以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29aと表している。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29a(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29aと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29aと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に、遊技機10の遊技中に演出制御装置300が実行する表示について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図である。ここで表示画面(単に「画面」という場合もある)とは、表示装置41の表示領域に表示される一つまたは複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。
図13(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示507とを表示する。
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を「0」から「4」の数字で表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を「0」から「4」の数字で表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。
保留表示505は、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数、または特図2保留数表示504が表示する保留記憶数のいずれか一方を保留アイコン506(保留記憶表示)の数によって示す。たとえば、遊技機10は、特図1ゲームが主体となる遊技状態(通常遊技状態)において特図1保留数表示503が表示する保留記憶数を表示し、特図2ゲームが主体となる遊技状態(電サポ遊技状態)において特図2保留数表示504が表示する保留記憶数を表示する。
表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図1ゲームが主体となる遊技状態において特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。なお、遊技機10は、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数と特図2保留数表示504が表示する保留記憶数の和に相当する保留記憶数を保留表示505に表示するようにしてもよい。
また、保留表示505は、保留アイコン506の表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
なお、保留アイコン506は、その表示態様を固定せず、揺動や変形、変色、その他のエフェクト、あるいはこれらの組合せによりその表示態様を変更可能にしている。たとえば、遊技機10は、表示態様が時系列で変化するアニメーションとして保留アイコン506を表示可能である。なお、保留アイコン506のアニメーションは、一連のアニメーション表示のうちに正規の識別力を有する表示態様と、正規の識別力を有しない表示態様とをそれぞれ少なくとも1以上含み、一連のアニメーション表示における所定の識別力を担保する。
保留消化表示507は、保留消化アイコン508(図13(2)参照)の表示の有無により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。
表示画面500では保留消化表示507は、枠内をブランク(空白)、すなわち保留消化アイコン508を非表示にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
図13(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(図柄変動中)の画面を示す。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。なお、大図柄群501のうち左図柄と右図柄は、上から下に向かう縦スクロール変動であり、大図柄群501のうち中図柄は、縦軸回転する切替変動である。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図1ゲームが主体となる遊技状態において特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示507は、保留消化アイコン508を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
次に、保留表示のシフト表示と定常表示の切替タイミングと、保留表示とその他表示との関係について図14を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の保留表示のシフト表示と定常表示の切替タイミングと、保留表示とその他表示との関係の一例を示す図である。
遊技機10は、特図ゲーム(特図1ゲームまたは特図2ゲーム)の保留記憶数が「1」以上のときに図柄変動を開始(変動開始)することができる。保留表示505は、特図ゲームの変動開始時、すなわち特図ゲームの保留記憶数が減算更新された場合にシフト表示を表示し、シフト表示終了後に定常表示を表示する。また、保留表示505は、特図ゲームの保留記憶数が加算更新された場合に発生表示を表示する。なお、発生表示は、始動記憶の数の加算時に表示する保留加算表示の一態様であり、定常表示は、始動記憶の数の定常時に周期的に表示する保留定常表示の一態様であり、シフト表示は、始動記憶の数の減算時に表示する保留減算表示の一態様である。
たとえば、遊技機10は、保留表示505について、特図ゲームがタイミングt0で変動表示を開始したとき、タイミングt1までの期間Aでシフト表示をおこない、タイミングt3で次の変動表示が開始されるまでの期間(期間B+期間C)で定常表示をおこなう。また、遊技機10は、保留表示505について、特図ゲームの保留記憶数が加算更新されたタイミングで発生表示を表示する。
保留アイコン506のシフト表示は、特図ゲームの変動開始時に、表示態様が時系列で変化するアニメーションによって保留アイコン506の表示位置をシフト(一単位移動)する表示である。具体的には、保留表示505は、発生順に左詰めで4つの保留アイコン506を表示可能であり、特図ゲームの変動開始時に保留記憶数の減算更新に合わせて保留アイコン506を左側に飛び跳ねるようにしてシフトする。なお、保留表示505が表示する保留アイコン506のうちもっとも左(最先、最古)の保留アイコン506は、保留消化表示507における保留消化アイコン508に切り替わる。保留アイコン506のシフト表示例については、後で図21を用いて説明する。
保留アイコン506の定常表示は、特図ゲームの変動表示中であって特図ゲームの始動記憶数に変化がない時(定常時)に、表示態様が時系列で変化するアニメーションによって保留アイコン506の表示態様を周期的に変動する表示(変動表示)である。具体的には、保留表示505は、定常時に保留アイコン506を伸縮表示する。保留アイコン506の定常表示例については、後で図20を用いて説明する。
保留アイコン506の発生表示は、始動記憶の発生時に、表示態様が時系列で変化するアニメーションによって新規の保留アイコン506を左詰めで追加する表示である。すなわち、新規の保留アイコン506は、保留表示505が表示する保留アイコン506のうちもっとも右(最遅、最新)の保留アイコン506となる。保留アイコン506の発生表示例については、後で図19を用いて説明する。
また、保留消化表示507は、特図ゲームの変動開始後、保留アイコン506のシフト表示終了後(タイミングt1)から変動停止時(タイミングt2)までの期間(期間B)で保留消化アイコン508を定常表示し、その後の図柄停止表示期間(期間C)で保留消化アイコン508を非表示にする。
また、特図1保留数表示503と特図2保留数表示504は、全期間において保留記憶数を数字で表示する定常表示を表示する。
また、特図ゲームの大図柄群501は、特図ゲームの変動開始から変動停止までのうちの所定期間で、等速度で変動する定常変動表示をおこない、特図ゲームの変動停止から図柄停止期間(期間C)だけ停止表示をおこなう。なお、特図ゲームの大図柄群501は、特図ゲームの変動開始から変動停止までのうちのその余の期間(所定期間を除く期間)で、変動開始時に変動開始動作を伴う変動開始表示や、リーチ時に特別アクション等を伴う特別変動表示や、変動停止時に変動停止動作を伴う変動停止表示等を表示する。なお、大図柄群501のうち左図柄と右図柄は、縦スクロール変動で定常変動表示をおこない、中図柄は、縦軸回転する切替変動で定常変動表示をおこなう。大図柄群501の縦スクロール変動による定常変動表示については、後で図15を用いて説明する。また、大図柄群501の縦軸回転する切替変動による定常変動表示については、後で図16を用いて説明する。
また、特図ゲームの小図柄群502は、特図ゲームの変動開始から変動停止までの期間(期間A+期間B)で、等速度で変動する定常変動表示をおこない、特図ゲームの変動停止から図柄停止期間(期間C)だけ停止表示をおこなう。小図柄群502の定常変動表示については、後で図17を用いて説明する。
次に、大図柄群501のうち左図柄と右図柄の定常変動表示について図15を用いて説明する。図15は、第1の実施形態の大図柄の縦スクロール変動による定常変動表示の一例を示す図である。
まず、大図柄群501のうち左図柄と右図柄の定常変動表示中の正表示位置を図15(1)に示す。左図柄と右図柄の定常変動表示は、縦方向に並ぶ図柄配列を縦スクロール変動である。たとえば、図柄513,514,515が並ぶとき、表示領域511から臨む図柄は、上から下に流れる方向で変動表示する。このとき、表示領域511から臨む図柄は、図柄中心が表示領域511の縦方向中心線512上にあって、表示領域511から図柄全体を観察可能な位置を正表示位置とする。たとえば、図柄514は、正表示位置にある。
なお、図柄の縦スクロール変動は、表示装置41におけるフレーム単位(表示切替時間単位)で図柄表示位置が書き換えられることで表現されている。ここで、フレームごとの図柄表示位置と、大図柄群501のうち左図柄と右図柄の定常変動表示中のオフセット表示を図15(2)に示す。
たとえば、図柄514(図柄「4」)は、オフセット「0」となる図柄表示位置が正表示位置である。正表示位置にある図柄514は、表示領域511から図柄全体を観察可能になり十分な識別力を有する。また、図柄514は、オフセット「1」となる図柄表示位置は正表示位置でなく、表示領域511から図柄全体の下方約1/3を欠いて図柄全体を観察可能になく十分な識別力を有するといえない。また、図柄514は、オフセット「2」となる図柄表示位置は正表示位置でなく、表示領域511から図柄全体の下方約2/3を欠いて図柄全体を観察可能になく十分な識別力を有するといえない。
なお、大図柄群501のうち左図柄と右図柄の定常変動表示は、1フレーム時間(33.3ms)ごとにオフセットを「0」、「1」、「2」とサイクリックに切り替え、オフセット「0」に切り替えるごとに図柄を1つ更新する。したがって、大図柄群501のうち左図柄と右図柄の定常変動表示は、1図柄当りの表示時間が100ms(=33.3ms×3)であって、1図柄当りの正表示位置表示時間は、33.3msである。
次に、大図柄群501のうち中図柄の定常変動表示について図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の大図柄の縦軸回転する切替変動による定常変動表示の一例を示す図である。
まず、大図柄群501のうち中図柄の定常変動表示中の正表示位置を図16(1)に示す。中図柄の定常変動表示は、図柄が平板状であって、180度縦軸回転するごとに背面側の表示図柄を切り替える切替変動である。たとえば、表示領域511から臨む図柄514は、縦軸回転して変動表示する。このとき、表示領域511から臨む図柄は、観察者に向かって正対して、表示領域511から図柄全体を観察可能な位置を正表示位置とする。たとえば、図柄514は、正表示位置にある。
なお、図柄の切替変動は、表示装置41におけるフレーム単位(表示切替時間単位)で図柄表示態様が書き換えられることで表現されている。ここで、フレームごとの図柄表示態様と、大図柄群501のうち中図柄の定常変動表示中のオフセット表示を図16(2)に示す。
たとえば、図柄514(図柄「4」)は、オフセット「0」となる図柄表示位置(観察者に向かって正対する回転位置)が正表示位置である。正表示位置にある図柄514は、表示領域511から図柄全体を観察可能になり十分な識別力を有する。また、図柄514は、オフセット「1」となる図柄表示位置(観察者に向かって左側が奥行き方向に傾いた回転位置)は正表示位置でなく、図柄が横方向に圧縮されたように見えて十分な識別力を有するといえない。また、図柄514は、オフセット「2」となる図柄表示位置(観察者に向かって右側が奥行き方向に傾いた回転位置)は正表示位置でなく図柄が横方向に圧縮されたように見えて十分な識別力を有するといえない。なお、図柄514は、オフセット「2」のとき、図柄「4」の表示面が裏面側に臨み、前面側に次図柄(図柄「5」)が臨む。
なお、大図柄群501のうち中図柄の定常変動表示は、1フレーム時間(33.3ms)ごとにオフセットを「0」、「1」、「2」とサイクリックに切り替え、オフセット「0」に切り替えるごとに図柄を1つ更新する。したがって、大図柄群501のうち中図柄の定常変動表示は、1図柄当りの表示時間が100ms(=33.3ms×3)であって、1図柄当りの正表示位置表示時間は、33.3msである。
次に、小図柄群502の定常変動表示について図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態の小図柄の切替変動による定常変動表示の一例を示す図である。
まず、小図柄群502の定常変動表示中の正表示位置を図17(1)に示す。なお、小図柄群502は、左図柄、中図柄、右図柄を含んで構成されるが、いずれも同様の定常変動表示である。小図柄の定常変動表示は、図柄配列にしたがい図柄を順次切り替える切替変動である。表示領域520から臨む小図柄は、オフセットの設定がないため、常に図柄全体を観察可能な正表示位置にて表示される。たとえば、図柄524は、正表示位置にある。
なお、小図柄の切替変動は、表示装置41におけるフレーム単位(表示切替時間単位)で小図柄が書き換えられることで表現されている。ここで、フレームごとの図柄表示を図17(2)に示す。
たとえば、小図柄は、あるフレームで図柄523(図柄「3」)を表示領域520に正表示位置で表示したとき、次のフレームで図柄524(図柄「4」)を表示領域520に正表示位置で表示する。小図柄は、同様にして、さらに次のフレームで図柄525(図柄「5」)を表示領域520に正表示位置で表示する。正表示位置にある図柄523,524,525は、いずれも表示領域511から図柄全体を観察可能であり十分な識別力を有する。
このように、小図柄群502の定常変動表示は、1フレーム時間(33.3ms)ごとに図柄を「3」、「4」、「5」、…とサイクリックに切り替える。したがって、小図柄群502の定常変動表示は、1図柄当りの表示時間が33.3msであって、1図柄当りの正表示位置表示時間は、33.3msである。すなわち、小図柄群502の定常変動表示は、常に十分な識別力を有して小図柄を表示する。
次に、保留表示505の保留アイコン506のうちの1つに注目した表示態様の変遷について図18を用いて説明する。図18は、第1の実施形態の保留表示の発生表示と定常表示とシフト表示の切替タイミングの一例を示す図である。
遊技機10は、特図ゲームの保留記憶が発生した場合、保留表示505において当該保留記憶について新規の保留アイコン506を左詰めで追加する発生表示を所定期間(たとえばタイミングt10からタイミングt11までの期間H1)だけおこなう。なお、遊技機10は、保留表示505においてその余の保留記憶がある場合には、その余の保留記憶について定常表示またはシフト表示をおこなう。
遊技機10は、発生表示をおこなった保留アイコン506について特図ゲームの保留記憶が1つ消化されるまでの所定期間(たとえば、タイミングt11からタイミングt12までの期間H2)だけ定常表示をおこなう。なお、遊技機10は、期間H2の間で新たに特図ゲームの保留記憶が発生しても、新規の保留アイコン506について発生表示をおこなうだけで当該保留アイコン506については定常表示をおこなう。
遊技機10は、定常表示をおこなった保留アイコン506について特図ゲームの保留記憶が1つ消化された後の所定期間(たとえば、タイミングt12からタイミングt13までの期間H3)だけシフト表示をおこなう。なお、期間H3は、図14の期間Aと同じである。シフト表示をおこなった保留アイコン506は、保留表示505において1つ左側にシフトし、最も左側にあった場合には保留消化表示507における保留消化アイコン508となる。
次に、保留アイコン506の保留発生表示の表示態様変化について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の保留発生表示の表示態様変化の一例を示す図である。
保留アイコン506の保留発生表示は、表示態様530,531,532,533,534,535を含む。表示態様530は、保留発生表示の起点となる表示態様であり、たとえば極小の雲のような表示態様である。表示態様531は、表示態様530に続く表示態様であり、たとえば小さな雲のような表示態様である。表示態様532は、表示態様531に続く表示態様であり、たとえば中程度の雲のような表示態様である。表示態様533は、表示態様532に続く表示態様であり、たとえば大きな雲のような表示態様である。表示態様534は、表示態様533に続く表示態様であり、たとえば雲の間からキャラクタが覗くような表示態様である。表示態様535は、表示態様534に続く表示態様であり、たとえば雲が消えてキャラクタの識別力が十分な表示態様である。
なお、保留アイコン506としての識別力は、表示態様530がもっとも低く、表示態様531、表示態様532、表示態様533、表示態様534の順に高くなり、表示態様535がもっとも高い。なお、表示態様535は、保留発生表示における保留アイコン506の正表示態様であり、正表示位置に表示される。
また、保留アイコン506の保留発生表示の表示態様変化は、タイミングt10からタイミングt11までの期間H1に含まれるフレーム(表示装置41における表示切替時間)で、表示態様530,531,532,533,534,535を表示することにより実現する。たとえば、遊技機10は、フレームFa1で表示態様530を表示し、フレームFa2で表示態様531を表示し、フレームFa3で表示態様532を表示し、フレームFa4で表示態様533を表示し、フレームFa5で表示態様534を表示し、フレームFa6で表示態様535を表示することで、極小の雲の発生から識別力が十分なキャラクタの表示までを一連のアニメーションとして表示することができる。
なお、遊技機10は、6つの表示態様530,531,532,533,534,535の切替時間を等間隔にしたとき、期間H1のうち1/6の期間について保留アイコン506を識別力が十分な表示態様535とすることができる。
次に、保留アイコン506の保留定常表示の表示態様変化について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の保留定常表示の表示態様変化の一例を示す図である。
保留アイコン506の保留定常表示は、表示態様540,541,542,543,544,545を含む。表示態様540は、保留定常表示の起点となる表示態様であり、たとえばキャラクタの識別力が十分な表示態様である。表示態様541は、表示態様540に続く表示態様であり、たとえば横方向に圧縮された表示態様である。表示態様542は、表示態様541に続く表示態様であり、たとえばさらに横方向に圧縮された表示態様である。表示態様543は、表示態様542に続く表示態様であり、たとえばさらに横方向に圧縮された表示態様である。表示態様544は、表示態様543に続く表示態様であり、たとえば表示態様542と同様の表示態様である。表示態様545は、表示態様544に続く表示態様であり、たとえば表示態様541と同様の表示態様である。
また、保留アイコン506の保留定常表示の表示態様変化は、タイミングt11からタイミングt111までの期間H4に含まれるフレーム(表示装置41における表示切替時間)で、表示態様540,541,542,543,544,545を表示することにより実現する。たとえば、遊技機10は、フレームFb1で表示態様540を表示し、フレームFb2で表示態様541を表示し、フレームFb3で表示態様542を表示し、フレームFb4で表示態様543を表示し、フレームFb5で表示態様544を表示し、フレームFb6で表示態様545を表示することで、横方向に伸縮しながら識別力を違えるキャラクタを一連のアニメーションとして表示することができる。
なお、遊技機10は、期間H4を1周期として、期間H2(図18参照)の間、保留定常表示を繰り返し表示する。したがって、遊技機10は、期間H2で、保留アイコン506としての識別力を可変にしながらも所定周期で識別力が十分な表示態様540を表示する。なお、保留定常表示の保留アイコン506の識別力は、表示態様540が十分な状態でもっとも高く、表示態様541、表示態様542、表示態様543の順に低くなり、表示態様543がもっとも低い。また、保留定常表示の保留アイコン506の識別力は、表示態様543、表示態様544、表示態様545、次周期の表示態様540の順に高くなり、次周期の表示態様540が十分な状態で再度もっとも高くなる。なお、表示態様540は、保留定常表示における保留アイコン506の正表示態様であり、正表示位置に表示される。
また、遊技機10は、6つの表示態様540,541,542,543,544,545の切替時間を等間隔にしたとき、期間H4のうち1/6の期間について保留アイコン506を識別力が十分な表示態様540とすることができる。
次に、保留アイコン506の保留シフト表示の表示態様変化について図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の保留シフト表示の表示態様変化の一例を示す図である。図21(1)に保留シフト表示の表示態様変化と切替タイミングを示し、図21(2)に保留シフトイメージを示す。
保留アイコン506の保留シフト表示は、表示態様550,551,552,553,554を含む。表示態様550は、保留シフト表示の起点となる表示態様であり、表示態様551、表示態様552、表示態様553を経て、保留シフト表示の終点となる表示態様554に至る。表示態様550,551,552,553,554は、いずれもキャラクタの識別力が十分な表示態様であり、表示位置が異なる点で相違する。
また、保留アイコン506の保留シフト表示の表示態様変化は、タイミングt12からタイミングt13までの期間H3に含まれるフレーム(表示装置41における表示切替時間)で、表示態様550,551,552,553,554を表示することにより実現する。たとえば、遊技機10は、フレームFc1で表示態様550を表示し、フレームFc2で表示態様551を表示し、フレームFc3で表示態様552を表示し、フレームFc4で表示態様553を表示し、フレームFc5で表示態様554を表示する。
保留表示505において、保留シフト前の保留アイコン506が保留アイコン表示位置505bにあるとき、保留シフト表示によって保留アイコン506は飛び跳ねるようにして保留アイコン表示位置505bの左隣の保留アイコン表示位置505aに移動(シフト)する。すなわち、保留アイコン506は、表示態様550から表示態様551、表示態様552、表示態様553、表示態様554の順に左方向に移動する。また、保留アイコン506は、表示態様550から表示態様551、表示態様552の順に上方向に移動し、表示態様552から移動方向を変えて表示態様553、表示態様554の順に下方向に移動する。このようにして、保留アイコン506は、十分な識別力を有しながら飛び跳ねるように移動するキャラクタを一連のアニメーションとして表示することができる。
なお、保留シフト前に保留表示505の最も左側にある保留アイコン506、すなわちもっとも古い始動記憶に対応する保留アイコン506は、保留シフトにより保留消化表示507に移動する。なお、表示態様550,551,552,553,554は、保留シフト表示における保留アイコン506の正表示態様であり、表示態様550は保留シフト前の正表示位置に表示され、表示態様554は保留シフト後の正表示位置に表示される。
また、遊技機10は、5つの表示態様550,551,552,553,554の切替時間を等間隔にしたとき、期間H3のうちすべての期間について保留アイコン506を識別力が十分な表示態様550とすることができ、期間H3のうち2/5の期間について保留アイコン506を正表示位置に表示することができる。
次に、変動表示ゲームにおいて飾り図柄として表示される大図柄と小図柄の定常変動における正位置表示時間と正位置表示比率について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の飾り図柄の定常変動における正位置表示時間と正位置表示比率の一例を示す図である。
大図柄群501のうち左図柄と右図柄は、図15を用いて説明したように、一図柄あたり定常変動における正位置表示時間が33.3msであり、非正位置表示時間が66.7ms(=33.3ms×2)である。したがって、大図柄群501のうち左図柄と右図柄は、一図柄の正位置表示比率が33.3%(=33.3/(33.3×3))となる。
また、大図柄群501のうち中図柄は、図16を用いて説明したように、一図柄あたり定常変動における正位置表示時間が33.3msであり、非正位置表示時間が66.7ms(=33.3ms×2)である。したがって、大図柄群501のうち中図柄は、一図柄の正位置表示比率が33.3%(=33.3/(33.3×3))となる。
また、小図柄群502の各図柄(左図柄、中図柄、右図柄)は、図17を用いて説明したように、一図柄あたり定常変動における正位置表示時間が33.3msであり、非正位置表示時間がない。したがって、小図柄群502の各図柄は、一図柄の正位置表示比率が100%となる。
したがって、遊技機10は、飾り図柄(大図柄(左、右)、大図柄(中)、小図柄)の正位置表示時間をすべて同じにして揃えることができる。また、遊技機10は、飾り図柄について所定時間(たとえば、100ms)ごとに所定の正位置表示時間(たとえば、33.3ms)を保持することで、飾り図柄の識別力を担保する。
また、遊技機10は、大図柄群501について正位置表示比率を抑制して興趣ある変動表示態様を実現しつつも、小図柄群502の正位置表示比率を100%とすることで特別図柄(特図)の常時の識別力を担保する。
なお、遊技機10は、1分間に100発を超えない遊技球を遊技領域に向けて発射可能であり、遊技球を約600ms周期で発射する。大図柄群501の定常変動における1図柄当りの正位置表示時間「33.3ms」は、この遊技球発射周期「600ms」を超えない長さである。これにより、遊技機10は、大図柄群501の定常変動における1図柄当りの正位置表示時間を、保留発生機会に関係する遊技球発射周期より短くして、発射操作をおこなう遊技者に対して大図柄群501の興趣ある表示演出効果を高めている。
次に、保留表示における表示種別(保留表示種別)ごとの正位置表示時間と正位置表示比率について図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の保留表示における正位置表示時間と正位置表示比率の一例を示す図である。
保留表示505における保留アイコン506の発生表示は、図19を用いて説明したように、フレーム単位で表示態様を切り替える6態様(表示態様530,531,532,533,534,535)のうちの1態様(表示態様535)が正位置表示に対応し、その余の5態様(表示態様530,531,532,533,534)が非正位置表示に対応する。保留アイコン506の発生表示は、1態様に5フレームを割り当てることから、正位置表示時間が166.7ms(=33.3ms×5)であり、非正位置表示時間が833.3ms(=33.3ms×5×5)である。したがって、保留アイコン506の発生表示は、正位置表示比率が16.7%(=1/6)となる。
保留表示505における保留アイコン506の定常表示(1周期あたり)は、図20を用いて説明したように、フレーム単位で表示態様を切り替える6態様(表示態様540,541,542,543,544,545)のうちの1態様(表示態様540)が正位置表示に対応し、その余の5態様(表示態様541,542,543,544,545)が非正位置表示に対応する。保留アイコン506の定常表示は、1態様に5フレームを割り当てることから、正位置表示時間が166.7ms(=33.3ms×5)であり、非正位置表示時間が833.3ms(=33.3ms×5×5)である。したがって、保留アイコン506の定常表示は、正位置表示比率が16.7%(=1/6)となる。
保留表示505における保留アイコン506のシフト表示は、図21を用いて説明したように、フレーム単位で表示態様を切り替える5態様(表示態様550,551,552,553,554)のうちのすべてが正位置表示に対応する。保留アイコン506のシフト表示は、1態様に3フレームを割り当てることから、各態様の正位置表示時間が100.0ms(=33.3ms×3)であり、5態様のすべてで500.0ms(=100.0ms×5)である。したがって、保留アイコン506のシフト表示は、正位置表示比率が100%(=5/5)となる。遊技機10は、正位置表示比率100%により保留記憶数の減少を把握容易にすることができる。
特図1保留数表示503と特図2保留数表示504は、図13を用いて説明したように、保留記憶数を「0」から「4」の数字を常時表示する。したがって、特図1保留数表示503と特図2保留数表示504は、正位置表示時間が常時となり、非正位置表示時間がなしとなり、正位置表示比率が100%となる。
このように、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の正位置表示時間の関係が、シフト表示>発生表示=定常表示となる。遊技機10は、発生表示の正位置表示時間がシフト表示の正位置表示時間よりも短いが、発生アニメーションにより遊技者の注目を喚起することにより保留記憶の発生を把握容易にすることができる。
また、遊技機10は、遊技者の注目を集める必要性が低い定常表示について、1周期あたりの正位置表示時間をシフト表示や発生表示よりも短くすることができる。すなわち、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の正位置表示時間の関係が、シフト表示>発生表示>定常表示となるようにしてもよい。
また、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の非正位置表示時間の関係が、発生表示=定常表示>シフト表示となる。また、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の正位置表示比率の関係が、シフト表示>発生表示=定常表示となる。なお、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の正位置表示比率の関係を、シフト表示>発生表示=定常表示としたまま、正位置表示時間の関係を、シフト表示>発生表示>定常表示として、非正位置表示時間の関係を、定常表示>発生表示>シフト表示となるようにしてもよい。
なお、遊技機10は、シフト表示、発生表示、および定常表示の表示演出による興趣向上とトレードオフとなる識別力を、特図1保留数表示503と特図2保留数表示504による常時の正位置表示時間と正位置表示比率100%とにより補完することができる。
なお、遊技機10は、大図柄群501の定常変動における正位置表示比率を抑制(33.3%)して興趣ある変動表示態様を実現するが、保留アイコン506の定常表示における正位置表示比率(16.7%)よりも大きくすることが望ましい。これにより、遊技機10は、保留アイコン506の定常表示から遊技者が感得可能な保留アイコン506の識別力よりも大きな識別力を定常変動する大図柄群501に設定できる。
なお、保留アイコン506の発生表示と定常表示における正位置表示時間「166.7ms」、および保留アイコン506のシフト表示における正位置表示時間「500ms」は、遊技球発射周期「600ms」を超えない長さである。これにより、遊技機10は、保留アイコン506の発生表示、定常表示、及びシフト表示における正位置表示時間を、保留発生機会に関係する遊技球発射周期より短くして、発射操作をおこなう遊技者に対して保留表示に対する興趣ある表示演出効果を高めている。
次に、第1の実施形態の変形例1の保留アイコン506の保留シフト表示の表示態様変化について図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態の変形例1の保留シフト表示の表示態様変化の一例を示す図である。図24(1)に保留シフト表示の表示態様変化と切替タイミングを示し、図24(2)に保留シフトイメージを示す。
保留アイコン506の保留シフト表示は、表示態様560,561,562,563,564を含む。表示態様560は、保留シフト表示の起点となる表示態様であり、表示態様561、表示態様562、表示態様563を経て、保留シフト表示の終点となる表示態様564に至る。表示態様560は、保留シフト表示の起点となる表示態様であり、たとえば縦方向に圧縮された表示態様であり、変形により必ずしも識別力が十分であるとはいえない(識別力不十分)。表示態様561は、表示態様560に続く表示態様であり、たとえば横方向に圧縮された表示態様であり、変形により必ずしも識別力が十分であるとはいえない(識別力不十分)。表示態様562は、表示態様561に続く表示態様であり、たとえばさらに横方向に圧縮された表示態様であり、変形により必ずしも識別力が十分であるとはいえない(識別力不十分)。表示態様563は、表示態様562に続く表示態様であり、たとえば表示態様561と同様の表示態様である。表示態様564は、表示態様563に続く表示態様であり、たとえばキャラクタの識別力が十分な表示態様である。表示態様560,561,562,563,564は、いずれも表示位置が異なる点で相違する。
また、保留アイコン506の保留シフト表示の表示態様変化は、タイミングt12からタイミングt13までの期間H3に含まれるフレーム(表示装置41における表示切替時間)で、表示態様560,561,562,563,564を表示することにより実現する。たとえば、遊技機10は、フレームFc1で表示態様560を表示し、フレームFc2で表示態様561を表示し、フレームFc3で表示態様562を表示し、フレームFc4で表示態様563を表示し、フレームFc5で表示態様564を表示する。
保留表示505において、保留シフト前の保留アイコン506が保留アイコン表示位置505bにあるとき、保留シフト表示によって保留アイコン506は変形を伴いながら飛び跳ねるようにして保留アイコン表示位置505bの左隣の保留アイコン表示位置505aに移動(シフト)する。すなわち、保留アイコン506は、表示態様560から表示態様561、表示態様562、表示態様563、表示態様564の順に左方向に移動する。また、保留アイコン506は、表示態様560から表示態様561、表示態様562の順に上方向に移動し、表示態様562から移動方向を変えて表示態様563、表示態様564の順に下方向に移動する。このようにして、保留アイコン506は、必ずしも十分な識別力を有しない状態で飛び跳ねるように移動し、十分な識別力を有して移動を終了するキャラクタを一連のアニメーションとして表示することができる。
なお、保留シフト前に保留表示505の最も左側にある保留アイコン506、すなわちもっとも古い始動記憶に対応する保留アイコン506は、保留シフトにより保留消化表示507に移動する。なお、表示態様564は、保留シフト表示における保留アイコン506の正表示態様であり、表示態様564は保留シフト後の正表示位置に表示される。また、表示態様560,561,562,563は、保留シフト表示における保留アイコン506の非正表示態様であり、表示態様560は保留シフト前の正表示位置に表示される。
また、遊技機10は、5つの表示態様560,561,562,563,564の切替時間を等間隔にしたとき、期間H3のうち1/5の期間について保留アイコン506を識別力が十分な表示態様564とすることができ、期間H3のうち2/5の期間について保留アイコン506を正表示位置に表示することができる。
次に、第1の実施形態の変形例1の保留表示における表示種別(保留表示種別)ごとの正位置表示時間と正位置表示比率について図25を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の変形例1の保留表示における正位置表示時間と正位置表示比率の一例を示す図である。
保留表示505における保留アイコン506の発生表示は、図23で説明した発生表示と同様であり、また、保留表示505における保留アイコン506の定常表示は、図23で説明した定常表示と同様であるから、説明を省略する。
保留表示505における保留アイコン506のシフト表示は、図24を用いて説明したように、フレーム単位で表示態様を切り替える5態様(表示態様560,561,562,563,564)のうちの1つ(表示態様564)が正位置表示に対応し、4つ(表示態様560,561,562,563)が非正位置表示に対応する。保留アイコン506のシフト表示は、1態様に3フレームを割り当てることから、正位置表示時間が100.0ms(=33.3ms×3)である。また、保留アイコン506のシフト表示は、各態様(表示態様560,561,562,563)の非正位置表示時間がそれぞれ100.0ms(=33.3ms×3)なので合計で400.0ms(=100.0ms×4)である。したがって、保留アイコン506のシフト表示は、正位置表示比率が20%(=1/5)となる。遊技機10は、正位置表示比率20%により一定の識別力を担保し、保留記憶数の減少を把握容易にすることができる。
特図1保留数表示503と特図2保留数表示504は、図13を用いて説明したように、保留記憶数を「0」から「4」の数字で常時表示する。したがって、特図1保留数表示503と特図2保留数表示504は、正位置表示時間が常時となり、非正位置表示時間がなしとなり、正位置表示比率が100%となる。
このように、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の正位置表示時間の関係が、発生表示=定常表示>シフト表示となる。遊技機10は、シフト表示の正位置表示時間が発生表示の正位置表示時間よりも短いが、シフト時の保留動作により遊技者の注目を喚起することにより保留記憶のシフトを把握容易にすることができる。
また、遊技機10は、遊技者の注目を集める必要性が低い定常表示について、正位置表示時間を発生表示よりも短くすることができる。すなわち、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の正位置表示時間の関係が、発生表示>定常表示>シフト表示となるようにしてもよい。
また、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の非正位置表示時間の関係が、発生表示=定常表示>シフト表示となる。また、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の正位置表示比率の関係が、シフト表示>発生表示=定常表示となる。なお、遊技機10は、保留アイコン506の保留表示種別の正位置表示比率の関係を、シフト表示>発生表示=定常表示としたまま、正位置表示時間の関係を、発生表示>定常表示>シフト表示として、非正位置表示時間の関係を、発生表示>定常表示>シフト表示となるようにしてもよい。
なお、遊技機10は、シフト表示、発生表示、および定常表示の表示演出による興趣向上とトレードオフとなる識別力を、特図1保留数表示503と特図2保留数表示504による常時の正位置表示時間と正位置表示比率100%とにより補完することができる。
次に、第1の実施形態の変形例2の保留アイコンの定常表示について図26を用いて説明する。図26は、第1の実施形態の変形例2の保留アイコンの定常表示の一例を示す図である。
図26(1)に示す保留表示505は、第1の実施形態で示した定常表示が4つの保留アイコン506で同期している様子を示す。図26(2)に示す保留表示505は、4つの保留アイコン570,571,572,573が定常表示で同期している様子を示す。保留アイコン570,571,572,573は、それぞれ保留アイコン本体574と背景表示575を含んで構成され、背景表示575が保留アイコン本体574を演出する。
保留アイコン570,571,572,573は、全体で定常表示をおこなうようにしてもよいし、背景表示575を固定して保留アイコン本体574が定常表示をおこなうようにしてもよいし、保留アイコン本体574を固定して背景表示575が定常表示をおこなうようにしてもよいし、保留アイコン本体574と背景表示575がそれぞれ独立して定常表示をおこなうようにしてもよい。
なお、保留アイコン本体574は、他の保留アイコン本体574と重ならないようにして表示されることで保留アイコン本体574の十分な視認性を確保し、保留記憶数を一意に把握可能にしている。また、背景表示575は、他の背景表示575と重なることが許容され、表示演出の興趣向上に寄与している。その一方で、背景表示575は、重畳順位が保留消化順位にしたがうことで保留アイコン570,571,572,573の消化順序を一意に把握可能にしている。
なお、背景表示575の重畳順位は、保留アイコン570,571,572,573の期待度等の遊技進行に関連して変更可能にしてもよい。たとえば、保留アイコン572の背景表示575は、保留アイコン572について先読み予告報知等により当りの可能性が高いことを報知しているとき、他の保留アイコン570,571,573の背景表示575に優先する重畳順位が設定される。
なお、背景表示575は、保留アイコン本体574の大きさを超えて演出するものであれば背景表示に限らず、キャラクタやメッセージ、その他アイコン、炎や稲妻等のエフェクト表示等であってもよい。
また、保留表示505は、複数の保留アイコン506の定常表示を同期させることができる。保留アイコン570,571,572,573についても同様である。保留表示505は、複数の保留アイコン506の定常表示を所定タイミングで同期させることができる。たとえば、保留表示505は、発生表示を終了した保留アイコン506を、先に定常表示をおこなっている保留アイコン506に同期させることができる。また、保留表示505は、先に定常表示をおこなっている保留アイコン506の定常表示を、発生表示を終了した保留アイコン506の定常表示開始に同期させるようにしてもよい。また、保留表示505は、発生表示を終了した保留アイコン506が先に定常表示をおこなっている保留アイコン506と非同期に定常表示を開始させてもよく、その場合にシフト表示を契機にしてすべての保留アイコン506の定常表示を同期させるようにしてもよい。
なお、保留アイコン506の定常表示の同期は、図26(3)に示すようにすべての保留アイコン576,577,578,579が同じ表示態様となるものであってもよい。なお、保留アイコン576,577,578,579の定常表示は、明暗部が斜め方向に移動するように表示態様が変化するものであって、保留アイコン576,577,578,579は、左上部を暗部にして右下部を明部にして同期表示している。
また、保留アイコン506の定常表示の同期は、図26(4)に示すようにすべての保留アイコン580,581,582,583が連携した表示態様となるものであってもよい。なお、保留アイコン580,581,582,583の定常表示は、それぞれが異なるタイミングで表示態様が変化しながらも全体として統一感をもって表示態様が変化する。たとえば、保留アイコン580,581,582,583の定常表示は、それぞれの明暗部が斜め方向に移動するように表示態様が変化するものであって、さらにそれぞれが一方向(たとえば、左方向)で隣接する保留アイコンに対して所定のタイムラグを有して表示態様が変化する。なお、保留アイコン580,581,582,583の定常表示は、明暗部が斜め方向に移動するように表示態様が変化するものであって、保留アイコン580は、保留アイコン581に対して所定時間遅れて変化し、保留アイコン581は、保留アイコン582に対して所定時間遅れて変化し、保留アイコン582は、保留アイコン583に対して所定時間遅れて変化し、保留アイコン583は、保留アイコン582に対して所定時間進んで変化する。
また、保留表示505は、たとえば図26(5)に示すように、すべての保留アイコン584,585,586,587について定常表示を同期させないものであってもよい。たとえば、保留表示505は、すべての保留アイコン584,585,586,587について定常表示を非同期としてもよいし、特定の保留アイコン506(たとえば、保留アイコン584)について定常表示を非同期とし、その余の保留アイコン506(たとえば、保留アイコン585,586,587)について定常表示を同期とするものであってもよい。たとえば、保留表示505は、先読み予告報知等により当りの可能性が高いことを報知する対象となる保留アイコン506(たとえば、保留アイコン584)について定常表示を非同期として、その他の保留アイコン506(たとえば、保留アイコン585,586,587)の定常表示と差別化するようにしてもよい。
次に、保留アイコンの発生表示から定常表示への切替について図27から図29を用いて説明する。図27は、第1の実施形態の変形例2の保留アイコンの発生表示から定常表示への切替の一例を示す図(その1)である。図28は、第1の実施形態の変形例2の保留アイコンの発生表示から定常表示への切替の一例を示す図(その2)である。図29は、第1の実施形態の変形例2の保留アイコンの発生表示から定常表示への切替の一例を示す図(その3)である。
図27(1)は、保留表示505が3番目の保留表示(以下、保留表示「3」)を定常表示で表示中に、タイミングt10で4番目の保留表示(以下、保留表示「4」)が発生して発生表示を表示し、タイミングt11で定常表示に切り替えた様子を示す。
なお、定常表示で表示中の保留表示は、保留表示「3」の他に、保留表示「2」(2番目の保留表示)、保留表示「1」(1番目の保留表示)がある。保留表示505は、新規に発生した保留表示(たとえば、保留表示「4」)を新規保留表示とし、新規保留表示に対して既に表示されている保留表示(たとえば、保留表示「1」,「2」,「3」)を既存保留表示として区別し得る。また、定常表示は、表示パターンPT1,PT2,PT3,PT4,PT5,PT6について表示パターンPT1から表示パターンPT6までを1周期にして順次切り替えながら繰り返し表示する。また、発生表示は、表示パターンPH1,PH2,PH3,PH4,PH5,PH6について表示パターンPH1から表示パターンPH6までを順次切り替えながら1回限りで表示する。
保留表示「3」は、終始、定常表示を継続し、保留表示「4」は、タイミングt11から定常表示を開始する。そのため、タイミングt11において、保留表示「3」は表示パターンPT5を表示し、保留表示「4」は保留表示「3」と異なる表示パターンPT1を表示する。このように、保留表示505は、保留表示「3」と保留表示「4」をタイミングt11以降で非同期にして定常表示をおこなう。このような非同期の定常表示は、複数の保留アイコン506について同期化する処理負担を要しない。
なお、表示パターンPH6と表示パターンPT1は、正位置表示に対応する。これにより、保留表示505は、表示パターンPH6と表示パターンPT1が連続する期間で大きな正位置表示時間を確保することができ、保留発生により保留アイコン506に注意を向ける遊技者に対して発生表示と接続しない定常表示よりも大きな識別力を発揮することができる。
次に、別例を図27(2)に示す。図27(2)は、保留表示505が保留表示「3」を定常表示で表示中に、タイミングt10で保留表示「4」が発生して発生表示を表示し、タイミングt11で定常表示に切り替えた様子を示す。
保留表示「3」は、終始、定常表示を継続し、保留表示「4」は、タイミングt11から定常表示を開始する。タイミングt11において、保留表示「3」は表示パターンPT5を表示し、保留表示「4」は保留表示「3」と同じ表示パターンPT5を表示する。このように、保留表示505は、保留表示「3」と保留表示「4」をタイミングt11以降で同期して定常表示をおこなう。このような同期した定常表示は、複数の保留アイコン506について統一感を演出することができる。
次に、別例を図28(1)に示す。図28(1)は、保留表示505が保留表示「3」を定常表示で表示中に、タイミングt10で保留表示「4」が発生し、タイミングt10から遅延時間Tlだけ遅れたタイミングt11で発生表示を表示し、タイミングt12で定常表示に切り替えた様子を示す。
保留表示「3」は、終始、定常表示を継続し、保留表示「4」は、タイミングt12から定常表示を開始する。タイミングt12において、保留表示「3」は表示パターンPT1を表示し、保留表示「4」は保留表示「3」と同じ表示パターンPT1を表示する。このように、保留表示505は、保留表示「3」と保留表示「4」をタイミングt12以降で同期して定常表示をおこなう。このような同期した定常表示は、複数の保留アイコン506について統一感を演出することができる。なお、遅延時間Tlは、保留表示「3」と保留表示「4」のタイムラグ分だけ設定される。
なお、表示パターンPH6と表示パターンPT1は、正位置表示に対応する。これにより、保留表示505は、表示パターンPH6と表示パターンPT1が連続する期間で大きな正位置表示時間を確保することができ、保留発生により保留アイコン506に注意を向ける遊技者に対して発生表示と接続しない定常表示よりも大きな識別力を発揮することができる。
次に、別例を図28(2)に示す。図28(2)は、保留表示505が保留表示「3」を定常表示で表示中に、タイミングt10で保留表示「4」が発生して発生表示を表示し、タイミングt12で定常表示に切り替えた様子を示す。なお、保留表示「4」は、表示パターンPH1についてタイミングt10からタイミングt11までの前延長時間Tpだけ延長して表示する。これにより、保留表示「4」は、保留発生タイミングに遅れることなく発生表示を開始することができる。なお、保留表示「4」は、前延長時間Tpの間、発生表示の最初の表示パターンPH1を表示する。
保留表示「3」は、終始、定常表示を継続し、保留表示「4」は、タイミングt12から定常表示を開始する。タイミングt12において、保留表示「3」は表示パターンPT1を表示し、保留表示「4」は保留表示「3」と同じ表示パターンPT1を表示する。このように、保留表示505は、保留表示「3」と保留表示「4」をタイミングt12以降で同期して定常表示をおこなう。このような同期した定常表示は、複数の保留アイコン506について統一感を演出することができる。なお、前延長時間Tpは、保留表示「3」と保留表示「4」のタイムラグ分だけ設定される。
なお、表示パターンPH6と表示パターンPT1は、正位置表示に対応する。これにより、保留表示505は、表示パターンPH6と表示パターンPT1が連続する期間で大きな正位置表示時間を確保することができ、保留発生により保留アイコン506に注意を向ける遊技者に対して発生表示と接続しない定常表示よりも大きな識別力を発揮することができる。
次に、別例を図29(1)に示す。図29(1)は、保留表示505が保留表示「3」を定常表示で表示中に、タイミングt10で保留表示「4」が発生して発生表示を表示し、タイミングt12で定常表示に切り替えた様子を示す。なお、保留表示「4」は、表示パターンPH6についてタイミングt11からタイミングt12までの後延長表示時間Teだけ延長して表示する。これにより、保留表示「4」は、保留発生タイミングに遅れることなく発生表示を開始することができる。なお、保留表示「4」は、後延長表示時間Teの間、発生表示の最後の表示パターンPH6を表示する。
保留表示「3」は、終始、定常表示を継続し、保留表示「4」は、タイミングt12から定常表示を開始する。タイミングt12において、保留表示「3」は表示パターンPT1を表示し、保留表示「4」は保留表示「3」と同じ表示パターンPT1を表示する。このように、保留表示505は、保留表示「3」と保留表示「4」をタイミングt12以降で同期して定常表示をおこなう。このような同期した定常表示は、複数の保留アイコン506について統一感を演出することができる。なお、後延長表示時間Teは、保留表示「3」と保留表示「4」のタイムラグ分だけ設定される。
なお、延長された表示パターンPH6と表示パターンPT1は、正位置表示に対応する。これにより、保留表示505は、表示パターンPH6と表示パターンPT1が連続する期間で一層長い正位置表示時間を確保することができ、保留発生により保留アイコン506に注意を向ける遊技者に対して発生表示と接続しない定常表示よりも大きな識別力を発揮することができる。
次に、別例を図29(2)に示す。図29(2)は、保留表示505が保留表示「3」を定常表示で表示中に、タイミングt10で保留表示「4」が発生して発生表示を表示し、タイミングt11で発生表示が終了したときに、タイミングt11からタイミングt12までの間で繋ぎ表示PCを表示し、タイミングt12で定常表示に切り替えた様子を示す。これにより、保留表示「4」は、保留発生タイミングに遅れることなく発生表示を開始することができる。なお、保留表示「4」は、繋ぎ表示時間Tcの間、繋ぎ表示PCを表示する。
保留表示「3」は、終始、定常表示を継続し、保留表示「4」は、タイミングt12から定常表示を開始する。タイミングt12において、保留表示「3」は表示パターンPT1を表示し、保留表示「4」は保留表示「3」と同じ表示パターンPT1を表示する。このように、保留表示505は、保留表示「3」と保留表示「4」をタイミングt12以降で同期して定常表示をおこなう。このような同期した定常表示は、複数の保留アイコン506について統一感を演出することができる。なお、繋ぎ表示時間Tcは、保留表示「3」と保留表示「4」のタイムラグ分だけ設定される。
なお、繋ぎ表示PCは、発生表示や定常表示と異なる表示態様であってもよいし、発生表示や定常表示の一部と同じものであってもよい。たとえば、繋ぎ表示PCは、表示パターンPT1と同じであってもよく、その場合に、保留表示505は、繋ぎ表示PCと表示パターンPT1が連続する期間で一層長い正位置表示時間を確保することができ、保留発生により保留アイコン506に注意を向ける遊技者に対して発生表示と接続しない定常表示よりも大きな識別力を発揮することができる。また、繋ぎ表示PCは、発生表示の前に設定するとしたが、発生表示の後に設定するものであってもよい。
なお、繋ぎ表示PCは、正表示態様であってもよいし、非正表示態様であってもよい。また、繋ぎ表示PCは、たとえばアニメーション表示のように2以上の表示態様を切替表示するものであってもよく、その場合に正表示態様と非正表示態様とを含むものであってもよい。
このように、遊技機10は、発生表示から定常表示への切替時に定常表示の同期を図ることができるが、シフト表示を介して定常表示の同期を図るようにしてもよい。次に、保留アイコンの定常表示からシフト表示への切替、およびシフト表示から定常表示への切替について図30を用いて説明する。図30は、第1の実施形態の変形例2の保留アイコンの定常表示からシフト表示への切替、およびシフト表示から定常表示への切替の一例を示す図である。
図30(1)は、保留表示505が1番目の保留表示(以下、保留表示「1」)と、2番目の保留表示(以下、保留表示「2」)と、保留表示「3」とが同期した定常表示であり、後から発生した保留表示「4」が非同期の定常表示であるところ、タイミングt10からタイミングt11までのシフト表示を介することで、保留表示「1」,「2」,「3」がタイミングt11以降で同期した定常表示をおこなう様子を示す。なお、シフト表示は、表示パターンPS1,PS2,PS3,PS4,PS5について表示パターンPS1から表示パターンPS5までを順次切り替えながら1回限りで表示する。
タイミングt10までで非同期に定常表示を表示していた保留表示「1」,「2」,「3」,「4」は、タイミングt10での定常表示からシフト表示への切替により同期する。そして、タイミングt11でのシフト表示から定常表示への切替により、タイミングt10での保留表示「4」はタイミングt11で保留表示「3」となり、タイミングt10での保留表示「3」はタイミングt11で保留表示「2」となり、タイミングt10での保留表示「2」はタイミングt11で保留表示「1」となり、タイミングt10での保留表示「1」はタイミングt11で図示しない保留消化表示となる。
このようなシフト表示を介した定常表示の同期化は、複数の保留アイコン506の現在の表示態様について参照することなく一意におこなうことができるので定常表示の同期にかかる処理負担を軽減できる。
図30(2)は、シフト表示を介した定常表示ですべての保留アイコン506が同期化するところ、一部の保留アイコン506の定常表示を非同期にする様子を示す。タイミングt11以降において、シフト表示を介した保留表示「1」,「2」,「3」が同期するところで、保留表示「2」と保留表示「1」,「3」を非同期にすることがあってもよい。たとえば、保留表示505は、先読み予告報知等により当りの可能性が高いことを報知する対象となる保留アイコン506(たとえば、保留表示「2」)について定常表示を非同期として、その他の保留アイコン506(たとえば、保留表示「1」,「3」)の定常表示と差別化するようにしてもよい。また、保留表示505は、報知する対象となる保留アイコン506とその他の保留アイコン506との間での定常表示にタイムラグの大きさに応じて期待度を示すようにしてもよい。たとえば、保留表示505は、タイムラグが小さい時に小さな期待度を示し、タイムラグが大きい時に大きな期待度を示すようにしてもよい。また、保留表示505は、シフト表示から定常表示への切替タイミングによらずに、定常表示中に報知する対象となる保留アイコン506にタイムラグを設定するようにしてもよい。また、保留表示505は、シフト表示時間を可変にして、報知する対象となる保留アイコン506とその他の保留アイコン506との間でシフト表示時間を異ならせて報知する対象となる保留アイコン506にタイムラグを設定するようにしてもよい。また、保留表示505は、発生表示時間を可変にして、報知する対象となる保留アイコン506とその他の保留アイコン506との間で発生表示時間を異ならせて報知する対象となる保留アイコン506にタイムラグを設定するようにしてもよい。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1) 遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に関連した保留表示(たとえば、保留表示505、保留消化表示507)を表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、保留表示について、正規の識別力を有する第1の表示態様(たとえば、正位置表示、正表示態様)と、正規の識別力に劣る識別力を有する第2の表示態様(たとえば、非正位置表示、非正表示態様)とを、時間経過にしたがい切り替え可能にし、始動記憶の数の加算時に表示する保留加算表示(たとえば、発生表示)において第1の表示態様を第1期間(たとえば、発生表示の正位置表示時間:166.7ms)表示し、始動記憶の数の定常時に周期的に表示する保留定常表示(たとえば、定常表示)において第1の表示態様を第2期間(たとえば、定常表示の正位置表示時間:166.7ms)表示し、始動記憶の数の減算時に表示する保留減算表示(たとえば、シフト表示)において第1の表示態様を、第1期間および第2期間よりも長い第3期間(たとえば、シフト表示の正位置表示時間:500ms)表示する。(図23参照)
(2) 遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に関連した保留表示(たとえば、保留表示505、保留消化表示507)を表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、保留表示について、正規の識別力を有する第1の表示態様(たとえば、正位置表示、正表示態様)と、正規の識別力に劣る識別力を有する第2の表示態様(たとえば、非正位置表示、非正表示態様)とを、時間経過にしたがい切り替え可能にし、始動記憶の数の加算時に表示する保留加算表示(たとえば、発生表示)において第1の表示態様を第1期間(たとえば、発生表示の正位置表示時間:166.7ms)表示し、始動記憶の数の定常時に周期的に表示する保留定常表示(たとえば、定常表示)において第1の表示態様を第2期間(たとえば、定常表示の正位置表示時間:166.7ms)表示し、始動記憶の数の減算時に表示する保留減算表示(たとえば、シフト表示)において第1の表示態様を、第1期間および第2期間よりも長い第3期間(たとえば、シフト表示の正位置表示時間:100ms)表示する。(図25参照)
(3) 遊技機10は、表示手段(たとえば、表示装置41)と、識別情報(たとえば、大図柄群501のうち左図柄と右図柄、大図柄群501のうち中図柄等)を変動表示する変動表示ゲーム(たとえば、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に関連した保留表示(たとえば、保留表示505、保留消化表示507)を表示手段に表示させ、始動記憶にもとづいて実行する変動表示ゲームを表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、保留表示について、正規の識別力を有する第1の表示態様(たとえば、正位置表示、正表示態様)と、正規の識別力に劣る識別力を有する第2の表示態様(たとえば、非正位置表示、非正表示態様)とを、時間経過にしたがい切り替え可能にし、始動記憶の数の定常時に周期的に表示する保留定常表示(たとえば、定常表示)において、第1の表示態様を第1期間(たとえば、定常表示の正位置表示時間:166.7ms)表示し、第2の表示態様を第2期間(たとえば、定常表示の非正位置表示時間:833.3ms)表示し、識別情報について、正規の識別力を有する第3の表示態様(たとえば、正位置表示、正表示態様)と、正規の識別力に劣る識別力を有する第4の表示態様(たとえば、非正位置表示、非正表示態様)とを、時間経過にしたがい切り替え可能にし、識別情報の定常変動時に周期的に表示する定常変動表示において第3の表示態様を第3期間(たとえば、大図柄群501のうち左図柄または右図柄の定常変動の正位置表示時間:33.3ms)表示し、第4の表示態様を第4期間(たとえば、大図柄群501のうち左図柄または右図柄の定常変動の非正位置表示時間:66.7ms)表示するとき、第1期間が1周期内に占める第1表示比率(たとえば、定常表示の正位置表示比率:16.7%)よりも第3期間が1周期内に占める第2表示比率(たとえば、大図柄群501のうち左図柄または右図柄の定常変動の正位置表示比率:33.3%)を大きくする。(図22、図23参照)
(4) 遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に関連した保留表示(たとえば、保留表示505、保留消化表示507)を表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、保留表示について、正規の識別力を有する第1の表示態様(たとえば、正位置表示、正表示態様)と、正規の識別力に劣る識別力を有する第2の表示態様(たとえば、非正位置表示、非正表示態様)とを、時間経過にしたがい切り替え可能にし、始動記憶の数の加算時に新たに表示する新規保留表示(たとえば、保留表示「4」(図29(1))について第2の表示態様を経て第1の表示態様に至る保留加算表示(たとえば、発生表示)を所定期間(たとえば、タイミングt10からタイミングt12(図29(1))表示した後に、第1の表示態様と第2の表示態様とを周期的に切替表示する保留定常表示(たとえば、定常表示)に切り替えるとき、新規保留表示の表示前から表示する既存保留表示(たとえば、保留表示「3」(図29(1))が保留定常表示において第1の表示態様となるタイミング(たとえば、タイミングt12(図29(1))まで、新規保留表示を第1の表示態様(たとえば、発生表示PH6)で表示してから保留定常表示(たとえば、定常表示PT1)に切り替える。(図29(1)参照)
(5) 遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)を表示可能な表示手段(たとえば、表示装置41)と、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に関連した保留表示(たとえば、保留表示505、保留消化表示507)を表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。制御手段は、保留表示について、正規の識別力を有する第1の表示態様(たとえば、正位置表示、正表示態様)と、正規の識別力に劣る識別力を有する第2の表示態様(たとえば、非正位置表示、非正表示態様)とを、時間経過にしたがい切り替え可能にし、始動記憶の数の加算時に新たに表示する新規保留表示(たとえば、保留表示「4」(図29(2))について第2の表示態様を経て第1の表示態様に至る保留加算表示(たとえば、発生表示)を所定期間(たとえば、タイミングt10からタイミングt11(図29(2))表示した後に、第1の表示態様と第2の表示態様とを周期的に切替表示する保留定常表示(たとえば、定常表示)に切り替えるとき、新規保留表示の表示前から表示する既存保留表示(たとえば、保留表示「3」(図29(2))が保留定常表示において第1の表示態様となるタイミング(たとえば、タイミングt12(図29(2))まで、新規保留表示を保留加算表示に含まれない繋ぎ表示態様(たとえば、繋ぎ表示PC)で表示してから保留定常表示(たとえば、定常表示PT1)に切り替える。(図29(2)参照)
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。