JP2020108468A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供すること。【解決手段】判別手段による判別結果を示すための識別情報が特定の判別結果を示すための識別情報として表示手段に表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。そして、演出実行手段により実行される演出が決定手段により決定され、その決定された演出に対応する情報が履歴情報として記憶手段に記憶される。記憶手段に記憶されている履歴情報に基づいて決定手段により演出が決定されるように構成されている。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。【選択図】図1

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり遊技を実行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の遊技を実行可能にし、様々な遊技において当たり遊技を目指す遊技を行わせることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものがある。
特開2001−038007号公報
しかしながら、更なる興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出を決定することが可能な決定手段と、前記決定手段により決定された演出に対応する情報を履歴情報として記憶されることが可能な記憶手段と、を有し、前記決定手段は、前記履歴情報に基づいて前記演出を決定することが可能に構成されているものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記記憶手段に記憶されている履歴情報の少なくとも一部に対応した演出を示すための態様を前記表示手段に表示させることが可能な態様表示手段を有するものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2記載の遊技機において、前記履歴情報が特定の履歴情報となった場合に特定演出が前記演出実行手段により実行可能に構成されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出を決定することが可能な決定手段と、前記決定手段により決定された演出に対応する情報を履歴情報として記憶されることが可能な記憶手段と、を有し、前記決定手段は、前記履歴情報に基づいて前記演出を決定することが可能に構成されているものである。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記記憶手段に記憶されている履歴情報の少なくとも一部に対応した演出を示すための態様を前記表示手段に表示させることが可能な態様表示手段を有するものである。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記履歴情報が特定の履歴情報となった場合に特定演出が前記演出実行手段により実行可能に構成されているものである。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 可変入賞装置及び振分装置の正面斜視図である。 (a)及び(b)は、可変入賞装置の正面斜視図である。 遊技盤の正面斜視図である。 遊技盤の背面斜視図である。 ベース板、可変入賞装置、集合樋及び振分装置の分解正面斜視図である。 ベース板、可変入賞装置、集合樋及び振分装置の分解背面斜視図である。 可変入賞装置の分解正面斜視図である。 可変入賞装置の分解背面斜視図である。 振分装置の分解正面斜視図である。 振分装置の分解正面斜視図である。 受入部材及び振分装置の正面図である。 図15のXVI−XVI線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVII−XVII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVIII−XVIII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVII−XVII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVIII−XVIII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 可変入賞装置及び振分装置の正面図である。 図16の矢印XXII方向視における可変入賞装置及び振分装置の斜視図である。 図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置及び振分装置の斜視図である。 (a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 各大当たり種別における1ラウンド目の可変入賞装置の開閉板の作動パターンと、振分装置のスライド変位部材の作動パターンと、の計時変化を示した図である。 動作ユニットの正面斜視図である。 動作ユニットの背面斜視図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの正面斜視図である。 第1動作ユニットの背面斜視図である。 第1動作ユニットの分解正面斜視図である。 第1動作ユニットの分解背面斜視図である。 演出待機状態における第1動作ユニットの正面図である。 演出待機状態における第1動作ユニットの背面図である。 図40の矢印XLII方向視における第1動作ユニットの側面図である。 中間演出状態における第1動作ユニットの正面図である。 中間演出状態における第1動作ユニットの背面図である。 張出状態における第1動作ユニットの正面図である。 張出状態における第1動作ユニットの背面図である。 回動部材の回動変位に伴う被支持部材の変位量および変位角度を模式的に示す模式図である。 (a)及び(b)は、回動部材が角速度一定の態様で傾倒方向に回動した場合における被支持部材の従動側の変位量の大小関係を示す模式図である。 回動部材の回転に伴う角度の変化を示す模式図である。 背面ケース及び第2動作ユニットの分解正面斜視図である。 背面ケース及び第2動作ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、図28のLIIa−LIIa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図28のLIIb−LIIb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 (a)は、図33のLIIIa−LIIIa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図33のLIIIb−LIIIb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 (a)は、図30のLIVa−LIVa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図30のLIVb−LIVb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 昇降反転演出装置の分解正面斜視図である。 昇降反転演出装置の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の正面図である。 (a)は、図57(a)のLVIIIa−LVIIIa線における伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の断面図であり、(b)は、図57(b)のLVIIIb−LVIIIb線における伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の断面図である。 (a)から(c)は、演出装置の正面図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解正面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解背面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解正面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の背面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の背面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の正面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の正面図である。 昇降アーム部材の配置、駆動モータの駆動態様および検出センサの出力の一例を時系列で示すタイミングチャートである。 図28のLXIX−LXIX線における第3動作ユニットの断面図である。 (a)から(d)は、各動作ユニットの組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニットの正面模式図である。 (a)から(d)は、各動作ユニットの組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニットの正面模式図である。 振分装置の正面斜視図である。 可変入賞装置及び振分装置の正面図である。 図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置及び振分装置の斜視図である。 図73のLXXV−LXXV線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図75のLXXVI−LXXVI線における振分装置の中部材、スライド変位部材、下部材及び検出センサの断面図である。 (a)から(d)は、振分装置の中部材の正面斜視図である。 中部材、状態切替装置、スライド変位部材及び下部材の上面図である。 (a)は、図78のLXXIXa−LXXIXa線における中部材、スライド変位部材及び下部材の断面図であり、(b)は、図78のLXXIXb−LXXIXb線における中部材、スライド変位部材及び下部材の断面図であり、(c)は、図78のLXXIXc−LXXIXc線における中部材、スライド変位部材及び下部材の断面図である。 (a)及び(b)は、スライド変位部材と球案内部の上側面に乗る球との側面図である。 (a)は、回動部材の正面図であり、(b)は、回動部材の背面図であり、(c)は、図81(a)の矢印LXXXIc方向視における回動部材の側面図である。 第1動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの背面図である。 第1動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの背面図である。 (a)及び(b)は、案内長孔、皿状蓋部、検出センサ及び伝達ギアカムの延設部の背面図である。 (a)及び(b)は、案内長孔、皿状蓋部、検出センサ及び伝達ギアカムの延設部の背面図である。 案内長孔、皿状蓋部、検出センサ及び伝達ギアカムの延設部の背面図である。 第1装飾回転部材及び第2装飾回転部材の正面斜視図である。 (a)及び(b)は、案内長孔、矩形状箱部及び張出装飾部を模式的に示す正面模式図である。 (a)及び(b)は、案内長孔、矩形状箱部及び張出装飾部を模式的に示す正面模式図である。 案内長孔、矩形状箱部及び張出装飾部を模式的に示す正面模式図である。 図85のXCIII−XCIII線における第1動作ユニットの断面図である。 張出状態における第2動作ユニットの正面図である。 図94のXCV−XCV線における第2動作ユニットの断面図である。 伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の正面図である。 伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の正面図である。 昇降反転演出装置の正面斜視図である。 (a)は、中間腕部材の正面斜視図であり、(b)は、中間腕部材の背面斜視図である。 金属棒と中間腕部材との変位を模式的に示す第3動作ユニットの模式図である。 第3動作ユニットの正面模式図である。 外側回転部材及び中間腕部材の正面図である。 (a)は、外側回転部材及び中間腕部材の背面図であり、(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の正面図である。 第3動作ユニットの正面図である。 第3動作ユニットの正面図である。 図105のCVI−CVI線における第3動作ユニットの断面図である。 図104のCVII−CVII線における第3動作ユニットの断面図である。 図15のXVI−XVI線に対応する線における第2実施形態における振分装置の断面図である。 (a)及び(b)は、図15のXVII−XVII線に対応する線における第3実施形態における振分装置の断面図である。 (a)及び(b)は、第4実施形態における第3流路構成部の下流側の構成を模式的に示す第3流路構成部、確変検出センサ、通常検出センサ及びスライド変位部材の模式上面図である。 (a)は、図110(a)のCXIa−CXIa線における第3流路構成部、確変検出センサ、通常検出センサ及びスライド変位部材の模式断面図であり、(b)は、図110(b)のCXIb−CXIb線における第3流路構成部、確変検出センサ、通常検出センサ及びスライド変位部材の模式断面図である。 (a)及び(b)は、図15のXVII−XVII線に対応する線における第5実施形態における振分装置の部分断面図である。 図15のXVII−XVII線に対応する線における第6実施形態における振分装置の断面図である。 第7実施形態における振分装置の正面斜視図である。 図114のCXV−CXV線における振分装置の断面図である。 第8実施形態における案内長孔と回動部材との関係を模式的に示す正面模式図である。 第9実施形態における案内長孔と回動部材との関係を模式的に示す正面模式図である。 第1制御例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1制御例におけるパチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 (a),(b)は、大当たり遊技中において実行される大当たり中演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、大当たり遊技中において実行される大当たり中演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、大当たり遊技中において実行される大当たり中演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、大当たり遊技終了後に実行される勝率UPゾーン演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、大当たり遊技終了後に実行される勝率UPゾーン演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、バトルモード演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、バトルモード演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、バトルモード演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、バトルモード演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、操作演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、操作演出の表示態様の一例を示した図である。 (a)〜(e)は、大当たり〜大当たり遊技以降の演出の流れを示した図である。 (a)〜(d)は、大当たり〜大当たり遊技以降の演出の流れを示した図である。 (a)〜(d)は、操作演出の演出態様の流れを示した図である。 第1制御例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1制御例における各種カウンタの構成を模式的に示した図である。 (a)は、第1制御例における主制御装置のROMの構成を示したブロック図であり、(b)は、第1制御例における主制御装置のROMに設定された第1当たり乱数テーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(c)は、第1制御例における主制御装置のROMに設定された第1当たり種別選択テーブルの規定内容を模式的に示した図である。 (a)は、第1制御例における主制御装置のROMに設定された第2当たり乱数テーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(b)は、第1制御例における主制御装置のROMに設定された変動パターン選択テーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(c)は、第1制御例における通常用テーブルの規定内容を模式的に示した図である。 (a)〜(e)は、第1制御例における主制御装置のROMに設定された変動パターン選択テーブルが有する各種データテーブルの規定内容を模式的に示した図である。 第1制御例における主制御装置のROMに設定された変動パターンシナリオ選択テーブルの規定内容を模式的に示した図である。 第1制御例における主制御装置のRAMの規定内容を模式的に示した図である。 (a)は、第1制御例における音声ランプ制御装置のROMの構成を示したブロック図であり、(b)は、第1制御例における音声ランプ制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 第1制御例における音声ランプ制御装置のROMに設定された勝率選択テーブルの規定内容を模式的に示した図である。 第1制御例における表示制御装置の電気的構成を示したブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面B〜Dを説明する説明図である。 第1制御例における表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 第1制御例における転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 第1制御例における描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1制御例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される押下演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出更新処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより当たり関連処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるラウンド演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出態様可変処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり中演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される賞球関連処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される追加演出態様設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるバトル変動表示設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短演出態様設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される勝率UPゾーン用演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される初回以降演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される最終勝率決定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるバトル演出設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される回数加算関連コマンド処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 第1制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 (a),(b)は、第2制御例における大当たり遊技中において実行される大当たり中演出の表示態様の一例を示した図である。 (a)は、第2制御例における音声ランプ制御装置のROMの構成を示したブロック図であり、(b)は、第2制御例における音声ランプ制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 第2制御例における音声ランプ制御装置のROMに設定された追加演出選択テーブルの規定内容を模式的に示した図である。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出更新処理2を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出タイマ更新処理を示したフローチャートである。 第2制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される追加演出態様設定処理2を示したフローチャートである。 (a),(b)は、第3制御例における大当たり遊技中において実行される大当たり中演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、第3制御例における大当たり遊技中において実行される大当たり中演出の表示態様の一例を示した図である。 第3制御例における音声ランプ制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり中演出設定処理3を示したフローチャートである。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるラウンド演出設定処理3を示したフローチャートである。 第3制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される追加演出態様設定処理3を示したフローチャートである。 (a),(b)は、第4制御例における勝率UPゾーン中に実行される演出の表示態様の一例を示した図である。 第4制御例における勝率UPゾーン中に実行される演出の表示態様の一例を示した図である。 第4制御例における音声ランプ制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 第4制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理4を示したフローチャートである。 第4制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連打演出設定処理を示したフローチャートである。 第4制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出更新処理4を示したフローチャートである。 (a),(b)は、第5制御例におけるバトルモード中に実行される演出の表示態様の一例を示した図である。 (a),(b)は、第5制御例におけるバトルモード中に実行される演出の表示態様の一例を示した図である。 第5制御例における演出制御の流れを模式的に示した図である。 第5制御例における音声ランプ制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定5を示したフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される確認処理を示したフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短演出態様設定処理5を示したフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行され表示ポイント設定処理を示したフローチャートである。 第5制御例における表示制御装置内のMPUにより実行される回数加算関連コマンド処理5を示したフローチャートである。 第5制御例の別例におけるバトルモード中に実行される演出の表示態様の一例を示した図である。 第5制御例の別例におけるバトルモード中に実行される演出の表示態様の一例を示した図である。 第5制御例の別例におけるバトルモード中に実行される演出の表示態様の一例を示した図である。 第5制御例の別例におけるバトルモード中に実行される演出の表示態様の一例を示した図である。 第A1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 第A1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第A1実施形態におけるパチンコ機の背面図である。 第A1実施形態におけるV入賞装置を模式的に示した模式図である。 第A1実施形態におけるV入賞装置を模式的に示した模式図である。 第A1実施形態における可動誘導部材を模式的に示した模式図である。 (a)及び(b)は、第A1実施形態における第3図柄表示装置で表示される疑似連とならない変動態様の一例を示した図である。 第A1実施形態における第3図柄表示装置で表示される疑似連とならない変動態様の一例を示した図である。 (a)及び(b)は、第A1実施形態における第3図柄表示装置で表示される疑似連1の変動態様の一例を示した図である。 (a)及び(b)は、第A1実施形態における第3図柄表示装置で表示される疑似連発展時のボタン演出の変動態様の一例を示した図である。 第A1実施形態における第3図柄表示装置で表示される疑似連発展時のボタン演出の変動態様の一例を示した図である。 (a)及び(b)は、第A1実施形態における第3図柄表示装置で表示される図柄停止直後にVアタッカーが開放する際の変動態様の一例を示した図である。 第A1実施形態における第3図柄表示装置で表示される図柄停止直後にVアタッカーが開放する際の変動態様の一例を示した図である。 第A1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第A1実施形態における各種カウンタの構成を模式的に示した図である。 (a)は第A1実施形態における主制御装置のROMの構成を示したブロック図であり、(b)は、第A1実施形態における主制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 (a)は、第A1実施形態における主制御装置のROMに設定された第1当たり乱数テーブルの構成を示したブロック図であり、(b)は、第A1実施形態における特別図柄1乱数テーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(c)は、第A1実施形態における特別図柄2乱数テーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(d)は、第A1実施形態における普通図柄乱数テーブルの規定内容を模式的に示した図である。 (a)は、第A1実施形態における主制御装置のROMに設定された第1当たり種別選択テーブルの構成を示したブロック図であり、(b)は、第A1実施形態における特図1大当たり種別選択テーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(c)は、第A1実施形態における特図2大当たり種別選択テーブルの規定内容を模式的に示した図である。 (a)は、第A1実施形態における主制御装置のROMに設定された小当たり種別選択テーブルの構成を示したブロック図であり、(b)は、第A1実施形態における特図1小当たり種別選択テーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(c)は、第A1実施形態における特図2小当たり種別選択テーブルの規定内容を模式的に示した図である。 (a)は、第A1実施形態における主制御装置のROMに設定された変動パターンテーブルの構成を示したブロック図であり、(b)は、第A1実施形態における通常用変動パターンテーブルの規定内容を模式的に示した図である。 、第A1実施形態における時短用変動パターンテーブルの規定内容を模式的に示した図である。 、第A1実施形態における各当たり種別と当たり遊技の動作内容とについて説明した図である。 (a)は、第A1実施形態における大当たりシナリオテーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(b)は、第A1実施形態における小当たりシナリオテーブルの規定内容を模式的に示した図であり、(c)は、第A1実施形態における大当たりシナリオaの一例を模式的に示した図である。 (a)は、第A1実施形態における当たりシナリオaの一例を模式的に示した図であり、(b)は、第A1実施形態における当たりシナリオbの一例を模式的に示した図である。 第A1実施形態における当たりシナリオcの一例を模式的に示した図である。 (a)は第A1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を示したブロック図であり、(b)は、第A1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 第A1実施形態における遊技フローを模式的に示した模式図である。 (a)〜(i)は、第A1実施形態における小当たりV通過時を示したタイミングチャートである。 (a)〜(i)は、第A1実施形態における小当たりV非通過時を示したタイミングチャートである。 (a)〜(i)は、第A1実施形態における大当たりV通過時を示したタイミングチャートである。 (a)〜(i)は、第A1実施形態における大当たりV非通過時を示したタイミングチャートである。 第A1実施形態における表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、第A1実施形態における電源投入時画像を説明する説明図である。 第A1実施形態における表示データテーブルの一例を模式的に示した図である。 第A1実施形態における転送データテーブルの一例を模式的に示した図である。 第A1実施形態における描画リストの一例を模式的に示した図である。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり開始設定処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるV入口通過処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるV通過処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特定大当たり制御処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たりエンディング制御処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり制御処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される小当たりエンディング制御処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり関連処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示すフローチャートであり、(b)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。 (a)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。 (a)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示すフローチャートであり、(c)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるチャンス目コマンド処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。 (a)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり開始コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される小当たり開始コマンド処理を示すフローチャートである。 (a)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される小当たり終了コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるV入口通過コマンド処理を示すフローチャートである。 第A1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるV演出コマンド処理を示すフローチャートである。 第A2実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第A2実施形態における振分装置を模式的に示した模式図である。 (a)〜(d)は、第A2実施形態における振分装置B700の内部を模式的に示した図である。 第A3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第A3実施形態におけるクルーン部材を模式的に示した模式図である。 第A4実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第A4実施形態における流路ユニットを模式的に示した模式図である。 (a)及び(b)は、第A4実施形態における第3図柄表示装置で表示されるルーレットチャンスの表示態様の一例を示した図である。 (a)及び(b)は、第A4実施形態における第3図柄表示装置で表示されるルーレットチャンスの表示態様の一例を示した図である。 (a)及び(b)は、第A4実施形態における第3図柄表示装置で表示されるルーレットチャンスの表示態様の一例を示した図である。 第A4実施形態における主制御装置のRAMの構成を示したブロック図である。 (a)は、第A4実施形態における小当たりV通過時のルーレット表示タイミングを示したタイミングチャートであり、(b)は、第A4実施形態における大当たりV通過時のルーレット表示タイミングを示したタイミングチャートである。 (a)は、第A4実施形態における小当たりV非通過時のルーレット表示タイミングを示したタイミングチャートであり、(b)は、第A4実施形態における大当たりV非通過時のルーレット表示タイミングを示したタイミングチャートである。 第A4実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。 第A4実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される条件装置判定処理を示すフローチャートである。 第A5実施形態におけるV入賞装置を示した図である。 第A5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特定大当たり制御処理3を示すフローチャートである。 第A5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特定大当たり制御処理4を示すフローチャートである。 第5制御例におけるパチンコ機の遊技盤を模式的に示した正面図である。 第5制御例におけるパチンコ機の遊技状態の移行を模式的に示した遷移図である。 (a)及び(b)は、第5制御例における遊技内容と一連演出の演出態様とを示したタイミングチャートである。 (a)及び(b)は、第5制御例における遊技内容と最終変動演出の演出態様とを示したタイミングチャートである。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される表示内容を模式的に示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される普図変動演出の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置の主表示領域にて普図変動演出が実行される演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される普図当たり画面の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される特1変動中の特2入賞時の演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される特2変動中演出(チャレンジゲーム)の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される特2変動で小当たり当選した場合の演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される小当たり中に大当たりを獲得した場合の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される特1非変動中の特2入賞時の演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される特2変動で小当たり当選した場合の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される普図当たり遊技開始から1秒経過時点における演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される普図当たり遊技中に球が第2入賞口に入賞しなかった場合の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される小当たり遊技開始から3秒経過時点における演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される小当たり遊技中に球がV入賞口に入賞しなかった場合の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短状態中の演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短最終変動の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短最終変動の前半演出の演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短最終変動の後半演出の演出態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短最終変動の後半演出の演出結果を示す演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短最終変動演出の結果表示態様の一例を示した図である。 (a)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短終了後の特2当たり時の演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短最終変動演出の結果表示態様の一例を示した図である。 第5制御例における第3図柄表示装置に表示される時短状態終了を示す演出態様の一例を示した図である。 第5制御例における各種カウンタの概要を示した図である。 (a)は、第5制御例における主制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における主制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5制御例における第1当たり乱数5テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における特別図柄1乱数5テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第5制御例における特別図柄2乱数5テーブルを模式的に示した模式図であり、(d)は、普通図柄当たり乱数5テーブルを模式的に示した模式図である。 (a)は、第5制御例における第1当たり種別選択5テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における特図1大当たり種別選択5テーブルを模式的に示した模式図であり、(c)は、第5制御例における特図2大当たり種別選択5テーブルを模式的に示した模式図である。 (a)は、第5制御例における普図当たり種別選択5テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、普図当たり種別と遊技状態とに基づく電動役物の開放動作内容を示した図である。 (a)は、第5制御例における小当たり種別選択5テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における特図1小当たり種別選択5テーブルを模式的に示した模式図であり、(c)は、第5制御例における特図2小当たり種別選択5テーブルを模式的に示した模式図である。 第5制御例における普図変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5制御例における変動パターン5テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における通常用変動パターン5テーブルを模式的に示した模式図である。 第5制御例における変動パターン選択テーブルの一部である時短用変動パターン5テーブルの一例を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5制御例における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5制御例における変動パターン選択5テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第5制御例における時短最終用変動パターン選択5テーブルを模式的に示した模式図である。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される時短更新処理を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり開始設定処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普図先読み処理を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるV入口通過処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるV通過処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり制御処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞情報コマンド処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞状況判別処理を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり関連コマンド処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。 (a)は、第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり関連コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は、第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される通常小当たり処理を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される一連演出用小当たり処理を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止コマンド処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動演出設定処理を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される普図用演出設定処理を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短用演出設定処理を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり変動演出設定処理を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出更新処理5を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される一連演出更新処理を示すフローチャートである。 (a)は、第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される普図当たり遊技中更新処理を示すフローチャートであり、(b)は、第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり遊技中更新処理を示すフローチャートである。 第5制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される最終変動演出更新処理を示すフローチャートである。 第6制御例におけるパチンコ機の遊技盤を模式的に示した正面図である。 (a)は、第6制御例における時短最終変動中の演出態様の一例を示した図であり、(b)は、第6制御例における第3図柄表示装置に表示されるサポートタイム中の演出態様の一例を示した図である。 第6制御例における主制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図である。 (a)は、第6制御例における普図当たり種別選択6テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第6制御例における普図当たり種別と遊技状態とに基づく電動役物の開放動作内容を模式的に示した模式図である。 第6制御例における通常用変動パターン6テーブルを模式的に示した模式図である。 (a)は、第6制御例における普図変動パターンテーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第6制御例における時短A用普図変動パターンテーブルを模式的に示した模式図であり、(c)は、第6制御例における時短B用普図変動パターンを模式的に示した模式図である。 第6制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理6を示すフローチャートである。 第6制御例における主制御装置内のMPUにより実行される普図用演出設定処理6を示すフローチャートである。 第7制御例におけるパチンコ機の遊技盤を模式的に示した正面図である。 第7制御例におけるパチンコ機の遊技盤の右側遊技領域を模式的に拡大した拡大図である。 第7制御例におけるパチンコ機の遊技盤の右側遊技領域を模式的に拡大した拡大図である。 (a)及び(b)は、第7制御例におけるパチンコ機の演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。 (a)は、第7制御例における主制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第7制御例における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。 (a)は、第7制御例における変動パターン7テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第7制御例における通常用変動パターン7テーブルを模式的に示した模式図である。 第7制御例における普図変動パターン選択7テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止コマンド処理7を示すフローチャートである。 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理7を示すフローチャートである。 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるセット演出設定処理を示すフローチャートである。 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される普図セット演出設定処理を示すフローチャートである。 第7制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出更新処理7を示すフローチャートである。 第7制御例における一連演出の設定方法を示した図である。 (a)は、第8制御例における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第8制御例における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。 第8制御例における普図シナリオテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第8制御例における一連演出シナリオとして普図当たりシナリオ2が設定される流れを示したタイミングチャートである。 第8制御例における一連演出シナリオとして普図当たりシナリオ4が設定される流れを示したタイミングチャートである。 第8制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞情報コマンド処理8を示すフローチャートである。 第8制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される一連演出判別処理を示すフローチャートである。 第8制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり関連コマンド処理8を示すフローチャートである。 第8制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される普図当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。 第8制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動演出設定処理8を示すフローチャートである。 第8制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される常時監視中演出設定処理を示すフローチャートである。 第8制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される普図用演出設定処理8を示すフローチャートである。 第8制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される一連演出予測設定処理を示すフローチャートである。 (a)は、第9制御例における音声ランプ制御装置のROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、(b)は、第9制御例における音声ランプ制御装置のRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。 (a)は、第9制御例における最終変動演出テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第9制御例における当たり用最終テーブルを模式的に示した模式図である。 第9制御例における外れ用最終テーブルを模式的に示した模式図である。 (a)は、第9制御例における最終演出可変設定テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第9制御例における当たり用設定テーブルを模式的に示した模式図である。 第9制御例における外れ用設定テーブルを模式的に示した模式図である。 第9制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理9を示すフローチャートである。 第9制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞情報コマンド処理9を示すフローチャートである。 第9制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される最終入賞処理を示すフローチャートである。 第9制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される時短用演出設定処理9を示すフローチャートである。 第9制御例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される最終変動演出更新処理9を示すフローチャートである。 第10制御例におけるパチンコ機の遊技盤を模式的に示した正面図である。 (a)は、第10制御例における第3図柄表示装置に表示される第1報知態様での右打ち報知画面の一例を示した図であり、(b)は、第10制御例における第3図柄表示装置に表示される第2報知態様での右打ち報知画面の一例を示した図である。 第7制御例の変形例におけるパチンコ機の遊技盤を模式的に示した正面図である。 第7制御例の変形例におけるパチンコ機の演出の流れを模式的に示した図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図71を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(センターフレーム86の下方において図示し、遊技領域の上半部においては図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から形成されるており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となっている。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60を木製の板部材から形成しても良い。この場合、センターフレーム86の外側において、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認不能に遮蔽することが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、4R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)、大当たり確率がアップし、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
本実施形態では、後述する振分装置300の確変検出センサSE11の貫通孔を、大当たり遊技の1ラウンド目に遊技球が通過したと判定された時に、その大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、高確率状態となる。なお、確変検出センサSE11の貫通孔に遊技球が通過したと判定されなかったら大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、時短状態となる。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する電動役物140a(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物140aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81は後述する背面ケース510の開口511aを埋めるように背面ケース510に締結固定され、センターフレーム86はベース板60の窓部を縁取るように配設されている。即ち、正面視では第3図柄表示装置81の外周を囲むようにセンターフレーム86が配設されているように見えるが、実際は、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86とは前後に離れて配置されている。
第3図柄表示装置81は、例えば9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には電動役物140aが付随されている。この電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,140にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている(図示せず)。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65b(図11参照)の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ631,731,782,861が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、可変入賞装置65周辺の構造について説明する。図5は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面斜視図であり、図6(a)及び図6(b)は、可変入賞装置65の正面斜視図である。図6(a)では、特定入賞口65aへの球の流下を規制するように開閉板65bが閉鎖される開閉板65bの閉鎖状態が図示され、図6(b)では、特定入賞口65aへの球の流下を許容するように開閉板65bが開放される開閉板65bの開放状態が図示される。なお、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
可変入賞装置65は、開閉板65bの開放状態(図6(b)参照)において、開閉板65bに着地する球を受け入れ、特定入賞口65aへ案内可能となるように、開閉板65bの開放状態において開閉板65bの板上面が背面側へ向けて下降傾斜するように形成される。
開閉板65bの左右中央部の上方には電動役物140aが配置されているので(図2参照)、開閉板65bに着地する球は、電動役物140aから逸れて流下する球に限定される。即ち、開閉板65bへの球の着地は、左右中央部では生じず、主に、電動役物140aよりも左右外側の部分において生じる。換言すれば、開閉板65bに着地する球の配置は、開閉板65bの左右外側寄りの位置に限定される。
なお、開閉板65bに着地した後の球の配置についてはこの限りではない。即ち、開閉板65bに着地した後の球の流れ方によっては、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置されることは生じ得る。
特に、本実施形態では、電動役物140aを前側から覆う前意匠部材141(図2参照)が、開閉板65b側の空間を確保するように湾曲形成されている(ガラスユニット16(図1参照)と対向配置される前端部下端から背面側へ向かうにつれて下側に張り出す態様の湾曲面として形成されている)ので、開閉板65bの左右中央位置寄りにおいて跳ねた球が前意匠部材141と衝突して勢いを落とされる程度を低くすることができる。これにより、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置される可能性を高めることができる。
なお、前意匠部材141の下部の湾曲形状の曲率半径の中心は、前後どちらに配置されるものでも良い。本実施形態では、横面視における曲率半径が前側下方に配置されるよう形成することで、開閉板65b側の空間をより大きく確保できるようにしている。また、前意匠部材141が左右端部において下側へ向かう程に左右幅が小さくなる形状とされることで、左右側において開閉板65bとの間に空間を確保し易くすることができる。
開閉板65bの開放状態においては、開閉板65bに着地した球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。検出センサSE1の球通過孔163bの手前側には、後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1が球を球通過孔163bに案内可能な上下位置で配設されている。
傾斜流下面163a1は、下面部163aにより左右外側に転動された球が抵抗少なく乗り移れるように下面部163aの左右端部よりも一段下がって形成されている。この傾斜流下面163a1よりも左右外側において開閉板65bに着地した球の流下抵抗を低減するため、傾斜流下面163a1の左右外側において案内板部163a2が形成されている。
案内板部163a2は、受入部材163の後壁部と左右内壁部とから、前側かつ左右内側へ延設される板状部であって、前端面が左右内側ほど後方へ配置がずれる傾斜面として形成される。
これにより、開閉板65bに乗り転動する球が案内板部163a2の前端面に当接した場合に、傾斜面の傾斜に沿って球の流下を案内することができるので、球を傾斜流下面163a1に抵抗少なく案内することができる。そのため、開閉板65bに球が乗った状態で開閉板65bが閉鎖動作を開始した場合において、その球が傾斜流下面163a1よりも左右外側に配置されていたとしても、開閉板65bの閉鎖動作が阻害される程度を低減することができる。
即ち、例えば、球の流れが悪くなり開閉板65bの閉鎖が滞ったり、開閉板65bの閉鎖動作により後方に流された球が受入部材163の後壁部で跳ね返って開閉板65bに再び当たり、開閉板65bを開放させる方向(前側)の負荷を与えることで開閉板65bが意図せず開いたり、等という動作不良が生じる可能性を低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bは起き上がり動作で閉じる。即ち、開閉板65bに着地した球は、開閉板65bの動作により特定入賞口65aに案内される(飲み込まれる)ので、開閉板65bに乗っている球の左右位置に寄らず、開閉板65bに乗っている球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。
この際、開閉板65bにおける球の配置が左右外側に寄っていたり、球の個数が多かったりすると、開閉板65bの閉鎖動作が遅れる可能性がある。これに対し、本実施形態では、受入部材163の下面部163a、傾斜流下面163a1及び案内板部163a2の形状を工夫しているので、特定入賞口65aに案内された球の流れを滞留させることなく、開閉板65bの閉鎖動作の迅速性を保つことができる。
また、受入部材163の形状を工夫する代わりに、開放状態において球が乗る開閉板65bの転動面は、平面状に形成される(図6(b)参照)。そのため、開閉板65bの開放状態において開閉板65bに着地した球は、一旦後方に流れてから、受入部材163の形状の作用により左右方向へ流され検出センサSE1の球通過孔163bに案内されることになるので、開閉板65b上で球の衝突が生じることを回避し易くすることができる。
即ち、開閉板65bに複数の球が同時に着地しても、その球が一旦後方に平行移動することになるので、開閉板65b上で球が互いに衝突することを回避することができる。従って、開閉板65bの転動面が下面部163aのように左右方向の傾斜面を有する形状とされ転動球に左右方向の流れが形成される場合に比較して、開閉板65b上での球の動きが不規則になる可能性を低くすることができるので、意図せぬ動作不良を未然に防ぐことができる。
受入部材163には、開閉板65bの閉鎖状態において、開閉板65bの左右両端部における回動先端部と当接し、開閉板65bの配置の再現性を高めるための当接面部163a3が形成されている。当接面部163a3は左右一対で形成されており、且つ、開閉板65bの形状に合わせた形状設計により点接触ではなく面接触可能に形成されているので、開閉板65bの配置を安定させ易く、且つ、当接時の負荷を面で受けることにより応力集中を避けることができるので耐久性を向上させることができる。
また、当接面部163a3の下側には、対向配置される開閉板65bと若干の隙間を空け略平行となる面形状で形成される補助当接面163a4が形成されている。補助当接面163a4は、何らかの理由で当接面部163a3と開閉板65bとの当接が不良となった場合のフェールセーフとして設けられている。
本実施形態では、当接面部163a3の手前側において球の流下を制限する被固定部材161が配置されており、基本的には球は当接面部163a3と衝突しないように構成されている。しかし、例えば、当接面部163a3と当接する開閉板65bの回動先端部が欠けた場合、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を保てなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、開閉板65bと当接面部163a3との正常な当接が保てなくなった場合には、開閉板65bの左右端部における前後幅間部と補助当接面163a4との面当接を生じさせ、開閉板65bの配置の安定性を保てるように図っている。これにより、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を向上することができる。
なお、補助当接面163a4を、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bと当接するように構成しても良い。この場合、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bとの当接が生じるので負荷が蓄積され易いという不利益が生じ得るものの、負荷を分散させる面積を拡大できるので、開閉板65bとの当接により当接面部163a3が受ける局所的な負荷の大きさを低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bへ受け入れられる途中の遊技球を、上述した前意匠部材141の形状によって開閉板65bへ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。
即ち、受け入れられる途中の状態(例えば、開閉板65bの回動先端と特定入賞口65aの開口枠部とに挟まれて横滑りしている状態)で、球が前意匠部材141の下部形状と当接した場合に、その湾曲形状に案内させることで特定入賞口65aの内側へ流下させることができる。これにより、開閉板65bから逸れた球が第3流路構成部336の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができるので、第3流路構成部336への視界を確保し易くすることができる。
開閉板65bの閉鎖状態においては、開閉板65bへの球の着地が生じないので、開閉板65bの閉鎖状態において開閉板65bの正面側を流下する球の配置は電動役物140aよりも左右外側に限定される。
従って、本実施形態の構成によれば、開閉板65bの閉鎖状態において特定入賞口65aに案内されずに流下する球の配置を、電動役物140aよりも左右外側位置に限定することができる。これにより、電動役物140aの下側において、電動役物140aの左右端部よりも左右内側位置における視界を確保することができる。
次いで、特定入賞口65aの下流側(特定入賞口65aを通過した球が流れる側)の構成について説明する。図7は、遊技盤13の正面斜視図であり、図8は、遊技盤13の背面斜視図である。なお、図7及び図8では、ベース板60に配設される構成の内、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65以外の構成が取り外された状態が図示される。
図8に示すように、ベース板60の背面側における可変入賞装置65の後方位置には、第1入賞口64、第2入賞口140及び一般入賞口63(図2参照)に入球した球を球排出路(図示せず)へ流すための経路が形成される集合樋150が配設される。
集合樋150は、流路を形成する溝状部分を備え、溝状部分においてベース板60と対面する前側部が開放される。この開放部分がベース板60に閉じられることで、球排出路へ球を流すための経路が完成する。
集合樋150は、第1入賞口64に入球した球の流路を形成する第1流路部151と、第2入賞口140に入球した球の経路を形成する第2流路部152と、左右両側に配置される一般入賞口63に入球した球の流路を左右それぞれに形成する複数の第3流路部153と、を備える。
第1流路部151は、第1入賞口64の後方位置から左下方向へ傾斜する流路として構成され、第2流路部152は、第2入賞口140の後方位置から右下方向へ傾斜する流路として構成される。第3流路部153は、一般入賞口63の下方へ延びる流路として構成される。
従って、正面視では、第1入賞口64及び第2入賞口140が遊技領域の左右中央位置に配置される構成ながら、第1入賞口64及び第2入賞口140に入球した球の流れは、集合樋150によって左右中央位置から左右外側に寄せられる。これにより、第1入賞口64及び第2入賞口140の下方に空間を設けることができ、この空間を利用して可変入賞装置65及び後述する振分装置300を配設することができる。
図9は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解正面斜視図であり、図10は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解背面斜視図である。なお、図9及び図10では、ベース板60の下半部のみが図示され、その他の部分の図示が省略されており、且つ、ベース板60に組み付けられる他の構成についての図示が省略され、ベース板60の地が視認可能となっている。また、図9では、説明の便宜上、センターフレーム86がベース板60に組み付けられた状態で図示される。
可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の固定について説明する。可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。集合樋150は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の背面側からタッピングネジ等により固定されている。
そして、振分装置300は、上部において挿通孔311が可変入賞装置65に締結固定され、左右部において挿通孔331が集合樋150に締結固定される。即ち、ベース板60に直接的に固定される可変入賞装置65や、集合樋150とは異なり、振分装置300の有無は、遊技盤13の完成に影響するものではない。
換言すれば、本実施形態における可変入賞装置65及び集合樋150は、振分装置300を配設する場合と、振分装置300を配設しない場合とで、そのまま流用することができる。これにより、振分装置300の有無に関わらず、可変入賞装置65と集合樋150との共通化を図ることができる。
次いで、可変入賞装置65及び振分装置300の詳細について説明する。可変入賞装置65は、特定入賞口65aを通して遊技領域から球を受け入れ可能に構成されており、振分装置300は、可変入賞装置65に受け入れられた球の流れる流下経路を構成している。本実施形態では、振分装置300の流下経路を流れる球の検出結果に基づいて遊技者が得られる利益が変化するように制御されるが、詳細は後述する。
図11は、可変入賞装置65の分解正面斜視図であり、図12は、可変入賞装置65の分解背面斜視図である。図11及び図12に示すように、可変入賞装置65は、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定される被固定部材161と、その被固定部材161の正面側に配置され被固定部材161に締結固定される前意匠部材162と、被固定部材161の背面側に配置され、被固定部材161に締結固定され、特定入賞口65aを通った球を受け入れ可能に構成される受入部材163と、その受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、振分装置300との連結部分として介在する介在部材164と、受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、開閉板65bの開閉状態を通電の有無によって切り替え可能に構成される状態切替装置165と、を備える。
被固定部材161は光透過性の樹脂材料から形成され、その正面側の形状は、ネジ挿通用の貫通孔、前意匠部材162との締結位置および特定入賞口65aを除き平坦面で形成される。一方、被固定部材161の背面側の形状は、外周部においてベース板60に面で当接される薄肉部の内側において背面側に張り出す立体的な形状となっている。
特に、薄肉部との境界部161aは横長略楕円の枠状に形成されており、この境界部161aを配設可能な大きさの貫通孔がベース板60に貫通形成される。即ち、境界部161aは、ベース板60の貫通孔に挿通される部分である。
境界部161aの内側では、特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの下縁よりも若干下側において特定入賞口65aの下縁と平行な横長板状で後方へ延設される横長板状部およびその横長板状部の途中位置において下方に延設される縦長板状部を備えて左右一対の略T字形状で構成される延設支持板161bと、が形成される。
延設支持板161bは、特定入賞口65aの後方の範囲と、後述する振分装置300の流下経路と、の双方を支持するよう機能する。延設支持板161bの横長板状部から突設される突設支持部161cと、延設支持板161bの縦長板状部から突設される突設支持部161dと、境界部161aの下縁部上面から突設される突設支持部161eと、は振分装置300を支持する部分としての機能を有するが、詳細は後述する。
境界部161aの内側において、特定入賞口65aの左右中央位置下方において左右対称形状で突設される対称突設部161fは、振分装置300を流下する球と当接して球の流下を案内する機能を有する。
前意匠部材162に螺入する締結ネジを挿通するための複数の貫通孔161gは、境界部161aの内側および外側に配置される。受入部材163に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する複数の被締結部161hは、境界部161aの内側に配置される。
介在部材164に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する被締結部161iは、境界部161aの切れ目(左右中央位置)において境界部161aの外側に配置される。即ち、ベース板60に形成される貫通孔の内、境界部161aを挿通するための貫通孔と第2入賞口140及び電動役物140aを挿通するための貫通孔との連結部分(図9参照)に、被締結部161iは配設される。
前意匠部材162は、光透過性の樹脂材料から形成され、正面側は、ガラスユニット16(図1参照)との距離を均一とするべく平坦形状で形成される。前意匠部材162の背面側かつ被固定部材161の正面側の範囲において、球は流下可能とされる。
前意匠部材162の背面側には、被固定部材161の貫通孔161gと合う位置に配設され、貫通孔161gに挿通された締結ネジを螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部162aと、その被締結部162aを上側から覆うような形状で背面側に延設される複数の延設部162b,162cと、を備える。
延設部162b,162cにより、被固定部材161と前意匠部材162との間を流下する球が被締結部162aに直接衝突することを回避することができるので、被締結部162aの耐久性を向上することができる。
更に、延設部162b,162cの上面が傾斜面として形成されることにより、球の流下経路を制限することができる。即ち、特定入賞口65aの左右縁部付近で延設される延設部162b(左右中央側の2箇所)の上面が左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162bに乗った球が特定入賞口65a側に流れることを抑制することができる。即ち、延設部162bに乗った球は、延設部162bの左右外側を下方へ落下した後、内レール61(図2参照)に沿ってアウト口71へ向けて流下することになる。
また、左右両端に延設される延設部162c(左右両端の2箇所)の上面が左右内側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162cに乗って流れる球の流下経路を延設部162bに乗った球の流下経路とまとめることができる。これにより、流下する球の個数に比較して、流下する球が配置される範囲を狭めることができ(球の配置密度を高めることができ)、球に視認性を阻害されない部分(流下経路が構成されない空間)を確保することができる。
なお、図11に図示される前意匠部材162は無地で記載され、背面側の視認性が良好とされているが、前意匠部材162を無地で構成する必要はない。例えば、前意匠部材162の正面側に模様やキャラクターが図示されたシールを貼り付けて装飾するようにしても良いし、前意匠部材162に幾何学模様で溝を掘り、その溝に光が照射されることで幾何学模様が浮かび上がって視認されるようにしても良い。また、無地や、上述のような装飾が加えられた上で、前意匠部材162が非透過性となるように構成しても良い。
受入部材163は、光透過性の樹脂材料から正面側が開放された横長の枠状(または箱状)に形成され、上述した案内板部163a2と、当接面部163a3と、補助当接面163a4と、枠内側において流下面を形成する下面部163aと、下面部163aを流下した球が通過可能な貫通孔として配設される球通過孔163bと、被固定部材161の被締結部161hに合う位置に配置され被締結部161hに締結固定される締結ネジが背面側から挿通される複数の挿通孔163cと、介在部材164に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部であって左右中央側に配設される一対の被締結部163dと、状態切替装置165に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部を有する複数の被締結部163eと、を備える。
下面部163aは、左右中央部を頂点として左右外側へ向けて下降傾斜する左右傾斜面として形成され、その左右傾斜面の左右外端部から一段下がった位置において後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1を備えていることで、傾斜流下面163a1の後端部を流下する球が球通過孔163bを抵抗小さく通過できるように配設される。
球通過孔163bは、受入部材163の背面側に係合される検出センサSE1に形成される検出用孔である。即ち、球通過孔163bを球が通過したことは検出センサSE1により検出される。
介在部材164は、光透過性の樹脂材料から形成され、後方へ向けて下降傾斜する光屈折面を有する本体部164aと、その本体部164aの上側部において貫通形成され受入部材163の被締結部163dに螺入される締結ネジを挿通可能な一対の挿通孔164bと、その挿通孔164bよりも上側に配置されLEDが配設される発光基板164cと、本体部164aの下端側左右両端部において振分装置300に挿通される締結ネジを螺入可能な雌ネジ部を有して形成される一対の被締結部164dと、本体部164aの上側部において貫通形成され被固定部材161の被締結部161iに螺入される締結ネジを挿通可能な挿通孔164eと、を備える。
発光基板164cは、LEDが配置される面が斜め前上方向を向く姿勢で配設され、組立状態において、正面視で特定入賞口65aの真上位置(図6参照)、且つ、第2入賞口140の真下位置に配置される。このような配置から、発光基板164cからの光は、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球を望みその箇所を斜め後下方向の視線で見つめる遊技者の視界に容易に入る。
従って、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が検出された際に発光基板164cのLEDを点灯させるよう制御することで、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が生じたか否かを遊技者に容易に把握させることができる。
上述の構成から、介在部材164は、被固定部材161及び受入部材163の双方に締結固定される。これにより、被固定部材161と受入部材163との締結固定のみで構成する場合に比較して、被固定部材161と受入部材163とを強固に固定することができる。また、介在部材164を介して被固定部材161及び受入部材163と連結固定される振分装置300の配置を安定させることができるので、被固定部材161及び受入部材163と振分装置300との相対的な位置ずれを抑制することができる。
状態切替装置165は、受入部材163の被締結部163eに螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通部165aを有し、配線通し用、兼、放熱用の複数の開口を有して上側が開放される深底の箱状に形成される下ケース部165bと、その下ケース部165bに収容される電磁ソレノイド165cと、その電磁ソレノイド165cのプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部165dと、下ケース部165bの前端部から回動先端部がはみ出すような配置で下ケース部165bに回動可能に支持され、スライド部165dのスライド変位に伴い回動する回動部165eと、複数の挿通孔165fに挿通される締結ネジにより下ケース部165bに締結固定される上蓋部165gと、を備える。
回動部165eの回動先端は、棒状部が係合可能に凹設されており、この凹設部に開閉板65bの右側端部から右方に突設される伝達突部65cが入り込み、係合される。伝達突部65cは、開閉板65bの開閉動作の回転軸を形成する金属製の軸棒部65dから偏心した位置に配置されている。このように構成することで、回動部165eの回動に伴って、開閉板65bの開閉動作を生じさせることができる。
図13及び図14は、振分装置300の分解正面斜視図である。図13では、振分装置300を上方から見た斜視図が図示され、図14では、振分装置300を下方から見た斜視図が図示される。
図13及び図14に示すように、振分装置300は、介在部材164の被締結部164dに螺入される締結ネジが挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔311を有する上部材310と、その上部材310に上下方向で締結固定されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔331を有する中部材330と、その中部材330と上部材310との間に収容され正面側にLED等の発光手段351が配設される基板350と、中部材330と上部材310との間の位置に収容され通電の有無によって状態を切り替え可能に構成される状態切替装置360と、中部材330の下方に配置され状態切替装置360の状態の切り替えに伴い前側位置と後側位置とで前後にスライド変位するスライド変位部材370と、中部材330との間にスライド変位部材370を挟むように中部材330の下方に配設されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔381を有する下部材380と、を備える。
各部の構成の詳細を説明する前に、振分装置300の機能の概要について説明する。振分装置300は、検出センサSE1の球通過孔163b(図12参照)を通過した球が流下する流下経路を構成する装置である。
球通過孔163bを通過した球は、上部材310の内部、上部材310と中部材330との間に形成される流路構成部334,335,336、下部材380の内部、という順で流下し、下部材380から流下した球は球排出路(図示せず)へ排出される。
振分装置300の内部を流下する球は遊技者が視認可能となるように構成されており、その流下態様により、遊技者の目を楽しませる単なる演出的効果のみでは無く、遊技者が得られる利益に変化を生じさせるといった遊技利益に関わる効果を奏する。
振分装置300の内部を流下する球の流下態様の違いは、主に、スライド変位部材370の配置により生じる。即ち、球が中部材330から下部材380へ向けて流下する時におけるスライド変位部材370の配置により、球が下部材380のどの箇所を通過するかに違いが生じる。
従って、遊技者の視線は、自ずと中部材330から下部材380へ向けて球が流下する箇所(後述するように、スライド変位部材370の配置箇所)に集まり易くなるので、本実施形態では、視線の集中を前提とした工夫が施されている。
次いで、振分装置300の各部の構成の詳細について説明する。上部材310は、光透過性の樹脂材料から形成される上面視コ字状の薄肉部材であり、上述の挿通孔311と、球を受け入れ可能に貫通形成される一対の開口部312と、目印として貼り付けられる有色(本実施形態では、赤色)透明の一対のシール部材313と、開口部312の下縁から外周部に沿って正面側に延設される一対の上面部314と、中部材330に螺入される締結ネジが挿通可能な貫通孔が形成される複数の挿通筒部315と、中部材330に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジを有する被締結部316と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される前後方向に長尺の部分であって左右に並べて配設される一対の前後長突設部317と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の間に配設される一対の左右内突設部318と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の左右外側に配設される一対の左右外突設部319と、基板350の上部を配置可能な大きさの凹部として形成される収容凹部320と、を備える。
開口部312は、可変入賞装置65の球通過孔163bを通過した球を受け入れ、下方へ流す役割を果たす通路状部(トンネル状部)であり、上前縁部は傾斜姿勢の検出センサSE1(図12参照)の板背面と面一となるように傾斜面で切断したような形状とされる。これにより、開口部312の上前縁部を検出センサSE1の板背面に接触させることができる。
また、開口部312は、球通過孔163bの開口方向視で球通過孔163bの開口内側に侵入しない程度の開口度合いで形成される。これにより、球通過孔163bを通過した球を開口部312に案内する際の流下抵抗を低減することができる。
シール部材313は、基板350の発光手段351から照射される光を受けて煌びやかに視認されることで、遊技者の注目を集める部材として機能するが、詳細は後述する。
上面部314は、上部材310の下方における球の流下経路に合わせて傾斜が形成される薄板部である。開口部312の正面側に配置される第1上面部314aは正面側へ向かうほど下降傾斜するように形成され、第1上面部314aの前端部と連結され左右内側に配置される第2上面部314bは左右内側へ向かうほど下降傾斜するように形成される。そして、左右の第2上面部314bの左右間隔が手前側ほど長くなるように構成されることで、第2上面部314bの間を通して球を視認する遊技者の視界の確保を図ることができる。
挿通筒部315は、締結ネジのネジ頭を受ける座グリが上面側に形成される。そのため、締結ネジを上側から挿通するという構成ながら、遊技者に締結ネジのネジ頭が視認されることを回避し易くすることができる。
挿通筒部315は、中部材330に形成される雌ネジ部を有する被締結部332dに合う位置に配置される。特に、左側の挿通筒部315に対応する被締結部332dは、回動部363を支持する支持部を兼ねるが、詳細は後述する。
被締結部316に螺入される締結ネジは、ネジ部が上向き、ネジ頭が下向きの姿勢で配置される。そのため、被締結部316を手前側に配置する構成ながら、斜め上から視認する遊技者に対してネジ頭が目立ちにくいようにされている。これにより、上部材310と中部材330とを強度に固定しながらも、締結ネジにより振分装置300の見映えが悪くなることを回避することができる。
被締結部316が右側にしか形成されていないのは、既に後側において挿通筒部315が2箇所に配設されているので前側における締結位置は1箇所で十分な点や、ネジ頭が下向きにされ目立ちにくいとはいえ不要であれば配設を省略した方が振分装置300の見栄えが良くなる点等が、理由である。なお、被締結部316の配置はこれに限定されるものではない。例えば、左側に配設されても良いし、左右一対で配設されても良い。
被締結部316の配置は、球の流下経路を避け、且つ、振分装置300の見映えの低下を最低限に抑えられる位置として設定されているが、詳細は後述する。
各一対で形成される前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319の下面部は、それぞれ同一の箇所を基準として、その箇所から遠ざかるほど配置が下がるような湾曲面として形成される。この湾曲面は、前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319で異なる形状とされており、この形状の違いにより球の流下態様を制御する意図がある。
中部材330は、上述の一対の挿通孔331と、後側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される後側枠状部332と、前側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される一対の前側枠状部333と、その前側枠状部333の左右外側において凹設され球の流下経路を構成する一対の第1流路構成部334と、その第1流路構成部334の前端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の前側において凹設される一対の第2流路構成部335と、その第2流路構成部335の左右内側端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の左右内側において凹設される一対の第3流路構成部336と、を備える。
また、中部材330は、第3流路構成部336の後端部の後ろ側において左右長尺形状で下底に貫通形成され球の排出路として機能する排出孔337と、その排出孔337及び第3流路構成部336を左右に仕切るよう前後方向に長尺の板状に形成される仕切り板部338と、第3流路構成部336の後方端部における下側面から左右長尺の矩形状凸部として突設される一対の位置合わせ突設部339と、を備える。
後側枠状部332は、球の流下経路を構成する前側部とは異なり球の流下経路を構成せず、主に基板350や状態切替装置360を支持する部分として構成される。後側枠状部332は、左右中央部の正面側端部において上下方向に貫通形成されスライド変位部材370を配置可能に構成される配置用貫通孔332aと、左右方向に長尺の貫通孔として下底部に貫通形成され状態切替装置360の被案内部362cのスライド変位を案内する案内孔332bと、下部材380に挿通される締結ネジが螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部332cと、上部材310の挿通筒部315に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジ部を上先端に有する円柱形状の被締結部332dと、を備える。
前側枠状部333は、枠内側および下底部表裏面に光拡散加工が施されていることで、前側枠状部333の奥側の視認性が低下することになる。前側枠状部333は、上面視略正方形状の枠状に形成されており、上部材310の被締結部316に螺入される締結ネジを挿通可能な座グリ孔として形成される挿通孔333aを備える。
第1流路構成部334、第2流路構成部335及び第3流路構成部336は、それぞれ球の流下経路を構成する部分であり、球の流下方向や、傾斜角度等が異なるように設計されているが、詳細は後述する。
なお、第2流路構成部335と第3流路構成部336との連結位置において正面側が開放される開放部335aは、可変入賞装置65の対称突設部161f(図12参照)が進入可能とするための空隙である。即ち、対称突設部161fは、振分装置300を流下する球に当接可能となるように、開放部335aを通して流路内側に進入するように配置される。
排出孔337は、仕切り板部338に仕切られる形で、左右一対で構成され、球が少なくとも2経路で排出可能な大きさで形成される。即ち、少なくとも、球の直径の2倍以上の左右長さで構成される。なお、本実施形態では、排出孔337の下側に配置される下部材380に複数の検出センサSE1が横並びにされているので、その検出センサSE1の球貫通孔の配置に合わせて排出孔337の形状を設計するようにすれば良い。
仕切り板部338は、上述のように第3流路構成部336を仕切る機能に加え、スライド変位部材370の変位を案内する案内部としての機能を奏するが、詳細は後述する。位置合わせ突設部339は、下部材380の突設部383aと嵌め合わされ、中部材330と下部材380との位置ずれを回避するための部分であるが、詳細は後述する。
基板350は、下側部353の方が上側部352に比較して左右長尺となる逆T字形状で形成されており、下側部353の左端側における下端部に位置合わせ用の凹設部354を備える。
凹設部354が、中部材330の内部形状として対応する部分と係合することで左右方向の位置決めがされ、左右長尺の下側部353が中部材330の後側枠状部332に前後から挟まれるように支持されることで前後方向の位置決めがされ、上部材310の収容凹部320に上側部352が収容されることで上方への脱落が防止されることで配置が固定されるよう構成されるが、発光手段351の配置の意図と共に詳細は後述する。
状態切替装置360は、中部材330の後側枠状部332に収容される装置であって、電磁ソレノイド361と、その電磁ソレノイド361に左右方向に直動変位するよう支持されるプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部362と、左側の被締結部332dに挿通されることで回動可能に支持され、スライド部362のスライド変位に伴い回動する回動部363と、を備える。
スライド部362は、電磁ソレノイド361のプランジャーの先端の円板部361aを上側から受け入れ可能に凹設される凹設部362aと、右側面から右方に張り出す張出部362bと、下側面の前後中央部から下方に突設され左右方向に長尺の長円形状の断面で形成される被案内部362cと、を備える。
凹設部362aの形成方向から、円板部361aがスライド部362を上側から支える構成となるので、スライド部362が上方へ脱落することを防止することができる。そのため、円板部361aにスライド部362を接着剤等で固着せずとも、スライド部362の配置を円板部361aと中部材330の下底部との間で維持することができる。
被案内部362cは、中部材330の案内孔332bに挿通されることで、スライド部362の変位方向が左右方向からずれることを回避するための部分である。特に、本実施形態では左右方向に長尺に形成されるので、被案内部362cと案内孔332bとの係合により、スライド部362の姿勢維持を図ることができる。なお、被案内部362cの断面形状は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、円形でも良いし、矩形でも良い。
回動部363は、上面視で略L字状に形成され、L字の接続部において上下方向に長尺の筒状に形成され中部材330の被締結部332dを挿通可能な大きさの貫通孔を有する支持筒部363aと、L字の短手側先端部から上方へ向けて円柱状に突設され張出部362bが有する貫通孔に挿通される上円柱部363bと、L字の長手側先端部から下方へ向けて円柱状に突設されスライド変位部材370の凹設部378に挿通される下円柱部363cと、を備える。
上述の構成により、回動部363は、支持筒部363aを中心軸として回動可能に構成される。この回動部363の変位は電磁ソレノイド361の状態の変化によって生じる。即ち、電磁ソレノイド361に通電されることでプランジャーがスライド変位しスライド部362が左右方向に変位すると、張出部362bの貫通孔に挿通されている上円柱部363bが変位し、これに伴い下円柱部363cが変位し、結果としてスライド変位部材370を変位させる。
スライド変位部材370は、中部材330と下部材380との上下間位置において前後方向にスライド変位するよう支持される部材であって、中部材330の後側枠状部332の下底部と下部材380とに上下から挟み込まれて支持される薄板部371と、その薄板部371から左右一対で上方に突設される上突設部376と、その上突設部376よりも後側において左右中央部で上方に突設される突設部の突設端部で凹設され回動部363の下円柱部363cを受け入れ可能に形成される凹設部378と、を備える。
薄板部371は、後側半部において左右一対で貫通形成される被支持孔371aと、左右中央部における正面側端部から上突設部376の配置間隔よりも短い左右幅で前後長尺に凹設される凹設部372と、その凹設部372の縁部に沿う突条形状で下方に突設される一対の下突条部373と、後側半部における左右縁部に沿う突条形状で上下両方向に突設される複数の上下突条部374と、後端部から下方に円柱状で突設され下部材380の案内長孔386に挿通される円柱突部375と、を備える。
下突条部373及び上下突条部374は、上下側に配置される中部材330又は下部材380と対面し摺動することを想定した部分であり、平面での接触に比較して、中部材330及び下部材380との接触面積を低減するための突条である。接触面積を低減することで、スライド変位部材370の変位抵抗を低減することができるので、スライド変位部材370の変位速度が遅くなることを防止することができる。
上突設部376は、正面視略台形状の柱状部であり、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように配置される。上突設部376の左右内側の隙間の幅長さは、中部材330の仕切り板部338の左右厚みよりも若干長く設計される。この構成により、仕切り板部338により、上突設部376の変位を案内することができる。
換言すれば、上突設部376は、左右内側の隙間に仕切り板部338を挟むように配置され、仕切り板部338との当接により左右方向の位置ずれが抑制されるよう構成される。これにより、スライド変位部材370の変位を良好に案内することができ、スライド変位部材370の変位方向を前後方向に維持することができる。
凹設部378は、スライド変位部材370の前後方向変位を生じさせるのに必要となる回動部363の下円柱部363cの変位に対応できるように、左右方向に長尺の長孔として形成される。
凹設部378が形成される突設部は、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように構成されることで、回動部363の下円柱部363cを容易に凹設部378に挿通することができる。
このように、配置用貫通孔332aの形状は、挿通を予定される上突設部376と、凹設部378が形成される突設部と、が配置される全範囲を内側に含む形状の貫通孔として設計される。
下部材380は、上述の挿通孔381と、左右に長尺の薄板状に形成される板状部382と、その板状部382の下側において複数(本実施形態では4個)の検出センサSE1を左右に並べて配置可能とする枠状に形成されるセンサ保持枠部389と、を備える。
センサ保持枠部389は、検出センサSE1を挿入する背面側面と、検出センサSE1の貫通孔を通る球が通過する上下側面と、が開口形成されており、その他の部分が閉鎖されてなる枠状に形成される。
板状部382は、センサ保持枠部389に上下方向の貫通孔が形成されたことと同様に、検出センサSE1の貫通孔と合う位置に貫通孔が形成され、左右内側の2個の検出センサSE1の中間位置において前後方向に長尺の突条形状で上方へ突設される突条部383と、その突条部383の前側端部から左右に離れた位置で突設される一対の突設部383aと、突条部383よりも後側の位置においてスライド変位部材370の被支持孔371aに挿通可能な位置で突設される一対の案内突設部384と、その案内突設部384よりも左右外側の両位置において前後方向に長尺の突条として形成される一対の案内突条385と、上面視において突条部383と同一直線上に延びる長孔状の案内長孔386と、前側面において後方に突の湾曲面形状で形成される湾曲面部387と、中部材330の被締結部332cに螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔388と、を備える。
突条部383は、スライド変位部材370の凹設部372の左右隙間幅よりも若干短い左右厚みの突条として形成され、スライド変位部材370は凹設部372で突条部383を挟むように配置される。即ち、突条部383は、スライド変位部材370の前後方向変位を案内する案内部として機能する。
突設部383aは、左右内側端部が、中部材330の位置合わせ突設部339の左右外側端部と同等の位置となるように設計される。即ち、一対の突設部383aの左右内側端部に、位置合わせ突設部339の左右外側端部が当接する形で、嵌め合わされることにより、下部材380を基準とした中部材330の左右方向の位置を適切に定めることができる。それと共に、下部材380の枠前部(突条部383を突設部383aとを前端側でつなぐ部分)の背側面と位置合わせ突設部339の前側面とを当接させることで、下部材380を基準とした中部材330の前後方向の位置を適切に定めることができる。
これにより、中部材330の構成としての第3流路構成部336と、下部材380の構成としての検出センサSE1と、の間に位置ずれが生じることを回避し易くすることができる。
案内突設部384は、左右長尺の長円形状に形成されており、スライド変位部材370の被支持孔371aに挿通され、スライド変位部材370の変位を制限する。即ち、スライド変位部材370の変位は、被支持孔371aの内部に案内突設部384が配置される範囲での変位に制限される。
これにより、スライド変位部材370と突条部383との衝突を生じさせないようにすることができるので、例えば、前方向の変位終端がスライド変位部材370と突条部383との衝突した位置で定まる構成に比較して、突条部383の耐久性を向上することができる。そのため、突条部383による案内効果を長く奏し続けることができる。
なお、案内突設部384は、破損したとしてもスライド変位部材370の動作に即座に影響が生じる部分では無く、突条部383への衝突を防止するための部分として機能する。そのため、通常は案内突設部384の破損が生じない状態で設定期間(例えば、3年)において使用を維持できる強度で設計するところ、案内突設部384が破損した後は突条部383とスライド変位部材370とが衝突する状態で使用をすることを見込んで、案内突設部384及び突条部383の強度を設計するようにしても良い。即ち、案内突設部384の寿命を設定期間未満として(例えば、2年)として、残りの期間を突条部383の強度で耐えるように設計しても良い。この場合、下部材380に使用する樹脂材料の設定自由度や、形状の自由度を向上することができる。
案内突条385は、スライド変位部材370の薄板部371の左右幅よりも若干長い隙間幅で配置され、薄板部371を隙間に配置可能に形成される。スライド変位部材370の変位は、案内突条385の左右内側における変位に制限される。これにより、スライド変位部材370の前後方向変位を、左右方向の位置ずれ小さく生じさせることができる。
案内長孔386は、スライド変位部材370の円柱突部375を挿通可能な左右幅で形成される長孔である。スライド変位部材370の変位の方向は、円柱突部375が案内長孔386に案内されることで前後方向に制限される。
湾曲面部387は、中部材330よりも下側を流下する球の流下を案内するための当接面である。本実施形態では、アウト口71に入球した球の流下を案内することになるが、詳細は後述する。
挿通孔388には、締結ネジがネジ頭を下側に向けた姿勢で挿通される。これにより、締結ネジが目立って視認されることを回避することができる。また、挿通孔388の配置は、複数の検出センサSE1が配置される範囲よりも左右外側かつ背面側とされる。これにより、挿通孔388に挿通される締結ネジが、検出センサSE1付近または検出センサSE1の貫通孔を通過する球を見る視界を遮る可能性を低くすることができる。
上述のように、スライド変位部材370は、複数の部分、即ち、薄板部371に対する案内突条385や、被支持孔371aに対する案内突設部384や、凹設部372及び下突条部373に対する突条部383や、円柱突部375に対する案内長孔386や、上突設部376に対する仕切り板部338等、に案内されて前後方向へ変位する。これにより、案内時の負荷を複数位置に分担させることができるので、負荷が局所的にかかることを回避でき、スライド変位部材370及びスライド変位部材370を案内する案内用部分の破損を回避することができる。
ここからも分かるように、スライド変位部材370は、単一の部材に案内されるものではなく、少なくとも、中部材330と、下部材380と、の複数部材に案内される。即ち、スライド変位部材370は、少なくとも、中部材330の仕切り板部338に一対の上突設部376が案内され、且つ、下部材380の突条部383に凹設部372が案内される。
そのため、中部材330と、下部材380との組み付けが不良で、配置ずれが大きいと、スライド変位部材370の動きが阻害される。ここで、中部材330と下部材380とは、球の流下経路を連続的に構成する部分として配置ずれを小さく抑えることが好ましい所、スライド変位部材370の変位が良好とされていることにより、配置ずれが小さいことを保証することができる。
換言すれば、中部材330に対する下部材380の配置ずれが過度に大きくなると、スライド変位部材370の変位が良好に行われないので、スライド変位部材370の変位が不良であることを検出することにより、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良となっている可能性があるとしてエラー報知を実行するよう制御することができる。
従って、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良な状態のままの遊技が継続されることを防止できるので、遊技者が不測の不利益を被る可能性を低くすることができる。
次いで、振分装置300の内部構造の詳細について説明する。なお、ここでは、振分装置300の内部における球の流下に関わる構成と、球の流下経路側に進入する構成と、について主に説明する。
図15は、受入部材163及び振分装置300の正面図であり、図16は、図15のXVI−XVI線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図17は、図15のXVII−XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図18は、図15のXVIII−XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。
なお、図15から図18では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は前側位置に配置された状態で図示される。まず、振分装置300の内部を流下する球の流下経路の詳細について説明する。
開閉板65bが開放状態(図6(b)参照)の時に開閉板65bに着地した球は、受入部材163の下面部163aを転動し球通過孔163bに案内される。球通過孔163bを通過した球は上部材310の開口部312を通過し、中部材330の第1流路構成部334に案内される。第1流路構成部334と、続く第2流路構成部335と、その先に続く第3流路構成部336とは、全て下降傾斜する傾斜流路として構成され、接続される流路同士が上面視で90度の角度を成す渦巻き状に形成される。
即ち、第1流路構成部334は前後方向正面側に球を流下させる傾斜流路として形成され、第2流路構成部335は第1流路構成部334を流下する球の流下方向を基準として90度回転した左右方向に球を流下させる傾斜流路として形成され、第3流路構成部336は第2流路構成部335を流下する球の流下方向を基準として先の回転方向と同方向に90度回転した前後方向背面側に球を流下させる傾斜流路として形成される。
このように、流下経路を屈曲角度が直角の渦巻き状に形成することで、球の流下速度が下流側に向かうにつれて増加する程度を低減することができる。詳述すると、第1流路構成部334を流下する球は正面側へ向けて加速するところ、続く第2流路構成部335での流下方向は前後方向成分を持たないので、第1流路構成部334での加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。更に、第2流路構成部335に続く第3流路構成部336では、第1流路構成部334での加速方向とは逆の後方へ向けた流下となるので、前後方向の加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。
従って、例えば、終始一貫して同方向(例えば、左方向)へ向けて流下する流下態様と異なり、下流側において球の流下速度が過大となることを回避し易くすることができる。換言すれば、流路全体において球の流下速度を均一にしやすくすることができ、球に対する遊技者の注目力を高く維持することができ、球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができるという効果を奏する。
また、例えば、第2流路構成部335を形成しないことも可能だが、第2流路構成部335を形成した方が、球の詰まりや、逆流を防止し易くすることができる。第2流路構成部335が形成されない場合(第2流路構成部335の左右方向長さが0である場合)、即ち、第1流路構成部334と第3流路構成部336とが連結される場合、その連結箇所において、球の流下方向を手前側の流れから後方への流れに180度反転する必要が生じる。この場合、球の流下方向の切り替え角度が大きく、特に速度方向を前後に反転させる必要があるので、球を滑らかに流下させることが困難であり、球の滞留や詰まり、逆流が生じ易く、不具合が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、流下方向の切り替え角度が90度以下であれば(本実施形態では、90度)、球の速度方向の反転が生じないので、球を滑らかに流下させることができ、球の滞留や詰まり、逆流を回避し易くすることができる。
各流路構成部334〜336の接続端部における流路形状について説明する。第2流路構成部335と第3流路構成部336との接続端部においては、上述の対称突設部161fが球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として配設される。
対称突設部161fは、球の上流側に配置される部分よりも下流側に配置される部分の方が球の経路から退くよう形成される。例えば、隣り合って配置される仕切り板部338の左右幅よりも、対向配置される対称突設部161fの左右幅の方が長く形成される。また、開放部335a付近の第2流路構成部335の流路側面よりも、対向配置される対称突設部161fの左右端側の後端部の方が正面側に配置される(図17参照)。
これにより、球が対称突設部161fに衝突した場合に、球が過度に減速されたり、球の逆流が生じたり、することを防止することができる。
また、第2流路構成部335と第1流路構成部334との接続端部においては、中部材330の前側左右端部において湾曲形成される側壁部334aが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
また、第1流路構成部334の上流側端部においては、正面側へ向かうほど配置が下がる湾曲面形状(図16参照)で第1流路構成部334の流下面部から上方へ突設される湾曲突部334bが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
即ち、開口部312を通過した球は、湾曲突部334bを転動し、第1流路構成部334を流下し、流下中に側壁部334aに当接することで流下方向を切り替えられ、第2流路構成部335を流下し、流下中に対称突設部161fに当接することで流下方向を切り替えられ、第3流路構成部336を流下し、排出孔337に到達する。
側壁部334aは、被固定部材161の突設支持部161dと係合し、位置合わせ可能な形状から形成される。即ち、側壁部334aが左右の突設支持部161dに挟み込まれるように支持され、左右方向への位置ずれが規制されることで、可変入賞装置65と振分装置300との左右方向の位置合わせを行うことができる。
各流路構成部334〜336の長手方向の傾斜角度および長さの比について説明する。長手方向の傾斜角度については、第1流路構成部334は、水平に対する傾斜角度が約7度とされ、第2流路構成部335は、水平に対する傾斜角度が約5度とされ、第3流路構成部336は、水平に対する傾斜角度が約5度とされる。即ち、第1流路構成部334において傾斜角度が最大に設定され、第2流路構成部335及び第3流路構成部336では若干緩い共通の傾斜角度に設定される。
長さについては、各流路構成部334〜336は、上面視において外形正方形状に形成される前側枠状部333を内側側面とし、その前側枠状部333のなす正方形の中心と同じ中心を有する大きな正方形を外側側面とするように形成される。ここで、本実施形態では、前側枠状部333の一辺の長さが21mmとされており、上述の大きな正方形の一辺の長さが45mmとされることにより、周囲に幅12mmの流路が形成される。
そのため、通常使用される直径11mmの球に対して、流路とのクリアランスが球の両側の合計で1mmとされているので、球は幅方向の位置ずれがほとんどない状態で流下することになる。これは、ベース板60(図2参照)とガラスユニット16(図1参照)との間隔が19mm程度で規定されることから考えても、小さなクリアランスであるといえ、流下する球の位置ずれを抑制することができる。
正方形状の前側枠状部333の周囲を取り巻く正方形上に配置される各流路構成部334〜336の端部を構成する部分の内、第1流路構成部334の上流側の端部を構成する湾曲突部334bのみが正方形の頂点よりも内側(正面側)に配置されているので、第1流路構成部334は、第2流路構成部335及び第3流路構成部336に比べて短い。
上面視における実測値から言えば、第2流路構成部335及び第3流路構成部336により形成される流路は略同等の長さとされ(球中心間隔で33mm)、その長さは、第1流路構成部材334により形成される流路の長さ(球中心間隔で22mm)の約1.5倍とされる。
上述した各流路構成部334〜336の長手方向の傾斜角度および長さの比から、各流路構成部334〜336を球が通過するのに要する時間は一定では無いことが説明できる。即ち、傾斜角度が最大で且つ流路長さが最短の第1流路構成部334を通過する時間は、傾斜角度が緩められ且つ経路長さが1.5倍の第2流路構成部335及び第3流路構成部336を通過する時間よりも短い。
本実施形態では、このように構成することで、検出センサSE1の球通過孔163bを通過する際に配置が背面側へ移り、且つ検出センサSE1の非透過の樹脂部分に一部が隠されることで球の視認性が悪くなる状態から、球を早期に正面側に変位させることができ、遊技者に近く、球の視認性が高い状態へと状態を切り替えることができる。これにより、球通過孔163bを通過した球を遊技者が見失う事態が生じることを回避し易くすることができる。
更に、球の視認性が高い状態においては、球の流下速度を緩めることにより、球へ向けた視線を遊技者が素早く動かすことを不要とし、球に注目する遊技者の遊技負担(眼球の移動による目の疲れ)を低減することができる。
このように視認性が高くなる第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球に注目する際に、第2流路構成部335に沿って左右方向に球が流下する場合に比較して、第3流路構成部336に沿って前後方向に球が流下する場合の方が、正面視における球の変位量が小さくなるので、球に注目する遊技者の遊技負担を、第3流路構成部336を流下する球に注目する際に最小とすることができる。
換言すれば、長さ及び傾斜角度が同等であることから、第2流路構成部335を球が通過するのに要する時間と、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間と、は同等とされるところ、正面視における球の変位量が異なるので、結果として見かけ上の球の流下速度(正面視での球の変位速度)は、第3流路構成部336を流下する球の方が第2流路構成部335を流下する球よりも遅くなる。
遊技負担が最小とされ球に注目させ易い第3流路構成部336の後端部において球の流下経路は唯一変化し、それ以外の部分では球の流下経路は各流路構成部334〜336において共通とされる。従って、遊技者の視線は第3流路構成部336の後端部に自ずと集中し易いところ、このように視線を集中させる遊技者の遊技負担を有効に低減することができる。
また、第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者の視界を確保するために、本実施形態では、第2流路構成部335の前側面に開放部335aが形成されるので(図17参照)、第3流路構成部336へ向かう視線を第2流路構成部335の肉部が妨げることを回避することができる。
更に、開放部335aの内側に配設される対称突設部161fは、流下する球との当接、案内のために必要な部分のみが形成され、その上下側においては形状部の形成が省略される。換言すれば、対称突設部161fは上下に薄肉の板状部として形成され、その上下側には空間が確保される(図18参照)。そのため、対称突設部161fが上下に厚みを持って形成される場合に比較して、第3流路構成部336の後端部へ向けた視線が対称突設部161fに妨げられる可能性を低くすることができ、視認性を向上することができる。
また、第3流路構成部336の後端部を中心とする視界側へ、開閉板65bから逸れてアウト口71へ向かう球が集まってくるように構成される(図5参照)。特に、本実施形態では、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の下方を流下し、下部材380の湾曲面部387に当接し下方へ排出される。
従って、第3流路構成部336を流下する球を斜め上前側から視認する視線を前提とすると、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の奥側を流下する。そのため、第3流路構成部336を流下する球と、アウト口71に入球する球とが前後で被って視認されることになるので、第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む球の総数が多くなる。
換言すれば、特定入賞口65aに入球して第3流路構成部336を流下する球か、特定入賞口65aには入球せずアウト口71に入球する球かに寄らず、球が第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む。
従って、特定入賞口65aへの球の向かい易さ、即ち、ベース板60に植設される釘構成(所謂ゲージの良し悪し)に関わりなく、発射された球の多く(他の入賞口63,64,140に入球した球を除く球)が集まる位置と前後方向で被る位置に、第3流路構成部336の後端部(遊技者の注目が集まる部分)が配置される。これにより、流下する球により、視線を効率的に第3流路構成部336の後端部に誘導することができる。
上述のように、正面側寄りの位置における視認性を向上したが、その上で、本実施形態では、背面側寄りの位置における視認性を、第3流路構成部336の後端部を除いて低下させるよう構成している。
例えば、中部材330の前側枠状部333の内側面には、プリズムに倣った形状で光拡散の作用を生じさせるための光拡散加工面333bが形成される。図17において、鋸歯状に視認される箇所が光拡散加工面333bであり、内側面のほぼ全内周、且つ、上下に亘って形成される。
光拡散の作用が生じると、光が複数方向に拡散されることで、面全体が光っているように視認されるので、表面を煌びやかに光らせ演出することができる一方で、光に視線が遮られ、その奥側の視認性が悪くなる。本実施形態によれば、基板350の発光手段351から光が照射される状態では視認性が悪くなり、逆に、光が照射されていない場合には、少なくとも光が照射される状態に比較して視認性を良くすることができる。
一方、光との間に遮蔽物があると、その遮蔽物の影が黒点として視認されることになり、その位置を判別し易くなる。
光拡散加工面333bと同様の加工面が他の部分にも形成されている。例えば、左右外突設部319の背側面に形成される光拡散加工面319aや、後側枠状部332の枠前部の背側面に形成される光拡散加工面332e等である(図17参照)。
また、同様の形状で形成される加工面としては、上部材310の第2上面部314bの背面側に延設される板状部であって組立状態において中部材330の前側枠状部333に蓋をする部分の上面側において形成される光拡散加工面314cや、中部材330の後側枠状部332よりも前側の部分の下側面全体に亘り形成される光拡散加工面340等が例示される。
これらの構成により、本実施形態では、各流路構成部334〜336から渦状に形成される流路の、背面側、下面側、渦の内側面および、その渦の上側面に、それぞれ光拡散加工面が形成されており、光照射による視認性の変化の効果を図っている。
光拡散加工面に光が照射されていない状態において、正面側から第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者目線で、第3流路構成部336から左右方向に方向転換した球を前側枠状部333で隠して、即座に見え難くすることができる。
更に、斜め上からの方向視で第3流路構成部336を流下する球を視認する遊技者目線で、センサ保持枠部389に保持される検出センサSE1を通過し落下した後の球を見ようとしても、その視線は光拡散加工面340を通過することになるので、光拡散加工面340に光が照射されることにより、検出センサSE1を通過し落下した後の球の識別は困難となる。
本実施形態では、後述するように、第3流路構成部336の後端部を球がどのように流下するかによって、遊技者が得られる利益が変化するよう制御される。
従って、第3流路構成部336の後端部から球がどのように流下したのかを把握するために、第3流路構成部336の後端部における球の挙動を確認する必要が生じるので、第3流路構成部336の後端部への注目力をより一層向上することができる。
一方、発光手段351から光が照射されれば、球の影を黒点として視認し易い状態を構成することができる。このように、光の照射の有無を状況に応じて切り替えることで、球の視認性の良し悪しを切り替えることができる。また、黒点よりも正面側における球の配置の有無により、その黒点が球で隠される状況と、黒点が球に隠されずに見える状況を構成することもできる。
上述のように、各流路構成部334〜336の付近において光拡散加工面319a,332e,333b,340が形成されるが、一貫して、各流路構成部334〜336により形成される流路を流下する球と当接しない側の側面に形成される。
これにより、光拡散加工面319a,332e,333b,340が球との当接により削られることを避けることができるので、光拡散加工面319a,332e,333b,340の形状を長期間に亘り維持することができ、光拡散の作用を維持することができる。
更に、光拡散加工面319a,332e,333b,340に球が当接することで、球の流下が阻害されたり、球が減速の作用を受けたりすることを回避することができる。加えて、流路内部の視認性は確保できるようにすることで、球が各流路構成部334〜336により形成される流路を流下している最中にまで球の視認性が低下することを回避することができる。
なお、敢えて光拡散加工面319a,332e,333b,340を流路側に形成するようにしても良い。この場合、プリズムの大きさの設定次第では、光拡散の作用を生じさせる効果と、球との衝突により球を減速させる効果と、を生じさせるように図ることができる。
中部材330の前側枠状部333では、被締結部316との締結位置においては加工の難易度から光拡散加工面333bの形成が省略されており、対策なしでは視認性が高いまま維持される可能性がある。そこで、本実施形態では、締結ネジによる視認性の低下を図っている。
即ち、被締結部316に螺入される締結ネジが金属製であり、非透過性であることを利用して、光拡散加工面333bの形成が困難となる箇所における目隠しとすることができる。前側枠状部333に光が照射されると、光拡散加工面333bは煌びやかに光り、光拡散加工面333bの形成が省略されている部分では締結ネジが光を反射して光るので、光拡散加工面333bの形成が省略されている箇所も含めて、正面側からの視線における前側枠状部333の奥側の視認性を低下させることができる。
中部材330の光拡散加工面332eは、各流路構成部334〜336の背面側に形成されているが、この目的として、煌びやかに光らせることの他に、背面側に配設される基板350及び状態切替装置360の目隠しとしての機能を生じさせることが挙げられる。特に、状態切替装置360は基板350の背面側に配置されるので(図17参照)、基板350が目隠しとなり、状態切替装置360が遊技者に視認されることを防止し易くすることができる。
基板350は、中部材330の後側枠状部332に下支えされる形で収容されるが、左右中央部において後側枠状部332の下底部と隙間を空けて配置され、その隙間にスライド変位部材370が配置される(図18参照)。即ち、基板350は、スライド変位部材370を後側枠状部332の下底部との間で挟む位置に配置される。
詳述すると、基板350は、下側部353が左右端部において後側枠状部332に前後から挟まれるように支持される(図17参照)。この支持箇所において、後側枠状部332の下底部は肉厚とされる肉厚部332fを備えており(図16参照)、左右中央位置付近では、この肉厚分が無いことで隙間が生まれ、その隙間にスライド変位部材370を配置することができる(図18参照)。
図18に示すように、基板350の上側部352は、上部材310の収容凹部320の内側に進入し、介在部材164に形成される光拡散加工面164fと前後に対向配置される。
そのため、上側部352に配置される発光手段351から光が照射されることにより、介在部材164の光拡散加工面164fが煌びやかに光る演出効果を奏することができ、更に、介在部材164の背面側の範囲の視認性を低下させることができる。
ここで、上側部352に配置される発光手段351は光拡散加工面164fの下端部付近に光を照射するところ、光拡散加工面164fは、プリズムに倣った断面形状部が、表面に沿って上下方向全体に形成されるので、発光手段351から照射された光は上下幅の広い光として視認される。そのため、遊技者目線で、特定入賞口65aの上下に亘って発光しているように見せることができる。
なお、正面側からの視界において、光拡散加工面164fは、受入部材163の左右中央側位置に配置されるが、検出センサSE1の背面側に配置したとしても検出センサSE1が視界の妨げとなり良好に視認できないので、少なくとも一対の検出センサSE1の配置隙間内において形成されていれば、十分な効果を奏することができる。
なお、基板350の下側部353は、シール部材313や、その下側に配設され球が流下する部分へ向けて光を照射するよう配置されるが、詳細は後述する。
次いで、図19及び図20を参照して、第3流路構成部336の後端部を通過した球の流下経路の切り替えと、その意義について説明する。なお、図19及び図20の説明においては、図15から図18を適宜参照する。
図19は、図15のXVII−XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図20は、図15のXVIII−XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。図19及び図20では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は後側位置に配置された状態で図示される。
ここで、センサ保持枠部389に支持される左右4個の検出センサSE1と、各検出センサSE1への球の流下と、各検出センサSE1の機能について説明する。
4個の検出センサSE1は、2組が左右対称に配設されるものであり、機能を共通とする確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12と、を備える。確変検出センサSE11は、左右方向内側に配設され、通常検出センサSE12は、左右方向外側に配設される。
この4個の検出センサSE1の機能は、開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1とは異なる。開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる入球センサである。即ち、特定入賞口65aに入球した球が背後の検出センサSE1に入球したと検出されると、所定個数(本実施形態では、1個の検出に対して10個)の賞球が払出制御装置111(図4参照)により遊技者側に払い出される。
一方、センサ保持枠部389に支持される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる検出センサではなく、入球を検出することで、大当たり遊技終了後の遊技状態を変化させるための検出センサとして機能する。
なお、後述するように、本実施形態では、センサ保持枠部389に配設される検出センサSE1を確変状態への移行の有無の切替のために利用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサSE1を次回大当たり獲得の有無の切替のための入球センサとして機能させても良い。
スライド変位部材370が前側位置に配置される場合(図17及び図18参照)、確変検出センサSE11の上側に薄板部371が被さるようにスライド変位部材370が配置され、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が防止される。そのため、第3流路構成部336の後端部を通過する球は、スライド変位部材の上突設部376に案内されるようにして、通常検出センサSE12の貫通孔へ案内される。
上突設部376は、球と対向する前側面376aが、流路側を凹とした円弧形状で形成されているので、流れてきた球を滑らかに通常検出センサSE12の貫通孔へ向けて流すことができる。
一方、スライド変位部材370が後側位置に配置される場合(図19及び図20参照)、確変検出センサSE11の上方からスライド変位部材370が後方に退避し、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が許容される。
即ち、球がいずれの検出センサSE1を通過するかは、スライド変位部材370の配置(前側位置または後側位置)と対応する。そして、大当たり遊技中に球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したことが検出された場合に、その大当たり遊技後の遊技状態を確変状態とするように制御される。換言すれば、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したと検出されず、通常検出センサSE12の貫通孔のみを通過した場合には、その大当たり遊技後の遊技状態を通常状態(又は時短状態)とするように制御される。
ここで、本実施形態において、大当たり種別として、確変大当たりと、通常大当たりとが用意されていることについて上述した。これを実現するために、本実施形態では、大当たり種別ごとにスライド変位部材370の動作パターンとして異なる動作パターンが用意されている。
換言すれば、スライド変位部材370は、確変大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御され、通常大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し難く、通常検出センサSE12の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御されるが、制御の詳細については後述する。
このように、スライド変位部材370の配置は、遊技者が得られる利益に直結するものであり、その配置に自ずと遊技者の注目が集まることになる。一方、スライド変位部材370の配置を不正に切り替えようとする不正行為は少なからず発見されており、それに対する対策が重要視される。
前提として、スライド変位部材370の配置は、状態切替装置360の電磁ソレノイド361への通電の有無によって切り替えられる。即ち、電磁ソレノイド361に通電がされていない時は、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が付勢バネ(図示せず)によって右側に配置され、回動部363の下円柱部363cが正面側に配置されることで、スライド変位部材370は前側位置に維持される。
一方、電磁ソレノイド361が通電されると、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が電磁力によって左側に移動され、回動部363の下円柱部363c(図13参照、スライド変位部材370の凹設部378に挿入される部分)が背面側に変位することで、スライド変位部材370は後側位置に維持される。これが通常の動作態様であり、電磁ソレノイド361への通電と、スライド変位部材370の配置とが一対一で対応する。
上述した不正行為を行う者は、例えば、球払い出し開口や、外枠11と正面枠14(図1参照)との隙間等からピアノ線などの金属細線を振分装置300の内部に差し入れて、その金属細線をスライド変位部材370に押し当てて、スライド変位部材370を奥側へ押し込むようにして、確変検出センサSE11への球の入球が可能となる状態を不正に作り出そうとする可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド変位部材370の配置として、薄板部371が第3流路構成部336の下底部よりも下側に配置されているので(図18参照)、第3流路構成部336に金属細線を通してスライド変位部材370に押し当てる場合に、薄板部371の前端部に押し当てるのは困難であり、上突設部376に押し当てることになる。上突設部376の前側面376aは、上述のように負荷を左右外側へ逃がすような湾曲面形状とされるので、金属細線を押し当てられたとしても、その負荷を左右外側に逃がすことができ、スライド変位部材370が不正に後側位置に変位させられる事態を回避し易くすることができる。
また、スライド変位部材370に到達するまでの経路が、一直線では無く渦状に巻いていることに加え、スライド変位部材370自体の配置もガラスユニット16(図1参照)の前側面から背面側に遠く(約10cm程度)離れているので、そもそも、金属細線をスライド変位部材370に到達させることを困難とすることができる。
これらの構成から、状態切替装置360の構成の設計自由度を向上することができるという効果も奏する。即ち、従来では、上述のような不正行為に対して、駆動力を伝達する機構の機械的な工夫(変位規制)によりスライド変位部材370の配置を維持するよう構成する場合が多く、その場合には、状態切替装置360の構成が制限されていた。これに対し、本実施形態では、そもそもスライド変位部材370に負荷がかけられ難く構成することにより、状態切替装置360に要求される条件を部分的に省くことができ、状態切替装置360の設計自由度を高めることができる。
また、第3流路構成部336を通して這わせた金属細線でスライド変位部材370に押し付け負荷を加える場合には、この金属細線自体が、第3流路構成部336を流下しようとする球の流下を阻害することになるので、球を確変検出センサSE11に到達させることを困難とすることができる。
上述のように、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過するか、通常検出センサSE12の貫通孔を通過するかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化することから、誤入球は極力避けることが望ましい。
従来の機種では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態においては通常検出センサSE12への入球を規制するように構成することが通常であったが、本実施形態では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態(図19及び図20参照)において通常検出センサSE12への入球を規制するような可動部材は用意されておらず、通常検出センサSE12へも入球させることが可能な構成である。
このように構成しても、10個の球が流下した場合に少なくとも1個が確変検出センサSE11の貫通孔を通過すれば、大当たり遊技後の確変状態は確保されることになる。本実施形態では、このような考え方から、通常検出センサSE12の開閉を行う可動部材の配置を省略することにより、材料コストの低減を図ることができ、製品コストを低減することができる。また、可動部材を配置しない結果、その可動部材の故障や動作不良に伴うメンテナンスが不要になったり、可動部材の寿命以上にパチンコ機の使用年数を延ばすことができたりという良い効果を奏する。
一方で、可動部材とは別の工夫として、適切な側の検出センサSE1に球が案内されるようにするための工夫として、流路形状と、固定の突設部317,318,319の配置や形状とが工夫されている。即ち、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で想定以上の球が通常検出センサSE12へ流れることを防止するような仕組みを、流路内部に固定配置される部分(即ち、突設部317,318,319)の形状により実現するように図っている。このことについて、以下で説明する。
まず、流路形状の工夫について説明する。第3流路構成部336の下底面336aは、短手方向において、左右方向中央側(仕切り板部338側)に向かうにつれて水平に対して5度の角度で下降傾斜する傾斜面として形成される(図15参照)。
この傾斜角度は、第2流路構成部335の長手方向の傾斜と、角度および方向が同様となるように設定されているので、第2流路構成部335から第3流路構成部336に球が流入する際の球の跳ね(仕切り板部338から離れる方向の跳ね)を低減することができる。
この短手方向の傾斜によって、第3流路構成部336を流下する球の配置を仕切り板部338側に寄せることができる。そのため、第3流路構成部336の後端部から検出センサSE1側へ流下する際の球を仕切り板部338に近接する側に配置することができるので、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
また、下底面336aの短手方向の傾斜に関わらず、各流路構成部334〜336により構成される流路は、左右方向経路が第2流路構成部335によってのみ形成されており、その傾斜方向は左右中心側(仕切り板部338側)なので、左右方向の速度は左右内向きに生じることになる。これによっても、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
次に、固定の突設部317,318,319の配置や形状の工夫について、説明する。第3流路構成部336を流下した球が最初に近接配置されるのは、左右内突設部318である。左右内突設部318は、突設部317,318,319の内で最も小さな突設部でありながら、検出センサSE1の中心よりも正面側、且つ、スライド変位部材370の上突設部376よりも正面側に配置されているので、仕切り板部338に摺動しながら第3流路構成部336の後端部を通過する球と漏れなく当接する。
左右内突設部318の突設先端面は、正面視では下に凹の湾曲面として構成され(図15参照)、且つ、突設部後端側の方が突設部前端側よりも左右外側および下側に拡がって形成され前後端部が凹形の湾曲面でつながるように形成される(図17参照)。従って、第3流路構成部336の後端部を通過し左右内突設部318に当接した球は、左右外向き成分と、下向き成分とが混合された方向の負荷を受け、流下する。
一方で、左右内突設部318は小型に形成されていることから、左右内突設部318から受けた負荷のみで球の流下方向が下方か左右外方向かに定まるものでは無く、あくまで勢い付けとして機能する。そして、左右内突設部318がスライド変位部材370よりも上流側に配置されることから、上述の勢い付けは、スライド変位部材370の配置に関わらず生じる。
左右内突設部318に当接した後の球の流下について場合を分けて説明する。スライド変位部材370が前側位置に配置された状態では、球は、上突設部376や、前後長突設部317(図18参照)に当接しながら、スライド変位部材370の薄板部371を転動し、通常検出センサSE12側へ流れる。
前後長突設部317の突設端部は、上突設部376と同様の用途を有する。即ち、球の流下方向を切り替えるための湾曲面として形成されるので、その湾曲面の曲率半径は、上突設部376の前側面376aの曲率半径とほぼ同じとされる。目安として、上突設部376は左右内側を始点とし、上面視で確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の後方位置を終点とする湾曲面を構成し(図17参照)、一方で、前後長突設部317は流路の天井面を始点とし、左右方向視で、スライド変位部材370の前側位置における前側面376aの終点位置(後端位置)と近接する位置を終点とする湾曲面を構成している(図18参照)。
ここで、薄板部371の上側面が左右外側へ下降傾斜する傾斜面として形成されており、左右内突設部318との当接により左右外側へ勢い付けされた球は、その勢いを活かして左右外方向へ流下することになるので、球の流下を滑らかに形成することができる。
更に、左右外方向へ流下する球の上方において左右外突設部319が形成されており、球跳ねが抑制されることによっても、球の流下を滑らかに形成することができる。左右外突設部319の目的が球の流下方向の切り替えでは無く球跳ねの抑制であることから、その形状は前後長突設部317とは大きく異なり、その突設端部は、確変検出センサSE11の上方から通常検出センサSE12の上方に亘って形成される大きな曲率半径の湾曲面として形成される。
特に、本実施形態では、左右外突設部319が検出センサSE1の開口の中心(即ち、流路の中心)よりも正面側に配設されていることから(図19参照)、左右外突設部319と球とが上下方向で当接する場合に、球の中心が左右外突設部319の厚み中心よりも後方側に配置され易い。そのため、左右外突設部319と球とが上下方向で当接した際に、球に対して後方向成分を有する負荷がかかり易いようにすることができるので、球が正面側に逆流することを防止することができる。
これらの構成から、複数の球が流下する場合に球詰まりが生じたり、球の逆流が生じたりすることを防止し易くすることができる。
スライド変位部材370が後側位置に配置された状態では、薄板部371や上突設部376が前後長突設部317よりも後方に退避しているので、球は、前後長突設部317に当接して流れる。
前後長突設部317は、突設端部(湾曲面)の面形状が、法線が第3流路構成部336の中心を通る形状とされており、確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の真後ろに厚み中心が配置されるので、当接した球に対して左右方向の成分が抑制された負荷を与えやすい。この負荷は、前後長突設部317の突設先端が凹状の湾曲面形状とされることから(図20参照)、球を前斜め下方に流す負荷として機能する。
そのため、左右内突設部318からの勢い付けでは右方に行き切らなかった球は、前後長突設部317からの負荷により前斜め下方への負荷を受け確変検出センサSE11側へ流れる。
ここで、前後長突設部317との衝突時の当たり所によっては、球が正面側に跳ね返る(逆流が生じる)可能性が危惧されるが、本実施形態では、上述のように、左右内突設部318との当接により左右外斜め下方に勢い付けされているので、球が正面側に跳ね返ったとしても、球は第3流路構成部336の下底部後端(図20参照)や、前側枠状部333の後側面(図19参照)に衝突するに留まり、第3流路構成部336を逆流する事態が生じることを回避し易くすることができる。
本実施形態で独特なのは、スライド変位部材370が後側位置に配置され球が確変検出センサSE11側へ流れる際にも、スライド変位部材370が前側位置に配置され球が通常検出センサSE12側へ流れる場合と同様に、左右内突設部318から負荷による左右外側へ向けた変位が球に生じることである。この用途については、後述する。
スライド変位部材370は、前側位置と後側位置とでスライド変位可能に構成されるところ、球がスライド変位部材370に向かって第3流路構成部336を流下している最中にスライド変位部材370が閉鎖動作(後側位置から前側位置へ向けた動作)をすると、球に前向きの負荷を与える可能性があり、球に第3流路構成部336を逆流させる方向(前向き)の負荷が与えられる可能性がある。
これを防ぐために、スライド変位部材370の変位動作を制御することが好ましい。例えば、球がスライド変位部材370に到達する前に閉鎖動作を完了させておくように制御すれば、動作中のスライド変位部材370に球が衝突する可能性を排除できるので、球が逆流する可能性を低くすることができる。
また、スライド変位部材370の上突設部376の前面が左右外側を向く湾曲面として形成されていたり、左右内突設部318が球にもれなく衝突するように配置されたりすることにより、第3流路構成部336の後端部に到達した球を左右外側に案内する作用を生じさせることができる。これにより、球の逆流が生じにくくすることができる。
また、スライド変位部材370の開放動作(前側位置から後側位置へ向けた動作)は球と対抗する方向の動作ではなく、球から離れる側への動作なので、例えば、球がスライド変位部材370の薄板部371に乗っている時に動作が実行されても、その球を正面側に押し返す負荷は生じにくい。従って、開放動作については、球の配置を考慮せず任意のタイミングで実行する制御としても、球の逆流が生じ易くすることは無いと考えられる。
球がスライド変位部材370の上面で前転回転しながら薄板部371を転動する(まだ左右外側に流れる前段階の)場合、スライド変位部材370の開放動作は、球に対して、回転を抑える方向(後転させる方向)の負荷を与えるので、球の回転を留めることができ、球の流れを停止させ自由落下に移し易い。
そのため、球が薄板部371を転動中にスライド変位部材370が開放動作した場合に、球がそれまでの転動の勢いで通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができ、球を確変検出センサSE11に案内し易くすることができる。
上述した振分装置300を備える本実施形態におけるパチンコ機10における、振分装置300の遊技者目線での見え方について説明する。以下では、一例として、水平方向に対する視線の角度が異なる状態で場合を分けて説明する。
図21は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面図であり、図22は、図16の矢印XXII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図であり、図23は、図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図である。
前提として、パチンコ機10を操作する遊技者は、操作ハンドル51(図1参照)を握り回転させることを除き、好みの姿勢で遊技を行うことができる。例えば、パチンコ機10から頭を十分に離して、水平または水平から5度程度下降傾斜する方向の視線(図22参照)でガラスユニット16(図1参照)の内側を見るようにして遊技を行っても良いし、パチンコ機10に頭を近づけて、水平から30度程度下降傾斜する方向の視線(図23参照)でガラスユニット16の内側を見るようにして遊技を行っても良い。一般的には、前者の方が広い視界を確保できるが、細かな部分には気付きにくい一方で、後者は視界が狭くなるが、その視界における細かな部分には気付き易い。
図21は、基準として図示するものであり、以下では主に、図22及び図23を対比しながら説明を行う。なお、図21から図23では、便宜上、開閉板65bの開放状態が図示される。
図21には、発光手段351が想像線で図示される。なお、発光手段351は左右対称に配設されているが(図13参照)、理解を容易とするために左半部のみが図示される。最上部に配置される発光手段351の機能については上述した通りであるので、ここでは下側部353に配置される左半部における3個の発光手段351について説明する。
まず、上側の発光手段351は、シール部材313に向けて光を照射する。シール部材313は上述のように、赤色透明に形成されているので、発光手段351から光が照射された場合、シール部材313の周辺が赤く照らされる。これにより、シール部材313及びその周辺に対する遊技者の注目力を向上することができる。シール部材313は第3流路構成部336の真上に配設されているので(図18参照)、第3流路構成部336に注目させることができる。
なお、上側の発光手段351の正面側においては、光拡散加工面332eの形成が省略されている(図18参照)。これにより、発光手段351からの光が光拡散加工面332eにより上下方向に引き延ばされるように視認されることを回避し、シール部材313周辺を集中的に光らせることができる。
なお、発光制御については何ら限定されるものではないが、例えば、大当たり遊技中に、第3流路構成部336を流下する球に注目させたい状況においてシール部材313に光を照射するように制御することで、シール部材313に注目させ、その下側に配置される第3流路構成部336の後端部に自然と視線を誘導することができる。
次に、下側において左右に並んで配置される発光手段351は、それぞれ、確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12の真上位置に対応する。即ち、この発光手段351の制御を、球が確変検出センサSE11に入球した場合には確変検出センサSE11の真上位置に配置される発光手段351を発光させる一方、球が通常検出センサSE12に入球した場合には通常検出センサSE12の真上位置に配置される発光手段351を発光させるように制御することで、遊技者に対して、球の通過箇所を報知することができる。
これらの、下側において左右に並んで配置される発光手段351から照射される光は、光拡散加工面に向けられる。即ち、左右中央側の発光手段351は、光拡散加工面332eと対向配置されており(図18参照)、左右外側の発光手段351は、光拡散加工面319a(図17参照)と対向配置されている。光拡散加工面319a,332eは、各部の上下に亘って形成される。
従って、発光手段351からの光が視認される位置は、発光手段351のLEDの高さ位置に限定されるものではなく、上下に広がりがある範囲として形成される(上下に延びる帯状の光として視認される)。そのため、図21から図23に示すように、遊技者の視線の角度が変わったとしても、発光手段351からの光の視認性を向上することができる。
図22における水平からの下降傾斜の角度(5度)は、第3流路構成部336の傾斜角度と同じである。そのため、図22では、第3流路構成部336の後端部に配置されるスライド変位部材370の外形を視認することができる。但し、スライド変位部材370は前後方向に変位するため、この視界では、スライド変位部材370の変位による変化を把握し難い。
一方、図23に示すように、水平から30度の角度の方向視では、第3流路構成部336の後端部における視界の上下幅が狭まっているので、図22の方向視に比較して、第3流路構成部336の後端部における球の流下態様の切り替わりの確認の難易度が高くなる。但し、この視界では、スライド変位部材370が前後方向に変位する際の上突設部376の変位を把握し易い。
なお、中部材330の配置用貫通孔332aがスライド変位部材370の上突設部376を通すのに十分な最低限の大きさの開口として形成されているので、後側枠状部332の内部に配置される状態切替装置360(図17参照)を視認し難いように隠すことができている。
実際の大当たり遊技中には、ラウンド遊技中に特定入賞口65aに複数個の球が案内され、各流路構成部334〜336を順に流下する。各流路構成部334〜336に複数個の球が同時に配置される場合、奥側の球へ向けた視線が、手前側の球により妨げられる可能性がある。
例えば、第3流路構成部336に複数の球が配置される場合、それらの球は、図22では、同位置に配置される。従って、手前側の球によって、奥側の球が隠される。
また、球が通常検出センサSE12側へ流れる場合、第3流路構成部336の後端部から左右外方向へ流れることになる。第3流路構成部336から左右方向へ外れた後は前側枠状部333の光拡散加工面333bにより視認性が落ちるので、第3流路構成部336から左右方向へ外れる過程の球の動きを把握することが好ましいところ、第2流路構成部335の下流側端部位置(球P1の位置)から第3流路構成部336の上流側端部位置(球P2の位置)へ流入する球(第3流路構成部336から左右方向に若干ずれる球)があると、その球により、第3流路構成部336の後端部から左右方向へ外れる過程の球が隠される。
換言すれば、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかの把握は、第3流路構成部336の後端部で球の流下方向が左右外側へ切り替わったか、否かを視認すれば可能であり、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺に注目していれば良い。これに対し、本実施形態では、その視線の方向上の上流側における第3流路構成部336と第2流路構成部335との連結位置において、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺を含む経路で球が流下し得るように構成される(球P1の位置から球P2の位置への移動)。そのため、上流側を流下する球の配置によっては、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかを把握し損なう事態が生じ得る。
また、図23の視線では、第3流路構成部336の後端部を流れる球と、第2流路構成部335を流れる球とが、上下方向の配置で明確に分けられるので、上流側の球が目隠しとなる事態を回避し易い。一方で、第3流路構成部336の後端部において視認される流路の上下幅が狭い分、方向視で視認できる球の面積が小さくなる。
特に、第3流路構成部336の後端部を通過した球は、上述したように、スライド変位部材370の配置によらず、一旦右斜め下方へ流下した後において、確変検出センサSE11へ向かう流下経路か、通常検出センサSE12へ向かう流下経路か、が切り替わる。そのため、球の流下経路として、球が真下に流下するか、球の流下方向が右方へ切り替わるかで切り替えられる場合に比較して、切替位置において視認される球の面積が小さくなる。
切り替わりの態様としては、他に、球の流下経路が真下に流下するか、右方へ切り替わるかで切り替わるかという場合のように、切替位置がより上流側に配置される場合が想定される。例えば、左右内突設部318が形成されず、確変検出センサSE11へ向かう球は第3流路構成部336の後端部から真下へ流下する場合には、切替位置は、少なくとも第3流路構成部336の中心線後方の位置となる。
これに対し、本実施形態のように切替位置が第3流路構成部336の中心線後方よりも右側に変位している場合、球が第3流路構成部336の下底部よりも下方に落ちる(第3流路構成部336の下底部上面とスライド変位部材370の薄板部371の上側面との上下差分だけ落ちる、図18参照)ことで、第3流路構成部336自体に球の一部が隠される作用に加え、球が第3流路構成部336を通して視認される範囲よりも左右外側に変位することで、前側枠状部333に球の一部が隠される。
従って、第3流路構成部336の後端部を通過した球の、遊技者目線で視認可能な面積が小さくなるので、球がいずれの流下経路で流下したかの把握を行うことが困難となる。これにより、第3流路構成部336の後端部付近を流下する球に対する注目力を更に向上することができる。
このように、本実施形態によれば、第3流路構成部336の後端部を流下する球の流下方向を識別する方向視として説明した複数の方向視(図22及び図23参照)において、いずれにも長所および短所が設定される。これにより、振分装置300の視認の仕方をとっても、遊技者に一辺倒の遊技を要求するのではなく、遊技者に好みの視認方法を調整および選択させることができ、遊技態様に幅を持たせることができるので、遊技者が遊技に飽きる事態が生じることを回避することができる。
遊技者の視界の確保は種々の方法で実現することができるが、本実施形態では、特に、上部材310の第2上面部314b間に空隙が形成されることで、第3流路構成部336の屋根部が取り外されたような状態とすることができるので、第3流路構成部336を視認し易くすることができる。
図22及び図23の方向視について、振分装置300よりも正面側における視認性について説明する。図22及び図23では図示を省略しているが、振分装置300よりも正面側には、被固定部材161及び前意匠部材162(図5参照)が配置されるので、部材の厚みにより透過する光が少なくなることから、視界が遮られることになる。
前意匠部材162により視界が遮られる範囲が狭くなる分、図23の方向視の方が、図22の方向視に比較して、振分装置300の内部を流下する球を視認し易くなる可能性がある。
被固定部材161及び前意匠部材162は、基本的には、上述のように平坦形状とされおり、光の屈折が生じ難いように構成されている(図12参照)。これにより、振分装置300の視認性が悪くなることを回避することができる。
機能上、平坦形状とできない部分についても、視認性に与える影響が小さくなるように形成している。例えば、振分装置300を位置決め、係合するための突設支持部161c〜161eは、斜め下方向へ向く遊技者の視線を遮ることが無いよう、流路構成部334〜336を見る遊技者の視線の外方(上側後方、左右外側、左右側下方、)に配設されている。
また、例えば、対称突設部161fは、球の中心高さに形成され、強度上必要最低限の厚さで肉薄に形成されている(図18参照)。これにより、対称突設部161fが球と遊技者の目との間に配置されたとしても、球全体が隠されることを防止することができるので、流路構成部334〜336を流下する球の視認性を確保することができる。
被固定部材161と前意匠部材162との間には、特定入賞口65aから逸れた球が流下し、アウト口71へ向けて流下する。アウト口71へ向けて流下する球による視界への影響について説明する。
図22及び図23では、開閉板65bの開放状態でアウト口71へ向けて流下する球の配置の一例が図示される。開閉板65bの開放中は、開閉板65bの上方から流下した球は開閉板65bに乗り特定入賞口65a側へ案内されることになるので、アウト口71へ向けて流下する球は、開閉板65bの左右に逸れた球となる。これらの球は、延設部162bと延設部162cとの間を流下し、内レール61に案内されてアウト口71へ向けて流下する。
図22及び図23に示すように、遊技者目線では、内レール61を流れる球の配置は、各流路構成部334〜336よりも下方となるので、内レール61を流れる球により各流路構成部334〜336を流下する球の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
一方で、内レール61を流下する球の流下は、第2流路構成部335を流下する球の流下と同様に、緩やかな角度で遊技領域の左右方向中央側へ向けて流れる態様であるので、第2流路構成部335を流下する球と同様に、遊技者の視線を遊技領域の左右中央位置に誘導する効果を奏する。この効果は、遊技者の視線をアウト口71に誘導すると共に、第3流路構成部336に誘導する。即ち、アウト口71及び第3流路構成部336の左右方向位置が同様の位置(左右中央位置)とされるので、遊技者が上下に視線を動かすことで、アウト口71及び第3流路構成部336の両方を視認可能となるような状態に視線を誘導する。
従って、遊技領域へ向けて打ち出した球が、効率的に特定入賞口65aに入球し易いか(大当たり遊技中の無駄球が少なくて済む状態か)、逸れて延設部162bと延設部162cとの間を流下する球が頻発するか(大当たり遊技中の無駄球が頻発する状態か)に関わらず、流下する球により遊技者の視線を第3流路構成部336に誘導するという効果を奏することができる。
即ち、球が特定入賞口65aに入球した場合には、第2流路構成部335を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導でき、球が特定入賞口65aを逸れる場合には、内レール61を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導することができる。
アウト口71へ向かう球は、無駄球として遊技において何ら作用を生じないことが通常であるが、本実施形態では上述のように構成することで、アウト口71へ向かう球に、遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導させる役割を持たせることができる。
なお、開閉板65bの閉鎖状態においては、球が開閉板65bの正面側を流れ第2流路構成部335の正面側を通過することで、第2流路構成部335の視界を低下させる可能性がある。
一方で、特定入賞口65aの左右中央位置上方に第2入賞口140及び電動役物140aが配設され、特定入賞口65aの左右中央位置下方に第3流路構成部336が配設されるという本実施形態の構成によれば、第2入賞口140及び電動役物140aにより球の流下を防止することができるので、球が第3流路構成部336の正面側を流下することを防止することができる。従って、開閉板65bの正面側を流下する球により第3流路構成部336及びその後端部周辺の視認性が低下する事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、特定入賞口65aに入球した球がスライド変位部材370に到達するまでの時間を流路構成部334〜336の形成長さにより確保できているが、この弊害として生じやすい配置スペースの増大の回避を図っている。即ち、図22及び図23に示すように、遊技者目線において、可変入賞装置65の特定入賞口65aと、第3流路構成部336の配置の目安としてのスライド変位部材370と、の配置間隔を短く形成している。
そればかりか、スライド変位部材370が特定入賞口65aの下側後方に配置されているので(図18参照)、図23に示すように遊技者目線として高頻度で生じる後側斜め下方へ向く視線において、特定入賞口65aの外形にスライド変位部材370の外形が食い込むほどに近接配置しているように視認される。
加えて、左右長尺に構成した特定入賞口65aに入球し、その左右両端部に配置される検出センサSE1の球通過孔163bを通過した球の流下経路は、左右対称の各流路構成部334〜336を経由して特定入賞口65aの左右中央側下方に集められる。これにより、特定入賞口65aの左右幅を球が左右方向に流下する場合に比較して、スライド変位部材370に球が到達するまでの時間を短くすることができる。加えて、球の流下経路として必要とされる構造を、下側ほど左右長さが短くなる構造とすることができるので、湾曲形状の内レール61の下縁部付近に配置し易くすることができる。
特に、本実施形態では、特定入賞口65aがアウト口71に近接配置させる設計思想であるところ、第2流路構成部335の左右内側端部から真下に球を流下させる構造では無く、第2流路構成部335の左右内側端部から第3流路構成部336により球を後方へ流下させる構造を採用することで、アウト口71(湾曲面部387の正面側(上流側)に配設される開口)を第2流路構成部335の真下位置に形成することができる。これにより、特定入賞口65aとアウト口71との上下間隔の短縮化を図っている。
このように、遊技者目線における特定入賞口65a及びスライド変位部材370の上下配置幅および左右幅を短くできることで、一定の規格に正面視での大きさが制限される遊技領域の設計において、特定入賞口65a及びスライド変位部材370が占める範囲の上下幅を短縮化できるので、遊技領域の設計自由度を向上することができる。
例えば、本実施形態のように、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下端付近に配置することができるので、可変入賞装置65を左右対称の遊技領域に有効に利用することができる。
次いで、振分装置300に入球後の球の流下と、その流下を考慮した可動役物(可変入賞装置65、スライド変位部材370)の作動パターンの一例について説明する。
まず、前提として、開口部312を通った球は、第1流路構成部334、第2流路構成部335、第3流路構成部336を順に流下する(図16及び図17参照)。各流路構成部334〜336を球が通過するのに要する時間は任意に設定可能であるが、本実施形態では、各流路構成部334〜336を約0.3秒で通過するように設計されている。
即ち、特定入賞口65aに入球してから第1流路構成部334を通過するのに0.3秒、第2流路構成部335を通過するのに0.3秒、第3流路構成部336を通過するのに0.3秒を要するように構成される。
従って、可変入賞装置65の開閉板65bが開放状態となった直後に球が特定入賞口65aに入球したとしても、0.9秒間は、第3流路構成部336の後方端部に配置される検出センサSE1に球が到達することは無いように構成される。これにより、開閉板65bが開放状態となった後の0.9秒間は、スライド変位部材370の位置に寄らず、球が確変検出センサSE11にも、通常検出センサSE12にも通過し得ないので、球の誤入賞を危惧せずにスライド変位部材370の作動パターンを設計することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサへの誤入賞を防ぐためにラウンド遊技R開始時に開閉板を短時間解放させる制御(開閉板の動作に不自然さを伴う制御)を不要とすることができる。これにより、特定入賞口を開閉する開閉板の動作態様が自然な動作となり、安心して遊技を楽しむ環境を遊技者に提供することができる。
また、上記例におけるV確変アタッカーを備えるパチンコ機では、V確変アタッカーの開放直後に入球する球が誤入賞を生じやすかったが、本件の可変入賞装置65では、後述するように、開放直後に入球する球によって、逆に好ましい効果(例えば、スライド変位部材370の動作を球で隠す効果)が生じるので、開放直後の球の入球を生じさせないようにする工夫を不要とすることができる。
なお、球の通過に要する時間は、各流路構成部334〜336の長さや傾斜、流路内壁部の形状など(平滑か、凹凸形状かなど)により任意に設定可能である。
図24を参照して、第1実施形態の第1制御例におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図24(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図24(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図24(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図24(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図24(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、大当たりA1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b1参照)。
大当たりA1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜19」の範囲には、大当たりA2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b2参照)。
大当たりA2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜39」の範囲には、大当たりB1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b3参照)。
大当たりB1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「40〜49」の範囲には、大当たりB2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b4参照)。
大当たりB2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜79」の範囲には、大当たりC1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b5参照)。
大当たりC1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲には、大当たりC2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b6参照)。
大当たりC2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、4ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、後述する特別図柄2の抽選で大当たりとなる場合に比較して大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図24(b)の202b7参照)。
大当たりaとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、15ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、特別図柄2の抽選での大当たりを獲得した方が、特別図柄1の抽選での大当たりを獲得する場合に比較して大量の払い出し賞球を得ることができるので、遊技者が、特別図柄2の抽選を行うための遊技(第2入賞口140へ入球させるように球を発射するような遊技)を行うことのモチベーションを高めることができる。
また、スライド変位部材370の作動パターンが作動パターンXで固定となるので、スライド変位部材370の視認性を確保しないでも、遊技者に生じる不利益が大きくなる可能性が少ない。そのため、スライド変位部材370への視認性が若干悪くなるという短所があるが特定入賞口65aへの入球が生じ易い長所がある作動パターンとして第3の作動パターンがある時に、特別図柄2の抽選での大当たりの可変入賞装置65の作動パターンを第3の作動パターンで設定することで、短所の影響を低下させ、大当たり遊技に要する時間を短くすることができるという長所のみを際立たせることができる。
即ち、特別図柄2の抽選での大当たり遊技が間延びする可能性を低くすることができるので、遊技者にとって気持ちの良い(賞球の払い出しの時間効率が良い)大当たり遊技を実現することができる。
なお、特別図柄2の大当たり種別の設定は、これに限定されるものではない。例えば、特別図柄2の大当たり種別として、スライド変位部材370が作動パターンYで変位制御される大当たり種別を設けても良い。また、この大当たり種別は、少ない割合(例えば、20%程度)で設けるようにしても良い。
これにより、スライド変位部材370に対する遊技者の注目力を向上させることができるので、遊技者が大当たり遊技を漫然と遊技することを防止することができる。即ち、スライド変位部材370の変位動作を遊技者に視認させ、変位動作のタイミングで遊技者を一喜一憂させ、遊技者の興趣を高めることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物140aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口140へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(利益バランスの良い大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図24(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図24(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図24(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入賞口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図25は、各大当たり種別における1ラウンド目の可変入賞装置65の開閉板65bの作動パターンと、振分装置300のスライド変位部材370の作動パターンと、の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる可変入賞装置65の開閉板65bと、振分装置300のスライド変位部材370と、の作動制御について説明する。なお、図25の説明では、図24を適宜参照する。
なお、本制御例では、大当たり種別の違いで駆動態様が異なるのは1ラウンド目のみであり、2ラウンド目以降は共通の駆動態様とされる。そのため、大当たり種別ごとの1ラウンド目の駆動態様についてそれぞれ説明する。
大当たりA1又は大当たりA2の場合には、第1の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は0.2秒間維持される。第1の作動パターンでは、この0.2秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第1の作動パターンにおける0.2秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に入球する球の個数を1個に制限するために設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを防止するための開放時間の設定であり、特定入賞口65aへの入球個数を1個に限定する意図では無い。即ち、0.2秒の開放時間であっても、特定入賞口65aの左右両側に各1球ずつ球が到達し、一度に特定入賞口65aに入球することは生じ得ることである。
大当たりA1の場合には、作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334〜336(図19参照)を通過し、スライド変位部材370の前側を通り確変検出センサSE11(図20参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
大当たりA2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御され、0.8秒経過後にスライド変位部材370が後側位置から前側位置へ変位するよう駆動制御される。
上述の通り、各流路構成部334〜336(図17参照)を球が通過するのに要する時間は約0.9秒で設定されているので、球がスライド変位部材370に到達する前にスライド変位部材370は前側位置に変位される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334〜336(図17参照)を通過し、スライド変位部材370の上側を通り通常検出センサSE12(図17参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が通常検出センサSE12を通過する状況を容易に視認することができる。
スライド変位部材370の変位開始時間としての0.8秒は、球が各流路構成部334〜336を通過するのに要する時間よりも短い時間としての思想と、球が第3流路構成部336に到達するのに要する時間よりも長い時間としての思想から、設定される。
即ち、本実施形態によれば、球が特定入賞口65aに入球してから約0.6秒で第2流路構成部335を通過し、第3流路構成部336に到達するので、開閉板65bの開放時間としての0.2秒の終了間際に球が特定入賞口65aに入球した場合であっても、その球が第3流路構成部336に到達してからスライド変位部材370を変位動作させることができる。
従って、特定入賞口65aへの入球が生じさえすれば、球の入球タイミングに寄らず、第3流路構成部336に配置される球によりスライド変位部材370の動作を隠すことができる(図22参照)。これにより、スライド変位部材370の変位動作が目立つことを回避することができ、確変検出センサSE11又は通常検出センサSE12へ入球する球として各流路構成部334〜336を流下する球に対する注目力を向上させることができる。
なお、スライド変位部材370の変位開始時間は、0.8秒に限定されるものではない。例えば、0.4秒に設定しても良い。この場合、球が第3流路構成部336に到達するよりも前にスライド変位部材370の変位を生じさせることができるので、球に視線が遮られる可能性は低く、スライド変位部材370の変位を遊技者に視認させることができる。
但し、この場合であっても、第2流路構成部335が被固定部材161の前板部に近接配置され、スライド変位部材370よりも手前側に配置されていることから、遊技者の目線は第2流路構成部335を流下する球に集まり易い。即ち、第2流路構成部335を流下する球に注目させることで(例えば、第3図柄表示装置81で「流れる球に注目!」等の表示をすることで)、スライド変位部材370の変位が遊技者に視認されることを回避し易くすることができる。
なお、一方で、本実施形態では各流路構成部334〜336が左右中央で区切られるように構成されているので、特定入賞口65aへの入球が左右片側であれば、入球が生じていない側の第3流路構成部336の後方に注目することで、流下する球に遮られることなくスライド変位部材370の変位を視認することができる(図22参照)。
このように、大当たりA1,A2の場合は、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球の個数が1個に限定されることにより、その球への注目力の向上を図ることができると共に、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するか、を容易に遊技者に視認させることができる。
大当たりB1又は大当たりB2の場合には、第2の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は1.0秒間維持される。第2の作動パターンでは、この1.0秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2の作動パターンにおける1.0秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に複数の球が入球可能となる時間として設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを許容するための開放時間の設定である。
本制御例では、球の発射間隔は0.6秒間隔とされるので、球の流下間隔が発射時と変化していない場合であっても、開閉板65bが1.0秒間で1回開放する間に、2個の球が特定入賞口65aに入球し得る。一方で、開閉板65bの開放間隔は1.0秒おきに制限されているので、2個の球が各流路構成部334〜336を通過する前に次の球が各流路構成部334〜336に入球することは規制することができる。
大当たりB1の場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりB2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりB1の場合に各流路構成部334〜336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりB2の場合に各流路構成部334〜336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個の場合と、2個(以上)の場合とで各流路構成部334〜336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が2個(以上)の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334〜336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
大当たりC1、大当たりC2又は大当たりaの場合には、第3の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とし、第1の作動時間T1を限度に開閉板65bに長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本制御例では、1ラウンド目のラウンド遊技R中において開閉板65bが開放状態を維持するので、特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連球で入球する状況が生じ得る。一方で、開閉板65bの開放間隔が制限されているわけでは無いので、第2の作動パターンと異なり、2個の球が各流路構成部334〜336を通過する前に次の球が各流路構成部334〜336に入球することも生じ得る。従って、第2の作動パターンに比較して、第3の作動パターンの方が、各流路構成部334〜336の下流側に配置された球の視認性が、上流側に配置される球により低下する状況が生じ易い。
大当たりC1又は大当たりaの場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりC2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりC1又は大当たりaの場合に各流路構成部334〜336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりC2の場合に各流路構成部334〜336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
このように、確変検出センサSE11に球を通すか、通常検出センサSE12に球を通すかに関わらず、開閉板65bを開放状態のまま維持する制御態様としているが、スライド変位部材370に球が到達するのに要する時間を構造から管理しているので、球噛みによるスライド変位部材370の誤動作の可能性は排除することができる。
この時、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個の場合と、2個の場合とで各流路構成部334〜336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が2個の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334〜336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
第3の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いので、第2の作動パターンに比較して、各流路構成部334〜336の球の配置が無秩序になり易い。そのため、検出センサSE1の視認性は低下し易い。
一方で、特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いことは、ラウンド遊技Rの進行を早期に行わせることができる効果がある。即ち、ラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)としての規定個数の球の入賞を早期に満たしやすく、大当たり遊技が間延びすることを回避することができる。
特に、特別図柄2の大当たりは、100%の確率でスライド変位部材370が作動パターンXで駆動制御されるため、特定入賞口65aに入球させれば、確変検出センサSE11を球が通過することが約束されている。この場合、検出センサSE及びスライド変位部材370への遊技者の注目力はそもそも低い。
従って、検出センサSE1の視認性が悪くなることを許容しても遊技者が感じる不利益は小さい。第3の作動パターンでは、検出センサSE1の視認性が悪くなることは敢えて許容しながら、大当たり遊技が間延びすることを回避することを優先することで、大当たり遊技の短時間での進行の実現を図り、大当たり遊技に対する遊技者の興趣の向上を図ることができるようにしている。
大当たり種別に関わらず、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から開放状態へ変位させて特定入賞口65aを開放するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。2ラウンド目以降は、スライド変位部材370は前側位置で常時維持されるので、特定入賞口65aに入球した球は通常検出センサSE12を通過して排出される(図17参照)。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は、2ラウンド目と同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最終ラウンド(4ラウンド目)のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板65bが閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本制御例では、開閉板65bの短開放の変位動作や、スライド変位部材370の駆動制御を、1ラウンド目のみで実行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、全ラウンドで実行するようにしても良いし、1ラウンド目以外のラウンド(例えば、3ラウンド目や、8ラウンド目や、12ラウンド目等)で実行するようにしても良い。
このように、本制御例によれば、開閉板65bの開放パターン(第1の作動パターン〜第3の作動パターン)の違いによって、開閉板65bへの球の入球態様を変化させ、各流路構成部334〜336及び第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の視認性を異ならせることができる。これにより、第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の球の通過に注目する遊技者に球の発射態様を工夫する意欲を生じさせることができる。
例えば、検出センサSE1の視認性の低下は、複数の球が各流路構成部334〜336に同時に配置されることにより生じる場合があるので、必要に応じて(例えば、第2の作動パターン又は第3の作動パターンの大当たり種別において)意図的に球の発射間隔を広げることで、検出センサSE1の視認性の低下を抑制することができる。なお、第1の作動パターンでは、特定入賞口65aへの入球が制限されることから、発射態様によらず、検出センサSE1の視認性の低下を回避することができる。
一方で、球の発射間隔を広げると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、スライド変位部材370の変位を視認するために、ラウンド遊技Rの開始後、若干の期間(例えば、1.0秒間)を空けて、特定入賞口65aへの入球を生じさせるようにしても良い。この場合、スライド変位部材370の変位が生じるタイミング(作動パターンYの場合においてラウンド遊技R開始から0.8秒経過したタイミング)で第3流路構成部336に球が配置される状況を回避することができるので、スライド変位部材370の変位動作が球で遮られることを回避することができる。
一方で、球発射までの期間を空けるようにすると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、本実施形態によれば、各流路構成部334〜336及びスライド変位部材370が左右対称に構成され、左右のどちら側からも、特定入賞口65aを通して球を入球させることができる。
即ち、例えば、上述した球の発射間隔を広げる発射態様や、球発射までの期間を空ける発射態様については左側での入球において維持し、右側での入球については任意の発射態様で球を発射するように遊技しても、上述と同様の効果を図ることができる。
具体的には、特定入賞口65aへ向けた球の発射を左右に打ち分けるような発射態様として、少なくとも1発目の球を右側へ発射し、何発目か(例えば2発目)の球を左側へ発射し、残りの球を右側へ発射するように打ち分ければ良い。
この場合、各流路構成部334〜336としての右側流路を流下する球には注目せず、左側流路を流下する球に注目することで、他の球に視線が遮られることを回避しながら、左側流路を流下する球が確変検出センサSE11を通過するか否かを視認することができる。加えて、この場合は、特定入賞口65aの右側部分へ向けて絶えず球を発射し続けているので、特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びることを回避でき、ラウンド遊技Rが間延びすることを回避することができる。
なお、この左右への球の発射の打ち分けは、左側流路への入球を1個にすることが目的ではない。特に、左側流路を何発目の球が通過しきるまでの約0.9秒間において左側の各流路構成部334〜336に配置される球の個数を1個に制限できれば良く、その他の期間においては左右流路に任意に球を入球させるように打ち分ければ良い。
これにより、本実施形態のように特定入賞口65aの上方の開放幅が長くは無い場合(例えば、電動役物140aの配置や釘配置(図2参照)から球の入球経路が少数の経路に限定される場合)においても、特定入賞口65aへ向かう球同士が衝突して一方が特定入賞口65aの左右外側に零れる事態の発生を抑制することができる。なお、図2では釘配置を左右非対称としたが、左右対称の釘配置としても良い。
次いで、遊技盤13の背面側に締結固定される動作ユニット500の構造について説明する。動作ユニット500は、遊技盤13のベース板60(図2参照)に背面側から締結固定されるユニットである。
図26は、動作ユニット500の正面斜視図であり、図27は、動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図27では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図26及び図27の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部513aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔513bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510の内側右部に配設される第1動作ユニット600と、背面ケース510の内側下部に配設される第2動作ユニット700と、背面ケース510の内側上部に配設される第3動作ユニット800と、を備える。なお、背面ケース510の内側左部には、LED等の発光手段を有する基板と、その基板を前側から覆うように配設され光透過性材料から形成されると共に全体に亘って光拡散加工が形成される拡散装飾板LB1とが配設される。
具体的には、第1動作ユニット600は、開口511aの右方位置において、第2動作ユニット700は、開口511aの下方位置において、第3動作ユニット800は、開口511aの上方位置において、それぞれ背面ケース510の底壁部511に配設される。まず、この動作ユニット500の動作制御の概要について説明する。
図28から図35は、動作ユニット500の動作の一例を示す動作ユニット500の正面図である。図28では、演出待機状態の各動作ユニット600〜800が図示され、図29では、各動作ユニット600〜800の演出待機状態から第1動作ユニット600が張出状態に変化した状態が図示され、図30では、各動作ユニット600〜800の演出待機状態から第2動作ユニット700が張出状態に変化した状態が図示される。
なお、図30では、第2動作ユニット700が、図29に図示される第2動作ユニット700とは覆設部材787の前側を向く面が異なる状態で図示される。
図28から図35では、センターフレーム86の内側形状が想像線で図示される。この内側においては背面側に配置される第3図柄表示装置81が良好に視認可能となるが、センターフレーム86の外方においては、ベース板60が透明な樹脂部材から構成されているとはいえ、ベース板60に配設される釘や各種入賞口63,64,65a,140等やスルーゲート67等(図2参照)に視界が遮られ易い。そのため、例えば、図28に示すようにセンターフレーム86の外方に配置されている状態において、各動作ユニット600〜800の正面視における視認性が下がり易い。
なお、動作ユニット500の構成に合わせる関係上、センターフレーム86の枠形状が図2に示すセンターフレーム86とは異なるが、その役割は同様である。また、第3動作ユニット800の手前側においてセンターフレーム86の内枠形状が下に張り出す湾曲形状となっているが、センターフレーム86の外枠まで下方に湾曲しているものではなく、センターフレーム86の内枠側において、第3動作ユニット800を前側から覆うように円形の透明な装飾薄板が張出形成されるものである。従って、センターフレーム86の上側に乗った球を左右両側へ転動させるという役割も、図2で示すものと同様であり、実際のセンターフレーム86の枠上部(外枠上部)は、第3動作ユニット800の上側を左右に跨ぐように配設される。
図31及び図32では、各動作ユニット600〜800の演出待機状態から第3動作ユニット800が張出状態に変化した状態が図示される。図31では、第1装飾部材870が前側を向いており第3動作ユニット800の個別合体状態が図示され、図32では、第2装飾部材880が前側を向いており第3動作ユニット800の一連合体状態が図示される。
図31の状態と図32の状態とが切り替えられる変位は、直動変位と回転変位とを組み合わせた変位態様で生じるので、第3動作ユニット800の演出待機状態において実行すると、周囲の装飾部材と装飾部材870,880とが衝突して不具合が生じることから、第3動作ユニット800の張出状態において実行される。
換言すれば、本実施形態では、第3動作ユニット800が張出状態(又は、演出待機状態から装飾部材870,880の衝突を回避するのに十分な程度で下降変位した状態)となり、装飾部材870,880の変位を仮想円800F(図32参照)において許容する状態となっていることを前提に、反転変位(切替回転動作)を実行するように音声ランプ制御装置113(図4参照)で制御されるが、詳細は後述する。
図33では、張出状態の第3動作ユニット800と、張出状態よりも若干下降変位した中間演出状態における第2動作ユニット700が図示され、図34では、図33の状態から第1動作ユニット600が中間演出状態に変位した状態が図示され、図35では、図33の状態から、第3動作ユニット800が演出待機状態へ変位し、第1動作ユニット600が張出状態に変位した状態が図示される。
図28から図35に図示されるように、第3動作ユニット800の変位軌跡と、第1動作ユニット600の変位軌跡または第2動作ユニット700の変位軌跡と、は正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、第3動作ユニット800が張出状態(図31参照)の時に、第1動作ユニット600又は第2動作ユニット700が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、第1動作ユニット600の演出待機状態からの状態変化を、第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800の演出待機状態からの状態変化を、第1動作ユニット600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、第1動作ユニット600と第3動作ユニット800とが正面視で重なることを避けることができる。従って、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
更に、本実施形態では、第2動作ユニット700の張出状態への状態変化を、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800が張出状態である場合の第2動作ユニット700の配置を中間演出状態(図33参照)にしたりすることで、第2動作ユニット700が他の動作ユニット600,800と正面視で重なることを避けることができる。従って、各動作ユニット600〜800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
特に、第2動作ユニット700の視認状態として、開口511aにより近い張出状態で視認させる場合と、開口511aから若干退くものの第3動作ユニット800と近接配置した状態で視認させる場合と、の複数の状態を構成することで、第2動作ユニット700の演出装置としての機能の向上を図っている。
図28から図35に示すように、第1動作ユニット600は、第3図柄表示装置81の右側において変位動作する。第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は略直方体形状の箱状部材661を備え、箱状部材661は、演出待機状態において斜め左方向へ向く第1演出面661aと、その第1演出面661aの裏面側に形成される第2演出面661bと、第1演出面661a及び第2演出面661bに隣設する面としての第3演出面661cと、を備えている。各演出面661a〜661cには、任意で図形、模様、文字等による装飾が施されている。
第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の右側という、センターフレーム86の配置によって正面側からの視認性が低下し易い箇所に配置されているものの、第1演出面661aを遊技者側に斜めに向けた姿勢(矢印F−Bを基準として手前側の面が矢印L側に45度傾いた姿勢)とされているので、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86の開口の枠内側から、そのセンターフレーム86と第3図柄表示装置81との隙間を通る斜め方向視で第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第1演出面661aの視認性を向上することができる。
一方、第1動作ユニット600の張出状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の正面に張り出すことで、センターフレーム86の枠内側を視認する遊技者に対して正対する。この場合には、第2装飾回転部材660は第2演出面661bを真正面に向けた姿勢とされているので、第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第2演出面661bの視認性を向上することができる。
このように、第2装飾回転部材660は、配置に応じて遊技者に視認させる演出面661a〜661cを切り替え可能に構成され、且つ、遊技者に視認させる各演出面661a〜661cの視認性を向上する目的で、配置に応じて姿勢を切り替え可能に構成される。
換言すれば、ガラスユニット16(図1参照)と平行な平面的な姿勢変化に限らず、遊技者の視線との関係を意図した角度変化を付けるよう設計されている。即ち、センターフレーム86の枠中央側の配置となるほど遊技者の視線が前後方向となり正対し易いので、演出面が前方向(矢印F方向)を向く方が視認性を良くすることができ、一方でセンターフレーム86の枠付近の配置となるほど遊技者の視線が斜めになり易いので、演出面をその視線と正対させるために斜めにした方が視認性を良くすることができる。
第2装飾回転部材660の変位に伴い、張出装飾部652bが連動して変位する。張出装飾部652bは、板正面に図形や絵柄等の装飾がされており、第1動作ユニット600の演出待機状態(図28参照)及び中間演出状態(図34参照)では、背面ケース510の右上隅に配置されることで遊技者から視認されないように隠される。
一方、張出装飾部652bは、第1動作ユニット600の張出状態(図28参照)では、正面視で第3図柄表示装置81の表示領域の右縁と前後で重なるようにセンターフレーム86の枠内側に配置されることで遊技者が視認可能となるよう構成されている。
この状態において、張出装飾部652bの外形右端部は、第3図柄表示装置81の右縁よりも右側に位置する。そのため、張出装飾部652bの板正面の装飾を利用して、あたかも第3図柄表示装置81の表示領域が拡大しているように遊技者に錯覚させる表示演出を行うことができる。
詳述すれば、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の右縁は第1動作ユニット600に規定されており、第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660の第1演出面661aの左縁と、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の領域右端RE1とが概ね一致する。
これに対し、第1動作ユニット600の張出状態においては、領域右端RE1を右側に超えるようにして張出装飾部652bが配置される。そのため、第3図柄表示装置81の表示と、張出装飾部652bの板正面の装飾とを関連させたり、一致させたりすることで、あたかも、第3図柄表示装置81の表示領域が領域右端RE1を超えて拡大しているかのように、遊技者に視認させることができる。これにより、意外性のある演出を実現することができる。
上述の表示と装飾とを一致させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に水玉模様を表示し、且つ、張出装飾部652bの板正面の装飾を同様の水玉模様にする例や、第3図柄表示装置81に変動表示される数字(例えば、抽選の当否を報知するための数字)の書体と同様の書体で、張出装飾部652bの板正面に、とある数字が記載されるようにする例が例示される。
上述の表示と装飾とを関連させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に虹色を構成する7色の内の6色が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面が残りの一色で着色される例や、第3図柄表示装置81に領域右端RE1に右端を合わせるようにして配置される木の棒が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面に炎を模した装飾がされることで、第1動作ユニット600の張出状態において着火を連想させる例が例示される。
なお、張出装飾部652bの演出態様は一種類に限定されるものでは無く、張出装飾部652bの明るさを制御することで複数種類の演出態様を構成することができるが、張出装飾部652bの明るさを変える発光手段については後述する。
また、張出装飾部652bの代わりに正面側に表示面を有する小型の液晶装置を配設することで、その液晶装置の表示を複数種類で変化させることができるので、領域右端RE1を超えて表示領域を拡大する際の第3図柄表示装置81の表示態様が制限されることを回避することができる。
また、張出装飾部652bの装飾と関連させる対象は、表示に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、張出装飾部652bの装飾と、第2動作ユニット700の部材(例えば、覆設部材787)に形成される装飾(第1装飾、第2装飾)とを関連させるようにしても良いし、張出装飾部652bの装飾と、第3動作ユニット800の部材(例えば、第1装飾部材870、第2装飾部材880)に形成される装飾(第1覆設部875の装飾、第2覆設部885の装飾)とを関連させるようにしても良い。
図36は、第1動作ユニット600の正面斜視図であり、図37は、第1動作ユニット600の背面斜視図である。第1動作ユニット600は、第2装飾回転部材660が姿勢変化しながら回転するという複雑な変位態様で構成され、併せて第1装飾回転部材650の張出装飾部652bが第2装飾回転部材660を基準に相対変位することで、変位の前後で異なった外観を遊技者に視認させることができるよう構成される。
図38は、第1動作ユニット600の分解正面斜視図であり、図39は、第1動作ユニット600の分解背面斜視図である。
図38及び図39に示すように、第1動作ユニット600は、背面ケース510に締結固定される被固定手段610と、その被固定手段610に回動可能に支持される回動部材620と、その回動部材620を回動させるための駆動力を伝達する駆動伝達装置630と、回動部材620の回動先端部に一側の端部が回動可能に支持される被支持部材640と、その被支持部材640の他側の端部に回転可能に配設される第1装飾回転部材650と、その第1装飾回転部材650に回転可能に支持される第2装飾回転部材660と、被固定手段610の下半部の正面側に固定される装飾固定部材670と、を備える。
被固定手段610は、背面ケース510の底壁部511に前後に対向配置されるベース部材611と、そのベース部材611の正面側に配置されベース部材611との間に空間を作りながらベース部材611に締結固定される前蓋部材612と、を備える。
前蓋部材612は、駆動伝達装置630を配置するための伝達用配置部613と、その伝達用配置部613の正面側において装飾固定部材670を固定するための固定用部614と、その固定用部614よりも内側において回動部材620を回転可能に支持するための支持締結部615と、被支持部材640の他側の端部を案内する長孔として形成される案内長孔616と、を備える。
案内長孔616は、直線部と曲線部とが混在する独自の形状から形成されるが、その詳細および作用については後述する。
回動部材620は、長尺板状に形成される本体部621と、その本体部621の一端部(下側端部)に配設され被固定手段610の支持締結部615に外嵌支持される筒状部622と、直線方向に延びる長孔として本体部621の中間部に形成される伝達長孔623と、本体部621の他端部(上側端部)に筒状部622の軸方向と平行な穿設方向で円形孔として穿設される円形貫通孔624と、その円形貫通孔624を中心とした円の一部に沿ってギア歯状に形成されるギア歯部625と、を備える。
筒状部622の周りにはトーションばねSP1が巻き付けられている。トーションばねSP1は、一方の腕部が本体部621の側壁に当接され、他方の腕部が前蓋部材612の突片に当接されるよう構成され、回動部材620を起こす方向(正面視時計回り方向)に付勢力が生じるよう構成されている。
なお、筒状部622の軸支においては、支持締結部615が筒状部622に挿通された状態で、支持締結部615の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620は支持締結部615に脱落不能に軸支される。
伝達長孔623は、駆動伝達装置630の円筒部634aが挿通される案内孔として機能し、円形貫通孔624は被支持部材640の筒状部642が回転可能に挿通固定される挿通孔として機能するが、詳細は後述する。
駆動伝達装置630は、前蓋部材612の正面側に締結固定される駆動モータ631と、前蓋部材612の貫通孔613aを通して背面側へ突き出される駆動軸に固着される駆動ギア632と、その駆動ギア632に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613bに軸支される伝達ギア633と、その伝達ギア633に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613cに軸支される伝達ギアカム634と、を備える。
なお、伝達ギア633及び伝達ギアカム634に筒状部613b,613cが挿通された状態で、筒状部613b,613cの先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、伝達ギア633及び伝達ギアカム634は前蓋部材612に脱落不能に軸支される。
前蓋部材612には、筒状部613cを中心とした円弧に沿って貫通形成される円弧状孔613dが形成されており、その円弧状孔613dには、伝達ギアカム634の偏心位置において正面側に円筒状に突設される円筒部634aが挿通される。
伝達ギアカム634は、伝達ギア633と歯合するギア部を備える回転部材であって、上述の円筒部634aと、その円筒部634aを含む角度位置から外径方向へ板状に延設される延設部634bと、を備える。
円筒部634aは、円弧状孔613dに挿通され、その正面側において回動部材620の伝達長孔623に挿通される。ここで、円弧状孔613d及び伝達長孔623の幅長さは、円筒部634aの外径よりも、若干長くなるように設計される。これにより、円筒部634aが円弧状孔613d及び伝達長孔623を摺動する際の摺動抵抗を低減することができる。
延設部634bは、前蓋部材612に締結固定されるフォトカプラ式の検出センサKS1の検出溝に進入可能に構成されている。これにより、検出センサKS1の出力の変化を読み取ることで、音声ランプ制御装置113(図4参照)が伝達ギアカム634の姿勢を把握可能に構成される。
被支持部材640は、長尺の本体部641と、その本体部641の背面側から回動部材620の円形貫通孔624に挿通可能な円筒形断面で突設される筒状部642と、その筒状部642と平行に突設される筒状部643と、その筒状部643に軸支された状態で回動部材620のギア歯部625と歯合可能に形成される中間ギア644と、その中間ギア644よりも背面側に穴あきの底部を有する大径の筒状に形成される有底筒状部645と、その有底筒状部645が配置される端部の反対側の端部において正面側に延設される延設支持部646と、を備える。
上述の構成により、回動部材620の回動変位に伴い、ギア歯部625と、中間ギア644との間で歯合による駆動力伝達を生じさせることができる。
なお、回動部材620及び中間ギア644に筒状部642,643が挿通された状態で、筒状部642,643の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620及び中間ギア644は被支持部材640の本体部641に脱落不能に軸支される。
有底筒状部645は、底部の背面側が前蓋部材612の正面側縁部に近接配置され、底部の正面側において中間ギア644と第1装飾回転部材650のギア歯654aとが歯合可能となるように周面部に形成される開口645aと、筒状中心を中心とした円形で貫通形成され円筒支持部651aを挿通可能とされる挿通孔645bと、を備える。なお、形状の詳細については後述する。
延設支持部646は、第2装飾回転部材660を回転可能に軸支するための支持部として機能するが、詳細は後述する。
第1装飾回転部材650は、直交する回転軸を形成する本体部材651と、その本体部材651と有底筒状部645との間に軸支される前側回転部材652と、その前側回転部材652の装飾部652bの背面側に固定され正面側にLED等の発光手段が配設される電飾基板653と、前側回転部材652と同軸で後側に締結固定される後側回転部材654と、本体部材651に正面側から締結固定され配線通しとしての円筒状空間を形成する配線受部材655と、その配線受部材655の正面側に配置され本体部材651に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定される前側装飾部656と、配線受部材655と本体部材651とにより形成される円筒状部に外嵌軸支される軸直角回転部材657と、を備える。
本体部材651は、背面側に筒状に延設される円筒支持部651aを備えており、その円筒支持部651aは、先端部の直径位置に一対の雌ネジ部651bが形成され、その雌ネジ部651bを通る平面の片側において壁部を削減するように切りかかれる切り欠き部651cを備える。
円筒支持部651aは、内部に電気配線を挿通可能な太さで形成されており、切り欠き部651cは、電気配線の入口を確保するための開口部としての機能を有する。
円筒支持部651aは、基端側から順に、前側回転部材652の中心孔、後側回転部材654の中心孔、有底筒状部645の挿通孔645b、段付きリング状のカラーC1及び前蓋部材612の案内長孔616に挿通され、その先端部の雌ネジ部651bに皿状蓋部C2に挿通された締結ネジが螺入されることで締結固定される。
即ち、上述した円筒支持部651a、前側回転部材652、後側回転部材654、有底筒状部645、カラーC1及び皿状蓋部C2は、前後方向に延びる軸線O1に同軸で支持され、案内長孔616に沿って変位可能に構成される。
皿状蓋部C2は、円周部の一部に開口C2aが形成されており、この開口C2aは組立状態において、本体部材651の切欠き部651cと対向配置されることで、電気配線の通り道を形成する。
この電気配線は、一部の配線は軸直角回転部材657の内部を通り、第2装飾回転部材660の内部に案内され、電飾基板662に配設されるコネクタに端子が接続される。また、その他の配線は、本体部材651と配線受部材655との間に形成される隙間(上側、即ち半筒形状部655aの上下反対側において本体部材651と対向配置される側に形成される隙間)を通り、張出装飾部652bの背後に案内され、電飾基板653のコネクタに端子が接続される。
後側回転部材654は、背面側端部の円周部に沿ってギア歯654aが形成されており、このギア歯654aと中間ギア644とが歯合可能に形成される。なお、ギア歯654aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
前側回転部材652は、傘歯車として形成されるギア歯652aと、径外方に張り出す張出装飾部652bと、を備える。張出装飾部652bの背面側には電飾基板653が締結固定され、電飾基板653に配置される発光手段からの光により張出装飾部652bを点灯させたり、点滅させたりする演出を実行可能とされる。
前側回転部材652は、後側回転部材654に締結固定されているので、後側回転部材654と前側回転部材652とは一体的に回転動作する。
軸直角回転部材657は、本体部材651の半筒形状部651dと、配線受部材655の半筒形状部655aとにより形成される円形筒状部に回転可能に支持され、前側回転部材652のギア歯652aと歯合可能な傘歯車として形成されるギア歯657aを備える。
このように構成することで、前側回転部材652の回転と連動して軸直角回転部材657が回転する。即ち、前側回転部材652、後側回転部材654及び軸直角回転部材657は、連動するが、動作の詳細については後述する。なお、ギア歯652a,657aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
第2装飾回転部材660は、軸直角回転部材657に締結固定される箱状部材661と、その箱状部材661の内部において箱状部材661に固定される電飾基板662と、箱状部材661と軸直角回転部材657との間に配設され半筒形状部651d,655aの先端部に締結固定される配線留め板663と、を備える。
本実施形態では、後述する箱状部材661の回転に伴って、電飾基板662も回転変位することになるので、電飾基板662のコネクタに案内される際に半筒形状部651d,655aの間を通過している電気配線が捻じれたり、配置が無秩序になったりする可能性があるところ、配線を仮留めする貫通孔を有する配線留め板663の機能により、配線の捻じれや、無秩序に配置されることからの回避を図っている。
なお、本実施形態では、電気配線が電飾基板662に固定されていることから、電気配線に捻じれが生じることは避けられない。一方で、第2装飾回転部材660の回転変位は、1回転以上の回転で生じるものでは無く、135度の回転角度で反転する回転変位であるので、電気配線に過度な負担がかかったり、電気配線がねじ切れたりする事態を回避することができる。
第2装飾回転部材660は、略直方体形状から形成され、最長辺を有する長方形側面の最長辺と平行な回転軸(半筒形状部651d,655aにより形成される回転軸)で回転可能に構成される。
軸直角回転部材657は、配線留め板663が抜け止めとして機能し、半筒形状部651d,655aに脱落不能に支持される。第2装飾回転部材660は軸直角回転部材657に締結固定されるので、第2装飾回転部材660が半筒形状部651d,655aから抜ける事態が発生することを回避することができる。
電飾基板662は、板の厚み方向と箱状部材661の厚み方向とが一致するよう配設されている。電飾基板662の厚み方向の側面において、表側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第1演出面661aが照らされ、裏側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第2演出面661bが照らされ、裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設され幅方向に光軸が向くLED等の発光手段により第3演出面661cが照らされる。
このように、電飾基板662に配設される発光手段は、各演出面661a〜661cを個別に照らすように機能するが、第3演出面661cを照らすLEDが裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設されていることで、第2演出面661bが正面側に配置される状態(第1動作ユニット600の張出状態)において第3演出面661c(上側を向く面)を照らすLEDを発光させた場合に、そのLEDの光軸から角度をつけて進行する光により第2演出面661bを照らすことができる。
即ち、電飾基板662の背後にLEDが配置される場合と異なり、光が電飾基板662に隠されることを回避することができるので、第3演出面661cを照らす光により第2演出面661bも照らすことができる。これにより、第2演出面661bを照らす演出態様の種類を増加させることができたり、発光演出時の第2演出面661bの明るさを向上させたりすることができる。
装飾固定部材670は、光透過性の樹脂材料から、装飾用の文字や図形が遊技者に視認可能に形成され、その背面側から斜め左前方に光を照射する電飾基板671を備えている。装飾固定部材670の配置は第3図柄表示装置81の右側で固定であり、装飾固定部材670に対する遊技者の視線は、常に斜め右側に傾斜した視線となる。即ち、電飾基板671から照射される光の方向を左側に傾斜させることで、遊技者の目が配置され易い側に光を照射することができる。
装飾固定部材670は、下縁部および右縁部が背面側に嵩上げ形成されており、上縁部および左縁部と前蓋部材612との間に前後隙間が形成される。この前後隙間は、回動部材620が傾倒変位する際に通る隙間として機能する。
図40は、演出待機状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図41は、演出待機状態における第1動作ユニット600の背面図であり、図42は、図40の矢印XLII方向視における第1動作ユニット600の側面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611(図38参照)及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態において、駆動伝達装置630の円筒部634aの変位開始方向SD1は、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように構成される。これにより、円筒部634aが伝達長孔623に摺動しながら変位開始する際の変位抵抗を低減することができる。即ち、変位開始時は、変位途中に比較して慣性の補助を得られず、駆動モータ631で発生させる必要のある駆動力が大きくなり易いところ、本実施形態のように変位抵抗を低減するように構成することで、変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
また、同様のことが、張出状態(図45参照)における円筒部634aの変位開始方向SD2についても成立するように構成される。即ち、本実施形態では、回動部材620の両終端位置(演出待機状態の位置、張出状態の位置)における伝達長孔623に配置される円筒部634aの変位方向が、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように円筒部634aの変位(即ち、伝達ギアカム634の形状)が設計される。これにより、回動部材620の両終端位置からの変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
図41に示すように、中間ギア644に両側から、回動部材620のギア歯部625と、第1装飾回転部材650のギア歯654aと、が噛み合う。本実施形態では、ギア歯部625の半径R1と、ギア歯654aの半径R2とが同じ長さで設計されているので、中間ギア644に対するギア歯部625の回転角度と、中間ギア644に対する後側回転部材654の回転角度と、は同角度とされる。
従って、後側回転部材654の回転角度を、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度(角度θ)の設計次第で、変化可能に構成することができる。
図42に示すように、前側回転部材652のギア歯652aと、軸直角回転部材657のギア歯657aとが噛み合っており、前側回転部材652に伝達された回転駆動力が、回転軸の直交する第2装飾回転部材660に伝達される。
第2装飾回転部材660の回転角度はギア歯657aの回転角度と同様であり、ギア歯657aの回転角度は前側回転部材652のギア歯652aの回転角度に比例する。即ち、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625(図41参照)との間で生じる回転角度に比例する。
なお、本実施形態では、ギア歯657aの回転角度と、ギア歯652aの回転角度とが同じ(ギア比が1)となるように構成されるので、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度と同じとなる。
次いで、第1動作ユニット600の演出待機状態からの変位について、時系列で説明する。図43は、中間演出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図44は、中間演出状態における第1動作ユニット600の背面図である。また、図45は、張出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図46は、張出状態における第1動作ユニット600の背面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態と中間演出状態との間で、回動部材620の回動角度は19度に設定され、中間演出状態と張出状態との間で、回動部材620の回動角度は26度に設定されている。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、第2装飾回転部材660の箱状部材661が、幅の狭い第3演出面661cを正面側に向けた姿勢とされる。第1動作ユニット600の張出状態では、第2演出面661bが正面側を向くように構成される(図45参照)。
図44に示すように、案内長孔616は、上端部から上下方向に延びる直線上に形成される直線状部616aと、その直線状部616aの下端部と連結され曲線上(略円弧形状)に形成される曲線状部616bと、を備える。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、軸線O1が直線状部616aの下端位置、即ち、直線状部616aと曲線状部616bとの連結部分に配置されている。一方で、図46に示すように、第1動作ユニット600の張出状態では、軸線O1が曲線状部616bの下端位置に配置されている。
従って、演出待機状態と中間演出状態との間における軸線O1の変位は、直線状部616aに沿う直線状変位となり、中間演出状態と張出状態との間における軸線O1の変位は、曲線状部616bに沿う曲線状変位となるように構成される。
第1動作ユニット600は、上述のように状態変化可能に構成されており、その状態変化の基端側に配置されるのは回動部材620である。即ち、回動部材620が駆動伝達装置630からの駆動力を受けて変位し、その回動部材620の変位に被支持部材640、第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660が従動する。
そのため、対策なしでは、案内長孔616に案内される部分の摺動変位によって案内長孔616との間で生じる変位抵抗が大きくなる可能性があるが、本実施形態では、回動部材620の変位方向に案内長孔616の長手方向が沿うように構成されることで、その抑制を図っている。
例えば、演出待機状態(図41)からの回動部材620のギア歯部625の変位は、下方へ傾動する変位であるところ、案内長孔616も下方に延びるように形成されている。また、例えば、張出状態(図46参照)からの回動部材620のギア歯部625の変位は右斜め上方向に起き上がる変位であるところ、案内長孔616も右斜め上に延びるように形成されている。
このように、回動部材620の変位方向と、案内長孔616の長手方向と、を沿わせるようにすることで、案内長孔616の内部を変位する部分(及び軸線O1)の変位抵抗を抑制することができる。
次いで、図47を参照して、案内長孔616の形状が及ぼす効果について他の効果も含めて説明する。図47は、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の変位量および変位角度を模式的に示す模式図であり、図48(a)及び図48(b)は、回動部材620が角速度一定の態様で傾倒方向に回動した場合における被支持部材640の従動側の変位量の大小関係を示す模式図である。なお、数値の正負は、正が下方への変位量、負が上方への変位量として図示され、図48(b)では、図48(a)の数値が棒グラフとして図示される。
図47では、回動部材620の回動に伴う被支持部材640の支持位置の配置が、回動部材620の回動角度として10度間隔で図示されるており、第1動作ユニット600の張出状態における姿勢の回動部材620が実線で図示される。
図47において、角度θは、軸線O1及び円形貫通孔624の中心を結ぶ線分と、円形貫通孔624の中心および筒状部622の中心を結ぶ線分と、の間の角度として図示されている。
案内長孔616は、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を案内する長孔として機能する。案内長孔616における変位は、回動部材620の円形貫通孔624に連結される被支持部材640の筒状部642が回動部材620の回動に伴って変位することにより生じる変位であるので、以下において、被支持部材640の筒状部642を被支持部材640の主動側とも称し、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を被支持部材640の従動側とも称する。
回動部材620を中心とする動作の概要について説明する。回動部材620に支持される被支持部材640の上下変位は、回動部材620の回動による回動先端(被支持部材640の主動側)の上下変位と、被支持部材640の姿勢変位に伴う被支持部材640の従動側の上下変位とが合算された結果として生じる。
演出待機状態においては、被支持部材640が縦姿勢であることに加え、回動部材620の変位の速度成分が上下に比較して左右方向が大きい(回動腕の配置が鉛直から左右45度の範囲)。即ち、上下方向の変位としては、小さくなる条件が2重に揃っている。
これらは共に、張出状態においては逆になり、上下方向の変位が大きくなる条件が2重に揃うことになる。従って、下降変位開始時は速度が小であり、下降変位終端において速度が大という状況が生じ易い構成となっている。
次いで、回動部材620を中心とする動作の詳細について説明する。演出待機状態から張出状態へ向けた回動部材620の変位(傾倒変位)について説明する。回動部材620が傾倒変位する場合、被支持部材640の従動側は主に自重により変位する。
そのため、案内長孔616が鉛直方向に形成される場合、被支持部材640の従動側は勢いよく落下する可能性がある。一方で、本実施形態では、第1動作ユニット600を中間演出状態(傾倒変位の途中位置、図44参照)で停止させられる方が好ましい。
そこで、本実施形態では、案内長孔616の形状として、直線状部616aの下方に曲線状部616bを組み合わせる態様を採用している。これにより、直線状部616aを自重により被支持部材640の従動側が変位し曲線状部616bに進入する際に、被支持部材640の従動側にかかる変位抵抗の増加を図ることができる。これにより、被支持部材640の従動側が中間演出状態における配置を超えて勢いよく落下することを防止し易くすることができる。
直線状部616aにおける被支持部材640の従動側の変位について説明する。被支持部材640の従動側が直線状部616aを変位する際、被支持部材640の主動側が直線状部616aの延長線を跨ぐ。即ち、演出待機状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも右側に配置され(図41参照)、中間演出状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも左側に配置される(図44参照)。そのため、回動部材620が方向転換せずに傾倒変位する間に、被支持部材640の従動側は上下方向に往復変位する。
これにより、回動部材620の回動角度の大きさに比較して、被支持部材640の従動側の上下方向の変位を小さく維持することができるので、被支持部材640の従動側が直線状部616aに配置されている間において、被支持部材640が、あたかも被支持部材640の従動側を中心として回動変位しているような変位態様で遊技者に見せることができる。
この変位態様によれば、被支持部材640の従動側を中心とした回動変位による助走を利用して左右方向のスライド変位を生じさせることができるので、変位開始時から被支持部材640全体を左右方向にスライド変位させる場合に比較して、変位に要する負荷を低く抑えることができる。そのため、被支持部材640の動作開始時に要する負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
一方で、被支持部材640の従動側の変位が小さく抑えられていながら、回動部材620の回動変位に伴い被支持部材640の主動部の変位は十分に確保されており、被支持部材640の主動部を基準とした被支持部材640の従動側の回転方向は背面視反時計回り方向に維持される(方向が切り替えられることが無い)。これにより、上述のように、被支持部材640の姿勢変化の方向および第2装飾回転部材660の回転方向は切り替えられることなく(反転することなく)維持される。
これにより、遊技者に対して、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が往復動作(戻り動作)しているような印象を与えることを回避することができ、第2装飾回転部材660の変位態様を勢いのある変位態様とすることができる。
また、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の主動部の変位が十分に確保されている状況下においても、被支持部材640の主動部の変位方向は水平方向成分が大きく、且つ、重力方向に沿う方向(下方)向きの変位であるので、回動部材620を変位開始させるために要求される負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
曲線状部616bにより生じる作用について説明する。直線状部616aと曲線状部616bとの連結部に被支持部材640の従動側が配置される状態が第1動作ユニット600の中間演出状態として規定されている。上述のように、演出待機状態から中間演出状態までの回動部材620の回動角度は19度である。そのため、被支持部材640の従動側が曲線状部616bに配置される状態は、おおよそ、図48の角度幅20度〜45度の範囲に対応する。
まず、前提として、案内長孔616に曲線状部を採用する必然性は無い。即ち、上述のように中間演出状態において変位抵抗を増加させるために屈曲するような箇所の採用の有無に関わらず、案内長孔616を直線状の部分のみで構成しても良い。
一方、本実施形態では、敢えて曲線状部616bを採用することにより、変位終端において被支持部材640の従動側の速度が過大となることの防止を図っている。これについて、以下で説明する。
直線状部616aに案内される場合も、曲線状部616bに案内される場合も、回動部材620に連結される被支持部材640の主動側が下方変位する際に、被支持部材640の従動側が下方変位することは同じである。
違いとして、曲線状部616bに案内される場合において、曲線状部616bの上半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)と相反する向き(右向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成され、曲線状部616bの下半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)に沿う向き(左向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成される。
これにより、被支持部材640の主動側の下方への変位量が大きくなる前(傾倒開始側)においても、被支持部材640の従動側の変位が左右に振られていることで、被支持部材640の従動側の変位速度を大きく確保することができる。
これにより、回動部材620の傾倒変位の変位終端において被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを防止することができる。即ち、被支持部材640の従動側を特定の初期位置から終端位置まで任意の経路で上下変位させる場合、変位に要する時間が同じであれば、上下方向の速度を積分した結果は等しくなるので、変位開始時にゆっくりと変位する場合には、終盤に変位速度が大きくなる。
図47に比較として図示する上下方向に延びる直線上に案内される仮想軸線OE1に被支持部材640の従動側が配置される場合、回動部材620の傾倒変位開始側から、変位速度が漸増することになり、被支持部材640の変位終端(変位下端)において最大となる。換言すれば、回動部材620が10度回転して変位下端に到達する間の案内長孔616に案内される軸線O1の上下変位量UX1に比較して、同じ間の仮想軸線OE1の上下変位量UE1は大きくなる。
そのため、仮想軸線OE1の変位態様では、被支持部材640の従動側が跳ね戻る動作をする可能性があり、被支持部材640を変位下端で停止させる演出を行う場合には、第1動作ユニット600の演出に悪影響を与える。
これに対し、本実施形態では、案内長孔616に曲線状部616bを採用することで、被支持部材640の従動側の変位速度が大きくなる範囲を回動部材620の傾倒変位の変位開始側にも割り振るよう図っており、被支持部材640の従動側の変位速度の均一化を図っている。
この場合の均一化とは、変位の全範囲に亘って速度を同一となるように寄せることを意味するものばかりでは無く、速度の大小幅を抑制することを含む意味で用いられる。特に、本実施形態では、回動部材620の傾倒変位において、曲線状部616bへの進入開始側において被支持部材640の従動側の変位速度が漸増し、曲線状部616bの下半部に進入開始してから被支持部材640の従動側の変位速度が漸減するよう構成されている。
即ち、曲線状部616bに被支持部材640の従動側が案内されている場合において、被支持部材640の従動側の変位速度に速度差を設けることで、被支持部材640の変位が単調となることを回避することができる。
更に、曲線状部616bの下端側部において被支持部材640の従動側に要求される速度、即ち、単位時間に要求される変位量を小さくすることにより、回動部材620を上方へ動作(起き上がり動作)させる場合の駆動開始時に、単位時間に被支持部材640の従動側を持ち上げる変位量を小さくすることができるので、駆動モータ631にかかる負担を軽減させることができる。
次いで、図49を参照して、回動部材620の回動変位に伴う第2装飾回転部材660の回転について説明する。図49は、回動部材620の回転に伴う角度θ[度]の変化を示す模式図である。
角度θは、円形貫通孔624を中心とする回動部材620と被支持部材640との相対回転角度と同一視でき、第2装飾回転部材660の回転に直結する。即ち、角度θの大小に対応して、第2装飾回転部材660の回転角度の大小が規定される。
なお、本実施形態では、回動部材620のギア歯部625と第1装飾回転部材650のギア歯654a(図39参照)との回転伝達比、及びギア歯652aと軸直角回転部材657のギア歯657a(図38参照)との回転伝達比、が共に1に設定されている。そのため、角度θと、軸直角回転部材657との回転角度とは同一となることから、角度θの変化を、第2装飾回転部材660の姿勢の変化として把握することができる。
角度θの変化は、第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)から第1動作ユニット600の中間演出状態(図44参照)までが45度であり、第1動作ユニット600の中間演出状態から第1動作ユニット600の張出状態(図46参照)までが90度である。
演出待機状態では、第2装飾回転部材660は第1演出面661aを45度だけ左方(第3演出面661cを45度だけ右方)に傾けた姿勢とされているので、角度θの変化に従って、状態が中間演出状態、張出状態と順に切り替えられるごとに、第2装飾回転部材660が45度回転することで第3演出面661cが正面側に向き(図43参照)、次いで第2演出面661bが正面側を向く(図45参照)。
角度θの設定は、被支持部材640の姿勢を規定するための案内長孔616の設計により実現されている。即ち、本実施形態では、第2装飾回転部材660の配置および角度θに応じた第2装飾回転部材660の姿勢の両方を満たすように案内長孔616が設計されている。
これにより、本実施形態のように、検出センサKS1として回動部材620の配置を検出するセンサしか配設しない場合であっても、検出センサKS1の出力を基にして第2装飾回転部材660の配置および姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が判定することができる。
即ち、検出センサKS1の検出溝に伝達ギアカム634の延設部634bが配置されていれば第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)であると判定でき、その状態からの駆動モータ631の回転角度から回動部材620の回動角度、第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定することができる。
ここで、角度θの変化量は、回動部材620の回動角度量に比例するものではない。そのため、駆動モータ631の回転角度から第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定する際には、駆動モータ631の回転角度から比例計算で数値を求めれば良いわけではない。また、これにより、回動部材620を一定速度で回動する場合にあっても、第2装飾回転部材660の回転速度が一定となることを避けることができる。以下、このことについて説明する。
角度θの変化は、被支持部材640の従動側の変位速度の変化量の大小変化と概ね同様である。即ち、演出待機状態から中間演出状態までの角度変化(回動部材620が5度回動する間に約13度)に比較して、中間演出状態から張出状態までの角度変化の方が概ね大きい(被支持部材640の従動側が曲線状部616bの上半部に配置される間において、回動部材620が5度回動する間に約20度)。
一方で、中間演出状態から張出状態までの角度変化は、被支持部材640の従動側が曲線状部616bの下半部への進入位置程度から漸減し、最終的には演出待機状態から中間演出状態までの角度変化の水準以下になる(約7度まで低下する)。
このように、回動部材620の単位角度あたりの回動に対する角度θの数値が大小で変化するように構成されることで、同様に第2装飾回転部材660の回転角度の大小が変化するように構成することができる。即ち、角度θの数値が小さい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が小さくなり易く、その姿勢を維持し易い状態とできる一方で、角度θの数値が大きい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が大きくなり易く、遊技者側に向ける面(演出面661a〜661c)を迅速に変化させ易い状態とすることができる。
上述の構成から、第2装飾回転部材660の変位動作に緩急を形成することができる。第2装飾回転部材660の変位動作では、上述の通り、被支持部材640の変位に伴う配置変更および姿勢変更と、半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部の中心に形成される回転軸を中心とした回転変位と、が同時に実行される。
半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部を中心とした回転変位の回転角度(角速度)は、被支持部材640の従動側が案内長孔616の直線状部616aから曲線状部616bに進入するタイミングで目立って大きくなる。
即ち、傾倒変位において、中間演出状態に到達するまでは第2装飾回転部材660の回転角度は抑えられており、中間演出状態における被支持部材640の従動側の配置から多少上下(跳ね戻り)したとしても、第2装飾回転部材660が第3演出面661cを正面側に向ける状態(図43参照)での維持を図ることができる。
一方、中間演出状態から被支持部材640の従動側が下方へ変位すると、回動部材620が一定速度で回動する場合の第2装飾回転部材660の回転速度は増大し、回転方向の姿勢変化が目立って視認される。即ち、遊技者に対して、第2装飾回転部材660が瞬時に回転変位しているように視認させることができる。
なお、本実施形態では、回動部材620の回動終端(変位下端)において第2装飾回転部材660の第2演出面661bが正面側に向けられ、装飾固定部材670と近接配置された状態で一体的に視認される関係上(図28参照)、回動部材620が変位下端に配置された状態から被支持部材640の従動側が上方へ跳ね戻ることを防止できることが望ましい。
これに対し、本実施形態では、上述のように案内長孔616の曲線状部616bbを構成することで、被支持部材640の従動側の変位速度を均一化しているので、回動部材620が変位下端に配置された状態における被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを予め防止することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
このように変位速度が均一化されていることに加え、回動部材620の下降変位終端における被支持部材640及び第2装飾回転部材660の中心部の配置(例えば、筒状部643の配置)が、回動部材620の回転軸としての支持締結部615に最接近するよう構成されている。これにより、回動部材620の回動先端側に支持される被支持部材640や第2装飾回転部材660の重量により回動部材620の回動先端が暴れることを回避でき、回動部材620の回動変位を安定させることができる。
加えて、曲線状部616bの下半部は、回動部材620の変位下端において被支持部材640の従動側の、回動部材620の円形貫通孔624を中心として跳ね戻る方向(左上方向)への変位を好適に妨害するように構成される。即ち、曲線状部616bの下半部は、左上方向に傾斜する方向が短手方向となっており、この方向への被支持部材640の従動側の変位を抑制することができるので、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
換言すれば、本実施形態では、被支持部材640の主動側の変位に追従して被支持部材640の従動側が変位する際の変位方向と、被支持部材640の主動側が変位終端で停止した場合における被支持部材640の従動側の変位方向と、が異なる。
前者は、案内が無ければ被支持部材640の主動側の変位方向(回動部材620の回動方向)に沿って左下方への変位となると想定されるが、本実施形態では、案内長孔616に案内されることで、案内長孔616に沿う方向として左右方向に若干振られ、下方へ変位する。
一方、後者は、被支持部材640の主動側を中心とした円上の軌道となるので、案内長孔616を沿う方向ではなく、案内長孔616の短手方向に沿う変位方向となる。これにより、被支持部材640の従動側の変位を抑制することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の特徴について説明する。第1動作ユニット600の張出状態から演出待機状態への状態変化において、回動部材620は起き上がり方向に変位する。
回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷(即ち、駆動モータ631で生じる駆動力)は、主に、回動部材620、被支持部材640及び被支持部材640に配設される第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660を上昇変位させることと、第2装飾回転部材660を回転させることとに利用される。
即ち、第2装飾回転部材660の回転角度が小さいほど、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷を低減することができる。
ここで、図49に示すように、本実施形態では、第1動作ユニット600の張出状態から回動部材620が回動変位を開始する時点において、第2装飾回転部材660の回転角度に比例する角度θの値が最低となるように設計されている。そのため、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷の低減を図ることができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の上昇変位終端において、被支持部材640の延設支持部646を中心とした第2装飾回転部材660の回転軸が、回動部材620の長手方向と沿う姿勢(上下方向を向く姿勢)で配置される。
そのため、回動部材620の上昇変位終端において第2装飾回転部材660の回転変位が停止される際に第2装飾回転部材660の回転方向の慣性力として回動部材620に与えられる負荷を、回動部材620が長手方向を軸としてねじられる態様の負荷として生じさせることができ、回動部材620はその負荷を長手方向に分散させることで局所的には僅かな弾性変位で耐えることができる。
そのため、第2装飾回転部材660の回転軸が回動部材620の長手方向と正面視で直交する場合に比較して、回動部材620が折れるように破損する事態を回避し易くすることができる。加えて、回動部材620の過度な弾性変位は、前蓋部材612との当接により抑制され、回動部材620で受けきれない負荷に関しては前蓋部材612が弾性変形することにより耐えるよう構成できるので、回動部材620の破損を防止することができる。
張出装飾部652bの変位について説明する。張出装飾部652bは軸線O1を中心に回転変位する部材であって、その回転角度は上述の角度θに対応する。従って、演出待機状態から張出状態への変化のように、被支持部材640の従動側の配置変化が小さい場合であっても、角度θが変化していれば張出装飾部652bは回転する。
演出待機状態から張出状態までの角度θの変化は約135度であり、張出装飾部652bは約45度で回転している。ここで、演出待機状態から張出装飾部652bが45度も反時計回りに回転すると、組立状態(図28参照)において他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)と衝突するように感じるが、本実施形態では、張出装飾部652bの回転の基準となる被支持部材640自体が時計回りに回転する態様で姿勢変化しているので、他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)に衝突することを回避することができる。
換言すれば、張出装飾部652bが被支持部材640を基準として変位可能に構成されることで、張出装飾部652bの変位に要するスペースを削減することができる。
例えば、張出装飾部652bが第1動作ユニット600の張出状態において被支持部材640を基準として固定配置される部分である場合、被支持部材640が張出状態の配置から演出待機状態の配置に変化すると、張出装飾部652bは被支持部材640の左上側に張り出し、他の動作ユニット800に衝突したり、第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に張り出し表示を部分的に隠したり、という演出に対する悪影響を及ぼす可能性がある。
これに対し、本実施形態では、被支持部材640の従動側を基準として、被支持部材640の主動側の回転方向とは逆方向に、張出装飾部652bが回転変位するので、被支持部材640が第3図柄表示装置81側に張り出す際には連動して張り出し、被支持部材640が第3図柄表示装置81から退避する側に変位する際には連動して退避する。そのため、退避した状態における張出装飾部652bの配置を、第3図柄表示装置81から離れる側に形成することができる。
遊技者目線における、被支持部材640を基準とした張出装飾部652bの回転角度は、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差によって求めることができる。即ち、角度θの変化幅である約135度と、被支持部材640の姿勢変化角度である約90度の差としての45度となる。
ここで、本実施形態では、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差が、回動部材620の配置に関わらず等しいよう構成される。即ち、図47に示すように、角度θを、水平線の下側の角度a1,a2と、水平線の上側の角度b1,b2と、で分けた場合に、角度θと、被支持部材640の姿勢変化と、の差は、((a1+b1)−(a2+b2))−(b1−b2)=(a1−a2)と求められ、これは回動部材620の回動角度に等しい。
従って、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転角度が、回動部材620の回動角度と等しくなるので、回動部材620を角速度一定で回動変位させると、被支持部材640の変位速度は一定ではないにも関わらず、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転の角速度が一定となる。
そのため、遊技者に対して、被支持部材640に配設される張出装飾部652bが回動部材620を駆動させる駆動モータ631とは別の駆動手段で、一定角速度で駆動されているかのように視認させることができる。
このように構成することで、張出装飾部652bの被支持部材640を基準とした変位が、遊技者目線で、スライド移動である区間があったり、回転移動がある区間があったりするように見せることができ、張出装飾部652bの変位態様を、あたかも機械では無いような柔らかい変位態様として視認させることができる。
この作用は、被支持部材640の変位として、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間と、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間とを切り分けて設計することで実現することができる。即ち、張出装飾部652bは、回動部材620の回動角度に応じて被支持部材640に対して回転するところ、遊技者目線では、張出装飾部652bの変位が被支持部材640の変位として支配的となる側に影響される。
従って、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間では張出装飾部652bが回転変位しているように視認させることができ、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間では張出装飾部652bがスライド変位しているように視認させることができる。
上述したように、回動部材620は、演出待機状態、中間演出状態および張出状態を構成するように回動変位可能とされ、一方の変位終端から他方の変位終端へ変位する場合について説明したが、変位範囲の途中位置で逆方向へ変位するように駆動方向を切り替えても良い。
例えば、演出待機状態から中間演出状態まで回動部材620を回動変位させた後で、駆動モータ631の駆動方向を反転させることで、演出待機状態に戻すように制御しても良い。この場合、回動部材620を下降途中で停止させる必要があるので、停止位置を正確にするためには、回動部材620の回動速度を低めに設定させる必要が生じる可能性がある。
一方で、本実施形態では、演出待機状態に比較して、中間演出状態付近において角度θ(図49参照)の数値が増大傾向に変化する。角度θの大小は、上述のように、第2装飾回転部材660の回転の大小に対応する。
従って、第2装飾回転部材660の回転量が増大する中間演出状態付近において、駆動力の内で第2装飾回転部材660に振り分けられる分が多くなることから、相対的に、回動部材620の回動変位に振り分けられる分を少なくすることができ、自動的に回動部材620の回動変位を抑制することができる。
換言すれば、第2装飾回転部材660の回転量が増大することに伴って、回動部材620の回動速度を低下させることができるので、予め回動部材620の回動速度を低めに設定しておかなくとも、中間演出状態付近において回動部材620を停止させ易くすることができる。
次いで、第2動作ユニット700について説明する。第2動作ユニット700は、背面ケース510の開口511aよりも下側において底壁部511に締結固定される動作ユニットであって、第3図柄表示装置81(図28参照)を見る遊技者の視界を確保するために開口511aよりも下側に退避する演出待機状態(図28参照)と、第3図柄表示装置81の正面側に配置され注目を集める張出状態(図30参照)と、その間の状態としての中間演出状態(図35参照)とで、主に状態が切り替えられる。
図50は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解正面斜視図であり、図51は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解背面斜視図である。図50及び図51では、主に昇降反転演出装置770の周辺の部材が分解された状態で図示され、昇降反転演出装置770については非分解の状態で図示される。
図50及び図51に示すように、第2動作ユニット700は、背面ケース510の右下隅部に締結固定される右側前板部材710と、その右側前板部材710と背面ケース510との間に配置され背面ケース510の円筒状突設部511bを中心に回動可能とされる回動アーム部材720と、その回動アーム部材720に駆動力を伝達可能に構成される駆動伝達装置730と、回動アーム部材720の先端部が案内可能に連結され昇降変位可能に構成される昇降板部材740と、その昇降板部材740の背面側において背面ケース510の左下隅部に締結固定される左側後板部材750と、左右一組で構成され右側前板部材710及び左側後板部材750の前側に締結固定される一組の前側支持部材760と、金属棒702の前側において背面ケース510に締結固定される目隠し装飾部材768と、昇降板部材740及び前側支持部材760に昇降変位と前後方向変位とを組み合わせた態様で変位可能に構成される昇降反転演出装置770と、を備える。
右側前板部材710は、駆動伝達装置730の各構成を支持する伝達支持部711と、左縁部において背面側から凹設され背面ケース510との間に隙間を形成する隙間形成部712と、駆動伝達装置730の被検出部735の配置を検出するために配設される複数(本実施形態では3個)の検出センサ713と、左側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部714と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部718と、を備える。
検出センサ713は、フォトカプラ式の複数のセンサが、被検出部735が進入可能となる位置に検出溝を配置するようにして、間隔を空けて配設されている。各検出センサ713は、それぞれ、第2動作ユニット700の演出待機状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の中間演出状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の張出状態における被検出部735の位置、に合致するように配設される。
即ち、検出センサ713は、第2動作ユニット700が演出待機状態か、中間演出状態か、張出状態か、により出力を切替可能に構成されており、その出力結果から音声ランプ制御装置113(図4参照)が第2動作ユニット700の状態を把握可能に構成される。
回動アーム部材720は、背面ケース510の底壁部511から正面側に円筒形状に突設される円筒状突設部511bに軸支され、正面視くの字形状の長尺板状に形成される本体部721と、その本体部721の屈曲部において後方へ向けて円筒状に突設され内周側形状が円筒状突設部511bを挿通可能な大きさで形成される支持筒部722と、本体部721の右側端部において長尺方向に沿って長孔状に穿設される長孔部723と、本体部721の左側端部において前方(円筒状突設部711aの突設方向と平行な方向)へ向けて円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部724と、その円筒状被締結部724と支持筒部722との中間位置において後方へ円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部725と、支持筒部722の周囲に巻き付けられ背面ケース510との間で本体部721に上昇方向(左側部を持ち上げる方向)の付勢力を与えるトーションばねSP2と、を備える。
本体部721の左側部は、支持筒部722の基端側部に比較して正面側に配置がずれるように段が形成されており、その段により背面側に形成される隙間部に支持板701が配設される。
支持板701は、背面ケース510の底壁部511に締結固定される板状部であり、円筒状被締結部725を案内可能に穿設される円弧状の長孔部701aを備える。長孔部701aにリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部725に螺入されることで、円筒状被締結部725を介して回動アーム部材720は支持板701に脱落不能に支持される。
支持板701は背面ケース510の底壁部511に締結固定されるので、回動アーム部材720の左側部は背面ケース510から正面側へ離間変位することが制限される。これにより、回動アーム部材720の左側にかけられる荷重により回動アーム部材720が正面側に傾倒する変位が生じることを防止することができるので、回動アーム部材720の変位を安定的に支持することができる。
本体部721の右側部は、背面ケース510と隙間形成部712との間の隙間に配置される。即ち、本体部721の右側部の前後方向の変位は、背面ケース510と隙間形成部712とにより制限される。
長孔部723は、幅中心を通り長尺方向に延びる直線が支持筒部722の中心を通る形状で形成される。従って、長孔部723に与えられる負荷が長孔部723の長尺方向を向く場合には、その負荷の回動アーム部材720の回動方向成分は0となる。
駆動伝達装置730は、回動アーム部材720の長孔部723を介して駆動力を伝達する装置であって、右側前板部材710に前側から締結固定される駆動モータ731と、その駆動モータ731の駆動軸に固定される駆動ギア732と、その駆動ギア732に歯合される伝達ギア733と、その伝達ギア733に歯合されるギアカム部材734と、を備える。
伝達ギア733及びギアカム部材734は、対応する位置において右側前板部材710の背面側に円筒状に突設される複数の円筒状突設部711aにそれぞれ軸支される。円筒状突設部711aの内周側には雌ネジが形成されており、伝達ギア733やギアカム部材734の軸孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。これらの締結ネジが螺入固定されることで、伝達ギア733やギアカム部材734が円筒状突設部711aに脱落不能に軸支される。
伝達支持部711は、上述の円筒状突設部711aと、ギアカム部材734を軸支する円筒状突設部711aを中心とした円弧状に穿設される円弧状孔711bと、を備える。
ギアカム部材734は、回転軸部を中心とした円弧形状で正面側へ突設され円弧状孔711bに挿通可能に形成される被検出部735と、ギア部よりも長径となるように延設される延設部736と、その延設部736の先端部から背面側へ円筒状に突設される円筒状突設部736aと、を備える。
被検出部735は、右側前板部材710の検出センサ713の検出溝に配置可能に形成されており、検出センサ713からの出力によってギアカム部材734の姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が検出可能にするための部分として構成される。
円筒状突設部736aは、回動アーム部材720の長孔部723に挿通可能に形成されており、円筒状突設部736aの変位が長孔部723を介して回動アーム部材720に伝達される。
円筒状突設部736aの内周側には雌ネジが形成されており、リング状のカラーC3の中心孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。この締結ネジが螺入固定されることで、回動アーム部材720が円筒状突設部736aに脱落不能に連結される。
昇降板部材740は、回動アーム部材720の回動に伴い昇降変位する部材であって、左端側に配置され上下方向に案内される被案内部材741と、その被案内部材741の下端側に締結固定される左右に長尺の横長部材742と、を備える。
被案内部材741は、背面ケース510に長尺方向を上下方向に揃えた姿勢で固定される金属棒702が挿通可能に形成され、金属棒702に沿った上下方向変位が可能とされる。被案内部材741の左右両側から背面側へ突設される突条部の先端が背面ケース510の底壁部511と当接することで、被案内部材741の軸回転が規制されることになり、被案内部材741の姿勢の安定化が図られている。
被案内部材741の姿勢が安定化されることに伴い、その被案内部材741に締結固定されている横長部材742の姿勢の安定化が図られている。
横長部材742は、回動アーム部材720の円筒状被締結部724が挿通可能な上下幅で左右に長尺の長円形状で穿設される長孔部743と、その長孔部743の上側において正面側に円筒状に突設される円筒状部744と、その円筒状部744を基準として左右に等距離だけ離れた位置における底部の下方に配設される一対の案内部745と、を備える。
長孔部743にリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部724に螺入されることで、円筒状被締結部724を介して昇降板部材740は回動アーム部材720に脱落不能に支持される。
円筒状部744は、昇降反転演出装置770の挿通筒状部773が挿通され、昇降反転演出装置770を前後変位可能な状態で支持する部分である。即ち、昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に固定されるのではなく、昇降板部材740を基準とした前後変位が可能な態様で昇降板部材740の正面側に配設される。
円筒状部744及び挿通筒状部773の周囲を巻くようにコイルスプリングCS2が配設される。コイルスプリングCS2の付勢力は、昇降板部材740と昇降反転演出装置770とを引き離す方向に作用する。
案内部745は、左右一対で構成されており、前後に長尺の板部745aと、その板部745aから左右外側へ突設される前後一対の軸部に回転可能に軸支される回転筒部745bと、を備える。
回転筒部745bは、上述した昇降反転演出装置770が前後変位する際に回転し、前後方向変位を案内する部分として機能するが、詳細は後述する。
左側後板部材750は、右側前板部材710の前上傾斜部714と同様に、右側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部751と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部752と、を備える。
目隠し装飾部材768は、光透過性の樹脂材料から立体形状に形成される立体装飾部768aを備え、その立体装飾部768aの背面側にはLEDが正面側に固定される基板が配置されており、LEDから照射される光で立体装飾部768aを光らせることができるよう構成される。
前側支持部材760は、それぞれ、締結ネジが挿通される挿通孔を有して構成される固定用板部761と、その固定用板部761の左右内側に隣設配置され板背面が上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成される受傾斜部762と、を備える。
固定用板部761は、挿通孔に正面側から挿通される締結ネジが、対応する雌ネジ部に螺入されることで右側前板部材710又は左側後板部材750の正面側に締結固定される板部である。
この固定位置において、受傾斜部762は、前上傾斜部714,751の前方に配置される。即ち、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751により案内経路が形成され、この案内経路に昇降反転演出装置770の回転筒部774eが案内されることで、昇降反転演出装置770は前後方向に変位しながら昇降変位するよう構成されている。以下、この昇降変位について説明する。
図52(a)は、図28のLIIa−LIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図52(b)は、図28のLIIb−LIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図52(a)及び図52(b)では、第2動作ユニット700の演出待機状態が図示される。
図53(a)は、図33のLIIIa−LIIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図53(b)は、図33のLIIIb−LIIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図53(a)及び図53(b)では、第2動作ユニット700の中間演出状態が図示される。
図54(a)は、図30のLIVa−LIVa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図54(b)は、図30のLIVb−LIVb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図54(a)及び図54(b)では、第2動作ユニット700の張出状態が図示される。
図52から図54に示す第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の昇降変位は、駆動伝達装置730の駆動力が回動アーム部材720に伝達されることで生じる。昇降反転演出装置770の昇降変位の際の駆動力伝達について説明する。なお、この説明では、図28、図30及び図33を適宜参照する。
演出待機状態(図28参照)からの駆動力伝達開始時において、ギアカム部材734の円筒状突設部736a(図51参照)の変位方向は、回動アーム部材720の長孔部723の長尺方向と平行になるように設計されているので、ギアカム部材734の回転開始時に生じる変位抵抗を抑制することができる。また、同様のことが、張出状態においても成立する。
一方、中間演出状態(図30参照)では、円筒状突設部736aの変位方向が長孔部723の長尺方向と直交することから、ギアカム部材734が回動アーム部材720から回転方向に受ける変位抵抗が極大化することで、ギアカム部材734の回転変位を停止させ易くすることができる。
図52から図54に示すように、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770は、センターフレーム86の下側においては背面側に配置され、センターフレーム86の内側へ向けて上昇変位することに伴って、前後方向においては正面側に変位するよう構成される。
この変位の変位抵抗は、昇降反転演出装置770の回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に案内される構成と、昇降反転演出装置770の第1横板774b及び第2横板774cが昇降板部材740の回転筒部745bに案内される構成と、により、低減される。
即ち、一対の回転筒部774eは、左右対称な位置に配置される受傾斜部762及び前上傾斜部714,751(前上傾斜部751は、図52には図示されない左側に配置、図56参照)の傾斜角度と平行に並ぶよう設計されており、回転筒部774eが筒状部774d中心に転動することで、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に沿った変位を行う本体部材771の変位抵抗を低減することができる。
更に、前後に整列される回転筒部745bの配置として、前側の回転筒部745bを若干上側に配置する設計とすることで、本体部材771の傾倒変位の抑制を図ることができ、これにより回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に過大な負荷を与えることを回避している。
即ち、本実施形態では、演出装置780の重心位置(回転軸位置)が本体部材771の前後中心よりも若干前側に位置するような設計とされており、本体部材771は常時、重力により前傾方向に付勢されている。この付勢力の影響から、第1横板774b及び第2横板774cには、前側が下がり、後側が上がるような変位が生じやすい。
これに対し、本実施形態では、第1横板774bの前側が下がる時に近接配置される前側の回転筒部745bが若干上方に配置されており、第2横板774cの後側が上がる時に近接配置される後側の回転筒部745bが若干下方に配置されている。従って、本体部材771の前傾変位を効果的に抑制することができる。
更に、この構成によれば、前側の回転筒部745bは、第2横板774cとの間に隙間が生じていることから第1横板774bとの間での転動を安定的に生じさせ、後側の回転筒部745bは、第1横板774bとの間に隙間が生じていることから第2横板774cとの間での転動を安定的に生じさせることができる。これにより、回転筒部745bの転動を正常に生じさせることができ、本体部材771が前後方向に変位する際の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の正面側への変位は、上述の形状的な案内のほかに、コイルスプリングCS2の付勢力により生じる。そのため、昇降反転演出装置770が正面側へ変位する上昇変位時の方が、下降変位時に比較して、前後方向変位の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の上下変位は、駆動モータ731の駆動力により行われるところ、その駆動力は、鉛直方向の変位と、前後方向の変位とに振り分けられる。鉛直方向の変位において、重力に対抗する必要性から、上昇方向の変位の負担が比較的大きくなるが、この場合における前後方向の変位をコイルスプリングCS2の付勢力により補助することができる。従って、昇降反転演出装置770を上昇変位させる際に要する駆動力が過大なることを回避することができる。
コイルスプリングCS2は、第2動作ユニット700の中間演出状態(図53参照)において自然長となるように長さが設定される。即ち、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも下側に配置されている場合にはコイルスプリングCS2の付勢力が駆動モータ731の駆動力による昇降反転演出装置770の前後方向の変位を補助する方向に作用する一方、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも上側に配置されている場合には、コイルスプリングCS2の付勢力は昇降反転演出装置770の前後変位に作用しない。
これにより、昇降反転演出装置770の配置を中間演出状態で維持し易くすることができる。例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干早くなったとしても、コイルスプリングCS2の付勢力で第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せるように変位させることができる。
また、例えば、同様に停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干遅くなったとしても、第2動作ユニット700が自重で下降し、且つ、その自重による下降がコイルスプリングCS2の付勢力で抑制されることにより、第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せて配置を維持することができる。
また、例えば、第2動作ユニット700の張出状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御する場合に、昇降反転演出装置770が中間演出状態を下方へ過ぎるとコイルスプリングCS2の付勢力が変位抵抗として作用することから、中間演出状態よりも大きく下方変位することを防止し易くすることができる。そして、駆動モータ731を停止制御した後も、コイルスプリングCS2の付勢力が負荷されることで第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せることができる。
ここで、昇降反転演出装置770について、昇降変位に伴い前後方向に変位させることによる作用について説明する。前提として、センターフレーム86により縁取られる枠の内外に変位して遊技者の注目を集める状態と遊技者の視界から退避する状態とで切り替えられる可動役物が知られている。
このような可動役物では、センターフレーム86の内側に配置されている時の見映えについて重視した設計のものがほとんどであり、センターフレーム86の外側に退避する状態においては、遊技者から注目はされないという仮定のもとで、見映えについて考慮しないことが多かった。
しかし、最近では、第3図柄表示装置81からセンターフレーム86までの前後距離が長く構成されており、センターフレーム86の内側を通り第3図柄表示装置81の表示領域を見るような視界の端において、センターフレーム86の後側外方位置(遊技領域の背後位置)にまで視線が届くので、センターフレーム86の後側外方位置に退避した状態の可動役物の見栄えが悪いと、遊技者の興趣を低下させる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787の正面側(図52における第1主装飾面787a1)だけでは無く、背面側(図52における第2主装飾面787b1)および上下面(図52における第1副装飾面787a2及び第2副装飾面787b2)に装飾面を形成した上で、昇降反転演出装置770の変位方向を、遊技者側(正面側)を基端として背面側へ向かう程に広がる(後方へ向かう程に下降傾斜する)線、即ち、遊技者の視界の端における視線の方向に沿った変位方向とすることで、各装飾面が遊技者の視界に容易に収まるように構成している。
これにより、覆設部材787の各装飾面を遊技者の視界に無理なく入れることができる。覆設部材787の各装飾面の詳細については後述するが、張出状態(図54参照)において遊技者が視認可能となる前側面(第1主装飾面787a1又は第2主装飾面787b1、図54では第1主装飾面787a1)と、演出待機状態(図52参照)において遊技者が視認可能となる上側面(第1副装飾面787a2又は第2副装飾面787b2、図52では第1副装飾面787a2)と、に形成される装飾(図形、模様、文字または絵柄など)が、互いに関連する装飾として形成される。
換言すれば、第1主装飾面787a1と第1副装飾面787a2とが互いに関連する第1装飾として形成され、第2主装飾面787b1と第2副装飾面787b2とが互いに関連する第2装飾として形成され、且つ、第1装飾と第2装飾とは互いに異なる装飾として形成される。
上側面に形成される装飾は、第2動作ユニット700の演出待機状態においてセンターフレーム86と、その奥側に配置される第3図柄表示装置81(図26参照)との前後隙間に配置されているので、センターフレーム86(図2参照)の外側に形成される遊技領域を流下する球に注目する状態と、第3図柄表示装置81で展開される表示演出に注目する状態と、を切り替えるように遊技者が目線を動かす際に視界に入り易い。
そのため、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能となった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)を、演出待機状態においても覆設部材787の上側面を通して遊技者が視認可能とすることができる。
これにより、第3図柄表示装置81を視認し易いように演出待機状態の配置に変位し、目立たないよう配置された覆設部材787に、遊技者の注目を継続して集めさせることができる。
また、後述するように、覆設部材787は遊技者側に向ける装飾面を切り替えるように回転変位可能に構成されているので、張出状態において遊技者が視認可能となる装飾面の内容が異なる場合を生じさせることができる。
例えば、張出状態における覆設部材787の外観を遊技者が確認する前に昇降反転演出装置770が演出待機状態に配置された場合(見逃した場合や、動作速度が過度に速い場合)、前側面からしか装飾面の内容を把握できない構成だと、演出待機状態ではその前側面の大部分が遊技盤13に隠されてしまうので、遊技者は第3図柄表示装置81の表示面で展開される液晶演出に注目せざるを得ず、覆設部材787に対する注目力は低下する。
一方、本実施形態のように、上側面からも装飾面の内容を把握できる構成を採用する場合、遊技者は、演出待機状態における昇降反転演出装置770を視認することで、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能であった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)について把握することができる。
これにより、張出状態における覆設部材787の外観を見逃した遊技者に対して、覆設部材787の状態により報知される内容を、演出待機状態でも覆設部材787の視認可能な装飾面で継続して報知することができる。これにより、演出待機状態か、張出状態か、等の各状態に関わらず、覆設部材787の注目力を高く維持することができる。
本実施形態では、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の前後方向の変位は、遊技領域の後端面の背面側に配置されている状態から、遊技領域の後端面よりも前方に進入するような変位として構成されることについて説明する。
図52に示すように、第2動作ユニット700の演出待機状態において、覆設部材787の正面と、センターフレーム86の板背面とは対向配置されており、センターフレーム86は、覆設部材787側に突設形成される流路形成部86aを備える。
流路形成部86aは、センターフレーム86の左右入口からセンターフレーム86の内側に形成されるワープ流路(転動経路)に飛び込んだ球がセンターフレーム86の下縁部に到達した後、そのセンターフレーム86の下側転動面を流下した球を一旦後方に振り、再び前方に流して、遊技領域に配設される第1入賞口64へ向けて案内するための案内流路の後側部を形成する部分である(図9参照)。即ち、流路形成部86aにより、遊技領域の後端面BE1が、ベース板60(図2参照)の板前面よりも後方側に配置される。
流路形成部86aを流下した球は高確率で第1入賞口64に入球することから、流路形成部86aに対する注目力は高く、特に球がセンターフレーム86の内側に飛び込んだ際には、流路形成部86aに遊技者の視線が集まり易い。演出待機状態において(図52参照)、流路形成部86aの真後ろに演出装置780が配設されることから、演出待機状態における演出装置780が遊技者の視界に入り込む状態を構成し易くすることができる。
第2動作ユニット700の演出待機状態では、覆設部材787は後端面BE1の背面側に配置され(図52(a)参照)、第2動作ユニット700の中間演出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1上に配置され(図53(a)参照)、第2動作ユニット700の張出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1の正面側に配置される。
即ち、覆設部材787は、センターフレーム86の内側に向けて上昇変位すると同時に、遊技領域の前後位置と同じ前後位置に進入するように、正面側へ向けて変位する。従って、遊技者に対して、覆設部材787がセンターフレーム86に乗り上げて正面側へ移動してきている(遊技者側に迫ってきている)ように見せることができる。
なお、第2動作ユニット700は昇降変位に伴って演出装置780が前後方向の変位するところ、その前端面の前後位置は、張出状態において、第1動作ユニット600の張出状態における第2装飾回転部材660の第2演出面661bの前後位置と合う(一致する)ように構成される。
これにより、張出状態において正面視で近接配置される第1動作ユニット600の第2演出面661b(図29参照)と、第2動作ユニット700の演出装置780(図30)と、の前後位置が合うことになり、これらを一体的に視認させ易くすることができる。
一方で、演出装置780の前後方向の配置は、中間演出状態や演出待機状態では張出状態における配置よりも後方に下がるので、張出状態に比較して、第1動作ユニット600の箱状部材661と演出装置780とを分けて(独立で)視認させ易くすることができる。
昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に連結支持される本体部材771と、その本体部材771を基準として変位可能に構成される演出装置780と、を備える。次いで、図55及び図56を参照して昇降反転演出装置770の詳細について説明する。
図55は、昇降反転演出装置770の分解正面斜視図であり、図56は、昇降反転演出装置770の分解背面斜視図である。なお、図55及び図56の説明では、図50及び図51を適宜参照する。
本体部材771は、左右方向に長尺に形成される下側長尺部772と、その下側長尺部772の左右中央位置から背面側へ円筒状で突設される挿通筒状部773と、下側長尺部772の左右両端部から背面側に延設される一対の案内延設部774と、上下に延びる連結部により下側長尺部772の左右中央位置と一体的に形成され左右方向に長尺に形成される上側長尺部775と、その上側長尺部775の左右両側部から背面側に配設され演出装置780の直動板部材784を左右方向に案内可能に構成される複数の案内部776と、上側長尺部775の左右中央に背面側から締結固定され駆動伝達装置を支持可能とされる伝達装置保持板777と、下側長尺部772及び上側長尺部775の正面側に締結固定される発光演出手段778と、を備える。
挿通筒状部773は、昇降板部材740の円筒状部744の内周側に挿通される部分であり、円筒状部744の内周に摺動可能な寸法関係で形成され、摺動により本体部材771は前後方向に変位する。即ち、挿通筒状部773が円筒状部744に挿通されることで、昇降板部材740を基準とする本体部材771の前後方向の傾倒変位を抑制することができる。
案内延設部774は、幅が上下方向を向く縦板774aと、その縦板774aの上端部に連結され幅方向が左右方向を向く第1横板774bと、その第1横板774bよりも下側において縦板774aに連結され幅方向が左右方向を向く(第1横板774bの幅と平行となる)第2横板774cと、縦板774aの左右外側面から左右外側へ向けて突設される上下一対の筒状部774dと、その筒状部774dに回転可能に軸支される回転筒部774eと、を備える。
第2横板774cは、第1横板774bの幅方向端部よりも左右内側に延びる態様で幅長さが長くされている。この幅方向の拡張部は、組立状態において昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置され、互いに当接することで、案内延設部774が前倒れする傾倒変位が抑制される。即ち、第2横板774cを昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置される程度に幅長さを確保することにより、昇降板部材740を基準として本体部材771が前倒れする傾倒変位を抑制することができる。
筒状部774dは、一対が鉛直方向に並ぶのではなく、上側の筒状部774dの方が、下側の筒状部774dに比較して前側にずれて配置される。このずれは、前上傾斜部714,751の傾斜と、一対の筒状部774dの中心を結ぶ直線の方向と、が平行になるように設定される(図52(a)参照)。即ち、前上傾斜部714,751の傾斜と平行に一対の筒状部774dが配置されることにより、上下一対の回転筒部774eを前上傾斜部714,751又は受傾斜部762に同時に当接させることができる。これにより、上下一対の回転筒部774eを安定して転動させることができ、局所的な負荷が生じることを回避し易くすることができる。
案内部776は、左右一対が上下に並ぶ態様で左右両側に配設され内周側に雌ネジが形成される複数の筒状部776aと、左右一対の筒状部776aを繋ぐように締結固定される複数の脱落防止板部776bと、を備える。
脱落防止板部776bは、複数の筒状部776aに対応する位置に穿設される挿通孔を備え、その挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが筒状部776aに螺入されることで筒状部776aに締結固定される部分であり、直動板部材784の脱落を防止するための部分として機能するが、詳細は後述する。
伝達装置保持板777は、駆動モータ782を支持するためのモータ支持板部777aと、駆動モータ782の駆動軸を挿通可能な位置においてモータ支持板部777aに穿設される挿通孔777bと、その挿通孔777bの下側において正面側に円筒状に突設される円筒状突設部777cと、上下両端位置において締結ネジを挿通可能に穿設される一対の挿通孔777dと、背面側に締結固定される配線留め部材777eと、を備える。
円筒状突設部777cは、内周側に雌ネジが形成されており、伝達ギア781bに挿通された状態で締結ネジが螺入されることで、上下反転部材781を脱落不能に軸支する部分である。
挿通孔777dは、上側長尺部775の対応する部分に形成される雌ネジ部775aに螺入される締結ネジが挿通可能とされ、その締結ネジにより伝達装置保持板777が上側長尺部775に締結固定される。
配線留め部材777eは、駆動モータ782に接続される電気配線を伝達装置保持板777との間の隙間に保持し、留めるための部分であるが、伝達装置保持板777の外枠に沿った形状に形成することで、伝達装置保持板777の全体的な剛性の向上をも図ることができる。
発光演出手段778は、LED等の発光部材が正面側に配設される左右長尺板状の上下2枚の電飾基板778aと、その電飾基板778aの正面側に配設される光透過性の樹脂材料から形成される板部材であって光拡散加工が形成される光拡散部材778bと、を備える。
上側の電飾基板778aは、背面側に上下一対で配設される検出センサ778dを備える。検出センサ778dは、フォトカプラ形式の検出装置であって、検出溝に円弧状突設部781dが配置されることで演出装置780の上下反転部材781の姿勢を検出可能に構成されるが、詳細は後述する。
下側の光拡散部材778bは、背面側に複数の被締結部が形成され、その被締結部に、対応する位置において下側長尺部772に穿設される挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定されることで、締結ネジが目立たないようにしている。
一方、上側の光拡散部材778bには、左右両側に締結ネジを挿通するための挿通孔778cが形成され、その挿通孔778cに正面側から挿通された締結ネジが上側長尺部775の雌ネジ部775bに螺入されることで、上側の光拡散部材778bが締結固定される。
この場合、締結ネジの頭部が正面側を向いており、対策なしでは目立ってしまう可能性があるが、本実施形態では、後述するように、常に覆設部材787が挿通孔778cの正面側を覆うような配置とされるので、挿通孔778cに固定される締結ネジの頭部を覆設部材787により隠すことができる。
そのため、締結ネジの頭部が正面側に向くような設計であっても、その締結ネジの頭部が目立つことで演出に悪影響を与える事態が生じることを回避することができる。換言すれば、覆設部材787が締結ネジを隠すように配置する設計とすることで、締結ネジの挿通方向の設計自由度を高めることができる。
演出装置780は、上側長尺部775の周囲に外形部が配置され変位可能に構成される装置であって、伝達装置保持板777の円筒状突設部777cに軸支される上下反転部材781と、その上下反転部材781の伝達ギア781bに駆動力を伝達する駆動ギア782aが駆動軸に固着される駆動モータ782と、上下反転部材781の長尺方向両端部のそれぞれに一側の端部が軸支される一対の中間腕部材783と、その中間腕部材783の他側の端部が軸支され案内部776に左右方向に変位を案内される一対の直動板部材784と、その直動板部材784と中間腕部材783との間に配設され左右方向に延びる回転軸で回転(反転)可能に構成される一対の軸回転部材785と、その軸回転部材785を直動板部材784と共同で軸支する一対の軸支部材786と、軸回転部材785の左右外側先端部に位相が固定された状態で脱落不能に嵌合固定される一対の端板部材785dと、その端板部材785dの前後に配置され、上側長尺部775の左右側部を覆う左右長さで形成される覆設部材787と、を備える。
上下反転部材781は、長尺板状に形成される本体板部781aと、その本体板部781aの中心部の背面側にギア状で突設される伝達ギア781bと、本体板部781aの長尺方向両端部から背面側へ円筒状に突設される一対の円筒状突設部781cと、伝達ギア781bの中心軸を中心とする円弧状に本体板部781aの正面側に突設される円弧状突設部781dと、を備える。
伝達ギア781bは、中心に前後方向に延びる円形孔を有し、この円形孔に伝達装置保持板777の円筒状突設部777cが挿通され、先端側から締結ネジが螺入されることで、伝達ギア781bを介して上下反転部材781が伝達装置保持板777に脱落不能に軸支される。
伝達ギア781bは、駆動ギア782aと歯合しており、駆動モータ782に通電され駆動ギア782aが回転すると、伝達ギア781bも連動して回転することで、上下反転部材781が回転する。即ち、上下反転部材781は駆動モータ782を通電することで回転駆動可能とされる。
円筒状突設部781cは、中間腕部材783を軸支する。即ち、中間腕部材783の一側支持孔783aが形成される端部は、上下反転部材781が回転変位することに伴い変位する円筒状突設部781cに追従して変位する。
円弧状突設部781dは、発光演出手段778の検出センサ778dの検出溝に配置可能に形成される。即ち、上下一対の検出センサ778dのどちらかに円弧状突設部781dが配置可能とされている。
そのため、検出センサ778dの出力を読み取ることで、上下反転部材781の姿勢を、円弧状突設部781dが検出センサ778dの検出溝に配置される2姿勢と、その間の姿勢(一対の検出センサ778dの検出溝の双方に円弧状突設部781dが配置されていない姿勢)と、で判定可能となっている。
中間腕部材783は、長尺棒状(幅狭板状)に形成されており、一側の端部で穿設され円筒状突設部781cに軸支される一側支持孔783aと、一側支持孔783aの反対側である他側の端部で内周側が貫通形成される円筒状の他側円筒状部783bと、その他側円筒状部783bを中心とする傘状のギア歯(傘歯車)として形成される傘歯部783cと、を備える。
円筒状突設部781cの内周側には雌ネジが形成されており、その雌ネジに一側支持孔783aに背面側から挿通される締結ネジが螺入される。これにより、中間腕部材783は、上下反転部材781に脱落不能に軸支される。
直動板部材784は、左右方向に長尺な方形板状に形成され、中間腕部材783の他側円筒状部783bに挿通される円筒状に突設される円筒状突設部784aと、その円筒状突設部784aの中心軸を中心とした円弧状で突設される円弧状板部784bと、円筒状突設部784aの上下両側において左右方向に平行に延びる長円状に穿設される一対の長孔部784cと、その長孔部784cの間の位置において上下一対で平行配置され背面側に突設される一対の支持板部784dと、その支持板部784dの中間部において互いに対向される側に突設され前後方向に延びる突条として形成される一対の突条部784eと、支持板部784dの端部に背面側に開口される筒状に配設され内周側に雌ネジが形成される一対の被締結部784fと、円筒状突設部784aと支持板部784dとの間で貫通形成される配置用孔784gと、軸支部材786との間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部784hと、軸支部材786との間で磁石Mgを保持可能となるように方形箱状に形成される磁石保持半部784iと、を備える。
円筒状突設部784aは、中間腕部材783の他側円筒状部783bの内周径よりも若干短い外周径で形成され、他側円筒状部783bの軸方向長さよりも若干長い突設長さとされ、内周側に雌ネジが形成されている。即ち、他側円筒状部783bに背面側から挿通される締結ネジが円筒状突設部784aの雌ネジに螺入されることで、中間腕部材783は、円筒状突設部784aに脱落不能に軸支される。
円弧状板部784bは、他側円筒状部783bの外周径よりも若干長い内周径の円弧形状で形成される。これにより、円弧状板部784bが組立状態で他側円筒状部783bと径方向で対向するように近接配置され、他側円筒状部783bの回転軸に対する傾斜変位を制限している。これにより、他側円筒状部783bを中心とした中間腕部材783の回動変位を安定させることができる。
長孔部784cは、本体部材771の筒状部776aが挿通される開口であり、筒状部776aに形成される雌ネジに、脱落防止板部776bの挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、直動板部材784が本体部材771に脱落不能に支持される。
その支持状態(組立状態)において、直動板部材784は長孔部784cの形成方向に沿ってスライド変位可能とされる。即ち、直動板部材784は左右方向にスライド変位可能に構成される。
支持板部784dは、軸回転部材785の金属棒785aの上下変位を抑制するように保持するための板状部であり、突条部784eは、金属棒785aの左右方向の配置を規定するための突条として機能するが、詳細は後述する。
配置用孔784gは、軸回転部材785の傘歯部材785cとの干渉を避けるための開口であるが詳細は後述する。
軸回転部材785は、左右一組で配設され直動板部材784に軸支される部材であって、金属材料から略円柱状に形成される金属棒785aと、その金属棒785aの長さ方向の中央位置において周方向に形成される凹設溝部785bと、金属棒785aの左右内側端部に配設され金属棒785aに固定される部材であって中間腕部材783の傘歯部783cと歯合する傘歯(傘歯車)が形成される傘歯部材785cと、金属棒785aの左右外側端部に配設され金属棒785aに固定される端板部材785dと、その端板部材785dの金属棒785aの周りに端板部材785dから嵩上げされる態様で配置されるリング状金属部材785eと、端板部材785dの左右内側部に突設される部分であって内部に形成される雌ネジ部に金属製ネジが螺入固定される回転位置安定用部785fと、を備える。
金属棒785aは、直動板部材784の一対の支持板部784dの間に配置され、凹設溝部785bに突条部784eが進入配置される。ここで、凹設溝部785bは、突条部784eと摺動可能となる寸法関係で構成されると共に、突条部784eに対して左右方向の変位が規制される寸法関係で構成される。
即ち、凹設溝部785bの溝幅は突条部784eの左右幅よりも若干長く設定され、凹設溝部785bの溝深部の直径は突条部784e間の隙間長さよりも短く設定され、凹設溝部785bが形成されていない部分の直径は突条部784e間の隙間長さよりも長く設定される。
これにより、金属棒785aを、直動板部材784の背面側において、軸回転可能かつ左右方向への変位が抑制される態様で支持することができる。
傘歯部材785cは、直動板部材784の配置用孔784gに進入するように配置される。傘歯部材785cが配置用孔784gに部分的に進入した状態において、直動板部材784の反対側(背面側)から中間腕部材783が傘歯部783cを傘歯部材785cと歯合させるように組み付けられる。
このように組み付けられた状態において、傘歯部材785cは、配置用孔784gに進入配置されているものの、金属棒785aが直動板部材784に支持されていることから正面側へは脱落不能とされ、背面側への変位は中間腕部材783により規制される。従って、傘歯部材785cは、直動板部材784及び中間腕部材783に脱落不能に支持される。
端板部材785dの筒状部785d1は、金属棒785aの先端部としての非円形状(例えば、D字断面形状)に対応する内周側形状で形成され、その内周側形状と金属棒785aの先端部とが締りばめの寸法関係で形成されることで、嵌合固定されている。
なお、端板部材785dを金属棒785aに固定する方法は、これに限られるものではない。例えば、接着剤などを利用して固着させる方法でも良いし、金属棒785aの先端部に雌ネジを形成し、その雌ネジに端板部材785dに挿通される締結ネジを螺入することで、金属棒785aに端板部材785dを締結固定する方法でも良いし、その他の方法でも良い。
リング状金属部材785eは、直動板部材784のリング保持半部784hに内嵌されるように保持される。リング状金属部材785eが保持され、リング状金属部材785eの内周側に金属棒785aを支持する端板部材785dの筒状部785d1が摺接するよう構成することで、端板部材785dの回転中心を傘歯部材785cの回転中心を通る軸線と一致し易くすることができ、金属棒785aの軸径方向に生じる負荷を低減することができる。
回転位置安定用部785fは、配設される金属ネジが、磁石Mgに吸着する部分としての機能を奏する。
軸支部材786は、方形板状に形成される部材であって、被締結部784fに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔786aと、直動板部材784のリング保持半部784hとの間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部786bと、直動板部材784の磁石保持半部784iとの間で磁石Mgを保持可能な方形箱状に形成される磁石保持半部786cと、を備える。
挿通孔786aに背面側から挿通される締結ネジが被締結部784fに螺入され直動板部材784及び軸支部材786が組み立てられると、軸支部材786の板部に金属棒785aの背面側への脱落が規制され、リング状金属部材785eはリング保持半部784h,786bに保持され、磁石Mgは磁石保持半部784i,786cに保持される。
覆設部材787は、前後一組で左右内側が開口される箱状に形成される左右一対の部材であって、軸回転部材785の端板部材785dに締結固定され、逆側の面に異なる意味で読み取れる図形、模様、文字または絵柄などからなる装飾が形成される。
即ち、覆設部材787は、張出状態(図54参照)において遊技者に視認させる装飾面として形成される第1主装飾面787a1と、その裏面に形成される第2主装飾面787b1と、第1主装飾面787a1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される第1副装飾面787a2と、その裏面に形成される第2副装飾面787b2と、を備える。なお、第2副装飾面787b2は、第2主装飾面787b1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される。
覆設部材787は、端板部材785dに締結固定される前後2枚の部材から形成され組立状態(図26参照)において左右内側が開放された略箱状に形成される左右一対の部材であって、左右の各部材に向けて延設される複数の延設部787cと、その延設部787cの間の部分において左右外側へ退避するように凹設される凹設部787dと、を備える。
延設部787cは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、端部が互いに当接または近接配置されるよう形成される。これにより、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができる。
凹設部787dは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、発光演出手段778の光拡散部材778bの中央に配置される円形状部や、上側長尺部775の左右中央上側の円弧板部等を視認可能に開放するための部分であり、これらの部分との干渉を少なくとも避ける形状で凹設形成される。
覆設部材787は、演出装置780の動作に伴い、第1主装飾面787a1を正面側に向けると共に第1副装飾面787a2を上側に向ける状態(図29、図52参照)と、第2主装飾面787b1を正面側に向けると共に第2副装飾面787b2を上側に向ける状態(図30参照)と、で状態を切り替え可能に形成される。まず、覆設部材787の状態を切り替える変位を構成する機構について説明する。
図57(a)及び図57(b)は、伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の正面図である。図57(a)では、一対の円筒状突設部781cが同一の鉛直線上に配置される上下反転部材781の縦配置状態(正立の縦配置状態とも称す)が図示され、図57(b)では、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が円筒状突設部777cを中心に正面視反時計回りに約24度回転した状態が図示される。なお、図57(a)及び図57(b)では、理解を容易とするために、左側の軸回転部材785の端板部材785d及び右側の軸回転部材785の図示が省略される。
正立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、上側の検出センサ778d(図56参照)の検出溝に進入した状態で配置される。また、正立の縦配置状態から上下反転部材781を180度回転させた倒立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、下側の検出センサ778dの検出溝に進入した状態で配置される。
即ち、検出センサ778d(図56参照)の出力は、上下反転部材781が正立の縦配置状態か倒立の縦配置状態かで切り替わるように構成されており、検出センサ778dの出力から音声ランプ制御装置113(図4参照)は演出装置780の状態を判定することができる。
図57(a)及び図57(b)に示すように、上下反転部材781が回転変位されると、中間腕部材783が姿勢変化しながら左右方向に変位する。この姿勢変化の角度が、軸回転部材785の回転角度に対応し(比例し)、他側円筒状部783bの左右方向変位量が、直動板部材784及び軸回転部材785の左右方向変位量に対応する。
ここで、回転変位と左右方向変位(直動変位)とが生じる順序について説明する。これらの変位は、同時に同程度で生じるものではなく、回転変位の程度の方が大きくなる配置や、直動変位の程度の方が大きくなる配置等がある。
まず、概要の説明をすると、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784の構成は、周知のスライダクランク機構となっている。即ち、円筒状突設部777cを中心に上下反転部材781が回転すると、上下反転部材781の円筒状突設部781cに軸支されている中間腕部材783の他側円筒状部783bが、正面視で円筒状突設部777cの中心部を通る移動軸HL1に沿って平行移動するように、他側円筒状部783bに連結される直動板部材784の変位方向が規制されている。左右の一対の直動板部材784は、移動軸HL1に沿って左右逆方向に同時に変位する。
図57(b)に示すように、図57(a)に示す縦配置状態から約24度回転するまでに、他側円筒状部783bは左右方向に長さL1変位している。長さL1は、下側長尺部772と上側長尺部775との連結部分(図55参照)の幅長さの半分の長さ(左右中心と左右幅端部との間の長さ)として図示される。
また、図57(a)から図57(b)への状態変化により、中間腕部材783の他側円筒状部783bを中心とした姿勢変化は、正面視時計回りに5度となっており、傘歯部783cの隣り合う歯の配置間隔としての角度である15度の半分以下の角度に抑えられている。
傘歯部材785cが中間腕部材783の手前側に配置されていることから、傘歯部783cと傘歯部材785cとの負荷の伝達(歯合伝達)は、互いの前後方向の対向位置、即ち、正面視における移動軸HL1上で生じる。
図58(a)は、図57(a)のLVIIIa−LVIIIa線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図であり、図58(b)は、図57(b)のLVIIIb−LVIIIb線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図である。
図58(b)に示すように、中間腕部材783の傘歯部783cは、軸回転部材785の傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位する(図58(b)においては、上方へ変位する)。なお、図58(b)では、理解を容易とするために、傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯とが重なって配置されるよう図示されており、この重なり幅が傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯との弾性変形により吸収される。
傘歯部783cが傘歯部材785cと歯合し、駆動力が伝達されることにより、軸回転部材785が回転変位する。図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。
なお、上下反転部材781が180度回転する間に、中間腕部材783の傘歯部783cは他側円筒状部783bを中心に90度回転し、それに伴い軸回転部材785の傘歯部材785cは180度回転する。即ち、傘歯部材785cが金属棒785aを中心として回転する角度は、傘歯部783cの他側円筒状部783bを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、図58(a)の状態から図58(b)の状態までの変位による押圧に伴い生じ得る傘歯部材785cの変位量は、ギア歯の周方向の厚みに満たず、傘歯部材785cのギア歯を確実に回転させる量には満たない。即ち、当接する代表歯が隣設する歯の配置まで回転するまでの変位量(傘歯部材785cのギア歯が12等分で配置されていることによれば、角度30度の回転に要する変位量)よりは小さい。
傘歯部783cのギア歯は傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位するが、本実施形態では中間腕部材783及び傘歯部材785cが樹脂材料から形成されていることから、押圧を伴う変位が中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形により吸収されることにより、軸回転部材785の傘歯部材785cの回転方向の姿勢は、図57(a)の状態から図57(b)の状態まで維持される。
中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形は、上下反転部材781を介して中間腕部材783に伝達される駆動力に対して、磁石Mgから軸回転部材785の回転位置安定用部785f(図54参照)に生じる吸着力が対抗することにより生じる。
即ち、右側の軸回転部材785が後転方向に回転変位するのを制限するように、磁石Mgの磁力が下側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、右側の軸回転部材785は磁石Mgから前転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、右側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
また、左側の軸回転部材785に対しては、回転位置安定用部785fの配置が右側と同様に端板部材785dの前側とされている一方で、磁石Mgの配置が右側と逆の上側とされている(図55参照)。そのため、磁石Mgの磁力が上側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、左側の軸回転部材785は磁石Mgから後転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、左側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
本実施形態では、磁石Mgの吸着力は、図57(a)に示す状態から他側円筒状部783bが左右方向に長さL1変位するまでの間に傘歯部材785cに負荷される駆動力を超える負荷を発生可能となるように設計される。
これにより、図58(b)に示す傘歯部783cの変位量を吸収するように、中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形が生じることになる。そして、図57(b)に示す状態を超えて変位が継続されると、磁石Mgの吸着力を超えて傘歯部材785cが回転し、磁石Mgと回転位置安定用部785fの金属ネジとの配置が離れることで磁力が極端に低下することになり、磁石Mgの吸着力から開放された中間腕部材783及び傘歯部材785cが弾性回復しつつ回転変位する。
そのため、回転開始時においては、弾性回復分が軸回転部材785の回転方向の勢いを増すことになるので、回転開始時における回転速度を瞬間的に向上させることができる。この回転速度の向上は、軸回転部材785だけでなく、軸回転部材785に締結固定される覆設部材787(図55参照)でも同様に生じる。
これにより、駆動モータ782の駆動速度の変更を行うことなく、覆設部材787の動作の緩急をつけることができるので、駆動モータ782の制御設計の負担を低減しながら、覆設部材787の演出効果を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、磁石Mgの吸着力により、軸回転部材785の回転変位が生じるタイミングを、中間腕部材783の傘歯部783cが回転開始するタイミングよりも遅らせることができる。
磁石Mgの吸着力を受ける回転位置安定用部785fは、上下一対で構成されており、覆設部材787の第1主装飾面787a1が正面側を向いている時には一方の回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受け(図52(b)参照)、向きが反転し覆設部材787の第2主装飾面787b1が正面側を向いている時には他方の(図52(b)参照、上側の)回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受ける。
即ち、正面側を向いている面が第1主装飾面787a1か第2主装飾面787b1かに関わらず、少なくとも近接配置状態(図29及び図30参照)において、磁石Mgの磁力は軸回転部材785の回転変位を制限する目的で有効に作用する。従って、近接配置状態からの変位において、軸回転部材785の回転変位が磁力により遅れる作用を回転変位の方向によらず(両方向で)生じさせることができる。
即ち、図58(a)に示す状態から図58(b)に示す状態までの間は、左右方向の直動変位の程度の方が、回転変位の程度に比較して大きい。そして、上下反転部材781が図57(b)を超えて正面視反時計回りに回転が継続されると、左右方向の直動変位の程度が落ち着き、回転変位が生じる。
本実施形態によれば、上述のようにスライダクランク機構を採用していることから、同様の作用が生じる。即ち、縦配置状態付近においては、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に大きく上下方向に小さいので、中間腕部材783の左右方向変位は大きく回転量は小さい。そのため、直動板部材784の左右方向変位は大きく、軸回転部材785の回転変位は小さくなる。
一方、上下反転部材781の長尺方向が左右方向に近づくように倒れるほど、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に小さく上下方向に大きくなるので、中間腕部材783の左右方向変位は小さく回転量は大きくなる。そのため、直動板部材784の左右方向変位は小さく、軸回転部材785の回転変位は大きくなる。
従って、縦配置状態から開始され縦配置状態で終了する上下反転部材781の回転動作において、まず直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなり、次いで軸回転部材785の回転変位の程度が大きくなり、再び直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなる。
このような順序で直動変位と、回転変位とが生じることで、上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分(図55参照)に覆設部材787の延設部787cが衝突することを回避することができる。次いで、覆設部材787の外観の変化について説明する。
図59(a)から図59(c)は、演出装置780の正面図である。図59(a)から図59(c)では、昇降反転演出装置770の反転動作が時系列で図示される。図59(a)では、上下反転部材781の正立の縦配置状態における演出装置780が図示され、図59(b)では、上下反転部材781が縦配置状態から90度回転した時における演出装置780が図示され、図59(c)では、上下反転部材781の倒立の縦配置状態における演出装置780が図示される。
上下反転部材781は、正立の縦配置状態(図57(a)参照)から正面視反時計回りに180度回転することで、倒立の縦配置状態に状態が変化する。倒立の縦配置状態では、正立の縦配置状態(図59(a)参照)を基準として、覆設部材787の姿勢が180度反転する。これにより、遊技者が視認可能な装飾面が切り替えられることになる(図59(c)参照)。
倒立の縦配置状態から上下反転部材781が正面視時計回り(反対回り)に180度回転変位することで、正立の縦配置状態(図57(a)参照)に戻る。従って、反転動作は、上下反転部材781を180度回転変位させるように方向を反転させて駆動モータ782(図56参照)を駆動する度に、図59(a)に示す状態と図59(c)に示す状態とで、状態を繰り返し切り替えることができる。
上述したように、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、傘歯部783cと噛み合うことで軸回転部材785が180度回転変位する。ここで、傘歯部783cの回転方向から、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。即ち、左右に配置される一対の軸回転部材785及び端板部材785dに締結固定される覆設部材787は、逆方向に回転する。
そのため、途中位置では、右側の覆設部材787は第2副装飾面787b2を正面側に向け、左側の覆設部材787は第1副装飾面787a2を正面側に向ける(図59(b)参照)。
これにより、覆設部材787の回転変位中に、左側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)と右側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)とが揃って視認されることを回避することができる。
従って、回転変位中の覆設部材787の装飾面を、敢えて左右で内容のずれたものとすることができ、装飾面の内容を遊技者に認識し難いように構成できるので、回転変位中の覆設部材787が遊技者に与える情報量を低くすることができる。
これにより、回転変位中の覆設部材787に対する遊技者の注目力を低減させることができる。また、回転変位が停止した時に左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃うことから、覆設部材787の回転が停止するまで遊技者の視線を覆設部材787に維持し易いという効果も奏し得る。
回転変位は第2動作ユニット700の張出状態(図54参照)で実行されるが、この回転変位が停止し、左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃った状態では、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域の上下中央付近にまで上昇してきており(図30参照)、この状態で第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)に注目力が集まる可能性は低い。
特に、第3動作ユニット800が第2動作ユニット700と近接変位されるよう制御される場合などには特に、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)への視界が第3動作ユニット800に遮られることになる。
一方で、第2動作ユニット700が演出待機状態となり(図52参照)、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域よりも下側に配置されると、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)が遊技者の視界に入り易くなる。
このように、第2動作ユニット700では、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)を、張出状態においては回転変位中に揃って視認されることを防止したり遊技者側に面が向くことを防止したりすることで注目させず、演出待機状態においては遊技者に注目され得る側面として形成している。
これにより、第2動作ユニット700の見え方を配置に応じて変化させることができるので、第2動作ユニット700を配置するコスト(場所の占有、上手に隠す負担)に対する演出性能が過度に低くなる状態が生じることを回避し易くすることができる。
軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位後において、回転位置安定用部785fが磁石Mg(図54(b)参照)に吸着することで軸回転部材785及び覆設部材787の姿勢の安定化を図ることができる。
本実施形態では、磁石Mgに吸着する金属部材が金属製ネジで構成されるので、専用の金属部材を設計する場合に比較して、部材コストの削減や、メンテナンス性の向上を図ることができる。
上述したように、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位には左右方向の直動変位が伴うので、回転変位を実行可能な演出装置780の配置は制限されることになる。即ち、第2動作ユニット700の演出待機状態(図28参照)や中間演出状態(図33参照)では、回転変位を実行することで、左右に配置される右側前板部材710、左側後板部材750及び前側支持部材760や、その正面側に固定配置される立体装飾部768a等の装飾部材が覆設部材787に衝突することになる。
一方、第2動作ユニット700の張出状態(図30参照)では、左右方向に空間が確保されることで、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を実行可能となる。
従って、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を生じさせる駆動モータ731の駆動制御は、検出センサ713の出力から第2動作ユニット700が張出状態になっていると判定されていることを前提に実行可能に制御される。これにより、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を正常に生じさせることができる。
延設部787cは、上下反転部材781の縦配置状態において互いに近接配置され、この状態において上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分と前後で対向配置される。そのため、この配置から覆設部材787を左右方向に延びる回転軸で回転変位させると、延設部787cが上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分に衝突することになり、不具合が生じる。
一方で、延設部787cが近接配置される構成は、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができるという効果を生じさせるものであり、演出上必要となる構成であるので、維持できることが好ましい。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787が、回転変位の前に、予め左右方向に長さL1だけ直動変位するよう構成される(図57参照)。長さL1の直動変位により、延設部787cを上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分の前後位置から退避させることができ、延設部787cと上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分とが衝突する不具合を回避することができる。
また、このように回転変位を構成することで、覆設部材787が左右方向に変位する間において長さL1では回転変位が生じず(又は制限され)、残りの長さL2において回転変位を生じさせることになるので、覆設部材787の回転中における左右方向の変位量を小さく抑えることができる。
これにより、回転中に覆設部材787の配置が大きく変化する場合に比較して、覆設部材787の注目力を低く抑えることができ、回転変位を目立たせなくすることができるので、各装飾面787a1〜787b2の設計として、回転変位中の見映えを無視した設計を行うことができるので、設計自由度を向上することができる。
なお、覆設部材787が回転開始するタイミングは、磁石Mgの吸着力の設計により任意に設定可能である。そのため、例えば、本体部材771の下側長尺部772と上側長尺部775との連結部の左右幅を長くする設計変更が生じたとしても、演出装置780の構成は同じとしながら、磁石Mgを吸着力の大きな磁石に変更することで、本実施形態と同様に、上述の連結部と延設部787cとの衝突を回避することができる。
図59において想像線で図示するように、挿通孔778cは、常に覆設部材787に隠されるよう配置される。これにより、挿通孔778cに挿通される締結ネジが遊技者に視認されることを防止することができ、締結ネジにより演出効果が低くなることを回避することができる。
本実施形態では、左右一対の覆設部材787に形成される各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾(図形、模様または絵柄など)が、左右の覆設部材787で同一では無いことから、左右の装飾に合わせて挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
即ち、挿通孔778cは締結ネジが挿通される部分であるので、その位置で電飾基板787aにLEDを配置することができなくなる(図55参照)。また、締結ネジは金属製であり光を透過しないので、発光演出時に暗く視認され易い。
従って、左右の装飾において、明るく光らせて目立たせる箇所を避けて挿通孔778cを配置することが望ましく、そのようにした結果、挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
なお、挿通孔778cの配置を左右対称にすることは当然に許容される。特に、左右の覆設部材787で各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾が同一の場合には、挿通孔778cを左右対称に配置することによる不利益は生じず、且つ、電飾基板778aの設計を容易とすることができる。
図59(b)に示すように、本実施形態では、昇降反転演出装置770の反転動作中に覆設部材787が左右に直動変位し、光拡散部材778bの中央部付近が延設部787cに囲まれていない状態においても、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784等の機構部が視認されないように隠される。
即ち、正面視において、本体部材771の上側長尺部775の外形が、前側に配置される光拡散部材778bの外形に収まる形状に設計されており、直動板部材784の上下幅が、前側に配置される上側長尺部775の左右長尺部の上下幅に収まる形状に設計されている。また、上下反転部材781は前側に配置される上側長尺部775の円板部の外形に収まる形状に設計されており、中間腕部材783は変位軌跡が光拡散部材778bの外形に収まるように設計される。
これにより、演出装置780の変位を実現するための機構部を光拡散部材778bの背後に隠し、視認不能とすることができるので、反転動作中における演出装置780の外観による演出効果が低下することを回避することができる。
図26に戻って説明する。第3動作ユニット800は、演出待機状態において第3図柄表示装置81の表示領域の上側に配置され、背面ケース510に支持される左右一対の昇降アーム部材801(図31参照)の先端部に支持され、昇降アーム部材801が上下方向に駆動されることに伴って昇降変位可能に構成されるユニットである。
図60は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図61は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図60及び図61では、第3動作ユニット800の変位を構成する部分が図示されており、外側に配設される装飾部分としての装飾部材870,880の図示が省略されている。
図60及び図61に示すように、第3動作ユニット800は、昇降アーム部材801に保持される被保持部材810と、その被保持部材810の中心部に円筒部821が締結固定される固定円筒部材820と、円筒部821が内周側に挿通された状態で円筒部821に軸支される内側回転部材830と、その内側回転部材830が内周側に挿通された状態で本体部831に軸支される外側回転部材840と、その外側回転部材840の円筒状部842aに回動可能に連結される複数(本実施形態では5本)の中間腕部材850と、被保持部材810に収容される複数のギア部材を有し内側回転部材830、外側回転部材840及び中間腕部材850を変位させる駆動力を伝達するための駆動伝達装置860と、を備える。
被保持部材810は、円板形状の本体部材811と、その本体部材811に正面側から蓋をする孔空き蓋部材817と、を備える。
本体部材811は、中心部において固定円筒部材820の円筒部821を保持するために凹設され固定用の締結ネジを挿通する挿通孔や電気配線を挿通する貫通孔が形成される筒固定部812と、フォトカプラ式のセンサであって外側回転部材840の被検出部844を受け入れ可能な側に検出溝を向けて固定される検出センサ813と、駆動モータ861を保持するモータ保持部814と、伝達ギア863を脱落不能に軸支する円筒部として正面側に突設される複数の円筒状突設部815と、負荷応答ギア865を脱落不能に軸支する二重の円筒部として正面側に突設される複数の二重円筒突設部816と、を備える。
孔空き蓋部材817は、中央部に前後方向に穿設される円形孔818を備える。円形孔818は、開口方向視において、その内周縁部から、伝達ギア863及び負荷応答ギア865が内側に張り出すような寸法で設計される。
固定円筒部材820は、上述の円筒部821と、その円筒部821の正面側端部に形成される円形板部822と、その円形板部822に締結固定され正面側にLED等の発光手段が配設される円板状の電飾基板823と、その電飾基板823を正面側から覆うことができるような傘状(又は、お椀状)で光透過性の樹脂材料から形成される透光装飾部材824と、円筒部821の円形板部822側の外径よりも若干長い内径の円環状に形成され円筒部821と摺動可能に構成される摺動部材825と、を備える。
円筒部821は、背面側先端部に雌ネジが形成されており、その雌ネジに被保持部材810の筒固定部812の挿通孔に挿通された締結ネジが螺入されることで、固定円筒部材820が被保持部材810に回転不能に締結固定される。
円筒部821は内周側において軸方向に貫通形成されており、この貫通部分を通して筒固定部812の貫通孔に挿通された電気配線が正面側へ這わされ、電飾基板823の背後に配設されるコネクタに接続される。
電飾基板823は、LEDとして、五角形の頂点およびそれらの頂点から等距離離れた中心位置に配置される内側発光部823aと、円周上に等間隔で15箇所に配置される外側発光部823bと、を備える。内側発光部823aは、光軸が正面側(前方)を向くLEDから構成され、外側発光部823bは、光軸が径方向外側(直径方向)を向くLEDから構成される。
外側発光部823bは、円周上に等間隔に配置される15個のLEDから構成される。後述するように、外側発光部823bから照射される光は、円周上に等間隔で互いに密接して配置される第1装飾部材870の鍍金部871aに照射されることから、各第1装飾部材870に、3個のLEDからの光が照射されることになる。
外側発光部823bは電飾基板823に固定配置されており、第1装飾部材870は円の中心を軸として回転変位するように構成されるが、外側発光部823b及び第1装飾部材870は同軸の円上にそれぞれ等間隔で配置されるので、第1装飾部材870の回転方向の姿勢に関わらず、常に同数(本実施形態では、3個)のLEDからの光を各第1装飾部材870に照射することができる。
これにより、回転動作中に第1装飾部材870に照射される光LD1の光量の変化を抑制することができる。
摺動部材825は、内径側部が固定円筒部材820の円筒部821に摺動可能に構成される一方、外径側部が内側回転部材830の円形フランジ状部831aに摺動可能となるように形成される。
摺動部材825は、正面側にフランジ状部が形成されており、そのフランジ状部の内径側端部から後方に筒状で突設される筒状部を有するが、この筒状部の外径が、円形フランジ状部831aの内径よりも若干短く形成されることで、内側回転部材830に摺動可能に内嵌される。
摺動部材825を間に介在させることにより、固定円筒部材820と、その周りを回転可能に構成される内側回転部材830とが直接接触することを防止するようにしている。また、円筒部821の円形板部822側であり、同様に本体部831の円形フランジ状部831a側という強度的に有利な側に摺動部材825が配設されることで、摺動時や摺動不良時(意図せず変位抵抗が過大となった時)に生じる負荷によって固定円筒部材820や内側回転部材830が損傷したり変形したりする可能性を低減することができる。
内側回転部材830は、正面側端部に円形フランジ状部831aを有する円筒状の本体部831と、その本体部831の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向に長尺方向を沿わせた姿勢で円形フランジ状部831aに締結固定される複数の金属棒832と、その金属棒832が挿通可能に形成され金属棒832に案内される形で直動変位可能に構成される複数の直動部材833と、その直動部材833の径方向外側部において回転可能に軸支される複数の回転部材834と、を備える。
本体部831は、上述の円形フランジ状部831aと、隣り合う金属棒832の中間の角度位置(5箇所)において円形フランジ状部831aを基端として突条状に後方に延びる複数の摺動突条部831bと、円形フランジ状部831aの反対側の端部において円周方向に間隔を空けて凹設形成される複数の凹設部831cと、を備える。
摺動突条部831bは、外側回転部材840の本体部841の内周側曲面と摺動可能に構成される部分であって、外側回転部材840との接触面積を減らし接触摩擦を低減するために突設先端が断面半円状に形成される。
摺動突条部831bの配置は、上述のように隣り合う金属棒832の中間の角度位置とされるが、換言すれば、外側回転部材840の中心軸を基準として金属棒832の反対側の位置(180度ずれた位置)とされる。
これにより、後述する切替回転動作において中間腕部材850が金属棒832に沿って径外方向に変位され、その中間腕部材850が軸支される外側回転部材840が径外方向に変位するよう負荷を受けたとしても、その外側回転部材840の変位を摺動突条部831bで受けることができるので、外側回転部材840の内側円周面と内側回転部材830の外側円周面との接触面積を低い状態で維持することができる。
凹設部831cは、中央円環ギア864の伝達突部864aが進入配置される部分であって、凹設部831cに伝達突部864aが配置されることで、互いの相対回転を不能として、中央円環ギア864の回転角度と内側回転部材830の回転角度とを一致させることができる。
直動部材833は、直動変位方向に並ぶように間隔を空けて配置され後方へ向けて円筒状に突設される一対の円筒状突設部833a,833bと、その円筒状突設部833a,833bを基準として本体部831の中心軸から離れた側に形成され回転部材834に挿通される円筒状の円筒状軸部833cと、その円筒状軸部833cの先端部において周方向に沿って凹設される凹設溝833dと、を備える。
凹設溝833dは、組立状態(図28参照)において回転部材834から突き出た側に配置されており、回転部材834に締結固定される装飾部材870,880の張出部873,883が摺動可能に外嵌されることで、回転部材834の径外方向への脱落を防止する変位規制用の溝として機能するが、詳細は後述する。
回転部材834は、傘歯車状に形成される傘歯部834aと、直動方向と平行に円筒状に突設される複数の円筒状突設部834bと、を備える。傘歯部834aは、全周に亘って形成されるものではなく、動作に必要となる3/4周(約270度)に亘って形成されている。
円筒状突設部834bは、内周側に雌ネジが形成されており、装飾部材870,880の挿通孔874,884に挿通された締結ネジを螺入することで、装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するように機能するが、詳細は後述する。
外側回転部材840は、円筒状の本体部841と、その本体部841の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向外方へ延設される複数(本実施形態では、5本)の延設腕部842と、本体部841の後側端部の円周に沿って外周側に形成されるギア歯843と、検出センサ813の検出溝に進入可能な配置で本体部841の径外方向に延設される被検出部844と、を備える。
延設腕部842は、本体部841の中心軸と平行に延びる円筒状部842aを備え、その円筒状部842aの内周側には雌ネジが形成されており、中間腕部材850の基端側棒部851に円筒状部842aを挿通した状態で雌ネジに締結ネジを螺入することで、中間腕部材850が延設腕部842に脱落不能に軸支される。
ギア歯843は、駆動伝達装置860の負荷応答ギア865と歯合可能に配設されることで、外側回転部材840の回転変位の有無を切り替える部分として機能するが、詳細は後述する。
中間腕部材850は、長尺に形成される部材であって、一端側が外側回転部材840の円筒状部842aに軸支される基端側棒部851と、その基端側棒部851の他端側において正面側に増厚される増厚部852と、その増厚部852の正面側端部から基端側棒部851の長尺方向と平行に延設される先端側棒部853と、その先端側棒部853の端部にギア歯を有して形成される回転伝達部854と、を備える。
回転伝達部854は、直動部材833及び回転部材834と連動する部分であって、円筒状突設部833aを挿通した状態で互いに回動可能な寸法関係で形成される被支持孔854aと、その被支持孔854aを中心とした円弧状に穿設される長孔であって円筒状突設部833bを挿通した状態で案内する案内孔854bと、被支持孔854aを中心軸とする傘歯車状に形成され回転部材834の傘歯部834aと歯合することで傘歯車を形成する傘歯部854cと、を備える。
駆動伝達装置860は、モータ保持部814に締結固定される駆動モータ861と、その駆動モータ861の駆動軸に固着される駆動ギア862と、円筒状突設部815に脱落不能に軸支され駆動ギア862を介して駆動力を伝達可能に歯合される複数の伝達ギア863と、その伝達ギア863に歯合される中央円環ギア864と、その中央円環ギア864の配置よりも前側にずれて配置され二重円筒突設部816に脱落不能に軸支される一対の負荷応答ギア865と、その負荷応答ギア865の背面側において二重円筒突設部816の二重筒に支持され負荷応答ギア865にかけられる回転方向の負荷に応じた抵抗が可変とされるトルクリミッタ866と、を備える。
中央円環ギア864は、環状に形成され、その内周側に固定円筒部材820の円筒部821を挿通可能に設計され、内側回転部材830の凹設部831cに進入配置可能となるように凹設部831cに対応する配置および形状で底板部から正面側に突設される伝達突部864aと、その伝達突部864aの内径側および外径側に配置される同軸二重円環形状で底板部から正面側に突設される支持円環状部864bと、を備える。
組立状態では、伝達突部864aが凹設部831cに進入配置された状態において、支持円環状部864bの間の隙間に内側回転部材830の本体部831の後方端部が中間ばめの寸法関係または締りばめの寸法関係で嵌合される。これにより、中央円環ギア864と内側回転部材830とを一体的に回転させることができる。
なお、凹設部831c及び伝達突部864aの配置については何ら限定されるものではない。例えば、円周方向に等間隔で配置されるようにしても良いし、円周方向に不等間隔で配置されるようにしても良い。
等間隔であれば、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢を考慮せずとも、伝達突部864aと凹設部831cとの配置を合わせれば組み付けることができるので、組み付けを迅速に行うことが可能となる。本実施形態にように、内側回転部材830及び中央円環ギア864の形状が回転方向で対称(72度間隔で同じ)とされる場合には、内側回転部材830及び中央円環ギア864の姿勢が組み付け時にずれることによる影響は少ないと考えられるので、等間隔とすることは有効である。
不等間隔であれば、組み付け作業時において、内側回転部材830に対して中央円環ギア864の姿勢を合わせてから組み付けるという工数が1個増えるが、凹設部831cへの伝達突部864aの配置を利用して、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢合わせを行うことができる。
負荷応答ギア865は、外側回転部材840のギア歯843と歯合可能に配設される。負荷応答ギア865にトルクリミッタ866が係合していることにより、内側回転部材830及び中央円環ギア864と、外側回転部材840と、の間の回転抵抗の大小に起因して、負荷応答ギア865の回転が許容される状態と、規制(制限)される状態と、が切り替えられるよう構成されている。
即ち、トルクリミッタ866は、所謂安全クラッチとして機能するものであり、所定の許容値を超える負荷がかかると接続を切り、駆動力の伝達を解除するよう構成される。本実施形態では、一方向の駆動力を伝達する装置(ワンウェイのトルクリミッタ)が、伝達方向を逆とする一組で構成され、トルクリミッタ866による駆動伝達の切り替えを双方向で応答性良く行えるように構成している。
図62は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図63は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図62及び図63では、第3動作ユニット800の装飾部分が図示されており、変位を構成するための部分の図示が省略されている。
図62及び図63に示すように、第3動作ユニット800は、上述した内側回転部材830と、その内側回転部材830の円筒状突設部834bに締結固定され円筒状突設部834bの一方の側面を覆う第1装飾部材870と、円筒状突設部834bに締結固定されると共に第1装飾部材870の反対側の側面から円筒状突設部834bを覆う第2装飾部材880と、を備える。
第1装飾部材870は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第1骨格部871と、その第1骨格部871の一側を覆うよう形成される第1覆設部875と、を備える。
第1骨格部871には、全体に鍍金処理がされており、光を反射し易いよう構成されている。
第1覆設部875は、枠の内側が無色で光透過性の樹脂材料で形成されており、その表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(5個)の第1覆設部875に、それぞれ独立した絵柄等が描かれている。そのため、電飾基板823による発光制御で強発光させる第1覆設部875を変更したり、第1覆設部875の配置を変更したりすることで、遊技者の注目を集める絵柄等を異ならせることができる。
例えば、遊技者目線で、第3図柄表示装置81側にいずれの第1覆設部875が停止するかに注目させるような表示演出を第3図柄表示装置81で実行すると同時に、内側回転部材830を回転させるように制御すれば、その回転に伴い第3図柄表示装置81側の第1覆設部875を継続的に変更することができるので、回転が停止するまでの期間に亘り、遊技者の視線を第1覆設部875に集めることができる。
第2装飾部材880は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第2骨格部881と、その第2骨格部881の他側を覆うよう形成される第2覆設部885と、を備える。
第2骨格部881は、第2覆設部885に収容される磁石Mg2を脱落不能に保持するための保持片881aを備える。
第2覆設部885は、隣設される第2覆設部885に収容される磁石Mg2の吸着力が作用する位置(近接位置)に金属製ネジが螺入固定されており、この金属製ネジに磁石Mg2が吸着することで、合体状態(特に、一連合体状態、図32参照)における第2覆設部885の一体性が確保できるように図っている。
第2覆設部885は、表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(本実施形態では、5個)の第2覆設部885に描かれる絵柄等は、複数(少なくとも2個、最大で5個)の第2覆設部885が組となるよう絵柄等が構成されており、5個の第2覆設部885が合体状態を構成した時に正面視で「円状体」として視認されるように各第2覆設部885をその円状体の一部を構成するように装飾している。
第2覆設部885に描かれる絵柄等は特に限定されるものではないが、本実施形態では、一連合体状態において第2覆設部885から把握される内容が第2装飾部材880の回転方向の配置が異なっても大きな違いが生じない絵柄として設計している。即ち、絵柄として明確な上下左右があるものではなく、回転させても外形の変化が目立たない(本実施形態では、円形状)を構成する設計としている。
そのため、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができる。この点で、本実施形態では、合体状態において磁石Mg2の吸着力により第2覆設部885側が強固に一体化されるので、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
なお、各第2覆設部885において、幅方向の片側に磁石Mg2が配設され、逆側に金属製ネジが螺入固定されている。後述する切替回転動作により第2覆設部885の向きが前後で反転した場合には、それに伴い正面視での磁石Mg2と金属製ネジとの配置も反転することになる。
この場合でも、各磁石Mg2が吸着する金属製ネジが、逆側に隣設される第2覆設部885に螺入固定される金属製ネジに入れ替わるだけであり、5個の第2覆設部885が円環状に配設されていることから一体化した際の吸着度合いに変化はない。
一方、本実施形態では、第1覆設部875には、磁石を収容していない。これにより、第1覆設部875側における一体化の強度は、若干弱くなっているが、これにより演出性能が低下することを回避するようにしている。
即ち、第1覆設部875には、それぞれ独立した絵柄等が描かれているので、合体状態における一体化の程度が弱く、第1装飾部材870の配置が多少ずれることがあっても、遊技者に視認させる絵柄等を認識できなくなる可能性は無い。従って、第1覆設部875に描かれる絵柄等を利用した演出の演出性能が低下することを回避することができる。
更に、第1覆設部875側の一体化の強度が弱くなっていることにより、昇降変位(からの停止)に伴い生じる振動や、一体回転動作や切替回転動作としての回転変位(からの停止)に伴い生じる振動により、合体している第1覆設部875同士の配置をずらすことができる。これにより、第1覆設部875が分割体ではなく、単一の円形部材から構成される従来機では実現不可能な変位態様で第1覆設部875を変位させることができるので、第1覆設部875による演出の演出効果を向上させることができる。
上述の事情から、複数の装飾部材870,880が近接配置される合体状態において、第1装飾部材870が前側を向く状態を個別合体状態とも称し(図31参照)、第2装飾部材880が前側を向く状態を一連合体状態とも称す(図32参照)。次いで、個別合体状態と一連合体状態とを切り替えるための動作について説明する。
図64(a)、図64(b)、図65(a)及び図65(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の背面図であり、図66(a)、図66(b)、図67(a)及び図67(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。
図64から図67では、駆動モータ861(図60参照)の駆動力が伝達され、内側回転部材830が外側回転部材840に対して相対的に回転動作することにより変位する中間腕部材850の変位が時系列で図示される。
即ち、背面視および正面視において時系列で図示されており、個別合体状態(図64(a)、図66(a))から、内側回転部材830が45度ずつ回転する様子が図示されている。
なお、図64から図67では、金属棒832の軸線が仮想位置線832Fとして記載されており、この仮想位置線832Fの配置の角度変化が、内側回転部材830の回転角度に対応する。なお、個別合体状態(図64(a)、図66(a))からの内側回転部材830の回転角度が角度θ31で図示される。
図64から図67に示すように、個別合体状態から内側回転部材830が正面視(図66参照)反時計回りに回転すると(この回転動作を、以下において「切替回転動作」とも称する)、中間腕部材850の回動が許容されることから、内側回転部材830の外側回転部材840に対する相対的な回転が許容される。本実施形態では、外側回転部材840はトルクリミッタ866(図60参照)の抵抗により配置が維持され、内側回転部材830のみが回転動作する。
従って、図64から図67において、円筒状部842aの配置は維持されており、中間腕部材850は、外側回転部材840の円筒状部842aを中心に回動変位する。
上述の部材間の構成から、仮想位置線832Fは、被支持孔854aの中心を通る直線であり、被支持孔854aに直動部材833の円筒状突設部833aが締結固定されることから、被支持孔854aの配置変化は、直動部材833の配置変化に対応する。
図64及び図65に示すように、回転伝達部854が内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位するので、回転伝達部854に支持される回転部材834も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。即ち、切替回転動作において、直動部材833は、径方向の変位を伴いながら、周方向に180度変位する。
切替回転動作に周方向の変位が含まれることから、径方向終端位置においても直動部材833、回転部材834及びそれに締結固定される装飾部材870,880の配置が固定されることなく、周方向への変位を保つことができるので、径方向の直動変位のみで変位が完結する場合(例えば、第2動作ユニット700で上述した反転動作)に比較して、切替回転動作中における演出効果を高く維持することができる。
なお、これに対し、第2動作ユニット700で上述した反転動作においては、傘歯部783c及び傘歯部材785c(図58参照)の弾性回復力を利用した加速度の高い回転動作を生じさせることで、直動方向外側変位終端(図59(b)参照)における覆設部材787の配置が固定されている印象を弱めるよう図っている。
即ち、覆設部材787の回転始期を遅らせ、且つ回転終期を遅らせないことにより、覆設部材787の回転速度の向上を図っており、左右方向外側変位終端において左右位置の変化幅が小さい期間(スライダクランクの死点付近の期間)が継続する状況にあっても、覆設部材787の回転速度を上昇させることで覆設部材787の動作による演出効果を高く維持するよう図っている。
切替回転動作に径方向の変位が含まれることから、中間腕部材850から外側回転部材840に径方向の負荷が生じ易く外側回転部材840の回転軸のずれが生じる可能性が考えられるが、本実施形態では、中間腕部材850の径方向の負荷が回転軸を中心として等間隔(72度間隔)で同様に生じるので、各負荷が互いに相殺し合うことになる。これにより、外側回転部材840の回転軸のずれを抑えることができるので、切替回転動作を正常に実行させ易くすることができる。
このように、第3動作ユニット800の回転動作における径方向変位(拡大縮小変位)は、円周方向の回転を伴いながら生じる。そのため、周囲の装飾部材との衝突を避けるために、第3動作ユニット800の切替回転動作は、第3動作ユニット800が張出状態となっていることが昇降アーム部材801の姿勢を判定する検出センサの出力により判定されている状態において実行可能となるように制御される。
また、回転伝達部854の上述の変位に伴い、回転部材834に締結固定される第1装飾部材870及び第2装飾部材880も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。
中間腕部材850が回動変位することにより、傘歯部854c(図66及び図67参照)と、回転部材834の傘歯部834a(図60参照)とが歯合し、回転部材834及び回転部材834に締結固定される装飾部材870,880が金属棒832を軸として回転変位する。
この回転変位の角度は、仮想位置線832Fを基準とした中間腕部材850の回転角度としての角度θ32に比例する。また、その回転方向は、角度θ32が仮想位置線832Fから正面視反時計回り方向に離れるよう増大しており、回転部材834が中間腕部材850の正面側に配置されることから(図60参照)、仮想位置線832Fの径外方向側から見て反時計回り方向に設定される。
回転部材834は、一体回転状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880のいずれかが正面側を向く姿勢となるので、角度θ31の最大値としての最大角度θ31E(本実施形態では、180度)の回転によって、中間腕部材850の回転角度が最大値としての最大角度θ32E(本実施形態では、90度)となる場合に、回転部材834の傘歯部834aが半周回転(180度回転)するよう構成される。
即ち、回転部材834が金属棒832を中心として回転する角度は、傘歯部854cの被支持孔854aを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、上述の第2動作ユニット700の磁石Mgの作用として説明したものとは異なり、磁石Mg2(図62参照)の吸着力は、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用を生じさせるものではない。
即ち、磁石Mg2は、隣設する第2装飾部材880との間で吸着力を生じるものであり、中間腕部材850の回動に伴い装飾部材880が金属棒832に沿って径外方向に変位することに伴い、隣設される第2装飾部材880の間に隙間が生じることで吸着力は失われ得る。
従って、金属棒832を中心とする回転変位が開始される前において、磁石Mg2の吸着力は失われることになり、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用は生じない。
そのため、装飾部材870,880を回転変位させるために必要となる駆動力を低減することができる。即ち、駆動モータ861に要求される駆動力を低減することができるので、駆動モータ861の小形化を図ることができる。
更に、装飾部材870,880の回転変位を迅速に開始し、早期に終了させることができるので、金属棒832を中心とする回転変位に対する遊技者の注目度合いを低くすることができる。
装飾部材870,880の回転変位の開始時の迅速性は、内側回転部材830の回転角度に対する装飾部材870,880の回転角度を一定ではないように構成することでも保たれている。
例えば、中間腕部材850の回動の過程において、中間腕部材850が縮径配置され一体回転動作が可能な状態からの仮想位置線832Fの回転角度(内側回転部材830の回転角度)が45度である場合には角度θ32が18度であり(図66(b)参照)、更に45度の角度で仮想位置線832Fが回転した場合における角度θ32が27度とされる(図67(a)参照)。
即ち、角度θ32は、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始側の方が、回転途中に比較して小さくなるように設計されている。これにより、内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転変位の程度を抑制することができる。
駆動モータ861の駆動力は、内側回転部材830の回転、中間腕部材850の回動および装飾部材870,880の回転に利用されることになるが、上述のような構成から、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転に要する駆動力を低減することができるので、内側回転部材830の回転開始時に駆動モータ861にかけられる負担が過度に大きくなることを回避することができる。
また、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位は、正面視で円周方向に位置ずれしながら生じるので、回転変位中の装飾部材870,880の視認性を低く抑えることができる。これにより、装飾部材870,880の側面部(例えば、第1覆設部875と第2覆設部885との連結面)が視認される可能性を低くすることができ、装飾部材870,880の側面部の設計自由度を向上することができる。
切替回転動作の際、正面視において、中間腕部材850は、隣設される中間腕部材850と配置が重なる。また、自らが軸支される円筒状部842aが配設される延設腕部842に隣設される延設腕部842とも配置が重なる。そのため、対策なしでは、中間腕部材850が周辺の部分と衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、中間腕部材850の構成を部位ごとに前後にずらすことで衝突の回避を図っている。即ち、中間腕部材850の基端側棒部851よりも、先端側棒部853及び回転伝達部854の方が後側に配置されるようにすることで、基端側棒部851と先端側棒部853及び回転伝達部854とが前後で重なるようにでき、切替回転動作の際に衝突することを回避することができる。
また、基端側棒部851は延設腕部842の前側に、先端側棒部853及び回転伝達部854は延設腕部842の後側に配置するようにすることで、切替回転動作の際に中間腕部材850が延設腕部842の前後に配置されるようにすることができ、中間腕部材850と延設腕部842との衝突を回避することができる。
図64から図67では、外側回転部材840を基準とした内側回転部材830の回転方向が、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向、図66参照)である場合を説明した。この場合、トルクリミッタ866を介して抵抗を生じる負荷応答ギア865にギア歯843が歯合されることで抵抗を受け、外側回転部材840の回転変位は制限される。
一方、内側回転部材830の回転方向が上述の逆方向(個別合体状態における正面視時計回り方向)である場合や、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向)での回転により中間腕部材850が回動を規制される状態に到達(例えば、個別合体状態から一連合体状態に到達)してからも同方向で回転を継続した場合には、外側回転部材840の回転を規制するトルクリミッタ866の許容値を超える負荷が負荷応答ギア865に負荷され、トルクリミッタ866による負荷応答ギア865の姿勢維持が解除され、内側回転部材830と外側回転部材840とが同期回転する。
換言すれば、回転方向に関わらず、中間腕部材850の回動が規制される状態において、中間腕部材850の回動の規制を継続する方向に内側回転部材830を回転させるように駆動した場合、内側回転部材830及び外側回転部材840が同期回転し、中間腕部材850、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が合体状態を維持したまま一体回転する(この回転動作を、以下において「一体回転動作」とも称する)。
一体回転動作は、中間腕部材850の回動が規制される状態で生じるものであり、本実施形態では、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が互いに近接配置された合体状態で生じる。
そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向の変位が生じる切替回転動作と異なり、周囲の装飾部材との衝突を考慮する必要が無いので、第3動作ユニット800の演出待機状態において一体回転動作を実行することができる。従って、本実施形態では、一体回転動作は、第3動作ユニット800の配置に関わらず、実行可能に制御される。
本実施形態では、上述のように、単一の駆動モータ861(図60参照)の駆動力により、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向変位を伴う切替回転動作と、拡径方向変位を伴わない第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作と、を実行可能とされており、両駆動方向でいずれの動作も実行可能であるが、動作に優先順位があり、任意の回転方向で即座に任意の動作を実行可能なわけではない。
例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態からは、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させることで切替回転動作を実行可能であり、そのまま回転を継続すれば一体回転動作を実行可能であり、また、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させることで一体回転動作を実行可能とされるが、即座には、正面視反時計回りの回転で一体回転動作を実行することはできない。
また、例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態から、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させ、中間腕部材850が回動を規制される状態に到達した後で、内側回転部材830を正面視時計回り(逆回り)に回転させた場合には、再び切替回転動作が実行されてしまい、即座には、正面視時計回りに一体回転動作を実行することはできない。
このように、本実施形態の第3動作ユニット800の動作態様は、駆動モータ861の回転方向に対して、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、によって、内側回転部材830及び外側回転部材840の相対的変位が変化する。
そのため、本実施形態において、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、駆動モータ861の回転方向毎に、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、を判定可能に制御され、その判定結果から、適切な駆動方向で駆動モータ861を駆動制御可能とされる。以下において、駆動モータ861の駆動制御の一例について説明する。
図68は、昇降アーム部材801の配置、駆動モータ861の駆動態様および検出センサ813の出力の一例を時系列で示すタイミングチャートである。図68に示すように、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、第3動作ユニット800の演出制御として通常演出と反転演出とを交互に繰り返すよう制御される。
反転演出時には、切替回転動作を含む動作を実行し、通常演出時には、切替回転動作を含まない動作を実行する。これは、切替回転動作において装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突することを避けるためである。
同様の目的から、突然停電が生じた場合等から再度電源を投入した場合や、朝一に電源投入した場合には、第3動作ユニット800を張出状態としてから駆動モータ861の回転制御を実行し、検出センサ813の出力から可動部分の状態を把握した後において、通常演出時の制御を実行するように制御される。これにより、電源投入時において検出センサ813の出力結果から可動部分の状態が把握できない場合であっても、誤って装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突する事態を回避することができる。
駆動モータ861の駆動方向として、正回転と、逆回転とを記載している。図68における正回転は、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態(図66(a)参照)において一体回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応し、図68における逆回転は、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態において、切替回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応する。
まず、反転演出時に至る前における、通常演出時の駆動制御について説明する。この通常演出時には、第3動作ユニット800は個別合体状態とされており、駆動モータ861は停止するか、又は正回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。
切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。例えば、昇降アーム部材801の上下動作により被保持部材810を昇降変位させている最中に駆動モータ861を駆動することで、昇降変位と同時に第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせることもできるよう、制御される。
当然、昇降アーム部材801の配置が固定している状態において第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせても良いし、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を停止した状態で昇降アーム部材801の昇降動作を行うようにしても良い。
駆動モータ861の駆動の方向が正回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に検出センサ813の出力が切り替わり、この出力の切り替わりを判定することで音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を初期位置として判定することができ、この初期位置からの駆動時間を複数種類で設定することで、外側回転部材840を任意の姿勢で停止するよう制御することができる。
次いで、反転演出時における駆動制御について説明する。まず、反転演出時には、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで正回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を逆回転で駆動する。逆回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
そのままの回転方向で駆動モータ861の駆動を継続すると、一連合体状態に到達し、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840も内側回転部材830と連動して回転開始するので、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後は、駆動モータ861は停止するか、又は逆回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。
駆動モータ861の駆動の方向が逆回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に、検出センサ813の出力が切り替わり、音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を判定することができる。
反転演出時から通常演出時に切り替わる際には、事前に、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで逆回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を正回転で駆動する。正回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
次いで、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840が回転を開始することで、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後で、再び通常演出時に移行する。この通常演出時の駆動制御についての制限は、上述の反転演出時の前に配置されていた通常演出時において説明した駆動制御についての制限と同様である。
このように、本実施形態によれば、単一の検出センサ813を、第3動作ユニット800の回転態様の切り替えの判定(一体回転動作または切替回転動作)と、外側回転部材840の回転角度の基準の判定と、に兼用することができる。従って、各判定に個別の検出センサを利用する場合に比較して、検出センサ813の必要個数を削減することができる。
上述のように、一体回転動作を継続する状態または回転を停止している状態から、駆動モータ861の駆動方向を逆方向に切り替えることにより、切替回転動作を実行することができる。即ち、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、切替回転動作を実行し一連合体状態に切り替えることができる。
そのため、動作演出において、大当たり告知のタイミングで一連合体状態に切り替えるように制御する場合において、第1装飾部材870の姿勢から大当たり告知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
更に、一連合体状態における装飾は、上述のように、遊技者に把握される内容が、第2装飾部材880の回転方向の配置によって大きく違わないように設計されている。即ち、切替回転動作の開始時における装飾部材870,880の回転方向の配置が異なる場合であっても、切替回転動作の終了時において一連合体状態として遊技者に把握される内容を同様のものとすることができる。
そのため、一連合体状態における絵柄が回転方向の配置で異なる場合と異なり、一連合体状態に到達した後において姿勢を合わせるための一体回転動作を省略することができるので、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、大当たり告知までの駆動制御を同一とすることができる。
このように、本実施形態では、駆動モータ861の駆動方向としての正回転と逆回転との双方で、切替回転動作および一体回転動作の双方の動作態様を実現することができる。従って、正回転と逆回転とで動作態様が固定されている場合に比較して、単一の駆動モータ861で多種多様な演出態様を実現することができる。
図69は、図28のLXIX−LXIX線における第3動作ユニット800の断面図である。図69に示すように、固定円筒部材820の円筒部821の開口は、被保持部材810の筒固定部812が配置される後端部から、電飾基板823が配置される前端部まで貫通しており、この開口を後端部から前端部まで電気配線が案内され、電飾基板823に配設されるコネクタに端子が接続される。この電気配線を通して電気が導通され、電飾基板823に配置されるLEDを発光制御可能に構成している。
電飾基板823の内側発光部823aから照射される光LH1は、透光装飾部材824の中央部側において正面側に膨出する膨出部824aを照らすように作用する。膨出部824aは、装飾部材870,880の合体状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880が円周上に配置される円の中央部において遊技者に視認可能とされる部分として機能する。
電飾基板823の外側発光部823bから照射される光LD1は、前側に配置される装飾部材870,880(図69においては第1装飾部材870)の内部に照射され、装飾部材870,880を内部から照らすように作用する。
本実施形態では、装飾部材870が前側に配置される個別合体状態(図69参照)と、装飾部材880が前側に配置される一連合体状態(図32参照)と、を切り替え可能とされているので、光LD1により、装飾部材870を照らす場合と、装飾部材880を照らす場合とを切り替えることができる。
個別合体状態(図69参照)では、第1骨格部871の鍍金処理されている鍍金部871aで正面側に反射することで、光LD1の向きを正面側に切り替えるよう構成している。これにより、光LD1の大部分が第1覆設部875に向かうように照射することができ、光LD1の照射時における第1覆設部875の明るさを良好に高めることができる。
ここで、本実施形態では、電飾基板823は固定配置されており、その周囲を装飾部材870,880が回転するように構成されているので、光LD1の照射方向と装飾部材870,880の配置との関係は装飾部材870,880の回転により変化し得る。例えば、回転中において、鍍金部871aの中心部に光LD1が照射される場合があれば、同じLEDから照射される光LD1が鍍金部871aの中心部からずれた位置に照射される場合も生じ得る。そのため、対策なしでは、光LD1による第1覆設部875の明るさの程度が装飾部材870,880の回転により変化し易くなり、一定明るさで発光させながら装飾部材870,880を一体回転動作させる演出を実行することが困難となる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、光LD1を反射可能に構成される鍍金部871aの形状が凹面形状とされ、この凹面形状の曲率半径は、電飾基板823の半径よりも小さくなるように形成され、且つ、その中心が正面視で第1覆設部875の中心部付近に配置されるよう設計される。
光LD1は外側発光部823bが配置される円の外径方向に光軸を向けるように配置されるので、光LD1は、鍍金部871aの凹面形状に反射されることで、その曲率半径の中心側へ向けて進行することになり、第1装飾部材870の各第1覆設部875の中央付近を照らす。
従って、外側発光部823bを基準とした鍍金部871aの配置によらず、複数の光LD1を、第1覆設部875の中央付近を照らすように反射することができる。これにより、第1覆設部875の前板部の中央付近に光を安定的に照射することができるので、一体回転動作中においても、第1覆設部875を均一な明るさで視認させることができる。
更に、第1骨格部871は、鍍金部871aへの鍍金処理と同様に鍍金処理が行われる部分であって、正面視で第1覆設部875の外方に配置される外鍍金部871bを備える。光LD1は、鍍金部871aと同様に外鍍金部871bでも反射されることになるが、鍍金部871aの配置に比較して外鍍金部871bが後方に配置されていることから、外鍍金部871bの光方の程度を弱めることができる。
これにより、第1覆設部875の外方において視認される光の強度が強すぎて、遊技者が眩しく感じ、第1覆設部875の枠の内側の視認性を低下させる事態を回避することができる。
電飾基板823は第1装飾部材870及び第2装飾部材880に前後から挟まれているが、つなぎ目において完全に閉塞されているものではないので、外側発光部823bからの光の全てがその内側に照射されるものではない。
まず、第1覆設部875の部材縁部875aと、その部材縁部875aに対向配置される第2覆設部885の部材縁部885aとの間には、図69において内部構造が視認可能な程度の隙間VA1が形成されている。この隙間VA1を通って外鍍金部871bが第1覆設部875の枠外方へ張り出しているので、隙間VA1を通った光LD1を外鍍金部871bで反射させることができる。
その上、金属棒832と対向配置される第1覆設部875の部材外端部875bと、第2覆設部885の部材外端部885bとの間には、金属棒832との部材干渉を避けるために要する領域を超える大きな隙間VA2が形成される。
隙間VA2は、第1に、金属棒832と装飾部材870,880との衝突を回避することで、金属棒832の長さを十分に確保できるようにし、金属棒832により直動部材833及び回転部材834の直動変位を案内する機能を確保できるようにする目的で形成される。
隙間VA2は、第2に、骨格部871,881に挿通される締結ネジであって、回転部材834の円筒状突設部834bに螺入されることにより装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するための締結ネジの組み付け経路を確保できるようにする目的で形成される。
更に、隙間VA2は、第3に、骨格部871,881の透明部分を通過した光を進行させるための、光の通り道を確保できるようにする目的で形成される。装飾部材870,880は円周上に等間隔で配置されていることから、隙間VAを通り外方へ進行する光は、円周上の等間隔位置を通り、その円の中心から放射状に進行する光として視認される。
そのため、装飾部材870,880の一体回転動作を実行することで、隙間VA2を通過する光も同じように回転させることができる。これにより、外側発光部823bからの光の点灯態様を制御することを不要としながら(例えば、全点灯を継続したままで)、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光が回転する発光態様で視認される発光演出を実行することができる。
一連合体状態(図32参照)では、第2骨格部881の全体が透光性の樹脂材料から形成されていることにより、第2骨格部881による光LD1の反射作用を抑えている。
これにより、第2覆設部885の枠内に照射されるのは、光LD1の内、光軸から離れた光(弱い光)とすることができるので、第2覆設部885の光らせ方の度合いを弱くすることができる。一方で、光LD1の光軸方向の光は、隙間VA2を抜けるので、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光の強度を向上させることができる。
第2覆設部885の枠内には、有色(本実施形態では、円状体の色味として任意の色で設定)で光透過性の樹脂材料から形成され、内側に光拡散加工が形成される光拡散装飾部885cが円周方向に亘って配設される。そのため、光LD1の内、光拡散装飾部885cに入射した光は屈折され、光拡散装飾部885cの全体を面発光させるように作用する。
この面発光により、円周方向に亘って配設される光拡散装飾部885cを介して視認される光の均一化を図ることができ、5個の第2装飾部材880の各光拡散装飾部885cが遊技者に一体的に視認される効果を生じさせることができる。
ここで、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができることは上述した通りであり、この一体化を、光拡散装飾部885cが円周方向に亘って連続的に繋がっているように視認させることで行うことができる。従って、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
第2覆設部885の部材外端部885bは、金属棒832と対向する凹形状に形成されており、第1覆設部875の部材外端部875bと近接(当接)する端面885b1は、金属棒832が配設される平面を基準として第1装飾部材870側に張り出している。
これにより、一連合体状態(図32参照)において第3動作ユニット800を斜め方向から視た際に、背面側に配置される第1装飾部材870の第1覆設部875が遊技者の視界に入る程度を下げることができ、演出に与える影響を低減することができる。
これにより、第1覆設部875の枠部と、第2覆設部885の枠部とが、異なる色味で着色されている場合に、第2覆設部885が前側に配置されている時に、第1覆設部875の色味が視界に入ることを防止し易くすることができる。
特に、一連合体状態で、第3動作ユニット800を単独で張出状態とする場合には(図32参照)、他の動作ユニット600,700を共に張出状態とする場合に比較して(図33,F9参照)、第3動作ユニット800の周りに隙間が多く、第3動作ユニット800を斜め方向から視る視線が通り易い。そのため、対策なしでは、第3動作ユニット800の側面が視認されることで、演出効果を低下させ易い。
これに対し、本実施形態によれば、一連合体状態において、第2覆設部885の端面885b1を側面の前後幅の中央よりも後方寄りに配置しているので、斜め方向視で第3動作ユニット800の側面が視認されたとしても、側面の大部分を第2覆設部885の部分として視認させることができ、第1覆設部875が視認される程度を低くすることができる。これにより、一連合体状態において、第1覆設部875よりも、第2覆設部885を見せ易くすることができ、演出効果を向上することができる。
個別合体状態と一連合体状態とを切り替える切替回転動作では、駆動モータ861の駆動力が内側回転部材830に伝達されることで内側回転部材830は回転動作する一方で、外側回転部材840はトルクリミッタ866からの負荷により回転が止められる。
摺動突条部831bで接触面積の低減を図ってはいるが、内側回転部材830自体の回転抵抗が大きい場合には、外側回転部材840へ伝達される負荷は大きくなってしまい、トルクリミッタ866の負荷伝達の許容値を大きくせざるを得ず、トルクリミッタ866の小形化を阻害し易い。
そのため、内側回転部材830の回転抵抗を抑制できることが好ましい。そのために、本実施形態では、以下のような特徴を備えている。例えば、内側回転部材830の回転に係る固定円筒部材820との間の支持箇所は、摺動部材825と接触する前側端部と、中央円環ギア864に支持される後側端部のみであり、その他の部分では隙間を空けるように構成している。これにより、固定円筒部材820と内側回転部材830との間の接触面積を低減することができ、変位抵抗を低減し易く構成できる。
例えば、内側回転部材830は、中央円環ギア864に締結固定されているわけでは無いので、中央円環ギア864を基準とした前側への変位を抑制するためのストッパが必要と考えられるところ、摺動部材825がこのストッパの機能を果たしている。即ち、摺動部材825には内側回転部材830から前側へ押進する方向の負荷を受け得るが、摺動部材825は、その板前面が円形板部822の短径環状部822aと前後で当接する。
短径環状部822aは、外径が摺動部材825の外径と同程度の円環状突部として円形板部822の背面側に配設され、その最外径部において断面半円形状で背面側に突設される突条部822bが円環状に形成される。
この突条部822bが、摺動部材825の前面と前後方向で当接するので、短径環状部822aの背面全体と摺動部材825とが接触する場合に比較して、接触面積を低減することができる。これにより、内側回転部材830の回転方向の変位抵抗を低減することができる。
なお、内側回転部材830及び中央円環ギア864の間で締結ネジを用いていないので、その分、締結ネジの重量増加があった場合に想定される内側回転部材830の変位抵抗を削減することができる。
回転部材834に対する第1装飾部材870及び第2装飾部材880の固定について説明する。この固定の説明に当たっては、図62及び図63を適宜参照する。
第1装飾部材870の回転部材834への固定は、第1骨格部871の挿通孔872に挿通される締結ネジを第1覆設部875の枠後部に形成される被締結部876の雌ネジに螺入することで第1覆設部875を第1骨格部871に締結固定した状態とした後、第1骨格部871の半円状凹設部の端部から張り出す張出部873を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔874に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
第2装飾部材880の回転部材834への固定は、第2骨格部881の挿通孔882に挿通される締結ネジを第2覆設部885の枠後部に形成される被締結部886の雌ネジに螺入することで第2覆設部885を第2骨格部881に締結固定した状態とした後、第2骨格部881の半円状凹設部の端部から張り出す張出部883を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔884に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
このようにして、第1装飾部材870及び第2装飾部材880を回転部材834に締結固定することができ、回転部材834の直動変位または回転変位に伴い、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が直動変位または回転変位するように構成することができる。
固定の過程において、張出部873,883が直動部材833の凹設溝833dに進入することで、骨格部871,881の直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、骨格部871,881が直動部材833から脱落することを防止することができる。
そして、骨格部871,881は回転部材834に締結固定されているので、回転部材834についても同様に、直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、回転部材834が直動部材833から脱落することを防止することができる。
このように、本実施形態では、回転部材834の直動部材833への組み付けにおいて、直動部材833上の回転部材834の配置を規定する部分が回転部材834に固定される骨格部871,881に形成されるので、直動部材833上の配置を規定する部分が回転部材834自体に形成される場合と異なり、組み付けや分解の工数を減らすことができる。
即ち、例えば分解時においては、骨格部871,881を回転部材834に締結固定している締結ネジを取り外せば、骨格部871,881の直動部材833上の配置の規定を解除することができるだけでなく、回転部材834についても直動部材833上の配置の規定を解除することができる。これにより、作業効率を向上することができる。
図70及び図71を参照して、各動作ユニット600〜800の組み合わせ動作について説明する。図70(a)から図70(d)、図71(a)から図71(d)は、各動作ユニット600〜800の組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニット500の正面模式図である。なお、図70及び図71の説明では、図33から図35を適宜参照する。
図70及び図71では、第1動作ユニット600の各演出面661a〜661c、第2動作ユニット700の各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2及び第3動作ユニット800の各覆設部875,885における装飾が、文字などで識別可能に模式的に図示される。
即ち、第1演出面661aには、縦書きで「ノーマル」との文字が、第2演出面661bには、横書きで「発動」との文字が、第3演出面661cには、長手方向に沿って「!」の記号が、それぞれ図示されている。
また、第1主装飾面787a1には、「開戦」との文字が、第1副装飾面787a2には、「ピンチはチャンス」との文字が、第2主装飾面787b1には、「攻撃」との文字が、第2副装飾面787b2には、「忍耐!?」との文字が、それぞれ図示されている。
また、第1覆設部875の枠の内側には異なるキャラクターに対応する異なる英数字(「I」〜「V」)が図示され、第2覆設部885には5個で一体の「○」記号が図示されている。
図70(a)では、各動作ユニット600〜800が、それぞれ演出待機状態に配置されている(図28参照)。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第1副装飾面787a2が想像線で図示される。
また、図70(b)では、第1動作ユニット600が中間演出状態とされ、第2動作ユニット700が中間演出状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされている。
第3動作ユニット800の一体回転動作を実行することで、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870の第1覆設部875を次々に入れ替えることができる。また、一体回転動作の継続中や、停止後に、第1動作ユニット600を中間演出状態とすることで、センターフレーム86の枠内部に第3演出面661cを張り出させ、動作ユニット600〜800の動きを賑やかにすることができる。
例えば、第3演出面661cが視認可能な場合に、抽選の大当たり期待度が上昇するよう演出を制御することにより、第1動作ユニット600の動作を視認した遊技者の興趣の向上を図ることができる。
一体回転動作が停止された際には、第2動作ユニット700の第1主装飾面787a1に形成される装飾と、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に形成される装飾とを、一体的に視認させることができる。
これにより、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に対する注目力を向上させることができ、その第1装飾部材870に形成される装飾に関連する表示演出を第3図柄表示装置81で開始しながら第3動作ユニット800を演出待機状態に戻すことにより、遊技者の視線を第3図柄表示装置81へスムーズに誘導することができる。
注目させる第1装飾部材870としては、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に限定されるものではない。例えば、第1装飾部材870に光を照射可能に配設される外側発光部823b(図60参照)の点灯パターンを制御することにより、注目させる第1装飾部材870側へ光LD1を照射するLEDを点灯させ、その他のLEDを消灯させることで、任意の第1装飾部材870に注目させることが可能である。
この時、第1装飾部材870の一体回転動作を停止させた状態でLEDの点灯パターンを切り替えても良いし、第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替えても良い。
第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替える場合には、点灯させるLEDを回転方向で順次切り替えるようにして、光および第1装飾部材870が同軸円に沿って回転変位しているように遊技者に視認させても良い。また、点灯させるLEDは固定しておき、そのLEDから光を照射される位置に各第1装飾部材870が一体回転動作により順番に到達することを利用して、光が照射される第1装飾部材870を切り替えるようにしても良い。
図70(a)に示す状態では、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660及び装飾固定部材670が、共に縦長に形成される装飾を備えており一体的に視認させることができる。特に、装飾固定部材670の前側面が、演出待機状態における第1演出面661aと同様に、斜め方向を向く面として形成されていることにより、一体的に視認される作用が高められている。
一方、図71(a)に示す状態になると、図70(b)に示す途中経過で第2装飾回転部材660の下端部が装飾固定部材670と離れるように変位することに加え、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は横長に形成される装飾となることから装飾固定部材670との一体感が低下し、今度は、同様に横長に形成される装飾を備える第2動作ユニット700の覆設部材787と一体的に視認させることができる。
図35では第2動作ユニット700の中間演出状態が図示されているが、図71(a)に図示されるように、第2動作ユニット700を張出状態とすれば、覆設部材787と第2装飾回転部材660との上下間隔が更に縮まり、一体的に視認される作用を高めることができる。
この時、張出装飾部652bが視認可能な位置に張り出しており、第3図柄表示装置81の右縁が領域右端RE1よりも右方に拡大しているように視認させる上述の作用により、第2演出面661bの配置が右縁寄りであっても窮屈な印象を遊技者に与えることを防止できる。
また、これにより、第2主装飾面787b1と同様に、第2演出面661bも第3図柄表示装置81の中央側に配置されているように遊技者に視認させることができ、第2主装飾面787b1と第2演出面661bとが一体的に視認される作用を高めることができる。
この場合において、張出装飾部652bの装飾を、第2演出面661bの装飾や、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)の装飾と関連する内容で形成することで、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)、第2演出面661b及び張出装飾部652bが一体的に視認される作用を高めることができる。
図70(c)及び図70(d)では、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態とされ、第2動作ユニット700が張出状態とされている。第2動作ユニット700の反転動作について図70(d)に図示するが、第1動作ユニット600の張出状態において第2装飾回転部材660は、第2動作ユニット700の覆設部材787の左右外側に配置されるものでは無いので、第1動作ユニット600を張出状態としたままでも、覆設部材787の反転動作(図59参照)を実行することができる。
覆設部材787の反転動作においては、左右が異なる副装飾面787a2,787b2を正面側に向けることになるので、識別力を有しない状態とできることについて上述したが、図70(d)に示すように、異なる副装飾面787a2,787b2が組み合わさることで遊技者が内容を識別可能に構成しても良い。
図70(d)によれば、「ピンチ!?」との内容を遊技者が識別でき、この状態で第2動作ユニット700の駆動を停止させることで第2動作ユニット700のその後の動きに注目させることができるので、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
例えば、抽選がはずれであることを報知する場合に、図70(d)の状態から図70(c)に戻すように制御し、抽選結果について未だ報知しない場合や抽選が大当たりであることを報知する場合に、図70(d)の状態から反転を継続し図71(a)に示す状態とするような制御を行うことで、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
図71(a)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が張出状態とされ、第3動作ユニット800が演出待機状態とされる。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第2副装飾面787b2が想像線で図示される。
図71(a)に示す状態では、第2演出面661bと、第2主装飾面787b1とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に横書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「攻撃発動」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
第1動作ユニット600は、演出待機状態(図70(a)参照)においては、第1演出面661aと、装飾固定部材670とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に縦書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「ノーマルタイム」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
このように、本実施形態では、第1動作ユニット600の各演出面661a,661bを、異なる部材の側面(例えば、第2主装飾面787b1又は装飾固定部材670の前面)と一体視させるように構成している。これにより、演出効果を向上することができる。
図71(b)から図71(d)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が演出待機状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされる。図71(b)に示す状態と、図71(c)に示す状態とは、第3動作ユニット800が一体回転動作を実行されることにより、第1装飾部材870の配置が異なる。一方で、いずれの状態から切替回転動作が実行されたとしても、遊技者に対して同一の一連合体状態として視認させることができる(図71(d)参照)。
即ち、第2装飾部材880が正面側を向く状態では、第1装飾部材870の配置の違いを遊技者が認識することはできないように構成されている。これにより、第3動作ユニット800の動作制御として、図柄変動中に第3図柄表示装置81で表示される表示演出の終盤に切替回転動作が実行されることで大当たりの当否を報知するよう設定される場合において、第1装飾部材870の配置から大当たりの当否の報知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
換言すれば、表示演出の終盤における第1装飾部材870の配置に寄らず(図71(b)に示す状態であっても図71(c)に示す状態であっても)、大当たり当否の遊技者の期待感を、同様に保つことができる。従って、第3動作ユニット800に対する遊技者の注目力を高い状態で維持し続けることができる。
上述のように、各動作ユニット600〜800は、装飾を単独で視認される場合と、組み合わせで一体的に視認される場合とを形成可能とされる。そのため、各動作ユニット600〜800に形成される装飾は、各動作ユニット600〜800のみで完結するのではなく、各動作ユニット600〜800同士で互いに関連する装飾として設計される。
各動作ユニット600〜800の駆動制御は、その実行の可否が互いの配置に影響される。即ち、不適切なタイミングで各動作ユニット600〜800の駆動を実行すると、部材動作が衝突し故障する可能性があるので、駆動制御に当たっては、他のユニットの部材の配置を判定した上で行うように制御される。
例えば、第1動作ユニット600の張出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第1動作ユニット600の中間演出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の張出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の中間演出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、回転は実行されないか一体回転動作のみが生じる制御は、第1動作ユニット600が中間演出状態または演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が中間演出状態または演出待機状態と判定される場合に実行される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、切替回転動作が生じる制御は、第1動作ユニット600が演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が演出待機状態と判定される場合に実行される。
上述のように、各動作ユニット600〜800の駆動制御は、任意のタイミングで可能とされるものではなく、他のユニットの部材の配置を判定した上で実行されるよう制御される。
次いで、第1実施形態における振分装置300の細部について、説明する。なお、振分装置300の細部の説明では、図1から図25を適宜参照する。まず、前意匠部材162に施される装飾の一例について説明する。
図72は、振分装置300の正面斜視図である。図72では、上記の図5で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図72に示すように、振分装置300の正面側に配設される前意匠部材162は、前板が光透過性の樹脂材料で形成され、その前板の中央側範囲において周辺範囲よりも光透過性の高い範囲としての窓部162dが形成される。
本実施形態では、窓部162dの形状に合わせて中央側範囲が切り抜かれた光透過性のシール部材SL1が前意匠部材162の前板に貼り付けられている。この構成により、窓部162dの前後厚みが、その周囲においてシール部材SL1が貼り付けられている範囲の前後厚みに比較して薄くなり、前意匠部材162を光が透過する度合いに差を持たせることができるので、窓部162dの光透過性を高くすることができる。
窓部162dは、遊技者が振分装置300を見る際、視線が前意匠部材162の板部を通ることを考慮して、振分装置300の視認性を向上することを第1の目的として形成され、特に、振分装置300の内部を流下する球の流下態様が把握できないという遊技者からの不満を解消することを第2の目的として形成される。即ち、窓部162dは、振分装置300の形状を考慮した形状および大きさで形成される。
なお、周辺範囲よりも光透過性の高い部分としての窓部162dの形成手段は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、前意匠部材162の板部に導光板を配置したり、導光板と同様の機能を奏するよう複数の溝パターンを形成したりして、LED等の発光手段の発光のパターンごとに前意匠部材162の見え方を変化させるようにしても良いし、前意匠部材162に模様や絵柄を直接描いても良いし、前意匠部材162の窓部162dに相当する範囲を開口として形成しても良い。
また、窓部162dの形状は、図72に示す形状に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、同一の上下幅で左右に延びる帯形状としても良いし、左右幅が上方に張り出す範囲の左右幅と同等となるように、左右外方に延設されている部分を省略した形状(ホームベースのような5角形形状)としても良いし、前意匠部材162の前板縁部の形状に沿った形状としても良い。
また、窓部162dは単一の範囲として形成されているが、これに限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、光透過性の高い範囲が、格子状部や梯子状部で仕切られる複数箇所の組み合わせで形成されても良いし、小窓が複数個整列する態様で範囲が区画されても良いし、窓部が無秩序に配列される態様で範囲が区画されても良い。また、窓部の形状が可変に構成されても良い。
また、シール部材SL1の表面形状は何ら限定されるものではない。例えば、シボ加工による表面形状のように多数の凹凸が形成させる表面形状でも良いし、表面に多数の溝形状や突条が形成されても良いし、平滑表面として形成されても良い。
なお、窓部162dの表面形状は、平滑面として形成されることが好ましいが、周囲(シール部材SL1の形成範囲に相当)よりも高い光透過性が確保できる態様であれば良く、上述のシール部材SL1の表面形状と同様の形状の他、種々の態様を採用することができる。
図73は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面図である。図73では、上記の図21で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図73に示すように、窓部162dは、左右対称形状で形成され、上下に短く左右に長い主窓部162d1と、その主窓部162d1の左右中央部の上方に連なって形成される副窓部162d2と、を備える。
本実施形態では、主窓部162d1及び副窓部162d2は、無色透明の樹脂材料から形成され、光透過性が高い状態で維持される。各部の形状について、以下で詳述する。
主窓部162d1は、正面視における外縁形状が、第2流路構成部335及び第3流路構成部336の視認性を確保するために十分な形状で設計される。即ち、図73に示すように、第2流路構成部335及び第3流路構成部336の球通路の上下幅と同等の上下幅で形成されると共に、第2流路構成部335の傾斜に合わせて左右外側へ向かう程上昇傾斜するV字形状とされる。
これにより、第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球を、正面視で主窓部162d1の内側に収めることができることから、第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球の視認性を向上することができる。
主窓部162d1の左右端は、球通過孔163bと同様の左右位置で形成される第1流路構成部334(図17参照)の左右幅の中央付近に設定される。即ち、主窓部162d1を通して第1流路構成部334の外壁の全体が見えるわけではなく、特に、側壁部334aの視認性は低くされる。
これにより、見栄えの良い形状とすることが要求される場合のように遊技者に視認されることを前提として設計する場合に比較して、側壁部334aの形状設計において、設計の自由度を向上することができる。
副窓部162d2は、正面視における外縁形状が、発光手段351からの光で照らされるシール部材313の視認性を確保するために十分な形状で設計される。即ち、図73に示すように、シール部材313を覆う矩形状に形成される。
これにより、第3流路構成部336を流下する球の視認性に加え、球の流下態様に基づいて点灯タイミングが制御される発光手段351により照らされるシール部材313の状態を遊技者が把握し易いように構成できるので、遊技者に快適な遊技を提供することができる。
図74は、図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図であり、図75は、図73のLXXV−LXXV線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。図74及び図75では、上記の図23及び図18で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図74に示すように、振分装置300を見下げる方向視(角度付きの方向視)で視認する場合、前側位置に配置されるスライド変位部材370の上突設部376の一部が開閉板65bの下側で視認される。
これに対し、スライド変位部材370が後側位置に移動すると、図74の方向視において上突設部376は開閉板65bの奥側に隠されることになる。従って、遊技者は、上突設部376が見えてさえいれば、第3流路構成部336を流下した球が確変検出センサSE11を通るのか、通常検出センサSE12を通るのかについて、容易に予想することができる。
上突設部376へ向けた視界は、上部材310の第2上面部314bの内側面314b1が正面側へ向かう程に左右外側へ向かって傾斜する傾斜面として形成されていることによっても、良好に確保されている。
即ち、第2上面部314bは、第2流路構成部335を流下する球の跳ね上がりを防止する天井面としての機能を果たしながら、内側面314b1を傾斜面として構成することで上突設部376への視界が不要に遮られることを回避している。
また、内側面314b1が傾斜面として構成されていることは、上面部314が前方へ向かう程に下降傾斜する傾斜面として構成されていることの短所を補っている。上面部314を上述のような傾斜面として構成する場合、図74に示すような見下げる方向視(角度付きの方向視)における上面部314の投影面積を大きくすることができることから、上面部314の光拡散加工面314cを介して光を視認させる演出の演出効果を向上し易いという長所がある一方で、上面部314の投影面積が大きくなることから、その下を流下する球を遊技者の視界から隠す範囲が広がる場合があるという短所がある。
換言すれば、上面部314が前方に向かう程に下降傾斜する傾斜面として構成されることは、光演出には有利に働く一方で、流下する球の視認性には不利に働く可能性がある。
これに対し、本実施形態では、内側面314b1が左右外側へ向かって傾斜する傾斜面として形成されていることにより、第2流路構成部335から第3流路構成部336へ球が進入する箇所において上面部314の投影面積を減らすことができ、上面部314の下を流下する球の視認性を向上することができる。
図74に示すように、振分装置300を見下げる方向視(角度付きの方向視)で視認する場合、シール部材313が副窓部162d2の内側には視認されないことから、対策なしでは、シール部材313の状態を視認するためにシール部材313が見えるように目の位置や視線角度を調整することを遊技者に強いることになり、快適な遊技を阻害する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、シール部材313に光を向ける発光手段351の光軸としての直線LL1は、シール部材313を通り、副窓部162d2を通ることから、発光手段351から照射された光の一部はシール部材313を通った後で副窓部162d2に到達する。そのため、直線LL1上の発光手段351が点灯しているか否かを、副窓部162d2を見ることで把握することが可能である。
シール部材313には光拡散加工がされていないので、発光手段351からの光の進行を留める作用は弱く、光を十分に副窓部162d2まで到達させることができる。これにより、発光手段351の点灯時には、シール部材313の色である赤色の光が副窓部162d2に到達することで、副窓部162d2を赤色に光らせることができる。
これにより、光が到達する前における副窓部162d2の無色透明の状態との違いが分かり易くされるので、遊技者は、発光手段351の点灯の有無を把握し易くなる。なお、シール部材313(又はシール部材313が配設される壁部)に光拡散加工を設けるようにしても良い。この場合、シール部材313を均一に発光させ易くすることができる。
図75に示すように、直線LL1は、第3流路構成部336を流下する球と重ならない位置(高さ位置)に配置される。即ち、第3流路構成部336を流下する球が配置され得る範囲よりも上側において直線LL1が配置される。
加えて、直線LL1は、特定入賞口65aに入球する球と重ならない位置に配置される。即ち、特定入賞口65aに入球した球が乗る下面部163aよりも下側において直線LL1が配置される。
更に、被固定部材161と前意匠部材162との間においては、上述のように、前意匠部材141(図7参照)により球の流下が阻害されることにより、球の流下範囲は前意匠部材141の左右幅よりも左右外側に寄せられる。そのため、被固定部材161と前意匠部材162との間を流下する球についても、直線LL1と重なることは避けられる。
従って、直線LL1上に、ベース板60の正面側(例えば、遊技領域)を流下する球や、特定入賞口65aに入球した球や、振分装置300(例えば、第3流路構成部336)を流下する球が配置されることで、光が球で反射して屈折する事態を回避することができる。これにより、球の流下態様に寄らず、発光手段351から照射された光を副窓部162d2に安定的に到達させることができる。
なお、本実施形態におけるシール部材313の配置は、遊技者が目線を変えなければシール部材313を視認し難い状態を継続できることが遊技者にとっての利益につながる場合がある。
例えば、常時シール部材313が視界に入る構成では、発光手段351が発光する度に光が遊技者の目に入るので、遊技者によっては眩しく感じるところ、本実施形態のように発光手段351を見え難く配置することで、遊技者の感じる眩しさを弱めることができる。
なお、本実施形態では発光手段351からの光が副窓部162d2に到達する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線LL1と交差する範囲において、被固定部材161に光拡散加工を形成することで、光が副窓部162d2まで到達し難いように構成しても良い。
この場合、図74に示す状態から視線を変えてシール部材313を直接見られるようにしなければ、シール部材313に向けて発光手段351が点灯しているか否かを把握し難いように構成することができる。そのため、遊技者が、遊技の好みとして、球が確変検出センサSE11に入球したか否かを知りたくない場合であっても、図74に示す視線を維持していれば目的を達成することができるので、このような遊技者の遊技負担を低減することができる。
なお、本実施形態では副窓部162d2が平滑な面形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、副窓部162d2の表裏面の少なくとも一方に光拡散加工を施したり、光が拡散し易いように内部に気泡部を設けたりするように形成しても良い。
この場合、副窓部162d2に到達した光が拡散することで、副窓部162d2を通して視認される光の面積を大きくすることができる。これにより、副窓部162d2が照らされていることを遊技者が気付き易くすることができる。
ここまでは、発光手段351を構成するLEDの内、シール部材313に光を向ける発光手段351、即ち、直線LL1上に配置されるLEDから照射される光について説明した。次いで、発光手段351を構成するLEDの内、最下段で左右4箇所に配置される複数のLEDから照射される光について説明する。
図76は、図75のLXXVI−LXXVI線における振分装置300の中部材330、スライド変位部材370、下部材380及び検出センサSE1の断面図である。図76では、発光手段351の配置が、想像線で図示される。
以下の説明では、発光手段351の内、最下段で左右内側に配置されるLEDを内側発光手段351cとし、最下段で左右外側に配置されるLEDを外側発光手段351dとして、改めて称して説明する。
まず、図76に示すように、内側発光手段351cの光軸(前後方向に延びる直線)は、光拡散加工面332eの内側に配置される。そのため、内側発光手段351cから光が照射される場合、左右に亘る範囲で形成される光拡散加工面332eが照らされる発光演出が実行される。
この発光演出は、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とで球の流れが分岐する分岐箇所BP1(図75参照、第3流路構成部336の後端部から連続的に繋がる左右に長い空間)の背面側で実行される。
そのため、内側発光手段351cが点灯している状況において、分岐箇所BP1を球が流れる場合、左右に亘る範囲で発光する光拡散加工面332eの手前側を流れる球が配置される箇所が影として視認されるので、遊技者は、影の変位を視認することで球がどのように流れたかを容易に把握することができる。
内側発光手段351cの光軸は、前後長突設部317を通る(図75参照)。また、左右内突設部318には光軸は通らないものの、光軸付近の光が通り得る配置とされており、左右内突設部318の突設端部は前後方向視および上下方向視で湾曲形成されている。
そのため、内側発光手段351から照射された光の一部は、前後長突設部317及び左右内突設部318の湾曲形状によって屈折することで、前斜め下方へ向けて進むようになり、この光は光拡散加工面340(図75参照)に到達し得る。
光拡散加工面340は、第3流路構成部336の下側面の全範囲に形成されているので(図14参照)、光拡散加工面340に光を到達させることで、第3流路構成部336の下底面の下側の空間の視認性を低下させることができる。従って、第3流路構成部336の内側を流下する球と、アウト口71(図75参照)を通過して第3流路構成部336の下側を流下するアウト球との区別をし易くすることができる。
一方、図76に示すように、外側発光手段351dの光軸(前後方向に延びる直線)は、光拡散加工面332eの外側(上側)であり、且つ、光拡散加工面319a,333bの内側に配置される。そのため、外側発光手段351dから光が照射される場合、光拡散加工面319a,333bが照らされる発光演出が実行される。
この発光演出は、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とで球の流れが分岐する分岐箇所BP1(図75参照、第3流路構成部336の後端部から連続的に繋がる左右に長い空間)の上側および正面側で実行される。
そのため、外側発光手段351dが点灯している状況において、分岐箇所BP1を球が流れる場合、その球の上側や手前側において光拡散加工面319a,333bが発光することになり、分岐箇所BP1を流れる球が光拡散加工面333bに隠されることになるので(図17参照)、遊技者は、分岐箇所BP1を球がどのように流れたかの把握がし難くなる。
加えて、光拡散加工面333bは上下に亘って形成されており、その上側には上面部314の光拡散加工面314cが配設される(図73参照)。そのため、分岐箇所BP1を前後方向視で視認し難くする作用に加えて、光拡散加工面333bを上側から覗き込むような角度の視線(図74参照)に対しても、光拡散加工面314cの発光により分岐箇所BP1を視認し難くすることができる。
また、光拡散加工面333bは上下に亘って形成されており、その下側には光拡散加工面340が配設されており、この光拡散加工面340は第2流路構成部335の下側裏面にまで形成される(図14参照)。そのため、分岐箇所BP1を前後方向視で視認し難くする作用とは別に、第2流路構成部335の下側面を発光させ、第2流路構成部335を球が流下する際に、その球が光(光拡散加工面340で拡散された光)を遮ることによる影を生じさせることで、球が流下していることを遊技者が把握し易くすることができる。
ここで、光拡散加工面333bは、分岐箇所BP1の前側に配設される(図17及び図75参照)。そのため、外側発光手段351dと光拡散加工面333bとの位置関係によっては、球で光が隠される事態が発生し得るところ、本実施形態では、外側発光手段351dの光軸(前後方向に延びる直線)が、分岐箇所BP1を球が流下する範囲の外側(上側)に配置されるので(図76参照)、分岐箇所BP1に配置される球により光が遮られる事態を回避することができる。
そのため、振分装置300内の球の流下態様によらず、外側発光手段351dを発光させることで、光拡散加工面333bを明るく照らすことができる。光拡散加工面333bが照らされた場合、その前側に配置される第2流路構成部335(図17参照)を流下する球が光を遮ることで影が生じるので、遊技者は、第2流路構成部335を流下する球の流下態様を把握し易くなる。
本実施形態では、分岐箇所BP1に配置される球により光が遮られる事態を回避するための工夫として、球の流下を滑らかにするための構成が採用されている。その構成について説明する。
分岐箇所BP1に到達し流下する球は、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態では(図20参照)、真下に流下して確変検出センサSE11を通過し、スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態では(図18参照)、球案内部371bの傾斜に沿って左右外側へ流下して通常検出センサSE12を通過する。
スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態における球の流下において、スライド変位部材370の左右外側端部を支持する板状部382の貫通孔縁部382aは、確変検出センサSE11の左右外側縁部と通常検出センサSE12の左右内側縁部とをつなぐように配設され、上面が左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成される。そのため、貫通孔縁部382aの上面に到達した球は、左右方向外側へ流下し易い構成とされる。
これにより、球案内部371bの傾斜に沿って左右外側へ流下開始した球が、貫通孔縁部382aに橋渡しされた後において左右方向内側に逆流したり、跳ねたりする事態を回避し易くすることができ、球の流下を滑らかにすることができる。
なお、光拡散加工面319aは、分岐箇所BP1の前後幅の内側に配設される。そのため、光拡散加工面319aの背面側に球が配置される状況が生じ得ないので、外側発光手段351dと光拡散加工面319aとの位置関係に寄らず、球で光が隠されるという事態は発生し難い。
このように、内側発光手段351cと外側発光手段351dとは、単純に左右にずれて配置されているだけではなく、その前側において異なる前後位置で配置される光拡散加工面332e,319a,333bと各発光手段351c,351dの光軸との配置関係に意図的に差を設けて設計し、発光手段351c,351dからの光が到達する光拡散加工面332e,319a,333bを異ならせることで、光が到達し拡散され視認される前後位置を異ならせることができる。
上述の説明では、内側発光手段351cを発光させる場合と、外側発光手段351dを発光させる場合と、を別々に説明し、逆側の発光手段351c,351dは消灯している前提で説明したが、実際の各発光手段351c,351dの発光制御は片側ずつではなく、両点灯や、両消灯などの制御態様も生じ得る。以下、発光制御のパターンと、その際の振分装置300の内部流路の見え方について説明する。
図77(a)から図77(d)は、振分装置300の中部材330の正面斜視図である。図77(a)から図77(d)では、理解を容易とするために光拡散加工面の形状線としての筋の図示が省略されており、それぞれ、発光手段351c,351dの点灯および消灯の組み合わせが異なる場合について図示されており、発光手段351c,351dからの光により明るく光る範囲が網掛け模様で図示される。
即ち、図77(a)では、発光手段351c,351dが共に消灯されている両消灯状態が図示され、図77(b)では、内側発光手段351cが点灯し外側発光手段351dが消灯されている内点灯状態が図示され、図77(c)では、内側発光手段351cが消灯し外側発光手段351dが点灯されている外点灯状態が図示され、図77(d)では、発光手段351c,351dが共に点灯されている両点灯状態が図示される。
両消灯状態では、図77(a)に示すように、各光拡散加工面332e,319a,333bが照らされておらず、その奥側の視認性が確保されるものの、メリハリのない印象を遊技者に与える。特に、第3流路構成部336の上側を流れる球と、第3流路構成部336の奥側(下側)を流下するアウト球との区別がつき難い状態となる。
内点灯状態では、図77(b)に示すように、第3流路構成部336の下側の光拡散加工面340が照らされることで、第3流路構成部336の上側を流れる球の視認性を高く維持し、且つ、第3流路構成部336の奥側(下側)を流下するアウト球の視認性が低くなる。
更に、分岐箇所BP1の背面側において光拡散加工面332eが照らされることから、分岐箇所BP1における球の流れの視認性を向上することができる。その上、光拡散加工面332eの手前側に配置される光拡散加工面319a,333bは照らされない状態で維持されるので、分岐箇所BP1が光で目隠しされる事態を回避することができる。
即ち、内点灯状態では、第3流路構成部336から分岐箇所BP1へ至る範囲が光で照らされ、前側枠状部333を介して分岐箇所BP1を見ようとする視線も通ることから、分岐箇所BP1における球の流下態様を遊技者が把握し易くすることができる。また、球の流下態様を把握する上で注目すべき箇所に光が照らされているので、注目箇所を遊技者が見逃す可能性を低くすることができ、遊技者の遊技ストレスを低減することができる。
前側枠状部333の内側面には、全範囲に亘り光拡散加工面333bが形成されており(図13参照)、遊技者目線で前側枠状部333を透かして背後を視認することが困難となるように構成される。
前側枠状部333を透かして背後を視認する場合、前後方向視では、前側枠状部333の内側面の内、前後で対向配置される2側面を透かして背後を視認することになるので、透かして見る必要がある板が多い分、尚更、背面側を視認することが困難である。
同様のことが、前側枠状部333を、左右内側から斜め左右外側方向に傾斜する視線(正面側左右中央位置から、通常検出センサSE12へ向かう傾斜した視線)で奥側を透かして視ようとする遊技者にとっても言える。
即ち、本実施形態では、光拡散加工面333bが矩形筒形状の内側に亘って形成されるところ、この傾斜する視線上には、前側枠状部333の後側面と、左右内側面(仕切り板部338と対向配置される側面)とが配置される。そのため、透かして見る必要がある板が多い分、尚更、背面側を視認することが困難である。
このように、前側枠状部333によれば、前後方向視だけでなく、斜め方向視であっても、前側枠状部333の後側を透かして見ることを困難にすることができる。
外点灯状態では、図77(c)に示すように、光拡散加工面319a,333bが照らされることから、分岐箇所BP1において左右外側に流れた球が光で隠されることになるので、流下球の視認性が低くなる。
一方で、第2流路構成部335の奥側(下側)に形成される光拡散加工面340が照らされることから、第2流路構成部335を流下する球の視認性を向上することができる。即ち、外点灯状態では、手前側を流れる球の視認性を向上することで遊技者の注目力を向上する効果はあるが、分岐箇所BP1自体の視認性が低くなる。
両点灯状態では、図77(d)に示すように、光拡散加工面332e,319a,333bが広範囲で照らされる。光で照らされる状況としては、内点灯状態および外点灯状態の組み合わせであり、双方の効果を生じ得るが、有利な効果で補助し合うばかりではない。
例えば、光拡散加工面333bが照らされていることから、分岐箇所BP1を左右外側に流れる球が光に隠されるという特徴は、外点灯状態から引き継がれることになる。そのため、分岐箇所BP1の視認性を高める目的からすれば、内点灯状態で維持することが最適である。
発光手段351c,351dの点灯消灯に係る制御態様は、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技において、確変検出センサSE11(図76参照)に球が入球する可能性があるラウンド遊技においては、分岐箇所BP1に遊技者が注目し易いように内点灯状態を構成するよう制御し、それ以外のラウンド遊技では、外点灯状態や両点灯状態を構成することで全体的に明るくするように制御しても良い。
また、例えば、ラウンド遊技の種類によらず両点灯状態と両消灯状態とを交互に切り替える態様で制御するようにしても良い。
また、発光手段351c,351dを点灯させるタイミングはラウンド遊技に限るものではなく、種々の態様が例示される。例えば、図柄変動中のリーチ正立後に発光手段351c,351dを点灯させるように制御しても良いし、入賞口63,64,140,65aやスルーゲート67に球が入球したことが検出されたら、発光手段を351c,351dを点灯させるように制御しても良い。
図73から図75に戻って、特定入賞口65a付近において球の流下を適正化するための構成について、改めて詳述する。図73に示すように、開閉板65bの左右外側に配置される延設部162bの上側面は左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されている。
そのため、開閉板65bが開放状態であるか閉鎖状態であるかに関わらず、開閉板65bの左右外側へ逸れた球であって延設部162bの上側面に乗った球を左右外側(開閉板65bが配置される側の反対側)へ流すことができるので、延設部162bに乗った球が特定入賞口65aの手前側を通り流下することを避けることができる。
従って、アウト口71へ流下する大部分の球の流下態様を、内レール61を転動する流下態様とすることができるので、アウト口71付近において球が跳ね上がる(高くバウンドする)事態の発生を回避することができる。これにより、跳ね上がった球により、主窓部162d1や、その奥側に配置される第3流路構成部336が隠され、視認性が低下することを回避することができる。
図74に示すように、開閉状態における開閉板65bの上側面は左右方向に延びる平面状に形成されている。一方で、第2流路構成部335は、左右中央側(仕切り板部338側)へ向かう程に下降傾斜している。
そのため、左右中央側に近づく程、開閉板65bと第2流路構成部335との上下間隔が長くなるので、開閉板65bの上側面を転動する球と、第2流路構成部335から第3流路構成部336へ向かって流れる球と、を区別し易くすることができる。
図74に示すように、開閉板65bは、上側面に乗った球を漏れなく特定入賞口65aへ流し込むような形状とされるが、球の流れが遅滞しないように種々の形状的な工夫がされている。
例えば、第1に、受入部材163の案内板部163a2は、開閉板65bの左右端部の上側面から後方に流れる球と当接し、その球を左右内側に案内するための板状部である。案内板部163a2は水平方向に延びる板状ではなく、開閉板65bから受入部材163へ向けて流れる球の上下位置変位に合わせて、左右内側に下降傾斜する方向に延びる板状に形成される。
即ち、案内板部163a2の前側端部は左右内側ほど後方に配置されるような傾斜面として形成されているところ、開閉板65bに乗る球が当接する左右外側端部付近よりも、開閉板65bよりも床面が低い受入部材163に受け渡される球が当接する左右内側部の方が、位置が下側になるように傾斜する方向に延びる。
これにより、案内板部163a2に当接する球の当接位置(球の全長における当接高さ)を安定させることができ、球をスムーズに案内することができる。なお、本実施形態では、球の全長における中心高さ位置で球と当接可能となるように、開閉板65bや受入部材163の床面との相対関係から案内板部163a2の配置が設計される。
例えば、第2に、開閉板65bの上側面後端部(回動基端側部)と、受入部材163の下面部163aとの高さ関係は、途中で逆転するように構成されている。即ち、下面部163aの高さ位置が最も高い左右中央位置においては開閉板65bの高さ位置の方が下であるが、下面部163aが左右側へ向かう程に下降傾斜しており、左右幅方向外側における一対の切替位置EP1でその上下が反転するよう構成されている。
本実施形態では、切替位置EP1は、開閉板65bと受入部材163との間における球の流下態様を切り替える位置としての性質を持っており、前側枠状部333の左右内側面(仕切り板部338と対向配置する側面)と同一平面上の位置(図74で前側枠状部333の真上位置)として設計される。
切替位置EP1の左右内側範囲(左右一対の切替位置EP1の間の範囲)では、球の転動面の上下位置の関係から、開閉板65bから受入部材163への球の転動が抑制される一方、受入部材163から開閉板65bへの球の転動は抵抗少なく生じ得る。
例えば、開閉板65bの左右中央位置付近で後方に跳ねた球が受入部材163(の内側後面)に衝突して再度前方に跳ねたとしても、球跳ねが収まって転動し始めた後では、球が開閉板65bから受入部材163に乗り上げることを抑制することができる。
なお、開閉板65bから受入部材163側に転動する球は、受入部材163に乗り上げるのではなく、球が下面部163aと当接し始めると、下面部163aの左右傾斜に沿って球が左右外側に流されることになる。
なお、開閉板65bの左右中央位置付近への球の落下は、前意匠部材141(図7参照)が球の落下を規制していることから生じにくいため、球跳ねも生じにくい構成であるといえる。但し、球同士の衝突などにより球跳ねは生じ得る。
切替位置EP1の左右外側範囲(左右一対の切替位置EP1よりも左右外側(球通過孔163bが配置される側)の範囲)では、球の転動面の上下位置の関係から、受入部材163から開閉板65bへの球の転動が抑制される一方、開閉板65bから受入部材163への球の転動は抵抗少なく生じ得る。例えば、他の球との衝突や遊技機の振動等により、下面部163aを転動している球に前側への速度が生じたとしても、球が開閉板65b側に逆流することを回避することができる。
切替位置EP1についての記載をまとめると、受入部材163側から球が前側に転動できる範囲を、一対の切替位置EP1の間の範囲に限定することで、球通過孔163b付近での球の逆流を回避して球の流下をスムーズにすることで、球が滞留する事態の回避を図っている。
加えて、一対の切替位置EP1の間の範囲からの球の後方への転動は、後方への流れが済んでから、左右方向の流れに切り替わるという転動態様ではなく、一対の切替位置EP1の間の範囲と球通過孔163bとを結ぶ斜めの直線方向に沿う転動態様となる。
換言すれば、前後方向および左右方向のように直角に交差する経路での流れではなく、一端が同位置に配置される前後方向直線と左右方向直線の他端同士を結ぶ斜辺に沿う流れとすることができるので、球の転動経路を短縮することができる(直角三角形において、斜辺の長さが、他の2辺の長さの合計よりも短いことに相当)。
更に、開閉板65bの左右位置に亘って球が後方に流れ易い場合に比較して、本実施形態のように、一対の切替位置EP1の間の範囲では球が前方に流れ易いよう構成することで、受入部材163に多数の球が同時に入球した場合でも、球の流れが停滞する事態を回避し易くすることができる。
図75に示すように、受入部材163は、一対の切替位置EP1の左右外側の範囲には形成されておらず(図16参照)、一対の切替位置EP1の左右中央側の範囲において前側に空間を空けるよう上昇傾斜する板状に形成される上面部163fを備えている。
上面部163fは、下面部163aの位置が高くなることで一対の切替位置EP1の間の範囲において球が詰まる可能性を低くするための工夫であり、上面部163fにより、球を配置する空間の上下幅を確保することができる。
これにより、一対の切替位置EP1の間の範囲における球詰まりを防いだり、球が乗った状態で開閉板65bが閉鎖変位する場合に開閉板65bと受入部材163との間で球が噛み込むことを回避したりすることができる。
対称突設部161fは、左右に延びる方向が、第2流路構成部335の傾斜角度に沿う方向(水平を基準として5度傾斜する方向)とされ、第2流路構成部335を転動する球の全長における中心高さ位置で球と当接する位置(第2流路構成部335の床底から5.5mm高い位置)に配設される。
これにより、分岐箇所BP1の視認性を確保する目的から対称突設部161fの形成厚みを最小限とする場合において、球の中心高さから外れた位置で球が対称突設部161fに当接することで、球を持ち上げる方向の負荷や球を床に押し付ける方向の負荷が対称突設部161fから球に生じる場合に比較して、球の転動をスムーズにすることができる。
なお、分岐箇所BP1の視認性が低下することを許容するのであれば、対称突設部161fの厚みを球の全長程度の厚みで形成することで、球の中心高さから外れた位置で対称突設部161fが球に当接する事態を回避することができる。
次いで、スライド変位部材370及びその周辺構造について、改めて詳述する。図78は、中部材330、状態切替装置360、スライド変位部材370及び下部材380の上面図である。図78では、理解を容易とするために、中部材330が想像線で透明視され、中部材330の下側に配設されるスライド変位部材370が透けて見えている。
スライド変位部材370は、分岐箇所BP1において前後方向にスライド変位する部材であるが、その前端部は、前側位置(図78参照)においても対向配置される排出孔337の側面と当接せず、隙間が維持される。隙間は、球が確変検出センサSE11に入球することを阻害するのに十分に短い寸法の隙間として形成される。
これにより、球の確変検出センサSE11への入球を防止する目的を達成しながら、スライド変位部材370の前端部が排出孔337の側面との当接により削れたり、変形したりする事態を回避することができる。
また、スライド変位部材370の前端部、即ち、薄板部371の前端部は、左右外側へ向かう程に配置が後方にずれる態様で傾斜形成される。これにより、薄板部371の前端部と排出孔337の側面との間に球が挟まれて滞留することを回避し易くすることができる。
即ち、薄板部371の前端部と排出孔337の側面との間に球が挟まれた場合であっても、薄板部371の前端部が傾斜面として形成されていることから、球に対して生じる負荷は左右外側へ向けた方向成分を有するので、球を左右外側に押し出すことができる。これにより、球詰まりを抑制することができる。
次いで、図79を参照して、スライド変位部材370の変位の案内についての工夫を説明する。スライド変位部材370の配置によって遊技者の利益が変わり得るので、スライド変位部材370の変位には、再現性(安定性)と、スムーズさと、が要求される。
図79(a)は、図78のLXXIXa−LXXIXa線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図であり、図79(b)は、図78のLXXIXb−LXXIXb線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図であり、図79(c)は、図78のLXXIXc−LXXIXc線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図である。なお、図79の説明においては、図13及び図14を適宜参照する。
図79(a)に示すように、上突設部376の正面側における薄板部371の上側面は左右外側ほど下側に位置する傾斜面として形成されており、この傾斜に沿って球が流れ得る。本実施形態では、この傾斜面を転動する球の流れを安定させるために、傾斜面の傾斜が変化するようなスライド変位部材370の姿勢変化を抑制するよう構成されている。
即ち、図79(a)に示すように、スライド変位部材370の薄板部371は、左右両端部だけでなく、下突条部373が下部材380の板状部382に当接支持される。これにより、凹設部372で左右に分けられる一対の球案内部371bのそれぞれを左右両側で下支えする(両持ちで支持する)ことができるので、スライド変位部材370の姿勢変化を抑制することができる。
換言すれば、左右一対の球案内部371bに球から与えられる負荷が異なる場合であっても(球がバランス悪い個数で乗ったとしても)、各球案内部371bについて左右両端部で下支えされていることから、球案内部371b及びスライド変位部材370の左右への傾き(前後方向に延びる軸を中心とした回動方向の変位)を抑制することができる。
また、凹設部372の縁部は、上側に仕切り板部338が配設されていることにより、上方への変位が規制される。即ち、スライド変位部材370の浮き上がり動作や、後傾方向の傾斜変位を抑制することができる。
これにより、スライド変位部材370の姿勢を適正な状態に維持し易くなり、前後方向変位の変位抵抗を抑制することができ、スライド変位部材370の動作不良を防止することができる。
球案内部371bは、上突設部376の突設基端側において前側に張り出し形成される板状部であって、球が転動可能とされる上側面が左右外側へ向かう程に下がる傾斜面として形成される。
球案内部371bと突条部383との接触は、点接触となるように構成されている。即ち、本実施形態では、凹設部372から突条部383側へ一対の半球状突設部372aが突設されており、間隔が埋まる際には、半球状突設部372aと突条部383とが点接触するよう構成される。
ここで、上述したように、球案内部371bは球が転動し得る上側面が左右方向に傾斜する傾斜面として形成されているので、球の自重により球案内部371bにかけられる負荷は、上下方向成分と左右方向成分とに分解されることになり、左右方向成分によりスライド変位部材370は左右方向(スライド変位部材370の変位方向である前後方向と交差する方向)に変位し得る。
この時、スライド変位部材370の凹設部372と突条部383との左右方向隙間を小さくした方が球案内部371bの左右位置が安定し易く好ましい一方で、接触摩擦が生じ易くなることから、機能上の問題が生じる可能性がある。
例えば、球が球案内部371bに乗った状態でスライド変位部材370を前後方向変位させる場合に、接触摩擦が過度に大きくなると前後方向変位が不良となる(例えば、変位が生じない)事態が発生する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、半球状突設部372aと突条部383との接触が点接触となるように構成されているので、摩擦力が生じる面積を低減することができ、接触摩擦を小さく抑えることができる。これにより、球が球案内部371bに乗った状態であっても、スライド変位部材370の前後方向変位を良好に実行することができる。
特に、球案内部371bに球が乗っている状態でのスライド変位部材370の前後方向変位は、確変検出センサSE11に球が入球し得ない状態から、確変検出センサSE11に球が入球可能な状態へ状態を切り替える変位動作であるので、この変位動作を良好に実行することで、遊技者が不利益を被ることを回避することができる。
尚且つ、この変位動作の変位速度を高速とすることで、スライド変位部材370の前後方向変位の時に球案内部371bに乗っている球の回転を変化させる作用を生じさせることができる。
図80(a)及び図80(b)は、スライド変位部材370と球案内部371bの上側面に乗る球との側面図である。図80(a)では、前側位置のスライド変位部材370に球が乗っている状態が図示され、図80(b)では、スライド変位部材370が後側位置に変位した状態が図示される。図80(a)及び図80(b)では、球の回転方向の例が矢印で図示される。
図80(a)に示すように、後方へ向けて転動しスライド変位部材370に到達した球の回転方向は前転方向である。その球がスライド変位部材370に乗っている状態でスライド変位部材370が後側位置へ前後変位するよう電磁ソレノイド361(図13参照)が駆動されると、スライド変位部材370から球に与えられる負荷は、球の回転方向(案内方向)を逆方向(後転方向)とするように作用する。
これにより、球の回転を抑制することができるので、重力の作用を球が受けやすい状態とすることができ、球を真下に落下させ易くなる。従って、スライド変位部材370に球が乗っている状態でスライド変位部材370が駆動された場合に、球が確変検出センサSE11に流下し易い構成とすることができる。
前後長突設部317は、分岐箇所BP1へ到達した球をスライド変位部材370側へ案内する機能を有する。換言すれば、前後長突設部317は、確変検出センサSE11へ球を案内する機能に留まるものではなく、確変検出センサSE11の上流側に配置されるスライド変位部材370の配置によらず球を適切に案内可能な形状部として構成される。
スライド変位部材370が後側位置に配置されている場合には、経路構成上、前後長突設部317に当接した球は確変検出センサSE11を通過する。このとき、前後長突設部317の端部の曲線が、上下方向幅に比較して前後方向幅が長い略円弧形状とされるので(図18参照)、当接した球に対して、前方向成分よりも下方向成分の方が大となる負荷を与えることになる。これにより、前後長突設部317に当接した球が前後方向に跳ね返り、第3流路構成部336を逆流する事態が生じることを回避することができる。
一方、スライド変位部材370が前側位置に配置されている場合には、球の流下方向はスライド変位部材370の形状に委ねられる。本実施形態では、スライド変位部材370の上突設部376の前側面376aが左右外側へ向かって湾曲する湾曲面を形成しているので、球はこの湾曲に沿って左右外側へ案内される。
ここで、スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態において、前後方向に流れる球が勢いのままにスライド変位部材370に衝突すると、その衝突時の負荷によりスライド変位部材370が後方に押しのけられ、確変検出センサSE11への球の通過が可能な状態に切り替わる可能性が考えられる。
これに対し、本実施形態では、球がスライド変位部材370の上突設部376に衝突する前に前後長突設部317に当接することで、球の速度方向が下方寄りに修正される。そのため、球からの負荷によるスライド変位部材370の変位方向は主に下方向となるので、スライド変位部材370が後方に押しのけられる事態の発生を回避し易くすることができる。
また、球から与えられる、スライド変位部材370を後方に変位させる方向の負荷が小さくなることから、スライド変位部材370を前側位置に維持するための付勢力(電磁ソレノイド361(図13参照)が有する戻りバネの付勢力)を小さくできると共に、その付勢力に抗してプランジャーを駆動する電磁力を小さくすることができるので、結果として、電磁ソレノイド361の設計自由度を向上することができる。
分岐箇所BP1に球が配置されている状態でスライド変位部材370が後側位置から前側位置に変位した場合にも、球の逆流が生じることを回避し易くすることができる。
左右内突設部318は上突設部376の前側変位終端位置よりも前側において球と当接し、球の勢いが左右外側下方向へ向けられる。尚且つ、前後長突設部317により球の勢いが下方向へ向けられる。これにより、球の前後方向の速度が収まるので、自重による慣性で配置が安定し、スライド変位部材370から与えられる負荷程度では球の逆流が生じ難い状態とすることができる。
更に、球と上突設部376との当接は前後長突設部317と当接する高さ位置よりも球が下がった状態で生じるが、球が上突設部376と当接可能な程度に下がった状態では(図80(a)参照)、球と当接する箇所は球案内部371bであり、第3流路構成部336の下底面336aのよりも低い位置に配置される。これにより、上突設部376から前後方向の負荷を受けて球が手前側に変位したとしても、球案内部371bの上側面から下底面336aに乗り上がるために相当のエネルギーを必要とするので、球の逆流の程度を低くすることができる。
また、上突設部376は仕切り板部338側の前側端部が鋭角形状に形成されており、平面が球と前後方向で正面衝突する衝突態様ではない(図78参照)。即ち、上突設部376から球に対して与えられる負荷は、左右方向の負荷が大きく、前後方向の負荷は小さい。
これにより、上突設部376に当接した球を左右外側方向にスムーズに流すことができるので、分岐箇所BP1に球が配置された状態でスライド変位部材370が後側位置から前側位置に変位する制御態様とした場合に、上突設部376と排出孔337の前側面との間に球が噛み込んでしまい動作不良を生じる事態を回避し易くすることができる。
図78、図79(b)及び図79(c)に戻って説明する。スライド変位部材370を分岐箇所BP1側(前側)に張り出すよう構成している関係上、球案内部371bに乗った球の自重によりスライド変位部材370が前倒れ方向に変位する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、上突設部376よりも後側に形成される部分、即ち、上下突条部374が左右両側において前後に亘って形成される部分の、前後幅長さを十分に確保し、その前後幅に亘って後側枠状部332の下底部と当接可能に構成されている。これにより、スライド変位部材370の前傾方向に傾倒変位を防止することができる。
加えて、上下突条部374が前後に長く形成されていることから、スライド変位部材370を前傾方向に傾倒変位させる負荷がかけられた場合に後側枠状部332に与えられる負荷が一点に集中することを避けることができる。これにより、スライド変位部材370の変形を抑制(剛性を高める)することができる。
また、球案内部371bに球が乗り得る前側位置にスライド変位部材370が配置された状態では、凹設部378が形成される突設部(以下、突設部378aとも称する)の前側面が仕切り板部338の後側面と当接する。
換言すれば、スライド変位部材370は、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に当接する位置として前側位置が設定されている。この目的から、仕切り板部338の後側面には光拡散加工面が形成されず、突設部378aと前後で対向配置され互いに当接可能とされる面が平坦面で形成される。これにより、前側位置におけるスライド変位部材370の配置を安定させることができる。
回動部363の下円柱部363cは凹設部378の内側に配置されているので、下円柱部363cを介して伝達される電磁ソレノイド361の駆動力は、突設部378aの前側肉部を介して仕切り板部338の後側面にかけられる。
このように、駆動力が伝達される位置がスライド変位部材370の左右中央部であることから、スライド変位部材370にバランスよく駆動力を伝達することができる。即ち、前後方向変位時に、スライド変位部材370に上下方向軸を中心とする回転方向の姿勢ずれが生じることを回避し易くすることができる。
更に、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面で押し付けられることにより、スライド変位部材370の姿勢を、上下方向軸を中心とする回転方向で修正し易くすることができる。
ここで、スライド変位部材370の姿勢維持や姿勢復帰を仕切り板部338と半球状突設部372aとの当接により実行する場合、仕切り板部338と半球状突設部372aとの当接面積が小さいことから、負荷が局所的にかかってしまい、半球状突設部372aの耐久性が劣化する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面で押し付けられる前段階において、スライド変位部材370に上下方向軸を中心とする回転方向の姿勢ずれが生じていたとしても、駆動力の伝達により、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面接触する過程でスライド変位部材370の姿勢ずれを解消することができ、適正な姿勢に修正することができる。
突設部378aに対する仕切り板部338は、前後方向変位時に当接することでスライド変位部材370の位置合わせをする目的の他、スライド変位部材370に与えられる前傾方向の負荷を受ける部分としての機能を有する。
即ち、スライド変位部材370が前側位置に配置される状態において、球案内部371bに乗った球の自重により、スライド変位部材370を前傾方向に姿勢変化させる方向の負荷が生じた場合において、スライド変位部材370に許容される隙間内で突設部378aが変位(前傾方向に変位)しかけると、突設部378aは仕切り板部338の後側面に押し付けられる。
この場合、仕切り板部338の後側面から突設部378aに対して反対方向の抵抗がかけられることで、突設部378aの変位が抑制されることから、スライド変位部材370の姿勢変化を抑制することができる。
次いで、各動作ユニット600,700,800の詳細について説明が不足していた部分について、改めて説明する。まず、第1動作ユニット600の詳細の説明として、回動部材620について説明する。
図81(a)は、回動部材620の正面図であり、図81(b)は、回動部材620の背面図であり、図81(c)は、図81(a)の矢印LXXXIc方向視における回動部材620の側面図である。
また、図82は、第1動作ユニット600の正面図であり、図83は、第1動作ユニット600の背面図である。図82及び図83では、案内長孔616に沿って変位する皿状蓋部C2が変位範囲の右端に配置された状態が図示される。
図81(a)から図81(c)に示すように、動作の実行の際に回動部材620に与えられる負荷との関係から、回動部材620は非対称形状で設計されている。以下、回動部材620の詳細と、回動部材620への作用とについて説明する。
回動部材620の本体部621は、停止時に負荷を受ける平らな側面として、第1側面621aと、第2側面621bと、第3側面621cと、を備える。筒状部622から近い順に、第1側面621a、第2側面621b、第3側面621cが形成されている。
第1側面621aは、回動部材620の傾倒変位側に形成される側面であって、前蓋部材612から正面側に断面コ字状で突設される基端側突設部617aに面で当接可能となる形状で形成される(基端側突設部617aとの関係で形状が設計される)。第1側面621aが基端側突設部617aに変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図45参照)。
第2側面621bは、回動部材620の起き上がり変位側に形成される側面であって、前蓋部材612から正面側に断面コ字状で突設される先端側突設部617bに面で当接可能となる形状で形成される(先端側突設部617bとの関係で形状が設計される)。第2側面621bが先端側突設部617bに変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図40参照)。
第3側面621cは、回動部材620の起き上がり変位側に形成される側面であって、前蓋部材612の正面側に外形略矩形の箱状に形成される矩形状箱部618に面で当接可能となる形状で形成される(矩形状箱部618との関係で形状が設計される)。第3側面621cが矩形状箱部618に変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図40参照)。
このように、回動部材620の変位終端では、回動部材620の各側面621a〜621cが、対応した前蓋部材612の部分に当接し、変位を規制される。特に、回動部材620の起き上がり側の変位終端において当接箇所が複数形成されている。
このように当接箇所を複数形成させることの目的として、当接時に受ける回動方向の負荷を複数箇所で分散させる目的と、回動部材620に生じ得る前後方向の負荷を複数箇所で分散させることで回動部材620の前後方向の変形を抑える目的と、がある。
回動部材620に生じ得る前後方向の負荷としては、例えば、第2装飾回転部材660の重みを受けることによる前倒れ方向の負荷や、第2装飾回転部材660の回転停止時の慣性による捻じれ方向の負荷(回動部材620の長手方向を軸とする回転方向の負荷)等が例示される。
特に、前倒れ方向の負荷は、筒状部622を支点とする前傾方向の負荷であるので、力のモーメントを考慮することにより、負荷を受ける当接位置が筒状部622から離れるほど、当接位置に生じる負荷は小さくなる。当接位置に生じる負荷を小さくすることを一つの目的として、第2側面621b及び第3側面621cが筒状部622から離れた位置に形成されている。
回動部材620の本体部621は、駆動モータ631との干渉を避けるために駆動モータ631から退避する方向に凹設形成される凹設部621dと、その凹設部621dを含む範囲であって、筒状部622を中心とする回動部分として基端側突設部617aと当接する範囲を含んで増厚形成される増厚部621eと、を備える。
回動部材620の回動基端側は、凹設部621dが形成されることで細幅となっているので、対策なしでは衝撃負荷による折損が生じる可能性が考えられるが、増厚部621eが形成されていることで、強度面での凹設部621dの影響を相殺することができる。これにより、回動部材620の折損を回避し易くすることができる。
更に、増厚部621eが基端側突設部617aと当接し得る箇所を含む範囲に形成されていることで、回動部材620と基端側突設部617aとの間で生じ得る衝撃負荷に対する回動部材620の耐久性を向上することができる。
図84は、第1動作ユニット600の正面図であり、図85は、第1動作ユニット600の背面図である。図84及び図85では、伝達ギアカム634の延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態が図示される。
延設部634bは、検出センサKS1の背面視での幅長さに比較して、3倍以上に長い幅長さ(周方向長さ)で形成される。ここで、延設部634bの幅長さを十分長く形成することは、検出に利用する目的の他に、構造的な目的がある。
即ち、本実施形態では、回動部材620の回動先端部の前側に被支持部材640が連結されており、その被支持部材640の前側に第2装飾回転部材660が配設されているので、回動部材620に前倒れ方向の負荷が与えられ得るところ、対策なしでは、回動部材620が前後方向に撓み変形し、動作不良を生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、回動部材620に連結される円筒部634aの背後において、被固定手段610の背面と対向配置する延設部634bを幅広形状で形成することで、円筒部634aを介して延設部634bから被固定手段610に、回動部材620の前倒れ方向で与えられる負荷を、円弧状孔613dの広い角度範囲で受けることができる(負荷が生じる面積を大きく確保することができる)。これにより、単位面積当たりで受ける負荷を低減することができるので、延設部634bが破損することを回避しつつ、回動部材620の前傾変位を抑制することができる。
本実施形態では、延設部634bの幅長さを長く確保することで構造的に有利な効果を奏することができる一方で、延設部634bの端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図84参照)で回動部材620の起き上がり方向の駆動を停止させる制御態様であっても、慣性等の負荷により、回動部材620が初期位置側の終端位置(図40参照)まで到達するように構造が工夫されている。
例えば、第1に、各部材の慣性力が、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向で生じる。回動部材620自体の回動変位に伴う慣性力だけでなく、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が軸線O1を中心として背面視時計回りに回動される回動変位に伴う慣性力も、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向(回動部材620を背面視反時計回りに回動させる方向)で生じる。
例えば、第2に、中間ギア644を介して回動部材620のギア歯部625と歯車機構を構成するギア歯654aと一体動作するように配設される前側回転部材652の重心(本実施形態では、張出装飾部652bの中心と同じ)は、ギア歯654aの回転軸としての軸線O1の上下位置から左右に離れた位置に配置される。
そのため、前側回転部材652に生じる自重は、ギア歯654aを回転させる方向で生じる。本実施形態では、ギア歯654aが、前側回転部材652の自重により、背面視反時計回りに回転する方向に負荷を受ける。
この負荷が中間ギア644、ギア歯部625と順に伝達されることにより、ギア歯部625を介して、回動部材620に背面視反時計回りに回転する方向の負荷が与えられる。即ち、回動部材620の回動変位の慣性とは異なる負荷として、前側回転部材652の自重による回転方向の負荷が、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向で生じる。
このように、回動部材620に対して生じる慣性負荷や、前側回転部材652の自重による回転方向の負荷により、駆動モータ631の通電を切断した後においても回動部材620を回動させる負荷が生じるよう構成される。
そのため、図85に示すような、延設部634bが検出センサKS1の検出溝に配置されており、且つ、回動部材620が変位終端位置に到達していない状態で、駆動モータ631の通電を切断するように制御したとしても、上述の負荷により回動部材620の回動変位が継続され、回動部材620を初期位置側の変位終端位置(図40参照)に到達させることができる。
図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)及び図88は、案内長孔616、皿状蓋部C2、検出センサKS1及び伝達ギアカム634の延設部634bの背面図である。
図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)及び図88では、第1動作ユニット600の演出待機状態から開始される伝達ギアカム634の回転動作が時系列で図示される。
なお、図86(a)は、第1動作ユニット600の演出待機状態に対応し、図86(b)は、図85に図示される状態に対応し、図87(a)は、第1動作ユニット600の中間演出状態に対応し、図87(b)は、図83に図示される状態に対応し、図88は、第1動作ユニット600の張出状態に対応する。
皿状蓋部C2の開口C2aを通る電気配線の配置について説明する。矩形状箱部618に収容される基板に配設されているコネクタ618cに端部が固定される電気配線618dが開口C2aを通り第2装飾回転部材660に進入するように配設される。
電気配線618dは、ベース部材611(図39参照)へ向けて前蓋部材612から突設形成される仕切り部619の下側を迂回し、開口C2aに進入するように配設される。電気配線618bは、開口C2aを備える皿状蓋部C2の移動軌跡を考慮した長さで構成され、コネクタ618cと開口C2aとの間で、自重で撓むようにして配置される。
仕切り部619は、上下両端部に形成される柱状部619aと、その柱状部619aの間を連結するように長尺板状に突設される板状部619bと、を備える。柱状部619a及び板上部619bは、ベース部材611の前側面に当接する。
柱状部619aの内側には雌ネジが形成されており、柱状部619aと対応する配置でベース部材611に穿設される開口を通る締結ネジが螺入されることで、ベース部材611及び前蓋部材612が締結固定される。即ち、仕切り部619により、電気配線618dの配設位置を制限する作用だけでなく、ベース部材611及び前蓋部材612の剛性を確保する作用も生じさせることができる。
次いで、特に開口C2aの動きに注目して、電気配線618dの配置に対する工夫について説明する。まず、図86(a)から開始される皿状蓋部C2の下降変位に着目して説明する。皿状蓋部C2は、図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)、図88の時系列で下降変位する。
演出待機状態(図86(a)参照)から、延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図86(b)参照)までの動作では、皿状蓋部C2の上下配置は大きくは変わらない一方で、開口C2aの配置が背面視反時計回りに回転変位する。
これにより、皿状蓋部C2が本格的な下降変位を開始する前に、開口C2a付近の電気配線618dの配置を仕切り部619から離れる方向に寄せることができ、皿状蓋部C2が下降変位する過程で電気配線618dが皿状蓋部C2と仕切り部619との間に挟まることを防止することができる。
特に、皿状蓋部C2と仕切り部619とが最接近するタイミング(図87(b)参照)では、開口C2aは仕切り部619から電気配線618dを退避させる側(下側)を向く姿勢となっている。
これにより、電気配線618dを仕切り部619との間で挟む事態を回避することができるので、皿状蓋部C2を、仕切り部619に近接配置させるよう設計しても、電気配線618dが断線する等の不具合が生じることを回避することができる。
図86(a)から図88に示すように、皿状蓋部C2の下降変位中に、開口C2aの姿勢は、背面視反時計回りに継続的に回転変位している。皿状蓋部C2の下側変位終端では、開口C2aがコネクタ618cの反対側(下側)を向いており、敢えて電気配線618dに下向きの弛みが生じるように構成している。これにより、電気配線618d自体の長さを確保しながら、変位終端位置における電気配線の不要な弛み(例えば、前後方向へ弛むことによるばたつき)を回避することができる。
更に、電気配線618dの長さは、第1動作ユニット600の動作中において延設部634bと当接しない程度の長さで設計される。これにより、延設部634bと電気配線618dとの間に仕切りを設けなくとも、電気配線618dが延設部634bに接触し負荷を受ける事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、皿状蓋部C2が伝達ギアカム634に最接近する状態(図88参照)において、延設部634bは、コネクタ618cから離れて配置(伝達ギアカム634の回転軸を基準としてコネクタ618cの反対側に配置)されることから、延設部634bとの接触を避けながら電気配線618dを配置する範囲を大きく確保することができるので、電気配線618dの長さの設計自由度を向上することができる。
次いで、図88から開始される皿状蓋部C2の上昇変位に着目して説明する。皿状蓋部C2は、図88、図87(b)、図87(a)、図86(b)、図86(a)の時系列で上昇変位する。
皿状蓋部C2の上昇変位では、変位下端位置(図88参照)から、皿状蓋部C2が仕切り部619に最接近するまで、開口C2aは仕切り部619側を向くことは無く、下側を向いている。これにより、電気配線618dの下方への弛みを確保しつつ皿状蓋部C2を上昇変位させることができる。
開口C2aの向きは、皿状蓋部C2が仕切り部619の下端を通過した後においても、徐々に回転しながらも、下側を向いた状態(開口C2a付近の電気配線618dを仕切り部619の長手方向に沿って配置させる状態)が維持される(図87(a)参照)。
そして、皿状蓋部C2が仕切り部619から十分離れた状態において、開口C2aが仕切り部619側を向く姿勢まで回転され(図86(a)及び図86(b)参照)、電気配線618dが仕切り部619と皿状蓋部C2との間に進入する(収容される)ように配置される。
これにより、電気配線618dを皿状蓋部C2と仕切り部619との間に挟むことにより断線を生じさせる事態の発生を回避することができ、皿状蓋部C2の上下変位に伴い電気配線618dに与えられる負荷の抑制を図ることができる。
換言すれば、仕切り部619と皿状蓋部C2との配置関係に対応して、開口C2aの配置を変化させることで電気配線618dの配置を制限し、皿状蓋部C2と仕切り部619との間隔が狭くなる時に電気配線618dが皿状蓋部C2と仕切り部619との間に配置されることを回避していることから、電気配線618dに与えられる負荷の抑制を図ることができる。
従って、電気配線618dが任意位置で配置される場合に比較して、電気配線618d及び皿状蓋部C2を近接配置するよう設計することができるので、電気配線618d及び皿状蓋部C2の配置の自由度を向上することができる。
また、電気配線618dの配置の制限を結束バンド等の別部材を利用してではなく、皿状蓋部C2の開口C2aにより実現している。皿状蓋部C2は、上述したように、第1装飾回転部材650の本体部材651との締結固定に利用される部材であるが、これを電気配線618dの配置制限に兼用している。
これにより、結束バンド等の電気配線618dを束ねるのに専用の部材を不要とすることができる。更に、結束バンドと異なり、皿状蓋部C2の配置に対応した適切な側に電気配線618dを配置できるように開口C2aの向きを変えることができるので、電気配線618dが突っ張ったり、屈曲したりする事態を回避し易くすることができる。
本実施形態では、開口C2aは、中心角度が約110の扇形状の開口として形成される。開口C2aが幅広の開口として形成されているので、開口C2aを通過させる電気配線618dの部分(接続端子等)として採用される形状の自由度を向上することができる。
次いで、開口C2aよりも正面側に配置される電気配線618dの配設構造について説明する。図89は、第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660の正面斜視図である。
図89では、説明に必要な部分のみが図示され、その他の部分の図示が省略されている。即ち、第1装飾回転部材650の本体部材651及び配線受部材655、第2装飾回転部材660の電飾基板662及び配線留め板663が実線で図示されており、理解を容易とするために箱状部材661を想像線で図示し内部を視認可能としている。
また、図89では、電気配線618dの配設例が図示され、その電気配線618dが挿通される開口C2aを備える皿状蓋部C2が図示される。電気配線618dは、電飾基板653(図41参照)の端子に接続される配線と、電飾基板662の端子に接続される配線と、が本体部材651と配線受部材655との間で分岐する様子が図示される。
図89に示すように、配線留め板663は、半筒形状部651d,655aの外径よりも大きな直径の円板状部材であって、電気配線618dを挿通可能な長孔形状で穿設される配線挿通長孔663aと、その挿通長孔663aの両側に締結ネジを挿通可能な貫通孔として穿設される一対の挿通孔663bと、を備える。
配線留め板663の直径が半筒形状部651d,655aの外径よりも大きく形成されていることから、軸直角回転部材657(図39参照)が半筒形状部651d,655aから脱落することを配線留め板663により防止することができる。
配線留め板663の挿通孔663bを通る締結ネジは、半筒形状部651d,655aにそれぞれ形成される雌ネジに螺入される。これにより、配線留め板663及び半筒形状部651d,655aが一体的に固定される。
このように、配線留め板663は、軸直角回転部材657の脱落を防止する機能と、半筒形状部651d,655aを一体的に固定する機能と、を兼ね備えている。これに加えて、配線留め板663は、電気配線618dを仮留めする機能を備えている。
図89に示すように、電気配線618dは、配線留め板663の配線挿通長孔663aの内側を通り、挟まれることで変位が抑制される態様で仮保持されている。本実施形態では、第2装飾回転部材660の回転動作が、1回転以上の動作では無く、半回転未満の回転動作(約135度の回転動作)が往復方向に実行される回転動作とされるので、第2装飾回転部材660が複数回回転して電気配線618dが捻じ切られるという事態が生じることは無いように構成される。
第2装飾回転部材660が回転動作する際に電気配線618dに与えられる負荷(捻じれ方向の負荷)は、捻じれが生じ易い配線挿通長孔663a付近において大きくなると考えられるが、本実施形態では、配線挿通長孔663aが長孔状に形成され、電気配線618dは配線挿通長孔663aに挟まれて仮保持される態様とされるので、長孔形状内における電気配線618dの変位は許容されている。
そのため、電気配線618dに捻じれ方向の過負荷が生じたとしても、電気配線618dを配線挿通長孔663a内で変位させることで、負荷を逃がすことができる。これにより、電気配線618dの耐久性を向上することができる。
本体部材651の内部に配置される電気配線618dの捻じれ方向と、皿状蓋部C2の開口C2aの方向との関係について説明する。図86(a)から図88に示す皿状蓋部C2の回転動作と一体的に本体部材651は回転動作するので、本体部材651の内部に配置される電気配線618dには、本体部材651の回転方向の捻じれが生じる。即ち、回動部材620の傾倒方向の回動変位に伴って、背面視反時計回り方向の捻じれが生じる。
回動部材620の傾倒方向の回動変位に伴い、皿状蓋部C2の開口C2aも背面視反時計回りに変位するので、捻じれによって電気配線618dに与えられる負荷を低減することができる(電気配線618dの耐久性を向上させることができる)。
皿状蓋部C2は、案内長孔616に沿って上下方向に変位しながら回転動作している。ここで、図86(a)から図88までの時系列で、電気配線618dは、コネクタ618cと皿状蓋部C2との間における弛みが大きな状態から弛みが小さな状態へ変化する。
これに対応して、電飾基板662の回転動作は、電気配線618dの電飾基板662側の端子が背面側(本体部材651側)に配置される状態(図89参照)から、同端子が正面側(配線受部材655側)に配置される状態へ状態変化する動作として構成される。従って、電気配線618dを正面側に引っ張る態様の状態変化とすることができる。
即ち、図86(a)から図88までの時系列で、電気配線618dは、本体部材651内部における電気配線618dの弛みが大きな状態(電飾基板662側の端子が背面側に配置される状態)から弛みが小さな状態(電飾基板662側の端子が正面側に配置される状態)に状態が変化する。
従って、本実施形態では、弛みの大小関係が、コネクタ618cと皿状蓋部C2との間における関係と、本体部材651内部における関係とで、反転している(バランスしている)。これにより、第1動作ユニット600の動作に伴って電気配線618dに加えられる負荷を低減することができる。
本体部材651の内部に配置される部分の電気配線618dの捻じれ方向と、本体部材651と配線受部材655との間に配置される部分の電気配線618dの捻じれ方向と、の関係について説明する。
図86(a)から図88に示す時系列の動作において、本体部材651の内部に配置される電気配線618dは背面視反時計回りに捻じれる一方で、本体部材651と配線受部材655との間に配置される部分の電気配線618dは電飾基板662の回転方向(図89における下面視(電飾基板662側から挿通孔663bを見る方向視)で反時計回り)で捻じれる。即ち、互いに反対方向に捻じれる。
本実施形態では、第1動作ユニット600の演出待機状態における電気配線618dの捻じれを最小化するように設計しており、張出状態において、電気配線618dの捻じれが最大となるようにしている。
これにより、コネクタ618cと開口C2aとの間における電気配線618dの弛みが大きくても問題が生じ難い状態(演出待機状態、図86(a)を参照)においては敢えて弛ませて、電気配線618dに生じる負荷を低減する一方、コネクタ618cと開口C2aとの間における電気配線618dの弛みを小さくすることが好ましい状態(張出状態、図88参照)においては、本体部材651、配線受部材655及び電飾基板662の回転動作による捻じれを最大に生じさせ電気配線618dの弛みを抑制する(電気配線618dの変位を抑制する)ことができる。
このように、電気配線618dの耐久性向上の手段として、捻じれを最小とし、十分な弛みを生じさせる状態と、捻じれにより弛みを低減して周囲部材(例えば、延設部634b)と電気配線618dとの接触を回避する状態と、を切り替えるように構成される。
なお、別の実施形態として、図86(a)から図88に示す時系列の動作において、電飾基板662の回転方向を逆方向(図89における下面視(電飾基板662側から挿通孔663bを見る方向視)で時計回り)で構成しても良い。この場合、本体部材651の内部に配置される電気配線618dの捻じれ方向と、電飾基板662の回転動作による電気配線618dの捻じれ方向とが、同方向になるので、電気配線618dの捻じれ変形を相殺することができる。
次いで、第1動作ユニット600の動作における、張出装飾部652bの特徴について説明する。図90(a)、図90(b)、図91(a)、図91(b)及び図92は、案内長孔616、矩形状箱部618及び張出装飾部652bを模式的に示す正面模式図である。
図90(a)、図90(b)、図91(a)、図91(b)及び図92では、案内長孔616及び矩形状箱部618の外形が模式的に図示され、理解を容易とするために前側回転部材652のギア歯652aの図示が省略された状態で、第1動作ユニット600の演出待機状態からの張出装飾部652bの変位が時系列で図示される。
図90(a)では、第1動作ユニット600の演出待機状態(図40参照)に相当する配置が図示され、図90(b)では、伝達ギアカム634の延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図84参照)に相当する配置が図示され、図91(a)では、第1動作ユニット600の中間演出状態(図43参照)に相当する配置が図示され、図91(b)では、案内長孔616に沿って変位する皿状蓋部C2が変位範囲の右端に配置された状態(図82参照)に相当する配置が図示され、図92では、第1動作ユニット600の張出状態(図45参照)に相当する配置が図示される。
演出待機状態(図90(a)参照)では、張出装飾部652bが上面視で矩形状箱部618と重なる程度に右に寄せて配置されている。これにより、張出装飾部652bを遊技者の視界の外側に配置することができる(図28参照)。更に、本実施形態では、演出待機状態において張出装飾部652bは外縁部材73(図2参照)の後方に配置されることで、外縁部材73により視線が遮られ易いので、張出装飾部652bの視認性を下げることができる。
一方で、張出装飾部652bが上面視で矩形状箱部618と重なる程度に右に寄せて配置されている状態のまま張出装飾部652bが下降変位する場合、張出装飾部652bと矩形状箱部618とは衝突してしまい不具合を生じることになる。
これに対し、本実施形態では、張出装飾部652bの下降変位に先立ち、又は、張出装飾部652bの下降変位に伴って、張出装飾部652bの姿勢が変化するように構成される(図90(b)及び図91(a)参照)。この姿勢変化は、矩形状箱部618から退避する方向(正面視斜め左上方向、軸線O1を中心とした回転方向)への回転動作として生じるので、張出装飾部652bと矩形状箱部618との衝突を避け易くすることができる。
本実施形態では、この姿勢変化により、張出装飾部652bが矩形状箱部618の上方位置から退避した後で(図91(a)参照)、本格的な皿状蓋部C2及び張出装飾部652bの下降変位が開始される。
張出装飾部652bの下降変位は、軸線O1の下降変位に伴って生じるところ、下降変位においては、案内長孔616の形状に沿って軸線O1が矩形状箱部618に接近する方向(右方)に変位するため(図91(b)参照)、張出装飾部652bが矩形状箱部618に衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、矩形状箱部618が、左側面に、案内長孔616の形状に沿って凹設形成される凹設部618aを備えている。特に、凹設部618aは、案内長孔616と矩形状箱部618が最も接近する箇所、即ち、案内長孔616の右端部の右方位置に凹設形成されている。このように、矩形状箱部618の形状の設計は、前側回転部材652と矩形状箱部618との衝突を避けることを一つの目的として検討される。
更に、軸線O1の下降変位に伴って、張出装飾部652bの姿勢変化が継続されるので、張出装飾部652bを矩形状箱部618から退避する方向に変位させることができる。本実施形態では、図91(a)から図91(b)への変位において、張出装飾部652bの左方向への変位寸法XL1(退避距離)が、軸線O1の右方向への変位寸法XR1以上(同等または超過)となるように、設計されている。これにより、張出装飾部652bと矩形状箱部618との衝突を避けることができる。
図91(a)から図91(b)までに示す状態では、軸線O1の左右方向変位と、張出装飾部652bの姿勢変化に伴う左右方向変位とが左右反対方向とされ、相殺するので、張出装飾部652bの左右方向変位が小さく抑えられていた。
これに対し、図91(b)から図92までに示す状態では、軸線O1の左右方向変位と、張出装飾部652bの姿勢変化に伴う左右方向変位とが左右同方向とされるので、変位が重ね合わされることにより、張出装飾部652bの左右方向変位量が大きくなる。
これにより、張出装飾部652bの姿勢変化としては常に軸線O1を中心とする回転動作が行われているにも関わらず、遊技者には、張出装飾部652bが、図90(a)から図91(b)までは小さな左右方向変位(細幅の変位軌跡)で上下方向に変位し、図91(b)から図92までは、左右方向に大きく変位するように案内されているように見せることができる。
従って、張出装飾部652bの変位を案内する構造(部材形状)と、遊技者が見る張出装飾部652bの変位により想定される構造と、の間に差を設けることができる。これにより、意外性のある演出を実行することができる。
即ち、張出装飾部652bの変位は、あたかも張出装飾部652bが矩形状箱部618の右側から左方へ飛び出すような変位として、遊技者に見せることができる。そのため、センターフレーム86(図30参照)の左右という、幅が狭く左右方向の変位が十分に確保できないであろう範囲において、左右方向に飛び出すという意外性のある変位を遊技者に見せることができることから、張出装飾部652bへの注目力を向上させることができる。
なお、便宜上、軸線O1の左右変位と張出装飾部652bの左右変位とを比較したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、軸線O1は第1動作ユニット600の構成の一部の回転軸なので、この回転軸を中心として回転動作可能に構成される皿状蓋部C2の左右変位と、軸線O1の左右変位との意味は同じである。そのため、上述の説明を、皿状蓋部C2の左右変位と張出装飾部652bの左右変位との比較として理解しても良い。
図93は、図85のXCIII−XCIII線における第1動作ユニット600の断面図である。図93では、軸線O1と中間ギア644の回転軸とが通る平面における断面図が図示される。図93に示すように、後側回転部材654は有底筒状部645に正面側から配置される一方、中間ギア644は本体部641に背面側から配置され、開口645aが形成され連通される箇所でギア歯654aと中間ギア644とが歯合している。
図93に示すように、配線留め板663の直径が、半筒形状部651d,655aの外径よりも大きく形成されており、軸直角回転部材657の内径が配線留め板663の直径よりも小さくされていることから、配線留め板663により軸直角回転部材657の軸方向の変位を規制することができる。
本実施形態では、軸方向基端側(図93上側)において半筒形状部651d,655aに形成される段部と、配線留め板663と、の間に軸直角回転部材657が若干の隙間を空けて配置されている。これにより、軸直角回転部材657の脱落防止と、半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部の中心軸方向における軸直角回転部材657の配置の安定化を図ることができる。
配線留め板663の挿通孔663bを通る締結ネジは、半筒形状部651d,655aにそれぞれ形成される雌ネジに螺入される。これにより、配線留め板663及び半筒形状部651d,655aが一体的に固定される。
図93に示すように、張出装飾部652bの配置は、第2装飾回転部材660に比較して後側とされることから、第2装飾回転部材660に比較して第3図柄表示装置81(図2参照)と前後方向で近接配置される。換言すれば、第3図柄表示装置81が配置される開口511a(図26参照)に前後方向で近接配置される。
これにより、第3図柄表示装置81と張出装飾部652bとが離れて配置される場合に比較して、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1に重なるように張出装飾部652bが配置され(図29参照)、表示領域が右側に拡大されているように遊技者に見せる(錯覚させる)作用を生じさせ易くすることができる。
特に、張出装飾部652bと第2装飾回転部材660とを同時に視認する場合(例えば、図29参照)には、第2装飾回転部材660が第3図柄表示装置81から手前側に離れて配置され、第3図柄表示装置の表示とは独立して視認し易いことから、逆に、第3図柄表示装置81に正面側から近接配置される張出装飾部652bを表示の一部として遊技者に見せる(錯覚させる)作用を際立たせることができる。
換言すれば、特に目立つ対象(第2装飾回転部材660に相当)を一つ用意することによって、それ以外の構成(第3図柄表示装置81の表示や、張出装飾部652bに相当)の判別度合いが低くなるように図っている。これにより、第3図柄表示装置81の表示と張出装飾部652bとを区別し難くすることができる。
張出装飾部652bは、硬質樹脂から形成される部分であって、途中で形状を変化させることはできないが、電飾基板653に配設されるLED等の発光手段の発光態様(色や明るさ等)を変化させるように制御することで、張出装飾部652bの見え方(色や明るさ等)を変化させることはできる。
そのため、第3図柄表示装置81の表示領域で表示される動画に合うように、電飾基板653に配設されるLED等の発光手段の発光態様を変化させることで、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1に重なるように張出装飾部652bが配置され(図29参照)、表示領域が右側に拡大されているように遊技者に見せる(錯覚させる)作用を生じさせ易くすることができる。
次いで、第2動作ユニット700の詳細の説明を改めて行う。図94は、張出状態における第2動作ユニット700の正面図であり、図95は、図94のXCV−XCV線における第2動作ユニット700の断面図である。
第2動作ユニット700では、上述のように、スライド変位において、昇降変位と前後方向変位とが同期して生じる(斜めに傾倒した前後方向にスライド変位する)ように構成されているところ、前後方向変位が過度に目立たないように、変位が滑らかに生じるように工夫されている。
例えば、第2動作ユニット700のスライド変位において、斜めに傾倒した前後方向への変位は単一の変位から構成されているのではなく、上下方向の変位と、前後方向の変位と、の組み合わせで構成されている。
即ち、まず、回動アーム部材720に連結される昇降板部材740は、金属棒702の長尺方向(上下方向)に昇降変位するように左端部において金属棒702に案内されている。左端部では、その他に、左側後板部材750や目隠し装飾部材768が昇降板部材740の前後に配置されており、昇降板部材740が前後方向に自由に変位することを防止している。これにより、昇降板部材740の変位方向を、上下方向に制限することができる。
昇降板部材740の右側部は、回動アーム部材720に支持されている。昇降板部材740の右端部は、固定の部材(背面ケース510に固定される部材)に支持されてはいないが、演出装置780を介して間接的に固定の部材(前上傾斜部714,751及び受傾斜部762)に支持される(図54参照)。これにより、昇降板部材740の右端部が前後方向に自由に変位することを防止しており、昇降板部材740の変位方向を上下方向に制限することができる。
そして、昇降板部材740に支持される演出装置780は、前後方向に変位するように円筒状部744(図50参照)に案内される。このように、斜めに傾倒した前後方向へのスライド変位を実現するにあたって、構成部材としての昇降板部材740や演出装置780の変位の案内が、重力方向と、水平方向と、でそれぞれ分けて構成されている。
これにより、斜めに傾倒した前後方向に案内する構成に比較して、変位抵抗を低く維持するように構成することを容易とすることができる。
図94及び図95で図示される第2動作ユニット700の張出状態は、覆設部材787の状態を切り替える変位(図57参照)を実行するよう制御可能な状態である。即ち、本実施形態では、張出状態の他の状態(例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態(図28参照)や第2動作ユニット700の中間演出状態(図33参照))では、覆設部材787の状態を切り替える変位を生じないように第2動作ユニット700が制御される。
このように制御することで、覆設部材787の状態を切り替える変位の実行時に覆設部材787の左右端部が到達する左右位置と重なる位置に、右側前板部材710や左側後板部材750を配設するように構成しても、覆設部材787が右側前板部材710や左側後板部材750と衝突する事態が生じることを回避することができる。従って、右側前板部材710や左側後板部材750の配置自由度を向上することができる。
覆設部材787の状態を切り替える変位に対する、演出装置780の構成の工夫について説明する。まず、覆設部材787の状態を切り替える変位の駆動力を生じる駆動モータ782(図56参照)は、演出装置780の左右中心位置(円筒状部744に挿通される挿通筒状部773の中心の真上に中心が配置される位置)に配置される。
これにより、駆動モータ782の自重により演出装置780の姿勢が左右に傾くことを回避するだけでなく、駆動モータ782から生じる駆動力の左右バランスを安定させることができる。
更に、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行可能な第2動作ユニット700の張出状態(図95参照)において、昇降板部材740を支持する回動アーム部材720の円筒状被締結部724の左右位置は、演出装置780の左右中心位置と同等か、右側位置とされる。
このように、昇降板部材740の右側部分の支持を、支持位置としての円筒状被締結部724が左右方向に変位し得る回動アーム部材720のみで構成しつつも、特に演出装置780の配置や姿勢の変動が生じ易いと想定される時、即ち覆設部材787の状態を切り替える変位の実行時における円筒状被締結部724の配置を演出装置780の左右中心位置と同等か、右側位置に設定することにより、演出装置780の配置や姿勢の安定化を図ることができる。
なお、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行する制御は、第2動作ユニット700が張出状態の時に限定して行われるが、覆設部材787の状態が切り替えられた後においては、第2動作ユニット700の状態を演出待機状態や、中間演出状態に変化させるよう制御することは可能である。
即ち、例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態から、覆設部材787の状態を切り替え、且つ、第2動作ユニット700を中間演出状態とするためには、第2動作ユニット700を一旦、張出状態として、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行してから、第2動作ユニット700を中間演出状態に変化させるよう下降変位させるよう制御される。
図95に図示されるように、光拡散部材778bは、一組の前側支持部材760の内側端部と前後方向視で重なる程度に左右方向に長く形成されている。これにより、前側支持部材760に支持される回転筒部774e(図54参照)が遊技者に見られないように隠すことができるので、回転筒部774eの配置や形状が遊技者に把握されることで演出装置780が前後方向に変位していることを遊技者に把握される事態を回避することができる。
更に、光拡散部材778bは、第2動作ユニット700の張出状態において、固定配置の立体装飾部768aと、正面視で左右一列に重なって視認される(図94参照)。この状態における光拡散部材778b及び立体装飾部768aの配置は、正面視における第3図柄表示装置81の下縁部に沿い、下縁部の左右長さに亘って配置される。
光拡散部材778b及び立体装飾部768aの背面側には、それぞれ正面側にLEDが固定される基板が配設されており、対応するLEDから照射される光により光拡散部材778b及び立体装飾部768aの発光演出を実行することができる。この発光演出により、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁が光で区切られているように見せる演出をしたり、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁を光で明るくするように演出したりすることができる。
従って、本実施形態によれば、光拡散部材778bを、回転筒部774e(図54参照)を隠す部材としての機能と、立体装飾部768aと合同で発光演出を行う部材としての機能と、を兼ね備えるように構成することができる。
図95に示すように、横長部材742は、立体装飾部768aの後方であって、光拡散部材778bの後方から外れている範囲(左側の範囲)において正面側間隔を空けて覆設される覆設カバー742aを備える。
覆設カバー742aは、横長部材742の上下幅に亘って形成される目隠し用の部材であって、横長部材742との間の隙間で電気配線を通すことができるように配設される。即ち、演出装置780に通電するための電気配線は、目隠し装飾部材768の後方から、覆設カバー742aと横長部材742との間の隙間を通って、演出装置780側に案内され、駆動モータ782や、電飾基板778aや、検出センサ778d(図56参照)等に接続される。
この時、電気配線の前方には、覆設カバー742aだけではなく、光拡散部材778bや立体装飾部768aが折り重なって配置されているので、遊技者の視線を遮り易い構成であり、電気配線が遊技者に視認されることを防止し易くすることができる。
換言すれば、本来は光演出のために配設される光拡散部材778bや立体装飾部768aを、電気配線の目隠しとして機能させるために電気配線の通り道の前方に配置することで、電気配線の目隠しのために必要となる覆設カバー742aの大きさを、最低限の大きさに抑えることができる。
なお、立体装飾部768aは、配置が固定されているので、演出待機状態(図31参照)や中間演出状態(図33参照)では横長部材742と前後に重ならず、電気配線の目隠しには使えない。
これを考慮して、本実施形態では、横長部材742の形成範囲を、正面視における光拡散部材778bの外方の範囲にしている。これにより、横長部材742及び光拡散部材778によって電気配線の目隠しを達成することができるので、第2動作ユニット700の状態(演出待機状態、中間演出状態、張出状態)に関わらず、電気配線が遊技者に視認されることを防止することができる。
図96及び図97は、伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の正面図である。図96では、一対の円筒状突設部781cが左右方向に延びる同一直線上に配置される上下反転部材781の横配置状態が図示され、図97では、上下反転部材781の倒立の縦配置状態(図59(c)参照)が図示される。
一対の中間腕部材783は、同一形状で形成されるものではなく、上下反転部材781の横配置状態における下側面から上方へ向けて湾曲形成される湾曲形成部783dを備える。湾曲形成部783dは、上下反転部材781の縦配置状態において中間腕部材783と駆動ギア782aとの衝突を避けるため、駆動ギア782aから退避する方向に張り出すように湾曲形成される。
図98は、昇降反転演出装置770の正面斜視図である。図98では、覆設部材787を透過して内側を視認可能とするために、覆設部材の外形が模式的に想像線で図示される。
図98に図示されるように、磁石Mgは一対の覆設部材787が互いに近接配置される側ではなく、左右両端部付近に配置されている。従って、磁石Mgの磁力は、覆設部材787同士を直接的に合体させるように作用するのではなく、一対の覆設部材787にそれぞれ独立して作用する。
これにより、例えば、一方の覆設部材787の動作が不良となった場合に、それにつられて他方の覆設部材787の動作も不良となることを避けることができる。
また、例えば、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時において、左右方向変位の逆方向に磁力が作用することを回避することができる。即ち、上下反転部材781が正立の縦配置状態から回転動作を開始する場合に、磁力が作用するタイミングを遅らせることができる。
これにより、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時において、磁石Mgにより覆設部材787に与えられる負荷の変化を抑制することができるので、左右方向に離れ始める変位開始時に磁石の吸着を剥す必要がある場合に比較して、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時に、急激な磁力の変化に伴い覆設部材787が振動したり、変位が不安定となり動作不良を起こしたりする事態を回避し易くすることができる。
図98に示すように、磁石Mgは、左右で上下反対側に配置されているが、この効果について説明する。磁石Mgと当接して磁力が負荷される金属ネジが固定される回転位置安定用部785fは、前後方向同じ側に配置される(上下反転部材781が正立の縦配置状態において正面側、図55参照)。そのため、磁石Mgに金属ネジとの関係で生じる負荷の方向は、左右両側において前後同方向となる。
詳述すると、例えば、上下反転部材781が正立の縦配置状態(図59(a)参照)から倒立の縦配置状態(図59(c)参照)に変化する場合、正面視左側の覆設部材787は前転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(上側に配置されている)金属ネジの前方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての前方向の負荷が生じる一方、正面視右側の覆設部材787は後転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(下側に配置されている)金属ネジの前方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての前方向の負荷が生じる。
また、例えば、上下反転部材781が倒立の縦配置状態(図59(c)参照)から正立の縦配置状態(図59(a)参照)に変化する場合、正面視左側の覆設部材787は後転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(上側に配置されている)金属ネジの後方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての後方向の負荷が生じる一方、正面視右側の覆設部材787は前転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(下側に配置されている)金属ネジの後方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての後方向の負荷が生じる。
このように、回転動作する覆設部材787と、姿勢を維持して覆設部材787を支持する本体部材771や直動板部材784と、の間で磁石Mgによって生じる負荷の方向が、左右両側において前後同方向となるように構成される。
ここで、左右両側において前後逆方向の負荷が生じる場合(例えば、左側の磁石Mgが下位置に配置されることで左右両側の磁石Mgの配置が下位置とされ、左側の軸回転部材785の回転位置安定用部785fの配置が正立の縦配置状態において磁石Mgの背面側に配置されるよう設計変更する場合)、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に与えられる変位のモードが、昇降反転演出装置770を上下方向に延びる回転軸で回転させる態様となる。
この場合、昇降反転演出装置770に上下方向に延びる回転軸での回転方向の振動が生じ易くなる。特に、本実施形態のように、磁石Mgの吸着を剥す過程で傘歯部材785c(図96参照)が弾性変形し、磁石Mgの吸着が剥がれた後で傘歯部材785cの弾性回復を利用して覆設部材787を勢いよく回転動作させる構成では、昇降反転演出装置770に、上下方向に延びる回転軸での回転方向の振動が生じ易くなることが想定される。
更に、昇降反転演出装置770から負荷を逃がすことが困難となり、昇降反転演出装置770が破損したり、昇降反転演出装置770の耐久性が低下したりする可能性がある。そのため、長期で、昇降反転演出装置770の変位を安定させるという目的からすると、対策が必要となると考えられる。
これに対し、本実施形態では、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に、回転動作する覆設部材787と、姿勢を維持して覆設部材787を支持する本体部材771や直動板部材784と、の間で生じる負荷の方向が、左右両側において前後同方向となるように構成されるので、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に与えられる変位のモードを、昇降反転演出装置770を前後方向に変位させる態様とすることができる。
そのため、昇降反転演出装置770の変位(前後方向成分を有する変位)により容易に相殺することができ、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に破損が生じることを回避することができる。
第2動作ユニット700では、演出装置780のスライド変位の方向(上下方向成分と前後方向成分を有する方向、即ち、左右方向と直交する平面内での方向)と、覆設部材787が互いに近接配置される状態(上下反転部材781の縦配置状態)からの変位開始方向(左右方向)と、が直交する。
そのため、一方の変位が、他方の変位の慣性により生じることを回避し易くすることができる。例えば、演出装置780のスライド変位が実行される場合に、意図せず、覆設部材787が互いに近接配置される状態からの変位(互いに離れる方向の変位)が開始される事態を回避し易くすることができる。
次いで、第3動作ユニット800の詳細の説明を改めて行う。まず、中間腕部材850の詳細について説明する。図99(a)は、中間腕部材850の正面斜視図であり、図99(b)は、中間腕部材850の背面斜視図である。
図99(a)及び図99(b)に示すように、中間腕部材850は、長尺の棒部の軸方向位置が、増厚部852において切り替わるという特徴的な形状をしている。
図99(a)に示すように、増厚部852は、隣合う回動部材850の先端側棒部853と対向配置され、先端側棒部853と対向配置される基端側補強部852aと、軸方向に沿って正面側から肉抜き形成される凹設部852bと、を備えている。
基端側補強部852aは、凹設部852bと同様に肉抜きされているが、相対的な肉抜き量が小さくされ、変形抵抗が大きくなるように設計している。これにより、回動腕部材850の回転先端側という、回転における慣性力が大きくなり易い側に形成される先端側棒部853と当接することになっても、変形量が過大となることを回避することができる。
凹設部852bは、増厚部852の弾性変形の変形抵抗を弱めるよう作用する。これにより、増厚部852の可撓性を確保することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
増厚部852の短手方向の両側面には、湾曲形状で凹設形成される湾曲形状部852cが形成される。湾曲形状部852cは、合体状態において隣合う中間腕部材850の先端側棒部853の端部に形成される回転伝達部854の回転基端側に形成される湾曲形状部854dを滑らかに受け入れ可能な形状から形成される。
本実施形態では、個別合体状態(図66(a)参照)と一連合体状態とで、隣合う中間腕部材850同士が回動して近接配置される際の中間腕部材850の回動方向が逆転することになるので、中間腕部材850の短手方向側面のどちらの側面が湾曲形状部854dと近接配置されるかは、どちらの合体状態を構成するかで異なる。
この前提において、湾曲形状部852cが両側面に形成されていることから、いずれの合体状態においても湾曲形状部854dを滑らかに受け入れることができる。これにより、合体状態への状態変化をスムーズに実行することができる。
また、湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとが面で当接可能となるように設計されることで、合体状態において湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとの間で局所的に過大な負荷が生じることを抑制することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
第3動作ユニット800は、昇降アーム部材801により昇降変位可能に構成されているが、その昇降変位の方向と、装飾部材870,880の合体状態からの直動部材833や回転部材834の変位開始方向と、が必ずしも直交する関係にはない。
例えば、図66(a)に示すように、回転部材834の変位開始方向として認められる仮想位置線832Fが72度間隔で異なる方向として設定されているので、全ての回転部材834の変位開始方向と、昇降変位の方向と、が直交することは生じ得ない。
そのため、第3動作ユニット800の昇降変位時に生じる負荷や慣性によって、意図せず、回転動作(一体回転動作や切替回転動作)が生じる可能性がある。この誤動作への対策についての工夫を説明する。
図100は、金属棒832と中間腕部材850との変位を模式的に示す第3動作ユニット800の模式図である。
図100では、金属棒832の仮想位置線832Fの内、個別合体状態において下方に延びる仮想位置線832Fと、仮想位置線832Fと中間腕部材850の長尺方向との角度とが0.5度変化するまで正面視反時計回りに回転した仮想位置線832Fと、が図示される。
即ち、図100において、角度θ51は45度であり、角度θ52は44.5度である状態が図示されている。
図100に示すように、中間腕部材850は、切替回転動作の開始時において、回転部材834の回転動作を抑制した状態で、金属棒832の長手方向に沿って回転部材834をスライド移動させることができるよう構成される。
図100における角度θ51,θ52の変化量は、金属棒832に対する中間腕部材850の回転角度を意味しており、傘歯部834a,854c(図61参照)の歯合回転が生じる角度に対応する。
ここで、ギア歯の噛み合いを正立させるためにはバックラッシュ(隙間)が不可欠であり、この隙間の大小の設定で回転の応答性の良し悪しが変わる。バックラッシュの設定には種々の態様を選択可能であるが、本実施形態では、バックラッシュを0.5度で設定している。
即ち、合体状態における角度θ51が、角度θ52に変化するまでの間には、バックラッシュ(隙間)が埋まるに留まり、歯合回転は開始されない。一方で、中間腕部材850の回動先端側部は仮想位置線832Fに沿って第3動作ユニット800の径方向外側にスライド移動している。
即ち、合体状態(個別合体状態)からの切替回転動作の開始時には、回動部材834の回転動作が抑制され、主に、金属棒832に沿ったスライド移動が生じるように構成される。
図101は、第3動作ユニット800の正面模式図である。図101の説明では、図100を適宜参照する。図101では、一連合体状態における第3動作ユニット800が図示され、第3動作ユニット800の変位に対する抵抗力を生じるトルクリミッタ866及び磁石Mg2が図示される。
ここで、内側回転部材830が外側回転部材840に対して僅かに回転動作(例えば、約5度(図100参照)の回転動作)する程度では、回転部材834に回転が生じないように構成されている。
これにより、本実施形態のように、複数の第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態を維持するために磁石Mg2を採用し、周方向で吸着力を発生さえる構成であっても、合体状態からの第1装飾部材870及び第2装飾部材880の変位を直動変位に限定できることから、磁石Mg2の磁力による合体を維持し易くすることができる。
換言すれば、合体状態からの変位開始時において、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が金属棒832を中心として回転動作する場合には、磁力の方向に直交する方向で第1装飾部材870及び第2装飾部材880が変位することから、磁力が消失し易いと考えられる。これに対し、本実施形態における、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態からの変位開始時の変位は、あくまで5個の磁石Mg2が配置される平面に沿う変位(金属棒832に沿うスライド方向の変位)であることから、磁力による合体状態を維持し易い。
これにより、意図しない負荷の影響などにより、内側回転部材830が意図せず僅かに回転動作(例えば、約5度回転動作)した場合であっても、複数の第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態を維持し易くすることができる。
図101に示すように、トルクリミッタ866は、正方向への回転では、所定の許容値を超える負荷がかかると接続を切り、抵抗を低減する(空転する)ように切替回転DR1が生じるように構成され、逆方向への回転では、抵抗が低減される(空転する)ように空転回転AR1が生じるように構成される。この正逆の回転が反対で構成される一組で、トルクリミッタ866は構成されている。
詳述すると、本実施形態では、左側のトルクリミッタ866は、正面視時計回りの回転では、かけられる負荷が許容値に達するまでは抵抗を生じ、許容値を超えると空転するという切替回転DR1が生じるように構成される一方、正面視反時計回りの回転方向では、空転するという空転回転AR1が生じるように構成される。
また、右側のトルクリミッタ866は、正面視時計回りの回転方向では、空転するという空転回転AR1が生じるように構成される一方、正面視反時計回りの回転方向では、かけられる負荷が許容値に達するまでは抵抗を生じ、許容値を超えると空転するという切替回転DR1が生じるように構成される。
このように、一組のトルクリミッタ866が、それぞれ異なる回転方向で安全クラッチとして機能することで、上述のように、両方向で切替回転動作を実行することが可能に構成されている。
更に、回転方向での許容値を超える負荷が生じない状態においては、トルクリミッタ866に組み付けられる負荷応答ギア865(図61参照)を介して外側回転部材840に正逆両方向の抵抗がかけられるので、意図しない負荷(昇降変位の慣性力や、扉開閉時の衝撃力)に起因して生じ得る外側回転部材840の回転動作を抑制することができる。従って、一組のトルクリミッタ866によって、外側回転部材840の姿勢維持を図ることができる。
図101に示すように、磁石Mg2は、第2覆設部885の幅方向片側に固定され、5個の第2覆設部885が円環状に合体した状態において、同心円状に配置される。磁石Mg2は、隣合って近接配置される第2覆設部885に固定される金属ネジNj2との間で吸着力を生じる。
このように構成することで、特定の第2覆設部885の幅方向両側に磁石Mg2が配設される場合(即ち、特定の第2覆設部885に両隣りで近接配置される第2覆設部885の双方が、その特定の第2覆設部885に接近する方向の付勢力を磁石Mg2から受ける場合)に比較して、合体状態において特定の第2覆設部885から離れた位置で第2覆設部885間に生じる隙間が大きくなることを回避し、全ての隣合う第2覆設部885間の隙間を均一化することができる。
また、上述のように、第2装飾部材880の合体状態からの変位は径方向外側へのスライド移動として構成され、金属棒832を中心とする回転動作が開始されるまでには磁力による合体が解除される程度にまで離れるところ(図100参照)、磁石Mg2の磁力が、第2装飾部材880が整列される同心円の円周を短縮する方向(同心円の中心を向く方向)に作用するので、第2装飾部材880の径方向外側へのスライド移動の抵抗力となる。
また、この抵抗力が、360度を5等分した各方向から同等の大きさで生じるので、第3動作ユニット800が磁石Mg2から受ける負荷のバランスをとることができる。即ち、磁力Mg2が不均一に作用する場合に比較して、第3動作ユニット800の配置を安定させ易くすることができる。
第2装飾部材880の形状は5個とも共通とされ、磁石Mg2の配置も共通なので、各磁石Mg2の前後位置は同等とされる。これにより、磁石Mg2の磁力により、第2装飾部材880に前後方向成分を有する負荷が与えられることを回避することができるので、合体状態からの変位開始時または合体状態への到達直前時において磁力が前後方向に生じ、第2装飾部材880が前後方向に振動する事態を回避し易くすることができる。
図102は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。図102では、装飾部材870,880の個別合体状態に対応する配置状態が図示され、理解を容易とするために、中間腕部材850を想像線で図示し、後側に配置される外側回転部材840を視認可能としている。
図102に示すように、本実施形態では、中間腕部材850の一方向(図102では、正面視時計回り方向)への回転を規制する部分が少なくとも一箇所確保可能となるように構成され、多くは二箇所で中間腕部材850の回転を規制している。この中間腕部材850の回転を規制する構成について説明する。
まず、第1に、外側回転部材840の本体部841の外周面から径方向外側に突設される当接突設部845が挙げられる。当接突設部845は、隣合う延設腕部842の中間角度位置において、径方向外側へ向けて先細りする形状から形成され、内部が本体部841の軸方向と平行な方向に肉抜きされている。
この当接突設部845が、中間腕部材850の回転方向で中間腕部材850と対向配置され、中間腕部材850の増厚部852の湾曲形状部852cと当接可能に配置されることで、中間腕部材850の過回転を防止するよう構成している。
増厚部852は、凹設部852bにより弾性変形の変形抵抗が弱められている(図99(a)参照)。同様に、当接突設部845は肉抜きされている。これにより、中間腕部材850が高速で変位し、増厚部852の湾曲形状部852cと当接突設部845とが衝突した場合であっても、その際に生じる負荷を当接突設部845や増厚部852の弾性変形により吸収することができるので、当接突設部845や増厚部852の破損を回避することができる。
当接突設部845は、延設腕部842の中間角度位置としての全位置に配設されるのではなく、被検出部844が形成される角度位置においては形成が省略される。これにより、軸方向視における当接突設部845と被検出部844との配置をずらしており、外側回転部材840の成形金型の抜き方向を本体部841の軸方向に設定することができる。よって、成形金型の設計の容易化を図ることができる。
このように、本実施形態では、成形金型の設計の容易化の代償として当接突設部845の形成が省略されているが、本実施形態では、回動腕部材850の回転を規制する第2の構成として、増厚部852に基端側補強部852aが形成される。
基端側補強部852aは、隣合う回動部材850の回転方向で先端側棒部853(図99(a)参照)と対向配置され、先端側棒部853が過回転する際に当接可能に配置されることで、中間腕部材850の過回転を防止するよう構成している。
基端側補強部852aは、凹設部852bと同様に肉抜きされているが、相対的な肉抜き量が小さくされ、変形抵抗が大きくなるように設計している。これにより、回動腕部材850の回転先端側という回転における慣性力が大きくなり易い側と当接することになっても、変形量が過大となることを回避することができる。
湾曲形状部852cは、湾曲形状部854dと面で当接可能となるように設計されており、合体状態において湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとの間で局所的に過大な負荷が生じることを抑制することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
このように、回動腕部材850の変位は、当接突設部845が対向配置される場合には、当接突設部845との当接に加えて、隣合う回動腕部材850の湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとを当接させたり、隣合う回動腕部材850の基端側補強部852aと先端側棒部853とを当接させたりすることができるような構成により、回動腕部材850の過回転が規制される。
一方、当接突設部845の配置が省略される場合であっても、隣合う回動腕部材850の湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとを当接させたり、隣合う回動腕部材850の基端側補強部852aと先端側棒部853とを当接させたりすることができるような構成により、回動腕部材850の過回転を規制することができる。
これらの当接の構成は、5個の回動腕部材850で互いに関連するように構成している(循環配置されている)。そのため、一見、一箇所の当接突設部845の形成が省略され、その省略箇所に対応する回動腕部材850についてのみ回転を規制する構成が少ないので、当接時の負荷が集中するかのように思えるが、実際は、5個の回動腕部材850の相互作用により、当接時の負荷の分散を図ることができる。
これにより、単一の回動腕部材850(当接突設部845の形成が省略された箇所に対応する回動腕部材850)の耐久性が極端に低下することを防止することができる。
また、本体部841の外周面から、当接突設部845の背面側端部に沿う一平面上に円環板状に延設される円環板状部846の形成も、当接突設部845と同様に、軸方向視で被検出部844と重なる箇所において省略されている。
円環板状部846の形成の省略は、上述の当接突設部845の形成の省略と同様に、成形金型の設計の容易化の代償として説明することができるが、円環板状部846の奏する効果は、円環板状部846の形成が省略されている箇所においても、隣合う回動腕部材850(を支持する構成)により実現される。
即ち、円環板状部846の効果は、回動腕部材850の前後位置のずれの修正として説明することができる。即ち、合体状態(図64(a)参照)から、回動腕部材850が径方向外側へ変位し(図65(a)参照)、再び合体状態へ向かう際に、回動腕部材850の先端の配置が意図せず前後に位置ずれした場合であっても、基端側棒部851(図99(b)参照)の背面側側面が円環板状部846と対向配置され当接可能とされていることで、その当接により回動腕部材850の前後位置を修正することができる。
この作用は、円環板状部846が省略されている場合には、円環板状部846との当接が生じないことから奏することができない。一方で、本実施形成では、回動腕部材850の先端側棒部853の背面側側面が延設腕部842の正面側側面と対向配置されるので、回動腕部材850の先端の配置が前後に位置ずれした場合であっても、先端側棒部853の背面側側面が延設腕部842の正面側側面と対向配置され当接可能とされていることで、その当接により回動腕部材850の前後位置を修正することができる。
このように、本実施形態では、円環板状部846と同様の作用を、延設腕部842によって生じさせるように構成している。これにより、円環板状部846の形成を一部省略しながらも、回動腕部材850の前後配置を修正する効果を、全回動腕部材850に生じさせることができる。
図103(a)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の背面図であり、図103(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。図103(a)及び図103(b)では、一連合体状態における外側回転部材840及び中間腕部材850の相対配置で図示される。
図103(a)で図示される状態は、図65(b)の状態から仮想位置線832Fが最大角度θ31E(本実施形態では、180度)まで回転した状態(切替回転動作が完了した状態)に対応し、図103(b)で図示される状態は、図67(b)の状態から仮想位置線832Fが最大角度θ31E(本実施形態では、180度)まで回転した状態(切替回転動作が完了した状態)に対応する。
一連合体状態と、個別合体状態(図64(a)、図66(a)参照)とを比較すると、中間腕部材850の外側回転部材840に近接する短手方向の側が逆転するため、当接突設部845に当接する湾曲形状部852cが反対側になったり、湾曲形状部854dに当接する湾曲形状部852cが逆になったりという違いがある。
この違いに対応することを目的として、当接突設部845は、本体部841の径方向を基準として正面視で線対称形状とされており、一対の湾曲形状部852c及び湾曲形状部854dは、中間腕部材850の長手方向線(回動基端と被支持孔854aとを結ぶ直線)を基準として正面視で線対称形状とされている。
更に、湾曲形状部852cの形状に合わせて、当接突設部845の湾曲形状と、湾曲形状部854dの湾曲形状とを、同様の湾曲形状として設計している。これにより、個別合体状態においても、一連合体状態においても、同様の係合関係で合体状態を構成することができる。
また、合体状態では、中間腕部材850の増厚部852が当接突設部845と湾曲形状部854dとに両側から挟まれる位置関係で構成される。これにより、中間腕部材850の増厚部852が、いずれの回動方向に変位することも抑制することができるので、中間腕部材850の状態を維持し易くすることができ、合体状態を保持し易くすることができる。
図104及び図105は、第3動作ユニット800の正面図である。図104では、装飾部材870,880が最外径位置に配置された状態(個別合体状態と一連合体状態との中間の状態)が図示され、図105では、一連合体状態が図示される。
図106は、図105のCVI−CVI線における第3動作ユニット800の断面図であり、図107は、図104のCVII−CVII線における第3動作ユニット800の断面図である。第3動作ユニット800の構成として、金属棒832と中間腕部材850との前後配置は任意に設定可能である。
中間腕部材850を金属棒832の正面側に配置すれば、遊技者は中間腕部材850越しに金属棒832を視認することになるので、金属棒832の視認性を下げることができる。これに対して、本実施形態では、図106及び図107に示すように、金属棒832が中間腕部材850の正面側に配置されている。
この配置により、支持部材としての金属棒832が中間腕部材850を部分的に隠す遮蔽部材として機能する。これにより、装飾部材ではなく機能部材としての中間腕部材850が目立つことを避けることができ、第3動作ユニット800の見栄えをよくすることができる。
金属棒832は、露出した状態(図104参照)においては、表面の光沢により光を反射する演出部材としても機能するので、外側発光部823b(図107参照)から照射される光による光演出の演出効果を向上することができる。即ち、金属棒832を光演出用の反射部材として利用することができる。
中間腕部材850が金属棒832の正面側に配置される場合には遊技者の目に入る光が中間腕部材850により遮られる可能性があるが、本実施形態では中間腕部材850が金属棒832の背面側に配置されるので、中間腕部材850により光が遮られ、見栄えが悪くなることを回避することができる。
このように、本実施形態では、金属棒832が露出する状態としての切替回転動作の途中の状態(図104及び図107参照)において、金属棒832を介して光を反射可能に構成することで、光演出を実行する範囲を拡張することができる。即ち、電飾基板823(図60参照)が配設される透光装飾部材824の後方の範囲のみならず、正面視で透光装飾部材824の径方向外側に張り出すように配設される金属棒832が露出して視認される範囲ER1(図104参照)においても、反射光を遊技者に視認させることができる。
なお、光を受ける部分として、膨出部824aは、内周面に、光拡散形状が円環状に形成される光拡散形状部824b(図106及び図107参照)を備える。内側発光部823aから照射された光は光拡散形状部824bに照射可能とされ、その光を受けた光拡散形状部824bは円環状に明るく光る。
これにより、装飾部材870,880の合体状態のみならず、装飾部材870,880の円環配置が解除される切替回転動作の最中においても、光拡散形状部824bが円環状に明るく視認されることにより、第3動作ユニット800の円環形状を利用した演出効果を維持し易くすることができる。
図104及び図105に示すように、透光装飾部材824は、合体状態において視認される膨出部824aだけでなく、その膨出部824aよりも正面視で径方向外方に延びる延設部824cを備えている。
延設部824cは、合体状態においては装飾部材870,880に隠されることになり装飾部としての機能が低いが、図104に示す切替回転動作の途中において、機構部分の目隠しをする効果を奏する。
即ち、図104及び図107に示すように、延設部824cは、内側回転部材830の本体部831や、外側回転部材840の延設腕部842等(図61参照)、演出に利用し難い機構部分を遮蔽して目隠しできる程度の大きさで形成される。
そして、膨出部824aだけでなく、延設部824cの正面側にも装飾模様が施されているので、機構部分を遮蔽して目隠ししている範囲について装飾模様を視認させることができ、演出効果を向上することができる。
第3動作ユニット800の駆動制御の一例について説明する。まず、昇降アーム部材801が駆動制御されることによる第3動作ユニット800の昇降変位と、駆動モータ861が駆動制御されることによる第3動作ユニット800の回転変位との関係について説明する。
本実施形態によれば、第3動作ユニット800の昇降変位と、回転変位とは、独立して実行可能に構成されているが、例えば、第3動作ユニット800の昇降変位時の慣性負荷により、連動して第3動作ユニット800に回転変位が生じる可能性がある。この場合、第3動作ユニット800が姿勢変化したり、第3動作ユニット800の合体状態が解除されたりする(磁石Mg2の吸着力に対抗して装飾部材870,880が径方向外側へ変位する)ことにより、演出効果が低下する可能性がある。
これを回避するために、例えば、第3動作ユニット800の昇降変位と、第3動作ユニット800の回転変位(特に、一体回転動作)と、を同時に実行するように制御しても良い。
これにより、第3動作ユニット800の昇降変位時の回転変位を演出動作として遊技者に見せることができるので、演出効果の低下を防ぐことができる。更に、一体回転動作の継続中には、装飾部材870,880を径方向内側へ変位させる方向に負荷がかかり続けるので(図101参照)、第3動作ユニット800の合体状態が解除されることを回避することができる。
また、昇降変位と回転変位とを同時に実行する制御を行わないまでも、第3動作ユニット800の姿勢を、昇降変位により回動腕部材850が変位し難い姿勢となるように、予め第3動作ユニット800の回転方向の姿勢を調整するように制御しても良い。
検出センサ813による外側回転部材840の被検出部844の検出態様が変化することは(図68参照)、本実施形態では、内側回転部材830の回転態様が一体回転動作で実行されていることを意味する。そのため、これを前提に検出センサ813の検出態様と、第3動作ユニット800の制御とを関連付けて設計することが想定される。
この前提は、切替回転動作が、外側回転部材840の姿勢を維持した状態(内側回転部材830と外側回転部材840とが連動しない状態)で行われることに基づくものである。そのため、この前提が崩れる可能性がある状態は回避することが好ましい。
本実施形態では、内側回転部材830が駆動モータ861の駆動力で回転制御される際に、トルクリミッタ866によりかけられる抵抗が外側回転部材840の回転を抑制するように作用することで外側回転部材840の姿勢が維持される。
そのため、例えば、切替回転動作の実行中に金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗が大きくなり、内側回転部材830と外側回転部材840との間の動作抵抗が大きくなり、トルクリミッタによりかけられる抵抗を超える場合には、外側回転部材840と内側回転部材830とが連動して、切替回転動作が適切に実行できなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗を低減するように構成している。
例えば、合体状態からの直動部材833及び回転部材834を変位させる中間腕部材850の回動先端の変位方向は、金属棒832の長手方向に沿う方向となる。即ち、金属棒832の回転方向と直交する方向に中間腕部材850が変位するので、金属棒832の回転の抵抗を生じ難くすることができ、金属棒832と、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850との間で生じる抵抗を小さく抑えることができる。
直動部材833及び回転部材834が径方向外方終端位置に配置される状態(図104参照)では、中間腕部材850の回動先端側(例えば、被支持孔854a)の変位方向が金属棒832の回転方向と沿うので、速度が不十分な場合等には特に、金属棒832と中間腕部材850とが平行移動する状態を構成し易い。この場合、切替回転動作が不良となる。
これに対し、本実施形態では、切替回転動作を開始したら合体状態に至るまで十分な速度で駆動を継続するという制御態様を採用しており、直動部材833及び回転部材834が径方向外終端位置に配置される状態(図104参照)では、装飾部材870,880が金属棒832を中心として回転動作するように慣性を受ける。
この慣性の影響で、装飾部材870,880に締結固定されている回転部材834が回転し、傘歯部834aと傘歯部854cとが歯合回転するので、中間腕部材850の回動先端側が径方向外方終端位置を通過して径方向内側へ回動する(図65(b)及び図67(b)参照)。
径方向外方終端位置を外れた状態では、中間腕部材850の回動先端側が金属棒832に沿う方向で変位し易くなり、金属棒832の回転動作に対する抵抗を小さく抑えやすくすることができる。
このように、本実施形態では、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗の低減を、部材間の関係や、駆動制御の設計によって実現するように図っている。
切替回転動作中においては外側回転部材840の姿勢が維持され、被検出部844の配置が変化しないことから、切替回転動作の終了タイミングを、検出センサ813による被検出部844の検出態様の変化で判定することはできない。
例えば、合体状態に到達したタイミングで駆動モータ861を停止させる制御は、切替回転動作に必要十分な駆動時間を予め設定しておき、その駆動時間で駆動を停止するよう制御することで実現可能となるが、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗の程度によっては、駆動時間が同じであっても変位量が異なる場合があり、合体状態となる前に駆動停止する可能性がある。この場合、演出効果が低くなる可能性がある。
これに対し、合体状態に到達したタイミングで駆動モータ861を停止させる制御態様ではなく、検出センサ813による被検出部844の検出態様が変化したことで、切替回転動作が終了して一体回転動作が始まったことを判定し(図68参照)、この判定後に駆動モータ861を停止させるよう制御しても良い。この制御により、切替回転動作の実行後に、装飾部材870,880が合体状態に到達していない状態で駆動モータ861の駆動が停止される事態を回避することができる。
駆動制御として、切替回転動作は第3動作ユニット800の張出状態において実行されることは上述の通りであるが、一体回転動作については、第3動作ユニット800の状態に左右されずに実行可能である。
駆動制御として、第3動作ユニット800の回転方向の配置に左右されず、切替回転動作を実行可能であるので、図68で上述したように、大当たり告知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。即ち、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されている状態(図66(a)参照)からに限定されず、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されていない状態からでも切替回転動作を実行することができる。
一方で、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されている状態で切替回転動作を実行する場合と異なり、切替回転動作の終了後から被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するまでは、検出センサ813の出力が変化しないので、制御態様を工夫する必要がある。
例えば、検出センサ813の出力によらず、切替回転動作に必要十分な駆動期間として予め設定される駆動期間で切替回転動作を実行するようにしても良いし、被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するまで駆動モータ861の駆動を継続するよう制御するようにしても良い。
後者の場合、切替回転動作の終了後は一体回転動作に動作態様が移行して、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入することにより、既に切替回転動作が終了し装飾部材870,880が合体状態となっていることを判定することができる。
一方で、駆動モータ861の駆動を、切替回転動作から一体回転動作に移行して被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するのに十分な時間長さで実行しているにも関わらず、検出センサ813の出力が変化しない場合には、その検出センサ813の出力に基づいて、第3動作ユニット800に動作不良が生じていると判定することができる。
また、後者の場合、第3動作ユニット800の任意の回転配置から、切替回転動作が実行され、一連合体状態(図32参照)が維持されている状態において、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入するまで駆動が継続される。
第3動作ユニット800の一連合体状態では、上述のように、回転配置が異なっても見映えが異なりにくい。そのため、一連合体状態で検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入するまで第3動作ユニット800の回転変位を継続しても、演出効果が低下することを回避し易くすることができる。
更に、図68に示す反転演出時から通常演出時に復帰させる制御をする場合には、被検出部844が検出センサ813の検出溝に既に配置されていることから、切替回転動作の終了後に検出センサ813の出力が変化するまでの期間を最短化することができる。換言すれば、検出センサ813の検出溝に配置されている被検出部844が検出溝から退避する程度の短い駆動期間で十分であるので、反転演出時から通常演出時に復帰させる制御に要する長さを最短化することができる。
このように、本実施形態によれば、通常演出時から反転演出時に切り替える切替回転動作を開始する第3動作ユニット800の回転配置の自由度の向上を図っており、通常は復帰動作が長期化する場合があるところ、復帰動作としての反転演出時から通常演出時への切替回転動作の短縮化を図っている。
即ち、第3動作ユニット800の回転配置の違いを戻すための復帰動作の一部(被検出部844を検出センサ813の検出溝に配置するまでの回転変位)を、回転配置が異なっても見映えが変わり難い一連合体状態において行うことで、復帰動作中の第3動作ユニット800の演出効果の低下を回避することができる。
更に、予め復帰動作の一部を行っておくことで、残りの復帰動作としての切替回転動作に要する期間の短縮化を図ることができる。
各動作ユニット600,700,800の内、複数の動作ユニット600,700,800で共通して採用されている構成について、その採用態様の違いの理由も含めて横断的な説明を行う。
まず、第1の横断的な説明として、各動作ユニット600,700,800で共通して採用されている検出センサKS1,713,778d,813について構成を確認し、その採用態様(センサの個数、被検出片の形状等)の違いの理由について説明する。
第1動作ユニット600の検出センサKS1は、第1動作ユニット600の配置を検出するための検出装置であって、検出溝に延設部634bが進入可能とされる。第1動作ユニット600が備える検出装置は1個の検出センサKS1のみである(図41参照)。回動部材620、被支持部材640、張出装飾部652b及び第2装飾回転部材660という複数の変位部材について、回動部材620の姿勢が定まれば他の変位部材の配置や姿勢が定まるように構成していることから、1個の検出センサKS1での検出結果により、複数の変位部材の配置や姿勢を判定することができる。これにより、検出装置の配設個数を低減することができる。
第2動作ユニット700の検出センサ713は、第2動作ユニット700のギアカム部材734の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に被検出部735が進入可能とされる。第2動作ユニット700がギアカム部材734の姿勢を検出するための検出装置は3個であり(図50参照)、それぞれ、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応する。
演出待機状態を判定する検出センサ713は、初期位置への復帰を判定するために必要となる。張出状態を判定する検出センサ713は、上昇変位終端位置への到達を判定するために必要となる他、昇降反転演出装置770の反転動作や、意図しない負荷の影響による位置ずれの判定のために必要となる。中間演出状態を判定する検出センサ713は、中間演出状態での上下位置への到達を判定するために必要となる他、意図しない負荷の影響による位置ずれの判定のために必要となる。以下、反転動作と、意図しない負荷の影響とについて、順に説明する。
まず、反転動作について説明する。第2動作ユニット700では、ギアカム部材734の回転動作に連動して生じる昇降反転演出装置770の上下変位の他、昇降反転演出装置770の反転動作(図59参照)が可能に構成される。
反転動作により昇降反転演出装置770が上下方向に変位する可能性があるので、例えば、単一の検出センサ713(演出待機状態を判定する検出装置)のみを採用する場合には、張出状態や中間演出状態における上下方向の位置ずれを判定することができず、適正な演出動作が実行できない可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応した検出センサ713を備えている。そのため、例えば、張出状態で昇降反転演出装置770を反転動作させたことで昇降反転演出装置770が上下方向に変位したことを判定でき、この判定結果を基にギアカム部材734の姿勢を適正に(張出状態となるように)修正する方向に駆動モータ731を回転させることで、昇降反転演出装置770の配置を適正に保つことができる。
なお、本実施形態では、反転動作は第2動作ユニット700が張出状態の時(ギアカム部材734が動作終端側の時)にのみ許容されるので、反転動作時の位置ずれの修正は、ギアカム部材734を動作終端側に回転させれば良く、容易である。
次に、意図しない負荷の影響について説明する。第2動作ユニット700では、ギアカム部材734の回転動作により回動する回動アーム部材720に連動して生じる昇降板部材740の上下変位の他、その昇降板部材740の上下位置に対応した前後位置に変位するための昇降板部材740を基準とした昇降反転演出装置770の前後変位が生じる(図52から図54参照)。
そのため、遊技機の前後幅方向にかけられる負荷で昇降反転演出装置770が前後方向に変位することに伴って、昇降反転演出装置770及び昇降板部材740の上下位置が変動し、これに伴ってギアカム部材734の姿勢が変化する可能性がある。遊技機の前後幅方向にかけられる負荷としては、遊技者が遊技機を叩くなどする場合の衝撃負荷や、正面枠14を開閉する際の負荷等が例示される。
前後幅方向の負荷により昇降反転演出装置770が上下方向に変位する可能性があるので、例えば、単一の検出センサ713(演出待機状態を判定する検出装置)のみを採用する場合には、張出状態や中間演出状態における上下方向の位置ずれを判定することができず、昇降反転演出装置770が適正な配置に維持できない可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応した検出センサ713を備えている。そのため、例えば、中間演出状態で前後幅方向の負荷が遊技機にかけられ、昇降反転演出装置770及び昇降板部材740の上下位置が変動した場合に、連動してギアカム部材734の姿勢が変化するので、昇降反転演出装置770が上下方向に変位したことを判定でき、この判定結果を基にギアカム部材734の姿勢を適正に(中間演出状態となるように)修正する方向に駆動モータ731を回転させることで、昇降反転演出装置770の配置を適正に保つことができる。
なお、中間演出状態に対応した検出センサ713にギアカム部材734の被検出部735が配置されている状態から、意図しない負荷により被検出部735が検出センサ713から外れたと判定された場合、本実施形態では、被検出部735がいずれの方向に外れたのかの判定まではできないが、先に演出装置780を下降変位させる方向に駆動モータ731を駆動するように制御している。これにより、第2動作ユニット700と第3動作ユニット800とが衝突する事態を未然に回避することができる。
本実施形態では、この駆動により、被検出部735が再度、中間演出状態に対応した検出センサ713に進入した場合には、意図しない負荷による被検出部735の変位は、演出装置780を上昇変位させる側に生じていたことが分かり、その時点で駆動を停止するようにすれば、意図しない負荷によって生じた影響を相殺することができる。
また、この駆動により、被検出部735が中間演出状態に対応した検出センサ713に進入することなく、演出待機状態に対応した検出センサ713に進入した場合には、意図しない負荷による被検出部735の変位は、演出装置780を下降変位させる側に生じていたことが分かり、再度上昇変位させるように駆動を継続して中間演出状態に対応した検出センサ713に被検出部735が進入した時点で駆動を停止するようにすれば、意図しない負荷によって生じた影響を相殺することができる。
なお、検出センサ713の検出溝に進入する被検出部735については、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ713の検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、ギアカム部材734の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
検出センサ778dは、第2動作ユニット700の上下反転部材781の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に円弧状突設部781dが進入可能とされる。第2動作ユニット700が上下反転部材781の姿勢を検出するための検出装置は2個であり(図56参照)、それぞれ、上下反転部材781の正立の縦配置状態と、倒立の縦配置状態と、に対応する。
第2動作ユニット700は、上下反転部材781の正立の縦配置状態(図59(a)参照)と、倒立の縦配置状態(図59(c)参照)とにおいて、左右一対で配設される覆設部材787が近接する合体状態とされる。
例えば、単一の検出センサ778d(上下反転部材781の正立の縦配置状態を反転する検出装置)のみを採用する場合には、正立の縦配置状態からの上下反転部材781の姿勢ずれは判定できるので、判定結果に基づいて覆設部材787の合体状態を維持するように駆動モータ782を駆動制御することは可能である。一方で、倒立の縦配置状態からの上下反転部材781の姿勢ずれを判定することはできないので、倒立の縦配置状態における覆設部材787の合体状態が、意図しない負荷や、制御不良等により状態変化した場合であっても、その状態変化を検出センサ778dで判定することはできず、合体状態が解除された状態が継続することになり、演出上好ましくない。
これに対し、本実施形態によれば、上下反転部材781の正立の縦配置状態と、上下反転部材781の倒立の縦配置状態と、に対応した検出センサ778dを備えている。そのため、正立の縦配置状態か、倒立の縦配置状態かに関わらず、合体状態からの状態変化が生じたことを検出センサ778dにより判定することができ、その判定結果を基に合体状態に戻す側に駆動モータ782を駆動制御することで、覆設部材787を合体状態に戻すことができる。これにより、第2動作ユニット700の演出効果を向上することができる。
なお、検出センサ778dの検出溝に進入する円弧状突設部781dについては、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ778dの検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、上下反転部材781の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
第3動作ユニット800の検出センサ813は、第3動作ユニット800の外側回転部材840の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に被検出部844が進入可能とされる(図60参照)。第3動作ユニット800が外側回転部材840の姿勢を検出するための検出装置は1個であり、この単一の検出装置が、外側回転部材840自体の回転と、外側回転部材840の回転が停止した状態における内側回転部材830の回転(切替回転動作)と、の判定に利用(兼用)される。
なお、検出センサ813の検出溝に進入する被検出部844については、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ813の検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、外側回転部材840の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
検出センサ813は、外側回転部材840の姿勢を検出する目的から配設され、個数も1個と少ないので、装飾部材870,880の合体状態からのずれを判定するには不十分である。例えば、検出センサ813に被検出部844が配置されていない姿勢で外側回転部材840が維持されている時に合体状態が解除されるような変位が生じても、それを検出センサ813で判定することはできない。
そのため、合体状態からのずれを判定してから、合体状態に復帰させるという制御よりは、一定の時間間隔で、装飾部材870,880を合体状態へ復帰させる方向(個別合体状態(図66(a)参照)では正面視で内側回転部材830を時計回りに回転させる方向、一連合体状態(図103(b)参照)では正面視で内側回転部材830を反時計回りに回転させる方向)に駆動モータ861を一定時間(例えば、短時間)回転させるよう駆動する制御が好ましいと考えられる。
この制御により、装飾部材870,880の合体状態が予期せず解除された場合であっても、一定の時間間隔での駆動モータ861の駆動により装飾部材870,880を合体状態に復帰させることができるので、装飾部材870,880の合体状態が解除されたまま長期に亘り維持されることを回避することができる。
第2の横断的説明として、磁石Mg,Mg2の作用について説明する。上述のように、第2動作ユニット700では磁石Mgが覆設部材787の姿勢維持に機能しており、第3動作ユニット800では磁石Mg2が装飾部材870,880の合体状態の維持に機能しているように、類似の技術を採用しているが、それぞれ、磁石Mg,Mg2が生じる負荷の方向の設計思想が異なるので、ここで説明する。
第2動作ユニット700では、左右にそれぞれ配設される磁石Mgと金属ネジとの間で生じる磁力の方向が、左右両位置において、前後方向で揃うよう設計されている。換言すれば、磁力の作用線が、覆設部材787の回転動作の回転軸としての金属棒785aと直交する平面に平行となるように設計されている。
この場合、磁石Mgの磁力が金属棒785aの軸方向に生じる場合と比較して、覆設部材787が互いに近接離反するスライド変位の抵抗として生じる磁力の程度(大きさ)を下げることができる。これにより、覆設部材787の動作開始時の動作抵抗を下げることができる。
一方、第3動作ユニット800では、装飾部材880に配設される磁石Mg2と金属ネジNj2との間で生じる磁力の作用線の方向が、装飾部材880の回転動作の回転軸としての5本の金属棒832が配置される平面(内側回転部材830の回転軸に直交する平面)と、平行な一平面上に配置されるよう設計されている。
この場合、磁石Mg2の磁力により装飾部材870,880に回転動作方向の負荷がかけられる程度を下げることができるので、磁力により、装飾部材870,880が回転動作方向にぐらつく誤動作を回避し易くすることができる。
第3の横断的説明として、第3図柄表示装置81等の表示装置における表示と、動作ユニット600,700,800とを一体的に視認させる演出について説明する。
第1動作ユニット600では、張出装飾部652bが第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1と重なって見えるよう配置される(図29参照)。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1付近に、張出装飾部652bを配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と張出装飾部652bとをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
第2動作ユニット700では、第1副装飾面787a2が、センターフレーム86の内側下縁部と、開口511aの下縁部と、の間において高さを合わせて配置される(図26及び図52参照)。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁付近に、第1副装飾面787a2を配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と第1副装飾面787a2とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
第3動作ユニット800では、個別合体状態で遊技者が視認可能となる各第1覆設部875には異なる装飾がされており、張出状態では、その周囲を正面視で囲むように第3図柄表示装置81の表示領域が配置される。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域における第1覆設部875と近接した範囲において、第1覆設部875を配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と第1覆設部875とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
また、第3動作ユニット800が一体回転動作するように駆動制御すれば、各第1覆設部875が回転するルーレット状の動作演出を実行可能となるが、その際にも、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域における第1覆設部875と近接した範囲において、第1覆設部875と並走するように表示を動かすことで、表示領域と第1覆設部875とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
次いで、図108を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、流路構成部334〜336の内部形状が固定である場合を説明したが、第2実施形態の振分装置2300では、内部形状を可変とする第1流路構成部2334を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第1実施形態での第1流路構成部334の代替部として第1流路構成部2334を説明する際、右側に配設される構成について図示して説明するが、左側に配設される構成についても第1流路構成部2334とすることはできる。また、左右一方だけ第1流路構成部2334とし、他方は第1流路構成部334とするように、左右で構成を異なるようにしても良い。
図108は、図15のXVI−XVI線に対応する線における第2実施形態における振分装置2300の断面図である。図108に示すように、振分装置2300の第1流路構成部2334は、湾曲突部334bの下部において前後方向に穿設される貫通孔2410と、その貫通孔2410に沿って前後にスライド変位可能に案内されるスライド部材2420と、そのスライド部材2420をスライド変位させる駆動力を発生可能となるように後側枠状部332内部に配設されるソレノイド2430と、を備える。
図108では、ソレノイド2430の非励磁状態におけるスライド部材2420の前側配置FPが実線で図示されている。ソレノイド2430に通電されると、ソレノイド2430の駆動力によりスライド部材2420が後側配置RPまでスライド変位する。
本実施形態では、スライド部材2420の前側配置FPでは、スライド部材2420の上側面が、固定の流路の底面であって球が転動可能な底面2334cよりも内側(上側)に張り出し、後側配置RPでは、スライド部材2420の上側面が底面2334cよりも内側(上側)には張り出さない(没入する)ように構成される。
即ち、スライド部材2420の前側配置FPでは、スライド部材2420の上側面に球が当接し、スライド部材2420の後側配置RPでは、スライド部材2420と球とは当接しない。
スライド部材2420の上側面は、底面2334cと平行な平面として形成される。そのため、球が底面2334cを転動している際にスライド部材2420のスライド変位が生じても、球の流下態様に対する影響を小さく抑えることができる。
底面2334cを転動する球の流下方向は斜め前下方向であり、スライド部材2420のスライド変位の方向は前後方向であるので、スライド部材2420のスライド変位の方向が球の流下方向に沿う。そのため、スライド部材2420のスライド変位が、球の回転の強弱に影響する。
球は、底面2334cを前方へ向けて転動するので、進行方向(前方)へ向けて前転する方向の回転が生じることになる。ソレノイド2430が非励磁の状態(図108参照)から、ソレノイド2430に通電されることにより、スライド部材2420が前側配置FPから後側配置RPにスライド変位される場合、スライド部材2420の上側面を転動している球の下端に対して後方向への負荷(摩擦力)が生じる。そのため、球の前転方向の回転が加速され、球の回転の程度を大きくでき、球の転動速度を増速させることができる。
一方、ソレノイド2430が通電されている状態から、非励磁の状態(図108参照)へと変化されることで、スライド部材2420が後側配置RPから前側配置FPにスライド変位される場合、底面2334bを転動している球の下端に対してスライド部材2420の上側面を介して前方向への負荷(摩擦力)が生じる。そのため、球の前転方向の回転が減速され、球の回転の程度を小さくでき、球の転動速度を減速させることができる。
更に、底面2334bの上下位置よりも、前側配置FPにおけるスライド部材2420の上側面の上下位置の方が上側にあるので、スライド部材2420からの摩擦力に加えて、球を上側に押し上げる方向の負荷が生じる。そのため、下方へ向けて転動する球の上下方向の速度を低減させることができるので、球の流下速度を減速させることができる。
このように、本実施形態によれば、球が底面2334bを転動している時にスライド部材2420のスライド変位を生じさせる制御を実行することで、振分装置2300の内部を流下する球の流下速度を変化可能とすることができる。これにより、球が、球通過孔163bを通過してから分岐箇所BP1(図74参照)に到達するまでの時間を変化可能に制御することができる。
本実施形態では、スライド部材2420が第2流路構成部335よりも後方に配置されているので、スライド部材2420により球が影響を受けている最中の様子を、遊技者に把握され難くすることができる。
即ち、遊技者が視認し易く注目が集まり易い第2流路構成部335に球が導入される前段階でスライド部材2420と球との当接を生じさせることになるので、球に回転を付加したり、上下方向に変位させたりする様子を遊技者に把握され難くすることができる。これにより、第2流路構成部335を流下する球を視認する遊技者に与える違和感を小さくすることができる。
本実施形態では、球が底面2334cの上側に配置されている時にスライド部材2420が変位する場合には当接負荷が与えられる一方で、スライド部材2420の変位前後(停止時)に底面2334cの上側を通過する球にはスライド部材2420との当接負荷が与えられない。
従って、スライド部材2420の動作中に底面2334cの上側に配置される球と、スライド部材2420の停止中に底面2334cの上側に配置される球とで、流下態様(回転、回転の変化、流下速度、流下速度変化、等)を異ならせることができる。
次いで、図109を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が左右に並んで配置される場合を説明したが、第3実施形態の振分装置3300では、確変検出センサSE11の配置が通常検出センサSE12の後側に移動されることで、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が前後に並んで配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置の変更例として左右中央よりも右側において説明を行うが、左右よりも左側における構成は任意に設計可能である。例えば、左側においては、第1実施形態と同様に確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12を左右に並べて配置するようにして、振分装置3300の左右で確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置が異なるように構成しても良いし、左側においても、以下で詳述するように前後に並べて配置されるようにして、振分装置3300の左右で確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置が対称となるように構成しても良い。
図109(a)及び図109(b)は、図15のXVII−XVII線に対応する線における第3実施形態における振分装置3300の断面図である。図109(a)では、電磁ソレノイド361(図17参照)が非励磁とされ、スライド変位部材3370が前側位置に配置された状態が図示され、図109(b)では、電磁ソレノイド361に通電されスライド変位部材3370が後側位置に配置された状態が図示される。
また、図109(a)及び図109(b)では、第3流路構成部336を流れた後の球の案内経路が想像線で図示される。このように、スライド変位部材3370の配置によって、球の案内経路が変化される。
図109(a)及び図109(b)に示すように、振分装置3300の中部材3330には、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12への球案内経路を区画する後側枠状部3332が、左側から球を受入可能に開放される形状で構成されている。
スライド変位部材3370は、前側位置と後側位置とでスライド変位可能に構成されている。スライド変位部材3370の後側位置(図109(b)参照)は、上突設部376の前側面376aの右端部と、確変検出センサSE11へ球を案内する経路入口として後側枠状部3332に形成される開放部3332gの後側内面と、が左右で揃う(又は、前側面376aの右端部の方が若干前側に配置される)位置として設定される。
このようにスライド変位部材3370の位置を設定することで、スライド変位部材3370が前側位置に配置されていれば、第3流路構成部336を通過した球がスライド変位部材3370の前側面376aに当接しながら右側へ流され、通常検出センサSE12を通過する一方で、スライド変位部材3370が後側位置に配置されていれば、第3流路構成部336を通過した球がスライド変位部材3370の前側面376aに当接しながら右側へ流され、確変検出センサSE11を通過するように構成することができる。
即ち、通常検出センサSE12を通過する球の流下経路と、確変検出センサSE11を通過する球の流下経路とが、双方共に、第3流路構成部336を通過した後で右方に流れる流下経路で構成される。違いは、右方に流れる前後位置のみである。
そのため、正面側から第3流路構成部336を視認する遊技者目線で、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかの判別を困難とすることができる。
スライド変位部材3370は、薄板部371の前端部から正面側に棒状に延設される一対の棒状案内部3371cと、上突設部376に一体的に形成される上前突設部3376bと、上突設部376に一体的に形成される上横突設部3376cと、を備える。
棒状案内部3371cは、上側面が球案内部371bの上面と面一とされ、第3流路構成部336を流下する球の球中心の左右両側に左右一対で形成されており、排出孔337の前側面を貫通して、第3流路構成部336の下面裏側に収容可能に構成される。
即ち、スライド変位部材3370が前側位置に配置される場合には、棒状案内部3371cは第3流路構成部336の下面裏側に配置されることで球とは当接せず、スライド変位部材3370が後側位置に配置される場合には、棒状案内部3371cは排出孔337の前側面と球案内部371bとの前後方向隙間に亘って配設される。
このように棒状案内部3371cを構成することで、スライド変位部材3370が後側位置に配置されている時に、球の下側左右部を棒状案内部3371cで支持することができ、球をスライド変位部材3370まで橋渡しすることができる。
これにより、スライド変位部材3370が後側位置に配置されている時に、球が通常検出センサSE12へ向けて流下する事態を回避し易くすることができる。即ち、棒状案内部3371cにより、流下球の誤案内を回避し易くすることができる。
また、第3流路構成部336を通過した球の配置が、球案内部371bの上面と面一で形成される棒状案内部3371cの上面に乗る配置とされることで、球と球案内部371bとが前後方向で正面衝突する事態を回避することができる。即ち、棒状案内部3371cにより、球と球案内部371bとが正面衝突して球が前方に逆流する事態や、球案内部371bの前側面と排出孔337の前側面との間に球が挟まって動作が不良となる事態を、回避し易くすることができる。
上前突設部3376bは、第1実施形態で上述した前後長突設部317(図18参照)と同様の形状部が、第1実施形態のスライド変位部材370の前側位置における相対位置と同様の位置関係で上突設部376と一体形成される形状部である。
上横突設部3376cは、第1実施形態で上述した左右内突設部318(図18参照)と同様の形状部が、第1実施形態のスライド変位部材370の前側位置における相対位置と同様の位置関係で上前突設部3376bと一体形成される形状部である。
これにより、上前突設部3376b及び上横突設部3376cが、当接した球に与える作用は、スライド変位部材3370の配置に関わらず、上突設部376付近を流下する球に対する作用として生じる。
換言すれば、前後長突設部317や左右内突設部318(図18参照)のように固定配置される場合と異なり、スライド変位部材3370が後側位置に配置される状態において、突設部3376b,3376cが、上突設部376の前方位置に到達した球を通常検出センサSE12側へ勢い付けする作用を排除することができる。
次いで、図110及び図111を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が左右に並んで配置される場合を説明したが、第4実施形態の振分装置4300では、通常検出センサSE12の配置が確変検出センサSE11の後側に移動されることで、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が前後に並んで配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図110(a)及び図110(b)は、第4実施形態における第3流路構成部336の下流側の構成を模式的に示す第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式上面図である。
図111(a)は、図110(a)のCXIa−CXIa線における第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式断面図であり、図111(b)は、図110(b)のCXIb−CXIb線における第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式断面図である。図111(b)では、分かり易さのために、上当接部4373の図示を省略している。
スライド変位部材4370は、確変検出センサSE11又は通常検出センサSE12の一方を球が通過不能に塞ぎ、他方を開放して球の通過を可能とするよう構成されており、確変検出センサSE11の上方で左右にスライド移動する前側スライド部材4371と、通常検出センサSE12の上方で左右にスライド移動する後側スライド部材4375と、を備える。
前側スライド部材4371と後側スライド部材4375とは、ソレノイドの駆動力により、互いに左右反対方向にスライド変位する。即ち、図110(a)及び図111(a)に示す前開放状態から、図110(b)及び図111(b)に示す後開放状態に状態変化する際に、前側スライド部材4371は左方にスライド移動し、後側スライド部材4375は右方にスライド移動するよう構成される。
前側スライド部材4371は、確変検出センサSE11の上方に被さるように配置されるスライド板4372と、左右内突設部318(図17参照)の形状と同様の形状で形成される上当接部4373と、を備え、不図示の連結部により一体的に形成される。即ち、図110において、スライド板4372及び上当接部4373は一体的にスライド変位する。
スライド板4372の上側面4372aは、第3流路構成部336の下底面336aと面一とされ、前後方向の傾斜が同一傾斜の傾斜平面として形成される(図111(b)参照)。そのため、後開放状態(図111(b)参照)において、上側面4372aの傾斜によって、上側面4372aを転動する球を通常検出センサSE12側へ流すことができる。一方で、前開放状態(図111(a)参照)では、下底面336aを通過した球は上当接部4373と当接し負荷を受けることで、下方(右下方)に流される。
従って、前側スライド部材4371は、前開放状態と、後開放状態とが変化すると、異なる箇所で球と当接するようになり、異なる方向に球を案内する(流す)ように状態が変化するよう構成される。
後側スライド部材4375は、通常検出センサSE12の上方に被さるように配置されるスライド板4376と、前後長突設部317(図17参照)の形状と同様の形状で形成される上当接部4377と、を備え、不図示の連結部により一体的に形成される。即ち、図110において、スライド板4376及び上当接部4377は一体的にスライド変位する。
スライド板4376の上側面4376aは、上側面4372aと前後逆の形状から形成される傾斜平面とされる(図111(a)参照)。そのため、前開放状態(図111(a)参照)において、上側面4376aの傾斜によって、上側面4376aに配置されている球を確変検出センサSE11側へ流すことができる。一方で、後開放状態(図111(b)参照)では、下底面336a及び上側面6372aを通過した球は上当接部4377と当接し負荷を受けることで、下方に流される。
従って、後側スライド部材4375は、前開放状態と、後開放状態とが変化すると、異なる箇所で球と当接するようになり、異なる方向に球を案内する(流す)ように状態が変化するよう構成される。
このように構成することにより、確変検出センサSE11の上方を後方に通過した後の球が、再び確変検出センサSE11の上方に戻り確変検出センサSE11を通過するという事態が生じ得ることから、第3流路構成部336を通過した球に対する注目力を向上することができる。
再び確変検出センサSE11の上方に戻る態様としては、例えば、上側面4372aを後方に球が通過するタイミングで、後開放状態から前開放状態に状態変化するようにソレノイドが駆動される場合が想定される。この場合、球は通常検出センサSE12を通過する前に上側面4376aに乗り上げることになり、上側面4376aの傾斜に沿って手前側に逆流し、確変検出センサSE11側に戻る。
このように、球が第3流路構成部336を通過するタイミングと、スライド変位部材4370の駆動タイミングとが合うと、球は確変検出センサSE11側に戻り得るように構成される。従って、確変検出センサSE11の上方を下流側に通過した球が確変検出センサSE11を通過することは無いように構成される遊技機に比較して、第3流路構成部336を通過した後の球や、スライド変位部材4370の駆動タイミングに対する注目力を向上することができる。
次いで、図112を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、第3流路構成部336までは球の流路が共通であり、第3流路構成部336の後方に分岐箇所BP1が配置される場合を説明したが、第5実施形態の振分装置5300では、第3流路構成部336の上流側にスライド変位部材5370が配設され、第3流路構成部336の上流側で球の流路が変化する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図112(a)及び図112(b)は、図15のXVII−XVII線に対応する線における第5実施形態における振分装置5300の部分断面図である。図112(a)では、スライド変位部材5370が右側位置に配置され、スライド変位部材5370によって球が確変検出センサSE11へ案内される状態が図示され、図112(b)では、スライド変位部材5370が左側位置に配置され、スライド変位部材5370によって球が通常検出センサSE12へ案内される状態が図示される。
また、図112(a)及び図112(b)では、第1流路構成部334を流れた後の球の案内経路が想像線で図示される。このように、スライド変位部材5370の配置によって、球の案内経路が変化される。
スライド変位部材5370は、不図示の電磁ソレノイドにより左右方向にスライド変位可能に構成されており、球の転動面を構成する薄板部5371と、その薄板部5371の上面から上方に突設される上突設部5376と、を備える。
薄板部5371は、第1流路構成部334を通過した球が乗り上げ可能な程度に薄肉で形成される。上突設部5376は、球と対向する左側面5376aが、流路側を凹とした円弧形状で形成されているので、流れてきた球を滑らかに後方へ向けて流すことができる。
本実施形態によれば、振分装置5300のように、球の流下経路の前後幅が長く形成され、後側を流下する球に比較して、手前側を流下する球の視認性が高くなる構成を採用しながら、スライド変位部材5370の配置を、球の視認性が高くなる手前側としていることから、球の流下態様(流下経路)を遊技者に判別させ易くすることができる。
本実施形態では、スライド変位部材5370が右側位置に配置される場合、通常検出センサSE11への経路入口は特に塞がれておらず、球の入球が生じ得る構造とされる。一方で、通常検出センサSE11への経路入口の上流側を流下する球は、第1流路構成部334を流下する間に正面側に向けて流れている。
そのため、第1流路構成部334を通過した直後において、真逆の後方側への速度が生じ難いため、通常検出センサSE11への経路入口への球の進入が生じ難い構成となっている。そこで、本実施形態では、敢えて通常検出センサSE11への経路入口を塞ぐための部材を設けることを省略し、部材コストの削減を図っている。
次いで、図113を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、左右の流路が仕切り板部338により分断され、流路同士が合流しない場合を説明したが、第6実施形態の振分装置6300では、右側の第3流路構成部336に、左側の湾曲突部334bの下流側から右方に延びる合流流路6341が連結される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図113は、図15のXVII−XVII線に対応する線における第6実施形態における振分装置6300の断面図である。図113に示すように、振分装置6300の右側の流路は、第1実施形態と同様に流路構成部334〜336から形成されている。
一方、振分装置6300の左側の流路は、湾曲突部334bの正面側に球1個分のスペースを空けた箇所から右方に直線的に延びる合流流路6341から形成され、この合流流路6341は、右側の流路としての第3流路構成部336に接続される。従って、本実施形態では、右側流路を流下する球と、左側流路を流下する球とが、流路が接続される接続箇所JP1で合流するので、球同士が衝突し得る。
合流流路6341は、流路下端に上げ床部6342を備える。上げ床部6342は、第3流路構成部336の下底面336aよりも高い位置の床面として形成される。これにより、合流流路6341から接続箇所JP1に流入する球と、右側流路を流下し第3流路構成部336を流下する球のとの高さ位置に差をつけることができるので、球同士の衝突時に生じる逆流の度合いを低減することができる。
接続箇所JP1における球同士の接触により、球同士の接触が生じない場合と比較して、球の流下を遅延させることができる。これにより、球同士の接触が生じる場合と、接触が生じない場合とで、球通過孔163b(図16参照)を通過した球が分岐箇所BP1に到達するまでの時間を変化させることができる。
スライド変位部材370の動作タイミングは球の入球態様によらず、開閉板65bの開放タイミングから一定動作で設定されるので、球が分岐箇所BP1に到達するタイミングを変化させることにより、スライド変位部材370が異なる配置の時に球を分岐箇所BP1に到達させることができる可能性がある。
球同士の接触の前提は、球の合流が発生することであり、合流流路6341を流下する球が存在することである。遊技者は、球同士の接触を生じさせたい場合には、左右一対の球通過孔163b(図74参照)にそれぞれ球を入球させるように発射強度を調節して遊技すればよく、球同士の接触を避けたい場合には、片側(右側)の球通過孔163bにのみ球を入球させるように発射強度を調節して遊技すればいい。
本実施形態によれば、球の発射強度の調節が、接続箇所JP1における球の接触の有無に関与し、球が分岐箇所BP1に到達するタイミングでのスライド変位部材370の状態と関与することから、遊技者の利益に直接的に影響する。従って、遊技者の、球の発射強度を調節する意欲を向上することができる。
また、本実施形態によれば、接続箇所JP1での接触は、球の連球の形成と密接に関連する。即ち、接続箇所JP1で接触した2球を、近接配置した状態で分岐箇所BP1へ流下させることができる。
次いで、図114及び図115を参照して、第7実施形態について説明する。第1実施形態では、分岐箇所BP1への流下経路が、流路構成部334〜336により構成される流路のみである場合を説明したが、第7実施形態の振分装置7300では、第1流路構成部334及び第2流路構成部335を経由せずに球が分岐箇所BP1へ流下可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図114は、第7実施形態における振分装置7300の正面斜視図であり、図115は、図114のCXV−CXV線における振分装置7300の断面図である。図114及び図115に示すように、振分装置7300は、特定入賞口65aに入球した球が通過可能な経路として、球通過孔163bの他に、左右略中央位置において開口形成される球通過孔7163bを備える。
球通過孔7163bは、可変入賞装置65への入球を検出し、規定個数の入球の判定により開閉板65bを閉鎖状態に状態変化させるタイミングを検出するために利用される検出センサSE1と同様の機能を有する検出センサSE71の球通過開口として形成される。
球通過孔7163bの下流側には、後方に向けて下降傾斜する方向に矩形筒状断面で延設される筒状流路7164が配設される。筒状流路7164は、内部を球が流下可能となるように十分に大きく形成されており、その端部は、分岐箇所BP1の正面側上方まで延びている。即ち、球通過孔7163bを通過した球は、筒状流路7164の内部を流下して、分岐箇所BP1まで到達可能に構成される。
筒状流路7164を球が通過するのに要する時間長さは、流路構成部334〜336を球が通過するのに要する時間長さよりも短くなるように設定され、第1流路構成部334を球が通過するのに要する時間長さと同等となるように設定される。
そのため、例えば、振分装置7300が、上述した作動パターンY(図25参照)で駆動制御される場合において、上述のように、球通過孔163bを通過して流路構成部334〜336を通過する球はスライド変位部材370が前側位置に復帰した後の状態でしか分岐箇所BP1に到達できないのに対し、球通過孔7163bを通過して筒状流路7164を流下した球はスライド変位部材370が後側位置に配置されている間に分岐箇所BP1に到達する可能性がある。
特に、開閉板65bが開放状態に状態変化した直後に球通過孔7163bを通過した球は、スライド変位部材370が後側位置に配置されている間に分岐箇所BP1に到達し易い。
即ち、スライド変位部材370の駆動制御のパターンが同じであっても、特定入賞口65aに入球した球が、球通過孔163bを通過するか、球通過孔7163bを通過するかで、確変検出センサSE11を球が通過するか否かが変化するように構成することができる。これにより、特定入賞口65aの内側における球の流下態様に対する遊技者の注目力を向上することができる。
図114に示すように、遊技中における一般的な方向視で見る場合に、筒状流路7164によって分岐箇所BP1やスライド変位部材370や流路構成部334〜336の視認性が低下することを回避できるように筒状流路7164の配置を工夫している。
このように、本実施形態によれば、分岐箇所BP1の視認性は高く維持しながら、分岐箇所BP1へ球が案内される流路を増やしたことで、球が分岐箇所BP1へ到達するまでに要する時間長さの種類を増やすことができ、特定入賞口65aに対する遊技者の注目力を向上することができる。
次いで、図116を参照して、第8実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニット600の案内長孔616が直線状部616aと曲線状部616bとが一箇所で連結され、その連結位置において軸線O1の経路が屈曲し軸線O1の変位方向が切り替えられる場合を説明したが、第8実施形態の第1動作ユニット8600では、案内長孔8616が、複数箇所(二箇所)で連結され、その連結位置において軸線O1の経路が屈曲し変位方向O1の変位方向が切り替えられる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図116は、第8実施形態における案内長孔8616と回動部材620との関係を模式的に示す正面模式図である。図116に示すように、案内長孔8616は、直線状部616aの下側において、左右に2度屈曲する。
即ち、案内長孔8616は、直線状部616aと、その直線状部616aの下端部と連結され曲線上(略円弧形状)に形成される第1曲線状部8616bと、その第1曲線状部8616bの下端部と連結され、第1曲線状部8616bとは曲率半径の中心が左右逆となる曲線上(略円弧形状)に形成される第2曲線状部8616cと、を備える。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、軸線O1が直線状部616aの下端位置、即ち、直線状部616aと第1曲線状部8616bとの連結部分に配置される場合、軸線O1の変位方向が切り替えられることから軸線O1の変位速度を低減する(落とす)ことができる。
加えて、軸線O1が第1曲線状部8616bの下端位置、即ち、第1曲線状部8616bと第2曲線状部8616cとの連結部分に配置される場合、軸線O1の変位方向が切り替えられることから軸線O1の変位速度を低減する(落とす)ことができる。
このように、軸線O1を停止させ易い途中位置を複数位置で構成することができるので、軸線O1を途中で止めて、途中で停止している第2装飾回転部材660(図43参照)の停止姿勢の種類(バリエーション)を増やすことができる。
次いで、図117を参照して、第9実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニット600の案内長孔616が単一の経路で構成される場合を説明したが、第9実施形態の第1動作ユニット9600では、案内長孔9616が、直線状部616a及び曲線状部616bで構成される第1の経路と、その第1の経路の右側に連結される第2の経路と、を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図117は、第9実施形態における案内長孔9616と回動部材620との関係を模式的に示す正面模式図である。図117に示すように、案内長孔9616は、第1実施形態の案内長孔616と同様に直線状部616a及び曲線状部616bを備えることに加え、直線状部616a及び曲線状部616bの連結箇所から右方に傾斜して延びる角度維持部9616cと、その角度維持部9616cの右端から曲線状部616b側へ延びて曲線状部616bの途中位置と連結される連結部9616dと、を備える。
角度維持部9616cは、軸線O1が直線状部616aと曲線状部616bとの連結箇所に配置された状態(図43及び図44参照)から、回動部材620を傾倒側に回動させる場合に角度θが維持された状態で軸線O1が変位すると仮定した場合の、軸線O1の変位軌跡と同方向に形成される。
このように、軸線O1が角度維持部9616cを変位する間は角度θが維持されるので、第2装飾回転部材660の箱状部材661の回転方向の姿勢は、第3演出面661cが正面を向く姿勢(図43参照)が維持される。
換言すれば、回動部材620が回動変位する際に軸線O1が角度維持部9616cを変位する場合、回動部材620が傾倒方向に回動することに連動して回転する箱状部材661の回転態様として、角度維持部9616cの形成長さ(形成角度幅)に亘り、第3演出面661cが正面を向いた姿勢を維持することができる。
連結部9616dを軸線O1が変位する場合は、回動部材620の回動に伴う角度θの変化は許容されるので、回動部材620の回動に連動して、箱状部材661は回転する。
一方で、回動部材620の傾倒角度が同じ場合であっても、軸線O1が曲線状部616bに配置される場合の角度θの大きさと、軸線O1が連結部9616dに配置される場合の角度θの大きさと、は異なるので、軸線O1が変位する経路を左右で異ならせることで、回動部材620の回動に連動する箱状部材661の途中姿勢を異ならせることができる。
また、軸線O1が変位する経路が左右いずれであろうと、軸線O1が変位可能範囲の上端に配置される場合の角度θや、下端に配置される場合の角度θは、それぞれ一種類なので、軸線O1が変位可能範囲の上端または下端に配置されている場合における箱状部材661の姿勢は維持することができる(図40及び図45参照)。
換言すれば、本実施形態では、軸線O1が変位可能範囲の端部間(途中位置)に配置された状態における、軸線O1の配置に関連する被支持部材640及び第2装飾回転部材660(図43及び図44参照)の配置と、軸線O1の変位速度に関連する被支持部材640の変位速度および第2装飾回転部材660の箱状部材661の回転速度と、を複数種類で生じさせることができる。
案内長孔9616は、複数の経路で構成されているに留まり、軸線O1が変位可能な経路を制限する機構は備えていない。これにより、経路を制限する機構の不良による動作不良の発生を回避したり、構成を簡素化することによる製品コストの低減を図ったりすることができる。
一方で、軸線O1の変位経路の分岐は、回動部材620を介して軸線O1にかけられる負荷の方向で制御することができる。以下、これについて説明する。まず、回動部材620が傾倒方向に回動変位する場合を説明する。
第1に、軸線O1を左側の経路(直線状部616a及び曲線状部616b)で変位させる場合、回動部材620の回動変位が途中で停止しないように駆動モータ631(図40参照)を駆動制御する。
この場合、軸線O1は、直線状部616aの延びる方向(上下方向)に沿う変位の慣性で曲線状部616bに進入し、そのまま案内長孔9616の下端位置まで変位する。
第2に、軸線O1を右側の経路(角度維持部9616c及び連結部9616d)で変位させる場合、直線状部616a及び曲線状部616bの連結箇所に軸線O1が配置された段階で回動部材620を途中停止または減速させるよう駆動モータ631(図40参照)を駆動制御し、その後で再度、駆動モータ631を同方向に駆動制御する。
この場合、直線状部616aの延びる方向(上下方向)に沿う変位の慣性が減少するので、軸線O1が左側の経路を変位するか、右側の経路を変位するかの選択は、変位抵抗が少ない側が選ばれる。
ここで、角度維持部9616cへ軸線O1が進入する場合、角度θの大きさが維持されることから、回動部材620と歯合回転する中間ギア644(図44参照)や、中間ギア644よりも駆動力の伝達下流側の部材に駆動力を伝達する必要がない。即ち、その分だけ変位抵抗が少ないので、軸線O1を角度維持部9616b側に進入させることができる。
このように、本実施形態では、回動部材620の傾倒方向の駆動制御において、駆動モータ631を途中で停止制御させるか、停止させないかにより、軸線O1が変位する経路を選択するように制御することができる。
なお、回動部材620の起き上がり方向の変位では、軸線O1が回動部材620から斜め右上方向へ向けた負荷を受けるので、軸線O1が連結部9616dに進入するように変位する事態は生じ難くされ、曲線状部616bに沿って軸線O1を上昇変位させることができる。
本実施形態では、連結部9616dと曲線状部616bとの連結箇所は、曲線状部616bの途中位置に設定されているので、曲線状部616bの右側面が、曲線状部616bの下端位置に配置された軸線O1の右上側に配置される左上傾斜の面として形成される。
そのため、軸線O1が曲線状部616bの下端位置に配置された状態で、円形貫通孔624を中心とする円に沿って軸線O1が上方変位(跳ね戻り)することを防止することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300により球が一旦手前側に流下した後で、後方に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、手前側に流下する部分を構成することなく、複数回の経路屈曲や、球を減速させる減速凸部を形成することにより、球の流下に要する時間の確保を図っても良い。
上記第1実施形態では、第2入賞口140の前意匠部材141の下底面が湾曲面形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、当接により球の流下を遮ることができる形状であれば良い。例えば、傾斜平面形状で構成しても良いし、平面から細かな凸部が多数突設されるよう形成され、衝突した球に不規則な負荷を与えられるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球が振分装置300を流下する際、専ら流路構成部334〜336を順に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、特定入賞口65aの左右中央部に下方へ貫通する開口が形成され、この開口を通り第3流路構成部336に球が直接流入可能に形成しても良い。
例えば、球が1球ずつ入球する場合には開口を球が通過することは無いが、複数球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合に球が開口を通過し得るよう構成しても良い。この場合、特定入賞口65aに入球した球が開口を通過する場合と、開口を通過しない場合とで、球がスライド変位部材370に到達するまでに要する時間を変化させることができる。
上記第1実施形態では、検出センサSE11,SE12が特定入賞口65aよりも後方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2流路構成部335の下流側端部の真下に検出センサSE11,SE12が配設されるようにしても良い。また、この場合において、第1流路構成部334と第2流路構成部335との順番を逆転させても良い。即ち、検出センサSE11,SE12への入球において、左右方向への流下の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良いし、前後方向流下(手前側へ向けた流下)の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300単体での特徴として、各流路構成部334〜336の流路方向や傾斜について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の島への設置の際に、日常的に行われる「ねかせ」を考慮して、この流路方向や傾斜について設計するようにしても良い。
ねかせとは、パチンコ機10を垂直な姿勢で設置するのではなく、前後方向に傾斜させた状態で設置することを言う。通常、パチンコ機は、約1度(四分五厘)後方に倒れた姿勢(ねかせ)で設置される。上述の振分装置300単体(ねかせが無い状態状態)での説明に比較して、約1度という設置角度を考慮すると、前後方向の傾斜を有する第1流路構成部334及び第2流路構成部336の傾斜の意味が変わってくる。
即ち、振分装置300単体では、上述のように、第1流路構成部334が前側へ水平から7度だけ下降傾斜し、第3流路構成部336が後側へ水平から5度だけ下降傾斜するように設計されているが、設置角度を合わせて検討すると、第1流路構成部334も第3流路構成部336も同様に6度だけ下降傾斜する流路を構成することになる。一方で、第2流路構成部335は、左右方向の傾斜であるので設置角度の影響を受けにくく、上述と同様に約5度の傾斜とみなすことができる。
この場合、振分装置300内の球の流下について、第1流路構成部334及び第3流路構成部336での球の加速度は同様とされ、第2流路構成部335において若干加速度が小さくなる。そのため、左右方向の球の流下速度を落とすことができるので、第2流路構成部335を流下する球を遊技者に視認させ易くすることができる。また、第1流路構成部334の方が第3流路構成部336よりも短いことは変わらないので、第1流路構成部334を、第3流路構成部336を通過するよりも短期間で通過させることができる。
このように、振分装置300の内部での球の流下は、前後方向の流路を有していることからパチンコ機10のねかせの影響を受ける。そのため、各流路構成部334,336の傾斜角度をねかせの角度(約1度)よりも小さくすると、ねかせの良し悪し(角度設定)により流路構成部334,336における球の流下方向が変わって(反転して)しまうので、傾斜角度はねかせの角度よりも大きな角度として設定する必要がある。
また、振分装置300の内部での球の流下が前後方向の流路を有しており、その流路が視認可能な構成では、その流路を流下する球の流速の僅かな違いから、パチンコ機10のねかせの程度を把握される可能性がある。敢えて、ねかせの程度を把握させたいなら、振分装置300の流路を視認し易い構成とすればいい。
一方、上記第1実施形態では、球の流下速度の僅かな違いから「ねかせ」の程度を把握されないように、各流路構成部334〜336の、前側周囲において被固定部材161や前意匠部材162が囲むように配置され、上側において可変入賞装置65が覆うように配設され、下側において光拡散加工面340で視認性を悪くするように構成されるようにしている。
このように、各流路構成部334〜336を流下する球の視認性を、通常の遊技者目線(正面視0度〜約30度程度の範囲)を除き、悪くするようにしている。これにより、各流路構成部334〜336を流下する球の流速を比較してパチンコ機10の「ねかせ」の程度を把握されることを回避することができる。
上記第1実施形態では、第1流路構成部334の傾斜の方が、第3流路構成部336の傾斜よりも大きい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、この傾斜の関係を逆転させても良いし、同様の傾斜で構成しても良い。
また、各流路構成部334〜336は、それぞれ直線状の流路が屈曲して渦状の流路を構成するものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路形状でも良いし、階段状に屈曲する流路形状でも良い。
また、各流路構成部334〜336の接続箇所で流路が直角に曲げられるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接続箇所で流路が鋭角で曲げられても良いし、鈍角で曲げられても良い。また、各流路構成部334〜336としてクルーンを採用しても良い。
上記第1実施形態では、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間が0.3秒となるように設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3流路構成部336を通過するのに要する時間が1秒(0.6秒以上)となるように設計しても良い。これにより、球が発射間隔(0.6秒)を維持したまま振分装置300に入球した場合であっても、第3流路構成部336を流下する上流側の球を、その下流側において第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、流路構成部334〜336の経路長さを確保することで、球の流下時間を確保する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位部材370までの経路の内側両壁から遊技球の流下方向と交差する方向に長尺で形成され、互い違いに突設される突条を設け、この突条を遊技球に衝突させることで球を減速させるように構成しても良い。これにより、経路長さを長くせずとも、球の流下時間の確保を図ることができる。
なお、減速用の突条は、スライド変位部材370までの経路の全範囲に均等に配置するようにしても良いし、配置を不均等にしても良い。例えば、第1流路構成部334及び第2流路構成部335については突条を形成せず、第3流路構成部336においてのみ突条を構成することで、第3流路構成部336までは迅速に球を到達させる一方、球が第3流路構成部336を緩やかに流下するように構成することができる。
また、突条の突設方向は、左右方向から球の流下経路に沿って経路内側へ互い違いに突設されるような方向でも良いし、所定間隔を空けて下側から上方へ突設されるような方向でも良い。
左右方向からの突設の場合、突条から球に与えられる負荷が左右方向の成分を有するので、この負荷により球が通常検出センサSE12に誤って案内されないように配置を考慮することが好ましい。例えば、スライド変位部材370に最も近接する位置においては、左右外側の壁部から左右内側に突設させることで、突条からの負荷が通常検出センサSE12側へ向かわず仕切り板部338側へ向かうようにすることで、球が誤って通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができる。
下側から上方への突設の場合、突条自体がスライド変位部材370の目隠しとして機能する可能性があるので、遊技者の視線を考慮して、形成高さや形成位置を設計することが好ましい。
なお、突条は、出没可動に形成しても良い。この場合、出状態では球の流下をせき止めて、没状態となった場合に球の流下を再開可能としても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の手前側を流下する球により目隠しがされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分装置300の前に、可動の化粧部材が配置され、その化粧部材によって流路構成部334〜336の目隠しがされるようにしても良い。この化粧部材は、駆動されても良いし、球の重みで動作するものでも良い。
また、球により目隠しがされる場合において、球が手前側に配置される場合に限られるものではない。例えば、スライド変位部材370の背面側に鏡が配設され、その鏡の反射を利用してスライド変位部材370の状態を視認させる場合には、球がスライド変位部材370と鏡との間に配置されれば、目隠し機能を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370に到達する球が目隠しされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64が、検出センサSE11,SE12のように遊技領域よりも後方に配置され、第1入賞口64が目隠しされるものでも良いし、他の一般入賞口63が目隠しされるものでも良い。
上記第1実施形態では、流路構成部334〜336が直線的で球を1個ずつ案内可能な流路から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路として形成されても良いし、複数に枝分かれが生じる流路として形成されても良いし、流路幅の大小があり流路幅が大の箇所では球が滞留し易いよう構成されても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370へ向かう球により目隠しの効果が生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の入賞口63,64,65,140に入球した球を排出するための排出経路がスライド変位部材370の前側に配置され(例えば、手前側において交差するように配置され)、その排出経路および排出経路に配置される球によりスライド変位部材370が目隠しされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球は、専ら第1流路構成部334を通り第2流路構成部335側(手前側)に流れてくる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aの下流側に球を振り分けるシーソー状の振分機構が配設され、その振分機構により第2流路構成部335側に流れる球が選別されることで、一部の球が第2流路構成部335側に流れるようにしても良い。
振分機構は、球の自重で変位動作するものでも良いし、駆動装置で開閉板65bの開閉から一定動作するよう駆動されても良いし、パチンコ機の電源オンから一定のパターンで駆動されるように制御しても良い。
駆動制御する場合は、例えば、入球の種類が変化する場合において第2流路構成部335側に球が流れるように制御しても良い。例えば、特定入賞口65aへの入球において、カウント数(10個/ラウンド)を超える入球(超過入賞)があった場合に、第2流路構成部335側に球が流れるように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流下する球の個数と、超過賞球の払い出し個数とを照合でき、得られる追加利益を遊技者が早期に把握することができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
また、例えば、第1入賞口64に入球した球が振分装置300を流下するような構成においては、特別図柄1の保留個数が4個(満タン)の場合に入球があったら、その球は第2流路構成部335側に流すように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流れる球を視認することで、特別図柄1の保留個数が満タンであることを遊技者に気付かせることができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
球の自重で変位動作する場合は、球が到達する度に所定動作を繰り返すようにしても良いし、到達する球の個数によって異なる動作をするように構成しても良い。例えば、1個の球が特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へは流れず、2個以上の球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へ球が流れるようにしても良い。また、逆でも良い。
また、これらの動作態様は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される検出センサSE1の下流でいずれも同じでも良いし、左右で異なるように構成しても良い。
ここで、特定入賞口65aからスライド変位部材370までの球の流下時間が長い場合、球排出時間が長いことにより遊技が間延びする可能性がある。そのため、例えば、上述の振分機構を利用して、特定入賞口65aに入球した何球目までかの球を第2流路構成部335側へ流下させ、それ以降の球については第2流路構成部335を経ずに排出するように構成しても良い。これにより、カウント数目の球が流路構成部334〜336を流下しきるのを待つ必要が無くなるので、ラウンド間長さを短く設定することができる。
上記第1実施形態では、第3図柄表示装置81の下側において振分装置300が配置され、遊技領域の下端部付近で球を手前側に流す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aが第3図柄表示装置81の下縁よりも上側に配置され、振分装置300の流路構成部334〜336が、第3図柄表示装置81に近接配置または正面視で表示領域の手前側に配置されるよう構成しても良い。
この場合、振分装置300を流下する球を視認する視線を第3図柄表示装置81の表示領域側を向く視線にすることができる。この場合、振分装置300での球の流下により遊技者が得られる利益の大小と、液晶表示での報知の内容とを対応付けることで、遊技者は表示を確認することで大小いずれの利益を獲得できたのかを容易に把握することができる。
また、内レール61を転動する球が、第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で下側にずれた位置で視認される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内レール61を転動する球が第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で上下に位置ずれせず、重なって視認され得るような配置関係で構成しても良い。この場合、振分装置300に入球した球のみでなく、内レール61を転動する球を第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の作動パターンYとして、特定入賞口65aに入球した球が到達し得ない時間にスライド変位部材370を前側位置に切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板65bの開放タイミングから、1.2秒経過後にスライド変位部材370が前側位置に切り替えられるように制御しても良い。
この場合、1.2秒が経過する前にスライド変位部材370に到達していた前流れ球については、確変検出センサSE11の貫通孔に入球させることができる。一方、その前流れ球を追うように流れ、1.2秒の経過後にスライド変位部材370に到達した後追い球は、通常検出センサSE12の貫通孔に入球することになる。
ここで、後追い球が、前流れ球の目隠しとして機能する位置関係であった場合、遊技者は、前流れ球の流れが確変検出センサSE11へ向けて(下方へ)切り替わるタイミングを、後追い球に隠されることで、視認することができない。その上、後追い球は通常検出センサSE12に入球するので、遊技者は、球が確変検出センサSE11に入球していないと思い込むと考えられる。
このように、あたかも確変検出センサSE11の貫通孔に球が入球していないように見せることができるので、時短状態と確変状態との表示演出を同様にして遊技者の期待感を維持させるような遊技機において、その表示演出の演出効果を向上することができる。
上記第1実施形態では、左右内突設部318に衝突した球は、その衝突による負荷だけでは通常検出センサSE12側には流れない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右内突設部318に案内されるまでの球の速度や、回転が、複数種類で構成可能となるように左右内突設部318の上流側における流路を構成し(例えば、クルーンを配設したり、経路幅を広くしたりすることで球の流下方向の自由度を増加させ)、球の速度や、回転の違いによって、左右内突設部318との衝突による負荷だけで通常検出センサSE12に案内され得るように構成しても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370と、各突設部317〜319とが別体として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各突設部317〜319の少なくとも一つが、スライド変位部材370に一体的に形成されても良い。即ち、スライド変位部材370の上突設部376から各突設部317〜319の少なくとも一つが突設されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の動作タイミングとして、球で隠される可能性を考慮した作動パターンYについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球で隠されるタイミングで発光手段351のLEDを発光させる制御を織り交ぜても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状により軸線O1の変位抵抗を変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内長孔616の幅長さを変えて隙間の外相を形成することで変位抵抗を変えても良いし、磁力やコイルスプリングの付勢力を利用して変位抵抗を変化させても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状を途中位置で屈曲する形状で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数回屈曲する形状としても良い。この場合、軸線O1の上下方向変位の抵抗が増大する位置を複数位置で形成することができる。
また、案内長孔616の形状を、回動部材620の回動中における角度θの変化量の大小を変化させる目的から設計しても良い。例えば、回動部材620の回動中における角度θの大きさが維持できる範囲を部分的に形成できるように被支持部材640を案内可能な形状で案内長孔616を形成しても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、軸線O1が移動可能な案内長孔616が複数形成され、所定の切替手段(例えば、他の駆動装置や、回動部材620に当接して切り替えられるボタン式の切替装置)によって軸線O1が案内される案内長孔616を切り替えられるように構成しても良いし、案内長孔616を形状変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が第3図柄表示装置81の右側に配置された状態で第1演出面661aを前斜め左側へ向ける構成について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81の左側に配置された状態で演出面を前斜め右側へ向けるように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の下側(上側)に配置される場合に演出面を前斜め上側(下側)へ向けるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、回動部材620を変位の基端側に配置するよう構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、直動変位する部材を変位の基端側に配置しても良い。一方で、直動の部材ではなく回動部材620を利用していることは、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度を確保することに好適に機能する。
例えば、横スライドする部材を被支持部材640の主動側に固定する場合、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度に影響する角度は、水平より上側の角度(角度a1等)に限定される。これに対し、回動部材620を利用する場合であれば、水平より上側の角度だけでなく、下側の角度(角度b1等)をも利用することができる。なお、この好適な効果に関わらず、被支持部材640の主動側に直動スライドする部材を連結するようにしても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が直方体で形成され、直角に交差する3側面に装飾が施される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660が断面五角形で形成され、各側面が前側を向く姿勢で停止制御可能に構成されても良い。
上記第1実施形態では、装飾固定部材670は固定の装飾部材としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、液晶表示装置が配設されても良い。この場合、第1動作ユニット600や第2動作ユニット700と一体視させ易い表示を容易に切り替えることができる。
上記第1実施形態では、回動部材620の回転軸と、第2装飾回転部材660とが直角に交差し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660の回転軸が前後方向の成分を軸として(斜めな回転軸として)構成されても良い。
上記第1実施形態では、コイルスプリングCS2の付勢力の設定から、第2動作ユニット700を中間演出状態で維持し易くなるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動アーム部材720の長孔部723付近に磁石を配設し、この磁石が右側前板部材710に配設される磁石との間で吸着力を生じさせるよう構成し、この吸着力が第2動作ユニット700の中間演出状態において生じ易くなるようにしても良い。
また、例えば、傾斜部751,762を直線的に形成するのではなく、波形状や鋸歯形状など屈曲した形状から形成しても良い。また、コイルスプリングCS2を利用する場合についても、コイルスプリングCS2が圧縮される場合にのみ付勢力が生じるものに限らず、コイルスプリングCS2の伸長変位に対する付勢力が生じるよう構成しても良い。
上記第1実施形態では、磁石Mgの吸着力を超えるまでは傘歯部783cと傘歯部材785cとが弾性変形することで軸回転部材785の姿勢が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ギアの弾性変形ではなく、回転する軸棒と、その軸棒を支持する支持筒との間の摺動摩擦に許容値を設けることで構成しても良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787が下からせり上がり、遊技領域の後端部から前側に入り込む場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下降変位によって前側に張り出す態様でも良い。この場合において、センターフレーム86の上縁を下から前方へ越える態様でも良いし、遊技領域の上方(例えば、正面枠14の上方)から前側に張り出す態様でも良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787の回転が逆方向となることで副装飾面787a2,787b2が揃って視認されないことで識別力を低下させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、副装飾面787a2,787b2を正面側に向けながら回転する態様ではなく、左右外側に向けながら回転する態様としても良い。また、同方向の回転であっても、回転角度をずらして回転させるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700及び第3動作ユニット800で共通して、リンク機構(中間腕部材783、中間腕部材850)の回転角度を利用して軸回転部材785や回転部材834を回転(反転)させるように構成されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材834を案内する金属棒832に一筆書き状に溝が掘られ、その溝に回転部材834から突設される突片が差し込まれるような構成では、溝の設計次第で、回転部材834の回転タイミングを規定することができる。
上記第1実施形態では、検出センサ813に被検出部844が配置された状態から、検出センサ813の出力が切り替わることで切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定するように制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサ813に被検出部844が配置されていない状態で駆動モータ861の駆動方向を反転した後、被検出部844が検出センサ813に進入したことを検出することで、切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定しても良い。
上記第1実施形態では、第1装飾部材870の構成と、第2装飾部材880の構成とが所々で異なるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、磁石Mg2が両装飾部材870,880に配設されるようにしても良いし、両装飾部材870,880に鍍金処理がされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、トルクリミッタ866を配設することで切替回転動作と一体回転動作とを明確に分ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、粘性抵抗を生じるオイルダンパを設けるようにしても良い。なお、オイルダンパの場合、動作態様の切り替えによらず、常時抵抗が生じ続けるので、トルクリミッタの方が、一体回転動作に動作態様が切り替えられた後の回転方向の変位抵抗を低減することができ、一体回転動作に切り替えられた後の高速回転を実現し易い。
上記第1実施形態では、光LD1が鍍金部871aで正面側に反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属棒832で光を反射させても良い。一体回転動作中は、直動部材833が金属棒832の基端側(円の内径側)に配置されることで金属棒832が直動部材833に隠されるが、切替回転動作において直動部材833が金属棒832の先端側(円の外径側)に配置される場合には、金属棒832の基端側(円の内径側)が露出することで、光LD1を反射させることが可能である。
上記第1実施形態では、第3流路構成部336の下底面が左右内側に下降傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1流路構成部334の転動面(底面)が左右方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良いし、左右内側に下降傾斜するように構成しても良い。前者の方が、後者に比較して、第2流路構成部335への球の勢いを低減することができる。
また、例えば、第2流路構成部335の転動面(底面)が前後方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良いし、後方へ向かうにつれて下降傾斜するように構成しても良い。前者の方が、後者に比較して、第3流路構成部336への球の勢いを低減することができる。
また、第3流路構成部336について、転動面(底面)が左右方向内側に下降傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3流路構成部336の転動面(底面)が左右方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良い。この場合、球が仕切り板部338側に付勢される度合いが下がるので、球との衝突や擦れによる仕切り板部338の損傷の度合いを低く維持することができる。
上記第1実施形態では、外側発光手段351dの光軸が、分岐箇所を通る球の軌跡の外側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、外側発光手段351dの光軸が分岐箇所を通る球の軌跡の内側を通るように構成(配置位置を下げて構成)しても良い。この場合、外側発光手段351dを点灯している時に、分岐箇所を通る球が外側発光手段351dの光軸と重なることで、光を背面側に反射するように構成することができるので、光が光拡散加工面333bに到達しない状態(暗い状態)とすることができる。
即ち、外側発光手段351dの点灯は継続したままで、分岐箇所での球の流下態様と、光拡散加工面333b(及び光拡散加工面333bから拡散される光を受けて照らされる光拡散加工面314c,340)の明暗とを関連付けることができる。各光拡散加工面314c,333b,340は、球よりも遊技者目線での面積(投影される面積)が大きいので、分岐箇所での球の流下態様について遊技者に容易に把握させることができる。
上記第1実施形態では、発光手段351を点灯制御するタイミングとして、大当たり遊技中の説明をしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞口63,64,140等への入賞が検出されたことに起因して発光制御するようにしても良いし、枠ボタン22の入力操作があったことに起因して発光制御するようにしても良いし、規定個数(大当たり遊技のラウンド遊技の終了を規定する入賞個数、入賞口64,140の入球に基づく変動の最大保留回数)を超える入賞が生じたことに起因して発光制御するようにしても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の動作が不良である場合には、中部材330と下部材380との組み付け位置が不良となっていることから、スライド変位部材370の動作を確認することで、中部材330と下部材380との組み付けの良し悪しを製造段階で判定することができる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、スライド変位部材370の位置を検出する検出センサを備えるようにして、稼働時におけるスライド変位部材370の動作を検出するようにしても良い。この場合、製造段階では現れなかったものの、繰り返しの稼働や、何らかの外力の影響により、中部材330と下部材380との位置関係がずれた場合に、そのずれの発生をスライド変位部材370の動作不良により判定することができる。
上記第1実施形態では、分岐箇所BP1において球の流下方向を切り替えるスライド変位部材370の変位方向を前後方向の直動変位としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作(例えば、ルーレット形式)としても良いし、球の流下を不規則にする形状部(例えば、漏斗状のクルーン)を配設し球が複数の方向に流下し得るようにしても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300を、球が、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とのいずれかを通過するかを切り替えるための装置として採用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、始動入賞口(入賞口64,140)へ球を案内するための装置として採用しても良いし、特定入賞口65aへ球を案内する装置として採用しても良いし、その他の入賞口または入賞領域へ球を案内する装置として採用しても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300が遊技領域の下隅部に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分装置300は、遊技領域の上隅部(例えば、センターフレーム86の上方)に配置されても良いし、左右隅部(センターフレーム86の左右縁部よりも左右外側)に配置されても良いし、遊技領域の中央側部に配置されても良い。例えば、遊技領域の上隅部に配置される場合、振分装置300を見る遊技者の目線は水平面に対して斜め上方向に傾斜するので、正面側へ向けて下降傾斜する流路部分において、下流側の球が上流側の球を隠すよう構成することができる。
また、流路構成部334〜336の構造が前後逆の傾斜となるように構成し、確変検出センサSE11,通常検出センサSE12を被固定部材161付近に配設するように構成しても良い。
上記第1実施形態では、窓部162dの形状を、正面視における流路構成部335,336の形状と、シール部材313の配置と、から設計する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者目線(斜め下方向視)でスライド変位部材370(だけ)を視認可能となる形状でも良いし、スライド変位部材370の視認性が低下するような形状でも良い。また、スライド変位部材370の前側位置または後側位置の一方では視認可能とされ、他方では視認不能となる形状でも良い。
また、第1実施形態では、流路構成部334〜336を左右一対で構成し、合流しないようにすることで、一つの流路に入球する球の個数を少なくでき(入球を分散させることができ)、球詰まりを回避し易くすることができる作用を生じさせながら、それぞれの流路を通過した球のいずれの経路もスライド変位部材370で切り替えられるようにしている。
この点、窓部162dの形状を、スライド変位部材370の左右一対の構成(例えば、球案内部371b、上突設部376)の内、片方のみが視認できてもう片方は視認できなくなるような形状でも良い。この場合、視認できなくなっている側での球の流下経路を遊技者に予想させることができるので、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第1実施形態では、球案内部371bに球が乗り得る状態からのスライド変位部材370の変位方向を後ろ方向(第3流路構成部336を流下する球の進行方向の順方向)として、摺動により球の前転方向の回転を抑制し、球の落下直前の状態における回転量を抑えて、球が一時停止しているように遊技者に見せることができる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、球案内部371bに球が乗り得る状態からのスライド変位部材370の変位方向を前方向(第3流路構成部336を流下する球の進行方向の逆方向)として構成しても良い。
即ち、球案内部371bを前方向に変位させて、球案内部371bが第3流路構成部336の下側に進入させることで、確変検出センサSE11を開放可能に構成する。上突設部376については、球案内部371bと別体で構成し、球案内部371bに球が乗り得る状態では分岐箇所BP1側に張り出すように配置する。球案内部371bに球が乗らない状態へ球案内部371bが変位する場合には、上突設部376が球案内部371bの変位と同じタイミングで前後逆方向に変位して、確変検出センサSE11への球の通路を確保するようにすれば良い。
この場合、球案内部371bのスライド変位時の球との摺動により、球の前転方向の回転を増速することができるので、球の落下直前の状態における回転量を増大させて、球が即座に落下(スムーズに落下)したように遊技者に見せることができる。
上記第1実施形態では、回動部材620の制御は、駆動モータ631の通電切断後に回動部材620に与えられる慣性負荷を考慮して、検出センサKS1の検出溝に延設部634bが配置されたことをもって駆動モータ631の通電を切断する制御態様としていたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサKS1の検出溝に延設部634bが配置されたことを検出センサKS1により検出したら、駆動モータ631の駆動電力を落として、短時間だけ弱めに回転させてから停止させるようにしても良い。これにより、回動部材620を変位終端位置(演出待機状態の位置)まで確実に到達させることができる。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700について、前上傾斜部714,751や受傾斜部762の溝を、真っすぐな傾斜溝から構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下端側で前側に湾曲するような、部分的なカーブを有する溝とすることで、演出装置780の変位を、上下スライド変位と、前後スライド変位と、前後方向の姿勢変位とを合わせた変位態様とすることができる。
なお、前上傾斜部714,751や受傾斜部762の溝の形状としては、種々の態様が例示される。例えば、左右方向視でくの字形状(又は逆くの字形状)としても良いし、S字に湾曲する形状としても良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700の反転動作について、磁力により反転動作の開始タイミングを遅らせることで、部材同士(例えば、本体部材771と覆設部材787、駆動モータ782と覆設部材787)の衝突を避けるように変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、中間腕部材783の傘歯部783cと軸回転部材785の傘歯部材785cとのギア数の設定により、部材同士の衝突を避ける設計手法でも良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700では、上端位置としての張出状態で回動アーム部材720の回動先端が演出装置780の左右中央と一致する左右位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動アーム部材720の回動先端が演出装置780の左右中央よりも右寄りに配置されることで、昇降板部材740の左側を支持する金属棒702と、昇降板部材740の右側を支持する回動アーム部材720との支持位置間隔を長く確保することができる。これにより、昇降板部材740を安定して支持することができる。
上記第3動作ユニット800では、膨出部824aは、装飾部材870,880が個別合体状態か、一連合体状態かに関わらず、形状不変で遊技者に視認される部分として構成し、個別合体状態も、一連合体状態も、膨出部824aを一部(中央部)として遊技者に視認させる状態としたことで、膨出部824a、第1覆設部875及び第2覆設部885を互いに違和感の抑えた形状となるように設計する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、膨出部824aの正面に表示部が配設される位置関係で表示装置(セグ表示装置や、液晶表示装置)を配設しても良い。この場合、内側発光部823aからの光の照射態様(明暗や色)の変化で膨出部824aの視認性を変化させる場合と異なり、膨出部824aで視認される対象を表示部の表示態様を切り替えることで変化させることができるので、演出自由度を向上することができる。
また、例えば、第1装飾部材870又は第2装飾部材880のいずれか一方について、覆設部875,885の形状を、合体状態における円形状の中心側に延設するように設計変更し、その延設した部分によって膨出部824aを覆うように構成しても良い。この場合、個別合体状態または一連合体状態のいずれか一方において、膨出部824aが遊技者に視認されないように隠すことができるので、膨出部824a、第1覆設部875及び第2覆設部885の設計自由度の制限の程度を下げることができる。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800について複数の装飾部材870,880が磁力で吸着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹凸係合による負荷により合体状態を維持するものでも良いし、バネ部材による付勢力で合体状態を維持するように構成しても良い。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800の磁石Mg2の吸着力がトルクリミッタ866の抵抗力よりも小さくなるように設定することにより切替回転動作を実現しているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、勢いをつけるような動作態様を採用することで、磁石Mg2の吸着力がトルクリミッタ866の抵抗力以上または同等である場合にも、切替回転動作を実現することができる。
勢いをつけるような動作態様としては、例えば、準備動作(予備動作)として、逆方向へ回転制御するようにしても良い。この場合、装飾部材870,880の回転変位に反動をつけることができると共に、中間腕部材850を合体状態における配置から径方向外方へ放る方向の負荷を生じさせることができる。これにより、磁力による吸着を解除し易くすることができる。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800の切替回転動作時のぐらつき抑制のための工夫として、装飾部材870,880が反転動作の前に径方向変位が生じるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、反転動作の回転軸としての金属棒832が配置される平面上に磁力の作用線が書けるように磁石Mg2を配設するように構成する場合、合体状態からの装飾部材870,880の径方向変位の前に反転動作が生じたとしても、複数(5個)の装飾部材870,880間で生じる磁力は同一平面上で生じるので、切替回転動作時に第3動作ユニット800に生じるぐらつきを抑制することができる。
上記第1実施形態では、切替回転動作は、装飾部材870,880が180度反転動作する態様で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、120度の反転動作で再び合体するように構成しても良い。この場合、切替回転動作の前後において、装飾部材870,880の正面視で視認される側を同じとしながら、覆設部875,885の視認される角度を異ならせる(例えば、動作前は右向き60度、動作後は左向き60度)とする動作演出を実行することができる。
また、複数の中間腕部材850の構造について、例えば、長さを非共通に構成したり、傘歯部854cの形成範囲や形状を非共通に構成したりすることで、切替回転動作において、180度の反転動作で合体状態を再構成する装飾部材870,880と、120度の反転動作で合体状態を再構成する装飾部材870,880とを、共存させるように構成しても良い。例えば、5個の装飾部材870,880の内、一個の装飾部材870,880は切替回転動作で120度反転するように構成し、その他(四個)の装飾部材870,880は切替回転動作で180度反転するように構成しても良い。
なお、切替回転動作における反転動作の角度は任意に設定可能である。上述した180度や120度でも良いし、0度でも、360でも、0度から360度の任意の角度でも設定可能である。
上記第1実施形態では、トルクリミッタ866が、左右一対で、外側回転部材840の回転軸よりも上側で、左右非対称位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右対称位置に配置するようにしても良しい、外側回転部材840の左側、右側または下側に一対のトルクリミッタ866の双方を配置するようにしても良いし、外側回転部材840の回転軸を挟んで対向する側(正反対の側)に配置されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、複数(第1実施形態では、5個)の中間腕部材850が共通の形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属棒832に沿ってスライド変位する直動部材833が配設される被支持孔854aや案内孔854bの形状を異ならせて、金属棒832に沿ったスライド変位の開始タイミングを直動部材833同士で差を生じさせるようにしても良い。
例えば、被支持孔854aを長孔または径の大きな孔として形成するよう設計変更し、対応して案内孔854bの形状を設計変更した中間腕部材850を混在させることで、切替回転動作における直動部材833の変位開始タイミングに差を設けることができる。
これにより、直動部材833に連結される回転部材834に締結固定される装飾部材870,880の合体状態からの径方向外側への変位タイミングに、装飾部材870,880同士で差を持たせることができるので、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分をせん断方向(径方向)で離すことができる。
この場合、吸着を剥すための負荷を低減することができるので、駆動モータ862に要求される駆動力を低減することができると共に、第3動作ユニット800の配置の安定を図ることができる。
なお、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分にせん断方向(径方向)の変位を生じさせる変位態様は、毎回生じるようにする必要は無い。例えば、せん断方向の変位を生じさせる変位態様が、合体状態から切替回転動作を実行する場合(往路)に生じる一方で、切替回転動作により合体状態に至る場合(復路)では生じないように構成しても良い。
例えば、中間腕部材850の設計を、合体状態(回動先端が内側回転部材830の回転軸側に配置されている状態)から、装飾部材870,880が最外径位置に配置される状態へ中間腕部材850が回動する変位態様と、装飾部材870,880が最外径位置に配置される状態から、合体状態へ中間腕部i850が回動する変位態様と、で態様を異ならせるように構成することで、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分にせん断方向(径方向)の変位を生じさせる変位態様を選択的に生じさせることができる。
上記第1実施形態では、各動作ユニット600,700,800ごとに、検出センサKS1,713,778d,813の個数を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1個の検出センサKS1ではなく、複数の検出センサKS1が延設部634bを検出可能な位置に配置されるように構成しても良いし、3個の検出センサ713ではなく、2個以下または4個以上の検出センサ713を採用しても良い。なお、検出センサKS1の配置としては、第1動作ユニット600の中間演出状態または張出状態における延設部634bを検出可能な位置が例示される。
また、例えば、2個の検出センサ778dの内の片方のみを採用しても良いし、1個の検出センサ813ではなく、複数の検出センサ813が被検出部844を検出可能な位置に配置されるように構成しても良い。検出センサ813の配置としては、例えば、5個の検出センサ813を円周上等間隔で配置することにより、第3動作ユニット800の個別合体状態における第1装飾部材870の配置を5種類(回転方向で異なる5態様)で判定することができる。
上記第2実施形態では、スライド部材2420の配置によらず球の転動が継続される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、前側配置FPにおけるスライド部材2420の上側面と、上部材310の上面部314の下側面との間隔が、球の直径と同等の長さとなるように構成しても良い。この場合、スライド部材2420が前側配置FPとなった場合には、球が、スライド部材2420の上側面と上面部314の下側面とに挟まれる状態を構成できるので、球の減速作用を強化し、球の滞留が生じ易くすることができる。
上記第2実施形態では、第1流路構成部2334の内側に突条を形成するという記載はしなかったが、第1流路構成部2334に球を減速させるための突条を突設するように構成しても良い。この場合において、突条の配設高さを、前側位置FPにおけるスライド部材2420に乗る球か、又は、スライド部材2420が後側配置BPの際に底面2334cに乗る球か、の一方と当接し、他方とは当接しない高さとして設定しても良い。この場合、突条による減速作用を、スライド部材2420が前側配置FPの状態か、後側配置BPの状態か、の何れかで生じさせることができる。
上記第3実施形態では、スライド変位部材3370は、薄板部371と上前突設部3376b及び上横突設部3376cとが一体形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、薄板部371が前側位置、後側位置に配置されるタイミングに合わせて、別部材としての上前突設部3376b及び上横突設部3376cが上下方向に出没し、球を当接する状態と、当接しない状態とを構成するようにしても良い。
なお、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の前後配置は何ら限定されるものではないが、本実施形態のように、後側を確変検出センサSE11とする方が、確変検出センサSE11への誤入賞を回避し易くすることができる。
上記第4実施形態では、スライド板4372及び上当接部4373や、スライド板4376及び上当接部4377が一体形成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これらが別部材として構成されると共に、タイミングを合わせて同期動作(連動)するように構成しても良い。なお、前後方向にスライド変位するよう構成しても良い。
上記第4実施形態では、スライド板4372の上側面4372aを球が後方に通過したタイミングでスライド部材4371,4375がスライド変位すると、上側面4376aの傾斜によって球が前側に戻される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前開放状態におけるスライド板4372の後方に、追加の入球検出センサが配設されるように構成しても良い。
この場合、後開放状態から前開放状態に状態変化する際にスライド板4372に乗っていた球だけが追加の入球検出センサに案内されるよう構成することができる。追加の入球検出センサに球が入球することにより遊技者が得られる利益(例えば、確変検出センサSE11への入球により得られる権利よりも大きいものとして、複数回の大当たりの獲得や、上位の確変状態への移行の権利の獲得等)が大きいほど、第3流路構成部336を通過した球への注目力を向上することができる。
上記第6実施形態では、合流流路6341の下流側端部の上げ床部6342からの流路が左右方向に沿う流路として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上げ床部6342付近で、接続箇所JP1側が後方に向く湾曲流路として構成しても良い。これにより、上げ床部6342から接続箇所JP1に進入する球と、第2流路構成部335から接続箇所JP1に進入する球と、の双方共に後方への速度成分を有するようにでき、これらが衝突することによって、逆流が生じることを防止することができる。
なお、接続箇所JP1は、振分装置6300の左右中心位置に配置されるように構成しても良い。また、流路構成部334〜336の構造が前後逆の傾斜となるように構成し、確変検出センサSE11,通常検出センサSE12を被固定部材161付近に配設するように構成しても良い。この場合、球が接続箇所JP1で集まってから手前側に流下する状況を生じ易くすることができ、振分装置6300の内部を流下する球に対する注目力を向上することができる。
上記第9実施形態では、案内長孔9616が分岐を有する長孔として構成され、軸線O1への負荷の与え方によって、軸線O1が案内長孔9616のどこを通るかを切り替えるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、案内長孔9616の形状を切り替えるよう構成しても良い。即ち、案内長孔9616において、常に長孔として構成されるのは直線状部616aのみとされ、曲線状部616bと、角度維持部9616c及び連結部9616dと、は、長孔として構成される場合と、その長孔が塞がれる場合とが、交互に切り替わるように構成しても良い。この場合、軸線O1が誤った経路で変位することを防止することができるので、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が意図しない態様で変位することを防止することができる。
例えば、分岐を有する案内長孔9616において、いずれかの経路を塞ぐことで軸線O1の変位経路を制限する切替弁を備えるように構成しても良い。この場合、案内長孔9616の形状は固定としながら、切替弁により軸線O1の変位経路を制限することができるので、軸線O1が誤った経路で変位することを防止することができるので、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が意図しない態様で変位することを防止することができる。
<第1制御例>
次に、上述した各実施形態におけるパチンコ機10の第1制御例について、図118〜図194を参照して説明する。図118は、本第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図119は、本第1制御例におけるパチンコ機10の背面図である。なお、本第1制御例におけるパチンコ機10の構成については、上述した各実施形態において用いられた各構成が適宜用いられるものである。
本第1制御例におけるパチンコ機10は、上述した図1に示したように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図118参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図135参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上方には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図118参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「砂浜ステージ」,「深海ステージ」の2つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「砂浜ステージ」→「深海ステージ」→「砂浜ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「砂浜ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面視下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
ここで、図118を参照して、本第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成、具体的には、本制御例の説明をする上で必要な構成を中心に説明をする。なお、上述した図2では詳細な説明が省略されていた構成に加え、上述した図2にて既に説明されている構成についても説明の便宜上、再度説明を行う。なお、図118を参照して説明をしていない箇所についても、図2の構成と同様の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図118に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、電動役物640a、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図118を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図135参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図118の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図118の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、或いは、第2入球口640へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。そして、特別図柄の種別として、第1特別図柄と第2特別図柄の2種類の種別が設けられており、第1入球口64への球の入球に対して第1特別図柄の抽選が実行され、第2入球口640への球の入球に対して第2特別図柄の抽選が実行される。つまり、本制御例では、実行契機が異なる複数の特別図柄抽選を実行可能に構成している。
第1入球口64、或いは第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が10回(10ラウンド)繰り返される。特定入賞口65aに球が入賞した場合には、賞球として10球の球が払い出されるように構成されているため、その特定入賞口65aに多量の球が入賞することにより、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」の4種類が設けられており、大当たり遊技状態の終了後には大当たり遊技終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、5秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、或いは第2入球口640へと入球すると、その入球は、特別図柄の種別毎に最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64への入球に基づく保留球(第1特別図柄保留)又は、第2入球口640への入球に基づく保留球(第2特別図柄保留)が存在していれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
なお、本制御例では、第1特別図柄保留と第2特別図柄保留とが共に存在している場合には、第2特別図柄保留を用いた特別図柄抽選が優先して実行されるように構成している。このように、特別図柄の種別に応じて抽選が実行される順序に優先度を設けることにより、優先度の高い種別の特別図柄抽選のみを実行させることができるため、特別図柄の種別に応じて特別図柄抽選の結果に応じて遊技者に付与される特典に差を設け、且つ、各特別図柄種別の実行契機の成立度合いを異ならせるように構成した場合、具体的には、第1特別図柄抽選の実行契機よりも第2特別図柄抽選の実行契機のほうが成立し難くし、且つ、第2特別図柄抽選のほうが第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な特典を付与し易くなるように構成した場合において、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることにより、遊技者に有利な抽選(第2特別図柄抽選)の実行契機が成立しているにも関わらず、遊技者に有利な抽選(第2特別図柄抽選)が実行されない期間が長くなり遊技意欲が低下してしまうという事態が発生することを抑制することができる。
図118に示した通り、遊技盤13に形成される遊技領域(球が流下可能な領域)が、可変表示ユニット80によって、左側領域(可変表示ユニット80の左方に形成される遊技領域)と、右側領域(可変ユニット80の右方に形成される遊技領域)と、に区分けされている。左側領域は、遊技者が左打ち遊技、即ち、操作ハンドル51(図1参照)の回転操作量を抑えた状態で球発射ユニット112aの発射ソレノイドによって球を発射する遊技をした場合に、発射された球が到達し得る遊技領域であって、右側領域は、遊技者が右打ち遊技、即ち、操作ハンドル51(図1参照)の回転操作量を強めた状態で弾発射ユニット112aの発射ソレノイドによって球を発射する遊技をした場合に、発射された球が到達し得る遊技領域である。
左側領域には、スルーゲート67が設けられており、左側領域を流下した球は可変表示ユニット80の下方に形成される下方領域に到達する。この下方領域には、第1入球口64及び、電動役物640aが付随する第2入球手段640が設けられている。一方、右側領域には、スルーゲート67と、一般入球口63と、が設けられており、右側領域を流下した球は、下方領域に設けられた可変入賞装置65に到達するように構成されている。
下方領域に設けられた第1入球口64は、左側領域を流下した球のほうが右側領域を流下した球よりも入球し易くなるように配設されており、左側領域を流下した球は約15球に1球の割合で第1入球口64に入球し、右側領域を流下した球は約100球に1球の割合で第1入球口64に入球し得る位置に配設されている。そして、第1入球口64に球が入球した場合には、賞球として3個の球が払い出される。
また、下方領域に設けられた第2入球口640には、電動役物640aが付随しており、電動役物640aが閉鎖状態(図118では白色で表示)である場合には、球が第2入球口640に入球し難く、開放状態(図118では黒色で表示)である場合には、閉鎖状態よりも球が第2入球口640に入球し易くなるように構成している。そして、図118に示した通り、電動役物640aは一対の羽根部材で構成されており、電動役物640aが開放状態である場合には、左側領域を流下する球も、右側領域を流下する球も、同程度の割合(約3球に2球)で第2入球手段へと入球する。そして、第2入球口640に球が入球した場合には、賞球として1個の球が払い出される。
なお、パチンコ機10が大当たり遊技状態(特別遊技状態)へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、右側領域を流下した球のほうが、左側領域を流下した球よりも入球し易くなる位置(右側領域の下方)に配設されている。よって、大当たり遊技が開始された場合には、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技方法となる。
一方、スルーゲート(普通入球口)67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選(第2特別図柄抽選)が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」の4種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」の何れにおいても、ラウンド数が10ラウンドの特別遊技状態(10R大当たり遊技)となる。また、大当たり種別が「大当たりA」の場合は、大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行する。確変状態は次に特別図柄抽選で大当たりに当選するまで継続する。
大当たり種別が「大当たりB」の場合は、大当たり遊技終了後の付加価値として、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行し、その時短状態が第1期間(特別図柄の抽選が30回終了するまでの期間)継続する。
大当たり種別が「大当たりC」の場合は、大当たり遊技終了後の付加価値として、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行し、その時短状態が、第1期間よりも長い第2期間(特別図柄の抽選が50回終了するまでの期間)継続する。
大当たり種別が「大当たりD」の場合は、大当たり遊技終了後の付加価値として、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行し、その時短状態が、第2期間よりも長い第3期間(特別図柄の抽選が80回終了するまでの期間)継続する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態をいい、換言すれば、特別遊技状態(10R大当たり遊技状態)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の高確率状態よりも大当たり確率が低い状態のことを示す。また、「普通図柄の高確率状態」とは、普通図柄の当たり確率がアップして、普図当たり遊技(電動役物640aが開放状態となり、第2入球口640へ球を入球させ易くなる遊技)が実行され易い状態のことをいう。対して、「普通図柄の高確率状態」ではない場合「普通図柄の低確率状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態(高確率状態よりも低い状態)のことを示す。
つまり、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合は、特別図柄抽選で大当たり当選する確率、及び普通図柄抽選で当たり当選する確率が通常(低確率時)よりも高くなる状態であり、遊技者に対して最も有利な遊技状態となる。一方、遊技状態として時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定された場合は、特別図柄抽選で大当たり当選する確率は低確率だが、普通図柄抽選で当たり当選する確率が高確率となるため、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりは遊技者に有利な遊技状態となる。
また、遊技状態として時短状態が設定された場合であっても、選択された大当たり種別によって、時短状態が継続する期間(時短期間)が異なるように構成しており、時短期間が最も長い「大当たりD」が、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりB〜D)の中で最も遊技者に有利な大当たり種別となり、次いで、「大当たりC」、「大当たりB」の順で有利な大当たり種別となる。
なお、本制御例では、時短状態が終了する条件として特別図柄の変動回数、即ち、第1特別図柄の変動回数と、第2特別図柄の変動回数を合算した回数が、所定回数(例えば、30回、50回、80回)の何れに到達した場合に成立する時短終了条件(特図変動回数終了条件)を設けているが、これに限ること無く他の時短終了条件を設けても良い。例えば、複数の特別図柄種別のうち、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の変動回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を設けても良い。このように構成することで、時短状態中、即ち、普図当たり遊技が実行され易く、第2特別図柄抽選が実行され易くなる遊技状態が設定されている場合において、第1特別図柄が変動してしまい、その変動によって時短状態が終了してしまうことを抑制することができる。よって、時短状態中に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
加えて、特別図柄抽選の結果が大当たり当選とは異なる特定当選結果となった場合、或いは、特定当選結果となった回数が所定数に到達した場合に成立する時短終了条件(抽選結果終了条件)を設けても良い。これにより、時短状態が終了するタイミングを、特別図柄抽選の結果に応じて可変させることができるため、遊技者に対して、時短状態がいつまで継続するのかを予測させ難くすることができる。
本制御例では、上述した通り、確変状態が設定された場合には、その確変状態が大当たり当選するまで継続するように構成しているが、これに限ること無く、上述した時短状態の終了条件と同様の技術思想の下、確変終了条件を設けても良く、例えば、特別図柄変動回数が所定回数に到達した場合に成立する確変終了条件や、確変状態を終了させるための専用の抽選を行い、その抽選結果が確変状態を終了させる抽選結果となった場合に確変状態を終了させるように構成しても良い。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、同一の大当たり種別(大当たりA〜大当たりD)が選択された場合において、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選の変動時間として短い変動時間が選択され易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも長い変動時間が選択され易い第2遊技状態と、を設定可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態において、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を可変させることができる。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数を共通とし、大当たりの種別に応じて大当たりの終了後に「確変状態」、又は「時短状態」の何れかが設定されるように構成している。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の高確率状態」となる期間を変えてもよい。また、普通図柄の時短状態として、第2入球口640に付随する電動役物640aを開放する時間を長くしたり、1回の普通図柄の当たりで電動役物640aを開放する回数を増やしても良い。
遊技領域の正面視右側上部(図118の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第2入球口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第2入球口640への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第2特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特第2別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、15インチの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図120を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)は、「0」から「9」の数字を模した10種類の特別図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。さらに、当たりである「大当たりA」が発生する場合に同一の確変図柄の組み合わせが停止表示される可能性がある。また、偶数番号(2,4,6,8)で構成された主図柄は、「通常図柄」に相当する。16R通常大当たりである「大当たりB」が発生する場合には、必ず同一の通常図柄の組み合わせが停止表示される。また、「大当たりA」となった場合の一部でも、同一の通常図柄の組み合わせが停止表示される。これにより、通常図柄が停止表示された場合にも、大当たりAとなったことを期待させることができる。
なお、第3図柄表示装置81における図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。
主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dm4が形成されている。この小表示領域Dm4は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域Dm4において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域Dmにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域Dmで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域Dm4に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図120(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図120(b)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64や第2入球口640へ入球すると、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本制御例では、保留球数の最大値が第1特別図柄で4個、第2特別図柄で4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄が最大8個表示される。なお、図120(b)では、副表示領域Dsに保留図柄を表示させる例を示しているが、保留図柄の表示位置はこれに限ること無く、主表示領域Dsの一部領域に保留図柄を表示させるように構成しても良い。
また、保留記憶されている全ての保留図柄を表示させる必要も無く、例えば、第2入球口640に球を入球させ易い普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合には、第2特別図柄の保留図柄(特図2保留図柄)のみを表示させ、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合には、第1特別図柄の保留図柄(特図1保留図柄)のみを表示させるように構成しても良いし、各特別図柄種別に対応させた保留図柄の視認度合いを遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合には、特図2保留図柄のほうが特図1保留図柄よりも遊技者が視認し易いように表示し、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合には、特図1保留図柄のほうが特図2保留図柄よりも遊技者に視認させ易く表示するように構成しても良い。このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて主として実行される特別図柄種別を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本実施形態では、保留図柄の個数を保留球数に対応させて可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としてもよい。また、表示されている保留図柄が特図1保留図柄であるか特図2保留図柄であるかを遊技者が識別可能となるように特別図柄種別に応じて保留図柄の表示態様を異ならせるように構成しても良いし、何れの特別図柄種別に対応した保留図柄が何個あるのかを遊技者に分かり難くさせるために同様の表示態様(完全に同一の表示態様も含む思想)で各保留図柄を表示するように構成しても良い。
次に、図121から図131を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行される各種演出内容について説明をする。まずは、図121から図125を参照して、勝率UP演出の内容について説明をする。
本制御例では、上述した通り、大当たり遊技の終了後に、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されるように構成しており、普通図柄の高確率状態が設定されている間は、確変状態が設定されているのか時短状態が設定されているのかを遊技者が把握し難い演出(バトルモード演出)が実行されるように構成している。そして、普通図柄の高確率状態が終了し得るタイミング、即ち、時短回数が30回の時短状態において時短終了条件が成立するタイミング(特図変動30回目)と、時短回数が50回の時短状態において時短終了条件が成立するタイミング(特図変動50回目)と、時短回数が80回の時短状態において時短終了条件が成立するタイミング(特図変動80回目)と、において、普通図柄の高確率状態が終了するか否かを示唆する演出(バトル演出)を実行するように構成している。
このバトル演出では、味方のキャラと敵のキャラがバトルを行い、味方のキャラがバトルに敗北した場合に、普通図柄の高確率状態が終了したことが報知される。また、普通図柄の高確率状態中に実行された特別図柄抽選において大当たり当選した場合にも、バトル演出が実行され、味方のキャラがバトルに勝利する演出が実行される。さらに、普通図柄の高確率状態が終了すること無く、且つ、特別図柄抽選で大当たり当選していない場合にも、バトル演出が実行される。この場合、味方キャラがバトルに勝利することも、敗北することも無い演出結果(継続)が表示される。
このように、バトルモード演出の実行期間中(普通図柄の高確率状態)に、様々な実行契機によりバトル演出が実行されるように構成することで、バトルモード演出期間中に実行される演出に対して遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、バトル演出が実行されるタイミングが、時短終了条件が成立し得るタイミングであるか否かを把握することで、今回のバトル演出の演出結果を予測することが可能となる。
以上、説明をしたバトルモード演出では、どのタイミングで時短終了条件が成立するか否かを遊技者に分かり難くするために、時短終了条件が成立し得ないタイミングでもバトル演出を実行するように構成しているが、このように構成した場合は、バトル演出が実行される毎に、普通図柄の高確率状態が終了してしまうのでは?という危機感を遊技者に持たせてしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、バトルモード演出中に実行されるバトル演出における勝率を遊技者に事前に報知するように構成している。そして、事前報知された勝率が高い程、バトルモード演出中に実行されるバトル演出において、味方キャラが敗北しにくくなるように構成している。このように構成することで、事前報知された勝率を参考にしながら、バトル演出を実行させることができる。
また、本制御例では、事前報知される勝率の値を、大当たり遊技中と、普通図柄の高確率状態が設定されてからの所定期間(特図変動3回転)間と、で上昇可能に構成している(勝率を上げるための演出を実行可能に構成している)。つまり、普通図柄の高確率状態が設定されるよりも前から、バトル演出の勝率を遊技者に事前報知するための演出を実行可能に構成している。このように構成することで、例えば、大当たり遊技終了時に獲得済みの保留図柄内に大当たり当選を示す情報が含まれている場合(保留連当たりする場合)において、例え、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態(30回)であった場合でも、勝率が高いことを示す演出を、大当たり遊技終了後の特別図柄抽選が行われるよりも前に実行することができる。
ここで、バトルモード演出におけるバトル勝率の定義について説明をする。上述した通り、本制御例では、バトルモード演出中に様々な条件でバトル演出が実行されるように構成しており、バトル演出において敗北した場合に、普通図柄の高確率状態が終了し、通常状態へと移行するように構成している。つまり、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合に、その時短状態における最終変動にて演出結果が敗北となるバトル演出が実行される。一方、確変状態が設定された場合には、大当たり当選を経由すること無く普通図柄の高確率状態が終了することが無いため、バトル演出の演出結果が敗北となることが無い。
また、このバトル演出は、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合に演出結果が勝利となるバトル演出が実行される。つまり、バトル勝率とは、普通図柄の高確率状態が設定されている期間(バトル演出モード中)における大当たり当選期待度を数値化したものとなる。つまり、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別(確変状態、または時短状態)に応じてバトル勝率が可変するのでは無く、普通図柄の高確率状態が継続する期間の長さに応じてバトル勝率が可変することになる。よって、大当たり遊技終了後に短時短状態(時短30回)が設定されるよりも、短時短状態(時短80回)が設定される場合のほうが、時短終了条件が成立するよりも前に特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高くなるため、バトル勝率として高い勝率が選択され易くなりように構成している。また、大当たりが連チャン(保留連)する場合には、時短終了条件が成立するよりも前に、大当たり当選することが確定しているため、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に関わらず高い勝率を選択し易くすることができる。
なお、本制御例における勝率UP演出では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に対応したバトル勝率が選択され易くなるようにすることで、遊技者に遊技状態を示唆可能に構成し、低い確率で、実際に設定される遊技状態が示すバトル勝率とは乖離した勝率が選択され得るように構成している。このように構成することで、遊技者に対して意外性のある演出、例えば、確変状態が設定されている場合において、低い勝率を表示する演出を実行することができる。また、実際に設定される遊技状態が示すバトル勝率とは乖離した勝率が選択され得るように構成することで、勝率UP演出によって、設定されている遊技状態が遊技者に容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が同一の場合であっても、特別図柄変動の変動時間を決定する際に参照されるデータテーブルを異ならせることができるように構成している。そして、特別図柄変動の変動時間を決定する際に参照されるデータテーブルを異ならせることにより、バトルモード演出中におけるバトル演出の実行頻度を可変可能に構成している。具体的には、普通図柄の高確率状態中に実行される特別図柄変動として、抽選結果が外れである場合に、バトル演出を実行可能な変動時間(60秒)が選択される割合を異ならせることで、抽選結果が「継続」となるバトル演出が実行される頻度を可変させるように構成している。
まず、図121から図123を参照して、大当たり遊技中に実行される勝率UP演出の内容について説明をする。上述した通り、本制御例では、勝率UP演出が、大当たり遊技中(前半期間)と、大当たり遊技終了後の所定期間(後半期間)と、に渡って実行されるように構成している。本制御例では、勝率UP演出の前半期間(大当たり遊技中)は、遊技者の遊技結果に応じて勝率UP演出を実行するように構成している。具体的には、大当たり遊技中に発射された球が一般入球口63や特定入賞口65aに入賞したことに基づいて演出を実行するか否かを決定する抽選を行い、その抽選結果が演出を実行することを示す抽選結果である場合に、勝率UP演出を実行するように構成している。
このように、大当たり遊技中における遊技者の遊技結果(入賞口への入賞の有無)に応じて勝率UP演出を実行するか否かが決定されるように構成することで、遊技者に対して勝率UP演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。さらに、本制御例では、大当たり遊技中において遊技者が球の発射を中断し易い期間、即ち、ラウンド遊技間に設けられるインターバル期間中に、球が一般入球口63へと入球した場合に、他のタイミング(ラウンド遊技中)で球が一般入球口63へと入球した場合よりも、勝率UP演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に継続して遊技者に球を発射させ易くすることができるため、パチンコ機10の稼働を高めることができる。
加えて、1のラウンド遊技中における勝率UP演出の実行回数に応じて、次のラウンド遊技中における勝率UP演出の実行確率を可変可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に適正な遊技を実行しているにも関わらず、勝率UP演出が実行されないまま大当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本制御例では、図118に示した通り、大当たり遊技中に特定入賞口65aへと球を入賞させるための右打ち遊技によって、一般入球口63へと球を入球させることが可能となるように遊技盤13を構成しているが、これに限ること無く、特定入賞口65aへと球を入賞させるための適正な遊技方法と、勝率UP演出を実行させるための適正な遊技方法と、が異なるように遊技盤13を構成しても良い。この場合、例えば、大当たり遊技中において、右打ち遊技を実行したほうが、左打ち遊技を実行する場合よりも特定入賞口65aへと球を入賞させ易くし、左打ち遊技を実行したほうが、右打ち遊技を実行する場合よりも、勝率UP演出の実行契機となり得る入球口へと球を入球させ易くなるように構成すれば良い。
また、本制御例では、特定入賞口65aへの球の入賞も、勝率UP演出の実行契機となるように構成しており、1回のラウンド遊技中に、ラウンド遊技の終了条件(10球の入賞)よりも多くの球が特定入賞口65aへと入賞(所謂、オーバー入賞)した場合に、勝率UP演出を実行するか否かの抽選を実行するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して多くの賞球を獲得することに加え、勝率UP演出を実行させるためにオーバー入賞を狙うという今までに無い遊技を実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図121(a)は、大当たり遊技が開始された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を模式的に示した図である。図121(a)に示した通り、大当たり遊技中に遊技者に報知するための情報を示す表示態様に加え、勝率UP演出が実行されることを示す表示態様が表示される。
具体的には、表示画面の左上側には、小表示領域Dm1が形成され、大当たり遊技中における遊技方法を遊技者に案内するための案内報知態様として「右打ち」が表示されている。これにより、大当たり遊技中に右打ち遊技を実行することが遊技者に有利な遊技方法であることを分かり易く報知することができる。
また、小表示領域Dm2には、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを示すためのラウンド数報知態様が表示され、小表示領域Dm3には、今回停止表示された大当たり図柄(第3図柄の停止表示態様)を示すための当たり図柄報知態様が表示される。図121(a)では、当たり図柄が「222」で停止表示された後に実行される大当たり遊技の1ラウンド目開始直後の表示画面を例にしているため、小表示領域Dm2に「ROUND1」が、小表示領域Dm3に「222」が表示される。
本制御例では、大当たり当選を示すための当たり図柄の停止表示態様(第3図柄の停止表示態様)として、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知するための有利当たり図柄(777)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者が識別することができない通常当たり図柄(777以外のぞろ目数字(例えば、222))を表示可能に構成している。
有利当たり図柄が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることが確定しているため、大当たり遊技中及び大当たり遊技終了後に、勝率UP演出を実行すること無く、確変状態が設定されることを、設定されていることを遊技者に分かり易く報知するための演出(確定演出)が実行される。このように、大当たり当選時に停止表示される当たり図柄の種別に応じて、大当たり遊技中に実行される演出の内容を切り替えることにより、遊技者に対して不要な演出、即ち、確変状態が設定されることを分かり易く報知した後に、確変状態が設定されるか否かを示唆する演出が実行されることを抑制することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、当たり当選時に停止表示される当たり図柄の種別を、有利当たり図柄と、通常当たり図柄と、の2種類としているが、3種類以上の当たり図柄種別を設けても良く、この場合、確変状態が設定される期待度が異なるように当たり図柄種別を設けたり、確変状態が設定される又は特定の時短回数の時短状態が、特定の時短回数以外の時短回数の時短状態が設定される可能性が高いことを報知するように当たり図柄種別を設けたりすると良い。このように構成することで、例えば、確変状態又は時短回数が30回の時短状態が設定される可能性が高い当たり図柄種別が停止表示された場合には、他の当たり図柄種別(例えば、確変状態又は時短回数が50回の時短状態が設定される可能性が高い当たり図柄種別)が停止表示された場合に比べて、大当たり遊技終了後の特別図柄変動回数が30回を越えた状態で普通図柄の高確率状態が継続している時点における確変状態が設定されている期待度を高めることができる。このように、当たり図柄種別を複数パターン設けることにより、当たり図柄種別と、大当たり遊技終了後の遊技状況とを複合的に判別することで、現在設定されている遊技状態をより精度を高めて予測することが可能となるため、遊技者に遊技状態を予測させる楽しみを提供することができる。
表示領域HR2には、大当たり遊技の連チャン数を示す連チャン報知態様が、表示領域HR3には、連チャン期間中に獲得した賞球数に関する情報を示すための獲得情報報知態様が表示される。連チャン数とは、遊技状態が通常状態へと移行すること無く遊技を実行可能な状態(時短状態、確変状態、大当たり遊技状態)が継続している期間(継続有利期間)中に当選した大当たりの回数を示すものである。
なお、本制御例では、連チャン報知態様として継続有利期間中に当選した大当たりの回数を累積表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、継続有利期間が終了してから(通常状態へと移行してから)の所定期間内に大当たり当選した場合(引き戻した場合)にも、連チャン数を累積するように構成しても良い。この場合、所定期間として、例えば、特別図柄変動回数が30回に到達するまでの期間や、継続有利期間中に獲得した特図2保留(最大4個)に対応する第2特別図柄の抽選(特図2抽選)が終了するまでの期間を設定すれば良い。このように構成することで、継続有利期間が終了した後にも、連チャン数を加算させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
本制御例では、表示領域HR2に表示される連チャン数を示す連チャン報知態様として、大当たり回数を数字で示す例を用いているが、これに限ること無く、大当たり回数に対応するアイコンとして、大当たり回数1回に対応するアイコン(例えば、アイコン小)と、大当たり回数5回に対応するアイコン(例えば、アイコン中)と、大当たり回数10回に対応するアイコン(例えば、アイコン大)を表示可能にし、連チャン数に対応するアイコンの種別、個数を表示するように構成してもよい。このように構成することで、連チャン数が特定数に到達しないと表示されないアイコン(特殊アイコン)を設けることができるため、遊技者に対して特殊アイコンを表示させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、連チャン報知態様として継続有利期間中に当選した大当たり回数(大当たり回数履歴)を表示するように構成しているが、継続有利期間中に実行された遊技の履歴情報として、他の遊技履歴情報を報知するように構成しても良く、例えば、継続有利期間中に実行された過去の大当たり遊技種別(ラウンド数や、大当たり遊技終了後に設定された遊技状態)や、当たり図柄種別(有利当たり図柄、通常当たり図柄)や、大当たり遊技間に実行された特別図柄抽選の回数等の履歴情報を表示するように構成しても良いし、勝率UP演出にて表示された勝率(%)の履歴情報を表示するように構成しても良い。
図121(a)では、通常状態において特別図柄抽選で大当たり当選(初当たり)したことに基づく大当たり遊技を例に示しているため、表示領域HR2に「ボーナス×1」が表示され、表示領域HR3には、連チャン期間中に獲得した賞球数に関する情報を示すための獲得情報報知態様として「0010P(ポイント)」が表示されている。
さらに、表示領域HR1には、勝率UP演出の演出結果を示すための演出状況報知態様が表示され、副表示領域Dsには、実行中の演出内容を案内するための演出案内報知態様として「勝率を上げてバトルを有利に進めよう」が表示されている。これにより、大当たり遊技中の遊技者に対して、勝率UP演出が実行されることを分かり易く報知することができる。なお、図121(a)に示した例では、勝率が加算される演出が一度も実行されていない状態であるため、表示領域HR1には「勝率0%」が表示されている。
なお、本制御例では、図121(a)に示した通り、表示領域HR1に表示される勝率の初期値を「0%」としているが、これに限ること無く、例えば、当選した大当たり種別に応じて、勝率の初期値として異なる値を設定しても良く、この場合、勝率UP演出にて高い勝率が表示され易い遊技状況、即ち、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合のほうが、勝率の初期値が高くなるように設定すると良い。このように構成することで、勝率UP演出の開始時点で表示されている勝率の初期値を把握することで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測させる楽しみを提供することができる。
本制御例では、大当たり遊技が開始された直後から(1ラウンド目の開始時から)勝率の初期値を表示するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技の特定ラウンド(例えば、5ラウンド目)に到達した場合に勝率UP演出を実行するように構成しても良い。また、勝率UP演出が実行された場合であっても、勝率の初期値を表示すること無く、勝率UP演出中において1回目の勝率加算条件が成立した場合に、勝率の初期値を表示するように構成しても良い。このように構成することで、確率の初期値としてどの値が設定されたのかを楽しませながら遊技を行わせることができると共に、勝率を確認したくない遊技者に対して、初期値を表示させること無く大当たり遊技を実行させることが可能となる。
ここで、本制御例では、図118に示した構成の遊技盤13を用いている。そして、大当たり遊技中に可変動作される可変入賞装置65は右打ち遊技によって発射された球が入球可能な位置に配設されており、大当たり遊技中における勝率加算条件は、右側領域に設けられた一般入球口63へと球が入球した場合に成立し得るように構成している。よって、可変入賞装置65を左打ち遊技で発射した球も、右打ち遊技で発射した球も入球可能な位置(例えば、電動役物640aの下方位置)に配設するように構成することにより、大当たり遊技中に勝率UP演出によって勝率を可変させたい遊技者は右打ち遊技を行い、勝率を可変させたくない遊技者は左打ち遊技を行うことが可能となる。
このように、大当たり遊技中の遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を遊技者に選択させることで、大当たり遊技中に所定数の賞球を獲得させながら、大当たり遊技中に実行される演出(勝率UP演出)の演出内容を異ならせることが可能に構成することで、大当たり遊技中に実行される演出を、遊技者が所望する内容とすることができる。
なお、この場合、大当たり遊技中に実行可能な遊技方法と、大当たり遊技中に実行される演出内容との関係を遊技者に報知するための表示態様を表示すると良く、例えば、「大当たり遊技を左打ち遊技で消化すると、勝率?%で大当たり遊技が終了するよ。大当たり遊技を右打ち遊技で消化すると、勝率が表示されるよ」のコメントを副表示領域Dsに表示させると良い。このように構成することで、遊技者が所望する演出内容に合わせた遊技方法を分かり易く理解することができる。
また、右打ち遊技で発射された球が可変入賞装置65へと入賞する割合と、左打ち遊技で発射された球が可変入賞装置65へと入賞する割合と、を異ならせても良く、例えば、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが可変入賞装置65へと球が入賞し難くなるように構成しても良い。これにより、左打ち遊技よりも右打ち遊技を行った場合のほうが、大当たり遊技期間を長くすることができるため、大当たり遊技が終了するまでに、多くの球を一般入球口63へと入球させ易くすることができ、勝率UP演出の演出効果を高めることができる。また、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが可変入賞装置65へと球が入賞し難くなるように構成しても良い。これにより、右打ち遊技よりも左打ち遊技を行った場合のほうが、遊技者に不利となるため、遊技者に対して積極的に右打ち遊技を行わせることができ、結果として勝率UP演出にて勝率が可変され易い大当たり遊技を提供することが可能となる。よって、大当たり遊技中に実行される演出の演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に実行する遊技方法に応じて、大当たり遊技中に実行される勝率UP演出の演出内容を異ならせるように構成しているが、大当たり遊技中に実行する遊技方法に応じて、特定演出が実行される割合を可変可能に構成し、遊技者が遊技方法を選択可能に構成していれば、本制御例と同一の技術思想を有するものとなる。
次に、図121(b)を参照して、大当たり遊技中における勝率UP演出の内容について説明をする。図121(b)は、勝率UP演出において、勝率が可変する演出が実行された場合の表示内容の一例を示した図である。本制御例では、大当たり遊技中に球が一般入球口63へと入球した場合に、追加演出を実行するか否かの抽選を行い、その抽選の結果が追加演出を実行するとなった場合に、追加演出が実行されるように構成している。そして、追加演出の演出態様として、勝率を可変(上昇)させる演出態様、或いは賑やかし用の演出態様が決定されるように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技を実行している遊技者に対して、大当たり遊技中に一般入球口63へと球が入球したことに基づいて、賞球(3個)以外の特典を付与することが可能となるため、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上させることができる。また、追加演出の演出態様として、勝率UP演出で表示されている勝率を可変(上昇)させるための演出態様と、賑やかし用の演出態様と、を選択(決定)可能に構成しているため、勝率UP演出において勝率を可変(上昇)させることが出来ない状態、例えば、予め設定されている勝率表示の上限値に到達してしまい、これ以上勝率を上昇させることが出来ない状態となっても、賑やかし用の演出態様を用いて追加演出を継続して実行することができ、演出効果が急激に低下してしまうことを抑制することができる。
図121(b)に示した通り、大当たり遊技中に球が一般入球口63へと入球し、勝率を可変(情報)させる演出態様で追加演出が実行された場合には、カプセル801が主表示領域Dmに表示され、そのカプセル801の中から可変される勝率の値を示す中身801aが飛び出す画像が表示される。図121(b)では、勝率が10%上昇することを示すための「10%」の表示態様で中身801aが表示されている。そして、副表示領域Dsには、第1入球口63への球の入球に基づいて追加演出が実行されたこと、及び、勝率UP演出によって勝率が可変(上昇)したことを遊技者に分かり易く報知するための報知態様として「カプセルGET!!勝率10%GET!!」のコメントが表示される。
この、図121(b)に示した図は、上述した図121(a)に示した図から所定時間(例えば、3秒)が経過した後を示したものであり、図121(a)に示した状態から、ラウンド数が変わること無く、新たに、特定入賞口65aへ3個の球が入賞し、一般入球口63へと1個の球が入球した状態を示している。よって、表示領域HR3には、図121(a)に示した時点からの追加入賞分(特定入賞口65aへの3個の入賞分と、一般入賞口63への入賞分とが加算表示されている。
次に、図122(a)を参照して、大当たり遊技中におけるインターバル期間中の演出内容について説明をする。図122(a)は、勝率UP演出が実行されている最中のインターバル期間中の表示画面を示した図である。本制御例では、ラウンド遊技中に球を一般入球口63へと入球させるよりも、インターバル期間中に球を一般入球口63へと入球させたほうが、追加演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中において、球を特定入賞口65aへと入球させ難いインターバル期間中であっても、遊技者に継続して球を発射させようと意欲的に遊技を行わせることができ、結果として、パチンコ機10の稼働を向上させることが出来る。
図122(a)に示した通り、インターバル期間になると、副表示領域Dsにて、追加演出が実行され易い期間(状態)であることを示す案内態様として「カプセルGET高確率状態」のコメントが表示される。これにより、遊技者に対して、このタイミングで一般入球口63へと球を入球させようと意欲的に球を発射させることを促すことができる。図122(a)に示した例では、追加演出が実行され易いことでは無く、追加演出として実行される演出態様のうち、遊技者に有利な情報が付与される特定演出態様(カプセル801が表示される演出態様)が実行され易いことを副表示領域Dsにて案内している。
このように構成することで、内部的に追加演出を実行させ易くすることで、結果として、遊技者に有利な情報が付与される特定演出態様(カプセル801が表示される演出態様)で追加演出を実行させ易くしている場合であっても、遊技者に対して、特定演出態様で追加演出が実行される確率を高くしていると思わせることができるため、インターバル期間中であっても、遊技者に継続して球を発射させようと意欲的に遊技を行わせることができる。なお、これに限ること無く、追加演出が実行される確率を変えること無く、インターバル期間中に実行される追加演出として、インターバル期間以外の期間中よりも特定演出態様が選択され易くなるように構成しても良い。
次に、図122(b)を参照して、追加演出として賑やかし用の演出態様(装飾演出態様)が表示される場合の表示内容について説明をする。図122(b)は、追加演出の演出態様として装飾演出態様が選択された場合における表示内容を示した図である。本制御例では、装飾演出態様として、9種類の動物を模したキャラクタのうち、何れか1のキャラクタがランダムに選択されて表示される演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、追加演出として特定演出態様が連続して選択されなかった場合であっても、異なるキャラクタを表示可能とすることができるため、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、詳細は後述するが、本制御例では、装飾演出態様として同一のキャラクタが所定数(3回)連続して選択されない(され難い)ように規制する処理を実行するように構成している。そして、特定条件が成立している場合のみ、同一のキャラクタが所定数(3回)連続して選択され得るように構成している。このように構成することで、ランダムに選択されたキャラクタの種別に対しても、遊技者に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
ここで、同一のキャラクタが所定数(3回)連続して選択され得る条件(特定条件)としては、勝率UP演出にて設定された勝率の上限値(上限勝率)と、現在表示されている勝率(表示勝率)と、の差分が所定値(50%)以上である場合や、獲得済みの特図2保留内に大当たり当選する入賞情報が含まれている場合に成立する条件が設定されている。このように、単体では遊技者に有利な情報を付与することが無く、大当たり遊技中における賑やかし演出として用いられる装飾演出態様を複数用いることにより、遊技者に有利な情報を付与可能に構成することで、遊技者に対して、装飾演出態様の内容にも興味を持たせることができる。
図122(b)に示した通り、特定演出態様で追加演出が実行されると、主表示領域Dmに装飾演出態様を示すゾウのキャラクタ802が表示されると共に、表示領域HR4が形成され、表示された装飾演出態様のキャラ履歴が表示される。図122(b)に示した例では、表示中の装飾演出態様(キャラクタ802)に加え、過去2回分の装飾演出態様の種別を遊技者が判別できるようにキャラ履歴が表示される。図122(b)では、今回の大当たり遊技中において最初に装飾演出態様が表示された時点の表示画面を表示しているため、過去2回分のキャラ履歴表示に「−」が表示されている。
なお、本制御例では、キャラ履歴表示の表示内容が1回の大当たり遊技単位で消去されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、1回のラウンド遊技単位で消去するように構成しても良い。この場合、1回のラウンド遊技中に少なくとも3回の追加演出を実行させない限り、装飾演出態様を用いた有利情報を遊技者が獲得することができないため、遊技者に対して、一般入球口63へと球を入球させようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、複数回の大当たり遊技を跨いで、キャラ履歴表示の表示内容を維持するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、同一のキャラクタが2回連続表示された時点で大当たり遊技が終了した場合に、次の大当たり遊技にて、同一のキャラクタを3回連続で表示させることができるのではと遊技者に期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
本制御例では、装飾演出態様として同一の演出態様(キャラクタ802)が3回連続で表示された場合に、遊技者に有利な情報が付与されるように構成しているため、キャラ履歴表示として3回分の装飾演出態様の種別を遊技者が把握可能に構成しているが、装飾演出態様を用いて遊技者に有利な情報を付与させるための条件を異ならせた場合には、その条件に該当する範囲内における装飾演出態様の種別を遊技者が把握できるように、キャラ履歴表示の表示内容を異ならせると良い。
また、本制御例では、装飾演出態様を用いて遊技者に有利な情報を付与させるための条件として、同一の演出態様(キャラクタ802)が所定数連続して表示された場合を条件としているが、これに限ること無く、特定の順序で異なるキャラクタ802が表示された場合に成立する条件を設けても良い。この場合、次に実行される追加演出に設定される装飾演出態様の種別が、どの種別(キャラクタ802)である場合に、装飾演出態様を用いて遊技者に有利な情報を付与させるための条件が成立するかを遊技者に報知(示唆)可能な報知(示唆)手段を設けると良い。これにより、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
そして、追加演出の装飾演出態様として同一の演出態様(キャラクタ802)が3回連続で表示された場合には、図123(a)に示した通り、遊技者に有利な情報として勝率が大きく上昇する演出が実行される。図123(a)は、追加演出の装飾演出態様として同一のキャラクタ802が3回連続して表示された場合の表示画面を示した図である。
図123(a)に示した通り、表示領域HR4には、キャラ履歴表示としてゾウのキャラクタ802が3回連続して表示されたことを示す表示態様が表示され、副表示領域Dsには、装飾演出態様を用いて演出が成功したことを示すための演出結果表示態様として「キャラビンゴ達成」のコメントが表示される。そして、今回の演出結果として勝率が30%可変(上昇)することを示す表示態様802aとして「+30%」が表示され、表示領域HR1には、既に表示されていた勝率が30%上昇した「勝率40%」が表示される。
本制御例では、図121(b)を参照して示した追加演出、即ち、1回の追加演出の演出結果として勝率を可変(上昇)可能な演出態様(特定演出態様)で追加演出が実行された場合よりも、図123(a)を参照して示した追加演出、即ち、複数回の追加演出の演出結果に基づいて勝率を可変(上昇)させる場合のほうが、大きく勝率が上昇するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に装飾演出態様にて追加演出が実行されたとしても、大当たり遊技が終了するまでに、十分に勝率を上昇させる可能性を残すことができるため、大当たり遊技を実行している遊技者の遊技意欲が追加演出の演出内容によって低下してしまう事態を抑制することができる。
大当たり遊技の最終ラウンド(10ラウンド)が終了すると、図123(b)に示した大当たり遊技のエンディング画面が表示される。図123(b)は、大当たり遊技のエンディング画面中に表示される表示内容の一例を示した図である。図123(b)に示した通り、大当たり遊技のエンディング画面では、大当たり遊技中に上昇した勝率、即ち、勝率UP演出のうち前半期間が終了した時点における勝率が表示される表示領域HR1が主表示領域Dmの中央付近に形成され、図123(b)では、「現在の勝率40%」と表示されている。
そして、大当たり遊技終了後にも勝率UP演出が継続する(後半期間に突入する)ことを示すための案内態様として「勝率UPゾーン突入」の文字が表示される。また、小表示領域Dm1には、大当たり遊技終了後も右打ち遊技を継続して実行させることを遊技者に案内するための案内報知態様として「右打ち」の文字が継続して表示されている。これにより、大当たり遊技が終了した後も、右打ち遊技を継続して実行する必要があることを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、図123(b)に示した通り、本制御例では、大当たり遊技のエンディング期間中に球が一般入球口63へと入球した場合には、追加演出が実行されないように構成している。具体的には、追加演出の実行の有無、及び、追加演出の演出態様を設定するための処理は他の期間と同様に実行しているが、追加演出を実行させるための表示用コマンドを設定する処理を実行しないように構成している。このように構成することで、主表示領域HR1の中央付近に表示されている勝率が急に上昇し、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、このエンディング期間中に設定された追加演出の演出態様については、勝率UP演出の後半期間において、その演出を割込み表示させるように構成しても良いし、エンディング期間中に設定された追加演出における勝率の上昇量のみを判別し、その判別結果に対応させた演出を勝率UP演出の後半期間において実行するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技のエンディング期間中においても、遊技者に対して意欲的に球を一般入球口63へと入球させる遊技を行わせることができる。
本制御例では、大当たり遊技中において追加演出が実行されない期間の一例として、大当たり遊技のエンディング期間を用いているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技のオープニング期間や、特定ラウンドのラウンド遊技期間といった所定期間にて追加演出が実行されない期間を設けても良いし、特定の演出が実行されている期間内にて追加演出が実行されない期間を設けても良い。このように構成することで、一般入球口63への球の入球タイミングに基づいて異なるタイミングで追加演出を実行可能に構成したパチンコ機10において、複数の追加演出が重複して実行されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図124及び図125を参照して、大当たり遊技終了後に設定される勝率UPゾーン中の演出内容について説明する。この勝率UPゾーンは、大当たり遊技の終了後、特別図柄変動が所定回数(3回)実行されるまでの期間(後半期間)に対して実行される勝率UP演出であって、勝率UP演出の前半期間にて上昇させた勝率(%)に対して、再度勝率を可変(上昇)させるための演出が実行される。
この勝率UPゾーン中は、1回の特別図柄変動が実行される毎に、勝率を可変(上昇)させるための演出(スロット演出)が実行されるように構成されており、3回の特別図柄変動が実行されるまでに、勝率を最大で3回可変(上昇)させる演出が実行される。また、勝率UPゾーン中は、特別図柄変動の変動パターン(変動時間)種別に応じて異なる演出態様で勝率を可変させるための演出が実行されるように構成しており、通常の変動パターン(変動時間10秒)が選択された場合は、勝率が可変(上昇)するか否かと、勝率を可変(上昇)させる場合には、その可変(上昇)量とが抽選で決定されるスロット演出が実行され、特定の変動パターン(変動時間11秒)が選択された場合は、勝率が可変(上昇)することが決定し、その可変量のみが抽選で決定される上昇確定演出が実行されるように構成している。このように、特別図柄変動の変動パターンに応じて、実行される演出の演出結果を可変させるように構成することで、主制御装置110にて実行された制御処理(特別図柄抽選や、変動パターンの種別を選択するための制御処理)の処理結果を用いて、音声ランプ制御装置113にて設定される演出態様のバリエーションを増加させることができるため、音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の処理結果にのみ基づいて演出の演出態様を設定する場合に比べて、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
ここで、図124(a)を参照して、勝率UPゾーン中に実行されるスロット演出の内容について説明をする。図124(a)は、勝率UPゾーン中にけるスロット演出の演出内容を示した図である。図124(a)に示した通り、大当たり遊技終了後に設定される勝率UPゾーン中は、副表示領域Dsにて現在が勝率UPゾーン中であることを案内するための案内報知態様として「勝率UPゾーン」のコメントが表示される。そして、勝率UPゾーンの残期間を示すための残期間報知態様が、表示領域HR5に表示される。図124(a)では、勝率UPゾーンにおける最初の特別図柄変動が実行されている期間を示しており、表示領域HR5には、実行中の演出(特別図柄変動)を除いて、後2回の演出(特別図柄変動)が実行されることを示すための「ラスト2回」の文字が表示される。
そして、主表示領域Dmの中央部には、3つの変動領域(第1変動領域La、第2変動領域Lb、第3変動領域Lc)が形成され、それぞれの変動領域に対して、勝率の上昇値が上方向から下方向に向けて動的表示(変動表示)される。このスロット演出では、通常、第1変動領域Laと、第3変動領域Lcとで動的表示(変動表示)されていた表示態様(%図柄)が先に停止表示される。そして、遅れて停止表示される第2変動領域Lbにて表示態様(%図柄)が停止表示し、同一の表示態様(%図柄)が一直線に停止表示された場合に、その表示態様(%図柄)が示している値分、勝率が上昇する演出が実行される。
つまり、このスロット演出では、勝率が上昇するか否かが報知される前、即ち、複数の変動領域のうち、少なくとも1の変動領域の表示態様を動的表示させている期間において、勝率が可変し得る候補を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、スロット演出が実行された場合には、遊技者に対して、まず、上昇する可能性がある値として、大きな値が表示されることを期待させながら第1変動領域Laと第3変動領域Lcとが停止表示し、その後、勝率が上昇することを期待させながら第2変動領域Lbが停止表示する。よって、勝率が上昇しない演出態様が選択されている場合であっても、スロット演出が終了する最後まで遊技者に興味を持たせることができる。また、勝率が上昇する可能性がある値(%図柄)として複数の値(%図柄)を表示可能に構成しているため、実際に勝率が上昇される値(%図柄)とは異なる値(%図柄)も表示させることができる。よって、例えば、実際に勝率が上昇される値(%図柄)よりも大きな値(%図柄)を表示させることで遊技者に対して勝率が大きく上昇することを期待させながらスロット演出が終了する最後まで遊技者に興味を持たせることができる。
図124(a)に示した図では、勝率が上昇する可能性がある値(%図柄)として「10%」と「20%」とがダブルで表示されている。よって、第2変動領域Lbの特定位置(3つの%図柄が直線上に停止表示されることとなる位置)に「10%」を示す%図柄が停止表示された場合には、勝率が10%上昇する演出結果となり、「20%」を示す%図柄が停止表示された場合には、勝率が20%上昇する演出結果となり、それ以外の図柄(例えば、「30%」を示す%図柄や、「外れ」を示す外れ図柄)が停止表示された場合には、今回のスロット演出の演出結果が勝率を上昇させない演出結果となる。
ここで、図124(b)を参照して、スロット演出の演出結果が、勝率を上昇させない演出結果となった場合の演出内容について説明をする。図124(b)は、今回のスロット演出の演出結果が勝率を上昇させない演出結果となった場合の表示画面を示した図である。図124(b)に示した通り、スロット演出の演出結果が勝率を上昇させない演出結果(外れ)である場合には、3つの変動領域(La〜Lc)にて直線上に同一の%図柄が停止表示されない表示態様が表示され、副表示領域Dsには、演出結果が外れであることを報知するための「残念」のコメントが表示される。
なお、図124(b)では、演出結果が外れである場合の表示態様として、第2変動領域Lbの特定位置に「バツ印」の外れ図柄を停止表示させた例を示したが、これに限ること無く、第1変動領域La、第3変動領域Lcに停止表示されていない種別の%図柄(例えば、「80%」)を特定位置に停止表示させることで、演出結果が外れであることを示しても良い。
また、第2変動領域Lbの特定位置に、複数の%図柄を複合させた複合図柄(例えば、「10%and20%」)を停止表示させることが可能に構成しても良く、図124(b)に示した例において、この複合図柄(「10%and20%」)が停止表示された場合には、直線上に10%を示す%図柄と、20%を示す%図柄とが表示されることになるため、合計で勝率を30%上昇させる演出が実行される。このように構成することで、第1変動領域Laと第3変動領域Lcとが停止表示された時点で、勝率が上昇する可能性がある値が複数存在する場合において、最大でその全ての値を合算させた合算値分、勝率を上昇させることが可能となるため、遊技者に対して、スロット演出への期待度を高めることができる。加えて、第2変動領域Lbに停止表示される図柄として、全ての%図柄に対応可能な万能図柄(例えば、「ALL」と模した図柄)を表示可能に構成しても良い。
次に、図125(a)を参照して、勝率UPゾーン中に実行される上昇確定演出について説明をする。図125(a)は、上昇確定演出中に実行される表示内容を示した図である。この上昇確定演出は、特別図柄の変動パターンとして、特定の変動時間(11秒)が選択された場合に実行される演出であって、上述したスロット演出とは異なり、演出が実行された時点で、勝率が上昇することが確定する演出となる。よって、上昇確定演出が実行された場合には、遊技者に対して、勝率が上昇することがまず報知されるため、勝率が上昇するか否かを気にしている遊技者に対して安心して遊技を実行させることができる。その後、今回の上昇確定演出にて勝率がどの程度上昇するかを示唆する示唆演出が実行される。
上昇確定演出が実行されると、図125(a)に示した通り、主表示領域Dmの中央付近に確率が上昇することを報知する報知態様として「勝率UP確定」の文字が表示され、その下方に、確率を上昇させる値を示唆する示唆演出として、表示領域HRaに、上昇値が変動表示される示唆演出態様が表示される。この示唆演出態様は、「プラスのマーク」と、「%」とが固定表示され、その間に、2ケタの数値が変動表示される態様で表示されており、停止表示された2ケタの数字が勝率の上昇値を示すことになる。
詳細な図示は省略するが、この示唆演出態様では、1の位の変動領域と、10の位の変動領域とが異なる態様で変動表示されるように構成している。具体的には、最終的に停止表示される値が音声ランプ制御装置113にて決定され、その決定された値を示す値情報を含む表示用コマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、受信した表示用コマンドに含まれる値情報を判別し、その判別結果に基づいて、変動表示態様を決定する。より詳細には、値情報に含まれる1の位の値と、10の位の値とを個々に判別し、各値が所定条件を満たしている場合、例えば、10の位の値が3以上、或いは、1の位の値が6以上である場合には、所定条件を満たしていない側の値を先に停止表示させるように変動表示態様を決定したり、複数の変動表示態様から1の変動表示態様をランダムに決定したりするように構成している。
このように構成することで、示唆演出態様が停止表示されるまでの演出パターンを表示制御装置114側で複数種類設定することが可能となるため、音声ランプ制御装置113の処理負荷を増加させること無く、演出効果を高めることができる。
そして、勝率UPゾーンの最終変動では、大当たり遊技中から実行されていた勝率UP演出の演出結果を示すと共に、その演出結果に応じた態様で、普通図柄の高確率状態中に実行される演出態様が決定される。ここで、図125(b)を参照して、勝率UPゾーンの最終変動にて、3回目の勝率上昇演出が終了した後の演出内容について説明をする。図125(b)は、勝率UP演出が終了し、確定した勝率に基づいて、次に実行される演出ゾーンにて用いられるキャラクタを選択する場合に表示される表示内容の一例を示した図である。
本制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている間に実行される演出として、勝率UP演出が終了した後には、バトルゾーンが設定され、味方キャラと敵キャラとがバトルを繰り広げる演出(バトル演出)が実行されるように構成している。そして、上述した勝率UP演出は、そのバトル演出における味方キャラの勝利期待度を示すための演出である。
図125(b)に示した通り、勝率UP演出が終了すると、次に実行されるバトルゾーンにおいて、対戦することとなる敵キャラが選択される表示画面が表示される。主表示領域Dmの中央部には、表示領域HR6が形成され、最終的な表示勝率に対応した複数の敵キャラが表示され、その下方には、次に実行されるバトルゾーンの敵キャラを選択していることを示すための案内態様として「バトルゾーンの敵を決定」の文字が表示される。
ここで、表示領域HR6の内容を具合的に説明すると、表示勝率が59%以下の場合に対応する敵キャラch1として「怪獣」が、表示勝率が60%〜89%の場合に対応する敵キャラch2として「ウサギ」が、表示勝率が90%〜99%の場合に対応する敵キャラch3として「カメ」が、表示勝率が100%の場合に対応する敵キャラch4として「人参」が表示されている。
図125(b)に示した例では、表示領域HR1に表示されている表示勝率が「60%」であるため、表示領域HR6にて、敵キャラとして「ウサギ」が選択されている。
以上説明をした通り、本制御例では、勝率UPゾーン中に実行される演出として、確率が上昇し得る値を報知した後に、確率が上昇するか否かを報知する第1演出(スロット演出)と、確率が上昇することを報知した後に、上昇する当たりを報知する第2演出(上昇確定演出)と、を実行可能に構成している。よって、実行される演出の種別によって、遊技者に期待させる内容を大きく異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、勝率UPゾーン中に実行される演出の種別(スロット演出、上昇確定演出)を、特別図柄変動の変動パターンによって決定するように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を増加させること無く、勝率UPゾーン中に実行される演出のバリエーションを増加させることができる。
なお、本制御例では、特別図柄変動の変動パターン(変動時間)に応じて、勝率UPゾーン中に実行される演出の種別を異ならせるように構成しているため、各演出の演出期間を、対応する特別図柄変動の変動パターンに合わせて予め用意しておく必要があるが、例えば、第1演出が実行される変動パターン(変動時間)を10秒、第2演出が実行される変動パターン(変動時間)を10.1秒と規定し、遊技者が変動時間の長さの違いに気付き難くすることで、第1演出の演出期間と、第2演出の演出期間とを同一にしても良い。このように構成することで、第1演出の演出期間と第2演出の演出期間とを同一にすることができるため、主制御装置110から同一の変動パターンを示すコマンドを受信した場合に、音声ランプ制御装置113にて勝率UPゾーン中に実行される演出の種別を決定する処理を追加したとしても、同一の長さの演出期間で第1演出の演出データと、第2演出の演出データとを有しているため、新たな演出データを生成したり、専用の演出データを別途設けたりする必要が無くなる。よって、演出データのデータ量を削減することができる。
また、本制御例では、特別図柄抽選の変動パターン(変動時間)に応じて、異なる演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選の結果(大当たり、外れ)に応じて異なる演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、勝率UPゾーン中に実行される演出の種別によって、特別図柄抽選の結果を予測させることも可能となるため、遊技者の注目度をより高めた演出を実行することが可能となる。
次に、図126から図129を参照して、普通図柄の高確率状態が設定されている間に実行されるバトルモードの演出内容について説明をする。バトルモードは、味方キャラと敵キャラがバトルを繰り返す演出モードであって、普通図柄の高確率状態中に実行されるモード演出である。つまり、遊技状態が時短状態である場合も、確変状態である場合も実行され得るモード演出である。このバトルモードが実行されている間は、設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が把握し難い状態となる。
そして、バトルモード中にバトル演出が実行され、味方キャラが「敗北」すると、その時点で普通図柄の高確率状態が終了し、通常状態へと移行する。また、特別図柄抽選で大当たり当選している場合には、バトル演出にて味方キャラが「勝利」する演出が実行される。さらに、バトル演出の演出結果として、敵キャラが逃亡し、勝負の決着が付かない「継続」が選択された場合には、特別図柄抽選で大当たり当選しておらず(外れ当選し)、且つ、普通図柄の高確率状態が終了しない。つまり、普通図柄の高確率状態の終了条件が成立していない状態において、特別図柄抽選で外れ当選した場合の一部においても、バトル演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、様々な契機でバトル演出を実行させることができるため、バトルモード中にバトル演出が全く実行されない事態が発生することを抑制することができる。また、このバトルモードが実行されると、特別図柄変動が実行される毎に、ラッキーポイントが1加算されるように構成しており、このラッキーポイントが特定値(100)まで到達した場合に、遊技状態として確変状態が設定されていることを遊技者に報知するように構成している。このラッキーポイントは、特別図柄変動が実行される毎に1加算される以外にも、特別図柄の変動演出中に複数ポイントを加算可能に構成している。
つまり、最低でも特別図柄変動が実行される毎に1加算されるため、バトル演出が100変動分継続した場合には、必ず、確変状態が設定されていることを報知することができる。加えて、実行される変動演出の演出態様として、ラッキーポイントが加算される演出が複数回実行された場合には、特別図柄変動の回数が少ない状態であっても、確変状態が設定されていることを報知することが可能となる。このように、実行される特別図柄変動演出の演出態様に応じて、確変状態が設定されていることを報知するタイミングを異ならせることで、現在の遊技状態が確変状態であることをいち早く把握使用とする遊技者に対して、実行される変動演出の演出内容に興味を持たせることができる。
図126(a)は、バトルモードが開始された直後の表示画面の一例を示した図である。図126(a)に示した通り、バトルモードが実行されると、主表示領域Dmの上方に形成された表示領域HR7に、現在の演出モードを案内するための案内態様として「バトルモード中」が表示され、その下方に形成された表示領域HR8に、今回のバトルモード中に対戦する敵キャラの種別として「ウサギ」が表示される。このバトルモード中に対戦する敵キャラの種別は、図125(b)に示した通り、勝率UP演出の演出結果に基づいて選択された敵キャラの種別となる。つまり、図126(a)に示した例では、表示勝率が60〜89%の場合に選択される敵キャラ種別「ウサギ」が選択された場合における表示画面となる。
また、主表示領域Dmの左下部には、表示領域HR6が形成され、ラッキーポイントの累積値として「1P」が表示されている。このラッキーポイントは、特別図柄変動が開始される毎に1加算されるように構成しており、実際には、小表示領域Dm5に表示されている第2特別図柄の保留図柄がシフトすり際に、その動作態様に合わせて、ラッキーポイントが1加算される演出が実行される。このようn、第2特別図柄の保留図柄がシフトする際に、ラッキーポイントが1加算されるように構成しているため、ラッキーポイントは、第2特別図柄の変動回数に対応して更新されるものであると遊技者に思わせ易くすることができる。これにより、ラッキーポイントの値を変動演出の実行内容に応じて更新させることで、バトルモードが設定されてからの特別図柄変動の累積値を遊技者が把握し難くなるため、遊技状態として時短状態が設定されたとしても、どのタイミングで時短状態が終了するのかを遊技者に予測させ難くすることができる。
そして、副表示領域Dsには、バトルモード中の演出内容のうち、ラッキーポイント獲得演出の演出内容を案内するための案内態様として「ラッキーポイントが100Pになると確変確定??」のコメントが表示される。このように構成することで、バトルモードが設定されている場合における演出内容を遊技者に分かり易く報知することができる。
図126(b)は、バトルモード中において、特別図柄変動が停止表示(外れ停止)した場合における演出内容の一例を示した図である。この図126(b)では、特別図柄の停止表示タイミングにて、ラッキーポイントを加算させる演出が実行され、ラッキーポイントが2加算されることを示す表示態様として表示領域HR9に「+2P GET」の文字が表示され、表示領域HR6に表示されているラッキーポイントの総数が2加算表示されている。このように、1回の特別図柄変動にて、ラッキーポイントを複数個加算可能に構成することで、現在の特別図柄変動回数を遊技者に分かり難くすることができるため、どのタイミングで時短状態が終了するのかを予測させ難くすることができる。
次に、図127(a)を参照して、バトルモード中に実行されるバトル演出の内容について説明をする。図127(a)は、バトル演出が実行された場合の表示内容の一例を示した図である。図127(a)に示した通り、バトル演出が実行されると、味方キャラである少年810と、敵キャラであるウサギ811がバトルをする表示態様が主表示領域Dmの中央部に表示され、バトルが開始されることを示す「開始」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsにはバトル演出の演出内容を示す「バトルに負けると時短終了」のコメントが表示される。
上述した通り、バトル演出の演出結果としては、大当たり当選していることを示す「勝利」と、時短状態が終了することを示す「敗北」と、普通図柄の高確率状態が継続する「継続」の3種類がある。そして、バトル演出の演出結果として「勝利」が選択された場合には、図127(b)に示した表示態様が表示される。図127(b)は、バトル演出にて味方キャラが勝利した場合の表示内容の一例を示した図である。図127(b)に示した通り、主表示領域Dmの上方に形成された表示領域HR10には、今回のバトル演出の演出結果を示すための結果表示態様として「勝利!!」の文字が表示され、主表示領域Dmの中央部では、少年810がウサギ811に勝利したことを示す表示態様が表示される。そして副表示領域Dsには、特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す「大当たり」のコメントが表示される。また、主表示領域Dmの小表示領域Dm4には、大当たり当選を示す停止表示態様(555)で第3図柄が停止表示する。この場合、大当たり遊技が実行されるため、ラッキーポイントの累積数を示すための表示領域HR6は表示されない。
一方、バトル演出の演出結果として、「敗北」が選択された場合には、図128(a)に示した表示態様が表示される。図128(a)は、バトル演出にて味方キャラが敗北した場合の表示内容の一例を示した図である。図128(a)に示した通り、主表示領域Dmの上方に形成された表示領域HR10には、今回のバトル演出の演出結果を示すための結果表示態様として「敗北」の文字が表示され、主表示領域Dmの中央部では、少年810がウサギ811に敗北したことを示す表示態様が表示される。そして副表示領域Dsには、時短状態が終了したことを示す「バトルモード終了」のコメントが表示される。また、主表示領域Dmの小表示領域Dm4には、外れ当選を示す停止表示態様(361)で第3図柄が停止表示する。この場合、次の特別図柄変動から通常状態が設定されるため、ラッキーポイントの累積数を示すための表示領域HR6は表示されない。
また、バトル演出の演出結果として、「継続」が選択された場合には、図128(b)に示した表示態様が表示される。図128(b)は、バトル演出にて敵キャラが逃亡した場合の表示内容の一例を示した図である。図128(b)に示した通り、主表示領域Dmの上方に形成された表示領域HR10には、今回のバトル演出の演出結果を示すための結果表示態様として「継続」の文字が表示され、主表示領域Dmの中央部では、ウサギ811が少年810から逃亡している表示態様が表示される。そして副表示領域Dsには、普通図柄の高確率状態が継続することを示す「バトル継続!!」のコメントが表示される。また、主表示領域Dmの小表示領域Dm4には、外れ当選を示す停止表示態様(361)で第3図柄が停止表示する。この場合、普通図柄の高確率状態が継続するため、ラッキーポイントの累積数を示すための表示領域HR6が継続表示される。また、バトルモードの演出結果が「継続」である場合には、ラッキーポイントが加算される演出が実行され、図128(b)に示した例では、ラッキーポイントが5加算されることを示す表示態様として「+5PGET」が表示される。
次に、図129(a)を参照して、バトルモード中にラッキーポイントが100Pに到達した場合に実行される演出内容について説明をする。図129(a)は、バトルモード中にラッキーポイントが100Pに到達した場合の表示内容の一例を示した図である。本制御例では、遊技状態が確変状態である場合のみ、ラッキーポイントが100Pに到達するように構成しており、100Pに到達した場合には、バトル演出で味方キャラが敗北することが無い状態であることを示すための「無敵ゾーン」に突入する。
本制御例では、上述した通り、遊技状態として確変状態が設定される大当たりに当選した場合であっても、大当たり当選を示す第3図柄が有利当たり図柄(例えば777)以外の通常当たり図柄で停止表示される場合がある。この場合、時短状態が設定される大当たりに当選した場合と同様に、大当たり遊技中に勝率UP演出が実行され、その勝率UP演出の演出結果(表示勝率)に対応した敵キャラを相手にバトル演出が繰り広げられるバトルモードに突入する。つまり、バトルモード中は、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が把握し難くなるように構成している。
そして、バトルモード中には、ラッキーポイントが加算される演出が実行される。このラッキーポイントは、新たな特別図柄変動が実行される際に値が「1P」加算される第1加算演出と、特別図柄変動中に実行される変動演出の一部として値が「2P以上」加算される第2加算演出と、によって累積加算されていき、ラッキーポイントの累積加算数が「100P」に到達した場合に、確変状態が設定されていることが確定する「無敵ゾーン」に到達する。
つまり、確変状態が設定されている状態において、バトルモードに突入した場合には、上述した第2加算演出の実行頻度に応じて、現在の遊技状態が確変状態であることが報知されるタイミング(無敵ゾーンに突入するタイミング)が異なることになる。よって、バトルモード中の遊技を行っている遊技者は、バトル演出によって味方キャラが敗北しないこと、及び、ラッキーポイントが100Pに到達するように加算演出が多く実行されることを期待しながら遊技を行うことになり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図129(b)を参照して、短縮モード中に実行される短縮ゾーン演出の内容について説明をする。図129(b)は、短縮ゾーン演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。この短縮ゾーンは、短縮モード中に実行される演出であって、確変状態が確定している状態(普通図柄の高確率状態が時短状態の最大継続回数(80回)よりも多い100回以上継続している状態)にて実行される演出である。
本制御例では、確変状態が継続している期間が所定期間(100回)継続した場合に、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを切り替えるように構成しており、バトルモード中に参照されるデータテーブルよりも短い変動時間が選択され易くなるように構成している。具体的には、特別図柄抽選の結果に関わらず、5秒の変動時間が決定(選択)されるように構成している。これにより、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を増加させることができるため、遊技者に効率良く遊技を行わせることができる。
この短縮ゾーン演出では、図129(b)に示した通り、少年810がバトル相手の敵キャラ811に攻撃を仕掛ける体勢が表示される攻撃待機演出が実行される。つまり、短縮ゾーン演出が実行されている状態は、上述した通り、確変状態が確定しているため、バトル演出を実行したとしても、バトル勝利が確定している。よって、攻撃待機演出を実行し、短期間(5秒)でバトル演出が勝利する演出態様で実行される。
次に、図130及び図131を参照して、遊技者に枠ボタン22を操作させるボタン演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。
従来より、パチンコ機10に遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)を設け、遊技者が操作手段を操作することにより演出態様が可変される操作演出を実行可能にしたものがある。そして、操作演出として、遊技者に様々な操作方法で操作手段を操作させるものが提案されており、例えば、操作手段を所定期間継続して操作(押下)することにより、演出を実行する操作演出がある(長押し演出等)。
この長押し演出では、操作手段が押下されてからの経過時間が所定期間を経過したと判別した場合に演出抽選を実行し、その抽選結果に基づいて演出を実行するものであった。この場合、遊技者が操作手段を一瞬離してしまうと、操作手段への操作継続時間がリセットされてしまうため、再度操作手段を操作した遊技者に対して、操作演出が実行されるまでの期間が経過するまで待たせる必要が生じ、操作意欲が低下してしまうという問題があった。
また、このような操作演出は、その演出期間(操作手段への操作を有効に判別する期間)として操作有効期間が規定されていることが一般的であり、その操作有効期間中の全期間において操作手段を操作した場合に操作演出の最高条件が成立するように構成した場合には、操作有効期間中に一度でも操作手段を離してしまうと、最高条件を成立させることが不可能となるため、遊技者の操作意欲が著しく低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、操作有効期間内の複数タイミングにて操作手段が操作されているか否かを判別するように構成し、そのタイミングにて操作手段が操作されていると判別した場合に、演出抽選を実行するように構成している。このように構成することで、従来通り、操作有効期間内の全期間において操作手段を操作している遊技者に対しては、確実に全てのタイミングで演出抽選を実行させることができると共に、途中で操作手段を離してしまった遊技者に対しても、その離したタイミングによっては、全てのタイミングで演出抽選を実行させることが可能となる。よって、遊技者に対して再度操作手段を操作しようとする操作意欲を高めることができる。
また、このように、操作有効期間内の複数タイミングにて操作手段が操作されているか否かを判別するように構成することで、1の操作有効期間に対して、操作手段を継続して操作させるための演出(長押し演出)を実行したり、操作手段を複数回操作させるための演出(連打演出)を実行したり、操作手段を操作するタイミングを報知する演出(タイミング押し演出)を実行したりすることができる。よって、遊技者に操作手段を操作させる演出のバリエーションを容易に増加させることができる。
さらに、本制御例では、長押し演出の実行中に遊技者が操作手段への操作を中断した場合(枠ボタン22から手を離した場合)に、操作手段への継続操作期間と、操作有効期間の残期間とに基づいて、残りの操作有効期間に対して異なる演出を実行可能に構成している。具体的には、長押し演出の途中で枠ボタン22から手を離した場合に、所定条件が成立していれば、連打演出が実行されるように構成している。このように、遊技者の操作手段への操作内容に応じて、1の操作有効期間内で、異なる操作方法(長押し、連打)を示す操作演出を実行可能に構成することで、枠ボタン22から手を離してしまった遊技者に対して、新たな操作演出を実行させることができるため、遊技者が新たな気持ちで操作演出に参加し易くすることができる。
図130(a)は、通常状態中に実行される操作演出の1つである長押し演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。図130(a)では、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を継続して押下することで、特定の段階情報を示すゲージが上昇していき、そのゲージの上昇度合いに応じて、実行中の特別図柄抽選の結果を示唆する操作演出(長押し演出)が実行されている。
具体的には、主表示領域Dmの中央部に形成された表示領域HR12には、実行中の操作演出に対する操作手段への操作方法を案内するための案内報知態様として「長押しで気合を貯めろ」の文字が表示され、長押し画像NGには、枠ボタン22を模したボタン画像と、「長押し」のコメントと、ボタン画像に対して操作方法を模式的に示した「矢印画像」が表示され、その下方に今回の長押し演出に対して設定されている操作有効期間の長さを示すためのタイムゲージTGが表示されている。
このタイムゲージTGは、特定表示領域(図では黒色で表示)が減少して行くことで操作有効期間の残期間を遊技者に報知しており、図130(a)の表示画面は、長押し演出が開始された直後であるため、タイムゲージTGの殆どが特定表示領域(図では黒色で表示)となっているが、時間が経過するに従って左から右方向へと特定表示領域(図では黒色で表示)が減少していく可変態様が表示される。
このように構成することで、遊技者に対して、操作有効期間の残期間を分かり易く報知することができる。また、タイムゲージTGが示す操作有効期間のうち、既に経過した経過期間は経過済表示領域(図では白色で表示)で表示される。これにより、操作有効期間全体の長さに対して、残期間がどの程度であるかを遊技者に相対的に判別させ易くすることができる。
さらに、主表示領域Dmには、長押し演出として遊技者が枠ボタン22を操作(押下)したことに基づいて表示態様が可変される表示態様として、気合ゲージKGと、少年810とが表示される。気合ゲージKGは、5段階の段階情報を表示可能な表示態様である。図130(a)に示した表示画面では、気合ゲージKGが初期段階(図では黒色で表示)の表示態様を示しており、遊技者による枠ボタン22への操作に基づいて表示態様の可変条件が成立した場合に、気合ゲージKGの表示態様が可変表示されていく。なお、気合ゲージKGの可変表示態様については、図130(b)を参照して後述する。気合ゲージKGは表示態様を最大で5段階可変させることができるように構成しており、対応する特別図柄抽選の結果に応じて、操作演出(長押し演出)にて可変可能な上限段階が予め設定される。
具体的には、特別図柄抽選の結果が遊技者に有利となる結果(大当たり当選等)である場合のほうが、気合ゲージKGの表示態様が可変する段階数が多くなり易くなるように上限段階が設定される。このように構成することで、長押し演出が実行された場合に、気合ゲージKGの表示態様が可変する回数が多くなるように意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
また、少年810は、上述した気合ゲージKGの表示態様の可変度合いに対応させて表示態様が可変するように構成している。具体的には、少年810がオーラを纏う態様へと可変し、その後、気合ゲージKGが上昇する毎に、オーラの大きさが大きくなるように表示態様が可変する。これにより、今回の操作演出の演出結果を遊技者に対して視覚的に分かり易く報知することができる。
長押し演出中に遊技者が操作手段を操作すると、図130(b)に示した通り、気合ゲージKGや少年810の表示態様が可変表示される。図130(b)は、長押し演出中に遊技者が枠ボタン22を長押ししている場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図130(b)に示した通り、長押し演出中に遊技者が枠ボタン22に対して長押し操作すると、操作有効期間内の複数タイミングにて操作手段(枠ボタン22)が操作されているか否かを判別する判別タイミングにて枠ボタン22が押下されている状態となるため、判別タイミングにて操作手段が操作されていると判別され、気合ゲージKGを上昇させるか否かの可変抽選が行われる。そして、可変抽選に当選した場合には、気合ゲージKGのゲージ量が上昇する可変演出が実行される。図130(b)に示した例は、気合ゲージKGのゲージ量が2段階目まで上昇した状態を示している。そして、気合ゲージKGのゲージ量に対応させた表示態様で少年810が表示されている。
また、タイムゲージTGは、操作有効期間の残期間が減少していることを示す態様(残期間を示す領域(図では黒色で表示)を徐々に減少させる態様)で表示される。ここで、本制御例では、図130(a)、及び図130(b)に示した通り、タイムゲージTG全体の表示領域の大きさを変更すること無く、操作有効期間の残期間を示す態様を減少させるように構成している。このように構成することで、操作有効期間の残時間だけでは無く、操作有効期間の経過時間を示す態様(図では白色で表示)も表示可能となる。よって、操作有効期間の残期間を具体的な秒数で示さない場合であっても、今回設定された操作有効期間の全体の長さに対する、既に経過した時間を示す態様(白色表示部分)と、残り時間を示す態様と(黒色表示部分)とのそれぞれが占める割合によって、操作有効期間の残り時間を遊技者に分かり易く把握することができる。
加えて、本制御例のように、操作有効期間の経過状況を、タイムゲージTGを用いて報知する場合、即ち、具体的な秒数では無く、表示態様の可変度合いに応じて操作有効期間の残期間を遊技者に報知するように構成することにより、その表示態様の可変速度を異ならせる処理を実行するだけで、同一の表示態様を用いて異なる操作有効期間を遊技者に報知することが可能となるため、操作有効期間の残期間を遊技者に報知するための制御処理を軽減することができる。また、この場合においても、本第5制御例のように、操作有効期間の経過時間も表示可能に構成することで、表示態様の可変速度に対応させて操作有効期間の残期間を遊技者に把握させ易くすることができる。
なお、本制御例では、操作有効期間が終了するまでの残り時間を、タイムゲージTGによって表示(示唆)する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、残りの秒数をそのまま数字で表示させ、時間経過に応じてカウントダウンしていく構成とすることにより、残りの操作有効期間が遊技者にとって認識可能となるように構成してもよい。また、例えば、枠ボタン22を模した長押し画像が有するボタン画像の彩色を残りの操作有効期間に応じて可変させていくことにより、残り時間を遊技者に示唆する構成としてもよい。具体的には、例えば、残り時間が4秒以上の場合には、ボタン画像の色を青色で表示し、残り時間が3秒以上、4秒未満の場合には、ボタン画像の色を緑色で表示し、残り時間が2秒以上、3秒未満の場合には、ボタン画像の色を黄色で表示し、残り時間が1秒以上、2秒未満の場合には、ボタン画像をオレンジ色で表示し、残り時間が1秒未満の場合には、ボタン画像の色を赤色で表示する構成としてもよい。また、操作有効期間が終了するまでの残り時間は、遊技者に必ずしも示唆する必要はない。操作有効期間の残り時間の示唆表示を省略することにより、表示制御を簡素化することができるので、パチンコ機10の処理負荷を軽減することができる。
また、本制御例では、遊技者が操作手段を操作可能な操作有効期間が設定される場合に、タイムゲージTGを表示することで、操作有効期間の残期間だけで無く、操作有効期間が設定されていることを報知するように構成しているが、操作有効期間が設定される全ての場合において、タイムゲージTGを表示する必要は無く、例えば、タイムゲージTGが表示される操作演出(通常操作演出)と、タイムゲージTGが表示されない操作演出(隠れ操作演出)と、を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、タイムゲージTGが表示されていない状態においても、操作有効期間が設定されている可能正があるため、遊技者に積極的に枠ボタン22を操作させることができる。
さらに、本第5制御例では、タイムゲージTGによって操作有効期間の全期間を遊技者に報知可能に構成しているが、これに限ること無く、操作有効期間の一部期間をタイムゲージTGによって報知するように構成しても良い。このように構成することで、タイムゲージTGが表示される前後の期間においても、操作有効期間が設定されている可能性を残すことができるため、遊技者に対して様々なタイミングで操作手段(枠ボタン22)を操作させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
次に、図131を参照して、長押し演出中において、遊技者が枠ボタン22への長押し操作を解除した場合に実行される操作演出の内容について説明をする。図131(a)は、遊技者が枠ボタン22への長押し操作を解除した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図131(a)は、長押し演出中における操作有効期間(10秒)の残期間が6秒ある状態において、遊技者が長押し操作を解除、即ち、枠ボタン22から手を離した場合の表示画面を示している。図131(a)に示した通り、主表示領域Dmの中央付近には、長押し画像NG(図130(a)参照)に代えて連打画像RGが表示され、連打画像RGの上方に形成される表示領域HR12には、枠ボタン22への操作方法を案内するための案内報知態様として、枠ボタン22への連打操作を促す「残りは連打が!!」の文字が表示される。
このような表示を行うことにより、操作有効期間中に遊技者が長押し操作を解除したことに基づいて、残りの操作有効期間中に、遊技者に実行させる操作方法が、長押し操作とは異なる操作方法である連打操作へと切り替わったことを遊技者に分かり易く報知することができる。
そして、図131(a)に示した状態、即ち、遊技者に実行させる操作方法を長押し操作から連打操作へと切り替えた表示態様が表示された状態において、遊技者が連打操作を実行し、その操作タイミングが操作有効期間内に複数設定される判別タイミングと一致した場合には、図131(b)に示した表示画面が表示される。図131(b)は、長押し演出中において、操作内容が連打操作へと切り替わった後に連打操作をした場合の表示画面の一例を示した図である。
図131(b)に示した通り、連打操作によって表示態様の可変条件が成立した場合には、気合ゲージKGのゲージ量が上昇させる演出、及び、少年810の表示態様を可変させる演出が、長押し操作中の表示態様から継続して実行される。
このように、1の操作有効期間内において、遊技者に実行させる操作手段(枠ボタン22)への操作内容を可変させた場合であっても、その操作結果に基づいて同一の表示態様を継続して可変表示させるように構成することで、遊技者に対して、一連の操作演出中に操作内容が可変したことを分かり易く報知することができる。
以上、説明をした通り、本第1制御例では、長押し演出に対して設定される操作有効期間中に枠ボタン22に対して長押し操作を実行した後、遊技者が長押し操作を解除した場合に、遊技者に対して長押し操作とは異なる操作内容である連打操作を促す演出を実行可能に構成している。
つまり、1の操作有効期間が設定される操作演出において、まず第1操作を促す第1操作演出を実行し、その第1操作演出中における第1操作の結果と、操作有効期間の残期間とに基づいて、その操作有効期間内に第1操作とは異なる第2操作を促す第2操作演出を実行可能に構成している。このように構成することで、1の操作有効期間内において、遊技者に対して複数の操作内容で操作手段を操作させることができるため、遊技者の操作意欲を高めることができる。
さらに、第2操作演出は、操作有効期間内において第1操作を実行出来ていないと判別した場合に、実行され得るように構成している。このように構成することで、第1操作を実行出来ていない遊技者に対して、第1操作を促す第1操作演出を繰り返し実行する場合に比べて、操作手段に対して異なる操作を促すことが可能となるため、遊技者が操作手段を操作し易くすることができる。
加えて、第2操作演出は、第1操作が実行出来ていないと判別した時点における操作有効期間の残期間が所定期間以上あると判別した場合に、第2操作演出を実行可能に構成している。これにより、第2操作演出が実行されたにも関わらず、遊技者に対して第2操作を実行させるのに充分な操作有効期間が確保できず、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
上述した通り、本制御例では、操作有効期間の複数タイミングにおいて、表示態様を可変させるための判別を実行するように構成し、当該複数タイミングにおいて、操作手段が操作されていると判別した場合に、表示態様を可変可能に構成している。
このように構成することで、例えば、第1操作演出として、遊技者に対して操作手段(枠ボタン22)への長押し操作(第1操作)を促す演出を実行し、第2操作演出として、遊技者に対して操作手段(枠ボタン22)への連打操作(第2操作)を促す演出を実行するように構成した場合であっても、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される操作演出の演出態様を第1操作演出から第2操作演出へと切り替える処理を行うだけで良く、操作手段に対する操作に関する判別処理を共通化することができる。よって、1の操作有効期間において、遊技者に対して異なる操作内容を促す演出を容易に実行することができる。
なお、本制御例では、操作有効期間内において予め規定されている複数の特定タイミングにて操作手段が操作されているか否かを判別し、操作手段が操作されていると判別した場合に、表示態様を可変させるための判定を行うように構成しているため、遊技者が操作手段を継続して操作している状態(所謂、長押し操作中)であっても、遊技者が操作手段を短い間隔で連続して操作している状態(所謂、連打操作中)であっても、表示態様を可変させることが可能に構成しているが、これに加え、上記特定タイミング以外の期間における操作状況を判別する判別手段(非特定タイミングにおける操作状況を判別するための非タイミング判別手段)を設け、その非タイミング判別手段の判別結果に基づいて、特定タイミングにて操作手段が操作されている場合に実行される表示態様を可変させるための判定内容を異ならせるように構成しても良い。
具体的には、非特定タイミング中に操作手段を操作すればするほど、特定タイミングにて操作手段が操作されていると判別された場合に、表示態様を可変させ易くするように構成すると良い。このように構成することで、特定タイミングに関わらず、操作有効期間内において積極的に操作手段を操作した場合のほうが、表示態様を可変させ易くすることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
また、上述した通り、操作有効期間を、特定タイミングとなる第1期間と非特定タイミングとなる第2期間とを少なくとも含むように形成し、第1期間中に操作手段が操作されていることを判別可能な第1操作判別手段と、第2期間中に操作手段が操作されていることを判別可能な第2操作判別手段と、を設け、第1操作判別手段の判別結果、第2操作判別手段の判別結果、及び、操作演出内容(遊技者に促している操作内容)に基づいて、表示態様の可変度合いを異ならせるように構成しても良く、例えば、操作演出内容として遊技者に長押し操作を促している期間中は、第2操作判別手段により操作手段への操作が判別されるほど表示態様を可変させ易くし、操作演出内容として遊技者に特定タイミングのみ操作手段を操作させるタイミング押し操作を促している期間中は、第2操作判別手段により操作手段への操作が判別されるほど表示態様を可変させ難くするように構成すると良い。
このように構成することで、操作有効期間中における遊技者の操作状況を判別するための処理を共通化しながら、実行中の操作演出内容と、実際の操作手段への操作内容とに対応させて、表示態様の可変度合いを異ならせることが可能となる。
つまり、操作有効期間中における遊技者の操作状況を判別するための処理を共通化しているため、例え、タイミング押し操作を促す演出が実行されている期間中であっても、遊技者は長押し操作を実行することが可能となる。しかしながら、第1操作判別手段により確実の操作手段への操作が判別されるように長押し操作を実行した場合には、第2操作判別手段も操作手段への操作を判別することになる。よって、タイミング押し操作を促す演出が実行されている場合には、対応するタイミング押し操作を実行したほうが長押し操作を実行するよりも、表示態様を可変させ易くすることが可能となる。
よって、遊技者に対して、指示されている操作内容に対応した操作を行おうと意欲的に操作手段を操作させることができる。
また、非特定タイミング中に操作手段が操作されていることを判別した場合に、表示態様を可変させ難くする処理を実行する場合には、非特定タイミング中における操作手段への操作を判別した場合に、遊技者に対してペナルティを課す演出(例えば、表示態様の可変度合いを逆行させる演出や、表示態様が可変され難くなったことを示す演出)を実行したり、指示されている操作内容を強調して報知する演出を実行したりするように構成すると良い。このように構成することで、操作有効期間中に実行される操作演出に対応した操作内容で操作手段を操作させ易くすることができる。
次に、図132から図134を参照して、本第1制御例において実行される各種演出の流れについて説明をする。まず、図132を参照して、特別図柄抽選で確変大当たりに当選した場合に実行される演出の流れについて説明をする。図132は、確変大当たり当選した場合における大当たり変動中から大当たり遊技終了後に特別図柄変動が所定回数(約100回)実行されるまでの期間に実行される演出の流れを模式的に示した図である。
本第1制御例は、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す第3図柄が、確変大当たり当選(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりに当選)したことを遊技者に報知する確変図柄(例えば、「777」)で停止表示される場合と、確変大当たり当選したのか通常大当たり当選したのかを遊技者が識別し難い(出来ない)通常図柄(例えば、「222」)で停止表示される場合がある。
そして、通常図柄で大当たり当選した場合(大当たり当選したことを示す第3図柄が通常図柄で停止表示された場合)には、大当たり遊技終了後に設定される(されている)遊技状態が確変状態であるか否かを示唆するための遊技状態示唆演出が、大当たり遊技中や、大当たり遊技終了後の特別図柄変動中に実行されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない(時短状態が設定される)大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が終了するまでの間、遊技者に対して確変状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
一方、確変図柄で第3図柄が停止表示された場合は、その時点、即ち、大当たり遊技が開始される前に、今回の大当たりが確変大当たりであることが報知されるため、上述した遊技状態示唆演出を実行すること無く、大当たり遊技中は確変大当たりに当選したことを祝福する大当たり中演出を実行し、大当たり遊技終了後も、確変状態が設定されていることを報知する遊技状態確定演出を実行するように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知したにも関わらず、遊技状態示唆演出が実行されてしまい、遊技者が困惑してしまう事態が発生することを抑制することができる。
具体的には、図132(a)に示した通り、特別図柄の大当たり変動中に実行される大当たり変動演出と、大当たり遊技期間中に実行される大当たり遊技中演出と、大当たり遊技終了後の所定期間(特別図柄変動が100回実行されるまでの期間)において実行される第1期間演出と、の演出態様を異ならせることにより、様々なパターンの演出を実行するように構成している。
例えば、特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す第3図柄が確変図柄(777)で停止表示された場合には、図132(b)に示した「演出パターン1」のように、大当たり遊技中演出として確変大当たりを祝福する演出が実行され、大当たり遊技終了後の第1期間演出として無敵モード(図129(a)の「無敵ゾーン」参照)が設定される。そして、特別図柄変動が100回実行された後(第1期間演出の終了後)には、短縮モード(図129(b)の「短縮ゾーン」参照)が設定される。
一方、特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す第3図柄が通常図柄(222)で停止表示された場合には、図132(c)に示した「演出パターン2」のように、大当たり遊技中演出としてポイント獲得追加演出(図121(b)参照)が実行され、大当たり遊技が終了してから特別図柄変動が3回実行されるまでの期間を用いて勝率UPゾーン(図124及び図125参照)が設定され、その後、第1期間演出としてバトルモード(図126〜図128参照)が設定される。
そして、図132(c)に示した例では、遊技状態として確変状態が設定されているため、第1演出期間の終了後には、短縮モード(図129(b)の「短縮ゾーン」参照)が設定される。このように、遊技状態として確変状態が設定されている状態では、バトルモード中にバトルで敗北する(普通図柄の高確率状態が終了する)ことが無いため、大当たり遊技中演出や勝率UPゾーンにて勝率が高いことを示す演出が実行され易くなる。
さらに、本制御例では、バトルモード中にラッキーポイントが加算される演出(図126参照)が実行されるように構成しており、このラッキーポイントが所定数(100P)に到達した場合に、設定されている遊技状態が確変状態であることを示す無敵モード(図129(a)の「無敵ゾーン」参照)が設定されるように構成している。加えて、ラッキーポイントが加算される演出には、変動演出が開始される毎にラッキーポイントを特定数(1)加算させる第1加算演出と、実行抽選に当選した場合にラッキーポイントを不定数(2〜5)加算させる第2加算演出と、を実行可能に構成している。
よって、図132(d)に示した「演出パターン3」のように、大当たり遊技終了後に特別図柄変動が100回実行されるよりも前に、ラッキーポイントが所定数(100P)に到達すると、バトルモード(設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを判別困難な演出モード)から無敵モード(確変状態が設定されていることが確定する演出モード)へと切り替わる。そして、第1演出期間の終了後には、短縮モード(図129(b)の「短縮ゾーン」参照)が設定される。
このように構成することで、通常図柄で大当たり当選し、大当たり遊技終了後にバトルモードが設定された場合であっても、ラッキーポイントが所定数(100P)に到達することを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
さらに、本制御例では、確変大当たりに当選した場合のうち、特定の大当たり種別が選択された場合には、大当たり当選を示す大当たり図柄として確変図柄(777)が表示されるように構成している。そして、大当たり遊技終了後から短縮モード中と同一の変動パターンテーブルを参照して特別図柄抽選の変動パターンが選択されるように構成している。
ここで、本第1制御例では、大当たり遊技終了後にバトルモードを設定し、そのバトルモード中に確変状態が設定されているか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆演出を実行するように構成している。具体的には、バトルモード中に実行される特別図柄抽選の変動時間として60秒の変動時間が選択された場合に、バトル演出(図127及び図128参照)を実行し、そのバトル演出の結果によって遊技者に遊技状態を示唆する演出が実行される。
つまり、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを示唆するための遊技状態示唆演出を実行するために、バトルモード中は、60秒の変動時間が選択され得る変動パターンテーブルを参照して特別図柄抽選の変動時間を選択する必要があった。
これに対して、本制御例では、特定の大当たり種別が選択された確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技が終了するまでに、確変大当たりであることが遊技者に報知され、大当たり遊技終了後にバトルモードが設定されないように構成している。そして、特定の大当たり種別が選択された確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後の1回目の特別図柄抽選から、短縮モード中に参照される変動パターンテーブルを参照した短縮変動を実行可能に構成している。
つまり、本第1制御例では、確変大当たりの大当たり種別に基づいて、確変状態中に参照される変動パターンテーブルの種別を異ならせるように構成している。そして、時短状態が設定される場合と同一の変動パターンテーブルが参照される大当たり種別が選択された場合には、大当たり遊技が終了するまでに今回の大当たり遊技が確変大当たりであることを報知する演出を実行するか否かを決定し、確変大当たりであることを報知する演出を実行する場合には、図132(b)の流れで演出を実行し、確変大当たりであることを報知する演出を実行しない場合には、図132(c)の流れで演出を実行する。
一方で、時短状態が設定される場合には参照されることの無い変動パターンテーブルが参照される大当たり種別が選択された場合には、図132(e)の流れで演出を実行するように構成している。このように構成することで、確変状態中に実行される特別図柄抽選の時間効率を高めることが可能となる。
次に、図133を参照して、時短大当たりに当選した場合に実行される演出の流れについて説明をする。図133(a)は、時短大当たり当選した場合における大当たり変動中から大当たり遊技終了後に特別図柄変動が所定回数(約100回)実行されるまでの期間に実行される演出の流れを模式的に示した図である。
図133(a)に示した通り、時短大当たりに当選した場合においても、確変大当たりに当選した場合における「演出パターン2(図132(c)参照)」と同一の流れで演出が実行される。なお、時短大当たりに当選した場合は、時短最終変動にて実行されるバトル演出(30,50,80回目の特別図柄変動のうち、今回設定されている時短状態において時短最終変動となる変動回数にて実行されるバトル演出)にて、演出結果が「敗北」となる演出が実行され、その後、通常状態へと移行する点で上述した確変大当たり当選した場合の演出と異なる。
このように構成することで、確変大当たり当選した場合の一部演出と、時短大当たり当選した場合の演出とで、特別図柄抽選を大当たり当選してから、大当たり遊技期間、普通図柄の高確率状態が終了するまでの期間に渡って、時短大当たりに当選したのか、確変大当たりに当選したのかを、遊技者に判別させ難くすることができる。
次に、図133(c)を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行される演出のうち、勝率の表示態様(勝率の表示値)と、遊技の内部状況との関連性について簡単に説明をする。図133(c)は、勝率の表示態様(勝率の表示値)と、遊技の内部状況との関連性を示した図である。図133(c)に示した通り、勝率100%が表示された場合には、遊技状態として確変状態が設定される(されている)、又は、大当たり当選が確定している(実行中の特別図柄抽選が大当たり当選、或いは、特図2保留内に大当たり当選を示す情報が含まれている)状態を報知している。また、勝率90〜99%が表示された場合は、バトル演出が発生し難い変動パターンテーブルが参照されている状況である可能性が、バトル演出が発生し易い変動パターンテーブルが参照されている状況である可能性よりも高いことを示しており、且つ、遊技状態として確変状態が設定される(されている)可能性が、時短状態が設定される(されている)可能性の約3倍となる。
勝率60〜89%が表示された場合は、バトル演出が発生し易い変動パターンテーブルが参照されている状況である可能性が、バトル演出が発生し難い変動パターンテーブルが参照されている状況である可能性よりも高いことを示しており、且つ、遊技状態として確変状態が設定される(されている)可能性が、時短状態が設定される(されている)可能性の約2倍となる。
勝率〜59%が表示された場合は、バトル演出が発生し難い変動パターンテーブルが参照されている状況である可能性が、バトル演出が発生し易い変動パターンテーブルが参照されている状況である可能性よりも高いことを示しており、且つ、遊技状態として確変状態が設定される(されている)可能性が、時短状態が設定される(されている)可能性の同等となる。
このように、高い勝率が表示されるほど、次の大当たり当選をし易くする可能性が高くなるように構成することで、演出効果を高めることができる。
次に、図133(d)を参照して、本制御例のパチンコ機10において実行される演出のうち、ラッキーポイントの貯まり具合と、遊技の内部状況との関連性について簡単に説明をする。図133(d)は、ラッキーポイントの貯まり具合と、遊技の内部状況との関連性を示した図である。図133(d)に示した通り、遊技状態の種別に応じて、ラッキーポイントの貯まり具合が可変されるように構成しており、時短大当たりに当選した場合には、時短状態が終了するまでの期間内にラッキーポイントが上限値付近まで到達するように、加算演出の実行頻度を異ならせている。そして、確変状態が設定されている場合においても、その種別に応じて、時短30回、時短50回、時短80回の何れかの時短状態が設定された場合と同様にラッキーポイントが貯まる(加算される)ように貯まり具合を異ならせている。これにより、ラッキーポイントの貯まり具合によって、遊技者に遊技状態が判別されてしまうことを抑制することができる。
次に、図134を参照して、操作有効期間の判定タイミングと、ボタン演出との関係について説明をする。図134は、操作有効期間の判定タイミングと、ボタン演出との関係を示した図である。本制御例では、図130及び図131に示した通り、1の操作有効期間内における枠ボタン22への操作内容に応じて、遊技者に対して枠ボタン22を操作させる操作内容を途中で可変させることが可能に構成している。
ここで、本制御例では、枠ボタン22への操作を有効に判別する操作有効期間内に特定タイミングで操作判定タイミングを設けており、その操作判定タイミングと、枠ボタン22への操作タイミングとが一致した場合に、操作演出の演出態様を可変させるための抽選(ゲージUP抽選)を実行可能に構成している。
そして、操作演出として、長押し演出(図130参照)が実行され、継続して枠ボタン22に対して枠ボタン22を長押し操作している場合には、操作判定タイミングと、枠ボタン22への操作タイミングとが一致するため、各操作判定タイミングにてゲージUP抽選が繰り返し実行される。そして、ゲージUP抽選にて当選した場合に、気合ゲージKGの値が上昇する演出が実行される。
ここで、操作有効期間中に遊技者が手を離した場合には、長押し演出が終了する。そして、操作有効期間の残期間が半分以上(5秒以上)あると判別した場合は、連打煽り演出(図131(a)参照)が実行され、遊技者に対して枠ボタン22への連打操作が案内される。そして、連打操作の操作タイミング(枠ボタン22の検知タイミングと、各操作判定タイミングとが一致した場合には、再度、ゲージUP抽選が実行され、当選した場合には、気合ゲージKGの値が上昇する演出が実行される。
図118に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が普通入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本制御例においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本制御例のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図119に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図135参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図135参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1制御例における電気的構成について>
次に、図135を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図135は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図137〜140を参照して説明する。図137に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、および変動パターンシナリオ選択テーブル202eが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図137(b))は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述するが、始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
具体的には、各図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)に対して大当たりと判定される値が共通して規定されており、特別図柄の状態が低確率状態である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」に対して、特別図柄の状態が高確率状態である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜5」の範囲に対して、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタ値)が規定されている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲は「0〜299」であるため、特別図柄の低確率状態で大当たりと判定される確率は1/300となり、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される確率は6/300(1/50)となる。
第1当たり種別選択テーブル202b(図137(c))は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。具体的には、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合(第1特別図柄、第2特別図柄共通)は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜54」の範囲にあれば、大当たりA1(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「55〜59」の範囲にあれば、大当たりA2(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「60〜64」の範囲にあれば、大当たりA3(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「65〜69」の範囲にあれば、大当たりB1(10ラウンド時短30回大当たり)であると判定し、「70〜74」の範囲にあれば、大当たりB2(10ラウンド時短30回大当たり)であると判定し、「75〜84」の範囲にあれば、大当たりC1(10ラウンド時短50回大当たり)であると判定し、「85〜89」の範囲にあれば、大当たりC2(10ラウンド時短50回大当たり)であると判定し、「90〜94」の範囲にあれば、大当たりD1(10ラウンド時短80回大当たり)であると判定し、「95〜99」の範囲にあれば、大当たりD2(10ラウンド時短80回大当たり)であると判定する(図137(c)参照)。
上述した通り、本制御例では、大当たり遊技内容と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態とが同一の大当たり種別として、複数の大当たり種別を設けている。詳細は後述するが、本制御例では、時短状態又は確変状態中に実行される特別図柄抽選の変動時間を選択する際に、選択された大当たり種別に応じて異なるデータテーブル(変動パターンテーブル)を参照するように構成している。
例えば、「10ラウンド確変回大当たり」に当選した際に、大当たり種別が「大当たりA1」のほうが、「大当たりA3」よりも、長い変動時間の特別図柄変動が実行され易くなるように構成している。
加えて、大当たり種別として「大当たりA1」,「大当たりB1」,「大当たりC1」が選択された場合には同一のデータテーブル(変動パターンテーブル1)が参照され、「大当たりA2」,「大当たりB2」,「大当たりC2」が選択された場合には同一のデータテーブル(変動パターンテーブル2)が参照され、「大当たりA3」が選択された場合には専用のデータテーブル(変動パターンテーブル3)が参照される。
このように構成することで、図124から図128を参照して上述した演出態様(勝率UPゾーン、バトルモード)が実行される期間において、特別図柄変動の変動時間の長さによって現在設定されている遊技状態を把握されてしまうことを抑制することができる。
また、上述した変動パターンテーブル1は、変動パターンテーブル2よりも、特別図柄抽選の結果が外れである場合に、60秒の変動時間が選択され易くなるように規定されており、変動パターンテーブル3は、特別図柄抽選の結果が外れである場合に60秒の変動時間が選択されることが無いように規定されている。ここで、本制御例では、特別図柄変動の変動時間として60秒の変動時間が選択された場合に、バトル演出が実行されるように構成している。
つまり、バトル演出は、60秒の特別図柄変動が選択された場合に実行される演出である。そして、60秒の変動時間が選択された特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、バトル演出の演出結果として「勝利」が選択され、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、その特別図柄抽選(変動)が時短条件を終了させる特別図柄抽選(変動)、即ち、時短終了回数目の特別図柄変動であれば、バトル演出の演出結果として「敗北」が選択され、それ以外(時短終了回数目以外)の特別図柄抽選(変動)であれば、バトル演出の演出結果として「継続」が選択される。
よって、特別図柄抽選の変動時間をどの変動パターンテーブルを参照して選択しているかに応じて、外れ当選に対する60秒変動の選択割合が異なるため、結果として、バトルモード中におけるバトル演出(演出結果が「継続」となるバトル演出)の出現頻度を異ならせることができる。これにより、バトルモード中において、参照される変動パターンテーブルに応じて単位期間内に実行させることができる特別図柄抽選の回数を異ならせることができる。
また、演出結果が「継続」となるバトル演出の実行回数を減らすことができるため、バトル演出が実行された場合に、「勝利」または「敗北」が選択される割合を高めることが可能となる。これにより、バトル演出中の演出内容について遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、「大当たりA3」に当選した場合に参照される変動パターンテーブルでは、特別図柄抽選の結果が外れである場合に、60秒の変動時間が選択されることが無いように規定し、且つ、他の変動パターンテーブルよりも特別図柄抽選の結果が外れである場合に短い変動時間が選択され易くなるように構成している。これにより、単位時間当たりの特別図柄抽選の実行回数を増加させることができる。なお、この「大当たりA3」が選択された場合には、大当たり遊技終了後の特別図柄抽選が実行されるまでに今回の大当たりが確変大当たりであることを報知する演出が実行され、大当たり遊技終了後に短縮ゾーン(図129(b)参照)が設定される。
具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを報知する第3図柄の停止表示態様として確変大当たりを示す「777」の停止表示態様が表示されたり、大当たり遊技中に実行される勝率UP演出において、勝率が「100%」まで上昇し、今回の大当たりが確変大当たりであることを報知する演出が実行されたりする。
本制御例のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
第2当たり乱数テーブル202c(図138(a)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図138(a)参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図138(a)参照)。本制御例のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターン選択テーブル202d(図138(b),(c),図139(a)〜(c)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
変動パターンシナリオ選択テーブル202eは、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照する変動パターン選択テーブルの種別を、設定されている遊技状態(前回当選した大当たりの大当たり種別)と、大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数とに対応させて規定しているデータテーブルである。この変動パターンシナリオ選択テーブル202eを用いることにより、大当たり遊技終了後から所定回数目の特別図柄変動に対して特定の変動パターン(変動時間)を容易に設定することが可能となる。なお、この変動パターンシナリオ選択テーブル202eの詳細な内容については、図140を参照して後述する。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図136を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図150参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図159参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第1特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、実行エリア203cが設けられており、抽選を実行する対象となる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値が格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203dが設けられており、これらの各エリアには、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203dが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図150参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図159参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203a(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。一方、遊技球が第2入球口640へと入球した場合には、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203b(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。
そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図137(b))によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
なお、本制御例では、特別図柄の低確率状態にて大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値「0」)が、特別図柄の高確率状態にて大当たりと判定される乱数値として用いられているが、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を規定しても良い。このように構成することで、本制御例のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64、又は第2入球口640(以下、各種始動入球口ともいう)に入賞したタイミングで対応する各保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納される。
ここで、各保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、各保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ各保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
また、本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図137(c)を参照して上述したように、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜54」の範囲にあれば、大当たりA1(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「55〜59」の範囲にあれば、大当たりA2(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「60〜64」の範囲にあれば、大当たりA3(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「65〜69」の範囲にあれば、大当たりB1(10ラウンド時短30回大当たり)であると判定し、「70〜74」の範囲にあれば、大当たりB2(10ラウンド時短30回大当たり)であると判定し、「75〜84」の範囲にあれば、大当たりC1(10ラウンド時短50回大当たり)であると判定し、「85〜89」の範囲にあれば、大当たりC2(10ラウンド時短50回大当たり)であると判定し、「90〜94」の範囲にあれば、大当たりD1(10ラウンド時短80回大当たり)であると判定し、「95〜99」の範囲にあれば、大当たりD2(10ラウンド時短80回大当たり)であると判定する(図137(c)参照)。このように、本制御例のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、9種類の当たり種別(大当たりA1〜3,B1,B2,C1,C2,D1,D2)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、球が第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203b格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本制御例ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図159参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図138(b),(c),図139(a)〜(c)参照)は、上述した通り、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図138(b),(c),図139(a)〜(c)を参照して変動パターン選択テーブル202dの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202dは、図138(b)に示すように、通常用テーブル202d1(図138(c)参照)と、第1時短・確変用テーブル202d2(図139(a)参照)と、第2時短・確変用テーブル202d3(図139(b)参照)と、確変用テーブル202d4(図139(c)参照)と、第1特定変動テーブル202d5(図139(d)参照)と、第2特定変動テーブル202d6と、を少なくとも有している。
まず、図138(c)を参照して、通常用テーブル202d1について説明する。図138(c)は、この通常用テーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。通常用テーブル202d1は遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合において、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルである。
具体的には、特別図柄の図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)に関わらず、当否判定結果が「大当たり」である場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜49」の範囲には大当たり変動A(30秒)が、「50〜99」の範囲には大当たり変動B(60秒)が、「100〜198」の範囲には大当たり変動C(90秒)が、それぞれ対応付けて規定されている。
また、当否判定結果が「外れ」である場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の範囲には外れ変動A(10秒)が、「100〜169」の範囲には外れ変動B(30秒)が、「170〜198」の範囲には外れ変動C(60秒)が、それぞれ対応付けて規定されている。
なお、本制御例では、特別図柄の図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)に対して共通の変動パターンが選択されるように変動パターンテーブルの内容を規定しているが、これに限ること無く、特別図柄の図柄種別毎に、異なる変動パターンが選択され得るように変動パターンテーブルの内容を規定しても良い。また、本制御例では、特別図柄の保留数が何れの値であっても、共通の変動パターンが選択されるように変動パターンテーブルの内容を規定しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の保留数が多いほうが、少ない場合よりも短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留数が多い状態(例えば、上限数の特図保留を獲得している状態)にて特別図柄がロング変動してしまい、新たな特図保留を獲得することができない期間が長時間設定されてしまうことを抑制することができる。
ここで、図138(b)を参照して、変動パターンシナリオ選択テーブル202dの内容について説明をする。図138(b)は、変動パターンシナリオ選択テーブル202dの内容を示した図である。図138(b)に示した通り、変動パターンシナリオ選択テーブル202dには、通常用テーブル202d1、第1時短・確変用テーブル202d2、第2時短・確変用テーブル202d3、確変用テーブル202d4、第1特定変動テーブル202d5、第2特定変動テーブル202d6が規定されている。
次に、図138(c)を参照して、通常用テーブル202d1の内容について説明をする。図138(c)は、通常用テーブル202d1の内容を示した図である。この通常用テーブル202d1は、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において選択される特別図柄の抽選結果を示す変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜49」の範囲には大当たり変動A(30秒)が、「50〜99」の範囲には大当たり変動B(60秒)が、「100〜198」の範囲には大当たり変動C(90秒)が、規定され、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜99」の範囲には外れ変動A(10秒)が、「100〜169」の範囲に外れ変動B(30秒)が、「170〜198」の範囲には外れ変動C(60秒)が、規定されている。
次に、図139(a)を参照して、第1時短・確変用テーブル202d2の内容について説明をする。図139(a)は、第1時短・確変用テーブル202d2の内容を示した図である。この第1時短・確変用テーブル202d2は、遊技状態として普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)の一部において選択される特別図柄の抽選結果を示す変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルであって、後述する変動パターンシナリオ選択テーブル202eに規定されているシナリオに基づいて参照される。
具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜198」の全範囲に大当たり変動B(60秒)が規定され、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜99」の範囲には外れ短変動(5秒)が、「100〜149」の範囲に外れ変動A(10秒)が、「150〜198」の範囲には外れ変動C(60秒)が、規定されている。
次に、図139(b)を参照して、第2時短・確変用テーブル202d3の内容について説明をする。図139(b)は、第2時短・確変用テーブル202d3の内容を示した図である。この第2時短・確変用テーブル202d3は、遊技状態として普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)の一部において選択される特別図柄の抽選結果を示す変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルであって、後述する変動パターンシナリオ選択テーブル202eに規定されているシナリオに基づいて参照される。
具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜198」の全範囲に大当たり変動B(60秒)が規定され、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜196」の範囲には外れ短変動(5秒)が、「197」に外れ変動A(10秒)が、「198」には外れ変動C(60秒)が、規定されている。
上述した通り、第1時短・確変用テーブル202d2は、第2時短・確変用テーブル202d3よりも、外れ当選時において、60秒の変動時間が設定される変動パターンが選択され易くなるように規定している。本制御例では、普通図柄の高確率状態中に実行されるバトルモードにおいて、60秒の変動パターンが選択された場合に、バトル演出を実行するように構成している。つまり、第1時短・確変用テーブル202d2は、第2時短・確変用テーブル202d3よりもバトル演出が実行され易い変動パターンテーブルとなる。
次に、図139(c)を参照して、確変用テーブル202d4の内容について説明をする。図139(c)は、確変用テーブル202d4の内容を示した図である。この確変用テーブル202d4は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)の一部において選択される特別図柄の抽選結果を示す変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルであって、後述する変動パターンシナリオ選択テーブル202eに規定されているシナリオに基づいて参照される。
具体的には、特別図柄抽選の結果に関わらず、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜198」の全範囲に5秒の変動時間の変動パターン(大当たり短変動、外れ短変動)が、規定されている。これにより、時間効率の良い特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
次に、図139(d)を参照して、第1特定変動テーブル202d5の内容について説明をする。図139(d)は、第1特定変動テーブル202d5の内容を示した図である。この第1特定変動テーブル202d5は、遊技状態として普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)の一部(勝率UPゾーン中)において選択される特別図柄の抽選結果を示す変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルであって、後述する変動パターンシナリオ選択テーブル202eに規定されているシナリオに基づいて参照される。
具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜198」の全範囲に特定変動A(11秒)が規定され、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜2」の範囲に特定変動A(11秒)が、「3〜198」の範囲に特定変動B(10秒)が規定されている。
次に、図139(e)を参照して、第2特定変動テーブル202d6の内容について説明をする。図139(e)は、第2特定変動テーブル202d6の内容を示した図である。この第2特定変動テーブル202d6は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)の一部において選択される特別図柄の抽選結果を示す変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルであって、後述する変動パターンシナリオ選択テーブル202eに規定されているシナリオに基づいて参照される。
具体的には、特別図柄抽選の結果に関わらず、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜198」の全範囲に60秒の変動時間の変動パターンが、規定されている。このように第2特定変動テーブル202d6を規定することにより、第2特定変動テーブル202d6を参照して変動パターンが決定される(選択される)場合に、必ず60秒の変動時間を決定することができるため、確実にバトル演出を実行させることができる。
次に、図140を参照して、変動パターンシナリオ選択テーブル202eの内容について説明をする。図140は、変動パターンシナリオ選択テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した図である。図140に示した通り、変動パターンシナリオ選択テーブル202eには、遊技状態(前回当選した大当たりの大当たり種別)と、大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数とに対応させて様々な変動パターンが規定されている。
具体的には、遊技状態が通常(通常状態)の場合は、大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が「1〜」の範囲で通常用テーブル202d1が参照されるようにシナリオが規定されている。
遊技状態が確変1(大当たりA1)の場合は、大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が「1〜3」の範囲で第1特定変動テーブル202d5が、「4〜29,31〜49,51〜79,81〜100」の範囲で第1時短・確変用テーブル202d2が、「30,50,80」の範囲で第2特定変動テーブル202d6が、「101〜」の範囲で確変用テーブル202d4が参照されるようにシナリオが規定されている。
また、遊技状態が確変2(大当たりA2)の場合は、大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が「1〜3」の範囲で第1特定変動テーブル202d5が、「4〜29,31〜49,51〜79,81〜100」の範囲で第2時短・確変用テーブル202d2が、「30,50,80」の範囲で第2特定変動テーブル202d6が、「101〜」の範囲で確変用テーブル202d4が参照されるようにシナリオが規定されている。
遊技状態が確変3(大当たりA3)の場合は、大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が「1〜」の範囲で確変用テーブル202d4が参照されるようにシナリオが規定されている。
一方、遊技状態が時短1(大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1)の場合は、大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が「1〜3」の範囲で第1特定変動テーブル202d5が、「4〜29,31〜49,51〜79,81〜100」の範囲で第1時短・確変用テーブル202d2が、「30,50,80」の範囲で第2特定変動テーブル202d6が参照されるようにシナリオが規定されている。
また、遊技状態が時短2(大当たりB2、大当たりC2、大当たりD2の場合は、大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が「1〜3」の範囲で第1特定変動テーブル202d5が、「4〜29,31〜49,51〜79,81〜100」の範囲で第2短・確変用テーブル202d2が、「30,50,80」の範囲で第2特定変動テーブル202d6が参照されるようにシナリオが規定されている。
図136に戻って説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203dに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図138(a)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図138(a)を参照して上述した通り、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている(図138(a)参照)。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるように電動役物640aを開閉制御するが、電動役物640aの開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」に設定しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている(図138(a)参照)。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率状態である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口640が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図150参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図159参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図135に戻り、説明を続ける。RAM203は、図136に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図159参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図158参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図157参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図135に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203aと、第2特別図柄保留球格納エリア203bと、実行エリア203cと、普通図柄保留球格納エリア203dと、第1特別図柄保留球数カウンタ203eと、第2特別図柄保留球数カウンタ203fと、普通図柄保留球数カウンタ203gと、確変フラグ203hと、時短中カウンタ203iと、入球待機フラグ203jと、大当たり開始フラグ203kと、大当たり中フラグ203mとを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、第1特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリア203cへシフトされ(移動させられ)、その実行エリア203cに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアから実行エリア203cへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの何れの保留エリアにも入賞データが格納されておらず、且つ実行エリア203cにも入賞データが格納されていない状態、即ち、特別図柄変動が実行されていない状態において、第1入球口64へと球が入賞(始動入賞)した場合であっても、一旦、保留第1エリアに入賞データを格納してから、その入賞データを実行エリア203cへとシフトするように構成することで、実行エリア203cへと入賞データが格納させる際の処理を共通化(保留第1エリアに格納されていた入賞データを格納させる処理に統一)し、主制御装置110の処理不可を軽減させるように構成しているが、これに限ること無く、実行エリア203cに入賞データが格納されていない状態において、第1入球口64へと球が入賞(始動入賞)した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留エリアを介すること無く、入賞データを実行エリア203cへ直接格納するように構成しても良い。このように構成することで、即座に実行エリア203cへとシフトする入賞データを第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアへと一旦格納させる処理を省略することができる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第2入球口640へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、第2特別図柄の抽選が行われる場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリア203cへシフトされ(移動させられ)、その実行エリア203cに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアから実行エリア203cへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、第2特別図柄保留球格納エリア203bにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
また、本制御例では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの何れの保留エリアにも入賞データが格納されておらず、且つ実行エリア203cにも入賞データが格納されていない状態、即ち、特別図柄変動が実行されていない状態において、第2入球口640へと球が入賞(始動入賞)した場合であっても、一旦、保留第1エリアに入賞データを格納してから、その入賞データを実行エリア203cへとシフトするように構成することで、実行エリア203cへと入賞データが格納させる際の処理を共通化(保留第1エリアに格納されていた入賞データを格納させる処理に統一)し、主制御装置110の処理不可を軽減させるように構成しているが、これに限ること無く、実行エリア203cに入賞データが格納されていない状態において、第2入球口640へと球が入賞(始動入賞)した場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留エリアを介すること無く、入賞データを実行エリア203cへ直接格納するように構成しても良い。このように構成することで、即座に実行エリア203cへとシフトする入賞データを第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアへと一旦格納させる処理を省略することができる。
本第1制御例では、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選に対して優先して実行されるように構成し、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選が同時に実行されることが無いように構成している。つまり、実行エリア203cに入賞データが格納されていない状態(特別図柄抽選が実行されていない状態)では、第1特別図柄保留球格納エリア203aよりも優先して第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに入賞データが格納されているかを判別し、格納されていると判別した場合は第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている入賞データを実行エリア203cへとシフトする。一方、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに入賞データが格納されていないと判別した場合は、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに入賞データが格納されているかを判別し、格納されていると判別した場合は、第1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている入賞データを実行エリア203cへとシフトする。
このように、複数種別の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に対して実行期間を重複させること無く第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とを所定の優先順位に沿って実行するように構成されたパチンコ機10では、各特別図柄種別に対して対応する実行エリアを用いるのでは無く、本制御例のように共通する1の実行エリア203cを設けるように構成すると良い。これにより、主制御装置110の処理に異常が生じ、第1特別図柄に対応する実行エリアと、第2特別図柄に対応する実行エリアと、にそれぞれ入賞データが格納されてしまう事態が発生することを確実に防止することができる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、或いは第2入球口640へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM223の入賞情報格納エリア223aに格納する。
なお、上述した先読みの処理は、始動入賞に基づいて取得された各種データ(各カウンタC1〜C3の各値)を用いて、実際に特別図柄抽選が実行された場合に得られる情報を事前判別(先読み)する処理を主制御装置110側で実行するように構成し、主制御装置110にて先読み処理の結果(事前判別結果)を示す情報が含まれる入賞情報コマンドを設定するように構成しているが、これに限ること無く、始動入賞に基づいて取得された各種データ(各カウンタC1〜C3の各値)を示す情報が含まれる入賞情報コマンドを主制御装置110が設定し、その入賞情報コマンドを受信した音声ランプ制御装置113の処理にて、入賞情報コマンドに含まれる各種データ(各カウンタC1〜C3の各値)を先読みするように構成しても良い。
このように構成することで、事前判別(先読み)処理を、主制御装置110側で実行する必要が無くなるため、主制御装置110の制御処理に係る負担を軽減させることができる。なお、この場合、始動入賞に基づいて取得された各種データ(各カウンタC1〜C3の各値)をそのまま入賞情報コマンドに含ませるのでは無く、始動入賞に基づいて取得された各種データ(各カウンタC1〜C3の各値)の内容を音声ランプ制御装置113側で特定可能な程度に加工した状態で入賞情報コマンドに含ませるように構成すれば良い。
このように、主制御装置110内で定期的に実行される更新処理によって値が更新される情報(乱数値)を、そのまま入賞情報コマンドに含ませるのでは無く、加工処理を施した情報を入賞情報コマンドに含ませるように構成することで、主制御装置110から出力されるコマンド(入賞情報コマンド)を不正に取得する行為が行われた場合であっても、取得された入賞情報コマンドに含まれる情報から主制御装置110にて実行される更新処理の仕様が解析されてしまうことを抑制することができる。
普通図柄保留球格納エリア203dは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203dの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図153のS404参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図151のS210参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図151のS211参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、上述した第1特別図柄保留球数カウンタ203eと同様の機能を、対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと切り替えたものであって、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図153のS410参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図151のS205参照)。
この第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図151のS206、図153のS411参照)。保留球数コマンドは、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに保留球数図柄を表示する(図120(b)参照)。
普通図柄保留球数カウンタ203gは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図156のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図155のS505参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203dに記憶される(図156のS605)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203gの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203dには新たに何も記憶されない(図156のS603:No)。
確変フラグ203hは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203hの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203hの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203hは、初期状態がオフに設定されており、特別図柄の大当たりAの終了時にオンに設定される(図160のS1014参照)。一方、特別図柄の抽選において大当たりとなった場合には、その大当たりの開始を設定する際にオフに設定される(図151のS213参照)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図152参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203hが参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203hの状態がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる(図152のS303,S304参照)。
時短中カウンタ203iは、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203iの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態であることを示し、時短中カウンタ203iの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の低確率状態であることを示す。この時短中カウンタ203iは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり(時短大当たり)に当選すると、当選した大当たり種別に対応する時短回数を示す値が、大当たり遊技終了時にセットされる(図160のS1013参照)。また、大当たり種別に関わらず、特別図柄の抽選により大当たりとなった場合は、その大当たりの開始を設定する中で値が0に設定される。
本制御例では、異なる時短回数が異なる複数の大当たり種別を有しており、「大当たりB1」、「大当たりB2」に当選した場合は時短回数30回、「大当たりC1」、「大当たりC2」に当選した場合は時短回数50回、「大当たりD1」、「大当たりD2」に当選した場合は時短回数80回が設定されるため、それぞれ対応する値が時短中カウンタ203iに設定される。そして、特別図柄変動の変動時間が経過したと判別した場合(特別図柄変動を停止表示させるタイミングとなった場合)に、時短中カウンタ203iの値が1減算される。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203iの値、および確変フラグ203hの状態が参照され、時短中カウンタ203iの値が1以上であるか、確変フラグ203hの状態がオンであれば、普通図柄の高確率状態と判別される。この場合、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図155のS509参照)。一方、時短中カウンタ203iの値が0であり、且つ、確変フラグ203hの状態がオフであれば、普通図柄の低確率状態と判別されて、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図155のS510参照)。
入球待機フラグ203jは、本制御例では用いられないが、特別図柄抽選で大当たり当選し、特別図柄が大当たり当選を示す停止表示態様で停止表示された状態を示すためのフラグである。この入球待機フラグ203jは、例えば、特別図柄が大当たり当選を示す停止表示態様で停止表示された後に、特定領域(作動入賞口)へと球が入球した場合に大当たり遊技が実行されるように構成されているパチンコ機10において、特定領域(作動入賞口)へと球を入球させることで大当たり遊技が開始される大当たり待機状態であることを示すために用いられるフラグである。この入球待機フラグ203jがオンであれば、大当たり待機状態であることを意味し、オフであれば、大当たり待機状態ではないことを意味する。この入球待機フラグ203jは、特別図柄の抽選で大当たりとなり、当該大当たりに対応する変動パターンの変動時間が経過した際にオンに設定される。また、入球待機フラグ203jは、大当たり待機状態中において、作動入賞口へと遊技球が入球した場合にオフに設定される。この入球待機フラグ203jがオンの間は、作動入賞口への入球が有効として扱われる(入球を検出した場合に大当たりが開始される)。
大当たり開始フラグ203kは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203kがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングであることを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203kは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示す特別図柄が停止表示された場合にオンに設定される。また、大当たり開始フラグ203kは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される。
大当たり中フラグ203mは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203mがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203mは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される。特別図柄変動処理では、この大当たり中フラグ203mが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
このように、主制御装置110のRAM203には、各種のカウンタやフラグが設けられている。
図135に戻り、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物64aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図142を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の詳細について説明する。まず、図142(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図142(a)に示した通り、ROM222には、変動パターンテーブル222aと、勝率選択テーブル222bと、ラッキーポイント選択テーブル222cと、ゲージ上昇抽選テーブル222dと、追加抽選テーブル222eとが少なくとも設けられている。
変動パターンテーブル222aは、主制御装置110において変動パターン選択テーブル202dを参照して選択された変動演出の大まかな表示態様(変動時間)に基づき、変動演出の詳細な表示態様を特定するために用いられる。より具体的には、主制御装置110により選択された表示態様を通知するための変動パターンコマンドを受信した場合に、変動パターンテーブル222aに規定されている変動パターンの中から1の変動パターン(変動演出の詳細な表示態様)を抽出(特定)する(図174のS5205参照)。この変動パターンテーブル222aに規定された変動パターンのうち、少なくとも変動時間が60秒のスーパーリーチに対応する変動パターンには、上述したバトル演出(図127及び図128参照)を実行するか否かを示す情報も含まれている。
勝率選択テーブル222bは、普通図柄の高確率状態中に実行されるバトル演出の演出結果を示すバトル勝率の上限値を決定するために参照されるデータテーブルである。この勝率選択テーブル222bの詳細について、図143を参照して説明する。
図143は、勝率選択テーブル222bに規定されている内容を示した図である。図143に示した通り、この勝率選択テーブル222bは、決定されている大当たり種別と、取得した演出カウンタ223fの値に対応させてバトル勝率の上限値が規定されている。
ここで、上述したバトル演出は、バトルモードが設定されている期間中において、特別図柄変動の変動パターンとして変動時間60秒の変動パターンが選択された場合に実行され、遊技状況に応じて異なる演出結果が表示される演出である。具体的には、大当たり当選した特別図柄抽選に対して変動時間が60秒の変動パターンが選択された場合には「勝利」の演出結果が、外れ当選した特別図柄抽選に対して変動時間が60秒の変動パターンが選択された場合には、時短終了条件の成立の有無を判別し、今回の特別図柄変動にて時短状態が終了すると判別した場合には「敗北」の演出結果が、時短状態が終了しないと判別した場合には「継続」の演出結果が表示される。
つまり、確変状態中は、バトル演出の演出結果として「敗北」が設定されないように構成し、時短状態中は、その時短状態が終了する特別図柄変動に対応する変動演出にて「敗北」が設定されるように構成している。つまり、確変状態が設定されている場合のほうが、時短状態が設定されている場合よりも、バトル演出の演出結果として「敗北」を選択され難くする分、結果として「勝利」が設定され易くなる。
このように、実際に設定される遊技状態に応じて、バトル演出にて勝利するか否か(敗北するか否か)が決定されることから、そのバトル演出による勝率を大当たり種別に基づいて決定し、その決定した勝率を上限値とした勝率加算演出(大当たり遊技中のポイント獲得演出(図121(b)参照)、勝率UPゾーン中に実行される勝率UP演出(図124及び図125参照))を実行することで、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。
さらに、本第1制御例では、バトルモード中に実行される特別図柄変動の変動時間が60秒である場合にバトル演出を実行するように構成しており、且つ、変動パターンシナリオ選択テーブル202e(図140参照)によって、決定された大当たり種別に応じて異なる変動パターンテーブルを用いて特別図柄変動の変動パターン(変動時間)を選択するように構成している。
そして、参照される変動パターンテーブルの種別によって、変動時間が60秒の変動パターンの選択のされ易さを異ならせている。つまり、変動時間が60秒の変動パターンが選択され難い変動パターンテーブルを参照して変動パターンが選択される場合には、バトルモード中にバトル演出を出現させ難くすることができる。さらに、この変動時間が60秒の変動パターンが選択され難い変動パターンテーブルは、遊技状態として確変状態が設定されている場合のほうが、時短状態が設定されている場合よりも参照され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。
なお、本制御例では、バトル演出の演出結果が「勝利」となる期待度を示すための情報として「勝率」を数値で示す演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、バトル演出の演出結果が「敗北」にならない期待度、即ち、演出結果が「勝利」、或いは「継続」になる期待度を示すための情報を示す演出を実行するように構成しても良く、この場合、演出結果が「継続」となるバトル演出、即ち、時短終了条件が成立しない特別図柄変動にて60秒の変動パターンが選択され易い変動パターンテーブルが参照される状態のほうが、演出結果が「継続」となるバトル演出、即ち、時短終了条件が成立しない特別図柄変動にて60秒の変動パターンが選択され難い変動パターンテーブルが参照される状態よりも高い期待度を示すように演出内容を設定すると良い。
変動パターンシナリオ選択テーブル202eに規定されている内容について詳細な説明をすると、大当たり種別が「大当たりA1」、即ち、確変状態で且つバトルモード中にバトル演出が実行され易い大当たり種別である場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に勝率(上限値)として「50%以下」が、「40〜79」の範囲に勝率(上限値)として「60%〜89%」が、「80〜94」の範囲に勝率(上限値)として「100%」が、「95」〜「99」の範囲に勝率(上限値)として「90〜99%」がそれぞれ規定されている。
また、大当たり種別が「大当たりA2」、即ち、確変状態で且つバトルモード中にバトル演出が実行され難い大当たり種別である場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に勝率(上限値)として「100%」が、「40〜79」の範囲に勝率(上限値)として「90%〜99%」が、「80〜94」の範囲に勝率(上限値)として「60%〜89%」が、「95」〜「99」の範囲に勝率(上限値)として「〜59%」がそれぞれ規定されている。
大当たり種別が「大当たりB1,C1,D1」、即ち、時短状態で且つバトルモード中にバトル演出が実行され易い大当たり種別である場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に勝率(上限値)として「〜59%」が、「40〜79」の範囲に勝率(上限値)として「〜59%」が、「80〜94」の範囲に勝率(上限値)として「60%〜89%」が、「95」〜「99」の範囲に勝率(上限値)として「90〜99%」がそれぞれ規定されている。
また、大当たり種別が「大当たりB2,C2」、即ち、時短状態で且つバトルモード中にバトル演出が実行され難い大当たり種別である場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に勝率(上限値)として「〜59%」が、「40〜79」の範囲に勝率(上限値)として「60%〜89%」が、「80〜94」の範囲に勝率(上限値)として「90%〜99%」が、「95」〜「99」の範囲に勝率(上限値)として「90〜99%」がそれぞれ規定されている。
さらに、大当たり種別が「大当たりD2」、即ち、時短状態で且つバトルモード中にバトル演出が実行され難い大当たり種別である場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に勝率(上限値)として「〜59%」が、「40〜79」の範囲に勝率(上限値)として「90%〜99%」が、「80〜94」の範囲に勝率(上限値)として「60%〜89%」が、「95」〜「99」の範囲に勝率(上限値)として「〜59%」がそれぞれ規定されている。
以上、説明をした通り、勝率選択テーブル222bには、確変状態が設定される大当たり種別に対してのみ勝率(上限値)「100%」が選択されるように構成している。よって、バトル勝率として100%が表示されたにも関わらず、バトル演出の結果が「敗北」となる事態が発生することを抑制することができる。
また、バトル演出が実行され難い変動パターンテーブルが参照される大当たり種別(大当たりA2、大当たりB2、大当たりC2、大当たりD2)のほうが、バトル演出が実行され易い変動パターンテーブルが参照される大当たり種別(大当たりA1、大当たりB1、大当たりC1、大当たりD1)よりも高い勝率(90〜99%等)が選択され易くなるように構成している。つまり、バトル演出が実行され難い変動パターンテーブルが参照される大当たり種別(大当たりA2、大当たりB2、大当たりC2、大当たりD2)が選択された場合は、全体のバトル演出の出現率に対して、演出結果が「勝利」となるバトル演出の占める割合が高くなることから、高い勝率が選択され易くなるように構成している。
このように構成することで、バトル演出が実行された時点で表示されている勝率と、実際のバトル演出の演出結果とを対応付け易くすることができるため、第3図柄表示装置81の表示面に表示される勝率が上昇する演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、本第1制御例では、設定される時短回数が少ない大当たり(例えば、大当たりB)よりも、時短回数が多い大当たり(例えば、大当たりDm)に当選している場合のほうが、高い勝率(上限値)が選択され易くなるように構成している。つまり、長い時短回数が設定されている場合のほうが、演出結果が「敗北」となるバトル演出が実行されるまで(時短状態が終了するまで)に実行される特別図柄抽選の回数が多くなるため、その間に、特別図柄抽選で大当たり当選する可能性が高くなる。よって、時短状態が設定される場合においては、時短終了条件が成立し難い時短大当たりであるほうが、時短終了条件が成立し易い時短大当たりである場合よりも、高い勝率が選択され易くなるように構成することで、バトル演出が実行された時点で表示されている勝率と、実際のバトル演出の演出結果とを対応付け易くすることができるため、第3図柄表示装置81の表示面に表示される勝率が上昇する演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄抽選が所定回数実行した場合に成立する変動回数終了条件を設定しているが、それ以外の時短終了条件を設けても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が特定抽選結果となった回数が所定回数(例えば、2回)に到達した場合に成立する抽選結果終了条件を設定可能に構成しても良い。
本制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別として、「大当たりA1」〜「大当たりA3」を設定可能に構成しているが、大当たり種別として「大当たりA3」が設定された場合は、大当たり遊技終了後にバトル演出が実行されることの無い演出モード(短縮モード)が設定されるように構成している。よって、勝率選択テーブル222bには、「大当たりA3」に対応する値が規定されていない。
ラッキーポイント選択テーブル222cは、普通図柄の高確率状態中に加算表示されるラッキーポイントの値を決定する際に参照されるデータテーブルである。詳細な図示は省略するが、今回の普通図柄の高確率状態中に加算表示されるラッキーポイントの上限値として決定されている値(上限ポイント格納エリア223qに格納されている値)と、現在表示しているラッキーポイントの値(表示ポイント格納エリア223rに格納されている値)との差分値と、残時短回数(残時短期間)と、大当たり種別(前回大当たり当選した際に設定された大当たり種別)と、に基づいて加算表示演出にて加算表示されるラッキーポイントの値が規定されている。
本制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている期間中にラッキーポイントを加算表示する演出が実行されるように構成しており、ラッキーポイントが100Pに到達した場合に、確変状態が設定されていることを遊技者に報知可能に構成している。つまり、時短状態が設定されている場合には、ラッキーポイントが100Pに到達し得ないように構成している。このように構成することで、確変状態が設定されている場合以外に、ラッキーポイントが100Pに到達してしまうことを抑制している。
しかしながら、時短状態が設定されている場合であっても、その時短中にラッキーポイントが100P付近まで到達するように加算表示演出が実行されないと、遊技者に対して、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを即座に判別されてしまいラッキーポイントの加算表示が実行される加算表示演出の演出効果が低下してしまうという問題があった。
そこで、本第1制御例では、上限値として決定されている値(上限ポイント格納エリア223qに格納されている値)と、現在表示しているラッキーポイントの値(表示ポイント格納エリア223rに格納されている値)との差分値と、残時短回数(残時短期間)と、に基づいて、加算表示演出にて付与されるラッキーポイントの値を決定するように構成している。
このように構成することで、時短回数が少ない(例えば、30回)時短状態が設定されている場合であっても、時短状態中にラッキーポイントを100付近まで(上限値まで)到達させ易くすることができる。
ここで、本第1制御例のように設定される時短回数が異なる複数の時短状態を設定可能に構成されたパチンコ機10において、時短中にラッキーポイントが100付近まで(上限値まで)到達し易くするように加算表示演出の演出態様を決定した場合には、設定される時短回数に応じて、ラッキーポイントの加算度合いが明らかに異なる加算表示演出が実行されることになる。よって、実行される加算表示演出の演出内容によって、遊技者に遊技状態を容易に判別されてしまうという新たな問題が生じる虞がある。
これに対して、本第1制御例では、確変状態が設定される場合において実行される加算表示演出に演出パターンを設定可能に構成している。具体的には、次回大当たり当選まで普通図柄の高確率状態が継続する確変状態であっても、残時短回数(残時短期間)の値として演出用の値を設定可能に構成し、時短回数30回が設定された時短状態と同様の加算度合いでラッキーポイントが加算される演出パターン、時短回数50回が設定された時短状態と同様の加算度合いでラッキーポイントが加算される演出パターン、時短回数80回が設定された時短状態と同様の加算度合いでラッキーポイントが加算される演出パターンを設定可能に構成している。
このように構成することで、時短状態が設定された場合と同様の加算度合い(加算態様)で確変状態中における加算表示演出を実行させることができるため、遊技者に対して、加算表示演出の演出内容に基づいて現在の遊技状態を把握させ難くすることができる。
加えて、本第1制御例では、実際に設定されている時短状態の時短回数とは異なる時短回数の時短状態が設定された場合に実行され得る演出パターンで加算表示演出を実行可能に構成している。具体的には、時短回数50回の時短状態が設定された場合には、約80%の割合で、時短回数50回に対応した演出パターン、即ち、特別図柄変動が50回実行された時点でラッキーポイントが上限値に到達するような加算表示演出の演出パターンが設定され、約10%の割合で、時短回数30回に対応した演出パターンが、約10%の割合で、時短回数80回に対応した演出パターンが設定されるように構成している。
このように構成することで、実際に時短終了条件が成立するタイミングとは異なるタイミングに向けてラッキーポイントを加算させる加算表示演出が実行されるため、遊技者に対して残時短回数を把握させ難くすることができる。さらに、時短回数50回が設定されているにも関わらず、時短回数30回が設定された場合と同様の演出パターンで加算表示演出が実行された場合には、30回目の特別図柄変動が終えた後も、普通図柄の高確率状態が継続するため、遊技者に対して、時短回数30回の時短状態では無く、確変状態が設定されているのではと思わせることができる。また、時短回数50回が設定されているにも関わらず、時短回数80回が設定された場合と同様の演出パターンで加算表示演出が実行された場合には、ラッキーポイントが100付近に到達するよりも前に時短状態が終了することになるため、遊技者に対して、時短状態がいつ終了するのかを把握させ難くすることができ、意外性のある演出を提供することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、時短状態中におけるラッキーポイントの上限値として、100付近の値を上限値に設定する場合と、100とは大きく異なる値(例えば、50付近)を上限値に設定する場合と、がある。このように構成することで、時短状態がいつ終了するのかを把握させ難くすることができ、意外性のある演出を提供することができる。
ゲージ上昇抽選テーブル222dは、図130及び図131を参照して上述した操作演出(長押し演出)において、気合ゲージKGを上昇させるか否かの上昇抽選を実行する際に参照されるデータテーブルである。詳細な図示は省略するが、取得した演出カウンタ223fの値に対応させて、上昇抽選の当否が規定されており、上昇抽選にて当選した場合に、気合ゲージKGを上昇させる演出態様が設定される。このゲージ上昇抽選テーブル222dは、実行中の演出における可変態様の段階数と、現在の可変段階と、特別図柄抽選の結果(当否)とに応じて、上昇抽選に対応する演出カウンタ223fの値を異ならせて規定しており、特別図柄抽選で当たり当選している状態であって、且つ、現在の可変段階から上昇可能な段階数が多い程、上昇抽選に当選し易くなるように規定されている。
追加抽選テーブル222eは、大当たり遊技中において追加演出の実行条件が成立した場合に、その追加演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルである。本第1制御例では、追加演出の演出態様として、賑やかし用の追加演出(図122(b)参照)と、後に実行されるバトル演出の勝率を上昇させるための追加演出(図121(b)参照)と、を実行可能に構成している。つまり、追加抽選テーブル222eを参照して選択された追加演出の演出態様によって、遊技者に付与される特典(有利度合い)が異なることになる。
次に、図142(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の詳細について説明する。図142(b)は、RAM223の規定内容を示したブロック図である。
図142(b)に示した通り、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、有効期間タイマ223eと、演出カウンタ223fと、演出情報格納エリア223gと、追加演出情報格納エリア223hと、勝率可変フラグ223iと、上限勝率格納エリア223jと、表示勝率格納エリア223kと、抽選回数カウンタ223mと、確定フラグ223nと、高確率フラグ223pと、上限ポイント格納エリア223qと、表示ポイント格納エリア223rと、押下タイマ223sと、長押しフラグ223tと、押下解除フラグ223uと、連打演出フラグ223vと、上限ゲージ量格納エリア223wと、ゲージカウンタ223xと、時短回数カウンタ223yと、状態格納エリア223aaと、到達フラグ223abと、が少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞を検出した場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eおよび第2特別図柄保留球数カウンタ203fと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203eおよび第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において第1特別図柄変動が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。また、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において第2特別図柄変動が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eおよび第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図166のS4408参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eおよび第2特別図柄保留球数カウンタ203fと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eおよび第2特別図柄保留球数カウンタ203fと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eおよび第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図166のS4402参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図174のS5203参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図162のS4002参照)の中で、表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図166のS4405参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図174のS5217参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が設定される(図174のS5219参照)。
有効期間タイマ223eは、遊技者による枠ボタン22への操作を有効に判別可能な操作有効期間を計測するためのタイマである。この有効期間タイマ223eが期間を計測している間(有効期間タイマ223eの値が0よりも大きい間)は、操作有効期間中であることを意味し、有効期間タイマ223eが期間を計測していなければ(有効期間タイマ223eの値が0であれば)、操作有効期間ではないことを意味する。この有効期間タイマ223eは、変動演出として実行される操作演出(長押し演出)の開始タイミングになったと判別された場合に実行される操作演出の操作有効期間に対応する値が設定される。そして、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図162参照)において1ミリ秒毎に実行される演出更新処理(図165のS4011参照)において、有効期間タイマ223eの値が更新(減算)される(図165のS4303参照)。そして、枠ボタン入力監視・演出処理(図163のS4007参照)において、現在が操作有効期間中であるか否かを判別する際に参照される(図163のS4101)。
演出カウンタ223fは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223fは、0から99の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図162参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。なお、演出カウンタ223fは、演出の種別毎に別々のカウンタを有している。
演出情報格納エリア223gは、パチンコ機10にて実行された(設定された)演出の内容を一時的に格納しておくための記憶領域であって、例えば、大当たり遊技中に実行された演出の内容を示す情報(演出情報)が格納され、大当たり遊技終了後の演出態様を設定する場合に参照される。
本制御例では、確変大当たりに当選した場合において、第1期間(例えば、大当たり遊技中)に実行された演出の内容に応じて、第1期間よりも後の第2期間(例えば、大当たり遊技終了後)に実行される演出の演出態様を決定するように構成している。より具体的には、確変大当たりに当選した場合において、大当たり遊技終了後まで(第1期間が終了するまで)に、今回の大当たりが確変大当たりであることが報知された場合は、第2期間にて確変状態であることを遊技者に報知する演出が実行され、大当たり遊技終了後まで(第1期間が終了するまで)に、今回の大当たりが確変大当たりであることが報知されなかった場合は、第2期間にて現在の遊技状態が確変状態であるか否かを示唆するための示唆演出が実行されるように構成している。
このように、第1期間(例えば、大当たり遊技中)に実行された演出の内容に応じて、第1期間よりも後の第2期間(例えば、大当たり遊技終了後)に実行される演出の演出態様を決定するように構成することで、遊技者に対して特定情報(遊技状態を示す情報)に関する内容を明確に報知する報知演出を実行した後に、特定情報(遊技状態を示す情報)に関する内容を示唆する示唆演出が実行されることを抑制することができる。
追加演出情報格納エリア223hは、大当たり遊技中に実行された追加演出の内容(種別)を示す情報を一時的に記憶させておくための記憶領域であって、大当たり遊技中に追加演出が実行される毎に、実行される追加演出の内容(種別)を示す情報が格納される。そして、新たな追加演出が実行される場合に、追加演出情報格納エリア223hに格納されている情報を読み出して、その読み出した情報と、所定の演出条件とに基づいて、新たに実行される追加演出の演出態様が決定される。
また、本制御例では、追加演出の実行条件が成立したタイミングが、既に追加演出が実行されている期間内である場合に、実行される追加演出の内容や、実行中の追加演出の内容によって、新たな追加演出の実行を規制するように構成している。この場合、実行が規制された追加演出の内容も、追加演出情報格納エリア223hに格納される。つまり、設定された追加演出の内容(種別)を、実行済の追加演出と、非実行の追加演出とを区分けして記憶可能に構成している。
このように構成することで、新たな追加演出を実行可能となった場合に、追加演出情報格納エリア223hに格納されている非実行の追加演出を示す情報に基づいた追加演出を実行したり、追加演出の実行条件が成立した場合に、追加演出情報格納エリア223hに格納に格納されている非実行の追加演出を示す情報の内容も付加した演出態様で追加演出を実行したりすることができる。
勝率可変フラグ223iは、バトル演出に対する勝率を可変可能な状態であることを示すためのフラグであって、勝率を可変可能(加算可能)な状態である場合にオンに設定される。一方、勝率を加算できない状態、即ち、既に勝率が上限値に到達している場合にオフに設定される。これにより、勝率を可変させることが可能な期間内において、勝率を可変させるための制御を適正に実行することができる。
上限勝率格納エリア223jは、バトル演出における勝率を上昇させるための表示演出において、表示可能な上限値を格納するための記憶領域であって、大当たり遊技が開始された場合に実行される当たり中演出設定処理(図168のS4502参照)において、大当たり遊技終了後にバトル演出が実行される状態であると判別した場合に(図168のS4601:No)、勝率選択テーブル222bを参照して決定された上限勝率(表示勝率の上限値)が格納される(図168のS4605)。
そして、大当たり遊技中の追加演出の実行条件が成立した場合(図172のS5008:Yes)に実行される追加演出態様設定処理(図173のS5009参照)にて、追加演出の演出態様を決定する際に格納されている情報(上限勝率)が参照される。また、大当たり遊技終了後の勝率UPゾーン中に実行される勝率UPゾーン用演出設定処理(図176のS5305参照)においても、追加演出の演出態様を決定する際に格納されている情報(上限勝率)が参照される。
表示勝率格納エリア223kは、バトル演出の勝率を可変表示可能な期間において、可変表示された勝率(表示勝率)を示すための情報を一時的に格納しておくための記憶領域であって、初期値として0%が格納されている。そして、大当たり遊技中の追加演出の実行条件が成立した場合(図172のS5008:Yes)に実行される追加演出態様設定処理(図173のS5009参照)や、大当たり遊技終了後の勝率UPゾーン中に実行される勝率UPゾーン用演出設定処理(図176のS5305参照)において設定された追加演出の演出態様(上昇後の勝率)を示すための情報が格納される。
これにより、現在表示されている表示勝率を適切に管理することができる。なお、本制御例では、表示勝率格納エリア223kに、上昇させた後の表示勝率を示す情報が格納されるように構成しているが、これに限ること無く、現在表示されている表示勝率と、次に表示される表示勝率との差分(所謂、上昇分)を示す情報を表示勝率格納エリア223kに格納するように構成しても良い。
抽選回数カウンタ223mは、大当たり遊技中に実行された追加演出を実行するか否かの抽選回数を計測するためのカウンタであって、追加演出を実行するか否かの抽選が実行された場合にカウンタの値が1加算される。そして、ラウンド遊技が終了した場合に実行される演出態様可変処理(図170のS4508参照)において、カウンタの値が読み出され、抽選回数カウンタ223mの値が1未満であると判別した場合には(図170のS4804:Yes)、高確率フラグ223pがオンに設定される。そして、ラウンド遊技が終了する毎に、カウンタの値が0にクリアされる。
つまり、1回のラウンド遊技中において、追加演出を実行するか否かの抽選が1回も実行されなかった場合には、次のラウンド遊技中に、追加演出を実行するか否かの抽選が実行された場合に、高確率で当選するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に追加演出が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
なお、本制御例では、上述した通り、追加演出を実行するか否かの抽選が実行されなかった場合、即ち、ラウンド遊技中に右側領域に設けられた一般入球口63へと球が入球せず、さらに、特定入賞口65aへのオーバー入賞が発生しなかった場合に、次のラウンド遊技にて追加演出を実行するか否かの抽選が高確率で当選するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、追加演出の演出態様として勝率を上昇させる演出態様が選択された回数が、1のラウンド遊技内で所定回数(例えば、1回)以下である場合において、次のラウンド遊技にて追加演出を実行するか否かの抽選が高確率で当選したり、追加演出の演出態様として勝率を上昇させる演出態様が選択され易くしたりするように構成しても良い。
また、本制御例では、1回のラウンド遊技内容における遊技内容に応じて、次のラウンド遊技中における追加演出の実行確率を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、複数回のラウンド遊技における遊技内容に応じて次のラウンド遊技中における追加演出の実行確率を可変させるように構成しても良い。この場合、例えば、抽選回数カウンタ223mの値をラウンド遊技毎にリセットするのでは無く、特定のラウンド遊技が終了した場合にリセットするように構成すれば良い。さらに、本制御例では、大当たり遊技中に追加演出が実行されない(実行数が少ない)場合に、追加演出が実行され易い状況を創出可能に構成することで、大当たり遊技中に追加演出が実行されず遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中に追加演出が実行されたほうが(実行数が多いほうが)、追加演出をより実行し易い状況を創出し易くするように構成しても良い。これにより、遊技者に対して追加演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
確定フラグ223nは、確変大当たりに当選したことが報知された状態であることを示すためのフラグであって、確変大当たりに当選したことが報知された場合にオンに設定される。具体的には、大当たり図柄として確変大当たりを報知する確変図柄(「777」)が停止表示された場合にオンに設定される。そして、大当たり遊技中の各種演出を設定する場合に確定フラグ223nの設定状況が判別され、オンに設定されていると判別した場合には、確変大当たりを示す、或いは、確変大当たりを祝福する演出が設定される。
一方、オフに設定されていると判別した場合には、遊技者に対して大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示唆するための遊技状態示唆演出(勝率を上昇させるための追加演出等)が実行される。また、大当たり遊技が終了した後の演出態様を設定するための当たり中演出終了処理(図171のS4510参照)においてもフラグの設定状況が判別され、設定状況に応じた演出態様が設定される。これにより、大当たり遊技終了後に実行される演出の態様を確変大当たり報知の有無に対応させて設定することができる。この確定フラグ223nは、大当たり遊技終了後に実行される演出の態様を決定(設定)した後にオフに設定される。
高確率フラグ223pは、追加演出を実行するか否かの抽選が高確率で当選する状態であることを示すためのフラグであって、当選確率が高確率状態である場合にオンに設定される。一方、当選確率が通常状態である場合にはオフに設定される。本制御例では、大当たり遊技中の遊技内容に応じて、追加演出の実行頻度を可変可能に構成しており、具体的には、追加演出が実行されない期間が所定期間継続した場合に、追加演出が実行され易くなる(高確率フラグ223pがオンに設定される)ように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に追加演出が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
上限ポイント格納エリア223qは、ラッキーポイントの加算表示演出において表示可能な上限値を一時的に格納するための記憶領域であって、時短演出態様設定処理(図175のS5208参照)にて実行される初回以降演出設定処理(図177のS5309参照)において、決定されたラッキーポイントの上限数が格納される(図177のS5508)。そして、現在表示中のラッキーポイントの値との差分値に基づいて、ラッキーポイントを加算する演出の内容が決定される。
表示ポイント格納エリア223rは、ラッキーポイントの加算表示演出が実行されたことにより第3図柄表示装置81の表示面に表示された(表示させる)ラッキーポイントの値を格納するための記憶領域であって、時短演出態様設定処理(図175のS5208参照)において加算された表示ポイントに対応する値が格納される。本制御例では、表示ポイント格納エリア223rが表示ポイントカウンタを有しており、加算された値に対応させて表示ポイントカウンタの値が加算更新される。そして、ラッキーポイントの加算表示演出が実行される期間が終了すると、表示ポイント格納エリア223rに格納されている情報(表示ポイントカウンタの値)が0にクリアされる。
押下タイマ223sは、枠ボタン22が押下されている期間を計測するためのタイマであって、枠ボタン22が押下された場合に押下タイマ223sの計測が開始される。そして、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図162参照)にて1ミリ秒毎に実行される演出更新処理(図165のS4306参照)において、タイマの値が更新され(図165のS4307)、タイマの値が2秒に対応する値まで更新された場合に、長押し中であることを示す長押しフラグ223tがオンに設定される。このように、枠ボタン22が押下された直後から長押し操作が行われていると判定するのでは無く、枠ボタン22が押下されている期間が所定期間継続した場合に長押し操作が行われていると判定するように構成することで、枠ボタン22への操作として、長押しと通常押し(連打)の両方を重複して検出可能に構成することができるため、操作手段(枠ボタン22)を用いた操作演出のバリエーションを容易に増加させることができる。
長押しフラグ223tは、遊技者が枠ボタン22に対して長押し操作を実行していることを示すためのフラグであって、長押し操作が実行されている場合にオンに設定される。そして、長押しフラグ223tがオンに設定されている状態にて遊技者が枠ボタン22から手を離した場合、即ち、枠ボタン22への操作が検出されなかった場合にオフに設定される。
押下解除フラグ223uは、長押し操作中に遊技者が枠ボタン22への操作を解除したことを示すためのフラグであって、長押しフラグ223tがオンに設定されている状態で遊技者が枠ボタン22から手を離した場合にオンに設定される。そして、枠ボタン22への押下が検出された場合に参照され、押下解除フラグ223uがオンに設定されている状態で枠ボタン22への押下を検出した場合に、オフに設定される。
本制御例では、1の操作有効期間内において、長押し操作が実行された後に、遊技者が枠ボタン22から手を離した場合に、枠ボタン22への長押し操作を促す演出を継続して実行するのでは無く、異なる操作方法で枠ボタン22を操作させることを促す演出を実行するように構成している。ここで、押下解除フラグ223uを用いることにより、1の操作有効期間内において、長押し操作が実行された後に、遊技者が枠ボタン22から手を離した状況を確実に検出することができ、連打演出を促す演出を実行することができる。
連打演出フラグ223vは、1の操作有効期間において、連打演出を促す演出が実行されていることを示すためのフラグであって、連打演出が実行されている場合にオンに設定される。そして、枠ボタン22への操作が検出された場合において、連打演出フラグ223vがオンに設定されているかが判別され、オンに設定されている場合には、連打演出に対応する操作演出が実行される。一方、オフに設定されている場合には、長押し操作を検知するための処理(押下タイマ223sによる押下時間の計測処理)が実行される。
上限ゲージ量格納エリア223wは、操作演出において気合ゲージKGを上昇させることが可能な上限量として決定された上限値を一時的に格納するための記憶領域であって、変動表示設定処理(図174のS4013参照)において決定される変動表示態様に操作演出が含まれている場合に、対応する特別図柄抽選の結果に基づいて上限量が決定され、決定された上限量が格納される。そして、操作演出中にゲージ量を上昇させるか否かを決定する場合に参照される。
ゲージカウンタ223xは、操作演出において可変させた気合ゲージKGの段階情報を示すためのカウンタであって、気合ゲージKGの表示態様が可変(上昇)する毎にカウンタの値が1加算される。本制御例では、気合ゲージKGの表示態様を最大で5段階可変(上昇)させることが可能に構成しており、ゲージカウンタ223xの値は、気合ゲージKGの可変段階数に対応する値まで更新(加算)可能に構成している。これにより、実際に表示されている気合ゲージKGの段階情報を適正に判別することができる。
時短回数カウンタ223yは、時短状態中に実行される特別図柄変動の実行回数を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態中において特別図柄変動が実行される毎にカウンタの値が1加算されるように構成している。そして、時短回数カウンタ223yの値を参照して現在の遊技状態が、特別図柄変動回数が時短終了条件を満たす状態であるか否かを遊技者に示唆するための演出を実行するように構成している。
状態格納エリア223aaは、設定されている遊技状態を格納するための記憶領域であって、遊技状態が変更される際に、変更後の遊技状態が格納される。そして、現在の遊技状態が何れであるかを判別する際に参照される。
到達フラグ223abは、ラッキーポイントの値が所定値(100P)に到達したことを示すためのフラグであって、ラッキーポイントの値が所定値(100P)に到達した場合にオンに設定される。そして、大当たり当選時にオフに設定される。この到達フラグ223abがオンに設定されている間は、ラッキーポイントの値を加算させるための処理がスキップされる。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図166参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図144を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図119参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図157参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図119参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図144を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図144は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型フラッシュメモリ234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型フラッシュメモリ234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型フラッシュメモリ234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型フラッシュメモリ234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型フラッシュメモリ234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型フラッシュメモリ234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型フラッシュメモリ234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型フラッシュメモリ234dは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型フラッシュメモリ234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図180のS8001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図180のS8002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型フラッシュメモリ234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型フラッシュメモリ234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図149参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図182(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図180のS8003,S8004参照)。
ここで、図145を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図145は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図145(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図145(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図145(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図145(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図145(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図145(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図144に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図146を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図146は、2種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図146(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図146(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図146に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図146(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである砂浜ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される砂浜ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、深海ステージに対応する背面Bは、図146(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図144参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図144に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を模した上述の10種類の主図柄(図120参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、魚のキャラクタ311、女性のキャラクタ312、男性のキャラクタ313等の様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成されている。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たりを示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)を遊技者に報知する、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知するための演出である。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が普通入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物64aが開放される機会も多くなるので、球が第1入球口64へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物64aが開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない副図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。また、各遊技メニュー画面に対応する表示データテーブルについてもこのデータテーブル格納エリア233bに格納されている。
ここで、図147を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図147は、表示データテーブルのうち、変動演出用の表示データテーブル(変動表示データテーブル)の一例を模式的に示した模式図である。変動表示データテーブル等の表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図147の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図149参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザーの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図148を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図148は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図148のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図148のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図148の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図149参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図148の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図145(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図180参照)の中でオンに設定される(図180のS8005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図192(b)のS9705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図182(b)のS8301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図182(b)のS8308参照)および簡易表示設定処理(図182(b)のS8309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図183〜図188参照)および表示設定処理(図189〜図191参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図192(a)のS9601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図192(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図193参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図149参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図149参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図149参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図182(b)のS8303参照)の中で、ポインタ更新処理(図191のS9305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図149参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図149を参照して、描画リストの詳細について説明する。図149は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図149に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)、各種コメントの順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側(最背面の描画階層)に配置し、最後に描画したスプライトが最も前面側(最前面の描画階層)に配置することができるのである。なお、コメント表示機能がオンである場合に最も前面側(最前面の描画階層)に配置される画像は、コメントを構成する文字画像である。コメントを最も前面側(最前面の描画階層)に配置することにより、遊技者に対してコメントをより明瞭に視認させることができる。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図182(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図189のS9307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図180のS8002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図193参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図193のS9813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図193のS9814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図194のS9902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図182(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図194のS9902参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図150から図160のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図150は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では399)に達した場合に0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び始動入賞処理の詳細は、図151〜図154を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図155および図156を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図151を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図151は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図150参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、大当たり待機状態中、または特別図柄の大当たり中の何れかであるかを判定する(S201)。具体的には、入球待機フラグ203j、および大当たり中フラグ203mの何れかがオンであるかを判定する。判定の結果、大当たり待機状態中、または特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、大当たり待機状態中でも、特別図柄の大当たり中でもないと判定した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S213の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0であると判定した場合は(S204:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S208)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S209)。
S209の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別した場合は(S209:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S209の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S209:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S212)、処理をS213へと移行する。S207、またはS212の処理後に実行されるS213の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S213)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理の詳細については、図152を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、変動時間を計測するための変動時間カウンタを更新し(S214)、更新後の変動時間カウンタの値に基づいて第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新し(S216)、本処理を終了する。
一方、S215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S215:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、図152を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA1〜3,B1,B2,C1,C2,D1,D2のいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりA1になる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりA2になる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりA3となる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりB1となる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりB2となる場合には、赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりC1となる場合には、青色のLEDと赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりC2となる場合には、青色のLEDと赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりD1となる場合には、青色のLEDと赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりD2となる場合には、青色のLEDと赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には青色のLEDと赤色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S218:Yes)、確変フラグ203hをオフに設定すると共に、時短中カウンタ203iの値を0にリセットし(S219)、S224の処理へ移行する。
一方、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S218:No)、時短中カウンタ203iの値が0より大きい値であるか(即ち、普通図柄の時短状態であるか)を判別し(S220)、時短中カウンタ203iの値が0より大きいと判別した場合は(S220:Yes)、時短中カウンタ203iの値を1減算して(S221)、処理をS222へと移行する。これに対し、S220の処理において、時短中カウンタ203iの値が0であると判別した場合は(S220:No)、S221の処理をスキップして、処理をS222に移行する。
S222の処理では、減算後の時短中カウンタ203iの値が0であるか否かを判別する(S222)。時短中カウンタ203iの値が0であると判別した場合は(S222:Yes)、普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態に遊技状態が変更されたことを示す状態コマンドが設定され(S223)、その後、S224の処理へ移行する。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
これに対し、S222の処理において、時短中カウンタ203iの値が0ではないと判別した場合は(S222:No)、S223の処理をスキップして、処理をS224に移行する。
S224の処理では、停止種別を示す停止コマンドを設定して、本処理を終了する。ここで設定された停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、停止コマンドが示す停止種別に基づいて、第3図柄の停止図柄を設定する。
次に、図152を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図152は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図150参照)の特別図柄変動処理(図151参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変フラグ203hを読み出して、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるかを判定する(S302)。このS302の処理では、確変フラグ203hがオンならば特別図柄の確変状態であると判定し、確変フラグ203hがオフであれば、特別図柄の低確率状態(確変状態でない)と判定する。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であると判定した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図137(b)参照)と比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜5」の20個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)と判定した場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図137(b)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとを比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、変動パターンシナリオ選択テーブル202e(図140参照)に基づいて、今回用いる変動パターンテーブルを特定し(S305)、S306の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S306)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S306:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S307)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b(図137(c)参照)とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜54」の範囲にあれば、大当たりA1(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「55〜59」の範囲にあれば、大当たりA2(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「60〜64」の範囲にあれば、大当たりA3(10ラウンド確変大当たり)であると判定し、「65〜69」の範囲にあれば、大当たりB1(10ラウンド時短30回大当たり)であると判定し、「70〜74」の範囲にあれば、大当たりB2(10ラウンド時短30回大当たり)であると判定し、「75〜84」の範囲にあれば、大当たりC1(10ラウンド時短50回大当たり)であると判定し、「85〜89」の範囲にあれば、大当たりC2(10ラウンド時短50回大当たり)であると判定し、「90〜94」の範囲にあれば、大当たりD1(10ラウンド時短80回大当たり)であると判定し、「95〜99」の範囲にあれば、大当たりD2(10ラウンド時短80回大当たり)であると判定する(図137(c)参照)。なお、本制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、上述した第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合と同一の制御処理が実行される。 このS307の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA1〜3,B1,B2,C1,C2,D1,D2)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA1〜3,B1,B2,C1,C2,D1,D2)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S308)。S308の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図138(c),図139(a)〜(c)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S306の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S306:No)、外れ時の表示態様を設定する(S309)。S309の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリア203cに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S310)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S308の処理またはS310の処理が終わると、次に、S308の処理またはS310の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S311)。次いで、今回の変動パターンの変動時間に対応するカウンタ値を、変動時間カウンタに設定する(S312)。そして、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S313)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図159参照)のS901の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理(図151参照)へ戻る。
次に、図153のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図153は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図150参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、遊技球が第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、遊技球が第1入球口64への入賞があっても第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、処理をS407へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、処理をS407へと移行する。尚、S406の処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、遊技球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。本処理でも、S401の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S408)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S409:No)、処理をS413へと移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)に1を加算する(S410)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを設定する(S411)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S411の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S412)、S413の処理へ移行する。尚、S412の処理では、S406の処理と同様に、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S413の処理では、始動入賞に基づいて取得した各種カウンタ値から当否を先読みするための先読み処理を実行して(S413)、本処理を終了する。この先読み処理の詳細について、図154を参照して説明する。
図154は、先読み処理(S413)を示すフローチャートである。この先読み処理(S413)では、まず、今回の始動入賞処理(図153参照)において第1入球口64、または第2入球口640に対する新たな入球を検出していたか否かを判別し(S501)、新たな入球を検出していなければ(S501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S501の処理において、新たな入球を検出していたと判別した場合は(S501:Yes)、次に、検出した入球に対応する保留球数が上限値(即ち、4)であるか否かを判別し(S502)、上限値であると判別した場合は(S502:Yes)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S502の処理において、保留球数が上限値未満であると判別した場合は(S502:No)、当該入球に基づく変動表示を開始するタイミングが特別図柄の確変状態であるか否かを判別する(S503)。このS503の処理では、現在の遊技状態と、今回の入球以前に保留された保留球の先読み結果とに応じて、確変状態であるか否かを判別している。具体的には、保留球の中に大当たりが含まれていなければ、現在の遊技状態と、今回検出した入球に基づく変動表示を開始するタイミングとが一致するので、現在の遊技状態が確変状態であると判別する。また、保留球の中に大当たりが含まれている場合は、大当たりの種別に応じて遊技状態が変更される可能性がある。具体的には、確変大当たりが保留されている場合は当該大当たり後に確変状態へと移行し、通常大当たりが保留されている場合は、当該大当たり後に通常状態へと移行する。これらを加味して、今回検出した入球に基づく変動表示の開始タイミングが確変状態であるか否かを判別する。
S503の処理において、今回検出した入球に基づく変動の開始時が特別図柄の確変状態であると判別した場合は(S503:Yes)、入球を検出した入球口の種別と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図137(b)参照)とに基づいて、今回の入球に基づく抽選結果を取得し(S504)、処理をS506へと移行する。一方、変動開始時が特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S503:No)、入球を検出した入球口の種別と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図137(b)参照)とに基づいて、今回の入球に基づく抽選結果を取得し(S505)、処理をS506へと移行する。
S504、またはS505の処理後に実行されるS506の処理では、今回の入球を検出した入球口の種別と、S504、またはS505の処理で取得した抽選結果とに基づいて入賞情報コマンドを設定し(S506)、本処理を終了する。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドにより通知された入球口の種別、および抽選結果を入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図155を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図155は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図150参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203dの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203dの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、現在が普通図柄の時短状態中であるかを判別する(S508)。具体的には、RAM203の時短中カウンタ203iの値が1以上であるか、または、確変フラグ203hがオンの場合に普通図柄の時短状態であると判別し、時短中カウンタ203iの値が0、且つ、確変フラグ203hがオフであれば、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S508:Yes)、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S509)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図138(a)参照)。
一方、S508の処理において、普通図柄の時短状態中ではないと判別した場合は(S508:No)、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図138(a)参照)。
次に、S509またはS510の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S511)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S511:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S512)。このS512の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS514へと移行する。
一方、S511の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S511:No)、外れ時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S514の処理へ移行する。
S514の処理では、普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S514)、普通図柄の時短状態中であれば(S514:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S515)、本処理を終了する。一方、S514の処理において、普通図柄の通常状態であると判別した場合は(S514:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S516)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなるので、普通図柄の抽選頻度が高くなる。よって、普通図柄の抽選で当たりとなる頻度が高くなることにより、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され易くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S517)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S515の処理またはS516の処理によって予め設定された時間である。
S517の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S517:No)、本処理を終了する。一方、S517の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過したと判別した場合は(S517:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S518)。S518の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S512の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S518の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図159参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S512の処理またはS513の処理で設定された表示態様で、停止図柄(普通図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S519)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S519:Yes)、次に、現在が普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S520)、時短状態中であると判別した場合は(S520:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間、および開放回数として、「1秒間×2回」を設定し(S522)、S523の処理へと移行する。一方、S520の処理において、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別した場合は(S520:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間、および開放回数として、「0.2秒間×1回」を設定し(S521)、S523の処理へと移行する。
S523の処理では、S521、又はS522の処理で設定された時間および開放回数の、電動役物64aの開閉制御開始を設定し(S523)、本処理を終了する。S523の処理によって、電動役物64aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図159参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物64aの開閉制御が開始され、S521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物64aの開閉制御が継続される。一方、S519の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S519:No)、S520〜S523の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図156のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図156は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図150参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定した場合は(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が普通入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203dの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。なお、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図157を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図157は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図158を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図158は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図119参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図159のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図159を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図159は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図150参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図150参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図151参照)や始動入賞処理(図153参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図153参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図160参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本制御例では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図155参照)のS523の処理によって電動役物64aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64aの開閉制御を開始する。なお、この電動役物64aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図152参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図152参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図152参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図155参照)のS515の処理またはS516の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図155参照)のS518の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図155参照)のS512の処理またはS513の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図157のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、初期設定の処理(図158のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり、暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図160のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図160は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図159参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図151参照)のS214の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1003:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1005)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1006)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判定した場合は(S1004:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1007)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1007の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1007:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1008)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1007:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1009)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1009の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1009:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1010)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図159参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1009の処理において、エンディングの演出の開始タイミングでないと判定した場合は(S1009:No)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S1011)、エンディング演出の終了タイミングで内と判別した場合は(S1011:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1011:Yes)、今回の大当たりが大当たりAであるか否かを判別する(S1012)。
S1012の処理において、大当たりAでない(即ち、大当たりBである)と判別した場合は(S1012:No)、大当たり種別に対応する値を時短中カウンタ203iの値に設定して(S1013)、処理をS1015へと移行する。一方、S1012の処理において、今回の大当たりが大当たりAであると判別した場合は(S1012:Yes)、確変フラグ203hをオンとすることで、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与されるように設定し(S1014)、処理をS1015へと移行する。
S1013の処理、又はS1014の処理後に実行されるS1015の処理では、大当たりが終了した後の特別図柄の抽選状態(特別図柄の確変状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか)を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S1015)、大当たりの終了を設定して(S1016)、本処理を終了する。
<第1制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図161から図179を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図161を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図161は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S3901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4017の電源断処理(図162参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S3902)。図162を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図162のS4014:Yes参照)、S4017の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4016の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
S3902の処理において、電源断処理中フラグがオフであれば(S3902:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4017の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S3903)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S3906の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S3903:Yes)、S3904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S3903:No)、S3908へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S3903:Yes)、S3904へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4017の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S3903:No)、S3908へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S3902:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4017の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS3904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S3904の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S3904)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S3905:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S3906)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S3905:No)、RAM223の異常を報知して(S3907)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S3908の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S3908)。電源断フラグはS4017の電源断処理の実行時にオンされる(図162のS4016参照)。つまり、電源断フラグは、S4017の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS3908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4017の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S3908:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S3909)、RAM223の初期値を設定した後(S3910)、割込み許可を設定して(S3911)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS3908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS3904からS3906の処理を経由してS3908の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S3908:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS3909をスキップして、処理をS3910へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S3910)、割込み許可を設定して(S3911)、メイン処理へ移行する。
なお、S3909のクリア処理をスキップするのは、S3904からS3906の処理を経由してS3908の処理へ至った場合には、S3904の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図162を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図162は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS4001の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S4001)、1m秒以上経過していなければ(S4001:No)、S4002〜S4011の処理を行わずにS4012の処理へ移行する。S4001の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S4002〜S4011が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4012のコマンド判定処理や、S4013の変動表示設定処理を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4012の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4013の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4001の処理で1m秒以上経過していれば(S4001:Yes)、まず、S4003〜S4013の各処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを表示制御装置114に対して送信する(S4002)。
次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4008の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4003)、その後、電源投入報知処理を実行する(S4004)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4005の処理へ移行する。
S4005の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4006)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4007)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、枠ボタン22が押下されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を設定する処理である。具体的には、枠ボタン22を遊技者に操作させるための操作演出の操作有効期間において枠ボタン22が押下された(継続して押下している)場合に、表示態様を可変させるための処理である。この枠ボタン入力監視・演出処理の詳細については、図163を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理(S4007)が終わると、ランプ編集処理を実行し(S4008)、その後音編集・出力処理を実行する(S4009)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4009の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S4010)、その後、変動表示の実行中において、残りの変動時間や各種タイマの値等に応じて演出態様を可変させるための演出更新処理を実行し(S4011)、処理をS4012へと移行する。なお、この演出更新処理(S4011)の詳細については、図165を参照して後述する。
S4012の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S4012)。このコマンド判定処理の詳細については、図166を参照して後述する。そして、コマンド判定処理が終了すると、変動表示設定処理が実行される(S4013)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図174を参照して後述する。
S4013の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4014)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4014の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4014:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4016)、電源断処理を実行する(S4017)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4018)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4014の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4014:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4015)、RAM223が破壊されていなければ(S4015:No)、S4001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4015:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図163を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4007)について説明する。図163は、この枠ボタン入力監視・演出処理を示すフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(図163参照)は、上述した通り、枠ボタン22の入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理(図163参照)では、まず、有効期間タイマ223eの値が0よりも大きいかを判別し(S4101)、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S4101:No)、操作有効期間ではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。つまり、操作有効期間でなければ、枠ボタン22の押下を検出したとしても、操作演出の表示態様が可変表示されることがない。
一方、S4101の処理において、有効期間タイマ223eの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4101:Yes)、現在が操作有効期間であることを意味するので、次に、枠ボタン22の押下を検出したか判別する(S4102)。S4102の処理において、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S4102:Yes)、押下タイマ223sの値が0よりも大きいかを判別し(S4103)、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合、即ち、今回の操作有効期間内において枠ボタン22への押下を検出した最初のタイミングであると判別した場合は(S4103:No)、押下タイマ223sの値を1にセットし(S4104)、S4105の処理へ移行する。
S4104の処理においてセットされた押下タイマ223sは、後述する演出更新処理(図165のS4011参照)において、値が更新されるタイマであって、遊技者が継続して枠ボタン22を押下している時間を計測するためのものである。
一方、S4103の処理において、押下タイマ223sの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4103:Yes)、既に、枠ボタン22を押下している状態(長押ししている状態)であるため、S4104の処理をスキップしてS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では、押下解除フラグ223uがオンに設定されているかを判別し(S4105)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4105:No)、枠ボタン22を押下し続けている(押下中)状態であることを示す表示用コマンドを設定し(S4106)、S4110の処理へ移行する。
また、S4105の処理で押下解除フラグ223uがオンに設定されていると判別した場合は(S4105:Yes)、連打中を示す表示用コマンドを設定し(S4107)、押下解除フラグ223uをオフに設定し(S4108)、連打演出フラグをオンに設定し(S4109)、S4110の処理へ移行する。
そして、S4106の処理、或いは、S4109の処理を終えた後には、押下演出設定処理を実行し(S4110)、本処理を終了する。この押下演出設定処理(S4110)は、遊技者が枠ボタン22を押下したタイミングが、操作演出の段階情報(気合ゲージKG)を可変させるための判定タイミングであるかを判別し、判定タイミングである場合に、段階情報(気合ゲージKG)を可変(上昇)させるための処理を実行するものである。
ここで、図164を参照して、押下演出設定処理(S4110)の内容について説明する。図164は、押下演出設定処理(S4110)の内容を示したフローチャートである。押下演出設定処理(S4110)が実行されると、まず、段階情報(気合ゲージKG)を可変させるための判定タイミング(操作演出に対する判定タイミング)であるかを判別し(S4201)、判定タイミングでは無いと判別した場合は(S4201;No)、そのまま本処理を終了する。
一方、判定タイミングであると判別した場合は(S4201:Yes)は、次いで、ゲージ上昇抽選テーブル222dを用いて、ゲージ上昇の有無を決定し(S4202)、ゲージ上昇ありと判別した場合に(S4203)、ゲージカウンタ223xの値を1加算し(S4204)、加算後のゲージカウンタ223xの値を示すための表示用コマンドを設定し(S4205)、本処理を終了する。また、S4203の処理において、ゲージ上昇なしと判別した場合は(S4203:No)、そのまま本処理を終了する。
図163に戻り、説明を続ける。S4102の処理において枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合は(S4102:No)、次に、長押し中フラグ223tがオンに設定されているかを判別し(S4111)、長押し中フラグ223tがオンであると判別した場合は(S4111;Yes)、長押し中フラグ223tをオフに設定し(S4112)、押下解除フラグ223uをオンに設定し(S4113)、連打を促す表示用コマンドを設定し(S4114)、押下タイマ223sの値を0にクリアし(S4115)、本処理を終了する。
S4111の処理において、長押し中フラグ223tがオンに設定されていないと判別した場合は(S4111:No)、S4112〜S4114の処理をスキップしてS4115の処理へ移行する。S4115の処理では押下タイマ223sの値を0にクリアするための処理が実行される。
次に、図165を参照して、演出更新処理(S4011)の処理内容について説明をする。図165は、演出更新処理(S4011)の内容を示したフローチャートである。図165に示した通り、演出更新処理(S4011)では、枠ボタン22への操作は有効に判別される操作有効期間の残期間を計測する有効期間タイマ223eの値と、遊技者が枠ボタン22を継続して押下している期間を計測する押下タイマ223sの値と、を更新する処理と、その更新後の値に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定する処理が実行される。この演出更新処理(S4011)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図162参照)の中で実行され、上述した通り、変動表示の実行中において、残りの変動時間や各種タイマの値等に応じて演出態様を可変させるための処理である。
この演出更新処理(S4011)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図162参照)にて1ミリ秒(ms)毎に定期的に実行される処理であるため、有効期間タイマ223e及び押下タイマ223sは、1ミリ秒単位で値を計測するものとなる。よって、各種タイマの値が1000回更新される毎に1秒(1000ミリ秒)に対応する期間を計測したことになる。なお、説明の便宜上、各種タイマの値を示す際にミリ秒単位(即ち、実際に更新される値と同一)で説明をする場合と、秒単位(即ち、実際に更新される値の1/1000の値)の値を用いて説明をする場合とがある。
演出更新処理(S4011)が実行されると、まず、現在が特図変動中(特別図柄変動中)であるかを判別し(S4301)、特図変動中ではないと判別した場合(S4301:No)、即ち、特別図柄変動を実行させるための条件が成立していない場合(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに入賞データが格納されていない場合(待機中)、或いは、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに入賞データが格納されているが、大当たり遊技であるため、入賞データを実行エリアへとシフトできない場合(大当たり遊技中))は、その他実行中の演出(待機中演出(デモ演出)、大当たり遊技中演出)を更新させるための処理を実行し(S4310)、本処理を終了する。
なお、S4310にて実行される処理内容については、その詳細な説明を省略するが、例えば、待機中においては、前回の特別図柄抽選の結果を示す表示画面(第3図柄の停止表示態様が表示されている表示画面)から、待機中に表示されるデモ画面(機種名やデモ演出等が表示される画面)へと移行するまでの期間を計測するタイマ(デモタイマ)の値を更新し、その更新結果に基づいて第3図柄表示装置81の表示態様を可変させるための処理を実行する。
また、大当たり遊技中においては、大当たり遊技の各期間(オープニング期間、ラウンド遊技期間、インターバル期間、エンディング期間)の経過時間を計測するタイマの値を更新し、その更新結果に基づいて第3図柄表示装置81の表示態様を可変させるための処理を実行する。ここでは、例えば、ラウンド遊技期間が所定期間(例えば、10秒)経過したにも関わらず、特定入賞口65aへと球が入賞していない場合や、ラウンド遊技期間が特定期間(例えば、20秒)経過したにも関わらず、ラウンド遊技が終了していない場合、即ち、特定入賞口65aへと球を10球入賞させることで成立するラウンド遊技終了条件が成立していない場合に、遊技者に対して右打ち遊技を強調して促すための演出が実行される。
一方、S4301の処理において、現在が特図変動中(特別図柄変動中)であると判別した場合は、次に、有効期間タイマ223eの値が0よりも大きいか、即ち、現在が操作有効期間中であるかを判別し(S4302)、有効期間タイマ223eの値が0であると判別した場合は(S4302:No)、上述したS4310の処理を実行し、本処理を終了する。また、S4302の処理において、有効期間タイマ223eの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4302:Yes)、有効期間タイマ223eの値を更新し(S4303)、次いで、更新後の有効期間タイマ223eの値が0であるかを判別する(S4304)。
有効期間タイマ223eの値が0であると判別した場合、即ち、操作有効期間が終了したと判別した場合は(S4304:Yes)、今回の操作演出の演出結果を示すための表示用コマンドを設定し(S4305)、本処理を終了する。
S4304の処理において、有効期間タイマの値が0では無いと判別した場合は(S4304:No)、押下タイマ223sの値が0よりも大きいかを判別し(S4306)、0よりも大きいと判別した場合は(S4306:Yes)、押下タイマ223sの値を更新し(S4306)、次に、更新後の押下タイマ223sの値が2秒に対応する値(20000)であるかを判別し(S4308)、2秒に対応する値(20000)であると判別した場合は(S4308:Yes)、長押し中フラグ223tをオンに設定し(S4309)、本処理を終了する。
一方で、S4306の処理において押下タイマ223sの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S4306:No)、或いは、S4308の処理において2秒に対応する値では無いと判別した場合(S4308:No)は、S4309の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図166を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4012)について説明する。図166は、このコマンド判定処理(S4012)を示したフローチャートである。コマンド判定処理(S4012)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図162参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S4012)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4401)。変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4401:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンに設定し(S4402)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4403)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図174参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4401:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S4404)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S4404:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S4405)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S4406)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図174参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S4404:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S4407)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S4407:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、或いは、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bにおける対応する特別図柄種別の格納エリアに格納する(S4408)。また、S4408の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S4408の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、或いは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S4408の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、或いは、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、或いは、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、或いは、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)に合わせることができる。なお、S4408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知する表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、特別図柄種別毎の保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S4407の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4407:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S4409)。そして、入賞情報コマンドを受信したと判定した場合には(S4409:Yes)、受信した入賞コマンドの情報を、対応する入賞情報格納エリア223aに設定して(S4410)、メイン処理に戻る。
S4409の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判定した場合は(S4409:No)、次いで、当たり関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4411)。そして、当たり関連コマンドを受信したと判定した場合には(S4411:Yes)、当たり関連処理を実行し(S4412)、メイン処理に戻る。この当たり関連処理(S4412)の詳細な内容については、図167から図171を参照して後述する。
S4411の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(S4411:No)、次いで、主制御装置110より賞球数コマンドを受信したか否か判定する(S4413)。そして、賞球数コマンドを受信したと判定した場合には(S4413:Yes)、賞球関連処理を実行し(S4414)、本処理を終了する。この賞球関連処理(S4414)の詳細な内容については、図172を参照して後述する。
S4413の処理において、賞球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4413:No)、次いで、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S4415)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
このコマンド判定処理を実行することにより、主制御装置110から出力されたコマンドに応じて適切な処理を実行することができる。
次に、図174を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4013)について説明する。図174は、この変動表示設定処理(S4013)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4013)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図162参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する処理である。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cが有する特図1変動開始フラグがオンか否かを判別する(S5201)。そして、特図1変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合は(S5201:No)、主制御装置110より第1特別図柄(特図1)の変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5209の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cが有する特図1変動開始フラグがオンであると判別された場合(S5201:Yes)、特図1変動開始フラグをオフし(S5203)、次いで、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S5204)、通常状態であると判別した場合は(S5204:Yes)、コマンド判定処理(図166参照)のS4403の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別に基づいて、変動パターンテーブル222aから今回の変動表示の変動表示態様を決定する(S5205)。
そして、決定した変動表示の態様を表示制御装置114に対して通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S5206)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S5207)。S5207の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S5209の処理へ移行する。
一方、S5204の処理において、通常状態では無い(時短状態、又は確変状態である)と判別した場合は(S5204:No)、時短演出態様設定処理を実行し(S5208)、その後、S5209の処理へ移行する。この時短演出態様設定処理(S5208)は、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に実行される各種演出の演出態様を設定するものであり、詳細な処理内容については、図175から図179を参照して説明をする。
S5216の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S5216)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S5216:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S5216:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S5217)、次いで、コマンド判定処理(図166参照)のS4406の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S5218)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S5219)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S5220)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図175を参照して、時短演出態様設定処理(S5208(S5215))の内容について説明をする。図175は、時短演出態様設定処理(S5208(S5215))の内容を示したフローチャートである。この時短演出態様設定処理(S5208(S5215))では、普通図柄の高確率状態が設定されている状態における変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。なお、本制御例では、普通図柄の高確率状態における第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、変動演出の演出態様として同一の演出態様が設定されるように構成しているため、同一の制御処理が実行される。
時短演出態様設定処理(S5208(S5215))が実行されると、まず、到達フラグ223abがオンに設定されているかを判別する(S5301)。そして、到達フラグ223abがオンに設定されていると判別した場合は(S5301:Yes)、S5304の処理へ移行し、到達フラグ223abがオンに設定されていないと判別した場合は(S5301:No)、表示ポイントカウンタの値が0よりも大きいかを判別し(S5302)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S5302:No)、演出情報格納エリア223hに格納されている情報を読み出し(S5303)、現在の演出状態を特定する。
そして、現在が勝率UPゾーンであるかを判別し(S5304)、勝率UPゾーンであると判別した場合は(S5304:Yes)、勝率UPゾーン用演出設定処理(S5305)を実行し、その後、表示ポイント格納エリア223rに格納されている表示ポイントの値を1加算し(S5306)、加算した値を示すための表示用コマンドを設定し(S5307)、時短回数カウンタ223yの値を1加算し(S5310)する。
一方、S5304の処理において、勝率UPゾーンでは無いと判別した場合は、読み出した情報と、抽出した変動パターンに基づいて変動表示態様を決定し(S5308)、S5310の処理へ移行する、また、S5302の処理において、表示ポイントカウンタの値が0よりも大きいと判別した場合(S5302)は、初回以降演出設定処理を実行し(S5309)、その後、S5310の処理へ移行する。
S5310の処理を終えると、次に、状態格納エリア223aaに格納されている情報から上限時短回数(今回設定されている遊技状態が時短状態である場合には、設定された時短回数)が読み出され、今回の変動表示が時短最終変動であるかを判別するために、時短回数カウンタ223yの値が上限回数に対応するかを判別し(S5311)、対応すると判別した場合は(S5311:Yes)、時短終了を示す変動表示態様(敗北するバトル演出の演出態様)を決定し(S5313)、状態格納エリアに通常状態を設定し(S5314)、本処理を終了する。
上述した通り、本制御例では、時短状態が設定される場合に、異なる時短回数を設定可能に構成しており、時短回数の上限数となり得る回数目の特別図柄変動の変動パターンとして、必ずバトル演出を実行可能な変動パターン(60秒変動)が実行されるように構成している。よって、S5312〜S5314の処理を実行することにより、実際に時短状態が終了する場合にのみ、バトル演出の演出結果を書き換える処理を行うだけで遊技結果を遊技者に適正に報知することができる。
次に、図176を参照して、勝率UPゾーン用演出設定処理(S5305)の内容について説明をする。図176は、勝率UPゾーン用演出設定処理(S5305)の内容を示したフローチャートである。この勝率UPゾーン用演出設定処理(S5305)では、勝率UPゾーン中に実行される各種変動演出が実行される。
勝率UPゾーン用演出設定処理(S5305)が実行されると、まず、今回の変動が大当たり変動であるかを判別し(S5401)、大当たり変動であると判別した場合は(S5401:Yes)、勝率表示が特殊表示態様(V%)となるように、勝率V%を示す演出態様を決定し(S5402)、上限勝率格納エリア223j、表示勝率格納エリア223kに格納されている情報をクリアし(S5403)、勝率可変フラグ223iをオフに設定し(S5404)、本処理を終了する。つまり、勝率UPゾーン中において、大当たり当選した場合には、バトルモードが設定されること無く、大当たり遊技が開始されるため、バトルモード中におけるバトル演出の勝利期待度を示すための勝率表示を特殊表示態様へと可変させて遊技者に対して大当たり当選を報知可能に構成している。
一方、S5401の処理において、大当たり変動では無いと判別した場合は(S5401:No)、上限勝率格納エリア223jに格納されている勝率の上限値を読み出し(S5405)、表示勝率格納エリア223kに格納されている勝率の表示値を読み出し(S5406)、S5405にて読み出した勝率の上限値と、S5406の処理で読み出した表示値との差分値を算出する(S5407)。
そして、算出した差分値に基づいて今回の変動演出において上昇可能な値を決定し(S5408)、次いで、抽出した変動パターンが特定変動パターン(変動時間11秒の変動パターン)であるかを判別し(S5409)、特定変動パターンでは無い通常変動パターン(変動時間10秒の変動パターン)である場合は(S5409:No)、勝率UPの有無を決定する抽選を実行し(S5410)、勝率UP演出の実行に当選した場合は(S5411:Yes)、S5408の処理にて決定した上昇可能値分、勝率がUPすることを示す演出態様を決定し(S5412)、表示勝率格納エリア223kに格納されている表示値を更新し(S5413)、本処理を終了する。
一方、S5411の処理において、勝率UP演出の実行に当選しなかった場合は(S5411:No)、勝率UPしないことを示す演出態様を決定し(S5414)、本処理を終了する。
次に、図177を参照して、初回以降演出設定処理(S5309)の内容について説明をする。図177は、初回以降演出設定処理(S5309)の内容を示したフローチャートである。この初回以降演出設定処理(S5309)では、時短状態中における1回目の特別図柄変動以外の特別図柄変動に対して演出態様を設定するための各種処理が実行される。
具体的には、図177に示した通り、まず、時短回数カウンタ223yの値が2以下であるかを判別し(S5501)、2以下であると判別し場合は(S5501:Yes)、時短回数カウンタ223yの値が2であるかを判別し(S5502)、2では無いと班別した場合は(S5502:No)、図176を参照して上述した勝率UPゾーン用演出設定処理を実行し(S5503)、本処理を終了する。一方、S5502の処理において、時短回数カウンタ223yの値が2であると判別した場合は(S5502:Yes)、最終勝率決定処理を実行し(S5504)、その保、本処理を終了する。
一方、S5501の処理において、時短回数カウンタ223yの値が2以下では無い(3以上である)と判別した場合は(S5501:No)、次に、時短回数カウンタ223yの値が3であるかを判別し(S5505)、3であると判別した場合は(S5505:Yes)、状態格納エリア223aaから現在の遊技状態を読み出し(S5506)、読み出した遊技状態に基づいてラッキーポイントの上限数を決定し(S5507)、決定した上限値を上限ポイント格納エリア223qに格納し(S5508)、演出情報格納エリア223hに格納されている情報からバトル相手の演出情報を読み出し(S5509)、読み出したバトル相手に対応する演出態様を決定し(S5510)、バトル演出設定処理を実行し(S5511)、本処理を終了する。一方、S5505の処理において時短回数カウンタ223yの値が3では無い(4以上である)と判別した場合、即ち、既にバトルモード中である場合には、S5506〜S5510の処理をスキップして、S5511の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図178を参照して、最終勝率決定処理(S5504)の内容について説明をする。図178は、最終勝率決定処理(S5504)の内容を示したフローチャートである。この最終勝率決定処理(S5504)では、勝率UPゾーン用の最終変動演出として実行されるバトル相手を決定する演出(図125(b)参照)の演出態様を決定するための処理が実行される。
最終勝率決定処理(S5504)が実行されると、まず、今回の変動が大当たり変動であるかを判別し(S5601)、大当たり変動であると判別した場合は(S5601:Yes)、勝率表示が特殊表示態様(V%)となるように、勝率V%を示す演出態様を決定し(S5602)、上限勝率格納エリア223j、表示勝率格納エリア223kに格納されている情報をクリアし(S5603)、勝率可変フラグ223iをオフに設定し(S5404)、本処理を終了する。つまり、勝率UPゾーン中において、大当たり当選した場合には、バトルモードが設定されること無く、大当たり遊技が開始されるため、バトルモード中におけるバトル演出の勝利期待度を示すための勝率表示を特殊表示態様へと可変させて遊技者に対して大当たり当選を報知可能に構成している。
一方、S5601の処理において、大当たり変動では無いと判別した場合は(S5601:No)、上限勝率格納エリア223jに格納されている勝率の上限値を読み出し(S5605)、表示勝率格納エリア223kに格納されている勝率の表示値を読み出し(S5606)、S5605にて読み出した勝率の上限値と、S5606の処理で読み出した表示値との差分値を算出する(S5607)。
そして、今回の変動演出において勝率が差分値分UPすることを示す演出態様を決定し(S5608)、上限値に対応するバトル相手を決定し(S5609)、決定したバトル相手を示すための演出態様を決定し(S5610)、次いで、決定したバトル相手に対応する演出情報を演出情報格納エリア223hに格納し(S5611)、本処理を終了する。
上述した通り、本制御例では、勝率UPゾーンが設定される時点において決定された上限値(勝率の上限値)が最終的に表示され、その上限値に対応するバトル相手がバトルモード中に対戦するバトル相手として決定されるように構成している。よって、勝率UPゾーン中に勝率がUPする演出が設定されなかったとしても、最終的には上限値が表示されるため、遊技者に分かりやすい演出を提供することができる。
なお、これに限ること無く、上限勝率格納エリア223jに格納されている上限値では無く、表示勝率格納エリア223kに格納されている表示値に基づいてバトル相手を決定するように構成しても良い。この場合、同一の上限値が設定されている場合であっても、勝率UPゾーン中に実行される演出内容によって、勝率UPゾーンの終了時点における表示勝率を異ならせることができるため、遊技者に対して現在の遊技状態を把握させ難くすることができる。
次に、図179を参照して、バトル演出設定処理(S5511)の内容について説明をする。図179は、バトル演出設定処理(S5511)の内容を示したフローチャートである。このバトル演出設定処理(S5511)では、バトルモード中にバトル演出を実行可能な変動パターン(60秒変動)が設定された場合に、そのバトル演出の演出結果を決定するための処理が実行される。
バトル演出設定処理(S5511)が実行されると、まず、今回抽出した変動パターンが60秒変動であるかを判別し(S5651)、60秒変動では無い、即ち、バトル演出を実行不可能な変動パターンであると判別した場合は(S5651:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5651の処理において、60秒変動であると判別した場合は(S5651:Yes)、次に、今回の変動が大当たり変動であるかを判別し(S5652)、大当たり変動であると判別した場合は(S5652:Yes)、演出結果が「勝利」となる演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S5663)、本処理を終了する。また、S5652の処理において、大当たり変動では無いと判別した場合は(S5662:No)、今回の変動が時短最終変動であるかを判別し(S5654)、時短最終変動であると判別した場合は(S5654:Yes)、演出結果が「敗北」となる演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S5665)、本処理を終了する。
S5654の処理において、時短最終変動ではないと判別した場合は(S5654:No)、演出結果が「継続」となる演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S5656)、表示ポイント格納エリア223rに格納されている表示ポイントの値を5加算し(S5657)、加算した値を示すための表示用コマンドを設定し(S5658)、本処理を終了する。
つまり、バトル演出における「継続」の表示は、ラッキーポイントを所定数加算させることが可能な加算演出の実行条件となる。なお、詳細な説明は省略しているが、S5657の処理では、ラッキーポイントの上限数と、現在の表示数との差分が5未満の場合は実行されないものである。
<第1制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図180から図194を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせてコマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図180を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図180は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型フラッシュメモリ234dに格納されることにより、NOR型フラッシュメモリは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S8001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図181を参照して、ブート処理(S8001)について説明する。図181は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S8001)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従い、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S8101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S8102)。これにより、MPU231は、S8101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S8102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S8102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S8103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S8104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図180のS8001参照)の終了後に実行すべき初期化設定処理(図180のS8002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S8105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S8001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a、およびデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができる。従って、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型フラッシュメモリ234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型フラッシュメモリ234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図181に示すブート処理では、S8101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S8101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S8102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S8103〜S8105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S8101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S8101及びS8102の処理を含めて複数回繰り返した後、S8103〜S8105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S8101、およびS8102の処理を行わずに、S8103〜S8105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図180の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S8002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S8003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S8003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S8004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S8004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S8005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図192(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示するための常駐画像転送設定処理が実行される(図192(a)のS9602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図182(b)参照)において、図145に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図182(b)のS8308参照)および簡易表示設定処理(図182(b)のS8309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図145(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S8005の処理の後、割込許可を設定し(S8006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S8006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図182(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図182(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S8201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図182(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図182(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図149参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図182(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S8301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S8301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図145に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S8302)を実行し、次いで、表示設定処理(S8303)を実行する。
コマンド判定処理(S8302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図183〜図188を参照して後述する。
表示設定処理(S8303)では、コマンド判定処理(S8302)等によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図189〜図191を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S8304)。このタスク処理では、表示設定処理(S8303)もしくは簡易表示設定処理(S8309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S8305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図192および図193を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S8306)。この描画処理では、タスク処理(S8304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S8305)により設定された転送指示とから、図149に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図194を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S8307)。そして、V割込処理を終了する。S8307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S8301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S8301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図145に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S8308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S8309)を実行して、S8304の処理へ移行する。
次いで、図183〜図188を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S8302)の詳細について説明する。まず、図183は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図183に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S8401)、未処理の新規コマンドがなければ(S8401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S8401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S8303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S8402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S8403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S8404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S8404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S8405)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図184(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S8405)の詳細について説明する。図184(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S8501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
S8502の処理では、S8501の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S8502)。
次いで、S8501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8503)、ポインタ233fを0に初期化する(S8504)。そして、デモ表示フラグ、確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S8505)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理(図189参照)では、S8504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S8501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S8502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理(図189参照)では、S8503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図183の説明に戻る。S8404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S8404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S8406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S8406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S8407)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図184(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S8407)の詳細について説明する。図184(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S8407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S8601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図182(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S8602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S8602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S8603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S8602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S8304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S8603の処理によって設定された停止図柄判別フラグからS8602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S8601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS8602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図183に戻り、説明を続ける。S8406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S8406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S8408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S8408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S8409)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図185(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S8409)の詳細について説明する。図185(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8701)。次いで、S8701の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S8702)。
そして、S8701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8703)、ポインタ233fを0に初期化する(S8704)。そして、デモ表示フラグ、確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S8705)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S8704の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S8701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S8702の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
図183に戻り、説明を続ける。S8408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S8408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S8410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S8410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S8411)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図185(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S8411)の詳細について説明する。図185(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S8802)。
そして、S8801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8803)、ポインタ233fを0に初期化する(S8804)。そして、デモ表示フラグ、確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S8805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図183の説明に戻る。S8410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S8410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S8412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S8412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S8413)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図186を参照して、エンディングコマンド処理(S8413)の詳細について説明する。図186は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S8902)。
次いで、S8901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8903)、ポインタ233fを0に初期化する(S8904)。そして、デモ表示フラグ、確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S8905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図183の説明に戻る。S8412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S8412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S8414)、背面画像変更コマンドがあれば(S8414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S8415)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図187(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S8415)の詳細について説明する。図187(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S9603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S9001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S9002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S9001の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S9002の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S9002の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S9002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値に直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図183の説明に戻る。S8414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S8414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S8416)、エラーコマンドがあれば(S8416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S8417)、S8401の処理へ戻る。
ここで、図187(b)を参照して、エラーコマンド処理(S8417)の詳細について説明する。図187(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S9101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S9102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S9101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S9102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S9102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図183の説明に戻る。S8416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S8416:No)、次いで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される回数表示を加算される情報に関連するコマンドがあるかを判別し(S8418)、回数表示に関連するコマンドがあれば(S8418:Yes)、回数加算関連コマンド処理を実行して(S8419)、S8401の処理へ戻る。
なお、回数加算表示に関連するコマンドとは、例えば、特別図柄の変動回数を示すための表示コマンドや、ラッキーポイントを示すための表示コマンドや、勝率を示すための表示コマンドや、気合ゲージKGの段階情報を可変させるための情報を示すための表示コマンド等が挙げられる。これらの表示態様を表示させるための表示データテーブルは、変動表示データテーブル等と同様に、データテーブル格納エリア223bに格納されている。回数加算関連コマンド処理(S8419)を実行することにより、回数表示に関連するコマンドから、表示開始が指示された表示態様の種別や、表示時間等を判別して、対応する表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定される。
ここで、図188を参照して、回数加算関連コマンド処理(S8419)の詳細について説明する。図188は、回数加算関連コマンド処理を示すフローチャートである。この回数加算関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した回数加算関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
回数加算関連コマンド処理では、コマンドが示す演出に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S9201)、設定した表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S9202)。次に、コマンドが示す演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S9203)、ポインタ233fを初期化して(S9204)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図183に戻って説明を続ける。S8418の処理において、回数加算に関連するコマンドが無いと判別されると(S8418:No)、次いでその他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S8420)、S8401の処理へ移行する。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS8401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S8401:Yes)、再びS8402〜S8420の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S8401〜S8420の処理が繰り返し実行され、S8401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図182(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S8308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図145に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図184(a)参照)および停止種別コマンド処理(図184(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図184(a)参照)では、S8501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S8502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図189〜図191を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S8303)の詳細について説明する。図189は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図189に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S9301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S9301:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S9302〜S9304の処理をスキップし、S9305の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S9301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S9302)、S9303,S9304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S9303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S9303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S9303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S9304)。
ここで、図190を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図190は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S9401)。
タスク処理(図182(b)のS8304参照)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S9401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S9402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図189の説明に戻る。警告画像設定処理(S9304)の後、又は、S9303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S9303:No)、次いで、S9305の処理へ移行する。
S9305では、ポインタ更新処理を実行する(S9305)。ここで、図191を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図191は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S9501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S9501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S9502)。その結果、End情報であれば(S9502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S9503)、デモ表示データテーブルであれば(S9503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S9504)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S9505)、本処理を終了して表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S9503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S9503:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S9506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル、メニュー表示データテーブル、および二次元コード表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S9502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S9502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図189に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S9306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S9306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S9307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S9308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S9308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S9308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S9309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S9309:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S9310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S9311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S9312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S9313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S9314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S9315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S9315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S8304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S9315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S9309の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S9309:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S9316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S9316:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S9317)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S9318)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S9319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S9320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S9321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S9316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S9316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図182(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S8309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図145(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図192、及び図193を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S8305)の詳細について説明する。まず、図192(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S9601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S9601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S9602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図192(b)を参照して後述する。
一方、S9601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S9601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S9603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図193を参照して後述する。
次いで、図192(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S8305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S9602)について説明する。図192(b)は、この常駐画像転送設定処理(S9602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S9701)、転送指示を送信していれば(S9701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S9702)。このS9702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S9702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S9702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S9702:Yes)、S9703の処理へ移行する。また、S9701の処理の結果、画像コントローラ237に対して未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S9701:No)、S9703の処理へ移行する。
S9703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S9703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S9703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S9704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S9703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S9703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S9705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図182(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図182(b)のS8308参照)および簡易表示設定処理(図182(b)のS8309参照)ではなく、コマンド判定処理(図183〜図188参照)および表示設定処理(図189〜図191参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図193参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図192(a)のS9601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図193を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S8305)の一処理である通常画像転送設定処理(S9603)について説明する。図193は、この通常画像転送設定処理(S9603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S8303)のポインタ更新処理(S9305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S9801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S9802)、転送データ情報であれば(S9802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S9803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S9804)、S9805の処理へ移行する。
また、S9802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S9802:No)、S9803及びS9804の処理をスキップして、S9805の処理へ移行する。S9805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S9805)、転送指示を設定していれば(S9805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S9806)。
このS9806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S9806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S9806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、本処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S9806:Yes)、S9807の処理へ移行する。また、S9805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S9805:No)、S9807の処理へ移行する。
S9807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S9807)、転送開始フラグがオンであれば(S9807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S9808)、S9803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S9813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S9807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S9809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S9809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S9809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S9810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S9811)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S9812)、S9813の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S9812の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S9813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S9813)。このS9813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S9813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S9813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S9813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S9813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S9814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S9814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S9815)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図194を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S8306)の詳細について説明する。図194は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S8304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S8305)により設定された転送指示から、図149に示す描画リストを生成する(S9901)。即ち、S9901の処理では、タスク処理(S8304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S8305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S9902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。また、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側に配置させることができ、最後に描画したスプライトを最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S9902の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S9903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図182(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第2制御例>
次に、図195から図200を参照して、第2制御例について説明をする。上述した第1制御例では、大当たり遊技中において、一般入球口63への球の入球、或いは、特定入賞口65aへのオーバー入賞を契機に追加演出を実行可能に構成していた。そして、各入賞口に球が入賞した場合に追加演出を実行するか否かの実行抽選を行い、実行抽選に当選した場合に追加演出を実行するように構成していた。しかしながら、球が各入賞口に入賞するタイミングは様々であり、且つ、実行抽選に連続して当選することもあるため、複数の追加演出が重複して実行されてしまい、遊技者に分かり難い演出を提供してしまうという問題があった。
これに対して、本第2制御例では、追加演出の実行中に新たな追加演出が実行されないように構成している。これにより、複数の追加演出が重複し遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第2制御例では、追加演出の種別に応じて新たな追加演出の実行を禁止する期間の長さを異ならせるように構成している。具体的には、勝率を上昇させる追加演出が実行される場合には、その追加演出が終了するまで新たな追加演出が実行されないようにし、賑やかし用の追加演出が実行される場合には、その追加演出の期間中においても新たな追加演出を実行可能としている。このように構成することで、遊技者が有利となる情報(勝率UP)を提供する追加演出を分かり易く実行することができると共に、賑やかし用の追加演出に対しては、その追加演出を重複させることでより演出効果を高めることができる。
加えて、本第2制御例では、新たな追加演出の実行が禁止されている期間において、追加演出の実行条件が成立した場合には、その実行条件の成立に基づいて内部的に追加演出の演出態様を決定する処理を行い、遊技者が有利となる情報(勝率UP)を提供する追加演出が決定された場合には、その処理結果を一時的に記憶するように構成している。そして、新たな追加演出を実行可能となった後に、遊技者が有利となる情報(勝率UP)を提供する追加演出をする際に、一時的に記憶していた追加演出の処理結果も含めて追加演出を実行するように構成している。また、新たな追加演出の実行が禁止されている期間において、追加演出の実行条件が成立した回数も記憶し、その記憶されている回数に基づいて、新たな追加演出を実行可能となった場合に実行される追加演出の演出態様を決定可能に構成している。
このように構成することで、大当たり遊技中において、追加演出を実行させようと積極的に遊技を行う遊技者に対して、追加演出の実行期間中においても継続して積極的に遊技を行わせることができる。
<第2制御例の演出内容について>
まず、図195を参照して、本第2制御例におけるパチンコ機10が実行する各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第2制御例は、上述した第1制御例に対して、新たな追加演出の実行が禁止される期間中に追加演出の実行条件が成立した回数(ストック回数)に応じて、追加演出の演出態様を可変させるように構成している点で相違している。そこで、ストック回数に応じて実行される追加演出の内容について説明をする。
図195(a)は、追加演出を2個ストックしている状態でポイント獲得演出(追加演出)が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図195(a)に示した通り、新たな追加演出を実行可能なタイミングで追加演出の実行条件が成立した場合に(一般入球口63へと球が入球し、実行抽選に当選した場合に)、追加演出のストック回数に対応するカプセル801を連続して獲得する追加演出が実行される。
このカプセル801は、上述した第1制御例の図121(b)で示した追加演出と同様であり、カプセル801から中身801aが飛び出し、勝率の上昇値を示す情報が表示される。図195(a)では表示領域HR1に表示されている勝率が10%上昇することを示すための「10%」の文字が表示されている。そして、追加演出のストック回数に対応させて、第2カプセル801b、第3カプセル801cが表示されている。つまり、図195(a)に示した表示画面は、追加演出のストック回数が2回の状態でポイント獲得演出(追加演出)を実行した場合における表示画面であって、ストックされていた追加演出が連続して実行される。
そして、第2カプセル801b、第3カプセル801cからもカプセル801と同様に中身801aが表示され、遊技者に有利となる情報(勝率の上昇値を示す情報や、連チャンの有無情報)が表示される。このように構成することで、新たな追加演出の実行が禁止された期間においても遊技者に対して積極的に追加演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、新たな追加演出の実行が禁止されている期間中に追加演出の実行抽選に当選した場合には、追加演出の演出態様を決定すること無く、実行抽選の当選回数(ストック回数)をカウントして記憶するように構成している。そして、新たな追加演出を実行可能なタイミングで追加演出の実行抽選に当選した場合に、ストック回数を判別し、判別されたストック回数に応じた演出態様で追加演出を実行するように構成している。このように構成することで、ストックされる追加演出に対して演出態様を設定する処理を省くことができるため、演出態様を決定するための処理を簡素化することができる。
さらに、本制御例では、追加演出のストック分に対応する演出態様(追加演出種別)が、新たに実行される追加演出として設定された演出態様(追加演出種別)と同一となるように構成している。つまり、新たに実行される追加演出の種別が、ポイント獲得演出の追加演出種別である場合には、図195(a)に示した通り、ストック回数に対応する演出もポイント獲得演出の追加演出種別として演出態様が決定される。このように構成することで、1の追加演出に対して設定された追加演出種別に対応した追加演出を、連続して実行させることが可能となるため、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
また、図195(a)では、ポイント獲得演出を例に説明をしたが、例えば、追加演出種別として賑やかし演出が設定された場合は、ストック回数に対応した回数分、賑やかし演出が連続して実行される。このように構成することで、図122及び図123を参照して上述した演出、即ち、特定の法則性で賑やかし演出が実行された場合に遊技者に特典を付与する演出を、短期間で実行することが可能となる。
なお、本制御例では、追加演出の実行が禁止されている期間中においては、追加演出の実行抽選に当選した回数を記憶するように構成しているが、これに限ること無く、追加演出の演出態様まで決定した情報を記憶するように構成しても良い。また、本制御例では、追加演出の実行抽選に当選した回数を記憶しているが、これに限ること無く、追加演出の実行抽選が行われた回数を記憶したり、追加演出の種別としてポイント獲得演出が設定された回数を記憶したりするように構成しても良い。
また、表示画面において、現在が追加演出のストック期間であることを遊技者に報知するための報知演出を実行すると良い。これにより、遊技者に対して、一般入球口63へと球を入球させているにも関わらず、新たな追加演出が実行されない事態を分かり易く把握させることができる。この場合、例えば、実行中の追加演出の演出態様を可変させることで追加演出のストック期間であることを報知したり、副表示領域Dsに案内態様として「追加演出ストック中」の文字を表示すれば良い。
次に、図195(b)を参照して、ストック回数が上限数に到達した場合における追加演出の演出態様について説明をする。本制御例では、追加演出を最大で10個ストック可能に構成しており、ストック数が上限(10個)に到達した場合には、ストック回数に対応した数の追加演出を実行するのでは無く、特殊演出態様の追加演出を実行するように構成している。
このように構成することで、追加演出のストック数が多くなった場合に、図195(a)に示したようなストック回数に対応した数の追加演出が実行されてしまい、演出期間が長くなることを抑制することができる。また、ストック数を多くすることで特殊演出態様の追加演出を実行することができるため、遊技者に対して追加演出をストックさせようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、この特殊演出態様の追加演出の実行条件を別に設けても良く、例えば、ラウンド遊技の残期間を判別する判別手段を設け、新たな追加演出を実行する場合に、今回実行される追加演出の演出期間がラウンド遊技の残期間よりも長くなる可能性があるかを判定し、今回実行される追加演出の演出期間がラウンド遊技の残期間よりも長くなる可能性があると判定した場合には、通常実行される追加演出よりも演出期間が短い特殊演出態様の追加演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、追加演出の演出期間を、ラウンド遊技期間内に納め易くすることができるため、追加演出を実行するための制御処理を簡素化することができる。
図195(b)に示した通り、特殊演出態様の追加演出が実行されると、天使の模様が記されているカプセル801sと、ドクロの模様が記されているカプセル801tとが主表示領域Dmに表示され、「開くのはどっち」の文字801uが表示される。そして、副表示領域Dsには、今回の追加演出の演出内容を案内するための案内態様として「勝率100%or0%」のコメントが表示される。
つまり、図195(b)に示した追加演出では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を報知する演出が実行される。ここで、天使の模様が記されているカプセル801sが開くと表示領域HR1に勝率100%が表示され、ドクロの模様が記されているカプセル801tが開くと表示領域HR1に勝率0%が表示される。
本制御例では、追加演出が実行されている期間のうちの少なくとも一部期間において、追加演出をストックする期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、追加演出が実行されていない期間においても、追加演出をストックする期間を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、例えば、大当たり遊技中に実行される追加演出以外の演出であって、遊技者に有効となる特典を付与する演出が実行されている最中に追加演出が実行されることを抑制することができる。
<第2制御例の電気的構成について>
次に、図196を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成について説明をする。図196(a)は、ROM222の構成を模式的に示した模式図である。図196(a)に示した通り、本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、追加演出選択テーブル222aaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
追加演出選択テーブル222aaは、追加演出の実行条件が成立した場合に、実行される追加演出の演出態様を選択するために参照されるデータテーブルである。この追加演出選択テーブル222aaには、ストックカウンタ223anの値及び取得した演出カウンタ223fの値に対応させて、勝率を上昇させる追加演出と、賑やかし用の追加演出とがそれぞれ規定されている。つまり、本第2制御例では、新たな追加演出の実行が禁止されている期間中において追加演出の実行条件が成立した回数(ストックカウンタ223anの値)に応じて、実行される追加演出の演出態様を異ならせることができるように構成しており、ストックカウンタ223anの値が大きいほど、勝率を上昇させる追加演出、即ち、遊技者に有利となる追加演出が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、ストックカウンタ223anの値を大きくしようと、意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図196(b)を参照して、RAM223の構成について説明をする。図196(b)は、RAM223の構成を模式的に示した模式図である。図196(b)に示した通り、本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、演出中タイマ223amと、ストックカウンタ223anを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出中タイマ223amは、新たな追加演出の実行を禁止する期間を計測するためのタイマであって、追加演出の実行が設定される場合に、実行される追加演出の種別に応じた期間がセットされる。そして、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図162参照)において1ミリ秒毎に実行される演出更新処理(S4011)において、タイマの値が減算される。そして、追加演出の実行条件が成立した場合に演出中タイマ223amの値が参照され、現在が新たな追加演出の実行が禁止されている追加演出実行禁止期間であるかを判別する。
本第2制御例では、追加演出の実行期間中の全期間において、新たな追加演出の実行を禁止するのでは無く、追加演出の種別に応じて追加演出実行禁止期間の長さを決定し(演出中タイマ223amに値をセットし)、その追加演出実行期間中において新たな追加演出の実行を禁止するように構成している。このように構成することで、例えば、追加演出の演出期間のうち、遊技者に有利となる情報が報知されている期間のみを追加演出実行禁止期間と設定したり、その他条件(例えば、獲得済みの特図2保留の中に大当たり当選を示す情報が含まれている場合に成立する条件)が成立している場合に、成立していない場合とは異なる期間が追加演出実行禁止期間となるように設定したりする処理を容易に実行することができる。
また、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作したタイミングに基づいて追加演出の実行期間を可変可能に構成しているパチンコ機10であっても、実行に設定される追加演出の実行タイミングや実行期間に合わせて、追加演出実行禁止期間を容易に設定することができる。
ストックカウンタ223anは、追加演出実効禁止期間中において、追加演出の実行条件が成立した回数を累積するためのカウンタである。このストックカウンタ223anの値は、追加演出実効禁止期間中において、追加演出の実行条件が成立した場合に1加算される。そして、追加演出の演出態様を決定する処理において参照され、ストックカウンタ223anの値に応じて追加演出の演出態様として異なる演出態様の追加演出が選択され易くなるようにするための処理に用いられる。そして、新たな追加演出が実行される場合、或いは、大当たり遊技(ラウンド遊技)が終了する場合に値が0にリセットされる。
ここで、図197を参照して、追加演出選択テーブル222aaに規定されている内容の詳細について説明をする。図196(b)は、追加演出選択テーブル222aaに規定されている内容を模式的に示した図である。この追加演出選択テーブル222aaには、上限勝率格納エリア223jに格納されている勝率の上限値と、上限値と表示領域HR1に現在表示されている勝率との差分値と、ストックカウンタ223anの値及び取得した演出カウンタ223fの値に対応させて、勝率を上昇させる追加演出と、賑やかし用の追加演出との演出態様がそれぞれ規定されている。
具体的には、勝率上限値が「100」で、差分値が「50〜」の場合は、追加演出のストック回数が「0」に対して、通常の「ポイント追加演出(図121(b)参照)」が、ストック回数「1〜3」に対して、ストック回数に対応した「ポイント追加演出(図195(a)参照)」、ストック回数「4〜」に対して、「特殊ポイント追加演出(図195(b)参照)」が規定されている。
また、差分値が「〜49」の場合は、追加演出のストック回数が「0」に対して、通常の「ポイント追加演出(図121(b)参照)」が、ストック回数「1〜3」に対して、ストック回数に対応した「賑やかし演出(図122(b)参照)」が、ストック回数「4〜」に対して、「特殊賑やかし追加演出」が規定されている。
また、勝率上限値が「79〜99」で、差分値が「50〜」の場合は、追加演出のストック回数が「0」に対して、通常の「ポイント追加演出(図121(b)参照)」が、ストック回数「1〜3」に対して、ストック回数に対応した「ポイント追加演出(図195(a)参照)」、ストック回数「4〜」に対して、ストック回数に対応した「ポイント追加演出(図195(a)参照)」が規定されている。
また、差分値が「〜49」の場合は、追加演出のストック回数が「0」に対して、通常の「賑やかし演出(図122(b)参照)」が、ストック回数「1〜3」に対して、ストック回数に対応した「賑やかし演出」が、ストック回数「4〜」に対して、ストック回数に対応した「賑やかし演出」が規定されている。
さらに、勝率上限値が「〜78」で、差分値が「50〜」の場合は、追加演出のストック回数が「0」に対して、通常の「ポイント追加演出(図121(b)参照)」が、ストック回数「1〜3」に対して、ストック回数に対応した「ポイント追加演出(図195(a)参照)」、ストック回数「4〜」に対して、ストック回数に対応した「ポイント追加演出(図195(a)参照)」が規定されている。
また、差分値が「〜49」の場合は、追加演出のストック回数が「0」に対して、通常の「賑やかし演出(図122(b)参照)」が、ストック回数「1〜3」に対して、ストック回数に対応した「賑やかし演出」が、ストック回数「4〜」に対して、ストック回数に対応した「賑やかし演出」が規定されている。
つまり、本第2制御例では、新たな追加演出の実行が禁止されている期間中において追加演出の実行条件が成立した回数(ストックカウンタ223anの値)に応じて、実行される追加演出の演出態様を異ならせることができるように構成しており、ストックカウンタ223anの値が大きいほど、勝率を上昇させる追加演出、即ち、遊技者に有利となる追加演出が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、ストックカウンタ223anの値を大きくしようと、意欲的に遊技を行わせることができる。
<第2制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図198から図200を参照して、第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図198を参照して、演出更新処理2(S4061)の詳細について説明する。図198は、演出更新処理2(S4061)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理2(S4061)は、第1制御例における演出更新処理(S4011)に代えて実行される処理であり、特図変動中(特別図柄の変動期間中)以外のタイミング、即ち、大当たり遊技中に設定される演出中タイマ223amの値を更新するための処理である。
この第2制御例における演出更新処理2(S4061)のうち、S4302からS4310の各処理では、それぞれ第1制御例における演出更新処理2(S4011)の各処理と同一の処理が実行され、S4301の処理において、現在が特図変動中では無い(大当たり遊技中である)と判別した場合に、演出タイマ更新処理を実行し(S4351)、その後、S4310の処理へ移行するように構成している点が上述した演出更新処理(S4061参照)と相違している。
ここで、図199を参照して、演出タイマ更新処理(S4351)の内容について説明をする。図199は、演出タイマ更新処理(S4351)の内容を示したフローチャートである。この演出タイマ更新処理(S4351)は、演出更新処理2(図198のS4061参照)において、現在が特図変動中では無いと判別された場合(図198のS4301:No)に実行される処理であって、大当たり遊技中における追加演出の実行を禁止する禁止期間を計測するための処理が実行される。
演出タイマ更新処理(S4351)が実行されると、まず、演出タイマ223amの値が0よりも大きいか、即ち、演出タイマ223amにより禁止期間が計測されているかを判別する(S6001)。そして、演出タイマ223amの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S6001:No)、現在が禁止期間では無いため、そのまま本処理を終了する。一方、演出タイマ223amの値が0よりも大きいと判別した場合は(S6001:Yes)、演出タイマ223amの値を更新し(S6002)、更新後の演出タイマ223amの値が0であるかを判別し(S6003)、0であると判別した場合、即ち、禁止期間の終了タイミングであると判別した場合は(S6003:Yes)、追加演出可能を示す表示用コマンドを設定し(S6004)、本処理を終了する。また、S6003の処理において、更新後の演出タイマ223amの値が0では無い、即ち、禁止期間中であると判別した場合は(S6003:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図200を参照して、追加演出態様設定処理2(S5059)の内容について説明をする。図200は、追加演出態様設定処理2(S5059)の内容を示したフローチャートである。この追加演出態様設定処理2(S5059)は、上述した第1制御例の追加演出態様設定処理(図173のS5009)に対して、禁止期間中における処理を追加した点と、追加演出の演出態様を決定する処理を、追加演出のストック回数に基づいて演出態様を決定する処理に変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
追加演出態様設定処理2(S5059)が実行されると、まず、演出タイマ223amの値が0よりも大きいか、即ち、禁止期間中であるかを判別し(S5151)、演出タイマ223amの値が0よりも大きいと判別した場合は(S5151:Yes)、ストックカウンタ223anの値を1加算し(S5152)、本処理を終了する。
S5151の処理において演出タイマ223amの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S5151:Yes)、上述した第1制御例の追加演出態様設定処理(図173のS5009)と同一のS5101〜S5103の処理を実行し、その後、算出した差分値と、上限値とに基づいて追加演出選択テーブル222aaを用いて追加演出の演出態様を決定する(S5153)。S5153の処理で用いられる追加演出選択テーブル222aaは、図197を参照して上述した通り、ストックカウンタ223anの値も参照されるように構成している。
S5153の処理を終えると、ストックカウンタ223anの値を0にクリアし(S5154)、上述した第1制御例の追加演出態様設定処理(図173のS5009)と同一のS5101〜S5103の処理を実行し、その後、実行される追加演出期間に対応する値を演出タイマ223amの値にセットし(S5155)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第2制御例では、追加演出の種別に応じて新たな追加演出の実行を禁止する期間の長さを異ならせるように構成している。具体的には、勝率を上昇させる追加演出が実行される場合には、その追加演出が終了するまで新たな追加演出が実行されないようにし、賑やかし用の追加演出が実行される場合には、その追加演出の期間中においても新たな追加演出を実行可能としている。このように構成することで、遊技者が有利となる情報(勝率UP)を提供する追加演出を分かり易く実行することができると共に、賑やかし用の追加演出に対しては、その追加演出を重複させることでより演出効果を高めることができる。
加えて、本第2制御例では、新たな追加演出の実行が禁止されている期間において、追加演出の実行条件が成立した場合には、その実行条件の成立に基づいて内部的に追加演出の演出態様を決定する処理を行い、遊技者が有利となる情報(勝率UP)を提供する追加演出が決定された場合には、その処理結果を一時的に記憶するように構成している。そして、新たな追加演出を実行可能となった後に、遊技者が有利となる情報(勝率UP)を提供する追加演出をする際に、一時的に記憶していた追加演出の処理結果も含めて追加演出を実行するように構成している。また、新たな追加演出の実行が禁止されている期間において、追加演出の実行条件が成立した回数も記憶し、その記憶されている回数に基づいて、新たな追加演出を実行可能となった場合に実行される追加演出の演出態様を決定可能に構成している。
このように構成することで、大当たり遊技中において、追加演出を実行させようと積極的に遊技を行う遊技者に対して、追加演出の実行期間中においても継続して積極的に遊技を行わせることができる。
<第3制御例について>
次に、図201から図206を参照して、第3制御例について説明をする。上述した第1制御例では、大当たり遊技中に実行される追加演出のうち、賑やかし用の追加演出が実行された場合に、所定条件が成立していない限り(獲得済みの特図2保留に大当たり当選を示す情報が含まれていない限り)、同一の表示態様の追加演出が特定数連続して表示されないように構成し、遊技者に対して、賑やかし用の追加演出にも興味を持たせるように構成していた。しかしながら、上述した第1制御例では、賑やかし用の追加演出の表示態様がランダムに設定され、且つ、ランダムに設定された表示態様が2回連続で同一である場合にのみ、所定条件の成立の有無によって表示態様を可変させるように構成しているため、同一の表示態様が3回連続で表示される機会が少なく、好適に演出効果を高めるものではなかった。
これに対して、本第3制御例では、大当たり遊技中に実行される賑やかし用の追加演出の表示態様として、過去に表示された表示態様を排除した範囲内で表示態様をランダムに決定し、賑やかし用の追加演出が特定回数(5回)実行された時点における表示態様の組合せに応じて、遊技者に提供する情報の種別を異ならせるように構成している。このように構成することで、賑やかし用の追加演出が特定回数実行された場合に、その演出結果に基づいて何らかの情報が遊技者に提供されるため、遊技者に対して演出態様がランダムに設定される賑やかし用の追加演出が特定回数実行されたことに基づく特典を確実に付与することができ、好適に演出効果を高めることができる。
さらに、本第3制御例では、賑やかし用の追加演出としてどの表示態様が表示された場合に、遊技者に有利となる特典が付与され易いかを報知可能に構成している。これにより、ランダムに設定される賑やかし用の追加演出の表示態様に対して所望の表示態様が設定されることを期待しながら遊技を行うことができる。
本第3制御例は、上述した第1制御例に対して、大当たり遊技中に実行される追加演出の演出内容を異ならせた点と、追加演出の演出内容を異ならせるために、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容を一部変更した点とで相違し、それ以外は同一である。以下、上述した第1制御例と相違する点について主に説明をし、第1制御例と同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
<第3制御例のパチンコ機における演出内容について>
ここで、図201及び図202を参照して、本第3制御例において実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり遊技中に実行される追加演出の演出内容を異ならせている。
図201(a)は、大当たり遊技が開始された時点における表示画面を示した図である。図201(a)に示した通り、大当たり遊技が開始されると、主表示領域Dmの中央部に形成される表示領域HR20にビンゴカードが表示され、そのビンゴカードの上方に「ビンゴゲーム開始」の文字が表示される。そして、ビンゴゲームの演出結果に基づく特典を示唆するための遊技案内態様として「成立ライン数で秘密の情報GET」の文字が表示される。さらに、副表示領域Dsには、今回のビンゴゲームにて獲得可能な数が5種類であることを案内するための遊技案内態様として「最大で5種類の数字が出るよ」のコメントが表示される。
これにより、大当たり遊技を開始した遊技者に対して、ビンゴゲーム中に獲得可能な最大5種類の数字によって成立したライン数に応じて特典が付与されることを分かり易く理解させることができる。なお、本第3制御例では、上述した第1制御例と同様に、大当たり遊技中における一般入球口63への球の入球、及び、特定入賞口65aへのオーバー入賞を追加演出の実行契機としている。そして、追加演出として数字が表示される演出が実行され、ビンゴゲームが進行するように構成している。よって、遊技者に対して、ビンゴゲームを進行させるために追加演出の実行契機を成立させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
図201(a)に示した状態から大当たり遊技が進行し、一般入球口63へと球が入球したことに基づいて追加演出が実行されると、図201(b)に示した表示画面が表示される。図201(b)は、大当たり遊技中に実行されるビンゴゲームにて、追加演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図201(b)に示した通り、追加演出の実行条件が成立すると(一般入球口63に球が入球したことに基づいて、追加演出の実行が決定すると)、ランダムに設定された数字を示す表示アイコン820が表示される。図201(b)では、数字の「1」を示す表示アイコン820が表示され、表示領域HR20のビンゴカードのうち、数字の「1」に対応する領域が埋まった表示態様(図ではバツ印で表示)が表示される。
さらに、表示領域HR21が形成され、獲得済みの数字が履歴として表示される。この表示領域HR21は、今回のビンゴゲームにて獲得可能な表示アイコン820の数に対応させた大きさで形成されており、図201(b)に示した通り、1種類の表示アイコン820(数字の「1」)が表示されたことを示す表示態様が表示された時点で、残り何種類の表示アイコン820を獲得可能であるかを遊技者に予測させることが可能となる。つまり、表示領域HR21は、ビンゴゲーム中に獲得した表示アイコン820の数、及び、表示アイコン820に示された数字の種別を遊技者に分かり易く報知するための履歴表示態様となる。これにより、ビンゴゲーム中に後何種類の表示アイコン820を獲得可能であるかを遊技者に容易に把握させることができる。
なお、図201(a)に示した例では、表示されたビンゴカードの表示態様として、9マスの領域に対して9種類の数字(「1」〜「9」)が表示される表示態様が表示されているが、ビンゴゲームに用いられるビンゴカードの表示態様はこれに限られること無く、例えば、同一の数字が複数の領域に表示される重複表示態様としても良い。この場合、複数の領域に表示される数字が追加演出として設定された場合に、ビンゴ成立ライン数を多くし易くすることができ、複数の領域に表示される数字が追加演出として設定されなかった場合に、ビンゴの成立をさせ難くすることができるため、遊技者に対してメリハリのある演出を実行することができる。また、最後の表示アイコン820が表示されるまでビンゴ成立ライン数を遊技者に予測させ難くすることができるため、ビンゴゲームの最後まで遊技者に興味を持たせることができる。
そして、ビンゴゲームが終了すると、図202(a)に示した表示画面が表示される。図202(a)は、5種類目の表示アイコン820(数字の「9」)が表示された時点において表示される表示画面の一例を示した図である。図202(a)に示した通り、5種類目の表示アイコン820が表示されたことが表示領域HR21の履歴表示によって遊技者に報知される。具体的には、今回のビンゴゲームにて数字の「1」,「3」,「5」,「7」,「9」を示す表示アイコン820が表示されたことが表示領域HR21の履歴表示に表示されている。
表示領域HR20には、今回獲得した表示アイコン820が示す数字(1,3,5,7,9)に対応する領域が埋まった表示態様(バツ印で表示)で表示され、ビンゴゲームの結果としてビンゴ成立ライン数が2ラインであることを示す表示態様が表示される。また、主表示領域Dmの上方に、今回のビンゴゲームの結果を示す結果表示態様として「2ライン成立」の文字が表示される。さらに、副表示領域Dsには、今回のビンゴゲームの結果が遊技者に有利な結果であるかを示す案内態様として「おめでとう」のコメントが表示される。
図201及び図202に示したビンゴゲームの例では、図201(a)に示した通り、9マスの領域に対して9種類の数字(「1」〜「9」)が表示される表示態様のビンゴカードを用いたビンゴゲームが実行されているため、獲得した数字の種別が例えば「1」,「2」,「3」,「4」,「5」であった場合は、ビンゴ成立ライン数が1ラインになる。また、大当たり遊技中に追加演出が5回実行されなかった場合は、表示アイコン820を5種類獲得することができないため、ビンゴ成立ライン数が0個となる虞もある。よって、図202(b)に示した通り、ビンゴ成立ライン数が2ラインである場合には、ビンゴゲームの結果が遊技者に有利な結果(想定し得る成立ライン数の上限数)であることを祝福する「おめでとう」のコメントが表示される。
この副表示領域Dsに表示される案内態様は、ビンゴゲームの結果に応じて表示態様を異ならせるように構成しており、例えば、図201及び図202に示したビンゴゲームの例において、表示アイコン820を5種類獲得し、且つ、ビンゴ成立ライン数が1ラインの場合は「参加賞」のコメントが、表示アイコン820を5種類獲得していない状態で、且つ、ビンゴ成立ライン数が1ラインの場合は、追加演出が上限数実行されなかったことを示す「参加賞だけどもっと頑張れたかも」のコメントが、表示アイコン820を5種類獲得していない状態で、且つ、ビンゴ成立ライン数が0ラインの場合は「残念」のコメントが表示される。このように、ビンゴゲームの結果を示す案内態様の内容を、追加演出の実行回数と、ビンゴ成立ライン数とに応じて異ならせることにより、今回のビンゴゲームの結果が良かったのか否かを遊技者に分かり易く理解させることができる。
そして、ビンゴゲームの終了後には、図202(b)に示した通り、ビンゴ成立ライン数に応じた特典が付与される。図202(b)は、ビンゴゲームの結果に基づく特典情報の表示画面の一例を示した図である。本第3制御例では、ビンゴゲームの結果として遊技者に付与される特典として、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示す遊技状態情報や、大当たり遊技中において既に獲得済みの特図2保留に大当たり当選を示す連チャン情報(保留連大当たりとなることを示す情報)等の特典情報を提供するように構成しており、成立ライン数が多い程、上述した遊技状態情報や連チャン情報の内容を遊技者が判別し易い表示態様となるように構成している。
図202(b)では、遊技状態情報として、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを明確に報知する表示態様として「確変確定」の文字が主表示領域Dmに表示され、副表示領域Dsには、確変状態が設定されることを祝福する「やったね」の文字が表示されている。図202(b)は、図202(a)を参照して上述した通り、ビンゴゲームの結果が遊技者に有利となる結果(ビンゴ成立ライン数が2ライン)であったため、遊技者に付与される特典情報として、確変状態が設定されることを遊技者が容易に判別可能な表示態様が表示されているが、例えば、ビンゴ成立ライン数が1ラインの場合では、「チャンス!!」の表示態様、即ち、確変状態が設定される可能性を示唆するのみの表示態様が表示され、ビンゴ成立ライン数が0ラインの場合は「特典無し」の表示態様、即ち、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を報知(示唆)するための表示態様が表示されないように構成している。
これにより、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態をいち早く判別したい遊技者に対して、大当たり遊技中に実行されるビンゴゲームに興味を持たせることができる。
また、本制御例では、ビンゴゲームの結果に応じて遊技者に付与される特典情報として、複数の特典種別(遊技状態情報、連チャン情報)のうち、何れかの特典種別に関する情報を付与するように構成している。このように構成することで、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり遊技中に実行されたビンゴゲームの結果が遊技者に有利となる結果となった場合において、遊技状態情報(時短状態が設定されることを示す情報)を明確に遊技者に報知するのでは無く、別の特典種別が有する遊技者に有利となる情報(例えば、連チャン情報)を報知することが可能となる。
なお、本第3制御例では、複数の特典種別のうち、遊技者に有利となる特典種別を対象にビンゴゲームの結果に基づく表示態様を設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示す遊技状態情報のみを対象としてビンゴゲームの結果に基づく表示態様を設定するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを遊技者に明確に報知する事態が発生し得るが、この時短状態が設定されることを示す表示態様も、時短状態が設定されているにも関わらず、確変状態が設定されていることを過度に期待させてしまい、時短状態が終了した時点で遊技者の遊技意欲が過剰に低下してしまうことを抑制することができるため、遊技者に有利な情報といえる。
<第3制御例における電気的構成について>
次に、図203を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図203は、RAM223の構成を模式的に示した模式図である。図203に示した通り、本第3制御例では、上述した第2制御例に対して、配列格納エリア223baと、選択済情報格納エリア223bbと、表示数カウンタ223bcとを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
配列格納エリア223baは、ビンゴゲームにて用いられるビンゴカードの各領域(9マス)に対して設定された数字種別を一時的に格納するための記憶領域であって、第1領域(図201(a)に示すビンゴカードで「1」が表示されている左上領域)、第2領域(図201(a)に示すビンゴカードで「2」が表示されている中上領域)、・・・第9領域(図201(a)に示すビンゴカードで「9」が表示されている右下領域)のそれぞれに対応した9種類の記憶領域を有しており、ビンゴゲームの開始時に決定された数字種別が対応する記録領域に格納される。そして、ビンゴゲームの終了時において、追加演出の表示態様として結果された数字種別によって成立したビンゴ成立ライン数を特定する際に参照される。
このように構成することで、ビンゴゲーム開始時においてビンゴカードに表示される数字種別がランダムに決定されるように構成した場合であっても、ビンゴゲームにて成立したライン数を確実に判別することができる。
なお、本制御例では、ビンゴカードに表示される数字種別がランダムに決定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、予め数字の配列が規定されている複数のビンゴカードの中から遊技者が1のビンゴカードを選択可能に構成しても良い。この場合、音声ランプ制御装置113のMPUが有するROM222に複数種類のビンゴカードの数字配列に対応する情報を予め格納しておき、遊技者の選択結果に対応する情報を読み出して、配列格納エリア223baに格納するように構成すれば良い。このように構成することで、ビンゴカードの数字配列として予め規定されている複数パターンの中から遊技者が選択した数字配列に対して、ランダムに決定される表示アイコン820の種別(数字種別)を用いたビンゴゲームが実行されるため、遊技者の選択結果に応じてビンゴゲームの結果を可変させることが可能となる。よって、遊技者参加型の演出において、遊技者を一喜一憂させ易くすることができる。
加えて、予め数字の配列が規定されている複数のビンゴカードの中から遊技者が1のビンゴカードを選択可能に構成した場合には、遊技者がビンゴカードを選択する際に、各ビンゴカードに規定されている数字配列を確認可能な選択画面を表示するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して、ビンゴカードの選択が適正であったか否かを考えながらビンゴゲームを進行させることができるため、遊技の興趣を向上させ易くすることができる。
さらに、この場合、遊技者が選択しなかったビンゴカードに規定されている数字配列のうち、少なくとも1の数字配列を遊技者が確認可能な状態でビンゴゲームが進行するように構成すると良い。これにより、ビンゴカードの選択が適正であったか否かをより分かり易く遊技者に判断させることができる。
また、本第3制御例のようにビンゴカードの各領域に対して数字配列を決定する場合においても、遊技者が任意の数字を選択可能に構成しても良く、この場合も、遊技者参加型の演出において、遊技者を一喜一憂させ易くすることができる。
本第3制御例では、ビンゴゲームが開始される時点で決定したビンゴカードを用いてビンゴゲームを実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ビンゴゲームの最中に所定条件が成立した場合、例えば、遊技者が操作手段を操作することにより演出結果が可変するミニゲームにて特定の演出結果が成立した場合に、ビンゴカードの数字配列を可変可能に構成しても良い。これにより、ビンゴゲームの進捗が思わしくない場合であっても、ビンゴカードの数字配列を可変させることでビンゴゲームの進捗状況を遊技者に有利な状況へと可変させることが可能となるため、ビンゴゲームが終了するまで遊技者に興味を持たせた演出を実行することができる。
選択済情報格納エリア223bbは、大当たり遊技中に実行される追加演出の表示態様として既に選択された表示態様を示す情報が格納される記憶領域であって、追加演出の表示態様が選択された場合に、その選択された表示態様を示す情報が格納される。そして、次の追加演出が実行される場合に格納されている情報が読み出され、読み出された情報が示す表示態様を除外した範囲から表示態様が選択される。このように構成することで、追加演出が複数回実行される場合において、同一の表示態様が選択されること無く、様々な表示態様で追加演出を実行することができる。
また、本第3制御例では、大当たり遊技中の追加演出の表示態様が、ビンゴゲームに用いられる数字種別を示すように構成している。そして、表示領域HR21に表示される履歴表示として、選択済情報格納エリア223bbに格納されている情報に対応する表示態様が表示される。
表示数カウンタ223bcは、追加演出の実行回数を計測するためのカウンタであって、大当たり遊技中に実行され得る追加演出の回数に対応する値が大当たり遊技の開始に基づいて設定され、追加演出が実行される毎に値が減算される。そして、表示数カウンタ223bcの値が0になった場合に、追加演出の結果に応じた結果演出が実行される。
本第3制御例では、ビンゴゲームが開始される際に、追加演出の実行回数(表示アイコン820の表示回数)が決定され、決定された回数分、表示アイコン820が表示される。そして、本制御例では、同一の表示態様で追加演出が実行されないように構成していることから、追加演出の実行回数が増えるほど、ビンゴゲームにて獲得可能な数字種別を増やすことができる。
このように、追加演出の実行回数を可変可能に構成した場合であっても、表示数カウンタ223bcの値として、追加演出の実行回数を設定し、追加演出が実行される毎に表示数カウンタ223bcの値を減算させるように構成することで、決定された回数分追加演出が実行された場合にビンゴゲームの結果を確実に表示させることができる。
<第3制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図204から図206を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり遊技中に実行される演出の内容を異ならせている点で相違している。より具体的には、上述した第1制御例では、大当たり遊技中に一般入球口63へと球が入球した場合、或いは、大当たり遊技中に特定入賞口65aへと球がオーバー入賞した場合に、追加演出を実行可能に構成し、その追加演出として、勝率を上昇させるための演出態様、或いは、賑やかし用の演出態様を選択可能に構成している。
これに対して、本第3制御例では、大当たり遊技中にビンゴゲームを実行可能に構成し、そのビンゴゲームにて用いられる数字の種別を、追加演出として表示可能に構成している。
まず、図204を参照して、当たり中演出設定処理3(S4572)の内容について説明をする。図204は、当たり中演出設定処理3(S4572)の内容を示したフローチャートである。図204に示した通り、本第3制御例における当たり中演出設定処理3(S4572)は、上述した第1制御例における当たり中演出設定処理(図168のS4502参照)に対して、確変図柄(「777」)が停止表示されなかったと判別した場合に実行される処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
当たり中演出設定処理3(S4572)が実行されると、まず、今回停止表示された第3図柄の停止表示態様(大当たり図柄)が「777」であるかを判別し(S4601)、「777」であると判別した場合は(S4601:Yes)、上述した第1制御例における当たり中演出設定処理(図168のS4502参照)と同一のS4602,S4603,S4609の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S4601の処理において、大当たり図柄が「777」では無い、即ち、大当たり当選を示すための第3図柄の停止表示態様が、確変大当たりであることを示す停止表示態様では無いと判別した場合は(S4601:No)、次に、ビンゴカードの数字配列を決定する(S4651)。
ここで、S4651の処理内容について説明をする。本第3制御例では、ビンゴカードの数字配列に用いられる数字種別として「1」〜「9」の9種類の数字が用意されている。具体的には、音声ランプ制御装置113のROM222が有する数字情報記憶エリアに予め格納されている。そして、図202(a)に示した通り、ビンゴカードには9個の領域(第1領域〜第9領域)が規定されており、各領域に対して、数字情報記憶エリアに格納されている数字種別の中から1の数字種別を抽選によってランダムに決定する処理を実行する。
S4651の処理を終えると、S4651の処理において決定した数字配列を配列格納エリア223baに格納し(S4652)、表示数カウンタ223bcの値に5をセットし(S4653)、S4608の処理へ移行する。
S4653の処理では、ビンゴゲーム中に実行される追加演出の回数、即ち、表示アイコン820(図202(a)参照)の表示回数が規定される。この値は、実行される大当たり種別に基づいて異なる値を選択可能に構成しており、遊技者に有利となる大当たり種別、即ち、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される大当たり種別よりも、確変状態が設定される大当たり種別のほうが、大きい値が設定され易くなるように構成している。このように、大当たり種別に応じて異なる値を表示数カウンタ223bcに設定可能に構成することで、遊技者に有利となる情報(確変大当たりであることを示す情報)を提供可能な大当たり遊技のほうが、ビンゴゲームにてビンゴ成立ライン数を多くし易くすることができる。
なお、表示数カウンタ223bcに設定する値を決定する処理として異なる処理を実行しても良く、例えば、獲得済みの特図2保留内に大当たり当選を示す情報が含まれている場合のほうが、含まれていない場合よりも大きい値が表示数カウンタ223bcに設定され易くしても良いし、遊技者に有利となる特定情報を提供可能な状態、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されるが、獲得済みの特図2保留内に大当たり当選を示す情報が含まれている状態において、表示数カウンタ223bcに特定値(例えば、2)を設定するように構成しても良い。これにより、ビンゴゲームが開始されたにも関わらず、ビンゴ成立ライン数が0の状態のまま強制的にビンゴゲームを終了させ、上述した特定情報を提供することが可能となる。よって、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
次に、図205を参照して、ラウンド演出設定処理3(S4576)の内容について説明をする。図205は、ラウンド演出設定処理3(S4576)の内容を示したフローチャートである。このラウンド演出設定処理3(S4576)は、上述した第1制御例のラウンド演出設定処理(S4506参照)に対して、特定のラウンド遊技が実行された場合に、ビンゴゲームを終了させるための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。
ラウンド演出設定処理3(S4576)が実行されると、まず、上述した第1制御例のラウンド演出設定処理(S4506参照)と同一のS4701〜S4706の処理を実行する。そして、S4705、或いはS4706の処理を終えると、今回実行されるラウンド遊技が8ラウンド目であるかを判別すし(S4771)、8ラウンド目であると判別した場合は(S4771:Yes)、表示数カウンタ223bcの値が0であるかを判別し(S4772)、0では無いと判別した場合、即ち、8ラウンド目が開始された時点において、ビンゴゲームが終了していないと判別した場合は(S4772:No)、表示数カウンタ223bcの値を1にセットし(S4773)、上述した第1制御例のラウンド演出設定処理(S4506参照)と同一のS4707の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S4771の処理において、今回開始されるラウンド遊技が8ラウンド目では無いと判別した場合(S4771:No)、或いは、S4772の処理において、表示数カウンタ223bcの値が0である、即ち、既にビンゴゲームが終了していると判別した場合(S4772:Yes)は、S4773の処理をスキップしてS4707の処理へ移行し、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、ラウンド演出設定処理3(S4576)では、大当たり遊技が特定タイミング(8ラウンド目の開始タイミング)まで進行したにも関わらず、予め定められた回数分、追加演出が実行されていない場合において、現在までに実行された追加演出の回数に関わらず、次回追加演出が実行された時点で、追加演出の実行を終了させるための処理が実行される。これにより、ビンゴゲームが実行されている状態において、追加演出(表示アイコン820の表示)が予め定められた回数(5回)実行されず、ビンゴゲームが終了するまでに大当たり遊技が終了してしまい、遊技者にビンゴゲームの結果を報知することができない事態が発生することを抑制することができる。
なお、本制御例では、S4773の処理において、表示数カウンタ223bcの値を1に設定することで、次に追加演出が実行された時点で表示数カウンタ223bcの値が0となりビンゴゲームの結果が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、S4773の処理において表示数カウンタ223bcの値を0に設定し、8ラウンド目のラウンド遊技中にビンゴゲームの結果が報知されるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中にビンゴゲームの結果を確実に報知することができる。
次に、図206を参照して、追加演出態様設定処理3(S5079)の内容について説明をする。図206は、追加演出態様設定処理3(S5079)の内容を示したフローチャートである。この追加演出態様設定処理3(S5079)は、上述した追加演出設定処理2(図200のS5059参照)に対して、演出中タイマ223amの値が0よりも大きい場合に、追加演出に関する処理を完全にスキップするように構成した点と、追加演出の演出態様を設定するための処理を異ならせた点で相違している。
追加演出態様設定処理3(S5079)が実行されると、まず、演出中タイマ223amの値が0よりも大きいかを判別し(S5151)、0よりも大きいと判別した場合は(S5151:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S5151:No)、次に、選択済情報格納エリア223bbに格納されている情報を読み出し、格納されていない値の中から1の値を決定し(S5171)、決定した値を示す表示用コマンドを設定し(S5172)、決定した値に対応する情報を選択済情報格納エリア223bbに格納し(S5173)、表示数カウンタ223bcの値を1減算する(S5174)。
そして、減算後の表示数カウンタ223bcの値が0であるかを判別し(S5175)、0では無いと判別した場合(S5175:No)、即ち、ビンゴゲームの終了タイミングでは無いと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
一方、S5175の処理において、表示数カウンタ223bcの値が0である、即ち、ビンゴゲームの終了タイミングであると判別した場合は(S5175:Yes)、配列格納エリア223baに格納されている情報(今回のビンゴゲームに用いられたビンゴカードの数字配列を示す情報)と、選択済情報格納エリア223bbに格納されている情報(追加演出にて決定された数字種別)と、に基づいて、ビンゴ成立ライン数を特定し(S5176)、特定した成立ライン数に対応する特典情報を決定し(S5177)、決定した特典情報を示すための表示用コマンドを設定し(S5178)、各種格納エリアの情報をクリアし(S5179)、本処理を終了する。
<第4制御例>
次に、図207から図212を参照して、第4制御例について説明をする。本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、勝率UPゾーン中に実行される演出の内容を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。
上述した第1制御例では、勝率UPゾーン中に実行される演出の内容として、スロット演出(図124(a)参照)と、上昇確定演出(図125参照)と、を実行可能に構成し、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターン(変動時間)種別に応じて、実行される演出内容を決定するように構成していた。そして、変動パターン種別として特定変動パターン種別が選択された場合には、上昇確定演出が実行され、遊技者に対して勝率が上昇することを報知し、その後、勝率の上昇量が報知されるように構成していた。
これに対して、本第4制御例では、変動パターン種別として特定変動パターン種別が選択された場合に実行される上昇確定演出の内容を異ならせている。より具体的には、上昇確定演出として、遊技者が枠ボタン22を操作(連打操作)したことに基づいて勝率の1%ずつ上昇させる操作演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者の操作に基づいて上昇確定演出中における勝率の上昇量を可変させることができるため、遊技者に対して枠ボタン22への操作を意欲的に行わせることができる。
本制御例では、バトル演出の勝率を「0〜100%」の間で可変表示させるように構成しており、表示される勝率を可変(上昇)させる勝率上昇演出として、勝率を5%単位で可変(上昇)させるスロット演出と、勝率を1%単位で可変(上昇)させる上昇確定演出と、を複数回実行可能に構成している。
ここで、バトル演出の勝率表示として、複数回の上昇確定演出が実行される過程において勝率が特定値(例えば、「77%」や「33%」)で表示されてしまうと、遊技者に対して設定されている遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態)なのではと思わせてしまうため、上述した特定値が表示されないように表示制限をする必要がある。
しかしながら、勝率上昇演出として複数種類の演出を実行可能に構成している場合には、その全ての勝率上昇演出に対して、上昇後の勝率が特定値とならないための制御を実行する必要があり、特定値の勝率が表示されないようにするための表示制限処理の処理負荷が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本第4制御例では、最小単位(1%)で勝率を上昇させることが可能な勝率上昇演出である上昇確定演出において、表示される勝率の値(1の位の値)を制限するように構成し、他の勝率上昇演出(スロット演出)の演出結果がどの値になったとしても、勝率が特定値とならないように構成している。このように、上昇量の異なる複数の勝率上昇演出を実行する場合において、1の勝率上昇演出に対して表示制限処理を実行し、他の勝率上昇演出に対して表示制限処理を実行しないように構成することで、表示制限処理の実行頻度を低下させることができる。
<第4制御例の演出内容について>
ここで、図207を参照して、本第4制御例において実行される各種演出のうち、特徴的な演出について説明をする。図207(a)は、勝率UPゾーン中に実行される上昇確定演出として、連打演出が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。図207(a)に示した通り、主表示領域Dmの右側には、遊技者に対して枠ボタン22を操作させるための連打画像RGが表示されており、遊技者による枠ボタン22への操作が有効に判別される操作有効期間を示すためのタイムゲージTGがその下方に表示されている。また、副表示領域Dsには、連打演出の演出内容を示すための案内報知態様として「ボタン連打で勝率を上げろ」の文字が表示されている。
そして、操作有効期間内に遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、壺を模したアイコン831から勝率の上昇値を示した数値アイコン831a〜831bが表示される。本制御例では、連打演出において勝率が上昇する値が「1%」単位となるように構成しており、数値アイコン831a〜831cには勝率が1%上昇することを示す「+1%」が表示されている。そして、数値アイコン831dには、「+?%」が表示されている。
ここで、本制御例では、1回の勝率上昇演出が終了した時点において表示領域HR1に特定値(例えば、「33」、「77」)の勝率が表示されてしまい、遊技者に対して今回の大当たり遊技が遊技者に有利となる大当たり遊技(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり遊技)であると誤認識を与えてしまうことを抑制するために、連打演出の終了時に、勝率表示の1の位が「2,3,7,8」とならないように演出の表示内容を制御している。
具体的には、表示領域HR1に表示されている確率表示の1の位を特定しておき、連打演出にて数値アイコン831aが表示される回数と、特定した1の位の値とを合算した値が「2,3,7,8」に到達した場合に、数値アイコン831dに示した通り「+?%」の表示アイコンを表示するように構成している。そして、連打演出が終了した時点で、表示されている「+1%」の数を累計し、特定した1の位の値と、累計した数と、を合算した値が「2,3,7,8」以外の値となるように「+?%」の数値アイコン831dに数値を表示させた後に、図207(b)に示した通り、連打演出の演出結果を表示する。
図207(b)は、連打演出の演出結果を示した表示画面の一例を示した図である。図207(b)は、図207(a)に示した状態のまま連打演出が終了した場合の演出結果を示しており、「+?%」で表示されている数値アイコン831dに対して、勝率の値を加算しなかった場合には、演出結果が「+3%」となり、表示領域HR1に表示される勝率が特定値「33%」となるため、表示制限処理を実行し、「+?%」で表示されている数値アイコン831dに対して「+2%」の値を表示することで、連打演出の演出結果が表示される表示領域HR30に「+5%」と表示し、表示領域HR1に表示される勝率が「35%」となるように連打演出が実行される。
図207に示した通り、連打演出中は、枠ボタン22操作によって獲得した勝率の上昇値が主表示領域Dmに個々に表示され、連打演出の演出結果を表示領域HR30に表示してから表示領域HR1に加算表示するように構成している。よって、連打演出中に表示領域HR1に表示されている値が可変されていき、現在の勝率を遊技者が把握し難い事態が発生することを抑制することができる。また、連打演出中に表示領域HR1に表示されている値が可変され、その途中段階で特定値が表示領域HR1に表示されてしまうことも抑制することができる。
なお、本制御例では、上述した通り、連打演出の演出内容を可変制御することにより、表示勝率が特定値にならないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、図208に示した演出を実行するように構成しても良い。
ここで、図208を参照して、表示勝率が特定値にならないようにするための演出制御内容の別例について説明をする。図208は、複数の勝率上昇演出が重複して実行されている表示画面の一例を示した図である。図208に示した例では、連打演出の演出結果として表示領域HR30に「+4%」が表示され、表示領域HR1に表示されている表示勝率「73%」に連打演出の演出結果(+4%)を加算表示すると、表示勝率が特定値「77%」となるため、勝率をさらに「+5%」させる追加演出を連打演出に重複させて実行している。
このように構成することで、追加演出の実行の有無を決定する処理を行うだけで、連打演出の演出内容に対して、勝率表示が特定値とならないよう演出内容(表示内容)を制御すること無く勝率表示が特定値となることを抑制することができる。
なお、上述した演出例では、表示勝率がプラス方向へと加算されるように表示内容を制御することで、遊技者に対して違和感を与えること無く表示勝率が特定値となることを抑制しているが、これに限ること無く、表示勝率がマイナス方向へと可変するように表示内容を制御しても良い。
<第4制御例における電気的構成について>
次に、図209を参照して、本第4制御例における電気的構成について説明をする。図209は、本第4制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223の内容を模式的に示した図である。図209に示した通り、本制御例は、上述した第2制御例に対して、未確定フラグ223caを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
未確定フラグ223caは、連打演出中において、加算される勝率を未確定としている数値アイコン831dが表示されていることを示すためのフラグであって、加算される勝率を未確定としている数値アイコン831dを表示する場合にオンに設定される。そして、連打演出の演出結果を示すために、数値アイコン831dに対して付与される値(勝率)が決定された場合にオフに設定される。
<第4制御例における音声ランプ制御装置の制御内容について>
次に、図210から図212を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本第4制御例は、上述した第1制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、勝率UPゾーン中における連打演出に係る処理を追加した点で相違している。具体的には、枠ボタン入力監視・演出処理(図163のS4007参照)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理4(図210の4057参照)を、演出更新処理(図165のS4011参照)に代えて演出更新処理4(図212のS4061参照)を実行する点で相違している。それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図210を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理4(4057参照)について説明をする。図210は、枠ボタン入力監視・演出処理4(4057参照)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理4(4057参照)は、上述した第1制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図163のS4007参照)に対して、勝率UPゾーン中における枠ボタン22への操作に対する処理を実行する点で相違し、それ以外は同一である。具体的には、枠ボタン入力監視・演出処理4(4057参照)が実行されると、有効期間タイマ223eの値が0よりも大きいかを判別し(S4101)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4101:No)、そのまま本処理を終了する。一方、0よりも大きいと判別した場合は(S4101:Yes)、次に、現在が勝率UPゾーンであるかを判別する(S4151)。
S4151の処理では、演出情報格納エリア223gに格納されている演出情報に基づいて、現在が勝率UPゾーンであるかが判別され、勝率UPソーンであると判別した場合は(S4151:Yes)、連打演出設定処理を実行し(S4152)、その後、本処理を終了する。一方、S4151の処理において、勝率UPゾーンでは無いと判別した場合は(S4151:No)、上述した第1制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図163のS4007参照)と同一のS4102〜S4111の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図211を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理4(図210の4057参照)にて実行される連打演出設定処理(S4152)について説明をする。図211は、連打演出設定処理(S4152)の内容を示したフローチャートである。この連打演出設定処理(S4152)では、連打演出中に枠ボタン22が操作されたことに基づいて表示される数値アイコン831a(図207参照)の表示態様を決定するための処理が実行される。
連打演出設定処理が実行されるとまず、枠ボタン22の押下を検出したかを判別し(S4171)、検出していると判別した場合は(S4171:Yes)、表示ポイント格納エリア223rに格納されている表示ポイント、即ち、表示領域HR1に表示されている勝率の値を読み出し(S4172)、表示ポイントの10の位が7以下であるかを判別する(S4173)。S4173の処理において7以下であると判別した場合は(S4173:Yes)、次に、表示ポイントの1の位が「1,2,6,7」の何れかであるかを判別し(S4174)、「1,2,6,7」の何れかであると判別した場合は(S4174:Yes)、未確定フラグ223caがオンに設定されているかを判別する(S4175)。
S4175の処理においてオンに設定されていないと判別した場合は(S4175:No)、表示ポイントの加算数が未確定であることを示すための表示用コマンドを設定し(S4176)、未確定フラグ223caをオンに設定し(S4177)、本処理を終了する。S4176の処理にて設定された表示用コマンドを表示制御装置114が受信すると、第3図柄表示装置81の表示画面に「+?%」の数値アイコン831d(図207参照)が表示される。
一方、S4173の処理において、表示ポイントの10の位が7以下では無い(8以上である)と判別した場合は(S4173:Yes)、本制御例において表示を制限している特定値(「33」,「77」)よりも大きな値であるため、1の位に対して何れの値を設定しても問題が無い(今後、特定値が表示されることが無い)ため、表示ポイントが1加算されることを示すための表示用コマンドを設定し(S4178)、その後、表示ポイント格納エリア223rの値を更新し(S4179)、本処理を終了する。
また、S4174の処理において、「1,2,6,7」の何れでも無いと判別した場合は(S4174:No)、連打演出を通常通り実行しても問題無いため、S4178の処理へ移行し、その後、表示ポイント格納エリア223rの値を更新し(S4179)、本処理を終了する。さらにS4175の処理において、未確定フラグ223caがオンに設定されていると判別した場合(S4175:No)、即ち、今回の連打演出において、既に、「+?%」の数値アイコン831d(図207参照)を表示している場合には、表示ポイントが1加算されることを示すための表示用コマンドを設定し(S4178)、その後、表示ポイント格納エリア223rの値を更新し(S4179)、本処理を終了する。これにより、連打演出中に「+?%」の数値アイコン831d(図207参照)が複数個表示されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図212を参照して、演出更新処理4(S4061参照)の内容について説明をする。図212は、演出更新処理4(S4061参照)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理4(S4061参照)では、上述した第1制御例の演出更新処理(図165のS4011参照)に対して、連打演出に対して設定される有効期間タイマ223eの値が0になった場合の処理を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出更新処理4(S4061)が実行されると、まず、上述した第1制御例の演出更新処理(図165のS4011参照)と同一の、S4301〜S4304の処理を実行し、S4304の処理において、有効期間タイマ223eの値が0であると判別した場合に(S4304:Yes)、次に、未確定フラグ223caがオンに設定されているかを判別する(S4351)。そして、未確定フラグ223caがオンに設定されていると判別した場合は(S4351:Yes)、未確定フラグ223caをオフに設定し(S4352)、表示ポイントの値が「2,3,7,8」以外となるように、未確定ポイントの値(数値アイコン831dに対して付与する値)を決定し(S4353)、決定した値を加算した表示ポイントを表示ポイント格納エリアに格納し(S4354)、操作演出の演出結果を示すための表示用コマンドを設定し(S4305)、本処理を終了する。
また、S4304の処理において、有効期間タイマ223eの値が0では無い(0よりも大きい)と判別した場合は(S4304:Yes)、上述した第1制御例の演出更新処理(図165のS4011参照)と同一のS4306〜S4309の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第4制御例では、可変可能な段階情報を複数回可変表示可能な可変演出(バトル演出の勝率を「0〜100%」の間で可変表示させる演出)を実行可能に構成しており、さらに、段階情報を可変させる可変演出の演出態様として、可変量を異ならせた演出態様(表示される勝率を可変(上昇)させる勝率上昇演出として、勝率を5%単位で可変(上昇)させるスロット演出と、勝率を1%単位で可変(上昇)させる上昇確定演出)を設定可能に構成している。
ここで、バトル演出の勝率表示として、複数回の上昇確定演出が実行される過程において勝率が特定値(例えば、「77%」や「33%」)で表示されてしまうと、遊技者に対して設定されている遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態)なのではと思わせてしまうため、上述した特定値が表示されないように表示制限をする必要がある。
しかしながら、勝率上昇演出として複数種類の演出を実行可能に構成している場合には、その全ての勝率上昇演出に対して、上昇後の勝率が特定値とならないための制御を実行する必要があり、特定値の勝率が表示されないようにするための表示制限処理の処理負荷が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本第4制御例では、最小単位(1%)で勝率を上昇させることが可能な勝率上昇演出である上昇確定演出において、表示される勝率の値(1の位の値)を制限するように構成し、他の勝率上昇演出(スロット演出)の演出結果がどの値になったとしても、勝率が特定値とならないように構成している。このように、上昇量の異なる複数の勝率上昇演出を実行する場合において、1の勝率上昇演出に対して表示制限処理を実行し、他の勝率上昇演出に対して表示制限処理を実行しないように構成することで、表示制限処理の実行頻度を低下させることができる。
<第5制御例>
次に、図213から図221を参照して、第5制御例について説明をする。本第5制御例は、上述した第1制御例に対して、ラッキーポイントの表示制御内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第5制御例では、上述した第1制御例と同様に、普通図柄の高確率状態中においてラッキーポイントを加算表示していく演出を実行するように構成しており、ラッキーポイントが所定数(100P)に到達した場合に、現在の遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知するように構成している。つまり、遊技状態として時短状態が設定されている場合には、ラッキーポイントが100Pに到達し得ないように構成している。
そして、ラッキーポイントを加算表示する演出として、特別図柄変動が開始される度に値を1加算する第1加算演出と、変動演出として特定演出(例えば、演出結果が「継続」となるバトル演出)が実行された場合に値を複数(2〜5)加算する第2加算演出と、を実行可能に構成している。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定されている間に、ラッキーポイントが所定数に到達することを期待しながら遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、音声ランプ制御装置113にて管理されるラッキーポイントの値(内部ポイント)と、実際に表示制御装置114にて表示制御されるラッキーポイントの値(表示ポイント)とに、差が生じてしまい、時短状態が設定されているにも関わらず、ラッキーポイントが所定数に到達してしまう虞があった。
具体的には、音声ランプ制御装置113から出力されたコマンド(例えば、内部ポイントを示す情報が含まれるコマンド)に基づいて、表示制御装置114にて液晶画面にラッキーポイント(表示ポイント)を表示する場合において、音声ランプ制御装置113も、表示制御装置114も、内部ポイントと表示ポイントとが相違した場合に、その不整合を検知することができないという問題があった。
上述した相違は、例えば、液晶基板が瞬停した場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へとコマンドを出力したにも関わらず、そのコマンドを取りこぼした場合や、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へとコマンドが出力されていないにも関わらず、発生したノイズによって表示制御装置114がコマンドを誤受信した場合等で発生し得るものであった。
これに対して、本実施形態では、音声ランプ制御装置113にて、内部ポイントと、表示ポイントとが合致するか否かを判別する処理を実行するように構成している。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側で管理される内部ポイントと、表示制御装置114側で管理される表示ポイントとの不整合を確実に検出することができる。
さらに、本第5制御例では、内部ポイントと表示ポイントとに不整合が生じた場合に、一方の値(内部ポイントの値)を正とし、他方の値を補正する補正処理を実行可能に構成している。また、補正処理の内容を、ラッキーポイントを加算表示させることが可能な期間(バトルモード期間)の残期間に応じて異ならせるように構成している。
具体的には、バトルモードの前半期間において、内部ポイントと表示ポイントとに不整合が生じた場合には、直ちにその不整合を補正する処理を実行するのでは無く、次に第2加算演出(1回の演出でラッキーポイントの値を複数加算可能な演出)が実行される場合に、その加算内容を用いて補正処理を実行するように構成している。このように構成することで、例えば、特別図柄変動が実行される度にラッキーポイントが1加算される第1加算演出を継続して実行しながら、内部ポイントと表示ポイントとの差分を解消することができる。
また、内部ポイントと表示ポイントとに不整合が生じた時点が、バトルモード期間の後半である場合には、内部ポイントと表示ポイントとの差分を即座に解消するための補正演出を実行するように構成している。これにより、内部ポイントとは異なる値の表示ポイントを表示した状態でバトルモード期間が終了してしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
<第5制御例の演出内容について>
次に、図213から図214を参照して、本第5制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。具体的には、内部ポイントと表示ポイントとに差が生じた場合に実行される演出(補正演出)の内容について説明をする。
図213(a)は、バトルモードの前半期間において、表示ポイントがマイナスにズレた場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図213(a)に示した通り、内部ポイントの値が「34」であるにも関わらず、表示ポイントの値が「33」である場合には、遊技者に気付かれないように、表示ポイントの値を補正(加算)する必要があり、図213(a)に示した例では、特別図柄変動の変動パターン(変動時間)として、所定期間以上の変動時間が設定される変動パターンが実行された場合に、1回の特図変動期間内において、あたかも特別図柄変動が複数回実行されたかのような変動演出(疑似変動演出)が実行される。そして、疑似変動演出の開始に合わせて、表示ポイントの値を1加算表示させる演出が実行される。
このように構成することで、1回の特別図柄変動期間内において、第1加算演出を遊技者に違和感を与えること無く複数回実行することが可能となる。よって、遊技者に気付かれること無く内部ポイントと表示ポイントとの差を解消させることができる。また、バトルモードの前半期間において内部ポイントと表示ポイントとに差が生じた場合には、バトルモードの残期間内にて複数回の特別図柄変動が実行されることとなるため、上述した疑似変動演出を実行可能な変動パターンで特別図柄変動が実行されるまで補正処理の実行を待機させることが可能となる。
次に、図213(b)を参照して、バトルモードの後半期間において、表示ポイントがマイナスにズレた場合に実行される補正処理の内容について説明をする。図213(b)は、バトルモードの後半期間において、表示ポイントがマイナスにズレた場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図213(b)に示した通り、バトルモードの後半期間、即ち、バトルモードの残期間が短い場合には、第2加算演出が実行されるまで補正処理を実行することを待機させてしまうと、内部ポイントと表示ポイントとがズレたままバトルモードが終了してしまう虞がある。
よって、バトルモードの前半期間において内部ポイントと表示ポイントとに差が生じた場合とは異なり、差が生じたと判別した時点で補正演出を実行するように構成している。このように、補正演出を即座に実行することによって、内部ポイントと表示ポイントとに差が生じたままの状態でバトルモードが終了してしまうことを抑制することができる。
図213(b)では、通常であればラッキーポイントの値が1加算される第1加算演出にて、ラッキーポイントを2加算させる補正演出を実行するように構成している。このように構成することで、内部ポイントと表示ポイントとの差分を即座に且つ確実に解消することができる。
次に、図214(a)及び図214(b)を参照して、バトルモード中において、内部ポイントよりも表示ポイントが多くなってしまった場合に実行される演出内容について説明をする。図214(a)は、バトルモードの前半期間において、表示ポイントがプラスにズレた場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図214(a)に示した通り、内部ポイントの値が「34」であるにも関わらず、表示ポイントの値が「36」である場合には、遊技者に気付かれないように、表示ポイントの値を補正する必要があり、図214(a)に示した例では、音声ランプ制御装置113にて内部ポイントが+2加算される第2加算演出が実行されるまで補正処理を待機し、第2加算演出の実行条件が成立した場合に、内部ポイントを加算しながら、表示制御装置114に対して表示ポイントを加算表示するための第2加算演出を実行させるためのコマンドを設定しない補正処理が実行される。
このように構成することで、内部ポイントのみを加算することが可能となるため、表示ポイントがプラスにズレた状態(内部ポイントよりも表示ポイントが多い状態)を解消することができる。
次に、図214(b)は、バトルモードの後半期間において、表示ポイントがプラスにズレた場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図214(b)に示した通り、内部ポイントの値が「78」であるにも関わらず、表示ポイントの値が「79」である場合には、早急に表示ポイントを補正しなければ、表示ポイントがズレた状態でバトルモードが終了してしまう、ひいては、時短状態が設定されているにも関わらず、表示ポイントが所定数(100P)に到達してしまう虞があるため、差分値を減算表示するための補正処理が実行される。具体的には、表示領域HR6に表示されたラッキーポイントの値を直接減算するための減算表示として「−1P」の表示を実行すると共に、ラッキーポイントの値を1減算させる演出態様が実行される。このように、補正演出を即座に実行することによって、内部ポイントと表示ポイントとに差が生じたままの状態でバトルモードが終了してしまうことを抑制することができる。
ここで、図215を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114における変動演出表示に関する制御処理の流れについて説明をする。図215は本第5制御例のパチンコ機10における変動演出表示に関する制御処理の流れを模式的に示した図である。
図215に示した通り、特別図柄変動(変動A)が実行されると、音声ランプ制御装置113にて演出用の変動パターンが決定され、決定された変動パターンを示す変動演出コマンド(変動パターンコマンド)が表示制御装置114へと出力される。そして、出力される変動演出コマンドにラッキーポイントを加算させる演出態様が含まれている場合、例えば、変動開始時にラッキーポイントを「+1」し、変動開始から5秒後にラッキーポイントを「+2」する演出態様が含まれている場合は、今回の変動演出においてラッキーポイントが合計3加算されることを示す情報を表示ポイント格納エリア223rに格納し、今回の変動演出においてラッキーポイントが加算される最後の演出(変動開始から5秒後の演出)の実行タイミングを特定するための値が検知タイマ223daの値にセットされる。
そして、音声ランプ制御装置113から出力された変動演出コマンドを表示制御装置114が受信すると、受信した変動演出コマンドに含まれている各種演出情報に基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に表示させる各種演出画像が作成され、第3図柄表示装置81に対して演出画像の表示を実行するための制御処理が実行される。なお、演出画像を第3図柄表示装置81の表示画面に表示するための詳細な制御処理内容は、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
表示制御装置114が受信した変動演出コマンドに、変動開始時にラッキーポイントを「+1」し、変動開始から5秒後にラッキーポイントを「+2」する演出態様が含まれている場合は、変動開始直後に表示画面に表示されているラッキーポイントの値を1加算させる加算表示を指示し、表示制御装置114のMPU231が有するワークRAM233が有する表示カウンタの値を1加算し、表示カウンタの加算数を示す情報を含む確認コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力する。また、変動開始から5秒が経過した時点で、変動開始直後に表示画面に表示されているラッキーポイントの値を2加算させる加算表示を指示し、表示制御装置114のMPU231が有するワークRAM233が有する表示カウンタの値を2加算し、表示カウンタの加算数を示す情報を含む確認コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力する。
そして、第3図柄表示装置81の表示画面には、表示制御装置114の制御処理に対応してラッキーポイントの値への加算表示が実行され、例えば、ラッキーポイントとして「9P」が表示されている状態で、「+1」の加算表示が実行されると、ラッキーポイントの値が「10P」となる加算表示が実行される。そして、5秒後に「+2」の加算表示が実行されると、ラッキーポイントの値が「12P」となる加算表示が実行される。
音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から出力された確認コマンドを受信した場合に、受信した確認コマンドに含まれている表示カウンタの値(加算値)を特定し、特定した値を表示カウンタ223dbにセットする。そして、検知タイマ223daの値が0になるまで待機し、検知タイマ223daの値が0であると判別した場合、即ち、今回の変動演出にて実行されるラッキーポイントの値を加算する演出が全て終了したと判別した場合に、表示ポイント格納エリア223rに格納されている今回の変動演出中に加算させる表示ポイント(内部ポイント)と、実際に表示制御装置114にて加算表示の指示が出された表示ポイントとが比較され、内部ポイントと同一量の値が第3図柄表示装置81の表示画面に加算表示されたかを判別する。
そして、比較結果が一致している場合は、音声ランプ制御装置113にて設定したラッキーポイントの値と、実際に第3図柄表示装置81の表示画面に表示されているラッキーポイントの値とが一致している場合であるため、変動演出を正常に終了する。ここで、複数の制御装置間で信号を伝達する場合には、一方の制御装置へと供給される電力が不安定になったり、ノイズ等により瞬間的に停電状態(瞬停状態)となったりした場合に、出力した各種信号を正確に受信できない場合がある。この場合、音声ランプ制御装置113の制御処理によって設定された表示ポイント(内部ポイント)の値と、実際に第3図柄表示装置81の表示画面に表示されているラッキーポイントの値(表示ポイント)とが相違してしまうという問題が生じる。
特に、本制御例のように、ラッキーポイントの値が所定数に到達した場合に、特定の演出を実行可能に構成している場合には、内部ポイントと表示ポイントとが相違してしまうことにより、ラッキーポイントの値が所定数以外の値を示している状態で特定の演出が実行されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、表示制御装置114にて表示指示を行った内容(表示制御装置114の表示カウンタ)を示す情報を音声ランプ制御装置113へと出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で内部ポイントと表示ポイントとの乖離度合いを補正するための処理を実行可能に構成している。このように構成することで、内部ポイントと表示ポイントとが相違することにより発生する問題を解消することができる。
例えば、内部ポイントよりも表示ポイントのほうが1大きい場合は、次の特別図柄変動時(変動B)の変動演出設定時に決定された変動演出コマンドに、変動開始直後にラッキーポイントを「+1」する演出態様が含まれている場合は、今回の変動演出においてラッキーポイントが合計1加算されることを示す情報を表示ポイント格納エリア223rに格納し、変動演出コマンドと、非表示コマンドと、を表示制御装置114へと出力する。そして、音声ランプ制御装置113から出力された変動演出コマンド及び非表示コマンドを表示制御装置114が受信すると、表示制御装置114では、非表示コマンドを受信したかを判別し、受信したと判別した場合は、変動演出コマンドに、変動開始時にラッキーポイントを「+1」する演出態様が含まれている場合は、変動開始直後に表示画面に表示されているラッキーポイントの値を1加算させる加算表示を指示すること無く、表示制御装置114のMPU231が有するワークRAM233が有する表示カウンタの値を加算すること無く、現在の表示カウンタの加算数を示す情報を含む確認コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力する。
そして、第3図柄表示装置81の表示画面には、表示制御装置114の制御処理に対応してラッキーポイントの値への加算表示が実行されず、例えば、ラッキーポイントとして「12P」が表示されている状態では、「12P」が表示されたままとなる。つまり、音声ランプ制御装置113側では、通常通り、変動演出態様を決定する処理を実行し、内部ポイントと表示ポイントとが相違している場合のうち、表示ポイントのほうが大きい場合には非表示コマンドを設定することにより、内部ポイントを加算しながら、表示ポイントを加算しない処理を実行することが可能となる。よって、内部ポイントと表示ポイントとの差を補正するための専用処理として複雑な制御処理を実行することなく、容易に補正処理を実行することができる。
なお、図215の変動Bを例に示したものは、設定された変動表示コマンドに含まれるラッキーポイントの加算数が、内部ポイントと表示ポイントとの差と同一の場合、即ち、変動表示コマンドに含まれるラッキーポイントの加算演出を1回実行しない(表示画面に加算表示しない)ことで、内部ポイントと表示ポイントとの差を解消できる場合を示しているが、これに限ること無く、例えば、設定された変動表示コマンドに含まれるラッキーポイントの加算数が、内部ポイントと表示ポイントとの差よりも大きい場合は、非表示コマンドを設定するのでは無く、実際のラッキーポイントの加算数から内部ポイントと表示ポイントとの差を差し引いた値を示す情報が含まれる実表示コマンドを、変動表示コマンドと共に表示制御装置114へと出力し、表示制御装置114側において、変動表示コマンドよりも優先して実表示コマンドの存在、及び内容を判別するように構成し、変動表示コマンドに含まれているラッキーポイントの加算数では無く、実表示コマンドの内容に基づいて、表示内容の指示を行うように構成すれば良い。これにより、表示制御装置114の表示カウンタ値の加算数、及び、第3図柄表示装置81の表示画面におけるラッキーポイントの加算数が実表示コマンドに基づいて決定されることになるため、本変動演出に対応する確認コマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に、前回の変動演出時点で発生していた内部ポイントと表示ポイントとの相違状況を解消することができる。
さらに、本制御例では、内部ポイントと表示ポイントとに差が生じた場合において、ラッキーポイントの加算演出を実行可能な残期間を判別し、その残期間の長さに応じて、内部ポイントと表示ポイントとの差を補正するための補正処理の処理内容を異ならせるように構成している。具体的には、残期間が所定期間以上ある場合には、図215を参照して上述した通り、次回ラッキーポイントの加算演出が実行される時点で内部ポイントと表示ポイントとの差を差し引いた(加えた)加算演出が実行される、或いは、加算演出を非表示にするための補正処理を実行するように構成している。これにより、補正処理専用の演出態様の演出(例えば、ラッキーポイントの値を減算する演出)が実行され難くなるため、遊技者に違和感を与えること無く補正処理を実行することができる。
一方で、残期間が所定期間未満である場合には、補正処理専用の演出態様の演出(例えば、ラッキーポイントの値を減算する演出)を実行し、ラッキーポイントの加算演出を実行可能な期間内にて確実に内部ポイントと表示ポイントとの差を補正(解消)するように構成している。これにより、内部ポイントと表示ポイントとの差が生じている場合に発生する問題を解消することができる。
なお、本制御例では、ラッキーポイントの加算演出を実行可能な残期間を判別することにより、補正処理の内容を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、加算演出を実行可能な期間のうち、一部の期間を経過した場合に、表示ポイントの値(第3図柄表示装置81の表示画面に表示されているラッキーポイントの値)に基づいて特定の演出を実行するように構成している場合には、その一部の期間が経過するまでの残期間に基づいて補正処理の内容を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、ラッキーポイントの加算演出の過程においても、遊技者に違和感を与えること無く分かりやすい演出を実行することができる。
加えて、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて管理する値と、表示制御装置114にて管理する値とに差が生じているかを確認し、その確認結果に基づいて補正処理を実行するように構成しているが、このような技術思想、即ち、複数の制御手段(設定側制御手段と実行側制御手段)を跨いで1の制御処理を実行する場合に、設定側制御手段にて設定された内容と、実行側制御手段にて実行された内容とが一致しているかの確認処理と、その確認処理の結果に基づく補正処理と、を実行することで、意図しない内容で処理が実行されることを抑制する技術思想は、他の構成で用いても良く、例えば、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で用いても良いし、主制御装置110、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114と3つ以上の制御手段を跨いで実行しても良い。
さらに、本制御例では、演出として用いられるラッキーポイントの値を可変(加算)する演出におけるズレを対象に確認処理と補正処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の高確率状態が継続する期間を示す値(時短回数)を可変表示するための時短回数表示や、大当たりの連チャン回数を示すための大当たり回数表示といった主制御装置110の制御処理結果(特別図柄抽選の結果)を示す情報に基づいて可変される値を対象に実行しても良い。
加えて、本制御例では、加算演出の残期間が少ない場合には、専用の補正演出(図214(b)参照)を実行することで内部ポイントと表示ポイントとの差を解消するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、内部ポイントと表示ポイントとの差が生じたまま表示ポイントが特定値に到達した場合、或いは、内部ポイントが特定値に到達した場合に、表示ポイントが示す値を遊技者が把握困難な表示態様(例えば「??」の表示態様)にするように構成し、内部ポイントと表示ポイントとの差が解消するまで、表示ポイントが示す値を遊技者が把握困難な表示態様(例えば「??」の表示態様)を継続して表示するように構成しても良い。このように、表示されている値を補正するのでは無く、表示されている値を遊技者に把握され難くする補正を実行することにより、補正処理における処理負荷をより軽減させることができる。この場合、例えば、内部ポイントと表示ポイントとの差が所定範囲(例えば、差が「1」)である場合には、表示ポイントが示す値を遊技者が把握困難な表示態様(例えば「??」の表示態様)を設定し、所定範囲よりも大きい場合は、表示ポイントの値を補正する加算演出を実行するように構成すると良い。このように、補正が必要な補正量に応じて補正処理の内容を異ならせることで、表示ポイントが示す値を遊技者が把握困難な表示態様(例えば「??」の表示態様)が長期間継続して表示されることにより遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制しながらも、補正処理の処理負荷を軽減させることができる。
また、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて設定される演出に関する設定値と、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される表示値と、を対象に補正処理を実行しているが、これに限ること無く、例えば、音声ランプ制御装置113にて設定される演出に関する設定値と、装飾用役物の動作に関わる動作値と、を対象に補正処理を実行しても良いし、音声ランプ制御装置113にて設定される演出に関する設定値と、音声出力装置226により出力される音声に関わる出力値と、を対象に補正処理を実行しても良いし、3以上の値を対象に補正処理を実行しても良い。
<第5制御例における電気的構成について>
次に、本第5制御例における電気構成について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を変更した点で相違している。具体的には、検知タイマ223da、表示カウンタ223db、非表示フラグ223dc、加算フラグ223deを追加した点で相違している。それ以外の要素は、上述した第1制御例と同一であり、同一の要素については、その詳細な説明を省略する。
図216は、本第5制御例の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。
検知タイマ223daは、音声ランプ制御装置113にて決定された変動演出において、ラッキーポイントの値を加算するための加算演出(第1加算演出、及び第2加算演出)が設定された場合に、最後に実行される加算演出が終了するまでの時間を計測するためのタイマであって、変動演出が実行されてから変動演出中に実行される最後の加算演出が終了するまでの期間に対応する値がセットされる。そして、検知タイマ223daの値が時間経過と共に減算され、検知タイマ223daの値が0となった場合、即ち、変動演出中に実行される最後の加算演出が終了した場合に、内部ポイントと表示ポイントとの値を比較する処理が実行される。
このように構成することで、1の変動演出において、複数のタイミングでラッキーポイントの値を加算表示する場合であっても、最後の加算表示が終了した後に、内部ポイントと表示ポイントとの値を比較することが可能となるため、実際に生じているズレを判別し易くすることができる。
表示カウンタ223dbは、表示制御装置114から出力された確認コマンド(表示画面に表示させるラッキーポイントの加算表示数を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて、値が更新されるカウンタであって、表示制御装置114から出力される確認コマンドを受信する毎に、カウンタ値が更新される。そして、検知タイマ223daの値が0となった場合において、表示カウンタ223dbの値を表示ポイントの値として用いられる。
非表示フラグ223dcは、音声ランプ制御装置113にて加算演出を実行すると判別した場合であっても、実際にラッキーポイントを加算表示しない状態を示すものであって、内部ポイントと表示ポイントとの値を比較した場合において、バトルモードの前半期間中に値が一致しないと判別した場合であって、且つ、表示ポイント(表示カウンタ)の値が内部ポイントよりも大きいと判別した場合(図218のS4490:Yes)に、オンに設定される。
加算フラグ223ddは、音声ランプ制御装置113にて加算演出を実行すると判別した場合に、追加でラッキーポイントを加算表示させる必要があることを示すフラグであって、内部ポイントと表示ポイントとの値を比較した場合において、バトルモードの前半期間中に値が一致しないと判別した場合であって、且つ、表示ポイント(表示カウンタ)の値が内部ポイントよりも小さいと判別した場合(図218のS4490:No)に、オンに設定される。
<第5制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図217から図220を参照して、本第5制御例における制御処理内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、表示制御装置114から出力される確認コマンドを受信可能に構成し、その確認コマンドを受信した場合に実行される処理を追加した点で大きく相違している。また、ラッキーポイントを表示するための制御処理の内容の一部を変更している点で相違している。それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図217を参照して、コマンド判定処理5(S4082)の内容について説明をする。図217は、コマンド判定処理5(S4082)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理5(S4082)は、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図166のS4012参照)に対して、表示制御装置114から出力される確認コマンドを受信した場合に実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。
コマンド判定処理5(S4082)が実行されると、まず、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図166のS4012参照)と同一のS4401〜S4414の処理を実行する。そして、S4413の処理において賞球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4413:No)、次に、確認コマンドを受信したかを判別し(S4481)、受信していないと判別した場合は(S4481:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4415)、本処理を終了する。
一方、S4481の処理において、確認コマンドを受信したと判別した場合は(S4481:Yes)、確認処理を実行し(S4482)、その後、本処理を終了する。S4482の処理において実行される確認処理の詳細については、図218を参照して後述するが、この確認処理(S4482)では、表示制御装置114から出力された確認コマンド、即ち、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるラッキーポイントの加算表示数を示す情報を含むコマンドに基づいて、実際に表示画面に表示されているラッキーポイントの値(表示ポイント)を音声ランプ制御装置113側で判別し、音声ランプ制御装置113にて管理しているラッキーポイントの値(内部ポイント)と相違していないかを確認する処理と、内部ポイントの値と表示ポイントの値とが相違していると判別された場合に、その差分を解消するための補正処理とが実行される。
ここで、図218を参照して、確認処理(S4482)の内容について説明をする。図218は、確認処理(S4482)の内容を示したフローチャートである。この確認処理(S4482)は、コマンド判定処理5(図217のS4082参照)にて、確認コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理である。
確認処理(S4482)が実行されると、まず、今回受信した確認コマンドに含まれている値、即ち、表示制御装置114において加算表示制御されたラッキーポイントの値(表示ポイント)の値を、表示カウンタ223dbに加算する(S4485)。そして、検知タイマ223daの値が0であるかを判別し(S4486)、検知タイマ223daの値が0では無い(0よりも大きい)と判別した場合(S4486:No)は、そのまま本処理を終了する。つまり、表示制御装置114から出力された確認コマンドを受信したタイミングが、実行中の変動演出においてラッキーポイントの値が加算される最終演出では無い場合は、受信した確認コマンドに基づいて表示カウンタ223dbの値を加算する処理だけを実行し、本処理を終了する。
このように構成することで、確認コマンドを受信する度に表示ポイントの値と内部ポイントの値とが一致するか否かの処理が実行されることを抑制することができる。ここで、本制御例では、バトルモード中(ラッキーポイント表示中)において実行される変動演出の開始タイミングに合わせてラッキーポイントの値を1加算させる第1加算演出を実行するように構成している。つまり、バトルモード中は、特別図柄変動が実行される毎にラッキーポイントが加算表示されるように構成している。これにより、バトルモード中の遊技が進行するほど、ラッキーポイントが加算されて行く状況を遊技者に分かり易くすることができる。
さらに、変動演出の演出態様として特定の演出態様が設定された場合には、その特定の演出態様の実行タイミングにてラッキーポイントを複数加算させる第2加算演出を実行するように構成している。この第2加算演出を実行することにより、ラッキーポイントの値が急に上昇し得るものであることを遊技者に理解させることができるため、バトルモード中は常にラッキーポイントが急上昇することに期待を抱きながら遊技者に遊技を行わせることができる。
本第5制御例では、上述した通り、第1加算演出と第2加算演出とが1の変動演出内で実行され得るように構成しているため、1の変動演出期間内において、ラッキーポイントの値が複数回可変されることになる。表示制御装置114から出力される確認コマンドは、ラッキーポイントの表示値が可変表示(加算表示)される毎に出力されるように構成しているため、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理5(図217のS4082参照)では、1の変動演出内において確認コマンドを受信したと複数回判別する場合がある。この場合、確認処理が複数回実行されることになる。
本制御例では、音声ランプ制御装置113にて、1回の特別図柄変動に対応して変動演出の演出態様を設定するように構成しており、ラッキーポイントの加算数(内部ポイント数)についても、加算演出毎では無く、変動演出単位で管理するように構成している。よって、確認処理が実行される毎に、内部ポイント(今回の変動演出内でラッキーポイントに加算される総数)と、表示ポイント(1回の加算演出によってラッキーポイントに加算表示した数)と、を対象に判別が実行されてしまい、内部ポイントと表示ポイントとが一致しないことを示す判別結果が発生することを抑制することができる。
なお、本第5制御例の構成に対して、1の変動演出にてラッキーポイントに加算される総数では無く、加算演出単位でラッキーポイントに加算される値毎に内部ポイントを記憶するように構成すれば、確認コマンドを受信する毎に、内部ポイントの値と表示ポイントの値とが一致しているかの判別を適正に実行することができる。
S4486の処理において、検知タイマ223daの値は0であると判別した場合は(S4486:Yes)、次に、表示カウンタ223dbの値(表示ポイント)と、表示ポイント格納エリア223rに格納されている表示ポイントの値(内部ポイント)とを比較し(S4487)、比較結果が一致しているかを判別する(S4488)。
S4488の処理において、比較結果が一致していると判別した場合は(S4488:Yes)、音声ランプ制御装置113にて設定された変動演出の演出態様(加算演出の演出態様)に対して、適正のラッキーポイントの加算表示が実行されている場合であるため、補正処理を実行すること無く本処理を終了する。
一方、S4488の処理において、比較結果が一致していないと判別した場合は(S4488:No)、音声ランプ制御装置113にて設定された変動演出の演出態様(加算演出の演出態様)に対して、ラッキーポイントの加算表示が適正に実行されていない場合であるため、表示ポイントの値と内部ポイントの値とを一致させるための補正処理として後述するS4489〜S4495の処理を実行する。
S4489の処理では、現在がバトルモードの前半期間であるかを判別する(S4489)。ここでは、状態格納エリア223aaに格納されている遊技状態と、時短回数カウンタ223yの値とに基づいてバトルモードが終了するまでの残期間を算出し、その残期間がバトルモード全体期間の5割以上あればバトルモードの前半期間、5割未満であればバトルモードの後半期間と判別する。
S4489の処理において、現在がバトルモードの前半期間であると判別した場合は(S4489:Yes)、次に、表示カウンタ223dbの値(表示ポイント)が、内部ポイント(表示ポイント格納エリア223rに格納されている値)よりも大きいかを判別し(S4490)、大きいと判別した場合は(S4490:Yes)、非表示フラグ223dcを、表示ポイントと内部ポイントの差分値に対応するようにオン設定し(S4491)、本処理を終了する。
一方、S4490の処理において、表示カウンタ223dbの値(表示ポイント)が、内部ポイント(表示ポイント格納エリア223rに格納されている値)よりも大きくない(小さい)と判別した場合は(S4490:No)、加算フラグ223ddを、内部ポイントと表示ポイントの差分値に対応するようにオン設定し(S4492)、本処理を終了する。
また、S4489の処理において、現在がバトルモードの前半期間では無い(後半期間である)と判別した場合は(S4489:No)、次に、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されているラッキーポイントの表示値を、内部ポイントに対応する値にするための表示用コマンドを設定し(S4493)、非表示フラグ223dcがオンに設定されているかを判別し(S4494)、オンに設定されていると判別した場合は(S4494:No)、非表示フラグ223dcをオフに設定し(S4495)、本処理を終了する。また、S4494の処理において、非表示フラグ223dcがオンに設定されていないと判別した場合は(S4494:No)、S4495の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図219を参照して、時短演出態様設定処理5(S5258)の内容について説明をする。図219は、時短演出態様設定処理5(S5258)の内容を示したフローチャートである。この時短演出態様設定処理5(S5258)は、上述した第1制御例の時短演出態様設定処理(図175のS5208参照)に対して、ラッキーポイントの値を加算するための処理(図175のS5306,S5307)に代えて、表示ポイント設定処理(図219のS5351参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、図220を参照して、時短演出態様設定処理5(S5258)において実行される表示ポイント設定処理(S5351)の内容について説明をする。図220は、表示ポイント設定処理(S5351)の内容を示したフローチャートである。この表示ポイント設定処理(S5351)では、変動演出としてラッキーポイントの値を加算するための加算演出を設定する処理が実行される。
表示ポイント設定処理(S5351)が実行されると、まず、表示ポイント格納エリア223rに格納されている表示ポイントの値(内部ポイントの値)を1加算し(S6101)、次いで、今回の変動演出にて表示ポイントを加算させるための加算演出(第2加算演出)があるかを判別する(S6102)。このS6102の処理では、時短演出態様設定処理5(図219のS5258参照)において実行される初回以降演出設定処理(図219のS5309参照)にて設定される変動演出の演出態様において第2加算演出が設定されているかを判別する。
S6102の処理において、加算演出(第2加算演出)があると判別した場合は(S6102:Yes)、今回の加算演出にて加算される値に対応して表示ポイント格納エリア223rに格納されている表示ポイントの値(内部ポイントの値)を加算し(S6103)、加算演出の最終実行タイミングを示す値(秒数に対応する値)を、検知タイマ223daにセットし(S6104)、S6105の処理へ移行する。S6104の処理において検知タイマ223daの値をセットすることにより、確認処理(図218のS4482)において、確認コマンドを受信した場合に、今回の変動演出における最後の加算演出が実行されたタイミングであるか否かを判別することができる。
一方、S6102の処理において、加算演出が無いと判別した場合には(S6102:No)、今回の変動演出において実行される加算演出が第1加算演出(変動演出の開始とともにラッキーポイントの値が1加算される演出)のみであるため、検知タイマ223daに値をセットするための処理をスキップしてS6105の処理へ移行する。
次に、表示ポイント設定処理(S5351)のうち、S6105以降の処理内容について説明をする。このS6105以降の処理では、音声ランプ制御装置113にて設定された加算演出の演出内容に対して、補正処理を施した内容の加算演出表示を実行させるための表示用コマンドを設定するための処理が実行される。
まず、S6105の処理では、非表示フラグ223dがオンに設定されているかを判別し(S6105)、オンに設定されていると判別した場合は(S6105:Yes)、次に、非表示フラグ223dの設定状況に基づいて差分値(内部ポイントと表示ポイントとの差分値)を算出し、今回の第2加算演出における加算値(ラッキーポイントの加算数)が差分値以上であるかを判別し(S6106)、差分値以上であると判別した場合は(S6106;Yes)、今回実行される加算演出(第2加算演出)の演出内容を補正し、差分値を解消するために、加算値から差分値を減算し、減算した値を示す表示用加算回数コマンドを設定し(S6107)、差分値に対応する非表示加算回数コマンドを設定し(S6108)、非表示フラグ223dをオフに設定し(S6109)、本処理を終了する。
一方、S6105の処理において、非表示フラグ223dがオンに設定されていないと判別した場合は(S6105:No)、次に加算フラグ223ddがオンに設定されているかを判別し(S6110)、オンに設定されている場合は(S6110:Yes)、次に、今回の変動演出に第2加算演出があるかを判別し(S6111)、第2加算演出があると判別した場合には(S6111:Yes)、加算フラグ223ddに設定されている差分値に対応する値を、第2加算演出の加算値に加算し、その加算後の値を示す表示用加算回数コマンドを設定し(S6112)、加算フラグ223ddをオフに設定し(S6113)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、表示ポイント設定処理(S5351)では、確認処理(図218のS4482参照)において判別された内部ポイントと表示ポイントとの差分を解消するための補正処理、即ち、加算演出によって加算されるラッキーポイントの値を増減させることで差分を解消する処理を、第1加算演出(変動演出が開始される度にラッキーポイントの値を1加算する演出)を対象にするのでは無く、第2加算演出(変動演出の演出態様として特定の演出態様が設定された場合に実行される加算処理)を対象に実行するように構成している。
このように構成することで、定期的に実行され、且つ、加算数が固定値(1)である第1可変演出を対象に補正処理が実行されることを禁止することができるため、第1可変演出の演出内容が可変することにより遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。また、定期的にラッキーポイントの値を固定数(1)加算させる第1可変演出を継続して実行させることにより、遊技者に対して、変動演出が実行される毎(特別図柄変動が実行される毎)に、ラッキーポイントの値が1加算される法則を容易に認識させることができるため、ラッキーポイントの値の加算度合いを予測しながら遊技を行わせ易くすることができる。
さらに、本第5制御例では、バトルモードの前半期間中において補正処理が必要と判別された場合に、次に第2加算演出が実行されるまで、補正処理の実行を待機するように構成している。これにより、加算数が不定な第2加算演出にて加算表示される値を補正する処理を実行するだけで内部ポイントと表示ポイントとの差分を解消することができる。よって、補正処理を実行するための専用の加算演出を別に設ける必要が無く、補正処理を実行するための処理負荷を軽減することができる。
なお、補正処理の実行を待機している状態でバトルモードの後半期間に突入した場合には、確認処理(図218のS4482参照)において、内部ポイントと表示ポイントとの差分を解消するための補正処理が実行されるように構成している。これにより、第2加算演出が実行されないままバトルモードが終了してしまい、補正処理が実行されない事態の発生を抑制し、バトルモードが終了するまでに確実に補正処理を実行することができる。
本制御例では、1回の第2加算演出において、内部ポイントと表示ポイントとの差分値を解消可能な場合のみ、補正処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、複数回の第2加算演出を用いて、内部ポイントと表示ポイントとの差分値を解消するように構成しても良く、この場合、1回の第2加算演出にて解消された差分値を減算した残差分値を記憶可能に構成し、次の第2加算演出が実行される場合に、記憶されている残差分値を対象に補正処理を実行するように構成すれば良い。このように構成することで、1回の第2加算演出にて補正される値を少量にし易くすることができるため、遊技者に対して違和感を与え難い補正処理を実行し易くすることができる。
なお、本第5制御例のように、補正処理が必要な事態が発生した時点で、その旨を外部へと報知可能な報知手段を設けると良い。つまり、内部ポイントと表示ポイントとに差が生じた場合は、いずれかの信号伝達系統に異常が生じている可能性が高いため、その旨を外部に報知することで、補正処理の実行が困難な内容に対して異常が発生してしまい、遊技者に多大な迷惑を掛けてしまうことを抑制することができる。
<第5制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図221を参照して、本第5制御例におけるパチンコ機10にて実行される表示制御装置114の制御処理内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、何らかの回数を加算表示させるための表示用コマンドを受信した場合に実行される処理の内容を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
なお、詳細な図示は省略しているが、本第5制御例では、音声ランプ制御装置113から出力された回数加算関連コマンドを受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されているラッキーポイントの値を加算表示する場合に、その加算表示される値を計測する計測手段として表示回数カウンタを追加している点で上述した第1制御例と相違している。それ以外の構成については、同一であるため、詳細な説明を省略する。
上述した表示回数カウンタは、表示制御装置114のMPU231が有するワークRAM233に設けられており、加算回数コマンドを受信し、ラッキーポイントの加算表示を実行する場合に、加算表示数に対応する値が表示回数カウンタに加算される。そして、表示回数カウンタの値をリセットするための回数クリアを示すコマンドを受信した場合に、表示回数カウンタの値が0にリセットされる。本制御例では、1の変動演出単位で内部ポイントと表示ポイントとが相違していないかを判別するように構成しているため、変動演出が終了した場合(特別図柄変動が停止表示された場合)に、回数クリアを示すコマンドが音声ランプ制御装置113から出力される。
図221は、回数加算関連コマンド処理5(S8469)の内容を示したフローチャートである。この回数加算関連コマンド処理5(S8469)は、音声ランプ制御装置113にて設定された回数の加算に関するコマンドを受信した場合に実行される処理であって、ラッキーポイントの値を加算表示するための処理が実行される。また、音声ランプ制御装置113にて実行された補正処理の処理結果に応じて、ラッキーポイントの加算表示態様を可変させるための処理が実行される。
回数加算関連コマンド処理5(S8469)が実行されると、まず、今回受信した回数加算関連コマンドが、ラッキーポイントの値を加算することを示す加算回数コマンドであるかを判別し(S9251)、加算回数コマンドであると判別した場合には(S9251:Yes)、上述した回数加算関連コマンド処理(図188のS8419参照)と同一のS9201〜S9204の処理を実行し、その後、表示回数カウンタの値に今回受信したコマンドが示す加算値を加算し(S9252)、加算表示される値を示す情報を含む確認コマンドを設定し(S9253)、本処理を終了する。
一方、S9251の処理において、今回受信したコマンドが加算回数コマンドでは無いと判別した場合は(S9251:No)、次に、非表示加算回数コマンドを受信したかを判別し(S9254)、非表示加算回数コマンドを受信したと判別した場合は(S9254:Yes)、上述したS9252の処理へ移行し、その後、S9253の処理を実行し、本処理を終了する。つまり、補正処理によって、内部ポイントよりも表示ポイントが大きい場合は、ラッキーポイントの加算表示を実行するための処理(S9201〜S9204の処理)をスキップして、表示回数カウンタの値のみを更新する処理を実行するように構成している。このように構成することで、実際に表示されているラッキーポイントの値を加算すること無く、内部ポイントの値のみを加算することができるため、内部ポイントと表示ポイントとの差を解消させ易くすることができる。
S9254の処理において、今回受信したコマンドが非表示加算回数コマンドを受信していないと判別した場合は(S9254:No)、次に、表示回数カウンタの値をクリアするための回数クリアコマンドを受信したかを判別し(S9255)、受信したと判別した場合には(S9255:Yes)表示回数カウンタの値を0にリセットし(S9256)、本処理を終了する。一方、S9255の処理において、回数クリアを示すコマンドでは無いと判別した場合は(S9255:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、音声ランプ制御装置113にて、内部ポイントと、表示ポイントとが合致するか否かを判別する処理を実行するように構成し、音声ランプ制御装置113側で管理される内部ポイントと、表示制御装置114側で管理される表示ポイントとの不整合を確実に検出できるように構成し、内部ポイントと表示ポイントとに不整合が生じた場合に、一方の値(内部ポイントの値)を正とし、他方の値を補正する補正処理を実行可能に構成している。また、補正処理の内容を、ラッキーポイントを加算表示させることが可能な期間(バトルモード期間)の残期間に応じて異ならせるように構成している。
具体的には、バトルモードの前半期間において、内部ポイントと表示ポイントとに不整合が生じた場合には、直ちにその不整合を補正する処理を実行するのでは無く、次に第2加算演出(1回の演出でラッキーポイントの値を複数加算可能な演出)が実行される場合に、その加算内容を用いて補正処理を実行するように構成している。このように構成することで、例えば、特別図柄変動が実行される度にラッキーポイントが1加算される第1加算演出を継続して実行しながら、内部ポイントと表示ポイントとの差分を解消することができる。
また、内部ポイントと表示ポイントとに不整合が生じた時点が、バトルモード期間の後半である場合には、内部ポイントと表示ポイントとの差分を即座に解消するための補正演出を実行するように構成している。これにより、内部ポイントとは異なる値の表示ポイントを表示した状態でバトルモード期間が終了してしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例のように、ラッキーポイントの値が所定数に到達した場合に、特定の演出を実行可能に構成している場合には、表示制御装置114にて表示指示を行った内容(表示制御装置114の表示カウンタ)を示す情報を音声ランプ制御装置113へと出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で内部ポイントと表示ポイントとの乖離度合いを補正するための処理を実行可能に構成している。このように構成することで、内部ポイントと表示ポイントとが相違することにより発生する問題を解消することができる。
さらに、本制御例では、内部ポイントと表示ポイントとに差が生じた場合において、ラッキーポイントの加算演出を実行可能な残期間を判別し、その残期間の長さに応じて、内部ポイントと表示ポイントとの差を補正するための補正処理の処理内容を異ならせるように構成している。具体的には、残期間が所定期間以上ある場合には、図215を参照して上述した通り、次回ラッキーポイントの加算演出が実行される時点で内部ポイントと表示ポイントとの差を差し引いた(加えた)加算演出が実行される、或いは、加算演出を非表示にするための補正処理を実行するように構成している。これにより、補正処理専用の演出態様の演出(例えば、ラッキーポイントの値を減算する演出)が実行され難くなるため、遊技者に違和感を与えること無く補正処理を実行することができる。
一方で、残期間が所定期間未満である場合には、補正処理専用の演出態様の演出(例えば、ラッキーポイントの値を減算する演出)を実行し、ラッキーポイントの加算演出を実行可能な期間内にて確実に内部ポイントと表示ポイントとの差を補正(解消)するように構成している。これにより、内部ポイントと表示ポイントとの差が生じている場合に発生する問題を解消することができる。
なお、本制御例では、ラッキーポイントの加算演出を実行可能な残期間を判別することにより、補正処理の内容を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、加算演出を実行可能な期間のうち、一部の期間を経過した場合に、表示ポイントの値(第3図柄表示装置81の表示画面に表示されているラッキーポイントの値)に基づいて特定の演出を実行するように構成している場合には、その一部の期間が経過するまでの残期間に基づいて補正処理の内容を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、ラッキーポイントの加算演出の過程においても、遊技者に違和感を与えること無く分かりやすい演出を実行することができる。
加えて、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて管理する値と、表示制御装置114にて管理する値とに差が生じているかを確認し、その確認結果に基づいて補正処理を実行するように構成しているが、このような技術思想、即ち、複数の制御手段(設定側制御手段と実行側制御手段)を跨いで1の制御処理を実行する場合に、設定側制御手段にて設定された内容と、実行側制御手段にて実行された内容とが一致しているかの確認処理と、その確認処理の結果に基づく補正処理と、を実行することで、意図しない内容で処理が実行されることを抑制する技術思想は、他の構成で用いても良く、例えば、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で用いても良いし、主制御装置110、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114と3つ以上の制御手段を跨いで実行しても良い。
さらに、本制御例では、演出として用いられるラッキーポイントの値を可変(加算)する演出におけるズレを対象に確認処理と補正処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の高確率状態が継続する期間を示す値(時短回数)を可変表示するための時短回数表示や、大当たりの連チャン回数を示すための大当たり回数表示といった主制御装置110の制御処理結果(特別図柄抽選の結果)を示す情報に基づいて可変される値を対象に実行しても良い。
加えて、本制御例では、加算演出の残期間が少ない場合には、専用の補正演出(図214(b)参照)を実行することで内部ポイントと表示ポイントとの差を解消するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、内部ポイントと表示ポイントとの差が生じたまま表示ポイントが特定値に到達した場合、或いは、内部ポイントが特定値に到達した場合に、表示ポイントが示す値を遊技者が把握困難な表示態様(例えば「??」の表示態様)にするように構成し、内部ポイントと表示ポイントとの差が解消するまで、表示ポイントが示す値を遊技者が把握困難な表示態様(例えば「??」の表示態様)を継続して表示するように構成しても良い。このように、表示されている値を補正するのでは無く、表示されている値を遊技者に把握され難くする補正を実行することにより、補正処理における処理負荷をより軽減させることができる。この場合、例えば、内部ポイントと表示ポイントとの差が所定範囲(例えば、差が「1」)である場合には、表示ポイントが示す値を遊技者が把握困難な表示態様(例えば「??」の表示態様)を設定し、所定範囲よりも大きい場合は、表示ポイントの値を補正する加算演出を実行するように構成すると良い。このように、補正が必要な補正量に応じて補正処理の内容を異ならせることで、表示ポイントが示す値を遊技者が把握困難な表示態様(例えば「??」の表示態様)が長期間継続して表示されることにより遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制しながらも、補正処理の処理負荷を軽減させることができる。
また、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて設定される演出に関する設定値と、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される表示値と、を対象に補正処理を実行しているが、これに限ること無く、例えば、音声ランプ制御装置113にて設定される演出に関する設定値と、装飾用役物の動作に関わる動作値と、を対象に補正処理を実行しても良いし、音声ランプ制御装置113にて設定される演出に関する設定値と、音声出力装置226により出力される音声に関わる出力値と、を対象に補正処理を実行しても良いし、3以上の値を対象に補正処理を実行しても良い。
<第5制御例の別例について>
次に、図222から図225を参照して、第5制御例の別例について説明をする。図222から図225は、装飾役物YKと第3図柄表示装置81の表示画面を用いた演出が実行された場合の一例を示した図である。具体的には、本制御例が適用される上述した第1実施形態にて説明をした第2動作ユニット700(図30参照)を模式的に示したものである。なお、装飾役物YKの具体的な動作内容については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略するが、装飾役物YKの第1表示面には「攻撃」の文字を示す第1表示態様が、第1表示面とは異なる面(裏面)である第2表示面には「防御」の文字を示す第2表示態様が表示されている。
この装飾役物YKは、バトルモード中に実行される役物演出に用いられるものであり、役物YKの動作内容に応じてバトルモード中における遊技者の有利度合いを報知可能に構成している。具体的には、図222に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面と重複(表示画面の前面側に重複)する演出位置にて装飾役物YKの第1表示面が遊技者に視認可能な第1状態となった場合には、第1表示態様が遊技者に視認可能となり、主表示領域Dmにて、少年810が敵キャラ811を攻撃する態勢を維持する攻撃待機演出が実行される。この攻撃待機演出は、バトル演出が実行された時点で少年810が攻撃を実行し、バトル演出の演出結果「勝利」が確定する状態を遊技者に報知している。この演出は、音声ランプ制御装置113の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報、即ち、特図2保留の先読み情報や、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を示す情報に基づいて実行されるものであり、先読み情報や実行中の特別図柄抽選の結果を示す情報に大当たり当選を示す情報が含まれている場合の少なくとも一部、及び、先読み情報や実行中の特別図柄抽選の結果を示す情報に時短状態の終了条件を示す情報が無く、且つ、外れ変動においてバトル演出が実行される変動パターン(60秒変動)が含まれていない、即ち、演出結果が「継続」となるバトル演出が実行されない場合の少なくとも一部において実行されるものである。
このように構成することで、遊技者に対していつ終了するか分からないバトルモードにて、所定期間安心して遊技を行わせることができる。なお、本別例では、演出結果が「継続」となるバトル演出を示す情報が含まれていない期間にて、図222に示した攻撃待機演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、外れ変動においてバトル演出が実行される変動パターン(60秒変動)が含まれている場合にも攻撃待機演出を実行可能に構成し、攻撃待機演出の実行中に外れ変動において60秒変動の変動パターンが設定された場合には、バトル演出を実行するのでは無く、バトル演出が実行されるか否かを煽る演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、勝利確定のバトル演出が実行されるか否かを遊技者に煽ることで演出効果を高めることができると共に、実際にバトル演出が発生した場合には勝利を画定させることができる。また、外れ変動において60秒変動が設定される期間においても攻撃待機演出を実行可能とすることができるため、攻撃待機演出の実行頻度を高めることができ、演出効果を高めることができる。
なお、この攻撃待機演出は、実行された場合の約20%の割合で、大当たり当選するように構成すると良い。これにより、攻撃待機演出が実行された場合には、攻撃待機演出が実行されていない場合よりも遊技者に対して大当たり当選に期待感を持たせ易くすることができる。また、本別例では、攻撃待機演出中に主表示領域Dmにて表示される表示態様を、短縮モード中に用いられる表示態様と共通(少なくとも一部を共通)化している。よって、攻撃待機演出専用の演出画像データ量を削減することができる。また、実際に設定されている遊技状態に応じて攻撃待機演出の実行頻度を異ならせても良く、例えば、確変状態が設定されている場合のほうが、時短状態が設定されている場合よりも攻撃待機演出の実行頻度が高くなるように構成しても良い。これにより、攻撃待機演出の実行頻度に応じて遊技者に現在の遊技状態を予測させることができる。加えて、遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定されている場合のほうが、攻撃待機演出の実行頻度を高めることにより、例え、攻撃待機演出の演出結果として遊技者に不利となる演出結果(バトル演出が実行されない演出結果)が表示されたとしても、確変状態が設定されている可能性を高めることができる。
次に、図223を参照して、装飾役物YKを用いた別の演出(防御以上確定演出)の内容について説明をする。図223は防御以上確定演出中の演出例を示した図である。この防御以上確定演出は、上述した図222に示した攻撃待機演出と同様に、バトルモード中に実行され得る演出であって、この防御以上確定演出中にバトル演出が実行されても、その演出結果として「敗北」が選択されることが無い、即ち、「継続」又は「勝利」が確定することを遊技者に報知するための演出である。この防御以上確定演出中は、第3図柄表示装置81の表示画面と重複(表示画面の前面側に重複)する演出位置にて装飾役物YKの第2表示面が遊技者に視認可能な第2状態となり、第2表示態様が遊技者に視認可能となる。この演出は、音声ランプ制御装置113の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報、即ち、特図2保留の先読み情報や、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を示す情報に基づいて実行されるものであり、先読み情報や実行中の特別図柄抽選の結果を示す情報に時短状態の終了条件を示す情報が無い場合、即ち、バトル演出の演出結果が「敗北」となる情報な無い期間の少なくとも一部において実行されるものである。
そして、図224に示した通り、装飾役物YKが演出位置に位置する期間(演出位置に位置している状態で実行される特別図柄抽選回数)を遊技者に報知可能な役物ロック演出を実行可能に構成している。このように役物ロック演出を実行可能に構成することで、少年810が敗北することが無い期間を遊技者に分かり易く報知することができる。
図224は、役物ロック演出が実行されている場合における演出例を示したものであって、主表示領域Dmにて、役物ロック演出の演出残期間を示す残期間表示態様として表示領域HR40に「役物ロック5G」が表示されると共に、少年810がオーラを纏った表示態様で表示される。この役物ロック5Gの表示は、役物ロック演出中に実行される特別図柄抽選回数を示しており、図224に示した例によれば、実行中の特別図柄変動を含めて5回分の特別図柄抽選が実行される期間、攻撃待機演出が継続することを遊技者に報知している。
図224に示した役物ロック演出は、音声ランプ制御装置113にて変動演出を設定する場合において、受信した変動パターンコマンドに基づいて今回実行される特別図柄抽選の結果を判別し、さらに、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報(先読み情報)を判別し、攻撃待機演出の実行条件が成立しているかを判定する。さらに、入賞情報格納エリア223aに格納されている特図2保留に対応する入賞情報の数を判別し、攻撃待機演出の実行可能期間を特定し、役物ロック演出の演出期間を決定する。そして、決定した期間に応じて演出態様を設定し、装飾役物YKを動作させる役物制御装置、及び、表示制御装置114へと決定した演出態様に対応する演出指示(演出コマンド)を出力する。
そして、新たな特別図柄変動が開始される毎に表示領域HR40にて表示される役物ロック演出の残期間を更新(減算)する演出態様を決定し、残期間が0(役物ロック0G)となった場合に、役物ロック演出を終了させるための演出指示(演出コマンド)を、役物制御装置、及び、表示制御装置114へと出力する。このように構成することで、音声ランプ制御装置113にて期間管理される役物ロック演出が、装飾役物YKの動作状況と、第3図柄表示装置81の演出表示とを同期させて実行することができる。
しかしながら、この役物ロック演出においても、上述した第5制御例と同様に、演出コマンドの取りこぼしや、ノイズが発生したことによる役物制御装置、及び、表示制御装置114側での誤受信により、音声ランプ制御装置113にて管理している残期間と、役物制御装置、及び、表示制御装置114側で実行制御される残期間とが異なる場合が発生してしまう問題がある。そこで、本別例では、第5制御例と同様に、役物制御装置、及び、表示制御装置114の実行内容を音声ランプ制御装置113側が管理可能に構成している。
そして、音声ランプ制御装置113側で管理している残期間と、役物制御装置、及び、表示制御装置114側の実行状況とが相違していると判定された場合は、音声ランプ制御装置113側で管理している残期間が終了するまで、図225に示した表示態様が表示されるように制御している。図225は、役物ロック演出中における補正処理の一例を示した図である。図225に示した通り、音声ランプ制御装置113側で管理している残期間と、役物制御装置、及び、表示制御装置114側の実行状況とが相違すると、表示領域HR40にて「役物ロック?G」の文字が表示され、役物ロック演出が継続する残期間を遊技者に把握され難い演出態様で演出が実行される。これにより、役物ロック演出中において、装飾役物YKが演出を終了するタイミングにおいて、表示領域H40に「役物ロック2G」が表示される状況、つまり、役物制御装置と表示制御装置114とで、役物ロック演出の進行度合いが異なってしまう状況が発生することを抑制することができる。
なお、補正処理として表示領域HR40にて「役物ロック?G」を表示する場合には、通常における役物ロック演出においても、演出期間を延長する延長演出として、表示領域HR40にて「役物ロック?G」を表示可能に構成すると良い。つまり、予め定められた役物ロック演出の演出期間が経過するまでに新たに獲得した特図2保留に関する入賞情報を入賞情報格納エリア223aから読み出し、役物ロック演出を継続して実行可能な条件が成立した場合において、延長演出を実行可能に構成すると良い。これにより、通常状況、即ち、音声ランプ制御装置113にて管理される役物ロック演出の期間管理が正常である場合においても、表示領域HR40にて「役物ロック?G」が表示されるため、遊技者に対して補正処理が実行されているのか、延長演出が実行されているのかを判別し難くさせることができる。
<第A1実施形態>
次に、本発明の第A1実施形態について説明する。なお、上記した各実施例、制御例で説明と同一の構成についても再度便宜上説明する。まず、図226から図296を参照し、第A1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図226は、第A1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図227は第A1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図228は第A1実施形態におけるパチンコ機10の後面図である。
図226に示すように、第A1実施形態におけるパチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図226参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図227参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図229参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図226参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図226参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図229参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図227参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図226参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図227参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図227に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図226参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、可変表示ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図226参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図227を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図226参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図229参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図227の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図227の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図227の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図229参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
第1入賞口64は、可変表示ユニット80の下方に配置されている。可変表示ユニット80が遊技盤13上の遊技領域を左右に区画するように配置されており、可変表示ユニット80の左側を遊技球が流下可能な左側流路と、可変表示ユニット80の右側を遊技球が流下可能な右側流路とが形成されている。左側流路を流下した遊技球は、右側流路を流下しないように構成されている。第1入賞口64は、左側流路を流下した遊技球も、右側流路を流下した遊技球も入球可能な位置に配置されている。
第2入賞口640は、右側流路を流下した遊技球が、左側流路を流下した遊技球よりも入球し易い位置に配置されている。第2入賞口640は、遊技盤13に横長矩形状の開口部が形成されており、その開口部に遊技球が流下することが可能な流路が形成されており、開口部に入球した遊技球を検知するフォトセンサが設けられている。開口部の前面側には開口部を塞ぐことが可能な横長矩形状の開閉板として電動役物640aが付随して設けられており、その開閉板の可変を軸として正面側に開閉駆動するための開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2入賞口640の開口部は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。普通図柄(第2図柄)の当たりの際には開放口ソレノイドを駆動して電動役物640aを正面下側に傾倒し、球が第2入賞口640の開口部に入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を遊技状態により定められた所定回数繰り返すように作動する。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、第1入賞口64に入賞した場合に変動表示される第1特別図柄に対応して設定されている5R時短(95回)大当たり(大当たりA)、5R時短(3回)大当たり(大当たりB)、15R通常大当たり(大当たりC)が用意されている。また、第2入賞口640に入賞した場合に変動表示される第2特別図柄に対応して設定されている15R時短(95回)大当たり(大当たりD)が用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「5R時短(95回)大当たり(大当たりA)」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が95回変動されて、95回目の変動が停止するまでの期間、普通図柄(第2図柄)の抽選確率が高確率状態へ移行し、普通図柄(第2図柄)の短い変動時間が選択され易い時短遊技状態が設定される大当たりのことである。「5R時短(3回)大当たり(大当たりB)」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が3回変動されて、3回目の変動が停止するまでの期間、普通図柄(第2図柄)の抽選確率が高確率状態へ移行し、普通図柄(第2図柄)の短い変動時間が選択され易い時短遊技状態が設定される大当たりのことである。また、「15R通常大当たり(大当たりC)」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態が設定され、時短遊技状態が設定されない大当たりのことである。
時短中(時短遊技状態中)は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示ユニット80が配設されている。可変表示ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図238参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図238参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選(第2図柄の変動表示回数)を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。なお、第2入賞口640に球が入球することで、賞球として遊技者に4個の球が上皿17に払い出されるので第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となることで、遊技者の持ち球が減少することを抑制しながら遊技を行うことができ、追加で球を貸し出す為の投資を抑制させることができながら、特別図柄の抽選を時短期間中行わせることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示ユニット80の左側流路の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左側を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図229参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。なお、本実施形態では、普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過した場合には、賞球は払いだされない構成としたが、それに限らず、例えば、1球等の所定数の賞球を払い出すように構成してもよい。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると4個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として第2入賞口640へ球が入賞した(第2特別図柄に対応する抽選で大当たりとなった)場合には、100%の割合で15R時短(95回)大当たり(大当たりD)が選択され、第1入賞口64へ球が入賞した(第1特別図柄に対応する抽選で大当たりとなった)場合には、時短遊技状態が付与される大当たりは、最大5Rの大当たり(大当たりとなった場合に61%の割合)であり第2入賞口640に球が入賞した場合の方が遊技者に有利となる大当たり種別が選択されるように構成されている。このように構成することで、通常遊技状態(低確率遊技状態で時短が付与されていない状態)では、第1入賞口64に球が第2入賞口640よりも入賞し易くなっており、第1入賞口64に遊技球を入賞させることで、時短が付与される大当たり(大当たりAまたは大当たりB)が選択される割合を低くして設定し、時短が付与されて第2入賞口640に球が入賞し易い状態となった場合に、第2特別図柄で大当たりをさせ易くでき、時短状態が容易に継続するように構成できる。よって、時短が付与されることへの価値を高めることができる。
第1入賞口64の下方右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。また、可変表示ユニット80の右側には、V入賞装置620のV入球口600aへと球を誘導することが可能なV入賞扉600が配置されている。V入賞扉600は、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が大当たりBとなった場合か、小当たりとなった場合に、直立してV入球口600aへと球が入球しないように直立した閉鎖状態から右側に約90度回動した開放状態に可変してV入球口600aへと球が入球可能に構成されている。
小当たりである場合には、V入賞扉600が1.2秒間または球が10球、V入球口600aに入賞するまで開放状態となる1R(ラウンド)の小当たり遊技が実行される。一方、大当たりBである場合には、1R目までは、小当たり遊技と同様に、V入賞扉が開放状態となり、2R目からは、可変入賞装置65が開放状態に可変される。ここで、2R目からは、特定入賞口65aの前面側に配置されているV入賞扉が30秒または特定入賞口65aに球が10球入賞するまでを1R(ラウンド)として予め設定されている大当たり種別に対応したラウンド数まで繰り返しラウンド遊技が実行される。
このように構成されることで、小当たりである場合にも、大当たりBである場合にも、第3図柄表示装置81等により小当たりであるか大当たりBであるかを報知せず、小当たり遊技または大当たり遊技へ移行させるように構成することで、同様にV入賞装置620へ遊技球を入球させて、後述するV入賞口624へと遊技球が入球することを期待して遊技を行うことができる。本実施形態では、小当たりである場合には、後述するV入賞装置620のV入賞口624に遊技球が入球することで、小当たり遊技後に大当たり遊技が実行されるように構成されている。なお、小当たり遊技中にV入賞口624へ遊技球が入球して開始される大当たりは、1R目から可変入賞装置65が開放されるように構成されている。
大当たりBにおける大当たり遊技である場合には、1R目の大当たり遊技において、V入賞装置620に遊技球が入球するとV入賞口624へと遊技球が入球するように入賞制御が実行されるように構成されている。これにより、大当たりBにおける大当たり遊技である場合にも、V入賞口624に入賞したことで、その後に可変入賞装置65が開放されたかのように思わせることができる(実際には、大当たり遊技における2R目が実行されている)。なお、V入球口600a、特定入賞口65aに球が入賞すると、球1球に対して賞球として15球が遊技者に払い出されるように構成されている。なお、大当たりB以外の大当たり遊技においては、1R(ラウンド)目から可変入賞装置65が開放状態となるように構成されているので、小当たりでなく大当たり遊技が開始されたことを大当たり遊技の内容によっても識別が可能に構成されている。
パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、停止図柄(例えば、333等のぞろ目図柄)を第3図柄表示装置81に表示される。また、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が小当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、小当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、停止図柄(例えば、333等のぞろ目図柄)を第3図柄表示装置81に表示される。
本実施形態では、小当たりである場合にも、大当たりBである場合にも、第3図柄表示装置81には、同様に第3図柄がリーチ表示態様(左図柄と中図柄とが同一の第3図柄で構停止された表示態様)で停止表示され、中図柄がチャンス図柄(「CHANCE」という文字が付された第3図柄)が停止表示される組み合わせで構成されたチャンス目図柄が停止表示されることで報知される。これにより、遊技者は、チャンス目図柄で第3図柄が停止表示されることで、1RのV入賞扉600が開放動作される遊技(小当たり遊技または大当たり遊技に相当)が最低限実行されることを認識でき、V入賞口624へと球を入球させることを期待することができる。なお、第3図柄の内、特定の図柄(例えば、777のぞろ目図柄)が停止表示された場合には、大当たり遊技が実行されることを報知するものとするようにして、特定の図柄が表示されることで、遊技者に付加価値の高い大当たり遊技が実行されることを早期に認識させるように構成してもよい。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりBの際には2R目より、大当たりB以外の場合には1R目より大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
次に、図229から図231を参照して、V入賞装置620について説明する。V入賞装置620は、可変表示ユニット80に配置されており、第3図柄表示装置81の前面側となる位置に取り付けされている。図229および図231に示すように、V入賞装置620は可動誘導部材622、回転振分部材621、V入賞口624、左排出路623a、右排出路623b、第1滞留部材622d、流路切替部材622eにより構成されている。
通常時は、V入賞装置620の回転振分部材621が遊技者に視認可能に構成されており、回転振分部材621は、電源が投入されると、常時一定周期で左右方向に回動されるように構成されている。V入賞扉600が小当たり遊技または大当たり遊技の開始を契機に開放状態となると、V入賞装置620のV入球口600aへと遊技球が流入可能となる。V入賞扉600とV入賞装置620との突き合わせ部には、遊技球が入球可能なV入球口600aが形成されており、そのV入球口600aよりV入賞装置620内へと遊技球を誘導するための誘導路が形成されている。V入球口600aには、球の通過を検知可能なフォトセンサが配置されており、V入賞装置620(V入球口600a)への入賞数をカウントすることが可能に構成されている。このフォトセンサに球が検知されることに基づいて、遊技者に賞球(3球)が払い出されるように構成されている。
ここで、図253を参照して、小当たり遊技におけるV入賞装置620の作動制御のタイミングチャートに従って、V入賞装置620の詳細な説明をする。小当たり遊技が開始されると、オープニング期間(t1:0.1秒)が経過した後に、開放期間(t2:1.2秒)V入賞口ソレノイドが作動(ONに作動)することでV入賞扉600が開放状態に可変される。開放状態となり、V入球口600aに遊技球が入賞すると誘導路を流下した遊技球は、図231に示す第1滞留部材622dにより球の流下が規制されて滞留するように構成されている。この第1滞留部材622dは、小当たり遊技の開始に基づいて球を上部に滞留させるように前面側に突出するように滞留1ソレノイドが4秒間作動(ONに作動)するように構成されている。なお、第1滞留部材622dに球が1球滞留されると、その後に流下する遊技球は、滞留された球に衝突して左右のどちらかに排出されるように構成されている。V入賞扉600の開放期間の1.2秒間が経過することで、V入賞口ソレノイドがオフに作動してV入賞扉600が開放状態から閉鎖状態に可変された後の2.7秒後に、滞留1ソレノイド209aがオフに作動されて、第1滞留部材622dがパチンコ機10の後面側方向へと退避して、上部に滞留していた球が下方へと流下するように構成されている。第1滞留部材622dの下方には、常時左右方向に作動する流路切替部材622eが配置されている。
この流路切替部材622eは、流路ソレノイド209bにより0.4s間隔でオン、オフされることで、左右に作動するように構成されている。オフされることで、可動誘導部材622の流入口を塞ぐ位置に可動して、可動誘導部材622内へと球が入球できないように構成されている。オフされた状態では、上流から流下する球は流路切替部材622eの上部に形成された傾斜部により右側へと誘導されてV入賞装置外へと排出されるように構成されている。一方、流路ソレノイドがオンに作動している状態で、流路切替部材が流入口の左側へと退避した状態である場合には、可動誘導部材622内へと球が流入可能となるように構成されている。
第1滞留部材622dが退避して、滞留していた遊技球が流下したタイミングで、流路切替部材622eが開放状態(流路ソレノイドがオンとなり流路切替部材が左側へ退避した状態)であると、可動誘導部材622に球が流入する。図231に示すように可動誘導部材622は、球が1球流下可能な筒形状で構成されており、一端側に球が流入する流入口が形成され、他端側には球が排出される排出口622aが形成されている。排出口622aの手前(上流側)には、球が1球保持される凹部622cが形成されており、凹部622cの下流側には凹部622cに入球した球の流下を阻止する第2滞留部材622bが配置されている。この第2滞留部材622bは、滞留2ソレノイド612が作動(オンする)により上方に突出して凹部622cに入球した球の流下を阻止する規制状態と、滞留2ソレノイド612がオフとなり第2滞留部材622bが左方向へ回動して凹部622cに入球している球の流下を許容する解除状態とに可変される。
図253に示すように、第2滞留部材622bは、小当たり遊技の開始から5秒後に2秒間(t6)、滞留2ソレノイド612が作動(オン)となることで規制状態に可変された状態となり、凹部622cに入球した球が流下することを規制する。可動誘導部材622は、小当たり遊技の開始から5秒後(t4)に滞留2可動モータ610aにより図231(b)に示すように流入口側が上昇するように左方向に回動される。その後、1.5秒間(t5)、滞留2可動モータ610aが作動して可動誘導部材622を上昇させて最大可動位置(図231(b)参照)まで可動するように制御される。先に説明したように、滞留2ソレノイド612は、小当たり遊技の開始より6秒後のタイミングでオフに制御されるので、可動誘導部材622が上昇している途中で第2滞留部材622bが解除状態となり、可動誘導部材622が左下方に傾斜した状態であり、さらに傾斜角度が大きくなっている場合に、凹部622cに入球している球が左下方へと流下し易く構成されている。
図229(a)に示すように、凹部622cに入球した球が流下を開始すると、凹部622cに入球していた球が回転振分部材621へと排出口622aより排出される。排出された球は、回転振分部材621上を転動して、下流へと排出される。回転振分部材621は、パチンコ機10に電源が投入されてから一定周期で左右に回動されており、回転振分部材621の下流に配置されたV入賞口624と回転振分部材621の下流排出口621aとが並列に一致したタイミングで下流排出口621aから球が排出されると、V入賞口624へと球が入球し易くなる。一方、下流排出口621aとV入賞口とが並列に一致しない状態で下流排出口621aより球が排出されると、左右に配置された左排出路623aまたは右排出路623bによりV入賞装置620の外部へと排出されるように構成されている。
本実施形態では、図253に示すように、小当たりの開始から5秒後から2秒間(t7)V入賞口624に球が入球したことを有効と判断するV有効期間を設定するように構成されている。このV有効期間中にV入賞口624に球が入球したとフォトセンサが検知した場合にのみ、入賞検知を有効として、それ以外の期間に入賞した場合には無効として制御処理するように構成している。このように構成することで、V入賞口624へ入賞可能となる期間のみを判別することができ、磁石等で球を操作して不正にV入賞口624へ入賞させた場合等の不正による被害を低減することができる。本実施形態では、V有効期間中にV入賞口624への入賞が検知されると、小当たり遊技後に大当たり遊技が実行されるように構成されている。小当たり遊技におけるV入賞口624に球が正常に通過した場合に付与される大当たり遊技は、実行された小当たり遊技の種別(小当たりAまたは小当たりB(図244(b)〜(c)参照))に対応した大当たり種別が設定されるように構成されている。
なお、小当たりにおいてVに通過しない場合については、図254に示すタイミングチャートを示した。図254に示した例では、流路切替部材622eが閉鎖状態である場合に、第1滞留部材622dが解除されたことにより、可動誘導部材622へと遊技球が誘導されなかったことによりV入賞しなかった例を示している。同様に、図254は、大当たりBである場合にV入賞口624へ入賞するタイミングチャートの一例であり、図255は、大当たりBである場合に、V入賞口624へ入賞しない場合のタイミングチャートの一例である。また、図252は、本実施形態における大当たりまたは小当たりした場合に設定される遊技状態を示した遊技フローである。
図244(b)に示すように、特図1における小当たりAが実行された場合には、5R(時短95回)大当たりが設定され、小当たりBが実行された場合には、10R通常(時短無し)大当たりが設定される。また、図244(c)に示すように、特図2における小当たりCが実行された場合には、15R(時短95回)大当たりが設定され、小当たりDが実行された場合には5R(時短95回)が設定され、小当たりEが実行された場合には5R(時短無し)大当たりが設定される。なお、上記した各大当たりの名称の時短とは時短遊技状態が設定されることを示しており、その後の回数表示は、時短遊技状態が設定される期間として特別図柄の変動回数を示している。通常とは、時短遊技状態が設定されない大当たりであることを示している。
本実施形態では、小当たり遊技が実行された場合に、V入賞口624に入賞することで小当たり種別に対応した大当たり種別が実行されるように構成したが、それに限らず、V入賞口624に入賞したタイミングでカウンタ値(例えば、第1当たり種別カウンタ値C2)を取得して、所定の選択テーブルより選択するように構成してもよい。所定の選択テーブルは、遊技状態毎(通常遊技状態、時短遊技状態)に異なる選択テーブルを設定してもよいし、特別図柄の種別により異なる選択テーブルを設定してもよいし、実行された小当たり種別により異なる選択テーブルを設定してもよい。
なお、ここで、第1特別図柄(特図1)、第2特別図柄(特図2)で小当たりまたは大当たりと判定された場合の変動表示が停止表示された場合には、その小当たり種別、大当たり種別に対応した点灯態様で第1図柄表示装置37aのLEDが点灯表示される。複数のLEDが組み合わされて表示される表示態様であるので、遊技者が第1図柄表示装置37aを視認しても、小当たり種別、大当たり種別の詳細について一見して識別が困難なように構成されている。さらに、大当たりである場合には、その大当たり種別に対応するラウンド数に対応して第1図柄表示装置37のLEDが表示されるように構成されている。ラウンド数の報知についても、文字等でラウンド数が報知されている訳で無く、大当たり種別を示すLEDの点灯と共に表示されるので、より遊技者が識別し難いように構成されている。これにより、大当たり種別、小当たり種別、大当たりのラウンド数を遊技者に第1図柄表示装置37で報知して、遊技の公平性を保てるように構成しても、遊技者には分かり難い報知とすることで、小当たり遊技と大当たり遊技との識別をその実行前に遊技者に識別し難くして、小当たり遊技、大当たりBにおける大当たり遊技中においても遊技者が小当たり種別、大当たり種別等の予測をしながら遊技ができるように構成されている。これにより、遊技の興趣をより向上することができる。
さらに、本実施形態では、小当たり遊技が実行される場合には、その小当たり種別によりV入賞口624へ入賞した場合に付与される大当たり遊技の種別が異なるので、遊技者に不利となる大当たり種別が付与される小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行された場合には、遊技球の発射を停止させてV入球口600aへ遊技球が入球しないように遊技をすることで、遊技店側の不利益が増大するという虞があるが、本実施形態の構成では、第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81等で小当たりの種別が分かり難い報知態様に構成しているので、上記した不利益を被る遊技の仕方を抑制できる。
さらに、小当たりと判定された第1特別図柄または第2特別図柄の変動が停止表示された後に、0.1秒後には、V入賞扉600が開放状態となり、1.2秒間開放状態が維持されるのみであるので、第1図柄表示装置37の表示態様を解析して識別ができる遊技者であったとしても、識別してから遊技球の発射を操作してもV入球口600aまで遊技球を到達させるように発射させることが困難なように構成されている。詳細には、本実施形態では、1分間に100発の遊技球を等間隔に発射強度に関係なく発射するように構成されているので、0.6秒に一発発射するように構成されており、発射装置から発射されてからV入球口600aまで遊技球が到達するには約2秒を要することから、遊技球を継続して右側領域へ発射させていないと、V入球口600aへ入球させることは困難となり、小当たり時にV入球口600aへ入球させない制御をした場合には、いかなる小当たり種別に対応する小当たり遊技に対してもV入球口600aへ遊技球を入球させることができなくなってしまう。よって、遊技者は、第3図柄が停止表示して、右打ち報知(右側領域へ遊技球を発射させることを遊技者に報知する報知態様)がされた場合には、速やかに右打ちを開始するように遊技を行わせることができる。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図226参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,600a,640にも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、可変入賞装置65の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。本実施形態においては、風車の内の一つ(可動部材310と称す)が遊技盤13の正面視左側上方に配設され、図227において図示されている。
図228に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図229参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図229参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入賞口64または第2入賞口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第1特別図柄または第2特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。なお、第3図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示に対して、共通して変動表示が行われる。また、第2特別図柄は、第1特別図柄よりも優先して、変動表示されるように構成されており、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示することがないように構成されている。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されない構成としたが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示をさせることが可能な構成としてもよい。このように構成することで、同じ時間で、より多くの抽選遊技を実行させることができ、遊技の効率を向上させることができる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。なお、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄は、「0」から「9」の数字よりなる10種類の主図柄により構成されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81の表示領域には、主図柄が3つの図柄列が表示される。各図柄列には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。図柄列は、表示領域の左側に表示される左図柄列、左図柄列の右隣に表示される中図柄列、中図柄列の右隣に表示される右図柄列で表示される。
また、各図柄列毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この第3図柄の中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、第3図柄表示装置81の表示領域の下方には、第1入賞口64または第2入賞口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数が保留球1つに対して「丸図柄」の識別図柄(保留図柄)が一つ表示されて遊技者に報知される。遊技者は、この保留図柄の個数により現在の保留球数を判別することができる。なお、第1入賞口64と第2入賞口640に対して保留球はそれぞれ最大4個に設定されており、それぞれの保留球は、第1入賞口64と第2入賞口640との保留球が区別可能に異なる色で第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている(例えば、第1入賞口64に対しては黒色、第2入賞口640に対しては、赤色)。
第3図柄表示装置81の表示領域には、第3図柄や保留図柄以外にも、第3図柄の変動表示(動的表示)中に表示される予告表示態様として、キャラクタ図柄や文字等が表示される。また、所定期間遊技が行われない場合には、パチンコ機10の機種名やリーチ表示態様のダイジェスト等の待ち受け表示画像が表示される。
なお、本実施形態においては、第1入賞口64と第2入賞口640とへの入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成について>
次に、図239を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図239は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110のROM202には、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、普通図柄当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、小当たり種別選択テーブル202e、大当たりシナリオテーブル202aa、小当たりシナリオテーブル202abがそれぞれ設定されている。なお、他の遊技に必要なデータ等についても記憶されているが、本実施形態における発明の説明においては、不要であるので、説明を省略する。
第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、普通図柄当た乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、小当たり種別選択テーブル202eについては、図を参照して詳細な説明は後述する。
大当たりシナリオテーブル202aaは、大当たり遊技中の動作内容が設定された大当たりシナリオが規定されているデータテーブルであり、大当たり遊技のオープニング期間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンド目のラウンド遊技が実行されるまでの期間)、ラウンド期間(1ラウンドのラウンド遊技が設定される最大期間)、ラウンド間インターバル期間(ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの期間)が大当たり種別に対応して規定されており、大当たり遊技が開始される場合に設定され、周期的(主制御装置110のメイン処理が実行される毎に)値が1加算されるシナリオカウンタ203aaの値に対応した動作制御が実行される。
この大当たりシナリオテーブル202aaには、当選した大当たり種別に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。ここで、大当たりシナリオテーブル202aaの詳細な内容について、図248(a)を参照して説明をする。図248(a)は、大当たりシナリオテーブル202aaに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図248(a)に示した通り、大当たりシナリオテーブル202aaには、大当たり種別(大当たりA〜大当たりD)に対応して異なるシナリオが規定されている。
具体的には、図248(a)に示したように特定入賞口65aを開放する大当たり遊技が実行される大当たり種別A,Cには5R分の大当たり遊技に対応した大当たりシナリオa202aa1が、大当たり種別Dには15R分の大当たり遊技に対応した大当たりシナリオ202aa6が規定されている。
また、図248(a)に示したように大当たり遊技中のラウンド数に応じてV入賞口624或いは特定入賞口65aを開放する大当たり種別Bには大当たり遊技の1ラウンド目に対応するシナリオとして、1ラウンド目の前半の動作内容を示す当たりシナリオa202aa2と、1ラウンド目の後半の動作内容を示す当たりシナリオb202aa3、当たりシナリオc202aa4と、及び、2ラウンド目から5ラウンド目までのラウンド遊技の動作内容を示す大当たりシナリオb202aa5が規定されている。
大当たり種別Bに対応する大当たり遊技は、図254及び図255を参照して後述するように、1ラウンド目のラウンド遊技の内容が、小当たり遊技の遊技内容と同一(遊技者が識別困難な誤差も含む)となるようにシナリオが規定されており、大当たり種別Bに対応する大当たり遊技が開始されると、V入賞扉600を開放し、V入賞口624を狙うラウンド遊技(Vチャレンジ)が実行される。
さらに、このVチャレンジ中にV入賞扉600を開放することによりV入球口600aに遊技球が入球し易い状態となり、そのV入球口600aに入球した遊技球が、流路切替部材622eを通過し、可動誘導部材622の第2滞留部材622bにより遊技球が滞留されている状態(図231(a)参照)か否かを第2滞留センサ(図示せず)の検知結果に基づいて判別し、その判別結果に基づいて、1ラウンド目のラウンド遊技の後半の動作内容を異ならせるように構成している。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図241を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図262参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図274参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1入賞口64への入賞に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aと第2入賞口640への入賞に対応する特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入賞口64または第2入賞口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
図240を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図262参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図274参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル(図242(a)〜(c)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。ここで、第1当たり乱数テーブル202a1は、第1特別図柄に対応する特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2特別図柄に対応する特別図柄2乱数テーブル202a2とがそれぞれ設定されている。
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図242(b)に示すように第1特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜3」のいずれであるか判別されて、「0〜3」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。一方、「0〜3」以外であると判別された場合(即ち、大当たり抽選は外れと判定された場合)には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「4」であるか判別されて、「4」であれば小当たりであると判別される。ここで、小当たりでないと判別された場合には、抽選結果は外れであると判別される。
図242(c)に示すように第2特別図柄の抽選において、第1特別図柄と同様に取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜3」のいずれであるか判別されて、「0〜3」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。一方、「0〜3」以外であると判別された場合(即ち、大当たり抽選は外れと判定された場合)には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「4〜997」のいずれかであるか判別されて、「4〜997」のいずれかであれば小当たりであると判別される。ここで、小当たりでないと判別された場合には、抽選結果は外れであると判別される。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との大当たり抽選における大当たり確率は同じに設定されているが、小当たり確率については、第2特別図柄は、第1特別図柄よりも小当たり確率が高く設定されている。これにより、第2入賞口640へ遊技球の入球が容易となる時短遊技状態では、第2特別図柄で抽選が実行されやすいので、小当たりとなる確率が高くなり、V入賞口624へ入賞させることができる機会を増大させることができる。よって、時短遊技状態中をより遊技者に対して有利に設定することができるので、通常遊技状態が設定されている場合にも、時短遊技状態が付与される大当たり遊技が実行されることを期待して遊技を行わせることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、大当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりまたは小当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は4個あり、その乱数値である「0〜3」は、前述したように特別図柄1当たり乱数テーブル202a1、特別図柄2当たり乱数テーブル202a2に格納されている。このように、乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が4なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/250」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第1特別図柄、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が大当たりである場合に、実行される大当たりの種別を決定するための第1当たり種別選択テーブル202b(図241(a)参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。第1当たり種別選択テーブル202bには、図243(a)に示すように第1特別図柄に対する大当たり遊技の種別を決定するためのデータテーブルである特図1大当たり種別選択テーブル202b1と、第2特別図柄に対する大当たり遊技の種別を決定するためのデータテーブルである特図2大当たり種別選択テーブル202b2とがそれぞれ設定されている。
図243(b)は、特図1大当たり種別選択テーブル202b1の内容を模式的に示した模式図である。第1特別図柄の大当たり種別としては、上記した大当たりA〜大当たりCまでの3種類が第1当たり種別カウンタC2の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜44」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりA(5R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として第1当たり種別カウンタC2の「0〜44」の値が設定されている。取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「45〜60」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりB(5R時短3回大当たり)」となる。即ち、判定値として第1当たり種別カウンタC2の「45〜60」の値が設定されている。取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「61〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりC(10R時短無大当たり)」となる。即ち、判定値として第1当たり種別カウンタC2の「61〜99」の値が設定されている。
このように、通常遊技状態では、第1入賞口64へ主に遊技球を入賞させて遊技を行うこととなるが、第1特別図柄の大当たりに対して、61%の割合で時短遊技状態が付与される大当たり(大当たりAおよび大当たりB)となっている。よって、第1特別図柄で大当たりとなった場合にも、必ずしも時短遊技状態が付与されないので、遊技者は、大当たりとなった場合にも、時短遊技が付与される大当たり種別であるかについて興味を持つことができ、遊技の興趣を向上できる。
図243(c)は、特図2大当たり種別選択テーブル202b2の内容を模式的に示した模式図である。第2特別図柄の大当たり種別としては、上記した大当たりDの1種類が第1当たり種別カウンタC2の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりD(15R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として第1当たり種別カウンタC2の「0〜99」の値が設定されている。
このように、第2特別図柄に対して(第2入賞口640への入賞に対する大当たり判定により)大当たりとなった場合には、必ず時短遊技が付与される大当たりが付与されるように構成されている。さらに、時短回数は95回に設定されており、大当たりBよりも有利となっており、実行されるラウンド回数も15Rで設定されており、大当たりA〜Cよりも遊技者に有利となるように構成されている。これにより、主に時短遊技状態で実行され易い第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、第1特別図柄よりも有利となる大当たり遊技が実行されるように構成されており、時短遊技状態が実行された場合の価値が高くなるように構成されている。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
また、本実施形態のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第1特別図柄、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択テーブル202e(図244(a)参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。小当たり種別選択テーブル202eには、図244(a)に示すように第1特別図柄に対する小当たり遊技の種別を決定するためのデータテーブルである特図1小当たり種別選択テーブル202e1と、第2特別図柄に対する小当たり遊技の種別を決定するためのデータテーブルである特図2小当たり種別選択テーブル202e2とがそれぞれ設定されている。
図244(b)は、特図1小当たり種別選択テーブル202b1の内容を模式的に示した模式図である。第1特別図柄の小当たり種別としては、上記した小当たりAおよび小当たりBの2種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0〜64」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時5R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「0〜64」の値が設定されている。取得している小当たり種別カウンタC5の値が「65〜99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時10R時短無大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「65〜99」の値が設定されている。
ここで、小当たりAおよび小当たりBには、それぞれ小当たり遊技においてV入賞口624へ遊技球が入球した場合に、その後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、5R時短95回大当たりが設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短遊技状態として95回の時短遊技(特別図柄の変動が95回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、10R時短無大当たりが設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が10R開放状態に設定される大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技後には、時短遊技状態が設定されず、通常遊技状態が設定されるように構成されている。このように、小当たりBは、大当たり遊技における実行されるラウンド数は多く、小当たりAよりも有利に設定されているが、大当たり遊技後に時短遊技状態が設定されないことから、大当たり後に遊技者に有利となる第2特別図柄での抽選が実行され難く、総合的には、小当たりAの方が小当たりBよりもV入賞口624に入賞した場合には遊技者に有利となるように設定されている。
図244(c)は、特図2小当たり種別選択テーブル202b2の内容を模式的に示した模式図である。第2特別図柄の小当たり種別としては、上記した小当たりC〜小当たりDの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0〜49」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりC(V通過時15R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「0〜49」の値が設定されている。取得している小当たり種別カウンタC5の値が「50〜79」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりD(V通過時5R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「50〜79」の値が設定されている。取得している小当たり種別カウンタC5の値が「80〜99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりE(V通過時5R時短無大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「80〜99」の値が設定されている。
ここで、小当たりCから小当たりEには、それぞれ小当たり遊技においてV入賞口624へ遊技球が入球した場合に、その後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりCの場合には、15R時短95回大当たりが設定されており、小当たりCの実行後に、可変入賞装置65が15R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短遊技状態として95回の時短遊技(特別図柄の変動が95回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりDの場合には、5R時短95回大当たりが設定されており、小当たりDの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たり遊技が実行され、その後に可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短遊技状態として95回の時短遊技(特別図柄の変動が95回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりEの場合には、5R時短無大当たりが設定されており、小当たりEの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技後には、時短遊技状態が設定されず、通常遊技状態が設定されるように構成されている。
このように、第2特別図柄に対する小当たり種別については、第1特別図柄に対する小当たり種別よりもV入賞口624に入賞した場合に、遊技者に有利となる時短遊技状態が設定される小当たり種別が選択される割合が高く設定されている。これにより、時短遊技状態が設定されている場合に、第2特別図柄の抽選が実行され易くなり、第1特別図柄の抽選よりも小当たりと判定される確率も高く設定されていることから、小当たりと判定され、V入賞口624に入賞させることで再び時短遊技状態が設定される大当たり遊技を実行させやすくできる。これにより、時短遊技状態を継続させながら、大当たり遊技を遊技者に付与することができ、より時短遊技状態の価値を高めることができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄、第2特別図柄が小当たりと判定されて、変動表示が停止した場合に、第1図柄表示装置37の小当たり種別に対応したLEDが点灯表示されるように構成されている。よって、遊技者は、時短遊技中である場合には、残りの時短回数を有効に使ってより有利な大当たり遊技(時短遊技状態が設定される大当たり遊技)が実行されるように遊技を行いたい。そして、第1図柄表示装置37に表示された小当たり遊技種別を判別して、時短遊技状態が付与されない小当たり種別である場合に限り、遊技球の発射を停止させてV入球口600aへ遊技球が入球しないように遊技を行うという遊技店側に不利益となる遊技方法が実行される虞がある。しかしながら、本実施形態では、第1特別図柄、第2特別図柄における小当たりと判定された変動表示が停止表示された後に0.1秒後に、V入賞扉600が1.6秒開放状態に設定されるのみであるので、0.6秒間隔で発射され、V入球口600aまで2秒を要する本実施形態の構成では、第1図柄表示装置37を確認した後に、遊技球を発射していては、V入球口600aへと入球させることは困難であり、第1特別図柄、第2特別図柄が小当たりと判定されて変動が停止し、右打ち報知が第3図柄表示装置81で実行されたら直ちに遊技球を右側領域へと発射させて遊技を行わないと、すべての小当たり種別における小当たり遊技においてV入球口600aへと遊技球を入球させることは困難であるように構成されている。これにより、遊技店側が著しく不利益となる遊技方法の実行を抑制できる。
ここで、図247を参照して、各当たり種別と当たり遊技の動作について説明する。大当たりAおよび大当たりCは、1Rを可変入賞装置65に10球、遊技球が入賞するまで、または、29秒開放状態が継続されるまで継続するラウンド遊技が5R繰り返し実行される。
大当たりBは、1R目のラウンド遊技では、V入賞扉600が開放状態となり、V入球口600aが1.2秒開放される。なお、1R目に10球入賞した場合には、1.2秒が経過する前に閉鎖状態とされるが、1.2秒では、現実的に10球入球することが不可能な開放時間となっている。2R目〜5R目のラウンド遊技では、可変入賞装置65に10球、遊技球が入賞するまで、または、29秒開放状態が継続されるまで継続するラウンド遊技が実行される。
大当たりDは、1Rを可変入賞装置65に10球、遊技球が入賞するまで、または、29秒開放状態が継続されるまで継続するラウンド遊技が15R繰り返し実行される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1と抽選結果(外れ、大当たり種別、小当たり)によって、いわゆる短外れ(7秒)、ガセ外れ(30秒)、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ各種(90秒)、疑似発展無演出(30秒)、疑似発展1回演出(34秒)、疑似発展2回演出(38秒)、疑似発展3回演出(42秒)の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図274参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図245(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
図245(a)に示すように、変動パターンテーブル202dは、通常遊技状態である場合に使用される通常用変動パターンテーブル202d1と時短遊技状態である場合に使用される時短用変動パターンテーブル202d2とがそれぞれ設定されている。
図245(b)は、通常用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。通常用変動パターンテーブル202d1は、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が外れである場合に選択される変動パターンとして、短外れ(7秒)、ガセ外れ(30秒)、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ各種(90秒)が設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜139」である場合には短外れ(7秒)が選択され、「140〜149」である場合にはガセ外れ(30秒)が選択され、「150〜179」である場合にはノーマルリーチ各種(30秒)が選択され、「180〜194」である場合にはスーパーリーチ各種(60秒)が選択され、「195〜198」である場合にはスペシャルリーチ各種(90秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が大当たりであり、大当たり種別として大当たりA,C〜D(即ち、大当たりB以外)である場合に選択される変動パターンとして、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ各種(90秒)が設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。ここでは、変動停止時にぞろ目で第3図柄が停止表示(図柄揃い大当たり)することで遊技者に大当たりであることが報知されるように構成されている。なお、「777」のぞろ目については、大当たり遊技後に時短遊技状態が設定される大当たり種別である場合にのみ表示される。なお、大当たり遊技後に時短遊技状態が設定される大当たり種別である場合には、第3図柄の停止図柄の決定抽選により「777」のぞろ目以外のぞろ目についても決定されるように構成されており、大当たり遊技後にならないと時短遊技が付与されるか分からないようにも構成されている。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜40」である場合にはノーマルリーチ各種(30秒)が選択され、「41〜179」である場合にはスーパーリーチ各種(60秒)が選択され、「180〜198」である場合にはスペシャルリーチ各種(90秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
なお、大当たりである場合に選択される各変動パターンは、外れである場合に選択される各変動パターンと同一変動時間で構成されており、最終的に大当たりを示す停止図柄(ぞろ目)で表示されるか否かにより異なるように構成されている。これにより、遊技者は、判定結果が外れであっても、大当たりの場合にも選択される同様の変動パターン(リーチとなる変動パターン)が選択されることで大当たりへの期待を持たせることができる。
第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が小当たりまたは大当たりであり、大当たり種別として大当たりBである場合に選択される変動パターンとして、疑似発展無演出(30秒)、疑似発展1回演出(34秒)、疑似発展2回演出(38秒)、疑似発展3回演出(42秒)がそれぞれ設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。ここでは、変動停止時にチャンス目(図238参照)が停止表示されることで遊技者に少なくとも小当たりに当選していることが報知される。これにより、大当たりBであっても小当たりと同様の停止図柄で表示されるので、遊技者は、小当たり遊技においてV入賞口624へ遊技球を入賞させることを期待して遊技を行うことができる。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜49」である場合には疑似発展無演出(30秒)が選択され、「50〜99」である場合には疑似発展1回演出(34秒)が選択され、「100〜149」である場合には疑似発展2回演出(38秒)が選択され、「150〜198」である場合には疑似発展3回演出(38秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
ここで、図232から図236を参照して、本実施形態におけるガセ外れ(30秒)、疑似発展無演出(30秒)、疑似発展1回演出(34秒)における第3図柄表示装置81で表示される演出態様について説明する。図232〜図233は、ガセ外れ(30秒)における第3図柄の変動態様の流れについて示した図である。外れと判定された第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始契機となると、図232(a)に示すように第3図柄表示装置81に表示されていた各第3図柄(左、中、右図柄)が縦方向にスクロール表示が開始される。また、第3図柄表示装置81の表示領域の右下領域には、第3図柄が表示される領域(各第3図柄が表示される領域)よりも小さい表示領域で第4図柄が「丸図柄」と「×図柄」とが交互に変動表示される図柄として左右に2列表示で表示されるように構成されている。この第4図柄は、第1図柄表示装置37で表示される特別図柄の変動表示期間と同期して変動表示されるように構成されており、変動期間の終了タイミングで判定結果に対応する表示態様(外れ:左列に丸図柄、右列に×図柄の組み合わせ、大当たり:左列に丸図柄、右列に丸図柄の組み合わせ、小当たり:左列に×図柄、右列に×図柄の組み合わせ)で停止表示されるように構成されている。なお、図232(a)〜(b)に示すように第4図柄の上に三本の線が記載されている状態は、第4図柄が変動表示されていることを示している。
ガセ外れ(30秒)では、変動開始から30秒経過すると、図233に示すように仮停止されていた第3図柄が確定停止(揺れ変動から停止表示)されて、それと同期して第4図柄も停止表示されるように構成されている。
疑似発展無演出(30秒)では、ガセ外れ(30秒)の変動表示に対して、仮停止される図柄が図237(a)に示すように左右図柄がリーチ表示態様で、中図柄に「CHANCE」という文字が表示されたチャンス目図柄が表示される点で相違する。
次に、図234〜236は、疑似発展1回演出(34秒)における第3図柄の変動態様の流れについて示した図である。小当たりまたは大当たりBと判定され、疑似発展1回演出が選択されると、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始契機に、疑似発展無演出で説明したのと同様に、図232(a)に示すように第3図柄表示装置81に表示されていた各第3図柄(左、中、右図柄)が縦方向にスクロール表示が開始される。その後、高速でスクロール表示(第3図柄の種別が識別困難な速度または態様)で表示された後に、図232(b)のようにチャンス目図柄が仮停止(例えば、「354」の組み合わせで停止表示した後に、上下にそれぞれの第3図柄を揺れ変動)する。
この後、疑似発展1回演出では、図234(a)に示すように、中図柄の「5」図柄と、右図柄の「4」図柄とが入れ替わるように変動表示される。ここで、本実施形態では、第3図柄が「345」の組み合わせで仮停止表示された場合には、再変動が実行されることを遊技者に報知する組み合わせの図柄として設定されている。図234(b)で示すように「345」の組み合わせに移動して表示されることで、縦方向に再度スクロール表示が開始される。その後、高速スクロール表示を経て、図237(a)に示すようにチャンス目が仮停止表示されて、変動時間(変動期間)の34秒が経過したタイミングで停止表示されるように構成される。ここで、疑似発展2回演出(38秒)、疑似発展3回演出(42秒)である場合には、さらに、仮停止した後に、疑似発展2回演出であれば、もう1度再変動し、疑似発展3回演出であれば、もう2度再変動が実行される演出が実行された後にチャンス目図柄が仮停止表示されるように構成されている。このように、疑似変動が複数回実行されることで、小当たり遊技または大当たりBの開始となるタイミングを分かり難くすることができる。
次に、図235〜図236を参照して、ガセ外れ、疑似発展1回演出、疑似発展2回演出、疑似発展3回演出におけるSW(スイッチ)演出について説明する。音声ランプ制御装置113側で、変動パターンコマンドに従って選択される演出の一つとして、枠ボタン22を使用した演出が設定されている。ガセ外れ、疑似発展1回演出、疑似発展2回演出、疑似発展3回演出を示す変動パターンコマンドに基づいて詳細な演出内容が抽選により音声ランプ制御装置113により選択される。演出の一つとして、仮停止表示された場合に、図235(a)に示すように、第3図柄表示装置81に枠ボタン22を示す図柄が表示されて、枠ボタン22を押下することを遊技者に促す演出が実行される。
枠ボタン22が押下されると、図235(b)に示すように、疑似発展1回演出、疑似発展2回演出、疑似発展3回演出のいずれかが選択されていれば、再変動されることを示唆する「345」の図柄が表示されて再変動が実行される。一方、ガセ外れが選択されている場合には、図236に示すように仮停止されていた図柄が変化することはなく、そのまま変動期間が経過したタイミングで停止表示されるように構成されている。
なお、本実施形態では、再変動した最終の停止図柄としてチャンス目の「CHANCE」図柄が表示されるように構成したが、それに限らず、中図柄に「CHANCE」図柄と他の図柄(例えば、「4」図柄)が交互や、両方の図柄を表示させてスクロールすることにより「CHANCE」図柄が停止表示位置まで表示されるかの演出を表示するようにしてもよい。この場合には、「CHANCE」図柄が中図柄で停止しない場合には、その停止した図柄から再変動させる場合には再変動させればよい。このように構成することで、それぞれの変動パターンを遊技者が確定停止されるよりも前に判別することが困難となり、小当たり遊技、大当たりBの開始タイミングを分かり難くすることができる。よって、第4図柄で小当たり、大当たりが識別可能な態様で表示される構成であったとしても、第3図柄の演出により第4図柄への注意が低下させることができ、小当たり遊技の開始を識別し難くすることができる。さらに、第4図柄では、小当たりの種別までは識別できないように構成されているので、第1図柄表示装置37を確認せねばならず、特定の小当たり遊技における遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法(攻略打ち)を抑制できる。
次に、図237〜238を参照して、小当たりまたは大当たりBにおける確定停止図柄されるまでの第3図柄表示装置81における演出態様(変動パターン)について説明する。先に、疑似発展無演出、疑似発展1回演出、疑似発展2回演出、疑似発展3回演出で説明したように、最終停止図柄を示すチャンス目図柄が仮停止すると、チャンス目図柄が揺れ変動された状態で、チャンス目図柄の上部に「右を狙う準備だ」という文字が表示される。さらに、第3図柄表示装置81の表示領域右上に右側領域へと遊技球を発射させる発射強度で発射ハンドルを操作するように報知する右打ち報知図柄nの輪郭が薄く表示される。変動時間が経過して、変動時間が経過する2秒前となると、「さあ、右を狙うぞ」という文字が表示されて、右打ち報知図柄nの輪郭の濃度が濃く表示される(図237(b)参照)。その後、変動時間が経過したタイミングで、図238に示すように、右打ち報知図柄nが輪郭だけでなく中まで色つきで表示されて、その左側に「右打ち」の文字が表示される。
このように、右打ち報知を確定停止する前から段階的に報知することで小当たり遊技が開始されたタイミングに合わせて遊技球を右側領域に発射させて、V入賞扉600が開放状態となっている期間に遊技球の発射が間に合わない不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、再変動が規定の回数実行された後に、確定図柄で表示された場合に、右打ち報知図柄を段階的に表示するように構成したが、それに限らず、仮停止するタイミングで毎回、右打ち報知図柄nの段階表示を開始して、外れまたは再変動させる場合には、確定した右報知図柄n(図238参照)の表示態様に切り替える手前で、右打ち報知図柄nを非表示にして、再度、第3図柄を再変動させるように構成してもよい。この場合には、毎回の仮停止時に中図柄に「CHANCE」図柄を表示して、再変動させる場合には確定表示させずに、再度スクロール表示して、外れである場合には、他の第3図柄と差し替えて確定停止(例えば、1コマスクロール(ズレ)させて停止)させて外れを報知する確定停止図柄としてもよい。このように構成することで、さらに、小当たり開始時期を分かり難くして、仮停止する毎に、右打ちの準備を遊技者にさせて、特定の小当たり種別で発射させない等の特殊な遊技を抑制することができる。
次に、図246を参照して、時短用変動パターンテーブル202d2について説明する。図246は、時短用変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。時短用変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短遊技状態である場合に特別図柄の変動パターンを選択するために用いられるデータテーブルである。時短用変動パターンテーブル202d2では、時短遊技状態における第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が外れである場合に選択される変動パターンとして、短外れ(2秒)、短外れ疑似1回(6秒)、短外れ疑似2回(9秒)が設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜90」である場合には短外れ(2秒)が選択され、「91〜189」である場合には短外れ疑似1回(6秒)が選択され、「190〜198」である場合には短外れ疑似2回(9秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
短外れ(2秒)は、変動時間が2秒で設定されている変動パターンであり、変動開始から1秒間の高速変動後に、チャンス目(中図柄が「CHANCE」図柄が大きく揺れ変動)で揺れ変動して1秒間仮停止した後に、外れ図柄(中図柄が「CHANCE」図柄から1コマ下方にスクロール(滑った)図柄)に切り替わり確定停止して外れであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。なお、仮停止中の中図柄は、大きく揺れて、「CHANCE」図柄とその1コマ次に配置されている図柄「例えば、「1」図柄」とが交互に停止表示位置に表示されることで、遊技者が小当たり等の抽選結果であると勘違いしないように構成されている。
短外れ疑似1回(6秒)の変動パターンは、変動時間が6秒で設定されている変動パターンであり、上述した短外れ(2秒)の1秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で2秒間仮停止(短外れ(2秒)と同様の仮停止態様)した後に、外れ図柄(中図柄が「CHANCE」図柄から1コマ下方にスクロール(滑った)図柄)に切り替わり確定停止して、外れであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
短外れ疑似2回(9秒)の変動パターンは、変動時間が9秒で設定されている変動パターンであり、上述した短外れ疑似1回の2秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で1秒間仮停止(短外れ(2秒)と同様の仮停止態様)した後に、外れ図柄(中図柄が「CHANCE」図柄から1コマ下方にスクロール(滑った)図柄)に切り替わり確定停止して、外れであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
時短用変動パターンテーブル202d2では、時短遊技状態における第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が小当たりである場合に選択される変動パターンとして、短小当たり(2秒)、短小当たり疑似1回(6秒)、短小当たり疑似2回(9秒)、短小当たり疑似3回(12秒)が設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜67」である場合には短小当たり(2秒)が選択され、「68〜136」である場合には短小当たり疑似1回(6秒)が選択され、「137〜167」である場合には短小当たり疑似2回(9秒)が選択され、「168〜198」である場合には短小当たり疑似3回(12秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
短小当たり(2秒)は、変動時間が2秒で設定されている変動パターンであり、変動開始から1秒間の高速変動後に、チャンス目(中図柄が「CHANCE」図柄が大きく揺れ変動)で揺れ変動して1秒間仮停止した後に、確定停止して小当たりであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。なお、仮停止中の中図柄は、大きく揺れて、「CHANCE」図柄とその1コマ次に配置されている図柄「例えば、「1」図柄」とが交互に停止表示位置に表示される。
短小当たり疑似1回(6秒)の変動パターンは、変動時間が6秒で設定されている変動パターンであり、上述した短小当たり(2秒)の1秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で2秒間仮停止(短小当たり(2秒)と同様の仮停止態様)した後に確定停止して、小当たりであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
短小当たり疑似2回(9秒)の変動パターンは、変動時間が9秒で設定されている変動パターンであり、上述した短小当たり疑似1回の2秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で1秒間仮停止(短小当たり(2秒)と同様の仮停止態様)した後に確定停止して、小当たりであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
短小当たり疑似3回(12秒)の変動パターンは、変動時間が12秒で設定されている変動パターンであり、上述した短小当たり疑似2回の1秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で1秒間仮停止(短小当たり(2秒)と同様の仮停止態様)した後に確定停止して、小当たりであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
このように、本実施形態では、時短遊技中には、抽選結果が外れである場合と小当たりである場合とで同様の変動時間で構成され、同様の変動タイミング(変動時間の経過タイミング)で第3図柄をチャンス目で仮停止させるように構成した。これにより、抽選結果が外れである場合にも、毎変動小当たりとなるかのように思わせることができ、小当たり遊技の開始に備えて右打ちの準備を遊技者にさせることができる。さらに、特定の小当たり種別(例えば、小当たり種別の中で遊技者に不利となる小当たり種別である小当たりE)であるかを第1図柄表示装置37により確認して遊技球の発射を停止させてV入球口600aへ遊技球が入球するのを回避する特殊な遊技方法がされる不具合を抑制できる。
なお、通常遊技状態における右打ち報知図柄の段階的報知を時短遊技中にも仮停止毎に実行するように構成してもよい。このように構成することで、より外れの変動であっても小当たりであることを期待させて遊技を行わせることができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図262参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図242(d)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図242(d)は、上述した第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数テーブル202cでは、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202Cに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202Cに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入賞口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図262参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図274参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図240に戻り、説明を続ける。RAM203は、図240に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図274参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図273参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図272参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図241(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、時短中カウンタ203g、大当たり開始フラグ203h、大当たり中フラグ203i、小当たり開始フラグ203j、小当たり中フラグ203k、V通過地大当たり種別値203m、Vフラグ203n、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、図240に示すように1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入賞口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入賞口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3,C5の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第2入賞口640への入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入賞口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図266のS304参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図263のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特別図柄1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図263のS211、図266のS305参照)。特別図柄1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特別図柄1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、特別図柄1保留球数カウンタ203dに対して、第2入賞口640に入賞して、保留された保留球の数が格納される点で相違する点で異なるので、その詳細な説明については省略する。なお、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更されると、特別図柄2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される。
球が左右何れかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される。一方、球が左右いずれかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない。
時短中カウンタ203gは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。時短中カウンタ203gに時短回数に対応したカウンタ値が設定され、特別図柄の変動が停止するタイミングで1ずつ減算されることで、時短遊技状態で設定された特別図柄の変動回数が終了するまで時短遊技状態が設定されるように構成されている。
大当たり開始フラグ203hは、大当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。抽選結果が大当たりと判定されている特別図柄の変動が停止する場合に、大当たり開始フラグ203hがオンに設定される(図263:S219参照)。大当たり開始フラグ203hがオンであることが判別されて、大当たりの開始タイミングであることが識別されると、オフに設定される。なお、大当たり開始フラグ203hは、初期状態ではオフに設定されるものであり、電源断等が発生した場合には、バックアップされて電源断直前の状態が保持されるように構成されている。
大当たり中フラグ203iは、大当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が大当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図263:S219)。一方、大当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている大当たり種別に対応するラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定されるように構成されている。この大当たり中フラグ203iは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり開始フラグ203jは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される。小当たり開始フラグ203jがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると識別されるとオフに設定される。この小当たり開始フラグ203jは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203kは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定されるように構成されている。この小当たり中フラグ203kは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過時大当たり種別値203mは、小当たり遊技が実行されている場合に、V有効期間内にV入賞口624に球が入賞すると設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過時大当たり種別値203mは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される。V有効期間中にV入賞口624に球が入賞すると、V通過時大当たり種別値203mに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203nがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過時大当たり種別値203mに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過時大当たり種別値203mは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203nは、小当たり遊技におけるV有効期間中にV入賞口624に球が入球した場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定される。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203nがオンであるか判別されることにより、V有効期間中にV入賞口624への入賞があったことが識別されて、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される。このVフラグ203nは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
シナリオカウンタ203aaは、大当たり遊技又は小当たり遊技の動作制御内容を規定している各種シナリオ(大当たりシナリオ、当たりシナリオ)を進行させるためのカウンタであって、大当たり遊技又は小当たり遊技が開始された場合に、カウンタ値として「1」が設定され、その後、主制御装置110のメイン処理(図274参照)にて実行される大当たり制御処理(図275のS1004参照)、或いは、小当たり制御処理(図278のS1005参照)が実行される毎にその値が「1」加算される。そして、各種シナリオ(大当たりシナリオ、当たりシナリオ)が終了する値まで加算された場合に、カウンタ値として「0」がリセットされるように構成されている。
特定制御済フラグ203abは、大当たり種別として大当たりBが設定された場合に実行される特定大当たり制御処理(図276のS1118参照)が終了したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、特定大当たり制御処理(図276のS1118参照)が終了したことを示すものである。
この特定制御済フラグ203abは、特定大当たり制御処理(図276のS1118参照)が終了した場合にオンに設定され(図276のS1212参照)、フラグの設定状況が大当たり制御処理(図275のS1004参照)で参照される(図275のS1118参照)。ここで、特定制御済フラグ203abがオンに設定されていると判別した場合は(S1118:Yes)、大当たり種別として大当たりBが設定された場合において、特殊なラウンド遊技が実行される1ラウンド目が終了したものと判別し、2ラウンド目以降の通常のラウンド遊技(特定入賞口65aを開放させるラウンド遊技)を実行する。そして、大当たり遊技が終了する場合にオフに設定される(図277のS1307参照)。
図239に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図272参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図251(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222aその他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
図251(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図251(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、SW有効時間カウンタ223g、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223cは、特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図281参照)のコマンド出力処理(S2002)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図282のS2105参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図284のS2226参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
演出カウンタ223fは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0〜198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図281参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
SW有効時間カウンタ223gは、枠ボタン22が有効として判別される期間が記憶される記憶される記憶エリアである。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図282参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図228参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図272参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図228参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第A1制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図257〜図261を参照して、本制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図257は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図286のS3001参照)の終了後に実行される初期化処理(図286のS3002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図261参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図288(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図286のS3003,S3004参照)。
電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図257に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりであれば、その大当たり種別に応じた停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球がスルーゲート67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入賞口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入賞口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図259を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図259は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図259の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図261参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図260を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図260は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図260のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図260のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図260の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図261参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図260の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図286参照)の中でオンに設定される(図286のS3005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図288(b)のS3305参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図288(b)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図288(b)のS3308参照)および簡易表示設定処理(図288(b)のS3309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図289〜図296参照)および表示設定処理(図167〜図169参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図170(a)のS7901参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図170(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図171参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図261参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図261参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図261参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図288(b)のS3303参照)の中で、ポインタ更新処理(図169のS7605参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図261参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図261を参照して、描画リストの詳細について説明する。図261は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図261に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図288(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図288(b)のS3307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図286のS3002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図171参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図171のS8113参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図171のS8114参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図172のS8202参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図288(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図172のS8202参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第A1制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図262から図279のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図262は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、999,99、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図263〜図267を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行する(S106)。尚、普通図柄変動処理の詳細は、図268を参照して後述する。普通図柄変動処理を実行した後は、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、スルーゲート通過処理の詳細は、図269を参照して後述する。
スルーゲート通過処理を実行した後は、V入口通過処理を実行し(S108)、その後、V通過処理(S109)を実行する。ここで、V入口通過処理、V通過処理の詳細については図270及び図271を参照して後述する。
V通過処理(S109)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図263を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図263は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図274参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図264を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得し(S208)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S209)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合(S209:No)、即ち、新たに特別図柄変動を開始させるための保留球が存在しない場合は、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S210)、S210の処理により変更(減算)された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S212)。その後、S213の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図264を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合は、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜大当たりDの何れかを決定し、特別図柄の抽選結果が小当たりの場合は、小当たり種別カウンタC5の値に応じて小当たりA〜Eの何れかを決定する。
尚、本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様(点灯態様)によって、今回の特別図柄の抽選結果(各種別カウンタの決定結果)を遊技者に報知するように構成しており、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、第1図柄表示装置37a,37bにおいて青色のLEDを点灯させ、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。
そして、特別図柄の抽選結果が大当たりであり、且つ、大当たりAが決定された場合は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて青色のLEDを、大当たりAを示す態様(例えば、アルファベットの「a」を模した態様)で点灯させ、大当たりBが決定された場合は、大当たりBを示す態様(例えば、アルファベットの「b」を模した態様)で点灯させ、大当たりCが決定された場合は、大当たりCを示す態様(例えば、アルファベットの「c」を模した態様)で点灯させ、大当たりDが決定された場合は、大当たりDを示す態様(例えば、アルファベットの「d」を模した態様)で点灯させる。
また、特別図柄の抽選結果が小当たりである場合にも、上述した大当たりに当選した場合と同様に、赤色のLEDを各小当たり種別(小当たりA〜小当たりE)に応じた態様で点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。また、本実施形態では上述したように決定された各当たり種別(大当たり種別や小当たり種別)を遊技者が把握できるように各当たり種別の内容を示す態様(特別図柄の抽選結果に対応した色、各当たり種別に対応した点灯態様から形成される態様)で第1図柄表示装置37a,37bを点灯させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、抽選結果や、決定された当たり種別が異なっている場合であっても第1図柄表示装置37a,37bの点灯態様として同一の点灯態様を用いるように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bの点灯態様を確認することで、今回の特別図柄の抽選結果や決定される当たり種別を把握することが可能となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果が異なるものであることを遊技者が判別可能な程度に区分けされた点灯態様で表示するように構成しても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の変動表示に対応する特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口(特定入賞口65a、V入賞口624)へ球が入賞可能とするために、V入賞扉600を開閉させるための開放シナリオを設定し(S217)、その後、今回の大当たりにおいて決定された大当たり種別に対応させて大当たりの開始の設定(15ラウンド等の大当たりの設定)を実行する(S218)。
S218の処理を終えると、次に、大当たり開始フラグ203h、大当たり中フラグ203iをオンに設定し(S219)、時短中カウンタ203gの値を0に設定し(S220)、停止コマンドを設定し(S225)、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別した場合は(S216:No)、次に、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S221)、小当たりであると判別した場合は(S221:Yes)、小当たり開始設定処理(S222)を実行した後に上述したS225の処理を実行し、本処理を終了する。なお、小当たり開始設定処理(S222)の詳細については、図265を参照して後述する。
S221の処理において、今回の抽選結果が小当たりではない(外れである)と判別した場合は(S221:No)、次に、時短中カウンタ203gの値が1以上であるか判別する(S223)。時短中カウンタ203gの値が1以上では無い(0である)と判別した場合には(S223:No)、上述したS225の処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gが1以上であると判別した場合(S223:Yes)、即ち、現在が時短状態中である場合には、時短中カウンタ203gの値を1減算し(S224)、S225の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図264を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図264は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図262参照)の特別図柄変動処理(図263参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」、或いは「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b)の共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、停止種別カウンタCN1の各値を取得する(S231)。次に、特別図柄の種別(特別図柄1、特別図柄2)に対応した特別図柄大当たり乱数テーブル(特別図柄1乱数テーブル202a1、特別図柄2乱数テーブル202a2)に基づいて特別図柄の抽選結果を取得し(S232)、S233の処理へ移行する。
具体的には、今回の処理で実行される特別図柄変動が第1特別図柄の場合は、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄1乱数テーブル202a1(図242(b)参照)に設定された4つの乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜3」の4個が設定されており、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄1乱数テーブル202a1(図242(b)参照)に設定される小当たりとなる乱数値「4」とが一致する場合には、特別図柄の小当たりであると判定する。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判定される判定値を同じとしているが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たり乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判定される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、小当たりと判定される判定値の数が異なるように構成している。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて抽選結果が小当たりとなる確率を異ならせることができ、小当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との何れも小当たりに当選するように第1当たり乱数テーブル202aを設定しているが、何れか一方の特別図柄のみ小当たりに当選するように第1当たり乱数テーブル202aを設定しても良い。具体的には、第1特別図柄に対応する特別図柄1乱数テーブル202a1には特別図柄の小当たりとなる乱数値を設定せず、第2特別図柄に対応する特別図柄2乱数テーブル202a2にのみ特別図柄の小当たりとなる乱数値を設定するように設定すると良い。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて遊技者に付与可能な特典(小当たり遊技)を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値の所定範囲(0〜3)に、特別図柄の大当たりを対応させ、それ以外の範囲(4〜999)内に特別図柄の種別に応じて特別図柄の小当たりを対応させているが、それ以外の構成として、例えば、第1特別図柄では大当たりとなる範囲の一部(例えば、0〜2)の値を、第2特別図柄では小当たりとなる範囲として設定しても良い。
さらに、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aとを用いて特別図柄の抽選(大当たり、小当たり、外れ)を行うように構成しているが、それ以外の構成として、複数の当たり乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選を行うように構成しても良く、例えば、1つ目の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し、1つ目の乱数テーブルを用いた抽選結果が大当たりでは無い場合に、2つ目の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別するように構成しても良い。このように複数の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選を行うことにより、特別図柄の抽選結果をよりランダムに設定することができ、特別図柄の抽選結果を操作する不正行為を抑制することができる。
本実施形態では、特別図柄の抽選を行う場合に第1当たり乱数カウンタC1の値を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、複数の乱数カウンタの値と、第1当たり乱数テーブル202aとを用いて特別図柄の抽選を行っても良い。この場合、例えば、1つ目の乱数カウンタの値に基づいて特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し、2つ目の乱数カウンタの値に基づいて特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別するように構成しても良い。
図264に戻り説明を続ける。S233の処理ではS232の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S233)。特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S233:Yes)、今回の特別図柄抽選に対応する特別図柄の種別に対応した大当たり種別選択テーブルに基づいて大当たり種別を取得し(S234)、特別図柄と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定し(S235)、変動種別カウンタの値に基づいて大当たり変動パターンを決定し(S236)、今回決定した大当たり変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(S243)、本処理を終了する。
一方、S233の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S233:No)、次に、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S237)、小当たりであると判別した場合は(S237:Yes)、今回の特別図柄抽選に対応する特別図柄の種別に応じた小当たり種別選択テーブルに基づいて小当たり種別を取得し(S238)、特別図柄と小当たり種別とに対応した小当たり時の表示態様を設定し、変動種別カウンタの値に基づいて小当たり変動パターンを決定し、今回決定した小当たり変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(S243)、本処理を終了する。
また、S237の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無いと判別した場合(S237:No)、即ち、今回の抽選結果が外れであると判別した場合は、特別図柄の種別に対応した外れ時の表示態様を設定し(S241)、保留球数に基づいて外れ時の変動パターンを決定し(S242)、今回決定した外れ時の変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(S243)、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりである場合には、保留球数に関わらず変動パターンが決定されるのに対して、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、保留球数に応じて変動パターンが異なるように構成している。具体的には、特別図柄変動開始処理(S213)が実行されるタイミングにおける保留球数が多い程、変動時間が短い変動パターンが決定され易くなるように構成している。これにより、特別図柄の抽選結果が遊技者に特典を付与することの無い抽選結果(外れ)が表示されるまでの期間を保留球数が多い程短くすることが出来るため、単位時間当たりに実行される特別図柄の抽選回数を増加させるために、多くの保留球数を常に確保しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、多くの保留球数を確保することが出来ない場合には、1回の特別図柄変動時間を長くすることができるため、遊技中において特別図柄が変動していない状態が発生することを抑制することができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、特別図柄変動開始処理(S213)の処理が実行されるタイミングにおける保留球数に基づいて変動パターンを異ならせるように構成しているが、それ以外にも、例えば、特別図柄が変動している最中に保留球数が所定数(例えば、3個)以上になったことを条件に、実行中の変動パターンに設定されている変動時間を短縮させるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄が変動している間も多くの保留球数を確保しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が外れの場合のみ、保留球数に基づいて変動パターンを異ならせているが、特別図柄の抽選結果が大当たりや小当たりの場合にも、保留球数に基づいて変動パターンを異ならせても良いし、保留球数が多い程、長い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しても良い。さらに、変動パターンを決定する際に参照する保留球数については、第1特別図柄の保留球数と、第2特別図柄の保留球数とを合算した値でも良いし、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、優先して特別図柄変動開始処理が実行される第2特別図柄の保留球数の値のみでも良いし、今回実行される特別図柄変動開始処理の対象となる側の特別図柄の保留球数の値のみでも良い。
次に、図265を参照して、小当たり開始設定処理(S222)について説明をする。図265は、小当たり開始設定処理(S222)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理では、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合にV入賞扉600を開放させるためのソレノイド(V入口ソレノイド)209や、開放したV入賞扉600を通過した球がV入賞口624に向けて流下する流路に設けられた第1滞留部材622d(図231参照)、可動誘導部材622(図231参照)、第2滞留部材622b(図231参照)、回転振分部材621(図231参照)のそれぞれを動作させるためのソレノイドを駆動させるためのシナリオを設定する処理が実行される。
小当たり開始設定処理(S244)では、まず、小当たりシナリオテーブル202ab(図248(b)参照)に基づいて、設定された小当たり種別に対応するシナリオ(当たりシナリオa)を設定する(S241)。次いで、V通過時大当たり種別値に決定された小当たり種別に応じた小当たり種別を設定し(S242)、小当たり種別に対応した小当たりの開始を設定し(S243)、小当たり開始フラグ203j、小当たり中フラグ203kをオンに設定し(S244)、本処理を終了する。
次に、図266を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図266は、本実施形態におけるタイマ割込処理(図262参照)の中で実行される始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行され、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理(図266,S105)が実行されると、まず、球が第1入賞口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S301)。ここでは、第1入賞口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入賞口64に入賞したと判別されると(S301:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S302)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S303)。
そして、第1入賞口64への入賞がないか(S301:No)、或いは、第1入賞口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S303:No)、S307の処理へ移行する。一方、第1入賞口64への入賞があり(S301:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S303:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S304)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S305)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図274参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S305の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S306)。尚、S306の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S307〜S312までの処理では、S301〜S306までの処理に対して、同様の処理が第2入賞口640の入賞に対しても実行される。第2入賞口640の入賞に対して、第2特別図柄に対する保留処理が実行される点で異なるのみで、その他の処理については同一であるので、その詳細な説明は省略する。そして、S307の処理において球が第2入賞口へ入賞していないと判定された場合(S307:No)と、S312の処理の後、先読み処理を実行する(S313)。その後、この処理を終了する。
次に、図267を参照して、先読み処理(S313)について説明する。図267は先読み処理(S313)を示すフローチャートである。先読み処理(S313)が実行されると、まず新たな入賞があったか否かを判定する(S321)。新たな入賞がない場合は(S321:No)、そのまま本処理を終了する。一方、新たな入賞があった場合は(S321:Yes)、次いで、その入賞が第1特別図柄の入賞であるか否かを判別する(S322)。
S322の処理において、入賞が第1特別図柄の入賞であると判別された場合は(S322:Yes)、特別図柄1乱数テーブル、特別図柄1大当たり選択テーブルおよび特別図柄1小当たり選択テーブルに基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(S323)、S325の処理へ移行する。
一方、S322の処理において、入賞が第2特別図柄の入賞であると判別された場合は(S322:No)、特別図柄2乱数テーブル、特別図柄2大当たり選択テーブルおよび特別図柄2小当たり選択テーブルに基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(S324)、S325の処理へ移行する。S325の処理では、上述したS323、或いはS324の処理において取得した各抽選結果(大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり判定結果、小当たり種別)を示すための情報を含む入賞情報コマンドを設定する(S325)。そして、本処理を終了する。
次に、図268を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図268は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S401)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S401:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S402)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S402:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S403)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S404)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S404:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S405)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S406)。S406の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S407)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定する(S408)。尚、時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203gの値が1以上である場合は(S408:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S409)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S409:Yes)、S411の処理に移行する。
S409の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S409:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S407の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S410)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(b)参照)。
S408の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(S408:No)、S411の処理へ移行する。S411の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S407の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S411)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(b)参照)。
次に、S410またはS411の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S412)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S412:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S413)。このS413の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S414)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S414:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S415)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S415:Yes)、S417の処理に移行する。
S415の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S415:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S416)、S419の処理へ移行する。S414の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(S414:No)、S417の処理へ移行する。S417の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S417)、S419の処理へ移行する。
S412の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S412:No)、外れ時の表示態様を設定する(S418)。このS418の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S419の処理へ移行する。
S419の処理では、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S419)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S419:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S420)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば(S419:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S421)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。
S402の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S402:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S422)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S420の処理またはS421の処理によって予め設定された時間である。
S422の処理において、変動時間が経過していなければ(S422:No)、本処理を終了する。一方、S422の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S422:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S423)。S423の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S413の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S418の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S423の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S413の処理またはS418の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S424)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S424:Yes)、電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S425)、本処理を終了する。S425の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S416の処理またはS417の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S424の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S424:No)、S425の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図269を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)について説明をする。このスルーゲート通過処理は、この普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
具体的には、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S431)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S431:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S432)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S433)。
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(S431:No)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S433:No)、本処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S433:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S434)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S435)、本処理を終了する。
尚、普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する際には、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図270を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S108)について説明する。図270は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行されるV入口通過処理(S108)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S108)では、まず第1滞留センサ622fがオンであるかを判定し(S501)、オンでなければ(S501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1滞留センサ622fがオンであると判定した場合は(S501:Yes)、次に、V入賞口開放期間中、即ち、大当たり種別として大当たりBが設定されている大当たり遊技の1ラウンド目のラウンド遊技中、或いは小当たり遊技中であるか否かを、設定されているシナリオが当たりシナリオa202aa2であるかに基づいて判定する(S502)。S502の処理において、V入賞口開放期間中であると判別された場合は(S502:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S503)、本処理を終了する。小当たり中ではない場合は(S502:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置620へ遊技球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定し(S504)、本処理を終了する。
S503の処理において設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図274参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した遊技球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置620への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる。
次に、図271を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S109)について説明する。図271は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行されるV通過処理(S109)を示すフローチャートである。
V通過処理(S109)が実行されると、まず、V通過ありか、即ち、V入賞口624に遊技球が入賞したかを判別し(S601)、入賞したと判別した場合は(S601:Yes)、次いで、現在がV有効期間中であるかを判別する(S602)。S602の処理では、小当たり遊技中、或いは、大当たり種別Bに設定されているシナリオ(当たりシナリオb222aa3)の進行をカウントするシナリオカウンタ203aaの値が、「1」〜「501」である場合に、V有効期間中であると判別し、それ以外の場合に、V有効期間中では無いと判別する。
S602の処理において、V有効期間中であると判別した場合は(S602:Yes)、次に、現在が小当たり遊技中であるかを判別し(S603)、小当たり遊技中であれば(S603:Yes)、今回の小当たり遊技の小当たり種別に対応するV通過時大当たり種別値を取得し(S604)、大当たり種別に対応したVフラグをオンに設定し(S605)、時短中カウンタを0に設定し(S606)、S607の処理へ移行する。
つまり、S604〜S606の処理では、小当たり遊技中に遊技球がV入賞口624へ入賞したことに基づいて、大当たり遊技を実行するための処理が実行される。一方、S603の処理において、小当たり遊技中では無い(大当たり種別Bに対応する大当たり遊技中である)と判別した場合は(S603:No)、新たに大当たり遊技を実行するための処理を行う必要が無いため、S604〜S606の処理をスキップして、S607の処理へ移行する。
S607の処理では、V通過コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。ここで設定されるV通過コマンドは、主制御装置110の制御処理で設定される他のコマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113がV通過コマンドを受信した場合、例えば、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、小当たり遊技中に実行されるVチャレンジに成功し、小当たり遊技に続いて、大当たり遊技が実行されることを示すための演出を実行する。また、大当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合と同様の演出を実行する。
一方で、小当たり遊技中の所定タイミングでV通過コマンドを受信しなかった場合は、Vチャレンジに失敗したことを示すための残念演出を実行し、大当たり遊技中の所定タイミングでV通過コマンドを受信しなかった場合は、残念演出からの復活演出を実行し、継続して大当たり遊技が実行されることを遊技者に報知する。
なお、本実施形態では、V入賞口624に遊技球が入賞したことを示すためのコマンド(V通過コマンド)のみを設定する構成を示したが、V入賞口624に遊技球が入賞しなかったことを示すためのコマンド(例えば、V非通過コマンド)を設定するように構成しても良い。この場合、例えば、本実施形態ではV入賞口624に入球可能な遊技球は、第2滞留部材622bにより滞留されている遊技球(例えば、1個)だけであるため、第2滞留部材622bにより滞留されている遊技球の個数を計測する個数計測手段と、回転振分部材621から流下した遊技球が流下可能な左排出路623aと右排出路623b(図229参照)に遊技球の通過を検知する検知手段と、を設け、個数計測手段により計測された個数分の遊技球が検知手段により検知された場合に、上述したV非通過コマンドを設定するように構成すれば良い。これにより、音声ランプ制御装置113にて適切な演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。また、上述した構成を用いることで、V入賞装置620内で遊技球が詰まったことを迅速に判別することができる。
一方、S602の処理において、現在がV有効期間中では無いと判別した場合は(S602:No)、エラーコマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。S607の処理を行うことで、V有効期間外に遊技球がV入賞口624に入賞した状態、即ち、不正に遊技球をV入賞口624に入賞させる遊技が行われた場合、或いは、V入賞口624に付設された部材(例えば、第2滞留部材622b)の不具合が発生している場合を迅速に外部に報知することができる。
次に、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について図272を参照して説明をする。図272は、NMI割込処理の内容を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される(S801)。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について図273を参照して説明する。図273は、立ち上げ処理の内容を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理を実行する(S914)。RAMの初期化処理では、RAM203の使用領域を0クリア、その後、RAM203の初期値を設定する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず、電源断の発生情報が記憶されており、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信する(S909)。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
そして、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S910)、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S911)。次いで、割込みを許可して後述するメイン処理に移行する。
次に、図274を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図274は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1008の各処理が実行され、その残余時間でS1011,S1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図274参照)においては、まず、タイマ割込処理(図262参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図262参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図263参照)や始動入賞処理(図266参照)やV入口通過処理(図270参照)やV通過処理(図271参照)で設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図275参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドや後述する小当たり制御処理(図278参照)で設定される各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理(図274参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図262参照)において実行しても良い。
次に、小当たり制御処理(S1005)を実行する。この小当たり制御処理(S1005)については、図278を参照して詳細な説明を後述する。その後、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1006)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図268参照)のS425の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS416の処理またはS417の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37a,37bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図264参照)のS236の処理、S240の処理またはS242の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37a,37bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図264参照)のS236の処理、S240の処理またはS242の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図264参照)のS235,S239,S241の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37a,37bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1008)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図268参照)のS420の処理またはS421の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図268参照)のS423の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図268参照)のS413の処理またはS418の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1010)、既に所定時間が経過していれば(S1010:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1010:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1011,S1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1012)。
ここで、S1001〜S1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理が実行されたということなので、S1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1015)、RAM203のアクセスを禁止して(S1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1009の処理は、S1001〜S1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1011とS1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図275のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図275は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図274参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、大当たりシナリオが設定されているかを判別する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図263参照)のS217の処理、または、後述する小当たりエンディング制御処理(図279参照)のS1406の処理を実行し、大当たりシナリオが設定されているかを判別する。つまり、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなり、その抽選結果に基づいて大当たりシナリオが設定されたか、或いは、小当たり遊技中に特定領域(V入賞口624)を通過したことに基づいて大当たりシナリオが設定されたかを判別する。S1101の処理において、大当たりシナリオが設定されていないと判別された場合は(S1101:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1101の処理において、大当たりシナリオが設定されていると判別された場合は(S1101:Yes)、大当たり開始フラグ203hをオフに設定し、次いで、設定されているシナリオが大当たりBのものであるか否かを判別する(S1102)。
S1102の処理において、大当たりBの大当たりシナリオが設定されていると判別された場合は(S1102:Yes)、特定制御済フラグ203abがオンであるか否かを判別する(S1117)。
S1117の処理において、特定制御済フラグ203abがオフであると判別された場合は(S1117:No)、特定大当たり制御処理(S1118)の処理を実行して、大当たり制御処理を終了する。この特定大当たり制御処理(S1118)の処理については、図276を参照して後述する。
一方、S1102の処理において大当たりB以外の大当たりシナリオが設定されていると判別された場合(S1102:No)や、S1117の処理において特定制御済フラグ233abがオンであると判別された場合(S1117:Yes)は、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値に1を加算し(S1103)、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値が大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S1104)。例えば、大当たりシナリオaが設定されている場合(図示せず)、オープニング開始(オープニングスタート)に該当するシナリオカウンタ203aaのカウンタ値は1であるため、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値が1であるかを判別する。
S1104の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がオープニング開始に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1)であると判別された場合は(S1104:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S1105)、本処理を終了する。一方、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がオープニング開始に対応しない値であると判別した場合は(S1104:No)、次いで、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がラウンド開始に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1251)であるかを判別する(S1106)。
S1106の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がラウンド開始に対応する値であると判別した場合は(S1106:Yes)、S1107の処理にて特定入賞口65aが開放されるよう設定し(特定入賞口65aの開閉扉65bが開状態となるよう特定入賞口ソレノイドをオンに設定し)、次いで、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1108)、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図274参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1105の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がラウンド開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1106:No)、次に、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1109)。ここで、本実施形態における特定入賞口65aの閉鎖条件としては、特定入賞口65aが開放されてから29秒が経過した場合、または、特定入賞口65aが開放されてから、球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1109の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していると判別した場合は(S1109:Yes)、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値を、現在実行されているラウンドのラウンド終了に対応するカウンタ値から1減算した値まで更新し(S1110)、本処理を終了する。なお、S1109の処理で閉鎖条件が成立していると判別された場合は、その閉鎖条件はクリアされ、次回以降の大当たり制御処理において再度閉鎖条件が成立していると判別されないよう構成されている。
ここで、大当たりシナリオは、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値を更新(加算)し、その更新(加算)されたカウンタ値に対応する動作を実行させるように構成されている。よって、特定入賞口65aに球が所定数(例えば、10個)入賞したことで閉鎖条件が成立する場合、つまり、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で特定入賞口65aを閉鎖する場合には、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値を対応する動作制御が実行されるカウンタ値の1つ前の値まで更新するよう構成している(次回の大当たり制御処理にて動作制御が実行されるよう構成している)。
このようにすることで、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で実行される動作制御(例えば、球が所定数入賞したことにより特定入賞口を閉鎖させる動作制御)を大当たりシナリオに基づいて実行することが可能となる。よって、特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件として、所定時間が経過した場合は大当たりシナリオに基づいて動作制御を行い、所定数の入賞があった場合は大当たりシナリオに基づくことなく動作制御を実行するといった複雑な制御を行う必要がなくなり、設計を容易にすることができるとともに両方の動作制御が混在してしまうという事態を防ぐことができるという効果がある。
S1109の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(S1109:No)、つぎに、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がラウンド終了に対応する値(大当たりシナリオaであればカウンタ値が8750)であるかを判別する(S1111)。
S1111の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がラウンド終了に対応する値であると判別した場合は(S1111:Yes)、S1112の処理にて特定入賞口65aが閉鎖されるよう設定し(特定入賞口65aの開閉扉65bが閉状態となるよう特定入賞口ソレノイド65f2をオフに設定し)、本処理を終了する。なお、上述したS1106〜S1111までの判別処理は、大当たりシナリオに設定されている大当たりのラウンド数分繰り返し実行される。
一方、S1111の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がラウンド終了に対応する値ではないと判別した場合は(S1111:No)、次いで、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がインターバル開始に対応する値(大当たりシナリオaであればカウンタ値が8751)であるかを判別する(S1113)。S1113の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がインターバル開始に対応する値であると判別した場合は(S1113:Yes)、インターバルコマンドを設定し(S1114)、本処理を終了する。
一方、S1113の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がインターバル開始に対応する値ではないと判別した場合には(S1113:No)、次に、大当たりエンディング制御処理(S1115)を実行する。この大当たりエンディング制御処理は、大当たり遊技におけるエンディング期間、つまり大当たり遊技の最終ラウンドが終了してから特別図柄の変動が開始されるまでの所定期間(例えば5秒)の間に実行される処理である。
この大当たりエンディング制御処理の内容については、図277を参照して後述する。大当たりエンディング制御処理(S1115)を終えると、次に、その他シナリオに基づく動作処理を実行し(S1116)、本処理を終了する。ここで、S1116の処理としては、例えば、回転振分部材621を駆動するためのV振り分けモータ620aを大当たりシナリオに基づいて駆動制御する場合には、そのモータの動作処理を実行する。
次に、図276のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特定大当たり制御処理(S1118)を説明する。図276は、この特定大当たり制御処理(S1118)を示すフローチャートである。この特定大当たり制御処理(S1118)は、大当たり制御処理(図275参照)の中で実行される処理であり、大当たり種別として大当たり種別Bが設定された場合に実行される処理である。
特定大当たり制御処理では、まず、設定されているシナリオが当たりシナリオaであるか否かを判別する(S1201)。S1201の処理において、当たりシナリオaの設定があると判別された場合には(S1201:Yes)、シナリオカウンタ203aaに1を加算し(S1202)、加算後のシナリオカウンタ203aaの値に対応した動作を実行する(S1203)。
次いで、シナリオカウンタ203aaの値に基づいて、当たりシナリオaの終了タイミングであるか否かを判別する(S1204)。S1204の処理において、当たりシナリオaの終了タイミングではないと判別された場合には(S1204:No)、そのまま大当たり制御処理へと戻る。
一方、S1204の処理において、当たりシナリオaの終了タイミングであると判別された場合には(S1204:Yes)、シナリオカウンタ203aaの値を0に設定し(S1205)、第2滞留部材622bに滞留している遊技球(滞留球)があるか否かを判別する(S1206)。
S1206の処理において、第1滞留部材622dに滞留球があると判別された場合には、当たりシナリオbを設定し(S1207)、S1209の処理へ移行する。一方、第1滞留部材622dに滞留球がないと判別された場合には、当たりシナリオcを設定し(S1208)、S1209の処理へ移行する。これにより、当たりシナリオaの終了タイミングにおいて、第2滞留部材622bに滞留球があるか否かに応じて、その後に設定される当たりシナリオの種別を異ならせることができる。
S1209の処理では、シナリオカウンタ203aaの値に応じた動作を実行し(S1209)、次いで、当たりシナリオbまたはcの終了タイミングであるか否かを判別する(S1210)。
S1210の処理において、当たりシナリオbまたはcの終了タイミングであると判別された場合には(S1210:Yes)、大当たりシナリオbを設定し(S1211)、特定制御済フラグ233abをオンに設定して(S1212)、本処理を終了する。
一方、S1210の処理において、当たりシナリオbまたはcの終了タイミングでないと判別された場合には(S1210:No)、S1211およびS1212の処理をスキップして、本処理を終了する。
S1201の処理において、当たりシナリオaの設定がないと判別された場合には(S1201:No)、次いで、当たりシナリオbまたはcの設定があるか否かを判別する(S1213)。S1213の処理において、当たりシナリオbまたはcの設定があると判別された場合には(S1213:Yes)、S1209の処理へ移行する。これにより、当たりシナリオaが設定されている場合には、S1202からS1208の処理が実行され、その後当たりシナリオbまたはcが設定された場合には、S1202からS1208の処理をスキップしてS1209の処理以降を実行することができる。
一方、S1213の処理において、当たりシナリオbおよびcのいずれも設定されていないと判別された場合には(S1213:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図277のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たりエンディング制御処理(S1115)を説明する。図277は、この大当たりエンディング制御処理(S1115)を示すフローチャートである。この大当たりエンディング制御処理(S1115)は、大当たり制御処理(図275参照)の中で実行される処理である。
大当たりエンディング制御処理では、まず、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング開始に対応する値(大当たりシナリオaであればカウンタ値が40751)であるかを判別する(S1301)。S1301の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング開始に対応する値であると判別した場合は(S1301:Yes)、大当たりエンディングコマンドを設定し(S1302)、本処理を終了する。
一方、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1301:No)、次いで、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング終了に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が42000)であるかを判別する(S1303)。S1303の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング終了に対応する値ではないと判別した場合には(S1303:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1303の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング終了に対応する値であると判別した場合には(S1303:Yes)、大当たりシナリオの設定をクリアし(S1304)、次に、シナリオカウンタ203aaを0にリセットする(S1305)。つまり、大当たりシナリオに基づく大当たり遊技の動作制御を終了する。
次いで、大当たり中フラグ203iをオフに設定し(S1306)、特定制御済フラグ203abをオフに設定する(S1307)。そして、大当たり種別に対応した時短中カウンタ203gの値を設定し(S1308)、大当たり終了コマンドを設定して(S1309)、本処理を終了する。
次に、図278のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(S1005)を説明する。図278は、この小当たり制御処理(S1005)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1005)は、メイン処理(図274参照)の中で実行され、小当たりに応じた各種演出を音声ランプ制御装置113にて実行させるためのコマンドの設定や、V入球口600aに付随するV入賞扉600を開閉するためのV入賞ソレノイドや、流路ソレノイド209bの動作を制御する処理である。なお、本実施形態では、小当たり遊技中に設定されるシナリオが、図276を参照して上述した特定大当たり制御処理(S1118)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
小当たり制御処理では、まず、当たりシナリオaが設定されているか否かを判別する(S1401)。S1401の処理において、当たりシナリオaの設定があると判別された場合には(S1401:Yes)、シナリオカウンタ203aaに1を加算し(S1402)、加算後のシナリオカウンタ203aaの値に対応した動作を実行する(S1403)。
次いで、シナリオカウンタ203aaの値に基づいて、当たりシナリオaの終了タイミングであるか否かを判別する(S1404)。S1404の処理において、当たりシナリオaの終了タイミングではないと判別された場合には(S1404:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1404の処理において、当たりシナリオaの終了タイミングであると判別された場合には(S1404:Yes)、シナリオカウンタ203aaの値を0に設定し(S1405)、第2滞留部材622bに滞留している遊技球(滞留球)があるか否かを判別する(S1406)。
S1406の処理において、第2滞留部材622bに滞留球があると判別された場合には、当たりシナリオbを設定し(S1407)、S1409の処理へ移行する。一方、第2滞留部材622bに滞留球がないと判別された場合には、当たりシナリオcを設定し(S1408)、S1409の処理へ移行する。これにより、当たりシナリオaの終了タイミングにおいて、第2滞留部材622bに滞留球があるか否かに応じた演出を設定することができる。
S1409の処理では、シナリオカウンタ203aaの値に応じた動作を実行し(S1409)、次いで、当たりシナリオbまたはcの終了タイミングであるか否かを判別する(S1410)。
S1410の処理において、当たりシナリオbまたはcの終了タイミングであると判別された場合には(S1410:Yes)、小当たりエンディング制御処理を実行して(S1411)、本処理を終了する。この小当たりエンディング制御処理(S1411)の詳細については、図279を参照して後述する。
一方、S1410の処理において、当たりシナリオbまたはcの終了タイミングでないと判別された場合には(S1410:No)、S1411の処理をスキップして、本処理を終了する。
S1401の処理において、当たりシナリオaの設定がないと判別された場合には(S1401:No)、次いで、当たりシナリオbまたはcの設定があるか否かを判別する(S1412)。S1412の処理において、当たりシナリオbまたはcの設定があると判別された場合には(S1412:Yes)、S1409の処理へ移行する。これにより、当たりシナリオaが設定されている場合には、S1402からS1408の処理が実行され、その後当たりシナリオbまたはcが設定された場合には、S1402からS1408の処理をスキップしてS1409の処理以降を実行することができる。
一方、S1412の処理において、当たりシナリオbおよびcのいずれも設定されていないと判別された場合には(S1412:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図279のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たりエンディング制御処理(S1411)を説明する。図279は、この小当たりエンディング制御処理(S1411)を示すフローチャートである。この小当たりエンディング制御処理(S1411)は、小当たり制御処理(図278参照)の中で実行される処理である。
小当たりエンディング制御処理では、まず、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング開始に対応する値(シナリオカウンタ203aaのカウンタ値が751)であるかを判別する(S1501)。S1501の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング開始に対応する値であると判別した場合は(S1501:Yes)、小当たり終了コマンドを設定し(S1502)、本処理を終了する。
一方、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1501:No)、次いで、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング終了に対応する値(シナリオカウンタ203aaであれば、カウンタ値が1500)であるかを判別する(S1503)。S1503の処理において、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング終了に対応する値ではないと判別した場合には(S1503:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、シナリオカウンタ203aaのカウンタ値がエンディング終了に対応する値であると判別した場合は(S1503:Yes)、小当たりシナリオの設定をクリアし、シナリオカウンタ203aaを0にリセットする(S1504)。そしてS1505の処理に移行する。
S1505では、Vフラグ203nがオンに設定されているかを判別する(S1505)。S1505の処理において、Vフラグ203nがオンに設定されていないと判別された場合は(S1505:No)、本処理を終了する。一方、Vフラグ203nがオンに設定されていると判別された場合は(S1505:Yes)、次いで、図30のS705にて設定されたVフラグ203nの値が示す大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定する(S1506)。そして、大当たり開始フラグ203hおよび大当たり中フラグ203iをオンに設定し(S1507)、Vフラグ203nをオフに設定して(S1508)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では小当たり遊技をすべて1ラウンドの遊技として設定しているため、大当たり遊技の動作制御を実行する大当たりシナリオと異なり、ラウンド数に関するコマンドを設定する処理、及び、インターバル期間(ラウンド間インターバル期間)に対応したシナリオを有していないが、複数ラウンドを有する小当たり遊技を設ける場合には、上述した大当たり遊技にて用いた大当たりシナリオと同様なシナリオを設定すればよい。
また、本実施形態では小当たり遊技が実行される期間を対象に小当たりシナリオが設定されるよう構成しているが、例えば、小当たり遊技終了後、所定期間(例えば1秒)が経過するまでの間を対象に小当たりシナリオを設定してもよい。このように構成することにより、例えば、小当たり遊技終了後1秒経過するまでをV通過有効期間と設定することが可能となる。よって、異なる遊技状態を跨って設定される期間を1つのシナリオによって設定することが可能となり、制御処理の容量を削減することができるという効果がある。
なお、本実施形態では、小当たり遊技においてV入賞口624により遊技球が検出された場合には、その小当たりに対応して予め設定された大当たり種別に対応する大当たり遊技が実行されるように構成したが、それに限らず、V入賞口624により遊技球が検出されたことに基づいて第1当たり種別カウンタC2の値を取得して大当たり種別を決定するように構成してもよい。
<第A1実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図280から図285を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図280を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図280は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1401)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2018の電源断処理(図281参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1402)。図281を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図281のS2015参照)、S2018の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2018の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1402:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1514の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1403)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1406の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1403:Yes)、S1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1403:No)、S1408へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1403:Yes)、S1404へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1403:No)、S1408へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1402:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2018の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1404の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1404)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1405:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1406)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1405:No)、RAM223の異常を報知して(S1407)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1408の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1408)。電源断フラグはS1516の電源断処理の実行時にオンされる(図281のS2017参照)。つまり、電源断フラグは、S2018の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2018の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1408:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1409)、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1408:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1409をスキップして、処理をS1410へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。
なお、S1409のクリア処理をスキップするのは、S1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至った場合には、S1404の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図281を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図281は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2001の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2001)、1m秒以上経過していなければ(S2001:No)、S2002〜S2012の処理を行わずにS2013の処理へ移行する。S2001の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2002〜S2012が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2014の変動表示設定処理や、S2013のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2013の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2014の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2001の処理で1m秒以上経過していれば(S2001:Yes)、まず、S2003〜S2012の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2002)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2008の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2003)、その後電源投入報知処理を実行する(S2004)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2005の処理へ移行する。
S2005の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1506)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2007)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、図285を参照して後述するが、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。尚、この枠ボタン入力監視・演出処理の詳細については、図285を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2008)、その後音編集・出力処理を実行する(S2009)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2009の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2010)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2008のランプ編集処理が実行される。なお、S2009の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。S2011の各種カウンタ更新処理では、音声ランプ制御装置113のMPU221の制御処理で使用する各種カウンタが更新される。S2012の演出更新処理では、演出等の更新処理が実行される。
演出更新処理の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2013)。このコマンド判定処理の詳細については、図282を参照して後述する。
次に、S2014の処理へ移行する。S2014の処理では、変動表示設定処理が実行される(S2014)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図284を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2015)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2015の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2015:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2017)、電源断処理を実行する(S2018)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2019)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2015の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2015:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2016)、RAM223が破壊されていなければ(S2016:No)、S2001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2016:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図282を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2013)について説明する。図282は、このコマンド判定処理(S2013)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2013)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図281参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理(図280,S2013)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2101)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2101:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S2102)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S2103)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図284参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2101:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2104)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2104:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S2105)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2106)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図284参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2104:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2107)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2107:Yes)、受信した保留球数コマンドから第1特別図柄、第2特別図柄の保留球数を抽出して、対応する特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。尚、S2108の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S2107の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2107:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S2109)。入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S2109:Yes)、受信した入賞情報コマンドに対応した入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する(S2110)。その後、この処理を終了する。
一方、S2109の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合には(S2109:No)、大当たり、小当たり等に関する当たり関連のコマンドを受信したか判別する(S2111)。当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S2111:Yes)、当たり関連処理を実行する(S2112)。この当たり関連処理(S2112)については、図283を参照して、後述するが、大当たり、または小当たりにおいて主制御装置110から出力される各コマンドに基づいた処理が実行される。その後、この処理を終了する。
S2111の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S2111:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2115)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図283を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S2112)について説明する。図283は、この当たり関連処理(S2112)を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S2112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図282参照)の中で実行される。
当たり関連処理(S2112)では、まず、大当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2201)。大当たり開始コマンドを受信した場合には、表示用大当たり開始コマンドを設定する(S2202)。なお、省略したが、音声ランプ制御装置113においても、大当たり開始コマンドを受信すると、各種ランプ、音声等の大当たりの開始で必要な処理が実行される。その後、この処理を終了する。
大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2201:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S2203)。ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合には(S2203:Yes)、受信したコマンドが示すラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定する(S2204)。その後、この処理を終了する。
ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2203:No)、大当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2205)。大当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S2205:Yes)、大当たりの終了タイミングであることを示す表示用大当たり終了コマンドを設定する(S2206)。その後、この処理を終了する。
大当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2205:No)、小当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2207)。小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S2207:Yes)、小当たり遊技の開始タイミングであることを示す表示用小当たり開始コマンドを設定する(S2208)。その後、この処理を終了する。
小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2207:No)、小当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2209)。小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:Yes)、小当たり遊技の終了タイミングであることを示す表示用小当たり終了コマンドを設定する(S2210)。その後、この処理を終了する。
小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2209:No)、V入口通過コマンドを受信したか判別する(S2211)。V入口通過コマンドを受信したと判別した場合には(S2211:Yes)、第1滞留センサがオンであることを示す表示用V入口通過コマンドを設定する(S2212)。その後、この処理を終了する。第1滞留センサがオンであるということは、V入球口600aを遊技球が入球したことを示している。
V入口通過コマンドを受信していないと判別した場合には(S2211:No)、V通過コマンドを受信したか判別する(S2213)。V通過コマンドを受信したと判別した場合には(S2213:Yes)、V入賞口624を遊技球が通過してV演出(第3図柄表示装置81に「V」等の文字を表示する演出)を実行するタイミングであることを示す表示用V演出コマンドを設定する(S2214)。その後、この処理を終了する。
次に、図284を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2014)について説明する。図284は、この変動表示設定処理(S2014)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2014)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図281参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S2221)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2221:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2226の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S2221:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S2222)、次いで、コマンド判定処理(図282参照)のS2003の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2223)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2224)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
S2225の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S2225)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2225:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S2225:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S2226)、次いで、コマンド判定処理(図282参照)のS2006の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2227)。主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S2228)、S2229の処理へ移行する。S2229の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2229)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図285を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S2007)について説明する。図285は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S2007)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2007)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図281参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出を実行させるために、枠ボタン22の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理(図285,S2007)では、まず、SW有効時間が0より大きいか、即ち、SW有効時間(SW有効時間カウンタ223g>0)が設定されているか判別する(S2301)。なお、このSW有効時間は、選択された変動パターンは、図235に示すように、枠ボタン22を使用する変動パターンの演出が選択されている場合に対応するタイミングで自動的にSW有効時間が設定される。SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S2301:Yes)、SW有効時間カウンタ223gの値を経過に対応する値減算して更新する(S2302)。枠ボタン22が押下されたか判別する(S2303)。枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S2303;Yes)、設定されている変動パターンと押下タイミングとに基づいて表示用チャンス目コマンドを設定する。この表示用チャンス目コマンドにより第3図柄表示装置81に再変動(図235参照)が実行されたり、再変動されずに再度揺れ変動の仮停止表示が実行される演出が実行される。SW有効時間カウンタ223gをリセット(0に設定)する(S2305)。一方、S2301の処理において、SW有効時間カウンタ223gの値が0であると判別した場合(S2301:No)、S2303の処理において枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S2303:No)、S2306の処理を実行する。S2306の処理では、その他のSW演出に関する処理(背景変更等)が実行される。
<第1制御処理例における表示制御装置が実行する制御処理について>
次に、図286から図296を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図286を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図286は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S3001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図287を参照して、ブート処理(S3001)について説明する。図287は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S3001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S3101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスに設定する(S3102)。これにより、MPU231は、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S3102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S3102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S3103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S3104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図286のS3001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図286のS3002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S3105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S3001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図287に示すブート処理では、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S3102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S3103〜S3105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S3101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S3101及びS3102の処理を含めて複数回繰り返した後、S3103〜S3105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S3101及びS3102の処理を行わずに、S3103〜S3105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図286の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S3002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理(S3002)では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S3003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S3003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S3004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S3004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S3005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図288(b)のS3305参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図288(b)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図288(b)のS3308参照)および簡易表示設定処理(図288(b)のS3309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S3005の処理の後、割込許可を設定し(S3006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S3006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図288(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図288(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S3201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図288(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図288(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図261参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図288(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S3301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S3302)を実行し、次いで、表示設定処理(S3303)を実行する。
コマンド判定処理(S3302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図289〜図296を参照して後述する。
表示設定処理(S3303)では、コマンド判定処理(S3302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、第1制御例の表示設定処理(図167〜図168参照)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
表示設定処理(S3303)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S3304)。このタスク処理では、表示設定処理(S3303)もしくは簡易表示設定処理(S3309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S3305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、第1制御例の転送設定処理(図170および図171参照)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、描画処理を実行する(S3306)。この描画処理では、タスク処理(S3304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S3305)により設定された転送指示とから、図261に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、第1制御例の描画処理(図172参照)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S3307)。そして、V割込処理を終了する。S3307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理(S3302)において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜D、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S3301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S3308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S3309)を実行して、S3304の処理へ移行する。
次いで、図289〜図296を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S3302)の詳細について説明する。まず、図289は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図289に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S3401)、未処理の新規コマンドがなければ(S3401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S3401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S3303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S3402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S3403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S3404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S3404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S3405)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図290(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S3405)の詳細について説明する。図290(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S3501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3502)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3501の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3503)。表示設定処理では、S3503の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3504)、ポインタ233fを0に初期化する(S3505)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3506)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S3504の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図289の説明に戻る。S3404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S3404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S3406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S3406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S3407)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図290(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S3407)の詳細について説明する。図290(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜D、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S3601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図288(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S3602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S3602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S3603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S3602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S3304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S3603によって設定された停止図柄判別フラグからS3602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS3602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
ここで、図289の説明に戻る。S3406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S3406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S3408)、背面画像変更コマンドがあれば(S3408:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S3409)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図291(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S3409)の詳細について説明する。図291(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(図171参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3701)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3702)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3701の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3702の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S3304)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3702によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図289の説明に戻る。S3408の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S3408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S3410)、エラーコマンドがあれば(S3410:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S3411)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図291(b)を参照して、エラーコマンド処理(S3411)の詳細について説明する。図291(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3801)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3802)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3801の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3802の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3802の処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図289の説明に戻る。S3410の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S3410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、当たり関連コマンドがあるか否かを判別し(S3412)、当たり関連コマンドがあれば(S3412:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行して(S3413)、S3401の処理へ戻る。
次いで、図292を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される当たり関連コマンド処理(S3413)の詳細について説明する。まず、図292は、この当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。
この当たり関連コマンド処理では、図292に示すように、まず、当たり関連コマンドの中に、まず、表示用大当たり開始コマンドがあるか否かを判別し(S3901)、表示用大当たり開始コマンドがあれば(S3901:Yes)、大当たり開始コマンド処理を実行して(S3902)、S3903の処理へ移行する。
ここで、図293(a)を参照して、大当たり開始コマンド処理(S3902)の詳細について説明する。図293(a)は、大当たり開始コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用大当たり開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり開始コマンド処理では、まず、受信した表示用大当たり開始コマンドに対応した大当たり開始表示データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3921)。次いで、S3921で設定された大当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3922)。
そして、S3921の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された大当たり開始表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3923)、ポインタ233fを0に初期化する(S3924)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3925)、大当たり開始コマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この大当たり開始コマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3924の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3921の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された大当たり開始表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3922の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された大当たり開始表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、この大当たり開始コマンド処理が実行されると、大当たり開始表示データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81において大当たり開始演出が行われている最中に、ラウンド演出および大当たり終了演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(大当たり開始演出、ラウンド演出、大当たり終了演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81における大当たり開始演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、大当たり開始演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、大当たり終了演出の開始を指示する表示用大当たり終了コマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用大当たり終了コマンドを受信してから、大当たり終了演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してから大当たり終了演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用大当たり開始コマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出および大当たり終了演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出および大当たり終了演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たり開始演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できる。また、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81において大当たり終了演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
尚、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこから大当たり終了演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、大当たり開始演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81において大当たり開始演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
ここで、図292の説明に戻る。S3901の処理において、表示用大当たり開始コマンドがないと判別されると(S3901:No)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S3903)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S3903:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S3904)、S3906の処理へ移行する。
ここで、図293(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S3904)の詳細について説明する。図293(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3932)。
そして、S3931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3933)、ポインタ233fを0に初期化する(S3934)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3935)、ラウンド数コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図292の説明に戻る。S3903の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S3903:No)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用大当たり終了コマンドがあるか否かを判別し(S3905)、表示用大当たり終了コマンドがあれば(S3905:Yes)、大当たり終了コマンド処理を実行して(S3906)、S3907の処理へ移行する。
ここで、図294(a)を参照して、大当たり終了コマンド処理(S3906)の詳細について説明する。図294(a)は、大当たり終了コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり終了コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用大当たり終了コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり終了コマンド処理では、まず、表示用大当たり終了コマンドによって示される大当たり終了演出の表示態様に対応した大当たり終了表示データテーブルを決定し、その決定した大当たり終了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3941)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3942)。なお、S3941の処理によって設定された大当たり終了表示データテーブルを判別可能としてもよい。具体的には、S3941の処理によって設定された大当たり終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の大当たり終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する。これにより、このデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示設定処理などの処理において表示データテーブルバッファ233dに設定された大当たり終了表示データテーブルが、どの大当たり終了演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3941の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された大当たり終了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3943)、ポインタ233fを0に初期化する(S3944)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3945)、大当たり終了コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図292の説明に戻る。S3905の処理において、表示用大当たり終了コマンドがないと判別されると(S3905:No)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用小当たり開始コマンドがあるか否かを判別し(S3907)、表示用小当たり開始コマンドがあれば(S3907:Yes)、小当たり開始コマンド処理を実行して(S3908)、その後、S3909の処理へ移行する。
ここで、図294(b)を参照して、小当たり開始コマンド処理(S3908)の詳細について説明する。図294(b)は、小当たり開始コマンド処理を示すフローチャートである。この小当たり開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用小当たり開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
小当たり開始コマンド処理では、まず、受信した表示用小当たり開始コマンドに対応した小当たり開始表示データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3951)。次いで、S3951で設定された小当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3952)。
そして、S3951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された小当たり開始表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3953)、ポインタ233fを0に初期化する(S3954)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3955)、小当たり開始コマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この小当たり開始コマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3954の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された小当たり開始表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3952の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された小当たり開始表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、この小当たり開始コマンド処理が実行されると、小当たり開始表示データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81において小当たり開始演出が行われている最中に、ラウンド演出および小当たり終了演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、小当たり演出(小当たり開始演出、ラウンド演出、小当たり終了演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81における小当たり開始演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、小当たり開始演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、小当たり終了演出の開始を指示する表示用小当たり終了コマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用小当たり終了コマンドを受信してから、小当たり終了演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してから小当たり終了演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用小当たり開始コマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出および小当たり終了演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において小当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出および小当たり終了演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において小当たり開始演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81において小当たり終了演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
尚、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこから小当たり終了演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、小当たり開始演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において小当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81において小当たり開始演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
ここで、図292の説明に戻る。S3907の処理において、表示用小当たり開始コマンドがないと判別されると(S3907:No)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用小当たり終了コマンドがあるか否かを判別し(S3909)、表示用小当たり終了コマンドがあれば(S3909:Yes)、小当たり終了コマンド処理を実行して(S3910)、その後、S3911の処理へ移行する。
ここで、図295(a)を参照して、小当たり終了コマンド処理(S3910)の詳細について説明する。図295(a)は、小当たり終了コマンド処理を示すフローチャートである。この小当たり終了コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用小当たり終了コマンドに対応する処理を実行するものである。
小当たり終了コマンド処理では、まず、表示用小当たり終了コマンドによって示される小当たり終了演出の表示態様に対応した小当たり終了表示データテーブルを決定し、その決定した小当たり終了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3961)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3962)。そして、各小当たり終了演出の表示態様に対応する小当たり終了表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3961の処理によって設定された小当たり終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の小当たり終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する。表示設定処理では、S2703の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された小当たり終了表示データテーブルが、どの小当たり終了演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3961の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された小当たり終了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3963)、ポインタ233fを0に初期化する(S3964)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3965)、小当たり終了コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図292の説明に戻る。S3909の処理において、表示用小当たり終了コマンドがないと判別されると(S3909:No)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用V入口通過コマンドがあるか否かを判別し(S3911)、表示用V入口通過コマンドがあれば(S3911:Yes)、V入口通過コマンド処理を実行して(S3912)、その後、S3913の処理へ移行する。
ここで、図295(b)を参照して、V入口通過コマンド処理(S3912)の詳細について説明する。図295(b)は、V入口通過コマンド処理を示すフローチャートである。このV入口通過コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用V入口通過コマンドに対応する処理を実行するものである。
V入口通過コマンド処理では、まず、表示用V入口通過コマンドによって示されるV入口通過演出の表示態様に対応したV入口通過表示データテーブルを決定し、その決定したV入口通過表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3971)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3972)。なお、V入口通過演出の表示態様を判別可能となるようにしてもよい。具体的には、V入口通過演出の表示態様に対応するデータテーブル判別フラグを設け、S3971の処理によって設定されたV入口通過表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他のV入口通過表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する。これにより、S2703の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示設定処理などの処理において表示データテーブルバッファ233dに設定されたV入口通過表示データテーブルが、どのV入口通過終了演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3971の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたV入口通過表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3973)、ポインタ233fを0に初期化する(S3974)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3975)、V入口通過コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図292の説明に戻る。S3911の処理において、表示用V入口通過コマンドがないと判別されると(S3911:No)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用V演出コマンドがあるか否かを判別し(S3913)、表示用V演出コマンドがあれば(S3913:Yes)、V演出コマンド処理を実行して(S3914)、その後、当たり関連コマンド処理を終了する。
ここで、図296を参照して、V演出コマンド処理(S3914)の詳細について説明する。図296は、V演出コマンド処理を示すフローチャートである。このV演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用V演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
V演出コマンド処理では、まず、表示用V演出コマンドによって示されるV演出の表示態様に対応したV演出表示データテーブルを決定し、その決定したV演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3981)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3982)。
次いで、S3981の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたV演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3983)、ポインタ233fを0に初期化する(S3984)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3985)、V演出コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図289の説明に戻る。S3412の処理において、当たり関連コマンドがないと判別されると(S3412:No)、次いで、表示用チャンス目コマンドがあるか否かを判別し(S3414)、表示用チャンス目コマンドがあれば(S3414:Yes)、チャンス目コマンド処理を実行して(S3415)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図291(c)を参照して、チャンス目コマンド処理(S3415)の詳細について説明する。図291(c)は、チャンス目コマンド処理を示すフローチャートである。このチャンス目コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用チャンス目コマンドに対応する処理を実行するものである。
チャンス目コマンド処理では、まず、表示用チャンス目コマンドによって示されるチャンス目の表示態様に対応したチャンス目表示データテーブルを決定し、その決定したチャンス目表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3851)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3852)。
次いで、S3851の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたチャンス目表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3853)、ポインタ233fを0に初期化する(S3854)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3855)、チャンス目コマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図289の説明に戻る。S3414の処理において、チャンス目コマンドがないと判別されると(S3414:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S3416)、S3401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS3401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S3401:Yes)、再びS3402〜S3416の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S3401〜S3416の処理が繰り返し実行され、S3401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図288(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S3308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図示せず)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図290(a)参照)および停止種別コマンド処理(図290(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図290(a)参照)では、S3501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S3502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
<第A2実施形態>
次に、図297〜図299を参照して、第A2実施形態における遊技盤13の構成について説明をする。図297は、本第A2実施形態における遊技盤13の正面図である。図297に示したように、本第A2実施形態のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第A1実施形態と比較して可変表示ユニット80の右側の領域(以下、右打ち領域と称す)の構成を異ならせた点で相違している。具体的には、右打ち領域に振分装置B700を設け、右打ち領域を流下する遊技球のうち、第1流路B701aを流下し振分装置B700へ流入した遊技球を2つの流路(第2流路B701b、第3流路B701c)に振り分けるための構成を有している。
次に、本第A2実施形態の遊技盤13の右打ち領域に設けられた振分装置B700について、図298及び図299を参照して詳細に説明する。
図298は、遊技盤13の右打ち領域を拡大した模式図である。右打ち領域に発射され、第1流路B701aを流下した球は、振分装置B700を通過し、第2流路B701bまたは第3流路B701cに振り分けられる。この振分装置B700の詳細な構成については、後述する図114を参照して説明するが、第1流路B701aを流下した球が、第2流路B701bと第3流路B701cとに3:1の割合で振り分けられるように構成されている。このように構成することで、V入賞扉600が開放している期間中において、V入球口600aに確実に遊技球を入球させるためには、複数の遊技球を発射させる必要があるため、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。また、振分装置B700へ流入した球のうち少なくとも4球に1球は第3流路701cを流下させることができるため、継続して複数の遊技球を発射させる通常の遊技を行った場合において、V入賞扉600が開放している期間中に遊技球をV入球口600aに入球させることができないという事態が発生することを抑制することができる。
第2流路B701bは、流下した球がスルーゲート67を通過可能な領域へと流下するように構成されており、第3流路B701cは、流下した球がV入球口600aに入球可能となるように形成されており、第2流路B701bから流出した球は、V入賞扉600が開放している場合には、開状態のV入賞扉600を通過してV入球口600a内へ流入(入球)する。一方、V入賞扉600が閉鎖している場合には、スルーゲート67を通過可能な領域へと流下するように構成されている。
なお、本実施形態では、V入賞扉600が開放している場合に、第3流路B701cから流出した球は必ずV入球口600aに入球するように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく例えば、第3流路B701cの流出口と、V入賞扉600との間に球の流下方向を振り分ける振分部材(釘や振分装置等)を設け、V入賞扉600が開放している場合に、第3流路B701cから流出した球の一部のみがV入球口600aに入球するように構成してもよい。
このように構成することで、振分装置B700により規則的に(3:1の割合)で振り分けられた遊技球のうち、V入球口600aへと流入する遊技球を不規則に発生させることができるため、V入賞扉600が開放している間に遊技球をV入球口600aへと入球させるために、より意欲的に継続して遊技球を発射させることができる。
次に、流入した球を2つの流路に振り分ける振分装置B700の構造について、図299(a)〜(d)を参照して説明する。図299(a)及び(b)は、振分装置B700の構成を模式的に示す模式図であって、図114(c)及び(d)は、第1流路B701aの球流下と振分装置B700との関係を模式的に示した模式図である。
図299(a)に示したように、振分装置B700は、軸心を中心に回動可能に構成された回転体であって、その回転体の4方向(90度間隔で4方向)に球と当接し得る羽根部材(第1羽根部材B700a、第2羽根部材B700b)が設けられている。第1羽根部材B700aは、振分装置B700に流下してきた球が第3流路B701cへ流下するように(振分装置B700の回転体の横側方向へ流下するように)扁平な形状で構成されており、第2羽根部材B700bは、振分装置700に対して流下してきた球が第2流路B701bへ流下するように(振分装置B700の回転体の直下方向へ流下するように)平面板状の形状で構成されている。
本実施形態では振分装置B700として、第1羽根部材B700aを1個、第2羽根部材B700bを3個有した回転体を用いているため、第2流路B701bに振り分ける球数と第3流路B701cに振り分ける球数とが3:1の割合になるように構成されている。さらに、振分装置B700の回転体の側面には金属片B700cが埋設されており、図示しない検知センサによって、回転体が回転しているか否かを判別可能に構成されている。これにより、振分装置B700を不正に改造し、流路ユニットB720に流入した球を一方の流路(第2流路B701b或いは第3流路B701c)にのみ流下させる行為が実行されていることを容易に判別することができる。
次に、図299(c)及び(d)を参照して、第1流路B701aと振分装置B700との配置関係について説明する。図299(c)は、第2羽根部材B700bが流路内に位置している状態を示す模式図である。この状態において第1流路B701aを球が流下した場合は、その球が第2羽根部材B700bに当接し、第3流路B701cへと振り分けられる。そして球に当接した第2羽根部材B700bは球の流下方向(図299(c)の下方向)に沿って90度回転(下方向に90度回転)し、第1羽根部材B700aが流路内に位置することになる。
図299(c)に示した状態から、振分装置B700に球が2球通過すると、図299(d)に示した状態(第1羽根部材B700aが流路内に位置する状態)へと移行する。
このように振分装置B700を流下する球と、回転体に設けられた羽根部材とを当接させることで、球の流下方向を変更するとともに、回転体を回転させる構成を用いることで、球が通過する度に回転体が回転させて球と当接し得る羽根部材を変更させることができるため、確実に球を振り分けることができる。
以上、説明をしたように、本実施形態では、右打ち領域に振分装置B700を設け、V入球口600aに入球可能な流路(第3流路701c)と、V入球口600aに入球不可能(困難)な流路(第2流路701b)とに、遊技球を振り分ける構成を有しているため、V入賞扉600が開放している期間中において、V入球口600aに確実に遊技球を入球させるためには、複数の遊技球を発射させる必要があるため、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。
また、振分装置B700へ流入した球のうち少なくとも4球に1球は第3流路701cを流下させることができるため、継続して複数の遊技球を発射させる通常の遊技を行った場合において、V入賞扉600が開放している期間中に遊技球をV入球口600aに入球させることができないという事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をした第A2実施形態では、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制するために振分装置B700を有する構成を用いたが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、遊技球を発射してからV入球口600aへと到達するまでの期間が不規則となるように右打ち領域に遊技球の流下期間を不規則にするための遅延手段を設け、遊技球を発射してからV入球口600aへと到達するまでの期間を容易に把握されないようにすることで、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制する構成を用いても良いし、複数の遊技球が連続して流下しない限り、V入球口600aへと遊技球が到達しないように、右打ち領域に遊技球を所定期間滞留させる滞留手段を設け、その滞留手段に遊技球が滞留している場合に、後続の遊技球が滞留している遊技球に衝突することでV入球口600aに入球可能な流路へ流入するように構成しても良い。
なお、本実施形態では、振分装置B700の構成は、4球に1球の割合で第3流路701へ振り分けるように構成したがそれに限らず、他の割合であっても良いし、振分装置B700を風車等で構成して、ランダムな割合で振り分けるように構成してもよい。
<第A3実施形態>
次に、図300〜図301を参照して、第A3実施形態における遊技盤13の構成について説明をする。図300は、本第A3実施形態における遊技盤13の正面図である。図300に示したように、本第A3実施形態のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第A1実施形態と比較して可変表示ユニット80の右側の領域(以下、右打ち領域と称す)の構成を異ならせた点で相違する。具体的には、右打ち領域のV入賞扉600の上方に遊技球の流下を遅延させるためのクルーン部材1700を設けるようにした点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、クルーン部材1700を設けたことにより、右打ち領域を流下する遊技球の経路として、クルーン部材1700の内部を流下することにより、遊技球の流下が遅延されてV入賞扉600へと流下する遅延経路と、クルーン部材1700の外部(右側)を流下してV入賞扉600へと流下する通常経路とを有する。
このように構成することで、遊技者が遊技球の発射を停止した後も、遅延経路を流下している遊技球がV入賞扉600へと到達可能となる。
ここで、例えば、遊技者が小当たり種別を判別し、遊技者にとって不利な小当たり種別の小当たりが発生した場合に、V入賞扉600へ遊技球を流下させないように発射を控えるような不正遊技が考えられる。この場合、遊技者にとって不利な小当たり遊技によるV入賞が発生しないことにより、遊技店の損害が大きくなってしまう。
これに対し、上述した構成により、遊技者が小当たり種別を判断した後に遊技球の発射を停止したとしても、クルーン部材1700(遅延経路)により流下が遅延されている遊技球がV入賞扉600へと流下することになるため、遊技者にとって不利な小当たり遊技によるV入賞が発生しないといった事態を防止できる。
また、遅延経路を流下するか、通常経路を流下するかによって、発射した遊技球がV入賞扉600へと到達するタイミングが大きく変化する。よって、V入賞扉600が開放している期間中において、V入球口600aに確実に遊技球を入球させる(即ち、遊技球が遅延経路を流下したとしても入球させる)ためには、V入賞扉600が開放されるよりも前から遊技球を発射しておく必要がある。これにより、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。
ここで、図301を参照して、クルーン部材1700の詳細について説明する。クルーン部材1700は、円錐形状で構成されており、上部に右打ち領域を流下する遊技球が入球する入球部1710aを有している。この入球部1710aは、遊技球1球よりも若干大きい(本実施形態では、直径12mm)開口部となっている。
クルーン部材1700の内部には、入球部1710aに入球した遊技球をクルーン部材1700の内壁に沿って螺旋状に流下させる螺旋流路1710dが形成されており、螺旋流路1710dの終端部には緩やかに中央へとすり鉢状に傾斜した底面部1710cが形成されている。螺旋流路1710dは、入球部1710aに入球した遊技球を底面部1710cの外側端部へ、遊技球が底面部1710cの内周面に沿って、らせん状に流下するように構成されている。底面部1710cは、既に公知であるクルーンの底面形状と同一であり、底面の内周に沿って遊技球を円運動させながら序々に中心部へと遊技球を誘導するものである。底面部1710cの中心には、遊技球1球よりも若干大きい(本実施形態では、直径12mm)球出口1710bが下方に円柱形状に突出して構成されている。さらに、球出口1710bの内部には、螺旋状に流路が0.5mmの突出した流路壁により形成され、遊技球が球出口1710bの内部を螺旋状に回転しながら球出口1710b外部へと排出されるように構成されている。
なお、本実施形態では、クルーン部材1710の内部には、螺旋流路1710dを形成する構成としたが、それに限らず、螺旋流路1710dを設けない構成であってもうよいし、クルーン形状の底面を形成せず、螺旋流路1710dのみで構成してもよい。また、螺旋流路1710dでなく、遊技球の流下速度を減速させる摩擦係数の高い素材等で構成した減速部を形成するように構成してもよい。遊技球の流下を遅延させるものであれば、適宜選択してよい。
これにより、クルーン部材1700の入球部1710aに入球した遊技球は、螺旋流路1710dでクルーン部材1700の内周壁に沿ってゆっくりと転動して底面部1710cへと案内される。底面部1710cに案内された遊技球は、底面部1710c上を外周側から中心へと円運動をしながら序々に球出口1710bへと案内される。また、球出口1710bの直径は、遊技球よりも若干大きい直径となっており、さらに内部に形成された螺旋状の流路により、下方へ突出した球出口1710b内部を遊技球が螺旋状に回転しながら球出口1710bの外部へと排出される。このように構成することで、クルーン部材1700の入球部1710aに入球した遊技球は、球出口1710bより排出されるまで、約6秒かかるように構成されている。
ここで、本実施形態では、小当たり種別が表示されてから、V入賞扉600が開放されるまでの時間は1秒に設定されている。よって、小当たり種別が表示されてから新たな遊技球の発射を控えたとしても、クルーン部材1700の内部を遅延されて流下している遊技球がV入賞扉600へと流下する。これにより、遊技者が小当たり種別を判断した後に遊技球の発射を控え、遊技者にとって不利な小当たり遊技によるV入賞を発生させないようにする不正遊技を防止できる。
また、本実施形態では、小当たりの変動時間はクルーン部材1700(遅延経路)を遊技球が通過する時間(6秒)よりも短い(または同じ)変動時間が多く選択されるように構成されている。これにより、小当たりの変動演出よりも前(または変動演出中)にクルーン部材1700の入球部1710aへ入球した遊技球が、その小当たり変動演出が終了しV入賞扉600が開放されるタイミングで、球出口1710bより排出されやすくなる。これにより、遊技者によるV入球口600aへの遊技球の入球制御を困難にして不正遊技を抑制すると共に、通常の遊技においてV入球口600aへ遊技球が入球し易くなることで、遊技者の興趣を向上できる。なお、クルーン部材1700(遅延経路)を遊技球が通過する時間(6秒)よりも短い(または同じ)変動時間が選択され難く構成しても当然良い。
さらに、本実施形態では、小当たりの変動時間として複数の変動時間(2秒、6秒、9秒、12秒)が選択されるように構成している。よって、V入賞扉600が開放されるタイミングを見計らって遊技球を発射し、V入球口600aへ遊技球を入球させることが困難となる。加えて、本実施形態では、右打ち領域を流下する遊技球は遅延経路と通常経路とのいずれを流下するかにより、V入球口600aへ遊技球が到達するタイミングが大きく変化する。よって、V入賞扉600が開放されるタイミングを見計らって遊技球を発射することを一層困難にすることができる。その結果、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、小当たりの変動時間は上述したものに限られず、クルーン部材1700を遊技球が通過する時間(6秒)よりも短い(または同じ)変動時間のみとしても良いし、長い変動時間のみとしても当然良い。
また、本実施形態では、遅延経路と通常経路との2経路を設けることにより、遊技者に対しV入球口600aへ遊技球が到達するタイミングを予測し難くしたが、流下速度の異なる経路を3経路以上設けるようにしても当然良い。
以上、説明したように、本第A3実施形態では、V入賞扉600(V入球口600a)の上部にクルーン部材1700を設けることで、右打ち領域を流下する遊技球がV入球口600aへ入球する経路として、流下時間の異なる遅延経路と通常経路とを設けるようにした。
この遅延経路により、遊技者が遊技球の発射を停止した後も、遅延経路を流下している遊技球がV入賞扉600へと到達可能となる。即ち、遊技者が小当たり種別を判断した後に遊技球の発射を停止したとしても、クルーン部材1700(遅延経路)により流下が遅延されている遊技球がV入球口600aへと入球することになる。これにより、遊技者が小当たり種別を判別して、遊技者にとって不利な小当たり遊技時にV入球口600aへ遊技球を入球させないようにするとの不正遊技を抑制できる。
また、本実施形態では、遅延経路を流下するか、通常経路を流下するかによって、発射した遊技球がV入賞扉600へと到達するタイミングが大きく変化する。よって、V入賞扉600が開放している期間中において、V入球口600aに確実に遊技球を入球させる(即ち、遊技球が遅延経路を流下したとしても入球させる)ためには、V入賞扉600が開放されるよりも前から遊技球を発射しておく必要がある。これにより、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、小当たり種別が表示されてから、V入賞扉600が開放されるまでの時間よりも、クルーン部材1700(遅延経路)を遊技球が流下する時間が長くなるように構成している。よって、小当たり種別が表示されてから新たな遊技球の発射を停止したとしても、クルーン部材1700の内部を遅延されて流下している遊技球がV入賞扉600へと流下する。これにより、遊技者が小当たり種別を判断した後に遊技球の発射を停止し、遊技者にとって不利な小当たり遊技によるV入賞を発生させないようにする不正遊技を防止できる。
また、本実施形態では、小当たりの変動時間はクルーン部材1700(遅延経路)を遊技球が通過する時間(6秒)よりも短い(または同じ)変動時間が多く選択されるように構成されている。これにより、小当たりの変動演出よりも前(または変動演出中)にクルーン部材1700の入球部1710aへ入球した遊技球が、その小当たり変動演出が終了しV入賞扉600が開放されるタイミングで、球出口1710bより排出されやすくなる。これにより、遊技者によるV入球口600aへの遊技球の入球制御を困難にして不正遊技を抑制すると共に、通常の遊技においてV入球口600aへ遊技球が入球し易くなることで、遊技者の興趣を向上できる。
<第A4実施形態>
次に、図302〜図319を参照して本パチンコ機10の第A4実施形態について説明する。本第A4実施形態では、第A1実施形態に対して、可変表示ユニット80の右側流路に、遊技球を振り分ける振分装置720を配置して、右側流路を流下する球を交互に振り分けるように構成し、振り分けられる一方の通路に小当たりまたは大当たりと判定された特別図柄の変動が停止表示された後に、小当たりまたは大当たり遊技の開始となるゲートを配置して、球を右側流路に発射し続けることで、小当たりまたは大当たりの開始時にV入賞装置620へ球を入球させることが可能に構成した点で相違する。その他の構成については同一であるのでその他の構成については省略する。
図302よび図303を参照して、第A4実施形態における遊技盤13の構成について説明する。本第A4実施形態では、可変表示ユニット80の右側領域にV入賞扉600よりも上流側の位置に振分装置720が配置されている。振分装置720は、上部に右側流路を流下する球が入球可能な入球口720cが1球の遊技球が通過可能な幅で形成されており、入球口720cを通過した球が流下すると、左右に回動して交互に流下してくる球を左側流路720dと右側流路720eとに振り分けるように構成されている。右側流路720eの下端部には、球の通過を検知することが可能なフォトセンサで構成された開始ゲート720aが配置されている。この開始ゲート720aを球が通過することで、小当たり遊技または大当たり遊技の開始が設定されるように構成されている。このように、本第2実施形態では、小当たりまたは大当たりの判定がされた特別図柄の変動が停止した場合にも、小当たり遊技または大当たり遊技へは移行せずに、開始ゲート720aを球が通過するまで小当たり遊技または大当たり遊技の実行が待機される状態となる。
振分回動部材720bは、入球した遊技球を左右に配置された左収容部または右収容部で受ける。左収容部で遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、振分回動部材720bは、正面視左回りに回転して、遊技球を左側流路720dへと誘導する。ここで、振分回動部材900は、それぞれ左右周りに約90度回動可能に構成されており、左収容部と右収容部との境界壁には磁石が設けられている。
振分装置720の背面側に設けられるベース体には、振分回動部材720bの磁石が通過口の中央線上の位置にベース側磁石が配置されている。振分回動部材720bの磁石とベース側磁石とは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石は、先端部を振分回動部材720b側に向くように配置されて固定されている。
磁石もベース側磁石と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石側に向くように、振分回動部材720bに固定されている。振分回動部材720bが回動し、左収容部と右収容部の境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石と振分回動部材の磁石とが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、振分回動部材の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、振分回動部材は、磁石が通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)となると、磁石とベース側磁石とが反発することにより、振分回動部材720bが左右どちらかに回転し、左収容部と右収容部とのどちらかが、振分装置720に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球が左収容部と右収容部との境界壁と当接して、球詰まりが発生するのを防止することができる。
また、磁石とベース側磁石とが反発することで、例えば、左収容部が遊技球を受けて左に約90度回転して、遊技球を左側流路720dへ誘導した後に、振分回動部材720bが右回転する(左収容部が上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を左側流路720dへ誘導した後には、右収容部が上方を向いた状態となり、次に振分装置720に入球した遊技球は、右収容部が受けて、遊技球の重さにより振分回動部材720bが右に約180度回転して、遊技球を右側流路720eへ誘導する。このように、振分回動部材720bは、振分装置720に入球する遊技球を左側流路720dと右側流路720eとに交互に誘導することができる。よって、均等に左側流路720dと右側流路720eとに遊技球を振り分けて誘導させることができる。
振分回動部材720bにより右側流路720eへと振り分けられた後に、入球口720cを通過した球は、振分回動部材720bが左方向へと回動することで左側流路720dへと振り分けられる。左側流路720dに振り分けられると、V入球口600aに入球可能な流路へと誘導される。開始ゲート720aを球が通過すると、小当たりまたは大当たり遊技が開始され、V入賞扉600が開放状態へと可変されるので、その後に左側流路へと振り分けられた球はV入球口600aへと入球可能となる。ここで、V入賞扉600は、小当たりまたは大当たりBにおける大当たり遊技の開始タイミング(開始ゲート720aを球が通過したタイミング)から1秒後に3秒間開放される。ここで、球は発射装置により1分間に100発同じ間隔で発射されるので、1発0.6秒の間隔で発射される。よって、球が連続して右側領域に発射されている場合には、開始ゲート720aを通過した後に、約0.6秒後に左側流路720dより遊技球が排出されることとなる(振分装置720の左側流路720dと右側流路720eとの球が流下する時間は同一となるように流路が形成されている)。
左側流路720dの下端部よりV入球口600aまでの流下時間は、約0.1秒であるので、その球は、V入賞扉600が開放状態となるまえに流下することとなり、次に、左側流路720dより排出される球(先に左側流路720dより排出されてから1.2秒後)は、V入賞扉600が開放状態であることからV入球口600aに入賞可能となる。また、その次に、左側流路720dより排出される球までV入球口600aに入賞可能となる。
このように、開始ゲート720aに球を通過させてから、球の発射を停止させて小当たり種別を第1図柄表示装置37で確認して、時短回数の少ない大当たり種別が選択される小当たり遊技におけるV入賞口624への入賞を回避しようとしても、入賞させることができる球は連続で発射していても2球に限られ、確認した後に発射してもV入球口600aへ入賞させることは困難である。
なお、本実施形態では、左側流路720dを通過した遊技球がV入球口600a内に入球可能とする構成としたが、右側流路720eを通過した遊技球が入球可能な構成としてもよいし、右側流路を流下する遊技球のうち、振分装置720内に入球しなかった遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
また、本実施形態における振分装置720は入球した遊技球を交互に振り分ける構成としたが、振分回動部材720bを風車等で構成して左右にランダムに振り分けるように構成してもよい。
<第A4実施形態における電気的構成について>
本第A4実施形態では、第A1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のRAM203の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図307(a)は、第A4実施形態における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第A4制御における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM203は、第A1実施形態に対して、条件装置フラグ203acが追加されている点で相違する。その他の構成については、第A1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
条件装置フラグacは、開始ゲート720aを通過したことを示すフラグである。電源断等が発生した場合に、電源復帰した場合に参照して開始ゲート720aを通過した後であるかを判別するためのフラグである。大当たり遊技の終了に基づいてオフに設定される。
次に、図304〜図306,図308〜図309を参照して本実施形態における小当たり時または大当たりBと判定された場合の第3図柄表示装置81で表示される演出態様について説明する。
図308(a)は、小当たり遊技におけるV入賞口624を通過する場合の主制御装置110で制御される内容と、第3図柄表示装置81で表示される表示態様のタイミングチャートを示した図である。
特別図柄が停止表示されている状態から当否判定が実行されて、小当たりが判定されると、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置で第3図柄(特別図柄)の変動表示が開始される。変動開始時には、図304(a)に示すように「ルーレットチャンス開始」という文字が表示される。その3秒後には、図304(b)に示すように、第3図柄が右上に縮小して表示され、ルーレット表示が開始される。ルーレット表示には、矢印図柄が左側に表示されて、その矢印位置で停止したルーレット図柄によって、当否判定結果(大当たり、外れ、小当たり)とV入賞口624に入賞したことを示す「V」図柄と、V入賞口624に入賞しなかったものの、大当たり遊技が開始されていることを示す「BIG」図柄、外れであることを示す「どくろ」図柄が配置されている。その後、特別図柄の変動時間中は、図305(a)に示すようにルーレット表示が高速回転で表示される。その後、図305(b)に示すように変動期間が経過して第3図柄の変動が停止した場合に、ルーレット表示のスクロール(回転表示)がスロー表示されて、左上方に右打ち報知図柄が表示されて、右打ちする期間であることが遊技者に報知される。
次に、図306(a)に示すようにV入賞口624に遊技球が入球したタイミングでルーレット表示の「V」図柄の位置が矢印図柄と一致する位置で停止表示される。また、V入賞口624に遊技球が入球しなかった場合には、V有効期間が経過したタイミングで当否判定結果が外れであれば、図306(b)に示すように「どくろ」図柄の位置が矢印図柄と一致する位置で停止表示される。また、図示は省略したが、V入賞口624に遊技球が入球しない場合に、当否判定結果が大当たり(大当たりB)であれば、「BIG」図柄の位置が矢印図柄と一致する位置で停止表示されて、実は実行されている遊技は、大当たり遊技であることが報知される。
このように構成することで、当否判定結果が大当たりであるか、小当たりであるかをV入賞口624に入球可能な期間が経過するまで一連の演出で構成して、V入賞までの期間を使用して演出することで遊技の興趣を向上できる。
次に、図310〜図311を参照して、第A4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第A1実施形態では、特別図柄の変動期間が経過した後に、当否判定結果が大当たりであれば、0.1秒後に大当たり遊技が開始されたが、本実施形態では、開始ゲート720aを遊技球が通過することで大当たり遊技が開始される点で相違する。なお、第A1実施形態と同一の構成については、その説明を省略する。
図310を参照して、本実施形態における特別図柄変動処理2(S140)について説明する。図310は、この特別図柄変動処理2(S140)の内容を示したフローチャートである。特別図柄変動処理2(S140)では、第A1実施形態における特別図柄変動処理(S104:図263参照)に対して、S217〜S220までの処理が削除され、条件装置判定処理(S250)が追加されている点で相違する。その他の処理については、同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図311を参照して、本第A4実施形態における条件装置判定処理(S250)について説明する。図311は、この条件装置判定処理(S250)の内容を示したフローチャートである。条件装置判定処理(S250)では、まず、開始ゲート720aを遊技球が通過したか判別する(S251)。開始ゲート720aを遊技球が通過したと判別した場合には(S251:Yes)、大当たり種別に基づいて特定入賞口の開放シナリオを設定する(S252)。大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、条件装置フラグ203acをオンに設定する(S254)。時短中カウンタ203gを0に設定して(S255)、この処理を終了する。一方、S251の処理において、開始ゲート720aを遊技球が通過していないと判別した場合には(S251:No)、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、開始ゲート720aを通過することで大当たり遊技を開始するように構成したので、大当たり遊技を遊技者の意図で開始することができる。
また、本実施形態では、大当たり遊技の開始のみを開始ゲート720aを通過させることで開始するように構成したが、小当たり遊技も開始ゲート720aを通過させることで開始させるように構成してもよい。このように構成することで、開始ゲート720aを通過させた遊技球がV入球口600aに入賞させ易くでき、特定の小当たり遊技種別を遊技球が入球しないように回避させて遊技球を発射させることを困難とすることができる。
また、本実施形態では、左側流路720eに開始ゲート720aを設けたが、それに限らず、右側流路720dに配置してもよい。このように構成する場合には、開始ゲート720aを遊技球が通過してから、V入賞扉600が開放状態となるまでの期間を、開始ゲート720aの通過からV入球口600aに入球可能となる期間とするように構成してもよい。このように構成することで、小当たり遊技において、V入球口600aへ遊技球を入球させることができ、特定の小当たり種別における遊技球の入賞回避の遊技方法を抑制できる。
<第A5実施形態>
次に、図312〜図314を参照して、本第A5実施形態とその変形例について説明する。第A1実施形態では、V入賞装置620における回転振分部材621の制御は常時一定としたが、本実施形態では、大当たりBである場合に回転振分部材621の制御を変更するように構成した点で相違する。
図312(a)は、本第A5実施形態における大当たりBが実行され、V入球口600aに遊技球が入球して、可動誘導部材622により回転振分部材621へと遊技球が誘導される場合を示した図である。可動誘導部材622が上昇を開始するタイミングで、回転振分部材621が中心位置(V入賞口624へと遊技球を誘導する位置)で停止しするように構成されている。
また、図313は、本第A5実施形態における特定大当たり制御処理3(S1118)の内容を示したフローチャートである。第A1実施形態における特定大当たり制御処理(S1118:図276参照)に対して、S1281〜S1282の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第A1実施形態と同一であるので、その説明を省略する。
S1203の処理において、シナリオカウンタの値に対応した動作が実行された後に、S1281の処理が実行される。S1281の処理では、V入賞口ソレノイド(V入賞扉600を開閉するソレノイド)をOFFとなるタイミングであるか判別する(S1281)。V入賞ソレノイドがOFFとなるタイミングであると判別した場合には(S1281:Yes)、V振り分けモータを中心位置3.7秒停止するデータを当たりシナリオaに設定する(S1282)。その後、S1204の処理へ移行する。一方、V入賞口ソレノイドをOFFするタイミングでないと判別した場合には、S1204の処理へ移行する。
このように、本実施形態では、大当たりBである場合には、回転振分部材がV入賞タイミングに合わせて中心位置で停止するように構成されるので、小当たり遊技であると思っていた遊技者に対して新鮮味のある演出を行うことができる。さらには、V入賞口624へ必ず大当たりBでは入賞させることができるので、V入賞口624に入賞したことで、2R目が開始されたかのように思わせることができる。
次に、図312(b)を参照して、第A5実施形態における変形例について説明する。第A5実施形態では、回転振分部材621の制御を大当たりBである場合には変更したが、それに限らず、回転振分部材621の制御は変更せずに、大当たりBである場合には、確定流路660が新たに突出して可動誘導部材622が途中位置で滞留2ソレノイドを解除して、可動誘導部材622上に遊技球を落下させて、確定流路660がV入賞口624へと遊技球を誘導するように構成した点で相違する。確定流路660はモーターにより突出されるように構成されており、V入賞口624へと高確率または100%で遊技球を誘導するように構成されている。
図314は、本第A5実施形態の変形例における特定大当たり制御処理4(S1118)の内容を示したフローチャートである。第A1実施形態における特定大当たり制御処理(S1118:図276参照)に対して、S1283の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第A1実施形態と同一であるので、その説明を省略する。
S1207の処理において、当たりシナリオBが設定されると、即ち、可動誘導部材622の上昇が開始されると、確定流路がモータにより2秒間動作され、前方へ突出して、可動誘導部材622から落下する遊技球を上面に受けることが可能な位置へと可変される(S1283)。その後、S1209の処理が実行される。なお、図示は省略したが、可動誘導部材622も途中位置で滞留2ソレノイドがオフとなるように設定される。
これにより、大当たりBである場合には、小当たりである場合と異なる誘導路を経由してV入賞口624へと入賞することができる。これにより、小当たりの場合と、大当たりBの場合とでV入賞口への入賞制御を切り替えることができ、遊技の興趣を向上できる。
上述した各制御例および各実施形態を説明する際に用いた「大当たり(大当たり遊技)の開始時(実行時)」という文言は、特別図柄の大当たり抽選に当選し、大当たり遊技が開始されることが確定しているタイミングを示す概念として用いているものであり、具体的には、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示すための図柄の組み合わせで特別図柄が停止表示(確定表示)したタイミングや、大当たりのオープニング期間が開始されるタイミングや、大当たりのラウンド遊技が開始されるタイミングなどが含まれる概念である。
上述した各制御例および各実施形態を説明する際に用いた「大当たり(大当たり遊技)の終了時」という文言は、大当たり遊技が終了するタイミングを示す概念として用いているものであり、具体的には、大当たりの最終ラウンドが終了したタイミングや、大当たりのエンディング期間が終了したタイミングや、大当たり終了後の1回目の特別図柄の抽選を行うタイミングなどが含まれる概念である。
このような概念で用いた各文言に対して、上述した各制御例および各実施形態において特定のタイミングを指定していない場合には、上述した各タイミングの何れかを適宜採用するように構成しても良い。
上述した各制御例および各実施形態において説明をしたパチンコ機10の構成について、適宜組み合わせて実施しても良く、例えば、上述した第2制御例にて用いた転落抽選を実行する転落抽選手段を有するパチンコ機10に対して、上述した第3制御例にて用いた小当たり抽選を実行する小当たり抽選手段を設けても良い。
また、上述した第2制御例にて用いた転落抽選手段は、特別図柄の大当たり確率を高確率状態から低確率状態へと移行(転落)させるための抽選を実行するものであるが、それ以外の要素に対して設定されている内容を移行(転落)させるために用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の当たり確率を高確率状態から低確率状態へと移行(転落)させるための抽選や、時短状態を通常状態へと移行(転落)させるための抽選を実行するように構成しても良い。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として遊技者が押下操作可能な枠ボタン22を用いているが、操作手段として枠ボタン22とは異なる構成を設けても良く、例えば、遊技者が前後方向に操作可能なレバー形状の操作手段や、遊技者が接触(或いは、近接)したことを検知するタッチセンサ式の操作手段や、遊技者の動きを撮影する撮影手段の撮影結果を判別するカメラ式の操作手段等を設けても良い。また、操作手段の数も1つに限られること無く、複数個設けても良い。
上述した各制御例では、実行される様々な演出を第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行する構成を用いているが、パチンコ機10の複数の表示手段を設け、複数の表示手段を用いて上述した様々な演出を実行するように構成しても良いし、上述した各制御例にて説明をした様々な演出のうち、少なくとも2以上の演出を実行可能なパチンコ機10においては、実行可能な2以上の演出から、実際に実行される演出を遊技者が選択可能に構成してもよい。
<第5制御例>
次に、本発明の第5制御例について、添付図面を参照して説明する。なお、上述した各制御例、および各実施形態と同一の要素についても、説明の便宜上繰り返し説明をする。本第5制御例の遊技機は、上述した第A1実施形態(図226参照)と同様に、遊技者が有利となる特典遊技(大当たり遊技)が実行される契機として、特別図柄の抽選で大当たりに当選して大当たり遊技(図柄大当たり遊技)が実行される契機(第1契機)と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり遊技中に遊技球が特定領域(小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650(図315参照)内に設けられたV領域(図示せず))を通過したことに基づいて大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行される契機(第2契機)と、の2つの契機を有している。
このように構成することで、遊技者に対して様々な契機で大当たり遊技を提供することが可能となるたるため、遊技性を向上させた遊技を提供することができる。さらに、本第5制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選よりも、第2特別図柄(特図2)の抽選のほうが、小当たりに当選し易いように構成している。そして、大当たり遊技の終了後に設定され得る遊技状態である時短状態中は、特図2の抽選が実行され易くなるように構成している。これにより、時短状態が設定された場合には、通常状態が設定されている場合よりも大当たり遊技が実行され易くすることができる。即ち、通常状態では特図1の抽選が主に実行されるのに対して、時短状態では特図2の抽選が主に実行されるため、上述した第2契機を成立させ易くすることができる。よって、時短状態を遊技者に有利な遊技状態とすることができるため、遊技者に対して時短状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第5制御例では、通常状態が設定されている状態において、特図2の抽選が実行され易くなる期間を一時的に現出させることができるように構成している。詳細な説明は、図315を参照して後述するが、通常状態における普通図柄抽選によって、特定の当たり(ロング開放当たり)に当選した場合に、電動役物640aを長期間(1.5秒間)開放させるようにし、特図2抽選の実行契機である第2入球口(入賞口)640へ球が入球し易い期間を設定するよう構成している。これにより、通常状態の遊技を行っている遊技者に対しても、特図2抽選を実行させることができるため、特図2抽選を実行すること無く(時短状態に移行すること無く)、遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の継続条件(終了条件)として、少なくとも第1条件(例えば、時短状態中に特図2変動を5回実行、或いは、小当たり遊技終了)と、その第1条件よりも時短状態を継続し易い(終了させ難い)第2条件(例えば、時短状態中に特図変動(特図1変動と特図2変動との累計)を99回実行、或いは、小当たり遊技終了)と、を設定可能に構成している。そして、通常状態で実行された特図2抽選に基づいてV大当たり遊技が実行される場合と、時短状態で実行された特図2抽選に基づいてV大当たり遊技が実行される場合とで、時短状態の継続条件(終了条件)の設定割合を異ならせている。具体的には、通常状態中の特図2抽選に基づいて実行されたV大当たり遊技の終了後のほうが、時短状態中の特図2抽選に基づいて実行されたV大当たり遊技の終了後よりも、時短状態が継続し易い(終了し難い)継続条件(終了条件)が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄(特図)の抽選結果だけでは無く、特図抽選が実行された場合における遊技状態に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、本第5制御例では上述した通り、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)が設定されている場合よりも、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)が設定されている場合のほうが、V大当たり遊技終了後に継続し易い時短状態が設定され易くなるように構成している。よって、通常状態が設定されている場合も、時短状態が設定されている場合も、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第5制御例では、第2特別図柄(特図2)の入賞情報を最大で4個、保留記憶可能に構成しており、時短状態における特図2最終変動の抽選結果を示す変動演出を用いて保留記憶されている特図2の入賞情報の先読み結果を遊技者に報知するように構成している。つまり、時短状態中に実行される変動演出の演出結果として、当該特図変動の抽選結果に加え、時短状態から通常状態へと遊技状態が移行した後に実行される特図2抽選(通常状態に移行した時点で保留記憶されている特図2の入賞情報に対する抽選)の結果を報知するように構成している。このように構成することで、変動演出の演出結果が当たり(例えば、小当たり)に当選したことを示す演出結果である場合に、今回の小当たり当選が、時短状態で当選したのか、通常状態で当選したのかを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、上述した通り、本第5制御例では、時短状態で小当たり当選した場合と、通常状態で小当たり当選した場合とで、小当たり遊技を経由して実行される大当たり遊技(V大当たり遊技)の終了後に設定される時短状態の継続のし易さを異ならせており、具体的には、通常状態中の特図2抽選で小当たりに当選した場合のほうが、時短状態中の特図2抽選で小当たりに当選した場合よりも、時短状態が継続し易い(終了し難い)継続条件(終了条件)が設定され易くなるように構成しており、さらに、通常状態へと移行した後に実行される特図2抽選に対応する先読み結果が、時短状態が継続し易い小当たりに当選するとの判別結果である場合に、時短状態における特図2最終変動の抽選結果を示す変動演出にて、先読み結果(時短状態から通常状態へと移行した後に実行される特図2抽選の先読み結果)を報知するように構成している。
このように構成することで、時短状態中に実行される変動演出によって、小当たりに当選したことが報知された場合に、当選した小当たりが、時短状態が継続し易い小当たりである割合を高めることができる。ここで、近年の遊技機(例えば、パチンコ機10)では、遊技の健全化を図るために、遊技者に有利な遊技状態(例えば、時短状態や確変状態)が大当たり遊技終了後に設定される割合(所謂、継続率)を低く(例えば、65%以下)設定することにより遊技の射幸性を抑えるものがある。このような遊技機では、例えば、遊技者に有利な有利遊技状態が設定されている状態で当たり(例えば、大当たり、小当たり)に当選したとしても、その当たり遊技終了後に再度、有利遊技状態が設定される割合が抑えられてしまうため、有利遊技状態中における当たり報知演出に期待感を抱かせることが困難になるという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、有利遊技状態(時短状態)中に実行される当たり報知演出(変動演出)にて、有利遊技状態(時短状態)中に当選した当たり(小当たり)の報知に加え、有利遊技状態(時短状態)から不利遊技状態(通常状態)へと移行した後に実行される特図2抽選の先読み結果にて、時短状態が継続し易い小当たりに当選すると事前判別された場合の報知も行うように構成している。これにより、有利遊技状態(時短状態)中に当たり報知演出が実行された場合における時短状態が継続し易い小当たりの当選割合を高めることができ、有利遊技状態中における当たり報知演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。
さらに、本第5制御例では、時短状態の最終変動(特図2変動)、或いは、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2変動(通常状態移行時に存在する残特図2保留に対応する特図2変動)の何れで小当たりに当選したのかを遊技者に分かり難くする変動演出が実行されるように構成している。詳細な説明は後述するが、本第5制御例では、時短状態の最終変動期間に対応して実行される変動演出によって、当該変動の抽選結果に加え、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2変動(通常状態移行時に存在する残特図2保留に対応する特図2変動)の先読み結果も報知するように構成し、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2変動(通常状態移行時に存在する残特図2保留に対応する特図2変動)の変動時間を短時間(例えば、0.5秒)とし、その短時間変動が終了するまで、時短状態の最終変動期間に対応して実行される変動演出の演出結果を表示するように構成している。このように、時短状態の最終変動と、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2変動(通常状態移行時に存在する残特図2保留に対応する特図2変動)と、が実行される期間を用いて一連の演出を実行し、その一連の演出の演出結果を、複数変動に跨がって表示させることで、今回の一連の演出がどの特図変動に対応する特図抽選の結果を報知しているのかを遊技者に分かり難くすることができる。
次に、図315を参照して、本第5制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図315は、本第5制御例における遊技盤13の正面図である。図315に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第A1実施形態のパチンコ機10の遊技盤13(図227参照)に対して、可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域(左側遊技領域)にも、普通図柄(第2図柄)の抽選契機となる普通図柄始動口(スルーゲート)67を設けた点と、可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域(右側遊技領域)に設けられるV入賞口600a、V入賞扉600、及び、V入賞口600aに入球した球が流下する流路を削除した点と、特図抽選で当たり(大当たり、小当たり)に当選した場合に開放動作される可変入賞装置65、及び、V入賞装置650を右側遊技領域の下流側に配置した点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、本第5制御例のパチンコ機10の遊技盤の左側遊技領域の構成について、上述した第A1実施形態と異なる点を中心に説明をする。上述した通り、本第5制御例では、左側遊技領域の中流部(可変表示ユニット80の左側)に、球が通過可能なスルーゲート67が形成されている。これにより、遊技者が左側遊技領域に球を流下させる遊技(左打ち遊技)を行っている間も、普通図柄(普図)の抽選が実行される。詳細な説明は後述するが、本制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている間に、特定の普図当たりに当選すると、第2入賞口640に球を容易に入球させることができる普図当たり遊技が実行されるように構成している。
このように、通常状態中に第2入賞口640へ球を入球させ易い期間(状態)を提供可能に構成することにより、遊技状態を時短状態に移行させなくとも特図2抽選を用いた遊技性、即ち、小当たり当選に基づいて大当たり遊技を実行させる遊技性を遊技者に提供することができる。よって、通常状態中の遊技を長時間実行している遊技者が、特図2抽選を用いた遊技性を体験することなく遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、通常状態中の遊技として、第1入賞口64への球の入賞に基づいて実行される第1特別図柄(特図1)の抽選にて大当たりを狙う遊技と、スルーゲート67への球の通過に基づいて第2特別図柄(特図2)の抽選にて大当たりを狙う遊技と、を同時に実行させることができるため、通常状態中における遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図315を参照して、本第5制御例のパチンコ機10の遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。本第5制御例では、上述した第A1実施形態と同様に、遊技状態として時短状態が設定されると、特図2抽選が実行され易くなるため(特図2抽選の契機となる第2入賞口640に球が入賞し易くなるため)、第2入賞口640が配設されている右側遊技領域を狙う遊技(右打ち遊技)が行われる。
本第5制御例では、右側遊技領域に、スルーゲート67、第2入賞口640(電動役物640a)、可変入賞装置65、V入賞装置650を配設し、普通図柄(普図)の抽選を行う遊技、第2特別図柄(特図2)の抽選を行う遊技、及び、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)中の遊技を、右打ち遊技にて実行することが可能に構成している。これにより、時短状態中の遊技と小当たり遊技と大当たり遊技とが繰り返し実行される期間中において、遊技者に球の発射方向(左側遊技領域方向、右側遊技領域方向)を変更させる必要が無くなる。よって、球の発射方向の変更が煩雑に行われてしまうことを抑制し、快適に遊技を行わせることができる。また、本第5制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合よりも、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態、小当たり遊技状態、大当たり遊技状態)が設定されている場合に、右打ち遊技を行わせるように構成しているため、遊技者に対して、右打ち遊技中は有利な状態であると分かり易く報知することができる。
V入賞装置650は、小当たり遊技が実行される場合に開放動作される入賞装置であって、V入賞口650aに球が入賞可能な開放状態と、入賞困難な閉鎖状態とに可変可能なV入賞扉650bを有している。このV入賞扉650bは、閉鎖状態に位置している場合にその上面に球流路が形成されるように構成しており、V入賞装置650が閉鎖状態中は、右打ち遊技によって発射された球がV入賞扉650bの上面を、可変入賞装置65方向に向かって流下するように構成している。また、V入賞口650aの内部に、図示しない特定領域(V領域)を有しており、小当たり遊技中(小当たり遊技終了後の球捌け期間も含む)にV入賞口650aに入賞した球が特定領域(V領域)を通過した場合に、大当たり遊技が実行されるように構成している。
なお、V入賞装置650内に設けられる特定領域(V領域)の構成については、当業界において周知一般的な技術であるため、その詳細な説明を省略するが、例えば、上述した第A1実施形態のように、V入賞装置650内に球が通過可能な流路を複数設け、そのうち特定の流路を通過した球のみが特定領域(V領域)を通過できるように構成しても良いし、V入賞装置650内を流下する球の流下方向を振り分ける振分部材、例えば、パチンコ機10の電源投入時から予め定められた規則で常時駆動する振分部材や、大当たり遊技が開始されてから予め定められた規則で常時駆動する振分部材や、大当たり遊技の特定数のラウンド遊技が開始されてから予め定められた規則で常時駆動する振分部材等を設け、その振分部材によって振り分けられた球が特定領域(V領域)を通過した場合に大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。
さらに、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の種類を複数設け、例えば、小当たり遊技中にV入賞装置650内の特定領域(V領域)を球が通過し易い小当たり遊技が実行される小当たり種別と、特定領域(V領域)を球が通過し難い小当たり遊技が実行される小当たり種別とを設定可能に構成しても良い。この場合、当選した小当たりの種別に応じて、V入賞扉650bの開放パターンを異ならせ、特定領域(V領域)を球が通過し難い小当たり遊技を実行する場合には、V入賞口650aに球が入球し難くなるV入賞扉650bの開放パターンが設定されるように構成したり、V入賞装置650内に設けられた振分部材によって球が特定領域(V領域)以外に振り分けられるタイミングで球が振分部材に到達するようにV入賞扉650bの開放パターンを設定されるように構成したりしても良い。加えて、小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技として、V入賞装置650では無く、可変入賞装置65を開放動作させる小当たり遊技を設定可能に構成し、その小当たり遊技が実行された場合には、物理的にV入賞装置650内の特定領域(V領域)を球が通過できないように構成しても良い。
可変入賞装置65は、大当たり遊技中の開放動作される入賞装置であって、特定入賞口65aに球が入賞し易い開放状態と、入球し難い閉鎖状態と、に可変可能な入賞扉65bを有している。この入賞扉65bは、閉鎖状態に位置している場合にその上面に球流路が形成されるように構成しており、可変入賞装置65が閉鎖状態中は、右打ち遊技によって発射された球が入賞扉65bの上面を、アウト口66方向に向かって流下するように構成している。
<第5制御例におけるパチンコ機10のゲーム性について>
次に、図316を参照して、本第5制御例のパチンコ機10のゲーム性について説明をする。図316は、本第5制御例の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図316に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)のいずれかが設定されるように構成している。
そして、通常状態中に左打ち遊技を行い、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりに当選(大当たり確率1/250)すると、その大当たり遊技終了後には必ず時短状態が設定される。ここで、通常状態中に特図1大当たりに当選した場合に設定される時短状態の設定内容について説明をする。詳細な内容は図335を参照して後述するが、通常状態中に特図1大当たりに当選した場合には、3種類の大当たり種別のうち何れかの大当たり種別が設定され、各大当たり種別に対して異なる時短終了条件が規定されている。時短終了条件とは、時短状態を終了させる条件のことであり、その時短終了条件が成立した場合に、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行する。
通常状態で特図1大当たりに当選した場合は、図316に示した通り、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAA)が1%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が5回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAB)が15%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が1回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAC)が84%の割合で設定されるように構成している。つまり、通常状態中に特図1大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定されるが、設定された大当たり種別に応じて、その時短状態の継続のし易さ(時短終了条件)を異ならせている。
なお、詳細は後述するが、本第5制御例では、特図2の入賞情報を最大で4個保留記憶させることができるように構成しているため、時短終了条件として時短1回が設定された場合であっても、1回目の特図2変動が実行されている最中は(1回目の特図2変動が停止するまでは)時短状態が設定され、電動役物640aが開放し易い状態であることから、特図2の入賞情報を保留記憶させ易くすることができる。よって、時短1回の時短終了条件が設定された場合でも、時短状態中の特図2変動が1回実行されている期間中に、特図2の入賞情報(特図2保留)を保留記憶させる遊技を行うことにより、時短状態から通常状態へと移行した後の特図2変動を最大で4回実行することができる。このように構成することで、大当たりに当選した場合に、特図2抽選を数多く実行させることができるため、小当たり当選経由の大当たり遊技を遊技者に体験させ易くすることができる。
一方、通常状態中に特図1抽選で特小当たりに当選(小当たり確率1/500)した場合は、その小当たり遊技中に球が特定領域(V領域)を通過することで実行される大当たり遊技の終了後に、必ず時短状態が設定される。具体的には、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAA)が10%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が5回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAB)が40%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が1回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAC)が50%の割合で設定されるように構成している。
上述した通り、本第5制御例では、通常状態が設定されている状態で実行される特図1抽選によって、大当たりに当選した場合(図柄大当たりに当選した場合)と、小当たりに当選し、その小当たり遊技中に特定領域を球が通過し大当たり遊技が実行される場合(V大当たりした場合)と、の何れの契機で大当たり遊技が実行された場合であっても、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されるように構成しており、特図1抽選に基づいて実行される大当たり遊技であっても、その大当たり遊技の実行契機によって時短状態の継続のし易さを異ならせている。上述した通り、大当たり遊技の実行契機のうち、成立し易い実行契機(特図1抽選による大当たり当選)の場合は、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の平均継続回数が2.58回となり、成立し難い実行契機(特図1抽選による小当たり当選)の場合は、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の平均継続回数が12.4回となる。
このように、大当たり遊技の実行契機を複数有するパチンコ機10において、実行契機の成立のし易さと、成立後に設定され得る有利遊技状態(時短状態)の継続のし易さとを関連付けることにより、何れの実行契機で大当たり遊技が実行されたとしても、遊技者に期待感を抱かせることができる。
本第5制御例では、図315を参照して上述した通り、通常状態中の左打ち遊技を実行している最中も普通図柄(普図)の抽選が実行されるように構成しており、1/10の確率で普図当たりに当選しているように構成している。そして、普図当たりに当選した場合の1/100の割合で電動役物640aを長期間(1.5秒間)開放させる普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行されるように構成している。つまり、通常状態が設定されている間に実行される普図抽選の約1/1000の確率で特図2抽選を実行可能な状態(ロング開放当たり遊技)が設定される。
ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させると、通常状態における特図2抽選が実行される。ここで、通常状態中における特図2抽選で大当たりに当選した場合の遊技の流れについて図316を参照して説明する。本第5制御例では、特図1抽選と特図2抽選とで、大当たりに当選する確率が同一(1/250)に設定されている。そして特図2抽選で大当たりに当選した場合には、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAD〜AF)の何れかが設定される(図335参照)。つまり、通常状態では、大当たり確率が同一の特図1抽選と特図2抽選のうち、特図抽選の実行契機が成立し難い(対応する始動入賞口に球を入賞させ難い)特図2抽選のほうが、大当たり遊技終了後に時短終了条件が成立し難い時短状態が設定され易くなるように構成している。このように構成することにより、普図抽選によって当たりに当選し、ロング開放当たり遊技が実行された場合(1/1000)に、遊技者に対して意欲的に特図2抽選を実行させることができる。
次に、通常状態中における特図2抽選で小当たりに当選した場合の遊技の流れについて説明をする。本制御例では、特図2抽選で小当たりに当選する確率(約1/7.1)が、特図1抽選で小当たりに当選する確率(1/500)よりも高確率になるように構成している(図334参照)。そして、その小当たり遊技中に球が特定領域(V領域)を通過することで実行される大当たり遊技の終了後に、必ず時短状態が設定される。具体的には、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAD)が40%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が5回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAE)が60%の割合で設定されるように構成している。つまり、通常状態において、特図2抽選の小当たり経由で設定される時短状態の平均継続回数が42.6回となり、通常状態における特図1抽選の小当たり経由で大当たり遊技が実行される場合よりも時短終了条件が成立し難い(継続し易い)時短状態が設定され易くなる。
このように、通常状態中の遊技では、低確率ではあるが普図抽選によって当たりに当選し、ロング開放当たり遊技が実行された場合(1/1000)に、特図抽選で大当たりに当選するよりも遊技者に有利となる時短状態が設定されやすく構成することにより、通常状態を遊技している遊技者に対して、特図1抽選で大当たり、或いは小当たりを目指す遊技を行わせながら、普図抽選の当たり当選を契機に、特図2抽選で大当たり、或いは小当たりを目指す遊技を行わせることができる。
また、図315に示した通り、第1入賞口64に球を入賞させようと左打ち遊技を行った場合に遊技領域に発射される球(左側遊技領域を流下する球)が通過可能な位置にスルーゲート67を配設しているため、通常状態を遊技している遊技者に対して、球の発射方向を変更させること無く、特図1抽選を行う遊技と、普図抽選を行う遊技とを並行して行わせることができる。
なお、本制御例では、成立し難い契機で大当たり遊技が実行される程、遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成しているが、これに限ること無く、成立し易い契機で大当たり遊技が実行された場合のほうが、遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成しても良いし、予め定められた特定の契機(例えば、特図1抽選の小当たり当選)で大当たり遊技が実行された場合に、遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成しても良い。
なお、上述した小当たり遊技(特図1抽選、或いは特図2抽選にて小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技)中に、球が特定領域(V領域)を通過しなかった場合は(非V入賞の場合は)、小当たり遊技終了後に通常状態が設定される(図315の点線で示した流れに相当)。これにより、小当たり遊技が実行されている間に意図的に特定領域(V領域)に球を入球させない不正遊技を行う遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができる。
次に、図316を参照して、時短状態が設定されている場合における遊技の流れについて説明をする。本制御例では、時短状態が設定されると電動役物640aが開放され易くなり、第2入賞口640に球を入賞させ易くなるため、主として特図2抽選を実行させる右打ち遊技が実行される。
この時短状態は、所定の時短終了条件が成立するまで継続し、時短終了条件が成立すると通常状態へと移行するように構成している。この時短終了条件は特図抽選で当選した大当たりに対して設定される大当たり種別、或いは、当選した小当たりに対して設定される小当たり種別に応じて異なる条件が設定されるように構成している。具体的には、どの当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)が設定された場合であっても、共通条件として設定される共通時短終了条件と、当たり種別に応じて異なる条件が設定される対応時短終了条件と、が規定されており、共通時短終了条件としては、大当たり当選時(大当たり遊技開始時)に成立する第1終了条件と、小当たり遊技終了時に成立する第2終了条件と、時短状態中に実行された特別図柄(特図)変動の回数(特図1変動の回数と特図2変動の回数の累積)が99回に到達した場合に成立する第3終了条件が設定され、対応時短終了条件としては、時短状態中に実行される特図2変動回数が1回となった場合に成立する短終了条件、特図2変動回数が5回となった場合に成立する中終了条件が当たり種別に応じて設定される。
上述した通り、対応時短終了条件は、時短状態中において主に変動される特図2変動の回数に基づいて終了条件が設定されているため、例えば、時短状態が設定された時点で存在している特図1変動の保留記憶に基づいて、時短状態中に特図1変動が実行されたとしても、対応時短終了条件が成立することが無い。よって、遊技者に有利な時短状態が設定されたにも関わらず、特図2抽選が実行されること無く、時短状態が終了してしまうことを抑制することができる。また、特図2変動の回数に基づいて対応時短終了条件が成立するように構成しているため、時短状態中に実行される特図2変動の回数を容易に規定することができ、遊技者に過剰な特典(特図2抽選)を提供してしまうことを抑制することができる。
なお、本第5制御例では時短終了条件として、共通時短終了条件と、対応時短終了条件と、を上述した内容で設定可能に構成しているが、本制御例の設定内容に限ること無く、例えば、本第5制御例では共通時短終了条件に既定されている小当たり遊技に関する終了条件として、小当たり遊技が実行された回数が特定回数(例えば、3回)となった場合に終了条件が成立するように構成しても良いし、小当たり遊技に関する終了条件を対応時短終了条件とし、当たり種別に応じて、小当たり遊技に関する終了条件が成立する小当たり遊技の実行回数を異ならせるように構成しても良い。また、本制御例では、小当たり当選時に設定される小当たり種別に関わらず、小当たり遊技が実行された場合に第2終了条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特定の小当たり種別に応じた小当たり遊技が実行された場合に第2終了条件が成立するように構成しても良い。さらに、本制御例では小当たり遊技が終了した時点で第2終了条件が成立するように構成されているが、これに限らず、小当たり遊技開始時(小当たり当選時)に第2終了条件が成立するように構成しても良い。
このように構成することにより、時短状態中の小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立するタイミングを遊技者に分かり難くすることができるため、時短状態がいつまで継続するのか緊張感を持たせて遊技を行わせることができる。
図316に戻り、時短状態中の遊技の流れについて説明をする。時短状態中に特図2抽選で大当たりに当選した場合には、通常状態と同様に、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAD〜AF)の何れかが設定される(図335参照)。つまり、時短終了条件として、共通時短終了条件のみが設定される。
一方、時短状態中に特図2抽選で小当たりに当選した場合には、小当たり当選を経由して実行される大当たり遊技終了後に、上述した共通時短終了条件に加え、小当たり種別に応じた対応時短終了条件が設定された時短状態が設定される。具体的には、時短状態中に特図2抽選で小当たりに当選し、小当たり当選を経由して実行される大当たり遊技終了後には、10%の割合で対応時短終了条件として特図2変動回数5回が設定され、90%の割合で対応時短終了条件設定されない(実質99回が設定される)ように構成している。
上述した通り、本第5制御例では、特図2抽選の小当たり当選に基づく大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件(時短終了条件)の設定割合を、小当たり当選時における遊技状態に応じて異ならせており、通常状態中に特図2抽選で小当たり当選したほうが、時短状態中に特図2抽選で小当たりに当選した場合よりも、時短終了条件が成立し難い(対応時短終了条件が設定されない)時短状態が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、例えば、特図2抽選を実行させ易い有利遊技状態である時短状態が終了し、通常状態へと移行した時点で保留記憶されている特図2抽選によって小当たり当選することで、遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるため、時短状態が終了する直前まで特図2の保留記憶を多く獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本制御例では、時短状態の最終変動(対応時短終了条件が成立する特図2変動)に対応させて実行される変動演出(最終変動演出)によって、当該変動の抽選結果に加え、保留記憶されている特図2の入賞情報の先読み結果も報知するように構成している。このように構成することで、最終変動演出の演出結果が最大で5回の特図2抽選の抽選結果を報知することが可能となる。よって、最終変動演出の演出結果として当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)が報知される確率を、1回の特図2抽選の抽選結果のみを報知する変動演出よりも高く設定することが可能となり、遊技者に演出内容を興味深く注視させることができる。
また、時短状態中の特図2抽選と、通常状態中の特図2抽選との抽選結果(先読み結果含む)を一度に報知するように構成しているため、今回の最終変動演出によって当たり当選が報知された場合に、当たり当選した特図2抽選が、時短状態中の特図2抽選なのか通常状態中の特図2抽選なのかを、遊技者に分かり難くすることができる。このように構成することで、本制御例のように、小当たり当選時における遊技状態に応じて異なる割合で時短終了条件が設定される場合に、今回の小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後にどのような時短終了条件を有する時短状態が設定されるのかを、変動演出の演出態様(演出タイミング)によって遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
加えて、本制御例では、時短状態から通常状態へと移行した後に実行される特図2変動の変動時間として短時間(0.5秒)の変動時間が設定されるように構成し、その短時間変動の変動演出として、上述した最終変動演出の演出結果を表示するように構成している。これにより、時短状態の最終変動に対応させて実行される最終変動演出にて、保留記憶されている特図2の入賞情報の先読み結果も報知するように構成したとしても、その先読み結果の対象となる特図2変動が終了するまで最終変動演出を継続して表示させることができる。そして、時短状態終了後の特図2残保留に対応した特図2変動(通常状態中の特図2変動)が終了すると(特図2保留記憶数が0になると)、特図1抽選の実行を狙う左打ち遊技が行われる。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、通常状態が設定されている場合であっても、所定条件が成立することにより(普図抽選にてロング開放当たりに当選することにより)、特図2抽選を実行することができるように構成し、特図2抽選は、特図1抽選よりも小当たりに当選する確率が高くなるように構成している。これにより、通常状態において、第1入賞口64を狙うことで特図1抽選を実行させる遊技と並行して普図抽選を実行させる遊技を遊技者に行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第5制御例における演出の流れについて>
次に、図317〜図331を参照して、本第5制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。本第5制御例のパチンコ機10では、通常状態が設定されている場合は、第3図柄表示装置81の表示画面にて特図1変動に対応した変動演出が実行されるように構成されており、その特図1変動の実行中において、普図抽選にてロング開放当たりに当選した場合には、その特図1変動の変動演出に割り込むように普図変動演出が表示されるように構成されている。
ここで、普図変動演出は、普図変動の開始タイミングから、普図当たり遊技(電動役物640aの開放)期間を経て、第2入賞口640に球を入賞させ、その入賞球に対応した特図2変動によって小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行されるまでの期間を用いた一連演出の一部として実行される。
ここで、近年、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中に電動役物640aを長期間(例えば、1.5秒間)開放させる普図当たり(ロング開放当たり)に当選し得るように普図抽選の抽選内容を設定し、通常状態中において一時的に有利な特図抽選(例えば、特図2抽選)を実行させようとするものがある。このような遊技機では、通常状態中の遊技を長期間実行している遊技者に対して、有利な特図抽選を実行させることができ遊技の興趣を向上させることができるものであった。また、このような遊技機において、普図変動の抽選結果を示すための普図変動演出を実行し、遊技者に対してロング開放当たりの当たり遊技が実行されるまでに、普図抽選の結果を予測させる楽しみを提供可能な演出を、第3図柄表示装置81の表示画面の一部(特図変動に対応する変動演出が実行される表示領域よりも小さな表示領域)を用いて実行するものもある。
しかしながら、ロング開放当たりの当たり遊技が実行される旨を遊技者に報知可能な普図変動演出のみを実行する近年の遊技機では、その当たり遊技によって獲得した特図2抽選の変動演出と、上述した普図変動演出とに関連性が無く、ロング開放当たりの当たり遊技によって遊技者に付与される特典、即ち、ロング開放当たりの当たり遊技が実行されたことにより、特図2抽選が実行されたことを分かり易く報知することが出来ず、普図変動演出の演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
これに対し、本第5制御例では、普図変動の開始タイミングから、普図当たり遊技(電動役物640aの開放)期間を経て、第2入賞口640に球を入賞させ、その入賞球に対応した特図2変動によって小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行されるまでの期間を用いて一連演出を実行するように構成している。これにより、一連演出を実行することにより、普図抽選の抽選結果に基づいて、大当たり遊技が実行されるまでの遊技の流れを遊技者に分かり易く報知することができ、演出効果を高めることができる。
ここで、上述した一連演出を実行する場合において、普図ロング開放当たりの当たり遊技中、即ち、電動役物640aを長期間開放させている間に第2入賞口640に球を入賞させた場合に、その入賞に基づいた特図2変動が開始されるタイミングが、特図1変動の変動状況に応じて大きく異なるという問題が発生する。具体的には、例えば、第2入賞口640に球を入賞させた時点で、特図1変動が実行中であり、且つ、その特図1変動の変動残時間が120秒である場合には、第2入賞口640に球を入賞させてから特図2変動が開始されるまでの期間(待機期間)が120秒になる。このような状況において一連演出を継続して実行してしまうと、一連演出の演出態様が間延びしてしまい、遊技者が演出に飽きてしまうという問題があった。
このような問題に対して、本第5制御例では、上述した待機期間が60秒以上である場合には、一連演出を疑似的に終了させた後に、再度疑似的に一連演出を実行させる演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、一連演出の演出態様が間延びしてしまう事態を抑制することができる。
ここで、図317を参照して、通常状態中に実行される特図変動に関する変動演出と、普図変動に関する変動演出との流れを説明する。図317(a)は、第2入賞口640に球が入賞してから特図2変動が開始されるまでの待機期間が所定期間未満(60秒未満)である場合に実行される演出の流れを示したタイミングチャートであり、図317(b)は、第2入賞口640に球が入賞してから特図2変動が開始されるまでの待機期間が所定期間以上(60秒以上)である場合に実行される演出の流れを示したタイミングチャートである。
図317(a)に示した通り、普図変動にて普図ロング開放当たりに対応する変動(ロング開放変動)が実行されるまでは、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmの全面を用いて特図1変動に対応した変動演出(特1演出)が実行される。ここで、図319(a)を参照して、特図1変動に対応した変動演出の表示画面について説明をする。図319(a)は、特図1変動に対応した変動演出(特図1変動演出)の一例を示した模式図である。図319(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面は、主表示領域Dmと、副表示領域Dsとに上下方向で区画形成されており、主表示領域Dmにおける正面視右上(主表示領域Dmの中心から見て右上方向側)には、小表示領域Dm1,Dm2が形成されている。この小表示領域Dm1,Dm2は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)が小表示領域Dm1に表示され、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域Dm2に表示されるように構成している。
このように小表示領域Dm1,Dm2を設けることにより、特別図柄の抽選状況を表示することができる。なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、第4図柄を、数字を用いた表示態様で示しており、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を変動表示(図319(a)では下方向の矢印で表示)させることで、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を停止表示させることで(図322(a)参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として図形を模した表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、図形を変形させる表示態様や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図319(a)に示した通り、本制御例では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域Dm1,Dm2)を、主表示領域Dmの右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域Dmの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて異ならせても良い。
具体的には、主表示領域Dmの全面を用いて実行される変動演出において、実行中の変動演出が特図1変動に対応しているのか、特図2変動に対応しているのかを分かり難くするための演出態様が設定されている場合には、第4図柄表示領域(小表示領域Dm1,Dm2)を遊技者が視認困難となるように可変させると良い。また、例えば、各特別図柄に対応する第4図柄の表示領域の位置を切り替えたり、一方のみの表示領域のみを表示したりすることで、遊技者が第4図柄表示領域の表示態様を見ただけでは実行中の特別図柄の種別を容易に判別できないように構成しても良い。このように構成することで、第4図柄表示領域の表示態様によって、現在実行中の特別図柄の種別が把握されてしまい主表示領域Dmにて実行される変動演出の演出効果が低下してしまうという事態が発生することを抑制できる。
なお、上述した通り、特別図柄(特図)が変動している期間に対応する第4図柄表示領域の表示態様によって特図が変動していることは報知するが、変動している特図の種別を判別し難い表示態様で変動表示されるように構成した場合は、その変動表示終了後の停止表示態様によって、対応する特図変動(抽選)の結果と、特図種別と、を報知できるように構成すると良く、例えば、停止表示された第4図柄の表示態様(停止表示態様)として、赤色の停止表示態様が表示された場合は特図1に対応する第4図柄(特1第4図柄)で、青色の停止表示態様が表示された場合は特図2に対応する第4図柄(特2第4図柄)であることを報知するように構成すれば良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第4図柄表示領域を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成すると良い。
さらに、小表示領域Dm1の近傍(左側)には小表示領域Dm1aが形成され、特図1の保留球数を示す表示態様が表示される。また、小表示領域Dm2の近傍(左側)には小表示領域Dm2aが形成され、特図2の保留球数を示す表示態様が表示される。なお、本実施形態では、後述する図319(a)に示した通り、保留数表示領域(小表示領域Dm1a,Dm1b)にて、各特図の保留球数を、数字を用いた表示態様で表示するように構成しているが、これに限ること無く、獲得図の保留球数が識別できるような色や記号を用いた表示態様を表示するように構成しても良い。
主表示領域Dmにおける正面視左上(主表示領域Dmの中心から左上方向)には、小表示領域Dm4が形成されている。この小表示領域Dm4には、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示される(図320(b)参照)。
本第5制御例では、小表示領域Dm4を案内表示領域として用いている。このように構成することで、遊技者は案内表示領域Dm4に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤13のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
この案内表示領域(小表示領域Dm4)には、遊技者に対して右打ち遊技を行わせることを案内するための「右打ち」の表示態様と、遊技者に対して左打ち遊技を行わせることを案内するための「左打ち」の表示態様と、が表示されるように構成されており、「右打ち」の表示態様は、右打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、時短状態中、及び、大当たり遊技中、小当たり遊技中に表示され、「左打ち」の表示態様は、右打ち遊技が終了してから所定期間(例えば、10秒間)表示されるように構成している。また、左打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、通常状態中に右打ち遊技が実行されていることを検知した場合にも、所定期間(例えば、10秒間)「左打ち」の表示態様が表示されるように構成している。
図319(a)に戻り説明を続ける。詳細な説明は省略するが、上述した小表示領域Dm1a,Dm2aは、対応する特別図柄の保留球数を示すための値以外に、保留記憶されている入賞情報を事前に判別した結果(先読み結果)を遊技者に示唆報知可能な表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して今後実行される遊技(保留記憶されている特別図柄の抽選結果)に対して期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、小表示領域Dm1,Dm2の下方には、小表示領域Dm3が形成される。この小表示領域Dm3は、普通図柄(普図)の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報が表示される領域であって、普通図柄(普図)の抽選状況を示すための第4図柄(普図第4図柄)が小表示領域Dm3に表示されるように構成している。
加えて、小表示領域Dm3の近傍には、小表示領域Dm3aが形成され、普通図柄の保留球数が表示される。なお、上述した小表示領域Dm3aは、対応する普通図柄の保留球数を示すための値以外に、保留記憶されている入賞情報を事前に判別した結果(先読み結果)を遊技者に示唆報知可能な表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して今後実行される遊技(保留記憶されている普通図柄の抽選結果)に対して期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
さらに、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsは、図319(b)に示す通り、実行中の遊技内容に対するコメントが表示されるように構成されている。このように構成することで、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。なお、副表示領域Dsを別の目的に用いても良く、例えば、小表示領域Dm1a,Dm2aに示した各特別図柄の保留球数を示すための情報を、副表示領域Dsに表示するように構成しても良い。
この場合、例えば、副表示領域Dsに、各特別図柄の保留球数を個々に示すための保留表示態様(例えば、円形からなる保留図柄表示態様)を表示するように構成すると良い。そして、保留表示態様の表示数によって、現在の特別図柄の保留球数を遊技者が把握できるように構成すると良い。さらに、保留記憶されている各特別図柄に対応する入賞情報を事前に判別し、その判別結果に基づいて、対応する保留表示態様を可変させるように構成すると良い。
このように構成することで、複数存在し得る保留図柄のうち、表示態様が可変された保留図柄に対応する特別図柄の抽選にて、大当たりに当選するのではと期待を持たせながら遊技を行わせることができる。さらに、本実施形態とは異なり、個々の保留記憶数に対応する保留図柄表示するように構成しているため、複数ある保留図柄のうち、遊技者に有利となり得る遊技結果を示すための表示態様に可変された保留図柄表示を容易に表示する結果表示を設定することができる。
さらに、本実施形態では、その他に、遊技者に対して遊技結果(各図柄の抽選結果)を示唆するための遊技結果示唆態様や、主表示領域Dmにて実行されている演出表示の内容を説明するための演出説明態様や、枠ボタン22を操作するタイミングや操作した結果を示すための枠ボタン関連表示態様や、大当たり遊技に関する情報が表示される当たり関連情報表示態様が副表示領域Dsに表示されるように構成されており、副表示領域Dsに表示する内容によって、主表示領域Dmと副表示領域Dsとの表示領域の割合が異なるように設定されている。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、抽選結果が外れであることを示す表示態様で第3図柄を1秒間停止表示させた後に確定表示し、その後、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入賞口64、第2入賞口640に対して球が入賞するまで。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入賞口64、第2入賞口640の何れにも入賞(入球)が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入賞口64、第2入賞口640に球が入賞した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
なお、図319(a)では、説明の便宜上、小表示領域(案内表示領域)Dm4が主表示領域Dmに表示されているように示しているが、遊技者に対して遊技方法(方向)を案内する表示態様が表示されていない場合は、小表示領域Dm4自体が表示されないように構成されている。このように、遊技方法(方向)を案内する必要が無い状態では、案内表示領域が表示される表示領域を削除することにより、その他の表示態様(例えば、変動演出表示態様)を表示させる領域を広くすることができるため、演出効果を高めることができる。
図317(a)に戻り説明を続ける。特図1変動が実行されている最中に、スルーゲート67を球が通過し、普図ロング開放変動が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmの一部を用いて普通図柄(普図)変動を示すための普図変動演出が実行される(図317(a)の地点A参照)。なお、図317(a)の地点Aのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図319(b)を参照して後述する。
その後、普図ロング開放変動の変動時間が所定時間を経過すると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmにて表示される特図変動演出と、普図変動演出の表示領域の大きさが切り替わる処理が実行され、主表示領域Dmの全面を用いて普図変動演出が実行され、主表示領域Dmの一部の領域で特図変動演出が実行される(図317(a)の地点B参照)。なお、図317(a)の地点Bのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図320(a)を参照して後述する。
本制御例では、特図変動演出と、普図変動演出との表示領域の大きさを切り替えるタイミングとして普図変動演出の開始から10秒経過後を設定している。詳細な説明は後述するが、本制御例では、普図抽選の結果が外れである場合の一部において、10秒間の変動時間が設定されるように構成しており、その10秒間の普図外れ変動が設定された場合においても普図変動演出(図319(b)参照)が実行されるように構成している。
このように構成することにより、普図外れ変動(10秒)に基づいて普図変動演出が実行された場合は、特図変動演出と普図変動演出との表示領域が切り替わること無く、普図変動演出が終了する演出が実行される。よって、普図変動演出が実行された後に、特図変動演出と普図変動演出との表示領域が切替表示されることで(図320(a)参照)、実行中の普図変動演出が普図ロング開放変動である期待度を高めることができる。
その後、普図ロング開放変動の変動時間が経過すると、普図当たり遊技(ロング開放遊技)が実行され、普図当たり遊技中の表示画面が表示される(図317(a)の地点C参照)。なお、図317(a)の地点Cのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図320(b)を参照して後述する。
ここで、普図変動に基づいて実行される普図変動演出の表示内容について図319(b)〜図320(b)を参照して説明をする。図319(b)は、普図変動演出が開始された直後(図317(a)の地点A参照)に表示される演出内容の一例を示した模式図である。図319(b)に示した通り、普図変動演出が実行されると、主表示領域Dmの右下側(主表示領域Dmの中心から見て右下方向)に小表示領域Dm5が形成され、普図変動演出が開始される。
つまり、小表示領域Dm5は、普図変動演出が実行される普図変動演出表示領域となる。そして、普図変動演出として、キャラクタ851が宝箱852を見つけ、近づいていく演出が実行される。なお、図319(b)に示した状態では、特図1変動と普図変動が実行中であるため、小表示領域Dm1にて特図1が変動表示されていることを示す表示態様(図319(b)では、「下方向の矢印」で表示)が表示され、小表示領域Dm3にて普図が変動表示されていることを示す表示態様(図319(b)では、「下方向の矢印」で表示)が表示されている。
そして、副表示領域Dsには、普図変動演出が実行された旨と、普図変動演出の演出内容を示すためのコメントとして「宝箱発見!!たどり着けるとチャンス!!」の文字が表示される。これにより、主表示領域Dmの一部分で実行された普図変動演出が今後どのような演出に進展すれば良いのかを遊技者に分かり易く報知することができる。
その後、普図変動演出の開始から10秒が経過すると、図320(a)に示した表示画面が表示される。図320(a)は、普図変動演出の表示領域が切り替わった直後(図317(a)の地点B参照)に表示される演出内容の一例を示した模式図である。図320(a)に示した通り、普図変動演出の開始から10秒が経過すると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域全面を用いて普図変動演出が実行され、第1特別図柄(特図1)の変動表示演出が、主表示領域Dmの一部分(左下部分)に形成される小領域Dm6にて表示される。そして、副表示領域Dsには、普図変動演出が進展したことを示す(普図抽選の結果が普図外れ変動では無かったことを示す)「大チャンス」のコメントが表示される。
図319(b)、及び図320(a)に示した通り、複数の図柄抽選(特図抽選、普図抽選)の抽選結果を示すための変動演出(特図変動演出、普図変動演出)が同時に実行される場合において、各変動演出が実行される表示領域の大きさを、各図柄抽選の抽選結果の示唆状況に応じて可変させることにより、遊技者に対して複数の図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出が同時に実行されていることを報知すると共に、各変動演出が実行される表示領域の大きさによって、何れの変動演出を注視すればよいのかを分かり易く報知することができる。
なお、図示は省略するが、実行された普図変動演出が普図外れ変動(10秒)の場合は、図319(b)の表示画面から、小表示領域Dm5が徐々に小さくなり最終的に小表示領域Dm5が表示されなくなる演出が実行され、今回の普図変動演出に対応する普図抽選の抽選結果が外れであることが遊技者に報知される。このように普図外れ変動に基づいて普図変動演出が実行される場合には、特図変動表示演出よりも小さい表示領域を用いた普図変動演出のみが実行されるため、外れ用の普図変動演出が特図変動演出を阻害することが無い。
つまり、上述した例によれば、普図変動演出の演出結果(普図変動演出の実行契機となった普図抽選の結果)として外れ(普図外れ変動(10秒))が選択されている可能性がある期間、即ち、普図変動演出が開始されてから10秒が経過するまでの期間は、図319(b)に示した表示態様を実行することで、特図変動演出と普図変動演出が同時に実行されていることを遊技者に報知し、普図変動演出が開始されてから10秒が経過すると、普図変動演出の演出結果(普図変動演出の実行契機となった普図抽選の結果)として外れ(普図外れ変動(10秒))が選択されている可能性が無くなる分、今回の普図抽選が当たりである可能性が高くなることから、図320(a)に示した通り、普図変動演出の表示領域が大きく(特図変動演出が実行される表示領域よりも大きく)なる表示態様が実行される。
これにより、普図変動演出の抽選結果として遊技者に有利となる抽選結果、即ち、電動役物640aがロング開放する当たり遊技が実行される抽選結果である可能性が高くなるにつれて、普図変動演出が実行される表示領域を大きくすることができるため、遊技者に対して普図変動演出を適切に注視させることができる。また、例えば、普図外れ変動(10秒)に基づいて普図変動演出が実行させた場合は、特図変動演出よりも小さい表示領域(図319(b)参照)で実行される普図変動演出のみで終了するため、特図変動演出の視認性を妨げること無い。加えて、普図抽選の抽選結果に関わらず、普図変動演出開始時における表示領域の大きさを統一させているため、普図変動演出が開始された直後の表示態様によって普図抽選の抽選結果を遊技者に予測されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第5制御例では、図319(b)、及び図320(a)に示した通り、普図変動演出が実行される表示領域として、特図変動演出が実行される表示領域よりも小さい表示領域(小表示領域Dm5(図319(b)参照))と、特図変動演出が実行される表示領域(小表示領域Dm6(図320(a)参照)よりも大きい表示領域(図320(a)参照)と、の2種類の大きさを設けているが、これに限ること無く、普図変動演出の表示領域の大きさを3種類以上設けても良く、例えば、特図変動演出が実行される表示領域と同程度の大きさの表示領域を用いても良い。
また、本第5制御例では、普図変動演出が進展するにつれて、その普図変動演出が実行される表示領域が徐々に大きくなるように構成しているが、これに限ること無く、普図変動演出が実行される表示領域を初期範囲(図319(b)参照)よりも縮小させた後に、最終範囲(図320(a)参照)の大きさへと可変するように構成しても良い。このように構成することにより、遊技者に対して、普図変動演出が終了してしまうと思わせながら、普図変動演出を継続させることができるため、意外性のある演出を提供することができる。
さらに、本第5制御例では、特図変動演出と普図変動演出とが同時に実行される場合において、各変動演出が実行される表示領域の大きさを可変させることで、遊技者が注視すべき変動演出を示すように構成しているが、これに限ることなく、例えば、各変動演出が実行される表示領域の態様(例えば、表示領域の外郭の色や、表示領域の背景の色を可変させた態様)や、各変動演出に対応する音声の出力態様(例えば、一方の変動演出に対応する音声のみを出力させたり、各変動演出に対応する音声の出力レベル(音量)を可変させる出力態様)を設定することにより、複数の変動演出のうち、何れかの変動演出を遊技者に注視させるように構成しても良い。
加えて、本第5制御例では、普図変動演出の進展状況(経過時間)に応じて、普図変動演出が実行される表示領域の範囲を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)に対する操作内容に基づいて普図変動演出が実行される表示領域の範囲が可変するように構成し、普図変動演出の進展状況(経過時間)や、普図抽選の抽選結果(当否判定結果)に基づいて、普図変動演出が実行される表示領域の可変可能な範囲を設定するように構成しても良い。
このように構成することにより、普図変動演出中において普図抽選の抽選結果をいち早く把握したい遊技者に対しては、操作手段の操作に基づいて可変する表示領域の範囲に基づいて普図抽選の抽選結果をいち早く把握させることができ、普図変動演出の演出結果をもって普図抽選結果を把握したい遊技者に対しては、操作手段を操作させないことで普図変動演出が実行される表示領域の範囲を可変させることなく普図変動演出を実行させることができる。
そして、普図ロング開放変動の変動時間が経過し、普図抽選の抽選結果がロング開放当たりであることが表示されると、その後、ロング開放当たりが実行され、図320(b)に示した表示画面が表示される。図320(b)は、普図ロング開放当たりに当選し、ロング開放当たり遊技が実行されている場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。
図320(b)に示した通り、普図ロング開放当たりに当選すると、主表示領域Dmにてキャラクタ851が宝箱852を開け、宝箱852の中から普図ロング開放当たりに当選したことを示すためのカプセル853が出現する演出が実行される。そして、小表示領域Dm3には、普図抽選の結果がロング開放当たりであることを示すための表示態様(図では、「3つの丸印)で表示)が表示され、小表示領域Dm4には、第2入賞口640に球を入賞させる遊技(右打ち遊技)を行わせるために「右打ち」が表示され、小表示領域Dm5には、右打ち遊技によって球を入賞させる位置を視覚的に報知するための案内表示態様として、遊技盤13の右側遊技領域の一部(第2入賞口640近傍)を模式的に示した案内図が表示される。
なお、図320(b)に示した例では、普図ロング開放当たり遊技が実行されている最中も特図1変動が実行中であるため、小表示領域Dm1には特図1が変動中であることを示す表示態様で特図1第4図柄が表示され、主表示領域Dmの左下側に形成された小表示領域Dm6にて特図変動演出が縮小表示(図320(a)の表示画面よりも縮小表示)されている。このように、普図変動演出が実行される表示領域の大きさを変更しなくても、特図変動演出が実行される表示領域を縮小することにより、特図変動演出が実行される表示領域に対して普図変動演出が実行される表示領域を相対的に大きくすることができるため、遊技者に対して普図変動演出の演出内容をより目立たせることができる。
そして、副表示領域Dsには、「チャレンジGET」のコメントが表示され、普図変動演出がさらに進展することを遊技者に報知している。ここで、本第5制御例では、普図抽選の抽選結果が当たりの場合の一部において、普図ロング開放当たり当選時に設定される変動時間(60秒)と同一の変動時間である普図ショート開放変動(60秒)が設定されるように構成している。この普図ショート開放変動に対応して普図変動演出が実行された場合は、図320(b)に示した表示画面と同様の表示態様が表示されるまで普図変動演出が進行し、宝箱852の中から普図抽選の抽選結果が外れであることを示すための外れ態様が表示される演出が実行される。
つまり、普図抽選で当たりに当選し、当たり遊技としてショート開放動作が実行された場合は、球が第2入賞口640に入賞し得ない程度に電動役物640aが開放されるように構成している。この場合、右打ち遊技を実行したとしても球を第2入賞口640に入賞させることが出来ない(困難である)ため、小表示領域Dm4に「右打ち」のコメントが表示されることが無い。
なお、本制御例では、普図抽選で当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(電動役物640aを開放動作させる遊技)として、第2入賞口640に球を入賞可能なロング開放当たり遊技と、第2入賞口640に球を入賞させ難いショート開放当たり遊技と、の2種類の当たり遊技を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、3種類以上の当たり遊技を実行可能に構成しても良く、例えば、第2入賞口640に球を入賞可能なロング開放当たり遊技として、電動役物640aの開放タイミングや開放時間を異ならせた当たり遊技を実行可能に構成しても良い。
このように構成することで、普図ロング開放遊技中における電動役物640aの開放タイミングを遊技者に把握させ難くすることができるため、当たり遊技中において所定のタイミングでのみ球を発射させて第2入賞口640に球を入賞させる遊技が行われることを抑制することができる。また、同様に効果を奏するために、例えば、普図変動演出の実行タイミング(普図当たり遊技が開始されることを報知する表示態様を表示するタイミング)を、異ならせるように構成しても良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される演出態様に基づいて第2入賞口640に入賞可能な球発射タイミングを把握させ難くすることができる。
図317(a)に戻り、演出の流れについて説明をする。普図当たり遊技が実行されている最中に、右打ち遊技が行われ、球が第2入賞口640に入賞すると(図317(a)の地点C参照)その旨を示す表示態様が第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。なお、図317(a)の地点Cのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図321(a)を参照して後述する。
ここで、本第5制御例では、特図1抽選の抽選結果を示すための特図1変動と、特図2抽選の抽選結果を示すための特図2変動と、を同時に(並行して)実行することができず、特図1変動に対して特図2変動を優先的に実行するように構成している。
よって、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した時点で、特図1変動が実行されている場合は、特図2の入賞情報が保留記憶され、実行中の特図1変動が終了するまでの期間(待機期間)、特図2変動の実行が待機される。その後、実行中の特図1変動が終了すると、保留記憶されている入賞情報に基づいた特図2変動が優先的に実行され、上述した普図変動演出の演出態様を進展させた特図2変動演出が実行される(図317(a)の地点D参照)。なお、図317(a)の地点Dのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図321(b)を参照して後述する。
その後、特図2変動が終了し、小当たり当選を示す表示態様で特図2が停止表示した場合には(図317(a)の地点E参照)、小当たり当選を示すための特図2変動演出が実行される。なお、図317(a)の地点Eのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図322(a)を参照して後述する。そして、小当たり遊技が実行されている間に、V入賞装置650内に設けられた特定領域(Vゲート(V領域))を球が通過すると(図317(a)の地点F参照)、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されることを示す表示態様が表示される(図322(b)参照)。
ここで、図321(a)から図322(b)を参照して、通常状態中に普図ロング開放当たり遊技が実行され、その当たり遊技に基づいて大当たり遊技が実行されるまでに第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出内容について説明をする。
本第5制御例では、通常状態において普図ロング開放変動が実行されてから大当たり遊技が実行されるまでの一連の遊技(普図変動、普図当たり、特図2変動、特図2小当たり、大当たりの流れで実行される遊技)に対して、ストーリー性を持たせた一連演出を実行するように構成している。具体的には、図319(b)から図320(b)を参照して説明した普図変動演出の演出内容が進展し、その演出の進展状況によって大当たり遊技が実行される旨を遊技者に示唆することが可能となる。
このように構成することにより、大当たり遊技の実行契機として、特別図柄(特図)の抽選で大当たりに当選した場合に成立する実行契機よりも複雑な実行契機の成立の有無を、一連演出を用いて示唆することが可能となるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
図321(a)は、図320(b)に示した状態、即ち、特図1変動中に実行されたロング開放当たり遊技が実行されている状態において、第2入賞口640に球が入賞したことを示すための表示画面を模式的に示した模式図である。図321(a)に示した通り、普図ロング開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞すると、カプセル853が割れて、カプセル853の中から今後実行される遊技内容を示唆する示唆態様として「チャレンジゲーム」を記載されたチケット854が表示される。そして、副表示領域Dsには、今後、チャレンジゲームが実行されることを報知する「チャレンジゲームGET」のコメントが表示される。
ここで、図321(a)で示した例によれば、特図1変動が実行中であるため、第2入賞口640に球が入賞したことに基づいて、即座に特図2変動が実行されること無く、特図2の入賞情報が保留記憶されることになる。よって、小表示領域Dm2aには特図2の入賞情報を1つ獲得したことを示す「1」が表示される。そして、図321(a)の状態で実行されていた特図1変動が終了すると、次いで、特図2変動が開始されると共に、第3図柄表示装置81の表示画面にてチャレンジゲームが開始される(図321(b)参照)。
図321(b)は、チャレンジゲーム中の表示画面を模式的に示した模式図である。図321(b)に示した通り、一連演出の実行中に特図2変動が実行されると、チャレンジゲームが開始される。このチャレンジゲームは、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmにて実行される演出であり、図321(a)に示した通り、演出結果を示すための複数の結果表示態様861a〜861eが順に回転し、結果表示領域860内に停止表示された結果表示態様861a〜861eが今回の演出結果となる演出が実行される。
本第5制御例では、結果表示態様として、特図2抽選の抽選結果が「外れ」であることを示すための「バツ印」が付された結果表示態様861aと、「小当たり」であることを示すための「V」が付された結果表示態様861dと、「大当たり」であることを示すための「777」が付された結果表示態様861cと、特図2の抽選結果を報知しない「?」が付された結果表示態様861bと、再度、チャレンジゲームが実行されることを示す「NEXT」が付された結果表示態様861eとを有している。
ここで、チャレンジゲームの演出結果として、「?」が付された結果表示態様861bは、特図2抽選の抽選結果が、「大当たり」、「小当たり」、「外れ」の何れかである場合に選択され得るものであり、チャレンジゲームにて特図2抽選の抽選結果を報知しない演出が実行される。なお、この結果表示態様861bが結果表示領域860に停止表示された場合にも小領域Dm4に「右打ち」が表示される。
このように構成することで、チャレンジゲームの演出結果として結果表示態様861bが結果表示領域860に停止表示された場合には、特図2抽選の抽選結果を把握すること無く、右打ち遊技を行うことになるため、右打ち遊技によって発射された球が、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650に入賞するのか、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65に入賞するのか、普図当たり遊技中に開放動作される第2入賞口640に入賞するのか、それとも、特図当たり(大当たり、小当たり)、及び普図当たりに当選しておらず、どの入賞口にも入賞しないのかを、実際の球の流下挙動を見ながら判別することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第5制御例では、結果表示態様861bが結果表示領域860に停止表示された場合に、チャレンジゲームの演出結果を遊技者が把握できないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、結果表示態様861bが結果表示領域860に停止表示された後に、結果表示態様861bの表示態様を可変させることにより、チャレンジゲームの演出結果として今回の特図2抽選の抽選結果を報知することができるようにしてもよい。
このように構成することにより、チャレンジゲームの実行中は結果表示態様861bがどの特図2抽選の抽選結果に対応しているのかを遊技に分かり難く報知することができ、且つ、チャレンジゲームが終了すると、今回のチャレンジゲームの演出結果、即ち、特図2の抽選結果を遊技者に報知することができる。
また、図321(b)に示した結果表示態様861e(「NEXT表示」)は、チャレンジゲームが再度実行される場合に結果表示領域860に停止表示されるものである。本第5制御例では、ロング開放当たり遊技中に特図2の入賞情報を複数獲得した場合には、特図2の抽選で大当たり又は小当たりに当選するまで、特図2の抽選が継続して実行される。この場合、例えば、一回目の特図2抽選の抽選結果が外れの場合は、引き続き二回目の特図2抽選が実行されるため、1回目の特図2変動に対応して実行されるチャレンジゲームの演出結果として結果表示態様861eが結果表示領域860に停止表示され、2回目の特図2変動が開始される。一方、一回目の特図2抽選の抽選結果が当たり(大当たり、小当たり)である場合は、その抽選結果を示すための結果表示態様861b〜861dの何れかが結果表示領域860に停止表示される。
このように構成することで、ロング開放当たり遊技中に獲得した特図2の入賞情報の数に対応した演出(チャレンジゲーム)を遊技者に違和感無く提供することができる。また、詳細な説明は省略するが、通常状態における特図2抽選において設定される変動時間として、チャレンジゲーム1回分に対応する変動時間(10秒)と、2回分に対応する変動時間(20秒)とが設定可能に構成されており、特図2抽選の抽選結果が外れである場合には、20秒の変動時間が、10秒の変動時間よりも選択され難く構成している。
これにより、1回の特図2変動の変動演出でチャレンジゲームが2回実行された場合には、特図2抽選で当たり(大当たり、小当たり)に当選する可能性を高く設定することができる。また、チャレンジゲームによって「NEXT」が付された結果表示態様861eが結果表示領域860に停止表示され、再度チャレンジゲームが実行された場合に、その2回目のチャレンジゲームが、1回の特図2変動時間内で実行されたのか、2回の特図2変動に跨がって実行されたのかを分かり難くすることができる。
図321に示した状態は、特図2変動が実行されている状態であるため、小表示領域Dm1には、図321(a)で示した時点で変動していた特図1変動が外れを示す表示態様「451」で停止表示され、小表示領域Dm2にて、特図2変動が実行中であることを示す表示態様(図では下方向の矢印で表示)で特図2第4図柄が表示されている。また、図321(a)で示した時点で保留記憶されていた特図2の入賞情報を用いて特図2変動が実行されたため、小表示領域Dm2aに表示されている値として「0」が表示されている。
そして、一連演出として、普図変動演出が実行されていた表示領域を用いて特図2変動演出が実行されるため、図321(a)で特図変動演出(特図1変動演出)が実行されていた小表示領域Dm6が主表示領域Dmから消去される。また、小表示領域Dm4には、遊技者に右打ち遊技を行わせるための「右打ち」の文字が継続して表示され、副表示領域Dsには、今回のチャレンジゲームの演出を煽るための「何が出るかな?」のコメントが表示される。
なお、図321(b)に示した模式図によれば、現在の遊技状況を説明するために、小表示領域Dm1〜Dm3、及びDm1a〜Dm3aを視認可能な大きさで表示しているが、実際には、遊技者が視認困難な表示態様で表示されている。これにより、連続主表示領域Dmにて実行されている演出態様(チャレンジゲーム)の演出効果をより高めることができる。
また、図321(b)に示した状態は、上述した通り、普図ロング開放当たり遊技が終了し、特図2変動が実行されている状態であるため、そのタイミングでは右側遊技領域に設けられた各入賞口(第2入賞口640、特定入賞口65a、V入賞口650a)の何れも球の入賞が容易になっていない状態である。しかしながら、図321(b)に示した状態の直前までは、普図ロング開放当たり遊技により第2入賞口640に球が入賞し易い状態であり、例えば、実行中の特図2抽選によって小当たりに当選した場合、或いは、大当たりに当選した場合には、V入賞口650a、或いは特定入賞口65aに球が入賞し易い状態となる。
このように、瞬間的には、右側遊技領域に球を流下させる右打ち遊技を行ったとしても遊技者に有利な遊技方法とはならない場合であっても、継続して右打ち遊技を行わせる「右打ち」の文字を小表示領域Dm4に表示させることにより、遊技者が右打ち遊技と左打ち遊技とを頻繁に切り替える煩わしさを解消すると共に、遊技方法の切替操作が遅れてしまい、例えば、小当たり遊技が実行された状態で右打ち遊技が行えず、小当たり遊技中にV入賞口650aに球を入賞させることができなくなるという事態が発生することを抑制することができる。
本制御例では、上述した理由により、所定間隔(特図2変動が実行されている期間)を空けて右打ち遊技を実行し得る場合において、その所定間隔の間も連続して小表示領域Dm4に「右打ち」の文字を表示するように構成しているが、これに限ること無く、実際に右打ち遊技が遊技者に有利となる状態のみ小表示領域Dm4に「右打ち」の文字を表示するように構成しても良いし、実際に右打ち遊技が遊技者に有利となる状態(普図ロング開放当たり期間、小当たり遊技期間)と、その状態の間の期間(特図2変動期間)と、で異なる表示態様で小表示領域Dm4に「右打ち」の文字を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、遊技に馴れていない遊技者に対しては、連続して右打ち遊技を行わせ、遊技者に不利な遊技状況(小当たり遊技中にV入賞口650aに球を入賞させることが出来ない状況)が発生し難くし、熟練の遊技者に対しては、小表示領域Dm4に表示される「右打ち」の表示態様に応じて遊技方法を選択させることができる。よって、遊技者の技量に応じた遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、チャレンジゲームの演出結果として「V」が付された結果表示態様861dが結果表示領域860に停止表示された場合、即ち、小当たりに当選した場合に表示される表示内容について図322(a)を参照して説明する。図322(a)は、チャレンジゲームで小当たり当選が報知された場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。
図322(a)に示した通り、特図2変動が小当たりを示す表示態様で停止表示されると、小表示領域Dm2に小当たり当選を示す表示態様「341」で特図2第4図柄が表示され、結果表示領域860に結果表示態様861dが停止表示される。そして、副表示領域Dsには小当たりに当選したことを示す「小当たりGET!!」のコメントが表示され、主表示領域Dmの小表示領域Dm7には、小当たり遊技中に遊技者が狙うV入賞装置650を視覚的に案内するための案内表示態様として、V入賞装置650近傍を拡大表示した模式図が表示される。
そして、小当たり遊技中に球がV入賞口650a内の特定領域(Vゲート(V領域))を通過すると、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行される権利を獲得したことを報知するための表示画面として図322(b)に示した表示画面が表示される。図322(b)は、小当たり遊技中に大当たり遊技の権利を獲得した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図322(b)に示した通り、主表示領域Dmに大当たり遊技が実行されることを示す「777」の文字が表示され、副表示領域Dsには遊技者を祝福する「大当たり!!おめでとう!!」のコメントが表示される。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、通常状態にて普通図柄(普図)のロング開放当たり変動が開始された場合に実行される普図変動演出(図319(b)参照)、電動役物640aが開放動作される普図当たり遊技中に実行される普図当たり遊技演出(図320(b)参照)、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させ、特図2の入賞情報を獲得した場合に実行される特図2保留獲得演出(図321(a)参照)、特図2変動(抽選)が開始された場合に実行される特図2変動演出(図321(b)参照)、特図2変動(抽選)で小当たりに当選したことを示す小当たり当選演出(図322(a)参照)、小当たり遊技中に大当たり遊技の権利を獲得した場合に実行される小当たり遊技中演出(図322(b)参照)を、ストーリー性を持たせて一連演出として実行するように構成しているため、複数の条件を満たした場合に成立する大当たり遊技の実行契機を有するパチンコ機10において、その遊技性を遊技者に分かり易く報知することが出来る。
図317に戻り説明を続ける。上述した通り、図317(a)で示した遊技の流れによれば、一連演出を実行することにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することが可能になるものであるが、普図当たり遊技中において第2入賞口640に球を入賞させた際の遊技状態によっては、上述した一連演出の演出態様では、遊技者に遊技の進行状況を分かり易く報知することが出来ない場合があった。
具体的には、図317(a)の地点Cのタイミングでは、特図1変動が実行中であるため、特図2変動の開始タイミングが所定期間(実行中の特図1変動の残期間)待機される場合の表示画面(図321(a)参照)が表示される一連演出の演出態様を用いているが、例えば、特図1変動が実行されていない状態で、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させた場合には、即座に特図2変動が開始されることになる。よって、上述した一連演出の演出態様を用いた場合には、図320(b)の表示画面から、直接、図321(b)の表示画面へと移行してしまい、一連演出として実行される各演出の関連性が弱くなってしまうという問題があった。
そこで、本第5制御例では、一連演出が実行されている期間中に特図2の入賞情報を取得したタイミングにおいて、特図1変動が実行されているか否かを判別し、その判別結果に基づいて、特図2の入賞情報を取得した後の演出態様を可変させるように構成している。ここで、一連演出が実行されている期間中に特図2の入賞情報を取得したタイミングにおいて、特図1変動が実行されていない場合の演出内容を、図323を参照して説明する。
図323(a)は、特図1非変動中に特図2の入賞情報を取得した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図323(b)は、図323(a)にて取得した入賞情報に基づいて実行される特図2抽選の抽選結果が小当たりである場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図323(a)に示した通り、特図1変動が実行されていない状態で、第2入賞口640に球が入賞すると、即座に特図2変動が開始されるため、図320(b)に示した演出によって、宝箱852の中から現れたカプセル853をキャラクタ851がハンマー851aaを用いて破壊する演出が実行される。そして、特図2変動が停止するタイミングに到達すると、図323(b)に示した表示画面が表示される。図323(b)は、特図1変動が非変動中に球が第2入賞口640に入賞したことに基づいて実行された特図2変動が停止した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図323(b)に示した通り、特図2変動が停止すると、その特図2変動の抽選結果を示す結果表示態様855がカプセル853の中から現れる演出が実行される。図323(b)で示した例では、特図2変動の抽選結果が小当たりであるため、小当たり当選を示す「V」を付した結果表示態様855が表示される。なお、結果表示態様855の表示態様は、特図2変動の抽選結果に応じて可変するように構成されており、具体的には、図321(b)にて示したチャレンジゲームの演出結果を示す表示態様と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
上述した通り、一連演出中において、特図1変動中に第2入賞口640に球が入賞した場合には、宝箱852の中からカプセル853が現れる演出が普図当たり期間に対応(第1段階演出)し、そのカプセル853の中からチケット854を獲得する演出が特図2保留獲得期間(特図1の残変動期間)に対応(第2段階演出)し、チャレンジゲーム演出が特図2変動期間に対応(第3段階演出)するように演出態様が設定されるのに対し、特図1非変動中に第2入賞口640に球が入賞した場合には、宝箱852の中からカプセル853が現れる演出が普図当たり期間に対応(第1段階演出)し、そのカプセル853を破壊する演出が特図2変動期間に対応(第2段階演出)するように演出態様が設定されるように構成している。
このように、一連演出中の遊技状況に応じて、特図2変動の待機期間が発生する場合としない場合とで異なる演出態様を設定可能に構成することで、遊技者に対して違和感を与えること無く分かり易い一連演出を実行することができる。
図317に戻り、演出の流れについて説明を続ける。図319〜図323を参照して上述した一連演出では、一連演出が実行されている状態において正常な遊技が実行された場合に表示され得る演出内容について説明をした。具体的には、普図ロング開放当たり遊技中に正常に球が第2入賞口640に入賞した場合の演出内容や、小当たり遊技中に球がV入賞口650aに入賞した場合の演出内容について説明をした。
ここで、一連演出が実行されている状態において正常な遊技が実行されなかった場合に実行される演出内容について説明をする。まず、図324を参照して、普図ロング開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞しなかった場合の演出内容について説明をする。図324(a)は、普図ロング開放当たり遊技が開始されてから1秒が経過した時点で球が第2入賞口640に入賞していない場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図324(b)は、普図ロング開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞すること無く、普図ロング開放当たり遊技が終了した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図324(a)に示した通り、普図ロング開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞するまでは、カプセル853が転がってキャラクタ851から離れていく演出が主表示領域Dmにて実行されると共に、副表示領域Dsには第2入賞口640に球を急いで入賞させることを注意喚起するための「急げ!!、急げ!!「」のコメントが表示される。また、普図ロング開放当たり遊技が所定期間経過しても球が第2入賞口640に入賞していない事態が発生する要因として、遊技者が右打ち遊技を行っていない場合が考えられるため、小表示領域Dm4にて表示される「右打ち」の案内表示態様が、通常よりも強調させた表示態様(図324(a)では、小表示領域Dm4の外郭を二重線で表示)で表示される。加えて、音声出力装置226からも、右打ち遊技を行う旨を報知するための音声が出力される。
なお、本第5制御例では、普図ロング開放当たり遊技として、電動役物640aが1秒間開放した後に、1.5秒間の閉鎖期間を経て、再度0.5秒間電動役物640aが開放する当たり遊技(開放動作)が実行されるように構成している。よって、普図ロング開放当たり遊技開始から1秒が経過した時点で、図324(a)に示した注意喚起画面を表示し、その表示に気付いた遊技者が右打ち遊技を行えば、後半の開放期間(0.5秒)の間に球を第2入賞口640に入賞させることができるように構成している。これにより、注意喚起画面の表示内容を視認してから右打ち遊技を行った遊技者に対して、第2入賞口640に球を入賞させる機会を提供することができる。
その後、第2入賞口640に球が入賞すること無く、普図ロング開放当たり遊技の遊技時間(3秒間)が経過した場合には、図324(b)に示した通り、一連演出が終了したことを示す演出が実行される。図324(b)に示した通り、カプセル853を獲得することができず悔しがるキャラクタ851が主表示領域Dmに表示され、副表示領域Dsには一連演出が終了したことを示す「終了」のコメントが表示される。また、小表示領域Dm4には、通常状態において特図1抽選を実行させる通常の遊技を実行させるための「左打ち」の文字が表示される。このように構成することで、一連演出の途中段階で正常な遊技(普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞させる遊技)が実行されなかった場合には、一連演出が終了する演出が実行されるため、例えば、特図2の入賞情報を獲得していない状態で一連演出が最後まで進展し、遊技者に過度な期待を抱かせてしまうことを抑制することができる。
次に、連演出が実行されている状態において正常な遊技が実行されなかった場合に実行される演出内容として、小当たり遊技中に球がV入賞口650aに入賞しなかった場合、或いは、特定領域(Vゲート(V領域))を通過しなかった場合の演出内容について、図325を参照して説明をする。図325(a)は、小当たり遊技が開始されてから3秒が経過した時点で球がV入賞口650aに入賞していない場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図325(b)は、小当たり遊技中に球がV入賞口650aに入賞すること無く、小当たり遊技が終了した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図325(a)に示した通り、小当たり遊技が開始されてから3秒が経過した時点でV入賞口650aに球が入賞していないと、主表示領域Dmの一部に形成される小表示領域Dm8にて小当たり遊技の残期間を示すための残期間情報として「ラスト5秒!!」の文字が表示され、時間の経過と共に、その値が減少するカウントダウン表示が実行される。そして、主表示領域Dmでは、小当たり遊技の遊技結果を示すための表示態様が煙りに巻かれている状況が表示される。また、上述した図324(a)と同様に小表示領域Dm4にて右打ち遊技の案内を強調した強調表示態様が表示され、副表示領域Dsには、現在が小当たり遊技中であることと、急いで遊技を行うことを示すための「小当たり中!!急げ!!」のコメントが表示される。
そして、小当たり遊技中にV入賞口650aに球を入賞させること無く、小当たり遊技が終了すると、上述した図324(b)と同一の一連演出が終了する画面が表示される(図325(b)参照)。このように、一連演出の各時点において、一連演出が終了する事態が発生した場合に、同一の画像データを用いることで、パチンコ機10のデータ容量を削減することができる。また、正常な遊技を行っている場合には、表示され得ないものであるため、同一の画像データを用いたとしても、遊技者に対して同一の画像データを使い回していると思われ難いものである。
図317に戻り説明を続ける。一連演出中における特図1の変動状況に応じて、特図2変動の待機期間が設定される状態と設定されない状態とが発生し、各状態における一連演出の演出態様については上述したが、特図2変動の待機期間が設定される状態においても、新たな問題が発生した。
つまり、特図2変動の待機期間は、実行中の特図1変動の残変動時間に対応して設定されるものであり、且つ、第2入賞口640への球の入賞タイミングは、特図1の変動タイミングとは無関係に設定されるものである。さらに、特図1変動の変動時間の長さは様々であることから、例えば、一連演出中における特図2変動の待機期間が100秒を越えてしまう事態が発生する可能性もある。このような状況において、特図2変動の待機期間を示す表示画面(図321(a)参照)が継続して表示されてしまうと、同一の表示態様が100秒間も表示され続けることになり、遊技者に違和感を与えてしまうと共に、一連演出が間延びしてしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、一連演出中において第2入賞口640に球が入賞した時点で特図1変動の有無、及び、特図1変動の残変動時間を判別し、特図1変動の残変動時間が所定時間(60秒)以上である場合には、特殊一連演出を実行するように構成している。
ここで、図317(b)を参照して、特殊一連演出を実行する場合の遊技の流れについて説明をする。図317(b)は、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞してから特図2変動が実行されるまでの期間(実行中の特図1残変動期間)が60秒以上である場合において実行される演出(特殊一連演出)の流れを示したタイミングチャートである。なお、図317(a)に示した流れと同一の要素については、その詳細な説明を省略する。
図317(b)に示した通り、普図ロング開放変動に基づいて一連演出(普図変動演出)が実行される際に、特図1変動(図では特1変動と示す)として特図1ロング外れ変動(特1ロング変動(外れ))が実行されており、普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球が入球した時点で、実行中の特図1変動の残期間が60秒以上であると判別されると、実行中の一連演出を疑似的に外れ演出で終了させる(図317(b)の地点G参照)。その後、実行中の特図1ロング外れ変動の残時間が10秒に到達すると、疑似的な一連演出が実行され、特図2変動の開始タイミングに合わせてチャレンジゲーム(図321(b)参照)が開始される演出態様が設定される(図317(b)の地点H参照)。
ここで、図326を参照して、上述した特殊一連演出の演出内容について説明をする。図326(a)は、図317(b)の地点Gにおいて第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される一例を模式的に示した模式図である。図317(b)に示した通り、第2入賞口640に球が入賞した時点において実行中の特図1変動の残変動時間が60秒以上であると判別した場合は、小表示領域Dm2aにて特図2の入賞情報を1つ保留記憶していることを示す「1」が表示された状態にも関わらず、主表示領域Dmに、一連演出が終了したことを示す終了画面が表示される。
その後、特殊一連演出として、一旦、一連演出を終了した後には、実行中の特図1変動に対応した特図変動演出が特図1変動の残時間が10秒に到達するまで実行される。そして、特図1変動の残時間が10秒に到達すると(10秒後に特図2変動が実行されるタイミングになると)、図326(b)に示した表示態様が表示される。
次に、図318を参照して、本第5制御例のパチンコ機10において時短状態中に実行される演出内容について説明をする。図318は(a)は、通常状態において特図1抽選で大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態(1回)が設定された場合に実行される演出の流れを模式的に示したタイミングチャートであり、図318(b)は、時短状態中において特図2抽選で小当たりに当選し、その小当たりに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に時短状態(5回)が設定された場合に実行される演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図318(a)に示した通り、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された時点で特図1保留(以下、特1保留ともいう。)があり、特図2保留(以下、特2保留ともいう)が無い場合、即ち、特図1抽選を実行させる遊技(左打ち遊技)によって大当たりに当選した場合には、時短状態中に右打ち遊技を行うことで特図2抽選が実行されるよりも前に、保留記憶されている特図1抽選が全て実行されるように構成している。
具体的には、時短状態が設定された状態で実行される普図変動時間(普通図柄の高確率状態中に設定される普図変動時間)よりも、時短状態が設定された状態で実行される特図1の変動時間のほうが短くなるように構成している。このように構成することにより、特図1保留を有している状態で時短状態中の遊技が進行していくことを抑制することができる。よって、時短状態中における各種演出が実行されている最中に、特図2変動よりも小当たり当選し難い特図1変動が実行されてしまい、各種演出の演出バランスが崩れてしまうという問題を抑制することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、時短状態中に特図1抽選が実行された場合には、その特図1抽選の抽選結果に関わらず、0.2秒の変動時間が設定されるように構成している。そして、大当たり遊技の終了を示す大当たり遊技終了画面が、大当たり遊技が終了してから所定期間(3秒)が経過するまで、或いは、特図2変動が実行されるまで表示されるように構成している。
よって、大当たり遊技終了後に、大当たり遊技開始時点で既に獲得していた特図1保留に基づく特図変動(特図1変動)が実行される期間(特図1保留数が4の場合で約1秒)は、第3図柄表示装置81の表示画面にて大当たり遊技終了を示す表示態様が表示されることになる。このように構成することにより、遊技者に対して違和感を与えることなく特図1保留を消化することができる。
また、上述した特図1変動(大当たり遊技終了直後に実行される特図1変動)において、大当たりに当選、或いは、V通過可能な小当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了画面から再度大当たり遊技中の表示画面が表示されるように構成し、大当たり遊技内容を示す遊技情報(例えば、1回の大当たり遊技中に実行されるラウンド数を示すラウンド数情報や、1回の大当たり遊技中に獲得した球数を示す獲得球数情報)として、前回の大当たり遊技の遊技情報との累積値を示す遊技情報を設定し、その設定された遊技情報に対応する表示態様が表示されるように構成している。
このように構成することにより、遊技者に対して、複数回の大当たり遊技をあたかも1回の大当たり遊技と思わせることができるため、2回目の大当たり遊技(大当たり遊技終了画面が表示されている期間中に新たに実行された大当たり遊技)に対応する特図変動(特図1変動)を遊技者が識別困難な変動表示態様(短時間(0.2秒)変動、且つ、第3図柄の変動表示無し)で実行したとしても、遊技者に違和感を与えることが無い。
加えて、1回の大当たり遊技の遊技情報として表示可能な値の上限値を高めることができるため、遊技者に対して、大当たり当選に対する期待感をより強く抱かせることができる。さらに、本第5制御例は、大当たり遊技も時短状態中の遊技も右打ち遊技が適切な遊技となるように構成されているため、内部的には大当たり遊技が終了し時短状態が設定されている特図1変動期間中(大当たり遊技終了画面が表示されている特図1変動期間中)に第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm4には「右打ち」の文字が表示される。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm4の表示態様によって、現在が大当たり遊技中なのか時短状態中なのかを遊技者に判別されてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細は後述するが、本第5制御例のパチンコ機10は、特図1保留よりも特図2保留のほうが優先して消化されるように構成している。よって、時短状態が設定されている状態において、例えば、遊技者が遊技操作を誤り、特図2保留がある状態で特図1保留を獲得したとしても、特図2保留が無くなるまで特図1保留に基づく特図変動(特図1変動)が実行されることが無い。そして、時短状態中は右打ち遊技を継続して実行する限り、特図2保留が無くならないように構成している。このように構成することで、時短状態中に無用に特図1変動が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本第5制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件の一部である対応時短終了条件として、特図2変動の実行回数に基づいて成立する終了条件を設定しているため、大当たり遊技終了後に特図1変動が所定回数(最大で4回)実行されたとしても、その特図1変動の変動回数に基づいて、対応時短終了条件が成立するまでの遊技状況が更新されることが無い。
なお、上述した通り、本第5制御例では、特図2変動のほうが特図1変動よりも優先して実行するように構成し、時短状態が設定されている状態において特図2変動が実行されていない期間中に特図1変動を短時間変動させることで時短状態中に特図1保留が無くなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図1変動のほうが特図2変動よりも優先して実行されるように構成しても良い。
大当たり遊技終了後に対応時短終了条件として、「特図2変動1回」が設定された場合には、時短状態中に実行される特図2変動の変動期間を用いて、当該特図2変動の抽選結果と、当該時短状態中に獲得した特図2保留の先読み結果に対応する演出態様で時短最終変動演出が実行される。
ここで、図327〜図331を参照して、本第5制御例における時短状態中に実行される演出の内容について説明をする。上述した通り、本第5制御例のパチンコ機10では、時短状態中の演出として、時短状態の特図最終変動以外の特図2変動に対応して設定される第1時短変動演出と、特図最終変動となる特図2変動に対応して設定される第2時短変動演出と、を実行するように構成している。
そして、第1時短変動演出は、当該変動の抽選結果を示すための変動演出が実行され、第2時短変動演出が、当該変動の抽選結果と、特図2保留の先読み結果と、を示すための変動演出が実行される。まず、図327(a)を参照して、第1時短変動演出の表示内容について説明をする。図327(a)は、時短状態中の変動演出における表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図327(a)に示した表示内容は、時短回数「5回」が設定された時短状態において、最初の特図2変動が実行されている場合の表示画面である。
図327(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmには、現在が時短状態であることを示すための「時短モード」の文字が表示され、ウサギを模したキャラクタ851が走りながら今回の特図抽選の結果を示す抽選結果態様871a〜871cの何れかをゲットする演出が実行される。本第5制御例では、図340を参照して後述するが、時短状態中(時短最終変動を除く)に設定される変動時間に応じてキャラクタ851が抽選結果態様871a〜871cをゲットしようとするゲット演出が1回の変動期間中に複数回実行されるように構成されており、1回の変動期間中に実行されるゲット演出の回数が増えるほど今回の特図変動の抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果である確率が高くなるように構成している。このように構成することにより、個々のゲット演出の演出結果は勿論のこと、ゲット演出の実行回数にも遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、小表示領域Dm4には、時短状態中の遊技方法を案内するための「右打ち」の文字が表示され、しょう表示領域Dm20には、時短状態が終了するまでの期間を示す「ラスト4回」の文字が表示される。つまり、特図2変動が後4回実行されたら時短状態が終了することを報知している。なお、本第5制御例では、特図変動回数に基づいて成立する時短終了条件を複数設定可能に構成しているが第3図柄表示装置81の表示画面には、複数の時短終了条件のうち、最も成立し易い時短終了条件が成立するまでの残期間を表示するように構成している。
このように構成することで、複数存在する時短終了条件の全てを表示し、さらに表示された全ての時短終了条件が成立するまでの期間(残期間)を表示する場合に比べて、最も成立し易い時短終了条件を遊技者に分かり易く報知することができる。また、時短終了条件の成立のし易さが重複した場合には、重複する時短終了条件を全て表示するように構成しても良いし、重複する時短終了条件のうち、何れか一方のみを表示するように構成しても良い。
なお、本制御例は、図327(a)では、抽選結果態様871a〜871cとして、大当たり当選を示す「777」が付された第1抽選結果態様871aと、小当たり当選を示す「V」が付された第2抽選結果態様871bと、外れを示す「バツ印」が付された第3抽選結果態様871cと、が表示され、ゲット演出が実行される毎に、キャラクタ851が何れかの抽選結果態様871a〜871cを獲得するが獲得できないアクションが行われ、最終的に何れかの抽選結果態様871a〜871cを獲得して当該変動の抽選結果を報知する演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ゲット演出で遊技者に有利となる抽選結果を示す抽選結果態様871a,871bを獲得する期待度が高いことを示す「チャンス」を付した抽選結果示唆態様や、ゲット演出が実行される残回数を示唆する「ネクスト」を付した演出回数示唆態様を表示し、キャラクタ851が、抽選結果示唆態様や演出回数示唆態様を獲得するゲット演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、キャラクタ851が何れかの表示態様を獲得するアクションを1回の変動表示演出中に複数回実行することができるため、遊技者が演出に飽きてしまいことを抑制することができる。また、特図変動期間の途中段階で今回の特図変動の抽選結果を予測することが可能となるため、遊技者に演出を注視させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
また、図327(a)に示した表示画面では、時短状態が設定される残期間として特図2変動の残実行回数を示すための表示態様が小表示領域Dm20に表示されているが、これに限ること無く、例えば、特図2変動の変動時間に基づいて時短状態が設定される残時間を示すための表示態様を表示しても良いし、今回の時短状態中に実行されるゲット演出の残回数を示すための表示態様を表示しても良い。さらに、時短状態が設定された時点における特図2変動の残実行回数、即ち、今回の時短状態で設定された時短終了条件(特図2変動回数)や、時短状態中に実行された特図2変動の回数を示す表示態様を表示画面に表示するように構成しても良い。
次に、図327(b)を参照して、時短状態の最終変動にて実行される時短最終変動演出(第2時短変動演出)の表示内容について説明をする。図327(b)は、時短最終変動演出の前半期間に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。本第5制御例では、時短最終変動に変動演出として、遊技者に特図2保留球を獲得させるための保留球獲得演出と、当該変動の抽選結果と、特図2保留の先読み結果と、を遊技者に報知するための第2時短変動演出と、を実行可能に構成しており、時短最終変動演出の前半期間(例えば、5秒間)に保留球獲得演出を実行し、後半期間(例えば、25秒間)に第2時短変動演出を実行するように構成している。
時短最終変動演出の前半期間にて保留球獲得演出が実行されると、図327(b)に示した通り、副表示領域Dsにて前半期間の遊技性を説明する「キャラクタを集合させろ!!」とのコメントが表示され、主表示領域Dmにてキャラクタ851の周辺に味方キャラクタが集合する演出が実行される。図327(b)では、「カメ」を模した味方キャラクタ851aと、「ゾウ」を模した味方キャラクタ851bとが集合している状態が表示されている。そして、小表示領域Dm20には今回の特図変動が時短状態の最終変動であることを遊技者に報知するために「ラスト」の文字が表示される。
この味方キャラクタ851は、獲得済の特図2保留球数に対応付けて可変表示されるものであり、小表示領域Dm2aに「2」が表示されていることから、図327(b)では、特図2保留を2つ獲得している状態を示しているため、味方キャラクタ851が2個集合していることになる。そして、小表示領域Dm7には、集合した味方キャラクタ851の集合した順に表示される集合履歴表示が表示され、第1履歴872aとして「カメ」、第2履歴872bとして「ゾウ」が表示されている。
この小表示領域Dm7では、集合履歴表示が表示されるが、ここの表示される順序は、特図2保留の消化順に対応付けられており、後述する第2時短変動演出にて用いられる味方キャラクタ851の種類と、集合履歴表示の表示順序とに基づいて、例えば、当たり当選した場合に、どの特図2保留が当たり当選したのかを示唆可能に構成している。
そして、保留球獲得演出の実行中に特2保留数が上限値(4個)に到達すると、図328(a)に示した通り、特図2保留球数が4個となったことを示す演出態様が表示される。具体的には、キャラクタ851の周辺に、新たに、「ヘビ」を模した味方キャラクタ851cと、「ライオン」を模した味方キャラクタ851dと、が増え、合計で4個の味方キャラクタ851a〜851dが集合した演出が表示される。また、小表示領域Dm21には、第3履歴872cに「ヘビ」、第4履歴872dに「ライオン」が表示されており、副表示領域Dsには特図2保留球数が上限に到達したことを示す「全員集合!!」のコメントが表示される。なお、上述した通り、保留球獲得演出の実行中は、味方キャラクタ851の集合個数が特図2保留球数に対応付けられているため、小表示領域Dm2aには、特図2保留球数が上限値(4個)であることを示す「4」が表示されている。
その後、時短最終変動演出の前半期間が経過し、後半期間に到達すると、図328(b)に示した第2時短変動演出が開始される。図328(b)は、時短最終変動演出の後半期間が開始された場合に表示される表示内容(第2時短変動演出)の一例を模式的に示した模式図である。図328(b)に示した通り、第2時短変動演出では、時短最終変動演出の前半期間にて獲得した味方キャラクタの何れかが、ミッションに挑み、ミッション成功で当たり当選を報知し、ミッション失敗で当たり非当選を報知する演出が実行される。そして、この第2時短変動演出の演出結果は、時短最終変動演出の前半期間が経過した時点で獲得している特図2保留の先読み結果までを反映させて設定されるように構成している。
図328(b)に示した例によれば、第2時短変動演出として実行されるミッション演出として「カメ」を模した味方キャラクタ851aを用いたミッション演出が実行されている。ここで、実行されるミッション演出の内容(図328(b)では、「落石に耐えろ」)は、複数パターン設定可能に構成してあり、ミッション演出の内容と、選択された味方キャラクタ851の種類と、に応じて、ミッション成功期待度を異ならせている。このように構成することで、第2時短変動演出の演出結果だけでは無く、演出結果が表示されるまでの演出過程に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
そして、ミッション演出に成功すると、図329(a)に示した通り、ミッション成功の演出が実行される。なお、図329(a)に示した例では、1個目の特図2保留(次に実行される特図2保留)、即ち、通常状態へ移行してから1回転目の特図2変動で小当たりに当選することを先読みし、その先読み結果を第2時短変動演出の演出結果として用いているため、図329(a)に示した通り、第2時短変動演出の演出結果としてミッション成功表示がされている時短最終変動の変動停止タイミングでは、小表示領域Dm2には、今回の特図2抽選の結果が外れであることを示す「351」の表示態様が表示されている。
この後、図329(b)に示した通り、主表示領域Dmにて当たり当選することを報知するための疑似図柄「VVV」を揺動表示させたまま、小当たり当選する特図2変動が終了するまで、第2時短変動演出の演出結果を遊技者に報知するための報知画面が表示される。なお、図329(b)の時点では、遊技状態として通常状態が設定され、特図2変動中(非大当たり遊技中、非小当たり遊技中)であるため、実際には右打ち遊技を行っても遊技者に有利な遊技を行うことが出来ない状態であるが、直後に小当たり遊技が実行される状態であるため、時短状態中から継続して右打ち遊技を案内する「右打ち」の表示が小表示領域Dm4に表示されている。これにより、遊技者に球の発射方向を変更させる行為を行わせること無く円滑な遊技を行わせることができる。
そして、第2時短変動演出が実行されている時点で1個目の特図2保留に格納されていた入賞情報に基づく特図2変動が停止表示されると、図330(a)に示した通り、小当たり当選を遊技者に表示する表示態様が表示されると共に、主表示領域Dmには、第3図柄が今回の小当たり当選で設定された小当たり種別を示すための「777」の表示態様で表示される。
一方、図328(b)を参照して上述したミッション演出の演出結果として失敗演出が設定された場合は(当該変動の抽選結果、特図2保留の先読み結果が何れも外れであった場合は)、図330(b)に示したミッション失敗演出が表示され、その後、通常状態にて特図2保留に対応する特図2変動が終了するまでの期間、図331に示した時短状態終了画面が表示される。
なお、詳細は後述するが、時短最終変動演出の前半期間が終了したタイミングにて、特図2保留が上限値に到達しておらず、第2時短変動演出が開始されてから(第2時短変動演出の演出結果が設定された後に)、新たに特図2保留を獲得した場合には、時短最終変動終了後、通常状態における1回目の特図2変動開始タイミングで、新たに獲得した特図2保留(第2時短変動演出の演出結果に反映されていない特図2保留)に対して先読み処理を実行し、その先読み処理の結果が、当たり当選である場合には、図331の表示画面から急に小当たり当選画面(図330(a)参照)が表示される演出が実行される。
次に、図332を参照して、本第5制御例におけるカウンタ用バッファの構成について説明をする。図332は、第5制御例における各種カウンタの構成を模式的に示した図である。図332に示した通り、本第5制御例では、上述した第4制御例におけるカウンタ用バッファ(図240参照)に対して、第2当たり種別カウンタC6、第2変動種別カウンタCS2を追加した点と、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203bに、変動種別カウンタCS1の値を格納するための変動種別カウンタ格納エリアを設けた点と、普通図柄保留球格納エリア203cに、第2当たり種別カウンタC6の値を格納するための第2当たり種別カウンタ格納エリア、第2変動種別カウンタCS2の値を格納するための第2変動種別カウンタ格納エリアを設けた点と、各保留球格納エリアに格納されるカウンタ値に対応させて、特別図柄保留球実行エリア、普通図柄保留球実行エリアの構成を変更した点と、で相違している。それ以外の要素は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的に(本制御例では主制御装置のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に設けられた普通図柄当たり乱数5テーブル202ec(図334(d)参照)に規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数5テーブル202ecに規定された普図当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定される。
ここで、図334(d)を参照して、普通図柄当たり乱数5テーブル202ecについて説明する。普通図柄当たり乱数5テーブル202ecは、普通図柄の抽選において、各遊技状態(普通図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図334(d)に示した通り、遊技状態が普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合には、普通図柄の抽選において、取得した第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲内であるかが判別されて、「5〜28」の範囲内であれば、普図当たりであると判別される。また、遊技状態が普通図柄の高確率状態(時短状態)である場合には、普通図柄の抽選において、取得した第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲内であるか判別されて、「5〜204」の範囲内であれば、普図当たりであると判別される。
つまり、本第5制御例では、普通図柄の低確率状態(通常状態)では、1/10の確率で当たりに当選し、普通図柄の高確率状態(時短状態)では、5/6の確率で当たりに当選するように構成している。そして、詳細な説明は後述するが、通常状態中は、普通図柄の当たり(普図当たり)に当選した場合の1/100の確率で普図当たり遊技として球が第2入賞口640に入賞し易いロング開放当たり遊技が実行されるように構成している。また、時短状態中は、普図当たりに当選した場合に必ずロング開放当たり遊技が実行されるように構成している。
このように構成することで、通常状態中であっても、1/1000の確率で第2入賞口640に球を入賞させることが可能な当たり遊技を実行することが可能となるため、通常状態を遊技している遊技者に対して、特図1抽選を実行させる遊技と、特図2抽選を実行させる遊技(普図抽選にて特定の当たり当選を狙う遊技)と、を同時に実行させることができる。
第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり999)に達した後0に戻る構成となっている。第2変動種別カウンタCS2によって、設定されている普図変動パターン選択テーブル202efより1の普図変動パターンが決定される。この普図変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、第2変動種別カウンタCS2は、変動時間を決定するカウンタでもある。第2変動種別カウンタCS2の値は、上述した主制御装置110のメイン処理(図136参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、普通図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した普図変動パターン選択テーブル202ef(図338参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
図332に戻り、説明を続ける。本第5制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203bに変動種別カウンタ格納エリアを設け、保留記憶に記憶されている入賞情報を事前に(特図変動する前に)判別することにより、実際に実行される変動パターン(変動時間)を先読み可能に構成している。このように構成することで、保留記憶している特別図柄の入賞情報に対応する特図変動が実行されるタイミングを判別することが可能となる。
また、本第5制御例では、普通図柄の入賞情報、即ち、スルーゲート67を球が通過した際に取得される各カウンタ値の種類として、普通図柄の当たり抽選に用いられる第1当たり乱数カウンタC2と、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する際に用いられる第2変動種別カウンタCS2と、普図当たりの当たり遊技の種別を設定する際に用いられる。
<本第5制御例のパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図333(a)を参照して、本第5制御例における主制御装置110のMPU201の有するROM202の電気的構成について説明をする。図333は、本第5制御例における主制御装置110のMPU201の有するROM202の電気的構成の規定採用を模式的に示した模式図である。図333(a)に示した通り、上述した第A1制御例に対して、第1当たり乱数テーブル202a(図242(a))に替えて第1当たり乱数5テーブルC202eaを、第1当たり種別選択テーブル202bに替えて第1当たり種別選択5テーブル202ebを設け、普通図柄当たり乱数テーブル202cに替えて普通図柄当たり乱数5テーブル202ecを、変動パターンテーブル202dに替えて変動パターン5テーブル202eeを、小当たり種別選択テーブル202eに替えて小当たり種別選択5テーブル202egを、大当たりシナリオテーブル202aaに替えて大当たりシナリオ5テーブル202ehを、小当たりシナリオテーブル202abに替えて小当たりシナリオ5テーブル202eiを設けた点と、新たに、普図当たり種別選択5テーブル202edと、普図変動パターン選択テーブル202efを設けた点で相違している。
第1当たり乱数5テーブル202eaは、上述した第1当たり乱数テーブル202a(図242参照)に対して、大当たりと判別される規定値を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については詳細な説明を省略する。
ここで、図334を参照して、第1当たり乱数5テーブル202eaに規定されている内容について説明をする。図334(a)は、第1当たり乱数5テーブル202eaの内容を模式的に示した模式図である。図334(a)に示した通り、第1当たり乱数5テーブル202eaは、第1特別図柄(特図1)の当たり抽選の際に参照される特別図柄1乱数5テーブル202ea1と、第2特別図柄(特図2)の当たり抽選を実行する際に参照される特別図柄2乱数5テーブル202ea2とを有している。
次に、図334(b)を参照して、特別図柄1乱数5テーブル202ea1に規定されている内容について説明をする。図334(b)は、特別図柄1乱数5テーブル202ea1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図334(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜3」の範囲に「大当たり」が規定され、「10,11」に「小当たり」が規定されている。即ち、本第5制御例では、特図1の抽選で大当たりに当選する確率が1/250で、小当たりに当選する確率が1/500となる。
次いで、図334(c)を参照して、特別図柄2乱数5テーブル202ea2に規定されている内容について説明をする。図334(c)は、特別図柄2乱数5テーブル202ea2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図334(c)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜3」の範囲に「大当たり」が規定され、「10〜149」に「小当たり」が規定されている。即ち、本第5制御例では、特図2の抽選で大当たりに当選する確率が1/250で、小当たりに当選する確率が約1/7.1となる。
即ち、本第5制御例では、特図1抽選と、特図2抽選とで同一の大当たり確率が設定され、小当たり確率は特図2抽選のほうが高くなるように構成している。上述した通り、本第5制御例では、小当たり当選が大当たり遊技の実行契機となり得るように構成しているため、特図1抽選よりも特図2抽選のほうが、大当たり遊技が実行され易い特図抽選となる。
なお、本第5制御例では、上述した通り、特図1抽選と特図2抽選とで、同一の大当たり確率を設定しているが、これに限ること無く、特図1抽選と特図2抽選とで異なる大当たり確率を設定しても良い。また、大当たり確率と、小当たり確率とを遊技状態に関わらず一定値にしているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて、大当たり或いは小当たりに当選する確率が高くなる高確率状態(特別図柄の高確率状態)と、低くなる低確率状態(特別図柄の低確率状態)と、を設定するように構成しても良い。
第1当たり種別選択5テーブル202ebは、上述した第1当たり種別選択テーブル202b(図243参照)に対して、大当たりに当選した際に設定される大当たり種別を異ならせた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図335(a)を参照して、第1当たり種別選択5テーブル202ebの内容について説明をする。図335(a)は、第1当たり種別選択5テーブル202ebの内容を模式的に示した模式図である。図335(a)に示した通り、第1当たり種別選択5テーブル202ebには、特図1抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり種別選択5テーブル202eb1と、特図2抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり種別選択5テーブル202eb2と、を有している。
ここで、図335(b)を参照して、特図1大当たり種別選択5テーブル202eb1に規定されている内容について説明をする。図335(b)は、特図1大当たり種別選択5テーブル202eb1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第5制御例のパチンコ機10では、特図1抽選で大当たりに当選した場合に、大当たりAA〜大当たりACまでの3種類が第1当たり種別カウンタC2の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0」に、大当たり種別として「大当たりAA(15R時短99回大当たり)」が規定され、「1〜15」の範囲に「大当たりAB(7R時短5回大当たり)」が規定され、「16〜99」の範囲に「大当たりAC(7R時短1回大当たり)」が規定されている。
つまり、左打ち遊技を行い特図1抽選が実行される通常状態では、特図1抽選にて大当たりに当選すると、その大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定(付与)されるように構成している。そして、設定された大当たり種別に応じて、時短状態の終了条件を異ならせて設定しているように構成している。
具体的には、大当たり種別として大当たりAAが設定された場合は、上述した共通時短終了条件のみが設定されるため、特図抽選で当たり(大当たり、又は小当たり)に当選するか、特図変動(特図1変動と特図2変動との合算)が99回に到達するまで時短状態が継続する。本第5制御例では、時短状態中に特図2抽選を実行させる右打ち遊技が行われ、特図2抽選において、大当たりに当選する確率が1/250、小当たりに当選する確率が1/7.1となるように設定しているため、例えば、大当たりAAに基づく時短状態が設定された場合において、特図2抽選にて当たり当選すること無く特図変動が所定回数(99回)に到達する確率は0.01%以下となる。よって、大当たりAAが選択された場合は、実質、次回大当たり遊技が実行されるまで時短状態が設定される遊技状態となる。
次に、大当たり種別として大当たりABが設定された場合は、上述した共通時短終了条件に加え、対応時短終了条件として「特図2変動の変動回数が5回」が設定される。よって、特図2抽選にて当たり当選すること無く特図変動が所定回数(5回)に到達する確率(対応時短終了条件が成立し時短状態が終了してしまう確率)は約46%となる。つまり、大当たりABが設定された場合、即ち、時短終了条件として特図2変動回数5回が設定された場合には、その時短終了条件が成立するまでに当たりに当選する確率(連チャン確率)が約54%となる。
また、大当たり種別として大当たりACが設定された場合は、上述した共通時短終了条件に加え、対応時短終了条件として「特図2変動の変動回数が1回」が設定される。よって、特図2抽選にて当たり当選すること無く特図変動が所定回数(1回)に到達する確率(対応時短終了条件が成立し時短状態が終了してしまう確率)が85%となる。つまり、大当たりACが設定された場合、即ち、時短終了条件として特図2変動回数1回が設定された場合には、その時短終了条件が成立するまでに当たりに当選する確率(連チャン確率)が約15%となる。
以上、説明をした通り、特図1で大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、設定される時短状態の有利度合い(連チャン確率)が異なる様に構成されており、大当たりAAが最も有利な大当たり種別となり、次いで、大当たりABが有利な大当たり種別となり、大当たりACが最も不利な大当たり種別となる。
また、大当たり遊技として実行されるラウンド遊技の数も大当たり種別に応じて異なる値が規定されており、大当たりAAは「15R」、大当たりAB、及びACは「7R」のラウンド遊技が実行されるように規定されている。1回の大当たり遊技においてラウンド遊技の数が多いほど、遊技者が獲得可能な球数(賞球数)が多くなることから、実行される大当たり遊技の点においても、大当たりAAは最も遊技者に有利な大当たり種別となる。
なお、本第5制御例では、連チャン確率が最も高い大当たり種別(大当たりAA)が、最も多いラウンド数(15R)の大当たり遊技を実行するように構成しているが、これに限ること無く、連チャン確率が最も高い大当たり種別と、ラウンド数が最も多い大当たり遊技が実行される大当たり種別と、を異ならせても良い。
このように構成することにより、遊技状況に応じて最も有利な遊技状態を異ならせることが可能となる。例えば、遊技場の閉店間際に大当たりに当選した場合は、連チャン確率が高い時短状態が付与(設定)される大当たり種別よりも、1回の大当たり遊技で多くの賞球を獲得可能な大当たり種別のほうが有利な大当たり種別となるし、大当たり遊技を跨いで時短状態が設定される回数に制限値(リミット)を設けたパチンコ機10であれば、リミット到達直前の大当たり当選において1回の大当たり遊技で多くの賞球を獲得可能な大当たり種別のほうが有利な大当たり種別となる。一方、例えば、連チャン回数(一度も通常状態へと移行すること無く、大当たり遊技が実行された回数)が所定回数(例えば、5回)に到達した場合に、遊技者に特典(例えば、貴重画像)を付与可能なパチンコ機10において、特典を獲得しようとする遊技者であれば、連チャン確率が高い時短状態が付与(設定)される大当たり種別のほうが有利な大当たり種別となる。
なお、上述した連チャン確率は、時短状態中に実行される特図2抽選に基づいて当たり当選する確率を示したものであるが、本第5制御例は、特図2抽選を、所定個数(4個)を上限に保留記憶可能に構成している。よって、時短終了条件が成立し、通常状態へと移行した後も、保留記憶されている特図2保留の数(残特図2保留数)だけ特図2抽選を実行することができ、その特図2抽選によって小当たり当選を狙うことが可能となるように構成している。上述した通り、本第5制御例では特図2抽選によって小当たりに当選する確率が約1/7.1と高確率に設定されているため、残特図2保留数(最大で4)に対応した回数の特図2抽選によって、小当たり当選を十分に狙うことが可能となる。
具体的には、残特図2保留数が1個の場合は、残特図2保留に基づく特図2抽選で小当たりに当選する確率(引き戻し確率)は約14%であり、残特図2保留数が2個の場合は、引き戻し確率が約28.5%で、残特図2保留数が3個の場合は、引き戻し確率が約39.6%で、残特図2保留球数が4個の場合は、引き戻し確率が約49%となる。
このように、特図2抽選を保留記憶可能に構成し、時短状態から通常状態へと移行した後も、残特図2保留に基づく特図2抽選が実行されるように構成することで、時短状態中の特図2抽選結果に関わらず、時短状態が終了する最後まで、特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技を行わせることが可能となる。よって、遊技の稼働を向上させることができる。
また、一度時短状態が設定された場合には、上述した時短状態中の遊技期間(連チャン期間)と、通常状態中における残特図2保留に基づく特図2抽選が実行される期間(引き戻し期間)と、の2つの期間において、特図2抽選で小当たり当選を狙うことが可能となるため、時短状態が設定されたにも関わらず、一度も大当たり遊技が実行されること無く特図1抽選を狙う通常状態へと移行してしまう確率を低減させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本第5制御例では、時短状態中に特図2抽選で小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技(連チャン大当たり遊技)が実行される場合よりも、通常状態中に特図2抽選で小当たりに当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技(引き戻し大当たり遊技)が実行される場合のほうが遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。これにより、連チャン期間が経過したとしても、引き戻し期間中に小当たり当選することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図335(c)を参照して、特図2大当たり種別選択5テーブル202eb2に規定されている内容について説明をする。図335(c)は、特図2大当たり種別選択5テーブル202eb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第5制御例のパチンコ機10では、特図2抽選で大当たりに当選した場合に、大当たりAD〜大当たりAFまでの3種類が第1当たり種別カウンタC2の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲に、大当たり種別として「大当たりAD(15R時短99回大当たり)」が規定され、「20〜69」の範囲に「大当たりAE(12R時短99回大当たり)」が規定され、「70〜99」の範囲に「大当たりAF(7R時短99回大当たり)」が規定されている。
つまり、特図2抽選によって、大当たりに当選した場合は、その大当たり遊技終了後に必ず特図変動が99回に到達するまで時短状態が継続する有利遊技状態が設定されるように構成している。これにより、特図1抽選よりも実行頻度が低下する特図2抽選にて、小当たりに当選する確率よりも3倍以上低確率に設定される大当たりに当選した場合に、遊技者に有利な遊技状態を確実に提供することができる。よって、特図2抽選で大当たり当選という発生頻度が低い特別な体験をした遊技者に対して、遊技者に不利となる遊技(例えば、時短1回の設定)を設定してしまい、遊技意欲を著しく低下させてしまうことを抑制することができる。
なお、特図2大当たり種別選択5テーブル202eb2に規定されている各大当たり種別も、上述した特図1大当たり種別選択5テーブル202eb1と同様に、大当たり種別に応じて1回の大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数を異ならせており、大当たりADは「15R」、大当たりAEは「12R」、大当たりAFは「7R」のラウンド遊技が実行されるように規定されている。1回の大当たり遊技においてラウンド遊技の数が多いほど、遊技者が獲得可能な球数(賞球数)が多くなることから、実行される大当たり遊技の点において、大当たりADは最も遊技者に有利な大当たり種別となる。
普通図柄当たり乱数5テーブル202ecは、上述した普通図柄当たり乱数テーブル202c(図242(d)参照)に対して、普図当たりに対応して規定される第2当たり乱数カウンタC4の値を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。ここで、図334(d)を参照して、普通図柄当たり乱数5テーブル202ecの内容について説明をする。図334(d)は、普通図柄当たり乱数5テーブル202ecに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図334(d)に示した通り、普通図柄当たり乱数5テーブル202ecには、普通図柄の低確率状態において普図当たり抽選を実行する場合に参照される値と、普通図柄の高確率状態において普図当たり抽選を実行する場合に参照される値と、が規定されており、具体的には、普通図柄の低確率状態では、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲に「当たり」が規定され、普通図柄の高確率状態では、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲に「当たり」が規定されている。
普図当たり種別選択5テーブル202edは、普図当たり種別を選択するためデータテーブルであって、普通図柄当たり乱数5テーブル202ecを参照して普通図柄(普図)抽選を実行し、当たり当選した場合に参照されるものである。本第5制御例では、普通図柄の低確率状態で普図当たりに当選した場合に実行される普図当たり遊技として、球が第2入賞口640に入賞可能となるように電動役物640aを開放動作させるロング開放当たり遊技と、そのロング開放当たり遊技よりも第2入賞口640に球が入賞困難となるように電動役物640aを開放動作させるショート開放当たり遊技と、を実行可能に構成しており、普図当たり当選時に選択される普図当たり種別に応じて異なる当たり遊技が実行される。
ここで、図336を参照して、普図当たり種別選択5テーブル202edに規定されている内容について説明をする。図336(a)は、普図当たり種別選択5テーブル202edに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図336(a)に示した通り、普図当たり種別選択5テーブル202edは、普通図柄の確率状態と、取得した第2当たり種別カウンタC6の値とに応じて、2種類の普図当たり種別(普図当たりA、普図当たりB)が選択されるように構成されている。
具体的には、普通図柄の確率状態が低確率状態(普図低確)であって、取得した第2当たり種別カウンタC6の値が「0」に「普図当たりA」が規定され、「1〜99」の範囲に「普図当たりB」が規定されている。また、普通図柄の確率状態が高確率状態(普図高確)であって、取得した第2当たり種別カウンタC6の値が「0,1」の範囲に「普図当たりA」が規定され、「2〜99」の範囲に「普図当たりB」が規定されている。
次に、普図当たり種別選択5テーブル202edにて選択される普図当たり種別と、普図当たり遊技が実行される時点における遊技状態との関係性について、図336(b)を参照して説明をする。図336(b)は、普図当たり種別と遊技状態とに基づく電動役物640aの開放動作内容との関係性を示した図である。
本第5制御例のパチンコ機10では、普通図柄(普図)の当たり抽選を実行するタイミング(普図変動開始タイミング)において設定されている遊技状態に応じた普図当たり抽選を実行し、当たりに当選した場合は、普図当たり遊技を実行するタイミング(普図変動停止タイミング)において設定されている遊技状態に応じて普図当たり遊技内容を設定するように構成している。つまり、本第5制御例のパチンコ機10では、特別図柄(特図)の抽選状況、変動状況に応じて遊技状態が移行するように構成されているため、特図抽選遊技とは独立して実行される普図抽選遊技において、普図抽選を実行するタイミングと、その普図抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技を実行するタイミングと、で異なる遊技状態が設定されているケースがある。
例えば、時短終了条件が成立している状態の特図変動(時短最終変動)中に普図抽選が実行された場合は、普通図柄当たり乱数5テーブル202ecの普通図柄の高確率状態(普図高確)に規定されている判定値を用いて当たり抽選が実行される。そして、当たり当選した場合には、所定の普図変動時間(例えば、2秒)経過後に、普図変動が停止し、その後、普図当たり遊技が実行される。ここで、普図変動中に時短最終変動が終了し、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合には、普図当たり遊技が実行されるタイミングでは遊技状態として通常状態が設定されることになる。
このような場合において、普図抽選が実行された時点において設定されている遊技状態に応じて普図当たり遊技の遊技態様を設定してしまうと、通常状態が設定されているにも関わらず、普図当たり遊技として時短状態中に実行される普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行されてしまい、遊技者に過剰に有利な特典(特図2抽選)を提供してしまうという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、普図当たり遊技を実行するタイミングにおいて設定されている遊技状態を判別し、その判別結果に基づいて普図当たり遊技の内容を設定しているため、上述した例のように、普図変動中に遊技状態が通常状態へと移行した場合において、普通図柄の低確率状態に対応した普図当たり遊技を実行することができる。よって、遊技者に過剰に有利な特典(特図2抽選)を提供してしまうことを抑制することができる。
具体的には、普図当たり種別として普図当たりAが選択(設定)されている場合には、普図当たり遊技の実行タイミング(電動役物640aの開放動作時)に設定されている遊技状態に関わらず、普図ロング開放当たり遊技が実行される。一方、普図当たり種別として普図当たりBが選択(設定)されている場合には、普図当たり遊技の実行タイミング(電動役物640aの開放動作時)に設定されている遊技状態が普通図柄の低確率状態(普図低確)である場合は、普図ショート開放当たり遊技が、普通図柄の高確率状態(普図高確)である場合は、普図ロング開放当たり遊技が実行されるように規定されている。
ここで、普図当たり遊技である普図ロング開放当たり遊技と、普図ショート開放当たり遊技と、の当たり遊技内容について説明をする。普図ロング開放当たり遊技は、第2入賞口640に球が容易に入賞し得るように電動役物640aを長期間開放させる(開放状態に位置させる)普図当たり遊技であって、0.1秒の閉鎖状態(オープニング期間)を経て、電動役物640aを1秒間開放させ(第1開放期間)、その後、1.5秒の閉鎖状態(待機期間)を経て、再度0.5秒間開放させる(第2開放期間)普図当たり遊技が実行される。この開放動作の流れは、図示しない普図当たりシナリオに規定されており、普図当たり遊技を実行する際に、普図当たり種別と遊技状態とに対応した普図当たりシナリオが設定され、主制御装置110のメイン処理において普図当たりシナリオを定期的に更新することで、上述した普図当たり遊技の流れに対応させて電動役物640aの開放動作が実行される。
なお、本第5制御例では、普図ロング開放当たり遊技が実行された場合に、球が第2入賞口640に入賞可能な程度の期間を確保した2つの開放期間が設定されるように構成している。そして、2つの開放期間のうち、第1開放期間が経過した時点で、第2入賞口640に球が入賞したかを判別し、その判別結果が第2入賞口640に球が入賞していないと判別した場合に、遊技者に対して第2入賞口640に球を入賞させる遊技を行わせることを注意喚起するための注意画面(図324(a)参照)を表示するように構成している。
このように構成することにより、通常状態が設定されている状態(左打ち遊技を行っている状態)において、普図ロング開放当たり遊技(右打ち遊技)が実行されたことに気付いていない遊技者に対して、再度、右打ち遊技を実行させるための報知を行うことができ、遊技者が不利な遊技結果となることを抑制することができる。また、本第5制御例では、注意画面(図324(a)参照)を表示してから所定期間(1.5秒)の待機期間を経て、2回目の開放動作(0.5秒)が実行されるように構成している。
この待機期間(1.5秒)は、遊技者が右打ち遊技を行うことで発射された球が第2入賞口640に到達するまでの時間(約0.5秒)よりも長い期間が設定されている。これにより、注意画面(図324(a)参照)の表示を見てから右打ち遊技を実行した遊技者が第2入賞口640に球を入賞させ易くすることができる。
また、本第5制御例では、時間の経過に伴って普図当たりシナリオが更新され終了を示すシナリオに到達した場合に普図当たり遊技を終了させる場合と、普図当たり遊技中に第2入賞口640へ入賞した球数が所定個数(例えば、1個)に到達した場合に普図当たり遊技を終了させる場合の2種類の普図当たり終了条件が設定されている。
そして、第1開放期間中に球が第2入賞口640に入賞した場合と、第2開放期間中に球が第2入賞口640に入賞した場合とで、球が第2入賞口640に入賞したことを示すための報知態様が異なるように構成している。具体的には、第2開放期間中に球が第2入賞口640に入賞した場合は、普図当たり遊技の開始段階から適正な遊技(右打ち遊技)が実行されていない可能性が高いため、次回の普図当たり遊技時に適正な遊技が行えるよう遊技説明(「普図ロング開放当たり遊技中は必ず右打ちして下さい」といったコメント)を表示するように構成している。これにより、遊技者に遊技内容を分かり易く報知することができる。また、第1開放期間中に第2入賞口640に球を入賞させた遊技者には上述した遊技説明を報知することが無いため、遊技者が把握済の遊技内容を繰り返し報知してしまい遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができる。
一方、普図ショート開放当たり遊技は、0.1秒の閉鎖状態(オープニング期間)を経て、電動役物640aを0.1秒間開放させる普図当たり遊技が実行される。この開放動作の流れは、図示しない普図当たりシナリオに規定されており、普図当たり遊技を実行する際に、普図当たり種別と遊技状態とに対応した普図当たりシナリオが設定され、主制御装置110のメイン処理において普図当たりシナリオを定期的に更新することで、上述した普図当たり遊技の流れに対応させて電動役物640aの開放動作が実行される。
上述した普図ショート開放当たり遊技は、電動役物640aの開放期間が0.1秒と短いため、実質的に球を第2入賞口640へと入賞させることが出来ない普図当たり遊技となる。また、この普図ショート開放当たり遊技は、図336(b)にて示した通り、普通図柄の低確率状態(普図低確)中にのみ実行される普図当たり遊技であって、上述した通り、普図ショート開放当たり遊技が開始されてから0.2秒経過後に普図当たり遊技が終了するため、遊技者が左打ち遊技を実行している状態で普図ショート開放当たり遊技が実行され、右打ち遊技を行ったとしても、右打ち遊技で発射された球が第2入賞口640に到達するまでに(0.5秒)、普図当たり遊技が終了することになる。このように構成することにより、普図ショート開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞させ難くすることができる。
なお、普図ショート開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞し得ないように電動役物640aを構成しても良く、例えば、電動役物640aの構成を、電動役物640aが開放状態である場合に、その電動役物640aの上面を球が一端側から他端側へと流下可能に構成し、電動役物640aの上面の他端側から流出した球のみが入賞し得る位置に第2入賞口640を配置し、電動役物640aの上面を球が流下する期間が最短でも0.5秒となるように構成すると良い。このように構成することで、普図ショート開放当たり遊技が実行された場合には、電動役物640aが開放状態となる期間(0.1秒)中に電動役物640aの上面を流下する球が他端側に到達し得ないため、球が第2入賞口640に入賞することを確実に抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第5制御例のパチンコ機10では、普図当たり遊技が実行されるタイミングにて設定されている遊技状態に応じて普図当たり遊技の当たり遊技内容が設定されるため、例え、高確率で普図当たりに当選する時短状態(普図高確状態)にて普図当たりに当選し、その普図当たり当選に基づく普図当たり遊技が通常状態(普図低確状態)にて実行されたとしても、普図ロング開放当たり遊技が実行され難くすることができる。
なお、図336(a)に示した通り、本第5制御例では、遊技状態に関わらず、普図ロング開放当たり遊技が実行される普図当たり種別(普図当たりA)が選択される割合を普通図柄の低確率状態(普図低確)と、普通図柄の高確率状態(普図高確)とで、異ならせており、普図低確時は1%の確率で、普図高確率時は2%の確率で選択されるように構成している。このように構成することにより、普図低確時に普図当たりに当選し、普図低確時に普図当たり遊技が実行される場合よりも、普図高確時に普図当たりに当選し、普図低確時に普図当たり遊技が実行される場合のほうが、普図低確時における普図ロング開放当たり遊技が実行される確率を高めることができる。よって、普図当たり遊技が実行されるタイミングにおける遊技状態に応じて普図当たり遊技の遊技内容を設定する構成を用いた場合であっても、時短状態から通常状態へと移行した際に実行される普図当たり遊技が普図ロング開放当たり遊技となる確率を高めることができ、遊技者に普図当たり遊技がどの遊技内容で実行されるかを注視させることができる。
変動パターン5テーブル202eeは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、取得した変動種別カウンタCS1の値と、特別図柄の種別と、特別図柄抽選(特図抽選)の抽選結果と、設定されている遊技状態と、に基づいて、様々な変動パターン(変動時間)が選択されるように構成している。なお、変動パターン5テーブル202eeの基本的な技術思想は、上述した各制御例、或いは、各実施形態にて用いられている各種変動パターンと同一であるため詳細な説明を省略し、本第5制御例で用いられる変動パターン5テーブル202eeの特徴的な内容を中心に説明を続ける。
ここで、図339(a)を参照して、変動パターン5テーブル202eeの内容について説明をする。図339(a)は、変動パターン5テーブル202eeに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図339(a)に示した通り、変動パターン5テーブル202eeは、遊技状態が通常状態である場合に参照される通常用変動パターン5テーブル202ee1と、遊技状態が時短状態である場合に参照される時短用変動パターン5テーブル202ee2と、を有しており、特別図柄の変動パターンを選択する際に設定されている遊技状態に対応したデータテーブルを用いて特別図柄の変動パターンが選択される。
次に、図339(b)を参照して、変動パターン5テーブル202eeが有する通常用変動パターン5テーブル202ee1の内容について説明をする。図339(b)は、通常用変動パターン5テーブル202ee1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図339(b)に示した通り、変動パターン5テーブル202eeは、特別図柄の図柄種別と、通常状態が設定されてからの特別図柄変動回数と、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値とに応じて異なる変動パターンが規定されている。
上述した通り、本第5制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合は、特図1抽選が主に実行される遊技が行われるように構成しており、第2特別図柄(特図2)の抽選が実行されるパターンとしては、時短状態終了時点で保留記憶されている特図2保留に応じた特図2抽選が実行されるパターンと、普図抽選にてロング開放当たりに当選し、ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞することに基づいて特図2抽選が実行されるパターンと、がある。
さらに、本第5制御例では、時短状態の最終変動に対応する変動演出として、時短最終変動開始時に保留記憶されている特図2保留の先読み結果を報知可能な時短最終変動演出を実行するように構成している。そして、時短最終変動演出の演出結果を、時短状態が終了した後に(通常状態に)実行される特図2変動が終了するまで継続して表示するように構成している。
変動パターン5テーブル202eeは、通常状態中に実行される第2特別図柄(特図2)変動の変動パターンとして、特図変動回数1〜4回の間に実行される特図2抽選に対応する変動パターンが特殊変動パターンとなるように構成している。
具体的には、通常状態が設定されてからの特別図柄変動1回目が特図2変動である場合は、その特図2変動の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「短外れA(0.5秒)」が選択され、「当たり(大当たり、小当たり)」の場合は、「短当たりA(2秒)」が選択される。また、通常状態が設定されてからの特別図柄変動2回目が特図2変動である場合は、その特図2変動の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「短外れA(0.5秒)」が選択され、「当たり」の場合は、「短当たりB(1.5秒)」が選択され、通常状態が設定されてからの特別図柄変動3回目が特図2変動である場合は、その特図2変動の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「短外れA(0.5秒)」が選択され、「当たり」の場合は、「短当たりC(1秒)」が選択される。そして、通常状態が設定されてからの特別図柄変動4回目が特図2変動である場合は、その特図2変動の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「短外れA(0.5秒)」が選択され、「当たり」の場合は、「短当たりD(0.5秒)」が選択される。
このように構成することで、時短状態が終了した時点で特図2保留数が最大数(4個)である場合には、その特図2保留に対応する特図2抽選で当たり(小当たり、大当たり)に当選するまでの期間(当たりを示す表示態様で第2特別図柄(特図2)が停止表示される期間)と、特図2保留に対応する特図2抽選の抽選結果が全て外れとなるまでの期間と、を2秒間に統一することができる。
よって、例えば、特図2保留内に当たりとなる入賞情報がある場合も、無い場合も、時短最終変動が終了してから2秒間の結果表示を行うように制御するだけで、遊技者に違和感を与えること無く通常状態中の特図2変動を実行することができる。また、特図2保留の何個目で当たり当選した場合であっても、その当たり当選を示す識別情報が停止表示されるタイミングを統一(通常状態が設定されてから2秒後)することができるため、遊技者に対して、何個目の特図2保留で当たりに当選したのかを分かり難くすることができる。
また、図339(b)に示した通り、通常状態における特図2変動の変動時間として、特別図柄変動回数が「5回以上」の場合は、時短状態が終了した時点における特図2保留数を越えているため、通常状態にて普図ロング開放当たり遊技が実行され、第2入賞口640に球が入賞したことに基づいて実行される特図2抽選であることから、上述した一連演出を適正に実行するための変動パターン(変動(10秒))が選択され、選択された変動パターンに基づいて、現在が一連演出中における特図2変動期間であることを示すための表示態様(演出態様)が設定される。
次に、時短状態が設定されている場合に参照される時短用変動パターン5テーブル222ee2の内容について説明する。図340は、時短状態が設定されている場合に実行される特図抽選の変動パターン模式的に示した模式図である。
本第5制御例では、時短状態が設定されると、特図1抽選に対して遊技者に有利な抽選結果となり易い特図2抽選が、通常状態よりも実行され易くなるため、時短状態が設定されると特図2抽選を実行されるための右打ち遊技が実行される。そして、図315に示した通り、右打ち遊技を行った場合に、特図1抽選の実行契機となる第1入賞口64に球が入賞し難くなるように遊技盤13が構成されている。よって、右打ち遊技が実行される時短状態中に実行される特図1抽選は、時短状態が設定される大当たり遊技終了タイミングにおいて既に獲得している特図1保留に基づいて実行される特図1抽選となる。
具体的には、通常状態が設定されている状態で大当たりに当選し、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された状態(時短初設定状態)では、第2入賞口640に球が入賞し易い遊技が行われていないことから特図2保留を獲得できず、その時点で特図1保留がある場合には、特図1抽選が実行されることになる。
この場合、時短初設定状態にて特図2抽選が実行されるまでの期間中に実行される特図1抽選の変動パターン(変動時間)として、長時間(例えば、60秒)の変動時間が設定されてしまうと、その特図1変動が終了するまで特図2変動を実行させることが出来ず、時短状態中の遊技を円滑に行うことができないという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、時短状態中に実行される特図1変動の変動時間として短時間(0.2秒)が設定されるように構成している。これにより、特図1保留を最大数(4個)確保している状態で時短状態が設定されたとしても、特図2変動を阻害すること無く特図1変動を実行することができる。
また、本第5制御例では、大当たり遊技の終了画面を、大当たり遊技が終了してからも特図2変動が実行されるまで継続表示させるように構成している。これにより、時短状態中に特図1変動が短時間で変動していることを遊技者に分かり難くすることができる。さらに、時短状態中に実行される特図1抽選の抽選結果が大当たりである場合は、継続表示されている大当たり遊技の終了画面を大当たり遊技画面へと移行させるように構成している。
普図変動パターン選択テーブル202efは、普通図柄変動(普図変動)の変動パターン(変動時間)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、普図変動を実行する時点の遊技状態と、普図変動の抽選結果と、取得した第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されている。
ここで、図338を参照して、普図変動パターン選択テーブル202efの内容について説明をする。図338は、普図変動パターン選択テーブル202efに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図338に示した通り、本第5制御例では、普図変動の変動時間として、短い変動時間が設定されるショート変動(2秒)と、ショート変動よりも長い変動時間が設定されるロング変動(30秒〜60秒)と、が選択されるように構成している。
そして、普図変動の変動時間としてロング変動が選択された場合に、普図変動演出が実行されるように構成している。なお、本第5制御例では、普図ロング開放当たりに当選し難い通常状態が設定されている期間中のみ、普図ロング開放当たりに当選したことを示唆するための普図変動演出を実行するように構成しているため、通常状態中に参照されるデータテーブルにのみロング変動(30秒〜60秒)が規定されている。
具体的には、普図変動が実行される時点の遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)であって、普図変動の抽選結果が「普図当たりA」である場合は、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜499」の範囲に「普図ロング変動A(30秒)」が、「500〜999」の範囲に「普図ロング変動B(60秒)」が、それぞれ規定されており、普図変動の抽選結果が「普図当たりB」である場合は、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜999」の範囲に「普図ショート変動A(2秒)」が規定されている。また、普図変動の抽選結果が「外れ」である場合は、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜996」の範囲に「普図ショート変動A(2秒)」が、「997,998」に「普図ロング変動A(30秒)」が、「999」に「普図ロング変動B(60秒)」が、それぞれ規定されている。一方、普図変動が実行される時点の遊技状態が時短状態(普通図柄の高確率状態)である場合は、普図変動の抽選結果、及び、第2変動種別カウンタCS2の値に関わらず、「普図ショート変動A(2秒)」が規定されている。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、普図変動の抽選結果が「普図当たりA」、即ち、普図ロング開放当たりである場合に、普図変動時間として普図ロング変動が選択され易くなるように構成している。よって、普図変動演出が実行されることで遊技者に普図ロング開放当たりに当選したことを期待させることができる。また、普図変動演出が実行されるロング変動として、異なる変動時間(30秒、或いは60秒)が選択され得るように構成している。これにより、普図変動演出が実行されてから普図ロング開放当たり遊技が開始されるまでの期間を遊技者に予測させ難くすることができるため、例えば、普図変動演出が開始された時点で球の発射を止め、特定期間(例えば、60秒)の経過を待ってから再度球を発射させるという遊技が行われ難くすることができる。
また、僅かではあるが、普図変動の抽選結果が外れの場合であっても、普図ロング変動が選択されるように構成しているため、普図変動演出が実行されたとしても、普図ロング開放当たりに当選していない可能性を残すことができる。よって、遊技者に対して普図変動演出を最後まで楽しませることができる。
なお、本第5制御例では、普図ロング開放当たりとなる「普図当たりA」に当選した場合に、必ずロング変動(30秒、或いは60秒)が選択されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、「普図当たりA」に当選した場合の一部において「ショート変動」や、「ショート変動」よりも長く「ロング変動」よりも短い「ミドル変動(10〜15秒)も選択可能となるように構成しても良い。そして、「ロング変動」以外の変動パターンが選択された場合は、普図変動演出が実行されないように構成すると良い。
このように構成することで、普図変動演出が実行されること無く普図ロング開放当たり遊技を実行させることが可能となるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができると共に、普図ロング開放当たり遊技の実行タイミングを予測し、その予測タイミングに合わせて球を発射する遊技を行われ難くすることができる。
また、本第5制御例では、普図変動の抽選結果が、普図当たり遊技として「普図ショート当たり遊技」が実行される「普図当たりB」である場合には、「ロング変動」が実行されないように構成しているが、これに限ること無く、「ロング変動」が選択されるように構成しても良い。
小当たり種別選択5テーブル202egは、特図抽選にて小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択5テーブル202egは、上述した第A1実施形態の小当たり種別選択テーブル202e(図244参照)に対して、規定される小当たり種別の内容を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図337を参照して、小当たり種別選択5テーブル202egについて説明をする。図337(a)は、小当たり種別選択5テーブル202egの内容を示した模式図であって、図337(b)は、特図1小当たり種別選択5テーブル202eg1に規定されている内容を模式的に示した模式図であって、図337(c)は、特図2小当たり種別選択5テーブル202eg2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
大当たりシナリオ5テーブル202eh、及び、小当たりシナリオ5テーブル202eiは、上述した第A1実施形態の大当たりシナリオテーブル202aa、小当たりシナリオテーブル202abに対して、各シナリオに規定されている内容を、本第5制御例にて実行される大当たり遊技、或いは、小当たり遊技の内容に対応させた点で相違するだけであり、それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図333(b)を参照して、本第5制御例の主制御装置110のRAM203の構成について説明をする。本第5制御例の主制御装置110のRAM203は、上述した第A1実施形態の主制御装置110のRAM203(図241(b)参照)に対して、シナリオカウンタ203aa、特定制御フラグ203abを削除し、特図2変動回数カウンタ203eaを追加した点で相違し、それ以外の構成は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特図2変動回数カウンタ203eaは、第2特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、時短状態が設定される場合に特定のカウンタ値が設定される。そして、時短状態中に特図2変動が実行されると、カウンタ値が減算され、減算後のカウンタ値が0になると時短状態が終了する。つまり、特図2変動回数カウンタ203eaは、時短状態を終了させるか否かを判別する際に参照されるものであり、複数設定される時短終了条件の一部を構成するものである。
本第5制御例では、当選した大当たり種別に応じて、特図2変動回数カウンタ203eaに設定されるカウンタ値を異ならせるように構成している。これにより、大当たり種別に応じて、時短状態の終了のし易さを異ならせることができる。よって、遊技者に対して、大当たり当選の有無だけでは無く、設定される大当たり種別についても興味を持たせることができる。
次に、図341を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。図341(a)は、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を模式的に示した模式図である。図341(a)に示した通り、本制御例におけるROM222は、上述した第A1実施形態のROM222(図251(a)参照)に対して、変動パターン選択テーブル222aに替えて変動パターン選択5テーブル222eaを設けた点で相違している。なお、ここでは、上述した変動パターン選択テーブル222aと相違する点について主に説明し、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図342を参照して、変動パターン選択5テーブル222eaの内容について説明をする。図342(a)は、変動パターン選択5テーブル222eaの構成を模式的に示した模式図であって、図342(b)は、変動パターン選択5テーブル222eaが有する時短最終用変動パターン選択5テーブル222ea3に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図342(a)に示した通り、変動パターン選択5テーブル222eaは、遊技状態や変動状況に対応付けて3つの変動パターン選択テーブルを有しており、具体的には、遊技状態が通常状態である場合に参照される通常用変動パターン選択5テーブル222ea1、時短状態である場合に参照される時短用変動パターン選択5テーブル222ea2、及び、時短状態の最終変動である場合に参照される時短最終用変動パターン選択5テーブル222ea3と、を有している。
上述した、通常用変動パターン選択5テーブル222ea1、及び、時短用変動パターン選択5テーブル222ea2については、上述した各制御例、或いは、各実施形態にて説明をした変動パターン選択テーブルと同一の技術思想に基づくものであり、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる変動パターン(変動時間、抽選結果、図柄種別)に対応した表示用変動パターン(演出態様)が選択されるデータテーブルであり、その詳細な説明を省略する。
時短最終用変動パターン選択5テーブル222ea3は、時短状態における最終変動、即ち、当該変動が実行されることにより時短終了条件が成立する場合における特図変動に対する変動演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、当該変動の図柄種別、抽選結果、に加え、特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)、保留内当たりの有無(入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に当たりを示す入賞情報が含まれているかの判別結果)に基づいて異なる変動パターン(演出態様)が選択されるように構成している。
具体的には、図342(b)に示した通り、時短最終変動が特図1である場合、即ち、時短終了条件のうち、共通時短終了条件の1つである「特図変動回数99回」が成立する際の特図変動が特図1変動である場合には、当該変動の抽選結果、特図2保留球数、に関わらず、変動パターンとして「特図1用時短最終」が選択される。
次に、時短最終変動が特図2であって、当該変動の抽選結果(当否判定結果)が「当たり」で、特図2保留球数が「0」の場合は、変動パターンとして「時短最終A」が選択され、特図2保留球数が「1,2」で、その特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれている場合は、変動パターンとして「時短最終A」が選択され、特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれていない場合は、変動パターンして「時短最終B」が選択される。
そして、当該変動の抽選結果(当否判定結果)が「当たり」で、特図2保留球数が「3」で、その特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれている場合は、変動パターンとして「時短最終C」が選択され、特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれていない場合は、変動パターンして「時短最終D」が選択される。
一方、時短最終変動が特図2であって、当該変動の抽選結果(当否判定結果)が「外れ」で、特図2保留球数が「0」の場合は、変動パターンとして「時短最終E」が選択され、特図2保留球数が「1,2」で、その特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれている場合は、変動パターンとして「時短最終B」が選択され、特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれていない場合は、変動パターンして「時短最終F」が選択される。
また、当該変動の抽選結果(当否判定結果)が「外れ」で、特図2保留球数が「3」で、その特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれている場合は、変動パターンとして「時短最終D」が選択され、特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれていない場合は、変動パターンして「時短最終E」が選択される。
次に、図341(b)を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図341(b)は、第5制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図341(b)に示した通り、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第A1実施形態のRAM223(図251(b)参照)に対して、状態格納エリア223ea、一連演出フラグ223eb、疑似一連演出フラグ223ec、時短最終変動フラグ223ed、小当たり注意フラグ223ee、非変動時入賞フラグ223ef、特図変動時間カウンタ223eg、普図変動時間カウンタ223eh、連続一連演出フラグ223ej、一連演出カウンタ223ekを追加した点で相違している。
状態格納エリア223eaは、現在の遊技状態を一時的に記憶するための記憶領域であって、主制御装置110から出力された状態コマンドに含まれる情報が記憶されるものである。本制御例では、状態格納エリア223eaに、遊技状態(通常状態、時短状態)を示す情報と、時短状態の時短終了条件を示す情報と、大当たり当選した場合に設定される当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)を示す情報と、が記憶されるように構成されている。そして、この状態格納エリア223eaに格納された各種情報に基づいて、演出態様を可変設定するように構成している。
また、詳細な説明は省略するが、状態格納エリア223eaには、現在の遊技状態を示す情報以外に、過去に設定された遊技状態も一時的に記憶するように構成している。このように構成することで、遊技状態の移行状況(どの遊技状態からどの遊技状態へ移行したのか)に基づいた変動を実行することが可能となる。
一連演出フラグ223ebは、一連演出の実行条件が成立したことを示すためのフラグであって、一連演出の実行条件が成立した場合にオンに設定されるものである。ここで、本制御例では、通常状態中において、当たり当選した特図抽選の変動パターンとして一連演出が設定された場合、或いは、普通図柄のロング変動が実行される場合に、一連演出の実行条件が成立するように構成している。
この一連演出フラグ223ebは、普図演出設定処理(図371のC4112参照)において、一連演出が設定される場合(図371のC4207)、或いは、当たり変動演出設定処理(図373のC4112参照)において、一連演出が設定される場合(図373のC4402:Yes)に、オンに設定され(図371のC4208、図373のC4403)、小当たり関連コマンド処理(図366(a)のC3504参照)において、小当たり遊技中の演出態様を設定する場合に参照される(図366(a)のC3701)。また、変動演出設定処理(図370のC4004)や普図用演出設定処理(図371のC4117参照)において、新たな一連演出を実行可能か否かの判別を行う際に参照される。そして、一連演出更新処理(図375のC4503参照)において、一連演出の継続実行条件が成立していないと判別した場合にオフに設定される(図375のC4613参照)。
上述した通り、本制御例では、複数の契機(特図抽選、普図抽選)によって一連演出が実行されるように構成している。このように構成している場合であっても、一連演出フラグ223ebを用いることで、一連演出が重複して設定(実行)されてしまうことを抑制することができる。
疑似一連演出フラグ223ecは、特図変動の抽選結果が外れであって一連演出の実行条件が成立したことを示すためのフラグであって、特図外れ変動の変動演出として一連演出が設定された場合にオンに設定されるものである。この疑似一連演出フラグ223ecは、上述した一連演出フラグ223ebよりも優先度が低く設定されており、同一の一連演出が実行されている状態において、一連演出フラグ223ebがオンに設定されている場合と、疑似一連演出フラグ223ecがオンに設定されている場合とで、異なる演出設定処理が実行されるように構成している。
具体的には、普図用演出設定処理(図371のC4117参照)において、一連演出フラグ223ebがオンに設定されている場合(例えば、特図変動の当たり変動演出として一連演出が実行されている場合)は、普図変動が一連演出の実行条件を満たしている場合であっても、新たな一連演出が実行されないように構成しているのに対して、疑似一連演出フラグ223ecがオンに設定されている場合(例えば、特図変動の外れ変動演出として一連演出が実行されている場合)は、普図変動が一連演出の実行条件を満たしている場合で、且つ、特殊条件を満たしている場合に、新たな一連演出(特殊一連演出)を実行可能に構成している(図371のC4211参照)。
このように、同一の一連演出が実行されている状態において、実行中の一連演出の実行契機に基づいて、新たな一連演出を実行する処理(実行中の一連演出の演出態様を差し替える処理)を行うか否かを可変させることができるため、一連演出の演出内容を多様化させることができる。また、実行中の一連演出の演出結果よりも遊技者に有利となる演出結果を表示可能な場合のみ、一連演出の演出態様を差し替えるように構成しているため、実行中の一連演出の演出態様が可変することを期待しながら遊技者に一連演出を注視させることができる。
時短最終変動フラグ223edは、今回の特図変動が時短状態の最終変動であることを示すためのフラグであって、今回の特図変動が時短状態の最終変動である場合にオンに設定される。この時短最終変動フラグ223edをオンに設定することにより、時短最終変動用の演出態様を設定することができる。
小当たり注意フラグ223eeは、小当たり遊技中に所定期間が経過しても特定領域を球が通過していないことを示すフラグであって、小当たり遊技が開始されてから所定期間(1秒)が経過しても球が特定領域を通過していない場合にオンに設定される。そして、小当たり注意フラグ223eeがオンに設定されることにより、小当たり遊技中に右打ち遊技を行わせるための案内表示態様(図325(a)参照)が表示される。そして、小当たり遊技が終了するタイミングでオフに設定される。
非変動時入賞フラグ223efは、通常状態においてスルーゲート67を球が通過した時点で特図1変動が実行されていないことを示すためのフラグであって、スルーゲート67を球が通過した時点で特図1変動が実行されていない場合にオンに設定される。本制御例のパチンコ機10は、通常状態では左打ち遊技を行い、第1入賞口64に球を入賞させ特図1抽選を実行させるように構成している。そして、左側遊技領域に設けられたスルーゲート67を球が通過したことに基づいて普図抽選を実行し、その普図抽選の抽選結果が普図ロング開放当たりである場合に、電動役物640aがロング開放する普図ロング開放当たり遊技が実行されるため、第2入賞口640に球を入賞させるために右打ち遊技が行われる。
つまり、正常に遊技を行っている場合は、スルーゲート67に球を通過させたタイミングにおいて、特図1変動が実行されていることになる。一方、例えば、通常状態が設定されている状態で、遊技盤13の右側遊技領域に設けられたスルーゲート67に球を通過させるだけの遊技を行っている場合は、スルーゲート67に球を通過させたタイミングにおいて特図1変動が実行されていないことになる。ここで、本第5制御例の遊技盤13の盤面構成として、左打ち遊技によって発射された球が左側遊技領域に設けられたスルーゲート67を通過する割合よりも、右打ち遊技によって発射された球が右側遊技領域に設けられたスルーゲート67を通過する割合のほうが高くなるように構成している。
このように通常状態中において、右打ち遊技を行い普図抽選のみを実行しようとする悪意のある遊技を行う場合には、普図抽選によってロング開放当たりに当選した場合であっても、普図変動演出を実行しないように構成している。このように構成することにより、通常状態において右打ち遊技を行う遊技者に対して、普図ロング開放当たり遊技が実行されるタイミングを分かり難くすることができる。
特図変動時間カウンタ223eg、及び普図変動時間カウンタ223ehは、各図柄変動時間を計測するためのカウンタであって、図柄変動が実行される場合に、今回の変動時間に対応する値が設定される。そして、音声ランプ制御装置113のメイン処理において定期的にその値が減算される。この特図変動時間カウンタ223eg、及び普図変動時間カウンタ223ehの値を用いることで、図柄変動中における各図柄変動時間の残時間を判別することができる。
連続一連演出フラグ223ejは、一連演出が実行されている期間中において、特図2変動の待機期間が所定期間(30秒)以上である場合に実行される連続一連演出(図317(b)参照)が設定されていることを示すためのフラグであって、連続一連演出が実行される場合にオンに設定される。
一連演出カウンタ223ekは、一連演出の演出シナリオを更新するためのカウンタであって、一連演出が設定された場合に、今回実行される一連演出の演出期間に対応する値が設定され、その値が、音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で定期的に実行される演出更新処理5(図374のC3112参照)にて更新される。なお、この一連演出カウンタ223ekは、一連演出が最後まで完遂(大当たり遊技が実行される演出(図322(b)参照)が実行される)までの期間を示すための値が設定されるように構成されており、更新後のカウンタ値に応じた演出態様が設定される。そして、一連演出の実行中において、演出終了条件(例えば、普図当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞せず、特図2保留を獲得出来なかった場合に成立する条件)が成立し、一連演出を終了させる場合には、一連演出の終了を示すための演出態様を設定すると共に、一連演出カウンタ223ekの値が0にリセットされる。
再先読みフラグ223emは、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に対して、再度先読み処理を実行する必要があることを示すためのフラグであって、再度先読み処理を実行する必要がある場合にオンに設定される。本第5制御例では、時短状態の最終特図変動に対応する変動演出として、特図2保留の先読み結果に基づく演出態様が設定された変動演出(時短最終変動演出)を実行するように構成しており、最終特図変動期間の特定タイミングにおいて獲得済の特図2保留に対して先読み処理を実行し、その先読み結果に対応する演出態様を設定するように構成している。
上述した再先読みフラグ223emは、最終特図変動の実行中で、且つ、最終特図変動期間の特定タイミング経過後に新たな特図2保留を獲得した場合にオンに設定され、オンに設定された場合は、時短状態終了後1回転目の特図2変動の実行タイミングにおいて、特図2保留に対する先読み処理を再度実行し、その先読み処理の結果に基づく変動演出が実行される。
保留上限フラグ223enは、特図2保留球数が上限値(4)に到達しているかを判別するためのフラグであって、特図2保留球数が上限値(4)に到達した場合にオンに設定される。そして、時短最終変動演出の演出態様を設定する際に参照される。具体的には、本第5制御例では、時短状態の最終特図変動に対応する変動演出として、最終特図変動期間のうち、第1期間中に特図2保留を獲得させるための保留球獲得演出を実行可能にし、第1期間よりも後の第2期間中に、当該変動の抽選結果、及び、特図2保留の先読み結果を示すための時短最終変動演出を実行可能にするように構成されており、第1期間の開始時点において保留上限フラグ223enがオンに設定されている場合は、第1期間と第2期間とを用いて時短最終変動演出を実行するように構成している。
このように構成することにより、既に特図2保留を上限まで獲得している遊技者に対して、新たな特図2保留を獲得させるための演出(保留球獲得演出)が実行されることを抑制することができると共に、特図2保留を常に上限値近くまで獲得し続ける遊技、即ち、右打ち遊技を継続して実行している遊技者に対して、時短最終変動演出の実行期間を長く設定することができる。よって、遊技者に対して継続して遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
実行済フラグ223eqは、最終特図変動に対応する変動演出として、時短最終変動演出が実行されていることを示すためのフラグであって、通常、時短最終変動期間の第2期間から実行される時短最終変動演出が、第2期間よりも前に設定される第1期間から実行されている場合にオンに設定されるものである。つまり、時短最終変動期間の第1期間開始時点において、特図2保留数が上限に到達しており、第1期間中に時短最終変動演出(第1期間と第2期間とを用いた演出)を実行させると判別した場合にオンに設定され、第2期間開始時点において実行済フラグ223eqがオンに設定されているかが判別され、オンに設定されていると判別した場合には、既に第2期間中に実行される演出態様が設定されていることから、新たな演出態様を設定する処理がスキップされるように構成している。そして、時短最終変動に対応する停止コマンドを受信した場合にオフに設定される。
特2入賞フラグ223erは、普図当たり遊技中(電動役物640aの開放動作中)に、第2入賞口640に球が入賞したことを示すためのフラグであって、普図当たり遊技中(電動役物640aの開放動作中)に、第2入賞口640に球が入賞した場合にオンに設定されるものである。この特2入賞フラグ223erは、普図当たり遊技中更新処理(図376(a)参照)において、第2入賞口640に球が入賞したと判別された場合に(図376(a)のC4701:Yes)、オンに設定され(図376(a)のC4705参照)、一連演出を継続するか否かの判別をするために、一連演出更新処理(図375のC4503参照)において参照される(図375のC4608)。C4608の処理において、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(図375のC4608:No)、特図2変動が実行されない状態となり、一連演出の終了条件が成立するため、一連演出を終了させるための処理(C4612)が実行される。
<第5制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図343から図359のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理5と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。なお、本第5制御例では、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容についても説明の便宜上、異なる符号を付して重複して説明している箇所があるが、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした技術思想については、本第5制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした変形例や追加例についても本第5制御例に当然適用されるものである。
図343は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理5を示すフローチャートである。タイマ割込処理5は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理5では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(C101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(C102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、第2当たり種別カウンタC6の更新を実行する(C103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、及び第2当たり種別カウンタC6をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、999,99,239,239,99,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C6の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理5を実行する(C104)。その後、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理5を実行する(C105)。尚、特別図柄変動処理5、始動入賞処理5の詳細は、図344〜図349を参照して後述する。
始動入賞処理5(C105)を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理5を実行する(C106)。尚、普通図柄変動処理5の詳細は、図350を参照して後述する。普通図柄変動処理5を実行した後は、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理5を実行する(C107)。尚、スルーゲート通過処理5の詳細は、図351及び図352を参照して後述する。
スルーゲート通過処理5を実行した後は、V入口通過処理5を実行し(C108)、その後、V通過処理5(C109)を実行する。ここで、V入口通過処理5、V通過処理5の詳細については図353及び図354を参照して後述する。
V通過処理5(C109)を実行した後は、発射制御処理を実行し(C110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(C111)、タイマ割込処理5を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図344を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理5(C104)について説明する。図344は、この特別図柄変動処理5(C104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理5(C104)は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理5では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(C201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(C201:Yes)、特別図柄変動(特図変動)を実行することができない状態であるため、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(C201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中(特図変動中)であるか否かを判定し(C202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中(特図変動中)でなければ(C202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(C203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(C204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(C204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(C205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(C206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
C206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(C207)。C207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理5を実行する(C213)。なお、特別図柄変動開始処理5については、図345を参照して後述する。
一方、C204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別した場合には(C204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得し(C208)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(C209)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合(C209:No)、即ち、新たに特別図柄変動を開始させるための保留球が存在しない場合は、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(C209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(C210)、C210の処理により変更(減算)された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(C211)。C211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(C212)。その後、C213の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、新たな特別図柄変動(特図変動)を実行する際に、特別図柄1保留球数カウンタ(N1)の値よりも先に、特別図柄2保留球数カウンタ(N2)の値を判別するように構成し、特別図柄2保留球数カウンタ(N2)の値が0よりも大きいと判別した場合に、第2特別図柄(特図2)の特別図柄変動(特図変動)を開始するための処理(特別図柄変動開始処理5(C213参照))を実行するように構成している。これにより、第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動させることができる。
また、C202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(C202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(C214)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(C214:No)、本処理を終了する。
一方、C214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(C214:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(C215)。停止図柄の設定は、図345を参照して後述する特別図柄変動開始処理5(C213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理5が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合は、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAA、大当たりAB、大当たりAC、大当たりAD、大当たりAE及び大当たりAFの何れかを決定し、特別図柄の抽選結果が小当たりの場合は、小当たり種別カウンタC5の値に応じて小当たりAA、小当たりAB、小当たりAC、小当たりAD、小当たりAE及び小当たりEの何れかを決定する。
尚、本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様(点灯態様)によって、今回の特別図柄の抽選結果(各種別カウンタの決定結果)を遊技者に報知するように構成しており、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、第1図柄表示装置37a,37bにおいて青色のLEDを点灯させ、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。
そして、特別図柄の抽選結果が大当たりであり、且つ、大当たりAAが決定された場合は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて青色のLEDを、大当たりAAを示す態様(例えば、アルファベットの「a」を模した態様)で点灯させ、大当たりABが決定された場合は、大当たりABを示す態様(例えば、アルファベットの「b」を模した態様)で点灯させ、大当たりACが決定された場合は、大当たりACを示す態様(例えば、アルファベットの「c」を模した態様)で点灯させ、大当たりADが決定された場合は、大当たりADを示す態様(例えば、アルファベットの「d」を模した態様)で点灯させる。
また、特別図柄の抽選結果が小当たりである場合にも、上述した大当たりに当選した場合と同様に、赤色のLEDを各小当たり種別(小当たりAA、小当たりAB、小当たりAC、小当たりAD、小当たりAE及び小当たりE)に応じた態様で点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。また、本実施形態では上述したように決定された各当たり種別(大当たり種別や小当たり種別)を遊技者が把握できるように各当たり種別の内容を示す態様(特別図柄の抽選結果に対応した色、各当たり種別に対応した点灯態様から形成される態様)で第1図柄表示装置37a,37bを点灯させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、抽選結果や、決定された当たり種別が異なっている場合であっても第1図柄表示装置37a,37bの点灯態様として同一の点灯態様を用いるように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bの点灯態様を確認することで、今回の特別図柄の抽選結果や決定される当たり種別を把握することが可能となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果が異なるものであることを遊技者が判別可能な程度に区分けされた点灯態様で表示するように構成しても良い。
C215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の変動表示に対応する特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(C216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(C216:Yes)、大当たり種別に基づいて、大当たりシナリオを設定し(C217)、その後、今回の大当たりにおいて決定された大当たり種別に対応させて大当たりの開始の設定(15ラウンド等の大当たりの設定)を実行する(C218)。
なお、C217の処理で大当たりシナリオが設定されると、大当たりシナリオテーブル202ehに規定されている各大当たりシナリオテーブルのうち、今回の大当たりに対応する大当たりシナリオテーブルが設定される。なお、大当たりシナリオテーブルの更新方法については、第A1制御例の図248を参照して上述した内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
C218の処理を終えると、次に、大当たり開始フラグ203h、大当たり中フラグ203iをオンに設定し(C219)、時短中カウンタ203gの値を0に設定し(C220)、停止コマンドを設定し(C225)、本処理を終了する。
一方、C216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別した場合は(C216:No)、時短更新処理を実行する(C221)。この時短更新処理の詳細については、図346を参照して後述するが、時短状態が設定されている場合に、時短終了条件を成立させるための各種パラメータ(第2特別図柄(特図2)の変動回数、特別図柄の合計変動回数)を更新する処理が実行される。C221の処理を実行後、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(C222)、小当たりであると判別した場合は(C222:Yes)、小当たり開始設定処理5(C223)を実行し、後に上述したC225の処理を実行し、本処理を終了する。なお、小当たり開始設定処理5(C223)の詳細については、図347を参照して後述する。
一方、C222の処理において、今回の抽選結果が小当たりではない(外れである)と判別した場合は(C222:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、特別図柄変動が終了したタイミング(特図変動時間が経過したタイミング)で時短更新処理を実行するように構成している。このように構成することで、例えば、時短終了条件の一部である対応時短終了条件として「特図2変動回数1回」を設定した場合において、時短状態が設定され、特図2変動が実行されたとしても、その特図2変動が停止するまでの期間を時短状態とすることができるため、特図2保留を獲得する期間を確保することができる。
なお、本第5制御例の構成に限ること無く、特別図柄の変動開始時に時短更新処理を実行するように構成しても良く、この場合、特図2変動1回分の期間を時短状態として確保するためには、対応時短終了条件として「特図2変動回数2回」を設定するように構成すれば良い。
次に、図345を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理5(C213)について説明する。図345は、特別図柄変動開始処理5(C213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理5(C213)は、タイマ割込処理5(図343参照)の特別図柄変動処理5(図344参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」、或いは「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理5では、まず、特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b)の共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、小当たり種別カウンタC5、変動種別カウンタCS1の各値を取得する(C231)。次に、特別図柄の種別(特別図柄1、特別図柄2)に対応した特別図柄大当たり乱数テーブル(特別図柄1乱数5テーブル202ea1、特別図柄2乱数5テーブル202ea2)に基づいて特別図柄の抽選結果を取得し(C232)、C233の処理へ移行する。
具体的には、今回の処理で実行される特別図柄変動が第1特別図柄(特図1)の場合は、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄1乱数5テーブル202ea1(図334(b)参照)に設定された4つの乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜3」の4個が設定されており、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判別する。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄1乱数5テーブル202ea1(図334(b)参照)に設定される小当たりとなる乱数値「10,11」の2個とが一致する場合には、特別図柄の小当たりであると判別する。
なお、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判定される判定値を同じとしているが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たり乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判定される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、小当たりと判定される判定値の数が異なるように構成している。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて抽選結果が小当たりとなる確率を異ならせることができ、小当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄との何れも小当たりに当選するように第1当たり乱数5テーブル202eaを設定しているが、何れか一方の特別図柄のみ小当たりに当選するように第1当たり乱数5テーブル202eaを設定しても良い。具体的には、第1特別図柄に対応する特別図柄1乱数5テーブル202ea1には特別図柄の小当たりとなる乱数値を設定せず、第2特別図柄に対応する特別図柄2乱数5テーブル202ea2にのみ特別図柄の小当たりとなる乱数値を設定するように設定すると良い。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて遊技者に付与可能な特典(小当たり遊技)を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値の所定範囲(0〜3)に、特別図柄の大当たりを対応させ、それ以外の範囲(4〜999)内に特別図柄の種別に応じて特別図柄の小当たりを対応させているが、それ以外の構成として、例えば、第1特別図柄では大当たりとなる範囲の一部(例えば、0〜2)の値を、第2特別図柄では小当たりとなる範囲として設定しても良い。
さらに、本制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数5テーブル202eaとを用いて特別図柄の抽選(大当たり、小当たり、外れ)を行うように構成しているが、それ以外の構成として、複数の当たり乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選を行うように構成しても良く、例えば、1つ目の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し、1つ目の乱数テーブルを用いた抽選結果が大当たりでは無い場合に、2つ目の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別するように構成しても良い。このように複数の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選を行うことにより、特別図柄の抽選結果をよりランダムに設定することができ、特別図柄の抽選結果を操作する不正行為を抑制することができる。
本制御例では、特別図柄の抽選を行う場合に第1当たり乱数カウンタC1の値を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、複数の乱数カウンタの値と、第1当たり乱数5テーブル202eaとを用いて特別図柄の抽選を行っても良い。この場合、例えば、1つ目の乱数カウンタの値に基づいて特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し、2つ目の乱数カウンタの値に基づいて特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別するように構成しても良い。
図345に戻り説明を続ける。C233の処理ではC232の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(C233)。特別図柄の大当たりであると判別した場合には(C233:Yes)、今回の特別図柄抽選に対応する特別図柄の種別に対応した第1当たり種別選択5テーブル202ebに基づいて大当たり種別を取得し(C234)、特別図柄と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定し(C235)、変動種別カウンタCS1の値に基づいて大当たり変動パターンを決定し(C236)、今回決定した大当たり変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(C243)、本処理を終了する。
一方、C233の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(C233:No)、次に、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(C237)、小当たりであると判別した場合は(C237:Yes)、今回の特別図柄抽選に対応する特別図柄の種別に応じた小当たり種別選択5テーブル202egに基づいて小当たり種別を取得し(C238)、特別図柄と小当たり種別とに対応した小当たり時の表示態様を設定し(C239)、変動種別カウンタCS1の値に基づいて小当たり変動パターンを決定し(C240)、今回決定した小当たり変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(C243)、本処理を終了する。
また、C237の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無いと判別した場合(C237:No)、即ち、今回の抽選結果が外れであると判別した場合は、特別図柄の種別に対応した外れ時の表示態様を設定し(C241)、保留球数に基づいて外れ時の変動パターンを決定し(C242)、今回決定した外れ時の変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(C243)、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は後述するが、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりである場合には、保留球数に関わらず変動パターンが決定されるのに対して、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、保留球数に応じて変動パターンが異なるように構成している。具体的には、特別図柄変動開始処理5(C213)が実行されるタイミングにおける保留球数が多い程、変動時間が短い変動パターンが決定され易くなるように構成している。これにより、特別図柄の抽選結果が遊技者に特典を付与することの無い抽選結果(外れ)が表示されるまでの期間を保留球数が多い程短くすることが出来るため、単位時間当たりに実行される特別図柄の抽選回数を増加させるために、多くの保留球数を常に確保しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、多くの保留球数を確保することが出来ない場合には、1回の特別図柄変動時間を長くすることができるため、遊技中において特別図柄が変動していない状態が発生することを抑制することができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
本制御例では、特別図柄変動開始処理5(C213)の処理が実行されるタイミングにおける保留球数に基づいて変動パターンを異ならせるように構成しているが、それ以外にも、例えば、特別図柄が変動している最中に保留球数が所定数(例えば、3個)以上になったことを条件に、実行中の変動パターンに設定されている変動時間を短縮させるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄が変動している間も多くの保留球数を確保しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が外れの場合のみ、保留球数に基づいて変動パターンを異ならせているが、特別図柄の抽選結果が大当たりや小当たりの場合にも、保留球数に基づいて変動パターンを異ならせても良いし、保留球数が多い程、長い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しても良い。さらに、変動パターンを決定する際に参照する保留球数については、第1特別図柄の保留球数と、第2特別図柄の保留球数とを合算した値でも良いし、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、優先して特別図柄変動開始処理が実行される第2特別図柄の保留球数の値のみでも良いし、今回実行される特別図柄変動開始処理の対象となる側の特別図柄の保留球数の値のみでも良い。
次に、図346を参照して、時短更新処理(C221)について説明をする。図346は、時短更新処理(C221)を示したフローチャートである。
時短更新処理(C221)では、まず、RAM203の時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判別する(C251)。尚、時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の低確率状態であることを示す。なお、本第5制御例では、2つの遊技状態を設定可能に構成されている。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)との2つの遊技状態を設定可能に構成している。つまり、本制御例では、特別図柄の確率状態は常に一定で、普通図柄の確率状態のみ可変設定することができるように構成している。よって、普通図柄の高確率状態を示す用語として時短状態、普通図柄の低確率状態を示す用語として通常状態を用いる場合がある。
時短中カウンタ203gの値が0である場合は(C251:No)、時短状態が設定されていないため、そのまま本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gの値が1以上である場合は(C251:Yes)、即ち、現在が時短状態中であると判別した場合は、時短中カウンタ203gの値を1減算し(C252)、次に、今回の特図変動が第2特別図柄(特図2)の変動であるか否かを判別する(C253)。今回の特図変動が特図2の変動である場合は(C253:Yes)、特図2変動回数カウンタ203eaの値を1減算し(C254)、各種カウンタの値を示す残時短回数コマンドを設定し(C255)、C256の処理へ移行する。
C255の処理では、時短中カウンタ203gの値と、特図2変動回数カウンタ203eaの値とを示す残時短回数コマンドが設定される。ここで設定された残時短回数コマンドは、後述するメイン処理(図357参照)の外部出力処理(図357のC1001参照)によって、遊技状態を示す状態コマンドの一部として音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113側では、コマンド判定処理5(図360のC3113参照)にて状態コマンド(残時短回数コマンド)を受信したと判別した場合に(図360のC3212)、受信したコマンドに含まれる情報を抽出し、状態格納エリア223eaに現在の遊技状態(残時短回数)を格納する。これにより、音声ランプ制御装置113にて現在設定されている時短状態の残期間を予測(判別)することができ、時短状態の残期間に応じた演出態様を設定することができる。
なお、本制御例では、時短更新処理(図346のC221参照)が実行される毎に、主制御装置110から残時短回数を示すための残時短回数コマンドを出力するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態が設定された時点(大当たり遊技が終了した時点)で設定される時短終了条件を示すための時短終了条件コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した時短終了条件コマンドから時短終了条件を抽出し、その後、主制御装置110側から出力される特図変動を示すコマンド(変動パターンコマンド)の受信回数を累積し、累積後の値によって時短終了条件が成立するか否かを判別するように構成しても良い。このように構成することにより、主制御装置110側の処理負荷を軽減することができる。
C253の処理において、今回の特図変動が特図2の変動ではない場合は(C253:No)、C254及びC255の処理を行わず、C256の処理へ移行する。
C256の処理では、時短中カウンタ203gの値が0であるか否かを判別する(C256)。時短中カウンタ203gの値が0である場合は(C256:Yes)、時短終了条件(共通時短終了条件)が成立した場合であるため、時短終了条件のうち対応時短終了条件の成立具合を判別するための特図2変動回数カウンタ203eaの値を0にリセットし(C257)、C260の処理へ移行する。
C256の処理において、時短中カウンタ203gの値が0ではない場合は(C256:No)、次に、特図2変動回数カウンタ203eaの値が0であるか否かを判別する(C258)。特図2変動回数カウンタ203eaの値が0である場合は(C258:Yes)、時短終了条件(対応時短終了条件)が成立した場合であるため、時短終了条件のうち共通時短終了条件の成立具合を判別するための時短中カウンタ203gの値を0にリセットし(C259)、その後、C260の処理へ移行する。一方、C258の処理において特図2変動回数カウンタ203eaの値が0ではない場合は(C258:No)、そのまま本処理を終了する。
C260の処理では、遊技状態を通常状態に設定し(C260)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(C261)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、時短更新処理(図346のC221)は、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立し得る複数の時短終了条件(共通時短終了条件の一部、及び対応時短終了条件)の成立状況を判別可能に構成し、何れかの時短終了条件が成立した場合に、他の時短終了条件を成立させるためのパラメータの値もリセットするように構成している。これにより、どのパラメータの値に基づいて時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させた後の状態を統一化することができる。
なお、本制御例では、時短終了条件として、どの大当たり種別に基づいて設定された時短状態であっても共通して設定される共通時短終了条件(大当たり当選時に成立する第1終了条件、小当たり遊技終了後に成立する第2終了条件、特図変動回数(特図1と特図2の累計)が99回に到達した場合に成立する第3終了条件)と、大当たり種別に対応して設定される対応時短終了条件(特図2変動回数が所定回数に到達した場合に成立する条件)と、を設定するように構成しているが、時短状態を終了させるための条件はこれに限ること無く、例えば、小当たり当選の回数が所定回数に到達した場合や、特定の小当たり種別が選択された回数が所定回数に到達した場合に成立する小当たり終了条件を設定しても良い。この場合、小当たり終了条件を共通時短終了条件として設定しても良いし、対応時短終了条件として設定しても良い。加えて、特別図柄変動(特図変動)の実行に基づいて時短状態を終了させるか否かを抽選する終了抽選手段を設け、終了抽選手段の抽選結果が時短状態を終了させる抽選結果である場合に、時短状態を終了させるように構成しても良い。
このように構成することで、どのタイミングで時短状態が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができるため、遊技者に対してドキドキ感を持たせながら時短状態の遊技を実行させることができる。また、時短状態中に所定の継続条件(例えば、特別図柄の抽選結果として特定の外れを示す抽選結果となった場合に成立する条件)が成立した場合に、時短終了条件に関する各種パラメータが所定期間更新されないように構成しても良い。さらに、特定の大当たり種別が選択された場合に設定される時短状態のみ、時短状態が設定されてから所定期間が経過するまでは(例えば、特図変動回数が30回に到達するまでは)、時短終了条件に関する各種パラメータが更新されないように構成しても良い。このように構成することで、確実に時短状態が継続する期間を設定することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
また、小当たり遊技が実行されたにも関わらず、V入賞口650aに球が入賞しなかったことを判別可能な判別手段を設け、その判別手段により、V入賞口650aに球が入賞しなかったことが判別された場合に成立する時短強制終了条件を共通時短終了条件として設定するように構成しても良い。このように構成することで、小当たり当選した際に設定される小当たり種別を判別し、その判別結果が遊技者にとって不利となる小当たり種別(例えば、V入賞口650a内の特定領域に球を通過させた場合に遊技者に不利となる大当たり遊技(ラウンド数が少ない大当たり遊技や、終了後に遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定されない大当たり遊技)であると判別した場合に、小当たり遊技中に球を発射させず、次の小当たり当選を目指すといった不正な遊技を行う遊技者に対してペナルティーを課すことができる。
次に、図347を参照して、小当たり開始設定処理5(C223)について説明をする。図347は、小当たり開始設定処理5(C223)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理5(C223)では、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合にV入賞扉650bを開放させるためのソレノイド(V入口ソレノイド)209を開閉動作させるためのシナリオを設定する処理が実行される。
小当たり開始設定処理5(C223)では、まず、小当たりシナリオ5テーブル202eiに基づいて、設定された小当たり種別に対応するシナリオ(当たりシナリオ)を設定する(C291)。次いで、V通過時大当たり種別値に決定された小当たり種別に応じた小当たり種別を設定し(C292)、小当たり種別に対応した小当たりの開始を設定し(C293)、小当たり中フラグ203kをオンに設定し(C294)、本処理を終了する。なお、本処理における小当たりシナリオ(当たりシナリオ)の詳細な更新方法については、上述した第A1実施形態と同一であるためその詳細な説明を省略する。
次に、図348を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理5(C105)について説明する。図348は、本実施形態におけるタイマ割込処理5(図343参照)の中で実行される始動入賞処理5(C105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理5(C105)は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行され、第1入球口(入賞口)64または第2入球口(入賞口)640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理5(図348のC105参照)が実行されると、まず、球が第1入球口(入賞口)64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(C301)。ここでは、第1入球口(入賞口)64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口(入賞口)64に入賞したと判別されると(C301:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(C302)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判別する(C303)。
そして、第1入球口(入賞口)64への入賞がないか(C301:No)、或いは、第1入球口(入賞口)64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(C303:No)、C307の処理へ移行する。一方、第1入球口(入賞口)64への入賞があり(C301:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(C303:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(C304)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(C305)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
C305の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理5(図343参照)のC103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(C306)。尚、C306の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、C307〜C312までの処理では、C301〜C306までの処理に対して、同様の処理が第2入球口(入賞口)640の入賞に対しても実行される。第2入球口(入賞口)640の入賞に対して、第2特別図柄(特図2)に対する保留処理が実行される点で異なるのみで、その他の処理については同一であるので、その詳細な説明は省略する。そして、C307の処理において球が第2入球口(入賞口)640へ入賞していないと判別した場合(C307:No)と、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でない場合(C309:No)と、C312の処理の後、先読み処理5を実行する(C313)。その後、この処理を終了する。
次に、図349を参照して、先読み処理5(C313)について説明する。図349は先読み処理5(C313)を示すフローチャートである。先読み処理5(C313)が実行されると、まず新たな入賞があるか否かを判別する(C321)。新たな入賞がない場合は(C321:No)、そのまま本処理を終了する。一方、新たな入賞がある場合は(C321:Yes)、次いで、その入賞が第1特別図柄(特図1)の入賞であるか否かを判別する(C322)。
C322の処理において、入賞が第1特別図柄(特図1)の入賞であると判別した場合は(C322:Yes)、始動入賞処理5(図348のC105参照)のC306、或いはC312の処理によって取得した各種カウンタ値を用いて、特別図柄1乱数5テーブル202ea1(図334(b)参照)、特図1大当たり種別選択5テーブル202eb1(図335(b)参照)および特図1小当たり種別選択5テーブル202eg1(図337(b)参照)に基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(C323)、C325の処理へ移行する。
一方、C322の処理において、入賞が第2特別図柄(特図2)の入賞であると判別した場合は(C322:No)、特別図柄2乱数5テーブル202ea2(図334(c)参照)、特図2大当たり種別選択5テーブル202eb2(図335(c)参照)および特図2小当たり種別選択5テーブル202eg2(図337(c)参照)に基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(C324)、C325の処理へ移行する。C325の処理では、上述したC323、或いはC324の処理において取得した各抽選結果(大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり判定結果、小当たり種別)を示すための情報を含む入賞情報コマンドを設定する(C325)。そして、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、本第5制御例における先読み処理5(図349のC313参照)では、上述した先読み結果に加え、対応する入賞情報に基づく特図変動が実行される場合に設定される変動パターン(変動時間)も事前に判別可能に構成している。具体的には、始動入賞処理5(図348のC105参照)のC306、或いはC312の処理によって変動種別カウンタCS1の値も取得するように構成し、先読み処理5(図349のC313参照)のC323、或いはC324の処理において、変動パターン5テーブル202ee(図339参照)に基づいて変動パターン(変動時間)を事前に判別し、その判別結果をC325の処理で入賞情報に含ませるように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113側にて、保留記憶されている入賞情報に対応する特図変動がどのタイミングで(何秒後に)実行されるのかを予測することが可能となる。
次に、図350を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理5(C106)について説明する。図350は、この普通図柄変動処理5(C106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理5(C106)は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理5では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(C601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、電動役物640aの開閉制御がなされている最中が含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(C601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(C601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(C602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(C602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(C603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(C604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(C604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(C604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(C605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(C606)。C606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(C607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判別する(C608)。尚、時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203gの値が1以上である場合は(C608:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、C607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数5テーブル202ec(図334(d)参照)に基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(C609)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数5テーブル202ecに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図334(d)参照)。
C608の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(C608:No)、C610の処理へ移行する。C610の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、C607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数5テーブル202ec(図334(d)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(C610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数5テーブル202ecに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図334(d)参照)。
次に、C609またはC610の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(C611)、普通図柄の当たりであると判別した場合には(C611:Yes)、次に、普図当たり種別選択5テーブル202edを用いて普図当たり種別(普図当たりA,普図当たりB)を設定する(C612)。具体的には、第2当たり種別カウンタC6の値と、普図当たり種別選択5テーブル202edに格納されている乱数値と比較する。上述したように、現在の遊技状態が時短状態(普図の高確率状態)の場合は、第2当たり種別カウンタC6の値が「0,1」の範囲にあれば、普図当たりAであると判定し、「2〜99」の範囲にあれば、普図当たりBであると判別する(図336(a)参照)。または、現在の遊技状態が通常状態(普図の低確率状態)の場合は、第2当たり種別カウンタC6の値が「0」の範囲にあれば、普図当たりAであると判定し、「1〜99」の範囲にあれば、普図当たりBであると判別する(図336(a)参照)。
次に、C612の設定結果に基づいた当たり時の表示態様を設定し(C613)、C615の処理へ移行する。このC613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。一方、C611の処理において、普通図柄の当たりでは無いと判別した場合は(C611:No)、今回の普通図柄抽選(普図抽選)が外れの場合であるため、外れ時の表示態様を設定し(C614)、C615の処理へ移行する。
C615の処理では、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(C615)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(C615:Yes)、普図変動パターン選択テーブル202efのうち、時短状態(普図高確)に対応する規定内容を用いて普図変動時間(2秒)を設定し(C617)、その後、本処理を終了する。C615の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(C615:No)、普図変動パターン選択テーブル202efのうち、通常状態(普図低確)に対応する規定内容を用いて普図変動時間(2〜60秒)を設定し(C616)、その後、今回の処理にて設定された各種内容(普通図柄保留球数カウンタ203fの値、普通図柄の抽選結果、普通図柄の変動時間)に対応するコマンドを設定し(C623)、本処理を終了する。
一方、C602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(C602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(C618)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、C616の処理またはC617の処理によって予め設定された時間である。
C618の処理において、変動時間が経過していなければ(C618:No)、C623へ移行し、本処理を終了する。一方、C618の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(C618:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(C619)。C619の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、C613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、C614の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。C619の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図357参照)の第2図柄表示更新処理(C1008参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、C613の処理またはC614の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理5によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(C620)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(C620:Yes)、普図当たり種別と遊技状態に応じて電動役物の開放パターンを設定し(C621)、電動役物の開閉制御処理を設定し(C622)、その後、C623へと移行し、C621の処理によって設定された普図当たり遊技の内容を示すためのコマンドを設定し、本処理を終了する。C621の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図357参照)の電動役物開閉処理(C1006参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、C616の処理またはC617の処理で設定された開放時間が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、C620の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(C620:No)、C621及びC622の処理をスキップして、C623の処理へ移行し、普通図柄の外れ変動停止したことを示すコマンドを設定し、本処理を終了する。
次に、図351を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理5(C107)について説明をする。このスルーゲート通過処理5(C107)は、この普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
具体的には、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(C431)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(C431:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(C432)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(C433)。
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(C431:No)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(C433:No)、C437の処理へ移行する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(C433:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算し(C434)、普図保留球数コマンドを設定する(C435)。そして、上述したタイマ割込処理5のC103で更新した第2当たり乱数カウンタC4、第2当たり種別カウンタC6の値、及び、後述するメイン処理(図357参照)のC1002の処理で更新した第2変動種別カウンタCS2の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(C436)、C437の処理へ移行する。
尚、普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する際には、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
C437の処理では、普図先読み処理を実行し(C437)、その後、本処理を終了する。また、この普図先読み処理の詳細については図352を参照して後述するが、取得した普図保留に対してC436の処理で対応する普通図柄保留球格納エリア203cに格納した各カウンタ値に基づいて、普通図柄変動(普図変動)が実行されるまでに、その普図保留の抽選結果や変動パターンを事前に判別する処理が実行される。
次に、図352を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普図先読み処理(C437)について説明する。図352は、スルーゲート通過処理5(図351参照)の中で実行される普図先読み処理(C437)を示すフローチャートである。
普図先読み処理(C437)では、まず、普通図柄当たり乱数5テーブル202ec(図334(d)参照)と、普図当たり種別選択5テーブル202ed(図336(a)参照)と、普図変動パターン選択テーブルに基づいて抽選結果を取得し(C451)、各抽選結果を示すための入賞情報コマンドを設定し(C452)その後、本処理を終了する。ここで設定された入賞情報コマンド(普図の先読み結果を示す入賞情報コマンド)は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、受信した入賞情報コマンドが特図変動に関する入賞情報コマンドか、普図変動に関する入賞情報コマンドかを判別し、対応する入賞情報格納エリア223a格納する。ここで格納された入賞情報は、実際に、その入賞情報コマンドに対応する図柄変動(特図変動、或いは、普図変動)が実行されるよりも前のタイミングで、その図柄変動の抽選結果を示唆する示唆演出を設定する際に参照する。
次に、図353を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理5(C108)について説明する。図353は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行されるV入口通過処理5(C108)を示すフローチャートである。なお、このV入口通過処理5(C108)は、上述した第A1実施形態のV入口通過処理(図270のS108参照)と同一の処理内容であるため、その詳細な説明を省略する。
V入口通過処理5(C108)では、まず現在が当たり遊技中(小当たり遊技中)であるか否かを判定し(C501)、現在が当たり遊技中(小当たり遊技中)でなければ(C501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、現在が当たり遊技中(小当たり遊技中)であると判定した場合は(C501:Yes)、次に、V入賞口開放期間中、即ち、小当たり遊技中であるか否かを判別する(C502)。C502の処理において、V入賞口開放期間中であると判別した場合は(C502:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(C503)、本処理を終了する。小当たり遊技中ではないと判別した場合は(C502:No)、小当たり遊技で無いにも関わらず、V入賞装置650のV入賞口650aに球が入賞した場合であるので、エラーコマンドを設定し(C504)、本処理を終了する。
C503の処理において設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した遊技球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入賞に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる。
次に、図354を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理5(C109)について説明する。図354は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行されるV通過処理5(C109)を示すフローチャートである。なお、このV通過処理5(C109)は、上述した第A1実施形態のV通過処理(図271のS109参照)と同一技術思想の処理内容であるため、その詳細な説明を省略する。
V通過処理5(C109)が実行されると、まず、V通過ありか、即ち、V入賞口650a内の特定領域(Vゲート(V領域))に球が入賞したかを判別し(C601)、入賞していないと判別した場合は(C601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、入賞したと判別した場合は(C601:Yes)、次いで、現在がV有効期間中であるかを判別する(C602)。C602の処理では、小当たり遊技中に設定される小当たりシナリオの進行状況が特定期間内である場合に、V有効期間中であると判別し、それ以外の場合に、V有効期間中では無いと判別する。
C602の処理において、V有効期間中であると判別した場合は(C602:Yes)、次に、現在が小当たり遊技中であるかを判別し(C603)、小当たり遊技中であれば(C603:Yes)、今回の小当たり遊技の小当たり種別に対応するV通過時大当たり種別値を取得し(C604)、大当たり種別に対応したVフラグをオンに設定し(C605)、時短中カウンタ203gを0に設定し(C606)、特図2変動回数カウンタ203eaを0に設定し(C607)、C608の処理へ移行する。
つまり、C604〜C607の処理では、小当たり遊技中に遊技球がV入賞口650aへ入賞したことに基づいて、大当たり遊技を実行するための処理が実行される。一方、C603の処理において、小当たり遊技中では無いと判別した場合は(C603:No)、新たに大当たり遊技を実行するための処理を行う必要が無いため、C604〜C607の処理をスキップして、C608の処理へ移行する。
C608の処理では、V通過コマンドを設定し(C608)、本処理を終了する。ここで設定されるV通過コマンドは、主制御装置110の制御処理で設定される他のコマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113がV通過コマンドを受信した場合、例えば、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、小当たり遊技中に実行されるVチャレンジに成功し、小当たり遊技に続いて、大当たり遊技が実行されることを示すための演出を実行する。また、大当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合と同様の演出を実行する。一方で、小当たり遊技中の所定タイミングでV通過コマンドを受信しなかった場合は、小当たり遊技中に球が特定領域を通過しなかったことを示す残念演出を実行する。
なお、本実施形態では、V入賞口650a内の特定領域を球が入賞(通過)したことを示すためのコマンド(V通過コマンド)のみを設定する構成を示したが、V入賞口650aに遊技球が入賞しなかったことを示すためのコマンド(例えば、V非通過コマンド)を設定するように構成しても良い。これにより、音声ランプ制御装置113にて適切な演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。また、上述した構成を用いることで、V入賞装置650内で遊技球が詰まったことを迅速に判別することができる。
一方、C602の処理において、現在がV有効期間中では無いと判別した場合は(C602:No)、エラーコマンドを設定し(C609)、本処理を終了する。C609の処理を行うことで、V有効期間外に遊技球がV入賞口650aに入賞した状態、即ち、不正に遊技球をV入賞口650aに入賞させる遊技が行われた場合、或いは、V入賞口650a内の球流路の不具合(玉詰まり等)が発生している場合を迅速に外部に報知することができる。
次に、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について図355を参照して説明をする。図355は、NMI割込処理の内容を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される(C801)。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について図356を参照して説明する。図356は、立ち上げ処理の内容を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(C901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(C902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(C903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(C904)、オンされていれば(C904:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(C912)。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(C904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(C905)、記憶されていなければ(C905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(C912)。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(C905:Yes)、RAM判定値を算出し(C906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(C907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(C912)。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし(C913)、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理を実行し、(C914)。その後、C910の処理へ移行する。RAMの初期化処理では、RAM203の使用領域を0クリア、その後、RAM203の初期値を設定する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず、電源断の発生情報が記憶されており、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(C907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(C908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信する(C909)。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
そして、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(C910)、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(C911)。次いで、割込みを許可して後述するメイン処理に移行する。
次に、図357を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図357は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてC1001〜C1008の各処理が実行され、その残余時間でC1011,C1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図357参照)においては、まず、タイマ割込処理5(図343参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(C1001)。具体的には、タイマ割込処理5(図343参照)におけるC101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理5(図344参照)や始動入賞処理5(図348参照)やV入口通過処理5(図353参照)やV通過処理5(図354参照)で設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理5(図358参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドや後述する小当たり制御処理5(図359参照)で設定される各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1、及び第2変動種別カウンタCS2の値を更新する(C1002)。具体的には、各種変動種別カウンタ(変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2)を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、各種変動種別カウンタの更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。なお、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、変動種別カウンタCS1の値は特別図柄変動(特図変動)の変動パターンを参照する際に用いられ、第2変動種別カウンタCS2の値は普通図柄変動(普図変動)の変動パターンを参照する際に用いられる。そして、特図変動と普図変動とは別個独立した契機の成立によって実行されるように構成している。これにより、変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2の値を更新するタイミングや更新する内容を同期させたとしても、実際に各図柄変動を実行する際に用いられるカウンタ値が同期することは無い。よって、遊技に影響を与えること無く主制御装置110における処理内容を簡素化することができる。
なお、これに限らず、各種変動種別カウンタの値を更新する処理が同期しないように構成しても良く、例えば、メイン処理が実行される所定回数実行される毎に一方の変動種別カウンタの値のみを更新し、上述した所定回数とは異なる特定回数実行される毎に他方の変動種別カウンタの値のみを更新するように構成しても良い。このように各種変動種別カウンタの更新内容を異ならせることにより、一方の変動種別カウンタの取得値に基づいて、他方の変動種別カウンタの値が判別されてしまうことを抑制することができる。
また、本第5制御例では、特図変動の変動パターンを選択する際に参照する変動種別カウンタCS1と、普図変動の変動パターンを選択する際に参照する第2変動種別カウンタCS2と、を別に設け、それぞれのカウンタ値を定期的に更新するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、特図変動、及び普図変動の変動パターンを選択するように構成しても良い。
変動種別カウンタCS1、及び第2変動種別カウンタCS2の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(C1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理5を実行する(C1004)。大当たり制御処理5では、大当たり状態のラウンド毎に入賞扉65bを開放動作させることで特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判別する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理5(C1004)をメイン処理(図357参照)において実行しているが、タイマ割込処理5(図343参照)において実行しても良い。また、この大当たり制御処理5の詳細については図358を参照して後述する。
次に、小当たり制御処理5(C1005)を実行する。この小当たり制御処理5(C1005)については、図359を参照して詳細な説明を後述する。その後、第2入球口(入賞口)640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(C1006)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理5(図350参照)のC622の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理5におけるC616の処理またはC617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37a,37bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(C1007)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理5(図345参照)のC236の処理、C240の処理またはC242の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37a,37bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理5(図345参照)のC236の処理、C240の処理またはC242の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理5(図345参照)のC235,C239,C241の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37a,37bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(C1008)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理5(図350参照)のC616の処理またはC617の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理5(図350参照)のC619の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理5(図350参照)のC613の処理またはC619の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(C1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(C1009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(C1010)、既に所定時間が経過していれば(C1010:Yes)、処理をC1001へ移行し、上述したC1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(C1010:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(C1011,C1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(C1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1、及び第2変動種別カウンタCS2の更新を、C1002の処理と同一の方法によって実行する(C1012)。
ここで、C1001〜C1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に各種変動種別カウンタについてもランダムに更新することができる。
なお、本第5制御例のように変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2とを更新する構成において、各種変動種別カウンタの更新タイミングを異ならせるためには、例えば、メイン処理のC1002の処理では何れの変動種別カウンタも更新処理を実行し、C1012の処理では一方の変動種別カウンタ(例えば、変動種別カウンタCS1)のみを更新するように構成すれば良い。
また、C1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(C1009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理が実行されたということなので、C1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(C1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(C1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(C1015)、RAM203のアクセスを禁止して(C1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、C1009の処理は、C1001〜C1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるC1011とC1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をC1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をC1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、C1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図358のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理5(C1004)を説明する。図358は、この大当たり制御処理5(C1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理5(C1004)は、メイン処理(図357参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。なお、本第5制御例のパチンコ機10にて実行される大当たり制御処理5(C1004)では、上述した第A1実施形態における大当たり制御処理(図275参照)と同一の制御処理が実行される箇所がある。よって、上述した大当たり制御処理(図275参照)にて説明をした内容、及び、変形例、追加例について詳細な説明を省略するが、上述した各制御例或いは各実施形態において説明をした内容についても当然適用されるものである。
大当たり制御処理5(C1004)では、まず、大当たり開始フラグ203hがオンであるかを判別する(C1201)。大当たり開始フラグ203hがオンであると判別した場合は(C1201:Yes)、オープニングコマンドを設定し(C1202)、大当たり中フラグ203iをオンに設定し、大当たり開始フラグ203hをオフに設定し(C1203)、その後、本処理を終了する。
一方、C1201の処理において、大当たり開始フラグ203hがオフであると判別した場合は(C1201:No)、次いで、大当たり中フラグ203iがオンであるか否かを判別する(C1204)。
C1204の処理において、大当たり中フラグ203iがオフであると判別した場合は(C1204:No)、そのまま本処理を終了する。大当たり中フラグ203iがオンであると判別した場合は(C1204:Yes)、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(C1215)。C1205の処理において現在が新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(C1205:Yes)、ラウンド数に対応する特定入賞口が開放されるよう設定し(C1206)(特定入賞口65aの開閉扉65bが開状態となるよう特定入賞口ソレノイドをオンに設定し)、次いで、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(C1207)、その後、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、複数回の大当たり遊技が所定の連続条件を満たした状態で実行された場合に、複数回の大当たり遊技中に実行されるラウンド数を累積した累積ラウンド数を第3図柄表示装置81の表示画面に表示するように構成している。そしてこの累積ラウンド数は、音声ランプ制御装置113側で大当たり遊技が開始されたことを(大当たりに当選したこと)を示すコマンドを受信した場合に、連続条件が成立しているかを判別し、連続条件が成立していると判別した場合には、受信したラウンド数コマンドを累積する累積ラウンド数カウンタの値をクリアせずに新たに受信したラウンド数コマンドに基づいて累積ラウンド数カウンタの値を更新し、その更新結果を示す表示態様で累積ラウンド数を表示するように構成している。
このように構成することにより、遊技者に対して連続して実行された大当たり遊技が1回の大当たり遊技であると思わせることができるため、遊技者に対して1回の大当たり遊技で設定されるラウンド数の最大値を多く見せることができる。よって、1回の大当たり遊技によって提供される特典(賞球数)の大きさに期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113側で連続条件の成立の有無判別処理と、ラウンド数の累積処理と、を実行するように構成しているが、これに限ること無く、累積ラウンド数表示を実行するための処理の一部を主制御装置110側で実行するように構成しても良く、例えば、累積ラウンド数表示を実行するための連続条件として、大当たり遊技終了後に実行される特図変動の回数が所定回数(例えば、特図2変動5回)以内に大当たり遊技が実行される場合に成立する連続条件を設定し、主制御装置110側に大当たり遊技の累積ラウンド数を計測する累積ラウンド数カウンタを設け、累積ラウンド数カウンタの値を示すコマンドをラウンド数コマンドとして設定する。そして、大当たり遊技終了後に特図2変動が5回実行された場合に累積ラウンド数カウンタの値をクリアするように構成する。
このように構成することで、大当たり遊技が実行された場合に連続条件が成立している場合は、累積ラウンド数カウンタの値として、前回の大当たり遊技のラウンド数を累積した値が設定されるため、音声ランプ制御装置113はラウンド数コマンドを受信した場合に、そのコマンドが含むラウンド数(累積ラウンド数)情報に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示させるラウンド数表示態様を設定するだけで、累積ラウンド数を遊技者に報知することができる。
なお、複数回の大当たり遊技にて実行されるラウンド数を累積表示させるための連続条件として、他の条件を設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後も所定期間(例えば、特図2変動が実行されるまでの期間、大当たり遊技が終了してから10秒が経過するまでの期間)継続して表示される大当たり遊技終了画面が表示されている期間中に大当たり遊技が実行される場合(例えば、特図1抽選の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合)に成立する条件や、遊技状態として特定遊技状態(例えば、時短状態)が設定されている期間中に大当たり遊技が実行された場合に成立する条件を設定するように構成しても良い。加えて、第3図柄表示装置81の表示画面に、上述した累積ラウンド数カウンタの値(累積ラウンド数)と、今回の大当たり遊技のラウンド数(単独ラウンド数)と、の両方を表示するように構成しても良い。
C1205の処理において、現在が新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(C1205:No)、次いで、特定入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判別する(C1208)。特定入賞口の閉鎖条件が成立していると判別した場合は(C1208:Yes)、特定入賞口を閉鎖し(特定入賞口65aの開閉扉65bが閉状態となるよう特定入賞口ソレノイド65f2をオフに設定し)(C1209)、その後、本処理を終了する。C1208の処理において、特定入賞口の閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(C1208:No)、次いで、現在がエンディング演出の開始タイミングであるか否かを判別する(C1210)。現在がエンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(C1210:Yes)、エンディングコマンドを設定し(C1211)、その後、本処理を終了する。
なお、C1208の処理で閉鎖条件が成立していると判別した場合は、その閉鎖条件はクリアされ、次回以降の大当たり制御処理において再度閉鎖条件が成立していると判別されないよう構成されている。
一方、C1210の処理において、現在がエンディング演出の開始タイミングではないと判別した場合は(C1210:No)、現在がエンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別する(C1212)。現在がエンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(C1212:Yes)、大当たり種別に対応する時短終了条件を、時短中カウンタ203g及び特図2変動回数カウンタ203eaに設定し(C1213)、大当たり後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(C1214)、大当たりの終了を設定し(C1215)、その後、本処理を終了する。
ここで、C1213の処理にて各カウンタの値に設定される値は、実行中の大当たり遊技に対応する大当たり種別に応じて異ならせており(図335、図337参照)、大当たり種別AA、大当たり種別AD〜AFが設定されている場合には、時短中カウンタ203gに「99」が設定され、特図2変動回数カウンタ203eaには未設定であることを示す「−」が設定される。これにより、大当たり種別AAに基づく大当たり遊技の終了後には、時短終了条件として、特図2変動回数に基づいて成立する対応時短終了条件が設定されず、共通時短終了条件(大当たり当選、小当たり遊技の終了、特図変動回数が99回に到達)のみが設定されることになる。
大当たり種別として大当たりABが設定されている場合は、時短中カウンタ203gに「99」、特図2変動回数カウンタ203eaに「5」が設定され、大当たりACが設定されている場合は、時短中カウンタ203gに「99」、特図2変動回数カウンタ203eaに「1」が設定される。
また、小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行される場合は、設定される小当たり種別に対応する大当たり種別の値が参照されるように構成しており、図337に示した通り、小当たり種別AA、AEが設定された小当たり当選に基づいた大当たり遊技の終了時には、時短中カウンタ203gに「99」、特図2変動回数カウンタ203eaに「5」が設定され、小当たり種別AB、ADが設定された小当たり当選に基づいた大当たり遊技の終了時には、時短中カウンタ203gに「99」、特図2変動回数カウンタ203eaには未設定であることを示す「−」が設定される。一方で、小当たり種別ACが設定された小当たり当選に基づいた大当たり遊技の終了時には、時短中カウンタ203gに「0」、特図2変動回数カウンタ203eaに「0」が設定される。
一方、C1212の処理において、現在がエンディング演出の終了タイミングではないと判別した場合は(C1212:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図359のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理5(C1005)を説明する。図359は、この小当たり制御処理5(C1005)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理5(C1005)は、メイン処理(図357参照)の中で実行され、小当たりに応じた各種演出を音声ランプ制御装置113にて実行させるためのコマンドの設定や、V入賞口650aに付随するV入賞扉600bを開閉するためのV入賞ソレノイドの動作を制御する処理である。
小当たり制御処理5(C1005)では、まず、小当たり遊技の開始タイミングであるかを判別する(C1301)。C1301の処理では、小当たり開始設定処理5(図347のC223参照)のC291の処理にて設定された小当たりシナリオが、小当たり遊技開始を示す内容であるかが判別される。小当たり遊技の開始タイミングであると判別した場合は(C1301:Yes)、小当たり用オープニングコマンドを設定し(C1302)、小当たり中フラグ203kをオンに設定し(C1303)、小当たり用の動作シナリオの開始を設定し(C1304)、その後、本処理を終了する。
一方、C1301の処理において、小当たり遊技の開始タイミングでは無いと判別した場合は(C1301:No)、次いで、小当たり中フラグ203kがオンであるか否かを判別する(C1305)。小当たり中フラグ203kがオフであると判別した場合は(C1305:No)、現在が小当たり遊技中では無い場合であるため、そのまま本処理を終了する。C1305の処理において小当たり中フラグ203kがオンであると判別した場合は(C1305:Yes)、次いで、小当たり遊技の終了タイミングであるか否かを判別する(C1306)。小当たり遊技の終了タイミングではないと判別した場合は(C1306)、そのまま本処理を終了する。
一方、C1306の処理において、小当たり遊技の終了タイミングであると判別した場合は(C1306:Yes)、小当たり中フラグ203kをオフに設定し(C1307)、時短中カウンタ203gの値を0にリセットし(C1308)、Vフラグ203nがオンに設定されているかを判別する(C1309)。上述した通り、本第5制御例では、小当たり遊技中に球が特定領域を通過したか否かに関わらず、小当たり遊技の終了後に時短中カウンタ203gの値として「0」が設定されるように構成している。
このC1308の処理によって時短終了条件(共通時短終了条件)の一条件が設定される。つまり、時短状態中において小当たり遊技が実行された場合には、その小当たり遊技の終了と共に時短状態も終了するため、例えば、時短状態中において、実行中の小当たり遊技が遊技者に不利な小当たり種別(例えば、遊技者に不利な大当たり遊技が実行され得る小当たり種別)であると判別した場合に、実行中の小当たり遊技に基づく大当たり遊技が実行されないように、小当たり遊技中に球を発射しない(特定領域に球を通過させない)遊技が行われてしまうことを抑制することができる。
なお、本第5制御例では、小当たり遊技が終了した場合に必ず時短中カウンタ203gの値を「0」に設定(リセット)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特定の小当たり種別に基づく小当たり遊技が実行された場合に、その小当たり遊技終了後に時短中カウンタ203gの値を「0」に設定(リセット)するように構成しても良い。
C1309の処理において、Vフラグ203nがオフであると判別した場合は(C1309:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Vフラグ203nがオンであると判別した場合は(C1309:Yes)、次いで、大当たり種別格納エリアのデータに対応する大当たりの開始を設定し(C1310)、Vフラグ203nをオフに設定して(C1311)、その後、本処理を終了する。
なお、本制御例では小当たり遊技をすべて1ラウンドの遊技として設定しているため、大当たり遊技の動作制御を実行する大当たりシナリオと異なり、ラウンド数に関するコマンドを設定する処理、及び、インターバル期間(ラウンド間インターバル期間)に対応したシナリオを有していないが、複数ラウンドを有する小当たり遊技を設ける場合には、上述した大当たり遊技にて用いた大当たりシナリオと同様なシナリオを設定すればよい。
また、本制御例では小当たり遊技が実行される期間を対象に小当たりシナリオが設定されるよう構成しているが、例えば、小当たり遊技終了後、所定期間(例えば1秒)が経過するまでの間を対象に小当たりシナリオを設定してもよい。このように構成することにより、例えば、小当たり遊技終了後1秒経過するまでをV通過有効期間と設定することが可能となる。よって、異なる遊技状態を跨って設定される期間を1つのシナリオによって設定することが可能となり、制御処理の容量を削減することができるという効果がある。
なお、本制御例では、小当たり遊技においてV入賞口650aにより遊技球が検出された場合には、その小当たりに対応して予め設定された大当たり種別に対応する大当たり遊技が実行されるように構成したが、それに限らず、V入賞口650aにより遊技球が検出されたことに基づいて第1当たり種別カウンタC2の値を取得して大当たり種別を決定するように構成してもよい。
<第5制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図360から図375を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。なお、本第5制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理のうち、上述した各制御例、或いは、各実施形態と同一の処理を実行する箇所については、その詳細な説明や図示を省略する。
本第5制御例では、図317に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面にて、特別図柄変動(特図変動)に応じた特図変動演出と、普通図柄変動(普図変動)に応じた普図変動演出と、を実行可能に構成している。
そして、普図変動演出は、普図変動期間、普図当たり遊技期間、特図2変動期間、小当たり遊技期間を跨いで一連の演出が実行される一連演出として実行されるように構成している。このように構成することで、普図抽選によって特定の普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選した場合の遊技、即ち、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞させ、その入賞に基づいて実行される特図2抽選によって小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球がV入賞口650a内の特定領域を通過することにより大当たり遊技が実行される遊技の流れを一連演出の演出態様によって遊技者に分かり易く報知することができる。
また、上述した一連演出は、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点における遊技状況(特図1変動の有無)に応じて実行期間が大きく異なるため、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点における遊技状況(特図1変動の有無)に応じて、異なる演出態様を設定するように構成している。つまり、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点において、特図1変動が実行されている場合は、実行中の特図1変動が終了した後に特図2変動が実行されるため、その特図1変動の残変動期間(待機期間)の長さに応じた演出態様が設定される。具体的には、待機期間が所定期間未満である場合は、通常一連演出に対応する演出態様が設定され、待機期間が所定期間以上である場合は、一連演出を疑似的に終了させ、実行中の特図1変動の残変動期間(待機期間)が特定期間に到達した場合に、再度疑似的に一連演出を実行させる連続一連演出が設定される。このように、一連演出の演出態様を、待機期間の長さに応じて可変設定可能に構成することにより、遊技者に対して違和感を与えることの無い一連演出を提供することができるため、一連演出の実行期間が無駄に長くなり、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
一方、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点において、特図1変動が実行されていない場合は、球が第2入賞口640に入賞した直後に特図2変動が実行されるため、通常一連演出よりも短い短縮一連演出が設定される。
即ち、本第5制御例は、遊技状態として通常状態が設定されている場合には左打ち遊技によって特図1抽選を実行させる遊技が行わせるように構成しており、上述した一連演出は、通常状態中に実行される普図抽選(スルーゲート67を球が通過したことに基づいて実行される抽選)の抽選結果が特定の抽選結果(普図ロング開放当たり)である場合に実行されるように構成しているため、一連演出が実行されている間は、特図1変動が実行されている可能性が高い状態となる。よって、通常の一連演出は、普図変動期間、普図当たり遊技期間、待機期間(実行中の特図1変動の終了まで待機する期間)、特図2変動期間、小当たり遊技期間と、を跨がって実行され、各期間を移行する段階に応じて演出内容を可変させるように構成している。
ここで、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点で特図1変動が実行されていない場合は、上述した一連演出が実行される各期間のうち、待機期間が発生しないことから、普図当たり遊技期間の経過後、特図2変動期間が設定されることになる。このような状態が発生し得える中で、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点における遊技状況(特図1変動の有無)に関わらず同一の演出態様を設定してしまうと、不要な演出(例えば、待機期間が設定されないにも関わらず、待機期間中であることを示す演出)が実行されてしまい、演出効果の低下を招いてしまう虞があった。
これに対して、本第5制御例では、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点で特図1変動が実行されていない場合は、上述した待機期間中の演出をスキップさせた一連演出が実行されるように構成している。また、待機期間の演出をスキップしたとしても演出効果が低下することが無いように普図当たり遊技期間から特図2変動期間へとスキップした場合に、遊技者に違和感を与えることの無い演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、普図抽選の抽選結果に基づいて実行される普図変動演出(一連演出)を分かり易く報知することができる。
さらに、本第5制御例では、図318に示した通り、時短状態中の特図2抽選の抽選結果を示す変動演出として、当該特図2抽選の抽選結果のみを示唆報知する第1示唆演出と、当該特図2抽選の抽選結果に加え、特図2保留に含まれる入賞情報に対応する特図2抽選の抽選結果を事前に判別する事前判別の判別結果も含めて示唆報知する第2示唆演出と、を実行可能に構成している。
具体的には、時短状態中において、今回実行される特図変動(特図2変動)が時短状態中の最終変動であるかを判別し、その判別結果が最終変動(時短最終変動)では無いと判別した場合は、その特図2変動に対応する変動演出として上述した第1示唆演出(図327(a)参照)を実行し、時短最終変動であると判別した場合は、その特図2変動に対応する変動演出として上述した第2示唆演出(図327(b)〜図329(a)参照)が実行される。
このように構成することで、時短最終変動に対応する変動演出では、時短状態中に実行される特図2抽選と、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2抽選と、の抽選結果(事前判別結果)に基づいた第2示唆演出が実行されるため、遊技者に対して時短状態終了後に実行される特図2抽選の抽選結果を、あたかも時短状態中に実行される特図2抽選の抽選結果を思わせることができるため、時短状態中における当たり確率(大当たり確率、小当たり確率)を実際の設定値よりも高く思わせることができる。
また、時短状態中に実行される専用演出(例えば、図328(b)に示したミッション演出)にて当たり当選を示す演出態様(図329(a)に示した成功演出態様)が設定され易くなるため、専用演出の演出効果を高めることができる。
さらに、本第5制御例では、時短状態が終了した後に実行される特図2変動(時短状態終了時に保留記憶されていた特図2保留に対応する特図2変動)の変動時間(通常状態中に実行される特図2変動の変動時間)として短い変動時間(0.5秒)が設定されるように構成しており、当該特図2変動の変動期間中は、時短最終変動に対応して実行される第2示唆演出の演出結果が表示されるように構成している。このように構成することで、第2示唆演出として特図2保留内に当たり(小当たり)当選を示す入賞情報が含まれていることに基づいて成功演出を実行した場合に、小当たり当選する特図2変動が停止表示するまでの間、遊技者に違和感を与えること無く第2示唆演出を継続して実行することができる。
加えて、本第5制御例では、時短最終変動に対応して実行される変動演出の演出期間を複数の演出期間に区分けし、各演出期間を異なる目的で用いるように構成している。具体的には、時短最終変動が実行されてから所定期間(例えば、10秒)が経過するまでの第1期間中は、当該変動が終了するまでに多くの特図2保留を遊技者に獲得させるための演出(保留獲得演出)を実行し、第1期間よりも後に設定される第2期間中は、上述した第2示唆演出を実行するように構成している。
そして、時短最終変動の第2期間中に実行される第2示唆演出の演出態様は、第2期間が設定されるよりも前の特定タイミング(例えば、第1期間の終了タイミング)における特図2保留の数、及び事前判別結果に基づいて設定されるように構成している。
このように構成することで、例え時短状態が終了した場合(時短最終変動の抽選結果が外れの場合)であっても、通常状態中に特図2抽選を最大回数(4回)実行させることができるため、遊技者に不利な遊技が実行されることを抑制することができる。
上述した通り、本第5制御例では、時短最終変動において、保留獲得演出と第2示唆演出とを実行するように構成している。これは、時短最終変動よりも前に実行される特図2変動中に保留獲得演出を実行し、保留獲得演出が実行されている最中に特図2保留を上限数(4個)獲得したとしても、時短最終変動として特図2変動が実行される場合に、特図2保留が減算されてしまうため、遊技者に通常状態中に特図2抽選を最大回数(4回)実行させることが出来ないという問題を解決するためである。
なお、本第5制御例では、時短最終変動において実行される第2示唆演出として、演出の対象となる複数の特図2抽選(時短最終変動の特図2抽選、特図2保留に対応する特図2抽選)の抽選結果に当たり当選が含まれているか否かを遊技者に示唆するための演出態様が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、演出の対象となる複数の特図2抽選の中に含まれる当たり当選となる抽選結果の数を遊技者に示唆報知する演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、例えば、第2示唆演出の演出態様として、演出の対象となる複数の特図2抽選の中に当たり当選が少なくとも1つは含まれていることを、通常の第2示唆演出の演出態様よりも早く遊技者に報知可能な特殊演出態様を設定し、その特殊演出態様の中で当たり当選個数を遊技者に示唆報知する当たり個数示唆演出を実行するように構成しても良い。このように、当たり当選が含まれていることを遊技者にいち早く報知することで遊技者に対して安心感を与えながら、当たり当選が幾つ含まれているのかを示唆する演出を楽しませることができる。
まず、図360を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)について説明する。図360は、このコマンド判定処理5(C3113)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理5(C3113)は、第1制御例におけるコマンド判定処理(図140参照)に替えて実行される処理であり、メイン処理(図139参照)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
コマンド判定処理5では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(C3201)。そして、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(C3201:Yes)、入賞情報コマンド処理5を実行し(C3202)、本処理を終了する。
ここで、入賞情報コマンド処理5(C3202)について図361を参照して説明をする。図361は入賞情報コマンド処理5(C3202)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報コマンド処理5(C3202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)の中で主制御装置110より入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理であって、受信した入賞情報コマンドに含まれる情報をRAM223に設けられた入賞情報格納エリア223aのうち対応する領域(入賞情報コマンドに対応する保留記憶エリア)に格納するための処理を実行する。
入賞情報コマンドに含まれる情報としては、当否判定結果に関する情報、停止種別に関する情報、変動パターンに関する情報、今回の入賞情報が対応する図柄種別(特図1、特図2、普図)といった、今回の入賞球を対象とした情報となるが、それ以外の情報を含めても良く、例えば、既に入賞済みの球(過去に入賞情報コマンドを受信した)に関する入賞情報を含めてもよい。また、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、主制御装置110が普通図柄の先読み結果を示すための入賞情報コマンドを設定するように構成しているため(図352参照)、入賞情報格納エリア223aには、特別図柄の入賞情報を格納するエリアに加え、普通図柄の入賞情報を格納エリアも形成されている。
入賞情報コマンド処理5(C3202)が実行されると、まず、受信した入賞情報コマンドの情報(先読み情報)を対応する入賞情報格納エリア223aに格納し(C3401)、入賞状況判別処理(C3402)を実行する。入賞情報格納エリア223aは、上述したように、第1特別図柄(特図1)の入賞情報コマンドを最大で4個、第2特別図柄(特図2)の入賞情報コマンドを最大で4個、普通図柄の入賞コマンドを最大で4個、合計で12個の入賞情報コマンドを格納可能に構成されており、入賞情報コマンドを受信した順番に応じて指定の記憶領域に入賞情報コマンドが格納される。
ここで、入賞状況判別処理(C3402)について図362を参照して説明をする。図362は入賞状況判別処理(C3402)の内容を示したフローチャートである。この入賞状況判別処理(C3402)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞情報コマンド処理5(C3202)の中で実行される処理であって、普通図柄(普図)の入賞情報コマンドを受信した時点における遊技状態を判別し、その判別結果に基づいて異なる演出態様を設定するための処理と、通常状態において、適正な遊技(左打ち遊技)が行われていることを判別するための処理が実行される。
入賞状況判別処理(C3402)では、まず、普図入賞の有無(今回受信した入賞情報コマンドが普図に対応するコマンドであるか)を判別する(C3451)。普図入賞では無いと判別した場合は(C3451:No)、後述するC3458の処理へ移行する。普図入賞であると判別した場合は(C3451:Yes)、次に、RAM223に設けられた状態格納エリア223eaから現在の遊技状態を読み出し(C3452)、その遊技状態が通常状態であるかを判別する(C3453)。遊技状態が通常状態ではないと判別した場合(C3453:No)、即ち、時短状態であると判別した場合は、そのまま本処理を終了し、入賞情報コマンド処理5へ戻る。
一方、C3453の処理において、遊技状態が通常状態であると判別した場合は(C3453:Yes)、次に、現在が第1特別図柄(特図1)の変動中であるかを判別する(C3454)。ここでは、特図1変動に対応する特図変動時間カウンタ223egの値が0よりも大きいかを判別することにより現在が特図1変動中であるか判別する。現在が特図1の変動中ではないと判別した場合は(C3454:No)、通常状態中に特図1変動が実行されていない状態で普図変動が実行された状態であるため、RAM223に設けられた非変動時入賞フラグ223efをオンに設定し(C3455)、C3458の処理へ移行する。
C3455の処理において非変動時入賞フラグ223efをオンに設定することにより、通常状態中で、且つ、特図1非変動中に普図の入賞情報コマンドを受信したことを記憶することができ、今回の普図の入賞情報コマンドに対応する普図変動パターンコマンドを受信した場合に、非変動時入賞フラグ223efの設定状況を判別することで、普図入賞(スルーゲート67通過)時における特図1変動状況に応じて異なる変動演出態様を設定することが可能となる。
なお、本第5制御例では、図360を参照して上述した通り、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理5(C3113)において変動パターンコマンドを受信した場合に実行する処理(図360のC3203,C3204)よりも優先して入賞情報コマンドを受信した場合に実行する処理(図360のC3201,C3202)を実行するように構成している。
ここで、主制御装置110のメイン処理(図357参照)の外部出力処理(図357のC1001)にて、普図入賞に対する入賞情報コマンドと、各図柄(特別図柄、普通図柄)に対する変動パターンコマンドと、が同一の処理で出力されたとしても、具体的には、普図変動が実行されていない状態で、普図入賞が発生した場合には、主制御装置110のタイマ割込処理(図343参照)のC105の処理にて入賞情報コマンドを設定し、その次(2ミリ秒後)に実行されるタイマ割込処理(図343参照)のC104の処理にて変動パターンコマンドが設定される。そして、4ミリ秒毎に実行される主制御装置110のメイン処理(図357参照)のC1001の処理(外部出力処理)にて、音声ランプ制御装置113へと出力可能なコマンドが出力されることから、タイマ割込処理の実行タイミングと、メイン処理の実行タイミングとによっては、普図入賞に対する入賞情報コマンドと、変動パターンコマンドと、が同一の処理で音声ランプ制御装置113へと出力される場合がある。
このような場合において、本第5制御例では、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図360のC3113参照)において、入賞情報コマンド処理5(図361のC3202)、変動パターンコマンド処理5(図363のC3204)の順で処理が実行されるため、主制御装置110から入賞情報コマンドと変動パターンコマンドとが同時に出力されたとしても、普図変動の変動パターンを設定する際に、非変動時入賞フラグ223efの設定状況を取りこぼすこと無く判別に用いることができる。
C3454の処理において、現在が特図1の変動中であると判別した場合は(C3454:Yes)、次に、特図1の変動時間が30秒以上であるか否かを判別する(C3456)。特図1の変動時間が30秒以上ではないと判別した場合は(C3456:No)、その後、C3458の処理へ移行する。
C3456の処理において、特図1の変動時間が30秒以上であると判別した場合は(C3456:Yes)、入賞情報に対応する先読み演出を示す表示用コマンドを設定し(C3457)、その後、C3458の処理へ移行する。
C3458の処理に移行すると、今回受信した入賞情報コマンドが第1特別図柄(特図1)に対応する入賞情報コマンドであるかを判別し(C3458)、特図1の入賞情報コマンドであると判別した場合は(C3458:Yes)、次に、非変動時入賞フラグ223efがオンに設定されているかを判別し(C3459)、オンに設定されていると判別した場合は(C3459:Yes)、非変動時入賞フラグ223efをオフに設定し(C3460)、本処理を終了する。
一方、C3458の処理において、今回受信した入賞情報コマンドが特図1の入賞情報コマンドでは無いと判別した場合は(C3458:No)、左打ち遊技を行っていることを示す情報を受信したかを判別する(C3461)。C3461の処理では、例えば、遊技盤13の左側遊技領域に設けられた各入賞口(一般入賞口63)への球の入賞を示す入賞情報を受信したかが判別される。
C3461の処理において、左打ち遊技を検知したと判別した場合は(C3461:Yes)、上述したC3459の処理へ移行し、左打ち遊技を検知していないと判別した場合は(C3461:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例は、普図入賞(スルーゲート67を球が通過)した時点で特図1変動が実行されているかを判別し、特図1変動が実行されていないと判別した場合には、その旨を示すための非変動時入賞フラグ223efをオンに設定するように構成している。また、非変動時入賞フラグ223efがオンに設定されている状態で特図1入賞、或いは、左打ち遊技を行っていることを示す情報を受信した場合に非変動時入賞フラグ223efをオフに設定するように構成している。
そして、詳細は後述するが、非変動時入賞フラグ223efがオンに設定されている状態で普図ロング変動が実行される場合には、その普図ロング変動に対応する変動演出(一連演出)を実行しないように構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態で、左打ち遊技を行うこと無く普図変動を実行させている遊技状況(右打ち遊技によって、右側遊技領域に設けられたスルーゲート67に球を通過させる遊技状況)を判別し、その場合には普図ロング変動に対応する変動演出(普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出)を実行させないようにすることができる。
また、本第5制御例では、適正に左打ち遊技を実行している場合であっても、第1入賞口64への球の入賞具合によっては、普図入賞が発生したタイミングで特図1変動が実行されていない場合があるため、普図入賞時にオンに設定した非変動時入賞フラグ223efを、左打ち遊技によってオフに設定可能に構成している。これにより、例えば、普図入賞してから普図変動が開始されるまでの所定期間内に左打ち遊技が実行されることで、普図ロング変動に対応する変動演出(普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出)を正常に実行させることが可能となる。よって、適正な遊技を行っている遊技者に対して不利となる演出態様が設定されることを抑制することができる。
なお、適正な遊技(通常状態中における左打ち遊技)が行われていることを判別可能な構成であれば、上述した第5制御例の構成に限ること無く、例えば、操作ハンドル51の回転操作量、或いは、回転操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器の抵抗値(発射強度)に基づいて左打ち遊技が実行されているかを判別可能に構成しても良いし、遊技盤13の左側遊技領域の一部(左側遊技領域を流下する球の殆どが通過する上流域)に球の通過を検知する検知手段を設け、その検知手段に検知結果に基づいて左打ち遊技が実行されているかを判別可能に構成しても良い。
また、上述した第5制御例では、左打ち遊技が実行されているか否かを判別する構成を用いているが、これに限らず、右打ち遊技が実行されているか否かを判別する構成を用い、右打ち遊技が実行されていると判別されている状態で、所定の普図変動(普図ロング変動)が実行される場合に、普図ロング変動に対応する変動演出(普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出)の実行を制限するように構成しても良い。なお、この場合において右打ち遊技が実行されていることを判別するための構成としては、右側遊技領域に設けられた所定領域(例えば、スルーゲート67)を球が通過したことを検知した場合に右打ち遊技が実行されていると判別する構成や、操作ハンドル51の回動操作量、或いは、回転操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)の抵抗値(発射強度)に基づいて右打ち遊技が実行されているかを判別可能に構成しても良い。
さらに、本第5制御例では、普図入賞してから普図変動が開始されるまでの期間にて遊技者が適正な遊技を実行しているか否かの判別を行うように構成しているが、これに限ること無く、適正な遊技を実行しているか否かの判別に用いる期間(判別対象期間)を長く設定しても良い。この場合、例えば、遊技状況を一時的に記憶可能な遊技状況記憶手段を設け、遊技者が左打ち遊技を行っているか否かの遊技状況(過去履歴)を遊技状況記憶手段に記憶させるように構成し、普図入賞したタイミングにおいて、遊技状況記憶手段に記憶されている遊技状況に基づいて適正な遊技中に普図入賞したかの判別を実行するように構成すると良い。
さらに、普図入賞した場合に設定される入賞情報コマンド(普図入賞情報コマンド)として、左側遊技領域に配設されているスルーゲート67を球が通過したことを示す入賞情報コマンド(左普図入賞情報コマンド)と、右側遊技領域に配設されているスルーゲート67を球が通過したことを示す普図入賞情報コマンド(右普図入賞情報コマンド)と、を音声ランプ制御装置113側で識別可能に構成し、受信した普図入賞情報コマンドの種別と、遊技状況とに基づいて、普図ロング変動に対応する変動演出(普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出)の実行制限を可変設定するように構成しても良い。
図361に戻り説明を続ける。今回受信した入賞情報コマンドに含まれる情報(先読み情報)として、特2当たり情報があるかを判別する(C3403)。C3403の処理において、特2当たり情報が無いと判別した場合は(C3403:No)、その後、C3406の処理へ移行する。一方、特2当たり情報があると判別した場合は(C3403:Yes)、次いで、RAM223に設けられた時短最終変動フラグ223edがオンであるか否かを判別する(C3404)。時短最終変動フラグ223edがオフであると判別した場合は(C3404:No)、C3405の処理をスキップし、C3406の処理へ移行する。
C3404の処理において時短最終変動フラグ223edがオンであると判別した場合は(C3404:Yes)、対応する入賞情報格納エリア223aに当たり報知を示す情報をセットし(C3405)、その後、C3406の処理へ移行する。
C3406の処理において、その他入賞情報に関する演出態様を設定し(C3406)、設定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(C3407)、その後、本処理を終了しコマンド判定処理5に戻る。
本制御例では、変動表示の序盤に設定される特定演出(例えば、変動開始から5秒後に実行される特定演出C(図101参照))を、他の期間に設定される特定演出(例えば、変動開始から20秒後に実行される特定演出)よりも大当たり期待度が高いことを示す演出となるように規定している。つまり、特別図柄の大当たり当選に対応した変動パターンの方が、特定演出Cを実行可能な変動パターンが選択されやすくなるように規定している。
これにより、複数の変動表示を跨いで示唆演出が実行される場合に、遊技者に対して次回以降の変動で大当たりに当選する期待感を高めさせることができる。さらに、複数の変動を跨いだ示唆演出が実行されるように、遊技者に対して特別図柄の保留を意欲的に貯めさせることができる。
なお、本制御例では上述したように受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報、及び、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行するか否かを判別しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて示唆演出を実行するか否かを判別し、実行すると判別した場合に、示唆演出として前兆演出を実行し、次の変動表示を開始するタイミングにおいて、特定演出の設定を行うように構成しても良いし、前兆演出が実行されている期間中における遊技者の枠ボタン22の操作内容に基づいて特定演出を設定(複数の特定演出から示唆演出の対象となる特定演出を設定)するように構成しても良い。このように構成することで、示唆演出が開始された後の遊技状況(次変動の抽選結果や変動パターン、或いは、操作手段(枠ボタン22)への操作内容)に基づいて、示唆演出の演出態様を設定することができる。よって、示唆演出の演出態様を予め定めてから実行する構成に比べて演出の自由度を高めることができる。
また、本制御例では、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行する例として、実行中の変動表示と、その変動表示中に入賞した入賞情報に基づいて次回実行される変動表示と、を用いた示唆演出を説明しているが、それに限ること無く、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行する構成であれば良く、例えば、変動表示中に入賞した入賞情報が次々回に実行される変動表示の場合であれば、実行中の変動表示から次々回に実行される変動表示に跨がるように示唆演出を実行しても良いし、次回に実行される変動表示から次々回に実行される変動表示に跨がるように示唆演出を実行しても良い。この場合、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて示唆演出を実行するタイミングを実行中の変動表示に設定するか、次回の変動表示に設定するかを判別する手段を設けると良い。
入賞情報格納エリア223aに格納された入賞情報は、音声ランプ制御装置113にて設定される各種演出の内容を選択する際に参照され、例えば、特別図柄の保留球数が表示される保留表示エリアDn4において、大当たりを示す入賞情報に対応する保留表示(保留図柄)を示唆するために、保留表示の表示態様を変化させる保留変化予告演出を設定したり、大当たりを示す入賞情報に対応する特別図柄よりも前に変動が開始される特別図柄の演出として大当たりを期待させる連続予告演出を設定したりする場合に参照される。
また、本第5制御例では、大当たりに当選した時点や、大当たり遊技中、大当たり終了時に入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を参照し、保留内に大当たりを示す入賞情報が含まれているか(保留内連荘の有無)を判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技中や大当たり終了後の演出を設定するように構成している。加えて、確変状態中に実行される継続演出においても、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、演出内容が選択されるよう構成している。
詳細な説明は省略しているが、本制御例では、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を参照した演出(先読み演出)を実行している場合には、その旨を示すフラグ(例えば、先読み演出中フラグ)をオンに設定し、その先読み演出中フラグがオンに設定されている場合には、新たな入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドに含まれている入賞情報に基づいた新たな先読み演出が実行されないように構成している。これにより、複数の先読み演出が間を開けること無く連続して実行されてしまい遊技者に違和感を与えてしまうという問題が発生することを抑制している。
なお、上述した問題を解決するための上述した内容以外の制御を用いても良く、例えば、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて設定される複数の先読み演出に優先ランクを付与し、現在実行されている先読み演出の優先ランクと、新たな入賞情報コマンドに含まれている入賞情報に基づいて設定可能な先読み演出の優先ランクとを比較して、優先ランクが高い先読み演出を実行するように制御しても良い。この場合、新たな先読み演出の優先ランクの方が、優先ランクが高いと判別した場合には、実行中の先読み演出が途中で終了することを遊技者に報知するための先読み演出切替報知を実行した後に、新たな先読み演出を実行させたり、実行中の先読み演出の演出態様を、当初設定していた終了タイミングよりも早めた短縮先読み演出態様に可変した後に、新たな先読み演出を実行させたりしても良い。
また、先読み演出の優先ランクとしては、大当たりに当選していることを示す入賞情報に対応する先読み演出の優先ランクは最も高くなるように、大当たりに当選している期待度が高い程、優先ランクが高くなるように設定するとよい。これにより、実行中の先読み演出が途中で終了した場合に、遊技者に大当たりに対する期待感を持たせることができ、次に実行される新たな先読み演出を注視させることができる。
図360に戻り説明を続ける。C3201の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(C3201:No)、次に、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(C3203)。変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(C3203:Yes)、変動パターンコマンド処理5を実行し(C3204)、その後、メイン処理に戻る。変動パターンコマンド処理5において抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理5(図369参照)の中で、変動パターンの詳細な表示態様を決定するために参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。また、本第5制御例では、音声ランプ制御装置113が、特別図柄(特図)用の変動パターンと、普通図柄(普図)用の変動パターンとを設定するように構成しており、今回受信した変動パターンコマンドが特図用か普図用かを判別し、判別結果に基づく処理も実行される。
ここで、変動パターンコマンド処理5(C3204)について図363を参照して説明をする。図363は変動パターンコマンド処理5(C3204)の内容を示したフローチャートである。この変動パターンコマンド処理5(C3204)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)の中で主制御装置110より変動パターンコマンドを受信した場合に実行される処理である。
変動パターンコマンド処理5(C3204)では、まず、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが特図変動パターンコマンドであるか否かを判別する(C3301)。主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが特図変動パターンコマンドでないと判別した場合は(C3301:No)、C3302,C3303の処理をスキップし、C3304の処理へ移行する。一方、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが特図変動パターンコマンドであると判別した場合は(C3301:Yes)、RAM223に設けられた特図用の変動開始フラグ223dをオンに設定し(C3302)、受信した特図用変動パターンコマンドから変動パターンを抽出し(C3303)、その後、C3304の処理へ移行する。
C3304の処理では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが普図用変動パターンコマンドであるか否かを判別する(C3304)。主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが普図用変動パターンコマンドではないと判別した場合は(C3304:No)、C3305,C3306の処理をスキップし、コマンド判定処理5へ戻る。
一方、C3304の処理において、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが普図用変動パターンコマンドであると判別した場合は(C3304:Yes)、RAM223に設けられた普図用の変動開始フラグ223dをオンに設定し(C3305)、受信した普図用変動パターンコマンドから変動パターンを抽出し(C3306)、その後、本処理を終了しコマンド判定処理5へ戻る。
図360に戻り説明を続ける。C3203の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(C3203:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(C3205)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(C3205:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(C3206)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(C3207)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理5(図369参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、C3205の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合は(C3205:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(C3208)。そして、保留球数コマンドを受信していると判別した場合には(C3208:Yes)、受信した保留球数コマンドから保留球数を抽出し、特別図柄(特別図柄1、または特別図柄2)の特別図柄保留球数カウンタ、又は、普通図柄の普通図柄保留球数カウンタ203fから受信した保留球数コマンドに含まれている値を格納し(C3209)、その後、メイン処理へ戻る。具体的には、今回受信した保留球数コマンドが特別図柄1に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。一方、今回受信した保留球数コマンドが特別図柄2に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する。
図360に戻り説明を続ける。C3208の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(C3208:No)、次に、当たり関連コマンドを受信したかを判別し(C3210)、当たり関連コマンドを受信した場合は(C3210:Yes)、当たり関連コマンド処理5(C3211)を実行し、当たり関連コマンド処理5(C3211)の終了後、本処理を終了する。
ここで、当たり関連コマンド処理5(C3211)の内容について、図364を参照して説明する。図364は、当たり関連コマンド処理5(C3211)の内容を示したフローチャートである。当たり関連コマンド処理5(C3211)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)の中で実行される処理である。当たり関連コマンド処理5では、まず、主制御装置110より大当たり関連コマンドを受信したか否かを判別する(C3501)。そして、大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(C3501:Yes)、大当たり関連コマンド処理を実行し(C3502)、その後、C3503の処理へ移行する。
ここで、大当たり関連コマンド処理(C3502)の内容について、図365を参照して説明する。図365は、大当たり関連コマンド処理(C3502)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連コマンド処理(C3502)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連コマンド処理5(C3211)の中で実行される処理である。大当たり関連コマンド処理(C3502)では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判別する(C3601)。そして、オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(C3601:Yes)、表示用のオープニングコマンド処理を実行し(C3602)、その後、C3608の処理へ移行する。
ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
C3601の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(C3601:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(C3603)。ここで、ラウンド数コマンドを受信した場合は(C3603:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(C3604)、その後、今回抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(C3605)、その後、C3608の処理へ移行する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
ここで、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、所定の連続条件が成立している状態で大当たり遊技が実行された場合に、前回の大当たり遊技にて実行されたラウンド遊技の数に、今回実行される大当たり遊技のラウンド遊技の数を累積して表示するように構成している。具体的には、時短状態が設定されている期間、及び、時短状態から通常状態へと移行した後に特図1変動が実行されるまでの期間オンに設定される期間フラグを設ける。そして、大当たり遊技が開始される場合に、期間フラグがオンに設定されているかを判別し、オンに設定されていると判別した場合には、前回の大当たり遊技にて実行されたラウンド遊技の数(ラウンド数)に今回の大当たり遊技のラウンド数を累積して表示するように構成している。
一方、C3603の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(C3603:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判別する(C3606)。そして、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(C3606:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(C3607)、その後、C3608の処理へ移行する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
C3606の処理において、エンディングコマンドを受信していない判定した場合は(C3606:No)、C3608の処理へ移行する。C3608の処理では、その他のコマンドに応じた処理を実行し(C3608)、本処理を終了し、当たり関連コマンド処理5に戻る。
図364に戻り説明を続ける。C3501の処理において、主制御装置110より大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(C3501:No)、次に、主制御装置110より小当たり関連コマンドを受信したか否かを判別する(C3503)。そして、小当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(C3503:Yes)、小当たり関連コマンド処理を実行し(C3504)、その後、C3505の処理へ移行する。
ここで、小当たり関連コマンド処理(C3504)の内容について、図366(a)を参照して説明する。図366(a)は、小当たり関連コマンド処理(C3504)の内容を示したフローチャートである。小当たり関連コマンド処理(C3504)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連コマンド処理5(C3211)の中で実行される処理である。小当たり関連コマンド処理(C3504)では、まず、RAM223に設けられた一連演出フラグ223ebがオンであるか否かを判別する(C3701)。一連演出フラグ223ebがオフである(オンではない)と判別した場合は(C3701:No)、通常小当たり処理を実行し(C3702)、その後、本処理を終了して当たり関連コマンド処理5に戻る。
上述した通り、本第5制御例では、小当たり遊技が実行される場合の演出態様を、小当たり遊技実行タイミングが一連演出中であるか否かに応じて可変設定するように構成している。つまり、一連演出中に小当たり遊技が実行される場合は、一連演出の一環として小当たり遊技演出(図324参照)が実行されるように構成している。このように構成することにより、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
ここで、通常小当たり処理(C3702)の内容について、図366(b)を参照して説明する。図366(b)は、通常小当たり処理(C3702)の内容を示したフローチャートである。通常小当たり処理(C3702)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり関連コマンド処理(C3504)の中で実行される処理である。通常小当たり処理(C3702)では、まず、主制御装置110より小当たり開始コマンドを受信したか否かを判別する(C3801)。そして、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(C3801:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(C3802)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
C3801の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(C3801:No)、次に、主制御装置110より小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(C3803)。小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(C3803:Yes)、表示用小当たり終了コマンドを設定し(C3804)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
C3803の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(C3803:No)、次に、主制御装置110よりV通過コマンドを受信したか否かを判別する(C3805)。V通過コマンドを受信したと判別した場合には(C3805:Yes)、表示用V通過コマンドを設定し(C3806)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
図366(a)に戻り説明を続ける。C3701の処理において一連演出フラグ223ebがオンであると判別した場合は(C3701:Yes)、今回の小当たり遊技が一連演出中に実行される小当たり遊技であるため、一連演出用小当たり処理を実行し(C3703)、その後、本処理を終了して当たり関連コマンド処理5に戻る。
ここで、一連演出用小当たり処理(C3703)の内容について、図367を参照して説明する。図367は、一連演出用小当たり処理(C3703)の内容を示したフローチャートである。一連演出用小当たり処理(C3703)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり関連コマンド処理(C3504)の中で実行される処理である。一連演出用小当たり処理(C3703)では、まず、主制御装置110より小当たり開始コマンドを受信したか否かを判別する(C3901)。そして、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(C3901:Yes)、一連演出用当たり開始コマンドを設定し(C3902)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
C3901の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(C3901:No)、次に、主制御装置110よりV通過コマンドを受信したか否かを判別する(C3903)。V通過コマンドを受信したと判別した場合には(C3903:Yes)、次いで、RAM223に設けられた小当たり注意フラグ223eeがオンであるか否かを判別する(C3904)。小当たり注意フラグ223eeがオフであると判別した場合は(C3904:No)、一連演出表示用V演出コマンドを設定し(C3905)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、小当たり注意フラグ223eeは、小当たり遊技が実行されているにも関わらず、所定期間(例えば、3秒)が経過しても球がV入賞口650a内の特定領域を通過していない場合にオンに設定されるフラグである。本第5制御例では、右打ち遊技を行うことで発射された球がV入賞装置650に到達するまでに要する期間が約1秒となるように遊技盤13を構成しているため、小当たり遊技が実行されたことに基づいて右打ち遊技を行う場合には、小当たり注意フラグ223eeはオンに設定されないように構成している。
一方で、小当たり遊技が実行されていることに気付かず左打ち遊技を行っている場合や、小当たり遊技中に発射する球数を意図的に少なく(0含む)する不適切遊技を行っている場合には、小当たり遊技が開始されてから3秒経過後の時点で球がV入賞口650a内の特定領域を通過していない状態が発生し得るため、小当たり注意フラグ223eeがオンに設定されやすくなる。この小当たり注意フラグ223eeがオンに設定されることにより、第3図柄表示装置81の表示画面にて遊技者に右打ち遊技を行わせるための強調案内表示(図325(a)参照)が実行される。また、V入賞口650a内の特定領域を球が通過したタイミングでも小当たり注意フラグ223eeがオンに設定されている場合と、オフに設定されている場合とで、異なる表示態様が設定されるように構成しており、例えば、小当たり注意フラグ223eeがオンに設定されている状態でV通過コマンドを受信した場合は、次回の小当たり遊技にて、いち早く右打ち遊技を行わせるための案内演出が実行される。
C3904の処理において、小当たり注意フラグ223eeがオンであると判別した場合は(C3904:Yes)、一連演出表示用特殊V演出コマンドを設定し(C3906)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。ここで設定された一連演出表示用特殊V演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、一連演出表示用特殊V演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、一連演出の一環として、今回の小当たり遊技にて球がV通過したタイミングが遅かったことを示す演出態様(例えば、「次回はもっと早くから右打ちしよう」のコメント)を含むV演出を開始する。
一方、C3903の処理において、V通過コマンドを受信していないと判別した場合には(C3903:No)、次に、主制御装置110より小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(C3907)。小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(C3907:Yes)、次いで、V通過があるかを判別し(C3908)、V通過があると判別した場合は(C3908:Yes)、一連演出表示用小当たり終了コマンドを設定し(C3909)、その後、小当たり注意フラグ223eeをオフに設定し(C3912)、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
一方、C3908の処理において、V通過がないと判別した場合は(C3908:No)、一連演出終了を示す表示用コマンドを設定し(C3910)、一連演出フラグ223ebをオフに設定し(C3911)、小当たり注意フラグ223eeをオフに設定し(C3912)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
つまり、一連演出中の小当たり遊技において球が特定領域を通過しなかった場合には、一連演出の演出結果として大当たり遊技の発生を示す演出結果を表示することができないため、一連演出の終了(失敗)を示す演出態様(図325(b)参照)が設定される。また、C3907の処理において小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合も(C3907:No)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
図364に戻り説明を続ける。C3503の処理において、主制御装置110より小当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(C3503:No)、次に、主制御装置110より普図当たり関連コマンドを受信したか否かを判別する(C3505)。そして、普図当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(C3505:Yes)、普図当たり関連コマンドに対応する表示用コマンドを設定し(C3506)、その後、本処理を終了してコマンド判定処理5に戻る。
図360に戻り、説明を続ける。C3210の処理において、主制御装置110より当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(C3210:No)、次に、主制御装置110より状態コマンドを受信したかを判別し(C3212)、状態コマンドを受信したと判別した場合は(C3212:Yes)、受信したコマンドから、現在の遊技状態を抽出し、状態格納エリア223eaに格納し(C3213)表示用状態コマンドを設定し(C3214)、その後、本処理を終了する。
なお、C3213の処理では、上述した第1制御例における図137を参照して上述した主制御装置110が実行する大当たり制御処理(S1104)のS1214の処理において設定される状態指定コマンドを受信した場合には、現在の遊技状態とは別に、大当たり終了後に設定される遊技状態を格納する処理が実行される。このように構成することで、現在の遊技状態を示す状態コマンドと、所定条件が成立した場合(大当たりが終了した場合)に設定される遊技状態(予定遊技状態)を示す状態指定コマンドとを区分けして記憶することができる。また、大当たり終了後には、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信することになるが、その際に、現在の遊技状態を示す状態コマンドの内容と、予定遊技状態を示す状態指定コマンドの内容とが一致するかを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果に基づいて遊技状態の設定が適正に行われているかを判別する構成を用いても良い。これにより、例えば、大当たり終了後の遊技状態を不正に遊技者に有利な遊技状態に可変設定する不正行為を抑制することができる。
C3212の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(C3212:No)、次に、停止コマンドを受信したかを判別し(C3215)、停止コマンドを受信した場合は(C3215:Yes)、停止コマンド処理5(C3216)を実行し、停止コマンド処理5の終了後、本処理を終了する。
ここで、停止コマンド処理5(C3216)の内容について、図368を参照して説明する。図368は、停止コマンド処理5(C3216)の内容を示したフローチャートである。停止コマンド処理5(C3216)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)の中で実行される処理である。停止コマンド処理5では、まず、特図用停止コマンドを受信したかを判別し(C3951)、特図用停止コマンドを受信したと判別した場合は(C3951:Yes)、次いで、特図変動時間カウンタ223egの値を0にリセットし(C3952)、疑似一連演出フラグ223ecがオンに設定されているかを判別する(C3953)。
C3953の処理において、疑似一連演出フラグ223ecがオンに設定されていると判別した場合は(C3953:Yes)、今回受信した停止コマンドが、特図外れ変動の変動演出として一連演出を実行した特図変動であるため、疑似一連演出フラグ223ecをオフに設定し(C3954)、S3955の処理へ移行する。一方、C3953の処理において、疑似一連演出フラグ223ecがオンに設定されていないと判別した場合は(C3953:No)、C3954の処理をスキップしてC3955の処理へ移行する。
C3955の処理では、時短最終変動フラグ223edがオンに設定されているかを判別し(C3955)、オンに設定されていると判別した場合は(C3955:Yes)、再先読みフラグをオン設定し(C3956)、時短最終変動フラグをオフに設定し(C3957)、本処理を終了する。一方、C3955の処理において、時短最終変動フラグ223edがオンに設定されていないと判別した場合は(C3955:No)、そのまま本処理を終了する。
図360に戻り、説明を続ける。C3215の処理において、主制御装置110より停止コマンドを受信していないと判定した場合には(C3215:No)、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(C3217)、本処理を終了する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
本処理により、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置114に対して各種設定を行うためのコマンドを設定することができる。
次に、図369を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理5(C3114)について説明する。図369は、この変動表示設定処理5(C3114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理5(C3114)は、第1制御例において音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
本第5制御例の変動表示設定処理5(C3114)は、上述した各制御例、或いは、各実施形態にて用いられる変動表示設定処理に対して、普通図柄の表示用変動パターンコマンドを設定するように構成した点と、設定される変動演出の内容を変更した点と、で大きく相違しており、それ以外の要素(技術思想)については同一である。上述した各制御例、或いは、各実施形態にて用いられる変動表示設定処理と同一の要素(技術思想)についてはその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理5(C3114)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(C4001)。C4001の処理では、上述した変動パターンコマンド処理5(図363のC3204参照)のC3302、及びC3305の処理にて特図用の変動開始フラグ223d、或いは、普図用の変動開始フラグ223dの何れかがオンに設定されているかを判別する。
そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、特図用の変動開始フラグ223d、普図用の変動開始フラグ223dが両方ともオフである)と判別した場合(C4001:No)は、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、C4006の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別した場合(C4001:Yes)は、対応する変動開始フラグ223dをオフに設定し(C4002)、次いで、変動パターンコマンド処理5(図363参照)のC3303およびC3306の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得し(C4003)、変動演出設定処理を実行する(C4004)。変動演出設定処理の詳細については、図370を参照して後述する。
そして、取得した変動パターン種別、変動演出設定処理(図370のC4004)にて設定された変動パターンに基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(C4005)。その後、C4006の処理へ移行する。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
C4006の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(C4006)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(C4006:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(C4006:Yes)、対応する停止種別選択フラグ223eをオフし(C4007)、次いで、コマンド判定処理5(図360のC3207)処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(C4008)。次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(C4009)、C4010の処理へ移行する。C4010の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(C4010)、その後、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図370を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出設定処理(C4004)について説明する。図370は、この変動演出設定処理(C4004)を示したフローチャートである。この変動演出設定処理(C4004)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理5(図369参照)の中で実行される処理であって、特別図柄の変動演出態様、或いは、普通図柄の変動演出態様を設定するための処理が実行される。
変動演出設定処理(C4004)では、まず、今回の変動演出設定処理が特別図柄変動(特図変動)の変動演出を設定するものであるかを判別する(C4101)。このC4101の処理では、変動表示設定処理5(図369のC3114参照)のC4001の処理において、特図用変動開始フラグ223dがオンに設定されていると判別した場合に、今回の変動演出設定処理が特図変動の変動演出を設定するものであると判別する。ここで、特図変動演出を設定しない(普図変動演出を設定する)と判別した場合は(C4101:No)、普図用演出設定処理を実行し(C4117)、その後、本処理を終了する。普図用演出設定処理の詳細については、図371を参照して後述するが、所定の実行条件が成立している場合に、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される普図変動に基づく変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
C4101の処理において、特図変動演出を設定すると判別した場合は(C4101:Yes)、状態格納エリア223eaに格納されている遊技状態を示す情報を読み出し(C4102)、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別する(C4103)。現在の遊技状態が通常状態ではない(時短状態である)と判別した場合は(C4103:No)、時短用演出設定処理を実行し(C4104)、その後、C4116の処理へ移行する。時短用演出設定処理(C4104)は、時短状態に実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。この時短用演出設定処理(C4104)については、図372を参照して詳細な説明を後述する。
一方、C4103の処理において、遊技状態が通常状態であると判別した場合は(C4103:Yes)、再先読みフラグ223emがオンに設定されているかを判別し(C4105)、再先読みフラグ223emがオンに設定されていると判別した場合(C4105:Yes)、即ち、今回の変動演出が、時短状態が終了してから1回転目の特図変動に対応する変動演出であって、且つ、時短状態中に獲得した特図2保留のうち、時短最終変動にて実行される時短最終変動演出に先読み結果が反映されていない特図2保留がある場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報(特図2に対応する入賞情報)のうち、先読み処理が実行されていない入賞情報(特図2に対応する入賞情報)を抽出し(C4106)、抽出した入賞情報の中に当たり当選情報を含む入賞情報があるかを判別する(C4107)。
C4107の処理において、当たり当選情報を含む入賞情報があると判別した場合は(C4107:yes)、時短変動演出の結果表示態様を復活当たり表示態様に差し替えるための表示用コマンドを設定し(C4108)、再先読みフラグ223emをオフに設定し(C4109)、C4110の処理へ移行する。一方、C4105の処理において、再先読みフラグ223emがオンに設定されていないと判別した場合は(C4105:No)、今回の変動演出設定処理が、時短変動演出の結果表示態様を可変させるタイミングで実行されるものでは無いため、C4106の〜C4109の処理をスキップし、C4110の処理へ移行する。また、C4107の処理において、抽出した入賞情報の中に当たり当選情報を含む入賞情報が無いと判別した場合は(C4107:No)、今回の変動演出設定処理が、時短変動演出の結果表示態様を可変させるタイミングではあるが、結果表示態様を可変させる条件(新たな先読み結果が当たりを含む)が成立していない場合であるため、C4108の処理をスキップし、C4109の処理を実行し、C4110の処理へ移行する。
C4110の処理では、現在が時短状態中に実行される時短変動演出の延長表示期間内であるかを判別し(C4110)、延長表示期間内である、即ち、時短状態中の遊技結果が表示される終了画面(図331参照)が表示されている状態であると判別した場合は(C4110:Yes)、当該変動に対応する変動演出を設定すること無く本処理を終了する。一方、延長表示期間内では無いと判別した場合は(C4110:No)、次に、図369のC4003の処理にて取得した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンが当たりの変動パターンであるかを判別する(C4111)。
C4111の処理において、今回の変動パターンが当たりの変動パターンであると判別した場合は(C4111:Yes)、当たり変動演出設定処理を実行し(C4112)、その後、C4116の処理へ移行する。この当たり変動演出設定処理(C4112)では、今回の特図変動演出として一連演出を実行するか否かの判別処理と、普図変動演出として一連演出が実行されている場合に、当該一連演出の演出結果を差し替え処理と、が実行される。この当たり変動演出設定処理(C4112)については、図373を参照して詳細な説明を後述する。
一方、C4111の処理において、今回の変動パターンが当たりの変動パターンではないと判別した場合は(C4111:No)、次に、一連演出フラグ223ebがオンであるか否かを判別し(C4113)、一連演出フラグ223ebがオンであると判別した場合は(C4113:Yes)、その後、C4116の処理へ移行する。
C4113の処理において、一連演出フラグ223ebがオフであると判別した場合(C4113:No)、抽出した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンが一連演出の変動パターンであるか否かを判別する(C4114)。今回の変動パターンが一連演出の変動パターンではないと判別した場合は(C4114:No)、その後、C4116の処理へ移行する。
一方、C4114の処理において、今回の変動パターンが一連演出の変動パターンであると判別した場合は(C4114:Yes)、疑似一連演出フラグ223ecをオンに設定し(C4115)、その後、C4116の処理へ移行する。
C4116の処理では、特図変動時間カウンタ223egを設定し(C4116)、その後、本処理を終了して変動表示設定処理5に戻る。
次に、図371を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される普図用演出設定処理(C4117)について説明する。図371は、この普図用演出設定処理(C4117)を示したフローチャートである。この普図用演出設定処理(C4117)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出設定処理(図370参照)の中で実行されるものであり、普図変動に基づく変動演出(一連演出)を設定するための処理が実行される。
普図用演出設定処理(C4117)では、まず、RAM223に設けられた状態格納エリア223eaより、現在の遊技状態を読み出し(C4201)、読み出した現在の遊技情報が通常状態であるか否かを判別する(C4202)。現在の遊技情報が通常状態ではないと判別した場合は(C4202:No)、その後、本処理を終了する。
C4202の処理において、現在の遊技情報が通常状態であると判別した場合は(C4202:Yes)、次に、変動時間が30秒以上であるか否かを判別する(C4203)。変動時間が30秒以上ではないと判別した場合は(C4203:No)、その後、本処理を終了する。変動時間が30秒以上であると判別した場合は(C4203:Yes)、次に、一連演出フラグ223ebがオンであるか否かを判別する(C4204)。
C4204の処理において一連演出フラグ223ebがオンであると判別した場合は(C4204:Yes)、その後、本処理を終了する。一方、一連演出フラグ223ebがオフであると判別した場合は(C4204:No)、次に、非変動時入賞フラグ223efがオンであるか否かを判別する(C4205)、非変動時入賞フラグ223efがオフであると判別した場合は(C4205:No)、次に、疑似一連演出フラグ223ecがオンであるか否かを判別する(C4206)。疑似一連演出フラグ223ecがオフであると判別した場合は(C4206:No)、一連演出を設定し(C4207)、一連演出フラグ223ebをオンに設定し(C4208)、その後、本処理を終了する。
C4206の処理において、疑似一連演出フラグ223ecがオンであると判別した場合は(C4206:Yes)、特図変動時間の残期間に対応した普図変動パターンを設定し(C4209)、その後、本処理を終了する。
一方、C4205の処理において、非変動時入賞フラグ223efがオンであると判別した場合は(C4205:Yes)、次に、特図変動時間カウンタ223egの値が0よりも大きいかを判別し(C4210)、特図変動時間カウンタ223egの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(C4210:No)、特図変動が実行されていない状態で普図変動が実行される場合であるため、普図変動の抽選結果を示すための普図変動演出を設定すること無くそのまま本処理を終了する。
なお、本第5制御例では、特図変動が実行されていない場合には普図変動演出を設定しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図変動演出を通常とは異なるタイミングで実行させる普図変動演出を実行するように構成しても良く、実行される普図変動演出に基づいて、今回の普図抽選の抽選結果に応じて電動役物640aがロング開放するタイミングを遊技者に容易に判別され難くなるように構成すれば良い。
C4210の処理において、特図変動時間カウンタ223egの値が0よりも大きいと判別した場合は(C4210:Yes)、特殊一連演出を設定し(C4211)、一連演出フラグ223ebをオンに設定し(C4212)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、普図変動時間が所定時間(30秒)以上である場合において、一連演出の実行状況、及び、実行中の特図変動の状況に基づいて普図変動演出(普図用演出)を設定するように構成している。このように構成することで、特図変動の抽選結果を表示するための特図変動演出として遊技者に有利な抽選結果を報知し易い演出が実行されている場合に、普図用演出がその特図変動演出を阻害してしまう事態を抑制することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、図372を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短用演出設定処理(C4104)について説明する。図372は、この時短用演出設定処理(C4104)を示したフローチャートである。この時短用演出設定処理(C4104)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出設定処理(図370参照)の中で実行される。
時短用演出設定処理(C4104)では、まず、今回の特図変動が特図2の変動であるか否かを判別する(C4301)。今回の特図変動が特図2の変動ではないと判別した場合は(C4301:No)、そのまま本処理を終了する。今回の特図変動が特図2の変動であると判別した場合は(C4301:Yes)、次に、今回の特図変動が時短最終変動であるか否かを判別する(C4302)。今回の特図変動が時短最終変動ではないと判別した場合は(C4302:No)、そのまま本処理を終了する。今回の特図変動が時短最終変動であると判別した場合は(C4302:Yes)、時短最終変動フラグ223edをオンに設定し(C4303)、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を読み出し(C4304)、当該変動の抽選結果と入賞情報に含まれる抽選結果とに基づいて、最終変動の変動パターンを設定し(C4305)、その後、本処理を終了する。
次に、図373を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり変動演出設定処理(C4112)について説明する。図373は、この当たり変動演出設定処理(C4112)を示したフローチャートである。この当たり変動演出設定処理(C4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出設定処理(図370参照)の中で実行される。
当たり変動演出設定処理(C4112)では、まず、一連演出フラグ223ebがオンあるか否かを判別する(C4401)。一連演出フラグ223ebがオフであると判別した場合は(C4401:No)、次に、今回の変動パターンが一連演出の変動パターンであるか否かを判別する(C4402)。今回の変動パターンが一連演出の変動パターンではないと判別した場合は(C4402:No)、そのまま本処理を終了する。今回の変動パターンが一連演出の変動パターンであると判別した場合は(C4402:Yes)、一連演出フラグ223ebをオンに設定し(C4403)、その後、本処理を設定する。
一方、C4401の処理において、一連演出フラグ223ebがオンであると判別した場合は(C4401:Yes)、変動停止タイミングと一連演出分岐タイミングとを分析し(C4404)、次に、結果差替可能であるか否かを判別する(C4405)。結果差替可能ではないと判別した場合は(C4405:No)、そのまま本処理を終了する。結果差替可能であると判別した場合は(C4405:Yes)、一連演出の演出結果を差替える変動パターンを示す表示用差替コマンドを設定し(C4406)、その後、本処理を終了する。
次に、図374を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出更新処理5(C3112)について説明する。図374は、演出更新処理5(C3112)を示したフローチャートである。この演出更新処理5(C3112)は、第1制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)の中で実行され、特別図柄の変動に関わらず、経過時間に基づいて制御される演出を設定するための処理である。
演出更新処理5(C3112)が実行されると、まず、各種変動時間カウンタの値を更新し(C4501)、次に、一連演出フラグ223ebがオンであるか否かを判別する(C4502)。一連演出フラグ223ebがオフであると判別した場合は(C4502:No)、次に、疑似一連演出フラグ223ecがオンであるか否かを判別する(C4504)。疑似一連演出フラグ223ecがオフであると判別した場合は(C4504:No)、C4505の処理へ移行する。
C4502の処理において、一連演出フラグ223ebがオンであると判別した場合(C4502:Yes)と、C4504の処理において、疑似一連演出フラグ223ecがオンであると判別した場合(C4504:Yes)は、一連演出更新処理を実行し(C4503)、その後、C4505の処理へ移行する。また、一連演出更新処理の詳細については、図375の処理を参照して後述する。
C4505の処理では、時短最終変動フラグ223edがオンであるか否かを判別する(C4505)。時短最終変動フラグ223edがオンであると判別した場合は(C4505:Yes)、最終変動演出更新処理を実行し(C4506)、C4507の処理へ移行する。
一方、C4505の処理において、時短最終変動フラグ223edがオンであると判別した場合は(C4505:Yes)、その他演出更新処理を実行し(C4507)、その後、本処理を終了する。
次に、図375を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される一連演出更新処理(C4503)について説明する。図375は、この一連演出更新処理(C4503)を示したフローチャートである。この一連演出更新処理(C4503)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出更新処理5(図374参照)の中で実行される。
一連演出更新処理(C4503)では、まず、一連演出カウンタの値が0であるか否かを判別する(C4601)。一連演出カウンタの値が0ではないと判別した場合は(C4601:No)、一連演出カウンタの値を更新し(C4603)、次に、一連演出カウンタの値が0であるか否かを判別する(C4604)。一連演出カウンタの値が0ではないと判別した場合は(C4601:No)、C4605の処理へ移行する。一方、一連演出カウンタの値が0ではないと判別した場合は(C4604:Yes)、一連演出フラグ223ebをオンに設定し(C4612)、その後、本処理を終了する。
一方、C4601の処理において、一連演出カウンタの値が0であると判別した場合は(C4601:Yes)、一連演出カウンタに今回の一連演出に対応する値を設定し(C4602)、C4605の処理へ移行する。
C4605の処理では、現在が普図当たりの遊技中であるか否かを判別する(C4605)。現在が普図当たりの遊技中であると判別した場合は(C4605:Yes)、普図当たり遊技中更新処理を実行し(C4606)、その後、本処理を終了する。
一方、C4605の処理において、現在が普図当たりの遊技中ではないと判別した場合は(C4605:No)、次に、普図当たり遊技が終了したか否かを判別する(C4607)。普図当たり遊技が終了したか否かを判別する(C4607)。普図当たり遊技が終了していないと判別した場合は(C4607:No)、C4609の処理へ移行する。普図当たり遊技が終了したと判別した場合は(C4607:Yes)、次に、特2入賞フラグがオンであるか否かを判別する(C4608)。特2入賞フラグがオフであると判別した場合は(C4608:No)、一連演出フラグ223ebをオンに設定し(C4612)、その後、本処理を終了する。C4608の処理において、特2入賞フラグがオンであると判別した場合は(C4608:Yes)、C4609の処理へ移行する。
C4609の処理では、現在が小当たりの遊技中であるか否かを判別する(C4609)。現在が小当たりの遊技中であると判別した場合は(C4609:Yes)、小当たり遊技中更新処理を実行し(C4610)、その後、本処理を終了する。
一方、C4609の処理において、現在が小当たりの遊技中ではないと判別した場合は(C4609:No)、一連演出カウンタの値に対応する表示用コマンドを設定し(C4611)、その後、本処理を終了する。
次に、図376を参照して、一連演出更新処理(図375のC4503参照)において実行される普図当たり遊技中更新処理(C4606)の内容について説明をする。図376は、普図当たり遊技中更新処理(C4606)の内容を示したフローチャートである。この普図当たり遊技中更新処理(C4606)では、普図当たり遊技中であるにも関わらず、所定期間の間、球が第2入賞口640に入賞しない場合に遊技者に対して注意喚起を行うための処理が実行される。
普図当たり遊技中更新処理(C4606)が実行されると、まず、第2入賞口640に球が入賞したかを判別し(C4701)、第2入賞口640に球が入賞していないと判別した場合は(C4701:No)、次に、普図当たり遊技開始から1秒が経過したかを判別する(C4702)。ここで、1秒が経過したと判別した場合は(C4702:Yes)、表示用注意喚起コマンドを設定し(C4703)、本処理を終了する。一方、C4702の処理において、普図当たり遊技が開始されてから1秒が経過したタイミングでは無いと判別した場合は(C4702:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、C4703の処理において、表示用注意喚起コマンドが設定されると、普図当たり遊技が終了するまでに第2入賞口640に球を入賞させるための注意喚起画面(図324(a)参照)が表示される。なお、本制御例では普図当たり遊技として、普図ロング開放当たり遊技が実行されると、電動役物640aを1秒間開放させた後に、1.5秒間の閉鎖期間を経て、再度0.5秒間電動役物640aを開放させる普図当たり遊技が実行されるように構成している。そして、図324(a)に示した注意喚起画面は、普図当たり遊技が開始されてから1秒経過後に表示される。このように構成することで、注意喚起画面を見た遊技者が右打ち遊技を行った場合に、その右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に入賞し易くすることができる。
一方、C4701の処理において、第2入賞口640に球が入賞した(特2入賞があった)と判別した場合は(C4701:Yes)、特2入賞を示すための表示用コマンドを設定し(C4704)、特2入賞フラグ223erをオンに設定し(C4705)、本処理を終了する。ここで、C4704の処理において表示用コマンドが設定されると、第3図柄表示装置81の表示画面に特2入賞を報知する表示態様が表示される。これにより、遊技者に対して特2入賞が発生したことを分かり易く報知することができる。
次に、図376(b)を参照して、小当たり遊技中更新処理(C4610)の内容について説明をする。図376(b)は、小当たり遊技中更新処理(C4610)の内容を示したフローチャートである。この小当たり遊技中更新処理(C4610)では、小当たり遊技中に球がV入賞口650a内の特定領域を通過したかを判別し、小当たり遊技が開始されてから所定期間(3秒)が経過したにも関わらず、球がV入賞口650a内の特定領域を通過していない場合に、遊技者に注意喚起を行うための処理が実行される。
小当たり遊技中更新処理(C4610)が実行されると、まず、小当たり注意フラグ223eeがオンに設定されているかを判別し(C4751)、小当たり注意フラグ223eeがオンに設定されていないと判別した場合は(C4751:No)、次に、小当たり遊技開始から3秒が経過したかを判別する(C4752)。ここで小当たり遊技から3秒が経過したと判別した場合は(C4752:Yes)、現時点でV入賞口650a内の特定領域を球が通過しているかを判別し(C4753)、通過していないと判別した場合は(C4753:No)、小当たり注意フラグ223eeをオンに設定し(C4754)、表示用注意喚起コマンドを設定し(C4755)、本処理を終了する。
一方、C4751の処理において、既に小当たり注意フラグ223eeがオンに設定されていると判別した場合(C4751:Yes)、C4752の処理において、小当たり遊技開始から3秒が経過したタイミングでは無いと判別した場合(C4752:No)、C4753の処理において、球がV入賞口650a内の特定領域を通過したと判別した場合(C4753:Yes)は、C4754、及びC4755の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図377を参照して、最終変動演出更新処理(C4506)の内容について説明をする。図377は、最終変動演出更新処理(C4506)の内容を示したフローチャートである。この最終変動演出更新処理(C4506)では、時短状態の最終変動に対応する変動演出を設定するための処理が実行される。上述した通り、本制御例では、時短状態中の変動演出として、当該変動の変動結果(抽選結果)のみを示唆する第1示唆演出と、当該変動の変動結果(抽選結果)に加え、特図2保留の先読み結果を示唆する第2示唆演出と、を実行可能に構成しており、時短状態の最終変動では、第2示唆演出が実行されるように構成している。
さらに、本制御例の時短状態の最終変動では、時短状態が設定されている期間中に、特図2保留を上限値(4個)まで獲得することを遊技者に促すための保留獲得演出も実行可能に構成しており、最終変動の変動期間の前半期間にて保留獲得演出を実行し、後半期間にて第2示唆演出(時短最終変動演出)を実行するように構成している。そして、前半期間の終了タイミングにおいて獲得している特図2保留の先読み結果が第2示唆演出の演出結果に反映されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に多くの特図2保留を獲得させた後に、その獲得した特図2保留に対する先読み結果を反映させた第2示唆演出(時短最終変動演出)を実行させることができるため、時短最終変動演出の演出態様として当たり当選を示す演出態様が設定され易くすることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、保留獲得演出を実行するまでのタイミング(前半期間の開始タイミング)にて、獲得済の特図2保留球数が上限数(4個)以上である場合には、保留獲得演出を実行させず、前半期間から第2示唆演出を実行するように構成している。これにより、遊技者に対して無用な演出、つまり、既に特図2保留球数が上限に到達しているにも関わらず特図2保留を獲得させようとする保留獲得演出が実行されることを防ぎ、遊技者が演出内容に困惑してしまう事態を抑制することができる。さらに、前半期間から第2示唆演出を実行させることにより、第2示唆演出の演出期間を長くすることができるため、より興趣に富んだ第2示唆演出を実行することができる。そして、興趣に富んだ第2示唆演出を実行させようと、遊技者に対して意欲的に遊技(右打ち遊技)を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させることができる。
図377を参照して説明をする最終変動演出更新処理(図377のC4506)では、演出更新処理5(図374のC3112参照)のC4501の処理にて更新された時短状態の最終変動に対応して実行される最終変動演出の経過期間(特図2変動の経過期間)を判別し、その判別結果に基づいた処理が実行される。最終変動演出更新処理(C4506)で実行されると、まず、現在のタイミングが待機期間経過タイミングであるかを判別し(C4801)、待機期間経過タイミングであると判別した場合は(C4801:Yes)、次に、特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が上限値である「4」であるかを判別する(C4802)。
C4802の処理において、特図2保留球数が「4」であると判別した場合は(C4802:Yes)、保留上限フラグ223enをオンに設定し(C4803)、そのまま本処理を終了する。一方、C4802の処理において、特図2保留球数が「4」では無い、即ち、「3」以下であると判別した場合は(C4802:No)、保留上限フラグ223enをオンに設定すること無く本処理を終了する。
C4801の処理において、現在が待機期間経過タイミングでは無いと判別した場合は(C4801:No)、次に、現在が第1期間開始タイミングであるかを判別し(C4804)、第1期間開始タイミングであると判別した場合は(C4804:Yes)、保留上限フラグ223enがオンに設定されているかを判別し(C4805)、オンに設定されていると判別した場合、即ち、第1期間の開始タイミングにおいて特図2保留球数を上限数である所定数(4個)確保していると判別した場合は(C4805:Yes)、時短最終変動演出として第1期間、第2期間を用いた時短変動演出を示す表示用演出コマンドを設定し(C4806)、保留上限フラグ223enをオフに設定し、実行済フラグ223eqをオンに設定し(C4808)、本処理を終了する。
一方、C4805の処理において、保留上限フラグ223enがオンに設定されていないと判別した場合は(C4805:No)、特図2保留を上限値(4)まで獲得させるための保留球数獲得演出を示す表示用演出コマンドを設定し(C4809)、そのまま本処理を終了する。このように構成することにより、待機期間経過タイミングにおける特図2保留球数に応じて、第1期間中に実行される演出の演出態様を可変させることができ、遊技者に多様な演出を提供することができる。
C4804の処理において、現在が第1期間開始タイミングでは無いと判別した場合は(C4804:No)、次に、現在が第2期間の開始タイミングであるかを判別し(C4810)、第2期間の開始タイミングであると判別した場合は(C4810:Yes)、実行済フラグ223eqがオンに設定されているかを判別する(C4811)。
ここで、実行済フラグ223eqがオンに設定されていると判別した場合、即ち、第1期間の開始タイミングにおいて、第2期間中に実行する演出の演出態様が設定されていると判別した場合は(C4811:Yes)、新たに演出態様を設定する必要が無いため、実行済フラグ223eqをオフに設定し(C4812)、本処理を終了する。
一方、C4811の処理において、実行済フラグ223eqがオンに設定されていないと判別した場合は(C4811:No)、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を読み出し(C4813)、当該変動の抽選結果(当たり判定結果)と、読み出した入賞情報に含まれる先読み結果(事前判別結果)と、に基づく時短変動演出を示す表示用演出コマンドを設定し(C4814)、本処理を終了する。
このように、時短最終変動の実行タイミングでは無く、時短最終変動が実行されてから所定時間経過後のタイミング(第2期間が設定されるタイミング)で、特図2保留の先読み結果に基づく演出態様を設定することにより、当該変動を実行する際に減算される特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)を、再加算させた状態で特図2保留の先読み結果に基づく演出態様を設定することができる。よって、先読みされる特図2保留の数を増加させることができるため、第2期間中に実行される演出(時短最終変動演出)において、当たりを示す演出結果が表示され易くすることができ、演出効果を高めることができる。
C4810の処理において、現在が第2期間開始タイミングでは無いと判別した場合は(C4810:No)、次に、現在が第2期間の終了タイミングであるかを判別する(C4815)。第2期間の終了タイミングであると判別した場合は(C4815:Yes)、第2期間中に新たな特2保留を獲得したかを判別し(C4816)、新たな特2保留を獲得したかを判別した場合は(C4816:Yes)、再先読みフラグ223emをオンに設定し(C4817)、本処理を終了する。
ここで、C4816で実行される処理の内容について説明をすると、入賞情報格納エリア223aには、各図柄保留に対応する格納エリアが形成されており、本制御例では、第1特別図柄(特図1)用の格納エリアと、第2特別図柄(特図2)用の格納エリア、普通図柄(普図)用の格納エリアとが、各図柄の上限保留記憶数(4個)に対応する個数形成されている。そして、各格納エリアは主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる先読み情報と、音声ランプ制御装置113にて各種演出を設定する際に先読み結果が参照されたか否かを示す参照済情報とが記憶されるように構成している。
つまり、C4816の処理では、C4806、或いはC4814の処理によって参照された特図2保留(特2保留)以外に新たな特2保留が入賞情報格納エリア223aに格納されているかを、各格納エリアに記憶される参照済情報の有無に基づいて判別し、入賞情報格納エリア223aの特図2保留(特2保留)に対応する格納エリア(4個)に、先読み情報が記載され、且つ、参照済情報が記憶されていない格納エリアがあると判別した場合に、新たな特2保留があると判別する。
そして、C4817の処理において再先読みフラグ223emをオンに設定することにより、次に実行される特図変動(時短終了後1回目の特図変動)に対応する変動演出として、再度、特図2保留の先読み結果に基づく変動演出が実行される。
一方、C4816の処理において、新たな特2保留が無いと判別した場合は(C4816:No)、現在獲得している特図2保留の全てが先読みされ、その先読み結果に基づく演出態様で第2期間中の時短最終変動演出が実行されている場合であるため、そのまま時短変動演出の結果を示す表示用演出結果コマンドを設定し(C4818)、本処理を終了する。C4815の処理において、第2期間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(C4815:No)、次に、その他更新内容に対応する表示用コマンドを設定し(C4819)、本処理を終了する。C4819の処理では、最終変動演出の経過期間に基づく演出態様の設定や、最終変動の残期間を示すための残期間表示態様の更新設定や、最終変動の経過期間を示すための経過期間表示態様の更新設定や、最終変動中に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作したことに基づいて実行される操作表示態様の設定等が実行される。
<第6制御例>
次に、図378から図385を参照して、第6制御例について説明をする。上述した第5制御例では、第2特別図柄の保留球数を最大で4個記憶可能に構成し、時短状態が終了し、通常状態へと移行した時点で保留記憶されている特図2保留(最大4個)に対して、通常状態の抽選確率で特図2抽選を実行するように構成していた。
さらに、上述した第5制御例は、時短状態中の特図2抽選よりも、通常状態中の特図2抽選のほうが、遊技者に有利な抽選結果となり易くなるように構成したため、時短状態が終了する時点で多くの特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技を行わせるものであった。
上述した第5制御例では、時短状態の最終変動中に継続して右打ち遊技を行うだけで、容易に特図2保留を最大数獲得することができるため、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができるものであったが、時短状態終了後に実行され得る特図2抽選の回数に差を持たせることができず、更なる技術改良が求められた。
これに対して、本第6制御例では、第2特別図柄(特図2)の最大保留球数を「1」に設定し、時短状態中に実行される普通図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易い期間を、時短状態の種別、及び、時短状態中の特図変動回数に応じて設定可能に構成し、さらに、時短状態中に実行される普図当たり遊技として、当たり遊技期間が長いロング開放当たり遊技を複数種類設定可能に構成している。また、時短状態終了後に実行される特図2変動の変動時間として、短時間変動(0.1秒変動)が設定され易い状態を設定可能に構成している。
このように構成することにより、時短状態終了後(通常状態設定後)に実行可能な特図2抽選の回数を、様々な遊技条件の成立具合に応じて異ならせることができる。よって、遊技者に対して、時短状態が終了する時点でどのような遊技条件が成立するのかを楽しませることができる。
まず、図378を参照して、本第6制御例のおけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図378は、本制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。本第6制御例のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第5制御例のパチンコ機10の遊技盤に対して、第2入賞口640に付随する電動役物640aの構成を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図378に示した通り、本第6制御例では、第2入賞口640に球が入賞し難い閉鎖状態(図378の実線で表示)と、入賞し易い開放状態(図378の点線で表示)と、に可変可能な電動役物640aを設けている。この電動役物640aは、上述した第5制御例の電動役物640a(図315参照)に対して、開放状態となった場合に、複数の球を第2入賞口640に入賞させ易くなるように構成されている。また、詳細な説明は省略するが、球の流下状況によって、開放状態である電動役物640aを通過してから第2入賞口640に入賞するまでの期間が異なるように構成している。例えば、第2入賞口640を有する構造体に沿って流下し電動役物640aの基部(第2入賞口640を有する構造体側)付近に到達した球と、電動役物640aの先端部(第2入賞口640を有する構造体から離れた側)付近に到達した球とで、第2入賞口640に入賞し得る流下位置に位置してから第2入賞口640に入賞するまでに要する球流下期間の差が0.1秒よりも大きくなるように構成している。
このように構成することで、電動役物640aを開放状態へと位置させる普図当たり遊技中において、0.1秒以上の時間差を設けて球を第2入賞口640に入賞させ易くすることができる。詳細は後述するが、本制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合における特図2変動の変動時間として、最短で0.1秒の変動時間が設定されるように構成している。
つまり、本制御例では、1回の普図当たり遊技中における複数入賞球の発生タイムラグよりも、短い変動時間で特図2変動が実行され得るように構成している。よって、1回の普図当たり遊技中に複数の球が第2入賞口640に入賞したとしても、その入賞数に応じた回数分、特図2抽選を実行させ易くすることができる。
なお、本制御例では、図378に示した通り、開放状態に位置する電動役物640aに対して、電動役物640aのどの部位に球が到達するかによって、入賞球のタイムラグを発生させる構成としているが、これに限ること無く、例えば、第2入賞口640へ連通する開口部を複数(第1開口部、第2開口部)設け、各開口部に流入した球が第2入賞口640に到達するまでの期間を少なくとも0.1秒以上異ならせるように構成し、さらに、1回の普図当たり遊技にて、各開口部を開放させる普図当たり遊技を実行するように構成しても良い。
このように構成することにより、普図当たり遊技中において、略同タイミングで第1開口部を通過した球と、第2開口部を通過した球とで第2入賞口640に到達するまでの期間を異ならせることができるため、より確実に、入賞数に応じた回数分、特図2抽選を実行させることができる。
また、この場合、各開口部に対して電動役物640aを設けても良いし、1つの電動役物640aが複数の開口部を開放状態、閉鎖状態へと移行するように構成しても良い。
<第6制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出内容について>
次に、図379を参照して、本第6制御例における表示画面の表示内容について説明をする。本制御例では、時短状態終了タイミングにおいて所定の遊技条件が成立すると、時短状態終了後も所定期間の間、特図2抽選を実行し易い状態(サポート状態)が設定されるように構成されており、時短状態の最終変動(時短最終変動演出)において、時短終了後にサポート状態が設定されることを示唆する示唆演出を実行するように構成している。
図379(a)は、時短状態の最終変動中の時短最終変動演出にて表示される表示内容の一例を示した模式図である。図379(a)に示した通り、本第6制御例では、上述した第5制御例とは異なり、時短状態の最終変動においても、当該変動の抽選結果を示すための変動演出(第1示唆演出)が実行されるため、上述した第5制御例の時短状態中の非最終変動に対応して実行される変動演出(図327(a)参照)と同様の演出画面が表示される。なお、上述した第5制御例の表示画面(図327(a)参照)と同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第6制御例では、上述した第5制御例の表示画面(図327(a)参照)に対して、抽選結果態様871a〜871cに加え、時短終了後にサポート状態が設定されることを示唆する「サポート」の文字が付された状態示唆態様871dが表示される点で相違している。この状態示唆態様871dは、時短状態の終了が近づく毎に表示され易くなるように構成されており、時短最終変動の抽選結果が外れで、且つ、時短終了後にサポート状態が設定される場合において、キャラクタ851が状態示唆態様871dをゲットする演出態様が設定される。なお、時短最終変動の抽選結果が当たりの場合は、当たりを示す抽選結果態様871a〜871bをゲットする演出態様が設定される。
時短状態終了後にサポート状態が設定されると、図379(b)に示す表示画面が表示される。図379(b)は、サポート状態中に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。詳細は後述するが、本制御例では、時短状態中に当選した普図当たり遊技がロング開放当たり遊技であって、時短状態終了後もロング開放当たり遊技が継続して実行され、通常状態中に球が第2入賞口640に入賞し得る場合にサポート状態が設定される。
このサポート状態中は、通常状態であるが、球が第2入賞口640に入賞し得るため、小表示領域Dm4では「右打ち」が強調表示される。そして、小表示領域Dm31には、第2入賞口640に球を入賞させる遊技を行うことを遊技者に視覚的に報知させる案内表示態様が表示され、副表示領域Dsには、サポート状態が設定されていることを示す「サポートタイム突入」のコメントが表示される。
また、小表示領域Dm6では、実行中の特図2変動に対応する第3図柄が変動表示されると共に、今回のサポート状態中に実行された特図2変動回数を示す情報が小表示領域Dm30に「サポート回数」として表示される。図379(b)に示した例では、サポート状態が設定されてから1回目の特図2変動が実行されている状態であるため、「サポート回数×1」が表示されている。主表示領域Dmではキャラクタ851が立ち上がろうとする演出が実行され、「ガンバレ」のコメントが表示されている。このサポート状態中は、特図2変動として短変動(0.1秒変動)が実行可能となるように構成されており、場合によっては数多くの特図2変動が実行される。サポート状態中の特図2変動において当たりに当選した場合は、キャラクタ851が立ち上がる演出が実行される。
<第6制御例の電気的構成について>
次に、図380から図383を参照して、本制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例のパチンコ機10の電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を変更した点と、特図2保留の上限数を1に変更したことに伴い主制御装置110のMPU201が有するRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203b、特別図柄2保留球数カウンタ203eの構成を変更した点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、RAM203の相違点についても、その詳細な説明を省略する。
図380は、本第6制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。図380に示した通り、上述した第5制御例に対して、普図当たり乱数5テーブル202edに替えて普図当たり6テーブル202fdを、変動パターン5テーブル202eeに替えて変動パターン6テーブル202feを、普図変動パターン選択テーブル202efに替えて普図変動パターン選択6テーブル202ffを、設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図381(a)を参照して、普図当たり種別選択6テーブル202fdの内容について説明をする。図381(a)は、普図当たり種別選択6テーブル202fdの内容を模式的に示した模式図である。本第6制御例では、図381(a)に示した通り、普図当たり種別として、普図当たりAと普図当たりB1と普図当たりB2とを設けた点で、上述した普図当たり種別選択5テーブル202edと相違している。
具体的には、普通図柄の確率状態が低確率状態(普図低確)であって、取得した第2当たり種別カウンタC6の値が「0」に「普図当たりA」が規定され、「1〜50」の範囲に「普図当たりB1」が規定され、「51〜99」の範囲に「普図当たりB2」が規定されている。また、普通図柄の確率状態が高確率状態(普図高確)であって、取得した第2当たり種別カウンタC6の値が「0,1」の範囲に「普図当たりA」が規定され、「2〜50」の範囲に「普図当たりB1」が規定され、「51〜99」の範囲に「普図当たりB2」が規定されている。
次に、普図当たり種別選択6テーブル202fdにて選択される普図当たり種別と、普図当たり遊技が実行される時点における遊技状態との関係性について、図381(b)を参照して説明をする。図381(b)は、普図当たり種別と遊技状態とに基づく電動役物640aの開放動作内容との関係性を示した図である。
本第6制御例では、上述した第5制御例に対して、普図当たり種別として「普図当たりB」に替えて「普図当たりB1」と「普図当たりB2」とを設けた点で相違しているが、本制御例の「普図当たりB1」に対する電動役物640aの開放動作内容は、上述した第5制御例の「普図当たりB」の開放動作内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
普図当たり種別が「普図当たりB2」であって、普図当たり遊技が開放される時点での遊技状態が時短状態(普図高確)である場合には、普図当たり遊技として「ロング開放B」の開放動作が実行される。この「ロング開放B」が設定されると、0.1秒の閉鎖状態(オープニング期間)を経て、電動役物640aを1.5秒間開放させる普図当たり遊技が実行される。この開放動作の流れは、図示しない普図当たりシナリオに規定されており、普図当たり遊技を実行する際に、普図当たり種別と遊技状態とに対応した普図当たりシナリオが設定され、主制御装置110のメイン処理において普図当たりシナリオを定期的に更新することで、上述した普図当たり遊技の流れに対応させて電動役物640aの開放動作が実行される。
つまり、本第6制御例では、時短状態中に普図当たりに当選すると、普図ロング開放当たり遊技として「ロング開放A」と「ロング開放B」との何れかの普図当たり遊技が実行される。何れの普図当たり遊技が実行されたとしても、電動役物640aが開放している期間は1.5秒と共通であり、時短状態中に普図当たり遊技が実行される場合は、何れの普図当たり遊技が実行されたとしても遊技者に対して同一の特典を付与可能な状態を提供することができるように構成している。
しかし、「ロング開放A」と「ロング開放B」とでは、普図当たり遊技が開始されてから、電動役物640aが開放状態(第2入賞口640に球を入賞させ易い状態)となる期間が異なっており、「ロング開放A」が設定された場合には、普図当たり遊技が開始されてから、2.6秒後(0.1秒のオープニング期間含む)〜3.1秒後までの期間で電動役物640aを開放状態に開放動作させるように構成している。
よって、時短状態が終了する間際において、「ロング開放A」の開放動作が実行される普図当たりに当選した場合には、同タイミングで「ロング開放B」の開放動作が実行される普図当たりに当選する場合よりも、時短状態が終了し、通常状態が設定された後に電動役物640aが開放状態となり易くすることができる。
次に、図382を参照して、変動パターン6テーブル202feが有する通常用変動パターン6テーブル202fe1の内容について説明をする。図382は、通常用変動パターン6テーブル202fe1に規定されている内容を模式的に示した模式図であって、上述した第5制御例の通常用変動パターン5テーブル202ee1(図339(b)参照)に対して、第2特別図柄(特図2)の変動パターンとして選択される内容を異ならせている点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
本第6制御例では、大当たり終了後に設定された時短状態の種別(時短A、時短B)に応じて、大当たり終了後からの特図変動回数が所定回数に到達するまでに実行される特図2変動の変動パターン(変動時間)を異ならせるように構成している。
具体的には、時短状態として時短A(時短1回、或いは時短99回)が設定された場合は、大当たり遊技終了後からの特図変動回数が「1〜99回目」の範囲で通常状態中における特図2変動が実行された場合には、変動種別カウンタCS1の値、及び、特図2抽選の結果に関わらず「短変動(10秒)」が設定され、「100〜151回目」の範囲では、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、特図2抽選の結果が「外れ」の場合は「超短外れ(0.1秒)」が、「当たり(大当たり、小当たり)」の場合は「ロング当たり(20秒)」が設定され、「152回目以降」の範囲では、変動種別カウンタCS1の値、及び、特図2抽選の結果に関わらず「短変動(10秒)」が設定されるように規定されている。
ここで、本第6制御例では、上述した第5制御例と同様に、時短状態を終了させる時短終了条件として複数の時短終了条件(共通時短終了条件、対応時短終了条件)が設定されるように構成されており、例えば、時短99回が設定される時短状態(特図2変動の変動回数が99回に到達した場合に成立する対応時短終了条件が設定された時短状態)であっても、小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に球がV入賞口650a内の特定領域を通過せず、大当たり遊技が実行されなかった場合に、共通時短終了条件が成立し時短状態が終了するように構成している。よって、時短99回が設定された場合であっても、大当たり終了後からの特図変動回数が2回目移行に通常状態における特図2抽選が実行される可能性がある。
図382に示した通り、時短Aが設定された場合は、大当たり終了後からの特図変動回数が「100〜151回目」において特図2変動が実行される場合に0.1秒の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態が設定された状態で当たり当選すること無く時短99回を完走した場合には、その時点で保留記憶されている特図2保留に対する変動時間として0.1秒の変動時間が設定される。また、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行される場合には、通常状態中に球が第2入賞口640に入賞し、0.1秒の変動時間で特図2変動が実行されるため、普図当たり遊技中に複数の球が第2入賞口640に入賞したとしも、その入賞数に応じた回数の特図2変動が実行され易くなるように構成している。
一方、時短回数1回の時短状態が設定された場合は、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行される場合であっても、特図2変動として10秒の変動時間が設定されるため、普図当たり遊技中に複数の球が第2入賞口640に入賞したとしも、その特図2保留の記憶数を上限とした回数しか特図2変動が実行されないように構成している。
また、時短B(時短5回が設定される時短状態)が設定された場合は、大当たり遊技終了後からの特図変動回数が「1〜5回目」の範囲で通常状態中における特図2変動が実行された場合には、変動種別カウンタCS1の値、及び、特図2抽選の結果に関わらず「短変動(10秒)」が設定され、「6〜20回目」の範囲では、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、特図2抽選の結果が「外れ」の場合は「超短外れ(0.1秒)」が、「当たり(大当たり、小当たり)」の場合は「ロング当たり(20秒)」が設定され、「21回目以降」の範囲では、変動種別カウンタCS1の値、及び、特図2抽選の結果に関わらず「短変動(10秒)」が設定されるように規定されている。
以上、説明をした通り、本制御例では、異なる時短終了条件が設定される3つの時短状態(時短1回、時短5回、時短99回)のうち、時短5回が設定される時短状態と、時短99回が設定される時短状態と、の2種類の時短状態において、特図変動回数が規定する時短回数に到達することにより時短状態が終了し通常状態が設定される場合に、0.1秒の特図2変動を実行可能に構成している。
そして、特図2変動として設定される0.1秒は、上述した通り、普図ロング開放当たり遊技における電動役物640aの連続開放期間(0.5秒、1秒、1.5秒)よりも短いため、1回の普図ロング開放当たり遊技において、複数の球を第2入賞口640に入賞させることで多くの特図2変動を実行させることが可能となる。
よって、設定された時短状態、及び、成立した時短終了条件に応じて、時短状態終了後における特図2抽選の実行のし易さを異ならせることができるため、遊技者に対して、時短状態が終了する場合における遊技意欲の低下を抑制することができる。
加えて、本制御例では、時短1回の時短状態が設定された場合において、大当たり遊技終了後からの特図変動回数が「100〜151」となる期間内に特図2変動が実行された場合、即ち、時短1回の時短状態が終了し、その後、通常状態の左打ち遊技を実行している最中に、普図ロング開放当たりに当選し、特図2抽選が実行されるタイミングが大当たり遊技終了後からの特図変動回数が「100〜151」となる場合には、特図2抽選の抽選結果が外れの場合に0.1秒の短変動が実行されるように構成しているため、通常状態中の普図ロング開放当たり当選時に複数回の特図2変動が実行可能となる。
このように構成することで、時短状態終了後だけでは無く、通常状態における普図ロング開放当たり当選時においても、特図2抽選を有利に実行可能な期間を設定することができるため、遊技者に対して、特図変動回数を意識させて通常状態の遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、長期間遊技を行っている遊技者は、前回の時短状態の内容(時短回数)を把握することができ、更に、通常状態中の普図ロング開放当たり当選にて特図2抽選を有利に実行可能な特図変動回数(大当たり遊技終了後からの特図変動回数)を予測することができ、他の遊技者よりも有利に遊技を行うことができることから、継続して遊技を行う意欲を高めさせることができる。
なお、本第6制御例では、特定の時短状態が設定された場合において、その時短状態が特定の時短終了条件の成立によって終了した場合において、特図2変動の変動時間として短時間(0.1秒)の変動パターンが選択されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態中の普図ロング開放当たりに当選したタイミングに応じて、短時間(0.1秒)の変動パターンが選択される範囲を別途設けるように構成しても良い。これにより、どのタイミングで普図ロング開放当たりに当選した場合に特図2抽選を有利に実行させることができるのかを遊技者に分かり難くすることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本制御例では、特図2変動の変動パターンを、時短状態の種別、及び、大当たり遊技終了後からの特図変動回数に基づいて選択するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態の種別と、時短状態が終了してからの特図変動回数とに基づいて特図2変動の変動パターンを選択するように構成しても良い。このように構成することで、どの時短終了条件で時短状態が終了したとしても、時短状態終了後における特図2変動の変動パターンとして同一の変動パターンを選択することが可能となり、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
また、同一の時短状態の種別が設定された場合に、異なる変動パターンが選択されるように構成しても良く、例えば、時短状態として時短5回が設定される時短種別を複数設け、その複数の時短種別のうち、特定の時短種別が設定された場合にのみ、時短状態終了後に短時間(0.1秒)の特図2変動が実行され得るように構成しても良い。これにより、時短状態が設定された時点で(残時短回数を把握した時点で)、時短状態終了後の遊技内容を遊技者に予測され難くすることができる。
加えて、本制御例では、特図2抽選が有利に実行される状態(サポート状態)として、0.1秒の変動時間が設定されるように構成しているが、普図当たり遊技における電動役物640aの開放時間よりも短い変動時間が設定されるように構成していれば良く、複数種類の変動時間(例えば、0.1秒の他に、0.2秒、0.3秒)の中から一の変動時間が選択されるように構成しても良い。このように構成することで、特図2抽選が有利に実行される状態(サポート状態)において設定される特図2変動時間の長さによって、サポート状態中に実行可能な特図2抽選の回数が可変することになるため、遊技者にサポート状態中の遊技内容を注視させることができる。
次に、普図変動パターン選択6テーブル202ffの内容について、図383を参照して説明をする。図383(a)は、普図変動パターン選択6テーブル202ffの内容を模式的に示した模式図であり、図383(b)は、普図変動パターン選択6テーブル202ffが有する時短A用普図変動パターンテ−ブル202ff2に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図383(c)は、普図変動パターン選択6テーブル202ffが有する時短B用普図変動パターンテーブル202fe3に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図383(a)に示した通り、普図変動パターン選択6テーブル202ffは、遊技状態として通常状態が設定された場合に参照される通常用普図変動パターンテーブル202ff1と、時短状態の種別として「時短A」が設定された場合に参照される時短A用普図変動パターンテ−ブル202ff2と、「時短B」が設定された場合に参照される時短B用普図変動パターンテ−ブル202fe3、を有している。
通常用普図変動パターンテーブル202ff1に規定されている内容については、上述した第5制御例における普図変動パターン選択テーブル202efの通常状態(普図低確)時に参照される内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。一方、時短状態(普図高確)時に参照される普図変動パターンテーブルは、上述した第5制御例の普図変動パターン選択テーブル202efに対して、設定される時短状態の種別、及び、大当たり終了後の特図変動回数に基づいて選択される普図変動パターンを異ならせるように構成している点で相違している。
ここで、図383(b)を参照して、時短A用普図変動パターンテ−ブル202ff2に規定されている内容について説明をする。この時短A用普図変動パターンテ−ブル202ff2は、時短状態の種別として「時短A」、即ち、時短回数1回、或いは99回が設定された場合に参照されるデータテーブルであって、図383(b)に示した通り、大当たり終了後からの特図変動回数と、取得した第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて様々な普図変動パターン(変動時間)が規定されている。
具体的には、大当たり終了後からの特図変動回数が「1〜98回」であって、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜629」の範囲には、「短変動(2秒)」が、「630〜999」の範囲には、「超短変動(0.1秒)」が規定されており、特図変動回数が「99回」であって、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜709」の範囲には、「超短変動(0.1秒)」が、「710〜989」の範囲には、「中変動(10秒)」が規定され、「990〜999」の範囲には、「短変動(2秒)」が規定されている。
つまり、時短1回が設定された場合における時短最終変動では、普図変動パターンとして、63%が2秒、37%が0.1秒を選択するように構成され、時短99回が設定された場合における時短最終変動では、普図変動パターンとして、71%が0.1秒、28%が10秒、1%が2秒を選択するように構成されている。ここで、普図変動パターンとして短い変動時間が設定される程、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行され易くなることから、時短1回が設定された時短状態よりも、時短99回が設定された時短状態のほうが、時短状態終了後に第2入賞口640に球を入賞させ易い状態(サポート状態)が設定され易くすることができる。
一方、特図変動回数が「99回」の場合では、28%の確率で10秒の普図変動時間が選択されるように構成しており、この10秒の普図変動時間が選択された場合には、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行され難くなる。また、本制御例では、時短終了条件として時短99回が設定された場合において、その時短終了条件が成立する特図変動(99回目の特図変動)の実行中における普図変動時間として、他の期間よりも0.1秒の普図変動時間が選択され易くなるように構成しているため、時短状態の最終変動を実行させること無く、0.1秒の普図変動を継続して実行させることで過剰に特典(第2入賞口640に球を入賞させることにより払い出される賞球)を獲得する遊技を行われ難くすることができる。
また、時短最終変動として設定される特図変動と、普図変動とが異なる契機で設定され、且つ、右打ち遊技によって発射された球により何れかの実行契機が成立し得るように遊技盤13を構成しているため、特図変動の終了タイミングに合わせて普図変動(普図当たり変動)を実行させる遊技を行われ難くすることができる。
次に、図383(c)を参照して、時短B用普図変動パターンテ−ブル202fe3に規定されている内容について説明をする。時短B用普図変動パターンテ−ブル202fe3は、時短状態の種別として「時短B」、即ち、時短回数5回が設定された場合に参照されるデータテーブルであって、図383(c)に示した通り、大当たり終了後からの特図変動回数と、取得した第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて様々な普図変動パターン(変動時間)が規定されている。
具体的には、大当たり終了後からの特図変動回数が「1〜4回」であって、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜629」の範囲には、「短変動(2秒)」が、「630〜999」の範囲には、「超短変動(0.1秒)」が規定されており、特図変動回数が「5回」である場合は、取得した第2変動種別カウンタCS2の値に関わらず「超短変動(0.1秒)」が規定されている。なお、時短状態は最高で5回に設定されているため、特図変動回数6回目以降に対応する値は設定されていない。
上述した通り、時短5回の時短状態が設定された場合には、その時短最終変動中は必ず0.1秒の変動時間で普図変動が実行されるように構成されている。よって、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行され易くなる。
以上、説明をした通り、本制御例では設定された時短状態の種別(時短A、B)に応じて、特別図柄の変動時間、及び、普通図柄の変動時間を異ならせて設定可能に構成しており、時短5回が設定される時短種別(時短B)が最も時短状態終了後に特図2抽選を実行し易い状態(サポート状態)を設定し易くし、次いで、時短99回、時短1回の順となるように構成している。
これにより、時短状態中に大当たり遊技を実行させる条件が成立しなかった場合に、遊技者に対して特典(サポート状態)を付与可能とし、さらに、設定された時短状態の種別に応じて、特典付与確率を異ならせることで、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本制御例では、特図2変動の変動パターンを選択する際、或いは、普図変動の変動パターンを選択する際に、大当たり遊技終了後の特図変動回数を参照するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図2変動の変動回数のみを参照して各変動パターンを選択するように構成しても良いし、普図変動の変動回数を参照するように構成しても良い。また、設定された時短終了条件の成立具合を参照して各変動パターンを選択するように構成しても良い。
また、本制御例では、特図2変動の変動パターンを選択する際、或いは、普図変動の変動パターンを選択する際に、大当たり遊技終了後の特図変動回数を参照するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態中に当選した小当たり種別に基づいて、各変動パターンを選択する際に用いる変動パターンテーブルを可変させても良いし、小当たり遊技終了後の特図変動回数や普図変動回数に基づいて各変動パターンを選択するように構成しても良い。
<第6制御例における制御処理について>
次に、図384、図385を参照して、本第6制御例における制御処理の内容について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して、普通図柄変動処理5(図350のC106参照)に替えて普通図柄変動処理6(図384のC136参照)を実行する点と、主制御装置110における各種判別処理において参照するデータテーブルの内容(図380〜図383参照)が異なる点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、参照するデータテーブルの内容を変更した点、及び、参照するデータテーブルの内容を変更したことに対応して変更される各種処理内容についても、単に数値を変更しただけであり技術思想的には同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、図384を参照して、普通図柄変動処理6(C136)の内容について説明をする。図384は、普通図柄変動処理6(C136)の内容を示したフローチャートである。普通図柄変動処理6(C136)が実行されると、上述した第5制御例の普通図柄変動処理5(図350のC106参照)と同一のC601〜C611の処理を実行し、C611の処理において、今回の普通図柄の抽選が当たりであると判別した場合は(C611:Yes)、普図当たり種別選択6テーブル202fdを参照して今回の普図当たり種別を設定し(C641)、当たり時(普図当たり時)の表示態様を設定し(C613)、C642の処理へ移行する。一方、C611の処理において、今回の普通図柄の当たり抽選が外れであると判別した場合は(C611:No)、外れ時の表示態様を設定し(C614)、C642の処理へ移行する。
C642の処理では、普図変動パターン選択6テーブルに基ついて今回の普図変動パターンを設定し(C642)、各設定内容(当たり抽選の当否判定、普図変動パターン)に対応するコマンドを設定し(C623)、本処理を終了する。一方、C602の処理において、現在が普図変動中であると判別した場合は(C602:Yes)、上述した第5制御例の普通図柄変動処理5(図350のC106参照)と同一のC618〜C623の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図385を参照して、本第6制御例の音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本制御例の音声ランプ制御装置113の制御処理内容は、上述した第5制御例の音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、普図用演出設定処理(図371のC4117参照)に替えて普図用演出設定処理6(図385のC4167参照)を実行するように構成した点で相違している。それ以外の制御処理は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
図385は、普図用演出設定処理6(C4167)の内容を示したフローチャートである。図385に示した通り、普図用演出設定処理6(C4167)では、上述した普図用演出設定処理(図371のC4117参照)に対して、時短状態の特図最終変動期間中に実行される演出態様を設定するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一であり、同一の制御処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
普図用演出設定処理6(C4167)が実行されると、上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371のC4117参照)と同一のC4201〜C4212の処理を実行し、本処理を終了する。また、C4202の処理において、現在の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合は(C4202:No)、次に、現在が時短状態の最終変動中であるかを判別し(C4251)、最終変動中では無いと判別した場合は(C4251:No)、そのまま本処理を終了する。一方、C4251の処理において、現在が時短状態の最終変動中であると判別した場合は(C4251:Yes)、特図変動時間カウンタ223egの値を取得し、実行中の特図変動の残期間を抽出する(C4252)。
そして、実行中の特図変動の終了タイミングが普図ロング当たり遊技中となるかを判別し(C4253)、普図ロング開放当たり遊技中となると判別した場合は(C4253:Yes)、今回の時短状態終了タイミングを跨ぐ用に普図ロング開放当たり遊技が実行されるため、時短終了後に特図2変動ゾーン(サポート状態)が設定されることを示唆するための表示用コマンドを設定し(C4254)、本処理を終了する。C4254の処理によって表示用コマンドが設定されると、その表示用コマンドが他の表示用コマンドと同様の処理で表示制御装置114へと出力され、図379(a)に示す演出画面が第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。
C4253の処理において、時短終了タイミングでロング開放されないと判別した場合は(C4253:No)、そのまま本処理を終了する。なお、本制御例ではC4253の処理において時短終了タイミングでロング開放されないと判別した場合に(C4253:No)そのまま本処理を終了するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定された時短状態はサポート状態を設定し易い時短状態(例えば、時短B)であったが、特図変動と普図変動との実行タイミングが悪くサポート状態が設定されなかったのか、そもそも、サポート状態を設定し難い時短状態(例えば、時短A)が設定されていたのかを判別する手段を設け、遊技者にその判別結果を報知(示唆)可能な表示態様を表示するように構成しても良い。また、今回の普図変動の終了タイミング、及び、今回の普図変動に基づいて実行される普図当たり遊技の終了タイミングにおいて、時短状態の最終変動が終了しているか否かを判別する手段を設け、今回の普図変動の終了タイミング、及び、今回の普図変動に基づいて実行される普図当たり遊技の終了タイミングにおいて、時短状態の最終変動が終了していないと判別した場合は、その判別結果を示唆(報知)するように構成しても良い。
以上、説明をした通り、本第6制御例は、上述した第5制御例と同様に、第1特別図柄抽選(特図1抽選)よりも、第2特別図柄抽選(特図2抽選)のほうが小当たりに当選し易くなるように設定し、遊技状態として時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合に、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定された場合よりも、特図2抽選が実行され易くなるように構成している。そして、小当たり遊技中に開放状態となるV入賞口650aに球を入賞させ、その球が特定領域(Vゲート)を通過した場合に、大当たり遊技の実行契機が成立するように構成している。
そして、時短状態を終了させるための時短終了条件として第1終了条件(特図変動回数(特図2変動回数)が規定回数(例えば、5回))に到達した場合に成立する条件)と、第2終了条件(時短状態中における特図抽選によって、特定の小当たりに規定回数(例えば、1回)当選した場合に成立する条件)と、を少なくとも有し、第1終了条件が成立する場合にのみ、遊技者に有利な有利状態を付与可能に構成している。具体的には、第1終了条件が成立する特図変動中において、普通図柄の変動時間を極端に短く(普図変動時間0.1秒)し、1回の特図変動期間内に多くの普図変動を実行可能に構成している。
これにより、第1終了条件が成立したことに基づいて時短状態が終了する場合には、その時短状態の最終変動(特図最終変動)にて、実行される普図変動の変動期間を短くすることができる。これにより、時短状態の最終変動(特図最終変動)中に普図ロング開放当たり遊技を実行させ易くすることができ、ひいては、普図ロング開放当たり遊技の実行中に時短状態が終了し、通常状態が設定された後も、普図ロング開放当たり遊技を継続させ易くすることができる。
つまり、本制御例では、時短状態(1回、5回、99回)が設定されている状態において、特図2抽選を実行し、第1特典(小当たり当選(小当たり当選確率約1/7))が付与されることを目指す遊技を行わせる一方、時短状態中に実行される特図2抽選にて小当たりに当選すること無く所定回数の特図2抽選が実行される場合において、第1特典とは異なる第2特典(普図変動として短変動が実行される期間)が付与されるように構成している。このように構成することで、時短状態中における遊技結果(特図2抽選結果)として小当たりに当選する場合も、当選しない場合も遊技者に有利な特典を付与することができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
さらに、本制御例では、特定の時短状態(例えば、時短5回)における特図最終変動の実行期間中に普図変動として短変動が実行される期間が設定されるように構成しているため、時短状態が終了した時点で、第2特別図柄(特図2)の保留記憶数を上限(4個)まで獲得させ易くすることができる。さらに、普図変動時間を短くすることで、単位時間当たりにおいて電動役物1640aが開放している期間が占める割合を増加させることができるため、普図当たり遊技が実行されている状態(電動役物1640aが開放している状態、或いは、電動役物1640aが開放する期間を残した状態)で通常状態が設定され易くすることができる。
これにより、通常状態が設定された後にも第2入賞口1640に球を入賞させ易くすることができるため、第2特典が付与された場合には、第2特典が付与されなかった場合よりも多くの特図2抽選を実行させることができ、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第6制御例におけるパチンコ機10は、特定遊技(例えば、小当たり遊技)中に、球が入球し難い第1状態(閉鎖状態)から、その第1状態よりも球が入球し易い第2状態(開放状態)へと可変される特定入球手段(V入賞口650a)を設け、その特定入球手段(V入賞口650a)に入球した球が特定領域(Vゲート)を通過したことに基づいて、大当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、小当たり遊技が実行された場合に開放動作されるV入賞口650aに球が入球した場合に、遊技者に所定数の賞球を払い出す特典が付与されるパチンコ機10に本制御例にて説明をした技術を適用しても良い。この場合においても、特図1抽選に対して特図2抽選のほうが小当たりに当選する確率が高くなるように構成することで、上述した第2特典が付与された場合に遊技者に有利な遊技状態を提供することができる。
さらに、本第6制御例では、図383を参照して説明をした通り、上述した第2特典が付与される期間が、時短状態の最終変動が実行されている期間(特定の時短終了条件が成立する期間)としているが、これに限ること無く、例えば、時短99回が設定されている場合において、時短状態が設定された直後(例えば、時短状態が設定されてからの特図変動回数が1〜5回の期間)や、時短状態が設定されてから所定期間経過後(例えば、時短状態が設定されてからの特図変動回数が45〜50回の期間)の期間において第2特典が付与されるように、普図変動パターン6テーブル202feに規定されている内容を構成しても良い。また、同一の時短終了条件が設定される時短状態に対して、複数の時短種別を設け、設定される時短種別に応じて、第2特典が付与される期間を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された場合において、どのタイミングで第2特典が付与されるのかを遊技者に分かり難くさせることができるため、第2特典が付与されることを期待させながら時短状態中の遊技を行わせることができる。
<第6制御例の変形例について>
次に、上述した第6制御例の変形例について説明をする。上述した第6制御例では、時短状態において所定条件が成立すると、即ち、特定の時短状態(時短5回の時短状態)が設定されている状態で、5回目の特図変動が実行されると、普通図柄(普図)の変動時間として短時間(0.1秒)の変動時間が選択され易い有利遊技が実行されるように構成し、時短状態の終了間際、或いは、時短状態の終了直後において球を第2入賞口640に入賞させ易くするように構成していた。そして、上述した第6制御例では、図378に示した通り、遊技盤13の右側遊技領域に電動役物640aが付随する第2入賞口640を設け、右打ち遊技を実行した場合に、第2入賞口640には入賞し得るが、第1入賞口64には球が入賞し得ないように構成していた。
これに対し、本変形例では、右側遊技領域に設けられた第2入賞口640の下方位置、具体的には、電動役物640aが閉鎖状態である場合は、右打ち遊技によって発射された球が入賞可能であって、電動役物640aが開放状態である場合は、右打ち遊技によって発射された球が入賞困難となる位置に、第1入賞口64が配設された遊技盤13を用いている。なお、それ以外の遊技盤13の構成は、上述した第6制御例と同一であるためその説明を省略する。
さらに、本変形例では、第1特別図柄(特図1)と、第2特別図柄(特図2)と、が取得情報を取得した順(対応する入賞口に球が入賞した順)で変動(抽選)が実行されるように構成している点と、特図2の取得情報を保留記憶する構成を削除した点と、で上述した第6制御例と相違している。それ以外の内容については上述した第6制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
このように構成された本変形例では、時短状態中に第2特典(普図変動時間として短時間(0.1秒)が設定され易い遊技期間)が付与され、普図当たり遊技中に通常状態が設定された場合には、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に入賞し易くなり、第1入賞口64に入賞し難くすることができる。よって、通常状態中に特図2変動を実行させ易くすることができる。一方、普図当たり遊技中以外のタイミングで通常状態が設定された場合には、右打ち遊技によって発射された球が第1入賞口64に入賞し易くなる。そして、特図2の保留を記憶するための構成を有していないことから、特図1変動が実行されている最中に第2入賞口640に球が入賞したとしても特図2変動が実行されないように構成されている。
つまり、本変形例では、電動役物640aの開放動作が、第2入賞口640へ球を誘導するための誘導手段と、第1入賞口64への球の入賞を制限するための制限手段として機能するように構成している。このように構成することで、時短状態中に第2特典が付与された場合と、付与されなかった場合とで、時短状態が終了し、通常状態が設定された場合において遊技者に付与される特典を大きく異ならせることができる。よって、遊技者に対して、第2特典が付与されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
<第7制御例>
次に、図386から図397を参照して、第7制御例について説明をする。上述した第5制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選結果、或いは、普通図柄の抽選結果に基づいて実行される変動演出として一連演出を実行可能に構成し、一連演出が実行された場合に、今回の一連演出の実行契機が特図抽選なのか普図抽選なのかを分かり難くし、遊技者に演出結果(抽選結果)を予測させる楽しみを提供するように構成していた(図317参照)。
しかしながら、実行される当たり遊技(普図当たり遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)によって、左打ち遊技から右打ち遊技へと遊技方法を可変させるための報知態様(主表示領域Dmの小表示領域Dm4の表示態様)が表示されるタイミングによって、今回の一連演出がどの図柄抽選に基づくものであるのかを判別されてしまう虞があった。
これに対して、本第7制御例では、特別図柄抽選(特図抽選)、或いは普通図柄抽選(普図抽選)を契機に実行される演出(セット演出)にて、何れの図柄抽選であっても、同一タイミングで左打ち遊技から右打ち遊技へと遊技方法を可変させるための報知態様(主表示領域Dmの小表示領域Dm4の表示態様)を表示可能に構成している。以下、本第7制御例の特徴的な構成、及び制御内容について説明をする。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
<第7制御例のパチンコ機10における遊技盤構成について>
まず、図386〜図388を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成について説明をする。本第7制御例のパチンコ機10における遊技盤13は、上述した第5制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成(図315参照)に対して、右側遊技領域の構成を異ならせており、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図386は、本第7制御例のパチンコ機10における遊技盤13を模式的に示した模式図である。本第7制御例では、遊技者が右打ち遊技を行うことで右側遊技領域を流下する球が、各当たり遊技(普図当たり遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)によって入賞可能となる各入賞口(第2入賞口640、V入賞口650a、特定入賞口65a)へと到達する時間が異なるように構成されており、具体的には、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に到達するまでの時間が約4秒、V入賞口650aに到達するまでの時間が約2秒、特定入賞口65aに到達するまでの時間が約6秒となるように構成している。
ここで、本制御例の右側遊技領域の構成について、図386〜図388を参照して詳細に説明をする。図386に示した通り、右側遊技領域の上方には、球を複数の球経路に振分可能な振分手段700が設けられており、振分手段700によって振り分けられた球が第1経路701と、第2経路702とに交互に振り分けられるように構成されている。
第1経路701は、蛇行状の球通路によって形成されており、球が第1経路701を通過するのに約3秒要するように構成されている。そして、第1経路701を通過した球は、可変入賞装置65、と、電動役物640aとが設けられた流路ユニットの上面に到達する。流路ユニットは、その上面がアウト口66方向に向けて下り傾斜となるように構成されており、その上面に形成される流路の一部として、電動役物640a、及び、入賞扉65bが設けられている。電動役物640a、及び、入賞扉65bが共に閉鎖状態である場合は、流路ユニットの上面を流下した球が流路ユニットの上面の最下端(アウト口66側の端)から流出し、アウト口66に流入するように構成されている。
第1経路701を通過した球が電動役物640aの上面に到達するまでに要する時間が約1秒となるように構成し、さらに、電動役物640aの上面(流路ユニットの上面の球流路を形成している面)には、球の流下を遅延させるための遅延部材が設けられており、電動役物640aの上面を球が流下するのに要する時間が約2秒となるように構成している。ここで、本第7制御例では、電動役物640aの上面を球が直線上に流下しないように奥行き方向に蛇行させた蛇行流路が電動役物640aの上面に構成されている。これにより、球の流下を遅延させることが可能となる。
一方、振分手段700によって、第2経路702へと振り分けられた球は第1経路の奥行き方向に形成された直線上の通過流路の開口部704aに流入し、通過流路出口付近に設けられたV入賞口650aに向けて流下するように構成しており、右打ち遊技によって発射された球が約2秒でV入賞口650aに到達するように構成している。
以上説明をした通り、本制御例のパチンコ機10では、右打ち遊技によって発射された球が各当たり遊技(普図当たり遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)によって入賞可能となる各入賞口(第2入賞口640、V入賞口650a、特定入賞口65a)へと到達する時間が異なるように構成されており、具体的には、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に到達するまでの時間が約4秒、V入賞口650aに到達するまでの時間が約2秒、特定入賞口65aに到達するまでの時間が約6秒となるように構成している。
このように構成することにより、右打ち遊技によって発射された球がどの入賞口に入賞するのかを順を追って確認することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。また、詳細は後述するが、本制御例では、特図抽選において小当たり当選した場合と、大当たり当選した場合とで異なる特図変動時間が設定されるように構成し、各当たり遊技が実行された直後に球を当たり遊技によって開放された入賞口に入賞させるために、特図変動時間中に右打ち遊技を案内する報知を行うように構成している。そして、小当たり当選した場合も、大当たり当選した場合も、特図変動が開始されてからセット演出を実行し、特定時間が経過した同一タイミングで右打ち遊技を案内する報知を行うように構成している。これにより、右打ち遊技を案内する報知が行われたタイミングによって、今回の抽選結果を遊技者に判別されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
加えて、本制御例では、普図抽選によって普図ロング開放当たりに当選した場合において、セット演出の特定タイミングで右打ち遊技を案内する報知を行うようにセット演出の実行タイミングを設定するように構成している。このように構成することにより、セット演出が実行され、右打ち遊技を案内する報知が行われたとしても、今回のセット演出の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
次に、図389を参照して、本第7制御例における各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)の変動演出として用いられる一連演出と、右打ち遊技を案内する右打ち報知の表示タイミングとの関係について説明をする。図389は、各図柄変動における実行演出(報知)の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図389に示した通り、本制御例では、図柄変動が開始されてから所定期間(54秒)の演出(一連演出)が実行され、その後、遊技者に対して右打ち遊技を案内する案内報知(右打ち報知)が実行される。そして、案内報知が実行されたことに基づいて遊技者が右打ち遊技を実行すると、右打ち遊技によって発射された球が、今回実行されている図柄変動の抽選結果に応じて開放動作される各入賞口(第2入賞口640、V入賞口650a、特定入賞口65a)に入賞するように構成されている。
具体的には、大当たり当選している特図1変動(60秒)に基づいて一連演出(54秒)が実行された場合は、変動開始から54秒後(特図1変動中)に右打ち報知が実行される。そして、右打ち遊技によって発射された球が特定入賞口65aに到達するタイミング(右打ち遊技を行ってから6秒後)で大当たり遊技が開始される。
また、小当たり当選している特図1変動(58秒)に基づいて、一連演出(54秒)が実行された場合は、変動開始から54秒後(特図1変動中)に右打ち報知が実行される。そして、右打ち遊技によって発射された球がV入賞口650aに到達するタイミング(右打ち遊技を行ってから4秒後)に小当たり遊技が開始される。なお、本制御例では、小当たり遊技中に球がV入賞口650aに入賞した場合に、必ずVゲートを通過するように構成されており、小当たり遊技中に球がV入賞口650aに入賞した場合には、小当たり遊技の開始から2秒後に大当たり遊技が開始されるように構成されている。これにより、特図1変動で大当たりに当選した場合と、小当たりに当選した場合とで、変動開始から実行される変動演出(一連演出)の演出態様、及び、右打ち遊技を案内する案内報知の実行タイミング、に加え、変動開始から大当たり遊技が開始されるタイミングまで同一にすることが可能となる。よって、遊技者に対して、今回の変動演出(セット演出)の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
さらに、当たり当選している普図変動(54秒)に基づいて、一連演出(54秒)が実行された場合は、変動開始から54秒後(普図変動停止時)に右打ち報知が実行される。そして、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に到達するタイミング(右打ち遊技を行ってから2秒後)で普図当たり遊技が開始される。なお、この普図変動に基づいて一連演出が実行された場合も、普図当たり遊技を経由した大当たり遊技の開始タイミングを、上述した特図1抽選で大当たり当選した場合、小当たり当選した場合と同一にすることができるように構成している。よって、遊技者に対して、今回の変動演出(セット演出)の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
また、本制御例では、右打ち遊技を案内するための案内報知(右打ち報知)が実行されてから、大当たり遊技が開始されるまでの期間(右打ち球流下期間)の複数タイミングにおいて、今回の演出結果が失敗(大当たり遊技が実行されない)であることを報知する失敗演出を実行可能に構成している。具体的には、右打ち報知が実行された2秒後、4秒後、6秒後に失敗報知タイミングを設定している。
つまり、詳細な説明、及び図示は省略するが、特図1抽選の結果が外れである場合の一部において、変動時間が56秒、58秒、60秒の変動パターンを設定するように構成し、その変動パターンが選択された際に、上述した内容と同一の変動演出を実行し、変動時間が経過したタイミングで失敗報知を実行するように構成している。そして、上述した失敗報知タイミングは、普図当たり遊技中に球を第2入賞口640へ入賞させることができなかったことが確定するタイミング、第2入賞口640に球を入賞させたことに基づいて実行される特図2変動の抽選結果が報知されるタイミング、或いは、特図2抽選の結果、小当たりに当選し、その小当たり遊技が終了するタイミングと一致するように構成している。
このように構成することで、特図1抽選の結果が外れである場合に実行される外れ一連演出の演出態様と、普図当たり当選に基づいて実行される一連演出であって、普図当たり遊技後の遊技過程において、大当たり遊技の実行に至らなかった場合に設定される演出態様とを、同一にすることが可能となる。よって、遊技者に対して、今回の変動演出(セット演出)の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
さらに、本制御例では、例えば、特図1変動で大当たりに当選し、60秒の特図変動が実行されている場合であっても、上述した失敗報知が実行されるか否かを煽るための煽り演出を実行するように構成している。この場合、内部的には特図1大当たり当選している状態であるため、煽り演出の結果として、失敗しないことを遊技者に報知するための成功演出態様が設定され、演出として実行される。
このように、煽り演出を実行することで、実際に失敗報知が実行される一連演出と、失敗報知が実行されない一連演出との演出態様の差異を減らすことができ、今回の変動演出(セット演出)の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。また、遊技者に対して実行される演出(第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出)を注視させることができるため、右側遊技領域の球流れ状況に基づいて、今回の演出結果が何であるかを事前に判別され難くすることができる。
<第7制御例における電気的構成について>
次に、図390〜図392を参照して、本制御例における電気的構成について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を一部変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図390(a)を参照して、本第7制御例の主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容について説明をする。図390(a)は、本第7制御例の主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。本制御例では、上述した第5制御例に対して、変動パターン5テーブル202eeに替えて変動パターン7テーブル202geを、普図変動パターン選択テーブル202efに替えて普図変動パターン選択7テーブル202gfを設けた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図391を参照して、変動パターン7テーブル202geの内容について説明をする。図391(a)は、変動パターン7テーブル202geの内容を模式的に示した模式図である。図391(a)に示した通り、変動パターン7テーブル202geは、通常用変動パターン7テーブル202ge1と、時短用変動パターン5テーブル202ee2を有しており、上述した第5制御例に対して、通常状態が設定されている状態で参照される変動パターンテーブルの内容を異ならせている。
ここで、図391(b)を参照して、通常用変動パターン7テーブル202ge1の内容について説明をする。図391(b)は、通常用変動パターン7テーブル202ge1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図391(b)に示した通り、通常用変動パターン7テーブル202ge1は、上述した第5制御例の通常用変動パターン5テーブル202ee1(図339(b)参照)に対して、第1特別図柄(特図1)の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルに規定されている内容を異ならせており、第2特別図柄(特図2)の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルに規定されている内容は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
通常用変動パターン7テーブル202ge1では、特図1抽選の抽選結果が「外れ」、「大当たり」、「小当たり」の何れであっても、セット演出を実行するための専用の変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されており、具体的には、特図1の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜139」の範囲に「短外れ(7秒)」が、「140〜179」の範囲に「外れ(30秒)」が、「180〜189」の範囲に「短セット演出(30秒)」が、「190〜194」の範囲に「スーパーリーチ各種(60秒)」が、「195〜198」の範囲に「「セット演出(60秒)」が規定されている。
また、特図1の抽選結果が「大当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜29」の範囲に「ノーマルリーチ各種(30秒)」が、「30〜39」の範囲に「短セット演出(30秒)」が、「40〜179」の範囲に「スーパーリーチ各種(60秒)」が、「180〜198」の範囲に「セット演出(60秒)」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の範囲に「スーパーリーチ各種(60秒)」が、「100〜198」の範囲に「小当たりセット演出(56秒)」が規定されている。
以上、説明をした通り、本制御例では、特図1の抽選結果に関わらず、所定の割合でセット演出を実行するための変動パターンが選択されるように構成している。そして、小当たり当選時と大当たり当選時とでセット演出として設定される変動パターン(変動時間)が異なるように構成している。具体的には、大当たり当選時はセット演出として60秒の変動時間が選択され得るようにし、小当たり当選時はセット演出として56秒の変動時間が選択され得るようにしている。つまり、大当たり当選時のセット演出の変動時間よりも、小当たり当選時のセット演出の変動時間のほうが4秒短くなるように構成している。
ここで、図386を参照して後述した通り、本制御例の遊技盤13は、右打ち遊技を実行した場合に、小当たり遊技中に開放状態となるV入賞口650aに球が到達するのに要する時間(約2秒)よりも、大当たり遊技中に開放状態となる特定入賞口65aに球が到達するのに要する時間(約6秒)のほうが、4秒長くなるように構成している。そして、後述するが、本制御例では、セット演出(60秒)が実行された場合に、設定されている変動時間(特図変動時間)に関わらず、セット演出が実行されてから54秒後に右打ち遊技を案内する報知(右打ち報知)を実行するように構成している。
このように構成することで、セット演出が実行されてから右打ち報知が実行されるまでのタイミングを大当たり当選、小当たり当選共に同一にすることができるため、遊技者にセット演出の演出結果を分かり難くすることができる。さらに、セット演出が実行されてから54秒経過後に右打ち報知を行い、その右打ち報知に基づいて遊技者が右打ち遊技をした場合に、今回のセット演出の実行契機となる特図抽選結果が何れ(大当たり、小当たり)であったともして、右打ち遊技によって発射された球を開放状態となる何れかの入賞口に入賞させることができる。
次に、普図変動パターン選択7テーブル202gfの内容について、図392を参照して説明をする。図392は、普図変動パターン選択7テーブル202gfの内容を示した模式図である。図392に示した通り、普図変動パターン選択7テーブル202gfは、上述した第5制御例の普図変動パターン選択テーブル202ef(図338参照)において普図ロング変動B(60秒)が規定されていた範囲に、普図ロング変動C(58秒)を規定した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
普図変動パターン選択7テーブル202gfに示した通り、遊技状態が通常状態(普図低確)で普図抽選の結果が普図当たりAで、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「500〜999」の範囲、及び、遊技状態が通常状態(普図低確)で普図抽選の結果が外れで、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「800〜999」の範囲に、変動パターンとして「普図ロング変動C(58秒)」が規定されている。
そして、普図ロング変動Cが選択された場合には、セット演出が実行され得るように構成している。つまり、普図ロング変動Cに基づいてセット演出が実行された場合にも、そのセット演出が実行されてから54秒経過後に右打ち報知が実行される。そして、その右打ち報知に基づいて遊技者が右打ち遊技を行った場合に、発射された球が第2入賞口640に入賞するように構成している。
このように構成することで、セット演出が実行されてから右打ち報知が実行されるまでのタイミングを大当たり当選、小当たり当選、普図当選で同一にすることができるため、遊技者にセット演出の演出結果を分かり難くすることができる。さらに、セット演出が実行されてから54秒経過後に右打ち報知を行い、その右打ち報知に基づいて遊技者が右打ち遊技をした場合に、今回のセット演出の実行契機となる図柄抽選結果が何れ(大当たり、小当たり、普図当たり)であったともして、右打ち遊技によって発射された球を開放状態となる何れかの入賞口(特定入賞口65a、V入賞口650a、第2入賞口640)に入賞させることができる。
さらに、本制御例では、特図保留及び普図保留を先読みし、特図変動の開始タイミングが、所定期間(例えば、70秒)の間、特図抽選で当たり当選とならない場合で、且つ、その特図変動の開始タイミングから所定範囲期間後(例えば、58秒〜62秒後)に普図抽選で当たり当選し、当たりロング開放当たり遊技が実行されるタイミングであると判別した場合に、その特図変動の開始タイミングからセット演出を実行するように構成し、その特図変動の開始タイミングから実行されるセット演出が開始されてから54秒後に普図ロング開放当たり遊技に対応した右打ち報知を実行するように構成している。
このように、特図変動の内容と普図変動の内容とを先読みし、何れかの図柄変動開始タイミングにてセット演出を実行可能と判別した場合にセット演出を実行可能にすることで、セット演出が実行される頻度を高めることができ、演出効果を高めることができる。また、特図変動の開始タイミングで実行されたセット演出の演出結果が普図ロング開放当たり当選を示すものとすることができるため、遊技者に以外性のある遊技を行わせることができる。
なお、セット演出の開始タイミングと、右打ち報知の実行タイミングとの関係が大きく逸脱しなければ良く、例えば、通常セット演出が実行されてから54秒後に実行される右打ち報知の実行タイミングを、数秒(2秒)前後にずらしても良いし、実際にはセット演出を実行が実行されてから58秒後に右打ち遊技により発射された球が入賞口に入賞するタイミングとなるが、セット演出が実行されてから54秒後に右打ち報知を実行しても良い。このように若干のズレを許容してセット演出を実行可能とすることにより、よりセット演出を実行可能な条件が成立し易くなり演出効果を高めることができる。
また、本制御例では図柄変動の開始タイミングにセット演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、上述したセット演出を実行条件が成立する場合であれば、例えば、特図変動の実行中からセット演出を実行するように構成しても良い。この場合、セット演出が実行される前に、遊技者に対して特図変動が終了したと思わせるための疑似停止表示態様を表示するように構成すると良い。これにより、特図変動の実行途中から開始されるセット演出を、遊技者に違和感無く実行させることができる。
次に、図390(b)を参照して、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して演出禁止フラグ223gaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出禁止フラグ223gaは、新たなセット演出の設定を禁止するためのフラグであって、新たなセット演出の設定を禁止する場合にオンに設定されるものである。本制御例では、セット演出が実行されている期間に加え、特図変動に基づいて特定のスーパーリーチ演出(外れ含む)が実行されている期間中もセット演出が実行されないように構成しており、特定のスーパーリーチ演出が実行される期間中においても演出禁止フラグ223gaがオンに設定される。このように構成することで、実行中の演出(特に、当たり期待度の高い演出)が途中でセット演出に切り替わってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
<第7制御例における制御処理について>
次に、図393〜図397を参照して、本第7制御例における制御処理内容について説明をする。本第7制御例では、上述した第5制御例における制御処理内容に対して、主制御装置110では各種判別処理(当たり判別処理等)や各種選択処理(当たり種別選択処理、変動パターン選択処理等)にて参照されるデータテーブルを異ならせているため、処理結果が異なる点、及び、処理結果に基づいて実行される各種処理(コマンドを設定する処理、処理結果を記憶する処理等)の具体的な内容について相違しているが、技術思想としては同一であるため、その詳細な説明を省略する。
また、音声ランプ制御装置113の制御処理では、停止コマンド処理5(図368のC3216参照)に替えて停止コマンド処理7(図393のC3246参照)を、変動表示設定処理5(図369のC3114参照)に替えて変動表示設定処理7(図394のC3144参照)を、演出更新処理5(図374のC3112参照)に替えて演出更新処理7(図397のC3142参照)を、実行する点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図393を参照して、停止コマンド処理7(C3246)の内容について説明をする。図393は、停止コマンド処理7(C3246)の内容を示したフローチャートである。図393に示した通り、停止コマンド処理7(C3246)は、上述した停止コマンド処理5(図368のC3216参照)に対して、演出禁止フラグ223gaの設定処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
停止コマンド処理7(C3246)が実行されると、まず、上述した停止コマンド処理5(図368のC3216参照)と同一のC3951〜C3956の処理を実行し、その後、今回の停止コマンドが演出禁止フラグ223gaをオンに設定した対象変動の停止を示すものであるかを判別し(C3971)、対象変動の停止を示すものであると判別した場合は(C3971:Yes)、演出禁止フラグ223gaをオフに設定し(C3972)、本処理を終了する。一方、C3971の処理において、対象変動の停止を示すものでは無いと判別した場合は(C3972:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図394を参照して、変動表示設定処理7(C3144)の内容について説明をする。図394は、変動表示設定処理7(C3144)の内容を示したフローチャートである。図394に示した通り、変動表示設定処理7(C3144)は、上述した変動表示設定処理5(図369のC3114参照)に対して、セット演出の演出態様を設定するための処理を追加した点と、取得した変動パターンがスーパーリーチである場合に演出禁止フラグ223gaをオンに設定する処理を追加した点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理7(C3144)が実行されると、上述した変動表示設定処理5(図369のC3114参照)と同一のC4001〜C4004の処理を実行し、その後、セット演出設定処理(C4041)を実行する。このセット演出設定処理(C4041)については、図395を参照して後述するが、今回の変動表示設定処理が特図変動に基づいて実行されたのか普図変動に基づいて実行されたのかを判別し、その判別結果に基づいて、それぞれセット演出の実行条件が成立しているかの判別を実行し、セット演出の実行条件が成立している場合にセット演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
図394に戻り説明を続ける。C4041の処理を終えると、次いで、今回取得した変動パターンがスーパーリーチであるかを判別し(C4042)、スーパーリーチであると判別した場合は(CS24042:Yes)、演出禁止フラグ223gaをオンに設定し(C4043)、表示用変動パターンコマンドを設定し(C4044)、上述した変動表示設定処理5(図369のC3114参照)と同一のC4006〜C4010の処理を実行し本処理を終了する。一方、C4042の処理において、今回取得した変動パターンがスーパーリーチでは無いと判別した場合は(C4042:No)、C4043の処理をスキップしてC4044の処理へ移行する。
次に、図395を参照して、セット演出設定処理(C4041)の内容について説明をする。図395はセット演出設定処理(C4041)の内容を示したフローチャートである。セット演出設定処理(C4041)では、特図変動、或いは、普図変動に開始タイミングにおいて、セット演出を設定するための処理が実行される。
セット演出設定処理(C4041)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(C4901)、通常状態では無い(時短状態である)と判別した場合は(C4901)、セット演出を実行する遊技状態では無いため、そのまま本処理を終了する。一方、通常状態であると判別した場合は(C4901:Yes)、次に、今回の変動表示設定処理7(図394のC3144参照)が特図変動の変動表示を設定する(演出を設定する)処理であるかを判別し(C4902)、特図変動の変動表示を設定する処理であると判別した場合は(C4902:Yes)、変動表示設定処理7(図394のC3144参照)のC4003の処理で取得した変動パターンがセット演出に対応する変動パターンであるかを判別する(C4903)。
C4903の処理において、セット演出に対応する変動パターンでは無いと判別した場合は(C4903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、セット演出に対応する変動パターンであると判別した場合は(CS24903:Yes)、次いで、演出禁止フラグ223gaがオンに設定されているかを判別し(C4904)、オンに設定されていないと判別した場合は(C4904:No)、現在が普図当たりロング変動中であるかを判別する(C4905)。
C4905の処理において、現在が普図当たりロング変動中であると判別した場合は(C4905:Yes)、普図変動時間カウンタ223ehの値と、特図変動時間カウンタ223egの値と、を比較し(C4906)、普図変動の残期間が今回の特図変動時間よりも短いかを判別する(C4907)。そして、今回の特図変動時間のほうが長いと判別した場合は(C4907:No)、入賞情報格納エリア223aに格納されている普通図柄の入賞情報を読み出し(C4908)、読み出した入賞情報の中に普図ロング変動に対応する入賞情報があるかを判別し(C4909)、普図ロング変動に対応する入賞情報があると判別した場合は(C4909:Yes)、今回の変動パターンに応じたセット演出を設定し(C4910)、演出禁止フラグ223gaをオンに設定し(C4911)、本処理を終了する。
一方、C4909の処理において、C4908の処理にて読み出した入賞情報の中に普図ロング変動が無いと判別した場合は(C4909:No)、そのまま本処理を終了する。また、C4907の処理において、普図変動の残期間のほうが長いと判別した場合は(C4907:Yes)、普図変動停止タイミングに合わせたセット演出を設定し(C4912)、演出禁止フラグ223gaをオンに設定し(C4920)、本処理を終了する。
なお、C4905の処理において、普図当たりロング変動中であると判別する状態、即ち、C4904の処理で演出禁止フラグ223gaがオンに設定されていないと判別したにも関わらず、普図当たりロング変動中である場合としては、例えば、実行中の普図当たりロング変動の開始タイミングにおいて、特図変動の変動演出としてスーパーリーチ演出が実行されている場合である。
上述した通り、本制御例では、C4909の処理を設け、入賞情報の中に普図ロング変動がある場合に、セット演出を設定するように構成している。このように構成することで、入賞情報の中に普図ロング変動があると判別した場合は、特図変動に基づくセット演出の実行中に普図ロング変動が実行されるため、セット演出の実行中に普図変動が短時間で複数回実行されてしまい、例えば、普図ショート当たり遊技が実行されることにより、今回のセット演出が特図変動に基づいて実行されたセット演出であることを遊技者に容易に把握されることを抑制することができる。なお、本制御例ではC4909の処理を設けているが、これに限ること無く、セット演出を設定するように構成しても良い。
また、C4912の処理において設定されるセット演出では、特図変動の開始タイミングでは無く、普図変動停止タイミングに合わせたタイミングでセット演出が実行されるため、セット演出の演出結果として普図ロング開放当たりを報知することになる。なお、今回の特図変動開始時点における普図変動の残期間がセット演出の演出態様を実行可能な期間(15秒)よりも短い場合は、セット演出を設定するのでは無く、普図ロング開放当たりを示す専用の演出態様が設定されるように構成すると良い。これにより、普図ロング開放当たりに当選したことを遊技者に確実に報知することができる。
一方、C4904の処理において、演出禁止フラグ223gaがオンに設定されていると判別した場合(C4904:Yes)、或いは、C4905の処理において、普図当たりロング変動中では無いと判別した場合(C4905:No)は、現在実行されている普図抽選の抽選結果を取得し(C4913)、普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選しているかを判別し(C4914)、普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選していない(或いは、普図抽選が実行されていない)と判別した場合は(C4914:No)、上述したC4910の処理へ移行する。
C4914の処理において、普図当たりに当選していると判別した場合は(C4914:Yes)、次いで、今回の特図変動が当たり変動であるかを判別し(C4915)、当たり変動であると判別した場合は(C4915:Yes)、普図変動時間カウンタ223ehの値と、特図変動時間カウンタ223egの値と、を比較し(C4916)、普図変動の残期間が今回の特図変動時間よりも短いかを判別する(C4917)。そして、実行中の普図変動の残期間よりも今回の特図変動の変動時間のほうが短いと判別した場合は(C4917:Yes)、普図変動を対象に実行されているセット演出を、今回の特図変動の抽選結果を示すセット演出に設定し(C4918)、本処理を終了する。
一方、C4915の処理において、今回の特図変動が当たり変動では無いと判別した場合(C4915)、或いは、C4917の処理において、実行中の普図変動の残期間よりも今回の特図変動の変動時間のほうが長いと判別した場合は(C4917:Yes)、今回の特図変動に対応するセット演出を設定すること無く、本処理を終了する。
また、C4902の処理において、今回の変動表示設定処理7(図394のC3144参照)が、普通図柄の変動表示を設定する処理であると判別した場合は(C4902:No)、普図セット演出設定処理を実行し(C4919)、本処理を終了する。
ここで、図396を参照して普図セット演出設定処理(C4919)の内容について説明をする。図396は、普図セット演出設定処理(C4919)の内容を示したフローチャートである。普図セット演出設定処理(C4919)が実行されると、まず、今回の変動パターンがセット演出であるかを判別し(C5001)、セット演出であると判別した場合は(C5001:Yes)、次に、演出禁止フラグ223gaがオンに設定されているかを判別する(C5002)。
C5002の処理において演出禁止フラグ223gaがオンに設定されていないと判別した場合は(C5002:No)、今回の変動パターンに応じたセット演出を設定し(C5003)、演出禁止フラグ223gaをオンに設定し(C5004)、本処理を終了する。一方、C5002の処理において、演出禁止フラグ223gaがオンに設定されていると判別した場合は(C5002:Yes)、今回の普図変動が当たり変動(ロング開放当たり変動)であるかを判別し(C5005)、ロング開放当たり変動であると判別した場合は(C5005:Yes)、実行中の特図抽選結果を取得し(C5006)、特図当たりであるかを判別する(C5007)。即ち、特図外れ変動に基づいて演出禁止フラグ223gaがオンに設定されているかを判別する。
C5007の処理において、特図当たりでは無いと判別した場合は(C5007:No)、次いで、普図変動時間カウンタ223ehの値と、特図変動時間カウンタ223egの値と、を比較し(C5008)、今回の普図変動時間が実行中の特図変動の残時間よりも短いかを判別し(C5009)、今回の普図変動時間のほうが短いと判別した場合は(C5009:Yes)、実行中の特図演出(特図変動に基づいて実行されるセット演出)によって、普図抽選結果(ロング開放当たり)を報知するための差替演出(セット演出)を設定し(C5010)、本処理を終了する。一方、C5007の処理において、実行中の特図変動が当たり変動であると判別した場合(C5007:Yes)、或いは、C5009の処理において、今回の普図変動時間が実行中の特図変動の残時間よりも長いと判別した場合(C5009:No)は、そのまま本処理を終了する。
次に、図397を参照して、演出更新処理7(C3142)の内容について説明をする。図397は、演出更新処理7(C3142)の内容を示したフローチャートである。図397に示した通り、演出更新処理7(C3142)は、上述した第5制御例の演出更新処理5(図374のC3112参照)に対して、セット演出が実行された場合における右打ち報知処理を追加した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容については詳細な説明を省略する。
演出更新処理7(C3142)が実行されると、まず、上述した第5制御例の演出更新処理5(図374のC3112参照)と同一のC4501〜C4506の処理を実行する。そして、C4505の処理において時短最終変動フラグ223edがオンに設定されていないと判別した場合(C4505:No)、或いは、最終変動演出更新処理(C4506)を終えた場合に、セット演出が実行されているかを判別する(C4541)。このC4541の処理では、セット演出が実行された場合に、その演出時間を計測するためにセットされる演出時間計測カウンタ(図示せず)の値を参照することで判別が行われる。
C4541の処理において、セット演出の実行中である(演出時間計測カウンタの計測中である)と判別した場合は(C4541:Yes)、セット演出が開始されてから54秒が経過したタイミングであるかを判別し(C4542)、54秒が経過したタイミングであると判別した場合には(C4542:Yes)、右打ち遊技を示す表示用案内コマンドを設定し(C4543)、C4507の処理へ移行し、その後、本処理を終了する。一方、C4541の処理において、セット演出の実行中では無いと判別した場合(C4541:No)、或いは、C4542の処理において、54秒が経過したタイミングでは無いと判別した場合には(C4542:No)、C4543の処理を行うこと無く、C4507の処理へ移行し、その後、本処理を終了する。
なお、図397で示した演出更新処理7(C3142)では、セット演出が実行されていると判別した場合にのみ、演出開始から54秒の経過タイミングにて右打ち遊技を示すように構成しているが、実際にはそれ以外のタイミングでも右打ち遊技を示すための表示用案内コマンドを設定するように構成している。具体的な図示は省略しているが、例えば、図391(b)の通常用変動パターン7テーブル202ge1にて示した通り、30秒のセット演出が設定された場合は、セット演出が実行されてから24秒が経過したタイミングで右打ち遊技を示すための表示用案内コマンドを設定が設定される。また、実行中のセット演出の演出結果を途中で差し替える場合には、さらに異なるタイミングで右打ち遊技を示すための表示用案内コマンドを設定するように構成しても良い。これにより、通常とは異なるタイミングで右打ち遊技が報知されるため、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
<第8制御例>
次に、図398から図410を参照して、第8制御例について説明をする。本第8制御例では上述した第5制御例に対して一連演出の演出態様の設定方法を異ならせた点で相違している。まず、上述した第5制御例における一連演出の設定方法について図398を参照して説明をする。図398は、上述した第5制御例における一連演出設定の流れを模式的に示した模式図である。
図398に示した通り、上述した第5制御例では、普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選した場合と、第1特別図柄(特図1)抽選で大当たり又は小当たりに当選した場合とで、一連演出が設定可能に構成しており、一連演出の演出データを複数のシナリオ種別に区分けして格納している。
具体的には、普図変動中に実行される演出態様(図319(b)、図320(a)参照)に対応するシナリオ1と、普図当たり遊技中に実行される演出態様(図320(b)参照)に対応するシナリオ2と、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した際に実行される演出態様(図323(a)参照)に対応するシナリオ3と、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞してから、その入賞した球に基づく特図2抽選が実行されるまでの期間(待機期間)が10〜30秒の場合に実行される演出態様(図321(a)参照)に対応するシナリオ3−1と、特図2変動中に実行される演出態様(図321(b)参照)に対応するシナリオ4と、小当たり遊技中に実行される演出態様(図322(b)参照)に対応するシナリオ5と、一連演出が途中で終了する際に実行される演出態様(図324(b)、図325(b)参照)に対応するシナリオ7と、が格納されている。
そして、特図1抽選で大当たり又は小当たりに当選した場合は、対応する特図1変動の変動パターンコマンドに対応させて複数の演出データを用いた一連演出を一括で設定するように構成している。具体的には、特図1抽選で大当たりに当選した場合は、上述したシナリオ1〜シナリオ5までの演出データを一括に設定した変動演出(一連演出)を実行し、特図1抽選で小当たりに当選した場合は、上述したシナリオ1〜シナリオ4までの演出データを一括に設定した変動演出(一連演出)を実行するように構成している。
一方、普図当たり当選に基づいて設定される一連演出は、一連演出を構成する各シナリオを個々に設定し、一のシナリオに対してシナリオ移行条件の成立に基づいて次のシナリオを設定するように構成している。具体的には、普図抽選によって普図ロング開放当たりに当選した場合で、一連演出の実行条件が成立した場合には、一連演出の開始を示すシナリオ1が設定され、普図ロング開放当たりを示す停止コマンドを受信した場合に、次いで、シナリオ2が設定される。なお、第5制御例では、普図ロング開放当たりに当選していない状態で、シナリオ1が設定される場合(所謂、ガセ演出)があり、その場合は、シナリオ1の経過時間が終了すると共に、一連演出が終了する。
次に、シナリオ2に対応する演出態様が普図ロング開放当たり遊技中に実行され、球が第2入賞口640に入賞した場合には、その旨を示す特図2(特2)入賞コマンドが主制御装置110から出力され、一連演出が実行される表示レイヤとは異なるレイヤに球が第2入賞口640に入賞したことを示す報知態様が表示される(図321(a)の副表示領域Ds参照)。そして、特図2入賞コマンドを受信した場合に、シナリオ3が設定される。なお、シナリオ2が設定されている期間中に球が第2入賞口640に入賞しなかった場合は、一連演出を終了させるため、シナリオ7が設定され、所定期間(3秒間)の終了画面が表示される。
上述した第5制御例では、シナリオ3に移行する際、即ち、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞する際に特図2抽選が実行されるまでの期間(待機期間)が、第1特別図柄(特図1)の変動状況に基づいて判別され、待機期間の長さに応じて異なるシナリオが設定されるように構成している。具体的には、待機期間が10秒未満の場合は、シナリオ3(図323(a)参照)が設定され、待機期間が4〜30秒の場合は、シナリオ3−1(図321(a)参照)が設定される。ここで、待機期間が30秒以上の場合は、実行中の一連演出を疑似的に終了させ(シナリオ7を設定し)、所定期間経過後に再度一連演出を開始させる特殊一連演出(連続一連演出)が実行される(図326参照)。また、シナリオ3−1が設定された場合は、シナリオ移行条件が成立するまでシナリオ3−1に対応する演出態様が継続して表示される。
次いで、シナリオ3、或いはシナリオ3−1が設定された状態で特図2変動パターンコマンドを受信すると、次のシナリオへの移行条件が成立し、シナリオ4が設定される。シナリオ4は特図2変動の停止を示す特図2停止コマンドを受信するまで設定されるものであり、特図2変動の変動時間(15秒)と同一の長さの演出態様が実行される。そして、特図2停止コマンドを受信した際に、今回の特図2変動が当たりを示すものであれば、シナリオ5へ移行する。一方、特図変動が外れを示すものであれば、シナリオ7へ移行し、一連処理を終了する。
ここで、本制御例では、シナリオ4が設定されている状態において実行中の特図2変動が小当たりである場合も大当たりである場合も同一の変動時間が設定され、シナリオ5へ移行させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、通常状態中における特図2変動で大当たりに当選した場合に、変動時間として小当たり変動時間(15秒)と小当たり遊技時間(10秒)とを合算させた25秒の変動時間を設定するように構成し、特図2の大当たり変動中にシナリオ4からシナリオ5へ移行させ、特図2の大当たり変動の停止タイミングに合わせて、大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。
特図2変動が小当たりである場合においてシナリオ5が設定されると、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信するまで、或いは、小当たり遊技が終了するまでシナリオ5に対応する演出態様が実行され、V通過コマンドを受信した場合は、その旨を示す報知態様を一連演出が実行される表示レイヤとは異なるレイヤに表示し、大当たり遊技へと移行する。一方、小当たり遊技期間(10秒間)が経過した状態でV通過コマンドを受信していない場合は、一連演出を終了させるためにシナリオ7に移行する。
以上、説明をした通り、第5制御例では、特図1変動に基づいて一連演出を実行する際には、特図1変動の変動パターンに対応させて一連演出シナリオを一括で設定し、普図変動に基づいて一連演出を実行する際には、各シナリオに応じた移行条件の成立具合に応じて一連演出の演出態様を更新するように構成している。よって、同一の演出態様で一連演出を実行する場合において、演出態様の更新が確定している場合には一連演出を設定する処理を簡素化できると共に、演出態様の更新内容が遊技状況によって可変する場合には、各遊技状況に応じて柔軟に演出態様を可変させることができる。
なお、本第5制御例では、普図抽選に基づいて一連演出を実行する場合において、一連演出のシナリオを個々に設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図抽選に基づいて実行される一連演出のうち、演出態様の更新が確定している部分については、複数のシナリオを纏めて設定するように構成しても良い。これにより、は一連演出を設定する処理を簡素化することができる。
図398を参照して上述した第5制御例における一連演出の設定方法は、同一の演出態様で一連演出を実行する場合において、演出態様の更新が確定している場合には一連演出を設定する処理を簡素化できると共に、演出態様の更新内容が遊技状況によって可変する場合には、各遊技状況に応じて柔軟に演出態様を可変させることができるものであったが、待機期間の長さに応じて可変設定可能な演出態様がシナリオ3に対応する演出態様だけであるため、所定期間で実行される一連演出の他のシナリオに基づく演出態様と比較して遊技者が違和感を覚えてしまうという問題があった。
ここで、上述した問題を解決するために、本第8制御例では、普図変動が実行される際に、普図当たり遊技中における特別図柄(第1特別図柄)の変動状況を予測し、その予測結果に基づいて普図変動に対応する一連演出の演出態様を設定するように構成している。つまり、普図変動が実行される際に、今回実行される普図変動の変動時間と普図抽選結果、及び、普図当たり遊技の遊技時間(最大時間)と、を算出し、算出結果に基づいて、普図当たり遊技中に現在実行中の特図1変動が終了するか否かを判別し、その判別結果に基づいて普図変動に対応する一連演出の演出態様を設定するように構成している。
このように構成することで、例えば、実行中の特図1変動の変動終了タイミングが、第2入賞口640に球が入賞し得る期間、即ち、普図当たり遊技期間(最大期間)よりも後である場合は、特図2変動が実行し得るタイミング(待機期間の長さ)を、普図変動を実行する時点で予測することが可能となる。これにより、待機期間中に実行される各種演出態様として、待機期間の長さに基づいた演出態様を設定することができる。よって、上述した第5制御例に対して、待機期間の長さに応じて一連演出の演出態様のうち、可変設定可能な期間を長くすることができるため、一連演出の長さに応じた一連演出を実行させ易くすることができる。
<第8制御例における電気的構成について>
次に、図399、及び図400を参照して、本第8制御例における電気的構成について説明をする。本第8制御例では、上述した第5制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の一部構成と、RAM223の一部構成と、を変更した点で相違している。具体的には、ROM222に一連演出シナリオテーブル222haを追加した点と、RAM223に普図当たり中フラグ223ha、演出シナリオ格納エリア223hb、常時監視フラグ223hcを追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図399(a)を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明をする。図399(a)は、第8制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図399(a)に示した通り、第8制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、一連演出シナリオテーブル222haを追加した点で第5制御例と相違している。
一連演出シナリオテーブル222haは、進行する遊技状況に対応させて実行される一連演出の演出態様が規定されているデータテーブルである。ここで、図400を参照して一連演出シナリオテーブル222haのうち、普図変動に基づいて設定される一連演出の演出シナリオが規定されている普図シナリオテーブル222ha1の内容について説明をする。
図400は、一連演出シナリオテーブル222haに規定されている内容を模式的に示した模式図である。なお、図400では、一連演出シナリオテーブル222haに規定されている内容のうち、本第8制御例の特徴的な内容(普図変動に基づいて設定される一連演出の演出シナリオ)についてのみ示しており、上述した第5制御例と同一の内容、即ち、特図変動の変動期間に対応させて設定される一連演出の演出態様の内容についてはその記載および説明を省略している。
図400に示した通り、本第8制御例では、普図変動に基づいて一連演出の演出態様を設定する際に、複数の普図当たりシナリオ(普図当たりシナリオ1〜4)を設定可能に構成しており、普図変動時において実行される第1予測(一連演出実行中に発生し得る待機期間の長さについての予測)の結果に基づいて、異なる普図当たりシナリオを設定するように構成している。
具体的には、普図ロング開放当たりに当選した普図変動の開始時において、第1特別図柄(特図1)変動中であるかを判別し、特図1変動中であると判別した場合に、実行中の特図1変動の残期間を判別する。次いで、今回の普図変動に基づいて実行される普図ロング開放当たり遊技の遊技期間と、実行中の特図1変動の残期間とを比較し、実行中の特図1変動の終了タイミングが今回の普図変動に基づいて実行される普図ロング開放当たり遊技の終了時間よりも後であるかを判別し、後であると判別した場合に、普図ロング開放当たり遊技の終了時点から特図1変動が終了するまでの待機期間(特図2変動が実行され得るまでの期間)を判別する。そして、上述した処理で判別された待機期間の長さに対応した普図当たりシナリオを設定するように構成している。
このように構成することで、普図変動開始時点において、特図2変動が実行されることが無い待機期間の長さを事前に予測することが可能となるため、待機期間の長さに応じた演出態様で一連演出を実行させることが可能となる。
なお、上述した第1予測では、普図変動の開始タイミングにおいて、特図1変動が実行中で無い場合、或いは、実行中の特図1変動の終了タイミングが、普図ロング当たり遊技期間よりも前である場合には、待機期間を事前に予測することができないため、普図変動開始時に、普図変動時間に対応する一連演出の演出態様のみが設定される。
図400に示した通り、一連演出シナリオテーブル222haには、普図変動開始時に実行される第1予測の予測結果に基づいて設定される複数の普図当たりシナリオが規定されており、第1予測の予測結果として待機期間(特図2待機期間)が、「2秒未満」である場合には「普図当たりシナリオ1」が設定され、「2秒以上で30秒未満」である場合には「普図当たりシナリオ2」が設定され、「30秒以上」である場合には「普図当たりシナリオ3」が設定されるように規定されている。また、第1予測の予測結果が「予測不可」である場合には「普図当たりシナリオ4」が設定されるように規定されている。
ここで、各普図当たりシナリオの内容について説明をする。「普図当たりシナリオ1」が設定されると、一連演出の演出態様として、「普図変動中」に「シナリオ1」、「普図当たり遊技中」に「シナリオ2」、「特図2変動中」に「シナリオ3」に対応する演出態様が設定されるように当たりシナリオ内容が規定されている。つまり、「普図当たりシナリオ1」が設定される場合、即ち、特図2待機期間が短い場合は、特図2待機期間専用の演出態様を設定すること無く、普図当たり遊技を示す演出態様から特図2変動を示す演出態様へと移行する一連演出が実行される。
このように構成することで、特図2待機期間を示す演出態様が短期間(例えば、0.5秒間)設定されることにより、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、普図当たりシナリオ1が設定された場合において、普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した場合に発生する2秒未満の特図2待機期間中に、普図当たり遊技中に設定され得る演出態様が継続して設定されるように構成しているが、これに限ること無く、2秒未満の特図2待機期間中に特図2変動中に設定され得る演出態様を設定するように構成しても良い。
「普図当たりシナリオ2」が設定されると、一連演出の演出態様として、「普図変動中」に「シナリオ1」、「普図当たり遊技中」に「シナリオ2」、「特図2変動待機中」に「シナリオ3」、「特図2変動中」に「シナリオ4」に対応する演出態様が設定されるように当たりシナリオ内容が規定されている。つまり、「普図当たりシナリオ2」が設定される場合、即ち、特図2待機期間が所定期間存在する場合は、特図2待機期間専用の演出態様を設定するように構成している。
このように構成することで、特図2待機期間が所定期間発生した場合において、遊技者に違和感(間延び感)を与えることの無い一連演出を実行することができる。さらに、本制御例では、「普図当たりシナリオ1」が設定された場合では「特図2変動中」に設定される「シナリオ3」を、「普図当たりシナリオ2」が設定された場合には「特図2待機中」に対応させて設定するように構成している。このように構成することで、特図2待機期間の有無に関わらず、一連演出として「シナリオ2」から「シナリオ3」へと移行する演出態様を設定することが可能となる。よって、遊技者に対してより違和感を与えることが無い一連演出を実行することができる。
次に、「普図当たりシナリオ3」が設定されると、一連演出の演出態様として、「普図変動中」に「シナリオ1」、「普図当たり遊技中」に「シナリオ2」、「特図2変動待機中」に「シナリオ2」、「シナリオ3」、「特図2変動中」に「シナリオ4」に対応する演出態様が設定されるように当たりシナリオ内容が規定されている。つまり、「普図当たりシナリオ3」が設定される場合、即ち、特図2待機期間が所定期間以上である場合は、普図当たり遊技中に対応する「シナリオ2」が設定される期間が、他の普図当たりシナリオよりも長くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、特図2待機期間が長い場合であっても、その一期間が普図当たり遊技中であると思わせることが可能となる。よって、特図2待機期間が長いと思わせ難くすることができる。また、普図当たり遊技中に対応する演出態様(シナリオ2)を長期間表示するように構成しているため、遊技者に対して特図2待機期間では無く、普図当たり遊技が長時間実行されていると思わせることができる。
また、「普図当たりシナリオ4」が設定される場合は、普図ロング開放当たり遊技中における特図1変動の変動状況を、普図変動開始時に予測することができない場合であるため、「普図変動中」に対応する「シナリオ1」のみを設定し、本処理を終了する。尚、「普図当たりシナリオ4」が設定された場合は、上述した第5制御例の様にシナリオ切替タイミングにおいてシナリオ移行条件が成立したかを判別し、その判別結果に基づくシナリオが設定されるように構成している。
また、普図当たりシナリオとして異なる普図当たりシナリオが設定された場合であっても小当たり遊技中、及び、大当たり遊技中は同一の演出態様が設定されるように構成している。
次に、図401、および、図402を参照して、本第8制御例の一連演出として、普図当たりシナリオ2が設定される場合における流れについて説明をする。図401は、一連演出として普図当たりシナリオ2が設定される場合における流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図401に示した通り、普図変動が実行される時点で待機期間(特図2待機期間)の長さを判別するための第1予測処理が実行される。そして、第1予測処理の処理結果として待機期間「20秒」と判別されると、普図変動開始時に、一連演出シナリオテーブル222haに規定されている「普図当たりシナリオ2」に対応する演出データを設定し、後述する演出シナリオ格納エリア223hbに格納する。そして、時間の経過に基づいて演出シナリオ格納エリア223hbに格納されている演出データに対応する演出態様で一連演出が実行される。
このように、普図変動開始時において、今後の遊技内容を予測可能な場合は、複数の演出データ(シナリオ)をまとめて設定するように構成することで、一連演出の演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。
次に、図402を参照して、一連演出として普図当たりシナリオ4が設定される場合における流れについて説明をする。図402は、一連演出として普図当たりシナリオ4が設定される場合における流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図402に示した通り、普図変動が実行される時点で待機期間(特図2待機期間)の長さを判別するための第1予測処理が実行される。そして、第1予測処理の処理結果として実行中の特図1変動の停止タイミングが、普図当たり変動の停止タイミングよりも前であると判別した場合は、待機期間の長さを予測することが不可能であるため、第1予測処理の処理結果が「予測不可」と判別され、普図変動開始時に、一連演出シナリオテーブル222haに規定されている「普図当たりシナリオ4」に対応する演出データが設定される。
つまり、図402に示した例によれば、実行中の特図1変動が停止してから、普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞するまでの期間において、新たな特図1変動が実行されるか否かを予測することができないため、待機期間の長さを予測することが出来ない状況である。このような場合は、普図変動開始時において、一連演出の演出態様として普図変動に対応する期間中の演出態様(シナリオ1)のみが設定され、普図変動停止時(普図当たり開始時)に第2予測処理が実行される。
第2予測処理は、普図変動停止時(普図当たり開始時)において、再度、待機期間の長さを判別するためのものであり、第1予測処理において待機期間の長さが判別できなかった場合に実行される処理である。この第2予測処理では、普図変動停止時(普図当たり開始時)において特図1変動が実行されているかを判別し、特図1変動中であると判別した場合は、実行中の特図1変動の残期間と、普図ロング開放当たり遊技の遊技期間とを比較し、待機期間の長さが判別される。そして、その判別結果に基づいて、一連演出の演出態様を一連演出シナリオテーブル222haに規定されている内容に基づいて設定する。
図402に示した通り、第2予測処理においても待機期間を予測することができなかった場合は(第2予測処理が実行されるタイミングにて特図1変動が実行されていない場合は)、現時点においても、待機期間を判別することができない状態であるため、普図当たり遊技(普図ロング開放当たり遊技)中における特図1変動の開始、或いは、特図2変動の開始を常時監視するための常時監視処理が実行される。そして、常時監視処理によって、新たな特図1変動が実行される前に特図2変動が実行されることが判別された場合には、その特図2変動の開始に対応させて特図2変動中に対応する演出態様(シナリオ3)が設定される。
以上、説明をした通り、本第8制御例では、普図変動に基づいて実行される一連演出の演出態様を設定する際に、遊技状況に応じて不定期な期間が設定される待機期間の長さを予測し、その予測結果に応じた一連演出を実行するように構成している。このように構成することにより、一連演出が実行される期間中において長い待機期間が設定されたとしても、遊技者に違和感の無い一連演出を提供することができる。
また、本第8制御例では、一連演出が実行されるタイミングにおいて、待機期間を予測するように構成しているため、実際に待機期間が設定される時点よりも前に実行される一連演出の演出態様を、待機期間の長さに応じて可変設定することが可能となる。よって、一連演出の演出態様のうち、待機期間に対応して設定される演出態様のみが待機期間の長さに応じて可変される場合に比べて、違和感の無い一連演出を実行することができる。
さらに、本第8制御例では、待機期間が設定されている状態において、待機期間以外の期間(例えば、普図当たり遊技期間)であることを示す演出態様を設定可能に構成しているため、遊技者に対して長い待機期間が設定されていることを分かり難くすることができる。なお、本第8制御例では、上述した第5制御例と同様に、一連演出中に右打ち遊技を行わせるように構成しているため、遊技方法によって現在が待機期間であるか否かを遊技者に判別され難くすることができる。
加えて、本第8制御例では、普図変動開始時において、待機期間の長さを予測困難(不可能)である場合に、異なるタイミング(普図当たり遊技開始タイミング)にて、再度待機期間の長さを予測するための処理(第2予測処理)を実行するように構成している。このように、待機期間が設定されるまでの期間において、待機期間の長さを予測するタイミングを複数設けることにより、待機期間の長さに対する予測精度を高めることができる。
また、待機期間を予測する処理において、待機期間を予測することができない場合にのみ、普図当たり遊技中の遊技状況を常時監視するように構成し、常時監視の結果に基づいて待機期間に対応する演出態様を設定するように構成しているため、一連演出の演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。
なお、本第8制御例では、待機期間を予測するための処理(第1予測処理、第2予測処理)において、実行中の特図1変動の残変動時間を用いて待機期間の長さを予測(判別)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、入賞情報格納エリア223aに格納されている特図1保留の入賞情報を先読みし、その先読み結果に基づいて、次に実行される特図1変動の変動時間も用いて待機期間の長さを予測するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、図402に示した例のように、実行中の特図1変動の停止タイミングが、普図当たり遊技の開始タイミングよりも前である場合、即ち、実行中の特図1変動が終了した時点で特図2変動の開始条件(第2入賞口640への球の入賞)が成立し得ない場合に、次に実行される特図1変動の変動時間を先読みし、その先読み結果に基づいて待機期間の長さを予測することが可能となる。よって、待機期間の長さに対する予測精度を高めることができる。
さらに、本第8制御例では、上述した第5制御例と同様に、特図1変動よりも優先して特図2変動が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1入賞口64、第2入賞口640への球の入賞順序に従って特図1変動と特図2変動とが実行されるように構成しても良いし、特図2変動よりも優先して特図1変動が実行されるように構成しても良い。
<第8制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図403から図410のフローチャートを参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理の内容について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して、入賞情報コマンド処理5(図361参照)に替えて入賞情報コマンド処理8(図403参照)を実行する点と、一連演出判別処理(図404参照)を実行する点と、当たり関連コマンド処理5(図364参照)に替えて当たり関連コマンド処理8(図405参照)を実行する点と、普図当たり関連コマンド処理(図406参照)を実行する点と、変動演出設定処理5(図369の参照)に替えて変動演出設定処理8(図407参照)を実行する点と、常時監視中演出設定処理(図408参照)を実行する点と、普図用演出設定処理(図371の参照)に替えて普図用演出設定処理8(図409参照)を実行する点と、一連演出予測設定処理(図410参照)を実行する点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、参照するデータテーブルの内容を変更した点、及び、参照するデータテーブルの内容を変更したことに対応して変更される各種処理内容についても、単に数値を変更しただけであり技術思想的には同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、図403を参照して、入賞情報コマンド処理8(C3242)の内容について説明をする。図403は、本第8制御例において実行される入賞情報コマンド処理8(C3242)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報コマンド処理8(C3242)では、上述した入賞情報コマンド処理5(図361参照)に対して、一連演出実行中に入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理(一連演出判別処理(図404のC3441参照))を追加した点で相違し、それ以外は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
入賞情報コマンド処理8(C3242)が実行されると、上述した第5制御例の入賞情報コマンド処理5(図361参照)と同一のC3401〜C3405の処理を実行した後、C3403の処理において、特2当たり情報が無いと判別した場合は(C3403:No)、C3441の処理を実行する。C3441の処理では、一連演出判別処理を実行する(C3441)。この一連演出判別処理(C3441)の詳細については、図404を参照して後述する。
C3441の処理を実行後、C3406,C3407の処理を実行し、その後、本処理を終了する。
次に、図404を参照して、一連演出判別処理(C3441)の内容について説明をする。図404は、本第8制御例において入賞情報コマンド処理8(図403)の中で実行される一連演出判別処理(C3441)の内容を示したフローチャートである。この一連演出判別処理(C3441)では、現在が一連演出実行中であるかが判別され、一連演出実行中であると判別された場合に、今回受信した入賞コマンドの種別(特図1、特図2、普図)に対応した処理が実行される。
一連演出判別処理(C3441)が実行されると、まず、一連演出カウンタ223ekの値を取得し(C5101)、次いで、一連演出カウンタ223ekの値が0であるかを判別する(C5102)。C4101の処理で取得される一連演出カウンタ223ekは、一連演出が実行される場合にその演出期間に対応した値が設定され、定期的に実行される演出更新処理において減算(更新)され、カウンタ値が「0」となる場合に一連演出が終了するように構成されるものである。つまり、C5102の処理では、一連演出が実行されているかを判別することになる。
C5102の処理において、一連演出カウンタ223ekの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(C5102:No)、現在が一連演出中では無いため、一連演出実行中における各種表示態様を設定するためのC5103〜C5110の処理をスキップしてC5111の処理へ移行する。
一方、一連演出カウンタ223ekの値が0よりも大きいと判別した場合は(C5102:Yes)、一連演出実行中であるため、次いで、今回受信した入賞情報コマンドが特図2入賞(特2入賞)に関するコマンドであるかを判別し(C5103)、特2入賞であると判別した場合は(C5103:Yes)、演出シナリオ格納エリア223hbの情報を読み出し(C5104)、次いで、常時監視フラグ223hcがオンであるかを判別する(C5105)。常時監視フラグ223hcがオフであると判別した場合は(C5105:No)、C5108の処理へ移行する。
一方、常時監視フラグ223hcがオンであると判別した場合(C5105:Yes)、即ち、今回の一連演出が実行される演出期間のうち、特図2変動の実行が待機される待機期間を事前に予測できていない状態である場合は、待機期間を算出する(C5106)。
ここで、C5106の処理において実行される算出内容について説明をする。C5106の処理は、特図2入賞(特2入賞)を示す入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理であることから、現時点が第2入賞口640(特図2変動の始動入賞口)に球が入賞し、特図2変動の実行契機の一部である条件が成立している状態となる。本制御例では、特図1変動と特図2変動とが同時に(重複して)実行されることが無いように構成しており、更に、特図1変動よりも特図2変動が優先して実行されるように構成している。
つまり、現時点で特図1変動が実行されている場合は、実行中の特図1変動が終了した後に、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図2変動が実行されることになる。よって、現時点で実行中の特図1変動の残時間を特図変動時間カウンタ223egの値を用いて抽出し、その抽出結果を待機期間として算出する。また、現時点で特図1変動が実行されていない場合は、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図2変動が即座に実行されることになるため、待機期間として「0」が設定される。
なお、本制御例では、1回の一連演出の実行中に(1回の普図ロング開放当たり遊技中に)、第2入賞口640に入賞する球数が1個となるように構成しているため、C5103の処理において特図2入賞(特2入賞)を示す入賞情報コマンドを受信した場合に、必ず、待機期間を算出するための処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、1回の一連演出の実行中に(1回の普図ロング開放当たり遊技中に)第2入賞口640に2個以上の球が入賞可能となるように構成する場合には、C5106の処理において待機期間を算出したことを示すフラグ(算出済フラグ)をオンに設定するようにし、C5105の処理にて常時監視フラグ223hcがオンであると判別した後に(C5105:Yes)、上述した算出済フラグがオンに設定されているかを判別するように構成し、算出済フラグがオンに設定されている場合は、C5106,C5107の処理をスキップして、C5108の処理へ移行するように構成すると良い。
このように構成することで、一連演出が実行されている間に、複数の球が第2入賞口640に入賞し、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを複数回受信した場合であっても、最初に受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドに基づいてのみ待機期間を算出することができるため、不要な処理が実行されてしまうことを抑制することができる。つまり、本制御例では、一連演出実行中において最初に特図2入賞したタイミングから特図2変動が実行されるまでの期間を待機期間として設定し、その待機期間の長さに応じた演出態様を設定することで、特図2入賞したにも関わらず特図2変動が実行されない期間(待機期間)が長い場合であっても、一連演出の途中段階で実行される演出(待機期間中に実行される演出)が間延びしてしまい演出効果を低下してしまうことを抑制するように構成しているため、一連演出が実行されている間に、複数の球が第2入賞口640に入賞し、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを複数回受信した場合であっても、2回目以降に受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドに基づく待機期間の長さを算出する処理は不要な処理となる。
なお、本制御例のように、一連演出が実行されている期間中において、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信する毎に、待機期間を算出するように構成する場合は、最初に特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した場合は、特図1変動の実行の有無、及び、実行中であれば、その残期間を判別し、待機期間を算出すれば良く、2個目の特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した場合は、実行中の特図変動が特図1変動であるか特図2変動であるかを判別し、特図1変動の実行中であれば、実行中の特図1変動の残期間と、先に受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドと、に基づいて、待機期間を算出すれば良い。
この場合、先に受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドに対応する特図2変動の抽選結果を先読みし、その先読み結果が外れである場合に、今回受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドに対応する特図2変動が実行されるまでの残期間、即ち、実行中の特図1変動の残期間と、次に実行される外れ変動の変動時間とを合算した期間を待機期間として設定するように構成すると良い。このように構成することで、特図2の外れ変動が実行されている期間を待機期間として設定することができるため、特図2抽選で外れに当選したことを遊技者に分かり難くすることができる。
図404に戻り説明を続ける。C5108の処理では、特図2入賞に対応する表示用コマンドを設定し(C5108)、C5109の処理へ移行する。このC5108の処理では、特図2入賞したことを示す表示用コマンドが設定される。ここで設定される表示用コマンドとしては、例えば、特図2入賞したことを直接的に表示する直接表示態様や、当該入賞に対応する特図変動が実行されるまでの残期間を示唆する表示態様、即ち、特図2入賞したことを間接的に表示する間接表示態様と、が表示される。
なお、本制御例では、特図2入賞に対応する表示用コマンドを用いて、上述した直接表示態様と、間接表示態様と、を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、当該変動の抽選結果に基づいて、演出態様を設定するように構成しても良いし、一連演出の待機期間の長さに基づいて構成しても良い。また、一連演出中に最初に第2入賞口640に球が入賞したことを示す報知態様と、2回目以降の第2入賞口640に球が入賞したことを示す報知態様と、を異ならせても良い。
次に、C5109の処理では、V入賞口650aに入賞した球が特定領域(V領域)を通過したか(V入賞があったか)を判別する(C5109)。V入賞口650aに入賞した球が特定領域(V領域)を通過したと判別した場合は(C5109:Yes)、V入賞に対応する表示用コマンドを設定し(C5110)、C5111の処理へ移行する。V入賞口650aに入賞した球が特定領域(V領域)を通過していないと判別した場合は(C5109:No)、その後、C5111の処理へ移行する。
C5111の処理では、その他入賞情報に関する演出態様を設定し(C5111)、設定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(C5112)、その後、本処理を終了する。
次に、図405を参照して、当たり関連コマンド処理8(C3261)の内容について説明をする。図405は、本第8制御例において実行される当たり関連コマンド処理8(C3261)の内容を示したフローチャートである。この当たり関連コマンド処理8(C3261)では、一連演出が実行されている期間中における普図当たり遊技が実行されることに基づいて、一連演出の各期間における演出態様が設定される。
当たり関連コマンド処理8(C3261)が実行されると、上述した第5制御例の当たり関連コマンド処理5(図364参照)と同一のC3501〜C3504の処理を実行し、C3505の処理において、主制御装置110より普図当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(C3505:Yes)、普図当たり関連コマンド処理を実行し(C3551),その後、本処理を終了する。この普図当たり関連コマンド処理(C3551)の詳細については、図406を参照して後述する。
次に、図406を参照して、普図当たり関連コマンド処理(C3551)の内容について説明をする。図406は、本第8制御例において実行される普図当たり関連コマンド処理(C3551)の内容を示したフローチャートである。この、普図当たり関連コマンド処理(C3551)は、普図当たりに関する当たり関連コマンドを受信した場合(図405のC3505:Yes)に実行されるものであり、普図当たり遊技の開始タイミング、及び終了タイミングにおいて、一連演出の演出態様を設定するための各種処理が実行される。
普図当たり関連コマンド処理(C3551)では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判別する(C5201)。そして、オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(C5201:Yes)、一連演出カウンタ223ekの値が0よりも大きいか、即ち、現在が一連演出の実行中であるかを判別する(C5202)。一連演出カウンタ223ekの値が0よりも大きくないと判別した場合は(C5202:No)、表示用のオープニングコマンド処理を実行し(C5203)、普図当たり中フラグ223haをオンに設定し、C5215の処理へ移行する。
ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、第5制御例においてMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、C5202の処理において、一連演出カウンタ223ekの値が0よりも大きいと判別した場合は(C5202:Yes)、演出シナリオ格納エリア223hbに格納されている情報を読み出し(C5205)、次いで、演出シナリオ格納エリア223hbに格納されている情報が普図当たりシナリオ4であるか否かを判別する(C5206)。
ここで、演出シナリオ格納エリア223hbには、普図変動(普図抽選)を実行する場合に行われる一連演出予測設定処理(図410のC4251)において設定される普図当たりシナリオを示す情報が格納されており、C5206の処理において、普図当たり遊技中の期間に対応する演出態様が設定されない普図当たりシナリオである「普図当たりシナリオ4(図400参照)」であると判別した場合には、一連演出における普図当たり遊技中の演出態様を設定するための処理が実行される。
C5206の処理において、演出シナリオ格納エリア223hbに格納されている情報が普図当たりシナリオ4ではない(普図当たりシナリオ1〜3である)と判別した場合は(C5206:No)、既に、普図当たり遊技中の演出態様が設定されているため、即ち、普図変動(普図抽選)を実行する場合に行われる一連演出予測設定処理(図410のC4251)において、予め、普図当たり遊技中の期間に対応させた演出態様が設定されている場合であるため、今回の処理にて普図当たり遊技中の期間に対応させた演出態様を設定すること無く(C5207〜C5210の処理をスキップして)C5204の処理へ移行する。
一方、C5206の処理において、演出シナリオ格納エリア223hbに格納されている情報が普図当たりシナリオ4であると判別した場合は(C5206:Yes)、特図変動時間カウンタ(特図1変動時間カウンタ)223egの値と普図当たり遊技期間とを比較する(C5207)。C5207の処理内容について詳細に説明をすると、まず、特図変動時間カウンタ223egの値を用いて、第1特別図柄(特図1)の残変動時間を算出する。例えば、60秒の特図1変動が実行される場合には、当該特図1変動の開始タイミングにて変動時間60秒に対応する値(本制御例では、特図変動時間カウンタ223egの値が、メイン処理(図281参照)内で1ミリ秒毎に実行される演出更新処理7(図397のC3142参照))にて1減算するように構成しているため、60秒に対応する値として「60000」)が設定される。そして、特図1変動が開始されてから30秒が経過した時点で本処理が実行された場合には、特図1変動の変動時間を示す特図変動時間カウンタ223egの値が「30000」であるため、特図1変動の残変動時間として「30秒」を算出する。次いで、今回実行される普図当たり遊技の種別に基づいて算出する。本制御例では、主制御装置110から出力されたオープニングコマンドに今回実行される普図当たり遊技の種別を示す情報が含まれているため、その情報に基づいて普図当たり遊技期間を算出する。なお、ここでは、普図当たり遊技期間として、時間経過に基づいて成立する終了条件として規定されている時間が算出される。
具体的には、普図当たり遊技が開始されてから3秒が経過した場合、或いは、第2入賞口640への球の入賞数が10個に到達した場合に普図当たり遊技が終了するように終了条件が予め設定されている場合には、普図当たり遊技が継続し得る最大時間である「3秒」が普図当たり遊技期間として設定される。これにより、一連演出の演出態様を設定するために事前に待機期間(特図2入賞してから特図2変動が実行されるまでの期間)を予測する処理において、予測に用いた普図当たり遊技期間よりも実際に実行される普図当たり遊技期間のほうが長くなってしまう事態が発生することを防ぐことが可能となるため、第2入賞口640へ球が入賞可能な期間として予測した期間の経過後に第2入賞口640へ球が入賞し、特図2変動が実行される事態を回避することができる。よって、予測結果に基づいて予め演出態様を設定した場合であっても実際の遊技内容と、実行される演出内容とを乖離し難くすることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、上述したように普図当たり遊技期間を算出した場合には、算出した普図当たり遊技期間よりも短い期間で普図当たり遊技が終了する、即ち、普図当たり遊技期間内に所定個数(10個)の球が第2入賞口640に入賞したことによって普図当たり遊技が終了する場合がある。この場合は、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した場合となり、普図当たり遊技が終了する時点では、待機期間に対応する演出、或いは、特図2変動期間に対応する演出が実行されるため、遊技者に違和感を与えることが無いように構成している。
図406に戻り説明を続ける。C5207の処理を終えると、次いで、C5207の比較結果に基づいて、特図1残期間(特図1変動の残期間)が普図当たり遊技期間より大きい(長い)か、即ち、実行中の特図1変動が終了するタイミングが、今回実行する普図当たり遊技の終了タイミングよりも後であるかを判別する(C5208)。C5208の処理において、特図1残期間が普図当たり遊技期間よりも短いと判別した場合は(C5208:No)、普図当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞した時点で特図1変動が実行されていない可能性があるため、常時監視フラグ223hcをオンに設定し(C5209)、C5210の処理へ移行する。
一方、C5208の処理において、特図1残期間が普図当たり遊技期間より長い、即ち、実行中の特図1変動が今回実行される普図当たり遊技中に終了しないと判別した場合は(C5208:Yes)、普図当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞した時点で特図1変動が実行中となることが確定するため、常時監視フラグ223hcを設定する処理(C5209)をスキップし、C5210の処理へ移行する。
C5210の処理では、対応する普図当たり遊技中一連演出シナリオを設定し(C5210)、その後、C5204の処理へ移行する。C5204の処理では、普図当たり中フラグをオンに設定し(C5204)、その後、C5215の処理へ移行する。ここで、上述したC5210の処理内容について詳細に説明をすると、C5208の処理において、特図1残期間が普図当たり遊技期間より長いと判別した場合(C5208:Yes)は、その差分期間、つまり、普図当たり遊技が終了してから特図1残変動が終了するまでの期間を算出する。そして、その算出結果を特図2待機期間として用いて、一連演出シナリオテーブル222haに規定されている普図当たりシナリオテーブルのうち、特図2待機期間が該当する普図当たりシナリオを選択し、演出態様を設定する。
一方、C5208の処理において、特図1残期間が普図当たり遊技期間より短いと判別した場合は(C5208:No)、実際に第2入賞口640に球が入賞したタイミングで演出態様(一連演出における待機期間に応じた演出態様)を設定することになるため、上述した第5制御例と同一の演出態様を設定する。
次に、C5201の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(C5201:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したかを判別する(C5211)。そして、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(C5211:Yes)、普図当たり中フラグ223haをオフに設定し(C5212)、常時監視フラグ223hcをオフに設定し(C5213)、表示用エンディングコマンドを設定し(C5214)、その後、C5215の処理へ移行する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、第5制御例においてMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、C5211の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(C5211:No)、C5215の処理へ移行する。C5215の処理では、その他のコマンドに応じた処理を実行し(C5215)、本処理を終了する。
次に、図407を参照して、変動演出設定処理8(C4044)の内容について説明をする。図407は、本第8制御例において実行される変動演出設定処理8(C4044)の内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理8(C4044)では、常時監視フラグ223hcがオンに設定されている場合(一連演出中に実行される普図当たり遊技中であって、待機期間の長さが設定されていない場合)において実行される変動演出を設定するための処理を追加した点と、普通図柄の変動演出を設定するための処理の内容を変更した点と、で上述した第5制御例の変動演出設定処理5(図370参照)と相違しており、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
変動演出設定処理8(C4044)が実行されると、上述した第5制御例の変動演出設定処理5(図370参照)と同一のC4101の処理を実行し、特図変動演出を設定しない(普図変動演出を設定する)と判別した場合は(C4101:No)、普図用演出設定処理8を実行し(C4167)、その後、本処理を終了する。この普図用演出設定処理8(C4167)の詳細については、図409を参照して後述する。
一方、C4101の処理において、特図変動演出を設定すると判別した場合は(C4101:Yes)、次いで、常時監視フラグ223hcがオンに設定されているかを判別する(C4151)。常時監視フラグ223hcがオンであると判別した場合は(C4151:Yes)、常時監視中演出設定処理を実行し(C4152)、C4102の処理へ移行する。この常時監視中演出設定処理(C4152)の詳細については図408を参照して後述する。一方、C4151の処理において、常時監視フラグ223hcがオンに設定されていないと判別した場合は、C4152の処理をスキップしてC4102の処理へ移行する。C4152の処理を実行後は、上述した第5制御例の変動演出設定処理5(図370参照)と同一のC4102〜C4116の処理を実行し、その後、本処理を終了する。
次に、図408を参照して、常時監視中演出設定処理(C4152)の内容について説明をする。図408は、本第8制御例において実行される常時監視中演出設定処理(C4152)の内容を示したフローチャートである。この常時監視中演出設定処理(C4152)では、変動演出設定処理8(図407のC4044参照)にて実行されるものであり、特別図柄変動に対応する変動パターンコマンドを受信した場合に実行されるものである。
常時監視中演出設定処理(C4152)では、まず、特図1変動に対応する変動パターンコマンドを受信したか(特1変動の開始であるか)を判別し(C5301)、特図1変動に対応する変動パターンコマンドを受信した(特1変動の開始である)と判別した場合は(C5301:Yes)、変動パターンコマンド処理5(図363のC3204参照)のC3303の処理にて抽出した変動パターンに基づいて、今回の特図1変動の変動時間(特図1変動時間)を抽出する(C5302)。次いで、特図1変動時間が普図当たり期間より大きい(長い)かを判別する(C5303)。
C5303の処理では、C5302の処理にて抽出した特図1変動時間と、実行中の普図当たり遊技の残期間(普図当たり期間)とを比較し、特図1変動時間の終了タイミングが、普図当たり期間の終了タイミングよりも後であるかを判別する。本制御例では、常時監視中演出設定処理(C4152)が、常時監視フラグ223hcがオンに設定されている場合、即ち、少なくとも普図当たり遊技中に実行されるように構成しているため、C5303の処理は、普図当たり遊技中に実行されることになるが、普図当たり遊技が実行されていない状態でC5303の処理を実行可能に構成する場合には、普図当たり遊技が実行されていない状態として、普図当たり期間「0」を用いて特図1変動時間と普図当たり期間とを比較するように構成すれば良い。
C5303の処理において、特図1変動時間が普図当たり遊技期間より長い(特図1変動の終了タイミングが普図当たり遊技の終了タイミングよりも後である)と判別した場合は(C5303:Yes)、普図当たり遊技中に特図1変動が終了することが無いため、C5303の判別結果に基づいて普図当たり遊技中の演出態様(一連演出の演出シナリオ)を設定し(C5304)、常時監視フラグ223hcをオフに設定し(C5305)、C5306の処理へ移行する。
ここで、C5304の処理について詳細に説明をする。まず、特図1変動時間が普図当たり遊技期間より長い(特図1変動の終了タイミングが普図当たり遊技の終了タイミングよりも後である)と判別した場合は(C5303:Yes)、その差分期間、即ち、普図当たり遊技が終了してから特図1変動が終了するまでの期間を算出し、その算出した期間を第2特別図柄(特図2)変動の待機期間(特図2待機期間)とし、一連演出シナリオテーブル222haに規定されている普図当たりシナリオ1〜3のうち、今回算出された特図2待機期間に対応する普図当たりシナリオに基づいて演出態様を設定する。一方、C5303の処理において、特図1変動時間が普図当たり期間よりも長くない(特図1変動の終了タイミングが普図当たり遊技の終了タイミングよりも先である)と判別した場合は(C5303:No)、今回の特図1変動が実行されたとしても、特図2待機期間を予測することができないため、即ち、今回の特図1変動中に第2入賞口640に球が入賞しなかった場合では、今回実行される特図1変動が終了した後も、普図当たり遊技が実行中であることから、残りの普図当たり遊技中に特図1変動が実行されるか、特図2変動が実行されるかを予測できないため、C5304とC5305の処理をスキップし、C5306の処理へ移行する。この場合、常時監視フラグ223hcがオフに設定されないため、引き続き、常時監視中演出設定処理(C4152)が実行される。
本第8制御例では、図401および図402を参照して上述した通り、普図変動が実行されてから大当たり遊技が実行されるまでの期間を用いて関連性を持たせた期間演出(一連演出)を実行する場合において、先の遊技内容(特図2待機期間の長さ)を複数タイミング(普図変動開始タイミング、普図当たり遊技開始タイミング)で予測し、その予測結果に基づいて演出態様を設定するように構成している。そして、各予測タイミングにおいて、予測不能と判別された場合にのみ、常時監視中演出設定処理(C4152)を実行し、普図当たり遊技中に特図変動が実行されるかを常時監視するように構成している。
このように構成することで、予め先の遊技内容(特図2待機期間の長さ)を予測可能な範囲に対しては一括で一連演出の演出態様を設定することができるため、一連演出の演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。また、先の遊技内容を予測するための処理を複数タイミングで実行可能に構成しているため、予測精度を高めることができる。さらに、複数の予測タイミングにて先の遊技内容を予測することができなかった場合は、実際の遊技内容に基づいて一連演出の演出態様を実行するように構成しているため、一連演出の演出態様を確実に設定することができる。
図408に戻り、説明を続ける。C5301の処理において、特図1変動に対応する変動パターンコマンドを受信していない(特1変動の開始では無い)と判別した場合は(C5301:No)、次いで、特図2変動に対応する変動パターンコマンドを受信したか(特2変動の開始であるか)を判別し(C5306)、特図2変動に対応する変動パターンコマンドを受信した(特2変動の開始である)と判別した場合は(C5306:Yes)、普図当たり遊技中に特図2変動が実行された状態であるため、図402を参照して上述した通り、普図当たり遊技中であっても特図2変動期間に対応する一連演出の演出態様としてシナリオ3を設定し(C5307)、常時監視フラグ223hcをオフに設定し(C5308)、表示用特2変動コマンドを設定し(C5309)、その後、C5310の処理へ移行する。
なお、上述したC5307の処理は、普図変動に基づいて一連演出が実行される場合であり、普図変動開始タイミングにおいて実行される第1予測処理、及び、普図当たり遊技開始タイミングにおいて実行される第2予測処理の何れにおいても特図2待機期間を予測することができず、普図当たり遊技中に常時監視中演出設定処理が実行されている期間中に、特図2変動が実行される場合に行われるものである。つまり、特図2待機期間を予測すること無く特図2変動が実行される場合である。このように、特図2待機期間を予測できない状態において特図2変動が実行される場合には、C5307の処理において、特図2変動期間に対応する演出態様が設定されるように構成することにより、複数の予測タイミングにて先の遊技内容を予測することができない場合であっても、実際の遊技内容に基づいて一連演出の演出態様を実行するように構成しているため、一連演出の演出態様を確実に設定することができる。
一方、C5306の処理において、特図2の変動が開始されていないと判別した場合は(C5306:No)、C5310の処理へ移行する。C5310の処理では、その他のコマンドに応じた処理を実行し(C5310)、その後、本処理を終了する。
次に、図409を参照して、普図用演出設定処理8(C4167)の内容について説明をする。図409は、本第8制御例において実行される普図用演出設定処理8(C4167)の内容を示したフローチャートである。この普図用演出設定処理8(C4167)は、普図変動の一連演出を実行する条件が成立した場合において、後の遊技内容を予測して一連演出を設定するための一連演出予測設定処理処理(第1予測処理)を実行する点で上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371参照)と相違している。それ以外の内容は上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
普図用演出設定処理8(C4167)では、まず、上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371参照)と同一のC4201〜C4206の処理を実行し、C4206の処理において、疑似一連演出フラグ223ecがオフであると判別した場合は(C4206:No)、一連演出予測設定処理を実行し(C4251)、その後、C4208の処理へ移行する。この一連演出予測設定処理(C4251)の詳細については図410を参照して後述する。次いで、上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371参照)と同一のC4208〜C4212の処理を実行後、非変動時入賞フラグ223efをオフに設定し(C4252)、その後、本処理を終了する。
次に、図410を参照して、一連演出予測設定処理(C4251)の内容について説明をする。図410は、本第8制御例において実行される一連演出予測設定処理(C4251)の内容を示したフローチャートである。この一連演出予測設定処理(C4251)では、普図変動開始時において今後の遊技内容(特図2待機期間)を予測(第1予測)し、その予測結果(第1予測結果)に基づいて一連演出が実行される期間中の演出態様を設定するための処理が実行されるものであり、第1予測結果として特図2待機期間の長さを予測した場合と、予測できなかった場合とで、一連演出が実行される期間のうち、異なる期間に対して演出態様を設定するための処理が実行されるものである。
一連演出予測設定処理(C4251)では、まず、今回の普図変動が当たり変動であるかを判別する(C5401)。今回の普図変動が当たり変動では無いと判別した場合は(C5401:No)、一連演出を実行するための条件が成立していないため、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普図変動が当たり変動であると判別した場合は(C5401:Yes)、特図変動時間カウンタ(特図1変動時間カウンタ)223egの値を読み出し(C5402)、特図変動時間カウンタ223egの値が0より大きいかを判別する(C5403)。
C5403の処理において、特図変動時間カウンタ223egの値が0である、即ち、現時点が特図1変動中ではない状態であると判別した場合は(C5403:No)、そのまま本処理を終了する。つまり、本制御例では、普図当たり変動が実行される場合において一連演出を実行するための条件、具体的には、図409に示した通り、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)で、今回の普図変動時間が30秒以上で、一連演出カウンタ223gaがオフに設定されており、非変動時入賞フラグ223efがオフに設定されており、疑似一連演出フラグ223ecがオフに設定されている状態であって、さらに、図410に示した通り、今回の普図変動が、普図当たり変動である場合に成立する条件が成立していたとしても、本処理が実行される時点で特図1変動が実行されていない場合は、一連演出を実行(設定)しないように構成している。
このように構成することで、普図当たり変動に基づいて実行され得る一連演出の実行の有無を、特別図柄変動(特図1変動)の実行状況に応じて設定することができるため、通常状態において右打ち遊技を実行し、普図変動のみを実行させる遊技を行っている遊技者に対して、一連演出を実行させないようにすることができる。
C5403の処理において、特図変動時間カウンタ223egの値が0より大きいと判別した場合(C5403:Yes)、即ち、特図1変動中であると判別した場合は、特図変動時間カウンタ223egの値に基づいて特図1残変動時間を算出し(C5404)、今回の普図変動時間と、今回の普図変動終了後に実行される普図当たり遊技時間とを抽出し、合算する(C5405)。このC5405の処理では、普図変動時間と、普図当たり遊技期間とを合算することで、現時点(普図変動開始時点)から普図当たり遊技が終了するまでの期間(普図当たり終了期間)を算出するための処理が実行される。
そして、C5404の処理において算出した特図1残変動時間と、C5405の処理において合算(算出)した合算時間(普図当たり合算時間)と、を比較し(C5406)、その比較結果が特図1残変動時間のほうが普図当たり合算時間より大きい(長い)か否かを判別する(C5407)。特図1残変動時間が普図当たり合算時間より大きい(長い)と判別した場合は(C5407:Yes)、実行中の特図1変動が終了するまでに、普図当たり遊技が終了する場合であるため、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した際の特図2待機期間を予測可能となる。よって、一連演出シナリオテーブル223haを参照し、特図1残変動時間と普図当たり合算時間との差分時間(特図2待機期間)に基づく普図当たりシナリオを設定し(C5408)、その後、本処理を終了する。
一方、C5407の処理において、特図1残変動時間が普図当たり合算時間よりも短いと判別した場合は(C5407:No)、現時点において、特図2待機期間の有無、および長さを予測することができないため、普図当たりシナリオ4を設定し(C5409)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第8制御例では、普図変動が実行される際に、普図当たり遊技中における特別図柄(第1特別図柄)の変動状況を予測し、その予測結果に基づいて普図変動に対応する一連演出の演出態様を設定するように構成している。つまり、普図変動が実行される際に、今回実行される普図変動の変動時間と普図抽選結果、及び、普図当たり遊技の遊技時間(最大時間)と、を算出し、算出結果に基づいて、普図当たり遊技中に現在実行中の特図1変動が終了するか否かを判別し、その判別結果に基づいて普図変動に対応する一連演出の演出態様を設定するように構成している。
このように構成することで、例えば、実行中の特図1変動の変動終了タイミングが、第2入賞口640に球が入賞し得る期間、即ち、普図当たり遊技期間(最大期間)よりも後である場合は、特図2変動が実行し得るタイミング(待機期間の長さ)を、普図変動を実行する時点で予測することが可能となる。これにより、待機期間中に実行される各種演出態様として、待機期間の長さに基づいた演出態様を設定することができる。よって、上述した第5制御例に対して、待機期間の長さに応じて一連演出の演出態様のうち、可変設定可能な期間を長くすることができるため、一連演出の長さに応じた一連演出を実行させ易くすることができる。
なお、上述した第8制御例は、上述した第5制御例と同様に、普図当たり遊技として、ショート開放当たり遊技(閉鎖期間(オープニング期間)が0.1秒、開放期間が0.1秒)と、ロング開放当たり遊技(閉鎖期間(オープニング期間)が0.1秒、第1開放期間が1秒、閉鎖期間(待機期間)が1.5秒、第2開放期間が0.5秒)と、を実行可能に構成していることから、普図変動時において実行される第1予測処理(一連演出予測設定処理(図410のC4251参照))において、今回の普図変動にて当選した普図当たりの当たり種別を判別し、その判別結果に基づいて、第1予測の予測範囲(第2入賞口640に球が入賞可能な期間)を設定するように構成しても良い。加えて、今回判別された普図当たり種別に対応する予測範囲の態様(第2入賞口640に球が入賞可能な期間の長さやタイミング)、即ち、実行される普図当たり遊技の遊技態様に基づいて、普図当たり遊技中における第2入賞口640への球の入賞のし易さを判定し、第1予測処理において、待機期間(第2入賞口640に球が入賞してから、その入賞に基づく特図2変動が実行されるまでの期間)を予測することができなかった場合には、第2入賞口640への球の入賞のし易さを判定するための入賞難度判定手段の判定結果に基づいて、普図変動期間中の演出態様を設定するように構成しても良い。
具体的には、入賞難度判定手段により、入賞難度が低い(正常な遊技を行うことで、略第2入賞口640に球を入賞させることが可能)と判定された普図当たり遊技(例えば、普図ロング開放当たり遊技)に対応する普図当たり種別(例えば、普図当たりA(図336(b)参照))が設定される場合には、普図変動期間中に設定される演出態様として、一連演出として設定される次の演出態様へと移行し易い演出態様を設定し、入賞難度が高い(正常な遊技を行ったとしても、第2入賞口640に球を入賞させることが困難)と判定された普図当たり遊技(例えば、普図ショート開放当たり遊技)に対応する普図当たり種別(例えば、普図当たりB(図336(b)参照))が設定される場合には、普図変動期間中に設定される演出態様として、一連演出が終了することを示唆する演出態様(一連演出として設定される次の演出態様へと移行し難い演出態様)を設定するように構成すると良い。このように、第1予測処理を実行するタイミングで待機期間を予測できない場合において、実行される普図当たり遊技の種別に基づいて普図変動期間中に実行される演出の演出態様を可変させることにより、普図変動が開始された時点で、遊技者に対して今回の普図変動を契機に大当たり遊技が実行され易いか否かを予測させることが可能となるため、第1予測処理を実行するタイミングで待機期間を予測できない場合に実行される演出の演出効果を高めることができる。
また、入賞難度が高い(正常な遊技を行ったとしても、第2入賞口640に球を入賞させることが困難)と判定された普図当たり遊技(例えば、普図ショート開放当たり遊技)に対応する普図当たり種別(例えば、普図当たりB(図336(b)参照))が設定される場合には、一連演出に対応する演出態様を設定しないように構成しても良い。このように構成することで、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させることができず、大当たり遊技に向けての遊技(特図2変動、小当たり当選、小当たり遊技)が進行し難い場合に一連演出が実行されることを抑制することができる。なお、この場合、入賞難度が高い普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞したと判別した場合には、その入賞タイミングから一連演出を実行するように構成すると良く、例えば、第2入賞口640に球が入賞した時点における待機期間(今回の入賞に基づく特図2変動が実行されるまでの期間)の長さが所定期間以上(例えば、30秒以上)である場合には、第2入賞口640に球が入賞した時点から所定期間(例えば、30秒)を用いて、通常、普図変動期間中に設定される演出態様を設定するように構成すると良い。
このように、入賞難度が高い普図当たり遊技が実行される場合には、一連演出の開始タイミングを普図変動開始タイミングでは無く、第2入賞口640に球が入賞したタイミングとすることで、一連演出が実行されたにも関わらず、その一連演出の途中段階で一連演出が終了してしまう頻度を抑制することができる。
さらに、本制御例では、入賞難度が低い普図当たり遊技に対応する普図当たり種別を1つ設けた例を示したが、これに限ること無く、入賞難度が低い普図当たり遊技に対応する普図当たり種別を複数設定可能に構成し、各普図当たり種別に対応して実行される普図当たり遊技の遊技態様を異ならせても良く、例えば、入賞難度が低い普図当たり遊技に対応する普図当たり種別として普図当たり種別αと、普図当たり種別βと、を少なくとも設定可能に構成し、普図当たり種別αに対応する普図当たり遊技(普図当たり遊技α)の遊技態様として、閉鎖期間0.1秒、開放期間3秒の遊技態様を設定し、普図当たり種別βに対応する普図当たり遊技(普図当たり遊技β)の遊技態様として、閉鎖期間0.1秒、第1開放期間0.1秒、閉鎖期間(待機期間)3秒、第2開放期間(2.9秒)の遊技態様を設定するように構成しても良い。
この場合、入賞難度が低い普図当たり遊技が実行される場合において、設定される普図当たり種別に応じて、第2入賞口640に球が入賞し易い期間が異なることから、普図変動開始タイミングにおいて実行される第1予測処理において、普図当たり種別に基づいて第2入賞口640に球が入賞し易い期間を判別し、その判別手段の判別結果に基づいて第1予測処理にて実行する予測の範囲を異ならせるように構成すると良い。具体的には、上述した普図当たり遊技αが実行される場合は、第1予測処理にて実行する予測の範囲を普図当たり遊技の開始から0.1秒から3.1秒の範囲(開放期間の範囲)に基づいて設定し、普図当たり遊技βが実行される場合は、第1予測処理にて実行する予測の範囲を普図当たり遊技の開始から3.3秒から6.1秒の範囲(第2開放期間の範囲)に基づいて設定するように構成すると良い。
このように、実行される普図当たり遊技の遊技態様(入賞難度、入賞可能期間の設定タイミング)に基づいて、予測する範囲を対応付けて設定することにより、第1予測処理にて実行する予測の範囲を狭くすることが可能となる。これにより、第1予測処理において待機期間を予測し易くすることができる。よって、一連演出を実行させ易くし、演出効果を高めることができる。
さらに、入賞難度が低い普図当たり遊技に対応する普図当たり種別として普図当たり種別γ設定可能に構成し、普図当たり種別γに対応する普図当たり遊技(普図当たり遊技γ)の遊技態様として、閉鎖期間0.1秒、第1開放期間1.5秒、閉鎖期間(待機期間)3秒、第2開放期間(1.5秒)の遊技態様を設定するように構成した場合、即ち、第2入賞口640に球が入賞し得る開放期間が複数設定される普図当たり遊技が実行される場合には、第1予測処理において、まず、後に設定される第2開放期間に対応する範囲と実行中の特図1変動の残期間(残変動期間)と、を比較し、特図1変動の残期間(残変動期間)が第2開放期間よりも後であるかを判別し、特図1変動の残期間(残変動期間)の経過タイミングが第2開放期間の終了タイミングよりも後であると判別された場合には、第2開放期間の終了タイミングから実行中の特図1変動の終了タイミングまでを待機期間として設定するように構成し、一方、特図1変動の残期間(残変動期間)の経過タイミングが第2開放期間の終了タイミングよりも前であると判別された場合には、次に、特図1変動の残期間(残変動期間)の経過タイミングと、第1開放期間に対応する範囲と、を比較する。
そして、第1開放期間の経過タイミングが、特図1変動の残期間(残変動期間)の経過タイミングよりも前であると判別した場合は、第1開放期間の終了タイミングから実行中の特図1変動の終了タイミングまでを待機期間として設定するように構成し、一方、第1開放期間の経過タイミングよりも、第1開放期間の経過タイミングのほうが後であると判別された場合、即ち、第1開放期間が経過するまでに実行中の特図1変動が停止表示される場合は、第1予測処理において待機期間を予測することができなかったとして、上述する第2予測処理が実行されるように構成すると良い。
<第9制御例>
次に、図411〜図420を参照して、第9制御例について説明をする。本第9制御例は、上述した第5制御例に対して、時短状態の最終変動において実行される最終変動演出に対する制御処理を異ならせた点で相違している。
上述した第5制御例では、時短状態の最終変動において実行される最終変動演出を用いて、当該変動の抽選結果、及び、当該変動後に実行される特図2変動(時短状態が終了し、通常状態が設定されている状態で実行される特図2変動)に対する事前判別結果を示唆するように構成していた。このように構成することで、時短状態が終了した後に実行される特図2変動によって当たり(大当たり、小当たり)に当選する場合に、その旨を最終変動演出で示唆することが可能となる。
本第9制御例では、上述した第5制御例に対して、最終変動演出の演出態様を設定するための処理を詳細に説明している点で相違している。具体的には、時短状態の最終変動を実行する場合に、当該変動の抽選結果および、特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)に基づいて、最終変動演出の演出態様を設定するように構成している。
さらに、時短状態の最終変動が外れ変動である場合は、特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)に基づいて最終変動演出の演出期間を設定するように構成している。つまり、時短状態の最終変動が外れ変動である場合は、当該変動終了後に最終変動演出の示唆対象となる次の特図2変動(通常状態中に実行される特図2変動)が実行されることから、時短状態の最終変動が外れ変動である場合は、時短状態の最終変動の開始タイミングにて、既に獲得している特図2保留に対応する特図2変動の変動期間に対して予め演出態様(最終変動演出)を設定するように構成している。
<第9制御例の電気的構成について>
次に、図411〜図415を参照して、本第9制御例における電気的構成について説明をする。本第9制御例は、上述した第5制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222および、RAM223の内容を一部変更している点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図411(a)を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図411(a)は、第9制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図411(a)に示した通り、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第5制御例における音声ランプ制御装置113のROM222に対して、最終変動演出テーブル222ia、及び最終演出可変設定テーブル222ibを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
最終変動演出テーブル222iaは、最終変動演出の演出態様を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短状態の最終変動(特図2変動)に対応する変動パターンコマンドを受信した場合に参照されるものである。ここで、最終変動演出テーブル222iaの内容について、図412及び図413を参照して説明をする。
図412(a)は、最終変動演出テーブル222iaの内容を模式的に示した模式図である。図412(a)に示した通り、最終変動演出テーブル222iaは、当該変動の抽選結果が当たりである場合に参照される当たり用最終テーブル222ia1と、当該変動の抽選結果が外れである場合に参照される外れ用最終テーブル222ia2と、を有している。
ここで、最終変動演出における演出期間について説明をする。本第9制御例では、上述した第5制御例と同様に、最終変動演出の演出期間として、「待機期間」、「第1期間」、「第2期間」、「第3期間」が形成されるように構成しており、各期間に対して演出態様を設定可能に構成している。上述した第5制御例では、当該変動(時短最終変動)の抽選結果に関わらず、「待機期間」に、最終変動演出が始めることを報知するための演出態様(待機演出)が設定され、「第1期間」に、特図2保留を多く獲得させるための演出態様(獲得演出)が設定され、「第2期間」に、当該変動の抽選結果、及び、特図2保留の先読み結果を示唆するための演出態様(ミッション演出)が設定され、「第3期間」に、ミッション演出の演出結果を示すための演出態様(結果演出)が設定されるように構成していた。
さらに、「待機期間」経過時における特図2保留球数に基づいて、「第1期間」中に実行される演出として獲得演出を実行するか、ミッション演出を実行するかを判別するように構成し、「待機期間」経過時における特図2保留球数が所定数以上であれば(上限数(4)であれば)、「第1期間」にてミッション演出を実行するように構成していた。
これに対して、本第9制御例では、時短最終変動(特図2変動)が実行されるタイミングにおける特図2保留球数に基づいて、最終変動演出の演出態様を設定するように構成している点で上述した第5制御例と相違している。また、当該変動の抽選結果に基づいて、時短最終変動(特図2変動)が実行されるタイミングにおいて設定される最終変動演出の演出態様を異ならせている点で上述した第5制御例と相違している。さらに、最終変動演出の演出態様を設定するタイミングを複数設けた点でも上述した第5制御例と相違している。
まず、図412(b)を参照して、最終変動演出テーブル222iaが有する当たり用最終テーブル222ia1に規定されている内容について説明をする。図412(b)は、当たり用最終テーブル222ia1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図412(b)に示した通り、当たり用最終テーブル222ia1には、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値(特図2保留球数)と、取得した演出カウンタ223fの値とに応じて、最終変動演出の各演出期間に設定される演出態様が規定されている。
具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が「0」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜169」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンAが規定され、「170〜189」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンBが規定され、「190〜198」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンCが規定されている。また、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が「1,2」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜169」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンAが規定され、「170〜198」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンBが規定されている。さらに、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が「3」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜109」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンAが規定され、「110〜198」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンBが規定されている。
ここで、当たり用最終テーブル222ia1に規定されている各種演出パターンの詳細な内容について説明をする。演出パターンAは、上述した第5制御例と同様の最終変動演出が実行されるものであり、図318を参照して上述した通り、最終変動演出が実行される演出期間のうち、最初に設定される待機期間(第0期間)に、最終変動演出が実行される旨を示すための演出態様である「待機演出(演出a)」が設定され、待機期間が経過した後の第1期間に、遊技者に対して、後の遊技を有利に実行させる(特図2保留を獲得させる)遊技方法を案内するための演出態様である「獲得演出(演出b)」が設定され、第1期間が経過した後の第2期間に、最終変動演出の対象となる図柄の抽選結果(時短最終変動となる特図2変動の抽選結果、現時点で獲得している特図2保留に対する先読み結果)を示唆するための演出態様である「ミッション演出(演出c)」が設定され、第2期間が経過した後の第3期間に、第2期間中に実行された「ミッション演出(演出c)」の演出結果(抽選結果)を示すための演出態様である「結果演出(演出d)」が設定される。
演出パターンBは、時短最終変動が当たり(大当たり、小当たり)に当選している場合に設定される演出パターンであって、最終変動演出として、遊技者に当たりに当選したことを報知するための演出態様である「特殊演出1(演出e)」が設定される。
演出パターンCは、最終変動演出を設定する際の特図2保留数が所定数以下(0)である場合に設定される演出態様であって、最終変動演出の演出期間のうち、待機期間(第0期間)に「待機演出(a)」が設定される。この演出パターンCが設定された場合は、待機期間(第0期間)終了後に、再度、最終変動演出の演出態様(第1期間〜第3期間のそれぞれで実行される演出態様)を設定するための処理(最終演出可変処理)が実行されるように構成している。
この最終演出可変処理についての詳細な内容は後述するが、最終演出可変処理では、待機期間(第0期間)中に獲得した特図2保留数、及び、待機期間(第0期間)終了時点における特図2保留数に応じて異なる演出態様を第1期間〜第3期間のそれぞれに設定するための処理が実行される。
以上、説明した通り、本第9制御例では、上述した第5制御例における最終変動演出の設定方法に対して、最終変動演出の設定時(時短最終変動の開始時)にて最終変動演出の演出態様を設定するように構成している点、及び、最終変動演出の対象となる抽選結果(先読み結果)を、当該変動の抽選結果と、最終変動演出の設定時(時短最終変動の開始時)にて獲得済の特図2保留の先読み結果と、に限定している点で相違している。
このように構成することで、時短最終変動が実行される時点における特図2保留の獲得状況に応じて実行される最終変動演出の演出態様を可変させることができるため、時短最終変動が実行される前(時短状態中)に実行する特図2保留を獲得するための遊技に多様性を持たせることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本制御例のように、時短最終変動が実行される時点における特図2保留の獲得状況に応じて実行される最終変動演出の演出態様を可変させる場合には、時短最終変動が実行される時点において獲得している特図2保留数が特定数(例えば、上限数である3)である場合にのみ設定可能な演出態様を設けると良い。このように構成することで、時短最終変動が実行される時点で特図2保留数が特定数(例えば、上限数である3)となるように、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した当たり用最終テーブル222ia1は、当該変動(時短最終変動)が当たりに当選している場合に参照されるデータテーブルであるため、当たり用最終テーブル222ia1を参照して設定する最終変動演出の実行期間は、時短最終変動の変動パターン(変動時間)に対応した期間となる。つまり、当たり用最終テーブル222ia1を参照して設定された最終変動演出の終了後に、当該変動の抽選結果に対応した当たり遊技が実行される。このように、時短最終変動が当たり当選している場合は、特図2保留に基づいて実行される特図2変動の変動時間を考慮すること無く、当該変動の変動時間に対応させて最終変動演出の演出態様を一括で設定することができるため、演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。
上述した通り、本第9制御例で用いられる当たり用最終テーブル222ia1は、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が少ないほど、演出パターンCが選択され易くなるように規定されている。つまり、時短最終変動が実行される時点で特図2保留数が少ないほど、待機期間(第0期間)中に獲得可能な特図2保留数を増やすことができるため、待機期間(第0期間)中に獲得した特図2保留数に応じて演出態様を可変設定可能な演出パターンCが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、特図2保留数が少ない状態で時短最終変動が実行される場合において、異なる最終変動演出を実行させることが可能となる。
また、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が多いほど、最終変動演出として演出パターンBが選択され易くなるように規定されている。このように構成することで、特図2保留数が多い状態で時短最終変動が実行されるほうが、当たり当選したことを示す特殊演出1を実行させ易くすることができる。よって、遊技者に対して意欲的に特図2保留数を獲得するための遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
次に、図413を参照して、最終変動演出テーブル222iaが有する外れ用最終テーブル222ia2の内容について説明をする。図413は、外れ用最終テーブル222ia2の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用最終テーブル222ia2は、時短最終変動である特図2変動の抽選結果が外れである場合に参照されるデータテーブルであって、当該変動の変動期間に、保留記憶されている特図2保留に対応する特図2変動の変動時間を加えた期間を演出期間とした最終変動演出の演出態様を設定するために用いられるものである。
本第9制御例では、上述した第5制御例と同様に、時短状態の最終変動(時短最終変動)において実行される最終変動演出を用いて、当該変動の抽選結果、及び、当該変動後に実行される特図2変動(時短状態が終了し、通常状態が設定されている状態で実行される特図2変動)に対する事前判別結果を示唆するように構成している。そして、時短最終変動の抽選結果が当たり(大当たり、小当たり)当選している場合は、当該変動の終了後に当たり遊技が実行されるため、当該変動の変動期間に対応した期間で最終変動演出が実行されるように構成している。
一方、時短最終変動の抽選結果が外れである場合には、当該変動の終了後に保留記憶されている特図2保留に対応する特図2変動が実行される。本制御例では、時短最終変動が終了した時点において保留記憶されている特図2変動の変動期間も含めて最終変動演出を実行するように構成している。
図413に示した通り、外れ用最終テーブル222ia2は、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)と、特図2保留に対する先読み結果と、取得した演出カウンタ223fの値と、に応じて最終変動演出の演出態様が規定されている。また、最終変動演出が実行される演出期間として、時短最終変動の変動期間と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が終了し、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)にて実行される特図2変動(時短状態中に獲得した特図2保留に対応する特図2変動)の変動期間と、が規定されている。
そして、時短最終変動の実行タイミングにおいて、既に獲得している特図2保留数に対応して実行される特図2変動の変動期間に対しても最終変動演出の演出態様を設定するように構成している。このように構成することで、複数の特図変動(特図2変動)に跨がって実行される演出(最終変動演出)の演出態様を一括で設定することができるため、各特図変動が実行される毎に最終変動演出の演出態様を設定する場合に比べて、演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。
さらに、本制御例では、最終変動演出の演出態様を設定する時点で獲得済の特図2保留の中に、当たり当選を示す入賞情報がある場合(先読み結果が当たりである場合)と、当たり当選を示す入賞情報がない場合(先読み結果が外れである場合)と、で、最終変動演出中に実行される獲得演出の実行内容(実行の有無、実行される期間)を異ならせるように構成しており、獲得済の特図2保留の中に、当たり当選を示す入賞情報がある場合(先読み結果が当たりである場合)は、それ以外の場合に比べて、獲得演出が実行され難く、或いは、実行された場合であっても実行期間が短くなるように構成している。
このように構成することで、最終変動演出として実行される変動演出の演出態様に応じて、特図2保留の先読み結果を遊技者に予測させることができるため、演出効果を高めることができる。また、時短状態が終了し得る状態、即ち、時短最終変動に対応する特図2変動が外れ変動であり、且つ、時短最終変動が実行される時点で獲得済の特図2保留の先読み結果が外れである状態において、時短状態が終了した後に実行される有利遊技(通常状態中の特図2抽選)の実行回数を増加させるための演出態様(獲得演出(演出b))を、其れ以外の場合に比べて強調させることが可能となる。よって、時短状態が終了した後に実行される有利遊技の実行回数を増加させ易くすることができる。
ここで、外れ用最終テーブル222ia2に規定されている内容について図413を参照して具体的に説明をすると、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が0であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜159」の範囲の場合に、待機期間に「演出a」が、第1期間に「演出b」が、第2期間に「演出c」が設定される演出データが規定されている。また、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が0であって、取得した演出カウンタ223fの値が「160〜179」の範囲の場合に、待機期間、および、第1期間に「演出b」が、第2期間に「演出c」が設定される演出データが規定されている。また、取得した演出カウンタ223fの値が「180〜198」の範囲の場合に、待機期間に「演出a」が設定される演出データが規定されている。
なお、本外れ用最終テーブル222ia2では、現時点における最終変動演出の最終演出期間で実行される演出態様を設定しない(図413では、未設定であることを示す表示態様として「○」を表示)ように構成している。つまり、時短最終変動の実行タイミングにて把握可能な特図抽選結果(先読み結果)に当たりが含まれていない場合は、時短最終変動の実行タイミング以降に獲得した特図2保留に対応する特図2変動が、時短最終変動の実行タイミングにて先読み処理の対象となった特図2変動の後に実行される場合がある。
このように、最終変動演出が実行されてから当該最終変動演出が終了するまでの期間において実行され得る特図変動の抽選結果によって最終変動演出の演出結果(演出態様)を可変させる必要がある場合は、時短最終変動の実行タイミング以外のタイミングでも最終変動演出の演出態様を可変設定することができるように構成している。よって、様々な演出態様で最終変動演出を実行させることができる。
図413に戻り、説明を続ける。特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が1であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれており「保留内当たりあり」である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、次に実行される特図2変動(通常状態が設定されてから最初に実行される特図2変動)が当たり変動となる場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず(0〜198の全範囲に対応させて)、待機期間に「演出a」が、第1期間に「演出b」が、第2期間に「演出c」が、第3期間、及び通常状態が設定されてから1回目の特図2変動(以下、通常特図2変動1と称す)の変動期間(通1)に「演出d」が設定される演出データが規定されている。
一方、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が1であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれておらず「保留内当たりなし」である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、次に実行される特図2変動(通常状態が設定されてから最初に実行される特図2変動)も外れ変動となる場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜189」の範囲である場合に、待機期間に「演出a」が、第1期間に「演出b」が、第2期間に「演出c」が、第3期間に「演出c(ミッション演出)」の演出結果が表示されることを遅延させるための表示態様である「継続演出(演出f)」が設定される演出データが規定されている。
ここで、上述した「継続演出」とは、ミッション演出(図328(b)参照)が実行された後に、表示される演出態様であって、ミッション演出の演出結果を示す演出態様(図329(a)参照)、即ち、結果演出(演出d)が、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるまでの期間を延長する場合に実行される演出態様である。
詳細な表示内容についてはその説明を省略するが、例えば、ミッション演出として図328(b)に示した演出態様が第3図柄表示装置81の表示画面に表示される場合には、落石873の落下速度を低下させることで実行中のミッション演出の演出結果(成功又は失敗)が表示されるまでの過程を示す期間を延長させたり、実行中のミッション演出の演出結果として、ミッション演出が継続する(2回目のミッション演出が実行される)ことを示すための表示態様(例えば、「継続!」の文字)が表示されるように構成し、1回の最終変動演出にて複数回のミッション演出を実行したり、ミッション演出の演出結果として、実際の演出結果とは異なる演出結果を示唆する表示態様を一時的に表示する疑似結果表示演出を実行したりする演出態様が設定される。
このように、最終変動演出として「継続演出」を実行するように構成することで、例えば、最終変動演出が実行された後に、特図2保留を獲得し、実行中の最終変動演出の実行期間を延長させる場合において、遊技者に違和感を与えること無く、最終変動演出の演出期間を延長させることができる。
次に、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が2であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれており(保留内当たり「あり」)である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、獲得済の2つの特図2保留のうち少なくとも何れかに対応する特図変動が当たり変動となる場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず(0〜198の全範囲に対応させて)、待機期間に「演出a」が、第1期間に「演出b」が、第2期間に「演出c」が、第3期間、及び、通常状態が設定されてから1回目の特図2変動(以下、通常特図2変動1と称す)の変動期間(通1)、2回目の特図2変動(以下、通常特図2変動2と称す)の変動期間(通2)のうち、当たり変動が終了するまでの期間に「演出d」が設定される演出データが規定されている。
一方、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が2であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれておらず「保留内当たりなし」である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、次に実行される特図2変動(通常状態が設定されてから最初に実行される特図2変動)も外れ変動となる場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜189」の範囲である場合に、待機期間に「演出a」が、第1期間に「演出b」が、第2期間に「演出c」が、第3期間に「演出c(ミッション演出)」の演出結果が表示されることを遅延させるための表示態様である「継続演出(演出f)」が設定される演出データが規定されている。
次に、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が3であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれており(保留内当たり「あり」)である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、獲得済の3つの特図2保留のうち少なくとも何れかに対応する特図変動が当たり変動となる場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず(0〜198の全範囲に対応させて)、待機期間に「演出a」が、第1期間に「演出b」が、第2期間に「演出c」が、第3期間、及び、通1変動期間、通2変動期間、通3変動期間のうち、当たり変動が終了するまでの期間に「演出d」が設定される演出データが規定されている。
また、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223cの値)が3であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれていない(保留内当たり「なし」)場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、獲得済の3つの特図2保留に対応する特図2変動がいずれも外れ変動となる場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず(0〜198の全範囲に対応させて)、待機期間に「演出a」が設定される演出データが規定されている。
図411(a)に戻り説明を続ける。最終演出可変設定テーブル222ibは、時短状態の最終変動(特図2変動)において実行される最終変動演出の演出態様を選択するために用いられるデータテーブルであって、最終変動演出の演出態様を、最終変動演出テーブル222iaを用いて設定する際に、演出態様が設定されなかった演出期間(未設定期間)がある場合において、最終変動演出の実行中に未設定期間に対して演出態様を設定するために用いられるものである。具体的には、最終変動演出更新処理9(図420のC4566)において、待機期間(第0期間)が終了したと判別し(図420のC4863:Yes)、演出可変フラグ223icがオンに設定されていると判別した場合(図420のC4864:Yes)、即ち、演出態様が設定されなかった演出期間(未設定期間)がある場合に、参照される(図420のC4865参照)。
ここで、図414、及び図415を参照して、最終演出可変設定テーブル222ibの内容について説明をする。図414(a)は、最終演出可変設定テーブル222ibの内容を模式的に示した模式図である。図414(a)に示した通り、最終演出可変設定テーブル222ibは、実行中の特図2変動(時短最終変動)が当たり変動である場合に参照される当たり用設定テーブル222ib1と、実行中の特図2変動(時短最終変動)が外れ変動である場合に参照される外れ用設定テーブル222ib2と、を有しており、実行中の特図2変動(時短最終変動)の抽選結果に応じて、異なる演出態様が設定されるように構成している。また、詳細な説明は後述するが、実行中の特図2変動(時短最終変動)の抽選結果が当たりの場合と、外れの場合とで、演出態様を設定する際に参照される要素を異ならせている。
このように構成することで、最終変動演出として設定される演出態様を、実際の遊技内容(特図抽選結果と、保留球数の増加具合)に対応させて設定することができるため、遊技者に対して実行される最終変動演出の演出内容に興味を持たせることができる。
次に、図414(b)を参照して、当たり用設定テーブル222ib1の内容について説明をする。図414(b)は、当たり用設定テーブル222ib1の内容を模式的に示した模式図である。図414(b)に示した通り、当たり用設定テーブル222ib1は、保留数増加カウンタ223iaの値、即ち、最終変動演出が実行されてから待機期間(第0期間)が終了するまでの期間中に獲得した特図2保留数と、取得した演出カウンタ223fの値と、に基づいて異なる演出態様が規定されている。
具体的には、保留数増加カウンタ223iaの値が「0,1」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲である場合には、第1期間に「演出b」、第2期間に「演出c」、第3期間に「演出d」を設定するように規定されている。なお、最終変動演出の実行時において既に演出態様が設定されている期間に対して新たな演出態様を設定すること無く、最終変動演出の実行時において演出態様が設定されていない未設定期間(図412(b)の「○」で示した期間)に対してのみ本テーブルを参照して演出態様が設定される。
次に、保留数増加カウンタ223iaの値が「2」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜149」の範囲である場合には、第1期間に「演出b」、第2期間に「演出c」、第3期間に「演出d」を設定するように規定され、「150〜198」の範囲である場合には、第1期間、第2期間、第3期間に、実行中の最終変動演出の演出結果が特別図柄(特図2)の当たり当選を示す演出結果となる可能性が高いことを示すための高期待度報知態様である「特殊演出2(演出g)」を設定するように規定されている。
上述した「特殊演出2(演出g)」とは、通常、最終変動演出として実行されるミッション演出(図328(b)参照)とは異なる演出が実行される演出態様であって、詳細な説明は後述するが、ミッション演出が実行されるよりも今回の最終変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果となり易くなるように選択割合が規定されている。
この「特殊演出2」の詳細な表示内容についてはその説明を省略するが、例えば、待機演出が実行された後に、第3図柄表示装置81の表示画面が暗くなり、当たり当選を示す演出結果である当たり表示態様(「V」の文字を模した表示態様)と、外れ当選を示す演出結果である外れ表示態様(「バツ印」を模した表示態様)とが表示され、最後まで表示されていた表示態様が最終変動演出の演出結果となる演出が実行される。このように、待機期間が終了した直後から、通常とは異なる演出が実行されることを遊技者に分かり易く報知することにより、遊技者に対して、当たり当選を期待させながら実行される演出を注視させることができる。
なお、「特殊演出2」の演出内容としては、上述した内容に限ること無く、例えば、図328(a)に示した例によれば、ミッション演出に用いる味方キャラクタ(851a〜851d)の種別として、小表示領域Dm21に表示されていないキャラクタ(例えば、クジラを模したキャラクタ)を設定し、通常とは異なるミッション演出が実行されるように構成しても良いし、同一の味方キャラクタ(851a〜851d)を用いて特殊ミッションが実行される演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、「特殊演出2」として実行される演出の画像データの一部として、通常のミッション演出で用いられる画像データを流用することができるため、パチンコ機10の画像データ容量を削減することができる。
次に、保留数増加カウンタ223iaの値が「3」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜119」の範囲である場合には、第1期間に「演出b」、第2期間に「演出c」、第3期間に「演出d」を設定するように規定され、「120〜198」の範囲である場合には、第1期間、第2期間、第3期間に「演出g」を設定するように規定されている。
最後に、保留数増加カウンタ223iaの値が「4」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜149」の範囲である場合には、第1期間、第2期間、第3期間に「演出g」を設定するように規定され、「150〜198」の範囲である場合には、第1期間、第2期間、第3期間に、実行中の最終変動演出の演出結果が特別図柄(特図2)の当たり当選を示す演出結果となることを報知するための確定報知態様である「特殊演出3(演出h)」を設定するように規定されている。
上述した「特殊演出3(演出h)」とは、通常、最終変動演出として実行されるミッション演出(図328(b)参照)とは異なる演出が実行されるものであって、時短最終変動(特図2変動)の抽選結果が当たりである場合にのみ実行されるものである。この「特殊演出3」の詳細な表示内容についてはその説明を省略するが、例えば、待機演出が実行された後に、第3図柄表示装置81の表示画面が暗くなり、当たり当選を示す演出結果である当たり表示態様(「V」の文字を模した表示態様)が表示される演出が実行される。このように、最終変動演出の待機期間が終了した直後から、遊技者に対して、当たり当選を報知することで当たり遊技に向けての心の準備を遊技者に行わせることができる。また、特殊演出2開始時の表示態様と、特殊演出3開始時の表示態様と、を同一(第3図柄表示装置81の表示画面が暗く(ブラックアウト)する態様)にすることで、遊技者に対して、今回の最終変動演出が特殊演出2或いは特殊演出3であることを先に報知することができる。これにより、遊技者は、特殊演出3が実行されることを期待しながら最終変動演出を注視することになるため、演出効果を高めることができる。
なお、本第9制御例では、特殊演出3に対応する演出が実行される場合に遊技者に付与される特典として、最終変動演出が終了する前の時点で最終変動演出の演出結果を報知する特典を付与するように構成しているが、それ以外の特典を付与するように構成しても良く、例えば、特殊演出3が設定されるタイミングにおいて獲得済の特図2保留の先読み結果に基づいて当たり当選する回数を遊技者に報知する特典を付与するように構成しても良い。具体的には、4つの特図2保留のうち、先読み結果が当たり当選となる特図2保留が2つある場合には、特殊演出3の演出態様として、第3図柄表示装置81の表示画面が暗くなり、当たり当選を示す演出結果である当たり表示態様(「V」の文字を模した表示態様)が複数表示される演出が実行され、最終的に第3図柄表示装置81の表示画面に表示された当たり表示態様の数が当たり当選する回数を示すように構成すれば良い。このように、特別な演出条件が成立した場合に実行される特別演出(特殊演出3)として、当該特別演出が実行されたことに基づいて遊技者に第1特典(当たり当選の報知)を付与し、その第1特典が付与された後に、第1特典よりも遊技者に有利な第2特典(当たり当選回数の報知)を付与可能とすることにより、第1特典が付与された後も、遊技者に対して実行される特別演出(特殊演出3)の演出内容に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
次に、図415を参照して。外れ用設定テーブル222ib2の内容について説明をする。図415は、外れ用設定テーブル222ib2の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用設定テーブル222ib2は、時短状態における最終変動(特図2変動)に対応して実行される最終変動演出を設定する際に、外れ用最終テーブル222ia2を用いた場合(図419のC4364参照)において、演出態様が設定されない未設定期間(図413の「○」で表示した期間)に対して演出態様を設定するために用いられるデータテーブルであって、最終変動演出更新処理9(図420のC4566参照)において、待機期間(第0期間)の終了タイミングであると判別された場合(図420のC4863:Yes)に参照される(図420のC4865参照)。
図415に示した通り、外れ用設定テーブル222ib2には、保留球数増加カウンタ223iaの値(待機期間中に獲得した特図2保留の数)と、追加当たりの有無(待機期間中に獲得した特図2保留の先読み結果に基づく当たり当選の有無)と、保留上限フラグ223enの設定状況と、取得した演出カウンタ223fの値とに基づいて、最終変動演出の各演出期間に対して設定される演出態様が規定されている。
なお、時短状態における最終変動(特図2変動)に対応して実行される最終変動演出を、外れ用最終テーブル222ia2を用いて設定した際に(図419のC4364参照)、既に演出態様が設定されている演出期間に対しては新たな演出態様を設定すること無く、未設定期間に対してのみ外れ用設定テーブル222ib2を参照して演出態様が設定されるように構成している。
次に、外れ用設定テーブル222ib2に規定されている内容について、図415を参照して具体的に説明をする。まず、保留球数増加カウンタ223iaの値が「0」の場合、即ち、待機期間中に、新たな特図2保留を獲得しなかった場合は、追加当たりの有無や保留上限フラグ223enの設定状況、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、第1期間に「演出b」、第2期間に「演出c」、第3期間〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、最終変動演出が開始された時点と、特図2保留数に変化が無い状態であるため、専用の演出態様を設定すること無く、最後の結果演出(演出d)として、外れを示す演出結果が設定される。
次に、保留球数増加カウンタ223iaの値が「1」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223enがオンに設定されている場合、即ち、最終変動演出の開始時における特図2保留数が3で、獲得済の特図2保留(3個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した特図2保留の先読み結果が当たりである場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜169」の範囲には、第1期間、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出b)を実行しないように規定されている。このように構成することで、遊技者に対して、無用な演出(特図2保留数が上限に到達しているにも関わらず、特図2保留を獲得させる遊技を行わせる獲得演出)が行われてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が実行される演出内容に不信感を持ってしまい、演出効果が低くなってしまうことを抑制することができる。また、取得した演出カウンタ223fの値が「170〜198」の範囲には、第1期間、第2期間、第3〜通4期間に「演出g」を設定するように各種演出態様が規定されている。
また、保留球数増加カウンタ223iaの値が「1」で、追加当たりが「なし」の場合は、保留上限フラグ223enの設定状況、及び取得した演出カウンタ223fの値の範囲に関わらず、第1期間に「演出b」、第2期間に「演出c」、第3期間〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、最終変動演出が開始された時点に対して、新たな特図2保留を1個獲得し、その特図2保留の先読み結果が外れである場合には、専用の演出態様を設定すること無く、最後の結果演出(演出d)として、外れを示す演出結果が設定される。
次に、保留球数増加カウンタ223iaの値が「2」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223enがオンに設定されている場合、即ち、最終変動演出の開始時における特図2保留数が2で、獲得済の特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果として、少なくとも何れかの特図2保留の先読み結果が当たりである場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出b)を実行しないように規定されている。
このように構成することで、遊技者に対して、無用な演出(特図2保留数が上限に到達しているにも関わらず、特図2保留を獲得させる遊技を行わせる獲得演出)が行われてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が実行される演出内容に不信感を持ってしまい、演出効果が低くなってしまうことを抑制することができる。
一方、保留球数増加カウンタ223iaの値が「2」で、追加当たりが「なし」で、保留上限フラグ223enがオンに設定されている場合、即ち、最終変動演出の開始時における特図2保留数が2で、獲得済の特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果も外れである場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出b)を実行しないように規定されている。
また、保留球数増加カウンタ223iaの値が「2」で、追加当たりが「なし」で、保留上限フラグ223enがオフに設定されている場合、即ち、最終変動演出の待機期間中に獲得した特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果も外れであり、さらに、現在の特図2保留数が上限数(4)に到達していない場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、第1期間に「演出b」、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオフに設定されていることから、第1期間を用いて新たに特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出b)を実行するように構成している。
次に、保留球数増加カウンタ223iaの値が「3」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223enがオンに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜109」の範囲には、第1期間、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオンに設定されているにも関わらず、獲得演出(演出b)が実行されるように構成している。このように、最終変動演出の演出結果として当たり当選を示す演出結果が表示される場合において、保留上限フラグ223enがオンに設定されている状態、即ち、これ以上新たな特図2保留を獲得することができない状態であっても、意図的に獲得演出を実行するように構成することで、実際の特図2保留球数と、実行される演出態様とに差異を持たせることができる。
また、本第9制御例では、最終変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果である場合にのみ上述した演出(保留上限フラグ223enがオンに設定されているにも関わらず、獲得演出(演出b)が実行される演出)が実行されるように構成しているため、実際の特図2保留球数と、実行される演出態様とに差異を持たせた演出が実行されることで、最終変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果となることを報知することができる。よって、実際の遊技内容と実行される演出内容とに差異が生じているか否かを遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、保留球数増加カウンタ223iaの値が「3」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223enがオンに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「110〜198」の範囲には、第1期間、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出b)を実行しないように規定されている。
次に、保留球数増加カウンタ223iaの値が「3」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223enがオフに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオフに設定されているにも関わらず、獲得演出(演出b)が実行されないように構成している。このように、最終変動演出の演出結果として当たり当選を示す演出結果が表示される場合において、保留上限フラグ223enがオフに設定されている状態、即ち、新たな特図2保留を獲得することができる状態であっても、意図的に獲得演出を実行しないように構成することで、実際の特図2保留球数と、実行される演出態様とに差異を持たせることができる。
この場合においても、実際の特図2保留球数と、実行される演出態様とに差異を持たせた演出が実行されることで、最終変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果となることを報知することができる。よって、実際の遊技内容と実行される演出内容とに差異が生じているか否かを遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
保留球数増加カウンタ223iaの値が「3」で、追加当たりが「なし」で、保留上限フラグ223enがオンに設定されている場合、即ち、最終変動演出の開始時における特図2保留数が2で、獲得済の特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果も外れである場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出b)を実行しないように規定されている。
また、保留球数増加カウンタ223iaの値が「3」で、追加当たりが「なし」で、保留上限フラグ223enがオフに設定されている場合、即ち、最終変動演出の待機期間中に獲得した特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果も外れであり、さらに、現在の特図2保留数が上限数(4)に到達していない場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、第1期間に「演出b」、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオフに設定されていることから、第1期間を用いて新たに特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出b)を実行するように構成している。
最後に、保留球数増加カウンタ223iaの値が「4」の場合、即ち、最終変動演出が実行される時点における特図2保留数が「0」で、待機期間中に4個の特図2保留を新たに獲得した場合は、追加当たりが「あり」で取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲には、第1期間、第2期間、第3〜通4期間に「演出g」を設定するように各種演出態様が規定され、「100〜198」の範囲には、第1期間、第2期間、第3〜通4期間に「演出h」を設定するように各種演出態様が規定されている。そして、追加当たりが「なし」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出c」、第3〜通4期間に「演出d」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223enがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出b)を実行しないように規定されている。
次に、図411(b)を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。本第9制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した本第5制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成に対して、保留数増加カウンタ223iaと、変動期間格納エリア223ibと、演出可変フラグ223icとを追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
保留数増加カウンタ223iaは、特定期間(時短状態の最終変動に対応して実行される最終変動演出の演出期間の一部として設定される待機期間、及び第1期間)内に獲得した特図2保留の数を計測するためのカウンタであって、特定期間内に新たな特図2保留を獲得する毎にそのカウンタの値が1加算されるものである。この保留数増加カウンタ223iaは、入賞情報コマンド処理9(図417のC3262参照)にて実行される最終入賞処理(図418のC3461参照)にて特図2入賞に対応する入賞情報コマンドを受信したと判別し(C5501:Yes)、演出可変フラグ223icがオンに設定されていると判別した場合(C5502:Yes)、即ち、最終変動演出の演出態様を設定するために、待機期間中獲得した特図2保留の数をカウントする必要がある場合に、カウンタ値が1加算される(図418のC5503参照)。
そして、最終変動演出更新処理9(図420のC4566参照)において、待機期間が終了したと判別した場合に(図420のC4863:Yes)、カウンタ値に対応する演出態様が最終演出可変設定テーブル222ibを参照して設定される(図420のC4865参照)。さらに、第1期間が終了したと判別した場合に(図のC4866:Yes)、最終変動演出中に獲得した特図2保留の変動期間を、最終変動演出の演出期間とする演出延長処理を実行ために、カウンタ値が参照され(C4868)、その後、カウンタ値が初期値(0)にリセットされる。
このように、特定期間中(例えば、待機期間中)に獲得した特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の数をカウントする構成を設けることにより、特定期間の終了時における特定の保留記憶数だけでは無く、特定期間中に獲得した特定の保留記憶数に基づいて特定期間以降の演出態様を設定することができるため、多種多様な演出態様を設定することが可能となる。また、遊技者に対して、所定期間内に多くの保留記憶を獲得させるという新たな遊技性を提供することができ遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本制御例では、特定期間中(例えば、待機期間中)に獲得した特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の数をカウントする構成として、専用のカウンタ(保留数増加カウンタ223ia)を用いているが、これに限ること無く、例えば、特定期間の開始時点における保留記憶数を一時的に記憶する記憶手段を設け、特定期間の終了時点における保留記憶数と、記憶手段に記憶された保留記憶数とを比較することにより、特定期間中に獲得した保留記憶の数を算出するように構成しても良い。
また、本制御例では、特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の獲得数を計測する特定期間(例えば、待機期間)を、1回の特図変動期間内(例えば、特図2変動期間内)に設定しているため、特定期間内に保留記憶の数が減少することが無く、単純に獲得した保留記憶の数を加算するだけの構成を用いているが、特定の保留記憶の獲得数を計測する特定期間として、特定の保留記憶の獲得数が減少し得る期間(例えば、複数回の特図2変動を跨いで設定される期間)を設定するように構成しても良く、この場合は、特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の数をカウントする構成として、特定の保留記憶(例えば、特図2保留)を獲得する毎にカウンタ値を1加算し、特定の保留記憶が減少する毎に(例えば、特図2保留を用いた特図2変動が実行される毎に)カウンタ値を1減算するように構成すれば良い。加えて、この場合は、特定期間の開始時点よりも、特定期間の終了時点のほうが特定の保留記憶の数が少なくなる場合も考えられるため、特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の数をカウントする構成として、特定の保留記憶を記憶可能な上限数よりも大きな値をカウンタの初期値として設定しておくと良い。このように構成することにより、特定期間中における特定の保留記憶の増減に対応させてカウンタ値を増減させた場合に、そのカウンタ値が0よりも小さくなることを確実に防止することができる。
また、特定の保留記憶の獲得数を計測する特定期間として、特定の保留記憶の獲得数が減少し得る期間(例えば、複数回の特図2変動を跨いで設定される期間)を設定するように構成した場合において、上述したように特定の保留記憶が特定期間内において実際に増加した数をカウントする構成では無く、特定期間内で新たに獲得した特定の保留記憶の数を加算するだけの構成を用いても良い。
さらに、本第9制御例では、予め定められた特定期間内(待機期間内)における特定の保留記憶(特図2保留)の増加数に基づいて、特定期間経過後の演出態様を設定するように構成しているが、これに限ること無く、遊技内容(各図柄の抽選結果や遊技状態等)や遊技者の操作手段(例えば、枠ボタン22)への操作内容に応じて、特定期間を可変させるように構成しても良く、例えば、連続しない複数の期間を特定期間として設定しても良いし、1つの特定期間の長さを可変させるように構成しても良い。この場合、遊技者に対して特定期間が設定されているタイミングを報知しないように構成することで、遊技者に対してどのタイミングで保留記憶された値がカウントされているのかを分かり難くすることができるため、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
また、所定の削除条件(例えば、遊技者が操作手段を用いて、特定期間を設定しない旨を示す操作を行った場合に成立する条件)が成立したことに基づいて特定期間を設定しないように構成しても良い。このように構成することで、各遊技者に応じた態様で演出を実行させることができる。
変動期間格納エリア223ibは、時短状態の最終変動(時短最終変動)において実行される最終変動演出の演出態様を一時的に記憶するための記憶領域である。この変動期間格納エリア223ibには、時短状態の最終変動期間に対応付けた待機期間(第0期間)、第1期間、第2期間、第3期間と、時短状態の終了後(通常状態の設定後)に実行される特図2変動(時短状態中に獲得した特図2保留に基づく特図2変動)に対応付けた通1期間(通常状態が設定されてから1回目の特図2変動期間)、通2期間(通常状態が設定されてから2回目の特図2変動期間)、通3期間(通常状態が設定されてから3回目の特図2変動期間)、通4期間(通常状態が設定されてから4回目の特図2変動期間)の各期間に対して設定された演出態様を記憶するために、各期間に対応した記憶領域が形成されている。
そして、時短用演出設定処理9(図419のC4164参照)において設定された最終変動演出の演出態様を示す情報が、対応する記憶領域に記憶され(図419のC4365参照)、最終変動演出更新処理(図420のC4566参照)において、待機期間の終了タイミングと判別された場合(図420のC4863:Yes)に、設定された演出態様(C4865)や、第1期間の終了タイミングと判別された場合(図420のC4866:Yes)に、設定された演出態様が対応する記憶領域に記憶される(図420のC4869参照)。そして、図示は省略するが、最終変動演出が終了した場合に、各記憶領域に記憶されている演出態様を示す情報がクリアされる。
このように、所定期間を用いて実行される期間演出の演出態様を複数のタイミング(期間演出を開始するタイミング、期間演出の実行中の所定タイミング)で設定可能な構成を用いる場合において、期間演出の演出態様が設定される毎に、その設定された演出態様を記憶する記憶領域を設けることにより、先に設定された演出態様の内容に基づいて、後の演出態様を設定することが可能となる。よって、複数のタイミングで設定された演出態様を用いて1の期間演出を実行する場合において、違和感の無い演出態様を設定することができる。
演出可変フラグ223icは、時短状態の最終変動(時短最終変動)において実行される最終変動演出の演出態様として、演出態様が設定されていない期間(未設定期間)があることを示すためのフラグであって、未設定期間があると判別された場合にオンに設定されるものである。具体的には、時短用演出設定処理9(図419のC4164参照)にて、最終変動演出の演出態様を設定し(図419のC4362,C4364参照)、演出態様が設定されていない未設定期間があると判別した場合に(図419のC4366:Yes)、オンに設定される(図419のC4367参照)。
そして、最終変動演出更新処理9(図420のC4566)において、待機期間が終了したタイミングである(図420のC4863:Yes)、第1期間が終了したタイミングである(図420のC4866:Yes)、即ち、最終変動演出の演出態様を設定することが可能なタイミングであると判別した場合に、設定状況が判別され(図420のC4864,C4867)、オンに設定されていると判別した場合に、未設定期間に対して新たな演出態様が設定される(図420のC4864,C4867)。そして、未設定期間に対して演出態様を設定した後にオフに設定される(図420のC4871参照)。
<第9制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図416から図420のフローチャートを参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理の内容について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して、コマンド判定処理5(図360参照)に替えてコマンド判定処理9(図416参照)を実行する点と、入賞情報コマンド処理5(図361参照)に替えて入賞情報コマンド処理9(図417参照)を実行する点と、最終入賞処理(図418参照)を実行する点と、時短用演出設定処理(図372の参照)に替えて時短用演出設定処理9(図419参照)を実行する点と、最終変動演出更新処理(図377参照)に替えて最終変動演出更新処理9(図420参照)を実行する点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、参照するデータテーブルの内容を変更した点、及び、参照するデータテーブルの内容を変更したことに対応して変更される各種処理内容についても、単に数値を変更しただけであり技術思想的には同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、図416を参照して、コマンド判定処理9(C3163)の内容について説明をする。図416は、本第9制御例において実行されるコマンド判定処理9(C3163)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理9(C3163)が実行されると、上述した第5制御例のコマンド判定処理5(図360参照)と同一のC3201〜C3209の処理を実行した後、特2保留数(特図2保留数)が上限であるかを判別する(C3261)。ここで、C3261の処理では、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が上限値である「4」であるかを判別する。
C3261の処理において、特2保留数(特図2保留数)が上限であると判別した場合は(C3261:Yes)、保留上限フラグ223enをオンに設定し(C3262)、その後、本処理を終了する特2保留数(特図2保留数)が上限ではないと判別した場合は(C3261:No)、C3262の処理を実行せず、本処理を終了する。
また、上述した第5制御例のコマンド判定処理5(図360参照)と同一のC3210〜C3217の処理を実行した後、本処理を終了する。
次に、図417を参照して、入賞情報コマンド処理9(C3262)の内容について説明をする。図417は、本第9制御例において実行される入賞情報コマンド処理9(C3262)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報コマンド処理9(C3262)では、上述した入賞情報コマンド処理5(図361参照)に対して、時短最終変動フラグ223edがオンに設定されていると判別した場合に実行される処理の内容を変更した点で相違している。
入賞情報コマンド処理9(C3262)が実行されると、上述した第5制御例の入賞情報コマンド処理5(図361参照)と同一のC3401〜C3402の処理を実行した後、C3403の処理を実行せず、C3404の処理において、時短最終変動フラグ223edがオンであると判別した場合は(C3404:Yes)、最終入賞処理を実行し(C3461)、C3406の処理へ移行する。この最終入賞処理(C3461)の詳細については図418を参照して後述する。
一方、C3404の処理において、時短最終変動フラグ223edがオフであると判別した場合は(C3404:No)、C3461の処理をスキップし、C3406の処理へ移行する。その後、C3406とC3407の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図418を参照して、最終入賞処理(C3461)の内容について説明をする。図418は、本第9制御例において実行される最終入賞処理(C3461)の内容を示したフローチャートである。この最終入賞処理(C3461)では、時短状態の最終変動(特図2変動)が実行されている最中に第2入賞口640に球が入賞し、新たな特図2保留(入賞情報)を獲得したことを示す入賞情報コマンドを受信した場合における演出態様を設定するための処理が実行される。
最終入賞処理(C3461)が実行されると、まず、今回受信した入賞情報コマンドが、第2入賞口640に球が入賞したことを示す入賞情報コマンドか(特図2入賞があったか)を判別し(C5501)、第2入賞口640に球が入賞したことを示す入賞情報コマンドを受信していない(特図2入賞では無い)と判別した場合は(C5501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、第2入賞口640に球が入賞したことを示す入賞情報コマンドを受信した(特図2入賞である)と判別した場合は(C5501:Yes)、次いで、演出可変フラグ223icがオンであるかを判別する(C5502)。演出可変フラグ223icがオンであると判別した場合は(C5502:Yes)、保留数増加カウンタ223iaの値に1を加算し(C5503)、C5504の処理へ移行する。演出可変フラグ223icがオフであると判別した場合は(C5502:No)、C5503の処理をスキップし、C5504の処理へ移行する。
C5504の処理では、変動期間格納エリア223ibの情報を読み出し(C5504)、次いで、現在が獲得演出中であるかを判別する(C5505)。現在が獲得演出中であると判別した場合は(C5505:Yes)、獲得演出中の保留獲得を示す表示用コマンドを設定し(C5506)、その後、本処理を終了する。C5505の処理において、現在が獲得演出中ではないと判別した場合は(C5505:No)、保留獲得を示す表示用コマンドを設定し(C5507)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本制御例では、時短状態の最終変動(特図2変動)に対応させて最終変動演出を実行可能とし、その最終変動演出の一部として新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(図327(b)参照)を実行するように構成している。そして、新たな特図2保留を獲得したタイミング(特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信したタイミング)が獲得演出の実行中である場合に専用の演出が実行されるように構成している。このように構成することにより、実行されている演出の内容と、実際の遊技状況とに関連性を持たせることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
なお、本制御例では、新たな特図2保留を獲得したタイミング(特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信したタイミング)において実行中の演出内容に基づいて特図2保留を獲得したことを示す演出態様を異ならせるように構成しているが、これ以外の構成を用いても良く、例えば、新たな特図2保留を獲得したタイミングと時短状態の残期間(時短最終変動の残変動時間)とに基づいて演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、例えば、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信したことを示す入賞判別手段と、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した時点における時短状態の残時間を判別する残時間判別手段と、を設け、入賞判別手段により特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した(特図2入賞があった)と判別された時点における時短状態の残期間、即ち、特図2保留を容易に獲得できる残期間が所定期間(例えば、3秒)以上であった場合には、特図2入賞によって特図2保留数が増加したことを示す表示態様(例えば、「プラス1」のコメント)を表示し、所定期間未満であった場合には、特図2入賞によって特図2保留数が増加したことを示す表示態様(例えば、「プラス1」のコメント)に加え、特図2保留を容易に獲得できる残期間が少ない状態で特図2保留数が増加したことを示す表示態様(例えば、「ギリギリセーフ」のコメント)を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、新たな特図2保留を獲得したタイミングが余裕のあるタイミングであるか否かを判別させることができるため、今後の遊技の参考とすることができる。また、この場合、時短状態の残期間、即ち、特図2保留を容易に獲得できる残期間を遊技者に報知しないように構成すると良い。これにより、遊技者は、特図2保留を獲得した際に表示される表示態様に基づいて時短状態の残期間を判別することになるため、特図2保留を獲得した際に表示される表示態様を注視させることができる。加えて、特図2保留を獲得した際に表示される表示態様を、特図2保留数に応じて異ならせるように構成しても良く、例えば、獲得済の特図2保留の数が所定数以下(例えば、「2」以下)の状態で、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した際の、時短状態の残期間、即ち、特図2保留を容易に獲得できる残期間が所定期間(例えば、3秒)未満であった場合には、特図2入賞によって特図2保留数が増加したことを示す表示態様(例えば、「プラス1」のコメント)に加え、特図2保留の数を上限数にすることが困難であることを示唆する表示態様(例えば「厳しいかも」のコメント)を表示するように構成しても良い。
また、時短状態の残期間を判別する方法としては、時短終了条件が成立するまでの期間(例えば、時短状態の最終特図変動が終了するまでの期間)を時短状態の残期間として設定しても良いし、時短状態において実行される最後の普図当たり遊技が終了するまでの期間を時短状態の残期間として設定するように構成しても良い。
つまり、本制御例では、時短状態中に特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、第2特別図柄(特図2)の変動回数が1回、5回)に到達した場合に時短状態が終了するように構成している。よって、時短状態が終了するまでの残期間を特別図柄の変動回数および変動時間に基づいて算出することが可能となる。また、時短状態が設定されている状態では、普通図柄の変動時間として2秒の変動時間が設定され、さらに、第2入賞口640に球が入賞し易い普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選し易くなるように構成している。また、普通図柄は、抽選が実行される時点の遊技状態と、普図当たり遊技が実行される時点の遊技状態と、に応じて遊技態様が設定されるように構成されており、具体的には、普通図柄抽選(普図抽選)が実行される際に時短状態が設定されていれば、普通図柄の高確率状態として普図抽選および普図変動時間の設定が実行され、普図当たり遊技が実行される際に時短状態が設定されていれば、普通図柄の高確率状態として普図当たり遊技が実行されるように構成されている。よって、時短状態中に実行された普図抽選によって普図当たりに当選したとしても、その普図当たりに基づく普図当たり遊技が実行される時点で通常状態が設定されている場合には、普通図柄の低確率状態として普図当たり遊技が実行されることになる。
このように構成された本制御例では、特別図柄の変動タイミングと、普通図柄の変動タイミングによっては、時短状態中に実行される最後の特図変動(特図2変動)が終了するよりも前に、第2入賞口640に球が入賞し易い状態が終了する場合がある。この場合において、時短状態中に実行される最後の特図変動(特図2変動)が終了するまでの期間を時短状態の残期間として判別してしまうと、その残期間内に、第2入賞口640に球が入賞し易い状態では無い期間が含まれてしまうことになり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題が発生する。
そこで、時短状態の残期間を判別する際に、第2入賞口640に球が入賞し易い状態が終了するまでの期間、即ち、時短状態中に普図当たり遊技が実行され得る期間を判別するように構成すると良い。このように構成することで、時短状態に残期間として、遊技者に有利な期間(第2入賞口640に球が入賞し易い状態が設定され易い期間)を正確に判別することが可能となるため、時短状態の残期間を報知する演出を実行する場合において、その報知内容の精度を高めることができる。また、このように時短状態の残期間を判別する場合には、時短状態が終了し、通常状態が設定された後であっても、遊技者に有利な期間(第2入賞口640に球が入賞し易い状態が設定され易い期間)が継続している場合は、その期間が終了するまでを時短状態の残期間として判別するように構成すると良い。即ち、時短状態中に実行された普図当たり遊技(普図ロング開放当たり遊技)が、時短状態と通常状態とを跨いで実行される場合には、その普図当たり遊技(普図ロング開放当たり遊技)が終了するまでの期間を時短状態の残期間として判別するように構成すると良い。これにより、遊技者に有利な期間(第2入賞口640に球が入賞し易い状態が設定され易い期間)を正確に判別することが可能となるため、時短状態の残期間を報知する演出を実行する場合において、その報知内容の精度をより高めることができる。
次に、図419を参照して、時短用演出設定処理9(C4164)の内容について説明をする。図419は、本第9制御例において実行される時短用演出設定処理9(C4164)の内容を示したフローチャートである。この時短用演出設定処理9(C4164)は、上述した第5制御例の時短用演出設定処理(図372参照)に対して、時短最終変動として特図2変動が実行される場合の演出態様を設定するための処理を変更した点で相違している。
時短用演出設定処理9(C4164)が実行されると、上述した第5制御例の時短用演出設定処理(図372参照)と同一のC4301およびC4302の処理を実行した後、C4302の処理において、今回の特図変動が時短最終変動であると判別した場合は(C4302:Yes)、今回の特図2変動(時短最終変動)が当たり変動であるかを判別する(C4361)。今回の特図2変動(時短最終変動)が当たり変動であると判別した場合は(C4361:Yes)、最終変動演出テーブル222iaが有する当たり用最終テーブル222ia1を参照して演出態様を設定し(C4362)、C4365の処理へ移行する。また、C4301の処理において、今回の特図変動が特図2変動では無いと判別した場合(C4301:No)、或いは、C4302の処理において、今回の特図変動が時短状態の最終変動では無いと判別した場合(C4302:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、今回の特図2変動(時短最終変動)が当たり変動ではない(外れ変動である)と判別した場合は(C4361:No)、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報(第2特別図柄(特図2)に関する入賞情報を読み出し(C4363)、最終変動演出テーブル222iaが有する外れ用最終テーブル222ia2を参照して演出態様を設定し(C4364)、C4365の処理へ移行する。
C4365の処理では、上述したC4362の処理、及びC4364の処理によって設定した演出内容(演出態様)を対応する変動期間格納エリア223ibに格納し(C4365)、次いで、演出未設定期間があるか否かを判別する(C4366)。演出未設定期間があると判別した場合は(C4366:Yes)、演出可変フラグ223icをオンに設定し(C4367)、その後、本処理を終了する。また、演出未設定期間がないと判別した場合は(C4366:No)、C4367の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
ここで、図420を参照して、最終変動演出更新処理9(C4566)の内容について説明をする。図420は、本第9制御例において実行される最終変動演出更新処理9(C4566)の内容を示したフローチャートである。最終変動演出更新処理9(C4566)では、第5制御例における演出更新処理5(図374のC3112参照)のC4501の処理にて更新された時短状態の最終変動に対応して実行される最終変動演出の経過期間(特図2変動の経過期間)を判別し、その判別結果に基づいた処理が実行される。
最終変動演出更新処理9(C4566)が実行されると、まず、変動期間格納エリア223ibの情報を読み出し(C4861)、読み出した変動期間格納エリア223ibの情報(設定されている演出期間)と特図変動時間カウンタ223egの値(特図2変動の変動時間を示す値)とに基づいて現在の演出状況を抽出し(C4862)、次いで、現在のタイミングが待機期間終了タイミングであるか否かを判別し(C4863)、待機期間終了タイミングであると判別した場合は(C4863:Yes)、次に、演出可変フラグ223icがオンであるか否かを判別する(C4864)。演出可変フラグ223icがオンであると判別した場合は(C4864:Yes)、当該変動の当否判定結果に対応する最終演出可変設定テーブルを用いて演出態様を設定し(C4865)、その後、本処理を終了する。一方、演出可変フラグ223icがオフであると判別した場合は(C4864:No)、C4865の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
C4863の処理において、現在が待機期間終了タイミングではないと判別した場合は(C4863:No)、次に、現在が第1期間終了タイミングであるかを判別し(C4866)、第1期間終了タイミングであると判別した場合は(C4866:Yes)、次に、演出可変フラグ223icがオンであるか否かを判別する(C4867)。演出可変フラグ223icがオンであると判別した場合は(C4867:Yes)、次いで、保留数増加カウンタ223iaの値が0より大きいか否かを判別する(C4868)。保留数増加カウンタ223iaの値が0より大きいと判別した場合は(C4868:Yes)、増加分に対応する演出期間を変動期間格納エリア223ibに格納し(C4869)、C4870の処理へ移行する。C4868の処理において、保留数増加カウンタ223iaの値が0であると判別した場合は(C4868:No)、C4869の処理をスキップし、C4870の処理へ移行する。
C4870の処理では、演出最終期間の演出態様を設定し(C4870)、演出可変フラグ223icをオフに設定し(C4871)、C4872の処理へ移行する。また、演出可変フラグ223icがオフであると判別した場合も(C4867:No)、C4872の処理へ移行する。C4872の処理では、保留数増加カウンタ223iaの値をクリアし(C4872)、その後、本処理を終了する。
一方、C4866の処理において、現在が第1期間終了タイミングでは無いと判別した場合は(C4866:No)、次に、現在が第2期間終了タイミングであるか否かを判別する(C4873)。第2期間終了タイミングであると判別した場合は(C4873:Yes)、第2期間中に新たな特2保留を獲得したかを判別し(C4874)、新たな特2保留を獲得したかを判別した場合は(C4874:Yes)、再先読みフラグ223emをオンに設定し(C4875)、本処理を終了する。
ここで、C4874で実行される処理の内容について説明をすると、入賞情報格納エリア223aには、各図柄保留に対応する格納エリアが形成されており、本制御例では、第1特別図柄(特図1)用の格納エリアと、第2特別図柄(特図2)用の格納エリア、普通図柄(普図)用の格納エリアとが、各図柄の上限保留記憶数(4個)に対応する個数形成されている。そして、各格納エリアは主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる先読み情報と、音声ランプ制御装置113にて各種演出を設定する際に先読み結果が参照されたか否かを示す参照済情報とが記憶されるように構成している。
つまり、C4874の処理では、C4806、或いはC4814の処理によって参照された特図2保留(特2保留)以外に新たな特2保留が入賞情報格納エリア223aに格納されているかを、各格納エリアに記憶される参照済情報の有無に基づいて判別し、入賞情報格納エリア223aの特図2保留(特2保留)に対応する格納エリア(4個)に、先読み情報が記載され、且つ、参照済情報が記憶されていない格納エリアがあると判別した場合に、新たな特2保留があると判別する。
そして、C4875の処理において再先読みフラグ223emをオンに設定することにより、次に実行される特図変動(時短終了後1回目の特図変動)に対応する変動演出として、再度、特図2保留の先読み結果に基づく変動演出が実行される。
一方、C4874の処理において、新たな特2保留が無いと判別した場合は(C4874:No)、現在獲得している特図2保留の全てが先読みされ、その先読み結果に基づく演出態様で第2期間中の時短最終変動演出が実行されている場合であるため、そのまま時短変動演出の結果を示す表示用演出結果コマンドを設定し(C4876)、本処理を終了する。
一方、C4873の処理において、第2期間終了タイミングでは無いと判別した場合は(C4873:No)、次に、その他更新内容に対応する表示用コマンドを設定し(C4877)、本処理を終了する。C4877の処理では、最終変動演出の経過期間に基づく演出態様の設定や、最終変動の残期間を示すための残期間表示態様の更新設定や、最終変動の経過期間を示すための経過期間表示態様の更新設定や、最終変動中に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作したことに基づいて実行される操作表示態様の設定等が実行される。
以上、説明をした通り、本第9制御例では最終変動演出の設定時(時短最終変動の開始時)にて最終変動演出の演出態様を設定するように構成している点、及び、最終変動演出の対象となる抽選結果(先読み結果)を、当該変動の抽選結果と、最終変動演出の設定時(時短最終変動の開始時)にて獲得済の特図2保留の先読み結果と、に限定している点で相違している。
このように構成することで、時短最終変動が実行される時点における特図2保留の獲得状況に応じて実行される最終変動演出の演出態様を可変させることができるため、時短最終変動が実行される前(時短状態中)に実行する特図2保留を獲得するための遊技に多様性を持たせることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本制御例のように、時短最終変動が実行される時点における特図2保留の獲得状況に応じて実行される最終変動演出の演出態様を可変させる場合には、時短最終変動が実行される時点において獲得している特図2保留数が特定数(例えば、上限数である3)である場合にのみ設定可能な演出態様を設けると良い。このように構成することで、時短最終変動が実行される時点で特図2保留数が特定数(例えば、上限数である3)となるように、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第9制御例では、時短状態の最終変動が実行されるタイミングから上述した最終変動演出を開始するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の残期間が所定期間となった場合、例えば、残時短回数が2回となった場合に最終変動演出を実行するように構成しても良い。また、本第9制御例では、時短状態中の特図変動1回分の期間と、通常状態中の特図変動数回分の期間と、を用いて最終変動演出を実行する構成について説明をしており、最終変動演出が実行されている最中における特図2保留数の増減状況として、時短状態中の特図変動が終了するまでは、特図2保留数が増加し、通常状態中の特図変動が開始されてからは、特図2保留数が減少するパターンのみを説明したが、それ以外のパターンとして、例えば、時短状態中に実行された普図ロング開放当たり遊技の実行中に時短状態が終了し(時短状態の最終変動(特図2変動)が停止し)、通常状態中の特図変動(特図2変動)が開始された後に、第2入賞口640に球が入賞する場合が有る。このような場合においては、例えば、最終変動演出を実行するタイミングにおいて、普通図柄の抽選状況(実行中の普図抽選の当否結果、及び実行される当たり遊技の種別と、保留記憶されている普図情報(当否結果、当たり遊技種別))を判別可能に構成し、その判別結果に基づいて、通常状態移行後に第2入賞口640に球が入賞し得る状態であるかを判定し、その判定結果に基づいて最終変動演出の演出態様を可変させるように構成しても良く、例えば、通常状態移行後に第2入賞口640に球が入賞し得る(し易い)状態であると判定した場合には、通常状態移行後の第2入賞口640への入賞に基づく特図2抽選の抽選結果、及び変動期間を、最終変動演出に反映させ易い演出態様(演出期間を延長し易い静止画像を用いた演出態様や、演出結果を急に変更可能な演出態様)を設定するように構成しても良い。
また、時短状態における複数の特図2変動期間を用いて最終変動演出を実行する場合には、最終変動演出を実行する際における残時短回数(時短状態中に実行可能な残特図2変動回数)を判別し、その判別結果に基づいて、最終変動演出中に実行可能な特図2変動回数の最大数を算出し、その算出結果に基づいた演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、最終変動演出中に実際に実行される特図2変動の回数が、算出した最大数よりも多くなることは無いが少なくなる場合がある(例えば、最終変動演出中に遊技を止めてしまい、特図2保留が0となる場合)。よって、上述した算出結果に基づく演出態様としては、急に特図2変動回数が減ったとしても演出効果が低下しない演出態様を設定するように構成すると良い。
さらに、特図2変動を対象に最終変動演出が実行されている状態において、特図1変動が実行された場合は、その特図1変動の変動期間に対しても最終変動演出を継続して実行させても良いし、最終変動演出を一時中断させ、その中断期間中に特図1変動に対応する演出を実行させるように構成しても良い。
<第10制御例>
次に、図421及び図422を参照して、第10制御例について説明をする。上述した第5制御例では、図315を参照して上述した通り、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合における遊技(左打ち遊技)にて普図抽選を実行可能に構成し、通常状態中に実行された普図抽選にて特定の当たり(普図ロング開放当たり)に当選したことを示唆する示唆演出(一連演出)を実行するように構成していた。
そして、遊技者に対して普図ロング開放当たり遊技の実行タイミングに合わせて右側遊技領域に設けられた第2入賞口640に球を入賞させるための案内表示態様(右打ち表示)を表示(一連演出実行中に表示)し、普図ロング開放当たり遊技中に遊技者が第2入賞口640に球を容易に入賞させることができるように構成していた。さらに、遊技者により不適切な遊技(例えば、通常状態中に右打ち遊技)が行われている間は普図ロング開放当たりに当選した場合に、上述した示唆演出や案内表示態様の表示を行わず、普図ロング開放当たり遊技中に遊技者が第2入賞口640に球を入賞させ難くするように構成していた。
これに対して、本第10制御例では、普図抽選によって普図ロング開放当たり遊技が行われている間に、左打ち遊技によって発射された球(左側遊技領域を流下する球)も、右打ち遊技によって発射された球(右側遊技領域を流下する球)も入賞可能な位置に、普図当たり遊技中に開放動作される電動役物1640aと、第2入賞口1640とを配設した点で相違している。
さらに、左打ち遊技によって発射された球のうち電動役物1640aに到達する球の割合と、右打ち遊技によって発射された球のうち電動役物1640aに到達する球の割合とが異ならせ、右打ち遊技のほうが、左打ち遊技よりも高い割合で電動役物1640aに球が到達するように構成している。
加えて、本第10制御例では、通常状態中に普図ロング開放当たりに当選した場合の一部において、普図ロング開放当たりに当選した旨を普図ロング開放当たり遊技が実行されるよりも前(例えば、当たり当選した普図変動中や、当たり当選する普通図柄(普図)の入賞情報を取得してから当該普図変動が実行されるまでの期間)に遊技者に報知可能な報知演出を実行するように構成している。
このように構成することで、普図ロング開放当たりに当選した場合において、報知演出が実行されるか否かによって、第2入賞口640への球の入賞のし易さを異ならせることができるため、遊技者に対して実行される演出に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
また、左打ち遊技によって発射された球も入賞可能な位置に第2入賞口1640を配設しているため、報知演出が実行されない場合であっても、第2入賞口1640に球を入賞させることが可能となる。よって、報知演出が実行されない場合であっても、遊技者に極端に不利な遊技が実行させることを抑制することができる。
<第10制御例のパチンコ機の構成について>
次に、図421を参照して、本第10制御例のパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図421は、第10制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成を模式的に示した正面図である。本第10制御例では上述した第5制御例に対して、右側遊技領域に配設された各構成の位置を異ならせており、具体的には、スルーゲート67、電動役物1640a、及び第2入賞口1640の配設位置を異ならせている。
図421に示した通り、本第10制御例の遊技盤13では、第1入賞口64の下方に電動役物1640aが付随する第2入賞口1640が設けられており、左打ち遊技によって左側遊技領域を流下した球と、右打ち遊技によって右側遊技領域を流下した球とが、何れも第2入賞口1640に到達し得るように構成している。
具体的には、第1入賞口64と、開放状態の電動役物1640a(図421では黒色で記載)の左端側(図421正面視で左側)と、の間の領域に規制部材(釘)を植設し、当該領域を球が通過困難となるように構成している。これにより、左側遊技領域を流下した球のうち、遊技盤13に植設された釘に誘導され、第1入賞口64の上方領域を通過した球のみが第2入賞口1640に到達するように構成される。本第10制御例では、左側遊技領域を流下する球のうち、第2入賞口1640に到達する球の割合が約10%となるように遊技盤13を構成している。
一方、右打ち遊技によって発射され、右側遊技領域を流下する球は、閉鎖状態に位置しているV入賞扉650b、及び、閉鎖状態に位置している入賞扉65bの上面に形成される球流路を流下し、その殆ど(約100%)が第2入賞口1640に到達するように遊技盤13を構成している。
このように構成することで、普図ロング開放当たり遊技中、即ち、球が第2入賞口1640に入賞可能な状態では、左側遊技領域を流下する球よりも、右側遊技領域を流下する球のほうが第2入賞口1640に入賞させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、左打ち遊技を行うか右打ち遊技を行うかを選択させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図421に示した通り、本制御例では、通常状態において、右側遊技領域を流下する球が入賞可能な入賞口(遊技者に特典(賞球)を付与可能な入賞口)よりも、左側遊技領域を流下する球が入賞可能な入賞口(遊技者に特典(賞球、抽選)を付与可能な入賞口)のほうが多くなるように構成している。具体的には、右側遊技領域を流下する球は、スルーゲート67、或いは、第2入賞口1640に入賞(通過)可能であるのに対して、左側遊技領域を流下する球は、スルーゲート67、第1入賞口64、第2入賞口1640、一般入賞口63に入賞(通過)可能となるように構成している。
このように構成することにより、通常状態において、第2入賞口1640に球が入賞可能な期間(普図ロング開放当たり遊技期間)以外は、右側遊技領域に向けて球を発射させる右打ち遊技よりも、左側遊技領域に向けて球を発射させる左打ち遊技のほうが、遊技者に有利な遊技方法となる。これにより、通常状態中において、遊技者に継続して右打ち遊技が行われることを抑制し、左打ち遊技を行わせることができる。よって、通常状態中に、右打ち遊技をどのタイミングで行うかを予測する楽しさを提供することができる。
また、本第10制御例では、左打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する時間(左打ち到達時間)が、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する時間(右打ち到達時間)よりも長くなるように構成している。具体的には、左打ち到達時間が約4秒となるのに対し、右打ち到達時間が約3秒となるように構成している。
このように構成することで、左打ち遊技によって発射された球と、その左打ち遊技の後に実行される右打ち遊技によって発射された球(例えば、前に実行された左打ち遊技の1秒後に実行される右打ち遊技によって発射された球)と、を同一タイミングで第2入賞口1640に到達させることが可能となる。
よって、普図ロング開放当たり遊技が実行される場合において、左打ち遊技から右打ち遊技へと遊技方法を切り替えるタイミングによって、普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口1640への球の入賞のし易さを異ならせることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、詳細な説明は省略するが、本第10制御例では、上述した第5制御例と同様に普図ロング開放当たり遊技の当たり遊技期間が3秒(開放期間1秒、閉鎖期間1.5秒、開放期間0.5秒)となるように構成している。つまり、普図ロング開放当たり遊技が実行されてから右打ち遊技を実行した場合には、その右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に入賞し難い、即ち、第2入賞口1640に球が到達する時点で普図ロング開放当たり遊技が終了している可能性があるように構成している。
これにより、普図ロング開放当たり遊技が実行されるまで球の発射を行わず、普図ロング開放当たり遊技が開始されてから球を右打ち遊技を行う遊技者に対して特典(第2入賞口1640へ球を入賞させることにより付与される特典(賞球、特図2抽選))を付与させ難くすることができるため、遊技者に対して継続的に球を発射させることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、上述した通り、本第10制御例では、普図ロング開放当たり遊技の当たり遊技期間を3秒に設定し、普図ロング開放当たり遊技が開始されてから右打ち遊技を実行したとしても、球が第2入賞口1640に入賞し難くなるように構成しているが、これに限ること無く、普図ロング開放当たり遊技の当たり遊技期間を、右打ち到達時間(右打ち遊技で発射した球が第2入賞口1640に到達するまでに要する時間)よりも長くする(例えば、5秒(開放期間1秒、閉鎖期間1秒、開放期間3秒))ように構成しても良い。これにより、普図ロング開放当たり遊技中の遊技を遊技者に安心して行わせることができる。
<第10制御例における演出内容について>
次に、第10制御例において実行される特徴的な演出の内容について、図422を参照して説明をする。図421を参照して説明をした遊技盤13の構成を用いた本第10制御例では、普図ロング開放当たり遊技が実行されている最中に球を第2入賞口1640に入賞させ易くするために、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内報知(例えば、右打ち報知)を実行可能に構成しており、その案内報知の報知態様として、遊技者が遊技方法を識別し易い第1案内報知態様と、その第1案内報知態様よりも遊技者が遊技方法を識別し難い第2案内報知態様と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、実行された案内報知の報知態様が第1案内報知態様であるか、第2案内報知態様であるかによって、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口1640に入賞させ易い状態と、させ難い状態とを設定することが可能となる。
第1案内報知態様は、特図変動に対応して実行される特図変動演出の一部として設定される報知態様であって、普図ロング開放当たりに当選している普図変動中において、特定の変動パターン(例えば、90秒以上の変動時間が設定される変動パターン)で特図変動が実行されている場合に設定されるものであって、第3図柄表示装置81の表示画面にて上述した特定の変動パターンに対応する変動演出が実行されている場合に、第3図柄表示装置81の表示画面の一部(例えば、主表示領域Dmの小表示領域Dm4)を用いて遊技者に遊技方法を案内するための案内表示態様(例えば、「右打ち」のコメント)が表示される(図320(b)参照)。
さらに、本第10制御例では、普図ロング開放当たり遊技が実行されるよりも前に(例えば、普図ロング開放当たりに当選している普図変動期間中、当該普図変動が終了し普通図柄が停止表示(確定表示)されている期間中、或いは、普通図柄の入賞情報コマンドとして普図ロング開放当たりに当選する入賞情報コマンドを受信してから普図ロング開放当たり遊技が実行されるまでの期間中)第1案内報知態様を表示可能に構成している。このように構成することで、第1案内報知態様が表示されていることを認識してから第1案内報知態様の表示内容(例えば、「右打ち」)に応じた遊技を実行したとしても、普図ロング開放当たり遊技によって球が入賞し易い開放状態となっている第2入賞口1640に容易に球を到達させることができる。
一方、第2案内報知態様は、普図ロング開放当たり遊技が実行された際に必ず表示されるものであり、上述した第1案内報知態様よりも、遊技者が識別困難な表示態様で表示されるものである。具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面の端部に、小表示領域Dm4に表示される第1案内報知態様よりも小さく遊技方法を案内するための案内表示態様(例えば「右打ち」を示すアイコン)が表示される。
上述した通り、本第10制御例では、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する期間が約3秒となるように遊技盤13が形成されているため、第2案内報知態様の報知内容を認識した後に、報知内容に応じた遊技方法(例えば、右打ち遊技)を行った場合、球の流下状況によっては、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口1640へ到達させることができない状態が発生する。
よって、遊技者に対して、第1案内報知態様の報知条件が成立した状態で、普図ロング開放当たりに当選させるために意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本第10制御例では、第1案内報知態様の報知条件が成立した状態で、普図ロング開放当たりに当選した場合に、その当たり当選に基づいて普図ロング開放当たり遊技が実行される3秒前に第1案内報知態様が表示され、普図ロング開放当たり遊技が実行された時点で第2案内報知態様が表示されるように構成している。このように構成することで、実際に普図ロング開放当たり遊技が実行される前に第1案内報知態様を表示させた場合であっても、普図ロング開放当たり遊技の実行中であることを第2案内報知態様にて遊技者に報知することができる。
なお、本第10制御例では、90秒以上の変動時間が設定された変動パターンで特別図柄変動が実行されていることを、第1案内報知態様の報知条件として設定しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)に対して、所定の操作が行われたことを報知条件として設定しても良いし、遊技状態の移行状況、具体的には、時短状態が終了して通常状態へと移行したことを報知条件として設定しても良い。
また、報知条件が成立したことを示すフラグ(報知条件成立フラグ)を設け、報知条件が成立した場合に報知条件成立フラグをオンに設定し、報知条件成立フラグがオンに設定されている期間中は上述した第1案内報知態様、及び第2案内報知態様を表示可能に構成し、報知条件成立フラグがオフに設定されている場合は、第2案内報知態様のみを表示するように構成しても良い。この場合、オンに設定されている報知条件成立フラグをオフに設定するための報知終了条件を設定し、報知終了条件が成立した場合に、報知条件成立フラグをオフに設定するように構成すると良い。
具体的には、報知条件成立フラグがオンに設定されてから所定期間(特図変動回数が所定回数(例えば10回に到達、或いは、経過時間が所定時間(例えば3分)に到達))が経過した場合に報知終了条件が成立するように設定しても良いし、所定の実行契機(例えば、特図抽選の実行、各入賞口への球の入賞)が成立した場合に実行される抽選が所定の抽選結果となった場合に報知終了条件が成立するように構成しても良い。
さらに、普図ロング開放当たりに複数の種別(例えば、普図ロング当たりA、普図ロング当たりB)を設け、当選した普図ロング開放当たりの種別に応じて、報知条件と報知終了条件とを異ならせることで、第1案内報知態様が表示され易い普図ロング開放当たりと、表示され難い普図ロング開放当たりとを設定可能に構成しても良い。
また、遊技者の遊技状況に基づいて報知条件を可変させても良く、例えば、前回の大当たり遊技(小当たり遊技)からの経過期間(特図変動回数、経過時間)が所定条件を満たしている場合(例えば、特図変動回数が大当たり確率の逆数に対応する回数に到達した場合)は、普図ロング開放当たりに当選した場合に必ず第1案内報知態様を表示するように構成しても良い。
加えて、遊技者が不適切な遊技(例えば、通常状態が設定されている場合に行う右打ち遊技(右打ち遊技が行われる遊技状態(時短状態)から通常状態へと移行した後の所定期間を除く))が行われている場合に、遊技者に対して遊技方法を修正するための注意喚起表示(例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm4にて「左打ちに戻して下さい」とのコメントを表示)を行った後にも不適切な遊技を継続していると判別した場合には、報知条件が成立しないように構成しても良い。
以上、説明をした第1案内報知態様、及び第2案内報知態様を表示させるための技術については、本第10制御例に限ること無く、上述した各実施形態、及び各制御例に適用しても良く、例えば、上述した第5制御例のように、右打ち遊技を実行しなければ第2入賞口640に球を入賞させることができないように遊技盤13が形成されているパチンコ機10に適用しても良い。この場合、第1案内報知態様が表示されるか否かによって、遊技者に付与される特典が大きく異なることになるため、報知条件を成立させるための遊技を遊技者に対して意欲的に行わせることができる。
また、報知条件を成立させるための遊技方法を遊技者に報知する報知手段を設けても良く、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の副表示領域Dsにて報知条件を成立させるために必要な必要情報(例えば、スーパーリーチを出してね)を表示するように構成すると良い。さらに、この必要情報の表示の有無を、特別図柄の抽選結果を示唆するための示唆情報としても共有するように構成すると良い。このように構成することで、必要情報として表示された表示内容に応じた遊技が実行された場合に、第1案内報知態様を表示させるための報知条件が成立するのか、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、大当たり当選を示す抽選結果)となったのかを遊技者に分かり難く報知することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、現在が第1案内報知態様を報知可能な状態(報知条件が成立している状態)であることを遊技者に報知可能な報知手段を設けても良い。これにより、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
また、本第10制御例では、普図ロング開放当たり遊技が実行される旨を示唆する案内報知態様として、第1案内報知態様と、その第1案内報知態様よりも遊技者が報知内容を判別し難い第2案内報知態様と、を設定可能に構成しているが、第1案内報知態様を報知可能な状態において、さらに特別な実行条件(例えば、操作手段(枠ボタン22)へ特別な操作が行われた場合に成立する条件)が成立した場合に、第1案内報知態様よりも遊技者に有利となる特別案内報知態様を設定するように構成しても良い。
ここで、特別案内報知態様とは、遊技者に対して報知内容に応じた遊技方法(例えば、右打ち遊技)を実行するタイミングを報知する案内報知態様であり、その案内報知態様にて案内されたタイミングで報知内容に応じた遊技方法を実行することにより、遊技者により有利な特典が付与され易くなる遊技を行わせることができるものである。上述した通り、本第10制御例のパチンコ機10の遊技盤13は、左打ち遊技によって発射された球も、右打ち遊技によって発射された球も、第2入賞口1640に到達可能に構成されており、左打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する期間が約4秒、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する期間が約3秒、となるように構成している。そして、操作ハンドル51を操作することで、1分間に100発の球を発射可能に構成している。
よって、普図ロング開放当たり遊技の実行タイミングに合わせて、左打ち遊技から右打ち遊技へと遊技方法を変更することで、左打ち遊技によって発射された球と、右打ち遊技によって発射された球とを略同一のタイミングで第2入賞口640へ到達させることができるように構成している。上述した特別案内報知態様は、普図ロング開放当たり遊技が実行されるタイミングに基づいて、遊技者に対して実行中の遊技方法(例えば、左打ち遊技)から報知内容に応じた遊技方法(例えば、右打ち遊技)へと変更するタイミングや、実行中の遊技方法(例えば、左打ち遊技)の球の発射タイミングとして、第2入賞口640に複数の球が略同時到達し得るタイミングを遊技者に報知するための報知態様が設定されている。
このように構成することで、遊技者は、より有利な案内報知態様が表示されるように意欲的に遊技を行うことになるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、上述した例では、第1案内報知態様の報知条件が成立している場合に、上述した特別案内報知態様を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、第1案内報知態様の報知条件が成立していない場合であっても、特別案内報知態様を設定するための特別な実行条件が成立し得るように構成しても良く、その特別な実行条件は、第1案内報知態様の報知条件が成立している場合のほうが、第1案内報知態様の報知条件が成立していない場合よりも成立し易くなるように構成しても良い。
また、各種案内報知態様を設定するための報知条件(実行条件)として、複数の条件を設定しておき、そのうち所定数(例えば、2個)の条件が成立した場合に、対応する案内報知態様を設定するように構成しても良い。さらに、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対する操作結果に基づいて各種案内報知態様を設定するための報知条件(実行条件)の成立のし易さを異ならせても良く、遊技者が操作手段に対して特定の操作を実行する毎に、各種案内報知態様を設定するための報知条件(実行条件)が成立し易くなるように各報知条件(実行条件)を可変設定するように構成しても良い。これにより、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、第2入賞口1640に球を入賞可能とする普図当たり遊技(普図ロング開放当たり遊技)が実行されることを、普図当たり遊技が実行されることになる抽選結果である普図変動の実行中に遊技者に報知するための案内報知(例えば、右打ち報知)を実行するように構成し、普図当たり遊技が開始されるよりも前(普図変動が停止表示されるよりも前)の時点で、遊技者が実行する遊技方法を左打ち遊技から右打ち遊技へと可変させるように構成し、普図当たり遊技が開始されるよりも前に右打ち遊技によって発射された遊技球を普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口1640に入賞させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図ロング開放遊技のオープニング期間として所定期間(例えば、4秒)を設定し、上述した案内報知(例えば、右打ち報知)を、普図ロング開放当たり遊技のオープニング期間(普図当たり遊技が開始されてから、電動役物1640aが開放動作されるまでの期間)中に実行するように構成しても良い。
このように構成することで、当たり当選する普図変動が停止表示(確定表示)されてから案内報知(右打ち報知)を実行することができるため、案内報知(右打ち報知)が実行されたにも関わらず、普図当たり遊技が実行されないという事態を防止することができる。なお、この場合も、第10制御例と同様に、第1案内報知態様の報知条件が成立しているかを判別し、成立していると判別した場合にのみ第1案内報知態様が設定された案内報知を実行するように構成すると良い。また、第1案内報知態様の報知条件が成立していないと判別した場合は、普図変動期間と、普図当たり遊技のオープニング期間とを用いて、普図抽選の抽選結果を示すための演出を実行し、その演出結果として普図当たりに当選したことを示す表示態様を普図当たり遊技のオープニング期間終了タイミング(電動役物640aの開放動作タイミング)にて表示するように構成すると良い。
これにより、第1案内報知態様の報知条件が成立していない場合には、普図当たり遊技として電動役物640aの開放動作が実行されるタイミングにて普図当たりに当選したことが報知されるため、その報知により普図当たりに当選したことを識別した遊技者が右打ち遊技を行ったとしても、右打ち遊技によって発射された球を第2入賞口1640に入賞させ難くすることができる。なお、上述した例では、第1案内報知態様の報知条件が成立していないと判別した場合に、普図当たり遊技として電動役物1640aの開放動作が実行されるタイミングで普図当たりに当選したことを報知する例を示したが、これに限ること無く、普図当たり遊技のオープニング期間において、そのオープニング期間の残期間が所定期間(例えば、1秒)未満となった場合に普図当たりに当選したことを報知するように構成しても良い。つまり、普図当たりに当選したことを認識した遊技者が右打ち遊技を行ったとしても、普図当たり遊技中に第2入賞口1640に球を入賞させ難くなるタイミング、例えば、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する期間よりも、普図当たりに当選したことを報知してから普図当たり遊技が終了(球を第2入賞口1640に入賞可能な期間が終了)するまでの期間が短くなるように構成すると良い。
さらに、第1特別図柄(特図1)の変動が実行されていることに基づいて、第1案内報知態様の報知条件が成立している場合には、普図当たり遊技が実行されるまでの期間における特図1変動に対応する変動演出にて、普図当たりに当選する旨を示唆する演出を実行し、普図当たり遊技のオープニング期間にて第1案内報知態様が設定された演出を実行するように構成しても良く、特図変動の変動演出の演出態様と、普図当たり遊技のオープニング演出の演出態様とを融合させることで、遊技者に右打ち遊技を行わせるタイミングを報知するように構成しても良い。
加えて、特図変動に基づいて実行される特図演出によって特図抽選の抽選結果を示すための第1報知を実行し、普図変動に基づいて実行される普図演出によって普図抽選の抽選結果を示すための第2報知を実行し、さらに、第1報知と第2報知とを関連性を持たせて実行(連続させて実行、或いは、重複させて実行)することにより、普図当たり遊技に対して遊技者に右打ち遊技を実行される右打ちタイミングを示すための第3報知を実行するように構成しても良い。
また、実行される普図当たり遊技の種別に応じて、設定されるオープニング期間の長さを異ならせ、オープニング期間として所定期間(例えば、3秒)以上の期間が設定される普図当たり遊技と、オープニング期間として所定期間(例えば、3秒)未満の期間が設定される普図当たり遊技と、で普図当たり遊技中に第2入賞口640への球の入賞のし易さを異ならせても良いし、設定された案内報知態様(第1案内報知態様)の種別と、実行される普図当たり遊技の種別とが所定の組合せ条件を満たす場合に、その組合せ条件を満たさない場合よりも、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させ易くするための案内報知が実行されるように構成しても良い。これにより、実行される普図当たり遊技の種別、設定される案内報知態様の種別、第1案内報知態様の報知条件の成立の有無によって、遊技者に対して異なる特典(第2入賞口640への球の入賞のし易さ)を付与することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第6制御例では、普図当たり遊技中に第2入賞口640へ球を入賞させ易くするための案内報知態様の設定方法について説明をしたが、特定の当たり遊技(例えば、普図当たり遊技)が実行されることに基づいて、一の発射強度で球を発射させる遊技(例えば、左打ち遊技)から、一の発射強度とは異なる所定の発射強度で球を発射させる遊技(例えば、右打ち遊技)へと可変させることで特定の入賞口(例えば、第2入賞口640)へ球を入賞させ易くするものであれば良く、例えば、左打ち遊技中に実行される特図抽選によって小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技として、右打ち遊技によって発射された球が入賞可能な位置(例えば、右側遊技領域)に小当たり遊技中に開放状態となる入賞口(例えば、V入賞口650a)を設けた構成であれば、特図変動期間と、小当たり遊技のオープニング期間とを用いて、本制御例と同一思想の案内報知態様を設定するように構成しても良い。
<第7制御例の変形例について>
次に、図423、及び図424を参照して、第7制御例の変形例について説明をする。図423は、第7制御例の変形例におけるパチンコ機10の盤面13を模式的に示した正面図である。本変形例のパチンコ機10の盤面13は、上述した第7制御例のパチンコ機10の盤面13に対して、右側遊技領域の構成を変更している点で相違している。それ以外の構成は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図423に示した通り、本変形例におけるパチンコ機10では、第1流路701の流路に球の流下速度を低下させる(球が第1流路701を通過するのに要する時間を遅延させる)ための遅延部材701y、及び701zを配設しており、第1流路701を球が通過するのに要する時間(球通過時間)が約4秒となるように構成している。そして、第1流路701の流下端部に作動ゲート670を設けている。
ここで、作動ゲート670について説明をする。上述した各制御例では、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合は、所定時間の特別図柄変動(特図変動)を経て、大当たり当選を示す表示態様で特別図柄が停止表示(確定表示)されると、大当たり遊技が実行されるように構成している。これに対して、本変形例では、特別図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示(確定表示)された後、球が作動ゲート670を通過したと判別された場合に、大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、作動ゲート670は、大当たり実行条件が成立している場合(特別図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示されている場合)において、大当たり遊技を実行させるための実行手段として用いられる。
このように構成することで、特別図柄の抽選結果だけでは無く、実際に遊技者が球を所定領域(作動ゲート670)に向けて発射させることにより大当たり遊技を実行させることができるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本変形例に用いられる作動ゲート670は、上述した第A4実施形態の開始ゲート720aに対して、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のみ大当たり遊技を実行させるための実行条件の1つとして用いる点で相違しているだけであり(開始ゲート720aは、小当たり遊技、大当たり遊技の何れにおいても実行条件として設けている)、それ以外の構成(ゲートの構造、及び、主制御装置110の処理内容(条件装置判定処理(図311のS250参照)))は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
さらに、本変形例では、上述した第7制御例に対し、電動役物640aと、V入賞装置650の配置位置を変更している点で相違している。また、第2入賞口640の構成を球が通過可能なゲート形状に変更している点で相違している。遊技盤13のそれ以外の構成については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
また、本変形例のパチンコ機10では、上述した第7制御例のパチンコ機に対して、選択される特別図柄の変動時間、及び、普通図柄の変動時間が異なるように構成している。具体的には、通常状態における第1特別図柄(特図1)抽選にて大当たりに当選した場合、或いは小当たりに当選した場合に選択され得る変動パターンとして、変動時間が50秒の特殊特図1変動パターンを選択可能にし、通常状態における第2特別図柄(特図2)抽選にて小当たりに当選した場合に選択され得る変動パターンとして、変動時間が1秒の特殊特図2変動パターンを選択可能にし、さらに、普通図柄のロング開放当たりに当選した場合に選択され得る普図変動パターンとして、変動時間が50秒の特殊普図変動パターンを選択可能に構成している。
そして、小当たり遊技の終了条件として、球の入賞数が1個に到達した場合に成立する第1終了条件と、小当たり遊技にてV入賞口650aが開放されている期間が1.5秒に到達した場合に成立する第2終了条件と、が規定されている。
このように構成された本変形例のパチンコ機10では、特殊特図1変動パターンが設定された特図変動が停止表示した場合、或いは、特図普図変動パターンが設定された普図変動が停止表示した場合に、遊技者に対して遊技方法として右打ち遊技を行わせるための案内報知(図320(b)参照)を実行するように構成している。
ここで、実行された案内報知(右打ち報知)が、大当たり当選に基づく場合は、右打ち遊技によって発射された球が第1流路701を流下し、作動ゲート670を通過することで、大当たり遊技が開始される。上述した通り、右打ち遊技によって発射された球が作動ゲート670に到達するまでに要する時間は約5秒であることから、右打ち遊技を行ってから約5秒後に大当たり遊技が開始されることになる。
また、実行された案内報知(右打ち報知)が、小当たり当選に基づく場合は、右打ち遊技によって発射された球が第2流路702を流下し、V入賞口650aに入賞することで、大当たり遊技が開始される。上述した通り、右打ち遊技によって発射された球がV入賞口650aに到達するまでに要する時間は約4秒であり、小当たり遊技中に球が1個入賞することで小当たり遊技が終了し、且つ、V入賞口650aに球が入賞した場合に、その入賞した球がVゲート(V領域)を必ず通過するように構成していることから、右打ち遊技を行ってから約5秒後に大当たり遊技が開始されることになる。
さらに、実行された案内報知(右打ち報知)が、普図当たり当選に基づく場合は、右打ち遊技によって発射された球が第2流路702に流入し、第2入賞口640を通過し、その通過に基づいて実行される特図2抽選が小当たりである場合には、1秒の変動時間を経て小当たり遊技が実行される。第2入賞口640を通過した球が、V入賞口650aに到達するまでの時間が約2秒となるように第2流路702が形成されているため、特図2抽選で小当たりに当選した場合は、第2入賞口640を通過した球がV入賞口650aに入賞することになる。よって、右打ち遊技を行ってから約5秒後に大当たり遊技が開始されることになる。
つまり、本変形例では、通常状態における第1特別図柄(特別図柄)の抽選で大当たりに当選した場合と、小当たりに当選した場合とで同一の変動時間を設定し、その変動時間が経過したタイミングで遊技方法を変更させるための案内報知(右打ち報知)を実行した場合において、その案内報知に基づいて遊技者が右打ち遊技を行うことで、同タイミングで大当たり遊技を実行させることが可能に構成されている。
このように構成することで、遊技者に対して、今回の大当たり遊技が大当たり当選に基づいて実行されたものなのか、小当たり当選を経由して実行されたものなのかを分かり難くすることができる。さらに、上述した制御例のように、特別図柄の大当たり当選に当選した場合に実行される大当たり遊技と、小当たり当選を経由して実行される大当たり遊技(V大当たり遊技)とで、遊技者に付与される特典(大当たり遊技中の賞球数、大当たり終了後に設定される有利遊技状態(時短状態))の大小を異ならせている場合には、何を契機に大当たり遊技が実行されたのかを分かり難くすることで、大当たり遊技中、や大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に期待を抱きながら遊技を行わせることができる。
さらに、本変形例では、上述した通り、普通図柄の抽選で特定の当たり(普図ロング開放当たり)に当選した場合にも、案内報知(右打ち報知)が実行されてから大当たり遊技が開始されるまでの期間が、特別図柄の大当たり当選、或いは小当たり当選時と同一となるように構成している。よって、より遊技者に大当たり遊技の実行契機を分かり難くすることができる。
加えて、本変形例では、大当たり遊技が実行され得る抽選結果(特図抽選結果、普図抽選結果)となった場合に、同一の変動時間(50秒)が選択されるように構成しているため、その変動時間を用いた演出として同一の演出態様を用いた特殊変動演出を設定することが可能となる。これにより、特殊変動演出が実行されている最中も、実行中の特殊変動演出が特図変動に基づく特殊変動演出なのか、普図変動に基づく特殊変動演出なのかを遊技者に分かり難くすることができる。
なお、上述した例では、50秒の変動時間が設定された特殊変動パターンに対して特殊変動演出を設定する場合について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、50秒以上の変動時間が設定される変動パターンに対応した変動演出のうち、その変動時間の残変動時間が50秒となった場合に上述した特殊変動演出を実行するように構成しても良い。さらに、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、変動時間が50秒の特殊外れ変動パターンを設定可能に構成し、特殊変動演出の演出結果として変動時間経過後に右打ち遊技の案内報知が実行されない演出パターン(失敗演出)を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、特殊変動演出が実行された場合であっても、右打ち遊技が案内されないパターン(ガセパターン)を設けることができるため、遊技者を特殊変動演出の内容に注目させることができる。
また、各制御例で上述した通り、普通図柄の抽選で特定の当たり(普図ロング開放当たり)に当選し、右打ち遊技を案内する案内報知が実行され、右打ち遊技によって球を第2入賞口640に入賞(通過)させた場合において、特図1変動が実行中である場合には、即座に特図2変動が実行されない、即ち、実行中の特図1変動が終了するまで特図2変動が実行されない待機期間が設定されることになる。この場合は、案内報知が実行されたにも関わらず、大当たり遊技が実行されない失敗パターンとして失敗演出を実行すると良い。また、右打ち遊技によって球を第2入賞口640に入賞(通過)させ、即座に特図2抽選が実行された場合において、特図2抽選の結果が外れである場合にも上述した失敗演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、特図2抽選で外れに当選した場合と、特図2抽選の待機期間が設定された場合とで同一の演出態様を設定することが可能となる。そして、待機期間が所定時間(例えば、3秒)以内で、且つ、待機期間経過後に実行される特図2抽選の抽選結果が小当たり当選である場合には、上述した失敗演出から小当たり当選したことを示す演出態様へと切り替える演出(復活演出)が実行されるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して最後まで期待を抱かせることが可能な演出を実行することができる。
なお、特図2抽選の待機期間については、上述した各制御例にて用いた各種技術を用いて算出、予測すれば良く、各制御例にて用いた各種技術を適宜組み合わせれば良い。さらに、普図当たり当選に基づいて右打ち遊技を行わせる場合、或いは、小当たり当選に基づいて小当たり遊技を行わせる場合には、上述した各制御例と同様に、球が特定の入賞口(第2入賞口640、V入賞口650a)に入賞(通過)しない場合がある。この場合についても、上述した第5制御例にて説明をした演出態様(例えば、図324(b)参照)を表示するように構成すれば良い。また、特図抽選で大当たりに当選している場合においても、所定タイミング、例えば、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640付近を通過し得るタイミング(案内報知態様が表示されてから約1秒後)や、球がV入賞口650aに到達し得るタイミング(案内報知態様が表示されてから約4秒後)に疑似的に失敗演出を実行するように構成しても良い。
上述した変形例では、複数の契機によって大当たり遊技を実行可能なパチンコ機10において、遊技者に対して大当たり遊技を実行可能な条件が成立したことを報知(本変形例では「右打ち報知」)してから実際に大当たり遊技が実行されるまでの期間を、大当たり遊技が実行されるまでの契機に関わらず同一とすることで、遊技者に対して、大当たり遊技が実行されることを事前に報知しながらも、どの契機で大当たり遊技が実行されるのかを分かり難くするように構成しているため、実際にどの遊技態様の大当たり遊技が実行されるか、或いは、大当たり遊技終了後の遊技状態としてどの遊技状態が設定されるのか、を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
なお、大当たり遊技を実行可能な条件が成立したことを報知する報知態様としては、本変形例の構成に限ること無く、例えば、各図柄変動に対応して実行される変動演出の演出態様を、大当たり遊技を実行可能な条件が成立していることを示す演出態様に設定しても良く、当該報知態様に基づく報知が実行されてから実際に大当たり遊技が実行されるまでの期間を統一することができるものであれば、その報知タイミングや報知態様は適宜設定すれば良い。
また、小当たり遊技を介して大当たり遊技を実行する契機を用いる場合は、小当たり遊技中のどのタイミングでV入賞口650aに球が入賞したとしても、小当たり遊技が開始されてから予め定められた時間が経過した後に大当たり遊技が実行されるように構成すると良い。これにより、当該報知態様に基づく報知が実行されてから実際に大当たり遊技が実行されるまでの期間をより統一させることができる。
さらに、小当たり遊技中において球が特定領域(Vゲート)を通過した時点で、後に実行される大当たり遊技の種別(大当たり種別)を設定する構成を用いるパチンコ機10においては、小当たり遊技中に球が入賞可能となるV入賞口650a内に複数の特定領域(Vゲート)を設け、その上流側に、V入賞口650aに入賞した球を複数の特定領域(Vゲート)の何れかに振り分ける振分可動部材を設け、その振分可動部材を、小当たり遊技開始からの経過時間に応じて可動させるように構成することで、小当たり遊技が開始されてから、V入賞口650a内の振分可動部材に球が到達するまでの時間に応じて異なる特定領域(Vゲート)を球が通過するように構成する。そして、各特定領域(Vゲート)を通過した場合にそれぞれ異なるオープニング期間が設定される大当たり遊技が実行される大当たり種別が設定されるように構成することで、各特定領域(Vゲート)を球が通過したことに基づいて大当たり遊技が実行される構成を用いた場合でも、大当たり遊技において特定入賞口65が開放状態となるタイミングが統一されるように構成しても良い。
<各制御例の電断時における演出対応例について>
次に、上述した各制御例にて実行される各種演出のうち、主制御装置110にて異なる遊技制御(特図変動遊技、普図変動遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)が行われる複数期間に跨がって実行される期間演出(一連演出、最終変動演出)の実行中にパチンコ機10への電力供給が遮断された場合における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。上述した通り、各制御例のパチンコ機10は、主制御装置110の制御処理内容(RAM203に記憶される各種情報)は、パチンコ機10への電力供給が遮断された場合であっても、その情報を一時的に保持可能(バックアップ可能)に構成されている一方で、音声ランプ制御装置113の制御処理内容(RAM223に記憶される各種情報)は、パチンコ機10への電力供給が遮断された場合に消去されるように構成している。
このように構成されたパチンコ機10において、音声ランプ制御装置113の制御処理に基づいて上述した期間演出を実行している最中にパチンコ機10への電力供給が遮断されてしまう(電断状態になる)と、パチンコ機10への電力供給が再開された際に(復電時)、電断状態の直前にどのような期間演出を実行していたかを読み出すことが不可能となるため、期間演出を再開させることができないという問題があった。
そこで、本対応例では、復電時の遊技状況を示す復帰時コマンドを主制御装置110の立ち上げ処理(図356参照)にて設定するように構成し(図356のC910の後に設定)、その復帰時コマンドとして、特図変動の有無、普図変動の有無、現在の遊技状態、大当たり遊技の有無、小当たり遊技の有無、右打ち報知の有無の、遊技状態が移行するまでの残期間情報の各情報を含むコマンドを設定するように構成し、音声ランプ制御装置113が上述した復帰時コマンドを受信した場合に、現在(復電時)が、期間演出を実行し得る状態(電断直前に期間演出を実行していた可能性がある状態)であるか否かを判別する判別処理(電断前演出判別処理)を実行可能に構成している。
そして、電断前演出判別処理において、現在が期間演出を実行し得ない状態(例えば、大当たり遊技中)であると判別した場合は、主制御装置110から出力されるコマンドに応じた演出を実行するようにし、電断前演出判別処理において、現在が期間演出を実行し得る状態であると判別した場合は、後に、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて期間演出を再開させるための準備処理状態を設定し、遊技者に対して演出が再開する可能性があることを示す演出準備中のコメントが表示されるように構成している。
そして、準備処理状態が設定されている状態で、主制御装置110から当たり関連コマンドとして一連演出が実行される小当たり当選(普図ロング開放当たり遊技)を示す小当たり種別の情報を含むコマンドが出力されたと判別した場合に、その小当たり遊技の開始時から、期間演出を再開するように構成している。このように構成することで、主制御装置110にて異なる遊技制御(特図変動遊技、普図変動遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)が行われる複数期間に跨がって実行される期間演出(一連演出、最終変動演出)の実行中にパチンコ機10への電力供給が遮断された場合において、その期間演出の全てが破棄されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本対応例では、準備処理状態が設定されている間に、新たな演出(期間演出)の実行条件が成立したとしても、新たな演出(期間演出)の実行を制限する制限手段を有している。つまり、電断前に実行されていた演出(期間演出)の再開処理のほうが、復電後に新たに演出(期間演出)を実行させる処理よりも優先して実行されるように構成している。このように構成することで、既に遊技者に提供(一部を提供)した演出(期間演出)を優先して実行されることができるため、遊技者に違和感の無い演出を提供することができる。また、電断前に実行中の演出(期間演出)の演出態様と、その演出(期間演出)とは無関係に新たに設定された演出(期間演出)の演出態様とを組み合わせた場合に、遊技者に有利な演出結果となってしまうことを確実に防止することができる。
また、準備処理状態が設定されている状態では、主制御装置110から受信される様々なコマンドを受信する毎に、電断直前に演出(期間演出)を実行していた可能性がある状態であるか否かを判別する判別処理を繰り返し実行するように構成しており、その判別結果に基づいて、電断直前が演出(期間演出)を実行し得ない状態であると判別した場合は、遊技者に対して演出(期間演出)が再開する可能性があることを示す演出準備中のコメントを消去し、通常の音声ランプ制御装置113の制御処理を実行するように構成している。
さらに、準備処理状態が設定されている状態が所定期間(例えば、主制御装置110から受信したコマンド数が10に到達するまでの期間、復電時後、20秒)継続した場合には、電断前に実行されていた可能性がある演出(期間演出)を再開不能と判別し、遊技者に対して、電断前の演出(期間演出)を再開させることができない旨の表示態様(例えば、「停電前の演出内容は全て無効になりました」のコメント)を表示し、通常の音声ランプ制御装置113の制御処理を実行するように構成している。
このように構成することで、電断前に実行されていた演出(期間演出)を再開させることができない場合であっても、再開できなかったことを遊技者に報知することができるため、例えば、電断前に「10回転以内に3のリーチが発生すると大当たり!」といったミッション演出が実行されており、復電後に、電断前に実行されていた演出内容とは無関係に「3のリーチ」を実行してしまい、遊技者を困惑させてしまうことを抑制することができる。また、上述した課題を解決するために、復電後の所定期間(例えば、ミッション演出が設定され得る最大期間(特図変動回数が30回等))は、ミッション演出に演出結果と重複し得る演出態様が設定されないように構成しても良い。具体的には、ミッション演出として特定のリーチ態様(例えば、「3」,「5」,「7」のリーチ)の何れかを成立させるためのミッションを設定可能な遊技では、復電後の所定期間において、特図抽選の結果が外れである場合には、上述した特定のリーチ態様が設定されないように構成し、特図抽選の結果が当たりである場合には、上述した特定のリーチ態様が設定され得るように構成すると良い。このように構成することで、復電後の所定期間内にも制限範囲内で演出を実行させることができる。また、特図抽選の結果が当たりである場合には、特定のリーチ態様が設定可能となるため、電断前にミッション演出(例えば、「3」のリーチを発生させろ)が実行されており、偶然、復電後の所定期間内に「3のリーチ」が発生したとしても、その抽選結果が当たりとなるため、遊技者に違和感を与えることが無い。
以上、説明をした通り、上述した各制御例では、遊技者が有利となる特典遊技(大当たり遊技)が実行される契機として、特別図柄の抽選で大当たりに当選して大当たり遊技(図柄大当たり遊技)が実行される契機(第1契機)と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり遊技中に遊技球が特定領域(小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650(図315参照)内に設けられたV領域(図示せず))を通過したことに基づいて大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行される契機(第2契機)と、の2つの契機を有する遊技機を用いているが、これに限ること無く、遊技者が有利となる特典遊技(大当たり遊技)が実行される契機として、特別図柄の抽選で大当たりに当選して大当たり遊技(図柄大当たり遊技)が実行される契機(第1契機)のみを有する遊技機に対して、上述した各制御例の技術を転用しても良い。
また、上述した各制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技の終了後に特別図柄の当たり当選確率を高くした特別図柄の高確率状態を設定可能に構成し、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)や潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成しても良い。
そして、遊技状態として特定の遊技状態(潜確状態)が設定された場合に、他の遊技状態が設定されている場合よりも特定の特図抽選(特図2抽選)を実行させ易く(特図2抽選の実行契機となる始動口へ球を入賞させ易くする。または、特図2抽選の変動時間を短くする)し、特図2抽選の小当たり当選に基づく小当たり遊技を頻繁に現出させる遊技を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、特図抽選で大当たりに当選しなくても、多くの賞球を獲得可能な遊技を遊技者に行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、説明をした通り、上述した第5制御例から第10制御例では、大当たり遊技を実行させるための大当たり実行契機を複数有するパチンコ機10を用いており、具体的には、第1特別図柄(特図1)の抽選によって大当たりに当選したことを契機とする第1大当たり実行契機と、第1特別図柄(特図1)の抽選によって小当たりに当選し、小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技に開放状態となるV入賞口650a(図315参照)に球を入賞させることを契機とする第2大当たり実行契機と、を有している。加えて、特別図柄の抽選を実行させるための特図変動実行契機として、第1入賞口64に球を入賞させることを契機とする第1特図変動実行契機と、スルーゲート67に球を通過させることにより普通図柄(普図)の抽選を実行し、その普図抽選で当たりに当選した場合に実行される普図当たり遊技によって開放状態となる第2入賞口640(図315参照)に球を入賞させることを契機とする第2特図変動実行契機と、を有している。そして、各大当たり実行契機、及び各特図変動実行契機の成立具合に応じて、様々な遊技過程を経て大当たり遊技を実行させるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、様々な遊技過程を経て大当たり遊技を実行させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
上述した第5制御例では、特定の抽選権利(特図2抽選の実行契機となる第2入賞口640への球の入賞)を得やすい一の遊技状態(時短状態)から、その一の遊技状態よりも特定の抽選権利を得にくい他の遊技状態(通常状態)へと移行する移行条件が成立する場合に、一の遊技状態中に特定の抽選権利を獲得させるための獲得案内報知を実行し、他の遊技状態へと移行した後に、特定の抽選を実行させ易くするように構成することで、一の遊技状態の終了間際まで遊技者に意欲的に遊技を行わせることが可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中のほうが、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態よりも特定の抽選権利を獲得し易い場合であれば、大当たり遊技中に獲得案内報知を実行し、大当たり遊技終了後に特定の抽選が実行され易くなるように構成しても良い。
また、特定の抽選権利となる入賞口(始動入賞口)への球の入賞のし易さを可変させることにより特定の抽選権利の獲得のし易さを異ならせてもよいし、遊技状態の設定期間の長さを異ならせることにより、その遊技状態中における特定の抽選権利の獲得のし易さを異ならせても良い。
さらに、上述した第5制御例では、一の遊技状態と他の遊技状態とで特定の抽選権利の獲得のし易さを異ならせるように構成しているが、遊技者に付与される特典の度合いを異ならせ、一の遊技状態中に獲得した特典に基づいて他の遊技状態における遊技内容を可変できるものであれば良く、例えば、遊技盤13の所定領域に球を貯留(滞留)可能な貯留部材(滞留部材)を設け、一の遊技状態が設定されている場合のほうが、他の遊技状態が設定されている場合よりも、貯留部材に球を貯留させ易くなるように構成する。そして、他の遊技状態では貯留部材に球を貯留させた状態で遊技を行う方が、貯留部材に球を貯留させていない状態で遊技を行うよりも遊技者に有利となるように構成しても良い。
なお、上述した各制御例では、実行される各種演出の例として、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を用いて説明をしたが、同様の目的効果を奏する演出態様であれば良く、第3図柄表示装置81以外の表示装置に表示する表示演出や、音声により遊技者に報知する音声演出や、パチンコ機10に付設される各種発光手段(LED)を用いて遊技者に報知する発光演出を用いても良い。
また、上述した各制御例において実行される各種演出として、遊技者に対して確実に内容を把握させる報知演出と、遊技者がその内容をそれとなく知らせる示唆演出とを用いているが、報知演出に替えて示唆演出を実行しても良いし、示唆演出に替えて報知演出を実行するように構成しても良い。
なお、上述した各制御例では、実行される各種演出の例として、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を用いて説明をしたが、同様の目的効果を奏する演出態様であれば良く、第3図柄表示装置81以外の表示装置に表示する表示演出や、音声により遊技者に報知する音声演出や、パチンコ機10に付設される各種発光手段(LED)を用いて遊技者に報知する発光演出を用いても良い。
また、上述した各制御例において実行される各種演出として、遊技者に対して確実に内容を把握させる報知演出と、遊技者がその内容をそれとなく知らせる示唆演出とを用いているが、報知演出に替えて示唆演出を実行しても良いし、示唆演出に替えて報知演出を実行するように構成しても良い。
さらに、上述した各制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率(大当たり確率)を高低の2種類(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)設けたパチンコ機10を用いているが、これに限ることなく、例えば、複数種類の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定スイッチ)を設け、その設定手段により設定された設定値毎に異なる大当たり確率が設定される制御を主制御装置110が実行するように構成しても良い。
この場合、例えば、1〜6の6段階の設定値を用意しておき、設定値「1」が設定された場合に、大当たり確率が最も高くなるように構成し、設定値「6」が設定された場合に、大当たり確率が最も低くなるように順に各設定値に対して大当たり確率を設定するように構成すると良い。
加えて、各設定値に対して設定される大当たり確率として、特別図柄の低確率状態に対応する大当たり確率のみ、設定値に応じて異ならせるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態に対応する大当たり確率のみ、設定値に応じて異ならせるように構成しても良い。
また、上述した設定値に応じて、大当たり確率だけでは無く、例えば、各大当たり種別の選択割合を異ならせたり、小当たりに当選する確率を異ならせたり、特別図柄の変動パターンの選択割合や、変動時間を異ならせたりしても良い。この場合、例えば、特定の設定値が設定された場合にのみ選択され易い変動パターンや大当たり種別を設け、その変動パターンに基づく特別図柄変動や、その大当たり種別に基づく大当たり遊技が実行されたか否かを遊技者が注目することで、現在設定されている設定値を判別するように構成しても良い。
さらに、設定された設定値を示すための設定コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した設定コマンドに基づいて現在設定されている設定値を示唆する設定示唆演出を実行するように構成しても良いし、主制御装置110から出力される大当たり種別を示すコマンド(抽選結果を示すためのコマンド)や、特別図柄の変動パターンを示すためのコマンド(変動時間を示すためのコマンド)を受信した場合に、その受信したコマンドの内容から現在設定されている設定値を判別し、その判別結果に基づいた設定示唆演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110から出力されるコマンド数を削減することができる。
また、上述した各制御例とは異なり、第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)と、を同時に実行可能なパチンコ機10を用いても良い。この場合において、上述した設定値を設定可能な構成を用いる場合は、設定された設定値に応じて、各特別図柄の変動(抽選)のし易さが可変するように各設定値に対して各種パラメータを規定しても良いし、特定の設定値では一方の特別図柄の抽選が遊技者に有利となる特定遊技状態が、特定の設定値とは異なる所定の設定値の場合は一方の特別図柄とは異なる他方の特別図柄の抽選が遊技者に有利となるように各設定値に対して各種パラメータを規定しても良い。この場合、特別図柄の抽選が遊技者に有利になるとは、特別図柄の抽選が実行され易くなる状態や、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果である場合に付与される特典(大当たり遊技内容、小当たり遊技内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)が遊技者に有利となることを含む概念である。
また、遊技状態に関わらず特図の種別に応じて遊技状態の移行先および振分率を統一しているが、これに限ること無く遊技状態に応じて遊技状態の移行先および移行振分率を変更してもよい。これにより、より複雑な遊技性を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、確変状態を、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)実行されるまで継続する仕様としたり、特図が変動する毎に通常遊技状態へと移行する抽選を実行し、その抽選に当選することで確変状態から通常遊技状態へと移行する構成にしてもよい。この場合、遊技者に有利な確変状態と不利な確変状態として、例えば、確変状態が終了する特別図柄の変動回数に差を設けたり、確変状態から通常遊技状態へと移行する抽選確率を異ならせたりするようにしてもよい。
加えて、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件である時短終了条件を複数設定し、その複数の時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数が特定の変動回数となった場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、変動回数終了条件が成立した場合と、特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、当選回数終了条件が成立した場合とで、異なるタイミングで普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることができるように構成してもよい。
この構成を用いて、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、特別図柄の変動を開始することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行し、当選回数終了条件が成立した場合には、小当たり遊技が終了することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように制御される遊技機を設けると良い。
これにより、成立する時短終了条件によって、同一の特別図柄の変動に基づいて時短状態が終了する場合であっても、特別図柄の変動時間と、小当たり遊技が実行される時間とを合算した範囲で時短状態が終了するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対して、成立した時短終了条件の種別についても興味を持たせることができる。さらに、成立する時短終了条件によっては、遊技者に対して少量の特典を付与する小当たり遊技中にも、電動役物640aを作動させ球を入球口へと入球させ易くすることで、小当たり遊技を遊技者にとってより有利な遊技状態とすることが可能となる。
加えて、小当たり遊技が実行される期間を異ならせた複数の小当たり種別を設け、当選回数終了条件が成立した場合であっても、当選回数終了条件が成立した小当たり種別に応じて遊技者に付与される特典を異ならせるようにすると良い。これにより、成立した時短終了条件の種別だけでは無く、時短終了条件のより詳細な内容について遊技者に興味を持たせることができる。
また、この場合、当選回数終了条件が成立した場合であっても、小当たり遊技が開始されるタイミングで時短状態を終了させる場合と、小当たり遊技が終了するタイミングで時短状態を終了させる場合とが混在するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してどのタイミングで時短状態が終了するかを分かり難くすることができる。さらに、上述した実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、小当たりに当選したことに基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、を別々に実行する構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の抽選(変動)に応じて更新される時短情報を一元的に管理し、成立した時短終了条件に基づいて時短状態を終了させるタイミングを設定する構成を用いても良い。
上記各制御例では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各制御例においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上述した各制御例では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各制御例では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行される演出における表示態様を設定するための処理を音声ランプ制御装置113が行い、遊技(抽選)そのものは、音声ランプ制御装置113とは異なる主制御装置110が実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技(抽選)を実行するための処理と、遊技(抽選)の結果を演出として表示するための処理とを、同一の制御装置で実行するように構成しても良い。このように構成することで、一つの制御装置にて複数の異なる処理を実行することが可能となる。
なお、上述した各制御例では、実行される各種演出の例として、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を用いて説明をしたが、同様の目的効果を奏する演出態様であれば良く、第3図柄表示装置81以外の表示装置に表示する表示演出や、音声により遊技者に報知する音声演出や、パチンコ機10に付設される各種発光手段(LED)を用いて遊技者に報知する発光演出を用いても良い。
また、上述した各制御例において実行される各種演出として、遊技者に対して確実に内容を把握させる報知演出と、遊技者がその内容をそれとなく知らせる示唆演出とを用いているが、報知演出に替えて示唆演出を実行しても良いし、示唆演出に替えて報知演出を実行するように構成しても良い。
なお、上述した各制御例では、実行される各種演出の例として、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を用いて説明をしたが、同様の目的効果を奏する演出態様であれば良く、第3図柄表示装置81以外の表示装置に表示する表示演出や、音声により遊技者に報知する音声演出や、パチンコ機10に付設される各種発光手段(LED)を用いて遊技者に報知する発光演出を用いても良い。
また、上述した各制御例において実行される各種演出として、遊技者に対して確実に内容を把握させる報知演出と、遊技者がその内容をそれとなく知らせる示唆演出とを用いているが、報知演出に替えて示唆演出を実行しても良いし、示唆演出に替えて報知演出を実行するように構成しても良い。
さらに、上述した各制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率(大当たり確率)を高低の2種類(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)設けたパチンコ機10を用いているが、これに限ることなく、例えば、複数種類の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定スイッチ)を設け、その設定手段により設定された設定値毎に異なる大当たり確率が設定される制御を主制御装置110が実行するように構成しても良い。
この場合、例えば、1〜6の6段階の設定値を用意しておき、設定値「1」が設定された場合に、大当たり確率が最も高くなるように構成し、設定値「6」が設定された場合に、大当たり確率が最も低くなるように順に各設定値に対して大当たり確率を設定するように構成すると良い。
加えて、各設定値に対して設定される大当たり確率として、特別図柄の低確率状態に対応する大当たり確率のみ、設定値に応じて異ならせるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態に対応する大当たり確率のみ、設定値に応じて異ならせるように構成しても良い。
また、上述した設定値に応じて、大当たり確率だけでは無く、例えば、各大当たり種別の選択割合を異ならせたり、小当たりに当選する確率を異ならせたり、特別図柄の変動パターンの選択割合や、変動時間を異ならせたりしても良い。この場合、例えば、特定の設定値が設定された場合にのみ選択され易い変動パターンや大当たり種別を設け、その変動パターンに基づく特別図柄変動や、その大当たり種別に基づく大当たり遊技が実行されたか否かを遊技者が注目することで、現在設定されている設定値を判別するように構成しても良い。
さらに、設定された設定値を示すための設定コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した設定コマンドに基づいて現在設定されている設定値を示唆する設定示唆演出を実行するように構成しても良いし、主制御装置110から出力される大当たり種別を示すコマンド(抽選結果を示すためのコマンド)や、特別図柄の変動パターンを示すためのコマンド(変動時間を示すためのコマンド)を受信した場合に、その受信したコマンドの内容から現在設定されている設定値を判別し、その判別結果に基づいた設定示唆演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110から出力されるコマンド数を削減することができる。
また、上述した各制御例とは異なり、第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)と、を同時に実行可能なパチンコ機10を用いても良い。この場合において、上述した設定値を設定可能な構成を用いる場合は、設定された設定値に応じて、各特別図柄の変動(抽選)のし易さが可変するように各設定値に対して各種パラメータを規定しても良いし、特定の設定値では一方の特別図柄の抽選が遊技者に有利となる特定遊技状態が、特定の設定値とは異なる所定の設定値の場合は一方の特別図柄とは異なる他方の特別図柄の抽選が遊技者に有利となるように各設定値に対して各種パラメータを規定しても良い。この場合、特別図柄の抽選が遊技者に有利になるとは、特別図柄の抽選が実行され易くなる状態や、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果である場合に付与される特典(大当たり遊技内容、小当たり遊技内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)が遊技者に有利となることを含む概念である。
また、遊技状態に関わらず特図の種別に応じて遊技状態の移行先および振分率を統一しているが、これに限ること無く遊技状態に応じて遊技状態の移行先および移行振分率を変更してもよい。これにより、より複雑な遊技性を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、確変状態を、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)実行されるまで継続する仕様としたり、特図が変動する毎に通常遊技状態へと移行する抽選を実行し、その抽選に当選することで確変状態から通常遊技状態へと移行する構成にしてもよい。この場合、遊技者に有利な確変状態と不利な確変状態として、例えば、確変状態が終了する特別図柄の変動回数に差を設けたり、確変状態から通常遊技状態へと移行する抽選確率を異ならせたりするようにしてもよい。
加えて、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件である時短終了条件を複数設定し、その複数の時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数が特定の変動回数となった場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、変動回数終了条件が成立した場合と、特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、当選回数終了条件が成立した場合とで、異なるタイミングで普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることができるように構成してもよい。
この構成を用いて、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、特別図柄の変動を開始することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行し、当選回数終了条件が成立した場合には、小当たり遊技が終了することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように制御される遊技機を設けると良い。
これにより、成立する時短終了条件によって、同一の特別図柄の変動に基づいて時短状態が終了する場合であっても、特別図柄の変動時間と、小当たり遊技が実行される時間とを合算した範囲で時短状態が終了するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対して、成立した時短終了条件の種別についても興味を持たせることができる。さらに、成立する時短終了条件によっては、遊技者に対して少量の特典を付与する小当たり遊技中にも、電動役物640aを作動させ球を入球口へと入球させ易くすることで、小当たり遊技を遊技者にとってより有利な遊技状態とすることが可能となる。
加えて、小当たり遊技が実行される期間を異ならせた複数の小当たり種別を設け、当選回数終了条件が成立した場合であっても、当選回数終了条件が成立した小当たり種別に応じて遊技者に付与される特典を異ならせるようにすると良い。これにより、成立した時短終了条件の種別だけでは無く、時短終了条件のより詳細な内容について遊技者に興味を持たせることができる。
また、この場合、当選回数終了条件が成立した場合であっても、小当たり遊技が開始されるタイミングで時短状態を終了させる場合と、小当たり遊技が終了するタイミングで時短状態を終了させる場合とが混在するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してどのタイミングで時短状態が終了するかを分かり難くすることができる。さらに、上述した実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、小当たりに当選したことに基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、を別々に実行する構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の抽選(変動)に応じて更新される時短情報を一元的に管理し、成立した時短終了条件に基づいて時短状態を終了させるタイミングを設定する構成を用いても良い。
上記各制御例では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各制御例においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上述した各制御例では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各制御例では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行される演出における表示態様を設定するための処理を音声ランプ制御装置113が行い、遊技(抽選)そのものは、音声ランプ制御装置113とは異なる主制御装置110が実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技(抽選)を実行するための処理と、遊技(抽選)の結果を演出として表示するための処理とを、同一の制御装置で実行するように構成しても良い。このように構成することで、一つの制御装置にて複数の異なる処理を実行することが可能となる。
上述した第1制御例では、1の操作有効期間内において、遊技者が操作手段を操作しているかを判別する判別手段として、操作手段を操作していると判別された場合に、遊技者が操作手段を操作していることを報知する報知態様(例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるボタン画像を押下中を示す態様で表示する)が設定される第1判別手段(操作有効期間の全期間にて実行される判別)と、操作手段を操作していると判別された場合に、演出態様(例えば、気合ゲージKGのゲージ量)を可変させるか否かの判定が実行される第2判別手段(操作有効期間内における特定タイミングのみで実行される判別)と、を有している。換言すれば、複数の操作有効期間を重複して設定する技術思想となる。この技術思想は、上述した第1制御例に用いられたものに限定されるものでは無く、例えば、上述した第1判別手段が実行される第1操作有効期間内に、上述した第2判別手段が実行される第2操作有効期間を設定する必要は無く、少なくとも一部が重複するように構成しても良い。
また、1の第1操作有効期間に対して、複数種類の第2操作有効期間のうち、1の第2操作有効期間を設定するように構成しても良い。これにより、第1操作有効期間と第2操作有効期間とが重複して設定された場合において、第1操作有効期間のどのタイミングで第2操作有効期間が設定されているのかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
上述した第1制御例では、確変状態が設定されている期間が所定期間(例えば、特別図柄変動の回数が100回)継続した場合に、特別図柄変動の変動時間として、それまでよりも短い変動時間が選択され易くすることで、遊技(特別図柄抽選)の時間効率を高める技術思想を有しているが、この技術思想は、第1制御例の内容に限られるものでは無く、例えば、確変状態以外の遊技状態が設定されている状態において適用しても良い。また、特定の遊技状態が設定されてから所定期間が経過するまでの間に限り、遊技(特別図柄抽選)の時間効率を高めるために、短い変動時間が選択され易くなるように構成しても良い。加えて、特別図柄抽選の結果が特定の結果(例えば、小当たり当選)した場合において、短い変動時間が選択され易く期間を設定するように構成しても良い。
加えて、時短状態が終了した直後(時短状態から通常状態へと移行した直後)に実行される特別図柄変動の変動時間が、時短状態が終了すること無く継続した場合に実行される特別図柄変動の変動時間と同一となり易くなるように変動パターンシナリオおよび変動パターンテーブルを構成しても良い。このように構成することで、時短状態が終了した直後に遊技者に対して時短状態が終了したことを報知するのでは無く、時短状態から通常状態へと遊技状態が移行してから所定期間経過後、即ち、時短状態が継続している場合には選択され得ない変動時間の変動パターンが選択されたことに基づいて、時短状態が終了したことを遊技者に把握させることができる。
このように構成することで、時短状態の終了条件が成立したタイミングを遊技者に分かり難くすることができる。この場合、例えば、時短状態終了時に獲得している特図2保留の最大保留数(4個)の期間において、時短状態が終了した直後(時短状態から通常状態へと移行した直後)に実行される特別図柄変動の変動時間が、時短状態が終了すること無く継続した場合に実行される特別図柄変動の変動時間と同一となり易くなるように変動パターンシナリオおよび変動パターンテーブルの内容を規定すると良い。
また、上述した構成を用いた場合には、時短状態中と同一の変動時間の変動パターンが選択され続ける限り、遊技状態が通常状態へと移行した後も、時短状態中に実行される演出と同一の演出を実行するように構成すると良い。これにより、実際の時短状態よりも長い期間時短中の遊技を遊技者に行わせることができる。
さらに、上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態、或いは時短状態の何れかが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態が設定される大当たり種別を設けても良い。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態であるか、確変状態であるかを遊技者が判別し難くするために、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定された場合には、少なくとも、時短状態が終了し得る期間までは、同一の変動時間が選択され易くなるように構成し、実行される特別図柄変動の変動時間によって遊技者に遊技状態が把握されることを抑制している。
そして、普通図柄の高確率状態中に実行される演出(ラッキーポイントの加算演出)において、特定の演出結果が報知された場合(ラッキーポイントが100Pに到達した場合)に、現在の遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する演出(無敵ゾーン(図129(a)))を実行するように構成していた。そして、ラッキーポイントの加算演出の演出内容は特別図柄抽選が実行される毎に決定されるものであり、特定の演出結果が報知されるタイミングが不定となるように構成している。よって、どのタイミングで遊技者に対して確変状態であることが報知されるのかを把握させ難くすることができ、遊技者に対して確変状態が設定されていることを期待させながら継続して遊技を行わせることができるものであって。
しかしながら、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定された場合には、少なくとも、時短状態が終了し得る期間までは、同一の変動時間が選択され易くなるように構成していることから、いち早く確変状態が報知された場合であっても(無敵ゾーンが設定された場合であっても)、バトル演出を実行させる演出期間を設定する必要があった。そこで、上述した第1制御例では、無敵ゾーン中はバトル演出で敗北することが無いことを遊技者に分かり易く報知することで、遊技者に安心感を提供するように構成しているが、無敵ゾーン中に実行されるバトル演出が無駄なバトル演出となり、遊技者の遊技意欲が低下してしまう虞があった。
このような問題点を解決するために、例えば、無敵ゾーンが設定された以降は、バトル演出が実行される変動時間(60秒)が決定された場合に、その変動時間に対して、5秒間、或いは、10秒間の演出期間の演出を繰り返し実行するように構成し、1回の特別図柄変動にて、複数回の特別図柄変動が実行されているように見せる疑似変動演出を実行可能に構成すると良い。より具体的には、短縮ゾーン演出中に実行される演出を実行するように構成すると良い。
上述した第1制御例では、大当たり遊技中に実行される追加演出(図121、図122参照)の実行期間中に新たな追加演出の実行が禁止されるように構成することで、複数の演出が重複して実行されてしまい、全体として遊技者に分かり難い演出が提供されてしまうことを抑制するという技術思想を有しているが、この技術思想を他の状況に転用しても良く、例えば、実行されている演出の個数(種類)を判別可能な判別手段を設け、重複して実行されている演出の個数(種類)が所定条件(例えば、3個)を満たしている場合に、新たな演出の実行を禁止するように構成しても良い。つまり、特定の演出が実行されている期間中に新たな特定の演出が実行されることを禁止する技術に限定されるものでは無い。また、新たな演出の実行を禁止する条件としては、純粋に重複して実行される演出の個数(種類)によってのみ成立する条件だけで無く、実行中の演出の内容、及び、新たに実行される演出の内容に基づいて成立する条件を用いても良く、例えば、遊技者に対して特定の要素(例えば、大当たり遊技内容)に関する情報が提供される演出を複数種類実行可能なパチンコ機10であれば、実行中の演出が特定の要素に対して高い有利度合いの有利演出であれば、新たに実行される演出の内容が実行中の演出よりも有利度合いが低いと判別された場合に実行を禁止させるように構成しても良い。
また、上述した第1制御例では、大当たり遊技中に実行される演出に対して、演出の実行期間中に新たな追加演出の実行が禁止されるように構成しているが、大当たり遊技中以外の期間において実行される演出に対して同一の技術思想を適用しても良く、例えば、1の特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間を対象に同一の技術思想を適用しても良いし、複数の特別図柄変動期間を跨いで実行される先読み演出期間を対象に同一の技術思想を適用しても良い。この場合、先読み演出期間中において、新たな先読み演出の実行条件が成立したとしても、新たな先読み演出が実行されることを禁止することができるため、先読み演出が重複して実行されてしまい、遊技者に対して、どの先読み演出がどの特別図柄抽選の結果を示唆しているか判別し難くなる事態が発生することを抑制することができる。
上述した第2制御例では、新たな追加演出の実行が禁止される期間において、新たな追加演出の実行条件が成立した場合に、その成立状況(内容)を記憶しておき、新たな追加演出を実行することが可能となった場合に、記憶していた成立状況(内容)に基づいて追加演出の演出態様を可変決定するように構成することで、新たな演出の実行が禁止されている期間中においても、演出の実行条件を成立させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせるという技術思想を有しているが、この技術思想を他の演出の用いても良く、例えば、先読み演出中において、新たな先読み演出の実行条件(例えば、第1入球口63や第2入球口640へと球を入球させ、特別図柄保留を新たに取得すると成立し得る条件)を成立させることにより、実行中の先読み演出が終了した後に実行される演出の演出態様を可変させるように構成しても良い。
また、上述した第2制御例では、新たな追加演出の実行が禁止される期間において、新たな追加演出の実行条件が成立した個数に応じて、後に実行される演出における遊技者への有利度合いを可変させるように構成しており、具体的には、新たな追加演出の実行が禁止される期間において、新たな追加演出の実行条件が成立した個数が所定数に到達した場合に、最も有利となる演出が実行され易くなるように構成しているが、これに限ること無く、新たな追加演出の実行条件が成立した場合に、所定の抽選を行い、抽選で当選した場合に、最も有利となる演出が実行され易くなるように構成しても良い。
次に、上述した各制御例にて説明をした技術に関する技術思想について説明をする。
上述した各制御例におけるパチンコ機10は、少なくとも2以上の抽選結果(例えば、当たり、外れ)を有する抽選を実行し、その抽選が特定の抽選結果(例えば、当たり)である場合には、遊技者に有利となる特典(例えば、当たり遊技)が付与されるように構成している。そして、実行される抽選の種別として、特別図柄(例えば、第1特別図柄又は第2特別図柄)抽選や普通図柄抽選を実行可能に構成している。上述した抽選は、取得した値(乱数値)を判別する判別手段という技術思想、及び、抽選結果が何れであるかを判定する判定手段という技術思想を有するものとなる。
ここで、判別手段の技術思想としては、上述した内容以外にも、例えば、音声ランプ制御装置113により設定される各種演出態様を設定する際に、複数の演出態様の中から1の演出態様を決定するために参照される情報(各種乱数値、各種フラグの設定状況、各種記憶(格納)エリアの情報等)を判別する構成も判別手段の技術思想に含まれる。また、判定手段の技術思想は、上述したように、取得した値に基づいて抽選結果を判定する構成に限られること無く、例えば、遊技球が特定の領域を通過したことを検知した場合に特定の判定結果と判定する構成、即ち、何らかの条件が成立した場合に、遊技者に有利となる遊技結果と判定可能なものであれば良く、特定の判定結果のみを判定する構成も判定手段の技術思想に含まれる。
また、遊技者に有利となる特典には、特定の抽選結果である場合に実行される当たり遊技のように、遊技者に対して賞球を獲得し易い遊技状況を提供するものは勿論のこと、特定の抽選結果になり易い状況(例えば、特別図柄の高確率状態や、普通図柄の高確率状態)を設定するための条件を成立させるものや、抽選の実行条件が成立し易くする(例えば、電動役物640が付随する第2入球口640に球が入球し易くする)遊技状況を提供するものも含まれる。さらに、音声ランプ制御装置113にて実行される各種制御処理によって設定される各種演出態様によって現在の遊技状況を把握させ易くすることにより、遊技者に遊技を有利に進めさせることができるものであれば、上述した各種演出態様も特典に含まれる概念となる。加えて、賞球を獲得するという遊技目的とは異なる概念でいえば、音声ランプ制御装置113の各種制御処理によって設定される確率が低い各種演出態様が設定される(設定され易くなる)ことで、遊技者に対して、通常では見ることが出来ない(見難い)演出を提供することも、有利となる特典に該当する。
なお、この場合、特典が付与されない場合に比べて特典が付与された場合のほうが遊技者に有利となるものであれば、有利となる特典に該当する。つまり、特典の種別を複数(例えば、第1特典、第2特典)有するパチンコ機10である場合には、何れの特典が付与された場合においても、1つも特典が付与されていない場合に比べて、遊技者に有利となる要素を有しているのであれば、全ての特典が遊技者に有利となる特典となる。また、第1特典、第2特典に対して、相対的に比較可能な要素があり、且つ、その比較対象となる要素として遊技者への有利度合いが異なるものがあれば、一方の特典よりも有利となる他方の特典との概念となる。さらに、第1特典と第2特典とのそれぞれが複数の要素(例えば、第1要素、第2要素)で構成されており、第1要素については第1特典のほうが第2特典よるも有利度合いが高く、第2要素については第1特典よりも第2特典のほうが有利度合い高くなるように構成している場合には、個々の要素を対象に一方の特典を有利となる特典と定義しても良いし、要素全体を対象に有利度合いが大きい側の特典のみを有利となる特典と定義しても良い。
上述した「有利となる」に対する技術思想については、特典種別に限るものでは無く、上述した各制御例において用いられた「有利」や「不利」の表現全てに対して適用可能なものであり、例えば、大当たり遊技終了後に複数の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態、潜確状態)のそれぞれに対して、上述した定義に基づいて有利度合いを定義付けしても良いし、複数種類の抽選(例えば、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選、普通図柄抽選)のそれぞれに対して、上述した定義に基づいて有利度合いを定義付けしても良い。
上述した各制御例には、抽選結果を示すために特別図柄や普通図柄を第1図柄表示装置37や第2図柄表示装置84にて変動表示させる構成や、その変動表示に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄や第4図柄を変動表示させる構成を用いているものがあるが、その変動表示される各種図柄が抽選結果を示すための識別情報に該当する。また、識別情報とは、変動表示の実行中か否かと、抽選結果と、を遊技者が識別可能に構成されていれば良く、数字を模した表示態様に限ること無く、色や点灯(点滅)箇所の組合せによって、変動表示の実行中か否かと、抽選結果と、を遊技者が識別可能に構成されているものも識別情報に該当する。
加えて、上述した各制御例では、複数の識別情報(例えば、「1」〜「9」の数字を模した9種類の第3図柄)から構成される図柄列を複数(例えば、3つ)設け、各図柄列のうち、第3図柄表示装置81の表示面に表示される箇所を可変させていることで識別情報を変動表示させる構成(図柄変動表示)を用いているが、この識別情報の変動表示は、実行された抽選の結果が遊技者に報知されるまでの期間を示すものであり、上述した各制御例の構成とは異なり、例えば、1の識別情報を常に表示しているが、その表示位置を可変させることで、抽選結果が報知されるまでの期間中であることを遊技者に示したり、1の識別情報に対して表示、非表示(点灯、消灯)を繰り返し実行することで抽選結果が報知されるまでの期間中であることを遊技者に示したりする構成でも良い。即ち、識別情報が停止表示される状態とは異なる態様となる動的表示態様が設定されることで、抽選結果が報知されるまでの期間中であることを遊技者に報知可能なものであれば良い。
さらに、上述した各制御例では、パチンコ機10において実行される各種演出の内容(演出実行手段により実行される演出の内容)について、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される表示演出を主に説明をしているが、パチンコ機10が有する第3図柄表示装置81以外の構成(例えば、音声出力装置226、ランプ表示装置227や各種装飾用役物)を用いた「表示」以外の態様の演出(音声演出、点灯演出、可動演出)も、同様に実行される。よって、演出実行手段により実行される演出には、表示演出、音声演出、点灯演出、可動演出が少なくとも該当する。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、上記各実施形態および各制御例の構成を全部または一部を組み合わせて実施するように構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<経路構成手段を通る球が被通過手段の目隠しになるポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、所定方向視における、前記被通過手段の上流側で前記経路構成手段を流下する第1の遊技球の手前側で、その第1の遊技球の少なくとも一部と重なる位置に配置可能な変位可能手段を備えることを特徴とする遊技機AA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成される遊技機がある(例えば、特開2017−185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302により常に球検出孔431を認識し難く構成されているので、球検出孔431への入球を確認して遊技球の発射の継続または停止を行うという遊技態様に対応できず、遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、遊技球の発射操作と関連する部分において改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AA1によれば、経路構成手段において第1の遊技球の視認性を低下させる手段が所定の変位可能手段であるので、第1の遊技球が見え易い状態を構成可能とされる。従って、第1の遊技球が見え易い状態においては、第1の遊技球の流下を確認して、遊技球の発射操作の継続または停止の判断を行い易くなることから、遊技球の発射操作と関連する部分において改善することができる。
なお、所定の変位可能手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、別の遊技球でも良いし、遊技球の流下経路とガラスユニットとの間で変位可能に構成される装飾用部材でも良い。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
遊技機AA1において、前記変位可能手段は、前記第1遊技球の上流側を流下する第2の遊技球であることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、遊技機AA1の奏する効果に加え、被通過手段へ向けて案内される遊技球を利用して第1の遊技球の視認性を変化させることができるので、変位可能手段として他の装飾部材を用意する場合に比較して、材料コストや設計コストを低減することができる。
遊技機AA2において、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路を備えることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA2の奏する効果に加え、第1の遊技球の正面側に、第2の遊技球を配置可能に前後方向経路が構成されるので、正面視において、第2の遊技球で第1の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。
遊技機AA3において、前記前後方向経路は、前記第1の遊技球と前記第2の遊技球とが、発射装置に設定された発射間隔で前記経路構成手段を流下した場合に、前記第2の遊技球が前記第1の遊技球の少なくとも一部を隠すよう構成されることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA3の奏する効果に加え、発射間隔のままで経路構成手段を複数の遊技球が流下した場合に、第1の遊技球を第2の遊技球で認識し難くする効果を奏することができる。これにより、認識し難い状況を平常時から生じさせることができる。
遊技機AA3又はAA4において、前記前後方向経路は、正面側構成部が、背面側構成部よりも遊技領域の中央側に配置されることを特徴とする遊技機AA5。
遊技機AA5によれば、遊技機AA3又はAA4の奏する効果に加え、被通過手段を見る遊技者の視線に沿う傾きを有する経路として前後方向経路を構成することができるので、第1の遊技球が第2の遊技球に隠される状態を生じ易くすることができる。即ち、目隠しの効果を向上させることができる。
遊技機AA5において、前記正面側構成部は、被通過手段を見る遊技者の視線上に配置されることを特徴とする遊技機AA6。
遊技機AA6によれば、遊技機AA5の奏する効果に加え、前後方向経路に配置される第1の遊技球と第2の遊技球との間隔の長短に関わらず、同様の目隠し効果を生じさせることができる。
即ち、通常であれば、第1の遊技球と第2の遊技球とが近接しているほど、目隠し効果を向上させることができると考えられるが、視線上に第1の遊技球および第2の遊技球が配置されている場合には、間隔の長短が及ぼす影響を無くすことができる。
遊技機AA2からAA6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路と、その前後方向経路の上流側で遊技球が左右方向に流下可能な左右幅で形成される左右方向経路と、を備えることを特徴とする遊技機AA7。
遊技機AA7によれば、遊技機AA2からAA6のいずれかの奏する効果に加え、左右方向経路を流下する遊技球によっても遊技者の視線を遮ることができるので、遊技者が、被通過手段に対して左右に位置ずれしない視線で被通過手段を視認する場合に限らず、左右に位置ずれして、覗き見るような視線に対しても、目隠し効果を生じさせることができる。即ち、遊技者の視線の方向に寄らず、被通過手段への入球態様を認識し難くすることができる(全方位で目隠し効果を生じさせることができる)。
この作用は、前後方向に延びる流路の左右片側を壁部で封じることにより顕著に生じる。即ち、左右片側が壁部で封じられている構成では、左右片側においては壁部が目隠しとなるので、被通過手段への視界が通らない状態を構成し易くできる。
遊技機AA1からAA7のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球が前記被通過手段を第1の態様で通過する第1の流下経路と、遊技球が第2の態様で通過する第2の流下経路と、を備え、前記第1の遊技球が、前記経路構成手段のいずれの流下経路を流下するかに関わらず、前記所定の変位可能手段に少なくとも一部を覆われて視認され得るよう構成されることを特徴とする遊技機AA8。
遊技機AA8によれば、遊技機AA1からAA7のいずれかの奏する効果に加え、被通過手段の通過の有無に関わらず、経路構成手段を流下する遊技球の流下態様を認識し難くし得るので、経路構成手段を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、第1の態様や、第2の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、球の流下方向が違う態様でも良いし、球が通過する検出センサが異なる態様でも良い。
遊技機AA1からAA8のいずれかにおいて、前記被通過手段の上流側において遊技球の流下方向を分ける分岐手段を備え、前記分岐手段は、受け入れた遊技球の流下方向を切り替える切替手段を備え、前記経路構成手段は、分岐手段で流下経路が分けられる遊技球であって前記切替手段に到達した遊技球が、所定区間は同じ経路を流下するよう構成されることを特徴とする遊技機AA9。
遊技機AA9によれば、遊技機AA1からAA8のいずれかの奏する効果に加え、切替手段に到達した遊技球が所定区間は同じ経路を流下するので、切替手段に到達した遊技球が即座にその後の流下経路に対応した流下態様となる場合に比較して、遊技球の流下の把握を困難とすることができる。これにより、遊技球に対する遊技者の注目力を向上することができる。
遊技機AA9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球側に突設される突設部を備え、その突設部は、前記分岐手段における遊技球の分岐に作用することを特徴とする遊技機AA10。
遊技機AA10によれば、遊技機AA9の奏する効果に加え、突設部で遊技球の分岐に作用することができるので、例えば、弁体の移動により分岐を生じさせる場合に比較して、構造の耐久性を向上させることができる。
遊技機AA10において、前記突設部は、所定方向に延びる第1突設部と、その第1突設部とは異なる方向に延びる第2突設部と、を備え、前記第1突設部の突設量と前記第2突設部の突設量とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機AA11。
遊技機AA11によれば、遊技機AA10の奏する効果に加え、遊技球の流下態様に応じて、第1突設部が遊技球に与える影響と、第2突設部が遊技球に与える影響とを異ならせることができる。これにより、固定の第1突設部および第2突設部を利用しながら、遊技球の流下態様に応じた所定のルールで遊技球を分岐させる作用を生じさせることができる。
<経路構成手段を通る球が被通過手段への導入をアピールするポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、前記被通過手段よりも上流側を構成する所定部を備え、その所定部は、前記被通過手段よりも目立つ側に配置され、前記被通過手段へ遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成され、大入賞部品300の状態の違いによって、化粧板302から外れた位置を遊技球が流下したり、化粧板302の後方に隠されるようにして遊技球が流下したりする遊技機がある(例えば、特開2017−185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302から外れて流下する視認性の良い遊技球は、むしろ球検出孔431を逸れて流下するよう構成され、化粧板302の後方に隠されるように流下する遊技球の一部が球検出孔431に案内されるので、遊技球の見え易さの良し悪しと、遊技者が得られる利益の多少とが対応しておらず、遊技球に注目したことが無駄になり易いので遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、注目を集めた後の遊技球の流下態様を、注目する意義があるものにするという点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AB1によれば、目立つ側に配置される所定部を流下した遊技球が、被通過手段へ案内可能に構成されていることから、遊技球に対する注目力の向上度合いと、遊技球が被通過手段を通過することとを対応づけることができる。従って、所定部を流下した遊技球が被通過手段を通過する可能性を向上させることができるので、注目を集めた後の遊技球に注目する意義があるという点で改善することができる。
また、このように構成することで、所定部を流下する遊技球で遊技者の視線を誘導し易くすることができ、被通過手段に遊技球が向かうことを遊技者が見逃す可能性を低くすることができる。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
なお、目立つ側の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者の目を引き易い表示装置側でも良いし、入賞口側や始動口側でも良いし、遊技者にとって視認し易い前方側(手前側)でも良いし、特定の入球口への入球確率が際立って高くなる箇所として視線が集まり易い部分としてのステージ(主に、センターフレームにより形成される枠の下縁部において遊技球を一時滞留させる箇所)側や、大当たり獲得に直結するV入賞口側や、操作対象としての球貸し装置側や、演出操作ボタン側や、入球口から逸れた遊技球が流下する範囲(遊技者が、悔しくてついつい目で追ってしまう範囲)側や、発光手段での明暗での切替として明るい側や、その他の側でも良い。また、目立ちがたい側を敢えて形成し、相対的に目立たせるようにしても良い。
遊技機AB1において、前記経路構成手段は、その経路構成手段へ入球した遊技球を、入球時よりも目立たなくする第2所定部を備え、前記所定部は、前記第2所定部よりも目立つ側に配置されることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部を流下する前に、第2所定部において注目力を下げることで、所定部を流下する際の遊技球の注目力を際立たせることができる。
遊技機AB1又はAB2において、前記所定部は、遊技球の流下速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB1又はAB2の奏する効果に加え、遊技球の流下速度に差が無い場合に比較して、遊技者の視線を集める効果を向上することができる。
遊技機AB3において、前記所定部を流下する遊技球の第1流下速度よりも、前記第2所定部を流下する遊技球の第2流下速度の方が高速となるよう構成されることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB3の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部に到達するまでの期間を短縮することができる。
遊技機AB1からAB4のいずれかにおいて、前記所定部は、所定方向視における遊技球の変位速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB1からAB4のいずれかの奏する効果に加え、実際の遊技球の流下速度の大小に関わらず、所定方向視における見かけ上の遊技球の変位速度が異なる区間を構成することができるので、任意の所定箇所において所定方向視における遊技球の変位速度を小さくすることにより、遊技者の視線を所定箇所に容易に集め、その他の部分から目を逸らさせることができる。
なお、見かけ上の遊技球の変位速度を異ならせる態様は何ら限定されるものではない。例えば、正面視において前後方向と直交する平面に配置される直線上を変位する場合と、前後方向成分を有する直線上を変位する場合とでの異なりでも良いし、直線上を変位する場合と、曲線状または蛇行状に変位する場合とでの異なりでも良いし、その他の異なりでも良い。
遊技機AB1からAB5のいずれかにおいて、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能に構成される導入手段を備え、前記所定部は、所定方向視において前記導入手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機AB6。
遊技機AB6によれば、遊技機AB1からAB5のいずれかの奏する効果に加え、導入手段の視認性を確保することができる。従って、導入手段の視認性の確保と、被通過手段を通過する可能性の高い遊技球の注目力の向上とを両立させることができる。
遊技機AB1からAB6のいずれかにおいて、前記経路構成手段の正面側における遊技球が、前記被通過手段へ向けた視線または前記所定部を避けるよう流下するように構成する回避手段を備えることを特徴とする遊技機AB7。
遊技機AB7によれば、遊技機AB1からAB6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の正面側において遊技球が流下可能に構成され、遊技球の流下経路が被通過手段へ向けた視線を避けるようにするための回避手段を備えているので、遊技領域の大きさの確保と、被通過手段へ向けた遊技球の視認性の確保と、を両立させることができる。
なお、回避手段の影響を受けた遊技球の流下態様は、何ら限定されるものではない。例えば、被通過手段の正面位置を避けて流下するものでも良いし、被通過手段と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、被通過手段へ向かう遊技球を遊技者が確認できる最後の位置を基準として、その位置の正面位置を避けて流下するものでも良いし、上述の最後の位置と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、その他でも良い。
遊技機AB7において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、その受入状態変化手段は、前記受入状態から前記非受入状態への状態変化において、前記受入状態において受入状態変化手段に到達していた遊技球を経路構成手段側へ案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AB8。
遊技機AB8によれば、遊技機AB7の奏する効果に加え、受入状態変化手段に到達してから橋渡しされるように流下した遊技球が、被通過手段へ向けた視線を遮ることを防止することができる。
遊技機AB7又はAB8において、正面視で前記被通過手段の上方に配設され、遊技領域を区画する区画手段を備え、その区画手段は、遊技球が左右外側を流下可能に構成されることを特徴とする遊技機AB9。
遊技機AB9によれば、遊技機AB7又はAB8の奏する効果に加え、区画手段によって、被通過手段の正面位置を遊技球が流下する事態を避けることができるので、被通過手段へ向けた視界を確保し易くすることができる。
なお、区画手段の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下面を構成する板状部でも良いし、遊技球が入球可能な入球口構成手段でも良い。また、区画手段は、形状(外観)固定の手段でも良いし、形状(外観)可変の手段でも良い。
遊技機AB9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記区画手段の前記受入状態変化手段側の部分が、遊技球を前記受入状態変化手段側へ案内し易く構成されることを特徴とする遊技機AB10。
遊技機AB10によれば、遊技機AB9の奏する効果に加え、受入状態変化手段へ受け入れられる途中の遊技球を、区画手段によって受入状態変化手段へ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。これにより、受け入れられる途中の状態で横滑りした遊技球が、受入状態変化手段から逸れて被通過手段の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができる。
例えば、受入状態変化手段として、左右方向軸で傾倒変位する開閉板を備える特別入賞装置が想定され、区画手段として特別入賞装置の特別入賞口の上方に配置される第1入賞口が想定される。開閉板の閉鎖間際に特別入賞口に到達した遊技球は、しばしば、開閉板の回動先端と、開閉板に蓋をされる開口の縁部との間に挟まれ、縁部の形成方向(開閉板の回動軸方向)に横滑りする。
横滑りした後の遊技球は、開閉板の回動先端の形成範囲のいずれの位置にも到達し得るので、開閉板の少なくとも一部が被通過手段の上方に配置される場合には、横滑りした後の遊技球が正面側に落下した後で被通過手段の正面位置を通過する可能性があり、横滑りした後の遊技球を正面側に落下させるべきでは無い。
横滑りした後の遊技球の正面側への落下を回避できない場合には、被通過手段の正面視上位置を避けて開閉板を配置する必要が生じるので、開閉板の設計自由度が低下することになる。
これに対し、遊技機AB10によれば、横滑りした後の遊技球が開閉板の正面側へ落下することを回避し易くすることができ、開閉板の設計自由度を向上することができる。
遊技機AB7からAB10のいずれかにおいて、前記経路構成手段を流下する遊技球と、前記経路構成手段の正面側を流下する遊技球とが、類似の流下態様で流下するよう構成されることを特徴とする遊技機AB11。
遊技機AB11によれば、遊技機AB7からAB10のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段を流下し被通過手段を通過する可能性のある遊技球と、経路構成手段の正面側を流下し被通過手段を通過しない遊技球と、を区別し難くすることで、経路構成手段を流下する遊技球の個数を判別し難くすることができる。
換言すれば、経路構成手段に遊技球が入り易い場合と、入りにくい場合とを、経路構成手段付近を流下する遊技球から判別することを困難とすることができる。
遊技機AB1からAB11のいずれかにおいて、前記所定部を流下する球の後側から光を照射する発光手段を備えることを特徴とする遊技機AB12。
遊技機AB12によれば、遊技機AB1からAB11のいずれかの奏する効果に加え、所定部を流下する球の前側が光で反射し、球が見え難くなることを回避し易くすることができる。
<V通口への経路長さを省スペースで確保するポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、遊技球が前記被通過手段に流下可能な第1状態とその第1状態とは異なる第2状態とで切り替え可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記経路構成手段は、遊技球の上下方向の変位を遅らせる遅延手段を備え、その遅延手段により遊技球を前記被通過手段へ向けて流下可能に構成されることを特徴とする遊技機AC1。
パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口12に入球した遊技球の流下経路に左右に移動可能に構成される振分部75が配設され、振分部75の配置によって遊技球の流下方向を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2014−155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、特定領域73への誤入賞や振分部75による球かみを防止するための振分部75の短期間動作が不可欠とされており、遊技者によっては振分部75の挙動を不信と感じ、安心して遊技を継続できない場合があった。
この解決のための手段の一例として、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長くすることが想定される。例えば、振分部75の配置を、第2大入賞口12の真下から、遊技領域の左右中央部付近(第1大入賞口10付近)の位置に変えることで、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長く確保することができる。これにより、特定領域73への誤入賞の可能性を低くすることができると考えられる。
一方、この手段を実行すると、第2大入賞口12から第1大入賞口10までの広範囲に亘って遊技球の流下経路の視認性を確保する必要が生じ、この範囲において遊技領域の設計自由度が制限される。即ち、特定領域73への誤入賞を回避するために、遊技領域の設計自由度が広範囲で制限されるという問題点があった。
換言すれば、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AC1によれば、経路構成手段が所定の遅延手段を備えることから、正面視における経路構成手段の上下長さを短くし省スペースに抑えた場合でも、経路構成手段に入球した遊技球が被通過手段を通過するまでに経過する時間を長く確保することができる。
そのため、被通過手段への遊技球の入球の可否を切り替えるために状態切替手段を作動させる必要が生じるタイミングを経路構成手段への遊技球の入球から所定時間後にすることができるので、経路構成手段への入球の可否を切り替える開閉装置を短期間動作させることなく、誤入賞を回避することができる。そのため、開閉手段が慌ただしく動作しているという印象を遊技者に与えることを回避することができる。これにより、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避することができる。
なお、遅延手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、流下経路に減速用の凸部を構成する態様でも良いし、前後方向成分を有する流下経路で遊技球を流下させる所定の流下経路を備える態様でも良い。
遊技機AC1において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、背面側へ向かう流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機AC2。
遊技機AC2によれば、遊技機AC1の奏する効果に加え、所定の流下経路を流下する遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機AC1又はAC2において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、前後位置を維持して流下する流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機AC3。
遊技機AC3によれば、遊技機AC1又はAC2の奏する効果に加え、手前側を流れる遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。これにより、所定の流下経路を流下する遊技球に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機AC1からAC3のいずれかにおいて、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、所定方向視で前記被通過手段の手前に配置される手前位置を遊技球が通るように構成されることを特徴とする遊技機AC4。
遊技機AC4によれば、遊技機AC1からAC3のいずれかの奏する効果に加え、手前位置に遊技球が配置された場合に、被通過手段付近の視認性を低下させることができる。これにより、被通過手段付近の範囲に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AC4において、前記手前位置を複数個構成可能とされることを特徴とする遊技機AC5。
遊技機AC5によれば、複数の手前位置に遊技球が配置されることにより、手前側の遊技球によって奥側の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。被通過手段は奥側の遊技球よりも背面側に配置されているので、被通過手段へ向けた視界を複数の遊技球で遮ることができ、被通過手段の視認性を低下させることができる。
この場合、所定の流下経路への遊技球の入球間隔が短い場合、手前位置のいずれかに常に遊技球が配置される状態を構成可能となるので、被通過手段を視認不能な状態を構成可能となる。
遊技機AC1からAC5のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、上面視で渦を巻く態様で視認されるように形成されることを特徴とする遊技機AC6。
遊技機AC6によれば、遊技機AC1からAC5のいずれかの奏する効果に加え、同じ長さの経路構成手段を配設するために要する上下幅を短くすることができる。
また、折り返し経路が形成される場合に比較して、経路壁の厚みを薄くする必要が無いので、流路の強度を向上することができるし、180度で折り返される折り返し経路に比較して、球の詰まり等が生じる可能性を低くできる。
遊技機AC1からAC6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、前後方向に延びる前後流路部を備えることを特徴とする遊技機AC7。
遊技機AC7によれば、遊技機AC1からAC6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の左右幅を抑えられるので、左右対称で一対の経路構成手段を抑えられた左右幅で構成することができる。
遊技機AC1からAC7のいずれかにおいて、前記被通過手段は、前記経路構成手段の球受入部を基準として、斜め下後方に配置されることを特徴とする遊技機AC8。
遊技機AC8によれば、遊技機AC1からAC7のいずれかの奏する効果に加え、正面側から視認する遊技者の視界に被通過手段と経路構成手段の球受入部とを収め易くすることができる。
遊技機AC1からAC8のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球を受け入れ可能に構成される第1受入手段と、その第1受入手段とは異なる手段であって遊技球を受け入れ可能に構成される第2受入手段と、を備え、前記第1受入手段および前記第2受入手段の遊技球の受入態様により、遊技者が得られる利益が変化するように構成されることを特徴とする遊技機AC9。
遊技機AC9によれば、遊技機AC1からAC8のいずれかの奏する効果に加え、第1受入手段および第2受入手段が遊技球を常時受入可能に構成されており、更に、第1受入手段および第2受入手段の遊技球の受入態様により遊技者が得られる利益が変化するので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、遊技球の受入態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、第1受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第2受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第1受入手段に所定個数受け入れられ第2受入手段に所定個数受け入れられる態様でも良い。また、各受入手段に対する入球の頻度が異なる態様でも良いし、入球位置が異なる態様でも良い。
遊技機AC9において、遊技者が得られる利益の変化は、前記第1受入手段または前記第2受入手段の片方に限定して遊技球が受け入れられるか、前記第1受入手段および前記第2受入手段の両方に遊技球が受け入れられるかにより生じることを特徴とする遊技機AC10。
遊技機AC10によれば、遊技機AC9の奏する効果に加え、遊技者が得られる利益の大小の設定の仕方により、遊技者が、遊技球を所定の発射態様で打ち出し易いようにすることができる。
なお、遊技者が得られる利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、流下する遊技球の認識し易さでも良いし、流下する遊技球により得られる遊技に関連する利益(賞球の払い出し、大当たりの獲得、大当たり終了後の遊技状態が確変状態となること、遊技状態が通常状態になること(転落すること)等)でも良い。
遊技機AC9又はAC10において、前記経路構成手段は、第1受入手段および第2受入手段から前記被通過手段までが左右対称で構成されることを特徴とする遊技機AC11。
遊技機AC11によれば、遊技機AC9又はAC10の奏する効果に加え、左右どちらを主にして遊技球を発射しても、遊技者が不利益を被る可能性を低くすることができる。
遊技機AC9からAC11のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記受入態様は、前記受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により変化することを特徴とする遊技機AC12。
遊技機AC12によれば、遊技機AC9からAC11のいずれかの奏する効果に加え、受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により受入態様が変化するので、遊技球の発射に関する遊技者の技術の熟練度が遊技者の得られる利益に与える影響を低くすることができる。
遊技機AC12において、前記受入状態変化手段の状態変化の態様が、複数種類で構成されることを特徴とする遊技機AC13。
遊技機AC13によれば、遊技機AC12の奏する効果に加え、一定の発射態様で遊技球が発射されている場合であっても、第1受入手段および第2受入手段への遊技球の受入態様を変化させることができる。これにより、受入状態変化手段の状態変化の態様から、遊技者が得られる利益を調整することができる。
<球の流下方向と平行に移動する開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記経路構成手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記状態変化において生じる変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されることを特徴とする遊技機XA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017−185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下方向と大入賞部品300の開閉板の開閉方向とが略直角方向であり、開閉が遊技球の転動に関与することなく開閉動作が完了することから、開閉板(状態切替手段)の役割について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XA1によれば、状態切替手段の変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されるので、遊技球が状態切替手段に近接または当接している状態で状態切替手段の変位を生じさせることで、遊技球の転動態様を変化させるように影響させることができる。これにより、状態切替手段の役割を改善することができる。
例えば、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を右方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の順方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球を加速させることができる。
また、逆に、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を左方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の逆方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球の回転を遅らせることができる。
また、転動する遊技球の下端部をかすめるように状態切替手段がスライド移動すると、遊技球の転動方向のみではなく、転動方向に直交する方向の成分も有する負荷を遊技球に与えることができるので、遊技球の流下態様の変化を複雑かつ不規則に生じさせることができる。
これらの遊技球の流下態様に与える影響により、状態切替手段の開閉動作時に状態切替手段に乗っていた球の流下態様を様々に変化させることができるので、遊技球を視認する遊技者を飽きさせることなく、遊技に集中させることができる。
また、状態切替手段の開閉動作と遊技球との配置関係は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の側面と擦れる配置関係でも良いし、遊技球に流下方向で対抗して遊技球と衝突するような配置関係でも良い。
遊技球と衝突する態様で変位する状態切替手段において、閉鎖動作の方向は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下方向と対抗する方向で閉鎖動作し、遊技球を跳ね返せるように構成しても良いし、遊技球の流下方向の順方向で閉鎖動作し、それ以降の遊技球の導入を抵抗少なく規制可能に構成しても良い。
遊技機XA1において、前記状態切替手段の状態変化は、前記状態切替手段と遊技球とが当接しながら実行可能に構成されることを特徴とする遊技機XA2。
遊技機XA2によれば、遊技機XA1の奏する効果に加え、状態切替手段の状態変化によって、遊技球に回転を生じさせることができる。
遊技機XA1又はXA2において、前記状態切替手段は、前記変位の方向と交差する方向に負荷の方向を変化させる変化手段を備えることを特徴とする遊技機XA3。
遊技機XA3によれば、遊技機XA1又はXA2の奏する効果に加え、状態切替手段の変位中に遊技球から与えられる負荷を逃がすことができ、状態切替手段に与えられる負荷を低減することができる。
<開放時は第1方向へ、閉鎖時は第2方向へ球を流す開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記被通過手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記被通過手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記導入状態で遊技球を第1方向に案内可能とされ、前記非導入状態で遊技球を第2方向に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機XB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017−185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、下側可動体371は前側に張り出す状態では遊技球を右方に案内するものの、後側に退避する状態では、遊技球とは当接せず自由落下となり、案内はしない。換言すれば、遊技球の流下に下側可動体371が影響しない。そのため、後側に退避している状態では、下側可動体371以外で遊技球の流下を案内する部分(枠部等)を用意することが必要であり、遊技球の流下を案内するための構成(部材)の個数を削減するという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XB1によれば、状態切替手段が導入状態と、非導入状態とで、遊技球を異なる方向に案内するよう構成されるので、遊技球の流下経路を案内するための専用部材を不要とできるので、必要な構成(部材)の個数を削減することができる。これにより、限られたスペースで遊技球の流下方向の多様化を図ることができる。
なお、第1方向と第2方向との関係は何ら限定されるものではない。例えば、方向間の角度が鋭角でも良いし、直角でも良いし、鈍角でも良い。例えば、直角の場合において、前後方向に沿って流下する遊技球に対し、第1方向が下方、第2方向が左右方向に設定するようにしても良い。この場合、正面視において、状態切替手段に案内される前は遊技球の変位が僅かしか認められないようにしながら、状態切替手段による案内が開始された後の方向の差(違い)の最大化を図ることができる。
状態切替手段による案内の作用を生じさせる案内部の配置は何ら限定されるものではない。例えば、状態切替手段が備える可動部材に案内部が配設されても良いし、案内部は状態切替手段の周辺の非可動部に配設されており可動部材の動作によって遊技球が案内部に近接または当接し易い状態に切り替えられるように構成しても良い。
案内部が可動部材に配設される場合には、導入状態と非導入状態との状態切替が完了した後における案内に留まらず、状態を切り替える動作中において遊技球に与える影響も考慮した設計とすることが好ましい。
例えば、遊技球の流下方向に対抗する方向で変位する可動部材を状態切替手段が備える場合、流下方向と直交する平面形状の壁部を設けるよりは、流下方向と傾斜する面(平面、曲面等)形状の壁部を設ける方が、可動部材が遊技球に衝突した際に生じる負荷が、遊技球を逆流させる方向に大きくなる事態を回避し易くすることができる。これにより、遊技球の逆流を回避し易くすることができる。
遊技機XB1において、前記状態切替手段の状態変化は第3方向への変位により生じるものであり、前記第3方向は、前記第1方向および第2方向と直交することを特徴とする遊技機XB2。
遊技機XB2によれば、遊技機XB1の奏する効果に加え、案内されている遊技球から与えられる負荷により状態切替手段の動作不良が生じる可能性を低くすることができる。
遊技機XB1又はXB2において、前記経路構成手段は、左右一対の経路を備え、前記状態切替手段は、前記左右一対の経路からそれぞれ遊技球を受け入れ可能な一対の案内部を備え、それら一対の案内部において、前記第1方向および第2方向が、それぞれ左右対称に構成されることを特徴とする遊技機XB3。
遊技機XB3によれば、遊技機XB1又はXB2の奏する効果に加え、遊技球の流下する経路を複雑化することができる。また、一対の案内部において、第1方向および第2方向が、それぞれ左右対称に構成されるので、一対の案内部が遊技球から受ける負荷により状態切替手段が受ける変位を、左右で対称とすることができる。
これにより、例えば、左右一対の経路に遊技球を略同等の個数で入球させる場合等、遊技球から案内部が受ける負荷によって、状態切替手段の配置を均一化し易くすることができる。
遊技機XB3において、前記状態切替手段は、前記第3方向と交差する方向で張り出すように形成される張出部を備えることを特徴とする遊技機XB4。
遊技機XB4によれば、遊技機XB3の奏する効果に加え、張出部により他の部材との接触面積を低減することができ、状態切替手段の変位抵抗を低減することができる。
遊技機XB3又はXB4において、前記状態切替手段の導入状態または非導入状態において当接可能に構成される当接手段を備え、その当接手段との当接により、前記状態切替手段の左右方向の変位を修正可能に構成されることを特徴とする遊技機XB5。
遊技機XB5によれば、遊技機XB3又はXB4の奏する効果に加え、遊技球からの負荷を左右いずれの方向からも受け得るので、変位態様が無秩序になり易い状態切替手段の変位を、当接手段の作用により秩序的に戻すことができる。
<分離、反転、合体、回転が一連動作>
視認される面が変化するように変位可能に構成される変位手段を備え、前記変位手段は、第1変位部材と、第2変位部材と、を備え、所定態様の変位において、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが相対変位するように構成されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、ベースアーム220の先端部に配設される回動ベース214が複数回回転可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016−116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動ベース214が回転変位するものの、遊技者側に見えている面は同一なので、変位手段への注目力を維持し難いという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、変位手段の視認される面を、変位に伴い変化可能に構成されるので、変位手段への注目力を維持することができる。
また、第1変位部材と第2変位部材とが相対変位することで、変位手段の外観を変化させることができるので、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機D1において、前記所定態様の変位は、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが集合配置される集合部を基準として近接離反する第1の変位と、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが前記集合部を基準として回転動作する第2の変位と、を少なくとも含むことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1変位部材と第2変位部材との相対動作を動的に生じさせ易くすることができる。即ち、集合部を基準とした変位として、第1の変位だけでは、集合部からの距離が最短または最長となる終端部において第1変位部材と第2変位部材との変位が低減され易く、第1変位部材と第2変位部材とが止まって見えてしまい、演出効果が低くなる可能性があるところ、第2の変位を混ぜることで、終端部においても回転方向の変位を生じさせることができるので、演出効果を向上させることができる。
遊技機D1又はD2において、前記所定態様の変位は、前記変位手段の視認される面が反転する第3の変位を少なくとも含むことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、第3の変位により視認される面を反転させることで、第3の変位の前後で遊技者に視認させる装飾を顕著に異ならせることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、吸着または接着により固定可能に構成され、その固定に係る負荷は、前記第1変位部材および前記第2変位部材の変位を制限する向きで作用することを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、固定に係る負荷が第1変位部材および第2変位部材の変位を制限する向きで作用するので、固定に係る負荷を加味して、第1変位部材および第2変位部材の変位を設計することができる。
例えば、ギアに寄る駆動力伝達の場合に、形状の変形を加味しない場合には機械的に変位が生じる場合に、固定に係る負荷を加味すれば、その負荷による部材の弾性変化が顕在化することで、部材の変位タイミングの遅れを生じさせることができる。
また、固定の程度が第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して異なるよう構成しても良い。
この場合、固定による作用が視認される面に対応して異なるので、遊技者が視認される側面における固定の程度に強弱を設けることができる。
これにより、例えば、同じ変位手段の、反転された面について、一方の面は固く合体して一体的に視認させ易く、他方の面は緩く合体して相対変位し易い状態で視認させ易くすることができる。
また、例えば、第1変位部材および第2変位部材の吸着の程度が固定位置ごとに異なるよう構成することで、第1変位部材および第2変位部材の固定の程度が異なる状態を構成することができる。
なお、吸着可能にする態様は何ら限定されるものではない。例えば、粘着テープで接着する態様でも良いし、磁石と金属部との吸着力を利用するものでも良い。また、磁石に吸着する金属部として、例えば、固定用のビス、ネジ等を利用するように第1反転部材や第2反転部材を設計しても良い。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記変位手段は、正逆方向に変位可能に構成され、所定状態において、正方向へは、第1変位態様で変位し、逆方向へは、前記第1変位態様とは異なる第2変位態様で変位し、前記第2変位態様は、所定態様での変位後、前記第1変位態様で変位するよう構成されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位態様が、正逆方向で異なるように構成され、第2変位態様は第1変位態様の前に所定態様が追加された変位態様として構成されるので、変位手段を退避させる際に変位手段に必要とされる変位量を低減することができる。これにより、退避時における変位手段への注目力を低減することができるので、相対的に、演出位置で変位する変位手段の注目力を向上させることができる。
従来機では、回転の態様が正逆方向で同様なので、演出位置(液晶表示領域の正面側位置)へ張り出して演出した後で、退避位置(液晶表示領域の外方位置)へ退避するまでに逆方向に再び複数回回転する必要があった。この場合、演出位置から退避する部材に視線が集まり易くなることが問題視される可能性があった。
なお、変位態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、回転変位でも良いし、直動変位でも良い。また、変位は平面上におけるものでも良いし、複数平面にまたがるものでも良いし、3次元的なものでも良い。
遊技機D5において、前記変位手段は、動作抵抗が所定量よりも大きくなると負荷伝達を解除するように構成される解除手段を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、変位手段の変位態様の変化を、変位手段の内部の構成の動作抵抗の大小により生じさせることができる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記変位手段へ向けて光を照射する発光手段を備え、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、視認される面が一側か、他側かで、発光手段からの光の視認態様を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段からの光に関して変位手段の見え方を、第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して変化させることができる。
例えば、第1変位部材および第2変位部材が個別に発光しているように視認される場合と、第1変位部材および第2変位部材が一体的に発光しているように視認される場合とで変化させることができる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の配置を検出する検出手段を備え、前記検出手段は、前記変位手段の変位が許容可能な状態か否かを検出可能に構成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の変位を許容可能な状態を検出手段により検出可能なので、変位手段が変位中に周囲の構造部と衝突することを回避することができる。
また、検出手段により変位手段の変位可能な区間を検出しつつ、変位手段の変位を実行することができるので、ある程度、演出位置から退避位置へ向けて変位した後で拡大縮小を含む変位態様で変位するように制御することで、演出位置から退避位置に変位する際に変位開始時から拡大縮小を含む変位態様で変位する場合に比較して、変位手段に対する注目力の上昇を押さえることができる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の状態を検出する検出手段を備え、その検出手段は、前記変位手段の変位について2種類以上の数値を検出可能に構成されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D1からD7の奏する効果に加え、検出手段の配設個数を削減することができる。なお、変位手段の変位についての数値の種類としては、種々の態様が例示される。例えば、異なる可動部材のそれぞれの配置や姿勢についての数値でも良いし、所定タイミングで動作態様が変化する場合にその動作態様の変化に関与する数値でも良い。
また、検出手段の配置は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段の変位基端側に検出手段を配置することで、その変位手段の変位先端側に連結される第2変位手段の配置や姿勢を検出する構造を構成し易い。
遊技機D1からD9のいずれかにおいて、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、その第1変位部材および前記第2変位部材は遊技者側に向ける面が一側の面となる姿勢と、他側の面となる姿勢とで反転動作可能に構成され、前記第1変位部材および前記第2変位部材が一側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別可能とされる一方、前記第1変位部材および前記第2変位部材が他側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別不能に構成されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D1からD9のいずれかの奏する効果に加え、一側が遊技者側に向けられている場合の第1変位部材および第2変位部材の状態に関わらず、反転動作が生じることに対する遊技者の期待感を高く維持することができる。
<複数の被視認面を備える変位手段の配置により視認容易面を変えるポイント>
視認可能に構成される第1視認可能面および第2視認可能面を備える変位手段を備え、その変位手段は、配置に応じて、前記第1視認可能面が視認し易い第1状態と、前記第2視認可能面が視認し易い第2状態と、を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、反転可能に構成される反転動作部71を備え、視認される面を変化させることで遊技者に視認される外観を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016−153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、反転動作部71の反転は、位置が固定された状態で行われるので、視認される面の変化により遊技者の視線を変化させることはできない。即ち、遊技者の視線を効率よく変化させるという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、変位手段が、配置に応じて、第1視認可能面が視認し易い状態と、第2視認可能面が視認し易い状態とが切り替えられるので、第1視認可能面または第2視認可能面を見たいと考える遊技者の視線を、変位手段の配置変化の経路に沿う態様で変化させることができる。
遊技機E1において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記変位手段は、前記開放部側が視認され易いように構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、開放部を通して奥側を視認する遊技者が、変位手段の第1視認可能面または第2視認可能面を容易に視認できる。
遊技機E2において、前記変位手段は、開放部の中央側に配置される場合よりも、開放部の縁側に配置される場合の方が、配置が背面側に寄ることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、変位手段が開放部の中央側に配置される場合に変位手段を手前側で大きく視認可能としながら、変位手段が開放部の縁側に配置される場合に変位手段を見る際の視線の動きを少なくすることができる。これにより、変位手段の視認性と、変位手段を目で追う遊技者の疲労抑制と、の両立を図ることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記変位手段は、複数組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を備え、一の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面が視認可能な状態において、他の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を視認し難く構成することを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、第1視認可能面および第2視認可能面に、組ごとに異なる文字や図形を施しておくことで、変位手段を視認する遊技者に対して、異なる文字や図形を視認させることができ、且つ、視認させることを目的としない組の第1視認可能面および第2視認可能面に関しては視認し難く構成することで、変位手段の外観がみっともなくなることを回避することができる。
例えば、第1の組には、抽選結果が大当たりである期待感が低いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示され、第2の組には、抽選結果が大当たりである期待感が高いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示される場合に、変位手段の配置に関わらず、変位手段を通して、大当たりの期待感の高低を確認することができる。この場合において、変位手段が表示装置の表示領域の正面側から退避した後においても、変位手段による大当たりの期待感についての表示を維持できるので、液晶表示装置から目線を外した遊技者に対しても、大当たりの期待感についての表示を視認させることを継続することができる。
なお、視認し難く構成する態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者側とは異なる側の面(後側面、左右外側面、等)に配置するようにしても良いし、遮蔽手段で遮蔽することで視認性を落とすように構成しても良い。
遊技機E4において、視認される前記第1視認可能面および前記第2視認可能面の組を切り替える動作は、動作中において、前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を認識され難いよう構成されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4において、視認される第1視認可能面および第2視認可能面の組を切り替える動作中(確定前)に、遊技者側に表示される第1視認可能面および第2視認可能面の組を予測されることを回避し易くすることができる。これにより、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
なお、上述の切り替える動作中において第1視認可能面および第2視認可能面を認識され難いよう構成される態様については、何ら限定されるものではない。例えば、変位手段を高速で回転動作させ認識され難くしても良いし、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分とを結合分離可能に構成し、それら一部とその他の部分とを分離した状態で動作させることで認識され難くしても良いし、発光手段による明暗の設定により相対的に暗くする部分を作り認識され難くしても良い。
なお、この場合において、分離した状態の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、上述の切り替える動作中において、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分との一方のみが視認され、他方は視認されないように背面側を向いて動作するよう構成しても良いし、それら一部とその他の部分とが同時に視認可能であるが配置がずれて視認される状態で動作するよう構成しても良い。
遊技機E5において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記切り替える動作は、前記変位手段が前記開放部の中央側に配置されている状態で実行されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、切り替える動作を遊技者に視認させ易くすることができ、切り替える動作に対する注目力を向上させることができる。
遊技機E5又はE6において、前記切り替える動作中において、前記第1視認可能面の一部とその他の部分との、一方は正面側を向き、他方は正面側とは異なる側を向くことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、動作中において第1視認可能面の一部を視認可能とし、全体は視認不可能とすることで、動作中において第1視認可能面を認識され難くすることができる。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて、前記第2視認可能面への視線の少なくとも一部を遮蔽可能に構成される第2変位手段を備え、前記変位手段は、前記第2変位手段と共に前記第1視認可能面を視認させるための第3状態に切替可能に構成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E1からE7のいずれかの奏する効果に加え、第2変位手段により第2視認可能面の少なくとも一部を視認し難く構成することにより、変位手段の演出位置の設計自由度を向上させることができる。
遊技機E1からE8のいずれかにおいて、前記変位手段は、変位に伴って、所定方向視で視認される面を第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化させるように構成されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E1からE8のいずれかの奏する効果に加え、所定方向視で視認される面が第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化するので、遊技者の視線の変化量に依存せずに、視認し易い面を任意に変更することができる。
遊技機E9において、前記第1状態と前記第2状態とで前記変位手段の姿勢が変化することを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、第1状態における変位手段の外観と第2状態における変位手段の外観との違いを、変位手段の姿勢を違えることにより大きくすることができる。
遊技機E9又はE10において、前記変位手段に近接配置可能に構成される補助手段を備え、前記第1状態では、前記変位手段は前記補助手段に近接配置され、前記第2状態では、前記変位手段は前記補助手段から離れて配置されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E9又はE10の奏する効果に加え、補助手段を変位手段に近接配置させ、一体的に視認させる状態と、補助手段と変位手段とを分けて視認させる状態とを構成することができ、変位手段が遊技者に与える印象を複数構成することができる。
なお、補助手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、配置が固定された手段でも良いし、可動の手段でも良い。
遊技機E11において、前記補助手段は、前記変位手段と一体的に視認させる状態と、前記変位手段とは分離して視認させる状態と、を切替可能に構成されることを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E11の奏する効果に加え、変位手段と補助手段とを一体的に視認させるか分離して視認させるかを切り替えることができるので、部材個数に対する視認可能態様のバリエーションを増やすことができる。
<変位手段の変位量と配設手段の変位量との同時点での比が区間で異なるポイント>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段に第1の部分が配設される配設手段と、前記配設手段の第2の部分を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位中における前記第1の部分を基準とした前記第2の部分の配置を制御可能に構成されることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、傾倒変位可能なベースアーム220と、そのベースアーム220の傾倒先端側に回動可能に取り付けられた回動役物211と、その回動役物211を回動させるための駆動力を発生させる駆動モータ222と、を備え、ベースアーム220の変位と独立して回動役物211を回動可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016−116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動役物211がベースアーム220の先端においてぐらつき易く、ベースアーム220の傾倒変位中に回動役物211を回動させると機構に不具合が生じる可能性がある結果、回動役物211の回動変位はベースアーム220の停止中に行うと想定されることから、変位の自由度が低くなっていた。
即ち、変位可能な部分の変位の設計自由度を高くするという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、配設手段が変位手段と支持手段とに少なくとも2点で支持され、その2つの支持点が変位手段の変位中に相対変位するように構成されており、支持手段により、第1の部分を基準とする第2の部分の配置を制御可能としているので、配設手段を安定的に支持しながら、変位手段の変位中に配設手段を変位させることができる。これにより、配設手段(変位可能な部分)の変位の設計自由度を高めることができる。
なお、支持手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、固定のベース手段に形成される案内溝に変位を制限される態様で支持されても良いし、変位可能な第2の変位手段に連結されて支持されても良い。また、支持手段による制御は、電子制御に限定されるものではなく、第2の部分の変位を壁部で規制(案内)する等の機械的な制御も含まれる。
遊技機F1において、前記変位手段は、第1の区間および第2の区間を、変位可能に構成され、前記支持手段は、前記変位手段が前記第1区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第1範囲と、前記変位手段が前記第2区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第2範囲と、を備え、前記第1範囲において前記第2の部分が変位する方向と、前記第2範囲において前記第2の部分が変位する方向とが異なるよう構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、変位手段の変位速度を一定とする場合であっても、配設手段の変位速度を異ならせることができ、支持手段は、第2の部分の変位方向の変化を許容するように構成されるので、第2の部分の変位方向が不規則に変化するとしても配設手段の変位を滑らかにすることができる。
遊技機F1又はF2において、前記支持手段は、前記第2の部分の変位を制限する制限部を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)において第2の部分の変位を制限することができるので、第2の部分を変位の大きい側から小さい側へ向けて変位させる場合に、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)で第2の部分を停止し易くすることができる。
なお、第2の部分の第1の部分を基準とした変位に要する負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分が引かれる態様でも良いし、第2の部分が押進される態様でも良い。
なお、制限部の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分の変位抵抗の増減を設定する態様でも良いし、第2の部分の変位方向を切り替える態様でも良い。
遊技機F2又はF3において、前記第1の区間は、前記第2の区間よりも前記変位手段の変位範囲の終端側に配置され、前記第2の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量は、前記第1の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量に比較して小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2又はF3の奏する効果に加え、変位手段の変位途中位置において、変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量が小さくなる区間を構成することができるので、変位手段の変位終端位置の他に、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を設けることができ、結果として、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を増やすことができる。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記第1の部分の変位速度を基準とした前記第2の部分の変位速度(の比)を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位速度が一定の場合であっても、支持手段側における配設手段の第2の部分の変位速度を変化させることができるので、駆動手段の簡易な駆動制御(等速駆動)で、配設手段の変位速度を可変とするような動作演出を構成することができる。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記第2の部分の変位終端における変位速度を低減するよう構成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5の奏する効果に加え、第2の部分の跳ね戻りを防止することができ、変位終端において配設手段を早期に停止させ易くすることができる。
なお、第2の部分の跳ね戻りを防止する手法については何ら限定されるものではない。例えば、変位終端における第2の部分の変位速度(例えば、第1の部分が所定の単位長さ変位する場合の第2の部分の変位量)を低減するように構成する手法でも良いし、第1の部分が停止した状態における第2の部分の変位方向に壁を立てる等の形状的工夫により第2の部分の変位を規制するような手法でも良い。
また、第2の部分の変位量を低減する手法に限らず、第2の部分の変位抵抗を増加させるようにしても良い。例えば、第2の部分の変位終端において磁力等により負荷を与え、第2の部分の変位抵抗を向上するようにしても良いし、コイルスプリング等の付勢力で変位抵抗を向上するようにしても良い。
遊技機F6において、前記支持手段は、前記第1の部分の変位に伴う前記第2の部分の変位の変位軌跡と、前記第1の部分が変位終端で停止した場合の前記第2の部分の変位の変位軌跡とが、交差するよう構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、第1の部分の変位に伴う第2の部分の変位を案内する機能を有する支持手段により、第1の部分が停止した場合における第2の部分の戻り変位(バウンド)を低減することができる。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記配設手段に変位可能に支持される被支持手段を備え、その被支持手段は、前記変位手段を基準とした前記配設手段の相対的変位量に応じた変位量で変位するように構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかの奏する効果に加え、配設手段と共同で変位する被支持手段により、複雑な演出を実行することができる。
なお、被支持手段の変位の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、配設手段が変位する所定平面上を配設手段と並走するように変位する態様でも良いし、配設手段が変位する所定平面とは離れた位置において配設手段の変位態様(例えば、所定平面上のスライド変位態様)とは異なる変位態様(例えば、所定の軸を中心とした回転変位態様)でも良い。
なお、配設手段の変位量に係る配設手段の変位の態様については、何ら限定されるものではない。例えば、姿勢変化でも良いし、姿勢を維持したままでの変位でも良い。
遊技機F8において、前記第1の部分が所定方向に変位する間に、前記第2の部分は、前記第1の部分の変位軌跡と交差する方向に往復変位可能な区間を備えることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、第1の部分が変位している間に、第1の部分に対する第2の部分の相対変位量が戻り変化する(例えば、増加後に減少する)態様とすることができるので、第2の部分の配置は維持しながら、被支持手段の変位量は大きくするという変位態様を実現することができる。
遊技機F8又はF9において、前記配設手段を基準とした前記被支持手段の(相対)回転の変位速度は、前記変位手段の変位速度と同等となるよう構成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F8又はF9の奏する効果に加え、被支持手段の変位態様を、配設手段を挟んで変位手段と同等することができる。これにより、あたかも、被支持手段が独自の駆動手段で変位しているように遊技者に錯覚させることができる。
遊技機F1からF10のいずれかにおいて、前記配設手段は、自らの変位に伴い遊技者側に向ける面を第1面と第2面とで切り替えるように姿勢変化する姿勢変化手段を備え、その姿勢変化手段は、前記第2の部分が変位終端に配置された状態において、前記第1面または前記第2面が遊技者側に向けられる姿勢となるように構成されることを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F1からF10のいずれかの奏する効果に加え、姿勢変化手段の第1面または第2面が遊技者側に向けられることで、第2の部分が変位終端に到達したことを遊技者が把握できるので、変位手段による演出動作の終期を分かり易く構成することができる。
遊技機F1からF11のいずれかにおいて、前記第2の部分を通して前記配設手段に電気配線が挿通されるよう構成され、前記電気配線が内部に配置されると共に前記第2の部分に固定される配置手段を備え、前記配置手段は、前記電気配線を挿通可能な開口部を備え、その開口部は、周囲に形成される周囲部分との前記電気配線の接触を避けるよう変位可能に構成されることを特徴とする遊技機F12。
遊技機F12によれば、遊技機F1からF11のいずれかの奏する効果に加え、電気配線が周囲部分と接触することを避けることができる。
配置手段は、第2の部分が複数部材で構成される場合にそれら複数部材を合体させるための手段として構成しても良いし、第2の部分に別部材が配設される場合に、その別部材の第2の部分からの脱落を防止するための手段として構成しても良い。
<特徴A群>(演出ストック)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、演出を実行可能な演出実行手段と、所定条件の成立に基づいて、前記演出実行手段により演出を実行させることを決定することが可能な決定手段と、新たな演出の実行を規制することが可能な規制手段と、前記規制手段に規制されている前記新たな演出の実行が規制されている期間に、前記決定手段により決定された演出の実行に対応する情報を記憶可能な記憶手段と、特定条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶されている情報に対応した演出を前記演出実行手段により実行させることが可能な演出制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、抽選結果を示唆するための演出として、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を事前に示唆する予告演出が実行されるものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、複数の示唆演出が重複して実行されてしまうと、遊技者に分かり難い予告演出が実行されてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があり、演出効果の低下を抑制し、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、規制手段により演出の実行が規制されている期間にも、決定手段により決定された演出の実行が記憶手段に記憶されているので、規制手段により演出の実行が規制されても演出の実行回数が減少する不具合を抑制し、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A1において、前記規制手段は、前記演出実行手段に特定の演出が実行されている期間に対応して前記演出の実行を規制するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、演出実行手段により特定の演出が実行されると、新たな演出が実行されないので、特定の演出が実行されたことを遊技者に分かり易く報知できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記判別手段により判定される情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、前記判別手段により判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて判別を実行することが可能な事前判別手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記事前判別手段による判別結果に基づく前記特定の演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、事前判別手段による判別結果に基づく特定の演出が実行されている期間に新たな演出の実行が規制されるので、遊技者に判別結果を分かり易く報知できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記特典遊技が実行される場合に、遊技球が入球可能な開放状態に可変されることが可能な可変入球手段を有し、前記決定手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、演出の実行を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、可変入球手段に入球したことに基づいて演出が実行されるので、可変入球手段に入球させる意欲を増大させることができるという効果がある。
<特徴B群>(演出履歴制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出を決定することが可能な決定手段と、前記決定手段により決定された演出に対応する情報を履歴情報として記憶されることが可能な記憶手段と、を有し、前記決定手段は、前記履歴情報に基づいて前記演出を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、抽選結果を示唆するための演出として、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を事前に示唆する予告演出を複数種類実行可能とすることで演出効果を高めたものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、同一内容の示唆演出が連続して実行されてしまうと、遊技者に分かり難い予告演出が実行されてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があり、演出効果の低下を抑制し、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、履歴情報に基づいて演出が決定されるので、実行される演出の偏り等を防止することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B1において、前記記憶手段に記憶されている履歴情報の少なくとも一部に対応した演出を示すための態様を前記表示手段に表示させることが可能な態様表示手段を有するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、実行された演出の履歴を遊技者が識別することができ、次に実行され易い演出を予測し易くできるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記履歴情報が特定の履歴情報となった場合に特定演出が前記演出実行手段により実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、特定の履歴情報となった場合に、特定演出が実行されるので、実行される演出の種別に対して興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記演出実行手段により演出が実行されている期間に新たな演出の実行を規制する規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、演出が実行されている期間に新たな演出の実行が規制されることにより、演出が過剰に実行されることを抑制できるという効果がある。
<特徴C群>(演出内容管理)
遊技の制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段からの制御信号に基づいて遊技の制御を実行することが可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記第1制御手段は、第1条件の成立に基づいて第1カウンタを更新することが可能な第1カウンタ手段を有し、前記第2制御手段は、前記第1条件の成立に基づいて出力されることが可能な第1制御信号を受信した場合に成立する第2条件の成立に基づいて第2カウンタを更新する事が可能な第2カウンタ手段と、前記第2カウンタ手段のカウンタ値に基づいて情報が表示される表示手段と、前記表示手段に表示される情報に対応する数値情報を識別可能な識別手段と、その識別手段による識別結果が特定の識別結果である場合に、前記第1カウンタ手段のカウンタ値に基づいて前記表示手段に表示されている情報を更新することが可能な更新手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、抽選結果を示唆するための演出として、抽選結果を示す情報を段階的に遊技者に提供する演出を実行するものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、演出内容を設定するための制御手段と、演出結果を表示するための制御手段との間で管理する段階情報に差が生じた場合に、意図しない演出が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、第2カウンタ値に基づいて表示されている情報が特定の識別結果に対応した状態となると、第1カウンタ手段のカウンタ値に基づいて情報が更新されるので、第1カウンタ手段と第2カウンタ手段とでカウントされるカウンタ値にズレが生じた場合にも、表示手段に表示される情報を第1カウンタ手段でカウントされる値に補正することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記特定の識別結果となったことに基づいて前記情報が更新される場合に、前記第2カウンタ手段のカウンタ値が前記第1カウンタ手段のカウンタ値に対応するように更新されるものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、第1カウンタ手段と第2カウンタ手段とのカウンタ値とでズレが生じた場合にも同期するように補正することができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記第2カウンタ手段のカウンタ値に基づいて表示される情報は、前記カウンタ値の値を上限として決定されたカウンタ値に対応する情報が表示可能に構成されており、前記第2制御手段は、所定の抽選に基づいて前記表示手段に表示された情報に対して加算する回数情報を決定することが可能な回数情報決定手段と、その回数情報決定手段により決定された回数情報を加算した値に対応する情報に可変させることが可能な可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、実際の第2カウンタ手段のカウンタ値に対して分かり難くして、上乗せされて情報が可変されるので、遊技機の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴D群>(操作有効期間内にチェック期間設定)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、有効期間を設定可能な有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により設定される有効期間内に特定の期間を設定することが特定期間設定手段と、前記特定の期間内に前記操作手段が操作されたかを判別することが可能な操作判別手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記操作判別手段により前記操作されたと判別されたことに基づいて演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。抽選結果を報知するための演出として、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を事前に示唆する予告演出が実行されるものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、特定の期間に操作手段の操作を判別する期間を限定でき、制御負荷を軽減できるという効果がある。
遊技機D1において、前記特定期間設定手段は、前記特定の期間を複数設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、特定の期間が複数設定されるので、遊技者が操作する機会を多くすることができ、演出が実行されない不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機D2において、前記特定期間設定手段は、前記特定の期間を設定する間隔を第1期間で複数設定するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、均等な間隔で特定の期間が設定されることで、演出が実行された後に均等な間隔で操作手段を操作することで演出の実行頻度を高めることが可能となり、遊技者に分かり易い遊技を提供できるという効果がある。
遊技機D3において、前記第1期間は、前記操作手段を遊技者が2回操作可能な最短期間よりも長く、3回操作可能な最短期間よりも短く構成されるものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、操作手段を操作した状態を維持して操作することで演出が複数実行され易くし、操作手段を操作した状態を第1期間以下で解除して再び操作した状態を維持した場合にも演出が実行されることを維持することができるという効果がある。
<特徴E群>(ポイント数制御)
演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により特定の演出が実行された場合に特定情報を報知することが可能な報知手段と、を有した遊技機において、前記演出として数値情報が表示されることが可能な表示手段と、前記表示手段に表示される数値情報を決定することが可能な決定手段と、前記表示手段に表示された数値情報の合計に対応する情報を前記表示手段に表示させることが可能な合計情報表示手段と、前記合計値が予め定められた情報となることを規制することが可能な規制手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、演出値を複数回可変表示し、最終的に表示された演出値によって抽選結果に関する情報を報知させる予告演出が実行されるものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、演出値が可変する過程において、特定の値(例えば、当たり当選を遊技者に想起させてしまう「77」等)が表示されてしまい、遊技者に誤解を与えてしまうという問題があった。更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、合計値が予め定められた情報となることが規制手段により規制されるので、遊技者に予め定められた情報が報知されることを防止でき、遊技者に報知する情報を制限することができるという効果がある。
遊技機E1において、前記決定手段は、複数の数値情報を決定することが可能に構成され、前記遊技機は、決定手段により決定された前記複数の数値情報の組み合わせが特定の組み合わせであるかを判別可能な組み合わせ判別手段を有し、前記規制手段は、前記組み合わせ判別手段により、特定の組み合わせが決定される場合に、その決定された複数の数値情報を合計することで前記予め定めれた情報となるかを判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特定の組み合わせの数値情報が決定された場合に、規制手段が規制するかを判別するように限定することで制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記合計情報表示手段により特定の情報が表示手段に表示された場合に遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、特定の情報が表示手段に表示されることとなるように、表示される数値情報に対して期待を持たせることができ遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴F群>(特殊変動期間制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、特定の前記判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、特定条件が成立した場合に、前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間を予め定められた動的表示期間より決定させるように制御可能な決定制御手段と、前記予め定められた動的表示期間が決定される場合に、第1情報を遊技者に付与することが可能な第1情報付与手段と、その第1情報付与手段により付与される前記第1情報の種別を決定可能な第1情報種別決定手段と、を有し、前記第1情報が所定条件を満たした場合に、遊技者に有利となる情報となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機F1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。また、抽選結果を示す図柄の変動時間の長さを異ならせることで、遊技者に抽選結果を示唆可能に構成するものがあった(例えば、特開2015−39398号公報)。かかる従来型の遊技機では、決定された変動時間に対して、実行する演出の内容を複数から決定する処理を実行する必要があり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機F1によれば、特定条件が成立することで、識別情報の動的表示に対応して第1情報が付与されるので、識別情報で報知される判別結果だけでなく、付与された第1情報が所定条件を満たしたかについても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機F1において、前記特典遊技が実行された場合に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利となる第2遊技状態を設定可能な設定手段を有し、前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記第1情報が所定条件を満たすことが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第1情報が所定条件を満たすことにより、第2遊技状態が設定されていることを遊技者が識別可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1またはF2において、前記決定制御手段は、終了条件が成立するまで、前記予め定められた動的表示期間を前記動的表示期間決定手段に決定されるものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1またはF2において、終了条件が成立するまで連続して予め定められた動的表示期間が決定されることが可能となり、第1情報が付与される機会を短期間に多く付与することができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間に対応して複数の動的表示態様が設定されており、前記第1情報付与手段は、前記予め定められた動的表示期間に対応する特定の動的表示態様が実行される場合に、前記第1情報を付与するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、特定の動的表示態様が実行されることで第1情報が付与されるので、特定の動的表示態様が実行されることを期待させることができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴G群>(所定回数以上で短変動)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定することが可能な動的表示期間決定手段と、特定の前記判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として、複数の動的表示期間が設定された第1動的表示期間群と、その第1動的表示期間群よりも短い動的表示期間が決定され易く構成された第2動的表示期間群と、が少なくとも設定された動的表示期間記憶手段と、特定条件が成立した場合に、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示された回数に対応する情報をカウントすること可能なカウント手段と、前記カウント手段によりカウントが実行される期間のうち、第1カウント値以上である場合には、前記第2動的表示期間群より前記動的表示期間が決定されるようにさせることが可能な決定制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。また、抽選結果を示す図柄の変動時間の長さを異ならせることで、遊技者に抽選結果を示唆可能に構成するものがあった(例えば、特開2015−39398号公報)。かかる従来型の遊技機では、変動時間の長さに応じて様々な演出を実行するように構成しているため、所定時間以上の長さの変動時間を決定することで演出効果を高めるよう構成されていた。しかしながら、当たり当選しない期間が長時間継続した場合には、長い変動時間が決定される毎に、単位期間当たりの当たり抽選回数が減少してしまい、遊技者の遊技意欲が低下し、遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機G1によれば、カウント手段により第1カウント値以上がカウントされることで、短い動的表示期間が決定され易くでき、長期間遊技を行う遊技者に対して遊技効率を上げて可変させることができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機G1において、前記特典遊技が実行された場合に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利となる第2遊技状態を設定可能な設定手段と、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、前記設定手段により前記第2遊技状態が設定される場合には、前記第1遊技状態が設定される場合よりも前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと可変され易く設定することが可能な設定手段と、を有し、前記カウント手段は、前記第2遊技状態が設定されたことに基づいてカウントを開始するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G1によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、可変入球手段に入球し易い期間が一定期間以上となった後に、遊技効率が高くなるように切替えられるので、過剰に遊技者に有利となることを抑制できるという効果がある。
遊技機G1またはG2において、前記第2遊技状態が設定される場合に、前記判別手段により特定の前記判別結果と判別される確率が高い高確率を設定することが可能に構成され、前記カウント手段は、前記第2遊技状態が設定され、前記高確率が設定されない場合には、前記第1カウント値となったことに基づいてカウントを終了するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2に奏する効果に加え、高確率が設定されている状態で遊技効率が高く可変されるので、第1カウント値以降に特典遊技が実行される期間を短くすることができるという効果がある。
特定条件が成立した場合に、前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間を予め定められた動的表示期間より決定させるように制御可能な決定制御手段と、前記予め定められた動的表示期間が決定される場合に、第1情報を遊技者に付与することが可能な第1情報付与手段と、その第1情報付与手段により付与される前記第1情報の種別を決定可能な第1情報種別決定手段と、を有し、前記第1情報が所定条件を満たした場合に、遊技者に有利となる情報となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機G1。
<特徴H群>(演出ストック派生)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、演出を実行可能な演出実行手段と、新たな演出の実行を規制することが可能な規制手段と、その規制手段により前記新たな演出の実行を規制する規制期間を決定可能な期間決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、抽選結果を示唆するための演出として、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を事前に示唆する予告演出が実行されるものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、複数の示唆演出が重複して実行されてしまうと、遊技者に分かり難い予告演出が実行されてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があり、演出効果の低下を抑制し、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機H1によれば、規制手段により演出の実行が規制されている期間を可変することができるため、どのタイミングで演出の実行が規制されるのかを遊技者に分かり難くすることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴I群>(演出履歴制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、複数種類の演出から1の演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記1の演出を決定することが可能な決定手段と、前記決定手段により決定された前記1の演出の順序に基づいて、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、抽選結果を示唆するための演出として、抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を事前に示唆する予告演出を複数種類実行可能とすることで演出効果を高めたものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、同一内容の示唆演出が連続して実行されてしまうと、遊技者に分かり難い予告演出が実行されてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があり、演出効果の低下を抑制し、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機I1によれば、実行される演出の順序によって付与される特典を異ならせることができるため、実行される演出の過程についても遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴J群>(演出内容管理派生)
その第1制御手段からの制御信号に基づいて遊技の制御を実行することが可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記第1制御手段は、第1条件の成立に基づいて第1カウンタを更新することが可能な第1カウンタ手段と、第1期間の残期間を判別可能な期間判別手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記第1条件の成立に基づいて出力されることが可能な第1制御信号を受信した場合に成立する第2条件の成立に基づいて第2カウンタを更新する事が可能な第2カウンタ手段と、前記第2カウンタ手段のカウンタ値に基づいて情報が表示される表示手段と、前記表示手段に表示される情報に対応する数値情報を識別可能な識別手段と、その識別手段による識別結果が特定の識別結果である場合に、前記期間判別手段による判別結果に基づいて前記表示手段に表示される情報の更新態様を決定可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、抽選結果を示唆するための演出として、抽選結果を示す情報を段階的に遊技者に提供する演出を実行するものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、演出内容を設定するための制御手段と、演出結果を表示するための制御手段との間で管理する段階情報に差が生じた場合に、意図しない演出が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機J1によれば、第1期間の残期間に基づいて情報が更新されるので、第1カウンタ手段と第2カウンタ手段とでカウントされるカウンタ値にズレが生じた場合にも、表示手段に表示される情報を残期間内で適正に補正することができるという効果がある。
<特徴K群>(操作有効期間内にチェック期間設定の派生)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、有効期間を設定可能な有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により設定された前記有効期間内における前記操作手段への操作内容を示すための操作内容報知手段と、前記特定の期間内に前記操作手段が操作されたかを判別することが可能な操作判別手段と、を有し、前記操作内容報知手段は、前記有効期間内が設定されている状態で第1条件が成立した場合に、報知中の操作内容とは異なる操作内容を報知可能であることを特徴とする遊技機K1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。抽選結果を報知するための演出として、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで抽選結果が報知されるよりも前に、抽選結果を事前に示唆する予告演出が実行されるものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機K1によれば、操作内容報知手段により報知される操作内容を途中で異ならせることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴L群>(ポイント数制御の派生)
演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により特定の演出が実行された場合に特定情報を報知することが可能な報知手段と、を有した遊技機において、前記演出として数値情報が表示されることが可能な表示手段と、前記表示手段に表示される数値情報を決定することが可能な決定手段と、前記表示手段に表示された数値情報の合計に対応する情報を前記表示手段に表示させることが可能な合計情報表示手段と、第1条件が成立した場合に、前記決定手段により決定された前記数値情報を表示させる演出の実行を規制することが可能な規制手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、演出値を複数回可変表示し、最終的に表示された演出値によって抽選結果に関する情報を報知させる予告演出が実行されるものが提案されている(例えば、特許文献:特開2013−090780号公報)。しかしながら、演出値が可変する過程において、特定の値(例えば、当たり当選を遊技者に想起させてしまう「77」等)が表示されてしまい、遊技者に誤解を与えてしまうという問題があった。更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機L1によれば、合計値が予め定められた情報となることが規制手段により規制されるので、遊技者に予め定められた情報が報知されることを防止でき、遊技者に報知する情報を制限することができるという効果がある。
<特徴M群>(小当たり確定時の判別対策)
遊技球を遊技者の操作に基づいて発射することが可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段による付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別を遊技者が識別可能な報知情報を報知する報知手段と、その報知手段により前記報知情報が報知された後から所定期間以上、前記発射手段による発射が停止された場合に、前記特定入球手段への入球が困難となるようにする手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。この当たり遊技の種別は、抽選結果を図柄等で表示して報知する場合に、予め定められた報知態様で報知して遊技の公平性を保てるようにするものが知られている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技中に特定の入球口や特定領域に遊技球が入球することで、さらに当たり遊技が実行されるようにして、その後に設定される遊技状態が先に実行されている当たり遊技の種別により決定される構成とすると、遊技者に不利となる遊技状態が付与される当たり種別であるかを判別して、特定の入球口や特定領域に遊技球が入球しないように遊技を行うという遊技方法が行われることで、遊技店側の不利益が増大する虞があった。
本遊技機M1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技店側の不利益を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機M1によれば、特典種別決定手段により決定される特典の種別を示す報知情報を確認することで、特定の特典種別を付与されることを遊技者が回避しようとすると、他の特典種別である場合にも特定入球手段へと入球することが困難となるので、遊技店側の不利益を抑制できるという効果がある。
遊技機M1において、前記動的表示態様決定手段は、前記識別情報を動的表示させた後に仮停止させる疑似停止態様を組み合わせた異なる動的表示態様のうち、一の動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、疑似停止態様により仮停止されることで、識別情報の最終的な停止タイミングが分かり難くなり、特定の特典遊技が実行される場合に、特定入球手段へと遊技球を入球させることを回避する遊技方法が実行されることを抑制できるという効果がある。
遊技機M1またはM2において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別により、前記特定領域へ入球する入球率を可変させる可変制御手段を有することを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1またはM2の奏する効果に加え、実行される特典遊技の種別により特定領域へ入球する入球率を可変させることができるので、特定領域へ入球させる確率を容易に制御することができるという効果がある。
<特徴N群>(直当たり演出その2)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記第1特典遊技が実行され、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な第1特典を付与し、前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記特定領域への入球に関わらず遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段と、前記特定の判定結果を示すための前記識別情報の動的表示の開始から前記特定入球手段へ入球するまでの期間に跨がった演出を実行することが可能な演出実行手段と、を有することを特徴とする遊技機N1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技までの演出が行われるのみうであり、遊技が単調となり遊技者が早期に遊技に飽きてしまうという問題点があった。
本遊技機N1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機N1によれば、特定の判定結果を示すための識別情報が表示される場合には、その識別情報の動的表示の開始から特定領域へ入球するまでの期間で演出が実行されるので、識別情報が特定の判定結果を示すことだけでなく演出により特定領域に入球するかを期待させることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機N1において、前記演出実行手段は、複数の演出より付与される特典遊技の種別に基づいて1の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、多様な演出を実行できるという効果がある。
遊技機N1またはN2において、前記演出実行手段は、前記特定領域に予め設定された期間が経過しても遊技球が入球しない場合には、特定演出に切り替えて実行するものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1またはN2の奏する効果に加え、特定領域に入球しない場合には、特定演出に切り替えられるので、遊技者に特定領域に入球しなかったことを効果的に報知できるという効果がある。
<特徴P群>(Vアタッカー上部に遅延装置を設けてチョロ打ち対策)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段による付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別に関する情報を報知する報知手段と、前記特定入球手段へと遊技球を誘導可能な位置に前記特定入球手段へ誘導される遊技球の所定期間に対する流下量を減少させる調整手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。この当たり遊技の種別は、抽選結果を図柄等で表示して報知する場合に、予め定められた報知態様で報知して遊技の公平性を保てるようにするものが知られている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技中に特定の入球口や特定領域に遊技球が入球することで、さらに当たり遊技が実行されるようにして、その後に設定される遊技状態が先に実行されている当たり遊技の種別により決定される構成とすると、遊技者に不利となる遊技状態が付与される当たり種別であるかを判別して、特定の入球口や特定領域に遊技球が入球しないように遊技を行うという遊技方法が行われることで、遊技店側の不利益が増大する虞があった。
本遊技機P1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技店側の不利益を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機P1によれば、特定入球手段へと誘導される所定期間に対する流下量が調整手段により減少されるので、報知手段により報知された情報を判別して特定入球手段へ遊技球を入球させるか否かを打ち分けることを困難にすることができるという効果がある。
遊技機P1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される発射強度を遊技者の操作により可変可能な発射強度可変手段と、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、を有し、前記調整手段は、前記第2流路を流下する遊技球を前記特定入球手段へと入球可能な特定流路と前記特定入球手段へと入球困難となる流路とに所定の割合で振り分けるものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、第2流路を流下する遊技球のうち、特定入球手段へと誘導される遊技球の量を容易に減少させることができるという効果がある。
遊技機P1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される発射強度を遊技者の操作により可変可能な発射強度可変手段と、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、を有し、前記調整手段は、前記第2流路を流下した遊技球を所定期間以上転動させて遊技球を前記特定入球手段へと誘導される流路へと排出することが可能な転動手段を有するものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、調整手段により所定期間以上第2流路を流下した遊技球が転動させられるので、遊技者が遊技球の発射を停止させたとしても、所定期間経過することで特定入球手段へと遊技球を誘導させることができるという効果がある。
遊技機P1からP3のいずれかにおいて、前記特定の判定結果を示すための前記識別情報が停止表示されてから前記特定入球手段が入球可能となるまでの期間は、前記第2流路へと遊技球を発射してから前記調整手段をへて特定入球手段へと到達するまでの期間よりも短く構成されているものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P1からP3のいずれかの奏する効果に加え、特定入球手段へと入球させるには、遊技球を継続して発射させるようにすることが必要となり、特定の特典遊技に特定入球手段へと入球させない遊技方法を規制できるという効果がある。
<特徴Q群>(チョロ打ち対策2)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段による付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記特定入球手段へと遊技球を誘導可能な位置に前記特定入球手段へ誘導される遊技球の所定期間に対する流下量を減少させる調整手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、特定の入球口や特定領域に遊技球が入球しないように遊技を行うという遊技方法が行われることで、遊技店側の不利益が増大する虞があった。
本遊技機Q1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技店側の不利益を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機P1によれば、特定入球手段へと誘導される所定期間に対する流下量が調整手段により減少されるので、報知手段により報知された情報を判別して特定入球手段へ遊技球を入球させるか否かを打ち分けることを困難にすることができるという効果がある。
遊技機Q1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される発射強度を遊技者の操作により可変可能な発射強度可変手段と、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、を有し、前記調整手段は、前記第2流路を流下する遊技球を前記特定入球手段へと入球可能な特定流路と前記特定入球手段へと入球困難となる流路とに所定の割合で振り分けるものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、第2流路を流下する遊技球のうち、特定入球手段へと誘導される遊技球の量を容易に減少させることができるという効果がある。
遊技機Q1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される発射強度を遊技者の操作により可変可能な発射強度可変手段と、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、を有し、前記調整手段は、前記第2流路を流下した遊技球を所定期間以上転動させて遊技球を前記特定入球手段へと誘導される流路へと排出することが可能な転動手段を有するものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、調整手段により所定期間以上第2流路を流下した遊技球が転動させられるので、遊技者が遊技球の発射を停止させたとしても、所定期間経過することで特定入球手段へと遊技球を誘導させることができるという効果がある。
遊技機Q1からQ3のいずれかにおいて、前記特定の判定結果を示すための前記識別情報が停止表示されてから前記特定入球手段が入球可能となるまでの期間は、前記第2流路へと遊技球を発射してから前記調整手段をへて特定入球手段へと到達するまでの期間よりも短く構成されているものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1からQ3のいずれかの奏する効果に加え、特定入球手段へと入球させるには、遊技球を継続して発射させるようにすることが必要となり、特定の特典遊技に特定入球手段へと入球させない遊技方法を規制できるという効果がある。
<特徴R群>(小当たりと直当たりにおいてV通過までの演出)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記第1特典遊技が実行され、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な第1特典を付与し、前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記特定領域への入球に関わらず遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段と、前記特定の判定結果を示すための前記識別情報の動的表示の開始から前記特定入球手段へ入球するまでの期間に跨がった演出を実行することが可能な演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記特定の判定結果を示すための識別情報が停止表示されるよりも前に段階的に遊技球の発射方法を切り替えることを示唆する示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機R1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技までの演出が行われるのみうであり、遊技が単調となり遊技者が早期に遊技に飽きてしまうという問題点があった。
本遊技機N1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機N1によれば、特定の判定結果を示すための識別情報が表示される場合には、その識別情報の動的表示の開始から特定領域へ入球するまでの期間で演出が実行されるので、識別情報が特定の判定結果を示すことだけでなく演出により特定領域に入球するかを期待させることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機R1において、前記演出実行手段は、複数の演出より付与される特典遊技の種別に基づいて1の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、多様な演出を実行できるという効果がある。
遊技機R1またはR2において、前記演出実行手段は、前記特定領域に予め設定された期間が経過しても遊技球が入球しない場合には、特定演出に切り替えて実行するものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1またはR2の奏する効果に加え、特定領域に入球しない場合には、特定演出に切り替えられるので、遊技者に特定領域に入球しなかったことを効果的に報知できるという効果がある。
<特徴S群>(小当たりと図柄当たりとで2種制御切替)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記第1特典遊技が実行され、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な第1特典を付与し、前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記特定領域への入球に関わらず遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段と、前記特定入球手段へと入球した遊技球を前記特定領域へと誘導する誘導路を前記特定領域へと誘導可能な第1状態と前記特定領域へと誘導困難な第2状態とに切り替える切替手段と、前記第1特典遊技が実行される場合には、前記切替手段により前記誘導路が切り替えられる第1切替情報を設定し、前記第2特典遊技が実行される場合には、前記第1切替情報とは異なる第2切替情報を設定する設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機S1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりし、当たり遊技中に特定の入球口や特定領域に遊技球が入球することで、さらに当たり遊技等の特典付与が実行されるようにするものが提案されている。(例えば、特開2013−9795号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、さらに遊技の興趣向上が求められていた。
本遊技機P1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機S1によれば、第1特典遊技と第2特典遊技とで誘導路の制御方法が切り替えられるので、遊技者に異なる特定領域までの誘導態様を見せることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機S1において、前記第2切替情報により前記誘導路が切り替えられることで、前記第1状態に切り替えられるものであることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、第2切替情報により誘導路が第1状態に切り替えられるので、第2特典遊技では、特定領域に遊技球を入球させやすくでき、遊技者に第2特典遊技であっても、特定領域に入球したことにより第2特典が付与されているかのように思わせることができるという効果がある。
遊技機S1またはS2において、前記第1切替情報は、複数の異なる情報が設定されており、1の情報が所定の規則に基づいて決定されるものであることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S1またはS2の奏する効果に加え、第1切替情報を多様にすることができ、多様に誘導路の誘導状態を切り替えることができるという効果がある。
<特徴T群>(小当たりと図柄当たりとで2種切替2)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記第1特典遊技が実行され、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な第1特典を付与し、前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記特定領域への入球に関わらず遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段と、前記特定入球手段へと入球した遊技球を前記特定領域へと誘導する誘導路を前記特定領域へと誘導可能な第1状態と前記特定領域へと誘導困難な第2状態とに切り替える切替手段と、前記第1特典遊技が実行される場合には、前記切替手段により前記誘導路が切り替えられる第1切替情報を設定し、前記第2特典遊技が実行される場合には、前記第1状態に前記誘導路を切り替える第2切替情報を設定する設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機T1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりし、当たり遊技中に特定の入球口や特定領域に遊技球が入球することで、さらに当たり遊技等の特典付与が実行されるようにするものが提案されている。(例えば、特開2013−9795号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、さらに遊技の興趣向上が求められていた。
本遊技機P1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機S1によれば、第1特典遊技と第2特典遊技とで誘導路の制御方法が切り替えられるので、遊技者に異なる特定領域までの誘導態様を見せることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機T1において、前記第2切替情報により前記第1状態に切り替えられる場合と、前記第1切替情報により前記第1状態とに切り替えられる場合とでは、異なる誘導路により前記特定領域まで前記遊技球が誘導されるものである特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、異なる誘導により特定領域へと誘導されるので遊技者が早期に飽きることを抑制できるという効果がある。
遊技機T1またはT2において、前記第1切替情報は、複数の異なる情報が設定されており、1の情報が所定の規則に基づいて決定されるものであることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T1またはT2の奏する効果に加え、第1切替情報を多様にすることができ、多様に誘導路の誘導状態を切り替えることができるという効果がある。
<特徴群U>(特2入賞から特2変動までの期間の長さに基づいて演出態様を設定)
第1判別条件が成立した場合に、第1判別を実行する第1判別手段と、取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、第2判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報、又は、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示手段と、を有した遊技機において、前記動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている間は、前記第2識別情報の動的表示が開始されないものであり、所定の演出条件が成立したことに基づいて期間演出を実行する期間演出実行手段と、前記第1識別情報が動的表示されている場合において、所定の開始条件が成立してから前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別する期間判別手段と、前記期間演出実行手段により実行される前記期間演出における演出態様を、前記期間判別手段の判別結果に基づいて設定する演出態様設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機U1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、始動口を複数設け、遊技球が入球した始動口に応じて異なる抽選を実行するように構成したものがある。そして、各始動口に遊技球が入球したことに基づいて実行される当否抽選の結果を示唆する示唆演出を実行するものがある(例えば、特開2015−13075号公報)。このような遊技機は、一方の始動口への遊技球の入球に基づいて当否抽選が実行されている最中に、他方の始動口に遊技球が入球した場合に、実行中の当否抽選が終了するまでは、新たな当否抽選が実行されないようにすることで、遊技者に過度に当否抽選を実行させないようにすることができるものであった。
しかしながら、一方の始動口に遊技球が入球してから、その入球に基づく当否抽選(示唆演出)が実行されるまでの期間は、他方の始動口への遊技球の入球に基づいて実行される当否抽選の状況に応じて異なるため、例えば、始動口に遊技球が入球してから、その入球に基づいて実行される当否抽選の抽選結果を示すための示唆演出が実行されるまでの期間が長くなると、遊技者に対してどの入球に基づく示唆演出が実行されているのかが分かり難くなり、示唆演出の演出効果が低下してしまい、遊技意欲が低下するという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる演出を提供することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機U1によれば、所定の開始条件が成立してから第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間の長さに基づいて、期間演出実行手段により実行される期間演出の演出態様を設定することができるため、第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間が異なったとしても、遊技者に対して違和感を与えることの無い期間演出を実行することができる。よって、第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間が長い場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機U1において、前記第1識別情報の動的表示期間の残動的表示期間を判別する残期間判別手段を有し、前記期間判別手段は、前記残期間判別手段により判別された前記残期間に基づいて前記期間を判別するものであることを特徴とする遊技機U2。
遊技機U2によれば、遊技機U1の奏する効果に加え、期間判別手段が実行中の第1識別情報の残動的表示期間に基づいて、所定の開始条件が成立してから第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別することができるため、その判別結果の精度を高めることができる。よって、実際の遊技内容に沿った期間演出を実行することができ、演出効果を高めることができるいという効果がある。
遊技機U1またはU2において、前記所定の開始条件は、前記取得手段が前記取得情報を取得した場合に成立するものであり、前記期間判別手段は、前記所定の開始条件が成立してから、当該開始条件が成立した前記取得情報に基づく前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの前記期間を判別するものであることを特徴とする遊技機U3。
遊技機U3によれば、遊技機U1またはU2の奏する効果に加え、取得情報を取得してから、当該取得情報に基づいて第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間が期間判別手段によって判別されるため、その判別結果の精度を高めることができる。よって、実際の遊技内容に沿った期間演出を実行することができ、演出効果を高めることができるいという効果がある。
遊技機U3において、前記期間演出実行手段は、少なくとも、前記取得手段が前記取得情報を取得してから、当該取得情報に基づく前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を含む演出期間にて前記期間演出を実行するものであることを特徴とする遊技機U4。
遊技機U4によれば、遊技機U3の奏する効果に加え、期間演出が実行される演出期間として、少なくとも取得手段が取得情報を取得してから、当該取得情報に基づく第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を設定することができるため、実際の遊技状況に対応させた期間に、実際の遊技状況に対応させた演出態様を設定することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機U1またはU2において、所定の実行条件が成立した場合に、前記取得条件が成立し易い特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段を有し、前記期間判別手段は、前記特定遊技実行手段により前記特定遊技が実行されてから前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別するものであり、前記期間演出実行手段は、少なくとも、前記所定の実行条件が成立してから、当該取得情報に基づく前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を含む演出期間にて前記期間演出を実行するものであることを特徴とする遊技機U5。
遊技機U5によれば、遊技機U1またはU2の奏する効果に加え、取得条件が成立する前の時点で、第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別することが可能となるため、期間判別手段の判別結果に基づいてより長い期間の演出態様を設定することができる。よって、期間演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機U5において、前記特定遊技実行手段により前記特定遊技が実行される場合に、前記第1識別情報が動的表示されているかを判別可能な動的表示判別手段と、前記動的表示判別手段により前記第1識別情報が動的表示されていないと判別した場合に、前記期間判別手段とは異なる第2期間の判別を実行する第2期間判別手段と、を有し、前記第2期間判別手段は、前記第1識別情報が動的表示されている状態において、前記取得情報を取得してから、当該取得情報に基づく前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別するものであることを特徴とする遊技機U6。
遊技機U6によれば、遊技機U5の奏する効果に加え、期間判別手段により判別が実行され得るタイミングで第1識別情報が動的表示されていない場合に、そのタイミングとは異なるタイミングで第2期間判別手段の判別を実行させることができる。よって、所定の開始条件が成立してから第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を複数のタイミングで判別することができるため、実際の遊技内容に沿った期間演出を実行し易くすることができるという効果がある。
遊技機U1からU6の何れかにおいて、前記期間演出実行手段は、前記期間演出として、所定の第1期間に実行される第1期間演出と、前記第1期間よりも後に実行される前記第2期間演出に実行される第2期間演出と、を少なくとも実行するものであり、前記演出態様設定手段は、前記第2期間演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機U7。
遊技機U7によれば、遊技機U1からU6の何れかの奏する効果に加え、期間判別手段の判別結果に関わらず、共通の第1期間演出を実行することができるため、遊技者に違和感を与えること無く期間演出を実行することができるという効果がある。
遊技機U7において、前記演出態様設定手段は、前記期間判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に、前記第2期間演出の演出態様として、前記第1期間演出の演出態様の一部を設定するものであることを特徴とする遊技機U8。
遊技機U8によれば、遊技機U7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2期間演出の演出態様として、第1期間演出の演出態様を設定することができるため、遊技者に対して第1期間演出が実行されているのか第2期間演出が実行されているのかを分かり難くすることができる。よって、期間判別手段によって第2期間が長いと判別された場合であっても、遊技者に違和感を与えること無く期間演出を実行することができるという効果がある。
<特徴群V>(所定条件が成立している場合に、普図ロング開放示唆演出を実行)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に、遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、判定条件が成立した場合に判定を実行する判定手段と、その判定条件による判定の結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、を有した遊技機において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている期間中に所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記識別情報が特定の表示態様で停止表示されたことに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変させる特定遊技を所定期間実行可能な特定遊技実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、所定の演出条件が成立した場合に、前記識別情報が前記特定の表示態様で停止表示されることを示すための演出を実行するものであることを特徴とする遊技機V1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が第1抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、始動口に可動部材を設け、始動ゲートを遊技球が通過した場合に実行される第2抽選で当たりに当選した場合に、可動部材を可動させることで、始動口に遊技球が入球し易くするものがある。加えて、第2抽選の抽選結果を遊技者に示唆するための示唆演出を実行するように構成したものがある。(例えば、特開2015−13075号公報)。このような遊技機では、示唆演出によって第2抽選の抽選結果を示唆することができるため、遊技者に対して始動口に遊技球を入球させ易くなることを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、示唆演出が実行されることにより、遊技者が遊技球の発射を停止し、その示唆演出の演出結果に基づいて遊技を再開する演出態様が当たり当選である可能性が高い演出態様である場合には、その示唆演出が終了するまで遊技を停止し、可動部材が可動するタイミングに合わせて遊技を再開したり、示唆演出の演出態様が外れである可能性が高い演出態様である場合には、その示唆演出が終了するまで遊技を一方の始動口に遊技球が入球してから、その入球に基づく当否抽選(示唆演出)が実行されるまでの期間は、他方の始動口への遊技球の入球に基づいて実行される当否抽選の状況に応じて異なるため、例えば、始動口に遊技球が入球してから、その入球に基づいて実行される当否抽選の抽選結果を示すための示唆演出が実行されるまでの期間が長くなると、遊技者に対してどの入球に基づく示唆演出が実行されているのかが分かり難くなり、示唆演出の演出効果が低下してしまい、遊技意欲が低下するという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる演出を提供することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機V1によれば、所定の演出条件が成立した場合に、演出実行手段により実行される演出にて特定遊技実行手段により特定遊技が実行されることを報知することができる。よって、遊技者に対して演出条件を成立させるための遊技を意欲的に行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V1において、前記特定遊技実行手段により実行される前記特定遊技の種別として、遊技者に有利となる第1特定遊技に対応する第1種別と、その第1特定遊技よりも不利となる第2特定遊技に対応する第2種別と、を設定可能な遊技種別設定手段を有し、前記演出実行手段は、前記遊技種別設定手段により前記第1種別が設定される場合に前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機V2。
遊技機V2によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、遊技者に有利となる第1特定遊技が実行される場合に、演出実行手段による演出が実行されるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機V1またはV2において、前記演出条件の成立の有無を判別可能な条件判別手段と、前記判別手段により実行される前記判別の結果を示すための特定識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、を有し、前記条件判別手段は、前記動的表示手段により前記特定識別情報が動的表示されている場合に前記演出条件が成立していると判別するものであることを特徴とする遊技機V3。
遊技機V3によれば、特定識別情報が動的表示されている場合に演出条件を成立させることができるため、遊技者に対して特定識別情報を動的表示させる遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
遊技機V3において、前記判別手段により前記判別が実行されたことを示す実行情報を保持可能な情報保持手段と、その情報保持手段により保持されている前記実行情報が有効条件を満たしているかを判別する有効条件判別手段と、を有し、前記条件判別手段は、前記有効条件判別手段により前記有効条件を満たしていると判別された場合も、前記演出条件が成立していると判別するものであることを特徴とする遊技機V4。
遊技機V4によれば、遊技機V3の奏する効果に加え、特定識別情報が動的表示されていなくても、その実行情報が有効条件を満たしている間は、演出条件を成立させることができるため、特定識別情報を動的表示させる遊技を行っているにも関わらず、特定識別情報が動的表示されていないタイミングが発生したとしても、演出実行手段による演出を実行させることが可能となる。よって、意欲的に遊技を行っている遊技者に対して安定して演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V3またはV4の何れかにおいて、取得条件が成立した場合に取得情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、を有し、前記判定手段は、前記判定条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報に基づいて前記判定を行うものであり、前記条件判別手段は、前記取得手段が前記取得情報を取得したことに基づいて第1条件判別を実行し、前記判定手段により前記判定が実行されることに基づいて第2条件判別を実行するものであり、前記演出実行手段は、前記第1条件判別の結果、或いは前記第2条件判別の結果の何れかにおいて前記演出条件が成立していると判別された場合に、前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機V5。
遊技機V5によれば、遊技機V3またはV4の奏する効果に加え、条件判別手段により複数のタイミングで演出条件の成立を判別することができるため、意欲的に遊技を行っている遊技者に対して安定して演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V1またはV5において、前記演出実行手段は、前記演出として、前記可変入球手段が前記第1状態となるタイミングを報知するタイミング報知演出を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機V6。
遊技機V6によれば、遊技機V1またはV5の奏する効果に加え、演出実行手段により実行される演出によって、判定手段の判定結果だけでは無く、可変入球手段が第1状態となるタイミングも遊技者に報知されることになるため、演出実行手段による演出が実行されるよう意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V6において、前記演出実行手段は、前記演出条件が成立していない場合に、前記可変入球手段が前記第1状態になるタイミングとは異なるタイミングを報知する擬似タイミング報知演出を実行可能となるものであることを特徴とする遊技機V7。
遊技機V7によれば、遊技機V6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出条件が成立していない場合は、可変入球手段が前記第1状態となるタイミングとは異なるタイミングが報知されるため、演出条件を成立させること無く、判定条件のみを成立させる遊技を行う遊技者に不利な遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機V1からV7の何れかにおいて、前記判定条件は、前記演出条件よりも成立し易いものであることを特徴とする遊技機V8。
遊技機V8によれば、遊技機V1からV7の何れかの奏する効果に加え、判定条件のほうが演出条件よりも成立し易いものであるため、演出条件を成立させるためにより意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴群W>(時短中の小当たり当選演出にて時短中の振分割合よりも高確率で有利小当たり当選を報知)
取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が、第1判別結果である場合に遊技者に有利となる第1特典遊技を実行し、前記第1判別結果とは異なる第2判別結果である場合に前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段により実行される前記第1特典遊技または前記第2特典遊技の終了後に第1遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記記憶手段に記憶された前記取得情報を、当該取得情報に基づく前記判別が実行されるまでに事前判別する事前判別手段と、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されることを示すための示唆演出を、前記第1遊技状態中に実行可能な演出実行手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で所定の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定するものであり、前記演出実行手段は、前記所定の終了条件が成立した後に前記判別が実行される前記取得情報に対応する前記事前判別の結果に基づいて前記示唆演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機W1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が第1抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、有利度合いの異なる複数の特典遊技を実行可能に構成し、複数の遊技状態を設定可能に構成し、設定されている遊技状態に応じて、特典遊技の選択割合を異ならせるものがある。(例えば、特開2015−13075号公報)。また、近年の遊技機では、遊技の健全化を図るために、遊技者に有利な遊技状態(例えば、時短状態や確変状態)が大当たり遊技終了後に設定される割合(所謂、継続率)を低く(例えば、65%以下)設定することにより遊技の射幸性を抑えるものがある。
このような遊技機では、例えば、遊技者に有利な有利遊技状態が設定されている状態で当たり(例えば、大当たり、小当たり)に当選したとしても、その当たり遊技終了後に再度、有利遊技状態が設定される割合が抑えられてしまうため、有利遊技状態中における当たり報知演出に期待感を抱かせることが困難になり遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制しすることで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機W1によれば、第1遊技状態中に実行される示唆演出により、事前判別の結果に基づいて第1特典遊技、または、第1特典遊技よりも有利な第2特典遊技が実行されることが示唆される。そして、第2遊技状態が設定された後に実行される判別手段の判別結果に対応する事前判別結果に基づいて示唆演出を実行させることができるため、第1遊技状態中に特典遊技が実行されることを示唆し易くすることができる。よって、遊技者に対して示唆演出が実行されることに対して期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W1において、前記演出実行手段は、前記所定の終了条件が成立した後に前記判別が実行される前記取得情報に対応する前記事前判別の結果が、前記第2判別結果を示すための前記事前判別結果となる場合のほうが、前記第1判別結果を示すための前記事前判別結果となる場合よりも前記示唆演出を実行し易いものであることを特徴とする遊技機W1。
遊技機W2によれば、第1遊技状態の終了条件が成立したことに基づいて第2遊技状態が設定された後に判別が実行される取得情報に対応する事前判別結果が第2判別結果を示す場合のほうが、第1判別結果を示す場合より演出実行手段による示唆演出が実行され易くなる。これにより、第1遊技状態中に示唆演出が実行された場合において、第1遊技状態中に実行される判別手段の判別結果に加え、第2遊技状態が設定された後に実行される判別手段の判別結果に対応する事前判別結果に基づいて示唆演出を実行する構成において、第1示唆演出が実行された場合における第2特典遊技が実行される割合を高めることができる。よって、遊技者に対して示唆演出が実行されることに対して期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W2において、前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果となる割合と、前記第2判別結果となる割合と、を設定可能な割合設定手段を有し、前記割合設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている場合よりも、前記第2遊技状態が設定されている場合のほうが、前記第2判別結果となる割合が多くなるように設定するものであることを特徴とする遊技機W3。
遊技機W3によれば、遊技機W1の奏する効果に加え、第1遊技状態中よりも、第2遊技状態中のほうが、第2判別結果となり易くすることができる。これにより、第1示唆演出が実行された場合における第2特典遊技が実行される割合を高めることができる。よって、遊技者に対して示唆演出が実行されることに対して期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W1からW3のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記事前判別手段により前記事前判別が行われた前記取得情報に対応する前記判別が実行されるまでの期間を演出期間として前記示唆演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機W4。
W4によれば、遊技機W1からW3のいずれかの奏する効果に加え、事前判別された取得情報に対応する判別が実行されるまでの期間を演出期間として示唆演出が実行されるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴X群>(時短状態から通常状態へと移行する条件が成立する場合に、通常状態で特図2変動を多く実行させるための報知を時短状態中に実行)
取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記取得手段が前記取得情報を取得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも取得し難い第2遊技状態と、設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、少なくとも、前記第1遊技状態が設定されている状態で所定の移行条件が成立した場合に、前記第2遊技状態を設定するものであり、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報の数を判別可能な記憶数判別手段と、前記第1遊技状態が設定されている状態において前記記憶数判別手段の判別結果に基づく報知態様を設定可能な報知態様設定手段と、その報知態様設定手段により設定された前記報知態様で報知動作を実行可能な報知実行手段と、を有し、前記報知態様設定手段は、少なくとも前記第1遊技状態の特定タイミングにおける前記記憶数判別手段の判別結果に基づいて前記報知態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、有利度合いの異なる複数の特典遊技を実行可能に構成し、複数の遊技状態を設定可能に構成し、設定されている遊技状態に応じて、特典遊技の選択割合を異ならせるものがある。(例えば、特開2015−13075号公報)。また、このような遊技機において、特定の遊技状態が設定されている場合に、他の遊技状態が設定されている場合よりも入球し易くなる特定始動口を設け、その特定始動口に遊技球が入球したことに基づく抽選が実行された場合に、他の始動口に遊技球が入球した場合よりも、有利度合いの高い特典遊技が実行され易くなるように構成し、さらに、特定始動口に遊技球が入球したことに基づいて実行される抽選の権利を、所定数を上限に保留記憶可能に構成したものがある。このように構成された遊技機では、特定の遊技状態が設定されている場合に、特定始動口に遊技球が入球したことに基づいて実行される抽選を遊技者に効率良く実行させることができるため、特定の遊技状態が設定されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、特定の遊技状態の終了条件が成立すると、特定始動口に遊技球が入球したことに基づいて実行される抽選が行われ難くなるため、特定の遊技状態の終了が近づくにつれ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機X1によれば、報知実行手段により実行される報知の態様を、第1遊技状態の特定期間における記憶手段に記憶された取得情報の記憶数に応じて設定することができる。よって、報知実行手段により様々な態様の報知動作が実行されるように、取得情報の記憶数を可変させるための遊技を遊技者に行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機X1において、前記報知実行手段は、前記第1遊技状態中に前記取得情報を取得させることを示唆する取得示唆報知を実行するものであり、前記報知態様設定手段は、前記記憶数判別手段により、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報が所定数以下であると判別された場合に前記取得示唆報知に対応する報知態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X2。
遊技機X2によれば、遊技機X1の奏する効果に加え、第1遊技状態における特定期間にて記憶手段に記憶されている取得情報の数が所定数以下である場合に取得示唆報知が実行されるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。また、第1遊技状態における特定期間にて記憶手段に記憶されている取得情報の数が所定数よりも多い場合、例えば、記憶手段に上限数の取得情報が記憶されている場合には取得示唆報知が実行されないように構成することができるため、報知実行手段により実行される報知の内容に対して遊技者が困惑してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機X1またはX2において、前記第1遊技状態が設定されている状態において前記判別手段により実行された前記判別の回数を計測する判別回数計測手段と、その判別回数計測手段による計測結果に基づいて、前記移行条件が成立するかを判別する移行条件判別手段と、を有し、前記報知実行手段は、前記移行条件判別手段により前記移行条件が成立すると判別されてから前記移行条件が成立するまでの特定期間内で前記報知演出を実行するものであることを特徴とする遊技機X3。
遊技機X3によれば、遊技機X2の奏する効果に加え、次の効果を奏するものである。即ち、移行条件が成立すると判別された後に報知演出が実行されるため、遊技者に対して限られた期間内に取得情報を取得させるための遊技を行わせることになる。よって、第1遊技状態が設定されている最後の期間まで遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機X3において、前記特定期間として、少なくとも、第1期間と、その第1期間よりも後に設定される第2期間と、を設定可能な期間設定手段を有し、前記報知実行手段は、少なくとも、前記第1期間において、前記報知演出を実行するものであり、前記第1期間の終了タイミングにおける前記記憶数判別手段の判別結果に基づいて、前記第2期間中に実行される第2期間演出の演出態様を設定する期間演出態様設定手段と、その期間演出態様設定手段により設定された前記演出態様で前記第2期間演出を実行する第2期間演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機X4。
遊技機X4によれば、遊技機X3の奏する効果に加え、報知演出が実行された後における前記記憶手段に記憶されている取得情報の数に基づいて第2期間演出の演出態様を設定することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機X4において、前記第1期間が設定された時点における前記記憶手段に記憶されている前記取得情報の数と、前記第1期間が終了した時点における前記記憶手段に記憶されている前記取得情報の数と、に基づいて、前記第1期間中に前記記憶手段に記憶された前記取得情報の数を判別可能な増加数判別手段を有し、前記期間演出態様設定手段は、前記増加数判別手段の判別結果に基づいて前記演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X5。
遊技機X5によれば、遊技機X4の奏する効果に加え、第1期間中に記憶された取得情報の数に基づいて第2期間演出の演出態様が設定されるため、第1期間が設定される時点の取得情報の記憶数を遊技者が調整することにより、第1期間中に記憶された取得情報の数を可変させることで、第2期間演出の演出態様を異ならせることが可能となる。よって、遊技者が実行する遊技内容に応じて異なる演出を実行させることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機X4またはX5において、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報を、当該取得情報に基づく前記判別が実行されるまでに事前に判別する事前判別手段を有し、前記期間演出態様設定手段は、前記事前判別手段の判別結果に基づいて前記演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X6。
遊技機X6によれば、遊技機X5の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている取得情報の事前判別結果に基づいて第2期間演出の演出態様を設定することができるため、遊技者に対して第2期間演出により興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機X6において、前記第2期間演出実行手段は、実行中の前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果以外の場合であって、前記事前判別手段の判別結果が特定の判別結果を示すものである場合には、前記特定の判別結果である前記取得情報に基づく前記判別手段の判別結果が報知されるまでの間、前記第2期間演出を実行するものであることを特徴とする遊技機X7。
遊技機X7によれば、遊技機X6の奏する効果に加え、事前判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合に、その事前判別に対応する識別情報が停止表示されるまで演出実行手段による演出が実行される。よって、第2期間中に実行される演出に対して遊技者を注視させることができるという効果がある。
遊技機X7において、前記演出態様設定手段は、前記事前判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを、実行中の前記動的表示が停止表示されるまでに示唆する示唆演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X8。
遊技機X8によれば、遊技機X7の奏する効果に加え、実行中の動的表示が停止表示されるまでに、示唆演出態様によって事前判別手段の判別結果が特定の判別結果であることが示唆されるため、遊技者に対して、どの判別が特定の判別結果となったのかを分かり難くすることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴Y群>(複数の時短終了条件を設定し、成立した時短終了条件に応じて異なる特典を付与)
所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による前記判別が実行され易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記判別が実行され難い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、少なくとも、前記第1遊技状態が設定されている状態で所定の移行条件が成立したことに基づいて、前記第2遊技状態を設定するものであり、前記移行条件として、第1移行条件と、その第1移行条件とは異なる第2移行条件と、を設定可能な移行条件設定手段と、その移行条件設定手段により設定された前記移行条件が成立したことに基づいて遊技者に有利となる所定の特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記第1移行条件が成立した場合に第1特典を付与し、前記第2移行条件が成立した場合に前記第1特典とは異なる第2特典を付与するものであることを特徴とする遊技機Y1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が第1抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、始動口に可動部材を設け、始動ゲートを遊技球が通過した場合に実行される第2抽選で当たりに当選した場合に、可動部材を可動させることで、始動口に遊技球が入球し易くするものがある。(例えば、特開2015−13075号公報)。加えて、上記遊技機では、特定の遊技状態が設定されている場合に、他の遊技状態が設定されている場合よりも、第2抽選の変動期間を短く設定することで、特定の遊技状態が設定されている期間中に第2抽選をより多く実行させるように構成している。
しかしながら、特定の遊技状態中において設定される第2抽選の変動期間が一定であるため、特定の遊技状態中における遊技が単調になってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機Y1によれば、取得情報を取得し易い第1遊技状態が設定された場合において、第1遊技状態から第2遊技状態へと移行させる複数の移行条件のうち、成立した移行条件によって異なる特典を付与することができる。よって、第1遊技状態が設定されたにも関わらず、特典を得ること無く第1遊技状態が終了してしまう事態を発生させ難くすることができるため、遊技者に対して第1遊技状態を設定させるための遊技を意欲的に行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Y1において、前記移行条件設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段の判別回数が所定回数に到達したことに基づいて成立する条件を、前記第1移行条件として設定するものであることを特徴とする遊技機Y2。
遊技機Y2によれば、遊技機Y1の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定される期間中に実行される判別手段の判別回数に制限を設定することができるため、遊技者に過度な特典が付与されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機Y1またはY2において、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難な第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、所定の実行条件が成立した場合に、前記可変入球手段を前記第1状態へと所定期間可変可能な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、を有し、前記判別手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記判別を実行するものであり、前記遊技状態設定手段により設定される前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも前記特定遊技が実行され易い遊技状態であることを特徴とする遊技機Y3。
遊技機Y3において、前記特典付与手段は、前記第1移行条件が成立した場合に付与される前記第1特典として、前記第1遊技状態よりも前記特定遊技が実行され易い遊技状態を付与するものであることを特徴とする遊技機Y4。
遊技機Y4において、判定条件が成立した場合に判定を実行可能な判定手段と、その判定手段により実行される前記判定の結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間を設定可能な動的表示期間設定手段と、を有し、前記所定の実行条件は、前記識別情報が特定の表示態様で停止表示された場合に成立するものであり、前記動的表示期間設定手段は、前記第1特典が付与されている場合にほうが、前記第1特典が付与されていない場合よりも短い動的表示期間を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機Y5。
遊技機Y1またはY5において、前記移行条件設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段の判別結果が、前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果となる回数が所定回数に到達したことに基づいて成立する条件を、前記第2移行条件として設定するものであることを特徴とする遊技機Y6。
遊技機Y6によれば、遊技機Y1またはY2の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定される期間中に実行される判別手段の判別結果に応じて第1遊技状態が第2遊技状態へと移行されるため、第1遊技状態が継続する期間を不定にすることができる。よって、遊技者に対して第1遊技状態が長期間継続することを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)

Claims (3)

  1. 判別を実行可能な判別手段と、
    その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、
    前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、
    演出を実行可能な演出実行手段と、
    その演出実行手段により実行される演出を決定することが可能な決定手段と、
    前記決定手段により決定された演出に対応する情報を履歴情報として記憶されることが可能な記憶手段と、を有し、
    前記決定手段は、前記履歴情報に基づいて前記演出を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記記憶手段に記憶されている履歴情報の少なくとも一部に対応した演出を示すための態様を前記表示手段に表示させることが可能な態様表示手段を有するものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記履歴情報が特定の履歴情報となった場合に特定演出が前記演出実行手段により実行可能に構成されているものであることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
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