JP2020109629A - デジタルコンピュータの支援による階層的マルチスケール部品設計のための方法及びシステム - Google Patents

デジタルコンピュータの支援による階層的マルチスケール部品設計のための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】デジタルコンピュータの支援による階層的マルチスケール設計のための方法及びシステムを提供する。【解決手段】表現のトップレベルにおいてトップレベルの制約を満たす形状及び材料分布の階層表現が構築される。追加の制約を満たすより低い表現のレベルの各々の設計ファミリーの特性は、より低い表現のレベルの各々を少なくとも次のより高い表現のレベルにリンクさせる。【選択図】図1

Description

本開示は、デジタルコンピュータの支援による階層的マルチスケール設計のための方法及びシステムを目的とする。一実施形態では、製造機器により製造することを目標とするオブジェクトに対して、トップレベルの設計制約及び設計目的が定義される。オブジェクト境界は、複数の第1レベルのセルに分割される。各セルは、トップレベル設計制約を集合的に満たす1つ以上の特性を割り当てられる。2つ以上のレベルの階層については、親セルとして第1レベルのセルから始まり、親セルの各々は、複数の子セルに分割される。各親セルの子セルは、個々の親セルの複数の特性のうちの1つを集合的に満たす子特性を各々有する。それぞれの親セルの複数の特性のうちの1つを集合的に更に満たす一方で、子セルの各々内の子特性が最適化される。選択された一組の子セルが、製造機器の許容範囲に好適な設計を表し、かつトップレベルの設計制約を満たす場合に、このレベルが完了する。選択された一組の子セルは、オブジェクトの製造可能な設計を定義するために使用される。
別の実施形態では、少なくとも1つの制約条件を含む少なくとも1つの設計基準が指定される。設計ファミリーの階層表現は、表現の全てのレベルにおいて指定された基準を満たすように構築される。階層表現は、1つ以上の表現のレベルを含み、より低い表現のレベルは、より高い表現のレベルよりも設計に関する多くの詳細を提供し、それによって、設計ファミリーを更に制限する。指定された基準、並びに表現のレベルにリンクする追加の制約を満たす、表現の全てのレベルにおける設計ファミリーが合成される。
別の実施形態では、空間セル分解による設計ファミリーの形状及び材料分布の代理特性の階層表現は、階層表現の各レベルにおいて各セルに割り当てられた特性を用いて合成される。階層表現のトップレベルから開始して、トップレベルでの特性は、トップレベルで実行される解析に基づいて、トップレベルにおいて指定された制約を満たしていると判断される。トップレベルを下回る各レベルについては、所与のレベルの各セルを独立セルに更に分解することを伴うプロセスが実行される。子セルに割り当てられた代理特性の決定は、所与のレベルでのセルにおける特性を強制して、前のレベルでセルにおいて決定された代理特性と依然として一致しているようにする、追加の制約を受ける所与のレベルで行われる解析に基づいて行われる。
例示的実施形態による、設計の代理特性を表現するためのセル表現スキームの例を示す概略図である。 例示的実施形態による、設計の代理特性を表現するためのセル表現スキームの例を示す概略図である。 例示的実施形態による、宣言的形式及びダウンスケーリングプロセスにおけるマルチスケール設計クラスの階層表現を示す図である。 例示的実施形態による、順方向及び逆方向の問題解決法を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、順方向及び逆方向の問題解決法を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、シングルスケールの順方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 例示的実施形態による、シングルスケールの順方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 例示的実施形態による、シングルスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 例示的実施形態による、シングルスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 他の例示的実施形態による、順方向方及び逆方向の問題解決法を示すフローチャートである。 他の例示的実施形態による、順方向方及び逆方向の問題解決法を示すフローチャートである。 別の例示的実施形態による、シングルスケールの順方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 別の例示的実施形態による、シングルスケールの順方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 別の例示的実施形態による、シングルスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 別の例示的実施形態による、シングルスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 別の例示的実施形態による、マルチスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 別の例示的実施形態による、マルチスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 別の例示的実施形態による、マルチスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 別の例示的実施形態による、マルチスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 別の例示的実施形態による、マルチスケールの逆方向解決法の解析及び計算ワークフローを示す図である。 例示的実施形態による設計のための異なる階層における、スケール別特性の変化を示す図である。 例示的実施形態によるシステムのブロック図である。
本開示は、マルチスケール基準のための機械的部品の設計に関する。現代の部品は、付加製造(AM)などの技術を使用して、高解像度でより複雑な構造及び複数の材料で作製される。所望の機能性のためのこうした構造の設計は、サイズスケールの範囲で生じる多様な物理的現象、例えば、ミクロ構造挙動からマクロスケールでのバルク挙動までの多様な物理的現象のために困難である。これらのスケールの全てを同時に解析することは、理論的及び計算的制限のために、既存の方法では非実用的である。最新の方法では、(順方向及び逆方向)「均質化」の理論を用いて、スケールを分離すること及びアップ/ダウンスケーリングすることにより、この問題に取り組む。しかしながら、これらは全て、平均特性、スケールの分離性、エルゴード性、周期性、線形性などの近接サイズの仮定によって全て制限される。
本開示は、マルチスケール組織において柔軟性をもたらし、機能的汎用性を付加したより大きい設計空間を探索するシステム及び方法を記載する。これらのシステム及び方法は、コンピュータ集約的高解像度のシングルスケール方法、並びに制限された材料アーキテクチャ及び均質化仮定上で動作するマルチスケール方法の届く範囲を超えた複雑な設計を作り出すことができる。
製造技術における急速な成長により、付加、除去、又は組み合わせプロセスを使用して、機能部品における莫大な構造上の複雑性が可能になっている。高解像度の多材料3D印刷技術は、とりわけ、部品の全体サイズよりも細かい複数の桁である、任意のレベルでの詳細度及び複雑性で動作可能な建築材料を有する。しかしながら、既存の計算設計ツールでは、いくつかの長さスケール(例えば、マイクロメートル〜メートル)において、こうしたレベルの詳細度及び複雑性で部品をカスタマイズする能力によって示唆される、莫大な設計空間を探索することができない。一方、部品の全体的な性能は、ナノスケールからマクロスケール現象に及ぶこともある複数のスケールで生じる物理的挙動に依存する。これらのスケールの全てを同時に解析することは、計算上の制限のために非実用的であるのみでなく、多くの場合、無意味である。例えば、トポロジー最適化は、最適化された構造変形及び適合のための部品をマクロスケールで設計する場合には成功しているが、最適化された設計は、マイクロスケールにおいては、発生するときに考慮されない応力集中及びクラック伝播が原因で、失敗する可能性がある。
高性能コンピューティング(HPC)は、より強力に急速に成長し、入手可能になる。数千のプロセッサを備えるコンピュータ集約グラフィック処理ユニット(GPU)は、コア当たり数セントのコスト点に到着し、計算パラダイムのシフトをより単純であるがより並列なデータ構造及びアルゴリズムに対して引き起こす。しかしながら、そのピークでの計算電力の線形成長(モーアの法則により最も良く例解される)は、設計空間の複雑性の指数的成長及び製造解像度の改善により影を落とす。完全解像度で明示的に表される合成設計では、こうした試みにおいて現れる数値不安定性及び収束問題などの他の計算問題のホストについて言及されていない。
計算障壁に加えて、最も細かいスケールで全ての詳細を表し、解析するために、ホストが必要とされない(又は望ましくもない)場合がある。異なる物理的現象及び挙動要件は、1つの観測スケール又は別のスケールのみで重要であり、一方、他のものは、スケール全体で保存されるような基本的なものである。例えば、負荷された構造体のマイクロスケールでの統計的変動は、マクロスケールにおける平均変形又は歪みエネルギーに関連しない場合がある。したがって、これは、ミリメートルのサイズスケール内で隣接している関連材料特性を「均質化」し、マクロスケールで有限要素解析(FEA)を実行することを意味し、こうした隣接は、十分に小さい離散化であり、最適なコンプライアンスの設計となる。
しかしながら、マクロ解析から得られた結果として得られるバルク挙動においては、例えば、クラック成長/伝播による全損など、スケールを超える悲惨な結果を有し得るが、マイクロクラックの先端での応力集中は観察されない。新たな故障モードを導入することに加えて、小スケール現象を活用して、大スケール性能を改善できる。後者の例では、熱交換器設計のための金属発泡体、ラボオンチップ設計用のマイクロ流体、及び接着剤設計のためのマイクロ加工された毛髪を使用する。小さい空間的近傍に適合する複雑な形式を選択する際に自由度を活用するには、並びにこうした複雑性を伴う非自明な故障モードを回避するには、有効なマルチスケール解析及び設計ツールが必要である。
最も細かい詳細レベルで、詳細な解析を使用して、マクロスケールまで効果を拡大して設計する、ボトムアップアプローチが考えられるが、これは、計算上イントラクタブル(intractable)であり、(場合によっては)数値的に信頼できない。設計するためのより実用的なトップダウンアプローチでは、様々なサイズスケールで物理的に関連する特性によって部品を暗黙的に記述する階層表現を必要とする。各サイズスケールでは、部品は、そのスケールを支配する物理的法則に関連する挙動要件を満たすように(及び場合によっては最適化する)ように設計される。全ての多面表現と同様に、この課題は、形状及び材料分布の一貫した表現を維持することであり、異なるスケールでの別個のビューには、最終的には、1つのスケール又は別のスケールで製造される同等の物理的部品又は部品ファミリーを表す。
本明細書に記載する方法及びシステムは、一般にトップダウン設計プロセスを使用して、有限数のサイズスケールで階層的に部品を表現し、設計する。全てのスケールで、サイズスケールにより定義された、ある粒度レベルでの形状及び材料分布の代理特性を選択することにより、逆方向問題が解決され、これによりそのレベルでの設計要件が満たされるようになる。このプロセスでは、最初に最も粗いスケールでバルク特性を決定し(場合によっては最適化する)、より細かいスケールで、設計プロセスの高次の詳細に関する意思決定を先送りすることを伴う。同じ設計プロセスが再帰的に繰り返され、目的関数を最適化し、その両方がスケール依存的な挙動要件である制約を施行する。
あるスケールから次のスケールにそれぞれ渡すことにより、プロセスは、スケールに依存しない基本的な特性の不変性を引き起こす。これは、追加の制約セットとして、それらを次のスケールに渡すことによって引き起こされ、これにより、その後の決定が、より粗いスケールでの以前の決定の実行可能性及び最適性に影響を与えないようする。この方法を実現する際の課題は、より細かい詳細又はその正確な実現化に関する決定に到達する前に、マクロ形状及び材料特性の知識からマクロ挙動について推論できるような方法で、不変の特性を適切に選択すること、及び解析ツール(順方向問題ソルバ)を再設計することにある。
これらの方法に関与するいくつかの予備的構想は、順方向及び逆方向の問題のものである。設計空間を検索して一連の性能要件を満たす設計を体系的に合成する(逆方向問題)には、所与の設計を解析してその挙動を計算し(順方向問題)、要求された性能基準に対してその挙動を確認し、要件が満たされていない場合には、設計空間内での次の動きを決定する能力を必要とする。この反復パラダイムは、逆方向問題の閉形式の解決法が存在しないほとんどの設計方法の基本である。物理学に基づく性能要件については、順方向問題は、典型的には、有限要素法(FEM)、有限差分法(FDM)、離散要素法(DEM)、セル法などの数値方法によって解決される。逆方向問題は、候補設計を反復し、解析を繰り返すことによって解決され、勾配降下最適化、確率的/進化的最適化、機械学習などの様々な技術によって導かれる。順方向問題とは異なり、逆方向問題に対する解決法は一意ではなく、設計決定に関して更なる柔軟性を有するものが残る。最も一般的な合成パラダイムの中には、形状及びトポロジー最適化(TO)がある。TOは、特定の境界条件下で、所与のコスト(例えば、質量)に対して最適化された性能をもたらす、所与のドメイン内での形状(幾何学的形状及び/又はトポロジ)並びに材料分布(複数可)を見出すことを求めるものである。
別の予備的構想は、空間的離散化スキームのものである。物理的解析/合成のための既存の計算ツールはほとんどが、三次元(3D)空間を十分に小さい要素(「セル」など)に離散化することに依存する。セルは、原子設計の特徴と考えることができ、それらのサイズにより、形状及び材料の表現の粒度、並びに物理的シミュレーションが決まる。最も一般的な選択肢は、均一な3Dグリッドに沿って配置された、等サイズの座標軸に整列された立方体セル(例えば、ボクセル)である。しかしながら、原理的には、任意のセル複合体が可能である。
各セルは、セルの全てに割り当てられた1つ以上の設計変数(決定変数とも称される)を保持し、これは、単一のセル全体にばらつきがないことを意味する。したがって、離散形式の空間フィールドを表すために、より小さいセル(より細かい粒度)を選択する必要がある。局所形状及び材料特性は、設計変数から推定される。例えば、セルに割り当てられた2値変数(1又は0)を使用して、そのセルがフルであるか空であるかをそれぞれ示すことができ、その一方で、その範囲[0、1]の小数部を使用して、セルの体積占有率を指定できる(例えば、0.35は、35%フルであることを意味する)。このように表現できるフィールドの数は、セルの数で(少なくとも)指数関数的である。同様に、1つ以上の変数(通常はスカラー、ベクトル、又はテンソル)を割り当てて、物理的構成則の係数(弾性、熱/電気伝導率など)などの各セルの材料特性を指定できる。したがって、形状及び材料分布は、3D空間上の(離散化された)フィールドによって記載される。以下の考察を目的として、「フィールド」という用語は、離散形式としても公知である離散化フィールドを記述することを意味する。
設計空間の検索は、ベース材料(例えば、材料相)及びそのグラデーション/不均一性の選択肢がより多くなり、材料の異方性を補足する自由度がより高くなり(例えば、全てのセルで最も一般的な弾性テンソルを表すために必要な21個の独立変数)、かつAM解像度が改善されて、離散化がより細かい粒度(例えば、より多くのセル)となることにより(これらは全て、設計の柔軟性を高めて、複数の物理的挙動をカスタマイズできる(例えば、熱弾性の結合など))、すぐに非実用的になる。
複雑性問題に対する1つの解決法は、設計空間探索が管理可能なステップに分割されるように、複数のサイズスケールで設計の階層表現を考案することである。トップレベルとは、比較的大きいセル及び少ない数の代表的な(例えば、バルク)材料特性が決定変数として割り当てられている、設計の粗い粒度のビューである。各セルをより小さいセルに更に分解して、次のレベルで材料特性をより細かく再分布させて、より細かい粒度の設計ビューを得ることができる。意思決定の範囲は、自由度を低減し、計算の複雑さを折り畳むために、より粗い粒度レベルで既に固定された決定に基づいて、より細かい粒度レベルで制限される。
この方法は、多くの場合、暗黙的である基本的な仮定を使用する:粗い粒度の決定変数を決定/最適化するには、細かい粒度の詳細に関する不完全な情報にもかかわらず、結果として得られる粗い粒度の性能を(少なくとも部分的に)予測する能力が必要である。したがって、各レベルにおいて、解析ツールにより、そのレベルのサイズスケールに適用される物理的挙動の定式化を使用して、一部の「有効な」形状及び材料特性の知識から、一部の「有効な」挙動を予測できると想定される。その後の設計の精巧化で優先されるより細かい粒度の詳細は、より粗い粒度のレベルで発生する予測とは無関係であると想定されるため、より粗い粒度の設計の決定を行うときには、無視することができる。
一般に、表現詳細において複数の長さスケールにまたがる複雑な設計を生成するには、2つの方法が存在する。これら方法のうちの1つは、スケール別の高解像度合成である。こうした方法では、情報は、最も細かい粒度レベルで決定され、かつより粗い粒度レベルで、例えば、平均化/均質化(「アップスケーリング」)によって、バルク特性及び挙動を得るために、情報は、ボトムアップで渡される。十分な計算リソースであれば、最も細かい粒度スケールでの表現、解析、及び合成のために、同じレベルの粒度を使用することができる。今日の技術であっても、自動化された設計最適化へのこうしたアプローチは、少数の研究者及び技術者のみアクセス可能な高価な高性能コンピューティング(HPC)インフラストラクチャを必要とする。更に、提唱された最適化設計は、製造可能であり、かつ実際に機能する最終形式からはかなり遠いものである。これは、こうした大規模な方程式系(例えば、FEA)を解く際に必然的に存在する数値の不正確さとノイズによるためである。
(OpenVDBデータ構造に基づく)高解像度のスパースボクセル化でのFEAのアセンブリフリーソリューションに依存するレベルセットTOが開発された。アセンブリフリーアプローチにより、FEAの計算性能が向上し、これは、最も集中的なステップであり、逆方向問題解決ループにおいて何度も繰り返される。このアプローチでは、手頃な価格のコンピュータで、妥当な時間内に信頼できる数値精度で多数のボクセルを処理できる。しかしながら、FEA要素が同じ解像度又は粒度でセルと整列するように選択されている場合、解像度を高めてより広い長さスケールスパンを補足するには、より長いCPU時間を必要とする。(形状及び材料レイアウトの)表現と解析解像度との分離に基づく代替アプローチは、形状及び材料レイアウトの高解像度表現によってもたらされる設計の自由度(少なくとも一部)を維持しながら、FEAの自由度を低減させて、計算の複雑さを管理できるため、過去数年間で人気が上昇している。
複数の長さスケールにわたる複雑な設計を作り出す別の方法は、マルチスケール階層合成へのトップダウンアプローチである。均質化理論は、マクロスケールでの構成関係を介して近隣の全体的な(例えば、バルク)挙動を十分に特徴付ける近隣の「有効な」材料特性を計算することによりスケールを分離できるように、必要条件を提供する手段である。前提としては、これらの効果的な特性は、ミクロスケール及びメソスケールでの形状及び材料分布を独立して研究することによって得ることができることである。
このため、2スケールの設計プロセスが概念化され、このプロセスでは、設計が最初にマクロスケールで最適化される。密度ベースのTO法では、マクロスケールでの決定変数は、「均質化された」材料特性、例えば、マクロスケールで観測者によって測定された平均物理量に関連する構成関係の係数である。次に、所望の均質化された特性を重んじる詳細な構造が、ミクロ/メソスケールで合成される。このプロセスは、多くの場合、「逆均質化」又は(より一般的な文脈で呼ばれるように)、ミクロ分布によるマクロ特性の「実現化」と呼ばれる。これらの方法に対するいくつかの課題は、それらの有効性が、スケールの実質的な分離の仮定に依存することであり、これにより、それらの有効性が、ミクロ幾何学的詳細がマクロ特性に影響しないようになる。例えば、均質化された特性は、形状及び材料レイアウトの粗い粒度でのモデル上で直接、粗い粒度での解析を行うのに十分な情報である。これらの方法は、多くの場合、制限のある仮定においてオフライン計算実験によって得られる、バルク形状特性(例えば、体積分率)からバルク物理特性(例えば、ヤング率)への迅速なマッピングに依存する。境界条件、接続性/連続性、及び/又はあるセルから別のセルへのスムーズな移行は保証が困難な場合があり、このことが、定期的なセル、閉じたセル、事前定義された境界など、更に単純化されたヒューリスティック及び仮定を使用することにつながり、このため、より制限された設計空間での有効かつ合理的な設計となる。
2つの一般的なシナリオが存在し、これらのシナリオでは、古典的な均質化が信頼性の高い保証を伴う。最初に、設計が繰り返し境界条件を有する周期的セルに制限されるとき、この場合、セルは代表的/繰り返し体積要素(RVE)と呼ばれる。2番目のシナリオは、その「有効な」マクロ特性が、その近傍で見つかった、異なるが、統計的に同等のマイクロ構造の平均(メソスケール近傍のg)として得ることができるような方法で、セルが非周期的(例えば、連続気泡体など)であるときであり、この場合、セルは統計的体積要素(SVE)と呼ばれる。換言すれば、形状及び材料特性の変動、並びに結果として生じる物理的挙動の変動は、平均化されると想定される。
前者のシナリオでは、通常、直交するデカルトグリッドに沿って配置された規則的な構造を必要とし、それに沿ってRVEがグラデーションを伴わずに、又は緩やかなグラデーションを伴わずに、タイル状に並べられ、隣接するセルに関係なく、ミクロ構造レベルで、独立した設計決定を行うことができるようになる。ミクロ構造及びその境界条件がセルごとに変化する場合、マクロスケールでの解析は、RVEのサイズに依存するいくつかの近似までのみ有効である。後者のシナリオでは、マクロスケールとミクロスケールとを分離するメソスケールの存在が必要であり、これは、多くの場合、Lミクロ≪Lメソ≪Lマクロとして記載される。いずれの場合も、スケールの実質的な分離、例えば、セルサイズの数桁の差が、あらゆる厳密な保証を保持するために必要である。これにより、信頼性の高い解析を用いて、ループ内において、この2スケールアプローチにより生成できる設計レジメが大幅に制限される。
より細かい詳細レベルでの合成構造に対する1つのアプローチは、ミクロ構造のライブラリをオフラインで生成し、均質化された特性(マクロスケール合成で決定)をミクロ構造の特性と一致させることであり、例えば、最小二乗誤差最小化アプローチを使用する。これらの方法では、ライブラリ内の要素による実現可能なバルク特性の範囲は、マクロスケールにおける最適化問題に対する制約として課される。所与のバルク特性のミクロ構造の実現化はまた、機械学習によって対処することができる。代替アプローチは、目的関数の局所線形化と、マクロスケールでの最適化変数の周りでのマイクロスケールの制約によって、緊密に結合されたマクロスケール構造及びメソスケール構造を同時に最適化することである。これは、マルチスケールTOアルゴリズムを開発する一般的な方法である。
マクロスケールでの単一セルの均質化された挙動を表す変数の数は、単一の物理問題であっても大きくなり得る。例えば、小さい変形モデル(セルにわたって平均又は補間された)を使用して、コーシー応力とひずみテンソルとの間の線形関係を表す弾性テンソルは、21個の独立した決定変数を有する。これにより、逆均質化マッピングのためのサンプリング、回帰、又は機械学習によって事前計算することが困難な、高次元の材料特性空間が得られる。問題を管理しやすくするために、材料構造を直交異方性(12変数)、立方(3変数)、又は最も一般的に等方性(2変数:ヤング率及びポアソン比)に制限することで、完全異方性設計の潜在的な利点を省くことが一般的である。
均質化に基づく方法で注目すべき課題は、隣接するセルが適切に接続することを保証することである。これは多くの場合、ミクロ構造又はその境界の形状を制限し、ヒューリスティックを適用して制限された選択肢セットから適切に選択するか、達成可能な設計のクラスを更に制限する限定目的の「グルーイング(gluing)」解決法によって達成される。
本明細書に記載するシステム及び方法により、スケールがサイズにより実質的に分離されていない場合であっても、またバルク形状及び材料特性(体積分率など)との独立した相関及びバルク物理的応答(平均弾性)に関するあらゆる追加の仮定に訴えることなく、マルチスケール合成が可能になる。むしろ、本方法は、セルの積分特性に依存する完全解析を利用する。これらの方法では、決定変数、すなわち、セルの形状及び材料含有量、並びに任意のレベルのセルサイズを部分的に表現する「代理」特性(例えば、積分特性)の数を選択する柔軟性をもたらす。更に、この方法は、マクロスケールの観点からメソスケール材料の近傍を点(又は無限小近傍)として概念化する線形化/均質化された挙動の事前計算ライブラリに依存するものではない。むしろ、これらの代理特性に特性ベースのソルバ(例えば、FEAの修飾形式)を供給することで、動作中に(on−the−fly)完全な解析を実行する。セルが大きいほど、忠実度の高い解析のためにより多くの情報内容を必要とするため、これらの方法により、セルサイズを、セルごとに保持された特性の数とトレードできるようになる。
設計プロセス全体を通じて、形状指向ではなく、「宣言的」であり、かつ特性指向の階層表現を採用することにより、これらの方法は、境界接続を処理する必要が全くない。階層的に合成された特性を幾何学的に実現化するには、設計段階において可能な限り遅くなるように、先送りされる(コンピューターサイエンス用語集の「遅延計算」に類似する)。製造プロセスが指定されるまで実現化が先送りされ、これにより、実現可能な形状及び材料レイアウトの空間がプロセスパラメータに応じて制限される。
以下、「形状及び材料分布/レイアウト」は、特定の物理学に依存しない純粋な幾何学的趣旨で使用される。特定の物理的構成則に関連する材料特性と混同されるべきではない。例えば、単一の均質であり、かつ等方性材料で作製されたシングルスケールの固体Ωの理想的な表現は、3D点ごとに0(「空」)又は1(「フル」)の値が割り当てられる関数である、2進値の「指標」又は「特性」関数/フィールドによって付与され得る。これにより、この関数がゼロ以外である全ての点のセットによって、部品の形状が暗黙的に定義されるようになる。これを拡張させたものは、実数値密度フィールドによるマクロスケールでの材料のグラデーションをモデル化することであり、すなわち、統計的に解釈できるグレースケール値(部分的に空又は部分的にフルなど)を、例えば、そのミクロ構造の有孔率又は平均体積分率の観点から全ての3D点に割り当てる関数である。
以下の実施形態では、形状及び材料分布フィールドの離散表現を利用する。数学的には、これらはトポロジー的「共鎖(co−chain)」(又は「離散形式」)として表現できる。直観的に、3D空間を有限値のセルに離散化させ、そこに2進値の指標又は実数値の密度(占有体積分率など)の関数値を全体として割り当てる。多材料部品を集合的に形成する複数の材料相に対応するために、(ρΩ1、ρΩ2、..ρΩn)などのタプルを3D空間の全てのセルに異なる割合でn個のベース材料のうちの1つ以上に割り当てることができる。
例えば、純粋な培地で既知の特性を有し、3つのタプル(0.35、0.43、0.12)がセルに割り当てられている3つの「ベース材料」A、B、及びCを示す場合、セルの体積は、材料Aが35%、材料Bが43%、材料Cが12%であり、残りの10%が空であると解釈され得、複合材料のミクロ構造の正確な幾何学的形状についてはいかなる断言もしない。ある意味では、このような表現は、マクロスケールで観測者の観点から設計を指定するための完全な情報を提供するものであり、粗い物理的解析を実行するためにミクロ構造に関するいずれの追加の詳細も知る必要がない。しかしながら、この表現は、メソ/マイクロスケールで構造をロックダウンするのに十分な情報を指定するものではない。
本明細書に記載される方法は、情報の完備性のマルチスケールの一般化を利用する。形状及び材料分布の表現は、そのサイズスケールに関連する機能的/挙動的態様を推測するのに十分であれば、所与のレベル/スケールで「フル」であると言われる。これは、形状及び材料の分布に関するより細かい詳細が未定又は不確実のままである場合でも、この情報を使用して挙動特性について推論できる解析ツールにアクセスできることによる。
図1及び図2では、例示的実施形態による方法で使用される2Dでの1つの特定のスケール(例えば、マクロスケール)での非混合(離散的位相)及び混合(空間的傾斜(spatially graded))材料の単一材料及び多材料表現スキームを概略的に例解している。図1及び図2の平面形状及び材料レイアウトについて例解された1セル(平面曲線)によって境界付けられた2セル(平坦な面)を、3Dにおいて、2セル(空間表面)で境界付けられた3セル(空間体積)に一般化したものであり、ここでは、図解を簡単にするために2Dでスケッチしている。ベース材料の数又はセルの形状に制限はないが、ほとんどの実際の例では、いくつかのベース材料と均一な多面体セルによって解決することができ、多くの場合、軸に沿って整列させた立方体ボクセルを調整するために更に簡略化されることに留意されたい。
階層的マルチスケール表現を達成するために、K>1は、階層のレベル(「高さ」と呼ばれる)の数を指定するユーザ定義の整数であると仮定する。k=1,2,...,Kについては、k番目のレベルは、図1及び図2のシングルスケール表現と同様の様式で、そのレベル/スケールでの形状及び材料の分布の離散形式表現である。K番目のレベルのいずれのセルcも、その直径(セル内で任意の対の点間の最大距離)dia(c)は、L(1−∈)≦dia(c)≦L(1+∈)(式中、L、∈>0は定数である)として境界が付けられる。これらの境界により、観測者がそのレベルで形状及び材料特性を測定するサイズ「スケール」が定義される。ある意味では、これらの境界は、これらの測定値がそのレベルで物理的現象にとって有意義である近隣サイズを指定する。
第1のレベルは最も粗いものであり、最小限の詳細を捕捉するが、設計の決定変数が最も少ない最も単純な表現をもたらす。また、設計要件(例えば、境界条件)が指定されるスケールでもある。K番目のレベルが、最も詳細であるが、最も複雑であり、通常は小さい対象領域に限定される。前提は、このレベルで構造全体を設計することは計算上禁止されており、このため、分割統治アプローチが使用されることであり、その注意が、より細かい粒子のサブセルへの更なる細分化を必要とし得る(多くの場合、より重要な)セルのサブセットに限定される。
k番目のレベルのセル(「親」)は、(k+1)番目のレベル(「子」)で、いくつかのより小さい独立セルの部分複合体に分解することができる。したがって、セル複合体は、その後のレベルにおいて、常に精巧化して、より細かい粒度の要素にする。シングルスケール複合体と同様に、全てのレベルにおける全てのセルには、セル全体の有限数の設計変数が含まれている。これらは、セル内の材料分布の最も一般的な積分特性である。k番目のレベルでの観測者は、セル内の分布に関してより細かい粒度を有するものはいずれも確認することはできない。これらの詳細は、(k+1)番目のスケールなどで見たときにのみ優先される。K番目のレベルにおける全ての設計変数は、(k+1)番目のレベルでの変数が満たさなければならない設計制約のパラメータとして解釈される。これは、トップダウン設計の特徴であり、より簡潔に説明される。
全てのレベルにおいて、設計変数は、次のレベルでの設計の「宣言的」表現としてみなされ得る。換言すれば、k番目のレベルは、それらを満たす設計ファミリーを定義する一連の制約を宣言する。(k+1)番目のレベルでは、より細かい粒度の表現により、設計空間のより小さいサブセットまでファミリーを狭める。図3に示すように、このプロセスは、製造のために送り出すことができる狭いばらつき(例えば、許容誤差として解釈される)を有する交換可能な部品のクラスを暗黙的に表すのに十分であるように、ファミリーが緊密に拘束されるまで継続する。
この方法では、単一ポイント設計に決して到達しない、情報の「ボトムレス」表現をモデル化するが、製造のためのポイント設計に十分近くなるまで設計空間/ファミリーを狭小化する。所与の親セルによって宣言される制約は、その子によって満たされるので、これらの設計ファミリーの部分的な順序は、それらを精巧化し続けるので、これらの設計ファミリーの部分的な順序が存在する。階層表現は、スパースなままであるが、これは、孫、ひ孫などに明示的に制約を指定する必要がないためである。それらは、制約関係の推移に起因して自動的に満たされる。これは、図3の図に概略的に例解されている。
図3は、マルチスケール設計の階層的な「宣言的」表現の概要図である。各レベルにおいて、設計は、形状及び材料分布フィールドのファミリーを暗黙的に定義する一連の特性によって制約される。1つのスケールから次のスケールに渡して、より多くの特性/制約を追加することによって、ファミリーを更に制約させるようにする。これは、製造のための部品互換性の境界に入るように十分に制限されるまで継続する。
親セルによって子セルに課される制約としては、子セル間に分布されたときの親セルの特性の細分化不変性が挙げられる(これらに限定される必要はない)。例えば、n−タプル(ρ(c)、ρ(c)、...、ρn1(c))に集められた複数の密度値がk番目のレベルで所与のセルc_に割り当てられ、そのセル内で利用可能なn≧1のベース材料の各々が占める体積分率を指定する場合、(k+1)番目のレベルでそのセルの子
に割り当てられたタプルは(セルのセットch(c)によって集合的に示される)、子の集合体に割り当てられた合計体積が親に割り当てられた合計体積と同じでなければならないことを示す数の等式によって制約される。換言すれば、階層表現は、スケール全体において自己一貫性である。これは、以下の式(1)によって記載される。
均質化理論では、バルク物理的挙動の主要な態様を保持するためにこの平均化に十分に小さい所与の近傍での統計的平均に関して、物理的挙動の支配方程式(例えば、常微分方程式/部分微分方程式)を再定式化する試みを行っている。したがって、k番目のレベルのセルcに制限された形状及び材料分布の積分特性に関して、形状及び材料レイアウトの(物理的解析の目的で)十分な詳細の表現を与えることができる。例えば、FEQメッシュ内の所与のセル内の各材料相の体積分率は、多くの場合、FEAの物理的特性を推測して、メッシュが十分に細かい場合に、かなり正確な結果を生成するのに十分である。より粗いセルの場合、FEAの積分の正確な計算(剛性マトリックスの組み立て又はノイマン境界条件の施行など)には、体積分率のみでなく各セルのより高次の積分特性を保持する必要がある。同様に、流体の流れ又は熱伝達の問題は、多くの場合、有孔率の観点から均質化され、これは体積分率と同様に計算される。より正確な均質化及びより大きいセルへのアップスケーリングのために、より高次の特性(例えば、くねり)が使用される。
正確な形状及び材料分布「フィールド」は、任意の特定のスケールでは知られていないが、その積分特性(例えば、統計的平均)に関するより多くの情報は、階層表現を下げるときに発見される。セルの最も細かい粒度の分解を伴う最も低いレベルでは、必要に応じて連続フィールド(「グラウンドトゥルース」)に接近する。しかしながら、全ての点から次の点へと変化する真のフィールド値には決して到達することはなく、これは、無限に細かい粒度のセルの限界において、間違いなく理想化である。
均質化は、各セルcが多くのより小さい子セルに分割されたときに、平均形状及び材料分布の知識のみからの挙動の適切な近似を提供する。階層は、大きい分岐係数(子の数)と長さスケール≪1の有意な分離によって記述され、したがって、Lk+1/L≪1であり、式中、Lは、上記で定義したk番目のレベルの特性長である。(k+1)番目のレベルのセルは、統計的に信頼できる物理的解析のために、平均が十分な情報になるように、k番目のレベルでの観測者の観点から、十分に小さいものである必要がある。本発明者らの方法は、古典的(順方向及び逆方向)均質化の一般化としてみなされることができ、この方法では、モーメント、相関関数、高調波振幅などを含むがこれらに限定されない、単に平均特性よりも高次の積分特性を使用する。
階層分解の分岐係数のより高い柔軟性及び長さスケールの中程度の分離を可能にするために、各セルの情報内容は、各材料の量の統計的平均などの単一よりも多くの変数で記述され得る。このため、各セルcの情報内容は、各ベース材料当たりの特性のベクトルで表される。例えば、材料相当たりのn個のベース材料及びm個の特性を考慮すると、以下の式(2)に示すように、セル当たりの特性の(n×m)マトリックスを有する。
m=1である特別な場合、すなわち、セル当たり1つの材料相当たり1つの自由度のみ存在する場合、最も実行可能な積分特性は、セル内のその材料の合計/平均量(絶対又は相対)である。この特性は、様々な形式を採り、とりわけ不確実性の存在下で、体積分率、平均密度、平均有孔率、統計的平均(期待値)として現れ得る。m>1、すなわち、複数の特性がセル当たりのベース材料当たりの決定変数として使用される場合、ベクトルμ(c)を選択できる様々な様式がある。更に、これらの特性が、加法性、連続性、完備性、収束性、及び挙動関連性などの特定の有用な性質を呈する様式で選択された場合、これらの性質はマルチスケール設計に活用される。
加法性は、最初に考慮される。親子関係によってスケール全体で変数を接続するために、以下の式(3)のように加法性が保たれる。これは、
の構成要素ごとの加算により、式(1)を一般化したものである。前述のように、これは、トップダウン設計のために親セルによって子セルに課される同等の制約として解釈することができる。
連続性については、特性は、実際の形状及び材料分布フィールドで連続的に変化する。例えば、c内のi番目のベース材料レイアウトにおける小さい幾何学的又はトポロジー的変化は、形状及び材料ドメイン内のいくつかのメトリックに従ってμ(c)の小さい変化をもたらす。完備性については、特性の有限列
は、c内のi番目のベース材料のレイアウトを完全に記述する(潜在的に無限である)特性列の最初の項m≧1であると想定される。収束に関しては、最初のm≧1特性を満たす設計ファミリー内の設計ばらつき(次の(より細かい粒度)レベルの制約として解釈される)は、未知の切り捨てられた項
に関してのみ異なる。設計ばらつきの全ては、いくつかのメトリック(例えば、ハウスドルフ距離)に関して、境界された設計サブ空間内にある。空間は、m→∞として一点設計に収縮する。最後に、挙動関連性については、第1のm≧1特性は、図3に例解されるk番目のサイズスケールで生じる物理的現象に対して、制約されたファミリー内の設計ばらつきの物理的性能に関して総合的に推論するのに、十分な情報を提供する。換言すれば、(k+1)番目のレベルでのより細かい粒度の詳細の知識を必要とせずに、これらの幾何学的特性を信頼できる物理的特性にマッピングできる計算解析ツールへのアクセスが想定されている。
最後の条件は、(k+1)番目のレベルでの制約されたファミリー内の設計が、k番目のレベルで既に行われた決定に影響を与えることのないように、挙動要件の一方向トップダウン設計を実行する能力を提供する。これは、単一のスケール及びマルチスケールの問題における物理的解析のための計算ワークフローを再検討することによって、以下に詳述する。
この項では、単一のスケールにおける順方向及び逆方向の問題について考察する。所与のスケールで表現される所与の部品の物理的性能を評価するために、典型的には、有限差分法(FDM)、有限要素法(FEM)、有限体積法(FVM)、セル法などの数値方法を使用して、境界値問題(BVP)を解決する。これらの方法は、構造解析(FEA/FEMを使用する)、計算流体力学(CFD)、形状及びトポロジー最適化、並びにそれらの多くの変形などの、一般的な数値解析及び合成ツールの多くの基礎となる。
解フィールド(例えば、変位、温度など)では、初期/境界条件(IC/BC)、体積力、又は他の刺激に対する設計の応答の特徴を明らかにし、適切なレベルの粒度において、全ての可能な解フィールドを網羅する関数のベクトル空間(例えば、ヒルベルト空間)における単純な基底関数の線形組み合わせによって表される。(他の潜在的制約の中でも)BCを認める解(複数可)を求めるために、この組み合わせの係数は、BVPの離散形式を求めること、例えば、FEA/FEMを使用したときに、BVPの弱形式によって決定される機能を最小化することによって得られる。順方向問題400を解決するための計算ワークフローは、例示的実施形態による図4のフローチャートに示す一連のステップとして、高レベルで概念化することができる。
手順への入力401aは、形状及び材料分布フィールド(離散形式で表される)を含む。また、入力401bは、IC/BC、体積効果、(利用可能な材料の有限数に関する)ベース材料特性、及び他のFEAパラメータも含む。均質化の関与が存在する場合、経験的な関係を用いて、所与の形状及び材料分布フィールド(幾何学的情報)が、検討中の物理問題(例えば、剛性、伝導率など)に固有の材料特性フィールドにマッピングされる(402)。例えば、各セル内のベース材料の各々が占める相対的体積分率は、複合セル全体の「有効な」剛性又は伝導率を推測するために使用される。複数の面積及び体積積分は、標準FEAの一部として、ドメイン及びその境界にわたって計算される(403)。被積分関数は、通常、402、BC、及びFEA基底関数で得られる材料特性フィールドの線形又は代数の組み合わせである。
線形方程式系は、403で計算された積分からに組み立てられ(404)、その未知数は、IC/BC、体積力、及び他の刺激に対する設計の物理的応答を表す。物理的応答フィールド及び(必要な場合)それらの感度フィールドは、線形方程式系及び設計変数に対する微分を解くことにより計算される(405)。この計算405の出力406としては、FEA基底関数の線形組み合わせとして表される応答フィールド(例えば、変位、温度など)が挙げられる。出力406はまた、FEA基底関数の線形組み合わせとして表される感度フィールド(例えば、幾何学的又はトポロジー感度)を含んでもよい。
解析の結果を使用して逆方向問題を解く場合(例えば、応答フィールドが特定の性能基準を満たすように形状及び材料フィールドを設計する場合など)、性能尺度(例えば、目的関数(複数可))が計算され(407)、あらゆる設計制約に違反する程度の測定値(ペナルティ関数など)、及び設計空間内で移動するのに好ましい方向を示す勾配様量によって拡大される。この計算407の出力408としては、目的関数/ペナルティ関数(複数可)及びそれらの勾配(複数可)が挙げられる。
図5は、例示的実施形態による逆方向問題500を解決するための計算ワークフローを示す。入力501aとしては、合成ループにおける第1の候補設計(複数可)として使用するための、1つ以上の初期形状及び材料分布フィールド(離散形式(複数可)として表される)が挙げられる。入力501bはまた、IC/BC、体積効果、(利用可能な材料の有限数に関する)ベース材料特性、及び他のFEAパラメータも含む。目的関数(複数可)、制約の違反(複数可)、及び勾配様量を評価するために、候補設計の順方向問題が解決される(502)。502で計算された量を使用して、設計基準が満たされているかどうか(ループを出るため)を決定するため(503)、及びそれらが満たされていない場合、それらを改善するために候補設計がどのように変更されるかを決定するために使用される(504)。設計基準が満たされる1つ以上の解決法に設計が収束するまで、操作502及び503が繰り返される。設計基準が満たされている場合、出力505としては、最適化された性能を有し、設計上の制約を満たす、1つ以上の最終形状及び材料分布フィールド(離散形式(複数可)として表される)を含む。
幾何学的及び物理的フィールドは、原則として、異なる機能ベースで表すことができる。例えば、FEAの基礎は、多面体サーフェス又は体積メッシュ、Bスプライン曲面、又はNURBSなどで表される特定の設計の幾何学的形状に適合しない規則的なグリッド(例えば、ボクセル)に沿って編成された単純で規則的な形状のセルで定義され得る。幾何学的表現及び物理的解析のために異なるベースを使用するために、メッシュレス/メッシュフリーFEAなどの「浸漬境界」法のホストが、非適合性BCを施行するなどの更なる課題を犠牲にして、困難なメッシュ生成の問題を回避するために開発されている。一方、幾何学的表現及び物理的解析のために同じ基礎を用いること、また、メッシュ化及び再メッシュ化を回避できるようにするために、アイソパラメトリック及びアイソジオメトリック解析法が存在する。
設計の形状が合成ループ内で進化し、例えば、優先離散化として選択するために(例えば、課すBCを簡略化するために)、適合メッシュを有する固定幾何学的形状が存在しないなど、特定の基礎を別のものより優先することはない。単純な基礎を選択して(例えば、ボクセルの規則的グリッド上で)、形状及び材料分布フィールドの設計空間、並びに物理的フィールドの性能空間を生成することが一般的である。最後の出力は、最初の2つの出力(BVP解及びその派生物(複数可))に依存し、設計最適化ループを誘導するために使用される。ステップ502でより詳しく見ることは、価値がある。これは、典型的には、それらの形状及び材料のレイアウトに基づいて、構成的関係係数(例えば、材料特性)をセルに割り当てる形式、例えば、異なる材料、多孔性、くねりなどの体積分率(幾何学的情報)を、剛性、伝導率、抵抗性、誘電率などにマッピングする形式を採る。バイナリ値のボクセル(空の場合は0、フルの場合は1)又は複数のインデックス付き材料の場合は、整数値のボクセルを使用した最も単純な離散化スキームでは、単純なルックアップテーブルによって、形状及び材料分布を構成係数にマッピングできる。各利用可能な材料は、複数の実験から得られ、デカルト座標系で表される既知の弾性テンソル、伝導率テンソルなどを有する。このアプローチでは、これらのセルは、それらのうちのそれぞれ1つに均一な分布を割り当てるのには十分小さいか、又は基底関数の選択に応じて、セルの頂点間で単純な補間スキームを使用することを想定している。
グレード複合材料については、形状及び材料分布、例えば、3つの材料によって占有される体積分率を示すタプル(ρ、ρ、ρ)から、解析によって必要とされる構成的係数までのマッピングを提供するために、更なる仮定を必要とする。マッピングは、詳細なミクロ構造形状に依存し、体積分率タプルによって取り込まれるものではなく、特定の材料がどのように一緒に混合され、境界面で結合するかに依存する。粗い粒度のレベルでの細かい粒度の解析を回避するために、様々なヒューリスティックが使用される。例えば、一部の物理的現象については、線形混合モデルは、例えば、E(ρ、ρ、ρ)≒Eρ+Eρ+Eρなど、E、E、及びEによって示されるベース材料の弾性率から3つの材料複合体E(ρ、ρ、ρ)の弾性率の有効弾性率を推定するために、特性の混合方法の最も大まかな近似として十分であり得る。線形モデルは、アプリケーション又は物理ドメインに応じて適切でなくてもよい。例えば、トポロジー最適化の周知の固体等方性材料ペナルティ法(SIMP)において、立方多項式は、クリスプ境界(crisp boundary)が好ましいときに部分体積分率のペナルティを課すために一般的に使用されている。
ミクロ構造設計の文献では、より入念なスキームが現在使用されている。例えば、付加的に製造されたボロノイ発泡体やk−最近傍(k−NN)発泡体などの非周期的確率格子は、それらのパラメトリック表現(例えば、サンプリング密度及び厚さ)と有効な単位セル材料特性との関係を確立するために研究されている。同様に、ノンパラメトリック化され、トポロジー的に最適化されたミクロ構造は、メタ材料特性の予め計算されたライブラリを生成するために研究されてきた。全ての可能なミクロ構造の巨大な空間を管理できるようにするため、これらの方法は、構造内の特定の対称性(少なくとも統計的保証まで)を想定して、例えば、等方性の機械的挙動のヤング率及びポアソン比など、少ない数の変数でバルク挙動を表現できるようにする。例えば、ヤング率はサンプリング密度に強く依存するが、ポアソン比は、特定の条件下で連続気泡体に関して著しく変化することはないことが実験により観察される。
図6には、幾何学的表現空間から物理的表現空間へのマッピングとしての物理的解析の概要図を示す。マッピングは、上で考察されるように、部分的に占有されたセル及び混合材料の「有効な」セル特性にベース材料特性を組み合わせるために、IC/BC、基板効果、ベース材料特性、及びポリシーなどの固定の仕様セットについての、形状及び材料分布フィールドから物理的応答フィールドまでである。IC/BC、体積効果、ベース材料の固定セット、及び他の仕様については、順方向問題は、2つの空間(すなわち、全ての可能な形状及び材料分布フィールドによって定義される設計空間、並びに全ての許容可能な物理的応答フィールドによって定義される挙動空間)の間のマッピングとしてみなされ得る。図7には、FEA解析における計算ワークフローの概要図(high−level view)を示し、これは体積及び表面積分を計算することによってマッピングを実施し、これを使用して、標準アルゴリズムによって求められる線形方程式系を組み立てる。この応答は、いずれの設計制約に(及びどのぐらい)違反しているかなどの設計の性能を評価するために使用される。図7の図は、ほとんどのFEAソルバが設計の表現(形状及び材料分布フィールド)を性能の表現(物理的応答フィールド)にどのようにマッピングするかの合理的な表現である。
逆方向問題は、最適化された性能を有し、かつ指定の制約を満たす形状及び材料分布を見出すことである。閉じた形式の解が存在しない場合、逆方向問題は、順方向問題を反復して解くことによって解決され、基準を満たすまで設計に変更を行うことによって解決される。図8は、図6の物理的解析(順方向問題)が繰り返し呼び出されて(801、805)、達成された性能の評価802及びその所望の性能との比較803に基づいて、形状及び材料分布を精巧化する(804)反復プロセスとして、設計合成(逆方向問題)の概要図を示す。図9には、フィードバックループを図7のFEA解析に追加することによる、設計合成における計算ワークフローの概要図を示す。最適化を局所的最適化に導くために、図8及び図9に見られるように勾配様量(例えば、感度フィールド)808もまた、計算される。
セルに割り当てられた材料密度(例えば、ボクセル)は、目的関数、制約、及びそれらの勾配を評価するために使用される決定変数である。これらの数量は、設計変数に変更を加えるために使用される。例えば、図8及び図9によって捕捉されているとおり、全体的な性能尺度にどのぐらい寄与しているか、及びこれらの測定が(仮定の)ばらつきに対してどのぐらい敏感であるかに応じて、セルのベース材料の密度を追加、削除、置換、又は変更する。
これらのワークフローを詳しく調べることから得られる重要な点は、基底関数の選択を固定するためのものであり、性能を評価するために必要な情報によって、計算する必要がある積分特性のクラスが決定することである。例えば、FEAの場合、解は、組み立てられた方程式系における係数マトリックスA及び刺激ベクトルBに依存し、これは次の量:形状及び材料分布フィールドの体積積分特性、ディリクレBC、並びに体積効果、並びにノイマンBCに関連する表面積分特性に依存する。これは、FEAがBVPの積分形式/弱形式に完全に基づくため、驚くべきことではない。分布フィールドの値からの有効な構成特性の推定もまた、積分結果に影響を及ぼす程度まで重要であることに留意されたい。
スケールを分離するために、物理的解析に必要な情報は、形状及び材料分布フィールドの積分特性であることを理解されたい。所与のサイズスケールにおいて、適切な粒度で線形方程式系を組み立てる際に使用される体積及び表面積分を計算するために必要な最小情報へのアクセスを有する限り、(原則として)そのサイズスケールに関連する物理的挙動を見出すことができる。したがって、そのサイズスケールでの積分特性を直接設計し、その後の段階までそれらの特性を有するフィールドの発見を先送りすることができる(例えば、より細かいレベル又は製造プロセス計画における設計など)。
次の項では、複数のレベル又は粒度で組織された、複数のサイズスケールでの順方向及び逆方向の問題について記載する。形状及び材料分布フィールドが最も細かい粒度の解像度で離散化されている場合(例えば、現在の高解像度製造により可能になった場合)、設計空間は膨大である。自由度の数を減らすために、スケール依存解析に基づくマルチスケール合成手法を使用することが一般的である。BVPは、有効な物理的構成則係数と各セルでのベース材料分布の統計的平均との相関関係を仮定することにより、均質化された特性(「アップスケーリング」)の観点から再フレーミングされる。合成は反対方向に進み、解析は、均質化された特性を設計するためにループ内で繰り返される。より細かい粒度のスケールでの詳細な構造は、逆均質化(「ダウンスケーリング」)によって得られる。このプロセスは、まれに、方法及びその仮定に応じて、2つのスケール、マクロスケール、及びメソ/マイクロスケールを超えて拡大される。
多くの既存の方法では、統計的保証のためのメソスケールの存在を正当化するにはセル(「単位セル」と呼ばれることもある)が大きすぎる場合であっても、非常に寛容に「マイクロ」の概念が使用されている。単一(例えば、テンソル)構成関係(例えば、単一の弾性テンソルに関連する応力及びひずみ)がセルの挙動量を表すという仮定は、解析のために単一の有限要素によってのみ近似される、小さい、事実上、無限小の近傍を有する「材料点」として全ての単位セルをみなすことになる。これは常に真ではなく、忠実度の低い解析をもたらす。
「特性の設計」方法論は、異なる長さスケールでのセルのサイズを仮定するものではないこと、所与のスケールでセルの複雑な挙動を近似するために、単一(例えば、テンソル)の構成式に依存しないこと、及び特定のパラメータ化された設計レジメ(例えば、発泡体)に事前に限定するものではないことが本明細書に記載されている。設計された特性又はパラメータ法の実現化の決定は、プロセス計画が、異なる長さスケールで1組の宣言された特性を満たすことが判明した場合、設計プロセスにおける後の段階、例えば、製造プロセス計画段階まで、可能な限り先送りさせる。
この目標は、先で考察される加法性、連続性、完備性、収束特性を満たすのみでなく、物理的に関連する階層表現のいくつかのk番目のレベルでセルcに割り当てられた等式(2)における一連の「代理」積分特性μ(c)を設計することである。これは、設計に関するこれらの特性の値を知ることが、対象の長さスケールで関連する物理的挙動を推測するのに十分であることを意味する。計算の観点から、これは、物理的解析ツールの種類並びに形状及び材料レイアウトに関する情報に依存し、妥当な正確度及び忠実度で計算を実行する必要がある。
例えば、FEAソルバでは、典型的には、基底関数のサポートにわたって形状及び材料分布フィールドを積分することに依存するBVPの弱変分形式を求めるように試みる。積分が基底関数の線形組み合わせの観点で表される場合、こうした全ての積分は、この基準の形状及び材料分布フィールドの「モーメント」として拡張することができる。モーメントは、セルで制限されたいくつかの基底関数(FEA基底関数に関連する)を有する形状及び材料分布フィールドの内部積である。この場合、モーメントは、それらのモーメントにつながる幾何学的形状の正確な詳細を知ることなく、FEAの線形方程式系を組み立てることができる一連の積分特性として機能し得る。換言すれば、無限の一連のモーメントは、FEAの離散化による必然的な近似まで、完全な忠実度のFEAを実行するための完全な情報を伝達する。それらのモーメント(したがって、結果として生じる性能)を生じさせる形状及び材料分布フィールドを見出すことである実現化の問題は、先送りされ得る。したがって、順方向問題1000及び逆方向問題1020を解決するための計算ワークフローは、例示的実施形態による、それぞれ図10A及び図10Bのフローチャートに示す一連のステップとして高レベルで再構成され得る。
図4及び図5は、順方向問題及び逆方向問題の最新技術の例示的実施形態であることに留意されたい。図4及び図5に示すフローチャートと図10A及び図10Bのそれぞれのフローチャートとの主な違いは、設計変数が、分布フィールドではなく、それらの代理(例えば、積分)特性であることである;例えば、(必須ではない)FEAの体積分率(ゼロ次モーメント)及び高次モーメント、統計物理ソルバの相関関数、スペクトルソルバの調和振幅など。一方で、性能変数は、物理的応答フィールドではなく、選択されたスケールで観察されるこうしたフィールドのバルク特性である。
実際には、体積積分特性などの有限数の代理特性を有するセルの情報内容のみを表すことができる。幸いなことに、基底関数の適切な選択のために、最初のm≧1特性の部分列
は、切り捨て誤差の定量化可能な境界を有するm→∞として正確な値に収束する物理的解析に必要な積分(例えば、FEAの最低次モーメント)を近似するのに十分な情報を提供する。
表面積分は、弱変分形式でノイマンBCを課すために必要とされ得るFEAにおける別の基本的タスクである。体積分布と同様の様式で、表面分布(例えば、力、流束、流れなど)もまた、離散形式として表すことができる。したがって、最も細かい詳細で正確な表面分布を実際に知ることなく、スケール別の表面積分特性を(例えば、表面特性のモーメントとして)得ることができる。
図12の図は、図6で先に提示した物理的解析の概要図を、フィールド自体とは対照的に、ベース材料分布フィールドの積分特性の空間から物理的応答フィールドのバルク特性空間へのマッピングとしてみなすことにより更新する。各特性セットは、新規設計空間においてポイントとしてみなされ、これは、図6の設計空間の元のビューの形状及び材料分布フィールドのファミリー全体(技術的には「同等クラス」)に対応する。したがって、図13のプロセスにより、図6の計算ワークフローの概要図が更新され、これにより形状及び材料レイアウトの詳細な表現にアクセスできないため、体積及び表面の積分の負担がFEAツールから取り除かれる。必要な積分は、入力積分特性の組み合わせ(例えば、FEAのモーメントの線形組み合わせ)から計算され、これは、様々な求積規則を使用したモーメントフィッティングによって近似できる。
図12及び図13の図は、図10C及び図11の物理ソルバに基づく閉ループ合成を例解する。決定変数とは、それらを実現化する正確な形状及び材料分布フィールドではなく、積分特性自体である。したがって、形状及び材料のレイアウトの合成は、粗い解析内の目的関数、制約、及びそれらの勾配の評価に影響を与えないため、迂回され、先送りされる。
代理特性は、形状及び材料分布フィールドの機能的根拠、例えば、物理問題及びソルバクラスに適したいくつかのヒルベルト空間でのフィールドの構成要素への投影として設定できる。重要なことは、投影される基底関数の次数が高くなるにつれて、ベース材料のトポロジー及び幾何学的形状がますます詳細に捕捉される様式でこれらの特性を設定することである。この精巧化を活用するために、マルチスケール設計プロセスのスケールが降下するにつれて、より多くの特性が保持される。例えば、体積分率と同じ0次モーメントを使用してマクロスケールで設計することができ、その一方で、より高次のモーメントは、メソ/マイクロスケールで設計される。この場合、本発明者らの方法では、代理変数(各セルでの体積分率など)を使用することを除いて、既存の逆均質化法を組み込み、粗い解析に必要なのはそれのみであることを理解する。これは、セルが単一の剛性又は伝導率テンソルによってその挙動を捕捉するのに十分なほど小さい場合、体積分率が、剛性又は伝導率などの物理特性の「近似」として使用され得ることを意味する。しかしながら、本発明者らの方法では、セルごとに保持される粒度と代理特性の数との間のトレードオフが可能になるため、従来の(順方向及び逆方向)均質化を超えて拡大され(例えば、スペクトル解析の体積分率又は高周波高調波よりも高次のモーメント)、かつセルサイズを選択するための柔軟性がもたらされ、このため、粗い粒度のセルから開始するトップダウン設計が可能になる。粗い粒度スケールにおいて決定された体積分率は、例えば、等式(3)における代理特性の加法性から推測される同等の制約などの制約として、より細い粒度のスケール上に渡される。より詳細、例えば、より高次のモーメント又はより高い周波数高調波を捕捉する特性を決定することは、例えば、詳細なミクロ構造形状を制限するために、より細かい粒度レベルに先送りされる。k番目のレベルの所与のセルc_については、その子は、以下の等式(4)に示すように、それぞれのベース材料に対して、等しい制約を満たす必要がある。
親セルcの各ベース材料の最も重要な代理特性が粗い粒度の解析に基づいて決定され(かつ潜在的に最適化され)ると、より細かい粒度スケールでの最適化は、その子の間
の各親セル内のベース材料の固定「バジェット」(より粗い粒度の合成において決定)の再配分が課される。換言すれば、k番目のレベルでのセル当たりのベース材料の総量は、k番目のレベルの合成では変更できるが、(k+1)番目以降のレベルの合成では変更されないままである。合計材料は、親セル内の子間でのみ交換されるが、それらとカズンとの間では交換されることはなく、等式(4)における同等の制約によって捕捉される。スケール間のこうしたリンクは、等式(5)に示すように一般化される。この式において、指数j≧0は、文脈に応じて、最上位から最下位への代理特性間の順序(例えば、低次から高次、低周波数から高周波数など)を意味する。
一般的に、これらの方法では、スケール別代理特性の部分列が異なるレベルで未知数としてセルに割り当てられる階層セル分解を想定している。例えば、様々な指数の単項式を有する形状及び材料分布フィールドの投影又は内積(ヒルベルト空間内)として得られるモーメントは、次の等式(6)に示すように順序付けることができる。
この場合の指数スキームは、それぞれ3D空間の位置の構成要素x、y、及びzの指数に基づく。これは、検討中の長さスケールで提供する詳細レベルに合わせて設計することが理にかなっている限り、様々なレベル間でモーメントの無限列をどのように分割するかに関するいかなる特定の規則も想定しておらず、また、スケール別の解析によって、有意義な様式で使用され得る。スケールを下げて合成が進むときに、最も重要な特性のうちの多くが適切な順序で決定される限り、いかなる分割も許容され得る。
これが生じると、セルごとに最適化された代理特性に関連付けられた同等クラスの設計は、図3に示すとおり、スケールを下げて合成が進むときに、縮小し続ける。最も細かい粒度レベルの詳細での設計は、等式(1)のK特性によって表され、これは、製造公差内で実現するのに十分な制限である。スケール別代理特性を使用したマルチスケール合成の概要図を図14に示す。これは、図12を単一レベルからマルチレベルのトップダウン設計に拡張したものである。このプロセスの計算ワークフローは、図15の図に示しており、図13を単一レベルからマルチレベルのトップダウン設計に拡張したものである。
所与のレベルでの設計はいずれも、形状及び材料分布フィールドの同等クラスを「宣言的に」表す、セルごとのスケール別代理特性の有限列で構成される離散形式である。最適化された特性は、サイズスケールに固有の物理的制約と共に満たされる必要のある等式制約(例えば、加法性)として次のスケールに渡される。IC/BCは、セル境界のスケール別特性に関する制約としても加えられる。このプロセスを繰り返して、実際の形状及び材料の分布、例えば、パラメータ化されたミクロ構造(例えば、発泡体)又は製造解析又はプロセス計画方法により加えられた製造可能な形状などによって(狭い変動幅内で)実現されるように、妥当に詳細になるまで設計ファミリーを狭小化する。
入力には、最も粗い粒度レベルでの形状及び材料分布のスケール別の1つ以上の初期代理積分特性が含まれ、離散形式(複数可)として表される。これは、階層セル複合体の第1レベルでの合成ループにおいて最初の候補設計(複数可)として使用されるものである。追加の入力としては、IC/BC、体積効果、(有限数の利用可能な材料のための)ベース材料特性、及び第1レベルにおける他のソルバ特異的(例えば、FEA)パラメータが挙げられる。
k番目のレベル(k=1、2、...、K)では、セルサイズのk番目のレベルのばらつきの特徴を明らかにする長さスケール範囲(L±∈)での物理的挙動をシミュレートする物理ソルバを使用して、k番目のレベルでの目的関数(複数可)、制約違反(複数可)、勾配様量を評価するために、候補設計の順方向問題が解かれる。図16の図に示すように、順方向解で計算された量を使用して、設計基準が満たされるかどうか(ループを終了するかどうか)、満たしていない場合、セル当たりのスケール別特性によって表される候補設計をどのように変更してそれらを改善するかを決定する。図16では、スケール別積分特性の部分列(例えば、モーメント)は、各レベルで、それらが形状及び材料レイアウトに関して十分な詳細を捕捉するポイントまで最適化される。階層を下げるにつれて、より多くの特性が検出され、そのうちのいくつかは親表現(例えば、加法性)によって課せられた制約を受ける。連続したレベル(親子関係)で設計表現とリンクする他の代理特性及び制約の種類が考えられる。
上記の順方向解及び決定は、設計が設計基準を満たす解に収束するまで繰り返される。次に、階層内の次のレベルで上記のステップを繰り返す。例えば、kから(k+1)に進み、より制限されたスペーサー領域でこのプロセスを繰り返し、問題固有の基準に従って、更なる精巧化が必要とみなされるセルc_のより細かい粒度の特性の子
を最適化する。最適化された特性は、k番目のスケールで使用され、(k+1)番目のスケールのBCを追加し、(k+1)番目のスケールに関連する物理的制約に加えて、等式(3)又は(5)における制約を課す。
このプロセスの出力は、最適な性能を有し、かつ設計制約を満たす、最も細かい粒度レベル(離散形式として表される)での形状及び材料分布フィールドのスケール別の1つ以上の最終特性である。このアルゴリズムは、実際の形状及び材料のレイアウトを決定するための「遅延評価」アプローチを採る。従来の合成及び設計最適化アプローチとは異なり、コストのかかる最適化ループに沿ったいかなる点においても、完全に詳細なフィールドを知る必要はない。トップダウンプロセスにおいて、十分に詳細であるいくつかのK番目のレベルまで特性を精巧化すると、後処理ステップにおいて複数の異なる様式で設計の実現化に対処できる。例えば、パラメータ化されたミクロ構造レジメが特定の目的である場合(例えば、ボロノイ発泡体、k−NN発泡体、穀物と胚芽のテクスチャなど)、マルチスケール合成は、ミクロ構造の特徴サイズに匹敵するスケールで停止し、後処理アルゴリズムを呼び出して、所与の代理特性のセットを実現する構造を見出す。
1つ以上の製造プロセスが識別された場合、製造プロセスプランナーを呼び出して、最適化された代理特性セットを実現化する形状及び材料レイアウトの計画どおりの表現(例えば、付加/除去製造動作の順序、Gコードなど)を見つけることができる。1つ以上の形状及び材料のレイアウト(複数可)として設計された特性を実現化することは、利用可能なパラメータ化された材料ミクロ構造又は製造プロセス計画が指定されるまで先送りされる。
遅延アプローチの主な利点は、RVE境界での接続性の問題を回避することであり、これは、既存のマルチスケール方法が直面しなければならない主要な課題の1つである。正確な実現化(例えば、格子構造によるなど)を求める場合、構造の完全性を確保するために、空でない材料相がセルの境界で適切に接続されるようにする必要がある。この条件は、多くの場合、よく結合すると想定される材料に設計を制限し、セルの境界で空隙を完全に消失させることによって満たされる。本発明の方法では、コストのかかる最適化サイクル全体でこの問題に対処する必要はない。これはむしろ、適切に接続されたミクロ構造のサブセットが見出され得る最大の設計ファミリーの宣言的表現によって、選択肢が開いたままであることが見出され得る。所与のミクロ構造のパラメータ化又は作製方法に対してこうした解が存在しない場合、後処理中に求められる。
この方法を使用して確認され得る問題の1つは、中間段階ではスケール別特性の具体的な実現が観察されないことであり(例えば、可視化及びユーザ検査のため)、これは設計者にとって直感に反し得る。しかし、これは真の制限ではない。同等クラスでの最も単純な表現的実現化により、発見された代理特性(未検出であるか、又は切り捨てられた高次特性の不確実性まで)を実現する設計ファミリーを可視化できる。例えば、所与のセル内のベース材料の0次モーメント(例えば、体積分率)のみがわかっている場合、不確実な分布を示唆する色相のスペクトルに沿って均一な色を使用して可視化される。より高次のモーメントは、同様の様式で個別に可視化できるが、実現された構造に期待されるものについてもたらされる手がかりは少なくなる。
計算物理ソルバの所与のクラス(FEA、FVM、統計物理ソルバなど)について、その計算を明確に実行する解析ツールの、形状及び材料レイアウトの「情報的に完全な」アカウントを提供する一連の幾何学的代理特性が決定される。これらの代理特性は、数値方法のクラスに依存する。例えば、FEAの場合に弱変分形式を解くには、形状及び材料特性を積分する必要があるため、モーメントは代理特性として自然な選択である。しかしながら、代理特性は、物理学的に認識可能であり得る。例えば、構造的剛性、熱伝導、圧縮性流体の流れ、及び弱変分形式によって解くことができる他のBVPに同じプロキシ変数が共通している。
上記の例示的実施形態では、正確な形状及び材料の実現化を知ることなく、幅広いクラスの数値解析ツール(すなわち、FEA)を実行するために直接使用することができるスケール別代理特性の具体例として、モーメントを使用した。しかしながら、この階層的なトップダウンマルチスケール設計フレームワークは、モーメント/FEA自体に限定されない。順方向問題を解くために、異なる数値方法と共に使用され得る特性の他の例が存在する。これにより、勾配様量(例えば、感度)を照合調整できるという条件で、逆方向問題の決定変数の候補となる。他の例としては、高調波が挙げられ、各ベース材料分布が3D信号としてみなされる場合、その離散フーリエ変換(DFT)は、様々な周波数の高調波基底を有するフィールドの内積によって得られる。フーリエ展開は、変数の分離を使用してBVPを解くために一般的に使用され、周期的なミクロ構造の実現化の一般的な表現である。
順方向ソルバの他の例としては、マルチポイント相関及びミンコフスキー汎関数が挙げられる。セル内でランダムに選択された1つ、2つ、又はそれ以上のポイントの多点相関関数は、フィールド内の各ベース材料の材料分布のより高次の統計測定をもたらす。これらの測定値は、ミクロ構造の特徴を明らかにするため、及び合成するために使用されている。ミンコフスキー汎関数は、空間パターンの接続性及び幾何学的内容を捕捉するドメインの形態学的記述子であり、統計物理学ベースのモデリングのためにそれらを定量化するのに有用である。ミンコフスキー汎関数は、ミクロ構造記述子としても一般的である。
高度な材料を使用した高解像度製造のための設計の膨大な複雑性を管理するための、合成へのシングルスケールのアプローチは計算上禁止されている。更に、様々な物理的現象では、本質的に、同じオブジェクトを見て、長さの単位で数桁にわたる複数のサイズスケールでその特性を測定する必要がある。
設計に対する既存のマルチスケールアプローチは、可能性を狭めるかなり厳密な仮定によって制限される。これらの範囲は、小さいミクロ構造単位セル(例えば、「RVE仮説」)に設計を制限することにより問題なくスケールの分離を課すことから、構成挙動の低下を有する単純なパラメータ化構造(例えば、等方性/直交異方性発泡体)を仮定すること、また単純な接続を有する周期的構成ブロックを仮定することである。これらの仮定のいくつかが違反されるか、又はあまりにも寛容に使用される場合には、それらの多くは保証されない。
上記の方法及びシステムでは、このような仮定を行うことなく、より広範な構造の設計を可能にする、トップダウン階層マルチスケール設計を実行するように構成することができる。重要な考え方は、最も細かいレベルの詳細まで正確に実現するのではなく、宣言的アプローチを使用して、スケール別特性を直接合成することである。階層の全てのレベルで、同等の設計ファミリーは、そのスケールで測定される共通の特性によって表され、より細かい粒度の詳細の決定を次のレベルに先送りする。設計ファミリーが製造公差まで不明瞭ではない十分に狭いサブセットに制限されると、実現化問題は事後的に解決できる(製造プロセスの計画などにより)。重要な有効化技術は、スケール別の共通の特性のみを使用して、所与の設計ファミリーを累積的に解析する能力である。発明者らのアプローチは、様々なクラスの数値解析ツールの内部を調べ、それらが動作するための情報的に完全な入力をもたらす積分特性の列を見つけることである(例えば、FEAのモーメント)。これらの特性は、設計最適化における決定変数として使用される。
これらの方法を利用する例示的なシステムを図17に示す。システム1700は、1つ以上のプロセッサ1701、メモリ1702(例えば、ランダムアクセスメモリ)及び永続的格納装置1704(例えば、ディスクドライブ、フラッシュメモリ)を備える。これらの構成要素1701、1702、1704は、データ転送ライン(例えば、メモリバス、入出力バス)によって連結され、1つ以上の設計モジュール1706によって示される機能を実行するように構成されている。プロセッサ1701は、中央処理ユニット及びグラフィック処理ユニットの任意の組み合わせを備えてもよい。この場合、システム1700は、プロセッサ1701で実行される命令を有する1つ以上の機能モジュール1705を備え、メモリ1702、1704からロードされ、これらに格納され得る。
モジュール1705は、例えば、空間内の設計ドメイン/領域、トップレベル(例えば、最も粗い粒度のスケール)での目的関数(複数可)の仕様及び制約(複数可)などの設計基準、1つ以上の初期設計、利用可能なベース材料、IC/BCなどを定義する入力データ1706を受信する。モジュール1704は、各スケールで離散化された設計の階層表現を、最も粗い粒度の詳細から開始して、設計表現のための複数の独立セルに運ぶ。各セルには、トップレベルの制約を集合的に満たす設計ファミリーを宣言により表す形状及び材料分布の1つ以上の代理特性が割り当てられる。
階層的設計表現内の1つ以上のレベルについて、設計は、トップダウンの順序で反復的に精巧化される。モジュール1704は、第1レベルのセルを親セルとして、最も粗い粒度のスケールで開始し、親セルの各々を複数の子セルに分割する。それぞれの親セルの子セルは、それぞれ、それぞれの親セルの特性によって課せられる1つ以上の制約を集合的に満たす子特性を有する。子セルの各々内の子特性は、それぞれの親セルの1つ以上の特性を依然として集合的に満たしつつ、最適化される。これにより、例えば、実現可能である、更に制限された設計ファミリーを定義する複数のスケール1710において、複数の一貫した設計表現を生成することができる。設計基準を満たし、最良の性能を有する設計ファミリー(例えば、モジュール1704内で反復して使用される順方向ソルバを介して決定される)は、次の反復の基礎として使用され得る。入力1706により部分的に課せられた、かつ前のレベル(親セル)1704で設計された特性から得た制約によって部分的に課せられた設計基準を適用することにより、親セルの1つ以上内の階層設計表現の次のレベル(より細かい粒度のスケール)で、このプロセスが繰り返される。
選択された子セル表現設計のセットが、トップレベルの設計基準を満たし、かつ実現化に十分な細かい粒度である場合、マルチスケール設計プロセスが完了する(1714)。選択された子セルのセットに対して適切なスケールで取得された代理特性を使用して、それらを満たす1つ以上の形状及び材料レイアウトを実現化する。実現化1714は、特定のレジメ(例えば、発泡体)でのミクロ構造合成のためのパラメータの計算、又は代理特性を満たす部品(複数可)を製造するための製造プロセス計画の決定の形式を取ることができる。設計(複数可)(1716)は、ミクロ構造合成モジュール又は製造プロセスプランナーへの入力として使用するのに好適であるフォーマットであり得、それにより、例えば付加造形装置を介してオブジェクトを実現化又は製造する(1714)。
要約すると、デジタルコンピュータの支援により複数のサイズスケールにおいて、必要な制約を満たす間に、所望の(例えば、最適化された)代理特性を有する部品を設計するためのシステムについて記載されている。コンピュータは、様々な要件に対して設計が表現され、計算される、異なるサイズスケールでの有限数(K≧1)レベルを指定するパラメータを格納する格納デバイスを備えてもよい(k=1、2、...、Kのk番目のスケールによって示される)。この例では、k:=1は、典型的には、最も粗いスケール(例えば、マクロスケール)に対応し、k:=Kは、典型的には、設計が完全に詳細に表現されているものである最も細かいスケール(例えば、マイクロ又はナノスケール)に対応する。(例えば、メソスケール)間には、0、1、又はそれ以上のスケールが存在し得る。コンピュータは、各サイズスケールにおけるセルの特性長さ(以下に定義される)上の限界(例えば、最小/最大)を指定するパラメータを格納してもよい。
コンピュータは、部品が浸漬される下にある空間の空間セル分解として、形状及び材料分布の階層表現を格納してもよい。これには、マルチレベルボクセル化を含むことができ、1つのレベルにおけるいずれのボクセル/セルも、より低いスケールで、より小さいボクセルの別のグリッドに拡張する。セル複合体は、任意の形状(例えば、六角メッシュなど)であってもよい。各セルは、特定のサイズスケールに割り当てられ、より細かいサイズスケールにおいて、より小さい独立し、相互排他的なセルに更に分解される。階層表現は、各サイズスケールにおける幾何学的形状(セルのサイズ及び形状情報)及びトポロジー(互いにセルの隣接関係及び入射関係)を含み得る。階層表現には、(k+1)番目(より細かい粒度のスケール)のセルをk番目のスケール(より粗い粒度のスケール)のセルに集合的に統合することを指定する階層内の親子関係が含まれ得る。階層パラメータとしては、所与のスケールで観測者によって確認された設計部品の構造の測定可能な特性を表すために、各セル全体に割り当てられた設計変数(「代理」特性と呼ばれる)の有限リストの値が挙げられ得る。階層表現は、各セルの全体に割り当てられた、従属するスケール別の物理的特性の有限リストの値を更に含んでもよい。
コンピュータは、階層内の連続レベルの親/子セルに割り当てられた設計変数(例えば、積分特性の加法性)間で保持しなければならない、不変性関係を指定するために、スケールにわたって意図される幾何学的関係及び物理的関係の仕様、並びに、代理特性(例えば、設計変数の連続性又は差別性)の関数に対する同等制約及び不等制約など、スケールの範囲内の個々のスケール又は全てのセルにおいて、全てのセルに実施される形状及び材料分布に関する制約を格納するように更に構成される。
コンピュータは、セルの幾何学的形状の許容仕様(例えば、GD&T又はその同等物)、並びに設計変数及び結果として得られた特性(例えば、材料及び物理的フィールド)の許容可能なばらつき/誤差マージンなど、誤差/ノイズの存在下での不変性を認定するために、異なるスケールでの部品の表現の互換性の関するセマンティクスを定義するパラメータを格納するように更に構成される。
コンピュータは、プロセッサ及びメモリを更に有し、その内部に、セルサイズ有効性試験を実施するための、プロセッサにより実行されるコードが格納されている。この試験は、各スケールにおけるセルのサイズが指定された限界内にあるかを確認すること、及びリサイズする必要があるものにフラグを立てることを含む。プロセッサは、全スケールにおいて一貫性試験を実行する。これには、全てのスケールで全てのセルを反復処理すること、及び互換性基準に関して、親/子セル(所与の設計変数を含む)間の不変性関係がスケール全体で保持されるか否かをテストすることを伴う。例えば、加法特性の場合、全ての子セルにおいて、変数の合計が、それらの親セルでの対応する変数と等しい(指定された誤差/ノイズの許容値まで)か否かを確認する。
プロセッサは、全スケールにおいて制約検証を更に実行することができる。これは、様々なスケールにおいて異なるセル上で反復処理すること、及び互換性基準に関して、1つのスケールにおいて、又は複数のスケールにおいて特定の制約が(所与の設計変数を含む)が保持されるか否かをテストすることを伴う。例えば、連続性の場合、セルは、許容可能なばらつきによって規定されているしきい値よりも小さい、長さしきい値を有する積分特性よりも小さいか否かを判断するために確認される。
プロセッサは、ボトムアップ評価(順方向問題)を更に実行することができる。K番目のスケール(最も細かい粒度のスケール)の既知の設計変数から開始し、指定された不変性の法則を(k+1)番目のスケール(次のより細かいスケール)で設計変数に適用することにより、0番目のスケール(すなわち、最も粗い粒度のスケール)に達するまで、k番目のスケール(より粗い粒度のスケール)の設計変数が反復して評価される。例えば、加法特性の場合、全ての子セルでの変数の合計を計算して、それらの親セルでの対応する変数を得る。
いくつかの実施形態では、格納デバイスは、設計/適合基準、コスト/目的関数、利用可能なリソース、及び最適化させる(例えば、多目的シナリオにおいて最小化、最大化、又はトレードオフさせる)他の構造要件、挙動要件、又は機能的要件を指定するパラメータなど、複数のサイズスケールでの性能要件の仕様及び目標を更に格納する。デバイスは、特性の関数に対する等式及び不等式の制約(例えば、変数に対する特性の連続性など)など、個々のスケール内の全てのセル又はスケールの範囲内の全セルおいて実施される物理的特性の制約を格納できる。これらの制約には、単一又は複数の物理学シミュレーションのための、以下の弱形式の初期/境界値の問題仕様を含む:所与のスケールにおいて、境界セルに分布されているIC/BC又はそれらの組み合わせ、離散化された常微分/部分微分方程式の形式の物理的支配方程式(代数形式に変換)、単一又は複数の物理的保存(例えば、バランス及び平衡)法則、現象論的(例えば、構成的)法則、エネルギー変換関係、及び定義式から構成されるもの、上記を解決するために必要な物理的特性を計算するために必要な中間特性に設計変数をマッピングする経験的関係。
こうした場合、プロセッサは、順方向問題の解決(例えば、物理解析)を更に実行することができる。例えば、FEAソルバを、関連する任意のサイズスケール(複数可)で呼び出して、物理的応答を計算し、目的関数(複数可)、制約違反(複数可)(又はそれらがないこと)(例えば、ペナルティ関数(複数可))、及び決定変数の変化に対する目的関数/ペナルティ関数(複数可)の勾配様量(例えば、感度)などの性能基準を評価できる。このソルバでは、特定の目的関数のセットが局所的に最適であるか否か(又は、パレートフロントに沿って解を列挙することを伴う多目的の場合にパレート最適であるか)、及び所与のサイズスケールにおいて、指定された一連の挙動制約が満たされているか否かを評価することができる。ソルバは、所与のサイズスケールで設計変数に対して提唱された変更(複数可)を評価して、制約が満たされた最適化された状態に更に近づくように移動させ得る。
いくつかの実施形態では、データストレージは、設計/適合基準、コスト/目的関数、利用可能なリソース、及び最適化させる(例えば、多目的シナリオにおいて最小化、最大化、又はトレードオフさせる)他の構造要件、挙動要件、又は機能的要件を指定するパラメータなど、複数のサイズスケールでの製造要件の仕様及び目標を更に格納する。デバイスは、特性の関数に対する等式及び不等式の制約(例えば、変数に対する特性の連続性など)など、個々のスケール内の全てのセル又はスケールの範囲内の全セルおいて実施されるプロセス特性の制約を更に格納できる。これらの制約としては、これらに限定されないが、付加、除去、及び/又はハイブリッド(例えば、付加と除去とを組み合わせたもの)製造シミュレーションのための様々な作製プロセス/能力仕様が挙げられる:製造可能な最小の近隣(例えば、除去プロセスのツールインサート及び3D印刷の溶融フィラメント形状)、サポートなしの3D印刷のための大きいオーバーハング角度の回避、鋳造/成形のための適切なドロー/分割角度、電力ベースの付加プロセスで粉末を空にする通路の存在、並びに他のプロセス固有の制約などの幾何学的形状及び材料分布の条件;機械の自由度の条件(例えば、並進と回転との組み合わせ);金属付加製造におけるミクロ構造形状/組成、温度履歴と構造特性との関係など、プロセス固有の材料構造の実験的観察から得られた制約など。
プロセッサは、順方向問題解決(解析)を更に実行してもよい。これには、関連するサイズスケール(複数可)において製造可能性解析ソルバを呼び出して、目的関数(複数可)、制約違反(複数可)(又はそれがないこと)(例えば、ペナルティ関数(複数可)など)決定変数の変化に対する目的関数/ペナルティ関数(複数可)の勾配様量(例えば、感度)などの性能基準を評価することを伴い得る。このソルバでは、特定の目的関数のセットが局所的に最適であるか否か(又は、多目的の場合にパレート最適であるか)、及び所与のサイズスケールにおいて、指定された一連の製造可能性制約が満たされているか否かを決定し得る。ソルバは、所与のサイズスケールでの設計変数の提唱された変更が、制約が満たされた、最適化された状態に更に近づくように移動させるかどうかを判断し得る。
いくつかの実施形態では、格納デバイスは、終了基準、ペナルティ係数などが挙げられるがこれらに限定されない最適化パラメータの仕様を更に含む。こうした場合、プロセッサは逆方向問題の解決(合成)を更に実行し得る。これは、性能解析ソルバを反復して呼び出すために、任意の関連するサイズスケール(複数可)でオプティマイザ(例えば、勾配ベース又は確率論的)を呼び出すことを伴う。逆方向問題ソルバは、所与のサイズスケールにおいて、提唱された変更(複数可)が設計変数に適用され、制約が満たされた、最適化された状態に更に近づくように移動させることを更に伴い得る。
プロセッサは、k番目のスケールで最適な結果を渡して決定変数を初期化し、(k+1)番目のスケールで決定変数に課す制約を指定し、より細かい粒度のスケールで最適化を繰り返すように更に構成できる。次いで、プロセッサは、ポストプロセッサを呼び出して、次のうち少なくとも1つを決定することにより、最適化された特性を実現化し得る:パラメータと所望の特性との間で既定の関係を使用するか、又はそれらを一致させる最適化を使用する(例えば、重み付き最小二乗の意味で)かのいずれかで、所与のスケールにおいてパラメータ化されたミクロ構造;及び一連の付加/除去動作、Gコードなど、製造時の結果が所望の特性を満たす製造プロセス計画。
いくつかの実施形態では、格納デバイスは、終了基準、ペナルティ係数などを含むがこれらに限定されない最適化パラメータの仕様を更に格納する。こうした場合、プロセッサは逆方向問題の解決(合成)を更に実行してもよい。逆方向問題の解決には、関連するサイズスケール(複数可)でオプティマイザ(勾配ベース又は確率論的)を呼び出して、上記の製造可能性解析ソルバを反復して呼び出すこと、及び所与のサイズスケールにおいて、設計変数に対して提唱された変更(複数可)を適用し、制約を満たした最適化された状態に更に近づくように移動させることを伴う。プロセッサは、k番目のスケールで最適な結果を渡して決定変数を初期化し、(k+1)番目のスケールで決定変数に課す制約を指定し、より細かい粒度のスケールで最適化を繰り返す。次いで、プロセッサは、ポストプロセッサを呼び出して、次のうち少なくとも1つを決定することにより、最適化された特性を実現化する:パラメータと所望の特性との間で既定の関係を使用するか、又はそれらを一致させる最適化を使用する(例えば、重み付き最小二乗の意味で)かのいずれかで、所与のスケールでパラメータ化されたミクロ構造;及び一連の付加/除去動作、Gコードなど、製造時の結果が所望の特性を満たす製造プロセス計画。
上記の様々な実施形態は、特定の結果を提供するために相互作用する回路、ファームウェア、及び/又はソフトウェアモジュールを使用して実装され得る。当業者は、当該技術分野において一般的に公知である知識を使用して、モジュール式レベル又は全体でのいずれかで、こうして記載された機能を容易に実装することができる。例えば、本明細書に例解されるフローチャート及び制御図は、プロセッサにより実行されるためのコンピュータ可読命令/コードを作成するために使用されてもよい。こうした命令は、非一時的コンピュータ可読媒体上に格納され、当該技術分野において公知であるように実行するためにプロセッサに転送されてもよい。上記の構造及び手順は、上述の機能を提供するために使用され得る実施形態の代表的な例に過ぎない。
別途記載のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴サイズ、量、及び物理的特性を表す全ての数は、全ての場合において、「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、反対に指示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本明細書に開示される教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。端点による数値範囲の使用は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4,及び5を含む)、並びにその範囲内の任意の範囲を含む。

Claims (20)

  1. コンピュータ実装方法であって、
    少なくとも1つの制約を含む少なくとも1つの設計基準を指定することと、
    表現の全てのレベルにおいて前記指定された基準を満たす設計ファミリーの階層表現を構築することであって、前記階層表現は、1つ以上の表現のレベルを含み、より低い表現のレベルが、より高い表現のレベルよりも設計に関する多くの詳細を提供し、それによって、前記設計ファミリーを更に制限する、構築することと、
    前記指定された基準、並びに前記表現の前記レベルにリンクする追加の制約を満たす、前記表現の全てのレベルにおいて設計ファミリーを合成することと、を含む、方法。
  2. 前記設計基準が、前記制約を満たす設計に対する性能指数を提供する少なくとも1つの目的関数を更に含み、前記設計ファミリーを合成することは、前記目的関数に対する最適化を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記階層表現が、前記設計ファミリーの形状及び材料分布の代理特性を含み、前記代理特性が、前記設計基準に対する前記設計ファミリーを評価するために十分な情報を提供する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記代理特性が、所与のレベルでの前記形状及び材料分布の機能ベースへの投影を表す収束列又は一連の変数のサブ有限列を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 変数のより長いサブ列が、前記階層表現のより低いレベルで決定される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記階層表現の各レベルが、空間セル分解を含み、前記空間セル分解の全てのレベルにおける全てのセルに、1つ以上の代理特性が割り当てられる、請求項3に記載の方法。
  7. 前記レベルの各々における前記セルが、次のより低いレベルで前記セルを得るために、独立セルに分解される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記階層表現の各レベルが、前記セルのサイズによって決定されたサイズスケールでの前記形状及び材料分布を説明する、請求項6に記載の方法。
  9. 追加の制約が、前記分解から得られた前記セルの特性に、所与のレベルのセルの前記特性をリンクさせる、請求項6に記載の方法。
  10. 前記代理特性が、セル内の前記形状及び材料分布の積分特性であり、前記レベルにわたってそれをリンクさせる前記追加の制約が、積分特性の加法性である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記最終形状及び材料分布は、前記代理特性が全ての表現のレベルのために合成されるまで決定されない、請求項3に記載の方法。
  12. システムであって、
    メモリに連結されたプロセッサを備え、前記メモリが、
    階層表現の各レベルにおいて各セルに割り当てられた特性を用いた空間セル分解によって、設計ファミリーの形状及び材料分布の代理特性の前記階層表現を合成することと、
    前記階層表現のトップレベルから開始して、前記トップレベルで実行される解析に基づいて、前記トップレベルで指定された制約を満たす、前記トップレベルにおける特性を判定することと、
    前記トップレベルを下回る各レベルについて、各セルを所与のレベルで更に分解して次のレベルの独立セルにすることを更に含むプロセスを実行することであって、前記子セルに割り当てられる前記代理特性の決定が、前記所与のレベルでの前記セルにおける前記特性を強制して、前のレベルで前記セルにおいて決定された前記代理特性と一致したままであるようにする、追加の制約を受ける前記所与のレベルで行われる解析に基づいて行われる、実行することと、を実行するために、前記プロセッサによって実行可能な実行命令を格納する、システム。
  13. 各レベルで合成された前記代理特性が、それらの代理特性を所有する設計ファミリー又は同等クラスを宣言的に表し、各レベルでの前記決定が、前記前のレベルのセルの前記特性を再分布させることにより、設計の前記クラスをサブクラスに更に制限する、請求項12に記載のシステム。
  14. 設計の前記ファミリー又は前記同等クラスが前記表現の最下位レベルで十分に制限されて、所与の製造プロセス及び材料ミクロ構造のうちの少なくとも1つによって実現される交換可能な設計のクラスとして解釈されるとき、前記プロセスが終了する、請求項12に記載のシステム。
  15. 前記所与の製造プロセス又は材料のミクロ構造は、代理特性の前記合成が全てのレベルで完了した後に完成する、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記プロセッサが、1つ以上の目的関数に従って、前記レベルのうちの1つ以上において、前記代理特性を更に最適化する、請求項12に記載のシステム。
  17. 前記最適化が、パレートフロントに沿って解を列挙することを含む、請求項16に記載のシステム。
  18. 各レベルにおける前記決定が、前記所与のレベルでの代理特性によって表される設計の1つ以上の候補ファミリーにおいて反復させることによって実行される、請求項12に記載のシステム。
  19. 前記反復が、前記所与のレベルにおける前記制約又は目的関数のうちの少なくとも1つの感度又は勾配によって、前記代理特性の変化に誘導される、請求項18に記載のシステム。
  20. 方法であって、
    階層表現の各レベルにおいて各セルに割り当てられた特性を用いた空間セル分解によって、設計ファミリーの形状及び材料分布の代理特性の前記階層表現を可視化することと、
    前記表現の指定されたレベルにおいて、代理特性の値の色分けを表示することと、を含む、方法。
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