JP2020123068A - 生体認証装置、生体認証方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

生体認証装置、生体認証方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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【課題】正確に生体認証することができる生体認証装置、生体認証方法および、コンピュータプログラムを提供すること。【解決手段】生体認証装置2は、複数の異なる波長の電磁波を生体1へ照射する照射部22と、生体から反射または透過した各電磁波による画像を撮影する撮像部24と、撮影された画像に所定の処理を施すことにより生体のうちの第1の部位11と生体のうちの第2の部位12とを識別する画像を生成する画像処理部3と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、生体認証装置、生体認証方法およびコンピュータプログラムに関するものである。
指紋認証または静脈認証等を行う生体認証機器では、生体組織ごとの光の吸収特性の違いを利用することによって、ユーザの身体的特徴の画像を鮮明に取得することが検討されている。生体認証機器は、条件を変えながらユーザの体の所定の部位を複数回撮影することによって複数の撮影画像を取得する。生体認証機器は、各撮影画像を合成することによって、身体的特徴を強調した画像を生成することができる。しかしながら、複数回撮影する間にユーザの体が動いてしまうため、生体認証機器は、ユーザの体の動きの影響を抑制することが求められる。
特許文献1の情報処理装置は、波長の異なる複数の光を生体に照射する。情報処理装置は、生体より得られる各光を分光することによって、分光された各光に対応する皮膚の表面成分または生体内の血管成分等の複数の画像成分に分離する。情報処理装置は、各画像成分に基づいて、位置ずれ検出処理部および認証処理部を実行する。
特開2006−072764号公報
特許文献1の情報処理装置は、照射される光に含まれる複数の波長の光を分光することによって、一度の撮影で複数の画像成分を取得する。しかしながら、複数の画像成分を獲得するためには分光専用の装置を使用する為、一般的なカメラを用いる生体認証の装置では、検討の余地があると考えられる。
そこで、本発明は、上記の課題を解決する為になされたものであり、正確に生体認証することができる生体認証装置、生体認証方法および、コンピュータプログラムの提供を目的とする。
生体認証装置は、複数の異なる波長の電磁波を生体へ照射する照射部と、生体から反射または透過した各電磁波による画像を撮影する撮像部と、撮影された画像に所定の処理を施すことにより生体のうちの第1の部位と生体のうちの第2の部位とを識別する画像を生成する画像処理部と、を備える。
本発明によると、正確に生体認証することができる。。
第1実施例の生体認証装置の概略図。 生体認証装置の上面図。 ヘモグロビンの吸光特性の説明図。 撮像部の波長感度特性の説明図。 生体認証処理の説明図。 生体認証処理の流れ図。 血管強調処理の流れ図。 生体領域検出処理の流れ図。 第2実施例の生体認証装置の概略図。 生体認証装置の上面図。 生体認証装置の変形例の概略図。
以下、本実施例を添付図面に基づいて説明するが、当該図面に記載の構成に限定されない。
本実施例は、生体の身体的特徴を取得することによって本人確認する生体認証装置に関するものである。すなわち、生体認証装置は、複数の異なる波長の光を手に照射し、血管の特徴を撮影することによって本人確認する。なお、生体認証装置は、手の血管に限らず、表皮の皺の模様等を用いて本人確認してもよい。本実施例では、手の血管を用いて生体認証する場合を例に挙げて説明をする。
なお、本実施例において、上方向とは生体認証装置から生体に向かう方向を示し、下方向とは上方向と逆の方向を示し、横方向とは上下方向に対して垂直の方向を示す。本実施例では、生体認証装置の上方向に手をかざして生体認証をする場合について説明するが、生体認証装置の横方向および下方向等、生体認証装置の様々な方向に手をかざして生体認証をする場合も考えられる。
なお、本実施例において、「電磁波」の一例として「光」と記載しているが、「光」は可視光の波長の領域に限定されることはない。
図1は、生体認証装置2の概略図である。生体認証装置2は、予め記録されたユーザの身体的特徴の情報と、ユーザの「生体の所定の部位」の一例としての手1を撮影して検出した身体的特徴の情報と、を比較することによって、本人確認する。
生体認証装置2は、「第1の部位」の一例としての血管11と、「第2の部位」の一例としての他の生体組織12とを識別する画像を生成し、ユーザの身体的特徴の情報を取得する。血管11は、手1の内部領域の一部である。他の生体組織12は、例えば、皮膚等の表面領域の一部である。
生体認証装置2は、筐体21と、「照射部」の一例としての複数の光源22(1),(2)と、「拡散フィルタ」の一例としての光学フィルタ23と、撮像部24と、「可視光フィルタ」の一例としての光学フィルタ25と、保護板26と、手1を検知するセンサ(不図示)と、画像処理部3を有する。特に区別しない場合には、光源22(1),(2)は、光源22と示す場合がある。
筐体21は、生体認証装置2の外装である。筐体21は、例えば、中空の円柱状に形成され、複数の開口211と、開口212と、を上面27に有する。各開口211と、開口212とは、図2にて後述する。なお、筐体21は、中空の円柱形状に形成されることに限らず、中空の四角柱状等に形成されてもよい。
各光源22は、複数の異なる波長の光を同時に手1へ照射する。「同時」とは、厳密に同時である場合に限らず、実質的に同時である場合も含む。すなわち、本実施例の効果を奏することができる時間差で複数の光線を照射できればよい。光源22(1)の照射する光と、光源22(2)の照射する光と、は、異なる波長に設定される。各光源22が照射する光の波長については、図3および図4にて後述する。
光源22は、筐体21の内部に設けられ、開口211の下方向に位置する。すなわち、光源22が照射する光は、開口211を通って、筐体21の上方向に位置する手1に照射される。
光学フィルタ23は、例えば、一方の面から入射した光を他方の面から拡散させて放出する光拡散フィルタである。光学フィルタ23は、開口211を塞ぐように筐体21に設けられる。光源22から照射された光は、光学フィルタ23を通過することによって、広範囲に拡散された光として手1に照射される。
なお、光源22から照射された光は、光源22を筐体21の外部に配置することによって、広範囲に拡散された光として手1に照射されてもよい。光学フィルタ23は、光拡散フィルタに限らず、偏光フィルタを用いてもよい。偏光フィルタを用いることによって、手1の皮膚から反射された光を抑制することができる。
光源22と撮像部24との間には、仕切り213が設けられる。光源22から撮像部24の方向に照射される光は、仕切り213で阻害される。なお、光源22と、撮像部24と、の間に仕切り213を設ける構造に限らず、撮像部24に直接光が入らない位置に光源22を設ける構造でもよい。
撮像部24は、光源22にて照らされた手1を撮影する。撮像部24は、筐体21内に配置され、開口212の下方向に位置する。すなわち、撮像部24は、開口212から入る光を受光し、電気信号に変換することによって撮影画像101(1)〜101(3)(図5参照)を生成する。特に区別しない場合には、撮影画像101(1),101(2),101(3)は、撮影画像101と示す場合がある。撮像部24は、撮影画像101を画像処理部3へ送信する。
撮像部24は、例えば、カラーCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラである。撮像部24は、複数のチャンネル(RGB(Red Green Blue)チャンネル)を有する。「RGBチャンネル」は、「Rチャンネル」と、「Gチャンネル」と、「Bチャンネル」と、で構成される。「Rチャンネル」と、「Gチャンネル」と、「Bチャンネル」と、は、各光を透過する割合が異なる。撮像部24は、一度の撮影でチャンネルごとの撮影画像101を取得する。なお、撮像部24の複数チャンネルの光の感度に関しては、図4にて後述する。
光学フィルタ25は、環境光に含まれる可視光領域の波長の光を吸収するフィルタである。光学フィルタ25は、撮像部24の上方向に位置する。すなわち、撮像部24は、可視光領域の波長が抑制された光を受光することができる。
保護板26は、開口212を塞ぐように筐体21に設けられ、筐体21の内部を保護する。保護板26は、例えば、アクリルまたはガラス等の少なくとも光線22(1)および光線22(2)に対して透明な部材で形成され、手1から反射された光を透過する。なお、保護板26は、装置内部をユーザから視認できなくするフィルタを装着してもよい。
画像処理部3は、撮影画像101を解析することによって、ユーザの身体的特徴を強調する画像を算出する。画像処理部3は、プロセッサ31と、メモリ32と、補助記憶装置33と、表示部35と、スピーカ36と、ユーザID(IDentification)入力部37と、データ入力部38と、光源制御部39と、インターフェース(図中、IF(InterFace)と示す)40と、各機能31〜40を接続するデータ伝送路41と、を有する。
プロセッサ31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の集積回路である。メモリ32は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置である。
補助記憶装置33は、例えば、ハードディスク等の不揮発性記憶装置である。補助記憶装置33には、ユーザの身体的特徴を強調させる画像を生成するプログラム、および、生体認証するユーザの身体的特徴の情報を記憶する。プロセッサ31は、メモリ32を介してプログラムを取得し、プログラムを実行する。なお、画像処理部3は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶媒体34から上述のプログラムおよびユーザの身体的特徴の情報をインストールして実行してもよい。
表示部35は、例えば、画像処理部3に接続されたモニターである。スピーカ36および表示部35は、認証結果をユーザに通知する。
ユーザID入力部37は、ユーザの情報を画像処理部3に入力する入力部である。生体認証の前段階では、暗証番号またはIDをユーザID入力部37に入力させたり、IC(Integrated Circuit)チップを読ませたりすることによって、多数の登録者のデータからユーザの情報を絞り込む。画像処理部3は、絞り込んだユーザの情報に含まれる身体的特徴の情報と、生体認証するユーザの身体的特徴の情報と、を比較して生体認証をしてもよい。
データ入力部38は、撮像部24から送信された撮影画像101のデータを受信する機能である。光源制御部39は、光源22の光量を制御する機能である。光源制御部39は、手1の位置および手1の姿勢等に応じて光源22の照射角度を制御し、各光源22の光量を決定する。光源制御部39は、光源22の点灯を制御する。
図2は、生体認証装置2の上面図である。光源22、光学フィルタ23および開口211は、例えば、円環状に複数配置される。光源22、光学フィルタ23および開口211は、円環状に配置されることに限らず、手1に照射される光が斑になることを抑制する位置に配置される。開口212、撮像部24および保護板26は、例えば、中央部に配置される。
図3は、ヘモグロビンの吸収特性50の説明図である。本実施例では、呼吸により体内に取り込まれた酸素と結合する酸化ヘモグロビンを一例に挙げて説明する。光の波長が「650nm」以上のヘモグロビンの吸収特性50では、波長が「650nm」から「700nm」に向かうにつれて分子吸光係数が減少し、波長が「700nm」から「900nm」に向かうにつれて分子吸光係数が増加し、波長が「900nm」を超えたら分子吸光係数が減少する。分子吸光特性は、ヘモグロビンが光を吸収する度合いを示す。
すなわち、波長が「650nm」以上の光において、ヘモグロビンは、波長が「700nm」の光を他の波長の光と比較して最も反射し、波長が「900nm」の光を他の波長の光と比較して最も吸収する。なお、上記のヘモグロビンの吸収特性を示した波長の値は、ヘモグロビンの吸収特性を説明する為に示した値であり、異なる値も考えられる。
図4は撮像部24の波長感度特性60の説明である。波長感度特性60は、例えば、「RGBチャンネル」のセンサが受光する光の感度である。具体的には、例えば、「700nm」の光を受光する感度は、「Rチャンネル」が「20%」を示し、「Gチャンネル」が「10%」を示し、「Bチャンネル」が「4%」を示す。すなわち、「700nm」の光を受光して生成された画像は、RGBの順番で暗くなる。
「850nm」の光を受光する感度は、「RGBチャンネル」共通して「10%」である。すなわち、「850nm」の光を受光して生成された画像は、「RGBチャンネル」共に同様の明るさを有する。なお、上述の各波長における「RGBチャンネル」の感度の値は、撮像部24の感度特性を説明する為に示した値であるため、異なる値を示すことも考えられる。
光源22の照射する光の波長は、撮像部24の波長感度特性および手1の身体的特徴部の吸収特性から設定される。光源22の照射する光の波長は、他の波長に比較してヘモグロビンの吸光度が高い波長帯域のいずれか一つと、他の波長に比較してヘモグロビンの吸光度が低い波長帯域のいずれか一つと、に設定される。光源22の照射する光の波長は、光学フィルタ25を透過する近赤外の波長帯域のいずれか一つと、光学フィルタ25を透過する近赤外付近の可視光の波長帯域のいずれか一つと、に設定される。
光源22の照射する光の波長は、少なくとも1つの波長光において、「RGBチャンネル」間で感度の違いが生じる波長に設定される。本実施例において光源22(1)の照射する光の波長は、「第2の波長」の一例としての「700nm」に設定される。光源22(2)の照射する光の波長は、「第1の波長」の一例としての「850nm」に設定される。
なお、光源22の照射する光の波長は、「700nm」の波長および「850nm」の波長に設定されることに限らず、他の波長に設定されてもよい。光源22は、二種類の波長を照射する設定に限らず、3種類の波長を照射してもよい。この場合において、三種類目の光の波長は、「700nm」と「850nm」との間に設定されてもよい。
図5は、生体認証処理の説明図である。生体認証処理は、撮像部24にて撮影された撮影画像101から強調画像103を生成する。
撮影画像101(1)は、撮像部24で撮影された「Rチャンネル」の画像である。撮影画像101(2)は、撮像部24で撮影された「Gチャンネル」の画像である。撮影画像101(3)は、撮像部24で撮影された「Bチャンネル」の画像である。
分離画像102(1)は、「700nm」の光を当てたときの手1の画像である。分離画像102(2)は、「850nm」の光を当てたときの手1の画像である。分離画像102(1),102(2)は、図7にて詳述する分離画像算出処理にて算出される。特に区別しない場合には、分離画像102(1),102(2)は、分離画像102と示す場合がある。
強調画像103は、手1の血管11を強調させた画像である。強調画像103は、分離画像102(1)と、分離画像102(2)と、を合成させることによって生成される。生体領域104は、各画像101,102,103における手1の領域を示す。
図6は、生体認証処理の流れ図である。生体認証処理は、概略的に、撮影処理(S1〜S4)と画像処理部3の処理(S5〜S14)とである。
生体認証装置2は、ユーザが開口212に手1をかざすことで実行される。生体認証装置2は、所定のセンサを用いて手1を検出する(S1)。生体認証装置2は、手が検出されたかどうかを判断する(S2)。手が検出されない場合(S2:No)には、生体認証装置2は、手1を検出する処理(S1)を実行する。
手が検出された場合(S2:Yes)には、生体認証装置2は、画像処理部3と通信し光源制御部39を実行する(S3)。光源制御部39は、各光源22(1)と、各光源22(2)と、を同時に点灯させる。
撮像部24は、手1を撮影する(S4)。画像処理部3は、データ入力部38を介して撮像部24から撮影画像101を取得する(S5)。画像処理部3が取得した撮影画像101は、補助記憶装置33に保存される。
画像処理部3は、撮影画像101から強調画像103を算出する(S6)。なお、具体的な処理は図7にて後述する。
画像処理部3は、各撮影画像101を比較することによって、手1の領域を検出する(S7)。具体的な処理は図8にて後述する。画像処理部3は、手1の領域が検出されたかを判定する(S8)。
手1の領域が検出された場合(S8:Yes)には、画像処理部3は、強調画像103を正規化する(S9)。すなわち画像処理部3は、強調画像103の、手1の位置または手1の姿勢による拡大率または歪みを補正する。手1の領域が検出されない場合(S8:No)には、画像処理部3は、光源制御部39を実行する(S3)。
正規化処理(S9)の後に、画像処理部3は、強調画像103から身体的特徴を抽出する(S10)。画像処理部3は、補助記憶装置33に登録されている身体的特徴と、処理(S10)にて抽出した身体的特徴と、を照合することによって照合スコアを算出する(S11)。画像処理部3は、算出された照合スコアと所定の閾値TH1とを比較する(S12)。
照合スコアが所定の閾値TH1より大きい場合(S12:Yes)には、画像処理部3は、認証成功処理(S13)を実行する。画像処理部3は、認証成功処理(S13)の後に生体認証処理を終了する。
照合スコアが所定の閾値TH1以下の場合(S12:No)には、画像処理部3は、生体認証処理を中断するかを判定する(S14)。所定の時間を経過した場合(S14:Yes)には、生体認証処理を終了する。所定の時間を経過していない場合(S14:No)には、画像処理部3は、光源制御部39を実行する(S3)。
なお、所定時間は、任意に設定してもよい。画像処理部3は、手1の検出処理(S2)完了後、または、照合スコアが所定の閾値TH1以下の場合(S12:No)の後等、任意のタイミングから所定の時間をカウントしてもよい。
図7は、血管強調処理(S6)の流れ図である。強調画像103の生成処理は、概略的に、分離画像102の生成処理(S601〜S604)と、強調画像103の生成処理(S605)とによって構成される。
画像処理部3は、各撮影画像101の共通の場所に位置する所定の画素を選択する(S601)。画像処理部3は、下記に示す数式1〜3を用いて、撮影画像101から分離画像102を算出する(S602)。
R=I700*Sr700+I850*Sr850・・・(式1)
G=I700*Sg700+I850*Sg850・・・(式2)
B=I700*Sb700+I850*Sb850・・・(式3)
特に区別しない場合には、数式1〜3を輝度算出式と示す場合がある。輝度算出式は、チャンネルごとの撮影画像101が定式化されたものである。「RGBチャンネル」の輝度は、輝度算出式によって求められる。なお、数式1〜3は、波長が「850nm」,「700nm」の光の成分に限らず、光源22が照射する光の波長に合わせて変更してもよい。
各チャンネルの所定の画素の輝度は、例えば、波長が「700nm」の光の成分と、波長が「850nm」の光の成分の合計である。波長が「700nm」の光の成分は、波長が「700nm」の光の輝度に各チャンネルの感度を掛け合わせたことを示す。波長が「850nm」の光の成分は、波長が「850nm」の光の輝度に各チャンネルの感度を掛け合わせたことを示す。
数式1〜3に示す「R」,「G」,「B」は、撮影画像101(1),101(2),101(3)の所定の画素の輝度である。「I700」は、例えば、撮像部24で受光した波長が「700nm」の光の輝度である。「I850」は、撮像部24で受光した波長が「850nm」の光の輝度である。
「Sr700」、「Sg700」および「Sb700」は、波長が「700nm」の光における「RGBチャンネル」の撮像部24の感度である。「Sr850」、「Sg850」および「Sb850」は、波長が「850nm」の光における「RGBチャンネル」の撮像部24の感度である。
以降、分離画像102を算出する具体的な計算について説明する。図4の撮像部24の波長感度特性により、「Sr850」と「Sg850」と「Sb850」とは、例えば、「10%」と設定される。これにより、数式1〜3における波長が「850nm」の光の成分は、等しいと考えられる。数式1と数式2との差分を求めることによって、下記に示す「700nm」の波長成分が残る数式4が得られることになる。
R‐G=I700(Sr700−Sg700)・・・(式4)
数式4に示す、「R」および「G」の値は、図5に示す撮影画像101(1)および撮影画像101(2)から求めることができる。「Sr700」および「Sg700」は、図4に示す波長感度特性により求めることができる。従って、画像処理部3は、「I700」を求めることができる。算出された「I700」を数式1〜3のいずれか一つに代入することによって、画像処理部3は、「I850」を算出することができる。
全ての画素において「I700」および「I850」を算出したかを判定する(S603)。「I700」および「I850」の算出を行っていない画素がある場合(S603:No)には、画素の選択処理(S601)を実行する。
「I700」および「I850」を全ての画素で算出した場合(S603:Yes)には、画像処理部3は、「I700」および「I850」から分離画像102を生成する(S604)。画像処理部3は、分離画像102から強調画像103を生成する(S605)。なお、画像処理部3は、各分離画像102の生体領域104の平均輝度が等しくなるように補正し、強調画像103を算出してもよい。画像処理部3は、強調画像103の生成処理(S6)を終了する。
すなわち、画像処理部3は、撮像部24の各チャンネルにおける波長の感度特性の違いを利用することによって、各撮影画像101から強調画像103を生成する。
図8に示す生体領域検出処理(S7)について説明する。生体領域検出処理(S7)は、画像処理部3が各撮影画像101を比較することによって手1と背景領域とを判別する処理である。
画像処理部3は、撮影画像101のうちの二つを選択する(S701)。画像処理部3は、所定の画素を選択する(S702)。画像処理部3は、二つの撮影画像101間における所定の画素の輝度差を計算する(S703)。画像処理部3は、輝度差と、所定の閾値TH2と、を比較する(S704)。なお、所定の閾値TH2は、任意の値を設定してもよい。
輝度差が所定の閾値TH2よりも大きい場合(S704:Yes)には、画像処理部3は、所定の画素を手1の領域だと判定する。輝度差が所定の閾値以下である場合(S704:No)には、画像処理部3は、所定の画素を背景領域だと判定する。
画像処理部3は、領域判定(S705,S706)していない画素があるかを判定する(S707)。領域判定(S705,S706)していない画素がある場合(S707:No)には、画像処理部3は、次の所定の画素を選択する処理(S702)を実行する。全ての画素において領域判定(S705,S706)をした場合(S707:Yes)には、画像処理部3は、生体領域判定処理(S7)を終了する。
なお、画像処理部3は、例えば、撮影画像101の近接する画素同士の輝度差分(エッジ)を用いることによって、生体領域判定処理をしてもよい。この場合には、画像処理部3は、手1の輪郭線と背景領域との境界を検出し、手1の領域を判定する。
画像処理部3は、各撮影画像101の間の輝度差分を用いて算出した生体領域の情報と、エッジを用いて算出した生体領域の情報と、を組み合わせることによって、手1の領域を検出してもよい。この場合において、画像処理部3は、撮影画像101ごとにエッジ強度(近接する画素の輝度差分の値)を算出する。画像処理部3は、各撮影画像101間でエッジ強度の差分を算出し、手1の領域を検出する。
以上に示す、生体認証装置2は、撮影画像101から血管11を強調させた強調画像103を生成することによって、生体認証することができる。これにより、生体認証装置2は、汎用的なカラーCMOSカメラを用いた1回の撮影で生体認証をすることができる。
撮像部24が一度の撮影で「RGBチャンネル」ごとの撮影画像101を取得するため、生体認証装置2は、複数の撮影画像101を同じ撮像タイミングで取得することができる。これにより、撮影画像101の手1が同じ位置にあるため、強調画像103の画質向上が期待できる。この結果、生体認証装置2は、生体認証の利便性を維持しつつ、生体認証の精度の向上が期待できる。
光源22が照射する光の波長を設定する事によって、生体認証装置2は、血管11の観測が容易な分離画像102である「I850」と、血管11の観測が困難な分離画像102である「I700」と、を算出することができる。これにより、分離画像102間で差分をとることによって、生体認証装置2は、血管11を強調させた画像を生成することができる
撮影画像101の背景領域は、撮像部24が撮影する方向、または、環境光の条件等によって様々なものが映り込むことが考えられる。背景が複雑になる場合には、手1の領域と背景領域とを判別することが困難である。撮影画像101の生体領域104は、光源22の反射光を撮像部24が受光した領域である。撮影画像101の背景領域は、光源22の光を撮像部24が受光していない領域である。これにより、撮影画像101間における所定の画素の輝度差を算出することによって、生体領域104を検出することができる。この結果、生体認証装置2は、手1の領域の検出精度を向上させることができる。
なお、生体認証装置2は、不図示のセンサを使用して手1を検出することに限らず、光源22を点滅させて撮影した画像の輝度変化等を利用することによって手1を検出してもよい。生体認証装置2は、距離センサを用いることによって手1を検出するようにしてもよい。生体認証装置2は、開口212の近くに静電センサを設けることによって、生体認証装置2から一定の距離に近づいた手を検出するようにしてもよい。上述の光源22の点滅を用いて手1を検出する方法と、距離センサを用いて手1を検出する方法と、静電センサを用いて手1を検出する方法と、は、併用してもよい。
生体認証装置2は、生体領域判定処理(S7)の検出結果に基づいて、光源制御部39(S3)を再度実行してもよい。すなわち、生体認証装置2は、光源22の光量を変化させて生体領域判定処理(S7)を再度実行することによって、生体領域104を検出する精度を向上させてもよい。
手1が撮像部24に提示される前に撮影することによって、撮影画像の背景領域の輝度差分を予め算出しておいてもよい。これにより、画像処理部3は、背景領域の輝度差分と異なる輝度差分を有する領域を生体領域104として検出する。
画像処理部3の処理は、生体認証装置2の外に設置されたサーバ等にて実行されてもよい。この場合において、生体認証装置2は、撮影画像101のデータをサーバに送信し、サーバが受信した撮影画像101のデータを用いて強調画像103を生成する。サーバは、強調画像103から生体認証の結果を算出し、生体認証装置2に送信する。生体認証装置2は、スピーカ36および表示部35にて生体認証の結果を出力する。
生体認証装置2は、認証ランプ(不図示)を有してもよい。認証ランプは、待機時、手を検知した時、認証処理時、認証成功時、認証失敗時、等にそれぞれ異なる色の可視光を発することで、ユーザに認証処理の状態を知らせる。各光源22のうちのいずれか一つを認証ランプとして使用してもよい。
生体認証装置2は、非接触状態での生体認証に限らず、接触した状態での生体認証に用いてもよい。
本実施例は、第1実施例の変形例に相当するため、第1実施例との相違を中心に説明する。図9は、生体認証装置2aの概略図である。図10は、生体認証装置2aの上面図である。
生体認証装置2aは、生体の内部を透過させた光によって手1の画像を撮影し、生体認証する。なお、本実施例において、ユーザが手のひら側を撮像部24側に向けている状態を例に挙げて生体認証装置2aの説明をする。
生体認証装置2aは、筐体21aと、光源22a(1),22a(2)と、撮像部24と、画像処理部3と、を有する。筐体21aは、例えば、中空の四角柱状に形成され、上面27aに開口212aが形成される。なお、筐体21aは、中空の四角柱状に限らず、中空の円柱形状等に形成されてもよい。
光源22a(1)と光源22a(2)とは、例えば、異なる波長の光を同時に手1へ照射する。光源22a(1),22a(2)は、特に区別しない場合には、光源22aと示す場合がある。光源22aは、例えば、支持板28aの一方の面に格子状に複数設けられる。光源22a(1)および光源22a(2)は、例えば、交互に並べて配置される。
支持板28aは、例えば、筐体21aの上方向、および、筐体21aの上面27に対して垂直に配置される。すなわち、光源22aは、筐体21aの上面27に対して垂直に並べて配置される。光源22aは、手1の斜め上方向から手1へ光を照射する。
光源22から照射された光は、手1の甲側に到達する。光は、手1の内部を散乱しながら手のひら側に抜けてくる。撮像部24は、手のひら側から抜けてきた光を受光する。光源22aの光軸は、撮像部24に直接光が照射されない方向に設定される。
光源22aは、手1の部位ごとに点灯の制御をしてもよい。制御方法は、例えば、手1の各部位を照射する光源22ごとに点灯を制御する。光源制御部39は、所定の光源22a(1)と所定の光源22a(2)とを一つの組み合わせとして同時に制御してもよい。所定の光源22a(1)と、所定の光源22a(2)と、は、手1の同じ部位を照射する隣り合う光源22である。
なお、光源22aの照射する光は、拡散フィルタ(不図示)等を通過することによって、拡散されてもよい。所定の光源22(1)と所定の光源22(2)とは、手1の同じ位置に光が照射されるように、光軸を調整した上で配置するようにしてもよい。
このような生体認証装置2aは、撮像部24に直接光が照射されることを防ぎつつ、手1の透過光を用いて生体認証処理をすることができる。
図11は、生体認証装置2aの変形例の概略図である。生体認証装置2bは、図9に示す生体認証装置2aの変形例に相当するため、生体認証装置2aとの相違を中心に説明する。
生体認証装置2bは、指1bの内部を透過した光によって指1bの画像を撮影することによって、生体認証する。なお、本実施例において、指1bの画像を撮影する場合を例に挙げて生体認証装置2b説明をするが、指1bに限らず、手の画像を撮影して生体認証する場合も考えられる。
生体認証装置2bは、筐体21aと、光源22b(1),22(2)と、撮像部24と、画像処理部3と、を有する。光源22b(1),22b(2)は、特に区別しない場合には、光源22bと示す場合がある。
光源22b(1),22b(2)は、例えば、異なる複数の波長の光を同時に指1bへ照射する。各光源22bは、支持板28bに格子状に設けられる。光源22b(1)および光源22b(2)は、例えば、交互に並べて配置される。
支持板28bは、例えば、撮像部24の上方向に配置される。支持板28bの下面には、各光源22bが設けられる。すなわち、光源22bは、下方向に光を照射することによって、指1bに光を照射する。光源22bから照射された光は、指1bの中で散乱し、撮像部24側に透過する。撮像部24は、透過した光を撮影する。
光源22bは、指1bの部位ごとに点灯の制御をしてもよい。光源制御部39は、所定の光源22b(1)と所定の光源22b(2)とを同時に点灯を制御する。所定の光源22b(1)と、所定の光源22b(2)と、は、手1の同じ部位を照射する隣り合う光源22bである。
なお、光源22bの照射する光は、拡散フィルタ(不図示)を通過することによって、拡散されてもよい。所定の光源22b(1)と所定の光源22b(2)とは、手1の同じ位置に光が照射されるように、光軸を調整した上で、配置するようにしてもよい。
本実施例における生体認証装置は、生体認証に用いる波長の光と、可視光と、を同時に生体へ照射して生体認証する。
生体認証装置は、例えば、波長が「700nm」の光または波長が「850nm」の光を照射する複数の生体認証用光源と、可視光領域の光を照射する複数の可視光光源と、を有する。生体認証する際には、生体認証装置は、例えば、生体認証用光源と可視光光源とを同時に点灯させる。
生体認証装置は、撮像部の上方向に光学フィルタを設ける。光学フィルタは、生体認証に用いる波長の光を透過し、可視光光源から照射された光を吸収する。これにより、撮像部は、生体認証用光源から照射された光を受光することによって撮影する。すなわち、生体認証装置は、可視光光源から照射された光の影響を抑制しつつ生体認証をすることができる。
生体認証装置は、可視光領域の光を生体認証する際に生体へ照射することによって、赤色の光を抑制することができる。この結果、ユーザの心理的抵抗を抑制できることが期待できる。
なお、生体認証の際には、可視光光源が照射する光の色を変化させることによって、生体認証装置は、生体の撮影中または生体認証判定中といった状態を利用者に伝えてもよい。
1…手、2,2a,2b…生体認証装置、3…画像処理部、11…血管、12…他の生体組織、21…筐体、22(1),22(2),22a(1),22a(2),22b(1),22b(2),…光源、23…光学フィルタ、24…撮像部、25…光学フィルタ、26…保護板、27…上面、31…プロセッサ、32…メモリ、33…補助記憶装置、34…外部記憶媒体、35…表示部、36…スピーカ、37…ユーザID入力部、38…データ入力部、39…光源制御部、40…インターフェース、41…データ伝送路

Claims (12)

  1. 生体認証装置であって、
    複数の異なる波長の電磁波を生体へ照射する照射部と、
    前記生体から反射または透過した前記各電磁波による画像を撮影する撮像部と、
    前記撮影された画像に所定の処理を施すことにより前記生体のうちの第1の部位と前記生体のうちの第2の部位とを識別する画像を生成する画像処理部と、
    を備える生体認証装置。
  2. 前記照射部は、前記複数の異なる波長の電磁波を同時に前記生体へ照射する機能を有する
    請求項1に記載の生体認証装置。
  3. 前記撮像部は、
    前記各電磁波を透過する割合が異なる複数のチャンネルと、
    前記チャンネルごとに前記各電磁波による画像を撮影する機能と、を有する
    請求項1に記載の生体認証装置。
  4. 前記第1の部位は、前記生体の内部領域であり、
    前記第2の部位は、前記生体の表面領域である
    請求項1に記載の生体認証装置。
  5. 前記第1の部位は、血管であり、
    前記第2の部位は、前記血管以外の生体組織であり、
    前記電磁波の複数の異なる波長のうちの第1の波長は、他の波長に比較してヘモグロビンの前記電磁波の吸光度が高い波長帯域のいずれか一つに設定され、
    前記電磁波の複数の異なる波長のうちの第2の波長は、他の波長に比較して前記ヘモグロビンの前記電磁波の吸光度が低い波長帯域のいずれか一つに設定される
    請求項1に記載の生体認証装置。
  6. さらに、前記生体認証装置は、環境光に含まれる可視光を吸収する可視光フィルタを有し、
    前記第1の波長は、前記可視光フィルタを透過する近赤外の波長帯域のいずれか一つに設定され、
    前記第2の波長は、前記可視光フィルタを透過する近赤外付近の可視光の波長帯域のいずれか一つに設定され、
    前記撮像部は、前記可視光フィルタを透過した、前記第1の波長の前記電磁波および前記第2の波長の前記電磁波を受光する
    請求項5に記載の生体認証装置。
  7. さらに、前記画像処理部は、前記各撮影された画像を解析することによって、前記生体の領域と背景の領域とを判別する機能を有する
    請求項3に記載の生体認証装置。
  8. さらに、前記生体認証装置は、前記照射部から照射される前記電磁波を拡散させる拡散フィルタを備える
    請求項1に記載の生体認証装置。
  9. 前記撮像部は、前記生体から反射した前記各電磁波による画像を撮影する
    請求項1に記載の生体認証装置。
  10. 前記撮像部は、前記生体を透過した前記各電磁波による画像を撮影する
    請求項1に記載の生体認証装置。
  11. 複数の異なる波長の電磁波を同時に生体へ照射し、
    前記生体から反射または透過した前記各電磁波による画像を撮影し、
    前記撮影された画像に所定の処理を施すことにより前記生体のうちの第1の部位と前記生体のうちの第2の部位とを識別する画像を生成する
    生体認証方法。
  12. コンピュータを、生体認証装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータには、
    複数の異なる波長の電磁波を同時に生体へ照射する照射装置と、
    前記生体から反射または透過した前記各電磁波による画像を撮影する撮像装置と、が接続されており
    前記コンピュータ上に、
    前記撮影された画像に所定の処理を施すことにより前記生体のうちの第1の部位と前記生体のうちの第2の部位とを識別する画像を生成する画像処理部を実現させるためのコンピュータプログラム。

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