JP2020116132A - 水泳補助具 - Google Patents

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誠二 穴井
Seiji Anai
誠二 穴井
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Abstract

【課題】より簡易な構成で、遊泳を愉快に楽しむための水泳補助用具を提供する。【解決手段】細長状に形成された第1の浮体1と細長状に形成された第2の浮体2とを備え、第1の浮体1と第2の浮体2の一端部同士を長尺状の紐3,4で連結したことを特徴とする水泳補助具100である。使用者の体格に合わせ、あるいは、浮力を調節できるように、第1の浮体1の一端部と第2の浮体の一端部の間の長さが可変にするため、前記第1の浮体と前記第2の浮体2にそれぞれ紐3,4の一端が固定され、他端はアジャスター5を介して連結されている。【選択図】図1

Description

本発明は水泳補助具に関する。
従来、水泳用のスポーツ用品には、アクアラング、浮き輪、水かき付きの手袋などがあるが、水上で思いのまま、しかも安全で愉快に遊泳を楽しむための水泳補助用具はなかった。水泳が不得意な者などが用いる水泳補助具用浮き袋として、枕状に水泳者の胴周りに結び付けるようにしたものがある。特許文献1には、少なくとも一個の浮きを取り付けた可撓復元可能な材料の装着帯の一箇所に不連続箇所を設け、この不連続箇所において装着帯を開閉できるように構成した水泳補助具が開示されている。
実開昭62−21371号公報
特許文献1に開示される水泳補助具では、適当な合成樹脂で作られた中空体の内部に空気を封入する枕状の浮きが用いられている。この枕状の浮きの周面に軸方向の環状取り付け部が設けられている。特許文献1に開示される水泳補助具には、装着帯が用いられており、この装着帯は、一定の硬度を有し、可撓復元可能な樹脂で作られている。その装着帯は、その周の一箇所に不連続箇所を有し、この不連続箇所において装着帯を開閉できるようになっている。
しかしながら、特許文献1の構成では、水泳補助具の身体への装着箇所が固定されてしまう問題がある。また、装着帯が一定の硬度のある材料を用いて作成されていることから、取り扱いに困難がある。また、不連続箇所で装着帯の開閉をするように構成されていることから、胴周りの大きさが異なる利用者の身体に装着する際に、水泳補助具の装着帯のサイズの変更が困難である。
プロ・初心者の水泳者に関わらず、バタ足をした方が速く泳ぐことができる。クロールで泳ぐ時、下半身が沈みやすくなるが、バタ足をすることによってその下半身を水面に近づけて身体を水平にし、水平姿勢を保つことで、水の抵抗力を小さくできる。泳ぐ速さは、推進力と抵抗力のバランスによって決まる。推進力が抵抗力よりも大きければ加速し、反対に抵抗力が推進力よりも大きければ減速する。
「水平姿勢を保つこと」が水の抵抗力の削減に貢献し、推進力が変わらなくても泳ぐ速さの向上につながる。つまり、水中で浮き上がりも沈みもしないニュートラルな、プラスマイナスゼロな浮力状態である中性浮力の状態で水平姿勢を保つことが、泳ぐ速さの向上につながるとともに、体力の消耗を少なくし、スムーズな水泳に繋がる。
初心の水泳者や水泳が不得意な人は、泳ぐときに水平姿勢を保つことが困難であり、下半身が沈まないように下半身を水面に近づけた状態で泳ぐことができない。このため、体力の消耗が大きく、長時間泳ぐことができない。そのため、水泳が不得意な人は、遊泳中に水平姿勢(中性浮力の状態)を保つために、背景技術の欄で説明したように、水泳補助具を用いている。
図17は、浮力調整手段の浮体を背中に背負って水泳する状態を説明する図である。水泳の初心の水泳者200や水泳が不得意な人は、泳ぐときに水平姿勢を保つことが困難であり、下半身を水面300に近づけて泳ぐことができない。このため、図17(a)に示されるように、背中に浮体210を結び付けることで、図17(b)に示されるように、背中の浮体によって下半身が水面近くに持ち上げられ、遊泳中の姿勢が水平姿勢に矯正される。
図17(a),図17(b)に示される水泳補助具は、浮体210を身体の背中に装着するものであるので、身体の背中が水没してはじめて、補助浮力を身体に与えることができる。図17(a)の姿勢では浮体からの補助浮力が無い状態である。このため、身体に浮力を付加するために用いる水泳補助具としては不十分である。
図18は、身体を3次元座標に当てはめて説明する図である。Z軸は水面に垂直な方向、X軸は体の中心軸、Y軸はX軸,Z軸に垂直な方向である。X軸とY軸でなす平面は水面に平行な面である。水泳では、上述したように、水中での中性姿勢(水平姿勢)が泳力向上に重要である。図18において水泳者200は、身体がX軸に乗るように中性姿勢(水平姿勢)を維持することが水の抵抗が少なく、効率よく泳ぐことが可能である。人間は中性浮力(水平姿勢)時、上肢側に浮心,下肢側に重心が位置し、それぞれから出る浮力,重力が関係している。
下肢側の重力が浮力を上回っていた場合,Y軸周りに身体が回転して腰落ちが生じ(水中トルク)、抵抗が生まれる。これは水泳が不得意な人間によくみられる姿勢である。そこで、上肢側に浮き輪などの浮体を装着し、上肢側の浮力が大きくなり、浮心と重心の距離を短縮することによって、水平姿勢をとり易くしている。
図19(a),図19(b),図19(c)に示されるように、水泳者200が浮き輪220を用いて水泳する場合、浮き輪の一部分は常に水面300下にあり、上肢側に常に浮力を与えている。上肢側の浮力が大きくなりすぎ、下肢側にある重心とで、身体を水平に保ちにくいことがある。また、浮き輪が腹部または胸部に存在することで、水の抵抗が増大する問題がある。
そこで、本発明の目的は、水泳者が遊泳中に下半身を浮揚させ水平姿勢を保つことを容易にする水泳補助具を提供することである。
本発明の一態様は、細長状の柱状に形成された第1の浮体と、細長状の柱状に形成された第2の浮体、前記第1の浮体と前記第2の浮体の一端部同士を連結する長尺状の連結手段と、を備えた水泳補助具である。
本発明の一態様は、前記長尺状の連結手段の両端は、前記第1の浮体の一端部と前記第2の浮体の一端部とにそれぞれ連結されている水泳補助具である。
本発明の一態様は、前記長尺状の連結手段は、第1の扁平状の紐と、第2の扁平状の紐と、前記第1の扁平状の紐と前記第2の扁平状の紐とを連結するアジャスターと、を有する水泳補助具である。
本発明の一態様は、前記連結手段は、前記アジャスターによって、前記第1の浮体と前記第2の浮体の一端部の間の長さを変更可能である水泳補助具である。
本発明の一態様は、前記第1の浮体と前記第2の浮体は、円錐状、紡錘状、または柱状の立体形状を有する水泳補助具である。
本発明により、水泳者が遊泳中に下半身を浮揚させ水平姿勢を保つことを容易にする水泳補助具を提供できる。これにより、遊泳中の体力の消耗を減らし、遊泳が得意でない者も効率よく泳ぐことができる。
本発明の一実施形態の水泳補助具を示す概略図である。 第1の浮体と第2の浮体の立体形状を説明する図である。 第1の浮体1の側面を直交する2つの面から見た図である。 第1の浮体1の側面から見た図および第1の浮体の上面および下面から見た図である。 第1の扁平状の紐と第2の扁平状の紐とアジャスターとを説明する図である。 本発明の一実施形態である水泳補助具を使って水泳する基本形態を説明する図である。 本発明の一実施形態の水泳補助具の一使用形態(ビート板としての使用形態)を説明する、水泳者を上方から見下ろした図である。 図7の水泳者を頭部方向から見た図である。 本発明の一実施形態の水泳補助具の他の使用形態を説明する、水泳者を上方から見下ろした図である。 図9に示される水泳補助具の他の使用形態から、水泳補助具の通常の使用形態で使用して水泳する水泳者を頭部方向から見た図である。 本発明の一実施形態である水泳補助具を使って平泳ぎをしている状態を説明する図である。 本発明の一実施形態である水泳補助具を使って背泳をしている状態を説明する図である。 本発明の一実施形態である水泳補助具を使って立ち泳ぎをしている状態を説明する図である。 本発明の一実施形態である水泳補助具を緊急時の訓練としての使用形態を説明する図である。 本発明の一実施形態である水泳補助具を座り姿勢で使用する使用形態を説明する図である。 本発明の一実施形態である水泳補助具を立ち姿勢で使用する使用形態を説明する図である。 浮力調整手段の浮体を背中に背負って水泳する状態を説明する図である。 身体を3次元座標に当てはめて説明する図である。 浮き輪を使って遊泳する状況を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。図1は本発明の一実施形態の水泳補助具100を示す概略図である。水泳補助具100は、細長状に形成された第1の浮体1と、細長状に形成された第2の浮体2と、第1の浮体1と第2の浮体2とを連結する長尺状の連結手段を備えている。連結手段によって第1の浮体1と第2の浮体2のそれぞれの一端部が連結される。第1の浮体1の一端部に第1の扁平状の紐3の一端が取り付けられ、第2の浮体2の一端部に第2の扁平状の紐4の一端が取り付けられている。
そして、第1の浮体1と第2の浮体2とは、第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4とアジャスター5を介して連結されている。第1の浮体1と第2の浮体2は、第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4とアジャスター5を介して連結されている。第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4とを連結手段としてアジャスター5を用いることは一つの例である。所定の長さの扁平状の紐を用いて、第1の浮体1と第2の浮体2とを直接,結びつけてもよい。なお、第1の浮体1と第2の浮体2を連結する紐は扁平状の紐に限定されるものではない。
図2は第1の浮体1と第2の浮体2の立体形状を説明する図である。第1の浮体1と第2の浮体2は、同一の立体形状を有する。第1の浮体1と第2の浮体2は、海水あるいは淡水より比重の軽い材料を用いて作成してもよいし、それぞれ内部が密閉された空洞を有する樹脂成型品としてもよい。第1の浮体1と第2の浮体2を含めて水泳補助具100を構成する部材の材料は、環境負荷の少ないもの、公的機関らが推奨する材質のものを用いることが望ましい。第1の浮体1と第2の浮体2の少なくとも表面は撥水性の材料を用いて構成することが望ましい。
あるいは、第1の浮体1と第2の浮体2は、中空体の内部に空気を封入して膨張したときに同一の立体形状を取りうる構成が望ましい。水泳補助具100を使用する際に、第1の浮体1と第2の浮体2に空気を注入できるように、第1の浮体1と第2の浮体2に、図示しない空気注入口を設けてもよい。第1の浮体1と第2の浮体2から空気を排気することによって、水泳補助具100の収納が容易になる。
第1の浮体1と第2の浮体1は、外周が円形状の細長い立体形状をなしている。なお、空気封入式の場合は、第1の浮体1と第2の浮体2内に空気を封入して膨張させたときの外形形状が、外周が円形状の細長い形状をなしている。なお、外周が円形状の細長い形状の第1の浮体1と第2の浮体1の外形形状は、円形状で真ん中が太く、両端がしだいに細くなる紡錘状としてもよい。あるいは、円錐状など他の細長い立体形状としてもよい。第1の浮体1と第2の浮体2は、細長い立体形状となるように、その長軸方向の長さと短軸方向の長さの比および、求める浮力が得られるように、寸法が設定される。
第1の浮体1と第2の浮体2のそれぞれの一端部に、第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4がそれぞれ取り付けられるように、留め具1a、2aが設けられている。留め具1a、2aは、例えば、貫通穴1c,2c(図3を参照)を有する形状のものとし、第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4の一端を結びつけることができる。留め具1a,2aは、吸盤状の形状を有する部材を有し、第1の浮体1、第2の浮体2の一端部に接着剤によって接着してもよい。留め具1a,2aがそれぞれ取り付けられる第1の浮体1,2から脱落しない構造を採用する。あるいは、端部に貫通穴1c,2cを有する一体成形品として第1の浮体1と第2の浮体を作成してもよい。あるいは、留め具1a,2aを備えた芯材と、前記芯材を包む比重の軽い材質の部材とにより第1の浮体1と第2の浮体2を構成してもよい。
第1の浮体1と第2の浮体2の少なくとも一方の表面に、スマートフォン、ホイッスル、GPS発信機などの小物を収納するポケット1b,2bを設けてもよい。また、第1の浮体1と第2の浮体2の少なくとも一方の表面は、発光性塗料を塗布してもよい。発光性塗料を塗布することで、遭難した際に発見し易くなる。発光性の材質のものを用いて第1の浮体1と第2の浮体2を構成してもよい。第1の浮体1と第2の浮体2の表面の色を異ならせてもよい。海では1色より2色の方が遠方から目視し易い。
図3(a),図3(b)は第1の浮体1の側面を直交する2つの面から見た図である。第1の浮体1の一端部に、貫通穴1cを有する留め具1aを取り付ける。貫通穴1cの孔の直径は大人の指が入る程度の大きさ(約2.5cm〜3.0cm)とするとよい。図示しないが第2の浮体2も同様である。
図4は第1の浮体1の側面から見た図および第1の浮体の上面および下面から見た図である。図示しない第2の浮体2も同様である。第1の浮体の一端部に留め具1aが取り付けられ、他端部には第1の浮体1内に空気を送り込み、あるいは、排気するための空気口1dが設けられている。空気口1dは、水泳補助具100を使用して遊泳中に第1の浮体1から空気が漏れないように、図示しない栓の構造を備えている。第2の浮体2に設けられる空気口も同様である。
図5は第1の扁平状の紐と第2の扁平状の紐とアジャスター5とを説明する図である。第1の扁平状の紐の端部3aを第1の浮体1の留め具1aに結び付ける。第2の扁平状の紐の端部4aを第2の浮体2の留め具2aに結び付ける。アジャスター5に、第1の扁平状の紐の端部3bと第2の扁平状の紐の端部4bを、第1の浮体1と第2の浮体2との間隔を調整できるように、装着する。
アジャスター5を用いることによって、遊泳中でも容易に、第1の浮体1と第2の浮体2の間隔を調整することができる。つまり、第1の浮体1と第2の浮体による浮力調整ができる。なお、第1の浮体1と第2の浮体2の間隔を調整可能であれば、アジャスター5と第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4の組み合わせ以外の長さ調整手段を用いてもよい。
ここで、水泳補助具100の一つの例として数値を用いて説明する。図4に記載されているように、第1の浮体1、第2の浮体2はそれぞれ、長軸方向に約36cmの長さ、短軸方向に約8〜10cmの円柱状の立体形状として構成する。体重70kg重前後の成人では、空気膨張式の第1の浮体1と第2の浮体2のそれぞれの浮力は、約2.7kg重程度が望ましい。子供の場合は、それより小さい浮力の浮体を用いる。
第1の浮体1と第2の浮体2とは、連結する扁平状の紐(第1の扁平状の紐3、第2の扁平状の紐4)、アジャスター5によって、両者の間隔を最小で10cm、最大45cmに変えることができる。第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4の短軸方向の長さ(幅)は、2.5cm〜3cmとする。
次に、各種の泳法において本発明の一実施形態である水泳補助具100を用いた泳ぎ方を説明する。図6は本発明の一実施形態である水泳補助具を使って水泳する基本形態を説明する図である。図6(a)は水泳補助具100を使用中の水泳者200を頭部方向から見た図、図6(b)は左側面から見た図6(c)は斜め上から見た図である。水泳補助具100を用いることで、水泳者200は水平姿勢を維持するのが容易になる。
第1の浮体1と第2の浮体2を連結する紐の長さを、水泳者200の両乳間の間隔の長さに等しくなるように、第1の扁平状の紐3と第4の紐とによる紐の長さをアジャスター5によって調節する。このように紐の長さを調節することで、図6(b),図6(c)に示されるように、第1の浮体1と第2の浮体2が水面300上向きに伸びた状態となる。これによって、第1の浮体1と第2の浮体2が、水泳者200の両上肢を動かす際の障害となるのが抑制される。
図6(a)に示されるように、第1の浮体1と第2の浮体2は、水泳者200が泳いでいる時に水面下の胸の前に無く(図19(a),図19(b)と比較)、第1の浮体1と第2の浮体2による水の抵抗が小さい。また、図6(b)、図6(c)に示されているように、上半身の両脇に配置されている第1の浮体1と第2の浮体2が水面300下に沈む部分の長さ(体積)が、水泳者200自身の浮力を調節するように増減する。水泳者200自身の浮力と水泳補助具100の第1の浮体1と第2の浮2の浮力とによって、全体として水泳に適した浮力が得られる。
水泳の初心者や水泳が不得意な水泳者200は、水泳補助具100をビート板として使用することができる。図7は本発明の水泳補助具100をビート板として使用する使用形態を説明する図である。図7は水泳者200を上方から見下ろした図である。図8は図7の水泳者200を頭部方向から見た図である。水泳補助具100の浮体1または第2の浮体2のいずれか一方を両手で掴んで、バタ足の練習をすることができる。図7,図8に示されるように、水泳者200が把持しない第2の浮体2は、水泳者の身体の左側方に位置するため、息継ぎの練習、バタ足の練習に影響を及ぼさない。
上述したように、水泳補助具100はビート板としての使用が可能であるが、水泳の初心者が水泳補助具100の使用に慣れる際の最初の使い方の使用形態としてもよい。なお、水泳初心者の泳法の練習に、最初から図6(a)〜図6(c)により行うことが考えられる。
図9は水泳補助具100の他の使用形態を説明する図であり、水泳者を上方から見下ろした図である。第1の浮体1と第2の浮体とを連結する紐の長さを短くすることで、第1の浮体1と第2の浮体とを恰も一つのビート板のようにして、水泳者200の胸の下面に配置させた状態で水泳を練習することができる。
図10は図9に示される水泳補助具の他の使用形態から、水泳補助具100の通常の使用形態で使用して水泳する水泳者200を頭部方向から見た図である。第1の浮体1と第2の浮体2とを連結する紐の長さを、水泳者200の両方の乳頭間の長さに調節して使用する形態が、通常の水泳補助具100の使用方法である。水泳補助具100は紐の長さを水泳者200の身体に合わせて調整することが可能である。また、第1の浮体1と第2の浮体2の間隔を紐の長さを調節して変えることで、水面300下に没する第1の浮体1と第2の浮体2の部分を調節できる。これによって、水泳補助具100によって得られる浮力の大きさを自在に調節できる。
図11(a)〜J(c)は、水泳補助具100を使って平泳ぎをしている状態を示す図である。図11(a)に示すように水泳補助具100の紐を胸部の位置にして遊泳すると、下半身が沈み込む場合、図11(b)に示されるように水泳補助具100の紐を腹の位置にして中性浮力の状態(水平姿勢)で平泳ぎをする。図11(c)は息継ぎで頭部を水面300から上方に上げた状態を示している。息継ぎで頭部を水面300から上げると、下半身が沈み込む。下半身が沈み込むことで、水泳補助具100による浮力が大きくなり、下半身を水面300方向に持ち上げ、身体を中性姿勢(水平姿勢)に自動的に調整する。
水泳者200は、第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4とアジャスター5からなる、第1の浮体1と第2の浮体の連結手段を、水泳者200の胸のところに位置させ、細長状に形成された第1の浮体1を右脇側、細長状に形成された第2の浮体を左脇側に位置するようにし、水泳補助具100を用いる。水泳補助具100の第1の浮体1と第2の浮体2の間隔は、左右の乳頭の間隔に、第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4とによる長さをアジャスター5によって調節するとよい。身体の下側に第1の浮体1と第2の浮体が存在しないので、水泳中の水の抵抗が大きくなるのを避けることができる。
また、第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4とアジャスター5からなる連結手段は、第1の浮体1と第2の浮体2の浮力によって、水泳者200の上半身を上方に持ち上げている。このため、水泳中に、第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4とアジャスター5からなる連結手段が胸の位置から腹の位置にずれたり、胸の位置からはずれたりすることがない。連結手段の紐は扁平状であること、浮力がそれほど大きくないことから、人体に不快感を与えることは無視できる。
第1の浮体1と第2の浮体2とは、扁平状の紐3,4とアジャスター5で連結されている。このため、上肢の動きによって第1の浮体1と第2の浮体2は各々自在に姿勢を変更できる。これによって、上肢の運動が容易になり、水泳が不得意な者や水泳の初心者が水泳補助具100を使って泳ぐ際に違和感が少なく泳ぐことができる。水泳補助具100は、水泳者200の身体の胴体部や腕部や足部に、バンドなどで装着するものではない。このため、水泳補助具100を身体の最適な位置に水泳者200自身が微調整して使用することができる。水泳補助具100を身体に固定していないので、以下に示すように様々な水泳形態で、水泳補助具100を使用することができる。
図12は本発明の他の使用形態(背泳としての使用形態)を説明する、図12(a)は水泳者200を側方から見た図である。図12(b)は図12(a)の水泳者200を頭部方向から見た図である。水泳者200の背中の側には、第1の浮体1と第2の浮体2を連結する連結部材(第1の扁平状の紐3と第2の扁平状の紐4とアジャスター5)が位置することから、水の抵抗が少ない。また、第1の浮体1と第2の浮体2が背中の位置にほとんど位置しないので、浮力の調節が容易になされる。
図13は本発明の一実施形態である水泳補助具を使って立ち泳ぎをしている状態を説明する図である。図13(a)は水泳者200の左側面を見た図、図13(b)は水泳者200を正面から見た図である。水泳補助具100の第1の浮体1を右脇下に第2の浮体2を左脇下に挟み、水中で立ち姿勢で泳ぐことが可能である。水泳補助具100の第1の浮体1と第2の浮体2は完全に水没しているから、水泳補助具100による最大の浮力が得られ、水中に身体を浮かばせることができる。水泳に疲れた場合に、水中で休憩することができる。再び、クロールや平泳ぎを始める場合は、下肢を水面300近くに浮かせる姿勢に移ることは容易である。
図14は本発明の一実施形態である水泳補助具を緊急時の訓練としての使用形態を説明する図である。水難時の訓練として、水面300に浮かぶ浮体(例、ペットボトル)に捕まり救助を待つことが考えられる。図14に示されるように、水泳補助具100の第1の浮体1を両手で掴み、身体を第1の浮体の下側にして疲労が少ない姿勢をとる。第1の浮体1または第2の浮体2のいずれか一方を両手で掴んで浮力を得るのに用いることができる。
図15は、本発明の他の使用形態(座り姿勢での使用形態)を説明する、水泳者200を側方から見た図である。図16は、本発明の他の使用形態(立ち姿勢での使用形態)を説明する、水泳者200を側方から見た図である。水泳補助具100の第1の浮体1と第2の浮体2は完全に水没しているから、水泳補助具100による最大の浮力が得られる。水泳補助具100の第1の扁平状の紐3や第2の扁平状の紐4を手で身体から離して、足や腰の部分に移動させて、水泳者200が意図する使用法で、水泳補助具100を活用することができる。
上述したように、水泳補助具100は、複数の泳法における水泳補助具として活用ができる。
1 第1の浮体
1a 留め具
1b ポケット
1c 貫通穴
1d 空気口
2 第2の浮体
2a 留め具
2b ポケット
2c 貫通穴
3 第1の扁平状の紐
3a 端部
3b 端部
4 第2の扁平状の紐
4a 端部
4b 端部
5 アジャスター

100 水泳補助具

200 水泳者
210 浮体
220 浮き輪

300 水面

Claims (4)

  1. 細長状に形成された第1の浮体と、
    細長状に形成された第2の浮体と、
    前記第1の浮体と前記第2の浮体の一端部同士を連結する長尺状の連結手段と、
    を備えた水泳補助具。
  2. 前記長尺状の連結手段の両端は、前記第1の浮体の一端部と前記第2の浮体の一端部とにそれぞれ連結された請求項1に記載の水泳補助具。
  3. 前記長尺状の連結手段は、
    第1の扁平状の紐と、
    第2の扁平状の紐と、
    前記第1の扁平状の紐と前記第2の扁平状の紐とを連結するアジャスターと、を有し、
    前記連結手段は、前記アジャスターによって、前記第1の浮体と前記第2の浮体の一端部の間の長さを変更可能である請求項1または2に記載の水泳補助具。
  4. 前記第1の浮体と前記第2の浮体は、円錐状、紡錘状、または柱状の立体形状を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の水泳補助具。
JP2019009798A 2019-01-23 2019-01-23 水泳補助具 Pending JP2020116132A (ja)

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