[本発明の一実施形態]
以下、本発明の一実施形態を示す遊技機であるパチスロについて、図1〜図40を参照しながら説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置等の表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図6を参照して、一実施形態に係るパチスロ1の構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、後述するホッパー装置51やメダル補助収納庫52等(図5参照)を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
外装体2の内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11とを備えている。
ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに取り付けられており、キャビネット2aの開口部を開閉する。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられている。この液晶表示装置11は、表示部(表示画面)11aを備えており、液晶表示装置11を用いて映像の表示による演出が実行される。
フロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させるパネル開口10aを有する枠状に形成されている。フロントパネル10には、ランプ群18が設けられている。ランプ群18は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
フロントドア2bの中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域4は、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rに対応して設けられている。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施の形態では、リール表示窓4の上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかを組合せて構成される擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓4は、台座部12に設けられた枠部材13により形成されている。この枠部材13は、リール表示窓4と、情報表示窓14と、ストップボタン取付部15を有している。
情報表示窓14は、リール表示窓4の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓4と情報表示窓14は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓14及びリール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。
窓カバー16は、枠部材13の内面側に配置されており、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材13は、窓カバー16を挟んで情報表示窓14の開口に対向するシート載置部17を有している。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー16は、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。
ストップボタン取付部15は、情報表示窓14の下方に設けられており、正面を向いた平面に形成されている。このストップボタン取付部15には、ストップボタン19L,19C,19Rが貫通する貫通孔が設けられている。ストップボタン19L,19C,19Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン19L,19C,19Rを、それぞれ左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rという。
ストップボタン19L,19C,19Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部12には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口21、BETボタン22、スタートレバー23が設けられている。
メダル投入口21は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられている。メダル投入口21に受け入れられたメダルは、1回の遊技につき予め定められた規定数(例えば、3枚)を上限として投入可能であり、パチスロ1は、該規定数を超えた分はパチスロ1の内部に預けることが可能となる、いわゆるクレジット機能を有している。また、メダル投入口21の近傍には、メダル投入口21に投下されたメダルを、後述するメダル払出口32から排出し、メダルトレイユニット34に返却する返却ボタン21aが設けられている。返却ボタン21aは、例えば、メダル投入口21に投下されたメダルがパチスロ1の後述するメダルセレクタ201内部でメダル詰まりが発生し、パチスロ1でメダル詰まりエラーを検知した場合に、操作される。
BETボタン22は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。スタートレバー23は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。
また、フロントドア2bを正面から見てリール表示窓4の左側方には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器24が設けられている。この7セグ表示器24は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2bを正面から見て台座部12の左側には、精算ボタン27が設けられている。この精算ボタン27は、パチスロ1の内部に預けられている外部に引き出す(排出する)ために設けられる。台座部12の下方には、腰部パネルユニット31が設けられている。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L,33Rと、メダルトレイユニット34が設けられている。メダル払出口32は、後述のメダルセレクタ201から排出されるメダルや後述のホッパー装置51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口325から排出されたメダルは、メダルトレイユニット34に貯められる。スピーカ用孔33L,33Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
[内部構造]
図3及び図4は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じた状態を示している。また、図4では、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開いた状態を示している。図5は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図6は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
キャビネット2aは、上面板20aと、底面板20bと、左右の側面板20c,20dと、背面板20eを有している(図5参照)。キャビネット2a内部の上側には、キャビネット側スピーカ42が配設されている。このキャビネット側スピーカ42は、取付ブラケット43L,43Rを介してキャビネット2aの背面板20eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ42は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット2a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ42の左側方には、キャビネット側中継基板44が配設されている。このキャビネット側中継基板44は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。キャビネット側中継基板44は、ミドルドア41(図3及び図4参照)に取り付けられた後述する主制御基板71(図27参照)と、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット2a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ42による音の出力を制御するアンプ基板45が配設されている。このアンプ基板45は、左右の側面板20c,20dに固定された取付棚46に取り付けられている。
また、キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の右側には、外部集中端子板47が配設されている(図5参照)。この外部集中端子板47は、キャビネット2aの右側面板20dに取り付けられている。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号等の信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の左側には、サブ電源装置48が配設されている。サブ電源装置48は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。サブ電源装置48は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置53に供給し、また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板45に供給する。
キャビネット2aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置という。)51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53が配設されている。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板20bの中央部に取り付けられている。ホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能であり、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、例えば、精算ボタン27(図2参照)が押圧されてパチスロ内部に預けられているメダルの精算を行うときに、収容したメダルをクレジット枚数分排出する。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図2参照)から排出される。このようなホッパー装置51は、遊技媒体を貯留及び該貯留した遊技媒体を排出する貯留手段の一例として機能する。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置されている。メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板20bに係合されており、底面板20bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板20cに取り付けられている。この電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bを有している(図27参照)。電源装置53は、サブ電源装置48から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図3、図4及び図6に示すように、ミドルドア41は、フロントドア2bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓4(図4参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア41の上部と下部には、ドアストッパ41a,41b,41cが設けられている。このドアストッパ41a,41b,41cは、リール表示窓4を裏側から閉じた状態のミドルドア41の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア41を開くには、ドアストッパ41a,41b,41cを回転させてミドルドア41の固定を解除する必要がある。ミドルドア41には、主制御基板71(図27参照)を収納した主制御基板ケース55と、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられている。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図6に示すように、主制御基板ケース55には、設定用鍵型スイッチ56が設けられている。この設定用鍵型スイッチ56は、パチスロ1の設定を変更もしくはパチスロ1の設定の確認を行うときに使用する。本実施の形態では、主制御基板ケース55と、この主制御基板ケース55に収納された主制御基板71(図27参照)により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71(図27参照)は、後述する主制御回路91(図28参照)を構成する。主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成は後述する。
ミドルドア41の上方には、副制御基板72(図27参照)を収容する副制御基板ケース57が配設されており、副制御基板ケース57の上方には、センタースピーカ58が配設されている。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72は、副制御回路101(図29参照)を構成する。この副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース57の右側方には、副中継基板61が配設されている。副中継基板61は、副制御基板72(図27参照)と主制御基板71(図27参照)とを接続する配線を中継し、また、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板72の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板62A,62B,62C(図27参照)が挙げられる。
LED基板62A,62B,62C(図27参照)は、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース57の両側に配設されている。これらLED基板62A,62B,62Cは、副制御回路101(図29参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示す複数のLED85(図27参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施の形態のパチスロ1には、LED基板62A,62B,62C以外に複数の演出用LED基板を備えている。
副中継基板61の下方には、24hドア開閉監視ユニット63が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴を保存する。また、ミドルドア41を開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板72(図27参照)(副制御回路101(図29参照))に出力する。
ミドルドア41の下方には、ボードスピーカ64と、下部スピーカ65L,65Rが配設されている。ボードスピーカ64は、腰部パネルユニット31(図2参照)に対向しており、下部スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔33L,33R(図2参照)に対向している。
下部スピーカ65Lの上方には、メダルセレクタ201と、メダルシュート202と、ドア開閉監視スイッチ67と、が配設されている。メダルセレクタ201は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを判別する装置であり、メダル投入口21に投入されたメダルを、スロープ203を介してホッパー装置51(図5参照)へ案内し、又はメダルシュート202へ案内する。メダルセレクタ201の具体的な構成については後述する。メダルシュート202は、略Y字状の筒状の部材であり、メダルセレクタ201によって案内されたメダルやホッパー装置51から排出されたメダルをメダル払出口32(図2参照)に案内する。本実施形態では、メダル投入口21から投入されたメダルを検出するメダルセレクタ201は、遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段を構成する。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、メダルセレクタ201の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア41により開閉される領域には、ドア中継端子板68が配設されている(図4参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71(図27参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72(図27参照)、メダルセレクタ201及び遊技動作表示基板81(図27参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン22、精算ボタン27、ドア開閉監視スイッチ67、後述するBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
<メダルセレクタの構成>
次に、メダルセレクタ201の具体的な構成について説明する。
図7は、メダルセレクタ201を組み立てた状態を示す斜視図である。
図7に示すように、メダルセレクタ201は、ベース板部204と、サブプレート205と、キャンセルシュータ206と、セレクトプレート207と、メダルソレノイド208(図9参照)、カメラユニット209と、を備えている。また、各プレートやカバー部材の素材には、ABS樹脂やPC樹脂を使用することができる。
図8は、メダルセレクタ201の分解斜視図である。
図8に示すように、ベース板部204は、メダルセレクタ201の外枠筐体を構成する略板状の部材であり、パチスロ1の左右方向の両端部がパチスロ1の後方に折曲するように成型されている。ベース板部204は、パチスロ1の前後方向に直交する一方の平面である後面204bと他方の平面である前面204a(図9参照)を有している。後面204bには、メダルレール210が、パチスロ1の前方へ凹むように、且つ、上方から下方に向かって延び、略L字状に形成されている。メダルレール210の表面には、メダルレール210が延びる方向に沿って、複数の突条部が形成されている。これにより、メダルレール210を通過するメダルとの摩擦が軽減され、メダルがメダルレール210に詰まることが防止可能となる。
ベース板部204の上端部には、メダルレール210の上端に連なり、メダル投入口21(図2参照)から投入されるメダルを受け入れるメダル入口部211が設けられている。メダル入口部211からメダルセレクタ201内に投入されたメダルは、メダルレール210に沿って上方から下方へ移動する。ベース板部204の下部には、メダルレール210の下端に連なるメダル出口部204cが設けられている。メダルセレクタ201内を移動したメダルは、メダル出口部204cから排出され、スロープ203(図6参照)を介してホッパー装置51に収容される。このようなスロープ203は、遊技媒体検出手段から、貯留手段に遊技媒体を導くための誘導部の一例として機能する。
メダルレール210の略中間位置には、前後方向に貫通する中央孔212が形成されており、この中央孔212からメダルレール210内にメダルプレッシャ213の端部が露出している。
図9は、メダルセレクタ201をパチスロ1の斜め前方から見た斜視図である。なお、図9から図15に示す矢印Xはパチスロ1の左右方向を示し、矢印Yはパチスロ1の前後方向を示し、矢印Zは上下方向を示す。
図9に示すように、メダルプレッシャ213は、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部214に回動可能に支持されている。この軸部214には、コイルばね215が取り付けられており、メダルプレッシャ213は、その端部が、コイルばね215により、メダルプレッシャ213が中央孔212からメダルレール210内(後面204b側)に突出するように付勢されている。
ベース板部204の前面204aには、メダルレール210上を移動するメダルのうち、適正な材質でない不正メダルを吸着(着磁)するための磁石(不図示)が設けられている。
図8に示すように、メダルレール210の下流領域の略中央部には、前後方向に貫通し、後述するアフタメダルプレッシャ218の後端部が露出する上露出孔219が形成されている。また、メダルレール210の下流領域の下部には、前後方向に貫通し、セレクトプレート207の後述するメダルストッパ部227(図13参照)の突出部227aがメダルレール210内(後面204b側)に露出する下露出孔220が形成されている。
図9に示すように、アフタメダルプレッシャ218は、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部218aに、その前端部が回動可能に支持されている。アフタメダルプレッシャ218は、この軸部218aに設けられたコイルばねにより、後端部が上露出孔219(図8参照)からメダルレール210内(後面204b側)に突出しないように付勢されている。そして、アフタメダルプレッシャ218は、前端部がメダルソレノイド208によってパチスロ1の後方(後面204b側)へ押圧されると、軸部218aを中心に回動し、後端部が上露出孔219からメダルレール210内(後面204b側)に露出する。
図8に示すように、サブプレート205は、メダルレール210と重なる位置に設けられている板状の部材である。サブプレート205は、平板状の本体部221と、この本体部221の上部に設けた軸部222と、後述する第1の導光体261を取り付けるための取付部材272と、を有している。本体部221の略中央部には、メダルレール210の中央孔212、上露出孔219及び下露出孔220を含む位置の後方に配置され、前後方向に貫通する貫通孔221aが設けられており、貫通孔221aからはメダルレール210の略中央部から下流領域が露出して、後述するカメラユニット209の撮影可能最大領域を形成している。
軸部222は、ベース板部204に支持されており、サブプレート205は、軸部222を中心に回動可能にベース板部204に取り付けられている。軸部222には、コイルばね223が取り付けられている。通常時、サブプレート205は、コイルばね223の付勢力により、ベース板部204側に押し付けられている。このとき、サブプレート205と、サブプレート205に覆われたメダルレール210の上部との間には、メダルが通過可能な空間が形成されている。すなわち、サブプレート205は、メダルを通過させるガイド板として機能する。
キャンセルシュータ206は、サブプレート205の後方において、メダルレール210に面して配置されており、カメラユニット209や配線基板288等を保持する板状の中間部材293及び中間部材293を覆うカバー部材294と、を有する。キャンセルシュータ206は、中間部材293に形成されたビス取付け部206aに回転自在にビス206bが配置されている。
図7に示すように、キャンセルシュータ206は、ビス206bが、ベース板部204のビス受け部204dの螺合部に螺合することで、ベース板部204に固定されている。すなわち、キャンセルシュータ206は、ビス止めにより、ベース板部204に着脱可能に固定され、ベース板部204の下部を、サブプレート205(図8参照)を挟んで、後方から覆っている。なお、ビス206bは止め輪が嵌めこまれて、ビス受け部204dからビス206b外しても、ビス206bがビス取付け部206aから脱落することがない。
ここで、例えば、メダルセレクタ201内にメダル詰まりが生じた場合、ビス受け部204dからビス206b外して、ベース板部204からキャンセルシュータ206を取り外し、サブプレート205(図8参照)を露出させる。そして、サブプレート205をコイルばね223の付勢力に抗して軸部222(図8参照)を中心に回動させて、メダルレール210を露出させて、詰まったメダルを除去することで、メダル詰まりを解消することができる。
図10は、パチスロ1の斜め前方から見たキャンセルシュータ206の分解斜視図である。
キャンセルシュータ206の中間部材293には、カメラユニット209の開口領域となる開口部293aが形成されている。開口部293aの開口領域は、カメラユニット209が撮影領域RLa(後述する図25参照)を撮影するために、カメラユニット209のレンズ283(後述する図18参照)の近傍の画角に干渉しない面積で形成されている。
図11は、中間部材293の開口部293aが形成された部分の断面図である。図11においては、理解を容易にするため、中間部材293の開口部293a近傍に配置されているカメラユニット209(アクリル樹脂取付ユニット296、レンズ保護カバー295、レンズホルダ275、レンズユニット287及び配線基板288)を点線で示している。カメラユニット209(アクリル樹脂取付ユニット296、レンズ保護カバー295、レンズホルダ275、レンズユニット287及び配線基板288)については、後述する。
中間部材293には、開口部293aの周縁において、メダルレール210(図8参照)と反対側(図11中B方向)の面から突出し、カメラユニット209が配置されている突出部としてのオフセット部293bが形成されている。このオフセット部293bには、後述するアクリル樹脂取付ユニット296が透光性素材で形成されているアクリル樹脂製板296aを挟み込んだ状態で固定され、開口部293aを塞いでいる。アクリル樹脂製板296aの開口部293aと反対側(図11中B方向)の面には、レンズユニット287及びレンズ保護カバー295が配置されている。すなわち、透光板としてのアクリル樹脂製板296aは、保持手段としての中間部材293と撮像手段としてのカメラユニット209との間に配置されており、開口部293aを塞いでいる。また、本実施形態では、カメラユニット209は、メダルを撮像することで、パチスロ1に投入されたメダルを検出する検出手段を構成する。
また、中間部材293は、開口部293aの周縁において、メダルレール210(図8参照)が配置されている方向(図11中F方向)に向かうにつれ、開口部293aの中央から外側に向かって傾斜するテーパー処理がなされている。このように、中間部材293は、開口部293aの内法寸法293a’がメダルレール210に向かって徐々に広がっている。
このように、カメラユニット209の開口領域となる開口部293aの周縁に、メダルが通過するメダルレール210(図8参照)と反対側の面にオフセット部293bを形成し、このオフセット部293bにカメラユニット209を配置することで、カメラユニット209とメダルレール210とをより離すことが可能となり、カメラユニット209で撮像できる撮像可能範囲が広くなる。よって、より広い範囲で、通路を通過するメダルを撮像できる。したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を、撮像された画像に基づき高精度に検知するために必要な撮像可能範囲を確保可能な遊技機を提供できる。また、開口部293aの周縁にオフセット部293bを形成することで、中間部材293の強度が向上し、中間部材293が撓み、中間部材293に保持されたカメラユニット209の光軸がズレてしまい、適正位置でメダルを撮像できなくなり、不正行為を検知する精度が低下するのを防止できる。
また、開口部293aの周縁に、内法寸法293a’がメダルレール210(図8参照)に向かって広がるテーパー処理をしたので、開口部293aのメダルレール210側の縁が、カメラユニット209の撮像範囲に入ってしまい、メダルレール210を通過するメダルを撮像できる範囲が狭くなってしまうことを防止できる。また、開口部293aの周縁メダルレール210側をテーパー処理することで、メダルレール210を通過するメダルが、中間部材293側に倒れ、開口部293aの周縁に接触した場合に、このメダルをスムーズに受け流すことができる。よって、メダルが開口部293aの周縁に接触した状態で詰まってしまい、適正位置でメダルを撮像できなくなり、不正行為を検知する精度が低下するのを防止できる。また、少なくとも開口部293aの周縁メダルレール210側上下方向の下周縁をテーパー処理することで、開口部293aの下周縁に塵等の異物が溜まるのを防止できる。よって、開口部293aの周縁に異物が溜まり、この異物が通過物体とともに、撮像手段に撮像されてしまい、不正行為を検知する精度が低下するのを防止できる。したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を、撮像された画像に基づき高精度に検知するために必要な撮像可能範囲を確保可能であり、不適切な画像が撮像されることを防止可能な遊技機を提供できる。
また、中間部材293とカメラユニット209との間に開口部293aを塞ぐアクリル樹脂製板296aを配置したので、メダルレール210(図8参照)側から、塵等の異物がカメラユニット209の内部に侵入するのを防止できる。よって、カメラユニット209の内部へ異物が侵入し、カメラユニット209により適切にメダルを撮像できなくなり、不正行為を検知する精度が低下するのを防止できる。また、このような異物がアクリル樹脂製板296aに付着したとしても、カメラユニット209をメダルレール210に合焦させておくことで、異物が付着したアクリル樹脂製板296aの位置は、カメラユニット209の結像距離より短いので、カメラユニット209によるメダルの撮像に対する影響が少ない。したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を、撮像された画像に基づき高精度に検知するために必要な撮像可能範囲を確保可能であり、不適切な画像が撮像されることを防止可能な遊技機を提供できる。
図8に戻って、キャンセルシュータ206内部に設けられた配線基板288には、ハーネス(図示無し)の一端が接続され、このハーネスはキャンセルシュータ206内部から外部に延びて、他端が後述するドア中継端子板68(図30参照)等に接続される。このため、キャンセルシュータ206端部近傍には、このようなハーネスを固定するための構成として、中間部材293にハーネス受け部293cが形成されており、カバー部材294において、このハーネス受け部293cと対応する位置に、ハーネスを束ねる帯形状の結束部材である結束バンド(図示無し)を挿通させる通し孔294bや、ハーネスを押えるための先端側押え部294cが形成されている。
図12は、キャンセルシュータ206におけるハーネスを固定するための構成を説明する図である。図12中一点鎖線はハーネスHを示し、破線はハーネスを束ねる帯形状の結束部材である結束バンドを挿通させる経路Bを示している。中間部材293は、所定方向に延びるハーネスHが配置されるハーネス受け部293cを有する。ハーネス受け部293cは、ハーネスHが配置される配置面293dと、配置面293dの側縁に連なり、配置面293dから離れるほど突出し、ハーネスHを配置面293d側に寄せる寄せ面293eと、を有する。また、ハーネス受け部293cには、ハーネスHが延びる所定方向と直交する方向に延び、ハーネスHを束ねる結束バンド(図示無し)が配置される溝293fが形成されている。溝293fは、配置面293d及び寄せ面293eの表面が欠き込まれて形成され、ハーネスHが延びる所定方向と直交する方向において、ハーネス受け部293cの中心側から端部側(配置面293d側から寄せる寄せ面293e側)に上り傾斜する傾斜部293gを有する。また、溝293fの側面は、結束バンドが溝293fから脱落しないための壁を形成し、溝293fの両端部は、後述するカバー部材294の一対の通し孔294bと対向する位置に形成されている。また、傾斜部293gの傾斜角は、カバー部材294の通し孔294bの一方に挿入された結束バンドが屈曲して、他方の通し孔294bにカバー部材294の外側に挿通しやすい角度が設けられている。なお、本実施形態における結束バンドは一般的なナイロン素材により形成されているので、結束方向への柔軟な屈曲性を有している。
また、中間部材293は、ハーネス受け部293cより、ハーネスHの基端側(配線基板288方向)に形成された基端側押え部293hを有する。基端側押え部293hは、ハーネス受け部293cの配置面293dに直交する方向において、配置面293dから所定寸法離れた位置において、ハーネスHが延びる所定方向と直交する方向に延びている。また、基端側押え部293hは、その端部に設けられ、配置面293dに直交する方向において、配置面293d側に突出するフック部293iを有する。
これにより、ハーネス受け部293cに配置されたハーネスHの基端側を、基端側押え部293hで押さえることができるので、例えば、ハーネスHが引っ張られた場合に、ハーネスHが基端側押え部293hに押さえられ、引っ張る力がハーネスHの接続部分(配線基板288のコネクタ)に掛かり、この接続部分が破損するのを防止できる。また、例えば、組立時において、ハーネスHを、ハーネス受け部293cと基端側押え部293hとの間に挿入し、フック部293iに引っ掛けることで、ハーネスHが基端側押え部293hから外れてしまい、カバー部材294と中間部材293に挟まれて、ハーネスHが断線するのを防止でき、また、接続部分に不用意な力が掛かるのを防止できるので、作業効率を向上できる。
カバー部材294は、中間部材293に取り付けられた状態において、溝293fの両端近傍に夫々形成されており、カバー部材294を貫通し、結束バンド(図示無し)が挿通する一対の通し孔294bを有する。また、カバー部材294は、一対の通し孔294bの間に形成されており、ハーネス受け部293c側の面の一部が、ハーネス受け部293c側に突出している先端側押え部294cを有する。
このように、中間部材293にハーネス受け部293cを形成し、このハーネス受け部293cに傾斜部293gを有する溝293fを形成することで、メダルセレクタ201を組み立てる場合、作業者は、ハーネス受け部293cに、所定方向に延びるハーネスHを配置する。そして、経路Bに示すように、ハーネスHの表面側から溝293fに結束バンドを挿入することで、ハーネスHの背面側に結束バンドを配置する。その後さらに結束バンドを溝293fに押し込むことで、結束バンドの先端が、溝293fの傾斜部293gに当接し、ハーネスHの表面側に突出する。この状態で、作業者は、ハーネスHの背面側を通って、先端がハーネスの表面側に突出した結束バンドの両端を結束することで、ハーネスHを束ねたり、固定したりすることができる。これにより、結束バンドをハーネスの背面側に回してから表面側に突出させる作業が容易になる。したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置の組立作業の作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、このように、ハーネス受け部293cを覆うカバー部材294に、一対の通し孔294bを形成し、これらの間に先端側押え部294cを形成することで、メダルセレクタ201を組み立てる場合、作業者は、ハーネス受け部293cに、所定方向に延びるハーネスHを配置し、カバー部材294によりハーネス受け部293cを覆う。そして、結束バンドの先端を、カバー部材294の外部から一方の通し孔294bに通して、カバー部材294の内部に挿入する。すると、結束バンドは、溝293fに挿入され、ハーネスHの背面側に配置される。その後さらに結束バンドを溝293fに押し込むことで、結束バンドの先端は、溝293fの傾斜部293gに当接し、ハーネスHの表面側に突出し、他方の通し孔294bを通って、カバー部材294の外部に突出する。この状態で、作業者は、結束バンドの両端を結束することで、ハーネスHが先端側押え部294cに押え付けられた状態で、カバー部材294に固定する。これにより、ハーネスHをカバー部材294で覆った後でも、容易に結束バンドをハーネスHの背面側に回して、カバー部材294に固定することができる。したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置の組立作業の作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
図8に戻って、カバー部材294は、中間部材293の後方に配置されており、中間部材293に配置されたカメラユニット209や配線基板288を覆った状態で、ビス294aにより脱着可能に、中間部材293に固定されている。
セレクトプレート207は、ベース板部204に取り付けられており、サブプレート205の貫通孔221aと重なる位置において、メダルレール210を移動するメダルをガイドする部材である。
図13は、メダルセレクタ201のセレクトプレート207の斜視図である。
図13に示すように、セレクトプレート207は、ベース板部204の後面204b(図8参照)側に配置され、略台形板状に形成されているプレート本体224と、プレート本体224からパチスロ1の前方側(ベース板部204の前面204a(図9参照)側)へ延び、後述する軸部228(図9参照)が貫通する軸受孔225aが形成されている一対の軸受部225と、を有している。また、プレート本体224の上部には、パチスロ1の前方側(ベース板部204の前面204a側)へ延び、端部が上方へ折曲することで形成されているフランジ部226が形成されている。また、一方の軸受部225には、軸受孔225aを挟んでプレート本体224とは異なる方向において、ベース板部204の前面204a側において下方へ延び、端部に突出部227aが形成されているメダルストッパ部227が形成されている。突出部227aは、メダルレール210の下露出孔220(図8参照)から、ベース板部204の後面204b側に突出可能である。
図8に示すように、プレート本体224は、サブプレート205の貫通孔221aが配置された部分におけるメダルレール210に沿って延びている。
図9に示すように、セレクトプレート207は、一対の軸受部225の軸受孔225aに、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部228が挿通することで、ベース板部204に回動可能に支持されている。セレクトプレート207は、軸部228に設けられたコイルばね229により、軸受孔225aを中心として、フランジ部226がパチスロ1の前方側へ回動する方向であり、突出部227a(図8参照)がメダルレール210の下露出孔220(図8参照)から、ベース板部204の後面204b側に突出する方向に付勢されている。フランジ部226は、メダルソレノイド208の一端部と接触している。フランジ部226は、メダルソレノイド208がON状態にあるとき、メダルソレノイド208の一端部に押圧され、コイルばね229の付勢力に抗してパチスロ1の後方へ移動する。このときの、セレクトプレート207の回動位置を「ガイド位置」と称する。また、メダルソレノイド208がOFF状態にあるとき、フランジ部226はメダルソレノイド208の押圧から解放され、コイルばね229の付勢力によってパチスロ1の前方へ移動する。このときの、セレクトプレート207の回動位置を「排出位置」と称する。
図14は、メダルセレクタ201がメダルをホッパー装置へ案内する場合のメダルの経路を示す図である。
図14に示す状態において、セレクトプレート207は、ガイド位置に配置されており、プレート本体224の下辺224aからメダルレール210の下辺210aまでの最短距離が最小寸法となっている。この最小寸法は、メダルの規格寸法の許容最小直径より僅かに小さい寸法である。このため、メダルレール210とプレート本体224との間を通過するメダルが規格寸法とおりであれば、当該メダルの端部がプレート本体224に引っ掛かり、プレート本体224にガイドされ、ホッパー装置51(図4参照)に至るメダル出口部204cから排出される。また、このときメダルストッパ部227の突出部227a(図8参照)は、下露出孔220から突出しない。
一方、メダルレール210とプレート本体224との間を通過するメダルが規格寸法より小さい場合には、当該メダルの端部がプレート本体224に引っ掛からないので、メダルプレッシャ213(図8参照)に押圧され、メダルレール210から離れる方向(図14中Y方向)に倒れ、メダル出口部204cに至る前に下方に落下し、メダルシュート202(図4参照)を介してメダル払出口32(図2参照)から排出される。
本実施形態において、セレクトプレート207は、通常、ガイド位置に位置付けされているが、所定の条件下(例えば、メダルがクレジット可能な最大(50)枚数の時、エラー発生時、遊技開始時等)では、排出位置に位置付け可能になっている。
図15は、メダルセレクタ201がメダルをメダルシュートに案内する場合のメダルの経路を示す図である。
図15に示す状態において、セレクトプレート207は、排出位置に配置されており、メダルストッパ部227の突出部227aが下露出孔220から突出し、プレート本体224の下辺224aからメダルレール210の下辺210aまでの最短距離が、図14に示す最小寸法より大きい寸法となっている。排出位置におけるこの寸法は、メダルの規格寸法の許容最大直径より大きい寸法である。このため、メダルレール210とプレート本体224との間を通過するメダルは、端部がプレート本体224に引っ掛からないので、メダルプレッシャ213に押圧され、又は、下露出孔220から突出するメダルストッパ部227の突出部227aに押し出され、メダルレール210から離れる方向(図15中Y方向)に倒れ、メダル出口部204cに至る前に下方に落下し、メダルシュート202(図4参照)を介してメダル払出口32(図2参照)から排出される。
<カメラユニットの要部構造>
図16は、メダルレール210とカメラユニット209との位置関係を説明する分解図である。なお、図16では、理解を容易にするため、キャンセルシュータ206(図8参照)と後述する配線基板288(図18参照)の記載を省略している。
カメラユニット209は、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判別するユニットである。
カメラユニット209は、サブプレート205の貫通孔221aが配置された部分におけるメダルレール210に対向する位置に配置され、キャンセルシュータ206にビス止めされることで固定されている。
図17は、カメラユニット209の分解斜視図である。
カメラユニット209は、アクリル樹脂取付ユニット296と、レンズ保護手段としてのレンズ保護カバー295と、レンズユニット287(撮像レンズ)と、レンズ保持手段としてのレンズホルダ275と、アクリル樹脂製保護カバーシート297と、配線基板288に取り付けられているCMOSイメージセンサ232(図30参照)と、を備える。
アクリル樹脂取付ユニット296は、透光性素材で形成されている透光板としてのアクリル樹脂製板296aを挟み込んで固定した状態で、キャンセルシュータ206の中間部材293のオフセット部293b(図11参照)に固定されている。アクリル樹脂製板296aは、中間部材293(図11参照)とレンズユニット287との間に配置されており、中間部材293の開口部293a(図11参照)を塞いでいる。
レンズ保護カバー295は、アクリル樹脂取付ユニット296に固定され、レンズユニット287を囲う形状に形成され、レンズユニット287を保持するレンズホルダ275を、メダルレール210(図16参照)とCMOSイメージセンサ232(図30参照)が取り付けられている配線基板288との間に固定する。レンズ保護カバー295は、メダルレール210側の端部がアクリル樹脂製板296aと密着し、CMOSイメージセンサ232側の端部が配線基板288と密着した状態で組み込まれている。
詳細には、レンズ保護カバー295は、CMOSイメージセンサ232(図30参照)側の端部に、レンズホルダ275の外周と係合するレンズ係合部295aを有する。本実施形態に示す例では、レンズ保護カバー295は、レンズユニット287を囲う中空の略四角柱形状の部分を有し、この部分の配線基板288側の端部に、レンズ係合部295aが形成されている。レンズ係合部295aは、略四角柱形状に形成されたレンズホルダ275の外周と略同一形状で形成された内壁を有する。また、レンズ係合部295aには、レンズホルダ275の外周の一部が、レンズ係合部295aから突出可能である一対の凹部295bが形成されている。レンズホルダ275の外周の一部と、レンズ係合部295aの一対の凹部295bと、は互いに嵌合する。
また、本実施形態では、配線基板288において、CMOSイメージセンサ232(図30参照)に隣接してハーネスを接続可能なGPIO用コネクタ288aが配置されている。レンズ保護カバー295は、配線基板288に密接したときに、GPIO用コネクタ288aの少なくとも一部(例えば、露出しているGPIO用コネクタ288aの5面のうち、ハーネスが接続される面以外の4面)を囲うコネクタ保護部295cが形成されている。また、コネクタ保護部295cが配線基板288に密接することで、GPIO用コネクタ288aのハーネスが接続される面以外の面を囲う。これにより、コネクタ保護部295cと配線基板288により、GPIO用コネクタ288aのハーネスが接続される面以外の面が保護されることとなる。
レンズユニット287は、光軸がメダルレール210に向かうように配置されている後述するレンズ283〜285(図18参照)が装着されている。レンズホルダ275は、レンズ保護カバー295に固定され、レンズユニット287をCMOSイメージセンサ232(図30参照)に結像可能に保持する。アクリル樹脂製保護カバーシート297は、レンズホルダ275のレンズユニット287を支持する方向と反対方向に配置されている。
また、カメラユニット209の配線基板288には、後述するCMOSイメージセンサ232(図30参照)と、CMOSイメージセンサ232と通信可能、及び、制御可能に接続されている制御LSI234(図30参照)が設けられている。CMOSイメージセンサ232(図30参照)は、メダルレール210上を移動するメダルを撮像し、撮像したメダルの画像データを制御LSI234に出力する。なお、カメラユニット209の回路の具体的な構成については後述する。
本実施形態では、CMOSイメージセンサ232及び制御LSI234を設けた一つの基板で、カメラユニットを構成しているが、CMOSイメージセンサ232及び制御LSI234を個別の基板でカメラユニット209を構成するようにしてもよい。また、イメージセンサの固体撮像素子として、CMOSイメージセンサ232に代えてCCDを使用することができる。
このように、レンズユニット287を保持するレンズホルダ275を、レンズ保護カバー295で囲み、このレンズ保護カバー295のメダルレール210(図16参照)側の端部をアクリル樹脂製板296aと密着させ、CMOSイメージセンサ232(図30参照)側の端部を配線基板288と密着させた状態で組み込むことで、レンズユニット287が収容されているレンズ保護カバー295の内部に煙草の脂や埃等の異物が侵入するのを防止できる。したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するためのレンズに異物が付着することを防止可能な遊技機を提供できる。
また、レンズ保護カバー295のCMOSイメージセンサ232(図30参照)側の端部において、レンズホルダ275の外周と係合するレンズ係合部295aに、レンズホルダ275の外周の一部がレンズ係合部295aから突出可能である凹部295bを形成した。これにより、カメラユニット209の組立時において、レンズユニット287を保持したレンズホルダ275の外周の一部を凹部295bに嵌め込んで、レンズホルダ275の外周をレンズ係合部295aに係合させることで、レンズユニット287をCMOSイメージセンサ232に対する適切な位置に配置し固定できる。よって、カメラユニット209の組立作業が容易になる。
また、コネクタ保護部295cにより、配線基板288に配置されたGPIO用コネクタ288aの少なくとも一部を囲うことで、GPIO用コネクタ288aへの異物の侵入を防止できるので、GPIO用コネクタ288aに異物を挿入し不正行為を行う、所謂ゴトを防止可能となる。また、レンズユニット287を囲むレンズ保護カバー295にGPIO用コネクタ288aの少なくとも一部を囲うコネクタ保護部295cを形成したので、レンズユニット287を保護する部材とGPIO用コネクタ288aを保護する部材が一体となり、1つの金型で複数の機能を有する部材(レンズ保護カバー295)を作成することが可能となるため、設計・製造コストを抑えることが可能となる。
カメラユニット209について、詳細に説明する。
図18は、カメラユニット209要部の断面構造(14A)と、ユニット要部に用いるレンズホルダ275(14B)を示す。図18用いた以下の説明において、上がメダルレール210(図8参照)が配置されている方向である。
カメラユニット209の配線基板288上には、後述する図30に示す、CMOSイメージセンサ232、制御LSI234、LED駆動部252等の電子部品と、カバーガラス289と、が実装されている。配線基板288の上側には、レンズホルダ275が冠着されている。配線基板288は、ガラスエポキシ基板やセラミック基板等で構成され、配線基板288の表面には配線パターン(不図示)が形成されている。
レンズホルダ275は、(14B)に示すように、下向きに開口した矩形状の開口部279を有した下部277と、下部277よりも幅狭の上部276とを有する。上部276には、(14A)に示すレンズユニット287が装着される円柱状の貫通孔278が穿設されている。貫通孔278の内側面には、雌ねじ部281が形成されている。貫通孔278は、雌ねじ部281の上端縁280より上方で外側に向けてテーパー部(傾斜部)282が形成されている。レンズホルダ275は、(14A)に示すように、カバーガラス289を覆うように配線基板288上に接着剤291により固着されている。レンズホルダ275は、図16に示すように、アクリル樹脂取付ユニット296上に支持され、アクリル樹脂製保護カバーシート297及びレンズ保護カバー295を介してキャンセルシュータ206(図8参照)に固定されている。レンズホルダ275は、(14A)に示すように、CMOSイメージセンサ232(図30参照)の前方において複数個の集光レンズ(レンズ283〜285)を多層状に保持するレンズ保持構造を有するレンズ保持手段を構成している。レンズ保持手段としては、レンズホルダ275による場合に限定されず、例えば、スペーサを介してレンズを多層状に配置して保持する構造のもの等を使用することができる。集光レンズには、凸型レンズに限らず、断面蒲鉾型の変形レンズ等を使用することができる。また、本実施形態のレンズユニット287は、複数個の集光レンズ(レンズ283〜285)を多層状に保持するレンズ保持構造を採用することで単焦点の略広角レンズの特性を有することとなる。
レンズホルダ275の主要素材としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはPC樹脂等の熱可塑性樹脂等の各種樹脂を使用することができる。本実施形態の場合、レンズホルダ275に液晶ポリマー複合体(Liquid Crystal Polymer Composite:LCPC)を使用している。LCPCは液晶様性質を示す、熱可塑性樹脂に属する合成樹脂(液晶ポリマー材)のひとつである。LCPCは、液晶ポリマー材以外の樹脂材と比べると、発塵が少なく、耐熱性、剛性等に優れた特性を備えている。レンズユニット287もレンズホルダ275と同様の素材で成形されている。
集光レンズ(レンズ283〜285)やレンズホルダ275は温度変化により微妙に歪変形すると、該歪変形により撮像画像のピント(フォーカス)ずれが生じて、刻印判定や色判定の精度に影響を及ぼしてしまう。本実施形態においては、レンズホルダ275及びレンズユニット287を主要材料のLCPCにより作製することによって、レンズの厚さ、曲率、屈折率、あるいはレンズホルダ275の高さ寸法、レンズ間をスペーサを介して積層する場合のスペーサの厚さ等が熱変形しようとしても、これらの変形を相殺するように、LCPCの特性により原型が維持されるため、安定した撮像動作に適したレンズホルダ275を実現することができる。
<レンズホルダ及びレンズユニットの組成構造>
レンズホルダ275及びレンズユニット287の構成素材は、LCPCと、LCPCに対して30%(重量比)で配合したガラスフィラー(Glass Filler:GF)とを配合した組成構造を有する。GFの配合比は、30%に限定されず10〜40%のいずれかでもよい。LCPC及びGF以外の組成材料として、遮光性を高めるためのカーボンブラック、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤等がレンズホルダ275及びレンズユニット287に僅かに混合されている。
図19は、種々のGF配合比(0〜50の6段階)で成形したレンズホルダ275に対し、常温よりも高い温度(50℃、60℃、70℃)下の環境試験を行った試験結果を示す。環境試験結果は、温度上昇に伴って生ずるレンズの厚み、曲率及び屈折率の変化の度合いを○(変化小)、△(撮像動作に影響はしないもの「○」よりも変化は顕著にある)、×(撮像動作に影響する変化を生ずる)で評価したものである。
図19の環境試験結果からわかるように、GFをLCPCに対し10〜40%(重量比)配合するのが好ましい。温度上昇により複合レンズの各レンズには歪みを生ずるが、レンズ歪み以外の構造歪み(例えば、レンズがレンズホルダ275及びレンズユニット287と干渉した場合の圧力作用による歪み)も生ずる。上記10〜40%の配合比による組成構造の場合には、該構造歪みをホルダ素材側で打ち消すように変形して、相殺して抑止ないし抑制することができるので、構造歪みによるピントずれを起こすことなく高画質の撮像を行うことができる。殊に、温度上昇によるレンズ歪みが多少生ずるが、該構造歪みを解消しているので、予め分析可能なレンズ歪みに撮像処理上の対策を講じるだけで済み、構造歪み対策用パーツを追加しなくてよく、無駄なコストアップを招来せずにレンズ保持機構(カメラユニット209及びレンズユニット287)の製造コストの低減を図れ、遊技機のコストダウンに寄与する。
レンズユニット287は、(14A)に示すように、全体として大径部と小径部の2段構造の筒形状を有し、筒内部に3個の集光レンズ(レンズ283〜285)が装着、収容された複合レンズ系ユニットのレンズ収容部である。大径のレンズ283は、大径部に反射防止用絞り部品283aを介して中間のレンズ284上に装着されている。レンズ283の上側周辺は、ストッパー部材283bにより押圧固定されている。レンズ283の上側にはカバーシート283cが装着されている。レンズユニット287の小径筒部には、レンズ284及びレンズ285が内装されている。レンズ284及びレンズ285は、スペーサ284aを介して積層されている。レンズ285は、反射防止用絞り部品285cを介して2つのレンズ285aと285bに分離されている。反射防止用絞り部品283a、285cは、レンズのF値(レンズの明るさを示す指標)を決めるための絞り部品である。レンズユニット287の小径部の外周には、雌ねじ部281と螺着可能な雄ねじ部286が形成されている。レンズホルダ275を配線基板288上に固着した状態において、貫通孔278は、カバーガラス289に対向している。
レンズ283〜285の集光レンズには、樽型歪みが発生するレンズが使用されている。集光レンズによる結像には、一般に樽型や糸巻型に歪む歪曲収差を伴う。糸巻型レンズを使用したとき糸巻型の歪曲収差が生じるため、歪のない中心領域が小さくなり広範囲の高画質画像の取得が難しい。本実施形態においては、樽型歪みが発生するレンズを使用することにより、広範囲の画像取得を可能にしているとともに、樽型歪みが発生するレンズの歪曲収差を考慮した画像データの歪み補正処理を行っている。画像データの歪み補正処理は、後述する刻印判定処理及び色判定処理において実行される前に実行される。
図20は、樽型歪みが発生するレンズを介して得られた画像データ領域を示す。
画像データ領域は全体として歪みを含んだ樽型の全体領域16aを示し、中心領域16bは歪みのない領域になっている。後述する画像認識DSP回路242(図31参照)による刻印判定処理手段(第1判定手段))、及び、カラー認識回路247(図31参照)による色判定処理手段(第2判定手段)は、歪みのない中心領域16bを除く全体領域16aの歪んだ領域を歪み補正処理により歪みのない画像データに補正した補正画像データに基づいて実行可能になっている。
後述するカラー認識回路247(図31参照)による色判定処理手段(第2判定手段)は、刻印判定処理よりも精度を必要としないので、全体領域16aの画像データから中心領域16bの撮像データを除いた画像データに基づいて実行可能になっている。
上記の画像データの歪み補正処理により、メダルの刻印判定処理及び色判定処理を歪みのない補正画像データに基づいて高精度に実行することができる。しかも、樽型歪みが発生するレンズにより広角域で撮像した歪みを含んだ領域の画像データを補正して実行することができるので、複数の判定処理によって多機能化して、全体としてメダル判定精度の向上を図ることができる。
レンズユニット287は、(14A)に示すように、最上段のレンズ283がレンズホルダ275の上端と略面一になる位置に、雄ねじ部286を雌ねじ部281に螺着させて、レンズホルダ275に固着されている。レンズユニット287は、レンズ位置の調整を行った後にレンズホルダ275に固着される。この固着は、位置決めしたレンズユニット287の小径部外周と、レンズホルダ275のテーパー部282との間にできる隙間に接着剤292を注入、固化することによって行われる。
<カメラユニットの組立方法>
図21は、レンズホルダ275を基板上に組み立てる組立手順を示す。
この組立方法は遊技機の製造方法の一部として実行される。まず、3個のレンズ283〜285を筒内部に装着した固着前のレンズ体を組み付け、そのレンズ体をレンズホルダ275の貫通孔278に螺着した状態で、レンズユニット287の位置調整が行われる(ステップS1)。
次に、レンズユニット287の小径部外周と、レンズホルダ275のテーパー部282との間にできる隙間に接着剤292を塗布、注入して該レンズ体の仮止め(仮接着)が行われる(ステップS2)。
接着剤292には、熱硬化型樹脂接着剤や紫外線(UV)硬化性樹脂接着剤を使用することができる。好ましくは、例えば、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤等の紫外線硬化性樹脂接着剤を使用するのが好ましい。紫外線硬化性樹脂接着剤は、硬化速度が速く、比較的短い作業時間で済み、またUV照射しないと硬化しないため塗布工程の制約が少なくて済み、さらに低温硬化が可能といった利点を有する。
本実施形態では、レンズユニット287の位置調整をした状態で、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を使用して仮接着される(ステップS2)。その後、280〜450nmの紫外線を数分間、照射することにより、接着剤の焼成が行われる(ステップS3)。なお、焼成時の雰囲気温度は、レンズホルダ275及びレンズユニット287が変形しない、80〜100℃が好ましく、UV照射時間はレンズホルダ275及びレンズユニット287の素材が劣化しない、20〜40秒が好ましい。
本実施形態によれば、雌ねじ部281の上端縁280より上方で外側に向けてテーパー部282が形成されているので、レンズユニット287の小径部外周と、レンズホルダ275のテーパー部282との間にできる隙間に接着剤を十分に浸透させて、隙間の下方まで十分に充填、塗布が可能になり、UV照射により強固な固着を簡易な作業工程により組立製造コストの低減を図ることができる。
レンズホルダ275にレンズユニット287を固着した後、レンズホルダ275を配線基板288上に載置し、接着剤291によりレンズホルダ275と配線基板288とを接着する(ステップS4)。その後、その他の部品が取り付けられ、カメラユニット209が完成する。
レンズユニット287のレンズ系を組み立てる際に、レンズホルダ275のホルダ部と、レンズユニット287のレンズ収容部とを単に接着するだけでは、組立時の位置ずれ、あるいは接着剤のレンズへのはみだし等が生じるおそれがある。係る位置ずれ等は、撮像画像のばらつき要因になるが、本実施形態では、貫通孔278に装着されたレンズ収容部であるレンズユニット287と、外周部に外向きに開いた傾斜部であるテーパー部282と、により形成される領域の間に、接着手段である接着剤292を注入することで、レンズユニット287とレンズホルダ275とを接着する。これにより、カメラユニット209のレンズ取着構造を強固にしているので、CMOSイメージセンサ232(図30参照)と集光レンズの組立時の位置ずれ、あるいは接着剤のレンズへのはみだし等が生じず、高画質の撮像画像をもとに高精度の刻印や色の判定処理を行うことができる。
しかも、接着剤に用いた紫外線硬化型樹脂接着剤は、熱硬化型樹脂接着剤等の接着剤と比較して硬化速度が速く、紫外線照射により短時間に重合硬化し、接着工程上、制御しやすい特性を有するので、ホルダ部とレンズ収容部とを固着する前の製造段階で、位置合わせした後に塗布により即座に仮接着でき、紫外線照射により速やかに固化させることができ、レンズ取着構造の組立作業時間を短縮化でき、また組立工程の簡素化も実現でき、製造コストの低価格化に寄与することができる。
上記の組立てに係るカメラユニット209は、複合レンズ系の最上部のレンズ283をメダルレール210の通路に対向して装着されている(図16等参照)。カメラユニット209は、LED光を光源にして撮像を行うCMOSイメージセンサ232(図30参照)と、CMOSイメージセンサ232の前方に設けた複合レンズ(レンズ283〜285の集光レンズ)とを有する。図18の(14A)に示したように、カメラユニット209においては、レンズ283〜285の集光レンズにより、後述する光照射機構によるLED光を直接的にCMOSイメージセンサ232に導くことが可能な、つまり集光レンズとイメージセンサの間に介在物のない空間を設けたLED光誘引機構を有している。
携帯電話機やデジタルカメラ等に搭載されているイメージセンサにおける固体撮像素子は、その受光部において近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードが使用されている。このため、室内照明光や自然光を光源とする場合、視感度補正を行う必要があり、集光レンズ(複合レンズの最下層のレンズ)とイメージセンサの間に約1mm厚さ程度のガラス製IRカットフィルタが介装されている。しかし、IRカットフィルタを使用すると、最下層のレンズ285の下端面からイメージセンサ表面までの距離(光学長)が長くなり、IRカットフィルタやIRカットフィルタの取り付けに余分な取り付けパーツの取り付けコストを要する問題を生ずる。特に、IRカットフィルタの接着部分で熱変形歪が発生して界面でのノイズ成分を生じるため、それを除去する必要があり、この作業も製造コストのコストアップの要因のひとつになっている。
本実施形態においては、光源としてIR成分を含まないLED光(図24参照)を使用する点に着目し、カメラユニット209は、集光レンズとイメージセンサの間に介在物のない空間を設けたLED光誘引機構を具備させて集光レンズをイメージセンサに結像可能に保持するので、通路内で発生したLED光を直接的にイメージセンサに誘引可能になり、該結像に必要な光学長を少なくともIRカットフィルタの厚み分、最短距離に短縮することができる。本実施形態の場合、カバーシート283cから配線基板288の表面までの高さHは、約11〜12mmに微小高さになっている、係る短縮によって、ユニット構造を小型化、コンパクト化でき、IRフィルタの部品点数を削減でき、その取付コストも不要になって大幅な低コスト化を実現でき、さらにIRフィルタを使用した場合の界面でノイズ成分も生じず、可視光領域の撮像データの有効活用が可能になり、メダルの色彩及び刻印判定の精度を向上させることができる。
<パチスロが備えるメダルレールの光照射機構の構成>
次に、メダルレール210の光照射機構の構成について説明する。
光照射機構は、メダルレール210に光を照射する機構であり、図16に示すように、サブプレート205に取付部材272を介して取り付けられている第1の導光体261と、カメラユニット209の周囲に配置されており、キャンセルシュータ206の中間部材293(図8参照)に、取付部材273を介して取り付けられている第2の導光体262及び取付部材274を介して取り付けられている第3の導光体263と、第1の導光体261の近傍に設けられたLED233Laと、第2の導光体262の近傍に設けられたLED233Lbと、第3の導光体263の近傍に設けられたLED233Lcと、を備える。LED233La、233Lb、233Lcは、それぞれ、第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263にLED光を供給する。
図14において、一点鎖線は、カメラユニット209のレンズユニット287の位置を示し、二点鎖線は、第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263と、LED233La、LED233Lb及びLED233Lcの位置を示している。
図14に示すように、第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263は、カメラユニット209の撮像可能範囲を囲うように配置されている。
図22の(18A)は第1の導光体261の外観形状を示し、(18B)は第2の導光体262の外観形状を示している。図22において、反射溝267、270の形成箇所の中心を破線で示している。図23は、第3の導光体263の外観形状を示す。
(18A)に示すように、第1の導光体261は、直線部264と湾曲部265からなり、全体として略L字形状をなし、断面矩形状を有する。第1の導光体261の底面には、全長にわたり均一に面発光するように、湾曲部265側の端部265aからのLED233La(図14参照)の導入光を直線部264側の端部266に効率的に伝搬させるための反射溝267が複数箇所にて導光体長手方向に対し横断状に刻設されている。反射溝267の形成間隔は端部266に向けて漸次短くなっている。第1の導光体261をメダルセレクタ201(図16参照)に取り付けた際には、第1の導光体261の内側の側面である略L字形の外側面261aがメダルレール210に向けて照射する面発光用光源に供される。
(18B)に示すように、第2の導光体262は、断面矩形の直線形状を有する。第2の導光体262の底面には、全長にわたり均一に面発光するように、一方の端部268からのLED233Lb(図14参照)の導入光を他方の端部269に効率的に伝搬させるための反射溝270が複数箇所にて導光体長手方向に対し横断状に刻設されている。反射溝270の形成間隔は端部269に向けて漸次短くなっている。第2の導光体262をキャンセルシュータ206の中間部材293(図8参照)に取り付けた際には、第2の導光体262の斜め下方に向けられた内側の側面である長方形の外側面262aがメダルレール210に向けて照射する面発光用光源に供される。
図23に示すように、第3の導光体263は、略直角三角形状を有する平坦部263aと、略三角錐形状を有する導光部263bにより構成されている。斜線で示す導光部263bの端面263hは不等辺三角形状を有する。導光部263bの立体側面は、端面263hの不等辺三角形の長辺側の三角側面263cと、短辺側の三角側面263dと、先端部を斜めに切欠いた先端三角面263eと、平坦部263aのエッジ263iに沿って、三角側面263cと先端三角面263eの間に形成された裾側面263fと、平坦部263aのエッジ263jに沿って、三角側面263dと先端三角面263eの間に形成された裾側面263gにより構成されている。第3の導光体263をキャンセルシュータ206の中間部材293(図8参照)に取り付けた際には、第3の導光体263の三角側面263cが、第1の導光面としてメダルレール210に向けて照射する面発光用光源に供される。三角側面263dは、第2の導光面として三角側面263cと逆方向側に面発光を照射するハレーション用光源に供される。
平坦部263aの底面には、導光部263bの全側面にわたり均一に面発光するように、端面263hからの導入光を導光部263b内で効率的に伝搬させるための反射溝271が複数箇所にて該底面に平行に刻設されている。各反射溝270は略等間隔で形成されている。
第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263は、導入光を側面より射出可能なアクリル樹脂で造形されている。この造形素材には、アクリル樹脂の他に、側面光射出可能な光透過性素材、例えば、テフロン(登録商標)、光ファイバー材を使用することができる。
図24の(20B)、(20A)、(20C)は、それぞれ、第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263をメダルセレクタ201に取着するための取付部材272、273、274を説明する図である。
(20B)に示すように、第1の導光体261は、外側面261aが露出するように、取付部材272に設けた略L字形の内装溝内に内装されている。取付部材272をサブプレート205(図16参照)にビス止めにより固着することにより、第1の導光体261は、図14の2点鎖線で示すように、取付部材272から露出した外側面261aをメダルレール210方向に向けて配設され、外側面261aからの面発光の射出光がメダルレール210を通過するメダルに斜めと上側より照射可能になっている。
(20A)に示すように、第2の導光体262は、外側面262aが正面向きに露出するように取付部材273に挿着、保持されている。図16に示すように、取付部材273をキャンセルシュータ206の中間部材293(図8参照)の内側にアクリル樹脂性取付板298を介してビス止めで固着することにより、第2の導光体262は、図14の2点鎖線で示すように、取付部材273から露出した外側面262aをメダル通過方向に沿って湾曲部265側に下がった斜向状に配設されており、外側面262aからの面発光の射出光がメダルレール210を通過するメダルに下方より照射可能になっている。
図23に示す第3の導光体263の平坦部263aの裏側の段差部を、(20C)に示す取付部材274の長手方向に係合させて、導光部263bが露出するように平坦部263aの裏面を取付部材274に当接させて、取付部材274をキャンセルシュータ206の中間部材293(図8参照)の内側にビス止めにより固着することにより、図14の2点鎖線で示すように、第3の導光体263の導光部263bからの射出光がメダルレール210を通過するメダルの前方に照射可能になっている。
メダルレール210は、図14に示すように、メダル入口部211から鉛直方向に延びた上流領域と、上流領域の終端から緩やかにメダル出口部204cに向けて傾斜した下流領域により構成されている。該下流領域の傾斜通路には、カメラユニット209による撮像領域RLa(図25参照)が設けられている。上記構成の3つの第1〜第3の導光体は、撮像領域RLaを略楕円形のリング様で囲むように配設されている。
図25は、第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263の配置関係を示す。
第1の導光体261は、メダルレール210の傾斜通路の前方側(メダル進入側)と、通路上端縁より上方側に配置されている。第1の導光体261の湾曲部265近傍から直線部264の下方に至り、通路下端縁より上側にカメラユニット209(図16参照)において受光が可能な撮像領域RLaが設けられている。第2の導光体262は、メダルレール210の通路下端縁より下方から傾斜通路に照射可能な位置に配置されている。第3の導光体263は、メダルレール210の通路終端側において、第1の導光体261の端部266より奥側でエッジ263iが通路の横断方向に沿うように配置されている。
第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263は、メダルレール210の傾斜通路を略長円状に囲むように配置されているので、第1の導光体261の外側面261a、第2の導光体262の外側面262a及び第3の導光体263の三角側面263cからの面発光によって、少なくとも撮像領域RLaの中央領域RLbは照度が均一な領域になっている。撮像領域RLaの終端から通路終端近くにメダルの刻印判定部RLcが設けられている。第3の導光体263は、キャンセルシュータ206より奥側に配設されており、撮像領域でのハレーション用の光照射を行うことができる。すなわち、刻印判定部RLcを略中心に撮像領域RLaの終端から通路終端までの領域は、第3の導光体263の三角側面263dからの面発光を受光可能なハレーション領域RLdになっている。刻印判定部RLcに通過メダルが到達したタイミングで画像データに基づく刻印判定が行われる。ハレーション領域RLdにおいては通路面照射された光によるハレーションを利用してメダル通過の判定処理を高精度に行うことできる。
上記導光体のLED光照射機構において、撮像領域を略楕円形等のリング様に囲むようにLED光を均一照射することができるので、遊技媒体のエッジや輪郭、刻印等の模様、色彩等を確実に撮像でき、正確な撮像データに基づいた高精度の判定処理を行える遊技機を実現することができる。リング様に均一なLED光が照射可能になるので、通過遊技媒体の反射による光源の映り込み、つまり一次反射のハレーションを発生させず、被写体(通過遊技媒体)から正確な撮像データを得ることができ、高精度の判定処理、殊に、遊技媒体の刻印や輪郭の判定処理を行うことができる。
第2の導光面(三角側面263d)からのLED光を撮像領域以外の通路面に照射してハレーションを起こさせるので、該照射位置での反射の濃淡が鮮明になり、遊技媒体の通過判定に供することができる。つまり、ホッパー側への排出通路面にハレーションが発生するので、メダル通過があるときとないときの反射光量の差異が明確になるので、ホッパーにメダルが正常に回収されたか否かを反射の濃淡で高精度に判断することができる。また、メダル払出時やメダル投入不可時にも、ハレーションが発生しないので、該発生がないことを確認することによって、下皿へのメダル返却有無を判断することができる。
第2の導光体の三角錐の二側面(三角側面263c及び263d)から、撮像領域向けのLED光と、撮像領域以外の通路面向けのLED光とを射出できるので、単一の導光体により該2種のLED光照射機構をコンパクトかつ安価に構成することができる。略長方形等のリング様にLED光を均一に照射し得る照射機構を、第1〜第3の導光体261〜263により3分割して構成することができるので、各導光体を通路周辺の狭い空間に分散配置してコンパクトかつ安価に構成することができる。なお、本実施の形態では、第1〜第3の導光体261〜263にそれぞれLED233La〜233Lcを配置した構成を説明したが、これに限らず、メダルレール210の輝度不足や、照射する光が均一にならない場合には、第1〜第3の導光体261〜263のそれぞれに複数(例えば、2個)のLEDを配置してもよい。
図26は、本実施形態に使用されるLED233La〜233Lcの発光波長特性グラフを示す。同図の縦軸は相対発光強度を示し、横軸は波長を示す。このグラフからわかるように、LED233La〜233Lcは、波長450nm付近で急峻な発光強度のピークとする青色を基調とした波長440nm〜460nmの領域の光を発光することで、赤外放射であるIR(Infrared Radiation)領域の発光成分(IR成分)及び、紫外放射であるUR(Ultraviolet Radiation)領域の発光成分(UR成分)を含まない発光波長特性を有している。
<パチスロが備える回路の構成>
次に、パチスロ1が備える回路の構成について、図27〜図31を参照して説明する。
まず、図27を参照してパチスロ1が備える回路全体の概要について説明する。図27は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に配設された主制御基板71と、フロントドア2bに配設された副制御基板72を有している。主制御基板71には、リール中継端子板74と、設定用鍵型スイッチ56と、外部集中端子板47と、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫スイッチ75と、電源装置53の電源基板53bが接続されている。設定用鍵型スイッチ56、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されている。外部集中端子板47及びホッパー装置51については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52のスイッチ貫通孔(非表示)を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53の電源基板53bには、電源スイッチ53aが接続されている。この電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板71には、ドア中継端子板68を介して、メダルセレクタ201、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61が接続されている。ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したため、説明を省略する。メダルセレクタ201の回路構成については後述する。
BETスイッチ77は、BETボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ79は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLED等により表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン19L,19C,19Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器24に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板81には、7セグ表示器24とLED82が接続されている。LED82は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマーク等を点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68と副中継基板61を介して主制御基板71に接続されている。この副制御基板72には、副中継基板61を介して、サウンドI/O基板84、LED基板62A,62B,62C、24hドア開閉監視ユニット63が接続されている。これらLED基板62A,62B,62C及び24hドア開閉監視ユニット63については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、センタースピーカ58、ボードスピーカ64、下部スピーカ65L,65R及びフロントドア2bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板86と、液晶中継基板87が接続されている。これらロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72と共に副制御基板ケース57に収納されている。ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板62A,62B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図28を参照して説明する。
図28は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。メインCPU93と前述のホッパー装置51は、本発明の遊技媒体払出装置を構成している。主制御回路91は、遊技に関する制御を行う制御手段の一例として機能する。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム(例えば、上述した内部抽籤処理の実行のためのプログラム)、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めた場合は、左ストップボタン19Lが押されたときにリール表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図29を参照して説明する。
図29は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ58,64,65L,65R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ58,64,65L,65R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED85等の光源の点灯及び消灯を制御する。
<メダルセレクタの回路構成>
次に、メダルセレクタ201の回路構成について、図30を参照して説明する。
図30は、メダルセレクタ201の回路構成例を示すブロック図である。メダルセレクタ201は、カメラユニット209とメダルソレノイド208を備えている。また、メダルセレクタ201は、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続されている。すなわちメダルセレクタ201は、主制御回路91と電気的に相互通信可能に接続されている。したがって、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定することができる。
カメラユニット209は、制御LSI234、CMOSイメージセンサ232及びLED駆動部252で構成されている。カメラユニット209の制御LSI234は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成され、CMOSイメージセンサ232及びLED群233と電気的に接続されている。LED群233は、3個のLED233La〜233Lc(図16参照)により構成されている。制御LSI234は、LED駆動部252を介してLED群233の発光を制御する。また、制御LSI234は、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づいて、投入が正規メダルか否かを判別し、判別結果を、ドア中継端子板68を介して主制御基板71に出力する。なお、本実施形態において、採用されているCMOSイメージセンサ232は、解像度が648×488ピクセルであり、フレームレートが240fps(Frames PerSecond)のCMOSイメージセンサである。
<制御LSIの回路構成>
次に、制御LSI234の回路構成について、図31及び図32を参照して説明する。
図31は、制御LSI234の回路構成例を示すブロック図である。図32は、正規メダルを説明するための図であり、Aは正規メダルの一面を示し、Bは正規メダルの画像データを示す、Cは正規メダルに係る後述する勾配平均画像データを示す図である。
制御LSI234は、CPUを内蔵したホストコントローラ241、画像認識DSP(digitalsignalprocessor)回路242、SRAM(StaticRandomAccessMemory)243、フラッシュメモリ244、ISP(ImageSignalProcessing)回路245及びメダルカウント回路246を備えている。また、制御LSI234は、カラー認識回路247、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識アクセラレータ回路249及びGPIO(GeneralPurposeInput/Output)250を備えている。これら制御LSI234を構成するデバイスは、バスを介して相互に接続されており、本実施形態の制御LSI234では、バスのプロトコルとしてAXI(AdvancedeXtensibleInterface)が採用されている。
また、制御LSI234は、ISI(ImageSensorInterface)回路251を備えている。ISI回路251は、CMOSイメージセンサ232とISP回路に電気的に接続されている。ISI回路251は、CMOSイメージセンサ232からLVDS(Lowvoltagedifferentialsignaling)方式で出力された画像データをRGBベイヤ画像に変換して、ISP回路245に出力する。
ISP回路245は、ISI回路251からRGBベイヤ画像を受信すると、VSYNC(VerticalSynchronization)割込信号を、ホストコントローラ241に出力する。
また、ISP回路245は、ISI回路251から出力されたRGBベイヤ画像を各種フォーマットに変換する変換処理を行う。変換処理において、ISP回路245は、RGBベイヤ画像をY(各ピクセルの輝度)に変換し、変換した画像データをSRAM243に記憶させる。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を、YUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換し、このYUV画像データにおける輝度(Y)に係るデータをメダルカウント回路246に出力する。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を、HSV色空間に対応する画像データ(HSV画像データ)に変換し、このHSV画像データにおける色相(H)と彩度(S)に係るデータをカラー認識回路247に出力する。
メダルカウント回路246は、ISP回路245から出力された輝度に係るデータに基づいてカウント処理を行う。カウント処理において、メダルカウント回路246は、画像における所定の領域であるカウント領域の輝度に係るデータと、カウント閾値とを比較し、背景差分法によってメダルが通過したか否かを判定する。カウント閾値とは、正規メダルの画像におけるカウント領域の輝度に係るデータに基づいて予め定められている閾値である。メダルカウント回路246は、差分が小さければメダルが通過したと判定し、差分が大きければメダルが通過していない(メダル以外のものが通過した)と判定する。そして、メダルカウント回路246は、判定結果をSRAM243に記憶させる。
なお、カウント領域は、パチスロ1が正規メダルとして用いるメダルに応じて任意に設定可能であるが、メダルの回転角度が輝度の差分に大きな影響を与えない領域に設定するのが好ましい。例えば、図32Aに示す両面に同じ刻印(模様)が施されている正規メダルを用いる場合、この正規メダルの画像データ(図32B参照)では、領域内における正規メダルの一方の面に施された刻印(模様)がメダルの回転角度によって変化しない、すなわち、メダルの回転角度が輝度の差分に大きな影響を与えないに場所(図32Bにおいて点線で囲まれている領域)をカウント領域として設定するのが好ましい。また、カウント領域の範囲が狭いほど、カウント処理が高速化する。
カラー認識回路247は、ISP回路245から出力された色相と彩度に係るデータに基づいて色判定処理を行う。色判定処理において、カラー認識回路247は、まず、画像データの中心付近の色相と彩度に係るデータの積算値をベクトルで表現し(ベクトル変換し)、3次元空間上でベクトルの角度を計算する。次に、カラー認識回路247は、計算したベクトルの角度と、所定の色閾値とを比較して、正規メダルの色と一致するか否かを判定する。所定の閾値は、正規メダルに係る画像データについて上述した処理と同様の方法で計算したベクトルの角度に基づいて予め定められている閾値(例えば、比較対象となる正規メダルに係る3次元空間上のベクトルの個々の座標(XYZ)上の角度の±10度以内)である。そして、カラー認識回路247は、判定結果をSRAM243に記憶させる。
魚眼補正スケーラ回路248は、SRAM243からRGBベイヤ画像をY(各ピクセルの輝度)変換した画像データを取得し、魚眼補正処理を行う。魚眼補正処理において、魚眼補正スケーラ回路248は、取得した画像データを魚眼補正し、1/2,1/4,1/8に縮小した縮小画像データを作成する。そして、魚眼補正スケーラ回路248は、作成した縮小画像データをSRAM243に記憶させる。
画像認識DSP回路242は、SRAM243から縮小画像データ(本実施形態では、1/4に縮小した縮小画像データ)を取得し、前処理を行う。前処理において、画像認識DSP回路242は、取得した縮小画像データを、非線形拡散フィルタを通してエッジ画像データに変換し、エッジ画像データをSRAM243に記憶させる。
画像認識アクセラレータ回路249は、勾配平均画像データを作成する回転積算処理を行う。回転積算処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243からエッジ画像データを取得し、取得したエッジ画像データを1度単位で回転させて作成した360度分の画像データを積算させて(重ね合わせて)勾配平均画像データを作成する。勾配平均画像データの例として、図32Aに示す正規メダルの勾配平均画像データを図32Cに示す。
また、画像認識DSP回路242は、メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致するか否かを判定する刻印判定処理を行う。刻印判定処理において、画像認識DSP回路242は、画像認識アクセラレータ回路249が回転積算処理で作成した勾配平均画像データをSRAM243から取得する。次に、画像認識DSP回路242は、取得した勾配平均画像データと、刻印判定処理用のテンプレートデータ(予め用意した正規メダルの勾配平均画像データ)との差分を算出する。そして、画像認識DSP回路242は、算出した差分値と刻印判定用の閾値とに基づいてメダルの刻印が正規メダルの刻印と一致するか否かを判定し、判定結果をSRAM243に記憶させる。例えば、画像認識DSP回路242は、取得した勾配平均画像データとテンプレートデータとの各画素における輝度を比較し、一致するか否か(多諧調の場合は差分が所定の範囲以内か)を判定し、一致する(差分が所定範囲内)画素が一定数以上ある場合は、メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致すると判定し、一致する画素が一定数に満たない場合はメダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しないと判定する。
ホストコントローラ241は、各デバイスすなわちメダルカウント回路246、カラー認識回路247、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識DSP回路242、画像認識アクセラレータ回路249、GPIO250の制御を行う。
また、ホストコントローラ241は、GPIO250を介して、LED群233へ点灯指示や消灯指示に係る信号を出力する。また、ホストコントローラ241は、GPIO250を介して、SRAM243に記憶されているカウント処理に係る判定結果、色判定処理に係る判定結果、刻印判定処理に係る判定結果を出力する。
フラッシュメモリ244には、ホストコントローラ241、画像認識DSP回路242、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識アクセラレータ回路249が各種処理に用いるパラメータやデータ(上述のテンプレートデータを含む)が記憶されている。
次に、図33を参照して、制御LSI234が行う、メダルレール210(図14参照)上を移動する物体が正規メダルか否かを判別するための処理(以下、「正規メダル判別処理」と称する場合がある)について説明する。
図33は、制御LSI234の正規メダル判別処理を説明するための図である。図33は、制御LSI234を構成する各デバイスにおける処理の関係を時系列的に示しており、各デバイス名の下方に延在する線における比較的太線の部分は、そのデバイスが上述した各種処理を行っている状態であることを示している。また、各デバイスに対応する線からホストコントローラにおける「IN」の下方に延在する線に向かって延びる破線矢印は、各デバイスからホストコントローラ241へ出力される割込信号を示している。また、ホストコントローラにおける「OUT」の下方に延在する線から各デバイスに対応する線に向かって延びる破線矢印は、ホストコントローラ241から各デバイスに出力される信号を示している。また、ホストコントローラにおける「IN」の下方に延在する線と「OUT」の下方に延在する線との間の実線矢印は、ホストコントローラ241が検知した割込信号とホストコントローラ241から出力される信号との対応関係を示している。なお、図33は、メダル投入口21に6枚のメダルが連続して投入された場合の正規メダル判別処理を示している。また、何枚目のメダルに係る信号なのかが明確になるように、各信号に付した符号の先頭には、メダルの枚数を表す数字を付している。例えば、1枚目のメダルに係る後述するISP回路245からホストコントローラ241に出力されるVSYNC割込信号には、「1IH」という符号を付し、2枚目のメダルに係る同様のVSYNC割込信号には、「2IH」という符号を付した。
まず、CMOSイメージセンサ232がメダルレール210(図14参照)上を移動する物体(本例では1枚目のメダル)を撮像し、画像データを制御LSI234に出力すると、ISP回路245は、ISI回路251を介して画像データを取得(受信)し、VSYNC(Vertical Synchronization)割込信号を、ホストコントローラ241に出力する(1IH)。また、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を各種フォーマットに変換する変換処理を行う。そして、変換後の画像データ及び画像データに係る色相及び彩度や輝度のデータをSRAM243、メダルカウント回路246、カラー認識回路247に出力する。なお、変換処理の詳細な説明については上述したため省略する。
カラー認識回路247は、ISP回路245からデータを受信すると色判定処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241に色判定割込信号を出力する(1CH)。なお、色判定処理の詳細な説明については上述したため省略する。
メダルカウント回路246は、ISP回路245からデータを受信するとカウント処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241にメダルカウント割込信号を出力する(1MH)。なお、カウント処理の詳細な説明については上述したため省略する。
ホストコントローラ241は、色判定割込信号を検知すると、SRAM243から色判定処理の判定結果を取得し、GPIO250の割り付けPORTに出力する(1HG1)。すなわちホストコントローラ241は、色判定処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。
ホストコントローラ241は、カウント割込信号を検知すると、SRAM243からカウント処理の判定結果を取得し、GPIO250の割り付けPORTに出力する(1HG2)。すなわちホストコントローラ241は、カウント処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。なお、カウント処理の判定結果が「メダルが通過した」である場合、主制御回路91は、投入されたメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタである投入枚数カウンタの値に1加算する。なお、投入枚数カウンタの値が最大値(例えば、3)の場合は、クレジットされているメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタであるクレジットカウンタの値に1加算する。クレジットカウンタが最大値(例えば、50)の場合は、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定する。これによって、図15に示すように、セレクトプレート207が「排出位置」に位置付けされ、クレジットカウンタが最大値となった後で投入されたメダルをメダルシュート202(図4参照)に案内してメダル払出口32(図2参照)からメダルトレイユニット34(図2参照)に排出する。本実施形態では、投入枚数カウンタの値が規定値(例えば、2又は3)のときに、スタートレバーが操作されると、メインCPU93は上述の内部抽籤処理を行う。
図33に戻って、魚眼補正スケーラ回路248は、ISP回路245が変換した画像データがSRAM243に記憶されると魚眼補正処理を行い、作成した縮小画像データをSRAM243に記憶させ、また、ホストコントローラ241に縮小終了割込信号を送信する(1SH)。なお、魚眼補正処理の詳細な説明については上述したため省略する。
ホストコントローラ241によるカウント処理の判定結果のGPIO250への出(1HG2)と、魚眼補正スケーラ回路248による縮小終了割込信号を送信(1SH)との間には、ISP回路245による2枚目のメダルに係るVSYNC割込信号の出力(2IH)が発生している。しかし、各メダルに係る各種処理(カウント処理、色判定処理、刻印判定処理等)の判定結果等を記憶するためSRAM243の記憶領域は個別に設定されているため、データの上書き等は発生しない。
ホストコントローラ241は、縮小終了信号を検知すると、SRAM243を参照し、カウント処理の判定結果が「メダルが通過した」であり、また、色判定処理の判定結果が「正規メダルの色と一致する」であることを条件に、画像認識DSP回路242に前処理画像認識DSP回路242は、ホストコントローラ241からの指示に応じて前処理を行いエッジ画像データをSRAM243に記憶させ、ホストコントローラ241に前処理終了割込信号を出力する(1DH1)。なお、前処理の詳細な説明については上述したため省略する。
ホストコントローラ241は、前処理完了割込信号を検知すると、画像認識アクセラレータ回路249に、回転積算処理の開始を指示する(1HA)。
画像認識アクセラレータ回路249は、ホストコントローラ241の指示に応じて回転積算処理を行い、勾配平均画像データをSRAM243に記憶させ、画像認識DSP回路242に積算終了割込信号を出力する(1AD)。なお、回転積算処理の詳細な説明については上述したため省略する。
画像認識DSP回路242は、積算終了割込信号を検知すると、SRAM243に記憶されている勾配平均画像データを取得し、刻印判定処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶させる。そして、画像認識DSP回路242は、刻印判定終了割込信号をホストコントローラ241に出力する(1DH2)。
ホストコントローラ241は、刻印判定終了割込信号を検知すると、SRAM243に記憶されている刻印判定処理の判定結果を取得し、GPIOの割り付けPORTに出力する(1HG3)。すなわちホストコントローラ241は、刻印判定処理の判定結果を、GPIO250を介して主制御基板71(主制御回路91)に出力する。
図33に示すように、本実施形態においては、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理並びに画像認識アクセラレータ回路249による回転積算処理は、比較的時間がかかる。このため、メダルが連続して投入された場合、ホストコントローラ241は、縮小終了信号を検知すると、画像認識DSP回路242又は画像認識アクセラレータ回路249が処理中(ビジー状態)か否かを確認し、いずれも処理中でない場合に、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理並びに画像認識アクセラレータ回路249による回転積算処理の開始の指示を行う。したがって、本実施形態では、2枚目及び3枚目のメダルに係る縮小終了信号(2SH及び3SH)をホストコントローラ241が検知する時、画像認識DSP回路242又は画像認識アクセラレータ回路249が処理中(ビジー状態)であるため、ホストコントローラ241は、上記開始の指示を行わない。したがって、2枚目及び3枚目のメダルについては、カウント処理及び色判定処理は行われるが、刻印判定処理は、行われない。一方、4枚目のメダルに係る縮小信号(4SH)をホストコントローラ241が検知する時、画像認識DSP回路242及び画像認識アクセラレータ回路249は処理中(ビジー状態)ではない。したがって、4枚目のメダルについては、カウント処理、色判定処理及び刻印判定処理が行われる。
なお、画像認識DSP回路242による前処理及び刻印判定処理並びに画像認識アクセラレータ回路249による回転積算処理を高速化することで、投入される全てのメダルについて、カウント処理、色判定処理及び刻印判定処理が行われるようにしてもよい。
図33に示す2枚目、3枚目、4枚目、5枚目及び6枚目のメダルに係る各種信号(符号の先頭が「2」,「3」,「4」,「5」,「6」の各信号)については、先頭の数字のみが異なる上述した1枚目のメダルに係る各種信号(符号の先頭が「1」)と同様のため、詳細な説明を省略する。
<作用>
本実施形態のパチスロ1では、メダルセレクタ201の制御LSI234が色判定処理、カウント処理及び刻印判定処理を含む正規メダル判別処理を行う。メダルレール210上をメダルでない不正器具が移動した場合、色判定処理において「正規メダルの色と一致しない」と判定され、また、カウント処理において「メダルが通過していない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
図34は、不正メダルの一例を示す図であり、Aはこの不正メダルの一方の面を示し、Bはこの不正メダルの画像データを示す図である。図35は、不正メダルの他の例を示す図であり、Aはこの不正メダルの一方の面を示し、Bはこの不正メダルの画像データを示し、Cはこの不正メダルの勾配平均画像データを示す図である。
メダルレール210上を正規メダル(図32A参照)と同径及び同色で、メダルの表面に施されている刻印(模様)のみ異なる不正メダルが移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。しかし、カウント処理においては、図34Bに示す不正メダルの画像データのカウント領域(点線で囲まれている領域)における刻印(模様)と正規メダルの画像データのカウント領域(図32Bにおいて点線で囲まれている領域)における刻印(模様)とが著しく異なることから、「メダルが通過していない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を正規メダル(図32A参照)と同径及び同色で、メダルの表面に施されている刻印(模様)のみ異なる他の不正メダルが移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。また、カウント処理においては、図35Bに示す不正メダルの画像データのカウント領域(点線で囲まれている領域)における刻印(模様)と正規メダルの画像データのカウント領域(図32Bにおいて点線で囲まれている領域)における刻印(模様)との差分が小さいことから「メダルが通過した」と判定される。しかし、刻印判定処理において、図34Cに示すこの不正メダルの勾配平均画像データと正規メダルの勾配平均画像データ(図32C参照)とは大きく異なるので、「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、正規メダル(図32A参照)と異径(正規メダルの径よりもわずかに小さく又は大きく、且つ、セレクトプレート207によって案内可能な径)及び同色のメダルが移動した場合、色判定処理においては、「正規メダルの色と一致する」と判定される。しかし、このメダルの画像データにおいて、このメダルが正規メダルの径よりもわずかに小さく、カウント領域にメダルの外縁と背景の境界があるような場合はカウント処理において、「メダルが通過していない」と判定される。また、たとえカウント処理において「メダルが通過した」と判定されたとしても、このメダルと正規メダルの径の差から、このメダルの勾配平均画像データと正規メダルの勾配平均画像データ(図32C参照)とは大きく異なることになる。このため、刻印判定処理では、「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、メダルレール210上を、正規メダル(図32A参照)と同径であるが、異色のメダルが移動した場合、色判定処理において、「正規メダルの色と一致しない」と判定される。したがって、パチスロ1に正規メダルが用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
また、制御LSI234は、色判定処理、カウント処理及び刻印判定処理の判定結果にGPIOを介して主制御基板71からなる主制御回路91に出力する。したがって、主制御回路91に不正行為があった場合の種々の処理を行わせることができる。ここで、不正行為があった場合の種々の処理とは、例えば、主制御回路91が遊技を強制的に中断させ、副制御回路101を介して、不正行為があった旨を報知する(例えば、液晶表示装置11に不正行為が発生した旨を表示する)処理である。
また、色判定処理及びカウント処理の判定結果によって不正行為を検知した場合、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定してもよい。これによって、セレクトプレート207が「排出位置」に位置付けされるので、この不正メダルをメダルシュート202に案内してメダル払出口32から排出することができる。なお、主制御回路91は、色判定処理及びカウント処理による不正行為の検知によってOFF状態に設定したメダルソレノイド208を、この不正行為に係る不正メダルをメダルシュート202に案内後に、ON状態に設定してもよい。
また、刻印判定処理によって不正行為を検知した場合も、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定してもよい。本実施形態では、図33に示すように、ISP回路245から主制御回路91へ4枚目のメダルに係るVSYNC割込信号(4IH)が出力されてから5枚目のメダルに係るVSYNC割込信号(5IH)が出力されるまでの間に1枚目のメダルに係る刻印判定処理の判定結果が主制御回路へ出力される(1HG3)。したがって、不正なメダルが連続して投入される場合は、5枚目以降に投入された不正メダルをメダルシュート202に案内してメダル払出口32から排出することができる。これによって、不正行為による被害の拡大を抑えることができる。なお、刻印判定処理を高速化することで、カメラユニット209で撮像されたメダルがアフタメダルプレッシャ218又はメダルストッパ部227上を通過するまでに、刻印判定処理によって不正行為を検知可能な場合は、主制御回路91が即座にメダルソレノイド208をOFF状態に設定することで、不正行為による被害の発生を防止できる。
また、主制御回路91は、刻印判定処理による不正行為の検知によってOFF状態に設定したメダルソレノイド208を、次の刻印判定処理の判定結果が「メダルの刻印(模様)が正規メダルの刻印と一致する」である場合、ON状態に設定してもよい。これによって、不正メダルが偶然に混入していたため、遊技者が不正行為を意図せずに不正メダルを投入し、メダルソレノイド208がOFF状態に設定され遊技不能になった場合、遊技者は、正規メダルを投入すれば、遊技を再開することができる。
<オフセット補正処理>
CMOSイメージセンサ232内部には、温度センサ232aが設けられている。温度センサ232aは、イメージセンサのシリコン基板に形成したPN接合(ダイオード)で構成されている。該PN接合は、約2mV/℃の温度係数を有し、所定の定電流が流れることにより、該PN接合の端子電圧変化が基板温度に追随して生ずる。温度センサ232aによる該端子電圧変化の検出出力からイメージセンサの温度変化を監視することができる。
温度センサ232aの検出出力は、制御LSI234に与えられる。制御LSI234は、温度センサ232aの検出出力に基づいてCMOSイメージセンサ232内の温度が閾値温度を超えているか否かを判断し、閾値温度を超えているときには基準黒レベルのオフセット処理を実行する。
CMOSイメージセンサの暗電流は、温度上昇に伴い急激に上昇し、黒レベルが変動してしまう。基準黒レベルがずれると、色再現性の低下や画質の劣化を招く不具合が生ずる。本実施形態では、係る不具合を解消するために、以下のオフセット処理を行って、基準黒レベルを適正に保持することができる。
図36は、制御LSI234により実行されるオフセット処理を示す。図37は、オフセット処理の詳細を示すオフセット値の温度変化図である。
オフセット処理は、制御LSI234の上述したホストコントローラ241により所定の割込タイミングで実行可能になっている。温度センサ232aの検出出力を受信した場合、該検出出力の温度データに基づいて閾値温度を超過しているか否かが判断される(ステップS10、S11)。閾値温度データは、制御LSI234の後述するフラッシュメモリ244に予め記憶、設定されている。閾値温度は、常温以上の温度範囲で設定可能であり、本実施形態では45℃に設定されている。
温度データが閾値温度の超過を示す場合、CMOSイメージセンサ232から受信した画像データに対して基準黒レベルによるオフセット値の補正が行われる(ステップS12)。オフセット値の初期値は、イメージセンサの製造段階で測定した低温(例えば、室温25℃)での値がフラッシュメモリ244にセットされる。オフセット補正は、受信画像データのオフセット値に対して基準黒レベルに線形補間値の補正により行われる。CMOSイメージセンサ232のオフセット値は、奇数画素列33a及び偶数画素列33bのそれぞれに対し、製造段階で予め室温での値にセットされている。温度センサ232aの温度検出で閾値温度を超えた温度状況になると、予め実験により求められた温度勾配33cに基づく線形補間値のオフセット補正が行われる。本実施形態において用いた温度勾配33cの係数値は1.11である。例えば、奇数画素列33aの45℃以降の補正ライン33dからわかるように、オフセット値は45℃を超えると緩やかに上昇していく。例えば、約54℃のときには、初期値との差33eは1.55である。補正されたオフセット値は、フラッシュメモリ244において更新、記憶される。更新されたオフセット値に基づく画像データは、制御LSI234内の各種信号処理に供される。以上のように、イメージセンサを搭載した遊技機を使用することにより、稼働状況に応じて随時、上記オフセット補正処理が実行され、更新可能になっている。
遊技機に撮像手段(例えば、CMOSセンサを使用したカメラ)を搭載すると、該カメラは常時、長時間にわたり高温にさらされる環境下に置かれる。また、メダル補給等の保守のときに遊技機の扉が開閉されると、カメラ周囲温度が大きく変動する事態が生ずる。一方、CMOSセンサの暗電流は温度上昇に伴って急激に上昇するため、撮像画像の基準黒レベルがずれて色再現性の低下や画質劣化の不具合を生ずる。本実施形態においては、係る不具合に鑑み、温度センサ232aによってイメージセンサの閾値温度を検出して監視し、オフセット補正手段(ステップS12)により、閾値温度を超えた場合にイメージセンサのオフセット補正を行うので、周囲温度が急変したりしても基準黒レベルを適正に保持して高画質の画像データの取得が可能になり、周囲温度の変動に関係なく該判定処理を高精度に行うことができる。特に、基準黒レベルに線形補間値によってオフセット補正を行うことによって、温度変化の影響を受けることなく、常時、安定した通過物体画像データの取得が可能になるので、刻印及び色の判定処理を高精度に行うことができる。
LED群233は、LED233La〜233Lc(図39参照)の3個のLEDにより構成され、CMOSイメージセンサ232の周囲で面発光し、メダルレール210上を移動するメダルに光を照射する。
<LED駆動部の回路構成>
LED駆動部252の回路構成について、図38及び図39を参照して説明する。
図38は、LED駆動部252の全体構成を示すブロック図であり、図39はLED駆動部252の具体的な回路構成を示す。
LED駆動部252は、過電流防止機能付LED電源部253、電源設定部ON/OFF制御部254及びLED定電流駆動回路255により構成されている。
過電流防止機能付LED電源部253(以下、電源部253という。)は、電源電圧DC12Vの電源256から電流の供給が可能になっている。電源部253は、コンデンサC1、トランジスタT1、T2及びトランジスタT3を有する。トランジスタT6のベース・コレクタ間はバイアス接続され、かつベースが共通接続されてカレントミラー回路が構成されている。トランジスタT3は、該カレントミラー回路の出力段側に設けられている。該カレントミラー回路は、出力段側のトランジスタT3を通じて定電流(40mA)を出力可能な定電流回路を構成している。コンデンサC1の一端側は、抵抗R1を介して電源256に接続され、他端側は接地されている。コンデンサC1及び抵抗R1は、不要な高周波成分を除去するためのローパスフィルタを構成している。トランジスタT1、T2の各エミッタ側には抵抗R1、R2を介してコンデンサC1の一端側に接続されている。トランジスタT1、T2の各コレクタ側には抵抗R4、R5を介して接地されている。トランジスタT3のベースはトランジスタT1、T2のベースと共通接続されている。トランジスタT3のコレクタ側は、抵抗R5を介して接地される接地側と、LED233La〜233Lcのアノード側の電流供給系統に分岐して接続されている。電源256は、図27に示した電源基板53bから供給可能になっている。電源部253は、出力段のトランジスタT3を通じて電流が出力されるとき、コンデンサC1の充電電圧とカレントミラー回路(トランジスタT1、T2)に基づいて、40mAの定電流を超えて出力電流が流れない電流制限回路を構成している。なお、コンデンサC1は、所定の定電流(例えば、180mA)が規定時間(例えば、250μs)流れることで充電される蓄電容量が設定されているため、所定の定電流が規定時間を超えて流れた場合には、カレントミラー回路(トランジスタT1、T2)により、定格電流に出力電流を低下させてトランジスタT7〜T9を保護する。
電源設定部ON/OFF制御部254は、ON/OFF制御部254aと、電源設定部254bとから構成されている。ON/OFF制御部254aと電源設定部254bは、LED233La〜Lcのアノード側に設けられている。
ON/OFF制御部254aは、ベースが抵抗R9を介して定電流源260と接続されたトランジスタT4と、ベースがトランジスタT4のコレクタ側と抵抗R7、R8を介して接続されたトランジスタT5とを有する。定電流源260は、CMOSイメージセンサ232からの露光タイミング(すなわち、撮像タイミングであるVSYNC割込み信号)に応じたオンオフ信号であるLED_EN258により電流の供給・停止の切換が可能な電流スイッチである。トランジスタT5のエミッタ・ベース間は抵抗R8を介して短絡接続されている。トランジスタT5のエミッタ側は、LED233La〜233Lcのアノード側に接続されている。トランジスタT5のエミッタとLED233La〜233Lcのアノードとの間には、5Vの電源257が付加されている。電源257は、図27に示した電源基板53bから供給可能になっている。
電源設定部254bは、コレクタがトランジスタT5を介してLED233La〜233Lcのアノード側に接続されたトランジスタT6を有する。トランジスタT5のコレクタとトランジスタT6のコレクタは、抵抗R10とR11の並列回路を介して接続されている。該並列回路は、トランジスタT6のコレクタ側と、抵抗R12を介して接地側に分岐している。トランジスタT6のエミッタ側は、抵抗R13、R14を介して分岐して接地されている。
LED定電流駆動回路255は、LED233La〜233Lcに設けたトランジスタT7〜T9を有する。トランジスタT7のコレクタはLED233Laのカソードを抵抗R18を介して接続されている。トランジスタT8のコレクタはLED233Lbのカソードを抵抗R19を介して接続されている。トランジスタT9のコレクタはLED233Lcのカソードを抵抗R20を介して接続されている。トランジスタT7〜T9の各エミッタは抵抗R18〜20を介して抵抗R13の接地ラインに接続されている。トランジスタT7〜T9のベースはトランジスタT6に共通接続され、互いに並列接続されている。トランジスタT6のベース・コレクタ間はバイアス接続されており、トランジスタT7〜T9のそれぞれとカレントミラー回路を構成している。本発明に係る熱結合259は、各カレントミラー回路におけるバイアス接続要素と、ベース共通接続要素により構成されている。LED233La〜233Lcのアノード側にはコンデンサC2を介して接地されている。コンデンサC2は、LED駆動電流の供給時(LED_EN268がオン状態)に放電(例えば、180mA)され、供給停止時(LED_EN268がオフ状態)に充電可能になっている。なお、コンデンサC2は、サージ電流を250μs以上の時間、放電できない蓄電容量のコンデンサが配置されている。したがって、LED_EN268のオン状態が、250μs以上継続しても、コンデンサC2の蓄電容量により、LED233La〜233Lcのアノード側には、所定の定電流である180mA以上の電流が流れることはない。
上記構成のLED駆動部252においては以下のLEDのオンオフ動作を行うことができる。
まず、電源部253において、トランジスタT1、T2により構成されたカレントミラー回路により、40mAの定電流が発生されて、トランジスタT3を介してLED233La〜233Lcのアノード側に供給可能になっている。CMOSイメージセンサ232からの撮像タイミングに応じたLED_EN258でオン信号が入力されて定電流源260による電流の供給が発生すると、ON/OFF制御部254aの前段側に設けたトランジスタT4が導通可能になる(以下、導通可能状態を単に「オン状態」という。)。トランジスタT4のオンにより、トランジスタT5のベースに電流が流れてトランジスタT5がオン状態になる。トランジスタT5がオン状態になると、トランジスタT6のコレクタ側に電流が流れてトランジスタT6はオン状態になる。トランジスタT7〜9は、トランジスタT6に対してカレントミラー回路に接続されているので、トランジスタT6のオンにより、トランジスタT7〜9は同時にオン状態になる。トランジスタT7〜9のオンにより、各LEDには電源部253からの定電流供給経路と通電可能になって、コンデンサC2に充電されたLED駆動電流の放電によりLED発光が行われる。
図40は、LED駆動部252各部における各種動作の変化を示すタイミングチャートを示す。同図の横軸は時間変化であり、(36A)の縦軸は露光時間の変化を示し、(36B)〜(36E)の縦軸は電圧値の変化を示し、(36E)の縦軸は電流値の変化を示している。
図40の(36A)、(36B)は、それぞれ、CMOSイメージセンサ232の露光時間、その露光時間の撮像タイミングを示す。(36B)のパルスはオン時間(250μs)を示す。このパルスは、3.3Vの波高で、4msの(VSYNC割込み信号の)周期でCMOSイメージセンサ232から出力される。オン時間は、1m以下でよく、好ましくは80〜250μsである。
(36C)は、LED駆動部の駆動電圧VDD電位を示し、(36D)及び(36E)は、それぞれ、LED駆動用トランジスタ(トランジスタT7〜T9)のコレクタ電位、エミッタ電位を示す。(36F)は、LED駆動電流のパルス波形を示す。LED駆動電流は、常時点灯(通常)時の定格電流値は40mAであり、定格最大電流値は180mAである。
パルスオンのときには、(36C)に示すように、LEDのDVV電位は、電源部253の電流制限回路による電圧降下36aを生じるので、電源部253による電流制限機能によりLEDに過負荷となる過剰電流供給を防止することができる。LED駆動用トランジスタのコレクタ電位は、DVV電位に対しLEDのVf電位分の差をもって電圧降下し、電圧降下36aの消失とともに、LEDとLED駆動用トランジスタのリーク電流で決まる電位に復帰する。エミッタ電位は、パルスオンの間、僅かに上昇するので、LED部品のVfの変動やばらつきがあって、接地電位(GND電位)が変動しても、コレクタ電位とエミッタ電位との間の電位差に余裕を設けることにより、GND電位の変動分を吸収することができる。
本実施形態においては、撮像周期の撮像可能時間(上記オン時間:250μs)を、少なくとも1msec以下であるので、LED群233に瞬間的に電流を流し、常時点灯(通常)時の定格電流値40mAよりも高いサージ電流レベルの電流値である180mAを供給可能にしてLED群233を駆動するので、常時点灯時よりも大きい駆動電流を流すことでLEDを高輝度(LEDの輝度は電流値に概ね比例する)にすることができ、高輝度によるLED光照射によって高画質の画像データを取得可能にして、メダルに係る各種判定処理を高精度に行うことのできる遊技機を実現することができる。LEDのアノード側に設けたコンデンサC2は、LED駆動電流の供給時に充電され、供給停止で放電可能になっている。
LED定電流駆動回路255のトランジスタT7〜T9は、電源設定部254bのトランジスタT6に対してカレントミラー接続されているので、各LEDにミラー電流(LED駆動電流)を供給して発光駆動させることができる。基準電流源側のトランジスタT6と、LED駆動電流供給側のトランジスタT7〜T9とを互いにミラー接続で熱結合することにより、トランジスタT6と、各トランジスタT7〜T9の温度係数に差を生じさせて、トランジスタT7〜T9による出力電流(ミラー電流)は、基準電流源側と不平衡に各LEDに供給可能になっており、LED定電流駆動回路255からの出力電流の温度特性は正になっている。
LED素子の一般的特性として、順方向電圧Vfは印加電流と温度により変化し、特に、温度上昇に対して負の温度特性を有している。また、LED部品間の個々の特性のばらつきがあるのが現状である。殊に、負の温度特性により温度上昇に伴ってLED発光強度が低下する、つまり高温時にLED発光輝度が低下する。本実施形態においては、該出力電流の温度特性が正になっているので、LED素子の負の温度特性に基づく発光強度の低下を相殺することができる。本実施形態の場合、トランジスタT6と各トランジスタT7〜T9とのカレントミラー接続により輝度安定化手段を構成することによって、0〜100℃の温度範囲における発光強度の変化幅を1%以内にしている。カレントミラー接続による輝度安定化手段は、簡単かつ安価に構成できるので、例えば、プログラム制御のための回路別の温度センサや、電流コントロール用回路が不要になり、部品点数の軽減によるコストダウン、不要なプログラムを搭載しないことによる不要なバグの発生を排除でき、遊技機の高機能及び低価格化に寄与し得る。
上記の具体的回路構成には、能動素子としてバイポーラトランジスタを使用しているが、小信号能動素子であるMOSトランジスタを使用してもよい。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明の遊技機は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形実施が可能である。
例えば、上記説明においては、遊技媒体として両面に同一の刻印(模様)が施されているメダルを用いる例を説明したが、これに代えて、メダルの一方の面と他方の面で異なる刻印が施されているメダルを用いてもよい。この場合、カウント処理、色判定処理、刻印判定処理における閾値に係るデータとして、メダルのそれぞれの面に係るデータを予め用意すればよい。
また、閾値に係るデータの設定方法としては、一定の単位遊技期間(例えば、100ゲーム)の間を閾値に係るデータの収集期間とし、この単位遊技期間中にカメラユニット209で撮像したメダルの画像データに基づいて設定する方法を採用してもよい。
[本発明の一実施形態の変形例]
<変形例に係るメダルセレクタの構成>
次に、本発明の一実施形態の変形例に係るメダルセレクタ301について説明する。
本実施形態に係るパチスロ1は、メダルセレクタ201(図8参照)の代わりに、変形例に係るメダルセレクタ301を備えてもよい。以下、変形例に係るメダルセレクタ301について説明するが、メダルセレクタ201と同一の構成は、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略する。
メダルセレクタ301は、主に、ベース板部及びサブプレートの構成が、図8に示すメダルセレクタ201と異なる。
図41は、メダルセレクタ301のベース板部304及びサブプレート305の分解斜視図である。
図42は、メダルセレクタ301のベース板部304をパチスロ1の斜め前方から見た斜視図である。
メダルセレクタ301は、遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段の一例であり、図41に示すベース板部304、ベース板部304に重なるように配置されているサブプレート305及びセレクトプレート207と、図8に示すキャンセルシュータ206及びカメラユニット209と、図50に示すメダル選別ソレノイド308a及びメダル受付ソレノイド308bと、を備えている。
また、メダルセレクタ301は、メダルセレクタ201と同様に、光照射機構として、図14に示す第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263と、LED233La、LED233Lb及びLED233Lcと、を備える。これらの光照射機構は、撮像手段の撮像のための光を照射する照射手段の一例として機能する。
図41に示すように、ベース板部304は、メダルセレクタ301の外枠筐体の一部を構成する略板状の部材であり、パチスロ1の左右方向の両端部がパチスロ1の後方に折曲するように成型されている。ベース板部304は、パチスロ1の前後方向に直交する一方の平面である後面304bと他方の平面である前面304a(図42参照)を有している。後面304bには、メダルが通過する経路の一例であるメダルレール210が、パチスロ1の前方へ凹むように、且つ、上方から下方に向かって延び、略L字状に形成されている。メダルレール210の表面には、メダルレール210が延びる方向に沿って、複数の突条部が形成されている。このようなベース板部304は、遊技媒体が通過する遊技媒体通過部の一例として機能する。また、メダルレール210が形成されたベース板部304は、遊技媒体が通過する経路が形成された遊技媒体通過部の一例として機能する。
ベース板部304の上端部には、メダルレール210の上端に連なり、メダル投入口21(図2参照)から投入されるメダルを受け入れるメダル入口部211が設けられている。メダル入口部211からメダルセレクタ301内に投入されたメダルは、メダルレール210に沿って上方から下方へ移動する。ベース板部304の下部には、メダルレール210の下端に連なるメダル出口部304cが設けられている。メダルセレクタ301内を移動したメダルは、メダル出口部304cから排出され、スロープ203(図6参照)を介してホッパー装置51(図5参照)に収容される。
メダルレール210の略中間位置より下流側には、前後方向に貫通するメダル選別用中央孔212a及びメダル受付用中央孔212bが形成されている。メダル選別用中央孔212aは、メダル選別用メダルプレッシャ213aの先端部が、前面304a(図42参照)側から、後面304bに形成されたメダルレール210内に露出可能である。メダル受付用中央孔212bは、メダル受付用メダルプレッシャ213bの先端部が、前面304a側から、後面304bに形成されたメダルレール210内に露出可能である。また、ベース板部304には、サブプレート305と重なる位置において、前後方向に貫通するサブプレート可動用孔212cが形成されている。サブプレート可動用孔212cは、サブプレートプレッシャ213cの先端部が、前面304a(図42参照)側から、後面304b側に突出可能である。
図42に示すように、メダル選別用メダルプレッシャ213aは、略への字形状に形成され、その中間部において、ベース板部304の前面304aに設けられた軸部214aに回動可能に支持され、基端部がメダル選別ソレノイド308aに回動自在に接続されている。これにより、メダル選別用メダルプレッシャ213aは、メダル選別ソレノイド308aがOFF状態のときは、基端部が軸部214a側に押し込まれており、先端部がメダルレール210より前面304a側に引っ込んだ状態となる。そして、メダル選別用メダルプレッシャ213aは、メダル選別ソレノイド308aがON状態になると、基端部が軸部214aから離れる方向に引き込まれることで、軸部214aを支点に回動し、先端部がメダルレール210内に突出した状態となり、メダルレール210を通過するメダルを、メダルレール210から排除することで、メダルを選別する。メダル選別ソレノイド308aの電気的な構成については後述する。このようなメダル選別用メダルプレッシャ213aは、遊技媒体選別手段の一例であるメダル選別ソレノイド308aの駆動により、可動する選別用可動手段の一例として機能する。また、メダル選別用メダルプレッシャ213aは、中間部において、遊技媒体通過部の裏面に回動可能に支持され、基端部が遊技媒体選別手段に回動自在に接続されている選別用可動手段の一例として機能する。
また、メダル受付用メダルプレッシャ213bは、板状体で形成され、ベース板部304の前面304aに設けられた軸部214bに回動可能に支持され、基端部がメダル受付ソレノイド308bに接続されている。軸部214bには、コイルばね215bが取り付けられており、メダル受付用メダルプレッシャ213bは、その先端部が、コイルばね215bにより、メダルレール210内(後面204b側)に突出するように付勢されている。これにより、メダル受付用メダルプレッシャ213bは、メダル受付ソレノイド308bがOFF状態のときは、コイルばね215bに付勢され、先端部がメダルレール210内に突出した状態であり、メダルレール210を通過するメダルを、メダルレール210から排除する。そして、メダル受付用メダルプレッシャ213bは、メダル受付ソレノイド308bがON状態になると、基端部がメダルレール210が形成されている後面204b側に押し込まれることで、コイルばね215bの付勢力に抗い、軸部214bを支点に回動し、先端部がメダルレール210より前面304a側に引っ込む。メダル受付ソレノイド308bの電気的な構成については後述する。また、メダル受付用メダルプレッシャ213bの先端部は、メダルレール210において、メダルが通過する通過方向に対して、メダル選別用メダルプレッシャ213aの先端部より上流側に配置されている。このようなメダル受付用メダルプレッシャ213bを駆動させるメダル受付ソレノイド308bは、遊技媒体通過部の遊技媒体が通過する通過方向に対して、遊技媒体選別手段が遊技媒体を選別する位置より上流側で、遊技媒体を排除する遊技媒体受付手段の一例として機能する。また、メダル受付用メダルプレッシャ213bは、遊技媒体受付手段の一例であるメダル受付ソレノイド308bの駆動により、可動する受付用可動手段の一例として機能する。
また、ベース板部304には、返却ボタン21a(図2参照)が遊技者により操作された場合に回動し、サブプレート305を後面204b側に回動させるサブプレートプレッシャ213cが回動自在に設けられている。サブプレートプレッシャ213cは、その中間部において、ベース板部304の前面304aに設けられた軸部214cに回動可能に支持され、基端部が返却ボタン21a(図2参照)に直接的又は間接的に接続されている。これにより、サブプレートプレッシャ213cは、返却ボタン21aが遊技者により操作された場合、基端部が下方に移動し、軸部214cを支点に回動し、先端部が上方に移動し、先端部がサブプレート可動用孔212c(図41参照)から突出し、サブプレート305を後面204b側に回動させる。
図41に戻って、メダルレール210には、カメラユニット209による撮像領域RLa(図25参照)において、前後方向に貫通する複数の判定用孔312(本実施形態では、5ヶ所)が形成されている。判定用孔312は、メダルレール210を通過するメダルとともに、カメラユニット209により撮像されることで、メダルの判定処理に用いられる画像において、メダルとメダルレール210との区別が明確になることで、メダルの判別が容易になり、メダルの判定処理の精度が向上する。
また、複数の判定用孔312は、メダルレール210が延びる方向に沿って、配列されており、メダルレール210の上流側(メダル入口部211側)に近いほど、メダルレール210が延びる方向の幅が長く形成(例えば、上流側の判定用孔312の幅は約20mm、下流側の判定用孔312の幅は約5mm、中間域の判定用孔312の幅は約10mm)されている。このような複数の判定用孔312は、遊技媒体通過部の上流側と下流側とに設けられた複数の孔であり、上流側の孔よりも下流側の孔が遊技媒体が通過する進行方向に対して短い複数の孔の一例として機能する。これにより、メダルの通過速度が比較的速い、メダルレール210の上流側でも、確実にメダルを判定用孔312とともに撮像することが可能となり、メダルの判定処理の精度が向上する。また、メダルの通過速度が比較的遅い、メダルレール210の下流側の判定用孔312を、メダルレール210が延びる方向の幅を比較的短く形成することで、省スペース化が図れるので、例えば、メダル選別用中央孔212a及びメダル受付用中央孔212bとともに設けることが可能となる。
なお、複数の判定用孔312は、このような態様に限らず、同じ幅や同じ形状に形成してもよい。また、判定用孔312は、メダルレール210が延びる方向(メダルの流下方向)に沿った略矩形形状に形成されているが、これに限らず、円形状、三角形状等の任意の形状に形成してもよい。
判定用孔312の前面304a側(撮像手段の一例であるによるカメラユニット209(図8参照)の非撮像面側)には、遮蔽部材312a(図41中斜線部分)が貼付されている。
遮蔽部材312aは、メダルレール210に形成された判定用孔312において、前面304a側と後面304b側とを遮蔽し、後面304b側からカメラユニット209(図8参照)により撮像された画像に、前面304a側に配置された機器が写り込まないようにする。遮蔽部材312aは、複数の判定用孔312に応じて設けられている。遮蔽部材312aは、図14に示す第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263からの光を反射する。遮蔽部材312aは、例えば、反射シートで構成されているが、光を反射する素材であれば、例えば、鏡面仕上げされた金属板等で構成してもよい。なお、遮蔽部材312aを反射シートのような光を反射する素材を使用する理由は、カメラユニット209の撮影を阻害しないように、メダルレール210に光の反射率の低い加工が施されているため、遮蔽部材312aに非反射素材を使用した場合、判定用孔312がメダルレール210と同化してしまい認識できなくなるからである。
カメラユニット209(図8参照)は、複数の判定用孔312に応じて設けられた遮蔽部材312aで反射した光を撮像した画像により、複数の判定用孔312を判別する。
なお、判定用孔312は、メダルレール210のメダルが摺接する面(後面304b)より窪んでいれば、貫通孔でなくとも、凹形状であってもよい、この場合、この凹形状の底部に遮蔽部材312aを設けてもよい。
ベース板部304の後面304bには、補助部材の一例であるサブプレート305の一部と重畳するように、メダルの厚み(約1.5mm)よりやや厚い(約1.8mm〜2.0mm)保護部材304dが設けられている。
保護部材304dは、ベース板部304の後面304bにおいて、上側側縁が、メダルレール210の下側側縁に沿って配置されている。これにより、メダルレール210を通過するメダルは、保護部材304dの上側側縁の上を転がる。保護部材304dの上側側縁近傍は、サブプレート305の下側側縁近傍と重畳する。また、保護部材304dは、光沢のある金属プレートで構成されているが、これに限らず、図14に示す第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263からの光を反射する素材であれば、反射シート等で構成してもよい。
次に、サブプレート305の構成について説明する。
サブプレート305は、ベース板部304のメダルレール210と重なる位置に設けられている板状の部材であり、上端側がベース板部304に回動自在に取り付けられ、下端側がベース板部304の保護部材304dに当接することで、メダルレール210との間に、保護部材304dの上を転がるメダルが通過する空間(約1.8mm〜2.0mm)を形成する。サブプレート305は、平板状の本体部321と、この本体部321の上部に設けた軸部222と、第1の導光体261を取り付けるための取付部材272(図8参照)と、を有している。本体部221の略中央部には、メダルレール210のメダル選別用中央孔212a、メダル受付用中央孔212b及び複数の判定用孔312を含む位置の後方に配置され、前後方向に貫通する貫通孔221aが設けられており、貫通孔221aからはメダルレール210の略中央部から下流領域が露出する。この貫通孔221aは、カメラユニット209(図16参照)により撮像される、メダルレール210を含む所定領域に含まれる。
また、本体部321には、貫通孔221aの下側側縁に連なって形成され、本体部321の後端(メダルレール210の下流側端部)に形成され、メダルレール210を通過したメダルを、メダル出口部304cからメダルセレクタ301の外部に導く第1誘導部321aと、メダルレール210からメダル選別用メダルプレッシャ213a又はメダル受付用メダルプレッシャ213bによりはじかれたメダルを下方に導く第2誘導部321bと、貫通孔221aの近傍であって、カメラユニット209(図16参照)により撮像される所定領域に形成された複数のサブプレート状態検知用孔321cと、が形成されている。
第1誘導部321aは、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dに当接した状態において、ベース板部304のメダルレール210の下流側側縁(メダル出口部304cが設けられた側縁)に沿って配置される側枠305cに形成されている。
図43は、メダルセレクタ301のサブプレート305をパチスロ1の斜め前方から見た斜視図である。
第1誘導部321aは、サブプレート305がベース板部304の保護部材304d(図41参照)に当接した状態において、メダル出口部304c(後述する図44参照)に沿って延びる。第1誘導部321aは、メダルレール210(図41参照)の上流(メダル入口部211)側から下流(メダル出口部304c)側に向かって、サブプレート305のベース板部304に対面しない後面305b(図41参照)から、サブプレート305のベース板部304に対面する前面305aに向かって、傾斜する傾斜面を有する。これにより、例えば、メダル出口部304cから排出される寸前に、メダル選別用メダルプレッシャ213aやメダル受付用メダルプレッシャ213bにはじかれたメダルを、サブプレート305の側枠305cに引っ掛けることなく、メダルシュート202に導くことでメダル出口部304c側へのメダルの誤通過を抑制することができる。また、メダルが通過する空間において、メダルが排出されるメダル出口部304cや、メダル出口部204cに上流が接続され、下流がホッパー装置51に接続されたスロープ203に向かって傾斜する傾斜面を設けることで、このメダル出口部304c付近やスロープ203の入口においてメダルが滞留し、メダル出口部304cやスロープ203にメダルが詰まってしまうのを防止できる。
図41に戻って、第2誘導部321bは、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dに当接した状態におけるメダルレール210の下縁(図41に示す仮想線L)より下方において、メダルレール210が延びる方向に延びる。第2誘導部321bは、メダルレール210側から、メダルレール210から離れる方向に下り傾斜する傾斜面を有する。
ここで、メダルセレクタ301の下方には、メダル払出口32(図2参照)が設けられており、滞留手段の一例であるメダルトレイユニット34(図2参照)に連なるメダルシュート202(図4参照)が設けられている。また、メダル出口部304cから排出されたメダルは、スロープ203(図6参照)を介して貯留手段の一例であるホッパー装置51(図5参照)に収容される。
メダルレール210からメダル選別用メダルプレッシャ213a又はメダル受付用メダルプレッシャ213bによりはじかれたメダルは、メダル出口部304cまで到達することなく、メダルレール210から落下し、第2誘導部321bの傾斜面に導かれ、メダルシュート202を通って、メダルトレイユニット34に落下する。このように、第2誘導部321bは、遊技媒体を滞留手段の方向に導くための第2誘導部として機能する。
また、仮に、メダル出口部304cに到達する寸前で、メダル選別用メダルプレッシャ213a又はメダル受付用メダルプレッシャ213bによりはじかれたメダルも、第1誘導部321aの傾斜面に導かれ、メダルレール210から落下し、第2誘導部321bの傾斜面に導かれ、メダルシュート202を通って、メダルトレイユニット34に落下する。このように、第1誘導部321aは、遊技媒体を貯留手段に導かない場合に、貯留手段に導く方向とは異なる方向に、遊技媒体を導くための第1誘導部として機能する。
サブプレート状態検知用孔321cは、本体部321を前後方向に貫通する矩形形状の孔であり、貫通孔221aの近傍において、貫通孔221aの下側側縁に沿って、複数配列されている。サブプレート状態検知用孔321cは、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dに当接した状態において、保護部材304dと重畳する位置に配置されている。このため、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dに当接した状態において、図14に示す第2の導光体262からの光は、サブプレート状態検知用孔321cを挿通し、保護部材304dで反射する。なお、サブプレート状態検知用孔321cは、矩形形状に形成されているが、これに限らず、円形状、三角形状等の任意の形状に形成してもよい。
次に、サブプレート305の動作について説明する。
図44及び図45は、サブプレート305の動作を説明する図である。図44は、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dに当接した状態を示している。また、図45は、サブプレート305が回動し、サブプレート305とベース板部304の保護部材304dとが離間した状態を示している。また、図44及び図45における一点鎖線は、第2の導光体262からの光を模式的に示す線である。
図44に示すように、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dに当接した状態(通常の状態)では、第2の導光体262からの光は、サブプレート状態検知用孔321cにおいて、保護部材304dにより反射する。
一方、遊技者により、返却ボタン21a(図2参照)が操作されると、サブプレートプレッシャ213c(図41参照)の先端部がサブプレート可動用孔212c(図41参照)から突出し、サブプレート305が回動し、図45に示す状態となる。
図45に示す状態(返却ボタン21aが操作された状態)では、サブプレート状態検知用孔321cが保護部材304dの表面(反射面)に対して傾斜した状態となり、第2の導光体262からの光は、サブプレート状態検知用孔321cを挿通せずに、保護部材304dにより反射する。即ち、第2の導光体262からの光は、サブプレート305が回動していない状態の場合とは異なる反射となる。
このため、図44に示すサブプレート305がベース板部304の保護部材304dに当接した状態(通常の状態)では、第2の導光体262からの光がサブプレート状態検知用孔321cにおいて反射するので、カメラユニット209(図16参照)により撮像された画像において、サブプレート状態検知用孔321cは、周囲の本体部321に比べ輝度が高くなる。
一方、図45に示す返却ボタン21aが操作された状態では、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dから離間し、第2の導光体262からの光がサブプレート状態検知用孔321cにおいて、サブプレート305が回動していない状態の場合とは異なる反射となるので、カメラユニット209(図16参照)により撮像された画像において、サブプレート状態検知用孔321cは、通常の状態と比べ、輝度が低くなる。
これにより、カメラユニット209がこれらの画像により、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dに当接した状態か否かの判定の精度が向上する。例えば、サブプレート305がベース板部304の保護部材304dから離間していると判定されているにもかかわらず、メダルレール210を通過するメダルがあると判定される場合、不正行為が行われている可能性が高いと推測できる。
また、このようなカメラユニット209による判定を実現するため、変形例において、カメラユニット209において受光が可能な撮像領域RLa(図25参照)の下端は、実施形態に示すメダルレール210の下端縁より、ベース板部304の保護部材304dに当接した状態において、メダルレール210の下端縁近傍に配置される複数のサブプレート状態検知用孔321cを含む範囲まで、拡張されている。このような撮像領域RLaは、遊技媒体通過部に形成された経路を含む所定領域の一例であり、この所定領域を撮像するカメラユニット209は、所定領域を撮像する撮像手段の一例として機能する。また、複数のサブプレート状態検知用孔321cは、貫通孔の近傍であって、所定領域に形成された複数の孔の一例として機能する。
<変形例に係るコネクタの構成>
次に、メダルセレクタ301と、ドア中継端子板68(後述する図50参照)と、を電気的に接続する一般的にドロワコネクタ、又は、フローティングコネクタと称呼される種類のコネクタ400について説明する(ドロワコネクタ、又は、フローティングコネクタとは、雄雌コネクタの一方のコネクタを取り付けるベース部材との取り付け機構(取付穴等)において、フローティングワッシャ等による可動領域を備え、雄雌のコネクタを接合した際に発生する、締め付け荷重をフローティング機構で緩和する機能を有したコネクタ、又は、雄雌コネクタ同士の嵌合部分にフローティング機構を有するコネクタである。)。
図46は、コネクタ400の斜視図である。
コネクタ400は、パチスロ1において、メダルの投入を検出するメダルセレクタ301(後述する図50参照)と他の電気機器の一例であるドア中継端子板68(後述する図50参照)とを電気的に接続する。コネクタ400は、第1部材410と、第1部材と着脱自在に所定方向(図46に示す矢印の方向)から係合する第2部材420と、を備える。第1部材410は、メダルセレクタ301に設置されて接続されている。第2部材420は、ドア中継端子板68又はドア中継端子板68に接続されたセレクタ中継基板(不図示)に設置されて接続されている。なお、図46では、第1部材410と第2部材420が互いに係合する反対面は、本来複数のケーブル(導線)を挿通可能な形状を有しているが、本図では省略して描かれている。
図47は、コネクタ400の第1部材410と第2部材420とを互いに係合する方向から見た図である。図47(a)は、第1部材410を、第2部材420と係合する方向から見た図である。図47(b)は、第2部材420を、第1部材410と係合する方向から見た図である。
図47(a)に示すように、第1部材410は、メダルセレクタ301(後述する図50参照)に接続される平板部411と、平板部411から所定方向(第2部材420と係合する方向)に突出する突出部412と、所定方向に延びる複数のピン部材413(413a,413b,413c,413d)と、を有する。
突出部412は、所定の凹凸を有する形状に形成されている。複数のピン部材413は、突出部412の周囲に配置されている。図47(a)に示す例では、複数のピン部材413は、ピン部材413aが突出部412の左上に配置され、ピン部材413bが突出部412の右上に配置され、ピン部材413cが突出部412の左下に配置され、ピン部材413dが突出部412の右下に配置されている。
図47(b)に示すように、第2部材420は、ドア中継端子板68(後述する図50参照)に接続される本体部421と、本体部421に形成された穴であり、所定方向(第1部材410と係合する方向)から、第1部材410の突出部412を挿入可能な凹部422と、本体部421に形成された穴であり、複数のピン部材413がそれぞれ挿入可能な複数の挿入穴423(423a,423b,423c,423d)と、を有する。
凹部422は、突出部412における所定の凹凸を有する形状が挿入可能な形状に形成されている。複数の挿入穴423は、凹部422の周囲に配置され、凹部422に突出部412が挿入され位置決めされた状態において、第1部材410の複数のピン部材413がそれぞれ挿入可能な位置に形成されている。図47(b)に示す例では、複数の挿入穴423は、図47(a)に示す例の複数のピン部材413の位置と左右対称の位置に、それぞれ配置されている。
突出部412の6ヶ所の凹部には、コンタクトピンが圧着されて接続された導線が接続された接点部材414a〜414fが配置され、凹部422の6ヶ所の凹部にもコンタクトピンが圧着されて接続された導線が接続された接点部材424a〜424fが配置され、突出部412と凹部422とが嵌合されることで、接点部材414a〜414fと接点部材424a〜424fとが接触することで電気的に接続され、例えば、メダルセレクタ301に電源が供給され、グランドが設けられ、メダルが通過したことを示すメダルカウント信号や、メダルセレクタ301のカメラユニット209(後述する図40参照)におけるメダルの判定結果により、メダルが異常であったことを示すメダル異常信号等の通信が可能となる。
また、複数のピン部材413及び複数のピン部材413に対応して設けられる複数の挿入穴423は、遊技機の分類に応じて、異なる位置に配置される。「遊技機の分類」とは、機種、筐体の種類、製造元、販売元、メダルセレクタやドア中継端子板の種類等が含まれる。なお、複数のピン部材413及び複数のピン部材413に対応して設けられる複数の挿入穴423は、配置される位置に限らず、遊技機の分類に応じて、数量を異ならせてもよい。
また、第1部材410の平板部411及び突出部412と、第2部材420の凹部422が形成されている本体部421は、遊技機の分類に応じて、異なる色である。
図48及び図49は、図47に示すコネクタ400の第1部材410と第2部材420とは別の態様を示す図である。図48(a)及び図49(a)は、第1部材410を、第2部材420と係合する方向から見た図である。図48(b)及び図49(b)は、第2部材420を、第1部材410と係合する方向から見た図である。
図48に示す例は、図47に示すパチスロ1とは異なる分類の遊技機に取り付けられるものであり、図47に示すコネクタ400とは、ピン部材413a及び挿入穴423aの位置が異なるとともに、第1部材410の平板部411及び突出部412と、第2部材420の凹部422が形成されている本体部421の色が異なる。
図49に示す例は、図47に示すパチスロ1や図48に示す遊技機とは異なる分類の遊技機に取り付けられるものであり、図47に示すコネクタ400とは、ピン部材413c,413d及び挿入穴423c,423dの位置が異なるとともに、第1部材410の平板部411及び突出部412と、第2部材420の凹部422が形成されている本体部421の色が異なる。
このように遊技機の分類に応じて、複数のピン部材413及び複数のピン部材413に対応して設けられる複数の挿入穴423が異なるコネクタ400は、メダルセレクタに限らず、遊技機内部に設けられている他の電気機器同士の接続に用いてもよい。例えば、このような他の電気機器同士の接続として、ホッパー装置51(図27参照)とキャビネット側中継基板44(図27参照)との接続に用いてもよい。この場合、コネクタ400は、例えば、第1部材410がホッパー装置51に接続され、第2部材420がキャビネット側中継基板44に接続される。
<変形例に係るメダルセレクタの回路構成>
次に、変形例に係るメダルセレクタ301の回路構成について、図50を参照して説明する。
図50は、メダルセレクタ301の回路構成例を示すブロック図である。変形例に係るメダルセレクタ301は、本実施形態のメダルセレクタ201(図30参照)と、メダルソレノイドの構成が異なる。メダルセレクタ301は、カメラユニット209と、メダル選別ソレノイド308aと、メダル受付ソレノイド308bと、を備えている。また、メダルセレクタ301は、メダルセレクタ201と同様に、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続されている。即ち、メダルセレクタ301は、主制御回路91と電気的に接続されている。このため、主制御回路91は、メダルセレクタ301のメダル受付ソレノイド308bをON状態又はOFF状態に設定することができる。
主制御回路91は、所定の遊技媒体投入条件(例えば、クレジットカウンタが最大値(例えば、50)より小さい、遊技が実行中ではない、主制御回路91で何らかのエラーを検知していない等)が成立した場合に、メダル受付ソレノイド308bによる投入受付を許可する制御信号を出力する。メダル受付ソレノイド308bは、投入受付を許可する制御信号が入力された場合にON状態となる(メダル受付用メダルプレッシャ213bの先端部がメダルレール210内から引っ込んだ状態となり、メダルを受け付ける。)。一方、メダル受付ソレノイド308bは、投入受付を許可する制御信号を受信していない場合にはOFF状態となる(メダル受付用メダルプレッシャ213bの先端部がメダルレール210内に突出し、メダルをはじく。)。
このように、主制御回路91は、所定の遊技媒体投入条件が成立した場合に、遊技媒体受付手段による投入受付を許可する制御信号を出力する制御手段として機能する。また、メダル受付ソレノイド308bは、本実施形態のメダルソレノイド208と同様に制御される。このようなメダル受付ソレノイド308bは、制御手段の一例である主制御回路91によって制御され、遊技媒体の投入受付を制御する遊技媒体受付手段の一例として機能する。なお、パチスロ1に電力が供給されていない状態やメダルセレクタ301に電力が供給されていない状態、及び、遊技媒体投入条件が成立していない状態では、メダル受付用メダルプレッシャ213bの先端部がメダルレール210から突出した状態となる。
メダル選別ソレノイド308aは、カメラユニット209の制御LSI234により、ON状態又はOFF状態が制御される。具体的には、カメラユニット209は、遊技者に投入されメダルレール210を通過するメダルと複数の判定用孔312(図41参照)をCMOSイメージセンサ232により撮像し、撮像した画像データを制御LSI234に出力する。制御LSI234は、本実施形態で説明した制御により、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づき、色判定処理や刻印判定処理を行い、画像データのメダルが、予め定められた正規メダルと一致するか否かを判別する。そして、制御LSI234は、当該メダルが正規メダルと一致しないと判別した場合には、メダル選別ソレノイド308aに、メダルを排除する制御信号を出力する。メダル選別ソレノイド308aは、メダルを排除する制御信号が入力された場合にON状態となる(メダル選別用メダルプレッシャ213aの先端部がメダルレール210内に突出し、メダルをはじく。)。一方、制御LSI234は、当該メダルが正規メダルと一致すると判別した場合には、メダル選別ソレノイド308aに、メダルを受け入れる制御信号を出力する。メダル選別ソレノイド308aは、メダルを受け入れる制御信号が入力された場合にOFF状態となる(メダル選別用メダルプレッシャ213aの先端部がメダルレール210内から引っ込んだ状態となり、メダルを受け入れる。)。なお、パチスロ1に電力が供給されていない状態やメダルセレクタ301に電力が供給されていない状態、及び、制御LSI234が投入されたメダルを正規メダルと一致すると判別した場合には、メダル選別用メダルプレッシャ213aの先端部はメダルレール210内から引っ込んだ状態となる。
このように、メダル選別ソレノイド308aは、投入された遊技媒体を選別する遊技媒体選別手段の一例として機能する。また、制御LSI234は、遊技媒体を判別して遊技媒体選別手段を制御する判定選別制御手段の一例として機能する。また、制御LSI234は、投入された遊技媒体が予め定められた遊技媒体と一致しない場合には、遊技媒体選別手段に遊技媒体を排除する制御信号を出力し、投入された遊技媒体が予め定められた遊技媒体と一致する場合には、遊技媒体選別手段に遊技媒体を受け入れる制御信号を出力することで、遊技媒体を選別する判定選別制御手段の一例として機能する。また、メダル選別ソレノイド308aは、判定選別制御手段から遊技媒体を排除する制御信号が入力された場合に駆動し、選別用可動手段の先端部を、経路内に形成された選別用孔から、経路内に突出させる遊技媒体選別手段の一例として機能する。なお、本変形例では、投入されたメダルを必ず判定してメダル選別ソレノイド308aにより選別を行っているが、例えば、メダルセレクタ301の回路に、制御LSI234が、メダルを判定するか否かの設定スイッチを設け、設定スイッチがON状態の場合に投入されたメダルの判別を行うようにしてもよい。
また、カメラユニット209は、サブプレート305のサブプレート状態検知用孔321c(図44及び図45参照)をCMOSイメージセンサ232により撮像し、撮像した画像データを制御LSI234に出力する。制御LSI234は、本実施形態で説明した制御により、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づき、色判定処理を行い、サブプレート状態検知用孔321cに第2の導光体262(図44及び図45参照)からの光の反射でサブプレート状態検知用孔321cの形状が撮像されているか否かを判断する。制御LSI234は、例えば、所定時間継続して、サブプレート状態検知用孔321cに第2の導光体262からの光の反射でサブプレート状態検知用孔321cの形状が撮像されていない(例えば、サブプレート状態検知用孔321cが撮像されていない、撮像されているが孔の形状又は位置が異なる)と判断した場合には、サブプレート305が回動した状態となっていることを示す信号を、主制御回路91に出力してもよく、主制御回路91は、遊技媒体投入条件にサブプレート305の状態を示す信号を含めてもよい。このようなカメラユニット209は、孔における照射手段からの光の反射によって、補助部材が回動しているか否かを判断する撮像手段の一例として機能する。
次に、変形例の作用効果について説明する。
カメラユニット209は、ベース板部304を通過する遊技媒体を撮像するときに、遊技媒体とともにベース板部304の複数の判定用孔312も撮像する。例えば、カメラユニット209が、ベース板部304の表面を通過する遊技媒体を、この通過する遊技媒体側から撮像した場合、複数の判定用孔312は部分的に撮像される。カメラユニット209は、撮像された複数の判定用孔312の部分を判別することで、遊技媒体の通過を判定できる。このとき、複数の判定用孔312に反射防止シートが設けられていた場合や、遮蔽部材312aが設けられておらず、撮像された画像において、ベース板部304の裏側(遊技媒体が通過する面と反対側)に配設された部材が判定用孔312の中に写り込んだ場合、第1の導光体261等からの光が乱反射してしまい、判定用孔312とベース板部304の他の部分との識別が困難な画像となる。本変形例によれば、複数の判定用孔312に応じて、第1の導光体261等からの光を反射する遮蔽部材312aを設けたので、カメラユニット209により撮像された画像において、第1の導光体261等からの光が、複数の判定用孔312において、ベース板部304の他の部分と比べ一定の反射をすることで、この他の部分と比べ輝度が高くなり、複数の判定用孔312の形状がより明確に撮像できるので、複数の判定用孔312の判別精度が向上する。
したがって、遊技媒体の判定精度を向上することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
また、遮蔽部材312aをカメラユニット209の非撮像面側に貼付したので、ベース板部304におけるカメラユニット209による撮像面側から貼付した場合に比べ、複数の判定用孔312の輪郭が明確になり、より複数の判定用孔312の判別精度が向上する。また、ベース板部304におけるカメラユニット209による撮像面側を通過する遊技媒体が、遮蔽部材312aに接触し遊技媒体の通過を妨げ、遊技媒体が詰まってしまうのを防止できる。
また、ベース板部304の上流側の判定用孔312よりも下流側の判定用孔312を、遊技媒体が通過する進行方向に対して短くしたので、遊技媒体の通過速度が比較的遅くなる、ベース板部304の下流側の判定用孔312を、上流側の判定用孔312より、遊技媒体が通過する進行方向に対して短くしたことで、遊技媒体を判定用孔312とともに撮像する精度を低下させることなく、省スペース化が可能となる。また、ベース板部304の上流側の判定用孔312を、下流側の判定用孔312より、遊技媒体が通過する進行方向に対して長くしたことで、遊技媒体の通過速度が比較的速い上流側でも、確実に遊技媒体を判定用孔312とともに撮像することが可能となり、遊技媒体の判定処理の精度が向上する。
また、例えば、遊技媒体がホッパー装置51に向かう寸前でも、遊技媒体を前記ホッパー装置51に導かない場合には、第1誘導部321aにより、ホッパー装置51に導く方向とは異なる方向(例えば、メダルトレイユニット34の方向)に遊技媒体をスムーズに導くことができるとともに、第2誘導部321bを形成したので、メダルトレイユニット34へ遊技媒体をスムーズに導くことができる。これにより、例えば、ベース板部304を通過する遊技媒体を撮像した画像の画像処理による判定(例えば、刻印判定及び色判定等)により、正規メダルか否かを判定し、この判定の結果により、ホッパー装置51又はメダルトレイユニット34にスムーズに導くことができるので、ベース板部304を通過する遊技媒体が詰まり、遊技媒体の判定精度が低下するのを防止できる。
したがって、遊技媒体の判定精度を向上することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
また、遊技媒体をホッパー装置51に導かない場合、遊技媒体は、メダルレール210から一旦落下し、落下する方向に勢いが付いた状態で、傾斜面に当接し、下方に設けられたメダルトレイユニット34に導かれるので、遊技媒体がメダルレール210を通過する方向と直交する方向に、遊技媒体を倒さずに落下させることができる。このため、例えば、メダルレール210を通過する方向と直交する方向から遊技媒体を撮像し、撮像した画像の画像処理による判定を行う場合に、メダルレール210から落下した遊技媒体が倒れていないので、この落下した遊技媒体が正常にメダルトレイユニット34の方向に移動しているかを正確に判断できる。
また、サブプレート305の第1誘導部321aが、ホッパー装置51に遊技媒体を導くためのスロープ203に向かって傾斜する傾斜面を有することで、スロープ203の入口において遊技媒体が滞留し、スロープ203の入口に遊技媒体が詰まってしまうのを防止できる。
また、所定の遊技媒体投入条件が成立したか否かにより、遊技媒体の投入受付の可否を行う主制御回路91に加え、投入された遊技媒体が予め定められた遊技媒体と一致するか否かにより、投入された遊技媒体を排除又は受け入れる。これにより、遊技に関する制御を行う主制御回路91で遊技媒体の投入可又は不可を行う従来のセレクタ機能とは別に、メダルセレクタ301において、投入された遊技媒体の有効性を判断して、メダル選別ソレノイド308aにより不正な遊技媒体を排除することが可能であるため、ゴト行為を排除することが可能となる。
したがって、遊技媒体の受付の可否とは別に、不正行為による遊技媒体を選別することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
また、遊技媒体が通過するメダルレール210から遊技媒体を排除するための構成(不正行為による遊技媒体を選別するための構成)を、このメダルレール210が形成されている面の裏面に設けたので、このような構成をメダルレール210が形成されているベース板部304とは別に設けた場合に比べ、メダルセレクタ301を小型化することができる。また、メダル選別ソレノイド308aを、遊技媒体を排除する制御信号を受信した場合に駆動させ、メダル選別用メダルプレッシャ213aの先端部をメダルレール210内に突出させることで、メダル選別ソレノイド308aを常時駆動させてメダル選別用メダルプレッシャ213aを可動させる場合に比べ、メダルセレクタ301の消費電力を低減できる。
また、メダル受付ソレノイド308bは、ベース板部304の遊技媒体が通過する通過方向に対して、メダル選別ソレノイド308aが遊技媒体を選別する位置より上流側で、遊技媒体を排除する。このため、メダル選別ソレノイド308aは、メダル受付ソレノイド308bが遊技媒体を排除する位置より、下流側で、遊技媒体を選別することができるので、メダル受付ソレノイド308bが遊技媒体を排除する位置より上流側で遊技媒体を選別する場合に比べ、制御LSI234が遊技媒体を判別する処理時間を長くとることが可能となる。よって、制御LSI234における判別する処理の負荷を軽減できる。
また、メダルセレクタ301は、サブプレート305が回動した状態では、ベース板部304のメダルレール210から遊技媒体が落下する。そして、サブプレート305が回動していない状態では、サブプレート305の複数のサブプレート状態検知用孔321cにおいて、第2の導光体262等からの光が反射し、サブプレート305が回動した状態では、第2の導光体262等からの光はサブプレート305が回動していない状態の場合とは異なる反射となる。このような第2の導光体262等からの光の反射によって、カメラユニット209は、サブプレート305が回動しているか否かを判断する。
これにより、サブプレート305が回動し、遊技媒体がメダルレール210から落下する状態であるか否か(遊技媒体を受付可能な状態か否か)を判断できる。例えば、継続してサブプレート305が回動した状態である場合や、サブプレート305が回動し、遊技媒体がメダルレール210から落下する状態であるにもかかわらず、遊技媒体が受付された場合には、不正行為が行われている可能性が高い。したがって、遊技媒体を受付可能な状態か否かを判断することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
また、カメラユニット209は、撮像した所定領域の画像を画像処理することで、サブプレート305が回動していない状態(サブプレート状態検知用孔321cにおいて光が反射された状態)の画像と、サブプレート305が回動した状態(サブプレート状態検知用孔321cにおいて光が反射されていない状態)の画像と、の違いがより明確になり、サブプレート305が回動しているか否かの判断の精度が向上する。したがって、遊技媒体を受付可能な状態か否かをより正確に判断することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
また、遊技機において、遊技媒体の投入を検出するメダルセレクタ301とドア中継端子板68等とを電気的に接続するコネクタ400の複数のピン部材413及び複数の挿入穴423を、遊技機の分類(例えば、機種等)に応じて、異なる位置に配置する。これにより、ある遊技機に取り付けられている第1部材410には、他の分類の遊技機の第2部材420を取り付けても、互いに係合しない。このため、仮に、組立中の遊技機とは分類が異なる第1部材410又は第2部材420を取り付けても、第1部材410と第2部材420とが係合しないので、誤ったコネクタ400が取り付けられていることが即座に分かる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置を遊技機に取り付ける際に発生するヒューマンエラーを防止できる接続部材を提供できる。
また、遊技機において、遊技媒体を貯留及び該貯留した遊技媒体を排出するホッパー装置51とドア中継端子板68等とを電気的に接続するコネクタ400の複数のピン部材413及び複数の挿入穴423を、遊技機の分類(例えば、機種等)に応じて、異なる位置に配置する。これにより、ある遊技機に取り付けられている第1部材410には、他の分類の遊技機の第2部材420を取り付けても、互いに係合しない。このため、仮に、組立中の遊技機とは分類が異なる第1部材410又は第2部材420を取り付けても、第1部材410と第2部材420とが係合しないので、誤ったコネクタ400が取り付けられていることが即座に分かる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置を備える遊技機に、ホッパー装置51を取り付ける際に発生するヒューマンエラーを防止できる接続部材を提供できる。
また、突出部412及び凹部422の色により、組立中の遊技機の分類に適合しているコネクタ400であるか否かが分かる。また、仮に、組立中の遊技機とは分類が異なる第1部材410又は第2部材420を取り付けていた場合でも、これらを互いに係合させるまでもなく、色が違っているのを見るだけでで、誤ったコネクタ400が取り付けられていることが即座に分かる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置を遊技機に取り付ける際に発生するヒューマンエラーをより確実に防止できる接続部材を提供できる。
[本発明の一実施形態の応用例1]
次に、本発明の一実施形態の応用例1に係る遊技用装置500について説明する。
遊技用装置500は、ホールに設置されるメダル計数機であり、例えば、複数のパチスロ1が配列された島の端部に設けられ、上記実施形態に係るメダルセレクタ201(図7参照)又は上記変形例に係るメダルセレクタ301(図41参照)を備える。
図51は、本発明の実施形態の応用例1に係る遊技用装置500を上面から見た平面図である。図51に示すように、遊技用装置500は、投入されたメダル(遊技媒体)を貯留する、すり鉢状の凹部が形成されたホッパ543(遊技媒体貯留手段)を備えている。ホッパ543の下部には、投入したメダルの一つ一つをメダル受穴524に落とし込み、当該メダル受穴524を偏芯回転させる受穴付回転盤526を備えている。受穴付回転盤526は、計数開始スイッチ541を押下することによってその回転を開始する。受穴付回転盤526のメダル受穴524に入ったメダルは、受穴付回転盤526の回転に伴ってホッパ543の下部から排出され、ホッパ543の下方に設けられたメダルセレクタ201又はメダルセレクタ301により、正規のもののみ検出され、メダルセレクタ201又はメダルセレクタ301からのメダルカウント信号に基づき計数機549(遊技媒体計数手段)のメダル検出部544及び計数機制御手段542により検出、計数されて、貯留される。
遊技用装置500の上面には、投入したメダルを計数した枚数を表示する投入枚数表示部540aと、投入したメダルのうちレシート(記録媒体の一形態。)に印刷する枚数を設定する際に押下するレシート印刷枚数設定スイッチ534rと、前記設定したレシート印刷枚数を表示するレシート印刷枚数表示部540bと、投入したメダルのうち貯メダルカード(記録媒体の一形態。)に記録する貯メダル数を設定する際に押下するカード記録枚数設定スイッチ534cと、前記設定したカード記録枚数を表示するカード記録枚数表示部540cと、を備えている。
また、遊技用装置500の上面には、投入したメダルのうちレシートに印刷する枚数や、貯メダルカードに記録する貯メダル数を設定する0〜9までの数字スイッチ(入力手段534の一形態。)と、入力した枚数を修正する際に押下して直前に入力した数値を消去するBSスイッチとが配されている。また遊技用装置500の上面には、前記各メダルの枚数を設定した後に、レシートに印刷する処理、貯メダルカードに記録する処理の実行を指示するエントリースイッチ534eが配置されている。
また、遊技用装置500は、磁気記録式又はICタグを内蔵した貯メダルカードに対して貯メダル数を読み書きしたり、遊技者を識別する固有の識別情報(カードID)を読み取るカードリーダライタ537(記録媒体制御手段の一形態。)と、レシートの用紙にメダル枚数やバーコード、又は二次元バーコードを印刷して出力するレシート印刷手段539(記録媒体制御手段の一形態。)と、メダルセレクタ201又はメダルセレクタ301により正規のメダルでないメダルとして検出されたメダルを貯留するメダル受皿517と、を備えている。
このようなメダルセレクタ201又はメダルセレクタ301を備える遊技用装置500によれば、上記実施形態又は上記変形例と同様の作用効果を奏する。
[本発明の一実施形態の応用例2]
次に、本発明の一実施形態の応用例に係る遊技用装置600について説明する。
遊技用装置600は、ホールにおいて、各パチスロ1に併設され、隣接するパチスロ1に対応して設置されており、対応する当該パチスロ1との間で通信可能に接続されるメダル計数機であり、上記実施形態に係るメダルセレクタ201(図7参照)又は上記変形例に係るメダルセレクタ301(図41参照)を備える。
図52は、本発明の実施形態の応用例1に係る遊技用装置600の内部構成を示す斜視図である。図52に示すように、遊技用装置600の前面部621には、LED(light emitting diode)部631、カード挿入口632、紙幣を投入可能な紙幣挿入口633、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット634、カメラ635、非接触ICカードリーダライタ636、メダル(遊技媒体)払出トレー637、スピーカカバー638、メダル(遊技媒体)計数用投入口639等が設けられている。カード挿入口632は、例えばホールのカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部631は、フルカラーLED631A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)631Bから構成されている。
遊技者は、情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口632又は紙幣挿入口633に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダライタ636にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
遊技用装置600は、情報カード、紙幣及びICカードといった価値媒体の投入を受けると、投入された価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパ(第1の計数部)651によって計数してメダル払出トレー637から払い出す。遊技者は、メダル払出トレー637から払い出されたメダルをパチスロ1のメダル投入口21(図2参照)へ投入することにより、パチスロ1において遊技を行うことができる。
また、パチスロ1においては、遊技の結果に応じて、メダルトレイユニット34にメダルを払い出すようになされている。遊技者は、このメダルをメダルトレイユニット34から掬い取って、遊技用装置600のメダル計数用投入口639へ投入することにより、このメダルを遊技用装置600によって計数させることができる。遊技用装置600は、メダル計数用投入口639から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパ(第2の計数部)によって計数する。
計数された結果は、カード挿入口632から挿入されたカードに記録され、又は、ホールコンピュータに設けられた記憶部に記憶される。
計数用ホッパにおいて計数されたメダルは、遊技用装置600の底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、遊技用装置600の下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
遊技用装置600は、筐体622の内部に、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置661、ICカードリーダライタ等)と、電源ユニット665とを収納する第1の収納空間AR11を有している。また、第1の収納空間AR11の下方には、払出用ホッパ651と計数用ホッパ671とを上下に併設して収納する第2の収納空間AR13を有している。第1の収納空間AR11には、上部に識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置661、ICカードリーダライタ等)が収納され、下部に電源ユニット665が収納されている。すなわち、第1の収納空間AR11の下部は、電源ユニット665を収納する電源ユニット収納空間AR12を形成している。
第1の収納領域AR11の下方の第2の収納空間AR13に収納された払出用ホッパ651は、その上部において筐体622の背面部に設けられた補給用開口部652を介して、ホールからの補給路によりメダルが補給されるようになっている。この補給用開口部652と払出用ホッパ651との間には、補給通路653が設けられており、補給用開口部652から補給されたメダルは、補給通路653を介して払出用ホッパ651に落下する。
一方、筐体622の前面部621に設けられたメダル計数用投入口639と計数用ホッパ671との間には、導入通路672が設けられたおり、メダル計数用投入口639から投入されたメダルは、この導入通路672を介して計数用ホッパ671に落下する(矢印a)。計数用ホッパ671には、不正なメダルを排除するセレクタ201又はメダルセレクタ301と、メダルを計数する計数手段と、が設けられている。メダル計数用投入口639から投入されたメダルは、セレクタ201又はメダルセレクタ301により、正規のメダルのみ検出され、正規のメダルのみが計数手段により計数され、筐体622の底面部に設けられた排出口673から搬送コンベアに排出され(矢印b)、回収される。
遊技用装置600の前面部621には、前面パネル623が設けられており、この前面パネル623には、スピーカカバー638が設けられている。このスピーカカバー638は、前面パネル623(スピーカカバー638)の裏面側に設けられたスピーカからの音を前方に透過させる複数の透過口を有している。
図53は、本発明の実施形態の応用例2に係る計数用ホッパ671の断面図である。図53に示すように、計数用ホッパ671のメダル通路676の前面部にはメダルを受けるための開口部675が設けられており、この開口部675には、外部からメダルを投入するためのメダル計数用投入口639(図52参照)が取り付けられる。これにより、メダル計数用投入口639へ投入されたメダルは、開口部675及びメダル通路676を介して計数用ホッパ671へ導かれる。計数用ホッパ671へ導かれたメダルは、セレクタ201又はメダルセレクタ301により、正規のもののみ検出され、メダルセレクタ201又はメダルセレクタ301からのメダルカウント信号に基づき計数手段により計数され、計数用ホッパ671の底面部に設けられた排出口674から筐体622の排出口673(図52参照)を介して搬送コンベアに排出される。計数用ホッパ671の排出口674には、排出されるメダルをガイドするガイド部674A、674Bが設けられており、このガイド部674A、674Bによって、メダルの排出方向を斜め方向にすることができる。これにより、計数用ホッパ671の排出口から排出されるメダル(すなわち筐体622の排出口673(図3)から排出されるメダル)の排出方向を、遊技用装置600の下方近傍に配された搬送コンベアの方向にすることができる。
因みに、計数用ホッパ671の開口部675及びメダル計数用投入口639(図52参照)の大きさは、遊技者の手が入り難い大きさとされている。メダル計数用投入口639には、前面パネル623(図52参照)に併設して、板状のメダルガイド部材629(図52参照)が固定されている。これにより、遊技者の手がメダル計数用投入口639から入り難くすることができる。
また、開口部675にはフォトセンサ(図示せず)が設けられており、遊技者の手が入った場合にこれを検出するようになっている。これにより、遊技者の手が誤って挿入された場合、又は、不正により手が挿入された場合等に、フォトセンサによって検出し、計数用ホッパ671の動作を停止させることができる。なお、このフォトセンサの取り付け位置は、メダル計数用投入口639(図52参照)及び開口部675を介して投入されるメダルを誤検出しない位置に設けられている。例えば、開口部675の上部の状態のみを検出するように設けることにより、開口部675の下方を滑り込むメダルは検出せずに、開口部675の上部まで入り込む遊技者の手だけを検出することができる。因みに、計数用ホッパ671には、メダルの投入を検出するためのセンサ(図示せず)も設けられている。
このようなメダルセレクタ201又はメダルセレクタ301を備える遊技用装置600によれば、上記実施形態又は上記変形例と同様の作用効果を奏する。
[本発明の一実施形態の応用例3]
次に、本発明の一実施形態の応用例3に係る遊技用装置700について説明する。
遊技用装置700は、上記実施形態に係るメダルセレクタ201(図7参照)又は上記変形例に係るメダルセレクタ301(図41参照)を備え、スタンドアローンで遊技媒体の選別のみを行うものであってもよいし、遊技媒体の数を計数するための装置(所謂、ジェットカウンタ、各台計数機)に接続、内蔵されるものであってもよいし、遊技機に内蔵されるものであってもよい。
図54は、本発明の一実施形態の応用例3に係る遊技用装置700の内部構造例を示す斜視図である。
図54に示すように、遊技用装置700は、筐体M2と、筐体M2の上側に設けられ、選別対象となるメダルが収容される収容部M21と、筐体M2の内部に配置され、投入されたメダルを1つずつ送り出す送り出し部としてのホッパ装置M20と、メダルを選別する上記実施形態に係るメダルセレクタ201又は上記変形例に係るメダルセレクタ301と、ホッパ装置M20から送り出されたメダルを受け入れてメダルセレクタ201(301)に案内する第1の案内部としてのガイド部材M40と、を有している。上述のように、本応用例3では、2つのメダルセレクタ201(301)が設けられている。即ち、ホッパ装置M20から2つのガイド部材M40・M40を介して、夫々2つのメダルセレクタ201(301)にメダルを供給するように構成されている。また、遊技用装置700は、筐体M2内部の下側後方に電源ユニットM10を有している。図示しないが、電源ユニットM10は、ホッパ装置M20やメダルセレクタ201(301)に電源を供給するように電気的に接続されている。
また、2つのメダルセレクタ201(301)の下方には、2つのメダルセレクタ201(301)により、正規のメダルであると検知されたメダルを排出口に導く第1排出通路M50が配置されている。また、2つのメダルセレクタ201(301)の下方には、2つのメダルセレクタ201(301)により、正規でないと判定されたメダルを通過させて下皿に案内する通路である第2排出通路M8・M8が夫々に配置されている。また、筐体M2内の底面には、第2排出通路M8・M8に対応する位置に、第2排出口M11・M11が形成されている。
このようなメダルセレクタ201又はメダルセレクタ301を備える遊技用装置600によれば、上記実施形態又は上記変形例と同様の作用効果を奏する。
以上、本実施形態の変形例及び応用例1〜3について説明したが、本実施形態の各構成と変形例の各構成と応用例1〜3各構成とは、矛盾が無い限り、任意に組み合わせることができる。
[付記1]
付記1の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる遊技機を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、前記遊技媒体検出手段による前記遊技媒体の検出に基づいて遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、後述のスタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、後述の内部抽籤処理を行う主制御回路91)と、複数の表示列によって構成され、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段(例えば、後述の3つのリール3L,3C,3R及びステッピングモータ)と、遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段(例えば、後述のストップスイッチ)と、前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、後述のリール停止制御処理を行う主制御回路91)と、前記複数の表示列における前記変動表示の停止により、前記複数の表示列に亘って延びる入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せに基づいて所定の特典(例えば、後述のメダルの払い出し)を付与する特典付与手段(例えば、後述の主制御回路91)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、後述のCMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データである通過物体画像データに基づいて前記通路を前記遊技媒体が通過したか否かを判定する通過判定手段(例えば、後述のカウント処理を実行する制御LSI234)と、前記通過物体画像データに基づいて、前記通過物体の色調が所定の遊技媒体の色調であるか否かを判定する色調判定手段(例えば、後述の色判定処理を実行する制御LSI234)と、前記通過物体画像データに基づいて、前記通過物体の模様が前記所定の遊技媒体の模様であるか否かを判定する模様判定処理を行う模様判定手段(例えば、後述の刻印判定処理を実行する制御LSI234)と、を備えたことを特徴とする遊技機。
また、上記構成の遊技機において、前記遊技媒体検出手段は、予め撮像した前記所定の遊技媒体の画像データを複数の角度で回転させて作成した複数の回転画像データを積算したテンプレートデータを記憶する記憶手段(例えば、後述のフラッシュメモリ244)を備え、前記模様判定手段は、前記模様判定処理において、前記通過物体画像データを複数の角度で回転させて作成した複数の回転通過遊技媒体画像データを積算した比較対象データを作成し、前記比較対象データと前記テンプレートデータとを比較し、比較結果が所定の閾値の範囲内であれば前記通過物体の模様が前記所定の遊技媒体の模様であると判定し、前記所定の閾値の範囲外であれば前記通過物体の模様が前記所定の遊技媒体の模様でないと判定してもよい。
また、上記構成の遊技機において、前記遊技媒体検出手段は、前記通過物体画像データを前記通過判定手段、前記色調判定手段及び前記模様判定手段のそれぞれで行う判定に対応した画像データに加工する画像データ加工手段(例えば、後述のISP回路245)を備えてもよい。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を検知することができる。
[付記2]
付記2の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、遊技機に使用されているようなメダルは、表面が銀色又は金色にメッキされているものが一般的であり、定期的に洗浄(磨き)されているため、光が当たるとメダルの刻印で不規則に乱反射するので、イメージセンサやカメラを使用した画像処理では、その乱反射のために正確な画像を撮影するのが困難となる。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために、包囲状に光りを照射することで乱反射を抑止して遊技媒体の高精度の画像を撮影するための光源を提供することのできる遊技機を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射可能な導光体(例えば、導光体261〜263)と、前記導入光のための光源(例えば、LED群233)と、撮像タイミングに応じて前記光源を駆動制御する駆動制御手段(例えば、LED駆動部252)と、を有し、前記導光体は、少なくとも一つの開放端部(例えば、端部265a)と、前記撮像手段による撮像領域を囲む照射面(例えば、外側面261a)と、を有し、前記光源は前記開放端部に配置されたことを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、撮像タイミングに応じて光源を駆動制御することにより、導入光による照射光によって、撮像手段による通過物体画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を円滑に行うことができる。しかも、導光体は、少なくとも一つの開放端部と、撮像手段による撮像領域を囲む照射面を有し、光源は開放端部に配置されているので、撮像領域を略長円形等のリング様に囲むように導入光を均一照射することができる。したがって、遊技媒体のエッジや輪郭、刻印等の模様、色彩などを確実に撮像でき、正確な撮像データに基づいた高精度の判定処理を行える遊技機を実現することができる。すなわち、リング様に均一な照射光を照射可能になるので、通過遊技媒体の反射による光源の映り込み、つまり一次反射のハレーションを発生させず、被写体(通過遊技媒体)から正確な撮像データを得ることができ、高精度の判定処理、殊に、遊技媒体の刻印や輪郭の判定処理を行える遊技機を実現することができる。
本発明に係る第2形態は、前記導光体は、それぞれ開放端部を備えた複数の導光体により構成され、前記光源は、前記複数の導光体の各開放端部に配置されたことを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、導光体は、それぞれ開放端部を備えた複数の導光体により構成し各開放端部に前記光源を配置した構成により、通路の比較的狭い周辺空間にあっても、リング様に導入光を均一に照射し得る撮像用照射機構をコンパクトに搭載した遊技機を提供することができる。
本発明に係る第3形態は、前記複数の導光体の各照射面は、前記撮像領域を囲むように略長円状または略長方形状に配置されたことを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、前記複数の導光体の各照射面を、前記撮像領域を略長円状または略長方形状に囲むように配置することにより、リング様に導入光を均一に照射し得る撮像用照射機構をコンパクトに搭載した遊技機を提供することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために、包囲状に光りを照射することで乱反射を抑止して遊技媒体の高精度の画像を撮影するための光源を提供することのできる遊技機を提供することができる。
[付記3]
付記3の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、遊技機内部において、CCDカメラでメダルを撮影するには、メダルに光りを照射する必要がある。ところが、遊技機に使用されているようなメダルは、表面が銀色又は金色にメッキされているものが一般的であり、定期的に洗浄(磨き)されているため、光が当たるとメダルの刻印で不規則に乱反射するので、イメージセンサやカメラを使用した画像処理では、その乱反射のために正確な画像を撮影するのが困難となる。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために、包囲状に光りを照射することで乱反射を抑止して遊技媒体の高精度の画像を撮影するための光源を提供することのできる遊技機を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射可能な導光体(例えば、導光体261〜263)と、前記導入光のための光源(例えば、LED群233)と、撮像タイミングに応じて前記光源を駆動制御する駆動制御手段(例えば、LED駆動部252)と、を有し、前記導光体は、前記通路の前方から前記撮像手段の撮像領域に光を照射する第1の導光体(例えば、導光体261)と、前記通路の後方から前記撮像領域に前記導入光を照射する第2の導光体(例えば、導光体263)と、を少なくとも含み、前記第2の導光体は、前記撮像領域に前記導入光を照射する第1の導光面(例えば、三角側面263c)と、前記撮像領域と反対側に前記導入光を照射する第2の導光面(例えば、三角側面263d)と、を有することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、撮像タイミングに応じて光源を駆動制御することにより、導入光を光源として、撮像手段による通過物体画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を円滑に行うことができる。しかも、第1の導光体と第2の導光体を撮像領域を囲むように配置したので、通過遊技媒体に向けて導入光の均一照射を行うことができ、遊技媒体のエッジや輪郭、刻印等の模様、色彩などを確実に撮像でき、正確な撮像データに基づいた高精度の判定処理を行える遊技機を実現することができる。
特に、第1の導光体からの照射光と、第1の導光面からの照射光とによって撮像領域を囲む均一照射が可能になるので、通過遊技媒体の反射による光源の映り込み、つまり一次反射のハレーションを発生させず、被写体(通過遊技媒体)から正確な撮像データを得ることができる。さらに、第2の導光面からの照射光を撮像領域以外の通路面に照射してハレーションを起こさせるので、該照射位置での反射の濃淡が鮮明になり、遊技媒体の通過判定に供することができる。したがって、本形態においては、一次反射のハレーションを防止して正確な撮像データを取得して通過遊技媒体の属性(例えば、刻印、輪郭、色等)の高精度の判定処理を行えるとともに、第2の導光面によるハレーションを利用して正確な通路通過判定処理を行える遊技機を実現することができる。
本発明に係る第2形態は、前記第2の導光体は、三角錐形状を有し、該三角錐の底面側に前記光源が配置され、該三角錐の一側面を前記第1の導光面とし、該一側面と異なる側面を前記第2の導光面としたことを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、第2の導光体の三角錐の二側面から、撮像領域向けの照射光と、撮像領域以外に向けた照射光とを照射できるので、通過遊技媒体の属性判定処理および通路通過判定処理を高精度に行え、単一の導光体により該2種の光照射機構をコンパクトかつ安価に構成した遊技機を実現することができる。
本発明に係る第3形態は、前記導光体は、前記撮像領域に前記導入光を照射する第3の導光体を含むことを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、略長方形等のリング様に導入光を均一に照射し得る照射機構を、第1〜第3の導光体により3分割して構成することができるので、各導光体を通路周辺の狭い空間に分散配置してコンパクトかつ安価に構成でき、通過遊技媒体の属性判定処理および通路通過判定処理を高精度に行える遊技機を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために、包囲状に光りを照射することで乱反射を抑止して遊技媒体の高精度の画像を撮影するための光源を提供することのできる遊技機を提供することができる。
[付記4]
付記4の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、遊技を制御する主制御部で、CCDカメラにより撮像されたメダルの撮影画像から不正メダルか否かを判定する。しかしながら、遊技機の主制御部は、処理能力が制限されている。一方、撮影画像から不正メダルか否かを判定する処理は、画像処理であり、制御部に多大な負荷が生ずる。このため、処理能力が制限されている主制御部で、撮影画像から不正メダルか否かを判定する処理を行った場合、主制御部の処理能力を超えてしまい、不正メダルか否かを適正に判定できなくなるだけでなく、遊技の制御に支障をきたす虞もある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための画像データを適正に処理することが可能な遊技機を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、前記遊技媒体の投入を前記通路を通じて遊技機内に受け入れる受入手段(例えば、主制御回路91およびメダルソレノイド208)と、を有し、前記受入手段は、前記媒体判定手段による判定結果が正常でない場合、前記遊技媒体の投入受け入れを不能にする受入不能手段(例えば、メダルソレノイド208)を含むことを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、媒体判定手段が、撮像手段により撮像された通過物体の画像データに基づき遊技媒体を判定するので、適正な判定処理を高精度に行うことができる。しかも、高精度な判定結果に基づいて遊技媒体の投入受入れを行えるとともに、判定結果が正常でない場合、遊技媒体の投入受入れを不能にすることができるので、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を未然にかつ確実に防止し得る遊技機を提供することができる。
本発明に係る第2形態は、前記受入手段は、前記通路を前記遊技媒体の受入側にまたは返却側に切り換える切換手段(例えば、セレクトプレート207、アフタメダルプレッシャ218)を含み、前記媒体判定手段による判定結果が正常でない場合、前記切換手段により前記返却側に切り換えて前記遊技媒体の投入受け入れを不能にすることを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、通過判定手段による判定結果が正常でない場合、切換手段により返却側に切り換えて遊技媒体の投入受け入れを不能にすることができるので、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を未然にかつ確実に防止し得る遊技機を提供することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための画像データを適正に処理することが可能な遊技機を提供することができる。
[付記5]
付記5の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、イメージセンサやカメラを使用して対象物を撮影して画像処理を行う場合は、イメージセンサやカメラの撮影に光源が必要となる、遊技機のメダルの判定に使用する場合には、ゴトを防止するためにも常時点灯させる必要があり、撮影に十な光量を確保して点灯する必要があるので、光源に使用するLED等の寿命や消費電力が問題となる。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために使用するイメージセンサの撮影用光源のLEDを適切な制御で発光させることのできる遊技機を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射可能な導光体(例えば、導光体261〜263)と、前記導入光の光源であるLED(例えば、LED群233)と、撮像タイミングに応じて前記LEDを駆動制御する駆動制御手段(例えば、LED駆動部252)と、を有し、前記撮像手段は、所定の撮像周期で撮像し、前記駆動制御手段は、該撮像周期に応じて駆動制御可能であり、撮像時に前記LEDに駆動電流を供給し、非撮像時に該駆動電流の供給を行わないことを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、LED光を光源として、駆動制御手段により撮像タイミングに応じてLEDを駆動制御し、撮像手段による通過物体画像データを取得可能にして通過判定手段による判定処理を行え、しかも、撮像手段により所定の撮像周期で撮像を行い、駆動制御手段により、該撮像周期に応じて駆動制御可能であり、撮像時に前記LEDに駆動電流を供給し、非撮像時に該駆動電流の供給を行わないことによって、撮像タイミング、つまり露光のタイミングのずれを生ずることなく、撮像データを取得して該判定処理を高精度に行うことのできる遊技機を実現することができる。特に、本形態においては、露光のタイミングのずれを生じた場合の補正処理を行うプログラムを不要にし、撮像周期に応じたLED駆動電流の供給のオンオフを行うので、LEDの消費電力の削減、それによる長寿命化を可能にして、低コストでの判定処理機能を遊技機に付加することができる。
本発明に係る第2形態は、導入光を線状ないし面状に照射可能な導光体を有し、前記LEDを前記導光体の端部に配置してLED発光を前記導光体を介して前記通過物体に照射することを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、導入光を線状ないし面状に照射可能な導光体を有し、LEDを該導光体の端部に配置してLED発光を導光体を介して前記通過物体に照射するので、LED部品数を最小限に使用し、撮像に必要なLED光を撮像タイミングに応じて点滅駆動して、撮像タイミング、つまり露光のタイミングのずれを生ずることなく、撮像データを取得して該判定処理を高精度に行うことのできる遊技機を実現することができる。
本発明に係る第3形態は、前記駆動制御手段は、非撮像時に前記LEDの駆動電流を蓄積する蓄積部を備え、前記駆動制御手段により、撮像時に前記LEDに供給する駆動電流は前記蓄積部に蓄積された駆動電流であることを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、非撮像時に蓄積部に蓄積した駆動電流を、撮像時に前記LEDに供給することにより、LEDに、常時点灯時よりも大きい駆動電流をサージ電流レベルで流して、高輝度によるLED光の照射による高画質の画像データの取得が可能になるので、該判定処理を高精度に行うことのできる遊技機を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために使用するイメージセンサの撮影用光源のLEDを適切な制御で発光させることのできる遊技機を提供することができる。
[付記6]
付記6の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、イメージセンサやカメラを使用して対象物を撮影して画像処理を行う場合は、イメージセンサやカメラの撮影に光源が必要となるが、光源にLEDを使用して十分な光量を確保する方法としては電流を多く流すのが一般的な手法とされているが、電流を多く流すとLEDが破壊される懸念がある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を安定して検知するために使用するイメージセンサの撮影用光源のLEDの破壊を防ぐことのできる遊技機を提供することである。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射可能な導光体(例えば、導光体261〜263)と、前記導入光の光源であるLED(例えば、LED群233)と、撮像タイミングに応じて前記LEDを駆動制御する駆動制御手段(例えば、LED駆動部252)と、を有し、前記駆動制御手段は、所定の定電流を発生する定電流回路(例えば、トランジスタT1およびT2で構成されたカレントミラー回路)と、前記定電流をLED駆動電流に変換して前記LEDに供給する駆動電流供給回路(例えば、LED定電流駆動回路255)と、規定時間を超えて前記定電流が発生した場合に定格電流に低下させる保護回路(例えば、LED電源部253に設けたコンデンサC1)と、を有することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、定電流回路および駆動電流供給回路を介してLEDに、撮像タイミングに応じてLED駆動電流を供給することにより、撮像手段による通過物体画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を円滑に行うことができる。しかも、規定時間を超えて定電流回路による定電流が発生した場合に保護回路によって定格電流に低下させるので、規定時間を超えるサージ電流からLEDが破壊されることを未然に防止でき、常時、定格電流を保持して安定した該判定処理の実行が可能になる。さらに、定電流回路に保護回路を設けるので、外付けの不要な回路部品や基板スペースの拡大を要しないので、低コストで該判定処理の安定化を図ることができる。
本発明に係る第2形態は、前記定電流回路は、所定の電流源から前記定電流を発生させるカレントミラー回路により構成されたことを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、所定の電流源から前記定電流を発生させるカレントミラー回路により構成された定電流回路によって、LEDへのLED駆動電流の安定供給を図り、不正行為の安定的検知機能を具備した遊技機を実現することができる。
本発明に係る第3形態は、前記規定時間は、少なくとも1msec以下であることを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、規定時間は、少なくとも1msec以下であるので、LEDへのサージ電流が流れるのを確実に防止でき、不正行為の安定的検知機能を具備した遊技機を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を安定して検知するために使用するイメージセンサの撮影用光源のLEDの破壊を防ぐことのできる遊技機を提供することができる。
[付記7]
付記7の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、イメージセンサやカメラを使用して対象物を撮影して画像処理を行う場合は、イメージセンサで使用されている撮影用素子が熱の影響を受けることで、同じ対象物であっても、温度の影響を受けることで撮影され画像処理されると違う対象物と判断される懸念がある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために、イメージセンサに温度変化があっても安定した画像を撮影することのできる遊技機を提供することである。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射する導光体(例えば、導光体261〜263)と、前記導入光の光源であるLED(例えば、LED群233)と、撮像タイミングに応じて前記LEDを駆動制御する駆動制御手段(例えば、LED駆動部252)と、を有し、前記撮像手段は、前記通過物体を撮像するイメージセンサ(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記イメージセンサの温度を検出する温度センサ(例えば、温度センサ232a)と、前記温度センサが検出した温度が予め定められた閾値温度を超えた場合に前記イメージセンサのオフセット補正を行うオフセット補正手段(例えば、LED制御LSI234)と、を有することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、撮像タイミングに応じてLEDにLED駆動電流を供給することにより、LED光を光源として、撮像手段による通過物体の画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を円滑に行うことができる。
遊技機に、撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサを使用したカメラ)を搭載すると、該カメラは常時、長時間にわたり高温にさらされる環境下に置かれる。また、メダル補給等の保守のときに遊技機の扉が開閉されると、カメラ周囲温度が大きく変動する事態が生ずる。一方、CMOSイメージセンサの暗電流は温度上昇に伴って急激に上昇するため、撮像画像の基準黒レベルがずれて色再現性の低下や画質劣化の不具合を生ずる。本形態においては、係る不具合に鑑み、温度センサによってイメージセンサの温度を検出して監視し、オフセット補正手段により、温度センサが検出した温度が予め定められた閾値温度を超えた場合にイメージセンサのオフセット補正を行うので、周囲温度が急変したりしても基準黒レベルを適正に保持して高画質の画像データの取得が可能になり、周囲温度の変動に関係なく該判定処理を高精度に行うことができる。
本発明に係る第2形態は、オフセット補正手段は、基準黒レベルの線形補間値により、前記オフセット補正を行うことを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、基準黒レベルに線形補間値によって前記オフセット補正を確実に行うことによって、温度変化の影響を受けることなく、常時、安定した通過物体画像データの取得が可能になるので、該判定処理を高精度に行うことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために、イメージセンサに温度変化があっても安定した画像を撮影することのできる遊技機を提供することができる。
[付記8]
付記8の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、遊技機の筐体内にCCDカメラ等を設置した場合、遊技機のコストが大幅にアップしてしまう問題がある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するためのイメージセンサ用の光学系のコストを下げるLEDを提供することのできる遊技機を提供することである。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射可能な導光体(例えば、導光体261〜263)と、前記導入光の光源であるLED(例えば、LED群233)と、撮像タイミングに応じて前記LEDを駆動制御する駆動制御手段(例えば、LED駆動部252)と、を有し、前記撮像手段は、前記光源からの光で前記通過物体を撮像するイメージセンサ(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記イメージセンサの前方に配置された集光レンズ(例えば、レンズ285)と、を有し、前記LEDは、特定波長の範囲(例えば、波長440nm〜460nm)の光を照射し、前記集光レンズと前記イメージセンサの間に介在物のない空間を設け、前記撮像手段は、前記特定波長の範囲の光により照射された前記通過物体を撮像することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、導入光を光源として、撮像手段による通過物体の画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を行うことができる。しかも、光源としてIR成分を含まないLED光が使用可能である点に着目し、集光レンズとイメージセンサの間に介在物のない空間を設けて集光レンズをイメージセンサに結像可能にするので、照射光を直接的にイメージセンサに誘引可能になり、該結像に必要な光学長を最短距離に短縮でき、撮像ユニット構造を小型化、コンパクト化でき、該判定処理の精度の向上を図ることのできる遊技機を実現することができる。
本発明に係る第2形態は、
前記LEDは、赤外放射領域の発光成分を含まないことを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、光源であるLEDは、赤外放射領域の発光成分を含まないので、IRフィルタの部品点数を削減でき、その取付コストも不要になって大幅な低コスト化を実現でき、さらにIRフィルタを使用した場合の界面でノイズ成分も生じず、可視光領域の撮像データの有効活用が可能になり、コンパクトな構成で小型の撮像手段により、高精度な通過遊技媒体の判定処理を行える遊技機を実現することができる。
本発明に係る第3形態は、
前記LEDは、紫外放射領域の発光成分を含まないことを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、光源であるLEDは、紫外放射領域の発光成分を含まないので、UVフィルタの部品点数を削減でき、その取付コストも不要になって大幅な低コスト化を実現でき、さらに紫外放射領域の発光による褪色が軽減され、可視光領域の撮像データの有効活用が可能になり、コンパクトな構成で小型の撮像手段により、高精度な通過遊技媒体の判定処理を行える遊技機を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するためのイメージセンサ用の光学系のコストを下げるLEDを提供することのできる遊技機を提供することができる。
[付記9]
付記9の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、メダル通路上を流れるメダルを撮影するためには、ある程度の範囲を撮影する必要があり、高機能のシステムを導入すれば、必要以上の遊技機のコストアップの要因になってしまう。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために必要な撮影範囲を低コストで撮影可能にする撮影用レンズが搭載された遊技機を提供することである。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射可能な導光体(例えば、導光体261〜263)と、前記導入光のための光源(例えば、LED群233)と、を有し、前記撮像手段は、前記導入光を光源にして前記通過物体を撮像するイメージセンサ(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記通路に対向して前記イメージセンサの前方に配置された集光レンズ(例えば、レンズ285)と、を含み、前記集光レンズは、樽型に歪む歪曲収差を伴う結像作用を生ずるレンズであることを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、導入光を光源として、撮像手段による通過物体の画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を円滑に行うことができる。特に、歪みのない集光レンズでは画像取得範囲が狭まり、判定精度が低下するが、本形態においては、通過物体画像データを樽型に歪む歪曲収差を伴う結像作用を生ずる樽型歪みが発生するレンズを介して広範囲の画像データの取得が可能であり、高精度の該判定処理を行うことのできる低コストなイメージセンサ用レンズが搭載された遊技機を実現することができる。
本発明に係る第2形態は、前記媒体判定手段は、前記集光レンズを介して得られた通過物体画像データの全データ領域のうち、中心領域の画像データ以外の前記樽型に歪んだ歪曲収差した画像データを補正することを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、樽型歪みが発生するレンズを介して広範囲の画像データを取得して、媒体判定手段により、中心領域の画像データ以外の樽型に歪んだ歪曲収差した画像データを補正するので、高精度の該判定処理を行うことのできる遊技機を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するために必要な撮影範囲を低コストで撮影可能にする撮影用レンズが搭載された遊技機を提供することができる。
[付記10]
付記10の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、限られた空間である遊技機内にイメージセンサやカメラを搭載するには、遊技機内に搭載するための光学系を専用設計する必要がある。さらに、温度が高い環境下では、レンズが歪んで、想定している画像が撮影できない状態が発生することがある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための熱による歪みが発生しにくい撮影用レンズを搭載することが可能となる遊技機を提供することである。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射可能な導光体(例えば、導光体261〜263)と、前記導入光のための光源(例えば、LED群233)と、を有し、前記撮像手段は、前記導入光を光源にして前記通過物体を撮像するイメージセンサ(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記通路に対向して前記イメージセンサの前方に配置された集光レンズ(例えば、レンズ285)と、前記集光レンズを前記イメージセンサの前方に保持するレンズ保持手段(例えば、レンズホルダ275およびレンズユニット287)と、を含み、前記レンズ保持手段は、少なくとも樹脂成分と、前記樹脂成分に対し所定の配合比(例えば、GFが30%)で混合したガラスフィラーと、により成形され、前記配合比は第1の配合比、乃至、第2の配合比(例えば、GFが10〜40%)であることを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、導入光を光源として、撮像手段による通過物体の画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を円滑に行うことができる。特に、レンズ保持手段は、少なくとも樹脂成分と、該樹脂成分に対し10〜40%の配合比で混合したガラスフィラーとにより成形されているので、温度上昇による構造歪み、例えば、集光レンズがレンズ保持手段と干渉した場合の圧力作用による歪みをレンズ保持手段側で打ち消すように変形して、相殺して抑止ないし抑制することができるので、構造歪みによるピントずれを起こすことなく高画質の撮像を行って高精度の該判定処理を行うことのできる遊技機を実現することができる。殊に、温度上昇によるレンズ歪みが多少生ずるが、該構造歪みを解消しているので、あらかじめ分析可能なレンズ歪みに撮像処理上の対策を講じるだけで済み、構造歪み対策用パーツを追加しなくてよく、無駄なコストアップを招来せずにレンズ保持機構の製造コストの低減を図れ、遊技機のコストダウンに寄与する。
本発明に係る第2形態は、前記レンズ保持手段は、前記イメージセンサの前方において複数個の集光レンズを多層状に保持するレンズ保持構造を有することを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、前記レンズ保持手段は、前記イメージセンサの前方において複数個の集光レンズを多層状に保持するレンズ保持構造を有しても、各集光レンズとの構造歪に対して、少なくとも樹脂成分と、該樹脂成分に対し10〜40%の配合比で混合したガラスフィラーとにより成形されたレンズ保持手段側で打ち消すように変形して、相殺して抑止ないし抑制することができるので、構造歪みによるピントずれを起こすことなく高画質の撮像を行って高精度の該判定処理を行うことのできる遊技機を実現することができる。
本発明に係る第3形態は、前記樹脂成分は液晶ポリマー材であることを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、前記樹脂成分は、耐熱性や剛性に富んだ液晶ポリマー材であるので、温度上昇による熱変形を起こさず、高画質の撮像取得を可能にして高精度の該判定処理を行うことのできる遊技機を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための熱による歪みが発生しにくい撮影用レンズを搭載することが可能となる遊技機を提供することができる。
[付記11]
付記11の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、フォーカス機能を有さない定点撮影を行う場合では、設計時に想定した撮像距離とのズレが大きいと、想定したフォーカス精度を確保するのが困難になり撮影の精度が低下する。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための撮影用レンズで一定水準以上のフォーカス精度を確保できる遊技機および該遊技機の製造方法を提供することである。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、前記通過物体に照射可能に配置された光源(例えば、LED群233)と、を有し、前記撮像手段は、前記光源からの照射光で前記通過物体を撮像するイメージセンサ(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記通路に対向して前記イメージセンサの前方に配置された集光レンズ(例えば、レンズ285)と、前記集光レンズを前記イメージセンサに結像可能に保持するレンズ保持手段(例えば、レンズホルダ275)と、を有し、前記レンズ保持手段は、前記集光レンズを収容するレンズ収容部(例えば、レンズユニット287)と、前記レンズ収容部を装着する、外周部に外向きに開いた傾斜部(例えば、テーパー部282)が形成された貫通孔(例えば、貫通孔278)を有したホルダ部(例えば、レンズホルダ275)と、前記貫通孔に装着された前記レンズ収容部と前記傾斜部とにより形成される領域の間に注入されることで、前記レンズ収容部と前記ホルダ部とを接着する接着手段(例えば、接着剤292)と、を有することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、前記光源からの照射光で、撮像手段による通過物体の画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を円滑に行うことができる。特に、撮像手段のレンズ系を組み立てる際に、ホルダ部とレンズ収容部とを単に接着するだけでは、組立時の位置ずれが生じて、フォーカス精度のばらつき要因になるが、本形態では、貫通孔に装着されたレンズ収容部と傾斜部とにより形成される領域の間に注入される接着手段によって、レンズ収容部とホルダ部とを接着するので、イメージセンサと集光レンズの組立時の位置ずれが生じないため、撮影用レンズで一定水準以上のフォーカス精度を確保でき、高精度の該判定処理を行うことのできる遊技機を実現することができる。
本発明に係る第2形態は、前記接着手段は、前記傾斜部と前記レンズ収容部との間の隙間に充填する接着剤であることを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、本形態では、レンズ収容部をホルダ部の貫通孔に装着した状態で、貫通孔の外周部に外向きに開いた傾斜部とレンズ収容部との間の隙間に接着剤を充填してホルダ部とレンズ収容部とを固着するので、撮像手段のレンズ取着構造が強固になり、接着剤のレンズへのはみだし等が生じないため、撮影用レンズで一定水準以上のフォーカス精度を確保でき、高精度の該判定処理を行うことのできる遊技機を実現することができる。
本発明に係る第3形態は、前記接着剤は、紫外線硬化型樹脂接着剤であることを特徴とする遊技機である。
レンズ系部品には製造段階での寸法公差を生じやすいので、集光レンズを適切な位置に取着するに位置合わせ調整を行う必要がある。このため、レンズ系に使用する接着剤としては、接着剤が固化するまで制御しやすい性質のものが好ましい。種々の接着剤の中で紫外線硬化型樹脂接着剤は、熱硬化型樹脂接着剤等の接着剤と比較して硬化速度が速く、紫外線照射により短時間に重合硬化し、接着工程上、制御しやすい特性を有する。
第3形態によれば、紫外線硬化型樹脂接着剤を使用してホルダ部とレンズ収容部とを固着したレンズ取着構造であるので、ホルダ部とレンズ収容部とを固着する前の製造段階で、位置合わせした後に塗布により即座に仮接着でき、紫外線照射により速やかに固化させることができ、レンズ取着構造の組立作業時間を短縮でき、また組立工程の簡素化も実現でき、製造コストを低価格化し、高精度の該判定処理を行うことのできる遊技機を実現することができる。
本発明に係る第4形態は、第2形態又は第3形態に係る遊技機の製造方法であって、前記レンズ収容部を前記貫通孔に装着した状態で前記集光レンズのレンズ位置の調整を行うレンズ位置調整工程と、前記傾斜部と前記レンズ収容部との間の隙間に接着剤を充填して仮止めする仮止め工程と、仮止め状態で前記接着剤を焼成する焼成工程と、を有することを特徴とする遊技機の製造方法である。
第4形態によれば、レンズ位置調整工程により、レンズ収容部を貫通孔に装着した状態で集光レンズのレンズ位置の調整を行い、仮止め工程により、傾斜部とレンズ収容部との間の隙間に接着剤を充填して調整済みレンズを仮止めした後、焼成工程により仮止め状態で接着剤を焼成するので、製造立段階でイメージセンサと集光レンズの位置ずれ、あるいは接着剤のレンズへのはみだし等が生じず、高画質の撮像画像をもとに高精度の該判定処理を行うことのできる遊技機を得ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための撮影用レンズで一定水準以上のフォーカス精度を確保できる遊技機および該遊技機の製造方法を提供することができる。
[付記12]
付記12の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口の先に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、撮影対象をイメージセンサやカメラで撮影する場合には、安定し、且つ、十分な輝度を確保する必要があるが、遊技機の内部には、光源がないため、メダルを撮影するための専用の光源を設置する必要がある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を安定して検知するためのイメージセンサへの安定した輝度の光源を供給することのできる遊技機を提供することである。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、前記遊技媒体検出手段は、前記遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、前記撮像手段が撮像した前記通過物体の画像データに基づいて前記遊技媒体を判定する媒体判定手段(例えば、制御LSI234)と、導入光を面状に照射可能な導光体と、前記導入光の光源であるLED(例えば、LED群233)と、撮像タイミングに応じて前記LEDを駆動制御する駆動制御手段(例えば、LED駆動部252)と、を有し、前記駆動制御手段は、所定の定電流を発生する定電流回路(例えば、トランジスタT1およびT2で構成されたカレントミラー回路)と、前記定電流をLED駆動電流に変換して前記LEDに供給する駆動電流供給回路(例えば、LED定電流駆動回路255)と、前記定電流回路と前記駆動電流供給回路とを熱結合させてLED輝度を安定化する輝度安定化手段(例えば、カレントミラー接続されたトランジスタT6およびT7)と、を有することを特徴とする遊技機。
第1形態によれば、撮像タイミングに応じてLEDにLED駆動電流を供給することにより、LED光を光源として、撮像手段による通過物体の画像データを取得可能にして媒体判定手段による判定処理を円滑に行うことができる。しかも、輝度安定化手段により、駆動電流供給回路の出力電流の温度特性が正になるように、定電流回路と駆動電流供給回路とを熱結合させてLED輝度を安定化するので、LEDのもつ負の温度特性により温度上昇に伴ってLED発光強度が低下しても、該発光強度の低下を相殺して、高温時にLED発光輝度が低下することなく、安定した判定処理を実行することができる。さらに、輝度安定化手段の熱結合は、簡単かつ安価に構成できるので、例えば、プログラム制御のための回路別温度センサや、電流コントロール用回路が不要になり、部品点数の軽減によるコストダウン、不要なプログラムを搭載しないことによる不要なバグの発生を排除でき、遊技機の高機能および低価格化に寄与し得る。
本発明に係る第2形態は、前記定電流回路の出力側に設けたトランジスタ素子と、前記駆動電流供給回路に設けた入力側トランジスタ素子の温度係数を異ならせて熱結合させ、温度上昇に応じて前記駆動電流供給回路による供給電流を増加可能にしたことを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、定電流回路側に設けたトランジスタ素子の温度係数と、駆動電流供給回路側に設けたトランジスタ素子の温度係数に差を生じるように熱結合させ、温度上昇に応じて駆動電流供給回路による供給電流を増加可能にしたことによって、温度変化の影響を受けることなく、常時、安定した通過物体画像データの取得が可能になるので、該判定処理を高精度に行うことができる。
本発明に係る第3形態は、前記輝度安定化手段は、前記定電流回路からの前記定電流を前記LED駆動電流に変換するカレントミラー回路により構成されたことを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、輝度安定化手段を、定電流回路からの定電流をLED駆動電流に変換するカレントミラー回路により構成することによって、簡単かつ安価な構成により熱結合を形成することができ、安定かつ高精度な判定処理を実行し得る遊技機を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を安定して検知するためのイメージセンサへの安定した輝度の光源を供給することのできる遊技機を提供することができる。
[付記13]
付記13の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、遊技機内部の空間は限られているので、メダルを流すレールとCCDカメラのレンズとの距離が近くなってしまい、CCDカメラで撮像できる画角が狭くなり、撮像可能範囲が狭くなる。このため、不正メダルの判定を行うための画像が、メダルが見切れている等の不適切な画像となり、当該判定の精度が低下するという問題がある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を、撮像された画像に基づき高精度に検知するために必要な撮像可能範囲を確保可能な遊技機を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、
遊技媒体を投入可能な投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路(例えば、メダルレール210)が形成されている通路形成部(例えば、ベース板部204)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、カメラユニット209)と、
前記通路に面して配置され、前記撮像手段を保持する保持手段(例えば、中間部材293)と、を有し、
前記保持手段は、
前記撮像手段の画角を干渉することのない開口領域となる開口部(例えば、開口部293a)が形成されており、
前記開口部の周縁において、前記通路と反対側の面から突出し、前記撮像手段が配置されている突出部(例えば、突出部293b)が形成されていることを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、遊技機は、投入口と、遊技媒体検出手段と、を備える。投入口は、遊技媒体を投入可能に設けられている。遊技媒体検出手段は、投入口から投入された遊技媒体を検出し、通路形成部と、撮像手段と、保持手段と、を有する。通路形成部は、遊技媒体が通過する通路が形成されている。撮像手段は、通路を通過する物体である通過物体を撮像する。保持手段は、通路に面して配置され、撮像手段を保持する。そして、保持手段は、撮像手段の画角を干渉することのない開口領域となる開口部が形成されており、この開口部の周縁において、通路と反対側の面から突出し、撮像手段が配置されている突出部が形成されている。
このように、画角を干渉することのない開口領域となる開口部の周縁に、通過物体が通過する通路と反対側の面に突出部を形成し、この突出部に撮像手段を配置することで、撮像手段と通路とをより離すことが可能となり、撮像手段で撮像できる画角が広くなり、撮像可能範囲が広くなる。よって、より広い範囲で、通路を通過する通過物体を撮像できる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を、撮像された画像に基づき高精度に検知するために必要な撮像可能範囲を確保可能な遊技機を提供できる。
また、開口部の周縁に突出部を形成することで、保持手段の強度が向上し、保持手段が撓み、保持手段に保持された撮像手段の光軸がズレてしまい、適正位置で通過物体を撮像できなくなり、不正行為を検知する精度が低下するのを防止できる。
本発明に係る第2形態は、
前記保持手段は、前記開口部の周縁において、前記開口部の内法寸法が前記通路に向かって広がるテーパー処理がなされていることを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、開口部の周縁に、内法寸法が通路に向かって広がるテーパー処理をしたので、開口部の通路側の縁が、撮像手段の撮像範囲に入ってしまい、通路を通過する通過物体を撮像できる範囲が狭くなってしまうことを防止できる。また、開口部の周縁通路側をテーパー処理することで、通路を通過する通過物体が、保持手段側に倒れ、開口部の周縁に接触した場合に、この通過物体をスムーズに受け流すことができる。よって、通過物体が開口部の周縁に接触した状態で詰まってしまい、適正位置で通過物体を撮像できなくなり、不正行為を検知する精度が低下するのを防止できる。また、開口部の周縁通路側をテーパー処理することで、開口部の周縁に塵等の異物が溜まるのを防止できる。よって、開口部の周縁に異物が溜まり、この異物が通過物体とともに、撮像手段に撮像されてしまい、不正行為を検知する精度が低下するのを防止できる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を、撮像された画像に基づき高精度に検知するために必要な撮像可能範囲を確保可能であり、不適切な画像が撮像されることを防止可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第3形態は、
前記保持手段と前記撮像手段との間に配置されており、前記開口部を塞ぎ、透光性素材で形成されている透光板(例えば、アクリル樹脂製板296a)を備えることを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、保持手段と撮像手段との間に開口部を塞ぐ透光板を配置したので、通路側から、塵等の異物が撮像手段の内部に侵入するのを防止できる。よって、撮像手段の内部へ異物が侵入し、撮像手段により適切に通過物体を撮像できなくなり、不正行為を検知する精度が低下するのを防止できる。また、このような異物が透光板に付着したとしても、撮像手段を通路に合焦させておくことで、異物が付着した透光板の位置は、撮像手段の結像距離より短いので、撮像手段による通過物体の撮像に対する影響が少ない。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を、撮像された画像に基づき高精度に検知するために必要な撮像可能範囲を確保可能であり、不適切な画像が撮像されることを防止可能な遊技機を提供できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を、撮像された画像に基づき高精度に検知するために必要な撮像可能範囲を確保可能な遊技機を提供できる。
[付記14]
付記14の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。しかしながら、遊技場において、遊技機は、煙草の煙や埃に曝されている。このような煙草の脂や埃等の異物が、不正メダルの判定のためのCCDカメラのレンズに付着すると、撮像した画像にこの異物が写り込み、不正メダルの判定の精度が低下するという問題がある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するためのレンズに異物が付着することを防止可能な遊技機を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、
遊技媒体を投入可能な投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路(例えば、メダルレール210)が形成されている通路形成部(例えば、ベース板部204)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を撮像する撮像手段(例えば、カメラユニット209)と、
前記通路形成部と前記撮像手段との間に配置されており、透光性素材で形成されている透光板(例えば、アクリル樹脂製板296a)と、を有し、
前記撮像手段は、
基板(例えば、配線基板288)に固定され、前記通過物体を撮像するイメージセンサ(例えば、CMOSイメージセンサ232)と、
撮像レンズ(例えば、レンズユニット287)を前記イメージセンサに結像可能に保持するレンズ保持手段(例えば、レンズホルダ275)と、
前記撮像レンズを囲い、前記レンズ保持手段を、前記通路と前記イメージセンサとの間に固定するレンズ保護手段(例えば、レンズ保護カバー295)と、を有し、
前記レンズ保護手段は、前記通路側の端部が前記透光板と密着し、前記イメージセンサ側の端部が前記基板と密着した状態で組み込まれていることを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、遊技機は、投入口と、遊技媒体検出手段と、を備える。投入口は、遊技媒体を投入可能に設けられている。遊技媒体検出手段は、投入口から投入された遊技媒体を検出する。遊技媒体検出手段は、通路形成部と、撮像手段と、保持手段と、透光板と、を有する。通路形成部は、遊技媒体が通過する通路が形成されている。撮像手段は、通路を通過する物体である通過物体を撮像する。透光板は、通路形成部と撮像手段との間に配置されており、透光性素材で形成されている。撮像手段は、イメージセンサと、レンズ保持手段と、レンズ保護手段と、を有する。イメージセンサは、基板に固定され、通過物体を撮像する。レンズ保持手段は、撮像レンズをイメージセンサに結像可能に保持する。レンズ保護手段は、撮像レンズを囲い、レンズ保持手段を、通路とイメージセンサとの間に固定する。そして、レンズ保護手段は、通路側の端部が透光板と密着し、イメージセンサ側の端部が基板と密着した状態で組み込まれている。
このように、撮像レンズを保持するレンズ保持手段を、レンズ保護手段で囲み、このレンズ保護手段の通路側の端部を透光板と密着させ、イメージセンサ側の端部を基板と密着させた状態で組み込むことで、撮像レンズが収容されているレンズ保護手段の内部に煙草の脂や埃等の異物が侵入するのを防止できる。したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するためのレンズに異物が付着することを防止可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第2形態は、
前記レンズ保護手段は、前記イメージセンサ側の端部に、前記レンズ保持手段の外周と係合するレンズ係合部(例えば、レンズ係合部295a)を有し、
前記レンズ係合部には、前記レンズ保持手段の外周の一部が、前記レンズ係合部から突出可能である一対の凹部(例えば、凹部295b)が形成され、
前記レンズ保持手段の外周の一部と前記レンズ係合部の一対の前記凹部とが嵌合することを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、レンズ保護手段のイメージセンサ側の端部において、レンズ保持手段の外周と係合するレンズ係合部に、レンズ保持手段の外周の一部がレンズ係合部から突出可能である一対の凹部を形成した。そして、レンズ保持手段の外周の一部と一対の凹部とが嵌合する。これにより、撮像手段の組立時において、撮像レンズを保持したレンズ保持手段の外周の一部を一対の凹部に嵌め込んで、レンズ保持手段の外周をレンズ係合部に係合させることで、撮像レンズをイメージセンサに対する適切な位置に配置し固定できる。よって、撮像手段の組立作業が容易になる。また、撮像レンズを保持したレンズ保持手段の外周の一部とレンズ係合部の一対の凹部とが嵌合するので、振動等により、レンズ保持手段が適切な位置からズレてしまうことを防止できる。
本発明に係る第3形態は、
前記基板には、ハーネスを接続可能なコネクタ(例えば、GPIO用コネクタ288a)が配置されており、
前記レンズ保護手段は、前記基板に密接し、前記コネクタの少なくとも一部を囲うコネクタ保護部(例えば、コネクタ保護部295c)が一体に形成されていることを特徴とする遊技機である。
第3形態によれば、コネクタ保護部により、基板に配置されたコネクタの少なくとも一部を囲うことで、コネクタへの異物の侵入を防止できるので、コネクタに異物を挿入し不正行為を行う、所謂ゴトを防止可能となる。また、撮像レンズを囲むレンズ保護手段にコネクタの少なくとも一部を囲うコネクタ保護部を形成したので、撮像レンズを保護する部材とコネクタを保護する部材が一体となり、1つの金型で複数の機能を有する部材(レンズ保護手段)を作成することが可能となるため、設計・製造コストを抑えることが可能となる。
本発明に係る第4形態は、前記レンズ保護手段は、前記基板に密接することで、前記コネクタの前記ハーネスが接続されている面以外の面を囲うことを特徴とする遊技機である。
第4形態によれば、レンズ保護手段を基板に密接することで、コネクタのハーネスが接続されている面以外の面を囲うことできるので、より確実にコネクタへの異物の侵入を防止できるので、コネクタに異物を挿入し不正行為を、より確実に防止可能となる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するためのレンズに異物が付着することを防止可能な遊技機を提供できる。
[付記15]
付記15の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。また、このメダルセレクタに対しては、メダル投入口に適正なメダル(正規メダル)でないメダル(不正メダル)を投入したり、器具をメダル投入口に挿入したりして、遊技機に正規メダルが投入されたと誤認させて遊技が行われる不正行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、このスロットマシンが設置されるホールで貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、このスロットマシンでは、これらを判別することができない。このため、貸出単価が1枚20円のメダルを正規メダルとして扱う遊技機で、貸出単価が1枚5円のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知することができなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。ところで、このようなCCDカメラには、ハーネスが接続されている。このハーネスは、組立作業時に、結束バント等により束ねられる。しかしながら、遊技機内部の空間は限られているため、このようなハーネスを結束バント等により束ねる作業は、狭い空間で行われ、組立作業の作業効率を低下させる一因になっている。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置の組立作業の作業効率を向上可能な遊技機を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、
遊技媒体を投入可能な投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する通路(例えば、メダルレール210)が形成されている通路形成部(例えば、ベース板部204)と、
前記通路を通過する物体である通過物体を検出する検出手段(例えば、カメラユニット209)と、
前記検出手段を保持する保持手段(例えば、中間部材293)と、を有し、
前記保持手段は、所定方向に延びるハーネスが配置されるハーネス受け部(例えば、ハーネス受け部293c)を有し、
前記ハーネス受け部には、前記所定方向と直交する方向に延び、前記ハーネスを束ねる帯形状の結束部材(例えば、結束バンド)が配置される溝(例えば、溝293f)が形成されており、
前記溝は、前記所定方向と直交する方向において、前記ハーネス受け部の中心側から端部側に上り傾斜する傾斜部(例えば、傾斜部293g)を有することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、遊技機は、投入口と、遊技媒体検出手段と、を備える。投入口は、遊技媒体を投入可能に設けられている。遊技媒体検出手段は、投入口から投入された遊技媒体を検出し、通路形成部と、検出手段と、保持手段と、を有する。通路形成部は、遊技媒体が通過する通路が形成されている。検出手段は、通路を通過する物体である通過物体を検出する。保持手段は、検出手段を保持する。保持手段は、所定方向に延びるハーネスが配置される配置面を有するハーネス受け部を有する。ハーネス受け部には、所定方向と直交する方向に延び、ハーネスを束ねる帯形状の結束部材が配置される溝が形成されている。そして、溝は、所定方向と直交する方向において、ハーネス受け部の中心側から端部側に上り傾斜する傾斜部を有する。
これにより、遊技媒体検出手段を組み立てる場合、作業者は、ハーネス受け部に、所定方向に延びるハーネスを配置する。そして、ハーネスの表面側から溝に結束部材を挿入することで、ハーネスの背面側に結束部材を配置する。その後さらに結束部材を溝に押し込むことで、結束部材の先端が、溝の傾斜部に当接し、ハーネスの表面側に突出する。この状態で、作業者は、ハーネスの背面側を通って、先端がハーネスの表面側に突出した結束部材の両端を結束することで、ハーネスを束ねたり、固定したりすることができる。このように、ハーネス受け部に、傾斜部を有する溝を形成することで、結束部材をハーネスの背面側に回してから表面側に突出させる作業が容易になる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置の組立作業の作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第2形態は、
前記保持手段は、前記ハーネス受け部を覆うカバー部材(例えば、カバー部材294)を備え、
前記カバー部材は、
前記溝の両端近傍に夫々形成されており、前記カバー部材を貫通し、前記結束部材が挿通する一対の通し孔(例えば、通し孔294b)と、
一対の前記通し孔の間に形成されており、前記ハーネス受け部側の面の一部が、前記ハーネス受け部側に突出している押え部(例えば、先端側押え部294c)と、を有することを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、
保持手段は、ハーネス受け部を覆うカバー部材を備える。カバー部材は、一対の通し孔と、押え部と、を有する。一対の通し孔は、溝の両端近傍に夫々形成されており、カバー部材を貫通し、結束部材が挿通する。押え部は、一対の通し孔の間に形成されており、ハーネス受け部側の面の一部が、ハーネス受け部側に突出している。
これにより、遊技媒体検出手段を組み立てる場合、作業者は、ハーネス受け部に、所定方向に延びるハーネスを配置し、カバー部材によりハーネス受け部を覆う。そして、結束部材の先端を、カバー部材の外部から一方の通し孔に通して、カバー部材の内部に挿入する。すると、結束部材は、溝に挿入され、ハーネスの背面側に配置される。その後さらに結束部材を溝に押し込むことで、結束部材の先端は、溝の傾斜部に当接し、ハーネスの表面側に突出し、他方の通し孔を通って、カバー部材の外部に突出する。この状態で、作業者は、結束部材の両端を結束することで、ハーネスが押え部に押え付けられた状態で、カバー部材に固定する。このように、ハーネス受け部を覆うカバー部材に、一対の通し孔の間に押え部を形成することで、ハーネスをカバー部材で覆った後でも、容易に結束部材をハーネスの背面側に回して、カバー部材に固定することができる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置の組立作業の作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第3形態は、
前記ハーネス受け部の前記溝の側面は、前記結束部材が前記溝から脱落しないための壁を形成し、前記ハーネス受け部の前記溝の両端部は前記カバー部材の一対の前記通し孔と対向する位置に形成されていることを特徴とする遊技機である。
これにより、ハーネス受け部をカバー部材で覆った後に、ハーネスを結束部材で固定する場合に、一方の通し孔に検束部材を通すと、結束部材が自然に溝に案内され、結束部材が溝から脱落することなく、他方の通し孔から突出する。よって、ハーネスをカバー部材で覆った後でも、より容易に結束部材をハーネスの背面側に回して、カバー部材に固定することができる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置の組立作業の作業効率をより向上可能な遊技機を提供できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置の組立作業の作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
[付記16]
付記16の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。
ここで、遊技機に対する不正行為(所謂、ゴト行為)のうち代表的なゴト行為に、メダル投入口から不正行為用器具を挿入しメダルセレクタの計数機能を不正に動作させることで、メダルを投入しているように見せかけて多数のクレジットを得るものがある。遊技機では、このようなゴト行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが開示されている。
また、特許文献2には、テンプレート画像に幾何変換を加えることで、幾何変換の量が異なる複数の幾何変換後のテンプレート画像からなる第1の画像群を生成し、固有値分解を施すことで固有関数を算出し、これらの内積演算を施すことで、第2の画像群を生成し、入力画像と第2の画像群との画像類似度を算出することで、画像処理で対象物が正しいか否かを判定する技術が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特許第5317250号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、スロットマシンが設置されるホールでは、1枚5円のメダルで遊技可能な所謂5スロと呼ばれる低賭け遊技機と、1枚20円のメダルで遊技可能な通常の遊技機(所謂20スロ)と、を設置している場合がある。このようなホールでは、5スロで取得したメダルを20スロで、使用することで、その差額((20円−5円)×所有枚数)分を不正に取得する不正行為を行う者により、被害が発生している。ところが、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができず、このような不正行為を防止できなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載された技術は、適正な入力画像が撮像されることで、対象物が正しいか否かを判定できるが、撮像された画像が乱れていたり、判定の対象が写っていなければ適正な判定はできない。このため、遊技媒体を用いた不正行為の検知するために、判定の対象となる遊技媒体を高精度に検知する必要がある。
本発明の目的は、遊技媒体の判定精度を向上することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技機又は遊技用装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機又は遊技用装置を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、
遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ301等)を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する遊技媒体通過部(例えば、ベース板部304等)と、
前記遊技媒体通過部を通過する前記遊技媒体を撮像する撮像手段(例えば、カメラユニット209等)と、
前記撮像手段の撮像のための光を照射する照射手段(例えば、第1の導光体261、第2の導光体262及び第3の導光体263等)と、を備え、
前記遊技媒体通過部は、複数の孔(例えば、判定用孔312等)と、前記複数の孔に応じて設けられた遮蔽部材(例えば、遮蔽部材312a等)を有し、
前記遊技媒体通過部の前記遮蔽部材は、前記照射手段からの光を反射し、
前記撮像手段は、前記遮蔽部材で反射した光によって、前記複数の孔を判別することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、遊技機は、遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段を備える。遊技媒体検出手段は、遊技媒体通過部と、撮像手段と、照射手段と、を備える。遊技媒体通過部は、遊技媒体が通過する。撮像手段は、遊技媒体通過部を通過する遊技媒体を撮像する。照射手段は、撮像手段の撮像のための光を照射する。そして、遊技媒体通過部は、複数の孔と、複数の孔に応じて設けられた、遮蔽部材を有する。遊技媒体通過部の遮蔽部材は、照射手段からの光を反射する。撮像手段は、遮蔽部材で反射した光によって、複数の孔を判別する。
これにより、撮像手段は、遊技媒体通過部を通過する遊技媒体を撮像するときに、遊技媒体とともに遊技媒体通過部の複数の孔も撮像する。例えば、撮像手段が、遊技媒体通過部の表面を通過する遊技媒体を、この通過する遊技媒体側から撮像した場合、複数の孔は部分的に撮像される。撮像手段は、撮像された複数の孔の部分を判別することで、遊技媒体の通過を判定できる。このとき、複数の孔に反射防止シートが設けられていた場合や、遮蔽部材が設けられておらず、撮像された画像において、遊技媒体通過部の裏側(遊技媒体が通過する面と反対側)に配設された部材が孔の中に写り込んだ場合、照射手段からの光が乱反射してしまい、孔と遊技媒体通過部の他の部分との識別が困難な画像となる。本発明によれば、複数の孔に応じて、照射手段からの光を反射する遮蔽部材を設けたので、撮像手段により撮像された画像において、照射手段からの光が、複数の孔において、遊技媒体通過部の他の部分と比べ一定の反射をすることで、この他の部分と比べ輝度が高くなり、複数の孔の形状がより明確に撮像できるので、複数の孔の判別精度が向上する。
したがって、遊技媒体の判定精度を向上することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第2形態は、
前記遮蔽部材は、遊技媒体通過部における前記撮像手段による非撮像面(例えば、前面304a等)側から貼付されている遊技機である。
これにより、遮蔽部材を撮像手段による非撮像面側から貼付したので、遊技媒体通過部における撮像手段による撮像面側から貼付した場合に比べ、複数の孔の輪郭が明確になり、より複数の孔の判別精度が向上する。また、遊技媒体通過部における撮像手段による撮像面側を通過する遊技媒体が、遮蔽部材に接触し遊技媒体の通過を妨げ、遊技媒体が詰まってしまうのを防止できる。
本発明に係る第3形態は、
前記遊技媒体通過部の上流側と下流側とに設けられた複数の前記孔は、前記上流側の前記孔よりも前記下流側の前記孔が前記遊技媒体が通過する進行方向に対して短い遊技機である。
これにより、遊技媒体通過部の上流側の孔よりも下流側の孔を、遊技媒体が通過する進行方向に対して短くしたので、遊技媒体の通過速度が比較的遅くなる、遊技媒体通過部の下流側の孔を、上流側の孔より、遊技媒体が通過する進行方向に対して短くしたことで、遊技媒体を孔とともに撮像する精度を低下させることなく、省スペース化が可能となる。また、遊技媒体通過部の上流側の孔を、下流側の孔より、遊技媒体が通過する進行方向に対して長くしたことで、遊技媒体の通過速度が比較的速い上流側でも、確実に遊技媒体を孔とともに撮像することが可能となり、遊技媒体の判定処理の精度が向上する。
本発明に係る第4形態は、
遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する遊技媒体通過部と、
前記遊技媒体通過部を通過する前記遊技媒体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像のための光を照射する照射手段と、を備え、
前記遊技媒体通過部は、複数の孔と、前記複数の孔に応じて設けられた遮蔽部材を有し、
前記遊技媒体通過部の前記遮蔽部材は、前記照射手段からの光を反射し、
前記撮像手段は、前記遮蔽部材で反射した光によって、前記複数の孔を判別することを特徴とする遊技用装置(例えば、遊技用装置500,600,700等)である。
第4形態によれば、第1形態の遊技機と同様の作用効果を奏する。したがって、遊技媒体の判定精度を向上することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技用装置を提供できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技媒体の判定精度を向上することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技機又は遊技用装置を提供できる。
[付記17]
付記17の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。
ここで、遊技機に対する不正行為(所謂、ゴト行為)のうち代表的なゴト行為に、メダル投入口から不正行為用器具を挿入しメダルセレクタの計数機能を不正に動作させることで、メダルを投入しているように見せかけて多数のクレジットを得るものがある。遊技機では、このようなゴト行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが開示されている。
また、特許文献2には、テンプレート画像に幾何変換を加えることで、幾何変換の量が異なる複数の幾何変換後のテンプレート画像からなる第1の画像群を生成し、固有値分解を施すことで固有関数を算出し、これらの内積演算を施すことで、第2の画像群を生成し、入力画像と第2の画像群との画像類似度を算出することで、画像処理で対象物が正しいか否かを判定する技術が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特許第5317250号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、スロットマシンが設置されるホールでは、1枚5円のメダルで遊技可能な所謂5スロと呼ばれる低賭け遊技機と、1枚20円のメダルで遊技可能な通常の遊技機(所謂20スロ)と、を設置している場合がある。このようなホールでは、5スロで取得したメダルを20スロで、使用することで、その差額((20円−5円)×所有枚数)分を不正に取得する不正行為を行う者により、被害が発生している。ところが、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができず、このような不正行為を防止できなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載された技術は、適正な入力画像が撮像されることで、対象物が正しいか否かを判定できるが、撮像された画像が乱れていたり、判定の対象が写っていなければ適正な判定はできない。このため、遊技媒体を用いた不正行為の検知するために、判定の対象となる遊技媒体を高精度に検知する必要がある。
本発明の目的は、遊技媒体の判定精度を向上することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技機又は遊技用装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機又は遊技用装置を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、
遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ301等)と、
前記遊技媒体を滞留する滞留手段(例えば、メダルトレイユニット34等)と、
前記遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、ホッパー装置51等)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する経路が形成された遊技媒体通過部(例えば、ベース板部304等)と、
前記遊技媒体通過部の少なくとも一部を覆い、前記遊技媒体通過部に回動可能に取り付けられた補助部材(例えば、サブプレート305等)と、を備え、
前記補助部材には、
前記遊技媒体を前記貯留手段に導かない場合に、前記貯留手段に導く方向とは異なる方向に、前記遊技媒体を導くための第1誘導部(例えば、第1誘導部321a等)と、
前記遊技媒体を前記滞留手段の方向に導くための第2誘導部(例えば、第2誘導部321b等)と、が形成されていることを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、遊技機は、遊技媒体検出手段と、滞留手段と、貯留手段と、を備える。遊技媒体検出手段は、遊技媒体の投入を検出する。滞留手段は、遊技媒体を滞留する。貯留手段は、遊技媒体を貯留する。遊技媒体検出手段は、遊技媒体通過部と、補助部材と、を備える。遊技媒体通過部は、遊技媒体が通過する経路が形成されている。補助部材は、遊技媒体通過部の少なくとも一部を覆い、前記遊技媒体通過部に回動可能に取り付けられている。そして、補助部材には、第1誘導部と、第2誘導部と、が形成されている。第1誘導部は、遊技媒体を貯留手段に導かない場合に、貯留手段に導く方向とは異なる方向に、遊技媒体を導く。第2誘導部は、遊技媒体を滞留手段の方向に導く。
これにより、例えば、遊技媒体が貯留手段に向かう寸前でも、遊技媒体を前記貯留手段に導かない場合には、第1誘導部により、貯留手段に導く方向とは異なる方向(例えば、滞留手段の方向)に遊技媒体をスムーズに導くことができるとともに、第2誘導部を形成したので、滞留手段へ遊技媒体をスムーズに導くことができる。これにより、例えば、遊技媒体通過部を通過する遊技媒体を撮像した画像の画像処理による判定(例えば、刻印判定及び色判定等)により、正規メダルか否かを判定し、この判定の結果により、貯留手段又は滞留手段にスムーズに導くことができるので、遊技媒体通過部を通過する遊技媒体が詰まり、遊技媒体の判定精度が低下するのを防止できる。
したがって、遊技媒体の判定精度を向上することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第2形態は、
前記滞留手段は、前記第2誘導部の下方に設けられ、
前記第2誘導部は、前記経路より下方において、前記経路が延びる方向に延び、前記経路側から、前記経路から離れる方向に下り傾斜する傾斜面を有する。
これにより、遊技媒体を貯留手段に導かない場合、遊技媒体は、経路から一旦落下し、落下する方向に勢いが付いた状態で、傾斜面に当接し、下方に設けられた滞留手段に導かれるので、遊技媒体が経路を通過する方向と直交する方向に、遊技媒体を倒さずに落下させることができる。このため、例えば、経路を通過する方向と直交する方向から遊技媒体を撮像し、撮像した画像の画像処理による判定を行う場合に、経路から落下した遊技媒体が倒れていないので、この落下した遊技媒体が正常に滞留手段の方向に移動しているかを正確に判断できる。
本発明に係る第3形態は、
前記遊技媒体検出手段から、前記貯留手段に前記遊技媒体を導くための誘導部(例えば、スロープ203等)を更に備え、
前記第1誘導部は、前記誘導部に向かって傾斜する傾斜面を有する。
これにより、補助部材の第1誘導部が、貯留手段に遊技媒体を導くための誘導部に向かって傾斜する傾斜面を有することで、誘導部の入口において遊技媒体が滞留し、誘導部の入口に遊技媒体が詰まってしまうのを防止できる。
本発明に係る第4形態は、
遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段と、
前記遊技媒体を滞留する滞留手段と、
前記遊技媒体を貯留する貯留手段と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する経路が形成された遊技媒体通過部と、
前記遊技媒体通過部の少なくとも一部を覆い、前記遊技媒体通過部に回動可能に取り付けられた補助部材と、を備え、
前記補助部材には、
前記遊技媒体を前記貯留手段に導かない場合に、前記貯留手段に導く方向とは異なる方向に、前記遊技媒体を導くための第1誘導部と、
前記遊技媒体を前記滞留手段の方向に導くための第2誘導部と、が形成されていることを特徴とする遊技用装置(例えば、遊技用装置500,600,700等)である。
第4形態によれば、第1形態の遊技機と同様の作用効果を奏する。したがって、遊技媒体の判定精度を向上することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技用装置を提供できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技媒体の判定精度を向上することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技機又は遊技用装置を提供できる。
[付記18]
付記18の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。
ここで、遊技機に対する不正行為(所謂、ゴト行為)のうち代表的なゴト行為に、メダル投入口から不正行為用器具を挿入しメダルセレクタの計数機能を不正に動作させることで、メダルを投入しているように見せかけて多数のクレジットを得るものがある。遊技機では、このようなゴト行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが開示されている。
また、特許文献2には、テンプレート画像に幾何変換を加えることで、幾何変換の量が異なる複数の幾何変換後のテンプレート画像からなる第1の画像群を生成し、固有値分解を施すことで固有関数を算出し、これらの内積演算を施すことで、第2の画像群を生成し、入力画像と第2の画像群との画像類似度を算出することで、画像処理で対象物が正しいか否かを判定する技術が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特許第5317250号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、スロットマシンが設置されるホールでは、1枚5円のメダルで遊技可能な所謂5スロと呼ばれる低賭け遊技機と、1枚20円のメダルで遊技可能な通常の遊技機(所謂20スロ)と、を設置している場合がある。このようなホールでは、5スロで取得したメダルを20スロで、使用することで、その差額((20円−5円)×所有枚数)分を不正に取得する不正行為を行う者により、被害が発生している。ところが、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができず、このような不正行為を防止できなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載された技術は、適正な入力画像が撮像されることで、対象物が正しいか否かを判定できるが、撮像された画像が乱れていたり、判定の対象が写っていなければ適正な判定はできない。このため、遊技媒体を用いた不正行為の検知するために、判定の対象となる遊技媒体を高精度に検知する必要がある。
本発明の目的は、遊技媒体の受付の可否とは別に、不正行為による遊技媒体を選別することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技機又は遊技用装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機又は遊技用装置を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、
遊技に関する制御を行う制御手段(例えば、主制御回路91等)と、
遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ301等)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する経路(例えば、メダルレール210等)が形成された遊技媒体通過部(例えば、ベース板部304等)と、
前記制御手段によって制御され、前記遊技媒体の投入受付を制御する遊技媒体受付手段(例えば、メダル受付ソレノイド308b等)と、
投入された前記遊技媒体を選別する遊技媒体選別手段(例えば、メダル選別ソレノイド308a等)と、
前記遊技媒体を判別して前記遊技媒体選別手段を制御する判定選別制御手段(例えば、制御LSI234等)と、を備え、
前記制御手段は、所定の遊技媒体投入条件が成立した場合に、前記遊技媒体受付手段による前記投入受付を許可する制御信号を出力し、
前記判定選別制御手段は、
投入された前記遊技媒体が予め定められた前記遊技媒体と一致しない場合には、前記遊技媒体選別手段に前記遊技媒体を排除する制御信号を出力し、
投入された前記遊技媒体が予め定められた前記遊技媒体と一致する場合には、前記遊技媒体選別手段に前記遊技媒体を受け入れる制御信号を出力することで、前記遊技媒体を選別することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、遊技機は、制御手段と、遊技媒体検出手段と、を備える。制御手段は、遊技に関する制御を行う。遊技媒体検出手段は、遊技媒体の投入を検出し、遊技媒体通過部と、遊技媒体受付手段と、判定選別制御手段と、を備える。遊技媒体通過部は、遊技媒体が通過する経路が形成されている。そして、制御手段は、所定の遊技媒体投入条件が成立した場合に、遊技媒体受付手段による投入受付を許可する制御信号を出力する。判定選別制御手段は、投入された遊技媒体が予め定められた遊技媒体と一致しない場合には、遊技媒体選別手段に遊技媒体を排除する制御信号を出力し、投入された遊技媒体が予め定められた遊技媒体と一致する場合には、遊技媒体選別手段に遊技媒体を受け入れる制御信号を出力することで、遊技媒体を選別する。
このように、所定の遊技媒体投入条件が成立したか否かにより、遊技媒体の投入受付の可否を行う制御手段に加え、投入された遊技媒体が予め定められた遊技媒体と一致するか否かにより、投入された遊技媒体を排除又は受け入れる。これにより、遊技に関する制御を行う制御手段で遊技媒体の投入可又は不可を行う従来のセレクタ機能とは別に、遊技媒体検出手段において、投入された遊技媒体の有効性を判断して、遊技媒体選別手段により不正な遊技媒体を排除することが可能であるため、ゴト行為を排除することが可能となる。
したがって、遊技媒体の受付の可否とは別に、不正行為による遊技媒体を選別することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第2形態は、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体選別手段の駆動により、可動する選別用可動手段(例えば、メダル選別用メダルプレッシャ213a等)を備え、
前記遊技媒体選別手段及び前記選別用可動手段は、前記遊技媒体通過部の前記経路が形成されている面の裏面(例えば、前面304a等)に設けられており、
前記選別用可動手段は、
中間部において、前記遊技媒体通過部の前記裏面に回動可能に支持され、基端部が前記遊技媒体選別手段に回動自在に接続され、
前記遊技媒体選別手段は、前記判定選別制御手段から前記遊技媒体を排除する制御信号を受信した場合に駆動し、前記選別用可動手段の先端部を、前記経路内に形成された選別用孔(例えば、メダル選別用中央孔212a等)から、前記経路内に突出させることを特徴とする遊技機である。
第2形態によれば、遊技媒体検出手段は、選別用可動手段と、を備える。選別用可動手段は、遊技媒体選別手段の駆動により、可動する。遊技媒体選別手段及び選別用可動手段は、遊技媒体通過部の経路が形成されている面の裏面に設けられている。そして、選別用可動手段は、中間部において、遊技媒体通過部の裏面に回動可能に支持され、基端部が遊技媒体選別手段に回動自在に接続されている。また、遊技媒体選別手段は、判定選別制御手段から遊技媒体を排除する制御信号を受信した場合に駆動し、選別用可動手段の先端部を、経路内に形成された選別用孔から、経路内に突出させる。
これにより、遊技媒体が通過する経路から遊技媒体を排除するための構成(不正行為による遊技媒体を選別するための構成)を、この経路が形成されている面の裏面に設けたので、このような構成を経路が形成されている遊技媒体通過部とは別に設けた場合に比べ、遊技媒体検出手段を小型化することができる。また、遊技媒体選別手段を、遊技媒体を排除する制御信号を受信した場合に駆動させ、選別用可動手段の先端部を経路内に突出させることで、遊技媒体選別手段を常時駆動させて選別用可動手段を可動させる場合に比べ、遊技媒体検出手段の消費電力を低減できる。
本発明に係る第3形態は、
前記遊技媒体受付手段は、前記遊技媒体通過部の前記遊技媒体が通過する通過方向に対して、前記遊技媒体選別手段が前記遊技媒体を選別する位置より上流側で、前記遊技媒体を排除することを特徴とする遊技機である。
これにより、遊技媒体受付手段は、遊技媒体通過部の遊技媒体が通過する通過方向に対して、遊技媒体選別手段が遊技媒体を選別する位置より上流側で、遊技媒体を排除する。このため、遊技媒体選別手段は、遊技媒体受付手段が遊技媒体を排除する位置より、下流側で、遊技媒体を選別することができるので、遊技媒体受付手段が遊技媒体を排除する位置より上流側で遊技媒体を選別する場合に比べ、判定選別制御手段が遊技媒体を判別する処理時間を長くとることが可能となる。よって、判定選別制御手段における判別する処理の負荷を軽減できる。
本発明に係る第4形態は、
遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する経路が形成された遊技媒体通過部と、
遊技機の遊技に関する制御を行う制御手段によって制御され、前記遊技媒体の投入受付を制御する遊技媒体受付手段と、
投入された前記遊技媒体を選別する遊技媒体選別手段と、
前記遊技媒体を判別して前記遊技媒体選別手段を制御する判定選別制御手段と、を備え、
前記制御手段は、所定の遊技媒体投入条件が成立した場合に、前記遊技媒体受付手段による前記投入受付を許可する制御信号を出力し、
前記判定選別制御手段は、
投入された前記遊技媒体が予め定められた前記遊技媒体と一致しない場合には、前記遊技媒体選別手段に前記遊技媒体を排除する制御信号を出力し、
投入された前記遊技媒体が予め定められた前記遊技媒体と一致する場合には、前記遊技媒体選別手段に前記遊技媒体を受け入れる制御信号を出力することで、前記遊技媒体を選別することを特徴とする遊技用装置(例えば、遊技用装置500,600,700等)である。
第4形態によれば、第1形態の遊技機と同様の作用効果を奏する。したがって、遊技媒体の受付の可否とは別に、不正行為による遊技媒体を選別することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技用装置を提供できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技媒体の受付の可否とは別に、不正行為による遊技媒体を選別することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技機又は遊技用装置を提供できる。
[付記19]
付記19の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。
ここで、遊技機に対する不正行為(所謂、ゴト行為)のうち代表的なゴト行為に、メダル投入口から不正行為用器具を挿入しメダルセレクタの計数機能を不正に動作させることで、メダルを投入しているように見せかけて多数のクレジットを得るものがある。遊技機では、このようなゴト行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが開示されている。
また、特許文献2には、テンプレート画像に幾何変換を加えることで、幾何変換の量が異なる複数の幾何変換後のテンプレート画像からなる第1の画像群を生成し、固有値分解を施すことで固有関数を算出し、これらの内積演算を施すことで、第2の画像群を生成し、入力画像と第2の画像群との画像類似度を算出することで、画像処理で対象物が正しいか否かを判定する技術が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特許第5317250号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、スロットマシンが設置されるホールでは、1枚5円のメダルで遊技可能な所謂5スロと呼ばれる低賭け遊技機と、1枚20円のメダルで遊技可能な通常の遊技機(所謂20スロ)と、を設置している場合がある。このようなホールでは、5スロで取得したメダルを20スロで、使用することで、その差額((20円−5円)×所有枚数)分を不正に取得する不正行為を行う者により、被害が発生している。ところが、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができず、このような不正行為を防止できなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載された技術は、適正な入力画像が撮像されることで、対象物が正しいか否かを判定できるが、撮像された画像が乱れていたり、判定の対象が写っていなければ適正な判定はできない。このため、遊技媒体を用いた不正行為の検知するために、判定の対象となる遊技媒体を高精度に検知する必要がある。
また、スロットマシンでは、メダルの詰まりを解消するための返却レバー等を操作することで、投入されたメダルが受皿に返却され、このメダルにより遊技可能な状態にはならない。即ち、返却レバー等が操作された状態で投入されたメダルは、受付されず、遊技可能な状態にはならない。ところが、返却レバー等を操作された状態として、偽造メダルをスロットマシンに受付させ、遊技可能な状態にする不正行為も行われている。特許文献1に記載されたスロットマシンでは、特許文献2に記載された技術を用いたとしても、このような不正行為を検出することはできない。
本発明の目的は、遊技媒体を受付可能な状態か否かを判断することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技機又は遊技用装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の遊技機又は遊技用装置を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、
遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ301等)を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する経路が形成された遊技媒体通過部(例えば、ベース板部304等)と、
前記遊技媒体通過部に取り付けられて覆うように回動可能な補助部材(例えば、サブプレート305等)と、
前記遊技媒体通過部に前記補助部材の一部と重畳するように取り付けられた保護部材(例えば、保護部材304d等)と、
前記補助部材を回動させる回動手段(例えば、サブプレートプレッシャ213c等)と、
前記遊技媒体通過部に形成された前記経路を含む所定領域を撮像する撮像手段(例えば、カメラユニット209等)と、
前記撮像手段が撮像するための光を照射する照射手段(例えば、第2の導光体262等)と、を備え、
前記補助部材は、
前記遊技媒体通過部に設けられた前記経路を前記撮像手段が撮像可能に形成された貫通孔(例えば、貫通孔321a等)と、
前記貫通孔の近傍であって、前記所定領域に形成された複数の孔(例えば、サブプレート状態検知用孔321c等)と、を有し、
前記回動手段により回動した状態では、前記遊技媒体が前記経路から落下し、
複数の前記孔は、
前記回動手段によって前記補助部材が回動していない状態の場合には、前記照射手段からの光が反射され、
前記回動手段によって前記補助部材が回動した状態の場合には、前記照射手段からの光は前記補助部材が回動していない状態の場合とは異なる反射となり、
前記撮像手段は、前記孔における前記照射手段からの光の反射によって、前記補助部材が回動しているか否かを判断することを特徴とする遊技機である。
第1形態によれば、遊技機は、遊技媒体検出手段を備える。遊技媒体検出手段は、遊技媒体の投入を検出し、遊技媒体通過部と、補助部材と、保護部材と、回動手段と、撮像手段と、照射手段と、を備える。遊技媒体通過部は、遊技媒体が通過する経路が形成されている。補助部材は、遊技媒体通過部に取り付けられて覆うように回動可能であり、遊技媒体通過部に設けられた経路を撮像手段が撮像可能に形成された貫通孔と、貫通孔の近傍であって、所定領域に形成された孔と、を有し、回動手段により回動した状態では、遊技媒体が経路から落下する。保護部材は、遊技媒体通過部に補助部材の一部と重畳するように取り付けられている。回動手段は、補助部材を回動させる。撮像手段は、遊技媒体通過部に形成された経路を含む所定領域を撮像する。照射手段は、撮像手段が撮像するための光を照射する。複数の孔は、回動手段によって補助部材が回動していない状態の場合には、照射手段からの光が反射され、回動手段によって補助部材が回動した状態の場合には、照射手段からの光は補助部材が回動していない状態の場合とは異なる反射となる。そして、撮像手段は、孔における照射手段からの光の反射によって、補助部材が回動しているか否かを判断する。
このように、遊技媒体検出手段は、補助部材が回動した状態では、遊技媒体通過部の経路から遊技媒体が落下する。そして、補助部材が回動していない状態では、補助部材の複数の孔において、照射手段からの光が反射し、補助部材が回動した状態では、照射手段からの光は補助部材が回動していない状態の場合とは異なる反射となる。このような照射手段からの光の反射によって、撮像手段は、補助部材が回動しているか否かを判断する。
これにより、補助部材が回動し、遊技媒体が経路から落下する状態であるか否か(遊技媒体を受付可能な状態か否か)を判断できる。例えば、継続して補助部材が回動した状態である場合や、補助部材が回動し、遊技媒体が経路から落下する状態であるにもかかわらず、遊技媒体が受付された場合には、不正行為が行われている可能性が高い。したがって、遊技媒体を受付可能な状態か否かを判断することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第2形態は、
前記撮像手段は、撮像した前記所定領域の画像を画像処理する画像処理手段(例えば、制御LSI234等)を備え、
前記画像処理手段は、画像処理した前記所定領域の画像により、前記補助部材が回動しているか否かを判断することを特徴とする遊技機である。
これにより、撮像手段は、撮像した所定領域の画像を画像処理することで、補助部材が回動していない状態(孔において光が反射された状態)の画像と、補助部材が回動した状態(孔において光が反射されていない状態)の画像と、の違いがより明確になり、補助部材が回動しているか否かの判断の精度が向上する。したがって、遊技媒体を受付可能な状態か否かをより正確に判断することで、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知可能な遊技機を提供できる。
本発明に係る第4形態は、
遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
前記遊技媒体が通過する経路が形成された遊技媒体通過部と、
前記遊技媒体通過部に取り付けられて覆うように回動可能な補助部材と、
前記遊技媒体通過部に前記補助部材の一部と重畳するように取り付けられた保護部材と、
前記補助部材を回動させる回動手段と、
前記遊技媒体通過部に形成された前記経路を含む所定領域を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像するための光を照射する照射手段と、を備え、
前記補助部材は、
前記遊技媒体通過部に設けられた前記経路を前記撮像手段が撮像可能に形成された貫通孔と、
前記貫通孔の近傍であって、前記所定領域に形成された複数の孔と、を有し、
前記回動手段により回動した状態では、前記遊技媒体が前記経路から落下し、
複数の前記孔は、
前記回動手段によって前記補助部材が回動していない状態の場合には、前記照射手段からの光が反射され、
前記回動手段によって前記補助部材が回動した状態の場合には、前記照射手段からの光は前記補助部材が回動していない状態の場合とは異なる反射となり、
前記撮像手段は、前記孔における前記照射手段からの光の反射によって、前記補助部材が回動しているか否かを判断することを特徴とする遊技用装置(例えば、遊技用装置500,600,700等)である。
第4形態によれば、第1形態の遊技機と同様の作用効果を奏する。したがって、遊技媒体を受付可能な状態か否かを判断することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技用装置を提供できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技媒体を受付可能な状態か否かを判断することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を高精度に検知可能な遊技機又は遊技用装置を提供できる。
[付記20]
付記20の遊技機は以下の通りである。
[背景技術]
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、スタートスイッチと、ストップスイッチと、各リールに対応して設けられたステッピングモータと、制御部とを備えた、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。スタートスイッチは、メダルなどの遊技媒体が遊技機に投入された後、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(以下、「開始操作」ともいう)を検出し、全てのリールの回転の開始を要求する信号を出力する。ストップスイッチは、各リールに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたこと(以下、「停止操作」ともいう)を検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力する。ステッピングモータは、その駆動力を対応するリールに伝達する。また、制御部は、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転動作及び停止動作を行う。
このような遊技機では、開始操作が検出されると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、「内部抽籤処理」という)が行われ、その抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)と停止操作のタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う。そして、全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
また、このような遊技機には、メダル投入口に投入されたメダルを検知するためのメダルセレクタが設けられている。
ここで、遊技機に対する不正行為(所謂、ゴト行為)のうち代表的なゴト行為に、メダル投入口から不正行為用器具を挿入しメダルセレクタの計数機能を不正に動作させることで、メダルを投入しているように見せかけて多数のクレジットを得るものがある。遊技機では、このようなゴト行為に対する対策がとられている。
例えば、特許文献1には、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが開示されている。
また、特許文献2には、テンプレート画像に幾何変換を加えることで、幾何変換の量が異なる複数の幾何変換後のテンプレート画像からなる第1の画像群を生成し、固有値分解を施すことで固有関数を算出し、これらの内積演算を施すことで、第2の画像群を生成し、入力画像と第2の画像群との画像類似度を算出することで、画像処理で対象物が正しいか否かを判定する技術が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−342814号公報
[特許文献2]特開2006−271462号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、板状体のような器具を用いず、不正メダルを用いて行われる不正行為を検知することができない。例えば、スロットマシンが設置されるホールでは、1枚5円のメダルで遊技可能な所謂5スロと呼ばれる低賭け遊技機と、1枚20円のメダルで遊技可能な通常の遊技機(所謂20スロ)と、を設置している場合がある。このようなホールでは、5スロで取得したメダルを20スロで、使用することで、その差額((20円−5円)×所有枚数)分を不正に取得する不正行為を行う者により、被害が発生している。ところが、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、貸し出される貸出単価が1枚20円のメダルと1枚5円のメダルとが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができず、このような不正行為を防止できなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、遊技機が設置されているホールで貸し出されたメダルと、別のホールで貸し出されたメダルや中古機販売店で購入した遊技機に附属しているメダル、又は、偽造メダル(メダルに見せかけた器具を含む)等とが同径で色や刻印(模様)のみ異なる場合、これらを判別することができない。このため、正規メダル以外のメダル(不正メダル)を用いて遊技を行う不正行為を検知(検出)することが困難だった。
また、特許文献2に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラを用いて、投入された不正メダルの判定を行う。ところで、このようなCCDカメラは、接続部材であるコネクタにより、遊技制御部と電気的に接続されている。コネクタは、遊技機の機種等に応じて専用のものがあり、ある機種のコネクタを別の機種で使用した場合、法を犯したり、遊技機が正常に動作しないおそれがある。一方で、遊技機の製造工場では、多様な機種が製造されており、ある機種のコネクタを別の機種で使用してしまうヒューマンエラーが発生してしまうおそれがある。
本発明の目的は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置を遊技機に取り付ける際に発生するヒューマンエラーを防止できる接続部材を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の接続部材を提供する。各構成要素が実施形態と対応する要素を括弧内に記載するが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る第1形態は、
遊技機(例えば、パチスロ1等)において、遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ301等)と他の電気機器(例えば、ドア中継端子板68等)とを電気的に接続する接続部材(例えば、コネクタ400等)であって、
前記遊技媒体検出手段に接続される第1部材(例えば、第1部材410等)と、前記第1部材と着脱自在に所定方向から係合し、前記他の電気機器に接続される第2部材(例えば、第2部材420等)と、を備え、
前記第1部材又は前記第2部材は、
いずれか一方が、前記所定方向に突出する突出部(例えば、突出部412等)と、前記所定方向に延びる複数のピン部材(例えば、ピン部材413等)と、を有し、
他方が、前記突出部を挿入可能な凹部(例えば、凹部422等)と、前記突出部が前記凹部に挿入されたときに、複数の前記ピン部材がそれぞれ挿入可能な複数の挿入穴(例えば、挿入穴423等)と、を有し、
複数の前記ピン部材及び複数の前記挿入穴は、前記遊技機の分類に応じて、異なる位置に配置されることを特徴とする接続部材である。
第1形態によれば、接続部材は、遊技機において、遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段と他の電気機器とを電気的に接続し、第1部材と、第2部材と、を備える。
第1部材は、遊技媒体検出手段に接続される。
第2部材は、第1部材と着脱自在に所定方向から係合し、他の電気機器に接続される。
第1部材又は第2部材は、いずれか一方が、所定方向に突出する突出部と、前記所定方向に延びる複数のピン部材と、を有し、他方が、突出部を挿入可能な凹部と、前記突出部が凹部に挿入されたときに、複数のピン部材がそれぞれ挿入可能な複数の挿入穴と、を有する。そして、複数のピン部材及び複数の挿入穴は、遊技機の分類に応じて、異なる位置に配置される。
このように、遊技機において、遊技媒体の投入を検出する遊技媒体検出手段と他の電気機器とを電気的に接続する接続部材の複数のピン部材及び複数の挿入穴を、遊技機の分類(例えば、機種等)に応じて、異なる位置に配置する。これにより、ある遊技機に取り付けられている第1部材には、他の分類の遊技機の第2部材を取り付けても、互いに係合しない。このため、仮に、組立中の遊技機とは分類が異なる第1部材又は第2部材を取り付けても、第1部材と第2部材とが係合しないので、誤った接続部材が取り付けられていることが即座に分かる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置を遊技機に取り付ける際に発生するヒューマンエラーを防止できる接続部材を提供できる。
本発明に係る第2形態は、
遊技機(例えば、パチスロ1等)において、遊技媒体を貯留及び該貯留した前記遊技媒体を排出する貯留手段(例えば、ホッパー装置51等)と他の電気機器(例えば、ドア中継端子板68等)とを電気的に接続する接続部材(例えば、コネクタ400等)であって、
前記貯留手段に接続される第1部材(例えば、第1部材410等)と、前記第1部材と着脱自在に所定方向から係合し、前記他の電気機器に接続される第2部材(例えば、第2部材420等)と、を備え、
前記第1部材又は前記第2部材は、
いずれか一方が、前記所定方向に突出する突出部(例えば、突出部412等)と、前記所定方向に延びる複数のピン部材(例えば、ピン部材413等)と、を有し、
他方が、前記突出部を挿入可能な凹部(例えば、凹部422等)と、前記突出部が前記凹部に挿入されたときに、複数の前記ピン部材がそれぞれ挿入可能な複数の挿入穴(例えば、挿入穴423等)と、を有し、
複数の前記ピン部材及び複数の前記挿入穴は、前記遊技機の分類に応じて、異なる位置に配置されることを特徴とする接続部材である。
第2形態によれば、接続部材は、遊技機において、遊技媒体を貯留及び該貯留した遊技媒体を排出する貯留手段と他の電気機器とを電気的に接続し、第1部材と、第2部材と、を備える。第1部材は、貯留手段に接続される。第2部材は、第1部材と着脱自在に所定方向から係合し、他の電気機器に接続される。第1部材又は第2部材は、いずれか一方が、所定方向に突出する突出部と、前記所定方向に延びる複数のピン部材と、を有し、他方が、突出部を挿入可能な凹部と、前記突出部が凹部に挿入されたときに、複数のピン部材がそれぞれ挿入可能な複数の挿入穴と、を有する。そして、複数のピン部材及び複数の挿入穴は、遊技機の分類に応じて、異なる位置に配置される。
このように、遊技機において、遊技媒体を貯留及び該貯留した遊技媒体を排出する貯留手段と他の電気機器とを電気的に接続する接続部材の複数のピン部材及び複数の挿入穴を、遊技機の分類(例えば、機種等)に応じて、異なる位置に配置する。これにより、ある遊技機に取り付けられている第1部材には、他の分類の遊技機の第2部材を取り付けても、互いに係合しない。このため、仮に、組立中の遊技機とは分類が異なる第1部材又は第2部材を取り付けても、第1部材と第2部材とが係合しないので、誤った接続部材が取り付けられていることが即座に分かる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置を備える遊技機に、貯留手段を取り付ける際に発生するヒューマンエラーを防止できる接続部材を提供できる。
本発明に係る第3形態は、
前記突出部及び前記凹部は、遊技機の分類に応じて、異なる色であることを特徴とする接続部材である。
これにより、突出部及び凹部の色により、組立中の遊技機の分類に適合している接続部材であるか否かが分かる。また、仮に、組立中の遊技機とは分類が異なる第1部材又は第2部材を取り付けていた場合でも、これらを互いに係合させるまでもなく、色が違っているのを見るだけでで、誤った接続部材が取り付けられていることが即座に分かる。
したがって、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置や貯留手段を遊技機に取り付ける際に発生するヒューマンエラーをより確実に防止できる接続部材を提供できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為を高精度に検知するための装置を遊技機に取り付ける際に発生するヒューマンエラーを防止できる接続部材を提供できる。