JP2020106070A - Pendulum-type torsional vibration reduction device - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、転動体(慣性質量体)の往復運動あるいは振り子運動によって捩り振動を低減させる装置に関するものである。 The present invention relates to a device for reducing torsional vibration by reciprocating motion or pendulum motion of a rolling element (inertial mass body).
この種の装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された装置は、トルクが伝達されて回転する回転体と、前記回転体の円周方向に並んで形成された収容室と、前記収容室に挿入されかつ回転体に保持された複数の転動体とを備え、回転体に作用するトルクが変動することにより転動体が収容室の内部(転動面)を往復動し、その往復動によって前記トルクの変動を低減するように構成されている。また、前記回転体は、その回転体の回転方向に分割された複数の分割体によって構成され、その分割体同士によって前記収容室が形成されている。なお、転動体は、回転体の板厚より僅かに長い支持軸と、その支持軸の両端に支持軸の外径より大きい円板部(フランジ部)とから構成され、すなわち断面形状が「H」形をなすように構成されている。
An apparatus of this type is described in
特許文献2には、特許文献1と同様に転動体の往復動によってトルクの変動を低減するように構成された捩り振動低減装置が記載されている。また、この特許文献2に記載された装置における転動体は、第1部材と第2部材との分割体から構成されている。具体的には特許文献1と同様、断面形状が「H」形をなすように構成され、支持軸部とフランジ部との交点を接合箇所として分割するように構成されている。
上述したように、特許文献1および特許文献2に記載された装置では、転動体の断面形状が「H」形をなすように構成され、それにより左右両端のフランジ部が回転体の両側面に接触するように引っ掛かるので、転動体が収容室から軸線方向に抜け出ることを抑制することができる。また、そのような転動体を回転体に組み付ける(すなわち収容室に収容する)には、回転体と転動体との少なくとも一方を分割体によって構成する必要がある。そこで、特許文献1の装置では回転体を回転方向で分割し、また特許文献2の装置では転動体を支持軸部とフランジ部とで分割するように構成されている。しかしながら、回転体を回転方向で分割し、その分割体で収容室を形成すると、分割した面の一部は、転動体が往復動する転動面となるから、その分割した面(あるいは箇所)での摺動や摩耗が増大し、転動体の動作が設計通りの動作とならないおそれがある。つまり、転動体の動作が狙った動作とならず、ひいては装置の減衰性能が低下するおそれがある。また、同様に転動体を分割体により構成すると、転動体の分割部分(前記接合箇所)が転動面上を往復動することになるから上記の同様の課題が生じる。したがって、このような装置において、転動体の動作を狙った動作となるように構成するには、未だ改善の余地があった。
As described above, in the devices described in
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、転動体の動作が妨げられることを抑制しつつ、装置の減衰性能が低下することをも抑制可能な振り子式捩り振動低減装置を提供することを目的とするものである。 The present invention has been made in view of the above technical problem, and a pendulum type torsional vibration reduction device capable of suppressing the deterioration of the damping performance of the device while suppressing the hindrance of the operation of the rolling elements. It is intended to provide.
上記の目的を達成するために、この発明は、トルクが伝達されて回転する回転体と、前記回転体に円周方向に並んで形成された複数の転動室と、前記複数の転動室に挿入した状態で前記回転体に保持された複数の転動体とを備え、前記回転体に作用するトルクが変動することにより前記転動体が前記転動室の内部における転動面を往復動し、前記転動体の往復動によって前記トルクの変動を低減するように構成された振り子式捩り振動低減装置において、前記回転体は、前記転動面が形成されかつ前記転動室の内壁面のうち前記回転体の半径方向で外側の内壁面を構成するアウタープレートと、前記半径方向で前記アウタープレートの内側に配置されかつ前記転動室の内壁面のうち前記半径方向で内側の内壁面を構成するインナープレートとから構成され、前記アウタープレートと前記インナープレートとは、前記転動室の両端側で接合されるように構成され、前記転動体は、軸部と、前記軸部の両端部に形成された一対のフランジ部とを有し、前記軸部と前記フランジ部とが一体成形により構成されていることを特徴とするものである。 In order to achieve the above object, the present invention provides a rotating body that is rotated by transmitting torque, a plurality of rolling chambers formed side by side in the rotating body in the circumferential direction, and the plurality of rolling chambers. A plurality of rolling elements held by the rotating body in a state of being inserted into the rotating body, and the rolling element reciprocates on a rolling surface inside the rolling chamber due to fluctuation of torque acting on the rotating body. In the pendulum type torsional vibration reduction device configured to reduce the fluctuation of the torque by the reciprocating motion of the rolling element, the rotating body is formed with the rolling surface and is among the inner wall surfaces of the rolling chamber. An outer plate that forms an outer inner wall surface in the radial direction of the rotating body, and an inner inner wall surface that is arranged inside the outer plate in the radial direction and that is the inner wall surface inside the rolling chamber in the radial direction. And an inner plate, the outer plate and the inner plate are configured to be joined at both end sides of the rolling chamber, and the rolling element has a shaft portion and both end portions of the shaft portion. It has a pair of flange parts formed, and the shaft part and the flange part are constituted by integral molding.
この発明によれば、回転体が半径方向で分割されたアウタープレートとインナープレートとから構成されている。具体的には、アウタープレートは転動体が収容される転動室の内壁面のうち前記回転体の半径方向で外側の内壁面を構成し、インナープレートは前記半径方向で前記アウタープレートの内側に配置されかつ前記転動室の内壁面のうち前記半径方向で内側の内壁面を構成する。また、アウタープレートの前記内壁面は転動体が転動する転動面とされている。そして、アウタープレートとインナープレートとは、転動室の両端側で接合するように構成されている。つまり、アウタープレートとインナープレートとは、転動面を形成しない位置で接合されるように構成されている。言い換えれば、転動体が転動する箇所にその接合部分が干渉しないように構成されている。 According to the present invention, the rotating body is composed of the outer plate and the inner plate which are divided in the radial direction. Specifically, the outer plate constitutes an inner wall surface on the outer side in the radial direction of the rotating body among the inner wall surfaces of the rolling chamber in which the rolling elements are housed, and the inner plate is arranged on the inner side of the outer plate in the radial direction. Of the inner wall surfaces of the rolling chamber arranged, the inner wall surface of the inner side in the radial direction is formed. The inner wall surface of the outer plate is a rolling surface on which the rolling elements roll. Then, the outer plate and the inner plate are configured to be joined at both ends of the rolling chamber. That is, the outer plate and the inner plate are configured to be joined at a position where the rolling surface is not formed. In other words, the joint portion does not interfere with the rolling point of the rolling element.
そのため、例えば前掲の特許文献1の構成のように転動体が回転体の分割面上を往復運動することがないから、転動体の軌跡が狙った通りにならないことを抑制もしくは回避できる。また、この発明によれば、転動体は一体成形により構成されているから、例えば前掲の特許文献2のように転動体の分割面が転動面に接触することがないので、その接触による摺動や摩擦が低減され、その結果、転動体の動作が妨げられることを抑制できる。さらに、そのように転動体の動作を狙った動作とすることができることにより、振り子式捩り振動低減装置の減衰性能が低下することを抑制もしくは回避できる。そして、上述したように転動体が一体成形により構成されているから、従来知られている分割体で転動体を製造する場合に比べて製造コスト、製造精度、ならびに、耐久性を向上させることができる。
Therefore, the rolling element does not reciprocate on the divided surface of the rotating body as in the configuration of
つぎに、この発明の実施形態を図を参照しつつ説明する。この発明の実施形態における振り子式捩り振動低減装置1は、例えば車両においてエンジンから変速機に伝達されるトルクの変動(捩り振動)を振子マスの往復動(振り子運動)によって低減する装置であり、トルクが伝達される回転体に振子マス(転動体)が保持されている。なお、転動体は、各転動室にそれぞれ収容され、その転動室は回転体の円周方向で少なくとも二つ以上形成される。なお、図1に示す例では、その転動室が前記円周方向で所定の間隔を空けて八つ形成されている。なお、図1では図面を簡単にするために、一つの転動体のみを配置して示している。以下、この振り子式捩り振動低減装置1の構成について具体的に説明する。
Next, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. A pendulum type torsional
図1は、この発明の実施形態における振り子式捩り振動低減装置の一例を示す正面図であって、また図2は図1のII-II線に沿う断面図である。回転体2は、環状の板状の部材であり、アウタープレート2aとインナープレート2bとから構成されている。つまり、この発明の実施形態では、回転体2はアウタープレート2aとインナープレート2bとの二つの分割片によって構成されている。そのアウタープレート2aは、図1に示すように、リング状に形成されていて回転軸(図示せず)にトルク伝達可能に接続されている。アウタープレート2aの内周面は、転動体3が遠心力で押し付けられる転動面4とされている。
FIG. 1 is a front view showing an example of a pendulum type torsional vibration reduction device according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a sectional view taken along line II-II of FIG. The rotating
また、互いに隣接する転動面4同士の間の部分(言い換えれば転動面4の両端)はアウタープレート2aとインナープレート2bとの接合部5となっており、接合部5を限度としてアウタープレート2aの円周方向に転動体3が移動する。なお、転動面4は、上述したように転動体3が押し付けられるため、アウタープレート2aは要求される強度や質量などを満たすように、予め定めた剛性や強度を有する金属材料によって形成される。また、上述した構成のアウタープレート2aは一例として打ち抜き加工などによって形成される。
Further, a portion between the
一方、インナープレート2bは、アウタープレート2aの内周側に、半径方向内側への転動体3の移動を抑制するように配置されている。図1に示す例では、前記転動面4に対応(あるいは対向)する部分が凹となる形状(以下、凹部と記す)とされ、前記転動面4の形状に倣って形成されている。そして、アウタープレート2aにおける転動面4とその転動面4に対応するインナープレート2bの外周面である前記凹部とによって、転動体3が収容される転動室(収容室あるいはガイド孔とも称される)6が形成されている。そして、その転動室6の両端が上述した接合部5とされ、すなわちアウタープレート2aとインナープレート2bとが分割される境界部分とされている。つまり、回転体2と転動体3とが接触する部分は、接合部分や分割面とならないように構成され、言い換えれば、転動面4に干渉しない部分が接合部5とされている。なお、この接合部5およびその接合部5と接触する転動室6の縁(枠)は、摩耗等を考慮して強度あるいは硬度が高くなるように構成されている。また、この接合部5は、圧入等による組み付けが可能なようにオス・メスの形状となるように構成されている。
On the other hand, the
また、その転動室6は、内部に配置された転動体3が所定の範囲で往復移動(もしくは振り子運動)できる適宜の形状および大きさに形成されており、より具体的には、回転体2の円周方向に長く、かつ長さ方向の中央部が、回転体2の半径方向で外側に凸となる円弧状の長孔として回転体2を板厚方向に貫通して形成されている。その円弧の曲率中心は、回転体2の中心から外周側に外れた箇所に設定されており、したがって円弧の曲率中心は、転動室6が設けられている箇所の半径(回転体2の中心からの半径)より小さくなっている。なお、転動室6の形状は、上述したような円周方向に長いいわゆる長孔形状の他、単純な円形であってもよい。また、上記の転動室6は、上述したように回転体2の円周方向に所定の間隔を空けて複数形成される。
Further, the rolling
そして、その転動室6の内壁面のうち回転体2の半径方向で外側の内壁面(すなわちアウタープレート2aの内周側)は、転動体3を回転体2のトルクの変動、すなわち捩り振動によって振り子運動させる転動面4とされている。その転動面4の形状は、前記回転中心からその転動面4までの寸法(すなわちアウタープレート2aにおける半径)より小さい半径の円弧面もしくは円弧面に近似した曲面である。したがって、転動面4は、回転体2の外周面の曲率より大きい曲率で、かつ回転体2の半径方向で外側に凸となる曲面(円弧面)となっている。なお、図2の例では、転動体3が転動面4に押し付けられた状態を示している。
Then, among the inner wall surfaces of the rolling
転動体3は、回転体2のトルクが変動した場合に慣性力で振り子運動を行う慣性質量体であって、上述した転動面4に沿って転動するように、軸長の短い円柱状もしくは円盤状など、円形断面に形成された部材である。特に、この発明における実施形態では、その転動体3は、図2に示すように断面形状がいわゆる「H」形をなすように構成されている。
The rolling
より具体的に説明すると、転動体3は図2に示すように、円柱状もしくは円筒状の軸部7と上述した「H」形のフランジ部分のフランジ部8とを備え、軸部7の外周面9が遠心力によって転動面4に押し付けられる。軸部7の軸長は、回転体2の板厚(軸線方向における長さ)より長く、かつ転動室6から突出して形成され、またその軸部7の外径は、転動体3が転動室6の内壁面に滑り接触することなく転動面4上を転動(移動)できるように半径方向における転動室6の開口幅における最も狭い箇所の寸法より僅かに小さくなるように構成されている。したがって、転動体3の軸部7の外周面9と転動室6の内壁面との間には隙間あるいはいわゆるガタが存在している。なお、この軸部7の外周面9が転動面4に接触する部分であり、その外周面9が遠心力によって転動面4に押し付けられる。そして、軸部7の両端部に軸部7より大径の円板状の一対のフランジ部8が設けられている。また、図3は図2の破線部における拡大図であって、軸部7の外周面9と各フランジ部8とによって区画された転動体3の全周に亘る空間部分が溝部10とされている。またその溝部10の軸長αは、転動体3と回転体2とを組み付けを考慮した所定の軸長とされ、また同様にフランジ部8の内面11と回転体2とが成す傾斜面の角度も組み付けを考慮した傾斜角とされている。なお、この傾斜面の角度は、大きい程、減衰性能が向上することが実験やシミュレーション等により把握されている。
More specifically, as shown in FIG. 2, the rolling
このような構成であれば、左右両端の大径のフランジ部8が回転体2の両側面に接触するように引っ掛かるので、転動体3が転動室6から軸線方向に抜け出ることを抑制することができる。なお、上述した構成の転動体3は、一体成形であって、すなわち軸部7と各フランジ部8とが分割面を有さない一体構造とされ、例えば円柱状のワークを切削加工することによって形成することができる。
With such a configuration, since the large-
なお、上述したインナープレート2bは、半径方向で内側への転動体3の移動を抑制するものであるため、転動体3が押し付けられるなどの荷重は特には作用しない。そのため、上記のアウタープレート2aに要求される強度や剛性よりも低い強度や剛性の金属材料によって形成することができる。また、インナープレート2bはアウタープレート2aと同様に、打ち抜き加工などによって形成することができる。
In addition, since the above-mentioned
また、図2に示す符号12は、各転動体3を緩く保持して各転動体3同士の前記回転体2の円周方向における間隔を所定の間隔に維持するためのリテーナ(連結部材)である。そのリテーナ12は、例えば回転体2を挟んで両面側に配置された一対のリング状部材によって構成される。なお、図1では、そのリテーナ12は図示せず省略している。
また、この発明の実施形態における振動を低減させる作用は、回転体2のトルクの変動に起因する回転体2における回転方向での振動と、それに伴う転動体3の慣性トルクとによって生じるから、転動体3は可及的に円滑に振り子運動することが好ましい。そのため、図2に示すように、転動体3の振り子運動が、例えば流体伝動装置やトルクコンバータのオイルによって阻害されないようにするために、転動体3およびリテーナ12、ならびに、その振り子運動を行う領域が液密状態に密閉されている。すなわち、図2に示すように回転体2の半径方向で中間部から外周端に到る部分がケーシング13によって液密状態に覆われている。
Further, the action of reducing the vibration in the embodiment of the present invention is caused by the vibration in the rotating direction of the
具体的には、このケーシング13は、第1ケース部材14と第2ケース部材15とによって構成され、全体として断面が矩形状とされている。各ケース部材14,15は左右に膨らんでいる中央部分で、転動体3、ならびに、その転動体3が振り子運動する領域に接触しないように覆っている。各ケース部材14,15の外周側の部分は一方の端部が分割面とされ、また、第1ケース部材14の外周側の端部は、回転体2の外周端面を覆って第2ケース部材15側に延びている。そして、各ケース部材14,15の外周端同士が溶接などの適宜の接合手段によって接合されて一体化されている。
Specifically, the
このように、この発明の実施形態では、回転体2が半径方向で分割されたアウタープレート2aとインナープレート2bとから構成されている。具体的には、アウタープレート2aの内周面(すなわち転動室6の半径方向外側での内壁面)が転動体3が往復動する転動面4とされ、そのアウタープレート2aと半径方向内側で転動室の内壁面をインナープレート2bが構成している。また、そのアウタープレート2aとインナープレート2bとが接合される箇所である接合部5が各転動室6の両端側に配置されるように構成されている。すなわち接合部5は、転動体3が転動する箇所に干渉しないように構成されている。そのため、例えば前掲の特許文献1の構成のように転動体3が回転体2の分割面上を往復運動することがないから、転動体3の軌跡が狙った通りにならないことを抑制もしくは回避できる。また、転動体3は、この発明の実施形態では、接合部分を有さない一体成形とされているから、例えば前掲の特許文献2のように転動体の分割面が転動面4に接触することがないので、その接触による摺動や摩擦が低減され、その結果、転動体の動作が妨げられることを抑制できる。さらに、そのように転動体3の動作を狙った動作とすることができることにより、振り子式捩り振動低減装置1の減衰性能が低下することを抑制もしくは回避できる。そして、上述したように転動体3が一体成形であるから、従来知られている分割体で製造する場合に比べて製造コスト、製造精度、ならびに、耐久性を向上させることができる。
As described above, in the embodiment of the present invention, the
つぎに、上述した振り子式捩り振動低減装置の製造方法について説明する。図4は、この発明の実施形態に係る振り子式捩り振動低減装置の製造方法(あるいは組み付け方法)を説明する模式図である。図4に示す製造方法では、予め形成しておいた上記構成のアウタープレート2aと、インナープレート2bと、転動体3とを用意する。そして、図4(a)に示すように、台座やテーブルなどの所定の固定部に固定された支持部16にアウタープレート2aを配置する。支持部16はアウタープレート2aの内周部に転動体3を組み付ける場合に、アウタープレート2aを固定するものである。そのため、支持部16は主としてアウタープレート2aの外周部に接触し、当該外周部を固定するように構成されており、アウタープレート2aの内周部のうち、特に転動面4が形成されている部分はいわゆるフリーな状態となっている。上述した固定のための手段は適宜、選択することができ、例えば、図示しないクランプによってアウタープレート2aの外周部の少なくとも一部を挟みつけ、あるいは、支持部16に押し付けて固定する。
Next, a method of manufacturing the above-described pendulum type torsional vibration reduction device will be described. FIG. 4 is a schematic diagram for explaining a manufacturing method (or an assembling method) of the pendulum type torsional vibration reduction device according to the embodiment of the present invention. In the manufacturing method shown in FIG. 4, the
また、図4(a)に示すように、アウタープレート2aの半径方向で支持部16の内側に、上下移動機構17が設けられている。上下移動機構17はインナープレート2bを上下動可能に支持するものであって、円筒状あるいは円柱状の可動部18を備え、可動部18は例えば、ばね、空気式、あるいは、油圧式のシリンダーなどによって上下動可能に構成されている。可動部18の上端面が、インナープレート2bが載置される載置面19となっている。当該載置面19と支持部16の上端面とは、図4(a)に示すように、インナープレート2bの軸線方向に互いにずれており、図4の上下方向で支持部16の上端面より上側に載置面19が位置している。そのため、支持部16にアウタープレート2aを配置し、載置面19にインナープレート2bを配置すると、前記軸線方向における各プレート2a,2bの位置あるいは高さが互いにずれ、アウタープレート2aより上側にインナープレート2bが位置する。載置面19の外径はインナープレート2bの外径より小さく設定されており、具体的には、インナープレート2bの外周部のうち、特に転動面4に対応する部分である上述した凹部がいわゆるフリーな状態になるように構成されている。また、可動部18の外周面に、載置面19に対して傾斜した状態で転動体3を配置する傾斜面20が形成されている。
Further, as shown in FIG. 4A, a
上記の傾斜面20は、アウタープレート2aとインナープレート2bとの間に転動体3を組み付けやすくするものであり、したがって、可動部18の外周面における転動面4に対応する箇所に設けられている。あるいは、可動部18の周囲の全周に亘ってテーパー状に形成されている。傾斜面20は、要は、軸線方向にずらして配置したアウタープレート2aとインナープレート2bとの間に、斜めに傾斜した状態で転動体3を配置するように構成されていればよい。そして、図4(a)に示すように、傾斜面20に転動体3を配置し、また、傾斜面20に配置された転動体3の溝部10にアウタープレート2aの内周部の少なくとも一部を配置する。すなわち、アウタープレート2aの内周部の少なくとも一部に、転動体3のフランジ部8における溝部10側の側面を引っ掛ける。
The
ついで、載置面19に載置したインナープレート2bに、図4(b)に示すように、押し付け治具21を接触させ、当該押し付け治具21によってインナープレート2bを上下移動機構17側に押圧する。押し付け治具21はインナープレート2bを押圧する荷重つまり押圧力をインナープレート2bに作用させるときに、特定の箇所に押圧力が集中して作用することを抑制するものである。そのため、押し付け治具21におけるインナープレート2bとの接触面は、可及的に大きい面積に設定されている。ここに示す例では、前記接触面の面積は載置面19とほぼ同じ面積に設定されている。なお、インナープレート2bは、所定のアクチュエーターによって上下移動機構17側に押し込んでもよく、あるいは、手動によって押し込んでもよい。
Next, as shown in FIG. 4B, a
上下移動機構17側にインナープレート2bを押圧すると、インナープレート2bは上下移動機構17と共に、図4の上下方向で下側に移動する。また、転動体3は傾斜面20に配置されているため、上述した傾斜した状態を維持しながら上下移動機構17と共に移動する。また図4(b)に示す工程では、転動体3のフランジ部8の外周面にインナープレート2bの外周部が接触しているため、押し付け治具21によって上記のようにインナープレート2bを押圧すると、インナープレート2bに押圧力に応じた変形が生じる。具体的には、インナープレート2bの外周部に対して内側部分が窪むようにインナープレート2bが撓み変形する。
When the
そして、上述したように、インナープレート2bが撓み変形すると、インナープレート2bの外周部が半径方向で内側に変位する。その結果、転動体3のフランジ部8の外周面とインナープレート2bの外周部との接触が解除され、転動体3の溝部10にインナープレート2bの外周部が入り込む(図4(c))。こうしてアウタープレート2aとインナープレート2bとによって形成される転動室6内に転動体3が組み付けられ、いわゆる振子ASSY22が形成される。また、転動室6内に転動体3が組み付けられることにより、インナープレート2bを撓み変形させていた荷重がなくなるため、インナープレート2bは復元する。そして、押し付け治具21を取り外して前記押圧力を解除あるいは解放すると、上下移動機構17は上下方向で上側に移動し、それによって上記の振子ASSY22が上昇する。なお、転動体3は各プレート2a,2bに組み付けられているから、図4(c)に示すように、傾斜面20から離隔する。そして、図示しないものの、リテーナ12、および、各ケース部材14,15を組み付け、各ケース部材14,15の接触部分を溶接するなどによって振り子式捩り振動低減装置1を構成する。
Then, as described above, when the
このように、上述した製造方法によれば、アウタープレート2aに向けてインナープレート2bを押し込むと、インナープレート2bが撓み変形することによって、転動体3の溝部10にインナープレート2bの外周部が入り込む。つまり、各プレート2a,2bによって構成される転動室6に転動体3を組み付けることができる。また、この一回の組み付け操作によって複数の転動体3を組み付けることができる。そのため、全体として製造に係る工数を削減したり、組み付け工程を簡素化したりすることができ、いわゆる作業性を向上することができる。また、転動体3の溝部10の軸長α、ならびに、フランジ部8の内面11と回転体2との傾斜角が組み付けを考慮した形状とされているから、特に転動室6におけるガタを増大させることを要さず、そのため、そのガタにおける異音の発生を抑制できる。
As described above, according to the manufacturing method described above, when the
1…振り子式捩り振動低減装置、 2…回転体、 2a…アウタープレート、 2b…インナープレート、 3…転動体、 4…転動面、 5…接合部、 6…転動室、 7…軸部、8…フランジ部、 9…外周面、 10…溝部、 11…フランジ部の内面、 12…リテーナ、 13…ケーシング、 14,15…ケース部材、 16…支持部、 17…上下移動機構、 18…可動部、 19…載置面、 20…傾斜面、 21…押し付け治具、 22…振子ASSY。
DESCRIPTION OF
Claims (1)
前記回転体は、前記転動面が形成されかつ前記転動室の内壁面のうち前記回転体の半径方向で外側の内壁面を構成するアウタープレートと、前記半径方向で前記アウタープレートの内側に配置されかつ前記転動室の内壁面のうち前記半径方向で内側の内壁面を構成するインナープレートとから構成され、
前記アウタープレートと前記インナープレートとは、前記転動室の両端側で接合されるように構成され、
前記転動体は、軸部と、前記軸部の両端部に形成された一対のフランジ部とを有し、前記軸部と前記フランジ部とが一体成形により構成されている
ことを特徴とする振り子式捩り振動低減装置。 A rotating body that transmits torque and rotates, a plurality of rolling chambers formed side by side in the circumferential direction on the rotating body, and a plurality of rolling bodies held by the rotating body while being inserted into the plurality of rolling chambers. Of the rolling element, the rolling element reciprocates on the rolling surface inside the rolling chamber by varying the torque acting on the rolling element, and the fluctuation of the torque is reciprocated by the reciprocating movement of the rolling element. In a pendulum type torsional vibration reduction device configured to reduce,
The rotating body has an outer plate that forms the rolling surface and constitutes an inner wall surface of the rolling chamber on the outer side in the radial direction of the rolling body, and an inner plate of the outer plate in the radial direction. And an inner plate that constitutes an inner inner wall surface in the radial direction of the inner wall surface of the rolling chamber,
The outer plate and the inner plate are configured to be joined at both ends of the rolling chamber,
The rolling element has a shaft portion and a pair of flange portions formed at both end portions of the shaft portion, and the shaft portion and the flange portion are integrally formed so as to form a pendulum. Type torsional vibration reduction device.
Priority Applications (1)
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JP2018244067A JP2020106070A (en) | 2018-12-27 | 2018-12-27 | Pendulum-type torsional vibration reduction device |
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ID=71450680
Family Applications (1)
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