JP2020091278A - Pet装置、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なタイミング較正を提供する。【解決手段】本実施形態に係る陽電子放出撮像装置は、第1取得部と、決定部と、第1較正部とを含む。第1取得部は、第1の線源からの放射線が複数の検出器素子において検出されたときの、それぞれの時間、エネルギーおよび位置を表す較正データを取得する。決定部は、前記取得された較正データから、放射線のエネルギーが前記複数の検出器素子のうちの2つ以上で共有および検出されることを示すマルチチャネル検出に対応する較正データを決定する。第1較正部は、前記マルチチャネル検出に対応する較正データ中のタイミング較正に関する目的関数を最適化することによって、前記複数の検出器素子の前記タイミング較正を行う。【選択図】図8B

Description

本発明は、PET装置、方法およびプログラムに関する。
陽電子放出断層撮像(PET:positron emission tomography)では、トレーサ薬剤が患者に導入され、薬剤の物理および生体分子特性が、薬剤を患者の身体中の特定の位置に集中させる。トレーサは陽電子を放出し、陽電子が電子と衝突するときに起こる消滅イベントが生じる。この消滅イベントは、実質的に180度離れて進む(511keVの)2つのガンマ線を生成する。
PET撮像システムは、ガンマ線の同時計数ペアを検出するために、患者の周りに位置する検出器を使用する。各角度から来るガンマ線を検出するために、検出器のリングが使用される。したがって、PETスキャナは、等方性の放射線の補足を最大にするために、実質的に円筒形であってもよい。PETスキャナは、それぞれのシンチレーションイベントからの光パルスを測定するために、光検出器とともにモジュール中にパッケージングされる2次元シンチレータアレイに配列された数千の個々の結晶(たとえば、ルテチウムイットリウムオルトケイ酸塩(LYSO)または他のシンチレーティング結晶)から構成される。たとえば、シンチレータ結晶アレイのそれぞれの素子からの光は、複数の光電子増倍管(PMT:photomultiplier tube)の間で共有されるか、またはシンチレータ結晶アレイの素子との1対1の対応を有するシリコン光電子増倍管(SiPM:silicon photomultiplier)によって検出される。
PMTが光検出器として使用される場合に、発光する結晶素子と個別のPMTとの間の相対的なジオメトリに基づいて、アンガーロジックを使用することができる。係る個別のPMTは、光検出器により計測された相対的なパルスエネルギーを決定する。アンガーロジック/演算及びフラッドマップ構成されたルックアップテーブルを使用することにより、結晶アレイ(つまり、結晶素子)におけるシンチレーションイベントが発生した位置を決定するために、PMTの相対的なパルスエネルギーが比較される。
トモグラフィー再構成の原理によってトレーサの時空間的分布を再構成するために、各検出されたイベントは、そのエネルギー(つまり生成された光の量)、位置、そしてタイミングについて特徴付けられる。二つのガンマ線を検出することにより、またそれら二つの位置の間に線、つまりLOR(Line-of-Response)を引くことにより、オリジナルの消滅の可能性の高い位置を決定することができる。二つのガンマ線間の飛行時間(TOF:time-of-flight)に基づいた消滅イベントに対するLORに沿った統計的な分布を決定するために、タイミング情報を使用することもできる。当該処理は、可能性のある相互作用の線を識別することのみであるが、これらの線を数多く蓄積することにより、トモグラフィー再構成処理を通して、オリジナルの分布を推定することができる。
旧来のPET検出器のコントラストよりも大きいコントラストとともに画像を再構成する際にTOF−PET検出器が使用される。詳細には、TOF−PET検出器は、コントラストをつけた画像を生成するためにタイミング情報を使用する。TOF−PET検出器の最良のタイミング性能を達成するために、個々の検出器チャネルの一定の時間オフセットが較正されるべきである。これらの個々の検出器は、信号経路長、チャネルジッタなどの差が原因で較正されるべきチャネルを含む。しかしながら、タイミング測定のために弁別器が使用される場合、画像を再構成するときにより良い結果を生じるために、さらに、追加のエネルギー/振幅依存タイムウォーク(time-walk)補正が較正されるべきである。
米国特許出願公開第2014/0336936号明細書
本発明が解決しようとする課題は、良好なタイミング較正を提供することにある。
本実施形態に係る陽電子放出撮像装置は、第1取得部と、決定部と、第1較正部とを含む。第1取得部は、第1の線源からの放射線が複数の検出器素子において検出されたときの、それぞれの時間、エネルギーおよび位置を表す較正データを取得する。決定部は、前記取得された較正データから、放射線のエネルギーが前記複数の検出器素子のうちの2つ以上で共有および検出されることを示すマルチチャネル検出に対応する較正データを決定する。第1較正部は、前記マルチチャネル検出に対応する較正データ中のタイミング較正に関する目的関数を最適化することによって、前記複数の検出器素子の前記タイミング較正を行う。
図1Aは、本実施形態に係る検出器モジュールの一例を示す図である。 図1Bは、本実施形態に係る検出器モジュールのアレイ素子の一例を示す斜視図である。 図1Cは、本実施形態に係る検出器モジュールのアレイ素子の一例を示す側面図である。 図2Aは、本実施形態に係る陽電子消滅イベントの同時計数検出を実施するPETシステムの一例を示す図である。 図2Bは、本実施形態に係る飛行時間(TOF)PETシステムの一例を示す図である。 図2Cは、本実施形態に係る不対ガンマ線源を使用するタイミング較正の一例を示す図である。 図3Aは、本実施形態に係る単結晶ブロックと光電子増倍管(PMT)とを有する検出器モジュールの一例を示す図である。 図3Bは、本実施形態に係るシンチレータ素子のアレイとして配列された結晶のブロックを有する光検出器としてPMTを使用する、検出器モジュールの一例を示す図である。 図3Cは、本実施形態に係るシンチレータ素子のアレイとして配列された結晶を有し、光検出器としてシリコン光電子増倍管(SiPM)を使用する、検出器モジュールの一例を示す図である。 図4は、本実施形態に係るそれぞれ第1の結晶および第2の結晶からの2つのエネルギー信号を生じるコンプトン散乱の一例を示す図である。 図5は、本実施形態に係るタイムウォークプロットの一例を示す図である。 図6は、実施形態に係るタイムウォークパラメータ化の一例を示す図である。 図7は、本実施形態に係るマルチチャネルイベントを使用して検出器タイミングを較正することと、較正された検出器を使用してPET画像を再構成することとの方法を示す図である。 図8Aは、本実施形態に係るPETスキャナの斜視図である。 図8Bは、本実施形態に係るPETスキャナの概略図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る陽電子放出撮像装置(PET装置)、方法およびプログラムについて説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作を行うものとして、重複する説明を適宜省略する。以下、一実施形態について図面を用いて説明する。
本明細書全体にわたる「一実施形態」への言及は、実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、特性、動作、または機能が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書における「一実施形態では」という句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、特性、動作、または機能は、1つ以上の実施形態では任意の好適な様式で組み合わせることができる。さらに、開示される主題の実施形態は、説明される実施形態の修正および変形をカバーすることができ、カバーするものとする。
さらに、本明細書で使用される可能性がある「左」、「右」、「上部」、「下部」、「前面」、「後面」、「側面」、「高さ」、「長さ」、「幅」、「上側」、「下側」、「内部」、「外部」、「内側」、「外側」などの用語は、基準点について説明するにすぎず、必ずしも開示される主題の実施形態を特定の配向または構成に限定するとは限らないことを理解されたい。さらに、「第1の」「第2の」、「第3の」などの用語は、本明細書で説明されるいくつかの部分、構成要素、基準点、動作および/または機能のうちの1つを識別するにすぎず、同様に、必ずしも開示される主題の実施形態を特定の構成または配向に限定するとは限らない。
上記で説明されたように、陽電子放出断層撮影(PET)を使用する画像再構成の正確さは、同時計数カウントが検出される分解能および精度に依存する。たとえば、アレイ中の異なる検出器素子は、それらのそれぞれの信号経路の間の差により、異なる遅延量を受ける可能性がある(たとえば、応答時間および伝搬遅延は増幅器の間で変動することがあり、信号伝送線路の長さは均一でないことがある)。これらの差を補正するために、検出器素子の間の相対タイミング遅延を決定するために較正(タイミング較正ともいう)が実施される。このタイミング較正は、タイミング情報と飛行時間(TOF)決定との正確さを改善するために、撮像中に、新たに収集されたPETデータに適用される。TOF決定は、(図2Bに示されているように)LOR(line of response)に沿った陽電子放出イベントの点が決定されることを可能にする。しかし、この決定が正確となるように、以下でより詳細に説明されるタイムウォークとチャネル間の相対遅延とを考慮したタイミング較正を使用して、タイミング情報が補正される。
本明細書で説明される方法とは対照的に、(図2Aに示されているように)2つのガンマ線を反対方向に同時に放出する陽電子放出源を使用する他のタイミング較正が一般に実施される。小さい陽電子放出源を使用することによって、LORに沿った放出イベントの位置が知られ、この既知の位置から、検出イベント間の正しい相対時間も知られる。たとえば、陽電子放出源が2つの検出器素子間の厳密に中間に置かれたとき、2つの検出器素子は、まったく同じ時間に対ガンマ線を検出する。しかしながら、時々、シンチレータ結晶から、タイムスタンプを与えるデータ収集システム(DAS:Data Acquisition System)までの信号経路間の相対遅延により、記録された時間が異なることがある。検出器間の相対遅延は、2つの検出間の記録された時間差を、光速と検出器および陽電子放出源の位置とを知ることから導出される実際の/既知の時間差(たとえば、以下で説明される、Δt=t1−t2=(L1−L2)/c)と比較することによって較正される。この較正は、統計的不確実性を最小にするために、繰返し測定した結果に対して統計解析を行うことによって改善される。
残念ながら、陽電子放出源を使用することにより、結果として、タイミング較正プロセスが遅くなり、労働集約的になることがある。これは、陽電子放出源がPETスキャナ内で多くの異なる位置に移動されなければならず、較正測定が繰り返されなければならないからである。これらの繰返し測定は、陽電子放出源が小さく、その結果、所与の検出器素子が、LORが陽電子放出源を通過する(1つ以上の)検出器素子のみに対して較正されることによって必要とされる。したがって、所与の検出器素子を他の検出器素子に対して較正するために、陽電子放出源は、所与の検出器素子と他の検出器素子の各々との間のそれぞれのLOR上に位置するように増分的に移動される。各所与の検出器素子が多数の他の検出器素子に対して較正されるべきであるため、陽電子放出源を移動させて較正するというプロセスが何回も繰り返され、結果として、遅く、労働集約的なプロセスになる。
対照的に、本明細書で説明される方法は、較正するためにガンマ線散乱(たとえば、コンプトン散乱)とともに不対ガンマ線を使用する。利点として、ガンマ線源がより大きくなるため、較正プロセスがより高速に実施できる。
本明細書で説明される方法のいくつかの実施形態では、タイムウォークもタイミング情報に影響を及ぼす。タイムウォークは、信号パルスのエネルギー/大きさへの記録された時間の依存による、記録された時間のシフトである。たとえば、図5に示され、以下で説明されるように、より大きい信号パルスが、パルスの立上りエッジ上でより小さい信号パルスよりも前に起こったとして記録される可能性がある。信号パルスのすべてが同じエネルギー/大きさであるとき、タイムウォークはタイミング情報に影響を及ぼさない。しかしながら、コンプトン散乱などの効果により、いくつかの検出は、より小さい大きさを有し、総ガンマ線エネルギーのある割合のみを表す。したがって、総ガンマ線エネルギーよりも小さいガンマ線エネルギーが検出されたときの検出について、検出のエネルギー情報がモニターされる。次いで、それらの検出のエネルギー情報は、それらの検出について、タイムウォークによる時間シフトがどのくらい大きいかを決定するために使用され、それに応じてタイミング情報が補正される。タイムウォークによる時間シフトを決定するために、検出器によって測定されたエネルギー情報の関数としてタイムウォークをパラメータ化するために較正データが使用される。
タイムウォークをよりよく理解するために、信号パルスの立上りエッジが、予め定義された振幅しきい値をいつ超えるかによって、検出のための記録された時間が与えられると考える。したがって、より大きいパルスの場合、このしきい値は、(パルスは、形状ではなくサイズが異なると仮定して)パルス中でより小さいパルスの場合よりも早く超えられることになる。パルスエネルギー/大きさをタイムウォークによる時間シフトにマッピングする曲線の厳密な形状は、パルス形状と予め定義された振幅しきい値の選定とに依存することになる。しかしながら、(たとえば、図6に示されている)このタイムウォーク/エネルギーマッピングは、予め定義された関数の係数を最適化することによってパラメータ化される。たとえば、パラメータ化は、予め定義された関数によって定義される曲線と、パルスエネルギー/大きさの関数としてのタイムウォークの測定されたデータとの間の誤差測度(たとえば、最小2乗誤差)を最小にするように、予め定義された関数の係数を選択することによって実施される。したがって、本明細書で説明されるようにタイムウォークは、タイムウォーク較正を介して補正される。
本明細書で説明される方法ではない他の方法は、検出器素子の間の相対時間遅延を較正するとき、陽電子放出の位置が正確に知られるように、小さい陽電子放出源を使用する。しかしながら、陽電子放出源の小さいサイズは、所与の位置において陽電子放出源を用いて較正される検出器チャネルの数を制限する。したがって、陽電子放出源は、PETガントリの反対側の多数の他の検出器素子を用いて各検出器素子を較正するために、多数の位置に移動されなければならない。すなわち、PETシステム中のピクセル化されたガンマ検出器など、検出器のリング全体を較正するために、陽電子放出源は複数の位置に移動されなければならず、較正プロセスが遅く非効率的になる。
対照的に、本明細書で説明される方法を使用して、ピクセル化されたガンマ検出器中で発見される検出器素子などの検出器素子のタイミングは、タイミング較正をより迅速に実施するために、不対ガンマ線のより大きいガンマ線源を使用して較正される。これは、単一のガンマ線が、(たとえば、光/電荷共有またはコンプトン散乱により)マルチチャネル検出イベントとして検出され、2つまたはそれ以上の検出器素子における同時の信号パルスを生じることができるので可能である。単一のガンマ線のマルチチャネル検出は本質的に同時であり得るので、1次ガンマ線の到着と散乱ガンマ線の到着との間の記録された時間の相対遅延は、それらのそれぞれの信号経路間の遅延の相対差によるものである。これは、1次ガンマ線を検出する検出器素子と散乱ガンマ線を検出する検出器素子とが、それらの検出器素子間の伝搬時間が無視されるほど十分に近接することを仮定する。これは、以下で説明される他の実施形態では緩和される仮定である。
各マルチチャネル検出は、単一のガンマ線からのエネルギーが、結晶間散乱、光共有、電荷共有などの結果として、2つまたはそれ以上の検出器チャネルの間で共有されることを示す。さらに、電荷および/または光共有は、しばしば、互いに近隣/隣接する検出器素子の間で起こるが、コンプトン散乱は、それぞれの検出器素子が、いくつかの検出器素子だけ離れているか、さらにはより大きい距離だけ分離されるときでさえ、マルチチャネル検出を生じることができる。本明細書でさらに説明されるように、複数の検出器チャネル間でのガンマ線エネルギーの共有はマルチチャネルイベントと呼ばれることがある。
これらのマルチチャネルイベントは、PETスキャナ中の複数の検出器モジュールのチャネル間の相対タイミング遅延を較正するために使用される。さらに、(ガンマ線エネルギー共有の結果として)マルチチャネルイベントにおいて起こるエネルギー範囲は、タイムウォークによる時間シフトを生じることがあり、これは、較正され、次いで、タイムウォーク補正パラメータを使用して補正される。不対ガンマ線の大きい線源を、相関するガンマ線の対を放出する陽電子放出源と区別するために、不対ガンマ線の大きい線源は、本明細書では「単一ガンマ線源」、「単一源」とも呼び、本明細書では、単一源を使用する較正方法は、「単一源較正」とも呼ぶ。
いくつかの実施形態では、高品質な画像再構成を保証するために、タイムウォーク(すなわち、到着時間が、予め定義されたしきい値をパルスの立上りエッジが超えることに基づくときの、測定されたパルスの振幅/エネルギーに依存する、ガンマ線パルスの測定された到着時間のシフト)と、検出器モジュール/素子の間の相対時間遅延との両方を同時に較正するために、単一源較正が使用される。各検出器モジュールの時間情報は、PETシステム中の検出器モジュールのマルチチャネルイベントを使用してタイミング較正を実施することによって、すべての他の検出器チャネルに関して較正することができる。
次に、図1Aは、検出器モジュール100の非限定的な例を示す。検出器モジュール100は、シンチレータ素子または検出器素子とも呼ばれる、チャネルの2次元アレイを含む。各チャネルは、ガンマ線を吸収し、吸収された放射エネルギーの一部を、光検出器、たとえば、光電子増倍管(PMT)またはシリコン光電子増倍管(SiPM)によって検出される光(すなわち、シンチレーション光子)として放出する。検出器モジュール100中のシンチレータ結晶は、たとえば、結晶またはアモルファス構造をもつ無機または有機材料であってもよい。
図1Bおよび図1Cは、それぞれ、検出器素子110のチャネルの透視図および側面図を示す。「検出器チャネル」および「検出器素子」という用語は、交換可能であり、検出器モジュール100中に含まれる素子のアレイ中の単一の素子を指す。検出器素子110は、シンチレータ素子または検出器素子と呼ばれることがある。図1Cに示されている上部表面112から放射する矢印によって示されるように、放出光の一部分は、検出器モジュール100の上部表面を通して透過され、透過光の一部分は、シンチレータモジュールの上部表面の上に位置する光検出器によって検出される。光検出器は、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオードなどであってもよい。
いくつかの実施形態では、PET撮像システムは、図1Bおよび図1Cに示されているように、正四角柱の形状を有するチャネルを含む。検出器素子110は、平行な側面116aおよび116bを有する。各チャネルの下部表面114は、上部表面112と平行であり、各チャネルの下部表面114および上部表面112は、検出器モジュール100内のすべてのチャネルのための下部表面および上部表面に平行である。いくつかの実施形態では、検出器素子の間での光共有を最小にするために、検出器モジュール100中のそれぞれの検出器素子の側面116aと側面116bとの間に反射層が配列されてもよい(たとえば、空気の層が、内部全反射を介して光共有を低減することができる)。
次に、断層撮影再構成のための較正されたタイミング情報の使用が説明される。図2Aは、陽電子消滅イベントの同時計数検出を実施するPETシステム200の非限定的な例である。すなわち、図2Aは、撮像のために使用される較正されたTOF PETシステムの適用例を示す。図2Aは、線源210(たとえば、トレーサを注入された被検体)、消滅イベント220を示し、消滅イベント220において、放出された陽電子が電子を消滅させて、同時計数線(LOR)のそれぞれの第1の行程230Aおよび第2の行程230Bに沿って反対方向に伝搬するガンマ線の対を発生し、やがてそれらにそれぞれ対応する第1の到着240Aおよび第2の到着240Bが、対応する検出器素子250Aおよび250Bにおいてそれぞれ検出される。次いで、検出器素子250Aおよび250Bにおいて測定された信号の位置、エネルギー、およびタイミング情報を使用して、PET画像が再構成され、再構成された画像は線源210の放射能(たとえば、トレーサ密度)の空間分布を表す。
断層撮影再構成では、検出器素子250Aおよび250Bにおいて検出されたガンマ線の軌道に対応する、第1の行程230Aおよび第2の行程230Bを含むLORが、検出器素子250Aの位置と検出器素子250Bの位置との間に引かれる。LORは、それぞれ第1のガンマ線および第2のガンマ線がそれに沿って伝搬した第1の行程230Aおよび第2の行程230Bを含む。第1の行程230Aの部分の長さL1と第2の行程230Bの部分の長さL2との間の差は、2つの検出イベント間の実際の時間差、すなわち、Δt=t1−t2=(L1−L2)/cを計算するために使用される。ここにおいて、t1(t2)は、第1の(第2の)到着240A(240B)の時間であり、cは光速である。逆方向に動作して、たとえば、第1の到着240Aおよび第2の240Bの後に、測定された時間差を収集することと、検出器素子250Aおよび250Bの電気信号伝搬の相対差を補正するためにタイミング較正を使用することとによって、第1の行程230Aおよび第2の行程230Bの長さL1およびL2を推定するために、TOF測定が使用されてもよい。
検出器素子250Aおよび250Bは、第1の到着240Aおよび第2の240Bが検出されると、たとえば、到着時間、エネルギーデータ、および位置データを含む、PETデータを発生するように構成される。このPETデータは、次いで、線源210内の活性レベルの空間分布の断層撮影画像再構成のために使用されてもよい。検出器素子250Aおよび250Bは、図1A中の非限定的な例によって示されているように、検出器モジュール中の素子のアレイ内の素子であってもよい。複数のそのような検出器モジュールは、図2A中の非限定的な例によって示されているように、線源210を囲むように配列されてもよい。いくつかの実施形態では、検出器素子250Aおよび250Bなどの検出器モジュールは、線源210を連続的に囲むように他の検出器モジュールアレイに配列される(たとえば、検出器モジュールの囲い)。この事例では、エネルギーは、検出器モジュールのピクセル化されたアレイのチャネルの間で共有される。他の実施形態では、検出器モジュールは連続ではなく、したがって、検出器モジュール間のシンチレーション光の漏れは可能性が低くなる。しかしながら、それにもかかわらず、ガンマ線のエネルギーは、シンチレーション光が、第1の検出器モジュールと連続していない第2の検出器モジュールに対して生起した、第1の検出器モジュールからシンチレーション光が漏れる可能性が低くても、コンプトン散乱を介して非連続な検出器モジュール間で共有される。
図2Bは、飛行時間(TOF)PETシステム260の非限定的な例である。TOF PETシステム260は、撮像のために使用される較正されたTOF PETシステムの適用例を示す。システム260は、図2Aと同じイベントを示し、さらに、消滅イベントの推定位置の決定を表す。推定位置の統計的分布の分散は、測定された時間差Δtmeasが決定される精度によって制限される。図2Bによって参照されるシステム260は、(図2Aに示された)消滅のLORに沿った位置を決定するために、TOF解析を使用するように構成される。
システム260は、ある確率で検出器素子250Aおよび250Bにおける光子の第1の到着240Aおよび第2の到着240Bの位置が特定される、TOF差265を推定するように構成された処理回路を含んでもよい。したがって、TOF差265は、LOR230Aおよび230Bに沿った消滅イベント220のポイントの尤度に関する情報を含む。たとえば、TOF差は、検出器素子250Aおよび250Bにおけるガンマ線の第1の到着240Aおよび第2の到着240Bのタイミングに基づいてもよい。TOF解析の詳細は当分野において知られており、したがって、さらなる詳細については本明細書では説明を省略する。
システム260の処理回路は、消滅イベント220の位置特定解析を改善するために、および検出器素子250Aと検出器素子250Bとの間の相対電気信号遅延などの検出器モジュールのタイミングをより効果的に較正するために使用される。
図2Cは、単一源285とマルチチャネル検出とを使用してタイミング較正が実施されるPETシステム280の非限定的な例である。図2Cは、いくつかのシングルチャネル検出イベントといくつかのマルチチャネル検出イベントとを生じる単一源285を示す。マルチチャネル検出は、TOF PETシステムの較正のために使用される。ここでは、マルチチャネル検出の非限定的な例としてコンプトン散乱が使用されるが、当業者によって理解されるように、本明細書で提供されるタイミング較正方法の趣旨から逸脱することなく、マルチチャネル検出の他のモードが使用されてもよい。
タイミング較正は、PETシステム280の較正の多くの検出器モジュールと重複する(2つの破線間のエリアとして図示された)広幅ビームのほうへガンマ線を放出する単一源285を使用して実施される。放出されたガンマ線は、単一源285から、検出器モジュールの環状リングに配列された検出器素子250Aおよび250Bのほうへ放射する破線として図示されている。放出されたガンマ線は検出器モジュールに到着し、そこで、それらのガンマ線は、吸収され、シンチレーション光子のパルスに変換される。シンチレーション光子は、次に、電流/電圧パルスを発生するために光検出器によって光電子に変換される。
図2Cは、陽電子放出源とは対照的に、単一源285を使用してタイミング較正データを発生することの一例を示す。時々、ガンマ線の到着はコンプトン散乱によって複雑にされ、その結果、入射ガンマ線のエネルギーの一部のみが第1のシンチレータ結晶中に堆積され、残りのエネルギーは、散乱ガンマ線として第1のシンチレータ結晶を励起し、散乱ガンマ線は、次いで、第2の検出器素子の第2のシンチレータ結晶に吸収される。図2Cでは、1次ガンマ線ビームによる検出器モジュールの照射がイベント(A)として示され、単一源285からのガンマ線の吸収/検出がイベント(B)として示され、コンプトン散乱がイベント(C)として示される。
イベント(A)において、単一源285は、複数の検出器モジュールの方向にガンマ線を放出する。単一源285は、陽電子放出において発生される511keVエネルギーよりも高いエネルギーを有するガンマ線をもつ放射線源を含むことができる。たとえば、単一源285は、662keVのエネルギーをもつガンマ線を生成するセシウム同位体137(Cs−137)の1つ以上の要素を使用することができる。Cs−137のこれらの要素は、ビーム内でガンマ線のほぼ均一な束密度を作り出すように配列されてもよい。いくつかの実施形態では、ビームは、コーンビームであってもよく、またはすべての4πステラジアンに同位体的に放射することができる。Cs−137によって生成される662keVのエネルギーをもつガンマ線は、陽電子放出放射線源によって生成される511keVガンマ線よりも高い。複数の要素の代わりに、(一般に「フラッドソース」として知られる)実質的に均一な分布された線源が使用されてもよい。使用される可能性のある他のガンマ線源は、たとえば、(1.17MeVおよび1.33MeVガンマ線を生成する)コバルト同位体60を含む。
放射線源285は、例えば、長い半減期および比較的高いガンマ線エネルギーをもつ複数の低活性放射線源(たとえば、約30年の半減期を有するCs−137)を使用してもよい。放射線源285において使用されるべき放射線同位体の他の潜在的選択肢は、ゲルマニウム同位体68(0.74年の半減期をもち、511keVのガンマ線エネルギーをもつGe−68)、ナトリウム同位体22(2.6年の半減期をもち、511keVおよび1.275MeVのガンマ線エネルギーをもつNa−22)、およびコバルト同位体60(5.3年の半減期をもち、1.17MeVおよび1.33MeVのガンマ線エネルギーをもつCo−60)などが挙げられる。放射線源285のより高いガンマ線エネルギーは、本明細書で説明されるように、コンプトン散乱中に様々な検出器素子中に堆積されるエネルギーが、陽電子放出によって発生される511keVエネルギーの前後のエネルギーの大きい範囲をカバーすることを生じ、タイムウォークによる時間シフトのより完全な較正を可能にする。
イベント(B)において、放出されたガンマ線は、検出器モジュールのうちのいくつかに到着する。放出されたガンマ線の到着は、シングルチャネル検出(図2C中の上部の2つの検出イベント)、またはマルチチャネル検出(図2C中の下部の検出イベント)を生じる。マルチチャネル検出では、2つ以上のチャネル(すなわち、2つまたはそれ以上の検出器素子)間で単一のガンマ線からのエネルギーが共有される。これらの2つ以上の検出器素子は、単一の検出器モジュール内にあるか、または複数の検出器モジュールの間で分布してもよい。たとえば、第1のガンマ線が第1の検出器素子に到着した場合、第1のガンマ線は、コンプトン散乱を介して散乱ガンマ線を発生し、散乱ガンマ線は、第1の検出器素子を出て、第2の検出器素子において吸収および検出される可能性がある。散乱ガンマ線が1つ以上の追加の散乱ガンマ線を生じるとき、より高次の散乱が起こり、それらの追加の散乱ガンマ線は、次いで、第3の、さらには第4の検出器素子において検出される可能性もある。
イベント(C)において、特定のガンマ線が、特定の検出器モジュールに到着し、散乱ガンマ線を別の検出器モジュールのほうへ放出させ、検出されて、散乱検出器モジュールにおいて発生された単一のパルスとほとんど同時に信号パルスを発生する。
図3A、図3B、および図3Cは、(ガンマカメラとも呼ばれる)ガンマ線検出器のいくつかの非限定的な実施形態を示す。図3Aでは、シンチレータ結晶は、単一のモノリシックブロックであり、ここでは光電子増倍管(PMT)として示される光検出器のアレイによって検出される2次光子にガンマ線光子を変換するシンチレーションイベントの位置である。シンチレーションイベントの位置は、アンガーロジックを使用して決定される。
図3Bでは、シンチレータは、結晶アレイの個々の素子間の反射壁によって分離され、光学的に隔離された、別個の結晶の周期的なアレイに切り分けられる。ブロック中の結晶間のこの光学的隔離は不完全であり、隣接する結晶間での若干の光共有がなされることがある。光検出器がPMTであるとき、隣接する結晶間での光共有は、結晶を出た後に起こる光共有と比較して小さくなることがあり、その場合、シンチレーションイベントは、位置を近似的に決定するためにアンガーロジックを使用し、次いで、アンガーロジックを使用して計算された近似位置を結晶アレイのそれぞれのインデックスにマッピングするルックアップテーブルを発生するためにフラッドマップ較正を使用して、アレイの個々の素子間で区別される。
図3Cでは、各結晶素子からの光が、それぞれのシリコン光電子増倍管(SiPM)によって検出される。各結晶がそれ自体の光検出器を有する状態にあると、光検出器の間での光共有が低減される。さらに、それ自体の光検出器を有する各結晶は、単一の検出モジュール内の異なる結晶において起こる同時のシンチレーションイベント間の弁別を可能にすること(たとえば、隣接する結晶の間のコンプトン散乱を弁別すること)によって、向上した分解能を生じることができる。
何年もの間、PMTは、PETのための光検出器として最も一般的に使用されてきた。PMTは、印加電界を通して加速され、ダイノードのカスケードと相互作用することによって増幅される、光電子への入射光の変換を可能にする仕事関数をもつ光電陰極材料を有する真空管である。得られた電流は、初期シンチレーション光子の数に比例し、したがって、ガンマ線によってシンチレーション結晶中に堆積されるエネルギーに比例する。
シンチレータブロックをセグメント化すること、および複数の光検出器を使用することは、(たとえば、多くの小さいSiPMを使用して、またはPMTとともにアンガーロジックを使用して)ガンマ線の検出位置をより容易にすることができる。図3Bおよび図3Cでは、サイズが数ミリメートルである小さい個々のシンチレーション結晶が、複数の光検出器に結合される可能性があるブロック/モジュールに緊密に詰められる。アンガーロジックでは、消滅光子の相互作用位置は、光検出器中の相対信号を比較することによって決定され、これは、発散シンチレーション光子信号により相対的な光共有によって決定される。計算された位置は、次いで、フラッドマップ較正ルックアップテーブルに基づいて光子が割り当てられた、結晶素子を決定する。
図4は、第1の結晶中でコンプトン散乱を受け、その結果、残りのエネルギーが第2の結晶中に堆積されることになる、入射ガンマ線の非限定的な例を示す。第1および第2の結晶は、次いで、それぞれ光電吸収を介して2次光子を生成し、その結果、対応するSiPMが第1および第2のエネルギー信号を発生する。散乱角は小さく、第1のエネルギー信号中のエネルギーは、第2のエネルギー信号中のエネルギーよりも小さい。第1および第2のパルスの形状が同じであり、それらの大きさが異なる場合でも、図5に示されるように、パルスの立上りエッジが、予め決定された値をいつ超えたのかに到着時間が基づくときに生じるタイムウォークにより、2つの信号は、異なる時間に起こったとして登録される可能性がある。
図5は、異なる大きさをもつが同じ形状をもつ2つのパルス(第1の信号パルス530および第2の信号パルス540)が、タイムウォークによる時間シフトの結果として、異なる時間に到着したとして登録される、非限定的な例を示す。図5では、プロット500は、異なる大きさをもつ2つの同時に到着する第1の信号パルス530および第2の信号パルス540のための、時間(横軸)の関数としてプロットされた電圧振幅(縦軸)を示す。すなわち、プロット500は、信号振幅510対時間520を示す。プロット500は、さらに、第1の信号パルス530と第2の信号パルス540とを含む。プロット500では、第1の信号パルス530は、第2の信号パルス540の信号ピーク高さよりも低い信号ピーク高さを有する。
第1の信号パルス530と第2の信号パルス540との異なる大きさの結果として、第1の信号パルス530と第2の信号パルス540とは、同時に到着したにもかかわらず、異なる時間に起こったとして記録される。記録された到着時間間の差は、それらのそれぞれの信号振幅の立上りエッジが、異なる時間に振幅しきい値515を超えることから生じる。たとえば、第1の信号530は、第1のしきい値時間535において振幅しきい値515に達し、第2の信号は、第2のしきい値時間545において振幅しきい値515に達する。第1のしきい値時間535は、第2のしきい値時間545のそれよりも大きい(遅い)ので、記録された到着時間は、タイムウォーク550による時間シフトを含む。
図6は、タイムウォークによる時間シフトがガンマ線の記録されたエネルギーの関数として計算される、タイムウォークパラメータ化600の非限定的な例である。たとえば、信号パルス(たとえば、信号パルス530)のためのガンマ線エネルギー(たとえば、振幅610)は、信号曲線下積分面積、信号パルスのピーク高さ、しきい値超過時間量、またはガンマ線のエネルギーに単調に関係する他の測定された量に基づいてもよい。タイムウォークパラメータ化600は、たとえば、関数形式と経験的に導出された量(すなわち、パルスの測定された時間シフトおよびエネルギー)との間の誤差関数(たとえば、平均二乗誤差(RMS))を最小にする係数を選択することによる、予め決定された関数形式を曲線適合(カーブフィッティング)することに基づいてもよい。代替的に、タイムウォークパラメータ化600は、タイムウォーク値による時間シフトがそこから補間/外挿され得る、経験的に測定された値のルックアップテーブルであってもよい。
図6では、タイムウォークパラメータ化600は、タイムウォーク対振幅の最良適合関数のプロットとして示される。詳細には、タイムウォークパラメータ化600は、(ナノ秒単位の)タイムウォーク605対振幅610のグラフに沿った適合された曲線620を使用してパラメータ化された、経験的に測定されたデータポイント615を含む。
いくつかの実施形態では、タイムウォークパラメータ化600は、エネルギーが無限大に接近するとき、0の限界を有する。いくつかの実施形態では、タイムウォークパラメータ化600は、一定のオフセット+エネルギーが無限大に接近するにつれて0に接近する関数の関数形式を使用してパラメータ化され、したがって、ガンマ線のエネルギーが511keVであるとき、タイムウォークパラメータ化600は0のオフセットを生じる(つまり、タイムウォークによる時間シフトが生じない)。たとえば、タイムウォークパラメータ化は、式630A、すなわち、式(1)に示すような関数形式に対する曲線適合によって実現される。
ここにおいて、α、β、およびγは、曲線適合を最適化するように調整される係数/パラメータである。
なお、別の例では、タイムウォークパラメータ化は、式630B、すなわち、式(2)に示すような関数形式に対する曲線適合によって実現されてもよい。
なお、本明細書で説明される方法の趣旨から逸脱することなく、タイムウォークパラメータ化のために他の関数形式が使用されてもよい。
図7は、マルチチャネルイベントを使用するPETデータの時間較正と、較正されたPETデータを使用してPET画像再構成するための非限定的な方法700のフローチャートを示す。方法700は、1つ以上のコンピュータなどの処理回路を含む、PETシステムまたはTOF PETシステムなどのPET撮像装置によって実施される。処理回路は、例えば、第1の取得機能、決定機能、第1の較正機能、第2の取得機能、第2の較正機能、グループ化機能および再構成機能を含む。
ステップ710において、処理回路は、例えば第2の取得機能により、陽電子放出源からPETデータ704を取得し、前処理する。たとえば、処理回路は、線源210中で起こったそれぞれの陽電子放出からの同時計数ペアに対応する検出イベントの(i)到着時間、(ii)エネルギーデータ、および(iii)位置データを表すPETデータ704を取得する。検出イベントは、複数の検出器素子およびモジュールにおいて検出され、検出器モジュールの各々は、2つ以上のチャネル(すなわち、検出器素子)を含んでもよい。
ステップ720において、処理回路は、例えば第1の取得機能により、較正データを取得する。処理回路は、例えば決定機能により、検出されたガンマ線のうちのどれがマルチチャネルイベントに対応するかを決定し、次いで、検出されたガンマ線をそれらのそれぞれのマルチチャネルイベントに従ってグループ化するために、単一源(たとえば、不対ガンマ線源)からの較正データ702をフィルタ処理/処理する。較正データ702は、PETデータ704を検出するために使用される同じ複数の検出器素子によって検出された、単一源からのガンマ線の到着時間、エネルギーデータ、および位置データを含むことができる。その上、タイミング較正の発生は、PETデータ704を発生するためのPETスキャンに先立って実施されてもよく、タイミング較正は、1回実施され、多くの別個のPETスキャンとともに後で使用するために記憶される。
たとえば、処理回路は、例えばグループ機能により、マルチチャネルイベントを確立するために、時間ウィンドウとエネルギーウィンドウとに基づいて、較正データ702をグループ化する処理(フィルタ処理)する。たとえば、単一源がCs−137を使用するとき、足して約662keVになる信号が同じマルチチャネルイベントに対応する可能性が高い。さらに、時間的に互いにより近接して起こった信号が同じマルチチャネルイベントに対応する可能性が高く、空間的に互いにより近接して起こった信号が同じマルチチャネルイベントに対応する可能性が高い。その上、上記の条件の3つすべてがすべて満たされるとき、信号は、同じマルチチャネルイベントに対応する可能性がさらに高い。したがって、信号をマルチチャネルイベントにグループ化するための処理は、検出の時間、エネルギー、および位置を考慮に入れる多変量統計解析を使用して実施されてもよい。「マルチチャネルイベント」という用語は、入射ガンマ線エネルギーからのエネルギーが、同じまたは異なる検出器モジュールの2つまたはそれ以上のチャネルの間で共有されるときを指す。
処理回路は、特定の検出器モジュールの2つ以上のチャネルが3つ以上のチャネルを含むかどうか(たとえば、2次またはより高次のコンプトン散乱が起こったとき)を決定する。いくつかの実施形態では、1次散乱のみがタイミング較正のために使用され、より高次の散乱に関するマルチチャネルイベントは廃棄される。すなわち、予め定義された数を超える数の散乱に関するマルチチャネルイベントは、タイミング較正に使用しない。
なお、他の実施形態では、1次散乱とより高次の散乱の両方のためのマルチチャネルイベントが、タイミング較正のために使用されてもよい。
マルチチャネルイベントの各々について、処理回路は、検出器素子における2つのヒットの対に対応するデータを識別してもよい。検出器チャネルの検出信号である各ヒットが、時間(t)、位置(x)、およびエネルギー(E)のための量を含む。したがって、2つのヒットがある場合、第1および第2の時間(すなわち、t1およびt2)、第1および第2の位置(すなわち、x1およびx2)、ならびに第1および第2のエネルギー(すなわち、E1およびE2)が存在する。
ステップ730において、処理回路は、例えば第1の較正機能により、タイミング較正732を実行するために、マルチチャネルイベントに対して統計解析を実施する。この統計解析は、ともにタイミング較正732を備える、タイムウォークパラメータ化と、PETシステムの検出器素子のすべての間の相対信号遅延オフセットとの両方を同時に決定することを含むことができる。タイミング較正732は、マルチチャネルイベントのすべてに対して統計解析を実施することによって決定される。たとえば、この統計解析は、較正された時間オフセットおよびタイムウォークと、マルチチャネルイベントのための測定された時間、エネルギー、および位置の値との間の一致を表す目的関数を最小にすることによって実施されてもよい。言い換えれば、目的関数が大域的最小点に接近するように反復探索が実施され、予め定義された探索基準を満たしたときに、反復探索を停止する。その結果、較正された時間オフセットおよびタイムウォークがそれらの真値により近接するにつれて、目的関数は0へ向かう。したがって、正しいタイミング較正は、目的関数を最小にするために凸最適化を使用して取得される。次いで、最適化されたタイミング較正732は、コンピュータ可読メモリに記憶され、そこから呼び戻され、PETスキャンにおける同時計数ペアのタイミング情報(すなわち、PETデータ704)を補正するために使用される。
いくつかの実施形態では、目的関数は、式(3)で表現されるカイ2乗の形式をとることができる。
ここにおいて、項「σ(x,E)」は、位置およびエネルギーにおける不確実性を表す。たとえば、σ(x,E)は、所与の検出器素子のための位置およびエネルギーの固有分解能に基づくことができる。いくつかの実施形態では、位置およびエネルギーに依存する固有分解能の一般的な形式を式(4)に示す。
項ΔT(t1,x1,E1,t2,x2,E2)は、マルチチャネル検出イベント間の測定された時間差間の不一致であり、「tn」、「xn」、および「En」は、それぞれ、マルチチャネル検出イベントのn番目の検出イベントの時間、位置、およびエネルギーを指す。このタイミング不一致ΔTは、非限定的であり、2チャネルイベントの場合を例示するにすぎない。ただし、本明細書で説明される方法の趣旨から逸脱することなく、より高次のマルチチャネルイベントを使用する目的関数も使用されてもよい。時間オフセットおよびタイムウォークに関する較正値間の不一致が、測定された時間差をより厳密に近似するにつれて、タイミング不一致ΔTは0のほうへ向かうことになる。たとえば、不一致は、式(5)で表される。
ここにおいて、「Δtoffset(xn)」は時間オフセット(たとえば、検出器素子および信号経路の伝搬遅延)を指し、「Δtwalk(xn,En)」はタイムウォークを指し、「c」は光速を指し、「ΔL(x1,2)」は、x1における第1の検出器素子からx2における第2の検出器素子までの経路長を指す。タイムウォークのパラメータ化は上記に示すとおりである。項ΔL(x1,2)は、時間ΔL/cが検出器素子のタイミング精度よりも小さいとき、省略されてもよい。さらに、項ΔL(x1,2)は、第1の検出器素子(たとえば、1次ガンマ線が入る検出器素子)が第2の検出器素子(たとえば、散乱ガンマ線が検出される検出器素子)から明確にされ得ないとき、省略されてもよい。すなわち、有効経路長ΔL(x1,2)は、第1の検出器と第2の検出器との間の距離である。光が第1の検出器から第2の検出器まで進むための時間が、検出器の固有時間分解能と比較して無視できる場合、この項は省略されてもよい。2つの検出器が遠く離れている場合、ΔL(x1,2)項が適切な補正を与えるために、検出の順序(すなわち、どちらの検出器が第1であり、どちらが第2であるか)が決定されなければならない。
同じマルチチャネル検出に対応する2つの結晶について、どちらの結晶が第1であり、どちらが第2であるかの順序は、2つの方法のうちの1つによって、または組合せで使用される両方の方法によって決定されてもよい。
2つの方法のうちの第1の方法では、2つの検出器の時間差がそれらの時間不確実性と比較して十分大きい場合、それらの検出時間が、順序を決定するために使用される。
2つの方法のうちの第2の方法では、2つの検出器が線源までの差分距離を有する場合(非対称性レイアウト)、順序は、検出器素子のエネルギー分解能が十分であるとすれば、コンプトン散乱の運動学によって決定される。たとえば、分散ガンマ線中のエネルギーの割合は、散乱角θに依存し、出射ガンマ線と入射ガンマ線との波長間の差である「コンプトンシフト」によって与えられ、これは、式(6)で表される。
ここにおいて、λは、1次(すなわち、入射)ガンマ線の波長であり、λ’は、散乱ガンマ線の波長であり、hはプランク定数であり、mは電子静止質量であり、cは光速であり、θはガンマ線の散乱角である。エネルギーは、プランク定数hによって波長と逆関係にあり、すなわち、E=h/λである。2つの検出器が遠く離れているが、順序が明確に決定されない場合、その特定のマルチチャネルイベントは較正データ702から省略されてもよい。
いくつかの実施形態では、タイムウォークΔtwalkおよび(「時間オフセット」とも呼ばれる)相対信号経路遅延Δtoffsetは、タイムウォークと相対経路遅延との両方を一緒に考慮する目的関数を使用して同時に最適化される。他の実施形態では、タイムウォークおよび相対信号経路遅延は別々に最適化されてもよく、タイムウォークおよび相対信号経路遅延のうちの1つが最初に最適化され、次いで、これらのうちの最初のものが設定されると、これらのうちの他のものが最適化される。さらに、いくつかの実施形態では、タイムウォークは、エネルギーに依存するが、位置に依存しないことがある(たとえば、Δtwalk(En))。その場合、時間オフセットΔtoffsetはエネルギー非依存であり、タイムウォークΔtwalkはエネルギー依存であるので、これらの2つの部分は、分離され、別々に較正されてもよい。
いくつかの実施形態では、目的関数が反復的に更新されており、時間較正が改善されるとき、改善されたタイミング較正が、マルチチャネルイベントを決定するために、較正データ702をより良くフィルタ処理するために使用されてもよい。たとえば、改善されたタイミング較正によって、単一のガンマ線の実際のマルチチャネル検出を、偶然に時間的に互いに近接して起こった2つの別個のガンマ線の検出と弁別するために、より小さい時間ウィンドウを使用することができる。すなわち、図7は、改善されたタイミング較正を、ステップ720におけるマルチチャネルイベント弁別に反復的にフィードバックし、次いで、さらにより良いタイミング較正を発生するために、更新されたマルチチャネルイベントを使用することが任意であることを示す、ステップ730からステップ720への点線を示す。
ステップ740において、処理回路は、例えば第2の較正機能により、PETデータ704の同時計数時間を補正するために、タイミング較正732を使用する。
ステップ750において、処理回路は、例えば再構成機能により、補正されたPETデータを使用して、PET画像を再構成する。
図8Aおよび図8Bは、方法700を実装することができるPETスキャナ800の非限定的な例を示す。PETスキャナ800は、矩形検出器モジュールとして各々構成されたいくつかのガンマ線検出器(GRD)(たとえば、GRD1、GRD2〜GRDN)を含む。一実施形態によれば、検出器リングは40個のGRDを含む。別の実施形態では、48個のGRDがあり、PETスキャナ800のためのより大きいボアサイズを作り出すために、より多くの数のGRDが使用される。
各GRDは、ガンマ放射線を吸収し、シンチレーション光子を放出する、個々の検出器結晶の2次元アレイを含むことができる。シンチレーション光子は、同じくGRDに配列された光電子増倍管(PMT)の2次元アレイによって検出される。検出器結晶のアレイとPMTのアレイとの間に光ガイドが配設される。
代替的に、シンチレーション光子は、シリコン光電子増倍管(SiPM)アレイによって検出されてもよく、各個々の検出器結晶は、それぞれのSiPMを有することができる。
各光検出器(たとえば、PMTまたはSiPM)は、シンチレーションイベントがいつ起こったのかと、検出イベントを生成するガンマ線のエネルギーとを示すアナログ信号を生成することができる。その上、1つの検出器結晶から放出された光子が2つ以上の光検出器によって検出されてもよく、各光検出器において生成されたアナログ信号に基づいて、検出イベントに対応する検出器結晶が、たとえば、アンガーロジックおよび結晶復号を使用して決定されてもよい。
図8Bは、対象物OBJから放出されたガンマ線を検出するように配列されたガンマ線光子計数検出器(GRD)を有するPETスキャナシステム800の概略図を示す。GRDは、各ガンマ線検出に対応するタイミング、位置、およびエネルギーを測定することができる。一実施形態では、ガンマ線検出器は、図8Aおよび図8Bに示されているように、リングに配列される。検出器結晶は、2次元アレイに配列された個々のシンチレータ素子を有するシンチレータ結晶であってもよく、シンチレータ素子は、任意の知られているシンチレーティング材料でもよい。PMTは、シンチレーションイベントのアンガーロジックおよび結晶復号を可能にするために各シンチレータ素子からの光が複数のPMTによって検出されるように配列されてもよい。
図8Bは、撮像されるべき対象物OBJがテーブル816上に載置され、GRDモジュールGRD1〜GRDNが対象物OBJおよびテーブル816の周りに円周方向に配列された、PETスキャナ800の構成の一例を示す。GRDは、ガントリ840に固定式に接続された円形構成要素820に固定式に接続される。ガントリ840は、PETイメージャの多くの部分を格納する。PETイメージャのガントリ840はまた、対象物OBJとテーブル816とが通ることができる開放開口を含み、消滅イベントにより対象物OBJとは反対方向に放出されたガンマ線がGRDによって検出され、タイミングおよびエネルギー情報が、ガンマ線対のための同時計数を決定するために使用される。
図8Bでは、ガンマ線検出データを収集、記憶、処理、および配信するための回路およびハードウェアも示されている。回路およびハードウェアは、プロセッサ870と、ネットワークコントローラ874と、メモリ878と、データ収集システム(DAS)876とを含む。PETイメージャはまた、GRDからDAS876、プロセッサ870、メモリ878、およびネットワークコントローラ874に検出測定結果をルーティングするデータチャネルを含む。データ収集システム876は、検出器からの検出データの収集、デジタル化、およびルーティングを制御することができる。一実施形態では、DAS876はテーブル816の移動を制御する。プロセッサ870は、本明細書で説明されるように、検出データから画像を再構成することと、検出データの前再構成処理と、画像データの後再構成処理とを含む機能を実施する。
プロセッサ870は、本明細書で説明される方法700の様々なステップおよびそれらの変形形態を実施するように構成される。プロセッサ870は、個別論理ゲートとして、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)として実装されるCPUを含むことができる。FPGAまたはCPLD実施形態は、VHDL、Verilog、または任意の他のハードウェア記述言語でコード化され、コードは、直接FPGAまたはCPLD内のまたは別個の電子メモリとしての電子メモリに記憶される。さらに、メモリは、ROM、EPROM、EEPROM(登録商標)またはフラッシュメモリなどの不揮発性であってもよい。メモリはまた、スタティックまたはダイナミックRAMなどの揮発性であり、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどのプロセッサは、電子メモリならびにFPGAまたはCPLDとメモリとの間の相互作用を管理するために与えられる。
代替的に、プロセッサ870中のCPUは、方法700の様々なステップを実施するコンピュータ可読命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行することができ、そのプログラムは、上記で説明された非一時的電子メモリおよび/あるいはハードディスクドライブ、CD、DVD、フラッシュドライブまたは任意の他の知られている記憶媒体のいずれかに記憶される。さらに、コンピュータ可読命令は、米国のIntel(登録商標)からのXenon(登録商標)プロセッサまたは米国のAMDからのOpteronプロセッサなどのプロセッサ、ならびにMicrosoft(登録商標) VISTA(登録商標)、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple、MAC−OSおよび当業者に知られている他のオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムとともに実行する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、またはオペレーティングシステムの構成要素、あるいはそれらの組合せとして与えられてもよい。さらに、CPUは、命令を実施するために並列に協働的に動作する複数のプロセッサとして実装され得る。
メモリ878は、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、フラッシュドライブ、RAM、ROMまたは当技術分野において知られている任意の他の電子記憶装置でありえる。
米国のIntel CorporationからのIntel Ethernet(登録商標) PROネットワークインターフェースカードなどのネットワークコントローラ874は、PETイメージャの様々な部分間をインターフェースすることができる。さらに、ネットワークコントローラ874はまた、外部ネットワークとインターフェースすることができる。諒解されるように、外部ネットワークは、インターネットなどの公衆ネットワーク、あるいはLANまたはWANネットワークなどのプライベートネットワーク、あるいはそれらの任意の組合せであってもよく、PSTNまたはISDNサブネットワークをも含むことができる。外部ネットワークはまた、イーサネット(登録商標)ネットワークなどのワイヤードであってもよく、またはEDGE、3Gおよび4Gワイヤレスセルラーシステムを含むセルラーネットワークなどのワイヤレスであってもよい。ワイヤレスネットワークはまた、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、または知られている通信の任意の他のワイヤレス形態であってもよい。
加えて、実施形態に係る各機能は、前記処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに前記手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、良好なタイミング較正を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 検出器モジュール
110,250A,250B 検出器素子
112 上部表面
114 下部表面
116a 側面
116b 側面
200,260,280 PETシステム
210 線源
220 消滅イベント
230A 第1の行程
230B 第2の行程
240A 第1の到着
240B 第2の到着
265 TOF差
285 単一源
500 プロット
510 信号振幅
515 振幅しきい値
520 時間
530 第1の信号パルス
535 第1のしきい値時間
540 第2の信号パルス
545 第2のしきい値時間
550,605 タイムウォーク
610 振幅
615 データポイント
620 曲線
800 PETスキャナ
810 PETスキャナシステム
816 テーブル
820 円形構成要素
840 ガントリ
870 プロセッサ
874 ネットワークコントローラ
876 データ収集システム
878 メモリ
GRD1〜GRDN GRDモジュール

Claims (16)

  1. 第1の線源からの放射線が複数の検出器素子において検出されたときの、それぞれの時間、エネルギーおよび位置を表す較正データを取得する第1取得部と、
    前記取得された較正データから、放射線のエネルギーが前記複数の検出器素子のうちの2つ以上で共有および検出されることを示すマルチチャネル検出に対応する較正データを決定する決定部と、
    前記マルチチャネル検出に対応する較正データ中のタイミング較正に関する目的関数を最適化することによって、前記複数の検出器素子の前記タイミング較正を行う第1較正部と、
    を具備するPET装置。
  2. 陽電子放出源である第2の線源からの放射線が前記複数の検出器素子において検出されたときの、それぞれの時間、エネルギーおよび位置を表すPETデータを取得する第2取得部と、
    時間が較正されたPETデータを生成するために、前記PETデータ中の同時計数ペアの時間情報を較正する第2較正部と、
    をさらに具備する請求項1に記載のPET装置。
  3. 各マルチチャネル検出について、空間的に互いに近接して発生すること、時間的に互いに近接して発生すること、および加算して前記放射線の予め定義されたエネルギーになることのうちの1つ以上を満たす2つ以上の放射線検出を選択することによって、前記マルチチャネル検出に対応する前記放射線検出をグループ化するグループ化部をさらに具備し、
    予め定義された数を超える数の放射線検出を含むマルチチャネルイベントは、前記タイミング較正に使用しない、請求項1に記載のPET装置。
  4. 前記第1較正部は、前記複数の検出器素子の信号経路の間の相対時間オフセットを考慮する目的関数を使用して、前記複数の検出器素子の前記タイミング較正を行う、請求項1に記載のPET装置。
  5. 前記第1較正部は、前記取得された較正データの前記エネルギーの差による時間シフトを表すタイムウォークを考慮する目的関数を使用して、前記複数の検出器素子の前記タイミング較正を行う、請求項4に記載のPET装置。
  6. 前記第1較正部は、
    前記目的関数を大域的最小点に接近させる前記時間オフセットとタイムウォークパラメータ化とを反復的に探索し、
    予め定義された探索基準を満たしたときに、前記反復的に探索することを停止することによって前記目的関数を最適化する、請求項5に記載のPET装置。
  7. 前記目的関数はカイ2乗の関数である、請求項1に記載のPET装置。
  8. 前記第1較正部は、
    各マルチチャネルイベントについて、放射線検出が起こった順序を決定し、
    前記決定された順序に基づいて、前記各マルチチャネルイベントの、前に起こった放射線検出から後に起こった放射線検出までの放射線の伝搬時間を決定し、
    前記タイミング較正を決定し、
    前記伝搬時間の大きさが予め定義されたタイミング分解能しきい値を超えるとき、前記目的関数が、前記各マルチチャネルイベントの、前記前に起こった放射線検出から前記後に起こった放射線検出までの前記放射線の前記伝搬時間を考慮する、請求項1に記載のPET装置。
  9. 前記決定部は、時間ウィンドウおよびエネルギーウィンドウのうちの1つ以上に基づいて、前記較正データをフィルタ処理することによって、前記較正データの前記放射線検出のうちのどれがマルチチャネル検出に対応するかを決定する、請求項1に記載のPET装置。
  10. 前記較正データの前記それぞれの時間を補正するために前記タイミング較正を使用した後に、前記較正データの前記放射線検出のうちのどれが前記マルチチャネルイベントに対応するかの決定を更新し、
    前記放射線検出のうちのどれが前記マルチチャネルイベントに対応するかの前記更新された決定に基づいて、前記タイミング較正を更新することによって、
    前記タイミング較正を前記決定することと、前記放射線検出のうちのどれが前記マルチチャネルイベントに対応するかを前記決定することとを繰り返す、請求項1に記載のPET装置。
  11. 前記タイムウォークが、予め定義された関数中の係数によってパラメータ化される、請求項5に記載のPET装置。
  12. 前記タイムウォークは、前記関数αe-E/γ−βおよびα/Eγ−βのうちの1つにおける前記係数α、β、およびγによってパラメータ化され、
    Eは、前記較正データの前記複数のエネルギーのそれぞれのエネルギーである、請求項11に記載のPET装置。
  13. 前記時間が較正されたPETデータを使用して、PET画像を再構成する再構成部をさらに具備する、請求項1に記載のPET装置。
  14. 陽電子放出源からの放射線を検出し、時間および位置を含むPETデータを発生する複数の検出器素子と、
    前記陽電子放出源とは異なる第1の線源からの放射線が前記複数の検出器素子において検出されたときの、それぞれの時間、エネルギーおよび位置を表す較正データを取得する取得部と、
    前記取得された較正データから、放射線のエネルギーが前記複数の検出器素子のうちの2つ以上で共有および検出されることを示すマルチチャネル検出に対応する較正データを決定する決定部と、
    前記マルチチャネル検出に対応する較正データ中のタイミング較正に関する目的関数を最適化することによって、前記複数の検出器素子の前記タイミング較正を行う第1較正部と、を具備するPET装置。
  15. 放射線が複数の検出器素子において検出されたときの、それぞれの時間および位置を表す較正データを取得し、
    前記較正データから、放射線のエネルギーが前記複数の検出器素子のうちの2つ以上で共有および検出されることを示すマルチチャネル検出に対応する較正データを決定し、
    前記マルチチャネル検出に対応する較正データ中のタイミング較正に関する目的関数を最適化することによって、前記複数の検出器素子の前記タイミング較正を行う、
    PET方法。
  16. コンピュータを、
    第1の線源からの放射線が複数の検出器素子において検出されたときの、それぞれの時間、エネルギーおよび位置を表す較正データを取得する第1取得手段と、
    前記取得された較正データから、放射線のエネルギーが前記複数の検出器素子のうちの2つ以上で共有および検出されることを示すマルチチャネル検出に対応する較正データを決定する決定手段と、
    前記マルチチャネル検出に対応する較正データ中のタイミング較正に関する目的関数を最適化することによって、前記複数の検出器素子の前記タイミング較正を行う第1較正手段と、して機能させるためのPETプログラム。
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