LTE(例えば、3GPP Rel.10〜14)、NR(例えば、3GPP Rel.15〜)等の無線通信システムでは、複数のコンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))を統合(aggregate)するキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation(CA))がサポートされている。
各CCは、所定の帯域幅(例えば、LTEでは、最大20MHz)で構成されてもよい。また、CAで統合されるCC数は、例えば、LTEでは、最大5CC又は最大32CCであってもよい。なお、各CCの帯域幅及びCAで統合されるCC数は、これらに限られない。また、CCは、セル、サービングセル又はキャリア等と言い換えられてもよい。
CAでは、第1の(first)セル(例えば、プライマリセル(Primary Cell(Pセル)、Pセル))と、第2の(second)セル(例えば、セカンダリセル(Secondary Cell(SCell)、Sセル))と、が統合されてもよい。第2のセルは、一以上であってもよい。CAにより統合される複数のセルは、上位レイヤシグナリング(例えば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング)により、ユーザ端末(User Equipment(UE))に設定(configure)されてもよい。
例えば、CAにより統合される複数のセルそれぞれにおいて複数の下りデータが送信される場合、下りデータの送信に利用可能な帯域幅が拡大するので、下りスループット(例えば、下りMedium Access Control(MAC)スループット)の向上に有効である。
ところで、CAにより統合される複数のセルそれぞれにおいて複数の下りデータが送信される場合、UEは、特定のセル(例えば、Pセル)において、当該複数の下りデータそれぞれに対する送達確認情報をフィードバックしてもよい。当該送達確認情報は、例えば、MACレイヤにおける送達確認情報(例えば、Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement(HARQ−ACK)、ACK/NACK、A/Nなどと呼ばれてもよい)、及び、Transmission Control Protocol(TCP)レイヤにおける送達確認情報の少なくとも一つ等であるが、これらに限られず、所定のレイヤの送達確認情報であればよい。
例えば、LTEでは、UEは、複数のセルそれぞれにおいて下りデータを伝送する下り共有チャネル(例えば、Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))を受信する。UEは、当該複数のセルそれぞれのPDSCHに対する複数のA/Nを、特定のセル(例えば、Pセル)の上り制御チャネル(例えば、Physical Uplink Control Channel(PUCCH))又は上り共有チャネル(例えば、Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))を用いて送信(フィードバック、報告)してもよい。
具体的には、UEは、当該複数のA/Nの送信タイミング(例えば、PDSCHを受信してから所定期間後のサブフレーム又はスロット)において当該UEに対してPUSCHが割り当てられる場合、当該PUSCHを用いて当該複数のA/Nを送信してもよい。一方、UEは、当該複数のA/Nの送信タイミングにおいて当該UEに対してPUSCHが割り当てられない場合、PUCCHを用いて、当該複数のA/Nを送信してもよい。
複数のA/Nをフィードバックするセル(例えば、Pセル)において、PUCCH用のリソース(PUCCHリソース)は、当該セルの帯域幅(セル帯域幅、システム帯域幅、帯域、システム帯域等ともいう)内の所定の周波数領域(例えば、両端領域)(PUCCH領域(region)ともいう)に割り当てられてもよい。例えば、各PUCCHリソースは、一つ又は複数のリソースブロック(物理リソースブロック(Physical Resource Block(PRB)))で構成されてもよい。
図1A及び1Bは、あるセルの帯域幅内に割り当てられるPUCCH領域の一例を示す図である。図1Aでは、CAが適用されない(オフである)場合におけるPUCCH領域の一例が示される。図1Bでは、CAが適用される(オンである)場合におけるPUCCH領域の一例が示される。
図1Aに示すように、CAが適用されない場合、PUCCH領域には、当該セルのチャネル状態情報(Channel State Information(CSI))用のPUCCHリソース、A/N用のPUCCHリソース、当該セルにおけるPUSCHのスケジューリング要求(Scheduling Request(SR))用のPUCCHリソースの少なくとも一つが割り当てられてもよい。
なお、各PUCCHリソースは、所定の時間単位(例えば、サブフレーム内のスロット又は所定数のシンボル)毎に周波数ホッピングしてもよい。また、CSIは、チャネル品質識別子(Channel Quality Indicator(CQI))、プリコーディング行列識別子(Precoding Matrix Indicator)、ランク識別子(Rank Indicator(RI))の少なくとも一つを含んでもよい。
また、図1Aにおいて、当該PUCCH領域以外の周波数領域(一以上のPRB)には、一つ又は複数のUEに対するPUSCHが割り当てられ(スケジューリングされ)てもよい。
図1Bに示すように、CAが適用される場合、当該PUCCH領域には、CAにより統合される複数のセル(ここでは、CC#1〜#3)それぞれで伝送されるPDSCHに対するA/N用のPUCCHリソースが割り当てられてもよい。また、図1Bに示すように、当該PUCCH領域には、当該セルのCSI用のPUCCHリソース、SR用のPUCCHリソースの少なくとも一つが割り当てられてもよい。
図1Bに示すように、CAが適用される場合、PDSCHが伝送されるセル数に応じてA/N用のPUCCHリソースが増加する結果、当該セルの帯域幅内でPUSCHに割り当て可能な周波数領域(PUSCH帯域、PUSCH領域、帯域、帯域幅等ともいう)は、CAが適用されない場合(例えば、図1A)と比べて減少する。
このように、下り用にCA(下りCA、単に、CAともいう)が適用される場合、複数のセルそれぞれのPDSCHに対するA/Nをフィードバックするセル(例えば、Pセル)では、PUSCH帯域が逼迫する恐れがある。PUSCH帯域が逼迫すると、UEがPDSCHに対するA/Nを適切にフィードバックできず、PDSCHの再送が繰り返される結果、CAによる下りスループットの向上効果を適切に得ることができない恐れがある。
特に、所定の条件下(例えば、通勤時のターミナル駅や動線、競技場やイベント会場等の集客施設など、相対的に高いトラヒックの環境)では、PUSCH帯域の逼迫により、A/NをフィードバックできないUE数(下りデータに対する無応答端末の数)が増加する恐れがある。この場合、再送される下りデータが増加し、新規の下りデータが送信できない状態が持続的に発生する(下りデータの待ち行列が発生する)恐れがある。この結果、ユーザ体感では、通信不能状態(ゼロスループット)として表される恐れがある。
図2は、PUSCH帯域の逼迫時の下りデータの送受信状況の一例を示す図である。図2に示すように、サーバは、初回送信のUEに対する下りデータを基地局(例えば、eNodeB(eNB))に送信する。基地局は、一以上のセルのPDSCHを用いて、当該下りデータを送信する。
例えば、図2では、UEは、特定のセル(例えば、Pセル)のPUSCH又はPUCCHを用いてA/Nをフィードバックしようとするが、当該特定のセルのPUSCH帯域の逼迫により、当該PDSCHに対するA/Nは基地局に到達しない。
この場合、サーバは、UEからの応答信号を受領できないため、同一の下りデータを再送する。基地局は、サーバから再送された下りデータを、UEにPDSCHを送信する。しかしながら、当該PDSCHに対するA/Nも基地局に到達しない。この結果、下りデータの再送が繰り返され、新規の下りデータを送信できない状態となってしまう。
図3A及び3Bでは、PUSCH帯域の逼迫時における下りデータ量と下りスループットの一例が示される。図3Aに示すように、PUSCH帯域の逼迫により下りデータに対して無応答のUEが増加する場合、基地局から送信される下りデータの総量における、初回送信データに対する再送データの割合が増加する。
図3Aに示すように再送データの割合が増加する場合、初回送信データの割合が低下するため、図3Bに示すように、下りスループットも低下する。
以上のように、CAにより統合される複数のセルそれぞれのPDSCHに対するA/Nのフィードバック用のPUCCHリソースによりPUSCH帯域が逼迫する場合、下りの帯域幅の拡大による下りスループットの向上効果を十分に得られない恐れがある(加えて、ゼロスループットに陥る可能性もある)。また、PUSCH帯域が逼迫する場合、PUSCHを迅速に割り当てることができない結果、上りスループットが低下する恐れもある。
所定の閾値よりもトラヒックが定常的に高くなるエリア(高トラヒックエリア)では、基地局は十分に配置され、フルバンド化も完了しているケースが支配的である。このような高トラヒックエリアでは、基盤上新たに基地局を追加することが困難な状況であることが多く、既に配置された基地局(既存局)のポテンシャルを最大化して、スループットの低下を防止する(ゼロスループットのユーザを救済する)手法が求められている。
このようなPUSCH帯域の逼迫によるスループット(下りスループット及び上りスループットの少なくとも一つ)の低下を防止するためには、CAをオンからオフに切り替えることが考えられる。一方、CAをオフにし続ける場合、CAによるスループットの向上効果を効果的に得られない恐れがある。
そこで、本発明者らは、PUSCH帯域の逼迫状況(或いは、トラヒック)をモニタ(monitor)(又は推定)して、CAのオン又はオフを自律的に切り替えることにより、スループットを最適化し得ることを着想した。
例えば、本発明者らは、PUSCH帯域の逼迫が想定される場合(或いは、高トラヒックの場合)、CAをオンからオフに切り替えて、PUSCH帯域の拡張及びCA関連の制御信号の低減の少なくとも一つを可能とすることにより、PDSCHに対するA/Nの未達による下りスループットの低下を防止することを着想した。また、本発明者らは、PUSCH帯域の逼迫が想定されない場合(或いは、低トラヒックの場合)、CAをオフからオンに切り替えて、CAにより統合される複数のセルでのPDSCHの送信及びCA関連の制御信号の送信の少なくとも一つを可能とするにより、下りスループットを向上させることを着想した。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施の態様に示した構成は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
(第1の態様)
第1の態様では、CAのオン又はオフの切り替え判定に用いる指標について説明する。CAのオン又はオフへの切り替えは、PUSCH帯域の逼迫状況に基づいて決定されてもよい。当該PUSCH帯域の逼迫状況のモニタ(推定)には、例えば、「基地局のトラヒック」が用いられてもよい。
「基地局のトラヒック」は、基地局が形成するセル毎のトラヒックであってもよいし、基地局が形成する少なくとも一つのセルのトラヒックであってもよいし、特定のセル(例えば、Pセル、PUCCH SCellなど)のトラヒックであってもよい。
「基地局のトラヒック」は、例えば、以下の(1)〜(4)の少なくとも一つのパラメータ(メトリック、指標)を含んでもよい。
(1)無線区間のデータ流量
(2)基地局内のデータ滞留量
(3)ユーザ数
(4)基地局の装置負荷
(1)無線区間のデータ流量は、一以上のパラメータに基づいてモニタ(推定)されてもよい。当該一以上のパラメータは、一以上のレイヤ(例えば、レイヤ1(L1)、レイヤ2(L2)、レイヤ3(L3)以上)のパラメータを含んでもよい。また、当該一以上のパラメータは、一以上のプロコトル(例えば、MAC、Radio Link Control(RLC)、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)、RRC、Non-Access Stratum(NAS))のパラメータを含んでもよい。
例えば、L1のパラメータは、PUSCHに利用可能なリソースブロックの数、PUSCHで伝送されるパケット数(例えば、トランスポートブロック(Transport Block(TB))の数又はコードブロック(Code Block(CB))の数)、周波数利用効率の少なくとも一つを含んでもよい。
また、L2のパラメータは、MACレイヤ(プロトコル)のパケット数(例えば、MACプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit(PDU))の数及びMACサービスデータユニット(Service Data Unit(SDU))の数の少なくとも一つ)を含んでもよい。また、L2のパラメータは、RLCレイヤ(プロコトル)のパケット数(例えば、RLC PDUの数及びRLC SDUの数の少なくとも一つ)を含んでもよい。また、L2のパラメータは、PDCPレイヤ(プロコトル)のパケット数(例えば、PDCP PDUの数及びPDCP SDUの数の少なくとも一つ)を含んでもよい。
また、L3以上のパラメータは、RRCメッセージ数及びNASメッセージ数の少なくとも一つを含んでもよい。
(2)基地局内のデータ滞留量は、当該基地局のバッファ内の滞留データ量及びリソース使用数(量)の少なくとも一つに基づいてモニタ(推定)されてもよい。当該バッファ内の滞留データ量は、下り及び上りの少なくとも一方の滞留データ量、下り及び上りの少なくとも一方において滞留データが存在する論理チャネル(Logical Channel)の数の少なくとも一つ、及び、下り及び上りの少なくとも一方において滞留データが存在するユーザ数(又はUE数)の少なくとも一つと言い換えられてもよい。当該リソース使用数は、リソースブロック数(例えば、PUSCHに割り当てられたリソースブロック数)及びベースバンドバンドリソース数の少なくとも一つを含んでもよい。
(3)ユーザ数は、アクティブ状態(例えば、RRCコネクティッド)のUE数及び間欠受信(Discontinuous Reception(DRX))状態でないUE数の少なくとも一つに基づいてモニタ(推定)されてもよい。当該UE数は、基地局の全セルでモニタされてもよいし、一部のセルでモニタされてもよい。
(4)基地局の装置負荷は、基地局のCentral Processing Unit(CPU)の使用率に基づいてモニタ(推定)されてもよい。
以上の(1)〜(4)の少なくとも一つを含む「基地局のトラヒック」は、所定周期でモニタ(推定)されてもよい。
第1の態様によれば、CAのオン又はオフの切り替え判定に用いるPUSCH帯域の逼迫状況(基地局のトラヒック)が適切をモニタリングすることができる。
(第2の態様)
第2の態様では、PUSCH帯域の逼迫状況(例えば、第1の態様で説明した「基地局のトラヒック」)に応じたCAのオン又はオフの切り替え処理について説明する。
基地局は、CAのオン又はオフの切り替え処理は、(1)Sセルの設定(configure)に関する処理(Sセル設定処理)、(2)セル帯域幅の構成変更に関する処理(構成変更処理)の少なくとも一つを含んでもよい。
(1)Sセル設定処理は、UEにSセルとして設定(configure)される一以上のセルを削除又は追加する処理であってもよい。例えば、基地局は、CAをオフに切り替える場合、UEにSセルとして設定される少なくとも一つのセルを削除してもよい。具体的には、基地局は、当該削除するセルに関する情報(例えば、Sセルのインデックス)をUEに送信してもよい。また、UEは、当該情報に基づいてSセルの設定を変更してもよい。
一方、基地局は、CAをオンに切り替える場合、UEにSセルとして設定される少なくとも一つのセルを追加してもよい。具体的には、基地局は、当該追加するセルに関する情報(例えば、Sセルのインデックス、物理セルID及びキャリア周波数の少なくとも一つ)をUEに送信してもよい。また、UEは、当該情報に基づいてSセルの設定を変更してもよい。
(2)構成変更処理は、各セル帯域幅内におけるPUSCH帯域を拡張又は縮小する処理であってもよい。例えば、基地局は、CAをオフに切り替える場合、Sセル用のPUCCHリソースを解放して(PUCCH領域を縮小して)、PUSCH帯域を拡張してもよい。一方、基地局は、CAをオンに切り替える場合、Sセル用のPUCCHリソースを割り当て(PUCCH領域を拡張して)、PUSCH帯域を縮小してもよい。
第2の態様において、CAをオフ又はオンに切り替える場合、基地局は、上記(1)及び(2)に含まれる処理を一括で行ってもよいし(一括制御)、段階的に行ってもよい(段階的制御)。
<一括制御>
一括制御では、PUSCH帯域の逼迫状況(例えば、基地局のトラヒック)に関する所定の閾値に基づいて、CAのオン又はオフの切り替えが判定されてもよい。例えば、基地局は、トラヒックが所定の閾値以上である(又はより大きい)場合、CAをオフにすることを決定してもよい。また、基地局は、トラヒックが所定の閾値より小さい(又は以下である)場合、CAをオンにすることを決定してもよい。当該トラヒックは、第1の態様で説明した通りである。
≪判定動作≫
図4は、第2の態様に係る一括制御におけるトラヒックとスループットとの関係の一例を示す図である。図4に示すように、基地局は、当該基地局のトラヒックが所定の閾値以上である(より大きい)場合、CAをオフに切り替えてもよい。一方、基地局は、当該基地局のトラヒックが所定の閾値より小さい(以下である)場合、CAをオンに切り替えてもよい。
なお、当該トラヒックとして、第1の態様で述べた上記(1)〜(4)の少なくとも一つのパラメータがモニタされればよい。また、当該トラヒックのモニタは、基地局自身で行われてもよいし、他の装置でのモニタ結果が基地局に通知されてもよい。また、当該トラヒックのモニタは所定周期で行われればよい。
図4に示すように、所定の閾値は、スループットに基づいて決定されてもよい。具体的には、CAオンの場合及びCAオフの場合のスループットがモニタリング(推定)され、CAオフの場合のスループットがCAオンの場合のスループットよりも大きくなる(以上となる)トラヒックのポイント(切り替えポイント)が所定の閾値として設定されてもよい。
図4に示すように、基地局のトラヒックと所定の閾値とに基づいてCAのオン又はオフを自律的(動的)に切り替えることにより、スループット(例えば、ピークスループット、ユーザスループット)を最大化できる。
具体的には、トラヒックが所定の閾値以上である(又はより大きい)場合(高トラヒックの場合)、下りCAをオンからオフに切り替えることにより、下りCAをオンにし続ける場合と比較してスループットを改善できる。高トラヒックの場合、PUSCH帯域幅の逼迫(例えば、図1B)により、図2で説明したように送達確認情報の不到達により新規の下りデータが送信できないゼロスループットの状態に陥る。この結果、下りCAによるPUSCH帯域幅の逼迫による下りスループットの低下効果が、下りCAによる下り帯域幅の拡張による下りスループットの向上効果を上回ってしまう恐れがある。一方、CAオフに切り替えることにより、各セルのPUSCH帯域の逼迫を緩和できるので(例えば、図1A)、各セルで下りデータに対する送達確認情報が基地局に到達可能となり、当該送達確認情報に基づいて新規の下りデータを送信可能となる結果、ゼロスループットのユーザを救済できる(下りCAによるPUSCH帯域幅の逼迫による下りスループットの低下を防止できる)。この結果、下りCAによる下り帯域幅の拡張による下りスループットの向上効果を得られるため、スループットを改善できる。
一方、トラヒックが所定の閾値より小さい(又は以下である)場合(低トラヒックの場合)、下りCAをオフからオンに切り替えることにより、下りCAをオフにし続ける場合と比較してスループットを改善できる。低トラヒックの場合、PUSCH帯域幅の逼迫(例えば、図1B)が生じても、各セルで下りデータに対する送達確認情報が基地局に到達可能となる可能性が高いので、当該送達確認情報に基づいて新規の下りデータを送信可能となる結果、ゼロスループットのユーザは生じ難い。この場合、下りCAによるPUSCH帯域幅の逼迫による下りスループットの低下効果よりも、下りCAによる下り帯域幅の拡張による下りスループットの向上効果を大きく得られる。このため、低トラヒックの場合、下りCAをオンにしても、下りスループットを維持できる。
≪一括制御動作≫
次に、第2の態様に係るCAのオフ及びオンの一括制御の詳細動作について説明する。
図5A及び5Bは、第2の態様に係る一括制御の概念図である。例えば、図5Aでは、CAのオン状態とオフ状態の一例が示される。図5Bでは、当該CAのオン状態及びオフ状態におけるセルの帯域内の構成の一例が示される。
図5Aに示すように、CAのオン状態では、UEは、Pセル及びSセル#0及び#1それぞれにおいてPDSCHを受信してもよい。当該UEは、3つのセルで受信されたPDSCHに対するA/NをPセルのPUCCH又はPUSCHを用いて送信してもよい。また、図5Bに示すように、Pセルの帯域幅内には、Pセル用のPUCCH領域及びSセル(ここでは、Sセル#0及び#1)用のPUCCH領域が確保されてもよい。
一方、CAのオフ状態では、UEに設定されるSセル#0及び#1が削除される。この場合、UEは、PセルだけでPDSCHを受信してもよい。当該UEは、一つのセルで受信されたPDSCHに対するA/NをPセルのPUCCH又はPUSCHを用いて送信してもよい。また、図5Bに示すように、Pセルの帯域幅内には、Sセル用のPUCCH領域が確保されず、Pセル用のPUCCH領域が確保されてもよい。
図6は、第2の態様に係るCAオフの一括制御の動作の一例を示す図である。なお、図6では、例えば、図5Aに示すように、基地局は、Pセル及びSセル#0及び#1のCAを用いてUEと通信するものとする。なお、図6におけるUEは、基地局と通信する少なくとも一つのUE(例えば、全UE)であればよい。
ステップS101において、基地局は、所定周期でトラヒックをモニタする。ステップS102において、基地局は、モニタされたトラヒックが所定の閾値以上であるか否かを判定する。トラヒックが所定の閾値より小さい場合(ステップS102;NO)、本動作はステップS101に戻る。なお、図示しないが、ステップS102では、モニタされたトラヒックが所定の閾値より大きいか否かが判定されてもよい。なお、当該トラヒックとしては、第1の態様で説明した少なくとも一つのパラメータがモニタされてもよい。
トラヒックが所定の閾値以上である場合(ステップS102;YES)、ステップS103において、基地局は、CAによりPセルと統合されるSセルを削除する。具体的には、基地局は、Sセルの設定から削除するセルに関する情報(例えば、Sセルインデックスなど)をUEに送信する。当該削除するセルに関する情報は、例えば、RRC再設定(re-configuration)メッセージに含まれてもよい。
ステップS104において、UEは、基地局から受信した情報に基づいてSセルを削除すると、応答メッセージを基地局に送信してもよい。当該応答メッセージは、例えば、RRC再設定完了メッセージであってもよい。
ステップS105において、基地局は、UEからの応答メッセージに基づいて、PセルのPUSCH帯域を拡張してもよい。具体的には、図5Bに示すように、基地局は、Pセルの帯域幅内に確保されたSセル用のPUCCH領域を解放し、当該Sセル用のPUCCH領域をPUSCHに割り当て可能としてもよい。
また、基地局は、Sセルのスケジューリングを停止してもよい。SセルにおけるPDSCHのスケジューリングを停止することにより、図5BにおいてPUSCHに多重される上り制御情報(Uplink Control Information(UCI)(例えば、Sセルで送信されるPDSCHに対するA/N))を削減できる。
このように、Sセルの削除と、Sセル用のPUCCH領域の解放によるPUSCH帯域の拡張とを一括して行うことにより、図4に示すように、高トラヒック下におけるPUSCH帯域の逼迫によるスループットの低下を迅速に抑制することができる。
図7は、第2の態様に係るCAオンの一括制御の動作の一例を示す図である。なお、図7では、図6との相違点を中心に説明する。図7のステップS201は、図6のステップS101と同様である。
ステップS202において、基地局は、モニタされたトラヒックが所定の閾値以上であるか否かを判定する。トラヒックが所定の閾値以上である場合(ステップS202;YES)、本動作はステップS201に戻る。なお、図示しないが、ステップS202では、モニタされたトラヒックが所定の閾値より大きいか否かが判定されてもよい。
トラヒックが所定の閾値より小さい場合(ステップS202;NO)、ステップS203において、基地局は、PセルのPUSCH帯域を縮小してもよい。具体的には、図5Bに示すように、基地局は、Pセルの帯域幅内にSセル用のPUCCH領域を確保し、当該Sセル用のPUCCH領域をPUSCHに割り当て不可能としてもよい。
ステップS204において、基地局は、CAによりPセルと統合されるSセルを追加する。具体的には、基地局は、Sセルの設定に追加するセルに関する情報(例えば、Sセルインデックスなど)をUEに送信する。当該追加するセルに関する情報は、例えば、RRC再設定メッセージに含まれてもよい。
ステップS205において、UEは、基地局から受信した情報に基づいてSセルを追加すると、応答メッセージを基地局に送信してもよい。当該応答メッセージは、例えば、RRC再設定完了メッセージであってもよい。
ステップS206において、基地局は、Sセルのスケジューリングを開始してもよい。SセルにおけるPDSCHのスケジューリングを開始することにより、例えば、Sセルで送信されるPDSCHに対するA/Nが、図5Bに示されるSセル用のPUCCH領域に割り当てられるPUCCH又はPUSCHに多重されて送信される。なお、ステップS203と、S204及びS205との順番は入れ替えられてもよい。
このように、Sセルの追加と、Sセル用のPUCCH領域の割り当てとを一括して行うことにより、低トラヒック下におけるCAによる帯域幅拡張によるスループットの向上効果を迅速に得ることができる(図4参照)。
<段階的制御>
段階的制御では、PUSCH帯域の逼迫状況(例えば、基地局のトラヒック)に関する複数の閾値に基づいて、CAのオン又はオフの制御が複数の段階で判定されてもよい。例えば、基地局は、CAオフの制御において、Sセルの非設定(削除)、PUSCH帯域の構成変更を段階的に制御してもよい。また、CAオンの制御において、Sセルの設定(CAの開始)、Sセルの追加(Sセルの数の変更)を段階的に制御してもよい。
≪判定動作≫
図8は、第2の態様に係る段階的制御におけるトラヒックとスループットとの関係の一例を示す図である。図8に示すように、段階的制御では、基地局は、複数の閾値(例えば、図8では、閾値1〜3)を用いて、Sセルの数、セルの帯域幅内におけるPUSCH帯域の構成を切り替えてもよい。図8では、図4との相違点を中心に説明する。
例えば、図8に示すように、また、トラヒックが閾値1(第1の閾値)より小さい(又は以下である)場合、基地局は、X個のSセルとPセルとでCAを行ってもよい。トラヒックが閾値1以上で(又はより大きい)、かつ、閾値2(第2の閾値)より小さい(又は以下である)場合、基地局は、Y(Y<X)個のSセルとPセルとでCAを行ってもよい。
また、トラヒックが閾値2以上で(又はより大きい)、かつ、閾値3(第3の閾値)より小さい(又は以下である)場合、基地局は、Sセルとして設定される全セルを削除(すなわち、CAを解除)してもよい。また、トラヒックが閾値3以上である(又はより大きい)場合、基地局は、Sセル用のPUCCH領域を解放して、PUSCH帯域を拡張してもよい。
図8に示すように、段階的制御に用いられる複数の閾値は、スループットが最大化するトラヒックのポイント(切り替えポイント)に基づいて設定されてもよい。図8に示すように、複数の閾値を用いてCAのオン又はオフを段階的に制御する場合、スループットをより柔軟に制御できる。
なお、図8に示される閾値の数は例示にすぎず、4以上の閾値が用いられてもよいし、1又は2個の閾値が用いられてもよい。また、複数の閾値は、同一のパラメータの閾値であってもよいし、当該複数の閾値の少なくとも一つは、異なるパラメータの閾値であってもよい。また、図8では、4段階の制御が示されるが、一部の段階が削除されてもよいし、不図示の制御(例えば、Z(Z>X)個のSセルのCAを行う段階)が追加されてもよい。
≪段階的制御動作≫
次に、第2の態様に係るCAのオフ及びオンの段階的制御の詳細動作について説明する。
図9A〜9Cは、第2の態様に係る段階的制御の概念図である。例えば、図9Aでは、PセルとX(ここでは、例えば、2)個のSセルとのCA(オン状態の一例)が示される。図9Bでは、PセルとY個(ここでは、例えば、1)のSセルとのCA(オン状態の他の例)が示される。図9Cでは、CAのオフ状態の一例が示される。図10A〜10Dは、セルの帯域内の構成の一例が示される。
図9Aでは、UEは、Pセル及びSセル#0及び#1それぞれにおいてPDSCHを受信してもよい。当該UEは、3つのセルで受信されたPDSCHに対するA/NをPセルのPUCCH又はPUSCHを用いて送信してもよい。この場合、図10Aに示すように、Pセルの帯域幅内には、Sセル用のPUCCH領域が確保され、PUSCHには、UCI(例えば、Pセル及びSセルのPDSCHに対するA/N、CSI及びSRの少なくとも一つ)が多重されてもよい。また、PUSCHには、CA関連の制御信号(例えば、RRCメッセージ)等が多重されてもよい。
また、図9Bでは、UEは、Pセル及びSセル#0においてPDSCHを受信してもよい。当該UEは、2つのセルで受信されたPDSCHに対するA/NをPセルのPUCCH又はPUSCHを用いて送信してもよい。この場合、図10Bに示すように、Pセルの帯域幅内には、Sセル用のPUCCH領域が確保されるが、Sセル数の減少により、PUSCHに多重されるUCIは図10Aと比較して減少してもよい。
また、図9Cでは、UEは、PセルにおいてPDSCHを受信してもよい。当該UEは、一つのセルで受信されたPDSCHに対するA/NをPセルのPUCCH又はPUSCHを用いて送信してもよい。この場合、図10Cに示すように、Pセルの帯域幅内には、Sセル用のPUCCH領域が確保されるが、Sセルの削除により、PUSCHには、SセルのUCIは多重されなくともよい。
また、図10Dに示すように、基地局は、所定の条件が満たされる場合(例えば、図8では、トラヒックが閾値3以上である(又はより大きくなる)場合)、Sセル用のPUCCH領域を解放して、PUSCH帯域を拡張してもよい。
図11は、第2の態様に係るCAオフの段階的制御の動作の一例を示す図である。なお、図11では、図6との相違点を中心に説明する。また、図11では、図8で説明したように、4段階の制御を示すが、これに限られない。上述の(1)Sセル設定処理及び(2)構成変更処理が少なくとも別々に行われば、3段階の制御(例えば、CAオン、全セル削除、PUSCH帯域拡張)であってもよいし、5段階以上の制御であってもよい。
ステップS301において、基地局は、所定周期でトラヒックをモニタする。ステップS301において、基地局は、モニタされたトラヒックが閾値1以上であるか否かを判定する。トラヒックが閾値1より小さい場合(ステップS302;NO)、本動作はステップS301に戻る。なお、図示しないが、ステップS302では、モニタされたトラヒックが閾値1より大きいか否かが判定されてもよい。
トラヒックが閾値1以上である場合(ステップS302;YES)、ステップS303において、基地局は、CAによりPセルと統合されるSセルの一部を削除する(例えば、図9B、10B参照)。具体的には、基地局は、Sセルの設定から削除する一部のセルに関する情報(例えば、Sセルインデックスなど)をUEに送信する。当該削除するセルに関する情報は、例えば、RRC再設定メッセージに含まれてもよい。
ステップS304において、UEは、基地局から受信した情報に基づいて一部のセルをSセルの設定から削除すると、応答メッセージを基地局に送信してもよい。当該応答メッセージは、例えば、RRC再設定完了メッセージであってもよい。
また、基地局は、削除したSセルにおけるスケジューリングを停止してもよい。SセルにおけるPDSCHのスケジューリングを停止することにより、図10Bに示すように、においてPUSCHに多重されるUCI(例えば、Sセルで送信されるPDSCHに対するA/N)を軽減できる。
ステップS305において、基地局は、所定周期でトラヒックをモニタする。ステップS306において、基地局は、モニタされたトラヒックが閾値2以上であるか否かを判定する。トラヒックが閾値2より小さい場合(ステップS306;NO)、本動作はステップS305に戻る。なお、図示しないが、ステップS306では、モニタされたトラヒックが閾値2より大きいか否かが判定されてもよい。
トラヒックが閾値2以上である場合(ステップS306;YES)、ステップS307において、基地局は、CAによりPセルと統合されるSセルの全てを削除する(例えば、図9C、10C参照)。具体的には、基地局は、Sセルの設定から削除するセルに関する情報(例えば、Sセルインデックスなど)をUEに送信する。当該削除するセルに関する情報は、例えば、RRC再設定メッセージに含まれてもよい。
ステップS308において、UEは、基地局から受信した情報に基づいて全Sセルを削除すると、応答メッセージを基地局に送信してもよい。当該応答メッセージは、例えば、RRC再設定完了メッセージであってもよい。
また、基地局は、当該全てのSセルにおけるスケジューリングを停止してもよい。SセルにおけるPDSCHのスケジューリングを停止することにより、図10Cに示すように、においてPUSCHに多重されるUCI(例えば、Sセルで送信されるPDSCHに対するA/N)を軽減できる。
ステップS309において、基地局は、所定周期でトラヒックをモニタする。ステップS310において、基地局は、モニタされたトラヒックが閾値3以上であるか否かを判定する。トラヒックが閾値3より小さい場合(ステップS310;NO)、本動作はステップS309に戻る。なお、図示しないが、ステップS310では、モニタされたトラヒックが閾値3より大きいか否かが判定されてもよい。
トラヒックが閾値3以上である場合(ステップS310;YES)、ステップS311において、基地局は、PセルのPUSCH帯域を拡張してもよい。具体的には、図10Dに示すように、基地局は、Pセルの帯域幅内に確保されたSセル用のPUCCH領域を解放し、当該Sセル用のPUCCH領域をPUSCHに割り当て可能としてもよい。
このように、Sセルの数と、Sセル用のPUCCH領域の解放によるPUSCH帯域の拡張とを段階的に制御することにより、トラヒックに応じてスループットをより柔軟に制御できる。
図12は、第2の態様に係るCAオンの段階的制御の動作の一例を示す図である。なお、図12では、図11との相違点を中心に説明する。図12のステップS401は、図11のステップS301と同様である。
ステップS402において、基地局は、モニタされたトラヒックが閾値3以上であるか否かを判定する。トラヒックが閾値3以上である場合(ステップS402;YES)、本動作はステップS401に戻る。なお、図示しないが、ステップS402では、モニタされたトラヒックが閾値3より大きいか否かが判定されてもよい。
トラヒックが閾値3より小さい場合(ステップS402;NO)、ステップS403において、基地局は、PセルのPUSCH帯域を縮小してもよい。具体的には、図10A〜10Cに示すように、基地局は、Pセルの帯域幅内にSセル用のPUCCH領域を確保し、当該Sセル用のPUCCH領域にPUSCHに割り当て不可能としてもよい。
ステップS404において、基地局は、所定周期でトラヒックをモニタする。ステップS405において、基地局は、モニタされたトラヒックが閾値2以上であるか否かを判定する。トラヒックが閾値2以上である場合(ステップS405;YES)、本動作はステップS404に戻る。なお、図示しないが、ステップS405では、モニタされたトラヒックが閾値2より大きいか否かが判定されてもよい。
トラヒックが閾値2より小さい場合(ステップS405;NO)、ステップS406において、基地局は、CAを開始する(例えば、図9B、10B参照)。具体的には、基地局は、Sセルとして設定するセルに関する情報(例えば、Sセルインデックスなど)をUEに送信する。当該セルに関する情報は、例えば、RRC再設定メッセージに含まれてもよい。
ステップS407において、UEは、基地局から受信した情報に基づいてSセルを追加すると、応答メッセージを基地局に送信してもよい。当該応答メッセージは、例えば、RRC再設定完了メッセージであってもよい。
ステップS407において、基地局は、Sセルのスケジューリングを開始してもよい。SセルにおけるPDSCHのスケジューリングを開始することにより、例えば、Sセルで送信されるPDSCHに対するA/Nが、Sセル用のPUCCH領域又はPUSCHに多重されて送信される。
S404〜S407と同様に、S408〜S411では、トラヒックが閾値1以上であるか否かを判定することにより、CAするSセルを追加してもよい。
このように、Sセルの数と、Sセル用のPUCCH領域の割り当てとを段階的に制御することにより、トラヒックに応じてスループットをより柔軟に制御できる。
以上の第2の態様によれば、PUSCH帯域の逼迫状況(例えば、第1の態様で説明した「基地局のトラヒック」)に応じて、CAのオン又はオフが一括又は段階的に切り替えられるので、トラヒックに応じてスループットを最大化することができる。
また、第2の態様によれば、基地局を再起動せずとも(再起動を伴う設定変更なしに)、CAのオン又はオフを自律的に切り替えることができる。この結果、ユーザの無線通信を継続しながら、CAのオン又はオフを切り替えることができ、当該切り替えに伴う通信中断を防止できる。
(その他の態様)
第1の態様で説明した「基地局のトラヒック」は、基地局でモニタ(推定)されるものとするが、これに限られない。当該「基地局のトラヒック」は、コアネットワーク上の装置でモニタされてもよいし、又は、無線アクセスネットワーク上の装置でモニタされてもよい。
第2の態様で説明した一括制御及び段階的制御は、基地局によって行われるものとしたが、これに限られない。当該一括制御及び段階的制御は、コアネットワーク上の装置で行われてもよいし、又は、無線アクセスネットワーク上の装置で行われてもよい。
また、第2の態様で説明した一括制御及び段階的制御では、閾値の判定にヒステリシス(hysteresis)が適用されてもよい。例えば、図4では、トラヒックが所定の閾値以上であるか否かによって、基地局がCAオン又はCAオフを自律的に切り替えるが、基地局は、当該トラヒックが当該所定の閾値から所定範囲(ヒステリシス幅)に属するか否かによって、CAオン又はCAオフを自律的に切り替えてもよい。
また、図6のステップS102では、トラヒックが上記所定の閾値以上と(又はより大きく)なっても、当該トラヒックが当該所定の閾値から所定範囲(ヒステリシス幅)内に属する場合、UEは、ステップS101に戻り、当該所定範囲を超えると、CAをオンからオフに切り替える動作(例えば、ステップS103以降)を行ってもよい。
また、図7のステップS202では、トラヒックが上記所定の閾値より小さく(又は以下と)なっても、当該トラヒックが当該所定の閾値から所定範囲(ヒステリシス幅)内に属する場合、UEは、ステップS201に戻り、当該所定範囲を超えると、CAをオンからオフに切り替える動作(例えば、ステップS203以降)を行ってもよい。
また、図11のステップS302、S306、S310において、図6のステップS102と同様に、ヒステリシスが考慮されてもよい。また、図12のステップS402、S405、S409において、図7のステップS202と同様に、ヒステリシスが考慮されてもよい。
また、図10〜12に例示する段階的制御では、X個のSセルとのCAオンを前提としてX−Y個のSセルが削除され、Y(Y<X)個のSセルとのCAが継続されている状態(過渡状態)において(例えば、図11のS305又は図12のS408)、モニタリングされたトラヒックが閾値2以上であれば(例えば、図11のステップS306;YES)全セルが削除され、当該トラヒックが閾値1より小さければ(例えば、図12のステップS409;NO)X−Y個のSセルが追加される(X個のSセルとのCAが開始される)が、これに限られない。
例えば、上記過渡状態(例えば、図11のS305)において、モニタリングされるトラヒックは、閾値2及び閾値3の少なくとも一方と比較されてもよい。UEは、過渡状態においてモニタリングされるトラヒックが先に条件を満たす閾値に対応する処理を行ってもよい。具体的には、当該トラヒックが先に閾値2以上となる場合はY個のSセルの削除処理を行い(例えば、ステップS307、S308)、当該トラヒックが先に閾値3以上となる場合やPUSCH帯域幅の拡張処理(例えば、ステップS311)を行ってもよい。
また、上記過渡状態(例えば、図11のS305)においてモニタリングされるトラヒックが閾値3以上である場合、UEは、Y個のSセルを削除してから、次のモニタリングを行わずに、PUSCHの帯域幅を拡張してもよい。このように、第2の態様で説明した一括制御及び段階的制御は組み合わせられてもよい。
また、PUSCHの帯域幅を縮小した状態(例えば、図12のS404)において、モニタリングされるトラヒックは、閾値2及び閾値1の少なくとも一方と比較されてもよい。UEは、当該縮小状態においてモニタリングされるトラヒックが先に条件を満たす閾値に対応する処理を行ってもよい。具体的には、当該トラヒックが先に閾値2より小さく場合はY個のSセルとのCAの開始処理を行い(例えば、ステップS406、S407)、当該トラヒックが先に閾値1より小さくなる場合はX(>Y)個のSセルとのCAの開始処理を行ってもよい。
また、本明細書において、「ある閾値以上」及び「ある閾値より大きい」は、相互に言い換えられてもよい。また、「ある閾値より小さい」及び「ある閾値以下」は、相互に言い換えられてもよい。このように、本明細書におけるトラヒックの判定は、トラヒックとある閾値が比較されればよく、当該比較の際においてトラヒックが閾値を含むか否かはどちらであってもよい。
(無線通信システム)
以下、本開示の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本開示の上記態様の少なくとも一つの組み合わせを用いて通信が行われる。
図13は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1は、Third Generation Partnership Project(3GPP)によって仕様化されるLong Term Evolution(LTE)、5th generation mobile communication system New Radio(5G NR)などを用いて通信を実現するシステムであってもよい。
また、無線通信システム1は、複数のRadio Access Technology(RAT)間のデュアルコネクティビティ(マルチRATデュアルコネクティビティ(Multi-RAT Dual Connectivity(MR−DC)))をサポートしてもよい。MR−DCは、LTE(Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA))とNRとのデュアルコネクティビティ(E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN−DC))、NRとLTEとのデュアルコネクティビティ(NR-E-UTRA Dual Connectivity(NE−DC))などを含んでもよい。
EN−DCでは、LTE(E−UTRA)の基地局(eNB)がマスタノード(Master Node(MN))であり、NRの基地局(gNB)がセカンダリノード(Secondary Node(SN))である。NE−DCでは、NRの基地局(gNB)がMNであり、LTE(E−UTRA)の基地局(eNB)がSNである。
無線通信システム1は、同一のRAT内の複数の基地局間のデュアルコネクティビティ(例えば、MN及びSNの双方がNRの基地局(gNB)であるデュアルコネクティビティ(NR-NR Dual Connectivity(NN−DC)))をサポートしてもよい。
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する基地局12(12a−12c)と、を備えてもよい。ユーザ端末20は、少なくとも1つのセル内に位置してもよい。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。以下、基地局11及び12を区別しない場合は、基地局10と総称する。
ユーザ端末20は、複数の基地局10のうち、少なくとも1つに接続してもよい。ユーザ端末20は、複数のコンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))を用いたキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation(CA))及びデュアルコネクティビティ(DC)の少なくとも一方を利用してもよい。
各CCは、第1の周波数帯(Frequency Range 1(FR1))及び第2の周波数帯(Frequency Range 2(FR2))の少なくとも1つに含まれてもよい。マクロセルC1はFR1に含まれてもよいし、スモールセルC2はFR2に含まれてもよい。例えば、FR1は、6GHz以下の周波数帯(サブ6GHz(sub-6GHz))であってもよいし、FR2は、24GHzよりも高い周波数帯(above-24GHz)であってもよい。なお、FR1及びFR2の周波数帯、定義などはこれらに限られず、例えばFR1がFR2よりも高い周波数帯に該当してもよい。
また、ユーザ端末20は、各CCにおいて、時分割複信(Time Division Duplex(TDD))及び周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))の少なくとも1つを用いて通信を行ってもよい。
複数の基地局10は、有線(例えば、Common Public Radio Interface(CPRI)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線(例えば、NR通信)によって接続されてもよい。例えば、基地局11及び12間においてNR通信がバックホールとして利用される場合、上位局に該当する基地局11はIntegrated Access Backhaul(IAB)ドナー、中継局(リレー)に該当する基地局12はIABノードと呼ばれてもよい。
基地局10は、他の基地局10を介して、又は直接コアネットワーク30に接続されてもよい。コアネットワーク30は、例えば、Evolved Packet Core(EPC)、5G Core Network(5GCN)、Next Generation Core(NGC)などの少なくとも1つを含んでもよい。
ユーザ端末20は、LTE、LTE−A、5Gなどの通信方式の少なくとも1つに対応した端末であってもよい。
無線通信システム1においては、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))ベースの無線アクセス方式が利用されてもよい。例えば、下りリンク(Downlink(DL))及び上りリンク(Uplink(UL))の少なくとも一方において、Cyclic Prefix OFDM(CP−OFDM)、Discrete Fourier Transform Spread OFDM(DFT−s−OFDM)、Orthogonal Frequency Division Multiple Access(OFDMA)、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC−FDMA)などが利用されてもよい。
無線アクセス方式は、波形(waveform)と呼ばれてもよい。なお、無線通信システム1においては、UL及びDLの無線アクセス方式には、他の無線アクセス方式(例えば、他のシングルキャリア伝送方式、他のマルチキャリア伝送方式)が用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))、ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel(PBCH))、下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel(PDCCH))などが用いられてもよい。
また、無線通信システム1では、上りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))、上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel(PUCCH))、ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel(PRACH))などが用いられてもよい。
PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、System Information Block(SIB)などが伝送される。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送されてもよい。また、PBCHによって、Master Information Block(MIB)が伝送されてもよい。
PDCCHによって、下位レイヤ制御情報が伝送されてもよい。下位レイヤ制御情報は、例えば、PDSCH及びPUSCHの少なくとも一方のスケジューリング情報を含む下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))を含んでもよい。
なお、PDSCHをスケジューリングするDCIは、DLアサインメント、DL DCIなどと呼ばれてもよいし、PUSCHをスケジューリングするDCIは、ULグラント、UL DCIなどと呼ばれてもよい。なお、PDSCHはDLデータで読み替えられてもよいし、PUSCHはULデータで読み替えられてもよい。
PDCCHの検出には、サーチスペース(search space)が利用されてもよい。サーチスペースは、PDCCH候補(PDCCH candidates)のサーチ領域及びサーチ方法に対応する。1つのサーチスペースは、1つ又は複数のアグリゲーションレベル(aggregation Level)に該当するPDCCH候補に対応してもよい。
PUCCHによって、チャネル状態情報(Channel State Information(CSI))、送達確認情報(例えば、Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement(HARQ−ACK)、ACK/NACKなどと呼ばれてもよい)及びスケジューリングリクエスト(Scheduling Request(SR))の少なくとも1つを含む上り制御情報(Uplink Control Information(UCI))が伝送されてもよい。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送されてもよい。
なお、本開示において下りリンク、上りリンクなどは「リンク」を付けずに表現されてもよい。また、各種チャネルの先頭に「物理(Physical)」を付けずに表現されてもよい。
無線通信システム1では、同期信号(Synchronization Signal(SS))、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal(DL−RS))などが伝送されてもよい。無線通信システム1では、DL−RSとして、セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal(CRS))、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI−RS))、復調用参照信号(DeModulation Reference Signal(DMRS))、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal(PRS))、位相トラッキング参照信号(Phase Tracking Reference Signal(PTRS))などが伝送されてもよい。
また、無線通信システム1では、上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal(UL−RS))として、測定用参照信号(Sounding Reference Signal(SRS))、復調用参照信号(DMRS)などが伝送されてもよい。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。
(基地局)
図14は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。基地局10は、制御部110、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース(transmission line interface)140を備えている。なお、制御部110、送受信部120及び送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
制御部110は、基地局10全体の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
制御部110は、信号の生成、スケジューリング(例えば、リソース割り当て、マッピング)などを制御してもよい。制御部110は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部110は、信号として送信するデータ、制御情報、系列(sequence)などを生成し、送受信部120に転送してもよい。制御部110は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行ってもよい。
送受信部120は、ベースバンド(baseband)部121、Radio Frequency(RF)部122、測定部123を含んでもよい。ベースバンド部121は、送信処理部1211及び受信処理部1212を含んでもよい。送受信部120は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ(phase shifter)、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
送受信部120は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部1211、RF部122から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部1212、RF部122、測定部123から構成されてもよい。
送受信アンテナ130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
送受信部120は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを送信してもよい。送受信部120は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを受信してもよい。
送受信部120は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
送受信部120(送信処理部1211)は、例えば制御部110から取得したデータ、制御情報などに対して、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤの処理、Radio Link Control(RLC)レイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、Medium Access Control(MAC)レイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
送受信部120(送信処理部1211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform(DFT))処理(必要に応じて)、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform(IFFT))処理、プリコーディング、デジタル−アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
送受信部120(RF部122)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ130を介して送信してもよい。
一方、送受信部120(RF部122)は、送受信アンテナ130によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
送受信部120(受信処理部1212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ−デジタル変換、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))処理、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform(IDFT))処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
送受信部120(測定部123)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部123は、受信した信号に基づいて、Radio Resource Management(RRM)測定、Channel State Information(CSI)測定などを行ってもよい。測定部123は、受信電力(例えば、Reference Signal Received Power(RSRP))、受信品質(例えば、Reference Signal Received Quality(RSRQ)、Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR)、Signal to Noise Ratio(SNR))、信号強度(例えば、Received Signal Strength Indicator(RSSI))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部110に出力されてもよい。
伝送路インターフェース140は、コアネットワーク30に含まれる装置、他の基地局10などとの間で信号を送受信(バックホールシグナリング)し、ユーザ端末20のためのユーザデータ(ユーザプレーンデータ)、制御プレーンデータなどを取得、伝送などしてもよい。
なお、本開示における基地局10の送信部及び受信部は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140の少なくとも1つによって構成されてもよい。
なお、送受信部120は、ユーザ端末20に設定されるSセルに関する情報を送信してもよい。具体的には、送受信部120は、ユーザ端末20に設定されるSセルから、削除又は追加するセルに関する情報を送信してもよい。当該セルに関する情報は、例えば、RRC再設定メッセージに含まれてもよい。また、送受信部120は、当該セルに関する情報に対する応答メッセージ(例えば、RRC再設定完了メッセージ)を受信してもよい。
また、送受信部120は、キャリアアグリゲーション(CA)により第1のセル(例えば、Pセル)と統合される第2のセル(例えば、Sセル)で下り共有チャネル(例えば、PDSCH)を送信してもよい。また、送受信部120は、当該第1のセルの所定の周波数領域に割り当てられる上り制御チャネル(例えば、PUCCH)又は当該第1のセルの前記所定の周波数領域以外の周波数領域に割り当てられる上り共有チャネル(例えば、PUSCH)を用いて、前記下り共有チャネルに対する送達確認情報を受信してもよい。
また、制御部110は、CAにより統合される上記第1及び第2のセルの少なくとも一つにおけるトラヒックに基づいて、前記CAのオン又はオフの切り替えを制御してもよい。
具体的には、制御部110は、上記トラヒックが所定の閾値(例えば、図4の閾値、図8の閾値2等)以上である又はより大きい場合、前記キャリアアグリゲーションをオフに切り替えてもよい。
この場合、制御部110は、CAにより第1のセルと統合される第2のセルの削除、及び、当該第1のセルの所定の周波数領域に第2のセル用に割り当てられる上り制御チャネル用リソースの解放の少なくとも一つを制御してもよい(例えば、図6、11)。
また、制御部110は、上記トラヒックが所定の閾値(例えば、図4の閾値、図8の閾値2等)より小さい又は以下である場合、前記キャリアアグリゲーションをオンに切り替えてもよい。
この場合、制御部110は、CAにより第1のセルと統合される第2のセルの設定、及び、前記第2のセルの追加の少なくとも一つを制御してもよい(例えば、図7、12)。
(ユーザ端末)
図15は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230を備えている。なお、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
制御部210は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部210は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
制御部210は、信号の生成、マッピングなどを制御してもよい。制御部210は、送受信部220及び送受信アンテナ230を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部210は、信号として送信するデータ、制御情報、系列などを生成し、送受信部220に転送してもよい。
送受信部220は、ベースバンド部221、RF部222、測定部223を含んでもよい。ベースバンド部221は、送信処理部2211、受信処理部2212を含んでもよい。送受信部220は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
送受信部220は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部2211、RF部222から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部2212、RF部222、測定部223から構成されてもよい。
送受信アンテナ230は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
送受信部220は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを受信してもよい。送受信部220は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを送信してもよい。
送受信部220は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
送受信部220(送信処理部2211)は、例えば制御部210から取得したデータ、制御情報などに対して、PDCPレイヤの処理、RLCレイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、MACレイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
送受信部220(送信処理部2211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、DFT処理(必要に応じて)、IFFT処理、プリコーディング、デジタル−アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
なお、DFT処理を適用するか否かは、トランスフォームプリコーディングの設定に基づいてもよい。送受信部220(送信処理部2211)は、あるチャネル(例えば、PUSCH)について、トランスフォームプリコーディングが有効(enabled)である場合、当該チャネルをDFT−s−OFDM波形を用いて送信するために上記送信処理としてDFT処理を行ってもよいし、そうでない場合、上記送信処理としてDFT処理を行わなくてもよい。
送受信部220(RF部222)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ230を介して送信してもよい。
一方、送受信部220(RF部222)は、送受信アンテナ230によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
送受信部220(受信処理部2212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ−デジタル変換、FFT処理、IDFT処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
送受信部220(測定部223)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部223は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部223は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部210に出力されてもよい。
なお、本開示におけるユーザ端末20の送信部及び受信部は、送受信部220及び送受信アンテナ230の少なくとも1つによって構成されてもよい。
なお、送受信部220は、ユーザ端末20に設定されるSセルに関する情報を受信してもよい。具体的には、送受信部220は、ユーザ端末20に設定されるSセルから、削除又は追加するセルに関する情報を受信してもよい。当該セルに関する情報は、例えば、RRC再設定メッセージに含まれてもよい。また、送受信部220は、当該セルに関する情報に対する応答メッセージ(例えば、RRC再設定完了メッセージ)を送信してもよい。
また、送受信部220は、キャリアアグリゲーション(CA)により第1のセル(例えば、Pセル)と統合される第2のセル(例えば、Sセル)で下り共有チャネル(例えば、PDSCH)を受信してもよい。また、送受信部220は、当該第1のセルの所定の周波数領域に割り当てられる上り制御チャネル(例えば、PUCCH)又は当該第1のセルの前記所定の周波数領域以外の周波数領域に割り当てられる上り共有チャネル(例えば、PUSCH)を用いて、前記下り共有チャネルに対する送達確認情報を送信してもよい。
また、制御部210は、CAにより統合される上記第1及び第2のセルの少なくとも一つにおけるトラヒックに基づいて決定される基地局10からの指示情報に基づいて、前記CAのオン又はオフの切り替えを制御してもよい。
制御部210は、CA用に第1のセル(例えば、Pセル)と統合される一以上の第2のセル(例えば、Sセル)の設定(例えば、設定、追加及び削除の少なくとも一つ)を制御してもよい。具体的には、制御部210は、基地局10から受信したセルに関する情報に基づいて、Sセルの設定、追加及び削除の少なくとも一つを制御してもよい(例えば、図6、7、11、12)。当該制御は、RRCコネクションの再設定で行われてもよい。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図16は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、部(section)、ユニットなどの文言は、互いに読み替えることができる。基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部110(210)、送受信部120(220)などの少なくとも一部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110(210)は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically EPROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(Compact Disc ROM(CD−ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))及び時分割複信(Time Division Duplex(TDD))の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信部120(220)、送受信アンテナ130(230)などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部120(220)は、送信部120a(220a)と受信部120b(220b)とで、物理的に又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、Light Emitting Diode(LED)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル、シンボル及び信号(シグナル又はシグナリング)は、互いに読み替えられてもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号(reference signal)は、RSと略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
ここで、ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing(SCS))、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval(TTI))、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC−FDMA)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。なお、本開示におけるフレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、シンボルなどの時間単位は、互いに読み替えられてもよい。
例えば、1サブフレームはTTIと呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(3GPP Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(Resource Block(RB))は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB(PRB))、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group(SCG))、リソースエレメントグループ(Resource Element Group(REG))、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(Resource Element(RE))によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
帯域幅部分(Bandwidth Part(BWP))(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
BWPには、UL BWP(UL用のBWP)と、DL BWP(DL用のBWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix(CP))長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル(PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、本開示における情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))、上り制御情報(Uplink Control Information(UCI)))、上位レイヤシグナリング(例えば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(Master Information Block(MIB))、システム情報ブロック(System Information Block(SIB))など)、Medium Access Control(MAC)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、Layer 1/Layer 2(L1/L2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC Control Element(CE))を用いて通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line(DSL))など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。「ネットワーク」は、ネットワークに含まれる装置(例えば、基地局)のことを意味してもよい。
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(Quasi-Co-Location(QCL))」、「Transmission Configuration Indication state(TCI状態)」、「空間関係(spatial relation)」、「空間ドメインフィルタ(spatial domain filter)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル−プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「リソース」、「リソースセット」、「リソースグループ」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
本開示においては、「基地局(Base Station(BS))」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNB(eNodeB)」、「gNB(gNodeB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(Transmission Point(TP))」、「受信ポイント(Reception Point(RP))」、「送受信ポイント(Transmission/Reception Point(TRP))」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head(RRH)))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(Mobile Station(MS))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment(UE))」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、無線通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、Mobility Management Entity(MME)、Serving-Gateway(S−GW)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE−A)、LTE-Beyond(LTE−B)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New−Radio Access Technology(RAT)、New Radio(NR)、New radio access(NX)、Future generation radio access(FX)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE又はLTE−Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
本開示に記載の「最大送信電力」は送信電力の最大値を意味してもよいし、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)を意味してもよいし、定格最大送信電力(the rated UE maximum transmit power)を意味してもよい。
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。