JP2020091656A - 学習装置、学習システム、学習方法及び学習プログラム - Google Patents
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Description
また、クライアントからサーバに依頼する処理が多項式の演算の場合、検証処理中にサーバとクライアントとの間で通信が発生するものの、軽量であることが特徴のsum−checkと呼ばれるプロトコルが非特許文献2で提案されている。さらに、sum−checkを機械学習の推論フェーズに適用した技術が非特許文献3で提案されている。
図1は、本実施形態に係る学習システム1の機能構成を示すブロック図である。
学習システム1は、サーバ10(学習装置)とクライアント20(端末)とを備え、両者は通信可能に接続される。サーバ10は、クライアント20から依頼されて機械学習を実行する。
また、機械学習において、訓練データに含まれる悪性データを取り除くため、損失関数の値を最小化する訓練データの部分集合を選択する処理を含む場合、学習実行部112は、部分集合の選択による損失関数の値の減少量を算出する。
なお、学習実行部112による計算の詳細は後述する。
このとき、証明生成部113は、損失関数の値を最小化する訓練データの部分集合を選択する処理から、損失関数の値を最小化するという条件を除いた証明データを生成する。証明生成部113は、この損失関数の値を最小化するという条件を証明するために、学習実行部112により算出された損失関数の値の減少量を証明データに含める。
なお、証明データに含まれる損失関数の値の減少量は、クライアント20において、訓練データの部分集合の選択の正当性を検証するために用いられる。
このとき、結果検証部213は、証明データに含まれる損失関数の値の減少量が正であることを合わせて確認する。
ステップS1において、クライアント20は、訓練データ(入力x及び出力y)と、更新前のモデルとを、サーバ10へ送信する。
ステップS4において、クライアント20は、サーバ10と協働して証明データπの検証を行う。
クライアント20が訓練データをサーバ10に対して提供すると、サーバ10は、学習処理を行った際に、その学習処理が正しく実行されたことをクライアント20に対して証明する。このとき、学習実行部112は、sum−checkにより検証可能な多項式を用いて学習処理を行う。
多項式をPa(xk,xk−1,…,x0)=akxk+ak−1xk−1+…+a1x1+a0x0とし、係数と変数とをそれぞれ次のベクトルA,Xで表現する。
例えば、複数のクライアント20が訓練データを提供し、サーバ10で一つのモデルを構築する場合、悪意のあるクライアント20が悪性データを含む訓練データを提供する可能性がある。このため、サーバ10は、モデルを構築する前に悪性データを取り除く処理を行う必要がある。
文献A: M. Jagielski, A. Oprea, B. Biggio, C. Liu, C. Nita−Rotaru and B. Li. “Manipulating Machine Learning: Poisoning Attacks and Countermeasures for Regression Learning.” 2018 IEEE Symposium on Security and Privacy (2018).
N個の訓練データDには、正常なデータDtrと悪性データDpとが含まれる。アルゴリズムAでは、悪性データは、正常なデータn個に対してp=α×n個含まれると仮定し、i回の学習を繰り返すことでモデルθ(i)が出力される。
ステップ2において、損失L(DI(0),θ)を最小にするモデルθ(0)が求められる。
ステップ3において、学習の繰り返し回数iが0に初期化され、ステップ4から9が繰り返し実行される。
ステップ6において、損失L(DI(i),θ(i−1))を最小にするデータのサブセットが選択されることで、インデックス集合I(i)が更新される。これにより、訓練データDに含まれる悪性データDpと推定されるデータが取り除かれる。
ステップ7において、損失L(DI(i),θ(i))を最小にするモデルθ(i)が求められる。
ステップ8において、現在のモデルθ(i)における損失R(i)=L(DI(i),θ(i))が求められる。
ステップ10において、学習結果としてモデルθ(i)が出力される。
アルゴリズムBは、図3のステップ4から9の繰り返し部分に相当し、証明生成部113は、この処理に対する証明データを生成する。
したがって、クライアント20は、サーバ10で図2のTRIMが実行され、悪性データを除くデータセットを用いて正しく学習が行われたことを検証できる。
これにより、クライアント20は、サーバ10における機械学習の学習フェーズでの処理を高速に検証できる。
この結果、クライアント20は、多くの学習データを用いてサーバ10で繰り返し学習させるような場合に、サーバ10が正しく処理を実行したことを、クライアント20で同じ処理を実行することなく検証することが可能となる。
これにより、クライアント20は、損失関数の値の減少量が正であることを確認することで、サーバ10において悪性データを取り除くために損失が減少する訓練データの部分集合が選択されたことを検証できる。
この結果、例えば、サーバ10が複数のクライアント20から訓練データを収集し、一つのモデルを構築する場合に、一部のクライアント20が悪性データを含む訓練データを提供したとしても、サーバ10は、悪性データを取り除く処理を実施していることをクライアント20に証明できる。
文献B: E. Ben−Sasson, A. Chiesa, M. Forbes, A. Gabizon, M. Riabzev, and N. Spooner. “Zero Knowledge Protocols from Succinct Constraint Detection.” Proceedings of the 15th Theory of Cryptography Conference (2017).
これに対して、ゼロ知識sum−checkを利用することで、サーバ10は、クライアント20に情報を漏らすことなく、処理が正しく行われたことを証明できる。したがって、複数のクライアント20から訓練データを収集しモデルを構築する際に、ゼロ知識sum−checkを利用することで、サーバ10は、クライアント20から提供された訓練データを保護できる。
10 サーバ(学習装置)
11 制御部
12 記憶部
20 クライアント(端末)
21 制御部
22 記憶部
111 依頼受信部
112 学習実行部
113 証明生成部
114 結果送信部
115 結果検証部(第1結果検証部)
211 依頼送信部
212 結果受信部
213 結果検証部(第2結果検証部)
Claims (6)
- 機械学習による訓練前のモデル、及び訓練データを端末から受信する依頼受信部と、
前記機械学習の演算のうち、損失関数を偏微分した偏導関数を多項式に変換して計算する学習実行部と、
前記学習実行部による計算結果の正当性を検証するための証明データを生成する証明生成部と、
前記機械学習による訓練後のモデル、及び前記証明データを前記端末へ送信する結果送信部と、
前記端末との間で前記証明データを検証する第1結果検証部と、を備える学習装置。 - 前記機械学習は、前記訓練データに含まれる悪性データを取り除くため、前記損失関数の値を最小化する前記訓練データの部分集合を選択する処理を含み、
前記学習実行部は、前記選択による前記損失関数の値の減少量を算出し、
前記証明生成部は、前記損失関数の値を最小化する前記訓練データの部分集合を選択する処理から、前記損失関数の値を最小化する条件を除いた前記証明データを生成する請求項1に記載の学習装置。 - 請求項1に記載の学習装置と、当該学習装置へ前記機械学習を依頼する端末と、を備えた学習システムであって、
前記端末は、
前記訓練前のモデル、及び前記訓練データを前記学習装置へ送信する依頼送信部と、
前記訓練後のモデル、及び前記証明データを前記学習装置から受信する結果受信部と、
前記学習装置との間で前記証明データを検証する第2結果検証部と、を備える学習システム。 - 請求項2に記載の学習装置と、当該学習装置へ前記機械学習を依頼する端末と、を備えた学習システムであって、
前記端末は、
前記訓練前のモデル、及び前記訓練データを前記学習装置へ送信する依頼送信部と、
前記訓練後のモデル、及び前記証明データを前記学習装置から受信する結果受信部と、
前記学習装置との間で前記証明データを検証する第2結果検証部と、を備え、
前記第2結果検証部は、前記損失関数の値の減少量が正であることを確認する学習システム。 - 機械学習による訓練前のモデル、及び訓練データを端末から受信する依頼受信ステップと、
前記機械学習の演算のうち、損失関数を偏微分した偏導関数を多項式に変換して計算する学習実行ステップと、
前記学習実行ステップにおける計算結果の正当性を検証するための証明データを生成する証明生成ステップと、
前記機械学習による訓練後のモデル、及び前記証明データを前記端末へ送信する結果送信ステップと、
前記端末との間で前記証明データを検証する第1結果検証ステップと、をコンピュータが実行する学習方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の学習装置としてコンピュータを機能させるための学習プログラム。
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