JP2020080995A - 医療機器用処置部および医療機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温で繰り返し使用されても生体組織の付着防止性能が低下しにくいようにする。【解決手段】処置部1は、基材20と、被覆膜5とを含む。被覆膜5は、基材20を覆う。被覆膜5は、第1層6と、第2層7とを含む。第1層6は、主成分としてオルガノポリシロキサンを含み、かつオルガノポリシロキサンよりも少量の第1のシリコーンレジンを含む。第2層7は、主成分として第2のシリコーンレジンを含み、かつ第2のシリコーンレジンよりも少量のポリジメチルシロキサンを含む。第2層7は被覆膜5の最表面を形成する。【選択図】図2
Description
本発明は、医療機器用処置部および医療機器に関する。
医療機器用処置部においては、生体組織と高温で接触すると生体組織が付着することがある。例えば、生体組織の切開などを行う医療用エネルギーデバイスに用いられる医療機器用処置部の場合、生体組織が付着すると切開性が低下する。
例えば、特許文献1には、シリコーン被膜が表面に設けられた電気外科手術用電極が開示されている。
例えば、特許文献1には、シリコーン被膜が表面に設けられた電気外科手術用電極が開示されている。
しかしながら、上記のような関連技術には、以下のような問題がある。
近年、医療用処置の種類によっては、例えば、処置部の表面が300℃以上に加熱される場合もある。処置具がこのような高温下で繰り返し使用される場合、シリコーン被膜と電気外科手術用電極との熱膨張係数の違いによる熱応力によって、シリコーン被膜が破壊される。
シリコーン被膜が破壊されると、シリコーン被膜による生体組織の付着防止性能が低下する。この結果、処置部の耐久性が低下する。
近年、医療用処置の種類によっては、例えば、処置部の表面が300℃以上に加熱される場合もある。処置具がこのような高温下で繰り返し使用される場合、シリコーン被膜と電気外科手術用電極との熱膨張係数の違いによる熱応力によって、シリコーン被膜が破壊される。
シリコーン被膜が破壊されると、シリコーン被膜による生体組織の付着防止性能が低下する。この結果、処置部の耐久性が低下する。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、高温で繰り返し使用されても生体組織の付着防止性能が低下しにくい医療機器用処置部および医療機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の医療機器用処置部は、基材と、前記基材を覆う被覆膜と、を備え、前記被覆膜は、主成分としてオルガノポリシロキサンを含み、かつ前記オルガノポリシロキサンよりも少量の第1のシリコーンレジンを含む中間層と、主成分として第2のシリコーンレジンを含み、かつ前記第2のシリコーンレジンよりも少量のポリジメチルシロキサンを含み、前記被覆膜の最表面を形成する最表層と、を有する。
上記医療機器用処置部においては、前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して、前記第1のシリコーンレジンを10質量部以上40質量部以下含んでもよい。
上記医療機器用処置部においては、前記第2のシリコーンレジン100質量部に対して、前記ポリジメチルシロキサンを0.1質量部以上90質量部以下含んでもよい。
上記医療機器用処置部においては、前記オルガノポリシロキサンは、メチル基およびフェニル基の少なくとも一方を有してもよい。
上記医療機器用処置部においては、前記第2のシリコーンレジンは、メチル基を有してもよい。
上記医療機器用処置部においては、前記オルガノポリシロキサンの分子量は、500〜5000であってもよい。
上記医療機器用処置部においては、前記ポリジメチルシロキサンの分子量は、5000以下であってもよい。
上記医療機器用処置部においては、前記中間層の厚さは3μm以上30μm以下であってもよい。
上記医療機器用処置部においては、前記最表層の厚さは20μm以下であってもよい。
本発明の第2の態様の医療機器は、上記医療機器用処置部を備える。
本発明の医療機器用処置部および医療機器によれば、高温で繰り返し使用されても生体組織の付着防止性能が低下しにくい。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の医療機器用処置部および医療機器について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の医療機器および医療機器用処置部の一例を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態の医療機器用処置部の模式的な断面図である。
本発明の第1の実施形態の医療機器用処置部および医療機器について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の医療機器および医療機器用処置部の一例を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態の医療機器用処置部の模式的な断面図である。
図1に示す本実施形態の高周波処置具101(医療機器)は、本実施形態の医療機器の一例である。
高周波処置具101は、ホルダ9、処置部1(医療機器用処置部)、および高周波電源10を備える。
ホルダ9は、処置部1を支持する部材である。ホルダ9は、例えば、術者が手で保持できる形状を有していてもよい。ホルダ9は、例えば、医療用ロボットが保持できる形状を有していてもよい。ホルダ9は、例えば、医療用ロボットに固定されていてもよい。
図1に示す例では、ホルダ9は、術者または医療用ロボットが保持できることを目的として、棒状に形成されている。
ホルダ9は、少なくとも一部が絶縁体で形成される。例えば、ホルダ9が術者の手で保持される場合、ホルダ9の外周部は絶縁体で構成される。
高周波処置具101は、ホルダ9、処置部1(医療機器用処置部)、および高周波電源10を備える。
ホルダ9は、処置部1を支持する部材である。ホルダ9は、例えば、術者が手で保持できる形状を有していてもよい。ホルダ9は、例えば、医療用ロボットが保持できる形状を有していてもよい。ホルダ9は、例えば、医療用ロボットに固定されていてもよい。
図1に示す例では、ホルダ9は、術者または医療用ロボットが保持できることを目的として、棒状に形成されている。
ホルダ9は、少なくとも一部が絶縁体で形成される。例えば、ホルダ9が術者の手で保持される場合、ホルダ9の外周部は絶縁体で構成される。
処置部1は、被処置体に対する高周波処置に用いられる。被処置体の例としては、生体組織が挙げられる。処置部1を用いた高周波処置の例としては、生体組織の切断、切除、凝固(止血)、焼灼などが挙げられる。
処置部1は、支持部材4、第1把持電極2、および第2把持電極3を備える。
処置部1は、支持部材4、第1把持電極2、および第2把持電極3を備える。
支持部材4は、ホルダ9の端部に固定されている。本実施形態では、支持部材4は棒状部材である。
支持部材4の形状は特に限定されない。図1に示す支持部材4の外形は、一例として、延在方向の側方に4つの側面4bを有する四角柱である。支持部材4の内部には、後述する高周波電源10に接続された配線10aが挿通されている。配線10aは、ホルダ9の内部に挿通されている。配線10aは、ホルダ9の端部からホルダ9の外部に延出している。
支持部材4の形状は特に限定されない。図1に示す支持部材4の外形は、一例として、延在方向の側方に4つの側面4bを有する四角柱である。支持部材4の内部には、後述する高周波電源10に接続された配線10aが挿通されている。配線10aは、ホルダ9の内部に挿通されている。配線10aは、ホルダ9の端部からホルダ9の外部に延出している。
図2に側面4bの近傍の断面構成を示すように、支持部材4は、基材40と、被覆膜5と、を備える。
基材40は、例えば、金属、セラミック、およびその複合材料のいずれかで形成されてもよい。
基材40に好適に用いることができる金属の例としては、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金などが挙げられる。
基材40に好適に用いることができるセラミックの例としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、アルミナ(酸化アルミニウム)などが挙げられる。
支持部材4における被覆膜5は、基材40の表面40aを被覆している。被覆膜5の詳細構成については処置部1の説明の後に説明する。
基材40は、例えば、金属、セラミック、およびその複合材料のいずれかで形成されてもよい。
基材40に好適に用いることができる金属の例としては、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金などが挙げられる。
基材40に好適に用いることができるセラミックの例としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、アルミナ(酸化アルミニウム)などが挙げられる。
支持部材4における被覆膜5は、基材40の表面40aを被覆している。被覆膜5の詳細構成については処置部1の説明の後に説明する。
図1に示すように、支持部材4における延在方向の端部において互いに対向する側面4bには、後述する第2把持電極3との間には回動支持部4aが設けられている。回動支持部4aは、後述する第2把持電極3を延在方向に直交する軸線回りに回動支持する。
回動支持部4aの構成は、後述する第2把持電極3を回動支持できれば特に限定されない。例えば、回動支持部4aは、回動支軸または軸受を備えてもよい。
図示は省略するが、支持部材4の内部には、後述する第2把持電極3の回動量を制御する操作部材が挿通している。操作部材は、ホルダ9の内部に延出され、図示略のホルダ9の操作部と連結されている。例えば、操作部材としては、支持部材4の長手方向に進退する操作ワイヤー、操作ロッドなどが用いられてもよい。
図示は省略するが、支持部材4の内部には、後述する第2把持電極3の回動量を制御する操作部材が挿通している。操作部材は、ホルダ9の内部に延出され、図示略のホルダ9の操作部と連結されている。例えば、操作部材としては、支持部材4の長手方向に進退する操作ワイヤー、操作ロッドなどが用いられてもよい。
第1把持電極2および第2把持電極3は、被処置体を把持することができる。第1把持電極2および第2把持電極3は、それぞれ、配線10aを通して高周波電源10の第1出力端子および第2出力端子と電気的に接続されている。高周波電力の印加時には、第1把持電極2および第2把持電極3の間には、第1出力端子および第2出力端子の間の同様な電位差が発生する。このため、第1把持電極2および第2把持電極3は、被処置体を把持した状態で被処置体に高周波電流を流すことができる。
本実施形態では、第1把持電極2は、支持部材4の長手方向の端部から延出された棒状体である。第1把持電極2は、支持部材4に対する位置が固定されている。
第1把持電極2の表面は、被処置体に接触させる第1把持面2aと、第1把持面2aを除く外表面2bと、からなる。
第1把持電極2の形状は特に限定されない。本実施形態では、第1把持電極2は、一例として、凸五角形が延在方向に押し出された形状を有する五角柱である。第1把持面2aは、五角柱の延在方向に延び、周方向において互いに隣り合う2つの側面からなる。各第1把持面2aは、延在方向に延びる断面三角形状の突条を形成している。
第1把持電極2の表面は、被処置体に接触させる第1把持面2aと、第1把持面2aを除く外表面2bと、からなる。
第1把持電極2の形状は特に限定されない。本実施形態では、第1把持電極2は、一例として、凸五角形が延在方向に押し出された形状を有する五角柱である。第1把持面2aは、五角柱の延在方向に延び、周方向において互いに隣り合う2つの側面からなる。各第1把持面2aは、延在方向に延びる断面三角形状の突条を形成している。
図2に第1把持面2a(外表面2b)の近傍の断面構成を示すように、第1把持電極2は、基材20と、被覆膜5と、を備える。
基材20は、例えば、金属、セラミック、およびその複合材料のいずれかで形成されてもよい。例えば、基材20がセラミックからなる場合、第1把持電極2は、基材20で被覆された金属電極(図示略)をさらに備えることがより好ましい。例えば、基材20がセラミックからなる場合、第1把持電極2は、基材20で被覆された金属電極(図示略)をさらに備えることがより好ましい。
基材20に好適に用いることができる金属の例としては、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金などが挙げられる。
基材20に好適に用いることができるセラミックの例としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、アルミナ(酸化アルミニウム)などが挙げられる。
第1把持電極2における被覆膜5は、基材20の表面20aを被覆している。被覆膜5の詳細構成については処置部1の説明の後に説明する。
基材20は、例えば、金属、セラミック、およびその複合材料のいずれかで形成されてもよい。例えば、基材20がセラミックからなる場合、第1把持電極2は、基材20で被覆された金属電極(図示略)をさらに備えることがより好ましい。例えば、基材20がセラミックからなる場合、第1把持電極2は、基材20で被覆された金属電極(図示略)をさらに備えることがより好ましい。
基材20に好適に用いることができる金属の例としては、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金などが挙げられる。
基材20に好適に用いることができるセラミックの例としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、アルミナ(酸化アルミニウム)などが挙げられる。
第1把持電極2における被覆膜5は、基材20の表面20aを被覆している。被覆膜5の詳細構成については処置部1の説明の後に説明する。
図1に示すように、第2把持電極3は、第1把持電極2における第1把持面2aとの間に、被処置体を把持する目的で設けられた棒状体である。
第2把持電極3の長手方向の端部には連結部3cが形成されている。
連結部3cは、支持部材4の回動支持部4aと回動可能に連結する。例えば、回動支持部4aが回動支軸を有する場合、連結部3cは、回動支軸を中心として回動可能な溝、穴、軸受などで構成されてもよい。例えば、回動支持部4aが軸受を有する場合、連結部3cは、軸受に係合する軸、突起などで構成されてもよい。
第2把持電極3の長手方向の端部には連結部3cが形成されている。
連結部3cは、支持部材4の回動支持部4aと回動可能に連結する。例えば、回動支持部4aが回動支軸を有する場合、連結部3cは、回動支軸を中心として回動可能な溝、穴、軸受などで構成されてもよい。例えば、回動支持部4aが軸受を有する場合、連結部3cは、軸受に係合する軸、突起などで構成されてもよい。
本実施形態では、連結部3cと回動支持部4aとは、互いに電気的に絶縁されている。
図示は省略するが、連結部3cの近傍には、上述の操作部材と接続する接続部が形成されている。ただし、操作部材および接続部の少なくとも一方は、第2把持電極3に接続された配線10aとは、電気的に接続されていない。
例えば、操作部材が進退する場合、接続部は操作部材の動きを第2把持電極3に伝達する。第1接続部に作用する操作力のモーメントによって、第2把持電極3は回動支持部4aを中心として回動する。
図示は省略するが、連結部3cの近傍には、上述の操作部材と接続する接続部が形成されている。ただし、操作部材および接続部の少なくとも一方は、第2把持電極3に接続された配線10aとは、電気的に接続されていない。
例えば、操作部材が進退する場合、接続部は操作部材の動きを第2把持電極3に伝達する。第1接続部に作用する操作力のモーメントによって、第2把持電極3は回動支持部4aを中心として回動する。
第2把持電極3の形状は、被処置体を第1把持電極2との間に把持できれば特に限定されない。図1に示す例では、第2把持電極3は、第1把持電極2と同程度の長さを有する棒状体である。
第2把持電極3の表面は、被処置体に接触させる第2把持面3aと、第2把持面3aを除く外表面3bと、からなる。
第2把持面3aは、互いに隣接する2平面からなる。第2把持面3aは、第2把持電極3の長手方向に延びるV字溝を形成する。
本実施形態では、V字溝の形状は、第1把持電極2における第1把持面2aによる凸形状に対応する凹形状である。回動によって第2把持電極3が第1把持電極2と平行になるとき(以下、閉状態)、各第2把持面3aは、第1把持電極2の各第1把持面2aと互いに平行である。閉状態において互いに対向する第1把持面2aと第2把持面3aとの距離は、0mm以上であって被処置体の厚さよりも小さければ特に限定されない。
ただし、回動によって第2把持電極3を第1把持電極2に近づけるとき、第1把持面2aがV字溝の内部に入ることができれば、各第1把持面2aのなす角度と、各第2把持面3aのなす角度とは、互いに異なっていてもよい。
第2把持電極3の表面は、被処置体に接触させる第2把持面3aと、第2把持面3aを除く外表面3bと、からなる。
第2把持面3aは、互いに隣接する2平面からなる。第2把持面3aは、第2把持電極3の長手方向に延びるV字溝を形成する。
本実施形態では、V字溝の形状は、第1把持電極2における第1把持面2aによる凸形状に対応する凹形状である。回動によって第2把持電極3が第1把持電極2と平行になるとき(以下、閉状態)、各第2把持面3aは、第1把持電極2の各第1把持面2aと互いに平行である。閉状態において互いに対向する第1把持面2aと第2把持面3aとの距離は、0mm以上であって被処置体の厚さよりも小さければ特に限定されない。
ただし、回動によって第2把持電極3を第1把持電極2に近づけるとき、第1把持面2aがV字溝の内部に入ることができれば、各第1把持面2aのなす角度と、各第2把持面3aのなす角度とは、互いに異なっていてもよい。
図2に第2把持面3a(外表面3b)の近傍の断面構成を示すように、第2把持電極3は、基材30と、被覆膜5と、を備える。
基材30は、例えば、金属、セラミック、およびその複合材料のいずれかで形成されてもよい。例えば、基材30がセラミックからなる場合、第2把持電極3は、基材30で被覆された金属電極(図示略)をさらに備えることがより好ましい。
基材30に好適に用いることができる金属、セラミックの例は、上述の基材20と同様である。
第2把持電極3における被覆膜5は、基材30の表面30aを被覆している。被覆膜5の詳細構成については処置部1の説明の後に説明する。
基材30は、例えば、金属、セラミック、およびその複合材料のいずれかで形成されてもよい。例えば、基材30がセラミックからなる場合、第2把持電極3は、基材30で被覆された金属電極(図示略)をさらに備えることがより好ましい。
基材30に好適に用いることができる金属、セラミックの例は、上述の基材20と同様である。
第2把持電極3における被覆膜5は、基材30の表面30aを被覆している。被覆膜5の詳細構成については処置部1の説明の後に説明する。
図1に示すように、高周波電源10は、配線10aを通して電気的に接続された第1把持電極2および第2把持電極3に高周波電力を供給する。
次に、被覆膜5について説明する。
被覆膜5は、主として、処置部1に生体組織が付着することを抑制する目的で設けられている。被覆膜5は、処置部1において生体組織と接触する可能性のある部材および部位であれば、どの部材および部位に設けられてもよい。
図2に示すように、本実施形態では、被覆膜5は、少なくとも、第1把持電極2の第1把持面2aおよび外表面2bと、第2把持電極3の第2把持面3aおよび外表面3bと、支持部材4の側面4bと、を形成している。
被覆膜5は、主として、処置部1に生体組織が付着することを抑制する目的で設けられている。被覆膜5は、処置部1において生体組織と接触する可能性のある部材および部位であれば、どの部材および部位に設けられてもよい。
図2に示すように、本実施形態では、被覆膜5は、少なくとも、第1把持電極2の第1把持面2aおよび外表面2bと、第2把持電極3の第2把持面3aおよび外表面3bと、支持部材4の側面4bと、を形成している。
図2に示すように、第1把持電極2における被覆膜5は、第1層6(中間層)および第2層7(最表層)からなる。
第1層6は、基材20の表面20aを被覆している。第1層6は、表面20aと後述する第2層7との間に設けられた中間層である。
第1層6は、処置部1の使用時の温度上昇に耐える耐熱性を有する材料で形成される。例えば、第1層6の耐熱温度は、300℃以上400℃以下であることがより好ましい。
さらに、第1層6は、基材20の熱膨張係数と後述する第2層7の熱膨張係数との差に起因するそれぞれの熱変形の少なくとも一部を吸収することができる物性を有する材料で形成される。例えば、第1層6は、基材20の熱膨張係数と、後述する第2層7の熱膨張係数と、の間の熱膨張係数を有することがより好ましい。例えば、第1層6は、第2層7よりも柔軟性に優れていることがより好ましい。
第1層6は、基材20の表面20aを被覆している。第1層6は、表面20aと後述する第2層7との間に設けられた中間層である。
第1層6は、処置部1の使用時の温度上昇に耐える耐熱性を有する材料で形成される。例えば、第1層6の耐熱温度は、300℃以上400℃以下であることがより好ましい。
さらに、第1層6は、基材20の熱膨張係数と後述する第2層7の熱膨張係数との差に起因するそれぞれの熱変形の少なくとも一部を吸収することができる物性を有する材料で形成される。例えば、第1層6は、基材20の熱膨張係数と、後述する第2層7の熱膨張係数と、の間の熱膨張係数を有することがより好ましい。例えば、第1層6は、第2層7よりも柔軟性に優れていることがより好ましい。
第1層6は、主成分としてオルガノポリシロキサンを含む。オルガノポリシロキサンは、シロキサン結合(Si−O)の主鎖に有機官能基が結合したシリコーンの総称である。第1層6に用いるオルガノポリシロキサンの有機官能基は、特に限定されない。例えば、有機官能基としては、メチル基、フェニル基、カルビノール基、アミン基、エポキシ基などが用いられてもよい。
有機官能基としては、オルガノポリシロキサンの耐熱性を向上できる有機官能基が用いられることがより好ましい。耐熱性を向上できる点で特に好ましい有機官能基の例としては、メチル基、フェニル基などが挙げられる。第1層6に用いるオルガノポリシロキサンの有機官能基としては、メチル基およびフェニル基の少なくとも一方が含まれることが特に好ましい。
有機官能基としては、オルガノポリシロキサンの耐熱性を向上できる有機官能基が用いられることがより好ましい。耐熱性を向上できる点で特に好ましい有機官能基の例としては、メチル基、フェニル基などが挙げられる。第1層6に用いるオルガノポリシロキサンの有機官能基としては、メチル基およびフェニル基の少なくとも一方が含まれることが特に好ましい。
第1層6におけるオルガノポリシロキサンの分子量は、500以上5000以下であることがより好ましい。
オルガノポリシロキサンの分子量が500未満であると、第1層6の耐熱性が低くなりすぎるおそれがある。この場合、第1層6の劣化によって被覆膜5の耐久性が低くなるおそれがある。
オルガノポリシロキサンの分子量が5000を超えると、第1層6の機械的強度が低くなりすぎるおそれがある。この場合、第1層6の破損が原因で被覆膜5の耐久性が低くなるおそれがある。
オルガノポリシロキサンの分子量が500未満であると、第1層6の耐熱性が低くなりすぎるおそれがある。この場合、第1層6の劣化によって被覆膜5の耐久性が低くなるおそれがある。
オルガノポリシロキサンの分子量が5000を超えると、第1層6の機械的強度が低くなりすぎるおそれがある。この場合、第1層6の破損が原因で被覆膜5の耐久性が低くなるおそれがある。
第1層6は、オルガノポリシロキサンよりも少量の第1のシリコーンレジンをさらに含む。第1のシリコーンレジンの種類は特に限定されない。例えば、第1のシリコーンレジンは、ストレートシリコーンレジンでもよいし、変性シリコーンレジンでもよい。
シリコーンレジンは、3次元的な網状構造を有する。このため、第1層6に第1のシリコーンレジンが含有されることによって、第1層6がオルガノポリシロキサンのみからなる場合に比べて、第1層6の機械的強度が向上する。
シリコーンレジンは、3次元的な網状構造を有する。このため、第1層6に第1のシリコーンレジンが含有されることによって、第1層6がオルガノポリシロキサンのみからなる場合に比べて、第1層6の機械的強度が向上する。
第1層6において第1のシリコーンレジンは、オルガノポリシロキサン100質量部に対して、10質量部以上40質量部以下含まれることがより好ましい。
第1のシリコーンレジンが10質量部未満であると、第1のシリコーンレジンが少なすぎることに起因して、第1層6の機械的強度が不足するおそれがある。この場合、第1層6の破損が原因で被覆膜5の耐久性が低くなるおそれがある。
第1のシリコーンレジンが40質量部を超えると、第1のシリコーンレジンが多すぎて、第1層6が変形しにくくなるおそれがある。この場合、後述する繰り返しの熱応力によって、被覆膜5が破損しやすくなるおそれがある。
第1のシリコーンレジンが10質量部未満であると、第1のシリコーンレジンが少なすぎることに起因して、第1層6の機械的強度が不足するおそれがある。この場合、第1層6の破損が原因で被覆膜5の耐久性が低くなるおそれがある。
第1のシリコーンレジンが40質量部を超えると、第1のシリコーンレジンが多すぎて、第1層6が変形しにくくなるおそれがある。この場合、後述する繰り返しの熱応力によって、被覆膜5が破損しやすくなるおそれがある。
第1層6の厚さは特に限定されない。例えば、第1層6の厚さは3μm以上30μm以下であってもよい。
第1層6の厚さが3μm未満であると熱応力の緩和能力が不十分であるため、加熱時に割れてしまうおそれがある。
第1層6の厚さが30μmを超えると膜が厚すぎることにより、内部の熱応力が大きくなりすぎるため、加熱時に割れてしまうおそれがある。
第1層6の厚さが3μm未満であると熱応力の緩和能力が不十分であるため、加熱時に割れてしまうおそれがある。
第1層6の厚さが30μmを超えると膜が厚すぎることにより、内部の熱応力が大きくなりすぎるため、加熱時に割れてしまうおそれがある。
第2層7は、第1層6を被覆している。第2層7は、被覆膜5における最表面を形成する最表層である。第2層7は、処置部1の使用時に被処置体と接触する。
第2層7は、処置部1の使用時の温度上昇に耐える耐熱性を有する材料で形成される。例えば、第2層7の耐熱温度は、300℃以上400℃以下であることがより好ましい。
第2層7は、生体組織の付着防止性が高い材料で形成される。さらに、第2層7は、被処置体に押圧されても、破損しにくい機械的強度を有する。
第2層7は、処置部1の使用時の温度上昇に耐える耐熱性を有する材料で形成される。例えば、第2層7の耐熱温度は、300℃以上400℃以下であることがより好ましい。
第2層7は、生体組織の付着防止性が高い材料で形成される。さらに、第2層7は、被処置体に押圧されても、破損しにくい機械的強度を有する。
第2層7は、主成分として第2のシリコーンレジンを含む。第2のシリコーンレジンは、上述の第1のシリコーンレジンと同様のシリコーンレジンが用いられる。ただし、第2のシリコーンレジンは、第1層6における第1のシリコーンレジンと同じ材料であってもよいし、同じ材料でなくてもよい。
特に第2のシリコーンレジンとしては、生体組織の付着防止性が良好なシリコーンレジンが用いられることがより好ましい。具体的には、第2のシリコーンレジンは、撥水性に優れる有機官能基を有することがより好ましい。付着防止性を向上できる点で特に好ましい有機官能基の例としては、メチル基、エチル基などが挙げられる。第2層7に用いる第2のシリコーンレジンの有機官能基としては、メチル基およびエチル基の少なくとも一方が含まれることが特に好ましい。
特に第2のシリコーンレジンとしては、生体組織の付着防止性が良好なシリコーンレジンが用いられることがより好ましい。具体的には、第2のシリコーンレジンは、撥水性に優れる有機官能基を有することがより好ましい。付着防止性を向上できる点で特に好ましい有機官能基の例としては、メチル基、エチル基などが挙げられる。第2層7に用いる第2のシリコーンレジンの有機官能基としては、メチル基およびエチル基の少なくとも一方が含まれることが特に好ましい。
第2層7は、第2のシリコーンレジンよりも少量のポリジメチルシロキサンをさらに含む。第2層7は、ポリジメチルシロキサンに比べて機械的強度に優れる第2のシリコーンレジンが主成分である結果、機械的強度に優れる。
第2層7においてポリジメチルシロキサンが含まれることよって、第2層7の表面に存在するメチル基が増大する。このため、メチル基に起因する生体組織の付着防止性が向上する。
第2層7においてポリジメチルシロキサンは、第2のシリコーンレジン100質量部に対して、0.1質量部以上90質量部以下含まれることがより好ましい。
ポリジメチルシロキサンが0.1質量部未満であると、ポリジメチルシロキサンが少なすぎることに起因して、第2層7における生体組織の付着防止性が低下するおそれがある。この場合、第2層7に生体組織が付着しやすくなることが原因で被覆膜5の耐久性が低くなるおそれがある。
ポリジメチルシロキサンが90質量部を超えると、相対的に第2のシリコーンレジンの含有率が低下する結果、第2層7の機械的強度が低下するおそれがある。この場合、被処置体との接触による応力、または後述する繰り返しの熱応力によって、被覆膜5が破損しやすくなるおそれがある。
第2層7においてポリジメチルシロキサンが含まれることよって、第2層7の表面に存在するメチル基が増大する。このため、メチル基に起因する生体組織の付着防止性が向上する。
第2層7においてポリジメチルシロキサンは、第2のシリコーンレジン100質量部に対して、0.1質量部以上90質量部以下含まれることがより好ましい。
ポリジメチルシロキサンが0.1質量部未満であると、ポリジメチルシロキサンが少なすぎることに起因して、第2層7における生体組織の付着防止性が低下するおそれがある。この場合、第2層7に生体組織が付着しやすくなることが原因で被覆膜5の耐久性が低くなるおそれがある。
ポリジメチルシロキサンが90質量部を超えると、相対的に第2のシリコーンレジンの含有率が低下する結果、第2層7の機械的強度が低下するおそれがある。この場合、被処置体との接触による応力、または後述する繰り返しの熱応力によって、被覆膜5が破損しやすくなるおそれがある。
第2層7の厚さは特に限定されない。例えば、第2層7の厚さは20μm以下であってもよい。
第2層7の厚さが20μmを超えると、後述する繰り返しの熱応力によって、第2層7が第1層6から剥離するなどして、被覆膜5が破損しやすくなるおそれがある。
これに対して、第2層7は薄くなるほど、第1層6による拘束に抵抗しにくくなる。この結果、第1層6との剥離が起こりにくくなる。第2層7の厚さは、第1把持面2aにおける生体組織の付着防止性が得られ、かつ被処置体との接触による機械的強度が得られれば、なるべく薄い方がより好ましい。
第2層7の厚さが20μmを超えると、後述する繰り返しの熱応力によって、第2層7が第1層6から剥離するなどして、被覆膜5が破損しやすくなるおそれがある。
これに対して、第2層7は薄くなるほど、第1層6による拘束に抵抗しにくくなる。この結果、第1層6との剥離が起こりにくくなる。第2層7の厚さは、第1把持面2aにおける生体組織の付着防止性が得られ、かつ被処置体との接触による機械的強度が得られれば、なるべく薄い方がより好ましい。
このような被覆膜5は、第1把持面2aおよび外表面2b上に、第1層6および第2層7をこの順に形成することによって製造される。
第1層6を形成するには、第1層6の構成材料を混合した第1の塗料を準備する。この後、第1の塗料を第1把持面2aおよび外表面2bに塗布する。第1の塗料の塗布方法としては、例えば、スプレー塗装、ディップ塗装、スピン塗装、はけ塗りなどが挙げられる。
第1の塗料が塗布された後、塗布膜を加熱する。これにより、塗布膜中のオルガノポリシロキサンと第1のシリコーンレジンとが脱水縮合して硬化する。この結果、オルガノポリシロキサンと第1のシリコーンレジンとが、3次元的に結合される。
第1層6を形成するには、第1層6の構成材料を混合した第1の塗料を準備する。この後、第1の塗料を第1把持面2aおよび外表面2bに塗布する。第1の塗料の塗布方法としては、例えば、スプレー塗装、ディップ塗装、スピン塗装、はけ塗りなどが挙げられる。
第1の塗料が塗布された後、塗布膜を加熱する。これにより、塗布膜中のオルガノポリシロキサンと第1のシリコーンレジンとが脱水縮合して硬化する。この結果、オルガノポリシロキサンと第1のシリコーンレジンとが、3次元的に結合される。
第1層6が硬化した後、第2層7が形成される。
第2層7を形成するには、第2層7の構成材料を混合した第2の塗料を準備する。この後、第2の塗料を第1層6の表面に塗布する。第2の塗料の塗布方法としては、第1の塗料の塗布方法と同様の塗布方法が用いられる。
第2の塗料が塗布された後、塗布膜を加熱する。これにより、塗布膜中の第2のシリコーンレジンとポリジメチルシロキサンとが脱水縮合して硬化する。この結果、第2のシリコーンレジンとポリジメチルシロキサンとが3次元的に結合される。このとき、第2層7と第1層6との界面でも第1層6の材料との間に、同様な結合が形成される。
第2層7を形成するには、第2層7の構成材料を混合した第2の塗料を準備する。この後、第2の塗料を第1層6の表面に塗布する。第2の塗料の塗布方法としては、第1の塗料の塗布方法と同様の塗布方法が用いられる。
第2の塗料が塗布された後、塗布膜を加熱する。これにより、塗布膜中の第2のシリコーンレジンとポリジメチルシロキサンとが脱水縮合して硬化する。この結果、第2のシリコーンレジンとポリジメチルシロキサンとが3次元的に結合される。このとき、第2層7と第1層6との界面でも第1層6の材料との間に、同様な結合が形成される。
以上、第1把持電極2における被覆膜5について説明した。
第2把持電極3における被覆膜5は、基材20の表面20a上に、第1層6が積層している以外は、第1把持電極2の被覆膜5と同様に構成される。支持部材4における被覆膜5は、基材40の表面40a上に、第1層6が積層している以外は、第1把持電極2の被覆膜5と同様に構成される。
ただし、第2把持電極3および支持部材4における各被覆膜5の各第1層6および各第2層7の材料、厚さは、第1把持電極2における被覆膜5の材料、厚さとは異なっていてもよい。
特に、支持部材4は、第1把持電極2および第2把持電極3に比べると、使用時に被処置体に押圧される機会が少ない。さらに、支持部材4の温度は、第1把持電極2および第2把持電極3に比べるとより低い可能性がある。したがって、支持部材4における機械的強度、耐熱性、および生体組織の付着防止性は、第1把持電極2および第2把持電極3よりも低くもよい場合がある。
同様に、第1把持電極2および第2把持電極3において、第1把持面2aおよび第2把持面3aにおける被覆膜5の材料、厚さと、外表面2b、3bにおける被覆膜5の材料、厚さとは、互いに異なっていてもよい。
第2把持電極3における被覆膜5は、基材20の表面20a上に、第1層6が積層している以外は、第1把持電極2の被覆膜5と同様に構成される。支持部材4における被覆膜5は、基材40の表面40a上に、第1層6が積層している以外は、第1把持電極2の被覆膜5と同様に構成される。
ただし、第2把持電極3および支持部材4における各被覆膜5の各第1層6および各第2層7の材料、厚さは、第1把持電極2における被覆膜5の材料、厚さとは異なっていてもよい。
特に、支持部材4は、第1把持電極2および第2把持電極3に比べると、使用時に被処置体に押圧される機会が少ない。さらに、支持部材4の温度は、第1把持電極2および第2把持電極3に比べるとより低い可能性がある。したがって、支持部材4における機械的強度、耐熱性、および生体組織の付着防止性は、第1把持電極2および第2把持電極3よりも低くもよい場合がある。
同様に、第1把持電極2および第2把持電極3において、第1把持面2aおよび第2把持面3aにおける被覆膜5の材料、厚さと、外表面2b、3bにおける被覆膜5の材料、厚さとは、互いに異なっていてもよい。
次に、処置部1および高周波処置具101の作用について、被覆膜5の作用を中心として説明する。
まず、高周波処置具101および処置部1の動作および使用方法について説明する。
高周波処置具101を用いた処置は、例えば、生体組織を第1把持電極2および第2把持電極3で挟んだ状態で、高周波電源10によって第1把持電極2および第2把持電極3に高周波電圧を印加することによって行われる。術者は、図示略の操作部を操作して、第2把持電極3を第1把持電極2に向けて回動させる。これにより、第1把持電極2および第2把持電極3の間に生体組織が挟まれる。
第1把持電極2および第2把持電極3に高周波電圧が印加されると、被覆膜5と生体組織との間に高周波電流が発生する。高周波電流が生体組織に流れるとジュール熱が発生する。これにより生体組織の水分が急速に蒸発する。生体組織は焼灼される。生体組織に血液が流れている場合には、焼灼部において止血される。焼灼されて脆くなった生体組織は、第1把持電極2および第2把持電極3からの押圧力によって切断される。
まず、高周波処置具101および処置部1の動作および使用方法について説明する。
高周波処置具101を用いた処置は、例えば、生体組織を第1把持電極2および第2把持電極3で挟んだ状態で、高周波電源10によって第1把持電極2および第2把持電極3に高周波電圧を印加することによって行われる。術者は、図示略の操作部を操作して、第2把持電極3を第1把持電極2に向けて回動させる。これにより、第1把持電極2および第2把持電極3の間に生体組織が挟まれる。
第1把持電極2および第2把持電極3に高周波電圧が印加されると、被覆膜5と生体組織との間に高周波電流が発生する。高周波電流が生体組織に流れるとジュール熱が発生する。これにより生体組織の水分が急速に蒸発する。生体組織は焼灼される。生体組織に血液が流れている場合には、焼灼部において止血される。焼灼されて脆くなった生体組織は、第1把持電極2および第2把持電極3からの押圧力によって切断される。
例えば、生体組織を押圧する第1把持面2aおよび第2把持面3aは、第2層7によって形成されている。第2層7の主成分は第2のシリコーンレジンである。これにより、第2層7は高周波電流印加時のジュール熱に耐える耐熱性を有する。第2のシリコーンレジンは3次元的な網状構造を有するので、生体組織の押圧時および生体組織への接触時の応力に耐える機械的強度を有する。
第2層7と基材20(30)との間の第1層6は、オルガノポリシロキサンを主成分とするので、耐熱性を有する。オルガノポリシロキサンの有機官能基がメチル基およびフェニル基の少なくとも一方の場合には、特に良好な耐熱性が得られる。
第1層6は、オルガノポリシロキサンと第1のシリコーンレジンとの硬化物であるので、第2層7との界面において、同種の材料の第2のシリコーンレジンおよびポリジメチルシロキサンとの密着性が良好になる。
第2層7と基材20(30)との間の第1層6は、オルガノポリシロキサンを主成分とするので、耐熱性を有する。オルガノポリシロキサンの有機官能基がメチル基およびフェニル基の少なくとも一方の場合には、特に良好な耐熱性が得られる。
第1層6は、オルガノポリシロキサンと第1のシリコーンレジンとの硬化物であるので、第2層7との界面において、同種の材料の第2のシリコーンレジンおよびポリジメチルシロキサンとの密着性が良好になる。
さらに、第2層7には、ポリジメチルシロキサンが含まれる。ポリジメチルシロキサンは、第2層7の形成時に第2のシリコーンレジンと一体化している。ポリジメチルシロキサンも良好な耐熱性を有する。加えて、ポリジメチルシロキサンは生体組織の付着防止性能を有するメチル基を含んでいる。第2層7の表面には、ポリジメチルシロキサンに由来するメチル基が露出している。この結果、第2層7に生体組織の付着が防止される。
特に第2のシリコーンレジンがメチル基を含む場合には、表面に露出するメチル基がさらに増えるので、生体組織の付着防止性能がさらに向上する。第2のシリコーンレジンがメチル基以外の生体組織の付着防止性能を有する有機官能基を含む場合も同様である。
特に第2のシリコーンレジンがメチル基を含む場合には、表面に露出するメチル基がさらに増えるので、生体組織の付着防止性能がさらに向上する。第2のシリコーンレジンがメチル基以外の生体組織の付着防止性能を有する有機官能基を含む場合も同様である。
必要な処置が終了すると、術者は、第2把持電極3を第1把持電極2から離間させる操作を行う。このとき、被覆膜5が劣化していると、生体組織の一部が第1把持電極2および第2把持電極3に付着する。第1把持電極2および第2把持電極3への生体組織の付着量が多くなりすぎると、付着部位において処置に必要な高周波電流が流れなくなる。この結果、良好な処置が遂行できなくなる。
被覆膜5の経時劣化の要因としては、被覆膜5に作用する繰り返しの熱応力に起因する被覆膜5の破損が挙げられる。基材20(30)は金属、セラミックなどの材料からなるのに対して、被覆膜5は、シリコーン樹脂組成物である。シリコーン樹脂組成物は、金属、セラミックに比べると、熱膨張係数が大きい。この結果、処置部1の繰り返し使用によって、被覆膜5には、繰り返しの熱応力が作用する。
しかし、被覆膜5は、第1層6および第2層7の2層構造を有する。第1層6は鎖状のオルガノポリシロキサンを主成分とするのに対して、第2層7は、3次元的な網目構造を有する第2のシリコーンレジンを主成分とする。このため、第1層6は第2層7に比べて柔軟性に富んでいる。これにより、第2層7が基材20(30)に比べて相対的に伸張する際、第1層6は弾性的に変形しやすい。この結果、基材20(30)と第2層7との熱膨張係数の差に起因する第2層7の熱応力が第1層6の変形によって緩和される。
この結果、被覆膜5に繰り返しの熱応力が作用しても、第2層7の破損あるいは剥離が抑制される。
このようにして、被覆膜5の耐久性が向上することで、被覆膜5の劣化によって基材20が表面に露出することが防止される。この結果、第1把持電極2および第2把持電極3の耐久性が向上する。
被覆膜5の経時劣化の要因としては、被覆膜5に作用する繰り返しの熱応力に起因する被覆膜5の破損が挙げられる。基材20(30)は金属、セラミックなどの材料からなるのに対して、被覆膜5は、シリコーン樹脂組成物である。シリコーン樹脂組成物は、金属、セラミックに比べると、熱膨張係数が大きい。この結果、処置部1の繰り返し使用によって、被覆膜5には、繰り返しの熱応力が作用する。
しかし、被覆膜5は、第1層6および第2層7の2層構造を有する。第1層6は鎖状のオルガノポリシロキサンを主成分とするのに対して、第2層7は、3次元的な網目構造を有する第2のシリコーンレジンを主成分とする。このため、第1層6は第2層7に比べて柔軟性に富んでいる。これにより、第2層7が基材20(30)に比べて相対的に伸張する際、第1層6は弾性的に変形しやすい。この結果、基材20(30)と第2層7との熱膨張係数の差に起因する第2層7の熱応力が第1層6の変形によって緩和される。
この結果、被覆膜5に繰り返しの熱応力が作用しても、第2層7の破損あるいは剥離が抑制される。
このようにして、被覆膜5の耐久性が向上することで、被覆膜5の劣化によって基材20が表面に露出することが防止される。この結果、第1把持電極2および第2把持電極3の耐久性が向上する。
以上、第1把持電極2および第2把持電極3の第1把持面2aおよび第2把持面3aにおける被覆膜5の作用について説明した。しかし、外表面2b、3bにおける被覆膜5の作用も同様である。例えば、外表面2b、3bは、それぞれ第1把持電極2および第2把持電極3の温度上昇によって、第1把持面2aおよび第2把持面3aと同様な高温に達する。
さらに、支持部材4における被覆膜5の作用も同様である。本実施形態では、支持部材4には高周波電流は流れないが、第1把持電極2および第2把持電極3からの熱伝導によって、支持部材4も使用時に温度上昇する。支持部材4は、生体組織を把持することはないが、処置の際に、生体組織と接触する可能性がある。
このように、被覆膜5は、被覆対象のすべての基材において、繰り返しの熱応力を受け、生体組織が付着する可能性があるが、いずれも、第1把持面2aおよび第2把持面3aにおけると同様の耐久性を有する。
さらに、支持部材4における被覆膜5の作用も同様である。本実施形態では、支持部材4には高周波電流は流れないが、第1把持電極2および第2把持電極3からの熱伝導によって、支持部材4も使用時に温度上昇する。支持部材4は、生体組織を把持することはないが、処置の際に、生体組織と接触する可能性がある。
このように、被覆膜5は、被覆対象のすべての基材において、繰り返しの熱応力を受け、生体組織が付着する可能性があるが、いずれも、第1把持面2aおよび第2把持面3aにおけると同様の耐久性を有する。
以上説明したように、本実施形態の処置部1および高周波処置具101によれば、高温で繰り返し使用されても生体組織の付着防止性能が低下しにくい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の医療機器用処置部および医療機器について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態の医療機器用処置部の模式的な断面図である。
本発明の第2の実施形態の医療機器用処置部および医療機器について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態の医療機器用処置部の模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態の高周波処置具101A(医療機器)は、第1の実施形態の高周波処置具101の処置部1に代えて、処置部1A(医療機器用処置部)を備える。
図3に示すように、本実施形態の処置部1Aは、第1の実施形態の処置部1の被覆膜5に代えて、被覆膜15を備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図3に示すように、本実施形態の処置部1Aは、第1の実施形態の処置部1の被覆膜5に代えて、被覆膜15を備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
被覆膜15は、第1の実施形態における被覆膜5と層構成が異なる以外は被覆膜5と同様に設けられている。被覆膜15は、処置部1Aの使用時の温度上昇に耐える耐熱性を有する材料で形成される。例えば、被覆膜15の耐熱温度は、300℃以上400℃以下であることがより好ましい。
図3に示すように、例えば、第1把持電極2における被覆膜15は、第1層16、第2層17(中間層)、第3層18、および第4層19(最表層)からなる。
図3に示すように、例えば、第1把持電極2における被覆膜15は、第1層16、第2層17(中間層)、第3層18、および第4層19(最表層)からなる。
第1層16は、基材20の表面20aを被覆している。第1層16は、表面20aおよび後述する第2層17に対するそれぞれの密着性が良好な材料で形成される。さらに、第1層16の材料としては、熱膨張係数が基材20の熱膨張係数以上かつ第2層17の熱膨張係数以下の材料が用いられる。第1層16の材料としては、熱膨張係数が基材20の熱膨張係数よりも大きくかつ第2層17の熱膨張係数よりも小さい材料が用いられることがより好ましい。
例えば、第1層16の材料としては、ウレタンゴム、エポキシ樹脂などが用いられてもよい。
例えば、第1層16の材料としては、ウレタンゴム、エポキシ樹脂などが用いられてもよい。
第2層17は、第1層16を被覆している。第2層17は、第1層16に対する密着性が良好な材料で形成される。
第2層17は、第1の実施形態における第1層6と同様に構成される。第2層17は、第1層16との密着性を向上する目的で、第1層16に含有される材料成分と同様の成分を含んでもよい。
第2層17は、第1の実施形態における第1層6と同様に構成される。第2層17は、第1層16との密着性を向上する目的で、第1層16に含有される材料成分と同様の成分を含んでもよい。
第3層18は、第2層17を被覆している。第3層18は、第2層17および後述する第4層19に対するそれぞれの密着性が良好な材料で形成される。例えば、第3層18は、第2層17および第4層19との密着性を向上する目的で、第2層17および第4層19に含有される材料成分と同様の成分を含んでもよい。
さらに、第3層18の材料としては、熱膨張係数が第2層17の熱膨張係数以上かつ第4層19の熱膨張係数以下の材料が用いられる。第3層18の材料としては、熱膨張係数が第2層17の熱膨張係数よりも大きくかつ第4層19の熱膨張係数よりも小さい材料が用いられることがより好ましい。
例えば、第3層18の材料としては、ポリジメチルシロキサン以外のオルガノポリシロキサンと、シリコーンレジンとを含む材料が用いられてもよい。例えば、第3層18の材料としては、ポリジフェニルシロキサンなどが用いられてもよい。
さらに、第3層18の材料としては、熱膨張係数が第2層17の熱膨張係数以上かつ第4層19の熱膨張係数以下の材料が用いられる。第3層18の材料としては、熱膨張係数が第2層17の熱膨張係数よりも大きくかつ第4層19の熱膨張係数よりも小さい材料が用いられることがより好ましい。
例えば、第3層18の材料としては、ポリジメチルシロキサン以外のオルガノポリシロキサンと、シリコーンレジンとを含む材料が用いられてもよい。例えば、第3層18の材料としては、ポリジフェニルシロキサンなどが用いられてもよい。
第4層19は、第3層18を被覆している。第4層19は、第3層18に対する密着性が良好な材料で形成される。
第4層19は、第1の実施形態における第2層7と同様に構成される。第4層19は、第3層18との密着性を向上する目的で、第3層18に含有される材料成分と同様の成分を含んでもよい。
第4層19は、第1の実施形態における第2層7と同様に構成される。第4層19は、第3層18との密着性を向上する目的で、第3層18に含有される材料成分と同様の成分を含んでもよい。
このような被覆膜15は、第1把持面2aおよび外表面2b上に、第1層16、第2層17、第3層18、および第4層19をこの順に形成することによって製造される。各層の具体的な製造方法は特に限定されない。例えば、各層は、各層の構成材料を必要に応じて溶媒に混合した塗料を被覆対象に塗布した後、硬化させて製造されてもよい。特に、第2層17および第4層19は、第1の実施形態における第1層6および第2層7と同様にして製造できる。
以上、第1把持電極2における被覆膜15について説明した。第2把持電極3および支持部材4における被覆膜15も同様である。
ただし、第2把持電極3および支持部材4における各被覆膜15の各層の材料、厚さは、第1把持電極2における被覆膜15の各層の材料、厚さとは異なっていてもよい。
ただし、第2把持電極3および支持部材4における各被覆膜15の各層の材料、厚さは、第1把持電極2における被覆膜15の各層の材料、厚さとは異なっていてもよい。
次に、処置部1Aおよび高周波処置具101Aの作用について、被覆膜15の作用を中心として説明する。
高周波処置具101Aは、高周波処置具101と同様にして使用できる。
その際、被覆膜15は、被覆膜5における第1層6および第2層7と同様の第2層17および第4層19を備えるので、被覆膜5と同様の作用を備える。
特に、本実施形態では、例えば、第2層17と表面20aとの間に、第1層16が介在している。例えば、第2層17と表面20aとの密着性がよくない場合にも、第2層17および表面20aとの密着性が良好な材料によって第1層16を形成することによって、第2層17を表面20aに対してより強固に固定できる。
特に、第1層16の熱膨張係数が、基材20の熱膨張係数よりも大きく第2層17の熱膨張係数よりも小さい場合、基材20の熱膨張係数と第2層17の熱膨張係数との差に起因する第2層17の熱応力が、第1層16の介在によって緩和される。この結果、繰り返し熱応力に対する第2層17の耐久性がより向上する。
高周波処置具101Aは、高周波処置具101と同様にして使用できる。
その際、被覆膜15は、被覆膜5における第1層6および第2層7と同様の第2層17および第4層19を備えるので、被覆膜5と同様の作用を備える。
特に、本実施形態では、例えば、第2層17と表面20aとの間に、第1層16が介在している。例えば、第2層17と表面20aとの密着性がよくない場合にも、第2層17および表面20aとの密着性が良好な材料によって第1層16を形成することによって、第2層17を表面20aに対してより強固に固定できる。
特に、第1層16の熱膨張係数が、基材20の熱膨張係数よりも大きく第2層17の熱膨張係数よりも小さい場合、基材20の熱膨張係数と第2層17の熱膨張係数との差に起因する第2層17の熱応力が、第1層16の介在によって緩和される。この結果、繰り返し熱応力に対する第2層17の耐久性がより向上する。
同様に、本実施形態では、例えば、第4層19と第2層17との間に、第3層18が介在している。例えば、第3層18の熱膨張係数が、第2層17の熱膨張係数よりも大きく第4層19の熱膨張係数よりも小さい場合、第2層17の熱膨張係数と第4層19の熱膨張係数との差に起因する第4層19の熱応力が、第3層18の介在によって緩和される。この結果、繰り返し熱応力に対する第4層19の耐久性がより向上する。
以上説明したように、本実施形態の処置部1Aおよび高周波処置具101Aによれば、高温で繰り返し使用されても生体組織の付着防止性能が低下しにくい。
なお、上記各実施形態の説明では、医療機器用処置部を備える医療機器が、高周波処置具の場合の例で説明した。しかし、医療機器は、医療機器用処置部を備えていていれば、上述のような高周波処置具には限定されない。例えば、医療機器は、医療用高エネルギーデバイスでもよい。例えば、処置部が300℃以上になるような医療機器であれば、医療機器は、医療用高エネルギーデバイスでなくてもよい。
本発明の医療機器用処置部を好適に用いることができる他の医療機器の例としては、例えば、高周波ナイフ、高周波ハサミ型ナイフ、電気メス、スネア、超音波凝固切開装置、高周波焼灼電源装置、高周波・超音波混合装置、加熱焼灼電源装置などが挙げられる。
本発明の医療機器用処置部は、術者が手に持って使用する処置具に用いられてもよいし、外科手術用ロボットに取り付けられてもよい。
本発明の医療機器用処置部を好適に用いることができる他の医療機器の例としては、例えば、高周波ナイフ、高周波ハサミ型ナイフ、電気メス、スネア、超音波凝固切開装置、高周波焼灼電源装置、高周波・超音波混合装置、加熱焼灼電源装置などが挙げられる。
本発明の医療機器用処置部は、術者が手に持って使用する処置具に用いられてもよいし、外科手術用ロボットに取り付けられてもよい。
上記各実施形態の説明では、第1把持面2a、第2把持面3aの形状がは平面の組合せからなる場合の例で説明した。しかし、被覆膜が被覆する基材の表面は、例えば、平面、湾曲面などでもよい。被覆膜が被覆する基材の表面は、例えば、膜厚に比べて凹凸量が小さい凹凸面でもよい。
上記各実施形態の説明では、被覆膜が、中間層および最表層を1層ずつ含む2層構造または4層構造を有する場合の例で説明した。しかし、被覆膜の全層数は、2層または4層には限定されない。例えば、被覆膜は3層構造を有してもよいし、5層以上の層構造を有してもよい。さらに、被覆膜において、主成分としてオルガノポリシロキサンを含み、かつオルガノポリシロキサンよりも少量の第1のシリコーンレジンを含む中間層は、2層以上設けられてもよい。
上記各実施形態の説明では、被覆膜の各層は、厚さ方向の組成が一定の場合の例で説明した。しかし、被覆膜の中間層および最表層を含む各層のうち少なくとも1層は、厚さ方向で組成が変化する傾斜層で構成されてもよい。
次に、第1の実施形態に関する実施例1〜9について、比較例1〜3とともに説明する。下記[表1]に、実施例1〜9および比較例1〜3の被覆膜の構成が示されている。
[実施例1]
実施例1は、上述の被覆膜5に対応する実施例とされた。
実施例1では、第1把持電極2および第2把持電極3の材質としてはステンレス鋼が用いられた。具体的には、SUS304が用いられた。
[表1]に示すように、第1層6([表1]では「中間層」)の組成は、分子量450のオルガノポリシロキサン100質量部と、第1のシリコーンレジン50質量部と、からなる。第1層6の硬化後の厚さは40μmとされた。オルガノポリシロキサンの有機官能基はメチル基とされた。
第2層7([表1]では「最表層」)の組成は、第2のシリコーンレジン100質量部と、分子量450のポリジメチルシロキサン30質量部と、からなる。第2層7の硬化後の厚さは30μmとされた。第2のシリコーンレジンの有機官能基はエチル基とされた。
このような被覆膜5を製造する目的で、上述の第1層6の組成成分を含む中間層用塗料(第1の塗料)と、第2層7の組成成分を含む最表層用塗料(第2の塗料)と、が準備された。
中間層用塗料がスプレー塗装によって基材20、30の各表面に塗布された。この後、基材20、30が300℃で1時間加熱された。これにより、中間層用塗料が硬化し、第1層6が製造された。
この後、最表層用塗料がスプレー塗装によって各第1層6の表面に塗布された。この後、基材20、30が300℃で1時間加熱された。これにより、最表層用塗料が硬化し、第2層7が製造された。
このような実施例1の第1把持電極2および第2把持電極3が支持部材4に組み立てられて、実施例1の処置部1が製造された。処置部1は、高周波電源10に接続されて、実施例1の高周波処置具101が製造された。
実施例1は、上述の被覆膜5に対応する実施例とされた。
実施例1では、第1把持電極2および第2把持電極3の材質としてはステンレス鋼が用いられた。具体的には、SUS304が用いられた。
[表1]に示すように、第1層6([表1]では「中間層」)の組成は、分子量450のオルガノポリシロキサン100質量部と、第1のシリコーンレジン50質量部と、からなる。第1層6の硬化後の厚さは40μmとされた。オルガノポリシロキサンの有機官能基はメチル基とされた。
第2層7([表1]では「最表層」)の組成は、第2のシリコーンレジン100質量部と、分子量450のポリジメチルシロキサン30質量部と、からなる。第2層7の硬化後の厚さは30μmとされた。第2のシリコーンレジンの有機官能基はエチル基とされた。
このような被覆膜5を製造する目的で、上述の第1層6の組成成分を含む中間層用塗料(第1の塗料)と、第2層7の組成成分を含む最表層用塗料(第2の塗料)と、が準備された。
中間層用塗料がスプレー塗装によって基材20、30の各表面に塗布された。この後、基材20、30が300℃で1時間加熱された。これにより、中間層用塗料が硬化し、第1層6が製造された。
この後、最表層用塗料がスプレー塗装によって各第1層6の表面に塗布された。この後、基材20、30が300℃で1時間加熱された。これにより、最表層用塗料が硬化し、第2層7が製造された。
このような実施例1の第1把持電極2および第2把持電極3が支持部材4に組み立てられて、実施例1の処置部1が製造された。処置部1は、高周波電源10に接続されて、実施例1の高周波処置具101が製造された。
[実施例2〜9]
以下、実施例2〜9について、実施例1等と異なる点を中心に説明する。
実施例2では、第1層6における第1のシリコーンレジンの含有量が20質量部とされた以外は、実施例1と同様の被覆膜5が形成された。
実施例3では、第2層7におけるポリジメチルシロキサンの含有量が2質量部とされた以外は、実施例2と同様の被覆膜5が形成された。
実施例4では、第1層6におけるオルガノポリシロキサンの有機官能基がフェニル基とされた以外は、実施例3と同様の被覆膜5が形成された。
実施例5では、第2層7における第2のシリコーンレジンの有機官能基がメチル基とされた以外は、実施例4と同様の被覆膜5が形成された。
実施例6では、第1層6におけるオルガノポリシロキサンの分子量が800とされた以外は、実施例5と同様の被覆膜5が形成された。
実施例7では、第2層7におけるポリジメチルシロキサンの分子量が800とされた以外は、実施例6と同様の被覆膜5が形成された。
実施例8では、第1層6の厚さが20μmとされた以外は、実施例7と同様の被覆膜5が形成された。
実施例9では、第2層7の厚さが10μmとされた以外は、実施例8と同様の被覆膜5が形成された。
以下、実施例2〜9について、実施例1等と異なる点を中心に説明する。
実施例2では、第1層6における第1のシリコーンレジンの含有量が20質量部とされた以外は、実施例1と同様の被覆膜5が形成された。
実施例3では、第2層7におけるポリジメチルシロキサンの含有量が2質量部とされた以外は、実施例2と同様の被覆膜5が形成された。
実施例4では、第1層6におけるオルガノポリシロキサンの有機官能基がフェニル基とされた以外は、実施例3と同様の被覆膜5が形成された。
実施例5では、第2層7における第2のシリコーンレジンの有機官能基がメチル基とされた以外は、実施例4と同様の被覆膜5が形成された。
実施例6では、第1層6におけるオルガノポリシロキサンの分子量が800とされた以外は、実施例5と同様の被覆膜5が形成された。
実施例7では、第2層7におけるポリジメチルシロキサンの分子量が800とされた以外は、実施例6と同様の被覆膜5が形成された。
実施例8では、第1層6の厚さが20μmとされた以外は、実施例7と同様の被覆膜5が形成された。
実施例9では、第2層7の厚さが10μmとされた以外は、実施例8と同様の被覆膜5が形成された。
[比較例1〜3]
比較例1では、中間層において、第1のシリコーンレジンの含有量が0質量部とされた以外は、実施例1と同様の被覆膜が形成された。
比較例2では、最表層において、ポリジメチルシロキサンの含有量が0質量部とされた以外は、実施例1と同様の被覆膜が形成された。
比較例3では、中間層を有しない以外は、実施例1と同様の被覆膜が形成された。すなわち、比較例3は、実施例1の最表層が基材の表面を被覆した例とされた。
比較例1では、中間層において、第1のシリコーンレジンの含有量が0質量部とされた以外は、実施例1と同様の被覆膜が形成された。
比較例2では、最表層において、ポリジメチルシロキサンの含有量が0質量部とされた以外は、実施例1と同様の被覆膜が形成された。
比較例3では、中間層を有しない以外は、実施例1と同様の被覆膜が形成された。すなわち、比較例3は、実施例1の最表層が基材の表面を被覆した例とされた。
[評価]
各実施例、各比較例の各処置部は、高周波処置具101に取り付けられた後、高周波処置具101を用いた貼り付き評価試験が行われた。
被処置体としては、豚の血管が用いられた。
1回の処置動作は、以下のように行われた。豚の血管には、第1把持電極が挿入された。この状態で、第2把持電極を閉じることにより、血管はその長手方向に沿って第1把持電極と第2把持電極との間に把持された。把持力は2Nとされた。この状態で、処置部に高周波電流が3秒間流された。これにより、生体組織の貼り付きが生じない場合には、血管が切開された。高周波電流が流れる間、第1把持電極および第2把持電極は300℃に加熱されていた。
被処置体に対して、上述の処置動作を繰り返し、処置動作終了ごとに、血管の切り分かれたかどうかと、第1把持電極または第2把持電極に生体組織が付着しているかどうかと、を評価した。
第1把持電極または第2把持電極に生体組織が付着しており、かつ血管が切り分かれなくなった回数を貼り付き発生回数として記録した([表1]参照)。各実施例および各比較例において、血管が切り分かれていない場合に、生体組織の付着が見られなかった例はなかった。
総合評価としては、貼り付き発生回数が50回以上の場合を、「良い」(good、[表1]では「○」と記載)と定義した。貼り付き発生回数が50回未満の場合を、「不良」(no good、[表1]では「×」と記載)と定義した。
各実施例、各比較例の各処置部は、高周波処置具101に取り付けられた後、高周波処置具101を用いた貼り付き評価試験が行われた。
被処置体としては、豚の血管が用いられた。
1回の処置動作は、以下のように行われた。豚の血管には、第1把持電極が挿入された。この状態で、第2把持電極を閉じることにより、血管はその長手方向に沿って第1把持電極と第2把持電極との間に把持された。把持力は2Nとされた。この状態で、処置部に高周波電流が3秒間流された。これにより、生体組織の貼り付きが生じない場合には、血管が切開された。高周波電流が流れる間、第1把持電極および第2把持電極は300℃に加熱されていた。
被処置体に対して、上述の処置動作を繰り返し、処置動作終了ごとに、血管の切り分かれたかどうかと、第1把持電極または第2把持電極に生体組織が付着しているかどうかと、を評価した。
第1把持電極または第2把持電極に生体組織が付着しており、かつ血管が切り分かれなくなった回数を貼り付き発生回数として記録した([表1]参照)。各実施例および各比較例において、血管が切り分かれていない場合に、生体組織の付着が見られなかった例はなかった。
総合評価としては、貼り付き発生回数が50回以上の場合を、「良い」(good、[表1]では「○」と記載)と定義した。貼り付き発生回数が50回未満の場合を、「不良」(no good、[表1]では「×」と記載)と定義した。
[評価結果]
[表1]に示すように、実施例1〜9の総合評価は、いずれも「良い」であった。特に、第2のシリコーンレジンの有機官能基がメチル基の場合、特に貼り付き発生回数が大きくなった(実施例5〜9参照)。この理由は、第2層7の表面におけるメチル基の量が多くなった結果、生体組織の付着が抑制されたからであると考えられる。
実施例5〜9のうちでは、ポリジメチルシロキサンの分子量が大きい実施例7〜9が特に耐久性に優れていた。この理由は、分子量の増大に伴って分子の長さが長くなったことによって分子の伸縮の幅が大きくなった結果、熱応力の緩和をしやすくなったからであると考えられる。
[表1]に示すように、実施例1〜9の総合評価は、いずれも「良い」であった。特に、第2のシリコーンレジンの有機官能基がメチル基の場合、特に貼り付き発生回数が大きくなった(実施例5〜9参照)。この理由は、第2層7の表面におけるメチル基の量が多くなった結果、生体組織の付着が抑制されたからであると考えられる。
実施例5〜9のうちでは、ポリジメチルシロキサンの分子量が大きい実施例7〜9が特に耐久性に優れていた。この理由は、分子量の増大に伴って分子の長さが長くなったことによって分子の伸縮の幅が大きくなった結果、熱応力の緩和をしやすくなったからであると考えられる。
これに対して、比較例1〜3の総合評価は、いずれも「不良」であった。
比較例1の場合、中間層に第1のシリコーンレジンが含有されなかったので、実施例1に比べて、中間層の機械的強度が低下した。この結果、被覆膜の劣化が早かったと考えられる。
比較例2の場合、最表層にポリジメチルシロキサンが含有されなかったので、実施例1に比べて、最表層の表面におけるメチル基の量が少なくなった。この結果、生体組織が付着しやすくなったと考えられる。
比較例3の場合、中間層が設けられていなかったので、常温から300℃までの熱サイクルの繰り返しによる熱応力によって最表層が破損した。この結果、被覆膜が劣化したと考えられる。
比較例1の場合、中間層に第1のシリコーンレジンが含有されなかったので、実施例1に比べて、中間層の機械的強度が低下した。この結果、被覆膜の劣化が早かったと考えられる。
比較例2の場合、最表層にポリジメチルシロキサンが含有されなかったので、実施例1に比べて、最表層の表面におけるメチル基の量が少なくなった。この結果、生体組織が付着しやすくなったと考えられる。
比較例3の場合、中間層が設けられていなかったので、常温から300℃までの熱サイクルの繰り返しによる熱応力によって最表層が破損した。この結果、被覆膜が劣化したと考えられる。
以上、本発明の好ましい各実施形態を各実施例とともに説明したが、本発明はこれらの各実施形態、各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1、1A 処置部(医療機器用処置部)
2 第1把持電極
2a 第1把持面
2b、3b 外表面
3 第2把持電極
3a 第2把持面
4 支持部材
4b 側面
5、15 被覆膜
6 第1層(中間層)
7 第2層(最表層)
16 第1層
17 第2層(中間層)
18 第3層
19 第4層(最表層)
20、30、40 基材
101、101A 高周波処置具(医療機器)
2 第1把持電極
2a 第1把持面
2b、3b 外表面
3 第2把持電極
3a 第2把持面
4 支持部材
4b 側面
5、15 被覆膜
6 第1層(中間層)
7 第2層(最表層)
16 第1層
17 第2層(中間層)
18 第3層
19 第4層(最表層)
20、30、40 基材
101、101A 高周波処置具(医療機器)
Claims (10)
- 基材と、
前記基材を覆う被覆膜と、
を備え、
前記被覆膜は、
主成分としてオルガノポリシロキサンを含み、かつ前記オルガノポリシロキサンよりも少量の第1のシリコーンレジンを含む中間層と、
主成分として第2のシリコーンレジンを含み、かつ前記第2のシリコーンレジンよりも少量のポリジメチルシロキサンを含み、前記被覆膜の最表面を形成する最表層と、
を有する、医療機器用処置部。 - 前記中間層は、
前記オルガノポリシロキサン100質量部に対して、前記第1のシリコーンレジンを10質量部以上40質量部以下含む、
請求項1に記載の医療機器用処置部。 - 前記最表層は、
前記第2のシリコーンレジン100質量部に対して、前記ポリジメチルシロキサンを0.1質量部以上90質量部以下含む、
請求項1に記載の医療機器用処置部。 - 前記オルガノポリシロキサンは、メチル基およびフェニル基の少なくとも一方を有する、
請求項1に記載の医療機器用処置部。 - 前記第2のシリコーンレジンは、メチル基を有する、
請求項1に記載の医療機器用処置部。 - 前記オルガノポリシロキサンの分子量は、500〜5000である、
請求項1に記載の医療機器用処置部。 - 前記ポリジメチルシロキサンの分子量は、5000以下である、
請求項1に記載の医療機器用処置部。 - 前記中間層の厚さは3μm以上30μm以下である、
請求項1に記載の医療機器用処置部。 - 前記最表層の厚さは20μm以下である、
請求項1に記載の医療機器用処置部。 - 請求項1に記載の医療機器用処置部を備える、医療機器。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220517 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20221115 |