[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[パチンコ遊技機1の構成]
パチンコ遊技機1の概観について図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の概観を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の概観を示す正面図である。また、図3は、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の概観を示す分解斜視図である。また、図4は、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の遊技盤40の正面図である。
パチンコ遊技機1は、図1から図3に示すように、ガラスドア10、発射装置18、ベースドア30、遊技盤40、木枠60、画像を表示する液晶表示装置50、払出ユニット70、基板ユニット72等から構成されている。
ガラスドア10は、ベースドア30に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア10の中央には、開口11が形成されており、その開口11には、透過性を有する保護ガラス12が配設されている。この保護ガラス12は、ガラスドア10が閉鎖された状態で遊技盤40の前面に対面するように配設されている。
また、ガラスドア10には、開口11の下方に、皿ユニット13と、スピーカ14と、演出ボタン16とが設けられている。皿ユニット13は、上皿131と、上皿131の下方に位置された下皿132とを一体化したユニット体である。上皿131及び下皿132には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口が形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿131には、後述する遊技領域41に発射させるための遊技球が貯留される。また、スピーカ14は、下皿132の内部に配設されている。
発射装置18は、ベースドア30の右下部に配設される。この発射装置18は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル19と、皿ユニット13の右下部に適合するパネル体22とを備えている。発射ハンドル19は、回動自在であり、パネル体22の表側に設けられる。パネル体22は、ベースドア30に、皿ユニット13及び発射装置18を配設したとき、皿ユニット13の右下部と一体化する。そして、遊技者によって発射ハンドル19が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。
パネル体22の裏側には遊技球を発射するための発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。更に、発射ハンドル19の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。発射ハンドル19の内部には、発射ハンドル19の回動量に応じて抵抗値を変化させ、発射ソレノイド(図示せず)に供給する電力を変化させる発射ボリュームが設けられている。
タッチセンサ(図示せず)が遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル19が握持されたと検知される。発射ハンドル19が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ボリューム(図示せず)の抵抗値が変化し、この時の抵抗値に対応する電力が発射ソレノイド(図示せず)に供給される。その結果、上皿131に貯留された遊技球が遊技盤40の後述する遊技領域41に順次発射され、遊技が進められる。なお、発射停止ボタン(図示せず)が押下された場合には、発射ハンドル19を握持しかつ回動させた状態であっても遊技球の発射が停止される。
ベースドア30は、木枠60に対して開閉自在に軸着されている。ベースドア30には、保護ガラス12の後方に、遊技盤40が配設されている。
図4に示すように、遊技盤40は、板形状の樹脂によって形成され、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質で形成されている。また、遊技盤40は、その前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域41と、遊技領域41の上方に配置されたLEDユニット42と、遊技領域41の最下部に配設されたアウト口43と、を有している。
遊技盤40には、遊技領域41を画定する円弧形状のガイドレール411が設けられ、この遊技領域41に複数の遊技釘412が打ちこまれている。また、遊技盤40には、遊技領域41において、ステージ413、第1始動口414a、第2始動口414b、普通電動役物415、球通過検出器416、シャッタ417、大入賞口418及び一般入賞口419a、419b、419c、419d等の遊技部材が配設されている。
ガイドレール411は、外レール411aと、その外レール411aの内側に配設された内レール411bとから構成されている。ステージ413は、遊技領域41の中心より上方に配設されている。
発射装置18(図1等参照)により発射された遊技球は、ガイドレール411に案内されて、遊技領域41の上部に移動し、遊技釘412やステージ413等への衝突により、その進行方向を変えながら遊技領域41の下方に向かって流下する。遊技者は、例えば、ステージ413の左側に遊技球を打ち込み、遊技球をステージ413の左側を流下させる系統(所謂、左打ち)と、発射装置18の発射ハンドル19(図1等参照)を右側に最大に回転させて、ステージ413の右側に遊技球を打ち込み、遊技球をステージ413の右側を流下する系統(所謂、右打ち)と、を選択してパチンコ遊技を進める。
第1始動口414aは、ステージ413の下方に配置されており、遊技領域41の中央より下方に位置付けられている。第1始動口414a内には、入賞領域が設けられている。この入賞領域には、第1始動口入賞球センサ116a(図5参照)が備えられている。第2始動口414bは、ステージ413の右側に配設されている普通電動役物415の内部に設けられている。第2始動口414b内には、入賞領域が設けられている。この入賞領域には、第2始動口入賞球センサ116b(図5参照)が備えられている。普通電動役物415は、開閉可能な羽根部材415aを備えている。羽根部材415aが開いた状態においては、羽根部材415aに乗った遊技球が第2始動口414bに向かって移動する。羽根部材415aが閉じた状態においては、遊技球が第2始動口414bに入球することが不可能である。つまり、第2始動口414bは、普通電動役物415の羽根部材415aが開いた状態の時に入賞可能であり、羽根部材が閉じた状態の時には入賞が困難となる。
球通過検出器416は、ステージ413の左側に配設されている。球通過検出器416内には球通過検出センサ115(図5参照)が備えられている。
シャッタ417は、ステージ413の下方において、遊技領域41の中央より右方に配設されている。シャッタ417は、開放状態又は閉鎖状態に駆動可能に構成されている。大入賞口418は、シャッタ417の背面側(後方)に配設されている。大入賞口418は、シャッタ417が開放状態の時に入賞可能であり、シャッタ417が閉鎖状態の時には入賞が不可能となる。なお、大入賞口418とシャッタ417は、本実施形態で示す位置に限定されるものではなく、遊技領域41の任意の位置に配設することができ、配設位置に応じて入賞難度が異なってもよい。また、本実施形態では、大入賞口として、大入賞口418の1つの大入賞口を設けているが、大入賞口の数は1つに限定されるものではなく、大入賞口は2つであってもよい。また、複数の大入賞口の組み合わせによって入賞難度が異なるように、大入賞口を配設することも可能である。
LEDユニット42には、特別図柄表示装置421、ラウンド数表示装置422、第1特別図柄保留表示装置423a、第2特別図柄保留表示装置423b、普通図柄表示装置424、普通図柄保留表示装置425が配設されている。
特別図柄表示装置421は、7セグメントLEDによって構成され、この7セグメントLEDにより示される特別図柄(識別図柄とも言う)を、所定の変動表示開始条件の成立後、7セグメントLEDの点灯・消灯の繰り返しにより変動表示し、停止表示する。特別図柄表示装置421は、第1特別図柄表示装置421aと第2特別図柄表示装置421bとを有し、第1特別図柄表示装置421aは、第1始動口414aに遊技球が入賞し、この遊技球が第1始動口入賞球センサ116a(図5参照)により検出されると、特別図柄を変動表示し、所定時間経過後、特別図柄を所定の停止表示態様で停止表示する。第2特別図柄表示装置421bは、第2始動口414bに遊技球が入賞し、この遊技球が第2始動口入賞球センサ116b(図5参照)により検出されると、特別図柄を変動表示し、所定時間経過後、特別図柄を所定の停止表示態様で停止表示する。このように、特別図柄表示装置421は、識別図柄を変動又は停止表示する表示手段として機能する。
ラウンド数表示装置422は、7セグメントLEDによって構成され、後述する大当り遊技状態におけるラウンドゲームのラウンド数を表示する。
第1特別図柄保留表示装置423aは、4つの表示用ランプで構成され、第1始動口414aに入賞したことを契機とする、特別図柄表示装置421における変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を点灯、消灯又は点滅によって表示する。
第2特別図柄保留表示装置423bは、4つの表示用ランプで構成され、第2始動口414bに入賞したことを契機とする、特別図柄表示装置421における変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を点灯、消灯又は点滅によって表示する。具体的には、第1特別図柄保留表示装置423a及び第2特別図柄保留表示装置423bは、例えば、特別図柄表示装置421における変動表示の実行回数が1回分保留されている場合には1つの表示用ランプが点灯し、特別図柄表示装置421における変動表示の実行回数が2回分保留されている場合には2つの表示用ランプが点灯する。
普通図柄表示装置424は、2つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプより示される普通図柄を、所定の変動表示開始条件の成立後、表示用ランプの点灯・消灯を交互に繰り返すにより変動表示し、停止表示する。具体的には、普通図柄表示装置424は、球通過検出器416を遊技球が通過し、この遊技球が球通過検出センサ115(図5参照)により検出されると、普通図柄を変動表示し、所定時間経過後、普通図柄を所定の停止表示態様で停止表示する。
普通図柄保留表示装置425は、4つの表示用ランプで構成され、球通過検出器416を遊技球が通過したことを契機とする、普通図柄表示装置424における変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を点灯、消灯又は点滅によって表示する。具体的には、普通図柄保留表示装置425は、例えば、普通図柄表示装置424における変動表示の実行回数が1回分保留されている場合には1つの表示用ランプが点灯し、普通図柄表示装置424における変動表示の実行回数が2回分保留されている場合には2つの表示用ランプが点灯する。
図3に戻って、液晶表示装置50は、表示手段の一例であり、遊技盤40の後方(背面側)に配設され、図4に示すように、その表示領域51が遊技盤40の中央より上方に配設されている。表示領域51には、演出用の識別図柄である導出図柄、演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。なお、本実施形態において、表示手段の一例として、液晶表示装置50を記載したが、本発明はこれに限定されない。表示手段は、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプ等であってもよい。
払出ユニット70は、後述する払出装置71(図5参照)を備え、図4に示す、第1始動口414a、第2始動口414b、一般入賞口419a〜419d、大入賞口418に遊技球が入賞したときに、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球を上皿131又は下皿132に払い出す。
基板ユニット72は、後述する主制御回路100(図5参照)、副制御回路200(図5参照)等が格納され、パチンコ遊技機1を制御する。
[パチンコ遊技機1における遊技]
次に、パチンコ遊技機1における遊技について説明する。本実施形態における遊技状態には、通常遊技状態と、特別遊技状態と、確変遊技状態とがある。通常遊技状態は、シャッタ417が閉鎖状態であり、大入賞口418に遊技球が受け入れ不可能であって、特別遊技状態に移行する確率が低確率状態(所謂、非確変遊技状態)である状態である。特別遊技状態は、シャッタ417が作動して開閉動作を行い、大入賞口418に遊技球が受け入れ可能となり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技状態である。特別遊技状態には、小当り遊技状態と、小当り遊技状態より多くの遊技価値を付与可能な大当り遊技状態と、が含まれる。確変遊技状態は、シャッタ417が閉鎖状態であり、通常遊技状態に比べて特別遊技状態に移行する確率が高い遊技状態(所謂、高確率状態)である。
遊技者は、一般的に通常遊技状態から遊技を開始し、発射装置18により遊技球を遊技盤40の遊技領域41に打ち込む。この打ち込まれた遊技球が第1始動口414a又は第2始動口414bに入賞すると、特別図柄表示装置421の特別図柄及び液晶表示装置50に表示された演出用の識別図柄(導出図柄)が変動表示する。また、特別図柄の変動表示中に第1始動口414a又は第2始動口414bへ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示するまで、第1始動口414a又は第2始動口414bへの遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示した場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施形態においては、第1始動口414a、第2始動口414bへの入球による特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ4回を上限としている。したがって、最大8回の保留が可能になる。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されているときに特別図柄の始動条件を満たすことである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
そして、特別図柄表示装置421において停止表示された特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から特別遊技状態に移行する。この特定の停止表示態様のうち、大当り遊技状態に移行する停止表示態様が大当りであり、小当り遊技状態に移行する停止表示態様が小当りである。また、大当り又は小当り以外の特別図柄の停止表示態様はハズレ図柄であり、ハズレ図柄が停止表示された場合は、特別遊技状態に移行せずに、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
また、液晶表示装置50の表示領域51には、特別図柄表示装置421において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、特別図柄表示装置421の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置50の表示領域51において、識別図柄の一例である数字からなる導出図柄が変動表示される。また、特別図柄表示装置421が停止表示し特別図柄が表示されるとともに、液晶表示装置50の表示領域51でも導出図柄が停止表示される。このように、特別図柄表示装置421における特別図柄ゲーム同期して、液晶表示装置50において識別図柄が変動表示された後、停止表示され識別図柄ゲームが実行される。
また、特別図柄表示装置421において、停止表示された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置50の表示領域51において表示される。具体的には、特別図柄表示装置421において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置50の表示領域51において表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様)となり、更に、大当りを示す演出画像が液晶表示装置50の表示領域51において表示される。
そして、特別図柄表示装置421において特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が特別遊技状態に移行された場合、シャッタ417は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口418は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
シャッタ417の背面側(後方)に設けられた大入賞口418には、カウントセンサ113(図5参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞するか、又は、所定時間(例えば、約30秒)が経過するまでシャッタ417が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口418への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ417が駆動し、大入賞口418は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
また、特別図柄表示装置421における特定の停止表示態様が大当りであった場合、遊技状態は、特別遊技状態のうち大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態では、大入賞口418が閉鎖状態から開放状態への移行し、遊技球が所定個数(例えば10個)入賞するか、又は、所定時間(例えば、約30秒)が経過して閉鎖状態に移行することが繰り返される遊技を1回のラウンドとし、このラウンドが繰り返されるラウンドゲームが行われる。このようなラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドとも言う。なお、第1実施形態において、大当り遊技状態におけるラウンド数は、4ラウンド又は10ラウンドであるが、これに限らず、ラウンド数は任意の回数とすることができる。
また、特別図柄表示装置421における特定の停止表示態様が小当りであった場合、遊技状態は、特別遊技状態のうち小当り遊技状態に移行する。そして、小当り遊技状態では、大入賞口418が閉鎖状態から開放状態への移行し、遊技球が所定個数(例えば10個)入賞するか、又は、所定時間(例えば、約30秒)が経過して閉鎖状態に移行する遊技が1回のみ行われる。すなわち、小当り遊技状態は、大当り遊技状態のようにラウンドゲームは行われない。そして、大当り遊技状態が終了した場合には、通常遊技状態として、第1遊技状態(確変遊技状態)又は第2遊技状態(非確変遊技状態)が制御される場合がある。また、小当り遊技状態が終了した場合には、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態よりも有利な遊技状態とはならない。このため、小当り遊技状態に当選したことを契機としては通常遊技状態における遊技状態の移行はなく、例えば、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態が第1遊技状態(高確率状態)であるときは、小当り遊技状態終了後の遊技状態は第1遊技状態(高確率状態)であり、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態が第2遊技状態(低確率状態)であるときは、小当り遊技状態終了後の遊技状態は第2遊技状態(低確率状態)である。
また、第1始動口414a、第2始動口414b、一般入賞口419a〜419d及び大入賞口418に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が、払出ユニット70により上皿131又は下皿132に払い出される。
また、遊技者により、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が球通過検出器416を通過すると、普通図柄表示装置424の表示用ランプが変動表示する。また、普通図柄の変動表示中において球通過検出器416を遊技球が通過した場合には、普通図柄保留表示装置425による表示態様を切り換えて、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該球通過検出器416への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示装置424において停止表示された普通図柄が、当りを示す態様の場合には、第2始動口414bに設けられた普通電動役物415の羽根部材415aが、所定時間開放状態となる。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって普通電動役物415(図4参照)の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
[遊技機の仕様]
第1実施形態におけるパチンコ遊技機1の仕様について説明する。特別図柄抽選の大当り確率は、第1特別図柄及び第2特別図柄共通で、低確率で1/99、高確率で1/49である。ラウンド数は4ラウンド又は10ラウンド、賞球数は、第1始動口414aへの入賞で7個、第2始動口414b、大入賞口418への入賞で15個、一般入賞口419a〜419dへの入賞で10個に設定されている。普通図柄抽選の当選確率は、10分に1度当選する程度に設定されている。また、普通図柄抽選による当選確率を変動させる機能(時短機能)はなく、普通図柄抽選の当選による普通電動役物415の開放時間は10秒に固定されている。
また、第1実施形態によれば、第1特別図柄と第2特別図柄の同時変動が可能である。ここで、仮に、同時変動中の第1特別図柄と第2特別図柄とが何れも抽選結果が大当りである場合、先に停止した一方の特別図柄に基づく大当り遊技を先に実行し、一方の特別図柄が停止した時点で他方の特別図柄を一時停止させる。そして、一方の特別図柄に基づく大当り遊技終了後、他方の特別図柄の変動を再開させて、大当り態様で停止させる。すなわち、大当り二連チャンとなる。なお、一方の特別図柄が停止した時点で他方の特別図柄を強制的にハズレ態様で停止させてもよい。
また、第1実施形態によれば、大当り遊技状態においても普通図柄抽選が実行されるため、大当り遊技状態中に普通図柄抽選の当選による当り遊技が実行されることもあり得る。この場合、普通電動役物415がシャッタ417よりも上流側に配置されているため、遊技球は普通電動役物415に先に入賞する。しかも、普通電動役物415の開放時間が最大10秒、シャッタ417の開放時間が最大30秒であるため、普通電動役物415が閉鎖した時点でシャッタ417の開放が継続している可能性が高い。したがって、大当り遊技状態中に普通図柄抽選の当選による当り遊技が実行されても、第2始動口414b及び大入賞口418にそれぞれ10個入賞する可能性が高い。
[遊技機の電気的構成]
図5は、第1実施形態におけるパチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図である。図5に示すように、パチンコ遊技機1は、主に、遊技の制御を行う主制御回路100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
主制御回路100は、メインCPU101、メインROM102(読み出し専用メモリ)、メインRAM103(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU101には、メインROM102、メインRAM103等が接続されており、このメインROM102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM102には、メインCPU101によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラム、例えば、図6〜図12に示す処理をメインCPU101に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM103は、メインCPU101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、メインCPU101の一時記憶領域としてメインRAM103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路100は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路104、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路105、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC106を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路104、初期リセット回路105、シリアル通信用IC106は、メインCPU101に接続されている。
リセット用クロックパルス発生回路104は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
初期リセット回路105は、コンデンサと、ウォッチドッグタイマとを備え、コンデンサに印加された電圧が一定の値に達すると、メインCPU101に対してリセット信号を送信する。また、初期リセット回路105は、メインCPU101から所定の制御信号を受信することによって、コンデンサに印加した電圧を解放するために放電する。
シリアル通信用IC106は、メインCPU101と副制御回路200と払出・発射制御回路300と接続され、副制御基板用バッファと、払出・発射制御回路用バッファとを備える。
また、主制御回路100には、各種の装置が接続されている。例えば、主制御回路100からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置421、ラウンドゲームにおけるラウンド数を表示するラウンド数表示装置422、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示装置423a及び第2特別図柄保留表示装置423b、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置424、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置425、普通電動役物415の羽根部材を開いた状態又は閉じた状態とする普通電動役物ソレノイド111、シャッタ417を駆動させ、大入賞口418を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド112等が接続されている。また、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない情報表示装置や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板が接続されている。
また、主制御回路100には、各種のセンサが接続されている。例えば、主制御回路100には、遊技球が大入賞口418を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給するカウントセンサ113、遊技球が各一般入賞口419を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する一般入賞球センサ114、遊技球が球通過検出器416を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する球通過検出センサ115、遊技球が第1始動口414aを通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第1始動口入賞球センサ116a、遊技球が第2始動口414bを通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第2始動口入賞球センサ116b、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ117、遊技盤40に発射された後、パチンコ遊技機1の外部に排出される遊技球を検知した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する排出球センサ118等が接続されている。なお、本実施形態において、入賞とは、カウントセンサ113、一般入賞球センサ114、第1始動口入賞球センサ116a及び第2始動口入賞球センサ116bが設けられた領域を遊技球が通過することを言う。
また、主制御回路100には、払出・発射制御回路300が接続されている。この払出・発射制御回路300には、遊技球の払出を行う払出装置71、遊技球の発射を行う発射装置18、カードユニット400が接続されている。カードユニット400は、遊技者の操作によって、カードユニット400に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する貸し出し用操作部401との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路300は、主制御回路100から供給される賞球制御コマンド、カードユニット400から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置71に対して所定の信号を送信することにより、払出装置71に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路300は、払出装置71が遊技球を払い出す毎に払出球数コマンドを副制御回路200に送信する制御を行う。払出球数コマンドには、払い出した遊技球数に関するデータと、遊技球払出の契機に関するデータとが含まれている。遊技球払出の契機に関するデータとしては、大入賞口418、第1始動口414a、第2始動口414b、一般入賞口419a〜419dのいずれの入賞に基づく賞球であるかを示すデータ、及びカードユニット400からの命令に基づく払い出しであることを示すデータが含まれている。また、払出・発射制御回路300は、発射ハンドル19が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
更には、主制御回路100には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置50における表示制御、スピーカ14から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路100から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路100に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路100に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、サブCPU201、プログラムROM202、ワークRAM203、RTC204、液晶表示装置50における表示制御を行うための表示制御回路210、スピーカ14から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路220、装飾ランプ等を含むランプ15の制御を行うランプ制御回路230、演出ボタン16から遊技者の操作に基づく操作信号を受信する操作手段制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU201は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
なお、第1実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM102、プログラムROM202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM203等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。なお、第1実施形態においては、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。RTC204は、現在の時間を計時する。
表示制御回路210は、液晶表示装置50の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM211、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
表示制御回路210は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、液晶表示装置50に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路210は、サブCPU201から供給される画像表示命令に応じて、識別図柄を示す識別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、液晶表示装置50に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路210は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置50に供給することにより、液晶表示装置50に画像が表示される。つまり、表示制御回路210は、液晶表示装置50に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路220は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
この音源ICは、スピーカ14から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ14から音声を発生させる。
ランプ制御回路230は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
操作手段制御回路240は、演出ボタン16から受信した操作信号をサブCPU201に送信する。サブCPU201は、操作信号に応じた演出を行うためのデータを、表示制御回路210等に供給する。
[主制御回路100が実行する処理]
次に、本実施形態の主制御回路100及び副制御回路200が実行する処理について説明する。まず、主制御回路100のメインCPU101が実行する処理について説明する。メインCPU101は、電源投入に応じて、メインROM102からプログラムを読み込み、主制御メイン処理を実行する。また、メインCPU101は、主制御メイン処理を実行している状態であっても、主制御メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。メインCPU101は、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生させ、これに応じて、システムタイマ割込処理を実行する。
[システムタイマ割込処理]
図6、図7及び図8を用いて、メインCPU101のシステムタイマ割込処理を説明する。図6に示すように、ステップS10において、各レジスタを退避する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移す。
ステップS11において、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2msec毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、ステップS12に処理を移す。
ステップS12において、スイッチ入力検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU101は、大入賞口418(図4参照)に設けられたカウントセンサ113(図5参照)や、一般入賞口419a、419b、419c、419d(図4参照)に設けられた一般入賞球センサ114(図5参照)や、球通過検出器416(図4参照)に設けられた球通過検出センサ115や、第1始動口414a、第2始動口414b(図4参照)に設けられた第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116b(図5参照)からの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU101は、検知したと判定した場合、検知に応じて、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタなどを更新する。スイッチ入力処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、ステップS13に処理を移す。
ステップS13において、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、主制御回路100と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口418(図4参照)の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移行する。
ステップS14において、コマンド出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、例えば、液晶表示装置50に導出表示されるデモ表示コマンド、後述する導出図柄指定コマンド、後述する変動パターン指定コマンド、後述する大当り種類コマンド、後述する大当り開始コマンド、後述する小当り開始コマンド、後述する始動口入賞コマンド、後述する図柄停止コマンド、後述する発射球数コマンド等が含まれる。また、メインCPU101は、大入賞口418のシャッタ417を駆動する大入賞口ソレノイド112(図5参照)、普通電動役物415の羽根部材の開閉を行う普通電動役物ソレノイド111(図5参照)を駆動するためのソレノイド電源を供給する。また、後述する始動口入賞検出処理(図8参照)にて、液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)に演出表示される演出用の識別図柄(導出図柄)の変動パターンが決定された場合には、メインCPU101は、当該決定結果を示す変動パターン指定コマンドを生成して副制御回路200に供給する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、遊技情報出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、主制御回路100、副制御回路200、払出・発射制御回路300等で処理される、遊技に関わる情報である遊技情報を、副制御回路200、払出・発射制御回路300、外部機器(例えばホールコンピュータや呼出装置)へ出力する。この処理が終了した場合、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、各レジスタを復帰する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、割込処理前のアドレスに各レジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[スイッチ入力検出処理]
図6のステップS12において実行されるサブルーチン(スイッチ入力検出処理)について図7を用いて説明する。ステップS20において、始動口入賞検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口414a、第2始動口414b(図4参照)に設けられた第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116b(図5参照)からの検知信号を受信していた場合、大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を取得し、4個を上限とし特別図柄に関する保留個数を1個加算し、払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。始動口入賞検出処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、ステップS21に処理を移す。
ステップS21において、一般入賞口通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、一般入賞口419a、419b、419c、419d(図4参照)に設けられた一般入賞球センサ114(図5参照)からの検知信号を受信していた場合、一般入賞口419a、419b、419c、419dの入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS22に処理を移す。
ステップS22において、大入賞口通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口418(図4参照)に設けられたカウントセンサ113(図5参照)からの検知信号を受信していた場合、大入賞口418の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS23に処理を移す。ステップS20〜S22の処理において、メインRAM103の所定領域に記憶された払出情報は賞球制御コマンドとして、払出・発射制御回路300に送信される。
ステップS23において、球通過検出器通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、球通過検出器416(図4参照)に設けられた球通過検出センサ115(図5参照)からの検知信号を受信していた場合、普通図柄に関する抽選結果(乱数値)を取得し、4個を上限とし、メインRAM103に記憶されている普通図柄保留記憶数カウンタ(保留個数)に“1”加算する。この処理が終了した場合には、この処理が終了した場合、ステップS24に処理を移す。
ステップS24において、排出球検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、排出球センサ118(図5参照)からの検知信号を受信していた場合、発射数コマンドをメインRAM103に記憶する。発射数コマンドは、ステップS14のコマンド出力処理において副制御回路200に供給される。排出球センサ118は、遊技盤40を通過した全ての遊技球を検知するものであり、排出球センサ118によって検知される遊技球の数は、遊技盤40に打ち込まれた遊技球の数、すなわち発射球数に等しい。この処理を終了した場合、本サブルーチンを終了する。
[始動口入賞検出処理]
図7のステップS20において実行されるサブルーチン(始動口入賞検出処理)について図8を用いて説明する。ステップS30において、第1始動口入賞球センサで検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信したか否かを判定する。第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信していた場合には、ステップS31に処理を移し、第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信していない場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS31において、払出情報セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口414a(図4参照)の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS32に処理を移す。
ステップS32において、第1始動口入賞の保留個数が“4”より小さいか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく保留個数が“4”より小さいか否かを判定し、保留個数が“4”より小さい場合には、ステップS33に処理を移し、保留個数が“4”以上の場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS33において、第1始動口入賞の保留個数に“1”加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく保留個数の値に“1”加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS34に処理を移す。
ステップS34において、乱数取得・記憶処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから第1特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(第1特別図柄抽選)し、更に、大当り図柄乱数カウンタから大当り図柄乱数値を抽出する。そして、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を、メインRAM103における、第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく乱数値を記憶する第1特別図柄始動記憶領域に記憶する処理を行う。本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に第1始動口414a(図4参照)に入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS35に処理を移す。
ステップS35において、特別図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値に基づき、大当り乱数判定テーブルと大当り図柄乱数判定テーブルを参照して、特別図柄表示装置421に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM103の所定領域に記憶する。本実施形態において、特別図柄には、大当りに当選したことを示す大当り図柄と、小当りに当選したことを示す小当り図柄と、大当り又は小当りのいずれにも当選しなかったことを示すハズレ図柄と、が含まれる。
大当り乱数判定テーブルは、第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り乱数判定テーブルと、第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り乱数判定テーブル(第2始動口)と、がメインROM102に記憶されている。
具体的には、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、大当り判定用乱数値に大当り判定値データと小当り判定値データが対応付けられ、これら以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。大当り乱数判定テーブル(第2始動口)も同様に、大当り判定用乱数値に大当り判定値データと小当り判定値データが対応付けられ、これら以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。
大当り図柄乱数判定テーブルは、第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口)と、第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口)と、がメインROM102に記憶されている。大当り図柄乱数判定テーブルは、所定の幅が設定された大当り図柄乱数値に、図柄指定コマンドが対応付けられている。ここで、大当り図柄乱数値は、抽選の結果が大当りであった場合の大当り図柄を決定する乱数値を表す。また、図柄指定コマンドは、大当り図柄乱数値に応じた大当り図柄指定コマンドを表す。
図8に戻って、ステップS35において、詳細には、メインCPU101は、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)及び大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口)を参照し、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、特別図柄表示装置421に停止表示させる特別図柄に対応付けられた図柄指定コマンドを決定する。この処理が終了した場合には、ステップS36に処理を移す。
ステップS36において、大当り判断処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)を参照し、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられているかを判断する。この処理が終了した場合には、ステップS37に処理を移す。
ステップS37において、変動パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、変動パターン乱数値を抽出し、この変動パターン乱数値と、ステップS35で決定した特別図柄と、ステップS36の大当り判断処理の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを参照して、変動パターンを決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、第1特別図柄表示装置421aにおける特別図柄の変動表示態様を決定する。変動パターン決定テーブルは、メインROM102に記憶され、複数種類の変動パターンに、図柄指定コマンドとが対応づけられている。また、変動パターン決定テーブルは、各変動パターンに、特別図柄の変動時間を示すデータが対応づけられている。
ステップS38において、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS33における保留個数の値に“1”加算する処理に応じて、第1特別図柄保留表示装置423a(図4参照)を駆動するための保留個数増加コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、この保留個数増加コマンドを第1特別図柄保留表示装置423aに供給する。第1特別図柄保留表示装置423aは、供給された保留個数増加コマンドに基づき、表示用ランプを点灯する。この処理が終了した場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS39において、第2始動口入賞球センサで検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信したか否かを判定する。第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信していた場合には、ステップS40に処理を移し、第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信していない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS40において、払出情報セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口414b(図4参照)の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS41に処理を移す。
ステップS41において、第2始動口入賞の保留個数が“4”より小さいか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく保留個数が“4”より小さいか否かを判定し、保留個数が“4”より小さい場合には、ステップS42に処理を移し、保留個数が“4”以上の場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS42において、第2始動口入賞の保留個数に“1”加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく保留個数の値に“1”加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS43に処理を移す。
ステップS43において、乱数取得・記憶処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから第2特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(第2特別図柄抽選)し、更に、大当り図柄乱数カウンタから大当り図柄乱数値を抽出する。そして、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を、メインRAM103における、第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく乱数値を記憶する第2特別図柄始動記憶領域に記憶する処理を行う。本実施形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に第2始動口414b(図4参照)に入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS44に処理を移す。
このような大当り判定用乱数値は、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態へ移行するか否かを決定するための情報の一例である。そして、ステップS34又はステップS43の処理を行うメインCPU101は、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態へ移行するか否かを決定するための情報を取得する情報取得手段として機能する。また、メインCPU101は、第1始動口入賞球センサ116a又は第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信したことを条件に、大当り判定用乱数値を取得する。すなわち、情報取得手段としてのメインCPU101は、所定条件の成立に基づいて、情報を取得する。また、特別図柄の変動中に、情報としての大当り判定用乱数値を記憶するメインRAM103は、表示手段における識別図柄の変動表示中に、情報取得手段において情報が取得された場合に、該情報を記憶する情報記憶手段として機能する。
ステップS44において、特別図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS43で抽出した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値に基づき、大当り乱数判定テーブルと大当り図柄乱数判定テーブルを参照して、特別図柄表示装置421に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM103の所定領域に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS45に処理を移す。
ステップS45において、大当り判断処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)を参照し、ステップS43で抽出した大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられているかを判断する。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移す。
ステップS46において、変動パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、変動パターン乱数値を抽出し、この変動パターン乱数値と、ステップS44で決定した特別図柄と、ステップS45の大当り判断処理の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを参照して、変動パターンを決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、第2特別図柄表示装置421bにおける特別図柄の変動表示態様を決定する。
また、メインCPU101は、決定した変動パターンを示すデータを、特別図柄表示装置421に供給する。特別図柄表示装置421は、この変動パターンを示すデータに基づき、特別図柄を、変動パターン決定テーブルに規定された変動時間で変動表示し、図柄指定コマンドに対応付けられた態様で停止表示する。また、変動パターンを示すデータは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
このようなステップS37又はステップS46の処理を実行するメインCPU101は、情報取得手段として取得した情報(大当り判定用乱数値)に基づき、識別図柄の変動時間を示す情報である変動パターンを決定する変動時間決定手段として機能する。
ステップS47において、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS42における保留個数の値に“1”加算する処理に応じて、第2特別図柄保留表示装置423b(図4参照)を駆動するための保留個数増加コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、この保留個数増加コマンドを第2特別図柄保留表示装置423bに供給する。第2特別図柄保留表示装置423bは、供給された保留個数増加コマンドに基づき、表示用ランプを点灯する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上説明したとおり、メインCPU101は、第1始動口414a又は第2始動口414b(図4参照)への入賞毎に、特別図柄及び変動パターンを決定する。また、メインCPU101は、保留個数が“0”かつ特別図柄が変動表示されていないときに、第1始動口414a又は第2始動口414bに入賞した場合でも、一度保留として第1特別図柄保留表示装置423a又は第2特別図柄保留表示装置423bを点灯し、その後直ぐに消灯し、特別図柄の変動表示を開始する。なお、メインCPU101は、一度保留として第1特別図柄保留表示装置423a又は第2特別図柄保留表示装置423bを点灯せずに、内部的な処理として保留個数が“0”でないと判定してから特別図柄を変動表示してもよい。なお、以下の説明の便宜上、第1始動口414aへの入賞を契機として、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出することを、第1特別図柄抽選又は特図1抽選と称し、第2始動口414bへの入賞を契機として、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出することを、第2特別図柄抽選又は特図2抽選と称する場合がある。
[主制御メイン処理]
次に、図9〜図12を用いて、メインCPU101が実行する主制御メイン処理を説明する。図9に示すように、ステップS50において、初期設定を行う。この処理において、メインCPU101は、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグ等を初期化し又は電源遮断前の状態に復帰する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS51に処理を移す。
ステップS51において、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS52に処理を移す。
ステップS52において、第1特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU101は、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、第1始動口414aに対応する大当り乱数判定テーブルを参照して、第1特別図柄抽選に当選(大当り又は小当り)したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS53に処理を移す。
ステップS53において、第2特別図柄制御処理を行う。ステップS43で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、第2始動口414bに対応する大当り乱数判定テーブルを参照して、第2特別図柄抽選に当選(大当り又は小当り)したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS53に処理を移す。
ステップS54において、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU101は、球通過検出センサ115からの検知信号に応じて、普通図柄判定用乱数カウンタから乱数値を抽出する。この乱数値の抽出を普通図柄抽選或いは普図抽選と称することにする。更に、メインROM102に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。つまり、普通図柄抽選によって抽出した乱数値と普通図柄当選テーブルの当り判定値とが一致した場合に当選と判定する。普通図柄抽選に当選した場合、普通電動役物415の羽根部材415a(図4参照)が開いた状態となって、第2始動口414b(図4参照)に遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、ステップS55に処理を移す。
ステップS55において、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS52、ステップS53、ステップS54でメインRAM103に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、第1特別図柄表示装置421aと、第2特別図柄表示装置421bと、普通図柄表示装置424とを駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、特別図柄表示装置421又は普通図柄表示装置424に、この制御信号を送信する。特別図柄表示装置421は受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示装置424は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、ステップS56に処理を移す。
ステップS56において、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU101は、副制御回路200、払出・発射制御回路300、ホールコンピュータ等に送信する遊技情報データを生成し、メインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS57に処理を移す。
ステップS57において、記憶・遊技状態データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU101は、確変フラグに応じて副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、メインRAM103に記憶する処理を行う。記憶・遊技状態データは、遊技状態コマンドとして副制御回路200に送信される。この処理が終了した場合、ステップS51に処理を移す。
[第1特別図柄制御処理]
図9のステップS52において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図10を用いて説明する。なお、図10において、ステップS60からステップS69の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM103における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップを実行し、第1特別図柄を変動、停止させる第1特別図柄ゲームを進行する。
ステップS60において、制御状態フラグをロードする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS61に処理を移す。
なお、後述するステップS61からステップS69において、メインCPU101は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、第1特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS61からステップS69における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU101は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。
ステップS61において、第1特別図柄記憶チェック処理を行う。この処理の詳細については後述するが、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、第1特別図柄の保留個数をチェックする処理や、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS62に処理を移す。
ステップS62において、第1特別図柄変動時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが第1特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、第1特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、図柄停止コマンドをメインRAM103に記憶し、確定後待ち時間(例えば、1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS63の処理を実行するように設定する。図柄停止コマンドは、主制御回路100のメインCPU101によって、副制御回路200に送信されることにより、この副制御回路200のサブCPU201が第1特別図柄の図柄停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS63に処理を移す。
ステップS63において、第1特別図柄表示時間管理処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが第1特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当り又は小当り)か否かを判定する。メインCPU101は、当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS64の処理を実行するように設定する。一方、メインCPU101は、当りではない場合に、第1特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS69の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS64又はステップS69に処理を移す。
ステップS64において、大当り開始インターバル管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS65の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
ステップS65において、大入賞口開放中処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口418(図4参照)の開放上限時間(例えば、約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットし、メインROM102から読み出された大入賞口418を開放させるためのデータをメインRAM103に記憶する。そして、メインCPU101は、図6のステップS14の処理において、メインRAM103に記憶された大入賞口418(図4参照)を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口418を開放させるためのソレノイド電源を、大入賞口418のシャッタ417を駆動する大入賞口ソレノイド112(図5参照)に供給する。そして、メインCPU101は、開放上限時間が経過した後、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS66の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS66に処理を移す。
ステップS66において、大入賞口内残留球監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、大入賞口開放回数カウンタが所定数以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU101は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り遊技終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットする。一方、メインCPU101は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS67又はステップS68に処理を移す。
ステップS67において、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU101は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS65の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
ステップS68において、大当り終了インターバル処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、第1特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS69の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS69に処理を移す。
ステップS69において、第1特別図柄ゲーム終了処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが第1特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、第1特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS61の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、メインCPU101は、制御状態フラグをセットすることにより、第1特別図柄ゲームを実行する。具体的には、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを(00)、(01)、(02)、(08)と順にセットすることにより、図10に示すステップS61、ステップS62、ステップS63、ステップS69の処理を所定のタイミングで実行する。また、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを(00)、(01)、(02)、(03)と順にセットすることにより、図10に示すステップS61、ステップS62、ステップS63、ステップS64の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行する。更には、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを(04)、(05)、(06)と順にセットすることにより、図10に示すステップS65、ステップS66、ステップS67の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を実行する。なお、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、(07)、(08)と順にセットすることにより、図10に示すステップS68、ステップS69の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を終了する。
なお、図9に示す第2特別図柄制御処理においてメインCPU101は、第1特別図柄に対して行われる図10に示す第1特別図柄制御処理と同様の処理を、第2特別図柄に対して実行する。すなわち、メインCPU101は、制御状態フラグをロードする処理、第2特別図柄記憶チェック処理、第2特別図柄変動時間管理処理、第2特別図柄表示時間管理処理、大当り開始インターバル管理処理、大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理、大当り終了インターバル処理、第2特別図柄ゲーム終了処理を行う。このように、第1実施形態においては、第1特別図柄制御処理と第2特別図柄制御処理とがそれぞれ実行されるため、第1特別図柄と第2特別図柄の同時変動が可能である。
[第1特別図柄記憶チェック処理]
図10のステップS61において実行されるサブルーチン(第1特別図柄記憶チェック処理)について図11を用いて説明する。ステップS70において、制御状態フラグが第1特別図柄記憶チェックを示す値(00)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが第1特別図柄記憶チェックを示す値(00)であると判別した場合には、ステップS71に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが第1特別図柄記憶チェックを示す値(00)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS71において、第1始動口入賞の保留個数が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判定する。メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS77に処理を移す。一方、メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS72に処理を移す。
ステップS72において、第1始動記憶数から“1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)のデータをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73において、第1始動口入賞に基づく第1特別図柄記憶領域転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74において、制御状態フラグに第1特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに第1特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。また、メインCPU101は、後述するサブCPU201が、第1特別図柄表示装置421aに停止表示する特別図柄に対応する導出図柄(演出用の識別図柄)を決定するための導出図柄指定コマンドを生成してメインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、この導出図柄指定コマンドを、図6に示すステップS14で副制御回路200に出力する。副制御回路200のサブCPU201は、受信した導出図柄指定コマンドに基づいて、導出図柄の変動表示を開始することとなる。
ステップS75において、待ち時間セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図8に示すステップS37で決定した第1特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76において、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、今回の変動表示に用いられたメインRAM103の記憶領域をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS77において、第2始動口入賞の保留個数が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判定する。メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS80に処理を移す。一方、メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS80において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103にデモ表示許可値をセットする処理を行う。また、メインCPU101は、特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域及び第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU101は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドをセットし、副制御回路200に供給する。副制御回路200は、このデモ表示コマンドに基づき、液晶表示装置50においてデモ表示を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、第1特別図柄制御処理において第1特別図柄記憶チェック処理が行われるのと同様に、図9に示す第2特別図柄制御処理においても第2特別図柄記憶チェック処理が行われる。第2特別図柄記憶チェック処理においてメインCPU101は、第1特別図柄記憶チェック処理と同様の処理、すなわち、第2始動口入賞の保留個数が“0”か否かを判定する処理、第2始動記憶数から“1”減算する処理、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理、制御状態フラグに第2特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理、図8に示すステップS46で決定した第2特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアする処理を行う。
[普通図柄制御処理]
図9のステップS54において実行されるサブルーチン(普通図柄制御処理)について図12を用いて説明する。なお、図12において、ステップS130からステップS135の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、メインRAM103における普通図柄制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することになる。
ステップS130において、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている普通図柄制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS131に処理を移す。
なお、後述するステップS131からステップS135において、メインCPU101は、後述するように、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS131からステップS135における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU101は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。
ステップS131において、普通図柄記憶チェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、メインRAM103に記憶されている普通図柄保留記憶数カウンタ(保留個数)の値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、普通図柄保留記憶数カウンタの値が“0”である場合には、普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。一方、メインCPU101は、普通図柄保留記憶数カウンタの値が“0”でない場合には、普通図柄変動時間監視処理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、普通図柄の所定の変動時間を待ち時間タイマにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS135又はステップS132に処理を移す。
ステップS132において、普通図柄変動時間監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS133の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS133に処理を移す。
ステップS133において、普通図柄表示時間監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、乱数値を抽出し、メインROM102に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定する。メインCPU101は、普通図柄抽選に当選した場合には普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットし、普通図柄抽選に当選しなかった場合には普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。また、メインCPU101は、普通図柄抽選に当選したと判定した場合に、副制御回路200に普通図柄当りコマンドを送信する。この処理が終了した場合には、ステップS134又はステップS135に処理を移す。
ステップS134において、普通電動役物開放処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物開放フラグをセットし、羽根部材415aを開放させる時間である普通役物開放時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、普通役物開放時間が経過した後、ステップS135の処理を実行するように設定する。なお、メインCPU101は、普通電動役物開放フラグがセットされた場合、第2始動口414b(図4参照)の普通電動役物415の羽根部材415aを開いた状態とする普通電動役物ソレノイド111(図5参照)にソレノイド電源を供給する。また、メインCPU101は、普通電動役物415の羽根部材415aを開いた状態において、第2始動口414bに所定数の入賞があった場合又は普通役物開放時間がセットされた待ち時間タイマが“0”場合には、普通電動役物ソレノイド111にソレノイド電源を供給し、普通電動役物415の羽根部材を閉じた状態とする。第1実施形態においては、普通電動役物415の羽根部材415aを開いた状態において、第2始動口414bに所定数(例えば、10個)の入賞があったか、又は羽根部材415aを開いた状態の時間が所定時間(例えば、10秒)に到達したかのいずれかの場合に、普通電動役物415の羽根部材415aを閉じた状態とする。
ステップS135において、普通図柄ゲーム終了処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)である場合に、メインRAM103に記憶された普通図柄保留記憶数カウンタの値から1を減算し、普通図柄記憶チェック処理を示す値(00)を普通図柄制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路200が実行する処理]
次に、副制御回路200のサブCPU201が実行する処理について説明する。サブCPU201は、電源投入に応じて、プログラムROM202からプログラムを読み込み、副制御回路メイン処理を実行する。また、サブCPU201は、副制御回路メイン処理を実行している状態であっても、副制御回路メイン処理を中断させ、副制御回路割込処理を実行する場合がある。サブCPU201は、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生させ、これに応じて、副制御回路割込処理を実行する。
[副制御回路割込処理]
図13を用いて、サブCPU201が実行する副制御回路割込処理を説明する。ステップS210において、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタを退避し、ワークRAM203に記憶される乱数を更新する処理を行う。具体的には、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された演出パターン決定用のカウンタのカウント値を“1”増加するように乱数更新処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS211に処理を移す。
ステップS211において、コマンド受信処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100あるいは払出・発射制御回路300から副制御回路200に送信されたコマンドを受信しワークRAM203に記憶する処理を行う。なお、この処理において、サブCPU201は、コマンドの他に、主制御回路100あるいは払出・発射制御回路300から副制御回路200に送信されたデータを受信しワークRAM203に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS212に処理を移す。
ステップS212において、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された各種タイマを更新する処理を行う。具体的には、演出処理等で用いられるタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS213に処理を移す。
ステップS213において、コマンド出力処理を行う。この処理において、サブCPU201は、表示制御回路210、音声制御回路220、ランプ制御回路230及び操作手段制御回路240に各種のコマンドを出力する処理を行う。なお、この処理において、サブCPU201は、各種のコマンドの他に、表示制御回路210、音声制御回路220、ランプ制御回路230及び操作手段制御回路240に各種のデータを出力する処理を行う。この処理が終了した場合には、割込処理前のアドレスに各レジスタを復帰させる処理を行い、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
次に、図14〜図19を用いて、サブCPU201が実行する副制御回路メイン処理を説明する。図14に示すように、ステップS220において、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU201は、電源投入に応じて、プログラムROM202から起動プログラムを読み込むとともに、ワークRAM203に記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS221に処理を移行する。
ステップS221において、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された乱数の初期値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS222に処理を移す。
ステップS222において、コマンド解析処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、図13に示すステップS211で主制御回路100から受信し、ワークRAM203に記憶したコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS224に処理を移す。
ステップS224において、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、液晶表示装置50において演出画像を表示するためのデータをワークRAM203に記憶する。この演出画像を表示するためのデータには、例えば、後述する導出図柄変動開始コマンドや、後述する時間表示演出のデータ等が含まれる。そして、サブCPU201は、図13に示すステップS213の処理で、この記憶したデータを表示制御回路210に送信する。表示制御回路210は、サブCPU201からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、導出図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROM211から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置50の表示領域51上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS225に処理を移す。
ステップS225において、音声制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、スピーカ14から音を発生させるためのデータをワークRAM203に記憶する。サブCPU201は、図13に示すステップS213の処理で、この記憶したデータを音声制御回路220に送信する。音声制御回路220は、音を発生させるためのデータに基づき、スピーカ14から音を発生する。この処理が終了した場合には、ステップS226に処理を移す。
ステップS226において、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、装飾ランプ等を含むランプ15の制御を行うためのデータをワークRAM203に記憶する。サブCPU201は、図13に示すステップS213の処理で、この記憶したデータをランプ制御回路230に送信する。ランプ制御回路230は、ランプ15の制御を行うためのデータに基づき、ランプ15を点灯、点滅又は消灯する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図14のステップS222において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図15を用いて説明する。ステップS230において、受信したコマンドがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から受信したコマンド、あるいは払出・発射制御回路300から受信したコマンドがワークRAM203に記憶されているか否かを判定し、コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS231に処理を移し、コマンドが記憶されていないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS231において、副制御回路割込処理で受信したコマンドを解析する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、図13に示すステップS211でワークRAM203に記憶されたコマンドやデータを解析する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS232に処理を移す。このようなコマンドやデータには、デモ表示コマンド、導出図柄指定コマンド、変動パターン指定コマンドが示す変動パターンのデータ、大当り種類コマンド、大当り開始コマンド、小当り開始コマンド、始動口入賞コマンド、発射球数コマンド、払出球数コマンド、普通図柄当りコマンド等が含まれる。
また、サブCPU201は、解析した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンのデータを変動パターン記憶領域に記憶する処理を行う。本実施形態において、ワークRAM203には変動パターン記憶領域があり、この変動パターン記憶領域は、第1特別図柄の変動パターンに対応する変動パターン記憶領域(0)〜変動パターン記憶領域(4)と、第2特別図柄の変動パターンに対応する変動パターン記憶領域(0)〜変動パターン記憶領域(4)とがある。解析された変動パターン指定コマンドが示す変動パターンのデータは、変動パターン記憶領域(0)〜変動パターン記憶領域(4)に順に記憶される。サブCPU201は、変動パターン記憶領域(0)に記憶された変動パターンのデータに基づき、後述する演出パターン決定処理を行う。このように、本実施形態では、第1、際2特別図柄の変動表示が保留されている分の変動パターン指定コマンドもワークRAM203の変動パターン記憶領域(0)〜変動パターン記憶領域(4)に記憶されている。サブCPU201は、この変動パターン記憶領域(0)〜変動パターン記憶領域(4)に記憶された変動パターン指定コマンドを読み出すことで、所謂「先読演出」が可能となる。
ステップS232において、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、主制御回路100から受信したコマンドに変動パターン指定コマンドが含まれていたか否かを判定し、変動パターン指定コマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS233に処理を移し、変動パターン指定コマンドが含まれていないと判定した場合には、ステップS234に処理を移す。
ステップS233において、演出パターン決定処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドに基づき、演出テーブルを参照して、演出パターンを決定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS234において、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、主制御回路100から受信したコマンドに導出図柄指定コマンドが含まれていたか否かを判定し、導出図柄指定コマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS235に処理を移し、導出図柄指定コマンドが含まれていないと判定した場合には、図16に示すステップS240に処理を移す。
ステップS235において、導出図柄を決定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から受信した導出図柄指定コマンドに応じた導出図柄を決定し、この導出図柄を液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)上に表示させるためのデータを、ワークRAM203に記憶する。具体的には、サブCPU201は、導出図柄指定コマンドが、大当りに対応づけられていれば大当りを示す導出図柄を決定し、小当りに対応づけられていれば小当りを示す導出図柄を決定し、ハズレに対応づけられていればハズレを示す導出図柄を決定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、ステップS235において、サブCPU201は、決定した導出図柄の変動表示を開始させるための導出図柄変動開始コマンドをセットする。そして、サブCPU201は、図13に示すステップS213の処理で、この導出図柄変動開始コマンドと、変動パターン記憶領域(0)の変動パターンのデータを表示制御回路210に送信する。表示制御回路210は、導出図柄変動開始コマンドに基づき、液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)において、導出図柄の変動表示を開始し、変動パターンのデータに基づく変動時間経過後に停止表示する。このとき、サブCPU201は、導出図柄の変動表示が開始した導出図柄変動開始時間を、RTC204から取得し、ワークRAM203に記憶する。また、サブCPU201は、導出図柄の停止表示後、変動パターン記憶領域(1)〜変動パターン記憶領域(4)のデータを、変動パターン記憶領域(0)〜変動パターン記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。
図16に示すステップS240において、発射球数コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、主制御回路100から受信したコマンドに発射球数コマンドが含まれていたか否かを判定し、発射球数コマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS241に処理を移し、発射球数コマンドが含まれていないと判定した場合には、ステップS243に処理を移す。
ステップS241において、発射球数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から受信した発射球数の情報に基づいて、ワークRAM203に電源投入時から累積記憶している、遊技者にとって有利な遊技状態以外の遊技状態における発射球数を更新する処理を行う。ここで、第1実施形態における遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、小当り遊技状態、確変遊技状態を指す。なお、第1実施形態においては、所謂、時短機能を備えていないため、時短遊技状態にはならないが、仮に、時短機能を備えていれば、時短遊技状態も遊技者にとって有利な遊技状態に属する。この処理の詳細については後述するが、通常の状態における発射球数がワークRAM203に累積記憶されている。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS242において、払出球数コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、払出・発射制御回路300から受信したコマンドに払出球数コマンドが含まれていたか否かを判定し、払出球数コマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS243に処理を移し、払出球数コマンドが含まれていないと判定した場合には、ステップS244に処理を移す。
ステップS243において、払出球数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、払出・発射制御回路300から受信した払出球数の情報に基づいて、ワークRAM203に累積記憶している電源投入時からの払出球数を更新する処理を行う。この処理の詳細については後述するが、通常の状態における払出球数がワークRAM203に累積記憶されている。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS244において、普通図柄当りコマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、主制御回路100から受信した普通図柄当りコマンドが含まれていたか否かを判定し、普通図柄当りコマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS245に処理を移し、普通図柄当りコマンドが含まれていないと判定した場合には、ステップS246に処理を移す。
ステップS245において、普通図柄当り報知処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、普通図柄当りコマンドに基づき、普通電動役物415の開放を報知する報知画像を液晶表示装置50の表示領域51に表示させるタイミングを設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS246において、受信したその他のコマンドに対応する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンド、発射球数コマンド、払出球数コマンド、普通図柄当りコマンド以外のコマンドに対応する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[発射球数更新処理]
図16のステップS241において実行されるサブルーチン(発射球数更新処理)について図17を用いて説明する。
ステップS250において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態であるか否か、言い換えれば特別遊技状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、メインCPU101から送信される、大当り開始コマンド、小当り開始コマンド、大当り終了コマンド、小当り終了コマンド等に基づいて、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態であるか否かを判定する。大当り遊技状態或いは小当り遊技状態であると判定した場合にステップS251に処理を移す。大当り遊技状態或いは小当り遊技状態であると判定しない場合に、本サブルーチンを終了する。
ステップS251において、遊技者に有利な遊技状態以外における発射球数を更新する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、メインCPU101から送信される発射球数コマンドに基づく発射球数を、既にワークRAM203に記憶されている遊技者に有利な遊技状態以外の遊技状態、言い換えれば通常遊技状態における発射球数に加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[払出球数更新処理]
図16のステップS243において実行されるサブルーチン(払出球数更新処理)について図18を用いて説明する。
ステップS260において、払い出される遊技球が大入賞口賞球であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、払出球数コマンドに含まれる、大入賞口、一般入賞口、第1、第2始動口の何れの賞球であるかを示すデータに基づいて、払い出される遊技球が大入賞口賞球であるか否かを判定する。大入賞口賞球であると判定した場合にはステップS263に処理を移す。大入賞口賞球であると判定しない場合にはステップS261に処理を移す。
ステップS261において、遊技者に有利な遊技状態であるか否か、言い換えれば、大当り遊技状態、小当り遊技状態及び確変遊技状態のいずれかあるかいずれでもないかを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、メインCPU101から送信される、大当り開始コマンド、小当り開始コマンド、大当り終了コマンド、小当り終了コマンド、遊技状態コマンド等に基づいて、大当り遊技状態、小当り遊技状態或いは確変遊技状態であるか否かを判定する。大当り遊技状態、小当り遊技状態或いは確変遊技状態であると判定した場合に本サブルーチンを終了する。大当り遊技状態、小当り遊技状態及び確変遊技状態のいずれでもないと判定した場合にステップS262に処理を移す。
ステップS262において、遊技者に有利な遊技状態以外における発射球数を更新する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、メインCPU101から送信される払出球数コマンドに基づく払出球数を、既にワークRAM203に記憶されている遊技者に有利な遊技状態以外の遊技状態、言い換えれば通常遊技状態における払出球数に加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通電動役物開放報知処理]
図16のステップS245において実行されるサブルーチン(普通電動役物開放報知処理)について図19を用いて説明する。
ステップS270において、通常時のベース値の演算を行う。この処理において、サブCPU201は、通常遊技状態におけるベース値を求める処理を行う。ベース値は、大当り、確変、時短等の特別な状態を除いた通常の状態のときにどれだけ払い出しが有るのかをデータにしたものであり、(通常遊技状態における払出球数)/(通常遊技状態における発射球数)×100で求めることができる。サブCPU201は、演算によって求めたベース値をワークRAM203に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS271に処理を移す。
ステップS271において、ベース値に応じて遊技球発射の報知タイミングを設定する処理を行う。この報知タイミングに基づいて、液晶表示装置50に後述する図21に示す「右打ち!」といった画像が表示される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通電動役物開放報知パターン]
図20は、普通電動役物開放報知パターンを示す説明図である。普通電動役物開放報知パターンは、通常遊技状態におけるベース値に応じて設定される。第1実施形態によれば、ベース値が40以上、20以上40未満、20未満の3パターン用意されている。
ベース値が40以上の場合には、普通電動役物415の羽根部材415aが回動して、普通電動役物415へ入球可能な状態になる前に、液晶表示装置50において報知画像が表示される。
ベース値が20以上40未満の場合には、普通電動役物415の羽根部材415aが回動して、普通電動役物415へ入球可能な状態になるのと略同じタイミングで、液晶表示装置50において報知画像が表示される。
ベース値が20未満の場合には、普通電動役物415の羽根部材415aが回動して、普通電動役物415へ入球可能な状態になった後に、液晶表示装置50において報知画像が表示される。
[演出表示]
図21は、報知画像の表示例を示す説明図である。図21(a)は、図20におけるベース値が40以上の場合の表示例であり、普通図柄抽選に当選した場合に、普通電動役物415の羽根部材415aが開放する前に「右打ち!」という報知画像80が表示される。第1実施形態によれば、図4に示すように、球通過検出器416が遊技盤40の左側領域に配置されており、第1始動口414aには遊技盤40の左側領域を転動した遊技球が入球可能であることから、通常遊技状態において遊技者は左打ちを行うことになる。そして、遊技者が、報知画像80にしたがって右打ちを行った場合に、右打ちの最初の遊技球が普通電動役物415に到達するタイミングで羽根部材415aが回動し、普通電動役物415に入球可能になる。このため、普通電動役物415の開放時間10秒の間に遊技球を入球させることが可能になり、10個の入賞がほぼ可能になり、150個の払出が期待できる。
図21(b)は、図20におけるベース値が20以上40未満の場合の表示例であり、普通図柄抽選に当選した場合に、普通電動役物415の羽根部材415aが開放すると同時に「右打ち!」という報知画像80が表示される。このため、遊技者が、報知画像80にしたがって右打ちを行った場合に、右打ちの最初の遊技球が普通電動役物415に到達するまで、普通電動役物415の開放時間が若干経過する。このため、普通電動役物415に入賞可能な時間は10秒より短くなるため、10個の入賞ができない場合があり得る。
図21(c)は、図20におけるベース値が20未満の場合の表示例であり、普通図柄抽選に当選した場合に、普通電動役物415の羽根部材415aが開放した後に「右打ち!」という報知画像80が表示される。このため、遊技者が、報知画像80にしたがって右打ちを行った場合に、右打ちの最初の遊技球が普通電動役物415に到達するころには、普通電動役物415の開放時間が数秒経過している。このため、普通電動役物415に入賞可能な時間は10秒より更に短くなるため、例えば、5、6個の入賞が期待できる。
このように第1実施形態によれば、通常遊技状態においては左打ちによって遊技が進められるが、普通図柄抽選に当選した場合に、ベース値が高いほど普通電動役物415の開放タイミングに対して早めに遊技者に対して右打ちを指示する演出を行うことで、普通電動役物415に遊技球を入球させることが可能になり、多くの賞球を獲得することが可能になる。このため、遊技者に対して、普通図柄抽選に当選した場合の当り遊技を第2のボーナス遊技のように見せることが可能になる。その一方で、ベース値が低いと普通電動役物415の開放後に遊技者に対して右打ちを指示する演出を行うことで、遊技者が獲得する遊技球数を抑えることが可能になる。これにより、従来のように遊技釘の調整を行うことなく、パチンコ機毎の出玉性能に差をつけることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
なお、図20、図21に示した例はあくまで一例であって、他の報知タイミングであってもよい。例えば、図20、図21に示す例とは逆に、普通電動役物415の開放タイミングに対して、ベース値が高いほど報知画像80の表示タイミングを遅くし、ベース値が低いほど報知画像80の表示タイミングを早くしてもよい。これにより、遊技者が、遊技球があまり出ないことから遊技の継続意欲を低くなっているときに、約150発の遊技球が獲得できる場合があることから、遊技者における遊技の継続意欲を再度高めることが可能になる。
また、サブCPU201が図20に示す3種類の報知パターンから1つを乱数抽選によって選択するようにしてもよい。具体的には、ベース値に応じて3種類の報知パターンの選択率を設定する。例えば、ベース値が高いほど報知画像80の表示タイミングが早くなるパターンが選択され、ベース値が低いほど報知画像80の表示タイミングを遅くなるパターンが選択されるように選択率を設定する。そして、サブCPU201が所定時間毎にベース値を求め、このベース値に応じて、3種類の報知パターンを設定して、報知パターンを乱数抽選によって決定してもよい。
また、第1実施形態においては、第1特別図柄と第2特別図柄との同時変動が可能である。ここで、第1特別図柄と第2特別図柄とにおいて変動している特別図柄における抽選結果が両方とも大当りであった場合、先に停止した特別図柄を、大当りを報知する停止態様で停止させ、後に停止する予定の特別図柄を、ハズレを報知する停止態様で強制停止させる。または、先に停止した特別図柄が停止したタイミングで変動を保留し、先に停止した特別図柄による大当り遊技が終了したタイミングで変動を再開しその後大当りを報知する停止態様で停止させ、大当り遊技を連続して行うようにしてもよい。また、先に変動を開始した特別図柄が大当りで決定されたタイミング以降であってその大当りが終了するまでは後に始動入賞した方の特別図柄は大当り抽選を行わないようにしてもよい。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図1乃至図5に示した第1実施形態における部材と同一部材或いは同一機能の部材については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。第2実施形態のパチンコ遊技機1は、一般に1種2種混合機と称されているタイプのものである。
第2実施形態のパチンコ遊技機1の外観構造は、図1乃至図3に示した第1実施形態の外観構造と同じであるため、詳細な説明は省略する。
図22は本発明の第2実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技盤の構成を示す正面図である。第2実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技盤40の盤面上の構成が一部異なっている。具体的には、普通電動役物415及び球通過検出器416の配置が異なるとともに、第2大入賞装置453が新たに追加されている。なお、説明の便宜上、シャッタ417、大入賞口418及びシャッタ417を駆動させるソレノイドアクチュエータを備える可変入賞装置を第1大入賞装置454と称することにする。
第2実施形態においては、普通電動役物415は第1始動口414aの直下に配置されており、球通過検出器416は、遊技領域41の右側領域の上部に配置されている。また、第2大入賞装置453は、ステージ413の右側で球通過検出器416と第1大入賞装置454との間の領域に配置されている。
図23は本発明の第2実施形態のパチンコ遊技機に係る第2大入賞装置の構成を示す正面図である。図23(a)は遊技球がV入賞口に入賞しない状態であり、図23(b)は遊技球がV入賞口に入賞する状態である。第2大入賞装置453は、開閉動作が可能な羽根部材453aを有し、羽根部材453aが開放状態のときに第2大入賞装置453は遊技球を受け入れ、羽根部材453aが閉鎖状態(図3参照)のときに遊技球を受け入れない。つまり、羽根部材453aが開放状態のときには第2大入賞装置453内に遊技球は入る可能性があり、羽根部材453aが閉鎖状態のときには第2大入賞装置453内に遊技球が入る可能性はない。
以下では、遊技球が第2大入賞装置453に入ることもまた、「入賞」という。第2大入賞装置453に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払出される。第2実施形態では、第2大入賞装置453に遊技球が入賞した場合も15個の賞球がある。
さらに、第2大入賞装置453の内部にはV入賞口457が設けられている。第2大入賞装置453は、V入賞口457を開閉させるために開閉動作が可能な可動部材457aを有している。V入賞口457が開放状態のときにV入賞口457は遊技球を受け入れ、V入賞口457が閉鎖状態のときにV入賞口457は遊技球を受け入れない。遊技球がV入賞口457に入ることは、「V入賞」という。また、遊技球がV入賞口457に入賞した場合は「V当り」となる。
可動部材457aが開放状態となるタイミングは、羽根部材453aが開放状態となるタイミングと関連している。例えば、羽根部材453aおよび可動部材457aのいずれも通常は閉鎖状態である。羽根部材453aが開放状態となった場合は、それと同時あるいは少し遅れて可動部材457aが開放状態となり、羽根部材453aが閉鎖状態となる前に可動部材457aが閉鎖状態となることとすればよい。
また、第2大入賞装置453には、第2大入賞装置453に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ113b(後述の図24参照)が設けられる。さらに、V入賞口457には、V入賞口457に入賞した遊技球を検出するためのV入賞口入賞球センサ457c(後述の図24参照)が設けられる。また、第2始動口414bには、第2始動口414bに入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ116b(後述の図24参照)が設けられる。さらに、第2大入賞装置453は可動部材457aを動作させるためのV入賞口ソレノイド457b(後述の図24参照)を有している。
第2実施形態の遊技領域41における各種構成部材の配置を図22に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域41の右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘412等により遊技球が第1始動口414aの下方にある普通電動役物415の近辺に誘導される。
この場合、第1始動口414aに入賞する可能性はほとんどなくなる。第2始動口414bへの入賞が比較的容易になる後述の「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口414aへの入賞の可能性を低くし、第2始動口414bへの入賞の可能性を高めことができる。
第2実施形態の特別図柄表示装置421は、第1実施形態の特別図柄表示装置421と同様に、遊技球が第1始動口414aまたは第2始動口414bに入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置421は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
第1実施形態の特別図柄表示装置421は、第1始動口414a及び第2始動口414bのいずれに入賞しても「小当り」に当選することがあり得る。それに対して、第2実施形態の特別図柄表示装置421は、第2始動口414bに入賞した場合に「小当り」に当選することがあり得るのであって、第1始動口414aに入賞しても「小当り」に当選することはない。後述の「時短遊技状態」では、「小当り」に当選しやすい状態となる。
第2実施形態の特別図柄表示装置421は、第1実施形態の特別図柄表示装置421と同様に、遊技球が球通過検出器416を通過したことを契機に、表示用ランプが変動表示する。そして、普通図柄表示装置424は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。普通図柄表示装置424において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物415が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物415は閉鎖状態を維持する。
ここで、第1実施形態においては、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物415が10秒間開放状態となるか或いは10個入球することにより閉鎖状態となるが、第2実施形態においては、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物415が所定の期間開放状態となるか或いは1個入球することにより閉鎖状態となる。
ここで、第2実施形態のパチンコ遊技機においては、特別図柄表示装置421の大当り停止態様の停止図柄が特定の図柄である場合に、大当り遊技状態終了後に普通図柄抽選の当選確率を高くする遊技状態、所謂、時短遊技状態に移行する機能を有している。その一方で、第1実施形態のパチンコ遊技機においては、時短遊技状態に移行する機能を有していない。
[第2実施形態のパチンコ遊技機が備える回路の構成]
次に、図24を参照しながら、第2実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図5に示す第1実施形態の回路と同一の回路あるいは同一機能の回路については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態のパチンコ遊技機1は、図5に示す第1実施形態の回路に対して、大入賞口ソレノイド112の代わりに第1大入賞口ソレノイド112a及び第2大入賞口ソレノイド112bを備え、カウントセンサ113の代わりにカウントセンサ113a、113bを備え、更に、新たにV入賞口ソレノイド457b、V入賞口入賞球センサ457cを備えたものであり、第1大入賞口ソレノイド112a及び第2大入賞口ソレノイド112b、カウントセンサ113a、113b、V入賞口ソレノイド457b、V入賞口入賞球センサ457cは、主制御回路100に接続されている。なお、図5に示す第1実施形態の大入賞口ソレノイド112aについては、第1大入賞口ソレノイド112aと称することにする。
また、主制御回路100は、第1大入賞口ソレノイド112aおよび第2大入賞口ソレノイド112bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞装置454および第2大入賞装置453を開放状態または閉鎖状態にする。
また、主制御回路100は、V入賞口ソレノイド457bを駆動制御して、V入賞口457を開放状態または閉鎖状態にする。
カウントセンサ113a、113bは、第1大入賞装置454、第2大入賞装置453に入球した遊技球を検知して信号を主制御回路100に送る。
V入賞口入賞球センサ457cは、V入賞口457に入球した遊技球を検知して信号を主制御回路100に送る。
[遊技状態の種別]
まず、メインCPU101で制御および管理される遊技状態の種別について説明する。
第2実施形態において、メインCPU101で制御および管理される遊技状態の種別としては、「大当り遊技状態」、「小当り遊技状態」及び「時短遊技状態」がある。つまり、第2実施形態においては、第1実施形態が有する確変機能がない代わりに、第1実施形態が有していない時短機能を有している。
「大当り遊技状態」は、「大当り遊技」が行われる遊技状態であり、第1大入賞装置454のシャッタ417が開閉動作をする遊技状態である。すなわち、「大当り遊技」とは、第1大入賞装置454のシャッタ417が開閉動作を行い、複数回のラウンドゲームが行われる遊技である。「大当り遊技」は、第1始動口414aまたは第2始動口414bに入球したことにより行われる特別図柄抽選において、「大当り」に当選することで行われる。第2実施形態における「大当り」に当選する確率は、例えば、1/199とする。第1大入賞装置454に遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が払出される。また、「大当り」に当選したことを報知する特別図柄の停止表示態様に応じて、大当り遊技状態におけるラウンド数及びラウンド遊技中の開放時間が設定されている。このため、大当り遊技状態において、遊技球の払出数が多い場合(例えば、10ラウンド大当り)もあれば少ない場合(例えば、6ラウンド大当り)もある。
「小当り遊技状態」は、「小当り遊技」が行われる遊技状態であり、第2大入賞装置453の羽根部材453aが開閉動作をする遊技状態である。「小当り遊技」は、第2始動口414bに遊技球が入球した場合に行われる第2特別図柄抽選により「小当り」に当選することで行われる。なお、上述したように、第1始動口414aに入球しても「小当り」に当選することはない。また、第2実施形態における「小当り」に当選する確率は、例えば、1/4.6とする。第2大入賞装置453に入球する遊技球が1個当たり15個の払出しがなされる。第2大入賞装置453に遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が払出される。なお、小当り遊技状態において第2大入賞装置453の羽根部材453aは、例えば、所定時間(例えば、30秒)開放するか、所定個数(例えば、10個)入球した時点で閉鎖する。また、小当り遊技状態において、可動部材457aが作動して入賞口457が開放される。入賞口457は、羽根部材453aの開放と同時あるいは少し遅れたタイミングで開放され、その後、遊技球がV入賞口457を通過するか或いは入賞口457が開放されてから所定時間(例えば、3秒)経過するまで開放される。
「時短遊技状態」は、「時短遊技」が行われる遊技状態であり、普通図柄の当選確率が相対的に高い遊技状態のことである。すなわち、「時短遊技状態」は、第2始動口414bに設けられた普通電動役物415が開放状態になりやすい遊技状態(第2始動口入賞が発生しやすい遊技状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、「時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が所定回数実行された場合、「V当り」となった場合、または「大当り」に当選した場合に終了する。
なお、「時短遊技状態」では、普通図柄の当選確率が相対的に高いだけでなく、普通図柄ゲームにおける抽選時間を相対的に短くしてもよい。また、普通電動役物415の開閉動作における開放時間を相対的に長くしてもよい。
大当り遊技状態が終了すると時短遊技状態もしくは通常遊技状態に移行する。ここで、通常遊技状態とは、大当り遊技状態及び時短遊技状態のいずれでもない遊技状態であり、普通図柄の当選確率が相対的に低い遊技状態のことである。時短遊技状態若しくは通常遊技状態のいずれに移行するかは、「大当り」に当選したことを報知する特別図柄の停止表示態様に応じて決定される。また、大当り遊技状態には、V入賞による大当りも含まれる。V入賞による大当り遊技状態の場合には大当り遊技状態の終了後に時短遊技状態に移行する。
また、大当り遊技状態が所定回数連続すると、所定回数目の大当り遊技状態が終了した後、通常遊技状態に移行する(所謂、リミッター機能)。例えば、大当り遊技状態終了後に時短遊技状態となり、当該時短遊技状態から大当り遊技状態に移行することを繰り返すことで、大当り遊技状態がリミッタ回数(例えば、3回)連続した場合、リミッタ回数目(例えば、3回目)の大当り遊技状態の終了後は時短遊技状態に移行しない。
また、時短遊技状態は、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合、若しくは時短遊技状態中に所定回数第2大入賞装置453が作動しかつV入賞しない場合に終了して、通常遊技状態に移行する。このような、時短遊技状態の終了条件は、「大当り」に当選したことを報知する特別図柄の停止表示態様、若しくはV入賞の契機となった「小当り」に当選したことを報知する特別図柄の停止表示態様に応じて決定される。第2実施形態においては、小当りは、小当り(1)、小当り(2)、小当り(3)の三種類あり、小当りに当選した場合にその小当りが、小当り(1)である確率は4/8、小当り(2)である確率は3/8、小当り(3)である確率は1/8である。小当り(1)に当選した場合は、特別図柄の変動回数が20回、第2大入賞装置453の作動回数が2回に設定される。小当り(2)に当選した場合は、特別図柄の変動回数が20回、第2大入賞装置453の作動回数が4回に設定される。小当り(3)に当選した場合は、特別図柄の変動回数が100回、第2大入賞装置453の作動回数が10回に設定される。また、第1始動口414aへの入球を契機として特図1抽選に当選した場合には、時短遊技状態の終了条件として、特別図柄の変動回数が20回、第2大入賞装置453の作動回数が2回に設定される。第2始動口414bへの入球を契機として特図2抽選に当選した場合には、時短遊技状態の終了条件として、特別図柄の変動回数が100回、第2大入賞装置453の作動回数が10回に設定される。
[第2実施形態における遊技の概要]
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機1を用いた遊技の概要について説明する。図22に示すように、パチンコ遊技機1の遊技盤40によれば、左打ちを行った場合には第1始動口414aに入球しうるが第2始動口414bへの入球は不可能である。また、右打ちを行った場合には、球通過検出器416に遊技球を通過させ、普通図柄抽選に当選することで第2始動口414bに入球しうるが第1始動口414aへの入球は不可能である。第2実施形態においては、低確率状態の普通図柄抽選に当選することが困難な仕様であることから、通常遊技状態において、遊技者は、左打ちを行って第1始動口414aへの入球を狙うことになる。
第1始動口414aへの入球を契機として特図1抽選に当選した場合に、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態において遊技者は、第1大入賞装置454が遊技領域41の右側領域に配置されているため、右打ちを行ってラウンド遊技を進める。そして、大当り遊技状態終了後に時短遊技状態に移行する場合がある。時短遊技状態に移行しない場合には、通常遊技状態に移行するため、左打ちに戻して第1始動口414aに遊技球を通過させる。時短遊技状態に移行した場合には、そのまま右打ちを継続して、球通過検出器416に遊技球を通過させる。
球通過検出器416への遊技球を通過させることにより普通図柄抽選が行われ、普通図柄抽選に当選すると普通電動役物415が作動して、遊技球が第2始動口414bを通過しやすくなる。遊技球が第2始動口414bを通過すると特図2抽選が行われ、比較的高い確率で小当りに当選する。
小当りに当選した後、第2大入賞装置453が作動して入球可能な状態となる。この際、遊技者が止め打ちをせずに右打ちを継続していれば、比較的高い確率でV入賞して、大当り遊技状態に移行する。仮に、V入賞しなかった場合には、第2大入賞装置453の作動回数に到達していなければ小当り遊技状態終了後に時短遊技状態に戻る。
その後、時短遊技状態において再度、小当り遊技状態に移行してV入賞した場合には、大当り遊技状態に移行する。所定回数(例えば、小当り(3)でV入賞した場合には10回)小当り遊技状態に移行したがV入賞しなかった場合には、所定回数目の小当り遊技状態終了後に通常遊技状態に戻る。このように、遊技者は、初回の特図1抽選に当選した後、V入賞を繰り返すことにより、多くの賞球を獲得することが可能になる。そして、所定回数連続して大当り遊技状態に移行した場合に、所定回数目の大当り遊技状態終了後に通常遊技状態に戻る。
[主制御回路の動作説明]
次に、図25〜図43を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される各種処理の内容について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図25および図26を参照して、メインCPU101の制御による主制御メイン処理について説明する。なお、図25および図26はパチンコ遊技機においてメインCPUにより実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。
S11−2において、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ウォッチドッグタイマをディセーブルに設定する処理を行う。この処理が終了した場合、S12−2に処理を移す。
S12−2において、入出力ポートの設定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理が終了した場合、S13−2に処理を移す。
S13−2において、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、電断検知信号がHI(高レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がHIである場合には電断検知状態であると判定してS13−2に処理を移し、電断検知信号がHIでない場合には電断検知状態でないと判定してS14−2に処理を移し、電断検知信号がHIである場合には電断検知状態であると判定して、再度、S13−2に処理を移し、電断検知状態でないと判定するまでこれを繰り返す。
S14−2において、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU101は、副制御回路200が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。この処理が終了した場合、S15−2に処理を移す。
S15−2において、RAMの書き込み許可処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103への書き込みを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、S16−2に処理を移す。
S16−2において、バックアップクリアスイッチ117(図24参照)がオンであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、バックアップクリアスイッチ117(図24参照)がオンであると判定した場合には、S24−2に処理を移し、バックアップクリアスイッチ117がオンでないと判定した場合には、S17−2に処理を移す。
S17−2において、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、電断検知フラグがあると判定した場合には、S18−2に処理を移し、電断検知フラグがあると判定しない場合には、S24−2に処理を移す。
S18−2において、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理が終了した場合、S19−2に処理を移す。
S19−2において、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、S20−2に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値であると判定しない場合には、S24−2に処理を移す。
S20−2においては、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、S21−2に処理を移す。
S21−2においては、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理が終了した場合、S22−2に処理を移す。
S22−2においては、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、副制御回路200に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理が終了した場合、S23−2に処理を移す。
S23−2においては、CPU周辺デバイスの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインCPU101周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合には、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する。
S24−2においては、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、S25−2に処理を移す。
S25−2においては、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理が終了した場合、S26−2に処理を移す。
S26−2においては、全作業領域クリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、全作業領域をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合、S27−2(図26)に処理を移す。
S27−2においては、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、S28−2に処理を移す。
S28−2においては、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の初期化時における作業領域の初期設定を行う。この処理が終了した場合、S29−2に処理を移す。
S29−2においては、RAMの初期化時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の初期化時のコマンドを副制御回路200に送信する処理を行う。また、副制御回路200においては、受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理が終了した場合、S30−2に処理を移す。
S30−2においては、CPU周辺デバイスの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインCPU101周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合、S31−2に処理を移す。
S31−2においては、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU101は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理が終了した場合、S32−2に処理を移す。
S32−2においては、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、S33−2に処理を移す。
S33−2においては、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU101は、割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、S34−2に処理を移す。
S34−2において、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、S35−2に処理を移す。
S35−2において、メインCPU101は、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上である場合には、S36−2に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3以上でない場合には、S31−2に処理を移す。
S36−2においては、システムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理が終了した場合、S37−2に処理を移す。
S37−2においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、主制御回路100と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、第1大入賞装置454および第2大入賞装置453の開放時間を計測するための大入賞装置開放時間タイマ等、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、S38−2に処理を移す。
S38−2においては、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU101は、第1始動口入賞球センサ116aおよび第2始動口入賞球センサ116bからの検知信号に応じて、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインROM102に記憶される大当り判定テーブルを参照し、特別図柄抽選(大当りまたは小当り)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、S39−2に処理を移す。
S39−2においては、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、球通過検出センサ115からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM102に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽選に当選した場合、普通電動役物415が開放状態となって、第2始動口414bに遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、S40−2に処理を移す。
S40−2においては、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、S38−2、S39−2でメインRAM103に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果とに応じて、特別図柄表示装置421および普通図柄表示装置424とを駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、制御信号を特別図柄表示装置421に制御信号を送信する。特別図柄表示装置421は受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示装置424は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、S41−2に処理を移す。
S41−2においては、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU101は、台コンピュータまたはホールコンピュータに送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、S42−2に処理を移す。
S42−2においては図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU101は、後述するタイマ割込処理におけるスイッチ入力処理(図40、S235−2)にて検出される第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116bおよび球通過検出センサ115からの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM103に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、特別図柄および普通図柄に関しての保留についての表示を行うための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、S43−2に処理を移す。
S43−2においては、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、上記のステップなどでメインRAM103に記憶される制御信号を各ポートより出力する処理を行う。具体的には、LED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1大入賞口ソレノイド112a、第2大入賞口ソレノイド112bおよび普通電動役物ソレノイド111を駆動するためのソレノイド電源を供給する。この処理が終了した場合、S44−2に処理を移す。
S44−2においては、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理が終了した場合、S45−2に処理を移す。
S45−2においては、払出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、一般入賞口419a〜419d、第1始動口414a、第2始動口414b、第1大入賞装置454および第2大入賞装置453に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路300に送信する。この処理が終了した場合には、S31−2に処理を移す。
[特別図柄制御処理]
図26のS38−2において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図27を用いて説明する。なお、図27において、S52−2〜S62−2の近傍に記載された数値(00H〜10H)は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM103における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、S51−2において、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、S52−2に処理を移す。
なお、後述するS52−2からS62−2において、メインCPU101は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S52−2からS62−2における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU101は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
S52−2においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、S53−2に処理を移す。
S53−2においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、先の特別図柄変動において所定の変動時間が経過した場合(特別図柄変動が変動停止した場合)に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、S54−2の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、S54−2に処理を移す。
S54−2においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理においては、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当りまたは小当り)か否かを判定する。メインCPU101は、小当りである場合に、小当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、小当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、小当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、S55−2の処理を実行するように設定する。
また、メインCPU101は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(06H)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、S58−2の処理を実行するように設定する。
また、メインCPU101は、当り(大当り又は小当り)ではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(10H)をセットする。つまり、S62−2の処理を実行するように設定する。
S55−2においては、小当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが小当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その小当り開始インターバルに対応する時間(例えば、約10秒)が経過した場合に、メインROM102から読み出された第2大入賞装置453を開放させるためのデータをメインRAM103に記憶する。そして、メインCPU101は、図26のS43−2の処理において、メインRAM103に記憶された第2大入賞装置453を開放させるためのデータを読み出し、第2大入賞装置453を開放させる旨の信号を、第2大入賞口ソレノイド112bに供給する。このように、メインCPU101などは、第2大入賞装置453の開閉制御を行う。つまり、「小当り遊技状態」が実行される。
さらに、メインCPU101は、小当り中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、第2大入賞装置453の開放上限時間(例えば、1.5秒あるいは1.2秒)を第2大入賞装置開放時間タイマにセットする。その他、S56−2の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、S56−2に処理を移す。
S56−2においては、小当り中処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、条件に応じて大入賞口開放処理(07H)または小当り終了後処理(05H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、S57−2に処理を移す。
S57−2においては、小当り終了後処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理では、羽根部材453aの閉鎖後、第2大入賞装置453内にV入賞口457に入球する可能性のある遊技球が存在しないことを確認する。この処理において、メインCPU101は、特別図柄ゲーム終了処理(10H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、S58−2に処理を移す。
S58−2においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(06H)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM102から読み出された第1大入賞装置454を開放させるためのデータをメインRAM103に記憶する。そして、メインCPU101は、図26のS43−2の処理において、メインRAM103に記憶された第1大入賞装置454を開放させるためのデータを読み出し、第1大入賞装置454を開放させる旨の信号を、第1大入賞口ソレノイド112aに供給する。このように、メインCPU101などは、第1大入賞装置454の開閉制御を行う。つまり、「大当り遊技状態」が実行される。
さらに、メインCPU101は、大入賞口開放処理を示す値(07H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば、27.996秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、S59−2の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、S59−2に処理を移す。
S59−2においては、大入賞口開放処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(07H)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。メインCPU101は、いずれかの条件を満たした場合に、第1大入賞装置454を閉鎖させるために、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。メインCPU101は、最終ラウンドである場合に、当り終了インターバルを示す値(09H)を制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(08H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、S60−2に処理を移す。
S60−2においては、大入賞口再開放待ち時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(07H)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU101は、大入賞口開放中を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。メインCPU101は、開放上限時間(例えば、27.996秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、S59−2の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、S59−2に処理を移す。
S61−2においては、当り終了インターバル処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(09H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(10H)を制御状態フラグにセットする。つまり、S62−2の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、S62−2に処理を移す。
S62−2においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(10H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、S52−2の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU101は、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“10H”と順にセットすることにより、図27に示すS52−2、S53−2、S54−2、S62−2の処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPU101は、大当りまたは小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“06H”と順にセットすることにより、図27に示すS52−2、S53−2、S54−2、S58−2の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU101は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“07H”、“08H”と順にセットすることにより、図27に示すS59−2、S60−2の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。なお、大当り遊技の終了条件が成立した場合には、“07H”、“09H”、“10H”と順にセットすることにより、図27に示すS59−2、S61−2、S62−2の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を終了することになる。
また、メインCPU101は、大当りまたは小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が小当りであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“03H”と順にセットすることにより、図27に示すS52−2、S53−2、S54−2、S55−2の処理を所定のタイミングで実行し、小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU101は、小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04H”にセットすることにより、図27に示すS56−2の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。なお、小当り遊技の終了条件が成立した場合には、“05H”、“10H”と順にセットすることにより、図27に示すS57−2、S62−2の処理を所定のタイミングで実行し、小当り遊技を終了することになる。
ところで、特別図柄制御処理は、上述したように、ステータスに応じて処理を分岐させている。また、詳述しないが、普通図柄制御処理も同様にステータスに応じて処理を分岐させている。
[特別図柄記憶チェック処理]
図27のS52−2において実行されるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について図28を用いて説明する。
最初に、図28に示すように、S71−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、S72−2に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
S72−2において、始動記憶の有無を判定する処理を行う。ここで、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。第2特別図柄の特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。したがって、最大8回の保留が可能になる。
S72−2の始動記憶の有無を判定する処理において、メインCPU101は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、S73−2に処理を移す。一方、メインCPU101は、始動記憶があると判定した場合には、S74−2に処理を移す。
S73−2において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域または第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU101は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドデータをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドデータは、主制御回路100のメインCPU101によってから副制御回路200にデモ表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、デモ表示が液晶表示装置50の表示領域51において表示される制御を行うこととなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S74−2において、第2特別図柄に対応する始動記憶が最先の保留であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄始動記憶領域のデータ、および、第2特別図柄始動記憶領域のデータより、最先の保留が第2特別図柄に対応する始動記憶であるか否か判別する。最先の保留が第2特別図柄に対応する始動記憶でないと判定した場合には、S75−2に処理を移す。また、最先の保留が第2特別図柄に対応する始動記憶であると判定した場合には、S76−2に処理を移す。
S75−2において、メインCPU101は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM103の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、S77−2に処理を移す。
S76−2において、メインCPU101は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM103の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、S77−2に処理を移す。
S77−2において、メインCPU101は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、S78−2に処理を移す。
S78−2において、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理が終了した場合には、S79−2に処理を移す。
S79−2において、当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、メインROM102に記憶される当り判定テーブルを参照し、始動入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU101は、当り判定用乱数値と当り判定値が一致している場合には、大当りまたは小当りであると判定する。つまり、メインCPU101は、「大当り遊技状態」とするか否か、および「小当り遊技状態」とするか否かの判定を行うこととなる。なお、「大当り」および「小当り」でない場合にはハズレであると判定する。この処理が終了した場合には、S80−2に処理を移す。
S80−2において、メインCPU101は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、当り判定の結果が大当りの場合には、大当り図柄を決定し、当り判定の結果が小当りの場合には、小当り図柄を決定し、大当りでも小当りでもない場合、すなわちハズレの場合には、ハズレ図柄を決定する処理を行う。なお、特別図柄決定処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、S81−2に処理を移す。
S81−2において、メインCPU101は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、S80−2の処理において決定された特別図柄と、S79−2の処理において決定された当り判定の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するためのメイン変動時間決定テーブルを選択する。具体的には、大当りに当選した場合は図12のメイン変動時間決定テーブル2を選択し、それ以外では図11のメイン変動時間決定テーブル1を選択する。さらに、メインCPU101は、リーチ判定用乱数カウンタから抽出したリーチ判定用乱数値や、演出選択用乱数カウンタから抽出した演出選択用乱数値および、選択したメイン変動時間決定テーブルに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄表示装置421における特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置421に供給される。これによって、特別図柄表示装置421に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路100のメインCPU101によって副制御回路200に変動パターンコマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した変動パターンコマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、S82−2に処理を移す。
S82−2において、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、S83−2に処理を移す。
S83−2において、特別図柄演出開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。特別図柄演出開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101によって副制御回路200に供給される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始することとなる。この処理が終了した場合には、S84−2に処理を移す。
そして、S84−2において、メインCPU101は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄決定処理]
図28のS80−2において実行されるサブルーチン(特別図柄決定処理)について図29を用いて説明する。
最初に、S91−2において、メインCPU101は、当り判定(S79−2)の結果、大当りか否かを判定する処理を行う。大当りであると判定した場合には、S92−2に処理を移す。大当りであると判定しない場合には、S97−2に処理を移す。
S92−2において、メインCPU101は、変動状態番号が(01H)であるか否かを判定する処理を行う。変動状態番号が(01H)であると判定した場合には、S93−2に処理を移す。変動状態番号が(01H)であると判定しない場合には、S95−2に処理を移す。
S93−2において、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S94−2に処理を移す。
S94−2において、第1特別図柄の大当り図柄のデータセットおよび大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM103の所定領域にセットし、特別図柄表示装置421に供給する。特別図柄表示装置421は第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM103の所定領域にセットし、主制御回路100のメインCPU101によって副制御回路200に特別図柄指定コマンドとして供給する。これにより、副制御回路200のサブCPU201の制御によって、識別図柄が大当り停止表示態様で表示領域51に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S95−2において、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S96−2に処理を移す。
S96−2において、第2特別図柄の大当り図柄のデータセットおよび大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM103の所定領域にセットし、特別図柄表示装置421に供給する。特別図柄表示装置421は第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU101は、第2特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM103の所定領域にセットし、主制御回路100のメインCPU101によって副制御回路200に特別図柄指定コマンドとして供給する。これにより、副制御回路200のサブCPU201の制御によって、識別図柄が大当り停止表示態様で表示領域51に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S97−2において、メインCPU101は、当り判定(S79−2)の結果、小当りであると判定した場合には、S98−2に処理を移す。小当りであると判定しない場合には、S100−2に処理を移す。
S98−2において、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、小当り図柄決定用カウンタから抽出した乱数値に応じて、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S99−2に処理を移す。なお、実施形態1において「小当り」に当選するのは第2特別図柄のみである。
S99−2において、第2特別図柄の小当り図柄のデータセットおよび小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄の小当り図柄のデータを、メインRAM103の所定領域にセットし、特別図柄表示装置421に供給する。また、メインCPU101は、第2特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM103の所定領域にセットし、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄が小当り停止表示態様で識別図柄が表示領域51に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S100−2において、ハズレ図柄のデータセットおよびハズレ図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU101は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM103の所定領域にセットし、特別図柄表示装置421に供給する。特別図柄表示装置421は、特別図柄を変動表示させて、ハズレ図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU101は、ハズレ図柄のコマンドを、メインRAM103の所定領域にセットし、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄がハズレ停止表示態様で表示領域51に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄変動時間管理処理]
図27のS53−2において実行されるサブルーチン(特別図柄変動時間管理処理)について図30を用いて説明する。
最初に、S101−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であるか否かの判定を行い、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定した場合には、S102−2に処理を移し、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S102−2において、メインCPU101は、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行い、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、S103−2に処理を移す。待ち時間タイマが“0”であるとは判別しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S103−2においては、制御状態フラグとして特別図柄表示時間管理を示す値(02H)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセット(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、S104−2に処理を移す。
S104−2においては、図柄停止コマンドのセットを行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、図柄停止コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。そして、図柄停止コマンドデータは、主制御回路100のメインCPU101によって、副制御回路200に送信されることにより、この副制御回路200のサブCPU201が図柄停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、S105−2に処理を移す。
S105−2において、確定後、待ち時間としての待ち時間タイマをセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間を記憶する処理を行う。なお、待ち時間としては、100ms程度とすればよい。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図27のS54−2において実行されるサブルーチン(特別図柄表示時間管理処理)について図31を用いて説明する。
最初に、S111−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定した場合には、S112−2に処理を移行する。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S112−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S113−2に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S113−2において、メインCPU101は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。大当りである場合には、S119−2に処理を移す。大当りでない場合には、S114−2に処理を移す。
S114−2において、メインCPU101は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。小当りである場合には、S115−2に処理を移す。小当りでない場合には、S124−2に処理を移す。
S115−2において、メインCPU101は、小当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)をメインRAM103の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S116−2に処理を移す。
S116−2において、メインCPU101は、小当りに対応する当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。なお、待ち時間としては、例えば5000msとすればよい。この処理が終了した場合には、S117−2に処理を移す。
S117−2において、メインCPU101は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路100のメインCPU101によって、副制御回路200に送信されることにより、この副制御回路200のサブCPU201が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、S118−2に処理を移す。
S118−2において、メインCPU101は、第2特別図柄に対応する小当り開始コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この処理において、小当り開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101によって、副制御回路200に送信されることにより、この副制御回路200のサブCPU201が大当りまたは小当り開始を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S119−2において、メインCPU101は、大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)をメインRAM103の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S120−2に処理を移す。
S120−2において、メインCPU101は、メインRAM103の時短フラグをオフ(クリア)にする処理を行う。「大当り遊技状態」において、「時短遊技」は行われない。一方、時短の連続回数のカウンタはクリアしない。この処理が終了した場合には、S121−2に処理を移す。
S121−2において、メインCPU101は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。待ち時間としては、例えば5000msとすればよい。この処理が終了した場合には、S122−2に処理を移す。
S122−2において、メインCPU101は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200のサブCPU201が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、S123−2に処理を移す。
S123−2において、メインCPU101は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する大当り開始コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この処理において、大当り開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200のサブCPU201が大当り開始を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S124−2において、メインCPU101は、メインRAM103における制御状態フラグとなる所定領域に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S125−2に処理を移す。
S125−2において、メインCPU101は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200のサブCPU201が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[小当り開始インターバル管理処理]
最初に、S131−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが小当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定した場合には、S132−2に処理を移行する。制御状態フラグが小当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S132−2において、メインCPU101は、小当り開始インターバル管理処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か、すなわち、小当り開始インターバル時間が消化したか否かを判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S136−2に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S136−2において、メインCPU101は、第2大入賞装置453に関して大入賞口開放中表示コマンドデータをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、S137−2に処理を移す。
S137−2において、メインCPU101は、小当り中処理を示す値(04H)をメインRAM103の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S138−2に処理を移す。
S138−2において、メインCPU101は、第2大入賞装置453の入賞数に関する大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S139−2に処理を移す。
S139−2において、メインCPU101は、第2大入賞装置453の開放時間について待ち時間タイマの値をメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。待ち時間としては、例えば1200msまたは1500msとすればよい。この処理が終了した場合には、S140−2に処理を移す。
S140−2において、メインCPU101は、V入賞口457の可動部材457aの作動に関し、可動部材457aが作動して開放状態となっているか否かを示す可動部材作動中フラグをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[小当り中処理]
図27のS56−2において実行されるサブルーチン(小当り中処理)について図33を用いて説明する。
最初に、S141−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であると判定した場合には、S142−2に処理を移行する。制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S142−2において、第2大入賞装置453について大入賞口カウンタが10以上であるか否か判定する。メインCPU101は、大入賞口カウンタが10以上である場合には、S148−2に処理を移す。大入賞口カウンタが10以上でない場合には、S143−2に処理を移す。
S143−2において、メインCPU101は、小当り中処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。すなわち、待ち時間タイマが0となって、第2大入賞装置453の開放時間もしくは閉鎖する時間が終了となったか否かを判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S148−2に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S148−2において、メインCPU101は、S142−2において、第2大入賞装置453について大入賞カウンタが10以上であると判定した場合、小当り中処理に対応する待ち時間タイマをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S149−2に処理を移す。
S149−2において、メインCPU101は、V入賞フラグがあるか否か判定する。メインCPU101は、V入賞フラグがある場合は、S150−2に処理を移し、V入賞フラグがない場合には、V非入賞フラグをオンにして(S157−2)、S155−2に処理を移す。すなわち、V非入賞フラグは、小当り遊技状態においてV入賞しなかった場合にオンになる。
S150−2において、メインCPU101は、大入賞口開放処理(07H)を制御状態フラグにセットする。すなわち、S149−2において、メインCPU101はV入賞フラグがあると判定した時点で、「V当り」から開始される「大当り遊技」の準備が開始されたことになる。この処理が終了した場合には、S151−2に処理を移す。
S151−2において、大入賞口開放回数カウンタを2にセットする処理を行う。この処理は、上述したように、「V当り」から開始される「大当り遊技」は、V入賞口457へ入球される第2大入賞装置の開放が1ラウンド目となり、その後の「大当り遊技」である第2大入賞装置の開放が2ラウンド目となることにより生じる処理である。この処理が終了した場合には、S152−2に処理を移す。
S152−2において、メインCPU101は、メインRAM103の第1大入賞装置454に関する大入賞口開放回数カウンタ上限値をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S153−2に処理を移す。
S153−2において、メインCPU101は、V当り開始インターバル時間としてタイマの値をメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。なお、この時間としては、ラウンド間インターバルと同様とすればよく、例えば5000msとすればよい。この処理が終了した場合には、S154−2に処理を移す。
S154−2において、メインCPU101は、V入賞フラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S155−2に処理を移す。
S155−2において、メインCPU101は、V当り開始コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S156−2において、メインCPU101は、小当り終了後処理を示す値(05H)をメインRAM103の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S157−2に処理を移す。
S157−2において、メインCPU101は、小当り終了時残留球監視時間としてタイマの値をメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この時間としては、例えば5000msとすればよい。この処理は、羽根部材453aの閉鎖後、第2大入賞装置453内にV入賞口457に入球する可能性のある遊技球が存在しないことを確認する処理を行うために必要となる処理である。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[小当り終了後処理]
図27のS57−2において実行されるサブルーチン(小当り終了後処理)について図34を用いて説明する。
最初に、S161−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であると判定した場合には、S162−2に処理を移行する。制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S162−2において、メインCPU101は、小当り終了時残留球監視時間のタイマの値が“0”であるか否か判定する。すなわち、小当り終了時残留監視時間が消化されたか否かを判定する。メインCPU101は、タイマの値が“0”である場合には、S164−2に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、S163−2に処理を移す。
S163−2において、メインCPU101は、V入賞フラグがあるか否か判定する。V入賞フラグがあるか否かの判定は、このタイミングで行われ、これら以外のタイミングで例えば、故意にV入賞フラグがあるようにした不正行為が行われたとしても、V入賞フラグの判定は行われない。メインCPU101は、V入賞フラグがある場合は、図33のS150−2に処理を移す。V入賞フラグがない場合には、本サブルーチンを終了する。
S164−2において、メインCPU101は、小当りコマンドをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S165−2に処理を移す。
S165−2において、メインCPU101は、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)をメインRAM103の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大当り開始インターバル管理処理]
図27のS58−2において実行されるサブルーチン(大当り開始インターバル管理処理)について図35を用いて説明する。
大当り開始インターバル管理処理は、図35に示すように、S171−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)であると判定した場合には、S172−2に処理を移行する。また、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S172−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)である場合に、大当り開始インターバル管理処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S173−2の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S173−2において、メインCPU101は、メインRAM103の第1大入賞装置454に関する大入賞口開放回数カウンタ上限値をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S174−2に処理を移す。
S174−2において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、S175−2に処理を移す。
S175−2において、メインCPU101は、大当り図柄の種類に応じたラウンドごとの開閉パターンをメインRAM103の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S176−2に処理を移す。
S176−2において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。大入賞口開放中表示コマンドは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に供給される。この処理が終了した場合には、S177−2に処理を移す。
S177−2において、メインCPU101は、メインRAM103における制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S178−2に処理を移す。
S178−2において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S179−2に処理を移す。
S179−2において、メインCPU101は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口開放処理]
図27のS59−2において実行されるサブルーチン(大入賞口開放処理)について図36を用いて説明する。
大入賞口開放処理は、図36に示すように、S181−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であると判定した場合には、S182−2に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S182−2においては、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であると判定した場合には、S185−2に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“10”以上とは判定しなかった場合には、S183−2に処理を移す。
S183−2においては、セットしたラウンドごとの開閉パターンに応じた大入賞口開閉処理を行う。この処理において、メインCPU101は、S175−2でセットしたラウンドごとの開閉パターンに応じて第1大入賞装置454を開閉させる処理を行う。具体的には、ラウンドごとの開閉パターンに応じて、時間を待って第1大入賞装置454を閉じて開けるという処理を行う。この処理が終了した場合には、S184−2に処理を移す。
S184−2においては、大入賞口開放時間タイマとしての待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行う。メインCPU101は、メインRAM103における大入賞口開放時間タイマとして機能する所定領域の待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、S185−2に処理を移し、待ち時間タイマが“0”であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。つまり、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であると判定した場合、または、大入賞口開放時間タイマが“0”であると判定した場合に、S185−2に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるとは判定しなかった場合、かつ、大入賞口開放時間タイマが“0”であるとは判定しなかった場合に、本サブルーチンを終了する。
S186−2においては、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口を閉鎖させるために、メインROM102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、図26のS43−2の処理により、第1大入賞口ソレノイド112aを閉鎖状態とすることとなる。この処理が終了した場合には、S187−2に処理を移す。
S187−2において、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数上限値以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大入賞口開放回数カウンタと大入賞口開放回数上限値以上とを比較して、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数上限値以上であるか否かを判定する。大入賞口開放回数上限値以上であると判定した場合には、S191−2に処理を移し、大入賞口開放回数上限値以上であると判定しなかった場合には、S188−2に処理を移す。
S188−2において、メインCPU101は、ラウンド間インターバル時間および残留球監視時間として待ち時間タイマの値をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S189−2に処理を移す。
S189−2において、メインCPU101は、メインRAM103おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S190−2に処理を移行する。
S190−2において、メインCPU101は、ラウンド間表示コマンドデータをメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S191−2において、メインCPU101は、大当り終了インターバル時間および残留時間監視時間としての待ち時間タイマをメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S192−2に処理を移す。
S192−2において、メインCPU101は、メインRAM103おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大当り終了インターバル処理を示す値(09H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S193−2に処理を移行する。
S193−2において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドデータをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口再開放前待ち時間管理処理]
図27のS60−2において実行されるサブルーチン(大入賞口再開放前待ち時間管理処理)について図37を用いて説明する。
大入賞口再開放前待ち時間管理処理は、図37に示すように、S201−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)であると判定した場合には、S202−2に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S202−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)である場合に、ラウンド間インターバル時間としての待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S203−2の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S203−2において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタに1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、S204−2に処理を移行する。
S204−2において、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは2ラウンド目以降を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この大入賞口開放中表示コマンドには、サブCPU201に対してラウンドカウンタ+1を行う旨の指示が含まれている。この処理が終了した場合には、S205−2に処理を移行する。
S205−2において、メインCPU101は、メインRAM103おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S206−2に処理を移行する。
S206−2において、メインCPU101は、メインRAM103の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S207−2に処理を移す。
S207−2において、メインCPU101は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマをメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大当り終了インターバル処理]
図27のS61−2において実行されるサブルーチン(大当り終了インターバル処理)について図38を用いて説明する。
最初に、S211−2において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(09H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(09H)であると判定した場合には、S212−2に処理を移行する。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(09H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S212−2において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(09H)である場合に、当り終了インターバルに対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。すなわち、大当り終了インターバル時間が消化されて待ち時間タイマの値が“0”となったかを判定する。また、メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S213−2に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S213−2において、メインCPU101は、メインRAM103の特別図柄ゲーム終了を示す値(10H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、S214−2に処理を移す。
S214−2において、メインCPU101は、大当り連続回数カウンタに「1」加算する処理を行う。大当り連続回数カウンタは、所謂、連チャン回数をカウントする。この処理が終了した場合には、S215−2に処理を移す。
S215−2において、メインCPU101は、大当り連続回数カウンタが「3」か否か判定する。ここで「3」という数字はリミッタ回数として設定された値である。メインCPU101は、大当り連続回数カウンタが3である場合は、S216−2に処理を移す。大当り連続回数カウンタが3でない場合には、S217−2に処理を移す。
S216−2において、メインCPU101は、大当り連続回数カウンタをリセットする(「0」を入力する)。この処理が終了した場合には、S218−2に処理を移す。
S217−2において、メインCPU101は、時短フラグをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り当選となった特別図柄の停止態様に基づいて、時短フラグのオン、オフをセットする。例えば、大当り当選となった特別図柄の停止態様が奇数の場合には、時短フラグをオンにし、大当り当選となった特別図柄の停止態様が偶数の場合には、時短フラグをオフにする。時短フラグがオンの場合には、時短遊技状態終了の条件となる時短回数及び作動回数の上限をセットする。作動回数とは、時短遊技状態において小当りに当選したがV入賞しなかった回数のことである。例えば、時短回数として20回、作動回数として2回をセットする。また、メインCPU101は、V大当りの場合には、時短フラグにオンをセットし、V大当りの契機となった小当り当選を報知する特別図柄の停止表示態様に基づいて、時短遊技状態終了の条件となる時短回数及び作動回数の上限をセットする。具体的に、小当り(1)の場合は、時短回数として20回、作動回数として2回をセットする。小当り(2)の場合は、時短回数として20回、作動回数として4回をセットする。小当り(3)の場合は、時短回数として100回、作動回数として10回をセットする。なお、時短回数をセットした場合、メインRAM103には、セット数+1の値が記憶される。これは、後述するS225−2の処理において、大当り遊技状態終了後に時短回数カウンタに1加算されることにより、時短回数が1回消費される分を補充するためである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S218−2において、メインCPU101は、「通常遊技状態」をセットする。ここで言う通常遊技状態とは、普通図柄抽選の当選確率が低確率の遊技状態を指す。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
すなわち、第2実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技状態に連続して3回移行した場合(所謂、三連チャンの場合)には、3回目の大当り遊技状態が終了した後に、通常遊技状態に移行する。
[特別図柄ゲーム終了処理]
図27のS62−2において実行されるサブルーチン(特別図柄ゲーム終了処理)について図39を用いて説明する。
最初に、S221−2において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)であると判定した場合には、S222−2に処理を移す。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S222−2において、メインCPU101は、V入賞フラグがあるか否か判定する。メインCPU101は、V入賞フラグがある場合は、S223−2に処理を移す。V入賞フラグがない場合には、S224−2に処理を移す。
S223−2において、V入賞フラグをオフにする。この処理が終了した場合には、S224−2に処理を移す。
S224−2において、メインCPU101は、時短フラグがオンか否か判定する。メインCPU101は、時短フラグがオンである場合は、S225−2に処理を移す。時短フラグがオンではない場合には、メインCPU101は、S228−2に処理を移す。
S225−2において、メインCPU101は、時短回数カウンタに1加算する。この処理が終了した場合には、S226−2に処理を移す。
S226−2において、メインCPU101は、時短回数カウンタがS216でセットした時短回数以上か否か判定する。メインCPU101は、時短回数カウンタがS217−2でセットした時短回数以上であると判定した場合は、S227−2に処理を移す。時短回数カウンタが時短回数以上であると判定しないには、メインCPU101は、S228−2に処理を移す。
S229−2において、メインCPU101は、V非入賞フラグがオンであるか否か判定する。メインCPU101は、V非入賞フラグがオンであると判定した場合には、S230−2に処理を移す。V非入賞フラグがオンであると判定しない場合には、S228−2に処理を移す。
S230−2において、メインCPU101は、作動回数カウンタに1加算する処理を行う。作動回数カウンタは、時短遊技状態において小当りに当選したがV入賞しなかった回数をカウントするものである。更に、メインCPU101は、非入賞フラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S231−2に処理を移す。
S231−2において、メインCPU101は、作動回数カウンタの値がS217−2でセットした作動回数以上であるか否か判定する。メインCPU101は、作動回数以上であると判定した場合には、S227−2に処理を移す。作動回数以上であると判定しない場合には、S228−2に処理を移す。
S227−2において、時短回数カウンタ及び作動回数カウンタをリセットするとともに、時短フラグをオフ(クリア)にする。なお、この処理が終了した場合には、S228−2に処理を移す。すなわち、第2実施形態においては、時短回数が設定回数以上となった場合、及び小当り遊技状態においてV入賞口しなかった回数が設定回数以上となった場合のいずれかを満たした場合に、時短遊技状態が終了する。
S228−2において、メインCPU101は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[システムタイマ割込処理]
メインCPU101は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。図40を用いて、システムタイマ割込処理について以下に説明する。
S231−2においては、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU101は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、S232−2に処理を移す。
S232−2においては、タイマの更新処理を行う。この処理が終了した場合、S233−2に処理を移す。
S233−2においては、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする。さらに、メインCPU101は、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路105に送信する(図7参照)。初期リセット回路105は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を解放する。なお、初期リセット回路105に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路105に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100msec)が経過すると、初期リセット回路105からメインCPU101へシステムリセット信号が出力される。メインCPU101はこの初期リセット回路105からシステムリセット信号が入力されるとシステムリセット状態となる。この処理が終了した場合、S234−2に処理を移す。
S234−2においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタ、リーチ判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出選択用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、リーチ判定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2msecごとの決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、S235−2に処理を移す。
S235−2においては、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU101は、第1大入賞装置454および第2大入賞装置453に設けられたカウントセンサ113bおよびカウントセンサ113aや、一般入賞口419a〜419dに設けられた一般入賞球センサ114や、球通過検出器416に設けられた球通過検出センサ115や、第1始動口414aおよび第2始動口414bに設けられた第1始動口入賞球センサ116aおよび第2始動口入賞球センサ116bや、V入賞口457に設けられたV入賞口入賞球センサ457cからの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU101は、検知したと判定した場合、検知に応じて、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタ、V賞球カウンタなどを更新する。スイッチ入力処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、S236−2に処理を移す。
S236−2においては、可動部材制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は可動部材457aの制御を行う。この制御の詳細は後述する。この処理が終了した場合、S237−2に処理を移す。
S237−2において、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU101は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[スイッチ入力処理]
図40に示すS235−2のスイッチ入力処理について、図41を用いて説明する。
S241−2において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、カウントセンサ113a、113b、一般入賞球センサ114、第1始動口入賞球センサ116aおよび第2始動口入賞球センサ116bの入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定する。そして、メインCPU101は、カウントセンサ113a、113bの入力があったと判定した場合には、大入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、一般入賞球センサ114の入力があったと判定した場合には、一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116bの入力があったと判定した場合には、始動口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、S242−2に処理を移す。
S242−2において、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。特別図柄関連スイッチチェック処理については後述する。この処理が終了した場合には、S243−2に処理を移す。
S243−2において、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、球通過検出センサ115の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定した場合には本サブルーチンを終了する。上限であると判定しない場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM103の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、この処理が終了した場合には、S244−2に処理を移す。
S244−2において、Vスイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、V入賞口入賞球センサ457cの入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、V入賞フラグをオンにする処理を行う。第2実施形態では、「小当り」時のみ、V入賞フラグがオンであるか否かを判定し、それ以外の時に、V入賞フラグがオンとなっていても、特別図柄ゲーム終了処理00H(図27参照)においてクリアされる。この処理が終了した場合には、S245−2に処理を移す。
S245−2において、異常関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、異常関連スイッチに異常があったか否か、例えばガラスドア10の開閉スイッチが開放してガラスドア10が開放されていることが検知されたか否かを判定する。また、例えば、第1大入賞装置454が作動中との信号が発信されていない状態において、カウントセンサ113aからの信号が検知されたか否かを判定する。異常が検知された場合には、異常をホール係員に報知するための処理を行い、異常が検知されない場合には、そのまま本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図41に示すS242−2の特別図柄関連スイッチチェック処理について、図42を用いて説明する。
S251−2において、第1始動口414aへの始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口入賞球センサ116aの入力があった否かを判定する。第1始動口入賞球センサ116aの入力があったと判定した場合には、S252−2に処理を移し、第1始動口入賞球センサ116aの入力があったと判定しない場合には、S257−2に処理を移す。
S252−2において、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、S253−2に処理を移す。
S253−2において、第1特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、S254−2に処理を移す。
S254−2において、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、特別図柄抽選)し、さらに、リーチ判定用乱数カウンタからリーチ判定用乱数値を抽出し、演出選択用乱数カウンタから演出選択用乱数値を抽出して、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。第2実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、S255−2に処理を移す。
S255−2において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄始動記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、大当りに当選したか否や、入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、S256−2に処理を移す。
S256−2において、メインCPU101は、第1始動口入賞コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする。第1始動口入賞コマンドは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が、第1始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。第1始動口入賞コマンドのデータには、S255−2の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば、演出表示される保留球の表示態様を変更することで大当りへの期待度を示唆する演出(所謂、保留予告)を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、周知技術であるいわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
S257−2において、第2始動口414bへの始動入賞が検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口入賞球センサ116bの入力があった否かを判定する。第2始動口入賞球センサ116bの入力があったと判定した場合には、S258−2に処理を移し、第2始動口入賞球センサ116bの入力があったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S258−2において、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、S259−2に処理を移す。
S259−2において、第2特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、S260−2に処理を移す。
S260−2において、各種乱数値の取得処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数を抽出(いわゆる、特別図柄抽選)し、さらに、リーチ判定用乱数カウンタからリーチ判定用乱数値とを抽出し、演出選択用乱数カウンタから演出選択用乱数値を抽出して、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、S261−2に処理を移す。
S261−2において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄始動記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、大当り或いは小当りに当選したか否や、入賞演出を行うか否かを判定する。入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、S262−2に処理を移す。
S262−2において、メインCPU101は、第2始動口入賞コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする。第2始動口入賞コマンドは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が、第2始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。第2始動口入賞コマンドのデータには、S261−2の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば、演出表示される保留球の表示態様を変更することで大当りへの期待度を示唆する演出(所謂、保留予告)を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。なお、S261−2の処理においては、当り抽選の結果が小当りである場合に、必ず入賞演出を行うと判定する。このため、当り抽選の結果が小当りである場合に、必ず保留予告が実行される。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態において、図示はしていないが、主制御回路100のメインRAM103にセットされた各種コマンドは、主制御回路100の各処理において副制御回路200に供給されている。
[可動部材制御処理]
図40に示すS236−2の可動部材制御処理について、図43を用いて説明する。
最初に、S271−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であると判定した場合には、S272−2に処理を移行する。制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であると判定しない場合には、S274−2に処理を移行する。
S272−2において、可動部材457aが動作していることを示す可動中フラグがあるか否かを判定する処理を行う。可動中フラグは、V入賞口ソレノイド457bが作動した場合にオンになる。この処理において、メインCPU101は、可動中フラグがあると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、可動中フラグがないと判定した場合には、S273−2に処理を移す。
S273−2において、可動部材457aの作動時間を管理するタイマーの計時を開始させるとともに、可動部材457aの作動を開始して、可動中フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
S274−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であると判定した場合には、S275−2に処理を移行する。制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であると判定しない場合には、S277−2に処理を移す。
S275−2において、メインCPU101は、小当り終了時残留球監視時間が0か否かを判定する。メインCPU101は、小当り終了時残留球監視時間が0であると判定した場合は、S276−2に処理を移す。小当り終了時残留球監視時間が0ではないと判定した場合は、本サブルーチンを終了する。
S276−2において、メインCPU101は、可動部材457aの動作を停止し、可動中フラグをオフにする。また、可動部材457aの作動時間を管理するタイマーの計時を停止するとともにリセットする。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
S277−2において、メインCPU101は、可動部材457aの作動時間を管理するタイマーの計時が0か否かを判定する。メインCPU101は、タイマーの計時が0であると判定した場合は、S279−2に処理を移す。タイマーの計時が0であると判定しない場合は、S278−2に処理を移す。。
S278−2において、メインCPU101は、可動部材457aの動作を停止し、可動中フラグをオフにする。また、可動部材457aの作動時間を管理するタイマーの計時を停止するとともにリセットする。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
S279−2において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であると判定した場合には、S280−2に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S280−2において、メインCPU101は、可動中フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、可動中フラグがないと判定した場合は、本サブルーチンを終了し、可動中フラグがあると判定した場合には、S281−2に処理を移す。第2実施形態においては、「小当り」で「V入賞」した場合は、可動中フラグがオンとなっているので、S281−2に処理を移し、単なる「大当り」中である場合は、本サブルーチンを終了する。
S281−2において、メインCPU101は、可動部材457aの動作を停止させ、可動中フラグをオフにする処理を行う。また、可動部材457aの作動時間を管理するタイマーの計時を停止するとともにリセットする。なお、「大当り遊技」においては、可動部材457aを動作させる必要がないため、可動中フラグはオフで維持される。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
第2実施形態においては、可動部材457aは、羽根部材453aの開放と同じタイミングで作動し、V入賞するのに十分な時間(例えば、5秒)V入賞し易い状態とした後、V入賞し難い状態に戻る。ここで、羽根部材453aは、小当り遊技状態において最大約30秒開放可能であることから、仮に、小当り遊技開始前に遊技球の発射を停止させ、羽根部材453aが開放してから5秒経過した後に、遊技球を発射させても、遊技球を第2大入賞装置454に10球入賞させることが可能である。このため、敢えて、V入賞させない打ち方も可能になる。
[副制御回路の動作説明]
次に、図44〜図49を参照して、副制御回路200のサブCPU201により実行される各種処理の内容について説明する。
[副制御メイン処理]
図44を用いて、副制御メイン処理を説明する。副制御回路200は、主制御回路100からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
S1011−2において、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU201は、電源投入に応じて、初期化設定する処理を行う。例えば、電源ONフラグをオンにする。この処理が終了した場合には、S1012−2に処理を移す。この初期化処理は電源のオン・オフ動作に応じて行うことも可能である。
S1012−2において、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1013−2に処理を移す。
S1013−2においては、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から受信し、ワークRAM203の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、S1014−2に処理を移す。
S1014−2においては、演出制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、上述のいわゆる先読み演出により保留球に関する先読み保留演出(保留予告)制御等を実行する。この処理が終了した場合には、S1014−2に処理を移す。
S1015−2においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、液晶表示装置50において表示を行うためのデータを表示制御回路210に送信する。表示制御回路210において、VDP(図示せず)は、サブCPU201の制御により演出画像を表示するためのデータに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置50の表示領域51上に表示させる。この処理が終了した場合には、S1016−2に処理を移す。
S1016−2においては、音・ランプ等制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、スピーカ14から発生させる音の制御を行う音声制御処理、各種のランプ(図示せず)の発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理(S1012−2)に処理を移す。
[タイマ割り込み処理]
図44に示す副制御メイン処理を実行している状態であっても、副制御メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。図45を用いて、タイマ割り込み処理について以下に説明する。
S1021−2においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、S1022−2に処理を移す。
S1022−2においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されるタイマを更新する処理を行う。具体的には、ラウンド演出等のタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1023−2に処理を移す。
S1023−2においては、演出ボタンスイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU201は、演出ボタンの操作等を検出する。この処理が終了した場合には、S1024−2に処理を移す。
S1024−2においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、S1021−2で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド割り込み処理]
図44に示す副制御メイン処理を実行している状態であっても、副制御メイン処理を中断させ、コマンド割り込み処理を実行する場合がある。図46を用いて、コマンド割り込み処理について以下に説明する。
S1031−2においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、S1032−2に処理を移す。
S1032−2において、サブCPU201は、受信コマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1033−2に処理を移す。
S1033−2においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、S1031−2で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図44のS1013−2において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図47および図48を用いて説明する。
S1041−2において、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201が、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合には、S1042−2に処理を移し、サブCPU201が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S1042−2において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンドであると判定した場合には、S1043−2に処理を移し、特別図柄演出開始コマンドであると判定しない場合には、S1044−2に処理を移す。
S1043−2において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を行う。特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動パターン、特別図柄、残り時短回数等に関するデータが含まれる。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100の制御による特別図柄の停止に同期させて識別図柄(例えば、図50の識別図柄81)を当該コマンドで指定された変動パターンに基づいて変動させる処理、また、遊技状態が時短遊技状態であれば、時短遊技状態であることを示唆する演出や残り時短回数を報知する演出を行う処理等を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1044−2において、サブCPU201は、受信したコマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定する。図柄停止コマンドであると判定した場合には、S1045−2に処理を移し、特別図柄演出停止コマンドであると判定しない場合には、S1046−2に処理を移す。
S1045−2において、サブCPU201は、図柄停止コマンド受信時処理を行う。例えば、主制御回路100の制御による特別図柄の停止に同期させて識別図柄を停止させる等の処理を行う。具体的に、特図1、特図2抽選を契機とする大当り停止態様において、大当り遊技終了後に時短遊技状態に移行させる大当りの場合には、同じ奇数が3つ並ぶ停止表示態様とし、大当り遊技終了後に通常遊技状態に移行させる大当りの場合には、同じ偶数が3つ並ぶ停止表示態様とする。また、特図2抽選を契機とする小当り停止態様において、小当りに当選した場合には、左右の識別図柄を同じ数字図柄とし、中央にキャラクタ図柄を表示させるものとする(図50(c)参照)。特に、小当り(1)に当選した場合には、左右図柄を「2」、「4」、「6」、「8」とし、小当り(2)に当選した場合には、左右図柄を「1」、「3」、「5」とし、小当り(3)に当選した場合には、左右図柄を「7」とする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1046−2において、サブCPU201は、受信したコマンドが大当り開始コマンドか否かを判定する処理を行う。大当り開始コマンドであると判定した場合には、S1047−2に処理を移し、大当り開始コマンドであると判定しない場合には、S1048−2に処理を移す。
S1047−2において、サブCPU201は、大当り開始コマンド受信時処理を行う。この処理においては、例えば、大当り開始コマンドを受けて、最初のラウンド遊技が開始される前に所定の演出を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1048−2において、サブCPU201は、受信したコマンドが小当り開始コマンドか否かを判定する処理を行う。小当り開始コマンドであると判定した場合には、S1049−2に処理を移し、小当り開始コマンドであると判定しない場合には、S1050−2に処理を移す。
S1049−2において、サブCPU201は、小当り開始コマンド受信時処理を行う。この処理においては、小当り開始コマンドを受けて、例えば、第2大入賞装置453が開放していることを報知する演出を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1050−2において、サブCPU201は、受信したコマンドがV当り開始コマンドか否かを判定する処理を行う。V当り開始コマンドであると判定した場合には、S1051−2に処理を移し、V当り開始コマンドであると判定しない場合には、S1052−2に処理を移す。
S1051−2において、サブCPU201は、V当り開始コマンド受信時処理を行う。この処理においては、V当り開始コマンドを受けて、例えば、V当り時の演出を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1052−2において、サブCPU201は、受信したコマンドが小当り終了コマンドか否かを判定する処理を行う。小当り終了コマンドであると判定した場合には、S1053−2に処理を移し、小当り終了コマンドであると判定しない場合には、S1054−2に処理を移す。
S1053−2において、サブCPU201は、小当り終了コマンド受信時処理を行う。この処理においては、小当り終了コマンドを受けて、例えば、第2大入賞装置453が開放していることを報知する演出を終了する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1054−2において、サブCPU201は、受信したコマンドが第1始動口入賞コマンドか否かを判定する処理を行う。第1始動口入賞コマンドであると判定した場合には、S1055−2に処理を移し、第1始動口入賞コマンドであると判定しない場合には、S1056−2に処理を移す。
S1055−2において、サブCPU201は、第1始動口入賞コマンド受信時処理を行う。この処理においては、例えば、第1始動口入賞コマンドに含まれる、演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータに基づいて、保留図柄の表示態様を変化させて、当該保留図柄に対応する特別図柄抽選の大当り当選の期待度を示唆する演出を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1056−2において、サブCPU201は、受信したコマンドが第2始動口入賞コマンドか否かを判定する処理を行う。第2始動口入賞コマンドであると判定した場合には、S1057−2に処理を移し、第2始動口入賞コマンドであると判定しない場合には、S1058−2に処理を移す。
S1057−2において、サブCPU201は、第2始動口入賞コマンド受信時処理を行う。この処理においては、例えば、第2始動口入賞コマンドに含まれる、演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータに基づいて、保留図柄の表示態様を変化させて、当該保留図柄に対応する特別図柄抽選の大当りあるいは小当り当選の期待度を示唆する演出、所謂、保留予告を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。ここで、S261−2の処理(図42参照)において、当り抽選結果が小当り判定である場合に必ず入賞演出を行うと判定されるため、当り抽選結果が小当り判定である場合に、必ず保留予告が実行される。
S1058−2において、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄当りインターバル終了表示コマンドか否かを判定する処理を行う。特別図柄当りインターバル終了表示コマンドであると判定した場合には、S1059−2に処理を移し、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドであると判定しない場合には、S1060−2に処理を移す。
S1059において、サブCPU201は、特別図柄当りインターバル終了表示コマンド受信時処理を行う。この処理においては、例えば、連チャン回数を表示する処理が行われる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1060−2において、サブCPU201は、その他のコマンドの受信時処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[第2始動口入賞コマンド受信時処理]
図48のS1057−2において実行されるサブルーチン(第2始動口入賞コマンド受信時処理)について図49を用いて説明する。
S1070−2において、サブCPU201は、受信した第2始動口入賞コマンドに、演出表示される保留球の表示態様を変更する演出(所謂、保留演出)を実行させるデータが含まれているか否かを判定する処理を行う。保留演出を実行させるデータが含まれていると判定した場合には、S1071−2に処理を移し、保留演出を実行させるデータが含まれていると判定しない場合には、S1073−2に処理を移す。
S1071−2において、保留図柄の表示態様を設定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、メインCPU101の処理によって決定した変動パターンに対応する保留図柄の表示色を設定する処理を行う。本実施形態において、液晶表示装置50に表示される保留図柄の表示色は、白色、青色、黄色、緑色、赤色であり、S1071−2の処理において、サブCPU201は、メインCPU101の処理によって先読み予告を行うと決定しない変動パターンに対応する保留図柄の表示色を白色に設定し、メインCPU101の処理によって先読み予告を行うと決定する変動パターンに対応する保留図柄を青色、黄色、緑色、赤色のいずれかに設定する。第2実施形態によれば、変動パターンの変動時間に応じて保留図柄の表示色に乱数値を対応させたテーブルをプログラムROM202に記憶しており、このテーブルを参照しながら乱数抽選によって保留図柄の表示色を決定する。この処理が終了した場合には、ステップS1072−2の処理を移す。
ここで、第2実施形態によれば、変動時間が長い変動パターンほど大当り又は小当りに当選した場合に選択されやすいように設定されている。また、変動時間が短い変動パターンほど青色が選択されやすく、それより変動時間が長くなるにつれて黄色、緑色、赤色が選択されやすくなるように設定されている。言い替えれば、青色、黄色、緑色、赤色の順で、大当り又は小当りに当選する期待度が高くなる。なお、第2実施形態においては、保留球の先読みの結果、小当りとなる保留球がある場合、その保留球が緑色又は赤色となる可能性が高くなるように、テーブルにおいて表示色に対して乱数値が振り分けられている。このため、時短遊技状態において、赤色の保留球が出現すれば、遊技者に小当り以上が期待できることを報知することができる。
ステップS1072−2において、保留図柄の表示色のデータをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS1071−2の処理で設定した保留図柄の表示色のデータをワークRAM203の送信用の所定領域にセットする処理を行う。ワークRAM203のセットされた保留図柄の表示色のデータは、表示制御回路210に送信される。表示制御回路210は、受信した保留図柄の表示色のデータに基づいて、液晶表示装置50の表示領域51(図22参照)に、ステップS251の処理で設定した表示色の保留図柄を表示させる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[演出画面の説明]
図50は、第2実施形態において液晶表示装置50に表示される演出画面の一例を示す説明図である。
第2実施形態においては、特図1抽選による大当りの場合、50%の確率で大当り遊技状態終了後に時短遊技状態に移行する。液晶表示装置50には、演出用の識別図柄81と、保留図柄82a、82bと、が表示される。演出用の識別図柄81は、変動、停止表示によって大当り又は小当り当選を報知するものである。保留図柄82aは、演出用の識別図柄81の変動中に第1始動口414aへ入賞した場合に最大4個まで表示される。保留図柄82bは、演出用の識別図柄81の変動中に第2始動口414bへ入賞した場合に最大4個まで表示される。このため、最大8個の保留図柄の表示が可能である。
遊技者は、通常遊技状態においては、左打ちを行って第1始動口414aへの入賞を狙いながら遊技を進める。そして、図50(a)に示すように、演出用の識別図柄81が大当り態様で停止すると大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては右打ちを行うことによって大当り遊技を進める。そして、大当り遊技状態の終了時に、液晶表示装置50には、時短遊技状態へ移行する場合に「チャンスタイム 右打ちしてください」といった文字画像を表示し、時短遊技状態へ移行しない場合に「左打ちに戻してください」といった文字画像を表示する。
時短遊技状態へ移行した場合、図50(b)に示すように、液晶表示装置50には、演出用の識別図柄81と、保留図柄82aと、時短回数83と、第2大入賞装置453の作動回数84と、連チャン回数85が表示される。時短回数83及び作動回数84は、時短遊技状態が終了となるまでの残り回数として表示される。また、連チャン回数85は、リミッタ機能によって通常遊技状態に移行するまでの残りの連チャン回数として表示される。第2実施形態においては、特図1抽選又は特図2抽選を契機とする大当り遊技状態から時短遊技状態へ移行した直後において、液晶表示装置50には、時短回数83として「時短残り20回」、作動回数84として「V入賞失敗残り2回」、連チャン回数85として「連チャン回数残り2回」と表示される。
時短遊技状態において、遊技者は、大当り遊技状態に引き続いて右打ちを行うことによって、球通過検出器416を狙いながら遊技を進める。ここで、第1特別図柄に対応する保留図柄82aが、例えば4個表示されている場合において、仮に、4個の保留図柄82aを全て消化した後、右打ちを開始したとする。この場合、第1始動口414aへの入賞から小当りにはならないことから、4個の保留図柄82aを全て消化することはV入賞の可能性を4回無駄にしていることに繋がる。このため、時短遊技状態への移行後は、直ぐに右打ちをすることが望ましい。なお、このような打ち方に関する情報を、大当り遊技終了前や液晶表示装置50におけるデモ画面に表示させてもよい。
そして、演出用の識別図柄81の変動、停止が繰り返される毎に、時短回数83の表示が1ずつ減算され、第2大入賞装置453が作動したがV入賞しなかった場合に、作動回数84の表示が1ずつ減算される。時短遊技状態において、図50(c)に示すように、小当りに当選すると第2大入賞装置453が作動する。第2大入賞装置453が作動してV入賞すると、液晶表示装置50には、V大当りの旨を報知する画像が表示される。そして、大当り遊技状態の終了時に、「チャンスタイム」といった文字画像を表示され、時短遊技状態へ移行する。図50(c)に示す例によれば、小当り態様が「7」のリーチ目なので、時短遊技状態へ移行した直後において、図50(d)に示すように、液晶表示装置50に、例えば、時短回数83として「残り100回」、作動回数84として「残り10回」と表示される。また、連チャン回数85として「ラスト」と表示される。つまり、次の時短遊技状態において大当り遊技状態に移行すれば、大当り遊技状態終了後に時短遊技状態ではなく、通常遊技状態に移行することが遊技者に示唆される。
ところで、前述したように、第2実施形態においては、小当り遊技状態においても第2大入賞装置453に10個の遊技球を通過させることが可能であるため、最大150個の遊技球の払出を受けることが可能である。このため、図50(d)に示すように、作動回数84として「残り10回」と表示される場合には、第2大入賞装置453が作動してもわざとV入賞させずに、V入賞口が閉鎖された後に第2大入賞装置453に入球させることによって、最大150個の遊技球の払出を受けることが可能である。このような打ち方を9回繰り返すことによって、最大1350個の遊技球の払出を受けることが可能となる。そして、作動回数84として「ラスト」と表示された状態においてV入賞させることによって、大当り遊技状態となり、更なる遊技球の払出を受けることが可能となる。
具体的には、図50(e)に示すように、液晶表示装置50に赤色若しくは緑色の保留図柄82bが表示された場合に、その保留は小当りである可能性が高いことから、遊技者は、図50(f)に示すような赤色若しくは緑色の保留図柄82bに基づく演出用の識別図柄81の変動が停止する前に、遊技球の発射を一旦止めて、第2大入賞装置453が開放するタイミングで第2大入賞装置453に入球させないようにする。そして、第2大入賞装置453が開放した後、可動部材457aがV入賞口457を閉鎖するタイミングで遊技球の発射を再開することにより、V入賞を外すことが可能になる。
図50(f)に示す画像表示が行われている状態において、V入賞した場合には、大当り遊技が実行される。この場合、連チャン回数が3回となって時短遊技状態の終了条件を満たすことから、大当り遊技状態終了後に、図50(h)に示すように、「チャンスタイム終了」という文字画像86が表示されて、通常遊技状態への移行が遊技者に報知される。図50(f)に示す画像表示が行われている状態において、V入賞しなかった場合には、作動回数84の表示が「1」減って「残り4」になる。その後、遊技者が時短回数を重ねるとともにV入賞を外して賞球を獲得することを繰り返すことにより、図50(g)に示すように、時短回数83、作動回数84が表示する残り回数が減っていく。そして、時短回数83、作動回数84、連チャン回数85が表示する残り回数のいずれかがなくなった場合に、図50(h)に示すように、「チャンスタイム終了」という文字画像86が表示されて、通常遊技状態への移行が遊技者に報知される。
ところで、第2実施形態においては、第2大入賞装置453が開放状態の間に、右打ちした遊技球が全て第2大入賞装置453に入賞するとは限らない。つまり、第2大入賞装置453の開放タイミングに合わせて遊技球を発射したとしても、第2大入賞装置453に入球するとは限らないことから、第2大入賞装置453が開放しても必ずV入賞させることができるとは限らない。したがって、V外しを何回も行うことでV入賞させる機会を失い、結果として獲得できるはずであった大当り遊技状態を逃すおそれがある。このように、第2実施形態においては、第2大入賞装置453が開放した場合にV入賞させて大当り遊技状態を獲得するローリスクの打ち方と、第2大入賞装置453が開放した場合にV入賞させないで更なる遊技球の獲得を目指すハイリスクの打ち方と、を遊技者が選択可能になる。このように第2実施形態においては、ローリスクの打ち方とハイリスクの打ち方とを遊技者が選択できる、という新たな興趣を遊技者に提供することが可能になる。
なお、第2実施形態においては、上述した以外でも、保留図柄82bの表示態様として、小当り(1)、(2)、(3)の何れであるかを示唆するような表示態様としてもよい。これにより、小当り(1)、(2)の場合にはV入賞させ、小当り(3)の場合にV入賞を外す、という打ち方を遊技者に事前に選択させることが可能になる。また、第2実施形態においては、小当り(1)、(2)、(3)を報知する識別図柄の停止態様がそれぞれ異なり、当り図柄によって恩恵が異なる。このため、小当り(1)、(2)、(3)を報知する際の演出において、小当り(1)と小当り(2)と小当り(3)とで強弱を付けることが可能となる。これにより、高揚感を持たせるような演出が可能になる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図1乃至図5に示した第1実施形態における部材或いは、図22、図23に示した第2実施形態における部材と同一部材或いは同一機能の部材については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第3実施形態のパチンコ遊技機の外観は図1乃至図3に示した第1実施形態のパチンコ遊技機の外観と同じである。また、第3実施形態のパチンコ遊技機に係る遊技盤の構成は、図22に示した第2実施形態のパチンコ遊技機に係る遊技盤の構成と同一である。但し、第3実施形態のパチンコ遊技機に係る第2大入賞装置453の機能が、第2実施形態のパチンコ遊技機に係る第2大入賞装置453の機能と異なる。
第2実施形態のパチンコ遊技機に係る第2大入賞装置453は、V入賞口457に入球することによって通常遊技状態から大当り遊技状態に移行するのに対して、第3実施形態のパチンコ遊技機に係る第2大入賞装置453は、大当り遊技状態における特定のラウンド(例えば、9ラウンド)に開放することで、V入賞口457に入球可能になる。そして、V入賞口457に入球することによって、大当り遊技状態の終了後に特別図柄抽選の当選確率が高確率となる確変遊技状態に移行する、所謂、V確変機と称されているタイプのものである。V入賞口457は、図51(a)に示すように、第2大入賞装置453の開放と同時に可動部材457aが駆動されて開放状態となり、V入賞口457への遊技球の入球が検知された時点で、図51(b)に示すように閉鎖される。このため、第2大入賞装置453に遊技球が入球すれば、V入賞口457に遊技球が入球する。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機は、第1始動口414a及び第2始動口414bのいずれに入賞した場合においても「小当り」に当選することはない。また、第3実施形態のパチンコ遊技機においては、確変遊技状態及び時短遊技状態に移行する機能を有している。
[第3実施形態のパチンコ遊技機が備える回路の構成]
第3実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成については、図24に示す第2実施形態の回路と同一の構成であるため、詳細な説明は省略する。
[遊技状態の種別]
まず、メインCPU101で制御および管理される遊技状態の種別について説明する。
第3実施形態において、メインCPU101で制御および管理される遊技状態の種別としては、「大当り遊技状態」、「確変遊技状態」および「時短遊技状態」がある。
「大当り遊技状態」は、「大当り遊技」が行われる遊技状態であり、第1大入賞装置454のシャッタ417又は第2大入賞装置453の羽根部材453aが開閉動作をする遊技状態である。すなわち、「大当り遊技」とは、第1大入賞装置454のシャッタ417又は第2大入賞装置453の羽根部材453aが開閉動作を行い、複数回のラウンドゲームが行われる遊技である。第3実施形態においては、複数回のラウンドゲームにおいて複数回のラウンドゲームにおける特定回のラウンドゲームにおいて第2大入賞装置453の羽根部材453aを開閉動作させ、特定回以外のラウンドゲームにおいて第1大入賞装置454のシャッタ417を開閉動作させる。
「大当り遊技」は、第1始動口414aまたは第2始動口414bに入球したことにより行われる抽選において、「大当り」に当選することで行われる。第3実施形態における「大当り」に当選する確率は、例えば、1/200とする。第1大入賞装置454に遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が払出される。また、「大当り」に当選したことを報知する特別図柄の停止表示態様に応じて、大当り遊技状態におけるラウンド数及びラウンド遊技中の開放時間が設定されている。第3実施形態においては大当り遊技状態において10ラウンドのラウンドゲームが行われるため、最大、1500個の遊技球の払い出しが期待できる。
「確変遊技状態」は、「確変遊技」が行われる遊技状態であり、特別図柄抽選の当選確率を相対的に高い遊技状態のことである。第3実施形態において、例えば、確変遊技状態において「大当り」に当選する確率は1/50とする。「確変遊技状態」は、特別図柄抽選において確変大当りに当選し、かつ大当り遊技状態おける特定回のラウンドゲームにおいてにV入賞口457に入球することを条件として、大当り遊技状態終了後に移行する。また、「確変遊技状態」は、大当り遊技状態終了後に必ずに移行する。その後、特別図柄抽選に当選することなく、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば、70回)実行された場合に確変遊技状態が終了する。
「時短遊技状態」は、「時短遊技」が行われる遊技状態であり、普通図柄の当選確率が相対的に高い遊技状態のことである。すなわち、「時短遊技状態」は、第2始動口414bに設けられた普通電動役物415が開放状態になりやすい遊技状態(第2始動口入賞が発生しやすい遊技状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、第3実施形態においては、確変大当りに当選した場合に大当り遊技状態終了後、確変遊技状態に移行するとともに時短遊技状態に移行する。時短遊技状態に移行した後、特別図柄抽選に当選することなく、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば、70回)実行された場合に時短遊技状態が終了する。つまり、第3実施形態においては、大当り遊技状態終了後から、所定回数(例えば、70回)の特別図柄の変動表示においては確変遊技状態でかつ時短遊技状態である。そして、確変遊技状態でかつ時短遊技状態にある所定回数(例えば、70回)の特別図柄の変動表示において大当りに当選しない場合には、所定回数(例えば、70回)の特別図柄の変動表示の終了した後に、通常遊技状態に移行する。
「通常遊技状態」とは、「大当り遊技状態」、「確変遊技状態」及び「時短遊技状態」のいずれでもない遊技状態である。言い替えれば、「通常遊技状態」は、特別図柄ゲームを実行する遊技状態において、特別図柄抽選の当選確率、及び普通図柄抽選の当選確率がともに低確率の遊技状態である。
なお、「時短遊技状態」では、普通図柄の当選確率が相対的に高いだけでなく、普通図柄ゲームにおける抽選時間を相対的に短くしてもよい。また、普通電動役物415の開閉動作における開放時間を相対的に長くしてもよい。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機1は、所謂、リミッター機能を有しており、大当り遊技状態が所定回数連続(所謂、連チャン)すると、所定回数目の大当り遊技状態が終了した後、普通図柄の当選確率が相対的に低い通常遊技状態に移行する。例えば、大当り遊技状態の連続回数がリミッタ回数(例えば、5回)に到達しなければ、大当り遊技中におけるV入賞を条件に大当り遊技状態終了後に確変遊技状態となる。しかし、リミッタ回数目(例えば、5回目)の大当り遊技状態が終了した後は、確変遊技状態に移行せずに通常遊技状態に移行する。
[第3実施形態における遊技の概要]
次に、第3実施形態のパチンコ遊技機1を用いた遊技の概要について説明する。図22に示すように、パチンコ遊技機1の遊技盤40によれば、左打ちを行った場合には第1始動口414aに入球しうるが第2始動口414bへの入球は不可能である。また、右打ちを行った場合には、球通過検出器416に遊技球を通過させ、普通図柄抽選に当選することで第2始動口414bに入球しうるが第1始動口414aへの入球は不可能である。ここで、低確率状態の普通図柄抽選に当選することは困難であることから、遊技者は、通常遊技状態(非時短遊技状態)においては、左打ちを行って第1始動口414aへの入球を狙う。
そして、第1始動口414aへの入球を契機として特図1抽選によって大当り乱数値を抽出し、当り判定テーブルを参照して、大当りに当選したか否かを判定し、大当りに当選したと判定した場合に、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態において遊技者は、第1大入賞装置454が遊技領域41の右側領域に配置されているため、右打ちを行ってラウンド遊技を進める。そして、大当り遊技状態終了後に時短遊技状態に移行する場合がある。時短遊技状態に移行した場合には、そのまま右打ちを継続して、球通過検出器416に遊技球を通過させる。球通過検出器416への遊技球通過を契機として普通図柄抽選が行われ、普通図柄抽選に当選すると普通電動役物415が作動して、遊技球が第2始動口414bを通過しやすくなる。遊技球が第2始動口414bを通過すると特図2抽選が行われる。特図2抽選によって大当り判定値を抽出し、当り判定テーブルを参照して、大当りに当選したか否かを判定し、大当りに当選したと判定した場合に、大当り遊技状態に移行する。
第3実施形態においては、特図1抽選及び特図2抽選で使用する当り判定テーブルは共通であり、当り判定テーブルは、通常遊技状態用のテーブルと確変遊技状態用のテーブルとを備えている。ここで、通常遊技状態用の当り判定テーブルにおいて大当り判定値として設定されている乱数値は、確変遊技状態用の当り判定テーブルにおいても大当り判定値として設定されている。
[主制御回路の動作説明]
次に、図52〜図59を参照して、第3実施形態のパチンコ遊技機に係る主制御回路100のメインCPU101により実行される各種処理の内容について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図52を参照して、メインCPU101の制御による主制御メイン処理について説明する。メインCPU101は、図52に示すS50−3〜S56−3の処理を繰り返し実行する。
図52に示すS50−3、S51−3の処理については、図9に示す第1実施形態におけるメインCPU101による、S50、S51の処理と同一であるため、説明を省略する。S51の処理が終了した場合、S52−3に処理を移す。
S52−3において、メインCPU101は特別図柄制御処理を行う。この処理について詳しくは後述するが、第1実施形態における特別図柄制御処理(図9のS52)に対して、確変遊技状態及び時短遊技状態へ移行する処理を追加したものである。この処理が終了した場合、S53−3に処理を移す。
S52−3において、メインCPU101は普通図柄制御処理を行う。この処理において、第1実施形態における普通図柄制御処理(図9のS53)に対して、開放状態にある普通電動役物415の閉鎖条件が異なる。すなわち、第1実施形態においては、メインCPU101が、普通図柄抽選に当選した場合に普通電動役物415が開放し、開放時間は30秒を経過した場合、もしくは普通電動役物415に10個入球した場合のいずれかを満たした場合に閉鎖する処理を行う。それに対して、第3実施形態においては、メインCPU101が、普通図柄抽選に当選した場合に普通電動役物415を開放させ、1.8秒開放した時点で閉鎖する処理を行う。それ以外は第1実施形態における普通図柄制御処理(図9のS53)と同じである。この処理が終了した場合、S54−3に処理を移す。
図52に示すS54−3〜S56−3については、図9に示す第1実施形態におけるメインCPU101による、S54〜S56の処理と同一であるため、説明を省略する。
[特別図柄制御処理]
図52のステップS52−3において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図53を用いて説明する。なお、図53において、ステップS60−3からステップS69−3の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM103における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップを実行し、特別図柄ゲームを進行する。なお、第3実施形態は、第2大入賞装置453を有している点で、第1実施形態と異なっている。このため、図53に示す第3実施形態の特別図柄制御処理は、第1実施形態の特別図柄制御処理に対して、第2大入賞装置453に関わる処理が追加されている。
ステップS60−3において、制御状態フラグをロードする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS61−3に処理を移す。
なお、後述するステップS61−3からステップS69−3において、メインCPU101は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS61−3からステップS69−3における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU101は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。
ステップS61−3において、特別図柄記憶チェック処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、特別図柄の保留個数のチェック等を行う。この処理が終了した場合には、ステップS62に処理を移す。
ステップS62−3において、特別図柄変動時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、図柄停止コマンドをメインRAM103に記憶し、確定後待ち時間(例えば、1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS63−3の処理を実行するように設定する。図柄停止コマンドは、主制御回路100のメインCPU101によって、副制御回路200に送信されることにより、この副制御回路200のサブCPU201が図柄停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS63−3に処理を移す。
ステップS63−3において、特別図柄表示時間管理処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判定する。メインCPU101は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS64−3の処理を実行するように設定する。一方、メインCPU101は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS69−3の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS64−3又はステップS69−3に処理を移す。
ステップS64−3において、大当り開始インターバル管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS65−3の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS65−3に処理を移す。
ステップS65−3において、大入賞口開放中処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1大入賞口418a(図22参照)又は第2大入賞口418b(図22参照)の開放上限時間(例えば、約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットし、メインROM102から読み出された第1大入賞口418a又は第2大入賞口418bを開放させるためのデータをメインRAM103に記憶する。そして、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された第1大入賞口418a(図22参照)又は第2大入賞口418b(図23参照)を開放させるためのデータを読み出し、第1大入賞口418a又は第2大入賞口418bを開放させるためのソレノイド電源を、第1大入賞口418aのシャッタ417を駆動する第1大入賞口ソレノイド112a(図23参照)又は第2大入賞口418bの羽根部材453aを駆動する第2大入賞口ソレノイド112b(図23参照)に供給する。そして、メインCPU101は、開放上限時間が経過した後、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS66−3の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS66−3に処理を移す。
ステップS66−3において、大入賞口内残留球監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、大入賞口開放回数カウンタが所定数以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU101は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り遊技終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットする。一方、メインCPU101は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS67−3又はステップS68−3に処理を移す。
ステップS67−3において、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU101は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS65−3の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS65−3に処理を移す。
ステップS68−3において、大当り終了インターバル処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS69−3の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS69−3に処理を移す。
ステップS69−3において、特別図柄ゲーム終了処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS61−3の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、メインCPU101は、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームを実行する。具体的には、メインCPU101は、大当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを(00)、(01)、(02)、(08)と順にセットすることにより、図52に示すステップS61、ステップS62、ステップS63、ステップS69の処理を所定のタイミングで実行する。また、メインCPU101は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを(00)、(01)、(02)、(03)と順にセットすることにより、図52に示すステップS61、ステップS62、ステップS63、ステップS64の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行する。更には、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを(04)、(05)、(06)と順にセットすることにより、図52に示すステップS65、ステップS66、ステップS67の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を実行する。なお、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、(07)、(08)と順にセットすることにより、図52に示すステップS68、ステップS69の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図52のステップS61−3において実行されるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について図53を用いて説明する。ステップS70−3において、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であると判別した場合には、ステップS71−3に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS71−3において、第2始動口入賞の保留個数が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判定する。メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が“0”である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS77−3に処理を移す。一方、メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が“0”でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS72−3に処理を移す。
ステップS72−3において、第2始動記憶数から“1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(0)のデータをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73−3に処理を移す。
ステップS73−3において、第2始動口入賞に基づく特別図柄記憶領域転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS74−3に処理を移す。
ステップS74−3において、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS75−3に処理を移す。また、メインCPU101は、後述するサブCPU201が、特別図柄表示装置421に停止表示する特別図柄に対応する導出図柄(演出用の識別図柄(図63に示す識別図柄81))を決定するための導出図柄指定コマンドを生成してメインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、この導出図柄指定コマンドを、図6に示すステップS14−3で副制御回路200に出力する。副制御回路200のサブCPU201は、受信した導出図柄指定コマンドに基づいて、導出図柄の変動表示を開始することとなる。
ステップS75−3において、待ち時間セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図8に示すステップS37又はステップS46で決定した特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS76−3に処理を移す。
ステップS76−3において、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、今回の変動表示に用いられたメインRAM103の記憶領域をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS77−3において、第1始動口入賞の保留個数が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判定する。メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS80−3に処理を移す。一方、メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS78−3に処理を移す。なお、メインCPU101は、ステップS71−3の処理の後に、ステップS77−3の処理を行う。すなわち、メインCPU101は、第2始動口入賞を優先消化する。
ステップS78−3において、第1始動記憶数から“1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)のデータをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS79−3に処理を移す。
ステップS79−3において、第1始動口入賞に基づく特別図柄記憶領域転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS74−3に処理を移す。
ステップS80−3において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103にデモ表示許可値をセットする処理を行う。また、メインCPU101は、特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU101は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドをセットし、副制御回路200に供給する。副制御回路200は、このデモ表示コマンドに基づき、液晶表示装置50においてデモ表示を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図52のステップS63−3において実行されるサブルーチン(特別図柄表示時間管理処理)について図55及び図56を用いて説明する。図55に示すように、ステップS90−3において、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であると判定した場合には、ステップS91−3に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS91において、待ち時間が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”であると判定した場合にはステップS92−3に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でないと判定した場合には本サブルーチンを終了する。
ステップS92−3において、大当りか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された確変フラグと、大当り乱数判定テーブルを参照し、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられた値か否か(大当りか否か)を判定する。メインCPU101は、大当りであると判定した場合には図56に示すステップS98−3に処理を移し、大当りでないと判定した場合には、ステップS93−3に処理を移す。なお、第3実施形態においては、第1始動口入賞を契機とする特図1抽選及び第2始動口入賞を契機とする特図2抽選において共通の大当り乱数判定テーブルを参照しているが、特図1抽選及び特図2抽選とで別の大当り乱数判定テーブルを参照してもよい。このようなステップS92−3の処理を実行するメインCPU101は、情報記憶手段が記憶する情報に基づいて、識別図柄の変動に応じて、特別遊技状態へ移行するか否かの大当り判定を行う大当り判定手段として機能する。
ステップS93−3において、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS94−3に処理を移す。
ステップS94−3において、時短状態変動回数カウンタが“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタの値が“0”であるか否か判定する。時短状態変動回数カウンタは、時短遊技状態で特別図柄を変動及び停止する回数を示す。メインCPU101は、時短状態変動回数カウンタの値が“0”であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、時短状態変動回数カウンタの値が“0”でないと判定した場合には、ステップS95−3に処理を移す。
ステップS95−3において、時短状態変動回数カウンタから“1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタから“1”減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS96−3に処理を移す。
ステップS96−3において、時短状態変動回数カウンタが“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタの値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、時短状態変動回数カウンタの値が“0”であると判定した場合には、ステップS97−3に処理を移し、時短状態変動回数カウンタの値が“0”であると判定しない場合には、ステップS106−3に処理を移す。
ステップS97−3において、時短フラグに“0”をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された時短フラグに“0”をセットする処理を行う。ここで、時短フラグは、メインRAM103に記憶され、大当り終了後の遊技状態として、時短遊技状態が選択されるか否かを表すフラグであり、その値が“0”の場合には時短遊技状態でないこと(非時短遊技状態)を示し、その値が“1”の場合には時短遊技状態であることを示す。メインCPU101は、図52に示すステップS56の処理において、時短フラグの値に応じて副制御回路200に送信する遊技状態データを生成する。この処理が終了した場合には、ステップS106−3に処理を移す。
ステップS106−3において、確変状態変動回数カウンタが“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタの値が“0”であるか否か判定する。ここで、確変状態変動回数カウンタは、確変遊技状態で特別図柄を変動及び停止する回数を示す。メインCPU101は、確変状態変動回数カウンタの値が“0”であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、確変状態変動回数カウンタの値が“0”でないと判定した場合には、ステップS107−3に処理を移す。
ステップS107−3において、確変状態変動回数カウンタから“1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の確変状態変動回数カウンタから“1”減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS108−3に処理を移す。
ステップS108−3において、確変状態変動回数カウンタが“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の確変状態変動回数カウンタの値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、確変状態変動回数カウンタの値が“0”であると判定した場合には、ステップS109−3に処理を移し、確変状態変動回数カウンタの値が“0”でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS109−3において、確変フラグに“0”をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された確変フラグに“0”をセットする処理を行う。ここで、確変フラグは、メインRAM103に記憶され、大当り終了後の遊技状態として、確変遊技状態が選択されるか否かを表すフラグであり、その値が“0”の場合には確変遊技状態でないこと(非確変遊技状態)を示し、その値が“1”の場合には確変遊技状態であることを示す。メインCPU101は、図52に示すステップS56−3の処理において、確変フラグの値に応じて副制御回路200に送信する遊技状態データを生成する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図56に示すように、ステップS98−3において、大当り態様決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図8に示すステップS35又はステップS44で決定した図柄指定コマンドに基づき、大当り態様を決定する。この処理が終了した場合には、ステップS99−3に処理を移す。
ステップS99−3において、大当りフラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図12に示すステップS92−3の処理で大当りであると判定した場合には、メインRAM103に大当りフラグをセットする。この処理が終了した場合には、ステップS100−3に処理を移す。
ステップS100−3において、大入賞口開放回数カウンタクリア処理、時短状態変動回数カウンタクリア処理、時短フラグクリア処理、確変状態変動回数カウンタクリア処理、及び確変フラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された大入賞口開放回数カウンタ、時短状態変動回数カウンタ、確変状態変動回数カウンタをクリアする。また、メインCPU101は、時短フラグの値を当選時時短フラグとしてメインRAM103に記憶してから、時短フラグに“0”をセットする処理を行う。また、メインCPU101は、確変フラグの値を当選時確変フラグとしてメインRAM103に記憶してから、確変フラグに“0”をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS101−3に処理を移す。
ステップS101−3において、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理を示す値(03)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理を示す値(03)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS102−3に処理を移す。
ステップS102−3において、大当り開始インターバル時間として待ち時間(5000ms)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図55に示すステップS92−3の処理で大当りであると判定した場合には、大当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値(5000ms)をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS103−3に処理を移す。
ステップS103−3において、大当り開始コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図55に示すステップS92−3の処理で大当りであると判定した場合には、大当り開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS104−3に処理を移す。ここで、本ステップの処理でセットされる大当り開始コマンド及びステップS99−3の処理で小当りと判定された場合にセットされる小当り開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に供給されることにより、副制御回路200が大当り又は小当り開始を認識する。
ステップS104−3において、大入賞口開放回数データセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS98−3の大当り態様決定処理で決定された大当り態様又は小当り態様に応じて、大入賞口開放回数データをセットする。具体的には、メインCPU101は、大当り態様決定処理において、ラウンド数が“10”である大当り態様を決定した場合には、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタに上限値として“10”をセットする。また、メインCPU101は、大当り態様決定処理において、ラウンド数が“10”である大当り態様を決定した場合には、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタに上限値として“10”をセットする。なお、開放回数カウンタのカウント値はラウンド数と同義である。この処理が終了した場合には、ステップS105−3に処理を移す。
ステップS105−3において、ラウンド数表示LEDパターンフラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ラウンド数表示装置422の表示制御を行うためのラウンド数表示LEDパターンフラグをメインRAM103にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大当り終了インターバル処理]
図53のステップS68−3において実行されるサブルーチン(大当り終了インターバル処理)について図57を用いて説明する。ステップS110−3において、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(07)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(07)であると判定した場合には、ステップS111−3に処理を移し、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(07)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS111−3において、待ち時間が“0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が“0”であると判定した場合には、ステップS112−3に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS112−3において、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS−3113に処理を移す。
ステップS113−3において、ラウンド数振り分けフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されたラウンド数振り分けフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS114−3に処理を移す。
ステップS114−3において、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS115−3に処理を移す。
ステップS115−3において、大当りフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図56に示すステップS99−3の処理で大当りフラグをセットした場合には、メインRAM103に記憶された大当りフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS116−3に処理を移す。
ステップS116−3において、大当り連続回数カウンタに“1”加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の大当り連続回数カウンタから“1”減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS117−3に処理を移す。
ステップS116−3において、メインCPU101は、大当り連続回数カウンタの値が5以上であるか否かを判定する。メインCPU101は、大当り連続回数カウンタの値が“5以上”であると判定した場合には、ステップS118−3に処理を移し、待大当り連続回数カウンタの値が“5以上”であると判定しない場合には、ステップS120−3に処理を移す。
ステップS118−3において、大当り連続回数カウンタをリセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の大当り連続回数カウンタの値を“0”にする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS119−3に処理を移す。
ステップS119−3において、メインCPU101は、メインRAM103の確変フラグの値を“0”(確変フラグクリア)に、時短フラグの値を“0”(時短フラグクリア)にする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS120−3において、メインCPU101は、小当り遊技でV入賞ありか否かを判定する。メインCPU101は、小当り遊技でV入賞ありと判定した場合には、ステップS121−3に処理を移し、小当り遊技でV入賞ありと判定しない場合には、ステップS118−3に処理を移す。つまり、第3実施形態においては、連続大当り回数がリミッタ回数に到達していない場合でも、小当り遊技でV入賞しない場合には、通常遊技状態に転落する。
ステップS121−3において、メインCPU101は、メインRAM103の確変フラグの値を“1”(確変フラグセット)に、時短フラグの値を“1”(時短フラグセット)に、確変状態変動回数カウンタの値を“40”(確変回数セット)に、時短状態変動回数カウンタの値を“70”(時短回数セット)にする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[システムタイマ割込処理]
メインCPU101は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。図58を用いて、システムタイマ割込処理について以下に説明する。
ステップS231−3においては、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU101は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS232−3に処理を移す。
ステップS232−3においては、タイマの更新処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS233−3に処理を移す。
ステップS233−3においては、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする。さらに、メインCPU101は、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路105に送信する(図24参照)。初期リセット回路105は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を解放する。なお、初期リセット回路105に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路105に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100msec)が経過すると、初期リセット回路105からメインCPU101へシステムリセット信号が出力される。メインCPU101はこの初期リセット回路105からシステムリセット信号が入力されるとシステムリセット状態となる。この処理が終了した場合、ステップS234−3に処理を移す。
ステップS234−3においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタ、リーチ判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出選択用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、リーチ判定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2msecごとの決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、ステップS235−3に処理を移す。
ステップS235−3においては、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU101は、第1大入賞装置454および第2大入賞装置453に設けられたカウントセンサ113bおよびカウントセンサ113aや、一般入賞口419a〜419dに設けられた一般入賞球センサ114や、球通過検出器416に設けられた球通過検出センサ115や、第1始動口414aおよび第2始動口414bに設けられた第1始動口入賞球センサ116aおよび第2始動口入賞球センサ116bや、V入賞口457に設けられたV入賞口入賞球センサ457cからの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU101は、検知したと判定した場合、検知に応じて、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタ、V賞球カウンタなどを更新する。スイッチ入力処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、ステップS236−3に処理を移す。
ステップS236−3においては、可動部材制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2大入賞装置453の開放と同時に可動部材457aを開放し、V入賞口入賞球センサ457cがV入賞口457への遊技球の入球を検知した場合に可動部材457aを閉鎖する制御を行う。この処理が終了した場合、ステップS237−3に処理を移す。
ステップS237−3において、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU101は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[スイッチ入力処理]
図58に示すステップS235−3のスイッチ入力処理について、図59を用いて説明する。
ステップS241−3において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、カウントセンサ113b、一般入賞球センサ114、第1始動口入賞球センサ116aおよび第2始動口入賞球センサ116bの入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定する。そして、メインCPU101は、カウントセンサ113bの入力があったと判定した場合には、大入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、一般入賞球センサ114の入力があったと判定した場合には、一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116bの入力があったと判定した場合には、始動口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS242−3に処理を移す。
ステップS242−3において、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。特別図柄関連スイッチチェック処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS243−3に処理を移す。
ステップS243−3において、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、球通過検出センサ115の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定した場合には本サブルーチンを終了する。上限であると判定しない場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM103の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、この処理が終了した場合には、ステップS244−3に処理を移す。
ステップS244−3において、Vスイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、V入賞口入賞球センサ457cの入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、V入賞フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、第3実施形態では、「大当り」時のみ、V入賞フラグがオンであるか否かを判定し、それ以外の時に、V入賞フラグがオンとなっていても、特別図柄ゲーム終了処理においてクリアされる。この処理が終了した場合には、ステップS245−3に処理を移す。
ステップS245−3において、異常関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、異常関連スイッチに異常があったか否か、例えばガラスドア10の開閉スイッチが開放してガラスドア10が開放されていることが検知されたか否かを判定する。また、例えば、第1大入賞装置454が作動中との信号が発信されていない状態において、カウントセンサ113bからの信号が検知されたか否かを判定する。異常が検知された場合には、異常を報知するための処理を行い、異常が検知されない場合には、そのまま本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図59に示すステップS242−3の特別図柄関連スイッチチェック処理について、図60を用いて説明する。
ステップS251−3において、第1始動口414aへの始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口入賞球センサ116aの入力があった否かを判定する。第1始動口入賞球センサ116aの入力があったと判定した場合には、ステップS252−3に処理を移し、第1始動口入賞球センサ116aの入力があったと判定しない場合には、ステップS257−3に処理を移す。
ステップS252−3において、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS253−3に処理を移す。
ステップS253−3において、第1特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS254−3に処理を移す。
ステップS254−3において、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、特別図柄抽選)し、さらに、リーチ判定用乱数カウンタからリーチ判定用乱数値を抽出し、演出選択用乱数カウンタから演出選択用乱数値を抽出して、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS255−3に処理を移す。
S255−3において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄始動記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、大当りに当選したか否や、入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、S256−3に処理を移す。
S256−3において、メインCPU101は、第1始動口入賞コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする。第1始動口入賞コマンドは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が、第1始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。第1始動口入賞コマンドのデータには、S255−3の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば、演出表示される保留球の表示態様を変更することで大当りへの期待度を示唆する演出(所謂、保留予告)を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、周知技術であるいわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
ステップS257−3において、第2始動口414bへの始動入賞が検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口入賞球センサ116bの入力があった否かを判定する。第2始動口入賞球センサ116bの入力があったと判定した場合には、ステップS258−3に処理を移し、第2始動口入賞球センサ116bの入力があったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS258−3において、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS259−3に処理を移す。
ステップS259−3において、第2特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS260−3に処理を移す。
ステップS260−3において、各種乱数値の取得処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数を抽出(いわゆる、特別図柄抽選)し、さらに、リーチ判定用乱数カウンタからリーチ判定用乱数値とを抽出し、演出選択用乱数カウンタから演出選択用乱数値を抽出して、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS261−3に処理を移す。
S261−3において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄始動記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、大当りに当選したか否や、入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、S262−3に処理を移す。
S262−3において、メインCPU101は、第2始動口入賞コマンドをメインRAM103の所定領域にセットする。第2始動口入賞コマンドは、主制御回路100のメインCPU101の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が、第2始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。第2始動口入賞コマンドのデータには、S261−3の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば、演出表示される保留球の表示態様を変更することで大当りへの期待度を示唆する演出(所謂、保留予告)を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、周知技術であるいわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態において、図示はしていないが、主制御回路100のメインRAM103にセットされた各種コマンドは、主制御回路100の各処理において副制御回路200に供給されている。
[副制御回路の動作説明]
次に、第3実施形態における副制御回路200のサブCPU201により実行される各種処理の内容について説明する。第3実施形態における副制御回路200も、第2実施形態における副制御回路200と同様に、副制御メイン処理、タイマ割り込み処理、コマンド割り込み処理を実行する。
第3実施形態における副制御メイン処理の流れは、図44に示す第2実施形態における副制御メイン処理と同じであるが、コマンド解析処理が一部異なっている。タイマ割り込み処理及びコマンド割り込み処理については、図45、図46に示す第2実施形態におけるタイマ割り込み処理及びコマンド割り込み処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。
[コマンド解析処理]
第3実施形態の副制御メイン処理において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図61および図62を用いて説明する。
ステップS1041−3において、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201が、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合には、ステップS1042−3に処理を移し、サブCPU201が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1042−3において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンドであると判定した場合には、ステップS1043−3に処理を移し、特別図柄演出開始コマンドであると判定しない場合には、ステップS1044−3に処理を移す。
ステップS1043−3において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を行う。特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動パターン、特別図柄、残り時短回数等に関するデータが含まれる。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100の制御による特別図柄の停止に同期させて識別図柄を当該コマンドで指定された変動パターンに基づいて変動させる処理、また、遊技状態が時短遊技状態であれば、時短遊技状態であることを示唆する演出や残り時短回数を報知する演出を行う処理等を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1044−3において、サブCPU201は、受信したコマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定する。図柄停止コマンドであると判定した場合には、ステップS1045−3に処理を移し、特別図柄演出停止コマンドであると判定しない場合には、ステップS1046−3に処理を移す。
ステップS1045−3において、サブCPU201は、図柄停止コマンド受信時処理を行う。例えば、主制御回路100の制御による特別図柄の停止に同期させて識別図柄を停止させる等の処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1046−3において、サブCPU201は、受信したコマンドが大当り開始コマンドか否かを判定する処理を行う。大当り開始コマンドであると判定した場合には、ステップS1047−3に処理を移し、大当り開始コマンドであると判定しない場合には、図62のステップS1054−3に処理を移す。
ステップS1047−3において、サブCPU201は、大当り開始コマンド受信時処理を行う。この処理においては、例えば、大当り開始コマンドを受けて、最初のラウンド遊技が開始される前に所定の演出を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1054−3において、サブCPU201は、受信したコマンドが第1始動口入賞コマンドか否かを判定する処理を行う。第1始動口入賞コマンドであると判定した場合には、ステップS1055−3に処理を移し、第1始動口入賞コマンドであると判定しない場合には、ステップS1056−3に処理を移す。
ステップS1055−3において、サブCPU201は、第1始動口入賞コマンド受信時処理を行う。この処理においては、例えば、第1始動口入賞コマンドに含まれる、演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータに基づいて、保留図柄の表示態様を変化させて、当該保留図柄に対応する特別図柄抽選の大当り当選の期待度を示唆する演出を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1056−3において、サブCPU201は、受信したコマンドが第2始動口入賞コマンドか否かを判定する処理を行う。第2始動口入賞コマンドであると判定した場合には、ステップS1057−3に処理を移し、第2始動口入賞コマンドであると判定しない場合には、ステップS1058−3に処理を移す。
ステップS1057−3において、サブCPU201は、第2始動口入賞コマンド受信時処理を行う。この処理においては、第2始動口入賞コマンドに含まれるデータに基づいて、例えば、保留図柄の表示態様を変化させて、当該保留図柄に対応する特別図柄抽選の大当りあるいは小当り当選の期待度を示唆する所謂、保留予告、また、保留がある状態で大当り遊技状態に移行した場合、保留内に大当り判定のものがある場合に所定のラウンドにおいて大当り報知を行う、所謂、保留連演出等を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。ここで、ステップS261−3の処理(図60参照)において、特別図柄抽選の結果が大当り判定である場合に必ず入賞演出を行うと判定されるため、特別図柄抽選の結果が大当り判定である場合に、必ず予告演出が実行される。
S1058−2において、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄当りインターバル終了表示コマンドか否かを判定する処理を行う。特別図柄当りインターバル終了表示コマンドであると判定した場合には、S1059−3に処理を移し、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドであると判定しない場合には、S1060−3に処理を移す。
S1059−3において、サブCPU201は、特別図柄当りインターバル終了表示コマンド受信時処理を行う。この処理においては、例えば、連チャン回数を表示する処理が行われる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1060−3において、サブCPU201は、その他のコマンドの受信時処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[演出画面の説明]
図63は、第3実施形態において液晶表示装置50に表示される演出画面の一例を示す説明図である。
第3実施形態においては、特図1抽選による大当りの場合、100%の確率で大当り遊技状態終了後に確変遊技状態でかつ時短遊技状態に移行する。液晶表示装置50には、演出用の識別図柄81と、保留図柄82a、82bと、が表示される。演出用の識別図柄81は、変動、停止表示によって大当り当選を報知するものである。保留図柄82aは、演出用の識別図柄81の変動中に第1始動口414aへ入賞した場合に最大4個まで表示される。保留図柄82bは、演出用の識別図柄81の変動中に第2始動口414bへ入賞した場合に最大4個まで表示される。このため、最大8個の保留図柄の表示が可能である。
遊技者は、通常遊技状態(非時短遊技状態)においては、左打ちを行って第1始動口414aへの入賞を狙いながら遊技を進める。そして、図63(a)に示すように、演出用の識別図柄81が大当り態様で停止すると大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては右打ちを行うことによって大当り遊技を進める。そして、9ラウンド目に第2大入賞装置453が作動し、第2大入賞装置453に入球してV入賞することにより、大当り遊技状態終了後に、確変遊技状態でかつ時短遊技状態へ移行する。大当り遊技状態の終了時に、液晶表示装置50には、図63(b)に示すように、確変遊技状態への移行を報知する「超チャンスタイム」といった文字画像が表示される。
時短遊技状態へ移行した場合、図63(b)に示すように、液晶表示装置50には、「超チャンスタイム」の残り回数87と、連チャン回数85が表示される。また、連チャン回数85は、リミッタ回数に到達して通常遊技状態に移行するまでの残り回数として表示される。そして、演出用の識別図柄81の変動、停止が繰り返される毎に、残り回数87の表示が1ずつ減算される。時短遊技状態へ移行した場合には、第2始動口414bに入賞し易くなり、演出用の識別図柄81の変動中に第2始動口414bに入賞すると、液晶表示装置50に保留図柄82b(図63(c))が表示される。
図63(b)は、大当り遊技状態の終了後の最初の識別図柄81の変動時に表示される内容を示すものであり、「超チャンスタイム」の残り回数は「70回」と、連チャン回数は「残り4回」と表示される。その後、時短回数や連チャン回数を重ねていくことにより、図63(c)に示すように、液晶表示装置50が表示する残り回数87及び連チャン回数85の残り回数が減っていく。
第3実施形態においては、大当り遊技状態におけるラウンドゲームにおいて、6ラウンド目までの保留情報を先読みし、大当りとなる保留情報が存在する場合に「連続大当り確定!」という演出表示が実行される。また、9ラウンド目においてV入賞を促す「Vを狙え!」という表示が行われる。
具体的に、図63(c)に示すように、「赤色」の保留図柄82bが出現したとする。この「赤色」の保留図柄82bによる識別図柄81の変動が図63(d)に示すように大当り停止表示態様になって、大当り遊技状態に移行したとする。ここで、図63(c)に示す3つの保留図柄82bの中に大当りが含まれている場合には、例えば、図63(e)に示すように、6ラウンド目に「連続大当り確定!」という演出表示が行われる。その後、図63(f)に示すように、9ラウンド目においてV入賞を促す「Vを狙え!」という表示が行われる。なお、8ラウンド目に次のラウンドがV入賞させるラウンドである旨を予告する演出を行ってもよい。
第5実施形態によれば、遊技者は、9ラウンド目にV入賞させる打ち方とV入賞させない打ち方を選択することができる。9ラウンド目にV入賞させる打ち方は、確実に5連チャン分の遊技球を獲得する打ち方である。9ラウンド目にV入賞させない打ち方は、保留による大当りを狙ってリミッタ回数をリセットさせ、更に、5連チャン分の遊技球の獲得を目論む打ち方である。
9ラウンド目にV入賞させない場合には、9ラウンド目開始前に遊技者は遊技球の発射を止め、第2大入賞装置453に入賞させずにそのまま9ラウンド目の第2大入賞装置453の開放が終了するのを待つ。そして、9ラウンド目終了後、それ以降のラウンドゲームを進める。この場合、9ラウンド目においてV入賞しないため、大当り遊技状態終了後はリミッタ回数がリセットされて5回になり、通常遊技状態に転落する。しかも、V入賞させていれば100%大当りとなる保留の大当り確率が1/4に減少する。つまり、確変遊技状態においては大当り判定値が4つであるが、通常遊技状態において大当り判定値は1つであり、確変遊技状態における4つの大当り判定値の中の1つが、通常遊技状態における大当り判定値と共通している。このため、大当り確率が1/4に減少する。
しかし、仮に、保留で大当りになった場合には、この大当り遊技状態が終了した後、図63(g)に示すように、「超チャンスタイム」の残り回数は「70回」、連チャン回数は「4回」になる。つまり、リミッタ回数が増えるともに、確変遊技状態に戻る。保留で大当りにならなかった場合には、リミッタ回数の有無にかかわらず通常遊技状態に移行することになる。なお、図63(f)に示す状態において、普通にV入賞させた場合には、図63(h)に示すように、「超チャンスタイム」の残り回数は「70回」、連チャン回数は「1回」になる。
以上説明したように第3実施形態においては、V確変機において、特図2抽選の先読演出で大当りが連続することが報知された場合に、遊技者に、V入賞させる遊技と、V入賞させない遊技とを選択させることが可能になる。V入賞させる場合には、1回分の大当り遊技による賞球の払い戻しを確実に受けることができるとともに、リミッタ回数に到達していなければ、次の大当りも期待できる。V入賞させない場合には、獲得できるはずであった1ラウンド分の賞球を逃すことになり、しかも確変遊技状態においては100%大当り遊技となる保留における当選確率が、通常遊技状態に移行することにより1/4に減少するというデメリットがある一方で、保留で大当りになれば、リミッタ回数を戻すことが可能になる。これにより、更なる大当りの獲得を目指すことが可能になるというメリットがある。このように第3実施形態においては、ローリスク・ローリターンの打ち方と、ハイリスク・ハイリターンの打ち方とを選択できる、という新たな興趣を遊技者に提供することが可能になる。
以上、本発明の第3実施形態について説明したが、本発明の第3実施形態は上述した構成に限るものではない。例えば、上述した構成においては、大当り確率が低確率で1/200、高確率で1/50、リミッタ回数が5回に設定されているが、大当り確率が低確率で1/100、高確率で1/99、リミッタ回数が5回に設定されたものでもよい。このように構成することにより、保留予告が出た時点で、ほぼ低確率でも大当りになる。これにより、保留予告が出た時点で、わざと打ち出しを止めることで、打ちっ放しよりも出玉を増やすことが可能になる。
また、第3実施形態においては、大当り当選となる保留情報がある場合に、図63(c)に示す「連続大当り確定!」という保留連示唆演出を行っているが、この保留連演出の実行に条件を加えてもよい。例えば、5ラウンドまで第1大入賞装置454に入賞させないことを条件に保留連示唆演出の実行が可能になり、5ラウンドまで第1大入賞装置454に入賞させた場合には、大当り当選となる保留情報があっても保留連示唆演出を実行しないようにする。
具体的に、第3実施形態においては、第2実施形態と同様に保留予告が実行可能であり、保留図柄の表示態様が「赤色」であれば、この保留図柄に対応する特別図柄抽選の結果が大当りである期待度がかなり高くなる。
そこで、例えば、既に3回連続して大当り遊技を獲得している状態で、仮に図63(c)に示すように、保留予告で「赤色」の保留図柄が2つ並んだとする。ここで、先の「赤色」の保留図柄で大当りになった場合に、遊技者は、止め打ちを行い、5ラウンドまで第1大入賞装置454に入賞させないことによって、次の「赤色」の保留図柄が大当りであるか否かを確かめることが可能になる。
この場合、普通に1ラウンド目から第1大入賞装置454に入賞させた場合には1500個の払い戻しがあるが、止め打ちを行った場合には、750個しか獲得できない。しかし、保留連示唆演出が発生した場合には、意図的にV入賞させないことにより、リミッタ回数がリセットされ、再度大当り連チャンのチャンスが得られる可能性が高くなる。ただし、この打ち方は、保留連示唆演出がなければ本来、1500個の払い戻しがあるにもかかわらず、750個しか払い戻しがないことから、ハイリスク・ハイリターンな打ち方と言える。このように、保留連示唆演出の実行に条件を加えることにより、遊技者に対してハイリスク・ハイリターンの遊技性を提供することが可能になる。
また、大当りまでの変動回数に応じて保留連示唆演出の発生確率を変えてもよい。例えば、1〜500回転で大当りの場合には保留連示唆演出の発生確率が3%、500〜1000回転で大当りの場合には保留連示唆演出の発生確率が50%、1001回転以上で大当りの場合には保留連示唆演出の発生確率が100%、というように設定してもよい。これにより、大当りまで遠ければ遠いほど、保留連発生時に保留連示唆演出が発生しやすくなる。その結果、意図的にV入賞させないことにより、リミッタ回数がリセットされ、再度大当り連チャンのチャンスが得られる可能性が高くなる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図22乃至図24に示した第2実施形態における部材と同一部材或いは同一機能の部材については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態のパチンコ遊技機1の外観構成及び遊技盤40の構成は、第2実施形態のパチンコ遊技機1と同一であるため、詳細な説明は省略する。
[第4実施形態のパチンコ遊技機が備える回路の構成]
次に、図64を参照しながら、第4実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図5に示す第1実施形態の回路と同一の回路あるいは同一機能の回路については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態のパチンコ遊技機1は、第2実施形態のパチンコ遊技機1と同様に、所謂、1種2種混合機と称されているタイプのものであり、図24に示す第2実施形態の回路に対して、更に、設定キー328と、設定スイッチ332とを主制御回路100に接続したものである。
第4実施形態のパチンコ遊技機1は、パチンコゲームにかかわる各種データが異なる複数の設定値(本実施形態では「1」〜「6」の6段階)が設けられている。設定「6」が遊技者に最も有利であり、設定値の値が小さくなるにつれて遊技者にとっての有利度も段階的に低くなる。
設定スイッチ332は、設定値を変更する際に操作される、設定キー328は設定値を変更したり確認したりする際に操作される。設定スイッチ332および設定キー328は、主制御回路100を構成する電子部品を実装してなる主制御基板(図示せず)を収容する主制御基板ケース(図示せず)内に収容される。なお、設定スイッチ332および設定キー328が主制御基板ケース内に収容されているのは、セキュリティ面を考慮して、パチンコ遊技機1の管理責任者(以下、「遊技機管理責任者」と称する)以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ332や設定キー328に容易にアクセスできないようにするためである。尚主基板ケース内とは、正に主基板ケースを開放しないと設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできないものに加え、主基板ケースの設定スイッチ332および設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機1を設置している島設備から当該パチンコ遊技機1を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできるようにされているものも含む。
[主制御回路及び副制御回路の動作説明]
第4実施形態のパチンコ遊技機における主制御回路100のメインCPU101及び副制御回路200のサブCPU201は、第2実施形態のパチンコ遊技機における主制御回路100のメインCPU101及び副制御回路200のメインCPU101と同様の処理を行うため、詳細な説明は省略する。
[遊技機の仕様]
第4実施形態のパチンコ遊技機における仕様の概略について説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機は、特図1抽選及び特図2抽選における大当り確率は同じであり、設定「6」の大当り確率が1/50、以下、設定「5」、設定「4」、設定「3」、設定「2」の順に段階的に大当り確率が低くなり、設定「1」大当り確率が最低の1/150である。特図1抽選及び特図2抽選に当選したことによる大当り遊技状態におけるラウンド数は「2ラウンド」のみである。また、V入賞による大当り遊技状態におけるラウンド数は「15ラウンド」である。
また、第1大入賞装置454及び第2大入賞装置453へ入賞球1個に対して10個の遊技球が払い出される。すなわち、2ラウンドでは最大200個、15ラウンドでは最大1500個の遊技球が払い出される。
大当り遊技状態終了後には確変遊技状態及び時短遊技状態に移行する。時短遊技状態における時短回数は、例えば、50%の割合で「50回」、50%の割合で「100回」に設定される。時短回数「50回」の場合には、特別図柄の変動回数が50回目に到達するまで確変遊技状態及び時短遊技状態が継続し、51回目以降は通常遊技状態になる。時短回数「100回」の場合には、特別図柄の変動回数が50回目に到達するまで確変遊技状態及び時短遊技状態が継続し、51回目以降は100回目に到達するまで時短遊技状態になり、101回目以降は通常遊技状態になる。
特図1抽選及び特図2抽選における小当り確率は、いずれも1/200であり、小当り遊技状態において第2大入賞装置453に入球した遊技球がV入賞する確率は100%である。
[主制御回路の動作説明]
次に、主制御回路100のメインCPU101により実行される各種処理の内容について説明する。
第4実施形態における主制御回路100のメインCPU101により実行される各種処理は、図25〜図43に示す第2実施形態におけるメインCPU101により実行される各種処理において、図38に示す大当り終了インターバル処理及び図39に示す特別図柄ゲーム終了処理が一部異なっており、その他の処理については、第2実施形態における処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、第4実施形態における副制御回路200のサブCPU201により実行される各種処理は、図44〜図49に示す第2実施形態における処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[大当り終了インターバル処理]
図27のS61−2において実行される第4実施形態に係るサブルーチン(大当り終了インターバル処理)について図65を用いて説明する。
S211−2〜S213−2の処理は、図38に示す第2実施形態における処理と同様であるため、説明は省略する。S213−2の処理が終了した場合、S217−4に処理を移す。
S217−4において、メインCPU101は、確変フラグ及び時短フラグをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、確変フラグをオンにする値をセットするとともに、時短フラグをオンにする値をセットする。また、予め定められた確変回数をセットするとともに、大当り当選となった特別図柄の停止態様に基づいて、大当り当選となった特別図柄の停止態様に基づいて時短回数をセットする。また、メインCPU101は、V大当りの場合には、確変フラグ及び時短フラグにオンをセットし、V大当りの契機となった小当り当選を報知する特別図柄の停止表示態様に基づいて時短回数をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
すなわち、第2実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技状態に連続して3回移行した場合(所謂、三連チャンの場合)には、3回目の大当り遊技状態が終了した後に、通常遊技状態に移行する、所謂、リミッタ機能を有しているが、第4実施形態のパチンコ遊技機は、リミッタ機能を有していない。また、第2実施形態のパチンコ遊技機は、時短機能を有しており確変機能を有していないが、第4実施形態のパチンコ遊技機は、確変機能と時短機能を有している。
[特別図柄ゲーム終了処理]
図27のS62−2において実行される第4実施形態に係るサブルーチン(特別図柄ゲーム終了処理)について図66を用いて説明する。
第4実施形態に係る特別図柄ゲーム終了処理は、図39に示す第2実施形態に係る特別図柄ゲーム終了処理におけるS227−2とS228−2との間に、図66に示すように、S230−4〜S232−4の処理を追加したものである。つまり、図66に示すS221−2〜S228−2の処理は、図39に示す第2実施形態に係る特別図柄ゲーム終了処理のS221−2〜S228−2の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。S227の処理が終了した場合、S230−4に処理を移す。
S230−4において、メインCPU101は、確変フラグがオンか否か判定する。メインCPU101は、確変フラグがオンである場合は、S231−4に処理を移す。確変フラグがオンではない場合には、メインCPU101は、S228−2に処理を移す。
S231−4において、メインCPU101は、時短回数カウンタがS217−4でセットした確変回数以上か否か判定する。メインCPU101は、時短回数カウンタが確変回数(例えば、50回)以上であると判定した場合は、S232−4に処理を移す。時短回数カウンタが確変回数以上ではないと判定した場合には、メインCPU101は、S228−2に処理を移す。
S232−4において、確変フラグをオフ(クリア)にする。この処理が終了した場合には、S228−2に処理を移す。
S228−2において、メインCPU101は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[第4実施形態の作用効果]
このように第4実施形態によれば、特図1抽選及び特図2抽選が大当り当選であることによる大当り遊技は最大2ラウンドであるため、獲得可能な賞球数が少ないことから、遊技者が目指す初当たりは、小当りからV入賞することによるV大当りとなる。初当りまでの間は、特図1抽選及び特図2抽選による2ラウンド大当りによって持ち玉を持つことで、設定によってベースや遊技者の投資スピードが変化する。
遊技者が目標とする初当りは小当りであり、小当り確率は、設定1〜6のいずれの遊技機であっても当選確率が共通であるため、公平感を保つことができる。
また第4実施形態によれば、特図1抽選及び特図2抽選による大当りが顕著に表れやすく、小当りからV入賞することによるV大当りが比較的少ないため、初当りの回数を参考にすることで、遊技中の台が高設定である否かを判断しやすくなる。なお、一般的に、遊技機1の上方に、ホール係員を呼び出す機能と大当りの回数や大当り履歴を表示する機能を有する情報表示装置が設置されている。ここで、大当りの回数や大当り履歴の表示が、LED表示を用いたデータカウンタに表示すると、連続回数「1」のデータばかりになり、印象が悪くなるため、大当り回数は液晶表示装置等に表示するのがよい。
また、高設定であるほど、2ラウンド大当りの可能性が高くなり、持ち玉が小刻みにあがることで、遊技者の投資が少なくなり易く、また、2ラウンドの出玉分は遊技に使用してしまうため、客帯率が上がりやすくなる。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図22乃至図24に示した第2実施形態における部材と同一部材或いは同一機能の部材については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施形態のパチンコ遊技機1は、第2実施形態のパチンコ遊技機1と同様に1種2種混合機と称されているタイプのものである。第5実施形態のパチンコ遊技機1の外観構成の構成は、第2実施形態のパチンコ遊技機1と同一であるため、詳細な説明は省略する。第5実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤40の構成は、第2実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤40の構成に対して、普通電動役物415の内部構成が一部異なっている。すなわち、第2実施形態の普通電動役物415は、第2始動口414bに遊技球を入球させているが、第5実施形態の普通電動役物415は、普通電動役物415の羽根部材415aが捕捉した、最初の1個だけ、第3始動口414cに遊技球を通過させ、2個目からは第2始動口414bに遊技球を通過させるように構成されている。第3始動口414cを通過した遊技球は第1始動口入賞球センサ116aによって検出されるため、第1特別図柄抽選の契機となる。
[第5実施形態の普通電動役物415の構成]
図68は、第5実施形態の普通電動役物415の内部構成を示す説明図である。普通電動役物415は、羽根部材415aの他に、ケース体415b、L字型羽根部材415d、回動軸415e、ストッパ415fを備えている。
ケース体415bは、内側に第2始動口414b及び第3始動口414cが配置されるように、遊技盤40に取り付けられる。羽根部材415aは、ケース体415bの右側に回動自在に取り付られており、ケース体415bの右側に形成された開口部が羽根部材415aによって開閉される。第3始動口414cは羽根部材415aに対して左側下部に配置され、第3始動口414cの左側に第2始動口414bが配置される。L字型羽根部材415dは、2枚の矩形の平板をL字型に連結した形状であり、当該連結部分に回動軸415eが設けられている。回動軸415eは、遊技盤40における第2始動口414bと第3始動口414cとの間の上部に立設しており、L字型羽根部材415dは、回動軸415eによって遊技盤40に回動自在に設置される。ストッパ415fは、L字型羽根部材415dが第2始動口414b側に移動しないように回動を規制するものであり、第2始動口414bと第3始動口414cとの間に形成されている。
図68は普通電動役物415の初期状態を示しており、L字型羽根部材415dの一方の平板部がストッパ415fに当接しており、他方の平板部が第3始動口414cの上部に位置付けられている。なお、一方の平板部におけるL字型の内側の面はなだらかな凹面414gが形成されている。
また、図示しないが、L字型羽根部材415dの他方の平板部が第2始動口414b側に移動しないように、他方の平板部の回動を規制する部材も設置されている。そして、L字型羽根部材415dの回動によって、凹面414gを有する一方の平板部が第3始動口414cの上部に位置付けられる第1回動状態(例えば、図69(b))、若しくは他方の平板部が第3始動口414cの上部に位置付けられる状態のいずれかの第2回動状態(例えば、図69(a))となる。第5実施形態のパチンコ遊技機1は、図示しないが、第1大入賞装置454及び第2大入賞装置453のいずれかに入球した遊技球の転動によってL字型羽根部材415dを回動させる機構を備えている。このため、大当り遊技状態が終了して時短遊技状態に移行する前には、L字型羽根部材415dは第1回動状態となっている。
図69は、第5実施形態の普通電動役物415の動作を示す説明図である。図69(a)は初期状態であり、他方の平板部が第3始動口414cの上部に位置付けられる第2回動状態となっている。そして、大当り遊技状態において、第1大入賞装置454及び第2大入賞装置453のいずれかに遊技球が入球することによって図69(b)に示すように、一方の平板部が第3始動口414cの上部に位置付けられる第1回動状態となる。その後、時短遊技状態に移行し、普通電動役物415の羽根部材415aが作動して開放状態となり、図69(c)に示すように、羽根部材415aが遊技球を捕捉すると、その遊技球は、L字型羽根部材415dの凹面415gに移動する。そして、図69(d)に示すように、遊技球の重量によってL字型羽根部材415dが回動して、図69(e)に示すように、第2回動状態となるとともに、遊技球が第3始動口414cに移動する。第2回動状態においては、図69(e)に示すように、羽根部材415aが捕捉した遊技球は、L字型羽根部材415dの上面を通過して第2始動口414bに移動する。そして、普通電動役物415の羽根部材415aが作動して閉鎖状態となった場合には、そのままL字型羽根部材415dは第2回動状態に維持される。
このように、普通電動役物415は、最初に入球した1個だけ第3始動口414cを通過させ、次から入球した遊技球は第2始動口414bを通過するようになる。なお、上述した例によれば、最初に入球した1個だけ第3始動口414cを通過させ、次から入球した遊技球については第2始動口414bを通過させるように、機械的に切り替える構成としているが、それに限らず、例えばソレノイドを用いた電動的に切り替える構成としてもよい。
[第5実施形態のパチンコ遊技機が備える回路の構成]
第5実施形態のパチンコ遊技機が備える回路は、図24に示す第2実施形態のパチンコ遊技機1が備える回路と同一であるため、詳細な説明は省略する。
[主制御回路及び副制御回路の動作説明]
第5実施形態のパチンコ遊技機1においては、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能である。このため、図9に示す第1実施形態における主制御メイン処理と同様に、第1特別図柄制御処理と、第2特別図柄制御処理とがそれぞれ独立して実行される。
第1特別図柄制御処理において、メインCPU101は、図27に示す処理において、制御状態フラグをロードする処理、特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、大当り開始インターバル管理処理、大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理、大当り終了インターバル処理、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。すなわち、第5実施形態において、第1特別図柄抽選に小当りがないため、小当り開始インターバル管理処理、小当り中処理、小当り終了後処理は実行されない。
一方、第2特別図柄制御処理において、メインCPU101は、図27に示す処理において、特別図柄記憶チェック処理、特別図柄変動時間管理処理、特別図柄表示時間管理処理、小当り開始インターバル管理処理、小当り中処理、小当り終了後処理、大当り開始インターバル管理処理、大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理、大当り終了インターバル処理、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。
第1特別図柄制御処理における特別図柄記憶チェック処理では、図28に示す、ステップS72−2の処理において、第1始動記憶の有無を判定し、第1始動記憶が有ると判定した場合に、ステップS77−2に処理を移行する。そして、第1特別図柄記憶転送処理、特図1抽選の当り判定処理、特図1抽選が大当り当選の場合やハズレの場合に停止表示させる図柄を決定する処理、第1特別図柄の変動パターン決定処理、第1特別図柄の変動時間設定処理、第1特別図柄演出開始コマンドのセット、第1特別図柄記憶領域(0)の値をクリアする処理を行う。つまり、図28に示す、ステップS74−2〜S76−2の処理は実行されない。
第2特別図柄制御処理における特別図柄記憶チェック処理では、図28に示す、ステップS72−2の処理において、第2始動記憶の有無を判定し、第2始動記憶が有ると判定した場合に、ステップS77−2に処理を移行する。そして、第2特別図柄記憶転送処理、特図2抽選の当り判定処理、特図2抽選が大当り当選、小当り当選の場合やハズレの場合に停止表示させる図柄を決定する処理、第2特別図柄の変動パターン決定処理、第2特別図柄の変動時間設定処理、第2特別図柄演出開始コマンドのセット、第2特別図柄記憶領域(0)の値をクリアする処理を行う。つまり、図28に示す、ステップS74−2〜S76−2の処理は実行されない。
第1特別図柄制御処理における特別図柄変動時間管理処理において、メインCPU101は、図30に示す処理に加えて、大当り態様で停止させることになる第1特別図柄の変動中に、特図2抽選を契機とする大当り遊技状態に移行した場合に、第1特別図柄の変動を一時的に停止させ、大当り遊技状態終了後に変動を再開させる処理を行う。
第2特別図柄制御処理における特別図柄変動時間管理処理において、メインCPU101は、図30に示す処理に加えて、大当り又は小当り態様で停止させることになる第2特別図柄の変動中に、特図1抽選を契機とする大当り遊技状態に移行した場合に、第2特別図柄の変動を一時的に停止させ、大当り遊技状態終了後に変動を再開させる処理を行う。
第1特別図柄制御処理における特別図柄表示時間管理処理において、メインCPU101は、第5実施形態に小当りがないことから図31に示す処理において、ステップS114−2〜S118−2の処理が省略される。第2特別図柄制御処理における特別図柄表示時間管理処理において、メインCPU101は、図31に示す処理と同様の処理を行う。
第1特別図柄制御処理における大当り開始インターバル管理処理、大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理において、メインCPU101は、図35〜図38の処理と同様の処理を行う。また、第2特別図柄制御処理における小当り開始インターバル管理処理、小当り中処理、小当り終了後処理、大当り開始インターバル管理処理、大入賞口開放中処理、大入賞口内残留球監視処理、大入賞口再開放前待ち時間管理処理において、メインCPU101は、図32〜図38の処理と同様の処理を行う。
[大当り終了インターバル処理]
図70は、第5実施形態における第1、第2特別図柄制御処理における大当り終了インターバル処理の流れを示すフロー図である。
図70において、第1、第2特別図柄制御処理におけるS211−2〜S213−2の処理は、図38に示した第2実施形態の大当り終了インターバル処理におけるS211−2〜S213−2の処理と同じである。S213−2の処理が終了した場合、S217−5に処理を移す。
第1特別図柄制御処理におけるS217−5において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている、第1大当り終了フラグをオンにし、時短フラグをオンにし、特図2変動回数(例えば、10回)をセットし、特図2変動回数カウンタリセット(0にすること)し、初回特図1変動フラグをオンする処理を行う。時短フラグは、時短遊技状態においてオンになる。特図2変動回数カウンタは、後述する特図2時短終了条件判定処理(図71参照)において、時短遊技状態を終了するか否かを決定するために用いられる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
第2特別図柄制御処理におけるS217−5において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている、第2大当り終了フラグをオンにし、時短フラグをオンにし、特図2変動回数(例えば、10回)をセットし、特図2変動回数カウンタリセット(0にすること)し、初回特図1変動フラグをオンする処理を行う。時短フラグは、時短遊技状態においてオンになる。特図2変動回数カウンタは、後述する特図2時短終了条件判定処理(図71参照)において、時短遊技状態を終了するか否かを決定するために用いられる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[第1特別図柄ゲーム終了処理]
図71は、第5実施形態における第1特別図柄制御処理に係る第1特別図柄ゲーム終了処理の流れを示すフロー図である。図72は、第5実施形態における第2特別図柄制御処理に係る第2特別図柄ゲーム終了処理の流れを示すフロー図である。
図71において、S221−2〜S224−2の処理及びS228−2の処理は、図39に示した第2実施形態の特別図柄ゲーム終了処理におけるS221−2〜S224−2の処理及びS228−2の処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。
第5実施形態の特別図柄ゲーム終了処理は、図39に示した第2実施形態の特別図柄ゲーム終了処理におけるS224−2の処理とS228−2の処理との間に、次に説明するS225−5〜S228−5の処理を実行するものである。S223−2の処理が終了した場合に、S225−5に処理を移す。
S225−5において、メインCPU101は、特図1時短終了条件判定処理を行う。この処理については後述するが、第5実施形態は、特図1時短終了条件と特図2時短終了条件の2つが満たされた場合に時短遊技状態が終了する。メインCPU101は、特図1時短終了条件を満たしていると判定した場合に特図1時短終了条件フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S227−5に処理を移す。
S227−5において、メインCPU101は、特図1時短終了条件フラグ及び特図2時短終了条件フラグの両方がオンであるか否かを判定する処理を行う。両方ともオンであると判定した場合にS228−5に処理を移す。両方ともオンであると判定しない場合にS228−2に処理を移す。
S228−5において、メインCPU101は、時短フラグをオフ、特図1時短終了条件フラグ及び特図2時短終了条件フラグの両方をオフ、特図2変動回数カウンタをリセットする処理を行う。なお、特図2変動回数カウンタは、時短遊技状態における第2特別図柄の変動回数をカウントするものである。この処理が終了した場合に、S228−2に処理を移す。
S228−2において、メインCPU101は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図72に示す第2特別図柄ゲーム終了処理は、図71に示す第1特別図柄ゲーム終了処理における、ステップS225−5の特図1時短終了条件判定処理を、ステップS226−5の特図2時短終了条件判定処理に変更したものであり、これ以外の処理は、図71に示す第1特別図柄ゲーム終了処理における各処理と同じである。特図2時短終了条件判定処理については後述するが、メインCPU101は、特図2時短終了条件を満たしていると判定した場合に特図2時短終了条件フラグをオンにする処理を行う。
[特図1時短終了条件判定処理]
図71のS225−5において実行されるサブルーチン(特図1時短終了条件判定処理)について図73を用いて説明する。特図1時短終了条件は、特図1抽選の変動、停止が1回行われることである。
最初に、S230−5において、メインCPU101は、初回特図1変動フラグがオンであるか否かを判定する処理を行う。初回特図1変動フラグがオンであると判定した場合には、S231−5に処理を移す。初回特図1変動フラグがオンであると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
最初に、S231−5において、メインCPU101は、第1大当り終了フラグがオンであるか否かを判定する処理を行う。第1大当り終了フラグがオンであると判定した場合には、S233−5に処理を移す。第1大当り終了フラグがオンであると判定しない場合には、S232−5に処理を移す。
S232−5において、メインCPU101は、初回特図1変動フラグをオフにするとともに、特図1時短終了条件フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
S233−5において、メインCPU101は、第1大当り終了フラグをオフにするる処理を行う。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
図73に示す処理によれば、大当り遊技終了直後においては、第1大当り終了フラグがオンであるため、S232−5の処理は行われず、大当り遊技終了後の最初の特図1の変動、停止によってS232−5の処理が行われ、特図1時短終了条件フラグオンになる。具体的に、大当り遊技状態終了後、時短遊技状態を開始した時点で特図1の保留がなければ特図1の変動がないため、初回特図1変動フラグはオンに維持される。そして、遊技者が右打ちを行って第3始動口414cに入賞すると、最初の特図1の変動が開始し、所定時間変動して停止した場合に、初回特図1変動フラグはオフになり、特図1時短終了条件フラグオンになる。
[特図2時短終了条件判定処理]
図72のS225−6において実行されるサブルーチン(特図2時短終了条件判定処理)について図74を用いて説明する。特図2時短終了条件は、特図2抽選の変動、停止が、設定された時短回数分行われることである。
最初に、S240−5において、メインCPU101は、第2大当り終了フラグがオンであるか否かを判定する処理を行う。第2大当り終了フラグがオンであると判定した場合には、S241−5に処理を移す。第2大当り終了フラグがオンであると判定しない場合には、S244−5に処理を移す。
S241−5において、メインCPU101は、特図2変動回数カウンタに1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、S242−5に処理を移す。
S242−5において、メインCPU101は、特図2変動回数カウンタがS217−5(図70参照)でセットした特図2変動回数(例えば、10回)以上か否か判定する。メインCPU101は、特図2変動回数カウンタが10以上であると判定した場合は、S243−5に処理を移す。特図2変動回数カウンタが10以上であると判定しない場合には、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
S243−5において、メインCPU101は、特図2時短終了条件フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S244−5において、メインCPU101は、第2大当り終了フラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図74に示す処理によれば、大当り遊技終了直後においては、第2大当り終了フラグがオンであるため、S241−5〜S243−5の処理は行われず、特図2変動回数カウンタの値は0のままである。そして、遊技者が右打ちを行い、第2始動口414bに入賞して特図2の変動が開始すると、特図2の変動に応じて特図2変動回数カウンタに1加算される。特図2変動回数カウンタの値が予め設定した変動回数(例えば、10回)に到達した場合に、特図2時短終了条件フラグオンになる。
すなわち、第5実施形態においては、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能であり、第1特別図柄が大当り遊技状態終了後の最初の変動停止が終了すること、及び第2特別図柄が大当り遊技状態終了後に10回の変動停止が終了することの両方を満たした場合に時短遊技状態が終了する。このため、例えば、第2特別図柄が大当り遊技状態終了後に10回の変動停止した後に最初の第1特別図柄の変動が停止した場合、或いは最初の第1特別図柄の変動が停止した後、第2特別図柄の変動回数が10回に到達した場合に、時短遊技状態は終了する。しかし、大当り遊技状態終了後の最初の第1特別図柄の変動中に、第2特別図柄が11回以上変動停止しても時短遊技状態は終了しない。
[遊技機の仕様]
第5実施形態のパチンコ遊技機における主な仕様について説明する。第5実施形態のパチンコ遊技機は、特図1抽選及び特図2抽選における大当り確率は、共に1/200であり、大当り遊技状態におけるラウンド数は「6ラウンド」と「15ラウンド」であり、「6ラウンド」が選択される確率は90%、「15ラウンド」が選択される確率は10%である。V大当りによる大当り遊技状態も同様である。
特図1抽選における小当り確率は1/200、特図2抽選における小当り確率は1/10であり、小当り遊技状態において第2大入賞装置453に入球した遊技球は1/1でV入賞口457を通過する。
時短遊技状態は、大当り遊技状態終了後、第1特別図柄の最初の変動が終了すること、及び第2特別図柄が10回の変動を終了することの両方を満たした場合に時短遊技状態が終了する。
[第1特別図柄及び第2特別図柄の変動パターン]
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動パターンは、変動パターン決定テーブルを用いた乱数抽選によって決定される。変動パターン決定テーブルとしては、第1特別図柄用の変動パターン決定テーブルと第2特別図柄用の変動パターン決定テーブルとがあり、第1、第2特別図柄用の変動パターン決定テーブルとして、それぞれ、大当り用変動パターン決定テーブルと、ハズレ用変動パターン決定テーブルとがある。小当りの場合には大当り用変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルにおいては、乱数値に対して変動パターンが対応付けられており、ハズレの場合には比較的変動時間が短い変動パターンが選択されやすく、大当り又は小当りの場合には比較的変動時間が長い変動パターンが選択されやすくなっている。
第5実施形態においては、第1特別図柄の最初の変動における変動パターンの決定する場合に、2回目以降の変動に用いる変動パターン決定テーブルとは異なる変動パターン決定テーブルを用いており、ハズレ用変動パターン決定テーブルにおいては2回目以降の変動に用いる変動パターン決定テーブルよりも比較的長い変動時間の変動パターンが選択されるように設定されている。このため、第1特別図柄の最初の変動が開始して停止するまでの間に、第2特別図柄が11回以上変動することもあり得る。
[演出画面]
第5実施形態のパチンコ遊技機1の液晶表示装置50に表示される演出画面について、図75、図76を参照しながら説明する。
図75(a)は、通常遊技状態における演出画面の一例であり、液晶表示装置50の表示領域51には、第1特別図柄に対応する演出用の第1識別図柄81aと、第2特別図柄に対応する演出用の第2識別図柄81bと、特図1抽選の保留球を示す保留図柄82aとが表示されている。第1識別図柄81aは遊技者に目立つように表示され、第2識別図柄81bは遊技者に目立たないように表示されている。図75(a)に示す例においては、保留図柄82aは1つ表示されている。通常遊技状態においては、第2始動口414bに入球することが極めて困難であるため、第2識別図柄81bはハズレ停止態様を維持している。
図75(b)は、図75(a)に示す1つの保留図柄82aが大当りである場合の演出画面の一例であり、図75(a)に示す1つの保留図柄82aが消去され、第1識別図柄81aの変動が開始した後、図75(b)に示すように、大当り停止表示態様で停止する。そして、大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態終了時のインターバルにおいて図75(c)に示すように「スペシャルタイム 右打ち継続」といった、遊技者に右打ちを促す案内画像が表示された後に時短遊技状態が開始する。
図75(d)は、時短遊技状態の開始直後の演出画面を示し、第1識別図柄81aは遊技者に目立たないように表示され、第2識別図柄81bは遊技者に目立つように表示が切り替わる。そして、遊技者が右打ちを継続し、遊技球が球通過検出器416を通過して普通図柄抽選が行われ、普通図柄抽選に当選すると普通電動役物415が開放状態となる。
図75(e)は、図75(d)に示す状態から、普通電動役物415が遊技球を、例えば4個入球した場合を示している。最初の遊技球は第3始動口414cを通過することによって特図1抽選が行われ、第1識別図柄81aの変動が開始するとともに、タイマー画像88が遊技者に目立つように表示される。タイマー画像88には、第1識別図柄81aの変動パターンにおける変動時間が最初に表示され、第1識別図柄81aの変動時間分だけカウントダウン表示される。そして、タイマー画像88が「0:00」を表示すると第1識別図柄81aが停止する(図76(a)参照)。また、次の遊技球が第2始動口414bを通過することによって特図2抽選が行われ、第2識別図柄81bの変動が開始する。そして、第2識別図柄81bが変動している間に遊技球が第2始動口414bを2個通過することにより、保留図柄82bが2個表示される。
図75(f)は、時短遊技状態において特図2抽選の結果、小当り当選した場合を示している。小当りに当選した場合には、第2識別図柄81bが小当り停止表示態様で停止する。第5実施形態における小当り停止表示態様は、中央に表示される第2識別図柄81bがキャラクタ図柄である表示態様である。この際、第1識別図柄81aは変動表示を継続する。
そして、図75(g)に示すように、V入賞を促す表示を行い、遊技球をV入賞させることにより、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技終了後は、図75(c)に示す表示が行われ、時短遊技状態に移行する。仮に、大当り遊技終了後に、直ぐに右打ちせずに遊技球の発射を停止させ、保留図柄82bを全て消化してから右打ちするような場合には、図75(h)に示すように、保留図柄82bが消化されるまでの間、第1識別図柄81aはハズレ停止表示態様まま維持される。そして、右打ちを再開し、普通電動役物415に遊技球を入球させ、第3始動口414cに入賞させることで、図75(e)に示すように、タイマー表示が行われる。
図75(e)に示す状態において、特図2抽選の結果、大当り又は小当りに当選せずに、図76(a)に示すようにタイマー画像88が「0:00」となった場合には、第1識別図柄81aがハズレ態様で停止表示される。ここで、第2識別図柄81bの変動が10回以上行われている場合には、図76(b)に示すように、「スペシャルタイム終了」といった時短遊技状態が終了したことを示唆する画像を表示する。第2識別図柄81bの変動が10回以上行われていない場合には、図76(c)に示すように、「EXTENSION!」といった時短遊技状態が終了していないことを示唆する画像を表示する。そして、第2識別図柄81bの変動が10回に到達した時点で、図76(b)に示すように、「スペシャルタイム終了」といった時短遊技状態が終了したことを示唆する画像を表示する。
また、図75(f)において変動表示している第1識別図柄81aが大当りである場合には、第2特別図柄による大当り遊技(V大当り遊技を含む)を実行している間、第1識別図柄81aの変動及びタイマー画像88のカウントダウンを一時停止させる。そして、第2特別図柄による大当り遊技(V大当り遊技を含む)が終了したタイミングで第1識別図柄81aの変動を再開するとともに、図76(d)に示すように、タイマー画像88のカウントダウンを再開させる。これにより、大当り遊技状態の前後においてタイマー画像88の値が変わっていないことから、遊技者に、第1識別図柄81aの変動が大当り態様で停止する可能性が高いことを示唆することができる。
以上のように構成された第5実施形態によれば、時短遊技状態において、特図1の1回転で長変動となり、特図1が停止しない限り時短遊技状態の終了条件が満たされないため、特図2については定めていた終了条件の10回を越えた回数を変動させることが可能となる。これにより、V入賞から大当りとなる期待値が高くなり、遊技者の興趣を向上させることが可能になる。
なお、第5実施形態においては、第4実施形態と同様に「設定」を設けてもよい。これにより、出玉率に変化を持たせることが可能になるとともに、時短終了条件の達成確率が高設定ほど低くなるので、高設定ほど高い出玉率、継続率を設けることが可能となる。
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[管理システムの説明]
図77を参照して、本発明の第1実施形態に係る管理システムの概要について説明する。図77に示す管理システム1000は、ホール店舗に配置された、ホールコンピュータ1001、遊技機1、サンド装置1020、島端計数装置1400、POS1500、及びホール管理端末1600といった各装置を含むように構成される。
管理システム1000のホールコンピュータ1001は、例えば、インターネット及び無線公衆回線網からなるネットワーク1050を介して、ホール店舗のホール会員(ユーザ)が所有するスマートフォン1700(1700a、1700b)から所定のリクエストを受信し、このように受信したリクエストに対応する各種情報を、ネットワーク1050を介してスマートフォン1700に送信する。ホール会員は、ホール店舗での遊技機1による遊技が期待される遊技者である。
管理システム1000のホールコンピュータ1001はまた、ホール店舗において遊技機1を利用した遊技を行う遊技者の遊技情報を蓄積・管理する。例えば、遊技者が獲得した遊技媒体を貯玉、貯メダル(又は、持ち玉、持ちメダル)として管理したり、遊技機1それぞれについての稼働状況を管理する。さらに、ホールコンピュータ1001は、遊技者が獲得した遊技媒体の価値に応じて、遊技者が希望する景品を交換できるようPOS1500等の装置を制御する。
ホールコンピュータ1001はさらに、ホールDB1150を備えており、ホールDB1150には、管理システム1000の実現に必要な各種データを格納するテーブルが記憶される。
遊技機1は、例えば、パチンコ機やパチスロ機であり、遊技者は、これらを用いて遊技することにより、遊技媒体(パチンコ玉やメダル)を獲得する。なお、本明細書では、便宜上、どちらかのタイプの遊技機について説明する場合があり、その場合、遊技媒体についても、遊技機に対応した遊技媒体についての記載がなされるが、そのような場合であっても、本発明がどちらかのタイプの遊技機に限定されるものではない。
また、遊技機1は、ホールコンピュータ1001に接続され、上述のように、遊技状況や遊技媒体数に関する情報をホールコンピュータ1001に送信する。サンド装置1020もホールコンピュータ1001に接続され、遊技者の操作に応じて、会員カードによる遊技媒体の貸出、持ち玉・貯玉の制御、計数の制御等を行う。
第6実施形態においては、1台の遊技機1には1台のサンド装置1020が対応付けられ、それぞれがホールコンピュータ1001に接続されるが、例えば、遊技機1からホールコンピュータ1001に送信される情報をサンド装置1020を介して行うように構成することもできる。
島端計数装置1400は、遊技者が獲得した玉(メダル)数をカウントする装置であって、遊技機1が複数まとめて配置された「島」の端に配置されている。計数装置は、このような島端計数装置1400のほか、各台計数機能付きサンド装置やその他の計数装置として、ホール店舗内の様々な箇所に配置されうる。なお、第1実施形態では、計数装置が、それぞれのサンド装置1020に組み込まれるとともに、島端計数装置1400として配置されるものとする。
POS1500は、ホール店舗のカウンター等に設置され、ホール店舗のスタッフは、遊技者の景品交換等に対応するために、このPOS1500を操作する。例えば、上述の島端計数装置1400により発行されたレシートを遊技者から受け取ってこれをPOS1500に読み込ませ(又は、遊技者から提示された会員カード等によってサンド装置1020から送信された遊技媒体の計数値や持ち玉数・貯玉数を読み出し)、対応する価値の景品を遊技者に提供したりする。
このようにして、ホール店舗では、POS1500の機能により、ホール店舗の店頭景品陳列コーナーに配置されている店頭景品(一般景品)や特殊景品との交換が行われる。
ホール管理端末1600は、ホール店舗に配置され、ホール店舗の管理者等により、設定操作等の所定操作が行われる。
また、第1実施形態においては、管理システム1000から所定の情報が、ホール店舗のホール会員が所有するスマートフォン1700(1700a、1700b)に送信されるが、携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、他の携帯端末機であってもよい。
また、本実施形態において、ホール店舗で遊技を行う遊技者に対して配布される会員カードは、例えば、近距離無線通信規格(NFC:Near Field Communication)に基づく非接触ICチップを備えた非接触ICカードである。サンド装置1020やPOS1500は、非接触ICカードリーダ等によって遊技者の非接触ICカードの固有IDを読み取ることにより、そのカード(そのカードの遊技者)を特定することができる。
なお、図77に示す管理システム1000の構成は例示にすぎず、他の様々な構成によって同様のシステムを構築することができる。例えば、ホールコンピュータ1001を、機能等に応じて複数のコンピュータに分割することができる。また、図77に示した管理システム1000を各ホール店舗において構築し、複数の管理システム1000の間でデータの送受信を行うことによって所定の機能やサービスについて、ホール店舗間の連携を行うことも可能である。こうした連携は、運営主体が同じホール店舗間ではもちろん、運営主体が異なるホール店舗間においても実現可能である。
次に、図78、及び図79を参照して、本実施形態に係る管理システム1000で使用される遊技機1とサンド装置1020について説明する。図78は、サンド装置1020を併設した遊技機1を示す正面図である。図79は、サンド装置1020を示す斜視図である。また、図78においては、遊技機1aがパチスロ機として示され、遊技機1bがパチンコ機として示されている。
図78に示すように、遊技機1aの向かって右側には、それぞれ、サンド装置1020aが併設され、遊技機1bの向かって右側には、それぞれ、サンド装置1020bが併設されている。それぞれのサンド装置1020(1020a、1020b)は、隣接する遊技機1(1a、1b)に対応して設置されている。またそれぞれの遊技機1とサンド装置1020は、ホール全体のシステム管理や売り上げ・遊技状況の管理等を行うホールコンピュータ1001に対して通信可能に接続されている。
以下では、遊技機1aとサンド装置1020aについて説明するものとし、遊技機1bとサンド装置1020bについては説明を省略する。図78、図79に示すように、サンド装置1020aの前面部1021には、LED(light-emitting diode)部1031、カード挿入口1032、紙幣を投入可能な紙幣挿入口1033、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット1034、カメラ1035、非接触ICカードリーダ/ライタ1036、メダル(遊技媒体)払出用トレー1037、スピーカカバー1038、メダル(遊技媒体)計数用投入口1039等が設けられている。カード挿入口1032は、例えばホールのカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部1031は、フルカラーLED1031A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)1031Bから構成されている。
遊技者は、情報カード(例えば、ICカード)又は所定金額の紙幣を、カード挿入口1032、又は紙幣挿入口1033に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダ/ライタ1036にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
サンド装置1020aは、情報カード・紙幣の投入、又は非接触ICカードの提示を受けて、投入された当該価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパによって計数してメダル払出用トレー1037から払い出す。また、サンド装置1020aは、使用可能なメダル数が書き込まれた情報カードの投入を受けると、投入された情報カードに書き込まれているメダル数に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパによって計数してメダル払出用トレー1037から払い出す。遊技者は、メダル払出用トレー1037から払い出されたメダルを遊技機1aのメダル投入口11Aへ投入することにより、遊技機1において遊技を行うことができる。
ここで、非接触ICカードには、上述した会員カードのほか、非接触ICチップを内蔵したスマートフォン1700、携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、その他の携帯端末機が含まれる。
また、遊技機1aにおいては、遊技の結果に応じて、メダル払出用トレー37にメダルを払い出すようになされている。遊技者は、このメダルをメダル払出用トレー37から掬い取って、サンド装置1020aのメダル計数用投入口1039へ投入することにより、このメダルをサンド装置1020aによって計数させることができる。サンド装置1020aは、メダル計数用投入口1039から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパによって計数する。このように、サンド装置1020aは、遊技機1aに併設され、遊技の結果に応じて遊技機1aから払い出されたメダルを計数する機能を有していることから、各台計数装置とも呼ばれている。
なお、遊技機1b(パチンコ機)の場合、パチンコ玉が、サンド装置1020bの計数用投入口に導入されるようになっている。例えば、遊技者は、所定の操作を行うことにより、遊技の結果上皿に払い出されたパチンコ玉を下皿に落とすと、当該パチンコ玉は、下皿の下方に装着された案内皿に落下する。案内皿は、下皿から落下したパチンコ玉を、サンド装置1020bに設けられた計数用投入口へ案内する。計数用投入口に導入されたパチンコ玉は、サンド装置1020bの内部に設けられた計数部によって計数される。
計数された結果は、カード挿入口1032から挿入された情報カードに記録され、又は、ホールコンピュータ1001が備えるホールDB1150や、非接触ICカードである会員カードに記憶される。また、サンド装置1020aがプリンタを備え、計数された結果をレシートに印刷するようにしてもよい。情報カードや非接触ICカードには、残金データ等の情報が記憶されてもよい。
計数用ホッパにおいて計数されたメダルは、サンド装置1020aの底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、サンド装置1020aの下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
なお、遊技機1b(パチンコ機)の場合、計数部において計数されたパチンコ玉は、サンド装置1020bの背面部に設けられた排出口から排出され、回収される。また、計数用投入口から投入されたパチンコ玉の計数経路とは別に、サンド装置1020bの背面側に端数用供給部が設けられており、外部から端数用のパチンコ玉を受け入れるようになっている。この供給部により、端数用のパチンコ玉は、常に一定量が貯留された状態となっており、必要に応じて、端数用払出口から、案内皿へ払い出される。
次に、図80を参照して、サンド装置1020aの操作ユニット34について説明する。操作ユニット1034は、ディスプレイ1034aと、タッチパネル式の操作ボタン1034bと、を含んでいる。操作ボタン1034bは、各種のボタンを模した画像として表示され、その画像に応じて遊技者の操作を受け付ける。具体的には、操作ボタン1034bは、「返却」、「貸出」、「計数開始」、「持ち玉払出」、「計数停止」、「貯玉する」、「サービス」、「貯玉払出」などの各種の処理の対応する操作ボタン1034bを模した画像として表示される。遊技者は、所望する処理に対応する操作ボタン1034bにタッチ等することで、その処理を実行することができる。
例えば、「貸出」の操作ボタン1034bは、情報カードをカード挿入口1032に挿入して、非接触ICカードを非接触ICカードリーダ/ライタ1036にかざして、あるいは現金を紙幣挿入口1033に挿入して、メダルの貸し出しを希望するときに操作する部分である。「計数開始」の操作ボタン1034bは、メダルをメダル計数用投入口1039に投入して計数するときに操作する部分である。「計数停止」の操作ボタン1034bは、メダルの計数を開始したあとに、計数を停止するときに操作する部分である。「返却」の操作ボタン1034bは、挿入した情報カードを返却するときに操作する部分である。このとき、情報カードには残高情報、持メダルあるいは貯メダル、必要に応じてカードIDが書き込まれる。
遊技者は、情報カード、又は所定金額の紙幣を、カード挿入口1032、又は紙幣挿入口1033に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、会員カード(非接触ICカード)を、非接触ICカードリーダ/ライタ1036にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
次に、図81を参照して、サンド装置1020aの回路構成について説明する。図81は、サンド装置1020aの回路構成を示すブロック図である。メインCPU(central processing unit)1040は、ROM(read only memory)1041に格納された制御プログラムを読み出して、メダルの貸出等の処理を実行する。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)1042に格納される。RAM1042に格納されている処理に係る各種データとしては、サンド装置1020aが設置される遊技機1の機種コード(例えば、台番号)と、この機種コードの遊技機1から移動可能な遊技機1の機種コードとを関連付けて記憶した再遊技可能機種データがある。
メインCPU1040は、情報カードリーダ/ライタ1022を介して情報カードから読み取った金額データ、又は非接触ICカードリーダ/ライタ1023を介して非接触ICカードから読み取った金額データを残高データとしてRAM1042に格納する。メインCPU1040は、この残高データと、操作ユニット1034から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ1045において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU1040は、駆動回路1043を制御することにより、払出用ホッパ1045を駆動させることができる。
メインCPU1040は、遊技者が操作ユニット34を操作して計数処理の開始を指示すると、計数用ホッパ1046を、駆動回路1044を制御することによって駆動し、当該遊技者によって計数用ホッパ1046に投入されたメダルを計数する。
操作ユニット1034には、情報カードを返却するボタンも表示されており、遊技者がこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU1040は、情報カードリーダ/ライタ1022に挿入されている情報カードをカード挿入口1032(図79に示すカード挿入口1032に対応)から返却する。
また、メインCPU1040は、紙幣識別装置(ビルバリ)1024から出力される紙幣識別結果を残高データとしてRAM1042に格納する。メインCPU1040は、この残高データと、操作ユニット1034から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ1045において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU1040は、駆動回路1043を制御することにより、払出用ホッパ1045を駆動させることができる。
また、メインCPU1040は、LED部1031の赤外LED1031Bを監視用投光器として用い、赤外LED1031Bからの赤外光を遊技者で反射させ、これをカメラ1035において撮像する。メインCPU1040は、カメラ1035において撮像された画像をRAM1042に格納し、この画像に基づいて、遊技者の存在や交代を検出する。この検出処理は常時行われる。遊技者の状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口1032から挿入された情報カードが挿入されたままである場合、又は紙幣挿入口1033(図79に示す紙幣挿入口1033に対応)から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU1040は、スピーカ1048を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとする遊技者に対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
上述のように、メインCPU1040は、非接触ICカードリーダ/ライタ1023を介して、非接触ICカードとの間で非接触通信を行うようになされている。この通信の方式は、例えば、キャリア周波数が13.56MHzの電磁誘導方式である。メインCPU1040は、非接触ICカードリーダ/ライタ23を介して非接触ICカードから読み取った金額データに応じた数のメダルを払出用ホッパ1045によって計数し、メダル払出用トレー1037(図79に示すメダル払出用トレー1037に対応)から払い出すと共に、非接触ICカードの残高データを書き換える。
また、メインCPU1040は、インターフェイス1047を介して、ホールコンピュータ1001との間で通信を行うようになっており、情報カードや非接触ICカードにより払い出されたパチンコ玉・メダルの数等、及び情報カードや非接触ICカードに記憶されたパチンコ玉・メダルの数等を定期的にホールコンピュータ1001へ送信する。
また、メインCPU1040は、カメラ1035を介して遊技者の顔画像を定期的に取り込み、RAM1042に記憶する。前回記憶された顔画像と今回記憶された顔画像とを比較し、同一人物でないと判断された場合、メインCPU1040は、遊技者が交代したものと判断し、これに応じた処理を行う。
上述のように、遊技機1はホールコンピュータ1001に所定の情報を送信可能に接続され、サンド装置1020はホールコンピュータ1001との間で所定の情報を送受信可能に接続されている。ホールコンピュータ1001は、遊技機1からはパチンコ玉・メダルの投入情報や払出情報といった遊技媒体数に関する蓄積情報(投入払出遊技媒体数情報)を受信し、さらに当選状況を示す当選情報や遊技機の稼働に関する稼働情報を受信する。また、ホールコンピュータ1001は、サンド装置1020からは、情報カードや非接触ICカードとの間のパチンコ玉・メダルの移動に関する情報(移動遊技媒体数情報)を受信し、さらに、場合によっては、カメラ1035により取得した遊技者の顔画像や顔画像解析結果からなる顔画像情報を受信する。
次に、図82を参照して、ホールコンピュータ1001の構成について説明する。図82は、ホールコンピュータ1001の構成を示すブロック図である。
ホールコンピュータ1001は、メインCPU1101、ROM1102、RAM1103、外部記憶装置1104、ディスプレイ1105、及びインターフェイス1106を備えている。
メインCPU1101は、ROM1102、及びRAM1103に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU1101は、ホール会員の情報を管理し、遊技媒体の貯メダル・貯玉や持メダル・持玉の数をホール会員ごとに管理し、それぞれのホール会員の遊技状況等を管理するための処理を実行し、ディスプレイ1105を制御する。
ディスプレイ1105は、ホールコンピュータ1001によって管理する遊技データを表示させ、あるいは不正や異常の発生を報知するものである。このディスプレイ1105は、例えば液晶表示装置によって実現される。
ホールコンピュータ1001は、インターフェイス1106を介して遊技機1、サンド装置1020、島端計数装置1400、及びPOS1500と通信可能に接続される。本発明を実施するための制御プログラムは、例えば、外部記憶装置1104に記憶され、RAM1103にロードされる。また、当該制御プログラムは、インターフェイス1106を介して他の装置から、又は、インターネットを含むネットワークを介して外部の他の装置から提供されることもできる。
外部記憶装置1104には、ホールDB1150が記憶され、ホール会員の情報や貯メダル・貯玉の情報等が記憶される。
[各装置の機能]
次に、図83を参照して、ホールコンピュータ1001の機能概要を説明する。図83は、ホールコンピュータ1001の機能ブロック図である。ホールコンピュータ1001は、ホール会員管理部1111、貯玉管理部1112、受信制御部1113、送信制御部1116、遊技機管理部1118、及びネットワークI/F部1120を含む。これらの各機能部は、図82に示すメインCPU1101によって制御される。ホールコンピュータ1001は、景品の交換処理や在庫管理等、従来のホールコンピュータが有する機能を備えるが、ここでは、本発明に関連する機能を中心に記載するものとする。
また、ホールコンピュータ1001は、外部記憶装置1104にホールDB1150を記憶し、ホールDB1150には、そのホール店舗のホール会員に関する情報を記憶するホール会員情報テーブル1151、ホール会員が貯メダルや貯玉を指示することにより保持された遊技媒体の保持数を管理する貯玉管理テーブル1152、ホール会員及びビジター客の持ちメダルや持ち玉を管理する持玉管理テーブル1153、各遊技機の状況を記憶した遊技機管理テーブル1156が含まれる。
ホール会員管理部1111は、ホール店舗のホール会員に関する情報を管理する。
貯玉管理部1112は、ホール会員が遊技機での遊技によって獲得した遊技媒体を貯玉として保持するよう指示した場合に、持玉管理テーブル1153を更新し、当日の営業終了後の所定タイミングで持玉管理テーブル1153に記憶されている遊技媒体の数を貯玉管理テーブル1152に移動することにより貯玉管理テーブル1152を更新し、これらの遊技媒体の数をホール会員ごと、貸出レートごとに管理する。
また、受信制御部1113は、遊技機1からパチンコ玉・メダルの投入・払出情報(投入払出遊技媒体数情報)、当選状況を示す当選情報、遊技機の稼働に関する稼働情報等を受信する。また、サンド装置1020から、情報カードや非接触ICカードとの間のパチンコ玉・メダルの移動に関する情報(移動遊技媒体数情報)や遊技者の顔画像情報を受信する。
送信制御部1116は、有線あるいはネットワーク1050を介して接続されている機器、例えば、サンド装置1020やスマートフォン1700に対して所定の情報を送信する制御を行う。
なお、送信制御部1116が、例えば、スマートフォン1700等に対するプッシュ通知を行う場合、スマートフォン1700等で起動されたアプリケーションは所定のタイミングで、アプリに対応付けられた認証コード、スマートフォン1700等を特定するデバイス特定情報等を外部プッシュ通知サーバに登録し、紐付けを行っておく必要がある。そして、管理システム1000からスマートフォン1700等に情報を送信する場合、送信制御部1116が、この外部プッシュ通知サーバに対して、デバイス特定情報を指定してメッセージを送信することにより、スマートフォン1700においてプッシュ通知が受信される。
このような場合、送信制御部1116は、スマートフォン1700に対して直接メッセージを送信するものではないが、本明細書では、こうした、外部プッシュ通知サーバなどの他の装置を介してスマートフォン1700に情報を送信する処理も、送信制御部1116によるスマートフォン1700への情報送信の処理として定義される。
遊技機管理部1118は、受信制御部1113によって、遊技機1やサンド装置1020から受信した情報に基づいて、遊技機1の状況を判定し、遊技機1ごとに遊技機管理テーブル1156に記憶する。
ネットワークI/F(インターフェイス)部1120は、ネットワークに接続して、相手方のコンピュータとデータ送受信を行うよう制御する。またここで、ネットワークは、インターネットを含むネットワークとして構成される場合もある(他の装置のネットワークI/F部についても同様であるため、以降のネットワークI/F部については、説明を省略する)。
[持玉管理テーブルの構成]
図84は、持玉管理テーブルの構成を示す説明図である。持玉管理テーブル1153には、図84(A)に示すホール会員用持玉管理テーブルと、図84(B)に示すビジター客用持玉管理テーブルと、がある。
図84(A)に示す持玉管理テーブル1153は、当日の営業においてホール会員が、遊技によって獲得した遊技媒体の保持数を管理する。持玉管理テーブル1153は、この例では、ホール会員IDを記憶し、さらに、貸出レートごとに数量と、最後に遊技を行った遊技機1の機種コード(例えば、台番号)と、最後に遊技を行った遊技機における遊技媒体のIN数(遊技機に投入した遊技媒体数)とOUT数(遊技機及びサンド装置1020から払い出された遊技媒体数)との差と、を記憶する。貸出レートは、この例では、パチンコ(4円貸、1円貸)とスロット(20円貸、5円貸)の4種である。
図84(B)に示すビジター客用持玉管理テーブルは、当日の営業においてサンド装置1020に会員カードを挿入せずに遊技を開始した遊技者が、遊技によって獲得した遊技媒体の保持数を管理する。図84(B)に示す持玉管理テーブル1153は、ビジター会員IDを記憶し、さらに、遊技によって獲得した遊技媒体の数量と、遊技を行った遊技機1の機種コード(例えば、台番号)と、遊技を行った遊技機における遊技媒体のIN数とOUT数との差と、を記憶する。
[遊技機管理テーブルの構成]
遊技機管理テーブルは、遊技機1の機種コード(例えば、台番号)と、稼働状態(例えば、稼働中もしくは停止中)、全体の稼働時間における遊技媒体のOUT数及びIN数と、現在遊技中の遊技者に対応するカードIDと、を含む各種の情報が関連付けて記憶されている。更に、カードIDに関連付けて、現在遊技中の遊技者による遊技におけるOUT数及びIN数、その中で通常遊技状態におけるOUT数及びIN数、遊技回数(識別情報の変動回数)等が記憶されている。なお、通常遊技状態におけるOUT数及びIN数の値には、パチンコ遊技機であれば、大当り遊技状態、小当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態におけるOUT数及びIN数は含まれていない。更に、通常遊技状態におけるOUT数の値には、サンド装置1020から貸し出された遊技媒体数が含まれていない。
[管理システム1000における処理の流れ]
次に、図85を参照して、第6実施形態に係る管理システム1000において、遊技機での遊技により獲得した遊技媒体を貯玉するまでの流れについて概略説明する。
なお、当該フローは、ホール店舗で獲得した遊技媒体をサンド装置で計数した場合、及びカードをサンド装置に挿入した場合の処理の流れの例を表している。また、図85では、遊技機1、サンド装置1020、及びホールコンピュータ1001のそれぞれにおける操作や処理が、装置ごとに時系列に示されている。
最初に、遊技者が、遊技機1を用いて遊技を行っている間に、図85に示すように、ステップS101で、遊技機1は、遊技機1に投入した遊技媒体数(IN数)と、遊技機1から払い出された遊技媒体数(OUT数)に関する情報を、ホールコンピュータ1001に送信する(ステップS1001)。
また、遊技者が、サンド装置1020を操作して貨幣と引き換えに遊技球の貸出を受けた場合、サンド装置1020は、遊技者に貸し出した遊技媒体数(OUT数)に関する情報を、ホールコンピュータ1001に送信する(ステップS1002)。
なお、詳細については後述するが、サンド装置1020に会員カード或いはビジターカードが挿入されると、会員カード或いはビジターカードに記憶されている、IDや残金、遊技媒体数等の情報が、サンド装置1020からホールコンピュータ1001に送信される。
このとき、サンド装置1020は、計数した遊技媒体数をホール会員ID、貸出レートとともにホールコンピュータ1001に送信する。
ホール会員IDは、遊技者が、非接触ICカードである会員カードをサンド装置1020に読み取らせたときにその会員カードから読み取られたものであるが、ホール会員IDの代わりに、会員カードの固有ID等を送信するようにしてもよい。ビジターIDは、ビジター客がサンド装置1020に挿入したビジターカードから読み取られる。あるいは、遊技者が貨幣と引き換えに貸し出された遊技媒体を用いて遊技を開始した場合には、残金情報や持玉情報を記憶して遊技者に提供する予定のビジターカードのビジターIDがホールコンピュータ1001に送信される。ホールコンピュータ1001は受信したに送信されたホール会員ID、ビジターIDに基づいて遊技機管理テーブルを更新する。
ホールコンピュータ1001は、遊技機1或いはサンド装置1020からIN数及びOUT数等の各種情報を受信すると(ステップS1003)、遊技機管理テーブル1156及び持玉管理テーブル1153を更新する。具体的に、遊技機1からIN数及びOUT数を受信すると、遊技機管理テーブル1156における、全体の稼働時間における遊技媒体のIN数及びOUT数が更新され、更に、遊技状態情報に基づいて、現在遊技中の遊技者による遊技におけるIN数及びOUT数、通常遊技状態におけるIN数及びOUT数が更新され、遊技情報に基づいて遊技回数が更新される。また、遊技機1及びサンド装置1020からIN数及びOUT数を受信すると、ホール会員ID、ビジターIDに紐付けてIN数とOUT数との差数を持玉管理テーブル1153に記憶する(ステップS1004)。
遊技者が、サンド装置1020に遊技媒体を投入して、遊技媒体を計数させると(ステップS1005)、サンド装置1020は、計数した遊技媒体数をカードに記憶し(ステップS1006)、ホールコンピュータ1001に、ホール会員ID或いはビジターID、貸出レート、及び遊技媒体数を送信する(ステップS1007)。
ホールコンピュータ1001は、ホール会員ID或いはビジターID、貸出レート、及び遊技媒体数を受信すると(ステップS1008)、ホール会員ID或いはビジターID、及び貸出レートに応じて、持玉管理テーブル1153を更新する。すなわち、対応するホール会員IDの対応する貸出レートに記憶されている数量に、受信した遊技媒体数を加算する。若しくはビジターIDに対応して記憶されている数量に、受信した遊技媒体数を加算する(ステップS1009)。
その後、ホールコンピュータ1001は、午前0時以降に(又は、当日の営業終了後の所定タイミングで)実行される処理によって、それぞれのホール会員IDに関して記憶されている持玉管理テーブル1153の遊技媒体数が、貯玉管理テーブル1152の対応するホール会員IDと対応する貸出レートに移動される。この処理によって、ホール会員が獲得した遊技媒体が貯玉されることになる。
遊技を終了するため、図86に示すように、カード(会員カードもしくはビジターカード)をサンド装置1020から排出させる操作(遊技機1やサンド装置1020の返却ボタンの操作)を行うと(ステップS1010)、サンド装置1020は、カードを排出する旨の情報及びカードIDをホールコンピュータ1001に送信する(ステップS1011)。この情報をホールコンピュータ1001が受信すると(ステップS1012)、ホールコンピュータ1001は、カードIDに対応するIN数とOUT数との差分情報をサンド装置1020に送信する(ステップS1013)。また、ホールコンピュータ1001は、遊技機管理テーブル1156に記憶されているデータに基づいてベース値を算出し、算出したベース値と、遊技回数とをサンド装置1020に送信する(ステップS1013)。なお、ベース値は、前述したとおり、(通常遊技状態における払出球数(OUT数))÷(通常遊技状態における発射球数(IN数))×100で算出可能である。
サンド装置1020は、ベース値、遊技回数及び差分情報を受信すると、まず、ベース値と、遊技回数と、使用金額とを比較して、不正の有無を判断する。更に、差分情報(IN数−OUT数)の値に基づいて不正の有無を判断する。(ステップS1014)。サンド装置1020は、ベース値や差分情報(IN数−OUT数)が明らかに不自然である場合に、不正有りと判定し(ステップS1015)、台移動不可情報をカードに記憶する(ステップS1016)。不正なしの場合には、カードに記憶されている遊技媒体数に紐付けて機種コードが記憶される。なお、台移動不可情報が記憶された場合もカードに記憶されている遊技媒体数に紐付けて機種コードが記憶される(ステップS1017)。機種コードがカードに記憶された後、サンド装置1020は、カードを排出する。
その後、遊技者が別の遊技機1に移動し、別の遊技機1に対応するサンド装置1020にカードが挿入され(ステップS1018)、サンド装置1020がカードを受け付けると、カードに台移動不可情報が記憶されているか否か確認する(ステップS1019)。台移動不可情報が記憶されている場合には、遊技不可能である旨を表示装置に表示する。台移動不可情報が記憶されていない場合には、遊技媒体数に紐付けられている機種コードを読み出し、カードを挿入したサンド装置1020に対応している遊技機で遊技可能か否かを判断する(ステップS1020)。遊技可能と判断した場合には、カードID等の必要な情報をホールコンピュータに送信(ステップS1021)し、所定の認証を受ける。遊技可能であると判定しない場合には、遊技不可能である旨を表示装置に表示する。
例えば、ビジターカードが挿入され、ビジターカードに記憶されている機種コードが例えば4円レートであり、遊技を開始しようとしている遊技機が例えば1円レートであれば遊技不可能と判定し、その旨を表示装置に表示する。
このように第6実施形態によれば、カード排出時に、ベースの値や差分情報(IN数−OUT数)に基づいて台移動が可能か否かを判断し、ベースの値や差分情報(IN数−OUT数)の値が明らかに不自然である場合に台移動不可情報が記憶されるため、移動先のサンド装置1020でカードを受け付けないようにすることが可能になる。これにより、遊技媒体の貸与レートが異なる遊技機が設置されている遊技店における、遊技者による不正行為を低減させることが可能になる。なお、ベースの値が明らかに不自然である場合としては、例えば、ベースの値が「100」を越えている場合があげられる。これは、通常遊技状態において持玉が増えていることになるため、明らかに不自然である。
また、差分情報(IN数−OUT数)の値が明らかに不自然である場合としては、例えば、図84(B)に示すビジターID「V004」の客の場合、IN数−OUT数の値が500個となっている。IN数−OUT数の値は理論上0になるため、500個という数字は明らかに不自然である。これは、外部から持ち込んだ500個の遊技球をサンド装置1020に投入し、遊技をせずにビジターID「V004」のカードを排出させた疑いがある。ここで、ビジターカードに記憶された持玉は、貯玉に移行できないため、その日の営業時間中に使用する必要がある。しかし、第6実施形態においては、ビジターID「V004」の客がビジターカードをサンド装置1020に挿入しても、台移動不可情報が記憶されているため、遊技を行うことができない。このように、サンド装置1020にカードを挿入した段階で、サンド装置1020が、ホールコンピュータ1001に情報を送信する前に、不正遊技の可能性のある遊技者の遊技を不可能にすることができる。このように、第6実施形態においては、不正遊技を未然に防ぐことが可能となる。
なお、上述した第6実施形態においては、ベース値や差分情報(IN数−OUT数)に基づく台移動の可、不可を、遊技を行った遊技機1に対応するサンド装置1020に判断させているが、それに限らず、ホールコンピュータ1001に判断させてもよい。更には、遊技を行った遊技機1に対応するサンド装置1020において、カードにベース値、差分情報、遊技回数、前回の使用金額等の情報を記憶し、移動先の遊技機1に対応するサンド装置1020において、台移動の可、不可を判断させてもよい。
以下、上述した実施形態における特徴的な構成及び効果について付記する。
[付記1]
従来のパチンコ機では、遊技者による発射ハンドルの操作によって、遊技盤の遊技領域に遊技球を発射すると、遊技球は遊技領域転動し流下する。このとき、遊技球が遊技領域に配置された始動入賞口に入球すると、遊技者にとって有利な遊技状態に移行するための当り抽選が行われるとともに、特別図柄装置などの表示手段に表示される図柄が変動し、当り抽選に当選した場合に所定の表示態様で停止することを契機として、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行する。
近年、パチンコ機において、始動入賞口を2つ搭載し、2つの始動入賞口にそれぞれ対応させて2つの特別図柄装置を搭載した機種がある。この機種においては、2つの始動入賞口にそれぞれ入球した場合に、対応する特別図柄装置においてそれぞれ図柄が変動し、いずれか一方が所定の表示態様で停止することを契機として、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行する。
また、2つの始動入賞口を搭載した機種においては、多くの場合、一つは遊技盤の中央下部に配置され、もう一つは遊技盤の右側領域に配置されている。更に、右側領域に配置された始動入賞口に普通電動役物が配置されており、普通電動役物が開放し易い時短遊技状態において、遊技者が遊技盤の右側領域に遊技球を打ち込む(所謂、右打ち)をすることにより、右側の始動入賞口に入球し易くしたものもある(例えば、特開2013−233375号公報)。
ところで、従来、パチンコ機毎の出玉性能に差をつけるために、遊技盤に植設されている遊技釘の調整が遊技店において行われていた。しかしながら、近年、遊技釘の調整以外の方法で出玉性能に差をつけることが可能な遊技機の出現が望まれている。
本発明は、このような問題点を解決し、パチンコ機毎の出玉性能に差をつけることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域41)を有する遊技盤(例えば、遊技盤40)と、
遊技者の操作によって遊技媒体を前記遊技領域に送り出す発射手段(例えば、発射装置18)と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第1始動領域(例えば、第1始動口414a)及び第2始動領域(例えば、第2始動口414b)と、
前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかの遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利な特定遊技状態へ移行するか否かを判定する第1判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS36、S45))と、
当該第1判定手段の判定結果に応じて、遊技状態を前記特定遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(例えば、メインCPU101(ステップS52))と、
前記遊技領域を転動する遊技媒体が通過可能な一般入賞領域(例えば、一般入賞口419)と、
前記特定遊技状態において遊技媒体が通過可能な特定入賞領域(例えば、大入賞口418)と、
前記遊技領域における右側領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過領域(例えば、球通過検出器416)と、
前記通過領域を通過した遊技媒体の受け入れが容易な第1状態と遊技媒体の受け入れが困難な第2状態とに変位可能であり、受け入れた遊技媒体を前記第2始動領域に導く電動的に駆動可能な変位役物(例えば、普通電動役物415)と、
前記通過領域を遊技媒体が通過したことを契機として、第2状態にある前記変位役物を第1状態に変位させるか否かを判定する第2判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS131))と、
遊技媒体が前記一般入賞領域、前記特定入賞領域、前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかを通過した場合に、所定数の遊技媒体を払い出す払出手段(例えば、払出・発射制御回路300)と、
各種の演出を行う演出手段(例えば、液晶表示装置50)と、
当該演出手段における演出を制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記特定遊技状態を含む遊技者に有利な遊技状態以外の遊技状態における、前記発射手段から発射された遊技媒体数に対する前記払出手段が払い出した遊技媒体数の割合を求める演算手段(例えば、サブCPU201(ステップS270))と、
を備え、
前記第1始動領域は、前記遊技領域における左側領域を転動した遊技媒体が通過可能であり、
前記第2始動領域は、前記遊技領域における右側領域を転動した遊技媒体において前記変位役物が受け入れた遊技媒体が通過可能であり、
前記演出手段は、前記第2判定手段が前記変位役物を第1状態に変位させると判定した場合に、遊技者に対して遊技媒体を前記右側領域に送り出すように指示する演出を行い、
前記演出制御手段は、前記指示を開始するタイミングが互いに異なる複数種類の前記演出から選択し、
前記演出の選択確率は、前記割合に応じて変化する(例えば、図20)ことを特徴とする遊技機。
(1)によれば、第2判定手段が変位役物を第1状態に変位させると判定した場合に、遊技者に対して遊技媒体を右側領域に送り出すように指示する演出を行うことで、変位役物が作動することが遊技者に報知され、遊技媒体を通過させることが可能になり、賞球を獲得することが可能になる。ここで、発射手段から発射された遊技媒体数に対する払出手段が払い出した遊技媒体数の割合に応じて演出を開始するタイミングの報知を変化させることができるため、例えば、割合が低い(ベース値が低い)ほど、発射指示を送らせることにより、通常状態で出玉が出にくい台であるほど、変位役物に遊技媒体を受け入れさせることが困難になる。これにより、遊技釘の調整を行うことなく、パチンコ機毎の出玉性能に差をつけることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
本発明によれば、遊技釘の調整を行うことなく、パチンコ機毎の出玉性能に差をつけることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
[付記2]
従来のパチンコ機では、遊技者による発射ハンドルの操作によって、遊技盤の遊技領域に遊技球を発射すると、遊技球は遊技領域転動し流下する。このとき、遊技球が遊技領域に配置された始動入賞口に入球すると、遊技者にとって有利な遊技状態に移行するための当り抽選が行われるとともに、液晶表示装置などの表示手段に表示される複数の図柄が変動し、当り抽選に当選した場合は複数の図柄が所定の組合せで停止することを契機として、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行する。また、当り抽選に当選した場合の停止図柄に応じて大当り遊技状態終了後の遊技状態が、当り抽選における当選確率の高い高確率状態(所謂、確変状態)、或いは当選確率の低い低確率状態(所謂、通常状態)のいずれかに移行する。
ところで、従来、特に1990年代後半に、5回リミッターのパチンコ機が市場に登場した。5回リミッターのパチンコ機とは、確変大当りが連続5回(所謂、5連チャン)を越えない機種のことである。その後、リミッターが解除されたパチンコ機が市場に登場することにより、リミッター機能を搭載したパチンコ機が少なくなったが、近年、再び、リミッターを搭載したパチンコ機が提案されるようになった(例えば、特許文献1)。
また、近年、1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機も市場に多く登場している。1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機においては、2つの始動入賞口及び2つの特別図柄装置を搭載した機種が多く見られる。例えば、2つの始動入賞口のうち、一方の始動入賞口は小当り当選の確率が極めて高く、他方の始動入賞口は小当り当選の確率が極めて低く設定され、時短状態においては一方の始動入賞口に入賞させ、小当りによってVアタッカーを開放させ、Vアタッカー内のV入賞口に入球させることによって、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行させる機種がある(例えば、特開2014−036729号公報)。
ところで、近年、1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機において、リミッター機能、すなわち、大当りが所定回数連続した場合に、最終の大当り遊技状態が終了した後、通常遊技状態に移行する機能を搭載した機種が登場している。しかし、1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機においてリミッター機能を搭載した場合、時短回数を多くすると、リミッターに到達するまで当り続ける可能性が高くなるため、高揚感や緊張感に欠けるおそれがある。逆に、時短回数を少なくすると時短状態の時間が短くなり、大当りが出ないまま時短状態が終了すると、遊技者は物足りなさを感じるおそれがある。しかも当り図柄による出玉の差もないため、当り演出の差別化が困難になる。
本発明は、このような問題点を解決し、リミッター機能を搭載した1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機において、遊技者に対して新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(1)遊技媒体が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域41)を有する遊技盤(例えば、遊技盤40)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が通過可能な第1始動領域(例えば、第1始動口414a)及び第2始動領域(例えば、第2始動口414b)と、
遊技媒体が前記第1始動領域及び第2始動領域のいずれかを通過したことを条件として乱数値の抽出を行う抽選手段(例えば、メインCPU101(ステップS254−2、S260−2))と、
当該抽選手段が抽出した乱数値に基づいて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な第1特定遊技状態及び通常遊技状態よりも遊技者に有利でかつ前記第1特定遊技状態よりも遊技者に不利な第2特定遊技状態に移行させるか否かを判定する第1判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS255−2、S261−2))と、
当該第1判定手段に基づく判定結果を識別情報の変動及び停止により報知する識別情報表示手段(例えば、特別図柄表示装置421、液晶表示装置50)と、
遊技媒体を受け入れ易い開放状態と、当該開放状態よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉鎖状態とに変位可能である第1可変入賞装置(例えば、第1大入賞装置454)と、
遊技媒体を受け入れ易い開放状態と、当該開放状態よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉鎖状態とに変位可能である第2可変入賞装置(例えば、第2大入賞装置453)と、
前記第1特定遊技状態において前記第1可変入賞装置の変位制御を行う第1変位制御手段(例えば、メインCPU101(ステップS55−2〜S60−2))と、
前記第2特定遊技状態において前記第2可変入賞装置の変位制御を行う第2変位制御手段(例えば、メインCPU101(ステップS55−2〜S60−2))と、
当該第2可変入賞装置が受け入れた遊技媒体が通過可能な特別通過領域(例えば、V入賞口457)と、
前記第2可変入賞装置が受け入れた遊技媒体を前記特別通過領域へ導く第1経路と前記特別通過領域に通過させない第2経路とに振分可能な振分装置(例えば、可動部材457a)と、
前記第2可変入賞装置が開放状態となる間に、遊技媒体を前記第1経路に導く状態になるように前記振分装置を制御する振分装置制御手段(例えば、メインCPU101(ステップS236−2))と、
前記第1判定手段の判定結果に基づき、前記第1特定遊技状態又は前記第2特定遊技状態に移行させるとともに、前記第2特定遊技状態において遊技媒体が前記特別通過領域を通過することを条件に前記第2特定遊技状態よりも有利な第3特定遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(例えば、メインCPU101(ステップS52−2〜S60−2))と、
前記識別情報が変動している状態で遊技媒体が前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかを通過した場合に、前記乱数値を含む保留情報を複数記憶可能な保留情報記憶手段(例えば、メインRAM103(第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4))と、
前記保留情報に対応する保留図柄を表示する保留表示手段(例えば、液晶表示装置50)と、
前記保留情報として記憶されている前記乱数値に基づいて、前記第2特定遊技状態に移行するか否かを、前記保留情報に基づく前記識別情報の変動が開始される前に判定し、前記第2特定遊技状態に移行する場合に前記保留情報に対応する前記保留図柄の表示態様を変化させる保留演出制御手段(例えば、サブCPU201(ステップS1057−2))と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過領域(例えば、球通過検出器416)と、
前記通過領域を通過した遊技媒体の受け入れが容易な第1状態と遊技媒体の受け入れが困難な第2状態とに変位可能であり、受け入れた遊技媒体を前記第2始動領域に導く電動的に駆動可能な変位役物(例えば、普通電動役物415)と、
前記通過領域を遊技媒体が通過したことを契機として、第2状態にある前記変位役物を第1状態に変位させるか否かを判定する第2判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS39−2))と、を備え、
前記第1判定手段は、遊技媒体が前記第1始動領域を通過した場合よりも、前記第2始動領域を通過した場合の方が高い確率で前記第2特定遊技状態へ移行する判定を行い、
前記振分装置制御手段は、前記振分装置が前記第1経路に振り分ける状態となる時間が、前記第2可変入賞装置が開放状態となる時間よりも短くなるように前記振分装置を制御し(例えば、メインCPU101(ステップS277−2))、
前記遊技状態移行手段は、
前記第2特定遊技状態への移行を報知する前記識別情報の停止態様に基づいて、前記第2特定遊技状態終了後に前記第2判定手段が前記第1状態に変位させると判定する確率を高くする高確率状態に移行させる高確率状態移行手段(所謂、時短遊技状態)と、
当該高確率状態と前記第1特定遊技状態及び前記第3特定遊技状態のいずれかとの間の移行が特定回数連続した場合に、前記高確率状態を終了させる特定遊技規制手段(例えば、メインCPU101(ステップS214−2、S218−2)、所謂、リミッター機能)と、
前記識別情報の変動回数が所定回数に到達した場合、及び前記高確率状態において前記第2特定遊技状態に移行しかつ遊技媒体が前記特別通過領域を通過しなかった回数が所定回数に到達した場合のいずれかを満たした場合に前記高確率状態を終了させる高確率状態終了条件判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS224−2、S227−2)と、を有することを特徴とする遊技機。
(1)によれば、高確率状態(所謂、時短遊技状態)が継続している間に、第1又は第3特定遊技状態に一定回数移行した場合に高確率状態から低確率状態に移行する、所謂、リミッター機能を有しており、特別図柄の変動回数が所定回数に到達すること、及び特別通過領域(V入賞口457)を通過しなかった回数が所定回数に到達すること、のいずれかを満たした場合に、高確率状態(所謂、時短遊技状態)が終了する。ここで、特別通過領域を通過しなかった回数が所定回数に到達するまでは、第2特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)において特別通過領域を通過させずに第2可変入賞装置に遊技球を入賞させる打ち方が可能になる。このような打ち方をすることにより、第2特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)において多くの賞球を獲得することが可能になり、しかも、リミット最後の第2特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)においてV入賞させることにより、より多くの賞球を獲得することができる。しかしながら、この打ち方は、小当り遊技において、発射した遊技球が必ずV入賞させることができるとは限らないことから、第3特別遊技状態に移行させる機会を逸すること(所謂、パンク)があり得る。
このように本発明によれば、特別通過領域を通過しなかった回数が所定回数に到達するまでは、第2特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)において特別通過領域を通過させずに第2可変入賞装置に遊技球を入賞させる打ち方(所謂、V外し)を行い、特別通過領域を通過しなかった回数が所定回数に到達した時、或いはその前に、第2特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)において特別通過領域を通過させることにより、第2特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)から第3特定遊技状態(例えば、V大当り遊技状態)において多くの賞球を獲得することを狙うハイリスクの打ち方と、第2特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)となった場合に、所謂、V外しをせずに特別通過領域を通過させるローリスクの打ち方と、を遊技者に提供することが可能になる。これにより、遊技者に対して新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
本発明によれば、遊技者に対して新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
[付記3]
従来のパチンコ機では、遊技者による発射ハンドルの操作によって、遊技盤の遊技領域に遊技球を発射すると、遊技球は遊技領域転動し流下する。このとき、遊技球が遊技領域に配置された始動入賞口に入球すると、遊技者にとって有利な遊技状態に移行するための当り抽選が行われるとともに、液晶表示装置などの表示手段に表示される複数の図柄が変動し、当り抽選に当選した場合は複数の図柄が所定の組合せで停止することを契機として、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行する。また、当り抽選に当選した場合の停止図柄に応じて大当り遊技状態終了後の遊技状態が、当り抽選における当選確率の高い高確率状態(所謂、確変状態)、或いは当選確率の低い低確率状態(所謂、通常状態)のいずれかに移行する。
また、特に1990年代後半に、5回リミッターのパチンコ機が市場に登場した。5回リミッターのパチンコ機とは、確変大当りが連続5回(所謂、5連チャン)を越えない機種のことである。その後、リミッターが解除されたパチンコ機が市場に登場することにより、リミッター機能を搭載したパチンコ機が少なくなったが、近年、再び、リミッター機能を搭載したパチンコ機が提案されるようになった(例えば、特開2014−036729号公報)。
ところで、リミッター機能を搭載したパチンコ機は、通常大当りに当選した場合、若しくは確変大当りが一定回数連続した場合に、大当り遊技状態が終了後に低確率状態に移行する。特に、リミッター機能によって低確率状態に移行した場合には、強制的に高確率状態から移行させられたように感じられるため、遊技の継続意欲が著しく低下するおそれがある。
本発明は、このような問題点を解決し、リミッター機能を搭載したパチンコ機において、遊技者に対して新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域41)を有する遊技盤(例えば、遊技盤40)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が通過可能な始動領域(例えば、第1始動口414a、第2始動口414b)と、
遊技媒体が前記始動領域を通過したことを条件として乱数値の抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU101(ステップS254−3、S260−3))と、
当該抽選手段によって抽選された乱数値と予め設定された当り判定値とを比較して一致した場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態に移行させると判定する判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS255−3、S261−3))と、
前記通常遊技状態は、前記判定手段が肯定の判定をする確率が高い高確率遊技状態(例えば、確変遊技状態)と前記判定手段が肯定の判定をする確率が低い低確率遊技状態(例えば、非確変遊技状態)とを含み、
当該判定手段の判定結果が肯定である場合に、前記通常遊技状態から前記特定遊技状態に移行させる特定遊技移行手段と、
当該判定手段に基づく判定結果を識別情報の変動及び停止により報知する識別情報表示手段(例えば、特別図柄表示装置421、液晶表示装置50)と、
遊技媒体を受け入れ易い開放状態と、当該開放状態よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉鎖状態とに変位可能である第1可変入賞装置(例えば、第1大入賞装置454)と、
遊技媒体を受け入れ易い開放状態と、当該開放状態よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉鎖状態とに変位可能である第2可変入賞装置(例えば、第2大入賞装置453)と、
当該第2可変入賞装置に受け入れられた遊技媒体が通過可能な特別通過領域(例えば、V入賞口457)と、
前記判定手段の判定結果が肯定であることを報知する前記識別情報表示手段の停止表示態様が特定態様であった場合において前記第1可変入賞装置及び前記第2可変入賞装置を変位させる変位制御手段(例えば、メインCPU101(ステップS64−3〜S67−3))と、
前記特定遊技状態において遊技媒体が前記特別通過領域を通過した場合に、前記特定遊技状態の終了後に高確率遊技状態に移行させ、前記特定遊技状態において遊技媒体が前記特別通過領域を通過しなかった場合に、前記特定遊技状態の終了後に低確率遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(例えば、メインCPU101(ステップS120−3〜S123−3))と、
保留された前記識別情報の変動及び停止に対応する前記乱数値を含む保留情報を複数記憶可能な保留情報記憶手段(例えば、メインRAM103(第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4))と、
前記保留情報記憶手段に記憶されている前記保留情報に、前記特定遊技状態に移行すると判定される前記保留情報がある場合に、特定の演出をする保留演出制御手段と(例えば、サブCPU201(ステップS1057−3))と、
を備え、
前記遊技状態移行手段は、高確率遊技状態が継続している間に、前記特定遊技状態に一定回数移行した場合に、前記特定遊技状態の終了後に低確率遊技状態に移行させ(例えば、メインCPU101(ステップS119−3)、
前記高確率遊技状態において参照される複数の前記当り判定値の中には、前記低確率遊技状態において参照される前記当り判定値が含まれていることを特徴とする遊技機。
(1)によれば、高確率遊技状態が継続している間に、特定遊技状態に一定回数移行した場合に高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行する、所謂、リミッター機能を有しており、更に、高確率遊技状態において保留図柄の先読みを行い、特定遊技状態に移行する保留図柄があることを特定の演出により報知する機能を有している。このため、例えば、5連チャンで低確率遊技状態に移行するものであって3連チャン目の大当り遊技状態において、V入賞のラウンドゲームの前に特定の演出が実行された場合に、遊技者は、V入賞させる方針と、V入賞させない方針とを遊技者は選択可能となる。
V入賞させる方針の場合には、確実に、リミッタ回数分の大当り遊技状態を楽しむことができる。V入賞させない方針の場合には、リミッタ回数がリセットされた上で、大当りの保留による大当り遊技状態に移行するため、大当り遊技状態の終了後におけるリミッタ回数が増えることになり、更に、大当り遊技状態を獲得できる可能性が高くなる。
このように、本発明によれば、高確率遊技状態から敢えて低確率遊技状態に転落させるという新たな遊技方法を遊技者に提供することが可能になり、これにより、遊技者に対して新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
本発明によれば、遊技者に対して新たな興趣を与えることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
[付記4]
従来のパチンコ機では、遊技者による発射ハンドルの操作によって、遊技盤の遊技領域に遊技球を発射すると、遊技球は遊技領域転動し流下する。このとき、遊技球が遊技領域に配置された始動入賞口に入球すると、遊技者にとって有利な遊技状態に移行するための当り抽選が行われるとともに、液晶表示装置などの表示手段に表示される複数の図柄が変動し、当り抽選に当選した場合は複数の図柄が所定の組合せで停止することを契機として、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行する。
近年、パチンコ機においても、パチスロ機と同様に複数の大当り確率から1つの確率を設定する、所謂、「設定」を行うことが可能になった。従来においては、複数の同一機種のパチンコ台において設定されている大当り確率は全て同じであることから、釘調整によって出玉率の調整を行ってきた。しかし、パチンコ機においても「設定」を行うことが可能になったことから、釘調整を行わなくても出玉率の調整を行うことが可能になった。なお、従来、特開平6−142304号公報に記載されているパチンコ機のように、大当り確率の設定を変更する技術は存在する。
ところで、遊技店の多くは、パチンコ機の上方に情報表示器を設置している。近年の情報表示器には、大当り回数とともに連チャン回数の履歴を表示しているものもあり、遊技者は情報表示器に表示される情報に基づいて初当り回数を把握することが可能である。このため、初当り回数が多い台ほど設定が高いと推測できることから、遊技者は、初当り回数が少ない遊技機を敬遠するおそれがあり、また、設定が高いと推測される台で遊技を行っている遊技者に対して不公平感を抱くおそれがある。
本発明は、このような問題点を解決し、遊技台毎に出玉の差を設けることが可能になると共に、遊技者の公平感を保つことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域41)を有する遊技盤(例えば、遊技盤40)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が通過可能な始動領域(例えば、第1始動口414a、第2始動口414b)と、
遊技媒体が前記始動領域を通過したことを条件として、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態に移行させるか否かを判定する判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS255−2、S261−2))と、
前記判定手段の判定結果に基づき前記特定遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(例えば、メインCPU101(ステップS52−2〜S60−2))と、
遊技媒体を受け入れ易い開放状態と、当該開放状態よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉鎖状態とに変位可能である可変入賞装置(例えば、第1大入賞装置454)と、
遊技媒体を受け入れ易い開放状態と、当該開放状態よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉鎖状態とに変位可能である特別入賞装置(例えば、第2大入賞装置453)と、
当該特別入賞装置に受け入れられた遊技媒体が通過可能な特別通過領域(例えば、V入賞口457)と、
前記特定遊技状態において前記可変入賞装置及び前記特別入賞装置の開閉制御を行う特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101(ステップS55−2〜S60−2))と、を備え、
前記特定遊技状態は、第1特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)と前記第1特定遊技状態よりも遊技者にとって不利な第2特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)と、前記第1特定遊技状態よりも遊技者に有利な第3特定遊技状態(例えば、V入賞による大当り遊技状態)とを、含み、
前記判定手段が前記第1特定遊技状態へ移行させると判定する確率は、所定の操作によって変更可能であり(例えば、設定キー328及び設定スイッチ332の操作により大当り確率を6段階に変更する)、
前記遊技状態移行手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて前記第1特定遊技状態、或いは前記第2特定遊技状態のいずれかに移行させるとともに、遊技媒体が前記特別通過領域を通過(例えば、V入賞口通過)したことを条件として前記第3特定遊技状態に移行させ、
前記特定遊技実行手段は、前記第1特定遊技状態において前記特別入賞装置が遊技媒体の受け入れが困難になる一方、前記第2特定遊技状態において前記特別入賞装置が遊技媒体の受け入れが容易になるように、前記可変入賞装置及び前記特別入賞装置を制御し、
前記判定手段は、前記第2特定遊技状態への移行よりも、前記第1特定遊技状態への移行を高確率で判定すること(例えば、小当り確率<大当り確率)を特徴とする遊技機。
(1)によれば、第1特定遊技状態よりも第3特定遊技状態の方が遊技者にとって有利であることから、遊技者は、第1特定遊技状態に移行するよりも、第2特定遊技状態において可変入賞装置に受け入れられた遊技媒体が特別通過領域を通過して第3特定遊技状態に移行することを望むようになる。ここで、第1特定遊技状態に移行する確率は変更可能である一方、第2特定遊技状態に移行する確率は変更不可能であるため、遊技者にとって有利な第3特定遊技状態へ移行する確率は変わらない。このように、第1特定遊技状態に移行する確率が変わることから、遊技台毎に出玉の差を設けることが可能になると共に、遊技者の目標となる第3特定遊技状態への移行確率は変わらないので、遊技者の公平感を保つことが可能になる。
(2)(1)において、前記可変入賞装置が遊技媒体を受け入れることに応じて所定数の遊技媒体を払い出す払出装置を更に備え、
前記第1特定遊技状態と前記第2特定遊技状態とにおける前記可変入賞装置の開閉態様が同一であり、前記可変入賞装置による遊技媒体の受け入れが容易であることを特徴とする遊技機。
(2)によれば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とにおける可変入賞装置の開閉態様が同一であるため、第1特定遊技状態及び第2特定遊技状態のいずれにおいても同程度の遊技媒体の払い戻しが期待できるが、第3特定遊技状態よりは遊技媒体の払い戻しが期待できない。このため、遊技台毎に第1特定遊技状態への移行確率に違いがあっても、それによる不公平感を低減することが可能になる。
本発明によれば、遊技台毎に出玉の差を設けることが可能になると共に、遊技者の公平感を保つことが可能な遊技機を提供することが可能になる。
[付記5]
従来のパチンコ機では、遊技者による発射ハンドルの操作によって、遊技盤の遊技領域に遊技球を発射すると、遊技球は遊技領域転動し流下する。このとき、遊技球が遊技領域に配置された始動入賞口に入球すると、遊技者にとって有利な遊技状態に移行するための当り抽選が行われるとともに、特別図柄装置などの表示手段に表示される図柄が変動し、当り抽選に当選した場合に所定の表示態様で停止することを契機として、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行する。
近年、パチンコ機において、始動入賞口を2つ搭載し、2つの始動入賞口にそれぞれ対応させて2つの特別図柄装置を搭載した機種がある。この機種においては、2つの始動入賞口にそれぞれ入球した場合に、対応する特別図柄装置においてそれぞれ独立して図柄が変動し、いずれか一方が所定の表示態様で停止することを契機として、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行する。また、1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機には、2つの始動入賞口及び2つの特別図柄装置を搭載した機種が多く見られる。例えば、2つの始動入賞口のうち、一方の始動入賞口は小当り当選の確率が極めて高く、他方の始動入賞口は小当り当選の確率が極めて低く設定され、時短状態においては一方の始動入賞口に入賞させ、小当りによってVアタッカーを開放させ、Vアタッカー内のV入賞口に入球させることによって、有利な遊技状態(所謂、大当り遊技状態)に移行させる機種がある(例えば、特開2013−233375号公報)。
ところで、特許文献1に記載されたパチンコ機によれば、時短状態は、図柄を所定回数変動、停止させるまで継続される。すなわち、所定回数は予め決まっているため、時短状態における興趣は、所定回数内にV入賞口に入球させることができるか否かに限定され、更なる興趣を得られるものではない。
本発明は、このような問題点を解決し、1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機において、時短状態における興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(1) 遊技媒体が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域41)を有する遊技盤(例えば、遊技盤40)と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な第1始動領域(例えば、第1始動口414a)及び第2始動領域(例えば、第2始動口414b)と、
前記第1始動領域及び前記第2始動領域のいずれかの遊技媒体通過を契機として、遊技者に有利な特定遊技状態へ移行するか否かを判定する第1判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS255−2、S261−2))と、
当該第1判定手段の判定結果に応じて、通常遊技状態から前記特定遊技状態に移行させ、当該特定遊技状態の終了後に前記通常遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、
第1識別情報を変動、停止させ、当該第1識別情報の停止表示態様によって、前記第1始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記第1判定手段の判定結果を報知する第1識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置421a、液晶表示装置50)と、
第2識別情報を変動、停止させ、当該第2識別情報の停止表示態様によって、前記第2始動領域への遊技媒体通過を契機とする前記第1判定手段の判定結果を報知する、前記第1識別情報と同時に変動可能な第2識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置421b、液晶表示装置50)と、
前記第1識別情報表示手段及び前記第2識別情報表示手段の表示制御を行う識別情報表示制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技媒体を受け入れ易い開放状態と、当該開放状態よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉鎖状態とに変位可能である可変入賞装置(例えば、第1大入賞装置454)と、
遊技媒体を受け入れ易い開放状態と、当該開放状態よりも遊技媒体の受け入れが困難な閉鎖状態とに変位可能である特別入賞装置(例えば、第2大入賞装置453)と、
当該特別入賞装置に受け入れられた遊技媒体が通過可能な特別通過領域(例えば、V入賞口457)と、
前記特定遊技状態において前記可変入賞装置及び前記特別入賞装置の開閉制御を行う特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101(ステップS55−2〜S60−2))と、
前記遊技領域に配置され、遊技媒体が通過可能な通過領域(例えば、球通過検出器416)と、
前記通過領域を通過した遊技媒体の受け入れが容易な第1状態と遊技媒体の受け入れが困難な第2状態とに変位可能であり、受け入れた遊技媒体を前記第2始動領域に導く電動的に駆動可能な変位役物(例えば、普通電動役物415)と、
前記通過領域を遊技媒体が通過したことを契機として、第2状態にある前記変位役物を第1状態に変位させるか否かを判定する第2判定手段(例えば、メインCPU101(ステップS39−2))と、
前記第1識別情報表示手段及び前記第2識別情報表示手段のいずれかの停止表示態様に基づいて、前記通常遊技状態において前記第2判定手段が前記変位役物を第1状態に変位させると判定する確率が高い高確率状態及び前記確率が前記高確率状態よりも低い低確率状態のいずれかに設定する確率設定手段(例えば、メインCPU101(ステップS217−5、S228−5))と、
を備え、
前記特定遊技状態は、第1特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)、当該第1特別遊技状態より不利な第2特別遊技状態(例えば、小当り遊技状態)及び前記第2特別遊技状態より有利な第3特別遊技状態(例えば、V入賞による大当り遊技状態)を含み、
前記遊技状態移行手段は、前記第1判定手段の判定結果に応じて、前記第1特別遊技状態又は前記第2特別遊技状態へ移行可能であり、遊技媒体が前記特別通過領域を通過した場合に、前記第3特別遊技状態へ移行可能であり、
前記第1判定手段は、前記第2始動領域の遊技媒体通過を契機とする前記判定において、前記第1始動領域の遊技媒体通過を契機とするよりも、前記第2特別遊技状態へ移行すると判定する確率が高く(例えば、特図1抽選における小当り確率は1/200、特図2抽選における小当り確率は1/10)、
前記特定遊技実行手段は、前記第1判定手段が前記第2特別遊技状態へ移行すると判定した場合に、前記特別入賞装置を前記開放状態とし、
前記識別情報表示制御手段は、
前記第1識別情報表示手段及び前記第2識別情報表示手段のいずれか一方が識別情報を変動している間に、他方に表示されている識別情報が前記特定遊技状態への移行を報知する表示態様で停止した場合、前記一方における識別情報の変動を一時停止させ、前記特定遊技状態が終了した後、他方における識別情報とともに変動を再開させる制御を行い、
前記確率設定手段は、前記高確率状態における前記第1識別情報の変動、停止回数及び前記第2識別情報の変動、停止回数の両方が規定回数以上になった場合(例えば、特図1の変動が1回以上かつ特図2の変動が10回以上)に、前記低確率状態に設定することを特徴とする遊技機。
(1)によれば、第1識別情報表示手段及び第2識別情報表示手段が同時変動可能であり、第1識別情報表示手段及び第2識別情報表示手段のいずれか一方が識別情報を変動している間に、他方に表示されている識別情報が特定遊技状態への移行を報知する表示態様で停止した場合、一方における識別情報の変動を一時停止させ、前記特定遊技状態が終了した後、他方における識別情報とともに変動を再開させる遊技機であり、高確率状態における第1識別情報の変動、停止回数及び前記第2識別情報の変動、停止回数の両方が規定回数以上になった場合に、低確率状態に設定するものである。このため、例えば、特図1の変動回数が1回以上でかつ特図2の変動回数が10回以上の場合に、低確率状態に移行するように設定されている場合、特図1が変動中であれば、特図2が10回以上変動しても低確率状態に移行しないため、第2特別遊技状態(例えば、小当り遊技状態)への移行に対する遊技者の期待度を向上させることが可能になる。このように、1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機において、時短状態における興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
(2)(1)において、前記変位役物が前記特定遊技状態の終了後において最初に受け入れた遊技媒体を前記第1始動領域(例えば、第3始動口414c)に導き、前記第1始動領域への遊技媒体通過が検出された後に、受け入れた遊技媒体を前記第2始動領域(例えば、第2始動口414b)に導く振分手段を更に備えることを特徴とする遊技機。
(2)によれば、特定遊技状態終了後に、最初に遊技媒体が第1始動領域を通過してから第2始動領域への遊技球通過が可能となるため、特定遊技状態終了直後は必ず第1識別情報が変動するようになる。これにより、特定遊技状態終了直後に第1識別情報が停止状態で第2識別情報だけが変動するという状態がなくなり、第1識別情報の変動回数が条件を満たさないことによって高確率状態が必要以上に長期間継続することを防止することができる。
本発明によれば、1種2種混合機と称されるタイプのパチンコ機において、時短状態における興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
[付記6]
近年、パチンコ機あるいはパチスロ機の隣に、遊技媒体の貸出機能と遊技媒体の計数機能を有する各台計数機を設置する遊技店(ホール)が増えている。遊技者は、遊技の終了時等に持玉あるいは持メダルを各台計数機に投入し、各台計数機は、持玉あるいは持メダルを計数し、その結果をカード型に記憶媒体に記憶して排出する。そして、遊技者は、記憶媒体を持って他の遊技機に移動して、記憶媒体を各台計数機に挿入し、遊技者が各台計数機を操作することで、各台計数機から記憶媒体に記憶された範囲で遊技媒体の払出を受けることが可能になり、遊技を開始することができる。このように、持玉あるいは持メダルの計数値をデータ化して記憶して記憶媒体を遊技者に持たせることにより、持玉あるいは持メダルを持って台移動を行う必要がなくなるため、遊技者にとっては台移動が行い易くなり、ホール係員にとっては持玉あるいは持メダルを持ち運ぶ負担が軽減される。
また、近年、遊技店においては、遊技媒体の貸出レートが異なる遊技機を設置するところが増えている。例えば、パチンコ機においては4円レートと1円レートの遊技機を設置している遊技店が多い。具体的には、4円レートの場合には例えば500円単位で125玉の貸出が行われ、1円レートの場合には例えば200円単位で200玉の貸出が行われるように、各台計数機が設定されている。また、計数機能を有さない第2遊技用装置は、計数機能を有する第1遊技用装置から排出されたカードを受け付けて、貸与レートが4円の玉を1円の玉に変換し、該1円の玉を払い出す。第2遊技用装置は、計数装置から排出されたカードを受け付けて、貸与レートが1円の玉を4円の玉に変換し、該4円の玉を払い出すシステムが提案されている(例えば、特開2016−140436公報)。
ところで、1円レートのパチンコ機で使用する遊技媒体と、4円レートのパチンコ機で使用する遊技媒体とはサイズが同じであるため、例えば、4円レートの各台計数機に1円レートの遊技媒体を投入した場合に、各台計数機は4円レートの遊技媒体として計数して、遊技者に記憶媒体を戻すことがあり得る。この点を利用して、1円レートの記憶媒体を4円レートの記憶媒体に変換する、といった異なる貸与レートの遊技機が設置されている遊技店において不正行為が実行されるおそれがある。
本発明は、このような問題点を解決し、異なる貸与レートの遊技機が設置されている遊技店において実行され得る不正行為を低減させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(1) 遊技店に設置されている個々の遊技機に対応して設置される遊技用装置であって、
前記遊技用装置に対応する前記遊技機に付与されている遊技機識別情報と、前記遊技機から移動して再遊技が可能な他の遊技機に対して付与された遊技機識別情報とを関連付けた再遊技可能機種情報を記憶する記憶手段と、
遊技者が所有する記憶媒体を受け入れる受入手段と、
当該受入手段が受け入れている記憶媒体を排出する排出手段と、
遊技者が所持する遊技媒体を計数する計数手段と、
遊技者が所持する遊技媒体を払い出す払出手段と、
当該受入手段に受け入れられた前記記憶媒体に対して、前記計数手段及び前記払出手段が遊技媒体を計数、払出を行う毎に、遊技者が所持する前記遊技媒体に関する情報の読み書きを行うとともに、前記受入手段から前記遊技媒体を排出する際に、前記記憶媒体に対して前記遊技用装置に対応する前記遊技機に付与されている前記遊技機識別情報を記憶する読み書き手段と、
前記受入手段が前記記憶媒体を受け入れた際に、前記読み書き手段が前回遊技を行った遊技機の前記遊技機識別情報を読み出し、前記再遊技可能機種情報に基づいて再遊技可能か否かを判断する第1判断手段と、を備えることを特徴とする遊技用装置。
(1)によれば、受入手段から遊技媒体を排出する際に、記憶媒体に対して遊技用装置に対応する遊技機に付与されている遊技機識別情報を記憶し、遊技者が他の遊技機に移動して、受入手段が記憶媒体を受け入れた際に、読み書き手段が前回遊技を行った遊技機の遊技機識別情報を読み出し、再遊技可能機種情報に基づいて再遊技可能か否かを判断することにより、再遊技可能と判断した場合に遊技者が、記憶媒体に記憶されている遊技者が所持する遊技媒体を用いて遊技が可能になる。このように、台移動に条件をつけることによって、低レートの遊技機において獲得した遊技媒体を、高レートの遊技機で使用することが不可能になり、異なる貸与レートの遊技機が設置されている遊技店において実行されるおそれがある不正行為を低減させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
(2)(1)において、前記遊技機から送信される遊技媒体の投入情報及び前記遊技機が払い出した遊技媒体数を含む払出情報を受信する受信手段と、
前記投入情報に基づいて、遊技者が前記遊技機に投入した投入遊技媒体数を求めるとともに、前記遊技機が払い出した払出遊技媒体数を求め、前記投入遊技媒体数と前記払出遊技媒体数との差数を求める演算手段と、
前記差数に基づいて他の遊技機への移動を許可するか否かを判断する第2判断手段と、を備え、
前記読み書き手段は、前記第2判断手段が他の遊技機への移動を許可しないと判断した場合に、前記記憶媒体に対して前記判断の結果を記憶することを特徴とする遊技用装置。
(2)によれば、受入手段から遊技媒体を排出する際に、投入遊技媒体数と払出遊技媒体数との差数を求め、この差数に基づいて他の遊技機への移動を許可するか否かを判断し、他の遊技機への移動を許可しないと判断した場合に、記憶媒体に対して判断の結果を記憶する。このため、遊技者が、他の遊技機へ移動して遊技媒体を用いて遊技を開始しようとしても、他の遊技機への移動を許可しない旨の判断の結果が記憶されているため、遊技できないようにすることができる。このように、異なる貸与レートの遊技機が設置されている遊技店において実行されるおそれがある不正行為を低減させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
(3)(1)において、遊技者の使用金額を管理する使用金額管理手段と、
前記遊技機から送信される遊技媒体の投入情報と、前記遊技機が払い出した遊技媒体数を含む払出情報と、前記遊技機の遊技状態を示す遊技状態情報と、遊技者による遊技回数を示す遊技情報と、を受信する受信手段と、
前記遊技状態情報に基づいて前記遊技機が遊技者にとって有利ではない遊技状態における遊技者が前記遊技機に投入した投入遊技媒体数を求めるとともに、前記有利ではない遊技状態において前記遊技機が払い出した払出遊技媒体数を求め、前記有利ではない遊技状態における前記投入遊技媒体数に対する前記払出遊技媒体数の割合を演算する演算手段と、
前記割合と、前記使用金額及び前記遊技回数の少なくともいずれか一方とに基づいて他の遊技機への移動を許可するか否かを判断する第2判断手段と、を備え、
前記読み書き手段は、前記第2判断手段が他の遊技機への移動を許可しないと判断した場合に、前記記憶媒体に対して前記判断の結果を記憶することを特徴とする遊技用装置。
(3)によれば、有利ではない遊技状態(通常遊技状態)における投入遊技媒体数に対する払出遊技媒体数の割合(所謂、ベース)を求め、受入手段から遊技媒体を排出する際に、ベース値に基づいて他の遊技機への移動を許可するか否かを判断し、他の遊技機への移動を許可しないと判断した場合に、記憶媒体に対して判断の結果を記憶する。このため、遊技者が、他の遊技機へ移動して遊技媒体を用いて遊技を開始しようとしても、他の遊技機への移動を許可しない旨の判断の結果が記憶されているため、遊技できないようにすることができる。このように、異なる貸与レートの遊技機が設置されている遊技店において実行されるおそれがある不正行為を低減させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
本発明によれば、異なる貸与レートの遊技機が設置されている遊技店において実行されるおそれがある不正行為を低減させることが可能な遊技機を提供することが可能になる。