JP2020094746A - Ventilation system of sound-proof chamber - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、貸音楽スタジオ等の防音室の換気システムに関する。 The present invention relates to a ventilation system for a soundproof room such as a music rental studio.
例えば特許文献1では、下階側天井材である天井プラスタボードとの間に隙間を残して、床根太を除く上階側床材である床合板の下面に、止め金具を用いて吸音材グラスウールを密着固定する防音施工を行った木造家屋が開示されている。
For example, in
特許文献1のような木造家屋の場合、防音施工を行った2階の部屋の気密保持が困難であるため、2階の部屋から下側の部屋への音漏れを完全になくすことはできない。また、2階の部屋の利用者は家族などに限定されるのが通常である。したがって、不特定多数の者が2階の部屋に長時間立ち入って、酸欠や二酸化炭素中毒を引き起こすおそれはほとんどなかった。
In the case of a wooden house as disclosed in
ところが、最近、貸音楽スタジオなどと称して、不特定多数の者が手軽に利用できる防音室が出回るようになってきた。例えば空き部屋を改装して防音室をつくり、そこにできるだけ大勢の利用者を詰め込むような場合には、温湿度の調整のためにエアコンをフル活動させている。ここでピアノ演奏会などを開催すると、大人と子供とが防音室内に長時間閉じ籠ることになるが、エアコンにはほとんど換気機能がないので、酸欠や二酸化炭素中毒を引き起こすことが懸念される。一方、大人と子供とでは、酸素消費量や二酸化炭素の排出量や身長などが大きく異なる。そこで、防音室をだれでも安心して利用できるようにするには、かかる大人と子供の異なる点を考慮した換気システムの構築が必須となる。 However, recently, a soundproof room called a rental music studio has become available which can be easily used by an unspecified number of people. For example, when a vacant room is renovated to create a soundproof room and a large number of users are packed into it, the air conditioner is fully activated to adjust the temperature and humidity. If a piano concert is held here, adults and children will be locked in a soundproof room for a long time, but since the air conditioner has almost no ventilation function, there is concern that it may cause oxygen deficiency and carbon dioxide poisoning. .. On the other hand, oxygen consumption, carbon dioxide emissions, and height are greatly different between adults and children. Therefore, in order for anyone to be able to use the soundproof room with peace of mind, it is essential to construct a ventilation system that takes into consideration such differences between adults and children.
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、だれでも安心して利用できるようにした防音室の換気システムを提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of such circumstances, and an object thereof is to provide a ventilation system for a soundproof room that anyone can use with peace of mind.
本発明は、防音室の換気システムであって、室外から吸引された空気を室内に供給する給気ダクトと、前記室内の空気を前記室外に排出する排気ダクトと、前記室内に収容される大人と子供との人数構成に応じて、前記給気ダクトから供給される空気量と前記排気ダクトから排出される空気量とを調整可能に該室内を換気する換気装置とを備えたことを特徴とするものである。 The present invention is a ventilation system for a soundproof room, comprising an air supply duct for supplying air sucked from the outside to the room, an exhaust duct for discharging the air in the room to the outside, and an adult housed in the room. And a ventilation device for ventilating the room so that the amount of air supplied from the air supply duct and the amount of air discharged from the exhaust duct can be adjusted according to the number of children and children. To do.
本発明によれば、室外から吸引された空気を室内に供給する給気ダクトと、前記室内の空気を前記室外に排出する排気ダクトと、前記室内に収容される大人と子供との人数構成に応じて、前記給気ダクトから供給される空気量と前記排気ダクトから排出される空気量とを調整可能に該室内を換気する換気装置とを備えたので、酸欠や二酸化炭素中毒を引き起こすおそれをなくして、だれでも安心して利用できる。 According to the present invention, the air supply duct that supplies the air sucked from the outside to the room, the exhaust duct that discharges the air inside the room to the outside, and the number of adults and children accommodated in the room are configured. Accordingly, since a ventilation device that ventilates the interior of the room so that the amount of air supplied from the air supply duct and the amount of air discharged from the exhaust duct can be adjusted is provided, there is a risk of causing oxygen deficiency and carbon dioxide poisoning. Anyone can use it without anxiety.
請求項2に記載の発明のように、前記給気ダクトと前記排気ダクトとを少なくとも二回は屈曲させることが好ましい。 As in the second aspect of the present invention, it is preferable that the air supply duct and the exhaust duct are bent at least twice.
請求項2に記載の発明によれば、前記給気ダクトと前記排気ダクトとを少なくとも二回は屈曲させたので、音漏れを防止したまま、十分な換気を行うことができる。
According to the invention described in
請求項3記載の発明のように、前記排気ダクトは前記室内の床付近の空気を前記室外に排出可能であることが好ましい。
As in the invention according to
請求項3記載の発明によれば、前記排気ダクトは前記室内の床付近の空気を前記室外に排出可能であるので、特に子供の安全を確保できる。
According to the invention of
停止時や風の強いときなどには外気の侵入が懸念されるため、電動シャッターを設けることがあるが、停電時には有効でない。そこで、請求項4記載の発明のように、前記排気ダクトは前記空気の逆流時に順流時よりもライン抵抗を大きくするボルテックスダイオードを介装可能であることが好ましい。
An electric shutter may be provided because there is concern that outside air may enter when the vehicle is stopped or when wind is strong, but it is not effective during a power failure. Therefore, as in the invention according to
請求項4記載の発明によれば、前記排気ダクトは前記空気の逆流時に順流時よりもライン抵抗を大きくするボルテックスダイオードを介装可能であるので、停止時や停電時であっても外気の侵入を確実に防止できる。
According to the invention as set forth in
請求項5記載の発明のように、前記防音室は、ベタ基礎と、このベタ基礎上に立設され、第一の防音材を内包する多重壁と、前記第一の多重壁にほぼ切れ目なく連なり、第二の防音材を内包する多重天井とを備え、前記ベタ基礎上に、第三の防音材を挟み込んだ状態で床材が載置きされ、前記ベタ基礎の周囲を立ち上げるとともに、該立ち上がり部内に前記第三の防音材を延長して挟みこんだ状態で床材の周囲が当接するように構成することが好ましい。 According to a fifth aspect of the present invention, the soundproof room has a solid foundation, a multiwall that is erected on the solid foundation and includes a first soundproof material, and the first multiwall has almost no break. A plurality of ceilings that are continuous and include a second soundproofing material, and a floor material is placed on the solid foundation with the third soundproofing material sandwiched between the solid sounding material and the solid foundation, and the surroundings of the solid foundation are raised. It is preferable that the third soundproofing material is extended and sandwiched in the rising portion so that the periphery of the floor material abuts.
請求項5記載の発明によれば、前記防音室は、ベタ基礎と、このベタ基礎上に立設され、第一の防音材を内包する多重壁と、前記第一の多重壁にほぼ切れ目なく連なり、第二の防音材を内包する多重天井とを備え、前記ベタ基礎上に、第三の防音材を挟み込んだ状態で床材が載置きされ、前記ベタ基礎の周囲を立ち上げるとともに、該立ち上がり部内に前記第三の防音材を延長して挟みこんだ状態で床材の周囲が当接するように構成したので、音源が重量物であっても対応できる。
According to the invention of
この音源からの音漏れの心配がなくなる結果、たとえ深夜においてさえも、大音響の楽器を存分に演奏することができる。 As a result of not worrying about sound leakage from this sound source, it is possible to fully play a loud acoustic instrument even at midnight.
また、前記ベタ基礎の周囲を立ち上げるとともに、該立ち上がり部内に前記第三の防音材を延長して挟みこんだ状態で床材の周囲が当接するので、地震の際の縦揺れ、横揺れの両方に対応できる。 Further, since the periphery of the floor material abuts with the third soundproofing material being extended and sandwiched in the rising portion while raising the periphery of the solid foundation, vertical and horizontal shaking during an earthquake is prevented. Can handle both.
本発明によれば、室外から吸引された空気を室内に供給する給気ダクトと、前記室内の空気を前記室外に排出する排気ダクトと、前記室内に収容される大人と子供との人数構成に応じて、前記給気ダクトから供給される空気量と前記排気ダクトから排出される空気量とを調整可能に該室内を換気する換気装置とを備えたので、だれでも安心して利用できる。 According to the present invention, the air supply duct that supplies the air sucked from the outside to the room, the exhaust duct that discharges the air inside the room to the outside, and the number of adults and children accommodated in the room are configured. Accordingly, since the ventilation device for ventilating the room is provided so that the amount of air supplied from the air supply duct and the amount of air discharged from the exhaust duct can be adjusted, anyone can use it with peace of mind.
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る防音室1の外観を示す斜視図、図2は本実施形態1に係る防音室1の詳細構造を示す縦断面図である。ただし、図1の紙面に向かって左側が防音室1の北側に対応しており、右側が防音室1の西側に対応している。本発明者は、プラントメーカーのエンジニアとして、長年にわたり、防音対策などに従事してきた経験を生かして、自宅の敷地内に、実際に防音室1を作り、そこで得られた成果を以下に記す。
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a perspective view showing an appearance of a
図1,図2に示すように、この防音室1は、地上に独立して建てた木造家屋であって、基本的には、コンクリート製のベタ基礎上に、木製の柱や梁などの主要な構造部分がつくられているが、その内部に重量物である音源9を収容可能なものである。音源9としては、重さが500kgを超えるようなグランドピアノや大型自動演奏楽器などが挙げられる。なお、全体がコンクリート製の建屋としなかったのは、そこにグランドピアノなどを保管する場合に、カビの発生を防止するためにエアコンでの連続除湿が必要となるおそれがあるからである。これに対して、地上に独立して建てた木造家屋では、かかる問題が少なく、床下に限定されるコンクリート製のベタ基礎の場合は、むしろ夏場には地中から湿気が室内に入ってくるのを防ぐ一方、冬場には室内を適度に加湿する役目を果たすものと考えられる。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
そこで、この防音室1では、砕石21上に打設したコンクリート製のベタ基礎2と、このベタ基礎2上に立設され、グラスウール(第一の防音材に相当する。)31を二層にしてパネルボードに内包する二重壁3と、屋根10から防振ハンガー42で吊設され、これもグラスウール(第二の防音材に相当する。)41を二層にしてパネルボードに内包する二重天井4と、を備え、二重壁3と、二重天井4とが、ほぼ切れ目なく連なるとともに、ベタ基礎2上に、ロックウール(第三の防音材に相当する。)22を二層にして挟みこんだ状態でコンクリート製の床材5が載置されている。
Therefore, in the
グラスウールは各層でそれぞれ100mm程度の厚みをなしており、ロックウールは各層でそれぞれ25mm程度の厚みをなしている。また、ベタ基礎2と二重壁3との間と、二重壁3と二重天井4との間とは、パッキンやシーラーなどで有意な隙間をなくしている。
Each layer of glass wool has a thickness of about 100 mm, and each layer of rock wool has a thickness of about 25 mm. Further, between the
ベタ基礎2は、地震の際の縦揺れには強いが、横揺れまでを阻止するものではない。そこで、ベタ基礎2の周囲を立ち上げるとともに、この立ち上がり部内にロックウール22を延長して挟みこんだ状態で床材5の周囲が当接するようになっている。これにより、地震の際の縦揺れのみならず、横揺れにも対応できるようになっている。
The
また、室内平面での対称性を少なくするとともに、その縦横比を大きく変えており、これにより音源9から発せられる音波が壁反射しても干渉しにくくなっている。これに加えて、二重壁3の北側内面のパネルボードに例えばフェルト製の遮音シート(遮音材)32を貼り付けるとともに、二重天井4の下側内面のパネルボードには例えば吸音パネルを採用しており、これにより前記壁反射そのものを少なくしている。
In addition, the symmetry in the plane of the room is reduced and the aspect ratio is greatly changed, so that the sound waves emitted from the
前記二重壁3の周囲のうち、北側及び西側の下部から中間部にかけて、その厚み方向にわずかな段部を設けることで外広がりに切り欠いた開口部を設けるとともに、そこにグラスウールなどを内包する二重扉6a,6bを開閉自在に備えている。
Out of the periphery of the
二重扉6a,6bとそれに対応する前記開口部との間には、音波のすり抜けをなくすためにパッキンを介在させている。二重扉6aは音源9の搬出入のために設けた、比較的大型の扉であって、互いに対向するように配置された内扉と外扉との間に、空間を少しだけ設けて、演奏中は閉状態としているものである。二重扉6bは人の出入りのために設けた、比較的小型の扉であって、互いに直角に設けた内扉と外扉との間に、人がとどまることのできる程度の空間を設けた、いわゆるエアーロック式を採用することで、演奏中でも開閉できるようになっている。
A packing is interposed between the
前記二重壁3の周囲のうち、前記二重扉6bの横側の中間部にかけて、その厚み方向にわずかな段部を設けて外広がりに切り欠いた開口部を設けるとともに、そこに三重のガラス窓7を着脱可能に取り付けている。これにより、いわゆる明り取りができるようになっている。また、図示はしていないが、同様のガラス窓を東側にも設けている。
Around the middle of the
前記二重壁3の周囲のうち、前記二重扉6bの上部を貫通する給気ダクト82と排気ダクト84とを設けるとともに、二重天井4に換気装置14を設けて、給気ダクト82と排気ダクト84とを少なくとも二回は屈曲させた状態で、前記換気装置14に接続している(図3参照)。給気ダクト82と排気ダクト84とは、いずれも防露用の断熱材を施工している。これにより、給気ダクト82と排気ダクト84とからの音漏れを少なくして、室内の換気ができるとともに、その室内の湿度上昇を抑えるようにもなっている。
The
ここで、給気ダクト82と排気ダクト84とを屈曲させる具体的な方法としては、それぞれ同一方向に45度ずつ二回以上屈曲させることが好ましい。これにより、給気ダクト82と排気ダクト84とを通過する空気による管路抵抗の増大をできるだけ少なくして、換気性能を確保する一方、前記給気ダクト82と排気ダクト84との内部を音波がすり抜けることによる音漏れを減少させることができる。
Here, as a specific method of bending the
前記二重壁3の下部の木造部分33に、略0.3〜1mの間隔でもって小穴を開けておき、そこに防虫剤の薬液を注入した上で、各小穴をパテなどで埋め戻すことにより、いわゆるシロアリ対策を施している。ただし、前記二重壁3の上部の木造部分34と、両木造部分33,34間の図示しない柱については、シロアリ対策は特に施していないが、建設段階で使用するすべての木造部分を予め防虫処理しておくことが好ましい。
Small holes are made in the lower
図3は本実施形態1に係る防音室1の換気システム8を示す模式図である。なお、図3中の実線でダクトを示し、破線で電気系統を示している。図3に示すように、換気システム8は、防音室1内に収容される大人M1と子供M2との人数構成に応じて、エアフィルタ81から給気ダクト82を通じて給気ファン14aで防音室1内に供給される空気量と、防音室1内から排気ダクト84を通じて排気ファン14bで排気口83に排出される空気量とを調整可能に防音室1内を換気するようになっており、給気ファン14aと排気ファン14bとが一体となって換気装置14を構成している。エアフィルタ81は花粉症の原因物質であるスギ花粉や大気汚染の原因物質であるPM2.5などのパーティクルを除去するものである。以下、最も基本的なグレードの換気システム8を説明する。
FIG. 3 is a schematic diagram showing the
ここでは、換気装置14の電源スイッチ601とは別個に「強」「弱」選択スイッチ602を設けている。電源スイッチ601と選択スイッチ602とは、制御盤600を通じて給気ファン14aと排気ファン14bとに電気的に接続されている。そして、図外の防音室1の利用者又はオーナーが、表1に示すような選択表を見て、選択スイッチ602を「強」「弱」のいずれかに切り替えるようになっている。表1中の子供は幼稚園児か小学校低学年程度の児童を想定している。最初は利用者が防音室1内には入っていないので、電源スイッチ601は「オフ」、選択スイッチ602は「弱」になっている。
いま防音室1の利用者が教師(大人)1人、児童(子供)3人であるときには、教師が換気装置14の電源スイッチ601を押して「オン」とするとともに、表1の選択表をみて、選択スイッチ602は「弱」のままとしておく。すると、給気ファン14aと排気ファン14bとが低速回転して、外気がエアフィルタ81と給気ダクト82を通じて防音室1内に給気されるとともに、防音室1内の空気が排気ダクト84と排気口83を通じて防音室1外に排気される。このときの給気量と排気量とは比較的少なくなるように設定されている(表1の換気「弱」レンジの最大値となる設定値1である)が、表1の右下がりの斜線の領域で示す大人1人の場合は、同右上がりの斜線の領域で示す子供6人までOKであることがわかる。
Now, when the user of the
二重扉6bの外扉6b2と内扉6b1とを通じて、児童(子供)を2人つれた母親(大人)が防音室1内に入ってくる。すると、防音室1内は大人2人と子供5となるので、教師は選択スイッチ602を「強」に切り替える。すると、給気ファン14aと排気ファン14bとが高速回転して、外気がエアフィルタ81と給気ダクト82を通じて防音室1内に給気されるとともに、防音室1内の空気が排気ダクト84と排気口83を通じて防音室1外に排気される。このときの給気量と排気量とは比較的多くなるように設定されている(表1の「強」レンジの最大値となる設定値2である)が、表1の右下がりの斜線の領域で示す大人2人の場合は、同右上がりの二重斜線の領域で示す子供10人までOKであることがわかる。
A mother (adult) with two children (children) enters the
最初の児童(3人)のレッスンが終わると、防音室1から内扉6b1と外扉6b2とを通じて出ていくので、防音室1内は大人2人と子供2となるので、教師は選択スイッチ602を「弱」に切り替える。すると、給気ファン14aと排気ファン14bとが低速回転に戻り、外気がエアフィルタ81と給気ダクト82を通じて防音室1内に給気されるとともに、防音室1内の空気が排気ダクト84と排気口83を通じて防音室1外に排気される。このときの給気量と排気量とは設定値1に戻る。そして、利用者が最大人数を超えると、要求される空気量が設定値2を超えるので、教師は防音室1に入る人数を制限する。以下同様である。
At the end of the first lesson (3 students), the
このときは、教師(大人)がレッスンの区切りごとに選択スイッチ602を切り替えているが、いちいち煩わしいと考える場合は、「強」のままとしてもよい。ただし、利用者が最大人数を超えると、防音室1に入る人数を制限する点は同じである。全員が退去するときは、教師が電源スイッチ601をオフにするとともに、選択スイッチを「弱」にしておく。すると、給気ファン14aと排気ファン14bとのいずれもが回転停止する。このような手動操作だけにより、防音室1内の換気不足による酸欠や二酸化炭素中毒を簡単かつ確実に回避できるようになっている。
At this time, the teacher (adult) switches the
防音室1の完成後に、その室内のほぼ中央に音源9を配置した。この音源9は、ピアノやドラムの音などを組み合わせて、高音域から低音域にわたるものとした。しかる後に、音源9をオンオフしながら、騒音計を使用して、そのA特性を実際に測定してみた。その結果、音源9の騒音レベルが最大110dbであった場合でも、室外の騒音レベルは30〜40db程度となり、実に70〜80db程度もの減音効果があった。
After the
ここで、音源9をオン状態としたとき、その音源9から1m離れた位置での測定値は最大110dbであり、このときの二重壁3の外壁面から1m離れた位置での測定値は30db程度であり、三重ガラス窓7の直ぐ外側での計測値は40db程度であった。音源9をオフ状態としたとき、その音源9から1m離れた位置での測定値は30db程度、二重壁3の外壁面から1m離れた位置での測定値は30db程度、三重ガラス窓7の直ぐ外側での計測値は30db程度であった。なお、30dbは室外の環境音(雨音など)と同じ騒音レベルである。
Here, when the
したがって、この防音室1では、ほぼ完全に音漏れがなくなることがわかった。市販の防音室では20〜40db程度の減音効果しかないことから、せっかく防音室を設けても多少の音漏れがあることに比べて、画期的な成果であるといえる。
Therefore, it was found that in the
以上説明したように、本実施形態1の防音室1によれば、ベタ基礎2と、このベタ基礎2上に立設され、グラスウール31を内包する二重壁3と、屋根10から吊設され、グラスウール41を内包する二重天井4とを備え、前記二重壁3と、前記二重天井4とが、ほぼ切れ目なく連なるとともに、前記ベタ基礎2上に、ロックウール22を挟みこんだ状態で床材5が載置されたので、内部に重量物である音源9を収容できる。
As described above, according to the
この音源9からの音漏れの心配がなくなる結果、たとえ深夜においてさえも、大音響の楽器を存分に演奏することができる。
As a result of eliminating the fear of sound leakage from the
(実施形態2)
本実施形態2は、主として上記実施形態1の換気システム8をグレードアップしたものである。防音室1の基本構造は、上記実施形態1と同様であるので、その詳細説明は省略する。図4は本実施形態2に係る防音室1の換気システム8aを示す模式図、図5は本実施形態2に係るボルテックスダイオード83aの概念図である。なお、図4中の実線でダクトを示し、破線で電気系統を示している。
(Embodiment 2)
The second embodiment is mainly an upgrade of the
図4に示すように、本実施形態2では、実施形態1とは異なり、給気ファン14aと排気ファン14bとからなる換気装置14を二重壁3の下部に設けている。大人に比べて子供は低身長であるため、酸欠や二酸化炭素中毒になりやすいことを考慮してものである。これにより、排気ダクト84は防音室1内の床5付近の空気を防音室1外に排出可能となり、給気ダクト82は外気を防音室1内に給気可能となるので、特に子供の安全を確保できる。
As shown in FIG. 4, unlike the first embodiment, in the second embodiment, the
また、換気システム8aの停止時や、その運転中であっても風の強いときなどには、排出ダクト84を通じて防音室1内に外気が侵入することがあるため、従来は電動シャッターを設けていたが、停電時には有効でない。そこで、本実施形態2の排気ダクト84は、空気の逆流時に順流時よりもライン抵抗を大きくするボルテックスダイオード83aを介装可能としている。これによれば、換気システム8aの停止時や停電時であっても防音室1内への外気の侵入を確実に防止できる。
Further, when the
ボルテックスダイオード83aは、流体素子の一種であるが、その構成要素としては、図5に示すように、円筒形の本体831と、本体831の側面において中心軸方向に接続された入口ノズル832と、本体831の周面において接線方向に接続された出口ノズル833とを備えている。
The vortex diode 83a is a kind of fluid element, and as its constituent elements, as shown in FIG. 5, a cylindrical
このボルテックスダイオード83aでは、図5中のA→Bで示すように、本体831の側面の中心軸方向に接続された入口ノズル832から空気が流入すると、渦はほとんど形成されずに、小さな形状抵抗が生じるだけである。その逆に、図5中のB→Aで示すように、円筒形の本体671の周面における接線方向に接続された出口ノズル833から空気が流入すると、渦が確実に形成され、それによる遠心力が作用して、中心の圧力が低下するので、大きな抵抗を生じる。このように、ボルテックスダイオード83aは、その一方から流体が流入すると抵抗が小さくなり、他方から流体が流入すると抵抗が大きくなるので、いわば電気系におけるダイオードに類似した機能を果たすものである。
In the vortex diode 83a, as shown by A→B in FIG. 5, when air flows in from the
本実施形態2の換気システム8aについて、以下説明をする。
The
ここでは、図4に示すように、二重扉6bの内扉6b2と外扉6b1との間の空間に、例えば発光部と受光部との対からなるフォトインタラプタであるセンサ603〜606を、高位と低位とでそれぞれ2対ずつ設けている。高位のセンサ603,605は、大人M1の身長に基づいて位置設定され、低位のセンサ604,606は、幼稚園児や小学校低学年の子供M2の身長に基づいて位置設定されるが、ともに高さ調整できるようになっている。本実施形態2の換気システム8aは、防音室1内に収容される大人M1と子供M2との人数構成に応じて、エアフィルタ81から給気ダクト82を通じて給気ファン14aで防音室1内に供給される空気量と、防音室1内から排気ダクト84を通じて排気ファン14bでボルテックスダイオード83aに排出される空気量とを調整可能に防音室1内を換気するようになっており、給気ファン14aと排気ファン14bとが一体となって換気装置14を構成している。エアフィルタ81は花粉症の原因物質であるスギ花粉や大気汚染の原因物質であるPM2.5などのパーティクルを除去するものである。
Here, as shown in FIG. 4, in the space between the inner door 6b2 and the outer door 6b1 of the
ここでも、換気装置14の電源スイッチ601とは別個に「強」「弱」選択スイッチ602を設けている。電源スイッチ601と選択スイッチ602とセンサ603〜606とは、制御盤600を通じて給気ファン14aと排気ファン14bとに電気的に接続されている。
Also here, the “strong” and “weak” selection switches 602 are provided separately from the
ここでの制御盤600は、上記実施形態1のものと異なり、メモリ、演算機能、判定機能などを備えている。そして、センサ603〜606のカウント値から二重扉6bを通過する大人と子供との人数構成を算出し、この算出値が上記実施形態1の設定値1(第一の設定値に相当する。)に達したとき、選択スイッチ602を「弱」から「強」に自動的に切り替えるようになっている。一方、その算出値が再度設定値1を下回ったとき選択スイッチ602を「強」から「弱」に自動的に切り替えるようになっている。前記算出値が上記実施形態1の設定値2(第二の設定値に相当する。)に達したとき、図示しないロック機構により、ブザーが鳴るとともに、二重扉6bの閉止を自動的に禁止するようになっている。
The
図6,図7は本実施形態2の換気システム8aの動作例を示すフローチャートである。図6において、利用者又はオーナーが電源スイッチ601を「オン」にすると、制御盤600の動作により、選択スイッチ602、センサ603〜606及び前記メモリに記憶された大人の人数と子供の人数とがそれぞれリセットされる(ステップS1)。すなわち、電源スイッチ601は「オフ」、選択スイッチ602は「弱」、センサ603〜606はすべて「オフ」になる。メモリに記憶された大人の人数と子供の人数とはいずれも0となる。
6 and 7 are flowcharts showing an operation example of the
ついで、防音室1に出入りする大人と子供の各人数を検出する(ステップS2)。図7において、二重扉6bの外扉6b2側の高位にあるセンサ603が「オン」となっているか判定される(ステップS201)。そして、センサ603が「オン」になると、内扉6b1側の高位にあるセンサ605が「オン」になっているかが判定される(ステップ202)。センサ605が「オン」になると、大人1人が加算される(ステップS203)。その逆順で大人1人が減算される(ステップS211〜S213)。
Next, the numbers of adults and children entering and leaving the
二重扉6bの外扉6b2側の低位にあるセンサ604が「オン」となっているか判定される(ステップS221)。そして、センサ604が「オン」になると、内扉6b1側の低位にあるセンサ606が「オン」になっているかが判定される(ステップ222)。センサ606が「オン」になると、子供1人が加算される(ステップS223)。その逆順で子供1人が減算される(ステップS231〜S233)。
It is determined whether the
図6に戻り、必要とされる換気量Qが次式で演算される(ステップS3)。
換気量Q=20*大人の人数N1+10*子供の人数N2
である。根拠は、文部科学省「学校施設の排気設備に関する調査研究報告書」による。そして、換気量Qが前記設定値1より大となっているかが判定される(ステップS4)。換気量Qが前記設定値1より大になると、選択スイッチ602が「弱」から「強」に自動的に切り替わる(ステップS5)。さらに、換気量Qが前記設定値2より大となっているかが判定される(ステップS6)。換気量Qが前記設定値2より大になると、ブザーが鳴って、二重扉6bが閉じなくなり、いわゆる入室制限がなされる(ステップS7)。利用者又はオーナーが、電源スイッチ601を「オフ」にして、制限解除となったかが判定される(ステップS8)。電源スイッチ601が「オフ」になり、制限解除となると、自動運転はその時点で終了する。これにより、換気不足による酸欠や二酸化炭素中毒をさらに確実に回避できるようになる。
Returning to FIG. 6, the required ventilation amount Q is calculated by the following equation (step S3).
Ventilation Q=20*Number of adults N1+10*Number of children N2
Is. The grounds are based on the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology "Survey and Research Report on Exhaust Systems of School Facilities" Then, it is determined whether the ventilation amount Q is larger than the set value 1 (step S4). When the ventilation amount Q becomes larger than the set
前記防音室1ではないが、本発明者は、同様の木造家屋で、前記屋根10上に太陽光発電パネル11を配置した経験をもっており、その発電効率を向上するために、太陽光発電パネル11の水洗浄をすることを考えた。具体的には、屋根10からの雨水は天水桶12を介して太陽光発電パネル11の洗浄水として利用できるようにする。その場合の電気系統と水系統とを示す模式図を図8に示した。なお、図8中の破線が電気系統、二点鎖線が水系統を示す。
Although it is not the
図8に示すように、太陽光発電パネル11で発生した直流(DC)は、インバータ501で交流(AC)に変換されて、配電盤502で散水装置13、換気装置14、その他の電気機器(エアコン、照明、楽器など)に給電される。ここで、余った電力は蓄電池503に蓄電されるか、電力量計504を経由して系統に戻されて売電される一方、不足電力は蓄電池503から給電されるか、電力量計504を経由して系統から給電されることとなる。
As shown in FIG. 8, direct current (DC) generated in the photovoltaic
屋根10から図示しない樋で集められた雨水は、地面GL付近に設けられた天水桶12に一旦蓄えられ、所定のタイミングにて前記散水装置13で太陽光発電パネル11の洗浄水として散水されるようにする。所定のタイミングは、黄沙や鳥糞などで太陽光発電パネル11が汚れたときなど不定期なものであってもよいし、定期的なものであってもよい。
Rainwater collected from the
この散水は、夏場において、ある程度は、室内の保冷効果を奏するものであり、冬場において、ある程度は、積雪を融解させる効果を奏するものである。天水桶12の貯水だけでは散水量が追い付かない場合は、水道水や井戸水を利用することができるようにし、天水桶12の貯水が余る場合は、庭園への散水などに利用することもできるようにしている。太陽光発電パネル11は屋根10上に載置しており、その屋根10の修理時などには簡単に取り外しでき、その修復も簡単にすることができるようになっている。
In the summer, the watering has a certain effect of keeping the room cold, and in the winter of the watering, having a certain effect of melting the snow. If the amount of sprinkling water cannot be caught up only by storing water in the
なお、上記実施形態1,2では、防音室1として、貸音楽スタジオなどを例示しているが、その他大型インコや犬などの鳴き声の大きいペットを飼育する目的を有する防音室、自家用ディーゼル発電機や工作機械のように騒音を発する機械設備を内蔵する目的を有する防音室などであってもよい。
In the first and second embodiments, as the
また、上記実施形態1,2では、独立家屋で防音室1を構成しているが、必ずしも完全に独立した家屋でなくてもよく、例えば母屋の1階部分を防音室1としてもよい。また、木造家屋に代えて、コンクリート製の住宅やアパート・マンションの一室であってもよい。その場合には、夏場の防湿対策と冬場の乾燥対策とが必要となる。
Further, in the above-described first and second embodiments, the
また、上記実施形態1,2では、第一、第二の防音材としてグラスウールを使用し、第三の防音材としてロックウールを使用しているが、そのいずれであってもよいし、その他同等の性能を有する材料であってもよい。ただし、作業員の健康と環境とに悪影響を与えかねない鉛などの高比重材料は一切使用しないものとする。 Further, in the above-described first and second embodiments, glass wool is used as the first and second soundproofing materials, and rock wool is used as the third soundproofing material, but any of them may be used, and other equivalent It may be a material having the performance of. However, high specific gravity materials such as lead, which may adversely affect the health and environment of workers, shall not be used at all.
また、グラスウールやロックウールなどは優れた断熱性能を有することから、外気温度が多少変動したとしても、室内温度はほぼ一定に維持できるので、楽器等の保管に有利であるといえる。 Further, since glass wool, rock wool and the like have excellent heat insulation performance, the room temperature can be maintained almost constant even if the outside air temperature fluctuates to some extent, which is advantageous for storing musical instruments and the like.
ただし、外気温度がさらに高温或いは低温となった場合や、楽器や照明からの発熱量がある場合や、人間が入室している場合などの条件によっては、換気装置14だけでは十分とはいえないこともあり、その場合は、図示しないエアコンなどで対応すればよい。ただし、エアコンは換気機能がほとんどないことから、防音室1の換気システム8,8aは必須となる。
However, the
また、上記実施形態1,2では、三重のガラス窓7を設けているが、少なくとも単層のガラス窓7であればよい。このガラスに代えて、透明なアクリルを採用してもよい。二重壁3や二重天井4は、防音性能によっては、さらに多重化してもよいし、その逆に単層の壁や天井としてもよい。
In addition, although the
また、上記実施形態1では、大人と子供との2種類の者に分けているが、大人と子供との中間を含めた3種類の者以上に分けてもよい。また電源スイッチ601と選択スイッチ602との操作を利用者又はオーナーがするとしているが、室内外に防犯用の監視カメラ607(実施形態2の図4参照。)を装備する場合には、それを利用して室外から室内にいる大人に操作を指示するようにしてもよい。
Further, in the above-described first embodiment, it is divided into two types of persons, an adult and a child, but may be divided into three or more types including an intermediate between an adult and a child. Further, although the user or the owner is supposed to operate the
また、上記実施形態2でも、大人と子供との中間を含めた3種類以上の者に分けてもよいが、センサが多くなり、その設定や動作が複雑化することがある。その場合は、監視カメラ607による画像パタンを、ディープラーニングなどのAI技術で解析することとしてもよい。また、センサはフォトインタラプタに限定されず、例えばロードセルを利用して大人と子供とを体重差で判断してもよい。さらに、超音波センサ、磁気センサなどを利用してもよい。
Also in the second embodiment described above, the number of sensors may be increased and the setting and operation thereof may be complicated, although they may be divided into three or more types including those between adults and children. In that case, the image pattern of the
また、上記実施形態1,2では、換気装置14を給気ファン14aと排気ファン14bとが一体化されたものとしているが、別個に設けてもよい。その場合には、例えば給気ファン14aの取り付け位置を二重壁3又は二重天井4とするとともに、排気ファン14bの取り付け位置を二重壁3の下部としてもよいし、その逆配置でもよい。また、換気装置14を複数設けて、パラレル運転又はシリーズ運転することとしてもよい。
In the first and second embodiments, the
また、上記実施形態1,2では、換気システム8,8aを防音室1の新築時に組み込んだものを例示しているが、この換気システム8,8aを既設の防音室に後付けするようにしてもよい。また、換気システム8,8aをコンプリートで装備する必要性はなく、その一部を装備することとしてもよいし、さらにオプションを追加装備することもできる。例えばペット用の防音室のように、要求される防音性能との関係ではあるが、給気ファンと排気ファンとの一方のみを備えることとしてもよい。また、環境によっては、給気ダクトのエアフィルを省略することとしてもよい。さらに、排気ファンの延長ダクトを設けて、子供のいる部位に開口することで、より安全なシステムを構築することもできる。
Further, in the above-described
1 防音室
2 ベタ基礎
3 二重壁
4 二重天井
5 床材
6a,6b 二重扉
6b1 内扉
6b2 外扉
7 三重窓
8,8a 換気装置
81 エアフィルタ
82 給気ダクト
83 排気口
83a ボルテックスダイオード
84 排気ダクト
9 音源
10 屋根
11 太陽光発電パネル
12 天水桶
13 散水装置
14 換気装置
14a 給気ファン
14b 排気ファン
15 その他の電気機器
600 制御盤
601 電源スイッチ
602 選択スイッチ
603〜606 センサ
607 監視カメラ
1
Claims (5)
室外から吸引された空気を室内に供給する給気ダクトと、
前記室内の空気を前記室外に排出する排気ダクトと
前記室内に収容される大人と子供との人数構成に応じて、前記給気ダクトから供給される空気量と前記排気ダクトから排出される空気量とを調整可能に該室内を換気する換気装置とを備えたことを特徴とする防音室の換気システム。 A ventilation system for a soundproof room,
An air supply duct that supplies the air sucked from the outside to the room,
An exhaust duct for exhausting the indoor air to the outside and an amount of air supplied from the air supply duct and an amount of air exhausted from the exhaust duct according to the number of adults and children accommodated in the room. And a ventilation device for ventilating the room in an adjustable manner.
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