行目が表示されてから8ゲームの間、あるいはフラグ間状態であるとき)には、通常有利区間が終了するまで、押し順小役の押し順報知が行われるようになっている。一方、通常有利区間の各遊技状態において、RT3状態及びRT5状態以外のRT状態であるときには、1回に限り、押し順小役の押し順報知が行われるようになっている。したがって、同じ通常有利区間の遊技状態であっても、RT状態が異なれば、押し順小役の押し順報知が行われる回数も変動するため、それに基づく遊技者の利益も変動するようになっている。
また、本実施形態では、通常有利区間の各遊技状態においてボーナス状態となったとき(より詳細には、通常有利区間中にボーナス役に当籤したとき)には、通常状態においてボーナス状態となったとき(より詳細には、非有利区間中にボーナス役に当籤したとき)と同様、当該ボーナス状態においては、遊技者にとって有利な停止操作の情報(すなわち、遊技者が最も多くメダルを得ることができる停止操作の情報)を報知しない(後述の図45参照)。具体的には、ボーナス状態の押し順小役(後述の「F_JAC1_1」〜「F_JAC1_6」の内部当籤役)のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知するか否かの決定を行わない。
なお、本実施形態では、通常有利区間の各遊技状態のボーナス非当籤状態において、ボーナス役以外の特定役(後述の図34参照)に当籤した場合、通常有利区間中の各遊技状態間でも遊技状態の移行が行われ、また、通常有利区間が継続する期間(ゲーム数)も変動するようになっている。また、ボーナス役に当籤した場合、すでに有利区間に移行することが決定されていなければ、有利区間に移行するか否かが決定され、有利区間に移行することが決定されている場合には有利区間のラインバトル状態に移行することが決定され、有利区間に移行することが決定されていない場合には通常有利区間の高確4状態が継続するようになっている。
ここで、通常有利区間の各遊技状態では、ボーナス役が、各設定値間で同一の当籤確率が設定されているボーナス役を含む内部当籤役(「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」以外)に当籤したことに基づいて当籤した場合のみならず、各設定値間で異なる当籤確率が設定されているボーナス役を含む内部当籤役(「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」)に当籤したことに基づいて当籤した場合であっても、有利区間に移行する否かが決定されるようになっている。すなわち、通常有利区間においては、通常有利区間中の共通処理として、当籤確率に設定差のあるボーナス役を含む内部当籤役が決定されたか否かにかかわらず、ボーナス役に当籤した場合には、有利区間に移行するか否かが決定されるようになっている。この意味においても、通常有利区間の各遊技状態は、非有利区間の遊技状態よりも有利な遊技状態となっている。
また、本実施形態では、通常有利区間の各遊技状態は、上述した有利区間中報知期間中である(すなわち、状態表示器の点灯中である)とともに、上述した規制監視期間中でもある(すなわち、一連の有利な遊技の区間が継続する上限となる「1500」回の遊技回数の計数中である)状態となっている。もっとも、有利区間に移行することなく、通常有利区間が終了した場合には、上述した有利区間中報知期間が終了される(すなわち、状態表示器の点灯が終了され、消灯される)とともに、上述した規制監視期間が終了される(すなわち、一連の有利な遊技の区間が継続する上限となる「1500」回の遊技回数の計数が終了され、計数結果が初期化(クリア)される)。
(有利区間の遊技状態)
有利区間の各遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知され得る遊技状態(ART)であり、通常状態及び通常有利区間の各遊技状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態である。有利区間の各遊技状態では、主制御回路90は、基本的に、上述した押し順小役及び押し順リプレイのいずれかが内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の情報(すなわち、遊技者が最も多くメダルを得ることができ、遊技者にとって有利なRT状態に移行させ、あるいは当該有利なRT状態を維持することができる停止操作の情報)を報知する(後述の図45参照)。この意味において、ART機能が作動する状態(ART遊技状態)となっている。なお、有利区間の各遊技状態において、有利区間が延長(継続)することなく終了した場合(後述の有利区間が強制的に終了される場合を含む)(図14中、「有利区間終了」)、主制御回路90は、遊技状態を非有利区間の通常状態に移行させる。
ここで、有利区間の各遊技状態では、上述した押し順小役及び押し順リプレイの押し順報知が行われる結果、基本的なRT状態としてはRT2状態が対応する(維持される)ようになっている。また、ボーナス状態終了後のRT4状態、後述のRT3移行目が表示されたことに基づくRT3状態、RT3状態終了後のRT0状態を除き、通常有利区間の各遊技状態から有利区間の各遊技状態に移行する場合には、ほとんどの場合、通常有利区間の各遊技状態におけるRT状態がRT1状態に対応するようになっている。したがって、有利区間の遊技状態であるラインバトル準備状態、権利獲得抽籤準備状態、及びエンディング準備状態は、それぞれ、ラインバトル状態、権利獲得抽籤状態、及びエンディング1状態若しくはエンディング2状態に移行することが決定されていて、かつ、RT状態がRT2状態でない場合に、RT状態をRT2状態まで上昇させるための準備状態として位置付けられる。
主制御回路90は、基本的に、ラインバトル準備状態、権利獲得抽籤準備状態、及びエンディング準備状態において、RT状態がRT2状態に移行すると、遊技状態をそれぞれ、ラインバトル状態、権利獲得抽籤状態、及びエンディング1状態若しくはエンディング2状態に移行させる。なお、有利区間の各遊技状態における遊技の流れの詳細は、後述の図35〜図44を参照しながら後で説明する。
ここで、本実施形態では、有利区間の各遊技状態においてボーナス状態となったとき(より詳細には、有利区間中にボーナス役に当籤したとき)には、非有利区間及び通常有利区間とは異なり、当該ボーナス状態においては、遊技者にとって有利な停止操作の情報(すなわち、遊技者が最も多くメダルを得ることができる停止操作の情報)を報知する(後述の図45参照)。具体的には、ボーナス状態の押し順小役(後述の「F_JAC1_1」〜「F_JAC1_6」の内部当籤役)のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の情報が必ず報知される。それゆえ、有利区間においてボーナス状態となったときには、非有利区間及び通常有利区間においてボーナス状態となったときよりも、遊技者に付与される利益が多くなる。この意味においても、有利区間の各遊技状態は、非有利区間及び通常有利区間の各遊技状態よりも有利な遊技状態となっている。
また、本実施形態では、有利区間の各遊技状態は、上述した有利区間中報知期間中である(すなわち、状態表示器の点灯中である)とともに、上述した規制監視期間中でもある(すなわち、一連の有利な遊技の区間が継続する上限となる「1500」回の遊技回数の計数中である)状態となっている。なお、有利区間中(ボーナス状態中を含む)の遊技回数が上限の「1500」回に達することなく、有利区間が終了した場合には、上述した有利区間中報知期間が終了される(すなわち、状態表示器の点灯が終了され、消灯される)とともに、上述した規制監視期間が終了される(すなわち、一連の有利な遊技の区間が継続する上限となる「1500」回の遊技回数の計数が終了され、計数結果が初期化(クリア)される)。また、有利区間中(ボーナス状態中を含む)の遊技回数が上限の「1500」回に達した場合には、有利区間が強制的に終了され(ボーナス状態中である場合には、ボーナス状態のみが継続する)、この場合にも、上述した有利区間中報知期間が終了される(すなわち、状態表示器の点灯が終了され、消灯される)とともに、上述した規制監視期間が終了される(すなわち、一連の有利な遊技の区間が継続する上限となる「1500」回の遊技回数の計数が終了され、計数結果が初期化(クリア)される)。
なお、本実施形態では、有利区間中(ボーナス状態中を含む)の遊技回数が上限の「1500」回に達したことに基づいて、有利区間が強制的に終了される場合、例えば、有利区間中の各遊技状態を継続させることが決定され(継続させるための権利が付与され)、あるいは、有利区間中の各遊技状態の残りの遊技回数が残存している場合であっても、それらは全て初期化(クリア)された上で、非有利区間の通常状態に移行するようになっている。また、有利区間のボーナス状態中であるときに、有利区間が強制的に終了された場合には、当該ボーナス状態における上述した押し順小役の押し順報知も直ちに終了されるようになっている。もっとも、この場合には、例外的に、当該ボーナス状態が終了するまで上述した押し順小役の押し順報知が行われるようにしてもよい。また、規制監視期間に対応する遊技回数も「1500」回に限られず、その値は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、基本的に、上述した通常有利区間及び有利区間に対応する各遊技状態が継続する期間、あるいは各遊技状態が延長される期間(継続する期間)を遊技回数(ゲーム数)により管理しているが、各遊技状態の期間を管理する手法はこれに限られない。例えば、上述した通常有利区間及び有利区間に対応する各遊技状態のうち、一又は複数の遊技状態の期間を、その期間中に払い出されたメダルの払出枚数や、そこからメダルの投入枚数を減じた差枚数(純増数)により管理してもよいし、メダルの払い出しに影響を与える報知(すなわち、上述した押し順小役が当籤した場合の報知)を行った回数(報知回数)により管理してもよい。
<メインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、図15〜図22を参照して、メインROM102に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。なお、図14で説明した遊技性に係る各遊技状態で行われる各種抽籤で用いられる各種データテーブルについては、別途、各遊技性の説明と一緒に後述する。
[図柄配置テーブル]
まず、図15を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rのそれぞれの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配置された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード(図15中の図柄コード表を参照)という)との対応関係を規定する。
図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときに、リール表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定する。そして、各リールにおいて、図柄位置「0」を基準としてリールの回転方向(図15中の図柄位置「19」から図柄位置「0」に向かう方向)に進む順に、図柄カウンタの値に対応する「0」〜「19」が、図柄位置として、各図柄に割り当てられる。
すなわち、図柄カウンタの値(「0」〜「19」)と、図柄配置テーブルとを参照することにより、リール表示窓4の枠内における各リールの上段領域、中段領域及び下段領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。なお、本実施形態では、図柄として、「赤7」、「青7」、「BAR」、「チェリー1」、「チェリー2」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」及び「ブランク」の9種類の図柄を用いる。
また、本実施形態では、図柄コード表に示すように、図柄「赤7」(図柄コード1)には、データとして「00000001」が割り当てられ、図柄「青7」(図柄コード2)には、データとして「00000010」が割り当てられている。図柄「BAR」(図柄コード3)には、データとして「00000011」が割り当てられ、図柄「チェリー1」(図柄コード4)には、データとして「00000100」が割り当てられ、図柄「チェリー2」(図柄コード5)には、データとして「00000101」が割り当てられている。
図柄「ベル」(図柄コード6)には、データとして「00000110」が割り当てられている。図柄「スイカ」(図柄コード7)には、データとして「00000111」が割り当てられ、図柄「リプレイ」(図柄コード8)には、データとして「00001000」が割り当てられ、図柄「ブランク」(図柄コード9)には、データとして「00001001」が割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
次に、図16〜図18を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。なお、図16及び図17は、RT0状態〜RT5状態のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルである。また、図18は、ボーナス状態において参照される内部抽籤テーブルである。
内部抽籤テーブルは、遊技状態(図13参照)毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。なお、抽籤値は、予め設定されたボーナス役や小役等の内部当籤の期待値を調整するための設定値(設定1〜6)毎に規定される。この設定は、例えば、リセットスイッチ76及び設定用鍵型スイッチ54(図7参照)を用いて変更される。
本実施形態の内部抽籤処理では、まず、乱数回路110の乱数レジスタ0により、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)から抽出される乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、抽籤結果が65535を超えた場合、該内部当籤役が当籤したと判定される。なお、本実施形態の内部抽籤処理では、抽出した乱数値に抽籤値を加算して抽籤を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されず、乱数値から抽籤値を減算して、減算結果(抽籤結果)が「0」を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部抽籤の当籤/非当籤を決定してもよい。
それゆえ、本実施形態の内部抽籤処理では、抽籤値として規定されている数値が大きい内部当籤役ほど、決定される確率が高い。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
RT0状態〜RT5状態のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルでは、図16に示すように、基本的には、RT状態の種別に応じて、内部当籤役として決定されるリプレイ役の種別及び当籤確率が変化する。例えば、名称「F_RT0中リプレイ1(No.40)」〜「F_RT0中リプレイ6(No.45)」に係るリプレイ役は、RT0状態以外では内部当籤役として決定されることなく、RT0状態で内部当籤役として決定される。
図16及び図17において、「No.1」〜「No.38」が示す内部当籤役は、ボーナス役とリプレイ役又は小役とが重複して当籤する内部当籤役となっている。例えば、「F_BB1+F_確定リプ(No.1)」は、ボーナス役「F_BB1」と、リプレイ役「F_確定リプ」とが重複して当籤し、ボーナス役「F_BB1」に対応する図柄の組合せ「BB01」(後述の図19〜図22参照)と、リプレイ役「F_確定リプ」に対応する図柄の組合せ「REP01」〜「REP09」(後述の図19〜図22参照)の導出が許容される(入賞が許可される)内部当籤役となっている。
また、図16及び図17において、「No.39」〜「No.60」が示す内部当籤役は、リプレイ役が当籤する内部当籤役となっている。例えば、「F_維持リプ(No.40)」は、リプレイ役「F_維持リプ」が当籤し、リプレイ役「F_維持リプ」に対応する図柄の組合せ「REP02」(後述の図19〜図22参照)の導出が許容される(入賞が許可される)内部当籤役となっている。
また、図16及び図17において、「No.61」〜「No.98」が示す内部当籤役は、小役が当籤する内部当籤役となっている。例えば、「F_チャンス目A1(No.61)」は、小役「F_チャンス目A1」が当籤し、小役「F_チャンス目A1」に対応する図柄の組合せ「NML14」、「NML22」、「NML26」及び「NML30」(後述の図19〜図22参照)の導出が許容される(入賞が許可される)内部当籤役となっている。
なお、図示は省略しているが、「F_チャンス目A1(No.61)」〜「F_チャンス目B4(No.68)」が内部当籤役として決定された場合、後述の「NZR01」(後述の図19〜図22参照)の導出も許容される(停止表示が許可される)ようになる。ここで、「HZR01」は、入賞に係る図柄の組合せではなくはずれの図柄の組合せの一部であるが、遊技状態を他のRT状態からRT3状態に移行させる図柄の組合せ(RT3移行目)として規定された図柄の組合せであり、基本的に「No.61」〜「No.68」が示す内部当籤役のうちのいずれかが決定された場合以外には導出が許容されることがない。それゆえ、「NZR01」は、「No.61」〜「No.68」が示す内部当籤役に対応する図柄の組合せであるともいい得る。
また、同様に、「F_上段左ベル1(No.77)」〜「F_下段右中ベル2(No.98)」が内部当籤役として決定された場合、後述の「NZR02」(後述の図19〜図22参照)の導出も許容される(停止表示が許可される)ようになる。ここで、「HZR02」は、入賞に係る図柄の組合せではなくはずれの図柄の組合せの一部であるが、遊技状態を他のRT状態からRT1状態に移行させる図柄の組合せ(RT1移行目)として規定された図柄の組合せであり、基本的に「No.77」〜「No.98」が示す内部当籤役のうちのいずれかが決定された場合以外には導出が許容されることがない。それゆえ、「NZR02」は、「No.77」〜「No.98」が示す内部当籤役に対応する図柄の組合せであるともいい得る。
なお、本実施形態では、フラグ間状態(RT5状態)、すなわち、すでにボーナス役が内部当籤役として決定されている(持ち越されている)状態では、さらに、ボーナス役が決定されることはない。それゆえ、図16及び図17に示す内部抽籤テーブルにおいて、フラグ間状態(RT5状態)における「No.1」〜「No.38」が示す内部当籤役の抽籤値には「0」が設定されている。もっとも、フラグ間状態(RT5状態)とボーナス非当籤状態(RT0〜RT4状態)とで小役の当籤確率が変動しないように、「No.2」〜「No.10」、「No.12」〜「No.38」が示す内部当籤役において割り当てられていた小役に係る抽籤値は、その分がフラグ間状態(RT5状態)における「No.61」〜「No.68」、「No.72」及び「No.73」が示す内部当籤役の抽籤値に加算されるようになっている。すなわち、「No.61」〜「No.68」、「No.72」及び「No.73」が示す内部当籤役は、フラグ間状態(RT5状態)において当籤確率が高くなるのではなく、ボーナス状態以外の遊技状態間で同一の確率となるようになっている。
また、図16及び図17において、「No.0」は、規定されたいずれの図柄の組合せ(後述の図19〜図22参照)の導出も許容されない「はずれ」を示すものであり、この「はずれ」の割り当て(抽籤値)が高いほど、遊技者にとっては不利となる。なお、RT0状態及びRT2状態では、「はずれ」が決定される場合はない。また、RT5状態では、「はずれ」が決定される確率が「22289/65536」として表記しているが、実際には、いずれかのボーナス役がすでに内部当籤役として決定されている(持ち越されている)状態であることから、その意味において「はずれ」が決定される場合はない。
なお、図16及び図17では、設定値が「1」(設定1)の場合の内部抽籤テーブルを例に挙げて説明しているが、「No.21」、「No.30」、「No.39」及び「No.74」に示す内部当籤役以外の内部当籤役については、各設定値間で共通の抽籤値が設定されている。すなわち、同一の当籤確率となっている。一方、「No.21」、「No.30」、「No.39」及び「No.74」に示す内部当籤役については、各設定値間(あるいは、所定の設定値と特定の設定値との間)で異なる抽籤値が設定されている。すなわち、異なる当籤確率となっている(図16及び図17中、(※1)、(※2)及び(※3)参照)。
具体的には、例えば、「No.21」及び「No.30」に示す内部当籤役は、設定値が「1」の場合、各々「22」という抽籤値が設定されているのに対し、設定値が「6」の場合、各々「77」という抽籤値が設定される(すなわち、設定値が高くなるのにしたがって、「No.21」及び「No.30」に示す内部当籤役では抽籤値が「11」ずつ増加している)。なお、図示は省略しているが、フラグ間状態(RT5状態)では、「No.21」、及び「No.30」に示す内部当籤役に設定される抽籤値が増加するのにしたがって、「No.72」に示す内部当籤役に設定される抽籤値も増加する。
また、例えば、「No.74」に示す内部当籤役は、設定値が「1」、「3」及び「5」の場合よりも、設定値が「2」、「4」及び「6」の場合のほうが相対的に抽籤値が高くなるように設定されるとともに、設定値が高くなるのにしたがって抽籤値が増加するように設定される。
また、例えば、「No.39」に示す内部当籤役は、設定値が「1」、「3」及び「5」の場合よりも、設定値が「2」、「4」及び「6」の場合のほうが相対的に抽籤値が低くなるように設定されるとともに、設定値が高くなるのにしたがって抽籤値が減少するように設定される。これは、「No.21」、「No.30」及び「No.74」に示す内部当籤役の抽籤値の増加分を調整するためである。したがって、例えば、RT0状態及びRT2状態において、「はずれ」が決定される確率が変動することはなく「0」が維持される。なお、これらは、設定値間で、特定の内部当籤役の当籤確率を異ならせる一例である。
図18において、「No.1」〜「No.7」が示す内部当籤役は、小役が当籤する内部当籤役となっており、当籤した場合には、図18に示した対応する図柄の組合せの導出が許容される(入賞が許可される)ようになる。なお、本実施形態では、RB状態(すなわち、BB1〜BB4状態)において、リプレイ役が内部当籤役として決定されないように構成されているが、図16及び図17に示したリプレイ役のうち、一又は複数のリプレイ役が内部当籤役として決定されるようにしてもよい。
[図柄組合せテーブル]
次に、図19〜図22を参照して、本実施形態における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。なお、本実施形態では、複数の図柄の組合せを予め規定するデータとして、図柄組合せテーブルを設けることを例に挙げて説明しているが、主制御回路90側で表示される図柄の組合せが識別可能な態様であれば、他の手法によってデータを規定することもできる。例えば、図柄コードの組合せを定め、これにより表示される図柄の組合せを識別可能としてもよい。
図柄組合せテーブルは、図19〜図22に示すように、複数の図柄の組合せを予め規定しており、これらの図柄の組合せの種別を示すデータを、表示役(入賞作動フラグ)として規定している。また、図柄組合せテーブルは、当り要求フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域(後述の図25参照)、及び図柄コード格納領域(後述の図30参照)と対応するように、9バイトのデータで構成されるとともに、各格納領域の各ビットに異なる表示役(入賞作動フラグ)を示すデータを規定している。
なお、図19〜図22においては、規定される図柄の組合せ内で「/」が付された箇所があるが、これは、表記された図柄のうちいずれの図柄でもその図柄の組合せを構成することを示す。例えば、「HZR01」の組合せは、左リールの図柄が「チェリー1」、中リールの図柄が「チェリー1」、右リールの図柄が「チェリー1」である図柄の組合せ(すなわち、「チェリー1−チェリー1−チェリー1」)と、左リールの図柄が「チェリー2」、中リールの図柄が「チェリー1」、右リールの図柄が「チェリー1」である図柄の組合せ(すなわち、「チェリー2−チェリー1−チェリー1」)と、が対応する図柄の組合せであることを示している。
表示役(入賞作動フラグ)「HZR01」は、はずれの図柄組合せであるが、当該図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、RT状態を他のRT状態からRT3状態に移行させる図柄の組合せ(「RT3移行目」)として規定された図柄の組合せである。
表示役(入賞作動フラグ)「HZR02」は、はずれの図柄組合せであるが、当該図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、RT状態を他のRT状態からRT1状態に移行させる図柄の組合せ(「RT1移行目」)として規定された図柄の組合せである。
表示役(入賞作動フラグ)「BB01」、「BB02」、「BB03」及び「BB04」は、ボーナス役に係る図柄の組合せであり、各々の図柄の組合せが表示有効ライン上に表示された場合に、対応するボーナス状態を作動させる。
表示役(入賞作動フラグ)「REP01」〜「REP06」は、リプレイ役に係る図柄の組合せであり、これらのうちのいずれかの図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、再遊技を作動させる。なお、「REP01」の図柄の組合せは、「平行リプ」あるいは「直線リプ」と称することができ、「REP02」の図柄の組合せは、「通常リプ」と称することができ、「REP03」の図柄の組合せは、「被弾リプ」と称することができ、「REP04」の図柄の組合せは、「特殊リプ」と称することができ、「REP05」の図柄の組合せは、「フェイクリプ」と称することができ、「REP06」の図柄の組合せは、「BAR揃いリプ」と称することができる。
表示役(入賞作動フラグ)「REP07」は、リプレイ役に係る図柄の組合せであり、当該図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、再遊技を作動させるとともに、RT状態を他のRT状態(例えば、RT1状態)からRT0状態に移行させる図柄の組合せ(「RT0移行リプ」)として規定された図柄の組合せである。
表示役(入賞作動フラグ)「REP08」は、リプレイ役に係る図柄の組合せであり、当該図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、再遊技を作動させるとともに、RT状態を他のRT状態(例えば、RT0状態及びRT2状態)からRT1状態に移行させる図柄の組合せ(「RT1移行リプ」)として規定された図柄の組合せである。
表示役(入賞作動フラグ)「REP09」は、リプレイ役に係る図柄の組合せであり、当該図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、再遊技を作動させるとともに、RT状態を他のRT状態(例えば、RT0状態)からRT2状態に移行させる図柄の組合せ(「RT2移行リプ」)として規定された図柄の組合せである。
表示役(入賞作動フラグ)「NML01」は、小役に係る図柄の組合せであり、当該図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、8枚のメダルが払い出される。なお、「NML01」の図柄の組合せは、「ベル」の図柄の組合せと称することができる。
表示役(入賞作動フラグ)「NML02」〜「NML13」は、小役に係る図柄の組合せであり、これらのうちのいずれかの図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、1枚のメダルが払い出される。なお、「NML02」〜「NML13」の図柄の組合せは、「打順役」の図柄の組合せと総称することができる。
表示役(入賞作動フラグ)「NML14」〜「NML30」は、小役に係る図柄の組合せであり、これらのうちのいずれかの図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、1枚のメダルが払い出される。なお、「NML14」〜「NML30」の図柄の組合せは、「チャンス役」の図柄の組合せと総称することができる。
表示役(入賞作動フラグ)「NML31」〜「NML33」は、小役に係る図柄の組合せであり、これらのうちのいずれかの図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、5枚のメダルが払い出される。なお、「NML31」〜「NML33」の図柄の組合せは、「特殊役」の図柄の組合せと総称することができる。
表示役(入賞作動フラグ)「NML34」は、小役に係る図柄の組合せであり、当該図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、8枚のメダルが払い出される。なお、「NML34」の図柄の組合せは、「クロスダウンベル」の図柄の組合せと称することができる。
表示役(入賞作動フラグ)「NML35」は、小役に係る図柄の組合せであり、当該図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、5枚のメダルが払い出される。なお、「NML35」の図柄の組合せは、「スイカ」の図柄の組合せと称することができる。
表示役(入賞作動フラグ)「NML36」及び「NML37」は、小役に係る図柄の組合せであり、これらのうちのいずれかの図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、8枚のメダルが払い出される。なお、「NML36」及び「NML37」の図柄の組合せは、「JACA」の図柄の組合せと総称することができる。
表示役(入賞作動フラグ)「NML38」〜「NML40」は、小役に係る図柄の組合せであり、これらのうちのいずれかの図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、2枚のメダルが払い出される。なお、「NML38」〜「NML40」の図柄の組合せは、「JACB」の図柄の組合せと総称することができる。
なお、本実施形態では、一の表示役(入賞作動フラグ)を示すデータとして、複数の図柄の組合せ(コンビネーション)が割り当てられるものが含まれる例について説明しているが、一の表示役(入賞作動フラグ)を示すデータには、一の図柄の組合せ(コンビネーション)のみが割り当てられるようにデータを構成することもできる。
[内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役等との対応関係]
次に、図23及び図24を参照して、内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役等との対応について説明する。
本実施形態のパチスロ1では、遊技者の停止操作順序(押し順)に応じて表示される図柄組合せが異なる役、いわゆる「押し順役」(例えば、上述した「押し順小役」や「押し順リプレイ」)を設ける。なお、リール3L,3C,3Rに対応するストップボタン17L,17C,17Rが設けられているため、最大6通りの停止操作順序(押し順)がある。
図23及び図24においては、停止操作順序(押し順)が「左、中、右」の順であることを「打順1」として示し、停止操作順序(押し順)が「左、右、中」の順であることを「打順2」として示し、停止操作順序(押し順)が「中、左、右」の順であることを「打順3」として示し、停止操作順序(押し順)が「中、右、左」の順であることを「打順4」として示し、停止操作順序(押し順)が「右、左、中」の順であることを「打順5」として示し、停止操作順序(押し順)が「右、中、左」の順であることを「打順6」として示している。
図23及び図24に示すように、「F_確定リプ」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「特殊リプ」が成立する。なお、停止操作のタイミングに応じて、当籤しているその他のリプレイ役のうちいずれかが成立するようにしてもよい。
ここで、「停止操作のタイミングにかかわらず」とは、有効ラインを「センターライン」、「トップライン」及び「ボトムライン」の3ラインとし、最大滑り駒数を「4」としたときに、最大滑り駒数の範囲内で、対応する図柄がいずれかの有効ライン上に停止表示可能となるように配置されている(例えば、図柄5個分の範囲内で配置されている)ことを意味するものである。なお、例えば、左リール3Lにおいて、「チェリー1」の図柄は、最大滑り駒数の範囲内で停止表示されない箇所(例えば、図柄位置「10」〜「12」が中段にあるタイミングで停止操作が行われたとき)もあるが、その箇所で停止操作が行われた場合には「チェリー2」の図柄が停止表示され得るように、図柄位置「13」に「チェリー2」の図柄が配置されている。したがって、内部当籤役が決定される際に、これに対応する図柄の組合せを構成する図柄として、例えば、「チェリー1」と「チェリー2」の図柄が停止表示されることを重複して許可することにより、全体としては最大滑り駒数の範囲内で、対応する図柄がいずれかの有効ライン上に停止表示可能となっている場合も、「停止操作のタイミングにかかわらず」当該図柄の組合せが成立するといえる。以下、他の表示役(入賞作動フラグ)等においても同様である。もっとも、押し順役にあっては、停止操作順序に基づいて優先的に停止制御される図柄の組合せが変動することから、上述したように図柄が配置されていたとしても、停止操作順序の種別によってその図柄が有効ライン上に停止表示されない場合もある。
「F_維持リプ」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「通常リプ」のうちいずれかが成立する。
「F_RT0中リプレイ1」は、押し順役であり、RT0状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順1」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT2移行リプ」が成立し、RT状態がRT2状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順1」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_RT0中リプレイ2」は、押し順役であり、RT0状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順2」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT2移行リプ」が成立し、RT状態がRT2状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順2」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_RT0中リプレイ3」は、押し順役であり、RT0状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順3」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT2移行リプ」が成立し、RT状態がRT2状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順3」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_RT0中リプレイ4」は、押し順役であり、RT0状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順4」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT2移行リプ」が成立し、RT状態がRT2状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順4」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_RT0中リプレイ5」は、押し順役であり、RT0状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順5」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT2移行リプ」が成立し、RT状態がRT2状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順5」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_RT0中リプレイ6」は、押し順役であり、RT0状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順6」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT2移行リプ」が成立し、RT状態がRT2状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順6」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_RT1中リプレイ1」は、押し順役であり、RT1状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順1」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT0移行リプ」が成立し、RT状態がRT0状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順1」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT0移行リプ」以外のリプレイ役のうちいずれかが成立し、RT状態がRT0状態に移行せず、RT1状態が維持される(維持リプ)。なお、停止操作順序が「打順5」及び「打順6」のとき、他の「維持リプ」よりも「フェイクリプ」が優先的に停止するように停止制御が行われる。すなわち、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば「フェイクリプ」が成立し、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ他の「維持リプ」が成立するようになっている。これは、「F_RT1中リプレイ2」及び「F_RT1中リプレイ3」においても同様である。
「F_RT1中リプレイ2」は、押し順役であり、RT1状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順2」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT0移行リプ」が成立し、RT状態がRT0状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順2」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT0移行リプ」以外のリプレイ役のうちいずれかが成立し、RT状態がRT0状態に移行せず、RT1状態が維持される(維持リプ)。
「F_RT1中リプレイ3」は、押し順役であり、RT1状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順3」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT0移行リプ」が成立し、RT状態がRT0状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順3」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT0移行リプ」以外のリプレイ役のうちいずれかが成立し、RT状態がRT0状態に移行せず、RT1状態が維持される(維持リプ)。
「F_RT1中リプレイ4」は、押し順役であり、RT1状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順4」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT0移行リプ」が成立し、RT状態がRT0状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順4」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT0移行リプ」以外のリプレイ役のうちいずれかが成立し、RT状態がRT0状態に移行せず、RT1状態が維持される(維持リプ)。
「F_RT1中リプレイ5」は、押し順役であり、RT1状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順5」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT0移行リプ」が成立し、RT状態がRT0状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順5」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT0移行リプ」以外のリプレイ役のうちいずれかが成立し、RT状態がRT0状態に移行せず、RT1状態が維持される(維持リプ)。
「F_RT1中リプレイ6」は、押し順役であり、RT1状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順6」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT0移行リプ」が成立し、RT状態がRT0状態に移行する。一方、停止操作順序が「打順6」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT0移行リプ」以外のリプレイ役のうちいずれかが成立し、RT状態がRT0状態に移行せず、RT1状態が維持される(維持リプ)。
なお、本実施形態では、「RT0移行リプ」が成立するとき、同時に「RT1移行リプ」も成立する場合があるが、この場合、主制御回路90は、「RT0移行リプ」の成立を「RT1移行リプ」の成立よりも優先して判断する。すなわち、「RT0移行リプ」と「RT1移行リプ」が同時に成立した場合には、「RT0移行リプ」が成立したと判断してRT状態をRT0状態に移行させ、「RT1移行リプ」が成立したとは判断しない。
「F_RT2中リプレイ1」は、押し順役であり、RT2状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順1」及び「打順2」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT1移行リプ」以外のリプレイ役(例えば、「通常リプ」)が成立し、RT状態がRT1状態に移行せず、RT2状態が維持される(維持リプ)。一方、停止操作順序が「打順1」及び「打順2」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_RT2中リプレイ2」は、押し順役であり、RT2状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順3」及び「打順4」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT1移行リプ」以外のリプレイ役(例えば、「通常リプ」)が成立し、RT状態がRT1状態に移行せず、RT2状態が維持される(維持リプ)。一方、停止操作順序が「打順3」及び「打順4」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_RT2中リプレイ3」は、押し順役であり、RT2状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順5」及び「打順6」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「RT1移行リプ」以外のリプレイ役(例えば、「通常リプ」)が成立し、RT状態がRT1状態に移行せず、RT2状態が維持される(維持リプ)。一方、停止操作順序が「打順5」及び「打順6」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「RT1移行リプ」が成立し、RT状態がRT1状態に移行する。
「F_上段リプ」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「平行リプ」がトップラインで成立する(すなわち、「リプレイ」の図柄が各リールの上段に一直線に表示される「上段リプ」となる)。
「F_中段リプ1」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「平行リプ」がセンターラインで成立する(すなわち、「リプレイ」の図柄が各リールの中段に一直線に表示される「中段リプ」となる)。
「F_中段リプ2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順1」〜「打順4」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「中段リプ」が成立し、停止操作順序が「打順1」〜「打順4」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば「フェイクリプ」が成立し、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ「中段リプ」が成立する。なお、いずれのリプレイ役が成立しても遊技状態の移行は行われないことから、「F_中段リプ2」は、押し順役であるが、停止操作順序によって遊技者の利益は変動しない内部当籤役である。
「F_中段リプ3」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順1」及び「打順2」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「中段リプ」が成立し、停止操作順序が「打順1」及び「打順2」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば「BAR揃いリプ」が成立し、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ「中段リプ」が成立する。なお、いずれのリプレイ役が成立しても遊技状態の移行は行われないことから、「F_中段リプ3」は、押し順役であるが、停止操作順序によって遊技者の利益は変動しない内部当籤役である。
「F_下段リプ」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「平行リプ」がボトムラインで成立する(すなわち、「リプレイ」の図柄が各リールの下段に一直線に表示される「下段リプ」となる)。
「F_被弾リプ」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「被弾リプ」がセンターラインで成立する(すなわち、「リプレイ」の図柄が左リール3L及び中リール3Cの中段に一直線に表示されるものの、右リール3Rでは中段に表示されないように成立する)。
「F_JAC1_1」は、押し順役であり、RB状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順1」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」及び当籤している「JACA」のうちいずれかが成立し、15枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順1」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「JACB」全てが成立し(すなわち、「S_JACB1」、「C_JACB2」及び「S_JACB3」のそれぞれが同時に有効ライン上に表示され)、6枚のメダルが払い出される。
なお、「ベル」と「JACA」は、それぞれ8枚のメダルが払い出される図柄の組合せとなっているため、上述のように同時に成立した場合、本来は「8+8=16枚」のメダルが払い出されることになるが、本実施形態では、1回の遊技で払出可能なメダルの上限を「15」枚として定め、15枚を超える分の入賞が発生した場合であっても15枚のメダルを払い出すようにしている。これは、「F_JAC1_2」〜「F_JAC1_6」においても同様である。
「F_JAC1_2」は、押し順役であり、RB状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順2」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」及び当籤している「JACA」のうちいずれかが成立し、15枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順2」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「JACB」全てが成立し(すなわち、「S_JACB1」、「C_JACB2」及び「S_JACB3」のそれぞれが同時に有効ライン上に表示され)、6枚のメダルが払い出される。
「F_JAC1_3」は、押し順役であり、RB状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順3」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」及び当籤している「JACA」のうちいずれかが成立し、15枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順3」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「JACB」全てが成立し(すなわち、「S_JACB1」、「C_JACB2」及び「S_JACB3」のそれぞれが同時に有効ライン上に表示され)、6枚のメダルが払い出される。
「F_JAC1_4」は、押し順役であり、RB状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順4」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」及び当籤している「JACA」のうちいずれかが成立し、15枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順4」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「JACB」全てが成立し(すなわち、「S_JACB1」、「C_JACB2」及び「S_JACB3」のそれぞれが同時に有効ライン上に表示され)、6枚のメダルが払い出される。
「F_JAC1_5」は、押し順役であり、RB状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順5」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」及び当籤している「JACA」のうちいずれかが成立し、15枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順5」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「JACB」全てが成立し(すなわち、「S_JACB1」、「C_JACB2」及び「S_JACB3」のそれぞれが同時に有効ライン上に表示され)、6枚のメダルが払い出される。
「F_JAC1_6」は、押し順役であり、RB状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順6」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」及び当籤している「JACA」のうちいずれかが成立し、15枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順6」以外であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「JACB」全てが成立し(すなわち、「S_JACB1」、「C_JACB2」及び「S_JACB3」のそれぞれが同時に有効ライン上に表示され)、6枚のメダルが払い出される。
なお、本実施形態では、RB状態において、押し順が正解した場合(遊技者に有利な停止操作の手順で停止操作が行われた場合)に、「ベル」と「JACA」が重複して入賞することで15枚のメダルが払い出されるようにしているが、これに限られず、例えば、「JACA」のメダルの払出枚数を「15」枚として定め、押し順が正解した場合に、当籤している「JACA」のうちいずれかが成立することで、15枚のメダルが払い出されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、RB状態において、押し順が正解しなかった場合(遊技者に有利な停止操作の手順で停止操作が行われなかった場合)に、複数の「JACB」が重複して入賞することで6枚(2枚×3ライン)のメダルが払い出されるようにしているが、これに限られず、例えば、「JACB」のメダルの払出枚数を「6」枚として定め、押し順が正解しなかった場合に、当籤している「JACB」のうちいずれかが成立することで、6枚のメダルが払い出されるようにしてもよい。
「F_JAC2」は、押し順役でなく、RB状態において内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」及び当籤している「JACA」のうちいずれかが成立し、15枚のメダルが払い出される。なお、これも同様に、例えば、「JACA」のメダルの払出枚数を「15」枚として定め、当籤している「JACA」のうちいずれかが成立することで、15枚のメダルが払い出されるようにしてもよい。
「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、「チャンス役」の取りこぼしが発生し、「RT3移行目」が有効ライン上に表示される。この場合、メダルの払い出しはないが、RT状態がRT3状態に移行する可能性があるため、「チャンス役」を取りこぼして「RT3移行目」を表示させる停止操作を行ったほうが遊技者にとって有利となる可能性が高い。ここでは、その意味において、「チャンス役」の取りこぼしを発生させたほうが「適切な」停止操作のタイミングであると説明している。一方、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、当籤している「チャンス役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出されるものの、RT状態はRT3状態に移行することはない。
ここで、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、停止操作のタイミングが適切なタイミングであるか否かは、例えば、第3停止操作時の停止操作のタイミングに基づいて定められる。具体的には、第3停止操作時における全ての停止操作のタイミングのうちの3/4のタイミングが適切なタイミングとして定められ、当該タイミングで停止操作がなされた場合には「RT3移行目」が成立し、残りの1/4のタイミングで停止操作がなされた場合には、停止操作のタイミングが適切でないとして「チャンス役」が成立するようになっている。なお、このような停止操作のタイミングは、原則として、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」間で少なくとも一部が異なるようになっているものを含んでいる。したがって、どの内部当籤役に当籤したかによって、適切なタイミングも異ならせることができ、停止操作に関する遊技の興趣を向上させることが可能となっている。
なお、本実施形態では、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」が内部当籤役として決定された場合、停止操作のタイミングに応じて、「RT3移行目」又は「チャンス役」が成立するものとしているが、これに限られない。例えば、正解となる押し順で停止操作が行われた場合に「RT3移行目」が成立し、正解となる押し順で停止操作が行われなかった場合に「チャンス役」が成立するようにしてもよい。また、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「RT3移行目」が成立するようにしてもよい。この場合、「RT3移行目」をメダルの払い出しがある(例えば、1枚のメダルが払い出される)図柄の組合せとして定義するようにしてもよい。
「F_弱レア役A」及び「F_弱レア役B」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「チャンス役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出される。なお、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」と同様に、停止操作のタイミングに応じて「チャンス役」の取りこぼしが発生し得るようにしてもよい。この場合、「RT3移行目」が表示されないようにすればよい。本実施形態では、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」のいずれかに当籤した場合であって、停止操作のタイミングが適切でなく「チャンス役」が表示される場合と、「F_弱レア役A」及び「F_弱レア役B」のいずれかに当籤した場合であって、「チャンス役」が表示される場合と、があることから、内部当籤役及び停止操作態様によって、ボーナス役重複当籤の期待感やRT3移行の期待感を変動させることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となっている。
「F_スイカ1」及び「F_スイカ2」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「スイカ」が成立し、5枚のメダルが払い出される。なお、停止操作のタイミングに応じて「スイカ」の取りこぼしが発生し得るようにしてもよい。
「F_確定役」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、当籤している「特殊役」全てが成立し(すなわち、「S_特殊役1」、「C_特殊役2」及び「S_特殊役3」のそれぞれが同時に有効ライン上に表示され)、15枚のメダルが払い出される。なお、例えば、「特殊役」のメダルの払出枚数を「15」枚として定め、当籤している「特殊役」のうちいずれかが成立することで、15枚のメダルが払い出されるようにしてもよい。
「F_特殊ベル」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「クロスダウンベル」が成立し、8枚のメダルが払い出される。
「F_上段共通ベル」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がトップラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの上段に一直線に表示される「上段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。
「F_中段共通ベル」は、押し順役でなく、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がセンターラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの中段に一直線に表示される「中段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。
なお、本実施形態では、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がボトムラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの下段に一直線に表示される「下段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される、例えば、「F_下段共通ベル」の内部当籤役を設けていないが、この「F_下段共通ベル」の内部当籤役を設け、ボーナス状態以外の遊技状態において、所定の確率で当籤するように構成することもできる。
「F_上段左ベル1」及び「F_上段左ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順1」及び「打順2」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がトップラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの上段に一直線に表示される「上段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順1」及び「打順2」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_上段中ベル1」及び「F_上段中ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順3」及び「打順4」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がトップラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの上段に一直線に表示される「上段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順3」及び「打順4」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_上段右左ベル1」及び「F_上段右左ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順5」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がトップラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの上段に一直線に表示される「上段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順5」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_上段右中ベル1」及び「F_上段右中ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順6」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がトップラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの上段に一直線に表示される「上段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順6」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
なお、本実施形態では、押し順が正解したときに「上段ベル」となる押し順小役として、「打順1」及び「打順2」(すなわち、左第1停止)が正解となる「F_上段左ベル1」及び「F_上段左ベル2」と、「打順3」及び「打順4」(すなわち、中第1停止)が正解となる「F_上段中ベル1」及び「F_上段中ベル2」と、「打順5」が正解となる「F_上段右左ベル1」及び「F_上段右左ベル2」と、「打順6」が正解となる「F_上段右中ベル1」及び「F_上段右中ベル2」と、が設けられている。すなわち、最大6通り(6択)の押し順のうちで、正解となる押し順が4通り(4択)となるように規定されているが、これは、押し順小役において正解となる押し順の一例であり、正解となる押し順のパターン(択数)はこれに限られない。
例えば、正解となる押し順が6通り(6択)となるように規定してもよいし、3通り(3択)となるように規定してもよい。3通り(3択)とする場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)、中第1停止(「打順3」及び「打順4」)、及び右第1停止(「打順5」及び「打順6」)のうちいずれかが正解の押し順となるように、「上段ベル」に係る内部当籤役を構成すればよい。上述した「RT0移行リプ」〜「RT2移行リプ」に係る内部当籤役、以下に示す、「中段ベル」に係る内部当籤役、及び「下段ベル」に係る内部当籤役についても同様である。すなわち、押し順役において、正解となる押し順のパターン(択数)は適宜設定することができ、そのパターン(択数)は、図23及び図24で説明したものに限られない。
「F_中段左ベル1」及び「F_中段左ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順1」及び「打順2」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がセンターラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの中段に一直線に表示される「中段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順1」及び「打順2」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_中段中ベル1」及び「F_中段中ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順3」及び「打順4」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がセンターラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの中段に一直線に表示される「中段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順3」及び「打順4」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_中段右左ベル1」及び「F_中段右左ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順5」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がセンターラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの中段に一直線に表示される「中段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順5」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_中段右中ベル1」及び「F_中段右中ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順6」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がセンターラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの中段に一直線に表示される「中段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順6」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_下段中ベル1」及び「F_下段中ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順3」及び「打順4」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がボトムラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの下段に一直線に表示される「下段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順3」及び「打順4」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_下段右左ベル1」及び「F_下段右左ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順5」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がボトムラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの下段に一直線に表示される「下段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順5」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
「F_下段右中ベル1」及び「F_下段右中ベル2」は、押し順役であり、内部当籤役として決定された場合に、停止操作順序が「打順6」であれば、停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がボトムラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの下段に一直線に表示される「下段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。一方、停止操作順序が「打順6」以外であり、停止操作のタイミングが適切なタイミングであれば、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、1枚のメダルが払い出され、停止操作のタイミングが適切なタイミングでなければ、「RT1移行目」が成立し(RT1移行)、メダルは払い出されない。この場合、RT状態がRT0状態、RT2状態及びRT4状態であれば、RT1状態に移行する。
なお、本実施形態では、「F_上段左ベル1」〜「F_下段右中ベル2」のいずれかが内部当籤役として決定された場合であって、正解となる押し順で停止操作が行われなかった場合に、停止操作のタイミングが適切なタイミングであるか否かは、例えば、第3停止操作時の停止操作のタイミングに基づいて定められる。具体的には、第3停止操作時における全ての停止操作のタイミングのうちの1/2のタイミングが適切なタイミングとして定められ、当該タイミングで停止操作がなされた場合には、当籤している「打順役」のうちいずれかが成立し、残りの1/2のタイミングで停止操作がなされた場合には、停止操作のタイミングが適切でないとして「RT1移行目」が成立するようになっている。
また、本実施形態では、「F_上段左ベル1」〜「F_上段右中ベル2」のいずれかが内部当籤役として決定された場合であって、フラグ間状態(RT5状態)であるときには、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がトップラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの上段に一直線に表示される「上段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。また、「F_中段左ベル1」〜「F_中段右中ベル2」のいずれかが内部当籤役として決定された場合であって、フラグ間状態(RT5状態)であるときには、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がセンターラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの中段に一直線に表示される「中段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。また、「F_下段中ベル1」〜「F_下段右中ベル2」のいずれかが内部当籤役として決定された場合であって、フラグ間状態(RT5状態)であるときには、停止操作順序、及び停止操作のタイミングにかかわらず、「ベル」がボトムラインで成立し(すなわち、「ベル」の図柄が各リールの下段に一直線に表示される「下段ベル」となり)、8枚のメダルが払い出される。
すなわち、フラグ間状態(RT5状態)であるときには、押し順小役が押し順役ではなくなる(押し順役が不問となる)ようになっている。もっとも、必ずしもこのように構成する必要はなく、フラグ間状態(RT5状態)であるときにも、上述したように正解となる押し順であれば8枚のメダルが払い出される図柄の組合せ(「上段ベル」、「中段ベル」又は「下段ベル」)が停止表示され、正解となる押し順でなければ、停止操作のタイミングが適切であれば1枚のメダルが払い出される「打順役」が停止表示され、停止操作のタイミングが適切でなければ取りこぼしが発生するようにしてもよい。この場合、「RT1移行目」が表示されても遊技状態がRT1状態には移行しないことから、「RT1移行目」を表示させないようにしてもよい。
また、本実施形態では、リプレイ役又は小役とボーナス役とが重複して内部当籤役として決定される場合(ボーナス役が持ち越されている場合を含む)、ボーナス役よりもリプレイ役又は小役を優先的に成立させる停止制御が行われるが、リプレイ役又は小役よりもボーナス役を優先的に成立させる停止制御が行われるようにしてもよい。
ここで、本実施形態のパチスロ1におけるリールの停止制御(停止図柄位置の決定手法)について簡単に説明する。本実施形態では、ストップスイッチにより停止操作が検出された後、該当するリールの回転が190msec以内に停止するようにリールの停止制御が行われる。具体的には、停止操作が検出されたときの該当リールに応じた図柄カウンタの値に、滑り駒数「0」〜「4」のうちの何れかを加算し、得られた値に対応する図柄位置を、リールの回転が停止する図柄位置(以下、「停止予定位置」という)として決定する。なお、停止操作が検出されたときの該当リールに応じた図柄カウンタの値に対応する図柄位置は、リールの回転の停止が開始される図柄位置(以下、「停止開始位置」という)である。
すなわち、滑り駒数は、ストップスイッチにより停止操作が検出されてから該当するリールの回転が停止するまでのリールの回転量である。言い換えれば、ストップスイッチにより停止操作が検出されてから該当するリールの回転が停止するまでの期間において、リール表示窓4の該当するリールの中段領域を通過する図柄の数である。これは、ストップスイッチにより停止操作が検出されてから更新された図柄カウンタの値により把握される。
図示しない停止テーブルを参照すると、各リールの停止開始位置に応じて滑り駒数が取得される。なお、本実施形態では、停止テーブルに基づいて滑り駒数が取得されるが、これは仮のものであり、取得した滑り駒数が直ちにリールの停止予定位置が決定されるものではない。本実施形態では、停止テーブルに基づいて取得された滑り駒数(以下、「滑り駒数決定データ」という)より適切な滑り駒数が存在する場合には、図示しない引込優先順位テーブルを参照して滑り駒数を変更する。そして、滑り駒数決定データは、停止開始位置から最大滑り駒数である4個先の図柄位置までの各図柄について、優先順位の比較を行う際の検索順序を決定するために参照される。
本実施形態のリール停止制御では、まず、停止テーブル(不図示)に基づいて滑り駒数が取得される。しかしながら、優先順位に基づいて、この滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在する場合には、その適切な滑り駒数に変更する。すなわち、本実施形態では、停止テーブルにより取得された滑り駒数に関係なく、内部当籤役によって停止表示を許可する図柄組合せの優先順位に基づいて、より適切な滑り駒数を決定する。
<メインRAMに設けられている格納領域の構成>
次に、図25〜図30を参照して、メインRAM103に設けられる各種格納領域の構成について説明する。
[当り要求フラグ格納領域及び入賞作動フラグ格納領域]
まず、図25を参照して、当り要求フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)及び入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)の構成について説明する。なお、本実施形態では、当り要求フラグ格納領域(フラグデータ格納領域、当籤フラグデータ格納領域)と、入賞作動フラグ格納領域(入賞フラグデータ格納領域)とは、互いに同じ構成を有する。
本実施形態では、当り要求フラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される当り要求格納領域1〜9で構成され、入賞作動フラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される入賞作動格納領域1〜9で構成される。なお、当り要求フラグ格納領域及び入賞作動フラグ格納領域の各格納領域に格納されるデータは、図25中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図25では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた、各リールの図柄組合せを示す「コンビネーション」(図中では、左リール3Lの図柄、中リール3Cの図柄及び右リール3Rの図柄の順で記載)、及びその内容(図19〜図22参照)も併せて記載する。
当り要求フラグ格納領域1〜9のそれぞれにおいて、所定のビットに「1」が格納されているとき、その所定のビットに対応する内部当籤役が内部当籤したことを示す。また、入賞作動格納領域1〜9のそれぞれにおいて、所定のビットに「1」が格納されているとき、その所定のビットに対応する表示役(入賞作動フラグ)が入賞したことを示す。すなわち、所定のビットに「1」が格納されているとき、その所定のビットに対応する内部当籤役の各種図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを示す。
なお、当り要求フラグ格納領域及び入賞作動フラグ格納領域では、各格納領域内の1つのビット(フラグ)に対して、複数の図柄の組合せ(コンビネーション)が割り当てられるものを含むが、上述したように、各格納領域内の1つのビット(フラグ)に対して、1つの図柄の組合せ(コンビネーション)が割り当てられるようにしてもよい。
[持越役格納領域]
次に、図26を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。本実施形態では、持越役格納領域は、1バイトのデータ格納領域で構成される。
内部抽籤の結果、内部当籤役「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」又は「F_BB4」が決定されたときには、その内部当籤役(BB役)は、持越役として持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤によって決定された内部当籤役に加えて、持越役が当り要求格納領域に格納される。
[遊技状態フラグ格納領域]
次に、図27を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、2バイトのデータ格納領域で構成される。本実施形態では、図27に示すように、遊技状態フラグ格納領域の各ビットに対して固有のボーナスの種別又はRTの種別が割り当てられる。
遊技状態フラグ格納領域において、所定のビットに「1」が格納されているとき、その所定のビットに該当するボーナス状態又はRT状態の作動が行われていることを示す。例えば、遊技状態フラグ格納領域1のビット0に「1」が格納されているときには、遊技状態がBB1状態であることを示す。また、例えば、遊技状態フラグ格納領域2のビット0に「1」が格納されているときは、遊技状態がRT3状態であることを示す。
[作動ストップボタン格納領域]
次に、図28を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータ格納領域で構成され、1バイトからなる作動ストップボタンフラグを格納する。作動ストップボタンフラグにおいて、各ビットには、ストップボタンの操作状態が割り当てられる。
例えば、左ストップボタン17Lが今回押されたストップボタン、つまり、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、左ストップボタン17Lが未だに押されていないストップボタン、つまり、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だに押されていないストップボタンとを識別する。
[押下順序格納領域]
次に、図29を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータ格納領域で構成され、1バイトからなる押下順序フラグを格納する。
押下順序フラグにおいて、各ビットには、ストップボタンの押下順序の種別が割り当てられる。例えば、ストップボタンの押下順序が「左、中、右」である場合には、押下順序格納領域のビット0に「1」が格納される。
[図柄コード格納領域]
次に、図30を参照して、図柄コード格納領域の構成について説明する。本実施形態では、図柄コード格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される図柄コード格納領域1〜9で構成される。なお、図柄コード格納領域は、当り要求フラグ格納領域及び入賞作動フラグ格納領域(図25参照)と同様の構成となる。
図柄コード格納領域では、有効ライン上に停止可能な図柄の組合せ(コンビネーション)に対応するビットに「1」が格納される。なお、全てのリールが停止後、図柄コード格納領域1〜9には、表示役(入賞作動フラグ)に対応する図柄コードが格納される。
[内部当籤役と抽籤番号と当籤役番号との関係]
上述した遊技性に関する各種遊技状態において、主制御回路90による各種抽籤では各種データテーブルを参照するが、この際に用いるパラメータとして、本実施形態では、内部当籤役だけでなく、内部当籤役に対応する別の名称の各パラメータ(以下、「抽籤番号」という)も用いる。抽籤番号は、主制御回路90による遊技性に関する各種抽籤において、同様の役割(抽籤対象役であるかや当籤確率など)を担う内部当籤役をグループ化して同じ抽籤番号を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、本実施形態では、内部当籤役ごとに(例えば、図16及び図17に示す、「No.0」〜「No.98」のそれぞれについて)各種データテーブルを設ける必要がなく、抽籤番号ごとに各種データテーブルを設ければよいため、データ量を圧縮することができ、遊技用ROM領域の容量の圧迫を回避することができる。
また、本実施形態では、内部当籤役について、副制御回路200側で今回の単位遊技における内部当籤役を識別させるための別の名称の各パラメータ(以下、「当籤役番号」という)も用いる。当籤役番号は、遊技状態(より詳細には、非有利区間であるか、通常有利区間及び有利区間であるか)に応じて、内部当籤役のうち少なくとも一部の内部当籤役をグループ化して同じ当籤役番号を割り当てることで、そのグループを認識可能とするための情報である。これにより、本実施形態では、内部当籤役ごとに(例えば、図16及び図17に示す、「No.0」〜「No.98」のそれぞれについて)、それを識別させるための固有の情報を副制御回路200側に送信する必要がなくなるため、データ量を圧縮することができ、制御負担を低減することができるのみならず、遊技状態に応じて適切な情報を送信することができる。
ここで、図31及び図32を参照して、内部当籤役と抽籤番号と当籤役番号との対応関係について説明する。図31及び図32は、内部当籤役と抽籤番号と当籤役番号との基本的な対応関係の一例を示す図である。
図31に示すように、ボーナス役とリプレイ役又は小役とが同時に当籤する(ボーナス役を含む)内部当籤役(図16及び図17に示した「No.1」〜「No.38」が示す内部当籤役)については、各設定値間で異なる当籤確率となっている「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」を除き、抽籤番号「13」が割り当てられている。また、「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」については抽籤番号「0」が割り当てられている。
なお、本実施形態では、非有利区間(図31及び図32中、「通常」。以下同じ)と、通常有利区間及び有利区間(図31及び図32中、「有利」。以下同じ)と、で抽籤番号を異ならせていないが、例えば、「通常」と「有利」とで異なる抽籤や処理が行われる場合には、「通常」と「有利」とで異なる抽籤番号を割り当てることもできる。例えば、非有利区間においては、「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」に当籤した場合、ART抽籤は行われず、通常有利区間に移行することも決定されないが、通常有利区間及び有利区間においては、「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」が当籤した場合にも、他のボーナス役を含む内部当籤役と同様の抽籤が行われるため、「通常」においては上述のように抽籤番号を割り当て、「有利」においては共通の抽籤番号「13」を割り当てるようにしてもよい。
また、図31に示すように、ボーナス役を含む内部当籤役では、そのボーナス役の種別と同時に当籤するリプレイ役又は小役の種別とに応じて、当籤役番号「28」〜「41」のいずれかの当籤役番号が割り当てられている。これにより、副制御回路200側では、当籤したボーナス役の種別、及び当籤したリプレイ役又は小役の種別に応じて、異なる演出を実行することが可能となる。
また、図32に示すように、リプレイ又は小役の内部当籤役(図16及び図17に示した「No.39」〜「No.98」が示す内部当籤役、図18に示した「No.1」〜「No.7」が示す内部当籤役)については、それぞれ「0」〜「12」のいずれかの抽籤番号が割り当てられている。
ここで、例えば、リプレイ役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であるRT0状態及びRT2状態で当籤する「F_RT0中リプレイ1」〜「F_RT0中リプレイ6」及び「F_RT2中リプレイ1」〜「F_RT2中リプレイ3」には、同じ抽籤番号「1」が割り当てられている。また、例えば、RT5状態以外のRT状態において、RT3状態に移行する可能性があり、また、非有利区間から通常有利区間に移行することとなる「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目B4」には、同じ抽籤番号「6」が割り当てられている。
また、例えば、同じ「上段ベル」が表示される可能性がある「F_上段共通ベル」及び「F_上段左ベル1」〜「F_上段右中ベル2」には、同じ抽籤番号「10」が割り当てられ、同じ「中段ベル」が表示される可能性がある「F_中段共通ベル」及び「F_中段左ベル1」〜「F_中段右中ベル2」には、同じ抽籤番号「11」が割り当てられ、同じ「下段ベル」が表示される可能性がある「F_下段中ベル1」〜「F_下段右中ベル2」には、同じ抽籤番号「12」が割り当てられている。
また、図32に示すように、リプレイ又は小役の内部当籤役(図16及び図17に示した「No.39」〜「No.98」が示す内部当籤役、図18に示した「No.1」〜「No.7」が示す内部当籤役)については、「通常」又は「有利」においてそれぞれ「0」〜「27」のいずれかの当籤役番号が割り当てられている。
ここで、「F_上段左ベル1」〜「F_下段右中ベル2」に割り当てられた当籤役番号に着目すると、「通常」においては、それぞれ同じ当籤役番号「22」が割り当てられているのに対し、「有利」においては、「F_上段左ベル1」〜「F_上段右中ベル2」について当籤役番号「23」が割り当てられ、「F_中段左ベル1」〜「F_中段右中ベル2」について当籤役番号「24」が割り当てられ、「F_下段中ベル1」〜「F_下段右中ベル2」について当籤役番号「25」が割り当てられている点で異なっている。
すなわち、本実施形態では、有利区間のラインバトル状態(後述の図35参照)において、これらの内部当籤役に当籤した場合、各リールの中段に「ベル」の図柄が並ぶ場合(「中段ベル」が成立する場合)と、各リールの上段に「ベル」の図柄が並ぶ場合(「上段ベル」が成立する場合)と、各リールの下段に「ベル」の図柄が並ぶ場合(「下段ベル」が成立する場合)と、でいずれもメダルの払出枚数は同じであるが、ラインバトル状態の継続度合いが変動する場合があることから、上述したように、通常有利区間及び有利区間である場合に、「F_上段左ベル1」〜「F_上段右中ベル2」と、「F_中段左ベル1」〜「F_中段右中ベル2」と、「F_下段中ベル1」〜「F_下段右中ベル2」と、で異なる当籤番号を割り当てることにより、副制御回路200側で、図柄の停止表示前(停止操作前)に、いずれの有効ライン上に「ベル」の図柄が並ぶ可能性があるのかを認識させることができ、ラインバトル状態において、この当籤役番号を受信したことに基づき期待度の異なる演出を行わせることができる。なお、ラインバトル状態における演出の一例については、後述の図37〜図41を用いて、後で説明する。
なお、同様の観点より、例えば、「F_上段リプ」、「F_中段リプ1」〜「F_中段リプ3」及び「F_下段リプ」について、「通常」においては、それぞれ同じ当籤役番号が割り当てられ、「有利」においては、それぞれ異なる当籤役番号が割り当てられるようにしてもよい。
また、本実施形態では、主制御回路90により、内部当籤役に関する情報として、当籤役番号がスタートコマンドの通信パラメータにセットされ、主制御回路90から副制御回路200に送信されるとともに、後述のナビデータ(後述の図45参照)に相当する情報がスタートコマンド(あるいは、他のコマンドであってもよい)の通信パラメータにセットされ、主制御回路90から副制御回路200に送信されるようになっているが、副制御回路200側で、内部当籤役あるいはナビデータを認識可能な情報を送信する態様はこれに限られない。
例えば、「F_RT0中リプレイ1」〜「F_RT0中リプレイ6」について、非有利区間及び通常有利区間においては、同じ当籤役番号が割り当てられ、有利区間においては、それぞれ異なる当籤役番号が割り当てられるようにしてもよい。また、「F_RT1中リプレイ1」〜「F_RT1中リプレイ6」について、非有利区間及び通常有利区間においては、同じ当籤役番号が割り当てられ、有利区間においては、それぞれ異なる当籤役番号が割り当てられるようにしてもよい。また、「F_RT2中リプレイ1」〜「F_RT2中リプレイ3」について、非有利区間及び通常有利区間においては、同じ当籤役番号が割り当てられ、有利区間においては、それぞれ異なる当籤役番号が割り当てられるようにしてもよい。すなわち、押し順リプレイについて、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る各遊技状態(有利区間)においては、内部当籤役が特定可能な情報として当籤役番号を送信し、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得ない各遊技状態(非有利区間及び通常有利区間)においては、内部当籤役が特定不可能な情報として当籤役番号を送信するようにしてもよい。
これは、押し順小役についても同様である。この場合、非有利区間においては、同じ当籤役番号が割り当てられ、通常有利区間及び有利区間においては、それぞれ異なる当籤役番号が割り当てられるようにすればよい。そして、通常有利区間及び有利区間における当籤役番号の割り当てについては、例えば、「ベル」の図柄がいずれの有効ライン上に表示される可能性があるかと、遊技者に有利な停止操作の種別の双方が特定可能となるように、当籤役番号をさらに細分化して割り当てるようにすればよい。
このように、例えば、押し順小役や押し順リプレイについて、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得る各遊技状態では、内部当籤役が特定可能な情報として当籤役番号を送信し、遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得ない各遊技状態においては、内部当籤役が特定不可能な情報として当籤役番号を送信するようにすれば、後述のナビデータ(後述の図45参照)に相当する情報を副制御回路200に送信する必要がなくなる可能性がある。この場合には、後述のナビデータ(後述の図45参照)に相当する情報を副制御回路200に送信する処理を省略することができ、制御負担を軽減することが可能となる。
なお、図32においては、内部当籤役と抽籤番号と当籤役番号との対応関係の一例として、ボーナス役の当籤(持ち越し)の有無を考慮しないものとして説明しているが、ボーナス役が持ち越されているか否かに応じて、内部当籤役と抽籤番号と当籤役番号との対応関係を変更するようにしてもよい。例えば、フラグ間状態では、基本的に遊技性に関する各種の抽籤が行われなくなるため、フラグ間状態では、抽籤番号を全て「0」に割り当てるようにしてもよい。
<非有利区間(通常状態)中の遊技性>
次に、図33を参照して、非有利区間(通常状態)の遊技の流れについて説明する。なお、図33では、通常状態において、同図に示す各内部当籤役に当籤した場合に、遷移される遊技状態の概要を示している。
(弱レア役当籤時)
非有利区間であり、ボーナス非当籤状態であるときに、弱レア役(「F_弱レア役A」及び「F_弱レア役B」)に当籤した場合、メインCPU101は、遊技状態を高確1状態(通常有利区間)に移行させるとともに、通常有利区間の遊技期間に「9」ゲームをセットする。これにより、次回遊技から少なくとも9回の遊技の間、次回遊技から高確1状態に制御される。
(チャンス目当籤時)
非有利区間であり、ボーナス非当籤状態であるときに、チャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)に当籤した場合、メインCPU101は、遊技状態を高確2状態(通常有利区間)に移行させるとともに、通常有利区間の遊技期間に「9」ゲームをセットする。これにより、次回遊技から少なくとも9回の遊技の間、高確2状態に制御される。
このとき、遊技者の停止操作の結果、「RT3移行目」が表示されてRT状態がRT3状態に移行する場合と、「RT3移行目」が表示されずRT状態がRT3状態に移行しない場合(すなわち、RT3状態以外のRT状態が継続する場合)がある。いずれも高確2状態に移行することにかわりはないものの、RT状態がRT3状態であるほうが遊技者に有利となる。この点は、後で詳述する。
なお、チャンス目は、ボーナス役と重複して当籤し得る内部当籤役であるが、ボーナス役と重複して当籤した場合には、そのボーナス役に係る処理(後述の「ボーナス役当籤時」参照)が優先されるため、高確2状態に移行させる制御は行われない。
(スイカ1当籤時)
非有利区間であり、ボーナス非当籤状態であるときに、スイカ1(「F_スイカ1」)に当籤した場合、メインCPU101は、ART抽籤を行う。具体的には、例えば、8/256の確率で、通常有利区間の本前兆状態を経由して有利区間のエンディング1状態に移行させることを決定し(すなわち、ART当籤を決定し)、248/256の確率で、通常有利区間の高確3状態に移行させるが、有利区間には移行させないことを決定する(すなわち、ART非当籤を決定する)。なお、この場合、さらに、所定の確率で、通常有利区間の本前兆状態を経由して有利区間のラインバトル状態に移行させることを決定可能としてもよい。
ART当籤が決定された場合、及びART非当籤が決定された場合、いずれの場合にも、メインCPU101は、スイカ1当籤に基づいて移行する通常有利区間の遊技期間(前兆期間)を決定するための抽籤を行う。具体的には、例えば、前兆期間「9」〜「16」ゲームのうちのいずれか一の前兆期間を抽籤により決定する。この場合、例えば、前兆期間「9」ゲームが決定されると、通常有利区間の遊技期間に「9」ゲームがセットされ、前兆期間「16」ゲームが決定されると、通常有利区間の遊技期間に「16」ゲームがセットされる。なお、この場合、移行先が本前兆状態であるか、高確3状態であるかに応じて、異なる確率で一のゲーム数が決定されるようにすればよい。例えば、本前兆状態に移行する場合には、高確3状態に移行する場合よりも相対的に長い前兆期間が決定されやすいように抽籤確率を設定することができる。
このように、スイカ1に当籤した場合、ART当籤が決定されれば、次回遊技から少なくとも前兆期間抽籤で決定された回数の遊技の間、通常有利区間の本前兆状態に制御され、本前兆状態の終了後は、有利区間のエンディング準備状態に制御される(後述の図34参照)。また、ART非当籤が決定されれば、次回遊技から少なくとも前兆期間抽籤で決定された回数の遊技の間、通常有利区間の高確3状態に制御される。
(ボーナス役当籤時)
非有利区間であり、ボーナス非当籤状態であるときに、ボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)に当籤した場合、メインCPU101は、ART抽籤を行う。なお、各設定値間で当籤確率の異なる「F_BB3+F_スイカ2」又は「F_BB4+F_スイカ2」が内部当籤役として決定された場合には、ART抽籤は行われない。すなわち、「F_BB3+F_スイカ2」又は「F_BB4+F_スイカ2」が内部当籤役として決定された場合には、通常有利区間の各遊技状態に移行することなく、非有利区間(通常状態)のフラグ間状態となり、その後非有利区間(通常状態)のボーナス状態となり、当該ボーナス状態が終了すると、非有利区間(通常状態)のボーナス非当籤状態に戻る。
ボーナス役当籤時のART抽籤では、具体的には、例えば、64/256の確率で、ボーナス状態の終了後に有利区間のラインバトル準備状態を経由して有利区間のラインバトル状態に移行させることを決定し(すなわち、ART当籤を決定し)、192/256の確率で、通常有利区間の高確4状態に移行させるが、有利区間には移行させないことを決定する(すなわち、ART非当籤を決定する)。なお、この場合、さらに、所定の確率で、ボーナス状態の終了後に有利区間のエンディング準備状態を経由して有利区間のエンディング1状態に移行させることを決定可能としてもよい。
ART当籤が決定された場合、及びART非当籤が決定された場合、いずれの場合にも、メインCPU101は、まず、遊技状態を高確4状態(通常有利区間)に移行させる。これにより、次回遊技から高確4状態に制御される。なお、フラグ間状態において高確4状態が継続する期間は、フラグ間状態からボーナス状態に移行するまで(持ち越されたボーナス役が成立するまで)としてもよいし、高確4状態となってから「9」ゲームの間(すなわち、高確1状態や高確2状態と同様)としてもよい。また、ART当籤が決定された場合には、フラグ間状態を、高確4状態でなく、本前兆状態(通常有利区間)に移行させるようにしてもよい。また、フラグ間状態では、実際には高確4状態としての各種の抽籤は行われないことから、このフラグ間状態を、通常有利区間であるが、高確1〜高確4状態及び本前兆状態とは異なる状態(例えば、「フラグ間通常有利状態」)として定義し、ボーナス役当籤時には、このフラグ間通常有利状態(通常有利区間)に移行させるようにしてもよい。
そして、ボーナス状態となった後、当該ボーナス状態が終了したとき、メインCPU101は、ART当籤が決定されていれば、有利区間のラインバトル準備状態に移行させ、ART非当籤が決定されていれば、通常有利区間の高確4状態を継続させるとともに、通常有利区間の遊技期間に「32」ゲームをセットする。これにより、ボーナス終了後から少なくとも32回の遊技の間、高確4状態に制御される。
<通常有利区間中の遊技性>
次に、図34を参照して、通常有利区間中の遊技の流れについて説明する。なお、図34では、通常有利区間中の遊技の流れの概要を示している。本実施形態では、上述したように、非有利区間の通常状態において、弱レア役に当籤したことに基づいて移行される高確1状態、チャンス目に当籤したことに基づいて移行される高確2状態、スイカ1に当籤したことに基づいて移行される高確3状態、ボーナス役に当籤したことに基づいて移行される高確4状態、及び有利区間(ART)に移行することが決定されている本前兆状態を有する。
まず、メインCPU101は、フラグ間状態(RT5状態)又はボーナス状態である場合、及びボーナス非当籤状態であって本前兆状態である場合(すなわち、すでに有利区間に移行することが決定されている場合)を除き、単位遊技ごとにART移行可能状態抽籤を行う。このART移行可能状態抽籤では、通常有利区間においてボーナス役に当籤した場合に、有利区間に移行することが決定される状態(ART移行可能状態)であるか否かが決定される。このART移行可能状態抽籤において、ART移行可能状態とすることが決定されている場合(ART移行可能状態抽籤に当籤している場合)に、ボーナス役が当籤した場合には、そのボーナス役に基づくボーナス状態の終了後に有利区間に移行させることが決定され、ART移行可能状態とすることが決定されていない場合(ART移行可能状態抽籤に当籤していない場合)に、ボーナス役が当籤した場合には、そのボーナス役に基づくボーナス状態の終了後に有利区間に移行させず、通常有利区間(より詳細には、高確4状態)が継続することが決定される。
ART移行可能状態抽籤では、具体的には、例えば、高確1状態及び高確2状態であれば、64/256の確率で、ART移行可能状態を設定し(ART移行可能状態に当籤させ)、192/256の確率で、ART移行可能状態を設定しない(ART移行可能状態に非当籤させる)。また、例えば、高確3状態及び高確4状態であれば、128/256の確率で、ART移行可能状態を設定し(ART移行可能状態に当籤させ)、128/256の確率で、ART移行可能状態を設定しない(ART移行可能状態に非当籤させる)。なお、ART移行可能状態の当籤確率は上述したものに限られず、適宜設定可能である。例えば、高確1状態、高確2状態、高確3状態、高確4状態の順に、順次当籤確率が高まるように設定することもできるし、単に、各々の遊技状態で当籤確率が異なるように設定することもできる。
また、ART移行可能状態抽籤は、単位遊技ごとに行われるものとなっているが、通常有利区間において、一度ART移行可能状態が設定された場合には、当該通常有利区間が終了するまで、そのART移行可能状態が維持されるようにすることもできる。この場合には、一度ART移行可能状態が設定されると、以降当該通常有利区間が終了するまで、ART移行可能状態抽籤を行う必要はない。一方、単位遊技ごとに行なう場合には、単位遊技の開始時であって、ボーナス役に当籤したか否かを判別する前に、まず、当該単位遊技をART移行可能状態とするか否かを抽籤し、その後、当該単位遊技においてボーナス役に当籤したか否かを判別するようにすればよい。
また、非有利区間では、各設定値間で当籤確率の異なる「F_BB3+F_スイカ2」又は「F_BB4+F_スイカ2」が内部当籤役として決定された場合には、有利区間に移行するか否かが決定されないようになっていたが、通常有利区間では、「F_BB3+F_スイカ2」又は「F_BB4+F_スイカ2」が内部当籤役として決定された場合にも、ART移行可能状態となっていれば、当該ボーナス役に基づくボーナス状態の終了後に有利区間に移行することが決定される。
次に、メインCPU101は、状態間移行等制御処理を行う。この状態間移行等制御処理では、内部当籤役に基づいて、通常有利区間内における各遊技状態の移行制御を行うとともに、所定の条件にしたがって通常有利区間の遊技期間を再セットするなどの処理を行う。この状態間移行等制御処理の内容については、以下に詳述する。
(チャンス目当籤時)
通常有利区間であり、ボーナス非当籤状態であるときに、チャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)に当籤した場合、メインCPU101は、現在の状態が高確1状態又は高確2状態であり、RT状態がRT3状態でなければ、高確2状態をセットし、通常有利区間の遊技期間に「9」ゲームを再セットする。例えば、高確1状態(9ゲーム)で、5回の遊技を行ったときに、チャンス目に当籤した場合には、「9」ゲームが再セットされることで、実質的には通常有利区間の遊技期間が5ゲーム分延長されることとなる。
また、現在の状態が高確3状態であり、RT状態がRT3状態でなければ、通常有利区間の遊技期間に「9」ゲームを再セットする。また、現在の状態が高確4状態であり、RT状態がRT3状態でなければ、現在の通常有利区間の遊技期間の残りゲーム数が8ゲーム以下であれば、通常有利区間の遊技期間に「9」ゲームを再セットする。すなわち、チャンス目に当籤したことに基づいて通常有利区間の遊技期間が適宜延長される。
なお、上記において、RT状態がRT3状態であるとき、チャンス目に当籤しても通常有利区間の遊技期間が再セットされないのは、RT3状態は、遊技者に有利なリプレイ役の当籤確率が設定された遊技状態であるが、基本的に8ゲーム間しか継続しない遊技状態となっており、また、後述するように、通常有利区間のRT3状態では、フラグ間状態(RT5状態)と同様に、制限なく押し順小役の押し順報知が行われるようになっていることから、通常有利区間の終了とRT3状態の終了とを連動させ、RT3状態であっても遊技者のボーナス役当籤に対する期待感を損なわないようにするためである。
もっとも、通常有利区間のRT3状態であるとき、通常有利区間の終了が、RT3状態の終了よりも必ず1ゲーム遅くなるように、通常有利区間の遊技期間が設定される。すなわち、通常有利区間の遊技期間は、少なくともRT3状態の遊技期間(8ゲーム)よりも長い期間に設定される。本実施形態では、通常有利区間が開始されると状態表示器の点灯が開始され、通常有利区間から有利区間に移行した場合にはその点灯が継続する一方、通常有利区間において有利区間に移行しなかった場合には通常有利区間が終了するときにその点灯が終了するようになっている。
したがって、例えば、通常有利区間のRT3状態、あるいは通常有利区間のRT5状態において、同様の期待感演出(ボーナス役当籤、あるいはART当籤を遊技者に期待させる演出)を行う場合、通常有利区間とRT3状態とが同じゲームで終了させるようにした場合には、その期待感演出の実行中に、状態表示器の点灯が終了してしまう場合がある。この場合、期待感演出によって最終的にその当否が報知される前に、非当籤であることが遊技者に認識されてしまうことになる。そこで、本実施形態では、例えば、通常有利区間のRT3状態、及び通常有利区間のRT5状態においては、8ゲーム間にわたって同様の期待感演出を実行し、この期待感演出により、8ゲーム目に最終的な当否を報知するようにしているが、通常有利区間をその後も1ゲーム継続させることで、状態表示器の点灯態様によってはその当否が認識できないようにし、遊技者の興趣の維持を図ることを可能としている。
また、通常有利区間において、RT3状態が終了した場合であっても、残りの期間(例えば、1ゲーム間)は未だ通常有利区間であるため、ここでの内部当籤役の種別によっては、通常有利区間が延長される場合もあることから、例えば、期待感演出においてボーナス役に当籤していないことが報知された場合であっても、遊技者は通常有利区間の延長を願って遊技を継続しようと考える。この意味においても、遊技者の興趣の維持を図ることを可能としている。
なお、実行され得る期待感演出は、例えば、表示装置11に表示される映像による連続演出であってもよいし、その他演出装置(例えば、スピーカ群84やLED群85)によって行われる連続演出であってもよい。また、必ずしも連続演出である必要もなく、遊技者の期待感を高めるために行われる演出であれば、どのような演出であってもよい。例えば、通常有利区間のRT3状態、あるいは通常有利区間のRT5状態における所定回数目(例えば、8ゲーム目)遊技において、その当否が報知されるものであってもよい。この場合、所定回数目の遊技が何ゲーム目であるかを8ゲームを超えない範囲で任意に、あるいは抽籤により決定するようにしてもよい。
また、RT状態にかかわらず通常有利区間の本前兆状態にあっては、上述した期待感演出が行われるようにしてもよい。この場合、期待感演出が実行され得る期間は、通常有利区間のRT3状態、あるいはRT5状態と同様としてもよいし、それよりも長い期間にわたって実行されるものとしてもよい。
また、現在の状態が本前兆状態であり、RT状態がRT3状態に移行した場合(すなわち、「RT3移行目」が表示された場合)には、通常有利区間の遊技期間に「8」ゲームを再セットする。この場合、通常有利区間が終了すると有利区間に移行するため、RT3状態の終了と通常有利区間の終了を完全に連動させることで、(通常有利区間を残存させず)遊技者により有利な有利区間への移行が優先される。また、この場合、すでに上述した期待感演出が行われている場合には、そのまま当該期待感演出がその終了まで行われるようにしてもよいし、再度新たな期待感演出が8ゲーム間にわたって行われるようにしてもよい。また、RT状態がRT3状態に移行したことに基づいて期待感演出も延長され得るようにしてもよい。
(スイカ1当籤時)
通常有利区間であり、ボーナス非当籤状態であるときに、スイカ1(「F_スイカ1」)に当籤した場合、メインCPU101は、本前兆状態でなければ(すなわち、未だART当籤が決定されていなければ)、非有利区間と同様にART抽籤を行う。
そして、メインCPU101は、現在の状態が高確1〜高確3状態のいずれかの状態であり、RT状態がRT3状態であり、ART非当籤であれば、高確3状態をセットするが、通常有利区間の遊技期間の再セットは行わない。また、現在の状態が高確1〜高確4状態のいずれかの状態であり、RT状態がRT3状態であり、ART当籤であれば、本前兆状態をセットし、RT3状態の残りゲーム数分のゲーム数を通常有利区間の遊技期間に再セットする。
また、現在の状態が高確1又は高確2状態であり、RT状態がRT3状態でなく、ART非当籤であれば、高確3状態をセットし、再度上述した前兆期間抽籤を行って再セットされる通常有利区間の遊技期間を決定する。また、現在の状態が高確1〜高確4状態のいずれかの状態であり、RT状態がRT3状態でなく、ART当籤であれば、本前兆状態をセットし、高確1状態、高確2状態又は高確4状態であった場合には、再度上述した前兆期間抽籤を行って再セットされる通常有利区間の遊技期間を決定する。なお、高確3状態であった場合には、通常有利区間の遊技期間の再セットは行わない。
(ボーナス役当籤時)
通常有利区間であり、ボーナス非当籤状態であるときに、ボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)に当籤した場合、メインCPU101は、現在の通常有利区間がART移行可能状態でなければ、高確4状態をセットし、ボーナス状態終了後の高確4状態における通常有利区間の遊技期間に「32」ゲームを再セットする。また、現在の通常有利区間がART移行可能状態であれば、本前兆状態をセットし、ボーナス状態終了後の本前兆状態における通常有利区間の遊技期間に「0」ゲームを再セットする(すなわち、ボーナス状態終了後、すぐに有利区間のラインバトル準備状態に移行させる)。
通常有利区間であり、ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態であるときに、押し順小役に当籤した場合、メインCPU101は、押し順小役の押し順報知を行う。具体的には、指示モニタにおいて、ナビデータに対応する数値を表示するとともに、副制御回路200側で押し順報知が可能となるように、ナビデータに相当する情報を含むコマンドを送信する。
ここで、本実施形態では、RT状態がRT3状態又はRT5状態であれば、当該通常有利区間が終了するまで、押し順小役に当籤する度に押し順報知が行われる一方、RT状態がRT3状態及びRT5状態以外であれば、当該通常有利区間中、1回に限り、押し順小役の押し順報知が行われるようになっている。なお、RT状態がRT3状態及びRT5状態以外である場合の押し順報知の上限回数は1回に限られるものではなく、適宜設定可能である。例えば、「2回」としてもよいし、「3回」としてもよい。
また、本実施形態では、RT状態がRT3状態であるとき、当該通常有利区間が終了するまで、押し順小役に当籤する度に押し順報知が行われるものとしているが、例えば、RT状態がRT3状態となって8ゲームが消化された後、RT3状態は終了するが、通常有利区間は継続する場合もある。この場合、一旦RT3状態となった後は、RT3状態の終了後であっても当該通常有利区間が終了するまで押し順小役の押し順報知が継続されるようにしてもよいし、RT3状態が終了したことに連動して押し順小役の押し順報知も終了され、通常有利区間のみが継続するようにしてもよい。すなわち、RT状態がRT3状態である期間のみ、押し順報知が行われるようにすることもできる。
また、例えば、RT状態がRT3状態でないときに通常有利区間に移行し、通常有利区間においてRT状態がRT3状態となる場合もある。この場合、すでに1回の押し順報知が行われる場合には、その後のRT3状態でもその上限回数を有効として押し順報知が行われないようにしてもよいし、その後のRT3状態ではその上限回数を無効として押し順報知が行われるようにしてもよい。また、この場合、1回も押し順報知が行われていない場合には、その後のRT3状態でもその上限回数を有効として押し順報知が1回に限って行われるようにしてもよいし、その後のRT3状態ではその上限回数を無効として押し順報知が行われるようにしてもよい。RT状態がRT5状態でないときに通常有利区間に移行し、通常有利区間においてRT状態がRT5状態となる場合も同様である。
RT状態がRT3状態及びRT5状態以外である場合の押し順報知の上限回数が1回であるとした場合、通常有利区間において2回以上の押し順報知が行われると、RT状態がRT3状態又はRT5状態であることが確定する。本実施形態では、チャンス目はボーナス役とも重複して当籤可能となっていることから、例えば、非有利区間において、チャンス目に当籤し、RT3移行目が表示されずに通常有利区間に移行していた場合、1回目の押し順報知が行われたときには、ボーナス役に当籤しているか否か(すなわち、フラグ間状態であるRT5状態であるか否か)は認識することは難しい。2回目の押し順報知が行われたときに、RT3状態でないことが確定し、結果としてボーナス役に当籤していることが認識可能になっている。
一方、例えば、RT3移行目が表示されて通常有利区間に移行していた場合、押し順報知の回数では、ボーナス役に当籤しているか否か(すなわち、フラグ間状態であるRT5状態であるか否か)は認識することが難しく、例えば、上述した期待感演出の最終的な演出内容などによってボーナス役に当籤していることが認識可能となっている。
すなわち、RT3状態は、リプレイ役の当籤確率が高く、また、例えば、RT1移行目やRT1移行リプが表示されてもRT状態の変動がない遊技状態であるとともに、通常有利区間であれば回数に限度なく押し順小役の押し順報知が行われるため、他のRT状態で通常有利区間の遊技を行うよりも、通常有利区間中の遊技を有利に進めることができるが、その一方で、通常有利区間においては、ボーナス役に当籤しているか否かが認識しにくい遊技状態となっている。
なお、本実施形態では、有利区間中においてボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が作動した場合、当該ボーナス状態においては、遊技者に有利な停止操作の情報(押し順)が報知されるようになっている一方、非有利区間及び通常有利区間中においてボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が作動した場合、当該ボーナス状態においては、遊技者に有利な停止操作の情報(押し順)が報知されないようになっている。これは、通常有利区間においてART移行可能状態であるときにボーナス役に当籤した場合であっても同様である。この場合、ボーナス状態の終了後は有利区間に移行するものの、当該ボーナス状態中には遊技者に有利な停止操作の情報(押し順)が報知されない。押し順報知の具体的内容については、後述の図45を用いて後で説明する。
また、本実施形態では、図24で説明したように、フラグ間状態において押し順小役に当籤した場合、ボーナス非当籤状態とは異なり、停止操作順序にかかわらず、「上段ベル」、「中段ベル」又は「下段ベル」が成立し、8枚のメダルが払い出されるようになっているが、この前提においても、通常有利区間のフラグ間状態(RT5状態)中では、通常有利区間が終了するまで、ボーナス非当籤状態と同様の押し順報知がなされる。すなわち、通常有利区間のRT5状態においては、押し順役の当籤時に、実際に押し順によって付与される利益が変動するか否かにかかわらず、通常有利区間のRT3状態と同様の押し順報知が行われるようになっている。これは、上述したように、ボーナス役に当籤しているか否かを認識しづらくし、その期待感をより継続させようとする観点からなされるものである。
なお、上述したように、フラグ間状態において押し順小役に当籤した場合、ボーナス非当籤状態と同様に、停止操作順序に応じて払い出させるメダルの枚数を変動させるようにすることもできる。この場合には、通常有利区間のフラグ間状態(RT5状態)中において、押し順報知が行われることにより付与される利益も増加する可能性が高まるようになるので、ボーナス役に当籤しているか否かの期待感を高めるのみならず、付与される利益に関する期待感も高めることができる。
また、通常有利区間であり、ボーナス非当籤状態であるとき、メインCPU101は、単位遊技毎に通常有利区間の遊技期間を更新する。具体的には、通常有利区間の遊技期間の遊技回数を「1」ずつ減算し、続いて、通常有利区間の遊技期間が消化されたか(すなわち、減算結果が「0」となったか)否かを判定する。なお、通常有利区間の遊技期間の更新においては、単位遊技毎に遊技回数を「1」ずつ加算していき、続いて、加算結果が通常有利区間の遊技期間の遊技回数に達したか否かの判定によって、通常有利区間の遊技期間が消化されたか否かを判定するようにしてもよい。
通常有利区間の遊技期間更新の結果、通常有利区間の遊技期間が消化されていない場合(図34中、「期間未消化」)には、通常有利区間を継続させ、通常有利区間のボーナス非当籤状態における遊技が繰り返されることとなる。
また、通常有利区間の遊技期間更新の結果、通常有利区間の遊技期間が消化された場合であって、有利区間に移行することが決定されていない場合(図34中、「期間消化 ART非当籤」)には、通常有利区間を終了させ、非有利区間のボーナス非当籤状態に移行させる。
なお、通常有利区間の遊技期間更新の結果、通常有利区間の遊技期間が消化された場合であっても、通常有利区間において1回も押し順小役の押し順報知が行われなかった場合(すなわち、押し順小役に当籤しなかった場合)には、押し順小役の押し順報知が1回行われるまで、通常有利区間が継続されるようにしてもよい。このようにすれば、通常有利区間において、遊技者が最低限の利益を得ることを保障することができるのみならず、期間消化後押し順小役の押し順報知が行われるまでの間に、例えば、ART移行可能状態となってボーナス役に当籤させることができれば、ボーナス状態終了後に有利区間に移行させることも可能となることから、遊技性をより多様なものとし、遊技の興趣を向上させることができる。
また、通常有利区間の遊技期間更新の結果、通常有利区間の遊技期間が消化された場合であって、有利区間のラインバトル状態に移行することが決定されている場合(図34中、「期間消化 ラインバトル当籤」)には、通常有利区間を終了させ、有利区間のラインバトル準備状態(ボーナス非当籤状態)に移行させる。なお、有利区間は基本的にRT2状態に対応するため、本実施形態では、有利区間のラインバトル状態に移行させる前に、RT2状態に移行するまでの準備期間としてラインバトル準備状態に移行させるようにしているが、通常有利区間が終了するときに偶発的にRT2状態となっていれば、ラインバトル準備状態を経由せず直接ラインバトル状態に移行させるようにしてもよい。また、RT0状態とRT2状態とは、ともにリプレイ役の当籤確率が最も高い遊技状態であることから(図16及び図17参照)、通常有利区間が終了するときに偶発的にRT0状態となっていれば(あるいは、RT3状態が終了したことに基づいてRT0状態に移行していれば)、ラインバトル準備状態を経由せず直接ラインバトル状態に移行させるようにしてもよい。
また、通常有利区間の遊技期間更新の結果、通常有利区間の遊技期間が消化された場合であって、有利区間のエンディング1状態に移行することが決定されている場合(図34中、「期間消化 エンディング1当籤」)には、通常有利区間を終了させ、有利区間のエンディング準備状態(ボーナス非当籤状態)に移行させる。なお、通常有利区間が終了するときに、なお、有利区間は基本的にRT2状態に対応するため、本実施形態では、有利区間のエンディング1状態に移行させる前に、RT2状態に移行するまでの準備期間としてエンディング準備状態に移行させるようにしているが、通常有利区間が終了するときに偶発的にRT2状態となっていれば、エンディング準備状態を経由せず直接エンディング1状態に移行させるようにしてもよい。また、RT0状態とRT2状態とは、ともにリプレイ役の当籤確率が最も高い遊技状態であることから(図16及び図17参照)、通常有利区間が終了するときに偶発的にRT0状態となっていれば(あるいは、RT3状態が終了したことに基づいてRT0状態に移行していれば)、エンディング準備状態を経由せず直接エンディング1状態に移行させるようにしてもよい。
<非有利区間及び通常有利区間の遊技性のまとめ>
以下では、非有利区間及び通常有利区間中の遊技性(一部、有利区間中の遊技性を含む)について、その要部を簡潔にまとめて説明する。
(1)「チャンス目」は、ボーナス役と同時に内部当籤役として決定可能となっている。
(2)「チャンス目」に当籤した場合、ボーナス役も同時に内部当籤役として決定されている場合には、RT状態がRT5状態となる。この場合、非有利区間であれば、通常有利区間(例えば、「高確4状態」、あるいは「フラグ間通常有利状態」)に移行させる。
(3)「チャンス目」に当籤した場合、ボーナス役が同時に内部当籤役として決定されていない場合であって、停止操作が特定の態様で行われたことに基づいて「RT3移行目」が表示された場合には、RT状態がRT3状態となる。この場合、「RT3移行目」が表示されたか否かにかかわらず、非有利区間であれば、通常有利区間(例えば、「高確2状態」)に移行させる。
(4)「チャンス目」に当籤して移行した通常有利区間(例えば、「高確2状態」)は、少なくともRT3状態が継続する期間(例えば、8ゲーム間)よりも長い期間(例えば、9ゲーム間)、継続可能となっている。
(5)非有利区間でボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が終了したとき、ART当籤が決定されていれば、有利区間(例えば、「ラインバトル準備状態」)に移行させる。
(6)非有利区間でボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が終了したとき、ART当籤が決定されていなければ(ART非当籤が決定されていれば)、特定期間(例えば、32ゲーム間)、通常有利区間(例えば、「高確4状態」)に移行する。
(7)非有利区間でボーナス役に当籤した場合、そのボーナス役が、複数の設定値間で当籤確率が同じであるボーナス役である場合には、有利区間(ART)に移行させるか否かが決定されるが、複数の設定値間で当籤確率が異なるボーナス役である場合には、有利区間(ART)に移行させるか否かが決定されない。
(8)通常有利区間でボーナス役に当籤した場合、そのボーナス役が、複数の設定値間で当籤確率が同じであるボーナス役である場合、及び複数の設定値間で当籤確率が異なるボーナス役である場合のいずれの場合であっても、有利区間(ART)に移行させるか否かが決定される。
(9)通常有利区間において、RT状態がRT3状態である場合、通常有利区間が終了するまで、押し順小役の押し順報知が行われる。
(10)通常有利区間において、RT状態がRT5状態である場合、通常有利区間が終了するまで、押し順小役の押し順報知が行われる。
(11)通常有利区間において、RT状態がRT3状態又はRT5状態でない場合、所定回数(例えば、1回)に限り、押し順小役の押し順報知が行われる。
(12)有利区間でボーナス役に当籤した場合、当該ボーナス役に基づくボーナス状態においては、押し順小役の押し順報知が行われるが、非有利区間及び通常有利区間でボーナス役に当籤した場合、当該ボーナス役に基づくボーナス状態においては、有利区間に移行させることが決定されているか否かにかかわらず、押し順小役の押し順報知は行われない。
このように、本実施形態では、「チャンス目」が内部当籤役として決定された場合に、少なくとも9ゲーム間、通常有利区間に制御可能であるとともに、ART当籤が決定された場合に、有利区間に制御可能であり、「RT3移行目」が表示された場合に、RT状態をRT3状態に変移させることが可能であるとともに、ボーナス役が内部当籤役として決定された場合に、RT状態をRT5状態に変移させることが可能となっている。また、「チャンス目」とボーナス役とを同時に内部当籤役として決定可能となっている。そして、通常有利区間であってRT3状態及びRT5状態である場合には、押し順小役について、遊技者に有利な停止操作の手順が報知されるようになっている。
これにより、通常有利区間では、非有利区間よりも付与されるメダルの枚数が増加する可能性が高まるとともに、ボーナス状態に遷移するか否かの期待感も高まることから、遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、通常有利区間が継続可能な期間(9ゲーム)が、RT3状態が継続可能な期間(8ゲーム)よりも長い期間に設定されている。
これにより、特定の遊技状態(RT3状態)が終了するか否かにかかわらず、遊技者の期待感を維持させることが可能となるため、さらに遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、「チャンス目」は、停止操作が特定の態様(例えば、適切なタイミング)で行われた場合に「RT3移行目」が表示され、特定の態様で行われなかった場合に「RT3移行目」が表示されない内部当籤役であり、通常有利区間であってRT3状態及びRT5状態である場合には、当該通常有利区間が終了するまで、押し順小役について遊技者に有利な停止操作の手順が報知され、通常有利区間であってRT3状態及びRT5状態でない場合には、所定回数(例えば、1回)に限り、押し順小役について遊技者に有利な停止操作の手順が報知されるようになっている。
これにより、「チャンス目」が当籤したときに、ボーナス役も同時に内部当籤役として決定されているか否かと、「RT3移行目」が表示されたか否かと、によって通常有利区間の有利度合いや内容を変動させることができるため、さらに遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、非有利区間において当籤したボーナス役に基づくボーナス状態が終了した場合に、ART当籤が決定されている場合には有利区間に移行させ、ART当籤が決定されていない場合には、特定期間(例えば、32ゲーム間)、通常有利区間(例えば、高確4状態)に移行させるようになっている。
また、本実施形態では、通常有利区間のいずれかの遊技状態であるとき、複数の設定値間で当籤確率が同じであるボーナス役、及び複数の設定値間で当籤確率が異なるボーナス役のいずれに当籤した場合であっても、有利区間に移行させるか否かが決定されるが、非有利区間であるときには、複数の設定値間で当籤確率が異なるボーナス役に当籤した場合には、有利区間に移行させるか否かが決定されないようになっている。
これにより、ボーナス役に当籤したときの遊技状態やその種別によって、その後の遊技状態(遊技区間)の遷移をより多様なものとすることができるため、さらに遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、通常有利区間及び有利区間では、押し順小役について遊技者に有利な停止操作の手順を報知可能であり、有利区間においてボーナス状態に制御された場合にも押し順小役について遊技者に有利な停止操作の手順を報知可能であるが、非有利区間及び通常有利区間においてボーナス状態に制御された場合には押し順小役について遊技者に有利な停止操作の手順を報知可能としないようになっている。
これにより、有利区間に移行する期待度が高まるとともに、付与されるメダルの枚数が増加する可能性も高まる遊技区間である通常有利区間を設けることができるため、遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができるとともに、このような遊技区間を設ける場合であっても、遊技者に付与される利益が過度となってしまうことを抑制し、遊技者の射幸心が過度に煽られることを抑制することもできる。
<ラインバトル状態中の遊技性>
次に、図35〜図41を参照して、有利区間のラインバトル状態中の遊技の流れについて説明する。なお、図35では、有利区間のラインバトル状態中の遊技の流れの概要を示している。また、図36では、少なくとも有利区間のラインバトル準備状態及びラインバトル状態において参照される各種テーブルであって、メインROM102に格納されている各種データテーブルの一例を示している。また、図37〜図41では、ラインバトル状態を継続させるか否かの継続度合いが変動する態様について説明するために、表示装置11の表示例を示している。本実施形態では、ラインバトル状態は、インターバル状態、バトル状態、及び継続抽籤状態を有する。また、本実施形態では、ラインバトル状態は、基本的にラインバトル準備状態を経由して移行される遊技状態となっている。
(ラインバトル準備状態)
メインCPU101は、非有利区間又は通常有利区間において、ボーナス役に当籤したことに基づいてART当籤が決定された場合、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が終了したときに、ラインバトル準備状態に移行させる。また、有利区間のラインバトル準備状態及びラインバトル状態において、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が終了したときに、ラインバトル準備状態に移行させる(すなわち、ラインバトル状態に復帰させる)。この場合、ボーナス状態が終了したときのRT状態はRT4状態であり(図13参照)、RT状態がRT2状態に移行するまでラインバトル準備状態を維持する。
なお、この場合、RT4状態において「RT1移行目」を表示させるため、RT4状態において「RT1移行目」が表示されるまでは、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知は行われず、RT状態がRT1状態に移行してから、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知が開始される。また、この場合、RT4状態において「RT3移行目」が表示されてRT3状態に移行した場合にも、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知が開始される。なお、RT3状態に移行したときに、ラインバトル準備状態を終了させ、ラインバトル状態に移行させるようにしてもよい。
また、上述したように、例えば、非有利区間又は通常有利区間において、ボーナス役以外の特定役(例えば、「スイカ1」)に当籤したことに基づいてART抽籤が行われる場合に、その当籤結果としてラインバトル状態に移行させることを決定可能とする場合には、通常有利区間が終了したとき、ラインバトル準備状態に移行させる。この場合も、RT状態がRT2状態に移行するまでラインバトル準備状態を維持する。
もっとも、例えば、RT状態がRT0状態である場合に、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知が行われたにもかかわらず、その押し順報知にしたがわずに停止操作が行われた結果、「RT1移行目」や「RT1移行リプ」が表示され、RT状態がRT1状態に移行した場合、RT状態がRT2状態とはなっていなくとも、ラインバトル状態に移行させるようにしてもよい。権利獲得抽籤準備状態及びエンディング準備状態においても同様である。すなわち、各準備状態において押し順ミスが発生した場合には、RT状態がRT2状態となっていない場合であっても、対応する遊技状態に移行させるようにしてもよい。
ラインバトル準備状態では、敵選択テーブル抽籤、味方選択テーブル抽籤、及び味方獲得抽籤が行われる。なお、これらの遊技性に関する抽籤は一例であり、ラインバトル準備状態においては他の抽籤も行うことが可能である。また、これらの遊技性に関する抽籤は、通常有利区間の各遊技状態においても行われるようにすることが可能である。この場合、通常有利区間から有利区間に移行した場合には、通常有利区間における抽籤結果がラインバトル状態において反映され、通常有利区間から有利区間に移行しなかった場合には、通常有利区間における抽籤結果が破棄(クリア)されるようにすればよい。
敵選択テーブル抽籤では、後述のバトル状態においてバトルの対象となる敵キャラクタに対応する情報を選択するための敵選択テーブルが決定される。具体的には、メインCPU101は、図36Aに示す敵選択テーブル抽籤テーブルを参照し、敵撃破回数と、抽籤値と、に基づいて、敵選択テーブル1〜8のいずれかのテーブルを選択する。ここで、敵撃破回数は、後述のバトル状態において敵HPが「0」となって権利獲得状態に移行された回数、及び後述の継続抽籤状態においてラインバトル状態が継続することが決定された回数の累計回数(すなわち、ラインバトル状態が継続した回数)として、メインRAM103内の所定領域に記憶された回数を示す。
図36Aに示す敵選択テーブル1〜8では、それぞれ敵撃破回数に応じて、ラインバトル状態の継続度合いを変動させることが可能となるように、各情報が割り当てられている。図36Aに示す敵選択テーブル1〜8内において、「低」は、ラインバトル状態の継続度合いについて遊技者の有利度合いが相対的に低いことを示し、「中」は、ラインバトル状態の継続度合いについて遊技者の有利度合いが中程度であることを示し、「高」は、ラインバトル状態の継続度合いについて遊技者の有利度合いが高いことを示している。
本実施形態では、バトルの対象となる敵キャラクタに対応する情報として、「A」(敵キャラクタA)、「B」(敵キャラクタB)、「C」(敵キャラクタC)、及び「D」(敵キャラクタD)が設定されており、後述のバトル突入時敵種別抽籤においてそのいずかが決定される。ここで、本実施形態では、後述するように、「A」、「B」、「C」、「D」の順にラインバトル状態が継続する期待度が順次高まるようになっている。すなわち、「A」、「B」、「C」、「D」の順で遊技者の有利度合いが順次高まるようになっている。
そして、後述のバトル突入時敵種別抽籤では、決定された敵選択テーブルが示す情報が「低」であれば、遊技者の有利度合いが相対的に低い敵キャラクタ(例えば、「A」)が決定されやすく、遊技者の有利度合いが相対的に高い敵キャラクタ(例えば、「D」)は決定されにくくなっており、決定された敵選択テーブルが示す情報が「高」であれば、遊技者の有利度合いが相対的に低い敵キャラクタ(例えば、「A」)は決定されにくく、遊技者の有利度合いが相対的に高い敵キャラクタ(例えば、「D」)が決定されやすくなっている。また、決定された敵選択テーブルが示す情報が「中」であれば、その間の確率となる。このようにして、ラインバトル状態の継続度合いについての遊技者の有利度合いを変動させることが可能となっている。
味方選択テーブル抽籤では、後述のバトル状態においてバトルを有利に進めるための味方キャラクタに対応する情報を選択するための味方選択テーブルが決定される。具体的には、メインCPU101は、図36Bに示す味方選択テーブル抽籤テーブルを参照し、敵撃破回数と、抽籤値と、に基づいて、味方選択テーブル1〜8のいずれかのテーブルを選択する。なお、敵撃破回数はすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
本実施形態では、バトルを有利に進めるための味方キャラクタに対応する情報として、「1」(味方キャラクタ1)、「2」(味方キャラクタ2)、「3」(味方キャラクタ3)、及び「4」(味方キャラクタ4)が設定されており、後述のバトル突入時味方種別抽籤において、一又は複数の味方キャラクタが付与されるか、あるいは付与されないかが決定される。ここで、本実施形態では、後述するように、付与された味方キャラクタの数が多いほどラインバトル状態が継続する期待度が順次高まるようになっている。すなわち、付与された味方キャラクタの数が多いほどで遊技者の有利度合いが順次高まるようになっている。
そして、後述のバトル突入時味方種別抽籤では、決定された味方選択テーブルが示す情報が「激低」であれば、味方キャラクタが付与されることがほとんどなく、決定された味方選択テーブルが示す情報が「低」であれば、味方キャラクタが付与されにくく、また、付与されたとしても1つであり、決定された味方選択テーブルが示す情報が「中」であれば、味方キャラクタが付与されやすいが、複数の味方キャラクタは付与されにくく、決定された味方選択テーブルが示す情報が「高」であれば、味方キャラクタが付与されやすく、複数の味方キャラクタが付与されやすくなっている。このようにして、ラインバトル状態の継続度合いについての遊技者の有利度合いを変動させることが可能となっている。
味方獲得抽籤では、後述のバトル突入時味方種別抽籤とは別に、予め味方キャラクタを獲得させるか否かの権利を付与するか否かが決定される。メインCPU101は、例えば、特定役(例えば、「チャンス目」や「スイカ1」)に当籤したことに基づいて、所定確率(例えば、1/2の確率)で味方キャラクタを獲得させるか否かを決定する。なお、味方獲得抽籤において参照されるテーブルについては、図示を省略している。
ここで、味方獲得抽籤の結果、当該権利を付与することが決定された場合、バトル状態の突入時において、後述のバトル突入時味方種別抽籤の結果付与されなかった味方キャラクタの番号のうち、最も小さい番号の味方キャラクタが付与される。例えば、後述のバトル突入時味方種別抽籤において、味方キャラクタ「2」が付与されていた場合、当該権利を獲得していれば、さらに味方キャラクタ「1」が付与されるようになる。すなわち、後述のバトル突入時味方種別抽籤では、具体的な味方キャラクタの種別を含めて付与されるか否かが決定されるのに対し、味方獲得抽籤では、少なくともいずれかの味方キャラクタが付与されることを決定するか否かが決定される。
なお、味方獲得抽籤の結果付与することが決定された権利は、基本的に、その後のバトル状態が終了したときに消滅し、再度当該権利を得るには再度味方獲得抽籤に当籤する必要がある。この意味において、当該権利は、後述の「永続権利」とは異なる「限定的権利」であるともいい得る。
(インターバル状態)
上述したように、ラインバトル準備状態が終了したときに、メインCPU101は、まず、ラインバトル状態開始時のインターバル状態に移行させる。インターバル状態は、3ゲーム間継続する状態となっており、インターバル状態における遊技期間が3ゲームを経過すると、バトル状態に移行する。インターバル状態では、上述した味方獲得抽籤が行われる。
インターバル状態が終了したとき、バトル突入時敵種別抽籤、及びバトル突入時味方種別抽籤が行われる。
バトル突入時敵種別抽籤では、上述した敵選択テーブル抽籤の結果決定された敵選択テーブル(1〜8のいずれか)に基づき、現在の敵撃破回数に応じた期待度の情報(「低」〜「高」のいずれか)が参照され、バトルの対象となる敵キャラクタに対応する情報(「A」〜「D」のいずれか)が決定される。なお、バトル突入時敵種別抽籤において参照されるテーブルについては、図示を省略している。
バトル突入時味方種別抽籤では、上述した味方選択テーブル抽籤の結果決定された味方選択テーブル(1〜8のいずれか)に基づき、現在の敵撃破回数に応じた期待度の情報(「激低」〜「高」のいずれか)が参照され、バトルを有利に進めるための味方キャラクタに対応する情報が決定される。なお、バトル突入時味方種別抽籤では、例えば、『「1」に当籤』、『「2」に当籤』、『「3」に当籤』、『「4」に当籤』、『「1・2」に当籤』、・・・『「1〜4」に当籤』、といったように、複数の味方キャラクタが付与されることが決定され得る一方で、後述の永続権利(あるいは、限定的権利)として「1」が付与されている場合に、『「1」に当籤』が決定された場合には、その抽籤結果は破棄される(反映されない)ようになっている。また、この場合、『「1・2」に当籤』が決定された場合には、そのうちの『「1」に当籤』の部分のみが破棄され(反映されず)、『「2」に当籤』の部分は反映されるようになっている。したがって、味方獲得抽籤で他に権利が付与されていなければ、この場合の味方キャラクタは「1」と「2」となる。なお、バトル突入時味方種別抽籤において参照されるテーブルについては、図示を省略している。
また、インターバル状態が終了したとき、敵HPと味方HPとに初期値「32」がセットされる。そして、バトル突入時敵種別抽籤の結果に応じた敵種別がセットされるとともに、バトル突入時味方種別抽籤の結果、味方獲得抽籤の結果に基づき付与された限定的権利の有無、及び後述の永続権利獲得抽籤の結果に基づき付与された永続権利の有無に応じた味方種別がセットされる。
(バトル状態)
上述したように、インターバル状態が終了したときに、メインCPU101は、次に、ラインバトル状態中のバトル状態に移行させる。バトル状態は、少なくとも31ゲーム間継続する状態となっており、この間に、味方側が攻撃をすれば、その攻撃のダメージ分敵HPが減少し、敵側が攻撃をすれば、その攻撃のダメージ分味方HPが減少するという遊技性を有する。そして、バトル状態の終了前に敵HPが「0」以下となった場合には、権利獲得抽籤状態に移行させ、バトル状態の終了前に敵HPが「0」以下とならなかった場合には、後述の継続抽籤状態に移行させる。
なお、バトル状態では、「弱レア役」又は「チャンス目」に当籤した場合、その当籤した遊技は、バトル状態の遊技期間のカウント対象には含まれないようになっている。すなわち、「弱レア役」又は「チャンス目」に当籤した回数だけ、バトル状態の遊技期間が延長されるようになっている。また、バトル状態では、「チャンス目」に当籤し、「RT3移行目」が表示されてRT状態がRT3状態となった場合、このRT3状態の8ゲーム間は、バトル状態の遊技期間のカウント対象には含まれないようになっている。すなわち、RT3状態が継続する遊技回数分、バトル状態の遊技期間が延長されるようになっている。
バトル状態では、被弾リプ時カウンター抽籤、カウンター時与ダメージ抽籤、被弾リプ時防御抽籤、被弾リプ時被ダメージ抽籤、及び与ダメージ抽籤が行われ得る。なお、これらの遊技性に関する抽籤は一例であり、バトル状態においては他の抽籤も行うことが可能である。
ここで、図37〜図41も参照しながら、バトル状態で行われる各種の遊技性に関する抽籤と、味方キャラクタに対応する情報との関係性について説明する。
図37は、ラインバトル状態(より詳細には、バトル状態)において、味方なしの場合(すなわち、味方キャラクタに対応する情報として、「1」〜「4」のいずれもが付与されていない場合)の、表示装置11の表示内容の一例を示す図である。
まず、表示装置11は、バトル状態中の基本的な表示内容として、遊技者自身に相当する味方側の自己キャラクタ(図37〜図41中、「自分」)の現在の「ステータス」を表示するとともに、上述したバトル突入時敵種別抽籤の結果決定された敵側の敵キャラクタ(図37〜図41中、「敵A」。この場合、敵種別「A」が選択されているものとする)の現在の「ステータス」を表示する。
ステータスは、バトル状態突入時にセットされた、味方HP及び敵HPの残りの数値範囲に対応する情報であり、本実施形態では、味方HP及び敵HPのそれぞれについて、残りの数値範囲が「32〜25」であるとき、ステータス「平常」が設定され、残りの数値範囲が「24〜17」であるとき、ステータス「小破」が設定され、残りの数値範囲が「16〜9」であるとき、ステータス「中破」が設定され、残りの数値範囲が「8〜1」であるとき、ステータス「大破」が設定され、残りの数値範囲が「0」以下となったとき、ステータス「撃破」が設定される。なお、敵HPについてはステータス「撃破」が設定される場合があるが、味方HPについてはステータス「撃破」が設定される場合はなく、味方HPの残り数値範囲が「1」以下となるときには、味方HPは「1」に固定され、それ以下に減算されることはない。
そして、表示装置11は、味方なしの場合、「中段ライン攻撃有効」と表示している。これは、バトル状態において「1」〜「4」のいずれの味方キャラクタも付与されていない場合、センターライン(図37〜図41中、「DL1」)のみがラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能することを意味している。
それゆえ、本実施形態では、味方なしの場合、上述した「中段リプ」又は「中段ベル」が表示されるとき(すなわち、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されたとき)には、味方側の攻撃となり、後述の与ダメージ抽籤が行われる一方、上述した「中段リプ」又は「中段ベル」が表示されず(すなわち、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合には、敵側の攻撃となり、後述する与ダメージ抽籤は行われず、後述する被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われるようになっている。
図38は、ラインバトル状態(より詳細には、バトル状態)において、味方「1」獲得の場合(すなわち、味方キャラクタに対応する情報として「1」が付与されている場合)の、表示装置11の表示内容の一例を示す図である。なお、基本的な表示内容については、図37におけるものと同一であるため、ここでの説明は省略している。
表示装置11は、味方「1」獲得の場合、「中段ライン攻撃有効」及び「上段ライン攻撃有効」と表示している。これは、バトル状態において味方キャラクタ「1」が付与されている場合、センターライン(図37〜図41中、「DL1」)及びトップライン(図38〜図41中、「DL2」)がラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能することを意味している。
それゆえ、本実施形態では、味方「1」獲得の場合、上述した「中段リプ」又は「中段ベル」が表示されるとき(すなわち、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されたとき)、及び上述した「上段リプ」又は「上段ベル」が表示されるとき(すなわち、「上段リプ」又は「上段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されたとき)には、味方側の攻撃となり、後述の与ダメージ抽籤が行われる一方、上述した「中段リプ」又は「中段ベル」が表示されず(すなわち、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、上述した「上段リプ」又は「上段ベル」が表示されず(すなわち、「上段リプ」又は「上段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合には、敵側の攻撃となり、後述する与ダメージ抽籤は行われず、後述する被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われるようになっている。
図39は、ラインバトル状態(より詳細には、バトル状態)において、味方「1」及び「2」獲得の場合(すなわち、味方キャラクタに対応する情報として「1」及び「2」が付与されている場合)の、表示装置11の表示内容の一例を示す図である。なお、基本的な表示内容については、図37におけるものと同一であるため、ここでの説明は省略している。
表示装置11は、味方「1」及び「2」獲得の場合、「中段ライン攻撃有効」、「上段ライン攻撃有効」、及び「下段ライン攻撃有効」と表示している。これは、バトル状態において味方キャラクタ「1」及び「2」が付与されている場合、センターライン(図37〜図41中、「DL1」)、トップライン(図38〜図41中、「DL2」)、及びボトムライン(図39〜図41中、「DL3」)がラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能することを意味している。
それゆえ、本実施形態では、味方「1」及び「2」獲得の場合、上述した「中段リプ」又は「中段ベル」が表示されるとき(すなわち、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されたとき)、上述した「上段リプ」又は「上段ベル」が表示されるとき(すなわち、「上段リプ」又は「上段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されたとき)、上述した「下段リプ」又は「下段ベル」が表示されるとき(すなわち、「下段リプ」又は「下段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されたとき)には、味方側の攻撃となり、後述の与ダメージ抽籤が行われる一方、上述した「中段リプ」又は「中段ベル」が表示されず(すなわち、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、上述した「上段リプ」又は「上段ベル」が表示されず(すなわち、「上段リプ」又は「上段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、上述した「下段リプ」又は「下段ベル」が表示されず(すなわち、「下段リプ」又は「下段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合には、敵側の攻撃となり、後述する与ダメージ抽籤は行われず、後述する被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われるようになっている。
図40は、ラインバトル状態(より詳細には、バトル状態)において、味方「1」〜「3」獲得の場合(すなわち、味方キャラクタに対応する情報として「1」〜「3」が付与されている場合)の、表示装置11の表示内容の一例を示す図である。なお、基本的な表示内容については、図37におけるものと同一であるため、ここでの説明は省略している。
表示装置11は、味方「1」〜「3」獲得の場合、「中段ライン攻撃有効」、「上段ライン攻撃有効」、「下段ライン攻撃有効」、及び「カウンターあり」と表示している。これは、バトル状態において味方キャラクタ「1」〜「3」が付与されている場合、センターライン(図37〜図41中、「DL1」)、トップライン(図38〜図41中、「DL2」)、及びボトムライン(図39〜図41中、「DL3」)がラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能するとともに、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合に、後述の被弾リプ時カウンター抽籤及びカウンター時与ダメージ抽籤が行われ得ることを意味している。
それゆえ、本実施形態では、味方「1」〜「3」獲得の場合、味方「1」及び「2」獲得の場合と後述の与ダメージ抽籤及び後述の被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われる態様は同じであるが、それに加え、上述した「中段リプ」又は「中段ベル」が表示されず(すなわち、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、上述した「上段リプ」又は「上段ベル」が表示されず(すなわち、「上段リプ」又は「上段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、上述した「下段リプ」又は「下段ベル」が表示されず(すなわち、「下段リプ」又は「下段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合に、後述の被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われる前に、カウンター攻撃を発動させるか否かを決定するための被弾リプ時カウンター抽籤が行われ、これに当籤すると、味方側の攻撃となり、後述のカウンター時与ダメージ抽籤が行われ、後述の被弾リプ時被ダメージ抽籤は行われないようになっている。
図41は、ラインバトル状態(より詳細には、バトル状態)において、味方「1」〜「4」獲得の場合(すなわち、味方キャラクタに対応する情報として「1」〜「4」が付与されている場合)の、表示装置11の表示内容の一例を示す図である。なお、基本的な表示内容については、図37におけるものと同一であるため、ここでの説明は省略している。
表示装置11は、味方「1」〜「4」獲得の場合、「中段ライン攻撃有効」、「上段ライン攻撃有効」、「下段ライン攻撃有効」、「カウンターあり」、及び「防御あり」と表示している。これは、バトル状態において味方キャラクタ「1」〜「4」が付与されている場合、センターライン(図37〜図41中、「DL1」)、トップライン(図38〜図41中、「DL2」)、及びボトムライン(図39〜図41中、「DL3」)がラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能するとともに、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合に、後述の被弾リプ時カウンター抽籤及びカウンター時与ダメージ抽籤が行われ得ること、後述の被弾リプ時カウンター抽籤に当籤しない場合であっても後述の被弾リプ時防御抽籤が行われ得ることを意味している。
それゆえ、本実施形態では、味方「1」〜「4」獲得の場合、味方「1」及び「2」獲得の場合と後述の与ダメージ抽籤、後述の被弾リプ時被ダメージ抽籤、後述の被弾リプ時カウンター抽籤、及びカウンター時与ダメージ抽籤が行われる態様は同じであるが、それに加え、上述した「中段リプ」又は「中段ベル」が表示されず(すなわち、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、上述した「上段リプ」又は「上段ベル」が表示されず(すなわち、「上段リプ」又は「上段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、上述した「下段リプ」又は「下段ベル」が表示されず(すなわち、「下段リプ」又は「下段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定されず)、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合に、後述の被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われる前に、カウンター攻撃を発動させるか否かを決定するための被弾リプ時カウンター抽籤が行われ、これに当籤しなかった場合には、被弾リプ時防御抽籤が行われ、これに当籤すると、敵側の攻撃となるが、防御成功となり、後述の被弾リプ時被ダメージ抽籤は行われないようになっている。
なお、本実施形態では、判定ラインとして設定されたラインに、実際に「リプレイ」の図柄や「ベル」の図柄が揃った場合にのみ後述の与ダメージ抽籤が行われ、例えば、押し順小役について押し順報知が行われたにもかかわらず、遊技者の押し順ミスによって実際には「ベル」の図柄が揃わなかった場合には後述の与ダメージ抽籤が行われないようにしてもよいし、判定ラインとして設定されたラインに、「リプレイ」の図柄や「ベル」の図柄が揃い得る(表示され得る)内部当籤役が決定された場合には、実際に「リプレイ」の図柄や「ベル」の図柄が揃うか否かにかかわらず後述の与ダメージ抽籤が行われるようにしてもよい。これらの手法のいずれを採用することもできる。後者の手法を採用する場合には、「判定ライン」は実際に「判定」そのものが行われるラインではなくなるものの、例えば、遊技者に与ダメージ抽籤が行われることを報知可能とするといった意義を有するものとなることから、遊技者にとって重要な意味を持つことには変わりがない。
また、図37〜図41では、味方キャラクタ「1」〜「4」が順に増加する例を挙げて説明しているが、味方キャラクタは、バトル突入時味方種別抽籤の結果によっては、例えば、「2」のみ、「3」のみ、「4」のみ、あるいは、「2」及び「3」、「3」及び「4」といったように付与される場合もあり得る。したがって、以下では、味方キャラクタに対応する情報「1」〜「4」の機能を再度簡潔に説明する。
味方キャラクタに対応する情報「1」が設定されると、センターライン(図37〜図41中、「DL1」)に加え、トップライン(図38〜図41中、「DL2」)がラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能するようになる。
味方キャラクタに対応する情報「2」が設定されると、センターライン(図37〜図41中、「DL1」)に加え、ボトムライン(図39〜図41中、「DL3」)がラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能するようになる。
味方キャラクタに対応する情報「3」が設定されると、本来は敵側の攻撃となって味方HPが減少される場合であっても、逆に味方側の攻撃となって敵HPが減少される場合があるようになる。
味方キャラクタに対応する情報「4」が設定されると、本来は敵側の攻撃となって味方HPが減少される場合であっても、味方HPが減少されない場合があるようになる。
ここで、味方キャラクタに対応する情報「1」及び「2」のいずれが設定されているか否かにかかわらず、メインCPU101(主制御回路90側)からサブCPU201(副制御回路200側)に対して、当籤役番号「7」、「8」又は「24」が送信された場合(図32参照)、サブCPU201は、例えば、表示装置11において「中段ライン攻撃有効」と表示された箇所を点滅させたり、あるいは強調して表示するなどの処理を行う。これにより、味方側が攻撃することを期待させる演出を行うことができる。
また、味方キャラクタに対応する情報「1」が設定されている場合であって、メインCPU101(主制御回路90側)からサブCPU201(副制御回路200側)に対して、当籤役番号「6」又は「23」が送信された場合(図32参照)、サブCPU201は、例えば、表示装置11において「上段ライン攻撃有効」と表示された箇所を点滅させたり、あるいは強調して表示するなどの処理を行う。これにより、味方側が攻撃することを期待させる演出を行うことができる。
また、味方キャラクタに対応する情報「2」が設定されている場合であって、メインCPU101(主制御回路90側)からサブCPU201(副制御回路200側)に対して、当籤役番号「10」又は「25」が送信された場合(図32参照)、サブCPU201は、例えば、表示装置11において「下段ライン攻撃有効」と表示された箇所を点滅させたり、あるいは強調して表示したりするなどの処理を行う。これにより、味方側が攻撃することを期待させる演出を行うことができる。
もっとも、味方側が攻撃することを期待させる演出の態様はこれに限られない。例えば、その他演出装置(例えば、スピーカ群84やLED群85)によって行われる演出であってもよい。また、上述した対応関係にない内部当籤役の当籤役番号が送信された場合であっても、所定確率で上述した演出のうちいずれかの演出が行われるようにしてもよい。
なお、味方キャラクタに対応する情報の種類や機能は、上述したものに限られない。例えば、特定の味方キャラクタに対応する情報(例えば、「5」)が設定されると、後述の与ダメージ抽籤において決定される与ダメージが増加する(例えば、決定された与ダメージが2倍となる)ような機能を持たせてもよい。また、例えば、特定の味方キャラクタに対応する情報(例えば、「6」)が設定されると、後述の被弾リプ時被ダメージ抽籤において決定される被ダメージが減少する(例えば、決定された被ダメージが1/2となる)ような機能を持たせてもよい。
また、判定ラインとして機能するラインは、有効ラインに限られない。例えば、特定の味方キャラクタに対応する情報が設定された場合には、有効ラインとは異なるラインであっても、それを特別ラインとし、この特別ラインを判定ラインとして機能させるようにしてもよい。具体的には、例えば、特定の味方キャラクタに対応する情報(例えば、「5」)が設定されると、センターラインに加え、クロスダウンラインがラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能するようにしてもよい。また、例えば、特定の味方キャラクタに対応する情報(例えば、「6」)が設定されると、センターラインに加え、クロスアップラインがラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとして機能するようにしてもよい。
このような場合、実際の有効ライン上に表示される図柄は、「リプレイ」の図柄揃い、あるいは「ベル」の図柄揃いではないが、このような特別ライン上に表示される図柄が、「リプレイ」の図柄揃い、あるいは「ベル」の図柄揃いとなるように構成されていれば、遊技者は有効ラインと同様に有利さの度合いが変動することを認識できるため、実際の有効ライン数にかかわらず、同様の遊技性を提供することが可能となる。なお、このような観点からは、ラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインには、必ずしも有効ラインが含まれる必要はなく、例えば、有効ラインがクロスアップラインの1ラインであるとき、ラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインが、センターライン、トップライン、及びボトムラインの最大3ラインから構成されていてもよい。すなわち、ラインバトル状態の継続度合いの変動に関する判定ラインを、有効ラインとは異なる特別ラインのみから構成することも可能である。
また、判定ラインを定義する際には、上述した有効ラインと同様に、図柄が一直線に並ぶ各ラインに替えて、あるいはこれとともに、図柄が一直線に並ばないラインを有効ラインとして定義することもできる。すなわち、各列(左リール3L,中リール3C,右リール3R)ごとのいずれか一の図柄(の領域)を通るラインであれば、直線又は折れ線で結んで構成される一又は複数のラインを判定ラインとして設定可能である。
例えば、左リール3Lの上段領域、中リール3Cの下段領域、及び、右リール3Rの上段領域を結ぶライン(V時の変則ライン)などを判定ラインとして定義するようにしてもよい。すなわち、本実施形態では、リール表示窓4の枠内に、3行×3列の態様で図柄が表示されるようになっていることから、27通りの判定ラインを定義することが可能であり、そのうち少なくともいずれか1つのラインが判定ラインとして定義されるようにすればよい。
ここで、再度バトル状態の説明に戻る。上述したように、味方キャラクタに対応する情報「3」が設定されている場合には、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合に、被弾リプ時カウンター抽籤が行われる。被弾リプ時カウンター抽籤では、メインCPU101は、所定確率で、カウンター攻撃を発動させること(当籤)、又はカウンター攻撃を発動させないこと(非当籤)のいずれかを決定する。なお、被弾リプ時カウンター抽籤において参照されるテーブルについては、図示を省略している。
被弾リプ時カウンター抽籤に当籤した場合には、続いて、カウンター時与ダメージ抽籤が行われる。カウンター時与ダメージ抽籤では、メインCPU101は、図36Cに示すカウンター時与ダメージ抽籤テーブルを参照し、抽籤値に基づいて、いずれか1つの与ダメージの値を決定する。なお、与ダメージの値が決定されると、その値が敵HPの値から減算され、敵HPの値が更新される。また、これにともなって、上述した敵の「ステータス」が適宜更新される。また、この場合には、被弾リプ時被ダメージ抽籤は行われない。
一方、被弾リプ時カウンター抽籤に当籤しなかった場合であって、味方キャラクタに対応する情報「4」が設定されている場合、及び味方キャラクタに対応する情報「3」は設定されていないが「4」が設定されている場合には、被弾リプ時防御抽籤が行われる。被弾リプ時カウンター抽籤では、メインCPU101は、所定確率で、防御を発動させること(当籤)、又は防御を発動させないこと(非当籤)のいずれかを決定する。なお、被弾リプ時防御抽籤において参照されるテーブルについては、図示を省略している。
被弾リプ時防御抽籤に当籤した場合には、被弾リプ時被ダメージ抽籤は行われない。一方、被弾リプ時防御抽籤に当籤しなかった場合、味方キャラクタに対応する情報「4」は設定されていないが「3」が設定されている場合であって、被弾リプ時カウンター抽籤に当籤しなかった場合、並びに味方キャラクタに対応する情報「3」及び「4」が設定されていない場合であって、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合には、被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われる。
被弾リプ時被ダメージ抽籤では、メインCPU101は、図36Dに示す被弾リプ時被ダメージ抽籤テーブルを参照し、敵種別と、抽籤値と、に基づいて、いずれか1つの被ダメージの値を決定する。なお、被ダメージの値が決定されると、その値が味方HPの値から減算され、味方HPの値が更新される。また、これにともなって、上述した味方の「ステータス」が適宜更新される。
味方キャラクタに対応する情報「1」及び「2」が設定されていない場合であって、「中段リプ」又は「中段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定された場合、及びスイカ(この場合、「F_スイカ1」のみであってもよいし、「F_スイカ2」を含んでいてもよい。以下、この項において同じ)が内部当籤役として決定された場合には、与ダメージ抽籤が行われる。
味方キャラクタに対応する情報「1」が設定されている場合であって、「中段リプ」若しくは「中段ベル」、又は「上段リプ」若しくは「上段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定された場合、及びスイカが内部当籤役として決定された場合には、与ダメージ抽籤が行われる。
味方キャラクタに対応する情報「2」が設定されている場合であって、「中段リプ」若しくは「中段ベル」、又は「下段リプ」若しくは「下段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定された場合、及びスイカが内部当籤役として決定された場合には、与ダメージ抽籤が行われる。
味方キャラクタに対応する情報「1」及び「2」が設定されている場合であって、「中段リプ」若しくは「中段ベル」、「上段リプ」若しくは「上段ベル」、又は「下段リプ」若しくは「下段ベル」が表示され得る内部当籤役が決定された場合、及びスイカが内部当籤役として決定された場合には、与ダメージ抽籤が行われる。
与ダメージ抽籤では、メインCPU101は、図36Eに示す与ダメージ抽籤テーブルを参照し、内部当籤役と、抽籤値と、に基づいて、いずれか1つの与ダメージの値を決定する。なお、与ダメージの値が決定されると、その値が敵HPの値から減算され、敵HPの値が更新される。また、これにともなって、上述した敵の「ステータス」が適宜更新される。
ここで、RT状態に着目すると、有利区間のラインバトル状態は、基本的にはRT2状態に対応するものであるが、「RT3移行目」が表示された場合にはRT3状態ともなり得る。図16を参照すると、RT2状態では、「F_中段リプ1」の抽籤値が「5000」であり、「F_上段リプ」及び「F_下段リプ」の抽籤値が「2450」であり、「F_被弾リプ」の抽籤値が「8970」であるのに対し、RT3状態では、「F_中段リプ2」の抽籤値が「32768」であり、「F_被弾リプ」の抽籤値は「0」である。
すなわち、有利区間のラインバトル状態(より詳細には、バトル状態)において、RT3状態に移行させることができれば、味方キャラクタに対応する情報「1」又は「2」が設定されているか否かにかかわらず、「中段リプ」が表示され得る内部当籤役が高確率で決定される結果、与ダメージ抽籤が高確率で行われるようにすることができるとともに、「被弾リプ」が表示され得る内部当籤役は決定されない結果、被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われないようにすることができる。したがって、有利区間のラインバトル状態(より詳細には、バトル状態)では、RT3状態が最も有利なRT状態となっている。
バトル状態において、バトル状態が終了する前に敵HPが「0」以下(すなわち、ステータスとして「撃破」)となった場合、メインCPU101は、次回遊技から有利区間の権利付与抽籤状態に移行させる。また、敵HPが「0」以下となっておらず、バトル状態の遊技期間が終了していない場合には、バトル状態を継続させる。また、敵HPが「0」以下となっておらず、バトル状態の遊技期間が終了した場合には、次回遊技からラインバトル状態中の継続抽籤状態に移行させる。
なお、本実施形態では、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合に、被弾リプ時カウンター抽籤、被弾リプ時防御抽籤及び被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われるものとしているが、バトル状態における抽籤手法はこれに限られない。例えば、与ダメージ抽籤の対象なっていない内部当籤役(但し、「弱レア役」、「チャンス目」、ボーナス役は除く)が決定された場合には、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤したと同様に、被弾リプ時カウンター抽籤、被弾リプ時防御抽籤及び被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われるようにしてもよい。
また、本実施形態では、「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)に当籤した場合に、「被弾リプ」の図柄の組合せがセンターラインに表示されるようになっているが、例えば、複数の異なる内部当籤役として構成し、あるいは「被弾リプ」(「F_被弾リプ」)を押し順リプレイとして構成し、停止操作の手順に応じて、「被弾リプ」の図柄の組合せがトップラインに表示され、あるいはボトムラインに表示される場合があるようにしてもよい。この場合に、トップラインやボトムラインが判定ラインとなっている場合には、被弾リプ時カウンター抽籤、被弾リプ時防御抽籤及び被弾リプ時被ダメージ抽籤が行われるようにしてもよいし、これらの抽籤は行われないようにしてもよい。また、トップラインやボトムラインが判定ラインとなっている場合には、「被弾リプ」の図柄の組合せがトップラインやボトムラインに表示されないように、停止操作の手順が報知されるようにしてもよい。
(継続抽籤状態)
上述したように、敵HPが「0」以下となっておらず、バトル状態の遊技期間が終了したときに、メインCPU101は、次に、ラインバトル状態中の継続抽籤状態に移行させる。継続抽籤状態は、4ゲーム又は7ゲーム間継続する状態となっており、最終的に、ラインバトル状態から権利獲得抽籤状態に移行させることが決定されている場合には、権利獲得抽籤状態に移行させ、ラインバトル状態を継続させることが決定されている場合には、再度ラインバトル状態中のインターバル状態に移行させ、これらのいずれの決定もなされていない場合には、ラインバトル状態が終了し(すなわち、有利区間が終了し)、非有利区間の通常状態に移行させる。
継続抽籤状態では、敵種別とダメージ状態に応じた継続抽籤及び継続抽籤結果書換抽籤が行われ得る。なお、これらの遊技性に関する抽籤は一例であり、継続抽籤状態においては他の抽籤も行うことが可能である。
まず、メインCPU101は、バトル状態から継続抽籤状態に移行する際に、敵種別とダメージ状態に応じた継続抽籤を行う。敵種別とダメージ状態に応じた継続抽籤では、メインCPU101は、図36Fに示す継続抽籤テーブルを参照し、敵種別と、ダメージ状態(すなわち、上述した「ステータス」と同義)と、抽籤値と、に基づいて、継続抽籤状態の遊技期間は4ゲームであるが、権利獲得抽籤状態に移行させることもラインバトル状態を継続させることも決定されないこと(「4G敗北」)、継続抽籤状態の遊技期間は7ゲームであるが、権利獲得抽籤状態に移行させることもラインバトル状態を継続させることも決定されないこと(「7G敗北」)、継続抽籤状態の遊技期間は4ゲームであり、ラインバトル状態を継続させることが決定されること(「4G継続」)、継続抽籤状態の遊技期間は7ゲームであり、ラインバトル状態を継続させることが決定されること(「7G継続」)、継続抽籤状態の遊技期間は4ゲームであり、権利獲得抽籤状態に移行させることが決定されること(「4G昇格」)、及び継続抽籤状態の遊技期間は7ゲームであり、権利獲得抽籤状態に移行させることが決定されること(「7G昇格」)、のいずれかが決定される。
なお、敵種別とダメージ状態に応じた継続抽籤では、少なくとも有利区間が終了されない抽籤結果(上述した「4G継続」、「7G継続」、「4G昇格」、及び「7G昇格」)が決定される確率が、原則として、敵種別が「A」、「B」、「C」、「D」の順に順次高まるようになっており、また、味方ステータスが「大破」、「中破」、「小破」、「平常」の順に順次高まるようになっており、また、敵ステータスが「平常」、「小破」、「中破」、「大破」の順に順次高まるようになっている。すなわち、敵種別と、味方ステータスと、敵ステータスと、の3つのパラメータが参照され、有利区間が継続するか否かが決定されるようになっている。
それゆえ、本実施形態では、バトル状態突入時に、いずれの敵キャラクタに対応する情報が設定されるか、バトル状態中に味方ステータスがどのように変移するか、及びバトル状態中に敵ステータスがどのように変移するかに応じて、ラインバトル状態が継続する継続度合いを変動させることが可能となっている。また、味方ステータス及び敵ステータスの変移に際しては、味方キャラクタに対応する情報の種類(例えば、判定ライン数)が重要となり、これによって、ラインバトル状態が継続する継続度合いが、遊技者に有利な度合いに変動させたり、遊技者に不利な度合いに変動させたりする確率も変動するようになっている。
なお、図36Fに示す継続抽籤テーブルでは、味方ステータスが「大破」、及び敵ステータスが「大破」であるときには、例外的に、少なくとも有利区間が終了されない抽籤結果が決定されることが確定するようになっている。このように、味方ステータスが特定のステータスであり、敵ステータスが特定のステータスであるとき、上述した原則に反して、有利区間が継続する確率を高めたり、有利区間が継続する確率を低めたりすることもできる。
また、メインCPU101は、バトル状態から継続抽籤状態に移行する際に、敵種別とダメージ状態に応じた継続抽籤の抽籤結果が、有利区間が終了される抽籤結果(上述した「4G敗北」及び「7G敗北」)である場合には、継続抽籤状態において、継続抽籤結果書換抽籤を行う。具体的には、継続抽籤状態において、「チャンス目」又はボーナス役に当籤した場合、継続抽籤の抽籤結果として、例えば「4G敗北」が決定されている場合には「4G継続」に書き換え、例えば「7G敗北」が決定されている場合には「7G継続」に書き換える。また、スイカ(この場合、「F_スイカ1」のみであってもよいし、「F_スイカ2」を含んでいてもよい)に当籤した場合、所定確率(例えば、1/2)で、継続抽籤の抽籤結果を書き換えることを決定する。継続抽籤の抽籤結果を書き換えることが決定された場合、上記と同様に継続抽籤の抽籤結果が適宜書き換えられる。
なお、本実施形態では、敵種別とダメージ状態に応じた継続抽籤が行われた後、継続抽籤結果書換抽籤が行われるが、継続抽籤状態における抽籤手法はこれに限られない。例えば、継続抽籤状態では、まず、継続抽籤結果書換抽籤が行われ(すなわち、内部当籤役に基づいて遊技毎にラインバトル状態を継続させる否かを決定するための抽籤が行われ)、当該抽籤の結果ラインバトル状態を継続させることが決定されなかった場合に、継続抽籤状態が終了するときに、敵種別とダメージ状態に応じた継続抽籤が行われるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、有利区間のラインバトル状態において、一又は複数のいずれかのライン(有効ラインであるかを問わない)を有利区間の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能とし、ラインバトル状態中のバトル状態において、決定された判定ラインに「リプレイ」又は「ベル」の図柄が並んで表示される場合に、有利区間の継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることを可能とし、ラインバトル状態中の継続抽籤状態において、決定された有利区間の継続度合いに基づいて有利区間を継続させるか否かを決定することが可能となっている。
これにより、判定ラインの決定結果に応じて有利区間の継続度合いを変動させることができるため、遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、ラインバトル状態中のバトル状態において、決定された判定ラインに、例えば、「被弾リプ」の図柄の組合せが表示される場合に、有利区間の継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させることが可能となっている。
これにより、有利区間中(例えば、ラインバトル状態中のバトル状態中)における緊張感を高めることができ、有利区間中の遊技が単調とならず、さらに遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、有利区間のラインバトル状態におけるRT状態をRT2状態に変移させることが可能であるとともに、「RT3移行目」が表示された場合に、有利区間のラインバトル状態におけるRT状態をRT3状態に変移させることが可能となっており、決定された判定ラインに「中段リプ」の図柄の組合せが表示され得る特定の内部当籤役(例えば、「F_中段リプ1」及び「F_中段リプ2」のいずれか)を決定する確率は、RT2状態よりもRT3状態のほうが高くなっている。
また、本実施形態では、RT2状態においては、「被弾リプ」の図柄の組合せが表示され得る所定の内部当籤役(例えば、「F_被弾リプ」)を決定可能とし、RT3状態においては、この所定の内部当籤役を決定可能としないようになっている。
これにより、有利区間中(例えば、ラインバトル状態中のバトル状態中)においては、いずれのRT状態であるかによって遊技者の有利さの度合いがさらに変動するようになるため、有利区間中の遊技をより多彩なものとし、さらに遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、例えば、「打順1」で停止操作が行われた場合に、トップラインで「ベル」の図柄の組合せが表示される「F_上段左ベル1」と、「打順1」で停止操作が行われた場合に、センターラインで「ベル」の図柄の組合せが表示される「F_中段左ベル1」と、「打順3」で停止操作が行われた場合に、トップラインで「ベル」の図柄の組合せが表示される「F_上段中ベル1」と、「打順3」で停止操作が行われた場合に、センターラインで「ベル」の図柄の組合せが表示される「F_中段中ベル1」と、を少なくとも内部当籤役として決定可能であり、図32に示したように、有利区間において、例えば、「F_上段左ベル1」又は「F_上段中ベル1」が決定された場合には、当籤役番号として「23」を送信し、「F_中段左ベル1」又は「F_中段中ベル1」が決定された場合には、当籤役番号として「24」を送信するようになっている。そして、本実施形態では、送信された当籤役番号に応じて異なる演出を実行することが可能となっている。
これにより、例えば、有利区間のラインバトル状態のような図柄が表示されるラインによって遊技者の有利さの度合いが変動するような遊技性を有する場合に、表示される図柄の組合せに関連した演出を行うことができるため、制御負担を増大させることなく、より適切な演出を行うことができる。
<権利獲得抽籤状態及び権利獲得状態中の遊技性>
次に、図42を参照して、有利区間の権利獲得抽籤状態及び権利獲得状態中の遊技の流れについて説明する。なお、図42では、権利獲得抽籤状態及び権利獲得状態中の遊技の流れの概要を示している。
(権利獲得抽籤準備状態)
メインCPU101は、有利区間の権利獲得抽籤準備状態、権利獲得抽籤状態、及び権利獲得状態において、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が終了したときに、権利獲得抽籤準備状態に移行させる(すなわち、これらの状態に復帰させる)。この場合、ボーナス状態が終了したときのRT状態はRT4状態であり(図13参照)、RT状態がRT4状態からRT2状態に移行するまで権利獲得抽籤準備状態を維持する。RT状態がRT2状態に移行したとき、ボーナス役に当籤したのが権利獲得状態であれば権利獲得状態に移行させ、ボーナス役に当籤したのが権利獲得抽籤状態であれば権利獲得抽籤状態に移行させる。
なお、この場合、RT4状態において「RT1移行目」を表示させるため、RT4状態において「RT1移行目」が表示されるまでは、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知は行われず、RT状態がRT1状態に移行してから、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知が開始される。また、この場合、RT4状態において「RT3移行目」が表示されてRT3状態に移行した場合にも、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知が開始される。なお、RT3状態に移行したときに、権利獲得抽籤準備状態を終了させ、権利獲得状態に復帰させる場合には権利獲得状態に復帰させ、権利獲得抽籤状態に復帰させる場合には権利獲得抽籤状態に復帰させるようにしてもよい。
(権利獲得抽籤状態)
上述したように、権利獲得抽籤準備状態が終了したとき、及びラインバトル状態において権利獲得抽籤状態に移行させることが決定されたときに、メインCPU101は、権利獲得抽籤状態に移行させる。権利獲得抽籤状態は、20ゲーム間継続する状態となっており、この間にはもちろん遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される。そして、権利獲得状態に移行しない場合であってもラインバトル状態に戻るようになっている。したがって、この権利獲得抽籤状態は、それ自体が有利区間の遊技期間を延長させ得る遊技状態となっている。権利獲得抽籤状態では、権利獲得状態移行抽籤が行われる。
権利獲得状態移行抽籤では、例えば、メインCPU101は、権利獲得抽籤状態において、「チャンス目」又はスイカ(この場合、「F_スイカ1」のみであってもよいし、「F_スイカ2」を含んでいてもよい)に当籤した場合、次回遊技から権利獲得状態に移行させることを決定する。また、共通ベル(「F_上段共通ベル」及び「F_中段共通ベル」)に当籤した場合、所定確率(例えば、1/4)で、次回遊技から権利獲得状態に移行させることを決定する。なお、権利獲得状態に移行させることが決定された場合であっても、権利獲得状態に移行するのは、権利獲得抽籤状態の遊技期間(20ゲーム)が終了したときであってもよい。また、権利獲得状態に移行させることが決定された場合に、権利獲得抽籤状態の遊技期間の残りゲーム数の範囲で前兆期間を決定し、この前兆期間が経過したときに権利獲得状態に移行させるようにしてもよい。また、権利獲得抽籤状態から権利獲得状態に移行させる際に、権利獲得抽籤状態の遊技期間の残りゲーム数が生じる場合には、その残りゲーム数が、権利獲得状態の遊技期間に付加されるようにしてもよいし、次回(権利獲得状態から権利獲得抽籤状態に戻ったとき)の権利獲得抽籤状態の遊技期間に付加されるようにしてもよい。
(権利獲得状態)
上述したように、権利獲得抽籤状態において権利獲得状態に移行させることが決定されたとき、及び権利獲得抽籤準備状態から復帰したときに、メインCPU101は、権利獲得状態に移行させる。権利獲得状態は、10ゲーム間継続する状態となっており、この間にはもちろん遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される。そして、永続権利を獲得するか否かにかかわらず権利獲得抽籤状態に戻るようになっている。したがって、この権利獲得状態は、それ自体が有利区間の遊技期間を延長させ得る遊技状態となっている。権利獲得状態では、永続権利獲得抽籤が行われる。
永続権利獲得抽籤では、後述のバトル突入時味方種別抽籤とは別に、予め味方キャラクタを永続的に(当該有利区間が終了するまで)獲得させるか否かの権利を付与するか否かが決定される。メインCPU101は、例えば、権利獲得状態においてボーナス役に当籤した場合に、永続権利を付与することを決定する。なお、例えば、特定役(例えば、「スイカ1」)に当籤したことに基づいて、所定確率(例えば、1/4)で、永続権利を付与することを決定するようにしてもよい。
ここで、永続権利抽籤の結果、当該永続権利を付与することが決定された場合、バトル状態に突入する度に、バトル突入時味方種別抽籤の結果付与されなかった味方キャラクタの番号のうち、最も小さい番号の味方キャラクタが付与される。例えば、後述のバトル突入時味方種別抽籤において、味方キャラクタ「2」が付与されていた場合、当該永続権利を獲得していれば、さらに味方キャラクタ「1」が付与されるようになる。なお、付与された永続権利の機能はこれに限られない。例えば、永続権利抽籤の結果、当該永続権利を付与することが決定された場合、永続権利が付与されていない味方キャラクタの番号のうち、最も小さい番号の味方キャラクタが固定的に付与されるようにしてもよい。例えば、最初に永続権利が付与された場合、この永続権利の権利内容として味方キャラクタ「1」が付与され、次に永続権利が付与された場合、この永続権利の権利内容として味方キャラクタ「2」が付与されるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、権利獲得状態において、永続権利が付与されるか否かが決定されるようになっているが、これに限られず、権利獲得状態において、上述した限定的権利が付与されるか否かが決定されるようにしてもよい。この場合、例えば、上述した味方獲得抽籤と同様の抽籤が行われるようにしてもよいし、上述した味方獲得抽籤よりも限定的権利が付与される確率が高まるように、上述した限定的権利が付与されるか否が決定されるようにしてもよい。また、例えば、権利獲得状態においては、単位遊技ごとに、内部当籤役にかかわらず所定確率(例えば、1/10)で、上述した限定的権利が付与されるか否が決定されるようにしてもよい。なお、ボーナス役当籤以外の契機で永続権利あるいは限定的権利が付与されるようにした場合には、権利獲得状態において複数個の権利を獲得させることができる。
この場合、上述したように、例えば、2個の権利が付与された場合(味方キャラクタに対応する情報「1」及び「2」が設定される場合)には、バトル状態において判定ラインが上限数(DL1〜DL3)まで設定されることとなる。また、例えば、3個の権利が付与された場合(味方キャラクタに対応する情報「1」〜「3」が設定される場合)には、これに加え、バトル状態においてカウンターが発動する場合があるようになる。また、例えば、4個の権利が付与された場合(味方キャラクタに対応する情報「1」〜「4」が設定される場合)には、これに加え、バトル状態に防御が発動する場合があるようになる。ここで、例えば、権利獲得状態において5個以上の権利が付与された場合には、4個を超える分の権利については、次回のバトル状態まで持ち越されるようにしてもよいし、破棄(クリア)されるようにしてもよい。また、例えば、権利獲得状態において5個以上の権利が付与された場合には、次回のバトル状態終了後の継続抽籤状態において、必ず有利区間が継続することが決定されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、権利獲得状態において、有利区間のラインバトル状態が有利に進められるようになる(味方キャラクタに対応する情報が設定され得る)永続権利が付与されるか否かが決定されるようになっているが、権利獲得状態において、付与され得る権利内容はこれに限られない。例えば、ラインバトル状態の継続抽籤状態において、抽籤結果にかかわらず強制的にラインバトル状態が継続することとなる継続権利(すなわち、有利区間を延長させるための権利。「ストック」や「セット数」などと称される場合がある)が付与されるか否かが決定されるようにしてもよいし、権利獲得抽籤状態において、抽籤結果にかかわらず強制的に権利獲得抽籤状態が継続することとなる継続権利(すなわち、有利区間を延長させるための権利。「ストック」や「セット数」などと称される場合がある)が付与されるか否かが決定されるようにしてもよい。すなわち、権利獲得状態において、付与され得る権利内容は、遊技者に特典をもたらすものであれば、適宜設定することができる。
このように、本実施形態では、有利区間のラインバトル状態において、一又は複数のいずれかのライン(有効ラインであるかを問わない)を有利区間の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能としており、その決定結果は、権利獲得状態において権利が付与されたか否かによって変動するようになっている。すなわち、権利獲得状態において付与された権利に基づいて判定ラインを決定することが可能となっている。
また、本実施形態では、権利獲得状態において判定ラインの上限数以上の権利が付与された場合には、まず、上限数分の権利を用いて上限数の判定ラインが決定される。そして、ラインバトル状態中のバトル状態において、決定された判定ラインに、例えば、「被弾リプ」の図柄の組合せが表示される場合に、付与された権利が残存していなければ、有利区間の継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させ、付与された権利が残存していれば、有利区間の継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させないことが可能となっている。
また、本実施形態では、永続権利が付与されている場合には、複数の判定ラインが必ず決定され、永続権利が付与されていない場合には、判定ラインを決定するときに、一又は複数のいずれかのラインが判定ラインとして決定されるようになっている。
これにより、有利区間中の各遊技状態の役割を多様化させ、また、有利区間が継続する継続度合いを多様に変動させることができるため、遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる。
<エンディング1状態及びエンディング2状態中の遊技性>
次に、図43及び図44を参照して、有利区間のエンディング1状態及びエンディング2状態中の遊技の流れについて説明する。なお、図43では、エンディング1状態及びエンディング2状態中の遊技の流れの概要を示している。また、図44では、エンディング1状態及びエンディング2状態中に行われるエンディング演出の概要を示している。
(エンディング準備状態)
メインCPU101は、有利区間のエンディング準備状態、エンディング1状態、及びエンディング2状態において、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が終了したときに、エンディング準備状態に移行させる(すなわち、これらの状態に復帰させる)。この場合、ボーナス状態が終了したときのRT状態はRT4状態であり(図13参照)、RT状態がRT4状態からRT2状態に移行するまでエンディング状態を維持する。RT状態がRT2状態に移行したとき、ボーナス役に当籤したのがエンディング1状態であればエンディング1状態に移行させ、ボーナス役に当籤したのがエンディング2状態であればエンディング2状態に移行させる。
なお、この場合、RT4状態において「RT1移行目」を表示させるため、RT4状態において「RT1移行目」が表示されるまでは、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知は行われず、RT状態がRT1状態に移行してから、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知が開始される。また、この場合、RT4状態において「RT3移行目」が表示されてRT3状態に移行した場合にも、押し順小役及び押し順リプレイについての押し順報知が開始される。なお、RT3状態に移行したときに、エンディング準備状態を終了させ、エンディング1状態に復帰させる場合にはエンディング1状態に復帰させ、エンディング2状態に復帰させる場合にはエンディング2状態に復帰させるようにしてもよい。
また、メインCPU101は、非有利区間及び通常有利区間において、例えば、スイカ1当籤時のART抽籤で、エンディング1状態に移行させることが決定された場合には、通常有利区間の遊技期間が消化されたときに、エンディング準備状態に移行させる(すなわち、RT2状態に移行するまでエンディング1状態への移行を待機する)。
(エンディング1状態)
上述したように、エンディング準備状態が終了したときであってエンディング1状態に移行(復帰)させる場合、メインCPU101は、エンディング1状態に移行させる。エンディング1状態は、100ゲーム間継続する状態となっており、この間にはもちろん遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される。そして、エンディング1状態が終了したときにはラインバトル状態に移行するようになっている。非有利区間及び通常有利区間から移行する有利区間の遊技状態である点についてはラインバトル状態と同じであるが、ラインバトル状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。エンディング1状態では、権利獲得状態と同様に永続権利獲得抽籤が行われる。
なお、権利獲得状態における抽籤と同様に、エンディング1状態では、上述した限定的権利が付与されるか否かが決定されるようにしてもよいし、有利区間を延長させるための継続権利が付与されるか否かが決定されるようにしてもよい
また、例えば、エンディング1状態において、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が終了して、エンディング準備状態を経由してエンディング1状態に復帰された場合、100ゲームの遊技期間は再度最初からカウントされるようにしてもよいし、ボーナス役に当籤した遊技における遊技期間を引き継いでカウントされるようにしてもよい。後者の場合、例えば、エンディング1状態の10ゲーム目(残り90ゲーム)でボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態が終了して、エンディング準備状態を経由してエンディング1状態に復帰された場合、当該エンディング1状態の遊技期間が90ゲームとなるようにすればよい。
また、さらに、ボーナス状態中の遊技期間もエンディング1状態の遊技期間に含まれるようにしてもよい。例えば、エンディング1状態の10ゲーム目(残り90ゲーム)でボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に基づくボーナス状態の遊技期間が17ゲームであり、当該ボーナス状態が終了して、エンディング準備状態を経由してエンディング1状態に復帰された場合、当該エンディング1状態の遊技期間が73ゲームとなるようにすればよい。
(エンディング2状態)
有利区間中の遊技回数が「1200」回以上となった場合であって、ラインバトル状態のインターバル状態が終了したとき、メインCPU101は、エンディング2状態に移行させる。エンディング2状態は、131ゲーム間継続する状態となっており、この間にはもちろん遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される。そして、エンディング2状態が終了したときには有利区間自体も終了し、非有利区間に移行するようになっている。
なお、この場合、上述した規制監視期間が「1200」回(あるいは、それよりも多い回数、例えば、「1369」回)の遊技回数となったときに、エンディング2状態に移行させるようにしてもよい。また、この場合、有利区間の他の遊技状態である場合にも、これらの遊技状態からエンディング2状態に移行させるようにしてもよい。また、エンディング2状態における遊技期間のカウントの態様も、エンディング1状態の遊技期間のカウントの態様と同様である。
また、本実施形態では、エンディング2状態が終了すると有利区間自体も終了し、非有利区間に移行させるようにしているが、これに限られない。エンディング2状態が終了するとき、上述した規制監視期間が未だ「1500」回となっていなければ、再度ラインバトル状態に移行させるようにしてもよい。あるいは、上述した規制監視期間が「1500」回となるまで、エンディング2状態を継続させるようにしてもよい。
(エンディング演出)
次に、図44を参照しながら、エンディング1状態及びエンディング2状態で行われ得るエンディング演出について説明する。
エンディング演出は、その字句が示すように、基本的には、有利区間に制御されている期間が「1200」回以上となったときに、当該有利区間がもうじき終了されることを示唆する演出となっている。また、有利区間に制御されている期間が「1200」回以上となる確率を鑑みれば、実行される確率が他の演出よりも低い特別な演出となっている。
エンディング演出は、例えば、第1話〜第8話及び最終話からなる一連のストーリー演出として構成され、エンディング2状態での遊技期間が進行するのにしたがって、ストーリーの内容も進行するようになっている。なお、上述したように、エンディング2状態が、有利区間に制御されている期間が「1200」回となってから、規制監視期間が「1500」回となるまで継続可能に構成する場合には、規制監視期間が「1500」回となるまでの遊技期間に応じて、ストーリーの内容を進行させるようにすればよい。
ここで、本実施形態では、有利区間が開始されるときに、エンディング1状態に移行させることが決定されている場合には、当該有利区間が開始されたばかりであるにもかかわらず、エンディング1状態中はエンディング演出が実行されるようになっている。
ただし、エンディング1状態では、上述した一連のストーリー演出のうちの一部が実行され、全部は実行されないようになっている。具体的には、第1話〜第8話及び最終話のうちの第1話〜第8話は実行されるが、最終話は実行されないようになっている。なお、この場合にも、エンディング2状態と同様、基本的には、エンディング1状態での遊技期間が進行するのにしたがって、ストーリーの内容が進行するようになっている。
エンディング1状態において、上述した一連のストーリー演出のうちの一部が実行される具体例を、図44を参照しながら説明する。例えば、エンディング準備状態では、エンディング演出の導入演出が行われる。そして、エンディング1状態が開始されるとき(ART開始)、エンディング演出が開始され、第1話、第2話、・・・第8話といったように、順次ストーリーが進行していく。そして、第8話が終了したとき、表示装置11に「つづく」といった文字が表示され、ストーリーが完結していないことが示される。
一方、エンディング2状態では、エンディング2状態が開始されるとき(有利区間≧1200 インターバル状態終了)、エンディング演出が開始され、第1話、第2話、・・・第8話といったように、順次ストーリーが進行していく。そして、第8話が終了すると、次に最終話のストーリーが展開され、最終話のストーリーが終了したとき、表示装置11に「THE END」といった文字が表示され、ストーリーが完結したことが示される。
なお、上述したエンディング演出の演出内容は、複数回数の遊技にわたって実行可能なエンディング演出の演出内容の一例を示すものであり、エンディング演出の演出内容はこれに限られない。遊技者にとって価値を有する演出内容であれば、どのような演出内容であってもよい。
例えば、パチスロ1のモチーフとして用いられているアニメーションやキャラクタなどがあれば、エンディング2状態におけるエンディング演出では、通常は見ることができないアニメーションの特別映像やキャラクタの特別映像が表示装置11に表示されるものとすればよい。この場合、エンディング1状態におけるエンディング演出では、これらの映像の内容をエンディング2状態におけるエンディング演出よりも短くして(例えば、要約し、その途中までとし、あるいは別内容として)表示装置11に表示されるものとすればよい。もっとも、これらに替えて、あるいはこれらとともに、スピーカ群84から出力される楽曲や音声、LED群85による発光態様によって各エンディング演出が行われるようにすることもできる。
また、エンディング演出は、残りの遊技回数にかかわらず演出内容が進行するものであってもよい。例えば、単位遊技に要する時間を、仮に「6秒」(この値は任意)と定め、エンディング2状態におけるエンディング演出を、「6秒×131回の遊技=786秒」の一連の演出として定め、エンディング2状態に制御されたタイミングでこの一連の演出を開始するようにし、また、エンディング1状態におけるエンディング演出を、「6秒×100回の遊技=600秒」の一連の演出の一部の演出として定め、エンディング1状態に制御されたタイミングでこの一連の演出の一部の演出を開始するようにしてもよい。このようにすれば、エンディング演出を遊技回数に合わせて進行させる必要がなくなることから、演出に係る制御負担を軽減することができる。また、この場合、有利区間が終了するよりも前のタイミングで上述した一連の演出の実行が終了した場合には、その終了時の画面がそのまま有利区間が終了するときまで表示されるようにしてもよいし、上述した一連の演出が再度最初から(あるいは、中途から)開始されるようにしてもよい(すなわち、ループして実行されるようにしてもよい)。また、この場合、上述した一連の演出の実行が終了する前のタイミングで有利区間が終了した場合には、上述した一連の演出をその中途であっても強制的に終了させるようにしてもよいし、上述した一連の演出が最後まで実行されるようにしてもよい。
また、図44においては図示を省略しているが、本実施形態では、有利区間において、当該有利区間おける遊技期間が「1200」回の遊技となるまで(あるいは、エンディング1状態に移行するまで)、当該有利区間を継続させることが決定される(例えば、ラインバトル状態の継続抽籤状態においてラインバトル状態を継続させることが決定され、あるいは、権利獲得抽籤状態が終了し、その後インターバル状態に移行した)度に、表示装置11において、有利区間に制御されている期間の目安を示唆する示唆演出が実行されるようになっている。
具体的には、例えば、12マスに区画されたプログレスバーやマップなどを表示装置11内に所定の領域に表示するとともに、有利区間における遊技期間の遊技回数が100ゲーム進行する度に、1マスずつその表示態様を異なるものとしていく、といったような示唆演出が実行される。このようにすれば、有利区間における遊技期間の概数が把握できるようになる。なお、例えば、プログレスバーやマップなどの区画を15マスとし、規制監視期間の消化度合いが表示されるようにしてもよい。また、これらは示唆演出の表示内容の一例であり、その表示内容はこれに限られない。例えば、有利区間における遊技期間の実数の遊技回数が表示されるようにしてもよい。
また、示唆演出は、インターバル状態の最初の遊技中のみ表示されるようにしてもよいし、インターバル状態中(3ゲーム間)にわたって表示されるようにしてもよい。また、有利区間が終了する可能性のあるラインバトル状態でのみ表示されるようにしてもよいし、有利区間中の各遊技状態で常に表示されるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、エンディング2状態となったときに、エンディング演出(特別演出)が実行されることを可能とするとともに、有利区間に移行することが決定された場合に、エンディング1状態に移行させることが決定されている場合には、エンディング1状態において、エンディング演出の一部の演出(特殊演出)が実行されることを可能としている。
すなわち、本実施形態では、通常、遊技者に有利な状態中の遊技の終盤に実行され得るようになっている特別演出の一部である特殊演出が、所定の実行条件が成立した場合には、遊技者に有利な状態中の遊技の序盤において実行され得るようになっている。これにより、遊技者は特別演出を全て見たいと望みながら遊技を行うようになるため、遊技者の遊技意欲を高め、演出の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、エンディング2状態となったときから131ゲームが経過して有利区間が終了するまで、あるいは、エンディング2状態となったときから規制監視期間が「1500」回となって有利区間が終了するまで、エンディング演出(特別演出)が実行されることを可能としている。これにより、遊技媒体の獲得を規制する場合であっても、遊技者の興趣が低下してしまうことを軽減することができる。
また、本実施形態では、有利区間おける遊技期間が「1200」回の遊技となるまであるいは、エンディング1状態に移行するまで、有利区間を継続させることが決定される度に、有利区間に制御されている期間の目安を示唆する示唆演出を実行可能としている。これにより、特別演出の実行が開始される時期や有利区間が終了する時期などを遊技者が概ね把握できるようになるため、遊技の興趣を高めつつ、遊技者に適切な情報を提供することができる。
(エンディング制御の他の例)
本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、残りゲーム数がたとえ残存していても有利区間を終了するリミット処理を実行するが、リミット処理を将来行うことが確定した段階(例えば、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった段階)で、主制御基板71は、出玉状態を「エンディング」(例えば、エンディング2状態)に移行する。一方で、副制御基板72は、メイン側において出玉状態を「エンディング」に移行した場合であっても、直ぐにはサブ側の演出状態を「エンディング(END)」に移行させることなく、所定の条件を契機に演出状態を「エンディング」に移行させる。以下では、特に、副制御基板72が演出状態を「エンディング」に移行させる制御の詳細について説明する。なお、本実施形態では、有利区間が「通常有利区間」などを含む場合があるが、この例では「有利区間」と「ART」とが全く同一の遊技状態であるものとして説明する。
この例では、有利区間に関連してメイン(主制御基板71)側で計数するメイン側カウンタと、サブ(主制御基板71)側で計数するサブ側カウンタとを設けるものとする。主制御基板71は、第1のカウンタを用いて有利区間中に経過したゲーム数(消化済みゲーム数)を計数するとともに、第2のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)を計数する。主制御基板71は、第1のカウンタの値が「1500」に達するとリミット処理を行い、第2のカウンタの値に関係なく有利区間を終了し、第1のカウンタの値が「1500」に達する前に、第2のカウンタの値が「0」になると、有利区間を終了する。
一方で、副制御基板72は、第3のカウンタを用いて有利区間中に経過したゲーム数(消化済みゲーム数)を計数するとともに、第4のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)のうちの遊技者に対して報知した期間(報知済みゲーム数)を計数し、また、第5のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)のうちの遊技者に対して未報知の期間(未報知ゲーム数(=潜伏させている上乗せゲーム数))を計数する。なお、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を報知した場合には、報知したゲーム数分だけ、報知済みゲーム数を加算するとともに、未報知ゲーム数を減算する。
メイン・サブの双方において計数する消化済みゲーム数は、基本的には一致するため、メイン側の第1のカウンタの値とサブ側の第3のカウンタの値とは一致する(なお、有利区間と「ART」とが一致しない場合、リミット処理はサブ側では行わないため、サブ側では有利区間の消化済みゲーム数を計数する必要が無く、「ART」中の消化済みゲーム数を計数することになるため、両カウンタの値は完全には一致しないものの、以下に説明する制御には関係が無い)。
また、サブ側では、報知済みの残りゲーム数と、未報知のまま保持している残りゲーム数とを個別に計数するため、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第4カウンタの値とは一致せず、また、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第5カウンタの値とも一致しない。ただし、報知済みの残りゲーム数と未報知のまま保持している残りゲーム数との和は、メイン側で計数する残りゲーム数と一致するため、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第4カウンタの値及び第5カウンタの値の和とは、一致する。
主制御基板71は、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値に基づいて「エンディング」への移行制御を行っており、例えば、ゲーム数の上乗せが行われた結果、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった段階で出玉状態を「エンディング」に移行する。
一方で、副制御基板72は、有利区間の消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値(すなわち、未報知ゲーム数を除いた合算値)に応じてサブ側の演出状態を「エンディング(END)」に移行させる。ここで、副制御基板72は、例えば、図示しないサブ_エンディング移行抽籤テーブルを参照して演出状態を「エンディング」に移行させる。
例えば、サブ_エンディング移行抽籤テーブルは、参照項目として消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値を規定し、合算値ごとに「エンディング」に移行させるか否かの抽籤結果(非当籤、当籤)についての抽籤値の情報を規定する。このようなサブ_エンディング移行抽籤テーブルによれば、例えば消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値が「1000〜1199G」である場合には、24576/32768の確率で「エンディング」への移行抽籤に非当籤し、8192/32768の確率で「エンディング」への移行抽籤に当籤する。
また、例えば、副制御基板72は、有利区間の消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値が大きくなるほど高い確率で演出状態を「エンディング」に移行させる。そして、副制御基板72は、演出状態を「エンディング」に移行させると、演出ステージを専用の“エンディングステージ”に移行し、有利区間が終了するまで当該“エンディングステージ”のまま維持する。なお、メイン側において出玉状態が「エンディング」に移行していない場合には、サブ側において「エンディング」への移行抽籤を行う必要がないため、副制御基板72は、メイン側において出玉状態が「エンディング」に移行した場合(すなわち、メイン側の管理するカウンタにおいて、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった場合)に限り、サブ側の演出状態を「エンディング」に移行させるか否かの抽籤を行うこととしてもよい。
このように「エンディング」移行時に専用の演出ステージに移行させることで、遊技者は、リミット処理が行われることを予め把握することができる。なお、“エンディングステージ”に移行した後は、リミット処理が行われることが確定しているため、ゲーム数の上乗せ報知演出を行う意味がない。そのため、副制御基板72は、“エンディングステージ”に移行した後は、上乗せ報知演出を行わない。
また、“エンディングステージ”への移行は、メイン側の合算値が規定値以上に達している状態で、サブ側の合算値(未報知ゲーム数を除く)が大きくなるほど高い確率で行われる。そのため、“エンディングステージ”への移行確率は、未報知のまま保持している上乗せゲーム数(未報知ゲーム数)が少ないほど高い確率となり、未報知のまま保持している上乗せゲーム数が多いほど低い確率となる。
また、“エンディングステージ”に移行した後は、原則として有利区間の終了まで“エンディングステージ”の演出を継続し、有利区間が終了するゲームにおいて“エンディングステージ”の演出を終了し、当該ゲームの終了時又は次ゲームの開始時などに通常区間に対応する演出ステージへと移行させる。
また、“エンディングステージ”の滞在中は、ボーナスが作動した場合でも依然としてリミット処理が近いうちに行われるという状況に変わりはないため“エンディングステージ”を維持することが望ましい。ここで、有利区間終了の直前のゲーム(例えば、第1のカウンタの値が「1499」のゲーム)においてBB1〜BB4などのように所定ゲーム数を消化に要するボーナスに当籤し、ボーナスが作動した場合、ボーナスの作動中に第1のカウンタが「1500」に達してリミット処理が行われ、有利区間が終了することになる。このとき、出玉が増加する状態であるボーナス作動中にも関わらず“エンディングステージ”を終了させて別の演出ステージ(通常区間に対応する演出ステージやボーナス作動中の演出ステージ)へ移行させると、遊技者に違和感を与える恐れがある。そこで、副制御基板72は、ボーナスの作動中にリミット処理により有利区間が終了する場合には、当該ボーナスの終了まで“エンディングステージ”のまま演出ステージを継続し、ボーナスの終了時に(有利区間の終了報知や、のめり込み防止表示などを行って)通常区間に対応する演出ステージへと移行させることとしてもよい。
さらに、第1のカウンタの値が「1498」〜「1500」などリミット処理発動の直前でボーナス役が内部当籤役として決定され、入賞されずに持ち越された場合にも、副制御基板72は、“エンディングステージ”を継続して、当該持ち越し中のボーナス役が入賞して作動したボーナスの終了を待って“エンディングステージ”を終了させるというエンディング状態終了の遅延処理を行うことが好ましい。なお、この場合、リミット処理により有利区間が終了し、押し順などの報知を行わない状況(通常区間)となっても“エンディングステージ”が一時的に継続されてしまうため、副制御基板72は、このような非有利区間の“エンディングステージ”では有利区間中の“エンディングステージ”と演出を異ならせて、遊技者に機械の故障ではない旨を明示することが好ましい。また、副制御基板72は、非有利区間の“エンディングステージ”では、ボーナス役の入賞が可能な遊技(リプレイなどのボーナス役の入賞を阻害する役に当籤していない遊技)でボーナス役の入賞を促す旨の報知や、指示機能が終了しており、ボーナスの終了後に“エンディングステージ”が終了する旨の報知などを行って、遊技者に状況を分かり易く伝えることとしてもよい。また、ボーナス作動中にリミット処理により有利区間が終了した場合、又は、ボーナス作動中にリミット処理が行われる可能性が高い場合などは、副制御基板72は、それ以外のボーナス作動中とは異なる演出(例えば、大量獲得を祝福する演出や設定示唆情報など何らかの有利な情報を含む演出など)を、当該ボーナスの開始時、作動中、ないしは終了時に行うこととしてもよい。
また、有利区間が終了する際に、主制御基板71は、全リールの停止後などに所定時間、遊技操作(例えば、次遊技のメダルの投入操作や再遊技の作動による自動再投入、開始操作など)を受け付けない有利区間終了時のフリーズ処理を行うこととしてもよい。このとき、副制御基板72は、有利区間終了時のフリーズの時間を利用して、当該有利区間中に獲得したメダルの枚数、消化ゲーム数、ないしはセット数のように当該有利区間に関する情報を表示することとしてもよく、また、のめり込み防止表示をこれらに合わせて表示することとしてもよい。また、上述のように、リミット処理による有利区間の終了がボーナス作動中に発生する場合は、主制御基板71は、ボーナスの消化を妨げないようにリミット処理による有利区間の終了時にフリーズを発生させずに、ボーナスの終了時に有利区間終了時のフリーズを行うこととしてもよい。なお、有利区間の終了とは関係なく、ボーナス終了時に有利区間中に獲得したメダルの枚数などの有利区間に関する情報などを表示する表示用の時間を確保するなどの目的で、ボーナス終了時に所定時間のフリーズが設けられている場合は、有利区間の終了がボーナス作動中に発生する場合は、有利区間終了時のフリーズを有利区間終了時にも、ボーナス終了時にも行わず、主制御基板71は、ボーナス終了時のフリーズのみをボーナス終了時に行い、このボーナス終了時のフリーズ中に副制御基板72は、有利区間に関する情報やのめり込み防止表示などを表示することとしてもよい。フリーズによる遊技の遅延が複数発生することを抑制することで、遊技のテンポが悪くなってしまうことを防止できる。なお、ここまで説明した内容は、後述する別例のリミット処理によりボーナス作動中に有利区間が終了する場合においても適用することとしてもよく、また、仕様設計者は発動するリミッタの種別により上記の処理を適用するか、不適用とするか演出の流れなどを考慮して任意に決定することができる。
(可変リミッタ)
ここまで、有利区間を終了するリミット処理を実行する条件を有利区間が開始されてから例えば1500Gに達した場合など、リミット処理の実行条件が一定の場合を前提として説明を行った。しかし、主制御基板71によるリミット処理の実行条件は必ずしも一定である必要はなく、少なくとも上限値(例えば有利区間開始から1500G)を超えて有利区間が継続しないようにすれば十分に過度の射幸性を抑制するという効果を発揮することができる。そこで、主制御基板71は、第1のカウンタ(消化済みゲーム数)が所定の終了条件を満たした場合に、第1のカウンタ(消化済みゲーム数)が上限値を超えるより前に有利区間を終了させるリミット処理を行うこととしてもよい。
例えば、「ART」が1セットあたり50G固定のセット数管理タイプのパチスロでは、「通常有利区間」の期間や「ART」中のボーナスなどにより、1セットのゲーム数に対して中途半端なタイミング(例えば、上限値まで残り20Gである1480G)で今回のセットの「ART」が終了することがある。このようなケースでは、次セットの「ART」を1セット全て(50G)行うことができず、セットの途中でリミット処理を行うことになってしまう。次セットの「ART」が開始されたにも関わらず、直ぐに強制的に終了させられてしまったのでは遊技者が不満を感じる可能性もある。そこで、主制御基板71は、上限値に達する前ではあるものの、区切りが良い今回のセットの「ART」終了時に、有利区間のリミット処理を行うこととしてもよい。これにより、有利区間(「ART」)は、必ず区切りの良いタイミングで終了することになるため、遊技者が不満を感じる可能性を軽減することができる。
また、パチスロによっては、リミット処理を行う場合に所定のエンディング制御を行うことも考えられるため、このようなエンディング制御を行うケースについても説明する。例えば、「ART」が1セットあたり50G固定のセット数管理タイプのパチスロにおいて、有利区間開始からの消化済みゲーム数及び残りゲーム数の値の合計値が1400〜1450Gの範囲(所定の終了条件の設定範囲)に達した場合に、主制御基板71は、残りの未消化セット数にかかわらずエンディング用の1セットとして50Gの有利区間(「ART」)を設定し、当該エンディング用の1セットが終了した時点で所定の終了条件を満たしたとしてリミット処理を実行し、有利区間を終了させるものとしてもよい。つまり、リミット処理は有利区間の開始から1400〜1450Gの時点で予約され、1450〜1500Gまでで実行されることとなる。このようにある程度、リミット処理の実行タイミングに幅を持つことを許容することで、不自然なタイミングで有利区間が終了して遊技者に違和感を与えることを防ぎつつ、射幸性を適切に抑制できる。また、「ART」1セットあたりのゲーム数を固定としても、途中でボーナスの作動や基本のセットと異なる上乗せ特化状態などの消化が加わることで、エンディング用の1セットが決定されるタイミングは必ずしも50の倍数である1400ゲームちょうどとはならないため、所定の終了条件の設定範囲(リミット処理を予約可能である期間)にも幅を持たせることが好ましい。
なお、後述するようにリミット処理は、ゲーム数に限らず有利区間中に遊技者が獲得したメダルの差枚数やナビの発生回数に基づいて行うことができる(後述の枚数リミッタ、払出枚数リミッタ、ナビ回数リミッタ)。上述の可変リミッタの説明は、リミット処理の種類に関係なく適用可能である。すなわち、主制御基板71は、リミット処理の実行タイミングをリミット処理発動用のカウンタ(ゲーム数カウンタ、払出枚数カウンタ、ナビ回数カウンタなど)がリミッタ発動の閾値(上限値)に達した場合に限らず、所定の終了条件を充足した場合には、リミッタ発動の閾値に達するよりも前にリミット処理を行うものとしてもよい。なお、所定の終了条件は任意であるが、一例として、セット数管理タイプの「ART」において、次セットの「ART」を開始してしまうと、次セットの「ART」の途中でリミッタが発動してしまうことが予測されることを採用することができる(パチスロでは、「ART」中の1ゲームあたりのメダルの増加量やそれぞれの役の当籤確率などが設計仕様から把握することができるため、後述の枚数リミッタ、払出枚数リミッタ又はナビ回数リミッタを用いる場合であっても、次セットの「ART」の途中でリミッタが発動してしまうことを予測することができる)。
この点についての技術的思想を整理すると、以下のようになる。
特定の遊技状態(有利区間)を継続可能な残り期間を示す第2数値(有利区間継続可能な残りゲーム数、差枚数、ナビ回数)が終了閾値(残り0ゲーム、0枚、0回)に達すると前記特定の遊技状態を終了するとともに、少なくとも前記計数手段が計数する前記第1数値(消化済みのゲーム数等)が所定の終了条件(例えば、リミット処理の実行となる有利区間1500ゲーム消化または、変形例のようにリミット処理の実行タイミングに幅が許容される場合は設定された1450〜1500までのゲーム数のいずれかの到達等)を満たす場合は前記第2数値の値が前記終了閾値に達していないときであっても前記特定の遊技状態を終了させる特定状態終了手段(主制御基板71)。
なお、特定状態終了手段は、「ART」など有利区間の権利がゼロとなったことに基づいて有利区間を終わらせる処理と、リミット処理により有利区間を終わらせる場合の双方についてまとめて記載したが、プログラム上、別の処理として持たせるものとしてもよい。
なお、本実施形態では、これまでに説明した各種データテーブル(図示を省略したものを含む)を用いた抽籤(特にテーブルを用いた抽籤として説明していない抽籤を含む)において、乱数回路110の乱数レジスタ2〜7により、予め定められた数値の範囲(0〜255)から抽出される抽籤用乱数値(演出用乱数値)を、規定された抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。すなわち、抽籤用乱数値から抽籤値を減算して当籤/非当籤を判定しているが、抽籤の手法はこれに限定されず、抽出した抽籤用乱数値に抽籤値を加算し、加算結果が256を超えたか否か(いわゆる「桁あふれ」が生じたか否か)を判定して、当籤/非当籤を決定してもよい。
<メイン側の制御による報知機能>
従来のパチスロでは、遊技者に有利な停止操作の情報(押し順など)を報知するか否かの決定がサブ(副制御基板72)側の制御によりなされていた。しかしながら、この報知の有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御基板71)側で制御することが求められている。そこで、本実施形態のパチスロ1では、上述のように、メイン側で制御される情報表示器6に停止操作の情報を報知するための指示モニタ(不図示)を設け、メイン側の制御により、リールの停止操作の情報を報知(指示)する機能が設けられている。
ここで、図45に、本実施形態のパチスロ1において、メイン側で制御される各遊技状態と内部当籤役とナビデータとの対応関係を示す。なお、図45に示すナビデータ「1」〜「6」は、指示モニタに表示される数値を表すとともに、停止操作の情報の報知内容を表す。また、図45に示すナビデータ「0」は、停止操作の情報が報知されないことを表す。また、図45では、押し順小役及び押し順リプレイのみを摘記して説明している。もっとも、押し順小役及び押し順リプレイ以外の内部当籤役については、基本的にナビデータが「0」となっている。
非有利区間の各遊技状態においては、図45に示すいずれの内部当籤役が決定された場合であっても、ナビデータ「0」がセットされ、停止操作の情報は報知されない。なお、ナビデータ「0」がセットされる場合、本実施形態では、指示モニタにいずれの数値も表示しないこととしているが、これに限られず、例えば、指示モニタに「0」の数値を表示するようにしてもよい。また、ナビデータ「0」がセットされる場合、本実施形態では、これに相当する情報をサブ側に送信しないようにしているが、これに限られず、これに相当する情報をサブ側に送信するようにしてもよい。
通常有利区間のボーナス非当籤状態及びフラグ間状態において、「F_上段左ベル1」及び「F_中段左ベル1」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「1」がセットされる。ナビデータ「1」は、「打順1」に対応する。また、「F_上段左ベル2」及び「F_中段左ベル2」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「2」がセットされる。ナビデータ「2」は、「打順2」に対応する。
また、「F_上段中ベル1」、「F_中段中ベル1」、及び「F_下段中ベル1」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「3」がセットされる。ナビデータ「3」は、「打順3」に対応する。また、「F_上段中ベル2」、「F_中段中ベル2」、及び「F_下段中ベル2」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「4」がセットされる。ナビデータ「4」は、「打順4」に対応する。
また、「F_上段右左ベル1」、「F_上段右左ベル2」、「F_中段右左ベル1」、「F_中段右左ベル2」、「F_下段右左ベル1」、及び「F_下段右左ベル2」、のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「5」がセットされる。ナビデータ「5」は、「打順5」に対応する。また、「F_上段右中ベル1」、「F_上段右中ベル2」、「F_中段右中ベル1」、「F_中段右中ベル2」、「F_下段右中ベル1」、及び「F_下段右中ベル2」、のいずれかの内部当籤役が決定された場合、のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「6」がセットされる。ナビデータ「6」は、「打順6」に対応する。
なお、本実施形態では、例えば、「F_上段左ベル1」及び「F_上段左ベル2」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、「打順1」又は「打順2」であれば、押し順正解となるため、ナビデータを共通のナビデータとすることもできる。しかしながら、本実施形態では、内部当籤役の構成上、押し順小役について本来であれば最大6択の押し順を設定できるところを4択の押し順として設定していることから、これに対して違和感が生じないように、「F_上段左ベル1」が内部当籤役が決定された場合にはナビデータ「1」をセットし、「F_上段左ベル2」が内部当籤役が決定された場合にはナビデータ「2」をセットするようにしている。他の押し順小役も同様である。
また、通常有利区間のボーナス非当籤状態及びフラグ間状態において、押し順リプレイのいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「0」がセットされる。すなわち、通常有利区間のボーナス非当籤状態及びフラグ間状態では、押し順リプレイの押し順報知は行われない。また、通常有利区間のボーナス状態において、押し順小役のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「0」がセットされる。すなわち、通常有利区間のボーナス状態では、押し順小役の押し順報知は行われない。
有利区間の各遊技状態において、「F_RT0中リプレイ1」及び「F_RT1中リプレイ1」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「1」がセットされる。ナビデータ「1」は、「打順1」に対応する。また、「F_RT2中リプレイ1」の内部当籤役が決定された場合であって、抽籤(1/2の確率)によりナビデータ「1」がセットされることが決定された場合にもナビデータ「1」がセットされる。なお、押し順小役(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、ナビデータ「1」がセットされる態様は、通常有利区間におけるものと同様である。また、ボーナス状態において、「F_JAC1_1」の内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「1」がセットされる。
また、「F_RT0中リプレイ2」及び「F_RT1中リプレイ2」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「2」がセットされる。ナビデータ「2」は、「打順2」に対応する。また、「F_RT2中リプレイ1」の内部当籤役が決定された場合であって、抽籤(1/2の確率)によりナビデータ「2」がセットされることが決定された場合にもナビデータ「2」がセットされる。なお、押し順小役(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、ナビデータ「2」がセットされる態様は、通常有利区間におけるものと同様である。また、ボーナス状態において、「F_JAC1_2」の内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「2」がセットされる。
また、「F_RT0中リプレイ3」及び「F_RT1中リプレイ3」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「3」がセットされる。ナビデータ「3」は、「打順3」に対応する。また、「F_RT2中リプレイ2」の内部当籤役が決定された場合であって、抽籤(1/2の確率)によりナビデータ「3」がセットされることが決定された場合にもナビデータ「3」がセットされる。なお、押し順小役(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、ナビデータ「3」がセットされる態様は、通常有利区間におけるものと同様である。また、ボーナス状態において、「F_JAC1_3」の内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「3」がセットされる。
また、「F_RT0中リプレイ4」及び「F_RT1中リプレイ4」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「4」がセットされる。ナビデータ「4」は、「打順4」に対応する。また、「F_RT2中リプレイ2」の内部当籤役が決定された場合であって、抽籤(1/2の確率)によりナビデータ「4」がセットされることが決定された場合にもナビデータ「4」がセットされる。なお、押し順小役(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、ナビデータ「4」がセットされる態様は、通常有利区間におけるものと同様である。また、ボーナス状態において、「F_JAC1_4」の内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「4」がセットされる。
また、「F_RT0中リプレイ5」及び「F_RT1中リプレイ5」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「5」がセットされる。ナビデータ「5」は、「打順5」に対応する。また、「F_RT2中リプレイ3」の内部当籤役が決定された場合であって、抽籤(1/2の確率)によりナビデータ「5」がセットされることが決定された場合にもナビデータ「5」がセットされる。なお、押し順小役(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、ナビデータ「5」がセットされる態様は、通常有利区間におけるものと同様である。また、ボーナス状態において、「F_JAC1_5」の内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「5」がセットされる。
また、「F_RT0中リプレイ6」及び「F_RT1中リプレイ6」のいずれかの内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「6」がセットされる。ナビデータ「6」は、「打順6」に対応する。また、「F_RT2中リプレイ3」の内部当籤役が決定された場合であって、抽籤(1/2の確率)によりナビデータ「6」がセットされることが決定された場合にもナビデータ「6」がセットされる。なお、押し順小役(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、ナビデータ「6」がセットされる態様は、通常有利区間におけるものと同様である。また、ボーナス状態において、「F_JAC1_6」の内部当籤役が決定された場合、ナビデータ「6」がセットされる。
このように、本実施形態では、メイン(主制御基板71)側は、指示モニタに「1」〜「6」の数値を表示することにより、リールの停止操作の情報を報知する。また、指示モニタに表示されるこの「1」〜「6」の数値は、それぞれが報知する停止操作の内容に一義的に対応している。
なお、メイン側(指示モニタ)で報知する数値「1」〜「6」は、報知する停止操作の内容に一義的に対応しているものの、全ての遊技者が、その数値に基づいて、明確に報知内容を把握できるとは限らない。例えば、メイン側で指示モニタに数値「6」を表示しただけでは、遊技者によっては報知内容を把握できない可能性もある。
そこで、本実施形態のパチスロ1では、メイン側の報知と併せてサブ側でもストップボタンの停止操作に係る情報を報知する。具体的には、サブ側で制御される表示装置11(プロジェクタ機構211及び表示ユニット212)を用いて、サブ側の制御により停止操作に係る情報の報知を行う。
例えば、押し順「中、左、右」(打順3)を報知する場合、メイン側で指示モニタに数値「3」を表示するとともに、サブ側では、表示装置11の表示画面内の中リール3Cの上方に数値「1」を表示し、左リール3Lの上方に数値「2」を表示し、右リール3Rの上方に数値「3」を表示し、この表示により押し順が「中、左、右」の順であることを報知する。
なお、メイン側で報知を行うタイミングは、少なくとも報知を行う一遊技の期間であれば任意のタイミングに設定することができる。例えば、遊技者の開始操作を検知した(受け付けた)タイミングでメイン側の報知を行ってもよいし、リールの回転開始時にメイン側の報知を行ってもよいし、第1停止操作〜第3停止操作のいずれかを検知したタイミングでメイン側の報知を行ってもよい。一方、サブ側で報知を行うタイミングは、少なくとも第1停止操作よりも前のタイミングであることが好ましい。それゆえ、本実施形態のパチスロ1では、有利区間中の停止操作の情報を報知する遊技においては、内部抽籤処理(後述の図56のS204参照)の後、リール停止制御処理(後述の図56のS213)が開始される前に、メイン(主制御基板71)側からサブ(副制御基板72)側に、このナビデータ(あるいは、これに相当する情報)をパラメータに含むコマンドを送信するようにすればよい。なお、この場合、既存のコマンド(例えば、スタートコマンド、あるいはリール回転開始コマンド)にナビデータ(あるいは、これに相当する情報)のパラメータを含ませてもよいし、ナビデータ(あるいは、これに相当する情報)を送信するための専用のコマンドを送信してもよい。これにより、メイン側の指示モニタ及びサブ側の表示装置11の双方において停止操作の情報を報知することが可能となる。
また、別の手法として、有利区間中の停止操作の情報を報知する遊技においては、上述したように、内部当籤役を特定できる情報として当籤役番号をメイン側からサブ側へ送信するものとしてもよい。この手法によれば、ナビデータに相当する情報を送るまでもなく、サブ側は遊技者に有利な停止操作の手順を特定できるため、送信するデータ量を減らすこともできる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図46〜図84を参照して、主制御回路90のメインCPU101が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[電源投入(リセット割込)時処理]
まず、メインCPU101の制御により行われるパチスロ1の電源投入(リセット割込)時処理を、図46を参照して説明する。図46は、電源投入(リセット割込)時処理の手順を示すフローチャートである。なお、図46に示す電源投入(リセット割込)時処理は、電源管理回路93が、マイクロプロセッサ91に電源電圧の供給が開始されたことを検知した際に、リセット信号をマイクロプロセッサ91の「XSRST」端子に出力し、セキュリティモードによる遅延動作を経た後、マイクロプロセッサ91の割込みコントローラ112からメインCPU101に出力される割込要求信号に基づいて、実行される。
まず、メインCPU101は、タイマー回路113(PTC)の初期化処理を行う(S1)。この処理では、メインCPU101は、タイマー回路113の初期設定を行う。具体的には、メインCPU101は、タイマー用プリスケーラレジスタ(不図示)に分周比をセットし、タイマー用制御レジスタ(不図示)に割り込み可等の設定を行い、タイマー用カウンタ(不図示)の初期カウント値を設定する。
次いで、メインCPU101は、主制御回路90及び副制御回路200間用の第1シリアル通信回路114(SCU1)の初期化処理、及び、第2インターフェースボード用の第2シリアル通信回路115(SCU2)の初期化処理を行う(S2)。次いで、メインCPU101は、乱数回路110(RDG)の初期化処理を行う(S3)。次いで、メインCPU101は、メインRAM103の書き込みテストを行う(S4)。
次いで、メインCPU101は、書き込みテストの結果、メインRAM103への書き込みが正常に行われたか否かを判別する(S5)。
S5において、メインCPU101が、メインRAM103への書き込みが正常に行われなかったと判別したとき(S5がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS13の処理を行う。一方、S5において、メインCPU101が、メインRAM103への書き込みが正常に行われたと判別したとき(S5がYES判定の場合)、メインCPU101は、タイマー回路113のタイマー用制御レジスタ(不図示)の状態を取得する(S6)。
次いで、メインCPU101は、取得したタイマー用制御レジスタの状態に基づいて、現在の状態が割込処理の発生タイミングであるか否かを判別する(S7)。具体的には、メインCPU101は、取得したタイマー用制御レジスタの状態に基づいて、タイマーカウント開始後から1.1172ms経過したか否かを判別する。
なお、本実施形態では、S2のタイマー回路113の初期化処理によりタイマー時間1.1172msがセットされると、CPU内蔵タイマーのカウント処理が開始される。その後、タイマー用制御レジスタ(不図示)の情報を読み込むことによりタイマー回路113のステータスを取得することができる。そして、本実施形態では、タイマー用制御レジスタに、現在の状態が割込処理の発生タイミングであるか否か(タイマー割込状態であるか否か)を判別(参照)可能なビット(判別ビット)が設けられる。
それゆえ、上記S6の処理では、メインCPU101は、タイマー用制御レジスタ(不図示)の情報を読み込み、上記S7の処理では、メインCPU101は、タイマー用制御レジスタ内の判別ビットのオン/オフ状態(「1」/「0」)を参照することにより、現在の状態が割込処理の発生タイミングであるか否かを判別する。なお、タイマー回路113によるカウント開始から1.1172ms経過したとき(タイマー回路113のカウント値が0であれば)、該判別ビットはオン状態となる。
S7において、メインCPU101が、現在の状態が割込処理の発生タイミングでないと判別したとき(S7がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS6の処理に戻し、S6以降の処理を繰り返す。
一方、S7において、メインCPU101が、現在の状態が割込処理の発生タイミングであると判別したとき(S7がYES判定の場合)、メインCPU101は、コマンド送信開始タイマをセットする(S8)。コマンド送信開始タイマは、後述の起動遅延期間(後述の図85参照)を管理するためのタイマであり、このコマンド送信開始タイマがセットされてから0となるまでの期間は、主制御回路90(主制御基板71)から副制御回路200(副制御基板72)に対してコマンドデータが送信されないようになっている(後述の図80参照)。これにより、パチスロ1の電源投入時に、サブCPU201の起動制御に必要な時間(コマンドが受信可能となるまでの時間)が確保される。すなわち、コマンド送信開始タイマがセットされることにより、これに応じた期間、通信データ送信処理による通信データ(コマンドデータ)の送信が遅延される。なお、本実施形態では、S8において、コマンド送信開始タイマの値として「21801」(21801×1.1172ms=約24.3561秒)がセットされる。もっとも、コマンド送信開始タイマの値は、同時に搭載される副制御回路200の仕様に応じて、適宜変更することが可能である。
なお、コマンド送信開始タイマは、メインRAM103の遊技用RAM領域内に2バイトで割り当てられたソフトウェアタイマであり、後述の設定変更確認処理(図48参照)では消去されないアドレスに配置されている。
次いで、メインCPU101は、サムチェック処理(規定外)を行う(S9)。この処理では、メインCPU101は、メインRAM103のサムチェック処理を行うが、この処理の作業は、メインRAM103内の規定外作業領域(図11C参照)で行われる。また、このサムチェック処理で用いられるプログラムはメインROM102内の規定外エリアに格納されている(図11B参照)。なお、サムチェック処理の詳細については、後述の図54及び図55を参照しながら後で説明する。
S9の処理後、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ54がオン状態であるか否かを判別する(S10)。
S10において、メインCPU101が、設定用鍵型スイッチ54がオン状態であると判別したとき(S10がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS15の処理を行う。一方、S10において、メインCPU101が、設定用鍵型スイッチ54がオン状態でないと判別したとき(S10がNO判定の場合)、メインCPU101は、S9のサムチェック処理の結果に基づいて、サムチェック判定結果が正常であったか否かを判別する(S11)。
S11において、メインCPU101が、サムチェック判定結果が正常でないと判別したとき(S11がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS13の処理を行う。一方、S11において、メインCPU101が、サムチェック判定結果が正常であると判別したとき(S11がYES判定の場合)、メインCPU101は、遊技復帰処理を行う(S12)。この処理では、メインCPU101は、遊技の状態を電断検知前の状態に戻す処理を行う。なお、遊技復帰処理の詳細については、後述の図47を参照しながら後で説明する。
S5又はS11がNO判定の場合、メインCPU101は、情報表示器6(7セグLED表示器)に、エラー発生を意味する文字列「88」を表示する(S13)。その後、メインCPU101は、WDTのクリア処理を繰り返す(S14)。
ここで再度、S10の処理に戻って、S10がYES判定の場合、メインCPU101は、設定変更確認処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU101は、主に、設定変更開始時における設定変更コマンドの生成格納処理を行う。なお、設定変更確認処理の詳細については、後述の図48を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、RAM初期化処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU101は、図11Cに示すメインRAM103の遊技用RAM領域内の「RAM異常時又は設定変更開始時」のアドレスを、初期化開始の先頭アドレスとして設定し、該先頭アドレスから遊技用RAM領域の最終アドレスまでの情報を消去(クリア)する。そして、S16の処理後、メインCPU101は、後述のメイン処理(後述の図56参照)を開始する。
[遊技復帰処理]
次に、図47を参照して、電源投入(リセット割込)時処理(図46参照)中のS12で行う遊技復帰処理について説明する。なお、図47は、遊技復帰処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、スタックポインタ(SP)に、電断時のスタックポインタをセットする(S21)。次いで、メインCPU101は、コマンド送信開始タイマはカウントアップしたか否かを判別する(S22)。S22において、メインCPU101が、コマンド送信開始タイマはカウントアップしていないと判別したとき(S22がNO判定の場合)、メインCPU101は、S22の処理を繰り返す。
一方、S22において、メインCPU101が、コマンド送信開始タイマはカウントアップしたと判別したとき(S22がYES判定の場合)、メインCPU101は、入力ポートの1割込処理前のオンエッジデータ、及び、現在セットされているオンエッジデータをクリア(オフ)する(S23)。次いで、メインCPU101は、メインRAM103の出力ポートバックアップ格納領域(不図示)から出力ポートのバックアップデータを読み出し、出力ポートにセットする(S24)。次いで、メインCPU101は、入力ポートのデータを読み込み、該データを、入力ポートの現在及び1割込処理前のデータ格納領域(入力ポート格納領域1及び入力ポート格納領域2)に保存する(S25)。
次いで、メインCPU101は、回胴制御データ格納領域のアドレスをセットする(S26)。次いで、メインCPU101は、チェックするリール数(本実施形態では「3」)をセットする(S27)。
次いで、メインCPU101は、セットされた回胴制御データ格納領域のアドレスに基づいて、所定のリールのリール制御管理情報(電断発生時の表示列の変動制御に関するデータ)を取得する(S28)。なお、リール制御管理情報(表示列の変動制御管理情報)は、各リールの制御状態(回転状況)に関する情報であり、電断時には、バックアップされて保存される。
次いで、メインCPU101は、リール制御管理情報がリールの加速中、定速待ち又は定速中の回転状況に対応する情報であるか否かを判別する(S29)。
S29において、メインCPU101が、S29の条件を満たさないと判別したとき(S29がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS32の処理を行う。一方、S29において、メインCPU101が、S29の条件を満たすと判別したとき(S29がYES判定の場合)、メインCPU101は、回胴制御データ(リール制御管理情報)をクリアする(S30)。この処理により、遊技復帰後、リールの回転制御が加速処理から開始される。次いで、メインCPU101は、リールの作動タイミング値(回胴制御データの実行開始タイミング「1」)をセットする(S31)。なお、リールの作動タイミングに「1」がセットされると、リール制御処理(後述の図79中のS903参照)内で、励磁変更タイミングとなるため、メインCPU101は、リールの回転制御を加速処理から開始する。
S31の処理後又はS29がNO判定の場合、メインCPU101は、リール数の値を1減算する(S32)。次いで、メインCPU101は、減算後のリール数の値が「0」であるか否かを判別する(S33)。
S33において、メインCPU101が、減算後のリール数の値が「0」でないと判別したとき(S33がNO判定の場合)、メインCPU101は、チェック対象のリールを変えて、処理をS28の処理に戻し、S28以降の処理を繰り返す。
一方、S33において、メインCPU101が、減算後のリール数の値が「0」であると判別したとき(S33がYES判定の場合)、メインCPU101は、RAM初期化処理を行う(S34)。この処理では、メインCPU101は、図11Cに示すメインRAM103の遊技用RAM領域内の「電源復帰時」のアドレスを、初期化開始の先頭アドレスとして設定し、該先頭アドレスから遊技用RAM領域の最終アドレスまでの情報を消去(クリア)する。
次いで、メインCPU101は、電断検知時に退避させた全てのレジスタのデータを全てのレジスタに復帰させる(S35)。そして、S35の処理後、メインCPU101は、遊技復帰処理を終了し、処理を電断検知時の処理に戻す。
本実施形態では、上述のようにして遊技復帰処理が行われる。本実施形態の遊技復帰処理では、上述のように、電断発生時の各ポートの入出力状態を電源復帰時に担保するとともに、電断時にリール回転中の場合には、電源復帰時にリール制御管理情報を取得してリールの再回転開始に必要な処理も行う(S26〜S33の処理参照)。それゆえ、本実施形態では、回胴回転中の電断から復帰したときであっても、安定して、リールの再回転制御を行うことができ、遊技者に不快感を与えることが無くなる。
[設定変更確認処理]
次に、図48を参照して、電源投入(リセット割込)時処理(図46参照)中のS15で行う設定変更確認処理について説明する。図48は、設定変更確認処理の手順を示すフローチャートである。なお、遊技機の電源投入後に、設定用鍵型スイッチ54がオン状態となった場合(すなわち、現在の設定値を確認する「設定確認」の場合)には、後述のS44からこの設定変更確認処理が開始されるようにすればよい。
まず、メインCPU101は、メインRAM103内の規定外RAM領域の初期化処理を行う(S41)。次いで、メインCPU101は、1割り込み待ち処理を行う(S42)。この処理では、コマンド送信開始タイマがカウントアップしている場合、後述の通信データ送信処理(図80参照)により無操作コマンドが副制御回路200に送信される。なお、コマンド送信開始タイマがカウントアップしていない場合には、いずれのコマンドも副制御回路200に送信されないため、コマンド送信開始タイマがカウントアップしていない場合には、この処理を省略するようにしてもよい。
次いで、メインCPU101は、RAM初期化処理を行う(S43)。この処理では、メインCPU101は、図11Cに示すメインRAM103の遊技用RAM領域内の「RAM異常時又は設定変更開始時」のアドレスを、初期化開始の先頭アドレスとして設定し、該先頭アドレスから遊技用RAM領域の最終アドレスまでの情報を消去(クリア)する。
次いで、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ54がオン状態であるか否かを判別する(S44)。なお、設定用鍵型スイッチ54に差し込まれる設定キー(不図示)は、パチスロ1の設定値(設定1〜6)を設定するための操作キーであり、設定キーがオンされていると、設定用鍵型スイッチ54がオン状態となる。
S44において、メインCPU101が、設定用鍵型スイッチ54がオン状態でないと判別したとき(S44がNO判定の場合)、メインCPU101は、設定変更確認処理を終了し、処理を電源投入(リセット割込)時処理(図46参照)のS16の処理に移す。一方、S44において、メインCPU101が、設定用鍵型スイッチ54がオン状態であると判別したとき(S44がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル受付禁止の処理を行う(S45)。この処理により、セレクタ66(図5参照)のソレノイドの駆動が行われず、投入されたメダルがメダル払出口24(図2参照)から排出される。
次いで、メインCPU101は、Lレジスタに設定変更開始又は設定確認開始の情報(005H:第1の値)をセットし、設定変更コマンド(設定変更/設定確認開始)の生成格納処理を行う(S46)。この処理では、メインCPU101は、設定変更処理又は設定確認処理の開始時に主制御回路90から副制御回路200に送信される設定変更コマンドデータ(第1のコマンドデータ)を生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。なお、設定変更コマンド生成格納処理の詳細については、後述の図49を参照しながら後で説明する。また、通信データ格納領域に保存された設定変更コマンド(設定変更/設定確認開始)は、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。
次いで、メインCPU101は、エラーカウントリレーをオン状態にセットする(S47)。次いで、メインCPU101は、設定値の7セグ表示設定処理を行う(S48)。この処理により、現在の設定値が情報表示器6内の7セグLEDで表示可能になる。
次いで、メインCPU101は、設定変更及び設定確認のいずれが行われたかを判別する(S49)。S49において、メインCPU101が、設定変更が行われていない(設定確認が行われた)と判別したとき(S49がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS54の処理を行う。
一方、S49において、メインCPU101が、設定変更が行われた(設定確認が行われていない)と判別したとき(S49がYES判定の場合)、メインCPU101は、リセットスイッチ76がオン状態であるか否かを判別する(S50)。
S50において、メインCPU101が、リセットスイッチ76がオン状態であると判別したとき(S50がYES判定の場合)、メインCPU101は、設定値を更新する(S51)。すなわち、メインCPU101は、リセットスイッチ76が操作される度に、設定値を「1」〜「6」の範囲内で順次更新する。S51の処理後、メインCPU101は、処理をS48の処理に戻し、S48以降の処理を繰り返す。一方、S50において、メインCPU101が、リセットスイッチ76がオン状態でないと判別したとき(S50がNO判定の場合)、メインCPU101は、スタートスイッチ79がオン状態であるか否かを判別する(S52)。
S52において、メインCPU101が、スタートスイッチ79がオン状態でないと判別したとき(S52がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS48の処理に戻し、S48以降の処理を繰り返す。一方、S52において、メインCPU101が、スタートスイッチ79がオン状態であると判別したとき(S52がYES判定の場合)、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた設定値格納領域(不図示)に設定値を格納する(S53)。
S49がNO判定の場合又はS53の処理後、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ54がオフ状態であるか否かを判別する(S54)。
S54において、メインCPU101が、設定用鍵型スイッチ54がオフ状態でないと判別したとき(S54がNO判定の場合)、メインCPU101は、S54の処理を繰り返す。一方、S54において、メインCPU101が、設定用鍵型スイッチ54がオフ状態であると判別したとき(S54がYES判定の場合)、メインCPU101は、設定変更及び設定確認のいずれが行われたか否かを判別する(S55)。
S55において、メインCPU101が、設定変更が行われていない(設定確認が行われた)と判別したとき(S55がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS57の処理を行う。一方、S55において、メインCPU101が、設定変更が行われた(設定確認が行われていない)と判別したとき(S55がYES判定の場合)、メインCPU101は、RAM初期化処理を行う(S56)。この処理では、メインCPU101は、図11Cに示すメインRAM103の遊技用RAM領域内の図示しない「設定変更終了時」のアドレス(設定値格納領域の次のアドレス)を、初期化開始の先頭アドレスとして設定し、該先頭アドレスから遊技用RAM領域の最終アドレスまでの情報を消去(クリア)する。
S56の処理後又はS55がNO判定の場合、メインCPU101は、Lレジスタに設定変更終了又は設定確認終了の情報(004H:第2の値)をセットし、設定変更コマンド(設定変更/設定確認終了)の生成格納処理を行う(S57)。この処理では、メインCPU101は、設定変更処理又は設定確認処理の終了時に主制御回路90から副制御回路200に送信される設定変更コマンドデータ(第2のコマンドデータ)を生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。なお、設定変更コマンド生成格納処理の詳細については、後述の図49を参照しながら後で説明する。また、通信データ格納領域に保存された設定変更コマンド(設定変更/設定確認終了)は、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。そして、S57の処理後、メインCPU101は、設定変更確認処理を終了し、処理を電源投入(リセット割込)時処理(図46参照)のS16の処理に移す。
[設定変更コマンド生成格納処理]
次に、図49を参照して、設定変更確認処理(図48参照)中のS46及びS57で行う設定変更コマンド生成格納処理について説明する。なお、図49は、設定変更コマンド生成格納処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値(1〜6)の情報をEレジスタにセットする(S61)。次いで、メインCPU101は、RT状態の情報をCレジスタにセットする(S62)。次いで、メインCPU101は、設定変更コマンドのコマンド種別情報(02H)をAレジスタにセットする(S63)。
次いで、メインCPU101は、通信データ格納処理を行う(S64)。この処理では、メインCPU101は、S61〜S63で各レジスタにセットされた情報と、S46又はS58(図48参照)でLレジスタにセットされた情報(設定ステータスである設定変更開始/設定変更終了/設定確認開始/設定確認終了)とを用いて、設定変更コマンドデータを生成し、該生成されたコマンドデータを通信データ格納領域に保存する。なお、通信データ格納処理の詳細については、後述の図50を参照しながら後で説明する。
S64の処理後、メインCPU101は、設定変更コマンド生成格納処理を終了する。なお、設定変更確認処理(図48参照)中のS46で行う設定変更コマンド生成格納処理を終了する際には、メインCPU101は、S64の処理後、処理を設定変更確認処理(図48参照)のS47の処理に移す。また、設定変更確認処理(図48参照)中のS57で行う設定変更コマンド生成格納処理を終了する際には、メインCPU101は、S64の処理後、設定変更コマンド生成格納処理を終了するとともに、設定変更確認処理(図48参照)も終了する。
[通信データ格納処理]
次に、図50を参照して、例えば、設定変更コマンド生成格納処理(図49参照)中のS64で行う通信データ格納処理について説明する。なお、通信データ格納処理は、設定変更コマンド生成時だけでなく、他のコマンド生成時にも実行される。図50は、通信データ格納処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、Aレジスタにセットされているデータを通信コマンド種別のデータとして、メインRAM103内の通信データ一時格納領域(不図示)に格納する(S71)。次いで、メインCPU101は、Hレジスタ及びLレジスタにセットされているデータを、それぞれ通信コマンドのパラメータ1及び2として、メインRAM103内の通信データ一時格納領域に格納する(S72)。
次いで、メインCPU101は、Dレジスタ及びEレジスタにセットされているデータを、それぞれ通信コマンドのパラメータ3及び4として、メインRAM103内の通信データ一時格納領域に格納する(S73)。次いで、メインCPU101は、Bレジスタ及びCレジスタにセットされているデータを、それぞれ通信コマンドのパラメータ5及びRT状態のデータとして、メインRAM103内の通信データ一時格納領域に格納する(S74)。
次いで、メインCPU101は、Aレジスタ〜Lレジスタにセットされているデータ値から通信コマンドのBCCデータ(サム値)を生成する(S75)。次いで、メインCPU101は、生成したBCCデータをメインRAM103内の通信データ一時格納領域に格納する(S76)。
S76の処理後、メインCPU101は、メインRAM103内の通信データ格納領域に空きがあるか否かを判別する(S77)。なお、本実施形態では、通信データ格納領域に最大9個のコマンドデータが格納可能である。
S77において、メインCPU101が、通信データ格納領域に空きがないと判別したとき(S77がNO判定の場合)、メインCPU101は、通信データ格納処理を終了するとともに、例えば、設定変更コマンド生成格納処理(図49参照)も終了する。
一方、S77において、メインCPU101が、通信データ格納領域に空きがあると判別したとき(S77がYES判定の場合)、メインCPU101は、上述したS71〜S76の処理により通信データ一時格納領域に格納された各データを通信データ(コマンドデータ)として、通信データ格納領域に格納(登録)する(S78)。
次いで、メインCPU101は、通信データポインタ更新処理を行う(S79)。この処理では、メインCPU101は、主に、通信データ格納領域内における通信データの格納アドレスを示す通信データポインタの更新処理を行う。なお、通信データポインタ更新処理の詳細については、後述の図51を参照しながら後で説明する。
そして、S79の処理後、メインCPU101は、通信データ格納処理を終了するとともに、例えば、設定変更コマンド生成格納処理(図49参照)も終了する。
上述のように、本実施形態では、1パケット(8バイト)の通信データ(コマンドデータ)を作成する際に、各種パラメータをレジスタから転送して通信データ一時格納領域(通信バッファ)に格納する。このようなコマンドデータの作成手法では、コマンド生成時に各レジスタに格納されているデータがそのままコマンドデータの各種パラメータとして通信データ一時格納領域に格納される。それゆえ、未使用パラメータを含むコマンドデータを作成した時には、作成時毎に、未使用パラメータの値が不定値となる。これにより、通信データの解析を困難にしてゴト等の不正行為を抑止することができるとともに、不必要なゴト対策処理を加える必要がないため、ゴト対策処理の追加による、主制御回路90のプログラム容量の圧迫を抑制することができる。
[通信データポインタ更新処理]
次に、図51を参照して、通信データ格納処理(図50参照)中のS79で行う通信データポインタ更新処理について説明する。なお、図51は、通信データポインタ更新処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、現在、セットされている通信データポインタの値を取得する(S81)。
次いで、メインCPU101は、通信データポインタの値を1パケット分(8バイト)加算更新する(S82)。なお、この処理において、更新後の通信データポインタの値が、通信データ格納領域の上限サイズ以上となる場合には、メインCPU101は、更新後の通信データポインタの値を「0」にセットし、これにより、通信データ格納領域に格納されているコマンドデータを全て無効にする(破棄した状態と同様の状態にする)。
本実施形態では、1回の送信動作で送信されるデータ量(1パケット)は8バイトである。すなわち、本実施形態では、1つの送信動作で1つのコマンドデータを送信することができる。また、本実施形態では、通信データ格納領域に最大9個のコマンドデータを格納可能であるので、通信データ格納領域の上限サイズは、72バイト(=8バイト×9)となる。それゆえ、本実施形態では、通信データポインタの範囲を「0」〜「71」とし、S82の処理において、更新後(通信データポインタを+8更新した場合)の通信データポインタの値が「71(上限値)」を超えるような値となる場合には、更新後の通信データポインタの値を「0」にセットして(通信データの格納先のアドレスを先頭アドレスに戻して)、通信データ格納領域に格納されているコマンドデータを全て無効にする(破棄した状態と同様の状態にする)。なお、通信データポインタの値を「0」にセットすると、次にコマンドデータを通信データ格納領域に格納する場合には、通信データ格納領域の先頭アドレスから格納されるので、その前に格納されていたコマンドデータは新たなコマンドデータで上書きされることになる。それゆえ、本実施形態では、通信データポインタの値が「71(上限値)」を超えた場合に、通信データ格納領域を初期化(クリア)する必要はない。
そして、S82の処理後、メインCPU101は、通信データポインタ更新処理を終了するとともに、通信データ格納処理(図50参照)も終了する。
[電断時(外部)処理]
次に、メインCPU101の制御により行われるパチスロ1の電断時(外部)処理を、図52を参照して説明する。図52は、電断時(外部)処理の手順を示すフローチャートである。なお、図52に示す電断時(外部)処理は、電源管理回路93が、マイクロプロセッサ91に供給される電源電圧の低下(電断)を検知した際に、電断検知信号をマイクロプロセッサ91の「XINT」端子に出力し、これにより、マイクロプロセッサ91の割込みコントローラ112からメインCPU101に出力される割込要求信号に基づいて、実行される。
まず、メインCPU101は、全てのレジスタにセットされているデータを退避させる(S91)。次いで、メインCPU101は、電断検知ポートにセットされているデータを読み込む(S92)。
次いで、メインCPU101は、電断検知ポートがオン状態であるか否かを判別する(S93)。
S93において、メインCPU101が、電断検知ポートがオン状態でないと判別したとき(S93がNO判定の場合)、メインCPU101は、割込処理許可をセットする(S94)。そして、S94の処理後、メインCPU101は、電断時(外部)処理を終了する。なお、S93がNO判定である場合に行われるこれらの処理は、電源管理回路93が瞬間的に電断を検知した場合等に発生する瞬停対策の処理に対応する。
一方、S93において、メインCPU101が、電断検知ポートがオン状態であると判別したとき(S93がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入不可を設定し、ホッパー装置51の停止を設定する(S95)。
次いで、メインCPU101は、現在セットされているスタックポインタ(SP)の値をメインRAM103内の遊技用RAM領域のスタックエリアに保存する(S96)。
次いで、メインCPU101は、メインRAM103のチェックサム生成処理を行う(S97)。なお、この処理は、メインRAM103内の規定外作業領域(図11C参照)で行われる。また、このチェックサム生成処理で用いられるプログラムはメインROM102内の規定外エリアに格納されている(図11B参照)。なお、チェックサム生成処理の詳細については、後述の図53を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセス禁止を設定する(S98)。そして、S98の処理後、電源が停止するまで(電源電圧が、メインCPU101が動作できない電圧に達するまで)無限ループ処理が行われる。
[チェックサム生成処理(規定外)]
次に、図53を参照して、電断時(外部)処理(図52参照)中のS97で行うチェックサム生成処理について説明する。なお、図53は、チェックサム生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、現在のスタックポインタ(SP)の値(遊技用RAM領域のスタックエリアの使用中アドレス)をメインRAM103の規定外RAM領域の規定外スタックエリアに保存する(S101)。次いで、メインCPU101は、スタックポインタに規定外スタックエリアのアドレスをセットする(S102)。次いで、メインCPU101は、RAMアドレス(規定外スタックエリアのアドレス)の上位側のアドレス値(F0H)をQレジスタにセットする(S103)。次いで、メインCPU101は、電断発生フラグを設定する(S104)。
次いで、メインCPU101は、スタックポインタに、遊技用RAM領域内のサム値の計算開始アドレスをセットし、サム算出カウンタに、サム値の算出対象格納領域のバイト数を「2」で除算した値をセットする(S105)。なお、サム算出カウンタは、サム値算出の終了契機を判定するためのカウンタであり、メインRAM103に設けられる。そして、S105で設定されたサム算出カウンタが「0」になれば、メインRAM103の遊技用RAM領域のサム値算出処理を終了する。
次いで、メインCPU101は、HLレジスタを0クリア(値「0」をセット)する(S106)。この処理により、サム値の初期値「0」がセットされる。
次いで、メインCPU101は、「POP命令」と呼ばれる命令コードを実行し、スタックポインタ(SP)にセットされたメインRAM103の格納領域のアドレスから2バイト分の領域のデータ(保存値)をDEレジスタに読み出す(S107)。
なお、「POP」命令が実行されると、スタックポインタで指定されたアドレスの1バイト領域に保存されているデータ(メモリ内容)が、ペアレジスタの下位側のレジスタにロードされ、スタックポインタで指定されたアドレスを1更新したアドレスの1バイト領域に保存されているデータ(メモリ内容)が、ペアレジスタの上位側のレジスタにロードされる。また、「POP」命令が実行されると、スタックポインタ(SP)にセットされたアドレスに対して2バイト分のアドレス更新処理(アドレスを「2」加算する処理)が行われる。
それゆえ、S107の処理では、スタックポインタで指定されたアドレスに保存されているデータ(メモリ内容)がEレジスタにロードされ、スタックポインタで指定されたアドレスに「1」を加算したアドレスに保存されているデータ(メモリ内容)がDレジスタにロードされる。
S107の処理後、メインCPU101は、サム値の算出処理を行う(S108)。具体的には、メインCPU101は、HLレジスタに格納されている値にDEレジスタに格納されている値を加算し、該加算された値をサム値としてHLレジスタに格納する。
次いで、メインCPU101は、サム算出カウンタの値を1減算する(S109)。次いで、メインCPU101は、更新後のサム算出カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S110)。
S110において、メインCPU101が、サム算出カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S110がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS107の処理に戻し、S107以降の処理を繰り返す。すなわち、メインRAM103の遊技用RAM領域のサム値算出処理が終了するまで、S107〜S110の処理が繰り返される。
一方、S110において、メインCPU101が、サム算出カウンタの値が「0」であると判別したとき(S110がYES判定の場合)、メインCPU101は、DEレジスタに、メインRAM103内の規定外RAM領域のサム値の計算開始アドレスをセットし、サム算出カウンタに、規定外用サムカウント値をセットする(S111)。なお、規定外用サムカウント値は、規定外用格納領域のバイト数となる。それゆえ、S111で設定されたサム算出カウンタが「0」になれば、メインRAM103の規定外RAM領域のサム値算出処理、すなわち、メインRAM103全体のサム値算出処理が終了する。
次いで、メインCPU101は、DEレジスタにセットされた規定外RAM領域のアドレスから1バイト分の領域のデータ(保存値)をAレジスタに読み出す(S112)。
次いで、メインCPU101は、サム値の算出処理を行う(S113)。具体的には、メインCPU101は、HLレジスタに格納されている値にAレジスタに格納されている値を加算し、該加算された値をサム値としてHLレジスタに格納する。
次いで、メインCPU101は、DEレジスタに格納されているアドレスを1加算し、サム算出カウンタの値を1減算する(S114)。次いで、メインCPU101は、更新後のサム算出カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S115)。
S115において、メインCPU101が、サム算出カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S115がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS112の処理に戻し、S112以降の処理を繰り返す。すなわち、メインRAM103の規定外RAM領域のサム値を遊技用RAM領域のサム値に加算する処理が終了するまで、S112〜S115の処理が繰り返される。
一方、S115において、メインCPU101が、サム算出カウンタの値が「0」であると判別したとき(S115がYES判定の場合)、メインCPU101は、HLレジスタに格納されている値を電断発生時のサム値として、メインRAM103内のサム値格納領域(不図示)に保存する(S116)。次いで、メインCPU101は、S101で規定外スタックエリアに保存されたスタックポインタ(SP)の値をスタックポインタにセットする(S117)。そして、S117の処理後、メインCPU101は、チェックサム生成処理を終了し、処理を電断時(外部)処理(図52参照)のS98の処理に移す。
[サムチェック処理(規定外)]
次に、図54及び図55を参照して、電源投入時処理(図46参照)中のS9で行うサムチェック処理について説明する。なお、図54及び図55は、サムチェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、現在のスタックポインタ(SP)の値を規定外スタックエリアに保存する(S121)。次いで、メインCPU101は、スタックポインタにサム値格納領域のアドレスをセットし、サム算出カウンタに、サム値の算出対象格納領域のバイト数を「2」で除算した値をセットする(S122)。なお、ここでセットされるサム算出カウンタは、サム値算出(サム値の減算処理)の終了契機を判定するためのカウンタであり、メインRAM103に設けられる。次いで、メインCPU101は、サム値格納領域からサム値(チェックサム)を取得する(S123)。この処理により、電断発生時に生成されたチェックサム(減算前の初期値)がHLレジスタに格納される。
次いで、メインCPU101は、「POP」命令を実行し、スタックポインタ(SP)にセットされたメインRAM103の格納領域のアドレスから2バイト分の領域のデータ(保存値)をDEレジスタに読み出す(S124)。なお、この際、「POP」命令の実行により、スタックポインタで指定されたアドレスの1バイト領域に保存されているデータ(メモリ内容)が、Eレジスタにロードされ、スタックポインタで指定されたアドレスを1更新したアドレスの1バイト領域に保存されているデータ(メモリ内容)が、Dレジスタにロードされる。また、「POP」命令が実行されると、スタックポインタ(SP)にセットされたアドレスに対して2バイト分のアドレス更新処理(アドレスを2加算する処理)が行われる。
次いで、メインCPU101は、サム値の算出(減算)処理を行う(S125)。具体的には、メインCPU101は、HLレジスタに格納されている値(サム値の初期値又は前回の減算処理後のサム値)からDEレジスタに格納されている値を減算し、該減算された値をサム値としてHLレジスタに格納する。
次いで、メインCPU101は、サム算出カウンタの値を1減算する(S126)。次いで、メインCPU101は、更新後のサム算出カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S127)。
S127において、メインCPU101が、サム算出カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S127がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS124の処理に戻し、S124以降の処理を繰り返す。すなわち、メインRAM103の遊技用RAM領域の全域に渡ってサム値の減算処理が終了するまで、S124〜S127の処理が繰り返される。
一方、S127において、メインCPU101が、サム算出カウンタの値が「0」であると判別したとき(S127がYES判定の場合)、メインCPU101は、DEレジスタに、メインRAM103内の規定外RAM領域のサム値の計算開始アドレスをセットし、サム算出カウンタに、規定外用サムカウント値をセットする(S128)。なお、規定外用サムカウント値は、規定外RAM領域のバイト数となる。
次いで、メインCPU101は、DEレジスタにセットされた規定外RAM領域のアドレスから1バイト分の領域のデータ(保存値)をAレジスタに読み出す(S129)。
次いで、メインCPU101は、サム値の算出(減算)処理を行う(S130)。具体的には、メインCPU101は、HLレジスタに格納されている値からAレジスタに格納されている値を減算し、該減算された値をサム値としてHLレジスタに格納する。
次いで、メインCPU101は、DEレジスタに格納されているアドレスを1加算し、サム算出カウンタの値を1減算する(S131)。次いで、メインCPU101は、更新後のサム算出カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S132)。
S132において、メインCPU101が、サム算出カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S132がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS129の処理に戻し、S129以降の処理を繰り返す。すなわち、メインRAM103の規定外RAM領域の全域に渡ってサム値の減算処理が終了するまで、S129〜S132の処理が繰り返される。
一方、S132において、メインCPU101が、サム算出カウンタの値が「0」であると判別したとき(S132がYES判定の場合)、メインCPU101は、サムチェック処理の判定結果に「サム異常」をセットする(S133)。次いで、メインCPU101は、算出されたサム値が「0」であるか否かを判別する(S134)。
なお、この処理では、メインCPU101は、フラグ・レジスタFのゼロフラグ(ビット6)の状態(1/0)を参照して、サム値が「0」であるか否かを判別する。本実施形態では、S128でセットされたサム算出カウンタの値が「0」になった時点、すなわち、メインRAM103の全域に渡ってサム値の減算処理が終了した時点において、サム値が「0」である場合には、フラグ・レジスタFのゼロフラグには「1」がセットされ、サム値が「0」でない場合には、フラグ・レジスタFのゼロフラグには「0」がセットされている。それゆえ、S134の処理の時点において、フラグ・レジスタFのゼロフラグに「1(オン状態)」がセットされていれば、メインCPU101はサム値が「0」であると判定する。
S134において、メインCPU101が、算出されたサム値が「0」でないと判別したとき(S134がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS139の処理を行う。一方、S134において、メインCPU101が、算出されたサム値が「0」であると判別したとき(S134がYES判定の場合)、メインCPU101は、判定結果に「電断異常」をセットする(S135)。
次いで、メインCPU101は、電断発生フラグを取得する(S136)。次いで、メインCPU101は、電断発生フラグが電断なしの状態(オフ状態)であるか否かを判別する(S137)。
S137において、メインCPU101が、電断発生フラグが電断なしの状態であると判別したとき(S137がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS139の処理を行う。一方、S137において、メインCPU101が、電断発生フラグが電断なしの状態でないと判別したとき(S137がNO判定の場合)、メインCPU101は、判定結果に「正常」をセットする(S138)。
S138の処理後、S134がNO判定の場合、又は、S137がYES判定の場合、メインCPU101は、サムチェック判定結果に判定結果を保存し、電断発生フラグをクリア(オフ)する(S139)。次いで、メインCPU101は、S121で規定外スタックエリアに保存されたスタックポインタ(SP)の値をスタックポインタにセットする(S140)。そして、S140の処理後、メインCPU101は、サムチェック処理を終了し、処理を電源投入時処理(図46参照)のS10の処理に移す。
[メインCPUの制御によるパチスロのメイン処理]
次に、図56を参照して、メインCPU101の制御により実行されるパチスロ1のメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図56は、メイン処理の手順を示すフローチャート(以下、メインフローという)である。
まず、メインCPU101は、RAM初期化処理を行う(S201)。この処理では、メインCPU101は、図11Cに示すメインRAM103の遊技用RAM領域内の「一遊技終了時」のアドレスを、初期化開始の先頭アドレスとして設定し、該先頭アドレスから遊技用RAM領域の最終アドレスまでの情報を消去(クリア)する。なお、この範囲の格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
次いで、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S202)。この処理では、メインCPU101は、各メダルセンサ(図5参照)やスタートスイッチ79などの入力チェック処理等を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については、後述の図57及び図58を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S203)。この処理では、メインCPU101は、内部当籤役抽籤用の乱数値(0〜65535:ハードラッチ乱数となる乱数回路110の乱数レジスタ0の値)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(0〜65535:ソフトラッチ乱数となる乱数回路110の乱数レジスタ1の値、0〜255:ソフトラッチ乱数となる乱数回路110の乱数レジスタ2〜7の各値)などを抽出し、該抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、乱数値取得処理の詳細については、後述の図63を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S204)。この処理では、メインCPU101は、S203で抽出した乱数値(ハードラッチ乱数)に基づいた抽籤により内部当籤役の決定処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については、後述の図64を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、図柄設定処理を行う(S205)。この処理では、メインCPU101は、例えば、当り要求フラグステータス(フラグステータス情報)から内部当籤役を生成する処理、当り要求フラグデータの展開処理、当り要求フラグデータを当り要求フラグ格納領域を格納する処理等を行う。なお、図柄設定処理の詳細については、後述の図65を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S206)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたスタートコマンドは、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。なお、スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータ(当籤役番号等)を含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、第2インターフェースボード制御処理を行う(S207)。なお、第2インターフェースボード制御処理は、メインRAM103の規定外用作業領域で実行される。この処理では、メインCPU101は、例えば、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号などを、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力するための処理等を行う。
次いで、メインCPU101は、遊技開始時状態別制御処理を行う(S208)。この処理では、メインCPU101は、図33〜図44を用いて説明した、非有利区間の通常状態、通常有利区間の各遊技状態、及び有利区間の各遊技状態における各種制御のうち、遊技開始時に行う必要がある各種制御を行うための各種処理を行う。
次いで、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S209)。この処理では、メインCPU101は、リール停止初期設定テーブル(不図示)を参照し、内部当籤役及び遊技状態に基づいて、引込優先順位テーブル選択テーブル番号、引込優先順位テーブル番号、停止テーブル番号を取得する処理や、ストップボタン未作動カウンタに「3」を格納する処理などを行う。
次いで、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S210)。この処理では、メインCPU101は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される後述の割込処理(後述の図79参照)により、3つのステッピングモータ(不図示)の駆動が制御され、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転が開始される。次いで、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
次いで、メインCPU101は、リール回転開始コマンド生成格納処理を行う(S211)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信するリール回転開始コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたリール回転開始コマンドは、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。なお、リール回転開始コマンドは、リールの回転開始動作開始されたことを示すパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S212)。この処理では、メインCPU101は、引込優先順位データを取得して、引込優先順位データ格納領域に格納する。なお、引込優先順位格納処理の詳細については、後述の図67を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S213)。この処理では、メインCPU101は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rがそれぞれ押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転の停止制御を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については、後述の図72を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、入賞検索処理を行う(S214)。この処理では、メインCPU101は、図柄コード格納領域(図30参照)のデータを入賞作動フラグ格納領域(図25参照)に格納する。また、この処理では、メインCPU101は、有効ラインに表示役が表示されたか否かを判定し、その判定結果に基づいて、メダルの払出枚数をセットする。なお、入賞検索処理の詳細については、後述の図73を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、イリーガルヒットチェック処理を行う(S215)。この処理では、メインCPU101は、当り要求フラグ(内部当籤役)と入賞作動フラグ(表示役)とを合成し、その合成結果に基づいてイリーガルヒットエラーの有無を判定する。なお、イリーガルヒットチェック処理の詳細については、後述の図74を参照しながら後で説明する。また、リール停止制御処理(後述の図72参照)によって誤入賞が発生することなく各リールが停止される限りにおいては、制御負担軽減の観点からこのイリーガルヒットチェック処理を省略することもできる。
次いで、メインCPU101は、入賞チェック・メダル払出処理を行う(S216)。この処理では、メインCPU101は、入賞作動コマンドの生成処理を行う。また、この処理では、メインCPU101は、S214において決定された表示役の払出枚数に基づいて、ホッパー装置51の駆動やクレジット枚数の更新を行い、メダルの払い出し処理を行う。なお、入賞チェック・メダル払出処理の詳細については、後述の図75を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、BBチェック処理を行う(S217)。この処理では、メインCPU101は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。なお、BBチェック処理の詳細については、後述の図77を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、RTチェック処理を行う(S218)。この処理では、メインCPU101は、有効ライン上に停止表示された図柄組合せに基づいてRT状態の移行制御を行う。なお、RTチェック処理の詳細については、後述の図78を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、遊技終了時状態別制御処理を行う(S219)。この処理では、メインCPU101は、図33〜図44を用いて説明した、非有利区間の通常状態、通常有利区間の各遊技状態、及び有利区間の各遊技状態における各種制御のうち、遊技終了時に行う必要がある各種制御を行うための各種処理を行う。そして、S219の処理後(一遊技終了後)、メインCPU101は、処理をS201の処理に戻す。
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図57及び図58を参照して、メインフロー(図56参照)中のS202で行うメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図57及び図58は、メダル受付・スタートチェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否か(自動投入要求はあるか否か)を判別する(S221)。なお、この処理において、自動投入メダルカウンタが「1」以上であるときは、メインCPU101は、自動投入要求があると判別する。また、自動投入メダルカウンタは、前回の単位遊技において再遊技(リプレイ)に係る表示役が成立したか否かを識別するためのデータである。再遊技に係る表示役が成立したときには、前回の単位遊技において投入された枚数分のメダルが自動投入メダルカウンタに自動的に投入される。
S221において、メインCPU101が、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判別したとき(S221がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS225の処理を行う。
一方、S221において、メインCPU101が、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判別したとき(S221がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入処理を行う(S222)。この処理では、メインCPU101は、メダル投入コマンドの生成格納処理やメダル投入枚数のLED点灯制御処理などを行う。なお、メダル投入処理の詳細については、後述の図59を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値を減算する(S223)。なお、この処理では、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値を一度に(例えば、「3」を)減算するようにしてよいし、「1」ずつ減算するようにしてもよい。次いで、減算後の自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S224)。
S224において、メインCPU101が、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判別したとき(S224がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS222の処理に戻し、S222以降の処理を繰り返す。
一方、S224において、メインCPU101が、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判別したとき(S224がYES判定の場合)、又は、S221がYES判定の場合、メインCPU101は、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S225)。この処理では、メインCPU101は、メダル補助収納庫スイッチ75のオン/オフ状態に基づいて、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
次いで、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S226)。次いで、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理の結果に基づいて、メダル投入可能な状態であるか否かを判別する(S227)。
S227において、メインCPU101が、メダル投入可能な状態でないと判別したとき(S227がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS231の処理を行う。
一方、S227において、メインCPU101が、メダル投入可能な状態であると判別したとき(S227がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入チェック処理を行う(S228)。この処理では、メインCPU101は、例えば、メダルセンサ入力状態に基づいて、メダルが正常に通過したか否かの判定処理や、規定数を超えてメダル投入が行われた場合に該メダルをクレジットする処理などを行う。なお、メダル投入チェック処理の詳細については、後述の図60及び図61を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、メダル投入チェック処理の結果に基づいて、メダル投入又はクレジット可能な状態であるか否かを判別する(S229)。
S229において、メインCPU101が、メダル投入又はクレジット可能な状態であると判別したとき(S229がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS231の処理を行う。一方、S229において、メインCPU101が、メダル投入又はクレジット可能な状態でないと判別したとき(S229がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル受付禁止の処理を行う(S230)。この処理により、セレクタ66(図5参照)のソレノイドの駆動が行われなくなり(励磁されていたソレノイドが消磁され)、セレクトプレート804がガイド位置から排出位置に変移することで、投入されたメダルがメダル払出口24から排出されるようになる。
S230の処理後、S227がNO判定の場合、又は、S229がYES判定の場合、メインCPU101は、現在のメダルの投入枚数が遊技可能開始枚数であるか否かを判別する(S231)。なお、本実施形態では、遊技状態にかかわらず遊技開始可能枚数は3枚である(すなわち、3枚投入のときのみ遊技を開始することが可能となる)。
S231において、メインCPU101が、現在のメダルの投入枚数が遊技可能開始枚数であると判別したとき(S231がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS234の処理を行う。一方、S231において、メインCPU101が、現在のメダルの投入枚数が遊技可能開始枚数でないと判別したとき(S231がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入があるか否かを判別する(S232)。
S232において、メインCPU101が、メダル投入があると判別したとき(S232がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理をS226に戻し、S226以降の処理を繰り返す。一方、S232において、メインCPU101が、メダル投入がないと判別したとき(S232がNO判定の場合)、メインCPU101は、図48で説明した設定変更確認処理を行う(S233)。この処理では、メインCPU101は、設定確認開始時の設定変更コマンドの生成格納処理などを行う。これにより、遊技状態がボーナス状態(特賞作動状態)であるか否かにかかわらず、設定値及びホールメニュー(各種履歴データ(エラー、電断履歴等))を確認することができ、ゴト等の不正行為を抑制することができる。なお、このS233で行われる設定変更確認処理では、設定用鍵型スイッチ54がオフ状態であっても、少なくとも現在の設定値の情報を含む設定変更コマンド(設定確認開始)の生成格納処理が行われ、該コマンドデータがメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存されるようにしてもよい。これにより、遊技毎に設定値が適切か(設定1〜6の範囲内であるか)否かをチェックすることが可能としてもよい。
S233の処理後又はS231がYES判定の場合、メインCPU101は、スタートスイッチ79がオン状態であるか否かを判別する(S234)。
S234において、メインCPU101が、スタートスイッチ79がオン状態でないと判別したとき(S234がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS226に戻し、S226以降の処理を繰り返す。
一方、S234において、メインCPU101が、スタートスイッチ79がオン状態であると判別したとき(S234がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル受付禁止の処理を行う(S235)。この処理により、セレクタ66(図5参照)のソレノイドの駆動が行われなくなり(励磁されていたソレノイドが消磁され)、セレクトプレート804がガイド位置から排出位置に変移することで、投入されたメダルがメダル払出口24から排出されるようになる。
次いで、メインCPU101は、メダル監視タイマにタイマ値(本実施形態では、「72」)をセットする(S236)。メダル監視タイマは、セレクタ66において、励磁されていたソレノイドが消磁完了となるまでの期間(すなわち、セレクトプレート804が、ガイド位置から排出位置に移動するまでの期間)を監視するためのタイマであり(後述の図86参照)、例えば、励磁されていたソレノイドが消磁完了となるまでの期間が80msである場合に、少なくともそれ以上の期間(「約80.44ms」)を計測するためのタイマ値が設定される。すなわち、メダル監視タイマは、遊技可能開始枚数分のメダルが投入されている場合に、スタートレバー16が操作され(スタートスイッチ79がオン状態となり)、メダル受付禁止の制御が開始されてから、実際にメダルの受付が(物理的に)禁止されるまでの特定期間を監視する。これにより、後述のスタートレバーONフラグや、後述のメダル投入チェック2処理等と合わせて、該特定期間においてメダルが投入された場合に、そのメダルが誤って飲み込まれてしまう(すなわち、メダルを投入したが、カウントされることなくホッパー装置51に収容されてしまう)ことを防止している。なお、メダル監視タイマの値は、セレクタ66(主にソレノイド)の仕様に応じて、適宜変更することが可能である。また、メダルの飲み込みを防止することが担保される限り、励磁されていたソレノイドが消磁完了となるまでの期間未満の期間に設定することもできる。
次いで、メインCPU101は、スタートレバーONフラグをオン状態にセットする(S237)。スタートレバーONフラグは、遊技可能開始枚数分のメダルが投入されている場合に、スタートレバー16が操作された(スタートスイッチ79がオン状態となった)か否かを識別するための情報である。
次いで、メインCPU101は、メダル投入チェック2処理を行う(S238)。この処理では、メインCPU101は、基本的に、メダル投入チェック処理と同様の処理を行う。なお、メダル投入チェック処理及びメダル投入チェック2処理の詳細については、後述の図60及び図61を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、スタートレバーONフラグがオフ状態であるか否かを判別する(S239)。S239において、メインCPU101が、スタートレバーONフラグがオフ状態であると判別したとき(S239がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理をS226に戻し、S226以降の処理を繰り返す。
一方、S239において、メインCPU101が、スタートレバーONフラグがオフ状態でない(すなわち、オン状態である)と判別したとき(S239がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル監視タイマは「0」であるか否かを判別する(S240)。S239において、メインCPU101が、メダル監視タイマは「0」でない(すなわち、「1」以上である)と判別したとき(S240がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS238に戻し、S238以降の処理を繰り返す。
一方、S240において、メインCPU101が、メダル監視タイマは「0」であると判別したとき(S240がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)のS203に移す。
[メダル投入処理]
次に、図59を参照して、メダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)中のS222、及び後述のメダル投入チェック処理(図60及び図61参照)中のS265で行うメダル投入処理について説明する。なお、図59は、メダル投入処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、メダルカウンタの値に「1」を加算する(S241)。なお、メダルカウンタは、メダルの投入枚数をカウント(計数)するためのカウンタであり、メインRAM103に設けられる。
次いで、メインCPU101は、メダル投入コマンド生成格納処理を行う(S242)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信するメダル投入コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたメダル投入コマンドは、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。すなわち、メダル投入コマンドは、メダルが1枚投入される度に、主制御回路90から副制御回路200に送信される。なお、メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、LED82(図6参照)に含まれるメダル投入枚数表示用の第1〜第3LEDを消灯させる(S243)。次いで、メインCPU101は、メダル投入枚数(メダルカウンタの値)に基づいて、該メダル投入枚数に対応するLED点灯データ(点灯制御データ)を算出する(S244)。この処理において、例えば、メダル投入枚数が1枚である場合には、メダル投入枚数表示用の第1LEDのみを点灯させるLED点灯データが算出され、また、例えば、メダル投入枚数が3枚である場合には、メダル投入枚数表示用の第1〜第3LEDの全てを点灯させるLED点灯データが算出される。なお、このLED点灯データの算出手法については、後で詳述する。
次いで、メインCPU101は、算出されたLED点灯データを用いて、対応するメダル投入枚数表示用のLEDを点灯させる(S245)。そして、S245の処理後、メインCPU101は、メダル投入処理を終了し、処理をメダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)のS223、又は後述のメダル投入チェック処理(図60及び図61参照)のS253に移す。
[メダル投入チェック処理]
次に、図60及び図61を参照して、メダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)中のS228で行うメダル投入チェック処理、及びメダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)中のS238で行うメダル投入チェック2処理について説明する。図60及び図61は、メダル投入チェック処理の手順を示すフローチャートである。なお、メダル投入チェック2処理は、メダル投入チェック処理のS253から処理が開始されるものであり、S253〜S268の処理はメダル投入チェック処理におけるものと同一の処理であることから、以下では、メダル投入チェック処理の手順として説明する。
まず、メインCPU101は、再遊技中であるか否かを判別する(S251)。
S251において、メインCPU101が、再遊技中であると判別したとき(S251がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入チェック処理を終了し、処理をメダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)のS229に移す。
一方、S251において、メインCPU101が、再遊技中でないと判別したとき(S251がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル受付許可を行う(S252)。この処理では、セレクタ66(図5参照)のソレノイドの駆動が行われ(消磁されていたソレノイドが励磁され)、セレクトプレート804が排出位置からガイド位置に変移することで、メダル投入口14から投入されたメダルが計数され、ホッパー装置51に収容されるようになる。
次いで、メインCPU101は、ベットボタンチェック処理を行う(S253)。この処理では、メインCPU101は、BETスイッチ77のオン/オフ状態に基づいて、ベットボタン(MAXベットボタン15a又は1ベットボタン15b)の操作が行われたか否かを判別する。次いで、メインCPU101は、S253のベットボタンチェック処理の結果に基づいて、ベット動作が完了したか否かを判別する(S254)。
S254において、メインCPU101が、ベット動作が完了したと判別したとき(S254がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入チェック処理(又はメダル投入チェック2処理)を終了し、処理をメダル受付・スタートチェック処理(57及び図58参照)のS229(又はメダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)のS239)に移す。
一方、S254において、メインCPU101が、ベット動作が完了していないと判別したとき(S254がNO判定の場合)、メインCPU101は、現処理時のメダルセンサ入力状態(遊技媒体の受付状態)と、前回処理時のメダルセンサ入力状態とを取得する(S255)。なお、メダルセンサ入力状態は、メダル投入口14に受け入れられたメダルのセレクタ66内の通過状況を示す情報であり、セレクタ66の各メダルセンサ(図5参照)の検知結果により生成される。
本実施形態では、メダルセンサ入力状態は、1バイト(8ビット)のデータで表され、セレクタ66の出口にメダルの通過方向に並んで設けられた上流側の第1メダルセンサ806の検知結果がビット0の情報(「0」又は「1」)に対応し、下流側の第2メダルセンサ807の検知結果がビット1の情報(「0」又は「1」)に対応する。第1メダルセンサによりメダルの通過が検知された場合には、ビット0に「1」がセットされ、第2メダルセンサによりメダルの通過が検知された場合には、ビット1に「1」がセットされる。それゆえ、メダルセンサ入力状態「00000000B」は、メダル通過前又は通過後(通過時)の状態を示し、メダルセンサ入力状態「00000001B」は、メダル通過開始時の状態を示し、メダルセンサ入力状態「00000011B」は、メダル通過中の状態を示し、メダルセンサ入力状態「00000010B」は、メダル通過完了直前の状態を示す。
次いで、メインCPU101は、現処理時のメダルセンサ入力状態が前回処理時のメダルセンサ入力状態から変化したか否かを判別する(S256)。
S256において、メインCPU101が、現処理時のメダルセンサ入力状態が前回処理時のメダルセンサ入力状態から変化していないと判別したとき(S256がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS262の処理を行う。
一方、S256において、メインCPU101が、現処理時のメダルセンサ入力状態が前回処理時のメダルセンサ入力状態から変化したと判別したとき(S256がYES判定の場合)、メインCPU101は、スタートレバーONフラグがオン状態であれば、スタートレバーONフラグをオフ状態にセットする(S257)。すなわち、この処理では、メインCPU101は、開始操作が行われ、メダル受付禁止の制御が開始されてから、実際にメダルの受付が(物理的に)禁止されるまでの特定期間においてメダルの投入を検知した場合には、該開始操作を無効にする処理を行う。
次いで、メインCPU101は、前回処理時のメダルセンサ入力状態に基づいて、演算処理により、現処理時で得られるメダルセンサ入力状態の正常値(正常変化値)を生成する(S258)。
なお、この処理において、前回処理時のメダルセンサ入力状態が「00000000B」である場合(第1及び第2メダルセンサがともにメダル未検知である場合)には、メダルセンサ入力状態の正常変化値として「00000001B」(第1メダルセンサがメダル検知であり、第2メダルセンサがメダル未検知である場合)が生成され、前回処理時のメダルセンサ入力状態が「00000001B」である場合には、メダルセンサ入力状態の正常変化値として「00000011B」(第1及び第2メダルセンサがともにメダル検知である場合)が生成される。また、この処理において、前回処理時のメダルセンサ入力状態が「00000011B」である場合には、メダルセンサ入力状態の正常変化値として「00000010B」(第1メダルセンサがメダル未検知であり、第2メダルセンサがメダル検知である場合)が生成され、前回処理時のメダルセンサ入力状態が「00000010B」である場合には、メダルセンサ入力状態の正常変化値として「00000000B」(第1及び第2メダルセンサがともにメダル未検知である場合)が生成される。
次いで、メインCPU101は、現処理時のメダルセンサ入力状態がS258で生成された正常変化値と同じであるか否かを判別する(S259)。なお、この判定処理では、メダル逆行エラーの発生の有無が判定され、S259の判定条件が満たされない場合には、メインCPU101は、メダル逆行エラーが発生したと判定する。
S259において、メインCPU101が、現処理時のメダルセンサ入力状態がS258で生成された正常変化値と同じでないと判別したとき(S259がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS263の処理を行う。
一方、S259において、メインCPU101が、現処理時のメダルセンサ入力状態がS258で生成された正常変化値と同じであると判別したとき(S259がYES判定の場合)、メインCPU101は、現処理時のメダルセンサ入力状態がメダル通過時の状態(「00000000B」)であるか否かを判別する(S260)。S260において、メインCPU101が、現処理時のメダルセンサ入力状態がメダル通過時の状態であると判別したとき(S260がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS264の処理を行う。
S260において、メインCPU101が、現処理時のメダルセンサ入力状態がメダル通過時の状態でないと判別したとき(S260がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル通過チェックタイマをセットする(S261)。この処理でメダル通過チェックタイマにセットされる時間は、メダルがセレクタ66を通過したか否かを判別可能な時間であれば、任意の時間に設定することができる。また、この処理でセットされるタイマ値は、例えば、現処理時のメダルセンサ入力状態に応じて変化させてもよい。
S261の処理後又はS256がNO判定の場合、メインCPU101は、現処理時のメダルセンサ入力状態がメダル通過中の状態(「00000011B」)であり、かつ、メダル通過チェックタイマが停止しているか否かを判別する(S262)。この判定処理では、メダル通過エラー(投入メダル通過時間エラー)の発生の有無が判定され、S262の判定条件が満たされた場合、メインCPU101は、メダル通過エラーが発生したと判定する。
S262において、メインCPU101が、S262の判定条件が満たされないと判別したとき(S262がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS253の処理に戻し、S253以降の処理を繰り返す。
一方、S262において、メインCPU101が、S262の判定条件が満たされると判別したとき(S262がYES判定の場合)、又は、S259がNO判定の場合、すなわち、メダル通過エラー又はメダル逆行エラーが発生したと判定された場合、メインCPU101は、エラー処理を行う(S263)。この処理では、メインCPU101は、例えば、エラーコマンド生成格納処理等のエラー発生時の各種処理を行う。なお、エラー処理の詳細については、後述の図62を参照しながら後で説明する。そして、S263の処理後、メインCPU101は、処理をS253の処理に戻し、S253以降の処理を繰り返す。
ここで再度、S260の処理に戻って、S260がYES判定の場合、メインCPU101は、規定数(本実施形態では3枚)のメダルが投入済みの状態であるか否かを判別する(S264)。
S264において、メインCPU101が、規定数のメダルが投入済みの状態でないと判別したとき(S264がNO判定の場合)、メインCPU101は、図59で説明したメダル投入処理を行う(S265)。そして、S265の処理後、メインCPU101は、処理をS253の処理に戻し、S253以降の処理を繰り返す。
一方、S264において、メインCPU101が、規定数のメダルが投入済みの状態であると判別したとき(S264がYES判定の場合)、メインCPU101は、クレジットカウンタの値に「1」を加算する(S266)。次いで、メインCPU101は、メダル投入コマンド生成格納処理を行う(S267)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信するメダル投入コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたメダル投入コマンドは、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。
次いで、メインCPU101は、クレジットカウンタの値に基づいて、メダルのクレジット枚数が上限値(本実施形態では50枚)であるか否かを判別する(S268)。
S268において、メインCPU101が、メダルのクレジット枚数が上限値でないと判別したとき(S268がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS253の処理に戻し、S253以降の処理を繰り返す。一方、S268において、メインCPU101が、メダルのクレジット枚数が上限値であると判別したとき(S268がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入チェック処理(又はメダル投入チェック2処理)を終了し、処理をメダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)のS229(又はメダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)のS239)に移す。
[エラー処理]
次に、図62を参照して、例えば、メダル投入チェック処理(図60及び図61参照)中のS263で行うエラー処理について説明する。図62は、エラー処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、メダルソレノイドのオフ処理を行う(S271)。具体的には、メインCPU101は、セレクタ66(図5参照)のソレノイドの駆動を停止する。次いで、メインCPU101は、メダルの払出枚数表示データの退避処理を行う(S272)。次いで、メインCPU101は、エラーテーブルのセット処理を行う(S273)。
次いで、メインCPU101は、エラー要因を取得する(S274)。なお、この処理で取得されるエラー要因は、現在処理中のエラー処理を読み出した処理に応じて変化する。なお、本実施形態で対象とするエラー要因としては、「ホッパーエンプティエラー」、「ホッパージャムエラー」、「投入メダル通過カウントエラー」、「投入メダル通過チェックエラー」、「投入メダル通過チェックエラー」、「投入メダル通過時間エラー」、「投入メダル逆行エラー」、「投入メダル補助収納庫満杯エラー」、「イリーガルヒットエラー」が規定される。例えば、メダル投入チェック処理中のS259の処理後にエラー処理が読み出された場合には、この処理において、エラー要因として「投入メダル逆行エラー(Cr)」が取得される。また、例えば、メダル投入チェック処理中のS262の処理後にエラー処理が読み出された場合には、この処理において、エラー要因として「投入メダル通過時間エラー(CE)」が取得される。
次いで、メインCPU101は、エラーテーブルとエラー要因とから、エラー表示データを取得する(S275)。例えば、エラー要因が「投入メダル逆行エラー(Cr)」である場合、この処理において、2桁の7セグLEDのうち、上位桁の7セグLEDに出力するエラー表示データとして、1バイトデータ「01001110B」が取得され、下位桁の7セグLEDに出力するエラー表示データとして、1バイトデータ「00001001B」が取得される。この場合、2桁の7セグLEDには、「Cr」の2文字がエラー情報として表示される。
次いで、メインCPU101は、エラーコマンド(発生)生成格納処理を行う(S276)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信する、エラー発生時のエラーコマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたエラー発生時のエラーコマンドは、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。なお、エラー発生時のエラーコマンドには、エラー発生を示すパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、1割込時間(1.1172ms)の待機処理を行う(S277)。次いで、メインCPU101は、エラーが解除されたか否かを判別する(S278)。
S278において、メインCPU101が、エラーが解除されていないと判別したとき(S278がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS277の処理に戻し、S277以降の処理を繰り返す。
一方、S278において、メインCPU101が、エラーが解除されたと判別したとき(S278がYES判定の場合)、メインCPU101は、エラー要因のクリア処理を行う(S279)。なお、この処理は、メインRAM103の規定外作業領域で行われる。次いで、メインCPU101は、S272で退避させたメダルの払出枚数表示データの復帰処理を行う(S280)。
次いで、メインCPU101は、エラーコマンド(解除)生成格納処理を行う(S281)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信する、エラー解除時のエラーコマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたエラー解除時のエラーコマンドは、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。なお、エラー解除時のエラーコマンドには、エラー解除を示すパラメータを含んで構成される。そして、S281の処理後、メインCPU101は、エラー処理を終了し、処理を例えばメダル投入チェック処理(図60及び図61参照)中のS253に移す。なお、エラー解除では、発生したエラー要因が解除され、リセットスイッチ76が押下されることにより、エラー状態が解除される。
[乱数値取得処理]
次に、図63を参照して、メインフロー(図56参照)中のS203で行う乱数値取得処理について説明する。なお、図63は、乱数値取得処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、乱数回路の乱数レジスタ0のハードラッチ乱数(0〜65535)を取得し、取得した乱数値を内部当籤役抽籤用の乱数値として、メインRAM103内の乱数値格納領域(不図示)に保存する(S291)。
次いで、メインCPU101は、乱数回路の乱数レジスタ1〜7のソフトラッチ乱数(0〜65535又は0〜255)を生成するためのソフトラッチ乱数取得レジスタのセット処理を行う(S292)。次いで、メインCPU101は、ソフトラッチ乱数の取得個数(例えば、7)をセットする(S293)。なお、取得個数は、一遊技において行われ得る抽籤の数に応じて適宜増減して設定することができる。
次いで、メインCPU101は、取得個数分のソフトラッチ乱数を一括で取得し、取得個数分のソフトラッチ乱数を乱数値格納領域に保存する(S294)。なお、この際、乱数回路110の乱数レジスタ1〜7から取得されるソフトラッチ乱数(演出用乱数値)は、乱数値格納領域内において、乱数回路の乱数レジスタ0から取得されるハードラッチ乱数(内部当籤役抽籤用の乱数値)が格納された領域とは異なる領域に保存される。そして、S294の処理後、メインCPU101は、乱数値取得処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)のS204に移す。なお、本実施形態では、1つの2バイト乱数(内部当籤役抽籤用の乱数値)と、6つの1バイト乱数(演出用乱数値)を格納するために、メインRAM103に8バイトの格納領域が乱数格納領域として割り当てられている。また、本実施形態では、2バイト乱数のソフトラッチ乱数は使用されていない。
[内部抽籤処理]
次に、図64を参照して、メインフロー(図56参照)中のS204で行う内部抽籤処理について説明する。なお、図64は、内部抽籤処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S301)。この処理では、メインCPU101は、現遊技の設定値(1〜6のいずれか)及びメダル投入枚数(本実施形態では3枚)のチェック処理を行う。
次いで、メインCPU101は、一般遊技中用の内部抽籤テーブル(図16及び図17に示した「RT0」状態における内部抽籤テーブル参照)及び抽籤回数(本実施形態では98回)をセットする(S302)。
次いで、メインCPU101は、RB作動中であるか否かを判別する(S303)。S303において、メインCPU101が、RB作動中でないと判別したとき(S303がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS305の処理を行う。
一方、S303において、メインCPU101が、RB作動中であると判別したとき(S303がYES判定の場合)、メインCPU101は、RB中用の内部抽籤テーブル(図18に示した内部抽籤テーブル参照)及び抽籤回数(本実施形態では7回)をセットする(S304)。この処理では、S302でセットされた一般遊技中用の内部抽籤テーブル及び抽籤回数をRB中用の内部抽籤テーブル及び抽籤回数で上書きする。
S304の処理後又はS303がNO判定の場合、メインCPU101は、セットされている内部抽籤テーブルから抽籤対象役の判定データ(アドレスに関するデータ)を取得し、抽籤テーブルアドレスを更新する(S305)。
次いで、メインCPU101は、判定データがRT状態別データであるか否かを判別する(S306)。この処理では、メインCPU101は、現在取得されている抽籤対象役がRT状態に応じて抽籤値が変化する内部当籤役であるか否かを判別する。具体的には、メインCPU101は、現在取得されている抽籤対象役の判定データに規定されているアドレスが、RT状態別抽籤値選択テーブル(不図示)内のアドレスであるか否かを判別する。
S306において、メインCPU101が、判定データがRT状態別データでないと判別したとき(S306がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS308の処理を行う。一方、S306において、メインCPU101が、判定データがRT状態別データであると判別したとき(S306がYES判定の場合)、メインCPU101は、判定データに基づいて、RT状態抽籤値選択テーブルから選択データを取得し、該取得した選択データを判定データにセットする(S307)。
S307の処理後又はS306がNO判定の場合、メインCPU101は、抽籤対象役の判定データが設定別データであるか否かを判別する(S308)。この処理では、メインCPU101は、現在取得されている抽籤対象役が、設定値に応じて抽籤値が変化する内部当籤役であるか否かを判別する。具体的には、メインCPU101は、現在取得されている抽籤対象役の判定データに規定されているアドレスが、設定別内部抽籤値テーブル(不図示)内のアドレスであるか否かを判別する。
S308において、メインCPU101が、判定データが設定別データでないと判別したとき(S308がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS310の処理を行う。一方、S308において、メインCPU101が、判定データが設定別データであると判別したとき(S308がYES判定の場合)、メインCPU101は、判定データに設定値データ(0〜5のいずれか)を加算し、該加算した値を判定データにセットする(S309)。なお、この処理で判定データに加算される設定値データは、設定値に対応付けられたデータであるが、設定値そのものの値ではなく、設定値データ「0」〜「5」は、それぞれ「設定1」〜「設定6」に対応するデータである。
S309の処理後又はS308がNO判定の場合、メインCPU101は、セットされている判定データ(アドレスデータ)に基づいて、抽籤対象役の抽籤値が格納された領域のアドレスを算出し、該アドレスに格納された抽籤値を取得する(S310)。
なお、例えば、その抽籤値がRT状態及び設定値の両方に応じて変化する内部当籤役の場合には、RT状態抽籤値選択テーブル及び設定別内部抽籤値テーブルの両方を参照して、抽籤値が取得される。すなわち、例えば、一般遊技状態用の内部抽籤テーブル(図16及び図17参照)において、RT0状態を基準とし、RT状態が異なる場合に抽籤値が変動する内部当籤役(例えば、「F_維持リプ」など)については、遊技状態(RT1〜RT5状態)に応じて抽籤値を変動させるとともに、設定値が異なる場合に抽籤値が変動する内部当籤役(例えば、「F_維持リプ」など)については、設定値(設定1〜6)に応じて抽籤値を変動させる。
次いで、メインCPU101は、乱数格納領域に格納された内部当籤役抽籤用の乱数値(0〜65535のいずれか)を取得する(S311)。
次いで、メインCPU101は、抽籤実行処理を行う(S312)。この処理では、メインCPU101は、S310で取得された抽籤値に、S311で取得された乱数値を加算し、その加算結果を抽籤結果(抽籤対象役の当籤/非当籤)とする。なお、この抽籤実行処理において、抽籤値と乱数値との和が65535を超えた場合(オーバーフローした場合)、抽籤対象役が当籤した(抽籤対象役が内部当籤役として決定された)と判定される。
次いで、メインCPU101は、乱数値に抽籤値を加算した値(抽籤実行後の乱数値)を新たな乱数値として、乱数格納領域に保存する(S313)。次いで、メインCPU101は、抽籤実行処理で当籤したか否か(オーバーフローが発生したか否か)を判別する(S314)。
S314において、メインCPU101が、抽籤実行処理で当籤したと判別したとき(S314がYES判定の場合)、メインCPU101は、内部抽籤テーブルを参照して当籤した内部当籤役に対応する当り要求フラグステータス(例えば、図16〜図18中「No.」に対応する、特賞当籤番号(すなわち、当籤したボーナス役の種別を識別可能な情報)及び小役当籤番号(すなわち、当籤した小役又はリプレイ役の種別を識別可能な情報)の値)を取得する(S315)。そして、S315の処理後、メインCPU101は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)のS205に移す。
一方、S314において、メインCPU101が、抽籤実行処理で当籤していないと判別したとき(S314がNO判定の場合)、メインCPU101は、内部抽籤テーブルにおいて抽籤対象役を次の役に更新し、抽籤回数を1減算する(S316)。次いで、メインCPU101は、減算後の抽籤回数が「0」であるか否かを判別する(S317)。
S317において、メインCPU101が、減算後の抽籤回数が「0」でないと判別したとき(S317がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS305の処理に戻し、S305以降の処理を繰り返す。
一方、S317において、メインCPU101が、減算後の抽籤回数が「0」であると判別したとき(S317がYES判定の場合)、すなわち、内部当籤役が「はずれ」である場合、メインCPU101は、ハズレステータスをセットする(S318)。なお、「ハズレステータス」は、特賞当籤番号及び小役当籤番号のいずれもが「0」となる当り要求フラグステータスに対応する。そして、S318の処理後、メインCPU101は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)のS205に移す。
[図柄設定処理]
次に、図65を参照して、メインフロー(図56参照)中のS205で行う図柄設定処理について説明する。なお、図65は、図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、内部抽籤処理で取得された当り要求フラグステータスに基づいて、特賞当籤番号及び小役当籤番号を抽出し、該抽出された特賞当籤番号及び小役当籤番号をメインRAM103内の当籤番号格納領域(不図示)に保存する(S321)。
本実施形態では、特賞当籤番号「1」〜「4」には、それぞれ、内部当籤役「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」が対応付けられている。また、小役当籤番号「1」〜「23」には、それぞれ、内部当籤役「F_確定リプ」〜「F_被弾リプ」が対応付けられ(図23参照)、小役当籤番号「24」〜「61」には、それぞれ、内部当籤役「F_チャンス目A1」〜「F_下段右中ベル2」が対応付けられ(図24参照)、小役当籤番号「62」〜「68」には、それぞれ、内部当籤役「F_JAC1_1」〜「F_JAC2」が対応付けられている(図23参照)。そして、当り要求フラグステータスの値は、これらの値を示す特賞番号に特賞当籤番号の値を乗算し、小役当籤番号を加算した値で構成される。それゆえ、S321の処理において、当り要求フラグステータスの値から特賞当籤番号及び小役当籤番号を抽出するため、本実施形態では、メインCPU101は、当り要求フラグステータスの値を特賞番号で除算する。なお、これは内部当籤役を識別するためのデータ圧縮の一例であり、特賞当籤番号及び小役当籤番号を抽出可能であれば、その他のデータ構成も適宜採用することができる。
次いで、メインCPU101は、抽出された小役当籤番号に基づいて、小役(又はリプレイ役)が当籤したか否かを判別する(S322)。この処理において、小役当籤番号が1〜68のいずれかである場合には、メインCPU101は、小役(又はリプレイ役)が当籤したと判定し、小役当籤番号が0である場合には、メインCPU101は、小役(又はリプレイ役)が当籤しなかったと判定する。
S322において、メインCPU101が、小役(又はリプレイ役)が当籤していないと判別したとき(S322がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS331の処理を行う。一方、S322において、メインCPU101が、小役(又はリプレイ役)が当籤したと判別したとき(S322がYES判定の場合)、メインCPU101は、小役当籤番号を減算結果の初期値としてセットする(S323)。
次いで、メインCPU101は、当り要求フラグテーブル(不図示)をセットする(S324)。次いで、メインCPU101は、減算結果を1減算し、該減算結果を更新する(S325)。次いで、メインCPU101は、減算結果が「0」未満であるか否かを判別する(S326)。
S326において、メインCPU101が、減算結果が「0」未満でないと判別したとき(S326がNO判定の場合)、メインCPU101は、ビット数算出処理を行う(S327)。なお、S327のビット数算出処理では、当り要求フラグテーブルに規定されている、小役当籤番号に対応する当り要求フラグデータの格納領域のブロック数を取得する。
次いで、メインCPU101は、ビット数算出処理を行う(S328)。なお、S328のビット数算出処理では、当り要求フラグテーブルにおいて規定されるブロック単位の当り要求フラグデータのバイト数を算出する。
なお、上述したS325〜S328の処理は、小役当籤番号の回数だけ繰り返される。また、S325〜S328の処理が複数回繰り返される場合には、S327及びS328のビット数算出処理でそれぞれ取得されるブロック数及びブロック単位の当り要求フラグデータのバイト数は、別の格納領域に保存される。また、上述したS325〜S328の処理により得られたブロック数及びブロック単位の当り要求フラグデータのバイト数は、当り要求フラグデータの格納先を指定する情報(オンビット情報)となる。
ここで再度、S326の処理に戻って、S326において、メインCPU101が、減算結果が「0」未満であると判別したとき(S326がYES判定の場合)、メインCPU101は、当り要求フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)のセット処理を行う(S329)。この際、メインCPU101は、上述したS325〜S328の処理により得られたブロック数及びブロック単位の当り要求フラグデータのバイト数(オンビット情報)に基づいて、チェック(更新)対象となる当り要求フラグ格納領域のみをセットする。具体的には、チェック(更新)対象となる当り要求フラグ格納領域のアドレスをDEレジスタに格納する。
次いで、メインCPU101は、圧縮データ格納処理を行う(S330)。この処理では、メインCPU101は、主に、当り要求フラグデータをチェック(更新)対象となる当り要求フラグ格納領域内の所定の格納領域に転送(展開)する処理を行う。圧縮データ格納処理の詳細については、後述の図66を参照しながら後で説明する。
S330の処理後又はS322がNO判定の場合、メインCPU101は、持越役格納領域(図26参照)を参照して、持越役があるか否かを判別する(S331)。S331において、メインCPU101が、持越役があると判別したとき(S331がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS334の処理を行う。
一方、S331において、メインCPU101が、持越役がないと判別したとき(S331がNO判定の場合)、メインCPU101は、S321の処理で抽出された特賞当籤番号に基づいて、ボーナス役(BB1〜BB4)が当籤したか否かを判別する(S332)。
S332において、メインCPU101が、ボーナス役が当籤していないと判別したとき(S332がNO判定の場合)、メインCPU101は、図柄設定処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)のS206に移す。
一方、S332において、メインCPU101が、ボーナス役が当籤したと判別したとき(S332がYES判定の場合)、メインCPU101は、当籤した特賞当籤番号を持越役格納領域に格納する(S333)。
S333の処理後又はS331がNO判定の場合、メインCPU101は、特賞当籤番号を当籤番号格納領域(不図示)にセットし、当り要求フラグ格納領域に当り要求フラグデータをセットし、RT状態をRT5状態にセットする(S334)。そして、S334の処理後、メインCPU101は、図柄設定処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)のS206に移す。
[圧縮データ格納処理]
次に、図66を参照して、例えば、図柄設定処理(図65参照)中のS330で行う圧縮データ処理について説明する。図66は、圧縮データ格納処理の手順を示すフローチャートである。
なお、図66に示す圧縮データ格納処理は、図柄設定処理(図65参照)中のS330だけでなく、後述の図柄コード取得処理(後述の図68参照)中のS649においても実行される。図柄設定処理(図65参照)中のS330で実行される圧縮データ格納処理では、処理対象となるフラグデータは当り要求フラグデータ(当籤役に係るフラグデータ)となるが、後述の図柄コード取得処理(後述の図68参照)中のS649で実行される圧縮データ格納処理では、処理対象となるフラグデータは入賞作動フラグデータ(入賞役に係るフラグデータ)である。そして、処理対象となるフラグデータの種別が異なること以外は、両者の処理は同じ処理になる。
それゆえ、図66のフローチャートでは、処理対象とするフラグデータを「処理対象フラグデータ」と記し、処理対象となるフラグテーブルを「処理対象フラグテーブル」と記す。また、この記載に合わせて、以下の圧縮データ格納処理の説明においても、当り要求フラグデータ又は入賞作動フラグデータを「処理対象フラグデータ」と称し、当り要求フラグテーブル又は後述の図柄対応入賞作動テーブル(不図示)を「処理対象フラグテーブル」と称す。
まず、メインCPU101は、格納先チェックビットをセットする(S341)。この処理では、格納先チェックビットはAレジスタ以外のレジスタに格納される。
格納先チェックビットは、処理対象フラグデータの格納先(転送先)となるブロックを指定するための1バイトのデータである。本実施形態では、当り要求フラグ格納領域及び入賞作動フラグ格納領域はともに、2つのブロック(格納領域1〜8のブロック及び格納領域9のブロック)で構成される。そして、例えば、内部当籤役「F_JAC1_1」が決定された場合には、格納先のブロック数が「2」になるので、S341の処理では、格納先チェックビットとして、「00000011B」がセットされる。なお、この1バイトのデータのビット0の値(1/0)が格納領域1〜8のブロック内の格納先の有無に対応し、ビット1の値(1/0)が格納領域9のブロック内の格納先の有無に対応する。
次いで、メインCPU101は、バイト単位の転送カウンタの値を「8」にセットする(S342)。本実施形態では、少なくとも1つのブロックのバイト数が「8」であるので、転送カウンタの初期値には「8」がセットされる。
次いで、格納先チェックビットから転送指示ビットの値を抽出する(S343)。なお、転送指示ビットは、格納先チェックビット内のビット0のデータに対応し、S343の処理では、1バイトのレジスタに格納されている格納先チェックビットを1回(1ビット分)右シフトすることにより、転送指示ビットが抽出される。具体的には、格納先チェックビットが格納された1バイトのレジスタ(Aレジスタ以外のレジスタ)を1回右シフトすると、ビット7〜ビット1に格納されているデータがそれぞれビット6〜ビット0に移動するとともに、シフト前のビット0のデータが出力される。そして、このシフト処理により出力されたデータが転送指示ビットの値となる。
次いで、メインCPU101は、抽出された転送指示ビットの値に基づいて、転送指示があるか否かを判別する(S344)。この処理では、メインCPU101は、抽出された転送指示ビットの値が「1」である場合に転送指示があると判定する。例えば、格納先チェックビットとして、「00000011B」がセットされた場合、1回目(格納領域の1ブロック目に対応)及び2回目(格納領域の2ブロック目に対応)のS344の判定処理で、転送指示ありの判定となる。
S344において、メインCPU101が、転送指示がないと判別したとき(S344がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS354の処理を行う。
一方、S344において、メインCPU101が、転送指示があると判別したとき(S344がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理対象フラグテーブルからバイト単位格納先指定情報を取得する(S345)。この処理では、バイト単位格納先指定情報として、処理対象フラグテーブル内の処理対象役(当籤役又は入賞役)のフラグデータが格納された領域の先頭アドレスに格納されている、転送先を示す1バイトのデータが取得される。
次いで、メインCPU101は、処理対象フラグテーブル内で参照するアドレスの更新処理(アドレスを1加算する処理)を行う(S346)。また、この処理では、メインCPU101は、処理対象フラグデータの格納(転送)先となるブロックの先頭格納領域を指定するアドレスを初期アドレスとしてセットする。例えば、1ブロック目の処理では、S346の処理において、初期アドレスとして格納領域1のアドレスがセットされ、2ブロック目の処理では、S346の処理において、初期アドレスとして格納領域9のアドレスがセットされる。
次いで、メインCPU101は、バイト単位格納先指定情報から転送指示ビットの値を抽出する(S347)。なお、ここでいう転送指示ビットは、バイト単位格納先指定情報のビット0に対応し、S347の処理では、1バイトのレジスタに格納されているバイト単位格納先指定情報を1回右シフトすることにより、転送指示ビットの値を抽出する(ビット0のデータを出力する)。
次いで、メインCPU101は、S347の処理で抽出された転送指示ビットの値に基づいて、転送指示があるか否かを判別する(S348)。この処理では、メインCPU101は、抽出された転送指示ビットの値が「1」である場合、転送指示があると判定する。例えば、バイト単位格納先指定情報として、「00000001B」がセットされた場合、1回目(1ブロック目の格納領域1又は2ブロック目の格納領域9)のS347の処理でビット1のデータ「1」が転送指示ビットの値として出力され転送指示ありの判定となるが、2〜8回目のS347の処理では、転送指示なしの判定となる。
S348において、メインCPU101が、転送指示がないと判別したとき(S348がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS351の処理を行う。
一方、S348において、メインCPU101が、転送指示があると判別したとき(S348がYES判定の場合)、メインCPU101は、現在セットされている処理対象フラグテーブル内のアドレスに格納されている処理対象フラグデータ(当り要求フラグデータ又は入賞作動フラグデータ)を、指定された格納領域に転送(コピー)する(S349)。
次いで、メインCPU101は、処理対象フラグテーブル内で参照するアドレスの更新処理(アドレスを1加算する処理)を行う(S350)。
S350の処理後又はS348がNO判定の場合、メインCPU101は、処理対象フラグデータの格納先となる格納領域を指定するアドレスの更新処理(アドレスを1加算する処理)を行う(S351)。次いで、メインCPU101は、転送カウンタの値を1減算する(S352)。
次いで、メインCPU101は、転送カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S353)。S353において、メインCPU101が、転送カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S353がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS347の処理に戻し、S347以降の処理を繰り返す。
一方、S353において、メインCPU101が、転送カウンタの値が「0」であると判別したとき(S353がYES判定の場合)、メインCPU101は、現在の格納先チェックビットに転送指示対象が残っているか否かを判別する(S354)。この処理では、メインCPU101は、現処理時点において、格納先チェックビット内に「1」が格納されているビットが残っているか否かを判別する。そして、メインCPU101は、格納先チェックビット内に「1」が格納されているビットが残っている場合、すなわち、処理対象となるブロックが存在する場合には、現在の格納先チェックビットに転送指示対象が残っていると判定する。
S354において、メインCPU101が、現在の格納先チェックビットに転送指示対象が残っていると判別したとき(S354がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理をS342の処理に戻し、S342以降の処理を繰り返す。一方、S354において、メインCPU101が、現在の格納先チェックビットに転送指示対象が残っていないと判別したとき(S354がNO判定の場合)、メインCPU101は、圧縮データ格納処理を終了し、処理を例えば図柄設定処理(図65参照)中のS331に移す。
[引込優先順位格納処理]
次に、図67を参照して、メインフロー(図56参照)中のS212で行う引込優先順位格納処理について説明する。図67は、引込優先順位格納処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、検索リール数に「3」をセットする(S621)。次いで、メインCPU101は、引込優先順位テーブル選択処理を行う(S622)。この処理では、内部当籤役及び作動ストップボタンに基づいて、引込優先順位テーブル(不図示)が選択される。
次いで、メインCPU101は、引込優先順位格納領域選択処理を行う(S623)。この処理では、検索対象のリールの引込優先順位データ格納領域が選択される。次いで、メインCPU101は、図柄チェック数(回数)として「20」をセットする(S624)。
次いで、メインCPU101は、図柄コード取得処理を行う(S625)。この処理では、図柄チェック数に対応した入賞作動フラグ格納領域及び図柄コード格納領域を参照して、図柄コードを取得する。なお、図柄コード取得処理の詳細については、後述の図68を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、論理積演算処理を行う(S626)。この処理では、メインCPU101は、入賞作動フラグデータの生成処理を行う。論理積演算処理の詳細については、後述の図69を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、引込優先順位取得処理を行う(S627)。この処理では、メインCPU101は、入賞作動フラグ(入賞役)格納領域(図25参照)内においてビットが「1」にセットされており、かつ、当り要求フラグ格納領域でビットが「1」にされている役について、引込優先順位テーブル(不図示)を参照して、引込優先順位データを取得する。なお、引込優先順位取得処理の詳細については、後述の図70及び図71を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、取得した引込優先順位データをメインRAM103内の引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する(S628)。この際、引込優先順位データは、各優先順位の値と、格納領域のビットとが対応するように引込優先順位データ格納領域に格納される。
なお、引込優先順位データ格納領域には、メインリールの種類毎に優先順位データの格納領域が設けられる。各引込優先順位データ格納領域には、対応するメインリールの各図柄位置「0」〜「19」に応じて決定された引込優先順位データが格納される。本実施形態では、この引込優先順位データ格納領域を参照することにより、停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かを検索する。
引込優先順位データ格納領域に格納される優先順位引込データの内容は、引込優先順位データを決定する際に参照された引込優先順位テーブル内の引込優先順位テーブル番号の種類によって異なる。また、引込優先順位データは、その値が大きいほど優先順位が高いことを表す。引込優先順位データを参照することにより、メインリールの周面に配された各図柄間における優先順位の相対的な評価が可能となる。すなわち、引込優先順位データとして最も大きい値が決定されている図柄が最も優先順位の高い図柄となる。したがって、引込優先順位データは、メインリールの周面に配された各図柄間の順位を示すものともいえる。なお、引込優先順位データの値が等しい図柄が複数存在する場合には、優先順序テーブルが規定する優先順序に従って1つの図柄が決定される。
次いで、メインCPU101は、引込優先順位格納領域の更新処理を行う(S629)。この処理では、メインCPU101は、次のチェック図柄の引込優先順位データ格納領域をセットする。次いで、メインCPU101は、図柄チェック数を1減算する(S630)。次いで、メインCPU101は、図柄チェック数が「0」であるか否かを判別する(S631)。
S631において、メインCPU101が、図柄チェック数が「0」でないと判別したとき(S631がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS625の処理に戻し、S625以降の処理を繰り返す。一方、S631において、メインCPU101が、図柄チェック数が「0」であると判別したとき(S631がYES判定の場合)、メインCPU101は、検索対象リールの変更処理を行う(S632)。
次いで、メインCPU101は、検索リール数を1減算する(S633)。次いで、メインCPU101は、検索リール数が「0」であるか否か、すなわち、全てのメインリールに対して上述した一連の処理が行われたか否かを判別する(S634)。
S634において、メインCPU101が、検索リール数が「0」でないと判別したとき(S634がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS622の処理に戻し、S622以降の処理を繰り返す。一方、S634において、メインCPU101が、検索リール数が「0」であると判別したとき(S634がYES判定の場合)、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)のS213に移す。
[図柄コード取得処理]
次に、図68を参照して、引込優先順位格納処理(図67参照)中のS625で行う図柄コード取得処理について説明する。図68は、図柄コード取得処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域のクリア処理を行う(S641)。この処理では、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域(図25参照)内の全ての格納領域に「0」をセットする。次いで、メインCPU101は、第1リール図柄配置テーブル(不図示)をセットする(S642)。
次いで、メインCPU101は、第1リール(左リール3L)の停止時であるか否かを判別する(S643)。
S643において、メインCPU101が、第1リール(左リール3L)の停止時であると判別したとき(S643がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS647の処理を行う。一方、S643において、メインCPU101が、第1リール(左リール3L)の停止時でないと判別したとき(S643がNO判定の場合)、メインCPU101は、第2リール図柄配置テーブル(不図示)をセットする(S644)。この処理では、S642の処理でセットされた第1リール図柄配置テーブルが、第2リール図柄配置テーブルで上書きされる。
次いで、メインCPU101は、第2リール(中リール3C)の停止時であるか否かを判別する(S645)。
S645において、メインCPU101が、第2リール(中リール3C)の停止時であると判別したとき(S645がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS647の処理を行う。一方、S645において、メインCPU101が、第2リール(中リール3C)の停止時でないと判別したとき(S645がNO判定の場合)、メインCPU101は、第3リール図柄配置テーブル(不図示)をセットする(S646)。この処理では、S644の処理でセットされた第2リール図柄配置テーブルが、第3リール図柄配置テーブルで上書きされる。
S646の処理後、又は、S643或いはS645がYES判定の場合、メインCPU101は、停止制御対象のリールに対する停止操作実行時の図柄チェック処理を行い、図柄チェック処理により取得された図柄に対応する図柄対応入賞作動テーブル(不図示)を取得する(S647)。図柄対応入賞作動テーブルは、停止制御対象のリールにおいて、対応する図柄が有効ライン上に停止したならば入賞となり得る入賞役(図柄組合せ)の種別を識別可能とするためのテーブルである。
次いで、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域をセットする(S648)。次いで、メインCPU101は、図66で説明した圧縮データ格納処理を行う(S649)。この処理では、メインCPU101は、主に、図柄対応入賞作動テーブルに格納された入賞可能な入賞作動フラグデータを、入賞作動フラグ格納領域内の対応する格納領域に転送(展開)する処理を行う。
例えば、第1リール(左リール3L)停止時であり、停止操作時に有効ライン上に位置する図柄が「ブランク」である場合には、入賞可能な図柄組合せ(コンビネーション)は、図19〜図22に示すように、「S_XDリプ」、「S_バーリプ2」、「S_RT1移行リプ」、及び「S_特殊役1」である。
S649の処理後、メインCPU101は、圧縮データ格納処理により更新された入賞作動フラグ格納領域をセットし、図柄コード格納領域をセットし、入賞作動フラグ格納領域のデータ長(本実施形態では9バイト)をセットする(S650)。そして、S650の処理後、メインCPU101は、図柄コード取得処理を終了し、処理を引込優先順位格納処理(図67参照)のS626に移す。
[論理積演算処理]
次に、図69を参照して、例えば、引込優先順位格納処理(図67参照)中のS626で行う論理積演算処理について説明する。図69は、論理積演算処理の手順を示すフローチャートである。なお、図69に示す論理積演算処理は、引込優先順位格納処理(図67参照)中のS626だけでなく、後述の引込優先順位取得処理(後述の図70及び図71参照)中のS686においても実行される。
引込優先順位格納処理(図67参照)中のS626で実行される論理積演算処理において、論理積演算される2つのデータは、上述した図柄コード取得処理中のS650でセットされた入賞作動フラグ格納領域のデータ、及び、図柄コード格納領域のデータである。そして、前者のデータが後述の「論理積先データ」に対応し、後者のデータが後述の「論理積元データ」に対応する。また、この場合、上述した図柄コード取得処理中のS650でセットされたデータ長(9バイト)のバイト数「9」が後述の「論理積回数」に対応する。
一方、後述の引込優先順位取得処理(後述の図70及び図71参照)中のS686で実行される論理積演算処理において、論理積演算される2つのデータは、当り(引込)要求フラグ格納領域のデータ、及び、入賞作動フラグ格納領域のデータである。そして、前者のデータが後述の「論理積先データ」に対応し、後者のデータが後述の「論理積元データ」に対応する。また、この場合、後述のRT作動組み合わせ表示フラグのデータ長(1バイト)のバイト数「1」が後述の「論理積回数」に対応する。
まず、メインCPU101は、論理積元データ(例えば、図柄コード格納領域のデータ)を取得する(S661)。次いで、メインCPU101は、論理積元データと論理積先データ(例えば、入賞作動フラグ格納領域のデータ)との論理積演算を行い、その演算結果を論理積先データとして保存する(S662)。
次いで、メインCPU101は、取得する論理積元データのアドレスを1加算する(S663)。次いで、メインCPU101は、参照する論理積先データのアドレスを1加算する(S664)。
次いで、メインCPU101は、論理積回数を1減算する(S665)。次いで、メインCPU101は、論理積回数が「0」であるか否かを判別する(S666)。
S666において、メインCPU101が、論理積回数が「0」でないと判別したとき(S666がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS661の処理に戻し、S661以降の処理を繰り返す。一方、S666において、メインCPU101が、論理積回数が「0」であると判別したとき(S666がYES判定の場合)、メインCPU101は、論理積演算処理を終了し、処理を例えば引込優先順位格納処理(図67参照)のS627に移す。
[引込優先順位取得処理]
次に、図70及び図71を参照して、引込優先順位格納処理(図67参照)中のS627で行う引込優先順位取得処理について説明する。なお、図70及び図71は、引込優先順位取得処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、右リール3R(特定の表示列)のチェック時であるか否かを判別する(S671)。
S671において、メインCPU101が、右リール3Rのチェック時でないと判別したとき(S671がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS674の処理を行う。一方、S671において、メインCPU101が、右リール3Rのチェック時であると判別したとき(S671がYES判定の場合)、メインCPU101は、内部当籤役に係る図柄組合せ(入賞役)に「ANY役」(所定の図柄の組合せ)が含まれるか否かを判別する(S672)。なお、ここでいう「ANY役」とは、少なくとも右リール3Rの停止図柄に関係なく入賞が確定する役(少なくとも右リール3Rの停止図柄が任意の図柄である入賞役)のことをいう。もっとも、本実施形態では、「ANY役」は規定されていない。
S672において、メインCPU101が、内部当籤役に係る図柄組合せに「ANY役」が含まれないと判別したとき(S672がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS674の処理を行う。一方、S672において、メインCPU101が、内部当籤役に係る図柄組合せに「ANY役」が含まれると判別したとき(S672がYES判定の場合)、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域内の「ANY役」に対応する格納領域をマスクする(S673)。具体的には、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域内の「ANY役」に対応するビットに「1」をセットする。なお、内部当籤役に係る図柄組合せ(入賞役)に「ANY役」を規定しない場合には、S671〜S673の処理を不要としてもよい。また、「ANY役」が、左リール3L又は中リール3Cの停止図柄を任意の図柄として規定する場合には、左リール3L又は中リール3Cのチェック時である場合にもS672及びS673の処理を行うようにすればよい(後述のS681〜S683の処理も同様)。
S673の処理後、又は、S671或いはS672がNO判定の場合、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域(図25参照)のアドレスとして、その最後尾の格納領域のアドレスに「1」を加算したアドレスをセットし、停止禁止データをセットし、入賞作動フラグデータ長(入賞作動フラグ格納領域のデータ長:本実施形態では、9バイト)をセットする(S674)。次いで、メインCPU101は、ストックボタン作動カウンタの値、及び、ストップボタン作動状態を取得する(S675)。なお、ストップボタン作動カウンタは、停止操作が検出されているストップボタンの数を管理するためのカウンタである。また、ストップボタン作動状態は、作動ストップボタン格納領域(図28参照)を参照することにより取得される。
次いで、メインCPU101は、セットされている入賞作動フラグ格納領域のアドレスを1減算(−1更新)する(S676)。次いで、メインCPU101は、セットされている入賞作動フラグ格納領域とそれに対応する当り要求フラグ格納領域(図25参照)とから当り要求フラグデータを生成し、該生成された当り要求フラグデータに基づいて禁止入賞作動位置を生成する(S677)。
次いで、メインCPU101は、停止操作位置が禁止入賞作動位置であるか否かを判別する(S678)。
S678において、メインCPU101が、停止操作位置が禁止入賞作動位置でないと判別したとき(S678がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS684の処理を行う。一方、S678において、メインCPU101が、停止操作位置が禁止入賞作動位置であると判別したとき(S678がYES判定の場合)、メインCPU101は、ストップボタン作動カウンタの値が第3停止の値であるか否かを判別する(S679)。
S679において、メインCPU101が、ストップボタン作動カウンタの値が第3停止の値であると判別したとき(S679がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS705の処理を行う。一方、S679において、メインCPU101が、ストップボタン作動カウンタの値が第3停止の値でないと判別したとき(S679がNO判定の場合)、メインCPU101は、ストップボタン作動カウンタの値が第2停止の値であるか否かを判別する(S680)。
S680において、メインCPU101が、ストップボタン作動カウンタの値が第2停止の値でないと判別したとき(S680がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS684の処理を行う。一方、S680において、メインCPU101が、ストップボタン作動カウンタの値が第2停止の値であると判別したとき(S680がYES判定の場合)、メインCPU101は、右リール3Rの停止後であるか否かを判別する(S681)。
S681において、メインCPU101が、右リール3Rの停止後であると判別したとき(S681がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS684の処理を行う。一方、S681において、メインCPU101が、右リール3Rの停止後でないと判別したとき(S681がNO判定の場合)、メインCPU101は、当り要求フラグが「ANY役」の干渉を受ける可能性があるフラグでないか否か(内部当籤役に係る図柄組合せ(入賞役)に「ANY役」が含まれないか否か)を判別する(S682)。
S682において、メインCPU101が、当り要求フラグが「ANY役」の干渉を受ける可能性があるフラグでないと判別したとき(S682がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS684の処理を行う。一方、S682において、メインCPU101が、当り要求フラグが「ANY役」の干渉を受ける可能性があるフラグであると判別したとき(S682がNO判定の場合)、メインCPU101は、現チェックが「ANY役」を含む当り要求フラグのチェック時であるか否かを判別する(S683)。
S683において、メインCPU101が、現チェックが「ANY役」を含む当り要求フラグのチェック時であると判別したとき(S683がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS705の処理を行う。
一方、S683において、メインCPU101が、現チェックが「ANY役」を含む当り要求フラグのチェック時でないと判別したとき(S683がNO判定の場合)、S678或いはS680がNO判定の場合、又は、S681或いはS682がYES判定の場合、メインCPU101は、入賞作動フラグデータ長を1減算する(S684)。次いで、メインCPU101は、入賞作動フラグデータ長が「0」であるか否かを判別する(S685)。
S685において、メインCPU101が、入賞作動フラグデータ長が「0」でないと判別したとき(S685がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS676の処理に戻し、S676以降の処理を繰り返す。
一方、S685において、メインCPU101が、入賞作動フラグデータ長が「0」であると判別したとき(S685がYES判定の場合)、メインCPU101は、停止制御用引込要求フラグ設定処理を行う(S686)。この処理では、例えば、メインCPU101は、図69で説明した論理積演算処理を行う。なお、S686の処理内で実行される論理積演算処理では、上述のように、当り(引込)要求フラグ格納領域のデータが「論理積先データ」にセットされ、入賞作動フラグ格納領域のデータが「論理積元データ」にセットされ、「論理積回数」には、RT作動組み合わせ表示フラグのデータ長(1バイト)のバイト数「1」がセットされる。RT作動組み合わせ表示フラグは、入賞作動フラグ格納領域において、RT移行に係る図柄組合せが規定された格納領域のことであり、本実施形態では、図25に示すように格納領域1のみとなる。
次いで、メインCPU101は、引込優先順位テーブルアドレス格納領域を参照して、引込優先順位テーブルを取得する(S687)。この処理では、現在セットされているアドレスに、引込優先順位データの初期値「1(001H)」が設定されるとともに、いずれかの引込優先順位テーブルが取得される。
次いで、メインCPU101は、現在セットされているアドレスに格納されている引込優先順位テーブルのデータが、エンドコード(000H)であるか否かを判別する(S688)。
S688において、メインCPU101が、現在セットされているアドレスに格納されている引込優先順位テーブルのデータが、エンドコードであると判別したとき(S688がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS705の処理を行う。一方、S688において、メインCPU101が、現在セットされているアドレスに格納されている引込優先順位テーブルのデータが、エンドコードでないと判別したとき(S688がNO判定の場合)、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域をセットする(S689)。
次いで、メインCPU101は、現在セットされているアドレスに格納されている引込優先順位テーブルに基づいて、引込優先順位データを取得する(S690)。次いで、メインCPU101は、引込優先順位テーブルのブロックカウンタをセットする(S691)。
次いで、メインCPU101は、引込優先順位テーブルのチェック回数をセットし、参照する引込優先順位テーブルのアドレスを1加算(+1更新)する(S692)。
次いで、メインCPU101は、更新された引込優先順位テーブルのアドレスに基づいて、チェックデータを取得し、チェックデータからチェックビットを抽出する(S693)。
次いで、メインCPU101は、抽出されたチェックビットの値が「1」であるか否かを判別する(S694)。
S694において、メインCPU101が、抽出されたチェックビットの値が「1」でないと判別したとき(S694がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS699の処理を行う。一方、S694において、メインCPU101が、抽出されたチェックビットの値が「1」であると判別したとき(S694がYES判定の場合)、メインCPU101は、参照する引込優先順位テーブルのアドレスを1加算(+1更新)し、更新後のアドレスに基づいて、引込優先順位テーブルから判定データを取得する(S695)。
次いで、メインCPU101は、S695で取得した判定データに基づいて、現在取得されている入賞作動フラグデータが判定対象であるか否かを判別する(S696)。この処理では、メインCPU101は、現在取得されている入賞作動フラグデータと、判定データとを比較し、前者が後者に対応するものである否かを判定し、前者が後者に対応するものである場合には、現在取得されている入賞作動フラグデータが判定対象であると判定する。
S696において、メインCPU101が、入賞作動フラグデータが判定対象でないと判別したとき(S696がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS699の処理を行う。一方、S696において、メインCPU101が、入賞作動フラグデータが判定対象であると判別したとき(S696がYES判定の場合)、メインCPU101は、引込優先順位データの更新処理を行う(S697)。この処理では、メインCPU101は、S697で取得した判定データに対応付けられた引込優先順位データで、現在セットされている引込優先順位データを更新(上書き)する。
次いで、メインCPU101は、チェックデータの更新処理を行う(S698)。この処理では、メインCPU101は、チェックデータを1ビットだけ右方向(ビット7からビット0に向かう方向)にシフトする。なお、この処理において、シフト後のチェックデータのビット7には、「0」がセットされる。
S698の処理後、又は、S694或いはS696がNO判定の場合、メインCPU101は、チェックデータにチェック対象のビット(「1」がセットされているビット)があるか否かを判別する(S699)。
S699において、メインCPU101が、チェックデータにチェック対象のビットがないと判別したとき(S699がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS702の処理を行う。一方、S699において、メインCPU101が、チェックデータにチェック対象のビットがあると判別したとき(S699がYES判定の場合)、メインCPU101は、チェックする入賞作動フラグ格納領域のアドレスを1加算(+1更新)し、チェック回数を1減算する(S700)。
次いで、メインCPU101は、チェック回数が「0」であるか否かを判別する(S701)。S701において、メインCPU101が、チェック回数が「0」でないと判別したとき(S701がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS698の処理に戻し、S698以降の処理を繰り返す。
一方、S701において、メインCPU101が、チェック回数が「0」であると判別したとき(S701がYES判定の場合)、メインCPU101は、現在参照している入賞作動フラグ格納領域のアドレスにチェック回数を加算して入賞作動フラグ格納領域のアドレスを更新し、ブロックカウンタの値を1減算する(S702)。次いで、メインCPU101は、ブロックカウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S703)。
S703において、メインCPU101が、ブロックカウンタの値が「0」でないと判別したとき(S703がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS692の処理に戻し、S692以降の処理を繰り返す。
一方、S703において、メインCPU101が、ブロックカウンタの値が「0」であると判別したとき(S703がYES判定の場合)、メインCPU101は、参照する引込優先順位テーブルのアドレスを1加算(+1更新)する(S704)。そして、S704の処理後、メインCPU101は、処理をS688の処理に戻し、S688以降の処理を繰り返す。
ここで再度、S679、S683又はS688の処理に戻って、S679、S683又はS688がYES判定の場合、メインCPU101は、この時点でセットされている引込順位データを、最終的な引込優先順位データとしてセットする(S705)。なお、S679又はS683がYES判定の場合、メインCPU101は、最終的な引込優先順位データとして「0(00H)」をセットする。この場合、引込優先順位データ「0(00H)」にはエンドコードが割り付けられているので、引込データ無し(停止禁止)がセットされる。そして、S705の処理後、メインCPU101は、引込優先順位取得処理を終了し、処理を引込優先順位格納処理(図67参照)のS628に移す。
[リール停止制御処理]
次に、図72を参照して、メインフロー(図56参照)中のS213で行うリール停止制御処理について説明する。なお、図72は、リール停止制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、リール停止可能信号OFF処理を行う(S711)。この処理では、メインCPU101は、主に、リール停止可能信号OFFデータのポート出力処理を行う。また、この処理は、メインRAM103の規定外作業領域を使用して行われる。
次いで、メインCPU101は、全リールの回転速度が所定の一定速度に到達したか否か(「定速」になったか否か)を判別する(S712)。S712において、メインCPU101が、全リールの回転速度が「定速」になっていないと判別したとき(S712がNO判定の場合)、メインCPU101は、S712の処理を繰り返す。
一方、S712において、メインCPU101が、全リールの回転速度が「定速」になったと判別したとき(S712がYES判定の場合)、メインCPU101は、リール停止可能信号ON処理を行う(S713)。この処理では、メインCPU101は、主に、リール停止可能信号ONデータのポート出力処理を行う。また、この処理は、メインRAM103の規定外作業領域を使用して行われる。
次いで、メインCPU101は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S714)。
S714において、メインCPU101が、有効なストップボタンが押されていないと判別したとき(S714がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS713の処理に戻し、S713以降の処理を繰り返す。一方、S714において、メインCPU101が、有効なストップボタンが押されたと判別したとき(S714がYES判定の場合)、メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域(図28参照)を更新し、ストップボタン未作動カウンタの値を1減算する(S715)。
次いで、メインCPU101は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(S716)。また、この処理では、検索対象リールのリール制御管理情報が格納される回胴制御データ格納領域のアドレス(先頭アドレス)セット処理も行われる。
次いで、メインCPU101は、リール停止可能信号OFF処理を行う(S717)。この処理は、上記S711と同様に、メインRAM103の規定外作業領域を使用して行われる。次いで、メインCPU101は、図柄カウンタの値に基づいて停止開始位置をメインRAM103に格納する(S718)。
次いで、メインCPU101は、リール停止選択処理を行う(S719)。詳細な説明は省略するが、この処理では、メインCPU101は、滑り駒数の選択処理を行う。
次いで、メインCPU101は、停止開始位置と、S719で決定された滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定し、該決定した停止予定位置をメインRAM103に格納する(S720)。この処理では、メインCPU101は、停止開始位置に滑り駒数を加算し、その加算結果を停止予定位置とする。
次いで、メインCPU101は、図柄コード格納処理を実行する(S721)。この処理では、停止予定位置に対応する図柄コードが図柄コード格納領域に格納される。次いで、メインCPU101は、制御対象のリールが最終停止(第3停止)のリールであるか否かを判別する(S722)。この処理では、メインCPU101は、ストップボタン未作動カウンタの値に基づいて、制御対象のリールが最終停止(第3停止)のリールであるか否かを判別し、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」であるときには、制御対象のリールが最終停止のリールであると判定する。
S722において、メインCPU101が、制御対象のリールが最終停止のリールでないと判別したとき(S722がNO判定の場合)、メインCPU101は、制御変更処理を行う(S723)。この処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。次いで、メインCPU101は、図67で説明した引込優先順位格納処理を行う(S724)。
次いで、メインCPU101は、停止間隔残時間待機処理を行う(S725)。この処理では、メインCPU101は、予め設定された所定のリール停止間隔時間が経過するまで、待機処理を行う。そして、S725の処理後、メインCPU101は、処理をS711の処理に戻し、S711以降の処理を繰り返す。
ここで再度、S722の処理に戻って、S722において、メインCPU101が、制御対象のリールが最終停止のリールであると判別したとき(S722がYES判定の場合)、メインCPU101は、全リールの励磁が停止状態であるか否かを判別する(S726)。S726において、メインCPU101が、全リールの励磁が停止状態でないと判別したとき(S726がNO判定の場合)、メインCPU101は、S726の処理を繰り返す。
一方、S726において、メインCPU101が、全リールの励磁が停止状態であると判別したとき(S726がYES判定の場合)、メインCPU101は、第3停止操作されたストップボタンがオン状態のままである(ストップボタンが放されていない)か否かを判別する(S727)。S727において、メインCPU101が、第3停止操作されたストップボタンがオン状態のままであると判別したとき(S727がYES判定の場合)、メインCPU101は、S727の処理を繰り返す。一方、S727において、メインCPU101が、第3停止操作されたストップボタンがオン状態のままでないと判別したとき(S727がNO判定の場合)、メインCPU101は、リール停止制御処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)のS214に移す。
[入賞検索処理]
次に、図73を参照して、メインフロー(図56参照)中のS214で行う入賞検索処理について説明する。なお、図73は、入賞検索処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図柄コード格納領域(図30参照)に格納された各格納領域のデータを、入賞作動フラグ格納領域(図25参照)の対応する格納領域に転送して保存する(S761)。そして、この処理終了時点では、DEレジスタに入賞作動フラグ格納領域の最後尾のアドレスがセットされる。
次いで、メインCPU101は、入賞役(図柄組合せ)の払出枚数(図19〜図22参照)を規定する払出枚数データテーブル(不図示)のアドレスをHLレジスタにセットする(S762)。次いで、メインCPU101は、払出枚数テーブル数(例えば、本実施形態では「4」)を入賞検索カウンタの初期値とし、該初期値をBレジスタにセットする(S763)。
次いで、メインCPU101は、HLレジスタにセットされたアドレスに基づいて、メダルの払出枚数(本実施形態では、1枚、2枚、5枚及び8枚のいずれか)のデータをCレジスタにセットし、判定対象データをAレジスタにセットし、HLレジスタにセットされているアドレスに「2」を加算(+2更新)する(S764)。なお、払出枚数データテーブルにおいて、メダルの払出枚数のデータは、例えば「払出枚数(1,2,5又は8)*2+0」と規定される。また、以下では、Cレジスタにセットされたメダルの払出枚数のデータ「払出枚数(1,2,5又は8)*2+0」内のデータ「0」を「判定ビット」という。この判定ビットは入賞検索の判定対象ブロックであるか否かを示す情報である。
次いで、メインCPU101は、Cレジスタにセットされたメダルの払出枚数のデータから判定ビットの値を抽出する(S765)。次いで、メインCPU101は、抽出した判定ビットの値に基づいて、判定対象ブロックであるか否かを判別する(S766)。この処理において、メインCPU101は、抽出した判定ビットの値が「1」である場合に、判定対象ブロックであると判定する。なお、本実施形態では、メダルの払出枚数にかかわらず、判定ビットの値は常に「0」が規定されるようにしているため、S766の処理は必ずNO判定となる。
S766において、メインCPU101が、判定対象ブロックでないと判別したとき(S766がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS768の処理を行う。一方、S766において、メインCPU101が、判定対象ブロックであると判別したとき(S766がYES判定の場合)、メインCPU101は、DEレジスタにセットされている入賞作動フラグ格納領域のアドレスを1減算(−1更新)する(S767)。
S767の処理後又はS766がNO判定の場合、メインCPU101は、DEレジスタにセットされた入賞作動フラグ格納領域のアドレスで指定される格納領域のデータを判定データとして抽出する(S768)。
次いで、メインCPU101は、S764でAレジスタにセットされた判定対象データと、S768で抽出した判定データとに基づいて、判定の結果が入賞であるか否かを判別する(S769)。この処理において、メインCPU101は、S764でAレジスタにセットされた判定対象データが、S768で抽出した判定データと同じであれば、判定の結果が入賞であると判定する。
S769において、メインCPU101が、判定の結果が入賞でないと判別したとき(S769がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS776の処理を行う。一方、S769において、メインCPU101が、判定の結果が入賞であると判別したとき(S769がYES判定の場合)、メインCPU101は、現遊技が3枚遊技(メダルのベット枚数が3枚である遊技)であるか否かを判別する(S770)。
S770において、メインCPU101が、現遊技が3枚遊技であると判別したとき(S770がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS772の処理を行う。一方、S770において、メインCPU101が、現遊技が3枚遊技でないと判別したとき(S770がNO判定の場合)、メインCPU101は、2枚遊技(メダルのベット枚数が2枚である遊技)の払出枚数をCレジスタにセットする(S771)。なお、本実施形態では、2枚遊技がないため、S770及びS771の処理は不要となる。
S771の処理後又はS770がYES判定の場合、メインCPU101は、払出枚数の更新処理を行う(S772)。具体的には、メインCPU101は、現在の入賞枚数カウンタの値に、Cレジスタにセットされたメダルの払出枚数を加算し、加算後の値を払出枚数にセットする。
次いで、メインCPU101は、払出枚数の値が最大払出枚数「15」未満であるか否かを判別する(S773)。
S773において、メインCPU101が、払出枚数の値が最大払出枚数「15」未満であると判別したとき(S773がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS775の処理を行う。一方、S773において、メインCPU101が、払出枚数の値が最大払出枚数「15」未満でないと判別したとき(S773がNO判定の場合)、メインCPU101は、払出枚数に最大払出枚数「15」をセットする(S774)。
S774の処理後又はS773がYES判定の場合、メインCPU101は、払出枚数を入賞枚数カウンタに保存する(S775)。
S775の処理後又はS769がNO判定の場合、メインCPU101は、他の入賞があるか否かを判別する(S776)。S776において、メインCPU101が、他の入賞があると判別したとき(S776がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理をS769の処理に戻し、S769以降の処理を繰り返す。
一方、S776において、メインCPU101が、他の入賞がないと判別したとき(S776がNO判定の場合)、メインCPU101は、入賞検索カウンタの値を1減算(−1更新)する(S777)。なお、例えば、有効ラインが1本である場合には、複数の小役が重複して入賞することがないので、S776の判定処理は必ずNO判定となる。
次いで、メインCPU101は、入賞検索カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S778)。
S778において、メインCPU101が、入賞検索カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S778がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS764の処理に戻し、S764以降の処理を繰り返す。一方、S778において、メインCPU101が、入賞検索カウンタの値が「0」であると判別したとき(S778がYES判定の場合)、メインCPU101は、入賞検索処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS215の処理に移す。
[イリーガルヒットチェック処理]
次に、図74を参照して、メインフロー(図56参照)中のS215で行うイリーガルヒットチェック処理について説明する。なお、図74は、イリーガルヒットチェック処理の手順を示すフローチャートである。なお、イリーガルヒットとは、内部抽籤処理(図64参照)で抽籤され、図柄設定処理(図65参照)で当籤番号格納領域に格納された特賞当籤番号及び小役当籤番号(内部当籤役)に基づいて、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rが、成立しえない図柄の組合せで有効ライン上に停止(図柄組合せ不成立)したことを示す用語である。
まず、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域(図25参照)のアドレスをセットする(S781)。次いで、メインCPU101は、入賞作動フラグ格納領域のサイズ(バイト数、本実施形態では「9」)を、チェックカウンタの値にセットする(S782)。
次いで、メインCPU101は、現在セットされている入賞作動フラグ格納領域のアドレスに基づいて、該アドレスに対応する当り要求フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)内の格納領域に格納された内部当籤役のデータ(当り要求フラグデータ)を取得する(S783)。次いで、メインCPU101は、現在セットされている入賞作動フラグ格納領域のアドレスに格納された入賞役のデータ(入賞作動フラグデータ)と、内部当籤役のデータ(当り要求フラグデータ)とを合成する(S784)。
なお、この合成処理では、まず、メインCPU101は、入賞役のデータ(入賞作動フラグデータ)と内部当籤役のデータ(当り要求フラグデータ)との排他的論理和を求める。次いで、メインCPU101は、求められた排他的論理和の算出結果と入賞役のデータ(入賞作動フラグデータ)との論理積を求め、論理積の算出結果を合成結果とする。なお、イリーガルヒットエラーが発生していない場合、この合成結果の値は「0」となる。
次いで、メインCPU101は、S784の合成処理の結果に基づいて、イリーガルヒットエラーが発生しているか否かを判別する(S785)。
S785において、メインCPU101が、イリーガルヒットエラーが発生していないと判別したとき(S785がNO判定の場合)、メインCPU101は、参照する入賞作動フラグ格納領域のアドレスを+1更新する(S786)。次いで、メインCPU101は、チェックカウンタの値を1減算する(S787)。次いで、メインCPU101は、チェックカウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S788)。
S788において、メインCPU101が、チェックカウンタの値が「0」でないと判別したとき(S788がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS783の処理に戻し、S783以降の処理を繰り返す。一方、S788において、メインCPU101が、チェックカウンタの値が「0」であると判別したとき(S788がYES判定の場合)、メインCPU101は、イリーガルヒットチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS216の処理に移す。
ここで再度、S785の処理に戻って、S785において、メインCPU101が、イリーガルヒットエラーが発生していると判別したとき(S785がYES判定の場合)、メインCPU101は、図62で説明したエラー処理を行う(S789)。この処理により、情報表示器6に含まれる2桁の7セグLED(払出枚数表示用及びエラー表示用兼用)に、イリーガルヒットエラーの発生を示す2文字「EE」をエラー情報として表示するためのエラー表示データが出力される。なお、イリーガルヒットエラーの発生状態(エラー状態)は、リセットスイッチ76(図6参照)を押下することにより解除される。
次いで、メインCPU101は、入賞枚数カウンタの値及び当り要求フラグ格納領域のデータをクリアする(S790)。そして、S790の処理後、メインCPU101は、イリーガルヒットチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS216の処理に移す。
なお、本実施形態では、図25に示すように、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)の構成が当り要求フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)のそれと同じであるので、入賞作動フラグ格納領域の役と内部当籤役との合成処理時にメインRAM103に配置される当り要求フラグ格納領域と入賞作動フラグ格納領域とを同一構成にすることができる。それゆえ、本実施形態のイリーガルヒットチェック処理におけるS784の演算結果(入賞役のデータと内部当籤役のデータとを合成結果)は、入賞役のデータと内部当籤役のデータとを単純に論理積(例えば、「AND」命令で実行する)することにより求められる。その結果、本実施形態では、イリーガルヒットチェック処理を効率化及び簡略化することができ、主制御プログラムの空き容量を確保する(増やす)ことができ、増えた空き容量を使用して遊技性を高めることが可能になる。
[入賞チェック・メダル払出処理]
次に、図75を参照して、メインフロー(図56参照)中のS216で行う入賞チェック・メダル払出処理について説明する。なお、図75は、入賞チェック・メダル払出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、入賞作動コマンド生成処理を行う(S801)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信する入賞作動コマンドに含まれる、種別データおよび各種通信パラメータを生成する。なお、入賞作動コマンドは、入賞作動フラグ(表示役)等を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、図50で説明した通信データ格納処理を行う(S802)。この処理により、入賞作動コマンドデータがメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存される。なお、入賞作動コマンドは、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。
次いで、メインCPU101は、入賞枚数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S803)。S803において、メインCPU101が、入賞枚数カウンタの値が「0」であると判別したとき(S803がYES判定の場合)、メインCPU101は、入賞チェック・メダル払出処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS217の処理に移す。
一方、S803において、メインCPU101が、入賞枚数カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S803がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダルのクレジット枚数(貯留枚数)がその上限枚数(本実施形態では50枚)以上であるか否かを判別する(S804)。
S804において、メインCPU101が、メダルのクレジット枚数がその上限枚数以上でないと判別したとき(S804がNO判定の場合)、メインCPU101は、クレジットカウンタの値に「1」を加算(+1更新)する(S805)。加算されたクレジットカウンタの値は、情報表示器6に含まれる貯留枚数表示用の2桁の7セグLED(不図示)により表示される。次いで、メインCPU101は、メダル払出枚数チェック処理を行う(S806)。なお、メダル払出枚数チェック処理の詳細については、後述の図76を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、メダルの払い出しが終了したか否かを判別する(S807)。S807において、メインCPU101が、メダルの払い出しが終了したと判別したとき(S807がYES判定の場合)、メインCPU101は、入賞チェック・メダル払出処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS217の処理に移す。
一方、S807において、メインCPU101が、メダルの払い出しが終了していないと判別したとき(S807がNO判定の場合)、メインCPU101は、払出間隔待機処理を行う(S808)。この処理では、メインCPU101は、予め設定されたメダル払出間隔時間(本実施形態では60.33msec:後述の図79で説明する割込処理(1.1172msec周期)の54周期分)が経過するまでウェイトする。そして、S808の処理後、メインCPU101は、処理をS803の処理に戻し、S803以降の処理を繰り返す。
ここで再度、S804の処理に戻って、S804において、メインCPU101が、メダルのクレジット枚数がその上限枚数(50枚)以上であると判別したとき(S804がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダルの払出処理を行う(S809)。この処理により、クレジット枚数として貯留されなかった分のメダルが払い出される。なお、S809の処理においても、メダルの払い出しが終了するまで、メダルが1枚払い出される度にS806〜806の処理が繰り返されるようにすればよい。そして、S809の処理後、メインCPU101は、入賞チェック・メダル払出処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS217の処理に移す。
[メダル払出枚数チェック処理]
次に、図76を参照して、入賞チェック・メダル払出処理(図75参照)中のS806で行うメダル払出枚数チェック処理について説明する。なお、図76は、メダル払出枚数チェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、メダルOUTカウンタの値に「1」を加算(+1更新)する(S811)。なお、メダルOUTカウンタは、メダルの払出回数を計数するためのカウンタである。次いで、メインCPU101は、払出枚数カウンタの値に「1」を加算(+1更新)する(S812)。なお、払出枚数カウンタは、メダルの払出枚数を計数するためのカウンタである。
次いで、メインCPU101は、払出枚数7SEG表示処理を行う(S813)。この処理では、メインCPU101は、払出枚数カウンタの値を、情報表示器6に含まれる払出枚数表示用の2桁の7セグLED(不図示)により表示させる制御処理を行う。
次いで、メインCPU101は、役連終了枚数カウンタの更新処理を行う(S814)。なお、役連終了枚数カウンタは、ボーナス役が入賞する(コンビネーション「C_赤同色BB」、「C_青同色BB」、「C_赤異色BB」又は「C_青異色BB」の図柄組合せが揃う)ことで、ボーナス遊技が開始する時にボーナス遊技で払い出すことが可能な払出枚数がセットされ(後述の図77参照)、ボーナス遊技中のメダルの払出枚数の残り枚数を計数し、ボーナス遊技の終了を判断する(後述の図77のS822参照)ためのカウンタである。この処理では、メインCPU101は、役連終了枚数カウンタの値とその下限値「0」とを比較し、役連終了枚数カウンタの値が下限値「0」より大きい場合には、役連終了枚数カウンタの値を1減算(−1更新)し、役連終了枚数カウンタの値が下限値「0」以下である場合には、役連終了枚数カウンタの値を「0」に保持する。なお、役連終了枚数カウンタにセットされる払出枚数は、実際に遊技者に払い出される枚数となる訳ではない、例えば、役連終了枚数カウンタに240枚がセットされ、役連終了枚数カウンタが240となった状態で、15枚のメダルが払い出された場合、実際の払い出される払出枚数は255枚となる。役連終了枚数カウンタは240枚払い出された後「0」となり、以降、役連終了枚数カウンタの値の下限値「0」が維持される。
次いで、メインCPU101は、入賞枚数カウンタの値を1減算(−1更新)する(S815)。
次いで、メインCPU101は、クレジット情報コマンド生成処理を行う(S816)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信するクレジット情報コマンドに含まれる、種別データ及び各種通信パラメータを生成する。なお、クレジット情報コマンドは、メダルのクレジット枚数を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、図50で説明した通信データ格納処理を行う(S817)。この処理により、クレジット情報コマンドデータがメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存される。なお、クレジット情報コマンドは、後述の図80で説明する通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。そして、S817の処理後、メインCPU101は、メダル払出枚数チェック処理を終了し、処理を入賞チェック・メダル払出処理(図75参照)中のS807の処理に移す。
[BBチェック処理]
次に、図77を参照して、メインフロー(図56参照)中のS217で行うBBチェック処理について説明する。なお、図77は、BBチェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、現在の遊技状態がボーナス状態であるか否かを判別する(S821)。S821において、メインCPU101が、現在の遊技状態がボーナス状態でないと判別したとき(S821がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS831の処理を行う。
一方、S821において、メインCPU101が、現在の遊技状態がボーナス状態であると判別したとき(S821がYES判定の場合)、メインCPU101は、役連終了枚数カウンタの値が「0」以下であるか否かを判別する(S822)。S822において、メインCPU101が、役連終了枚数カウンタの値が「0」以下でないと判別したとき(S822がNO判定の場合)、メインCPU101は、BBチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS218の処理に移す。
一方、S822において、メインCPU101が、役連終了枚数カウンタの値が「0」以下であると判別したとき(S822がYES判定の場合)、メインCPU101は、ボーナス終了時処理を行う(S823)。この処理では、メインCPU101は、ボーナス状態中の各種情報をクリアする。次いで、メインCPU101は、RT4状態フラグをオン状態にセットする(S824)。この処理では、メインCPU101は、ボーナス状態終了後のRT状態をRT4状態とする。そして、S824の処理後、メインCPU101は、BBチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS218の処理に移す。
ここで再度、S821の処理に戻って、S821がNO判定の場合、メインCPU101は、BB役に係る図柄組合せ(コンビネーション「C_赤同色BB」、「C_青同色BB」、「C_赤異色BB」又は「C_青異色BB」の図柄組合せ)が表示されたか否かを判別する(S825)。S825において、メインCPU101が、BB役に係る図柄組合せが表示されなかったと判別したとき(S825がNO判定の場合)、メインCPU101は、BBチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS218の処理に移す。
一方、S825において、メインCPU101が、BB役に係る図柄組合せが表示されたと判別したとき(S825がYES判定の場合)、メインCPU101は、ボーナス作動時処理を行う(S826)。この処理では、次遊技の遊技状態にボーナス状態をセットするなどのボーナスの作動開始に必要な各種処理を行う。次いで、メインCPU101は、役連終了枚数カウンタの値に所定値(ボーナス終了契機となる払出枚数:本実施形態では、BB1及びBB2において「240」、BB3及びBB4において「165」)をセットする(S827)。次いで、メインCPU101は、RT5状態フラグをオフ状態にセットする(S828)。この処理では、メインCPU101は、ボーナス状態開始前のRT状態をクリアする。そして、S828の処理後、メインCPU101は、BBチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS218の処理に移す。
[RTチェック処理]
次に、図78を参照して、メインフロー(図56参照)中のS218で行うRTチェック処理について説明する。なお、図78は、RTチェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、現在の遊技状態がボーナス状態中であるか否かを判別する(S831)。S831において、メインCPU101が、現在の遊技状態がボーナス状態中であると判別したとき(S831がYES判定の場合)、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS219の処理に移す。
一方、S831において、メインCPU101が、現在の遊技状態がボーナス状態中でないと判別したとき(S831がNO判定の場合)、メインCPU101は、RT状態がRT5状態(フラグ間状態)であるか否かを判別する(S832)。S832において、メインCPU101が、RT状態がRT5状態であると判別したとき(S832がYES判定の場合)、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS219の処理に移す。
一方、S832において、メインCPU101が、RT状態がRT5状態でないと判別したとき(S832がNO判定の場合)、メインCPU101は、RT状態がRT3状態であるか否かを判別する(S833)。S833において、メインCPU101が、RT状態がRT3状態でないと判別したとき(S833がNO判定の場合)、メインCPU101は、S837の処理に移す。
一方、S833において、メインCPU101が、RT状態がRT3状態であると判別したとき(S833がYES判定の場合)、メインCPU101は、RT遊技数カウンタを1減算する(S834)。すなわち、メインCPU101は、RT3状態の遊技期間を管理する。次いで、メインCPU101は、RT遊技数カウンタは0となったか否かを判別する(S835)。S835において、メインCPU101が、RT遊技数カウンタは0となっていないと判別したとき(S835がNO判定の場合)、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS219の処理に移す。
一方、S835において、メインCPU101が、RT遊技数カウンタは0となったと判別したとき(S835がYES判定の場合)、メインCPU101は、RT0状態フラグをオン状態にセットし、RT3状態フラグをオフ状態にセット(クリア)する(S836)。この処理により、RT状態がRT0状態となる。そして、S836の処理後、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS219の処理に移す。
S833において、メインCPU101が、RT状態がRT3状態でないと判別したとき(S833がNO判定の場合)、メインCPU101は、RT3移行目に係る図柄の組合せ(コンビネーション「S_RT3移行目」)が表示されたか否かを判別する(S837)。S837において、メインCPU101が、RT3移行目に係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(S837がYES判定の場合)、メインCPU101は、RT3状態フラグをオン状態にセットし、RT遊技数カウンタに8をセットする(S838)。なお、この場合、他のRT状態フラグはオフ状態にセットされる。この処理により、RT状態がRT3状態となる。そして、S838の処理後、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS219の処理に移す。
一方、S837において、メインCPU101が、RT3移行目に係る図柄の組合せが表示されなかったと判別したとき(S837がNO判定の場合)、メインCPU101は、RT1移行目に係る図柄の組合せ(コンビネーション「R_RT1移行目」の図柄組合せ)が表示されたか否かを判別する(S839)。S839において、メインCPU101が、RT1移行目に係る図柄の組合せが表示されなかったと判別したとき(S839がNO判定の場合)、メインCPU101は、RT1移行リプに係る図柄の組合せ(コンビネーション「S_RT1移行リプ」の図柄組合せ)が表示されたか否かを判別する(S840)。
S839において、メインCPU101が、RT1移行目に係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(S839がYES判定の場合)、及びS840において、メインCPU101が、RT1移行リプに係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(S840がYES判定の場合)、メインCPU101は、RT1状態フラグをオン状態にセットする(S841)。なお、この場合、他のRT状態フラグはオフ状態にセットされる。この処理により、RT状態がRT1状態となる。そして、S841の処理後、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS219の処理に移す。
一方、S840において、メインCPU101が、RT1移行リプに係る図柄の組合せが表示されなかったと判別したとき(S840がNO判定の場合)、メインCPU101は、RT2移行リプに係る図柄の組合せ(コンビネーション「S_RT2移行リプ」の図柄の組合せ)が表示されたか否かを判別する(S842)。S842において、メインCPU101が、RT2移行リプに係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(S842がYES判定の場合)、メインCPU101は、RT2状態フラグをオン状態にセットする(S843)。なお、この場合、他のRT状態フラグはオフ状態にセットされる。この処理により、RT状態がRT2状態となる。そして、S843の処理後、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56照)中のS219の処理に移す。
一方、S842において、メインCPU101が、RT2移行リプに係る図柄の組合せが表示されなかったと判別したとき(S842がNO判定の場合)、メインCPU101は、RT0移行リプに係る図柄の組合せ(コンビネーション「S_RT0移行リプ」の図柄の組合せ)が表示されたか否かを判別する(S844)。S844において、メインCPU101が、RT0移行リプに係る図柄の組合せが表示されたと判別したとき(S844がYES判定の場合)、メインCPU101は、RT0状態フラグをオン状態にセットする(S845)。なお、この場合、他のRT状態フラグはオフ状態にセットされる。この処理により、RT状態がRT0状態となる。そして、S845の処理後、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS219の処理に移す。一方、S844において、メインCPU101が、RT0移行リプに係る図柄の組合せが表示されなかったと判別したとき(S844がNO判定の場合)、メインCPU101は、RTチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図56参照)中のS219の処理に移す。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1172msec)] 次に、図79を参照して、1.1172msec周期で、メインCPU101が行う割込処理について説明する。なお、図79は、割込処理の手順を示すフローチャートである。1.1172msec周期で繰り返し実行される割込処理は、タイマー回路113(PTC)の初期化処理(図46中のS2参照)で設定されたタイマー回路113のタイムアウト信号の出力タイミングに基づいて発生する割込みコントローラ112からの割込要求信号がメインCPU101に入力された際に実行される処理である。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S901)。次いで、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S902)。この処理では、外部バスインターフェース104を介して接続されたスタートスイッチ79、ストップスイッチ等の各種スイッチや、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々に設けられたインデックスセンサ(不図示)等の各種センサから入力される信号がチェックされる。本実施形態では、キャビネット側中継基板44、ドア中継端子板68、及びリール中継端子板74等を経由し、これらの各種スイッチや各種センサが、外部バスインターフェース104を介して入力ポート用IC(不図示)の出力端子に接続された入力用のICの入力端子に接続されている。また、メインRAM103には、メインCPU101が、外部バスインターフェース104に接続された入力ポート用IC(本実施形態では、単に「入力ポート」という)の状態を格納するための入力ポート格納領域(不図示)が割り当てられている。ここで、入力ポート格納領域は、例えば、入力ポートの現在の状態を格納するための入力ポート格納領域1と、入力ポートの1割込処理前の状態を格納するための入力ポート格納領域2とで構成される。そして、メインCPU101は、この処理において、まず、入力ポート格納領域1に格納された各種情報を入力ポート格納領域2に保存し、次いで、入力ポートから読み込んだ各種情報を入力ポート格納領域1に格納する。なお、各種スイッチや各種センサの接続構成や入力ポート格納領域の構成は、上述したものに限られない。すなわち、メインCPU101側で、各種スイッチや各種センサのオン/オフ状態を認識可能な構成であればよい。
次いで、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S903)。この処理では、メインCPU101は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU101は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU101は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の有効ライン上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S904)。この処理では、主に、通信データ格納領域に格納された各種コマンドを主制御回路90の第1シリアル通信回路114(図8参照)を介して副制御回路200に送信する。なお、通信データ送信処理の詳細については、後述の図80を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、投入メダル通過チェック処理を行う(S905)。この処理では、メインCPU101は、各メダルセンサ(図5参照)の検出結果(メダルセンサ入力状態)に基づいて、投入メダルがセレクタ66を通過したか否かのチェック処理を行う。
次いで、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S906)。この処理では、メインCPU101は、情報表示器6に含まれる各種7セグLEDを駆動制御して、例えば、メダルの払出枚数やクレジット枚数、ストップボタンの押し順データなどを表示する。なお、7セグLED駆動処理の詳細については、後述の図82を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、タイマー更新処理を行う(S907)。この処理では、メインCPU101は、セットされた各種タイマーのカウント(減算)処理を行う。なお、タイマー更新処理の詳細については、後述の図84を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S908)。次いで、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S909)。ドア開閉チェック処理では、メインCPU101は、ドア開閉監視スイッチ67のオン(ドア閉)/オフ(ドア開)状態をチェックすることにより、フロントドア2b(図2参照)の開閉状態をチェックする。
次いで、メインCPU101は、試射試験信号制御処理を行う(S910)。この処理では、第2インターフェースボート等を介して試験機に各種試験信号の出力する際の制御処理が行われる。また、この処理は、メインRAM103の規定外作業領域(図11C参照)を用いて実行される。なお、本実施形態では、この処理は、試射試験時以外のとき(パチスロ1が遊技店に設置された後)にも行われるが、この時には、主制御基板71が第2インターフェースボート等を介して試験機に接続されていないので、各種試験信号は生成されても出力はされない。
次いで、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S911)。そして、S912の処理後、メインCPU101は、割込処理を終了する。
[通信データ送信処理]
次に、図80を参照して、割込処理(図79参照)中のS904で行う通信データ送信処理について説明する。なお、図80は、通信データ送信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、WDT設定処理を行う(S961)。この処理では、メインCPU101は、リセットコントローラ106内のWDTをリスタートさせる処理などを行う。なお、WDT設定処理の詳細については、後述の図81を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、コマンド送信開始タイマはカウントアップしたか否かを判別する(S962)。すなわち、メインCPU101は、通信データの送信の遅延中であるか否かを判別する。S962において、メインCPU101が、コマンド送信開始タイマはカウントアップしていないと判別したとき(S962がNO判定の場合)、メインCPU101は、通信データ送信処理を終了し、処理を割込処理(図79参照)中のS905の処理に移す。
一方、S962において、メインCPU101が、コマンド送信開始タイマはカウントアップしたと判別したとき(S962がYES判定の場合)、メインCPU101は、通信データは送信完了しているか否かを判別する(S963)。具体的には、メインCPU101は、第1シリアル通信回路114(SCU1)のコマンドステータスレジスタ(不図示)に格納されているデータを参照し、送信完了を示すデータが格納されていれば、通信データは送信完了していると判別し、送信完了を示すデータが格納されていなければ、通信データは送信完了していないと判別する。
S963において、メインCPU101が、通信データは送信完了していないと判別したとき(S963がNO判定の場合)、メインCPU101は、通信データ送信処理を終了し、処理を割込処理(図79参照)中のS905の処理に移す。一方、S963において、メインCPU101が、通信データは送信完了していると判別したとき(S963がYES判定の場合)、メインCPU101は、通信データ取得処理を行う(S964)。この処理では、メインCPU101は、メインRAM103の通信データ格納領域から通信データ(コマンドデータ)を取得する処理を行う。
次いで、メインCPU101は、取得した通信データの中に未送信データがあるか否かを判別する(S965)。S965において、メインCPU101が、取得した通信データの中に未送信データがあると判別したとき(S965がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS969の処理を行う。
一方、S965において、メインCPU101が、取得した通信データの中に未送信データがないと判別したとき(S965がNO判定の場合)、メインCPU101は、無操作コマンドデータを各レジスタにセットする(S966)。無操作コマンドデータは、遊技者の遊技操作(例えば、遊技を進行させるための操作としての、投入操作、開始操作、及び停止操作など)に関連する情報(例えば、これらの操作が行われたことを示す情報、あるいは、例えば、開始操作に基づき決定された内部当籤役を示す情報など)を含まないように各パラメータが設定されている。なお、無操作コマンドデータの各パラメータには、例えば、パチスロ1における、各スイッチのオン状態/オフ状態を示すパラメータや、各センサのオン状態/オフ状態を示すパラメータ(例えば、入力ポート格納領域1及び入力ポート格納領域2に格納された情報)が設定されるようにすればよい。これにより、副制御回路200側でこれらのスイッチやセンサなどの誤作動や故障などの可能性が判定されるようにしてもよい。
次いで、メインCPU101は、通信データ格納処理(図50参照)を行う(S967)。すなわち、メインCPU101は、S966で生成された無操作コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する処理を行う。次いで、メインCPU101は、通信データ取得処理を行う(S968)。すなわち、メインCPU101は、S967で通信データ格納領域に格納された無操作コマンドデータを取得する処理を行う。
このように、本実施形態では、主制御回路90から副制御回路200に送信する通信データがない場合であっても、割込処理(図79参照)毎に、少なくとも無操作コマンドが送信されるようになっている。したがって、主制御回路90から副制御回路200に送信する通信データがないことに起因して、外部から不正な通信データが送信されてしまうことを防止することが可能となる。なお、このような観点より、無操作コマンドデータは、遊技者の遊技操作に関連する情報を含まないものとしているが、設定される各パラメータの内容はこれに限られるものではなく、適宜変更可能である。
S968の処理後又はS965がYES判定の場合、メインCPU101は、1パケット分のバッファサイズを送信カウンタにセットする(S969)。なお、本実施形態では、1パケット分の送信データは8バイトであることから、1パケット分のバッファサイズも同様に8バイトで構成されている。また、本実施形態では、通信データ格納領域に複数の通信データ(コマンドデータ)が格納されている場合には、格納された順序で(格納が古いものから先に)送信される(FIFO形式)。
次いで、メインCPU101は、通信バッファから送信データを取得して送信データレジスタにセットする(S970)。具体的には、メインCPU101は、第1シリアル通信回路114(SCU1)の送信データレジスタ(不図示)に送信データを1バイト単位でセットする。これにより、セットされた送信データは、第1シリアル通信回路114(SCU1)の送信シフトレジスタ(不図示)に転送され、1パケット分ずつ送信される。
次いで、メインCPU101は、通信バッファのアドレスを「1」更新(+1)する(S971)。次いで、メインCPU101は、送信カウンタを「1」減算する(S972)。次いで、メインCPU101は、送信カウンタは「0」であるか否かを判別する(S973)。すなわち、メインCPU101は、1パケット分の送信データの送信が完了したか否かを判別する。S973において、メインCPU101が、送信カウンタは「0」でないと判別したとき(S973がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS970の処理に戻し、S970以降の処理を繰り返す。
一方、S973において、メインCPU101が、送信カウンタは「0」であると判別したとき(S973がYES判定の場合)、メインCPU101は、通信データポインタ更新処理(例えば、図51参照)を行う(S974)。そして、S974の処理後、メインCPU101は、通信データ送信処理を終了し、処理を割込処理(図79参照)中のS905の処理に移す。
[WDT設定処理]
次に、図81を参照して、通信データ送信処理(図80参照)中のS961で行うWDT設定処理について説明する。なお、図81は、WDT設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、リセットコントローラ106内のWDTにおけるWDTクリアレジスタ(不図示)のアドレスをセットする(S981)。次いで、メインCPU101は、セットしたアドレスにクリアデータ(例えば、「55H」)をセットする(S982)。次いで、メインCPU101は、セットしたアドレスにリスタートデータ(例えば、「AAH」)をセットする(S983)。
次いで、メインCPU101は、コマンド送信開始タイマとその下限値「0」とを比較し、コマンド送信開始タイマが下限値「0」より大きい場合には、コマンド送信開始タイマを1減算(−1更新)し、コマンド送信開始タイマが下限値「0」以下である場合には、コマンド送信開始タイマを「0」に保持する(S984)。そして、S984の処理後、メインCPU101は、WDT設定処理を終了し、処理を通信データ送信処理(図80参照)のS962の処理に移す。
上述したように、本実施形態では、WDTのリセット設定及び管理情報(WDTの許可/禁止、基準クロック、タイムアウト時間(例えば、419.4ms)など)がプログラム管理エリアに記憶されており、S982及びS983の処理が行われることにより、設定されているタイムアウト時間が再計測される。なお、タイムアウトによりリセット信号が出力されてメインCPU101が再起動される場合には、電断時(外部)処理(図52参照)が実行されることなく再起動するため、チェックサム生成処理(図53参照)によって算出されるサム値がメインRAM103(サム値格納領域)に格納されない。したがって、この場合、電源投入時処理(図46のS11参照)におけるサムチェック判定結果は正常とならず(すなわち、「RAM異常」として)、情報表示器6(7セグLED表示器)に、エラー発生を意味する文字列「88」が表示される。
[7セグLED駆動処理]
次に、図82を参照して、割込処理(図79参照)中のS906で行う7セグLED駆動処理について説明する。なお、図82は、7セグLED駆動処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、割込カウンタの値に「1」を加算(+1更新)する(S921)。次いで、メインCPU101は、割込カウンタの値が奇数であるか否かを判別する(S922)。
S922において、メインCPU101が、割込カウンタの値が奇数でないと判別したとき(S922がNO判定の場合)、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を終了し、処理を割込処理(図79参照)中のS907の処理に移す。すなわち、本実施形態では、2回の割込周期毎に、7セグLED駆動処理が行われる。なお、本実施形態では、7セグLED駆動処理を割込みカウンタの値が偶数の場合に実行する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、割込みカウンタの値が奇数の場合に7セグLED駆動処理を実行してもよいし、また、任意の整数で割込みカウンタの値を除算したときの商又は余りを用いて、7セグLED駆動処理の実行タイミングを決定してもよい。
一方、S922において、メインCPU101が、割込カウンタの値が奇数であると判別したとき(S922がYES判定の場合)、メインCPU101は、ナビデータ格納領域からナビデータを取得する(S923)。次いで、メインCPU101は、7セグLEDの各カソードに出力される押し順表示データを格納するための押し順表示データ格納領域のアドレスをセットする(S924)。
次いで、メインCPU101は、7セグ表示データ生成処理を行う(S925)。この処理では、メインCPU101は、ナビデータに基づいて、押し順表示データ(7セグ表示データ)を作成し、生成された押し順表示データを押し順表示データ格納領域に格納する。なお、7セグ表示データ生成処理の詳細については、後述の図83を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、クレジットカウンタの値を取得する(S926)。次いで、メインCPU101は、7セグLEDの各カソードに出力されるクレジット表示データを格納するためのクレジット表示データ格納領域のアドレスをセットする(S927)。
次いで、メインCPU101は、7セグ表示データ生成処理を行う(S928)。この処理では、メインCPU101は、クレジットカウンタの値に基づいて、クレジット表示データ(7セグ表示データ)を生成し、生成されたクレジット表示データをクレジット表示データ格納領域に格納する。なお、7セグ表示データ生成処理の詳細については、後述の図83を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、後述の7セグコモンカウンタの値を格納するための7セグコモンカウンタ格納領域のアドレスをセットする(S929)。次いで、メインCPU101は、7セグコモンカウンタの値に「1」を加算(+1更新)する(S930)。なお、この処理において、更新後の7セグコモンカウンタの値が「8」となった場合には、メインCPU101は、7セグコモンカウンタの値に「0」をセットする。本実施形態では、7セグLEDをダイナミック制御するため、8回周期で7セグコモンカウンタの値が更新される。
次いで、メインCPU101は、7セグコモンカウンタの値に基づいて、コモン選択データを作成し、対象のカソードデータ格納領域(押し順表示データ格納領域又はクレジット表示データ格納領域内の対象格納領域)のアドレスをセットする(S931)。次いで、メインCPU101は、7セグLEDのカソードにクリアデータを出力する(S932)。この処理は、7セグLEDを一旦消灯して、残像の影響を無くすために行われる。
次いで、メインCPU101は、対象のカソードデータ格納領域から7セグカソード出力データを取得してセットする(S933)。次いで、メインCPU101は、7セグコモンバックアップデータとコモン選択データとから、7セグコモン出力データを生成する(S934)。
次いで、メインCPU101は、7セグコモンバックアップデータ及び7セグカソードバックアップデータにそれぞれ7セグコモン出力データ及び7セグカソード出力データを保存する(S935)。次いで、メインCPU101は、7セグカソード出力データ及び7セグコモン出力データを出力する(S936)。そして、S936の処理後、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を終了し、処理を割込処理(図79参照)中のS907の処理に移す。
[7セグ表示データ生成処理]
次に、図83を参照して、7セグLED駆動処理(図82参照)中のS925及びS928で行う7セグ表示データ生成処理について説明する。なお、図83は、7セグ表示データ生成処理の手順を示すフローチャートである。
なお、7セグLED駆動処理(図82参照)中のS925で行われる7セグ表示データ生成処理で生成される後述の「表示データ」は押し順表示データに対応し、7セグLED駆動処理(図82参照)中のS928で行われる7セグ表示データ生成処理で生成される後述の「表示データ」はクレジット表示データに対応する。
まず、メインCPU101は、カソードデータ格納領域にセットされた表示データを「10」で除算し、その除算結果の商の値を、2桁の7セグLEDの上位桁の表示データとして取得し、除算結果の余の値を下位桁の表示データとして取得する(S941)。次いで、メインCPU101は、取得した上位桁の表示データに基づいて、上位桁表示を行うか否かを判別する(S942)。
S942において、メインCPU101が、上位桁表示を行うと判別したとき(S942がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS944の処理を行う。一方、S942において、メインCPU101が、上位桁表示を行わないと判別したとき(S942がNO判定の場合)、メインCPU101は、上位桁の表示無しをセットする(S943)。
S943の処理後又はS942がYES判定の場合、メインCPU101は、7セグカソードテーブル(不図示)を参照して、上位桁の表示データを取得する(S944)。次いで、メインCPU101は、上位桁の表示データ格納領域(不図示)に取得した上位桁の表示データを保存する(S945)。
次いで、メインCPU101は、7セグカソードテーブル(不図示)を参照して、下位桁の表示データを取得する(S946)。次いで、メインCPU101は、下位桁の表示データ格納領域(不図示)に取得した下位桁の表示データを保存する(S947)。
そして、S947の処理後、メインCPU101は、7セグ表示データ生成処理を終了する。この際、実行した7セグ表示データ生成処理が7セグLED駆動処理(図82参照)中のS925の処理である場合には、メインCPU101は、処理を7セグLED駆動処理中のS926の処理に移す。一方、実行した7セグ表示データ生成処理が7セグLED駆動処理(図82参照)中のS928の処理である場合には、メインCPU101は、処理を7セグLED駆動処理中のS929の処理に移す。
[タイマー更新処理]
次に、図84を参照して、割込処理(図79参照)中のS907で行うタイマー更新処理について説明する。なお、図84は、タイマー更新処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、HLレジスタに2バイトタイマー格納領域(不図示)の更新開始アドレスをセットし、Bレジスタに2バイトタイマー数をセットする(S951)。2バイトタイマー格納領域は、286ms(256×1.1172ms)以上の時間(すなわち、1バイトを超えるタイマ値)を管理するために用いられる。
次いで、メインCPU101は、2バイトタイマー数とその下限値「0」とを比較し、2バイトタイマー数が下限値「0」より大きい場合には、2バイトタイマー数を1減算(−1更新)し、2バイトタイマー数が下限値「0」以下である場合には、2バイトタイマー数を「0」に保持する(S952)。さらに、S952の処理では、メインCPU101は、HLレジスタにセットされている2バイトタイマー格納領域の更新開始アドレスを2減算(−2更新)する。なお、例えば、コマンド送信開始タイマも2バイトタイマあることから、この処理においてその更新が行われるようにしてもよい(図81参照)。
次いで、メインCPU101は、Bレジスタにセットされた2バイトタイマー数を1減算(−1更新)する(S953)。次いで、メインCPU101は、Bレジスタにセットされた2バイトタイマー数が「0」であるか否かを判別する(S954)。
S954において、メインCPU101が、Bレジスタにセットされた2バイトタイマー数が「0」でないと判別したとき(S954がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS952の処理に戻し、S952以降の処理を繰り返す。
一方、S954において、メインCPU101が、Bレジスタにセットされた2バイトタイマー数が「0」であると判別したとき(S954がYES判定の場合)、メインCPU101は、HLレジスタに1バイトタイマー格納領域の更新開始アドレスをセットし、Bレジスタに1バイトタイマー数をセットする(S955)。1バイトタイマー格納領域は、286ms(256×1.1172ms)未満の時間(すなわち、1バイトを超えないタイマ値)を管理するために用いられる。例えば、メダル監視タイマなどは1バイトタイマとしてその更新が行われる。
次いで、メインCPU101は、1バイトタイマー数とその下限値「0」とを比較し、1バイトタイマー数が下限値「0」より大きい場合には、1バイトタイマー数を1減算(−1更新)し、1バイトタイマー数が下限値「0」以下である場合には、1バイトタイマー数を「0」に保持する(S956)。さらに、S956の処理では、メインCPU101は、HLレジスタにセットされている1バイトタイマー格納領域の更新開始アドレスを1減算(−1更新)する。
次いで、メインCPU101は、Bレジスタにセットされた1バイトタイマー数を1減算(−1更新)する(S957)。次いで、メインCPU101は、Bレジスタにセットされた1バイトタイマー数が「0」であるか否かを判別する(S958)。
S958において、メインCPU101が、Bレジスタにセットされた1バイトタイマー数が「0」でないと判別したとき(S958がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS956の処理に戻し、S956以降の処理を繰り返す。
一方、S958において、メインCPU101が、Bレジスタにセットされた1バイトタイマー数が「0」であると判別したとき(S958がYES判定の場合)、メインCPU101は、電磁カウンタ制御処理を行う(S959)。この処理では、メダルのIN/OUTを示す信号を外部集中端子板47に出力する際の出力制御処理が行われる。そして、S959の処理後、メインCPU101は、タイマー更新処理を終了し、処理を割込処理(図79参照)中のS908の処理に移す。
<電源投入時の動作説明>
次に、図85を参照しながら、本発明の一実施形態に係るパチスロの電源投入時の動作について説明する。図85は、パチスロ1の電源投入時の動作の例を示すタイミングチャートである。
なお、図85中、「MainCPU」は、メインCPU101(主制御回路90)を示し、「SubCPU」は、サブCPU201(副制御回路200)を示している。
また、図85中、「MainCPU」の動作状態「セキュリティモード」は、上述したセキュリティモード中である状態を示し、「MainCPU」の動作状態「起動遅延期間」は、セキュリティモードの終了後、上述したコマンド送信開始タイマがセットされ、セットされたコマンド送信開始タイマが「0」となるまでの期間(すなわち、設定変更は可能であるが、通信データの送信を遅延させている期間)を示し、「MainCPU」の動作状態「通常動作期間」は、通信データの送信の遅延が終了し、サブCPU201(副制御回路200)に対して通信データの送信が可能となった状態を示している。
また、図85中、「SubCPU」の動作状態「初期化」は、サブCPU201(副制御回路200)の電源投入時の初期化(起動)処理(ハード起動時間、バイオス(ドライバ)初期化、カーネル(OS)起動など)中である状態(すなわち、メインCPU101(主制御回路90)から送信される通信データの受信が可能でない状態)を示し、「SubCPU」の動作状態「通常動作期間」は、電源投入時の初期化(起動)処理が終了し、メインCPU101(主制御回路90)から送信される通信データの受信が可能となった状態を示している。
また、図85中、「設定動作A」は、「起動遅延期間」において設定変更が開始され(例えば、設定用鍵型スイッチ54がオン状態でパチスロ1の電源が投入され)、その後、「通常動作期間」において設定変更が終了された場合の動作を示し、「送信態様A」は、「設定動作A」の場合の、設定変更コマンド(設定変更/設定確認開始)(COM1)、及び設定変更コマンド(設定変更/設定確認終了)(COM2)の送信タイミングを示している。また、「送信態様A」の下の「MainCPU設定変更処理」は、「送信態様A」の場合の、メインCPU101による設定変更確認処理(図48参照)内において、設定変更コマンドがメインRAM103の通信データ格納領域に格納(登録)されるタイミング(図49の設定変更コマンド生成格納処理及び図50の通信データ格納処理も参照)を示している。
また、図85中、「設定動作B」は、「起動遅延期間」において設定変更が開始され(例えば、設定用鍵型スイッチ54がオン状態でパチスロ1の電源が投入され)、その後、当該「起動遅延期間」において設定変更が終了された場合の動作を示し、「送信態様B」は、「設定動作B」の場合の、設定変更コマンド(設定変更/設定確認開始)(COM1)、及び設定変更コマンド(設定変更/設定確認終了)(COM2)の送信タイミングを示している。また、「送信態様B」の下の「MainCPU設定変更処理」は、「送信態様B」の場合の、メインCPU101による設定変更確認処理(図48参照)内において、設定変更コマンドがメインRAM103の通信データ格納領域に格納(登録)されるタイミング(図49の設定変更コマンド生成格納処理及び図50の通信データ格納処理も参照)を示している。
パチスロ1の電源が投入されリセット信号が入力されると、マイクロプロセッサ91のセキュリティ部(不図示)によってセキュリティモードの動作状態に制御される。メインCPU101は、セキュリティモード中においては、セキュリティ設定エリア記憶された設定に応じた期間、起動が遅延させられる。セキュリティモードが終了すると、メインCPU101は、所定期間、通信データの送信を遅延させる。なお、メインCPU101は、通信データの送信を遅延させている場合であっても、設定変更を可能としている。
ここで、「設定動作A」に示すように、通信データの送信の遅延中に設定変更が開始され、通信データの送信の遅延が終了した後に設定変更が終了された場合、メインCPU101は、通信データの送信の遅延が終了したときに、設定変更コマンド(設定変更/設定確認開始)(COM1)を副制御回路200に対して送信し、設定変更が終了されたときに、設定変更コマンド(設定変更/設定確認終了)(COM2)を副制御回路200に対して送信する。
一方、「設定動作B」に示すように、通信データの送信の遅延中に設定変更が開始され、同じく通信データの送信の遅延中に設定変更が終了された場合、メインCPU101は、通信データの送信の遅延が終了したときに、設定変更コマンド(設定変更/設定確認開始)(COM1)、及び設定変更コマンド(設定変更/設定確認終了)(COM2)を副制御回路200に対して順次送信する。すなわち、通信データの送信の遅延が終了したときに、通信データ格納領域に設定変更コマンド(設定変更/設定確認開始)(COM1)、及び設定変更コマンド(設定変更/設定確認終了)(COM2)が登録されている場合には、これらの通信データを登録された順序で送信する。
このように、本実施形態のパチスロ1によれば、パチスロ1の電源投入時にメインCPU101の起動を遅延させることで、主制御回路90を安定的に起動させることができるとともに、メインCPU101の起動の遅延が終了した後、通信データの送信を遅延させることで、副制御回路200の起動に要する時間を確保して副制御回路200も安定的に起動させることができる。
そして、メインCPU101の起動の遅延が終了した後は、通信データの送信の遅延が終了する前であっても設定変更を可能としたことから、例えば、遊技店における開店作業を行う際に、パチスロ1の電源を投入した場合(すなわち、これにともなってリセット信号が入力された場合)には、副制御回路200の起動完了を待つことなく先立って設定変更を行うことができるため、電源投入時における作業効率を向上させることが可能となる。
さらに、通信データの送信の遅延が終了する前に設定変更が行われた場合には、設定変更の開始時や設定変更の終了時にこれらを示す通信データが登録され、通信データの送信の遅延が終了したときに、これらの通信データが登録された順序で送信されるようになっていることから、副制御回路200の起動完了を待つことなく先立って設定変更を行った場合であっても、それによって主制御回路90と副制御回路200との間で保有する情報に齟齬が生じることを防止することができる。また、例えば、副制御回路200において、主制御回路90から送信される通信データの順序によって不正行為やエラー等の判定が行われるように構成される場合であっても、このような判定の結果に影響を及ぼさず、正確な判定を行わせることが可能となる。
また、本実施形態のパチスロ1によれば、通信データの送信処理が行われる際に、通信データが登録されていない場合であっても、少なくとも無操作コマンドデータが送信されるようにしたことから、例えば、主制御回路90と副制御回路200との間の接続線に不正にアクセスする等、不正の手段によって外部から通信データが送信されてしまうことを防止することが可能となる。また、通信データの送信の遅延が終了する前は、当該無操作コマンドデータの登録・送信を行わないようにしたことから、パチスロ1の電源投入時の制御負担を軽減することが可能となる。なお、不正行為防止を主目的とする観点より、当該無操作コマンドデータは、遊技者の遊技操作に関連する情報を含まないようにすればよい。
また、本実施形態のパチスロ1によれば、メインCPU101の起動の遅延期間が、固定期間及び可変期間で構成され、また、これらの期間(あるいはその範囲)を適宜選択して設定可能としたことから、主制御回路90や副制御回路200のスペックに応じて、適切な遅延時間を設定することが可能となる。なお、設定変更が可能となるまでの期間をより短くするという観点より、可変期間として必ず0が決定される所定の期間の範囲(例えば、ランダム延長期間における「設定なし」)を設定可能である場合には、当該所定の期間の範囲が設定されるものとすればよい。
なお、本実施形態では、セキュリティモードの終了後、通信データの送信を遅延させている期間(「起動遅延期間」)において、設定値の設定操作(設定変更操作)を可能とした例について説明しているが、通信データの送信を遅延させている期間(「起動遅延期間」)において実行可能とする操作はこれに限られるものではない。例えば、設定用鍵型スイッチ54がオフ状態でパチスロ1の電源が投入され、通信データの送信を遅延させている期間(「起動遅延期間」)において設定用鍵型スイッチ54がオン状態となった場合、当該期間において設定値の確認操作(設定確認操作)を可能とするようにしてもよい。これにより、例えば、遊技店における開店作業を行う際に、設定変更は行わないが現在の設定値を確認したい等の場合においても、副制御回路200の起動完了を待つことなく先立って設定確認を行うことができるため、電源投入時における作業効率を向上させることが可能となる。
<メダル投入時の動作説明>
次に、図86を参照しながら、本発明の一実施形態に係るパチスロのメダル投入時の動作について説明する。図86は、パチスロ1のメダル投入時の動作の例を示すタイミングチャートである。
なお、図86中、「スタートスイッチ」は、スタートスイッチ79を示し、「メダルセンサ」は、上流側メダルセンサ(第1メダルセンサ)806及び下流側メダルセンサ(第2メダルセンサ)807の検知状態(メダルセンサ入力状態)を示し、「メダル受付信号」は、オン状態(「ON」)がメダルの受付が許可されている状態(メダル受付許可)を示し、オフ状態(「OFF」)がメダルの受付が禁止されている状態(メダル受付禁止)を示している(図57及び図58参照)。
また、図86中、「ソレノイド」は、セレクタ66のソレノイド(セレクトプレート804をガイド位置又は排出位置に変移させる駆動源)を示し、「監視タイマ」は、メダル監視タイマを示し(図57及び図58参照)、「動作状態」は、パチスロ1における、開始操作後の遊技の進行を可能とする状態(「遊技中」)と、開始操作後の遊技の進行を可能としない状態(「遊技待」)と、を示している。
メインCPU101は、遊技開始可能枚数(本実施形態では3枚)のメダルが投入されると、スタートレバー16に対する開始操作を受付可能とする。なお、図86に示すように、この状態において、クレジット枚数としてメダルを貯留可能であれば(クレジットが50枚未満であれば)、スタートレバー16に対する開始操作が行われるまで(スタートスイッチ79により開始操作が検出されるまで)、メダルの受付が許可されている状態(メダル受付信号が「ON」である状態)が継続する。なお、図示は省略しているが、この状態において、クレジット枚数としてメダルを貯留可能でなければ(クレジットが50枚であれば)、メダルの受付が禁止されている状態(メダル受付信号が「OFF」である状態)に変移している。
メインCPU101は、遊技開始可能枚数(本実施形態では3枚)のメダルが投入され、クレジット枚数としてメダルを貯留可能な状態において、スタートスイッチ79により開始操作(図86中、左側の1回目の開始操作(スタートスイッチ79の「OFF」から「ON」への変移)を「開始操作A」とする)が検出されると、メダルの受付が許可されている状態(メダル受付信号が「ON」である状態)からメダルの受付が禁止されている状態(メダル受付信号が「OFF」である状態)に変移させ、セレクタ66のソレノイドを消磁状態に変移させることを開始し、メダル監視タイマによる監視(計測)を開始する。また、このとき、上述したスタートレバーONフラグをオン状態とする。
メインCPU101は、メダル監視タイマによる監視(計測)中に(すなわち、セレクタ66のソレノイドが励磁状態から消磁状態に変移完了となる前に)、メダルが投入された場合(各メダルセンサのメダルセンサ入力状態に基づきメダルが投入されたと判別される場合)には、励磁状態から消磁状態に変移途中であったセレクタ66のソレノイドを再度励磁状態に変移させるようにして、投入されたメダルが計数され、ホッパー装置51内に案内されるようにする。また、この場合、スタートスイッチ79により「開始操作A」は検出されているが、当該検出に基づいて、動作状態を開始操作後の遊技の進行を可能とする状態(「遊技中」)には変移させない。また、このとき、上述したスタートレバーONフラグをオフ状態とする。すなわち、この場合には、「開始操作A」を無効とする。
なお、メインCPU101は、メダル監視タイマによる監視(計測)中に(すなわち、セレクタ66のソレノイドが励磁状態から消磁状態に変移完了となる前に)、メダルが投入された場合(各メダルセンサのメダルセンサ入力状態に基づきメダルが投入されたと判別される場合)には、さらに、メダルの受付が禁止されている状態(メダル受付信号が「OFF」である状態)からメダルの受付が許可されている状態(メダル受付信号が「ON」である状態)に変移させるようにしてもよい。
その後、メインCPU101は、再度スタートスイッチ79により開始操作(図86中、右側の2回目の開始操作(スタートスイッチ79の「OFF」から「ON」への変移)を「開始操作B」とする)が検出されると、再度セレクタ66のソレノイドを励磁状態から消磁状態に変移させ、再度メダル監視タイマによる監視(計測)を開始する。また、このとき、再度上述したスタートレバーONフラグをオン状態とする。
そして、メインCPU101は、メダル監視タイマによる監視(計測)中に(すなわち、セレクタ66のソレノイドが励磁状態から消磁状態に変移完了となる前に)、メダルが投入されなかった場合(各メダルセンサのメダルセンサ入力状態に基づきメダルが投入されたと判別されない場合)には、メダル監視タイマによる監視(計測)終了後(すなわち、セレクタ66のソレノイドが励磁状態から消磁状態に変移完了後)に、動作状態を開始操作後の遊技の進行を可能とする状態(「遊技中」)に変移させ、遊技を進行させることを可能とする(すなわち、メダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)以後の処理を実行可能とする)。
なお、図示は省略しているが、メインCPU101は、スタートスイッチ79により「開始操作A」が検出され、メダルの受付が許可されている状態(メダル受付信号が「ON」である状態)からメダルの受付が禁止されている状態(メダル受付信号が「OFF」である状態)に変移し、セレクタ66のソレノイドを消磁状態に変移させることを開始し、メダル監視タイマによる監視(計測)を開始した後、メダル監視タイマによる監視(計測)中に(すなわち、セレクタ66のソレノイドが励磁状態から消磁状態に変移完了となる前に)、メダルが投入されなかった場合(各メダルセンサのメダルセンサ入力状態に基づきメダルが投入されたと判別されない場合)にも、スタートスイッチ79により「開始操作B」が検出された場合と同様、メダル監視タイマによる監視(計測)終了後(すなわち、セレクタ66のソレノイドが励磁状態から消磁状態に変移完了後)に、動作状態を開始操作後の遊技の進行を可能とする状態(「遊技中」)に変移させ、遊技を進行させることを可能とする(すなわち、メダル受付・スタートチェック処理(図57及び図58参照)以後の処理を実行可能とする)。
このように、本実施形態のパチスロ1によれば、遊技者の開始操作にともなって遊技が開始される場合に、例えば、メダルの「飲込み」などの発生を防止するためのメダル監視タイマがセットされる。このメダル監視タイマにより、セレクタ66において、投入されたメダルが遊技機内部に貯留される状態(ソレノイドが励磁状態であることによりセレクトプレート804がガイド位置にある状態)から遊技機外部に排出される状態(ソレノイドが消磁状態であることによりセレクトプレート804が排出位置にある状態)に物理的に変移するまでの時間が確保される。
そして、メダル監視タイマによる監視(計測)中にメダルが投入された場合には、そのもととなった開始操作は無効とされ、また、セレクタ66においては、投入されたメダルが遊技機内部に貯留される状態に戻る。したがって、メダルの「飲込み」などの発生を防止して、投入されたメダルを適切に処理することが可能となる。
また、本実施形態のパチスロ1によれば、メダル監視タイマによる監視(計測)中にメダルが投入された場合であっても、そのメダルが計数されるようにしたことから、投入されたメダルの計数漏れを防止でき、投入されたメダルをより適切に処理することが可能となる。
また、本実施形態のパチスロ1によれば、メダル監視タイマのタイマ値(例えば、「72」)を、投入されたメダルが遊技機内部に貯留される状態から遊技機外部に排出される状態に物理的に変移するまでの期間(例えば、80ms)以上の期間(例えば、「72」×1.1172ms)に設定するようにしたことから、メダルの「飲込み」などの発生を確実に防止して、投入されたメダルをより適切に処理することが可能となる。なお、本実施形態のように、駆動部がソレノイドである場合には、このような効果はより顕著となる。
<本実施形態で実行可能なその他の演出>
次に、図87〜図91を参照しながら、上述した演出の他に、本実施形態で実行可能なその他の演出の一例について説明する。なお、以下では、その他の演出の一例として、ボーナス役に当籤しているか否かを報知するためのボーナス役当籤報知演出が実行可能であることについて説明しているが、その用途はボーナス役に当籤しているか否かを報知するものに限定されない。
例えば、非有利区間及び通常有利区間において、有利区間に移行することが決定されているか否かを報知するために実行されるものであってもよいし、有利区間のラインバトル状態において、有利区間が継続することが決定されているか否かを報知するために実行されるものであってもよい。また、有利区間の権利獲得抽籤状態において、権利獲得状態に移行することが決定されているか否かを報知するために実行されるものであってもよいし、有利区間の権利獲得状態おいて、権利を付与することが決定されているか否かを報知するために実行されるものであってもよい。すなわち、遊技者に特典が付与されるか否かを報知するために実行される演出として用いることができる。
(ボーナス役当籤報知演出の演出例(その1))
まず、図87及び図88を参照して、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その1)について説明する。図87及び図88は、例えば、ボーナス役の(同時)当籤を期待させる内部当籤役(例えば、「チャンス目」)が決定された場合に、所定確率で表示装置11に表示され得るボーナス役当籤報知演出の演出例(その1)を示している。なお、図87では、ボーナス役に当籤していない場合(ボーナス役非当籤の場合)の表示例を示し、図88では、ボーナス役に当籤している場合(ボーナス役当籤の場合)の表示例を示している。
図87及び図88に示すように、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その1)では、「間違い探し演出」と題した演出が行われるようになっている。この「間違い探し演出」は、例えば、パチスロ1のモチーフとして使用されている、漫画、アニメーション、あるいはゲームなどの原作品がある場合に、当該原作品における所定の画像と同一又は近似の画像をベース画像とし、当該ベース画像に対して異なっている点(すなわち、間違い)があるか否かを遊技者に探させる演出となっている。この場合、所定の画像は、原作品のままの(すなわち、同一の)画像であってもよいし、原作品の画像に対して、A/D変換し、アクペクト比を変更し、解像度を変更し、あるいはリマスターした(すなわち、近似の)画像であってもよい。また、あくまでも原作品に依拠した画像であるが、パチスロ1の演出に用いるために新たに制作された画像であってもよい。
なお、ベース画像は、上述したものに限られず、適宜設定することができる。例えば、原作品がない場合(例えば、オリジナルのモチーフである場合)であっても、パチスロ1における他の演出において表示され得る画像と同一又は近似の画像を設定するようにしてもよい。また、例えば、パチスロ1の仕様を説明するために遊技店で配布される小冊子内に印刷された画像と同一又は近似の画像を設定するようにしてもよい。また、例えば、ベース画像は静止画でなくともよく、動画であってもよいし、静止画がスライド形式で順次表示されるものであってもよい。
図87の上段には、「全員集合!」という文字とともに、5体のキャラクタが表示された画像が表示されている。当該画像は、ベース画像と同じ画像となっている。また、当該画像の下方には、「知っている画像と違う箇所があったらカーソルを合わせて決定してね!」といったように、ベース画像と相違する点を指摘すべきことを促すメッセージとカーソルとが表示される。
このとき、遊技者は、タッチセンサ19が設けられたサブ表示装置18の表示面上の所定領域を指でなぞるなどしてカーソルを所望の箇所まで移動させ(選択操作を行い)、同じくサブ表示装置18の表示面上に表示された決定ボタン(不図示)をタッチ操作し(決定操作を行い)、自身が間違いだと思う箇所を指定する。
なお、遊技者の選択操作や決定操作などの演出に係る各種操作を検出する手段は、サブ表示装置18に限られるものではない。例えば、表示装置11が、液晶表示装置のような表示装置である場合には、表示装置11の少なくとも一部(例えば、図87の上段の表示が行われる箇所)にタッチセンサを設けるようにし、当該タッチセンサが、遊技者の指の移動を検出した場合(選択操作が行われた場合)にはそれに応じてカーソルを移動させ、また、当該タッチセンサが設けられた箇所に表示された決定ボタン(不図示)が押下操作された場合(決定操作が行われた場合)にはそれに応じて結果を報知する演出が行われるようにしてもよい。また、例えば、選択操作や決定操作などの演出に係る各種操作が検出可能な物理的操作手段(例えば、十字キー及び演出ボタン、ジョグダイヤルなど)が設けられる場合には、このような物理的操作手段によって選択操作や決定操作が検出されるようにしてもよい。すなわち、遊技者の演出に係る各種操作を検出可能な手段であれば、どのような手段であっても適用することが可能である。
ここで、例えば、図87の上段に表示された画像において、右端のキャラクタが表示されている部分を遊技者が指定したとする。そうすると、図87の上段に表示された画像にはベース画像と異なる部分はないため、図87の下段に示すように、「間違い探し演出」における間違い探しの結果が失敗であったことを報知するための「はずれ〜残念」というメッセージが表示される。
一方、図88の上段には、「全員集合!」という文字とともに、4体のキャラクタが表示された画像が表示されている。当該画像は、ベース画像とは右端のキャラクタが表示されていない部分において異なる画像となっている。また、当該画像の下方には、図87と同様に、「知っている画像と違う箇所があったらカーソルを合わせて決定してね!」といったように、ベース画像と相違する点を指摘すべきことを促すメッセージとカーソルとが表示される。
ここで、例えば、図88の上段に表示された画像において、右端のキャラクタが表示されていない部分を遊技者が指定したとする。この場合、当該指定された部分は、ベース画像と異なる部分であるため、図88の下段に示すように、「間違い探し演出」における間違い探しの結果が成功であったことを報知するための「あたり〜」というメッセージとともに、ボーナス役に当籤していることを報知するための「ボーナス確定!」というメッセージが表示される。
これに対し、例えば、図88の上段に表示された画像において、左端のキャラクタが表示されている部分を遊技者が指定したとする。この場合、当該指定された部分は、ベース画像と異なる部分ではないため、図87の下段と同様に、「間違い探し演出」における間違い探しの結果が失敗であったことを報知するための「はずれ〜残念」というメッセージが表示され、ボーナス役に当籤している場合であってもボーナス役に当籤していることは報知されない。
なお、図87及び図88に示した演出態様は、「間違い探し演出」における演出態様の一例を示すものであり、例えば、以下に示すような演出態様を採用することもできる。
例えば、ベース画像が、原作品における所定のテーマ(例えば、原作品における第1話)に基づくものであり、複数(例えば、5枚)の画像(例えば、ダイジェスト画像)がスライド形式で表示されるものであるとする。そして、ボーナス役に当籤していない場合には、そのスライド画像がそのまま順次表示された後、そのスライドの各画像がサムネイル状に表示される。一方、ボーナス役に当籤している場合には、そのスライド画像のうち一部の画像が異なるスライド画像が順次表示された後、そのスライドの各画像がサムネイル状に表示される。
遊技者は、サムネイル状に表示された各画像において、所定のテーマとは異なるテーマ(例えば、原作品における第1話とは異なる話数)に基づくものが含まれているかどうかを検索し、所定のテーマとは異なるテーマの画像であると思ったものに対し、選択操作及び決定操作を行う。そして、所定のテーマとは異なるテーマの画像が含まれている場合であって、遊技者が当該画像を指定した場合には、「間違い探し演出」における間違い探しの結果が成功となるようにすればよい。具体的には、例えば、原作品における第1話においては、キャラクタA及びキャラクタBしか登場しないにもかかわらず、ボーナス役に当籤した場合に表示されるスライド画像では、原作品における第3話以降にしか登場しないキャラクタCが表示された画像が含まれるようにすればよい。このようにすれば、例えば、原作品に愛着のある遊技者は、特に思い入れをもって「間違い探し演出」を行うことができるため、演出に関する興趣をより向上させることが可能となる。
また、上述のように、「間違い探し演出」においてベース画像と少なくとも一部が異なる画像を表示する場合、ベース画像と異なる部分は1箇所のみである必要はなく、複数箇所が異なっていてもよい。この場合、例えば、当籤したボーナス役の種類に応じて、異なる箇所の数が異なる場合があるようにしてもよい。例えば、ベース画像と異なる部分が1箇所である場合、BB3又はBB4に当籤している可能性が高く、ベース画像と異なる部分が複数箇所である場合、BB1又はBB2に当籤している可能性が高くなるようにしてもよい。このようにすれば、当籤しているボーナス役の種類まで示唆することができる。
また、「間違い探し演出」における間違い探しの結果が失敗であったことを報知する場合、例えば、「???」などのメッセージを表示して、間違い探しの結果が失敗であったことを明示しないようにしてもよい。
また、ベース画像を複数種類設けるようにし、例えば、「チャンス目」に当籤した場合、これらの複数種類のベース画像のうちの1つのベース画像を決定し、その後、ボーナス役に当籤しているか否かに応じて、ベース画像のまま表示するか、あるいは、少なくとも一部は異なる部分を有する画像として表示するかが決定されるようにしてもよい。また、この場合、決定されるベース画像の種類に応じて、間違い探しの難易度が異なるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に有利なボーナス状態に制御可能となる所定の有利条件(例えば、ボーナス役に当籤したこと)が成立したか否かを報知するため、所定の有利条件が成立している場合には、第1特定画像(例えば、ベース画像と一部が異なる画像)が表示され、所定の有利条件が成立していない場合には第2特定画像(例えば、ベース画像と同じ画像)が表示されることが可能となっており、第1特定画像が表示された場合に、遊技者が第2特定画像と異なる部分を指定する操作を行った場合には、所定の有利条件が成立していることを報知する特別画像(例えば、「ボーナス確定!」のメッセージ)が表示されることが可能となっている。
これにより、遊技者の所定の操作も関与させた新規な演出態様によって、所定の有利条件が成立したか否かを報知することができるため、遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、第2特定画像が、遊技機のモチーフとして使用された原作品における所定の画像と同一又は近似の画像となっている。これにより、原作品に愛着のある遊技者は、所定の有利条件が成立したか否かを認識しやすくなるため、遊技意欲を高めることができるとともに、演出に関する興趣をより高めることができる。
(ボーナス役当籤報知演出の演出例(その2))
次に、図89及び図90を参照して、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その2)について説明する。図89は、例えば、ボーナス役の(同時)当籤を期待させる内部当籤役(例えば、「チャンス目」)が決定された場合に、所定確率で表示装置11に表示され得るボーナス役当籤報知演出の演出例(その2)のタイミングチャートを示し、図90は、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その2)の表示例を示している。なお、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その2)では、表示装置11によって演出が実行される例を挙げて説明しているが、これに限られず、その他演出装置(例えば、スピーカ群84やLED群85)によって演出が実行されるようにすることもできる。
図89及び図90に示すように、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その2)では、「長押し演出」と題した演出が行われるようになっている。この「長押し演出」は、例えば、第3停止操作における停止操作が、以下に示すような態様で長押しされた場合、長押しされない場合とは異なる演出が行われるようになっているものである。
なお、本実施形態では、「長押し」の対象となる操作手段を、第3停止操作におけるストップボタン(左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rのいずれか)としているが、これに限られるものではない。例えば、第1停止操作におけるストップボタン(左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rのいずれか)としてもよいし、第2停止操作におけるストップボタン(左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rのいずれか)としてもよい。また、停止操作と直接関連しないタイミングで操作されたストップボタンとしてもよい。すなわち、いずれかのストップボタンが操作されたときに、「長押し演出」が行われ得るようにすることができる。
また、例えば、「長押し」の対象となる操作手段は、ベットボタン(MAXベットボタン15a又は1ベットボタン15b)であってもよいし、スタートレバー16であってもよい。この場合、ベットボタンについて、メダルの投入操作のタイミングで操作されたときを「長押し」の対象とすることもできるし、メダルの投入操作のタイミングとは異なるタイミングで操作されたときを「長押し」の対象とすることもできる。また、この場合、スタートレバー16について、開始操作のタイミングで操作されたときを「長押し」の対象とすることもできるし、開始操作のタイミングとは異なるタイミングで操作されたときを「長押し」の対象とすることもできる。
また、例えば、「長押し」の対象となる操作手段は、上述した遊技に関する操作を行うための操作手段に限られず、演出に関する操作を行うための操作手段であってもよい。例えば、タッチセンサ19が設けられたサブ表示装置18、上述した少なくとも一部にタッチセンサが設けられた表示装置11、あるいは、上述した物理的操作手段であってもよい。
図89に示すように、例えば、「長押し演出」が実行されることが決定されている場合に、第3停止操作におけるストップボタンの押下が開始され、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過したとき(長押し時)、「演出1」が実行され、その後、第3停止操作におけるストップボタンの押下が終了し、ストップスイッチがオフ状態(オフエッジ)となったとき、「演出2」が実行される。すなわち、第3停止操作におけるストップボタンが所定期間(3秒間)長押しされた場合には、「演出1」及び「演出2」が実行される。なお、「演出1」の実行中に、ストップスイッチがオフ状態(オフエッジ)となったときには、中途であっても「演出1」の実行が終了され、「演出2」の実行が開始される。
一方、例えば、「長押し演出」が実行されることが決定されている場合に、第3停止操作におけるストップボタンの押下が開始されたが、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過する前に、第3停止操作におけるストップボタンの押下が終了し、ストップスイッチがオフ状態(オフエッジ)となったとき(短押し時)には、「演出1」は実行されず、「演出2」のみが実行される。
なお、「長押し演出」の演出パターンは上述したものに限られない。例えば、第3停止操作におけるストップボタンの押下が開始され、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過したとき(長押し時)、「演出1」とそれに続いて「演出2」と実行される演出パターンを有していてもよい。すなわち、第3停止操作におけるストップボタンの押下が開始され、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過したとき(長押し時)には、ストップスイッチがオフ状態(オフエッジ)となるか否かにかかわらず、「演出1」及び「演出2」が実行される演出パターンを有していてもよい。また、例えば、第3停止操作におけるストップボタンの押下が開始され、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過したとき(長押し時)、「演出2」のみが実行される演出パターンを有していてもよい。
また、例えば、第3停止操作におけるストップボタンの押下が開始されたが、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過する前に、第3停止操作におけるストップボタンの押下が終了し、ストップスイッチがオフ状態(オフエッジ)となったとき(短押し時)、「演出1」とそれに続いて「演出2」と実行される演出パターンを有していてもよい。すなわち、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過する前であっても、ストップスイッチがオフ状態(オフエッジ)となった場合には、「演出1」及び「演出2」が実行される演出パターンを有していてもよい。また、例えば、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過する前であっても、ストップスイッチがオフ状態(オフエッジ)となった場合には、「演出1」のみが実行される演出パターンを有していてもよい。
なお、このように複数の演出パターンを有する場合には、例えば、ボーナス役に当籤しているか否かによって異なる選択確率で、これらの複数の演出パターンのうちいずれかの演出パターンが選択されるようにすればよい。また、このような場合、第3停止操作におけるストップボタンの押下が開始され、ストップスイッチがオン状態(オンエッジ)となった状態で3秒間経過したときであっても、「演出2」が既に実行されている場合には、「演出1」は実行されないようにすればよい。
図89に示した「演出1」及び「演出2」が実行される態様の一例を、図90を参照しながら説明する。なお、図90では、ボーナス役に当籤している場合の、長押し時及び短押し時それぞれの表示例について説明する。
まず、「長押し演出」が実行されることが決定されている場合、まず、少なくとも第3停止操作の停止操作が行われる前の所定のタイミングで、例えば、「押し続けて〜」といったようなメッセージが表示され、第3停止操作の停止操作時においてはストップボタンを長押しすべきであることを促す演出が実行される。
その後、第3停止操作の停止操作時において、遊技者がストップボタンを3秒以上押下し続けた場合には、例えば、「STEP1」〜「STEP3」といったような表示が順次行われる「演出1」が実行される。そして、遊技者がストックボタンの押下を終了させた場合には、例えば、「WIN!」といった表示によりボーナス役に当籤していることを報知するための「演出2」が実行される。なお、ボーナス役に当籤していない場合には、「演出2」において、ボーナス役に当籤していないことが報知される、例えば、「LOSE」といった表示がなされるようにすればよい。また、「演出1」では、例えば、ボーナス役に当籤していることの期待度が報知されるようにすればよい。この場合、例えば、「STEP1」まで表示される演出パターンと、「STEP2」まで表示される演出パターンと、「STEP3」まで表示される演出パターンと、を有し、ボーナス役に当籤している場合には、「STEP3」まで表示される演出パターンが選択されやすく、ボーナス役に当籤していない場合には、「STEP3」まで表示される演出パターンが選択されにくくすればよい。このようにすれば、長押しにすることによってボーナス役に当籤している期待度が報知されるようになるため、遊技者の操作に応じてその内容が変化する演出に関する興趣をより向上させることができる。
一方、第3停止操作の停止操作時において、遊技者がストップボタンを3秒以上押下し続けなかった場合には、例えば、上述したようなボーナス役に当籤している期待度が報知される「演出1」は実行されず、ボーナス役に当籤しているか否かが報知される「演出2」のみが実行される。
なお、サブCPU201(副制御回路200側)で、ストップボタンの押下時間を認識させる手法は種々の手法を採用することができる。例えば、リール停止制御処理(図72参照)において、有効なストップボタンが押下されたことをストップスイッチが検出する度に、メインCPU101がリール停止コマンドを送信するようにした場合、サブCPU201は、第3停止操作のストップボタンが押下されたことに基づくリール停止コマンドを受信したときに、計時を開始し、計時時間が3秒となった場合には「演出1」を実行し、第3停止操作のストップボタンの押下が終了して、メインCPU101から送信された入賞作動コマンドを受信したときに、「演出2」を実行するようにすればよい。また、サブCPU201は、メインCPU101から送信された無操作コマンドに含まれるストップスイッチのオン状態/オフ状態を示すパラメータに基づいて、「演出1」を実行するか否か、及び「演出2」の実行タイミングの制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、メインCPU101(主制御回路90側)では、ストップボタンの押下時間を計時する必要がなくなることから、遊技者の操作に応じてその内容が変化する演出に関する制御負荷を軽減することができる。
なお、サブCPU201(副制御回路200側)によって制御される、例えば、上述したタッチパネルや物理的操作手段などに対する操作時間によって「長押し演出」が制御される場合には、サブCPU201は独立して操作手段が操作されている時間を計時し、その計時結果に応じて演出内容を制御することが可能となる。ここで、本実施形態で説明しているような遊技機では、主制御回路90側では容量の制限があるが、副制御回路200側では特段の制限がないのが一般的であるため、少なくともサブCPU201によってこのような演出が制御されるようにすれば、演出に関する制御負荷の軽減を図ることができる。
また、「演出2」を実行する制御が行われるための所定条件は、操作手段への操作が終了したことに限られず、適宜設定することが可能である。例えば、対象となる操作手段とは異なる操作手段に対する操作が行われたことを所定条件とすることもできるし、対象となる操作手段への操作回数が所定回数未満である場合には、「演出1」、「演出2」の順に演出を発生させ、対象となる操作手段への操作回数が所定回数となった場合には、所定条件を成立させ、「演出1」を発生させずに「演出2」を発生させるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、特定の操作手段の操作(例えば、オンエッジ)を検出したときに、計時を開始し、当該計時の開始から所定時間(例えば、3秒)が経過した場合に「演出1」を実行する制御を行い、所定条件が成立したとき(例えば、オフエッジを検出したとき)に、「演出2」を実行する制御を行い、計時の開始から所定時間が経過するよりも前に所定条件が成立した場合は、「演出1」を実行する制御を行わないことが可能となっている。
これにより、特定の操作手段の操作態様によって演出を変化させる場合であっても、当該演出に関する制御負荷の軽減を図ることができる。
(ボーナス役当籤報知演出の演出例(その3))
次に、図91を参照して、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その3)について説明する。図90は、例えば、ボーナス役の(同時)当籤を期待させる内部当籤役(例えば、「スイカ2」)が決定された場合であって、ボーナス役にも当籤した場合に、所定確率で表示装置11に表示され得るボーナス役当籤報知演出の演出例(その3)の表示例を示している。なお、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その3)では、表示装置11によって演出が実行される例を挙げて説明しているが、これに限られず、その他演出装置(例えば、情報表示器6、LED82、又は指示モニタ(指示表示器))によって演出が実行されるようにすることもできる。
例えば、図91に示す遊技価値表示部(VL)は、表示装置11において、小役が成立した場合にその払出枚数が表示され得る所定の領域(払出枚数表示部)に表示されてもよいし、有利区間であれば有利区間中の払出枚数の累計枚数が表示され得る所定の領域(獲得枚数表示部)に表示されてもよいし、これら払出枚数表示部や獲得枚数表示部とは異なる領域の所定の領域に表示されてもよい。また、上述したように、主制御回路90側で制御される情報表示器6などの7セグ表示器が、当該演出が実行されるときに、遊技価値表示部(VL)として機能するようにすればよい。
図91に示すように、ボーナス役当籤報知演出の演出例(その3)では、「枚数先表示演出」と題した演出が行われるようになっている。この「枚数先表示演出」は、例えば、ボーナス状態において払い出され得るメダルの枚数(獲得予定枚数)が、ボーナス状態の作動が開始する前に報知されることで、遊技者にボーナス役に当籤したことが報知される演出となっている。
なお、以下では、「枚数先表示演出」において報知される獲得予定枚数として、役連終了枚数カウンタの値が表示される例を挙げて説明しているが、「枚数先表示演出」において報知される獲得予定枚数の態様はこれに限られない。例えば、BB3状態又はBB4状態において、役連終了枚数カウンタの値は「165」枚であるが、仮にボーナス状態中の毎遊技で全て「15枚」のメダルが払い出されるとしたならば、BB3状態又はBB4状態では「12回」の遊技が行えることになり、実際の払出枚数は「180」枚となる。したがって、この実際の払出枚数である「180」枚を獲得予定回数として表示するようにしてもよい。また、BB3状態又はBB4状態においても、3枚のメダルを投入して遊技を行う必要があるため、役連終了枚数カウンタの値が「165」枚の場合、仮にボーナス状態中の毎遊技で全て「15枚」のメダルが払い出されるとしたならば、毎遊技の純増枚数は「15−3=12枚」となる。したがって、役連終了枚数カウンタの値に合わせたかたちで、純増枚数の累計予定枚数を「12枚」×「11回」=「132」枚とし、この「132」枚を獲得予定回数として表示するようにしてもよい。また、上述したように、実際には「12回」の遊技が行えるため、実際に遊技が行える回数に合わせたかたちで、純増枚数の累計予定枚数を「12枚」×「12回」=「144」枚とし、この「144」枚を獲得予定回数として表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、BB1〜BB4状態において、押し順小役が当籤するようになっているため、この押し順小役の当籤時に押し順が正解したか否かによって遊技毎に払い出されるメダルの枚数も変動する(「15枚」又は「6枚」。図23参照)ようになっている。また、非有利区間及び通常有利区間においてボーナス役に当籤した場合には、当該ボーナス役に基づくボーナス状態においては押し順報知は行われず、有利区間においてボーナス役に当籤した場合には、当該ボーナス役に基づくボーナス状態においては押し順報知が行われるようになっている。
したがって、例えば、有利区間においてボーナス役(例えば、「F_BB3」)に当籤した場合には、上述した「144」枚(投入枚数を考慮しない場合には、「180」枚)を獲得予定回数として表示し、非有利区間及び通常有利区間においてボーナス役(例えば、「F_BB3」)に当籤した場合であって、ボーナス状態において押し順報知が行われない場合に「15枚」のメダルが払い出される確率を仮に50%とした場合には、(「12枚」×「8回」=96枚)+(「3枚」×「8回」=24枚)=「120」枚(投入枚数を考慮しない場合には、(「15枚」×「8回」=120枚)+(「6枚」×「8回」=48枚)=「168」枚)を獲得予定枚数として表示するようにしてもよい。すなわち、「枚数先表示演出」において報知される獲得予定枚数は、ボーナス状態における払出枚数(あるいは、純増枚数)の期待値であってもよい。
図91に示すように、例えば、ボーナス役を含む所定の内部当籤役(例えば、「F_BB3+F_スイカ2」)が決定された場合であって、「枚数先表示演出」が実行されることが決定されている場合には、全てのリールの回転が停止するとき(すなわち、第3停止後)に、遊技価値表示部(VL)には獲得予定枚数「165」が表示される。これによって、遊技者に、ボーナス役(図91に示す例では、「F_BB3」又は「F_BB4」)に当籤したことが報知される。なお、本実施形態では、ボーナス役に係る図柄の組合せよりも小役やリプレイ役に係る図柄の組合せが優先的に停止制御されるため、基本的に、このボーナス役に当籤した遊技(ボーナス役当籤ゲーム)では、小役やリプレイ役に係る図柄の組合せ(図91に示す例では、「C_スイカ」)が表示され、ボーナス役に係る図柄の組合せ(図91に示す例では、「C_赤異色BB」)は表示されない。もっとも、ボーナス役当籤ゲームにおいて、ボーナス役に係る図柄の組合せが表示され得るようにすることもできるが、この場合には、「枚数先表示演出」が実行されないようにしてもよいし、後述するように、遊技価値表示部(VL)を、ボーナス状態において払い出され得るメダルの残り枚数(あるいは、実際に払い出されたメダルの枚数そのもの)を表示するものとして、「枚数先表示演出」が実行されるようにすることもできる。
その後、ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されるまで(ボーナス役成立まで)、この遊技価値表示部(VL)における獲得予定枚数「165」の表示は継続される。そして、ボーナス状態の作動が開始されてもこの遊技価値表示部(VL)における獲得予定枚数「165」の表示は継続し、例えば、ボーナス状態において小役に係る図柄の組合せ(図91に示す例では、「ベル+JACA:15枚」)が表示されると(ボーナス状態中入賞発生)、この遊技価値表示部(VL)において表示されている枚数が適宜減算更新されて表示されるようになる。すなわち、遊技価値表示部(VL)は、ボーナス状態が開始される前には、ボーナス状態において払い出され得るメダルの予定枚数を表示し、ボーナス状態においては、実際に払い出されたメダルの枚数に応じて、ボーナス状態において払い出され得るメダルの残り枚数(あるいは、実際に払い出されたメダルの枚数そのもの)を表示するものとなっている。
なお、本実施形態では、ボーナス役に当籤したときに、有利区間に移行することが決定される場合があるようになっている。したがって、例えば、ボーナス役に当籤したときに、有利区間に移行することが決定された場合には、この有利区間における獲得予定枚数(概ねの期待値であればよい。例えば、ラインバトル状態が平均40ゲーム継続するものであり、ラインバトル状態では1ゲーム平均1枚のメダルが純増するものであれば、「40」枚)をボーナス状態の獲得予定枚数に付加して(加算して)、遊技価値表示部(VL)に表示するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、有利状態(例えば、ボーナス状態)の発生を許容する権利が付与する旨が決定された(例えば、ボーナス役に当籤した)場合に、当該決定がされたことを報知する特定報知演出(例えば、「枚数先表示演出」)を実行可能であり、この特定報知演出では、付与することが決定された権利に基づいて発生する有利状態において獲得し得る遊技価値に関する所定値(例えば、獲得予定枚数としての役連終了枚数カウンタの値)を表示することが可能となっている。
これにより、遊技者が得た権利(当籤内容)の価値を具体的に報知する演出を行うことができるため、演出に関する興趣を高めるとともに、遊技に関する興趣を高めることができる。
また、本実施形態では、特定報知演出において所定値を表示した場合、少なくともその後の有利状態の発生まで所定値の表示を継続し、有利状態において遊技価値が獲得された場合に、当該獲得された遊技価値の値に基づいて、所定値の表示を更新するようになっている。
これにより、有利状態の発生の前後において、価値を報知するための一連の演出を適切に行うことができるため、さらに演出に関する興趣を高めることができる。
<変形例等>
以上、本実施形態に係る発明の遊技機の構成及び動作について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本実施形態に係る発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態に係る発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形を行うことができる。
[変形例]
本実施形態では、少なくとも非有利区間において、各設定値間で異なる当籤確率となっている「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」が当籤した場合には、有利区間に移行させるか否かを決定しない(ART抽籤を行わない)ようになっていたが、各設定値間で異なる当籤確率となっている「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」が当籤した場合にも、各設定値間で同じ当籤確率となっているボーナス役を含むその他の内部当籤役と同様に、有利区間に移行させるか否かを決定する(ART抽籤を行う)ようにしてもよい。この場合、ART抽籤において、有利区間に移行させることが決定される確率は、各設定値間で同じ当籤確率となるようにすればよい。すなわち、各設定値間で異なる当籤確率となっているボーナス役を規定することで、各設定値間で、有利区間に移行させることが決定される確率が変動されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、通常有利区間においても遊技者に有利な停止操作の情報が報知され得るようになっているが、通常有利区間は、有利区間に移行させるか否かが決定される確率は非有利区間よりも優遇されているが、遊技者に有利な停止操作の情報は報知されない区間として構成することもできる。この場合には、非有利区間から通常有利区間に移行した場合に、状態表示器の点灯を開始させず、有利区間に移行した場合にのみ、状態表示器の点灯が開始されるようにすればよい。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されるか否かにかかわらず、通常有利区間は、全体として遊技者のメダルが減少する期間(すなわち、出玉率が「1」未満となる期間)であればよく、有利区間は、全体として遊技者のメダルが増加する期間(すなわち、出玉率が「1」を上回る期間)であればよい。また、有利区間において、一部遊技者のメダルが減少する期間(例えば、上述した各準備状態)があるとしても、当該期間は有利区間に含まれるようにすればよい。
すなわち、遊技の区間を、非有利区間と有利区間とに大別する場合、有利区間は、遊技者の期待感を高めるが出玉の増加は見込めない演出区間(例えば、本実施形態の「通常有利区間」)と、実際に出玉の増加が見込める増加区間(例えば、本実施形態の「有利区間」)と、を含んで構成されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、例えば、有利区間中のRT2状態において、押し順報知が行われたにもかかわらず、遊技者の押し順ミスによってRT1状態に移行(転落)してしまった場合にも、有利区間の遊技期間は進行する(更新される)ものとしているが、この場合には、RT2状態に移行(復帰)するまで、有利区間の遊技期間は進行しない(更新されない)ようにすることもできる。また、この場合、例えば、RT1状態に転落してからRT2状態に復帰するまでに要したゲーム数のうちの一部(例えば、RT1状態に転落してからRT2状態に復帰するまでに要したゲーム数が10ゲームである場合、1/2の5ゲーム分。あるいは、RT1状態に転落してからRT2状態に復帰するまでに要したゲーム数にかかわらず一律2ゲーム分)のみ、有利区間の遊技期間を進行させる(更新する)ようにしてもよい。
また、本実施形態では、例えば、「チャンス目」が内部当籤役として決定された場合、直接的には有利区間に移行させるか否かを決定しない(ART抽籤を行わない)ようになっていたが、ART抽籤が行われる内部当籤役や条件は、適宜変形して設定することができる。例えば、「チャンス目」が内部当籤役として決定された場合、「チャンス役」が成立した場合にはART抽籤を行わず、「チャンス役」を取りこぼして「RT3移行目」が成立した場合(この場合、RT3状態に移行するか否かを問わない)にはART抽籤が行われるようにしてもよい。すなわち、特定の内部当籤役が当籤したときに、入賞が発生した場合にはART抽籤を行わず、取りこぼして入賞が発生しなかった場合にはART抽籤が行われるようにしてもよい。
また、例えば、メダルの投入枚数(例えば、3枚)以下のメダルの払い出しとなる小役が高確率で内部当籤役として決定され、フラグ間状態では原則としてボーナス役が成立しないようにし、遊技の基本的な遊技状態をフラグ間状態として遊技を行わせるような仕様を採用することもできる。また、この場合、ボーナス状態は、獲得しているメダルが減少、あるいは維持される状態として構成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、規制監視期間に対応する遊技回数が「1500回」に設定されていたが、規制監視期間に対応する遊技回数はそれ以下であってもよいし、それ以上であってもよい。また、遊技の状況に応じて、規制監視期間を変動させるようにしてもよい。例えば、規制監視期間をメダルの純増枚数(あるいは、払出枚数)によって定めるようにし、遊技店の所定の営業日中に、所定のパチスロ1において、純減枚数(すなわち、遊技者がメダルを投入したが、払い出しによって遊技者に還元されなかった、遊技店側の利益となるメダルの枚数)(あるいは、単に投入枚数)が「500枚」であれば、予め定められた規制監視期間に対応するメダルの枚数「1500枚」にその「500枚」を加算し、一連の有利区間において「2000枚」のメダルを獲得するまでは、当該有利区間が強制的に終了させないようにすることもできる。
[本実施形態で実装可能な遊技性(遊技仕様)の他の例]
続いて、図92〜図99を参照して、本実施形態に係るパチスロ1において実装可能な遊技性(すなわち、遊技仕様)の他の例について説明する。本実施形態では、遊技状態として、ボーナスが作動することで遊技者に有利な遊技期間となるボーナス状態(特別遊技状態)、及び当該ボーナス状態でないことで相対的に遊技者に不利な遊技期間となる非ボーナス状態(通常遊技状態)があり、さらに、当該非ボーナス状態の中でも再遊技(リプレイ)役の当籤確率が異なる複数のRT状態があることで遊技者の有利度合いを変動させることについて説明した(図13参照)。また、本実施形態では、遊技区間として、遊技者に停止操作の情報が報知されることで遊技者に有利な遊技区間となる有利区間(有利状態)、及び当該有利区間でないことで相対的に遊技者に不利な遊技区間となる非有利区間(通常状態)があることについて説明した(図14参照)。そして、これらの遊技状態や遊技区間の開始・継続・終了などの各種の条件やその内容については種々の変形を行うことが可能である。なお、特に示す場合を除き、以下に示す遊技性(遊技仕様)の他の例(その1〜その6)では、本実施形態における、遊技状態、遊技区間、内部当籤役、図柄の組合せなどの遊技要素を適宜用いることができる。
[遊技性(遊技仕様)の他の例(その1)]
まず、図92及び図93を参照して、本実施形態に係るパチスロ1において実装可能な遊技性(遊技仕様)の他の例(その1)について説明する。図92は、遊技性(遊技仕様)の他の例(その1)における遊技の流れを概念的に説明する図であり、図93は、遊技性(遊技仕様)の他の例(その1)における遊技価値の付与期待値の一例を示す図である。
図92及び図93に示すように、遊技者は通常、(A)非有利区間から遊技を開始する。(A)非有利区間では、遊技者に停止操作の情報が報知されないことに起因して遊技価値量は減少していくことになる。すなわち、有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値(傾斜値)は負の値となり、下り傾斜となる。
(A)非有利区間において、(1)有利区間の開始条件が成立すると、(A)非有利区間から(B)有利区間に移行する。(B)有利区間では、遊技者に停止操作の情報が報知されることに起因して遊技価値量は増加していく(少なくとも減少していかない)ことになる。すなわち、有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値(傾斜値)は正の値となり(少なくとも負の値とならず)、上り傾斜となる(少なくとも下り傾斜とはならない)。なお、説明の便宜上、本例では準備状態などにおける付与期待値やボーナス状態における付与期待値は考慮していない。
なお、付与期待値は、以下のように算出(設計)することができる。例えば、押し順(例えば、5択)正解だと15枚のメダルの払い出しがあり、押し順(例えば、5択)不正解だとメダルの払い出しがない押し順小役の当籤確率が1/2(32768/65536)である場合であって、原則1回の遊技に3枚のメダルをベットすることが必要である場合、10回の遊技の間に必要なメダルは30枚となる。そして、(A)非有利区間である場合、10回の遊技の間に押し順小役に当籤したときに押し順正解となって15枚のメダルの払い出しを受けることができるのは1/10(1/2×1/5)であることから、確率通りであれば、10回の遊技の間でメダルの量が−15枚(15−30)となるため、付与期待値は1回の遊技あたり「−1.5枚」となる。一方、(B)有利区間である場合、押し順小役について全て停止操作の情報が報知されて遊技者がそれにしたがって停止操作を行えば、10回の遊技の間に押し順小役に当籤したときに押し順正解となって15枚のメダルの払い出しを受けることができるのは1/2であることから、確率通りであれば、10回の遊技の間でメダルの量が+45枚(75−30)となるため、付与期待値は1回の遊技あたり「+4.5枚」となる。もっとも、これらは説明の便宜上の一例であり、リプレイ役の当籤確率やボーナス役の当籤確率(及びボーナス状態中の付与期待値)も加味して、付与期待値を算出(設計)することも可能である。
本例では、(B)有利区間において、有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値(傾斜値)が第1の期待値(期待値α)となる(B−1)有利区間1と、有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値(傾斜値)が第1の期待値(期待値α)とは異なる第2の期待値(期待値β)となる(B−2)有利区間2と、が設けられ、(2)期待値変動条件が成立すると、(B−1)有利区間1から(B−2)有利区間2に移行する。なお、本例では、(1)有利区間の開始条件が成立すると、まず(A)非有利区間から(B−1)有利区間1に移行し、(B−1)有利区間1において(2)期待値変動条件が成立すると、(B−2)有利区間2に移行するようにしているが、これに限られず、例えば、(1)有利区間の開始条件が成立すると、まず(A)非有利区間から(B−2)有利区間2に移行し、(B−2)有利区間2において(2)期待値変動条件が成立すると、(B−1)有利区間2に移行するようにしてもよい。
また、例えば、(1)有利区間の開始条件が成立したときに、(B−1)有利区間1又は(B−2)有利区間2のいずれに移行させるかを決定するようにしてもよいし、(1)有利区間の開始条件について、(B−1)有利区間1の開始条件(1−1)と、(B−2)有利区間2の開始条件(1−2)とをそれぞれ定め、(A)非有利区間において、いずれの開始条件(1−1又は1−2)が成立したかに応じて、(B−1)有利区間1又は(B−2)有利区間2に移行させるようにしてもよい。
そして、(B)有利区間((B−1)有利区間1及び(B−2)有利区間2)において、(3)有利区間の終了条件が成立すると、(B)有利区間から(A)非有利区間に移行する(すなわち、有利区間が終了する)。本例では、このようにして(A)非有利区間及び(B)有利区間の移行制御がなされるものとしている。
ここで、本例では、(B−1)有利区間1中の期待値αが、(B−2)有利区間2中の期待値βよりも大きくなるように構成される(すなわち、(B−2)有利区間2中の期待値βが、(B−1)有利区間1中の期待値αよりも小さくなるように構成される)。具体的には、例えば上述の例を用いた場合、(B−1)有利区間1においては押し順小役の当籤時に停止操作の情報が報知される確率(報知確率)を100%(すなわち、5回の当籤中5回報知)とすることで、期待値αは「+4.5枚」とする一方、(B−2)有利区間2においては押し順小役の当籤時に停止操作の情報が報知される確率(報知確率)を40%(すなわち、5回の当籤中2回報知)とすることで、期待値βは「+−0枚」とする。
なお、この期待値α及び期待値βは任意に設定することができる。例えば、(B−1)有利区間1が、少なくとも(A)非有利区間よりも遊技者にとって有利な有利状態となっているのであれば、有利区間1における報知確率を1〜100%のうちの任意の報知確率に設定可能である。また、例えば、(B−2)有利区間2が、少なくとも(A)非有利区間よりも遊技者にとって有利な有利状態となっており、(B−1)有利区間1よりも低い報知確率となっているのであれば、有利区間2における報知確率を1〜100%のうちの任意の報知確率に設定可能である。
また、有利区間1における報知確率及び有利区間2における報知確率のそれぞれは、予め定められた確率であってもよいし、遊技価値の付与状況に応じて変動するものであってもよい。例えば、期待値α及び期待値βが、それぞれ「+3.0枚」及び「+1.0枚」と設定されている場合に、(B−1)有利区間1及び(B−2)有利区間2のそれぞれにおいて、所定の遊技回数(例えば、10回)ごとに付与期待値を算出し、算出された付与期待値が、それぞれの期待値α及び期待値βよりも所定の閾値(例えば、プラスマイナス1枚)を超えて乖離していた場合には、その後の遊技において適宜報知確率を変動させるようにして、(B−1)有利区間1及び(B−2)有利区間2のそれぞれの期間における最終的な付与期待値が、期待値α及び期待値βとなる(に近似する)ようにすればよい。
また、この期待値α及び期待値βの設定手法も上述した報知確率を変動させる手法に限られない。例えば、(B−1)有利区間1をリプレイ役の当籤確率の高い状態(高RT状態)とし、(B−2)有利区間2をリプレイ役の当籤確率の低い状態(低RT状態)とし、リプレイ役の当籤確率(入賞確率)を異ならせることで、期待値βが期待値αよりも小さくなるように設定してもよい(この場合、付与期待値はリプレイ役の当籤確率が加味される。また、報知確率は変動させてもよいし、変動させなくともよい)。すなわち、(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2とを異なるRT状態に制御することで、期待値α及び期待値βを変動させるようにしてもよい。
また、例えば、(B−1)有利区間1をボーナス(ボーナス状態)が作動することを困難としない状態とし、(B−2)有利区間2をボーナスが作動することを困難とする状態とし、ボーナスの作動確率(入賞確率)を異ならせることで、期待値βが期待値αよりも小さくなるように設定してもよい(この場合、付与期待値はボーナスの作動確率及びボーナス状態中の付与期待値が加味される。また、報知確率は変動させてもよいし、変動させなくともよい)。すなわち、ボーナスの作動に関し、(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2とを異なる制御状態に制御することで、期待値α及び期待値βを変動させるようにしてもよい。なお、ボーナスが作動することを困難としない状態、あるいは困難とする状態は、内部当籤役(持越役を含む)の種別、遊技状態の種別、それらに応じた停止制御の制御内容、あるいは停止操作の情報の報知内容などを複合的に加味して適宜創出することができる(一例は、後述の図94〜図99の説明を参照)。
また、例えば、上述の例の押し順小役について、所定の態様で停止操作が行われた場合には15枚のメダルが払い出され、上記所定の態様とは異なる特定の態様で停止操作が行われた場合には6枚のメダルが払い出されるものとし、(B−1)有利区間1において押し順小役が当籤したときには上記所定の態様を示す停止操作の情報が報知されるものとし、(B−2)有利区間2において押し順小役が当籤したときには上記特定の態様を示す停止操作の情報が報知されるものとし、払出枚数を異ならせることで、期待値βが期待値αよりも小さくなるように設定してもよい(この場合、報知確率は変動させてもよいし、変動させなくともよい)。
また、例えば、上述の例の押し順小役を複数種類(例えば、押し順小役Aと押し順小役B)設けるようにし、押し順小役Bの当籤確率は押し順小役Aの当籤確率よりも低く設定されるようにし、(B−1)有利区間1において押し順小役Aが当籤したときには停止操作の情報が報知される一方、押し順小役Bが当籤したときには停止操作の情報が報知されず(もっとも、停止操作の情報が報知されるようにしてもよい)、(B−2)有利区間2において押し順小役Bが当籤したときには停止操作の情報が報知される一方、押し順小役Aが当籤したときには停止操作の情報が報知されないようにして、期待値βが期待値αよりも小さくなるように設定してもよい。すなわち、(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2とで報知対象役を異ならせることで、期待値α及び期待値βを変動させるようにしてもよい。なお、押し順小役Aと押し順小役Bの当籤確率は同一(あるいは略同一)であるが、押し順正解時の払出枚数を、上述の如く15枚と6枚のように異ならせることで、期待値α及び期待値βを変動させるようにしてもよい。
また、例えば、内部当籤役として、押し順小役(例えば、6択)と押し順リプレイ(例えば、6択)とを有するとともに、遊技状態として、高RT状態と低RT状態とを有し、押し順リプレイに当籤したときに、押し順正解である場合には、低RT状態であれば高RT状態に移行し、高RT状態であれば高RT状態が維持される図柄の組合せが表示される一方、押し順不正解である場合には、低RT状態であれば低RT状態が維持され、高RT状態であれば低RT状態に移行するようにし(例えば、図23参照)、(B−1)有利区間1においては、押し順小役及び押し順リプレイのいずれに当籤したときにも正解となる押し順が報知されることで、押し順小役に当籤したときにはメダルが増加し、押し順リプレイに当籤したときには高RT状態に移行し、あるいは高RT状態が維持されるようにして期待値αが設定され、(B−2)有利区間2においては、これらのいずれか一方について正解となる押し順が報知されないことで、期待値βが設定されるようにしてもよい。
この場合、(B−2)有利区間2を、押し順小役については正解となる押し順が報知され、押し順リプレイについては正解となる押し順が報知されない状態とした場合には、高RT状態に移行させ、あるいは高RT状態を維持することが困難となる(低RT状態の滞在率が高くなる)ものの、押し順小役に当籤したときにメダルを増加させることは容易となるという状態を創出することができる。また、(B−2)有利区間2を、押し順リプレイについては正解となる押し順が報知され、押し順小役については正解となる押し順が報知されない状態とした場合には、高RT状態に移行させ、あるいは高RT状態を維持することは容易となる(高RT状態の滞在率が高くなる)ものの、押し順小役に当籤したときはメダルを増加させるが困難となるという状態を創出することができる。すなわち、(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2とで報知対象となる内部当籤役の種別を異ならせることで、期待値α及び期待値βを変動させるようにしてもよい(この場合、報知確率は変動させてもよいし、変動させなくともよい)。なお、(B−2)有利区間2においては、押し順小役及び押し順リプレイのいずれに当籤したときにも正解となる押し順が報知されないようにすることで、期待値βが設定されるようにすることもできる。
また、例えば、押し順小役(例えば、6択)について、(B−1)有利区間1にあっては、少なくとも第1停止操作及び第2停止操作について正解となる押し順(すなわち、正解押し順の全て)が報知されることで期待値αが設定され、(B−2)有利区間2にあっては、第1停止操作のみについて正解となる押し順(すなわち、正解押し順の一部)が報知されることで期待値βが設定されるようにしてもよい。具体的には、例えば、第1停止操作が「左」、第2停止操作が「中」、第3停止操作が「右」のときに押し順正解となる押し順小役に当籤したとき、(B−1)有利区間1であれば「左→中→右」という押し順が報知されることで、報知にしたがって停止操作を行えば100%の確率でメダルを増加させることができる一方、(B−2)有利区間2であれば「左→?→?」という押し順が報知されることで、報知にしたがって停止操作を行っても、残りの2択は遊技者自身で正解する必要があるため、50%の確率でしかメダルを増加させることができなくなる。すなわち、(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2とで停止操作の情報の報知内容(択数)を異ならせることで、期待値α及び期待値βを変動させるようにしてもよい(この場合、報知確率は変動させてもよいし、変動させなくともよい)。
また、例えば、(B)有利区間を、停止操作の情報が必ず報知され、期待値は「+10.0枚」と高純増であるが1回の継続期間は比較的短い(例えば、8ゲーム間)増加区間(特別有利区間)として構成し、(B−1)有利区間1及び(B−2)有利区間2を、停止操作の情報は報知されない(あるいは特別有利区間よりも少ない所定確率で報知されるものとしてもよい)が、上記特別有利区間への移行に関してそれぞれ期待値が異なる演出区間(通常有利区間)として構成し、特別有利区間と通常有利区間との間で相互に移行可能に構成する。そして、(B−1)有利区間1では特別有利区間への移行抽籤(AT抽籤)が行われ、当該抽籤においては、例えば、約1/5の確率で特別有利区間に移行することが決定される(AT抽籤に当籤する)ように移行確率が設定される(すなわち、増加区間における遊技媒体の増加率と当該増加区間への移行確率とによって期待値αが設定される)一方、(B−2)有利区間2でもAT抽籤が行われるが、当該抽籤においては、例えば、約1/20の確率でAT抽籤に当籤するように移行確率が設定される(すなわち、増加区間における遊技媒体の増加率と当該増加区間への移行確率とによって期待値αよりも小さい期待値βが設定される)ようにしてもよい。
すなわち、(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2とで増加区間(特別有利区間)への移行確率を異ならせることで、期待値α及び期待値βを変動させるようにしてもよい。なお、上記で述べた移行確率は適宜設定することができる。また、(B−2)有利区間2ではAT抽籤が行われないようにしてもよく、この場合には、(B−2)有利区間2において、例えば、約1/20の確率で(B−1)有利区間1に移行させるか否かが抽籤され、当該抽籤に当籤した場合に(B−2)有利区間2から(B−1)有利区間1に移行されるものとすればよい。また、(B−1)有利区間1から(B−2)有利区間2に移行される条件も適宜設定することができる。この場合、例えば、(B−1)有利区間1において、AT抽籤に当籤することなく所定期間(例えば、5ゲームの間)遊技が行われたこと、AT抽籤が非当籤の場合に行われる転落抽籤に当籤したこと、増加区間(特別有利区間)への連続移行回数が所定回数(例えば、5回)となったこと、増加区間(特別有利区間)での獲得枚数が所定枚数(例えば、400枚を超える)となったこと、などを採用することができる。このように、(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2との移行仕様によって、さらに遊技性を多様化することも可能である。
なお、本例では、異なる付与期待値が設定される状態として、期待値αが設定される(B−1)有利区間1、及び期待値βが設定される(B−2)有利区間2の2つの状態を有することを例に挙げて説明しているが、異なる付与期待値が設定される状態は3つ以上であってもよく、適宜設定可能である。例えば、さらに、期待値γが設定される(B−3)有利区間3を有していてもよい。この場合、付与期待値は、α≧γ≧βとなるように設定することもできるし、α≧β≧γとなるように設定することもできる。すなわち、(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2との間に中間の付与期待値となる(B−3)有利区間3を設定したり、(B−2)有利区間2よりも付与期待値が小さい(B−3)有利区間3を設定したりし、順次変動条件が成立するごとに段階的に付与期待値を変動させることで、より細分化した付与期待値の調整を可能とするようにしてもよい。
(遊技性(遊技仕様)の他の例(その1)における第1の態様)
続いて、上述した遊技性(遊技仕様)の他の例(その1)を前提とした遊技仕様の第1の態様について説明する。この第1の態様では、例えば、期待値αが「+3.0枚」、期待値βが「+2.0枚」に設定される。もっとも、上述のとおり、付与期待値は任意に設定可能である。
この第1の態様では、(A)非有利区間において、(1)有利区間の開始条件が成立すると、(B−1)有利区間1に移行する。なお、(1)有利区間の開始条件については、本実施形態で説明した各種の条件(例えば、ARTに移行させることが決定される条件)を採用することができるし、また、内部当籤役の種別に基づく(あるいは基づかない専用の)移行抽籤の抽籤結果などを採用することもできる。
(B−1)有利区間1に移行すると、少なくとも所定期間(予め定められた任意の遊技期間とすることができる。例えば、50ゲーム間)は、付与期待値が期待値α(例えば、「+3.0枚」)となる(B−1)有利区間1が継続する。また、(B−1)有利区間1においては、有利区間を継続するか否かが決定される。有利区間を継続することが決定される条件については、本実施形態で説明した各種の条件(例えば、ARTを継続させることが決定される条件)を採用することができるし、また、内部当籤役の種別に基づく(あるいは基づかない専用の)移行抽籤の抽籤結果などを採用することもできる。
(B−1)有利区間1において上記所定期間の遊技が行われたとき、有利区間を継続することが決定されている場合には、(2)期待値変動条件が成立し、(B−2)有利区間2に移行する。(B−2)有利区間2に移行すると、少なくとも特定期間(予め定められた任意の遊技期間とすることができる。例えば、100ゲーム間)は、付与期待値が期待値β(例えば、「+2.0枚」)となる(B−2)有利区間2が継続する。なお、(B−2)有利区間2においては、さらに、有利区間を継続するか否かは決定されない。(B−2)有利区間2において上記特定期間の遊技が行われたとき、(3)有利区間の終了条件が成立し、(A)非有利区間に移行する。
一方、(B−1)有利区間1において上記所定期間の遊技が行われたとき、有利区間を継続することが決定されていない場合にも、(3)有利区間の終了条件が成立し、(A)非有利区間に移行する。
なお、(B−1)有利区間1において上記所定期間の遊技が行われたとき、有利区間を継続することが決定されている場合には、(2)期待値変動条件が成立するが、この場合、一度(B−1)有利区間1から(A)非有利区間に移行させ、(A)非有利区間において所定の待機期間(例えば、4〜32ゲーム間の任意の前兆状態)が経過した後、(A)非有利区間から(B−2)有利区間2に移行させて、有利区間を継続させるようにしてもよい。
また、この第1の態様では、(B−2)有利区間2が上記特定期間継続するものとしているが、この特定期間を予め定められた任意の遊技期間とせず、例えば、(B−1)有利区間1及び(B−2)有利区間2を含む(B)有利区間全体において、付与期待値が期待値β(例えば、「+2.0枚」)となるまでの期間としてもよい。すなわち、有利区間の序盤(B−1)においては期待値αによって付与期待値を大きくし、その後の有利区間(B−2)においては期待値βによって付与期待値を(小さく)調整するようにしてもよい。なお、この場合、上記所定の待機期間は、期待値βによって付与期待値が調整される上で、(B)有利区間全体に含まれるものとしてもよいし、(B)有利区間全体には含まれないものとしてもよい。
具体的には、例えば、(B−1)有利区間1において期待値α通りの遊技価値が付与された場合、(B−1)有利区間1における遊技価値の付与量は3枚×50ゲームで「150枚」となる。その後、(B−2)有利区間2において一定の基準(例えば、上記所定期間と同様50ゲーム間でもよいし、それより長いゲーム間、あるいはそれより短いゲーム間でもよいし、実際の遊技時間でもよい。また、その他の基準も適宜採用できる)にしたがい、(B)有利区間全体の付与期待値が期待値βとなるように適宜報知確率が調整される。例えば、(B)有利区間全体を100ゲームとした場合、(B−1)有利区間1において「150枚」の遊技価値が付与されているので、残りの有利区間である(B−2)有利区間2においては50ゲーム間で「50枚」の遊技価値が付与されるように報知確率が調整され、(B)有利区間全体で「200枚」の遊技価値が付与されるものとすればよい。
この第1の態様の遊技機によれば、有利状態((B)有利区間)が開始されてから所定期間は、遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態(期待値αが設定される(B−1)有利区間1)で遊技を行うことが可能となり、有利状態が継続されてから特定期間は、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態(期待値βが設定される(B−2)有利区間2)で遊技を行うことが可能となる。それゆえ、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
なお、この第1の態様の遊技機において、有利状態が継続されてから特定期間((B−2)有利区間2)は、有利状態を継続させることを決定しないようにしてもよい。このようにすれば、より適切に出玉率を管理することができる。
また、この第1の態様の遊技機において、有利状態中に有利状態を継続させることを決定した場合であっても、当該有利状態を一旦終了させ、所定の待機期間が経過した後に、有利状態を継続させる(再開させる)ようにしてもよい。このようにすれば、より適切に出玉率を管理することができるのみならず、有利状態が継続するか否かに関し、遊技の興趣を向上させることができる。
(遊技性(遊技仕様)の他の例(その1)における第2の態様)
続いて、上述した遊技性(遊技仕様)の他の例(その1)を前提とした遊技仕様の第2の態様について説明する。この第2の態様では、例えば、期待値αが「+7.5枚」、期待値βが「+−0枚」に設定される。もっとも、上述のとおり、付与期待値は任意に設定可能である。
この第2の態様では、(A)非有利区間において、(1)有利区間の開始条件が成立すると、(B−1)有利区間1に移行する。なお、(1)有利区間の開始条件については、本実施形態で説明した各種の条件(例えば、ARTに移行させることが決定される条件)を採用することができるし、また、内部当籤役の種別に基づく(あるいは基づかない専用の)移行抽籤の抽籤結果などを採用することもできる。
(B−1)有利区間1に移行すると、少なくとも所定期間(予め定められた任意の遊技期間とすることができる。例えば、100ゲーム間)は、付与期待値が期待値α(例えば、「+7.5枚」)となる(B−1)有利区間1が継続する。なお、この所定期間は、例えば、(B−1)有利区間1が開始されてから付与された遊技価値が所定量(例えば、1000枚)となるまで(あるいは、超えるまで)の期間としてもよいし、(B−1)有利区間1が開始されてからの遊技時間が所定時間(例えば、0.25時間)となるまで(あるいは、超えるまで)の期間としてもよい。
(B−1)有利区間1において上記所定期間の遊技が行われたとき、(2)期待値変動条件が成立し、(B−2)有利区間2に移行する。(B−2)有利区間2に移行すると、(3)有利区間の終了条件が成立するまで、付与期待値が期待値β(例えば、「+−0枚」)となる(B−2)有利区間2が継続する。この第2の態様では、(3)有利区間の終了条件を、例えば、(B)有利区間が開始されてから特定期間(例えば、1500回の遊技の間)遊技が行われたこと、又は(B)有利区間が開始されてから付与された遊技価値が特定量(例えば、純増3000枚)となったこと、として定めることができる(有利区間のこのような終了処理は、上述あるいは後述のリミット処理参照)。さらに、このようにして定めた終了条件が成立する前(例えば、リミット処理が実行される前)であっても、ボーナス役に入賞(ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されてボーナス状態が作動)した場合には、(B−1)有利区間1であるか(B−2)有利区間2であるかにかかわらず、(B)有利区間が終了し、(B)有利区間から(A)非有利区間に移行する。すなわち、(B)有利区間において、ボーナス状態への移行を可能とするボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることは、(3)有利区間の終了条件の1つとなる。
なお、(3)有利区間の終了条件については、本実施形態で説明した各種の条件(例えば、ARTに終了させることが決定される条件)を採用することができるし、また、内部当籤役の種別に基づく(あるいは基づかない専用の)移行抽籤の抽籤結果などを採用することもできる。また、(B−2)有利区間2においては、例えば、(3)有利区間の終了条件が成立するまでは、所定の単位(例えば、1セットの50ゲーム)ごとに有利区間((B−2)有利区間2)を継続するか否かが決定され、有利区間を継続することが決定された場合に、この所定の単位分有利区間を継続させ、有利区間を継続することが決定されない場合には、(3)有利区間の終了条件が成立する前でも有利区間を終了させるようにしてもよい。この場合、有利区間を継続することが決定される条件については、本実施形態で説明した各種の条件(例えば、ARTを継続させることが決定される条件)を採用することができるし、また、内部当籤役の種別に基づく(あるいは基づかない専用の)移行抽籤の抽籤結果などを採用することもできる。
また、この第2の態様では、(B)有利区間において、例えば、表示装置11などを用いて特定報知を実行することが可能となっている。この特定報知は、ボーナス役に当籤していること(持ち越されていること)を遊技者に対して示唆するための報知演出となっている。もっとも、この第2の態様では、ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されると有利区間が終了するようになっていることから、この特定報知は、(ボーナス役に係る図柄の組合せを表示させて)有利区間を終了させること、あるいは(ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることを回避させて)有利区間を継続させること、のいずれかを遊技者が選択できるようにする情報を示唆するための報知演出であるとも言い得る。また、単に、ボーナス役に係る図柄の組合せを表示させればボーナス状態に移行可能であることを示唆するための報知演出であるとしてもよいし、ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることを回避させれば有利区間を継続可能であることを示唆するための報知演出であるとしてもよい。
例えば、この第2の態様では、(B)有利区間において、ボーナス役に当籤した場合(あるいは、持ち越されている場合)であって、ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることが可能な遊技である場合には、上記特定報知が実行されるように構成することができる。なお、本実施形態では、ボーナス役よりもリプレイ役又は小役を優先的に成立させる停止制御が行われるため、ボーナス役とリプレイ役又は小役が重複して当籤した場合(あるいは、ボーナス役が持ち越されている場合にリプレイ役又は小役が重複して当籤した場合)には、原則としてボーナス役に係る図柄の組合せが表示されない。すなわち、「ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることが可能な遊技」とはこのような状況でなく、遊技者の停止操作のタイミングが適切であれば、ボーナス役に係る図柄の組合せが表示され得る遊技であることを意味する。
上述のように上記特定報知が実行されるように構成した場合、遊技者は、(3)有利区間の終了条件が成立するまで(例えば、有利区間のリミット処理が実行されるまで)の遊技期間の範囲内において、ボーナス状態への移行を回避することで有利区間を継続させることができる。なお、このような観点からは、必ずしも(B)有利区間を(B−1)有利区間1と(B−2)有利区間2とに区分けする必要はなく(すなわち、付与期待値を期待値αと期待値βとで異ならせる必要はなく)、(B)有利区間における付与期待値が一定の付与期待値(例えば、「+1.5枚」)となるようにしてもよい。
また、例えば、この第2の態様では、(B−1)有利区間1において、ボーナス役に当籤した場合(あるいは、持ち越されている場合)に、(2)期待値変動条件が成立した場合には、(2)期待値変動条件が成立したときに上記特定報知が実行されるように構成することができる。なお、この場合、上記と同様、上記特定報知が実行可能となった以後の遊技において、「ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることが可能な遊技」である場合に、上記特定報知が実行されるように構成してもよい。また、(2)期待値変動条件が成立した後、(3)有利区間の終了条件が成立する前に、(B−2)有利区間2において、ボーナス役に当籤した場合には、このときに上記特定報知が実行されるように構成することができる。なお、この場合、上記と同様、上記特定報知が実行可能となった以後の遊技において、「ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることが可能な遊技」である場合に、上記特定報知が実行されるように構成してもよい。また、このように構成した上で、さらに(B−1)有利区間1において、ボーナス役に当籤した場合(あるいは、持ち越されている場合)に、「ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることが可能な遊技」であれば、上記特定報知が実行されるように構成してもよい。
上述のように上記特定報知が実行されるように構成した場合、遊技者は、(3)有利区間の終了条件が成立するまで(例えば、有利区間のリミット処理が実行されるまで)の遊技期間の範囲内において、例えば、(B−1)有利区間1の遊技期間では、期待値αが設定されることで遊技価値が飛躍的に増加するので、ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることを回避させて有利区間を継続させ、(B−2)有利区間2の遊技期間では、期待値βが設定されることで遊技価値が飛躍的に増加することはないので、ボーナス役に係る図柄の組合せを表示させて有利区間を終了させ、その後の遊技で再度(1)有利区間の開始条件を成立させて(B−1)有利区間1に移行させようとすることを選択することもできるし、時間の余裕が無いなどの場合にはそのまま遊技を終了することを選択することもできる。一方、(B−2)有利区間2の遊技期間では、期待値βが設定されることで遊技価値が飛躍的に増加することはないが、(A)非有利区間よりも遊技者に有利であることにかわりはないため、遊技を楽しむべく、ボーナス役に係る図柄の組合せが表示されることを回避させて有利区間を継続させることを選択することもできる。
また、この第2の態様では、ボーナス役に係る図柄の組合せを表示させて(B)有利区間を終了させた場合、例えば、表示装置11などを用いて特殊特典を付与することが可能となっている。この特殊特典は、遊技者に付与される各種特典のうち、遊技価値の付与に関連しない(すなわち、出玉率に影響を与えない)特典となっている。なお、特殊特典を、遊技価値の付与に関連する(すなわち、出玉率に影響を与える)特典(例えば、有利区間の移行条件を成立させるための権利、あるいはボーナス状態中に停止操作の情報が報知される権利など)とすることを妨げるものではないが、射幸性の適正化などの観点からは、遊技価値の付与に関連しない(すなわち、出玉率に影響を与えない)特典とすることが望ましい。
特殊特典の具体例としては、例えば、通常は実行される確率が低い特別演出(例えば、上述した各種エンディング演出やその他のプレミア演出)の実行、遊技者にとって有益な情報が報知される特別報知(例えば、設定値の示唆報知、演出内容ごとの期待度報知、ボーナス役の当籤確率や有利区間の移行確率などの履歴報知)の実行、遊技者の携帯端末を用いインターネットを介して提供される情報提供サービス上の得点付与や特定条件の解放などを挙げることができる。
上述のように上記特殊特典されるように構成した場合、遊技者は、遊技価値の付与といった直接的な特典を享受することはないものの、遊技を楽しむ上では関心度の高い間接的な特典を享受することができるため、特に、(B−2)有利区間2のように、期待値βが設定されることで遊技価値が飛躍的に増加することはない状態においては、有利区間を早期に終了させるインセンティブを与えることもできる。
この第2の態様の遊技機によれば、有利状態((B)有利区間)は、所定の終了条件((3)有利区間の終了条件)が成立した場合、又は所定の終了条件が成立する前に特別遊技状態(ボーナス状態)に移行した場合に終了する。そして、有利状態では、特別遊技状態への移行が可能となっている場合、その旨を示す特定報知が実行される。したがって、遊技者は、規定された所定の終了条件の範囲内であれば、特別遊技状態への移行を回避することで有利状態を継続させることができる。それゆえ、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
また、この第2の態様の遊技機において、所定の終了条件は、遊技者に一定の特典が付与されたとき(あるいは、付与されたと仮定されるとき)に(例えば、上述あるいは後述のリミット処理によって)終了されるようにしてもよい。このようにすれば、簡易な構成でより適切に出玉率を管理することができる。
また、この第2の態様の遊技機によれば、有利状態((B)有利区間)が開始されてから特定の変動条件((2)期待値変動条件)が成立するまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態(期待値αが設定される(B−1)有利区間1)で遊技を行うことが可能となり、特定の変動条件が成立してから有利状態が終了されるまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態(期待値βが設定される(B−2)有利区間2)で遊技を行うことが可能となる。また、有利状態は、所定の終了条件が成立する前であっても、特別遊技状態への移行を契機として終了させることが可能である。すなわち、遊技者は、例えば、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行う場合、所定の終了条件が成立するまで有利状態を継続させることもできるし、特別遊技状態に移行させて有利状態を終了させ、再度遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行う機会を得ようとすることもできる。それゆえ、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
また、この第2の態様の遊技機によれば、有利状態((B)有利区間)が開始されてから特定の変動条件((2)期待値変動条件)が成立するまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態(期待値αが設定される(B−1)有利区間1)で遊技を行うことが可能となり、特定の変動条件が成立してから有利状態が終了されるまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態(期待値βが設定される(B−2)有利区間2)で遊技を行うことが可能となる。また、有利状態は、所定の終了条件が成立する前であっても、特別遊技状態への移行を契機として終了させることが可能である。さらに、有利状態が特別遊技状態への移行を契機として終了した場合、遊技価値の付与に関連しない特殊特典を付与することが可能である。すなわち、遊技者は、例えば、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行う場合、所定の終了条件が成立するまで有利状態を継続させることもできるし、特別遊技状態に移行させて有利状態を終了させ、再度遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行う機会を得ようとすることもできる。また、特別遊技状態に移行させて有利状態を終了させる場合には、所定の終了条件が成立して有利状態を終了させた場合には付与されない特殊特典が付与されるため、遊技者に有利状態を早期に終了させるインセンティブを与えることもできる。それゆえ、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
なお、この第2の態様の遊技機において、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行う場合、特別遊技状態への移行が可能となっている場合には、その旨を示す特定報知が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者に、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を継続させない選択肢があることを明示することができ、さらに遊技の興趣を維持することができる。
また、この第2の態様の遊技機において、有利状態中の遊技価値の付与期待値は、有利状態中に遊技者の停止操作に関する情報が報知される確率(報知確率)によって調整されるようにしてもよい。このようにすれば、簡易な構成でより適切に出玉率を管理することができる。
[遊技性(遊技仕様)の他の例(その2)]
続いて、図94を参照して、本実施形態に係るパチスロ1において実装可能な遊技性(遊技仕様)の他の例(その2)について説明する。図94は、遊技性(遊技仕様)の他の例(その2)における遊技の流れを概念的に説明する図である。
図94に示すように、本例では、一般遊技状態(CZ状態)、(A)BB1状態、(B)BB2状態、及び(C)BB3状態の遊技状態がある。一般遊技状態(CZ状態)は、再遊技(リプレイ)役の当籤確率も低く、有利区間への移行も発生しない遊技状態であり、この遊技状態自体は遊技者に有利な遊技状態ではないが、(B)BB2状態又は(C)BB3状態に移行可能な点において、(A)BB1状態よりも有利な遊技状態(チャンスゾーン。特賞連荘状態)として位置付けられる。また、一般遊技状態(CZ状態)、(B)BB2状態、及び(C)BB3状態は、後述の一連の増加区間として位置付けられる。なお、一般遊技状態(CZ)においても、(A)BB1状態と同様、特定の報知条件が成立した場合には有利区間が特定期間発生するように構成することもできる。
一般遊技状態(CZ状態)において、BB1(例えば、本実施形態におけるBB1及びBB2)に当籤し、BB1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されると、(1)BB1開始条件が成立し、一般遊技状態(CZ状態)から(A)BB1状態に移行する。後述するように、これは、遊技者にとって相対的に不利な遊技状態の移行として位置付けられる。また、一般遊技状態(CZ状態)において、BB2(例えば、本実施形態におけるBB3)に当籤し、BB2に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されると、(3)BB2開始条件が成立し、一般遊技状態(CZ状態)から(B)BB2状態に移行する。また、一般遊技状態(CZ状態)において、BB3(例えば、本実施形態におけるBB4)に当籤し、BB3に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されると、(5)BB3開始条件が成立し、一般遊技状態(CZ状態)から(C)BB2状態に移行する。後述するように、これらは、遊技者にとって相対的に有利な遊技状態の移行として位置付けられる。
ここで、一般遊技状態(CZ状態)において、BB1に一旦当籤すると、BB1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるまで当該BB1は持ち越される(BB1に係る図柄の組合せの表示が許可されるBB1許可状態が継続する)ため、当該一般遊技状態(CZ状態)ではBB2及びBB3に当籤することがない。また、一般遊技状態(CZ状態)において、BB2又はBB3に一旦当籤すると、BB2又はBB3に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるまで当該BB2又はBB3は持ち越される(BB2又はBB3に係る図柄の組合せの表示が許可されるBB2許可状態又はBB3許可状態が継続する)ため、当該一般遊技状態(CZ状態)ではBB1に当籤することがない。すなわち、一般遊技状態(CZ状態)では、いずれかのボーナス役(BB1〜BB3)に当籤した場合、当籤したボーナス役に応じたボーナス状態が終了して再度一般遊技状態(CZ状態)に移行しない限り、他のボーナス役に当籤しないように構成される。
なお、本例において、BB2に係る図柄の組合せは、例えば「赤7−赤7−赤7」といった図柄の組合せとして構成され、BB3に係る図柄の組合せは、例えば「青7−青7−青7」といった図柄の組合せとして構成される。また、BB1に係る図柄の組合せは、例えば「赤7−赤7−チェリー1」及び「青7−青7−チェリー1」といった図柄の組合せとして構成される(図15参照)。本例では、このように構成した上で、一般遊技状態(CZ状態)においていずれかのボーナス役(BB1〜BB3)に当籤した場合に、ボーナス役に当籤した旨が示唆される当籤報知が行われるようにしてもよい。具体的には、「7を狙え!」などの表示がなされ、遊技者に「赤7」図柄あるいは「青7」図柄を狙うべきことが示されるようにすればよい。この場合、例えば、遊技者が「赤7」図柄を狙って目押ししたとき、BB2に当籤している場合には「赤7」揃いとなってBB2状態に移行し、BB3に当籤している場合には「赤7」揃いとならず、かつBB1に係る図柄の組合せも表示されず、BB3に当籤していることが認識され、BB1に当籤している場合にはBB1に係る図柄の組合せが表示されてBB1状態に移行することとなる。このようにすれば、本例の遊技性において、報知に関する興趣をさらに向上させることが可能となる。また、上記のような当籤報知は、一般遊技状態(CZ状態)においていずれかのボーナス役(BB1〜BB3)に当籤した場合には無条件で行われるようにしてもよいし、例えば、一般遊技状態(CZ状態)において有利区間を発生可能とした場合には、当該有利区間中にのみ行われるようにしてもよい。
(A)BB1状態は、(A−1)BB1一般中、(A−2)BB1RBフラグ間中、及び(A−3)BB1RB中から構成される。なお、(A)BB1状態においては、BB1〜BB3が新たに抽籤されることはなく、したがって、(A)BB1状態が継続する限り、一般遊技状態(CZ状態)、(B)BB2状態、及び(C)BB3状態に移行する場合はない。
(A−1)BB1一般中では、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が低く(あるいは、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が「0」に(すなわち、再遊技(リプレイ)が抽籤されないように))設定される。また、押し順小役(例えば、6択の押し順正解で9枚のメダル払出、押し順不正解だが停止操作のタイミングが適切なら1枚のメダル払出、押し順不正解で停止操作のタイミングも不適切ならメダル払出無し、など)、非作動状態と比べていずれかの小役の当籤確率が向上するRB状態を作動させるためのRB、及び(A)BB1状態を有利区間とするか否かの決定がなされる有利区間抽籤役などがそれぞれ任意の所定確率で当籤するように設定される。
(A−2)BB1RBフラグ間中では、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が低く(あるいは、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が「0」に(すなわち、再遊技(リプレイ)が抽籤されないように))設定される。また、上記押し順小役、及び上記有利区間抽籤役などがそれぞれ任意の所定確率で当籤するように設定される。なお、押し順小役の基本構成(1/6で押し順正解、5/6で押し順不正解)は、(A−1)BB1一般中と同様である。また、RBは持ち越されているため、新たに抽籤されることはないが、当籤状態(許可状態)は継続している。また、(A−1)BB1一般中と(A−2)BB1RBフラグ間中とでは、再遊技(リプレイ)役の当籤確率は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(A−3)BB1RB中では、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が低く(あるいは、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が「0」に(すなわち、再遊技(リプレイ)が抽籤されないように))設定される。また、上記押し順小役、及び上記有利区間抽籤役などがそれぞれ任意の所定確率で当籤するように設定される。なお、押し順小役の基本構成(1/6で押し順正解、5/6で押し順不正解)は、(A−1)BB1一般中と同様である。また、(A−1)BB1一般中及び(A−2)BB1RBフラグ間中と(A−3)BB1RB中とでは、上記押し順小役及び上記有利区間抽籤役のそれぞれの当籤確率は同じであってもよいし、異なっていてもよい。あるいは、(A−3)BB1RB中では、上記押し順小役及び上記有利区間抽籤役とは異なる種類の内部当籤役として、それぞれ同様の役割を担う押し順小役及び有利区間抽籤役が当籤するようにしてもよい。また、(A−1)BB1一般中と(A−2)BB1RBフラグ間中と(A−3)BB1RB中とでは、それぞれ再遊技(リプレイ)役の当籤確率は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
一般遊技状態(CZ状態)において、(1)BB1開始条件が成立すると、まず(A−1)BB1一般中に移行する。(A−1)BB1一般中において、上記RBが内部当籤役として決定されると、(A−2)BB1RBフラグ間中に移行し、(A−2)BB1RBフラグ間中は、RBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるまで継続する(RBに係る図柄の組合せの表示が許可される許可状態が継続する)。(A−2)BB1RBフラグ間中において、RBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されると、(A−3)BB1RB中に移行する。(A−3)BB1RB中において、RB状態の終了条件(例えば、8回以下の任意の所定回数の入賞があったこと、あるいは12回以下の任意の所定回数の遊技が行われたこと)が成立すると、(A−1)BB1一般中に移行する。なお、(A−2)BB1RBフラグ間中において、ボーナス役(RB)よりもリプレイ役又は小役を優先的に成立させる停止制御が行われることで、RBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されにくく(あるいは、停止表示されないように)し、結果として(A−3)BB1RB中に移行することが困難となる(あるいは、移行されない)ようにしてもよい。
(A−1)BB1一般中、(A−2)BB1RBフラグ間中、及び(A−3)BB1RB中のいずれの状態においても、(A)BB1状態におけるメダルの払出枚数が規定数となった場合(例えば、285枚を超えた場合)、(2)BB1の終了条件が成立し、(A)BB1状態から一般遊技状態(CZ状態)に移行する。
(A−1)BB1一般中、(A−2)BB1RBフラグ間中、及び(A−3)BB1RB中のいずれの状態においても、上記有利区間抽籤役に当籤した場合、非有利区間であれば有利区間に移行させるか否かが決定され、有利区間であれば当該有利区間を延長するか否かが決定される。この場合、一度の当籤で、例えば、30ゲームの有利区間が付与あるいは延長される。なお、有利区間の付与あるいは延長が決定される契機やその期間は、上述したものに限られない。例えば、有利区間抽籤役に当籤したときの当否抽籤の結果のみならず、他の内部当籤役に当籤したときの当否抽籤の結果や、内部当籤役に基づかない当否抽籤の結果などに応じて、有利区間の付与あるいは延長が決定されうるようにしてもよい。また、有利区間の付与あるいは延長が決定されるときに、有利区間の継続期間が別途抽籤などによって決定されうるようにしてもよい。また、(A)BB1状態が開始される前の任意のタイミング(例えば、BB1に当籤したとき、あるいは、BB1当籤後の一般遊技状態(CZ状態)において有利区間抽籤役に当籤したとき)において、当該BB1状態の全期間(あるいは、一部の期間)を有利区間とするか否かが決定されうるようにしてもよい。
(A−1)BB1一般中、(A−2)BB1RBフラグ間中、及び(A−3)BB1RB中のいずれの状態においても、有利区間である場合には、例えば、上記押し順小役に当籤した遊技で(押し順正解となる)停止操作の情報が報知され、当該報知にしたがって停止操作が行われる結果、当該有利区間は遊技価値が増加する(あるいは、少なくとも減少しない)増加期間となる。一方、非有利区間である場合には、例えば、上記押し順小役に当籤した遊技で(押し順正解となる)停止操作の情報が報知されない結果、当該非有利区間は遊技価値が減少する減少期間となる。
上述したように、本例において、(A)BB1状態は、当該BB1状態中のメダルの払出枚数が「285枚」を超えるまで終了しないものとなっている。したがって、例えば、リプレイ役やその他の小役などに当籤した場合を考慮せず、また、上記押し順小役において1枚の払出がある場合を考慮せず、上記押し順小役の合計当籤確率を約1/2(32768/65536)とした場合、(A)BB1状態を終了させるのに必要な9枚の払出回数は「32回」(32回×9枚=288枚)となり、上記押し順小役が確率どおり当籤した場合、(A)BB1状態を終了させることができる最短の遊技回数は「64回」(32回÷1/2)となる。したがって、(A)BB1状態中が全て有利区間である場合、「64回」の遊技を行えば、その遊技期間中に遊技価値が増加しつつ、早期に(A)BB1状態を終了させて一般遊技状態(CZ状態)に移行させることができる。一方、(A)BB1状態中が全て非有利区間である場合、基本的には上記押し順小役が当籤した遊技で9枚の払出がある確率は1/6に低下するため、(A)BB1状態を終了させることができる目安の遊技回数は「384回」(64回÷1/6)となり、その遊技期間中は遊技価値も減少していくことになる。
(B)BB2状態は、(B−1)BB2一般中、(B−2)BB2RBフラグ間中、及び(B−3)BB2RB中から構成される。なお、(B)BB2状態においては、BB1〜BB3が新たに抽籤されることはなく、したがって、(B)BB2状態が継続する限り、一般遊技状態(CZ状態)、(A)BB1状態、及び(C)BB3状態に移行する場合はない。
(B−1)BB2一般中では、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が低く(あるいは、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が相対的には高いが、(B−2)BB2RBフラグ間中よりも低く)設定される。また、押し順小役(例えば、6択の押し順正解で9枚のメダル払出、押し順不正解だが停止操作のタイミングが適切なら1枚のメダル払出、押し順不正解で停止操作のタイミングも不適切ならメダル払出無し、など)、非作動状態と比べていずれかの小役の当籤確率が向上するRB状態を作動させるためのRB、及び(B)BB2状態終了後に一般遊技状態(CZ状態)を経由して(A)BB1状態に移行した場合に、当該(A)BB1状態を有利区間とするか否かの決定がなされる有利区間抽籤役などがそれぞれ任意の所定確率で当籤するように設定される。
(B−2)BB2RBフラグ間中では、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が高く設定される。また、上記押し順小役、及び上記有利区間抽籤役などがそれぞれ任意の所定確率で当籤するように設定される。なお、押し順小役の基本構成は、(B−1)BB2一般中とは異なり、いずれの押し順で停止操作が行われたとしても9枚の払出があるように(すなわち、不正解となる押し順が存在しないように)制御変更される。また、RBは持ち越されているため、新たに抽籤されることはないが、当籤状態(許可状態)は継続している。
(B−3)BB2RB中では、再遊技(リプレイ)が抽籤されないように設定される。また、上記押し順小役が高確率で当籤するように設定されるとともに、上記有利区間抽籤役などがそれぞれ任意の所定確率で当籤するように設定される。なお、押し順小役の基本構成は、(B−1)BB2一般中とは異なり、いずれの押し順で停止操作が行われたとしても9枚の払出があるように(すなわち、不正解となる押し順が存在しないように)制御変更される。あるいは、(B−3)BB2RB中では、上記押し順小役及び上記有利区間抽籤役とは異なる種類の内部当籤役として、それぞれ同様の役割を担うRB中小役及び有利区間抽籤役が当籤するようにしてもよい。
もっとも、(B)BB2状態では、(B−2)BB2RBフラグ間中が最も有利となるように、(B−3)BB2RB中では、押し順小役の基本構成を、(B−1)BB2一般中と同様の構成(1/6で押し順正解、5/6で押し順不正解)としてもよい。すなわち、(B)BB2状態では、停止操作の情報が報知されないことを前提に、(B−1)BB2一般中及び(B−3)BB2RB中を相対的に不利な期間(減少期間)とし、(B−2)BB2RBフラグ間中を有利な期間(増加期間)として構成してもよい。このようにすれば、(B−1)BB2一般中では早期にRBを当籤させて(B−2)BB2RBフラグ間中に移行させ、その後は(B−3)BB2RB中に移行させないように停止操作を行えば(あるいは、そのような停止制御が行われることにより)、遊技者は最も有利な状態で遊技を行うことができるため、遊技者に有利な状態における遊技性をさらに多様化させ、遊技が単調となることなくその興趣を向上させることができる。また、必要以上に増加期間となる遊技状態を増やさないことで、出玉設計を簡易にし、また、射幸性を適度なものとすることもできる。
また、上述のように、(B)BB2状態において、(B−2)BB2RBフラグ間中が最も有利となるように構成する場合、RBが当籤した遊技、及びそれ以降でRBに係る図柄の組合せが表示可能な遊技では、RBが当籤したこと、あるいはRBに係る図柄の組合せが表示可能であることが報知されるようにしてもよい。当該報知により、遊技者はRBに係る図柄の組合せを表示させないように停止操作を行うことができるようになる。なお、当該報知は、端的にRBに係る図柄の組合せを表示させるべきでないことを指示ないし示唆するものであってもよい。
このように、特別役(例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置であるBB)に当籤し、当該特別役に対応する図柄の組合せの表示により作動する特別遊技状態において、特定役(例えば、第一種特別役物であるRB)の非当籤状態である第1遊技状態と、当該特定役の当籤状態(持越状態)である第2遊技状態と、当該特定役に対応する図柄の組合せの表示により作動する第3遊技状態(特定遊技状態)とを有し、第2遊技状態では、所定役(例えば、押し順小役)の停止制御が遊技者にとって有利となるように制御変更され、かつ、遊技者の停止操作あるいは内部的な制御によって第2遊技状態を維持することを可能とした仕様は、もちろん本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明したボーナス状態(あるいは、その他の増加期間(増加区間))にも適用することができる。なお、以下では、説明の便宜上、このようなボーナス状態の仕様を「特殊ボーナス状態」と呼ぶ。
一般遊技状態(CZ状態)において、(3)BB2開始条件が成立すると、まず(B−1)BB2一般中に移行する。(B−1)BB2一般中において、上記RBが内部当籤役として決定されると、(B−2)BB2RBフラグ間中に移行し、(B−2)BB2RBフラグ間中は、RBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるまで継続する(RBに係る図柄の組合せの表示が許可される許可状態が継続する)。(B−2)BB2RBフラグ間中において、RBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されると、(B−3)BB2RB中に移行する。(B−3)BB2RB中において、RB状態の終了条件(例えば、8回以下の任意の所定回数の入賞があったこと、あるいは12回以下の任意の所定回数の遊技が行われたこと)が成立すると、(B−1)BB2一般中に移行する。なお、(B−2)BB2RBフラグ間中において、ボーナス役(RB)よりもリプレイ役又は小役を優先的に成立させる停止制御が行われることで、RBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されにくく(あるいは、停止表示されないように)し、結果として(B−3)BB2RB中に移行することが困難となる(あるいは、移行されない)ようにしてもよい。
(B−1)BB2一般中、(B−2)BB2RBフラグ間中、及び(B−3)BB2RB中のいずれの状態においても、(B)BB2状態におけるメダルの払出枚数が規定数となった場合(例えば、150枚を超えた場合)、(4)BB2の終了条件が成立し、(B)BB2状態から一般遊技状態(CZ状態)に移行する。
なお、本例では、(A−1)BB1一般中において当籤するRBと、(B−1)BB2一般中において当籤するRBと、を特に分けて説明していないが、例えば、(A−1)BB1一般中において当籤するRBを「RB1」(対応する図柄の組合せを「RB1に係る図柄の組合せ」、対応するRB状態(A−3)を「RB1状態」)とし、(B−1)BB2一般中において当籤するRBを「RB2」(対応する図柄の組合せを「RB2に係る図柄の組合せ」、対応するRB状態(B−3)を「RB2状態」)とし、異なるRB役を当籤可能に構成することで、(A−2)BB1RBフラグ間中(「RB1許可状態」)にあっては、押し順小役の基本構成が(A−1)BB1一般中と同様になるようにし、(B−2)BB2RBフラグ間中(「RB2許可状態」)にあっては、押し順小役の基本構成が(B−1)BB2一般中とは異なるように構成するようにしてもよい。
(B−2)BB2RBフラグ間中、及び(B−3)BB2RB中では、上記押し順小役に当籤した遊技においていずれの押し順で停止操作が行われた場合であっても9枚の払出が行われる結果、当該期間は遊技価値が増加(あるいは、少なくとも減少しない)増加期間となる。一方、(B−1)BB2一般中では、上記押し順小役に当籤した遊技で正解となる押し順で停止操作が行われた場合には9枚の払出が行われる一方、正解とならない押し順で停止操作が行われた場合には9枚の払出が行われない結果、当該期間は遊技価値が減少する減少期間となる。もっとも、(B−1)BB2一般中から(B−2)BB2RBフラグ間中にはRBの当籤をもって移行するため、(B)BB2状態全体をみれば、当該期間は遊技価値が増加する増加期間として位置付けられる。
なお、(B)BB2状態全体を遊技者にとって有利な期間(増加期間)とする手法は、上述したものに限られない。例えば、(3)BB2開始条件が成立してから(4)BB2終了条件が成立するまで、常にRB状態に制御されるものとし、当該RB状態では、いずれの押し順で停止操作が行われたとしても9枚(あるいは、15枚までの範囲であればそれ以上であってもよい)の払出が発生するRB中小役が極めて高い確率で当籤するように構成してもよい。あるいは、押し順小役の基本構成を制御変更することなく、(3)BB2開始条件が成立してから(4)BB2終了条件が成立するまで、常に有利区間に制御されるようにし、押し順小役の当籤時には必ず、又は少なくとも付与期待値がプラスとなるような所定確率で正解の押し順が報知されることで増加期間となるように構成してもよい。
(B−1)BB2一般中、(B−2)BB2RBフラグ間中、及び(B−3)BB2RB中のいずれの状態においても、上記有利区間抽籤役に当籤した場合、(4)BB2終了条件が成立して移行した一般遊技状態(CZ状態)においてBB1に当籤し、(1)BB1開始条件が成立して移行した(A)BB1状態を有利区間とする権利(例えば、セット数やストックなど)を付与する否かが決定される。この場合、一度の当籤で、例えば、30ゲーム間を有利区間とする権利が付与される。なお、当該権利の付与が決定される契機やその期間は、上述したものに限られない。例えば、有利区間抽籤役に当籤したときの当否抽籤の結果のみならず、他の内部当籤役に当籤したときの当否抽籤の結果や、内部当籤役に基づかない当否抽籤の結果などに応じて、当該権利の付与が決定されうるようにしてもよい。また、当該権利の付与が決定されるときに、有利区間の継続期間が別途抽籤などによって決定されうるようにしてもよい。また、(3)BB2開始条件が成立するときから(4)BB2終了条件が成立するまでの間の任意のタイミング(例えば、BB2が入賞したとき、あるいは、BB2が終了したとき)において、BB1状態の全期間(あるいは、一部の期間)を有利区間とする権利を付与するか否かが決定されうるようにしてもよい。
(C)BB3状態は、(C−1)BB3一般中、(C−2)BB3RBフラグ間中、及び(C−3)BB3RB中から構成される。なお、(C−1)BB3一般中、(C−2)BB3RBフラグ間中、(C−3)BB3RB中、(5)BB3の開始条件のそれぞれは、BB2をBB3と置き換えれば、(B−1)BB2一般中、(B−2)BB2RBフラグ間中、(B−3)BB2RB中、(3)BB2の開始条件のそれぞれと同様となるため、ここでの説明は省略する。また、(6)BB2の終了条件は、(C)BB3状態におけるメダルの払出枚数が規定数となった場合(例えば、60枚を超えた場合)に成立する。
かかる前提の下、本例における遊技の流れについて説明する。本例では、非有利区間である(A)BB1状態が遊技者にとって有利でない通常遊技中として位置付けられているため、遊技者は通常、非有利区間である(A)BB1状態から遊技を開始する。
(A)BB1状態においては、(2)BB1の終了条件が成立するまで他の遊技状態に移行することがない。ここで、(A)BB1状態中が有利区間であれば、当該区間は増加期間として機能するため、遊技価値を増加させることができるのみならず、払出を受ける機会が増加することで早期に(2)BB1の終了条件を成立させることが可能となる(すなわち、一般遊技状態(CZ状態)に移行するまでの遊技期間を短縮させることができる)。一方、(A)BB1状態中が非有利区間であれば、当該区間は減少期間として機能するため、遊技価値は減少していき、また、払出を受ける機会は増加しないことで早期に(2)BB1の終了条件を成立させることは可能とならない(すなわち、一般遊技状態(CZ状態)に移行するまでの遊技期間を短縮させることはできない)。
(A)BB1状態において、(2)BB1の終了条件が成立すると、一般遊技状態(CZ状態)に移行する。一般遊技状態(CZ状態)は、BB1に当籤する前にBB2又はBB3を当籤させることができれば、一般遊技状態(CZ状態)→(B)BB2状態(又は(C)BB3状態)→一般遊技状態(CZ状態)→(B)BB2状態(又は(C)BB3状態)・・・といったように、遊技者に有利なボーナス状態を繰り返し作動させることが可能な状態(一連の増加区間)として構成されるが、BB2又はBB3に当籤する前にBB1に当籤してしまうと、遊技者に有利なボーナス状態を繰り返し作動させることは不可能となり、一連の増加区間は終了する。再度一連の増加区間に移行させるためには、有利区間とならなければ減少期間となってしまう(A)BB1状態を終了させる必要がある。
すなわち、遊技者は、(A)BB1状態にあっては、有利区間に移行、あるいは有利区間が継続することを望み、実際に有利区間に移行、あるいは有利区間が継続すれば、遊技価値を増加させつつ、一般遊技状態(CZ状態)に移行するまでの遊技期間を短縮することができる。また、一般遊技状態(CZ状態)にあっては、BB1に当籤する前にBB2又はBB3に当籤することを望み、実際にBB2又はBB3に当籤することができれば、(B)BB2状態又は(C)BB3状態において遊技価値を増加させることができる。これらの遊技状態が終了して再度一般遊技状態(CZ状態)に戻った場合も同様である。なお、(B)BB2状態又は(C)BB3状態にあっては、(A)BB1状態を有利区間とする権利が付与されることを望む。本例では、例えば、ボーナス役(BB1〜BB3)に当籤する合算確率において、BB1の当籤確率は50%程度、BB2の当籤確率は25%程度、BB3の当籤確率は25%程度となっていることから、一般遊技状態(CZ状態)において必ずしもBB2又はBB3が当籤し続けるわけではない。しかし、(A)BB1状態を有利区間とする権利が予め付与されていれば、BB2又はBB3に当籤する前にBB1に当籤したとしても、(A)BB1状態が増加期間となっていれば、遊技価値が増加し、しかも一般遊技状態(CZ状態)に早期に復帰させることができる。本例では、このような遊技性によって、遊技の興趣を向上させることを可能としている。
本例の遊技機によれば、通常遊技状態(一般遊技状態(CZ状態))において、第1特別役(BB1)に当籤する前に第2特別役(BB2又はBB3)に当籤した場合、第2特別遊技状態((B)BB2状態又は(C)BB3状態)に移行し、当該第2特別遊技状態は遊技価値が増加する増加期間として機能する。一方、通常遊技状態において、第2特別役に当籤する前に第1特別役に当籤した場合、第1特別遊技状態((A)BB1状態)に移行し、当該第1特別遊技状態において停止操作に関する操作情報が報知されない場合(非有利区間である場合)、当該第1特別遊技状態は遊技価値が減少する減少期間として機能する。
したがって、通常遊技状態においては、第1特別遊技状態に移行することなく第2特別遊技状態への移行が繰り返されることで、遊技者は有利な遊技期間を継続させることができるが、第1特別遊技状態に移行した場合には、当該第1特別遊技状態を終了させて通常遊技状態に移行させなければ、遊技者は有利な遊技期間を継続させることができない。
ここで、本例の遊技機によれば、特定の報知条件が成立した場合(例えば、有利区間に移行することが決定された場合、あるいは有利区間とする権利が付与されることが決定されている場合)、第1特別遊技状態において、所定役(押し順小役)に当籤した場合に所定数(例えば、9枚)の遊技価値が付与される停止操作に関する操作情報が報知されるようになる。第1特別遊技状態は、規定数(例えば、285枚超)の遊技価値が付与された場合に終了するものであるから、このような情報が報知されることで、第1特別遊技状態の終了時期を早めることができる。すなわち、第1特別遊技状態において停止操作に関する操作情報が報知される否かによって、第2特別遊技状態に移行可能な通常遊技状態となるまでの期間を変動させることができる。それゆえ、有利状態に移行な状態となるまでの期間を変動可能とすることで、遊技性を変化に富んだものとすることができる。
なお、本例の遊技機において、第1特別遊技状態において停止操作に関する操作情報が報知される期間も増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、有利状態に移行な状態となるまでの期間中であっても、遊技の興趣を維持させることができる。
また、本例の遊技機において、第1特別遊技状態では、さらに第1特定許可状態((A−2)BB1RBフラグ間中)に移行可能とし、第2特別遊技状態では、さらに第2特定許可状態((B−2)BB2RBフラグ間中又は(C−2)BB3RBフラグ間中)に移行可能とし、第1特別遊技状態では、第1特定許可状態であるか否かにかかわらず、停止操作に関する操作情報が報知されない期間を減少期間として機能させ、第2特別遊技状態では、第2特定許可状態である期間を増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技性をさらに変化に富んだものとすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[遊技性(遊技仕様)の他の例(その3)]
続いて、図95を参照して、本実施形態に係るパチスロ1において実装可能な遊技性(遊技仕様)の他の例(その3)について説明する。図95は、遊技性(遊技仕様)の他の例(その3)における遊技の流れを概念的に説明する図である。
図95に示すように、本例では、(A)RT0状態、(B)BB状態、及び(C)RT1状態の遊技状態がある。(A)RT0状態は、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が(C)RT1状態よりも低く、(B)BB状態、及び(C)RT1状態のいずれにも移行可能な遊技状態である。(A)RT0状態において、有利区間に制御されていない場合には、(A−1)通常(非有利区間)となって遊技価値が減少する減少期間となり、有利区間に制御されている場合には、(A−2)有利区間となって遊技価値が増加する増加期間となる。なお、有利区間に制御されうる特定の報知条件は、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の条件を採用することができる。
(A)RT0状態において、BB(ボーナス役)に当籤した場合、BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されるまでBBが持ち越されるBBフラグ間(BB許可状態)に制御される。BBフラグ間では、後述のベルこぼし目が有効ライン上に停止表示されても(C)RT1状態には移行しない。なお、本例では、BBは、いずれかの小役(例えば、いわゆるレア役と呼ばれる当籤確率が相対的に低い役。リプレイ役であってもよい)と重複当籤し、単独で当籤しないようになっており、かつ、本実施形態では、ボーナス役よりもリプレイ役又は小役を優先的に成立させる停止制御が行われるため、BBに当籤した遊技ではBBに係る図柄の組合せが表示されることがなく、BBは次回遊技以降に持ち越されることになる。そして、BBに係る図柄の組合せは、BBフラグ間において内部抽籤結果が「ハズレ」となった遊技(すなわち、他にいずれのリプレイ役及び小役にも当籤しなかった遊技)において、停止操作のタイミングが適切な場合に表示されること(入賞すること)が可能となる。本例では、(A)RT0状態における「ハズレ」確率を「1/12」程度と定める。もっとも、「ハズレ」が発生可能である限り、この「ハズレ」確率は任意の値とすることができる。また、BBが単独で当籤する場合があってもよく、この場合には、BBに当籤した遊技においてBBに係る図柄の組合せが表示可能であるものとする。
(A)RT0状態において、BBフラグ間となり、内部抽籤結果が「ハズレ」となった遊技において、BBに係る図柄の組合せが表示されると、(1)BB開始条件が成立し、(A)RT0状態から(B)BB状態に移行する。(B)BB状態は、(C)RT1状態には移行しない遊技状態であり、遊技価値が増加する増加期間となる遊技状態である。なお、(B)BB状態を増加期間とする手法は、例えば、上述の「特殊ボーナス状態」など、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の手法を採用することができる。(B)BB状態において、規定数(例えば、140枚超)の遊技価値が付与されると、遊技価値の付与上限となり、(2)BB終了条件が成立し、(B)BB状態から(A)RT0状態に移行する。
(A)RT0状態において、BBフラグ間となる前に(すなわち、BB非フラグ間である場合に)、(3)ベルこぼし目が有効ライン上に停止表示されると、(C)RT1状態に移行する。ベルこぼし目は、例えば、本実施形態における「R_RT1移行目」と同様の図柄の組合せであり、押し順小役に当籤した遊技において、押し順が不正解であり、停止操作のタイミングも適切でない場合に表示される図柄の組合せである。したがって、(A)RT0状態が、(A−2)有利区間であれば、正解となる押し順が報知されるため、当該報知にしたがって停止操作が行われる限り表示されることはないが、(A−1)通常(非有利区間)であれば、正解となる押し順が報知されないため、表示される可能性は高くなる。なお、本例では、例えば、BBの当籤確率は1/20(3276/65536)程度であるとすれば、押し順小役の合算当籤確率はそれよりも高い1/3(21845/65536)程度に設計されるものとすればよい。押し順小役については、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の仕様を採用することができるが、例えば、押し順(例えば、6択)に正解した場合、9枚の払出となり、ベルこぼし目は表示されず、押し順に正解しない場合、停止操作のタイミングが適切であれば1枚の払出となり、ベルこぼし目は表示されず、停止操作のタイミングが適切でなければ0枚の払出となり、ベルこぼし目が表示される仕様を採用することができる。
(C)RT1状態は、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が(A)RT0状態よりも高く、(B)BB状態には移行しない遊技状態である。(C)RT1状態においても、(A)RT0状態と同様に、有利区間に制御されていない場合には、(C−1)通常(非有利区間)となって遊技価値が減少する減少期間となり、有利区間に制御されている場合には、(C−2)有利区間となって遊技価値が増加する増加期間となる。なお、有利区間に制御されうる特定の報知条件は、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の条件を採用することができる。
(C)RT1状態においても、BB(ボーナス役)に当籤した場合、(A)RT0状態と同様に、BBフラグ間(BB許可状態)に制御される。ただし、(C)RT1状態では、(A)RT0状態の「ハズレ」確率「1/12」の分だけ再遊技(リプレイ)役の当籤確率が高まっており、「ハズレ」確率は「0」と(すなわち、「ハズレ」が発生しないように)なっている。したがって、たとえBBフラグ間であったとしても、(C)RT1状態においてBBに係る図柄の組合せが表示可能となる場合はない。もっとも、極めて低い確率(例えば、1/8192)で「ハズレ」が発生するようにし、BBフラグ間で「ハズレ」が発生した遊技では、BBに係る図柄の組合せが表示可能となるようにしてもよい(すなわち、(C)RT1状態を、(A)RT0状態よりもBBに係る図柄の組合せの表示を困難とする状態として構成してもよい)。
なお、(C)RT1状態においても「ハズレ」の発生を可能とした場合、「ハズレ」が発生した単位遊技でBBに係る図柄の組合せが表示できなかった場合には、(B)BB状態に移行させることができず、次ゲーム以降も(C)RT1状態が継続するため、当該「ハズレ」が発生した単位遊技でBBに係る図柄の組合せが表示できない態様で停止操作を行ってしまうと遊技者の損失は極めて大きくなってしまう。したがって、このような損失の発生を抑制するため、(C)RT1状態において「ハズレ」が発生した単位遊技では、開始操作後から停止操作が有効となるまでの間にBBに係る図柄の組合せの表示が許容された旨を示唆する演出や、BBに係る図柄の組合せを狙うべき旨を報知する演出や、開始操作後に各リールの回転開始を遅延させるフリーズ演出や停止操作有効までに要する時間を通常よりも長い時間とする停止操作無効化演出など、いずれか又は複数の演出を実行可能として、遊技者がBBに係る図柄の組合せを表示させやすいように配慮した仕様とすることが望ましい。
(C)RT1状態において、(4)規定数(例えば、500ゲーム)の遊技を消化すると、(C)RT1状態から(A)RT0状態に移行する。すなわち、(C)RT1状態が終了し、BBフラグ間である場合には「ハズレ」発生時にBBに係る図柄の組合せが表示可能となる。なお、(C)RT1状態から(A)RT0状態に移行した場合であってもBB非フラグ間であるときには、再度(C)RT1状態に転落してしまう可能性がある。したがって、このような場合には、(A)RT0状態においてBBフラグ間となるまで(すなわち、BBに当籤するまで)、(A−2)有利区間を継続させるようにし、遊技者の救済を図るようにしてもよい。
本例の遊技機によれば、特別役(BB)に当籤した場合には特別許可状態(BB許可状態)となり、通常遊技状態((A)RT0状態)であれば、特別図柄の組合せ(BBに係る図柄の組合せ)を表示させて特別遊技状態((B)BB状態)に移行させることを可能とする一方、特定遊技状態((C)RT1状態)であれば、当該特定遊技状態が終了するまで特別図柄の組合せを表示させて特別遊技状態に移行させることを可能としない。また、特定遊技状態には、特別許可状態でない通常遊技状態において特定役(押し順小役)に当籤した場合に、特定の態様(押し順正解となる態様)で停止操作が行われずに特定図柄の組合せ(ベルこぼし目)が表示されたことに基づいて移行する。そして、特定の報知条件が成立した場合、通常遊技状態及び特定遊技状態における特定期間(有利区間)では、特定役に当籤したときに特定の態様に関する操作情報が報知され、報知にしたがって停止操作が行われれば、特定図柄の組合せは表示されず、特定数(例えば、9枚)の遊技価値が付与される。
ここで、本例の遊技機によれば、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態への移行を繰り返す(すなわち、遊技者に有利な遊技期間を継続させる)ことが可能となるのみならず、特定役に当籤したときに付与される遊技価値も増加することになる。また、特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、特定遊技状態が終了しなければ特別遊技状態に移行させることはできないが、特定役に当籤したときに付与される遊技価値は増加することになる。また、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となっていない場合であっても、特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態への移行を繰り返すことができる場合もある。
すなわち、本例の遊技機によれば、通常遊技状態若しくは特定遊技状態であるか、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、又は特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、などに応じて遊技者の有利度合いを多彩に変動させることが可能となる。それゆえ、遊技意欲や興趣を向上させることができる。
なお、本例の遊技機において、少なくとも特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される期間は、遊技価値が増加する増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、特定遊技状態であっても遊技価値が増加する場合があることから、特別遊技状態に移行しない特定遊技状態中であっても、遊技の興趣を維持させることができる。
(本例の変形例)
本例では、(A)RT0状態、(B)BB状態、及び(C)RT1状態の遊技状態を有し、(A)RT0状態において、特別役としてのBBが特定役としての押し順小役よりも先に当籤した場合には、(C)RT1状態に移行することなく(B)BB状態に移行し、このような移行が繰り返されることを可能とすることで、一連の増加区間を創出することを可能とした。また、(A)RT0状態において、特定役としての押し順小役が特別役としてのBBよりも先に当籤した場合に、遊技者の停止操作が適切であれば(C)RT1状態には移行しないが、遊技者の停止操作が適切でなければ(C)RT1状態に移行し、一連の増加区間が終了するものとした。そして、(C)RT1状態では、一定の移行条件(本例では、規定数の遊技の消化)が成立しなければ、(A)RT0状態に移行しないものとした。もっとも、このような一連の増加区間を開始、継続、及び終了させる手法は、さらに変形の余地があると考えられるため、以下に説明する。
変形例では、(A)RT0状態、(B)BB状態、及び(C)RT1状態の遊技状態を有する点は本例と同じであるが、特定役としてMB(第二種特別役物に係る役物連続作動装置)を用い、MBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合には(D)MB状態に移行するものとする。BBの当籤確率を1/10(6553/65536)程度とするとともに、MBの当籤確率も同程度とする。MBは、ボーナス役であり、一度当籤すると、MBに係る図柄の組合せが表示されるまで持ち越されるものとする(MBフラグ間、MB許可状態)。MBは、必ず複数の特殊小役グループ(例えば、特殊小役グループ1〜3)のうちいずれかの特殊小役グループと重複当籤し、単独では当籤しないものとする。
(A)RT0状態において、MB+特殊小役グループ1が重複当籤した場合、停止操作が予め定義された正解の態様(例えば、リール3Lに対する停止操作のタイミングが下記第2の範囲及び下記第3の範囲とは異なる第1の範囲である態様、あるいは左第1停止で停止操作が行われる態様など)で行われた場合には、MBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示され、(D)MB状態に移行する。一方、停止操作が予め定義された正解の態様で行われない場合には、MBに係る図柄の組合せは有効ライン上に停止表示されず、いずれかの特殊小役に係る図柄の組合せ(特定の図柄の組合せ)が有効ライン上に停止表示され、例えば、1枚のメダルが払い出され、MBフラグ間としての(C)RT1状態に移行する。
(A)RT0状態において、MB+特殊小役グループ2が重複当籤した場合、停止操作が予め定義された正解の態様(例えば、リール3Lに対する停止操作のタイミングが上記第1の範囲及び下記第3の範囲とは異なる第2の範囲である態様、あるいは中第1停止で停止操作が行われる態様など)で行われた場合には、MBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示され、(D)MB状態に移行する。一方、停止操作が予め定義された正解の態様で行われない場合には、MBに係る図柄の組合せは有効ライン上に停止表示されず、いずれかの特殊小役に係る図柄の組合せ(特定の図柄の組合せ)が有効ライン上に停止表示され、例えば、1枚のメダルが払い出され、MBフラグ間としての(C)RT1状態に移行する。
(A)RT0状態において、MB+特殊小役グループ3が重複当籤した場合、停止操作が予め定義された正解の態様(例えば、リール3Lに対する停止操作のタイミングが上記第1の範囲及び上記第2の範囲とは異なる第3の範囲である態様、あるいは右第1停止で停止操作が行われる態様など)で行われた場合には、MBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示され、(D)MB状態に移行する。一方、停止操作が予め定義された正解の態様で行われない場合には、MBに係る図柄の組合せは有効ライン上に停止表示されず、いずれかの特殊小役に係る図柄の組合せ(特定の図柄の組合せ)が有効ライン上に停止表示され、例えば、1枚のメダルが払い出され、MBフラグ間としての(C)RT1状態に移行する。
なお、この変形例では、特定役として複数のMB(例えば、MB1、MB2、及びMB3)を用い、いずれかのMBに係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合には(D)MB状態に移行するものとしてもよい。この場合、MBの合算当籤確率をBBの当籤確率と同程度とすればよい。また、MB1、MB2、及びMB3は、必ず特殊小役グループと重複当籤し、単独では当籤しないものとしてもよい。そして、MB1+特殊小役グループが重複当籤した場合には、MB+特殊小役グループ1と同様の制御が行われ、MB2+特殊小役グループが重複当籤した場合には、MB+特殊小役グループ2と同様の制御が行われ、MB3+特殊小役グループが重複当籤した場合には、MB+特殊小役グループ3と同様の制御が行われるものとすればよい。
すなわち、(A)RT0状態において、MBに当籤した場合、MBに当籤した遊技で停止操作の態様が適切であれば(例えば、上述した3択に正解した場合には)、(D)MB状態に移行する。(D)MB状態は、例えば、2枚ベットで必ず2枚のメダルが払い出されるボーナス状態であるものとし、規定数(2枚を超える)の遊技価値が付与されると、遊技価値の付与上限となり、MB終了条件が成立し、(D)MB状態から(A)RT0状態に移行する。ここで、(D)MB状態自体は、遊技価値が増加する増加期間ではない(ただし、減少期間でもなく無増減期間)が、終了後は(A)RT0状態に移行するため、(D)MB状態への移行は、上述した一連の増加区間への移行、あるいは一連の増加区間の継続として位置付けられる。
一方、(A)RT0状態において、MBに当籤した場合、MBに当籤した遊技で停止操作の態様が適切でなければ(例えば、上述した3択に正解しなかった場合には)、(C)RT1状態に移行する。この変形例では、MBフラグ間である(C)RT1状態は、MBに係る図柄の組合せが表示されるまで終了しない。そして、(C)RT1状態における「ハズレ」確率を「1/300」程度と定める。すなわち、(C)RT1状態を終了させて(A)RT0状態に移行させるためには、(C)RT1状態において「ハズレ」が発生した遊技において、MBに係る図柄の組合せを表示させて(D)MB状態に移行させ、(D)MB状態における遊技を消化する必要がある。なお、(C)RT1状態において上述した特殊小役グループに当籤したときに、上述した3択に正解した場合にもMBに係る図柄の組合せを表示させることを可能としてもよい。
(本例の変形例の遊技の流れ)
この変形例では、MBフラグ間である(C)RT1状態が遊技者にとって有利でない通常遊技中として位置付けられているため、遊技者は通常、MBフラグ間である(C)RT1状態から遊技を開始する。
(C)RT1状態においては、(D)MB状態への移行を介さなければ(A)RT0状態に移行することがない。遊技者は「ハズレ」が発生することを待って遊技を行う。「ハズレ」が発生した遊技でMBに係る図柄の組合せを表示させることができれば、(D)MB状態に移行し、(D)MB状態に終了後は(A)RT0状態に移行する。
(A)RT0状態において、ボーナス役に当籤したとき、当該ボーナス役がBBである確率は1/2(50%)、MBである確率も1/2(50%)である。(C)RT1状態から(A)RT0状態に移行して最初に当籤したボーナス役がBBであった場合には、一連の増加区間が開始される。BBの当籤後はMBに当籤することはなく(すなわち、(C)RT1状態に移行することなく)、BBに係る図柄の組合せが表示されることで(B)BB状態に移行し、(B)BB状態において遊技価値を増加させることができる。なお、(B)BB状態は、例えば、上述の「特殊ボーナス状態」として構成される。(B)BB状態が終了すると再度(A)RT0状態に戻り、再度50%の確率でMBに当籤する前にBBに当籤させることができれば、一連の増加区間が継続する。すなわち、一連の増加区間は50%の確率でループ可能な(ループ率50%の)遊技区間となっている。なお、このループ率は一例であり、ボーナス役の抽籤値(当籤確率)を適宜変動させることで、任意の値に設定することができる。
一連の増加区間となった(A)RT0状態において、BBに当籤する前にMBに当籤した場合、MBに当籤した遊技でMBに係る図柄の組合せを表示させることができた場合には、(D)MB状態への移行を介して再度(A)RT0状態に戻ることができる。この場合にも、一連の増加区間が継続する。一方、MBに当籤した遊技でMBに係る図柄の組合せを表示させることができなかった場合には、(C)RT1状態に移行する。この場合には、一連の増加区間が終了する。
また、(C)RT1状態から(A)RT0状態に移行して最初に当籤したボーナス役がMBであった場合には、一連の増加区間は開始されない。ただし、上述の如く、MBに当籤した遊技でMBに係る図柄の組合せを表示させることができた場合には、(D)MB状態への移行を介して再度(A)RT0状態に戻ることができる。この場合には、戻った(A)RT0状態にて一連の増加区間を開始できる場合がある。一方、MBに当籤した遊技でMBに係る図柄の組合せを表示させることができなかった場合には、(C)RT1状態に移行する。この場合には、一連の増加区間を開始できる場合はない。なお、上記の説明では、(C)RT1状態から(A)RT0状態に移行して最初に当籤したボーナス役がBBであったときを一連の増加区間の始期としているが、(C)RT1状態から(A)RT0状態に移行したときを一連の増加区間の始期としてもよいし、(C)RT1状態から(A)RT0状態に移行して最初に当籤したボーナス役がBBであり、当該BBに係る図柄の組合せが表示されて(B)BB状態に移行したときを一連の増加区間の始期としてもよい。
(本例の変形例における有利区間仕様の第1の態様)
続いて、これまでに説明した本例の変形例の遊技性(遊技仕様)を採用した場合の、有利区間仕様の第1の態様について説明する。この第1の態様は、有利区間を設けない仕様である。
上述したように、本例の変形例の遊技性(遊技仕様)では、(A)RT0状態→(B)BB状態→(A)RT0状態→(B)BB状態・・・といったように、(A)RT0状態と(B)BB状態とが相互に繰り返されることで一連の増加区間を創出することができるため、遊技者に停止操作の情報が報知されなくとも、興趣の高い遊技性を具備することが可能となっている。したがって、この第1の態様のように、有利区間を設けないようにすることもできる。
なお、この第1の態様においても、例えば、(A)RT0状態においてBBに当籤したときには、その旨の告知ないし示唆が行われるようにすることができるし、(B)BB状態においてRBに当籤したときには、その旨の告知ないし示唆が行われるようにすることができる。一方、(A)RT0状態においてMBに当籤したとき、及び(C)RT1状態においてMBに係る図柄の組合せが表示可能であるときには、少なくともMBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆は行われないようにすることが望ましい。ここで、「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」とは、例えば、MBに係る図柄の組合せが表示可能であることを直接的に告知ないし示唆するものに限られず、上述した特殊小役グループが当籤した旨、あるいは当籤した特殊小役グループに係る図柄の組合せを告知ないし示唆するものが含まれる。このような告知ないし示唆によって実質的に(C)RT1状態が終了する確率が高まることとなれば、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうおそれがあるからである。もっとも、(C)RT1状態は少ないとも一連の増加区間に含まれないことから、(C)RT1状態においてMBに係る図柄の組合せが表示可能であるときには、「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」が行われるようにしてもよい。
(本例の変形例における有利区間仕様の第2の態様)
続いて、これまでに説明した本例の変形例の遊技性(遊技仕様)を採用した場合の、有利区間仕様の第2の態様について説明する。この第2の態様は、(B)BB状態中のみ有利区間に移行可能とした仕様である。
上述したように、本例の変形例の遊技性(遊技仕様)では、(B)BB状態においては押し順小役など、遊技者の停止操作の態様に応じて付与される遊技価値が変動可能な内部当籤役が決定されうるため、(B)BB状態中を有利区間として遊技者に停止操作の情報が報知されれば、(B)BB状態中に付与される遊技価値の付与期待値を最大とすることができ、遊技者の興趣の向上のみならず、遊技の公平性の担保や出玉率の管理しやすさにも資することになる。したがって、この第2の態様のように、(B)BB状態中のみ有利区間に移行可能とすることもできる。この場合、(B)BB状態が開始されるときに有利区間も開始され、(B)BB状態が終了されるときに有利区間も終了されるようにすればよい。
なお、この第2の態様においても、上記第1の態様と同様に、例えば、(A)RT0状態においてBBに当籤したときには、その旨の告知ないし示唆が行われるようにすることができるし、(B)BB状態においてRBに当籤したときには、その旨の告知ないし示唆が行われるようにすることができる。一方、(A)RT0状態においてMBに当籤したとき、及び(C)RT1状態においてMBに係る図柄の組合せが表示可能であるときには、上記第1の態様と同様に、少なくともMBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆は行われないようにすることが望ましい。
(本例の変形例における有利区間仕様の第3の態様)
続いて、これまでに説明した本例の変形例の遊技性(遊技仕様)を採用した場合の、有利区間仕様の第3の態様について説明する。この第3の態様は、(A)RT0状態中及び(C)RT1状態中において有利区間に移行可能とした仕様である。
この第3の態様は、基本的に本例で説明したものと同様であり、(A)RT0状態中にあっては、特定の報知条件が成立した場合に、(A−1)通常(非有利区間)から(A−2)有利区間に移行させ、当該有利区間の終了条件が成立した場合に、(A−2)有利区間から(A−1)通常(非有利区間)に移行させ、また、(C)RT1状態中にあっては、特定の報知条件が成立した場合に、(C−1)通常(非有利区間)から(C−2)有利区間に移行させ、当該有利区間の終了条件が成立した場合に、(C−2)有利区間から(C−1)通常(非有利区間)に移行させるものである。
ただし、本例では、(A)RT0状態において(A−2)有利区間となった場合には、押し順小役について正解となる押し順が報知されることで、実質的に(C)RT1状態への移行が回避可能な情報も報知されるものとなっているが、この第3の態様では、(C)RT1状態への移行が回避可能な情報は報知されないものとなっている。すなわち、(A−2)有利区間では、押し順小役に当籤した場合には、正解となる押し順が報知されることで、(A−1)通常(非有利区間)と比べて多くの遊技価値が付与されるが、MBに当籤した場合には、「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」は行われず、遊技者が自力でMBに係る図柄の組合せを表示することができた場合には(A)RT0状態が維持されるが、遊技者が自力でMBに係る図柄の組合せを表示することができなかった場合には(C)RT1状態に移行するようになっている。
もっとも、例えば、(A)RT0状態において(A−2)有利区間となり、有利区間の継続期間として50ゲームが付与された場合、10ゲーム後(すなわち、有利区間の継続期間が残り40ゲーム)にMBに当籤し、MBに係る図柄の組合せが表示されずに(C)RT1状態に移行した場合には、継続期間を40ゲームとする(C−2)有利区間に移行するようにしてもよい。すなわち、付与された有利区間の継続期間が、(A)RT0状態から(C)RT1状態、あるいは(C)RT1状態から(A)RT0状態に引き継がれるようにしてもよい(なお、後者の場合には、(D)MB状態の遊技期間は有利区間中に含まれるものとしてもよいし、含まれないものとしてもよい)。
また、(A)RT0状態は、一連の増加区間に含まれる遊技期間であることから、(A)RT0状態では(A−2)有利区間を設けることなく、一連の増加区間に含まれない遊技期間であり、遊技者にとって相対的に不利な(C)RT1状態でのみ(C−2)有利区間を設けるようにしてもよい。すなわち、この第3の態様では、遊技者にとって相対的に不利な遊技期間((C)RT1状態)で遊技を行う遊技者を救済し、遊技の興趣の低下を防止することを目的として、有利区間((C−2)有利区間)を設けるようにしてもよい。
なお、この第3の態様においても、上記第1の態様と同様に、例えば、(A)RT0状態においてBBに当籤したときには、その旨の告知ないし示唆が行われるようにすることができるし、(B)BB状態においてRBに当籤したときには、その旨の告知ないし示唆が行われるようにすることができる。もっとも、この第3の態様のように、有利区間があくまでも入賞に係る内部当籤役(例えば、小役)について入賞を容易とする遊技区間として位置付けられる場合には、(A)RT0状態においてBBに当籤したときに、BBに係る図柄の組合せが表示されることを容易にする停止操作の態様(押し順や停止操作のタイミング)がある場合に、有利区間であることに基づいて当該停止操作の態様が直接的に報知されることは望ましくないが、このような報知が行われるものとしてもよい。
この変形例では、上記第2の態様と上記第3の態様とを別の態様として説明しているが、上記第2の態様と上記第3の態様とを組み合わせた有利区間の態様を採用することもできる。この場合、BBに当籤した(A)RT0状態が、(A−2)有利区間であれば、(B)BB状態においても停止操作の情報が報知され、(A−1)通常(非有利区間)であれば、(B)BB状態においても停止操作の情報が報知されないようにしてもよい。また、この場合、(A−2)有利区間から移行した(B)BB状態では、有利区間の継続期間が遊技の進行にしたがって順次更新される(すなわち、付与されている有利区間の継続期間が減っていく)ようにしてもよいし、有利区間の継続期間が更新されない(すなわち、付与されている有利区間の継続期間が減らない)ようにしてもよい。
(本例の変形例における有利区間仕様の第4の態様)
続いて、これまでに説明した本例の変形例の遊技性(遊技仕様)を採用した場合の、有利区間仕様の第4の態様について説明する。この第4の態様は、(A)RT0状態中において有利区間に移行可能とした仕様である。
この第4の態様では、上述の第3の態様とは逆で、(A)RT0状態において(A−2)有利区間となっている場合、MBに当籤したときには「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」が行われることで、(C)RT1状態への移行が回避可能な情報が報知されるが、押し順小役に当籤したときには正解となる押し順は報知されないものである。また、(C)RT1状態において(C−2)有利区間となっている場合、MBに係る図柄の組合せが表示可能であるときには「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」が行われることで、(A)RT0状態への移行を可能とする情報が報知されるが、押し順小役に当籤した場合には、正解となる押し順は報知されないものである。
なお、この第4の態様では、例えば、有利区間は、(A−2)有利区間のみが設けられ、(C−2)有利区間は設けられないようにしてもよい。すなわち、有利区間を、一連の増加区間を継続させる((A)RT0状態を継続させる)ための機能を担うものとして構成し、(C)RT1状態を終了させるための機能を担わないものとして構成してもよい。
また、この第4の態様では、有利区間を、「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」が行われた回数(ナビ回数)によって管理する手法とすることが好適である。例えば、(C)RT1状態においてMBに係る図柄の組合せが表示され、(D)MB状態に移行し、(D)MB状態が終了して(A)RT0状態に移行するまでの間のいずれか任意のタイミングで、有利区間に移行させるか否かの決定を行い、有利区間に移行させることを決定した場合には、付与するナビ回数を決定する。そして、移行した(A)RT0状態((A−2)有利区間)では、決定されたナビ回数分、「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」が行われるようにすればよい。もっとも、(A)RT0状態では、例えば、BBに当籤し、BBに係る図柄の組合せが表示されて(B)BB状態に移行し、(B)BB状態が終了して(A)RT0状態に移行のいずれか任意のタイミングで、有利区間に移行させる(延長させる)か否かの決定を行い、有利区間に移行させる(延長させる)ことを決定した場合には、付与するナビ回数を決定してもよい。なお、ナビ回数による管理を好適として説明したが、その他の管理手法(例えば、ゲーム数による管理など)を採用することを妨げるものではない。
なお、この第4の態様においても、上記第1の態様と同様に、例えば、(A)RT0状態においてBBに当籤したときには、その旨の告知ないし示唆が行われるようにすることができるし、(B)BB状態においてRBに当籤したときには、その旨の告知ないし示唆が行われるようにすることができる。もっとも、この第4の態様のように、有利区間があくまでも一連の増加区間の継続を容易とする遊技区間として位置付けられる場合には、(A)RT0状態においてBBに当籤したときに、BBに係る図柄の組合せが表示されることを容易にする停止操作の態様(押し順や停止操作のタイミング)がある場合に、有利区間であることに基づいて当該停止操作の態様が直接的に報知されることは望ましくないが、このような報知が行われるものとしてもよい。
この変形例では、上記第3の態様と上記第4の態様とを別の態様として説明しているが、上記第3の態様と上記第4の態様とを組み合わせた有利区間の態様を採用することもできる。この場合、(A−2)有利区間であれば、押し順小役に当籤したときには正解となる押し順が報知されることで、(A−1)通常(非有利区間)と比べて多くの遊技価値が付与され、MBに当籤したときには「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」が行われることで、(C)RT1状態への移行が回避可能な情報が報知されるようにすればよい。また、(C−2)有利区間であれば、押し順小役に当籤したときには正解となる押し順が報知されることで、(C−1)通常(非有利区間)と比べて多くの遊技価値が付与され、MBに係る図柄の組合せが表示可能であるときには「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」が行われることで、(A)RT0状態への移行を可能とする情報が報知されるようにすればよい。なお、上述のように、(C−2)有利区間であっても、MBに係る図柄の組合せが表示可能であるときに「MBに係る図柄の組合せが表示される遊技方法が推測されるような告知ないし示唆」は行われないようにしてもよい。
(本例の変形例における有利区間リミッタ)
続いて、これまでに説明した本例の変形例の遊技性(遊技仕様)を採用し、また、有利区間仕様として、少なくとも上記第3の態様又は上記第4の態様が含まれる有利区間の態様を採用した場合における、有利区間のリミット処理について説明する。
本実施形態では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するため、上述のあるいは後述のリミット処理を行うことが可能となっている。例えば、「ゲーム数リミッタ」であれば有利区間が「1500ゲーム」継続した場合、また、「枚数リミッタ」であれば有利区間において「2400枚」のメダルを獲得した場合には、未だ有利区間のゲーム数、セット数、ストック、ナビ回数、差枚数などが残存している場合であっても、リミット処理の実行により強制的に有利区間が終了され非有利区間に移行される。
しかしながら、本例の変形例の遊技性(遊技仕様)によれば、このようなリミット処理の実行によって有利区間が終了した後も、一連の増加区間が継続する場合も生じうる。すなわち、一連の増加区間により、遊技者に有利となる有利区間の継続に関し一定の制限を設けた意義が失われるおそれがあるという問題がある。そこで、一連の増加区間を設ける場合に、それを考慮した有利区間の制限を行うことができる遊技機を提供するため、以下のような工夫をなすことが望ましい。
例えば、本例の変形例の遊技性(遊技仕様)においては、一連の増加区間が開始するのと同時に、あるいは、一連の増加区間が開始する前に有利区間を開始させる。一の具体例として、一連の増加区間が(A)RT0状態においてBBに当籤したときに開始すると定めた場合には、(A)RT0状態においてBBに当籤したのと同時、あるいは、(A)RT0状態に移行したときなどに有利区間を開始させる。また、他の具体例として、一連の増加区間が(A)RT0状態に移行したときに開始すると定めた場合には、(A)RT0状態に移行したのと同時、あるいは、(D)MB状態に移行したときなどに有利区間を開始させる。なお、ここでいう有利区間の開始とは、リミット処理上(制御上)の有利区間の開始を意味し、必ずしも当該開始時点で有利区間の実質的な継続期間(ゲーム数、セット数、ストック、ナビ回数、差枚数など)が付与されることを意味するものではない。したがって、有利区間の継続期間については、例えば、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の条件を採用して、各遊技状態で付与(あるいは延長)の当否決定を行い、当該決定結果に応じて付与(あるいは延長)されるものとすればよい。もっとも、上記開始時点においても有利区間の継続期間付与(あるいは延長)の当否決定が行われるものとしてもよい。
ここで、「ゲーム数リミッタ」の場合、上限の遊技数は例えば「1500ゲーム」となるが、この「1500」から、一連の増加区間において作動するボーナス状態(例えば、(B)BB状態。複数のボーナス状態がある場合には、そのうちでもっとも長い遊技数の間継続する可能性があるもの)の期待遊技数(平均遊技数)に、ループ率に応じた閾値(ループ率を遊技数に換算するための掛け率として定めた変数)を乗じた値を減じ、それを指示停止遊技数として算出する(あるいは、予め規定する)。例えば、本例の変形例において、ボーナス状態の期待遊技数を「20ゲーム」とし、ループ率50%に応じた閾値を「6」とした場合、指示停止遊技数は、「1500ゲーム−20ゲーム×6=1380ゲーム」となる。
ここで、「枚数リミッタ」の場合、上限の獲得枚数は例えば「2400枚」となるが、この「2400」から、一連の増加区間において作動するボーナス状態(例えば、(B)BB状態。複数のボーナス状態がある場合には、そのうちでもっとも多くのメダルが付与される可能性があるもの)の期待獲得枚数(平均獲得枚数)に、ループ率に応じた閾値(ループ率を獲得枚数に換算するための掛け率として定めた変数)を乗じた値を減じ、それを指示停止獲得枚数として算出する(あるいは、予め規定する)。例えば、本例の変形例において、ボーナス状態の期待獲得枚数を「120枚」とし、ループ率50%に応じた閾値を「6」とした場合、指示停止獲得枚数は、「2400枚−120枚×6=1680枚」となる。
そして、「ゲーム数リミッタ」によってリミット処理が行われるように構成した場合、上記開始時点において開始された有利区間がそのまま継続して遊技数が「1380ゲーム」(指示停止遊技数)に到達した際には、有利区間の継続期間が残存していれば(制御上は)有利区間は継続するものの、以降の遊技においては、停止操作の情報が報知されないようになる(すなわち、指示機能が停止する)。
また、「枚数リミッタ」によってリミット処理が行われるように構成した場合、上記開始時点において開始された有利区間がそのまま継続して獲得枚数が「1680枚」(指示停止獲得枚数)に到達した際には、有利区間の継続期間が残存していれば(制御上は)有利区間は継続するものの、以降の遊技においては、停止操作の情報が報知されないようになる(すなわち、指示機能が停止する)。
また、指示停止遊技数又は指示停止獲得枚数に到達したことに基づいて指示機能が停止した後の処理であるが、リミット処理が実行される前に、一連の増加区間が終了した場合には、それと同時に、あるいは、その終了後に有利区間を終了させる。一の具体例として、一連の増加区間が(A)RT0状態においてMBに当籤し、MBに係る図柄の組合せが表示されずに(C)RT1状態に移行したときに終了すると定めた場合には、(C)RT1状態に移行したのと同時、あるいは、(C)RT1状態に移行した遊技の次回遊技が開始されるときなどに有利区間を終了させる。なお、(A)RT0状態や(B)BB状態では、一連の増加区間が未だ継続する可能性があることから、(制御上)有利区間を終了させる処理を行うのは、少なくとも(C)RT1状態中とすることが望ましい。もっとも、リミット処理の実行によって有利区間を終了させる場合には、この限りではない。すなわち、(A)RT0状態や(B)BB状態において、「ゲーム数リミッタ」の場合には「1500ゲーム」に到達したとき、「枚数リミッタ」の場合には「2400枚」に到達したときには、リミット処理の実行によって有利区間を終了させることを可能としてもよい。
なお、有利区間が継続して指示停止遊技数又は指示停止獲得枚数に到達したときには、指示機能が停止するため、実質的には有利区間が終了するのと同義である。したがって、上述した「ゲーム数リミッタ」の「1500ゲーム」や、「枚数リミッタ」の「2400枚」は、あくまでも遊技店に設置可能な遊技機の規制値として定められる値とし、本例の変形例の遊技性(遊技仕様)のような一連の増加区間が搭載される遊技機にあっては、当該規制値から上述したように指示停止遊技数又は指示停止獲得枚数を算出し、算出した指示停止遊技数や指示停止獲得枚数の値を、「ゲーム数リミッタ」や「枚数リミッタ」の値として予め定め、リミット処理が実行されるようにしてもよい。すなわち、一連の増加区間が搭載されることにより、遊技価値が増加する増加期間が、予定した出玉設計や予め定められた規制値の範囲から大きくはみ出てしまう可能性がある場合に、このはみ出てしまう部分を加味した上で、(前倒しで)有利区間の規制することができる手法であれば、どのような手法を採用することもできる。
また、本例の変形例で説明した遊技性(遊技仕様)、本例の変形例における有利区間仕様の第1〜第4の態様、本例の変形例における有利区間リミッタに関する技術思想は、本例の変形例に係る遊技機を一例として説明したものであり、本例の変形例に係る遊技機に限って適用されるものではない。すなわち、本実施形態、本例、及び本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した遊技機においても適宜変形して適用可能である。
[遊技性(遊技仕様)の他の例(その4)]
続いて、図96を参照して、本実施形態に係るパチスロ1において実装可能な遊技性(遊技仕様)の他の例(その4)について説明する。図96は、遊技性(遊技仕様)の他の例(その4)における遊技の流れを概念的に説明する図である。
図96に示すように、本例では、(A)RT0状態、(B)RT1状態非フラグ間、(C)RT1状態MBフラグ間、(D)RT2状態BBフラグ間、(E)BB状態、及び(F)MB状態の遊技状態がある。なお、(A)RT0状態及び(E)BB状態は、上述の一連の増加区間として位置付けられる。
(A)RT0状態は、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が少なくとも(B)(C)RT1状態よりも低く、(B)RT1状態非フラグ間、(D)RT2状態BBフラグ間、及び(F)MB状態に移行可能な遊技状態である。なお、BB、MB、押し順小役、ベルこぼし目などについては、遊技性(遊技仕様)の他の例(その3)(変形例を含む)などにおいて説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。もっとも、本例では、MBは、いずれかの小役又はリプレイ役(例えば、上述のレア役)と重複当籤し、単独で当籤しないようにし、MBに当籤した遊技ではMBに係る図柄の組合せが表示されることがなく、MBフラグ間において内部抽籤結果が「ハズレ」となった遊技においては、押し順や停止操作のタイミング(すなわち、停止操作の態様)にかかわらず、必ずMBに係る図柄の組合せが表示されるように構成されるが、遊技性(遊技仕様)の他の例(その3)の変形例で説明したのと同様に、遊技者の停止操作の態様などに応じて、MBに当籤した遊技でMBに係る図柄の組合せが表示される場合があるように構成することもできる。
(A)RT0状態において、有利区間に制御されていない場合には、(A−1)通常(非有利区間)となって遊技価値が減少する減少期間となり、有利区間に制御されている場合には、(A−2)有利区間となって遊技価値が増加する増加期間となる。なお、有利区間に制御されうる特定の報知条件は、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の条件を採用することができる。
(A)RT0状態において、(1)BBに当籤した場合、BB許可状態としての(D)RT2状態BBフラグ間に移行する。また、(A)RT0状態において、MBに当籤した場合、MB許可状態としてのMBフラグ間に移行するが、RT状態は変動しない。また、(A)RT0状態のMBフラグ間では、ベルこぼし目が有効ライン上に停止表示されても(C)RT1状態MBフラグ間には移行しない。また、(A)RT0状態では、「ハズレ」確率が少なくとも(B)(C)RT1状態よりも高く(例えば、「1/6」に)設定されているため、MBに係る図柄の組合せが表示されて、(4)MB開始条件が成立することが容易となっている。また、(A)RT0状態において、(D)RT2状態BBフラグ間に移行する前、あるいはMBフラグ間となる前に(すなわち、非フラグ間である場合に)、(5)ベルこぼし目が有効ライン上に停止表示されると、(C)RT1状態非フラグ間に移行する。
(B)RT1状態非フラグ間は、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が少なくとも(A)RT0状態よりも高く、(A)RT0状態、(C)RT1状態MBフラグ間、及び(D)RT2状態BBフラグ間に移行可能な遊技状態である。(B)RT1状態非フラグ間において、有利区間に制御されていない場合には、(B−1)通常(非有利区間)となって遊技価値が減少する減少期間となり、有利区間に制御されている場合には、(B−2)有利区間となって遊技価値が増加する増加期間となる。なお、有利区間に制御されうる特定の報知条件は、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の条件を採用することができる。
(B)RT1状態非フラグ間において、(1)BBに当籤した場合、BB許可状態としての(D)RT2状態BBフラグ間に移行する。また、(B)RT1状態非フラグ間において、(6)MBに当籤した場合、MB許可状態としての(C)RT1状態MBフラグ間に移行する(RT状態は変動しない)。なお、本例では、MBに当籤した遊技ではMBに係る図柄の組合せが表示されることがないように構成しているため、(B)RT1状態非フラグ間から(F)MB状態に移行しないものとなっているが、上述のように、(B)RT1状態非フラグ間から(F)MB状態に移行する場合があるように構成することもできる。なお、(B)RT1状態非フラグ間と(C)RT1状態MBフラグ間とは、基本的に同じRT状態(RT1状態)であり、(B)(C)いずれのRT1状態であっても、(9)RT1状態中の遊技数が規定ゲーム数(例えば、1500ゲーム)となった場合(すなわち、1500ゲームを消化した場合)、(A)RT0状態に移行する。このとき、(B)RT1状態非フラグ間であれば(A)RT0状態の非フラグ間に移行し、(C)RT1状態MBフラグ間であれば(A)RT0状態のMBフラグ間に移行する。
(C)RT1状態MBフラグ間は、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が少なくとも(A)RT0状態よりも高く、(A)RT0状態、及び(F)MB状態に移行可能な遊技状態である。(C)RT1状態MBフラグ間において、有利区間に制御されていない場合には、(C−1)通常(非有利区間)となって遊技価値が減少する減少期間となり、有利区間に制御されている場合には、(C−2)有利区間となって遊技価値が増加する増加期間となる。なお、有利区間に制御されうる特定の報知条件は、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の条件を採用することができる。
(C)RT1状態MBフラグ間では、「ハズレ」確率が少なくとも(A)RT0状態よりも極めて低く(例えば、「1/8192」に)設定されているため、MBに係る図柄の組合せが表示されて、(7)MB開始条件が成立することが困難となっている。なお、(C)RT1状態MBフラグ間は、MB許可状態であることから、新たにMBに当籤したり、BBに当籤したりする場合はない。
(D)RT2状態BBフラグ間は、再遊技(リプレイ)役の当籤確率が少なくとも(B)(C)RT1状態よりも低く、(E)BB状態に移行可能な遊技状態である。(D)RT2状態BBフラグ間において、BBに係る図柄の組合せが表示されると、(2)BB開始条件が成立し、(E)BB状態に移行する。また、(D)RT2状態BBフラグ間では、「ハズレ」確率が少なくとも(B)(C)RT1状態よりも高く(例えば、「1/12」に)設定されているため、BBに係る図柄の組合せが表示されて、(2)BB開始条件が成立することが容易となっている。なお、(C)RT2状態BBフラグ間は、BB許可状態であることから、新たにBBに当籤したり、MBに当籤したりする場合はない。
(E)BB状態は、例えば、上述した「特殊ボーナス状態」で構成され、遊技価値が増加する増加期間となる遊技状態である。(E)BB状態において、規定数(例えば、140枚超)の遊技価値が付与されると、遊技価値の付与上限となり、(3)BB終了条件が成立し、(B)BB状態から(A)RT0状態に移行する。
(F)MB状態は、通常のボーナス状態として構成され、遊技価値が増加する増加期間となる遊技状態である。なお、遊技性(遊技仕様)の他の例(その3)の変形例で説明したのと同様に、無増減期間として構成することもできる。(F)MB状態において、規定数(例えば、13枚超)の遊技価値が付与されると、遊技価値の付与上限となり、(8)MB終了条件が成立し、(A)RT0状態から移行していた場合には(F)MB状態から(A)RT0状態に移行し、(C)RT1状態MBフラグ間から移行していた場合には(F)MB状態から(B)RT1状態非フラグ間に移行する。
すなわち、(F)MB状態は、その作動あるいは終了によってRT状態が変動しない(より詳細には、(B)(C)RT1状態が、(F)MB状態を貫通して作動する)ものとなっている。ここで、(B)(C)RT1状態は、開始されてから規定ゲーム数(例えば、1500ゲーム)の間は終了しないものとなっている。したがって、(F)MB状態の作動あるいは終了は、この規定ゲーム数にも影響を与えないものとなっている。もっとも、(F)MB状態中の期間は、その規定ゲーム数の計数対象として算入されてもよいし、その規定ゲーム数の計数が中断される(算入されない)ものとしてもよい。
なお、(F)MB状態と(B)(C)RT1状態の間の移行制御は、上述したものに限られない。例えば、(F)MB状態が終了した場合、それが(C)RT1状態MBフラグ間から移行していたものであっても、(A)RT0状態に移行させるようにしてもよい。すなわち、MB状態が作動したこと、あるいは終了したことを契機として、RT1状態を終了させるようにしてもよい。本例では、(C)RT1状態MBフラグ間に移行した場合、規定ゲーム数を消化して(A)RT0状態のMBフラグ間に移行させ、(F)MB状態を作動させて(A)RT0状態の非フラグ間に移行させるか、あるいは(F)MB状態を作動させて(B)RT1状態非フラグ間に移行させ、そこでBBを当籤させなければ、一連の増加区間には移行しないものなっているため、(F)MB状態が終了した場合に(A)RT0状態の非フラグ間に移行させるようにすれば、一連の増加区間に移行する頻度を高めることができる。これは、意図する出玉率やその内容などに応じて適宜選択されるものとすればよい。
本例の遊技機によれば、特別役(BB)に当籤した場合には特別許可状態(BB許可状態)となって第2特定遊技状態((D)RT2状態)に移行し、特別図柄の組合せ(BBに係る図柄の組合せ)を表示させて特別遊技状態((E)BB状態)に移行させることを困難としない一方、特殊役(MB)に当籤した場合には特殊許可状態(MB許可状態)となるが遊技状態は移行せず、第1特定遊技状態((C)RT1状態MBフラグ間)であれば、当該第1特定遊技状態が終了するまで特殊図柄の組合せ(MBに係る図柄の組合せ)を表示させて特殊遊技状態((F)MB状態)に移行させることを困難とし、その結果として通常遊技状態((A)RT0状態)に移行させることを困難とする。また、第1特定遊技状態には、特別許可状態及び特殊許可状態でない通常遊技状態において特定役(押し順小役)に当籤した場合に、特定の態様(押し順正解となる態様)で停止操作が行われずに特定図柄の組合せ(ベルこぼし目)が表示されたことに基づいて移行する。そして、特定の報知条件が成立した場合、通常遊技状態及び第1特定遊技状態における特定期間(有利区間)では、特定役に当籤したときに特定の態様に関する操作情報が報知され、報知にしたがって停止操作が行われれば、特定図柄の組合せは表示されず、特定数(例えば、9枚)の遊技価値が付与される。
ここで、本例の遊技機によれば、通常遊技状態において、特定役に当籤したときに特定図柄の組合せが表示されて第1特定遊技状態に移行する前に、特別役又は特殊役に当籤して特別許可状態(第2特定遊技状態)又は特殊許可状態となれば、特別遊技状態又は特殊遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことができる。また、第1特定遊技状態であっても、特別役に当籤して特別許可状態(第2特定遊技状態)となれば、特別遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことができる。一方、第1特定遊技状態において、特殊役に当籤して特殊許可状態となると、特殊遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことが困難となる。
また、本例の遊技機によれば、特別役(BB)に当籤した場合には特別許可状態(BB許可状態)となって第2特定遊技状態((D)RT2状態)に移行し、特別図柄の組合せ(BBに係る図柄の組合せ)を表示させて特別遊技状態((E)BB状態)に移行させることを困難としない一方、特殊役(MB)に当籤した場合には特殊許可状態(MB許可状態)となるが遊技状態は移行せず、第1特定遊技状態((C)RT1状態MBフラグ間)であれば、規定数(例えば、1500ゲーム)の遊技が行われて当該第1特定遊技状態が終了するまで特殊図柄の組合せ(MBに係る図柄の組合せ)を表示させて特殊遊技状態((F)MB状態)に移行させることを困難とし、その結果として通常遊技状態((A)RT0状態)に移行させることを困難とする。また、第1特定遊技状態には、特別許可状態及び特殊許可状態でない通常遊技状態において特定役(押し順小役)に当籤した場合に、特定の態様(押し順正解となる態様)で停止操作が行われずに特定図柄の組合せ(ベルこぼし目)が表示されたことに基づいて移行する。そして、特定の報知条件が成立した場合、通常遊技状態及び第1特定遊技状態における特定期間(有利区間)では、特定役に当籤したときに特定の態様に関する操作情報が報知され、報知にしたがって停止操作が行われれば、特定図柄の組合せは表示されず、特定数(例えば、9枚)の遊技価値が付与される。
ここで、本例の遊技機によれば、通常遊技状態において、特定役に当籤したときに特定図柄の組合せが表示されて第1特定遊技状態に移行する前に、特別役又は特殊役に当籤して特別許可状態(第2特定遊技状態)又は特殊許可状態となれば、特別遊技状態又は特殊遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことができる。また、第1特定遊技状態であっても、特別役に当籤して特別許可状態(第2特定遊技状態)となれば、特別遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことができる。一方、第1特定遊技状態において、特殊役に当籤して特殊許可状態となると、規定数の遊技が行われるまで特殊遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことが困難となる。
かかる遊技性の下、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、第1特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態(あるいは特殊遊技状態)への移行を繰り返す(すなわち、遊技者に有利な遊技期間を継続させる)ことが可能となるのみならず、特定役に当籤したときに付与される遊技価値も増加することになる。また、第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、例えば、特殊許可状態であれば特殊遊技状態を経由して通常遊技状態に移行させることは困難であるものの、特定役に当籤したときに付与される遊技価値は増加することになる。また、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となっていない場合であっても、第1特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態(あるいは特殊遊技状態)への移行を繰り返すことができる場合もある。
すなわち、本例の遊技機によれば、通常遊技状態若しくは第1特定遊技状態であるか、通常遊技状態において特別役、特殊役若しくは特定役がどのような順番で当籤するか、第1特定遊技状態において特別役若しくは特殊役がどのような順番で当籤するか、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、又は第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、などに応じて遊技者の有利度合いを多彩に変動させることが可能となる。それゆえ、遊技意欲や興趣を向上させることができる。
なお、本例の遊技機において、少なくとも第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される期間は、遊技価値が増加する増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、第1特定遊技状態であっても遊技価値が増加する場合があることから、通常遊技状態に移行することが困難な特定遊技状態中であっても、遊技の興趣を維持させることができる。
[遊技性(遊技仕様)の他の例(その5)]
続いて、図97を参照して、本実施形態に係るパチスロ1において実装可能な遊技性(遊技仕様)の他の例(その5)について説明する。図97は、遊技性(遊技仕様)の他の例(その5)における遊技の流れを概念的に説明する図である。
図97に示すように、本例では、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)、(B)BB1状態、(C)BB1フラグ間、(D)BB2状態、(E)BB2フラグ間、(F)BB3状態、及び(G)BB3フラグ間の遊技状態がある。本例は、一般遊技状態(通常遊技状態)で当籤したボーナス役の種別、及びボーナス役に当籤した遊技で対応する図柄の組合せが表示されたか否かで遊技性を異ならせようとするものである。
BB1に係る図柄の組合せは、例えば本実施形態の「C_赤同色BB」(図20参照)と同様に構成される。BB2に係る図柄の組合せは、例えば本実施形態の「C_青同色BB」(図20参照)と同様に構成される。BB3に係る図柄の組合せは、例えば「BAR−BAR−BAR」(図15参照)として構成される。このとき、「赤7」図柄、「青7」図柄、及び「BAR」図柄が、少なくとも一のリール(全てのリールであってもよい)において等間隔(あるいは略等間隔)に配置され、当該リールに対して停止操作を行う場合には、「赤7」図柄が表示されるタイミングと、「青7」図柄が表示されるタイミングと、「BAR」図柄が表示されているタイミングと、が重複しないように構成する。すなわち、「赤7」図柄を狙って目押しした場合には、「青7」及び「BAR」図柄が表示される場合がなく、「青7」図柄を狙って目押しした場合には、「赤7」及び「BAR」図柄が表示される場合がなく、「BAR」図柄を狙って目押しした場合には、「赤7」及び「青7」図柄が表示される場合がないように構成する。なお、BB3に係る図柄の組合せは、例えば本実施形態の「C_赤異色BB」若しくは「C_青異色BB」(図20参照)と同様に構成されるようにしてもよい。
(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)において、例えばボーナス役(BB1〜BB3のいずれか)を所定確率(例えば、合算で1/45)で当籤可能とした場合、当籤したボーナス役がBB1である確率は「45%」(当籤確率としては「1/100」)であり、当籤したボーナス役がBB2である確率は「45%」(当籤確率としては「1/100」)であり、当籤したボーナス役がBB3である確率は「10%」(当籤確率としては「1/450」)である。なお、このボーナス当籤比率は、一例を示したものであり、BB1〜BB3を同じ当籤確率(当籤比率)で当籤させてもよいし、上記とは異なる比率で当籤させてもよい。また、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)において、BB1、BB2、及びBB3は、他のリプレイ役や小役と重複として当籤せず、それぞれ単独で当籤するように構成される。なお、当籤した遊技で対応する図柄の組合せが表示可能である限り、他の小役などと重複して当籤するように構成してもよい。
(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)において、(1−1)BB1に当籤した場合、(2−1)BB2に当籤した場合、(3−1)BB3に当籤した場合、いずれの場合にも当籤した遊技でボーナス当籤報知が行われる。このボーナス当籤報知は、BB1〜BB3のいずれかが内部当籤役として決定された旨は報知可能とするが、その種別を報知可能としない所定報知として構成される。この所定報知は、例えば、「大当り!」などの文字を表示したり、WINランプを点灯させたりしてボーナス役に当籤したことは報知されるが、BB1に当籤したのか、BB2に当籤したのか、あるいはBB3に当籤したのかは感得されないものとなっている。
(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)において、(1−1)BB1に当籤した場合、遊技者が「赤7」図柄の目押しを成功し(停止操作のタイミングが適切であり)、BB1に係る図柄の組合せを有効ライン上に停止表示できた場合には、(1−2)BB1成立となり、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)から(B)BB1状態に移行する。(B)BB1状態では、他の例と同様、遊技価値が増加する増加期間となり、(B)BB1状態において、規定数(例えば、140枚超)の遊技価値が付与されると、遊技価値の付与上限となり、(1−4)BB1終了となって、(B)BB1状態から(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)に移行する。
一方、遊技者が「赤7」図柄の目押しを失敗し(停止操作のタイミングが適切でなく)、BB1に係る図柄の組合せを有効ライン上に停止表示できなかった場合には、(1−3)BB1不成立となり、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)から(C)BB1フラグ間に移行する。
本例では、本実施形態や他の例と同様、押し順小役があり、これを、6択の押し順小役1〜6として説明する。通常の停止制御では、押し順小役1は、左中右が押し順正解で停止操作のタイミングにかかわらず9枚払出、その他の押し順が押し順不正解で、停止操作のタイミングが適切なら1枚払出、適切でなければ取りこぼし(払出なし)、押し順小役2は、左右中が押し順正解で停止操作のタイミングにかかわらず9枚払出、その他の押し順が押し順不正解で、停止操作のタイミングが適切なら1枚払出、適切でなければ取りこぼし(払出なし)、押し順小役3は、中左右が押し順正解で停止操作のタイミングにかかわらず9枚払出、その他の押し順が押し順不正解で、停止操作のタイミングが適切なら1枚払出、適切でなければ取りこぼし(払出なし)、押し順小役4は、中右左が押し順正解で停止操作のタイミングにかかわらず9枚払出、その他の押し順が押し順不正解で、停止操作のタイミングが適切なら1枚払出、適切でなければ取りこぼし(払出なし)、押し順小役5は、右左中が押し順正解で停止操作のタイミングにかかわらず9枚払出、その他の押し順が押し順不正解で、停止操作のタイミングが適切なら1枚払出、適切でなければ取りこぼし(払出なし)、押し順小役6は、右中左が押し順正解で停止操作のタイミングにかかわらず9枚払出、その他の押し順が押し順不正解で、停止操作のタイミングが適切なら1枚払出、適切でなければ取りこぼし(払出なし)となる。
(C)BB1フラグ間では、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)よりも再遊技(リプレイ)役の当籤確率が高く、「ハズレ」確率が例えば「1/4000」程度に設定される。他の例で説明したのと同様、本例でも(C)BB1フラグ間においては「ハズレ」となった遊技でのみBB1に係る図柄の組合せが表示可能となる。「ハズレ」となった遊技でBB1に係る図柄の組合せを表示させることができれば、(1−2)BB1成立となり、(C)BB1フラグ間から(B)BB1状態に移行する。また、(C)BB1フラグ間では、当籤していたボーナス役がBB1であったこと(すなわち、ボーナス役の種別)が報知されるボーナス種別報知が行われる。このボーナス種別報知は、BB1フラグ間において、BB1に当籤していること(BB1に係る図柄の組合せの表示が許可されていること)を報知する特定報知として構成される。この特定報知は、例えば、「赤7内部当たり中」など文字を表示したり、「赤7」に対応するランプを点灯させたりしてBB1に当籤していることが感得されうるものとなっている。なお、この特定報知は、(C)BB1フラグ間である間は常に行われるようにすることもできるし、(C)BB1フラグ間においてBB1に係る図柄の組合せが表示可能となった遊技で行われるようにすることもできる。
また、(C)BB1フラグ間では、押し順小役1〜6について、停止制御が変更される。具体的には、押し順小役1、押し順小役3、押し順小役5に当籤した場合には、押し順や停止操作のタイミングにかかわらず(これらの要因を不問として)9枚払出となり、押し順小役2、押し順小役4、押し順小役6に当籤した場合には、押し順や停止操作のタイミングにかかわらず(これらの要因を不問として)1枚払出となるように停止制御が変更される。ここで、押し順小役1〜6についてはそれぞれ同じ当籤確率となっていることから、押し順の報知が行われないことを前提とすれば、通常の停止制御が行われる(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)や後述の(G)BB3フラグ間よりも当該(C)BB1フラグ間のほうが遊技者に対する還元率が高く構成される。なお、(C)BB1フラグ間は、減少期間(ただし、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)や後述の(G−1)非有利区間からみると減少率が低い)として構成してもよいし、増加期間(ただし、後述の(G−2)有利区間からみると増加率が低い)として構成してもよい。また、付与期待値上は、無増減期間として構成してもよい。また、付与期待値にはほとんど影響を与えないが、(C)BB1フラグ間においても、特定の報知条件にしたがって、例えば(C−1)非有利区間と(C−2)有利区間との間で移行制御が行われるようにしてもよい。
(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)において、(2−1)BB2に当籤した場合、遊技者が「青7」図柄の目押しを成功し(停止操作のタイミングが適切であり)、BB2に係る図柄の組合せを有効ライン上に停止表示できた場合には、(2−2)BB2成立となり、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)から(D)BB2状態に移行する。(D)BB2状態では、他の例と同様、遊技価値が増加する増加期間となり、(D)BB2状態において、規定数(例えば、140枚超)の遊技価値が付与されると、遊技価値の付与上限となり、(2−4)BB2終了となって、(D)BB2状態から(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)に移行する。
一方、遊技者が「青7」図柄の目押しを失敗し(停止操作のタイミングが適切でなく)、BB2に係る図柄の組合せを有効ライン上に停止表示できなかった場合には、(2−3)BB2不成立となり、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)から(E)BB2フラグ間に移行する。なお、(E)BB2フラグ間は、BB1をBB2と置き換え、「赤7」を「青7」と置き換えれば、基本的に(C)BB1フラグ間と同様となるため、ここでの説明は省略する。また、ボーナス種別報知なども同様である。
(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)において、(3−1)BB3に当籤した場合、遊技者が「BAR」図柄の目押しを成功し(停止操作のタイミングが適切であり)、BB3に係る図柄の組合せを有効ライン上に停止表示できた場合には、(3−2)BB3成立となり、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)から(F)BB3状態に移行する。(F)BB3状態では、他の例と同様、遊技価値が増加する増加期間となり、(F)BB3状態において、規定数(例えば、140枚超)の遊技価値が付与されると、遊技価値の付与上限となり、(3−4)BB3終了となって、(F)BB3状態から(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)に移行する。なお、(F)BB3状態を、減少期間や無増減期間として構成することもできる。
一方、遊技者が「BAR」図柄の目押しを失敗し(停止操作のタイミングが適切でなく)、BB3に係る図柄の組合せを有効ライン上に停止表示できなかった場合には、(3−3)BB3不成立となり、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)から(G)BB3フラグ間に移行する。
(G)BB3フラグ間では、(C)BB1フラグ間及び(E)BB2フラグ間よりも再遊技(リプレイ)役の当籤確率が高く、「ハズレ」確率が例えば「1/65536」程度やあるいは「0」に設定される。すなわち、(G)BB3フラグ間では、BB3に係る図柄の組合せが表示される確率が極めて低いか、あるいはBB3に係る図柄の組合せが表示されないように構成される。なお、「ハズレ」確率の設定はこれに限られず、(C)BB1フラグ間及び(E)BB2フラグ間と同程度に設定してもよいし、これらよりも高い確率に設定してもよい。これは、意図する出玉率やその内容などに応じて適宜選択されるものとすればよい。(G)BB3フラグ間においても同様、「ハズレ」となった遊技でのみBB3に係る図柄の組合せが表示可能となる。「ハズレ」となった遊技でBB3に係る図柄の組合せを表示させることができれば、(3−2)BB3成立となり、(G)BB3フラグ間から(F)BB3状態に移行する。なお、ボーナス種別報知は、「赤7」を「BAR」と置き換えれば、基本的に(C)BB1フラグ間と同様となるため、ここでの説明は省略する。
また、(G)BB3フラグ間では、押し順小役1〜6について、停止制御が変更されず、通常の停止制御となる。したがって、押し順の報知が行われないことを前提とすれば、(C)BB1フラグ間及び(E)BB2フラグ間のほうが遊技者に対する還元率が高くなるが、(G)BB3フラグ間では、有利区間に制御されていない場合には、(G−1)非有利区間となって遊技価値が減少する減少期間となるものの、有利区間に制御されている場合には、(G−2)有利区間となって遊技価値が増加する増加期間となり、(G−2)有利区間では、少なくとも押し順小役1〜6の当籤時に正解となる押し順が報知される結果、(C)BB1フラグ間及び(E)BB2フラグ間よりも遊技者に対する還元率が高く(付与期待値が高く)構成される。なお、有利区間に制御されうる特定の報知条件は、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の条件を採用することができる。
すなわち、(1−1)BB1に当籤し、(1−2)BB1成立の場合には、(B)BB1状態となって遊技価値が増加し、(1−3)BB1不成立の場合には、(C)BB1フラグ間となって、遊技価値が緩やかに増加し、あるいは緩やかに減少する。(C)BB1フラグ間は、(1−2)BB1が成立するまで継続するように構成される。また、(2−1)BB2に当籤し、(2−2)BB2成立の場合には、(D)BB2状態となって遊技価値が増加し、(2−3)BB2不成立の場合には、(E)BB2フラグ間となって、遊技価値が緩やかに増加し、あるいは緩やかに減少する。(E)BB2フラグ間は、(2−2)BB2が成立するまで継続するように構成される。
また、(3−1)BB3に当籤し、(3−2)BB3成立の場合には、(F)BB3状態となって遊技価値が増加し、(3−3)BB3不成立の場合には、(G)BB3フラグ間となって、(G−1)非有利区間であれば遊技価値が急激に減少する一方で、(G−2)有利区間であれば遊技価値が急激に増加する。(G)BB3フラグ間は、極めて低い確率で(3−2)BB3が成立するまで継続するか、あるいは一旦移行すると基本的には終了しないように構成される。なお、BB1及びBB2のほうがBB3よりも当籤確率が高いため、射幸性を抑制できる期間を十分に確保できる。また、通常は、遊技店に設置された当初は前者の遊技性が提供され、それからしばらく経過したときに後者の遊技性が提供される可能性が高い。もっとも、以下に示すような初期化操作によって遊技性を変動可能とすることが担保されるようにすることもできる。
例えば、(C)BB1フラグ間、(E)BB2フラグ間、又は(G)BB3フラグ間にあるとき、設定変更操作(遊技状態を初期化するための初期化操作)が行われると、持越役としてのBB1、BB2、又はBB3がクリアされることで、(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)に移行する。すなわち、(G)BB3フラグ間を終了しないように構成する場合、設定変更操作が行われたことに基づいて、持越役としてのBB3がクリアされることで(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)に移行するようにしてもよい。もっとも、設定変更操作が行われると、(C)BB1フラグ間又は(E)BB2フラグ間であれば、持越役としてのBB1又はBB2がクリアされることで(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)に移行するが、(G)BB3フラグ間であれば、持越役としてのBB3がクリアされず(A)一般遊技状態(非ボーナス状態)に移行しないようにしてもよい。また、設定変更操作が行われても、持越役としてのBB1、BB2又はBB3のいずれもがクリアされないように構成することもできる。
本例の遊技機によれば、第1特別役(BB1)又は第2特別役(BB3)に当籤した場合、当該遊技か、あるいは当籤後の第1特別許可状態(BB1フラグ間)又は第2特別許可状態(BB3フラグ間)において他の内部当籤役が決定されなかった(いわゆる、ハズレとなった)遊技でなければ第1特別図柄の組合せ(BB1に係る図柄の組合せ)又は第2特別図柄の組合せ(BB3に係る図柄の組合せ)を表示できない。また、第1特別許可状態では、第1所定役(押し順小役1,3,5)に当籤した場合、押し順不問で所定数(例えば、9枚)の遊技価値が付与され、第2所定役(押し順小役2,4,6)に当籤した場合、押し順不問で所定数の遊技価値が付与されない。一方、第2特別許可状態では、第1所定役又は第2所定役に当籤した場合に、押し順正解であれば所定数の遊技価値が付与され、押し順不正解であれば所定数の遊技価値は付与されない。そして、少なくとも第2特別許可状態の特定期間では、遊技者の停止操作の情報が報知される有利状態((G−2)有利区間)に制御されることが可能である。
すなわち、第1特別役に当籤し、当該遊技で第1特別図柄の組合せが表示されなかった場合には、その後第1特別許可状態が終了するまで第1所定役及び第2所定役は押し順によって利益が変動しないものとなり、遊技者は一定の利益を受けることができる反面、その利益が飛躍的に増加することもないため、たとえ有利状態となったとしてもその遊技価値の増加量を示す傾斜値は相対的に低いものとなる。一方、第2特別役に当籤し、当該遊技で第2特別図柄の組合せが表示されなかった場合には、その後第2特別許可状態が終了するまで第1所定役及び第2所定役は押し順によって利益が変動するものとなり、遊技者は第1特別許可状態よりも不利益を被る可能性がある反面、有利状態となればその利益が飛躍的に増加するようになるため、有利状態における遊技価値の増加量を示す傾斜値は相対的に高いものとなる。それゆえ、有利状態中の遊技価値の増加量を示す傾斜値を変動可能とすることで、遊技性を変化に富んだものとすることができる。
なお、本例の遊技機において、第1特別役の当籤確率を第2特別役の当籤確率よりも高くするとともに、第1特別許可状態において第1特別図柄の組合せが表示可能な確率を第2特別許可状態において第2特別図柄の組合せが表示可能な確率よりも高くするようにしてもよい。すなわち、第1特別許可状態を、第2特別許可状態よりも移行しやすく終了しやすい状態とし、第2特別許可状態を、第1特別許可状態よりも移行しにくく終了しにくい状態としてもよい。このようにすれば、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
また、本例の遊技機において、第1特別役に係る第1特別図柄の組合せと第2特別役に係る第2特別図柄の組合せは、遊技者が目押しをする場合に、同時には狙えない間隔で配置されるように構成してもよい。このようにすれば、遊技性をさらに変化に富んだものとすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本例の遊技機において、第1特別役又は第2特別役に当籤した場合には、いずれかに当籤した旨は報知するが、その種別までは報知せず(ボーナス当籤報知)、第1特別許可状態及び第2特別許可状態においては、その種別が報知される(ボーナス種別報知)ようにしてもよい。このようにすれば、遊技性をさらに変化に富んだものとしつつ、遊技者の所望する情報を報知することができる。
[遊技性(遊技仕様)の他の例(その6)]
続いて、図98及び図99を参照して、本実施形態に係るパチスロ1において実装可能な遊技性(遊技仕様)の他の例(その6)について説明する。図98は、遊技性(遊技仕様)の他の例(その6)における遊技の流れを概念的に説明する図であり、図99は、遊技性(遊技仕様)の他の例(その6)において用いられる内部抽籤テーブルの一例を示した図である。
図98及び図99に示すように、本例では、大別して、一般遊技状態(通常遊技状態)、及びBB状態の遊技状態があり、一般遊技状態(通常遊技状態)において、BB1及びBB2のいずれのボーナス役にも当籤していない状態を(A)一般遊技状態(非フラグ間)と定義し、BB1に当籤している状態(BB1が持ち越されているBB1許可状態)であって、3枚のメダルがベットされて(掛けられて)遊技が行われる状態を(B)BB1フラグ間3枚ベット状態と定義し、BB2に当籤している状態(BB2が持ち越されているBB2許可状態)であって、3枚のメダルがベットされて遊技が行われる状態を(C)BB2フラグ間3枚ベット状態と定義し、BB1許可状態であって、2枚のメダルがベットされて遊技が行われる状態を(D)BB1フラグ間2枚ベット状態と定義し、BB2許可状態であって、2枚のメダルがベットされて遊技が行われる状態を(E)BB2フラグ間2枚ベット状態と定義する。また、BB1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されて開始されるボーナス状態を(F)BB1状態と定義し、BB2に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されて開始されるボーナス状態を(G)BB2状態と定義する。すなわち、一般遊技状態(通常遊技状態)で当籤する(当籤した)ボーナス役の種別、及びベット枚数(遊技価値の掛け数)に応じて遊技性を異ならせようとするものである。
なお、図99に示す内部抽籤テーブルでは、説明の便宜上、(A)一般遊技状態(非フラグ間)の3枚ベット状態において用いられる各抽籤値(「非フラグ間3枚ベット」の列参照)、(A)一般遊技状態(非フラグ間)の2枚ベット状態において用いられる各抽籤値(「非フラグ間2枚ベット」の列参照)、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態及び(C)BB2フラグ間3枚ベット状態において用いられる各抽籤値(「フラグ間3枚ベット」の列参照)、及び(D)BB1フラグ間2枚ベット状態及び(E)BB2フラグ間2枚ベット状態において用いられる各抽籤値(「フラグ間2枚ベット」の列参照)を各列に表記しているが、これは遊技状態(RT状態)が異なることを意味するものではない。すなわち、RT状態としては共通のRT状態として制御することが可能である。もっとも、別のRT状態として制御することもできる。また、少なくとも後述の有利区間付与決定の対象となる内部当籤役ついては、各設定値間で共通の抽籤値となっているものとする。
(A)一般遊技状態(非フラグ間)において、3枚ベットのとき、BB1の当籤を可能とし、BB2の当籤を可能としない(図99の「非フラグ間3枚ベット」の列参照)。一方、2ベットのとき、BB2の当籤を可能とし、BB1の当籤を可能としない(図99の「非フラグ間2枚ベット」の列参照)ように構成される。なお、本例では、遊技者は2枚のメダルをベットした場合、及び3枚のメダルをベットした場合のいずれの場合にも遊技を開始させること(開始操作を行うこと)が可能となっている。また、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口14に対して投入すること、遊技者がベットボタンを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられること、のいずれをも含む。
(A)一般遊技状態(非フラグ間)において、3枚ベットのとき、BB1に当籤した場合(当籤した遊技でBB1に係る図柄の組合せが表示されずに持ち越された場合であってもよい)には、BB1フラグ間に移行する。(1−1)BB1フラグ間において3枚ベットで遊技が行われるとき、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態となる(図99の「フラグ間3枚ベット」の列参照)。一方、(2)BB1フラグ間において2枚ベットで遊技が行われるとき、(D)BB1フラグ間2枚ベット状態となる(図99の「フラグ間2枚ベット」の列参照)。
(B)BB1フラグ間3枚ベット状態では、他の例ですでに説明したのと同様、「ハズレ」となった遊技でBB1に係る図柄の組合せが表示可能となっている(BB1成立可)。なお、「ハズレ」確率が適宜設定可能であるが、例えば、「1/8.5」程度に設定されるものとする。また、当該状態は、BB1許可状態であり、BB1が新たに当籤したり、BB2に当籤したりすることはない(BB1・BB2当籤不可)。また、押し順ベルA(図99のNo.「20」〜「31」の内部当籤役を参照)に当籤したとき、押し順正解(それぞれ「略称」で表示された押し順)であれば9枚払出となり、押し順不正解であって停止操作のタイミングが適切であれば(「○」)1枚払出となり、押し順不正解であって停止操作のタイミングが適切でなければ(「×」)0枚払出となる。また、押し順ベルB(図99のNo.「21」〜「43」の内部当籤役を参照)に当籤したとき、押し順や停止操作のタイミングにかかわらず9枚払出となる。すなわち、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態は、押し順ベルBの押し順が不問となる分、有利区間を考慮しなければ、(A)一般遊技状態(非フラグ間)の3枚ベット状態や(C)BB2フラグ間3枚ベット状態よりも還元率が高く、遊技者に有利な状態となる。
また、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態では、チャンス目(図99のNo.「7」〜「16」の内部当籤役を参照)に当籤したとき(あるいは、チャンス目係る図柄の組合せが表示されたときであってもよい)、強ベル(図99のNo.「17」及び「18」の内部当籤役を参照)に当籤したとき、確定役(図99のNo.「19」の内部当籤役を参照)に当籤したとき、チェリー(図99のNo.「44」の内部当籤役を参照)に当籤したとき、及びスイカ(図99のNo.「45」の内部当籤役を参照)に当籤したときには、それぞれ内部当籤役に応じた確率(確定役については100%の確率)で、有利区間付与決定(有利区間付与抽籤)が行われる。有利区間付与決定の結果、付与されることが決定されると、例えば、1セット50ゲームの有利区間が付与される(すでに有利区間中であれば、1セット50ゲーム分延長される)。なお、有利区間付与の態様は一例であり、本実施形態や本例以外の遊技性(遊技仕様)の他の例で説明した種々の態様を採用することができる。
また、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態において、BB1に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されると、(1−2)BB1成立となり、(F)BB1状態に移行する。(F)BB1状態は、例えば、「特殊ボーナス状態」として構成され、遊技価値が増加する増加期間となる遊技状態であり、他の例ですでに説明したのと同様、任意の規定数(例えば、140枚)の遊技価値が付与されると、(1−3)BB1終了となり、(F)BB1状態から(A)一般遊技状態(非フラグ間)に移行する。
(D)BB1フラグ間2枚ベット状態では、BB1フラグ間ではあるものの、BB1が当籤した遊技とはベット数が異なるため、たとえ「ハズレ」となった遊技であってもBB1に係る図柄の組合せは表示不可能となっている(BB1成立不可)。また、当該状態は、BB1許可状態であり、BB1が新たに当籤したり、BB2に当籤したりすることはない(BB1・BB2当籤不可)。すなわち、当該状態は、ボーナス役に当籤することも入賞することもない遊技状態として構成される。もっとも、BB1フラグ間であることに鑑み、「ハズレ」となった遊技においてはBB1に係る図柄の組合せが表示可能となるように構成することもできる。
また、(D)BB1フラグ間2枚ベット状態では、押し順ベルA及び押し順ベルBのいずれかに当籤したとき、押し順正解であれば2枚払出となり、押し順不正解であって停止操作のタイミングが適切であれば1枚払出となり、押し順不正解であって停止操作のタイミングが適切でなければ0枚払出となる。もっとも、押し順ベルA及び押し順ベルBのいずれか、あるいは双方について、押し順不問で2枚払出となるように構成することもできるし、付与期待値が(B)BB1フラグ間3枚ベット状態と同様となるように適宜抽籤値を減らした上で、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態と同様の払出が行われるようにすることもできる。なお、(D)BB1フラグ間2枚ベット状態では、上述した有利区間付与決定は行われない。
(A)一般遊技状態(非フラグ間)において、2枚ベットのとき、BB2に当籤した場合(当籤した遊技でBB2に係る図柄の組合せが表示されずに持ち越された場合であってもよい)には、BB2フラグ間に移行する。(2)BB2フラグ間において3枚ベットで遊技が行われるとき、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態となる(図99の「フラグ間3枚ベット」の列参照)。一方、(4−1)BB2フラグ間において2枚ベットで遊技が行われるとき、(E)BB2フラグ間2枚ベット状態となる(図99の「フラグ間2枚ベット」の列参照)。
(C)BB2フラグ間3枚ベット状態では、BB2フラグ間ではあるものの、BB2が当籤した遊技とはベット数が異なるため、たとえ「ハズレ」となった遊技であってもBB2に係る図柄の組合せは表示不可能となっている(BB2成立不可)。また、当該状態は、BB2許可状態であり、BB2が新たに当籤したり、BB1に当籤したりすることはない(BB1・BB2当籤不可)。すなわち、当該状態は、ボーナス役に当籤することも入賞することもない遊技状態として構成される。もっとも、BB2フラグ間であることに鑑み、「ハズレ」となった遊技においてはBB2に係る図柄の組合せが表示可能となるように構成することもできる。
また、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態では、押し順ベルA及び押し順ベルBのいずれかに当籤したとき、押し順正解であれば9枚払出となり、押し順不正解であって停止操作のタイミングが適切であれば1枚払出となり、押し順不正解であって停止操作のタイミングが適切でなければ0枚払出となる。すなわち、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態は、押し順ベルBの押し順が不問とならない分、有利区間を考慮しなければ、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態よりも還元率が低く、遊技者に不利な状態となる。
また、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態では、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態と同様、有利区間付与決定(有利区間付与抽籤)が行われる。ここで、No.「4」の「F_リプB」に着目すると、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態では、停止操作の態様にかかわらず「通常リプ」が入賞して有利区間付与決定は行われない一方、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態では、停止操作の態様にかかわらず「チャンス目」が入賞して有利区間付与決定が行われるものとなっている。すなわち、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態は、「F_リプB」の内部当籤役が「チャンス目」の内部当籤役に昇格する(変換される)ため、有利区間付与決定の機会を多く得ることができることから、有利区間を考慮すれば、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態よりも有利区間付与確率が高く、遊技者に有利な状態となる。
(E)BB2フラグ間2枚ベット状態では、他の例ですでに説明したのと同様、「ハズレ」となった遊技でBB2に係る図柄の組合せが表示可能となっている(BB2成立可)。なお、「ハズレ」確率が適宜設定可能であるが、例えば、「1/8.5」程度に設定されるものとする。また、当該状態は、BB2許可状態であり、BB2が新たに当籤したり、BB1に当籤したりすることはない(BB1・BB2当籤不可)。
また、(E)BB2フラグ間2枚ベット状態では、押し順ベルA及び押し順ベルBのいずれかに当籤したとき、押し順正解であれば2枚払出となり、押し順不正解であって停止操作のタイミングが適切であれば1枚払出となり、押し順不正解であって停止操作のタイミングが適切でなければ0枚払出となる。もっとも、押し順ベルA及び押し順ベルBのいずれか、あるいは双方について、押し順不問で2枚払出となるように構成することもできるし、付与期待値が(C)BB2フラグ間3枚ベット状態と同様となるように適宜抽籤値を減らした上で、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態と同様の払出が行われるようにすることもできる。なお、(E)BB2フラグ間2枚ベット状態では、上述した有利区間付与決定は行われない。
また、(E)BB2フラグ間2枚ベット状態において、BB2に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されると、(4−2)BB2成立となり、(G)BB2状態に移行する。(F)BB2状態は、例えば、「特殊ボーナス状態」として構成され、遊技価値が増加する増加期間となる遊技状態であり、他の例ですでに説明したのと同様、任意の規定数(例えば、60枚)の遊技価値が付与されると、(4−3)BB1終了となり、(G)BB2状態から(A)一般遊技状態(非フラグ間)に移行する。なお、(F)BB2状態を無増減期間として構成することもできる。
本例では、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態と(C)BB2フラグ間3枚ベット状態とを対比すると、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態では、押し順ベルBについての押し順が不問となり、また、(F)BB1状態への移行が可能である分、基本的には(B)BB1フラグ間3枚ベット状態のほうが、還元率(ベース値、出玉率と換言してもよい)が高くなるように構成される。一方で、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態では、有利区間付与決定の機会を多く得ることができ、また、有利区間となったときの付与期待値も高くなることから、「F_リプB」の内部当籤役の当籤確率、チャンス目入賞時の有利区間付与決定確率、及び有利区間付与決定がなされたときに付与される有利区間の継続期間などを適宜調整すれば、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態の還元率を、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態における還元率と同程度、あるいはそれ以上となるように構成することも可能となる。
また、本例では、(E)BB2フラグ間2枚ベット状態と(D)BB1フラグ間2枚ベット状態とを対比すると、(E)BB2フラグ間2枚ベット状態では、(G)BB2状態への移行が可能である分、基本的には(E)BB2フラグ間2枚ベット状態のほうが、還元率が高くなるように構成される。なお、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態と同様、(E)BB2フラグ間2枚ベット状態においても押し順ベルBについての押し順を不問とする制御が行われることで、還元率が高くなるように構成されるようにしてもよい。
遊技者が、例えば、(A)一般遊技状態(非フラグ間)から遊技を開始するとした場合、遊技者はまず3枚ベットとするか2枚ベットとするかを選択することができる。3枚ベットとしてBB1に当籤し、当籤した遊技で(F)BB1状態に移行しない場合、(D)BB1状態2枚ベット状態はメリットがないため、そのまま(B)BB1フラグ間3枚ベット状態で遊技を進行させる。(B)BB1フラグ間3枚ベット状態では、相対的に還元率が高いため、遊技者はさほど急激に遊技価値を減少させることなく、(F)BB1状態へ移行させて遊技価値を増加させるか、あるいは有利区間付与決定の機会を得て有利区間に移行させて(押し順ベルAについて正解となる押し順が報知される結果)遊技価値を増加させるかを選択することができる。なお、(B)BB1フラグ間3枚ベット状態では、(C)BB2フラグ間3枚ベット状態と比較すれば、有利区間に移行したとしてもさほど急激に遊技価値が増加するわけではない。
一方、2枚ベットとしてBB2に当籤し、当籤した遊技で(G)BB2状態に移行しない場合、遊技者は(C)BB2フラグ間3枚ベット状態で遊技を進行させるか、あるいは(E)BB2フラグ間2枚ベット状態で遊技を進行させるかを選択することができる。(C)BB2フラグ間3枚ベット状態では、相対的に還元率が低く、ボーナス状態には移行しないため、急激に遊技価値が減少してしまう可能性はあるものの、有利区間付与決定の機会を得る確率が上昇しており、さらに有利区間に移行させた場合には(押し順ベルA及び押し順ベルBについて正解となる押し順が報知される結果)急激に遊技価値を増加させることができる可能性がある。また、(E)BB2フラグ間2枚ベット状態では、小役での遊技価値の増加は見込めないものの、相対的には還元率が高く、また、(G)BB2状態へ移行させて遊技価値を増加させることができる。本例では、このような遊技性(遊技仕様)を提供することができる。
本例の遊技機によれば、ベットされた遊技価値が第1の量(3枚)である場合、第1特別役(BB1)に当籤可能とする一方、第2特別役(BB2)に当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(2枚)である場合、第2特別役に当籤可能とする一方、第1特別役に当籤可能としない。また、特定役(「F_リプB」)に当籤した場合、第1特別許可状態(BB1フラグ間)であれば特定図柄の組合せ(チャンス目)を表示可能とせず、第2特別許可状態(BB2フラグ間)であれば特定図柄の組合せを表示可能とする。そして、ベットされた遊技価値が第1の量であるとき、特定役が内部当籤役として決定された場合であって特定図柄の組合せが表示される場合には、有利状態(有利区間)を付与するか否かを決定可能とし(有利区間付与決定)、ベットされた遊技価値が第2の量であるとき、有利状態を付与するか否かを決定可能としない。
また、本例の遊技機によれば、ベットされた遊技価値が第1の量である場合、第1特別図柄の組合せ(BB1に係る図柄の組合せ)を表示可能とする一方、第2特別図柄の組合せ(BB2に係る図柄の組合せ)を表示可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量である場合、第2特別図柄の組合せを表示可能とする一方、第1特別図柄の組合せを表示可能としないようにしてもよい。
すなわち、本例の遊技機によれば、遊技が行われる状態として、例えば、第1特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態((B)BB1フラグ間3枚ベット状態)、第2特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態((C)BB2フラグ間3枚ベット状態)、第1特別許可状態であって第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態((D)BB1フラグ間2枚ベット状態)、及び第2特別許可状態であって第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態((E)BB2フラグ間2枚ベット状態)、という複数の状態を創出することができる。
そして、本例の遊技機によれば、例えば、第2特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態を有利状態の付与が優遇される状態とし、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態を有利状態の付与が行われない状態としている。すなわち、有利状態の付与に関し、いずれの量の遊技価値がベットされるか、及びいずれの特別役が当籤しているか、などによって遊技者の有利度合いを変動させることを可能としている。それゆえ、有利状態中の遊技価値の増加量を示す傾斜値を変動可能とすることで、遊技性を変化に富んだものとすることができる。
なお、本例の遊技機において、第1所定役(押し順ベルA)に当籤した場合には、いずれの状態であるかにかかわらず、例えば、押し順正解であれば所定数(例えば、9枚)の遊技価値が付与され、押し順不正解であれば所定数の遊技価値は付与されないし、第2所定役(押し順ベルB)に当籤した場合には、第1特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態にあっては、例えば、押し順不問で所定数の遊技価値が付与される一方、その他の状態にあっては、第1所定役と同様の制御が行われるようにしてもよい。このようにすれば、第1特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態を所定役当籤時において遊技価値の付与が優遇される状態とすることができるため、遊技性をより変化に富んだものとすることができる。
以上、図92〜図99を参照して、本実施形態に係るパチスロ1において実装可能な遊技性(遊技仕様)の他の例について説明したが、これらにおいては遊技性(遊技仕様)の要点を主として説明しており、これらにおいて説明が省略され、あるいは簡潔に説明されている点については、本実施形態、当該他の例のそれぞれ、及び変形例で説明した構成を適宜補って適用可能である。また、本実施形態、当該他の例のそれぞれ、及び変形例で説明した構成の一部又は全部を組み合わせて本発明とすることも可能である。
[有利区間リミッタの別例(枚数リミッタ)]
続いて、図100〜図102を参照して、有利区間のリミット処理に用いるリミッタの別例について説明する。これまで、有利区間のリミッタとして、有利区間中に消化したゲーム数を用いたリミッタ(以下、「ゲーム数リミッタ」)について説明したが、有利区間のリミッタの種類は、ゲーム数リミッタに限るものではない。具体的には、主制御基板71は、有利区間中に払い出されたメダルの枚数が所定枚数(例えば、2400枚)以上に達するとリミット処理を行うこととしてもよい。なお、このような有利区間中に払い出されたメダルの枚数を用いたリミッタを、以下では「枚数リミッタ」と呼ぶ。
図100(A)は、枚数リミッタの概要を示す図である。同図において、縦軸は差枚数(=払出枚数−投入枚数)であり、純増枚数ともいう。差枚数のプラス及びマイナスは、遊技者から見た値であり、遊技者に対して払い出されたメダルの方が投入されたメダルよりも多い場合(遊技者側のプラス)にはプラス、逆の場合にはマイナスになる。また、横軸はゲーム数であり、右に行くほど有利区間の開始から多くのゲームが消化されたことを意味する。枚数リミッタは、遊技者が一度に極端に多くのメダルを獲得しないように最もメダルが減った時点を起点して、2400枚のプラスの差枚数が得られたときに有利区間を強制的に終了させるものである。
同図では、有利区間開始後、100枚ほどメダルが減っている。これは、例えば、当該有利区間開始を上述した通常有利区間の開始としたならばその遊技期間や、あるいは上述した有利区間中の準備状態などでメダルが減ったものである。そして有利区間開始から−100枚となった時点からメダルは増加しつづけ、最終的に+2300枚ほどまでメダルが増加している。この時点で、遊技者目線では、少なくとも2400枚のメダルが手元にあることとなる。そこで、主制御基板71は、枚数リミッタを発動し、有利区間を強制的に終了させる。これにより、射幸性を適切に抑制することができる。
なお、主制御基板71は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよく、枚数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよく、ゲーム数リミッタと枚数リミッタとの双方を用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、主制御基板71は、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタ発動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。なお、本説明においては、ゲーム数リミッタを1500ゲーム、枚数リミッタを2400枚として説明したが、これは一例であり、これより少ない値又は多い値を遊技仕様に応じて採用して射幸性を適切に制御するものとしてもよい。
ここで、ゲーム数リミッタと枚数リミッタとの双方を用いる場合について説明する。より具体的には、有利区間(ART、ATなど)におけるメダル増加の傾斜値A(1ゲームあたりの純増期待値、ボーナス作動による増加を含む純増期待値)と、ゲーム数リミッタの発動条件となるゲーム数Bと、枚数リミッタの発動条件となる差枚数Cとの関係について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、有利区間におけるメダル増加の傾斜値Aが「3枚」、ゲーム数リミッタの発動条件となるゲーム数Bが「100ゲーム」であるものとする。
第1の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B=枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)=C(300枚))が考えられる。このような仕様は最も基本的な仕様であり、有利区間を安定的に制御することができ、射幸性を適切に抑制することができる。
第2の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B<枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)<C(400枚))が考えられる。このような仕様の場合、リミッタが発動するケースを考慮すると以下の通りである。
100ゲーム消化するよりも前に400枚を超えるメダルが払い出された場合に、枚数リミッタが発動し、400枚を超えるメダルが払い出されるよりも前に100ゲームを消化した場合には、ゲーム数リミッタが発動する。ボーナスを期待値よりも多く引くか、純増枚数の多い押し順役を期待値よりも極端に多く引いた場合に枚数リミッタが作動し、期待値に近い値で遊技が進行した場合は、ゲーム数リミッタが発動する可能性が高くなる。傾斜値が「3枚」であるため、結果として、リミッタが発動する場合は、100G到達によるゲーム数リミッタの方が、枚数リミッタよりも発動しやすくなり、遊技者の意識は差枚数よりもゲーム数に傾くこととなる。
すなわち、傾斜値が「3枚」であるため、平均して133.3ゲームで400枚のメダルが払い出されることになり、その前にゲーム数リミッタに到達する可能性が高い。したがって、発動のし易さは、ゲーム数リミッタ>枚数リミッタ、となる。差枚数による枚数リミッタの発動をあまり気にさせたくない場合は、このような仕様とすると良い。例えば、ARTを1セット100枚の純増で終了など終了条件(リミッタではない)を差枚数で管理とするタイプの場合はこのようなリミッタ仕様とすると、リミッタの発動頻度を抑制でき、遊技者がリミッタにより有利区間が打ち切られる頻度を低下でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
第3の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B>枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)>C(200枚))が考えられる。このような仕様の場合、リミッタが発動するケースを考慮すると以下の通りである。
100ゲーム消化するよりも前に200枚を超えるメダルが払い出された場合に、枚数リミッタが発動し、200枚を超えるメダルが払い出されるよりも前に100ゲームを消化した場合には、ゲーム数リミッタが発動する。傾斜値が「3枚」であるため、平均して66.6ゲームほどで200枚のメダルが払い出されることになり、100ゲーム消化の前に枚数リミッタに到達する可能性が高い。したがって、発動のし易さは、ゲーム数リミッタ<枚数リミッタ、となる。ゲーム数消化によるゲーム数リミッタの発動をあまり気にさせたくない場合は、このような仕様とすると良い。例えば、1ゲームあたりの純増枚数0.1〜1枚などと比較的低いが長いゲーム数継続するような仕様については、このような仕様とすると、リミッタの発動頻度を抑制でき、遊技者がリミッタにより有利区間が打ち切られる頻度を低下でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
なお、何れの仕様にしても、リミッタ到達により終了する割合よりも、リミッタ以外の有利区間の終了条件(例えば、ARTの継続可能期間(ARTゲーム数)、セット数やストックがゼロになるなど)によることにより、有利区間が終了する割合が高い出玉設計として、有利区間を消化できる権利がリミッタ発動により消去される事象の発生を抑制することが望ましい。
続いて、複数のリミッタを設ける場合に実現可能な遊技性について説明する。
(リミッタの種別に応じた有利区間終了時演出)
枚数リミッタの発動時と、ゲーム数リミッタの発動時とで、副制御基板72は、表示装置11などを用いて異なる有利区間終了時演出を実行可能としても良い。それぞれを専用の演出とした場合には、それぞれの演出を一度は見てみようという遊技動機につながる。また、副制御基板72は、リミッタの種別に応じて有利区間終了時に行う演出の振り分けを異ならせるものとしても良い。例えば、枚数リミッタだとゲーム数リミッタ発動時よりも、設定示唆の精度が高い(設定ごとの係数の差が大きい、または特定の設定が確定する演出が出やすいなど)としてもよい。設定示唆など特定の情報が得られる又は専用演出が見られることで、リミッタにより有利区間が打ち切りとなる不快感を低減できる。また、有利区間終了時に行う演出の振り分けを、上述のリミッタの仕様に基づき設定することとしてもよい。例えば、仕様上、発動し易いリミッタよりも、発動し難いリミッタが発動した場合の方が、副制御基板72は、遊技者にとって好ましい(例えば、設定示唆の精度が高い)演出を決定し易いとしてもよい。
(リミッタの種別に応じたエンディング演出)
また、副制御基板72は、枚数リミッタの発動が濃厚になった状況となった場合は、エンディング演出Aを、ゲーム数リミッタの発動が濃厚になった状況の場合は、エンディング演出Bを、どちらが発生するか割合に大きな差がないが、少なくともどちらかが発生することが濃厚になった場合には、エンディング演出C(エンディング演出A又はBへの分岐を持つ演出としてもよい)を行うなど、有利区間の終了時にいきなり打ち切りになって違和感を遊技者に与えないように、リミッタ発動前から有利区間終了示唆演出期間(エンディング)を設けることとしてもよい。なお、「枚数リミッタの発動が濃厚になった状況」とは、例えば、ARTを差枚数以外の情報に基づき管理する場合には、これまでの差枚数と、残りのART期間から算出される差枚数(例えば、ゲーム数管理のARTの場合には「残りゲーム数×傾斜値」)との和が、閾値(例えば、枚数リミッタが発動する差枚数や、当該差枚数よりも若干少ない値)に達したときであり、また、例えば、ARTを差枚数に基づき管理する場合は、これまでの差枚数と、残り枚数との和が、閾値に達したときである。また、「ゲーム数リミッタの発動が濃厚になった状況」とは、例えば、ARTをゲーム数以外の情報に基づき管理する場合には、これまでに経過したゲーム数と、残りのART期間から算出されるゲーム数(例えば、差枚数管理のARTの場合には「残り差枚数/傾斜値」)との和が、閾値(例えば、ゲーム数リミッタが発動するゲーム数や、当該ゲーム数よりも若干少ない値)に達したときであり、また、例えば、ARTをゲーム数に基づき管理する場合は、これまでに経過したゲーム数と、残りゲーム数との和が、閾値に達したときである。
(発動したリミッタの種別を履歴画面において報知ないし示唆)
また、副制御基板72は、発動したリミッタの種別ないしリミッタ種別に対応して発生する演出(上記エンディング演出の種類など)について、遊技者がメニュー画面にて閲覧可能な遊技履歴画面に表示しても良い。この場合は、そもそも多くの出玉を獲得できているため、高設定に期待できるとの遊技意欲を喚起させることができる。
(リミッタの種別に応じた外部信号を出力)
また、枚数リミッタと、ゲーム数リミッタのどちらが発動したか、ホール側がホールコンピュータなどで把握できるように、主制御基板71は、発動したリミッタに応じた種類の外部信号を出力するとよい。このとき、主制御基板71は、外部端子板の異なるピンからリミッタ発動の外部信号を出力するものとしてもよい。例えば、本来の出玉仕様であれば主にゲーム数リミッタが発動し、枚数リミッタはあまり発動しない機種において、頻繁に枚数リミッタが発動している場合は、何らかのゴト行為が行われているか、遊技機とホールコンピュータとの接続ミスの可能性をホール店員は察知することができる。
なお、同じ遊技においてで枚数リミッタの発動条件とゲーム数リミッタの発動条件を満たした場合は、主制御基板71は、予め定めたどちらか一方の信号を出力してもよいし、2種類の信号を所定の順番で出力してもよい。順番に出力する場合は、確実に受信できるように先に出力する信号の出力完了から、次の信号出力まで所定時間の間を空けるとよい。また、同じ遊技において枚数リミッタの発動条件とゲーム数リミッタの発動条件とを満たした場合は、どちらか一方のリミット処理のみを行い、他方の処理は行わないものとして、メイン(主制御基板71)において余計な処理を発生させないものとしてもよく、この場合には、主制御基板71は、行われた種別のリミッタに応じた外部信号を出力する。
(リミッタの種別を問わず一の外部信号を出力)
また、メイン(主制御基板71)の容量や、外部信号出力用の端子板のピン数に余裕がある場合は、上述のように異ならせても良いが、リミッタの種別に関わらず同じ外部信号を出力するものとしてもよい。メイン(主制御基板71)の容量を節約することができる。
(リミッタ以外の有利区間終了とリミッタによる終了で同じ外部信号を出力)
また、主制御基板71は、リミッタ以外の有利区間終了とリミッタによる終了とで同じ外部信号を出力し、有利区間が終了した旨をホールコンピュータなどで察知できるものとしてもよい。この場合は、さらにメイン(主制御基板71)の容量を節約できる。
(ボーナス作動中にリミッタが発動した場合の外部信号出力例(すぐに出力))
また、ボーナス作動中にリミッタが発動した場合は、主制御基板71は、外部信号の出力を当該遊技又は当該遊技の終了直後に開始してもよい。このようにすることで、例えば一撃の獲得枚数が枚数リミッタの枚数を超えたとしてもリミッタ機能に不備があったわけではなく、偶然枚数リミッタ到達付近でボーナスが作動して出玉を獲得したということをホール側は確認できる。
(ボーナス作動中にリミッタが発動した場合の外部信号出力(ボーナス終了時))
また、ボーナス作動中にリミッタが発動した場合は、主制御基板71は、外部信号の出力をボーナス終了時ないし終了直後に開始してもよい。実質的に出玉増加する遊技状態の終了を正確に把握させたい場合はこのような仕様としてもよい。
(枚数リミッタ発動の可能性がある遊技で遊技者が小役を取りこぼした場合の演出)
例えば、枚数リミッタが発動するまでの残り枚数が6枚の3枚掛け遊技で、正解時に9枚のメダルが払い出される押し順小役に当籤し、正解の押し順の報知が行われたにも関わらず遊技者が押し順をミスした場合、遊技開始時の状況を見て当該ゲームで枚数リミッタが発動すると想定して、当該遊技の開始時から枚数リミッタ発動時の演出を始めていることがある。このようなケースでは、押し順を間違えた結果、枚数リミッタは発動しないものの、副制御基板72は、当該遊技の開始時から始めていた枚数リミッタ発動時の演出(例えば、枚数リミッタの発動が予定されている旨の演出)をそのまま継続して実行することとしてもよく、また、枚数リミッタが発動しないと判断したことにより、当該演出を一旦終了ないし中断することとしてもよい。
(発動するリミッタが遊技者の操作により変更される場合の演出)
また、遊技者の操作ミスなどにより発動するリミッタの種類が異なる場合がある。例えば、枚数リミッタが発動するまでの残り枚数が6枚、かつ、ゲーム数リミッタが発動するまでの残りゲーム数が2ゲームの状況において、3枚掛け遊技で正解時に9枚のメダルが払い出される押し順小役に当籤し、正解の押し順の報知が行われたケースが該当する。このようなケースでは、遊技者が報知に従い停止操作を行った場合には当該遊技において枚数リミッタが発動するが、報知に従わずに押し順にミスした場合には次遊技においてゲーム数リミッタが発動する(なお、次遊技で枚数リミッタが発動する可能性もあるが、ここでは、複数のリミッタ発動条件が成立した場合にゲーム数リミッタが優先して発動するものとする)。
このような場合、副制御基板72は、押し順小役に当籤した遊技において枚数リミッタ発動時の演出を開始して、枚数リミッタの非発動が確定した移行の任意のタイミング(第1停止操作〜全リール停止時のうち、取りこぼし乃至少ない枚数の図柄組合せの表示が確定した以降の任意のタイミング)で、ゲーム数リミッタ発動時の演出に切り替えるか、いずれかのリミッタ発動示唆にも対応しない演出に一旦戻すような処理を行って、発動するリミッタと演出との矛盾を回避するように制御することが好ましい。
(ボーナス作動中、内部中のリミッタ発動による終了時演出の遅延及びエンディング演出の延長)
なお、ここまで説明したリミット処理に関連して行われる演出及び制御についても、前述したボーナス作動中にリミット処理が行われる場合は、リミット処理による有利区間終了に応じた演出の発生タイミングをボーナス終了時又は終了直後まで遅らせる、かつ、エンディング演出などの有利区間中演出をそれまで延長するという手法を用いることで、遊技者の違和感を軽減することができる。
[枚数リミッタの制御方法]
続いて、図101(B)を参照して、枚数リミッタの制御方法について説明する。枚数リミッタでは、有利区間の開始時から最もメダルの絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分を、枚数リミッタの発動契機となる差枚数として用いる。同図では、有利区間開始を1ゲーム目として遊技が進行していきメダルの増減を1〜8ゲームで繰り返した後に、増加していき枚数リミッタに到達する例を示している(なお、押し順小役は「打順ベル」と表記している)。
同図では、有利区間の開始時から最もメダルの絶対値が減った地点が「−9枚」であるため、Nゲーム目に差枚数が「+2391枚」となったタイミングで枚数リミッタが発動している。なお、枚数リミッタの発動に伴い、リミッタ用のカウンタは0にリセットされている。その後N+2ゲーム目に押し順に正解してベルが揃った結果、起点からの差枚数が「+2400枚」を超えているものの、既に枚数リミッタが発動し、有利区間(ART)は終了しているため、一時的なものに過ぎず、問題はない。
なお、同図では、当該ゲームの払出終了時点の有利区間開始時からの絶対的差枚数を示しているが、説明用の値であり、該当するカウンタは遊技機に搭載する必要がない。もちろん、該当するカウンタを搭載して遊技者に獲得枚数を示すために用いることとしてもよい。
また、起点フラグは、現時点の遊技の状況が有利区間開始後の最下点であることを示す情報である。起点フラグを持たずに、単にリミッタに用いるカウンタ(枚数カウンタ)の値が0であることを持って最下点と認識しても良いが、枚数リミッタ発動までの差枚数減算が始まったか否かをサブ(副制御基板72)側で演出する場合など、ON/OFF判定のみで行える起点フラグを参照して、枚数カウンタの値をサブ側に送信せずに演出させることでメイン(主制御基板71)の処理負荷を軽減することができる。なお、その場合は、サブ側はメインから送信される投入枚数、払出枚数の情報を受けて枚数カウンタと同様の処理をサブ側で行い、枚数カウンタの状況として演出(枚数リミッタ発動までの枚数報知など)を行っても良い。
最下点(起点)は、直近の最下点と同じ値又はより少ない値となった場合のいずれかで更新すれば良い。有利区間開始後の1ゲーム目終了時に絶対的差枚数が「−3枚」となった後一度増加し、4ゲーム目終了時に再び絶対的差枚数が「−3枚」となっている。そのため、主制御基板71は、4ゲーム目終了時に再び起点フラグを設定している。実際には、その後もメダルが減ったため、有利区間開始後の8ゲーム目終了時の絶対的差枚数が「−9枚」が枚数リミッタにおける起点となっている。
なお、同図では、第1最下点を、有利区間開始後の1ゲーム目終了時としているが、有利区間開始時点の1ゲーム消化より前の時点(絶対的差枚数が0枚時点)を第1最下点として設定し、1ゲーム終了時を第2最下点、マイナス9枚となった時点を第3最下点として第3最下点から2400枚増加すると枚数リミッタを発動するものとしてもよい。また、同図では、リプレイの入賞時には投入枚数0枚、払出枚数0枚として枚数カウンタを更新している。これにより再遊技時の差枚数を更新する必要がなくなり処理負荷を軽減することができる。一方で、リプレイの入賞時に投入枚数分の払出枚数を行い、次ゲームにおいて投入枚数が3枚として枚数カウンタを更新することとしてもよい。このようにすることで、リプレイが入賞してから次ゲームの開始操作が行われるまでの間の枚数カウンタの値を現実の差枚数挙動と一致させることができ、枚数カウンタの値を実増減枚数として参照して、演出用の枚数表示などに流用し易くなる。
なお、副制御基板72は、枚数カウンタの値を表示装置11(液晶画面)などで報知して、枚数リミッタ発動までの残り枚数を遊技者に把握可能ないし示唆してもよい。また、副制御基板72は、枚数リミッタ発動までの残り枚数を直接的に表示せず、枚数リミッタ発動まで残り2000枚以上なら第1演出ステージ、残り1000〜1999枚なら第2演出ステージ、残り999枚以下なら第3演出ステージのように、背景などの演出ステージを枚数リミッタ発動までの枚数範囲に応じて異ならせて示唆しても良い。
また、主制御基板71は、枚数カウンタの値を外部信号として出力して、ホールコンピュータやパチスロの上部などに設置される遊技データ閲覧用のデータ表示器などで表示可能としてもよい。なお、主制御基板71は、起点フラグ及び枚数カウンタの値を、電断時でも消去せず維持することが好ましい。一方で、主制御基板71は、設定変更時には、起点フラグ及び枚数カウンタの値を消去することとしてもよい。
[枚数リミッタの調整打法]
続いて、図102(C)を参照して、枚数リミッタの調整打法について説明する。枚数リミッタを用いて有利区間を強制的に終了させる仕様では、枚数リミッタの発動直前にメダルの増減を調整することで、枚数リミッタの発動を介する方法も考えられる。例えば、押し順小役が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると「9枚」のメダルが払い出され、不正解の押し順で停止操作が行われるとメダルの払い出しが「0枚」である仕様では、1回の遊技において3枚のメダルが必要であるため、押し順役の当籤時に正解の押し順で停止操作が行われると、枚数カウンタは「+6枚」され、押し順役の当籤時に不正解の押し順で停止操作が行われると、枚数カウンタは「−3枚」される。そのため、例えば、押し順役に3回当籤した場合に、押し順に2回不正解し、1回正解すると、枚数カウンタの値は維持され、結果、枚数リミッタが発動することがない。
このように枚数リミッタを調整することで、枚数リミッタの発動直前にART(有利区間)のままボーナスの当籤を待つことなどができる。同図に示す例では、Mゲーム目からこのような調整打法が始まっており、BB(ボーナス)に当籤するXゲーム目まで調整打法が行われている。その結果、X+10ゲーム目には、枚数リミッタが発動する+2400枚を超える+2512枚のメダルが獲得できている(なお、BB中の小役(15枚)を「BB中ベル」と表記している)。
なお、パチスロ1では、意図的に押し順の報知に逆らった方が有利である旨を示唆ないし報知する演出を行って遊技者に最大の利益を得ることのできる打ち方(打順ナビと異なる停止操作)を促しても良い。なお、このような演出は、副制御基板72が表示装置11などを介して行うこととしてもよく、また、主制御基板71が行うこととしてもよい。
なお、純増15枚程度かつ比較的当籤確率の高いミニボーナス(ボーナス作動中の15枚役は取りこぼし不能ないし困難)と、純増120枚のボーナスなど複数種類のボーナス役が存在する場合は、枚数リミッタ到達までの残り差枚数がミニボーナスにおける純増枚数よりも多い枚数のラインで上記調整打法を推奨する演出を行ってもよい。また、押し順役以外の小役については、払出枚数が3枚を超える増加役とせずに、枚数調整がしやすいもの(例えば、払出枚数が3枚)としてもよい。このように打ち方の工夫で出玉率を向上できる遊技性とすることで遊技の興趣が高まる。
なお、こうした遊技性の複雑さが初心者に敬遠されるなどのデメリットを重視する場合は、枚数カウンタを実際の純増枚数分だけ加算するのではなく、指示通りに遊技した場合の純増枚数分だけ加算することとしてもよい。例えば、3枚掛け遊技で、正解時に9枚のメダルが払い出される押し順小役に当籤した場合、主制御基板71は、正解の押し順を報知したことを条件に、遊技者の操作態様や入賞結果を問わずに枚数カウンタに+6とする処理を行う。このような仕様として、こうした調整打法を封じる仕様としてもよい。
[調整打法を封じる仕様の遊技性]
続いて、このような調整打法を封じる仕様おいて実現可能な遊技性について説明する。
(ボーナス非搭載)
そもそもボーナス役を搭載せずに、小役と再遊技のみで内部当籤役を構成すると上記のような複雑な打法を遊技者に求めることがなくなり、遊技性が分かりやすくなる。
(無増減又は減るボーナス搭載)
また、上記の打法を抑制する別の仕様例として、ボーナスは作動中に投入枚数と同枚数の払出が行われる小役しか入賞しない無増減ボーナスとしてもよく、また、ボーナスは作動中に投入枚数よりも少ない枚数の払出が行われる小役しか入賞しない減るボーナスとしてもよい。この場合、ボーナスはメダルが増加しないかわりに有利区間の抽籤において有利な処理をボーナス作動時またはボーナス作動中に行うこととしてもよく、また、有利な処理を行わないものの、遊技店において遊技者が通常の遊技を行う限りリール制御でボーナスの入賞が阻害され、ボーナスが入賞困難な仕様としても良い。
(ボーナス作動中の純増枚数が3枚以下)
3枚掛け遊技を前提として、ボーナス入賞時には払出がないため、ボーナス入賞ゲームでの差枚数はマイナス3枚となる。ボーナスは3枚掛け1ゲームで終了するとして、ボーナス作動中に発生する最大枚数の入賞は6枚役以下とする。このようにすることで、ボーナス作動時からボーナス終了時までの差枚数がプラスの値になることがないため、枚数カウンタの値がボーナス作動により増加することがなくなり、前述のような複雑な打法を遊技者は行わずに済む。
[調整打法を認める仕様の遊技性]
続いて、このような調整打法を認める仕様おいて実現可能な遊技性について説明する。
(ボーナス作動中の小役はずし又は獲得枚数低減)
前述の打法を行える仕様に加えて、ボーナス作動中に枚数リミッタが発動してしまう場合は、あえてボーナスの獲得枚数を減らして、当該ボーナスを終わらせて、ボーナス後は、上述の打法により有利区間を延命しつつ、次回のボーナスを待つのが最も有利という場合がある。そこで、ボーナス作動中に、小役を目押しタイミングや押し順で取りこぼせる又は払出枚数の少ない役を入賞させることができるものとする。この場合、払出枚数の少ない役は、ボーナス作動中の投入枚数よりも少ない枚数であることが望ましいが、例えば特定ポイントを目押しすると14枚、それ以外のポイントを目押しすると15枚の払出が受けられるなど、微調整を行うことができる役を設けるというものでも一定の効果を奏することができる。
(押し順役以外の通常時の役は再遊技又は投入枚数以下の役のみ)
例えば、ボーナス非作動中3枚掛けと仮定する。押し順小役は9枚とするが、いわゆるスイカ、チェリー、押し順の概念なしのベルなど他の役は再遊技役、又は、払出枚数3枚以下の役として構成する。こうすることで、残り数枚の純増で枚数リミッタが作動する状況で他の小役を引いた場合でも枚数リミッタが作動することなく攻略打法の難易度が低下して遊技しやすくなる。
(押し順役のナビと異なる停止操作をした場合に、特定枚数(1〜2枚役)が入賞する頻度に遊技者が介入できる)
押し順役のナビと異なる停止操作をした場合は、1枚払出又はとりこぼしとなる仕様がある。この場合、当該ゲームの増減がマイナス2枚、マイナス3枚の2通り生じるため、計算しにくく、遊技していて混乱することがある。そのような仕様と比べて、ナビ無視時は、必ず1〜2枚が揃うなど枚数が固定される場合は、ギリギリの枚数の状態でのナビ無視時のマイナス値が例えばマイナス2枚に固定されるため、計算しやすく、遊技者が計算をミスしてあと1回ナビ無視すべきところをナビ通りに打ってしまい打順ベルをとってしまうというケアレスミスが低減する。
なお、必ずではなく高い頻度で1枚払出となる又は取りこぼしとなるなど、おおむね安定させるものとしてもある程度の効果は発揮できる。また、ナビ無視のパターンにより、払出枚数が安定するものでもよい。例えば、「1・2・3」(左・中・右が正解打順)の打順ナビ発生時に、1枚役入賞率は“中1st”>“右1st”という関係性を持たせて、3枚減らしたい場合は、右第1停止、2枚減らしたい場合は中第一停止と遊技者が選択できるものでもよい。また、当該ゲームで第1停止正解後に第2停止をミスした場合「1・3・2」の順に停止した場合は、他のナビ無視打順よりも高い確率で又は必ず1枚役が入賞するなど、遊技者が減らし方を打法で選択できるものとするとよい。
(ナビ無視すべき場合にナビ態様変化)
ナビにしたがって遊技するのが最適な場合は、副制御基板72は、押し順表示を第1態様(青数字など)で行い、ナビに逆らって遊技するのが最適な場合は、副制御基板72は、押し順表示を第2態様(赤数字など)で行う。
(ナビ無視すべき状況か演出で変化)
主制御基板71又は副制御基板72は、BGMや映像、ランプなどの態様をナビ従う状況と、ナビに逆らう状況とで異ならせてもよい。ナビ発生よりも前の時点で、次ゲームでナビが発生したらナビに逆らうべき状況か否かを事前に把握できるようにすることが望ましい。
(ナビ無視すべき場合にロックやリールフリーズ)
主制御基板71は、レバーオン直後、リール回転開始後などにリールの回転開始遅延(フリーズやリールアクション)や、ストップボタンの一時操作受付無効化期間を設けることとしてもよい。これにより、遊技者に注意喚起をすることができ、有利区間を誤って終わらせてしまうケースを防止できる。また、主制御基板71又は副制御基板72は、合わせて音声や映像などでも注意喚起することが望ましい。
[有利区間リミッタの別例(払出枚数リミッタ)]
ここで、上述の枚数リミッタでは、差枚数(=払出枚数−投入枚数)、すなわち、遊技者に対して払い出されたメダルの枚数から当該遊技において用いられたメダルの枚数を減算した値に基づき、リミット処理を行うこととしているが、これに限られるものではない。主制御基板71は、遊技者に対して払い出されたメダルの枚数を用いてリミット処理を行うこととしてもよく、このようなリミッタを払出枚数リミッタと呼ぶ。具体的には、主制御基板71は、有利区間中に所定枚数(例えば、2400枚など)のメダルを払い出したことを契機として、有利区間を終了するリミット処理を行うこととしてもよい。
上述の枚数リミッタでは、払出枚数から投入枚数を差し引いた差枚数を基準としてリミット処理を行っているが、払出枚数リミッタでは、払出枚数から投入枚数を差し引くことなく、払出枚数をそのまま参照して、払出枚数が規定値に達した場合にリミット処理を行う。このような払出枚数リミッタでは、主制御基板71は、有利区間(この場合、例えば上述した「通常有利区間」を含む)又は増加区間(すなわち、実際にメダルが増加する遊技区間。この場合、例えば上述した「通常有利区間」を含まない)の開始時に払出枚数カウンタを初期化して、小役の入賞により払出が発生するたびに当該払出枚数カウンタを更新する。そして、主制御基板71は、払出枚数カウンタの値がリミット処理を行う規定値に達すると、有利区間を終了し、また、有利区間に関する各種の処理や値を初期化するというリミット処理を行う。
このような払出枚数リミッタにおいても、リプレイに係る役が入賞した場合の払出枚数カウンタの更新方法は任意であり、3枚の払い出しとしてカウントすることとしてもよく、また、0枚の払い出しとしてカウントすることとしてもよいが、主制御基板71は、リプレイに係る役が入賞した場合には0枚の払い出しとしてカウントすることが望ましい。このようにすることで、例えば、3BETの遊技において3枚役(入賞したときに3枚のメダルが払い出される役)が入賞した場合と、リプレイに係る役が入賞した場合とで、払出枚数カウンタの値の変化を異ならせることができる。すなわち、3枚役が入賞した場合よりも、リプレイに係る役が入賞した場合の方が払出枚数カウンタのカウントが進まない分、遊技者にお得感を感じさせることができ、実質的に同価値である3枚役とリプレイに係る役との価値に差を持たせることができる。
[有利区間リミッタの別例(ナビ回数リミッタ)]
また、有利区間のリミット処理に用いるリミッタの種類としては、以下に説明するナビ回数リミッタも用いることができる。ナビ回数リミッタを用いる場合、主制御基板71は、有利区間中に遊技者に対して所定回数(例えば、400回など)の報知(ナビ)を行ったことを契機(すなわち、ナビ回数が規定値に達したことを契機)として、有利区間のリミット処理を行う。ここで、ARTなどの有利区間中に遊技者に対して行うナビの中には、有利区間中にメダルを増加させるためのナビの他、有利区間中にメダルを維持又はメダルの減少を通常区間中に比べて抑制するためのナビがある。前者のナビは、例えば、3BET遊技において正解の停止操作の態様である場合(例えば、押し順正解時)に3枚よりも多いメダル(例えば、9枚など)が払い出される役の当籤時に正解の停止操作の態様を報知することをいい、後者のナビは、例えば、RT状態を高RTのまま維持するためのナビや、3BET遊技において正解の停止操作の態様である場合に3枚、又は、正解の停止操作の態様である場合に3枚よりも少ないが不正解の停止操作の態様である場合(例えば、押し順不正解時)よりも多いメダルが払い出される役の当籤時に正解の停止操作の態様を報知することをいう。なお、前者のナビの対象となる役は、その役割から有利区間(ART)中にメダルを増加させる増加役と呼ぶことができる。パチスロにおいて、複数の役のうちのどの役を増加役とするかは、遊技仕様の観点から任意に設計することができる。
ナビ回数リミッタを用いる場合、主制御基板71は、増加役の当籤時に行ったナビの回数については、ナビ回数リミッタによるリミット処理の発生条件となるナビ回数のカウント対象とする一方で、非増加役の当籤時に行ったナビの回数については、当該ナビ回数のカウント対象から除外することとしてもよく、また、非増加役の当籤時に行ったナビ回数についても、当該ナビ回数のカウント対象に含めることとしてもよい。非増加役の当籤時に行ったナビの回数をカウント対象から除外することで、偶然、非増加役が有利区間(ART)の開始後に多く成立してしまったケースのように、メダルがあまり増えていない場合に、過度な出玉を抑制するというリミッタの趣旨とは関係ない事象で有利区間が終了してしまうことを防止でき、遊技者に不満を与えることがない。
このようなナビ回数リミッタでは、主制御基板71は、有利区間又は増加区間の開始時にリミット処理の発生条件となるナビ回数のカウンタ(ナビ回数カウンタ)を初期化して、カウント対象となるナビが発生するたびに当該ナビ回数カウンタの値を更新する。そして、主制御基板71は、ナビ回数カウンタの値がリミット処理を行う規定値に達すると、有利区間を終了し、また、有利区間に関する各種の処理や値を初期化するというリミット処理を行う。なお、これまでに説明した各種のリミッタにおいてカウンタの更新方法は、加算式であってもよく、また、減算式であってもよい。
[リミッタ期間の別例]
また、上述の説明では、ゲーム数リミッタ、枚数リミッタ、払出枚数リミッタ、ナビ回数リミッタなどのリミッタを有利区間中にのみ利用する例について説明したが、このようなリミッタは、有利区間中ではなく、任意の期間に採用することができる。例えば、偶発的に有利区間に当たり続けた場合、一回一回の有利区間においては最大でも枚数リミッタ分しかメダルの払い出しが行われないものの、有利区間への移行が複数回行われた結果、総合すると多くのメダルの払い出しが行われてしまう場合があり、射幸心を過度に煽ってしまう恐れがある。そこで、有利区間中のリミッタとは別に、直近の所定ゲーム数分の期間(例えば、直近の6000ゲーム)の増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)が予め定められた規定値(例えば、170%又は遊技者から見て+10000枚)を超えた場合に有利区間を終了させる特別リミッタを設けることとしてもよい。このような特別リミッタによれば、主制御基板71は、有利区間中に特別リミッタの発動条件が満たされたときには、たとえ当該有利区間が開始したばかりであり、ゲーム数リミッタや枚数リミッタが全く発動し得る状況でなかったとしても、当該有利区間を強制的に終了する。
なお、主制御基板71における有利区間の制御において、現時点で獲得されている有利区間に関する権利(例えば、ARTの継続可能期間(ARTゲーム数)、セット数やストック、獲得可能差枚数など)と出玉率とを参照して、特別リミッタが発動するおそれがある場合に、主制御基板71は、当該規定値に到達するよりも前に上乗せの発生率を低下させるなど特別リミッタの発動可能性を低下させる、又は、特別リミッタ発動時に消去させる増加区間(ART)の権利が低減するように制御することとしてもよい。
また、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)による特別リミッタ発動の判定に用いられる所定期間は、ゲーム数以外を基準としてもよく、例えば、所定の時間(例えば、10時間など)や、所定の投入枚数(例えば、投入枚数18000枚)など、遊技者が遊技を所定期間にわたって行ったことを判断し得る情報に用いて、特別リミッタを発動する所定期間を決定することとしてもよい。
このような特別リミッタを用いるパチスロの構成を以下に示す。
遊技価値を用いて遊技可能な遊技機であって、
遊技状態を遊技者にとって有利な有利遊技状態(例えば、パチスロにおける有利区間、増加区間(AT、ART)であってもよく、パチンコにおける確変状態や時短状態であってもよい)とする権利(パチスロでのATストック、ATゲーム数などであってもよく、また、パチンコにおける確変状態、時短状態などへの移行権利であってもよい)を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御基板71)と、
当該権利に基づいて終了条件の成立まで遊技状態を前記有利遊技状態に制御する遊技状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記権利がある場合に前記有利遊技状態を継続させる有利遊技状態継続手段(例えば、主制御基板71(パチスロでのATストック数がある場合にAT状態を継続などであってもよく、また、パチンコでの確変状態や時短状態の継続であってもよい))、
所定の単位遊技を起点として所定期間の経過までの遊技価値の増加状況を示す値を記憶する増加状況記憶手段(例えば、主制御基板71が特別リミッタの発動条件を判定するために用いる差枚数や出玉率監視用のカウンタ)と、
前記増加状況記憶手段の値が予め定められた規定値となったときに、前記権利がある場合であっても前記有利状態を終了させる特別終了手段(特別リミッタ)と、を備える遊技機。
また、上述の特別リミッタは、直近の所定期間に限らず、例えば、一日単位のリミッタとしてもよく、また、両者を併用して用いることとしてもよい。なお、主制御基板71が一日単位を把握する方法は任意である。一例として、主制御基板71は、所定時間(2時間、4時間など営業時の一時的な電断と区別でき、営業終了に伴う閉店中の電断と推認できる時間値)以上の電断時、又は所定時間以上の電断後の電源投入時を一日の開始時(起点)として、当該起点から(すなわち、前日分の情報をリセットして)、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)を監視して特別リミッタを制御する。また、主制御基板71は、電源投入状態で所定時間(1時間など)以上が経過した時を、一日の開始時(起点)として、当該起点から(すなわち、前日分の情報をリセットして)、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)を監視して特別リミッタを制御することとしてもよい。なお、何れの場合であっても、計時方法は、主制御基板71にRTCなどの計時手段を搭載することで実現することができる。
[ナビミス時のペナルティ]
また、パチスロ1では、有利区間中に遊技者に対して行った報知に従わずに停止操作を行った場合に、主制御基板71は、所定のペナルティを付すこととしてもよい。例えば、ART準備中(上述した各準備状態)のように高RTへの移行待ちをしている状態において、ARTの上乗せ抽籤を行う仕様の場合、高RTへの移行を回避しART準備中を引き延ばすことでART準備中の上乗せ抽籤を多く受けることができる。そこで、主制御基板71は、遊技者に対して行った報知に従わずに停止操作が行われた場合に、このようなARTの上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。なお、偶然のミスであるか意図的なミスであるか判別することができないため、例えば、主制御基板71は、報知に従わない停止操作を行った回数に応じて、ペナルティの度合いを変えることとしてもよい。
[その他の変形例]
上述したように、ART(有利区間)の継続期間の管理方法は任意である。例えば、ゲーム数により継続期間を管理することとしてもよく、また、セット数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中の任意のタイミングで行う継続判定により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中に特定の図柄組合せが表示されるとARTを終了させることとしてもよい。
この場合、上乗せの対象は、ゲーム数、セット数、ナビ回数、差枚数などのようにARTの継続期間の管理方法によって適宜調整される。
また、上述のパチスロ1では、報知(ART)機能の作動を、メイン(主制御基板71)側の制御の下に行うこととしているが、これに限られるものではなく、サブ(副制御基板72)側の制御により報知(ART)機能の作動を行うこととしてもよい。
また、設定値は1段階のみとしてもよい。このとき、設定変更処理をのこしても良いし、無くしてしまってもよい。設定変更処理を残す場合には、同一設定への打ち直しのみが可能となるため、実質的にはRAMクリアするための処理となる。設定値を1段階のみとする場合であっても、有利状態(ART状態など)の抽籤(初当り及び/又は上乗せなど)に関するモードを設け、所定確率で当籤する所定役が当籤した回数を計数し、その回数が規定値に達したときに、このモードを切り替わるようにすることで、出玉に起伏を生じさせることができる。
この場合、所定確率の分母と規定値とを掛けた値が一つの出玉の波となる。その値を1日に相当する遊技回数で切り替わるように規定すれば、設定値が1段階であっても、複数設けた遊技機と遜色のないものとすることが出来る。例えば、1日の営業時間を11時間とした場合、11h=39600secであるため、1遊技にかかる最短時間を規則に則り4.1秒とすると、1日当たりの最大遊技回数は、39600/4.1=約9659回となる。なお、休憩(食事やトイレ)を一切挟まないというのは現実的ではないため、1日当たりの遊技回数を概ね8000回程度と考える。所定確率を1/32、規定値を256とすることで、32×256=8192となるため、概ね1日で出玉の波が切り替わるようにすることができる。
さらに、所定役が当籤した回数が規定値に達するたびに、遊技者に有利なモードと不利なモードとが交互に切り替わるようにすれば、二日間サイクルで収益が安定するようになるため、遊技店の営業に資することができる。なお、設定値を1段階にした場合の説明を行ったが、1段階には限られず転用が可能である。より具体的には、設定値の数を変えずに採用すれば、設定値の数を増やさずに、出玉の波をより複雑にすることが可能となる。また、設定値の数を減らせば、設定値が減って単調になるところを補うことができる。
また、設定値の数を減らすことができた場合、その分のデータ容量を削減することができる。仮に6段階の設定値を1段階の設定値にすることができれば、データを1/6にまで削減することができる。また、各段階で望む出玉率に設計するための開発コストも1/6となる。さらに言えば、遊技機は試験に適合したもののみが、営業に用いることが許可されるものであるところ、試験に要する時間も短縮することが可能となる。
[その他の遊技機への適用]
また、本実施形態では、遊技機としてパチスロ1を例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、停止操作に基づくリール停止制御に係る特徴などのパチスロに特有の特徴以外の特徴は、「パチンコ」と呼ばれる遊技機にも適用可能であり、同様の効果が得られる。すなわち、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、本実施形態に係る発明を適用することができる。
[その他の本実施形態に係る遊技機の拡張性]
本実施形態のパチスロ1では、遊技者のメダルの投入操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口14に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン15a、若しくは1ベットボタン15bを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー装置51が駆動してメダル払出口24からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路90(主制御基板71)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路90(主制御基板71)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェースを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチスロ1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技店の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタ66やホッパー装置51を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路90(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されること基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ1に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタ66やホッパー装置51等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
[有利区間中の引き戻しを成立役+ポイント管理にする]変形例
上記実施形態の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている(図14参照)。
本変形例では、図103に示すように、メインCPU101のプログラム上に、ARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段101aと、ARTによる有利区間に対応する有利状態が予め定めた到達ゲーム数以上について継続したことを条件に第1の遊技ポイントを付与し、予め定めた内部当籤役の当籤に基づいて所定条件下で第2の遊技ポイントを付与する遊技ポイント付与手段101bを設けている。本変形例の有利状態制御手段101aは、遊技ポイント付与手段101bにより付与する遊技ポイントに基づいてARTへの引き戻し処理を実行可能にしていると共に、上記実施形態の有利状態制御手段と同様に、図33〜44に示した各種処理も実行可能にしている。
本変形例でいう有利状態は、ボーナス内部当籤中(フラグ間状態中)にアシストタイムATを作動可能にする、ART機とは異なる機種として位置付けられるAT機における、ATによる有利区間に対応する有利状態を含む。また、本変形例でいう遊技ポイントは、一遊技の結果として付与するメダルの払出しや再遊技又はボーナスの作動、或は、有利区間への移行又は上乗せ、或は、再遊技の抽籤態様が異なるRT状態の移行等とは別に付与し、遊技者に利益をもたらす遊技間を跨いで累積可能な遊技特典である。
一有利区間すなわち通常区間から有利区間に移行して有利区間が終了するまでの最大継続可能遊技数は所定ゲーム数例えば1500ゲームであるが、第1の遊技ポイントを付与する到達ゲーム数は、一有利区間の最大継続可能遊技数の範囲内で定め、例えば、遊技者がある程度纏まった数百〜1000枚程度のメダルを手にすることが期待できる500ゲームに定めている。
本変形例では、1ゲームあたりの純増メダル枚数(払出枚数−投入枚数)は、指示機能の作動とボーナスの作動を合わせて例えば約2.0枚/ゲーム程度にしており、ARTが500ゲームについて継続すれば数百〜1000枚程度のメダルの純増が見込める。この数百〜1000枚程度のメダルは、一般的な遊技者の投資分を回収できるか或は回収できないかの一つのボーダーラインと考えており、ここで遊技を止めるか続けるか迷う局面と考えている。
したがって、ART遊技の500ゲームの到達により第1の遊技ポイントを付与し、その後の展開が、従来になく期待できるものとする。なお、500ゲームの到達は、1セットが数十ゲームのARTが複数セット数について連荘したり、途中で継続ゲーム数の上乗せを積み重ねたりすることで達成される場合や、初めから500ゲームの完走が可能なARTとし、途中終了となる種々の障害を回避して完走により達成される場合の何れでもよい。
第1の遊技ポイントは、ARTの開始(再遊技確率の高い所定の高確リプレイタイム(図13のRT2等)においてARTの第1ゲーム目をするとき)から数えて500ゲーム目に、ART中であることを条件に付与する。付与するポイントは、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた抽籤処理によって、例えば高ポイントの99ポイントと低ポイントの50ポイントを1:1の比率で振り分け、99ポイント又は50ポイントとしている。
第1の遊技ポイントは、ARTの終了時に、ARTの開始からの経過ゲーム数が特定の到達ゲーム数の500ゲーム以上であったことに基づいて付与してもよい。この場合、例えば、600ゲーム目でARTが終了するなら、600ゲーム目に第1の遊技ポイントを付与することになる。
なお、第1の遊技ポイントを付与する到達ゲーム数は、500ゲームとする他、これより少ない300ゲーム等にしてもよい。また、第1の遊技ポイントを付与する到達ゲーム数は、本来、一の有利区間(最大継続可能遊技数の1500ゲーム)中に少なくとも複数回得られるゲーム数の750ゲーム以下に定めるのが好ましいが、これより多い800ゲーム等にしてもよい。また、付与するポイントは、高ポイントと低ポイントの2種類とする他、値の異なる3種類以上にしてもよいし、低確率例えば1/256で0ポイントを付与してもよいし、低確率例えば1/256で99ポイントを超える100ポイント以上を付与してもよい。さらに、特定の到達ゲーム数を超える501ゲーム目以降もARTが継続する場合、500ゲーム目に第1の遊技ポイントを付与した後、所定ゲーム数毎例えば300ゲーム毎にARTの継続を条件に第1の遊技ポイントを積み増ししてもよい。
第1の遊技ポイントが付与されたゲームの最後に操作したストップボタンから指を離す第3離しがされた後、サブ側の表示装置11において、高ポイントか低ポイントかは明示しないが、宝箱等の所定のアイテムを表示し、ポイントが付与されたことを報知し、遊技者に期待を持たせる演出を行うようにしている。この場合、付与されたポイントに応じて、アイテムの色を、青、黄、緑、赤、レインボー等の中から選択し、高ポイントの場合は低ポイントの場合よりも赤やレインボーの選択率を高くし、遊技者の期待感を煽るのも好ましい。
なお、ARTの終了により、押し順に依存する内部当籤役についての指示情報の報知は止めるが、内部的に有利区間を所定の潜伏ゲーム数例えば100ゲームについて継続させ、ARTの終了から100ゲームを経過するまでにARTに引き戻すことができなかった場合は、100ゲーム経過後に有利区間を終了させて通常区間に復帰させる。有利区間を潜伏させるのは、有利区間中の共通処理として、遊技ポイントによりARTの引き戻しを可能にし、遊技の公正さを厳格に保つためである。
遊技ポイント付与手段101bは、予め定めた内部当籤役の当籤に基づいて、所定条件下で、第2の遊技ポイントを付与するものとしており、例えば、図20に示した何れかのボーナス役BB1,BB2,BB3,BB4の当籤に基づいて、ARTの終了から有利区間が潜伏している100ゲーム以内の当籤であるという所定条件の具備下で、第2の遊技ポイントとして、例えば1ポイント以上を付与するようにしている。
より具体的には、ボーナス役の当籤確率(図16の設定1参照)に応じて、
当籤確率70/65536≒1/936のBB1(赤同色)の当籤時は30ポイント、
当籤確率70/65536≒1/936のBB2(青同色)の当籤時は30ポイント、
当籤確率94/65536≒1/697のBB3(赤異色)の当籤時は20ポイント、
当籤確率94/65536≒1/697のBB4(青異色)の当籤時は20ポイント、
を付与する。なお、BB1〜4の合算確率は、設定1で約1/200であり、100ゲーム以内に何れかのボーナス役が当籤する可能性は半分程度はある。
遊技ポイントが、予め定めた高ポイント評価となる例えば100ポイント以上に達すると、ARTへの再突入確率(引き戻し確率)を50%以上の高確率例えば50%にした特別な引き戻し抽籤を受けることができ、その当籤により、再び指示機能を作動させるARTへの引き戻しを可能にしている。一方、低ポイント評価となる100ポイント未到達時は、特別な引き戻し抽籤を受けることはできない。したがって、高ポイント評価となる場合は低ポイント評価となる場合よりも、指示機能を作動させるART遊技に引き戻すことを容易にしている。なお、特別な引き戻し抽籤には、例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用い、第1の遊技ポイントを付与する際の乱数と兼用してもよい。
ART遊技の500ゲーム到達により第1の遊技ポイントとして99ポイントが付与された場合、第2の遊技ポイントとして1ポイント以上が付与される何れかのボーナス役の当籤が1回以上あると、1回目のボーナス役の当籤時に合計ポイントが100ポイント以上になり、特別な引き戻し抽籤を受けることができる。
ART遊技の500ゲーム到達により第1の遊技ポイントとして50ポイントが付与された場合、第2の遊技ポイントとして50ポイント以上が付与される少なくとも一つは同色BBとなるボーナス役の当籤が2回以上あると、2回目のボーナス役の当籤時に合計ポイントが100ポイント以上になり、特別な引き戻し抽籤を受けることができる。
こうして、ART遊技の500ゲームの到達により第1の遊技ポイントを付与し、ボーナス役の当籤に基づいて第2の遊技ポイントを付与し、これらに基づき、高ポイント評価となる場合は、指示機能を作動させる遊技に引き戻すことを容易にしているため、ART遊技がある程度継続して数百〜1000枚程度のメダルの純増を得た遊技者に、引き続いて遊技を続ける価値があると効果的に思わせることができる。
ART遊技の終了から有利区間が潜伏している100ゲーム以内に何れのボーナス役の当籤もなかった場合、第2の遊技ポイントは付与されず、第1の遊技ポイントとして99ポイントが付与されていても、特別な引き戻し抽籤を受けることはできない。また、特別な引き戻し抽籤を受けることができても、これに外れると、この特別な引き戻し抽籤によってはARTに引き戻すことはできない。
もっとも、有利区間が潜伏している100ゲーム間の遊技中も、図33に示した本来は通常区間でしている、スイカ1の当籤を契機に8/256でARTの当籤とすること、及び、ボーナス役BB1〜BB4の当籤を契機に64/256でARTの当籤とすること、すなわち初当たり時と同様の難易度でARTに引き戻すことも可能にしている。ボーナス役BB1〜BB4の当籤時は、特別な引き戻し抽籤に外れても、64/256の抽籤で当たればARTに引き戻すことができる。本変形例の有利状態制御手段101aは、遊技ポイント付与手段101bにより付与する遊技ポイントを用いた特別な引き戻し抽籤を実行可能にしていると共に、有利区間が潜伏している遊技中、本来は通常区間でする図33等の処理も実行可能にしている。
しかし、有利区間が潜伏している100ゲーム間に、特別な引き戻し抽籤により或は初当たり時と同程度の難易度によりARTに引き戻すことができなかった場合、100ゲームの経過により有利区間を終了させて通常区間に復帰させ、以後、初当たり時の難易度によりARTに期待することになる。本変形例の有利状態制御手段101aは、通常区間中、通常区間でする図33等の処理も実行可能にしている。
有利区間が潜伏している100ゲームの経過により有利区間を終了させて通常区間に復帰させるとき、指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数を初期化し、貯めた遊技ポイントは0にクリアする。なお、有利区間の潜伏ゲーム数は、100ゲーム以下に定めてもよいし、100ゲーム以上に定めてもよい。
一方、有利区間が潜伏している100ゲーム以内にARTに引き戻すことができた場合は、有利区間が継続されるため、貯めた遊技ポイントは持ち越し、2回目のARTの500ゲーム到達時に付与する第1の遊技ポイントは持ち越し分に加算する。ただし、特別な引き戻し抽籤を経て引き戻しがされた場合、持ち越し分で既に100ポイント以上あるため、第2の遊技ポイントの付与により特別な引き戻し抽籤を行う条件は、200ポイント以上に変更している。結局、特別な引き戻し抽籤は、第2の遊技ポイントの付与時点において、1回目は100ポイント以上、2回目は200ポイント以上・・・というように、100ポイント毎に行われる。
ただし、第2の遊技ポイントが付与された段階で、遊技ポイントが特定値、例えば所定のフルポイントに定める256ポイントに到達している場合は、未到達の場合に比べて、特別な引き戻し抽籤に当籤した場合、ART遊技が継続可能なゲーム数を、有利区間の最大継続可能遊技数(1500ゲーム)を越えない範囲内において、1回目よりも長期となるようにしている。具体的には、初期継続ゲーム数の増加、上乗せ性能の上昇、上乗せ特化ゾーンへの突入率の上昇、高確率にしたループストック率の設定、ART遊技の継続率に有利不利を生じさせるART遊技レベルの上昇等、予め定めた一又は複数の優遇策をART遊技に付帯させるようにしている。このように、第1の遊技ポイントと第2の遊技ポイントといった予め定める条件下で遊技ポイント付与手段101bで付与した遊技ポイントの累積値が、予め定める高ポイント評価とするフルポイント256に到達している場合は低ポイント評価とするフルポイント256に未到達の場合よりも、指示機能の作動を可能にするART遊技の継続可能なゲーム数を、有利区間の最大継続可能遊技数(1500ゲーム)を越えない範囲内において増加させる期待値を高くしている。
これにより、遊技ポイントの累積値が、高ポイント評価となる場合は、指示機能の作動を可能にするART遊技の継続可能なゲーム数を、有利状態の最大継続可能遊技数を越えない範囲内で増加させる期待値が高まるため、遊技者に遊技ポイントの累積値を増やすことを一層効果的に促し得て、より長く遊技の続けさせることができる。ART遊技の継続可能なゲーム数は、有利状態の最大継続可能遊技数を越えない範囲内で増加させるため、射幸性が過度になることもない。なお、フルポイントの256ポイントは、1回目に第1の遊技ポイント99ポイントと第2の遊技ポイント30ポイント以上が付与され、2回目も第1の遊技ポイント99ポイントと第2の遊技ポイント30ポイント以上が付与された場合に到達可能なハードルの高さとしている。もっとも、フルポイントは、ハードルを下げて238ポイント等にしてもよいし、ハードルを上げて256ポイントを超えるものとしてもよい。
なお、1回目のART遊技が500ゲーム以上に達した後、100ゲーム以内の引き戻しにより2回目のART遊技がされ、この2回目のART遊技が500ゲーム以上に達した後、100ゲーム以内の引き戻しにより3回目のART遊技がされるが、一有利区間の最大継続可能遊技数は1500ゲームとしているため、各回のART遊技の途中で、とりわけ回が進む3回目等のART遊技の途中で、有利区間が強制終了となる場合がある。この場合、突然の強制終了は遊技者を困惑させるため、1500ゲームの到達前50ゲーム間等は、普段見ることができないプレミアムなエンディング演出をサブ側の表示装置11に展開させるようにしている。
本変形例において、ART遊技を、ボーナスの作動終了等を契機に突入させる再遊技確率の高い有限回数の高確リプレイタイム(当業者間で「c契機e中」の高確リプレイタイム等と称されるRT状態)において、500ゲームの完走が可能なものとし、途中で再遊技確率の低い低確リプレイタイムへの転落契機図柄の組合せ(当業者間で「d契機」図柄等と称される図柄組合せ)を表示する等の途中終了となる障害を回避し、500ゲームの完走により第1の遊技ポイントを付与するようにしてもよい。この場合に、500ゲームの完走自体を高設定は低設定よりも高確率で達成できるようにするのも好ましく、このようにすれば、設定差による有利不利の差を拡大することも可能になる。
本変形例では、ARTの終了後、内部的に有利区間を所定の潜伏ゲーム数である100ゲームについて継続させるようにしたが、これに代え、潜伏ゲーム数は設けず、ARTの終了により、直ちに、或は再遊技確率の低い低確リプレイタイムへの転落時に、有利区間を終了させて通常区間に復帰させてもよい。本変形例では、有利状態制御手段101a及び遊技ポイント付与手段101bを、メインCPU101のプログラム上に設けたが、サブCPU201のプログラム上に設けてもよい。
[設定差有りBBと設定差無しMBを利用した上乗せ抽籤システム]変形例
本変形例も、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、メインCPU101のプログラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。さらに、総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段を設けている(図6中、設定用鍵型スイッチ54等参照)。
本変形例では、図104に示すように、図20のボーナス役BB1〜BB4に代え、指示機能を作動させる遊技を増加させる所定の抽籤を行う第1ボーナス役と、低設定は高設定に比べて作動中となる遊技の数が多くなる第2ボーナス役とを内部当籤役に含み、それぞれ、単独で、すなわち、他の小役や再遊技役と重複させないで、当籤可能とする。
第1ボーナス役は、例えば、第二種特別役物に係る物連続作動装置MB0で構成し、その当籤確率は、設定によって変動しない設定差無しの、数十分の一〜数百分の一の範囲内で予め定める所定確率、例えば、1311/65536≒1/50としている。
第1ボーナス役MB0の作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「リプレイ」−「ベル」−「ベル」とし、表示確率を1(最大4コマ滑りで有効ラインに該当図柄を必ず引き込むことができるもの)にしている。したがって、MB0に当籤すると当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示でき、次ゲームはMB0の作動中となる。MB0の作動中は、常時、第二種特別役物CBが作動するものとしており、CBの作動中は、メダルの払出しを伴う全ての小役を当籤状態にする。
第1ボーナス役MB0の作動中のCBの作動中は、規定投入枚数を1枚(1枚掛け)に変更し、全小役の払出枚数は15枚に変更し、最大滑りコマ数を1コマに制限する75ms以内で停止させるリールは、例えば、左リール3Lとしている。中リール3C及び右リール3Rは最大4コマ滑りを維持し、有効ラインは、上段、中段、下段の3ラインを維持する。左リール3Lを第1番目に停止させる左第1停止をすると、図22に示したNML01〜NML35の何れかの小役を表示でき、一遊技の上限払出枚数の15枚のメダルが払い出される。
なお、規定投入数は3枚(3枚掛け)を維持し、払出し枚数も一般遊技中と同じにしてもよい。この場合、上段、中段、下段の3ラインのうち2ラインで8枚払出しの小役を表示させて上限払出枚数の15枚を得るために、CB作動中の専用小役を追加定義するのが好ましい。
第1ボーナス役MB0の作動は、作動開始からの獲得メダル枚数が所定上限とする例えば30枚超過すなわち31枚以上で終了するものとしており、MB0の作動終了によりCBの作動も終了する。よって、MB0の作動は、ほぼ3ゲームで終了し、45枚−3枚=42枚のメダルを純増できる。
第1ボーナス役MB0は、当籤又は作動図柄の組合せの表示若しくは作動終了を再遊技の抽籤態様を変更させる契機にしていない。よって、第1ボーナスMB0の作動が終了すると、MB0の当籤を得た元のリプレイタイム状態に復帰する。
アシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態の生起中、すなわちART遊技中又はART遊技をする高確リプレイタイムへの昇格途上にあるART準備中に、第1ボーナス役MB0に当籤すると、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた抽籤処理によって、第1確率例えば64/256=1/4の確率で例えば10ゲーム、第2確率例えば128/256=1/2の確率で例えば20ゲーム、第3確率例えば32/256=1/8の確率で例えば60ゲームについて、ARTの継続ゲーム数を上乗せする。第4確率例えば32/256=1/8の確率で上乗せゲーム数は0とする。MB0当籤時の平均上乗せ期待ゲーム数は20ゲームとなる。
引き続くMB0の作動中のCBの作動中は、左第1停止がされることを条件に、前記1バイト乱数を用いた抽籤処理によって、第1確率例えば64/256=1/4の確率で例えば5ゲーム、第2確率例えば128/256=1/2の確率で例えば10ゲーム、第3確率例えば32/256=1/8の確率で例えば30ゲームについて、ARTの継続ゲーム数を上乗せする。第4確率例えば32/256=1/8の確率で上乗せゲーム数は0とする。CB作動中の各ゲームの平均上乗せ期待ゲーム数は10ゲームとなる。
したがって、ART遊技中又はART準備中にMB0に当籤すると、当籤時、CBの第1ゲーム目、CBの第2ゲーム目、CBの第3ゲーム目トータルで、平均上乗せ期待ゲーム数が50ゲームとなり、指示機能を作動させる遊技を効果的に増加できる。
なお、CBの作動中、左第1停止がされることを条件としているのは、あえてMB0の作動を4ゲーム以上とし、上乗せの機会を増やすのを良しとしないからである。サブ側の表示装置11には、左から右に向く矢印等を表示し、左第1停止を促すようにしている。もっとも、左第1停止がされることを条件としない毎ゲーム抽籤により上乗せをしてもよく、この場合にも、上乗せを、設定値を参照しない共通の処理により適切に行える。また、CB作動中の上乗せは、引込優先順位を小役よりも下げた再遊技役の当籤に応じて上乗せゲーム数を振り分けて付与する等、他の共通処理により行うようにしてもよい。
通常区間中に、第1ボーナス役MB0に当籤すると、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する前記1バイト乱数を用いた抽籤処理によって、所定確率例えば16/256=1/16の確率でARTの当籤とし、所定の初期ゲーム数についてART遊技を可能にしている。
また、通常区間中に当籤したMB0に基づくMB作動中のCB作動中は、MB0の当籤時にARTの当籤が決定された場合は、有利区間中の指示機能に係る処理として、CB作動中の各ゲームの平均上乗せ期待ゲーム数を10ゲームとした上記同様な上乗せにより初期ゲーム数の上乗せを行う。一方、MB0の当籤時にARTの当籤が決定されなかった場合は、CB作動中は全小役を当籤状態とするが、一般遊技中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される小役の当籤に基づいて、例えばスイカ1の当籤と等価になる場合等には、前記1バイト乱数を用いた抽籤処理により、所定確率例えば8/256=1/32の確率でARTの当籤とし、CBの残りゲーム数がある場合は初期ゲーム数の上乗せも行う。
第2ボーナス役は、例えば、第一種特別役物に係る物連続作動装置BB0で構成し、その当籤確率は、低設定ほど当籤確率が高く、高設定ほど当籤確率が低い設定差有りの、数十分の一〜数百分の一の範囲内で予め定めた所定確率、例えば、
設定1は、3277/65536≒1/20、
設定2は、2979/65536≒1/22、
設定3は、2731/65536≒1/24、
設定4は、2521/65536≒1/26、
設定5は、2341/65536≒1/28、
設定6は、2185/65536≒1/30、
としており、低設定は高設定に比べてBB0の作動中となる遊技の数が多くなるようにしている。
第2ボーナス役BB0の作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「赤7」−「BAR」−「赤7」とし、表示確率を≠1(最大4コマ滑りで有効ラインに該当図柄を引き込むことができない場合があるもの)にしている。したがって、BB0に当籤し、当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示できなかった場合、BB0の当籤フラグが持ち越され、次ゲーム以降、作動図柄の組合せを表示するまでBB0内部当籤中(BB0フラグ間状態中)となる。
BB0の作動中は、常時、第一種特別役物RBが作動するものとしており、RBの作動中は、内部抽籤用乱数の取り得る数値の全範囲(0〜65535の65536)から、図16及び図17に示した一般遊技中内部抽籤テーブルにおいて何れかの小役が当籤することとなる当籤範囲の全てを合算した値16881よりも大で且つ高設定ほど値を大きくした範囲を、図22に示した全小役NML01〜NML35を重複当籤させる小役オールの当籤範囲とし、再遊技役の当籤範囲は例えば設定差無しの8978とし、如何なる小役も再遊技役にも当籤しない外れに該当する範囲を小役オールの当籤範囲とは逆に低設定ほど大きくした、BB0作動中のRB作動中の内部抽籤テーブルにより抽籤を行う。
第2ボーナス役BB0作動中のRB作動中は、規定投入枚数を2枚(2枚掛け)に変更し、全小役の払出枚数は2枚に変更し、有効ラインは、中段の1ラインのみに変更している。小役オールに当籤した場合は、ストップボタンの押し順及び押下位置にかかわらず、図22に示したNML01〜NML35の何れかの小役を表示でき、一遊技につき2枚のメダルが払い出される。
第2ボーナス役BB0の作動は、作動開始からの獲得メダル枚数が所定上限とする例えば5枚超過すなわち6枚以上で終了するものとしており、BB0の作動終了によりRBの作動も終了する。よって、BB0の作動は、小役オールを3連続で引くと最短で3ゲームで終了し、外れを引きやすい低設定ほど4ゲーム以降に終了し易く、低設定は高設定に比べて、BB0の作動終了までのゲーム数が長期となる可能性が高くなる。
小役オールに当籤しても払出メダル枚数は投入枚数と同じ2枚であり、純増は0枚となり、持ちメダルは、最短3ゲーム終了時は現状維持に止まり、BB0の作動終了までのゲーム数が長期になるほど減ることになる。もっとも、これに代え、BB0の作動中に、多少のメダルの増加が期待できるようにしてもよい。
第2ボーナス役BB0の作動が終了すると、図13に示すようにRT4に移行する。ART遊技中又はART準備中に第2ボーナス役BB0に当籤すると、当籤ゲーム以後、ARTの継続ゲーム数の減算を休止し、BB0の作動終了後、RT4からRT2に復帰するまでのART準備中を経て、残り継続ゲーム数についてART遊技を再開させる。
なお、第2ボーナス役BB0作動中のRB作動中の規定投入数も3枚(3枚掛け)を維持し、払出し枚数も一般遊技中と同じでもよい。この場合、BB0が作動終了となる獲得メダル枚数の上限を増やし、3ゲーム以上の継続を可能にするのが好ましい。
ART遊技中又はART準備中若しくは通常区間中に、第2ボーナス役BB0に当籤しても、上乗せの当籤もARTの当籤も決定しない。もっとも、これに代え、第2ボーナス役BB0に当籤すると、共通処理により少ないゲーム数の上乗せを可能にしたり、前記1バイト乱数を用いた抽籤処理によって、所定の低確率例えば1/256の確率でARTの当籤とし、所定の初期ゲーム数についてART遊技を可能にしてもよい。
なお、第1ボーナス役MB0の抽籤値(当籤範囲)である1311と、第2ボーナ役BB0の抽籤値(当籤範囲)である3277(設定1)等は、図16の一般遊技中内部抽籤テーブル(設定値:1)において、RT0とRT2とでは、本変形例では抽籤しないNo.1〜38の抽籤値と例えばNo.56の「F_中段リプ1」の抽籤値5000を合わせた数値範囲内に確保し、RT1とRT3とRT4とでは、本変形例では抽籤しないNo.1〜38の抽籤値と例えばNo.0の「はずれ」の抽籤値を合わせた数値範囲内に確保している。
また、図17おいて、RT5は、第2ボーナス役BB0の内部当籤中(BB0フラグ間状態中)に対応させ、RT5のNo.61〜No.73の各抽籤値は、RT0〜RT4のNo.61〜No.73の各抽籤値と同一にしている。
以上、本変形例では、第2ボーナス役BB0の当籤確率が高く、BB0作動中となる遊技の数が多くなる低設定ほど、指示機能を作動させる遊技を増加させる所定の処理を行う第1ボーナス役MB0が当籤する機会が奪われるゲーム数が多くなり、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能が低くなる。一方、第2ボーナス役BB0の当籤確率が低く、BB0作動中となる遊技の数が少なくなる高設定ほど、指示機能を作動させる遊技を増加させる所定の処理を行う第1ボーナス役MB0が当籤する機会が奪われるゲーム数が少なくなり、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能が高くなる。因みに、本変形例では、設定が1段階上がる毎に、1ゲームあたり約0.05ゲーム以上について、上乗せ期待値を増加できる。
また、第1ボーナス役MB0は、第二種特別役物に係る役物連続作動装置により構成したため、作動図柄の組合せの表示確率を高くできることから早期に作動を開始でき、指示機能を作動させる遊技を増加させる契機として適切に機能させることができる。
さらに、第2ボーナス役BB0は、低設定は高設定に比べて、作動終了までのゲーム数が3ゲームで終わらずに4ゲーム以降に終わり易く、より長期になることを可能にしているため、第2ボーナス役BB0の作動毎に、低設定は高設定よりも第1ボーナス役MB0の当籤の機会をより多く奪うことになるため、設定差による優劣を効果的に打ち出すこともできる。
本変形例において、第1ボーナス役MB0は、作動中の獲得メダル枚数が30枚を超過すると終了するものとしたが、これより少ない獲得メダル枚数の超過、或は、これより多い獲得メダル枚数の超過で作動を終了するものとしてもよい。また、第1ボーナス役は、高設定ほど当籤確率の高い設定差有りとしてもよい。さらに、第1ボーナス役は、第一種特別役物、又は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置で構成してもよい。
また、第2ボーナス役は、当籤確率自体は設定差無しにし、一作動中における遊技の数が低設定は高設定に比べて多くなるものとしてもよい。また、第2ボーナス役は、第一種特別役物、又は、第二種特別役物に係る役物連続作動装置で構成してもよい。さらに、本変形例のものは、第1ボーナス役MB0は設けず、低設定は高設定に比べて作動中となる遊技の数が多くなる前記第2ボーナス役と同様のボーナス役BB0のみを設け、ボーナス役BB0の作動中と、ボーナス役BB0の非作動中(ボーナス役BB0を抽籤する一般遊技中及び/又はフラグ間状態中)を比較した場合に、ボーナス役BB0の非作動中の方が、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能を高くしてもよい。これにより、ボーナス役BB0の作動中となる遊技の数が多くなる低設定では、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能の高いボーナス役BB0の非作動中の遊技をより多く奪うことになるため、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能が低くなり、逆に、ボーナス役BB0の作動中となる遊技の数が少なくなる高設定では、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能が高くなる。
本変形例でいう「指示機能を作動させる遊技を増加させる」概念には、ゲーム数の上乗せの他、1セットが数十ゲームとなるARTのセット数をストックすることを含む。また、これらゲーム数上乗せやセットストックという直接的な上乗せの他、特定のアイテムやポイントを貯めてARTの継続抽籤を受ける回数を増やす間接的な上乗せも含む。また、上乗せに限らず、ARTの初当たりや、ARTの引き戻し、ARTの初当たり又は引き戻しが容易なチャンスゾーンへの移行等も含む。本変形例では、有利状態制御手段を、メインCPU101のプログラム上に設けたが、サブCPU201のプログラム上に設けてもよい。
[通常時のRT状態によって有利区間の当籤率と恩恵を切り替える]変形例
本変形例も、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、メインCPU101のプログラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。
本変形例では、図13に代え、図105に示すように、メインCPU101のプログラム上に、再遊技の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる以下のア)〜ク)のRT0,RT1〜RT6、ボーナス状態を含む複数のリプレイタイム状態(RT状態)を移行させるリプレイタイム移行手段を設けている。複数のリプレイタイムのうち、少なくとも一つのリプレイタイム例えばRT2と他の一つのリプレイタイム例えばRT3又はRT4とは、有利状態(有利区間)ではない非有利状態(非有利区間の通常区間)から有利状態(有利区間)に移行させる有利状態移行契機役の抽籤態様は同じであるが、非有利状態(非有利区間の通常区間)では実行しない有利状態中(有利区間中)の指示機能に係る処理を実行するための抽籤態様は異なるものにしており、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値に有利不利の差を設けている。
ア)RT0
このRT0は、再遊技の抽籤態様が変動していない状態とし、再遊技確率を例えば8978/65536≒1/7.3の低確率(低リプ)としている。
イ)RT1
このRT1は、RT0又はRT5から所定の移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技確率はRT0と差のない低確率(低リプ)としている。所定の移行契機図柄の組合せは、図17のNo.77〜No.98の何れかの押し順小役の当籤時、押し順不正解により表示可能な図19の「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」のベルこぼし目としている。
ウ)RT2
このRT2は、RT1から第1移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT0やRT1と異なるが、再遊技確率はRT0やRT1と差のない低確率(低リプ)としている。本変形例では、途中でボーナス役BB1〜BB4の当籤がない場合は、予め定めた回数例えば10回の遊技の結果が得られたとき即ち突入から10ゲーム後にRT0に復帰する有限リプレイタイムにしている。もっとも、これに代え、RT2は、無限リプレイタイムとし、前記ベルこぼし目の表示等によりRT1に移行するようにしてもよい。
第1移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」としている。図21のREP08の図柄の組合せと同じである。この図柄の組合せが中段有効ラインに表示されると、左リール3Lの上段、中リール3Cの中段及び右リール3Rの中段を結ぶ折れ線上に、「リプレイ」図柄が並ぶ。
エ)RT3
このRT3は、RT1から第2移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT0やRT1と異なるが、再遊技確率はRT0やRT1と差のない低確率(低リプ)としている。本変形例では、途中でボーナス役BB1〜BB4の当籤がない場合は、予め定めた回数例えば10回の遊技の結果が得られたとき即ち突入から10ゲーム後にRT0に復帰する有限リプレイタイムにしている。もっとも、これに代え、RT3は、RT2と同様に、無限リプレイタイムとし、前記ベルこぼし目の表示等によりRT1に移行するようにしてもよい。
第2移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」としている。図21のREP09の図柄の組合せと同じである。この図柄の組合せが中段有効ラインに表示されると、左リール3Lの中段及び中リール3Cの中段にチェリーに係る図柄が表示されると共に、右リール3Rの下段に「赤7/青7/BAR/ブランク」のボーナス対応図柄を含む図柄が表示され、一般の遊技者が抱くイメージでいう強チェリー扱いとし、遊技が有利に展開することを期待させる遊技興趣が高まる熱い状況を示唆させる。
オ)RT4
このRT4は、RT1から第3移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT0やRT1と異なるが、再遊技確率をRT0やRT1と差のない低確率(低リプ)としている。本変形例では、途中でボーナス役BB1〜BB4の当籤がない場合は、予め定めた回数例えば10回の遊技の結果が得られたとき即ち突入から10ゲーム後にRT0に復帰する有限リプレイタイムにしている。もっとも、これに代え、RT4は、RT2やRT3と同様に、無限リプレイタイムとし、前記ベルこぼし目の表示等によりRT1に移行するようにしてもよい。
第3移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」としている。図21のREP07の図柄の組合せと同じである。この図柄の組合せが中段有効ラインに表示されると、左リール3Lの上段、中リール3Cの中段、右リール3Rの上段に「スイカ」図柄が小V字型に並び、一般の遊技者が抱くイメージでいう強スイカ扱いとし、遊技が有利に展開することを期待させる遊技興趣が高まる熱い状況を示唆させる。
カ)RT5
このRT5は、RT1から所定の昇格契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技確率を例えば約1/1.35の高確率(高リプ)とし、何れかの押し順小役(図17のNo.77〜98)の当籤時、押し順に不正解となって、ベルこぼし目を表示したときRT1に転落する。本変形例のRT5は、アシストリプレイタイムARTの遊技を行う高確リプレイタイムである。
所定の昇格契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「ベル」−「リプレイ」−「ベル」としている。図21では未定義であるが、これをREP10として新定義する。この図柄の組合せが中段有効ラインに表示されると、左リール3Lの下段、中リール3Cの中段、右リール3Rの上段に「リプレイ」図柄が右上がりに並ぶ。
キ)RT6
このRT6は、RT0,RT1〜RT5の一般遊技中において抽籤する何れかのボーナス役BB1〜BB4の当籤に基づき、当籤ゲームでは重複当籤対象の小役又は再遊技役を優先表示するために作動図柄の組合せを表示しないため、当籤ゲームの次ゲーム以降に移行する当籤に係るボーナス役の当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤中(フラグ間状態中)である。再遊技確率は、例えば約1/2.49の中確率(中リプ)としている。
ク)ボーナス状態
このボーナス状態は、当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せの表示により開始される。ボーナス役BB1〜BB4は第一種特別役物に係る役物連続作動装置BBで構成し、BBの作動中は常時第一種特別役物RBを作動状態にしており、BB作動中のRB作動中の遊技状態となる。再遊技確率は0、はずれも0で、図18に示したF_JAC1_1〜6,F_JAC2の何れかが当籤する。BB1〜BB4の作動は、それぞれの上限獲得メダル枚数の超過により終了し(常時作動のRBも終了し)、RT0に復帰する。
RT0の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は8966
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT0の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT1の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_打順1でRT3他はRT2リプ(REP08+09)は300
2)F_打順2でRT3他はRT2リプ(REP01+08+09)は300
3)F_打順3でRT3他はRT2リプ(REP02+08+09)は300
4)F_打順4でRT3他はRT2リプ(REP01+02+08+09)は300
5)F_打順5でRT3他はRT2リプ(REP07〜09)は300
6)F_打順6でRT3他はRT2リプ(REP01+07〜09)は300
7)F_打順1でRT4他は維持リプ(REP01+05+07)は85
8)F_打順2でRT4他は維持リプ(REP01+03+05+07)は85
9)F_打順3でRT4他は維持リプ(REP01+04+05+07)は85
10)F_打順4でRT4他は維持リプ(REP01+02+07)は85
11)F_打順5でRT4他は維持リプ(REP01〜04+07)は85
12)F_打順6でRT4他は維持リプ(REP01+02+04+07)は85
13)F_打順1でRT5他は維持リプ(REP01+05+10)は950
14)F_打順2でRT5他は維持リプ(REP01+03+05+10)は950
15)F_打順3でRT5他は維持リプ(REP01+04+05+10)は950
16)F_打順4でRT5他は維持リプ(REP01+02+10)は950
17)F_打順5でRT5他は維持リプ(REP01〜04+10)は950
18)F_打順6でRT5他は維持リプ(REP01+02+04+10)は950
19)F_維持リプ(REP02)は956
20)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
21)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT1の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_打順1でRT3他はRT2リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、第2移行契機図柄の組合せである「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」(REP09)を表示してRT3に移行させ、左中右以外で停止操作をすると、第1移行契機図柄の組合せである「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP08)を表示してRT2に移行させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
また、例えば、7)の「F_打順1でRT4他は維持リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、第3移行契機図柄の組合せである「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」(REP07)を表示してRT4に移行させ、左中右以外で停止操作をすると、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP01)を表示してRT1を維持させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
さらに、例えば、13)の「F_打順1でRT5他は維持リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、昇格契機図柄の組合せである「ベル」−「リプレイ」−「ベル」(REP10)を表示してRT5に移行させ、左中右以外で停止操作をすると、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP01)を表示してRT1を維持させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
RT1からRT2又はRT3のどちらかに移行する確率は、上記1)〜6)の合算確率に等しくなり、300×6/65536≒1/36.4となる。RT1からRT4に移行する確率は、上記7)〜13)の何れか一つの確率に等しくなり、85/65536≒1/771となる。おおむね1000円相当の貸しメダル50枚で可能なゲーム数とする例えば36ゲーム中、1回程度は、RT2〜4の何れかに移行することが期待できる。この場合、RT2に移行する確率が高いが、押し順に正解できるとRT3に移行する場合もあり、稀にRT4に移行する場合もある。
RT2の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は8958
2)F_チャンスリプ1(REP04)は4
3)F_チャンスリプ2(REP06)は4
4)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
5)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT2の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。F_チャンスリプ1とF_チャンスリプ2は、新定義した特定役である。
RT3の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は4870
2)F_チャンスリプ1(REP04)は2048
3)F_チャンスリプ2(REP06)は2048
4)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
5)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT3の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT4の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は774
2)F_チャンスリプ1(REP04)は4096
3)F_チャンスリプ2(REP06)は4096
4)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
5)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT4の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は20273
2)F_上段リプ(REP01+04)は2450
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は5000
4)F_中段リプ2(REP01+05)は4750
5)F_中段リプ3(REP01+06)は4750
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は2450
7)F_被弾リプ(REP03)は8970
8)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
9)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT5の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT6の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は5053
2)F_上段リプ(REP01+04)は60
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は306
4)F_中段リプ2(REP01+05)は8992
5)F_中段リプ3(REP01+06)は11775
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は180
以上、RT6の再遊技役の合計の抽籤値は26366で、確率は約1/2.49となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、RT0,RT1,RT2,RT3,RT4,RT5,RT6のボーナス役及び小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図16のNo.1〜No.38及び図17のNo.61〜No.98と同様である。RT2〜RT4を含む一般遊技中、有利状態(有利区間)ではない非有利状態(非有利区間の通常区間)から有利状態(有利区間)に移行させる次記する弱レア役等の有利状態移行契機役の抽籤態様は同じである。
非有利区間である通常区間から有利区間への移行は、図33に示した態様に準じて行う。すなわち、有利状態移行契機役の一つとする弱レア役(「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確1状態という通常有利区間に移行させる。有利状態移行契機役の一つとする、ボーナス役と重複しないチャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確2状態という通常有利区間に移行させる。
さらに、有利状態移行契機役の一つとするスイカ1(「F_スイカ1」)の当籤により、例えば当籤確率を8/256としたART抽籤を行い、当籤時は、前兆期間を9〜16ゲームの間で選ぶ前兆期間抽籤を経て、本前兆状態という通常有利区間を経由してARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、前兆期間抽籤を経て、高確3状態という通常有利区間に移行させる。
さらにまた、有利状態移行契機役の一つとする、スイカ2と重複しないボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)の当籤により、例えば当籤確率を64/256としたART抽籤を行い、当籤時は、ボーナス状態の終了後にラインバトル準備状態に続くラインバトル状態というARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、ボーナス状態の終了後、次回遊技から少なくとも32ゲーム間、高確4状態という通常有利区間に移行させる。
要するに、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1、スイカ2との重複を除くボーナス役という、一般遊技中のRT0〜RT5において抽籤値が変動しない予め定めた有利状態移行契機役の当籤に基づいて、通常区間ではない有利区間に含まれる通常有利区間に移行させている。
本変形例では、通常有利区間を含む有利区間の移行後は、図34に示した通常有利区間中の遊技での処理に準じて、通常有利区間からARTによる有利区間を決定可能にしていると共に、RT2,RT3,RT4の各RT状態では、予め定めた特定役であるF_チャンスリプ1(REP04)又はF_チャンスリプ2(REP06)の当籤に基づいて、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた抽籤処理によって、所定の高確率例えば256/256=1(100%)の確率でARTによる有利区間を決定可能にしている。また、既にARTが決定されている場合は、特定役の当籤に基づいて、数十ゲームで1セットとするARTのセット数をストック可能にしている。
RT2では、特定役であるF_チャンスリプ1(REP04)とF_チャンスリプ2(REP06)の抽籤値はそれぞれ4とし、RT2〜4のうち最も低い最低値にしており、RT2の移行前に通常有利区間に移行し或はRT2の移行後に通常有利区間に移行した場合、特定役の当籤に基づいてARTによる有利区間が決定される可能性はあるが、その確率は比較的低い。既にARTが決定されている場合に特定役の当籤に基づいてARTのセット数をストックする可能性も比較的低い。
一方、RT3では、特定役であるF_チャンスリプ1(REP04)とF_チャンスリプ2(REP06)の抽籤値はそれぞれ2048とし、RT2〜4のうち比較的高めの中間値にしており、RT3の移行前に通常有利区間に移行し或はRT3の移行後に通常有利区間に移行した場合、特定役の当籤に基づいてARTによる有利区間が決定される可能性は比較的高い。既にARTが決定されている場合に特定役の当籤に基づいてARTのセット数をストックする可能性も比較的高い。
また、RT4では、特定役であるF_チャンスリプ1(REP04)とF_チャンスリプ2(REP06)の抽籤値はそれぞれ4096とし、RT2〜4のうち最も高い最高値にしており、RT4の移行前に通常有利区間に移行し或はRT4の移行後に通常有利区間に移行した場合、特定役の当籤に基づいてARTによる有利区間が決定される可能性は最も高い。既にARTが決定されている場合に特定役の当籤に基づいてARTのセット数をストックする可能性も最も高い。
以上のように、一つのリプレイタイムRT2と他の一つのリプレイタイムRT3又はRT4とでは、特定役であるF_チャンスリプ1(REP04)とF_チャンスリプ2(REP06)の抽籤値が異なり、非有利状態(非有利区間の通常区間)では実行しない有利状態中(有利区間中)の指示機能に係る処理を実行するための抽籤態様を異なるものとしており、ARTによる有利区間が決定される可能性に高い低いの差がつき、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値に有利不利の差が生じるものとしている。より具体的には、RT2<RT3<RT4という順番で、指示機能の作動についての性能が高まり、RT2はARTの低期待度RT、RT3はARTのチャンスRT、RT4はARTの大チャンスRTとして機能する。低期待度RTのRT2でも、特定役の当籤に基づいてARTが決定可能なため、RT0やRT1よりも有利である。このため、RT0,RT1,RT2〜RT4の何れのリプレイタイムでの遊技かが遊技者の関心事となり、ARTによる有利状態の生起前においても遊技興趣を高め得る。
チャンスRTであるRT3又は大チャンスRTであるRT4に移行した場合、移行時点で通常有利区間に移行していなくとも、RT3又はRT4が継続可能な10ゲーム間に、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1の当籤に基づいてRT3又はRT4を維持したまま通常有利区間に移行させた後、特定役であるF_チャンスリプ1(REP04)又はF_チャンスリプ2(REP06)に当籤できれば、ARTが可能になる。
また、RT3又はRT4の移行時点で通常有利区間に移行している場合、RT3又はRT4が継続可能な10ゲーム間に、通常有利区間が終了しないうちに、特定役であるF_チャンスリプ1(REP04)又はF_チャンスリプ2(REP06)に当籤できれば、ARTが可能になる。
このため、RT3又はRT4への移行後、遊技者は、熱い思いでスタートレバーを叩くことができ、ARTの決定前の遊技状態においても叩きどころを創出できる。RT3やRT4への移行前のRT1でも、RT3又はRT4への移行に期待できる役の当籤に期待し、「チャンスRTや大チャンスRTに行け!」と願いつつ、スタートレバーを叩くことができ、RT3又はRT4の移行前にも叩きどころを創出できる。
なお、RT3への移行も、RT4への移行も、打順1〜6の6択とする押し順に正解したとき移行可能にしているため、サブ側の表示装置11上には、各ストップボタン17L,17C,17Rの上方位置に対応させて「選べ!?・?・?」等の煽り演出を行うようにしている。この場合、RT0やRT1で既に通常有利区間に移行している場合は、RT3に移行する正解打順や、RT4への移行する正解打順を、例えば「1・2・3」等と報知するようにしてもよい。
RT3又はRT4は、RT2よりも、ARTによる有利状態の生起確率が高く、逆に、RT2は、RT3又はRT4よりも、ARTによる有利状態の生起確率が低いが、RT2で特定役の当籤に基づいてARTが決定される場合、RT3又はRT4で特定役の当籤に基づいてARTが決定される場合よりも、継続ゲーム数或はセットストック数の多い長期のARTを生起可能にしている。
この場合は、RT2に移行した場合も遊技者は失望することなく、低い確率でARTが決定されると、長期のARTの恩恵を享受できる可能性があるため、スリリングな遊技状況等を創出できる。
なお、特定役の当籤に基づいてARTが可能になるRT状態は、RT2,RT3,RT4の3種類としたが、これに代え、2種類としてもよいし、4種類以上としてもよい。RT2〜RT4への移行契機図柄の組合せは、再遊技に係るものの他、小役に係るものを用いてもよい。また、RT2〜RT4を有限リプレイタイムで構成する場合に、その継続可能ゲーム数を10ゲーム(10ゲーム周期)で共通にしたが、継続可能ゲーム数は10ゲーム以下でも10ゲームを超えるものでもよいし、例えば、RT2は15ゲーム、RT3は20ゲーム、RT4は25ゲームとする等、RT状態によって周期を変化させてもよい。さらに、特定役は、再遊技役(F_チャンスリプ1(REP04)、F_チャンスリプ2(REP06))とする他、小役やボーナス役を用いてもよい。さらにまた、有利状態中(有利区間中)にARTを決定する契機は、特定役の当籤に限らず、特定役の表示でもよいし、予め定める役の連続当籤や連続表示、所定範囲の遊技履歴内における当籤回数や表示回数といった遊技履歴に基づいて、ARTを決定してもよい。
また、RT2〜RT4を無限リプレイタイムで構成する場合に、RT1への移行契機図柄の組合せを、ベルこぼし目以外に、別途定義する転落契機図柄の組合せを追加してもよいし、RT2〜RT4の相互間の移行を可能にする別途定義する移行契機図柄の組合せを追加し、低期待度RTのRT2と、チャンスRTのRT3と、大チャンスRTのRT4との間で、昇格及び/又は転落を可能にしてもよい。さらに、RT2〜RT4のうち、一部を有限リプレイタイムとし、残りを無限リプレイタイムにしてもよい。さらにまた、RT2〜RT4の全部又は一部を有限リプレイタイムで構成する場合も、RT2〜RT4の全部又は一部を無限リプレイタイムで構成する場合も、それぞれの再遊技確率に積極的に高低差を付け、例えば、RT2は再遊技確率はRT3やRT4よりも高いが、ARTの当籤確率は低くすること等も可能である。
本変形例では、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後、RT0に復帰させたが、再遊技の抽籤態様がRT0,RT1〜RT6と異なり、予め定めた回数例えば32回の遊技の結果が得られたときRT0に復帰するRT7等の有限のRT状態に移行させ、このRT7において特定役(F_チャンスリプ1(REP04)、F_チャンスリプ2(REP06)等)を当籤させるようにしてもよい。この場合には、ART中又はARTが決定されているとき、ボーナス役BB1〜BB4に当籤してその作動終了後の32ゲーム間は、ARTがさらに1セット以上決定される可能性が高くなり、RT7で特定役に当籤したとき顕著に遊技興趣を高め得る激熱の状況を創出することもできる。本変形例では、RT1からRT2〜5に移行するようにしたが、RT0からRT2〜5に移行するようにしてもよい。本変形例では、有利状態制御手段を、メインCPU101のプログラム上に設けたが、サブCPU201のプログラム上に設けてもよい。
本変形例では、通常有利区間への移行により有利区間を明示する状態表示器(区間表示器)を点灯させるようにしているが、状態表示器の点灯はART遊技の開始からにしてもよい。何れにしても、本変形例によれば、状態表示器の点灯状況を足かせ等と感じさせることもなく、遊技全般を通じて遊技者の期待感を高め得る。
[図柄組合せの管理手法によるテータ削減]変形例
本変形例も、上記実施形態と同様、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させて一回の遊技の結果を導出する。ここに、一回の遊技の結果には、メダルの払出し、再遊技の作動、ボーナスの作動、再遊技の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なるリプレイタイムへの移行、通常区間と有利区間との間の移行、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を含む。
本変形例では、図15の図柄配置テーブルにおいて、左リール3Lに変更はないが、中リール3Cの図柄番号5の「チェリー1」は「チェリー2」に、右リール3Rの図柄番号13の「チェリー1」は「チェリー2」にそれぞれ変更している。「チェリー1」と「チェリー2」とは、外観が類似する、相異なる図柄Aと図柄Bに対応する。
また、図19の図柄組合せテーブルにおいて、RT3移行目(S_RT3移行目)の図柄の組合せ「左図柄」−「中図柄」−「右図柄」を、
「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」と、
「チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」と、
「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー1」とに変更している。
「チェリー1/チェリー2」というのは、チェリー1又はチェリー2、要するに、チェリー1でもチェリー2でもどちらでも良いという意味である。
さらに、図21及び図22の図柄組合せテーブルにおいて、中リール及び右リールの欄に「チェリー1」とあるのは、「チェリー1/チェリー2」に変更し、図21中に、新たな再遊技役として、「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」の図柄の組合せに対応させるS_RT6突入リプ(REP11)と、「スイカ」−「リプレイ」−「スイカ」に対応させるS_RT2復帰リプ(REP12)とを定義している。
図106に示すように、アシストリプレイタイムARTを行う高確リプレイタイムRT2から、REP11の「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」の図柄の組合せの表示により、再遊技の抽籤態様はRT2と異なるが同じく高確リプレイタイムとしたRT6に移行させ、このRT6において、REP12の「スイカ」−「リプレイ」−「スイカ」の図柄の組合せの表示によりRT2に復帰するまでの間、BAR揃いリプ(REP06)の表示によりARTの継続ゲーム数を複数回について上乗せ可能とし、RT6を上乗せ特化ゾーンとして機能させるようにしている。
本変形例では、図16中、RT2の欄において、例えばNo.56のF_中段リプ1の抽籤値を3000に変更し、新定義のF_RT6突入リプ(REP01+REP04+REP11)を抽籤値2000で抽籤している。
また、RT6の抽籤テーブルを追加定義しており、このRT6の抽籤テーブルでは、図16のNo.0〜51,55,59,60はRT2と同一とし、No.52〜54,56〜58は次のとおりに変更している。RT6の抽籤テーブルでは、図17のNo.61〜98に対応する抽籤値は、RT2と同一である。
RT6の抽籤テーブルにおいては、図16のNo.52のF_RT2中リプレイ1に代え、F_RT6中リプレイ1(REP02+REP12)を抽籤値2500で抽籤する。F_RT6中リプレイ1の当籤時、左リール3Lを最初に止める左第1停止なら、REP02を表示してRT6を維持し、左第1停止以外なら、REP12を表示してRT2に復帰する。
RT6の抽籤テーブルにおいては、図16のNo.53のF_RT2中リプレイ2に代え、F_RT6中リプレイ2(REP02+REP03+REP12)を抽籤値2500で抽籤する。F_RT6中リプレイ2の当籤時、中リール3Cを最初に止める中第1停止なら、REP02を表示してRT6を維持し、中第1停止以外なら、REP12を表示してRT2に復帰する。
RT6の抽籤テーブルにおいては、図16のNo.54のF_RT2中リプレイ3に代え、F_RT6中リプレイ3(REP02+REP03+REP04+REP12)を抽籤値2500で抽籤する。F_RT6中リプレイ3の当籤時、右リール3Rを最初に止める右第1停止なら、REP02を表示してRT6を維持し、右第1停止以外ならREP12を表示して、RT2に復帰する。
RT6の抽籤テーブルにおいては、図16のNo.56のF_中段リプ1(REP01+REP07+REP08)の抽籤値は5000から0に変更し、F_中段リプ1は抽籤しない。REP08の表示によりRT1に転落するリスクを回避するためである。
RT6の抽籤テーブルにおいては、図16のNo.57のF_中段リプ2(REP01+REP05)の抽籤値は0から2000に変更する。F_中段リプ2の当籤時、右リール3Rを最初に止める右第1停止なら、フェイクリプREP05を表示し、右第1停止以外ならREP01を表示する。サブ側の表示装置11には、右から左に向く矢印と共に「BARを狙え!」のナビを出し、バー揃いに期待を持たせる。ただし、フェイクリプの表示では上乗せはしない。
RT6の抽籤テーブルにおいては、図16のNo.58のF_中段リプ3(REP01+REP06)の抽籤値は0から9000に変更する。F_中段リプ3の当籤時、右リール3R又は中リール3Cを最初に止める右第1停止又は中第1停止の場合、バー揃いリプREP06を表示し、左第1停止ならREP01を表示する。サブ側の表示装置11には、右から左に向く矢印と共に「BARを狙え!」のナビを出し、バー揃いに期待を持たせる。必ずしもBAR図柄が揃わない場合も含め、F_中段リプ3の当籤時点で、所定ゲーム数例えば10ゲームについてARTの継続ゲーム数の上乗せが決定され、最後に操作したストップボタンから指を離す第3離しがされた後、サブ側の表示装置11に「+10G」等と表示する。なお、上乗せゲーム数は、5G,10G,20G,50G,100G等から抽籤により選んでもよい。
高確リプレイタイムRT2から、F_チャンス目A1〜F_チャンス目A4、F_チャンス目B1〜F_チャンス目B4の何れかの当籤時、所定の表示確率例えば第3停止操作時点で3/4等の確率により、NML14〜30の何れのチャンス役(1枚役)も表示することなく、RT3移行目の「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー1」の何れかを表示する。この場合、一回の遊技の結果として、メダルの払出はなく、RT3に移行する。
高確リプレイタイムRT2から、F_RT6突入リプの当籤時、各リール3L,3C,3Rの比較的見易い「BAR」図柄を目安として、「チェリー2」を最大4コマ滑りで引き込むことができるタイミングで停止操作をすれば、RT6への移行契機図柄の組合せとする「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」(REP11)を表示し、一回の遊技の結果として、再遊技が作動し、次ゲームはRT6に移行する。ART中、F_RT6突入リプの当籤時、サブ側の表示装置11に「BARを狙え!」等のナビを出すようにしている。
ところで、従来なら、RT2においてリール停止制御処理が完結した一回の遊技の結果が導出された後の入賞検索処理やRTチェック処理等において、RT3移行目の「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー1」の何れかを判定すると、メダルは払い出さず、かつ、RT3に移行させ、RT6への移行契機図柄の組合せの「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」を判定すると、再遊技を作動させ、RT6に移行させるという処理を行うことになる。
しかし、この従来型の判定では、RT3に移行させる3分類にまとめた3種類と、RT6に移行させる1種類の合計4種類の判定定数或は判定因子を要し、一判定定数を、一の図柄の組合せを他と区別するために用いる所定容量のデータ、例えば図21,図22の表示役の「データ」の欄に示すような、図柄の組合せを構成する左リール・中リール・右リールの各構成図柄を「/」(又は)で結合することにより一の格納領域内において定義する他の図柄の組合せと区別する、00000001,00000010,00000100,00001000,00010000,00100000,01000000,10000000の何れかの1バイトデータで識別するものとした場合、00000001〜10000000の8種類の中から4種類を割り当てる必要が生じ、判定定数のデータとして4バイト必要になると共に、判定処理も複雑になり処理ステップ数も多くなる。
そこで、本変形例では、一回の遊技の結果により遊技者に所定の利益例えば「メダルの払出はなく、RT3に移行する」という利益を付与する複数の図柄の組合せをもつ第1グループの図柄の組合せ「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー1」と、第1グループに含まれる図柄の組合せと異なり且つ第1グループに含まれる図柄の組合せよりも少ない図柄の組合せをもち、第1グループの図柄の組合せが表示された場合に付与する利益と異なる利益例えば「再遊技が作動し、次ゲームはRT6に移行する」という利益を付与する第2グループの図柄の組合せ「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」とを有し、第1グループの図柄の組合せと第2グループの図柄の組合せとを合わせた仮想グループの図柄の組合せを、「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」というように、左リール・中リール・右リールの各構成図柄を「/」(又は)で結合することにより定義し、この定義した仮想グループの図柄の組合せに対応させて、一の格納領域内において図柄の組合せを区別する00000001〜10000000の8種類の1バイトデータの中から、特定の一つの1バイトデータを割り当て、この割り当てた1バイトデータにより仮想グループの図柄の組合せを識別することとしている。一の格納領域に1バイトデータの空きがある場合は、その空きに仮想グループの図柄の組合せを特定する1バイトデータを割り当て、一の格納領域に空きがない場合は、新たな格納領域に仮想グルーブの図柄の組合せを特定する1バイトデータを割り当てることになる。
そして、第1グループと第2グループとの図柄の組合せを判定する処理では、第2グループの図柄の組合せ「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」か否かを判定した後、仮想グループの図柄の組合せ「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」か否かの判定を実行可能にしている。
最初の判定で第2グループの図柄の組合せ「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」であると判定されると、第2グループの図柄の組合せであることが確定する。
最初の判定で第2グループの図柄の組合せでないと判定された後、仮想グループの図柄の組合せ「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」であると判定されると、「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー1」の第1グループの図柄の組合せであることが確定する。
最初の判定で第2グループの図柄の組合せでないと判定された後、仮想グループの図柄の組合せでないとの判定がされると、第1グループの図柄の組合せでもないことが確定する。
これにより、判定定数は、第2グループの図柄の組合せ「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」と、仮想グループの図柄の組合せ「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」との2種類で足り、2バイトに低減できる。しかも、判定処理のステップ数も低減できる。したがって、判定処理に要するプログラム容量及び/又はデータ容量を少なくできながら、第2グループの図柄の組合せか否か、第1グループの図柄の組合せか否か、を何れも判定可能になる。
RT2において、第2グループの図柄の組合せ「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」が判定されると、「再遊技が作動し、次ゲームはRT6に移行する」という利益が確定するため、第1グループの図柄の組合せの判定を要しない。このため、最初の判定により第2グループの図柄の組合せであると判定がされた場合には、仮想グループの図柄の組合せか否かの判定をしないようにしている。従って、判定処理に要するプログラム容量及び/又はデータ容量をより少なくできる。
本変形例において、RT6の上乗せ特化ゾーンは設けず、第2グループの図柄の組合せ「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」は、仮想グループの図柄の組合せから排除したい図柄の組合せとして位置づけることもできる。
そして、「メダルの払出はなく、RT3に移行する」という利益を付与する第1グループの図柄の組合せ「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー1」を判定する処理では、第2グループの図柄の組合せか否かの判定により第2グループの図柄の組合せでない判定がされた後、仮想グループの図柄の組合せか否かを判定するようにしてもよい。
この場合、最初の判定で第2グループの図柄の組合せでないと判定された後、仮想グループの図柄の組合せ「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」であると判定されると、「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1/チェリー2」、「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー1」の第1グループの図柄の組合せであることが確定し、最初の判定で第2グループの図柄の組合せでないと判定された後、仮想グループの図柄の組合せでないとの判定がされると、第1グループの図柄の組合せでもないことが確定する。
この場合にも、判定定数は、排除したい第2グループの図柄の組合せ「チェリー2」−「チェリー2」−「チェリー2」と、仮想グループの図柄の組合せ「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1/チェリー2」との2種類で足り、2バイトに低減できる。しかも、判定処理のステップ数も低減できる。したがって、判定処理に要するプログラム容量及び/又はデータ容量を少なくできながら、第1グループの図柄の組合せか否かを判定できる。
本変形例は、リプレイタイムの移行に関連した図柄の組合せに適用したが、この他、メダルの払出枚数が異なるものに適用してもよい。例えば、左、中、右の各リールに、ベル1とベル2等の相違する第1図柄A(ベル1)と第2図柄B(ベル2)を配置し、「左図柄−中図柄−右図柄」の組合せとして「A−A−A」、「A−A−B」、「A−B−A」、「A−B−B」、「B−A−A」、「B−A−B」、「B−B−A」の7通りの第1グループの図柄の組合せに対応させたメダル9枚を払出す9枚役と、「B−B−B」の1通りの第2グループの図柄の組合せに対応させたメダル8枚を払出す8枚役とがある場合、最初に「B−B−B」か否かを判定した後、仮想グループ「A/B−A/B−A/B」か否かを判定する。この場合にも、判定処理に要するプログラム容量及び/又はデータ容量を少なくできながら、9枚役か否か8枚役か否かを良好に判定することができる。
[図柄引き込みに関する新たな概念を取り入れた優先順位付け]変形例
本変形例も、上記実施形態と同様、複数の図柄をもつ複数のリール3L,3C,3Rを回転させ、内部抽籤で当籤した当籤役と対応するストップボタン17L,17C,17Rの操作とに基づいて回転中のリールを停止させるリール停止制御手段を備える(図67、図70〜72参照)。
図67に示すように、ストップボタン17L,17C,17R一の停止操作がされる前に未停止リールの全図柄に対し、1バイトの引込優先順位データを割付ける(S624〜S631)。すなわち、第1番目の停止操作前なら全リールの全20コマの図柄に対し、内部当籤役に応じて引込優先順位データを初期格納する。第2番目の停止操作前なら回転中の2つのリールの全20コマの図柄に対し、第1停止による出目に応じて引込優先順位データを書換える。第3番目の停止操作前なら回転中の一つのリールの20コマの図柄に対し、第2停止による出目に応じて引込優先順位データを書換える。
引込優先順位データは、内部当籤役に含まれる図柄の組合せのうち、メダルの払出枚数が最も多くなる図柄の組合せに対応した図柄を優先引込みする枚数優先、又は、同じ遊技結果(払出、再遊技作動、役物作動)になる当籤フラグの数が最も多い図柄の組合せに対応した図柄を優先引込みする個数優先、若しくは、内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲(内部抽籤テーブル上の合算抽籤値)が最も大きくなる図柄の組合せに対応した図柄を優先引込みする範囲優先、に従って割付ける。例えば、最も優先順位の高い図柄には03Hを、優先順位の低い図柄には01H等を、停止させては非当籤役が揃うために停止禁止とする図柄(蹴飛ばし図柄)には00Hを割付ける。
ストップボタン17L,17C,17Rの押下時点で、例えば中段ラインに定める停止基準位置を通過中の図柄の一つ上の図柄を1コマ未満の滑りで停止可能な0コマ目の図柄とし、この0コマ目の図柄を含む0〜4コマ滑りとなる検索対象の5コマ分のデータについて、内部当籤役と第1番目に押下したストップボタン番号等に応じて予め仮設定した仮滑りコマ数を起点に最大値検索処理を行い、例えば、仮滑りコマ数が2なら、2コマ目,3コマ目,4コマ目,0コマ目,1コマ目という予め定めた順番に従って最大値検索処理を行い、起点から最初に検出された最大値の図柄を停止図柄に決定し、この決定した停止図柄に基づいて0〜4コマ滑りの一を選択し、選択した滑りコマ数でリールの回転を停止させる(図72のS719等)。これにより、決定した停止図柄が中段に停止される。
本変形例では、枚数優先に従う停止制御と、個数優先に従う停止制御と、範囲優先に従う停止制御とを、遊技状態と内部当籤役に応じて選択して実行する。具体的には、図13のRT0〜RT4の一般遊技中は、枚数優先に従う停止制御と、個数優先に従う停止制御とを使い分け、RT5のフラグ間状態中は、枚数優先に従う停止制御と、個数優先に従う停止制御と、範囲優先に従う停止制御とを使い分け、BB1〜BB4のボーナス状態中は、枚数優先に従う停止制御を使う。
なお、本変形例では、図16及び図17の、「F_チャンス目B1」,「F_チャンス目B2」,「F_チャンス目B3」,「F_チャンス目B4」の各重複当籤対象役に、NML30(S_チャンス制御役)の1枚役を追加することとしている。すなわち、例えば、図16No.6の「F_BB1+F_チャンス目B1」は、BB01+NML14+18+26+30となる。
RT0〜RT4の一般遊技中、又は、RT5のフラグ間状態中、図17のNo.77〜98の「F_上段左ベル1」〜「F_下段右中ベル2」の何れかの押し順小役に当籤すると、押し順正解時は、枚数優先に従う停止制御により、8枚のメダルを払出すNML01の「ベル」−「ベル」−「ベル」を表示し、押し順不正解時は、個数優先に従う停止制御により、重複当籤対称とする1枚のメダルを払出すNML02〜13の何れかを所定の表示確率で表示するか又は取りこぼしとする。
RT0〜RT4の一般遊技中、図16のNo.1〜38の「F_BB1+F_確定リプ」〜「F_BB4+F_チャンス目B4」の、一のボーナス役と複数の再遊技役との重複役、又は、一のボーナス役と複数の小役との重複役に当籤すると、個数優先に従う停止制御により、複数の当籤フラグとなる再遊技役又は小役を表示する。
例えば、「F_BB1+F_チャンス目A1」(BB01+NML14+22+26+30)の当籤時、左、中の順番又は中、左の順番で第2停止まで完了したとき、上段、中段、下段の何れか一の有効ラインに、左リールについては「チェリー1/チェリー2」を表示でき、中リールについては「チェリー1」を表示できる。右リールについては、「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−が並ぶテンパイラインを基準に特定図柄「赤7」の引込範囲で第3停止を行うと、特定図柄「赤7」をテンパイラインに表示できる。よって、特定の一の有効ラインに「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−特定図柄「赤7」のNML14の判り易いチャンス目を表示できる。
中、右の順番又は右、中の順番で第2停止まで完了したとき、上段、中段、下段の何れか一の有効ラインに、中リールについては「チェリー1」を表示でき、右リールについては「チェリー1」を表示できる。左リールについては、−「チェリー1」−「チェリー1」が並ぶテンパイラインを基準に特定図柄「赤7」の引込範囲で第3停止を行うと、特定図柄「赤7」をテンパイラインに表示できる。よって、特定の一の有効ラインに特定図柄「赤7」−「チェリー1」−「チェリー1」のNML26の判り易いチャンス目を表示できる。
右、左の順番で第2停止まで完了したとき、有効ラインに、右リールについては「チェリー1」とその一つ上の「赤7/青7/BAR/ブランク」を表示でき、左リールについては右図柄の「赤7/青7/BAR/ブランク」と同一ラインに「ベル」を表示できる。中リールについては、「ベル」−−「赤7/青7/BAR/ブランク」が並ぶテンパイラインを基準に特定図柄「赤7」の引込範囲で第3停止を行うと、特定図柄「赤7」をテンパイラインに表示できる。よって、特定の一の有効ラインに「ベル」−特定図柄「赤7」−「赤7/青7/BAR/ブランク」のNML22の判り難いチャンス目を表示できる。
左、右の順番で第2停止まで完了したとき、有効ラインに、左リールについては「チェリー1/チェリー2」とその一つ上の「赤7/青7/BAR/ブランク」とその一つ下の「スイカ」を表示でき、右リールについては左図柄の「スイカ」と同一ラインに「赤7/青7/BAR/ブランク」を表示できる。中リールについて第3停止を行うと、「スイカ」−−「赤7/青7/BAR/ブランク」が並ぶテンパイラインとなる下段ラインに「チェリー1」を表示できる。よって、特定の一の有効ラインである下段ラインに「スイカ」−「チェリー1」−「赤7/青7/BAR/ブランク」のNML30の判り難いチャンス目を表示できる。
「F_BB1+F_チャンス目A2」(BB01+NML15+23+27+30)の当籤時は、特定図柄「赤7」とあるのは特定図柄「青7」に、NML14はNML15に、NML22はNML23に、NML26はNML27にそれぞれ置き換わる。
「F_BB1+F_チャンス目A3」(BB01+NML16+24+28+30)の当籤時は、特定図柄「赤7」とあるのは特定図柄「BAR」に、NML14はNML16に、NML22はNML24に、NML26はNML28にそれぞれ置き換わる。
「F_BB1+F_チャンス目A4」(BB01+NML17+25+29+30)の当籤時は、特定図柄「赤7」とあるのは特定図柄「ブランク」に、NML14はNML17に、NML22はNML25に、NML26はNML29にそれぞれ置き換わる。
また、「F_BB1+F_チャンス目B1」(BB01+NML14+18+26+30)の当籤時、左、中の順番又は中、左の順番で第2停止まで完了したとき、上段、中段、下段の何れか一の有効ラインに、左リールについては「チェリー1/チェリー2」を表示でき、中リールについては「チェリー1」を表示できる。右リールについては、「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−が並ぶテンパイラインを基準に特定図柄「赤7」の引込範囲で第3停止を行うと、特定図柄「赤7」をテンパイラインに表示できる。よって、特定の一の有効ラインに「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−特定図柄「赤7」のNML14の判り易いチャンス目を表示できる。
中、右の順番で第2停止まで完了したとき、上段、中段、下段の何れか一の有効ラインに、中リールについては「チェリー1」を表示でき、右リールについては「チェリー1」を表示できる。左リールについては、−「チェリー1」−「チェリー1」が並ぶテンパイラインを基準に特定図柄「赤7」の引込範囲で第3停止を行うと、特定図柄「赤7」をテンパイラインに表示できる。よって、特定の一の有効ラインに特定図柄「赤7」−「チェリー1」−「チェリー1」のNML26の判り易いチャンス目を表示できる。
右、中の順番で第2停止まで完了したとき、有効ラインに、右リールについては「チェリー1」とその一つ上の「赤7/青7/BAR/ブランク」とその二つ上の「スイカ」を表示でき、中リールについては右図柄の「チェリー1」と同一ラインに「チェリー1」を表示できる。左リールについては、−「チェリー1」−「チェリー1」が並ぶテンパイラインを基準に特定図柄「赤7」の引込範囲で第3停止を行うと、特定図柄「赤7」をテンパイラインに表示できる。よって、特定の一の有効ラインである下段ラインに特定図柄「赤7」−「チェリー1」−「チェリー1」のNML26の判り易いチャンス目を表示できる。
右、左の順番で第2停止まで完了したとき、有効ラインに、右リールについては「チェリー1」とその一つ上の「赤7/青7/BAR/ブランク」とその二つ上の「スイカ」を表示でき、左リールについては右図柄の「スイカ」と同一ラインに「リプレイ」を表示できる。中リールについては、「リプレイ」−−「スイカ」が並ぶテンパイラインを基準に特定図柄「赤7」の引込範囲で第3停止を行うと、特定図柄「赤7」をテンパイラインに表示できる。よって、特定の一の有効ラインである上段ラインに「リプレイ」−特定図柄「赤7」−「スイカ」のNML18の判り難いチャンス目を表示できる。
左、右の順番で第2停止まで完了したとき、有効ラインに、左リールについては「チェリー1/チェリー2」とその一つ上の「赤7/青7/BAR/ブランク」とその一つ下の「スイカ」を表示でき、右リールについては左図柄の「スイカ」と同一ラインに「赤7/青7/BAR/ブランク」を表示できる。中リールについて第3停止を行うと、「スイカ」−−「赤7/青7/BAR/ブランク」が並ぶテンパイラインとなる下段ラインに「チェリー1」を表示できる。よって、特定の一の有効ラインである下段ラインに「スイカ」−「チェリー1」−「赤7/青7/BAR/ブランク」のNML30の判り難いチャンス目を表示できる。
「F_BB1+F_チャンス目B2」(BB01+NML15+19+27+30)の当籤時は、特定図柄「赤7」とあるのは特定図柄「青7」に、NML14はNML15に、NML18はNML19に、NML26はNML27にそれぞれ置き換わる。
「F_BB1+F_チャンス目B3」(BB01+NML16+20+28+30)の当籤時は、特定図柄「赤7」とあるのは特定図柄「BAR」に、NML14はNML16に、NML18はNML20に、NML26はNML28にそれぞれ置き換わる。
「F_BB1+F_チャンス目B4」(BB01+NML17+21+29+30)の当籤時は、特定図柄「赤7」とあるのは特定図柄「ブランク」に、NML14はNML17に、NML18はNML21に、NML26はNML29にそれぞれ置き換わる。
以上、RT0〜RT4の一般遊技中、例えば、「F_BB1+F_チャンス目A1」〜「F_BB1+F_チャンス目B4」に当籤すると、NML14やNML26等の判り易いチャンス目を表示でき、チャンス目を契機にボーナス役BB1に当籤したかのように適切かつ効果的に遊技者に印象づけることができる。
また、RT0〜RT4の一般遊技中、ボーナス役と重複のない単独の「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目B4」に当籤した場合も、ボーナス役と重複のある「F_BB1+F_チャンス目A1」〜「F_BB1+F_チャンス目B4」に当籤したときと同じ表示出目となる。しかし、単独の「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目B4」に当籤した場合は、図33に示したように高確2状態という通常有利区間に移行し、しかも、第3停止時に特定図柄「赤7」等を引き込むことができずに取りこぼしとなった場合等に図19のS_RT3移行目を表示し、このRT3移行目の表示を契機に遊技者に有利なRT3に移行させる。このため、RT0〜RT4の一般遊技中は、単独のチャンス目に当籤した場合も、判り易いチャンス目の表示を可能にしつつ、RT3移行目を出すこととしているのは、遊技を判り易くする点で極めて適切である。
一方、RT5のフラグ間状態中は、判り易いチャンス目を表示しても、持越しに係るボーナス役が重複当籤していることになるため、図33の高確2状態の移行はなく、しかも、ボーナス役の内部当籤中は特定の図柄の組合せ(d契機図柄)の表示を契機としたRT状態の移行はできないため、RT3への移行もない。よって、判り易いチャンス目を表示したり、判り易いチャンス目の取りこぼし目を表示したりするのは、かえって遊技者を困惑させかねない。
そこで、RT5のフラグ間状態中、予め定めた特定役として、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」、「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」の何れかのチャンス目の当籤時、範囲優先に従う停止制御により、RT0〜RT4の一般遊技中とは表示出目を変更することとしている。
具体的には、図107に示すように、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」、「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」の各対応する図柄の組合せを、NML番号別に整理し、この整理したNML番号と同じ番号を含む他の当籤役を含めて内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲つまり内部抽籤テーブル上の合算抽籤値を求めると、NML14〜17が1341、NML18〜21が814、NML22〜25が527、NML26〜29が1341、NML30が2122となる。よって、NML30が2122で最も大きい。
このため、引込優先順位データは、NML30の図柄の組合せが「スイカ」−「チェリー1」−「赤7/青7/BAR/ブランク」であることから、左リール3Lについては「スイカ」図柄に対応させて、「スイカ」図柄が上段、中段、下段の何れかの有効ライン表示されることとなるときの中段の図柄に、中リール3Cについては「チェリー1」図柄に対応させて、「チェリー1」図柄が上段、中段、下段の何れかの有効ラインに表示されることとなる中段の図柄に、右リール3Rについては「赤7」、「青7」、「BAR」、「ブランク」の各図柄に対応させて、これらの図柄が上段、中段、下段の何れかの有効ラインに表示されることとなる中段の図柄に、それぞれ最も優先順位の高い03Hを初期割付けする。これ以外の図柄については一律優先順位が最も低い01Hを初期割付けする。
左リール3Lの「スイカ」図柄、中リール3Cの「チェリー1」図柄、右リール3Rの「赤7」、「青7」、「BAR」、「ブランク」の各図柄は、最大4コマ滑りにより引込可能な表示確率が1のため、押し順に関係なく、かつ、どのようなタイミングで停止操作しても、0〜4コマ滑りとなる検索対象5コマ中に必ず03Hが存在し、第1停止後も、第2停止後も、これらの図柄に対応させて初期割付けした少なくとも一つの03Hは勝ち残る。有効ラインが上段、中段、下段の3ラインと複数本にしているため、第1停止後や第2停止後に、初期割付けした一部の03Hが01Hに書き換えられることはあるが、少なくも一つの03Hは書き換えらずに残る。
こうして、RT5のフラグ間状態中、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」、「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」の何れかのチャンス目に当籤したとき、範囲優先に従う停止制御により、上段ライン、中段ライン、下段ラインの何れか一の有効ラインに、NML30に係る「スイカ」−「チェリー1」−「赤7/青7/BAR/ブランク」を表示できる。
これにより、RT5のフラグ間状態中は、NML14やNML26等の判り易いチャンス目を表示することがないため、遊技者に高確2状態に移行するとの誤解を与えることもないし、判り易いチャンス目の取りこぼし目を表示することがないため、遊技者にRT3に移行するとの誤解を与えることもない。
本変形例において、NML30の当籤範囲2122と同じ当籤範囲となる他のNML番号のものがある場合、引込優先順位データを初期割付けするときに、NML30対応の図柄には03Hを、同じ当籤範囲となる他のNML番号対応の図柄には優先順位の低い例えば01Hを割付け、内部当籤役に含まれる図柄の組合せのうち、内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲が最大となるものが複数ある場合、予め定めた一つの図柄の組合せに対応した図柄を優先停止させることにしている。したがって、内部抽籤で当籤した当籤役に、内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲が同一で大きいものが複数ある場合にも、範囲優先に従う停止制御が可能になる。
本変形例では、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」、「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」を、範囲優先に従う停止制御を行う特定役に選定したが、他の内部当籤役を特定役に選定して、範囲優先に従う停止制御を行うようにしてもよい。また、RT5のフラグ間状態中に、範囲優先に従う停止制御を行うようにしたが、RT0〜RT4の一般遊技中や、BB1〜BB4のボーナス状態中に、範囲優先に従う停止制御を行うようにしてもよい。
[RT転落ナビ]変形例
本変形例も、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、メインCPU101のプログラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間を含む有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。
本変形例では、図22のNML02〜13の払出枚数をNML01と同じ8枚に変更している。また、図17のNo.77〜98の押し順小役を次のように変更している。各押し順小役の当籤時に、押し順に不正解したときのメダル獲得枚数の期待値を低下させるため、右リール図柄の表示確率が1/4となる第1グループに係るNML02〜05から一つ、中リール図柄の表示確率が1/4となる第2グループに係るNML06〜09から一つ、左リール図柄の表示確率が1/4となる第3グループに係るNML10〜13から一つを、押し順正解時に表示するNML01の重複当籤対象役に選定している。
No.77のF_上段左ベル1は、NML01+02+06+10にしている。
No.78のF_上段左ベル2は、NML01+04+08+12にしている。
No.79のF_上段中ベル1は、NML01+02+06+11にしている。
No.80のF_上段中ベル2は、NML01+03+08+12にしている。
No.81のF_上段右左ベル1は、NML01+02+07+10にしている。
No.82のF_上段右左ベル2は、NML01+03+08+13にしている。
No.83のF_上段右中ベル1は、NML01+02+08+10にしている。
No.84のF_上段右中ベル2は、NML01+04+07+12にしている。
No.85のF_中段左ベル1は、NML01+02+06+12にしている。
No.86のF_中段左ベル2は、NML01+04+08+11にしている。
No.87のF_中段中ベル1は、NML01+02+06+13にしている。
No.88のF_中段中ベル2は、NML01+04+09+11にしている。
No.89のF_中段右左ベル1は、NML01+02+08+12にしている。
No.90のF_中段右左ベル2は、NML01+04+07+11にしている。
No.91のF_中段右中ベル1は、NML01+02+08+11にしている。
No.92のF_中段右中ベル2は、NML01+03+07+12にしている。
No.93のF_下段中ベル1は、NML01+05+06+10にしている。
No.94のF_下段中ベル2は、NML01+03+07+11にしている。
No.95のF_下段右左ベル1は、NML01+05+06+13にしている。
No.96のF_下段右左ベル2は、NML01+04+09+12にしている。
No.97のF_下段右中ベル1は、NML01+05+06+12にしている。
No.98のF_下段右中ベル2は、NML01+04+08+13にしている。
したがって、何れかの押し順小役の当籤時、押し順正解時は、NML01を入賞させて8枚のメダルを払出し、押し順不正解時は、重複当籤対象とするNML02〜13の何れかを表示確率1/4で入賞させて8枚のメダルを払出す。
指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTによる有利状態を含む有利区間中は、サブ側の表示装置11に正解押し順ナビを出すことにより容易に8枚のメダルを獲得できる。一方、有利区間でない通常区間中は、原則として正解押し順ナビを出さないことから、1/4の表示確率で8枚のメダルを獲得できるか、又は、3/4の表示確率ではずれ(払出0)となる。はずれ時は「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」のベルこぼしを表示するが、本変形例では、RT1移行目にはしていない。
本変形例では、図13に代え、図108に示すように、メインCPU101のプログラム上に、再遊技の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる以下のア)〜キ)のRT0〜RT5、ボーナス状態を含む複数のリプレイタイム状態(RT状態)を移行させるリプレイタイム移行手段を設けている。
ア)RT0
このRT0は、再遊技の抽籤態様が変動していない状態とし、再遊技確率を例えば8978/65536≒1/7.3の低確率(低リプ)としている。
イ)RT1
このRT1は、他のRT状態から第1移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技確率を例えば約1/1.35の高確率(高リプ)としている。第1移行契機図柄の組合せは、例えば、NML02〜13の何れかの図柄の組合せにしている。
ウ)RT2
このRT2は、他のRT状態から第2移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT1と異なるが、再遊技確率はRT1と差のない高確率(高リプ)としている。第2移行契機図柄の組合せは、例えば、NML01の図柄の組合せにしている。
エ)RT3
このRT3は、RT1から第3移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT1やRT2と異なるが、再遊技確率をRT1又はRT2と差のない高確率(高リプ)としている。第3移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」としている。図21のREP09図柄の組合せと同じであるが、本変形例では、RT1からRT3への移行契機図柄の組合せとして用いている。
RT3からは、第4移行契機図柄の組合せの表示によりRT0に移行するものとしている。第4移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」としている。図21のREP08図柄の組合せと同じであるが、本変形例では、RT3からRT0への移行契機図柄の組合せとして用いている。
オ)RT4
このRT4は、RT2から第5移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT1〜RT3と異なるが、再遊技確率をRT1〜RT3と差のない高確率(高リプ)としている。第5移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」としている。図21のREP07図柄の組合せと同じであるが、本変形例では、RT2からRT4への移行契機図柄の組合せとして用いている。
本変形例では、主にRT4を、アシストリプレイタイムARTを行う高確リプレイタイムに位置づけている。
カ)RT5
このRT5は、RT0〜RT4の一般遊技中において抽籤する何れかのボーナス役BB1〜BB4の当籤に基づき、当籤ゲームでは重複当籤対象の小役又は再遊技役を優先表示するために作動図柄の組合せを表示しないため、当籤ゲームの次ゲーム以降に移行する当籤に係るボーナス役の当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤中(フラグ間状態中)である。再遊技確率は、例えば約1/2.49の中確率(中リプ)としている。
キ)ボーナス状態
このボーナス状態は、当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せの表示により開始される。ボーナス役BB1〜BB4は第一種特別役物に係る役物連続作動装置BBで構成し、BBの作動中は常時第一種特別役物RBを作動状態にしており、BB作動中のRB作動中の遊技状態となる。再遊技確率は0、はずれも0で、図18に示したF_JAC1_1〜6,F_JAC2の何れかが当籤する。BB1〜BB4の作動は、それぞれの上限獲得メダル枚数の超過により終了し(常時作動のRBも終了し)、RT0に復帰する。
RT0の再遊技役の内訳別の抽籤値は、例えば、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は8966
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT0の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT1の再遊技役の内訳別の抽籤値は、例えば、以下のとおりである。
1)F_RT3移行リプ(REP09)は48643
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT1の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35となる。F_RT3移行リプ(REP09)は、RT3に移行する第3移行契機図柄の組合せを表示させる特定転落契機役となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT2の再遊技役の内訳別の抽籤値は、例えば、以下のとおりである。
1)F_RT4移行リプ(REP07)は48643
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT2の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35となる。F_RT4移行リプ(REP07)は、RT4に移行する第5移行契機図柄の組合せを表示させる所定移行契機役となり、上記特定転落契機役と同一の当籤確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT3の再遊技役の内訳別の抽籤値は、例えば、以下のとおりである。
1)F_RT0移行リプ(REP08)は48643
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT2の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35となる。F_RT0移行リプ(REP08)の当籤確率は、上記の特定転落契機役や所定移行契機役と同一にしているが、同一でなくてもよい。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT4の再遊技役の内訳別の抽籤値は、例えば、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は16273
2)F_上段リプ(REP01+04)は2450
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は5000
4)F_中段リプ2(REP01+05)は9000
5)F_中段リプ3(REP01+06)は4500
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は2450
7)F_被弾リプ(REP03)は8970
8)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
9)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT4の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は5053
2)F_上段リプ(REP01+04)は60
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は306
4)F_中段リプ2(REP01+05)は8992
5)F_中段リプ3(REP01+06)は11775
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は180
以上、RT5の再遊技役の合計の抽籤値は26366で、確率は約1/2.49となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、RT0,RT1,RT2,RT3,RT4,RT5のボーナス役及び小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図16のNo.1〜No.38及び図17のNo.61〜No.98と同様である。ただし、本変形例では、図17のNo.77〜98の押し順小役についての対応する図柄の組合せは上記のとおりに変更している。
本変形例では、有利区間でない通常区間中に、何れかの押し順小役に当籤し、この当籤に基づくNML01の入賞により、暫定的な有利区間という有利状態に移行させる。通常区間中に、何れかの押し順小役に当籤すると一律に暫定的な有利区間に移行させ、正解押し順に対応するNML01が入賞すると、その暫定的な有利区間を維持し、不正解押し順に対応する重複当籤対象役NML02〜13の何れかが入賞するか或ははずれになると、その暫定的な有利区間を即時終了させるようにしてもよい。
また、暫定的な有利区間を含む有利区間ではない区間、すなわち通常区間から、有利区間への移行は、図33に示した態様に準じて行う。すなわち、弱レア役(「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確1状態という通常有利区間に移行させる。ボーナス役と重複しないチャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確2状態という通常有利区間に移行させる。
さらに、スイカ1(「F_スイカ1」)の当籤により、例えば当籤確率を8/256としたART抽籤を行い、当籤時は、前兆期間を9〜16ゲームの間で選ぶ前兆期間抽籤を経て、本前兆状態という通常有利区間を経由してARTによる有利区間に対応する有利状態とすることを決定し、非当籤時は、前兆期間抽籤を経て、高確3状態という通常有利区間に移行させる。
さらにまた、スイカ2と重複しないボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)の当籤により、例えば当籤確率を64/256としたART抽籤を行い、当籤時は、ボーナス状態の終了後にラインバトル準備状態に続くラインバトル状態というARTによる有利区間に対応する有利状態とすることを決定し、非当籤時は、ボーナス状態の終了後、次回遊技から少なくとも32ゲーム間、高確4状態という通常有利区間に移行させる。
要するに、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1、スイカ2との重複を除くボーナス役という、RT0〜RT4において抽籤値が変動しない予め定めた役の当籤に基づいて、通常区間から、通常有利区間という有利区間に移行させる。ただし、暫定的な有利区間中は、有利区間に含まれ、通常区間ではないことから、この弱レア役等の当籤に基づく通常有利区間への移行はされない。
また、通常有利区間の移行後は、図34に示した通常有利区間中の遊技での処理に準じて、通常有利区間からARTによる有利区間に対応する有利状態を決定可能にしているが、暫定的な有利区間中にある場合は、通常有利区間からARTによる有利区間に対応する有利状態の決定もされない。
通常区間中に、何れかの押し順小役に当籤したとき、押し順ナビがないときでも、たまたま押し順に正解した場合はNML01を入賞でき、NML01の入賞により暫定的な有利区間に移行すると共に、NML01に係る「ベル」−「ベル」−「ベル」の表示により高確RT状態のRT2に移行する。
このRT2への移行は、ARTが決定されていない状況下では、意図しない高確RT状態への移行となる。しかし、RT2において、又は、RT2で高確率で抽籤するF_RT4移行リプの当籤により移行するRT4において、再び、何れかの押し順小役に当籤したとき、暫定的な有利区間という有利区間中にあることから、NML01を入賞させるナビ(正解ナビ)は出さないが、重複当籤対象とするNML02〜13の何れかを入賞させるナビ(推奨ナビ)を出すこととしている。
NML01の図柄の組合せと、重複当籤対象とするNML02〜13の図柄の組合せとは、遊技者の停止操作に応じて一方が表示されると他方は表示されない関係で表示可能となり、押し順小役は、RT状態の移行先を振分ける特定移行振分役として機能する。ここで、NML01の図柄の組合せと、重複当籤対象とするNML02〜13の図柄の組合せとは、一方が表示されると他方は表示されない関係で表示可能になるだけであり、必ずどちらかが表示されるものではない。すなわち、NML01の図柄の組合せのみが表示される場合、NML02〜13の図柄の組合せのみが表示される場合、どちらの図柄の組合せも表示されない場合の3態様を含む。
NML01を入賞させる正解ナビも、NML02〜13の何れかを入賞させる推奨ナビも、8枚のメダルを払出し且つどちらも再遊技確率が同じ高確RT状態のRT1又はRT2に移行させるため、遊技者に付与する利益は同じになる。
押し順小役別の正解ナビ及び推奨ナビは、下記例示のとおり、サブ側の表示装置11上に、ストップボタンの位置に対応させ「1−×−×」や、「3「赤7」−2−1」と表示する。「1−×−×」は、左第1停止、第2停止以後不問の意味であり、「3「赤7」−2−1」は、右、中、左の順番でストップボタンを押し、左リールについては「赤7」図柄を狙うべきの意味である。
F_上段左ベル1;正解ナビ「1−×−×」、推奨ナビ「3「赤7」−2−1」
F_上段左ベル2;正解ナビ「1−×−×」、推奨ナビ「3「BAR」−2−1」
F_上段中ベル1;正解ナビ「×−1−×」、推奨ナビ「1−2−3「赤7」」
F_上段中ベル2;正解ナビ「×−1−×」、推奨ナビ「1−3「BAR」−2」
F_上段右左ベル1;正解ナビ「2−3−1」、推奨ナビ「1−2−3「赤7」」
F_上段右左ベル2;正解ナビ「2−3−1」、推奨ナビ「1−3「BAR」−2」
F_上段右中ベル1;正解ナビ「3−2−1」、推奨ナビ「1−2−3「赤7」」
F_上段右中ベル2;正解ナビ「3−2−1」、推奨ナビ「1−2−3「BAR」」
F_中段左ベル1;正解ナビ「1−×−×」、推奨ナビ「3「BAR」−2−1」
F_中段左ベル2;正解ナビ「1−×−×」、推奨ナビ「2−3「BAR」−1」
F_中段中ベル1;正解ナビ「×−1−×」、推奨ナビ「1−2−3「赤7」」
F_中段中ベル2;正解ナビ「×−1−×」、推奨ナビ「1−2−3「BAR」」
F_中段右左ベル1;正解ナビ「2−3−1」、推奨ナビ「1−2−3「赤7」」
F_中段右左ベル2;正解ナビ「2−3−1」、推奨ナビ「1−3「BAR」−2」
F_中段右中ベル1;正解ナビ「3−2−1」、推奨ナビ「1−2−3「赤7」」
F_中段右中ベル2;正解ナビ「3−2−1」、推奨ナビ「1−2−3「青7」」
F_下段中ベル1;正解ナビ「×−1−×」、推奨ナビ「3「赤7」−2−1」
F_下段中ベル2;正解ナビ「×−1−×」、推奨ナビ「1−2−3「青7」」
F_下段右左ベル1;正解ナビ「2−3−1」、推奨ナビ「1−3「赤7」−2」
F_下段右左ベル2;正解ナビ「2−3−1」、推奨ナビ「1−2−3「BAR」」
F_下段右中ベル1;正解ナビ「3−2−1」、推奨ナビ「1−3「赤7」−2」
F_下段右中ベル2;正解ナビ「3−2−1」、推奨ナビ「1−2−3「BAR」」
通常区間中に、意図せずに、NML01の図柄の組合せの表示により高確RT状態のRT2移行しても、或は、RT2を経てRT4に移行しても、NML01の入賞により移行させる暫定的な有利区間では、何れかの押し順小役に当籤したとき、推奨ナビを出し、当籤に係る押し順小役に含まれる重複当籤対象のうち、第3停止の際に比較的見やすい「赤7」又は「BAR」若しくは「青7」を狙うことにより表示確率1/4の重複当籤対象役NML02〜13の特定の一つを入賞させることができ、その図柄の組合せの表示により、RT2又はRT4からRT1に早期に移行させることができる。
暫定的な有利区間は、RT1に移行したことを条件に終了させ、通常区間に復帰するものとしている。したがって、推奨ナビに背いて、重複当籤対象役NML02〜13の何れも入賞させなかった場合は、暫定的な有利区間は継続し、通常区間から通常有利区間への移行も、通常有利区間からARTによる有利区間への移行も期待できないことになる。このため、遊技者に推奨ナビに従うことを適切に促し得る。なお、暫定的な有利区間は、ボーナス役BB1〜BB4の当籤によっても終了する。ボーナス状態の終了後はRT0に復帰するからである。
RT1では、F_RT3移行リプ(REP09)を高確率で抽籤しているため、RT3に早期に移行させることができ、RT3では、F_RT0移行リプ(REP08)を高確率で抽籤しているため、RT0に早期に移行させることができる。このため、意図せずに高確RT状態に移行しても比較的短期間のうちに低確RT状態のRT0に復帰させることができる。
一方、ART中又はARTが決定されているときは、NML01に係る図柄の組合せの表示によりRT2に移行した場合は、RT2又はRT4において、NML01を入賞させる正解ナビを出すため、RT1へは移行せず、高確RT状態のRT2又はRT4を維持することができる。
また、ART中又はARTが決定されているときに、RT2又はRT4において、操作ミス等により、正解ナビによる正解押し順と異なった押し順で停止操作をしてしまい、NML02〜13の何れかを入賞させてRT1に移行させたとしても、RT1又はRT3若しくはRT0において、何れかの押し順小役の当籤時に正解ナビに従ってNML01を入賞させることにより、直ぐにRT2に復帰させることも可能になる。ART中又はARTが決定されているときは、既に有利区間にあることから、NML01の入賞により暫定的な有利区間に移行することにもならない。
以上、本変形例では、再遊技の抽籤態様が異なるRT状態に、再遊技確率が相対的に低い低確RT状態のRT0と、再遊技確率が相対的に高い高確RT状態のRT1,RT2,RT3,RT4とを含む。
そして、低確RT状態のRT0では、RT3を経由してRT0に転落させる特定転落契機役のF_RT3移行リプ(REP09)を高確率で抽籤するRT1に移行させるNML02〜13の図柄の組合せと、RT2に移行させるNML01の図柄の組合せとを、遊技者の停止操作に応じて一方が表示されると他方は表示されない関係で表示可能とする特定移行振分役の押し順小役を抽籤する。
さらに、RT2を、高確RT状態に含まれるものとし、RT2を含む高確RT状態においても特定移行振分役の押し順小役を抽籤し、有利状態の生起前の通常区間中にRT2に移行することとなった場合、NML01の図柄の組合せを表示させる押し順小役の当籤に基づくNML01の入賞により暫定的な有利区間という有利状態を生起させ、RT2を含む高確RT状態のRT2又はRT4で押し順小役に当籤したとき、NML02〜13の図柄の組合せを表示させる推奨ナビを出した後、RT1への移行時に暫定的な有利区間を終了させる。
また、通常有利区間及びARTによる有利区間を含む有利状態の生起中にRT2に移行することとなった場合、押し順小役に当籤したとき、NML01の図柄の組合せを表示させる正解ナビを出す。
これにより、有利状態の生起前の通常区間中に、意図せずに高確RT状態のRT2に移行しても、暫定的な有利区間という有利状態が生起され、RT2を含む高確RT状態で押し順小役に当籤したとき、RT1に移行する推奨ナビを出すため、RT1からRT3へ経て低確RT状態のRT0への転落を早期に促すことができる。推奨ナビを出した後、RT1への移行時に暫定的な有利区間を終了させるため、必要以上に有利区間が長くならず、不必要に遊技者を利することもなければ、不必要に遊技者に不利益を与えることもない。
しかも、通常有利区間又はARTによる有利区間に対応する有利状態の生起中にRT2に移行することとなり、高確RT状態を維持するのが適切な場合には、RT2を含む高確RT状態で押し順小役に当籤したとき、正解ナビを出すため、低確RT状態に転落するのを回避でき、高確RT状態で指示機能を作動させることにより、適切に遊技者を利することができる。
特に、変形例では、NML01の図柄の組合せを表示した場合も、NML02〜13の図柄の組合せを表示した場合も、一遊技の結果として得られる利益に差は無く、RT1をRT2の再遊技確率と差のない高確RT状態に含まれるものとし、RT1から特定転落契機役F_RT3移行リプの当籤に基づいて、RT0に高確率で転落するRT3に移行させ、RT2からF_RT3移行リプと同一当籤確率で抽籤する所定移行契機役F_RT4移行リプの当籤に基づいて、RT4に移行させ、RT3とRT4とを共に高確RT状態にしている。
したがって、特定移行振分役として機能させる押し順小役の当籤に基づいて、正解ナビを出す場合も、推奨ナビを出す場合も、一遊技の結果として得られる利益に差は無く、しかも、移行先のRT1とRT2の再遊技確率に差はないし、RT1からの移行先のRT3も、RT2からの移行先のRT4も、どちらも高確RT状態であるため、何れの指示を出しても有利不利の差を極力小さくでき、遊技の公正さを担保できる。
しかも、変形例では、特定移行振分役を、NML01の図柄の組合せを表示する場合も、NML02〜13の図柄の組合せを表示する場合も、獲得メダル枚数が同じになる遊技媒体の獲得に係る小役である押し順小役により構成している。
このため、特定移行振分役は、RT状態によって確率が変動しない所定確率で、各RT状態において抽籤でき、RT状態すなわち再遊技確率にかかわらず、特定移行振分役の抽籤値を所定値について確保しやすく、内部抽籤テーブル等の構築も容易にできる。
変形例では、RT1からRT3を経由してRT0に転落するものとしたが、RT1から直接RT0に転落するものとしてもよい。また、変形例では、RT2とRT4とを分けたが、RT2の再遊技の抽籤態様をRT4と同様にすることにより、一つの高確RT状態とし、RT2でARTを行うようにしてもよい。
さらに、暫定的な有利区間は、推奨ナビを出した後にRT1への移行を条件に終了させたが、推奨ナビを出した後に直ちに終了させてもよい。この場合、RT0やRT3やRT1において、ARTに高確率で当籤するチャンスリプレイを抽籤する等、推奨ナビに背いても利のない対策をするのが好ましい。また、特定移行振分役には、押し順小役以外の小役を用いてもよいし、小役に限らず、再遊技役を用いてもよい。有利状態制御手段は、メインCPU101のプログラム上に設ける他、サブCPU201のプログラム上に設けてもよい。
[ART準備中を無くすためのシステム]変形例
本変形例も、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、メインCPU101のプログラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。
本変形例では、有効ラインを中段の1ラインのみとし、次の図柄の組合せ及び払出枚数とした新設の役を重複当籤させる特定特殊役「F_特殊小役」(NML41+42+43+44)を追加定義し、一般遊技中に、数分の一〜数十分の一の範囲で予め定める所定確率、例えば10000/65536≒1/6.6で当籤させる。
NML41;「スイカ」−「ベル」−「リプレイ」8枚払出
NML42;「スイカ」−「リプレイ」−「リプレイ」8枚払出
NML43;「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」8枚払出
NML44;「ブランク」−「ブランク」−「ブランク」9枚払出
NML41,NML42,NML43の各第1役は、それぞれ、対応する図柄の組合せの表示確率が相対的に高く、最大4コマ滑りで該当図柄を必ず引込むことができる表示確率=1にしている。一方、NML44の第2役は、対応する図柄の組合せの表示確率が相対的に低く、各リールに該当図柄の「ブランク」は一つしかなく、表示確率=1/4×1/4×1/4=1/64となり、取りこぼす可能性があるものとしている。
遊技者による遊技を想定してプログラムが構築されているメインCPU101でするリール停止制御処理では、特定特殊役「F_特殊小役」の当籤時、この当籤役に含まれる図柄の組合せのうち、同じ遊技結果(8枚払出)になる当籤フラグの数が3で最も多い図柄の組合せNML41,NML42,NML43に対応した図柄を優先引込みする個数優先に従う停止制御を実行することとしている。
したがって、遊技者による遊技では、特定特殊役「F_特殊小役」の当籤時、NML41,NML42,NML43の何れかの第1役が入賞し、8枚のメダルが払出される。本変形例では、一律、NML41を入賞させ、「スイカ」−「ベル」−「リプレイ」を必ず表示させるようにしている。この場合、左リールの下段、中リールの中段、右リールの下段を結ぶ小山型に「ベル」が並ぶことになる。
一方、取りこぼし無しで最大獲得枚数が得られるとする特定条件下でされる所定のシミュレーション試験では、遊技者による遊技とは異なり、表示確率の低い第2役に係る図柄の組合せが表示されない可能性は排除され、メダルの払出枚数が最大の9枚となるNML44が必ず入賞することになる。すなわち、第2役であるNML41に係る図柄の組合せ「ブランク」−「ブランク」−「ブランク」が必ず表示される。
本変形例では、図13に代え、図109に示すように、メインCPU101のプログラム上に、再遊技の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる以下のア)〜キ)のRT0,RT1,RT2,RT5、ボーナス状態を含む複数のリプレイタイム状態(RT状態)を移行させるリプレイタイム移行手段を設けている。
ア)RT0
このRT0は、再遊技の抽籤態様が変動していない状態すなわち非リプレイタイムとし、再遊技確率を例えば8978/65536≒1/7.3の低確率(低リプ)としている。
イ)RT1
このRT1は、RT0から特殊移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT0と異なるが、再遊技確率はRT0と差のない低確率(低リプ)としている。
特殊移行契機図柄の組合せは、上記した特定特殊役「F_特殊小役」の重複当籤役の一つとするNML44に対応する「ブランク」−「ブランク」−「ブランク」にしている。したがって、RT1は、取りこぼし無しで最大獲得枚数が得られるとする特定条件下でされる所定のシミュレーション試験でのみ移行する。
ウ)RT2
このRT2は、RT0から昇格契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技確率を例えば約1/1.7の高確率(高リプ)としている。本変形例のRT2は、アシストリプレイタイムARTの遊技を行う高確リプレイタイムである。
昇格契機図柄の組合せは、上記した特定特殊役「F_特殊小役」の重複当籤役の一つとするNML41に対応する「スイカ」−「ベル」−「リプレイ」にしている。したがって、RT2は、遊技者による遊技でのみ移行する。
エ)RT5
このRT5は、RT0〜RT2の一般遊技中において抽籤する何れかのボーナス役BB1〜BB4の当籤に基づき、当籤ゲームでは重複当籤対象の小役又は再遊技役を優先表示するために作動図柄の組合せを表示しないため、当籤ゲームの次ゲーム以降に移行する当籤に係るボーナス役の当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤中(フラグ間状態中)である。再遊技確率は、例えば約1/4の中確率(中リプ)としている。
オ)ボーナス状態
このボーナス状態は、当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せの表示により開始される。ボーナス役BB1〜BB4は第一種特別役物に係る役物連続作動装置BBで構成し、BBの作動中は常時第一種特別役物RBを作動状態にしており、BB作動中のRB作動中の遊技状態となる。再遊技確率は0、はずれも0で、図18に示したF_JAC1_1〜6,F_JAC2相当の何れかが当籤する。ただし、本変形例では、図18中「〜40」とあるのは「〜44」となる。BBの作動中は、NML44が表示されたとしてもRT1へは移行することはない。BB1〜BB4の作動は、それぞれの上限獲得メダル枚数の超過により終了し(常時作動のRBも終了し)、RT0に復帰する。
RT0の再遊技役の内訳別の抽籤値は、例えば、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は8966
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT0の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT1の再遊技役の内訳別の抽籤値は、例えば、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は8967
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT1はF_維持リプ(REP02)を8967とし、RT0よりも1だけ大きくしているが有意差はなく、RT0やRT2とは異なる再遊技の抽籤態様としたシミュレーション試験でのみ移行する特殊リプレイタイムに位置づけている。RT1の再遊技役の合計の抽籤値は8979で、確率はRT0とほぼ同一の約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT2の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は10273
2)F_中段リプ1(REP01+07+08)は7450
3)F_中段リプ2(REP01+05)は5975
4)F_中段リプ3(REP01+06)は5975
5)F_被弾リプ(REP03)は8970
6)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
7)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT4の再遊技役の合計の抽籤値は38655で、確率は約1/1.7となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。本変形例では、F_被弾リプ(REP03)を、RT0への転落契機役に用い、「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル」の表示によりRT0に転落移行させるようにしている。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は5053
2)F_中段リプ1(REP01+07+08)は366
3)F_中段リプ2(REP01+05)は8992
4)F_中段リプ3(REP01+06)は1955
以上、RT5の再遊技役の合計の抽籤値は16366で、確率は約1/4となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、RT0,RT1,RT2,RT5のボーナス役及び小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図16のNo.1〜No.38及び図17のNo.61〜No.98に準じて定めている。ただし、本変形例では、有効ラインを中段1ラインとしたため、No.75と76を合わせて抽籤値1120のF_共通ベル(NML01)とし、No.77と85を合わせて抽籤値1480のF_左ベル1(NML01〜03+06+07+10+11)とする等、上段、中段、下段で分けていた役を一つにまとめて、合算した抽籤値を割付けることとしている。また、新たなNo.99として、上記特定特殊役「F_特殊小役」を追加し、抽籤値1000を割り付けている。
非有利区間である通常区間から有利区間への移行は、図33に示した態様に準じて行う。すなわち、弱レア役(「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確1状態という通常有利区間に移行させる。ボーナス役と重複しないチャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確2状態という通常有利区間に移行させる。
さらに、スイカ1(「F_スイカ1」)の当籤により、例えば当籤確率を8/256としたART抽籤を行い、当籤時は、前兆期間を9〜16ゲームの間で選ぶ前兆期間抽籤を経て、本前兆状態という通常有利区間を経由してARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、前兆期間抽籤を経て、高確3状態という通常有利区間に移行させる。
さらにまた、スイカ2と重複しないボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)の当籤により、例えば当籤確率を64/256としたART抽籤を行い、当籤時は、ボーナス状態の終了後にラインバトル準備状態に続くラインバトル状態というARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、ボーナス状態の終了後、次回遊技から少なくとも32ゲーム間、高確4状態という通常有利区間に移行させる。
要するに、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1、スイカ2との重複を除くボーナス役という、RT0〜RT4において抽籤値が変動しない予め定めた役の当籤に基づいて、通常区間ではない有利区間に含まれる通常有利区間に移行させている。また、通常有利区間を含む有利区間の移行後は、図34に示した通常有利区間中の遊技での処理に準じて、通常有利区間からARTによる有利区間を決定可能にしている。
遊技者による遊技では、RT0で特定特殊役「F_特殊小役」に当籤したとき、NML41を入賞させ、「スイカ」−「ベル」−「リプレイ」の表示によりRT2に移行させる。また、RT2で、F_被弾リプ(REP03)の当籤に基づいて「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル」を表示したとき、RT0に転落させる。さらに、RT0,RT2において、ボーナス役BB1〜BB4に当籤すると、RT5に移行し、ボーナス状態の終了後、RT0に復帰する。
したがって、遊技者による遊技では、RT0から所定確率1/6.6の特定特殊役「F_特殊小役」に当籤すると、NML41の入賞により高確リプレイタイムのRT2に移行でき、アシストリプレイタイムARTの遊技を直ちに行うことができ、特殊リプレイタイムのRT1を経由することもない。このため、従来要したART準備中の期間を事実上無くすことができ、ARTの当籤の決定からART遊技の開始までの期間を大きく短縮することができる。
一方、取りこぼし無しで最大獲得枚数が得られるとする特定条件下でされる所定のシミュレーション試験では、RT0で特定特殊役「F_特殊小役」に当籤したとき、NML44を入賞させ、「ブランク」−「ブランク」−「ブランク」の表示により、特殊リプレイタイムのRT1に移行させ、高確リプレイタイムのRT2への移行は不可にしている。このため、特定条件下でする所定のシミュレーション試験を、高確リプレイタイムを考慮することなく簡便に行うことが可能になる。
また、低確リプレイタイムであるRT0は、再遊技の抽籤態様が変動していない状態とする非リプレイタイムとし、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後の復帰先にしているため、ARTの遊技中にボーナス役BB1〜BB4に当籤しても、その作動終了時の復帰先のRT0からRT2に引き戻すまでのART準備中の期間も大きく短縮することができる。
本変形例において、特定特殊役「F_特殊小役」は、メダルの払出しのある小役に係る役で構成したが、再遊技に係る役で構成してもよい。有利状態制御手段は、メインCPU101のプログラム上に設ける他、サブCPU201のプログラム上に設けてもよい。
[非有利区間中のART当籤確率変動]変形例
本変形例も、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、メインCPU101のプログラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。
本変形例では、図20のボーナス役BB1〜BB4に代え、例えば、第二種特別役物に係る役物連続作動装置で構成する所定のボーナス役MB1を搭載している。このボーナス役MB1は、例えば、数十分の一〜数百分の一の範囲内で予め定める、例えば、328/65536≒1/200の確率により、他の小役や再遊技役と重複しない単独で、当籤可能にしている。MB1の当籤確率は、設定によって変動しない設定差無しにしているが、高設定ほど当籤確率が高い設定差有りにしてもよい。
このボーナス役MB1の作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「リプレイ」−「ベル」−「ベル」とし、表示確率を1(最大4コマ滑りで有効ラインに該当図柄を必ず引き込むことができるもの)にしている。したがって、MB1に当籤すると当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示でき、次ゲームはMB1作動中の遊技状態となる。MB1作動中は、常時、第二種特別役物CBが作動するものとしており、CB作動中は、メダルの払出しを伴う全ての小役を当籤状態にする。
MB1作動中のCB作動中は、規定投入枚数を1枚(1枚掛け)に変更し、全小役の払出枚数は15枚に変更し、最大滑りコマ数を1コマに制限する75ms以内で停止させるリールは、例えば、左リール3Lとしている。中リール3C及び右リール3Rは最大4コマ滑りを維持し、有効ラインは、上段、中段、下段の3ラインを維持する。左リール3Lを第1番目に停止させる左第1停止をすると、図22に示したNML01〜NML35の何れかの小役を表示でき、一遊技の上限払出枚数の15枚のメダルが払い出される。
なお、規定投入数は3枚(3枚掛け)を維持し、払出し枚数も一般遊技中と同じにしてもよい。この場合、上段、中段、下段の3ラインのうち2ラインで8枚払出しの小役を表示させて上限払出枚数の15枚を得るために、CB作動中の専用小役を追加定義するのが好ましい。
ボーナス役MB1の作動は、作動開始からの獲得メダル枚数が所定上限とする例えば210枚超過すなわち211枚以上で終了するものとしており、MB1の作動終了によりCBの作動も終了する。よって、MB1の作動は、ほぼ15ゲームで終了し、225枚−15枚=210枚のメダルを純増できる。
ボーナス役MB1は、当籤及び作動図柄の組合せの表示を、再遊技の抽籤態様を変更させる契機にしていない。よって、ボーナスMB1の作動中は、内部的に、MB1の当籤を得た元の遊技状態の再遊技の抽籤態様を引き継ぐ。もっとも、MB1作動中のCB作動中は、メダルの払出を伴う小役に係る図柄の組合せを優先表示し、再遊技に係る図柄の組合せは表示しない。
本変形例では、図13に代え、図110に示すように、メインCPU101のプログラム上に、再遊技の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる以下のア)〜カ)に示す、RT0,RT1〜RT5を含む複数のリプレイタイム状態(RT状態)を移行させるリプレイタイム移行手段を設けている。キ)のボーナス状態中は、MB1の当籤を得た元のRT状態の再遊技の抽籤態様を引き継ぎ、MB1の作動終了時を除き、RT状態の移行はない。
ア)RT0
このRT0は、再遊技の抽籤態様が変動していない状態とし、再遊技確率を例えば8978/65536≒1/7.3の低確率(低リプ)としている。
イ)RT1
このRT1は、RT0又はRT5から所定の移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技確率はRT0と差のない低確率(低リプ)としている。所定の移行契機図柄の組合せは、図17のNo.77〜No.98の何れかの押し順小役の当籤時、押し順不正解により表示可能な図19の「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」のベルこぼし目としている。
ウ)RT2
このRT2は、RT1から第1移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT0やRT1と異なるが、再遊技確率はRT0やRT1と差のない低確率(低リプ)とし、途中でボーナス役MB1の当籤がない場合は、予め定めた第1回数例えば4回の遊技の結果が得られたとき即ち突入から4ゲーム後にRT0に復帰する。
第1移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」としている。図21のREP08の図柄の組合せと同じである。この図柄の組合せが中段有効ラインに表示されると、左リール3Lの上段、中リール3Cの中段及び右リール3Rの中段を結ぶ折れ線上に、「リプレイ」図柄が並ぶ。
エ)RT3
このRT3は、RT1から第2移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT0やRT1と異なるが、再遊技確率はRT0やRT1と差のない低確率(低リプ)とし、途中でボーナス役MB1の当籤がない場合は、予め定めた第2回数例えば50回の遊技の結果が得られたとき即ち突入から50ゲーム後にRT0に復帰する。
第2移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」としている。図21のREP09の図柄の組合せと同じである。この図柄の組合せが中段有効ラインに表示されると、左リール3Lの中段及び中リール3Cの中段にチェリーに係る図柄が表示されると共に、右リール3Rの下段に「赤7/青7/BAR/ブランク」のボーナス対応図柄を含む図柄が表示され、一般の遊技者が抱くイメージでいう強チェリー扱いとし、遊技が有利に展開することを期待させる熱い状況を示唆させる。
オ)RT4
このRT4は、RT1から第3移行契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技の抽籤態様はRT0やRT1と異なるが、再遊技確率をRT0やRT1と差のない低確率(低リプ)とし、途中でボーナス役MB1の当籤がない場合は、予め定めた第3回数例えば20回の遊技の結果が得られたとき即ち突入から20ゲーム後にRT0に復帰する。
第3移行契機図柄の組合せは、例えば、再遊技の作動に係る図柄の組合せの一つである、「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」としている。図21のREP07の図柄の組合せと同じである。この図柄の組合せが中段有効ラインに表示されると、左リール3Lの上段、中リール3Cの中段、右リール3Rの上段に「スイカ」図柄が小V字型に並び、一般の遊技者が抱くイメージでいう強スイカ扱いとし、遊技が有利に展開することを期待させる熱い状況を示唆させる。
カ)RT5
このRT5は、ボーナス役MB1の作動終了後に移行し、再遊技確率を例えば約1/1.35の高確率(高リプ)とし、何れかの押し順ベル役(図17のNo.77〜98の押し順小役)の当籤時、押し順に不正解となって、ベルこぼし目(図19のS_RT1移行目)を表示したときRT1に転落する。本変形例のRT5は、アシストリプレイタイムARTの遊技を行う高確リプレイタイムとしている。
キ)ボーナス状態
このボーナス状態は、ボーナス役MB1の作動図柄の組合せの表示により開始され、上限獲得メダル枚数の超過により終了し(常時作動のCBも終了し)、作動終了後はRT5に移行する。
RT0の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は8978
以上、RT0の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。設定差無しにしているが、設定差有りにしてもよい。
RT1の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_打順1でRT3他はRT2リプ(REP08+09)は900
2)F_打順2でRT3他はRT2リプ(REP01+08+09)は900
3)F_打順3でRT3他はRT2リプ(REP02+08+09)は900
4)F_打順4でRT3他はRT2リプ(REP01+02+08+09)は900
5)F_打順5でRT3他はRT2リプ(REP07〜09)は900
6)F_打順6でRT3他はRT2リプ(REP01+07〜09)は900
7)F_打順1でRT4他は維持リプ(REP01+05+07)は435
8)F_打順2でRT4他は維持リプ(REP01+03+05+07)は435
9)F_打順3でRT4他は維持リプ(REP01+04+05+07)は435
10)F_打順4でRT4他は維持リプ(REP01+02+07)は435
11)F_打順5でRT4他は維持リプ(REP01〜04+07)は435
12)F_打順6でRT4他は維持リプ(REP01+02+04+07)は435
13)F_維持リプ(REP02)は968
以上、RT1の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_打順1でRT3他はRT2リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、第2移行契機図柄の組合せである「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」(REP09)を表示してRT3に移行させ、左中右以外で停止操作をすると、第1移行契機図柄の組合せである「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP08)を表示してRT2に移行させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
また、例えば、7)の「F_打順1でRT4他は維持リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、第3移行契機図柄の組合せである「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」(REP07)を表示してRT4に移行させ、左中右以外で停止操作をすると、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP01)を表示してRT1を維持させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
RT1からRT2に移行する確率は、上記1)〜6)の合算確率に押し順不正解率5/6を乗じた確率に等しくなり、4500/65536≒1/14.6となる。RT1からRT3に移行する確率は、上記1)〜6)の合算確率に押し順正解率1/6を乗じた確率に等しくなり、900/65536≒1/72.8となる。RT1からRT4に移行する確率は、上記7)〜13)の合算確率に押し順正解率1/6を乗じた確率に等しくなり、435/65536≒1/150.7となる。
なお、RT3への移行も、RT4への移行も、打順1〜6の6択とする押し順に正解したとき移行可能にしているため、サブ側の表示装置11上には、各ストップボタン17L,17C,17Rの上方位置に対応させて「選べ!?・?・?」等の煽り演出を行うようにしている。
RT2の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は5000
2)F_上段リプ(REP01+04)は978
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は1000
4)F_下段リプ(REP01+03+04)は2000
以上、RT2の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT3の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は5000
2)F_上段リプ(REP01+04)は1000
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は2000
4)F_下段リプ(REP01+03+04)は978
以上、RT3の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT4の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は5000
2)F_上段リプ(REP01+04)は2000
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は1000
4)F_下段リプ(REP01+03+04)は978
以上、RT4の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりである。
1)F_維持リプ(REP02)は20285
2)F_上段リプ(REP01+04)は2450
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は5000
4)F_中段リプ2(REP01+05)は4750
5)F_中段リプ3(REP01+06)は4750
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は2450
7)F_被弾リプ(REP03)は8970
以上、RT5の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、RT0,RT1,RT2,RT3,RT4,RT5の小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図17のRT5を除くRT0〜4のNo.61〜No.98と同様である。
本変形例では、非有利区間である通常区間から有利区間へは、図33に示した態様に代え、ボーナス役MB1の当籤時に、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた抽籤処理によって、所定の高確率例えば256/256=1(100%)で移行させるようにしている。
また、本変形例では、ボーナス役MB1に当籤したとき、当籤を得たリプレイタイムの種類に応じて、高確リプレイタイムRT4で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTによる有利状態の生起確率を変動させるようにしている。
具体的には、RT0,RT1〜RT5においてMB1に当籤すると、この当籤により、通常区間にあったときは有利区間に移行させ、有利区間にあったときは有利区間を維持し、MB1作動中のCB作動中の第1ゲーム目に、内部抽籤用乱数とは別個独立に抽出する前記1バイト乱数を用いた抽籤処理によって、CB作動中のゲームの再遊技の抽籤態様すなわちMB1の当籤を得た元のRT状態を参照し、RT状態別に予め定めた当籤確率に従って、ARTの生起前なら、所定の初期継続ゲーム数例えば1セット40ゲームについてART遊技を可能にするARTの初当たりを決定し、ART中なら、所定の上乗せゲーム数例えば1セット分の40ゲームについてARTの継続ゲーム数の上乗せを決定する。
より具体的には、MB1の当籤を得た元のRT状態別に、次の当籤確率に従って、ARTの初当たり又は上乗せを決定する。
a]元のRT状態がRT0の場合、所定の第1低確率例えば13/256≒5%
b]元のRT状態がRT1の場合、同じく第1低確率例えば13/256≒5%
c]元のRT状態がRT2の場合、所定の第2低確率例えば51/256≒20%
d]元のRT状態がRT3の場合、所定の第1高確率例えば128/256≒50%
e]元のRT状態がRT4の場合、所定の第2高確率例えば256/256≒100%
f]元のRT状態がRT5の場合、所定の第3高確率例えば256/256≒100%
ボーナス役MB1の当籤を契機にARTの初当たり又は上乗せが決定されると、MB1の作動終了後、高確リプレイタイムであるRT5においてアシストタイムATとするアシストリプレイタイムARTが開始又は再開され、継続ゲーム数の減算が始まる。残り継続ゲーム数が0になると、アシストタイムATを終了させ、何れかの押し順ベル役(図17のNo.77〜98の押し順小役)の当籤時、正解押し順を報知しないことにより、押し順に不正解となって、ベルこぼし目(図19のS_RT1移行目)が表示されたときにRT1に転落する。ARTの残り継続ゲーム数が0で且つRT1の転落を条件に、有利区間を終了させて通常区間に復帰させる。
この変形例では、ボーナス役MB1の当籤を得たRT状態に応じて、ARTによる有利状態の生起確率、すなわちARTの初当たり及び上乗せを含むARTの期待度が変動するため、RT状態に応じて遊技者に有利となる高確遊技モードと不利となる低確遊技モードとを創出することができる。
より具体的には、RT0=RT1<RT2<RT3<RT4=RT5という順番で、指示機能の作動についての性能が高まり、
A]RT0はARTの期待度が最も低い、例えば「低確A」という遊技モードに、
B]RT1はARTの期待度が最も低い、同じく「低確A」という遊技モードに、
C]RT2はARTの期待度が低い、例えば「低確B」という遊技モードに、
D]RT3はARTの期待度が高い、例えば「高確」という遊技モードに、
E]RT4はARTの期待度が最も高い、例えば「超高確1」という遊技モードに、
F]RT5はARTの期待度が最も高い、例えば「超高確2」という遊技モードに、
それぞれ対応させることができる。このため、RT状態の移行が遊技モードの移行機能も果たし、どのRT状態にあるかが遊技者の関心事となり、ARTによる有利状態の生起前においても遊技興趣を高め得る。
サブ側の表示装置11には、現在滞在している遊技モードに応じて、背景となる場面(ステージ)や背景色等を変更し、所定の信頼度により、遊技者に滞在している遊技モードを示唆させる演出を行っている。
ARTによる有利状態の生起前に滞在可能な少なくとも一つのリプレイタイム例えばRT2と他の一つのリプレイタイム例えばRT3又はRT4とは、それぞれについて予め定める有限回数4ゲームや50ゲームや20ゲームを上限に滞在可能にしているため、一つのリプレイタイムRT2に対応する「低確B」の遊技モードは、一つのリプレイタイムについて定めた有限回数4ゲームを上限に維持可能となり、他の一つのリプレイタイムRT3又はRT4に対応する遊技モードは、他の一つのリプレイタイムについて定めた有限回数50ゲーム又は20ゲームを上限に維持可能となり、それぞれ維持可能な期間中にボーナス役MB1の当籤に期待し、それぞれの遊技モードに応じてARTに期待することができる。
また、ボーナス役MB1は、ARTによる有利状態の生起前の通常区間での当籤なら通常区間ではない有利区間という有利状態に移行可能にしており、ボーナス役MB1の当籤及び作動によっては再遊技の抽籤態様を変動させずにボーナス役MB1の当籤を得たRT状態の再遊技の抽籤態様を引き継ぐ。このため、ボーナス役MB1の当籤により有利区間に移行させ、有利区間中の指示機能に係る処理として、ボーナス役MB1の当籤を得たRT状態での再遊技の抽籤態様を参照するという共通の処理により、適切にARTによる有利状態に昇格させることができる。
本変形例では、RT1から移行する有限回数のRT状態は、RT2,RT3,RT4の3種類としたが、これに代え、2種類としてもよいし、4種類以上としてもよい。また、RT2〜RT4の継続可能ゲーム数は適宜変更可能である。さらに、各移行契機図柄の組合せは、再遊技に係るものの他、小役に係るものを用いてもよい。
本変形例では、RT1からRT2〜4に移行するようにしたが、RT0からRT2〜4に移行するようにしてもよい。本変形例では、有利状態制御手段を、メインCPU101のプログラム上に設けたが、サブCPU201のプログラム上に設けてもよい。
また、本変形例では、所定のボーナス役MB1を第二種特別役物に係る役物連続作動装置で構成したが、第一種特別役物、或は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置で構成してもよい。
さらに、本変形例は、ボーナス状態の終了後に高確リプレイタイムRT5に移行させたが、ボーナス状態中に高確リプレイタイムRT5に移行させてもよい。これには、例えば、ボーナス役を、役物連続作動装置の作動中の一般遊技において第一種特別役物を抽籤するシフトタイプの第一種特別役物に係る役物連続作動装置BBで構成し、BB作動中の一般遊技中の第一種特別役物RBの当籤を契機に、高確リプレイタイム相当のRT5に変動させ、最終的に、RBの作動図柄の組合せの表示を回避するシフト外しによりBBの作動を終了させ、ボーナス状態後もRT5を継続させるようにすればよい。
また、本変形例は、ARTを行うRT5へは、ボーナス状態の終了後のみに移行するようにしたが、これに代え、又は、これに併用し、RT1から特定の押し順に正解したとき表示する特定の昇格契機図柄の組合せに基づいてRT1からRT5に移行可能にしてもよい。RT5からは、ベルこぼし目の表示によりRT1に転落させ、ボーナス状態の終了後にRT0に復帰させることとした場合においてARTの当籤又は上乗せが決定されているときは、RT0からRT1を経て、昇格契機図柄の組合せを表示させる正解押し順を報知することによりRT5に昇格させる。このようにすれば、ART中の押し順ミスによりRT1に転落しても、ボーナス役の当籤を待つことなくRT5に復帰するルートを確保できる利点が得られる。
[RT移行に設定差のある有利区間搭載機]変形例
本変形例も、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、メインCPU101のプログラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。さらに、総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段を設けている(図6中、設定用鍵型スイッチ54等参照)。
本変形例の遊技状態は、図13に代え、図111に示すように、再遊技の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる状態として、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値を相対的に高くした高期待リプレイタイムRTHと、この高期待リプレイタイムRTHから所定の移行契機図柄の組合せの表示により移行可能とし、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値を相対的に低くした低期待リプレイタイムRTLとを含む。
高期待リプレイタイムRTHは、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値を相対的に高くしたものであれば、必ずしも再遊技確率の高い高確リプレイタイムである必要はないが、本変形例では、高期待リプレイタイムRTHをART遊技を行う遊技状態にしているため、再遊技確率を例えば48655/65536≒1/1.35にした高確リプレイタイムRT2にしている。
一方、低期待度リプレイタイムRTLは、例えば、再遊技の抽籤態様が変動していない状態とするRT0の再遊技確率8978/65536と殆ど有意差のない8979/65536≒1/7.3(抽籤値が1だけ大きいもの)にした低確リプレイタイムRT1にしている。
RTH(RT2)からRTL(RT1)への所定の移行契機図柄の組合せは、図17のNo.77〜98に相当する何れかの押し順小役の当籤時、押し順に不正解した場合に表示可能な、図19のS_RT1移行目に相当するベルこぼし目にしている。RT0からRTL(RT1)へも、ベルこぼし目により移行する。
なお、RT1において、押し順正解時にRT2移行契機図柄の組合せを表示させる再遊技役等に係る所定の昇格契機役を抽籤し、RTL(RT1)からRTH(RT2)に移行可能にしてもよい。
RT0,RT1,RT2において、指示機能を作動させない非有利区間である通常区間から指示機能を作動可能とする有利区間への移行は、図33のボーナス役に関する部分を除いた態様に準じて行う。すなわち、弱レア役(図17の「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確1状態という通常有利区間に移行させる。単独のチャンス目(図17の「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確2状態という通常有利区間に移行させる。
さらに、スイカ1(図17の「F_スイカ1」)の当籤により、例えば当籤確率を8/256としたART抽籤を行い、当籤時は、前兆期間を9〜16ゲームの間で選ぶ前兆期間抽籤を経て、本前兆状態という通常有利区間を経由してARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、前兆期間抽籤を経て、高確3状態という通常有利区間に移行させる。
要するに、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1という、RT0,RT1,RT2において抽籤値が変動しない予め定めた役の当籤に基づいて、通常区間ではない有利区間に含まれる通常有利区間という有利区間に移行させる。また、通常有利区間を含む有利区間の移行後は、図34のボーナス役に関する部分を除いた態様に準じて、スイカ1の当籤等により通常有利区間からARTによる有利区間を決定可能にしている。
なお、本変形例のARTは、所定初期ゲーム数例えば1セット分の40ゲームについて最低限継続可能とし、高確リプレイタイムRT2(RTH)の移行後から継続ゲーム数の減算を開始させる。ARTの遊技中は、図17の「F_上段左ベル1」〜「F_下段右中ベル2」の押し順小役の当籤時、対応する正解押し順をサブ側の表示装置11上において「1・×・×」や「3・2・1」等と報知するベルナビを出し、容易に8枚のメダルの獲得を可能にする。
高期待リプレイタイムRTH(RT2)は、低期待リプレイタイムRTL(RT1)では抽籤しない所定の特定役、例えば、図21のREP04による「F_チャンスリプ1」とREP06による「F_チャンスリプ2」とを、低期待リプレイタイムRTL(RT1)の0よりも大きな抽籤値例えば各500で抽籤する。特定役の合算の当籤確率は1000/65536≒1/6.6となる。なお、RTL(RT1)でも小さな抽籤値で特定役を抽籤してもよい。
RTH(RT2)で抽籤する何れかの特定役「F_チャンスリプ1」、「F_チャンスリプ2」に当籤すると、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた2段階抽籤処理により、所定の高確率例えば256/256=100%の確率で、所定初期ゲーム数例えば1セット分の40ゲームについて継続可能なARTの初当たりや、ARTのセット数ストック等を決定し、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす。よって、高期待リプレイタイムRTH(RT2)は、低期待リプレイタイムRTL(RT1)よりも指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値が相対的に高い。
なお、高期待リプレイタイムRTHは、再遊技確率の低い低確リプレイタイムや、高確と低確の中間のリプレイタイム等とし、高期待リプレイタイムRTHで抽籤することとする所定の昇格契機役の当籤に基づいて、別途定義する高確リプレイタイム例えばRT3に移行させ、RT3でART遊技を行わせるようにしてもよい。
また、高期待リプレイタイムRTHは、有限回数例えば最大32回の遊技の結果が得られたときRT0に移行する有限リプレイタイムとし、特定役等の当籤に基づいて決定したARTの初当たりやセット数ストック等を潜伏させ、移行後のRT0からベルこぼし目の表示によりRTL(RT1)に移行させ、このRTLで抽籤することとする特定の昇格契機役の当籤に基づいて、別途定義する高確リプレイタイム例えばRT4に移行させ、RT4でART遊技を行わせるようにしてもよい。
本変形例では、図20のボーナス役BB1〜BB4に代え、当籤から、作動図柄の組合せの表示を経て、作動終了までに定める特定移行契機、例えば作動終了時を特定移行契機として定め、この特定移行契機に基づいて高期待リプレイタイムRTH(RT2)に移行可能とする所定のボーナス役を抽籤することとしている。
所定のボーナス役は、例えば、第二種特別役物に係る物連続作動装置MBaで構成し、再遊技役や小役との重複のない単独で当籤させ、その当籤確率は、設定が高いものは低いものよりも高くした設定差有りにしている。具体的には、数十分の一〜数百分の一の範囲内で予め定める所定確率、例えば、
設定1は、328/65536≒1/200、
設定2は、336/65536≒1/195、
設定3は、345/65536≒1/190、
設定4は、354/65536≒1/185、
設定5は、364/65536≒1/180、
設定6は、374/65536≒1/175、
で、ボーナス役MBaを当籤させる。
所定のボーナス役MBaの作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「リプレイ」−「ベル」−「ベル」とし、表示確率を1(最大4コマ滑りで有効ラインに該当図柄を必ず引き込むことができるもの)にしている。したがって、MBaに当籤すると当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示でき、次ゲームはMBaの作動中となる。MBaの作動中は、常時、第二種特別役物CBが作動するものとしており、CBの作動中は、メダルの払出しを伴う全ての小役を当籤状態にする。
所定のボーナス役MBaの作動中のCBの作動中は、規定投入枚数を1枚(1枚掛け)に変更し、全小役の払出枚数は15枚に変更し、最大滑りコマ数を1コマに制限する75ms以内で停止させるリールは、例えば、左リール3Lとしている。中リール3C及び右リール3Rは最大4コマ滑りを維持し、有効ラインは、上段、中段、下段の3ラインを維持する。左リール3Lを第1番目に停止させる左第1停止をすると、図22に示したNML01〜NML35の何れかの小役を表示でき、一遊技の上限払出枚数の15枚のメダルが払い出される。
なお、規定投入数は3枚(3枚掛け)を維持し、払出し枚数もMBaの作動前の一般遊技中と同じにしてもよい。この場合、上段、中段、下段の3ラインのうち2ラインで8枚払出しの小役を表示させて上限払出枚数の15枚を得るために、CB作動中の専用小役を追加定義するのが好ましい。
所定のボーナス役MBaの作動は、作動開始からの獲得メダル枚数が所定上限とする例えば210枚超過すなわち211枚以上で終了するものとしており、MBaの作動終了によりCBの作動も終了する。よって、MBaの作動は、ほぼ15ゲームで終了し、225枚−15枚=210枚のメダルを純増できる。
RT0,RT1,RT2の通常区間中に、ボーナス役MBaに当籤すると、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤により、設定の値に依存しない全設定共通の第1確率例えば16/256=1/16でMBaの作動終了後に1セットのARTを可能にする有利区間に移行させ、同じく全設定共通の第2確率例えば128/256=1/2でMBaの作動終了後に図17のNo.77〜98の押し順小役の正解押し順(ベルナビ)を所定回数例えば5回について出すチャンスゾーンとして機能させる有利区間に移行させる。112/256の確率で2段階抽籤に外れると、通常区間を維持する。
通常区間中のMBaの当籤時、2段階抽籤に外れると、通常区間が維持されるが、MBa作動中のCB作動中は全小役を当籤状態とするが、MBa非作動中のRT0,RT1,RT2の各一般遊技中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される特定小役の当籤に基づいて有利区間への移行を決定可能にしている。
すなわち、例えば、図33の通常区間でする処理に準じ、特定小役の一つとする図17のF_スイカ1の当籤と等価になる場合は、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理により、所定確率例えば8/256=1/32でARTの当籤を決定し、特定小役の一つとする図17のF_弱レア役A又はF_弱レア役Bの当籤と等価になる場合は、MBaの作動終了後に図17のNo.77〜98の押し順小役の正解押し順を所定回数例えば1回についてナビする9ゲーム保証の高確1状態という通常有利区間への移行を決定し、特定小役の一つとする図17のF_チャンス目A1〜F_チャンス目B4の当籤と等価になる場合は、MBaの作動終了後に同じく押し順小役の正解押し順を所定回数例えば1回についてナビする9ゲーム保証の高確2状態という通常有利区間への移行を決定する。
一方、MBaの当籤時に第1確率でARTの当籤が決定されると、MBa作動中のCB作動中は有利区間とし、一般遊技中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される特定小役の当籤に基づいて、設定の値を参照しない共通処理によりARTのセット数ストックや初期ゲーム数の上乗せを決定可能にしていると共に、特定小役の当籤に非該当になる場合も、設定の値を参照しない共通処理により初期ゲーム数の上乗せを決定可能にしている。
例えば、図17のF_スイカ1の当籤と等価になる場合は、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理により、所定確率例えば8/256=1/32でARTの1セットストックを決定し、図17のF_弱レア役A又はF_弱レア役Bの当籤と等価になる場合は、初期ゲーム数を所定値例えば10ゲームについて上乗せすることを決定し、図17のF_チャンス目A1〜F_チャンス目B4の当籤と等価になる場合は、初期ゲーム数を所定値例えば20ゲームについて上乗せすることを決定し、特定小役の当籤に非該当になる場合は、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理により、全設定共通の所定確率例えば1/256で初期ゲーム数を所定値例えば5ゲームについて上乗せすることを決定する。
そして、MBaの作動終盤においてサブ側の表示装置11に展開させる、例えば、敵と味方が対決するバトル演出において、味方の勝利で完結させ、ARTの当籤を報知する際に、「ART40ゲーム×2セット」や「ART40ゲーム+20ゲーム上乗せ」等と明示するようにしている。
また、MBaの当籤時に第2確率でチャンスゾーンの移行が決定されると、MBa作動中のCB作動中は有利区間とし、一般遊技中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される特定小役の当籤に基づいてチャンスゾーンからARTの当籤への書き換えや、チャンスゾーンの継続ゲーム数(ベルナビ回数)の上乗せを決定可能にしていると共に、特定小役の当籤に非該当になる場合も、設定の値を参照しない共通処理により、チャンスゾーンの継続ゲーム数(ベルナビ回数)の上乗せを決定可能にしている。
例えば、図17のF_スイカ1の当籤と等価になる場合は、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理により、所定確率例えば8/256=1/32でARTの当籤に書き換え、図17のF_弱レア役A又はF_弱レア役Bの当籤と等価になる場合は、チャンスゾーンでのベルナビ回数を所定値例えば2回について追加することを決定し、図17のF_チャンス目A1〜F_チャンス目B4の当籤と等価になる場合は、チャンスゾーンでのベルナビ回数を所定値例えば3回について追加することを決定し、特定小役の当籤に非該当になる場合は、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理により、全設定共通の所定確率例えば1/256の確率でチャンスゾーンでのベルナビ回数を所定値例えば1回について追加することを決定する。
そして、MBaの作動終盤においてサブ側の表示装置11に展開させる、敵と味方が対決するバトル演出を引分けや継続等で完結させ、チャンスゾーンへの突入を報知する際に、「チャンスゾーン;ベルナビ5回+4回」等と明示するようにしている。ARTの当籤への書き換えがある場合は、チャンスゾーン中に特定役「F_チャンスリプ1」、「F_チャンスリプ2」に当籤した場合等に基づいてARTの当籤が決定される場合と同様に、チャンスゾーンの終盤で継続バトルを味方の勝利で完結させ、ARTの当籤を報知する。
ART遊技やチャンスゾーン遊技は、MBaの作動終了後に移行する高期待リプレイタイムRTH(RT2)で行うことになる。ベルナビの終了によりベルこぼし目が表示されるまでは、高期待リプレイタイムRTH(RT2)に滞在するため、特定役「F_チャンスリプ1」、「F_チャンスリプ2」の当籤に基づいてARTの当籤が決定される可能性がある。なお、ART遊技やチャンスゾーン遊技の終了後、所定ゲーム数以内例えば32ゲーム以内にARTの当籤が決定された場合、サブ側の表示装置11に「ART引き戻し成功」等と報知する。32ゲームを超えてARTの当籤が決定された場合は、サブ側の表示装置11に「ART当籤」等と報知する。
RT0,RT1,RT2で通常有利区間以上の有利区間に移行している場合に、ボーナス役MBaに当籤すると、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理によって、全設定共通の第1確率例えば16/256=1/16でMBaの作動終了後に1セットのARTの追加を決定し、全設定共通の第2確率例えば128/256=1/2でMBaの作動終了後に図17のNo.77〜98の押し順小役の正解押し順を所定回数例えば5回についてナビするチャンスゾーンの追加を決定する。MBaの当籤前に既にARTが決定されているときは、2セットのARTや、ART後のチャンスゾーンが確定することになる。112/256の確率で有利区間抽籤で外れとなっても、有利区間を維持する。
有利区間中のMBaの当籤時、2段階抽籤で外れても、有利区間が維持され、MBaの当籤前にARTが決定されていない場合は、一般遊技中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される特定小役の当籤に基づいて、例えば、図17のF_スイカ1の当籤と等価になる場合は、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理により、全設定共通の所定確率例えば8/256=1/32でARTを決定し、図17のF_弱レア役A又はF_弱レア役Bの当籤と等価になる場合は、図17のNo.77〜98の押し順小役の正解押し順を所定回数例えば2回についてナビするチャンスゾーンとすることを決定し、図17のF_チャンス目A1〜F_チャンス目B4の当籤と等価になる場合は、押し順小役の正解押し順を所定回数例えばあ3回についてナビするチャンスゾーンとすることを決定し、特定小役の当籤に非該当になる場合は、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理により、全設定共通の所定確率例えば1/256の確率で押し順小役の正解押し順を所定回数例えば1回についてナビするチャンスゾーンとすることを決定する。
一方、RT0,RT1,RT2で通常有利区間以上の有利区間に移行している場合に、ボーナス役MBaに当籤し、第1確率で1セットのARTの追加が決定された場合、又は、2段階抽籤で外れとなってもMBaの当籤前にARTが決定されていた場合、通常区間中にMBaに当籤し且つ第1確率で当たった場合と同様に、一般遊技中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される特定小役の当籤に基づいてARTのセット数ストックや初期ゲーム数の上乗せを決定可能にしていると共に、特定小役の当籤に非該当になる場合も、設定の値を参照しない共通処理により初期ゲーム数の上乗せを決定可能にしている。
また、RT0,RT1,RT2で通常有利区間以上の有利区間に移行している場合に、ボーナス役MBaに当籤し、第2確率でチャンスゾーンの追加を決定が決定された場合、通常区間中にMBaに当籤し且つ第2確率で当たった場合と同様に、一般遊技中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される特定小役の当籤に基づいてチャンスゾーンからARTの当籤への書き換えや、チャンスゾーンの継続ゲーム数(ベルナビ回数)の上乗せを決定可能にしていると共に、特定小役の当籤に非該当になる場合も、設定の値を参照しない共通処理によりチャンスゾーンの継続ゲーム数(ベルナビ回数)の上乗せを決定可能にしている。
なお、MBa作動中のCB作動中にする、設定の値を参照しない共通の処理は、全設定共通の当籤確率とした2段階抽籤に代え、全設定共通の当籤確率とした再遊技役の当籤に基づいて上乗せゲーム数を振り分ける等、他の共通処理により行うようにしてもよい。
以上、本変形例では、再遊技の抽籤態様が異なる状態に、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値を相対的に高くした高期待リプレイタイムRTH(RT2)と、この高期待リプレイタイムからベルこぼし目の表示により移行可能とし、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値を相対的に低くした低期待リプレイタイムRTL(RT1)とを含み、内部当籤役に、当籤から作動終了までに定める特定移行契機に基づいて高期待リプレイタイムRTH(RT2)に移行可能とする所定のボーナス役MBaを含み、このボーナス役MBaの当籤確率を、設定が高いものは低いものよりも高くしている。
したがって、ボーナス役MBaの当籤確率が高い高設定のものは、低設定のものに比べて、特定移行契機に基づいて高期待リプレイタイムRTH(RT2)への移行頻度が高くなり、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値が高くなる。このため、ボーナス役MBaの設定差による当籤確率の変動幅を越え、設定差による有利不利の幅を大きくでき、設定差による遊技の優劣にメリハリをつけることができる。
また、ボーナス役MBaの当籤から作動終了までの間に、設定の値を参照しない共通の処理として、特定小役の当籤時又は非当籤時にする全設定共通の当籤確率に従う2段階抽籤処理により、指示機能を作動させる遊技の機会を増やすことを可能にしているため、ボーナス役MBaに当籤し易い高設定ほど、当籤から作動終了までの間に、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす可能性が高くなり、設定差による有利不利の幅をさらに大きくでき、設定差による遊技の優劣に一層メリハリをつけることができる。
さらに、ボーナス役MBaは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置により構成し、第二種特別役物CBの作動中は、遊技媒体の獲得に係る小役を全て当籤状態とするが、第二種特別役物の非作動中の遊技と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される特定小役「F_スイカ1」、「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目B4」の当籤に基づいて指示機能を作動させる遊技の機会を増やすことを可能にしているため、遊技の公正さも担保できる。
ところで、本変形例の遊技機は、通常区間から有利区間への移行、及び/又は、有利区間中の指示機能に係る処理を、設定の値を参照しない共通処理(例えば、全設定共通の当籤確率による2段階抽籤処理)により行う当業者間で称する7Uタイプのものとしており、遊技機の内部に設ける4桁の7セグLED等による役比モニタ(段落0110参照)において、上位2桁には「7U」と表示し、下位2桁には、全体のゲーム数を分母に有利区間のトータルゲーム数を分子とした時々刻々変化する有利区間比率(有利区間滞在比率ともいう)を例えば「69」等と表示し、有利区間比率が所定未満例えば70%未満であることを疎明可能にしている。
これに代え、2段階抽籤の当籤確率に設定差を設ける等、通常区間から有利区間への移行、及び/又は、有利区間中の指示機能に係る処理を、設定の値を参照した処理により行う当業者間で称する7Pタイプとしてもよい。この場合は、役比モニタの上位2桁には「7P」と表示し、下位2桁には、全体の総獲得メダル枚数を分母に、ベルナビ等のナビによる総獲得メダル枚数とボーナス役MBaの作動により得られるボーナスによる総獲得メダル枚数との合計を分子とした、時々刻々変化する指示込役物比率を例えば「69」等と表示し、指示込役物比率が所定未満例えば70%未満となることを疎明可能にすればよい。
なお、7Uタイプの遊技機は、7Pタイプの遊技機で必要とした、指示込役物比率を表示させることも、指示込役物比率が70%未満を満たすことも必要ない。一方、7Pタイプの遊技機は、7Uタイプの遊技機で必要とした、有利区間比率を表示させることも、有利区間比率が70%未満を満たすことも必要ない。
また、7Uタイプの遊技機も、7Pタイプの遊技機も、有利区間への移行契機役は、全設定共通の設定差無しでも良いし、設定の値により抽籤値が変化する設定差有りでもよい。有利区間への移行契機役を設定差有りとし、有利区間への移行率に結果的に設定差が生じることは、7P,7U何れのタイプの遊技機でも許容される。
一般に、ボーナスとARTを併用する遊技機では、7Pタイプの遊技機に求められる指示込役物比率が所定未満(70%未満)という条件をクリアするよりも、7Uタイプの遊技機に求められる有利区間比率が所定未満(70%未満)という条件をクリアする方が容易な場合があり、遊技機設計上の柔軟性が高まる。
本変形例のものは、通常区間から有利区間への移行時、及び、有利区間中の指示機能に係る処理時において、設定の値を参照しない7Uタイプの遊技機でありながら、すなわち、遊技機設計上の柔軟性が高いものでありながら、ボーナス役MBaの設定差による当籤確率の変動幅を越え、設定差による有利不利の幅を効果的に拡大することができる。
[有利区間中シフトタイプボーナスにおける上乗せ抽籤]変形例
本変形例も、上記実施形態と同様、複数の図柄をもつ複数のリール3L,3C,3Rと、回転中のリール3L,3C,3Rを個別に停止させる複数のストップボタン17L,17C,17Rの操作とを有する。
本変形例では、図20のBB1〜BB4の全部又は一部に代え、内部抽籤で決定する当籤役に、所定の作動図柄の組合せ、例えば「赤7」−「BAR」−「赤7」の表示により作動する第一種特別役物に係る役物連続作動装置で構成する第1ボーナス役BBを含む。また、この第1ボーナス役BBの作動中における内部抽籤で決定する当籤役に、所定の作動図柄の組合せの表示により作動する第一種特別役物で構成する3種類のRB1,RB2,RB3による第2ボーナス役を含む。
第1ボーナス役BBはシフトタイプの一種ビッグボーナス役であり、BB作動中の一般遊技(小役についての内部当籤役の種類及び抽籤値をボーナス非当籤状態と同じにしたゲーム)において、第2ボーナス役RB1,RB2,RB3の何れかの当籤を可能にし、当籤に係る第2ボーナス役の作動図柄の組合せを表示させることにより、当籤に係る第2ボーナス役を作動可能にしている。
BB作動中の一般遊技中は、規定投入枚数3(3枚掛け)を維持し、有効ラインも上段、中段、下段の3ラインを維持し、図17のNo.77〜98の押し順小役の当籤時、正解押し順はナビせず、8枚払出しか1枚払出しか払出し0の何れかとなる。ただし、ベルこぼし目が表示されても、BB作動中のため、RT1へは移行しない。
第2ボーナス役中、例えば、
RB1の作動図柄の組合せは「赤7」−「ベル」−「ベル」とし、
RB2の作動図柄の組合せは「青7」−「ベル」−「ベル」とし、
RB3の作動図柄の組合せは「BAR」−「ベル」−「ベル」としている。
左リール3Lについて「赤7」か「青7」か「BAR」の何れかを選んで狙う3択ゲームにしている。
第1ボーナス役BBの当籤確率は、設定が高いものは低いものよりも高くした設定差有りにしている。具体的には、数十分の一〜数百分の一の範囲内で予め定める所定確率、例えば、
設定1は、328/65536≒1/200、
設定2は、336/65536≒1/195、
設定3は、345/65536≒1/190、
設定4は、354/65536≒1/185、
設定5は、364/65536≒1/180、
設定6は、374/65536≒1/175で、第1ボーナス役BBを当籤させる。これに代え、第1ボーナス役BBは、設定によらず約1/200の同一確率で当籤させる設定差無しにしてもよい。
第1ボーナス役BBの作動中の一般遊技での第2ボーナス役RB1〜RB3の各抽籤値は、内部抽籤用の乱数の分母65536から小役及び再遊技役の抽籤値を引いた残り全範囲を均等又はほぼ均等に3分割して割付けている。BB作動中の一般遊技では、再遊技役の抽籤値は例えば8978(確率≒1/7.3)、はずれの抽籤値は0にしている。
BB作動中の一般遊技では、小役又は再遊技役に当籤しなかった場合、RB1〜RB3の何れかに当籤し、この当籤ゲームでは当籤に係るRB1〜RB3の一種類の作動図柄の組合せを表示できる。ただし、RB1〜RB3の何れかに当籤しても、サブ側の表示装置11には「左;赤7?青7?BAR?」等と、左リール3Lについては「赤7」か「青7」か「BAR」の何れかを狙うべきことは遊技者に報知するが、どれを狙うべきかは報知せず、作動図柄の組合せを表示できるかは、所望の図柄を正確に狙うことができる目押しの上手い上級者でも、三分の一の確率となる。
このように、第2ボーナス役RB1〜RB3の作動図柄の組合せは、ストップボタン17L,17C,17Rの操作態様、具体的には左ストップボタン17Lの操作態様が、「赤7」を狙うか「青7」を狙うか「BAR」を狙うか3種類の候補の中の一つである一部の態様に合致したとき表示可能にしている。なお、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rについては、必ず「ベル」図柄を引き込むことができる。
第2ボーナス役の当籤ゲームで当籤に係る一種類の作動図柄の組合せを表示できなかった場合、次ゲーム以降、当籤に係る一種類の当籤フラグが持ち越されたJACフラグ間と称する内部当籤状態となり、RB1〜RB3の3エリア分の抽籤値ははずれ相当となり、小役又は再遊技役に当籤しなかった場合、持ち越された当籤に係るRB1〜RB3の一種類の作動図柄の組合せのみを表示できる。
第1ボーナス役BBの作動は、予め定めた終了条件を具備したとき、例えば、獲得メダル枚数が所定上限枚数例えば300枚を超過したときに終了する。また、第2ボーナス役RB1,RB2,RB3の作動中は、規定投入枚数を2枚(2枚掛け)に変更し、有効ラインは中段の1ラインのみに変更し、全小役の払出枚数は9枚に変更し、内部抽籤用の乱数の全範囲において全ての小役が当籤する小役オール状態としている。よって、毎ゲーム9枚のメダルが払出され、8回の入賞により72枚のメダルを払出した後、第2ボーナス役の一作動を終了させる。したがって、第1ボーナス役BBの作動終了までに、第2ボーナス役RB1〜RB3は複数回(2回〜4回)について作動可能である。
本変形例では、非有利区間である通常区間から通常有利区間を含む有利区間への移行は、図33及び図34に示した弱レア役やチャンス目やスイカ1の当籤を契機とした移行態様(ボーナス役の当籤を契機とした部分は除く)に準じて行うようにしている。
これと共に、通常区間中に第1ボーナス役BBに当籤したとき、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた2段階抽籤により、所定確率例えば128/256=1(50%)で有利区間に移行させ、第1ボーナス役BBの作動終了後に高確リプレイタイムRT2(図13のRT4,RT1,RT0を経て移行するRT状態)で所定初期ゲーム数例えば1セット分の40ゲームについて指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTを可能にする。また、通常有利区間を含む有利区間中に第1ボーナス役BBに当籤したとき、同2段階抽籤により所定確率例えば128/256=1(50%)でARTを1セット追加する。
また、第1ボーナス役BBの当籤を契機に決定される場合を含むARTを可能にする有利区間中、第2ボーナス役RB1〜RB3が作動すると、毎ゲーム、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤により、所定の高確率例えば256/256=100%の確率で、ARTの継続ゲーム数を所定値例えば5ゲームについて毎ゲーム上乗せし、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させる遊技の機会を増加させる。なお、上乗せゲーム数は、2段階抽籤時に所定範囲内例えば0〜30ゲームで可変にしてもよい。
こうして、第1ボーナス役BBの作動終了までに、第2ボーナス役RB1〜RB3の作動中のゲーム数が多いほど、上乗せゲーム数を増加でき、ARTの継続ゲーム数が長くなる。これにより、ART中に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させる遊技の機会が増え、何れかの押し順小役(図17の「F_上段左ベル1」〜「F_下段右中ベル2」)の当籤時に正解押し順ナビ(ベルナビ)を出すゲーム数が増える。よって、第1ボーナス役BBの作動中に、第2ボーナス役RB1〜RB3の作動図柄の組合せを少ないゲーム数で表示することにより、第2ボーナス役RB1〜RB3の作動中のゲームを多くするほど、遊技者に有利となる。
第2ボーナス役RB1〜RB3の作動中、毎ゲーム、固定したゲーム数を上乗せするのに代え、第2ボーナス役RB1〜RB3の当籤から作動図柄の組合せを表示できるまでの第2ボーナス役のフラグ間ゲーム数が少ないときは、多いときよりも、第2ボーナス役の作動中のゲーム数が同じになる場合でも、指示機能を作動させる遊技の機会を増加させる期待値を高くしてもよい。
具体的には、図112に示すように、第2ボーナス役JACフラグ間ゲーム数が少ないほど、RB1〜RB3の作動中の毎ゲームで、2段階抽籤時に、上乗せするゲーム数の平均を多くした抽籤テーブルを参照して上乗せゲーム数を決定することとしている。
例えば、JACフラグ間ゲーム数が0ゲーム、すなわち、第2ボーナスRB1〜RB3の何れか一つに当籤した当籤ゲームにおいて、左リール3Lに狙うべき図柄と遊技者の予測が合致し、当籤に係る第2ボーナスの作動図柄の組合せを表示できた場合、最も有利なテーブルAを参照して上乗せを行う。テーブルAでは、2段階抽籤により、64/256=1/4の確率で上乗せ0とし、128/256=1/2の確率で20ゲームの上乗せをし、64/256=1/4の確率で40ゲームの上乗せをする。上乗せ平均ゲーム数は20ゲームとなる。
また、JACフラグ間ゲーム数が1ゲーム、すなわち、第2ボーナスRB1〜RB3の何れか一つに当籤した当籤ゲームにおいては、遊技者の予測が合致せず、或は、最大4コマ滑りをもってしても予測した図柄を引き込むこができなかった場合であって、JACフラグ間ゲームの第1ゲーム目において、小役又は再遊技役に当籤せず、表示装置11上の「左;赤7?青7?BAR?」の報知を参考に、今度は遊技者の予測が合致し、当籤に係る第2ボーナスの作動図柄の組合せを表示できた場合、次に有利なテーブルBを参照して上乗せを行う。テーブルBでは、2段階抽籤により、64/256=1/4の確率で上乗せ0とし、128/256=1/2の確率で10ゲームの上乗せをし、64/256=1/4の確率で20ゲームの上乗せをする。上乗せ平均ゲーム数は10ゲームとなる。
さらに、JACフラグ間ゲーム数が2ゲーム以上、すなわち、JACフラグ間ゲームの第2ゲーム目以降において、小役又は再遊技役に当籤せず、表示装置11上の「左;赤7?青7?BAR?」の報知を参考に、今度は遊技者の予測が合致し、当籤に係る第2ボーナスの作動図柄の組合せを表示できた場合、最も不利なテーブルCを参照して上乗せを行う。テーブルCでは、2段階抽籤により、64/256=1/4の確率で上乗せ0とし、128/256=1/2の確率で5ゲームの上乗せをし、64/256=1/4の確率で10ゲームの上乗せをする。上乗せ平均ゲーム数は5ゲームとなる。
したがって、例えば、第1ボーナス役BBの作動中に第2ボーナス役RB1〜RB3が3回作動し、第2ボーナス役の作動中のゲームが24回となる場合、当籤に係る各第2ボーナス役RB1〜RB3のフラグ間ゲーム数がより少ないほど、上乗せゲーム数が増加に期待できる。よって、早期に第2ボーナス役の作動図柄の組合せを表示できるほど、遊技者に有利になるため、遊技者の達成感を効果的に引き出せる。
第2ボーナス役の当籤の都度、当籤に係る第2ボーナス役RB1〜RB3のJACフラグ間ゲーム数に応じてテーブルA,B,Cを選択できるようにしており、1回目も2回目以降も有利なテーブルAの参照を可能にしていると共に、1回目は不利なテーブルCを参照しても2回目以降はテーブルAを参照することも可能にしている。ただし、1回目も2回目以降もずっと不利なテーブルCを参照することも、1回目に有利なテーブルAを参照しても2回目以降は不利なテーブルCを参照することもあり得る。これに限らず、1回目に参照したテーブルと同じものを2回目以降も参照するようにしてもよい。
また、本変形例では、第1ボーナス役BBの作動中、第2ボーナス役RB1〜RB3を抽籤する一般遊技中の遊技での獲得メダル枚数が少ないほど、第1ボーナス役BBの作動終了までに、第2ボーナス役RB1〜RB3の作動中のゲーム数が多くなる。つまり、押し順小役の当籤時、本来は8枚払出しを期待するところであるが、あえて1枚払出しや0枚払出しに止めることにより、第1ボーナス役BBの作動終了までに第2ボーナス役RB1〜RB3を作動させるゲーム数を増やすことができる。
これにより、第2ボーナスRB1〜RB3を抽籤する第1ボーナス役BBの作動中の一般遊技中は、あえて少ないメダルの獲得に止めたことで、遊技者自らが第2ボーナス役RB1〜RB3の作動中のゲーム数を増やすことができたとの印象を付与でき、遊技者の達成感を大きくできる。この場合、ベルナビが出ないことから押し順に不正解になったというだけであるが、押し順不正解を勝ち得たと遊技者を錯覚させることができる。なお、積極的に、BB作動中の一般遊技中の停止制御を変更することにより、BB作動中の一般遊技中のメダルの獲得期待値を下げるようにしてもよい。
以上の変形例では、第1ボーナス役を、シフトタイプの一種ビッグボーナスBB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)で構成したが、シフトタイプの二種ビッグボーナスMB(第二種特別役物に係る役物連続作動装置)で構成してもよい。
この場合、第1ボーナス役MBの作動図柄の組合せは、例えば、「青7」−「BAR」−「青7」とし、MB作動中の一般遊技で抽籤する第2ボーナス役は、3種類の第二種特別役物CB1,CB2,CB3とし、例えば、
CB1の作動図柄の組合せは「赤7」−「スイカ」−「スイカ」とし、
CB2の作動図柄の組合せは「青7」−「スイカ」−「スイカ」とし、
CB3の作動図柄の組合せは「BAR」−「スイカ」−「スイカ」としている。
第1ボーナス役MBの当籤確率、第2ボーナス役CB1〜CB3の当籤確率、第1ボーナス役MBの作動終了条件は、上記BBやRB1〜RB3と同様にしている。
また、非有利区間である通常区間から通常有利区間を含む有利区間への移行は、図33及び図34に示した弱レア役やチャンス目やスイカ1の当籤を契機とした移行態様(ボーナス役の当籤を契機とした部分は除く)に準じて行うと共に、通常区間中に第1ボーナス役MBに当籤したとき、2段階抽籤により、所定確率で有利区間に移行させ、第1ボーナス役MBの作動終了後に高確リプレイタイムRT2で所定初期ゲーム数についてARTを可能にし、通常有利区間を含む有利区間中に第1ボーナス役MBに当籤したとき、2段階抽籤により所定確率でARTを1セット追加するのも、一種ビッグボーナスを用いる場合と同様にしている。
ただし、MB作動中の一般遊技中にCB1〜CB3に当籤すると、当籤ゲームではサブ側の表示装置11に表示する「左;赤7?青7?BAR?」を頼りに3択に成功すれば該当する作動図柄の組合せを表示できるが、3択に失敗した場合、該当する作動図柄の組合せを表示できず、当籤に係るCB1〜CB3の当籤フラグはクリアされる(次ゲームには持ち越さない)。よって、RB1〜RB3の場合とは異なり、JACフラグ間という状態は存在しない。また、CB1〜CB3の作動は、作動図柄の組合せが表示された次の1ゲーム限りで終了し、MB作動中の一般遊技に戻る。
CB1〜CB3の作動中は、規定投入枚数を1枚(1枚掛け)に変更し、全小役の払出枚数は15枚に変更し、最大滑りコマ数を1コマに制限する75ms以内で停止させるリールは、例えば、左リール3Lとしている。中リール3C及び右リール3Rは最大4コマ滑りを維持し、有効ラインは、上段、中段、下段の3ラインを維持する。左リール3Lを第1番目に停止させる左第1停止をすると、図22に示したNML01〜NML35の何れかの小役を表示でき、一遊技の上限払出枚数の15枚のメダルが払い出される。
第1ボーナス役MBの当籤を契機に決定される場合を含むARTを可能にする有利区間中、第2ボーナス役CB1〜CB3が作動する1ゲームにおいて、前記1バイト乱数を用いた2段階抽籤により、所定の高確率例えば256/256=100%の確率で、ARTの継続ゲーム数を所定値例えば5ゲームについて毎ゲーム上乗せし、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させる遊技の機会を増加させる。なお、上乗せゲーム数は、2段階抽籤時に所定範囲内例えば0〜30ゲームで可変にしてもよい。
第1ボーナス役にMBを、第2ボーナス役にCB1〜CB3を用いるシフトタイプの二種ビッグボーナスを用いる場合にも、MB作動中にCB1〜CB3の作動中のゲーム数が多いほど指示機能を作動させる遊技の機会を増加でき、一種ビッグボーナスを用いた場合のJACフラグ間ゲームについての部分を除き、同様の作用効果を奏する。
本変形例では、左リール3Lについて「赤7」か「青7」か「BAR」の何れかを選んで狙う3択ゲームにしたが、中リール3Cや右リール3Rについての図柄を狙う3択ゲーム等にしてもよい。また、3択ゲームに代え、2択ゲームにしてもよいし、4択以上の例えば6択ゲームにしてもよい。さらに、特定の図柄を狙う図柄選択ゲームに代え、押し順選択ゲームにしてもよい。
本変形例では、サブ側の表示装置11に「左;赤7?青7?BAR?」と表示し、具体的にどの図柄を狙うべきかは報知しないようにしたが、第1ボーナス役BB又はMB作動中の獲得メダルが所定値よりも多い場合、逆に所定値よりも少ない場合等、予め定めた出玉状態や、或は、第1ボーナス役BB又はMB作動中の一般遊技で予め定めた当籤役に当籤したことに基づいて、「左;赤7を狙え」、「左;青7を狙え」、「左;BARを狙え」等のナビを実行する区間を設け、上乗せ特化ゾーンとして機能させてもよい。
[ボーナス中の上乗せ抽籤システム]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている(図14参照)。さらに、総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段を設けている(図6中、設定用鍵型スイッチ54等参照)。
本変形例の遊技機は、内部当籤役に、図20のボーナス役BB1〜BB4の他、一作動回に所定回の入賞を許容する第一種特別役物による第1ボーナス役RB5を連続して作動可能とする第一種特別役物に係る役物連続作動装置による第2ボーナス役BB5を設けている。BB5の作動開始によりRB5の初回の一作動を開始させ、RB5の一作動の終了に続いてRB5の次の一作動を開始させ、BB5の作動終了によりBB5及びRB5の作動を終了させる。なお、BB5は、BB1〜BB4と併用して設ける他、BB1〜BB4の全部又は一部に代えて設けてもよい。
BB5は、設定によって変動しない設定差無の当籤確率で当籤させる。おおむね数十分の一〜数百分の一の範囲内で予め定める、設定1〜6について共通の確率、例えば、抽籤値を200、200/65536≒1/328の確率により、他の小役や再遊技役と重複なしで、単独で当籤させる。
図17にNo.99として「F_BB5」を加え、RT0〜RT4において抽籤する。BB5の抽籤値200は、RT0では図16のNo.39の抽籤値、RT1では同No.0のはずれの抽籤値、RT2では同No.39の抽籤値、RT3では同No.0のはずれの抽籤値、RT4では同No.0のはずれの抽籤値をそれぞれ減らすことにより確保している。
BB5の作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「赤7」−「BAR」−「赤7」とし、表示確率を≠1(最大4コマ滑りで有効ラインに該当図柄を引き込むことができない場合があるもの)にしている。したがって、BB5に当籤し、当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示できなかった場合、BB5の当籤フラグが持ち越され、次ゲーム以降、作動図柄の組合せを表示するまでBB5の内部当籤中となり、RT5に移行する。
BB5の作動図柄の組合せの表示により開始されるBB5の作動中、RB5は特定の作動図柄の組合せの表示無しで連続して作動するものとしており、BB5の作動開始によりRB5の初回の一作動を開始させる。BB5の作動は、所定の総獲得メダル枚数例えば29枚超過の30枚以上のメダルの獲得で終了するものとしており、BB5の作動が終了すると作動中のRB5の作動も終了する。
RB5の作動中は、規定投入枚数3枚(3枚掛け)を維持し、有効ラインも、上段、中段、下段の3ラインを維持する。RB5の一作動は、所定遊技回数例えば4回の遊技又は所定入賞回数例えば2回の入賞の何れか早い方の到達時に一旦終了し、BB5の作動が終了するまで、次の一作動が連続して開始可能となる。RB5の作動中は、図18に代えて、例えば、次の(ア)(イ)(ウ)の当籤範囲をもつRB5専用の抽籤テーブルで抽籤を行う。
(ア)F_JAC2
このF_JAC2は、図22に示したNML01〜40を重複当籤させ、押し順に関係なく、上段ラインに「リプレイ」−「リプレイ」−「スイカ」の8枚払出しとなるNML36を入賞させると共に、下段ラインに「チェリー1/チェリー2」−「赤7/青7/BAR/ブランク」−「チェリー1」の8枚払出しとなるNML37を入賞させ、最大払出枚数の15枚のメダルを獲得することができる。ARTに期待できるチャンス役として機能させるレア役相当の当籤範囲としている。その抽籤値は、設定差のない例えば21845とし、全設定共通の21845/65536≒1/3の確率で当籤させる。ARTに期待できるチャンス役は、ここでは、ARTの決定等を行うARTの抽籤を受けることができ、ARTに当籤する可能性のある役としている。ただし、ARTに期待できるチャンス役は、相対的に他の一又は複数の役よりもARTに当籤する確率を相対的に高めた高期待役としてもよいし、この高期待役をARTに当籤する可能性のある役と共にチャンス役中に含めてもよい。通常、このようなARTに期待できるチャンス役は、遊技者間では、比較的当籤確率の低いレア役として観念されるが、ここでは、ARTに期待できるという点からレア役相当と称するが、その当籤範囲は、通常に比べれば大きい。
(イ)F_JAC3
このF_JAC3は、図22に示したNML36を除く、NML01〜35及びNML37〜40を重複当籤させ、押し順に関係なく、上段ラインに「チェリー1/チェリー2」−「赤7/青7/BAR/ブランク」−「チェリー1」の8枚払出しとなるNML37を入賞させると共に、下段ラインに「ベル」−「ベル」−「ベル」の8枚払出しとなるNML01を入賞させ、最大払出枚数の15枚のメダルを獲得することができる。ARTに期待できない非チャンス役として機能させるベル役相当の当籤範囲としている。その抽籤値は、設定に応じて変動させた設定差有とし、かつ、低設定ほど大きく、高設定ほど小さくしている。例えば
設定1は、抽籤値を21845、当籤確率は21845/65536≒1/3.0、
設定2は、抽籤値を19275、当籤確率は19275/65536≒1/3.4、
設定3は、抽籤値を17246、当籤確率は17246/65536≒1/3.8、
設定4は、抽籤値を15604、当籤確率は15604/65536≒1/4.2、
設定5は、抽籤値を14247、当籤確率は14247/65536≒1/4.6、
設定6は、抽籤値を13107、当籤確率は13107/65536≒1/5.0としている。ARTに期待できない非チャンス役は、ここでは、ARTの決定等を行うARTの抽籤を受けることができず、ARTに当籤する可能性のない役としている。ただし、ARTに期待できない非チャンス役は、相対的に他の一又は複数の役よりもARTに当籤する確率を相対的に低めた低期待役としてもよいし、この低期待役をARTに当籤する可能性のない役と共に非チャンス役中に含めてもよい。通常、このようなARTに期待できない非チャンス役は、遊技者間では、比較的当籤確率の高い非レア役として観念され、ここでは、ベル図柄が揃うことからベル役相当と称するが、その当籤範囲は、通常と比較して大差も少差もなくてもよく、またし、通常よりもむしろ小さくてもよい。
(ウ)はずれ
このはずれは、何れの役にも当籤せず、メダルの払出しも再遊技の作動もない。内部抽籤用乱数の全範囲から(ア)及び(イ)の抽籤値を引いた抽籤値をもち、
設定1は、抽籤値を21846、はずれ確率は21846/65536≒1/3.0、
設定2は、抽籤値を24416、はずれ確率は24416/65536≒1/2.7、
設定3は、抽籤値を26445、はずれ確率は26445/65536≒1/2.5、
設定4は、抽籤値を28087、はずれ確率は28087/65536≒1/2.3、
設定5は、抽籤値を29444、はずれ確率は29444/65536≒1/2.2、
設定6は、抽籤値を30584、はすれ確率は30584/65536≒1/2.1としている。
低設定ほど、非チャンス役として機能させるベル役相当のF_JAC3の当籤確率が高く、はずれ確率が低いため、RB5の第一回目の作動時に15枚×2回=30枚のメダルを獲得し、早々に総獲得メダル枚数が30枚に達してBB5の作動が終了し、RB5の第二回目の作動が開始される可能性は低く、RB5の第三回目の作動が開始される可能性はさらに低くなる。この例の場合、最短で、RB5の第一回目の作動でBB5の作動が終了し、RB5の第二回目以降の作動に進まない。RB5作動時の1ゲームあたりの最大払出枚数を15枚未満とするか、或は、BB5の作動終了枚数を45枚等とすることにより、最短で、RB5の第二回目の作動途中でBB5の作動が終了し、RB5の第三回目以降の作動に進まないようにしてもよい。また、BB5の作動終了枚数を45枚等とし、RB5の一作動の終了条件を3回の入賞又は4回の遊技等とすることにより、最短で、RB5の第一回目の作動でBB5の作動が終了し、RB5の第二回目以降の作動に進まないようにしてもよい。このように、RB5作動時の1ゲームあたりの最大払出枚数と、BB5の作動終了枚数と、RB5の一作動の終了条件の組合せを変えることにより、RB5の最短の作動回数或は最短の途中終了回数を適宜変更することができる。最短で所定回以降のRB5の作動に進むことがない、或は、最短で所定回の途中でRB5の作動が終わるという内容に代え、最も低い設定1におけるRB5中の払出メダル枚数の期待値から求めるRB5の平均作動回数どおりになら、2回目等の所定回以降のRB5の作動に進む可能性が低い、或は、2回目等の所定回の途中でRB5の作動が終わる可能性が高いという内容にしてもよい。
一方、高設定ほど、非チャンス役として機能させるベル役相当のF_JAC3の当籤確率が低く、はずれ確率が高いため、低設定に比べると、RB5の第二回目の作動の可能性も、RB3の第三回目の作動の可能性も高くなる。すなわち、第2ボーナス役BB5の作動中に第1ボーナス役RB5の作動回が進む期待値は、高設定ほど高い。
図113のART抽籤テーブルに示すように、BB5作動中のRB5作動中にチャンス役として機能させるF_JAC2に当籤すると、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた2段階抽籤により、RB5の一作動の回数(第何回目の作動であるかという回数)の進みに応じて、回が進むほどに、初回(第1回目の作動)よりも高確率とした当籤確率によりARTの決定等を行う。
例えば、
RB5の第1回目の作動時は、チャンス役F_JAC2の当籤時に約20%の確率で、
RB5の第2回目の作動時は、チャンス役F_JAC2の当籤時に約30%の確率で、
RB5の第3回目以降の作動時は、チャンス役F_JAC2の当籤時の50%の確率でそれぞれARTの決定等を行う。
有利状態に無い通常状態中に、BB5に当籤すると、暫定的な有利状態に移行させ、BB5の作動中に、有利状態中の指示機能に係る処理として、RB5の一作動の回数が進むほど高くした確率により1セット例えば40ゲームのARTを決定する。チャンス役F_JAC2の当籤を契機に複数回についてARTが決定されると、複数セットについてARTを決定する。BB5の作動終了後、ARTが決定された場合は有利状態を維持し、ARTが決定されなかった場合は通常状態に復帰させる。
一方、有利状態中に、BB5に当籤すると、有利状態を維持し、BB5の作動中に、有利状態中の指示機能に係る処理として、ART中又はART決定済ではない場合はARTを決定し、ART中又はART決定済である場合はARTのセット数の上乗せを決定する。BB5の作動終了後、ART又は上乗せが決定された場合も、ART又は上乗せが決定されなかった場合も、有利状態を継続させる。
BB5の作動時、初回となるRB5の第1回目の作動時、チャンス役F_JAC2に当籤すると、比較的低い20%の確率でART又は上乗せを決定できるが、その期待度は低い。RB5の第2回目の作動時、チャンス役F_JAC2に当籤すると、初回よりも高い30%の確率でART又は上乗せを決定できる。RB5の第3回目以降の作動時、チャンス役F_JAC2に当籤すると、さらに高い50%の確率でART又は上乗せを決定できる。高設定ほど、RB5の第2回目の作動、RB5の第3回目以降の作動の可能性が高く、ART又は上乗せを高確率で期待できる恩恵を受け易くなる。
BB5の作動中、サブ側の表示装置11上に、例えば、敵と味方が対決するバトル演出動画を表示し、RB5の第1回目の作動時は、敵が攻撃する1ターン目の演出を行い、RB5の第2回目の作動時は、味方が攻撃する2ターン目の演出を行い、RB3の第3回目以降の作動時は、双方の攻撃と防御が拮抗する3ターン目以降の演出を行い、ART又は上乗せが決定された場合は、BB5の作動が終了するゲームにおいて第3番目に押したストップボタンから指を離した第3離しをしたとき、味方の勝利画面で演出を完結させ、ART又は上乗せが決定されなかった場合は、BB5の作動が終了するゲームにおいて第3離しをしたとき、味方の敗北画面で演出を完結させる。
以上、BB5作動中のRB5作動中に、ART又は上乗せの決定により指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この増加させる確率を、RB5の作動回が進むほど初回よりも高くしている。BB5の作動中にRB5の作動回が進む期待値は高設定ほど高くしているため、高設定ほどART又は上乗せに高確率で期待できるチャンスが到来し易い。RB5の作動回が進むほどART又は上乗せの確率を高めているため、高設定と低設定とでBB5作動中の遊技期間に大差をつける必要もない。よって、設定看破が容易になるのを低減できつつ、指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる。なお、チャンス役F_JAC2の当籤時、RB5の第1回目の作動時は約20%、RB5の第2回目の作動時は約30%、RB5の第3回目以降の作動時は50%の各確率でARTの決定等を行ったが、RB5の第1回目と第2回目の作動時は同一確率例えば約20%等とし、RB5の第3回目移行の作動時はこれより高確率例えば50%等としたり、第1回目の作動時は約30%等、第2回目の作動は約20%等、第3回目以降の作動時は50%等としてもよく、第2回目までの作動時よりも第3回目以降の作動時が高確率となればよい。また、第3回目以降の作動時は、第2回目までの作動時よりも確率の変化率(増加率)が大きくなるのが好ましいが、これに限らず、RBB5の作動回の増加に比例して確率を高めてもよい。
以上のBB5に代えて、シフトタイプの第一種特別役物に係る役物連続作動装置により本変形例を構成してもよい。すなわち、内部当籤役に、一作動回に所定回の入賞を許容する第一種特別役物による第1ボーナス役RB6を連続して作動可能とする第一種特別役物に係る役物連続作動装置による第2ボーナス役BB6を含める。BB6の当籤確率は、例えばBB5と同様に、設定差無の200/65536≒1/328とし、他の小役や再遊技役と重複なしで、単独で当籤させる。
図17にNo.99として「F_BB6」を加え、RT0〜RT4において抽籤する。BB6の抽籤値200は、RT0では図16のNo.39の抽籤値、RT1では同No.0のはずれの抽籤値、RT2では同No.39の抽籤値、RT3では同No.0のはずれの抽籤値、RT4では同No.0のはずれの抽籤値をそれぞれ減らすことにより確保している。
BB6の作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「青7」−「BAR」−「青7」とし、表示確率を≠1にしている。したがって、BB6に当籤し、当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示できなかった場合、BB6の当籤フラグが持ち越され、次ゲーム以降、作動図柄の組合せを表示するまでBB6の内部当籤中となり、RT5に移行する。
BB6の作動開始後、RB6の非作動中の遊技となるBB6作動中の一般遊技中は、メダルの払出しのある小役については、図17のNo61〜98の各小役をRT5の欄の抽籤値と同じ抽籤値で抽籤すると共に、再遊技役については、図16のNo.39のF_維持リプのみを例えば抽籤値8978で抽籤し、その他の当籤範囲は、全てRB6の抽籤値とし、はずれの抽籤値は0にしている。BB6作動中の一般遊技中は、規定投入枚数3枚(3枚掛け)を維持し、有効ラインも、上段、中段、下段の3ラインを維持している。
BB6作動中の一般遊技中に、RB6に当籤し、RB6の作動図柄の組合せを表示させることによりRB6の初回の作動を開始させる。RB6の一作動の終了後は、BB6作動中の一般遊技中に戻り、このBB6作動中の一般遊技中に、再びRB6の当籤を得、RB6の作動図柄の組合せを表示させることによりRB6の次の一作動を開始させる。BB6の作動終了によりBB6の作動及び作動中のRB6の作動を終了させる。BB6の作動は、所定の総獲得メダル枚数例えば120枚超過の121枚以上のメダルの獲得で終了するものとしている。
RB6の作動図柄の組合せは、例えば、「BAR」−「BAR」−「青7」とし、表示確率を≠1にしている。したがって、BB6の作動中の一般遊技中にRB6に当籤し、当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示できなかった場合、RB6の当籤フラグが持ち越されたBB6作動中のRB6の内部当籤中となり、次ゲーム以降、BB6作動中の一般遊技中の抽籤テーブルにおいてRB6の当籤範囲をはずれ相当として抽籤を行い、はずれ相当を引いたときRB6の作動図柄の組合せを表示できる。
RB6の作動中は、規定投入枚数3枚(3枚掛け)を維持し、有効ラインも、上段、中段、下段の3ラインを維持している。RB6の一作動は、所定遊技回数例えば4回の遊技又は所定入賞回数例えば2回の入賞の何れか早い方の到達時に終了し、BB6作動中の一般遊技中に戻る。RB6の作動中は、図18に代えて、例えば、上記したRB5と同様の上記(ア)(イ)(ウ)の当籤範囲をもつRB6専用の抽籤テーブルで抽籤を行う。
RB6専用の抽籤テーブルでは、指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とはしない非チャンス役として機能させる当籤範囲(イ)の「F_JAC3」の当籤確率を、低設定ほど高く高設定ほど低くしている。RB6の作動中、高設定ほど、当籤範囲(イ)の「F_JAC3」に当たり難くしていることにより、結果的に、指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とするチャンス役として機能させる当籤範囲(ア)の「F_JAC2」に当籤する回数の期待値が高くなるようにしている。
有利状態に無い通常状態中に、BB6に当籤すると、暫定的な有利状態に移行させ、BB6作動中の一般遊技中、図17のNo.74のF_特殊ベルとNo.77〜98の押し順小役を除くNo.61〜73,75,76の小役に当籤すると、有利状態中の指示機能に係る処理として、前記した2段階抽籤により、所定の低確率例えば1/256で、1セット例えば40ゲームのARTを決定可能にしている。複数回の決定されると、複数セットについてのARTの決定も可能にしている。BB6の作動終了後、ARTが決定された場合は有利状態を維持し、ARTが決定されなかった場合は通常状態に復帰させる。
また、有利状態中に、BB6に当籤すると、有利状態を維持し、BB6作動中の一般遊技中、図17のNo.61〜73,75,76の小役に当籤すると、有利状態中の指示機能に係る処理として、2段階抽籤により所定の低確率1/256で、ART中又はART決定済ではない場合はARTを決定し、ART中又はART決定済である場合はARTのセット数の上乗せを決定可能にしている。複数回の決定されると、複数セットについてのARTの決定も可能にしている。BB6の作動終了後、ART又は上乗せが決定された場合も、ART又は上乗せが決定されなかった場合も、有利状態を継続させる。
したがって、BB6作動中の一般遊技中、ART又は上乗せが決定される可能性があるため、遊技者によっては、RB6に当籤してもあえてRB6の作動図柄の組合せの表示を回避するシフトハズシを行うことにより、BB6の作動を、BB6作動中のRB6内部当籤中の遊技状態を維持したまま、総獲得メダル枚数を超過させてBB6の作動を終了させることも選択肢としてはあり得る。この場合、BB6作動中の一般遊技中における再遊技確率を高めてはずれを引く確率を小さくすること等により、BB6作動中の一般遊技中にシフトハズシをした場合の投入メダル枚数に対する獲得メダル枚数の期待値を少しでも上げておくことにより、メダル持ちの良い状況下でART又は上乗せに期待でき、シフトハズシの選択肢の有用性を高めることもできる。しかし、これでは、BB6作動中にだらだらと遊技を消化することになり、ART又は上乗せが決定される確率も必ずしも高いとは言えないため、遊技興趣が低下する恐れがある。
そこで、BB6作動中のRB6作動中は、ART又は上乗せによる指示機能を作動させる遊技を増加させることを、BB6作動中の一般遊技中よりも高確率で期待できるようにしている。すなわち、RB6作動中は、RB6専用の内部抽籤テーブルにより内部抽籤を行い、BB6作動中の一般遊技中の図17のNo.61〜73,75,76の小役の合算当籤範囲よりも大きい当籤範囲としたチャンス役「F_JAC2」の当籤時に、優遇した2段階抽籤による確率例えば64/256=25%でART又は上乗せを決定し、RB6の作動中においてART又は上乗せに高確率でチャレンジできるようにしている。こうして、遊技者の選択肢を広げると共に遊技興趣の低下を防止できるようにしている。
しかも、RB6の作動中は、指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とはしない非チャンス役「F_JAC3」の当籤確率を、低設定ほど高く高設定ほど低くして、指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とするチャンス役「F_JAC2」に当籤する回数の期待値を高設定ほど高くし、RB6の一作動中の2回の入賞の中にチャンス役「F_JAC2」が含まれる可能性を高くしているため、ART又は上乗せの決定に設定差を効果的に付与することができる。
以上、BB6作動中のRB6作動中にART又は上乗せの決定により指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この増加させる契機とはしない非チャンス役「F_JAC3」の当籤確率を、低設定ほど高くし、指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とするチャンス役「F_JAC2」に当籤する回数の期待値を、高設定ほど高くしている。このため、高設定ほどART又は上乗せのが決定されるチャンスの到来回数が多くなる。RB6の作動は、BB6作動中の一般遊技において、RB6の作動図柄の組合せを表示させることにより開始されるため、遊技者の選択によりRB6を作動させる回数に差を生じさせることができ、高設定と低設定とでBB6作動中の遊技期間に意図的に差をつける必要もない。よって、設定看破が容易になるのを低減できつつ、指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる。
また、BB6作動中のRB6作動中は、高設定ほど、はずれを引く確率が高いため、遊技全般を通じた高設定の出玉率が低設定の出玉率よりも大きくなる変動幅を小さくでき、規定のシミュレーション試験や試射試験(IF2試験等)等の適合率を高めることができる効果も得られる。
以上のBB6に代えて、第一種特別役物により本変形例を構成してもよい。すなわち、内部当籤役に、複数回の遊技について作動中となる第一種特別役物によるボーナス役RB7を含める。RB7の当籤確率は、例えばBB6と同様に、設定差無の200/65536≒1/328とし、他の小役や再遊技役と重複なしで、単独で当籤させる。
図17にNo.99として「F_RB7」を加え、RT0〜RT4において抽籤する。RB6の抽籤値200は、RT0では図16のNo.39の抽籤値、RT1では同No.0のはずれの抽籤値、RT2では同No.39の抽籤値、RT3では同No.0のはずれの抽籤値、RT4では同No.0のはずれの抽籤値をそれぞれ減らすことにより確保している。
RB7の作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「BAR」−「BAR」−「赤7」とし、表示確率を≠1にしている。したがって、RB7に当籤し、当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示できなかった場合、RB7の当籤フラグが持ち越され、次ゲーム以降、作動図柄の組合せを表示するまでRB7の内部当籤中となり、RT5に移行する。
RB7の作動図柄の組合せの表示により開始されるRB7の作動中は、規定投入枚数3枚(3枚掛け)を維持し、有効ラインも、上段、中段、下段の3ラインを維持する。RB7の作動は、所定遊技回数例えば4回の遊技又は所定入賞回数例えば2回の入賞の何れか早い方の到達時に終了させる。RB7の作動中は、図18に代えて、例えば、上記したRB5,RB6と同様の上記(ア)(イ)(ウ)の当籤範囲をもつRB7専用の抽籤テーブルで抽籤を行う。
図113のART抽籤テーブルに倣い、RB7作動中にチャンス役として機能させるF_JAC2に当籤すると、前記した2段階抽籤により、RB7の遊技回数の進みに応じて、回が進むほどに、開始回(第1ゲーム目)よりも高確率とした当籤確率にしたがってARTの決定等を行う。図113中、「RB5の一作動の回数」とあるのは「RB7のゲーム回数」、「第1回目」とあるのは「第1ゲーム目」、「第2回目」とあるのは「第2ゲーム目」、「第3回目以降」とあるのは「第3ゲーム目以降」と読み替える。
すなわち、
RB7の第1ゲーム目は、チャンス役F_JAC2の当籤時に約20%の確率で、
RB7の第2ゲーム目は、チャンス役F_JAC2の当籤時に約30%の確率で、
RB7の第3ゲーム目以降は、チャンス役F_JAC2の当籤時の50%の確率でそれぞれARTの決定等を行う。
有利状態に無い通常状態中に、RB7に当籤すると、暫定的な有利状態に移行させ、RB7の作動中に、有利状態中の指示機能に係る処理として、RB7のゲーム回数が進むほど高くした確率により1セット例えば40ゲームのARTを決定する。チャンス役F_JAC2の当籤を契機に複数回についてARTの決定がされると、複数セットについてARTを決定する。RB7の作動終了後、ARTが決定された場合は有利状態を維持し、ARTが決定されなかった場合は通常状態に復帰させる。
一方、有利状態中に、RB7に当籤すると、有利状態を維持し、RB7の作動中に、有利状態中の指示機能に係る処理として、ART中又はART決定済ではない場合はARTを決定し、ART中又はART決定済である場合はARTのセット数の上乗せを決定する。RB7の作動終了後、ART又は上乗せが決定された場合も、ART又は上乗せが決定されなかった場合も、有利状態を継続させる。
RB7の作動時、開始回となる第1ゲーム目にチャンス役F_JAC2に当籤すると、比較的低い20%の確率でART又は上乗せを決定できるが、その期待度は低い。RB7の第2ゲーム目にチャンス役F_JAC2に当籤すると、初回よりも高い30%の確率でART又は上乗せを決定できる。RB7の第3ゲーム目以降にチャンス役F_JAC2に当籤すると、さらに高い50%の確率でART又は上乗せを決定できる。高設定ほど、RB7の第3ゲーム目以降が行える可能性が高く、ART又は上乗せを高確率で期待できる恩恵を受け易くなる。
以上、RB7の作動中にART又は上乗せの決定により指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この増加させる確率を、RB7のゲーム回数が進むほど第1ゲーム目よりも高くしている。RB7のゲーム数が第3ゲーム目以降に進む期待値は高設定ほど高くしているため、高設定ほどART又は上乗せが高確率でされるチャンスが到来し易い。RB7のゲーム回数が進むほどART又は上乗せを決定する確率を高めているため、高設定と低設定とでRB7の作動中の遊技期間に大差をつける必要もない。よって、設定看破が容易になるのを低減できつつ、指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる。
以上の変形例では、BB5,BB6,RB7をそれぞれ個別に設けたが、2以上を組み合わせて設けてもよい。この場合、ゲームのバリエーションをより多く作れる。また、以上の変形例において、BB5,BB6,RB7は設定差無としたが、高設定ほど確率の高い設定差有としてもよい。この場合は、設定差による指示機能の性能の変動幅を拡大できる。
さらに、以上の変形例では、RB5又はRB6の一作動若しくはRB7の作動は、所定遊技回数として4回の遊技又は所定入賞回数として2回の入賞の何れか早い方の到達時に終了させたが、所定遊技回数は12回以下の範囲内で、所定入賞回数は8回以下の範囲内で変更可能である。例えば、RB7について、所定遊技回数を12回、所定入賞回数を8回とする場合、RB7の第1ゲーム目〜第7ゲーム目、第8ゲーム目、第9ゲーム目以降等に区分し、ART又は上乗せの確率を、例えば第1ゲーム目〜7ゲーム目は20%、第8ゲーム目は30%、第9ゲーム以降は50%等と定義する。BB5,BB6の場合は、RB6,RB6の所定遊技回数及び所定入賞回数の変更に伴い、BB5,BB6が作動終了となる総獲得メダル枚数も変更する。
[有利区間突入時における有利区間最大区間ゲーム数抽籤]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。有利状態には、再遊技確率の高い図13のRT2等において指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTによる有利区間を含む。
本変形例では、図14,33,34に示した有利状態の生起態様に代え、図16のNo.1〜38のボーナス役BB1〜BB4、図17のNo.61〜68のF_チャンス目A1〜F_チャンス目B4の単独のチャンス目、No.69,70のF_弱レア役A又はF_弱レア役Bの弱レア役、No.71,72のF_スイカ1又はF_スイカ2の単独のスイカの、一般遊技中のリプレイタイムRT0〜RT4において抽籤値が変わらない、設定差無及び設定差有を含む予め定めた選定役の当籤を契機に、有利状態に無い通常状態中の場合は有利状態の移行を決定し、次ゲームから一の有利状態を生起させる。
図114[A]に示すように、通常状態時に、BB1〜BB4、単独のチャンス目、弱レア役、単独のスイカの何れかの選定役に当籤すると、選定役の種類に応じて、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた2段階抽籤により、当該一の有利状態が最大限継続可能なゲーム数(最大継続可能ゲーム数)を、所定の規制値としている1500G(G;ゲーム)を超えない範囲内で予め定める複数の候補の中から抽籤により決定する。
予め定める複数の候補は、相対的に長期となる長期ゲーム数として例えば400G,800G,1000G,1200G,1500Gを、相対的に短期となる短期ゲーム数として例えば1G,8G,16G,32Gを定めており、400G以上の長期ゲーム数が決定されると、所定初期継続ゲーム数を例えば1セット分の40ゲームとしたアシストリプレイタイムARTを実行することを決定する。
また、1G,8G,16G,32Gの短期ゲーム数が決定された場合、この決定時点ではARTの非当籤とするが、決定されたゲーム数を超過する前に、再び選定役に当籤した場合、図114[B]に示すように、当籤した選定役に応じて、前記と同様な2段階抽籤により、最大継続可能ゲーム数を、書換え無し、400Gに書換え、800Gに書換え、1000Gに書換え、1200Gに書換えの何れに決定する。
書換えが決定されると、書換えるゲーム数に最大継続可能ゲーム数を書換え、所定初期継続ゲーム数を例えば1セット分の40ゲームとしたアシストリプレイタイムARTを実行することを決定する。書換え無しが決定されると、当初決定された1G,8G,16G,32Gは書換えられない。
有利状態生起時に最大継続可能ゲーム数に1Gが決定された場合は、1ゲーム連で選定役に当籤し且つ書換えが決定されない限り、図17のNo.77〜98の何れかの押し順役に当籤しても、また、図16のNo.40〜45等のRT2に移行させる押し順役に当籤しても、指示機能を1回も作動させることなく、すなわち正解押し順を1回も報知することなく、有利状態を1Gで終了させ、通常状態に復帰させる。遊技機前面部の情報表示器6(図2参照)に設ける有利状態を報知するための区間表示器も消灯のままとする。
また、有利状態生起時に最大継続可能ゲーム数に8G,16G,32Gが決定された場合は、決定された最大継続可能ゲーム数を超過するまでに選定役に当籤して書換えが決定されない限り、同じく、図17のNo.77〜98の何れかの押し順ベル役に当籤しても、図16のNo.40〜45等のRT2に移行させる押し順役に当籤しても、指示機能を1回も作動させることなく、すなわち正解押し順を1回も報知することなく、決定された最大継続可能ゲーム数の超過により有利状態を終了させ、通常状態に復帰させる。区間表示器も消灯のままとする。
一方、有利区間生起時に最大継続可能ゲーム数に400G以上が決定された場合、又は、有利区間生起時に短期ゲーム数が決定されても選定役の再当籤により最大継続可能ゲーム数が400G以上に書換えられた場合、これらの決定又は書換え後、例えば9〜32ゲーム間で選ぶ本前兆期間を挟み、本前兆期間の経過後から、押し順ベル役の当籤時は正解押し順を報知すると共に、RT2に移行させる正解押し順及び低確リプレイタイムRT1への転落を回避する正解押し順を報知する。
本前兆期間の経過後、区間表示器を消灯から点灯に変え、有利状態表示態様とする。RT2の移行時からARTの継続ゲーム数の減算を開始させ、ARTの継続ゲーム数が0になるまで、押し順ベル役の当籤時は正解押し順を報知すると共に、低確リプレイタイムRT1への転落を回避する正解押し順を報知する。
ARTの継続ゲーム数が0になるとARTを終了させ、低確リプレイタイムRT1に転落したときに有利状態を終了させて通常状態に復帰させる。ARTの継続ゲーム数が0になると、最大継続可能ゲーム数を超過する前でもART及び有利状態が終了することになる。
有利区間生起時に最大継続可能ゲーム数に400G以上が決定され、又は、400G以上の書換えがされた後、最大継続可能ゲーム数を超過しない範囲内で継続する有利状態中に、選定役に当籤すると、図114[C]に示すように、当籤した選定役に応じて、前記と同様な2段階抽籤により、最大継続可能ゲーム数の書換えはしないが、ARTの継続ゲーム数を、例えば、上乗せ無し、5G上乗せ、10G上乗せ、20G上乗せ、40G(1セット)上乗せの何れかに決定する。
したがって、400G以上の最大継続可能ゲーム数が決定又は書換えがされた有利状態は、上乗せによりARTの1セット分の40ゲームを超えて継続可能になり、決定又は書換えられた最大継続可能ゲーム数を超過するまでARTが継続可能となる。そして、最大継続可能ゲーム数を超過すると、ARTの継続ゲーム数が0でなくても、有利状態及びARTを強制終了させ、通常状態に復帰させて、通常状態から新たに有利状態を生起させる遊技を行わせる。
第一回目の有利状態の最大継続可能ゲーム数に最長の1500Gが決定され、1500Gの超過により有利状態及びARTが強制終了した後、第2回目の有利状態の最大継続可能ゲーム数に再び最長の1500Gが決定される場合もあり得るが、1500Gが決定されない場合もあり(この場合の方が多い)、1500GのARTが短期間のうちに連荘する可能性は、最大継続可能ゲーム数として1500Gのみを規定する従来機に比べて少なくできる。このため、有利状態の生起確率等を必要以上に低める必要性を無くせる。
また、有利状態の生起時に1G,8G,16G,32Gの短期の最大継続可能ゲーム数が決定された場合は、最大継続可能ゲーム数超過前に再び選定役に当籤して最大継続可能ゲーム数の書換えが決定されない限り、指示機能を1回も作動させずに当該一の有利状態を終了させるため、遊技者に明示しない遊技機の内部的な状態として有利状態を生起でき、出玉率を必要以上に高めることもない。逆に、指示機能が作動すれば、ARTに結び付く長期の有利状態となる可能性を遊技者に示唆でき、期待感を高めることもできる。
さらに、区間表示器は、本前兆期間経過後というARTに結び付く場合に限り点灯させ、ARTに結び付かない短期の最大継続可能ゲーム数で有利状態が終了する場合には点灯させずに消灯のままとしているため、区間表示器が一旦点灯した後に直ぐに消灯して遊技者を失望させる恐れもない。なお、区間表示器の点灯タイミングは、RT2で実際にARTが開始されるときとしてもよいし、400G以上の最大継続可能ゲーム数の決定後、ARTの開始までの間に予め定める任意時期としてもよい。
本変形例では、有利状態への移行契機役とした選定役を、設定差無及び設定差有を含むものとしたが、設定差無の役のみとしてもよい。本変形例では、有利状態の最大継続可能ゲーム数の候補を、規制値が1500Gであることを前提に1500G以下に定めたが、規制値が1200Gの場合は、候補は1200G以下に定めることになる。
[出率差をつけやすい有利区間を搭載した遊技機]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている(図14参照)。さらに、総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段を設けている(図6中、設定用鍵型スイッチ54等参照)。
本変形例の遊技機は、図13と同様に、再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なるリプレイタイムに、再遊技確率に相対的に高低差のある低確リプレイタイムRT1,RT4と高確リプレイタイムRT0,RT2,RT3とを含む。
また、内部当籤役に、当籤並びに作動図柄の組合せの表示及び作動終了を再遊技役の抽籤態様を変動させる契機とせず、特定終了役(以下、特定パンク役という)として機能させる普通役物SBpの当籤を作動終了条件に含ませた第二種特別役物に係る役物連続作動装置で構成する特定ボーナス役MBzを含み、図20の他のボーナス役BB1〜BB4と共に、低確リプレイタイムRT1,RT4及び高確リプレイタイムRT0,RT2,RT3において抽籤している。なお、BB1〜BB4の内部当籤中となるRT5では、BB1〜BB4もMBzもSBpも抽籤しない。
特定ボーナス役MBzの当籤確率は、設定によって変動しない設定差無としている。数十分の一〜数百分の一の範囲内で予め定める所定確率、例えば、抽籤値を1311、1311/65536≒1/50の確率により、他の小役や再遊技役と重複なしで、単独で当籤させる。この当籤確率は、ARTの1セットのゲーム数を40ゲームとした場合に、ART中に1回当たる場合もあるし当たらない場合もあるという不確定状況を生じさせる値にしている。これに代え、例えば、特定のボーナス役MBzの当籤確率の逆数にMBz作動中のゲーム数を加えた数値がARTの1セットのゲーム数の関係となるようにMBzの当籤確率を定め、ARTの1セット中にMBzが1回当籤する確率を高めてもよい。また、ARTの1セットのゲーム数に応じてMBzの当籤確率を定めるのに代え、上乗せ等を含めたARTの平均継続ゲーム数に応じてMBzの当籤確率を定めてもよい。
特定ボーナス役MBzの作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「リプレイ」−「ベル」−「ベル」とし、表示確率を1(最大4コマ滑りで有効ラインに該当図柄を必ず引き込むことができるもの)にしている。したがって、MBzに当籤すると当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示でき、次ゲームはMBzの作動中となる。MBzの作動中は、常時、第二種特別役物CBが作動するものとしており、CBの作動中は、内部抽籤の結果にかかわらずメダルの払出しを伴う全ての小役を当籤状態にする。なお、MBzの作動図柄の組合せ表示確率は1未満とし、MBz内部中の遊技状態があり得るようにしてもよい。
特定ボーナス役MBzの作動中のCBの作動中は、規定投入枚数を2枚(2枚掛け)に変更し、全小役の払出枚数も2枚に変更し、最大滑りコマ数を1コマに制限する75ms以内で停止させるリールは、例えば、左リール3Lとしている。中リール3C及び右リール3Rは最大4コマ滑りを維持し、有効ラインは、中段の1ラインのみに変更している。CBの作動中は、再遊技役及び普通役物SBpの作動図柄の組合せよりも、メダルの払出しのある小役に係る図柄の組合せを優先表示させることとしており、左リール3Lを第1番目に停止させる左第1停止をすると、図22に示したNML01〜NML35の何れかの小役を表示でき、2枚のメダルが払出される。これに代え、MBz作動中のCB作動中、規定投入数は3枚(3枚掛け)を維持し、CB作動中の専用役等として3枚払出し小役を複数追加し、CB作動中の全小役当籤時に3枚払出し小役を優先入賞させるようにしてもよい。
特定ボーナス役MBzの作動は、作動開始からの総獲得メダル枚数が所定上限とする例えば29枚超過すなわち30枚以上で終了するものとしており、MBzの作動終了によりCBの作動も終了する。よって、MBzの作動は、途中で特定パンク役SBの当籤がない場合、15ゲームで終了する。この間、毎ゲーム2枚投入2枚払出で、メダルは減りも増えもしない。もっとも、投入メダル枚数と払出メダル枚数は同じにする必要はなく、また、メダルが減りも増えもしないものとする必要もなく、アシストリプレイタイムART中における払出メダル枚数から投入メダル枚数を引いた純増枚数よりも少ないメダルの純増となればよい。逆にいうと、高確リプレイタイムRT2等において指示機能を作動させるアシストリプレイタイムART中は、特定ボーナス役MBzの作動中よりも、獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた純増枚数が大であればよい。
特定ボーナス役MBzの作動を途中終了させる特定パンク役とする普通役物SBpは、設定に応じた当せん確率にて当せんさせる設定差有で、その当せん確率は、数分の一〜数百分の一の範囲内において設定1<2<3<4<5<6と、低設定ほど低く、高設定ほど高くしている。低えば、
設定1では、抽籤値が3000で、3000/65536≒1/21.8、
設定2では、抽籤値が3600で、3600/65536≒1/18.2、
設定3では、抽籤値が4200で、4200/65536≒1/15.6、
設定4では、抽籤値が4800で、4800/65536≒1/13.7、
設定5では、抽籤値が5400で、5400/65536≒1/12.1、
設定6では、抽籤値が6000で、6000/65536≒1/10.9としている。
これらの確率は、MBzの作動が途中終了しないゲーム数ここでは15ゲームの間に、低設定ほど途中終了の可能性が低く、高設定ほど途中終了の可能性の高い状況を効果的に作り出せるように定めている。なお、設定1でも、例えば、途中終了がない場合のMBz作動中のゲーム数の逆数すなちわ1/15程度に確保し、設定2は約1/14、設定3は約1/13、設定4は約1/12、設定5は約1/11、設定6は約1/10等としてもよい。また、設定が1段階変わる毎に、MBz作動中の期間に1ゲーム以上の差が生じるのが好ましい。この場合、MBzがARTの1セット中に1回程度当籤が期待できる確率なら、途中終了込みのMBz作動中の平均ゲーム数に1G以上の差ができるようにSBpの確率を定めることになり、SBpの設定に応じた確率の差は、MBzの確率が高いと小さくなり、MBzの確率が低いと大きくなる。
図17にNo.99として「F_MBz」を、No.100として「F_SBp」を加え、RT0〜RT4において抽籤するようにしている。特定ボーナス役MBz及び普通役物SBpの抽籤値は、RT0では図16のNo.39〜45の抽籤値、RT1では同No.0のはずれの抽籤値、RT2では同No.39の抽籤値、RT3では同No.0のはずれの抽籤値、RT4では同No.0のはずれの抽籤値をそれぞれ減らすことにより確保している。この場合、高設定ほど抽籤値を大きくする普通役物SBpの抽籤値の差分は、主にNo.0のはずれの抽籤値を低設定ほど大きく確保し高設定ほど小さく確保することにより調整するようにしている。
特定ボーナス役MBzは、当籤並びに作動図柄の組合せの表示及び作動終了を再遊技役の抽籤態様を変動させる契機にしておらず、MBzの作動中は、図16中のNo.1〜38はボーナス役BB1〜BB4と重複しないそれぞれの再遊技役又は小役のみの当籤範囲とし、かつ、図17中のNo.98として追加した「F_MBz」ははずれ扱いとしたリプレイタイムRT0〜RT4に応じた抽籤テーブルを用いて内部抽籤を行う。
このため、特定ボーナスMBzの作動が終了すると、基本的には、MBzの当籤を得たリプレイタイムにて遊技が続行される。ただし、有限リプレイタイムのRT3中にMBzに当籤した場合、RT3の突入からの遊技回数が8回になるとRT0に移行するため、この8回の遊技の結果が得られたことを契機に、MBz作動中の抽籤テーブルはRT0の抽籤テーブルに置き換わり、MBzの作動が終了するとRT0にて遊技を続行することになる。
普通役物SBpの作動図柄の組合せは、例えば「ブランク」−「ブランク」−「ブランク」としており、表示確率は5/20×5/20×5/20=1/64で、多くの場合、SBpの作動図柄の組合せを表示できずにSBpは作動しない。SBpに当籤したゲーム限りにおいて作動図柄の組合せを表示できると、次の1ゲームについてSBpの作動中となる。SBpの作動中は、RT0〜RT4に対応させた抽籤テーブルにおいて再遊技役の抽籤態様は変更せずに何れか一以上の小役の抽籤値を1以上増加させた新たな抽籤テーブルにより抽籤を行う。SBpの作動中の規定投入数はMBz作動中と同じく2枚とし、入賞による払出枚数も2枚に限定しており、メダルは増えず、はずれを引くとメダルが減る。なお、MBzの作動中にSBpに当籤すると、小役を優先表示させるためSBpは作動せず、SBpは専らMBzを途中終了させるパンク役として機能する。
特定ボーナス役MBzの非当籤中のリプレイタイムRT0〜RT4において、SBpが作動しても再遊技役の抽籤態様は変更しておらず、SBpの作動が終了すると、基本的には、SBpの当籤を得たリプレイタイムRT0〜RT4において遊技を続行することになる。ただし、有限リプレイタイムのRT3の突入から8回目の遊技でSBpに当籤してSBpの作動図柄の組合せを表示した場合、SBpの作動中の遊技からRT0において遊技を行い、RT3の突入から8回目の遊技でSBp作動中となる場合、SBpの作動終了以後からRT0で遊技を行うことになる。
各リプレイタイムRT0〜RT4における特定ボーナス役MBzの非当籤中の遊技中、有利状態にない通常状態から有利状態への移行は、図33に示した態様に準じて行う。すなわち、弱レア役(「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確1状態という通常有利区間に移行させる。ボーナス役と重複しないチャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確2状態という通常有利区間に移行させる。
また、スイカ1(「F_スイカ1」)の当籤により、例えば当籤確率を8/256としたART抽籤を行い、当籤時は、前兆期間を9〜16ゲームの間で選ぶ前兆期間抽籤を経て、本前兆状態という通常有利区間を経由してARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、前兆期間抽籤を経て、高確3状態という通常有利区間に移行させる。
さらに、スイカ2と重複しないボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)の当籤により、例えば当籤確率を64/256としたART抽籤を行い、当籤時は、ボーナス状態の終了後にラインバトル準備状態に続いてラインバトル状態等とするARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、ボーナス状態の終了後、次回遊技から少なくとも32ゲーム間、高確4状態という通常有利区間に移行させる。
要するに、特定ボーナス役MBzの非当籤中の遊技では、ボーナス役以外の役である、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1の当籤を契機に、ボーナス役としてスイカ2との重複を除くボーナス役BB1〜BB4の当籤を契機に、通常有利区間への移行やARTの決定等、指示機能を作動させる遊技の機会を増加できる。
これに対し、各リプレイタイムRT0〜RT4における特定ボーナス役MBzの作動中の遊技では、ボーナス役BB1〜BB4を抽籤しないため、少なくとも、BB1〜BB4の当籤を契機として、ARTの決定等の指示機能を作動させる遊技の機会を増加させる可能性はなくなる。このため、有利状態への移行前の通常状態中、指示機能を作動させる遊技の機会を増加させる期待値は、特定ボーナス役MBzの非当籤中の遊技の方が、特定ボーナス役MBzの作動中の遊技よりも高くなる。
図113に示すように、特定ボーナス役MBzの当籤確率に設定差はないが、この特定ボーナス役MBzの作動を途中終了させる特定パンク役として機能する普通役物SBpの当籤確率は低設定ほど低く高設定ほど高くしているため、低設定の設定1は特定ボーナス役MBzの作動中の期間が長く、高設定の設定6は特定ボーナス役MBzの作動中の期間が短くなる傾向となる。このため、ART遊技中又はARTの決定がされていない主に低確リプレイタイムRT1等においては、高設定ほどARTの決定がされ易い有利な状況となる。
また、高設定ほど、特定ボーナス役MBzの作動中の期間が短くなるため、MBzの非当籤状態からMBzに当籤する回数も増え、さらに、MBzの作動終了回数も増える。このため、高確リプレイタイムRT2等においてART遊技をしている最中に、特定ボーナス役MBzに当籤すると、MBzの当籤及び/又はMBzの作動終了を契機に、共通処理として、例えば、これらの当籤及び/又は作動終了となるだけで一律的に、所定ゲーム数例えば5ゲーム等を上乗せするようにしてもよい。このような上乗せをする場合、高設定ほど一層有利になる。
さらに、高確リプレイタイムRT2等においてART遊技をしている最中に、特定ボーナス役MBzに当籤すると、MBzの作動中はメダルが増えないため、この期間が短い高設定の方が、指示機能の作動によるメダルの純増速度が低下される期間を短くでき、出玉のスピード感を妨げるのを低減できる。また、ART中の継続ゲーム数に特定ボーナス役MBzの作動中のゲーム数を含めるものとした場合に、設定に応じて特定ボーナス役MBzの作動中の期間が変化し、設定に応じてART中の獲得出玉に差異を生じさせることができる。この場合に、低設定ほどMBz作動中の期間を長く、高設定ほどMBz作動中の期間を短くしているため、ART中のメダルの純増枚数は、低設定ほど少なく、高設定ほど多くなる。
しかし、そもそも、高確リプレイタイムRT2等においてART遊技をしている最中は、有利状態にあるため、有利状態中の指示機能に係る処理に、通常状態から有利状態に移行する場合のような内部当籤役と関連づけて確率的に管理する厳格な要件は必要ないことから、ART中かつ高確リプレイタイムRT0,RT2,RT3中であることを条件として、特定ボーナス役MBzに当籤した場合、MBz作動中を上乗せ特化ゾーンとして機能させてもよく、この場合には、遊技性の幅をさらに広げることができる。
例えば、MBz作動中の期間は高設定ほど短い傾向になるため、MBzの作動が獲得枚数の上限超過で終了となる前に特定パンク役SBpに当籤すると、制限時間内に、敵を倒した、味方を救出した、爆弾を止めた等の特定ミッションの成功とし、所定の上乗せゲーム数例えば50ゲーム等を付与してもよい。特定パンク役SBpを早く引いて早期に特定ミッションに成功できるほど上乗せゲーム数を増加させてもよい。この特定ミッションは、サブ側の表示装置11上の演出動画等により遊技者に告知して行う。
また、特定ボーナス役MBzの作動中は、内部抽籤の結果にかかわらず遊技媒体の獲得に係る全小役を当籤状態にするが、特定ボーナス役MBzの非当籤中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役に応じて、例えば5〜100ゲームの中から抽籤により決定する上乗せゲーム数を付与してもよい。これによっても、遊技性の幅を広げることができる。
ART中のMBz作動中を上乗せ特化ゾーンにする場合、出玉スピード感が遅くなるデメリットを補って余りあるメリットを付与でき、遊技興趣を高め得る。MBz作動中はARTの継続ゲーム数の減算を停止させることにより、獲得メダル枚数が減少することもない。また、MBz作動中はメダルは減りも増えもしない現状維持となることから、MBzの当籤確率を高くし易く、遊技全般を通じた遊技期間中にメダルの現状維持期間を挿入でき、短期或は中短期等の出玉規制に適合し易くなり、この点からも好ましいものとなる。
また、非有利状態の通常状態であっても、特定ボーナス役MBzの非当籤中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役が有利状態への移行契機役として機能する役に該当する場合、ARTの決定や通常有利区間への移行等を可能にしてもよい。この場合には、非ART中の低確リプレイタイムRT1等においてMBzに当籤しても遊技者に著しく不利にならないようにできると共に、MBzの作動中に通常と異なる表示出目を契機にARTの決定等がされる意外性を付与できる。この点からも、遊技性の幅が広がる。
以上の変形例では、特定ボーナス役MBzを、当籤並びに作動図柄の組合せの表示及び作動終了を再遊技役の抽籤態様を変動させる契機にしないものにしたが、特定ボーナス役MBzの作動終了後に、既存の或は新定義する再遊技確率の高い一の高確リプレイタイムに移行させてもよく、この一の高確リプレイタイムにおいて低確リプレイタイムへの転落契機とする押し順役を抽籤し、有利状態中にない場合等には高確リプレイタイムを維持する正解押し順を報知せず、容易に低確リプレイタイムへの転落を誘発し、有利状態中の特にART中にある場合は高確リプレイタイムを維持する正解押し順を報知するようにしてもよい。また、特定ボーナス役MBzを設定差無としたが、高設定ほど当籤確率が低い設定差有としてもよいし、高設定ほど当籤確率の高い設定差有としてもよい。また、特定パンク役SBpは、普通役物に代え、特定ボーナス役MBzの作動中に抽籤することとする第一種特別役物を用いてもよい。
[くじの結果によらない同一の処理による出率差をつけるシステム]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている(図14参照)。さらに、総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段を設けている(図6中、設定用鍵型スイッチ54等参照)。
本変形例の遊技機は、図13と同様に、再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なるリプレイタイムに、再遊技確率に相対的に高低差のある低確リプレイタイムRT1,RT4と高確リプレイタイムRT0,RT2,RT3とを含む。
本変形例では、内部当籤役に、作動中に内部抽籤の結果にかかわらず遊技媒体の獲得に係る全ての小役を当籤状態にする第二種特別役物に係る役物連続作動装置で構成する所定のボーナス役MBdを含み、図20の他のボーナス役BB1〜BB4と共に、低確リプレイタイムRT1,RT4及び高確リプレイタイムRT0,RT2,RT3において抽籤している。なお、BB1〜BB4の内部当籤中となるRT5では、BB1〜BB4もMBdも抽籤しない。
MBdは、設定によって変動しない設定差無の当籤確率で当籤させる。おおむね数十分の一〜数百分の一の範囲内で予め定める、設定1〜6について共通の確率、例えば、抽籤値を100、100/65536≒1/655の確率により、他の小役や再遊技役と重複なしで、単独で当籤させる。図17にNo.99として「F_MBd」を加え、RT0〜RT4において抽籤する。
本変形例では、図16のNo.39のF_維持リプの抽籤値は、設定差無とし、RT1では1000、RT1では0、RT2では16000、RT3では4953、RT4では8966、RT5では5053としている。また、図16のNo.0のはずれの抽籤値は、設定値が高いほど当籤確率(抽籤値)が減少するものとし、設定1において、RT1では173、RT1では39573、RT2では173、RT3では10822、RT4では39577、RT5では22289にし、設定が高いほど当籤確率(抽籤値)が増加する図16のNo.21,30及び図17のNo.74の抽籤値(抽籤値0を除く)の増加分を、No.0のはずれの抽籤値を減らすことにより吸収している。
結局、変更した部分の抽籤値を明示すると、図116のとおりとなる。図116の一般遊技中の内部抽籤テーブルにおいて、各RT0〜RT5の抽籤値の合計は、RT0〜RT4の「F_MBd」の追加分100も加えて、設定1〜6何れについても全て65536となる。ここで、No.21,30,74が、高設定ほど抽籤値が大きくなる設定差有の役の当籤領域となり、No.0のはずれは、高設定ほど抽籤値が小さくなる設定差有の非役(役に該当しないもの)の当籤領域となる。図116に、設定差有の役等についての設定毎の抽籤値の一例を示したが、設定毎の抽籤値はこれに限るものではない。また、設定差有の役に、No.21,30,74のボーナス役又は小役を用いたが、再遊技役を用いてもよい。
MBdの作動図柄の組合せ(「左図柄」-「中図柄」−「右図柄」)は、例えば、「リプレイ」−「ベル」−「ベル」とし、表示確率を1(最大4コマ滑りで有効ラインに該当図柄を必ず引き込むことができるもの)にしている。したがって、MBdに当籤すると当籤ゲームで作動図柄の組合せを表示でき、次ゲームはMBdの作動中となる。MBdの作動中は、常時、第二種特別役物CBが作動するものとしており、CBの作動中は、内部抽籤の結果にかかわらずメダルの払出しを伴う全ての小役を当籤状態にする。
MBdの作動中のCBの作動中は、規定投入枚数を2枚(2枚掛け)に変更し、全小役の払出枚数は10枚に変更し、最大滑りコマ数を1コマに制限する75ms以内で停止させるリールは、例えば、左リール3Lとしている。中リール3C及び右リール3Rは最大4コマ滑りを維持し、有効ラインは、中段の1ラインのみに変更している。CBの作動中は、メダルの払出しがある小役に係る図柄の組合せを優先表示させることとしており、左リール3Lを第1番目に停止させる左第1停止をすると、図22に示したNML01〜NML35の何れかの小役を表示でき、10枚のメダルが払出される。
MBdの作動は、作動開始からの総獲得メダル枚数が所定上限とする例えば119枚超過すなわち120枚以上で終了するものとしており、MBdの作動終了によりCBの作動も終了する。よって、MBdの作動は、12ゲームで終了する。この間、毎ゲーム、2枚投入10枚払出で、差枚数8枚のメダルを純増できる。すなわち、遊技者は、8枚×12回=96枚の差枚数のメダルを純増できる。
MBdの作動中に、MBdの非作動中或は非当籤中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役の種類に応じて、予め定めた内部情報、例えば、獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた差枚数の記録を更新するようにしている。具体的には、図116のNo.21,30,74の設定差有の役の当籤領域を除いた、設定差無の役の当籤領域及びはずれの領域を合算した領域に属する第1種類の当籤の場合、差枚数の記録を更新し、図116のNo.21,30,74の設定差有の役の当籤領域に属する第2種類の当籤の場合、差枚数の記録を更新しない。設定差有の役に、No.21,30,74に代えて或は併用して再遊技役を用いる場合、設定差有の再遊技役の当籤領域に属する当籤は第2種類の当籤となり、この第2種類の当籤の場合、差枚数の記録を更新しない。
図116のNo.21,30,74の設定差有の役の当籤領域は、設定1<2<3<4<5<6の順番で高設定ほど大きいため、この領域に属する第2種類の当籤となる可能性は高設定ほど高く、MBd作動中の12ゲーム間に差枚数の記録が更新されないゲームが生じる可能性は高設定ほど高い。したがって、遊技者に提供されるメダルの差枚数は設定1〜6において何れも96枚で変わりはないが、内部情報とする差枚数は低設定ほど96枚になる可能性が高い一方で、高設定ほど96枚未満になる可能性が高くなる。
内部情報とする差枚数の更新値が所定値96枚未満になる場合と所定値96枚以上(96枚)になる場合とで、指示機能を作動させる遊技を増加させる期待値、具体的にはART又は上乗せを決定する期待値に高低差を設けている。
すなわち、有利状態にない通常状態中にMBdに当籤すると、暫定的な有利状態に移行させ、MBdの作動終了時に内部情報とする差枚数が96枚未満になる場合は、MBdの作動終了時に、MBdの作動が終了することとなるゲーム開始時のスタートレバー16の操作を契機に内部抽籤用乱数とは別個独立に抽出しておいた1バイト乱数等を用いた抽籤処理により、1セット40ゲームのARTの当否を決定し、ARTに当籤した場合は、有利区間を維持してART遊技を可能にし、ARTに非当籤の場合は、暫定的な有利状態を終了させて通常状態に復帰させる。MBdの作動終了時に内部情報とする差枚数が96枚以上(96枚)になる場合は、ARTの当否を決定する抽籤を受けることはできず、MBdの終了時に通常状態に復帰させる。
また、有利状態中にMBdに当籤すると、有利状態を維持し、MBdの作動終了時に内部情報とする差枚数が96枚未満になる場合は、MBdの作動終了時に前記した1バイト乱数等を用いた抽籤処理により、1セット40ゲームのART又は上乗せの当否を決定し、当籤した場合は、有利状態を維持してART又は上乗せを可能にし、非当籤の場合は、MBd当籤前の有利状態若しくは通常状態に復帰させる。MBdの作動終了時に内部情報とする差枚数が96枚以上(96枚)になる場合は、ART又は上乗せの当否を決定する抽籤を受けることはできず、MBdの作動終了時にMBd当籤前の有利状態若しくは通常状態に復帰させる。
以上により、MBdを作動させた場合、前回と今回とで純増できるメダル枚数は同じでも、MBdの非作動中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役の種類に応じて、予め定めた内部情報とする差枚数の更新値が変わり、この更新値が所定値96枚未満になる場合と所定値96枚以上になる場合とで、ART又は上乗せに対する期待値に高低差が付く。このため、遊技者に意外性のある遊技性を提供できる。
また、高設定と低設定とで、内部情報とする差枚数の記録を更新する役の抽籤値(当籤領域)を変化させているため、設定に応じて、ART又は上乗せに対する期待値を変化させることができ、設定差による出玉率の差を大きくできる。
さらに、MBdの当籤確率は設定によって変わらないため、MBdの作動により遊技者が手にするメダル純増枚数が同じになるだけでなく、遊技者に設定を悟られるの低減でき、それでいながら、設定に応じてART又は上乗せに対する期待値を変化させることができ、より効果的に意外性のある遊技性を創出できる。
本変形例では、図116のNo.21,30,74の領域を除いた第1種類の当籤の場合、差枚数の記録を更新し、図116のNo.21,30,74の領域の第2種類の当籤の場合、差枚数の記録を更新せず、差枚数が96枚未満の場合にART又は上乗せを可能にし、差枚数が96枚以上になる場合にART又は上乗せを不可としたが、図116のNo.0のはずれとなる場合(第1種類の当籤の場合)、差枚数の記録を更新し、図116のNo.0のはずれ以外となる場合(第2種類の当籤の場合)、差枚数の記録を更新せず、例えば、差枚数が8枚未満の場合にART又は上乗せを可能にし、差枚数が8枚以上になる場合にART又は上乗せを不可としてもよい。
また、本変形例では、設定差有の役の当籤領域を高設定ほど大きくし、内部情報とする差枚数が所定値未満(例えば96枚未満)となる場合にART又は上乗せを可能にする有利な状況にしたが、設定差有の役の当籤領域を高設定ほど小さくし、内部情報とする差枚数が所定値未満となる場合にART又は上乗せを不可にする不利な状況にしてもよい。さらに、本変形例では、MBdの作動中に、MBdの非作動中或は非当籤中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役の種類を、設定差の有無を加味して2種類に区分したが、設定差の有無にかかわらず、再遊技役か小役かはずれかに応じて3種類に区分してもよいし、再遊技役の内訳及び/又は小役の内訳に応じて、さらに細かく種類を区分してもよい。
さらに、本変形例では、予め定めた内部情報に、獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた差枚数を用いたが、単純に、獲得メダル枚数や、投入メダル枚数、遊技回数等を用いてもよい。
また、本変形例では、MBdの作動中にARTの決定と上乗せの決定とを同一確率で期待できるようにしたが、ARTの初当たりとなるART突入率と、ART中のセット数上乗せ等によるART継続率とを異なる確率で組み合わせてもよい。さらに、複数のボーナス役を用い、ボーナス役毎に、ART突入率は高いがART継続率は低い態様、ART突入率は低いがART継続率は高い態様、ART突入率もART継続率も通常の態様等、指示機能の性能を多様に変化させるようにしてもよい。
本変形例では、所定のボーナス役MBdを設定差無としたが、高設定ほど当籤確率が高い設定差有にしてもよい。また、所定のボーナス役は、第二種特別役物CBで構成してもよい。
[有利区間搭載機のモーニング]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている(図14参照)。さらに、総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段を設けている(図6中、設定用鍵型スイッチ54等参照)。
本変形例では、図13に代え、図117に示すように、再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる以下のア)〜カ)の非RT,RTX,RTY,RTH,RT5、ボーナス状態を含む複数のリプレイタイムを設けている。図13のRT3相当の有限リプレイタイムは設けていない。「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1」の図柄の組合せも、リプレイタイムを移行させる移行契機図柄の組合せに定義していない。
ア)非RT
この非RTは、再遊技役の抽籤態様が変動していない状態とし、設定変更及び同一設定への打ち直しを含む設定変更の操作すなわちリセットがされたことを条件に移行する初期リプレイタイムである。この非RTのみで、特殊移行契機図柄の組合せとする図21のREP07の図柄の組合せ「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」を表示させるF_RTX移行リプを抽籤する。
非RTの再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_RTX移行リプ(REP07)は8966
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜06)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜06)は6
以上、非RTの再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3の低確リプレイタイムにしている。F_確定リプは、REP01〜06の重複としている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
イ)RTX
このRTXは、初期リプレイタイムの非RTにおいてF_RTX移行リプの当籤に基づいて特殊移行契機図柄の組合せ(REP07)を表示したことを条件に移行する特殊リプレイタイムである。このRTXは、予め定めた長期ゲーム回数例えば65535回の遊技の結果が得られた後(65535G消化後)に非RTに復帰する有限リプレイタイムにしており、RTXでベルこぼし目の「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」を表示しても、RTXが維持される。ほとんどの場合、有限回数の遊技の結果が得られる前に何れかのボーナス役BB1〜BB4に当籤し、RTXから抜ける。
RTXの再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は8966
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜06)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜06)は6
以上、RTXの再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3の低確リプレイタイムにしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
ウ)RTY
このRTYは、所定のボーナス役とする図20のBB1〜BB4の当籤に基づくボーナスゲームの終了後に移行する復帰リプレイタイムである。非RTにおいて、F_RTX移行リプ(REP07)の当籤を得る前に、図17のNo.77〜98の押し順小役に当籤してベルこぼし目を表示すると、非RTからも移行可能である。
RTYの再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_打順1でRTH他は維持リプ(REP01+02+09)は1400
2)F_打順2でRTH他は維持リプ(REP01+03+09)は1400
3)F_打順3でRTH他は維持リプ(REP01+04+09)は1400
4)F_打順4でRTH他は維持リプ(REP01+05+09)は1400
5)F_打順5でRTH他は維持リプ(REP01+06+09)は1400
6)F_打順6でRTH他は維持リプ(REP01+08+09)は1400
7)F_維持リプ(REP02)は566
20)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜06)は6
21)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜06)は6
以上、RTYの再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3の低確リプレイタイムにしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_打順1でRTH他は維持リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、RTHへの移行契機図柄の組合せとする「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」(REP09)を表示してRTHに移行させ、左中右以外で停止操作をすると、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP01)を表示してRTYを維持させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
復帰リプレイタイムRTYに移行した後は、初期リプレイタイムの非RT及び特殊リプレイタイムRTXへの移行は不可にしている。RTYから非RT又はRTXへは、直接的にも、或は他のリプレイタイムを介して間接的にも、移行を可能にする移行契機図柄の組合せ等は一切定義していない。なお、RTYにおいて、図17のNo.77〜98の押し順小役に当籤してベルこぼし目を表示しても、RTYに止まる。
エ)RTH
このRTHは、復帰リプレイタイムRTYにおいてRTHへの移行契機図柄の組合せとする「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」(REP09)を表示することによりRTYから移行し、再遊技確率の高い状態で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTの遊技を行う高確リプレイタイムである。
RTHの再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_左第1停止でRTY他は維持リプ(REP02+08)は4500
2)F_中第1停止でRTY他は維持リプ(REP02+03+08)は4500
3)F_右第1停止でRTY他は維持リプ(REP02〜04+08)は4500
4)F_維持リプ(REP02)は16273
5)F_上段リプ(REP01+04)は2450
6)F_中段リプ1(REP01+04+05)は5000
7)F_下段リプ(REP01+03+04)は2450
8)F_被弾リプ(REP03)は8970
9)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜06)は6
10)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜06)は6
以上、RTHの再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35の高確リプレイタイムにしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_左第1停止でRTY他は維持リプ」というのは、その当籤時に、不正解の押し順となる左第1停止で停止操作をすると、RTYへの移行契機図柄の組合せとする「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP08)を表示してRTYに転落移行させ、左第1停止以外で停止操作をすると、「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「チェリー1」(REP02)を表示してRTHを維持させる役という意味である。2)の中第1停止、3)の右第1停止についても同様である。
オ)RT5
このRT5は、非RT,RTX,RTY,RTHの一般遊技中において抽籤する何れかのボーナス役BB1〜BB4の当籤に基づき、当籤ゲームでは重複当籤対象の小役又は再遊技役を優先表示するために作動図柄の組合せを表示しないため、当籤ゲームの次ゲーム以降に移行する当籤に係るボーナス役の当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤中(フラグ間状態中)である。再遊技確率は、例えば約1/2.49の中確率(中リプ)としている。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は5053
2)F_上段リプ(REP01+04)は60
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は306
4)F_中段リプ2(REP01+05)は8992
5)F_中段リプ3(REP01+06)は11775
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は180
以上、RT5の再遊技役の合計の抽籤値は26366で、確率は約1/2.49となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、非RT,RTX,RTY,RTHの一般遊技中、ボーナス役及び小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図16のNo.1〜No.38及び図17のNo.61〜No.98におけるRT5以外の抽籤値と同様である。また、RT5のフラグ間状態中、小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図17のNo.61〜No.98におけるRT5の抽籤値と同様である。
カ)ボーナス状態
このボーナス状態は、当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せの表示により開始される。ボーナス役BB1〜BB4は第一種特別役物に係る役物連続作動装置BBで構成し、BBの作動中は常時第一種特別役物RBを作動状態にしており、BB作動中のRB作動中の遊技状態となる。再遊技確率は0、はずれも0で、図18に示したF_JAC1_1〜6,F_JAC2の何れかが当籤する。BB1〜BB4の作動は、それぞれの上限獲得メダル枚数の超過により終了し(常時作動のRBも終了し)、RTYに復帰する。
非有利状態である通常状態から有利状態への移行は、図33に示した態様に準じて行う。すなわち、有利状態移行契機役の一つとする弱レア役(「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確1状態という通常有利区間に移行させる。有利状態移行契機役の一つとする、ボーナス役と重複しないチャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確2状態という通常有利区間に移行させる。
さらに、有利状態移行契機役の一つとするスイカ1(「F_スイカ1」)の当籤により、例えば当籤確率を8/256としたART抽籤を行い、当籤時は、前兆期間を9〜16ゲームの間で選ぶ前兆期間抽籤を経て、本前兆状態という通常有利区間を経由してARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、前兆期間抽籤を経て、高確3状態という通常有利区間に移行させる。
さらにまた、有利状態移行契機役の一つとする、スイカ2と重複しないボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)の当籤により、例えば当籤確率を64/256としたART抽籤を行い、当籤時は、ボーナス状態の終了後にラインバトル準備状態に続くラインバトル状態というARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、ボーナス状態の終了後、次回遊技から少なくとも32ゲーム間、高確4状態という通常有利区間に移行させる。
要するに、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1、スイカ2との重複を除くボーナス役という、一般遊技中において抽籤値が変動しない予め定めた有利状態移行契機役の当籤に基づいて、有利状態に含まれる通常有利区間に移行させる。
前日の営業終了後に設定変更の操作がされ、本日の営業が開始された場合、初期リプレイタイムの非RTから遊技が行える。非RTにおいて、ベルのこぼし目を表示して復帰リプレイタイムRTYに移行する前に、F_RTX移行リプを8966/65536≒1/7.3の確率で当籤させ、REP07に係る特殊移行契機図柄の組合せである「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」を表示させることにより、特殊リプレイタイムRTXに移行できる。
特殊リプレイタイムRTXにおいて、通常有利区間以上の有利状態が生起された後、有利状態中に何れかのボーナス役BB1〜BB4に当籤した場合、ARTの決定前なら1セット40ゲームのARTを決定し、ARTが決定済の場合は、ARTを1セット上乗せする。RTX以外では、スイカ2との重複を含まない条件下で、且つ、2段階抽籤等により64/256の確率でARTの決定がされるのに対して、RTXでは有利状態中にボーナス役BB1〜BB4に当籤するだけで、ART又は上乗せが高い確率(100%)で決定される。すなわち、遊技者に有利な特典が付与される。ここでは、特典の付与を可能にする予め定めた特定内部当籤役は、ボーナス役BB1〜BB4にしている。
特殊リプレイタイムRTXからRTX以外に移行した後は、RTXにおいて特定内部当籤役に当籤した場合に付与する特典は付与しない。すなわち、RTXにおいてボーナス役BB1〜BB4に当籤すると、ボーナス内部当籤中のRT5を経てボーナス状態に移行し、ボーナスゲームの終了後は復帰リプレイタイムRTYに移行し、その後は非RT及びRTXには移行しないため、RTXにおいてボーナス役BB1〜BB4に当籤した場合の特典は一回限りとなる。営業開始後、最初に遊技を始めた遊技者に、RTXにおいてボーナス役BB1〜BB4の当籤により特典の付与がされるため、遊技の公正さを保ちながら、遊技者にモーニング的な恩恵を付与でき、朝一番から遊技機の稼働を上げることができる。
以上のものでは、設定変更の操作後に移行する設定変更後リプレイタイムとして、初期リプレイタイムの非RTと特殊リプレイタイムRTXとを設けたが、設定変更後リプレイタイムを一のリプレイタイムで構成してもよい。この場合、初期リプレイタイムの非RT又は特殊リプレイタイムRTXの何れか一つを設けるだけでよい。この一つの設定変更後リプレイタイムは、有限回数を規定しない無限リプレイタイムで構成する。また、設定変更後リプレイタイムを無限リプレイタイムで構成することとした場合、設定変更後リプレイタイムにおいて特典が付与される前にベルのこぼし目を表示してしまって早々に復帰リプレイタイムRTYに移行してしまうのを未然に防止するため、ベルこぼし目はRTYへの移行契機図柄の組合せに定義しない方が好ましく、このようにすれば、設定変更後リプレイタイムにおいてベルこぼし目を表示しても設定変更後リプレイタイムに止まることができ、特典の付与がより確実に行える。
そして、本変形例は、設定変更の操作がされたことを条件に移行する設定変更後リプレイタイム非RT又はRTXと、所定のボーナス役BB1〜BB4の当籤に基づくボーナスゲームの終了後に移行する復帰リプレイタイムRTYと、を含み、RTYに移行した後は、設定変更後リプレイタイムへの移行を不可にし、設定変更後リプレイタイムにおいて予め定めた特定内部当籤役とするボーナス役BB1〜BB4に当籤した場合は、設定変更後リプレイタイム以外においてボーナス役BB1〜BB4に当籤した場合よりも、ART又は上乗せが高い確率(100%)で決定されるという遊技者に有利な特典を付与し、設定変更後リプレイタイムから設定変更後リプレイタイム以外に移行した後は、設定変更後リプレイタイムにおいてボーナス役BB1〜BB4に当籤した場合に付与する特典は付与しないようにしてもよい。
本変形例では、ARTが決定された場合、高確リプレイタイムRTHで指示機能を作動させる。図17のNo.77〜98の何れかの押し順小役に当籤した場合は、8枚のメダルが払出される正解押し順を報知し、「F_左第1停止でRTY他は維持リプ(REP02+08)」、「F_中第1停止でRTY他は維持リプ(REP02+03+08)」、「F_右第1停止でRTY他は維持リプ(REP02〜04+08)」の何れかの再遊技役に当籤した場合は、RTHを維持する正解押し順を報知する。従って、遊技者は、ARTの継続中に手持ちのメダルを減らすことなくある程度まとまったメダルを獲得することができる。
ARTの継続ゲーム数又はセット数が0になると、指示機能の作動を止め、ベルこぼし目又はREP08の表示により復帰リプレイタイムRTYに転落させる。ARTの継続ゲーム数又はセット数が0になり、かつ、復帰リプレイタイムRTYへの転落を条件に有利状態を終了させて通常状態に復帰させる。
本変形例において、特殊リプレイタイムRTXにおいて特典の付与を可能にする予め定めた特定内部当籤役は、ボーナス役BB1〜BB4としたが、これに代え、又は、これに併用し、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1等の有利状態移行契機役、及び/又は、有利状態移行契機役以外の予め定めた小役若しくは再遊技役を用いてもよい。そして、RTXにおいて通常有利区間以上の有利状態にある場合、有利状態中の指示機能に係る処理として、リプレイタイムがRTXであることを参照し、有利状態移行契機役、及び/又は、有利状態移行契機役以外の予め定めた小役若しくは再遊技役の当籤を契機に、2段階抽籤の当籤確率を例えば128/256=50%を超える高確率とした優遇的な抽籤処理により、ART又は上乗せを決定する特典を付与してもよい。また、特殊リプレイタイムRTXは、有限リプレイタイムとするのに代え、無限リプレイタイムとし、RTXから所定の移行契機図柄の組合せの表示により他のリプレイタイムに移行可能にしてもよい。本変形例では、復帰リプレイタイムRTYと高確リプレイタイムRTHとを設けたが、復帰リプレイタイムRTY又は高確リプレイタイムRTHから所定の移行契機図柄の組合せの表示により移行する1以上の低確又は高確リプレイタイムを追加してもよい。
有利区間搭載機の天井]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている(図14参照)。内部当籤役に、図20と同様な所定のボーナス役BB1〜BB4を含む。
本変形例では、図13に代え、図118に示すように、ボーナス役BB1〜BB4の抽籤態様は同じであるが再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる以下のア)〜エ)のRT1000,非RT,RT5、ボーナス状態を含む複数のリプレイタイムを設けている。
ア)RT1000
このRT1000は、特定移行契機図柄の組合せの表示による移行後の遊技から、ボーナス役BB1〜BB4の当籤がない限り、予め定めた有限回数例えば1000ゲームについて滞在する有限リプレイタイムである。BB1〜BB4の当籤がない場合、1000G消化後に非RTに復帰する。
RT1000の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は8966
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、非RTの再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3の低確リプレイタイムにしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
イ)非RT
この非RTは、指示機能の作動により投入メダル枚数を超える払出メダル枚数の獲得が容易になる遊技を可能にする無限リプレイタイムである。再遊技確率の高い高確リプレイタイムにしており、非RTにおいて指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTの遊技を行うようにしている。
非RTの再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_左第1停止でRT1000他は維持リプ(REP02+08)は4500
2)F_中第1停止でRT1000他は維持リプ(REP02+03+08)は4500
3)F_右第1停止でRT1000他は維持リプ(REP02〜04+08)は4500
4)F_維持リプ(REP02)は16273
5)F_上段リプ(REP01+04)は2450
6)F_中段リプ1(REP01+04+05)は5000
7)F_下段リプ(REP01+03+04)は2450
8)F_被弾リプ(REP03)は8970
9)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜06)は6
10)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜06)は6
以上、非RTの再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35の高確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_左第1停止でRT1000他は維持リプ」というのは、その当籤時に、不正解の押し順となる左第1停止で停止操作をすると、RT1000への移行契機図柄の組合せとする「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP08)を表示してRT1000に移行させ、左第1停止以外で停止操作をすると、「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「チェリー1」(REP02)を表示して非RTを維持させる役という意味である。2)の中第1停止、3)の右第1停止についても同様である。
ウ)RT5
このRT5は、RT1000,非RTの一般遊技中において抽籤する何れかのボーナス役BB1〜BB4の当籤に基づき、当籤ゲームでは重複当籤対象の小役又は再遊技役を優先表示するために作動図柄の組合せを表示しないため、当籤ゲームの次ゲーム以降に移行する当籤に係るボーナス役の当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤中(フラグ間状態中)である。再遊技確率は、例えば約1/2.49の中確率(中リプ)としている。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は5053
2)F_上段リプ(REP01+04)は60
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は306
4)F_中段リプ2(REP01+05)は8992
5)F_中段リプ3(REP01+06)は11775
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は180
以上、RT6の再遊技役の合計の抽籤値は26366で、確率は約1/2.49となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、RT1000,非RTの一般遊技中、ボーナス役及び小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図16のNo.1〜No.38及び図17のNo.61〜No.98におけるRT5以外の抽籤値と同様である。また、RT5のフラグ間状態中、小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図17のNo.61〜No.98におけるRT5の抽籤値と同様である。
エ)ボーナス状態
このボーナス状態は、当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せの表示により開始される。ボーナス役BB1〜BB4は第一種特別役物に係る役物連続作動装置BBで構成し、BBの作動中は常時第一種特別役物RBを作動状態にしており、BB作動中のRB作動中の遊技状態となる。再遊技確率は0、はずれも0で、図18に示したF_JAC1_1〜6,F_JAC2の何れかが当籤する。BB1〜BB4の作動は、それぞれの上限獲得メダル枚数の超過により終了し(常時作動のRBも終了し)、非RTに復帰する。
非有利状態である通常状態から有利状態への移行は、図33に示した態様に準じて行う。すなわち、有利状態移行契機役の一つとする弱レア役(「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確1状態という通常有利区間に移行させる。有利状態移行契機役の一つとする、ボーナス役と重複しないチャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確2状態という通常有利区間に移行させる。
さらに、有利状態移行契機役の一つとするスイカ1(「F_スイカ1」)の当籤により、例えば当籤確率を8/256としたART抽籤を行い、当籤時は、前兆期間を9〜16ゲームの間で選ぶ前兆期間抽籤を経て、本前兆状態という通常有利区間を経由してARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、前兆期間抽籤を経て、高確3状態という通常有利区間に移行させる。
さらにまた、有利状態移行契機役の一つとする、スイカ2と重複しないボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)の当籤により、例えば当籤確率を64/256としたART抽籤を行い、当籤時は、ボーナス状態の終了後にラインバトル準備状態に続くラインバトル状態というARTによる有利区間とすることを決定し、非当籤時は、ボーナス状態の終了後、次回遊技から少なくとも32ゲーム間、高確4状態という通常有利区間に移行させる。
要するに、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1、スイカ2との重複を除くボーナス役という、一般遊技中において抽籤値が変動しない予め定めた有利状態移行契機役の当籤に基づいて、有利状態に含まれる通常有利区間に移行させる。
本変形例では、無限リプレイタイムの非RTにおいて、有利状態を生起させた場合、有限リプレイタイムのRT1000において有利状態を生起させた場合よりも遊技者に有利な第1特典を付与可能にしている。
具体的には、第1特定として、例えば、非RTにおいてボーナス役BB1〜BB4に当籤するまで、毎ゲーム、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた2段階抽籤処理により、例えば225/256≒88%の高い継続率にて有利状態を継続させる。なお、継続率は100%とし、ボーナス役BB1〜BB4に当籤するまで有利状態を必ず継続させてもよい。
非RTでの有利状態の継続中は、図17のNo.77〜98の何れかの押し順小役に当籤した場合、8枚のメダルが払出される正解押し順を報知し、「F_左第1停止でRT1000他は維持リプ」、「F_中第1停止でRT1000他は維持リプ」、「F_右第1停止でRT1000他は維持リプ」の何れかの再遊技役に当籤した場合は、非RTを維持する正解押し順を報知する。従って、遊技者は、有利状態の継続中に手持ちのメダルを減らすことなくボーナスBB1〜BB4に当籤させることができる。
ただし、非RTにおいて、有利状態を生起させる前、或は、有利状態が生起されても継続率による継続が断たれた後は、通常状態となるため、「F_左第1停止でRT1000他は維持リプ」、「F_中第1停止でRT1000他は維持リプ」、「F_右第1停止でRT1000他は維持リプ」の何れかに当籤すると、非RTを維持する正解押し順を報知しないことから、REP08に係る「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」を表示し、RT1000に移行させてしまうことがある。
また、本変形例では、無限リプレイタイムの非RTにおいて、ボーナス役BB1〜BB4に当籤したとき、有限リプレイタイムのRT1000においてボーナス役BB1〜BB4に当籤したときよりも遊技者に有利な第2特典を付与可能にしている。
具体的には、第2特定として、例えば、ボーナスゲーム後に復帰する非RTにおいて1セット40ゲーム間について指示機能を作動させるARTを確定させる。ボーナスゲーム後の非RTへの復帰後、ボーナス役BB1〜BB4の当籤時に通常状態であった場合は有利状態に移行させ、ボーナス役BB1〜BB4の当籤時に有利状態であった場合は有利状態を維持し、非RTの復帰後の第1ゲーム目からARTを開始させる。
ARTが継続ゲーム数の消化により終了すると、遊離状態を終了させて通常状態に復帰させる。このため、RT1000に移行するリスクが高くなるが、RT1000に移行する前に、再び有利状態を生起することができれば、高い継続率で有利状態を継続させることができ、RT1000に移行するリスクを回避し且つ手持ちのメダルの減少を抑制できながら、ボーナス役BB1〜BB4の当籤に期待することができる。
また、第2特典は、ARTの確定に代え、或は、ARTの確定と併用し、非RTで当籤したボーナス役BB1〜BB4のボーナスゲーム中に、図18の「F_JAC_1」〜「F_JAC_6」の当籤時、指示機能を作動させて15枚のメダルを獲得できるようにしてもよい。これにより、ボーナス役BB1〜BB4の作動中の獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた純増メダル枚数を増やすことができる。
非RT又はRT1000においてボーナス役BB1〜BB4に当籤すると、ボーナスゲームの後、RT1000を経由することなく非RTに移行する。非RTでは、第1特典とした高い継続率による有利状態の継続、及び/又は、第2特典としたARTの確定等により、投入メダル枚数を超えるメダルの獲得が容易になり、手持ちのメダルを増加できる。
非RTにおいて指示機能の作動が無くなると、特定移行契機図柄の組合せとするREP08の表示によりRT1000に容易に移行するが、有限回数1000ゲームの消化途中でボーナス役BB1〜BB4に当籤すると、ボーナスゲーム後、再び非RTに移行でき、手持ちのメダルを増加できる。
また、RT1000の消化途中でボーナス役BB1〜BB4に当籤できなかった場合でも、1000ゲームの後、非RTに移行でき、手持ちのメダルを増加できる。よって、RT1000の1000ゲームが天井ゲーム数として機能し、遊技の公正さを保ちながら、指示機能を作動させるチャンスがありながらそのチャンスをものにできなかった引き弱の遊技者を効果的に救済することができる。
以上の変形例では、無限リプレイタイムとして高確リプレイタイムの非RTのみを設けたが、無限リプレイタイムは、次のi)〜iii)を含むものとしてもよい。
i)RT0
このRT0は、ボーナス役BB1〜BB4の作動(ボーナスゲーム)の終了後及びRT1000から有限回数の消化後に復帰し、再遊技役を例えばF_維持リプのみとし、再遊技確率を約1/7.3とした低確リプレイタイムの初期リプレイタイムとする。
ii)RT1
このRT1は、RT0からベルこぼし目の表示等により移行し、再遊技役に「F_左第1停止でRT1000他は維持リプ」「F_中第1停止でRT1000他は維持リプ」「F_右第1停止でRT1000他は維持リプ」を含み、再遊技確率を約1/7.3とした低確リプレイタイムとする。
iii)RT2
このRT2は、RT1から所定の昇格契機図柄の組合せの表示により移行し且つベルこぼし目の表示等によりRT1に転落する、再遊技役の内訳及び抽籤値を上記した非RTと同様にし、ART遊技を行う高確リプレイタイムとする。
このように無限リプレイタイムをRT0,RT1,RT2で構成することとすれば、初期リプレイタイムRT0を、再遊技確率を低くしていても、高確リプレイタイムRT2においてART遊技を行え、所期の目的を達成できる。また、所定のシミュレーション試験を、RT1やRT2や、これらRT1又はRT2から移行可能な有限リプレイタイムRT1000を考慮することなく、初期リプレイタイムRT0のみで簡便に行えるメリットも得られる。
無限リプレイタイムは、非RTのみで構成する場合、RT0,RT1,RT3で構成する場合の他、1以上の任意の数のリプレイタイムで構成できる。有限リプレイタイムは、RT1000のみで構成したが、有限回数の異なる2以上のリプレイタイムで構成してもよい。
[有利区間を使用しない周期チャンスゾーン]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている(図14参照)。
本変形例では、図13に代え、図119に示すように、再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる以下のア)〜カ)のRTL,RTH,RT0,RT1,RT5、ボーナス状態を含む複数のリプレイタイムを設けている。
ア)RTL
このRTLは、第1移行契機図柄の組合せ、例えばREP08の図柄の組合せである「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」の表示により突入し、突入から第1有限回数例えば50ゲームについて滞在可能な第1リプレイタイムである。再遊技確率を例えば
RTLの再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は8966
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT0の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3の低確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
イ)RTH
このRTHは、第2移行契機図柄の組合せ、例えばREP09の図柄の組合せである「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」の表示により突入し、突入から第2有限回数例えば50ゲームについて滞在可能とし、第1リプレイタイムRTLよりも再遊技確率を高くした第2リプレイタイムである。
RTHの再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は29773
2)F_上段リプ(REP01+04)は2450
3)F_中段リプ1(REP01+04+05)は5000
4)F_下段リプ(REP01+03+04)は2450
5)F_被弾リプ(REP03)は8970
6)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
7)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、非RTの再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35の高確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
ウ)RT0
このRT0は、再遊技の抽籤態様が変動していない状態とし、RTL,RTHの復帰先にしていると共に、ボーナス役BB1〜BB4(図20)の作動に係るボーナスゲームの終了後の復帰先にしている。
RT0の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は8967
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT0の再遊技役の合計の抽籤値は8979で、確率は約1/7.3の低確率にしている。RTLよりもF_維持リプの抽籤値を1だけ大きくしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
エ)RT1
このRT1は、RT0から、図17のNo.77〜No.98の何れかの押し順小役の当籤時、押し順不正解により表示可能な「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」のベルこぼし目の表示により移行する一般リプレイタイムである。RT1へは、第1リプレイタイムRTL又は第2リプレイタイムRTHから、これらの有限回数について滞在した後の移行により、すなわちRT0への復帰後のベルこぼし目の表示により、突入可能となる。RT1では、停止操作に応じて第1移行契機図柄の組合せであるREP08と第2移行契機図柄の組合せであるREP09との一方を表示可能にする次記1)〜6)の特定移行役の抽籤をする。
RT1の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_打順1でRTH他はRTLリプ(REP08+09)は5460
2)F_打順2でRTH他はRTLリプ(REP01+08+09)は5460
3)F_打順3でRTH他はRTLリプ(REP02+08+09)は5460
4)F_打順4でRTH他はRTLリプ(REP01+02+08+09)は5460
5)F_打順5でRTH他はRTLリプ(REP07〜09)は5460
6)F_打順6でRTH他はRTLリプ(REP01+07〜09)は5460
7)F_維持リプ(REP02)は15883
8)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
9)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT1の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35の高確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_打順1でRTH他はRTLリプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、第2移行契機図柄の組合せである「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」(REP09)を表示してRTHに移行させ、左中右以外で停止操作をすると、第1移行契機図柄の組合せである「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP08)を表示してRTLに移行させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
1)〜6)の特定移行役の合算確率は32760/65536≒1/2としており、高確率で特定移行役に当籤できるようにしている。ただし、指示機能を作動不可とする非有利状態である通常状態では、正解押し順を報知しないため、多くの場合、押し順に正解できず、REP08を表示して第1リプレイタイムRTLに移行させる。
オ)RT5
このRT5は、RT0,RT1,RTL,RTHにおいて抽籤する何れかのボーナス役BB1〜BB4の当籤に基づき、当籤ゲームでは重複当籤対象の小役又は再遊技役を優先表示するために作動図柄の組合せを表示しないため、当籤ゲームの次ゲーム以降に移行する当籤に係るボーナス役の当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤中(フラグ間状態中)である。有限リプレイタイムのRTL,RTHにおいてBB1〜BB4に当籤した場合、有限回数の消化前でも、次ゲームからRT5となる。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は5053
2)F_上段リプ(REP01+04)は60
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は306
4)F_中段リプ2(REP01+05)は8992
5)F_中段リプ3(REP01+06)は11775
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は180
以上、RT6の再遊技役の合計の抽籤値は26366で、確率は約1/2.49の中確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、RT0,RT1,RTL,RTHの遊技中、ボーナス役及び小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図16のNo.1〜No.38及び図17のNo.61〜No.98におけるRT5以外の抽籤値と同様である。また、RT5のボーナス内部当籤中、小役についての当籤役の内訳及び抽籤値は、図17のNo.61〜No.98におけるRT5の抽籤値と同様である。
カ)ボーナス状態
このボーナス状態は、当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せの表示により開始される。ボーナス役BB1〜BB4は第一種特別役物に係る役物連続作動装置BBで構成し、BBの作動中は常時第一種特別役物RBを作動状態にしており、BB作動中のRB作動中の遊技状態となる。再遊技確率は0、はずれも0で、図18に示したF_JAC1_1〜6,F_JAC2の何れかが当籤する。BB1〜BB4の作動は、それぞれの上限獲得メダル枚数の超過により終了し(常時作動のRBも終了し)、RT0に復帰する。
本変形例では、RT0,RT1,RTL,RTHにおいて、非有利状態である通常状態中から有利状態への移行は、図33等に示した態様に代え、有利状態移行契機役とする図17のNo.61〜68の単独のチャンス目、同No.69,70の弱レア役、同No.71のスイカ1の当籤時、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた2段階抽籤処理により、所定確率例えば25/256≒10%の確率で、有利状態に移行させるものとしている。
要するに、RT0,RT1,RTL,RTHにおいて、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1という、RT0,RT1,RTL,RTHにおいて抽籤値が変動しない予め定めた内部当籤役の当籤を契機に有利状態を生起可能にしている。
一般リプレイタイムRT1中に通常状態から有利状態に移行した場合又はRT1への移行時に既に有利状態であった場合を含めて、一般リプレイタイムRT1中の有利状態中、上記1)〜6)の特定移行役に当籤したとき、第2移行契機図柄の組合せであるREP09を表示させるための指示機能の作動を許可する。すなわち、REP09を表示させる正解押し順をサブ側の表示装置11上等において報知する。この報知に従うとRTHに容易に移行できる。
第2リプレイタイムRTH中に通常状態から有利状態に移行した場合又はRT2への移行時に既に有利状態であった場合を含めて、第2リプレイタイムRTH中の有利状態中、図17のNo.77〜No.98の何れかの押し順小役に当籤したとき、投入メダル枚数3枚を超える8枚のメダルの獲得を容易にする指示機能の作動を許可する。すなわち、8枚払出しとなるNML01を表示させる正解押し順をサブ側の表示装置11上等において報知する。これにより、RTHの50ゲームを消化するまで再遊技確率の高い状態で指示機能を作動させるARTの遊技が可能になり、遊技者は手持ちのメダルを増やすことができる。
第1リプレイタイムRTL中に通常状態から有利状態に移行した場合又はRT1への移行時に既に有利状態であった場合を含めて、第1リプレイタイムRTL中の有利状態中、図17のNo.77〜No.98の何れかの押し順小役に当籤したとき、8枚払出しとなるNML01を表示させる正解押し順をサブ側の表示装置11上等において報知する回数を例えば1回のみとし、第2リプレイタイムRTH中の有利状態中に比べて少なくする。また、この1回の正解押し順を報知した後、有利区間を終了させて通常区間に戻す。
なお、第1リプレイタイムRTLでは、押し順小役の正解押し順を1回も報知することなく、押し順小役の当籤により、或は、有利状態に移行した次ゲーム限りで、有利状態を終了させて通常状態に復帰させてもよい。
通常状態中が続く場合、RT1からRTLに移行し、RTLにおいて第1有限回数の50ゲーム待たされた後に、RT0を経てRT1に戻る。RT1において特定移行役の当籤時にたまたまREP09を表示してRTHに移行しても、RTHにおいて第2有限回数の50ゲームを消化すると、RT0を経てRT1に戻る。
第1有限回数又は第2有限回数に応じたほぼ定周期毎に戻る一般リプレイタイムRT1において、有利状態の生起(RT1での生起、RT0又はRTHでの生起を含む)を条件に、投入メダル枚数を超えるメダルの獲得を容易にする押し順小役の正解押し順の報知回数がより多くなる第2リプレイタイムRTHへの突入に期待できるチャンスが到来する。このため、第1有限回数又は第2有限回数の50ゲームにRT0からRT1に移行するべるこぼし目を表示するゲーム数をプラスしたほぼ定周期毎にチャンスゾーンを形成することができる。
一般リプレイタイムRT1中の有利状態中、第2移行契機図柄の組合せであるREP09を表示するための正解押し順が報知されるため、RTHにおいて再遊技確率が高い状態でART遊技が行え、遊技者はある程度まとまったメダルを獲得できる。また、有利状態は内部当籤役の当籤を契機に生起されるため遊技の公正さも保たれる。
変形例では、また、一般リプレイタイムRT1における有利状態中、及び/又は、第2リプレイタイムRTHにおける有利状態中、例えば、図17のNo.61〜68の単独のチャンス目、同No.69,70の弱レア役、同No.71のスイカ1の当籤時、前記した1バイト乱数を用いた2段階抽籤処理により、所定確率例えば25/256≒10%の確率で、RT1において特定移行役の当籤時に第2移行契機図柄の組合せであるREP09を表示するための報知回数をさらに1回追加することを決定する。
そして、決定した追加分をストックし、ストックした報知回数についてRT1からRTHへの突入を可能にしている。よって、ストックした報知回数について、再遊技確率の高い第2リプレイタイムRTHにおいて指示機能を作動させるARTを連荘させることができる。
変形例では、さらに、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後、RT0を経てRT1に移行可能にしており、RT0,RT1,RTL,RTH中の有利状態中にボーナス役BB1〜BB4に当籤した場合は作動終了後も有利状態を維持し、一般リプレイタイムRT1において特定移行役の当籤時に第2移行契機図柄の組合せであるREP09を表示するための正解押し順を報知することとしている。
このため、再遊技確率の高い第2リプレイタイムRTHにおいてART遊技をしている最中に、ボーナス役BB1〜BB4に当籤し、第2リプレイタイムRTHが有限回数到達前に途中終了しても、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了時は、改めて最初から第2リプレイタイムRTHにおいてARTをやり直すことができる。
本変形例では、第1有限回数と第2有限回数をどちらも50ゲームとしたが、異なるゲーム数としてもよい。また、第1移行契機図柄の組合せ(REP08)と第2移行契機図柄の組合せ(REP09)とを、一方が表示されると他方は表示されないがどちらかが必ず表示されるように特定移行役を定義したが、第1移行契機図柄の組合せのみを表示可能な移行契機役と、第2移行契機図柄の組合せのみを表示可能な移行契機役とを別個独立に定義してもよい。
また、押し順の正解率を例えば5/6(6通りの押し順のうち5通りが正解)と高くした、高確の第2リプレイタイムRTHに移行し易い第1押し順役と、押し順の正解率を例えば1/6(6通りの押し順のうち1通りが正解)と低くした、高確の第2リプレイタイムRTHに移行し難い第2押し順役とを定義してもよい。この場合に、第1押し順役の当籤か第2押し順役の当籤の何れであるかかを示唆させる演出をサブ側の表示装置11において行うことにより、押し順選択時の興趣を向上できる。
さらに、第1リプレイタイムRTLと第2リプレイタイムRTH以外に、第3、第4、第5・・・の複数のリプレイタイムを設けてもよい。この場合、高確とする複数のリプレイタイムの優位性を、有利状態の移行のし易さ、ART又は上乗せのし易さ、移行時の払出しメダル枚数の多い少ない、移行後の投入メダルに対する払出メダル枚数の期待値の大小等の組合せに応じて変化させ、有利状態の移行やART又は上乗せ等の確率が低く且つ移行時及び/又は移行後の払出メダル枚数の期待値も低い「低確率・低利益」、有利状態の移行やART又は上乗せ等の確率が高いが移行時及び/又は移行後の払出メダル枚数の期待値の低い「高確率・低利益」、有利状態の移行やART又は上乗せ等の確率が高く且つ移行時及び/又は移行後の払出メダル枚数の期待値も高い「高確率・高利益」とするのも有益である。
さらにこの場合に、トータル利益がより大きい高確リプレイタイムへの移行の難易度を、移行契機とする押し順役の当籤確率や押し順の正解率等の組合せにより変更するのも好ましい。押し順は、6通りから選ぶ6択とする他、左第1停止、中第1停止、右第1停止の3通りから選ぶ3択にしてもよいし、左第1停止、左第1停止以外の2通りから選ぶ2択にしてもよい。また、押し順選択に代え、色違いの図柄等の何れを選ぶかの図柄選択としてもよい。
[有利区間差枚獲得ゾーン]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動不可とする通常状態から、指示機能を作動可能とする有利状態を生起させる有利状態制御手段を設けている。
内部当籤役は、図16〜20と同様とし、投入メダル枚数を超えるメダルを獲得できる所定のボーナス役BB1〜BB4を含む。また、遊技状態の移行も、図13と同様にしている。
本変形例では、非有利状態である通常状態から有利状態への移行は、図33等に示した態様に代え、図120に示すように、ボーナス役BB1〜BB4以外の所定の内部当籤役、具体的には、図17のNo.61〜68の単独のチャンス目、同No.69,70の弱レア役、同No.71のスイカ1の当籤時、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出する例えば1バイト乱数(取り得る数値0〜255、乱数分母256)を用いた2段階抽籤処理により、所定確率例えば64/256=25%の確率で、再遊技確率の高いRT2等において指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTの実行が未決定の第1有利状態への移行を可能にしている。
なお、第1有利状態への移行契機役は、再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)によらず確率が変化しない役なら任意に定めることができ、ボーナス役BB1〜BB4を含めてもよい。
また、第1有利状態において、予め定める内部当籤役、ここでは、第1有利状態への移行契機役と同じ単独のチャンス目、弱レア役、スイカ1の当籤時、前記した2段階抽籤処理により、所定確率例えば128/256=50%の確率で、所定の継続条件を定めたARTの実行を決定する。ARTの継続条件は、例えば、獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた差枚数が所定上限を超過しないこととする差枚数管理によるものとしており、初期上限を規定する初期差枚数に、最低保証枚数例えば100枚等を付与するものとしている。
なお、ARTの実行の決定は、第1有利状態への移行契機役と異なる役の当籤を契機に行ってもよいし、ボーナス役BB1〜BB4を契機役に含めてもよい。また、ARTの実行の決定は、第1有利状態という有利状態中に行うため、決定を行う契機役は、再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)に応じて確率が変化する役を含めてもよい。さらに、ARTの実行の決定は、有利状態中の指示機能に係る処理となるため、必ずしも抽籤処理によらない、例えば、内部当籤役の当籤を契機としない所定ゲーム数の消化等により行ってもよい。
差枚数管理では、ARTを開始させるRT2の昇格以後における図17のNo.77〜98の押し順小役の当籤時、8枚払出しとなるNML01を入賞させる正解押し順の報知により8枚−3枚=5枚の純増がされた場合にのみ差枚数のカウントダウンを行い、8枚払出しとはならない役の当籤時及び押し順ミスにより8枚払出しが得られなかった場合はカウントダウンの対象から除外している。なお、ARTの継続条件は、差枚数管理による他、ゲーム数管理や、押し順役のナビ回数管理によるものにしてもよい。
そして、本変形例では、第1有利状態の移行後の所定起点例えば第1有利状態の開始ゲームからARTの実行の決定までの間に当籤したボーナス役BB1〜BB4による獲得メダル枚数に応じて、ARTの継続条件とする初期差枚数を、100枚+「BB1〜BB4による獲得メダル枚数(例えば240枚超過の255枚等)」に積み増し、ART中に指示機能を作動させる遊技回数、すなわち押し順小役の当籤時に正解押し順を報知する回数を増加可能にしている。
第1有利状態中の当籤に基づくボーナス役BB1〜BB4の作動が終了しても、第1有利状態は維持され、単独のチャンス目、弱レア役、スイカ1の当籤時の2段階抽籤処理により50%の確率でARTの実行が決定されると、RT2への昇格を待つART準備中を経てRT2への昇格後からARTを開始させる。初期差枚数は100枚+「BB1〜BB4による獲得メダル枚数」となり、差枚数のカウントダウンにより残り差枚数が0以下になるとARTを終了させる。ARTが終了し且つ再遊技確率の低いRT1への転落を条件に、有利状態を終了させて通常区間に復帰させる。
第1有利状態中に、ボーナス役BB1〜BB4の当籤よりも先に、ARTの実行が決定された場合は、ボーナス役BB1〜BB4による獲得メダル枚数の積み増しはなく、初期差枚数は最低保証の100枚とするが、ART中は、所定条件下で、残り差枚数の上乗せを可能にしている。
すなわち、例えば、ART中に、チャンス目、弱レア役、スイカ1に当籤したとき、2段階抽籤処理により、上乗せ枚数を20枚,50枚,100枚,300枚等から選択して付与する。また、ART中にボーナス役BB1〜BB4に当籤すると、残り差枚数の減算を停止し、BB1〜BB4による獲得メダル枚数を残り差枚数に上乗せし、RT2の復帰後から差枚数のカウントダウンを再開させる。したがって、ART中にチャンス目、弱レア役、スイカ1の当籤や、ボーナス役BB1〜BB4の当籤がからむと、一層遊技興趣を高め得る。
以上、ボーナス役BB1〜BB4以外の所定の内部当籤役とする単独のチャンス目、弱レア役、スイカ1の当籤を契機に、ARTの実行が未決定であるがその実行を決定可能な第1有利状態に移行させ、第1有利状態の移行開始からARTの実行の決定までの間に当籤したボーナス役BB1〜BB4による獲得メダル枚数に応じて、初期差枚数を増加させ、ART中に指示情報を報知する回数を増加可能にしているため、ボーナス役BB1〜BB4の当籤による遊技興趣の低下を抑制できる。しかも、ARTの実行に至る最初の契機は、ボーナス役以外の所定の内部当籤役である単独のチャンス目、弱レア役、スイカ1の当籤としているため、ボーナス役BB1〜BB4に偏重した遊技性を打破でき、ART搭載機の遊技性が損なわれる恐れも低減できる。
以上に代え、通常状態から、単独のチャンス目、弱レア役、スイカ1並びにボーナス役BB1〜BB4を含む所定の内部当籤役の当籤を契機に第1有利状態への移行を可能にし、第1有利状態の移行後の所定起点例えば開始時からARTの実行の決定までの間の、小役及びボーナス役BB1〜BB4を含めた全役又は予め定めた役に基づいて獲得されたメダル枚数に応じて、初期差枚数等を積み増し、ART中に指示機能を作動させる遊技回数を増加可能にしてもよい。
この場合には、第1有利状態の移行後の所定起点からARTの実行の決定までの間において、メダルをより多く獲得することがその後の遊技に適切に反映でき、ARTをより有利に行えると共に、ARTの実行がなかなか決定されない引き弱の遊技者を効果的に救済することもできる。
本変形例では、ボーナス役として、BB1〜BB4という第一種特別役物に係る役物連続作動装置によるものを用いたが、普通役物、第一種特別役物、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置によるもの単独又は併用して用いてもよい。第二種特別役物に係る役物連続作動装置を用いる場合、第1ゲーム目で最大払出枚数の15枚に近いメダルの獲得に止めて第2ゲーム目で15枚を獲得して獲得枚数を増加させる等した、純増加速型MBやギャップMB等と称されるボーナス役を用いるのも効果的である。
[新ゲーム数管理タイプ]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる有利区間に対応する有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を設けている(図14参照)。
内部当籤役は、図16〜20と同様とし、遊技状態の移行も、図13と同様にしている。指示機能の作動を不可にする非有利状態である通常状態中から有利状態への移行は、図33,34等に示した態様と同様にしている。
本変形例では、メインCPU101のプログラム上に、遊技者によりされる一切の操作、すなわち、メダル投入口14からのメダルの手入れ又はMAXベットボタン15aの操作若しくは1ベットボタン15bの操作によるメダル投入操作、スタートレバー16の操作によるリール3L,3C,3Rの回転開始操作、ストップボタン17L,17C,17Rの操作によるリール3L,3C,3Rの停止操作を含む一切の遊技者操作を受け付けずに遊技の進行を一時的に停止させる遊技ロックを実行する遊技ロック実行手段と、この遊技ロックの実行タイミングを予約する遊技ロック予約手段とを含む遊技ロック制御手段を設けている。
遊技ロック実行手段による遊技ロックの実行は、予約した遊技ロックを実行する遊技において、スタートレバー16の操作を契機に、所定のロック時間例えば数秒〜数分の範囲内で予め定める時間例えば10秒間について、通常のリール始動ではなく、リール3L,3C,3Rをスロー逆回転等により変則駆動し、この後、特定の図柄の組合せ例えば「赤7」−「チェリー1」−「赤7」等を仮停止させる。この間、サブ側の表示装置11には、ブラックアウト等の所定のサプライズ演出を出現させる。ロック時間が経過すると、リール3L,3C,3Rのランダム遅延始動を経て、通常のリール始動から始まる通常の遊技進行を再開させる。
図121[A]に示すように、再遊技確率の高いRT2において指示機能の作動を可能にするアシストリプレイタイムARTによる特別遊技の終了に基づいて、遊技ロック制御手段における遊技ロック予約手段により、遊技ロックの実行タイミングを、予め定めた複数の候補例えば1500G,1000G,500G,100G,32Gの中から、例えば、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出しておいた2バイト乱数(取り得る数値0〜65535、乱数分母65536)を用いた抽籤処理により、所定の振分け確率に従って何れかを決定し、決定したゲーム数の到達後に遊技ロックを実行することを予約する。ARTによる特別遊技の終了時に、遊技機前面部の情報表示器6に設ける有利状態を報知するための区間表示器を点灯から消灯に戻す。
天井ゲーム数として、例えば、1000Gが約60.93%で決定され、最長の1500Gは25%、比較的に短めの500Gは12.5%、短期の100Gは約1.56%で、最短の32Gは約0.01%で決定するようにしている。多くの場合、1000Gが決定される。工場出荷時、設定変更の操作(設定変更又は同一設定の打ち直し)がされた後は、デフォルト値として、例えば500Gが選ばれるようにしている。
そして、この予約した遊技ロックの実行タイミングの到来と、有利状態の生起とを条件に、遊技ロックの実行と特別遊技であるARTの実行とを決定するようにしている。
通常状態から有利状態の生起は、図33に示した態様に準じて行う。すなわち、弱レア役(「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確1状態という通常有利区間に移行させる。また、ボーナス役と重複しないチャンス目(「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目A4」及び「F_チャンス目B1」〜「F_チャンス目B4」)の当籤により、次回遊技から少なくとも9ゲーム間、高確2状態という通常有利区間に移行させる。
また、スイカ1(「F_スイカ1」)の当籤により、例えば当籤確率を8/256としたART抽籤を行い、当籤時は、前兆期間を9〜16ゲームの間で選ぶ前兆期間抽籤を経て、本前兆状態という通常有利区間を経てARTを実行することを決定し、非当籤時は、前兆期間抽籤を経て、高確3状態という通常有利区間に移行させる。
さらに、スイカ2と重複しないボーナス役(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB3」及び「F_BB4」)の当籤により、例えば当籤確率を64/256としたART抽籤を行い、当籤時は、ARTの実行を決定し、非当籤時は、ボーナス状態の終了後、次回遊技から少なくとも32ゲーム間、高確4状態という通常有利区間に移行させる。
通常有利区間による有利状態は、図34の態様に従って継続ゲーム数を延長可能にしている。また、通常有利区間及びARTが決定される有利区間を含む有利状態の移行時、区間表示器を消灯から点灯に変える。通常有利区間による有利状態は、ARTの決定がされないまま継続ゲーム数を経過すると終了し、通常状態に戻って区間表示器も消灯する。ARTが決定された場合は、有利状態を維持し、区間表示器を点灯のまま維持する。
スイカ1の当籤、或は、スイカ2との重複を除くボーナス役BB1〜BB4の当籤を契機に、ARTの実行が決定された有利状態が生起された場合に、さらに、予約した遊技ロックの実行タイミングが到来して、この実行タイミング到来と有利状態の生起とが重なったことを条件にARTの実行が決定された場合、2セット分のARTの実行を決定する。すなわち、40ゲーム継続で1セットのARTなら40ゲームのARTを2セット実行可能にする。
この場合、スイカ1の当籤を契機に生起させたARTの実行が決定された有利状態中に、予約した遊技ロックの実行タイミングが到来したときは、スイカ1の当籤を契機に決定した前兆期間の経過後まで、予約した遊技ロックの実行タイミングを遅らせ、前兆期間の経過後のスタートレバー16の操作を契機に、予約した遊技ロックを実行する。この後、ART準備状態(ラインバトル準備状態)を経由してRT2に昇格させ、RT2の昇格後、ART遊技の第1ゲーム目を開始させる。
また、スイカ2との重複を除くボーナス役BB1〜BB4の当籤を契機に生起させたARTの実行が決定された有利状態中に、予約した遊技ロックの実行タイミングが到来したときは、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後まで、予約した遊技ロックの実行タイミングを遅らせ、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後のゲームにおけるスタートレバー16の操作を契機に、予約した遊技ロックを実行する。この後、同様に、ART準備状態(ラインバトル準備状態)を経由してRT2に昇格させ、RT2の昇格後、ART遊技の第1ゲーム目を開始させる。
これらを除く、弱レア役の当籤を契機に生起させた高確1状態という通常有利区間の有利状態中、又は、ボーナス役と重複しない単独のチャンス目の当籤を契機に生起させた高確2状態という通常有利区間の有利状態中、若しくは、スイカ1の当籤を契機に生起させた前兆期間付き高確3状態という通常有利区間の有利状態中に、予約した遊技ロックの実行タイミングが到来したときは、この実行タイミングが到来したゲームにおけるスタートレバー16の操作を契機に、予約した遊技ロックを実行する。この後、同様に、ART準備状態(ラインバトル準備状態)を経由してRT2に昇格させ、RT2の昇格後、ART遊技の第1ゲーム目を開始させる。
特別遊技であるART遊技では、再遊技確率の高い状態で、押し順小役の正解押し順、及び、再遊技確率の低いRT1に転落しない正解押し順を報知することにより、遊技者は手持ちのメダルを減らすことなく、ARTの継続ゲーム数が0になるまで、8枚のメダルを容易に獲得でき、ある程度まとまったメダルを手中にできる。
ARTは、継続ゲーム数が0になると終了し、このARTが終了することとなるゲームにおいて次回の遊技ロックの実行タイミングを抽籤して予約し、ARTの終了且つRT1への転落を条件に有利状態を終了させて通常状態に復帰させる。ARTの終了により区間表示器も消灯させる。
ARTの第1回目の初当たり、ARTの第2回目以降の初当たりに期待する通常状態中、弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1、スイカ2との重複を除くボーナス役BB1〜BB4という予め定めた内部当籤役の当籤を契機に非有利状態から有利状態が生起されると、予約中の遊技ロックの実行タイミングが到来するまでの残りゲーム数を判定し、この残りゲームが所定値例えば32ゲームを超える場合は、生起された有利状態が終了するまでの所定契機例えば有利状態の移行時において、残りゲーム数を減少可能とする短縮抽籤を実行するようにしている。
図121[B]に示すように、短縮抽籤では、予め定めた複数の候補例えば0G(短縮無し),50G,100G,300G,1000Gの中から、例えば、内部抽籤用乱数とは別個独立にスタートレバー16の操作を契機に抽出しておいた2バイト乱数を用いた抽籤処理により、所定の振分け確率に従って何れかを決定する。決定した短縮ゲーム数により、予約した遊技ロックの実行タイミングまでの残りゲーム数を減少させる。
短縮ゲーム数として、例えば、0Gが約60.93%、50Gが25%、100Gが12.5%、300Gが約1.56%で、1000Gが約0.01%で決定される。多くの場合、0Gの短縮無しが決定される。残りゲーム数を決定された短縮ゲーム数で減算した結果、マイナスとなる場合を含めて32ゲーム以下になると、予約した遊技ロックを実行させる準備段階に入る。
予約中の遊技ロックの実行タイミングが到来するまでの残りゲーム数を判定したとき、又は、短縮抽籤を経て残りゲームを減算したとき、残りゲーム数がマイナスとなる場合を含めて32ゲーム以下となる場合は、予約した遊技ロックを実行させる準備段階に入り、遊技ロックの実行タイミングが未到来ときは、その実行タイミングが到来するまで及び到来以後も有利状態を継続させ、即ち有利状態を維持したまま、予約した遊技ロックの実行タイミングが到来するゲームでのスタートレバー16の操作を契機に、遊技ロックを実行し且つARTを決定する。残りゲーム数の判定又は減算の結果により32ゲーム以下となる場合において、既に遊技ロックの実行タイミングが到来している場合は、有利状態を維持したまま、次ゲームのスタートレバー16の操作を契機に、遊技ロックを実行し且つARTを決定する。
以上により、一の特別遊技であるARTの終了に基づいて有利状態を終了させても、天井相当のゲーム数の内部的なカウントダウンは、予約した遊技ロックの実行タイミングの内部的なカウントダウンに置き換えて行える。よって、一のARTが終了した後も有利状態を長期間確保する必要はない。一のARTの終了後に、天井に到達する前に再度ARTを実行できなかった引き弱の遊技者でも、ARTの終了に基づいて予約した遊技ロックの実行タイミングの到来と、有利状態の生起とを条件に、ARTを再び実行できる。有利状態の生起を加重条件としているため、有利状態中の指示機能に係る処理として、遊技ロックの実行という抽籤処理にかかわらない内部情報を参照して特別遊技の実行を決定でき、遊技の公正さも保てる。
また、遊技ロックの実行タイミングとして1000Gや1500G等の長期ゲーム数が当初決められても、その後に有利状態を生起させると、遊技ロックの実行タイミングが到来するまでの残りゲーム数が所定値32Gを超える場合、短縮抽籤により、残りゲーム数を減少でき、遊技興趣を高め得る。また、短縮抽籤は有利状態の生起中にされるため、遊技の公正さも保たれる。
さらに、予約中の遊技ロックの実行タイミングが到来するまでの残りゲーム数が所定値32G以下の場合は、遊技ロックを実行するまで有利状態を継続させるため、遊技ロックの実行タイミングに適切にリンクさせて、ARTの実行を決定できる。
本変形例は、有利状態制御手段により生起させた一の有利状態中に、遊技ロック予約手段により遊技ロックの実行タイミングを予約し、この予約した遊技ロックは、実行タイミングの到来前における一の有利状態を含む有利状態の終了によっては解除せず、この予約した後に生起される有利状態中に実行タイミングを参照可能にしているため、予約した遊技ロックの実行タイミングのカウントダウンは、断続的な有利状態の生起から終了までの期間を跨いで通算して行え、予約した後に生起される有利状態中に実行タイミングを参照することにより、断続的な有利状態を跨ぐ天井ゲーム数のカウントダウン等に適切に利用できる。
本変形例では、特別遊技として、アシストリプレイタイムARTを適用したが、ボーナス内部当籤中等において指示機能を作動させるアシストタイム搭載機におけるアシストタイムATを適用してもよい。
図113〜図121を参照して説明した各変形例では、有利状態制御手段を、メインCPU101のプログラム上に設けたが、サブCPU201のプログラム上に設けてもよい。以下の変形例の有利状態制御手段についても同様である。
[状態別におけるベース及び有利区間移行確率操作]変形例
本変形例は、押し順により配当(払出メダル枚数)が異なる押し順小役を含む複数の小役、複数の再遊技役、所定のボーナス役BB6を内部当籤役に含み、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。
図122に示すように、遊技状態は、ボーナス役BB6を抽籤するボーナス非当籤状態の「通常一般中」と、ボーナス役BB6の当籤ゲームでボーナス作動図柄の組合せの表示がなく次ゲーム以降にボーナス役BB6の当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」と、ボーナス役BB6の作動図柄の組合せの表示後の次ゲームから開始されるボーナス作動状態の「BB6作動中」とを含む。少なくとも「BB6内部中」を含むことになる、「BB6内部中」及び「通常一般中」において、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動可能にしたアシストタイムATを実行する。
有効ラインは中段の1ラインのみ、規定投入数は3枚に限定している。なお、有効ラインは上段、中段、下段の3ラインでもよいし、これに右上りライン及び右下りラインを加えた5ライン等にしてもよい。また、規定投入数は1〜3枚を任意選択可能にしてもよいし、遊技状態に応じて1〜3枚の範囲内で限定してもよい。
所定のボーナス役BB6は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置で構成している。「通常一般中」において、例えば抽籤値21845、当籤確率=21845/65536≒1/3で当籤させる。ここでは、設定が異なっても同じ抽籤値にしているが、設定に応じて可変にしてもよい。
ボーナス役BB6の作動図柄の組合せは、例えば、左図柄「ブランク」−中図柄「ブランク」−右図柄「ブランク」としている。1コマ未満の0コマ滑りで「ブランク」図柄を有効ラインに引込み可能な0コマ目、1以上2未満の1コマ滑りで「ブランク」図柄を有効ラインに引込み可能な1コマ目、2以上3未満の2コマ滑りで「ブランク」図柄を有効ラインに引込み可能な2コマ目、3以上4未満の3コマ滑りで「ブランク」図柄を有効ラインに引込み可能な3コマ目、4以上5未満の4コマ滑りで「ブランク」図柄を有効ラインに引込み可能な4コマ目の計5コマの引込範囲内で停止操作をしたとき、BB6作動図柄の組合せを表示できる。その表示確率は、5/20×5/20×5/20=1/4×1/4×1/4=1/64になる。
本変形例では、「BB6内部中」においては、何れの役の当籤もない外れを引いたとき(小役と再遊技役の抽籤値を除いた21977/65536≒1/3の確率で外れになったとき)に、予め定めた特定の停止操作として、各リール3L,3C,3Rについて「ブランク」図柄を引込範囲内で有効ラインに表示できる停止操作をすることを条件に、BB6の作動図柄の組合せを表示できる。なお、「BB6内部中」に限り、再遊技役又は小役>役物連続作動装置又は役物の順番に従う原則的な停止制御の優先順位に代え、再遊技役>役物連続作動装置又は役物>小役の順番に従う例外的な優先順位で停止制御を行い、再遊技役の当籤がない場合、特定の停止操作を条件にBB6の作動図柄の組合せを表示可能にしてもよい。
BB6の作動図柄の組合せを表示した後の「BB6作動中」は、メダルを獲得できる小役の抽籤態様を「通常一般中」及び「BB6内部中」と同じにしたボーナス作動中一般遊技状態の「BB6作動中の一般中」から始まり、「BB6作動中の一般中」は、第一種特別役物で構成する所定のシフト役RB6を抽籤する。RB6の抽籤値は例えば21978、当籤確率は21978/65536≒1/3にしている。
シフト役RB6の当籤により表示可能なシフト役対応の作動図柄の組合せは、例えば、左図柄「ブランク」−中図柄「スイカ」−右図柄「スイカ」としている。このRB6作動図柄の組合せは、左リール3Lについて「ブランク」図柄を0コマ滑り〜4コマ滑りの引込範囲内で有効ラインに表示できる停止操作を条件に表示させる。表示確率は5/20×1×1=1/4となる。RB6の作動図柄の組合せを表示した次ゲームから、小役の抽籤態様を変動させた第一種特別役物の作動中となるシフト役作動状態の「BB6作動中のRB6作動中」に移行させる。RB6の当籤ゲームでRB6の作動図柄の組合せの表示がない場合、次ゲームからシフト役内部当籤状態の「BB6作動中のRB6内部中」に移行する。
「BB6作動中の一般中」及び「BB6作動中のRB6内部中」、左リール3Lについて「ブランク」図柄を有効ラインに引き込まないシフトハズシの停止操作をする場合、RB6の作動図柄の組合せを表示せず、「BB6作動中のRB6作動中」への移行を回避できる。シフトハズシは、比較的見やすい左リール3Lの「BAR」図柄を有効ラインの中段に引き込む停止操作をすることにより容易に成功できる。「BAR」と同様に比較的見やすい左リール3Lの「赤7」又は「青7」図柄を中段に引き込む停止操作をしてもシフトハズシを成功できる。シフトハズシの成功時、左リール3Lの中段に「BAR」又は「赤7」若しくは「青7」の何れかを引き込み、「BAR/赤7/青7」−「スイカ」−「スイカ」のシフトハズシ目を表示させ、遊技者にその成功を知らせる。
「BB6作動中のRB6作動中」は、予め定めたRB6の作動終了条件の具備により、例えば、8回の入賞(小役の表示)又は8回の遊技の結果が得られたときに終了させ、「BB6作動中の一般中」に復帰させる。「BB6作動中」は、予め定めたBB6の作動終了条件の具備により、例えば、BB6の作動開始からの獲得メダル枚数が所定の上限とする285枚を超過したことにより終了し、「通常一般中」に復帰する。BB6の作動終了により、作動中にあるRB6の作動も終了する。
なお、RB6の作動終了条件は、例えば、5回の入賞又は9回の遊技の結果が得られたとき等、8回以下で予め定める回数の入賞又は12回以下で予め定める遊技の結果が得られたときとしてもよい。また、BB6の作動終了条件は、例えば、96枚超過等、285枚を超えない範囲で予め定める上限枚数を超過したときとしてもよい。
「BB6作動中のRB6内部中」では、当籤フラグに、持ち越しに係るRB6の当籤フラグが重複するため、他の遊技状態である、「通常一般中」、「BB6内部中」、「BB6作動中の一般中」と同じ小役に当籤しても、結果的に当籤フラグが異なることになる。このため、押し順小役の当籤時、メダルの払出枚数が最も多くなる図柄の組合せに対応した図柄を優先引込みする枚数優先と、同じ遊技結果になる当籤フラグの数が最も多い図柄の組合せに対応した図柄を優先引込みする個数優先とを適用する具体的形態を変え、本来は1/6の確率で高配当の図柄の組合せを表示可能とする6択から、1/3の確率で高配当の図柄の組合せを表示可能とする3択に変更し、「BB6作動中のRB6内部中」の獲得メダル枚数の期待値を、「BB6内部中」及び「BB6作動中のRB6作動中」等よりも高くしている。
本変形例の再遊技役は、以下の1]〜6]のとおりとしている。REP01〜06の各図柄の組合せは図21と同様である。各末尾の括弧内には、「通常一般中」,「BB6内部中」,「BB6作動中の一般中」,「BB6作動中のRB6内部中」,「BB6作動中のRB6作動中」の順番で各抽籤値を示している。ここでは、設定が異なっても同じ抽籤値にしているが、0となる場合を除き、トータル再遊技確率が最低確率8978/65536≒1/7.3以上になることを条件に、設定に応じて可変にしてもよい。
1]中段リプ;REP01(5000,5000,5100,5100,0)
2]右下りリプ;REP02(1730,1731,1730,1731,0)
3]チャンスリプ;REP03(1024,1024,1024,1024,0)
4]フェイクリプ;REP05(1024,1024,1024,1024,0)
5]有利区間移行リプA;REP04(100,100,0,0,0)
6]有利区間移行リプB;REP06(100,100,100,100,0)
本変形例において、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段は、指示機能の作動を不可とする通常区間中(通常状態中)に有利区間移行リプA又はBの当籤を条件に、指示機能の作動を可能にする有利区間(有利状態)に移行させる。また、有利区間移行リプA又はBの当籤により、有利区間への移行と同時に、押し順小役の正解押し順等をサブ側の表示装置11において報知するアシストタイムATの作動を決定する。
したがって、有利区間移行確率及びAT当籤確率は、「通常一般中」又は「BB6内部中」では(100+100)/65536≒1/328、「BB6作動中の一般中」又は「BB6作動中のRB6内部中」では100/65536≒1/655、「BB6作動中のRB6作動中」は0となる。なお、ATは、有利区間移行リプA又はBの当籤に基づく有利区間の移行後、チャンスリプや予め定める特定の小役等の当籤に基づいて、所定の確率で、その作動を決定してもよい。また、有利区間への移行の契機とする役は、再遊技役に代えて、又は、再遊技役と併用して、小役等から選定してもよい。
アシストタイムATは、例えば初期継続ゲーム数を決定する数ゲーム間のジャッジメントゲームから始まり、ジャッジメントゲーム中の当籤役に応じて、例えば50〜1200ゲームの範囲内で初期継続ゲーム数を決定する。ATの作動中は、サブ側の表示装置11において、押し順小役の当籤時に正解押し順を報知するナビを出す。また、チャンスリプや予め定める特定の小役等の当籤に基づいて継続ゲーム数の上乗せを決定にすると共に、有利区間移行リプA又はBの当籤に基づいてジャッジメントゲームから始まるATをストックする。ATの作動は継続ゲーム数又はストックが零になると終了し、ATの終了により有利区間も終了させて通常区間に復帰させる。
本変形例の小役は、次の1)〜32)のとおりとしている。各図柄の組合せの算式の末尾の括弧内の数字は、設定1の抽籤値である。設定1<2<3<4<5<6の順番で、押し順小役以外の予め定めた選定小役の抽籤値を高めているが、設定が異なっても同じ抽籤値とした設定差無に統一してもよい。小役の抽籤態様(内訳及び抽籤値)は、設定を特定すれば、厳密には設定及び規定投入数を特定すれば、「通常一般中」,「BB6内部中」,「BB6作動中の一般中」,「BB6作動中のRB6内部中」は全て同一となる。役物であるRB6の未作動時、小役の確率変動は禁止されるからである。
なお、NML01〜33,35の各図柄の組合せは図22と同様であるが、NML01の配当は11枚に、NML30の配当は5枚に変更している。NML34(右下りラインにベル図柄が揃う役)は、左図柄「リプレイ」−中図柄「ベル」−右図柄「リプレイ」に変更し且つ配当も11枚に変更し、NML01と同様、押し順小役の正解押し順時の高配当表示役に用いている。NML36(上段ラインにベル図柄が揃う役)は、左図柄「リプレイ」−中図柄「リプレイ」−右図柄「スイカ」を維持するが配当を11枚に変更し、同じく押し順小役の正解押し順時の高配当表示役に用いている。NML37(下段ラインにベル図柄が揃う役)は、左図柄「スイカ」−中図柄「スイカ」−右図柄「リプレイ」に変更し且つ配当も11枚に変更し、同じく押し順小役の正解押し順時の高配当表示役に用いている。
基本的に、押し順小役(左中右ベル1〜右中左ベル4)は、左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左のうちの一が高配当の11枚のメダルが得られる正解押し順となる6択にしている。5/6で押し順に不正解となり、表示確率1/2により低配当の1枚のメダルが得られる。第1番目に停止操作をする第1停止時及び第2番目に停止操作をする第2停止時が正解押し順の場合、枚数優先に従う停止制御により高配当の11枚となる図柄を優先して引き込み、第1停止時又は第2停止時に不正解押し順となる場合、個数優先に従う停止制御により低配当の1枚の図柄を優先して引き込む。以下の1)〜24)の各押し順小役の頭には6択となる正解押し順を併記している。
図22のNML38〜40に代え、各々の左図柄−中図柄−右図柄を、NML38では「赤7」−「ベル」−「ベル」、NML39では「青7」−「ベル」−「ベル」、NML40では「ブランク」−「ベル」−「ベル」、NML41では「BAR」−「ベル」−「ベル」とし、それぞれメダル11枚を払出す11枚役を新定義している。以下の25)〜27)の11枚ベル1〜3は各々表示確率が1/2となるが、各々NML41を重複当籤させているため、市場での遊技では、小役の取りこぼしを極力回避できる停止操作すなわち俗に言うDDT打法として、左リール3Lについて「BAR」図柄を引込範囲内で有効ラインに停止させる停止操作をすることにより、取りこぼしを回避できる。また、このDDT打法をしている限り、左リール3Lについて「ブランク」図柄を引き込むことはなく、BB6作動図柄の組合せの表示も、RB6作動図柄の組合せの表示も回避することができる。
1)左中右ベル1;NML01+02+03+06+07+10+11(1098)
2)左右中ベル1;NML01+04+05+08+09+12+13(1098)
3)左中右ベル2;NML34+02+03+06+07+10+11(1098)
4)左右中ベル2;NML34+04+05+08+09+12+13(1098)
5)左中右ベル3;NML36+02+03+06+07+10+11(1098)
6)左右中ベル3;NML36+04+05+08+09+12+13(1098)
7)左中右ベル4;NML37+02+03+06+07+10+11(1098)
8)左右中ベル4;NML37+04+05+08+09+12+13(1098)
9)中左右ベル1;NML01+02+04+06+07+10+11(1098)
10)中右左ベル1;NML01+03+05+08+09+12+13(1098)
11)中左右ベル2;NML34+02+04+06+07+10+11(1098)
12)中右左ベル2;NML34+03+05+08+09+12+13(1098)
13)中左右ベル3;NML36+02+04+06+07+10+11(1098)
14)中右左ベル3;NML36+03+05+08+09+12+13(1098)
15)中左右ベル4;NML37+02+04+06+07+10+11(1098)
16)中右左ベル4;NML37+03+05+08+09+12+13(1098)
17)右左中ベル1;NML01+02+05+06+07+10+11(1098)
18)右中左ベル1;NML01+03+04+08+09+12+13(1098)
19)右左中ベル2;NML34+02+05+06+07+10+11(1098)
20)右中左ベル2;NML34+03+04+08+09+12+13(1098)
21)右左中ベル3;NML36+02+05+06+07+10+11(1098)
22)右中左ベル3;NML36+03+04+08+09+12+13(1098)
23)右左中ベル4;NML37+02+05+06+07+10+11(1098)
24)右中左ベル4;NML37+03+04+08+09+12+13(1098)
25)11枚ベル1;NML38+41(1860)
26)11枚ベル2;NML39+41(1860)
27)11枚ベル3;NML40+41(1860)
28)1枚チェリーA;NML14〜17+22〜30(600)
29)1枚チェリーB;NML14〜21+26〜29(600)
30)5枚スイカA;NML35(720)
31)5枚スイカB;NML30+35(720)
32)5枚特殊役;NML31〜33(8)
何れの役の新規当籤がない外れの領域は、「通常一般中」は133、「BB6内部中」は21977、「BB6作動中の一般中」は0、「BB6作動中のRB6内部中」は21977となる。
各遊技状態において、メダルを獲得できる小役の抽籤値と、任意の順序により任意の時間に停止操作をした場合に190msの規定時間内(最大4コマ滑りの引込範囲内)に当籤に係る小役に対応した図柄の組合せを有効ラインに表示できる表示確率と、有効ラインに表示された小役図柄の組合せによる獲得メダル枚数を投入メダル枚数で割った配当比とを掛け算して求める小役定数を遊技状態に応じた抽籤対象の全小役について合算した総小役定数をs、再遊技役の抽籤値をr、内抽籤部用乱数の数値範囲をMと置き、単位投入メダル枚数(1枚)に対する獲得メダル枚数の期待値e=s/(M−r)を求めると、次のとおりとなる。
「通常一般中」
s=1098×24×(1/6×11/3+5/6×1/2×1/3);押し順小役
+1860×3×1/2×11/3;11枚ベル1〜3
+600×2×1×1/3;1枚チェリーA,B
+720×2×1×5/3;5枚スイカA,B
+8×1×5/3;5枚特殊役
≒32807
r=8978のため、
e=32807/(65536−8978)≒0.58(約58%)となる。
1000円相当の50枚のメダルで可能な3枚掛け遊技数となるベースBaseは、
Base=50/((1−0.58)×3)≒40ゲームとなる。
「BB6内部中」
持ち越しに係るBB6が重複するためボーナス役の当籤を示唆させる俗に言うリーチ目を表示させることはあるが、小役を表示する場合の停止制御における枚数優先と個数優先を適用する具体的態様は「通常一般中」と同様にしているため、「通常一般中」と同じくs=32807となり、また、r=8979と「通常一般中」とほぼ同一にしている。
よって、期待値e≒0.58(約58%)、Base≒約40ゲームとなる。
「BB6作動中の一般中」
小役を表示する場合の停止制御における枚数優先と個数優先を適用する具体的態様は「通常一般中」等と同様に6択にしているため、s=32807となる。また、r=8978と「通常一般中」と同一にしている。
よって、期待値e≒0.58(約58%)、Base≒約40ゲームとなる。
「BB6作動中のRB6内部中」
持ち越しに係るRB6が重複することから、押し順小役の当籤時、第1停止時が正解押し順の場合、第2停止以後は不問にして、枚数優先に従う停止制御により高配当となる図柄を引き込み、第1停止時に不正解押し順が確定する場合、個数優先に従う停止制御により低配当となる図柄を引き込む。よって、押し順小役のうち、左中右ベルと左右中ベルは左リール3Lを第1停止した場合に正解となる左ベルに、中左右ベルと中右左ベルは中リール3Cを第1停止した場合に正解となる中ベルに、右左中ベルと右中左ベルは右リール3Rを第1停止した場合に正解となる右ベルになり、押し順小役は3択になる。
よって、「BB6作動中のRB6内部中」、s,e,Baseは次の通りとなる。
s=1098×24×(1/3×11/3+2/3×1/2×1/3);押し順小役
+1860×3×1/2×11/3;11枚ベル1〜3
+600×2×1×1/3;1枚チェリーA,B
+720×2×1×5/3;5枚スイカA,B
+8×1×5/3;5枚特殊役
≒48179
r=8979のため、
e=48179/(65536−8979)≒0.85(約85%)、
Base=50/((1−0.85)×3)≒111ゲームとなり、「通常一般中」や「BB6内部中」や「BB6作動中の一般中」の低ベースの40ゲームの2倍の80ゲームを相当程度超える高ベースとなる。
「BB6作動中のRB6作動中」
この遊技状態では、他の遊技状態において投入枚数を超える高配当の小役の合計抽籤値が最大となるNML01,34,36,37についての各合計抽籤値1098×6=6588以上の、例えば6589の抽籤値にて全小役NML01〜41を重複当籤させる小役オールと、1)〜32)の合計抽籤値34580を超える例えば34581から、小役オールの抽籤値6589を引いた27992の抽籤値にて、1枚役NML02〜29を重複当籤させる1枚役オールとを抽籤する。小役オールの当籤時は、押し順及び押下位置によらず、必ず11枚のメダルを払出し、1枚役オールの当籤時は、押し順及び押下位置によらず、必ず1枚のメダルを払出す。
よって、「BB6作動中のRB6作動中」、s,e,Baseは次の通りとなる。
s=6589×11/3;小役オール
+27992×1/3;1枚役オール
≒33490
r=0のため、
e=33490/65536≒0.51(約51%)、
Base=50/((1−0.51)×3)≒34ゲームとなり、最低ベースとなる。
BB6は、作動開始からの総獲得メダル枚数が285枚を超過すると終了するものとしており、このBB6の作動終了条件を具備するまでの間に、最低ベースの「BB6作動中のRB6作動中」をできるだけ少なく、高ベースの「BB6作動中のRB6内部中」をできるだけ多くすることにより、手持ちのメダルが減少するのを抑制できる。すなわち、シフト役内部当籤状態の「BB6作動中のRB6内部中」では、獲得メダル枚数の期待値を、ボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」及びシフト役作動状態の「BB6作動中のRB6作動中」よりも高くしているため、ボーナス非当籤状態の「通常一般中」又はボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」からボーナス作動状態の「BB6作動中」に移行させたとしても、「BB6作動中」において、「BB6作動中のRB6内部中」の遊技をすることにより、従来に比べて手持ちのメダルを減らすのを抑制でき、遊技興趣の低下を防止できる。
市場での遊技では、「通常一般中」や「BB6内部中」に、遊技者が、左リール3Lの「BAR」図柄を有効ラインに引込可能なDDT打法をせずに、各リール3L,3C,3Rについて「ブランク」図柄を有効ラインに引込可能な特定の停止操作をすることにより、BB6作動図柄の組合せを表示でき、「BB6作動中」に移行可能となる。また、「BB6作動中の一般中」及び「BB6作動中のRB6内部中」、遊技者が、左リール3Lの「ブランク」図柄を有効ラインに引込可能な停止操作をしないで、左リール3Lの「BAR」図柄を有効ラインに引込可能なDDT打法と同様の停止操作をすることにより、シフトハズシを成功でき、「BB6作動中のRB6作動中」に一回も移行させないことも可能になる。すなわち、「BB6作動中」に移行させるか移行させないか、「BB6作動中のRB6作動中」に移行させるか移行させないかは遊技者の意思に委ねられる。
一方、任意の順序により任意の時間に停止操作をする試射試験では、市場での遊技とは異なり、遊技者の意思とは関係なく、「通常一般中」のBB6当籤ゲーム、又は「BB6内部中」に外れを引いたゲームにおいて、1/64の表示確率により各リール3L,3C,3Rの「ブランク」図柄を中段の有効ラインに引き込む。よって、一定割合で、BB6作動図柄の組合せを表示し、「BB6作動中」に移行する。また、「BB6作動中の一般中」のRB6当籤ゲーム、又は「BB6作動中のRB6内部中」に外れを引いたゲームにおいて、1−1/4=3/4の確率により左リール3Lの「ブランク」図柄を引き込まない。よって、一定割合で、RB6作動図柄の組合せを表示せず、「BB6作動中のRB6内部中」への移行又は「BB6作動中のRB6内部中」の維持がされる。
このため、試射試験では、高ベースとなる「BB6作動中のRB6内部中」に突入する場合が一定割合で生じ、「通常一般中」や「BB6内部中」の低い期待値0.58を押し上げ、所定の下限0.6を超えることが可能になる。一般に、試射試験での下限対策を万全にするため、小役の当籤に基づく獲得メダル枚数の期待値を高くすると、シミュレーション試験において所定の上限を超過する恐れが高くなる。すなわち、試射試験での下限対策と、シミュレーション試験での上限対策は、一方を万全にすれば他方が危うくなる関係にある。このため、下限が55%、上限が120%の改定前の旧遊技機規則が適用される俗に言う5号機の遊技機において構築できたアクセルATは、下限が60%、上限が115%に改定された現行遊技機規則が適用される俗に言う6号機では構築困難となり、無理に構築しても、ATの非作動時とATの作動時とで獲得メダル枚数の期待値の差を大きく確保できないメリハリのない遊技性に陥る恐れが高い。しかし、本変形例の場合、任意の順序により任意の時間に停止操作をする所定の試射試験では、停止操作を遊技者に委ねる市場での遊技と異なり、ボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」からボーナス作動状態の「BB6作動中」に移行可能になると共に、「BB6作動中」に、ボーナス作動中一般遊技状態の「BB6作動中の一般中」からシフト役内部当籤状態の「BB6作動中のRB6内部中」に移行可能になり、「BB6作動中のRB6内部中」では、獲得メダル枚数の期待値を、ボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」及びシフト役作動状態の「BB6作動中のRB6作動中」よりも高くしている。このため、試射試験では、獲得遊技媒体数の期待値を所定の下限を超える適正値に高め得る。
試射試験では、「通常一般中」、BB6の当籤確率は約1/3であることから平均3ゲームに1回の割合でBB6に当籤し、当籤ゲームでは表示確率1/64により「BB6作動中」に移行し、1−1/64=63/64の確率により「BB6内部中」に移行する。「BB6内部中」では、外れ確率21977/65536≒1/3に表示確率1/64を乗じた約1/192の確率により「BB6作動中」に移行する。よって、BB6に1回当籤した場合、「BB6内部中」は、1/64の確率で0回、63/64の確率で192回となり、平均189回となる。したがって、期待値0.58のゲームは3+189=192回となる。
試射試験において、「BB6作動中の一般中」、RB6の当籤確率は約1/3であることから平均3ゲームに1回の割合でRB6の当籤し、当籤ゲームではRB6作動図柄の組合せの表示確率1/4により「BB6作動中のRB6作動中」に移行し、RB6作動図柄の非表示確率3/4により「BB6作動中のRB6内部中」に移行する。「BB6作動中のRB6内部中」では、外れ確率約1/3に表示確率1/4を乗じた1/12の確率により「BB6作動中のRB6作動中」に移行する。よって、RB6に1回当籤した場合、「BB6作動中のRB6内部中」は、1/4の確率で0回、3/4の確率で12回となり、平均9回となる。したがって、「BB6作動中」、期待値0.58が3ゲーム、期待値0.85が9ゲーム、期待値0.51が8ゲームとなる1サイクルの遊技期間を繰り返すことになるため、「BB6作動中」の平均期待値は、(0.58×3+0.85×9+0.51×8)/(3+9+8)≒0.67となる。また、BB6の作動が終了するまで、期待値0.67のゲーム数は、(285+1)/(0.67×3)≒142回となる。
結局、試射試験では、期待値0.58のゲームを192回、期待値0.67のゲームを142回の割合で繰り返し、期待値は、(0.58×192+0.67×142)/(192+142)≒0.62(62%)に高まり、所定の下限0.6(60%)を超えることになる。
内部当籤に係る図柄の組合せが必ず表示され且つ獲得メダル枚数の最大数が獲得されると仮定した所定のシミュレーション試験では、「通常一般中」にBB6に当籤すると、当籤ゲームでBB6の作動図柄の組合せを表示するため、「BB6内部中」を経由せずに「BB6作動中」に移行し、「BB6作動中の一般中」にRB6に当籤すると、当籤ゲームでRB6の作動図柄の組合せを表示するため、「BB6作動中のRB内部中」を経由せずに「BB6作動中のRB6作動中」に移行する。
このため、シミュレーション試験では、「BB6内部中」も「BB6作動中のRB6内部中」も考慮することなく、期待値を計算できる。シミュレーション試験では、小役の取りこぼしはなく、必ず最大配当が得られるため、「通常一般中」及び「BB6作動中の一般中」の期待値eは次のとおりとなる。
s=1098×24×11/3;押し順小役
+1860×3×11/3;11枚ベル1〜3
+600×2×1×1/3;1枚チェリーA,B
+720×2×1×5/3;5枚スイカA,B
+8×1×5/3;5枚特殊役
≒119897
r=8978のため、
e=119897/(65536−8978)≒2.12(約212%)に達する。しかし、この期待値は、ボーナス役BB6の作動によるものは反映されていない。
シミュレーション試験では、「通常一般中」から約1/3の確率でBB6に当籤すると、当籤ゲームの次ゲームに「BB6作動中の一般中」に移行し、「BB6作動中の一般中」から約1/3の確率でRB6に当籤すると、当籤ゲームの次ゲームに「BB6作動中のRB6作動中」に移行する。「BB6作動中のRB6作動中」は、シミュレーション試験においても期待値が0.51と低いままになるため、「BB6作動中のRB6作動中」のメダル減少効果により、シミュレーション試験での「通常一般中」及び「BB6作動中の一般中」の高い期待値を低下させる。すなわち、内部当籤に係る図柄の組合せが必ず表示され且つ獲得遊技媒体数の最大数が得られると仮定した所定のシミュレーション試験では、ボーナス非当籤状態の「通常一般中」からボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」を経由することなくボーナス作動状態の「BB6作動中」に移行し、「BB6作動中」は、ボーナス作動中一般遊技状態の「BB6作動中の一般中」からシフト役内部当籤状態の「BB6作動中のRB6内部中」を経由することなくシフト役作動状態の「BB6作動中のRB6作動中」に移行するため、獲得メダル枚数の期待値を試射試験のように高めることなく、所定の上限未満の適正値に収め得る。
RB6の当籤確率は約1/3であるため、「通常一般中」と同じくシミュレーション試験では期待値が2.12に高まる「BB6作動中の一般中」は3ゲームとなり、2.12×3枚×3回≒19枚のメダルを獲得する毎にRB6に当籤し、8ゲーム間継続して0.51×3枚×8回≒12枚の獲得で終わる1セットの「BB6作動中のRB6作動中」は、(285+1)/(19+12)≒9セット繰り返され、期待値2.12のゲームは3×9=27ゲーム、期待値0.51のゲームは8×9=72ゲームとなる。
よって、シミュレーション試験では、期待値2.12のゲームが3+27=30回、期待値0.51のゲームが72回の割合で繰り返され、この間の、
総投入メダル枚数=3枚×(3+27+72)=306枚、
総獲得メダル枚数=3枚×(2.12×(3+27)+0.51×72)=301枚となり、結局、ボーナス役BB6の作動によるものを含めると、
期待値e=301/306≒0.98(98%)に低下し、所定の上限1.15(115%)を下回る。設定1の機械割は約98%程度ということになり、設定6の機械割も115%未満となるように小役等の抽籤値を定めることになる。
シミュレーション試験では、十分に多いゲーム数の17500回の遊技をする場合、内部抽籤の当籤確率は設計値に収束することを前提にしているため、上限の115%未満に安定的に抑制できる。ゲーム数が少なくなると、確率の上ブレ又は下ブレ、主に上ブレにより、115%未満を達成できない場合も生じるが、6000回の遊技での上限は126%、1600回の遊技での上限は150%、400回の遊技での上限は220%に緩和されているため、何れの上限未満も達成できる。
また、試射試験では、十分に多いゲーム数の17500回の遊技をする場合、内部抽籤の当籤確率は設計値に収束することが高く期待できるため、下限60%超えを安定的に達成できる。ゲーム数が少なくなると、確率の上ブレ又は下ブレ、主に下ブレにより、60%超えを達成できない場合も生じるが、6000回の遊技での下限は50%、1600回の遊技での下限は40%、400回の遊技での下限は33.3%に緩和されているため、何れの下限超えも達成できる。
なお、試射試験では、シミュレーション試験と異なり、押し順小役等の当籤時に最大配当が必ず得られるとする仮想条件は課されないため、試射試験における、17500回遊技での上限115%、6000回遊技での上限126%、1600回遊技での150%、400回遊技での220%の上限規制はほぼ問題なく達成できる。
さらに、本変形例では「BB6作動中のRB6内部中」に高ベースの遊技を可能にしていることから、最も期待値が低くなる遊技を想定して停止操作の順番及び/又は押下位置を指定して行うIF2試験(IF2は、遊技機から規定の試験装置に内部当籤役の情報を出力し、試験装置から停止操作信号を入力させるインターフェースボード2の意味)を、「BB6作動中」を考慮することなく、「BB6内部中」において簡便に行える利点も得られる。
以上、「BB6内部中」の期待値を必要以上に高めることなく、低い値0.58にできながら、試射試験及びシミュレーション試験に適合でき、「BB6内部中」等において、指示機能の未作動時すなわちATの未作動時の獲得メダル枚数の期待値と、指示機能の作動時すなわちATの作動時における獲得メダル枚数の期待値との差を大きく確保でき、メリハリのある遊技性を打ち出し得る。なお、以上のものでは、シフト役内部当籤状態の「BB6作動中のRB6内部中」の獲得メダル枚数の期待値を、ボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」及びシフト役作動状態の「BB6作動中のRB6作動中」よりも高くしたが、「BB6作動中のRB6内部中」の獲得メダル枚数の期待値を、指示機能の非作動下すなわち非AT下(押し順小役の正解押し順ナビのない状況下)におけるボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」よりも高く、指示機能の作動下すなわちAT下(押し順小役の正解押し順ナビのある状況下)におけるボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」よりも高くしてもよく、この場合にも、ボーナス作動状態の「BB6作動中」において、シフト内部当籤状態の「BB6作動中のRB6内部中」での遊技をすることにより、従来に比べて遊技媒体を減らすのを抑制でき、遊技興趣の低下を防止できる。
因みに、AT中の純増Uは、
U=(11−3)×1098×24/65536;押し順小役
+(11−3)×1860×3/65536;11枚ベル1〜3
+(1−3)×600×2/65536;1枚チェリーA,B
+(5−3)×720×2/65536;5枚スイカA,B
+(5−3)×8/65536;5枚特殊役
+(0−3)×21977/65536;BB6内部中の外れ
≒2.9枚/ゲームとなる。
市場での遊技では、遊技者は高ベースの「BB6作動中のRB6内部中」を期待して、「通常一般中」及び「BB6内部中」において、各リール3L,3C,3Rの「ブランク」図柄を狙う停止操作をして「BB6作動中」に移行させ、「BB6作動中の一般中」及び「BB6作動中のRB6内部中」において、左リール3Lに「ブランク」図柄を狙わないシフトハズシの停止操作をすることも可能である。「BB6作動中」への移行を禁止するペナルティもなく、「BB6作動中」が一律低ベースとなる不利もない。
この場合に、最低ベースとなる「BB6作動中のRB6作動中」への突入を回避し続けることにより、手持ちのメダルの減少を緩やかにできる。ただし、「BB6作動中のRB6内部中」は高ベースといえども期待値は1を超えないため、手持ちのメダルが減ることに変わりはなく、最低ベースの「BB6作動中のRB6作動中」に突入するリスクもある。また、「通常一般中」又は「BB6内部中」に左リール3Lに「ブランク」図柄を狙っていると、11枚ベル1〜3を取りこぼし、「通常一般中」及び「BB6内部中」中は獲得メダル枚数が少なくなる。
しかも、「BB6作動中の一般中」及び「BB6作動中のRB6内部中」は、指示機能を作動させる遊技の機会を増やすこととなる有利区間移行リプAを抽籤せず、有利区間移行確率及びAT当籤確率を通常の1/328の約半分の1/655に低下させている。また、「BB6作動中のRB6作動中」は再遊技確率を0にし、有利区間移行リプAもBも抽籤しない。すなわち、ボーナス作動中一般遊技状態の「BB6作動中の一般中」及び/又はシフト役内部当籤状態の「BB6作動中のRB6内部中」は、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす確率を、ボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」よりも低くしている。また、ボーナス非当籤状態の「通常一般中」及び/又はボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」は、予め定めた特定内部当籤役とする有利区間移行リプA又はBの当籤を契機に指示機能を作動させる遊技の機会を増やす抽籤を行い、ボーナス作動状態「BB6作動中」は、特定内部当籤役の全部又は一部の当籤を契機としてする指示機能を作動させる遊技の機会を増やす抽籤は行わないようにしている。具体的には、「BB6作動中のRB6内部中」は有利区間移行リプAの当籤を契機としてする指示機能を作動させる遊技の機会を増やす抽籤は行わず、「BB6作動中のRB6作動中」は有利区間移行リプA及びBの当籤を契機としてする指示機能を作動させる遊技の機会を増やす抽籤は行わないようにしている。なお、特定内部当籤役の当籤を契機とした指示機能を作動させる機会を増やす抽籤態様を変更する場合、特定内部当籤役の種類を変える他、特定内部当籤役(有利区間移行リプA,B)の抽籤値を変えることとしてもよい。
したがって、市場での遊技において、遊技者が高ベースの「BB6作動中のRB6内部中」の遊技を選択しても、ATに対する当籤期待度は「通常一般中」や「BB6内部中」よりも低く、指示機能の作動を含めたトータル的な獲得メダル枚数の期待値は、「BB6内部中」を維持し続ける場合と大差のないものにでき、特定の停止操作をするしないにより遊技者に有利不利を生じさせる恐れを少なくできる。また、ボーナス非当籤状態の「通常一般中」及び/又はボーナス内部当籤状態の「BB6内部中」では、予め定めた特定内部当籤役の当籤を契機に指示機能を作動させる遊技の機会を増やす抽籤を行い、ボーナス作動状態の「BB6作動中」では、特定内部当籤役の全部又は一部の当籤を契機としてする指示機能を作動させる遊技の機会を増やす抽籤は行わないため、「BB6作動中」において獲得メダル枚数の期待値の高い「BB6作動中のRB6内部中」の遊技をする場合と、「BB6作動中」での遊技をしない場合との間で、指示機能の作動を含めたトータル的な獲得遊技媒体の期待値の調整を、内部当籤役と関連づけて適切に行える。
以上の変形例では、「BB6作動中のRB6内部中」に押し順小役を6択から3択に変更することにより期待値を1を越えない範囲内で高めたが、押し順小役の当籤時、押し順に関係なく、一律、枚数優先に従う停止制御に変更し、必ず11枚のメダルを獲得できるようにしてもよい。すなわち、6択から押し順不問にしてもよい。また、押し順小役に限らず、払出し枚数の少ない第1小役と払出し枚数の多い第2小役との重複当籤に係る小役があるとした場合に、「BB6作動中のRB6内部中」以外は第1小役を入賞させ、「BB6作動中のRB6作動中」は第2小役を入賞させてもよい。ただし、「BB6作動中のRB6内部中」の期待値が1を超えることとなる場合、「BB6作動中のRB6内部中」の遊技が一律有利にならないようにするため、「BB6作動中のRB6内部中」では、有利区間移行リプAも有利区間移行リプBも抽籤せず、及び/又は、シフトハズシの難易度を高めて低ベースの「BB6作動中のRB6作動中」に移行するリスクを高める等の対策をするのが好ましい。
以上の変形例において、高配当となるNML01,34,36,37を15枚払出し等としたり、或は、「BB6内部中」の外れの領域を再遊技役や1〜3枚役等の抽籤値に割り当てて縮小等することにより、AT中の純増を3.0枚/ゲームを超える、例えば、5.0枚/ゲーム等とすることも可能である。ただし、AT純増を高めると、有利区間の滞在比率又は指示機能の作動による獲得メダル比率を全体の70%以下にすべき他の規制により、ATの当籤確率、及び/又は、ATの継続確率を低下せざるを得ない恐れが生じる。よって、本変形例では、純増を2.9枚/ゲームに設定し、ATの初当たりを軽くし、ATが長く続く可能性を高くし、遊技者の満足度を高めるようにしている。
[規定数を利用した有利区間中AT発動]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を備える。有利状態には、指示機能の作動により遊技媒体の増加を可能にした特定有利状態であるアシストタイムATを含む。
本変形例では、図123[A]に示す遊技状態を有し、抽籤対象に、常時作動とする第一種特別役物RB7に係る役物連続作動装置BB7を含む。BB7の作動図柄の組合せは、例えば、左図柄「ブランク」−中図柄「ブランク」−右図柄「ブランク」としている。この作動図柄の組合せを表示した次ゲームから「BB7作動中」(BB7作動中かつRB7作動中)となり、作動開始からの総獲得メダル枚数が所定上限枚数の例えば285枚を超過するとBB7及びRB7の作動を終了し、BB7を抽籤する「通常一般中」に復帰させる。「通常一般中」においてBB7に当籤するもBB7の作動図柄の組合せの表示がない場合、「BB7内部中」に移行させる。ATは、「BB7内部中」及び「通常一般中」において可能にしている。
有効ラインは、中段の1ラインのみに限定している。規定投入数は、第1投入数の3枚と、第1投入数よりも少ない第2投入数の1枚を選択可能にし、第1投入数の3枚掛け遊技と、第2投入数の1枚掛け遊技を可能にしている。BB7の抽籤値は、第1投入数の場合も第2投入数の場合も、例えば1365としている。なお、有効ラインは上段、中段、下段の3ラインでもよいし、これに右上りライン及び右下りラインを加えた5ライン等にしてもよい。また、規定投入数は2枚を選択可能とし、2枚掛け遊技が行えるようにしてもよく、また、第2投入数を2枚にしてもよい。
本変形例では、再遊技役の内訳は次の1]〜4]としている。REP01,02,03,05の図柄の組合せは図21と同様である。末尾の括弧内に、「通常一般中」,「BB7内部中」,「BB7作動中」の順で抽籤値を示す。再遊技役については、第1投入数の場合も第2投入数の場合も同じ抽籤値にしている。
1]中段リプ;REP01(5200,5201,0)
2]右下りリプ;REP02(1730,1729,0)
3]チャンスリプ;REP03(1024,1024,0)
4]フェイクリプ;REP05(1024,1024,0)
本変形例では、小役の内訳は次の1)〜38)としている。NML01〜41の図柄の組合せ及び配当(払出枚数)は、図122に示したBB6を搭載した変形例と同様である。NML42〜45の各図柄の組合せ「左図柄」−「中図柄」−「右図柄」は次のとおりとし、それぞれ、配当は1枚、表示確率は1×1×1/4=1/4にしている。
NML42;「赤7/青7/BAR/ブランク」−「チェリー1」−「赤7」
NML43;「赤7/青7/BAR/ブランク」−「チェリー1」−「青7」
NML44;「赤7/青7/BAR/ブランク」−「チェリー1」−「BAR」
NML45;「赤7/青7/BAR/ブランク」−「チェリー1」−「ブランク」
以下の各小役の末尾の括弧内には、第1投入数の場合の抽籤値、第2投入数の場合の抽籤値の順に、設定1の値を示している。第2投入数の抽籤値は、第1投入数の抽籤値の1/3にしている。
1)左中右ベル1;NML01+02+03+06+07+10+11(1098,366)
2)左右中ベル1;NML01+04+05+08+09+12+13(1098,366)
3)左中右ベル2;NML34+02+03+06+07+10+11(1098,366)
4)左右中ベル2;NML34+04+05+08+09+12+13(1098,366)
5)左中右ベル3;NML36+02+03+06+07+10+11(1098,366)
6)左右中ベル3;NML36+04+05+08+09+12+13(1098,366)
7)左中右ベル4;NML37+02+03+06+07+10+11(1098,366)
8)左右中ベル4;NML37+04+05+08+09+12+13(1098,366)
9)中左右ベル1;NML01+02+04+06+07+10+11(1098,366)
10)中右左ベル1;NML01+03+05+08+09+12+13(1098,366)
11)中左右ベル2;NML34+02+04+06+07+10+11(1098,366)
12)中右左ベル2;NML34+03+05+08+09+12+13(1098,366)
13)中左右ベル3;NML36+02+04+06+07+10+11(1098,366)
14)中右左ベル3;NML36+03+05+08+09+12+13(1098,366)
15)中左右ベル4;NML37+02+04+06+07+10+11(1098,366)
16)中右左ベル4;NML37+03+05+08+09+12+13(1098,366)
17)右左中ベル1;NML01+02+05+06+07+10+11(1098,366)
18)右中左ベル1;NML01+03+04+08+09+12+13(1098,366)
19)右左中ベル2;NML34+02+05+06+07+10+11(1098,366)
20)右中左ベル2;NML34+03+04+08+09+12+13(1098,366)
21)右左中ベル3;NML36+02+05+06+07+10+11(1098,366)
22)右中左ベル3;NML36+03+04+08+09+12+13(1098,366)
23)右左中ベル4;NML37+02+05+06+07+10+11(1098,366)
24)右中左ベル4;NML37+03+04+08+09+12+13(1098,366)
25)11枚ベル1;NML38+41(1860,620)
26)11枚ベル2;NML39+41(1860,620)
27)11枚ベル3;NML40+41(1860,620)
28)1枚チェリー1;NML14〜17(900,300)
29)1枚チェリー2;NML26〜29(90,30)
30)1枚チェリー3;NML42(4329,1443)
31)1枚チェリー4;NML43(4329,1443)
32)1枚チェリー5;NML44(4329,1443)
33)1枚チェリー6;NML45(4329,1443)
34)5枚スイカA;NML35(1212,404)
35)5枚スイカB;NML30+35(54,18)
36)1枚チャンス役A;NML18〜21(72,24)
37)1枚チャンス役B;NML22〜25(36,12)
38)5枚特殊役;NML31〜33(15,5)
第1投入数の3枚掛け遊技時、1)〜38)の小役の抽籤値の合計は51627になり、「通常一般中」又は「BB7内部中」、再遊技役の合計抽籤値8978とBB7の抽籤値1365を引いた外れ領域は3566となる。総小役定数sは33938となり、期待値eは約0.60(60%)となる。
また、3枚掛け遊技時、「BB7作動中」、NML01,34,36,37についての各合計抽籤値1098×6=6588以上の、例えば6589の抽籤値にて全小役NML01〜45を重複当籤させる小役オールと、1)〜38)の合計抽籤値51627を超える例えば51628から、小役オールの抽籤値6589を引いた45039の抽籤値にて、1枚役NML02〜29,42〜45を重複当籤させる1枚役オールとを抽籤する。総小役定数s=6589×11/3+45039×1/3≒39173、r=0で、期待値e=39173/65536≒0.60(60%)となる。
第2投入数の1枚掛け遊技時、1)〜38)の小役の抽籤値の合計は17209になり、「通常一般中」又は「BB7内部中」、再遊技役の合計抽籤値8978とBB7の抽籤値1365を引いた外れ領域は37984となる。総小役定数sは33938となり、期待値eは約0.60(60%)となる。3枚掛け遊技時と同じになるのは、各抽籤値を1/3とし、各小役の払出枚数は変えず、配当比=払出枚数/投入枚数が3倍になるようにしているからである。
また、1枚掛け遊技時、「BB7作動中」、NML01,34,36,37についての各合計抽籤値366×6=2196以上の、例えば2197の抽籤値にて全小役NML01〜45を重複当籤させる小役オールと、1)〜38)の合計抽籤値17209を超える例えば17210から、小役オールの抽籤値2197を引いた15013の抽籤値にて、1枚役NML02〜29,42〜45を重複当籤させる1枚役オールとを抽籤する。総小役定数s=2197×11/1+15013×1/1≒39173、r=0で、期待値e=39173/65536≒0.60(60%)となり、同様に、3枚掛け遊技時と同じになる。
内部当籤に係る図柄の組合せが必ず表示され且つ獲得メダル枚数の最大数が獲得されると仮定した所定のシミュレーション試験では、小役の取りこぼしはなく、必ず最大配当が得られるため、s=(1098×24×11+1860×3×11+18414×1+1281×5)×1/3=366×24×11+620×3×11+6138×1+427×5=125357、r=8978のため、BB7の作動を抜きにした期待値e=125357/(65536−8978)≒2.22(約222%)に達する。
シミュレーション試験において「通常一般中」から1365/65536≒1/48の確率でBB7に当籤すると、当籤ゲームの次ゲームに「BB7作動中」に移行し、期待値0.60のゲームが(285+1)/(0.60×3)≒159ゲーム消化される。よって、期待値2.22のゲームが48回、期待値0.60のゲームが159回の割合で繰り返され、この間、
総投入メダル枚数=3枚×(48+159)=621枚、
総獲得メダル枚数=3枚×(2.22×48+0.60×158)≒604枚となる。
結局、ボーナス役BB7の作動によるものを含めると、
期待値e=604/621≒0.97(97%)に低下し、所定の上限1.15(115%)を下回る。3枚掛け時も1枚掛け時も同様になる。設定1の機械割は約97%程度ということになり、設定6の機械割も115%未満となるように小役等の抽籤値を定めることになる。
本変形例では、小役のうち、29)の1枚チェリー2の当籤時、35)の5枚スイカBの当籤時、37)の1枚チャンス役Bの当籤時、38)の5枚特殊役の当籤時、内部抽籤用乱数と別個独立に定義する1バイト乱数を用いた2段階抽籤により256/256=100%の確率で非有利区間の通常区間から有利区間への移行を決定する。よって、1枚チェリー2の当籤に基づいて表示するNML26〜29、5枚スイカBの当籤に基づいて表示するNML30、1枚チャンス役Bの当籤に基づいて表示するNML22〜25、5枚特殊役の当籤に基づいて表示するNML31〜33は、通常区間から有利区間への移行が確定するリーチ目となる。ここでいうリーチ目とは、通常区間から有利区間への移行の確定を知らせる出目であって、特定の内部当籤役の当籤に基づいて表示され、特定の内部当籤役以外の内部当籤役(外れを含む)の当籤に基づいては表示されない出目をいう。リーチ目は、小役表示型に限らず、取りこぼす可能性のある小役を特定の内部当籤役(通常区間から有利区間への移行確定役)とする場合、その小役を取りこぼした小役ハズレ型等でもよい。また、次ゲームに規定投入数を変更できない点で好ましくないが、再遊技役表示型とすることも可能である。
また、28)の1枚チェリー1の当籤時、34)の5枚スイカAの当籤時、36)の1枚チャンス役Aの当籤時、内部抽籤用乱数と別個独立に定義する1バイト乱数を用いた2段階抽籤により、100%未満の予め定めた確率で非有利区間の通常区間から有利区間への移行を決定する。よって、1枚チェリー1の当籤に基づいて表示するNML14〜17、5枚スイカAの当籤に基づいて表示するNML35、1枚チャンス役Aの当籤に基づいて表示するNML18〜21は、有利区間への移行に期待できるチャンス目となる。チャンス目は、有利区間への移行に期待できるが、有利区間への移行が必ずしも確定しない点で、リーチ目と異なる。
図123[B]に示すように、特定有利状態とするアシストタイムATへは、第1の図柄の組合せとしてリーチ目を表示可能な内部当籤役に基づいて有利状態が生起された後、すなわち、29)1枚チェリー2、35)5枚スイカB、37)1枚チャンス役B、38)5枚特殊役の何れかの有利区間への移行を確定させる役の当籤の後、リーチ目を表示したゲームの次ゲーム以後に、第1の図柄の組合せと異なる第2の図柄の組合せの表示を条件に突入(発動)可能にしている。有利状態が生起されていない非有利状態中(通常状態中)に第2の図柄の組合せを表示しても、特定有利状態とするATへの突入は不可にしている。
第1の図柄の組合せとするリーチ目を表示させる、29)1枚チェリー2、35)5枚スイカB、37)1枚チャンス役B、38)5枚特殊役の合算確率は、第1投入数の3枚掛け遊技時は(90+54+36+15)/65536=195/65536≒1/336、第2投入数の1枚掛け遊技時は(30+18+12+5)/65536=65/65536≒1/1008と、3枚掛け遊技時の1/3になる。1枚掛け遊技時は、3枚掛け遊技時よりも3倍の遊技数について遊技が行え、リーチ目を表示させるまでの投入メダル枚数は結局同じことになるが、3倍の遊技数を要することから時間効率が悪い。この悪い時間効率は、リーチ目を表示させる遊技を含めた遊技全般を1枚掛け遊技で消化するのを抑止する効果となる。この抑止効果を確実にするため、1枚掛け遊技時の内部当籤確率を3枚掛け遊技時の1/3を下回るようにしたり、1枚掛け遊技時は、2段階抽籤での有利区間当籤確率を3枚掛け遊技時よりも低くしたり、そもそも、1枚掛け遊技時は有利区間への移行抽籤はしないようにするのも好ましい。
第2の図柄の組合せは、例えば、30)〜33)の1枚チェリー3〜6の当籤時に1/4の表示確率で右図柄を引込むことができずに払出しのない取りこぼしとなったときに表示させるチェリーこぼし目、例えば、「赤7/青7/BAR/ブランク」−「チェリー1」−「リプレイ」としている。このチェリーこぼし目を中段の有効ラインに表示すると、右上りラインに「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「チェリー1」の3連チェリーが並ぶ。右上りラインに3連チェリーを並べるチェリーこぼし目が、ATを発動させるAT発動目となる。ここでいうAT発動目とは、特定有利状態であるアシストタイムATの発動を知らせる出目であって、同一規定投入数下、特定の内部当籤役(外れを含む)の当籤に基づいて表示され、特定の内部当籤役以外の内部当籤役の当籤に基づいては表示されない出目をいう。AT発動目は、特定の小役を取りこぼした小役ハズレ型とする他、単なるハズレ出目を表示するハズレ型でもよいし、特定の小役又は再遊技役に係る図柄の組合せを表示する役表示型等でもよい。
第1投入数の3枚掛け遊技時、1枚チェリー3〜6の合算当籤確率に1−1/4=3/4を乗じた4329×4/65536×3/4=12987/65536≒1/5の確率で、AT発動目となる第2の図柄の組合せ(チェリーこぼし目)を表示できる。すなわち、平均約5ゲームの前兆を経て、AT発動目を表示できる。したがって、第1の図柄の組合せであるリーチ目の確認後、3枚掛け遊技を続けていると、3枚×5ゲーム=15枚のメダルの投入を要することになる。
一方、第2投入数の1枚掛け遊技時、1枚チェリー3〜6の抽籤値は3枚掛け遊技時の1/3になることから、1枚チェリー3〜6の当籤に基づくチェリーこぼし目の表示確率は低下するが、小役、再遊技役、ボーナス役を除く外れ領域が37984と広くなり、頻繁に外れに当籤することになるため、この外れの当籤時に表示させるハズレ目として、3枚掛け遊技時のチェリーこぼし目と同一の図柄の組合せを有効ラインに一律的に表示させることとしている。1枚掛け遊技時は、AT発動目を表示させる特定の内部当籤役は、1枚チェリー3〜6及び外れとしてもよいが、ここでは、1枚掛け遊技時の1枚チェリー3〜6の取りこぼし時、3枚掛け遊技時のチェリーこぼし目と異なる図柄の組合せ例えば「赤7/青7/BAR/ブランク」−「チェリー1」−「ベル」を表示し、3枚掛け遊技時のチェリーこぼし目と同じAT発動目を表示させる特定の内部当籤役は外れのみに限定している。3枚掛け遊技時、AT発動目を表示させる特定の内部当籤役は1枚チェリー3〜6のみであり、単なる外れではAT発動目とするチェリーこぼし目を表示しない。こうして、1枚掛け遊技時、37984/65536≒1/1.7の比較的高い外れ確率により、3枚掛け遊技時のチェリーこぼし目と同じAT発動目たる第2の図柄の組合せを表示できる。したがって、1枚掛け遊技では、平均約1.7ゲームでAT発動目を表示でき、1枚×1.7ゲーム=1.7枚のメダルの投入で済む。なお、1枚掛け遊技時、AT発動目を表示させる特定の内部当籤役を1枚チェリー3〜6及び外れとした場合は、より早い平均約1.5ゲームでAT発動目を表示できる。また、以上に代えて、例えば、1枚掛け遊技時の外れを3枚掛け遊技時と同一又はほぼ同一とし、1枚掛け遊技時の1枚チェリー3〜6の抽籤値のみを3枚掛け遊技時よりも逆に大きくし、1枚チェリー3〜6の取りこぼし時に3枚掛け遊技と同じチェリーこぼし目を表示することにより、AT発動目を表示する確率を3枚掛け遊技時よりも高くしてもよい。
以上のように、第1の図柄の組合せとするリーチ目を表示可能な内部当籤役に基づく有利状態の生起確率は、第1投入数の3枚掛け遊技時は約1/336(1/336×100%)と、第2投入数の1枚掛け遊技時の約1/1008(1/1008×100%)よりも高くしている。一方、第2の図柄の組合せとするAT発動目を表示する確率は、第2投入数の1枚掛け遊技時は約1/1.7と、第1投入数の3枚掛け遊技時の約1/5よりも高くしている。
これにより、遊技者は、3枚掛け遊技により第1の図柄の組合せであるリーチ目を表示可能とする内部抽籤の結果を得てリーチ目を確認した後、次ゲームは、MAXベットボタン15a(図2参照)を押すのではなく、1ベットボタン15bを押すことにより、1枚掛け遊技に変更し、1枚掛け遊技により、第2の図柄の組合せであるAT発動目を早期に表示できる。このため、投入メダル枚数の消費を抑えながら、特定有利状態のATを早期に発動させることができる。なお、リーチ目を表示する段階では、基本的に、サブ側の表示装置11等において、特別な報知や演出等による示唆は行わないようにしている。ATの発動前にリーチ目の表示によりAT発動の前触れを遊技者にそれとなく察知させるためである。もっとも、サブ側での演出抽籤等により、所定確率により稀に予告演出等の示唆を行うようにしてもよい。
ATは、例えば初期継続ゲーム数を決定する数ゲーム間のジャッジメントゲームから始まり、ジャッジメントゲーム中の当籤役に応じて、例えば50〜1200ゲームの範囲内で初期継続ゲーム数を決定する。ATの作動中は、サブ側の表示装置11において、押し順小役の当籤時に正解押し順を報知すると共に、1枚チェリー3〜6の当籤時に狙うべき右図柄を報知し、一遊技で獲得可能なメダル枚数(本変形例では最大11枚、規則的には最大15枚)を超える纏まった数のメダルの獲得を可能にする。また、予め定める特定の再遊技役や小役等の当籤に基づいて、継続ゲーム数の上乗せや、ジャッジメントゲームから始まるATをストックする。ATの作動は継続ゲーム数又はストックが零になると終了し、ATの終了により有利区間も終了させて通常区間に復帰させる。
この変形例では、第1の図柄の組合せであるリーチ目を表示可能な内部当籤役に基づいて有利状態を生起させる場合、1枚掛け遊技時の時間効率を3枚掛け遊技時よりも低下させ、有利状態中に限って、第2の図柄の組合せであるAT発動目の表示によりATの発動(ATへの突入)を可能にし、非有利状態中のAT発動目の表示によってはATの発動を不可にしている。よって、遊技全般を通じて遊技者が1枚掛け遊技をするのを効果的に防止でき、1枚掛け遊技はAT発動目を表示しようとする場合にほぼ限定して行わせることができる。
1枚チェリー1、5枚スイカA、1枚チャンス役Aの何れかの当籤に基づいてチャンス目が表示された場合、1枚掛け遊技によりAT発動目を表示させる試みは有益である。2段階抽籤により内部的に有利区間への移行が決定されていた場合は、早期にATを発動できるからである。ただし、内部的に有利区間への移行の決定はなく、通常区間のままであると、外れを引いてAT発動目と同じ第2の図柄の組合せを表示してもATは発動しない。この場合は、すぐに3枚掛け遊技に戻すとよい。
第2の図柄の組合せであるAT発動目は、メダルの払出しも再遊技の作動もなく、3枚掛け遊技時も1枚掛け遊技時も同じ効果の遊技結果となる外れの導出時に表示するものとしている。このため、第2の図柄の組合せであるAT発動目を表示した場合に、3枚掛け遊技か1枚掛け遊技かで遊技結果に違いがないため、特定有利状態のATへの突入について公平さを高め得る。
この変形例では、BB7作動中は常時RB7が作動するものとしたが、図122の例のように、BB7作動中の一般中からRB7を抽籤するようにしてもよい。また、再遊技確率の低い低確遊技状態から再遊技確率の高い高確遊技状態に昇格させてATを作動させるアシストリプレイタイムARTを行う場合に、本変形例のように、3枚掛け遊技により第1の図柄の組合せとするリーチ目を表示可能とする内部当籤役に基づいて有利状態を生起させた後、少ない数の1枚掛け遊技等により第2の図柄の組合せとするART発動目、例えば、高確遊技状態への昇格契機図柄の組合せ(RT移行出目)を表示するようにしてもよい。第2の図柄の組合せは、高確遊技状態への昇格契機図柄の組合せとする他、ARTの決定を遊技者に確定報知する際の予め定めた特定の図柄の組合せ等としてもよく、この場合、高確遊技状態への昇格途上のART準備中の期間を短縮できないが、ARTの確定報知前の本前兆演出期間等を短縮できる。
[チャンスゾーン有利区間]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。メインCPU101のプラグラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段と、生起された一の有利状態中における遊技毎の獲得メダルが多いほど増加する数例えば獲得メダル枚数の累計が所定のリミット値を超過したとき当該一の有利状態を終了させるリミッタ手段とを設けている。
内部当籤役には、図20と同様な作動図柄の組合せをもつボーナス役BB1〜BB4を含む。BB1〜BB4の合算確率は設定1で約1/200にしている。BB1〜BB4の全部又は一部の当籤確率は高設定ほど高くした設定差有りにしている。有効ラインは上段、中段、下段の3ラインとし、規定投入数は3枚としている。BB1〜BB4の当籤確率は、設定によらず一定とした設定差無しに統一してもよい。有効ラインは、右上りライン及び右下りラインを加えた5ラインや、中段の1ラインのみ等にしてもよい。規定投入数は1〜3枚を任意選択可能にしてもよい。
図124に示すように、遊技状態は、ボーナス役BB1〜BB4の作動状態である第1遊技状態と、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後に移行させる再遊技確率を相対的に高めた無限高確遊技状態RT2の第2遊技状態と、第2遊技状態から所定の昇格契機図柄の組合せの表示により移行し、再遊技確率を相対的に高め且つ所定ゲーム数例えば150ゲームの有限回数について滞在可能な遊技者に有利な有限高確遊技状態RT3の第3遊技状態と、第2遊技状態から転落契機図柄の組合せの表示により移行し、又は、第3遊技状態から有限回数の遊技の結果が得られた後に移行する再遊技確率を相対的に低めた遊技者に不利な無限低確遊技状態RT4の第4遊技状態と、ボーナス役BB1〜BB4に当籤後作動図柄の組合せを表示するまで当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤状態RT5の第5遊技状態とを有する。
第1遊技状態は、当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せを表示したゲームの次ゲームから始まる。ボーナス役BB1〜BB4の作動中は、常時第一種特別役物RBが作動するものとしており、RB中内部抽籤テーブル(図18参照)により抽籤を行い、毎ゲーム15枚又は6枚のメダルを獲得できる(図23参照)。
指示機能の作動を不可とする非有利区間(非有利状態)である通常区間(通常状態)から、指示機能の作動を可能にする有利区間(有利状態)への移行は、図33,34に示した決定態様に代え、ボーナス役BB1〜BB4の当籤と関連づけてその可否を決定するようにしている。
有利区間への移行の決定は、ボーナス役BB1〜BB4の当籤時、内部抽籤用乱数とは別個独立に抽出する1バイト乱数を用いた2段階抽籤により、例えば、赤同色のBB1の当籤時は128/256=50%の確率で、青同色のBB2の当籤時は192/256=75%の確率で、赤異色のBB3の当籤時は64/256=25%の確率で、青異色のBB4の当籤時は32/256=12.5%の確率で、有利区間への移行を決定する。これ以外は通常区間を維持する。有利区間への移行の決定がされると、ボーナス役BB1〜BB4の当籤ゲームの次ゲームから有利区間に移行させ、有利状態を生起させる。ボーナス役BB1〜BB4は、図16のNo.1〜38と同様に再遊技役又は小役と重複当籤させるため、ボーナス役BB1〜BB4の当籤ゲームでは作動図柄の組合せを表示できず、次ゲームはボーナス内部当籤状態RT5に突入し、RT5の突入時から有利区間(有利状態)となる。
一有利区間の最大継続を規制するリミット手段は、有利区間であることを条件に、ボーナス役BB1〜BB4の作動が開始された第1ゲーム目に、ボーナス役の作動による獲得メダル枚数Xに、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後に移行する第2遊技状態における一定数例えば10枚の獲得メダル枚数を加算した「X+10枚」をリミット値として定めている。このリミット値は、当籤に係るボーナス作動図柄の組合せを表示したゲームの終了処理時に定めてもよい。
また、ボーナス役BB1〜BB4の作動が開始された第1ゲーム目に、有利区間であることを条件に、内部抽籤に引き続いて実行する2段階抽籤により、所定確率例えば231/256≒90%の確率で、ボーナス役の作動中において指示機能を作動させ、15枚の払出しを容易に受け得るようにし、上限の総獲得メダル枚数を超過するまでの総獲得メダル枚数から総投入メダル枚数を引いた純増枚数が多くなるようにしている。最初に指示機能を作動させるゲームにおいて情報表示器6(図2参照)に設ける区間表示器の点灯を開始させる。有利区間となる場合の約10%は、通常区間のままとなる場合と同様に、ボーナス作動中に一回も指示機能を作動させず、また、区間表示器も点灯させない。有利区間か通常区間かの区別をあえて曖昧にし、期待感を持続できるようにしている。
ボーナス役BB1〜BB4の作動は、BB1又はBB2の場合は総獲得メダル240枚超過により、BB3又はBB4の場合は総獲得メダル165枚超過により終了する。よって、ボーナス役の作動による獲得メダル枚数Xは、BB1〜BB4の種類に応じて異なると共に、同じBB1等でも作動終了となる上限の総獲得メダル枚数を超過するときの払出枚数に応じて異なることになる。
リミット値の超過は、有利状態が生起された第1遊技状態であるボーナス役BB1〜BB4の作動状態の終了時における獲得メダル枚数Xの超過によってはされず、第2遊技状態である無限高確遊技状態RT2への移行後の遊技による一定数10枚の獲得メダル枚数の積み増しにより可能にしている。すなわち、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了時点の獲得メダル枚数Xによってはリミット値の超過はなく、一定数の10枚は必ず確保され、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後に引き続くRT2においてチャンスゾーンを有効に確保できる。
第2遊技状態の無限高確遊技状態RT2では、RT3に移行する昇格契機図柄の組合せを表示可能とする次記1)〜6)の昇格役と、RT4に移行する転落契機図柄の組合せを表示可能とする次記7)〜9)の転落役を含む複数の再遊技役を抽籤する。REP01等の図柄の組合せは図21と同様である。
RT2の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_打順1でRT3昇格他は維持リプ(REP01+05+07)は1495
2)F_打順2でRT3昇格他は維持リプ(REP01+03+05+07)は1495
3)F_打順3でRT3昇格他は維持リプ(REP01+04+05+07)は1495
4)F_打順4でRT3昇格他は維持リプ(REP01+02+07)は1495
5)F_打順5でRT3昇格他は維持リプ(REP01+02+03+04+07)は1495
6)F_打順6でRT3昇格他は維持リプ(REP01+02+04+07)は1495
7)F_左第1停止で維持他はRT4転落リプ(REP02+08)は9000
8)F_中第1停止で維持他はRT4転落リプ(REP02+03+08)は9000
9)F_右第1停止で維持他はRT4転落リプ(REP02+07+08)は9000
10)F_維持リプ(REP02)は12673
11)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
12)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT2の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35の高確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_打順1でRT3昇格他は維持リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、昇格契機図柄の組合せとする「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」(REP07;「スイカ」小V)を表示してRT3に昇格させ、打順1以外で停止操作をすると、REP01等を表示してRT2を維持させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
また、例えば、7)の「F_左第1停止で維持他はRT4転落リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる左第1停止で停止操作をすると、REP02を表示してRT2を維持し、左第1停止以外で停止操作をすると、転落契機図柄の組合せとする「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP08)を表示してRT4に転落させる役という意味である。8)の中第1停止、9)の右第1停止についても同様である。
RT2中、ボーナス役BB1〜BB4及び小役については、図16,17のRT2の欄に示す抽籤値で抽籤を行うこととしている。RT2における期待値e=s/(M−r)は
e=(s;押し順小役、8枚役、5枚役、1枚役の合算)/(65536−48655)
=(8880+4973+1493+760)/16881
=16106/16881
≒0.95となる。この期待値は、押し順小役の当籤時に8枚のメダルが払出されずに1枚払出し又は払出し0枚となることがあり得る場合の値である。RT2の期待値は、押し順小役の当籤時に正解押し順を報知するナビ有りの場合は8枚のメダルを払出す回数が増えるため1を大きく超えるが、押し順小役の当籤時に正解押し順を報知しないナビ無しの場合、或は、押し順小役について8枚のメダル払出しとなるのを敢えて外して1枚払出し又は払出し0枚に止める場合、1を下回ることになる。RT2の期待値としては、ナビ有りの場合は1を超え、表示確率が1でない小役を外すと1を下回るものであればよい。
有利区間にあるRT2中、獲得メダル枚数の累計が10枚を超過すると、ボーナス役BB1〜BB4の作動開始を起点とする「X+10枚」のリミット値を超過し、リミッタ手段が作動して有利区間が終了し、通常区間に復帰する。点灯中にある区間表示器も消灯させる。有利区間をより長くするため、RT2中は、有利区間であっても、押し順小役(図17のNo.77〜98)の当籤時、高配当の8枚払出しを受ける正解押し順を報知しない。押し順小役の取りこぼし時に表示可能になるベルこぼし目「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」を表示しても、遊技状態の移行もないようにしている。
RT2中、有利区間にあることを条件に、何れかの昇格役(「F_打順1でRT3昇格他は維持リプ」等)に当籤すると、正解押し順をサブ側の表示装置11において報知し、、容易にRT3に昇格できる。このRT3の昇格移行時、RT3の移行直後からボーナス役BB1〜BB4の当籤に基づく新たな有利区間の生起を可能にするため、リミット値の超過前でも有利区間を終了させて通常区間に復帰させる。この有利区間の終了は、ボーナス役の作動終了後の任意に定める有利区間の終了条件の具備によるものであり、リミット手段の作動前の終了となる。もっとも、リミット値の超過前にRT3に移行した場合、有利区間を継続させ、RT3中に押し順小役に当籤した時、正解押し順を報知してメダル8枚の獲得を容易にし、リミット値の超過を促して有利区間を終了させてもよい。
また、RT2中、有利区間にあることを条件に、何れかの転落役(「F_左第1停止で維持他はRT4転落リブ」等)に当籤すると、正解押し順をサブ側の表示装置11において報知する。よって、RT4への転落も容易に回避できる。ただし、転落役の当籤時、正解押し順の報知に背いて押し順ミスをすると、RT4に転落する。このRT4の転落移行時、リミット値の超過前でも、有利区間を終了させて通常区間に復帰させ、点灯中にある区間表示器も消灯させる。
ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後、最初から有利区間にない場合、又は、RT2中の獲得メダル枚数の累計が10枚を超え、リミット値「X+10枚」を超過してリミッタ手段が作動した場合、昇格役の当籤時の正解押し順も、転落役の当籤時の正解押し順も報知しない。このため、たまたまRT3に昇格することもあるが、転落役の合算確率27000/65536≒1/2.4に押し順正解率1/3を乗じた値を、昇格役の合算確率8970/65536≒1/7.3に押し順正解率1/6を乗じた値よりも相当程度大きくしているため、多くの場合、RT4に転落する。
第3遊技状態の有限高確遊技状態RT3は、ボーナス役BB1〜BB4の当籤がない限り、有限回数の150ゲーム間について滞在する。RT3の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は29773
2)F_上段リプ(REP01+04)は2450
3)F_中段リプ1(REP01+04+05)は5000
4)F_下段リプ(REP01+03+04)は2450
5)F_被弾リプ(REP03)は8970
6)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
7)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、非RTの再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率はRT2と同じ約1/1.35の高確率にしている。RT2と同様、RT3中の期待値は約0.95となり、手持ちのメダルの減少を抑制できながらボーナス役BB1〜BB4の当籤に期待できる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
第4遊技状態の無限低確遊技状態RT4は、再遊技確率が低く、手持ちのメダルを減少させながら、ボーナス役BB1〜BB4の当籤に期待することになる。RT4の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は8967
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜10)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜10)は6
以上、RT0の再遊技役の合計の抽籤値は8979で、確率は約1/7.3の低確率にしている。
第5遊技状態のボーナス内部当籤状態RT5へは、RT2,RT3,RT4の何れの遊技状態からも移行する。リミット値の超過前の有利区間中にあるRT2において、ボーナス役BB1〜BB4に当籤すると、既に有利区間にあることから新たな有利区間は生起させず、RT5又はボーナス役BB1〜BB4の作動中に、リミット値の超過により通常区間に復帰し、区間表示器も消灯することになる。よって、RT2では、ボーナス役BB1〜BB4に当籤する前にRT3に昇格させるのがより良い結果になる可能性が高く、RT2中の遊技をよりスリリングにできる。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は5053
2)F_上段リプ(REP01+04)は60
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は306
4)F_中段リプ2(REP01+05)は8992
5)F_中段リプ3(REP01+06)は11775
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は180
以上、RT6の再遊技役の合計の抽籤値は26366で、確率は約1/2.49となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。RT5中、小役については、図17のRT5の欄に示す抽籤値で抽籤を行うこととしている。
以上、本変形例では、ボーナス役BB1〜BB4の当籤を契機に生起させた有利状態(有利区間)は、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了時点の獲得メダル枚数Xによってはリミット手段のリミット値を超過せずに終了とならず、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後に引き続くRT2において一定数の10枚のメダルの獲得があるまで、有利なRT3への移行に期待できるチャンスゾーンを確保できる。RT2では、獲得メダル枚数の増加が緩やかであるほど、リミット値の超過を遅らせ、長く遊技ができるため、遊技者に、「配当のある役に当籤するな」という概念と、「高配当の表示は外れろ」という概念とを惹起できる。
一般的な差枚数管理によるチャンスゾーンでは、押し順小役に当籤した場合、正解押し順を報知した場合は高配当が得られるか否かに関係なく高配当例えば8枚から投入数3枚を引いた差枚数5枚を加算して上限規制することがあるが、この場合は、「配当のある役に当籤するな」という概念しか惹起できない。これに対し、本変形例では、「配当のある役に当籤するな」という概念に加え、押し順小役の当籤時、「高配当よりも低配当の払出しになれ」、「低配当の払出しよりも払出しが0になれ」といったように如何に小役を外せるかという概念も惹起できる。
したがって、遊技性の幅を広げながら、有利な遊技に期待できる遊技性を打ち出し得ると共に、獲得メダル枚数が変動し得るボーナス役BB1〜BB4と組合せて、ボーナス役の作動終了後にチャンスゾーンを効果的に挿入できる。また、RT2における内部当籤役には、停止操作の態様により獲得メダル枚数が異なることとなる押し順小役と、RT3への移行を可能にした昇格役とを含み、有利状態中に昇格役に当籤した場合、RT3へ移行させる昇格契機図柄の組合せを表示させるための正解押し順を報知するため、RT2では、リミット値を超過する前に、昇格役の当籤に期待しつつ、押し順小役の当籤時は、如何に停止操作をすれば獲得メダル枚数を少なくできるかというスリルに富んだ遊技性を創出できる。
以上のものでは、生起された一の有利状態中における遊技毎の獲得メダルが多いほど増加する数として、獲得メダル枚数を用いたが、獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた差枚数を用いてもよい。この場合、RT2の期待値eが1を超えるように小役の抽籤値を高め、差枚数が増加傾向になるようにするのが好ましい。獲得メダル枚数、差枚数のどちらを用いる場合も、RT2での一定数は、10枚とする他、10枚より少ない5枚等でも、10枚を超える20枚等でもよく、一定数は1以上の任意の数でよい。また、以上のものでは、ボーナス役BB1〜BB4の作動状態の終了時における獲得メダル枚数を、ボーナス役の種類や上限枚数超過時のメダル枚数の変動に依存しない変数Xと置いたが、Xを予め定めた一定数としてもよい。この場合、ボーナス役の作動状態終了時に最も少なくなる獲得メダル枚数をXとし、最も少ない獲得メダル枚数で終わるボーナス役の場合のリミット値は「X+10枚」とし、最少枚数より多い獲得メダル枚数で終わるボーナス役の場合のリミット値は「X+10枚」を超えるようにしてもよい。ボーナス役の作動中に、押し順等の停止操作態様により獲得メダル枚数を調整できる枚数調整を可能にする場合にも、枚数調整を行わない場合の獲得メダル枚数をXとし、枚数調整を行った場合、リミット値が「X+10枚」を超過するものとしてもよい。
また、以上のものでは、押し順小役以外の各小役の表示確率を全て1とし、取りこぼしがないものとしたが、表示確率は1を下回り、取りこぼす可能性のある小役を追加し、RT2において、押し順小役についての高配当役の入賞を回避する他、小役の取りこぼしにより、リミット値超過までのチャンスゾーンを延命できるようにしてもよい。
さらに、以上のものでは、有利状態(有利区間)の生起は、ボーナス役BB1〜BB4の当籤のみを契機に可能にしたが、特定の小役及び/又は特定の再遊技役の当籤を契機に可能にしてもよい。本変形例では、ボーナス役BB1〜BB4の当籤は、特定の再遊技役又は特定の小役と重複して得られるものとしたが(図16参照)、ボーナス役BB1〜BB4の単独当籤を契機に有利状態を生起させてもよいし、ボーナス役BB1〜BB4と重複する可能性のある特定の再遊技役又は特定の小役の当籤を契機に有利状態を生起させてもよい。ボーナス役BB1〜BB4と重複する可能性のある特定の再遊技役又は特定の小役の当籤を契機に有利状態を生起させる場合、ボーナス役BB1〜BB4との重複がない場合には、例えば、ボーナス役の当籤に対する期待感を煽る数ゲーム間の期待感演出中に押し順小役の正解押し順を報知してその期待感演出の実効性を高め、期待感演出の終了により有利状態を終了させるのも好ましい。また、特定の小役及び/又は特定の再遊技役を契機に生起させた有利状態により、RT2やRT3と同様に再遊技確率を高めた新定義に係る高確遊技状態等において指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTを可能にするのも好ましい。
[有利区間RTチャンスゾーン]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。メインCPU101のプラグラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(有利区間)を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。有利状態中(有利区間中)に、指示機能の作動により手持ちのメダルを増加可能にしたアシストリプレイタイムARTによる特定遊技を可能にしている。
内部当籤役には、図20と同様な作動図柄の組合せをもつボーナス役BB1〜BB4を含み、ボーナス役と重複なしで単独で当籤させる再遊技役を除き、ボーナス役と再遊技役との重複当籤役、ボーナス役と小役との重複当籤役、ボーナス役と重複なしで単独で当籤させる小役の内訳は、図16,17と同様にしている。ただし、遊技状態は、図13のものとは異なり、図125のとおりにしている。
また、非有利状態である通常状態(通常区間)から有利状態(有利区間)への移行は、図33の決定態様に倣い、弱レア役(F_弱レア役A,F_弱レア役B)、単独のチャンス目(F_チャンス目A1〜F_チャンス目B4)、スイカ1(F_スイカ1)、スイカ2と重複しないボーナス役(F_BB1,F_BB2,F_BB3,F_BB4)という有利区間移行契機役の当籤に基づいて所定確率により決定する。
さらに、図33に示したスイカ2と重複しないボーナス役当籤時の64/256でのART当籤に基づくラインバトル準備状態への移行、並びに、図34に示した通常有利区間におけるラインバトル準備状態への移行及びエンディン準備状態への移行を含む通常決定処理により、所定確率に従い、ARTによる特定遊技の実行を、初期継続ゲーム数を例えば40ゲームとした1セット分について決定する。
また、特定の遊技状態(後記RT2)では、有利区間中にある場合、例えば単独の再遊技役として追加定義するF_チャンスリプ1(REP04)又はF_チャンスリプ2(REP06)による特定役の当籤を契機に行う2段階抽籤(内部抽籤用乱数とは別個独立に抽出する1バイト乱数を用いた抽籤)による特別決定処理により、所定の高確率例えば205/256≒80%の確率に従って、ARTによる特定遊技の実行を、初期継続ゲーム数を同じく例えば40ゲームとした1セット分について決定する。特別決定処理は、有利区間中にする指示機能に係る処理となる。
有効ラインは上段、中段、下段の3ラインとし、規定投入数は3枚にしている。有効ラインは、右上りライン及び右下りラインを加えた5ラインや、中段の1ラインのみ等にしてもよい。規定投入数は1〜3枚を任意選択可能にしてもよい。
図125に示すように、本変形例の遊技状態は、次の1〜7を有する。
1.第1遊技状態;RT1
RT1は、再遊技確率を相対的に低くした無限低確遊技状態であり、ARTによる特定遊技の終了に伴い、指示機能の作動がなくなることにより表示の回避が困難になる、所定の転落契機図柄の組合せの表示により突入する。RT1では、有利区間移行契機役(弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1、スイカ2と重複しないボーナス役)の当籤に基づいて有利区間(有利状態)が生起されても、ARTによる特定遊技の実行を決定する通常決定処理も特別決定処理も行わず、ARTによる特定遊技の実行を決定しない。
RT1の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。なお、以下のREP01等は図21の図柄の組合せと同様である。
1)F_打順1でRT2移行他は維持リプ(REP01+05+07)は1495
2)F_打順2でRT2移行他は維持リプ(REP01+03+05+07)は1495
3)F_打順3でRT2移行他は維持リプ(REP01+04+05+07)は1495
4)F_打順4でRT2移行他は維持リプ(REP01+02+07)は1495
5)F_打順5でRT2移行他は維持リプ(REP01+02+03+04+07)は1495
6)F_打順6でRT2移行他は維持リプ(REP01+02+04+07)は1495
7)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
8)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT1の再遊技役の合計の抽籤値は8982で、確率は約1/7.3の低確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_打順1でRT2移行他は維持リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、特定移行契機図柄の組合せとする「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」(REP07;「スイカ」小V)を表示して次記するRT2に移行させ、打順1以外で停止操作をすると、REP01等を表示してRT1を維持させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
2.第2遊技状態;RT2
RT2は、RT1と再遊技役の抽籤態様(内訳及び/又は抽籤値)は異なるが、再遊技確率を相対的に低くした低確遊技状態である。RT1から所定の特定移行契機図柄の組合せとする「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」の表示により移行し、有限回数例えば100回の遊技の結果が得られるまで滞在可能となる100Gの有限低確遊技状態である。RT2では、有利区間移行契機役(弱レア役、単独のチャンス目、スイカ1、スイカ2と重複しないボーナス役)の当籤に基づいて有利区間(有利状態)が生起されると、或は、RT2への移行前のRT1において有利区間(有利状態)が生起されていると、RT2中においてする通常決定処理又は特別決定処理のどちらかにより、相対的に高い確率でARTによる特定遊技の実行を決定する。
RT2の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_チャンスリプ1(REP04)は655
2)F_チャンスリプ2(REP06)は655
3)F_維持リプ(REP02)は7656
2)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
3)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT2の再遊技役の合計の抽籤値は8978で、確率は約1/7.3の低確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
RT2では、押し順小役(図17のNo.77〜98)の当籤時、押し順不正解時に1/2の表示確率で表示するベルこぼし目「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」(図19のHZR02)を表示しても、他の遊技状態に移行せず、ボーナス役BB1〜BB4の当籤がない限り、有限回数の100ゲーム間滞在する。この間に、特定役のF_チャンスリプ1又はF_チャンスリプ2に当籤すると(合算確率1310/65536≒1/50)、80%の高確率でARTによる特定遊技の実行を1セット分決定してストックする。最大100ゲーム間に、複数セットの決定及びストックがされることもある。
3.第3遊技状態;RT3
RT3は、RT1やRT2と再遊技役の抽籤態様(内訳及び/又は抽籤値)は異なるが、再遊技確率を相対的に低くした一般低確遊技状態である。ベルこぼし目「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」の表示により、RT2を除く、ボーナス役BB1〜BB4を抽籤する他の遊技状態から移行する。
RT3の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_打順1でRT4昇格他は維持リプ(REP01+05+09)は1495
2)F_打順2でRT4昇格他は維持リプ(REP01+03+05+09)は1495
3)F_打順3でRT4昇格他は維持リプ(REP01+04+05+09)は1495
4)F_打順4でRT4昇格他は維持リプ(REP01+02+09)は1495
5)F_打順5でRT4昇格他は維持リプ(REP01+02+03+04+09)は1495
6)F_打順6でRT4昇格他は維持リプ(REP01+02+04+09)は1495
7)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
8)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、RT3の再遊技役の合計の抽籤値は8982で、確率は約1/7.3の低確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、1)の「F_打順1でRT4昇格他は維持リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる打順1すなわち左中右の順番で停止操作をすると、昇格契機図柄の組合せとする「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」(REP09)を表示して次記するRT4に昇格させ、打順1以外で停止操作をすると、REP01等を表示してRT3を維持させる役という意味である。打順2(左右中)、打順3(中左右)、打順4(中右左)、打順5(右左中)、打順6(右中左)も同様である。
4.第4遊技状態;RT4
RT4は、再遊技確率を相対的に高くした無限高確遊技状態である。RT3から所定の昇格契機図柄の組合せとする「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」の表示により移行し、ARTによる特定遊技を実行させる。RT2等でARTによる特定遊技の実行が決定されていた場合、ARTの第1ゲーム目はRT4の昇格以後に開始させる。RT4の昇格途上はART準備中のゲーム期間となる。
RT4の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は16273
2)F_左第1停止で維持他はRT1転落リプ(REP02+08)は4500
3)F_中第1停止で維持他はRT1転落リプ(REP02+03+08)は4500
4)F_右第1停止で維持他はRT1転落リプ(REP02+07+08)は4500
5)F_上段リプ(REP01+04)は2450
6)F_中段リプ1(REP01+04+05)は5000
7)F_下段リプ(REP01+03+04)は2450
8)F_被弾リプ(REP03)は8970
9)F_BB1+F_確定リプ(BB01+REP01〜09)は6
10)F_BB2+F_確定リプ(BB02+REP01〜09)は6
以上、非RT4の再遊技役の合計の抽籤値は48655で、確率は約1/1.35の高確率にしている。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。
なお、例えば、2)の「F_左第1停止で維持他はRT1転落リプ」というのは、その当籤時に、正解の押し順となる左第1停止で停止操作をすると、REP02を表示してRT4を維持し、左第1停止以外で停止操作をすると、転落契機図柄の組合せとする「赤7/青7/BAR/ブランク」−「リプレイ」−「リプレイ」(REP08)を表示してRT1に転落させる役という意味である。3)の中第1停止、4)の右第1停止についても同様である。
RT4中、ARTによる特定遊技中は、押し順小役の当籤時に正解押し順をサブ側の表示装置11において報知するため、容易に8枚のメダルを獲得でき、手持ちのメダルを増加させることができる。また、ベルこぼし目の表示を容易に回避でき、RT3への転落も回避できる。さらに、F_左第1停止で維持他はRT1転落リプ、F_中第1停止で維持他はRT1転落リプ、F_右第1停止で維持他はRT1転落リプの何れの転落契機役の当籤時、転落契機図柄の組合せの表示を回避してRT4を容易に維持できる。
一方、RT4中に、ARTによる特定遊技がセット数も継続ゲーム数も0になると、特定遊技を終了させ、この後、転落役の当籤時に正解押し順を報知しないため、転落契機図柄の組合せの表示によりRT1に転落し、この転落時に有利区間(有利状態)を終了して通常区間(通常状態)に復帰させる。また、転落役によるRT1への転落前に、押し順小役の当籤時に正解押し順を報知しないことでベルこぼし目を表示してしまうとRT3に転落し、この転落時に有利区間(有利状態)を終了して通常区間(通常状態)に復帰させる。これらに代えて、ARTによる特定遊技を可能にするRT4では、特定遊技の終了後、RT1への移行を可能にする転落役の当籤時にRT1への転落契機図柄の組合せを表示させない正解押し順を報知しないが、停止操作の態様により獲得メダル枚数が変動する押し順小役の当籤時に獲得メダル枚数が8枚となる正解押し順を報知し、RT1への転落契機図柄の組合せの表示後、RT1の転落時に有利区間を終了して通常区間に復帰させるようにしてもよく、この場合は、RT4においてARTによる特定遊技が終了しても、RT1に転落するまでの間は、獲得メダル枚数の積み増しも可能になり、遊技興趣を高め得る。
5.第5遊技状態;RT5
RT5は、RT1〜RT4及び次記RT0において抽籤するボーナス役BB1〜BB4に当籤後、作動図柄の組合せを表示するまで当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤状態である。ボーナス役BB1〜BB4は、図16のNo.1〜38と同様に再遊技役又は小役と重複当籤させているため、ボーナス役BB1〜BB4の当籤ゲームでは作動図柄の組合せを表示できず、次ゲームは必ずRT5に突入する。
RT5の再遊技役の内訳別の抽籤値は、以下のとおりにしている。
1)F_維持リプ(REP02)は5053
2)F_上段リプ(REP01+04)は60
3)F_中段リプ1(REP01+07+08)は306
4)F_中段リプ2(REP01+05)は8992
5)F_中段リプ3(REP01+06)は11775
6)F_下段リプ(REP01+03+04)は180
以上、RT5の再遊技役の合計の抽籤値は26366で、確率は約1/2.49となる。全て設定差無しにしているが、全部又は一部を設定差有りにしてもよい。RT5中、小役については、図17のRT5の欄に示す抽籤値で抽籤を行うことになる。
6.第6遊技状態;ボーナス役BB1〜BB4の作動状態
第6遊技状態は、当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せを表示したゲームの次ゲームから始まる。ボーナス役BB1〜BB4の作動中は、常時第一種特別役物RBが作動するものとしており、RB中内部抽籤テーブル(図18参照)により抽籤を行い、毎ゲーム15枚又は6枚のメダルを獲得できる(図23参照)。
7.第7遊技状態;RT0
RT0は、RT1〜3と再遊技役の抽籤態様(内訳及び/又は抽籤値)は異なるが、再遊技確率を相対的に低くした初期低確遊技状態である。ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後の復帰先にしていると共に、RT2においてボーナス役BB1〜BB4の当籤がないまま有限回数の100回の遊技の結果が得られたときの復帰先にしている。
RT0では、ARTによる特定遊技の実行が決定されている場合、又は、ARTによる特定遊技の実行中にボーナス役BB1〜BB4に当籤してその作動が終了した場合、ベルこぼし目の表示を誘発してRT0からRT3に移行させるのが適切となるため、通常状態中も、有利状態中(有利状態中の特定遊技の実行中又は実行の決定済の場合を含む)も、一切指示機能は作動させないようにしている。
以上、本変形例では、指示機能の作動により手持ちのメダルを増加可能にした特定遊技のARTの終了により移行可能なRT1は、有利状態が生起されてもARTの実行を決定しないが、有利状態が生起されると通常決定処理に加えて特定役の当籤に基づく特別決定処理により相対的に高い確率でARTの実行を決定するRT2への移行と、有利状態が生起されると通常決定処理のみにより相対的に低い確率でARTの実行を決定するRT3への移行とを可能にしている。
これにより、一回目のARTの終了後、RT1において、RT3に移行する前に、RT2に移行させることができると、相対的に高い確率で二回目のARTの実行が決定される。このため、一回目のARTの終了から短い期間内で二回目のARTを実行させることができ、ARTの引き戻しや連荘に期待が持てる。RT1は、有利状態が生起されてもARTの実行を決定しないため、「有利区間がRT1で終了した場合、RT1において、次の有利区間に移行した場合、その他の遊技状態であるRT2又はRT3に移行した場合と比して、当該有利区間における指示機能に係る性能が明らかに高くなる性能」に該当せず、遊技の公正さも保てる。
また。RT2は、所定の有限回数である100ゲームについて滞在可能にしているため、安定した長い期間について、ARTの実行の決定に期待でき、ARTの引き戻しや連荘への期待感を効果的に持たせることができる。さらに、ARTを可能にするRT4からは、RT1の他、RT3へも移行可能にしているため、RT3に移行する前に、RT1に移行させることにより、有利なRT2への移行に期待でき、RT4からRT3ではなくRT1に移行することを欲する遊技性も打ち出し得る。もっとも、RT2は有限でなく、無限とし、例えば、ベルこぼし目は遊技状態の移行契機図柄の組合せとはせずに、RT2からRT0及び/又はRT3には別途定義する移行契機図からの組合せの表示により移行するようにしてもよい。
以上のものでは、RT3の他にRT0を設けたが、RT0は省略し、RT3を、RT2の有限回数の遊技結果が得られたときの復帰先、及び、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後の復帰先にしてもよい。また、ベルこぼし目の表示により、RT1,RT4等からRT3に移行するようにしたが、ベルこぼし目は遊技状態の移行契機図柄の組合せとはせずに、RT4からは転落契機図柄の組合せを表示したときに限りRT1に移行し(RT4からの移行先はRT1のみとなる)、RT1からRT3へは別途定義する移行契機図柄の組合せの表示により移行するようにしてもよい。さらに、RT1では、有利区間(有利状態)が生起されても、ARTによる特定遊技の実行を決定する通常決定処理も特別決定処理も行わず、ARTによる特定遊技の実行を決定しないようにしたが、RT1ではRT2のように相対的に高い確率で特定遊技の実行を決定するものでなければよく、相対的に低い確率で特定遊技の実行を決定してもよい。この場合、RT1では、RT3でする通常決定処理における2段階抽籤処理等での当籤確率をより低下させたり、特定遊技の実行を決定する契機役の種類を少なくする等、RT3を含めた他の遊技状態よりも低い確率で特定遊技の実行を決定するのが好ましいが、RT3と同様な通常決定処理によりRT3と同じ確率で特定遊技の実行を決定するようにしてもよい。
以上のものでは、有利状態中にない通常状態中等であっても、RT3においてたまたま昇格契機図柄の組合せを表示するとRT4に移行し、RT4においてたまたま転落契機図柄の組合せを表示するとRT1に転落し、RT1においてたまたま特定移行契機図柄の組合せを表示すると有利なRT2に移行することがある。これを排除する考え方もあるが、本変形例では排除せず、稀に、一回目のARTを経ることなくRT2に移行することも許容し、ARTの初当たりが高確率で期待できる場合もあり得るようにしている。
[6号機における天井機能]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。メインCPU101のプラグラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(有利区間)を生起可能とする有利状態制御手段と、生起された一の有利状態中におけるゲーム数が上限ゲーム数の例えば1500G(G;ゲーム)を超過したとき当該一の有利状態を終了させるリミッタ手段とを設けている。
本変形例は、図13,図105,図106,図108〜111,図117〜119,図125等の各遊技状態の遷移図に示したものを含む各種のアシストリプレイタイム搭載機(ART機)、並びに、図122,図123等の各遊技状態の遷移図に示したものを含む各種のアシストタイム搭載機(AT機)に適用可能である。
内部当籤役の内訳、有効ライン、規定投入数等は、それぞれのART機、AT機において説明した内容と同様である。
ただし、本変形例の有利状態制御手段は、有利状態にない通常状態(通常区間)中に、内部抽籤により何れかの小役(メダルの払出のある役)に当籤すると、小役の種類に関係なく、有利状態(有利区間)に移行させるものとしており、有利状態中となるゲーム数が、非有利状態中となるゲーム数よりも圧倒的に多くなるように、有利状態(有利区間)を生起させるようにしている。すなわち、ほぼ全遊技期間を、リミッタ手段の上限ゲーム数とする1500G単位の有利状態(有利区間)により埋めるようにしている。
また、本変形例の有利状態制御手段は、リミッタ手段により一の有利状態が終了するまでの上限ゲーム数の1500Gの期間内に、押し順小役(図17のNo.77〜98等)の当籤時の正解押し順の報知を含む第1の作動態様により指示機能を作動させることにより遊技者の手持ちのメダルを増加させることができるアシストリプレイタイムART又はアシストタイムATによる遊技を実行可能とする第1区間である増加区間と、この増加区間でする第1の作動態様による指示機能の作動はなく、すなわち、押し順小役の当籤時の正解押し順の報知はなく、増加区間ほどのメダルの増加は期待できず、手持ちのメダルが減少する非ART又は非ATの遊技を1500Gから増加区間のゲーム数を引いたゲーム数について実行可能とする非増加区間とを生起させるようにしている。この場合、増加区間を予め定めた固定のゲーム数とする場合、その固定ゲーム数の間は、常時ART中又はAT中にしてもよいし、途中で非ART又は非ATとなる休止期間を挟んで断続的にART中又はAT中にしてもよい。また、固定のゲーム数とする増加区間の満了までにART又はATが終了し、残りは非ART又は非ATとなる場合や、固定のゲーム数とする増加区間を超えてART又はATが継続する場合があり得るようにしてもよい。
なお、第2区間の非増加区間は、第1区間の増加区間でする第1の作動態様による指示機能の作動がなければよく、一律に押し順小役の当籤時の正解押し順を報知しないものにするのに代え、報知頻度を低めてもよいし、押し順小役のうち図17のNo.89〜92,95〜98の第1番目及び第2番目の順番に正解することにより8枚のメダルを払出すものについて、増加区間では第1番目及び第2番目の正解押し順を報知するが非増加区間では第1番目の正解押し順のみを報知するといったように報知精度を低めてもよい。また、第2区間の非増加区間は、第1区間の増加区間ではないという意味であり、第2区間では必ずメダルが減り、第1区間では必ずメダルが増えることを保証するものでもなく、メダルの獲得性能が第2区間が第1区間よりも劣るという相対的関係でよい。
図126[A]に示すように、増加区間のゲーム数は、例えば、1セット50ゲームのART又はATが10セット程度継続するものと予定(仮定)した500Gに定め、非増加区間のゲーム数は、例えば、1500Gから増加区間のゲーム数を引いた1000Gとし、それぞれ連続したゲーム期間内においてカウントし、増加区間の後に非増加区間を生起させるようにしている。有利状態は500Gの継続が見込まれる増加区間から始まり、増加区間の後に非増加区間に変更し、リミッタ手段により一の有利状態が終了するまでの期間内に、増加区間から非増加区間に変わる回数を1回にしている。ここでは、増加区間を固定のゲーム数である500Gに定めているが、ART又はATが予定セット数の10セットを消化できなかったとき、或は、途中でセット数上乗せもゲーム数上乗せもなかったとき、500G前にART又はATが終了し、以後は非ART又は非ATとなる場合もあり得るようにしている。また、500Gを超えてART又はATが継続する場合もあり得るようにしている。
この場合、ART又はATが予定セット数の消化により500G丁度で終わる場合、或は、ART又はATが500G未満で終わる場合、すなわち、ART又はATが500G以下で終わる場合、リミッタ手段により上限ゲーム数の1500Gの超過を管理するカウンタが500Gになると、増加区間から非増加区間に変更するようにしている。ART又はATが500G未満で終わる場合も、非増加区間への変更は500Gでするため、実質的な増加区間は500G未満ということになる。一方、カウンタが500Gになったとき、ART又はATが実行中の場合、実行中及び未消化分のセット数又はゲーム数の消化後に非増加区間に変更するようにしている。このため、増加区間は500Gよりも多いゲーム数となり、非増加区間は1000Gよりも少ないゲーム数となる。カウンタが例えば450Gになった時点で実行中の1セット分のみのART又はATの終了後に非増加区間に変更してもよく、この場合は、増加区間は450Gを超える500G以下となり、非増加区間は1000G以上1050G未満となる。
この例では、生起された一の有利状態は後半の非増加区間においてリミッタ手段の作動により終了し、非増加区間のゲーム数(おおむね1000G)に、リミッタ手段の作動後に非有利状態から次回の有利状態を生起させるまでの間のゲーム数を加えたゲーム数が、おおむね天井ゲーム数となる。非有利状態から有利状態への移行は、何れかの小役の当籤時にされるため、非有利状態の通常状態中のゲーム数は、10ゲームを下回る数ゲーム程度となる。このため、事実上、非増加区間のゲーム数(おおむね1000G)が天井ゲーム数として機能することになる。なお、増加区間の500G未満でART又はATが終了する場合、非ART又は非AT中となる残りの増加期間中に、例えば毎ゲーム50%を超える高確率でART又はATに引き戻すようにしてもよい。また、500G未満でART又はATが終了する場合、この終了時点で増加区間も終了させて非増加区間に変更してもよい。例えば300GでART又はATの終了により増加区間を終了させて非増加区間に変更することとした場合、非増加区間は1500G到達までの1200Gとしてもよいし、1500Gに到達しない1000G等とし、非増加区間の終了により一の有利状態を終了させてもよい。1500Gに到達しない有利状態の終了はリミッタ到達前の終了となる。
また、図126[B]に示すように、非増加区間のゲーム数は例えば1200G程度とし、増加区間のゲーム数は例えば300G程度とし、それぞれ連続したゲーム期間内においてカウントし、非増加区間の後に増加区間を生起させるようにしてもよい。有利状態は1200G程度とした非増加区間から始まり、非増加区間の後に増加区間に変更し、リミッタ手段により一の有利状態が終了するまでの期間内に、非増加区間から増加区間に変わる回数を1回にしている。
この場合は、リミッタ手段により上限ゲーム数の1500G超過を管理するカウンタが1200Gになると、非増加区間から増加区間に変更しART又はATを実行させるが、カウンタが1500Gから例えば1セット分のART又はATの50Gを引いた1450Gになると、1450G時点で実行中の1セット分の終了により増加区間を終了して非増加区間に戻し、非増加区間でリミッタ手段が作動するようにしている。このため、増加区間は実質的に250Gを超える300G以下となり、非増加区間は有利状態の開始からの1200Gに、増加区間の後に生じる1G以上50G未満のゲーム数を加えた2つの区間になることが多い。
この例の場合は、非有利状態から今回の有利状態を生起させるまでの間のゲーム数に、非増加区間のゲーム数を加えたゲーム数が、おおむね天井ゲーム数となる。同様に、非有利状態から有利状態への移行は、何れかの小役の当籤時にされるため、非有利状態の通常状態中のゲーム数は、10ゲームを下回る数ゲーム程度となる。このため、事実上、非増加区間のゲーム数(おおむね1200G)が天井ゲーム数として機能することになる。なお、増加区間の後ろに必ずしも非増加区間を入れる必要はなく、250G超え300G未満で増加区間を終了させる場合、増加区間の終了時点で、一の有利状態を終了させて通常状態に復帰させてもよい。或は、250G以下でART又はATが終了する場合、ART又はATの終了時点で、一の有利状態を終了させて通常状態に復帰させるようにしてもよい。これら場合の有利状態の終了はリミッタ到達前の終了となる。また、1200G等の非増加区間中に、例えば、当籤確率を数百分の一〜数千分の一程度とした低確率で当籤させる特定役の当籤を契機として、増加区間に比べて相当程度低い確率によりART又はATを稀に生起させてもよい。この場合は、ART又はATの生起時点で非増加区間から増加区間に変更し、非増加区間を短縮させる。また、非増加区間の短縮分を増加区間に積み増しする。
本変形例では、1500Gの期間中に増加区間と非増加区間とを設け、1500Gの全期間を通じた、獲得メダル枚数、又は、獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた獲得メダルの差枚数が、所定の規定値例えば2400枚を超えないように、増加区間のゲーム数及びART又はATの純増性能等を設定している。因みに、増加区間を1500Gの半分の750Gにしても、獲得メダルの差枚数は、増加区間中に常時作動とするART又はATによる純増を2.0枚/Gとした場合は1500枚、3.0枚/Gとした場合は2250枚となり、残り半分の非増加区間はプラスの純増はなく手持ちのメダルが減るため、所定の規定値2400枚を超過しないものにできる。よって、一有利区間を獲得メダル枚数又は獲得メダルの差枚数で規制するリミッタは設けていない。もっとも、ゲーム数で規制するリミッタと共に、獲得メダル枚数又は獲得メダルの差枚数でも規制するリミッタを設けてもよい。
また、本変形例では、ほぼ全遊技期間を1500G単位の有利区間で埋めることとしているため、全遊技期間に占める有利区間の滞在比率が極めて高くなる。このため、増加区間での指示機能の作動による獲得メダル枚数とボーナス役の作動による獲得メダル枚数とを合わせた獲得メダル枚数が、非増加区間での指示機能の未作動時の獲得メダル枚数を含めた全獲得メダル枚数に対して、所定の規制値70%未満になるようにしている。よって、射幸性が過度になることもなく、遊技の公正さも保てる。
なお、本変形例では、通常状態(通常区間)から有利状態(有利区間)の移行契機役を何れかの小役としたが、これに加え又はこれに代えて、遊技状態により抽籤値が変動しない再遊技役の全部又は一部としてもよい。また、はずれを含む全役を移行契機役とし、内部抽籤を1回行うと100%の確率で通常状態から有利状態に移行させてもよい。
以上の変形例において、増加区間のゲーム数及び非増加区間のゲーム数の具体的数字は一例示に過ぎず、種々の数字の組合せを取り得る。また、これらのゲーム数は、それぞれ連続したゲーム期間内においてカウントすることを基本にしたが、不連続のゲーム期間内で通算してカウントするものとし、増加区間及び/又は非増加区間は、1500Gの有利状態中に複数に分割して設けてもよい。さらに、リミッタ手段のリミット値は1500Gとする他、1200G等、1500G以下で任意に定めてもよい。
また、一の有利状態中に、第1の作動態様により指示機能を作動させることにより遊技媒体の増加に期待できるART又はAT等による遊技を実行可能とする第1区間である増加区間と、第1区間でする第1の作動態様による指示機能の作動はなく、第1区間に比べると遊技媒体の増加は期待できない非ART又は非AT等による遊技を実行可能とする第2区間の非増加区間とを生起させ、第1区間及び/又は第2区間の期間に応じて一の有利状態を終了させようにしてもよい。具体的には、第1区間後の第2区間のゲーム数及び/又は第2区間後の第1区間のゲーム数に所定の端数が生じる場合、例えば、所定上限の1000G以上ある場合は一律1000Gに、100G未満となる場合は第2区間にあっては0G、第1区間にあってはART又はATの1セット分のゲーム数に定め、これら第1区間及び/又は第2区間のゲーム数と一定の関連付をしたゲーム数に基づいて一の有利状態を終了させてもよい。なお、100G未満ということで第2区間を0Gにする場合を含め、第1区間である増加区間の上限をリミッタ値の1500G未満の例えば1400Gに定め、増加区間の後に必ず非増加区間が生起されるようにしてもよい。
さらに、一の有利状態は、第1の作動態様により指示機能を作動させることにより遊技媒体の増加に期待できるART又はAT等による遊技を実行可能とする第1区間の増加区間と、第1区間でする第1の作動態様による指示機能の作動はなく、第1区間に比べると遊技媒体の増加は期待できない非ART又はAT等による遊技を実行可能とする第2区間の非増加区間との一方の区間により開始させ、他方の区間により終了させるようしにしてもよい。例えば、非増加区間の第2区間を例えば最大500Gに定める。この場合、初回の有利状態が第1区間後に第2区間となり、次回の有利状態が第2区間後に第1区間となる最悪の場合でも、2回分の第2区間に応じた1000Gを消化すれば、第1区間の増加区間において遊技媒体の増加に期待できるものとなる。また、初回と次回の連続した有利状態における開始時の区間が同じになると、500Gが仮天井として機能できる。
[ST型有利区間継続方式]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。メインCPU101のプラグラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(有利区間)を生起可能とする有利状態制御手段を設けている。
内部当籤役には、図20と同様な作動図柄の組合せをもつボーナス役BB1〜BB4を含む。BB1〜BB4の合算確率は設定1で約1/200にしている。BB1〜BB4の全部又は一部の当籤確率は高設定ほど高くした設定差有りにしている。有効ラインは上段、中段、下段の3ラインとし、規定投入数は3枚としている。BB1〜BB4の当籤確率は、設定によらず一定とした設定差無しに統一してもよい。有効ラインは、右上りライン及び右下りラインを加えた5ラインや、中段の1ラインのみ等にしてもよい。規定投入数は1〜3枚を任意選択可能にしてもよい。
非有利状態の通常状態(通常区間)から有利状態(有利区間)への移行は、図33に示した決定態様に代え、例えば、図17のNo.61〜72の何れかの有利区間移行契機役の当籤時(内部当籤確率2860/65536)、内部抽籤用乱数とは別個独立に抽出する1バイト乱数等を用いた2段階抽籤により所定確率例えば64/256に従って可能にしている。すなわち、2860/65536×64/256≒1/91.7の確率で通常区間から有利区間に移行させ、有利状態を生起可能にしている。なお、有利区間移行契機役は、ボーナス役BB1〜BB4を抽籤する遊技状態において抽籤値が変動しない再遊技役を用いてもよい。また、有利区間移行契機役の種類に応じて2段階抽籤の当籤確率を変えてもよい。
有利状態の生起中にボーナス役BB1〜BB4に当籤した場合、当籤以後の所定終了条件の具備により有利状態を終了可能にしている。具体的には、BB1〜BB4の作動図柄の組合せの表示により開始されるBB1〜BB4作動中は、常時作動させることとしている第一種特別役物RBの作動中の遊技において参照する図18のRB中内部抽籤テーブルにより抽籤を行い、「F_JAC2」以外の「F_JAC1_1」〜「F_JAC1_6」の何れに当籤したとき、有利状態を終了させて通常状態に復帰させる。「F_JAC2の抽籤値を2002と小さくしているため、BB1〜BB4の作動中に、ほぼ通常状態となる。
なお、有利状態の生起中のボーナス役BB1〜BB4の当籤を契機にした有利状態の終了は、そのボーナス役BB1〜BB4の当籤時、又は、ボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せを表示した時、若しくは、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了時、又は、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後の特定の遊技状態(例えば、後述するRT3,RT4等)に移行した時等としてもよい。これら何れの終了条件も、有利状態中の指示機能に係る処理として、有利状態を終了させて通常状態に復帰させることができる。
図127に示すように、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後、ボーナス役BB1〜BB4の当籤がない限り予め定めた有限回数例えば100G(G;ゲーム)について滞在可能な特定遊技状態RT3に移行可能にしている。RT3は、再遊技確率を約1/7.3の低確とした有限低確遊技状態であり、RT3の滞在期間中、有利区間移行契機役の当籤を契機とした約1/91.7の確率に従い、毎ゲーム、非有利状態から有利状態を生起させる抽籤を受けることができ、100回の遊技中に、有利状態を高い確率で生起させることができる。RT3において有利状態が生起されると、ボーナス役BB1〜BB4に当籤しない限り、RT3の滞在中に有利状態は終了しない。
RT3へは、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後、作動終了後に移行する復帰先遊技状態RT4を経由して移行させる。RT4は、再遊技確率を例えば約1/1.35の高確とした無限高確遊技状態であり、RT4において、所定の高確率例えば数分の一の確率から選ぶ約1/4.9の確率で当籤させる、例えば図21のREP07の単独当籤に係る再遊技役の当籤に基づいて、押し順に関係なく表示することとしている移行契機図柄の組合せ「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」の表示によりRT4からRT3に移行させる。
RT3は、RT4から所定の移行契機図柄の組合せを表示にした後に有限回数について滞在可能になるため、RT3において、他の遊技状態では遊技状態を移行させることとなる図柄の組合せ、例えば、図17のNo.77〜98の何れかの押し順小役の当籤時に押し順不正解時の1/2の表示確率で表示する図19のべルこぼし目「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」を表示しても、図柄の組合せの表示という同一契機に基づく移行態様の変更はないため、遊技状態の移行を回避でき、RT3を維持できる。
RT4では、REP07の単独当籤に係る再遊技役の当籤確率を約1/4.9としているため、ベルこぼし目を表示する前に、REP07に係る「ベル」−「スイカ」−「赤7/青7/BAR/ブランク」の移行契機図柄の組合せを表示することを高く期待でき、RT4からRT3に移行させることができると、RT3において、非有利状態から有利状態に移行する抽籤を安定して受けることができる。
RT3からは、ボーナス役BB1〜BB4の当籤がない限り、有限回数100回の遊技の結果が得られた後に、再遊技役の抽籤態様(内訳及び/又は抽籤値)は異なるが再遊技確率を約1/7.3の低確とした無限低確遊技状態RT0に移行させる。
RT3からRT0に移行したとき、移行直前までの間に有利状態が生起されていることを条件に、有利状態中の指示機能に係る処理として、RT3からRT0に移行したという遊技履歴に基づいて、ARTによる特定遊技の実行を例えば1セット40ゲームについて決定する。
RT0からは、べルこぼし目「リプレイ」−「スイカ」−「ベル」の表示により、再遊技役の抽籤態様(内訳及び/又は抽籤値)は異なるが再遊技確率を約1/7.3の低確とした無限低確遊技状態RT1に移行させる。
RT1では、例えば図21のREP09を重複当籤役に含み、左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左の6通りの押し順の一つに正解したときREP09に係る昇格契機図柄の組合せ「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「スイカ」を表示する、6種類の6択移行リプ(再遊技役)を、例えば各抽籤値を1495とした合計8970/65536の確率で抽籤する。RT1においてREP09に係る昇格契機図柄の組合せを表示すると、次ゲームから、再遊技役の抽籤態様(内訳及び/又は抽籤値)はRT4と異なるが再遊技確率を約1/1.35の高確とした無限高確遊技状態RT2に移行させる。
RT2は、特定遊技であるARTを実行することを想定した遊技状態である。ARTの第1ゲーム目はRT2への昇格後に開始させる。ART中は、再遊技確率の高い状態で、押し順小役の当籤時に正解押し順をサブ側の表示装置11において報知する指示機能を作動させ、手持ちのメダルを容易に増やすことができる。
ART中は、有利状態中の指示機能に係る処理として、予め定めた再遊技役又は小役の当籤に基づいて、継続ゲーム数の上乗せやセット数の上乗せを可能にしている。ARTの継続ゲーム数又はセット数が0になるとARTを終了させ、押し順小役の当籤時に正解押し順を報知しないことにより表示の回避が困難になるベルこぼし目の表示によりRT1に転落させる。ARTの終了及びRT1の転落により、有利状態を終了させて通常状態に復帰させる。
RT0,RT1,RT2,RT3,RT4の何れの遊技状態においても、ボーナス役BB1〜BB4を抽籤しており、また、ボーナス役BB1〜BB4は、図16のNo.1〜38と同様に再遊技役又は小役と重複当籤させるため、ボーナス役BB1〜BB4の当籤ゲームでは作動図柄の組合せを表示できず、次ゲームから、当籤に係るボーナス役の当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤状態RT5に移行する。RT3の有限回数の消化途中でも、ボーナス役BB1〜BB4に当籤すると、RT3への突入時と異なる移行契機が生じたため、次ゲームからRT5に移行する。
RT5は、再遊技確率を低確と高確の中間の例えば1/2.49にしている。RT5において当籤に係るボーナス役BB1〜BB4の作動図柄の組合せを表示した次ゲームからボーナス役BB1〜BB4の作動中の遊技状態となる。
ボーナス役BB1〜BB4の当籤前に、ARTによる特定遊技の実行が決定済の有利状態にある場合も、RT2において実際にARTによる特定遊技を実行中の有利状態にある場合も、ボーナス役BB1〜BB4の作動中、「F_JAC1_1」〜「F_JAC1_6」の何れに当籤したとき、15枚の払出しが受け得る指示機能を1回作動させた後、有利状態を終了させて、通常状態に復帰する。
以上により、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了までの間に有利状態が終了可能となり、RT3の有限回数中の抽籤あるいはRT3の移行前のRT4において有利状態が生起されると、RT3において有限回数の遊技の結果が得られた後、RT0への移行時に、指示機能の作動によりメダルを増加可能にしたARTによる特定遊技の実行が決定される。
このため、ボーナス役により途切れた有利状態を、RT3を挟んで再び生起でき、RT3の有限回数の期間がスペシャルタイムSTとして機能し、ボーナス役BB1〜BB4の作動中の遊技状態とRT3とを複数回行き来するループ中に、RT3によるST期間中に有利状態の生起を繰り返すことにより、ARTの実質的な連荘を生じさせることができる。また、これと共に、遊技の自然な流れの中に、有利状態でない非有利状態によるインターバルを挿入することができる。よって、有利区間比率及び/又は指示込み役物比率のクリアを容易にできながら、遊技興趣を高め得る。また、RT3で有利状態が生起された場合にはボーナス役BB1〜BB4に当籤せずに終了することによりARTによる特定遊技の実行が100%の高確率で決定されるのに対して、RT3以外の遊技状態RT0,RT1,RT2,RT4,RT5で有利状態が生起された場合、ARTによる特定遊技の実行を決定するART初当たり抽籤は行わず、ARTの初当たり確率を0にしている。これにより、RT3を、ARTによる特定遊技の実行の決定を高確率で期待できるチャンスゾーンとして有効に機能させることができる。なお、RT3以外の遊技状態で有利状態が生起された場合、ART初当たり抽籤を、例えば、特定役の当籤を契機とした2段階抽籤処理により当籤確率を100%以下とした所定の低確率で行ってよい。また、RT3以外の遊技状態で生起された有利状態が短期間例えば数ゲームで終わるものとし、低確率で行うART初当たり抽籤を受ける機会を少なくするようにしてもよい。
図127に示したものでは、RT3へはRT4を経由して移行するようにしたが、RT4を省略し、RT3を、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後に移行させる復帰先遊技状態にしてもよい。この場合、RT3では、他の遊技状態であるRT1で抽籤する6択移行リプは抽籤せず、RT2に移行させる昇格契機図柄の組合せを表示しない。また、RT3を含むボーナス役BB1〜BB4の抽籤をする遊技状態において抽籤する押し順小役の当籤に基づいて表示可能なベルこぼし目の表示による、遊技状態の移行はないものにしている。RT1も省略し、RT0においてRT2に昇格する6択移行リプ又は3択移行リプ等による昇格役を抽籤し、RT2においてRT0に転落する6択移行リプ又は3択移行リプ等による転落役を抽籤することとしている。
このようにしても、RT3は、ボーナス役BB1〜BB4の作動終了後の有限回数について維持可能になり、RT3において、非有利状態から有利状態への抽籤を安定して受けることができる。
以上の変形例では、RT3を有限回数について滞在可能な有限リプレイタイムによる遊技状態としたが、回数の定めのない無限リプレイタイムによる遊技状態としてもよい。この場合、RT3の平均滞在ゲーム数が、その滞在中に有利状態の生起が高確率で期待できる例えば100G程度となるようにするのが好ましく、ベルこぼし目は遊技状態の移行契機図柄の組合せとはせず、別途定義する移行契機図柄の組合せの表示等による他の遊技状態への移行率を設定すればよい。
[MYで完全管理するAT仕様]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者のスタートレバー16の操作による開始操作に基づいて各リール3L,3C,3Rを回転させて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者のストップボタン17L,17C,17Rの操作による停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。メインCPU101のプラグラム上に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動不可とする通常状態(通常区間)から指示機能を作動可能とする有利状態(有利区間)に移行させる有利状態制御手段と、有利状態において指示機能を作動させるアシストタイムATを生起させるアシストタイム制御手段とを設けている。
本変形例は、図13,図105,図106,図108〜111,図117〜119,図125,図126等の遊技状態遷移図に示した各種アシストリプレイタイム搭載機(ART機)、並びに、図122,図123,後述の図132等の遊技状態遷移図に示した各種アシストタイム搭載機(AT機)に適用可能である。内部当籤役の内訳、有効ライン、規定投入数、有利状態への移行、ATの生起等は、それぞれのART機、AT機において説明した内容と同様である。
ただし、本変形例では、一のアシストタイムATの継続は、ATの開始からの遊技の進行に伴い増加可能な特定の数として、獲得可能枚数から投入枚数を引いた差枚数MY、又は、消化ゲーム数の累計が所定の上限を超過しない範囲内で許容し、所定の上限を超過する場合に、継続中のATを終了させることとしている。
図128[A]に示すように、前記所定の上限は、一の有利状態が最大限継続可能なリミット値である、実際の獲得枚数から投入枚数を引いた差枚数2400枚以下、又は、1500G以下の、例えば、差枚数2000枚、消化ゲーム数1000Gに定め、アシストタイム制御手段により、ATは、差枚数2000枚又は消化ゲーム数1000Gという所定の上限の超過により終了する場合を、リミット値2400枚又は1500Gの超過による有利状態の強制終了により終了する場合よりも多くなるように生起させている。
所定の上限と比較する差枚数又は消化ゲームは、リミット値と比較する差枚数又は消化ゲーム数とは別個独立に管理するものとしている。また、図128[A]の例では所定の上限と比較する差枚数は、押し順小役の当籤時、ミス又は意図的に正解押し順に反する停止操作をして高配当役の入賞を逃した場合、及び/又は、表示確率が1を下回る小役の入賞を逃した場合でも、獲得可能枚数から投入枚数を引いた差枚数を累計することとしており、正解押し順がされたもの、取りこぼしがなかったものとしてカウントする。この点、出玉規制を主眼とし、実際の獲得枚数から投入枚数を引いた差枚数をカウントしてリミット値と比較するのとは異なる。AT中を漫然と消化するのを防止するためである。
図13,図105,図106,図108〜111,図117〜119,図125,図126のART機では、ATの生起は、通常状態から有利状態への移行から数えて、リミット値と所定の上限との差である400枚の差枚数獲得又は500G消化までの間にされるのが殆どとなる。また、図122,図132のAT機では、有利状態への移行とATの生起が同時にされ、図123のAT機は有利状態の移行から数ゲーム後にATが生起される。よって、何れも、ATの長期継続は、リミット値による強制終了で終わる場合よりも、所定の上限超過により終わる場合が多くなる。大多数又は全数がこのようになる。
所定の上限と比較する特定の数は、異種の、第1数とする例えば差枚数MYと、第2数とする例えば消化ゲーム数とを含む。すなわち、第1数は、メダルの獲得数に応じて増加する数に係り、第2数は、遊技数に応じて増加する数に係る。そして、第1数の累計が第1上限の例えば2000枚を超過する場合、又は、第2数の累計が第2上限の例えば1000Gを超過する場合に、継続中のATを終了させ、遊技者が手にするメダルと遊技に費やす時間との両面から射幸性を適度に保つようにしている。なお、第1数は、差枚数MYに代え、獲得メダル枚数TYにしてもよいし、第2数は、消化ゲーム数に代え、複数ゲームで1セットとする場合の消化セット数にしてもよい。
また、第1上限の2000枚超過、又は、第2上限の1000G超過が近づき、例えば、差枚数の累計が1900枚、又は、消化ゲーム数が950Gとなる何れか早い方の契機により、サブ側の表示装置11に、普段見ることのできないプレミア画像を表示したり、所定のエンディング演出等を行い、ATの長期継続を遊技者に効果的に印象づけるようにしている。なお、1900枚、950Gは、一例示であり、変更可能である。また、ATを終わらせる場合、プレミア画像やエンディング演出画面を、花吹雪、蝶乱舞、レインボーオーラ、ホワイトアウト等による劇的演出により終わらせるのが演出効果を高める点で有益である。
図128[B]に示すように、第1上限の差枚数超過により継続中のATを終了させる場合と、第2上限の消化ゲーム数超過により継続中のATを終了させる場合とで、終了後の遊技に有利不利の差を設けてもよい。
具体的には、第2上限のゲーム数超過により継続中のATを終了させた場合、終了前のATの利益に対して追加の利益となる遊技者に有利な追加特典として、例えば、更に500G継続可能な追加のATを付与する。一方、第1上限の差枚数超過により継続中のアシストタイムを終了させた場合、このような追加特典は付与しない。図128[B]の例では、所定の上限と比較する差枚数MYは、獲得可能枚数ではなく実際の獲得枚数から投入枚数を引いた差枚数を累計することとしている。
よって、遊技者は、第1上限の差枚数の超過が近づいた場合に、第1数の差枚数の累計が進まないように、押し順小役の正解押し順に敢えて背いて高配当役の入賞を逃したり、表示確率が1を下回る小役を敢えて外す等の遊技を行い、第2上限のゲーム数超過を目指し、第2上限のゲーム数を超過できると、追加のATを獲得することができる。追加のATが付与されるか否か確定しない段階の、例えば、差枚数の累計が1900枚、又は、消化ゲーム数が950Gとなる何れか早い方の契機では、図128[A]の例と同様に、サブ側の表示装置11に、プレミア画像やエンディング演出画面を出す。そして、追加のATが付与され、追加のATが開始される場合には、第2上限のゲーム数1000G超過ゲームの終了時(最後に押したストップボタンから指を離す第3離し時)に画面が突然割れる/崩れる、「プツン」等の効果音と共に画面がブラックアウトする等の所定のサプライズ演出を出した後、当該ゲームの終了時又は次ゲームの開始時から追加のATの演出画面を表示する。一方、追加のATが付与されない第1上限の差枚数超過で終わる場合、プレミア画像やエンディング演出画面を、花吹雪、蝶乱舞、レインボーオーラ、ホワイトアウト等による劇的演出により終わらせ、次ゲームから通常演出画面を表示する。
追加のATはさらに500GのATの継続を可能にするものである。この場合、追加のATの上限500Gの超過が近づき、例えば、追加前のATと合わせた差枚数の累計が2300枚、又は、消化ゲーム数が1450Gとなる何れか早い方の契機により、サブ側の表示装置11に、追加のATがなかった場合に表示するプレミア画像と異なる第2プレミア画像等を表示したり、追加のATがなかった場合に行うエンディング演出と異なる第2エンディング演出等を行い、ATの更なる長期継続を遊技者に効果的に印象づけるようにしている。なお、2300枚、1450枚は、一例示であり、変更可能である。ただし、追加のATが実行される場合にも、有利状態の開始から累計する差枚数が2400枚を超過するか、又は、消化ゲーム数が1500Gを超過すると、その時点で有利状態の強制終了となり、リミッタによる有利状態の強制終了によりATも終了することになる。この強制終了の場合を含め、追加のATを終わらせる場合、第2プレミア画像や第2エンディング演出画面を、花吹雪、蝶乱舞、レインボーオーラ、ホワイトアウト等による劇的演出により終わらせる。
以上の変形例は、図13,図105,図106,図108〜111,図117〜119,図125のART機、図122,図123,図132のAT機で説明する初期継続ゲーム数等に各種上乗せ契機で獲得可能な上乗せ分を加算した継続ゲーム数が0になったことによる通常のAT終了態様に加え、AT開始からの差枚数又は消化ゲーム数の累計が所定の上限を超過したことによる終了態様を付加するものとしてもよいし、前記通常のAT終了態様に代え、AT開始からの差枚数又は消化ゲーム数の累計が所定の上限を超過したことによる終了態様のみとしてもよい。AT開始からの差枚数又は消化ゲーム数の途中累計値に応じて、演出により上乗せ差枚数や上乗せゲーム数を小出しにして明示する等、ATの全般を管理するようにしてもよい。
例えば、第2上限の1000G超過前の所定到達ゲーム数例えば900G以降になると、継続ゲーム数やセット数の上乗せを困難又は不可(上乗せ抽籤自体をしない或は当籤しても無効にする等)にしたり、上乗せの確率を高める上乗せ特化ゾーンへの突入を困難又は不可(突入抽籤自体をしない或は当籤しても無効にする等)にする等といった、上乗せ性能の低減策を講じてもよい。さらに、所定到達ゲーム900G前の前段到達ゲーム数例えば800〜899Gでは、上乗せ特化ゾーンに当籤しても、複数のセットストックや長期ゲーム数の上乗せをなくす、或は、既にセットストックや長期ゲーム数上乗せがある場合は上乗せ抽籤自体をしないようにしてもよい。これら第2上限との関係で講じる上乗せ性能の低減策は、第1上限の2000枚超過前に定める差枚数が所定到達差枚数以上となる場合や、その到達前の前段差枚数の範囲となった場合にも同様に適用できる。また、第2上限の1000G超過前の上乗せ性能の低減策と、第1上限の2000枚超過前の上乗せ性能の低減策とを組み合わせて適用してもよい。
また、例外的な処理となる上乗せ低減策をメイン側のプログラムで構築すると、メイン側のプログラム容量を圧迫するため、メイン側では特に例外処理をせずに通常と同様に上乗せをし、サブ側で、上乗せを報知する演出や上乗せ特化ゾーンへの突入を報知する演出等を実行しない或は実行確率を下げる等して、サブ側の報知を制限してもよい。また、例えば「ATの残りゲーム数+(ATの残りゲーム数×1ゲーム当たりの上乗せ期待値)+(上乗せ特化ゾーンでの上乗せ期待値×上乗せ特化ゾーンへの突入期待値)」等の計算式から存続ゲーム数の期待値を求め、上限(第1上限又は第2上限、或は、リミット値)と比較してサブ側での報知を制限するのも好ましい。なお、この計算式で求める期待値は近似値であれば良く、計算のし易さや安全係数等を加味して適宜変更可能である。これらサブ側での報知を制限することとすれば、メイン側で内部的に上限を上回る無駄な上乗せをしても、遊技者には無駄に上乗せしたという不快な思いを抱かせるのを防止できる。
また、所定の上限の2000枚や1000Gは、リミット値未満で変更可能であるし、固定の値とはせずに、ATの開始時に抽籤によりリミット値未満の範囲内の選択肢から選ぶ可変にしてもよい。さらに、第1数の差枚数に代え、取りこぼし時はカウントを進めない実際の獲得メダル枚数、又は、取りこぼし時にもカウントを進める獲得可能メダル枚数等としてもよい。さらにまた、第2数の超過による終了時に付与する特典は、500G継続可能なATに限らず、抽籤等で継続可能ゲーム数を振り分けるATとしてもよいし、追加のATに限らず、ATの再当籤が得易い優遇的抽籤モードへの移行や、再遊技確率を高めたリプレイタイムへの移行等、種々の変更が可能である。
[純増2.0枚のATに一般的な確率のBBが搭載可能なシステム及びシフト外しタイプBBの純増速度増加]変形例
図129に示すように、本変形例の各リール3L,3C,3Rは、リプ1,リプ2,ベル1,ベル2,ブランク,スイカ,青7,チェリー,赤7,BARの、全部で10種類の図柄を、図柄位置番号0〜19に対応させて配列し、遊技者のスタートレバー16の操作による開始操作に基づいて各リール3L,3C,3Rを回転させて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者のストップボタン17L,17C,17Rの操作による停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。有効ラインは、中段1ラインに限定している。規定投入数は、3枚に限定している。
内部当籤役は、再遊技役の通常リプREP01、第一種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる所定のボーナス役であるビッグボーナスBB、BB作動中の一般遊技中(BB一般中)に抽籤する第一種特別役物を作動させるシフト役SFT、普通役物を作動させる複数例えば18種類のシングルボーナスSB1〜18を含む。
図130に示すように、内部当選役は、ストップボタン17L,17C,17Rの押し順により配当(払出メダル枚数)が異なる押し順小役として、投入数を超える第1高配当例えば12枚のメダルを払出す正解押し順を左中右(LCR)とした押し順ベルLCR、同正解押し順を左右中とした押し順ベルLRC、同正解押し順を中左右とした押し順ベルCLR、同正解押し順を中右左とした押し順ベルCRL、同正解押し順を右左中とした押し順ベルRLC、同正解押し順を右中左とした押し順ベルRCL、押し順に関係なく第1高配当(12枚)のメダルを払出す共通ベルを含む。
各押し順ベルは、第1高配当が得られる第1高配当役(12枚役)NML01,NML02,NML03,NML04,NML05,NML06の一つと、正解押し順以外の不正解押し順時に表示し、投入数を下回る低配当例えば1枚のメダルを払出す低配当役(1枚役)NML08,NML09,NML10の一つ又は二つを含む。共通ベルは、第1高配当役(12枚役)NML07を含むが、低配当役(1枚役)は含まない。
また、各押し順ベルは、BB一般中にシフト役SFTに当籤するもSFT作動図柄の組合せを表示しない場合に移行するSFT内部中に当籤すると、押し順に関係なく表示して、第1高配当を超える第2高配当例えば13枚のメダルを払出す第2高配当役(13枚役)NML11,NML12,NML13,NML14,NML15,NML16を含む。共通ベルも、SFT内部中に表示する第2高配当役(13枚役)NML17を含む。
NML01〜17は、それぞれ、左図柄の候補、中図柄の候補、右図柄の候補を「/(又は)」で結合することにより、「左図柄」−「中図柄」−「右図柄」の組合せを特定できる複数の条件装置から成る。第1高配当役(12枚役)NML01〜06の条件装置数と、低配当役(1枚役)NML08〜10の条件装置数は、同数(この例では8)、第2高配当役(13枚役)NML11〜17の条件装置数は、第1高配当役NML01〜07及び低配当役NML08〜10の条件装置数よりも少ない(この例では4又は2)関係にある。
なお、条件装置とは、その作動が入賞、再遊技、役物又は役物連続作動装置の作動に係る図柄の組合せが表示されるために必要な条件とされている装置で、内部抽籤に当籤した場合に作動するもの、すなわち当籤フラグをいう。
図131に示すように、内部当籤役は、指示機能を作動させるアシストタイムATの初当り及び/又は上乗せを可能にする、頻繁には当籤しない俗に言うレア役に位置づける、レア役1のスイカNML18、レア役2の弱チェリーNML19、レア役3の強チェリーNML20を含む。
スイカの配当は投入数と同じ3枚にしている。弱チェリーと強チェリーの配当は12枚にしているが、表示確率を各1/4にしており、取りこぼす可能性がある。左リール3Lについて、比較的見やすい図柄であるBARを目安に、BARが表示窓の上段枠外に現れるタイミングで停止操作をする俗に言うDDT打法をすることにより、弱チェリー及び強チェリーの取りこぼしを回避できる。
BBSB中役1及びBBSB中役2は、BB作動中のSFT作動中、又は、SB作動中に抽籤する役であり、BBSB中役1は、1枚役以外の小役NML01〜07及びNML11〜20を重複当籤させ、押し順に関係なく何れかの13枚役NML11〜17を入賞させ、BBSB中役2は1枚役NML09〜10のみを重複当籤させ、押し順に関係なく何れかの1枚役NML08〜10を入賞させる。
図132に示すように、BB及びSBを抽籤するボーナス非当籤状態の「通常一般中」、BBに当籤するもBB作動図柄の組合せを表示するまでBB当籤フラグを持ち越したボーナス内部当籤状態の「BB内部中」、BB作動図柄の組合せを表示した次ゲームから開始されるボーナス作動状態中の一般遊技状態である「BB一般中」は、押し順ベルの当籤時、同じ遊技結果になる条件装置数が最も多い役に対応した図柄を優先引込みする個数優先制御により、払出枚数の多い13枚役を蹴って、条件装置数が8で同一の12枚役又は1枚役を引き込む。そして、条件装置数が同一である場合の予め定めた制御により、押し順正解時は12枚役を引き込み、不正解時は1枚役を引き込む。よって、12枚役又は1枚役が入賞する。共通ベルの当選時は、個数優先制御により、13枚役を蹴って、12枚役を引き込み、12枚役が入賞する。
一方、シフト役STFの当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態の「SFT内部中」は、押し順ベルの当籤時、持ち越しに係るシフト役SFTの条件装置が重複し、全体として条件装置が異なることとなるため、停止制御を変更し、メダルの払出枚数が最も多い役に対応した図柄を優先引込みする枚数優先制御により、押し順に関係なく、払出枚数の多い13枚役を引き込んで入賞させる。共通ベルの当籤時も、同様に13枚役を引き込んで入賞させる。
なお、BB一般中においてSFT役の当籤ゲームでSFT作動図柄の組合せを表示して移行するシフト役作動状態の「SFT作動中」は、予め定めた回数の入賞又は予め定めた回数の遊技結果の何れか早い方が得られたときとするSFT作動終了条件の具備により終了し、BB一般中に復帰する。BB作動中は、予め定めた総獲得枚数の上限を超過したときとするBB作動終了条件の具備により終了し、作動中にあるSFTの作動も終了し、通常一般中に復帰する。また、SB作動中は、1回の遊技の結果が得られた後、通常一般中に復帰する。
SFT作動終了条件は、例えば、8回の入賞又は12回の遊技の結果が得られたときとしている。また、BB作動終了条件は、例えば、BBの作動開始からの獲得メダル枚数が所定の上限とする285枚を超過したときとしている。SFT作動終了条件は、例えば、5回の入賞又は9回の遊技の結果が得られたとき等、8回以下で予め定める回数の入賞又は12回以下で予め定める遊技の結果が得られたときとしてもよい。また、BBの作動終了条件は、例えば、96枚超過等、285枚を超えない範囲で予め定める上限枚数を超過したときとしてもよい。
図133に遊技状態別の設定5の抽籤値を示す。設定1,2,3,4は、低設定になるほど、レア役1〜3、BBの抽籤値を小さく、SB1〜18の抽籤値を大きくしており、設定6は、設定5よりも、レア役1〜3、BBの抽籤値を大きく、SB1〜18の抽籤値を小さくしている。「通常一般中」は、基本的に、内部抽籤用乱数の取り得る数値範囲0〜65535の65536の領域中、通常リブ、共通ベル、押し順ベル、レア役1〜3及びBB以外のエリアは、SB1〜18で埋めている。また、「通常一般中」、SFT役は抽籤しない。
遊技者によるストップボタン17L,17C,17Rの停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段は、指示機能の作動を不可とする通常区間中(通常状態中)にレア役1〜3(スイカ、弱チェリー、強ちェリー)の当籤時、所定条件で、指示機能の作動を可能にする有利区間(有利状態)に移行させる。なお、有利区間への移行の契機とする役は、レア役1〜3に代えて、又は併用して、他の小役或は再遊技役から選定してもよい。
また、有利区間への移行と同時にアシストタイムATの作動を決定し、押し順ベルの当籤時、対応する正解押し順をサブ側の表示装置11において、リール3L,3C,3R或はストップボタン17L,17C,17Rの上方位置に対応させて、左中右LCRの場合は「1−2−3」、左右中LRCの場合は「1−3−2」、中左右CLRの場合は「2−1−3」、中右左CRLの場合は「3−1−2」、右左中RLCの場合は「2−3−1」、右中左RCLの場合は「3−2−1」等の表示ナビと、ストップボタン17L,17C,17Rの操作に連動させて「左」、「中」、「右」の音声ナビにより報知(ナビ)を行う。
有利区間及びATの初当りは、レア役1〜3の当籤時、内部抽籤用乱数とは別個独立に抽出する例えば1バイト乱数(分母256)を用いた2段階抽籤により、例えば、スイカの当籤時(320/65536)は32/256=1/8の確率により、弱チェリーの当籤時(640/65536)は16/256=1/16の確率により、強チェリーの当籤時(170/65536)は128/256=1/2の確率により決定する。
よって、有利区間及びATの初当り確率は、
(320×1/8+640×1/16+170×1/2)/65536
=(40+40+85)/65536=165/65536≒1/397.2となる。
「通常一般中」、AT中の純増は、投入枚数と払出枚数に差の生じる小役に基づいて計算できる。弱チェリーと強チェリーは、配当が12枚であるが、表示確率が1/4のため、3枚配当と等価とみなして、3枚配当のスイカと同様に、純増の計算式の項には入れていない。結局、ATの作動下、正解押し順が報知されて12枚配当となる押し順ベル、並びに、共通ベル、配当0となる不当籤、BB、SB1〜18により、AT中の1ゲーム当たりのメダルの純増を計算でき、AT中の純増は、
(12−3)×(3800×6/65536+1500/65536)+(0−3)×(8+220+1690×18)/65536≒2.0枚/Gとなる。
アシストタイムATは、例えば、初期継続ゲーム数を決定する数ゲーム間のジャッジメントゲームから始まり、レア役1〜3を含むジャッジメントゲーム中に当籤した役と2段階抽籤で定める確率に従い、例えば50〜1200ゲームの範囲内で初期継続ゲーム数を決定する。ATの作動中(AT中)は、レア役1〜3を含む予め定めた当籤役と2段階抽籤で定める確率に従い、継続ゲーム数を例えば5〜300ゲームについて加算する上乗せを決定する。ATの作動は、継続ゲーム数が零になると終了し、ATの終了により有利区間も終了させて通常区間に復帰させる。
なお、初期継続ゲーム数は、ジャッジメントゲームで決定するのに代え、所定の固定ゲーム数例えば50Gや100G等としてもよいし、固定ゲーム数に所定条件下で突入させる上乗せ特化ゾーン中に獲得可能とする所定ゲーム数を加算してもよい。また、ATの継続は、ゲーム数で管理する他、メダルの純増枚数や、押し順ベルのナビ回数で管理してもよい。
「通常一般中」は、ATの当籤に期待しながら遊技が行えると共に、220/65536≒1/297.9という、AT非搭載のノーマルタイプの一般的なボーナス確率とほぼ同様な確率でBBの当籤にも期待できる。AT中にBBに当籤すると、BBの作動開始から作動終了まで、ATの継続ゲーム数の減算を停止すると共に継続ゲーム数の上乗せも停止し、BBの作動終了後、残り継続ゲーム数についてATを再開させる。なお、「BB内部中」は、AT中とし、押し順ベルの当籤時に正解押し順を報知し、レア役の当籤に基づいて上乗せも可能にしている。
「BB内部中」は、BB及びSB1〜18、並びにSFTを抽籤せず、不当籤のエリアを30648と広くし、持ち越しに係るBBの作動図柄の組合せを表示できる機会を増やしている。通常のアクセルATと異なり、「BB内部中」に長期間止まることは想定しておらず、「BB内部中」にBB作動図柄の組合せを表示できる不当籤を引いたとき、サブ側の表示装置11に、赤7揃い又は青7揃いを促すナビを出すようにしている。
「BB一般中」は、シフト役SFTのエリアを30648とし、SFTに当選し易くしている。ただし、市場での遊技では、多くの遊技者は、弱チェリーと強チェリーとの取りこぼしを回避するためにDDT打法をすることが想定され、事実上のシフト外しがされることになるため、SFTの当籤ゲームでSFT作動図柄の組み合わせである「ブランク」−「青7」−「ブランク」は表示されず、「SFT内部中」に移行する。
「SFT内部中」は、不当籤はなく、通常リプの抽籤値を39626に高め、再遊技役及び小役のフルヒット状態にしているため、持ち越しに係るSFTの作動図柄の組合せは表示されない。よって、シフト外しがされて「SFT内部中」に移行する市場での遊技では、「SFT作動中」へは移行しない。
「SFT内部中」は、押し順ベル又は共通ベルの当籤時、第2高配当役(13枚役)が入賞し、また、不当籤等もないため、BB中の1ゲーム当たりのメダルの純増は、
(13−3)×(3800×6/65536+1500/65536)≒3.78枚/Gとなる。小役以外は再遊技役で埋めていることも相俟って、手持ちのメダルが減る要因は無く、メダルの純増速度がAT中の2.0枚/Gに比べ2倍近くに増加する。
「SFT作動中」は、シフト外しをすることが想定される市場での遊技では移行しない予定であるが、内部当籤に係る図柄の組合せが必ず表示されると仮定したシミュレーション試験では、「BB一般中」のSFT当籤ゲームで必ずSFT作動図柄の組合せを表示するため次ゲームから必ず移行し、任意の順序により任意の時間に停止操作をする試射試験では、6/20×1/4×1/4=3/160の表示確率で移行する。
「SFT作動中」は、13枚役NML11〜16を重複当籤させる押し順ベルについての各抽籤値3880以上の、例えば3880の抽籤値にて13枚役を入賞させるBBSB中役1を抽籤すると共に、「通常一般中」等の小役の合計抽籤値1500+3880×6+320+640+170=25910から、BBSB中役1の抽籤値3880を引いた22030よりも大きい、例えば50781の抽籤値にて1枚役を入賞させるBBSB中役2を抽籤する。再遊技役の抽籤値は0にしている。
よって、「SFT作動中」の期待値eは、
e=13/3×3880/65536+1/3×50781/65536≒0.5148(約51.48%)と、後述するAT作動下での「通常一般中」等における期待値(1.773)よりも遥かに低い1以下となり、メダルは一向に増えないばかりか遊技するほどにメダルが減少し、主にシミュレーション試験での上限期待値を抑制する十分な効果が得られる。こうして、SFTにより、BB中の期待値或は傾斜値(横軸に投入枚数、縦軸に払出枚数−投入枚数をとった直線の傾き)が下がるように調整している。
「SB作動中」は、市場での遊技、シミュレーション試験、及び、試射試験の何れににおいても移行する。ただし、SB1〜18の表示確率は、SB11,12,14,15は1/64、SB10,13,17,18は2/64、SB2,3,5,6は3/64、SB16は4/64、SB1,4,8,9は6/64、SB7は12/64となり、平均して1/18となり、市場での遊技及び試射試験では、SB作動中への移行は限定的にされる。これに対して、シミュレーション試験では、SB1〜18に当籤すると必ず当籤に係る作動図柄の組合せを表示するため、必ずSB作動中に移行する。なお、SBは、「通常一般中」及び「SB作動中」において抽籤し、「BB内部中」及び「BB作動中」では抽籤しない。
SB1〜18の当籤ゲームで当籤に係るSB作動図柄の組合せを表示できなかった場合、当籤に係るSBの当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。また、「SB作動中」は、1ゲーム限りで終了し、「通常一般中」に復帰する。ただし、「SB作動中」にSB1〜18に当籤し、当籤ゲームで当籤に係るSB作動図柄の組合せを表示すると、次の1ゲームも「SB作動中」となる。
「SB作動中」は、13枚役NML11〜16を重複当籤させる押し順ベルについての各抽籤値3880以上の、例えば5120の抽籤値にて13枚役を入賞させるBBSB中役1を抽籤すると共に、「通常一般中」等の小役の合計抽籤値1500+3880×6+320+640+170=25910から、BBSB中役1の抽籤値5120を引いた20790よりも大きい、例えば20791の抽籤値にて1枚役を入賞させるBBSB中役2を抽籤する。再遊技役の抽籤値は8978にしている。「SB作動中」は、SFTを抽籤しない。
よって、「SB作動中」の期待値eは、
e=13/3×5120/(65536−8978)+1/3×20791/(65536−8978)≒0.5148(約51.48%)と、AT作動下での「通常一般中」等における期待値(1.773)よりも遥かに低い1以下となり、「SFT作動中」と同様に、主にシミュレーション試験での上限期待値を抑制する十分な効果が得られる。こうして、SBにより、「通常一般中」の期待値或は傾斜値が下がるように調整しており、BB中でのみ期待値を下げる通常のアクセルATよりも、全体の期待値を低減する効果を高め、傾斜値をなだらかにし易くしている。
各遊技状態において、メダルを獲得できる小役の抽籤値と、任意の順序により任意の時間に停止操作をした場合に190msの規定時間内(最大4コマ滑りの引込範囲内)に当籤に係る小役に対応した図柄の組合せを有効ラインに表示できる表示確率と、有効ラインに表示された小役の図柄の組合せによる獲得メダル枚数を投入メダル枚数で割った配当比とを掛け算して求める小役定数を遊技状態に応じた抽籤対象の全小役について合算した総小役定数をs、再遊技役の抽籤値をr、内抽籤部用乱数の数値範囲をMと置き、単位投入メダル枚数(1枚)に対する獲得メダル枚数の期待値e=s/(M−r)を求めると、次のとおりとなる。
「通常一般中」、「BB内部中」、「BB一般中」
s=3880×6×(1/6×12/3+5/6×1/3);押し順ベル
+1500×12/3;共通ベル
+320×3/3;スイカ
+640×1/4×12/3;弱チェリー
+170×1/4×12/3;強チェリー
≒29117
r=8978のため、
e=29117/(65536−8978)≒0.5148(約51.48%)となる。「SFT作動中」及び「SB作動中」は、この「通常一般中」等の期待値と同じになるように定めている。
1000円相当の50枚のメダルで可能な3枚掛け遊技数となるベースBaseは、
Base=50/((1−0.5148)×3)≒34.4ゲームとなる。
「SFT内部中」
s=3880×6×13/3;押し順ベル
+1500×13/3;共通ベル
+320×3/3;スイカ
+640×1/4×12/3;弱チェリー
+170×1/4×12/3;強チェリー
=108510
r=39626のため、
e=108510/(65536−39626)≒4.188(約418.8%)に達する。
この期待値4.188は、「SFT作動中」を含む他の遊技状態よりも高く、指示機能を作動させるアシストタイムATの作動下における「通常一般中」、「BB内部中」、「BB一般中」よりも高い。AT作動下での「通常一般中」等の期待値は、次のとおり、約1.773となる。すなわち、
s=3880×6×12/3;押し順ベル
+1500×12/3;共通ベル
+320×3/3;スイカ
+640×1/4×12/3;弱チェリー
+170×1/4×12/3;強チェリー
=100250
r=8978のため、
e=100250/(65536−8978)≒1.773(約177.3%)
この計算式では、弱チェリーと強チェリーを表示確率1/4で計算したが、1として計算する場合、期待値eは約1.82となる。
試射試験では、「通常一般中」及び「SB作動中」、BBの当選確率は約1/297.9であることから平均297.9ゲームに1回の割合でBBに当籤し、当籤ゲームでは、BB作動図柄の組合せの表示確率3/64により「BB一般中」に移行し、1−3/64=61/64の確率により「BB内部中」に移行する。「BB内部中」では、外れ確率30648/65536に表示確率3/64を乗じた約1/45.6の確率により「BB一般中」に移行する。よって、BBに1回当籤した場合、「BB内部中」は、3/64の確率で0回、61/64の確率で45.6回となり、平均約43.5回となる。したがって、期待値0.5148のゲームは297.9+43.5=341.4回となる。
試射試験において、「BB一般中」、SFTの当籤確率は30648/65536≒1/2.14であることから平均約2.14ゲームに1回の割合でSFTの当籤し、当籤ゲームではSFT作動図柄の組合せの表示確率3/160という低確率により「SFT作動中」に移行し、SFT作動図柄の非表示確率157/160という高確率により次ゲームから「SFT内部中」に移行する。「SFT内部中」からは、「SFT作動中」には移行しない。
SFTの1回目の当籤に基づいて「SFT内部中」に移行した場合、「SFT内部中」への移行までに2.14×0.5148×3≒3.3枚のメダルを得た後、期待値が4.188と高い「SFT内部中」にてBBの作動終了を待つことになり、「SFT内部中」のゲーム数は(285+1−3.3)/(4.188×3)≒22.50回となり、「BB作動中」のゲーム数は2.14+22.50=24.64回となる。このようになる場合がほとんどである。
SFTの1回目の当籤に基づいて「SFT作動中」に移行した場合、「SFT作動中」は10875/65536≒1/6の確率で不当籤を引き、8回の入賞が得られる回数は、途中で不当籤を引く回数に応じて変動するが、遊技回数の上限12回は超えない。1セットの「SFT作動中」では、BBの作動終了条件にはかからず、再度、「BB一般中」に戻り、平均2.14ゲームで当籤するSFTにより、3/160の低確率で「SFT作動中」に、157/160の高確率で「SFT内部中」に振り分けられる。
SFTの2回目の当籤に基づいて「SFT内部中」に移行した場合、1回目の「SFT作動中」のゲーム数を10回とすると、「SFT内部中」への移行までに(2.14+10+2.14)×0.5148×3≒22.1枚のメダルを得た後、期待値が4.188と高い「SFT内部中」にてBBの作動終了を待つことになり、「SFT内部中」のゲーム数は(285+1−22.1)/(4.188×3)≒21.00回となり、「BB作動中」のゲーム数は14.28+21.00=35.28回となる。このようになる場合も、3/160×157/160≒2.94/160の確率で生じる。
SFTの2回目の当籤に基づいて「SFT作動中」に移行した場合、計2セットの「SFT作動中」でも、BBの作動終了条件にかからず、再度、「BB一般中」に戻り、平均2.14ゲームで当籤するSFTにより、3/160の低確率で「SFT作動中」に、157/160の高確率で「SFT内部中」に振り分けられる。
SFTの3回目の当籤に基づいて「SFT内部中」に移行した場合、1セット目及び2セット目の「SFT作動中」のゲーム数を各10回とすると、「SFT内部中」への移行までに(2.14+10+2.14+10+2.14)×0.5148×3≒40.8枚のメダルを得た後、期待値が4.188と高い「SFT内部中」にてBBの作動終了を待つことになり、「SFT内部中」のゲーム数は(285+1−40.8)/(4.188×3)≒19.52回となり、「BB作動中」のゲーム数は26.42+19.52=45.94回となる。このようになる場合も、3/160×3/160×157/160≒0.055/160の極めて低い確率で生じる。
SFTの4回目の当籤に基づいて「SFT内部中」に移行する場合は、さらに低い確率となり、無視することができる。
結局、「BB作動中」、
期待値4.188の「SFT内部中」のゲーム数は、
157/160の確率で22.50回、
2.94/160の確率で21.00回、
0.055/160の確率で19.52回で、平均22.47回となり、
期待値0.5148の「BB一般中」又は「SFT作動中」のゲーム数は、
157/160の確率で2.14回、
2.94/160の確率で14.28回、
0.055/160の確率で26.42回で、平均2.37回となる。
従って、試射試験では、期待値0.5148のゲームを341.4+2.37=343.77回、期待値4.188のゲームを22.47回の割合で繰り返し、期待値は、(0.5148×343.77+4.188×22.47)/(343.77+22.47)≒0.74(74%)に高まり、所定の下限0.6(60%)を超えることになる。
内部当籤に係る図柄の組合せが必ず表示され且つ獲得メダル枚数の最大数が獲得されると仮定したシミュレーション試験では、「通常一般中」又は「SB作動中」にBBに当籤すると、当籤ゲームでBBの作動図柄の組合せを表示するため、「BB内部中」を経由せずに「BB一般中」に移行し、「BB一般中」にSFTに当籤すると、当籤ゲームでSFTの作動図柄の組合せを表示するため、「SFT内部中」を経由せずに「SFT作動中」に移行する。
このため、シミュレーション試験では、「BB内部中」も「SFT内部中」も考慮することなく、期待値を計算できる。シミュレーション試験では、小役の取りこぼしはなく、必ず最大配当が得られるため、「通常一般中」及び「BB一般中」の期待値eは次のとおりとなる。
s=3880×6×12/3;押し順ベル
+1500×12/3;共通ベル
+320×3/3;スイカ
+640×12/3;弱チェリー
+170×12/3;強チェリー
=102680
r=8978のため、
e=102680/(65536−8978)≒1.82(約182%)に達する。しかし、この期待値は、BB及びSBの作動によるものは反映されていない。
シミュレーション試験では、「通常一般中」又は「SB作動中」から約1/297.9の確率でBBに当籤すると、当籤ゲームの次ゲームに「BB一般中」に移行し、「BB一般中」から約1/2.14の確率でSFTに当籤すると、当籤ゲームの次ゲームに「SFT作動中」に移行する。「SFT作動中」は、シミュレーション試験においても期待値は0.5148のままになるため、「SFT作動中」のメダル減少効果により、シミュレーション試験での「通常一般中」及び「BB一般中」の高い期待値を低下させる。
SFTの当籤確率は約1/2.14であるため、「通常一般中」と同じくシミュレーション試験では期待値が1.82に高まる「BB一般中」は、「SFT作動中」に移行するまで2.14ゲームとなり、1.82×3枚×2.14回≒11.7枚のメダルを獲得する毎にSFTに当籤し、「SFT作動中」のゲーム数を10回とすると、「SFT作動中」は、(285+1)/(11.7+0.5148×3×10)≒10.5セット繰り返され、期待値1.82のゲームは2.14×10.5≒22.5ゲーム、期待値0.5148のゲームは10×10.5=105ゲームとなる。
また、シミュレーション試験では、「通常一般中」から1690×18/65536≒1/2.15の確率で何れかのSBに当籤すると、当籤ゲームの次ゲームに「SB作動中」に移行する。「SB作動中」は、シミュレーション試験においても期待値は0.5148のままであり、「通常一般中」、2.15ゲームに1回の割合で低期待値遊技が挿入され、シミュレーション試験での「通常一般中」の高い期待値を低下させる。
従って、シミュレーション試験では、BBに1回当籤する297.9回のゲーム中に「SB作動中」が297.9×1/2.15≒138.6回挿入され、BBに1回当籤してその作動が終了するまでに、期待値1.82のゲームが(297.9−138.6)+22.5=159.3+22.5=181.8回、期待値0.5148のゲームが138.6+105=243.6回となり、この間の、
総投入メダル枚数=3枚×(297.9+22.5+105)=1276.2枚、
総獲得メダル枚数=3枚×(1.82×(159.3+22.5)+0.5148×(138.6+105)≒1368.8枚となり、結局、BB及びSBの作動によるものを含めると、
期待値e=1368.8/1276.2≒1.07(107%)に低下し、所定の上限1.15(115%)を下回る。設定5の機械割は約107%程度ということになり、設定4以下の機械割はこれよりも小さく、設定6はこれよりも若干大きくなる。
以上、シミュレーション試験では、十分に多いゲーム数の17500回の遊技をする場合、上限の115%未満を安定的に達成でき、6000回の遊技での上限126%、1600回の遊技での上限150%、400回の遊技での上限220%の何れの上限未満も達成できる。
また、試射試験では、十分に多いゲーム数の17500回の遊技をする場合、下限60%超えを安定的に達成でき、6000回の遊技での下限50%、1600回の遊技での下限40%、400回の遊技での下限33.3%の何れの下限超えも達成できる。また、17500回遊技での上限115%、6000回遊技での上限126%、1600回遊技での150%、400回遊技での220%の上限規制も問題なく達成できる。
以上、本変形例では、AT中の純増2.0枚/Gを達成できながら、AT非搭載機のノーマルタイプに比べて遜色のない確率でBBの当籤に期待できると共に、BB中の獲得枚数も十分高いものにでき、しかも、BB中の純増は3.78枚/Gとなり、AT中よりもメダルの増加速度を高めることができる画期的な遊技性を打ち出し得る。
また、本変形例のものは、再遊技高確率下でATを作動させるアシストリプレイタイムARTではなく、再遊技確率を8978/65536≒1/7.3の最低確率に保つことができるため、遊技結果が未定となるゲーム数を最小限度に抑制できると共に、ARTに比べて、試射試験及びシミュレーション試験でのIN枚数(投入メダル枚数)を稼ぐことができ、試験での適合率も良くすることができる。
以上の変形例では、第1高配当を12枚、第2高配当を13枚にしたが、第2高配当は投入枚数を超える15枚以下の枚数、第1高配当は14枚以下の第2高配当よりも少ない枚数で且つ投入枚数を超える枚数に定めることができる。本変形例のビッグボーナスBBに、現行の第二種特別役物に係る役物連続作動装置は含まない。第二種特別役物CBは、第一種特別役物RBとは異なり、その条件装置(当籤フラグ)は遊技の結果が一回得られたときはその作動を終了することとされており、次ゲーム以降に当籤フラグが持ち越されたシフト内部中の遊技状態がないためである。もっとも、規則の改定等によりCBによるシフト内部中があり得るものとなった場合は含めてもよい。本変形例では「通常一般中」に抽籤する所定の役物として、普通役物SBを用いたが、普通役物SBは、第二種特別役物CBに代えてもよいし、通常一般中にSBとCBとをそれぞれ抽籤するものでもよい。この場合、CB作動中は、傾斜値を下げる効果を生むため、2枚投入2枚払出、又は、2枚投入1枚払出、若しくは、1枚投入1枚払出等にするのが好ましい。
また、「通常一般中」等に有利区間関連の抽籤を行うスイカ、弱チェリー、強チェリー等のレア役について、「SB作動中」は、BBSB中役1としてまとめるのではなく、それぞれの当籤確率を「通常一般中」よりも高くし、その上で、有利区間関連の抽籤を行わないようにしても良い。このようにしても、「SB作動中」に有利区間関連の抽籤を行わない分だけATの当籤確率を「通常一般中」よりも低下でき、「SB作動中」の期待値を「通常一般中」よりも高めることもできる。
[出玉を取るか設定を取るか]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者のスタートレバー16の操作による開始操作に基づいて各リール3L,3C,3Rを回転させて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者のストップボタン17L,17C,17Rの操作による停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技中に、遊技媒体の増加に期待できる特別遊技としてアシストタイムATの生起を可能にしている。さらに、内部抽籤における当籤確率の組合せである設定を変更可能にしている。
リール3L,3C,3Rの図柄、有効ライン、規定投入数、再遊技役を除いた内部当籤役の内訳、遊技状態の遷移は、基本的に図129〜133と同様にしている。また、17500Gのシミュレーション試験での期待値(機械割)は、例えば、設定1が約97%、設定2が約99%、設定3が約101%、設定4が約103%、設定5が約107%、設定6が約112%に設定しており、設定1,2の低設定とりわけ設定1は、メダルが減る可能性が高く、設定4〜6の高設定とりわけ設定6は、メダルが増える可能性が高い。ただし、俗に言う遊技者の引き次第により、必ずしも低設定が一律不利ということも、また、高設定が一律有利ということも確実には言えない。
図134に示すように、再遊技役に、図129の通常リプ(REP01)に加え、リプ1又はリプ2が右上りに揃う、「ベル1/ベル2」−「リプ1/リプ2」−「ベル1/ベル2」の図柄の組合せに対応させたリプA(REP02)と、リプ1又はリプ2が変則的に並ぶ、「リプ1/リプ2」−「リプ1/リプ2」−「ベル1/ベル2」の図柄の組合せに対応させたリプB(REP03)とを重複当籤させる特殊リプ(REP02+03)を追加している。
特殊リプ(REP02+03)の当籤時、左リール3Lを第1番目止める左第1停止をする順押し時、リプA(REP02)を表示し、右リール3R又は中リール3Cを第1番目に止める右第1停止又は中第1停止による逆押し時(正確には中押しを含めた逆押し時)、リプB(REP03)を表示する。後述する高確率モードの有利状態(有利区間)中に限り、リプAを表示した場合は、高確率モードを維持し、リプBを表示した場合は、サブ側の表示装置11に、設定を所定信頼度で示唆させる設定示唆演出を表示し、通常状態(通常区間)に復帰させる。
「通常一般中」、「BB内部中」、「BB一般中」、「SB作動中」(図132参照)において、通常リプ(REP01)は抽籤値を8978未満の第1所定値例えば4882で抽籤し、特殊リプ(REP02+03)は通常リプと合算すると8978になる第2所定値例えば4096(確率1/16)で抽籤し、「SFT内部中」において、通常リプ(REP01)は抽籤値を第3所定値例えば35530で抽籤し、特殊リプ(REP02+03)は通常リプと合算すると39626になる第2所定値例えば4096(確率1/16)で抽籤する。
有利状態(有利区間)及びアシストタイムATの初当りは、図131のレア役1〜3の当籤時、内部抽籤用乱数とは別個独立に抽出する例えば1バイト乱数(分母256)を用いた2段階抽籤により、例えば、スイカの当籤時(320/65536)は28/256≒1/9の確率により、弱チェリーの当籤時(640/65536)は15/256≒1/17の確率により、強チェリーの当籤時(170/65536)は128/256=1/2の確率により決定する。
よって、有利区間及びATの初当り確率は、
(320×28+640×15+170×128)/(65536×256)
≒1/416.1となり、図129〜133の例による1/397.2よりも若干低くしている。
一方、有利状態(有利区間)及びATの初当たりとならなかった場合の半分、すなわち、スイカ当籤時(320/65536)は(1−28/256)×1/2=228/512の確率により、弱チェリーの当籤時(640/65536)は(1−15/256)×1/2=241/512の確率により、強チェリーの当籤時(170/65536)は(1−128/256)×1/2=128/512の確率により、ATの当籤とはしないが、通常状態(通常区間)から、ATを高確率で抽籤する高確率モードの有利状態(有利区間)に移行させる。
よって、高確率モードの有利区間への移行確率は、
(320×228+640×241+170×128)/(65536×512)
≒1/134.7となり、ATの初当りに比べ、約3倍強当り易くしている。
高確率モードの有利区間中は、何れかのレア役に当籤すると、通常区間での確率よりも高い確率でATの当籤を決定する。例えば、2段階抽籤により、スイカの当籤時(320/65536)は128/256=1/2の確率により、弱チェリーの当籤時(640/65536)は192/256=3/4の確率により、強チェリーの当籤時(170/65536)は256/256=1(100%)の確率により決定する。
よって、高確率モード中のAT当籤確率は、
(320×1/2+640×3/4+170×1)/65536
≒1/80.9となり、通常区間からのAT当籤確率が約1/416.1であるのに対し、5倍を超える高確率でATに期待できる。
高確率モードの有利区間中は、特殊リプレイ(REP02+03)が少なくとも1回当籤するまでその滞在を保証する。スタートレバー16の操作を契機に、特殊リプ(REP02+03)に当籤した場合、サブ側の表示装置11に、「順押しなら、高確率モード維持、逆押しなら、設定示唆獲得」等の選択画面を表示する。
逆押しによりリプB(REP03)を表示した場合は、最後のストップボタンから指を離す第3離しがされた後、サブ側の表示装置11上において、設定示唆演出の画面を表示し、高確率モードの有利状態(有利区間)を終了させ、スタートレバー16の操作で始まる次ゲームの開始当初から通常状態(通常区間)とする。
順押しによりリプA(REP02)を表示した場合、設定示唆演出に代わり、ATの当籤確率の高い高確率モードの有利区間を維持し、特定遊技であるATに当籤し易く、出玉への期待感が高まる期間が延びる特典を付与する。しかし、高確率モードの有利区間をずっと維持するのではなく、高確率モードの有利区間を終わらせる所定ゲーム例えば10Gのカウントダウンを開始させる。カウントダウンの途中で特殊リプレイに再度当籤すると、再び選択画面を表示して高確率モードの維持か設定示唆の獲得を選択でき、高確率モードの維持を選択した場合はカウントダウンをやり直し、高確率モードの延命を可能にしている。しかし、カウントダウンの途中で特殊リプの当籤がない場合、カウントダウンにより残ゲーム数が0になると、高確率モードの有利区間を終了させ、次ゲームの開始当初から通常区間とする。
設定示唆演出は、例えば、画面に登場させる人物等の種類や数、背景色等を組合せた次の[1]〜[8]の画面の一つを、内部で設定された現実の設定に応じて、サブ側で抽出する演出用の1バイト乱数(分母256)等による抽籤処理により、例えば、図135中に示した抽籤値により振分けて表示して行う。
[1]設定1〜6の何れか即ち不明とするデフォルト画面は、少女Aと青背景。
[2]設定1,3,5の何れかとする奇数設定示唆画面は、少女Bと青背景。
[3]設定2,4,6の何れかとする偶数設定示唆画面は、少女Cと青背景。
[4]設定2〜6の何れかとする最低否定示唆画面は、少女Aと緑背景。
[5]設定3〜6の何れかとする中高設定示唆画面は、少女Bと緑背景。
[6]設定4〜6の何れかとする高設定示唆画面は、少女Cと赤背景。
[7]設定5か6とする超高設定示唆画面は、少女A,B,Cと赤背景。
[8]設定6とする設定6確定画面は、少女A,B,Cと金背景。
多くの場合、[1]のデフォルト画面が表示され、設定は不明のままに終わり、もう少し様子を見、例えば、次の設定示唆演出の契機まで待とうということになる。運よく、[5]以上の画面が表示されると、遊技を継続するのが良いと判断でき、[7]又は[8]、最も好ましくは[8]の表示に接することができると、閉店まで粘ろという判断も可能になる。なお、示唆画面に設定1確定画面というのは設けていない。遊技者が早々に遊技を止めてしまうのを防止するためである。もっとも、設定1の場合に、低い振分け率により設定1確定画面を表示してもよく、この場合は、早期に台移動するのが良いとの明確な判断も可能になる。
なお、設定示唆演出は、画面表示によるものの他、ランプ表示によるもの、音声によるメッセージ等によるものでもよい。また、設定示唆演出を実行する場合、携帯電話やスマートフォン等と連携して遊技情報を収集するモバイルアプリケーションを通じて、ポイントの加算等を可能にし、プレミア画像の入手等を可能にしてもよい。
以上、本変形例では、特別遊技とするATの生起が可能な高確率モードの有利状態(有利区間)の遊技中に、特殊リプ(REP02+03)の当籤に基づいて、設定を所定の信頼度で示唆させる設定示唆演出の実行契機の到来を可能にしており、設定示唆演出の実行契機の到来時、順押しか逆押しかという遊技者の停止操作の態様に応じて、逆押しの場合に設定示唆演出を実行し、順押しの場合に設定示唆演出を実行しない選択を可能にしている。このため、早期に設定看破を望む遊技者の満足度を高めることができると共に、設定示唆演出に興味のない遊技者の要望も満たし得る。
このように遊技者の選択肢が増え、遊技の幅が広がり、新しい楽しみ方を提供することができる。例えば、遊技開始当初、先ず設定示唆演出を選択したり、逆に、先ず特別遊技のATをできるだけ早期に生起させてメダルの確保を優先し、余裕がでてから設定示唆演出を選択することもできる。
しかも、設定示唆演出の実行を選択しなかった場合、設定示唆演出の実行以外で予め定める他の遊技特典として、高確率モードの有利区間を維持する特典を付与することとしている。このため、設定示唆演出の実行を選択した遊技者と、選択しなかった遊技者との利益の調整を図ることができ、何れを選択したかにより著しい不公平は生じない。
また、設定示唆演出を実行するか実行しないかを、遊技者の停止操作の態様に応じて異なる表示となる図柄の組合せ、すなわち、REP03の表示か、REP02の表示かに基づいて処理を変更するようにしているため、何れを選択してもペナルティ等にはならず、遊技の公正さも保ち得る。
以上の変形例では、設定示唆演出を選択しなかった場合の代替特典として、ATに高確率に期待できる高確率モードを維持したが、これに代え、ATの当籤を確定させる出玉直結型の特典を付与してもよい。設定示唆演出の実行契機も、特殊リプの当籤に基づいて到来させる他、再遊技役以外の小役等の当籤に基づいて到来させてもよい。
また、以上の変形例では、AT機において、ATを特別遊技として発明を適用したが、ART機において、ARTを特別遊技として発明を適用してもよいし、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、第一種特別役等によるリアルボーナス搭載機のノーマル機或はこれにAT又はARTを組み合わせたA+AT機又はA+ART機において、リアルボーナスを特別遊技として発明を適用してもよい。さらに、AT中やART中の上乗せ特化ゾーン等を特別遊技に位置づけ、発明を適用してもよい。
さらに、本変形例において、設定示唆演出の実行契機の到来を可能にする遊技中というのは、予め定めたものであって、AT等の特別遊技の生起が可能な遊技中を少なくとも含むものであればよく、AT等の特別遊技の遊技中を含めてもよい。AT中の継続ゲーム数又は継続セット数を上乗せする上乗せ契機到来ゲームや、ATやリアルボーナス等の特別遊技の終了ゲーム等を含めてもよい。また、設定示唆演出の所定信頼度は、常に一定値である必要はなく、遊技状態、遊技履歴、設定示唆演出の実行回数、特別遊技の連荘回数等により変動する値にしてもよい。一又は複数の特別遊技中を通じて何度か表示され得るもので、表示する回数が何回目であるかによって信頼度を変動させてもよい。また、リアルボーナスの当籤がAT中か非AT中であるかに応じて、或は、リアルボーナスの当籤が予め定める短期間内に連続したか否か等に応じて、信頼度を変動させてもよい。
さらにまた、設定示唆演出の実行を選択可能な場面は、種類の異なる役の当籤を契機に、或は、遊技状態の違い等に応じて、複数態様について到来するものとしてもよい。一の態様で到来する選択場面を経た設定示唆演出の信頼度と、他の態様で到来する選択場面を経た設定示唆演出の信頼度とを変えると共に、設定示唆演出に代えて付与する特典による利益の大きさも変えるようにしてもよい。この場合、信頼度のより高い画面表示の振分率を高めたり、確定表示を出易くすること等により、利益の大きい特典を選ばずに選択する設定示唆演出の信頼度は、利益の小さい特典を選ばずに選択する設定示唆演出の信頼度よりも高めるのが効果的である。
[押し順推理型AT]変形例
本変形例の遊技機は、遊技者のスタートレバー16の操作による開始操作に基づいて各リール3L,3C,3Rを回転させて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者のストップボタン17L,17C,17Rの操作による停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる。また、遊技中に、遊技媒体の増加に期待できる特別遊技として、所定ゲーム数例えば100Gを1セットとするセット継続型のアシストタイムATの生起を可能にしている。
リール3L,3C,3Rの図柄、有効ライン、規定投入数、再遊技役を除いた内部当籤役の内訳、遊技状態の遷移は、基本的に図129〜133と同様にしている。また、ATはセット継続型とし、1セット中にゲーム数の上乗せがない場合は100Gとするが、有利状態(有利区間)及びATの初当りは、スイカの当籤時(320/65536)、2段階抽籤の32/256=1/8の確率により、弱チェリーの当籤時(640/65536)、同16/256=1/16の確率により、強チェリーの当籤時(170/65536)、同128/256=1/2の確率により決定し、初当り確率は約1/397.2にしている。
また、AT中は、スイカ、弱チェリー、強チェリーを含む予め定めた当籤役と2段階抽籤で定める確率に従い、セット内の継続ゲーム数を例えば5〜300Gについて加算する上乗せを可能にしている。ただし、1セット中にゲーム数の上乗せがない場合は、100Gで1セットのATが終了する。また、1セットのAT中に、後述する押し順当てゲームの成功によるセット数のストックがなかった場合、ATのセット継続はなく、ATの終了により有利状態(有利区間)も終了させて、通常状態(通常区間)に復帰させる。
図135に示すように、再遊技役は次の図柄の組合せをもつ6種類を定義している。
1.REP01;「リプ1/リプ2」−「リプ1/リプ2」−「リプ1/リプ2」
2.REP02;「ベル1/ベル2」−「リプ1/リプ2」−「ベル1/ベル2」
3.REP03;「リプ1/リプ2」−「リプ1/リプ2」−「ベル1/ベル2」
4.REP04;「ベル1/ベル2」−「ベル1/ベル2」−「チェリー/青7」
5.REP05;「リプ1/リプ2」−「BAR/チェリー」−「ベル1/ベル2」
6.REP06;「リプ1/リプ2」−「BAR/チェリー」−「リプ1/リプ2」
REP06は、各リール3L,3C,3RのBAR図柄を表示窓の枠外に狙うことにより、右上りにBAR図柄が揃う。
また、遊技者の停止操作の態様に応じて表示する図柄の組合せが異なる特定役として、重複役の構成が互いに異なる次の1]〜6]の6種類の押し順リプを定義している。適合する停止操作に対応させる正解押し順により停止操作がされた時は、REP06を表示し、右上りにBAR揃いを可能にし、正解を明示する。正解押し順以外の不正解押し順により停止操作がされた時は、第1停止(第1番目の停止操作)が左リール3L又は右リール3Rの場合はREP01、第1停止が中リール3Cの場合はREP05を表示する。よって、第1停止後の出目では、押し順不正解は確定しない。REP02,03,04は、専ら制御変更役として機能させている。
1]押し順リプLCR(正解押し順「左中右」);REP01+05+06
2]押し順リプLRC(正解押し順「左右中」);REP01+02+05+06
3]押し順リプCLR(正解押し順「中左右」);REP01+03+05+06
4]押し順リプCRL(正解押し順「中右左」);REP01+04+05+06
5]押し順リプRLC(正解押し順「右左中」);REP01+02+03+05+06
6]押し順リプRCL(正解押し順「右中左」);REP01+03+04+05+06
「通常一般中」「BB内部中」「BB一般中」「SB作動中」(図132参照)は、通常リプ(REP01単独)の抽籤値は例えば8、上記1]〜6]の各押し順リプの抽籤値は例えば各1495(トータルで1495×6=8970)にしている。「SFT内部中」は、通常リプ(REP01単独)の抽籤値は例えば33626、上記1]〜6]の各押し順リプの抽籤値は例えば各1495(トータルで8970)にしている。したがって、ATの1セットの最低ゲーム数の100G中に、何れかの押し順リプに13.7回程度の当籤が期待できる。
ATの1セット毎の開始時、第1ゲーム目のスタートレバー16の操作を契機にした内部抽籤に引き続き、内部抽籤用乱数とは別個独立に抽出する2バイト乱数(分母65536)による抽籤処理により、当該セット中の押し順リプの当籤に基づいて、ATのセット数を1セットストックして次セット以降のATを継続させる場合の適合する停止操作として、左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左の6通りの候補の中から一つを決定する。
例えば、左右中、中左右、中右左、右中左の4種類の振分率は各10923/65536、左中右、右左中の2種類の振分率は各10922/65536としており、ほぼ均等な振分率1/6で決定する。この振分は、当該セットのAT中に、どの押し順リプをAT継続可能役に選ぶかということと等価になる。
そして、決定した適合する停止操作が正解押し順となる押し順リプすなわちAT継続可能役の当籤時、リール3L,3C,3Rの回転開始とほぼ同時に、サブ側の表示装置11に「押し順当てゲーム1回目、6択」等と、押し順当てゲームが何回目かと、押し順当ての選択肢の数とを表示すると共に、「各リールにBARを狙え」等と、成功/失敗を明確に印象づける特定の図柄を狙うべきことを表示する。また、サブ側の表示装置11に、各リール3L,3C,3Rに対応させて「?」を表示する。こうして、当該ゲームにおいて押し順当てゲームを実行する。
例えば、決定した適合する停止操作が左中右の場合は、AT継続可能役となる押し順リプLCRの当籤時に押し順当てゲームを実行する。遊技者が左中右の順番でBAR図柄を目安に停止操作をすると、右上りにBARが揃うREP06を表示できる。この場合、最後に押したストップボタンから指を離す第3離しがされたとき、サブ側の表示装置11に「成功 AT 1セットストック」と表示し、次の1セットの継続を確定させる。成功した場合は、成功したケームの次ゲームの開始時、改めて、適合する停止操作すなわちAT継続可能役を決定し直す。この場合、最初と異なるAT継続可能役が選ばれることも、同じものが選ばれることもあり得る。
一方、左中右以外で停止操作をするとREP01又はREP05を表示し、サブ側の表示装置11に「残念 次回再チャレンジ」等と表示する。次回は、一律、失敗した押し順を除いた候補の中から選択可能な、択数を一つ減らした5択にしてもよい。しかし、本実施形態では、第1停止からの失敗時、次回の押し順当てゲームでは、サブ側の表示装置11に、初回の失敗に係る第1停止リールに対応させて「×」を、他のリールに対応させて「?」を表示する4択とし、第2停止(第2番目の停止操作)の失敗時、第1停止リールに対応させて「1」を、他のリールに対応させて「?」を表示する2択にしている。
1回目の押し順当てゲームでの失敗時、次回が4択になるか2択になるかを明示してもよいが、本実施形態では、次回の押し順当てゲームの開始時にルーレット演出動画やダイス(サイコロ)演出動画等を経て明示し、遊技者に次回は2択になるかもしれないとの期待感をできるだけ長く持たせるようにしている。
当該1セットのAT中、2回目以降の押し順当てゲームは、1回目と同じ押し順リプの当籤時に実行される。1回目で成功した場合、改めて決定するAT継続可能役についての6択とし、2回目も成功すると、さらに1セットのATがストックされる。1回目が失敗の場合、2回目の押し順当てゲームは、第1停止からの失敗時は4択、第2停止からの失敗時は2択となる。
2回目の押し順当てゲームが4択となり、この4択に失敗すると、次回3回目は、サブ側の表示装置11に、初回の失敗に係る第1停止リールに対応させて「×」を、他のリールに対応させて「?」を表示する点は1回目の失敗後の2回目と変わらないが、2回目の失敗に係る押し順は適合しないことが判明するため、事実上の3択となる。サブ側の表示装置11には、2回目の失敗に係る押し順を再度しないように「○○○押し順はダメ」等の注意喚起表示を付帯させる。
2回目の押し順当てゲームが2択となり、この2択に失敗すると、次回3回目は、サブ側の表示装置11に、各リール3L,3C,3Rに対応させて押し順を全て表示し、成功を確実にする。このため、1回目の押し順当てゲームにおいて第1停止に成功し、2回目の押し順当てゲームが2択となる場合、3回目の押し順当てゲームによりATの継続を確定できる。
3回目の押し順当てゲームの3択に失敗すると、4回目の押し順当てゲームでは、サブ側の表示装置11に、第1停止リールに対応させて「1」を、他のリールに対応させて「?」を表示する2択にする。4回目の2択に失敗すると、5回目は押し順を全て表示し、成功を確実にする。最悪の場合でも、5回目の押し順当てゲームによりATの継続を確定できる。ATが継続される場合、次セットのATの開始時、前セットの最終のAT継続可能役を引き継がず、改めて、当該セットのAT継続可能役を決定し直す。
なお、決定したAT継続可能役以外の押し順リプの当籤時、当籤に係る押し順リプの正解押し順により停止操作をした場合、REP06の右上りBAR揃いを表示できるが、REP06を表示しても、ATのセット数はストックしない。本実施形態では、無用の混乱を回避するため、AT継続可能役以外の押し順リプの当籤時、サブ側の表示装置11に、正解押し順以外の回避ナビを出すようにしている。この回避ナビは、決定したAT継続可能役を推測されないよう、例えば、次のように決定している。
押し順リプLCRがAT継続可能役でなく、この押し順リプLCRに当籤した場合は、中左右、中右左、右左中、右中左の中から一つをサブ側での抽籤処理により決定し、
押し順リプLRCがAT継続可能役でなく、この押し順リプLRCに当籤した場合は、中左右、中右左、右左中、右中左の中から一つをサブ側での抽籤処理により決定し、
押し順リプCLRがAT継続可能役でなく、この押し順リプCLRに当籤した場合は、左中右、左右中、右左中、右中左の中から一つをサブ側での抽籤処理により決定し、
押し順リプCRLがAT継続可能役でなく、この押し順リプCRLに当籤した場合は、左中右、左右中、右左中、右中左の中から一つをサブ側での抽籤処理により決定し、
押し順リプRLCがAT継続可能役でなく、この押し順リプRLCに当籤した場合は、左中右、左右中、中左右、中右左の中から一つをサブ側での抽籤処理により決定し、
押し順リプRCLがAT継続可能役でなく、この押し順リプRCLに当籤した場合は、左中右、左右中、中左右、中右左の中から一つをサブ側での抽籤処理により決定し、
サブ側の表示装置11上に各リールに対応させて押し順の番号を表示するようにしている。回避ナビは、AT継続可能役が類推困難となるように、選択可能な6種類の押し順が均等に選ばれるのが好ましい。すなわち、本例のように抽籤により決定する場合も、或は、これに代えて押し順リプ毎に特定の一つを予め決定しておく場合も含め、AT継続可能役の正解押し順と同じになる一種類の回避ナビの出現頻度と、その他5種類の回避ナビの出現頻度とがほぼ等しくなるようにするのが好ましい。
以上、押し順当てゲームは、1回目の6択から、2回目は4択又は2択、3回目は3択又は成功確実等というように、失敗を重ねる毎に、後の特定役の当籤時に適合する停止操作をすることが、前の特定役の当選時に比べて高い確率で可能になり、成功する確率が高まる。よって、遊技者のストレスを効果的に軽減できる。しかも、1回目で第1停止を成功できた場合は、6択から2択に飛躍的に成功確率を高めるため、失敗の失望感から一転して期待感に変えることもできる。また、ATの1セット中は、成功回数に応じてストック数も増え、遊技興趣を効果的に高めることもできる。
ただし、当該セットのATは途中でゲーム数の上乗せがない場合は、100Gで終了し、当該セットのAT中に、押し順当てゲームを実行できるAT継続可能役とする一の押し順リプは、その当籤確率が1495/65536≒1/43.8と必ずしも高くないため、押し順当てゲームの実行回数は、平均2回か3回程度に止まる。よって、押し順当てゲームを成功させてATを1セット以上ストックし、ATのセット継続を得るのは必ずしも容易ではなく、適正な確率により管理される。よって、射幸性が過度になることもなく、適正さも保つことができる。
以上、本変形例では、遊技者の停止操作の態様である押し順に応じて表示する図柄の組合せが異なる特定役として押し順リプLCR,LRC,CLR,CRL,RLC,RCLを含み、AT中の特定役の当籤時、決定した適合する停止操作を条件に、遊技者に有利な特典としてATのセットストックを可能にし、特定役の当籤時に適合する停止操作がされなかった場合、停止操作の選択肢を減少させることにより後の特定役の当籤時に適合する停止操作が可能となる確率を高めるようにしている。このため、遊技者が適合する停止操作を行えずに失敗しても、次は成功し易くなり、遊技者のストレスを軽減できる。
しかも、特典はAT中という特定遊技期間中に付与し、特典の付与の条件とする適合する停止操作は、その操作がされずに成功しない限り、1セット中は複数の候補の中から決定する特定の停止操作に固定して定めるため、遊技者が適合する停止操作を行えずに失敗しても、後の成功率を適切に高めることができ、失敗するほど、適合する停止操作に辿り着き易くなる。
さらに、適合する停止操作について一の候補の決定時と、他の候補の決定時、すなわち、AT継続可能役として、押し順リプLCR,LRC,CLR,CRL,RLC,RCLの何れが決定されても、適合する停止操作がされなかった場合に表示する図柄の組合せは、第1停止が左リール3L又は右リール3Rの場合はREP01、第1停止が中リール3Cの場合はREP05を表示するという同一態様になるようにしている。このため、決定された候補に対応した停止操作がされなかった場合に表示する図柄の組合せにより、決定された候補を推測するのが困難になり、適合する停止操作を成功させる遊技を適切かつ公平に行える。
本変形例では、特定役に押し順リプLCR,LRC,CLR,CRL,RLC,RCLよる6択押し順役を用いたが、正解押し順を、左リール3Lを第1停止させる左第1停止、中リール3Cを第1停止させる中第1停止、右リール3Rを第1停止させる右第1停止から選ぶ3択押し順役を特定役としてもよい。また、特定役は、押し順役に限らず、1又は複数のリールに対する停止操作位置を選択する押下位置選択役としてもよい。さらに、特定役は、再遊技役に限らず、メダルの払出しを伴う小役、あるいは、普通役物により構成してもよい。
また、本変形例では、ATの1セットの最低継続ゲーム数を100Gとしたが、セット毎に最低継続ゲーム数を変更してもよい。この場合、前のセットよりも実質的にAT継続率が上昇するように、最低継続ゲーム数を増加させるのが好ましく、減少させるのは好ましくない。セット開始当初等に、上乗せ特化ゾーン等を実行し、ゲーム数の上乗せをする確率を高めてもよい。さらに、押し順当てゲームの成功時に付与する特典は、ATのセット数をストックする他、継続ゲーム数を上乗せするものでもよいし、継続ゲーム数の上乗せを高確率で行う上乗せ特化ゾーンに突入させるものとしてもよい。ATのセット数のストックが既にされ、ATの継続が確定した後は、次セットの継続ゲーム数を上乗せするものとしてもよい。この場合、次セットでのAT継続率を高めることもできる。また、ATの継続が確定した後は、次セットのAT継続率に影響しないように、次セットに押し順当てゲームが発生しない状態のゲーム数を積み増しするようにしてもよい。
さらに、本変形例では、AT機に発明を適用し、特定役を抽籤する遊技状態では特定役の当籤確率を不変にしたが、特定役として再遊技役を用いる限り、遊技状態に応じて特定役の当選確率を変動させてもよい。また、ART機に発明を適用し、再遊技役の抽籤態様(内訳及び/又は抽籤値)が異なるリプレイタイムの移行に応じて、再遊技役を用いた特定役の当籤確率をアップさせる等し、ゲーム性に広がりを持たせてもよい。例えば、有限回数の再遊技高確率状態RTにおいてATを行うARTにおいて、有限回数の再遊技高確率状態がRT1とRT2との2種類等の複数の種類があり、RT1とRT2とで再遊技役による特定役の当籤確率を異なるものとしてもよい。また、無限回数の再遊技高確率状態がRT3とRT4との2種類等の複数の種類があり、一方の例えばRT3はARTを通常に実行する遊技状態として機能させ、他方の例えばRT4は、ART中のRT3から移行する上乗せ特化ゾーンとして機能させ、RT4では再遊技役による特定役の当籤確率を高めるようにしてしてもよい。
また、押し順当てゲームに失敗すると、後の押し順当てゲームでの選択肢を減らしたり、失敗に係る押し順を明示したりすることにより、遊技機側において積極的に成功確率を高めるようにしたが、遊技機側では積極的に成功確率を高めないようにしてもよい。ただし、この場合も、成功するまでAT継続可能役の変更はしない。遊技者は、失敗した押し順を覚えておき、前の失敗を繰り返さないことにより、実質的に、特定役の当籤時に適合する停止操作がされなかった場合、後の特定役の当籤時に適合する停止操作をすることが、前の特定役の当選時に比べて高い確率で可能になり、成功に辿り着き易くなる。
<付記(本発明のまとめ)>
[第1〜第4の構成の遊技機]
従来の遊技機において、遊技者に有利な有利状態(例えば、ART状態)でない場合に、当該有利状態に移行するか否かの抽籤を行うとともに、当該有利状態である場合に、当該有利状態を継続するか否かの抽籤を行うことを可能にしたものが知られている(例えば、特開2010−240017号公報参照)。
しかしながら、上記に示す遊技機では、当該有利状態を継続するか否かの決定に関して、バリエーションが乏しい点もあり、さらに興趣を高めるための工夫をなすことが求められている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第1の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示し、複数の有効ラインが設定された図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、所定期間、遊技者に有利な有利状態(例えば、ラインバトル状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態継続決定手段は、
前記有利状態において、複数の前記有効ラインのうち、一又は複数のいずれかの前記有効ラインを前記有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能な判定ライン決定手段(例えば、メインCPU101による味方種別の決定)と、
前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに特定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることが可能な継続度合決定手段(例えば、メインCPU101による敵ステータスの決定)と、を含み、
前記所定期間が経過するときに、前記継続度合決定手段により決定された前記継続度合いに基づいて前記有利状態を継続させるか否かを決定する、ことを特徴とする遊技機。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
前記図柄表示手段について所定領域を視認可能とし、当該所定領域において一又は複数の有効ラインが設定された図柄表示領域(例えば、図柄表示領域4)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、所定期間、遊技者に有利な有利状態(例えば、ラインバトル状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態継続決定手段は、
前記図柄表示領域に表示される図柄のうち、各列ごとのいずれかの一の図柄を通るように、直線又は折れ線で結んで構成される一又は複数の特別ラインを設定可能な特別ライン設定手段と、
前記有利状態において、前記特別ラインのうち、一又は複数のいずれかの前記特別ラインを前記有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能な判定ライン決定手段(例えば、メインCPU101による味方種別の決定)と、
前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに特定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることが可能な継続度合決定手段(例えば、メインCPU101による敵ステータスの決定)と、を含み、
前記所定期間が経過するときに、前記継続度合決定手段により決定された前記継続度合いに基づいて前記有利状態を継続させるか否かを決定する、ことを特徴とする遊技機。
前記継続度合決定手段は、前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに所定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第2の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示し、複数の有効ラインが設定された図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、所定期間、遊技者に有利な有利状態(例えば、ラインバトル状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、特定の有利条件が成立した場合(例えば、ラインバトル状態において権利獲得抽籤状態に移行することが決定され、権利獲得抽籤状態において権利獲得状態移行抽籤に当籤した場合)に、特定期間、遊技者に有利な特定状態(例えば、権利獲得状態)に制御可能な特定状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態継続決定手段は、
前記有利状態において、複数の前記有効ラインのうち、一又は複数のいずれかの前記有効ラインを前記有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能な判定ライン決定手段(例えば、メインCPU101による味方種別の決定)と、
前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに特定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることが可能な継続度合決定手段(例えば、メインCPU101による敵ステータスの決定)と、を含み、
前記所定期間が経過するときに、前記継続度合決定手段により決定された前記継続度合いに基づいて前記有利状態を継続させるか否かを決定し、
前記特定状態は、特定権利(例えば、永続権利又は限定的権利)が付与されるか否かを決定可能な状態であり、
前記判定ライン決定手段は、付与された前記特定権利に基づいて前記判定ラインを決定することを特徴とする遊技機。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
前記図柄表示手段について所定領域を視認可能とし、当該所定領域において一又は複数の有効ラインが設定された図柄表示領域(例えば、図柄表示領域4)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、所定期間、遊技者に有利な有利状態(例えば、ラインバトル状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、特定の有利条件が成立した場合(例えば、ラインバトル状態において権利獲得抽籤状態に移行することが決定され、権利獲得抽籤状態において権利獲得状態移行抽籤に当籤した場合)に、特定期間、遊技者に有利な特定状態(例えば、権利獲得状態)に制御可能な特定状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態継続決定手段は、
前記図柄表示領域に表示される図柄のうち、各列ごとのいずれかの一の図柄を通るように、直線又は折れ線で結んで構成される一又は複数の特別ラインを設定可能な特別ライン設定手段と、
前記有利状態において、前記特別ラインのうち、一又は複数のいずれかの前記特別ラインを前記有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能な判定ライン決定手段(例えば、メインCPU101による味方種別の決定)と、
前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに特定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることが可能な継続度合決定手段(例えば、メインCPU101による敵ステータスの決定)と、を含み、
前記所定期間が経過するときに、前記継続度合決定手段により決定された前記継続度合いに基づいて前記有利状態を継続させるか否かを決定し、
前記特定状態は、特定権利(例えば、永続権利又は限定的権利)が付与されるか否かを決定可能な状態であり、
前記判定ライン決定手段は、付与された前記特定権利に基づいて前記判定ラインを決定することを特徴とする遊技機。
前記特定状態は、前記判定ライン決定手段により前記判定ラインとして決定可能な上限数(例えば、2)を超える数の前記特定権利を付与可能な状態であり、
前記判定ライン決定手段は、前記判定ラインとして決定可能な上限数以上の前記特定権利が付与された場合、当該上限数分の前記特定権利を用いて当該上限数分の前記判定ラインを決定し、
前記継続度合決定手段は、前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに所定の図柄の組合せが表示される場合に、前記特定権利が残存していなければ、前記継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させ、前記特定権利が残存していれば、前記継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させないことが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第3の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示し、複数の有効ラインが設定された図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、所定期間、遊技者に有利な有利状態(例えば、ラインバトル状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態継続決定手段は、
前記有利状態において、複数の前記有効ラインのうち、一又は複数のいずれかの前記有効ラインを前記有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能な判定ライン決定手段(例えば、メインCPU101による味方種別の決定)と、
前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに特定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることが可能な継続度合決定手段(例えば、メインCPU101による敵ステータスの決定)と、を含み、
前記所定期間が経過するときに、前記継続度合決定手段により決定された前記継続度合いに基づいて前記有利状態を継続させるか否かを決定し、
特別の有利条件が成立した場合(例えば、永続権利獲得抽籤に当籤した場合)に、特別権利(例えば、永続権利)を付与することを決定可能な特別権利付与手段(例えば、メインCPU101)をさらに備え、
前記判定ライン決定手段は、
前記特別権利付与手段により前記特別権利が付与されている場合には、複数の前記有効ラインのうち、いずれかの複数の前記有効ラインを前記判定ラインとして必ず決定し、
前記特別権利付与手段により前記特別権利が付与されていない場合には、前記判定ラインを決定するときに、複数の前記有効ラインのうち、一又は複数のいずれかの前記有効ラインを前記判定ラインとするかを決定可能である、ことを特徴とする遊技機。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
前記図柄表示手段について所定領域を視認可能とし、当該所定領域において一又は複数の有効ラインが設定された図柄表示領域(例えば、図柄表示領域4)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、所定期間、遊技者に有利な有利状態(例えば、ラインバトル状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態継続決定手段は、
前記図柄表示領域に表示される図柄のうち、各列ごとのいずれかの一の図柄を通るように、直線又は折れ線で結んで構成される一又は複数の特別ラインを設定可能な特別ライン設定手段と、
前記有利状態において、前記特別ラインのうち、一又は複数のいずれかの前記特別ラインを前記有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能な判定ライン決定手段(例えば、メインCPU101による味方種別の決定)と、
前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに特定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることが可能な継続度合決定手段(例えば、メインCPU101による敵ステータスの決定)と、を含み、
前記所定期間が経過するときに、前記継続度合決定手段により決定された前記継続度合いに基づいて前記有利状態を継続させるか否かを決定し、
特別の有利条件が成立した場合(例えば、永続権利獲得抽籤に当籤した場合)に、特別権利(例えば、永続権利)を付与することを決定可能な特別権利付与手段(例えば、メインCPU101)をさらに備え、
前記判定ライン決定手段は、
前記特別権利付与手段により前記特別権利が付与されている場合には、複数の前記特別ラインのうち、いずれかの複数の前記特別ラインを前記判定ラインとして必ず決定し、
前記特別権利付与手段により前記特別権利が付与されていない場合には、前記判定ラインを決定するときに、複数の前記特別ラインのうち、一又は複数のいずれかの前記特別ラインを前記判定ラインとするかを決定可能である、ことを特徴とする遊技機。
前記継続度合決定手段は、前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに所定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させることが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第4の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、所定期間、遊技者に有利な有利状態(例えば、ラインバトル状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態において、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記所定の有利条件が成立したことに基づいて、前記有利状態における遊技状態を第1遊技状態(例えば、RT2状態)に変移させることが可能であるとともに、前記有利状態において特別の図柄の組合せ(例えば、RT3移行目)が表示された場合に、前記有利状態における遊技状態を第2遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能な遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101によるRTチェック処理)と、を備え、
前記有利状態継続決定手段は、
前記有利状態において特定の図柄の組合せが表示される場合に、前記有利状態の継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることが可能な継続度合決定手段(例えば、メインCPU101による敵ステータスの決定)を含み、
前記内部当籤役決定手段が前記特定の図柄の組合せが表示され得る特定の内部当籤役を決定する確率は、前記第1遊技状態よりも前記第2遊技状態のほうが高いことを特徴とする遊技機。
前記継続度合決定手段は、前記有利状態において所定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させることが可能であり、
前記内部当籤役決定手段は、前記第1遊技状態において前記所定の図柄の組合せが表示され得る所定の内部当籤役を決定可能とし、前記第2遊技状態において前記所定の内部当籤役を決定可能としないことを特徴とする上記に記載の遊技機。
上記構成の遊技機によれば、有利状態(例えば、有利区間のラインバトル状態)において、一又は複数のいずれかのライン(有効ラインであるかを問わない)を有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能とし、有利状態において、決定された判定ラインに特定の図柄の組合せ(例えば、「リプレイ」又は「ベル」の図柄揃い)表示される場合に、有利状態の継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることを可能とし、決定された継続度合いに基づいて有利状態を継続させるか否かを決定することが可能となっている。
これにより、判定ラインの決定結果に応じて有利状態の継続度合いを変動させることができるため、遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、有利状態において、決定された判定ラインに所定の図柄の組合せ(例えば、「被弾リプ」の図柄の組合せ)が表示される場合に、有利状態の継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させることが可能となっている。
これにより、有利状態中における緊張感を高めることができ、有利状態中の遊技が単調とならず、さらに遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインついての決定結果は、特定状態(例えば、権利獲得状態)において権利が付与されたか否かによって変動するようになっている。すなわち、特定状態において付与された権利に基づいて判定ラインを決定することが可能となっている。
また、上記構成の遊技機によれば、特定状態において判定ラインの上限数以上の権利が付与された場合には、まず、上限数分の権利を用いて上限数の判定ラインが決定される。そして、有利状態において、決定された判定ラインに、所定の図柄の組合せ(例えば、「被弾リプ」の図柄の組合せ)が表示される場合に、付与された権利が残存していなければ、有利状態の継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させ、付与された権利が残存していれば、有利状態の継続度合いを遊技者に不利な度合いに変動させないことが可能となっている。
また、上記構成の遊技機によれば、特別権利(例えば、永続権利)が付与されている場合には、複数の判定ラインが必ず決定され、特別権利が付与されていない場合には、判定ラインを決定するときに、一又は複数のいずれかのラインが判定ラインとして決定されるようになっている。
これにより、有利状態中の各遊技状態の役割を多様化させ、また、有利状態が継続する継続度合いを多様に変動させることができるため、遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、有利状態(例えば、有利区間のラインバトル状態)における遊技状態を第1遊技状態(例えば、RT2状態)に変移させることが可能であるとともに、特別の図柄の組合せ(例えば、「RT3移行目」)が表示された場合に、有利状態における遊技状態を第2遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能となっており、有利状態の継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させる特定の図柄の組合せ(例えば、「中段リプ」の図柄の組合せ)が表示され得る特定の内部当籤役(例えば、「F_中段リプ1」及び「F_中段リプ2」のいずれか)を決定する確率は、RT2状態よりもRT3状態のほうが高くなっている。
また、上記構成の遊技機によれば、第1遊技状態においては、有利状態の継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させる所定の図柄の組合せ(例えば、「被弾リプ」の図柄の組合せ)が表示され得る所定の内部当籤役(例えば、「F_被弾リプ」)を決定可能とし、第2遊技状態においては、この所定の内部当籤役を決定可能としないようになっている。
これにより、有利状態においては、いずれの遊技状態であるかによって遊技者の有利さの度合いがさらに変動するようになるため、有利状態中の遊技をより多彩なものとし、さらに遊技者に有利な状態の継続に関する興趣の向上を図ることができる。
[第5の構成の遊技機]
従来の遊技機において、停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化する所定の内部当籤役に当籤した場合に、遊技制御回路が、遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知される有利状態にあっては、停止操作の手順の報知を可能とする報知可能情報を演出制御回路に対して送信し、遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知されない通常状態にあっては、停止操作の手順の報知を不能とする報知不能情報を演出制御回路に対して送信することを可能にしたものが知られている(例えば、特開2016−144568号公報参照)。
しかしながら、上記に示す遊技機では、例えば、所定の内部当籤役が、遊技者にとって有利な停止操作の手順は同じであっても表示される図柄の組合せが異なるといったような複数の内部当籤役を含む場合に、停止操作の手順を報知する演出は行えるものの、表示される図柄の組合せに関連した演出は行えないという問題があった。
ここで、遊技制御回路が、内部当籤役の種別を詳細に演出制御回路に送信することも考えられるが、このようにすると、遊技制御回路の制御負担が増大してしまうという問題が生じることとなる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、制御負担を増大させることなく、より適切な演出を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第5の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、サブCPU201によって制御される表示装置11)と、を備えた遊技機であって、
前記演出実行手段に対して前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に関する所定の情報(例えば、当籤役番号)を送信可能な情報送信手段(例えば、メインCPU101による通信データ送信処理)と、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、所定期間、遊技者に有利な停止操作の手順が報知され得る有利状態(例えば、ラインバトル状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、
第1の停止操作の手順(例えば、「打順1」)で停止操作が行われた場合に、前記図柄表示手段における第1のライン(例えば、トップライン)上に特定の図柄の組合せが表示される第1の内部当籤役(例えば、「F_上段左ベル1」)と、
前記第1の停止操作の手順で停止操作が行われた場合に、前記図柄表示手段における第2のライン(例えば、センターライン)上に前記特定の図柄の組合せが表示される第2の内部当籤役(例えば、「F_中段左ベル1」)と、
第2の停止操作の手順(例えば、「打順3」)で停止操作が行われた場合に、前記図柄表示手段における前記第1のライン上に前記特定の図柄の組合せが表示される第3の内部当籤役(例えば、「F_上段中ベル1」)と、
前記第2の停止操作の手順で停止操作が行われた場合に、前記図柄表示手段における前記第2のライン上に前記特定の図柄の組合せが表示される第4の内部当籤役(例えば、「F_中段中ベル1」)と、を内部当籤役として決定可能であり、
前記情報送信手段は、
前記有利状態において、前記内部当籤役決定手段が前記第1の内部当籤役又は前記第3の内部当籤役を決定した場合、前記所定の情報として第1の情報(例えば、当籤役番号として「23」)を送信し、
前記有利状態において、前記内部当籤役決定手段が前記第2の内部当籤役又は前記第4の内部当籤役を決定した場合、前記所定の情報として第2の情報(例えば、当籤役番号として「24」)を送信し、
前記演出実行手段は、前記第1の情報が送信されたときと、前記第2の情報が送信されたときと、で異なる演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
前記有利状態において、前記第1のライン及び前記第2のラインを含む複数のラインのうち、一又は複数のいずれかのラインを前記有利状態の継続度合いの変動に関する判定ラインとするかを決定可能な判定ライン決定手段(例えば、メインCPU101による味方種別の決定)と、
前記有利状態において、前記判定ライン決定手段により決定された前記判定ラインに前記特定の図柄の組合せが表示される場合に、前記継続度合いを遊技者に有利な度合いに変動させることが可能な継続度合決定手段(例えば、メインCPU101による敵ステータスの決定)と、
前記所定期間が経過するときに、前記継続度合決定手段により決定された前記継続度合いに基づいて前記有利状態を継続させるか否かを決定する有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101による継続抽籤)と、を備えたことを特徴とする上記に記載の遊技機。
上記構成の遊技機によれば、例えば、「打順1」で停止操作が行われた場合に、トップラインで「ベル」の図柄の組合せが表示される「F_上段左ベル1」と、「打順1」で停止操作が行われた場合に、センターラインで「ベル」の図柄の組合せが表示される「F_中段左ベル1」と、「打順3」で停止操作が行われた場合に、トップラインで「ベル」の図柄の組合せが表示される「F_上段中ベル1」と、「打順3」で停止操作が行われた場合に、センターラインで「ベル」の図柄の組合せが表示される「F_中段中ベル1」と、を少なくとも内部当籤役として決定可能であり、有利状態において、例えば、「F_上段左ベル1」又は「F_上段中ベル1」が決定された場合には、当籤役番号として「23」を送信し、「F_中段左ベル1」又は「F_中段中ベル1」が決定された場合には、当籤役番号として「24」を送信するようになっている。そして、本実施形態では、送信された当籤役番号に応じて異なる演出を実行することが可能となっている。
これにより、例えば、有利状態(例えば、有利区間のラインバトル状態)において、図柄が表示されるラインによって遊技者の有利さの度合いが変動するような遊技性を有する場合に、表示される図柄の組合せに関連した演出を行うことができるため、制御負担を増大させることなく、より適切な演出を行うことができる。
[第6の構成の遊技機]
従来の遊技機において、遊技者に有利な特定遊技状態中に、遊技者に有利な特別遊技状態に移行した回数に応じて実行されるストーリー演出のストーリーを進行させる、すなわち、遊技者に有利な状態が継続した期間に応じて演出内容を変化させることを可能にしたものが知られている(例えば、特開2016−187467号公報参照)。
ここで、上記に示すような遊技機では、例えば、遊技者に有利な状態が所定期間継続した場合、通常では見ることのできない特別の演出(例えば、エンディング演出など)を行うことも可能である。
ところで、このような特別の演出は、例えば、遊技者への追加的な特典の付与として実行されるものであるが、遊技者の遊技意欲をさらに高め、演出の興趣を向上させるための工夫をなし得る余地があるものと考えられる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技者の遊技意欲を高め、演出の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第6の構成の遊技機を提供することができる。
遊技者の開始操作に基づいて図柄を変動表示し、遊技者の停止操作に基づいて図柄を停止表示することで遊技を行う遊技機(例えば、パチスロ1)であって、
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、遊技者に有利な有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、表示装置11)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記有利状態制御手段により前記有利状態に制御されている期間が特別期間(例えば、有利区間の遊技期間が「1200」回以上)となったときに、特別演出(例えば、エンディング2状態におけるエンディング演出)を実行可能であり、
前記所定の有利条件が成立した場合に、所定の実行条件が成立した場合(例えば、エンディング1状態に移行させることが決定された場合)には、前記特別演出の一部の演出が実行される特殊演出(例えば、エンディング1状態におけるエンディング演出)を実行可能である、ことを特徴とする遊技機。
前記有利状態において、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段(例えば、メインCPU101による継続抽籤)と、
前記有利状態継続決定手段により前記有利状態を継続させることが決定されない場合に、前記有利状態を終了させる通常終了手段と、
前記有利状態継続決定手段により前記有利状態を継続させることが決定された場合であっても、前記有利状態制御手段により前記有利状態に制御されている期間が前記特別期間を越える特定期間(例えば、規制監視期間が「1500」回)となったときに、前記有利状態を終了させる特定終了手段と、をさらに備え、
前記演出実行手段は、前記有利状態制御手段により前記有利状態に制御されている期間が前記特別期間となったときから前記特定期間となるまで、前記特別演出を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機。
前記演出実行手段は、前記有利状態制御手段により前記有利状態に制御されている期間が前記特定期間となるまで、前記有利状態継続決定手段により前記有利状態を継続させることが決定される度に、前記有利状態制御手段により前記有利状態に制御されている期間の目安を示唆する示唆演出を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機。
上記構成の遊技機によれば、有利状態に制御されている期間が特別期間となったとき(例えば、エンディング2状態となったとき)に、特別演出が実行されることを可能とするとともに、有利状態に制御されることが決定された場合に、所定の実行条件が成立した場合(例えば、エンディング1状態に移行させることが決定された場合)には、特別演出の一部が実行される特殊演出が実行されることを可能としている。
すなわち、上記構成の遊技機によれば、通常、遊技者に有利な状態中の遊技の終盤に実行され得るようになっている特別演出の一部である特殊演出が、所定の実行条件が成立した場合には、遊技者に有利な状態中の遊技の序盤において実行され得るようになっている。これにより、遊技者は特別演出を全て見たいと望みながら遊技を行うようになるため、遊技者の遊技意欲を高め、演出の興趣を向上させることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、有利状態に制御されている期間が特別期間となったときから、有利状態に制御されている期間が特定期間となって、有利状態が終了されるまで、特別演出が実行されることを可能としている。これにより、遊技媒体の獲得を規制する場合であっても、遊技者の興趣が低下してしまうことを軽減することができる。
また、上記構成の遊技機によれば、有利状態に制御されている期間が特別期間となるまでは、有利状態を継続させることが決定される度に、有利状態に制御されている期間の目安を示唆する示唆演出を実行可能としている。これにより、特別演出の実行が開始される時期や有利状態が終了する時期などを遊技者が概ね把握できるようになるため、遊技の興趣を高めつつ、遊技者に適切な情報を提供することができる。
[第7〜第12の構成の遊技機]
従来の遊技機において、遊技者に有利な状態(例えば、ボーナス状態)への移行を可能とする特別役(例えば、ボーナス役)が内部当籤役として決定されたか否かを報知するための連続演出を行うことを可能にしたものが知られている(例えば、特開2008−79697号公報参照)。
しかしながら、特別役が内部当籤役として決定された否かは、連続演出の演出内容のみならず、表示される図柄の組合せなどによっても推測できてしまう場合も少なくないことから、有利な状態に移行するか否かに関する報知や有利な状態の移行態様自体などにはさらに工夫をなし得る余地があるものと考えられる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第7の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
特定役(例えば、「チャンス目」)が内部当籤役として決定された場合に、所定期間、遊技者に有利な第1有利状態(例えば、通常有利区間)に制御可能であるとともに、所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、前記第1有利状態よりも遊技者に有利な第2有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特定役に対応する特定の図柄の組合せ(例えば、「RT3移行目」)が表示された場合に、遊技状態を第1通常遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能であるとともに、特別役(例えば、ボーナス役)が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を第2通常遊技状態(例えば、RT5状態)に変移させることが可能な通常遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別役に対応する特別の図柄の組合せ(例えば、ボーナス役に係る図柄の組合せ)が表示される場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)に変移させることが可能な特別遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、表示装置11)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、
前記停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化する複数の所定役(例えば、押し順小役)と、前記特定役と、前記特別役と、を内部当籤役として決定可能であるとともに、前記特別役を内部当籤役として決定した場合、前記特別の図柄の組合せが表示されるまで前記特別役の当籤を持ち越すことが可能であり、
前記特別役の当籤が持ち越されていない場合、前記特定役と前記特別役とを同時に内部当籤役として決定可能であり、
前記演出実行手段は、
前記第1有利状態であって前記第1通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行し、前記第1有利状態であって前記第2通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行する、ことを特徴とする遊技機。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第8の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
特定役(例えば、「チャンス目」)が内部当籤役として決定された場合に、所定期間、遊技者に有利な第1有利状態(例えば、通常有利区間)に制御可能であるとともに、所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、前記第1有利状態よりも遊技者に有利な第2有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特定役に対応する特定の図柄の組合せ(例えば、「RT3移行目」)が表示された場合に、遊技状態を第1通常遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能であるとともに、特別役(例えば、ボーナス役)が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を第2通常遊技状態(例えば、RT5状態)に変移させることが可能な通常遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別役に対応する特別の図柄の組合せ(例えば、ボーナス役に係る図柄の組合せ)が表示される場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)に変移させることが可能な特別遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、表示装置11)と、を備え、
前記特定役は、前記停止操作が特定の態様であった場合に前記特定の図柄の組合せが表示され、前記停止操作が前記特定の態様でなかった場合に前記特定の図柄の組合せが表示されない内部当籤役であり、
前記内部当籤役決定手段は、
前記停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化する複数の所定役(例えば、押し順小役)と、前記特定役と、前記特別役と、を内部当籤役として決定可能であるとともに、前記特別役を内部当籤役として決定した場合、前記特別の図柄の組合せが表示されるまで前記特別役の当籤を持ち越すことが可能であり、
前記特別役の当籤が持ち越されていない場合、前記特定役と前記特別役とを同時に内部当籤役として決定可能であり、
前記演出実行手段は、
前記第1有利状態であって前記第1通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、前記第1有利状態が終了するまで、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とし、前記第1有利状態であって前記第2通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、前記第1有利状態が終了するまで、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とし、
前記第1有利状態であって前記第1通常遊技状態及び前記第2通常遊技状態のいずれの遊技状態でもない場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、所定回数(例えば、1回)に限り、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とする、ことを特徴とする遊技機。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第9の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
特定役(例えば、「チャンス目」)が内部当籤役として決定された場合に、所定期間(例えば、9ゲーム間)、遊技者に有利な第1有利状態(例えば、通常有利区間の高確2状態)に制御可能であるとともに、所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、前記第1有利状態よりも遊技者に有利な第2有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特定役に対応する特定の図柄の組合せ(例えば、「RT3移行目」)が表示された場合に、遊技状態を第1通常遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能であるとともに、特別役(例えば、ボーナス役)が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を第2通常遊技状態(例えば、RT5状態)に変移させることが可能な通常遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別役に対応する特別の図柄の組合せ(例えば、ボーナス役に係る図柄の組合せ)が表示される場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)に変移させることが可能な特別遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、表示装置11)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、
前記停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化する複数の所定役(例えば、押し順小役)と、前記特定役と、前記特別役と、を内部当籤役として決定可能であるとともに、前記特別役を内部当籤役として決定した場合、前記特別の図柄の組合せが表示されるまで前記特別役の当籤を持ち越すことが可能であり、
前記特別役の当籤が持ち越されていない場合、前記特定役と前記特別役とを同時に内部当籤役として決定可能であり、
前記演出実行手段は、
前記第1有利状態であって前記第1通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とし、前記第1有利状態であって前記第2通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とし、
前記有利状態制御手段は、前記特別遊技状態が終了した場合に、
前記所定の有利条件が成立している場合には、前記第2有利状態に制御し、
前記所定の有利条件が成立していない場合には、特定期間(例えば、32ゲーム間)、第3有利状態(例えば、通常有利区間の高確4状態)に制御する、ことを特徴とする遊技機。
遊技者の有利の度合いを異ならせるための複数の設定値(例えば、設定1〜6)のうち、いずれかの設定値を設定可能であり、
前記特別役は、前記複数の設定値間で当籤確率が異なる第1の特別役と、前記複数の設定値間で当籤確率が同じである第2の特別役と、を含み、
前記所定の有利条件は、
前記第1有利状態及び第3有利状態のいずれかの有利状態であるとき、前記第1の特別役及び前記第2の特別役のいずれの特別役が内部当籤役として決定された場合であっても成立するか否かが決定され、
前記第1有利状態及び第3有利状態のいずれの有利状態でもないとき、前記第1の特別役が内部当籤役として決定された場合には成立するか否かが決定されない、ことを特徴とする上記に記載の遊技機。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第10の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
特定役(例えば、「チャンス目」)が内部当籤役として決定された場合に、所定期間、遊技者に有利な第1有利状態(例えば、通常有利区間)に制御可能であるとともに、所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、前記第1有利状態よりも遊技者に有利な第2有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特定役に対応する特定の図柄の組合せ(例えば、「RT3移行目」)が表示された場合に、遊技状態を第1通常遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能であるとともに、特別役(例えば、ボーナス役)が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を第2通常遊技状態(例えば、RT5状態)に変移させることが可能な通常遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別役に対応する特別の図柄の組合せ(例えば、ボーナス役に係る図柄の組合せ)が表示される場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)に変移させることが可能な特別遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、表示装置11)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、
前記停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化する複数の所定役(例えば、押し順小役)と、前記特定役と、前記特別役と、を内部当籤役として決定可能であるとともに、前記特別役を内部当籤役として決定した場合、前記特別の図柄の組合せが表示されるまで前記特別役の当籤を持ち越すことが可能であり、
前記特別役の当籤が持ち越されていない場合、前記特定役と前記特別役とを同時に内部当籤役として決定可能であり、
前記有利状態制御手段は、前記第1有利状態において、前記所定の有利条件を成立させるか否かを決定可能であり、
前記演出実行手段は、
前記第1有利状態であって前記第1通常遊技状態及び前記第2通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とし、
前記第2有利状態において前記特別遊技状態に制御された場合に、当該特別遊技状態において複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とし、
前記第1有利状態において前記特別遊技状態に制御された場合に、当該特別遊技状態において複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能としない、ことを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、特定役(例えば、「チャンス目」)が内部当籤役として決定された場合に、第1有利状態(例えば、通常有利区間)に制御可能であるとともに、所定の有利条件が成立した場合(例えば、ART抽籤に当籤した場合)に、第2有利状態(例えば、有利区間)に制御可能であり、特定の図柄の組合せ(例えば、「RT3移行目」)が表示された場合に、遊技状態を第1通常遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能であるとともに、特別役(例えば、ボーナス役)が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を第2通常遊技状態(例えば、RT5状態)に変移させることが可能となっている。また、特定役と特別役とを同時に内部当籤役として決定可能となっている。そして、第1有利状態であって第1通常遊技状態及び第2通常遊技状態である場合には、所定役(例えば、押し順小役)について、遊技者に有利な停止操作の手順が報知されるようになっている。
これにより、第1有利状態では、通常状態であるときよりも付与される遊技媒体数が増加する可能性が高まるとともに、特別遊技状態に遷移するか否かの期待感も高まることから、遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、特定役は、停止操作が特定の態様(例えば、適切なタイミング)で行われた場合に特定の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合に特定の図柄の組合せが表示されない内部当籤役であり、第1有利状態であってRT3状態及びRT5状態である場合には、当該第1有利状態が終了するまで、所定役について遊技者に有利な停止操作の手順が報知され、第1有利状態であって第1通常状態及び第2通常遊技状態でない場合には、所定回数(例えば、1回)に限り、所定役について遊技者に有利な停止操作の手順が報知されるようになっている。
これにより、特定役が当籤したときに、特別役も同時に内部当籤役として決定されているか否かと、特定の図柄の組合せが表示されたか否かと、によって第1有利状態の有利度合いや内容を変動させることができるため、さらに遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、上記構成の遊技機では、特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)が終了した場合に、所定の有利条件が成立している場合には第2有利状態に移行させ、所定の有利条件が成立していない場合には、特定期間(例えば、32ゲーム間)、第3有利状態(例えば、通常有利区間の高確4状態)に移行させるようになっている。
また、上記構成の遊技機では、第1有利状態及び第3有利状態のいずれかの遊技状態であるとき、複数の設定値間で当籤確率が同じである第2特別役(例えば、「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」以外のボーナス役を含む内部当籤役)、及び複数の設定値間で当籤確率が異なる第1特別役(例えば、「F_BB3+F_スイカ2」及び「F_BB4+F_スイカ2」)のいずれに当籤した場合であっても、第2有利状態に移行させるか否かが決定されるが、第1有利状態及び第3有利状態のいずれの遊技状態でもないときに、第1特別役に当籤した場合には、第2有利状態に移行させるか否かが決定されないようになっている。
これにより、特別役に当籤したときの遊技状態やその種別によって、その後の遊技状態(有利状態)の遷移をより多様なものとすることができるため、さらに遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、上記構成の遊技機では、第2有利状態に移行させるか否かを決定可能な第1有利状態の通常遊技状態では、所定役について遊技者に有利な停止操作の手順を報知可能であり、第2有利状態において特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)に制御された場合にも所定役について遊技者に有利な停止操作の手順を報知可能であるが、第1有利状態において特別遊技状態に制御された場合には所定役について遊技者に有利な停止操作の手順を報知可能としないようになっている。
これにより、第2有利状態に移行する期待度が高まるとともに、付与される遊技媒体数が増加する可能性も高まる遊技区間である第1有利状態を設けることができるため、遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができるとともに、このような遊技区間を設ける場合であっても、遊技者に付与される利益が過度となってしまうことを抑制し、遊技者の射幸心が過度に煽られることを抑制することもできる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第11の構成の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、
遊技者の開始操作に基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を開始する図柄変動手段(例えば、メインCPU101によるリール回転開始処理)と、
前記開始操作に基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101による内部抽籤処理)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示を停止する停止制御手段(例えば、メインCPU101によるリール停止制御処理)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に表示される図柄の変動表示が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた利益を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU101による入賞チェック・メダル払出処理)と、を備えた遊技機であって、
特定役(例えば、「チャンス目」)が内部当籤役として決定された場合に、所定期間、遊技者に有利な有利状態(例えば、通常有利区間の高確2状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特定役に対応する特定の図柄の組合せ(例えば、「RT3移行目」)が表示された場合に、遊技状態を第1通常遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能であるとともに、特別役(例えば、ボーナス役)が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を第2通常遊技状態(例えば、RT5状態)に変移させることが可能な通常遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別役に対応する特別の図柄の組合せ(例えば、ボーナス役に係る図柄の組合せ)が表示される場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば、ボーナス状態)に変移させることが可能な特別遊技状態変移制御手段(例えば、メインCPU101)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、表示装置11)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、
前記停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化する複数の所定役(例えば、押し順小役)と、前記特定役と、前記特別役と、を内部当籤役として決定可能であるとともに、前記特別役を内部当籤役として決定した場合、前記特別の図柄の組合せが表示されるまで前記特別役の当籤を持ち越すことが可能であり、
前記特別役の当籤が持ち越されていない場合、前記特定役と前記特別役とを同時に内部当籤役として決定可能であり、
前記演出実行手段は、
前記有利状態であって前記第1通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とし、
前記有利状態であって前記第2通常遊技状態である場合に、複数の前記所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、遊技者に有利な前記停止操作の手順を報知可能な演出を実行可能とし、
前記通常遊技状態変移制御手段は、前記特定役が前記特別役と同時に内部当籤役として決定されなかった場合であって、前記特定の図柄の組合せが表示された場合に、特定期間(例えば、8ゲーム間)、遊技状態を前記第1通常遊技状態に変移させ、
前記所定期間は、前記特定期間よりも長い期間(例えば、9ゲーム間)に設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、特定役(例えば、「チャンス目」)が内部当籤役として決定された場合に、有利状態(例えば、通常有利区間の高確2状態)に制御可能であり、特定の図柄の組合せ(例えば、「RT3移行目」)が表示された場合に、遊技状態を第1通常遊技状態(例えば、RT3状態)に変移させることが可能であるとともに、特別役(例えば、ボーナス役)が内部当籤役として決定された場合に、遊技状態を第2通常遊技状態(例えば、RT5状態)に変移させることが可能となっている。また、特定役と特別役とを同時に内部当籤役として決定可能となっている。そして、有利状態であって第1通常遊技状態及び第2通常遊技状態である場合には、所定役(例えば、押し順小役)について、遊技者に有利な停止操作の手順が報知可能であり、有利状態が継続可能な期間(例えば、9ゲーム間)が、第1通常遊技状態が継続可能な期間(例えば、8ゲーム間)よりも長い期間に設定されている。
これにより、特定の遊技状態(第1通常遊技状態)が終了するか否かにかかわらず、遊技者の期待感を維持させることが可能となるため、遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第12の構成の遊技機を提供することができる。
所定の有利条件が成立した場合(例えば、ボーナス役に当籤した場合)に、遊技者に有利な有利状態(例えば、ボーナス状態)に制御可能な有利状態制御手段と、
画像を表示可能な表示手段(例えば、表示装置11)と、
遊技者の操作を検出可能な検出手段(例えば、タッチセンサ19)と、を備えた遊技機であって、
前記表示手段は、前記所定の有利条件が成立したか否かを報知するための特定画像を表示可能であり、
前記特定画像は、前記所定の有利条件が成立している場合に表示される第1特定画像(例えば、ベース画像と一部が異なる画像)と、前記所定の有利条件が成立していない場合に表示される第2特定画像(例えば、ベース画像と同じ画像)と、を含み、
前記第1特定画像と前記第2特定画像とは、特定部分において異なり、前記特定部分以外の他の部分において共通する画像であり、
前記第1特定画像が表示された場合に、遊技者が前記特定部分を指定する操作を行ったことを前記検出手段が検出した場合には、前記所定の有利条件が成立していることを報知する特別画像(例えば、「ボーナス確定!」のメッセージ)が前記表示手段に表示されることを特徴とする遊技機。
前記第2特定画像は、前記遊技機のモチーフとして使用された原作品における所定の画像と同一又は近似の画像であることを特徴とする上記に記載の遊技機。
上記構成の遊技機によれば、遊技者に有利な有利状態(例えば、ボーナス状態)に制御可能となる所定の有利条件(例えば、ボーナス役に当籤したこと)が成立したか否かを報知するため、所定の有利条件が成立している場合には、第1特定画像(例えば、ベース画像と一部が異なる画像)が表示され、所定の有利条件が成立していない場合には第2特定画像(例えば、ベース画像と同じ画像)が表示されることが可能となっており、第1特定画像が表示された場合に、遊技者が第2特定画像と異なる部分を指定する操作を行った場合には、所定の有利条件が成立していることを報知する特別画像(例えば、「ボーナス確定!」のメッセージ)が表示されることが可能となっている。
これにより、遊技者の所定の操作も関与させた新規な演出態様によって、所定の有利条件が成立したか否かを報知することができるため、遊技者に有利な状態の移行に関する興趣の向上を図ることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、第2特定画像が、遊技機のモチーフとして使用された原作品における所定の画像と同一又は近似の画像となっている。これにより、原作品に愛着のある遊技者は、所定の有利条件が成立したか否かを認識しやすくなるため、遊技意欲を高めることができるとともに、演出に関する興趣をより高めることができる。
[第13の構成の遊技機]
従来の遊技機において、遊技制御装置側で特定の操作手段(例えば、ストップボタン)が押されている時間(オンエッジタイマが計数する時間)を監視し、その時間が演出制御回路側に送られることで、演出内容を変化させることを可能にしたものが知られている(例えば、特開2009−233278号公報参照)。
しかしながら、演出の多彩化が求められる昨今の遊技機では多くの演出を搭載する必要があるため、演出の制御負荷を軽減するための工夫をなすことが求められている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、特定の操作手段の操作態様によって演出を変化させる場合であっても、当該演出に関する制御負荷の軽減を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第13の構成の遊技機を提供することができる。
遊技者が操作可能な操作手段(例えば、ストップボタン)と、
前記操作手段の操作を検出可能な操作検出手段(例えば、ストップスイッチ)と、
演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記操作検出手段が前記操作手段の操作(例えば、オンエッジ)を検出したときに、計時を開始し、当該計時の開始から所定時間(例えば、3秒)が経過した場合に第1演出(例えば、「演出1」)を発生させる制御を行い、
所定条件が成立したときに、第2演出(例えば、「演出2」)を発生させる制御を行い、
前記計時の開始から前記所定時間が経過するよりも前に前記所定条件が成立した場合は、前記第1演出を発生させる制御を行わない、ことを特徴とする遊技機。
前記所定条件は、前記操作検出手段が前記操作手段の操作が終了したことを検出したとき(例えば、オフエッジを検出したとき)に成立することを特徴とする上記に記載の遊技機。
上記構成の遊技機によれば、特定の操作手段の操作(例えば、オンエッジ)を検出したときに、計時を開始し、当該計時の開始から所定時間(例えば、3秒)が経過した場合に第1演出(例えば、「演出1」)を実行する制御を行い、所定条件が成立したとき(例えば、オフエッジを検出したとき)に、第2演出(例えば、「演出2」)を実行する制御を行い、計時の開始から所定時間が経過するよりも前に所定条件が成立した場合は、第1演出を実行する制御を行わないことが可能となっている。
これにより、特定の操作手段の操作態様によって演出を変化させる場合であっても、当該演出に関する制御負荷の軽減を図ることができる。
[第14の構成の遊技機]
従来の遊技機において、特定の操作手段(例えば、ストップボタン)の発光態様によって内部当籤役を報知するなどの演出を行うことを可能にしたものが知られている(例えば、2010−82034号公報参照)。
しかしながら、このような演出については、さらに工夫をなし得る余地があるものと考えられる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、演出に関する興趣を高めるとともに、遊技に関する興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第14の構成の遊技機を提供することができる。
所定条件の成立に基づいて有利状態(例えば、ボーナス状態)を発生させる状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態の発生より前に、前記有利状態の発生を許容する権利(例えば、ボーナス役の当籤)を付与するか決定可能な事前決定手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、遊技価値表示部(VL))と、を備えた遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記事前決定手段により前記有利状態の発生を許容する権利が付与する旨が決定された場合に、当該決定がされたことを報知する特定報知演出(例えば、「枚数先表示演出」)を実行可能であり、当該特定報知演出において当該決定により付与される権利に基づいて発生する前記有利状態において獲得し得る遊技価値に関する所定値(例えば、獲得予定枚数としての役連終了枚数カウンタの値)を表示することを特徴とする遊技機。
前記特定報知演出において前記演出実行手段が前記所定値を表示した場合、少なくともその後の前記有利状態の発生まで前記所定値の表示を継続し、前記有利状態において遊技価値が獲得された場合に、当該獲得された遊技価値の値に基づいて、前記所定値の表示を更新することを特徴とする上記に記載の遊技機。
上記構成の遊技機によれば、有利状態(例えば、ボーナス状態)の発生を許容する権利が付与する旨が決定された(例えば、ボーナス役に当籤した)場合に、当該決定がされたことを報知する特定報知演出(例えば、「枚数先表示演出」)を実行可能であり、この特定報知演出では、付与することが決定された権利に基づいて発生する有利状態において獲得し得る遊技価値に関する所定値(例えば、獲得予定枚数としての役連終了枚数カウンタの値)を表示することが可能となっている。
これにより、遊技者が得た権利(当籤内容)の価値を具体的に報知する演出を行うことができるため、演出に関する興趣を高めるとともに、遊技に関する興趣を高めることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、特定報知演出において所定値を表示した場合、少なくともその後の有利状態の発生まで所定値の表示を継続し、有利状態において遊技価値が獲得された場合に、当該獲得された遊技価値の値に基づいて、所定値の表示を更新するようになっている。
これにより、有利状態の発生の前後において、価値を報知するための一連の演出を適切に行うことができるため、さらに演出に関する興趣を高めることができる。
[第15〜第18の構成の遊技機]
従来の遊技機において、遊技者にとって有利な遊技期間(有利区間)である有利状態(例えば、ART状態)でない場合に、当該有利状態に移行するか否かの抽籤を行うとともに、当該有利状態である場合に、当該有利状態を継続するか否かの抽籤を行うことを可能にしたものが知られている(例えば、特開2010−240017号公報参照)。
このような遊技機によれば、有利状態の移行確率や継続確率の高低などの設定条件によって有利区間となる遊技期間も変動するため、このような設定条件は、遊技の興趣を左右する事象となっている。
ところで、このような遊技機では、所定期間における遊技価値の付与量を所定の出玉率の範囲内とするため、有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与量(遊技価値の増加量を示す傾斜値)が一定の値となるように設計される。
それゆえ、有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与量が比較的高い値に設定された場合に、上記のような設定条件も遊技者に有利となるように設定されてしまうと、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうという問題がある。
一方、遊技の射幸性を抑制するため、有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与量を比較的低い値に設定することや、上記のような設定条件を遊技者に不利となるように設定することも考えられるが、この場合には、遊技の興趣が著しく低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第15の構成の遊技機を提供することができる。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始し、遊技者の停止操作に基づいて図柄の変動表示を停止することで遊技を行う遊技機であって、
遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値を第1の期待値(例えば、期待値α)に制御可能な第1期待値制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値を前記第1の期待値よりも小さい第2の期待値(例えば、期待値β)に制御可能な第2期待値制御手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態制御手段は、
前記有利状態でない場合に、前記有利状態を開始させるか否かを決定可能な有利状態開始決定手段と、
前記有利状態である場合に、前記有利状態を継続させるか否かを決定可能な有利状態継続決定手段と、を含み、
前記第1期待値制御手段は、少なくとも前記有利状態が開始されてから所定期間、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第1の期待値となるように制御し、
前記第2期待値制御手段は、少なくとも前記有利状態が継続されてから特定期間、前記所定期間を含む前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第2の期待値となるように制御することを特徴とする遊技機。
前記有利状態継続決定手段は、少なくとも前記有利状態が継続されてから前記特定期間、前記有利状態を継続させることを決定しないことを特徴とする遊技機。
前記有利状態継続決定手段が前記有利状態を継続させることを決定した場合、前記有利状態開始決定手段が前記有利状態を開始させることを決定したことに基づいて開始された前記有利状態が終了してから所定の待機期間が経過した後、前記有利状態を継続させることを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、有利状態が開始されてから所定期間は、遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行うことが可能となり、有利状態が継続されてから特定期間は、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行うことが可能となる。それゆえ、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
なお、上記構成の遊技機において、有利状態が継続されてから特定期間は、有利状態を継続させることを決定しないようにしてもよい。このようにすれば、より適切に出玉率を管理することができる。
また、上記構成の遊技機において、有利状態中に有利状態を継続させることを決定した場合であっても、当該有利状態を一旦終了させ、所定の待機期間が経過した後に、有利状態を継続させる(再開させる)ようにしてもよい。このようにすれば、より適切に出玉率を管理することができるのみならず、有利状態が継続するか否かに関し、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第16の構成の遊技機を提供することができる。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始し、遊技者の停止操作に基づいて図柄の変動表示を停止することで遊技を行う遊技機であって、
遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
特別遊技状態への移行を可能とする特別図柄の組合せが表示されることを許可するか否かを決定可能な事前決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可されている旨を報知する特定報知を実行可能な特定報知実行手段(例えば、表示装置11)と、を備え、
前記有利状態制御手段は、
所定の開始条件が成立した場合に、前記有利状態を開始させ、
所定の終了条件が成立した場合に、前記有利状態を終了させ、
前記所定の終了条件が成立する前に、前記特別図柄の組合せが表示された場合に、前記有利状態を終了させることが可能であり、
前記特定報知実行手段は、前記有利状態において、前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可されている場合、当該遊技において前記特別図柄の組合せが表示されることが可能な場合には、前記特定報知を実行可能であることを特徴とする遊技機。
前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値を第1の期待値(例えば、期待値α)に制御可能な第1期待値制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値を前記第1の期待値よりも低い第2の期待値(例えば、期待値β)に制御可能な第2期待値制御手段(例えば、メインCPU101)と、をさらに備え、
前記第1期待値制御手段は、前記有利状態が開始されてから特定の変動条件が成立するまで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第1の期待値となるように制御し、
前記第2期待値制御手段は、前記特定の変動条件が成立してから前記有利状態が終了されるまで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第2の期待値となるように制御することを特徴とする遊技機。
前記所定の終了条件は、前記有利状態が開始されてから所定期間遊技が行われたこと、又は前記有利状態が開始されてから付与された遊技価値が所定量となったこと、に基づいて成立することを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、有利状態は、所定の終了条件が成立した場合、又は所定の終了条件が成立する前に特別遊技状態に移行した場合に終了する。そして、有利状態では、特別遊技状態への移行が可能となっている場合、その旨を示す特定報知が実行される。したがって、遊技者は、規定された所定の終了条件の範囲内であれば、特別遊技状態への移行を回避することで有利状態を継続させることができる。それゆえ、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
なお、上記構成の遊技機において、有利状態が開始されてから特定の変動条件が成立するまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行うことが可能となり、特定の変動条件が成立してから有利状態が終了されるまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行うことが可能となるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者は、例えば、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行う場合、所定の終了条件が成立するまで有利状態を継続させることもできるし、特別遊技状態に移行させて有利状態を終了させ、再度遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行う機会を得ようとすることもできるため、射幸性をより適度なものとしつつも遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記構成の遊技機において、所定の終了条件は、遊技者に一定の特典が付与されたとき(あるいは、付与されたと仮定されるとき)に終了されるようにしてもよい。このようにすれば、簡易な構成でより適切に出玉率を管理することができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第17の構成の遊技機を提供することができる。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始し、遊技者の停止操作に基づいて図柄の変動表示を停止することで遊技を行う遊技機であって、
遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値を第1の期待値(例えば、期待値α)に制御可能な第1期待値制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値を前記第1の期待値よりも低い第2の期待値(例えば、期待値β)に制御可能な第2期待値制御手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態制御手段は、
所定の開始条件が成立した場合に、前記有利状態を開始させ、
所定の終了条件が成立した場合に、前記有利状態を終了させ、
前記所定の終了条件が成立する前に、特別遊技状態への移行を可能とする特別図柄の組合せが表示された場合に、前記有利状態を終了させることが可能であり、
前記第1期待値制御手段は、前記有利状態が開始されてから特定の変動条件が成立するまで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第1の期待値となるように制御し、
前記第2期待値制御手段は、前記特定の変動条件が成立してから前記有利状態が終了されるまで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第2の期待値となるように制御することを特徴とする遊技機。
前記特別図柄の組合せが表示されることを許可するか否かを決定可能な事前決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可されている旨を報知する特定報知を実行可能な特定報知実行手段(例えば、表示装置11)と、をさらに備え、
前記特定報知実行手段は、
前記有利状態において、前記有利状態が開始されてから前記特定の変動条件が成立するまでの間に、前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可されている場合には、前記特定の変動条件が成立したときに前記特定報知を実行可能であり、
前記有利状態において、前記特定の変動条件が成立してから前記有利状態が終了されるまでの間に、前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可された場合には、前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可されたときに前記特定報知を実行可能であることを特徴とする遊技機。
前記第1期待値制御手段は、前記有利状態における遊技者の停止操作に関する情報が報知される確率を第1の確率とすることで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第1の期待値となるように制御し、
前記第2期待値制御手段は、前記有利状態における遊技者の停止操作に関する情報が報知される確率を前記第1の確率よりも低い第2の確率とすることで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第2の期待値となるように制御することを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、有利状態が開始されてから特定の変動条件が成立するまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行うことが可能となり、特定の変動条件が成立してから有利状態が終了されるまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行うことが可能となる。また、有利状態は、所定の終了条件が成立する前であっても、特別遊技状態への移行を契機として終了させることが可能である。すなわち、遊技者は、例えば、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行う場合、所定の終了条件が成立するまで有利状態を継続させることもできるし、特別遊技状態に移行させて有利状態を終了させ、再度遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行う機会を得ようとすることもできる。それゆえ、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
なお、上記構成の遊技機において、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行う場合、特別遊技状態への移行が可能となっている場合には、その旨を示す特定報知が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者に、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を継続させない選択肢があることを明示することができ、さらに遊技の興趣を維持することができる。
また、上記構成の遊技機において、有利状態中の遊技価値の付与期待値は、有利状態中に遊技者の停止操作に関する情報が報知される確率によって調整されるようにしてもよい。このようにすれば、簡易な構成でより適切に出玉率を管理することができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような第18の構成の遊技機を提供することができる。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始し、遊技者の停止操作に基づいて図柄の変動表示を停止することで遊技を行う遊技機であって、
遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値を第1の期待値(例えば、期待値α)に制御可能な第1期待値制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値を前記第1の期待値よりも低い第2の期待値(例えば、期待値β)に制御可能な第2期待値制御手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記有利状態制御手段は、
所定の開始条件が成立した場合に、前記有利状態を開始させ、
所定の終了条件が成立した場合に、前記有利状態を終了させ、
前記所定の終了条件が成立する前に、特別遊技状態への移行を可能とする特別図柄の組合せが表示された場合に、前記有利状態を終了させることが可能であり、
前記第1期待値制御手段は、前記有利状態が開始されてから特定の変動条件が成立するまで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第1の期待値となるように制御し、
前記第2期待値制御手段は、前記特定の変動条件が成立してから前記有利状態が終了されるまで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第2の期待値となるように制御し、
前記有利状態が前記特別図柄の組合せが表示されたことに応じて終了した場合に、遊技価値の付与に関連しない特殊特典を付与可能な特殊特典付与手段(例えば、サブCPU201)をさらに備えたことを特徴とする遊技機。
前記特別図柄の組合せが表示されることを許可するか否かを決定可能な事前決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可されている旨を報知する特定報知を実行可能な特定報知実行手段(例えば、表示装置11)と、をさらに備え、
前記特定報知実行手段は、
前記有利状態において、前記有利状態が開始されてから前記特定の変動条件が成立するまでの間に、前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可されている場合には、前記特定の変動条件が成立したときに前記特定報知を実行可能であり、
前記有利状態において、前記特定の変動条件が成立してから前記有利状態が終了されるまでの間に、前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可された場合には、前記事前決定手段により前記特別図柄の組合せが表示されることが許可されたときに前記特定報知を実行可能であることを特徴とする遊技機。
前記第1期待値制御手段は、前記有利状態における遊技者の停止操作に関する情報が報知される確率を第1の確率とすることで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第1の期待値となるように制御し、
前記第2期待値制御手段は、前記有利状態における遊技者の停止操作に関する情報が報知される確率を前記第1の確率よりも低い第2の確率とすることで、前記有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与期待値が前記第2の期待値となるように制御することを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、有利状態が開始されてから特定の変動条件が成立するまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行うことが可能となり、特定の変動条件が成立してから有利状態が終了されるまでの間は、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行うことが可能となる。また、有利状態は、所定の終了条件が成立する前であっても、特別遊技状態への移行を契機として終了させることが可能である。さらに、有利状態が特別遊技状態への移行を契機として終了した場合、遊技価値の付与に関連しない特殊特典を付与することが可能である。すなわち、遊技者は、例えば、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行う場合、所定の終了条件が成立するまで有利状態を継続させることもできるし、特別遊技状態に移行させて有利状態を終了させ、再度遊技価値の付与期待値が相対的に高い状態で遊技を行う機会を得ようとすることもできる。また、特別遊技状態に移行させて有利状態を終了させる場合には、所定の終了条件が成立して有利状態を終了させた場合には付与されない特殊特典が付与されるため、遊技者に有利状態を早期に終了させるインセンティブを与えることもできる。それゆえ、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
なお、上記構成の遊技機において、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を行う場合、特別遊技状態への移行が可能となっている場合には、その旨を示す特定報知が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者に、遊技価値の付与期待値が相対的に低い状態で遊技を継続させない選択肢があることを明示することができ、さらに遊技の興趣を維持することができる。
また、上記構成の遊技機において、有利状態中の遊技価値の付与期待値は、有利状態中に遊技者の停止操作に関する情報が報知される確率によって調整されるようにしてもよい。このようにすれば、簡易な構成でより適切に出玉率を管理することができる。
[第19の構成の遊技機]
従来の遊技機において、所定の遊技回数毎(すなわち、所定の周期毎)に、遊技者に有利な有利状態(例えば、ART状態)に移行可能な状態となるようにしたものが知られている(例えば、特開2010−167197号公報参照)。
このような遊技機によれば、所定の周期毎に有利状態移行の期待感を高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、このような遊技機では、有利状態に移行な状態となるまでの期間は一定であり、遊技性の変化に乏しいという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有利状態に移行可能な状態となるまでの期間を変動可能とすることで、遊技性を変化に富んだものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成第19の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
第1特別役(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるBB1)、第2特別役(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるBB2)、及び所定役(例えば、遊技性の他の例(その2)における押し順小役)を含む複数の役の中から内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、図柄の変動表示を停止可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた特典を付与可能な特典付与手段(例えば、メインCPU101)と、を備えた遊技機であって、
前記図柄表示手段に第1特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるBB1に係る図柄の組合せ)が表示された場合に第1特別遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるBB1状態)を開始させ、第1特別終了条件が成立した場合に当該第1特別遊技状態を終了させる制御が可能な第1特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記図柄表示手段に第2特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるBB2に係る図柄の組合せ)が表示された場合に第2特別遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるBB2状態)を開始させ、第2特別終了条件が成立した場合に当該第2特別遊技状態を終了させる制御が可能な第2特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技者の停止操作に関する操作情報を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタ)と、を備え、
前記第1特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せが表示されることが許可される第1特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるBB1許可状態)を継続させ、
前記第2特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せが表示されることが許可される第2特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるBB2許可状態)を継続させ、
前記内部当籤役決定手段は、
前記第1特別許可状態において、前記第2特別役を内部当籤役として決定可能とせず、
前記第2特別許可状態において、前記第1特別役を内部当籤役として決定可能とせず、
前記第1特別許可状態及び前記第2特別許可状態のいずれでもない通常遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その2)における一般遊技状態(CZ状態))において、前記第1特別役又は前記第2特別役を内部当籤役として決定可能とし、
前記第1特別終了条件は、前記第1特別遊技状態において規定数(例えば、285枚を超える)の遊技価値が付与された場合に成立し、
前記第1特別遊技状態においては、前記所定役が内部当籤役として決定された場合、特定の態様で停止操作が行われた場合には所定数(例えば、9枚)の遊技価値が付与される一方、前記特定の態様で停止操作が行われなかった場合には前記所定数の遊技価値が付与されず、
少なくとも前記第1特別遊技状態において前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知されない期間は、遊技価値が減少する減少期間として機能し、
前記第2特別遊技状態は、遊技価値が増加する増加期間として機能し、
特定の報知条件が成立した場合、前記第1特別遊技状態における特定期間を、前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知される期間(例えば、有利区間)とすることが可能であることを特徴とする遊技機。
前記第1特別遊技状態において前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知される期間は、前記増加期間として機能することを特徴とする遊技機。
前記第1特別遊技状態において、前記図柄表示手段に第1特定図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるRB1に係る図柄の組合せ)が表示された場合に第1特定遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるRB1状態)を開始させ、第1特定終了条件が成立した場合に当該第1特定遊技状態を終了させる制御が可能な第1特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第2特別遊技状態において、前記図柄表示手段に第2特定図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるRB2に係る図柄の組合せ)が表示された場合に第2特定遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるRB2状態)を開始させ、第2特定終了条件が成立した場合に当該第2特定遊技状態を終了させる制御が可能な第2特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、をさらに備え、
前記内部当籤役決定手段は、
前記第1特別遊技状態において、第1特定役(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるRB1)を内部当籤役として決定可能であり、
前記第2特別遊技状態において、第2特定役(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるRB2)を内部当籤役として決定可能であり、
前記第1特別遊技状態において前記第1特定役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記第1特定図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記第1特定図柄の組合せが表示されることが許可される第1特定許可状態(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるRB1許可状態)を継続させ、
前記第2特別遊技状態において前記第2特定役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記第2特定図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記第2特定図柄の組合せが表示されることが許可される第2特定許可状態(例えば、遊技性の他の例(その2)におけるRB2許可状態)を継続させ、
前記第1特別遊技状態では、前記第1特定許可状態であるか否かにかかわらず、前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知されない期間が前記減少期間として機能し、
前記第2特別遊技状態では、前記第2特定許可状態である期間が前記増加期間として機能することを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、通常遊技状態において、第1特別役に当籤する前に第2特別役に当籤した場合、第2特別遊技状態に移行し、当該第2特別遊技状態は遊技価値が増加する増加期間として機能する。一方、通常遊技状態において、第2特別役に当籤する前に第1特別役に当籤した場合、第1特別遊技状態に移行し、当該第1特別遊技状態において停止操作に関する操作情報が報知されない場合、当該第1特別遊技状態は遊技価値が減少する減少期間として機能する。
したがって、通常遊技状態においては、第1特別遊技状態に移行することなく第2特別遊技状態への移行が繰り返されることで、遊技者は有利な遊技期間を継続させることができるが、第1特別遊技状態に移行した場合には、当該第1特別遊技状態を終了させて通常遊技状態に移行させなければ、遊技者は有利な遊技期間を継続させることができない。
ここで、上記構成の遊技機によれば、特定の報知条件が成立した場合、第1特別遊技状態において、所定役に当籤した場合に所定数の遊技価値が付与される停止操作に関する操作情報が報知されるようになる。第1特別遊技状態は、規定数の遊技価値が付与された場合に終了するものであるから、このような情報が報知されることで、第1特別遊技状態の終了時期を早めることができる。すなわち、第1特別遊技状態において停止操作に関する操作情報が報知される否かによって、第2特別遊技状態に移行可能な通常遊技状態となるまでの期間を変動させることができる。それゆえ、有利状態に移行な状態となるまでの期間を変動可能とすることで、遊技性を変化に富んだものとすることができる。
なお、上記構成の遊技機において、第1特別遊技状態において停止操作に関する操作情報が報知される期間も増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、有利状態に移行な状態となるまでの期間中であっても、遊技の興趣を維持させることができる。
また、上記構成の遊技機において、第1特別遊技状態では、さらに第1特定許可状態に移行可能とし、第2特別遊技状態では、さらに第2特定許可状態に移行可能とし、第1特別遊技状態では、第1特定許可状態であるか否かにかかわらず、停止操作に関する操作情報が報知されない期間を減少期間として機能させ、第2特別遊技状態では、第2特定許可状態である期間を増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技性をさらに変化に富んだものとすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[第20〜第22の構成の遊技機]
従来の遊技機において、所定の有利条件が成立すると遊技者に有利な有利状態に移行する一方、所定の不利条件が成立すると遊技者に不利な不利状態に移行する所定状態を有し、不利状態へ移行することなく所定状態から有利状態への移行が繰り返されることで、遊技者にとって有利な状態が継続することを可能としたものが知られている(例えば、特開2010−167197号公報参照)。
しかしながら、このような遊技機では、所定状態から不利状態に移行した場合、再度所定状態に移行するまで遊技者にとって有利な状態とはならないため、特に、不利状態における遊技意欲や興趣が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技意欲や興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の第20の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
特別役(例えば、遊技性の他の例(その3)におけるBB)及び特定役(例えば、遊技性の他の例(その3)における押し順小役)を含む複数の役の中から内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、図柄の変動表示を停止可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた特典を付与可能な特典付与手段(例えば、メインCPU101)と、を備えた遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その3)におけるRT0状態)、特別遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その3)におけるBB状態)及び特定遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その3)におけるRT1状態)を有し、
前記図柄表示手段に特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その3)におけるBBに係る図柄の組合せ)が表示された場合に前記特別遊技状態を開始させ、特別終了条件が成立した場合に前記特別遊技状態を終了させる制御が可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記図柄表示手段に特定図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その3)におけるベルこぼし目)が表示された場合に前記特定遊技状態を開始させ、特定終了条件が成立した場合に前記特定遊技状態を終了させる制御が可能な特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技者の停止操作に関する操作情報を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタ)と、を備え、
前記特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せが表示されることが許可される特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その3)におけるBB許可状態)を継続させ、
前記特定遊技状態制御手段は、前記特別許可状態でない前記通常遊技状態において、前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せが表示された場合に、前記特定遊技状態を開始させ、
前記特定終了条件は、規定数(例えば、500ゲーム)の遊技が行われた場合に成立し、
前記停止制御手段は、
前記特別許可状態である前記特定遊技状態においては前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せを表示させることを可能とせず、
前記特定役が内部当籤役として決定された場合、特定の態様で停止操作が行われた場合には前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せを表示させることを可能とせず、前記特定の態様で停止操作が行われなかった場合には前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、
前記特典付与手段は、前記特定役が内部当籤役として決定された場合、前記特定の態様で停止操作が行われた場合には特定数の遊技価値の付与を可能とし、前記特定の態様で停止操作が行われなかった場合には前記特定数の遊技価値の付与を可能とせず、
特定の報知条件が成立した場合、前記通常遊技状態及び前記特定遊技状態における特定期間を、前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知される期間(例えば、有利区間)とすることが可能であることを特徴とする遊技機。
少なくとも前記特定遊技状態において前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知される期間は、遊技価値が増加する増加期間として機能することを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、特別役に当籤した場合には特別許可状態となり、通常遊技状態であれば、特別図柄の組合せを表示させて特別遊技状態に移行させることを可能とする一方、特定遊技状態であれば、当該特定遊技状態が終了するまで特別図柄の組合せを表示させて特別遊技状態に移行させることを可能としない。また、特定遊技状態には、特別許可状態でない通常遊技状態において特定役に当籤した場合に、特定の態様で停止操作が行われずに特定図柄の組合せが表示されたことに基づいて移行する。そして、特定の報知条件が成立した場合、通常遊技状態及び特定遊技状態における特定期間では、特定役に当籤したときに特定の態様に関する操作情報が報知され、報知にしたがって停止操作が行われれば、特定図柄の組合せは表示されず、特定数の遊技価値が付与される。
ここで、上記構成の遊技機によれば、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態への移行を繰り返す(すなわち、遊技者に有利な遊技期間を継続させる)ことが可能となるのみならず、特定役に当籤したときに付与される遊技価値も増加することになる。また、特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、特定遊技状態が終了しなければ特別遊技状態に移行させることはできないが、特定役に当籤したときに付与される遊技価値は増加することになる。また、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となっていない場合であっても、特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態への移行を繰り返すことができる場合もある。
すなわち、上記構成の遊技機によれば、通常遊技状態若しくは特定遊技状態であるか、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、又は特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、などに応じて遊技者の有利度合いを多彩に変動させることが可能となる。それゆえ、遊技意欲や興趣を向上させることができる。
なお、上記構成の遊技機において、少なくとも特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される期間は、遊技価値が増加する増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、特定遊技状態であっても遊技価値が増加する場合があることから、特別遊技状態に移行しない特定遊技状態中であっても、遊技の興趣を維持させることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の第21の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
特別役(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるBB)、特殊役(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるMB)及び特定役(例えば、遊技性の他の例(その4)における押し順小役)を含む複数の役の中から内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、図柄の変動表示を停止可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた特典を付与可能な特典付与手段(例えば、メインCPU101)と、を備えた遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるRT0状態)、特別遊技状態、特殊遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるBB状態)、第1特定遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるRT1状態)及び第2特定遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるRT2状態)を有し、
前記図柄表示手段に特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるBBに係る図柄の組合せ)が表示された場合に前記特別遊技状態を開始させ、特別終了条件が成立した場合に前記特別遊技状態を終了させる制御が可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記図柄表示手段に特殊図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるMBに係る図柄の組合せ)が表示された場合に前記特殊遊技状態を開始させ、特殊終了条件が成立した場合に前記特殊遊技状態を終了させる制御が可能な特殊遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記図柄表示手段に特定図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるベルこぼし目)が表示された場合に前記第1特定遊技状態を開始させ、特定終了条件が成立した場合に前記第1特定遊技状態を終了させる制御が可能な第1特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別役が内部当籤役として決定された場合に前記第2特定遊技状態を開始させ、前記特別遊技状態が開始される場合に前記第2特定遊技状態を終了させる制御が可能な第2特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技者の停止操作に関する操作情報を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタ)と、を備え、
前記特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せが表示されることが許可される特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるBB許可状態)を継続させ、
前記特殊役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記特殊図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記特殊図柄の組合せが表示されることが許可される特殊許可状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるMB許可状態)を継続させ、
前記内部当籤役決定手段は、
前記特別許可状態において、前記特殊役を内部当籤役として決定可能とせず、
前記特殊許可状態において、前記特別役を内部当籤役として決定可能とせず、
前記特別許可状態及び前記特殊許可状態のいずれでもない前記通常遊技状態及び前記第1特定遊技状態において、前記特別役又は前記特殊役を内部当籤役として決定可能とし、
前記第1特定遊技状態制御手段は、前記特別許可状態及び前記特殊許可状態でない前記通常遊技状態において、前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せが表示された場合に、前記第1特定遊技状態を開始させ、
前記停止制御手段は、
前記特別許可状態である前記第2特定遊技状態においては前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せを表示させることを困難とせず、
前記特殊許可状態である前記第1特定遊技状態においては前記図柄表示手段に前記特殊図柄の組合せを表示させることを困難とし、
前記特定役が内部当籤役として決定された場合、特定の態様で停止操作が行われた場合には前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せを表示させることを可能とせず、前記特定の態様で停止操作が行われなかった場合には前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、
前記特典付与手段は、前記特定役が内部当籤役として決定された場合、前記特定の態様で停止操作が行われた場合には特定数の遊技価値の付与を可能とし、前記特定の態様で停止操作が行われなかった場合には前記特定数の遊技価値の付与を可能とせず、
特定の報知条件が成立した場合、前記通常遊技状態及び前記第1特定遊技状態における特定期間を、前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知される期間(例えば、有利区間)とすることが可能であることを特徴とする遊技機。
少なくとも前記第1特定遊技状態において前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知される期間は、遊技価値が増加する増加期間として機能することを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、特別役に当籤した場合には特別許可状態となって第2特定遊技状態に移行し、特別図柄の組合せを表示させて特別遊技状態に移行させることを困難としない一方、特殊役に当籤した場合には特殊許可状態となるが遊技状態は移行せず、第1特定遊技状態であれば、当該第1特定遊技状態が終了するまで特殊図柄の組合せを表示させて特殊遊技状態に移行させることを困難とし、その結果として通常遊技状態に移行させることを困難とする。また、第1特定遊技状態には、特別許可状態及び特殊許可状態でない通常遊技状態において特定役に当籤した場合に、特定の態様で停止操作が行われずに特定図柄の組合せが表示されたことに基づいて移行する。そして、特定の報知条件が成立した場合、通常遊技状態及び第1特定遊技状態における特定期間では、特定役に当籤したときに特定の態様に関する操作情報が報知され、報知にしたがって停止操作が行われれば、特定図柄の組合せは表示されず、特定数の遊技価値が付与される。
ここで、上記構成の遊技機によれば、通常遊技状態において、特定役に当籤したときに特定図柄の組合せが表示されて第1特定遊技状態に移行する前に、特別役又は特殊役に当籤して特別許可状態(第2特定遊技状態)又は特殊許可状態となれば、特別遊技状態又は特殊遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことができる。また、第1特定遊技状態であっても、特別役に当籤して特別許可状態(第2特定遊技状態)となれば、特別遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことができる。一方、第1特定遊技状態において、特殊役に当籤して特殊許可状態となると、特殊遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことが困難となる。
かかる遊技性の下、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、第1特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態(あるいは特殊遊技状態)への移行を繰り返す(すなわち、遊技者に有利な遊技期間を継続させる)ことが可能となるのみならず、特定役に当籤したときに付与される遊技価値も増加することになる。また、第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、例えば、特殊許可状態であれば特殊遊技状態を経由して通常遊技状態に移行させることは困難であるものの、特定役に当籤したときに付与される遊技価値は増加することになる。また、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となっていない場合であっても、第1特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態(あるいは特殊遊技状態)への移行を繰り返すことができる場合もある。
すなわち、上記構成の遊技機によれば、通常遊技状態若しくは第1特定遊技状態であるか、通常遊技状態において特別役、特殊役若しくは特定役がどのような順番で当籤するか、第1特定遊技状態において特別役若しくは特殊役がどのような順番で当籤するか、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、又は第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、などに応じて遊技者の有利度合いを多彩に変動させることが可能となる。それゆえ、遊技意欲や興趣を向上させることができる。
なお、上記構成の遊技機において、少なくとも第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される期間は、遊技価値が増加する増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、第1特定遊技状態であっても遊技価値が増加する場合があることから、通常遊技状態に移行することが困難な特定遊技状態中であっても、遊技の興趣を維持させることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の第22の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
特別役(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるBB)、特殊役(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるMB)及び特定役(例えば、遊技性の他の例(その4)における押し順小役)を含む複数の役の中から内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、図柄の変動表示を停止可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた特典を付与可能な特典付与手段(例えば、メインCPU101)と、を備えた遊技機であって、
遊技状態として、通常遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるRT0状態)、特別遊技状態、特殊遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるBB状態)、第1特定遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるRT1状態)及び第2特定遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるRT2状態)を有し、
前記図柄表示手段に特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるBBに係る図柄の組合せ)が表示された場合に前記特別遊技状態を開始させ、特別終了条件が成立した場合に前記特別遊技状態を終了させる制御が可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記図柄表示手段に特殊図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるMBに係る図柄の組合せ)が表示された場合に前記特殊遊技状態を開始させ、特殊終了条件が成立した場合に前記特殊遊技状態を終了させる制御が可能な特殊遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記図柄表示手段に特定図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるベルこぼし目)が表示された場合に前記第1特定遊技状態を開始させ、特定終了条件が成立した場合に前記第1特定遊技状態を終了させる制御が可能な第1特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別役が内部当籤役として決定された場合に前記第2特定遊技状態を開始させ、前記特別遊技状態が開始される場合に前記第2特定遊技状態を終了させる制御が可能な第2特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技者の停止操作に関する操作情報を報知可能な報知手段(例えば、指示モニタ)と、を備え、
前記特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せが表示されることが許可される特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるBB許可状態)を継続させ、
前記特殊役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記特殊図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記特殊図柄の組合せが表示されることが許可される特殊許可状態(例えば、遊技性の他の例(その4)におけるMB許可状態)を継続させ、
前記内部当籤役決定手段は、
前記特別許可状態において、前記特殊役を内部当籤役として決定可能とせず、
前記特殊許可状態において、前記特別役を内部当籤役として決定可能とせず、
前記特別許可状態及び前記特殊許可状態のいずれでもない前記通常遊技状態及び前記第1特定遊技状態において、前記特別役又は前記特殊役を内部当籤役として決定可能とし、
前記第1特定遊技状態制御手段は、前記特別許可状態及び前記特殊許可状態でない前記通常遊技状態において、前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せが表示された場合に、前記第1特定遊技状態を開始させ、
前記特定終了条件は、規定数(例えば、1500ゲーム)の遊技が行われた場合に成立し、前記特殊遊技状態が開始される場合には成立せず、
前記停止制御手段は、
前記特別許可状態である前記第2特定遊技状態においては前記図柄表示手段に前記特別図柄の組合せを表示させることを困難とせず、
前記特殊許可状態である前記第1特定遊技状態においては前記図柄表示手段に前記特殊図柄の組合せを表示させることを困難とし、
前記特定役が内部当籤役として決定された場合、特定の態様で停止操作が行われた場合には前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せを表示させることを可能とせず、前記特定の態様で停止操作が行われなかった場合には前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、
前記特典付与手段は、前記特定役が内部当籤役として決定された場合、前記特定の態様で停止操作が行われた場合には特定数の遊技価値の付与を可能とし、前記特定の態様で停止操作が行われなかった場合には前記特定数の遊技価値の付与を可能とせず、
特定の報知条件が成立した場合、前記通常遊技状態及び前記第1特定遊技状態における特定期間を、前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知される期間(例えば、有利区間)とすることが可能であることを特徴とする遊技機。
少なくとも前記第1特定遊技状態において前記報知手段により前記特定の態様に関する前記操作情報が報知される期間は、遊技価値が増加する増加期間として機能することを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、特別役に当籤した場合には特別許可状態となって第2特定遊技状態に移行し、特別図柄の組合せを表示させて特別遊技状態に移行させることを困難としない一方、特殊役に当籤した場合には特殊許可状態となるが遊技状態は移行せず、第1特定遊技状態であれば、規定数の遊技が行われて当該第1特定遊技状態が終了するまで特殊図柄の組合せを表示させて特殊遊技状態に移行させることを困難とし、その結果として通常遊技状態に移行させることを困難とする。また、第1特定遊技状態には、特別許可状態及び特殊許可状態でない通常遊技状態において特定役に当籤した場合に、特定の態様で停止操作が行われずに特定図柄の組合せが表示されたことに基づいて移行する。そして、特定の報知条件が成立した場合、通常遊技状態及び第1特定遊技状態における特定期間では、特定役に当籤したときに特定の態様に関する操作情報が報知され、報知にしたがって停止操作が行われれば、特定図柄の組合せは表示されず、特定数の遊技価値が付与される。
ここで、上記構成の遊技機によれば、通常遊技状態において、特定役に当籤したときに特定図柄の組合せが表示されて第1特定遊技状態に移行する前に、特別役又は特殊役に当籤して特別許可状態(第2特定遊技状態)又は特殊許可状態となれば、特別遊技状態又は特殊遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことができる。また、第1特定遊技状態であっても、特別役に当籤して特別許可状態(第2特定遊技状態)となれば、特別遊技状態を経由して再度通常遊技状態において遊技を行うことができる。一方、第1特定遊技状態において、特殊役に当籤して特殊許可状態となると、規定数の遊技が行われるまで再度通常遊技状態において遊技を行うことが困難となる。
かかる遊技性の下、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、第1特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態(あるいは特殊遊技状態)への移行を繰り返す(すなわち、遊技者に有利な遊技期間を継続させる)ことが可能となるのみならず、特定役に当籤したときに付与される遊技価値も増加することになる。また、第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となった場合には、例えば、特殊許可状態であれば特殊遊技状態を経由して通常遊技状態に移行させることは困難であるものの、特定役に当籤したときに付与される遊技価値は増加することになる。また、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間となっていない場合であっても、第1特定遊技状態に移行することなく特別遊技状態(あるいは特殊遊技状態)への移行を繰り返すことができる場合もある。
すなわち、上記構成の遊技機によれば、通常遊技状態若しくは第1特定遊技状態であるか、通常遊技状態において特別役、特殊役若しくは特定役がどのような順番で当籤するか、第1特定遊技状態において特別役若しくは特殊役がどのような順番で当籤するか、通常遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、又は第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される特定期間であるか否か、などに応じて遊技者の有利度合いを多彩に変動させることが可能となる。それゆえ、遊技意欲や興趣を向上させることができる。
なお、上記構成の遊技機において、少なくとも第1特定遊技状態において特定の態様に関する操作情報が報知される期間は、遊技価値が増加する増加期間として機能させるようにしてもよい。このようにすれば、第1特定遊技状態であっても遊技価値が増加する場合があることから、通常遊技状態に移行することが困難な特定遊技状態中であっても、遊技の興趣を維持させることができる。
[第23及び第24の構成の遊技機]
従来の遊技機において、特別役(例えば、ボーナス役)の持ち越し状態中において、特定の条件が満たされた場合に、遊技者に有利な有利状態(例えば、ART状態)に移行させることを可能にしたものが知られている(例えば、特開2015−73810号公報参照)。
ところで、このような遊技機では、有利状態中の単位遊技あたりの遊技価値の付与量(遊技価値の増加量を示す傾斜値)は一定の値となるように設計される。このため、遊技性の変化に乏しいという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有利状態中の遊技価値の増加量を示す傾斜値を変動可能とすることで、遊技性を変化に富んだものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の第23の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
第1特別役(例えば、遊技性の他の例(その5)におけるBB1)、第2特別役(例えば、遊技性の他の例(その5)におけるBB3)、第1所定役(例えば、遊技性の他の例(その5)における押し順小役1,3,5)及び第2所定役(例えば、遊技性の他の例(その5)における押し順小役2,4,6)を含む複数の役の中から内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、図柄の変動表示を停止可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた特典を付与可能な特典付与手段(例えば、メインCPU101)と、を備えた遊技機であって、
前記図柄表示手段に第1特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その5)におけるBB1に係る図柄の組合せ)が表示された場合に第1特別遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その5)におけるBB1状態)を開始させる制御が可能な第1特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記図柄表示手段に第2特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その5)におけるBB3に係る図柄の組合せ)が表示された場合に第2特別遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その5)におけるBB3状態)を開始させる制御が可能な第2特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記第1特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せが表示されることが許可される第1特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その5)におけるBB1フラグ間)を継続させ、
前記第2特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せが表示されることが許可される第2特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その5)におけるBB3フラグ間)を継続させ、
前記内部当籤役決定手段は、前記第1特別許可状態及び前記第2特別許可状態のいずれでもない場合に、前記第1特別役及び前記第2特別役のそれぞれを、他の内部当籤役と重複することなく内部当籤役として決定可能であり、
前記停止制御手段は、
前記第1特別役が内部当籤役として決定された遊技、及び前記第1特別許可状態において他の内部当籤役が決定されなかった遊技において、遊技者の停止操作のタイミングが適切である場合に、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せを表示させることを可能とし、
前記第2特別役が内部当籤役として決定された遊技、及び前記第2特別許可状態において他の内部当籤役が決定されなかった遊技において、遊技者の停止操作のタイミングが適切である場合に、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せを表示させることを可能とし、
前記第1特別許可状態において、前記第1所定役が内部当籤役として決定された場合、遊技者の停止操作の順序にかかわらず、前記図柄表示手段に所定数(例えば、9枚)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せを表示させ、
前記第1特別許可状態において、前記第2所定役が内部当籤役として決定された場合、遊技者の停止操作の順序にかかわらず、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させず、
前記第2特別許可状態において、前記第1所定役が内部当籤役として決定された場合、遊技者の停止操作の順序が適切である場合に、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させる一方、遊技者の停止操作の順序が適切でない場合には、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させず、
前記第2特別許可状態において、前記第2所定役が内部当籤役として決定された場合、遊技者の停止操作の順序が適切である場合に、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させる一方、遊技者の停止操作の順序が適切でない場合には、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させず、
前記有利状態制御手段は、特定の有利条件が成立した場合、少なくとも前記第2特別許可状態における特定期間を、前記有利状態とすることが可能であり、
前記有利状態において、前記第1所定役及び前記第2所定役のいずれかが内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させるための遊技者の停止操作の順序が報知されることを特徴とする遊技機。
前記内部当籤役決定手段は、
前記第1特別役を第1の確率(例えば、1/100)で内部当籤役として決定し、
前記第2特別役を前記第1の確率よりも低い第2の確率(例えば、1/450)で内部当籤役として決定し、
前記第1特別許可状態において他の内部当籤役が決定されない確率(例えば、1/4000)は、前記第2特別許可状態において他の内部当籤役が決定されない確率(例えば、1/65536)よりも高いことを特徴とする遊技機。
前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せを表示させることが可能な遊技者の停止操作のタイミングは、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せを表示させることが可能な遊技者の停止操作のタイミングと重複しないことを特徴とする遊技機。
前記第1特別役又は前記第2特別役が内部当籤役として決定された遊技において、前記第1特別役又は前記第2特別役のいずれかが内部当籤役として決定された旨は報知可能とするが、その種別を報知可能としない所定報知(例えば、ボーナス当籤報知)を実行可能な所定報知実行手段(例えば、表示装置11)と、
前記第1特別許可状態において、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せが表示されることが許可されている旨を報知可能とし、前記第2特別許可状態において、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せが表示されることが許可されている旨を報知可能とする特定報知(例えば、ボーナス種別報知)を実行可能な特定報知実行手段(例えば、表示装置11)と、をさらに備えたことを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、第1特別役又は第2特別役に当籤した場合、当該遊技か、あるいは当籤後の第1特別許可状態又は第2特別許可状態において他の内部当籤役が決定されなかった(いわゆる、ハズレとなった)遊技でなければ第1特別図柄の組合せ又は第2特別図柄の組合せを表示できない。また、第1特別許可状態では、第1所定役に当籤した場合、押し順不問で所定数の遊技価値が付与され、第2所定役に当籤した場合、押し順不問で所定数の遊技価値が付与されない。一方、第2特別許可状態では、第1所定役又は第2所定役に当籤した場合に、押し順正解であれば所定数の遊技価値が付与され、押し順不正解であれば所定数の遊技価値は付与されない。そして、少なくとも第2特別許可状態の特定期間では、遊技者の停止操作の情報が報知される有利状態に制御されることが可能である。
すなわち、第1特別役に当籤し、当該遊技で第1特別図柄の組合せが表示されなかった場合には、その後第1特別許可状態が終了するまで第1所定役及び第2所定役は押し順によって利益が変動しないものとなり、遊技者は一定の利益を受けることができる反面、その利益が飛躍的に増加することもないため、たとえ有利状態となったとしてもその遊技価値の増加量を示す傾斜値は相対的に低いものとなる。一方、第2特別役に当籤し、当該遊技で第2特別図柄の組合せが表示されなかった場合には、その後第2特別許可状態が終了するまで第1所定役及び第2所定役は押し順によって利益が変動するものとなり、遊技者は第1特別許可状態よりも不利益を被る可能性がある反面、有利状態となればその利益が飛躍的に増加するようになるため、有利状態における遊技価値の増加量を示す傾斜値は相対的に高いものとなる。それゆえ、有利状態中の遊技価値の増加量を示す傾斜値を変動可能とすることで、遊技性を変化に富んだものとすることができる。
なお、上記構成の遊技機において、第1特別役の当籤確率を第2特別役の当籤確率よりも高くするとともに、第1特別許可状態において第1特別図柄の組合せが表示可能な確率を第2特別許可状態において第2特別図柄の組合せが表示可能な確率よりも高くするようにしてもよい。すなわち、第1特別許可状態を、第2特別許可状態よりも移行しやすく終了しやすい状態とし、第2特別許可状態を、第1特別許可状態よりも移行しにくく終了しにくい状態としてもよい。このようにすれば、射幸性を適度なものとしつつも遊技の興趣を維持することができる。
また、上記構成の遊技機において、第1特別役に係る第1特別図柄の組合せと第2特別役に係る第2特別図柄の組合せは、遊技者が目押しをする場合に、同時には狙えない間隔で配置されるように構成してもよい。このようにすれば、遊技性をさらに変化に富んだものとすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記構成の遊技機において、第1特別役又は第2特別役に当籤した場合には、いずれかに当籤した旨は報知するが、その種別までは報知せず、第1特別許可状態及び第2特別許可状態においては、その種別が報知されるようにしてもよい。このようにすれば、遊技性をさらに変化に富んだものとしつつ、遊技者の所望する情報を報知することができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の第24の遊技機を提供することができる。
複数の図柄を複数列に変動表示可能な図柄表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び図柄表示領域4)と、
第1特別役(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるBB1)、第2特別役(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるBB2)、及び特定役(例えば、遊技性の他の例(その6)における「F_リプB」)を含む複数の役の中から内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて、図柄の変動表示を停止可能な停止制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じた特典を付与可能な特典付与手段(例えば、メインCPU101)と、を備えた遊技機であって、
前記図柄表示手段に第1特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるBB1に係る図柄の組合せ)が表示された場合に第1特別遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるBB1状態)を開始させる制御が可能な第1特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記図柄表示手段に第2特別図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるBB2に係る図柄の組合せ)が表示された場合に第2特別遊技状態(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるBB2状態)を開始させる制御が可能な第2特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、有利区間)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、を備え、
前記第1特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せが表示されることが許可される第1特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるBB1フラグ間)を継続させ、
前記第2特別役が内部当籤役として決定された場合、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せが表示されるまで、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せが表示されることが許可される第2特別許可状態(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるBB2フラグ間)を継続させ、
前記内部当籤役決定手段は、
前記第1特別許可状態及び前記第2特別許可状態のいずれでもない場合であって、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)であるとき、前記第1特別役を内部当籤役として決定可能とし、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)であるとき、前記第1特別役を内部当籤役として決定可能とせず、
前記第1特別許可状態及び前記第2特別許可状態のいずれでもない場合であって、ベットされた遊技価値が前記第2の量であるとき、前記第2特別役を内部当籤役として決定可能とし、ベットされた遊技価値が前記第1の量であるとき、前記第2特別役を内部当籤役として決定可能とせず、
前記停止制御手段は、
前記特定役が内部当籤役として決定された場合、前記第1特別許可状態である場合には、前記図柄表示手段に特定図柄の組合せ(例えば、遊技性の他の例(その6)におけるチャンス目)を表示させることを可能とせず、前記第2特別許可状態である場合には、前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、
前記有利状態制御手段は、
ベットされた遊技価値が前記第1の量であるとき、少なくとも前記特定役が内部当籤役として決定された場合であって前記図柄表示手段に前記特定図柄の組合せが表示される場合に、前記有利状態を付与するか否かを決定可能とし、
ベットされた遊技価値が前記第2の量であるとき、前記有利状態を付与するか否かを決定可能としないことを特徴とする遊技機。
前記停止制御手段は、
ベットされた遊技価値が前記第1の量であるとき、前記第1特別許可状態である場合には、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せを表示させることを可能とし、前記第2特別許可状態である場合には、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せを表示させることを可能とせず、
ベットされた遊技価値が前記第2の量であるとき、前記第2特別許可状態である場合には、前記図柄表示手段に前記第2特別図柄の組合せを表示させることを可能とし、前記第1特別許可状態である場合には、前記図柄表示手段に前記第1特別図柄の組合せを表示させることを可能としないことを特徴とする遊技機。
前記内部当籤役決定手段は、さらに第1所定役(例えば、遊技性の他の例(その6)における押し順ベルA)及び第2所定役(例えば、遊技性の他の例(その6)における押し順ベルB)を内部当籤役として決定可能であり、
前記停止制御手段は、
前記第1所定役が内部当籤役として決定された場合、遊技者の停止操作の態様が適切であれば、前記図柄表示手段に所定数の遊技価値が付与される所定図柄の組合せを表示させる一方、遊技者の停止操作の態様が適切でなければ、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させず、
前記第2所定役が内部当籤役として決定された場合、ベットされた遊技価値が前記第1の量であって前記第1特別許可状態である場合には、遊技者の停止操作の態様にかかわらず、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させ、ベットされた遊技価値が前記第1の量であって前記第2特別許可状態である場合、及びベットされた遊技価値が前記第2の量である場合には、遊技者の停止操作の態様が適切であれば、前記所定図柄の組合せを表示させる一方、遊技者の停止操作の態様が適切でなければ、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させず、
前記有利状態においては、前記図柄表示手段に前記所定図柄の組合せを表示させるための遊技者の停止操作の態様を示す情報が報知されることを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、ベットされた遊技価値が第1の量である場合、第1特別役に当籤可能とする一方、第2特別役に当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量である場合、第2特別役に当籤可能とする一方、第1特別役に当籤可能としない。また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態であれば特定図柄の組合せを表示可能とせず、第2特別許可状態であれば特定図柄の組合せを表示可能とする。そして、ベットされた遊技価値が第1の量であるとき、特定役が内部当籤役として決定された場合であって特定図柄の組合せが表示される場合には、有利状態を付与するか否かを決定可能とし、ベットされた遊技価値が第2の量であるとき、有利状態を付与するか否かを決定可能としない。
また、上記構成の遊技機によれば、ベットされた遊技価値が第1の量である場合、第1特別図柄の組合せを表示可能とする一方、第2特別図柄の組合せを表示可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量である場合、第2特別図柄の組合せを表示可能とする一方、第1特別図柄の組合せを表示可能としないようにしてもよい。
すなわち、上記構成の遊技機によれば、遊技が行われる状態として、例えば、第1特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態、第2特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態、第1特別許可状態であって第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態、及び第2特別許可状態であって第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態、という複数の状態を創出することができる。
そして、上記構成の遊技機によれば、例えば、第2特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態を有利状態の付与が優遇される状態とし、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態を有利状態の付与が行われない状態としている。すなわち、有利状態の付与に関し、いずれの量の遊技価値がベットされるか、及びいずれの特別役が当籤しているか、などによって遊技者の有利度合いを変動させることを可能としている。それゆえ、有利状態中の遊技価値の増加量を示す傾斜値を変動可能とすることで、遊技性を変化に富んだものとすることができる。
なお、上記構成の遊技機において、第1所定役に当籤した場合には、いずれの状態であるかにかかわらず、例えば、押し順正解であれば所定数の遊技価値が付与され、押し順不正解であれば所定数の遊技価値は付与されないし、第2所定役に当籤した場合には、第1特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態にあっては、例えば、押し順不問で所定数の遊技価値が付与される一方、その他の状態にあっては、第1所定役と同様の制御が行われるようにしてもよい。このようにすれば、第1特別許可状態であって第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる状態を所定役当籤時において遊技価値の付与が優遇される状態とすることができるため、遊技性をより変化に富んだものとすることができる。
[第25の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−50862号公報)に記載されているように、遊技メダル等の獲得性能について遊技者に有利となる停止操作の情報すなわちストップボタンの正解押し順や適押下位置等の獲得性能に差異が生じる当籤役を識別若しくは推測させる指示情報を液晶表示装置等において報知する指示機能を作動可能(指示情報を報知可能)にする有利区間或は有利状態と、そのような指示機能を作動不可(指示情報を報知不可)にする通常区間或は通常状態とを設け、通常区間から有利区間への移行に、獲得メダルの期待値に優劣をつける設定に依存しない設定差無しの当籤役の当籤に紐づいて初当たりを勝ち取るべき要件を求める遊技機が知られている(段落0044〜0050等)。
そして、アシストリプレイタイムART(文献のものはRT1でのAT)による有利区間中、ストップボタンの押し順に正解したとき規定投入数例えば3枚を超える例えば8枚のメダルを払出す押し順ベル役等に当籤したとき、対応する正解押し順を液晶表示装置等において報知することにより手持ちのメダルを容易に増加させ、所定ゲーム数について継続するARTによる有利区間中に、ある程度纏まったメダルの獲得を可能にし、ARTの継続ゲーム数等の残りが無くなると通常区間に復帰させて、改めて通常区間から有利区間への移行に期待させるようにしている(段落0070等)。
しかし、以上の遊技機では、ARTによる有利区間が終了すると、再び初当たり時と同じ要件下で、通常区間から有利区間に移行させる必要があるため、通常区間において手持ちのメダルが減るリスクを容認しつつ、引き続いて遊技を続ける理由を見い出し難い面があり、遊技者にもっと長く遊技を続けさせるには改善すべき余地がある。
すなわち、有利区間から通常区間に復帰した後も引き続いて遊技をする動機付けは、手持ちのメダルが期待よりも増えなかった等の悔しさから生じる場合が少なくないが、リベンジには必ずリスクを伴う。また、十分に多いメダルを獲得できて満足感を得た遊技者には、有利区間の終了は、遊技の格好の止め時を知らせてしまう。
よって、悔しい思いをした遊技者に初当たり時よりも有利な条件で挽回に期待させることも、満足感を得た遊技者に獲得メダルの更なる積み増しに期待させることも、何れも叶わず、より長く遊技を続けさせるには限界があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技者により長く遊技を続けさせることができる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第25の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段(例えば、メインCPU101に設ける有利状態制御手段101a等)と、
前記有利状態が予め定めた到達ゲーム数(例えば、500ゲーム等)以上について継続したことを条件に第1の遊技ポイントを付与し、予め定めた内部当籤役(例えば、ボーナス役BB1〜BB4)の当籤に基づいて所定条件下(例えば、100ゲーム以内の当籤等)で第2の遊技ポイントを付与する遊技ポイント付与手段(例えば、メインCPU101に設ける遊技ポイント付与手段101b等)と、を備え、
前記第1の遊技ポイントと前記第2の遊技ポイントとに基づいて、予め定めた高ポイント評価(例えば、合計が所定値100に到達等)となる場合は低ポイント評価(例えば、合計が所定値100に未到達等)となる場合よりも、前記指示機能を作動させる遊技に引き戻すことを容易にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、指示機能の作動を可能にする有利状態が予め定めた到達ゲーム数以上について継続したことを条件に第1の遊技ポイントが付与され、予め定めた内部当籤役の当籤に基づいて所定条件下で第2の遊技ポイントが付与され、これらに基づき、高ポイント評価となる場合は、指示機能を作動させる遊技に引き戻すことを容易にしている。このため、有利状態がある程度継続した場合、引き続いて遊技を続ける価値が生じる。
以上の遊技機において、
前記第1の遊技ポイント(例えば、99ポイントか50ポイント等)は、前記第2の遊技ポイント(例えば、1ポイント以上等)が付与された場合に、前記指示機能を作動させる遊技に引き戻すか否かの抽籤処理(例えば、50%でARTに引き戻す抽籤処理等)を受ける条件(例えば、100ポイント以上等)を満たす数値(例えば、99ポイント)を含む
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第1の遊技ポイントの付与に期待した後、第2の遊技ポイントの付与に期待して遊技を続けることを効果的に促すことができる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段(例えば、メインCPU101に設ける有利状態制御手段101a等)と、
予め定める条件下で、累積可能な所定の遊技ポイントを付与する遊技ポイント付与手段(例えば、メインCPU101に設ける遊技ポイント付与手段101b等)と、を備え、
前記遊技ポイントの累積値が、予め定める高ポイント評価(例えば、所定値100に到達、フルポイント256に到達等)となる場合は低ポイント評価(例えば、所定値100に未到達、フルポイント256に未到達等)となる場合よりも、前記指示機能の作動を可能にする遊技数を、前記有利状態の最大継続可能遊技数(例えば、1500ゲーム)を越えない範囲内において増加させる期待値を高くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技ポイントの累積値が、高ポイント評価となる場合は、指示機能の作動を可能にする遊技数を、有利状態の最大継続可能遊技数を越えない範囲内で増加させる期待値が高まる。このため、遊技者に遊技ポイントの累積値を増やすことを促し得て、より長く遊技の続けさせることができる。
第25の構成によれば、遊技者により長く遊技を続けさせることができる遊技機を提供することができる。
[第26の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−50862号公報)に記載されているように、遊技メダル等の獲得性能について遊技者に有利となる停止操作の情報すなわちストップボタンの正解押し順や適押下位置等の獲得性能に差異が生じる当籤役を識別若しくは推測させる指示情報を液晶表示装置等において報知する指示機能を作動可能(指示情報を報知可能)にする有利区間或は有利状態と、そのような指示機能を作動不可(指示情報を報知不可)にする通常区間或は通常状態とを設け、通常区間から有利区間への移行に、獲得メダルの期待値に優劣をつける設定に依存しない設定差無しの当籤役の当籤に紐づいて初当たりを勝ち取るべき要件を求める遊技機が知られている(段落0044〜0050等)。
また、通常区間から有利区間への移行に設定による優劣差を実質的に打ち出す手法として、有利区間への移行抽籤を不可とするボーナスゲームの期間(文献のものはRBB1作動中の期間)を低設定ほど長期になるようにし、低設定ほどボーナスゲームの終了後の通常区間から有利区間に移行させる移行抽籤を受け得るまでの期間を長くし、低設定ほど有利区間に移行し難く、逆に高設定ほど有利区間に移行し易くしている(段落0014〜0016等)。
しかし、以上の遊技機では、有利区間への初当たりに実質的に設定による優劣を付けることは可能であるとしても、既に有利区間に移行しており、有利区間中にビッグボーナスBB(RBB1)に当籤した場合、BBの作動中も、また、BBの作動終了後も、有利区間を継続させる考え方は基本的になく、ビッグボーナスBB(RBB1)の当籤により一律的に有利区間を終了させて通常区間に移行させるか、有利区間を維持するとしてもBB作動中に通常区間への転落を可能にしている(段落0094等)。
このため、有利区間中にビッグボーナスBBに当籤した場合、基本的に、BBの作動終了後に、再度、通常区間から有利区間への初当たりを勝ち取る必要が生じ、有利区間中にビッグボーナスBBに当籤すると、かえって遊技興趣が低下する恐れがある。
しかも、有利区間中か通常区間中かに関わらず、ビッグボーナスBBに当籤すると、BB作動中の遊技では、有利区間への移行も、有利区間中の指示機能の上乗せもされないため、BB作動中の遊技は単にメダルの獲得だけを期待する消化ゲーム的な位置づけとなり、面白味を欠く恐れもある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ボーナスの当籤を契機として、遊技興趣を低下させることなく、設定による優劣を効果的に打ち出し得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第26の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)と、を備え、
前記内部当籤役に、前記指示機能を作動させる遊技を増加させる所定の処理を行う第1ボーナス役(例えば、MB0等)と、低設定は高設定に比べて作動中となる遊技の数が多くなる第2ボーナス役(例えば、BB0等)とを含み、
前記第1ボーナス役と前記第2ボーナス役との当籤の数に応じて、前記指示機能を作動させる遊技を増加させる性能に差異を生じさせる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第2ボーナス役の作動中となる遊技の数が多くなる低設定では、指示機能を作動させる遊技を増加させる所定の処理を行う第1ボーナス役が当籤する機会が奪われるゲーム数が多くなり、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能が低くなる。一方、第2ボーナス役の作動中となる遊技の数が少なくなる高設定では、指示機能を作動させる遊技を増加させる所定の処理を行う第1ボーナス役が当籤する機会が奪われるゲーム数が少なくなり、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能が高くなる。
以上の遊技機において、
前記第2ボーナス役は、低設定は高設定に比べて、作動終了までのゲーム数が長期になることを可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第2ボーナス役の作動毎に、低設定は高設定よりも第1ボーナス役の当籤の機会をより多く奪うことになるため、設定差による優劣を効果的に打ち出し得る。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)と、を備え、
前記内部当籤役に、低設定は高設定に比べて作動中となる遊技の数が多くなるボーナス役(例えば、BB0等)を含み、
前記ボーナス役の作動中と前記ボーナス役の非作動中を比較した場合に、前記ボーナス役の非作動中の方が、前記指示機能を作動させる遊技を増加させる性能を高くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役の作動中となる遊技の数が多くなる低設定では、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能の高いボーナス役の非作動中の遊技をより多く奪うことになり、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能が低くなる。一方、ボーナス役の作動中となる遊技の数が少なくなる高設定では、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能の高いボーナス役の非作動中の遊技を奪う数が減り、指示機能を作動させる遊技を増加させる性能が高くなる。
第26の構成によれば、ボーナスの当籤を契機として、遊技興趣を低下させることなく、設定による優劣を効果的に打ち出し得る遊技機を提供することができる。
[第27の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−50862号公報)に記載されているように、遊技メダル等の獲得性能について遊技者に有利となる停止操作の情報すなわちストップボタンの正解押し順や適押下位置等の獲得性能に差異が生じる当籤役を識別若しくは推測させる指示情報を液晶表示装置等において報知する指示機能を作動可能(指示情報を報知可能)にする有利区間或は有利状態と、そのような指示機能を作動不可(指示情報を報知不可)にする通常区間或は通常状態とを設け、通常区間から有利区間への移行に、獲得メダルの期待値に優劣をつける設定に依存しない設定差無しで、比較的当籤確率の低いチャンス役等の一般にレア役等と称される特定役の当籤に紐づいて初当たりを勝ち取るべき要件を求める遊技機が知られている(段落0044〜0050等)。
そして、アシストリプレイタイムART(文献のものはRT1でのAT)による有利区間中、ストップボタンの押し順に正解したとき規定投入数例えば3枚を超える例えば8枚のメダルを払出す押し順ベル役等に当籤したとき、対応する正解押し順を液晶表示装置等において報知することにより手持ちのメダルを容易に増加させ、所定ゲーム数について継続するARTによる有利区間中に、ある程度纏まったメダルの獲得を可能にし、ARTの継続ゲーム数等の残りが無くなると通常区間に復帰させて、改めて通常区間から有利区間への移行に期待させるようにしている(段落0070等)。
しかし、以上の遊技機では、ARTによる有利区間が終了すると、再び初当たり時と同じ要件下で、通常区間から有利区間に移行させる必要があり、有利区間への移行に期待できるレア役の当籤を待つ単調な遊技性に陥りやすい。
すなわち、有利区間への初当たりを期待するときも、有利区間終了後に再度の有利区間に期待するときも、通常区間では、毎遊技、レア役の当籤に期待しながら、内部抽籤の契機となるスタートレバーを叩くだけとなり、「今がチャンス」とか「このときに当たれ」とかいったような叩きどころもなく、遊技全般を通じて遊技の興趣が低下する恐れがある。
なお、以上の遊技機では、区間表示ランプを設けて、通常区間中は消灯し、有利区間中は点灯させるが(段落0029)、このような明示機能は、通常区間中に遊技者の期待感を特に煽るといった熱い場面とそうでない場面とを知らせる機能はなく、通常区間中は常に「点灯しろ」と思わせるだけで、かえってワンパターンの遊技性を強調することになりかねない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技全般を通じて遊技興趣を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第27の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、遊技者の停止操作に基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
再遊技の抽籤態様が異なる複数のリプレイタイムを移行させるリプレイタイム移行手段と、を備え、
少なくとも一つのリプレイタイム(例えば、RT1等)と他の一つのリプレイタイム(例えば、RT2又はRT3等)とは、前記有利状態ではない非有利状態から前記有利状態に移行させる有利状態移行契機役の抽籤態様は同じであるが、前記非有利状態では実行しない前記有利状態中の前記指示機能に係る処理を実行するための抽籤態様は異なるものとしており、前記指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値に有利不利の差を設けている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一つのリプレイタイムでの遊技か他の一つのリプレイタイムでの遊技かに応じて、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値に有利不利の差が生じる。このため、何れのリプレイタイムでの遊技かが遊技者の関心事となる。
以上の遊技機において、
前記他の一つのリプレイタイム(例えば、RT2又はRT3等)は、前記一つのリプレイタイム(例えば、RT1等)よりも、再遊技高確下で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムによる有利状態の生起確率を高くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、他の一つのリプレイタイムでは、一つのリプレイタイムに比べて、遊技者の期待感が増す熱い状況等を創出することができる。
また、以上の各遊技機において、
前記一つのリプレイタイム(例えば、RT1等)は、前記他の一つのリプレイタイム(例えば、RT2又はRT3等)よりも、再遊技高確下で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムによる有利状態の生起確率を低くしているが、より長期のアシストリプレイタイムを生起可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一つのリプレイタイムでは、他の一つのリプレイタイムに比べて、スリリングな状況等を創出することができる。
第27の構成によれば、遊技全般を通じて遊技興趣を高め得る遊技機を提供することができる。
[第28の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2016−55071号公報)に記載されているように、左、中、右の各リールに、ベル1とベル2等の相違する第1図柄A(ベル1)と第2図柄B(ベル2)を配置し、「左図柄−中図柄−右図柄」の組合せを、「A−A−A」、「A−A−B」、「A−B−A」、「A−B−B」、「B−A−A」、「B−A−B」、「B−B−A」、「B−B−B」の8通りとし、共通払出枚数の例えば9枚のメダルを払出す8種類の小役(NML4〜11)を定義し、相互に重複しないペアを複数組作り、複数の押し順依存役を構成する際の重複当籤対象役として用いる遊技機が知られている(図11,図12等)。
ところで、上記8種類の小役は、それぞれ別々のものとして複数の押し順依存役を構成する際に用いることができる他、例えば、一回の遊技の結果が得られたときに実行する入賞検索処理等において、A又はBを示すA/Bという概念を用い、8種類の図柄の組合せを「A/B−A/B−A/B」という一データ表記にまとめて例えば1バイトデータに圧縮し、有効ラインに「A/B−A/B−A/B」が揃った判定がされると9枚のメダルを払出すという処理をすることにより、プログラム容量及び/又はデータ容量を節約することができると考えられる。
しかし、以上の遊技機において、例えば、「B−B−B」を、その払出枚数を他のものと異ならせる場合や、払出枚数が同じでもチャンスゾーンやATやART等の有利状態への移行に期待できるチャンス役や、遊技ポイントの付与が優遇される優遇役等として機能させる場合等には、一回の遊技の結果が得られたときの処理であっても、「A/B−A/B−A/B」の一データとして扱うことが適切ではなくなる。
すなわち、この場合、「B−B−B」を例外扱いとするため、少なくとも、「A−A/B−A/B」、「B−A−A/B」、「B−B−A」、「B−B−B」の4種類(4バイト)のデータが必要になる。
したがって、データの圧縮効果は限定的なものに止まり、限られた容量のメイン側のROM/RAMのプログラム容量及び/又はデータ容量を期待するほどには節約することができない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、メイン側のROM/RAMのプログラム容量及び/又はデータ容量の節約効果を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第28の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、遊技者の停止操作に基づいて図柄の変動表示を停止させて一回の遊技の結果を導出する遊技機において、
一回の遊技の結果により遊技者に所定の利益を付与する複数の図柄の組合せをもつ第1グループの図柄の組合せ(例えば、「A−A−A」、「A−A−B」、「A−B−A」、「A−B−B」、「B−A−A」、「B−A−B」、「B−B−A」等)と、第1グループに含まれる図柄の組合せと異なり且つ第1グループに含まれる図柄の組合せよりも少ない図柄の組合せをもち、第1グループの図柄の組合せが表示された場合に付与する利益と異なる利益を付与する第2グループの図柄の組合せ(例えば、「B−B−B」等)とを有し、
第1グループの図柄の組合せと第2グループの図柄の組合せとを合わせた仮想グループの図柄の組合せ(例えば、「A/B−A/B−A/B」等)を、一の図柄の組合せを他と区別するために用いる所定容量のデータ(例えば、図21,図22の表示役の「データ」の欄に示すような、図柄の組合せを構成する左リール・中リール・右リールの各構成図柄を「/」(又は)で結合することにより一の格納領域内において定義する他の図柄の組合せと区別する、00000001,00000010,00000100,00001000,00010000,00100000,01000000,10000000の何れかの1バイトデータ等)により識別可能にしており、
第1グループと第2グループとの図柄の組合せを判定する処理では、第2グループの図柄の組合せ(例えば、「B−B−B」等)か否かを判定した後、仮想グループの図柄の組合せ(例えば、「A/B−A/B−A/B」等)か否かの判定を実行可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、少ない図柄の組合せをもつ第2グループの図柄の組合せか否かを判定した後、多い図柄の組合せをもつ第1グループの図柄の組合せを含み、所定容量のデータにより識別可能な仮想グループの図柄の組合せか否かを判定することにより、判定処理に要するプログラム容量及び/又はデータ容量を少なくできながら、第2グループの図柄の組合せか否か、第1グループの図柄の組合せか否か、を何れも判定可能になる。
以上の遊技機において、
第2グループの図柄の組合せ(例えば、「B−B−B」等)が判定されると第1グループの図柄の組合せの判定を要しない処理では、第2グループの図柄の組合せか否かの判定により第2グループの図柄の組合せである判定がされた場合には、仮想グループの図柄の組合せ(例えば、「A/B−A/B−A/B」等)か否かの判定をしない
ことを特徴とする遊技機。
これにより、少ない図柄の組合せをもつ第2グループの図柄の組合せか否かの判定により第2グループの図柄の組合せである判定がされた場合、仮想グループの図柄の組合せか否かの判定をしないため、判定処理に要するプログラム容量及び/又はデータ容量をより少なくできる。
以上の各遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、遊技者の停止操作に基づいて図柄の変動表示を停止させて一回の遊技の結果を導出する遊技機において、
一回の遊技の結果により遊技者に所定の利益を付与する複数の図柄の組合せをもつ第1グループの図柄の組合せ(例えば、「A−A−A」、「A−A−B」、「A−B−A」、「A−B−B」、「B−A−A」、「B−A−B」、「B−B−A」等)と、第1グループに含まれる図柄の組合せと異なり且つ第1グループに含まれる図柄の組合せよりも少ない図柄の組合せをもち、第1グループの図柄の組合せが表示された場合に付与する利益と異なる利益を付与する第2グループの図柄の組合せ(例えば、「B−B−B」等)とを有し、
第1グループの図柄の組合せと第2グループの図柄の組合せとを合わせた仮想グループの図柄の組合せ(例えば、「A/B−A/B−A/B」等)を、一の図柄の組合せを他と区別するために用いる所定容量のデータ(例えば、図21,図22の表示役の「データ」の欄に示すような、図柄の組合せを構成する左リール・中リール・右リールの各構成図柄を「/」(又は)で結合することにより一の格納領域内において定義する他の図柄の組合せと区別する、00000001,00000010,00000100,00001000,00010000,00100000,01000000,10000000の何れかの1バイトデータ等)により識別可能にしており、
第1グループの図柄の組合せを判定する処理では、第2グループの図柄の組合せ(例えば、「B−B−B」等)か否かの判定により第2グループの図柄の組合せでない判定がされた後、仮想グループの図柄の組合せ(例えば、「A/B−A/B−A/B」等)か否かを判定する
ことを特徴とする遊技機。
これにより、少ない図柄の組合せをもつ第2グループの図柄の組合せか否かの判定により第2グループの図柄の組合せでない判定がされた後に、多い図柄の組合せをもつ第1グループの図柄の組合せを含み、所定容量のデータにより識別可能な仮想グループの図柄の組合せか否かを判定することにより、判定処理に要するプログラム容量及び/又はデータ容量を少なくできながら、第1グループの図柄の組合せか否かを判定できる。
第28の構成によれば、メイン側のROM/RAMのプログラム容量及び/又はデータ容量の節約効果を高め得る遊技機を提供することができる。
[第29の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2016−179100号公報)に記載されているように、内部当籤役と遊技者の停止操作とにより、どの図柄を停止させるかは、メダルの払出枚数が最も多くなる図柄を優先引込みする枚数優先、又は、表示可能な図柄の組合せの種類数(当籤フラグの数)が最も多くなる図柄を優先引込みする個数優先の2大原則に従ってされる。一の停止操作がされる前に未停止リールの全図柄に対し、1バイトの優先引込順位データ(文献では停止候補検索データ)を割付け、この内、ストップボタンの押下位置を基準に0〜4コマ滑りとなる検索対象の5コマ分のデータについて、最大値検索処理及び/又はテーブル参照処理等をすることにより、最も優先順位が高く、同順位の場合は予め定めた特定方法により、非当籤役が揃うことのない唯一の図柄を停止図柄に決定し、この決定した図柄を停止基準位置に停止させることで行われる(段落0045〜0051、図5等)。
こうして、例えば、1種類の9枚役と複数種類の1枚役を重複当籤させる中第1停止ベル役に当籤した場合、正解の中第1停止なら、枚数優先に従い、優先順位の高い9枚役の構成図柄(文献では払出枚数9を付加した49Hを割付けた図柄)が、優先順位の低い1枚役の構成図柄(同払出枚数1を付加した41Hを割付けた図柄)よりも優先して停止し、9枚役が入賞可能になり、不正解の中第1停止以外なら、個数優先に従い、優先順位の高い1枚役の構成図柄(文献では図柄の組合せの種類数の4や3を付加した44Hや43Hを割付けた図柄)が、優先順位の低い9枚役の構成図柄(同図柄の組合せの種類数の1を付加した41Hを割付けた図柄)よりも優先して停止し、1枚役が入賞可能になる。
以上の遊技機において、例えば、各リールに「赤7」図柄が一つ、左リールに「チェリー1又はチェリー2」図柄、中及び右リールに「チェリー1」図柄がそれぞれ最大4コマ滑りで引込可能に複数個配置されていると仮定し、「チェリー1/チェリー2」−「チェリー1」−「赤7」の図柄の組合せをもつチャンス目と判り易い出目を表示させるチャンス1枚役とチャンス目と判り難い出目を表示させる制御用1枚役とを含むチャンス小役1と、「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せをもつボーナス役BBとを重複当籤させるBB+チャンス小役1という役があるとした場合に、これに当籤したとき、右リールの「赤7」の引込範囲内で停止操作をすると、枚数優先、個数優先の何れの場合も、チャンス小役1中のチャンス1枚役を表示し、チャンス目がボーナスの当籤契機であるかのように適切に思わせることができる。
しかし、ボーナス役の当籤フラグが持ち越されたBBフラグ間状態中(BB内部中)に、チャンス小役1に当籤したとき、本来は重ねてチャンス1枚役を表示したくない場合にも、チャンス小役1がBBよりも優先表示され、かつ、右リールの「赤7」の引込範囲内で停止操作をすると、チャンス小役1中のチャンス1枚役を表示してしまい、BB当籤ゲームとBBフラグ間ゲームとで表示出目は変らず、かえって遊技者を困惑させかねない。
したがって、枚数優先と個数優先とによる2大原則に従う従来型の優先順位付けでは、表示出目を柔軟に変更することができず、リール停止制御に多様性を持たせるには限界があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、リール停止制御により一層の多様性を持たせることができる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第29の構成の遊技機を提供する。
複数の図柄をもつ複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を回転させ、内部抽籤で当籤した当籤役と対応するストップボタン(例えば、ストップボタン17L,17C,17R)の操作とに基づいて回転中の前記リールを停止させるリール停止制御手段を備える遊技機において、
前記リール停止制御手段は、前記内部抽籤で当籤した当籤役に含まれる図柄の組合せのうち、前記内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲が最も大きくなる図柄の組合せに対応した図柄を優先引込みする範囲優先に従う停止制御を実行可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、当籤役に含まれる図柄の組合せのうち、第1の図柄の組合せ(例えば、NML30等)が内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲が第1数値(例えば、2122等)であり、第2の図柄の組合せ(例えば、NML14等)が内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲が第2数値(例えば、1341等)であり、第1数値が第2数値よりも大という場合、第1の図柄の組合せが第2の図柄の組合せよりも優先して停止可能になるため、停止制御のバリエーションが広がる。
以上の遊技機において、
前記内部抽籤で当籤した当籤役に含まれる図柄の組合せのうち、前記内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲が最大となるものが複数ある場合、最大の当籤範囲をもつ予め定めた一つの図柄の組合せに対応した図柄を優先停止させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、内部抽籤で当籤した当籤役に、内部抽籤で当籤可能となる当籤範囲が同一で大きいものが複数ある場合にも、範囲優先に従う停止制御が可能になる。
また、以上の各遊技機において、
前記リール停止制御手段は、前記範囲優先に従う停止制御と、前記内部抽籤で当籤した当籤役に含まれる図柄の組合せのうち、メダルの払出枚数が最も多くなる図柄の組合せに対応した図柄を優先引込みする枚数優先に従う停止制御と、同じ遊技結果になる当籤フラグの数が最も多い図柄の組合せに対応した図柄を優先引込みする個数優先に従う停止制御とを選択可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、範囲優先に従う停止制御と、枚数優先に従う停止制御と、個数優先に従う停止制御との3種類の停止制御を切替えることにより、停止出目のバリエーションを豊富にできる。
第29の構成によれば、リール停止制御により一層の多様性を持たせることができる遊技機を提供することができる。
[第30の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−68526号公報)に記載されているように、再遊技の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なるリプレイタイム状態(RT状態)に、再遊技確率の低い低確リプレイタイム(非RT,RT1,RT3)と、再遊技確率の高い高確リプレイタイム(RT2)を設け、各RT状態間を予め定めた移行条件により移行させる遊技機が知られている。非RTからRT1又はRT2からRT1へは、押し順ベル役の当籤時に押し順不正解時に所定の表示確率(3/4)で表示するベルこぼし目(BLK1〜4)の表示で移行し、RT1からRT2へは、特定の昇格契機役の当籤時に押し順に正解したときに表示する昇格契機図柄の組合せ(REP4)の表示により移行するようにしている(段落0059〜0062,0067〜0072、図5等)。
そして、遊技中、内部当籤役に応じて遊技者に有利となるストップボタンの押し順をナビするアシストタイムATの当籤を勝ち取ることができると、RT1において特定の昇格契機役の当籤を待ち、その当籤時に昇格契機図柄の組合せを表示する正解押し順を液晶表示装置等においてナビすることによりRT2に移行させ、高確RT状態であるRT2でATを作動させるARTの遊技を可能にし、押し順ベル役の当籤時に高配当(9枚等)のメダルを獲得できる正解押し順をナビすることにより手持ちのメダルを増加させ、ARTの継続ゲーム数がなくなると、押し順ベル役の当籤時に正解押し順をナビしないことによりベルこぼし目の表示を誘発し、低確RT状態のRT1に転落させるようにしている。
しかし、ARTの遊技を行う高確リプレイタイムRT2は、本来、上記のように、ATの当籤を得た上で、低確リプレイタイムRT1から昇格契機図柄の組合せを表示するナビを頼りに移行することを想定しているが、ATの非当籤時、特定の押し順が有利で他は不利という押し順に偏りを持たせたり、特定の押し順以外で停止操作をすると遊技者に不利なペナルティを課すこと等は遊技の公正を害することから採用不可のため、昇格契機図柄の組合せを表示するナビが出ない状況下でも意図せずに高確リプレイタイムRT2に移行することがある。
この場合、ベルこぼし目の表示により低確リプレイタイムRT1にすぐに転落する場合もあるが、RT2で押し順ベル役の当籤を待ち、押し順に不正解となって所定の表示確率でベルこぼし目を表示させる必要があり、たまたま押し順に正解したときは次の当籤を待つというように、少なからずゲーム数を費やす場合もあり、その間は再遊技高確率状態が継続するため、不必要に遊技者を利することになりかねない。また、意図せずにRT2に移行した遊技中にATに当籤すると、RT1で特定昇格契機役の当籤を得て昇格契機図柄の組合せを表示するまでの間に本来なら挿入するART準備中の期間を確保できず、ART準備中にボーナス役を含む特定役に当籤した場合に優遇的な恩恵や特別な演出等を提供することもできない。
ここで、意図せずに高確リプレイタイムに移行した場合、押し順ベル役の当籤時、AT中に出す本来の正解押し順ナビに代え、あえて不正解押し順ナビを出すことが考えられるが、遊技の公正を害する恐れがあり、遊技者を混乱させてしまいかねない。また、RT2中に少ないゲーム数で低確リプレイタイムに転落する特殊なリプレイタイムに移行させる役を高確率で抽籤することも考えられるが、本来のRT2でARTの遊技をする場合、今度は意図しない特殊なリプレイタイムに移行しない対策が必要になる等の新たな問題が生じる。結局のところ、意図せずに高確リプレイタイムに移行した場合にできるだけ早期に低確リプレイタイムに転落させる要望に応える有効策はないのが実情である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、意図せずに高確リプレイタイムに移行した場合に、できるだけ早期に、低確リプレイタイムに適切に転落させることができる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第30の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
再遊技の抽籤態様が異なるリプレイタイム状態に、再遊技確率が相対的に低い低確リプレイタイム(例えば、RT0等)と相対的に高い高確リプレイタイム(例えば、RT1〜4等)とを含み、
前記低確リプレイタイムでは、該低確リプレイタイムに転落することになる特定転落契機役(例えば、F_RT3移行リプ等)を抽籤する第1リプレイタイム(例えば、RT1等)に移行させる第1移行契機図柄の組合せ(例えば、NML02〜13の図柄の組合せ等)と、前記第1リプレイタイムと異なる第2リプレイタイム(例えば、RT2等)に移行させる第2移行契機図柄の組合せ(例えば、NML01の図柄の組合せ等)とを、遊技者の停止操作に応じて一方が表示されると他方は表示されない関係で表示可能とする特定移行振分役(例えば、押し順小役等)を抽籤し、
前記第2リプレイタイムを、前記高確リプレイタイムに含まれるものとし、
前記第2リプレイタイムを含む前記高確リプレイタイムにおいても前記特定移行振分役を抽籤し、
前記有利状態の生起前に前記第2リプレイタイムに移行することとなった場合、前記第2移行契機図柄の組合せを表示させる前記特定移行振分役の当籤に基づいて前記有利状態を生起させ、前記第2リプレイタイムを含む前記高確リプレイタイムで前記特定移行振分役に当籤したとき、前記第1移行契機図柄の組合せを表示させる指示(例えば、推奨ナビ等)を出した後に前記有利状態を終了させ、
前記有利状態の生起中に前記第2リプレイタイムに移行することとなった場合、前記第2リプレイタイムを含む前記高確リプレイタイムで前記特定移行振分役に当籤したとき、前記第2移行契機図柄の組合せを表示させる指示(例えば、正解ナビ等)を出す
ことを特徴とする遊技機。
これにより、有利状態の生起前に、意図せずに第2移行契機図柄の組合せを表示して高確リプレイタイムに含まれる第2リプレイタイムに移行しても、第2移行契機図柄の組合せを表示させることとなった特定移行振分役の当籤に基づいて有利状態が生起され、第2リプレイタイムを含む高確リプレイタイムで特定移行振分役に当籤したとき、第1移行契機図柄の組合せを表示させる指示を出すため、低確リプレイタイムへの転落を早期に促すことができる。この指示を出した後に有利状態を終了させるため、必要以上に有利状態が長くならず、不必要に遊技者を利することもなければ、不必要に遊技者に不利益を与えることもない。
一方、有利状態の生起中に第2リプレイタイムに移行し、高確リプレイタイムを維持するのが適切な場合には、第2リプレイタイムを含む高確リプレイタイムで特定移行振分役に当籤したとき、第2移行契機図柄の組合せを表示させる指示を出すため、低確リプレイタイムに転落するのを回避でき、高確リプレイタイムで指示機能を作動させることにより、適切に遊技者を利することができる。
以上の遊技機において、
前記第1移行契機図柄の組合せを表示した場合も、前記第2移行契機図柄の組合せを表示した場合も、一遊技の結果として得られる利益に差は無く、
前記第1リプレイタイムを、前記第2リプレイタイムでの再遊技確率と差のない再遊技確率とする前記高確リプレイタイムに含まれるものとし、
前記第1リプレイタイムから、該第1リプレイタイムで抽籤する前記特定転落契機役の当籤に基づいて、前記低確リプレイタイムへの転落を可能にした第3リプレイタイム(例えば、RT3等)に移行させ、
前記第2リプレイタイムから、前記特定転落契機役の当籤確率と差のない当籤確率で抽籤する所定移行契機役(例えば、F_RT4移行リプ等)の当籤に基づいて第4リプレイタイム(例えば、RT4等)に移行させ、
前記第3リプレイタイムと前記第4リプレイタイムとを前記高確リプレイタイムに含まれるものとしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、特定移行振分役の当籤に基づいて、第1移行契機図柄の組合せを表示させる指示を出す場合も、第2移行契機図柄の組合せを表示させる指示を出す場合も、一遊技の結果として得られる利益に差は無く、しかも、移行先の第1リプレイタイムと第2リプレイタイムの再遊技確率に差はないし、第1リプレイタイムからの移行先の第3リプレイタイムも第2リプレイタイムからの移行先の第4リプレイタイムもどちらも高確リプレイタイムであるため、何れの指示を出しても有利不利の差を極力小さくできる。このため、遊技の公正を担保できながら、所期の目的を達成できる。
以上の各遊技機において、
前記特定移行振分役は、前記第1移行契機図柄の組合せを表示する場合も、前記第2移行契機図柄の組合せを表示する場合も、獲得遊技媒体数が同じになる遊技媒体の獲得に係る小役(押し順小役)により構成している
ことを特徴とする遊技機。
これにより、特定移行振分役は、遊技媒体の獲得に係る小役により構成しているため、リプレイタイム状態によって確率が変動しない所定確率で、各リプレイタイム状態において特定移行振分役を抽籤できる。このため、リプレイタイム状態すなわち再遊技確率にかかわらず、特定移行振分役の抽籤値を所定値について確保しやすく、内部抽籤テーブル等の構築を容易にできながら、所期の目的を達成できる。
第30の構成によれば、意図せずに高確リプレイタイムに移行した場合に、できるだけ早期に、低確リプレイタイムに適切に転落させることができる遊技機を提供することができる。
[第31の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−68526号公報)に記載されているように、再遊技の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が変動していない状態とする非リプレイタイム(非RT又はRT0)と、この非リプレイタイムに対して再遊技の抽籤態様が変動している状態とする、少なくとも一つの低確リプレイタイム(再遊技確率の低いRT状態)RT1と、少なくとも一つの高確リプレイタイム(再遊技確率の高いRT状態)RT2を含む複数のRT状態(RT1〜3等)を設け、各RT状態間を予め定めた移行条件により移行させる遊技機が知られている(段落0059〜0062,0067〜0072、図5等)。
非RTは、リアルボーナス(文献ではRBB)の作動終了後の復帰先や、有限RT状態(RT3)の終了後の復帰先に用いている。また、非RTは、取りこぼし無で最大獲得枚数が得られるとする特定条件下でされる所定のシミュレーション試験に適する遊技状態でもある。非RTからRT1又はRT2からRT1へは、押し順ベル役の当籤時に押し順不正解時に所定の表示確率(3/4)で表示するベルこぼし目(BLK1〜4)の表示で移行し、RT1からRT2へは、特定の昇格契機役の当籤時に押し順に正解したときに表示する昇格契機図柄の組合せ(REP4)の表示により移行するようにしている。
そして、遊技中、内部当籤役に応じて遊技者に有利となるストップボタンの押し順をナビするアシストタイムATの当籤を勝ち取ることができると、RT1において特定の昇格契機役の当籤を待ち、その当籤時に昇格契機図柄の組合せを表示する正解押し順を液晶表示装置等においてナビすることによりRT2に移行させ、高確RT状態であるRT2でATを作動させるARTの遊技を可能にし、押し順ベル役の当籤時に高配当(9枚等)のメダルを獲得できる正解押し順をナビすることにより手持ちのメダルを増加させ、ARTの継続ゲーム数がなくなると、押し順ベル役の当籤時に正解押し順をナビしないことによりベルこぼし目の表示を誘発し、低確RT状態のRT1に転落させるようにしている。
しかし、以上の遊技機では、再遊技の抽籤態様が変動していない状態とする非リプレイタイム(非RT又はRT0)で、アシストタイムATに当籤したとき、非RTでは押し順ベル役に当籤してもあえて正解押し順をナビしないことによりベルこぼし目を表示させてRT1に移行させるものとしているが、非RTで押し順ベル役の当籤を待ち、所定の表示確率でベルこぼし目を表示させる必要があるため、RT1で特定の昇格契機役の当籤を待つ前段階においても少なからずゲーム数を費やしてしまう。このため、RT2に移行してARTの遊技を開始できるまでの昇格途上中に位置づけられるART準備中の期間が長くなり、手持ちのメダルが増える保証のない期間が長くなることから、遊技興趣が低下する恐れがある。
また、ARTの遊技中にリアルボーナスに当籤した場合、ボーナスの作動終了後は非RTに復帰するため、改めて非RTからRT1を経てRT2に引き戻す長期のART準備中を経由する必要があるため、ボーナスの作動により得られたメダルが減ってしまう可能性もあり、遊技者にストレスを与えかねない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、アシストリプレイタイムARTの遊技が可能になるまでのART準備中を短縮することができる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第31の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
再遊技の抽籤態様が異なるリプレイタイム状態に、再遊技確率が相対的に低い低確リプレイタイム(例えば、RT0等)と相対的に高い高確リプレイタイム(例えば、RT2等)とを含み、
前記低確リプレイタイム中に、対応する図柄の組合せの表示確率が相対的に高い第1役(例えば、NML41〜43等)と相対的に低い第2役(例えば、NML44等)とを同時当籤させる特定特殊役(例えば、「F_特殊小役」等)を抽籤し、この特定特殊役に当籤したとき、遊技者による遊技下では、前記第2役に係る図柄の組合せを表示させずに前記第1役に係る図柄の組合せ(例えば、「スイカ」−「ベル」−「リプレイ」等)を表示し、前記第2役に係る図柄の組合せが表示されない可能性を排除した特定条件下では、前記第1役に係る図柄の組合せを表示させずに前記第2役に係る図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「ブランク」−「ブランク」等)を表示し、
前記特定条件下で前記第2役に係る図柄の組合せを表示したときには、前記低確リプレイタイム及び前記高確リプレイタイムとは異なる再遊技の抽籤態様とした特殊リプレイタイム(例えば、RT1等)に移行させ、
前記高確リプレイタイムで前記指示機能を作動させるアシストリプレイタイムの遊技を可能にするときには、前記特殊リプレイタイムを経由しない
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技者がする遊技では、特殊リプレイタイムを経由しないでARTの遊技が可能になるため、従来のものよりもART準備中の期間を短縮できる。
以上の遊技機において、
前記特定条件下では、前記高確リプレイタイムへの移行を不可にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、特定条件下でする所定のシミュレーション試験を、高確リプレイタイムを考慮することなく簡便に行うことが可能になる。
以上の各遊技機において、
前記低確リプレイタイムは、再遊技の抽籤態様が変動していない状態とする非リプレイタイムとし、所定のボーナスの作動終了後の復帰先にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ARTの遊技中にボーナスに当籤しても、その作動終了時の復帰先のリプレイタイム状態からARTの遊技に引き戻すまでのART準備中も短縮できる。
第31の構成によれば、アシストリプレイタイムARTの遊技が可能になるまでのART準備中を短縮することができる遊技機を提供することができる。
[第32の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−50862号公報)に記載されているように、遊技メダル等の獲得性能について遊技者に有利となる停止操作の情報すなわちストップボタンの正解押し順や適押下位置等の獲得性能に差異が生じる当籤役を識別若しくは推測させる指示情報を液晶表示装置等において報知する指示機能を作動可能(指示情報を報知可能)にする有利区間或は有利状態と、そのような指示機能を作動不可(指示情報を報知不可)にする通常区間或は通常状態とを設け、通常区間から有利区間への移行に、獲得メダルの期待値に優劣をつける設定に依存しない設定差無しで、比較的当籤確率の低いチャンス役等の当籤難易度がある程度高いレア役等と称される特定役の当籤に紐づいた予め定めた固定の当籤確率で初当たりを勝ち取るべきとする要件を求める遊技機が知られている(段落0044〜0050等)。
そして、アシストリプレイタイムART(文献記載のものはRT1でのAT)による有利区間中、ストップボタンの押し順に正解したとき規定投入数例えば3枚を超える例えば8枚のメダルを払出す押し順ベル役等に当籤したとき、対応する正解押し順を液晶表示装置等において報知することにより手持ちのメダルを容易に増加させ、所定ゲーム数について継続するARTによる有利区間中に、ある程度纏まったメダルの獲得を可能にし、ARTの継続ゲーム数等の残りが無くなると通常区間に復帰させて、改めて通常区間から有利区間への移行に期待させるようにしている(段落0070等)。
しかし、以上の遊技機では、ARTによる有利区間が終了すると、再び初当たり時と同じ要件下で、通常区間から有利区間に移行させる必要があり、有利区間への移行に期待できるレア役の当籤を待つ単調な遊技性に陥りやすい。
しかも、同じ一つのレア役なら、予め定めた固定した当籤確率で当たることが求められ、通常区間から有利区間へは、ワンパターンの確率に従って移行せざるを得ず、通常区間中に、有利区間についての移行の難易度を変えるのは困難である。また、その移行の難易度に応じて、液晶表示装置等において展開させる動画の背景やステージを変化させて遊技者の期待感を煽ることも困難である。
従って、有利区間或は有利状態にない、通常区間或は通常状態では、その滞在期間中の遊技に面白味を欠き、遊技興趣が低下する恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有利区間或は有利状態でない通常区間或は通常状態中も、遊技興趣を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第32の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
再遊技の抽籤態様が異なる複数種類のリプレイタイムを移行させるリプレイタイム移行手段と、を備え、
所定のボーナス役(例えば、MB1等)に当籤したとき、当籤を得たリプレイタイムの種類に応じて、高確リプレイタイムで指示機能を作動させるアシストリプレイタイムによる有利状態の生起確率を変動させるようにしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役の当籤を得たリプレイタイムの種類に応じて、アシストリプレイタイムによる有利状態の生起確率が変動するため、リプレイタイムの種類に応じて遊技者に有利となる高確遊技モードと不利となる低確遊技モードとを創出できる。このため、リプレイタイムの移行が遊技モードの移行機能も果たし、どのリプレイタイムにあるかが遊技者の関心事となり、有利状態の生起前においても遊技興趣を高め得る。
以上の遊技機において、
有利状態の生起前に滞在可能な少なくとも一つのリプレイタイム(例えば、RT1等)と他の一つのリプレイタイム(例えば、RT2又はRT3)とは、それぞれについて予め定める有限回数を上限に滞在可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一つのリプレイタイムに対応する遊技モードは、一つのリプレイタイムについて定めた有限回数を上限に維持可能となり、他の一つのリプレイタイムに対応する遊技モードは、他の一つのリプレイタイムについて定めた有限回数を上限に維持可能となり、それぞれ維持可能な期間中にボーナス役の当籤に期待し、それぞれの遊技モードに応じてアシストリプレイタイムに期待することができる。
また、以上の各遊技機において、
前記ボーナス役は、有利状態の生起前の当籤なら有利状態に移行可能にしており、前記ボーナス役の当籤及び作動によっては再遊技の抽籤態様を変動させずに前記ボーナス役の当籤を得たリプレイタイムでの再遊技の抽籤態様を引き継ぐ
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役の当籤により有利状態に移行させ、有利状態中の指示機能に係る処理として、ボーナス役の当籤を得たリプレイタイムでの再遊技の抽籤態様を参照するという共通の処理により、適切にアシストリプレイタイムによる有利状態に昇格させることができる。
第32の構成によれば、有利区間或は有利状態でない通常区間或は通常状態中も、遊技興趣を高め得る遊技機を提供することができる。
[第33の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−50862号公報)に記載されているように、遊技メダル等の獲得性能について遊技者に有利となる停止操作の情報すなわちストップボタンの正解押し順や適押下位置等の獲得性能に差異が生じる当籤役を識別若しくは推測させる指示情報を液晶表示装置等において報知する指示機能を作動可能(指示情報を報知可能)にする有利区間或は有利状態と、そのような指示機能を作動不可(指示情報を報知不可)にする通常区間或は通常状態とを設け、通常区間から有利区間への移行に、獲得メダルの期待値に優劣をつける設定に依存しない設定差無しの役で、しかも、再遊技の抽籤態様が異なるリプレイタイムの種類によらず抽籤値が変化しない限定的な役の中から予め選定した、比較的当籤確率の低いチャンス役等の当籤難易度がある程度高いレア役等と称される特定役の当籤に紐づいた予め定めた固定の当籤確率で初当たりを勝ち取るべきとする要件を求める遊技機が知られている(段落0044〜0050等)。
また、通常区間から有利区間への移行に設定による優劣差を実質的に打ち出す手法として、有利区間への移行抽籤を不可とするボーナスゲームの期間(文献記載のものはRBB1作動中の期間)を低設定ほど長期になるようにし、低設定ほどボーナスゲームの終了後の通常区間から有利区間に移行させる移行抽籤を受け得るまでの期間を長くし、低設定ほど有利区間に移行し難く、逆に高設定ほど有利区間に移行し易くしている(段落0014〜0016等)。
しかし、以上の遊技機では、ボーナスゲーム期間中に有利区間への移行を不可にし、低設定ほどボーナスゲーム期間を長くすることにより、有利区間への初当たりに実質的に設定による優劣を付けることは可能であるとしても、ボーナスゲーム後に通常区間から有利区間に移行させるには、再び初当たり時と同じ要件下で、しかも、ボーナスゲーム後は再遊技確率の低い状態から、設定差無しで且つ限定的な予め選定したレア役の当籤を待つ必要があり、遊技が単調に陥りやすい。
しかも、再遊技確率の低い状態から高い状態への移行を含むリプレイタイム状態の移行契機とする図柄の組合せは、基本的に、設定に依存しない設定差無しの役の当籤を前提に表示されるべきものであるため、低確リプレイタイムで有利区間への移行に期待するか、高確リプレイタイムで有利区間への移行に期待するかという点に関して設定差はつかず、高設定は低設定よりも有利なリプレイタイム状態下で指示機能を作動させるということにもならない。
従って、以上の遊技機では、設定による優劣を効果的に打ち出すことは困難で、設定差による遊技にメリハリが付かず、遊技興趣が低下する恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、設定差による遊技の優劣にメリハリをつけることができ、遊技興趣を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第33の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段と、を備え、
再遊技の抽籤態様が異なる状態に、前記指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値を相対的に高くした高期待リプレイタイム(例えば、RTH(RT2)等)と、この高期待リプレイタイムから移行可能とし、前記指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値を相対的に低くした低期待リプレイタイム(例えば、RTL(RT1)等)とを含み、
前記内部当籤役に、当籤から作動終了までに定める特定移行契機に基づいて前記高期待リプレイタイムに移行可能とする所定のボーナス役(例えば、MBa等)を含み、
前記ボーナス役の当籤確率を、前記設定が高いものは低いものよりも高くしている、
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役の当籤確率が高い高設定のものは、低設定のものに比べて、特定移行契機に基づいて高期待リプレイタイムに移行し易くなり、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす期待値が高くなる。このため、ボーナス役の設定差による当籤確率の変動幅を越え、設定差による有利不利の幅を大きくでき、設定差による遊技の優劣にメリハリをつけることができる。
以上の遊技機において、
前記ボーナス役の当籤から作動終了までの間に、前記設定の値を参照しない共通の処理(例えば、特定小役の当籤時又は非当籤時にする全設定共通の当籤確率に従う2段階抽籤処理等)により、前記指示機能を作動させる遊技の機会を増やすことを可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役に当籤し易い高設定ほど、当籤から作動終了までの間に、設定の値を参照しない共通の処理により、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす可能性が高くなる。このため、ボーナス役の設定差による当籤確率の変動幅を越え、設定差による有利不利の幅をさらに大きくでき、設定差による遊技の優劣に一層メリハリをつけることができる。
以上の各遊技機において、
前記ボーナス役は、第二種特別役物に係る役物連続作動装置により構成し、
第二種特別役物の作動中は、遊技媒体の獲得に係る小役を全て当籤状態とするが、第二種特別役物の非作動中の遊技と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される特定小役(例えば、「F_スイカ1」、「F_弱レア役A」、「F_弱レア役B」、「F_チャンス目A1」〜「F_チャンス目B4」等)の当籤に基づいて前記指示機能を作動させる遊技の機会を増やすことを可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役の作動中に適切に指示機能を作動させる遊技の機会を増やすことができ、遊技の公正さも担保できる。
第33の構成によれば、設定差による遊技の優劣にメリハリをつけることができ、遊技興趣を高め得る遊技機を提供することができる。
[第34の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−50862号公報)に記載されているように、遊技メダル等の獲得性能について遊技者に有利となる停止操作の情報すなわちストップボタンの正解押し順や適押下位置等の獲得性能に差異が生じる当籤役を識別若しくは推測させる指示情報を液晶表示装置等において報知する指示機能を作動可能(指示情報を報知可能)にする有利区間或は有利状態と、そのような指示機能を作動不可(指示情報を報知不可)にする通常区間或は通常状態とを設け、通常区間から有利区間への移行に、獲得メダルの期待値に優劣をつける設定に依存しない設定差無しの当籤役の当籤に紐づいて初当たりを勝ち取るべき要件を求める遊技機が知られている(段落0044〜0050等)。
また、通常区間から有利区間への移行に設定による優劣差を実質的に打ち出す手法として、有利区間への移行抽籤を不可とする、シフトタイプのビッグボーナスBB(文献のものはRBB1)によるボーナスゲームの期間を、低設定ほど長期になるようにし、低設定ほどボーナスゲームの終了後の通常区間から有利区間に移行させる移行抽籤を受け得るまでの期間を長くし、低設定ほど有利区間に移行し難く、逆に高設定ほど有利区間に移行し易くしている(段落0014〜0016等)。
しかし、以上の遊技機では、有利区間への初当たりに実質的に設定による優劣を付けることは可能であるとしても、既に有利区間に移行しており、有利区間中にビッグボーナスBB(RBB1)に当籤した場合、BBの作動中も、また、BBの作動終了後も、有利区間を継続させる考え方は基本的になく、ビッグボーナスBB(RBB1)の当籤により一律的に有利区間を終了させて通常区間に移行させるか、有利区間を維持するとしてもBB作動中に通常区間への転落を可能にしている(段落0094等)。
このため、有利区間中にビッグボーナスBBに当籤した場合、基本的に、BBの作動終了後に、再度、通常区間から有利区間への初当たりを勝ち取る必要が生じ、有利区間中にビッグボーナスBBに当籤すると、かえって遊技興趣が低下する恐れがある。
しかも、有利区間中か通常区間中かに関わらず、ビッグボーナスBBに当籤すると、BB作動中の遊技では、有利区間への移行も、有利区間中の指示機能の上乗せもされないため、BB作動中の遊技は単にメダルの獲得だけを期待する消化ゲーム的な位置づけとなり、面白味を欠く恐れもある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、シフトタイプのビッグボーナス作動中の遊技興趣を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第34の構成の遊技機を提供する。
複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、回転中の前記リールを停止させる複数のストップボタン(例えば、ストップボタン17L,17C,17R)とを有し、
内部抽籤で決定する当籤役に、第1ボーナス(例えば、BB、MB等)を含むと共に、この第1ボーナスの作動中における内部抽籤で決定する当籤役に、所定の作動図柄の組合せの表示により作動する第2ボーナス(例えば、RB1〜RB3、CB1〜CB3)を含む遊技機において、
前記第2ボーナスの作動図柄の組合せは、前記ストップボタンの操作態様が、複数候補の中の一部の態様に合致したとき表示可能にしており、
前記第1ボーナスの作動が予め定めた終了条件の具備により終了するまでに、第2ボーナスの作動図柄の組合せの表示で開始させる前記第2ボーナスの作動中のゲーム数が多いほど、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させる遊技の機会を増加可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第1ボーナスの作動中、第2ボーナスの作動図柄の組合せを少ないゲーム数で表示することにより、第1ボーナスの作動終了までに、第2ボーナスの作動中のゲーム数を多くでき、指示機能を作動させる遊技の機会を増加できるため、第1ボーナスの作動中の遊技興趣を効果的に高め得る。
以上の遊技において、
前記第2ボーナスの当籤から作動図柄の組合せを表示できるまでの前記第2ボーナスのフラグ間ゲーム数が少ないときは、多いときよりも、前記第2ボーナスの作動中のゲーム数が同じになる場合でも前記特典を付与する期待値を高くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、早期に第2ボーナスの作動図柄の組合せを表示させるほど特典に期待できるため、遊技者の達成感を効果的に引き出せる。
以上の各遊技機において、
前記第1ボーナスの作動中、前記第2ボーナスを抽籤するゲームでの獲得遊技媒体数が少ないほど、前記第1ボーナスの作動終了までに、前記第2ボーナスの作動中のゲーム数が多くなるようにしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第2ボーナスを抽籤するゲームでは、あえて少ない遊技媒体の獲得に止めたことで、自ら多くした第2ボーナスの作動中のゲームにより特典を得たとの満足感を付与でき、遊技者の達成感をより大きくできる。
第34の構成によれば、シフトタイプのビッグボーナス作動中の遊技興趣を高め得る遊技機を提供することができる。
[第35の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−110808号公報)に記載されているように、設定によらない一定確率にて当籤させる設定差無のボーナス役RBB1の作動が総獲得メダル枚数(296枚)を超過して終了するまでのRBB1作動中のゲーム数が、設定1では85.2ゲーム、設定6では97.9ゲームというように、低設定ほど少なく、高設定ほど多くなるようにしている。すなわち、RBB1作動中、8枚配当のベル役を含む全小役を当籤させる小役オールの確率を、低設定ほど高く、高設定ほど低くすることにより、低設定は高設定よりも8枚配当を短期間のうちに得て早期に総獲得メダル枚数を超過するようにしている。
また、RBB1作動中、毎ゲーム抽籤等の設定によらない共通処理により押し順役の正解押し順等を報知する指示機能の上乗せを可能にしていると共に、高確率(80%)で指示機能の上乗せに期待できるチャンス役(チャンリプ1〜3)を設定差無で抽籤し、高設定ほどチャンス役の当籤見込み回数が多くなるようにしている。こうして、RBB1自体に設定差は無いが、RBB1作動中の指示機能の上乗せ性能に実質的に設定差を付与し、メリハリのある遊技性を打ち出すようにしている(段落0056〜0064、図5等)。
しかし、上記文献記載の遊技機は、結局のところ、単純に上乗せ抽籤を受ける回数に多い少ないの差を設けるのみであるため、有効な設定差を打ち出すには、文献記載のとおり、設定1と設定6とで、ボーナス役RBB1の作動中のゲーム数に10ゲームを超える大差を確保する必要が生じる。
このため、一回でもボーナ役RBB1の作動を体験した遊技者は、低設定であるか高設定であるかを容易に見破り、低設定の心象を持った遊技者は早々に遊技を止めてしまい、遊技機の稼働が低下する恐れが強い。
ここで、設定差によるボーナス役RBB1の作動中のゲーム数を差を小さくすることが考えられるが、このようにすると、指示機能の性能に設定差を有効に付与できず、結局、メリハリのない遊技性に陥ることになる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、設定看破が容易になるのを低減しつつ、ボーナス中の指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第35の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)と、を備え、
前記内部当籤役に、一作動回に所定回の入賞を許容する第1ボーナス役(例えば、RB5等)を連続して作動可能とする第2ボーナス役(例えば、BB5等)を含み、
前記第2ボーナス役の作動開始により前記第1ボーナス役の初回の一作動を開始させ、前記第1ボーナス役の一作動の終了に続いて前記第1ボーナス役の次の一作動を開始させ、前記第2ボーナス役の作動終了により前記第2ボーナス役及び前記第1ボーナス役の作動を終了させるようにしており、
前記第1ボーナス役の作動中に前記指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この指示機能を作動させる遊技を増加させる確率を、前記第1ボーナス役の作動回の進みに応じて初回よりも高くしており、
前記第2ボーナス役の作動中に前記第1ボーナス役の作動回が進む期待値を、前記設定が高いほど高くしている、
ことを特徴とする遊技機。
こうして、第2ボーナス役の作動中の第1ボーナス役の作動中に指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この増加させる確率を、第1ボーナス役の作動回の進みに応じて初回よりも高くしている。第2ボーナス役の作動中に第1ボーナス役の作動回が進む期待値は高設定ほど高くしているため、高設定ほど指示機能を作動させる遊技を高確率で増加させるチャンスが到来し易い。第1ボーナス役の作動回の進みに応じて指示機能を作動させる遊技を増加させる確率を高めているため、高設定と低設定とで第2ボーナス役の作動中の遊技期間に大差をつける必要もない。よって、設定看破が容易になるのを低減できつつ、指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)と、を備え、
前記内部当籤役に、一作動回に所定回の入賞を許容する第1ボーナス役(例えば、RB6等)を連続して作動可能とする第2ボーナス役(例えば、BB6等)を含み、
前記第2ボーナス役の作動開始後の前記第1ボーナス役の非作動中の遊技にて前記第1ボーナス役の作動図柄の組合せを表示させることにより前記第1ボーナス役の初回の作動を開始させ、前記第1ボーナス役の一作動の終了後の前記第1ボーナス役の非作動中の遊技にて前記第1ボーナス役の作動図柄の組合せを表示させることにより前記第1ボーナス役の次の一作動を開始させ、前記第2ボーナス役の作動終了により前記第2ボーナス役の作動及び作動中の前記第1ボーナス役の作動を終了させるようにしており、
前記第1ボーナス役の作動中に前記指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とはしない役(例えば、「F_JAC3」等)の当籤確率を、前記設定が低いほど高くしており、
前記第1ボーナス役の作動中に前記指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とする役(例えば、「F_JAC2」等)に当籤する回数の期待値を、前記設定が高いほど高くしている、
ことを特徴とする遊技機。
こうして、第2ボーナス役の作動中の第1ボーナス役の作動中に指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とはしない役の当籤確率を、低設定ほど高くし、指示機能を作動させる遊技を増加させる契機とする役に当籤する回数の期待値を、高設定ほど高くしている。このため、高設定ほど指示機能を作動させる遊技を増加させるチャンスの到来回数が多くなる。第1ボーナス役の作動は、第2ボーナス役の作動中の第1ボーナス役の非作動中の遊技において、第1ボーナス役の作動図柄の組合せを表示させることにより開始されるため、遊技者の選択により第1ボーナス役を作動させる回数に差を生じさせることができ、高設定と低設定とで第2ボーナス役の作動中の遊技期間に意図的に差をつける必要もない。よって、設定看破が容易になるのを低減できつつ、指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)と、を備え、
前記内部当籤役に、複数回の遊技について作動中となるボーナス役(例えば、RB7等)を含み、
所定の作動図柄の組合せの表示により前記ボーナス役の作動を開始させ、所定の終了条件の具備により前記ボーナス役の作動を終了させるようにしており、
前記ボーナス役の作動中に前記指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この指示機能を作動させる遊技を増加させる確率を、前記ボーナス役の作動中の遊技回の進みに応じて開始回よりも高くしており、
前記ボーナス役の作動中に遊技回が進む期待値を、前記設定が高いほど高くしている、
ことを特徴とする遊技機。
こうして、ボーナス役の作動中に指示機能を作動させる遊技を増加可能とし、この増加させる確率を、ボーナス役の作動中の遊技回の進みに応じて開始回よりも高くしている。ボーナス役の作動中に遊技回が進む期待値は高設定ほど高くしているため、高設定ほど指示機能を作動させる遊技を高確率で増加させるチャンスが到来し易い。ボーナス役の作動中の遊技回の進みに応じて指示機能を作動させる遊技を増加させる確率を高めているため、高設定と低設定とでボーナス役の作動中の遊技期間に大差をつける必要もない。よって、設定看破が容易になるのを低減できつつ、指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる。
第35の構成によれば、設定看破が容易になるのを低減しつつ、ボーナス中の指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる遊技機を提供することができる。
[第36の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−110808号公報)に記載されているように、押し順役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする一の有利区間或は有利状態が最大限継続可能なゲーム数を、所定の規制値である1500G(G;ゲーム)に定め、再遊技高確率状態下で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムART等がセット数上乗せやゲーム数上乗せ等を積み重ねることにより如何に長く継続しても、継続中のART等についての有利区間がその有利区間の突入から数えて1500Gを超えると、有利区間を強制終了させてART等も強制終了させ、通常区間或は通常状態に復帰させるようにしている(段落0009等)。
一の有利区間についての最大限継続可能なゲーム数である1500Gは、純増メダル枚数を2.0枚/Gとした場合に、一回の大当たりで獲得できる一撃出玉としてのメダル3000枚に相当する。この1500G規制は、メダル3000枚以上の一撃出玉を許容すると、射幸性が過度になると考えられたからである。
しかし、一の有利区間が1500Gの超過で強制終了した後、運が良ければ、短期間のうちに再度ART等に当籤して、再び1500G超過による強制終了となる場合が確率的には稀に生じ得る。
このように1500G超過による強制終了が短期間のうちに複数回繰り返されると、一日の遊技において1万枚近く、場合によっては1万枚を超える出玉が得られる爆発力を秘めることになるため、市場投入する際の所定の試射試験において出玉規制を安全にクリア等するため、ART等の初当たり確率及び/又は上乗せ確率を低く抑え気味の設計がされる傾向になる恐れがある。
こうして、実際に市場投入される遊技機は、ART等の初当たり確率及び/又は上乗せ確率が低い傾向になるため、多くの遊技者は1500Gに到達するような長期のART等をただの1回すらも享受できず、遊技全般を通じて出玉感の低い面白味に欠ける遊技性を甘受せざるを得ない状況になる恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、出玉が抑え気味となる傾向を打破でき、面白味を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第36の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
一の有利状態の生起時、当該一の有利状態が最大限継続可能なゲーム数を、所定の規制値(例えば、1500G等)を超えない範囲内で予め定める複数の候補の中から抽籤により決定する
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一の有利状態の生起時に、最大限継続可能なゲーム数として所定の規制値を超えない範囲内で予め定める最も長期となる候補が決定され、その決定されたゲーム数について一の有利状態が継続した後、新たに一の有利状態が生起され、この新たな一の有利状態の生起時に再び最も長期となる候補が決定され、その決定されたゲーム数について新たな一の有利状態が継続するという可能性は、最大限継続可能なゲーム数として所定の規制値のみを定める従来機に比べて少なくできる。このため、有利状態の生起確率等を必要以上に低める必要性を無くせる。
以上の遊技機において、
前記予め定める複数の候補に、相対的に長期となる長期ゲーム数(例えば、400G,800G,1000G,1200G,1500G等)と短期となる短期ゲーム数(例えば、1G,8G,16G,32G等)とを含み、一の有利状態の生起時に前記短期ゲーム数が決定された場合、前記指示機能を作動させずに当該一の有利状態を終了可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技者に明示しない遊技機の内部的な状態として有利状態を生起でき、出玉率を必要以上に高める恐れを低減できる。
また、この場合の遊技機において、
一の有利状態の生起時に前記短期ゲーム数が決定された場合、有利状態を遊技者に報知する区間表示器を有利状態表示態様とはしない
ことを特徴とする遊技機。
これにより、区間表示器が一旦有利状態表示態様になった後に直ぐに解消され、遊技者に失望感等を与える恐れも低減できる。
第36の構成によれば、出玉が抑え気味となる傾向を打破でき、面白味を高め得る遊技機を提供することができる。
[第37の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−126225号公報)に記載されているように、設定によらない一定確率で当籤させる設定差無の第二種特別役物に係る役物連続作動装置CBB1に当籤してその作動図柄の組合せを表示すると、次ゲームからCBB1作動中の一般遊技中とし、メダルの払出しのある各小役と、設定差無の第二種特別役物CB1と、低設定ほど確率が低く高設定ほど確率が高い設定差有の普通役物SBと、設定差有の不当せんとを抽籤するが、再遊技役は抽籤しない遊技機が知られている(段落0038,0039,0048,0049、図4等)。
また、CBB1作動中の一般遊技中にCB1に当籤してその作動図柄の組合せを表示すると、次の1ゲームをCB1作動中とし、このCBB1作動中のCB1作動中、全小役を当籤状態とする小役ALLと、設定差有の普通役物SBとを抽籤するが、再遊技役は抽籤しないようにしている(段落0038,0039,0054、図4等)。
そして、CBB1作動中(CBB1作動中の一般遊技中及びCBB1作動中のCB1作動中)は、メダルの増えない投入及び払出仕様にし、かつ、押し順役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする有利区間或は有利状態への移行処理も、上乗せ等の指示機能に係る処理も一切行わない不利な期間とし、この不利なCBB1作動中の期間を、SBの当籤により途中終了(パンク終了)可能とし、SBに当籤し難い低設定ほどCBB1作動中の期間を長く、SBに当籤し易い高設定ほどCBB1作動中の期間を短くし、指示機能の性能に実質的に設定差を付与しようとしている(段落0060,0068等)。
しかし、以上の遊技機では、CBB1作動中(一般遊技中及びCB1作動中)に再遊技役を抽籤せず、再遊技確率を0に変動させ、変動前が再遊技役を低確率で抽籤する非RT又はRT1か、再遊技役を高確率で抽籤するRT2かにかかわらず、再遊技確率0の同一のCBB1作動中に移行させている。
このため、CBB1の作動が終了すると、客観的には、同一の遊技状態に復帰させる必要があり、復帰先が非RTとなったり、RT1となったり、RT2となったりすると、再遊技確率0に変動させた同一の遊技状態からの復帰先が遊技の都度により変わり、遊技の公正を害するため容認されない。
この場合、再遊技確率の高いRT2に一律復帰させると意図せずに遊技者を利するため、RB作動中に再遊技確率を0に変動させる他の役物連続作動装置RBB(段落0034)と同様に、再遊技確率の低い非RTに一律復帰させることになる。
したがって、再遊技確率の高いRT2において指示機能を作動させているアシストリプレイタイムARTの途中でCBB1に当籤すると、CBB1の作動終了後、再遊技確率を0に変動している客観的構成から、再遊技確率の低い非RTに転落してしまい、遊技興趣が低下する恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を低下させることなく、指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第37の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段と、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)と、を備え、
再遊技役の抽籤態様が異なるリプレイタイムに、再遊技確率に相対的に高低差のある低確リプレイタイムと高確リプレイタイムとを有し、
前記内部当籤役に、作動終了条件に特定終了役(例えば、普通役物SBp)の当籤を含ませた特定ボーナス役(例えば、MBz等)を含み、
前記特定ボーナス役の作動終了後に前記高確リプレイタイムでの遊技を可能にしており、
前記特定終了役の当籤確率を前記設定に応じて可変にし、
前記特定ボーナス役の非当籤中の遊技と、前記特定ボーナス役の作動中の遊技とで、前記指示機能を作動させる遊技の機会を増加させる期待値に高低差を設けている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、特定ボーナス役の作動終了後に高確リプレイタイムでの遊技を可能にしているため、遊技興趣の低下を防止できる。特定ボーナス役の非当籤中の遊技と作動中の遊技とで、指示機能を作動させる遊技の機会を増加させる期待値に高低差を設け、特定終了役の当籤確率を設定に応じて可変にしているため、設定に応じて特定ボーナス役の作動中の期間を可変にでき、設定に応じて指示機能の性能を変更できる。
また、以上の遊技機において、前記特定ボーナス役は、当籤並びに作動図柄の組合せの表示及び作動終了を再遊技役の抽籤態様を変動させる契機としていないことを特徴とする。これにより、低確リプレイタイム中に特定ボーナス役に当籤した場合、特定ボーナス役の作動終了後、低確リプレイタイムでの遊技を続行でき、意図せず遊技者に利することもない。
さらに、以上の各遊技機において、前記特定ボーナス役の作動中は、内部抽籤の結果にかかわらず遊技媒体の獲得に係る全小役を当籤状態にするが、前記特定ボーナス役の非当籤中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役に応じて、前記指示機能を作動させる遊技を増加可能にしていることを特徴とする遊技機。これにより、特定ボーナス役の非当籤中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役に応じて、指示機能を作動させる遊技を増加でき、特定ボーナス役の作動中が一律的に不利になるのを解消でき、遊技性の幅を広げることができる。
さらに、以上の各遊技機において、前記高確リプレイタイムにおいて前記指示機能を作動させるアシストリプレイタイム中は、前記特定ボーナス役の作動中よりも、獲得遊技媒体数から投入遊技媒体数を引いた純増数を大きくしていることを特徴とする遊技機。これにより、アシストリプレイタイム中に特定ボーナス役に当籤すると、特定ボーナス役の作動中は純増数が低下し、設定に応じて特定ボーナス役の作動中の期間が変化し得ることから、設定に応じて出玉のスピード感に変化を付けることも可能になる。また、アシストリプレイタイム中の継続ゲーム数に特定ボーナスの作動中のゲーム数を含めるものとした場合には、設定に応じて特定ボーナス役の作動中の期間が変化し得ることから、設定に応じて獲得出玉に差異を生じさせることも可能になる。
第37の構成によれば、遊技興趣を低下させることなく、指示機能の性能に効果的に設定差を付与できる遊技機を提供することができる。
[第38の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−149107号公報)に記載されているように、押し順役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする有利区間或は有利状態への移行処理や、指示機能を作動させる回数の上乗せ等の指示機能に係る処理を、設定によらない一定確率で抽籤する設定差無の役で且つ再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)によらず確率が変化しない役の中から選ぶ比較的当籤確率の低い特定役の当籤を契機に行い、設定に応じて確率が変化する設定差有の役の当籤を契機としては有利区間への移行処理も上乗せ等の処理も行わない遊技機が知られている(段落0049〜0065、図4等)。
具体的には、有利区間への移行及び上乗せを可能にする設定差無の特定役は、フリーズリプ、共通ベル、スイカ、チェリーA、RBB、RBB+チェリーAとし(段落0049,0052〜0054,0059,0061)、有利区間への移行及び上乗せを不可にする設定差有の役は、チェリーB、RBB+チェリーB、RBB+通常リプとしている(段落0056,0063,0065)。
しかし、以上の遊技機では、有利区間への移行も、上乗せも、当籤確率の低い特定役の当籤に依存し、ほぼ特定役の当籤にのみ期待する遊技となるため、遊技が単調になる恐れがある。
この場合、有利区間への移行契機及び上乗せ契機とする特定役に、設定に応じて確率が変化する設定差有の役も含ませることが考えられるが、このようにしても、設定の高低に応じて単純に出玉差がつくのみで、遊技興趣を顕著に高めるまでには至らない。
結局、当籤確率の低い特定役の当籤に偏重した単調な遊技性を打破できず、意外性のある遊技性を創出することはできない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、意外性のある遊技性を創出でき、遊技が単調になるのを防止できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第38の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、アシストリプレイタイムART等)を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
前記内部当籤役に、作動中に内部抽籤の結果にかかわらず遊技媒体の獲得に係る全ての小役を当籤状態にする所定のボーナス役(例えば、MBd等)を含み、
前記ボーナス役の作動中に、前記ボーナス役の非作動中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役の種類に応じて、予め定めた内部情報(例えば、遊技媒体の獲得枚数から投入枚数を引いた差枚数)の記録を更新し、
前記内部情報の更新値が所定値未満になる場合と所定値以上になる場合とで、前記指示機能を作動させる遊技を増加させる期待値に高低差を設けている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役を作動させた場合、前回と今回とで増加できる遊技媒体数が同じであっても、ボーナス役の非作動中と同様の内部抽籤をした結果として当籤が特定される役の種類に応じて、予め定めた内部情報の更新値が変わり、この更新値が所定値未満になる場合と所定値以上になる場合とで、指示機能を作動させる遊技を増加させる期待値に高低差が付く。このため、遊技者に意外性のある遊技性を提供できる。
以上の遊技機において、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)を備え、
前記設定の高い高設定と、前記設定の低い低設定とで、前記内部情報の記録を更新する役の抽籤値が変化するようにしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、設定に応じて、指示機能を作動させる遊技を増加させる期待値を変化させることができる。
また、この場合の遊技機において、
前記ボーナス役は、前記設定によらず当籤確率が変わらない一定確率で当籤させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役の作動により増加できる遊技媒体数が同じになるだけでなく、ボーナス役の当籤確率も変わらず、ボーナス役の作動回数を累計しても設定看破のヒントにもならない。このため、遊技者に設定を悟られるの低減できながら、設定に応じて指示機能を作動させる遊技の機会を増加させる期待値を変化させることができ、より効果的に意外性のある遊技性を創出できる。
第38の構成によれば、意外性のある遊技性を創出でき、遊技が単調になるのを防止できる遊技機を提供することができる。
[第39の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2017−153756号公報)に記載されているように、遊技機の内部に設ける設定変更スイッチを営業開始前に遊技場係員が操作することにより、総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を、最も不利な設定1から最も有利な設定6まで6段階について変更可能にした遊技機が知られている(段落0213,0214、図14等)。
そして、設定変更の操作がされると、押し順役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にするアシストタイムATによる有利区間或は有利状態の初当たりを強制的に生起させる天井ゲーム数として、最も不利な1480ゲームは選ばれず、48,148,480,848ゲーム何れかの短めのゲーム数が選ばれるものとし、営業開始時の朝一番から遊技をする遊技者に俗にモーニング等と称される一定の恩恵を付与可能にしている(段落0163〜0169,0224,0225、図12等)。
しかし、本来、有利区間への移行は、所定の内部当籤役の当籤を契機に確率的に管理された状態で実行するのが好ましく、単にゲーム数を消化しただけでその移行を許すのは遊技の公正を害する恐れがあることから好ましくない。
ここで、内部当籤役の当籤を契機に比較的高い当籤確率でチャンスゾーン的な有利区間に一旦移行させ、この有利区間において、天井までのゲーム数の消化を計数し、消化ゲーム数が天井に到達したことによりアシストタイムATやアシストリプレイタイムARTに昇格させることも考えられるが、このようにすると、有利区間が長くなり過ぎ、総遊技期間に占める有利区間の比率が規定の上限(70%)を超過し、実現困難となる。
また、複数の有利区間を跨いで天井ゲーム数を計数することも考えられるが、一の有利区間の終了時は、指示機能の性能に影響を及ぼす全ての変数を初期化する必要があるため、実現不可となる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、設定変更の操作がされた場合、遊技の公正さを保ちながら、適切に遊技者に恩恵を付与できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第39の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)を備え、
再遊技役の抽籤態様が異なるリプレイタイムに、
前記設定変更手段により設定変更の操作がされたことを条件に移行する初期リプレイタイム(例えば、非RT)と、
前記初期リプレイタイムにおいて特殊移行契機図柄の組合せを表示したことを条件に移行する特殊リプレイタイム(例えば、RTX)と、を含み、
前記特殊リプレイタイムにおいて予め定めた特定内部当籤役に当籤した場合は、前記特殊リプレイタイム以外において前記特定内部当籤役に当籤した場合よりも、遊技者に有利な特典を付与し、
前記特殊リプレイタイムから前記特殊リプレイタイム以外に移行した後は、前記特殊リプレイタイムにおいて前記特定内部当籤役に当籤した場合に付与する前記特典は付与しない
ことを特徴とする遊技機。
ここで、「設定変更の操作がされたこと」とは、変更前と異なる設定に変える他、変更前の設定と同じ設定にする、俗に言う設定の打ち直しをすることを含む。要するに、設定を変えることと、同一設定の打ち直しとを含む概念として遊技者間で広く認識されているリセットがされたことを意味する。ただし、単に電源をオフからオンにした場合に、オン前の設定が事実上引き継がれるとしても、このような行為は、設定の打ち直しには該当しない。よって、単なる電源のオフオンは、ここでいう設定変更の操作がされたことには当たらない。
以上により、設定変更の操作がされると、遊技者は初期リプレイタイムから遊技を開始でき、初期リプレイタイムにおいて特殊移行契機図柄の組合せを表示して特殊リプレイタイムに移行した後、この特殊リプレイタイムにおいて特定内部当籤役に当籤した場合、遊技者に有利な特典が付与される。特殊リプレイタイムから特殊リプレイタイム以外に移行した後は、特殊リプレイタイムにおいて特定内部当籤役に当籤した場合に付与する特典は付与しないため、営業開始後、最初に遊技を始めた遊技者にほぼ限定的に特典の付与が可能になる。このため、遊技の公正さを保ちながら、遊技者にモーニング的な恩恵を付与でき、朝一番から遊技機の稼働を上げることができる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
総投入遊技媒体数に対する総獲得遊技媒体数の比率である出玉率を高低複数段階に定める設定を変更可能とする設定変更手段(例えば、設定用鍵型スイッチ54等)を備え、
再遊技役の抽籤態様が異なるリプレイタイムに、
前記設定変更手段により設定変更の操作がされたことを条件に移行する設定変更後リプレイタイム(例えば、非RT及び/又はRTX等)と、を含み、
前記設定変更後リプレイタイムにおいて予め定めた特定内部当籤役に当籤した場合は、前記設定変更後リプレイタイム以外において前記特定内部当籤役に当籤した場合よりも、遊技者に有利な特典を付与し、
前記設定変更後リプレイタイムから前記設定変更後リプレイタイム以外に移行した後は、前記設定変更後リプレイタイムにおいて前記特定内部当籤役に当籤した場合に付与する前記特典は付与しない
ことを特徴とする遊技機。
これによっても、設定変更の操作がされると、最初に遊技を始めた遊技者に、特典の付与が可能になるため、遊技の公正さを保ちながら、遊技者にモーニング的な恩恵を付与でき、朝一番から遊技機の稼働を上げることができる。
以上の各遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態(例えば、通常有利区間、有利区間等)を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
前記特典は、再遊技確率の高い状態下で前記指示機能を作動させる遊技(例えば、アシストリプレイタイムARTによる遊技)を可能にすることとしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技者に十分な特典を付与でき、朝一番からの遊技を効果的に促すことができる。
第39の構成によれば、設定変更の操作がされた場合、遊技の公正さを保ちながら、適切に遊技者に恩恵を付与できる遊技機を提供することができる。
[第40の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−108265号公報)に記載されているように、有限回数について滞在可能な有限リプレイタイムを用いてART間の天井ゲーム数を設けようとする遊技機が知られている(図4等)。すなわち、再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる複数のリプレイタイムRT0〜4を設け、再遊技確率の低いRT0において、ミドルボーナス役MBの当籤により有利区間或は有利状態に移行させ、約1/7.3でRT0のみで抽籤するリプレイ0の当籤により、ARTを行うことを決定する。そして、RT0からシングルボーナス役SBの取りこぼし目によりRT1に移行させ、RT1においてRT1でのみ抽籤するリプレイ1の押し順正解時の表示により再遊技確率の高いRT3に移行させ、RT3においてART遊技を行わせる。
そして、ARTが終了すると、RT3でのみ抽籤するリプレイ3の押し順不正解時の表示により、有利区間を終了させると共に長期の999ゲームについて滞在可能な再遊技確率の低い有限リプレイタイムRT2に移行させ、999ゲーム後にRT0に移行させて、ミドルボーナス役MBとリプレイ0との当籤により再びARTを決定する。さらに、各リプレイタイムRT0〜4においてビッグボーナス役BBに当籤し、BBの作動が終了すると、再遊技確率の低いRT4に移行させ、RT4からSBの取りこぼし目によりRT1に移行させ、RT1において、リプレイ1の押し順不正解時の表示によりRT2に移行させるようにしている。
しかし、そもそも、ART間の天井というのは、ARTに当籤するチャンスがありながらそのチャンスをものにできなかった引き弱の遊技者を救済するところに本来の意義があると考えるが、上記の遊技機では、ARTはRT0のみで決定し、999ゲームの長期滞在となり得る有限リプレイタイムRT2を含めてRT0以外の他のリプレイタイムではARTが決定されるチャンスすらなく、天井はかえって遊技者に酷な遊技を強いることになる。
すなわち、長期滞在となり得るRT2においてビッグボーナス役BBに当籤すると、途中でRT2を抜けることはできるが、BBの作動終了後はRT4からRT1に移行し、ARTが決定されるRT0に移行するには、RT1から直接又はRT3を間に挟んでRT2に移行させて改めて最初から999ゲームの消化を待つ必要が生じる。よって、RT2による天井は、ARTに絶対当たらない期間を少なくとも999ゲーム間確保するものとなり、遊技者に酷となる。
この場合、ARTが終了すると、以後、初当たりと同様にARTの決定を可能にし、ARTの終了からのゲーム数を数えてこの間にARTの決定がなく所定の天井ゲーム数に到達するとARTを決定することが考えられるが、ARTは所定の内部当籤役の当籤を契機に確率的に生起させる有利区間において決定すべきであるため、遊技の公正さを欠く。かといって、遊技の公正さを保つため、ARTの終了後も有利区間を継続させて有利区間内で天井ゲーム数の到達を待つものとした場合、有利区間が長くなり過ぎ、総遊技期間に占める有利区間の比率が規定の上限(70%)を超過し、実現困難となる。また、複数の有利区間を跨いで天井までの消化ゲーム数を累積計数することも考えられるが、一の有利区間の終了時は、指示機能の性能に影響を及ぼす全変数を初期化する必要があるため、実現不可となる。結局、適正に生起させる有利区間内でARTを決定して遊技の公正さを保つことと、本来の意義に沿う天井とを両立させるのは困難であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の公正さを保つことができながら、チャンスがありながらそのチャンスをものにできなかった引き弱の遊技者を救済する本来の意義に沿う天井を設けることができる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第40の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する指示機能を作動可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
前記内部当籤役に、所定のボーナス役(例えば、BB1〜BB4)を含み、
前記ボーナス役の抽籤態様は同じであるが再遊技役の抽籤態様が異なるリプレイタイムに、
特定移行契機図柄の組合せの表示による移行後の遊技から前記ボーナス役の当籤がない限り予め定めた有限回数について滞在する有限リプレイタイム(例えば、RT1000等)と、
前記指示機能の作動により投入遊技媒体数を超える遊技媒体の獲得が容易になる遊技を可能にする無限リプレイタイム(例えば、非RT等)と、を含み、
前記有限リプレイタイムに移行させる前記特定移行契機図柄の組合せは、前記指示機能の作動がない場合は作動がある場合よりも表示され易くしており、
前記有限リプレイタイムにおいて前記有限回数の遊技が終了した後、前記無限リプレイタイムに移行させ、
前記ボーナス役の作動終了後、前記有限リプレイタイムを経由することなく前記無限リプレイタイムに移行可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役に当籤すると、ボーナス役の作動終了後、有限リプレイタイムを経由することなく無限リプレイタイムに移行可能にしている。無限リプレイタイムでは、指示機能の作動により投入遊技媒体数を超える遊技媒体の獲得が容易になる遊技が可能になり、遊技媒体を増加できる。指示機能の作動が無くなると、特定移行契機図柄の組合せの表示により有限リプレイタイムに移行するが、有限回数の消化途中でボーナス役に当籤すると、再び無限リプレイタイムに移行でき、遊技媒体を増加できる。また、有限リプレイタイムの消化途中でボーナス役に当籤できなかった場合でも、有限回数の後、無限リプレイタイムに移行でき、遊技媒体を増加できる。よって、有限リプレイタイムの有限回数が天井ゲーム数として機能し、遊技の公正さを保ちながら、指示機能を作動させるチャンスがありながらそのチャンスをものにできなかった引き弱の遊技者を効果的に救済することができる。
以上の遊技機において、
前記無限リプレイタイムにおいて有利状態を生起させた場合、前記有限リプレイタイムにおいて有利状態を生起させた場合よりも遊技者に有利な第1特典(例えば、ボーナス役に当籤するまで有利状態を継続させる等)を付与可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、有限リプレイタイムでの有限回数の遊技の消化を余儀なくされた遊技者にも、移行後の無限リプレイタイムにおいて有利状態を生起させた場合、有利な第1特典が付与可能となる。このため、長期間についてチャンスに恵まれなかった遊技者を効果的に救済できる。
以上の各遊技機において、
前記無限リプレイタイムにおいて前記ボーナス役に当籤したとき、前記有限リプレイタイムにおいて前記ボーナス役に当籤したときよりも遊技者に有利な第2特典(例えば、複数回について指示機能を作動させるATやARTの確定、ボーナスゲーム中に指示機能を作動させて獲得枚数を増加させる等)を付与可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、有限リプレイタイムでの有限回数の遊技の消化を余儀なくされた遊技者にも、移行後の無限リプレイタイムにおいてボーナス役に当籤できると、有利な第2特典が付与可能となる。このため、長期間についてチャンスに恵まれなかった遊技者を効果的に救済できる。
第40の構成によれば、遊技の公正さを保つことができながら、チャンスがありながらそのチャンスをものにできなかった引き弱の遊技者を救済する本来の意義に沿う天井を設けることができる遊技機を提供することができる。
[第41の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−149107号公報)に記載されているように、押し順役の正解押し順報知等の指示機能を作動不可とする通常区間或は通常状態と、指示機能を作動可能とする有利区間或は有利状態とを設け、有利区間を、所定ゲーム数(10ゲーム)保証のチャンスゾーンCZとして機能させる第1有利区間と、再遊技確率の高い状態下で指示機能を作動可能とするアシストリプレイタイムARTを実行させる第2有利区間という有利度合の異なる有利区間で構成する遊技機が知られている(段落0037,0038、図4等)。
通常区間からは、1/64の確率のスイカの当籤時の25%の移行率により、また、1/128のチェリーAの当籤時の50%の移行率により、第1有利区間に移行させ、第1有利区間では、通常区間から第2有利区間に直接移行する確率よりも高い確率で第2有利区間に移行できるようにしている(段落0053,0054等)。こうして、スイカとチェリーAという比較的当籤確率の低いレア役の各当籤確率と対応する移行率を乗じた確率の合算値において、分子を1とした確率分母に相当するゲーム数を概ね消化すれば、チャンスゾーンへの移行に期待でき、ARTに当籤し易い状況をある程度のゲーム間隔で作り出せるようにしている。
しかし、以上の遊技機において、第1有利区間すなわちチャンスゾーンへの移行は、スイカやチェリーAというレア役の当籤に依存し、不確定要素が大きく、一定のゲーム間隔毎にチャンスゾーンが安定的に作り出せる保証は全くない。
ここで、消化ゲーム数を計数して所定ゲーム間隔に達するとチャンスゾーンに移行させることが考えられるが、有利区間は所定の内部当籤役の当籤を契機に確率的に生起させるべきであるため、遊技の公正さを欠く。
かといって、遊技の公正さを保つため、一のチャンスゾーンは確率的に生起させ、確率的に生起させたチャンスゾーンの終了後も有利区間を継続させ、有利区間中にゲーム数の消化を数えるものとした場合、有利区間が長くなり過ぎ、総遊技期間に占める有利区間の比率が規定の上限(70%)を超過し、実現困難になる。結局、遊技の公正さを保つことと、周期チャンスゾーンを安定的に作り出すこととを両立させるのは困難であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の公正さを保ちながら、周期チャンスゾーンを安定的に作り出せる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第41の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能にする有利状態制御手段を備え、
再遊技役の抽籤態様が異なるリプレイタイムに、
第1移行契機図柄の組合せの表示により突入し、突入から第1有限回数(例えば、50ゲーム等)について滞在可能な第1リプレイタイム(例えば、RTL等)と、
第2移行契機図柄の組合せの表示により突入し、突入から第2有限回数(例えば、50ゲーム等)について滞在可能とし、前記第1リプレイタイムよりも再遊技確率を高くした第2リプレイタイム(例えば、RTH等)と、
前記第1リプレイタイム又は前記第2リプレイタイムにおける有限回数についての滞在後の移行により突入可能となり、停止操作に応じて前記第1移行契機図柄の組合せと前記第2移行契機図柄の組合せとの一方を表示可能にする特定移行役の抽籤をする一般リプレイタイム(例えば、RT1)と、を含み、
前記第1リプレイタイム又は前記第2リプレイタイム若しくは前記一般リプレイタイム中における非有利状態から、内部当籤役の当籤を契機に有利状態を生起可能にしており、
前記一般リプレイタイム中の有利状態中、前記第2移行契機図柄の組合せを表示するための指示機能の作動を許可し、
前記第2リプレイタイム中の有利状態中、投入遊技媒体数を超える遊技媒体の獲得を容易にするための指示機能の作動を許可し、
前記第1リプレイタイム中の有利状態中、投入遊技媒体数を超える遊技媒体の獲得を容易にするための指示機能の作動を、前記第2リプレイタイム中の有利状態中に比べて少なくする(例えば、1回限り或は0回(無し)にする等)
ことを特徴とする遊技機。
これにより、指示機能を作動不可とする非有利状態では、第1リプレイタイムか第2リプレイタイムのどちらに移行するか不確定であるが、第1有限回数又は第2有限回数のゲームを消化すると、一般リプレイタイムに戻る。よって、第1有限回数又は第2有限回数に応じたほぼ定周期毎に戻る一般リプレイタイムにおいて、投入遊技媒体数を超える遊技媒体の獲得を容易にするための指示機能の作動がより多くなる第2リプレイタイムへの突入に期待できるチャンスが到来する。指示機能を作動可能とする有利状態において、一般リプレイタイム中は、第2移行契機図柄の組合せを表示するための指示機能の作動が許可されるため、有利な第2リプレイタイムに移行でき、第2リプレイタイム中は、投入遊技媒体数を超える遊技媒体の獲得を容易にするための指示機能の作動が許可され、遊技者は手持ちの遊技媒体を増やすことができる。有利状態は内部当籤役の当籤を契機に生起されるため遊技の公正さも保たれる。
以上の遊技機において、
前記一般リプレイタイムにおける有利状態中、及び/又は、前記第2リプレイタイムにおける有利状態中、前記第2移行契機図柄の組合せを表示するための指示機能の作動回数を抽籤により決定してストックし、
ストックした報知回数について前記一般リプレイタイムから前記第2リプレイタイムへの突入を可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、再遊技確率の高い第2リプレイタイムにおいて投入遊技媒体数を超える遊技媒体の獲得を容易にするための指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTを連荘させることができ、遊技興趣を高め得る。
以上の各遊技機において、
内部当籤役に、所定のボーナス役を含み、
前記ボーナス役の作動終了後、前記一般リプレイタイムに移行可能にしており、
有利状態中に前記ボーナス役に当籤した場合は作動終了後も有利状態を維持し、前記一般リプレイタイムにおいて前記第2移行契機図柄の組合せを表示するための指示情報の報知を行うこととしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、再遊技確率の高い第2リプレイタイムにおいて投入遊技媒体数を超える遊技媒体の獲得を容易にするための指示機能を作動させるアシストリプレイタイムART中に、ボーナス役に当籤し、第2リプレイタイムが有限回数到達前に途中終了しても、ボーナス役の作動終了時は、改めて最初から第2リプレイタイムにおいてARTをやり直すことができ、遊技興趣を高め得る。
第41の構成によれば、遊技の公正さを保ちながら、周期チャンスゾーンを安定的に作り出せる遊技機を提供することができる。
[第42の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−149107号公報)に記載されているように、押し順役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする有利区間或は有利状態への移行処理や、指示機能を作動させる回数の上乗せ等の指示機能に係る処理を、設定によらない一定確率で抽籤する設定差無の役で且つ再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)によらず確率が変化しない役の中から選ぶ比較的当籤確率の低い特定役の当籤を契機に行い、設定に応じて確率が変化する設定差有の役の当籤を契機としては有利区間への移行処理も上乗せ等の処理も行わない遊技機が知られている(段落0049〜0065、図4等)。
具体的には、有利区間への移行及び上乗せを可能にする設定差無の特定役は、ボーナス役以外の再遊技役又は小役に係る一般にレア役と称されるものとして、フリーズリプ、共通ベル、スイカ、チェリーAを選定し、ボーナス役として、RBB、RBB+チェリーAとを選定している(段落0049,0052〜0054,0059,0061)。
また、有利区間への移行及び上乗せを不可にする設定差有の役は、レア役として、チェリーBを、ボーナス役として、RBB+チェリーB、RBB+通常リプを定めている(段落0056,0063,0065)。
以上の遊技機では、有利区間への移行処理や上乗せ等の処理を、レア役とボーナス役とを併用して行うが、どちらに重きを置くかにより遊技性が大きく変わる。
総投入遊技媒体数に対する獲得遊技媒体数の比率である出玉率には制限があるため、出玉率を高める主要因の一つとなる、再遊技確率の高い状態下で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムARTを、レア役に重きを置いてその初当たりや継続を容易にすると、自ずとボーナス役を契機としたARTの初当たりや継続を困難にせざるを得ず、せっかくボーナス役に当籤したのにプラスアルファのメリットがなく、遊技興趣が今一つ高まらない恐れがある。
かといって、ボーナス役に重きを置いてARTの初当たりや継続を容易にすれば、レア役を契機としたARTの初当たりや継続を困難にせざるを得ず、レア役は、ARTに期待はさせるが多くは失敗に終わる確率の低いチャンスゾーンを作り出すのがせいぜいとなり、実質的に、ボーナス役のみを搭載するノーマルタイプの遊技機と大差のない遊技性となり、ART機の遊技性が損なわれる恐れがある。
結局、ARTを可能にする際、レア役に重きを置いた場合のボーナス役に当籤しても起こる遊技興趣の低下と、ボーナス役に重きを置いた場合のART機の遊技性が損なわれる問題を一挙に解決するのは困難である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ボーナス役に当籤しても起こる遊技興趣の低下と、ART機の遊技性が損なわれる問題を共に解決できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第42の構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動不可とする通常状態から、前記指示機能を作動可能とする有利状態を生起させる有利状態制御手段を備え、
前記内部当籤役に、投入遊技媒体数を超える遊技媒体を獲得できる所定のボーナス役(例えば、BB1〜BB4等)を含み、
前記通常状態から、前記ボーナス役以外の所定の内部当籤役の当籤を契機に再遊技確率の高い状態下で前記指示機能を作動させるアシストリプレイタイムの実行が未決定の第1有利状態への移行を可能にしていると共に、この第1有利状態において前記アシストリプレイタイムの実行を決定可能にしており、
前記第1有利状態の移行後の所定起点から前記アシストリプレイタイムの実行の決定までの間に当籤した前記ボーナス役による獲得遊技媒体数に応じて、前記アシストリプレイタイム中に前記指示機能を作動させる遊技回数を増加可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役以外の所定の内部当籤役の当籤を契機に、アシストリプレイタイムの実行が未決定であるがその実行を決定可能な第1有利状態に移行させ、第1有利状態の移行後の所定起点からアシストリプレイタイムの実行の決定までの間に当籤したボーナス役による獲得遊技媒体数に応じて、アシストリプレイタイム中に指示情報を報知する回数を増加可能にしているため、ボーナス役の当籤による遊技興趣の低下を抑制できる。しかも、アシストリプレイタイムの実行に至る最初の契機は、ボーナス役以外の所定の内部当籤役の当籤としているため、ボーナス役に偏重した遊技性を打破でき、アシストリプレイタイム搭載機の遊技性が損なわれる恐れも低減できる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動不可とする通常状態から、前記指示機能を作動可能とする有利状態を生起させる有利状態制御手段を備え、
前記通常状態から、所定の内部当籤役の当籤を契機に再遊技確率の高い状態下で前記指示機能を作動させるアシストリプレイタイムの実行が未決定の第1有利状態への移行を可能にしていると共に、この第1有利状態において前記アシストリプレイタイムの実行を決定可能にしており、
前記第1有利状態の移行後の所定起点から前記アシストリプレイタイムの実行の決定までの間の獲得遊技媒体数に応じて、前記アシストリプレイタイム中に前記指示機能を作動させる遊技回数を増加可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第1有利状態の移行後の所定起点からアシストリプレイタイムの実行の決定までの間の獲得遊技媒体数に応じて、アシストリプレイタイム中に指示機能を作動させル遊技回数を増加可能にしているため、所定起点からアシストリプレイタイムの実行の決定までの間に遊技媒体をより多く獲得することがその後の遊技に適切に反映でき、アシストリプレイタイムをより有利に行える。
第42の構成によれば、ボーナス役に当籤しても起こる遊技興趣の低下と、ART機の遊技性が損なわれる問題を共に解決できる遊技機を提供することができる。
[第43の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−108265号公報)に記載されているように、押し順役の正解押し順等の指示機能を作動可能とする有利区間或は有利状態を内部当籤役の当籤を契機に生起させ、かつ、終了させるときは指示機能の性能に影響を及ぼす全変数を初期化するという条件を満たすことにより遊技の公正さを保ち、それでいて、ART間に天井ゲーム数を設けることを可能にした遊技機が知られている(図4等)。すなわち、再遊技役の抽籤態様(再遊技役の内訳及び/又は抽籤値)が異なる複数のリプレイタイムRT0〜4を設け、再遊技確率の低いRT0において、ミドルボーナス役MBの当籤により有利区間或は有利状態に移行させ、約1/7.3でRT0のみで抽籤するリプレイ0の当籤により、ARTを行うことを決定する。そして、RT0からシングルボーナス役SBの取りこぼし目によりRT1に移行させ、RT1においてRT1でのみ抽籤するリプレイ1の押し順正解時の表示により再遊技確率の高いRT3に移行させ、RT3においてART遊技を行わせる。
そして、ARTが終了すると、RT3でのみ抽籤するリプレイ3の押し順不正解時の表示により、有利区間を終了させると共に長期の999ゲームについて滞在可能な再遊技確率の低い有限リプレイタイムRT2に移行させ、999ゲーム後にRT0に移行させて、ミドルボーナス役MBとリプレイ0との当籤により再びARTを決定する。さらに、各リプレイタイムRT0〜4においてビッグボーナス役BBに当籤し、BBの作動が終了すると、再遊技確率の低いRT4に移行させ、RT4からSBの取りこぼし目によりRT1に移行させ、RT1において、リプレイ1の押し順不正解時の表示によりRT2に移行させるようにしている。
しかし、そもそも、ART間の天井というのは、ARTに当籤するチャンスがありながらそのチャンスをものにできなかった引き弱の遊技者を救済するところに本来の意義があると考えるが、上記の遊技機では、ARTはRT0のみで決定し、999ゲームの長期滞在となり得る有限リプレイタイムRT2を含めてRT0以外の他のリプレイタイムではARTが決定されるチャンスすらなく、天井はかえって遊技者に酷な遊技を強いることになる。
すなわち、長期滞在となり得るRT2においてビッグボーナス役BBに当籤すると、途中でRT2を抜けることはできるが、BBの作動終了後はRT4からRT1に移行し、ARTが決定されるRT0に移行するには、RT1から直接又はRT3を間に挟んでRT2に移行させて改めて最初から999ゲームの消化を待つ必要が生じる。よって、RT2による天井は、ARTに絶対当たらない期間を少なくとも999ゲーム間確保するものとなり、遊技者に酷となる。
ここで、有限リプレイタイムを利用することなく、ARTの終了後も有利区間を継続させて有利区間内で天井ゲーム数の到達を待つことが考えられるが、有利区間が長くなり過ぎ、総遊技期間に占める有利区間の比率が規定の上限(70%)を超過し、実現困難となる。また、たとえ実現できたとしても、一の有利区間の最大継続可能ゲーム数は所定ゲーム数1500ゲームを超えてはならないため、1500ゲームから、前回のARTが決定された有利区間からの消化ゲーム数と、1000ゲーム程度とする天井ゲーム数とを引いた500ゲームに満たない短期のARTが可能になるだけで、遊技者を満足させることはできない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有利区間或は有利状態について遊技の公正さを保つことができながら、チャンスがありながらそのチャンスをものにできなかった引き弱の遊技者を救済する本来の意義に沿う天井を設けることができる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第43構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動可能とする有利状態を生起させる有利状態制御手段と、
遊技の進行を一時的に停止させる遊技ロックの実行タイミングを予約する遊技ロック予約手段と、を備え、
再遊技確率の高い状態で前記指示機能の作動を可能にする特別遊技(例えば、アシストリプレイタイムART等)の終了に基づいて、前記遊技ロック予約手段により遊技ロックの実行タイミングを予約し、
この予約した遊技ロックの実行タイミングの到来と、前記有利状態の生起とを条件に、前記遊技ロックの実行と前記特別遊技の実行とを決定する
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一の特別遊技の終了に基づいて有利状態を終了させても、天井相当のゲーム数の内部的なカウントダウンは、予約した遊技ロックの実行タイミングの内部的なカウントダウンに置き換えて行える。よって、一の特別遊技が終了した後も有利状態を長期間確保する必要はない。一の特別遊技の終了後に、天井に到達する前に再度特別遊技を実行できなかった引き弱の遊技者でも、特別遊技の終了に基づいて予約した遊技ロックの実行タイミングの到来と、有利状態の生起とを条件に、特別遊技を再び実行できる。有利状態の生起を加重条件としているため、有利状態中の指示機能に係る処理として、遊技ロックの実行という抽籤処理にかかわらない内部情報を参照して特別遊技の実行を決定でき、遊技の公正さも保てる。
以上の遊技機において、
内部当籤役の当籤を契機に有利状態を生起させたとき、予約中の遊技ロックの実行タイミングが到来するまでの残りゲーム数が所定値(例えば、32ゲーム)を超える場合は、前記残りゲーム数を減少可能とする短縮抽籤を行う
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技ロックの実行タイミングに長期ゲーム数が当初決められても、その後に有利状態を生起させると、遊技ロックの実行タイミングが到来するまでの残りゲーム数が所定値を超える場合、短縮抽籤により、残りゲーム数を減少でき、遊技興趣を高め得る。また、短縮抽籤は有利状態の生起中にされるため、遊技の公正さも保たれる。
以上の各遊技機において、
内部当籤役の当籤を契機に有利状態を生起させたとき、予約中の遊技ロックの実行タイミングが到来するまでの残りゲーム数が所定値(例えば、32ゲーム)以下の場合は、前記遊技ロックを実行するまで前記有利状態を継続させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技ロックの実行タイミングに適切にリンクさせて、特別遊技の実行を決定できる。
以上の各遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動可能とする有利状態を生起させる有利状態制御手段と、
遊技の進行を一時的に停止させる遊技ロックの実行タイミングを予約する遊技ロック予約手段と、を備え、
前記有利状態制御手段により生起させた一の有利状態中に、前記遊技ロック予約手段により遊技ロックの実行タイミングを予約し、
この予約した遊技ロックは、実行タイミングの到来前における前記一の有利状態を含む有利状態の終了によっては解除せず、この予約した後に生起される有利状態中に実行タイミングを参照可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
こうして、予約した遊技ロックは、実行タイミングの到来前に、予約の契機となった一の有利状態を含む有利状態の終了によっては解除せず、予約した後に生起される有利状態中に実行タイミングを参照可能にしているため、予約した遊技ロックの実行タイミングのカウントダウンは、断続的な有利状態の生起から終了までの期間を跨いで通算して行え、予約した後に生起される有利状態中に実行タイミングを参照することにより、断続的な有利状態を跨ぐ天井ゲーム数のカウントダウン等に適切に利用できる。
第43の構成によれば、有利区間或は有利状態について遊技の公正さを保つことができながら、チャンスがありながらそのチャンスをものにできなかった引き弱の遊技者を救済する本来の意義に沿う天井を設けることができる遊技機を提供することができる。
[第44の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2017−99645号公報)に記載されているように、第一種特別役物に係る役物連続作動装置によるボーナス役RBBを、その作動中の総獲得メダル枚数が総投入メダル枚数よりも少なくなる減るボーナスとし、RBBの当籤フラグが持ち越されたボーナス内部当籤中(RBB内部中)に、約3.0枚/ゲームの純増のアシストタイムATの作動を可能にした俗に言うアクセルATを搭載した遊技機が知られている(図6等)。
RBB内部中は、毎ゲーム、再遊技役又は小役若しくは小役の取りこぼしに係る図柄の組合せを表示するフルヒット状態とし、RBB内部中からはボーナス作動図柄の組合せを表示することを予定しておらず、RBB内部中にずっと止まることを予定している。
アシストタイムATは、RBB内部中においてチャンス役等の特定の内部当籤役と関連付けて作動させ、RBB内部中に、ATが作動する有利な区間と、ATが作動しない不利な区間とを作り出し、ATが作動する有利な区間では、押し順により配当が異なる押し順小役についての正解押し順を遊技者に報知する指示機能を作動させ、メダルの獲得を容易にしている(段落0088等)。
しかし、以上の文献記載の遊技機においても、RAMエラー等の深刻なエラーの復旧時等にボーナス役の非当籤状態の一般中の遊技状態に戻り、一般中の遊技状態からは、ボーナス役に当籤したゲームにおいて、ボーナス作動図柄の組合せを表示しなかった場合はRBB内部中の遊技状態に突入するが、ボーナス作動図柄の組合せを表示した場合はRBB作動中の遊技状態に突入してしまう(段落0061)。このため、作り手側の意図に反して、遊技者や遊技店係員によりRBB作動中の遊技状態に突入させてしまう場合があり、遊技者はRBB作動中の遊技の消化を余儀なくされる恐れがある。
こうしてRBB作動中の遊技の消化を余儀なくされると、RBB作動中は総獲得メダル枚数が総投入メダル枚数よりも少なくなる減るボーナスであることから、遊技者は手持ちのメダルを減らしてしまうことになり、遊技興趣が著しく低下する恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、アクセルATにおいて、遊技者がボーナス作動中の遊技をしたとしても遊技興趣を著しく低下させることのない遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第44構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技状態として、所定のボーナス役(例えば、BB6等)を抽籤するボーナス非当籤状態(例えば、「通常一般中」等)と、前記ボーナス役の当籤フラグが持ち越されたボーナス内部当籤状態(例えば、「BB6内部中」等)と、前記ボーナス役の作動図柄の組合せの表示により開始されるボーナス作動状態(例えば、「BB6作動中」等)とを含み、
少なくとも前記ボーナス内部当籤状態にて、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動可能にした遊技機において、
前記ボーナス内部当籤状態では、予め定めた特定の停止操作(例えば、各リールについて「ブランク」図柄を引込範囲内で狙う停止操作等)がされたことを条件に、前記ボーナス役の作動図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「ブランク」−「ブランク」等)を表示可能にしており、
前記ボーナス作動状態は、遊技媒体の獲得に係る小役の抽籤態様を前記ボーナス非当籤状態と同じにしたボーナス作動中一般遊技状態(例えば、「BB6作動中の一般中」等)から始まり、
前記ボーナス作動中一般遊技状態からは、該ボーナス作動中一般遊技状態にて抽籤する所定のシフト役(例えば、RB6等)の当籤に基づいて表示可能なシフト役対応図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「スイカ」−「スイカ」等)を表示した後、小役の抽籤態様を変動させるシフト役作動状態(例えば、「BB6作動中のRB6作動中」等)に移行可能にしていると共に、前記シフト役対応図柄の組合せの表示を回避することにより、前記シフト役の当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態(例えば、「BB6作動中のRB6内部中」等)に移行可能にしており、
前記シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記ボーナス内部当籤状態及び前記シフト役作動状態よりも高くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、ボーナス内部当籤状態及びシフト役作動状態よりも高くしているため、ボーナス非当籤状態又はボーナス内部当籤状態からボーナス作動状態に移行させたとしても、ボーナス作動状態において、シフト役内部当籤状態での遊技をすることにより、従来に比べて遊技媒体を減らすのを抑制でき、遊技興趣の低下を防止できる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技状態として、所定のボーナス役(例えば、BB6等)を抽籤するボーナス非当籤状態(例えば、「通常一般中」等)と、前記ボーナス役の当籤フラグが持ち越されたボーナス内部当籤状態(例えば、「BB6内部中」等)と、前記ボーナス役の作動図柄の組合せの表示により開始されるボーナス作動状態(例えば、「BB6作動中」等)とを含み、
少なくとも前記ボーナス内部当籤状態にて、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動可能にした遊技機において、
前記ボーナス内部当籤状態では、予め定めた特定の停止操作(例えば、各リールについて「ブランク」図柄を引込範囲内で狙う停止操作等)がされたことを条件に、前記ボーナス役の作動図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「ブランク」−「ブランク」等)を表示可能にしており、
前記ボーナス作動状態は、遊技媒体の獲得に係る小役の抽籤態様を前記ボーナス非当籤状態と同じにしたボーナス作動中一般遊技状態(例えば、「BB6作動中の一般中」等)から始まり、
前記ボーナス作動中一般遊技状態からは、該ボーナス作動中一般遊技状態にて抽籤する所定のシフト役(例えば、RB6等)の当籤に基づいて表示可能なシフト役対応図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「スイカ」−「スイカ」等)を表示した後、小役の抽籤態様を変動させるシフト役作動状態(例えば、「BB6作動中のRB6作動中」等)に移行可能にしていると共に、前記シフト役対応図柄の組合せの表示を回避することにより、前記シフト役の当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態(例えば、「BB6作動中のRB6内部中」等)に移行可能にしており、
前記シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記指示機能の非作動下における前記ボーナス内部当籤状態よりも高く、前記指示機能の作動下における前記ボーナス内部当籤状態よりも低くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、指示機能の非作動下におけるボーナス内部当籤状態よりも高くしているため、ボーナス非当籤状態又はボーナス内部当籤状態からボーナス作動状態に移行させたとしても、ボーナス作動状態において、シフト役内部当籤状態での遊技をすることにより、従来に比べて遊技媒体を減らすのを抑制でき、遊技興趣の低下を防止できる。
以上の遊技機において、
前記ボーナス作動中一般遊技状態、及び/又は、前記シフト役内部当籤状態では、前記指示機能を作動させる遊技の機会を増やす確率(例えば、有利区間への移行契機役の抽籤値等)を、前記ボーナス内部当籤状態よりも低くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、市場での遊技において、遊技者が特定の停止操作をしてボーナス内部当籤状態からボーナス作動状態に移行させても、指示機能を作動させる遊技の機会を増やす確率はボーナス内部当籤状態よりも低いため、ボーナス作動状態中にシフト役内部当籤状態に移行させて獲得遊技媒体数の期待値の高い遊技をする場合にも、指示機能の作動を含めたトータル的な獲得遊技媒体数の期待値は、特定の停止操作をしない場合と大差のないものにでき、特定の停止操作をする/しないにより遊技者に有利不利を生じさせる恐れを少なくできる。
以上の各遊技機において、
前記ボーナス非当籤状態及び/又は前記ボーナス内部当籤状態では、予め定めた特定内部当籤役の当籤を契機に前記指示機能を作動させる遊技の機会を増やす抽籤を行い、前記ボーナス作動状態では、前記特定内部当籤役の全部又は一部の当籤を契機としてする前記指示機能を作動させる遊技の機会を増やす抽籤は行わない
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス作動状態において獲得遊技媒体数の期待値の高いシフト役内部当籤状態の遊技をする場合と、ボーナス作動状態での遊技をしない場合との間で、指示機能の作動を含めたトータル的な獲得遊技媒体の期待値の調整を、内部当籤役と関連づけて適切に行える。
第44の構成によれば、アクセルATにおいて、遊技者がボーナス作動中の遊技をしたとしても遊技興趣を著しく低下させることのない遊技機を提供することができる。
[第45の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2017−99645号公報)に記載されているように、押し順小役の正解押し順等を報知する指示機能を作動させるアシストタイムATにより、70G(G;ゲーム)又は30Gを1セットとする疑似ボーナス(役物又は役物連続作動装置によるリアルボーナスではないボーナス)を生起させ、疑似ボーナスというATによるメダルの増加機会により、手持ちのメダルを増やすことができる遊技機が知られている(段落0088等)。
AT作動前の遊技中、特定の当籤役の当籤を契機にAT抽籤を行い、所定の振分率により70GのAT当籤、30GのAT当籤、AT非当籤を決定し、最大16G間の前兆演出を経て、AT当籤時は、引き続いて、昇格演出中のメッセージを液晶画面に表示して行うボーナス準備中に移り、このボーナス準備中のゲームにおいて、70GのAT当籤の振分時は「白7」揃い、30GのAT当籤の振分時は「赤7」揃いが可能になる再遊技役又は小役による7揃い役の当籤を待ち、左、中、右の3本のリールの表示出目として、「白7」揃い又は「赤7」揃いをさせた後、疑似ボーナスを開始させるようにしている。
以上の遊技機では、リールの表示出目として「白7」揃い又は「赤7」揃いさせた後に疑似ボーナスを開始させるため、遊技者にリアルボーナスと同様な遊技感覚を付与できる。特に、ATの作動をリアルボーナスの内部当籤中に行うAT機の場合、リアルボーナスの内部当籤中に他のリアルボーナスは基本的に抽籤できないため、ATによるメダルの増加機会の突入を知らせるものとして適切であると言える。
しかし、リアルボーナスでは、リアルボーナスと同時に当籤させる小役又は再遊技役による同時当籤役の表示、或は、リアルボーナスの当籤時の外れ出目としてのリーチ目の表示により、いち早くボーナスの当籤を察知でき、最少の投入メダル枚数の消費により、リアルボーナスの作動図柄の組合せを早期に表示させ、手持ちのメダルが極力減らない攻略的遊技が可能となるのに対し、疑似ボーナスによるATによるメダルの増加機会の突入時には、このような攻略的遊技は行えず、遊技興趣を十分に高めるまでには至らない。
すなわち、上記文献記載のものにおいて、ATの抽籤契機となる特定役の表示によりATの当籤を察知した場合、前兆演出を経て、ボーナス準備中に7揃い役の当籤を待つ必要があり、7揃い役の当籤がなかなか得られない場合、攻略的遊技を欲する上級者といえども投入するメダル枚数が増えてしまう。この場合、遊技ロック或はフリーズ作動下で行うリール変則動作を利用すれば、7揃い役の当籤を待つことなく7揃いを見せることはできるが、全遊技者に等しく提供される7揃い演出となるため、遊技者によってされる攻略的遊技とは程遠いものとなる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、指示機能の作動による遊技媒体の増加機会に突入する際の投入遊技媒体数を遊技者によって少なくできる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第45構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
前記有利状態には、前記指示機能の作動により遊技媒体の増加を可能にした特定有利状態(例えば、アシストタイムAT等)を含み、
前記特定有利状態には、第1の図柄の組合せ(例えば、リーチ目等)を表示可能な内部当籤役に基づいて前記有利状態を生起させた後、前記第1の図柄の組合せと異なる第2の図柄の組合せ(例えば、AT発動目等)を表示したことを条件に突入可能にしており、
前記第1の図柄の組合せを表示可能な内部当籤役に基づいて前記有利状態を生起させる確率は、第1投入数(例えば、3枚等)による遊技の方が前記第1投入数よりも少ない第2投入数(例えば、1枚等)による遊技よりも高くしており、
前記第2の図柄の組合せを表示する確率は、前記第2投入数による遊技の方が前記第1投入数による遊技よりも高くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技者は、第1投入数の遊技により第1の図柄の組合せを表示可能な内部当籤役に基づいて有利状態を生起させた後、第1投入数より少ない第2投入数の遊技に変更することにより、第2の図柄の組合せを早期に表示でき、遊技媒体の消費を抑えながら、遊技媒体の増加を可能にした特定有利状態に早く突入させることができる。
以上の遊技機において、
前記有利状態が生起されていない非有利状態中に前記第2の図柄の組合せを表示しても、前記特定有利状態への突入を不可にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技全般を通じて遊技者が時間効率の悪い第2投入数により遊技をするのを抑止できると共に、第2投入数による遊技を第2の図柄の組合せを表示しようとする場合にほぼ限定的に促し得る。
また、以上の各遊技機において、
前記第2の図柄の組合せは、前記第1投入数か前記第2投入数かによらず同じ効果の遊技結果が得られたとき(例えば、小役こぼし時又は外れ時等)に表示させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第1投入数の遊技により第2の図柄の組合せを表示する場合と、第2投入数の遊技により第2の図柄の組合せを表示する場合とで同じ効果になるため、特定有利状態への突入について公平さを高め得る。
第45の構成によれば、指示機能の作動による遊技媒体の増加機会に突入する際の投入遊技媒体数を遊技者によって少なくできる遊技機を提供することができる。
[第46の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−110808号公報)に記載されているように、押し順小役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする一の有利区間或は有利状態が最大限継続可能なゲーム数を、所定のリミット値である1500G(G;ゲーム)に定め、再遊技高確率状態下で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムART等がセット数上乗せやゲーム数上乗せ等を積み重ねることにより如何に長く継続しても、継続中のART等についての有利区間がその有利区間の突入から数えて1500Gを超えると、有利区間を強制終了させてART等も強制終了させ、通常区間或は通常状態に復帰させるリミッタ機能を設ける遊技機が知られている(段落0009等)。
リミッタ機能は、ゲーム数で管理する他、ゲーム数での管理と併用し、或は、ゲーム数での管理に代え、一の有利区間中における獲得メダル枚数又は獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた差枚数による一撃出玉MYが所定の上限枚数例えば2400枚を超えたときに作動させることもできる。このようなリミッタ機能は、一の有利区間中における出玉(獲得メダル枚数又は差枚数)が過度になるのを抑制し、射幸性を適度に保つ点で有益と考えられる。
しかし、上記文献記載のものを含め、従来のリミッタ機能は、本来ならもっともっと長く続く可能性のある長期の有利区間を途中で打ち切るものであるため、遊技者の遊技興趣を低下させかねない。
このため、リミッタ機能が作動した場合、遊技者に遊技の格好の止め時を知らせてしまい、継続して遊技を続ける意欲を低下させてしまう恐れがある。
よって、リミッタ機能は、遊技興趣を高め、持続的に遊技の続行を促すものとは縁遠い存在であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、リミッタ機能を有効活用して遊技興趣を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第46構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段と、
生起された一の有利状態中における遊技毎の獲得遊技媒体が多いほど増加する数の累計が所定のリミット値を超過したとき当該一の有利状態を終了させるリミッタ手段と、を備え、
前記リミット値の超過は、有利状態が生起された第1遊技状態(例えば、ボーナス役の作動状態等)の終了時にはされず、前記第1遊技状態の終了後の第2遊技状態(例えば、RT2等)への移行後の遊技による一定数(例えば、10枚等)の積み増しにより可能にしており、
前記第2遊技状態では、前記リミット値の超過前は、前記リミット値の超過後に比べて、遊技者に有利となる第3遊技状態(例えば、RT3等)への移行を容易にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第1遊技状態の終了後の第2遊技状態において、リミット値を超過する前に、遊技者に有利となる第3遊技状態への移行に期待できるチャンスゾーンとして機能する遊技期間を確保できる。リミッタ手段は、遊技毎の獲得遊技媒体が多いほど増加する数の累計により作動するため、獲得遊技媒体が少ないほど、リミット値を超過するまでのゲーム数を多くでき、第3遊技状態に移行する期待感を高め得る。このため、第2遊技状態中は、遊技者に、「遊技媒体を獲得できる役に当籤するな」という概念と、「獲得遊技媒体が多くなる表示は外れろ」という概念とを生じさせ、遊技性の幅を広げながら有利な遊技に期待できる遊技性を打ち出し得る。
以上の遊技機において、
前記第2遊技状態における内部当籤役には、停止操作の態様により獲得遊技媒体数が異なることとなる小役(例えば、押し順小役等)と、前記第3遊技状態への移行を可能にした移行契機役(例えば、昇格役等)とを含み、
有利状態中に前記移行契機役に当籤した場合、前記第3遊技状態へ移行させる移行契機図柄の組合せ(例えば、昇格契機図柄の組合せ等)を表示させるための指示情報を報知する
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第2遊技状態では、リミット値を超過する前に、第3遊技状態への移行契機役の当籤に期待しつつ、停止操作の態様により獲得遊技媒体数が異なることとなる小役の当籤時は、如何に停止操作をすれば獲得遊技媒体数を少なくできるかというスリルに富んだ遊技性を創出できる。
以上の各遊技機において、
前記第1遊技状態は、作動中の獲得遊技媒体数が変動可能なボーナス役(例えば、BB1〜BB4等)の作動状態としている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、獲得遊技媒体数が変動可能なボーナス役と組合せて、ボーナス役の作動終了後にチャンスゾーンを効果的に挿入できる。
また、以上の各遊技機において、
前記第2遊技状態から該第2遊技状態よりも再遊技確率の低い第4遊技状態(例えば、RT4等)への移行を可能にしており、
前記第2遊技状態から前記第4遊技状態に移行する場合、前記リミット値の超過前でも有利状態を終了させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技者は、第2遊技状態において、リミット値を超過しないことと、第4遊技状態に移行しないこととに注意しながら、第3遊技状態への移行に期待するスリリングな遊技を体験できる。
第46の構成によれば、リミッタ機能を有効活用して遊技興趣を高め得る遊技機を提供することができる。
[第47の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−110808号公報)に記載されているように、押し順小役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする一の有利区間或は有利状態が最大限継続可能なゲーム数を、所定のリミット値である1500G(G;ゲーム)に定め、再遊技高確率状態下で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムART等がセット数上乗せやゲーム数上乗せ等を積み重ねることにより如何に長く継続しても、継続中のART等についての有利区間がその有利区間の突入から数えて1500Gを超えると、有利区間を強制終了させてART等も強制終了させ、指示機能の性能に影響を及ぼす全ての変数を初期化して通常区間或は通常状態に復帰させる遊技機が知られている(段落0009等)。
一の有利区間を終了させる場合、指示機能の性能に影響を及ぼす全ての変数を初期化する必要があるため、複数の有利区間を跨いで数えるゲーム数が所定数に達した場合や、有利区間を所定回数について生起させた場合等に、俗に言う天井の恩恵としてARTを決定する等、指示機能に係る性能を高めるのは不可となる。
しかし、一回目のARTと二回目のARTとを同一条件で決定することを徹底し、一回目のART終了後の32ゲーム以内や100ゲーム以内等の比較的短い期間内でARTに引き戻すことやARTを連荘させることまでを事実上不可にしてしまうと、遊技興趣を低下させ、一の有利区間がARTの終了に伴って終了すると、遊技者に遊技の格好の止め時を知らせてしまい、継続して遊技を続ける意欲を低下させる恐れがある。
ここで、二回目の有利区間の移行は一回目と同一条件で行うが、一回目のARTの終了時の遊技状態や、一回目のART終了により移行する有利区間の終了時の遊技状態等を参照して、二回目の有利区間移行後にARTに突入し易くすることが考えられる。
ところが、このようにすると、「有利区間が特定の遊技状態で終了した場合、当該状態において、次の有利区間に移行した場合、その他の遊技状態で移行した場合と比して、当該有利区間における指示機能に係る性能が明らかに高くなる性能は、有利区間を初期化していないと解する」との運用がされるため、結局、実現不可となる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の公正さを保ちつつ、短い期間内でART等の特定遊技の引き戻しや連荘に期待の持てる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第47構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
指示機能の作動により遊技媒体を増加可能にした有利状態中の特定遊技(例えば、アシストリプレイタイムART等)の終了により移行可能な第1遊技状態(例えば、RT1等)は、有利状態が生起されても相対的に高い確率で前記特定遊技の実行を決定しないが、有利状態が生起されると相対的に高い確率で前記特定遊技の実行を決定する第2遊技状態(例えば、100GのRT2等)への移行と、有利状態が生起されると相対的に低い確率で前記特定遊技の実行を決定する第3遊技状態(例えば、RT3等)への移行とを可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一回目の特定遊技の終了後、第1遊技状態において、第3遊技状態への移行ではなく、第2遊技状態に移行させることができると、相対的に高い確率で二回目の特定遊技の実行が決定される。このため、一回目の特定遊技の終了から短い期間内で二回目の特定遊技の実行を決定することができ、特定遊技の引き戻しや連荘に期待が持てる。第1遊技状態は、有利状態が生起されても相対的に高い確率で特定遊技の実行を決定しないため、「有利区間が第1遊技状態で終了した場合、第1遊技状態において、次の有利区間に移行した場合、その他の遊技状態であって相対的に高い確率で特定遊技の実行を決定する第2遊技状態に移行した場合と比して、当該有利区間における指示機能に係る性能が明らかに高くなる性能」に該当せず、遊技の公正さも保てる。
以上の遊技機において、
前記第2遊技状態は、所定の有限回数について滞在可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第2遊技状態において、有限回数について安定して、特定遊技の実行が決定可能になり、特定遊技への引き戻しや連荘に対する期待感を効果的に持たせることができる。
以上の各遊技機において、
前記特定遊技を可能にする第4遊技状態(例えば、RT4等)から、前記第1遊技状態の他、前記第3遊技状態へも移行可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第4遊技状態から、第3遊技状態に移行させるのではなく、第1遊技状態に移行させることにより、有利状態が生起されると相対的に高い確率で特定遊技の実行を決定可能とする第2遊技状態への移行に期待できることになる。よって、第4遊技状態からは第3遊技状態でなく第1遊技状態に移行することを欲する遊技性も打ち出し得る。
以上の各遊技機において、
前記特定遊技を可能にする第4遊技状態では、前記特定遊技の終了後、前記第1遊技状態への移行を可能にする移行契機役(例えば、転落役等)の当籤時に前記第1遊技状態への移行契機図柄の組合せ(例えば、転落契機図柄の組合せ等)を表示させないための指示情報を報知しないが、停止操作の態様により獲得遊技媒体数が変動する小役(例えば、押し順小役等)の当籤時に獲得遊技媒体数を多くするための指示情報を報知し、
前記第1遊技状態への移行契機図柄の組合せの表示後に有利状態を終了させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第4遊技状態において特定遊技が終了しても、第1遊技状態に移行するまでの間は、獲得遊技媒体数の積み増しも可能になり、遊技興趣を高め得る。
第47の構成によれば、遊技の公正さを保ちつつ、短い期間内でART等の特定遊技の引き戻しや連荘に期待の持てる遊技機を提供することができる。
[第48の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−110808号公報)に記載されているように、押し順小役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする一の有利区間或は有利状態が最大限継続可能なゲーム数を、所定の上限ゲーム数とする1500G(G;ゲーム)に定め、再遊技高確率状態下で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムART等がセット数上乗せやゲーム数上乗せ等を積み重ねることにより如何に長く継続しても、継続中のART等についての有利区間がその有利区間の突入から数えて1500Gを超えると、有利区間を強制終了させてART等も強制終了させ、指示機能の性能に影響を及ぼす全ての変数を初期化して通常区間或は通常状態に復帰させる遊技機が知られている(段落0009等)。
一の有利区間を終了させる場合、指示機能の性能に影響を及ぼす全ての変数を初期化する必要があるため、複数の有利区間を跨いで数えるゲーム数が所定数に達した場合や、有利区間を所定回数について生起させた場合等に、俗に言う天井の恩恵としてARTを決定する等、指示機能に係る性能を高めるのは不可となる。
ここで、通常区間から有利区間に移行させる処理は、遊技状態の違いによらず一定確率で抽籤する内部当籤役と関連づけて決定する必要があるのに対して、一旦有利区間に移行した後の有利区間中においてする指示機能に係る処理は、遊技履歴等の必ずしも抽籤に係わらない処理を含めた共通処理により、指示機能の上乗せ等が可能になることから、ほぼ全遊技期間を1500G単位の有利区間で埋め、有利区間中の指示機能に係る処理として、前のARTの終了から次のARTの決定がないまま天井ゲーム数に到達すると、ARTを決定することが考えられる。
しかし、このようにしても、天井ゲーム数を数える期間が1500Gを跨いでしまうと、途中で初期化処理をした後に通常区間が挿入されるため、天井ゲーム数のカウントを持ち越すことはできず、実現不可となる。
また、1500Gを跨がなくとも、1500G到達間際に天井ゲーム数に到達すると、ARTを行う期間がほとんどなくなってしまう。よって、ほぼ全遊技期間を1500G単位の有利区間で埋めるだけでは、有効に天井機能を構築できない課題がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有効に天井機能を構築できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第48構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段と、
生起された一の有利状態中におけるゲーム数が上限ゲーム数(例えば、1500G等)を超過したとき当該一の有利状態を終了させるリミッタ手段と、を備え、
前記有利状態制御手段は、
有利状態中となるゲーム数が、非有利状態中となるゲーム数よりも多くなるように有利状態を生起させ、前記リミッタ手段により一の有利状態が終了するまでの期間内に、第1の作動態様により指示機能を作動させることにより遊技媒体の増加に期待できる遊技を所定ゲーム数について実行可能とする第1区間(例えば、増加区間等)と、前記第1区間でする前記第1の作動態様による指示機能の作動はなく、前記第1区間に比べると遊技媒体の増加は期待できない遊技を前記上限ゲーム数から前記所定ゲーム数を引いたゲーム数について実行可能とする第2区間(例えば、非増加区間等)とを生起させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、有利状態中となるゲーム数は非有利状態中となるゲーム数よりも多く、リミッタ手段により一の有利状態が終了するまでの期間内に、必ず、遊技媒体の増加に期待できる第1区間の遊技を所定ゲーム数について実行できる。このため、第2区間で遊技をするゲーム数と、非有利状態から有利状態を生起させるまでの間のゲーム数とを加えたゲーム数を消化すれば、遊技媒体の増加に期待できる。このため、天井と同様な恩恵を有効に付与できる。
以上の遊技機において、
有利状態は前記第1区間から始まり、前記第1区間の後に前記第2区間に変更し、前記リミッタ手段により一の有利状態が終了するまでの期間内に、前記第1区間から前記第2区間に変わる回数を1回にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第1区間の後の第2区間のゲーム数に、リミット手段作動後の非有利状態から次回の有利状態を生起させるまでの間のゲーム数を加えたゲーム数が、おおむね天井ゲーム数として機能できる。
これに代えて、
有利状態は前記第2区間から始まり、前記第2区間の後に前記第1区間に変更し、前記リミッタ手段により一の有利状態が終了するまでの期間内に、前記第2区間から前記第1区間に変わる回数を1回にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、非有利状態から今回の有利状態を生起させるまでの間のゲーム数に、第2区間のゲーム数を加えたゲーム数が、おおむね天井ゲーム数として機能できる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
前記有利状態制御手段は、
有利状態中となるゲーム数が、非有利状態中となるゲーム数よりも多くなるように有利状態を生起させ、一の有利状態中に、第1の作動態様により指示機能を作動させることにより遊技媒体の増加に期待できる遊技を実行可能とする第1区間と、前記第1区間でする前記第1の作動態様による指示機能の作動はなく、前記第1区間に比べると遊技媒体の増加は期待できない遊技を実行可能とする第2区間とを生起させ、
前記第1区間及び/又は前記第2区間の期間に応じて一の有利状態を終了させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、有利状態中となるゲーム数は非有利状態中となるゲーム数よりも多く、一の有利状態中に、必ず、遊技媒体の増加に期待できる第1区間の遊技を実行できる。一の有利状態は第1区間及び/又は第2区間の期間に応じて終了し、一の有利状態の終了から次に第1区間が生起されるまでの間のゲーム数を消化すれば、遊技媒体の増加に期待できる。このため、天井と同様な恩恵を有効に付与できる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
前記有利状態制御手段は、
有利状態中となるゲーム数が、非有利状態中となるゲーム数よりも多くなるように有利状態を生起させ、一の有利状態は、第1の作動態様により指示機能を作動させることにより遊技媒体の増加に期待できる遊技を実行可能とする第1区間と、前記第1区間でする前記第1の作動態様による指示機能の作動はなく、前記第1区間に比べると遊技媒体の増加は期待できない遊技を実行可能とする第2区間との一方の区間により開始させ、他方の区間により終了させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、有利状態中となるゲーム数は非有利状態中となるゲーム数よりも多く、一の有利状態中に、必ず、遊技媒体の増加に期待できる第1区間の遊技を実行できる。一の有利状態は、第1区間か第2区間の一方の区間により開始させ、他方の区間により終了させるため、第2区間での終了後に第2区間での開始がされる場合でも、2回分の第2区間に応じたゲーム数を消化すれば、遊技媒体の増加に期待できる。このため、天井と同様な恩恵を有効に付与できる。
第48の構成によれば、有効に天井機能を構築できる遊技機を提供することができる。
[第49の構成の遊技機]
従来、特許文献(例えば、特開2018−110808号公報)に記載されているように、押し順小役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする一の有利区間或は有利状態が最大限継続可能なゲーム数を、所定の上限ゲーム数の1500G(G;ゲーム)に定め、再遊技高確率状態下で指示機能を作動させるアシストリプレイタイムART等がセット数上乗せやゲーム数上乗せ等を積み重ねることにより如何に長く継続しても、継続中のART等についての有利区間がその有利区間の突入から数えて1500Gを超えると、有利区間を強制終了させてART等も強制終了させ、通常区間或は通常状態に復帰させるリミッタ機能を設ける遊技機が知られている(段落0009等)。
リミッタ機能は、ゲーム数で管理する他、ゲーム数での管理と併用し、或は、ゲーム数での管理に代え、一の有利区間中における獲得メダル枚数又は獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた差枚数による一撃出玉MYが所定の上限枚数例えば2400枚を超えたときに作動させることもできる。このようなリミッタ機能は、一の有利区間中における出玉(獲得メダル枚数又は差枚数)が過度になるのを抑制し、射幸性を適度に保つ点で有益と考えられる。
しかし、一の有利区間と次の有利区間とが数珠繋ぎで生じると、一の有利区間の上限ゲーム数や上限枚数を規制しても、結局、遊技全般を通じたトータルの出玉が過度になり、射幸性を適度に保つことができなくなる。このため、全体の遊技期間に占める有利区間の滞在比率(有利区間比率)を、所定の規制値70%未満にするか、全体の獲得メダル枚数に占める指示機能の作動によるものとボーナス役の作動によるものとを加算した獲得メダル枚数の比率(指示込み役物比率)を、所定の規制値70%未満にするかの、どちらかの有利状態に関連した全体に対する比率要件を満たす必要がある。
ここで、指示込み役物比率を70%未満にする場合は、有利区間比率を70%未満にする必要はないが、指示機能の作動とボーナス役の作動を併用するものでは、指示機能の作動による獲得メダル枚数及びボーナス役の作動による獲得メダル枚数の合算に対して規制が働くため、指示機能とボーナス役の作動確率や出玉を両方とも高めることは困難となり、指示機能の作動か、ボーナス役の作動かのどちらかに偏った遊技性になる等、遊技興趣が低下する恐れがある。
かといって、有利区間比率を70%未満にする場合、指示込み役物比率を70%未満にする必要はないが、指示機能の作動中のゲームにおいてボーナス役に当籤すると作動終了後に指示機能の作動中のゲームに戻すのが一般的な考え方のため、指示機能の作動中のゲーム数とボーナス作動中のゲーム数とを通算したゲーム数が有利区間中のゲーム数となり、有利区間比率を70%未満にすることも容易ではない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、指示機能の作動とボーナス役の作動とを併用するものにおいて、有利状態に関連した全体に対する比率要件をクリアし易くしながら、遊技興趣を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第49構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させる遊技機において、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能の作動を可能にする有利状態を生起可能とする有利状態制御手段を備え、
内部当籤役に所定のボーナス役(例えば、BB1〜BB4等)を含み、
有利状態の生起中に前記ボーナス役に当籤した場合、当籤以後の所定終了条件の具備により有利状態を終了可能とし、
前記ボーナス役の作動終了後、複数回(例えば、100G等)について非有利状態から有利状態を生起させる抽籤を受け得る特定遊技状態(例えば、RT3等)に移行可能とし、
前記特定遊技状態が前記ボーナス役の当籤による終了以外で終了する場合、有利状態が生起されていることを条件に、指示機能の作動により遊技媒体を増加可能にした特定遊技(例えば、アシストリプレイタイムART等)の実行を決定可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス役の当籤以後の所定終了条件の具備により有利状態が終了可能となり、特定遊技状態中の複数回についての抽籤により有利状態が生起されると、特定遊技状態がボーナス役の当籤による終了以外で終了する場合、指示機能の作動により遊技媒体を増加可能にした特定遊技の実行を決定可能になる。このため、ボーナス役により打ち切った有利状態を、特定遊技状態を挟んで再び生起でき、有利状態の実質的な連荘が可能になると共に、遊技中に、有利状態でない非有利状態によるインターバルを効果的に挿入できる。よって、有利区間比率及び/又は指示込み役物比率のクリアを容易にできながら、遊技興趣を高め得る。
以上の遊技機において、
前記特定遊技状態は、前記ボーナス役の当籤がない場合に予め定めた有限回数についての遊技の結果が得られるまで滞在可能にしており、
前記特定遊技状態へは、前記ボーナス役の作動終了後に移行させる復帰先遊技状態(例えば、RT4等)から所定の移行契機図柄の組合せを表示したことにより移行させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、特定遊技状態は、復帰先遊技状態から所定の移行契機図柄の組合せを表示にした後に有限回数について滞在可能になるため、特定遊技状態において、他の遊技状態では遊技状態を移行させることとなる図柄の組合せを表示しても、遊技状態の移行を回避できる。このため、特定遊技状態において、非有利状態から有利状態への抽籤を安定して受け得るものとなる。
これに代えて、
前記特定遊技状態は、前記ボーナス役の当籤がない場合に予め定めた有限回数についての遊技の結果が得られるまで滞在可能で、かつ、前記ボーナス役の作動終了後に移行させる復帰先遊技状態としており、
前記特定遊技状態では、他の遊技状態では表示可能な遊技状態を移行させる図柄の組合せ(例えば、6択移行リプ等)を表示せず、
前記特定遊技状態を含む前記ボーナス役の抽籤をする遊技状態において抽籤する小役の当籤に基づく遊技状態の移行(例えば、押し順小役の当籤に基づくベルこぼし目の表示による移行等)はないものにしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、特定遊技状態は、ボーナス役の作動終了後の有限回数について滞在可能になるため、理論的には、特定遊技状態から図柄の組合せの表示を契機とした遊技状態の移行が有り得るものとなるが、他の遊技状態では表示可能な遊技状態を移行させる図柄の組合せを表示せず、小役の当籤に基づく遊技状態の移行もないため、特定遊技状態を維持することができる。このため、特定遊技状態において、非有利状態から有利状態への抽籤を安定して受け得るものとなる。
以上の各遊技機において、
前記特定遊技状態以外の遊技状態で有利状態が生起された場合、前記特定遊技状態で有利状態が生起された場合に比べて、前記特定遊技の実行を決定する確率を、0となる場合を含めて低くしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、特定遊技状態で有利状態が生起された場合は、ボーナス役に当籤せずに終了することにより特定遊技の実行が決定可能であるのに対して、特定遊技状態以外の遊技状態で有利状態が生起された場合は、特定遊技の実行を決定する確率を相対的に低くしているため、特定遊技状態を、特定遊技の実行の決定を高確率で期待できるチャンスゾーンとして有効に機能させることができる。
第49の構成によれば、指示機能の作動とボーナス役の作動とを併用するものにおいて、有利状態に関連した全体に対する比率要件をクリアし易くしながら、遊技興趣を高め得る遊技機を提供することができる。
[第50の構成の遊技機]
従来、特許文献1(例えば、特開2016−30102号公報)に記載されているように、押し順小役の当籤時に投入枚数を超えるメダルを獲得できる正解押し順を報知するアシストタイムATを、正解押し順のナビ回数、純増メダル枚数、継続ゲーム数の3種類で管理し、予め定めた各種の上乗せ契機により、20や50や100等の数字と、ナビ回数、純増メダル枚数、継続ゲーム数の何れかの単位とを決定する遊技機が知られている(段落0058〜0060、図7等)。
また、特許文献2(例えば、特開2018−110808号公報)に記載されているように、過度な射幸性を抑制するため、押し順小役の正解押し順等を報知する指示機能を作動可能にする一の有利区間或は有利状態が最大限継続可能なゲーム数の上限を規制し、1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を2.0枚/Gとした場合に約3000枚のメダルを獲得できることとなる1500G(G;ゲーム)をその上限のリミット値にし、再遊技確率の高いリプレイタイムRTにてアシストタイムATを行うアシストリプレイタイムARTがセット数上乗せやゲーム数上乗せ等を積み重ねることにより如何に長く継続しても、継続中のATについての有利区間がその有利区間の突入から数えて1500Gを超えると、有利区間を強制終了させてATも強制終了させ、通常区間或は通常状態に復帰させるリミッタ機能を設ける遊技機が知られている(段落0009等)。
リミッタ機能は、ゲーム数で管理する他、ゲーム数での管理と併用し、或は、ゲーム数での管理に代え、一の有利区間中における獲得メダル枚数TY、或は、獲得メダル枚数から投入メダル枚数を引いた差枚数による一撃出玉MYが、所定の上限枚数例えば2400枚を超えたときに作動させることもできる。
しかし、上記文献1のものは、予め定めた各種の上乗せ契機において、数字と単位の取得を再現なく繰り返すと、一のAT中の総獲得メダル枚数が事実上、青天井(天井がないもの)となり、射幸性が過度になる。
ここで、上記文献2のリミッタ機能を付加することが考えられるが、一の有利区間の開始後、リミッタが作動する直前にようやくATが開始されたような場合、ATの継続可能なゲーム数が少なくなり、逆に、遊技者を満足させるメダルを提供できず、遊技興趣を低下させてしまう。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、射幸性が過度になることなく、しかも、遊技興趣を低下させることなく、適切にATを管理できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第50構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動可能とする有利状態において前記指示機能を作動させるアシストタイムを生起させる遊技機において、
一のアシストタイムの継続を、アシストタイムの開始からの遊技の進行に伴い増加可能な特定の数(例えば、差枚数、消化ゲーム数等)の累計が所定の上限を超過しない範囲内で許容し、
前記所定の上限を超過する場合に、継続中のアシストタイムを終了させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一のアシストタイムは、アシストタイムの開始からの遊技の進行に伴い増加可能な特定の数の累計と、所定の上限との関係により、その継続及び終了がされるため、過度な射幸性及び遊技興趣の低下を抑制できながら、適切にアシストタイムを管理することができる。
以上の遊技機において、
前記所定の上限は、一の有利状態が最大限継続可能なリミット値(例えば、2400枚、1500G等)未満に定め(例えば、2000枚、1000G等)、
前記アシストタイムは、前記所定の上限の超過により終了する場合を、前記リミット値の超過による有利状態の終了により終了する場合よりも多くなるように生起させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一層適切にアシストタイムを管理することができる。
以上の各遊技機において、
前記特定の数は、異種の第1数(例えば、差枚数等)と第2数(例えば、消化ゲーム数等)とを含み、
前記第1数の累計が第1上限(例えば、2000枚等)を超過する場合、又は、前記第2数の累計が第2上限(例えば、1000G等)を超過する場合に、継続中のアシストタイムを終了させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、一層効果的に、射幸性を適度に保つことができる。
この場合の遊技機において、
前記第1上限の超過により継続中のアシストタイムを終了させる場合と、前記第2上限の超過により継続中のアシストタイムを終了させる場合とで、終了後の遊技に有利不利の差を設けている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、第1上限の超過による終了か、第2上限の超過による終了かが遊技者の関心事となり、新たな遊技性を創出できる。
さらに、この場合の遊技機において、
前記第1数は、遊技媒体の獲得数に応じて増加する数(例えば、差枚数等)に係り、
前記第2数は、遊技数に応じて増加する数(例えば、消化ゲーム数等)に係り、
前記第2上限の超過により継続中のアシストタイムを終了させた場合、終了前のアシストタイムの利益に対して追加の利益となる遊技者に有利な追加特典を付与し、
前記第1上限の超過により継続中のアシストタイムを終了させた場合、前記追加特典は付与しない
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技者は、第1上限の超過が近づいた場合に、第1数の累計が進まないような遊技を行い、第2上限の超過を目指す遊技をすることも可能になり、遊技の幅が広がり、遊技興趣を一層高め得る。
第50の構成によれば、射幸性が過度になることなく、しかも、遊技興趣を低下させることなく、適切にATを管理できる遊技機を提供することができる。
[第51の構成の遊技機]
従来、特許文献1(例えば、特開2017−99645号公報)に記載されているように、第一種特別役物に係る役物連続作動装置によるリアルボーナスRBBを、その作動中の総獲得メダル枚数が総投入メダル枚数を下回る減るボーナスとし、RBBの当籤フラグが持ち越されたボーナス内部当籤中(RBB内部中)にずっと止まり、RBB内部中にチャンス役等の特定の内部当籤役と関連づけて、純増約3.0枚/Gの性能をもつアシストタイムATを作動させ、押し順ベルの当籤時に高配当が得られる正解押し順を報知してメダルを増加させる、俗に言うアクセルATを搭載した遊技機が知られている(段落0072、図6等)。
また、特許文献2(例えば、特開2018−68526号公報)に記載されているように、メダルを積極的に増加できるリアルボーナスRBB1,RBB2と、再遊技確率を高めたリプレイタイムRT2中にアシストタイムATを可能にするアシストリプレイタイムARTを組合せ、リアルボーナスによるメダルの増加と、ARTによるメダルの増加とを期待できる、俗に言うA+ARTを搭載した遊技機が知られている(段落0061,0065,0066、図5等)。
しかし、上記文献1を含む従来のアクセルATを搭載した遊技機は、ATを作動させるボーナス内部当籤中に、別のリアルボーナスを抽籤することはできず、メダルを増加させる契機は専らATに頼らざるを得ず、メダルの増加速度はAT中の純増性能で決まる一律的なものとなり、遊技が単調化し、遊技興趣が低下する恐れがある。
一方、上記文献2を含む従来のA+ARTを搭載した遊技機は、AT中の純増及びリアルボーナス中の純増を共に高めると、射幸性が過度になるため、せいぜい、AT中の純増は2.0枚/Gを下回る1.6〜1.8枚/Gに止めざるを得ないと共に、総獲得メダル枚数が297枚等の200枚を超えるリアルボーナスは、当籤確率の極低いプレミア扱いとするか、ある程度の頻度で当たるリアルボーナスは、総獲得メダル枚数を63枚等の100枚以下に抑制せざるを得ず、ARTもリアルボーナスも期待するほどには頼りにならず、どっちつかずの遊技性に陥り易く、遊技興趣が低下する恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、アシストタイムATとリアルボーナスとを有機的に結合させ、遊技興趣の低下を防止できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第51構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技状態に、所定のボーナス役(例えば、BB等)を抽籤するボーナス非当籤状態(例えば、「通常一般中」等)と、前記ボーナス役の作動図柄の組合せの表示により開始させるボーナス作動状態(例えば、「BB作動中」等)とを含む遊技機において、
前記ボーナス非当籤状態中に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させるアシストタイムを作動可能にしており、
前記ボーナス作動状態は、遊技媒体の獲得に係る小役の抽籤態様を前記ボーナス非当籤状態と同じにしたボーナス作動中の一般遊技状態(例えば、「BB一般中」等)から始まり、
前記ボーナス作動中の一般遊技状態からは、所定のシフト役(例えば、SFT等)の当籤に基づいて表示可能なシフト役作動図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「青7」−「ブランク」等)の表示後、小役の抽籤態様を変動させるシフト役作動状態(例えば、「SFT作動中」等)に移行可能にしていると共に、前記シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、前記シフト役の当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態(例えば、「SFT内部中」等)に移行可能にしており、
前記シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態(例えば、1.773等)よりも高くし(例えば、4.188等)、
前記シフト役作動状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態(例えば、1.773等)よりも低くしている(例えば、0.5148等)
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス非当籤状態では、アシストタイムの作動に期待できると共に、ボーナスの作動にも期待できる。ボーナス作動中の一般遊技状態では、シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、シフト役内部当籤状態において、指示機能の作動下におけるボーナス非当籤状態よりも高い期待値の遊技が行える。一方、シフト役作動状態では期待値を指示機能の作動下におけるボーナス非当籤状態よりも低くしているため、アシストタイム及び/又はボーナスの作動により獲得遊技媒体数が過大になるのを抑制でき、アシストタイム及び/又はボーナスの当籤確率や獲得性能等を所望の高値にでき、遊技者を満足させることができる。
以上の遊技機に代え、
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技状態に、所定のボーナス役(例えば、BB等)を抽籤するボーナス非当籤状態(例えば、「通常一般中」等)と、前記ボーナス役の作動図柄の組合せの表示により開始させるボーナス作動状態(例えば、「BB作動中」等)とを含む遊技機において、
前記ボーナス非当籤状態中に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させるアシストタイムを作動可能にしており、
前記ボーナス作動状態は、遊技媒体の獲得に係る小役の抽籤態様を前記ボーナス非当籤状態と同じにしたボーナス作動中の一般遊技状態(例えば、「BB一般中」等)から始まり、
前記ボーナス作動中の一般遊技状態からは、所定のシフト役(例えば、SFT等)の当籤に基づいて表示可能なシフト役作動図柄の組合せ(例えば、「ブランク」−「青7」−「ブランク」等)の表示後、小役の抽籤態様を変動させるシフト役作動状態(例えば、「SFT作動中」等)に移行可能にしていると共に、前記シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、前記シフト役の当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態(例えば、「SFT内部中」等)に移行可能にしており、
前記シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記シフト役作動状態を含む他の遊技状態よりも高くしている(例えば、4.188等)
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス非当籤状態では、アシストタイムの作動に期待できると共に、ボーナスの作動にも期待できる。ボーナス作動中の一般遊技状態では、シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、シフト役内部当籤状態において、シフト役作動状態を含む他の遊技状態よりも高い期待値の遊技が行える。一方、シフト役作動状態では期待値が低いため、アシストタイム及び/又はボーナスの作動により獲得遊技媒体数が過大になるのを抑制でき、アシストタイム及び/又はボーナスの当籤確率や獲得性能等を所望の高値にでき、遊技者を満足させることができる。
以上の各遊技機において、
遊技媒体の獲得に係る小役に、投入数を超える第1高配当(例えば、12枚等)の遊技媒体を獲得できる第1高配当役(例えば、NML01〜07等)と、前記第1高配当を超える第2高配当(例えば、13枚等)の遊技媒体を獲得できる第2高配当役(例えば、NML11〜17)とを重複当籤対象に含む特定役(例えば、押し順ベル、共通ベル等)を有し、
前記特定役の当籤時、前記ボーナス非当籤状態では、前記第1高配当役を入賞可能とし、前記シフト役内部当籤状態では、前記第2高配当役を入賞させる
ことを特徴とする遊技機。
これにより、シフト役内部当籤状態における獲得遊技媒体数の期待値を効果的に高めることができ、ボーナスの作動による遊技媒体の獲得速度を、アシストタイムの作動による場合よりも高くできる。よって、遊技が単調になるのを効果的に防止できる。
以上の各遊技機において、
前記ボーナス非当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態(例えば、1.773等)よりも低くした(例えば、0.5148等)所定の役物(例えば、普通役物SB1〜18等)を抽籤する
ことを特徴とする遊技機。
これにより、ボーナス非当籤状態において獲得遊技媒体数が過大になるのを一層効果的に抑制でき、アシストタイム及び/又はボーナスの作動による遊技性を十分に引き出すことができる。
第51の構成によれば、アシストタイムATとリアルボーナスとを有機的に結合させ、遊技興趣の低下を防止できる遊技機を提供することができる。
[第52の構成の遊技機]
従来、特許文献1(例えば、特開2016−10461号公報)に記載されているように、内部抽籤における当籤確率の組合せである設定を、最も低い設定1から最も高い設定6までの6段階等について内部で設定変更可能とし、遊技者に明確な設定は知らせないが、内部設定した設定値のヒントとなる、多くは一定の信頼度に止まる曖昧な設定示唆演出を行う遊技機が知られている。設定示唆演出が本来的に曖昧となるのは、真の設定をそのまま表示すると、低設定の遊技機は稼働しなくなるためである。
具体的に文献記載のものは、ビッグボーナスBB、アシストタイムAT、アシストリプレイタイムART等の特別遊技の終了時、液晶表示装置上の終了画面に、文字の組合せ、数字、記号、絵等により、設定1,3,5の何れかである奇数設定示唆、設定2,4,6の何れかである偶数設定示唆、設定4,5,6の何れかである高設定示唆を所定の振分け率で表示し、稀に、設定5か6のどちらかである超高設定示唆、或は、設定6の確定表示を出し、遊技者に遊技続行の判断材料を提供している(段落0079,0099,0145、図8等)。
しかし、従来の設定示唆演出は、ビッグボーナス等の特別遊技を経ることを条件にされるため、特別遊技を得るまでに特別遊技により得たメダルを超える大量のメダルを消費しているような場合、既に低設定の心象を持っている遊技者に、曖昧な奇数設定示唆か偶数設定示唆がされるのがせいぜいとなる。現に内部的に設定1か2の低設定の場合は、このようになるのが殆どである。
このため、従来の設定示唆演出は、内部的に現に高設定である場合に、稀に設定5,6以上の超高設定示唆又は確定表示が出ることにより、以後の長期の遊技継続を促し得るが、低設定の遊技機に早く見切りをつけて別の遊技機に移りたいと考える遊技者にとって満足のいくものではなかった。
また、特に初心者等にとって、曖昧さを本来とする設定示唆演出に接しても、その表示の意味すらも分からず、設定を推測する判断もできないことが多く、設定示唆演出に興味すらなく、却って無い方が遊技に集中できると考える遊技者も少なくない。よって、一律的な設定示唆演出は遊技興趣を低下させる恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、設定示唆演出が可能な契機の到来時、遊技者の意思によりその演出を見ることも見ないことも選べ、より多くの遊技者の満足度を高め得る遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第52構成の遊技機を提供すとする。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技中に、遊技媒体の増加に期待できる特別遊技(例えば、アシストタイムAT等)の生起を可能とし、
内部抽籤における当籤確率の組合せである設定を変更可能にした遊技機において、
前記特別遊技の生起が可能な遊技中を少なくとも含む、予め定めた遊技中に、前記設定を所定信頼度で示唆させる設定示唆演出の実行契機の到来を可能にしており、
前記設定示唆演出の実行契機の到来時、遊技者の停止操作の態様に応じて、前記設定示唆演出の実行の有無を選択可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、早期に設定看破を望む遊技者の満足度を高めることができると共に、設定示唆演出に興味のない遊技者の要望も満たし得る。
以上の遊技機において、
前記設定示唆演出の実行を選択しなかった場合、前記設定示唆演出の実行以外の予め定める他の遊技特典を付与可能にしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、設定示唆演出の実行を選択した遊技者と、選択しなかった遊技者との利益の調整を図ることができる。
以上の各遊技機において、
前記設定示唆演出を実行するか実行しないかを、遊技者による停止操作の順番に応じて異なる表示とする図柄の組合せに基づいて変更するようにしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、設定示唆演出を実行するか実行しないかは、遊技者による停止操作の順番に応じて異なる表示とする図柄の組合せに基づいてされるため、何れを選択してもペナルティ等にはならず、遊技の公正さも保ち得る。一般に、ある遊技結果を得る停止操作の順番に偏り等を持たせ、遊技の結果により表示される図柄の組合せに基づかずに、停止操作の順番に基づいて後の遊技にペナルティを課す/課さない等の利益の差を設けるのは遊技の公正を害するが、本件の場合、遊技の結果により表示される図柄の組合せに基づいて、設定示唆演出を実行するか否かを分けるため、前記ペナルティを課す/課さない等とは同じことにはならず、遊技の公正を害するものにはならない。
第52の構成によれば、設定示唆演出が可能な契機の到来時、遊技者の意思によりその演出を見ることも見ないことも選べ、より多くの遊技者の満足度を高め得る遊技機を提供することができる。
[第53の構成の遊技機]
従来、特許文献1(例えば、特開2018−68526号公報)に記載されているように、再遊技確率の高いリプレイタイムRT2中に、40ゲームを1セットとしたアシストタイムATを作動させるセット継続型のARTを搭載し、スイカや角チェリー、中段チェリー等のチャンス役の当籤を契機にARTのセット数をストックし、ストックがある限りARTを継続させる遊技機が知られている(段落0037,0057、図5等)。
また、特許文献2(例えば、特開2018−75081号公報)に記載されているように、押し順ベル等の、押し順により表示する図柄の組合せが異なる押し順役の当選時、所定の図柄の組合せを表示する正解押し順を、指示機能の作動無し(ナビ無し)で当てることができると、所定の遊技ポイントを加算し、貯めたポイントに応じてARTのセット数をストックする遊技機が知られている(段落0232等)。
しかし、押し順当て等の停止操作の選択によりARTのセットストック等の特典を付与するものは、停止操作の選択に失敗すると、遊技者に大きな失望感を与える。
よって、遊技者に大きなストレスを与え、遊技興趣を低下させる恐れがある。
実際に市場でも、押し順当ての成功を条件に、ATやARTの突入、継続、引戻し等の特典を付与する遊技機では、遊技者から、「押し順当ては難し過ぎる」等の不満の声が聞かれることがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、停止操作を選択すべき場合の失敗時のストレスを軽減でき、遊技興趣の低下を防止できる遊技機を提供することを課題とし、この課題を解決するために、以下のような第53構成の遊技機を提供する。
遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
遊技者の停止操作の態様に応じて表示する図柄の組合せが異なる特定役(例えば、押し順リプ等)の当籤時、適合する停止操作を条件に、遊技者に有利な特典(例えば、ATのセットストック等)を付与可能とした遊技機において、
前記特定役の当籤時に適合する停止操作がされなかった場合、後の前記特定役の当籤時に適合する停止操作をすることが、前の前記特定役の当選時に比べて高い確率で可能になる(例えば、停止操作の選択肢を減少させる等)ようにしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技者が適合する停止操作を行えずに失敗しても、次は成功し易くなる。よって、遊技者のストレスを軽減できる。
以上の遊技機において、
前記特典は、特定遊技期間中(例えば、1セットのAT中等)に付与し、
前記特典の付与の条件とする適合する停止操作は、適合する停止操作がされない限り、一の特定遊技期間中は複数の候補の中から決定する特定の停止操作に定めている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、遊技者が適合する停止操作を行えずに失敗しても、後の成功率を適切に高めることができ、失敗するほど、適合する停止操作に辿り着き易くなる。
この場合の遊技機において、
適合する停止操作について一の候補の決定時と、他の候補の決定時とで、適合する停止操作がされなかった場合に表示する図柄の組合せが同一態様になるようにしている
ことを特徴とする遊技機。
これにより、決定された候補に対応した停止操作がされなかった場合に表示する図柄の組合せにより、決定された候補を推測するのが困難になり、適合する停止操作を成功させる遊技を適切かつ公平に行える。
第53の構成によれば、停止操作を選択すべき場合の失敗時のストレスを軽減でき、遊技興趣の低下を防止できる遊技機を提供することができる。
1…パチスロ、3L,3C,3R…リール、4…リール表示窓、6…情報表示器、11…表示装置、17L,17C,17R…ストップボタン、18…サブ表示装置、71…主制御基板、72…副制御基板、90…主制御回路、91…マイクロプロセッサ、101…メインCPU、102…メインROM、103…メインRAM、107…演算回路、114…第1シリアル通信回路、115…第2シリアル通信回路、200…副制御回路、201…サブCPU201、301…第1インターフェースボード、302…第2インターフェースボード

Claims (4)

  1. 遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
    遊技状態に、所定のボーナス役を抽籤するボーナス非当籤状態と、前記ボーナス役の作動図柄の組合せの表示により開始させるボーナス作動状態とを含む遊技機において、
    前記ボーナス非当籤状態中に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させるアシストタイムを作動可能にしており、
    前記ボーナス作動状態は、遊技媒体の獲得に係る小役の抽籤態様を前記ボーナス非当籤状態と同じにしたボーナス作動中の一般遊技状態から始まり、
    前記ボーナス作動中の一般遊技状態からは、所定のシフト役の当籤に基づいて表示可能なシフト役作動図柄の組合せの表示後、小役の抽籤態様を変動させるシフト役作動状態に移行可能にしていると共に、前記シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、前記シフト役の当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態に移行可能にしており、
    前記シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態よりも高くし、
    前記シフト役作動状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態よりも低くしている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技者の開始操作に基づいて図柄の変動表示を開始させ、内部当籤役と遊技者の停止操作とに基づいて図柄の変動表示を停止させ、
    遊技状態に、所定のボーナス役を抽籤するボーナス非当籤状態と、前記ボーナス役の作動図柄の組合せの表示により開始させるボーナス作動状態とを含む遊技機において、
    前記ボーナス非当籤状態中に、遊技者の停止操作に関する情報を報知する指示機能を作動させるアシストタイムを作動可能にしており、
    前記ボーナス作動状態は、遊技媒体の獲得に係る小役の抽籤態様を前記ボーナス非当籤状態と同じにしたボーナス作動中の一般遊技状態から始まり、
    前記ボーナス作動中の一般遊技状態からは、所定のシフト役の当籤に基づいて表示可能なシフト役作動図柄の組合せの表示後、小役の抽籤態様を変動させるシフト役作動状態に移行可能にしていると共に、前記シフト役作動図柄の組合せの表示を回避することにより、前記シフト役の当籤フラグを持ち越したシフト役内部当籤状態に移行可能にしており、
    前記シフト役内部当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を、前記シフト役作動状態を含む他の遊技状態よりも高くしている
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 遊技媒体の獲得に係る小役に、投入数を超える第1高配当の遊技媒体を獲得できる第1高配当役と、前記第1高配当を超える第2高配当の遊技媒体を獲得できる第2高配当役とを重複当籤対象に含む特定役を有し、
    前記特定役の当籤時、前記ボーナス非当籤状態では、前記第1高配当役を入賞可能とし、前記シフト役内部当籤状態では、前記第2高配当役を入賞させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記ボーナス非当籤状態では、獲得遊技媒体数の期待値を前記指示機能の作動下における前記ボーナス非当籤状態よりも低くした所定の役物を抽籤する
    ことを特徴とする請求項1又は2若しくは3に記載の遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019013386A (ja) * 2017-07-05 2019-01-31 山佐株式会社 遊技機

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