JP2020090932A - 風力発電プラントの制御装置及びその制御方法 - Google Patents

風力発電プラントの制御装置及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数台の風力発電装置からなる風力発電プラントもしくは複数の風力発電プラント群において、風なり出力よりも発電出力を増加させた後に発生する発電出力の低下を緩和する。
【解決手段】出力増加が可能な予備力を、外部指令により制御可能な短期間出力増加機能を備えた複数の風力発電装置で構成される風力発電プラントの制御装置であって、出力増加可能な予備力を算出する予備力算出部と、接続される電力系統の周波数低下を検知する周波数検出部と、複数の風力発電装置または複数の風力発電プラントをグループ分けし、各グループの予備力と予備力出力時間とを定め、電力系統の周波数低下時に短期間出力増加機能に対して予備力を外部指令として異なる時刻に与えるとともに、各グループの予備力は先行する予備力により出力が増加している期間中に後行する予備力を与える発電出力増加指令算出器を備えることを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の風力発電装置により構成された風力発電プラント、又は複数の風力発電プラントにより構成された風力発電プラントの制御装置及びその制御方法であって、特に、風力発電プラント又は複数の風力発電プラント群が接続する電力系統の系統周波数が低下した際に、風力発電プラント又は複数の風力発電プラント群の発電出力を増加させる風力発電プラントの制御装置及びその制御方法に関する。
近年、地球温暖化対策の一つとして、発電運転時にCOを排出しない風力発電装置の導入が世界的に拡大している。風力発電装置は、費用対効果の観点から、一定の地域に複数台の風力発電装置を設け、大量の風力発電装置群を一括して運用する風力発電プラントとして設置されることが多くなっている。
風力発電プラントが接続する電力系統は、発電と消費の需給バランスを均衡に保つことで、50Hzもしくは60Hzの系統周波数で維持運用される。例えば、電力消費が大きくなる場合、原子力発電プラントや火力発電プラント等の同期発電機の回転運動による慣性エネルギーが消費されるため、系統周波数が低下する。そのような状況に対応するため、ガス火力発電プラントのように発電出力を数十秒という比較的短期間で増減できる発電プラントを、発電効率が良く、かつ、出力可能な最大の発電出力よりも、経済的に許容できる範囲で発電出力を下げた状態で運転させ、電力消費が大きくなる状況において発電出力を増加させる予備力として待機させることで、系統周波数を一定に維持することが行われている。
風力発電プラントは、発電出力が風速に依存するため、時々刻々と発電出力が変動する。このため、電力系統に風力発電プラントが大量に導入されると、発電と消費の需給バランスへの影響が大きくなる。そのような状況では、既設の原子力発電プラントや火力発電プラント(以下既設発電プラントという)は、電力消費の変動だけでなく、風力発電プラントの出力変動に対しても予備力を提供する必要がある。
然るに、過剰な範囲で発電出力を下げた状態で既設発電プラントを待機させることは既設発電プラントの経済性を著しく損ねることになる。さらに、これら既設発電プラントの予備力で充足しない場合、系統周波数の低下を抑制できず、同期発電機の回転数が低下する。そのような事象が発生した場合、タービンの機械的な共振現象による故障を防止するため、既設発電プラントは電力系統から解列する。既設発電プラントの解列により発電出力はさらに不足するため、既設発電プラントが連鎖的に解列し、電力系統が全域停電といった事象に発展する可能性がある。
このような事態を防止するため、風力発電プラントが系統周波数の低下時に発電出力を増加させる予備力を提供することが期待されている。
このような状況に対応するため、例えば、特許文献1には、風力発電装置の発電出力を予め制限して運転しておき、系統周波数が低下した場合に発電出力を増加させる風力発電プラントの制御技術が開示されている。
また、特許文献2には、風力発電プラントを含む再生可能エネルギー発電プラントにおいて、出力制御可能量の絶対値が出力制御目標量の絶対値を下回った場合に、出力制御可能量の上限に達していない再生可能エネルギー発電プラントの出力制御量を増加せることで、再生可能エネルギー発電プラント群の総和出力の変動を抑制する制御技術が開示されている。
特開2012−97596号公報 特開2016−19373号公報
特許文献1、特許文献2に記載された技術によれば、風力発電プラントは系統周波数の低下時に発電出力を増加させる予備力を提供することができる。
これに対し、風力発電プラントを運営する発電事業者は、発電電力を売電することで収益を得ている。このため、発電に適する風速が得られる状況下で、風速に応じた最大出力で風力発電プラントを運転せず、予め予期できない系統周波数の低下に備えて、風力発電プラントの発電出力を常時抑制しておくことは、発電事業の収益を悪化させるため、望ましくない。
また、系統周波数の維持は、電力系統全体での電力消費の増加に対応して発電出力を増加させる必要があるため、単機の風力発電装置の発電出力増加では不十分であり、複数台の風力発電装置からなる風力発電プラントもしくは風力発電プラント群が協調して発電出力を増加させる必要がある。このことは、風力発電プラントを運営する発電事業者が単独で行えることには限界があり、いうなれば複数の発電事業者の風力発電プラント群による協同、連携による運用を必要とすることを意味している。
さらに、風力発電装置が、風の流体エネルギーから変換できる発電出力以上の電力を出力するためには、翼の回転運動による慣性エネルギーや風力発電装置を構成する電力変換器に備わる平滑コンデンサ等の蓄電装置の電気エネルギーを、一時的に発電出力に変換する必要がある。
しかしながら慣性エネルギーの一時的な電力への変換は、翼の回転運動の低下、すなわち翼回転速度の低下となる。これは、翼が風の流体エネルギーを回転運動に効率良く変換できる空力動作点からの逸脱を意味する。また、電気エネルギーの一時的な電力への変換は、平滑コンデンサ等の蓄電装置の電圧低下となる。電力変換器は、半導体素子のスイッチング動作によって蓄電装置の電圧をパルス状に出力することで、蓄電装置の電圧によって出力できる最大電圧が制限されるものの、任意電圧波高で任意周波数の交流電圧を発生することができる。蓄電装置の電圧が低下すると、出力可能な電圧波高が制限されるため、電力変換装置が電気的に接続する発電機及び電力系統に流れる電流を制御する性能が低下する。これは、風力発電装置の発電出力の制御性能が低下することを意味する。
以上のことから、風力発電装置の発電出力を一時的に増加させ、電力系統に予備力を提供すると、慣性エネルギー及び電気エネルギーの消費によって、図8に示すように予備力出力期間の後に、発電出力が出力増加前よりも低下する出力回復期間を伴うことがある。
風力発電プラントの発電出力を風なり出力よりも増加させた後、慣性エネルギー及び電気エネルギーの消費によって発電出力が低下する場合、系統周波数の維持のためには、風力発電プラントの発電出力の低下分も見込んで既設発電プラントの発電出力を増加させる必要がある。これでは、既設発電プラントの予備力を風力発電プラントの発電出力の増加で補強することで、系統周波数を維持する目的を達成できない。
以上のことから本発明においては、系統周波数が低下した時に系統周波数の維持に貢献できるとともに、その後の出力低下を抑制することができる風力発電プラントの制御装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては、「風況から定まる発電出力よりも短期間に限り出力増加が可能な予備力を、外部指令により制御可能な短期間出力増加機能を備えた複数の風力発電装置で構成される風力発電プラントの制御装置であって、複数の風力発電装置における出力増加可能な予備力を算出する予備力算出部と、複数の風力発電装置が接続される電力系統の周波数低下を検知する周波数検出部と、複数の風力発電装置または複数の風力発電プラントをグループ分けし、各グループの予備力と予備力出力時間とを定め、電力系統の周波数低下時に短期間出力増加機能に対して予備力を外部指令として異なる時刻に与えるとともに、各グループの予備力は先行する予備力により出力が増加している期間中に後行する予備力を与える発電出力増加指令算出器を備えることを特徴とする風力発電プラントの制御装置」としたものである。
また本発明においては、「風況から定まる発電出力よりも短期間に限り出力増加が可能な予備力を、外部指令により制御可能な短期間出力増加機能を備えた複数の風力発電装置で構成される風力発電プラントの制御方法であって、複数の予備力を算出し、複数の風力発電装置または複数の風力発電プラントをグループ分けし、各グループの風力発電装置における出力増加可能な予備力と予備力出力時間とを定め、電力系統の周波数低下時に短期間出力増加機能に対して予備力を外部指令として異なる時刻に与えるとともに、各グループの予備力は先行する予備力により出力が増加している期間中に後行する予備力を与えることを特徴とする風力発電プラントの制御方法」としたものである。
本発明によれば、系統周波数が低下した時に系統周波数の維持に貢献できるとともに、その後の出力低下を抑制することができる。
本発明の実施例1に係る風力発電プラントとその制御装置の構成例を示す図。 発電出力増加指令算出器13における処理機能を示すフローチャート。 出力変化率制御が発電出力の増加時と減少時で同一のパラメータで変化率が抑制される場合の予備力出力の例を示す図。 本発明の実施例1に係る風力発電プラント群とその制御装置の構成例を示す図。 本発明の実施例3に係る風力発電プラント群とその制御装置の構成例を示す図。 本発明の実施例4に係る風力発電プラント群とその制御装置の構成例を示す図。 本発明の実施例5に係る風力発電プラント群とその制御装置の構成例を示す図。 風力発電装置を風なりの最大発電出力よりもさらに発電出力を増加させた場合の発電出力の時系列変化の例を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
本発明は、電力系統の系統周波数が低下した際に、複数の風力発電装置からなる風力発電プラント、又は複数の風力発電プラントからなる風力発電プラント群の発電出力を増加させるための制御装置及びその制御方法に関するものである。
その前に本発明の前提となる事項について説明をしておく。まず風力発電装置の発電出力は、人為的に制御不可能な風に依存する。このため、風力発電装置を制御することで、任意の発電出力に増加させることは技術的に困難である。一方、風力発電装置を制御することで、任意の発電出力に抑制することは、風を受風しないように翼角度を制御することで、比較的容易に実現可能である。
電力系統の系統周波数の維持には、発電と消費の需給バランスを均衡に保つことが必要であり、発電が消費を上回る場合には、電力系統の運用事業者の要請に応じて、風力発電装置の発電出力を抑制することがある。風力発電装置の発電出力を抑制するため、風力制御装置もしくは風力発電装置群を制御する風力発電プラント制御装置には、各風力発電装置の発電出力もしくはこれらの総和である風力発電プラントの発電出力に対し、所定の発電出力以上の発電を抑制する最大発電出力抑制機能、所定の発電出力変化率以上での発電出力の変化を抑制する最大出力変化率制御機能、及び、発電が消費を上回ることで電力系統の周波数が所定の周波数以上に上昇した場合に、発電出力を抑制する周波数調定率機能が備わっているものとする。
また、これら機能を規定するパラメータは、各風力制御装置もしくは風力発電プラント制御装置に初期値が与えられ、電力系統の運用事業者の要請に応じて、人為的なパラメータ変更や電力系統の運用事業者が運用する系統制御装置との通信によるパラメータ変更など手段を問わず、機能自体の死活を含めそれら機能を規定するパラメータが変更できるものとする。
図1は、本発明の実施例1に係る一般的な風力発電プラントとその制御装置の構成例を示している。
風力発電プラント3は、複数の風力発電装置1a、1b、1c、風力発電装置1a、1b、1cを制御する風力制御装置2a、2b、2c、風力制御装置2a、2b、2cを統括的に制御する風力発電プラント制御装置4などにより構成されている。なお風力制御装置2a、2b、2cあるいは風力発電プラント制御装置4は、一般には計算機システムで構成されており、その内部処理はプログラムによるソフトウェア処理とされていることが多い。
図1の構成の風力発電プラント3は、同一の発電事業者により運営されている場合が多い。従って、複数の風力発電装置1a、1b、1cの運用は、風力発電プラント制御装置4による管理の下で、当該の風力発電プラント3内でクローズして実行することができる場合が多い。なお本発明による風力発電装置1a、1b、1cの運用を実施するにあたり、その前提として発電事業者と系統運用者との間での事前協議が行われていることは言うまでもない。
風力発電プラント3内の複数の風力発電装置1a、1b、1cによる電気出力Pa、Pb、Pcは、図示しない風力発電プラント内の変電設備を介して、風力発電プラント連系点6で電力系統5に電気的に接続されている。電力系統5には、電力を発電する原子力発電プラントや火力発電プラントなどの既設発電プラント7及び電力を消費する需要家8a、8bが接続されており、風力発電プラント3は既設発電プラント7と協調して、需要家8a、8bに対して電力を提供している。
また、風力制御装置2a、2b、2cと風力発電プラント制御装置4は、図示しない通信ネットワークにより接続され、詳細を後述するように相互の間での情報通信を実施する。なお、図1及び以降に述べる図では3台の風力発電装置1a、1b、1cを明示的に図示するが、本発明は台数に制限がなく、任意台数の風力発電装置1及び風力制御装置2に対して、風力発電プラント制御装置4の故障等の冗長性対策を除き、基本的には風力発電プラント制御装置4は1台で構成され、風力発電プラント制御装置4は風力制御装置2と一対Nの通信機能を有する。
風力発電プラント制御装置4は、風力発電制御装置2a、2b、2cから風力発電装置1a、1b、1cの運転状態S1を受信し、また風力発電プラント連系点6の三相交流電圧を計測する電圧計測装置9によって計測された電力系統電圧S2を受信する。前述の風力発電装置1a、1b、1cの運転状態S1は、各風力発電装置1a、1b、1cが受風している風速や翼の回転速度、図示しない各風力発電装置1a、1b、1cに備わる電力変換器の直流部に備わる蓄電装置の充電電圧、風力発電装置1a、1b、1cが発電出力を抑制した状態で運用されているかなどの状態フラグ情報などを含むものとする。
風力発電プラント制御装置4は系統周波数検出器10を備え、系統周波数検出器10は、入力された電力系統電圧S2をフーリエ級数展開や位相同期ループ等の手法を用いて系統周波数S3を算出する。
また風力発電プラント制御装置4は、予備力算出器11と各風力発電装置パラメータデータベースDB1を備え、入力された風力発電装置1a、1b、1cの運転状態S1と風力発電装置データベースDB1の情報を用いて、風力発電装置1a、1b、1cの予備力S5をそれぞれ算出する。図1では、予備力算出器11と風力発電装置パラメータデータベースDB1を風力発電プラント制御装置4に実装する場合を図示しているが、風力発電制御装置2a、2b、2c及び風力発電プラント制御装置4の実装に用いる計算資源により、風力発電制御装置2a、2b、2cに実装し、算出された各風力発電装置1a、1b、1cの予備力S5を通信により風力発電プラント制御装置4へ送信しても良い。
一般に、風力発電プラント3を構成する風力発電装置1a、1b、1cは、上位制御装置となる風力発電プラント制御装置4(一般にSCADA: Supervisory Control And Data Acquisitionとも呼ばれる)に風力発電装置1a、1b、1cの運転状態S1を送信する機能を備えている。
予備力S5の算出機能を風力発電プラント制御装置4に実装する場合、既存の風力発電装置1a、1b、1cを採用することが可能となるため、風力発電装置1a、1b、1cに備わる風力制御装置2a、2b、2cの改造コストを削減することができ、さらに、風力制御装置2a、2b、2cが風力発電装置1a、1b、1cの運転状態S1を送付する機能を備えてさえすれば、風力発電プラント3を異種の風力発電装置1a、1b、1cで構成することもできる。
一方、予備力S5の算出機能を風力制御装置2a、2b、2cに実装する場合、自機の予備力S5のみを算出すれば良いため、複数台の風力発電装置1a、1b、1cの予備力S5を風力発電プラント制御装置4で演算する場合に比べて、演算能力の低い計算資源で実現でき、低コスト化が期待できる。また、風力発電プラント制御装置4も予備力S5の演算能力を省力化できるため、その分の計算資源を別タスクに割り当てることができ、同一演算能力でより複数台からなる風力発電プラントの制御が可能となる。
風力発電装置1a、1b、1cの予備力は、その操作端である翼の回転運動による慣性エネルギーあるいは、風力発電装置を構成する電力変換器に備わる平滑コンデンサ等の蓄電装置の電気エネルギーを考慮して定めることができる。ここで予備力とは、風況から定まる発電出力よりも短期間に限り出力増加が可能な量であって、発電出力を抑制して運転している場合は、その抑制分も含めた量であり、かつ、短期間出力増加機能を外部指令によって制御可能なものということができる。
操作端が翼であるとき、翼の回転速度ωによる予備力S5の演算方法は、以下のようである。例えば、風力発電装置パラメータデータベースDB1に格納される風力発電装置1a、1b、1cの翼や発電機などの回転部品の合成慣性Jと許容できる翼回転速度の下限速度ω、運転状態情報S1の回転速度ω、翼の回転速度ωによる発電出力の増加期間tωから、翼の回転による予備力ΔPω*tωは(1)式で求めることができる。またこの場合に、短期間出力増加機能とは、翼の制御機構がこれに相当する。
[数1]
ΔPω*tω≒J/2*(ω−ω ) … (1)
また操作端が電力変換器であるとき、蓄電装置の電圧vによる予備力S5の演算方法は、以下のようである。例えば、風力発電装置パラメータデータベースDB1に格納される風力発電装置1a、1b、1cに備わる電力変換器のキャパシタンスCと許容できる蓄電装置の下限電圧v、運転状態情報S1の電圧v、蓄電装置の電圧vによる発電出力の増加期間tから、蓄電装置による予備力ΔP*tは(2)式で求めることができる。またこの場合に、短期間出力増加機能とは、電力変換器の制御機構がこれに相当する。
[数2]
ΔP*t≒C/2*(v−v ) … (2)
以上から、各風力発電装置1a、1b、1cが提供できる予備力は、(1)式と(2)式及び抑制発電量の総和であり、風力発電プラント3が提供できる最大の予備力は各風力発電装置1a、1b、1cの予備力の総和である。
風力発電プラント制御装置4に備わる発電出力増加指令算出器13は、系統周波数S3と各風力発電装置1の予備力S5を入力として、系統周波数S3が所定の値を下回った場合に、出力増加指令S6を算出し、各風力制御装置2a、2b、2cへ送信する。
系統周波数の維持のために電力系統5に提供すべき予備力出力ΔPは、系統運用者と発電事業者との間での事前の連系協議等により、系統周波数S3と所定の周波数値との差分、及び、風力発電装置1a、1b、1cもしくは風力発電プラント3の定格出力または可能発電出力または発電出力に応じて、数式もしくは数表等で予め定められている。
このため、各風力制御装置2a、2b、2cに送信される出力増加指令S6は、予備力出力(kW)もしくは各風力発電装置1a、1b、1cの定格または可能発電出力または発電出力に対する比率(%)となる。予備力の提供が不要な場合は0kWもしくは0%である。ただし、系統周波数の低下量に依存せずに一定の予備力を出力させる場合には、各風力制御装置2a、2b、2cに送信される出力増加指令S6はOn/Off信号でも良い。
なお出力増加指令S6を受信した各風力制御装置2a、2b、2cは、翼制御または電力変換器制御のいずれか又は双方を実行することになる。図3に示す風力発電のパワーカーブ(横軸に風速W,縦軸に発電出力P)によれば、通常、例えば風速15(m/s)以下では電力変換器制御による発電機の電力もしくはトルクによって風速Wに応じた最適な発電出力Pとなるように制御され、例えば風速15(m/s)以上では翼制御による翼角度と電力変換器制御による発電機の電力もしくはトルクによって発電出力を一定に固定するように制御される。本発明では、系統周波数の低下に応じて短期間出力を増加させるため、発電出力の増加を相応させるために電力変換器制御に作用せしめ、風力発電装置の最適な動作点からの乖離応じて翼制御を作用せしめるのがよい。
予備力が同程度の風力発電装置1a、1b、1cに対して同程度の予備力出力を同時に実施させると、図8に示す出力回復期間が同時刻に発生するため、本発明で解決すべき課題としている大きな出力低下を発生させることになる。
本発明では、これを抑制するため、計算機システムで構成された発電出力増加指令算出器13における処理機能は、図2に示すフローチャートにより次の処理ステップに従うことによって出力増加指令S6を生成するものとする。
図2の最初の処理ステップST1では、風力発電装置1a、1b、1cをグルーピング化する。グルーピング処理では、同程度の予備力をもつ風力発電装置1a、1b、1cを2つのグループAとBに分割し、同一グループに属さないようにする。具体的には、入力される各風力発電装置1a、1b、1cの予備力を昇順もしくは降順に並び替え、例えば、並び順の奇数番号をグループA、偶数番号をグループBとすれば良い。なお、このグルーピング処理は事前に設定して固定としておいてもよいが、その時々の予備力が可変であることから、グルーピングはその都度の最適な組み合わせとするのがよい。
処理ステップST2では、風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力の目標値を設定する。風力発電プラント3が電力系統5に提供すべき予備力出力の目標値をΔP とする場合、各風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力の目標値をそれぞれのグループに属する各風力発電装置1a、1b、1cの予備力の総和に対する比率で分配することで決定する。
例えば、風力発電装置1aがグループAに属する場合、(1)式および(2)式で求められる予備力を用いて、予備力出力の目標値ΔPaは(3)式で定めることができる。
[数3]
ΔPa=ΔP *(J/2*(ω −ωa0 )+C/2*(v −va0 ))
/SUM(J/2*(ω −ωi0 )+C/2*(v −vi0 )) … (3)
ここで(3)式の総和SUMはグループAを対象とする。グループの分割数は、二分割以上としてもよく、その場合には、分割数による剰余MODでグループ分けすればよい。ただし、グループの分割数が多くなるほど、(3)式の分母が小さくなるため、各風力発電装置1a、1b、1cが分担する予備力出力が大きくなり、各風力発電装置1a、1b、1cを構成する器機の短時間定格を超過するなどの制約に抵触する可能性が大きくなるため、器機故障や器機寿命の観点から、二分割が望ましい。これにより各グループでの予備力は均等に近いものとされる。
また、予備力出力を予備力の比率で分配することで、予備力の小さな風力発電装置1a、1b、1cが分担する予備力出力は小さくなる。これは、元々翼の回転速度が小さく予備力の小さい風力発電装置1a、1b、1cが、予備力の出力によってさらに翼の回転速度が低下し、翼の回転速度の不足によって風力発電装置1a、1b、1cが発電停止になることを防ぐことを目的とする。
処理ステップST3では、グループAに属する風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力時間を算出し出力する。各風力発電装置1a、1b、1cの予備力を予備力出力の目標値で割ることで、各風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力時間を算出し、グループAに属する風力発電装置1a、1b、1cの風力制御装置2a、2b、2cに予備力出力目標値を予備力出力時間だけ継続的に出力増加指令S6として送信する。
処理ステップST4では、グループBに属する風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力時間を算出し出力する。グループBの風力発電装置1a、1b、1cに対しては、グループ分けとは逆の並び替え方法により並び替え、グループAの対応する順位の風力発電装置1a、1b、1cに与えた予備力出力時間に対応する時間だけ遅延の後、予備力出力目標値を予備力出力時間だけ継続的に出力増加指令S6として送信する。例えば、グループ分けを予備力の降順に並び替えることで実施した場合は、予備力の昇順でグループBを並び替え、グループAの降順i番目の予備力出力時間に対応する時間だけ遅延の後、グループBの昇順i番の予備力目標値を予備力出力時間だけ継続的に出力増加指令S6として送信する。
以上の処理ステップに従って、予備力出力時間の長いものと短いものを互いに組とすることで、風力発電プラント3として電力系統5に対して予備力出力ΔP を(4)式で求められる出力期間t提供でき、出力回復期間の発生を分散することで出力低下を最小限に抑制することができる。ここで(4)式の総和SUMはグループAもしくはBを対象とする。
[数4]
≒SUM(J/2*(ω −ωi0 )+C/2*(v −vi0 ))/ΔP … (4)
ただし、処理ステップST1及び処理ステップST2によって、予備力出力中の風速変化や風力発電プラントが奇数台の風力発電装置で構成されている場合を考慮しても、各風力発電装置の予備力出力期間は凡そt程度となるため、処理ステップST3及び処理ステップST4に従って各風力発電装置1a、1b、1cに対する予備力出力期間を厳密に算出しなくても良い。
出力変化率制御が発電出力の増加時と減少時で同一のパラメータで変化率が抑制される場合の予備力出力の例を図4に示す。グループAの予備力出力を含む発電出力をP、グループBの予備力出力を含む発電出力をPとする。
図4の例によれば、電力系統の周波数低下(時刻t0)に応じて、まずグループAに属する発電出力Pの過渡的増加制御(時刻t1からt3)を先行して実行するが、出力期間経過後の時刻t3には制御開始前電力以下に減少してしまうことから、発電出力Pが減少し始める時刻t2に合わせてグループBの発電出力Pの過渡的増加制御(時刻t2からt4)を後行して実行する。これにより、風力発電プラント全体での総出力としては時刻t1から時刻t4までの長期間にわたり、電力系統の周波数低下抑制に貢献することが可能である。なお時刻t4以降において、グループBによる発電出力Pが制御開始前電力以下に減少してしまうことを避けられないが、この時刻には電力系統の周波数低下が解消されている可能性が大であり、その影響は軽微であるといえる。
このように本発明によれば、先行するグループAの発電出力Pの低下時に、グループBの発電出力Pの増加があり、風力発電プラント全体で発電出力の低下を補い、かつ、2つのグループに分けたことから、風力発電プラント全体で同時に予備力を出力した場合と比べて、出力期間が略2倍に拡大される。これによって、負荷応答の速いガス火力発電プラントだけでなく、石炭火力発電プラントなどの負荷追従の遅い既設発電プラントも積極的に予備力出力に活用できる。
なお図2に示した発電出力増加指令算出器13における処理は、電力系統が安定状態において予め求められており、電力系統の周波数低下が検知された時点において各風力発電装置1a、1b、1cのグルーピングに応じた電力増加制御が実際に発動されることにするのがよい。
あるいは電力系統の周波数低下が検知された時点で、発電出力増加指令算出器13が作動してグルーピング、目標値、時刻を定めて、各風力発電装置1a、1b、1cのグルーピングに応じた電力増加制御とすることであってもよいが、対応が遅れる可能性があることを避けられない。
実施例2は、実施例1の発電出力増加指令算出機13に対して、出力増加指令S6の生成方法が異なり、次のステップに従うことによって、出力増加指令S6を生成するものとする。ただし、実施例2における処理は基本的には図2に示した処理の流れに沿うものであるので、図2を参照しながら、相違する部分について主に説明を追加する。
実施例2における図2の最初の処理ステップST1では、風力発電装置1a、1b、1cをグルーピング化する。このグルーピング処理の考え方は図2の処理ステップST1と同一である。具体的には、同程度の予備力をもつ風力発電装置1を2つのグループAとBに分割し、同一グループに属さないようにする。具体的には、入力される各風力発電装置1の予備力を昇順もしくは降順に並び替え、例えば、並び順の奇数番号をグループA、偶数番号をグループBとすれば良い。
実施例2における図2の処理ステップST2では、風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力の目標値を設定するに際し、以下のように行う。風力発電プラント3が電力系統5に提供すべき予備力出力の目標値をΔP とする場合、各風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力の目標値をそれぞれのグループに属する各風力発電装置1a、1b、1cの台数平均で分担することとする。この点について、実施例1では予備力の総和に対する比率で分配することで決定するものであった。実施例2の場合には、例えば、グループAに属する風力発電装置1a、1b、1cの台数がNの場合、(1)式および(2)式で求められる予備力を用いて、グループAに属する各風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力の目標値ΔP は(5)式で定めることができる。
[数5]
ΔPa=ΔP /N … (5)
予備力出力をグループに属する風力発電装置の台数で均等に分担することで、予備力の小さな風力発電装置1a、1b、1cが分担する予備力出力期間は短くなる。これにより、グループ内の各風力発電装置1a、1b、1c同士の出力低下時間の重複を避けることができる。
実施例2における図2の処理ステップST3では、グループAに属する風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力時間を算出し出力する。この処理の考え方は図2の処理ステップST3と同一である。各風力発電装置1a、1b、1cの予備力を予備力出力の目標値で割ることで、各風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力時間を算出し、グループAに属する風力発電装置1a、1b、1cの風力制御装置2a、2b、2cに予備力出力目標値を予備力出力時間だけ継続的に出力増加指令S6として送信する。
実施例2における図2の処理ステップST4では、グループBに属する風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力時間を算出し出力する。グループBの風力発電装置1a、1b、1cに対しては、グループ分けの順位のまま、グループAの対応する順位の風力発電装置に与えた予備力出力時間に対応する時間だけ遅延の後、予備力出力目標値を予備力出力時間だけ継続的に出力増加指令S6として送信する。例えば、グループ分けを予備力の降順に並び替えることで実施した場合は、グループAの降順i番目の予備力出力時間に対応する時間だけ遅延の後、グループBの降順i番の予備力目標値を予備力出力時間だけ継続的に出力増加指令S6として送信する。
以上のステップに従って、予備力出力時間のより長いもの同士、より短いもの同士を組とすることで、グループAの風力発電装置1a、1b、1cからの予備力出力とグループBの風力発電装置1a、1b、1cからの予備力出力の切り替りを連続させることで、出力低下を相殺し、かつ、グループBの風力発電装置1a、1b、1cの出力低下の発生時間を分散することで、総和としての出力低下を低減することができる。
尚、ステップの説明においては、グループ数を2グループとしているが、短時間定格の制約が許容される限り、グループ数を増やすことで、より出力低下の発生時間が分散できる。
以上説明した本発明の実施例1、実施例2においては、要するに「風況から定まる発電出力よりも短期間に限り出力増加が可能で、かつ、短期間出力増加機能を外部指令によって制御可能な、複数の風力発電装置で構成される風力発電プラントが電力系統に接続されている風力発電プラントの制御装置であって、風力発電装置は少なくとも運転情報を送信する機能を備え、風力発電プラントの制御装置は、風力発電装置の運転情報を受信する機能と、電力系統の周波数を検出する機能を備え、複数の風力発電装置をグループ分けし、検出した周波数が所定の値よりも低下した場合に、グループ分けした風力発電装置の短期間出力増加機能に対し、選択的かつ時間的な遅延を伴って、出力増加指令を送付することを特徴とする風力発電プラントの制御装置」のように構成したものということができる。
実施例1、実施例2では、電力系統の周波数低下時対策を1つの風力発電プラント3における複数の風力発電装置1a、1b、1cを対象として一括管理することで実行したものである。
このため、上記運用はこの風力発電プラント3を管理する発電事業者のみの参画によって実現可能なものであった。この場合にも電力系統の周波数低下時対策が実行可能であるが、風力発電装置1a、1b、1cの台数が相対的に少なく、これによる予備力も小さいことから電力系統に与える影響は限定的となることが避けられないものであった。
このことから実施例3以降の実施例においては、複数の風力発電プラント3で構成される風力発電プラント群を用いて、電力系統全体として大々的に対策を行う場合を想定している。この場合には、電力系統の運用を行う系統運用事業者と、風力発電プラント3を管理運用する複数の発電事業者による協同的な処理、制御を行うことになる。
複数の風力発電装置1a、1b、1cを対象としたグルーピングを行う実施例1、実施例2に対して、複数の風力発電プラント3を対象としたグルーピングを行う実施例3以降の発明においては、要するに「風況から定まる発電出力よりも短期間に限り出力増加が可能で、かつ、短期間出力増加機能を外部指令によって制御可能な、複数の風力発電装置で構成される複数の風力発電プラントが電力系統に接続されている風力発電プラントの制御装置であって、風力発電装置は少なくとも運転情報を送信する機能を備え、風力発電プラントの制御装置は、風力発電プラントの運転情報を受信する機能と、電力系統の周波数を検出する機能を備え、複数の風力発電プラントをグループ分けし、検出した周波数が所定の値よりも低下した場合に、グループ分けした風力発電プラントの短期間出力増加機能に対し、選択的かつ時間的な遅延を伴って、出力増加指令を送付することを特徴とする風力発電プラントの制御装置」のように構成したものということができる。
図5は、本発明の実施例3に係る風力発電プラント群とその制御装置の構成例を示す図である。
図5によれば、図1と比較すると一般には異なる発電事業者により管理される風力発電プラント群3a、3b、3c、3d、3eがそれぞれ電力系統に接続され、かつ風力発電プラント群3a、3b、3c、3d、3eは電力系統全体を管理運用する系統運用事業者による風力発電プラント群制御装置14からの制御指示により運用されている。
図5における風力発電プラント群制御装置14は、一般的には系統運用事業者が保有する中央給電指令所内に設備されており、図1の実施例1における発電出力増加指令算出器13の機能が風力発電プラント3から中央給電指令所側に移設されて構成されたものである。風力発電プラント群制御装置14が定めた出力増加指令S6’は通信ネットワーク16を介して風力発電プラント群3a、3b、3c、3d、3eに与えられ、風力発電プラント群3a、3b、3c、3d、3e内では発電出力増加指令分配器15において出力増加指令S6’を複数の風力発電装置1a、1b、1cに配分して制御を実行する。
このように実施例3では、実施例1及び実施例2で、風力発電プラント制御装置13が複数の風力発電装置1a、1b、1cを対象に制御したステップを、複数の風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eを対象に制御する点が異なる。また、実施例3では、風力発電プラント群制御装置14の運用者は、必ずしも風力発電プラント3の運用者と同一である必要はなく、系統運用事業者によって運用されることもある。
図5の実施例3によれば、風力発電プラント群制御装置14は、複数の風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3e内の風力発電プラント制御装置4から予備力S5’の情報などを、通信ネットワーク16を介して入手し、また電力系統の任意点における三相交流電圧を計測する電圧計測装置9によって計測された電力系統電圧S2を受信し、系統周波数検出器10において電力系統電圧S2をフーリエ級数展開や位相同期ループ等の手法を用いて系統周波数S3を算出する。
風力発電プラント群制御装置14内に新たに追加された発電出力増加指令算出器13は、系統情報及び図示しない運転情報の入力による系統の運転情報データベースDB2の運転情報S7によって、グループA及びグループBの優先度を変更する機能を有する。また、風力発電プラント単位で予備力出力の出力をスケジューリングするため、各風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eから受信する予備力情報S5’は、風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eの総和の値が送信される。同様に、風力発電プラント群制御装置14から各風力発電プラント制御装置4へ送付される出力増加指令S6’も、風力発電プラント全体としての予備力出力であり、通常On/Off指令となる。
他方において、各風力発電プラント制御装置4は以下のように構成されている。この場合に各風力発電プラント制御装置4は、各風力発電装置1a、1b、1cの予備力出力をグループ化し、その出力をスケジューリングする機能を風力発電プラント群制御装置14の発電出力増加指令算出器13に機能移管したため、各風力発電プラント制御装置4には、発電出力増加指令分配器15を備え、風力発電プラント群制御装置14の発電出力増加指令算出器13のOn/Off指令と風力発電プラント制御装置4の予備力算出器11からの予備力S5を元に、各風力発電装置1a、1b、1cに出力増加指令を分配する機能を提供する。出力増加指令の分配は、各風力発電装置1a、1b、1cの予備力S5の比率に応じて分配すれば良い。これによって、予備力の小さな風力発電装置1a、1b、1cに大きな予備力出力を負担させることを防ぎ、予備力の出力によって起きる翼の回転速度の低下による発電運転停止を抑制することができる。
次に、系統の運転情報データベースDB2を新たに設けたことに伴う、風力発電プラント群制御装置14内の発電出力増加指令算出器13の追加機能について説明する。
系統周波数が低下した場合に、既設発電プラント7に電気的により近い連系点で系統連系する風力発電プラント(図5では風力発電プラント3d)を、これと同程度の予備力をもつ風力発電プラントが存在する場合に、時間的に早期に予備力を出力するグループAにグループ分けするようにする。具体的には、実施例1及び2の処理ステップST1において、自然数iに対して、2*i−1番目の風力発電プラントと2*i番目の風力発電プラントの電気的に最近接な既設発電プラントの距離を比較し、2*i−1番目を距離の近い方の風力発電プラントとする。
このように複数の風力発電プラントをグループ分けするに際し、既設発電プラントとの電気的距離が小さい風力発電プラントの発電出力を、先行的に短時間出力を増加させることによって、既設発電プラント7の回転数低下に対して、より風力発電プラントの予備力出力が有効に作用することが期待できる。
もしくは、系統の運転情報データベースDB2の系統及び運転の情報S7によって、系統周波数が低下した場合に、需要家8a、8bに電気的により近い連系点で系統連系する風力発電プラント(図5では、風力発電プラント3e)を、これと同程度の予備力をもつ風力発電プラントが存在する場合に、時間的に早期に予備力を出力するグループAにグループ分けするようにする。具体的には、実施例1及び2の処理ステップST1において、自然数iに対して、2*i−1番目の風力発電プランと2*i番目の風力発電プラントの電気的に最近接な需要家の距離を比較し、2*i−1番目を距離の近い方の風力発電プラントとする。ただし、前述の原子力発電プラントや火力発電プラントなどの既設発電プラント7と異なり、需要家は多岐、広範囲に渡るため、特高連系する需要家など対象範囲を大口の需要家のみに限定することが望ましい。
このように複数の風力発電プラントをグループ分けするに際し、大口需要家との電気的距離が小さい風力発電プラントの発電出力を、先行的に短時間出力を増加させることによって、電力消費が増加している需要地に電気的に最短経路で発電出力及び予備力出力を共有でき、送電による損失を低減できる。
もしくは、実施例3における処理ステップST1のグループ分けにおいて、予備力をグループ分けの基準とせず、系統の運転情報データベースDB2の系統及び運転の情報S7のみを前述の既設発電プラント7もしくは需要家8a、8bとの電気的な接続の距離に応じて、昇順に並び替え、並び順の前半の風力発電プラント群をグループA、後半の風力発電プラント群をグループBとしても良い。得られる効果は前述と同様である。ただし、この場合、各風力発電プラントからの予備力情報S5はグループ分けには活用されないが、この情報を用いて、さらに、既設発電プラント群の上位制御装置である中央給電指令所と連携して、既設発電プラントの制御を実施しても良い。
図6は実施例4に係る風力発電プラント群とその制御装置の構成を示す図である。図6の実施例4では、図5の実施例3の風力発電プラント群制御装置14の構成に対して系統状態予測器18が追加されている。
系統状態予測器18は、風力発電プラント群制御装置14内の系統の運転情報データベースDB2に蓄積される系統及び運転の情報S7、系統周波数検出器10で検知した系統周波数、および各風力発電プラントからの予備力情報S5’に含まれる風力発電プラントの運転情報を元に予測モデルを構築し、将来の系統周波数の変動を予測する。周波数の増減予測を基に、予備力の出力及び発電出力の抑制を実施することで、系統周波数変動を未然に防止することができる。
また、風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eから風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eを構成する各風力発電装置1a、1b、1cの風速情報や風力発電プラントの平均風速の情報を入力し、各風力発電プラントの風速予測モデルを構築し、将来の風速変動を予測しても良い。この場合、発電出力増加指令算出器13に入力される風速変動の予測値を基に、発電出力増加指令算出器13は、予備力出力を指令後に風速の低下が予測される風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eに対しては、出力増加指令S6’を送信しないように動作する。これによって、予備力出力の後の出力回復期間において、風速が低下する風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eに予備力出力を指令した場合の出力回復不足を防止することができる。
図7は実施例5に係る風力発電プラント群とその制御装置の構成を示す図である。図7の実施例5では、図6の実施例4の風力発電プラント群制御装置14の構成に対して、運用履歴データベースDB3及び周波数維持貢献度集計器20が追加され、さらに、図示しない周波数維持貢献度を表示する表示装置を備えても良い。
運用履歴データベースDB3及び周波数維持貢献度集計器20によって、風力発電プラント群制御装置14の指令によって、風力発電プラント群3a、3b、3c、3d、3eの予備力出力及び出力抑制の実施実績が照会できるようになる。これによって、系統周波数の維持貢献を評価でき、系統周波数の低下時に予備力出力を実施した場合に、通常の発電出力の売電単価よりも高額で売電する市場を創生することで、系統周波数の維持に寄与する風力発電事業者を増やす動機付けとすることができる。
また、風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eの運用者の判断ではなく、風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eの運用者とは別事業者が運用する風力発電プラント群制御器14によって、風力発電プラント3の抑制を実施した場合に、例えば、風力発電プラント3a、3b、3c、3d、3eから受信する風速に基づき、発電可能出力を試算し、抑制によって逸した逸失発電出力を評価、これに対して風力発電プラント運用者に対して、逸失発電量による発電収益を補填する市場を創生することも可能となる。
以上本発明の実施例1から実施例5によれば、さらに具体的には、本発明の実施例によれば、以下の効果を奏することができる。風力発電プラントが提供可能な予備力を把握することで、既設の原子力発電プラントや火力発電プラントに過剰な予備力を確保することを抑制し、電力系統の運用コストを低減することができる。また、風力発電プラントの常時出力抑制を回避することで発電事業者の収益性を確保することができる。さらに、複数台の風力発電装置群もしくは風力発電プラント群を協調して制御することで、風力発電装置の出力増加後の出力回復期間による発電出力の低下を防止することができる。
1a、1b、1c:風力発電装置
2a、2b、2c:風力制御装置
3、3a、3b、3c、3d、3e:風力発電プラント
4:風力発電プラント制御装置
5:電力系統
6:風力発電プラント連系点
7:既設発電プラント(原子力発電プラント、火力発電プラントなど)
8a、8b:需要家
9:電圧計測装置
10:系統周波数検出器
11:予備力算出器
DB1:風力発電装置パラメータデータベース
13:発電出力増加指令算出器
14:風力発電プラント群制御装置
15:発電出力増加指令分配器
16:通信ネットワーク
DB2:系統情報データベース及び運転情報
18:系統状態予測器
DB3:運用履歴データベース
20:周波数維持貢献度集計器
S1:風力発電装置の運転状態
S2:電力系統電圧
S3:電力系統周波数
S4:風力発電装置パラメータ
S5:風力発電装置の予備力
S5’:風力発電プラントの予備力
S6:出力増加指令
S6’:出力増減指令
S7:系統情報

Claims (10)

  1. 風況から定まる発電出力よりも短期間に限り出力増加が可能な予備力を、外部指令により制御可能な短期間出力増加機能を備えた複数の風力発電装置で構成される風力発電プラントの制御装置であって、
    前記複数の風力発電装置における出力増加可能な予備力を算出する予備力算出部と、前記複数の風力発電装置が接続される電力系統の周波数低下を検知する周波数検出部と、前記複数の風力発電装置または複数の風力発電プラントをグループ分けし、各グループの前記予備力と予備力出力時間とを定め、電力系統の周波数低下時に前記短期間出力増加機能に対して前記予備力を前記外部指令として異なる時刻に与えるとともに、各グループの予備力は先行する予備力により出力が増加している期間中に後行する予備力を与える発電出力増加指令算出器を備えることを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  2. 請求項1に記載の風力発電プラントの制御装置であって、
    前記短期間出力増加機能は、前記風力発電装置における翼制御機能または風力発電装置で生じた電力の電力変換器制御であることを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  3. 請求項2に記載の風力発電プラントの制御装置であって、
    前記風力発電装置は、規定風速以下では風速に応じた最適の発電出力に制御され、規定風速以上では発電出力を一定に固定するように制御されるとともに、前記外部指令が与えられたときに前記翼制御と前記電力変換器制御の双方もしくはいずれかに作用せしめることを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の風力発電プラントの制御装置であって、
    先行する予備力と後行する予備力は均等となるようにグループ分けされていることを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の風力発電プラントの制御装置であって、
    複数の風力発電プラントをグループ分けするに際し、既設発電プラントまたは大口需要家との電気的距離に応じて行うことを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の風力発電プラントの制御装置であって、
    電力系統及び運転の情報、系統周波数、および各風力発電プラントの運転情報を元に予測モデルを構築して将来の系統周波数の変動を予測し、周波数の増減予測を基に出力増加可能な予備力を定めることを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の風力発電プラントの制御装置であって、
    風力発電プラントを構成する各風力発電装置の風速情報や風力発電プラントの平均風速の情報を用いて各風力発電プラントの風速予測モデルを構築して将来の風速変動を予測し、予備力出力を指令後に風速の低下が予測される風力発電プラントに対する予備力増加を阻止することを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の風力発電プラントの制御装置であって、
    短期間出力増加制御の履歴を記録することを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  9. 複数の風力発電プラントをグループ分けしている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の風力発電プラントの制御装置であって、
    風力発電プラントは、当該風力発電プラントで計測した少なくとも翼および電力変換の状態、並びに予備力を含む運転情報を送信する機能と、中央装置からの出力増加指令を受信する機能と、前記出力増加指令を配分して複数の前記風力発電装置に与える備える配分機能とを備え、
    前記中央装置は電力系統の周波数低下を検知する周波数検出部と、前記出力増加指令を与える前記発電出力増加指令算出器を備えることを特徴とする風力発電プラントの制御装置。
  10. 風況から定まる発電出力よりも短期間に限り出力増加が可能な予備力を、外部指令により制御可能な短期間出力増加機能を備えた複数の風力発電装置で構成される風力発電プラントの制御方法であって、
    前記複数の予備力を算出し、前記複数の風力発電装置または複数の風力発電プラントをグループ分けし、各グループの風力発電装置における出力増加可能な前記予備力と予備力出力時間とを定め、電力系統の周波数低下時に前記短期間出力増加機能に対して前記予備力を前記外部指令として異なる時刻に与えるとともに、各グループの予備力は先行する予備力により出力が増加している期間中に後行する予備力を与えることを特徴とする風力発電プラントの制御方法。
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