JP2020092813A - 生体情報システム - Google Patents
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Abstract
【課題】生体情報の表示を適宜制限することで、ユーザの心理的負担を軽減する生体情報システムを提供する。【解決手段】生体情報システム10は、ディスプレイ28と、生体情報を取得し、生体情報に基づく表示画像を生成してディスプレイ28に表示する制御部36とを備える。制御部36は、生体情報に関わる表示形態を複数種類有する通常画像を生成して表示する通常画像生成表示部84と、予め設定された制限開始条件が成立したか否かを判定する判定部82と、制限開始条件の成立を判定した場合に、生体情報に関わる表示形態が通常画像よりも少ない制限画像を生成して表示する制限画像生成表示部86とを有する。【選択図】図5
Description
本開示は、生体情報に基づく表示画像を生成して表示する生体情報システムに関する。
例えば、特許文献1には、ユーザに留置されグルコース値(生体情報)を検出する検出センサと、検出センサの検出情報を取得してグルコース値を表示するレシーバとを備えた生体情報システムが開示されている。また、特許文献1に開示の生体情報システムは、生体情報の表示画像として、ユーザの間質液中のグルコース値(数値)、グルコース値の時間的変化のグラフ及びグルコース値のトレンド等をレシーバの表示部に表示している。このため、表示部を見たユーザは、現在のグルコース値に加えて、これまでのグルコース値の時間的変化や現在のグルコース値のトレンド(変化傾向)を合わせて認識することができる。
特許文献1に開示の生体情報システムは、ユーザ自身の血糖状態を詳細に把握させることが可能であるため、例えばユーザがインスリン治療を行っている場合、有益な情報となる。一方で、ユーザは、生体情報システムを使用することで、血糖値を反映するグルコース値情報を詳細に認識可能となるため、自身のグルコース値を気にしすぎて血糖状態を確認する行動を多く取ったり、治療に対して過度な不安感を感じる可能性がある。例えば、ユーザがグルコース値の変動を気にするあまり、ユーザがコントローラを操作してグルコース値を何度も確認してしまうことがある。これにより、ユーザは集中力が低下する等して、日常生活に支障をきたす場合がある。また、ユーザが高血糖状態を回避しようとするあまり、グルコース値が多少高くなっただけでも、ユーザが自己判断でインスリンをボーラス投与してしまう場合がある。その結果、必要以上のインスリンが投与されて、ユーザが重篤な低血糖状態に陥るおそれもある。
本開示は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、生体情報の表示を適宜制限することで、ユーザの心理的負担を軽減し、またユーザの過剰なアクションを抑制することができる生体情報システムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本開示の一態様は、表示部と、生体情報を取得し、前記生体情報に基づく表示画像を生成して前記表示部に表示する制御部とを備える生体情報システムであって、前記制御部は、前記生体情報に関わる表示形態を複数種類有する第1画像を生成して表示する第1画像生成表示部と、予め設定された制限開始条件が成立したか否かを判定する判定部と、前記制限開始条件の成立を判定した場合に、前記生体情報に関わる表示形態が前記第1画像よりも少ない第2画像を生成して表示する第2画像生成表示部とを有する。
上記の生体情報システムは、第1画像生成表示部、判定部及び第2画像生成表示部を有することで、制限開始条件が成立していない通常時には第1画像を表示することができる。これによりユーザは、詳細な生体情報を把握することができる。その一方で、制限開始条件が成立した場合には、第2画像を生成して制限した生体情報をユーザに提供する。これによりユーザは、生体情報を詳細に把握することが抑制される。すなわち、生体情報システムは、生体情報の表示を適宜制限することで、ユーザの心理的負担を軽減し、またユーザの過剰なアクションを抑制することができる。
以下、本開示について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本開示の一実施形態に係る生体情報システム10は、図1に示すように、ユーザ(生体)の生体情報を検出する検出センサ12と、検出センサ12が検出した生体情報を受信して適宜の表示形式で表示するコントローラ14とを有する。検出センサ12は、ユーザの任意の体表上に留置される一方で、皮下の間質液中に挿入される検出本体部20を有する。検出本体部20には、間質液中のグルコースを特異的に検出する試薬が配置されている。コントローラ14はユーザ自身に携帯されて、ユーザの操作下に生体情報を表示する。
また、生体情報システム10は、ユーザの体内に薬剤を投与する薬剤投与装置16と、コントローラ14(又は検出センサ12)に情報通信可能に接続され生体情報を表示可能な情報端末18とを含んで構成されてもよい。薬剤投与装置16は、コントローラ14との情報通信により生体情報を取得して、生体情報に基づき保有する所定の薬剤を投与する。なお薬剤投与装置16は、検出センサ12と直接情報通信して生体情報を得てもよい。
情報端末18は、特に限定されるものではないが、図1中に示すようにスマートフォン18aや腕時計型端末18b(ウェアラブルコンピュータ)等があげられる。或いは、情報端末18は、デスクトップコンピュータ等の通常は携帯されない機器でもよい。情報端末18は、コントローラ14との間で情報通信を行うことで、検出センサ12が検出した生体情報を各デバイスの表示部に表示する。この意味で、コントローラ14は、検出センサ12と直接情報通信する生体情報システム10の一次表示装置に相当し、情報端末18は、一次表示装置と情報通信する二次表示装置に相当する。情報端末18は、ユーザ自身が携帯する他に、ユーザの家族やユーザを診断する医師等が所有してもよい。
生体情報システム10が取り扱う生体情報は、特に限定されず、例えば、血糖値、体液のグルコース値、ケトン体、血圧、心拍数、体温、心電図、脳波、呼吸状態、血中酸素飽和度等があげられる。本実施形態では、生体情報としてユーザのグルコース値と相関がある皮下の間質液グルコース値を得るシステムについて代表的に説明する。
この生体情報システム10は、皮下に挿入される検出本体部20を有する検出センサ12により所定期間毎にユーザのグルコース値を検出するCGM(Continuous Glucose Monitoring)用のシステムに構成されている。CGM用のシステムは、ユーザの皮下での間質液グルコース値の変動をモニタすることで、例えば、糖尿病の治療において、医師等が個々の患者の状態に合わせた方針を採ることを可能とする。また、生体情報システム10は、薬剤投与装置16と連動することで、検出センサ12が検出したグルコース値に基づきインスリン等の薬剤を自動で(又はユーザの操作下に)投与する構成となっている。
具体的には、生体情報システム10の検出センサ12は、体内に挿入される検出本体部20と、検出本体部20の検出情報を外部に送信するトランスミッタ部22と、検出本体部20及びトランスミッタ部22を体表上に留置する留置部24とを有する。
検出本体部20は、例えば、留置前に図示しない挿入装置に組み込まれており、その一部(センサ部)が挿入装置の動作下にユーザの体表から体内に穿刺されて皮下に留置される。そして留置状態で、検出本体部20は、所定の測定原理に基づき間質液中のグルコース量又は濃度に応じた信号を検出する。測定原理の一例としては、電極法があげられる。特に酵素電極法の場合、検出本体部20は、皮下の間質液に含まれるグルコースと酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ)とを反応させて生じた電子を電流値として検出する。電流値は、間質液中のグルコース濃度に応じた信号となり、検出本体部20はこの電流値をデジタル信号に変換する。なお、測定原理は、酵素電極法に限られるものではなく、グルコース結合性物質を用いたアフィニティセンサとしてもよく、検出法も光学信号によるものでもよい。
トランスミッタ部22は、皮下に留置された検出本体部20を体表上で覆いつつ、留置部24に取り付けられる。トランスミッタ部22は、外部機器やクラウド等のネットワークとの間で無線通信回線を構築して情報通信を行う。例えば、無線通信回線の規格としては、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)等があげられる。トランスミッタ部22は、所定のタイミング毎に検出本体部20によるグルコース値の検出を行い、コントローラ14に検出信号(グルコース値、測定日時等)を送信する。
一方、コントローラ14は、検出センサ12が検出したグルコース値をユーザに提供する専用の生体情報表示装置である。なお、コントローラ14は、専用の装置に限られない。例えば、検出情報を受信するコントローラ14として、スマートフォン(携帯電話)、PDA、ウェアラブルコンピュータ等の携帯型情報端末、ラップトップコンピュータ、タブレット端末等を適用してもよい。
コントローラ14は、ユーザが容易に携帯可能なサイズの筐体26を有する。筐体26の一面には、ディスプレイ28(表示部)、電源ボタン30、操作ボタン32、図示しないスピーカ等が設けられている(電源ボタン30、操作ボタン32をまとめて操作部34という)。また筐体26内には、図示しない通信モジュール、マイク、バッテリ等が設けられると共に、生体情報システム10の動作を制御する制御部36(図5も参照)が設けられている。
ディスプレイ28は、液晶又は有機EL等で構成され、制御部36の制御に基づき適宜の表示画像を表示する。また、電源ボタン30はコントローラ14の電源のオン/オフを切り換えるものであり、操作ボタン32はディスプレイ28に表示される表示画像のカーソル等をユーザが操作する、表示画像を切り換える等の機能を有する。なお、コントローラ14のディスプレイ28にタッチパネルを採用することで、表示部と操作部34が一体となった構成でもよい。
コントローラ14の通信モジュールは、検出センサ12のトランスミッタ部22と同じ通信規格が採用され、制御部36の制御下に検出センサ12との間で通信を確立(ペアリングを形成)する。これにより、コントローラ14は、ユーザの周囲に存在していれば、検出センサ12から検出情報を自動的に取得する。例えば、電源ボタン30をオフにしていても制御部36自体はスタンバイ状態となり検出センサ12の検出情報を継続的に受信する。
制御部36は、図示しないプロセッサ、メモリ、入出力インタフェースを有するコンピュータとして構成されている。制御部36は、動作時に、メモリに記憶されている図示しないプログラムをプロセッサが読み出すことで、検出センサ12の検出情報からグルコース値(グルコース情報)を算出し、算出したグルコース情報を適宜の形式で表示する処理を行う。また、制御部36は、グルコース情報の表示の他にも、グルコース値の異常(低血糖や高血糖)、システム異常(ノイズやアーティファクト等の測定データの異常、生体情報システム10のデバイス由来の異常、装置間の通信状態の異常)が生じた場合に、エラー情報や警告情報を報知する。
一方、薬剤投与装置16は、ユーザに貼り付けられる箱状のケース38と、ケース38内に一部が収容されると共にユーザの体内(皮下等)に挿入される投与カニューレ40とを有する。また、ケース38内には、投与カニューレ40に接続されると共に薬剤を貯留するコンテナ46と、コンテナ46内の押し子を動作させる動作機構(不図示)と、動作機構の動作を制御する投与制御部(不図示)とが設けられている。すなわち、薬剤投与装置16は、投与制御部の制御下に動作機構を動作させることで、コンテナ46から投与カニューレ40に薬剤を供給し、この投与カニューレ40を介してユーザの体内に薬剤を投与する。
薬剤投与装置16の情報及び検出センサ12が検出した検出情報(グルコース情報)は、コントローラ14のディスプレイ28に表示される。またディスプレイ28は、薬剤投与装置16の動作に対応して、インスリンの投与量や投与タイミング、薬剤投与装置16の状態等を表示することが可能である。操作部34は、ディスプレイ28に表示される表示画像のカーソル等をユーザが操作する、表示画像を切り換える、薬剤の投与量を設定する、薬剤投与装置16による薬剤の投与を操作する等の機能を有している。ディスプレイ28にタッチパネルを採用した場合、表示部と操作部34を省くことも可能である。薬剤投与装置16は、ケース38に薬剤投与装置操作部44を設けることもできる。
ユーザは、操作部34又は薬剤投与装置操作部44の操作下に、インスリンを体内にボーラス投与(例えば、ワンショット)できる。また、薬剤投与装置16の投与制御部は、ボーラス投与のユーザ操作を受けた際に、取得しているグルコース値と比較し、異常なボーラス投与か否かを判定する機能を有している。
異常な投与は、1回投与量や累積投与量、或いは、投与回数や投与タイミングに基づき判断することができる。例えば、グルコース値がピーク中又はピーク直後でない場合のボーラス投与、正常グルコース値付近でのボーラス投与、1日当たりの投与回数が所定回数(例えば8回)以上となるボーラス投与、1日の食事回数を越える回数のボーラス投与、最も近い時間帯に摂取した食事のカーボ値に応じたインスリン量を越える量のボーラス投与、24時間投与積算量が規定量を越える基礎投与が挙げられる。このうち、異常な回数のボーラス投与、所定量を越えるボーラス投与が、最も重篤な低血糖を引き起こす可能性が高い。
そして、本実施形態に係る生体情報システム10は、ユーザに提供するグルコース情報(生体情報)を多様な形態で表示する通常モード(第1画像生成モード)と、グルコース情報の表示形態を制限して表示する表示制限モード(第2画像生成モード)とを適切に切り換えて実施する。以下、この構成について詳述していく。なお以降の説明では、コントローラ14における表示画像の切り換えについて代表的に述べるが、生体情報システム10の他のデバイスである情報端末18(二次表示装置)や薬剤投与装置16でも実施可能なことは勿論である。
コントローラ14は、ユーザの操作部34の操作に基づき、基本的には図2Aに示すようなグルコース情報を提供する通常画像50(第1画像)を生成してディスプレイ28に表示する。通常画像50は、グルコース値表示領域50a、トレンドグラフ表示領域50b、トレンド表示領域50c、日時表示領域50d及びデバイス動作状況表示領域50eを有する。すなわち、通常画像50は、グルコース情報に関して複数種類の表示形態を有する。
グルコース値表示領域50aは、例えば、通常画像50の上側に配置され、検出センサ12から取得した検出情報に基づき現在(最新検出結果)のグルコース値を数値で提供する表示形態である。トレンドグラフ表示領域50bは、例えばグルコース値表示領域50aよりも下側に配置され、縦軸がグルコース値であり、横軸が時間であるトレンドグラフを表示する。すなわち、トレンドグラフは、グルコース値の時間的変化をユーザに提供する表示形態である。
トレンド表示領域50cは、例えばグルコース値表示領域50aよりも下側でトレンドグラフ表示領域50bに隣接する位置に配置され、グルコース値のトレンドを矢印表記で表示する。グルコース値のトレンドとは、最新検出結果の前に検出した過去検出結果から最新検出結果がどのように変化したのかを示す表示形態である。例えば、トレンドは、過去検出結果のグルコース値に対し最新検出結果のグルコース値が10%以上増えた場合に斜め上に傾く矢印を示し、過去検出結果のグルコース値に対し最新検出結果のグルコース値が10%以上減った場合に斜め下に傾く矢印を示す。またグルコース値のトレンドは、過去検出結果のグルコース値に対し最新検出結果のグルコース値が±10%の範囲内の場合に横向き(トレンドグラフ表示領域50bの時間軸と同じ方向)方向の矢印を示す。なお、グルコース値のトレンドの表示方法は、特に限定されるものでなく、急激なグルコース値の上昇を上向き(トレンドグラフ表示領域50bの縦軸と同じ方向)の複数の矢印で表したり、急激なグルコース値の低下を下向き(トレンドグラフ表示領域50bの縦軸と反対方向)の複数の矢印で表すこともできる。
日時表示領域50dは、例えば通常画像50の上縁近くに配置され、コントローラ14のタイマ部76(又は外部通信)に基づき現在の年月日及び時刻を表示する。またデバイス動作状況表示領域50eは、例えば通常画像50の上縁近くで日時表示領域50dに隣接する位置に配置され、生体情報システム10を構成する各デバイスの動作状況を表示する。デバイスの動作状況とは、各デバイスの異常の有無、デバイス間の通信状態等を示す表示形態である。なお、日時表示領域50d、デバイス動作状況表示領域50eの配置は上記の位置に限られない。
そして、生体情報システム10は、ユーザが自身のグルコース値を気にしすぎる場合に、ユーザに提供するグルコース情報に関して表示制限をかけた制限画像52(第2画像)を生成してディスプレイ28に表示する。例えば、制限画像52は、図2Bに示すようなトレンド表示領域52a、日時表示領域52b及びデバイス動作状況表示領域52cを有する画像である。すなわち、図2B中の制限画像52は、グルコース値の具体的な数値や、過去から現在までのグルコース値の推移を時間軸に沿って表示したトレンドグラフを示すことなく、現在の変化率のみを示す。これにより、ユーザが具体的なグルコース値や変化傾向グラフ(トレンドグラフ)状態を把握することを抑制する。
なお図2Cに示すように、制限画像54(第2画像)は、グルコース値表示領域54a、日時表示領域54b及びデバイス動作状況表示領域54cを有する。グルコース値表示領域54aは、最新のグルコース値を表示する。最新のグルコース値のみを示したとしても、トレンドグラフを示さない。このため、ユーザは、過去のグルコース値変動であるトレンドグラフを見て、将来の変化を自分勝手に推定することが難しくなる。ユーザは、グルコース値の変動をトレンドとして監視できなくなるため、ユーザはグルコース状態の変化についての認識が曖昧になる。これにより、インスリンを投与してグルコース値を調整しなければいけない、という衝動や過度な不安感を抑えることができる。加えて、制限画像54では、ユーザが最新検出結果のみを知ることができる。このため、自己の状態を把握したいユーザのニーズをある程度は満たすことができる。また制限画像54においてグルコース値表示領域54aを表示する場合は、グルコース値の数値を適宜の表示分解能に基づき粗く(丸めて)表示してもよい。例えば、検出情報から算出したグルコース値に対して、繰り下げ、繰り上げ、四捨五入等の処理を行うことでグルコース値の数値を10mg/dL単位で表示することで、ユーザの心理的負担をより軽減することができる。
そして、コントローラ14の制御部36は、ユーザの心理的負担や行動を認識し、通常モード(上記の通常画像50によるグルコース情報の提供)と、表示制限モード(制限画像52又は制限画像54によるグルコース情報の提供)とを切り換える機能を有している。具体的には図3に示すように、制御部36は、基本的に通常モードを実施する処理を行うが、所定の制限開始条件が成立したか否かを判定して通常モードから表示制限モードに切り換える処理を行う。また制御部36は、表示制限モードの実施中に、所定の制限停止条件が成立したか否かを判定して表示制限モードから通常モードに切り換える処理を行う。
制限開始条件としては、以下の(A1)〜(A7)の条件があげられる。
(A1)コントローラ14の通常画像50を表示する操作部34の表示操作回数が、単位時間当たりで表示指示閾値以上になることを認識する。
(A2)薬剤投与装置16の薬剤投与装置操作部44の投与操作回数が、単位時間当たりで投与指示閾値以上になることを認識する。
(A3)薬剤投与装置16において異常投与を認識する。
(A4)ユーザのグルコース値が表示制限設定範囲100内であることを認識する。
(A5)ユーザの体調が良好である(風邪等の体調不良でない)ことを認識する。
(A6)コントローラ14、検出センサ12、薬剤投与装置16、コントローラ14とペアリングされるウェアラブルデバイス18bのうち少なくとも1つの単位時間当たりの振動数が制限開始振動閾値以下であることを認識する。
(A7)表示制限モードの実施が許可された時間帯であることを認識する。
(A1)コントローラ14の通常画像50を表示する操作部34の表示操作回数が、単位時間当たりで表示指示閾値以上になることを認識する。
(A2)薬剤投与装置16の薬剤投与装置操作部44の投与操作回数が、単位時間当たりで投与指示閾値以上になることを認識する。
(A3)薬剤投与装置16において異常投与を認識する。
(A4)ユーザのグルコース値が表示制限設定範囲100内であることを認識する。
(A5)ユーザの体調が良好である(風邪等の体調不良でない)ことを認識する。
(A6)コントローラ14、検出センサ12、薬剤投与装置16、コントローラ14とペアリングされるウェアラブルデバイス18bのうち少なくとも1つの単位時間当たりの振動数が制限開始振動閾値以下であることを認識する。
(A7)表示制限モードの実施が許可された時間帯であることを認識する。
(A1)の条件は、ユーザの心理的負担や血糖コントロールに対する不安感が大きい場合に、グルコース情報を何度も確認する傾向があることを鑑み、通常画像50の確認の操作回数を表示制限モードの実施要件としたものである。例えばユーザがグルコース情報を1時間当たり5回(表示指示閾値)以上確認する操作をした場合に、グルコース値を気にしすぎていると見なすことができ、制御部36は5回目の操作を判定すると表示制限モードに移行する。表示指示閾値は、製品提供時に設定されていてもよく、ユーザの診断を行う医師等が設定可能な構成であってもよい。
(A2)の条件は、ユーザの心理的負担が大きい場合に、やはり薬剤投与装置16の投与操作回数(ボーラス投与の操作回数、基礎レート設定の変更回数)が増えることを鑑み、薬剤投与装置16の投与操作回数を表示制限モードの実施要件としたものである。投与指示閾値は、表示指示閾値と同様に、製品提供時に設定されていてもよく、ユーザの診断を行う医師等が設定可能な構成であってもよい。
(A3)の条件は、ユーザの心理的負担が大きい場合に、上述した薬剤投与装置16の異常投与を行う機会が多いことから、薬剤投与装置16から異常投与の情報を受信することを表示制限モードの実施要件としたものである。特に、重篤な低血糖状態の発生を抑制するため、異常投与回数はボーラス投与の操作回数に基づくものが好ましい。
(A4)の条件は、ユーザのグルコース値が高い又は低い場合に表示制限モードを行わずにグルコース情報を詳細に提供したほうがよいため、グルコース値が表示制限設定範囲100になることを表示制限モードの実施要件としたものである。図4に示すように、表示制限設定範囲100は、高血糖閾値及び低血糖閾値よりも内側に設定される。グルコース値が高血糖閾値以上になるとユーザは高血糖状態となる。グルコース値が低血糖閾値以下になるとユーザは低血糖状態となる。高血糖閾値や低血糖閾値は、医師やユーザが適切な範囲で設定してもよい。なお、コントローラ14は、グルコース値が高血糖閾値以上となった場合やグルコース値が低血糖閾値以下となった場合にアラートを報知する構成となっている。例えば、表示制限設定範囲100は、高血糖閾値に対し所定値又は所定率だけ小さい上限値と、低血糖閾値に対し所定値又は所定率だけ大きい下限値とを有し、グルコース値がこの上限値と下限値との間である場合に表示制限モードを行う。
(A5)の条件は、ユーザの体調が不良の場合に、表示制限モードを行わずにグルコース情報を詳細に監視できるほうがよいため、ユーザの体調が良好であることを表示制限の実施要件としたものである。制御部36は、例えば、ディスプレイ28に表示するメニュー画像においてユーザの体調の選択肢情報を表示して、ユーザに自身の体調を選択させる構成であればよい。或いは、検出センサ12や薬剤投与装置16に温度センサをさらに設けることで、ユーザの発熱を監視させてもよい。ユーザの発熱を温度センサで実際に監視して得た温度情報を、体調の情報とする場合は、温度情報が所定値以下であることを制限開始条件としてもよい。
(A6)の条件は、ユーザが激しい運動(活動)をしている場合に低血糖になり易いことから、運動量が多い場合にはグルコース情報を詳細に監視できるほうがよいため、運動量(例えば、コントローラ14、検出センサ12、薬剤投与装置16の振動)が所定量よりも少ないことを表示制限モードの実施要件としたものである。制限開始振動閾値は、表示指示閾値と同様に、製品提供時に設定されていてもよく、ユーザの診断を行う医師等が設定可能な構成であってもよい。またコントローラ14は、コントローラ14とペアリングされた腕時計型端末18b(ウェアラブルデバイス)からの運動量を取得してもよい。
(A7)の条件は、食事時間や食事後の所定の時間帯においてはグルコース情報を詳細に監視できるほうがよいため、それ以外の時間帯(表示制限が許可された時間帯)を表示制限モードの実施要件としたものである。例えば、表示制限モードを許可する時間帯は、ユーザの診断を行う医師等により設定されるとよい。
グルコース情報の表示において、上記のうち(A1)〜(A3)の条件は、いずれか1つの条件が成立していれば、ユーザの心理的負担が大きいと言えるので、表示制限モードを行うことが好ましい。(A4)の条件は、表示制限モードの実施において重要な要件であり、これにより監視が必要な状態(高血糖状態、低血糖状態)では表示制限モードが行われずに詳細なグルコース情報の提供がなされる。また(A5)〜(A7)の条件は、表示制限モードの実施において適宜勘案されるべき要件である。(A1)〜(A7)の条件のうち幾つかの条件は、生体情報システム10の設計に応じて判断されなくてもよい。
また、表示制限モード中における制限停止条件としては、以下の(B1)〜(B6)の条件があげられる。
(B1)表示制限モードの開始後、所定時間又は所定日数経過した、或いは所定時刻になった。
(B2)ユーザのグルコース値が表示制限設定範囲100外に至った。
(B3)ユーザの体調が不良である。
(B4)コントローラ14、検出センサ12、薬剤投与装置16、コントローラ14とペアリングされるウェアラブルデバイス18bのうち少なくとも1つの単位時間当たりの振動数が制限停止振動閾値以上である。
(B5)表示制限モードの実施が不許可の時間帯である。
(B6)コントローラ14を検出センサ12に接触又は近接した状態である。
(B1)表示制限モードの開始後、所定時間又は所定日数経過した、或いは所定時刻になった。
(B2)ユーザのグルコース値が表示制限設定範囲100外に至った。
(B3)ユーザの体調が不良である。
(B4)コントローラ14、検出センサ12、薬剤投与装置16、コントローラ14とペアリングされるウェアラブルデバイス18bのうち少なくとも1つの単位時間当たりの振動数が制限停止振動閾値以上である。
(B5)表示制限モードの実施が不許可の時間帯である。
(B6)コントローラ14を検出センサ12に接触又は近接した状態である。
(B1)の条件は、表示制限モードの開始後に、ある程度の時間の経過や時刻に至った場合に、表示制限モードの停止要件としたものである。所定時間、所定日数、所定時刻等は、ユーザの診断を行う医師等により設定されるとよい。例えば、所定時間としては3時間後、6時間後等があげられ、所定日数としては1日後(日付変更後)等があげられ、所定時刻としては就寝時間に近い時刻等があげられる。
(B2)の条件は、(A4)の条件と同じ理由で、グルコース値が表示制限設定範囲100外になることを表示制限の停止要件としたものである。すなわち制御部36は、表示制限設定範囲100にあったグルコース値が図4中の上限値を上回る又は下限値を下回る場合に表示制限モードを終了する。これにより、ユーザは低血糖状態や高血糖状態が発生する前に適切な処置を取ることができる。
(B3)の条件は、(A5)の条件と同じ理由で、ユーザの体調が不良の場合を表示制限モードの停止要件としたものである。
(B4)の条件は、(A6)の条件と同じ理由で、ユーザの運動量(コントローラ14等の振動)が多いことを表示制限モードの停止要件としたものである。なお、制限停止振動閾値は、制限開始振動閾値と同じ値に設定されていてもよく、異なる値に設定されていてもよい。
(B5)の条件は、(A7)の条件と同じ理由で、グルコース情報を詳細に監視できるほうがよい時間帯(表示制限モードの不許可時間帯)を表示制限モードの停止要件としたものである。なお(B5)の条件の成立時において表示制限モードの不許可時間帯を過ぎた場合には、表示制限モードに再び戻してもよく、或いは制限開始条件の成立/非成立を改めて判定してもよい。
(B6)の条件は、ユーザが具体的なグルコース値を一時的に確認可能にするための措置であり、コントローラ14を体表上の検出センサ12に近接させることを表示制限モードの停止要件としたものである。この条件は、例えば、検出情報を送信する通常時の通信回線とは異なる近距離無線モジュール(RFIDタグ等)を検出センサ12に設ける一方で、コントローラ14に同規格の近距離無線モジュール(RFIDリーダ等)を設けることで実現し得る。
上記の(B1)〜(B6)の条件は、いずれか1つの条件が成立すれば、グルコース情報を詳細に示したほうがよい状況と言える。そのため表示制御部74は、表示制限モードを停止して通常モードを実施する。
コントローラ14の制御部36は、グルコース情報の表示画像を適切に切り換えるために、プログラムの実行下に、図5に示すような機能ブロック図を構築する。すなわち制御部36内には、グルコース値取得部60、操作状態取得部62、患者状態取得部64、投与装置情報取得部66、振動取得部68、近接状態取得部70、設定部72及び表示制御部74が設けられる。また制御部36は、上述したように時間を計測するタイマ部76を有している。
グルコース値取得部60は、適宜のタイミング(例えば、5分毎)で検出センサ12と情報通信を行い、検出センサ12の検出情報を取得して、検出情報をメモリに記憶すると共に表示制御部74に出力する。
操作状態取得部62は、コントローラ14の操作部34からユーザの操作情報を取得する。そして、操作状態取得部62は、グルコース値の表示画像を表示する表示操作回数をカウントし、この表示操作回数の情報を表示制御部74に出力する。操作部34を省略し、ディスプレイ28を入力画面として利用する場合、所定の入力領域の操作回数をカウントしてもよい。例えば、ボーラス投与実行ボタン領域に触れた回数をカウントしてもよい。
患者状態取得部64は、ユーザの操作に基づき、ユーザの体調を選択させる選択肢をディスプレイ28に表示して、ユーザが入力した体調の情報(操作情報)をメモリに記憶すると共に表示制御部74に出力する。ユーザが入力した体調の情報は所定時間(例えば、24時間毎)後に無効となるようにしてもよい。
投与装置情報取得部66は、適宜のタイミングで薬剤投与装置16と情報通信を行って薬剤投与装置16から必要な投与装置情報を取得する。投与装置情報には、薬剤投与装置操作部44の操作回数(ボーラス投与の操作回数、又は薬剤投与装置16側のディスプレイ42の確認回数)、異常投与の有無等の情報が含まれる。
振動取得部68は、コントローラ14内に設けられた振動検出センサ78(加速度センサ、ジャイロセンサ等)からコントローラ14の振動情報を取得し、その振動数をカウントして表示制御部74に出力する。なお、振動取得部68は、検出センサ12、薬剤投与装置16内に設けて、グルコース値や投与装置情報と共にコントローラ14に送信される構成としてもよい。或いは、コントローラ14内に振動取得部68を設ける代わりに、コントローラ14とペアリングされた腕時計型端末18b(ウェアラブルデバイス)からの運動量を適時取得してもよい。
近接状態取得部70は、コントローラ14内に設けられたRFIDリーダ80から検出センサ12のRFIDタグ(不図示)との反応信号を取得し、コントローラ14が検出センサ12に接触又は近接した反応信号情報を表示制御部74に出力する。
設定部72は、上述した制限開始条件や制限停止条件の各種設定内容を医師等により設定させるための機能部である。例えば、図示しない端末装置にコントローラ14を情報通信可能に接続し、端末装置から情報の取得・更新指示を受けることで設定内容を設定させる。
表示制御部74は、ユーザに提供するグルコース情報の表示画像を生成しディスプレイ28に表示させる。この表示制御部74内には、さらに判定部82、通常画像生成表示部84及び制限画像生成表示部86が形成されている。
判定部82は、通常モード時に通常画像生成表示部84を動作させつつ、各取得部からの情報に基づき制限開始条件が成立したか否かを判定する。また、判定部82は、表示制限モード時に制限画像生成表示部86を動作させつつ、各取得部からの情報に基づき制限停止条件が成立したか否かを判定する。
通常画像生成表示部84は、グルコース値取得部60から受け取るグルコース値に基づき、図2Aに示すような通常画像50を生成してディスプレイ28に表示する。これにより、ユーザは、多様な表示形態のグルコース情報を視認することができ、自身のグルコース状態を詳細に把握することが可能となる。
制限画像生成表示部86は、グルコース値取得部60から受け取るグルコース値に基づき、図2Bに示すような制限画像52(又は図2Cに示すような制限画像54)を生成してディスプレイ28に表示する。これにより例えば、ユーザは、制限されたグルコース情報としてグルコース値のトレンドのみを認識することになり、グルコース情報に対する心理的負担が軽減される。
本実施形態に係る生体情報システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、図6のフローチャートに基づきその動作の一例を説明する。
生体情報システム10は、運用時に、ユーザに対して検出センサ12が留置されグルコース値が検出可能になると共に、ユーザに対して薬剤投与装置16が留置され薬剤がユーザに投与可能とされる。コントローラ14は、検出センサ12及び薬剤投与装置16の各々(又は情報端末18:二次表示装置)に情報通信可能に接続される。
検出センサ12は、ユーザのグルコース値を検出して、その検出情報を所定のタイミング毎にコントローラ14に送信する。コントローラ14の制御部36は、グルコース値取得部60にて検出センサ12の検出情報を取得して(ステップS10)、ユーザのグルコース状態を監視する。また、制御部36は、コントローラ14の操作部34の操作情報、薬剤投与装置16の投与装置情報、振動検出センサ78の振動情報、RFIDリーダ80の反応信号情報も、適宜のタイミングで(所定期間毎に)取得する(ステップS11)。
そして制御部36は、ユーザのグルコース状態を監視しつつ、ユーザによる操作部34の操作によりグルコース情報の表示が指示されたか否か判定する(ステップS12)。表示が指示された場合には、表示制御部74の制御下に、グルコース情報の表示画像をディスプレイ28に表示する。この際、表示制御部74の判定部82は、取得している各情報に基づき制限開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS13)。
すなわち上述した(A1)〜(A7)の条件について、判定部82が個別に判定している。例えば判定部82は、(A1)の条件に関して、グルコース情報を表示させる操作部34の表示操作回数が表示指示閾値以上となったか否かを判定する。表示操作回数が表示指示閾値以上となった場合に(A1)の条件が成立したことを判定する。また、他の(A2)〜(A7)の条件もそれぞれ判定し、(A1)〜(A3)の条件のいずれか1つの他に、(A4)〜(A7)の条件が全て成立した場合に制限開始条件の成立を判定する。逆に(A4)〜(A7)の条件が一つでも成立していない場合に制限開始条件の非成立を判定する。
制限開始条件が成立していない場合(ステップS13:NO)には、通常画像生成表示部84を動作させて通常モードを実施する(ステップS14)。つまり通常モードでは、図2Aに示すような通常画像50を生成してディスプレイ28に表示する。
一方、制限開始条件の成立を判定した場合(ステップS13:YES)には、制限画像生成表示部86を動作させて表示制限モードを実施する(ステップS15)。例えば表示制限モードでは、図2Bに示すような制限画像52を生成してディスプレイ28に表示する。
さらに表示制限モード中において、判定部82は、取得している各情報に基づき制限停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS16)。判定部82は、上述した(B1)〜(B6)の条件について個別に判定し(B1)〜(B6)の条件のいずれか1つの条件が成立した場合に制限停止条件の成立を判定する。例えば判定部82は、(B4)の条件に関して振動検出センサ78の単位時間当たりの振動数が制限停止振動閾値以上である場合に制限停止条件の成立を判定し、制限停止振動閾値より低ければ制限停止条件の非成立を判定する。そして、判定部82は、(B1)〜(B6)の条件が全て非成立の場合には、ステップS15に戻り表示制限モードを継続する。
制限停止条件が成立した(ステップS16:YES)場合には、判定部82は、通常画像生成表示部84を動作させて(通常モードに戻り)、通常画像50を生成してディスプレイ28に表示する。表示制御部74は、以上の処理フローを実施することで、ユーザの心理的負担に応じて適切なグルコース情報を提供することができる。
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、表示制御部74(判定部82)は、表示制限モードの実施中における制限停止条件としてユーザの所定時間後のグルコース値を予測して表示制限モードの停止を判定してもよい。判定部82は、表示制限モードの実施中に、検出情報のグルコース値が正常範囲を越えた場合に、所定の予測アルゴリズムを用いてグルコース値の将来の値(時間的変化)を予測する。そして、予測値が表示制限設定範囲100外となる(上限値を上回る又は下限値を下回る)場合に、表示制限モードを停止する。
グルコース値の正常範囲は、例えば、ユーザの食後3時間後以降の平均的なグルコース値を基準に上限許容値と下限許容値が設定されればよい。この一例としては、平均的なグルコース値に対し+30mg/dLの上限許容値、−30mg/dLの下限許容値に設定した正常範囲を設定する。この場合、正常範囲は、表示制限設定範囲100よりも内側(狭い範囲)に位置する。
またグルコース値の予測手段は、特に限定されず周知の手法、アルゴリズムを適用してよい。例えば、予測手段は、トレンドグラフ上の現在のグルコース値を微分してその傾き(グルコース値の変化率)を算出し、さらに過去のグルコース値の変動等に基づき適宜補正を行うことで、所定時間後のグルコース値を算出することができる。
コントローラ14の制御部36は、グルコース値の予測を用いる場合に、例えば図7及び図8に示す処理フローを実施する。すなわち、表示制御部74は、制限開始条件の成立に基づき表示制限モードを実施し(ステップS20)、ディスプレイ28に制限画像52を表示する。そして表示制限モードの実施中に、グルコース値が正常範囲の上限許容値を越えたか否かを判定し(ステップS21)、越えた場合にはステップS22に進み、越えていない場合にはステップS28に進む。
ステップS22では、判定部82は、60分後のユーザのグルコース値を算出(予測)する。算出後、この予測値が表示制限設定範囲100の上限値以下か又は否かを判定する(ステップS23)。そして、予測値が上限値以下の場合(ステップS23:YES)には表示制限モードを維持する(ステップS24)。
一方、予測値が上限値を上回る場合(ステップS23:NO)には、表示制限モードを停止して通常モードを実施する(ステップS25)。さらにこの場合、判定部82は、予測値が図4中の高血糖閾値以下か否かを判定し(ステップS26)、予測値が高血糖閾値を上回る場合には高血糖アラートを報知する(ステップS27)。
一方、ステップS21においてグルコース値が正常範囲の上限許容値を越えていない場合(ステップS21:NO)には、ステップS28においてグルコース値が正常範囲の下限許容値以上か否かを判定する。下限許容値以上の場合には、グルコース値が正常範囲にあることになるので、表示制限モードを維持する(ステップS29)。
一方、グルコース値が下限許容値を下回る場合には、30分後のユーザのグルコース値を算出(予測)する(ステップS30)。すなわちグルコース値が低血糖側に変動した場合には、健康リスクがより懸念されるため、高血糖側に変動した場合よりも短い時間間隔で予測値を算出する。
算出後は、この予測値が表示制限設定範囲100の下限値以上か又は否かを判定する(ステップS31)。そして、予測値が下限値以上の場合(ステップS31:YES)には表示制限モードを維持する(ステップS32)。
一方、予測値が下限値を下回る場合(ステップS31:NO)には、表示制限モードを停止して通常モードを実施する(ステップS33)。さらにこの場合、判定部82は、予測値が図4中の低血糖閾値以上か否かを判定し(ステップS34)、予測値が低血糖閾値を下回る場合には低血糖アラートを報知する(ステップS35)。
このように生体情報システム10は、グルコース値の予測値に基づき表示画像を切り換えることで、ユーザの状態に応じて適切なグルコース情報の提供を行うことができる。
また生体情報システム10は、図9Aに示すように、ユーザのグルコース値が表示制限設定範囲100の上限値付近又は下限値付近で上下に変動する場合に、表示制限設定範囲100を狭く調整してもよい。例えば、グルコース値が時間経過と共に、下限値付近又は下限値を挟むように変動している場合に、図9Bに示すように下限値を所定値だけ上昇させる。これにより範囲が狭まった表示制限設定範囲100’となり、通常モードと表示制限モードが短時間に繰り返すことを抑制し、ユーザに不快感を与えない表示形態を提供できる。
なお、下限値を上昇させる際には、下限値のみを上昇させてもよく、下限値の上昇と同時に上限値を下降してもよい。グルコース値が上限値付近を変動しており、上限値を下降させる際も同様である。また、表示制限設定範囲100(上限値、下限値)は、例えば1日の間でグルコース値が上限値又は下限値を所定回数(2回等)往復した場合に所定値(5mg/dL)狭める等、段階的に調整してもよい。
上述の実施形態から把握し得る技術的思想及び効果について、以下に記載する。
生体情報システム10は、第1画像生成表示部(通常画像生成表示部84)、判定部82及び第2画像生成表示部(制限画像生成表示部86)を有することで、制限開始条件が成立していない通常時には第1画像(通常画像50)を表示することができる。これによりユーザは、詳細な生体情報を把握することができる。その一方で、制限開始条件が成立した場合には、第2画像(制限画像52、54)を生成して制限した生体情報をユーザに提供する。これによりユーザは、生体情報を詳細に把握することが抑制される。すなわち、生体情報システム10は、生体情報の表示を適宜制限することで、ユーザの心理的負担を軽減し、またユーザの過剰なアクションを抑制することができる。
また、第1画像(通常画像50)は、過去から現在までの生体情報の推移を示す表示形態と、生体情報の数値を示す表示形態と、生体情報の現在のトレンドを示す表示形態とを有する。これにより、第1画像を視認したユーザは、現在の生体情報と、過去から現在までの生体情報の変化を認識することができるので、自身の生体情報の変化を良好に把握することが可能となる。
また、第2画像(制限画像52)は、生体情報の現在のトレンド(変化率)を示す表示形態を有する。これにより、第2画像を視認したユーザは、現在の生体情報の具体的な数値を知ることなく、生体情報が変化する方向性のみを認識することになる。このため、ユーザの心理的負担を大幅に軽減することが可能となる。
また、第2画像(制限画像52)は、生体情報の現在値のみを示す表示形態を有する。これにより、第2画像を視認したユーザは、自己の状態をある程度把握しつつ、生体情報の変動を監視できなくなるという心理的負担をやはり軽減することができる。
また、第1及び第2画像(通常画像50、制限画像52)は、生体情報システム10のデバイスの動作状況を示す表示形態を有する。これにより、ユーザは、第1及び第2画像を確認することでデバイスが正常に動作しているか否かを直ちに認識することができ、必要な対処を迅速にとることが可能となる。
また、判定部82は、生体情報を表示部(ディスプレイ28)に表示させる操作部34の表示操作回数が表示指示閾値以上となった場合に制限開始条件の成立を判定する。これにより、ユーザが生体情報を表示させる行動をとりすぎる場合に、ディスプレイ28に第2画像を表示することができ、ユーザの生体情報の確認行動を抑制させることが可能となる。
また、判定部82は、生体情報に基づきユーザに薬剤を投与する薬剤投与装置16の薬剤投与装置操作部44の投与操作回数が投与指示閾値以上となった場合に制限開始条件の成立を判定する。これにより、ユーザが薬剤を投与する行動をとりすぎる場合に、ディスプレイ28に第2画像を表示することができ、ユーザの不要な薬剤投与を抑制させることが可能となる。
また、判定部82は、ユーザに薬剤を投与する薬剤投与装置16の異常投与を認識した場合に制限開始条件の成立を判定する。これにより、ユーザが薬剤投与装置16により異常投与を実施した場合に、ディスプレイ28に第2画像を表示することができ、以降の異常投与を抑制させることが可能となる。
また、判定部82は、制限開始条件の判定時に、生体情報の値が表示制限設定範囲100内にあることを制限開始条件の成立の要件とする。これにより、生体情報の値が正常値から大きく離れて表示制限設定範囲100外にある場合に制限開始条件が成立せず、ユーザに詳細な生体情報を提供することができる。
また、制御部36は、表示制限設定範囲100の上限値又は下限値を生体情報の値が所定期間の間に複数回往復した場合に、上限値又は下限値をずらす補正を行う。これにより、生体情報が表示制限設定範囲100の上限値又は下限値付近を変動した場合に、ディスプレイ28に表示される第1画像と第2画像が簡単に切り換わることを抑制することができる。
また、判定部82は、第2画像(制限画像52)を生成する第2画像生成モード(表示制限モード)の実施中に、予め設定された制限停止条件が成立したか否かを判定し、制限停止条件の成立を判定した場合に、第1画像(通常画像50)を生成する第1画像生成モード(通常モード)に移行する。これにより、表示制限モードの実施中でも制限停止条件の成立に基づき通常モードに戻るので、必要に応じて詳細な生体情報をユーザに提供することが可能となる。
また、判定部82は、生体情報の値が表示制限設定範囲100外になった場合に制限停止条件の成立を判定する。これにより、表示制限モードの実施中に、生体情報の値が正常値から大きく離れて表示制限設定範囲100外となった場合に、通常モードとなりユーザに詳細な生体情報を提供することができる。
また、制御部36は、生体情報に基づき将来の生体情報の予測値を算出し、判定部82は、予測値が表示制限設定範囲100外になった場合に制限停止条件の成立を判定する。これにより、生体情報の予測値に基づき表示制限モードから通常モードに事前に戻すことが可能となるので、ユーザに対して詳細な生体情報を早期に提供することができる。
また、ユーザの動作に伴う振動を検出する振動検出センサ78を有し、判定部82は、振動の回数が制限停止振動閾値以上となった場合に制限停止条件の成立を判定する。これにより、表示制限モードの実施中に、ユーザが運動等の激しい動作を行った場合に通常モードとなりユーザに詳細な生体情報を提供することができる。
また、判定部82は、第2画像生成モード(表示制限モード)の実施時間が所定時間経過した、又は所定時刻になった場合に制限停止条件の成立を判定する。これにより、生体情報システム10は、ユーザの心理的負担が少ない適切なタイミングで表示制限モードを停止することができる。
10…生体情報システム 12…検出センサ
14…コントローラ 16…薬剤投与装置
28、42…ディスプレイ 34…操作部
36…制御部 50…通常画像
52、54…制限画像 82…判定部
84…通常画像生成表示部 86…制限画像生成表示部
100…表示制限設定範囲
14…コントローラ 16…薬剤投与装置
28、42…ディスプレイ 34…操作部
36…制御部 50…通常画像
52、54…制限画像 82…判定部
84…通常画像生成表示部 86…制限画像生成表示部
100…表示制限設定範囲
Claims (15)
- 表示部と、
生体情報を取得し、前記生体情報に基づく表示画像を生成して前記表示部に表示する制御部とを備える生体情報システムであって、
前記制御部は、
前記生体情報に関わる表示形態を複数種類有する第1画像を生成して表示する第1画像生成表示部と、
予め設定された制限開始条件が成立したか否かを判定する判定部と、
前記制限開始条件の成立を判定した場合に、前記生体情報に関わる表示形態が前記第1画像よりも少ない第2画像を生成して表示する第2画像生成表示部とを有する
生体情報システム。 - 請求項1記載の生体情報システムにおいて、
前記第1画像は、過去から現在までの前記生体情報の推移を示す表示形態と、
前記生体情報の数値を示す表示形態と、
前記生体情報の現在のトレンドを示す表示形態とを有する
生体情報システム。 - 請求項1又は2記載の生体情報システムにおいて、
前記第2画像は、前記生体情報の現在のトレンドを示す表示形態を有する
生体情報システム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
前記第2画像は、前記生体情報の現在値のみを示す表示形態を有する
生体情報システム。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
前記第1及び第2画像は、前記生体情報システムのデバイスの動作状況を示す表示形態を有する
生体情報システム。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
前記判定部は、前記生体情報を前記表示部に表示させる操作部の表示操作回数が表示指示閾値以上となった場合に前記制限開始条件の成立を判定する
生体情報システム。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
前記判定部は、前記生体情報に基づきユーザに薬剤を投与する薬剤投与装置の操作部の投与操作回数が投与指示閾値以上となった場合に前記制限開始条件の成立を判定する
生体情報システム。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
前記判定部は、ユーザに薬剤を投与する薬剤投与装置の異常投与を認識した場合に前記制限開始条件の成立を判定する
生体情報システム。 - 請求項6〜8のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
前記判定部は、前記制限開始条件の判定時に、前記生体情報の値が表示制限設定範囲内にあることを前記制限開始条件の成立の要件とする
生体情報システム。 - 請求項9記載の生体情報システムにおいて、
前記制御部は、前記表示制限設定範囲の上限値又は下限値を前記生体情報の値が所定期間の間に複数回往復した場合に、前記上限値又は前記下限値をずらす補正を行う
生体情報システム。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
前記判定部は、前記第2画像を生成する第2画像生成モードの実施中に、予め設定された制限停止条件が成立したか否かを判定し、前記制限停止条件の成立を判定した場合に、前記第1画像を生成する第1画像生成モードに移行する
生体情報システム。 - 請求項11記載の生体情報システムにおいて、
前記判定部は、前記生体情報の値が表示制限設定範囲外になった場合に前記制限停止条件の成立を判定する
生体情報システム。 - 請求項12記載の生体情報システムにおいて、
前記制御部は、前記生体情報に基づき将来の生体情報の予測値を算出し、
前記判定部は、前記予測値が前記表示制限設定範囲外になった場合に前記制限停止条件の成立を判定する
生体情報システム。 - 請求項11〜13のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
ユーザの動作に伴う振動を検出する振動検出センサを有し、
前記判定部は、前記振動の回数が制限停止振動閾値以上となった場合に前記制限停止条件の成立を判定する
生体情報システム。 - 請求項11〜14のいずれか1項に記載の生体情報システムにおいて、
前記判定部は、前記第2画像生成モードの実施時間が所定時間経過した、又は所定時刻になった場合に前記制限停止条件の成立を判定する
生体情報システム。
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2018
- 2018-12-12 JP JP2018232406A patent/JP2020092813A/ja active Pending
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