JP2020077899A - 中継システムおよび中継装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】障害発生に伴う通信負荷の増大を抑制可能な中継システムおよび中継装置を提供する。【解決手段】FDBは、MACアドレスと、ポートと、TTL値とを対応付けたFDBエントリを単数または複数保持する。各中継装置SW[1]〜SW[5]は、リングポートPr,Plでフレームを受信した場合に、当該フレームの送信元MACアドレスとTTL値とを、当該フレームの受信ポートに対応付けてFDBに学習する。そして、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、リングネットワーク10に障害が発生した場合に、障害発生箇所に応じて定まるTTL値とリングポートとの対応関係に基づいて、FDBの中から対象のFDBエントリを定め、当該対象のFDBエントリに保持されるリングポートPr,Plの一方が他方に変更されるように切り替え処理を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、中継システムおよび中継装置に関し、例えば、リングネットワークにおける経路切り替え技術に関する。
特許文献1には、複数のスイッチングハブで構成されるリングネットワークにおいて、障害発生時にアドレス学習情報を再登録する方式が示される。具体的には、障害が発生した伝送路にポートが接続されているスイッチングハブは、当該ポートのアドレス学習情報を反対側のポートに再登録し、当該反対側のポートから当該アドレス学習情報を送信する。当該アドレス学習情報を受信したスイッチングハブも、当該アドレス学習情報を反対側のポートに再登録する。
特開2005−252672号公報
例えば、複数の中継装置で構成されるリングネットワークにおいて、各中継装置は、一般的に、障害発生時(または障害復旧時)に、FDB(Forwarding DataBase)の学習情報を消去する(すなわち、FDBフラッシュを行う)。その結果、リングネットワークでは、障害発生後(または障害復旧後)の所定の期間において、FDBのミスヒットに伴うフレームのフラッディングが多発し、通信負荷の増大が生じ得る。
このような事態を防止するため、障害発生時に、特許文献1に示されるような方式を用いてFDBの再登録を行うことが考えられる。しかし、当該方式では、障害を検出した中継装置は、アドレス学習情報(例えばMAC(Media Access Control)アドレス)を他の中継装置へ送信する際の前処理としてFDBの検索を行う必要があるため、送信を開始するまでにある程度の時間を要する恐れがある。また、アドレス学習情報のデータ量が大きくなる恐れもある。
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、障害発生に伴う通信負荷の増大を抑制可能な中継システムおよび中継装置を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態による中継システムは、リングネットワークを構成する複数の中継装置を備える。複数の中継装置の少なくとも一つは、前記リングネットワークに接続されるリングポートとユーザネットワークに接続されるユーザポートとを含む複数のポートと、FDBと、TTL処理回路と、FDB処理回路と、障害切替回路とを有する。リングポートには、右回りにフレームを送信し、左回りのフレームを受信する右ポートと、左回りにフレームを送信し、右回りのフレームを受信する左ポートとが含まれる。FDBは、MACアドレスと、ポートと、TTL値とを対応付けたFDBエントリを単数または複数保持する。TTL処理回路は、フレームをユーザポートからリングポートへ中継する際に、当該フレームに予め定めた初期のTTL値を付加し、フレームをリングポートの一方から他方へ中継する際に当該フレームのTTL値を更新する。FDB処理回路は、リングポートでフレームを受信した場合に、当該フレームの送信元MACアドレスとTTL値とを、当該フレームの受信ポートに対応付けてFDBに学習する。障害切替回路は、リングネットワークに障害が発生した場合に、障害発生箇所に応じて定まるTTL値とリングポートとの対応関係に基づいて、FDBの中から対象のFDBエントリを定め、当該対象のFDBエントリに保持されるリングポートの一方が他方に変更されるように切り替え処理を行う。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、リングネットワークにおいて、障害発生に伴う通信負荷の増大を抑制可能になる。
本発明の実施の形態1による中継システムの構成例および障害無し時の動作例を示す概略図である。 図1における各ユーザフレームの構造例を示す概略図である。 図1の中継システムにおける障害発生時の動作例を示す概略図である。 図1の中継システムにおける障害発生時の動作例を示す概略図である。 図3および図4に続く障害発生時の動作例を示す概略図である。 図5に続く、障害発生後の定常状態での動作例を示す概略図である。 図1の中継システムにおける各中継装置の構成例を示すブロック図である。 図7における障害切替回路の処理内容の一例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2による中継システムにおいて、図1の中継システムにおける障害復旧時の動作例を示す概略図である。 図9に続く障害復旧時の動作例を示す概略図である。 図9に続く障害復旧時の動作例を示す概略図である。 図10および図11に続く障害復旧時の動作例を示す概略図である。 本発明の実施の形態3による中継装置において、障害切替回路の処理内容の一例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態4による中継装置において、障害切替回路周りの構成例および動作例を示す概略図である。 本発明の比較例となる中継システムの構成例および障害無し時の動作例を示す概略図である。 図15の中継システムが行う障害監視動作の一例を示す概略図である。 図15の中継システムにおける障害発生時の動作例を示す概略図である。 図17に続く、障害発生後の定常状態における動作例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《中継システム(比較例)の構成および通常動作》
まず、実施の形態1の中継システムの説明に先立ち、比較例となる中継システムについて説明する。図15は、本発明の比較例となる中継システムの構成例および障害無し時の動作例を示す概略図である。当該中継システムは、リングネットワーク10を構成する複数(この例では5台)の中継装置SW’[1]〜SW’[5]を備える。中継装置SW’[1]〜SW’[5]は、例えば、OSI参照モデルのレイヤ2(L2)に基づくフレーム(パケット)中継を行うL2スイッチや、レイヤ3(L3)に基づくフレーム(パケット)中継を行うL3スイッチ等である。明細書では、中継装置がL2スイッチである場合を例とする。
中継装置SW’[1],SW’[2],…,SW’[5]は、順に、左回り(反時計回り)に設置される。中継装置SW’[1]〜SW’[5]のそれぞれは、リングネットワーク10に接続されるリングポート(Pr,Pl)と、ユーザネットワークに接続されるユーザポートPuとを含む複数のポートを備える。リングポートは、右回り(時計回り)にフレームを送信し、左回りのフレームを受信する右ポートPrと、左回りにフレームを送信し、右回りのフレームを受信する左ポートPlとを含む。
中継装置SW’[1]〜SW’[5]のユーザポートPuは、それぞれ、ユーザネットワーク11a〜11eに接続される。ユーザネットワーク11a〜11eは、それぞれ、端末TM[1]〜TM[5]を有し、端末TM[1]〜TM[5]は、それぞれ、MACアドレスMA[1]〜MA[5]を有する。
ここで、リングネットワーク10を構成する複数の中継装置の一つ(この例ではSW’[1])は、マスタ装置に定められる。マスタ装置(中継装置)SW’[1]は、リングネットワーク10に障害が無い場合、自装置のリングポートの一方(この例では右ポートPr)を閉塞状態BKに制御し、他方(左ポートPl)を開放状態FWに制御する。明細書では、当該障害無し時のマスタ装置における閉塞状態BKのポートを初期閉塞ポートと呼ぶ。開放状態FWのポート(Pl)は、フレーム(詳細にはユーザネットワークからのユーザフレーム)の通過を許可し、閉塞状態BKのポート(Pr)は、当該フレームの通過を阻止する。一方、マスタ装置(中継装置)SW’[1]は、仮に、リングネットワーク10に障害が有る場合には、初期閉塞ポート(Pr)を開放状態FWに変更する。
図15の例では、リングネットワーク10に障害が無いため、フレーム(ユーザフレーム)は、中継装置SW’[1]の左ポートPlと中継装置SW’[5]の右ポートPrとの間のフレーム経路UFP上で中継される。このフレーム経路UFP上でのフレーム中継に伴い、中継装置SW’[1]〜SW’[5]は、FDBにおいて、MACアドレスとポートとを対応付けたFDBエントリを生成する(言い換えれば、FDBの学習を行う)。
一例として、中継装置SW’[4]は、端末TM[4]からのフレームをユーザポートPuで受信し、当該フレームの送信元MACアドレスMA[4]を、受信ポートであるユーザポートPu(詳細にはそのポート識別子{Pu})に対応付けてFDBに学習する(FDBエントリを生成する)。明細書では、このように{AA}はAAの識別子を表すものとする。同様に、中継装置SW’[4]は、中継装置SW’[1]〜SW’[3]によって中継された端末TM[1]〜TM[3]からの各フレームを右ポートPrで受信し、当該各フレームの送信元MACアドレスMA[1]〜MA[3]を右ポートPr({Pr})に対応付けてFDBに学習する。
さらに、中継装置SW’[4]は、中継装置SW’[5]によって中継された端末TM[5]からのフレームを左ポートPlで受信し、当該フレームの送信元MACアドレスMA[5]を左ポートPl({Pl})に対応付けてFDBに学習する。また、中継装置SW’[4]は、例えば、端末TM[4]から端末TM[5](MACアドレスMA[5])を宛先MACアドレスとするフレームを受信した場合、MACアドレスMA[5]を検索キーとしてFDBを検索する。そして、中継装置SW’[4]は、当該フレームを、FDBの検索結果に基づく宛先ポート(この例では左ポートPl)へ中継する。
図16は、図15の中継システムが行う障害監視動作の一例を示す概略図である。マスタ装置(中継装置)SW’[1]は、リング障害監視フレームRCCMをリングネットワーク10へ定期的に送信することでリング障害の有無を監視する。具体例として、マスタ装置(中継装置)SW’[1]は、例えば、左ポートPlから送信したリング障害監視フレームRCCMを所定の期間内に右ポートPrで受信したか否かに応じてリング障害の有無を判別する。
また、各中継装置(例えば、SW’[2])は、自装置に隣接する他装置(SW’[1],SW’[3])との間でリンク障害監視フレームLCCMを定期的に通信することで、他装置との間のリンク障害の有無を監視する。具体例として、各中継装置は、隣接する他装置からのリンク障害監視フレームLCCMを、送信間隔に応じた所定の期間内に受信したか否かに応じてリンク障害の有無を判別する。リング障害監視フレームRCCMやリンク障害監視フレームLCCMは、例えば、CCM(Continuity Check Message)と呼ばれる疎通性監視用の制御フレーム等で実現される。CCMは、「ITU−T Y.1731」や「IEEE802.1ag」等で標準化されているイーサネットOAM規格(イーサネットは登録商標)に基づくフレームである。
《中継システム(比較例)の障害発生時動作》
図17は、図15の中継システムにおける障害発生時の動作例を示す概略図である。図17の例では、中継装置SW’[2]と中継装置SW’[3]との間のリンクに障害20が発生している。中継装置SW’[2],SW’[3]は、障害20を図16に示したリンク障害監視フレームLCCMによって検出する。当該障害検出に応じて、中継装置SW’[2]は左ポートPlを閉塞状態BKに制御し、中継装置SW’[3]は右ポートPrを閉塞状態BKに制御する。
また、マスタ装置(中継装置)SW’[1]は、障害20を図16に示したリング障害監視フレームRCCMによって検出する。中継装置SW’[1]は、当該障害検出に応じて初期閉塞ポート(Pr)を閉塞状態BKから開放状態FWに変更する。また、中継装置SW’[1]は、リングポート(Pr,Pl)からリングネットワーク10へ障害通知フレームRRDIを送信し、自装置のFDBが保持するFDBエントリをフラッシュする(FDBフラッシュを行う)。
一方、マスタ装置を除く各中継装置SW’[2]〜SW’[5]は、マスタ装置からの障害通知フレームRRDIを受信することで、自装置のFDBが保持するFDBエントリをフラッシュする。なお、イーサネットOAM規格では、CCMを受信しなかったことを相手に通知するため、RDI(Remote Defect Indication)と呼ばれる制御フレームが規定される。障害通知フレームRRDIは、例えば、当該RDI等によって実現される。
図18は、図17に続く、障害発生後の定常状態における動作例を示す概略図である。図17で述べたような障害発生時の動作が行われた結果、フレーム(ユーザフレーム)は、図18に示されるように、中継装置SW’[3]の左ポートPlと中継装置SW’[2]の右ポートPrとの間のフレーム経路UFP上で中継される。このフレーム経路UFP上でのフレーム中継に伴い、中継装置SW’[1]〜SW’[5]は、図17でフラッシュされたFDBに対して、新たにFDBの学習を行う。
図18には、FDBエントリが定常状態に達した後の状態が示される。各中継装置(この例ではSW’[1],SW’[2],SW’[4])のFDBエントリを図15(障害発生前)と図18(障害発生後)とで比較すると、図18の太枠で囲まれるFDBエントリが変更されている。ここで、明細書では、障害発生箇所から初期閉塞ポート(SW’[1]のPr)に向けて順に左回りに設置され、右ポートPrの先に障害を有する各中継装置SW’[3]〜SW’[5]を右障害グループの中継装置と呼ぶ。逆に、障害発生箇所から初期閉塞ポートに向けて順に右回りに設置され、左ポートPlの先に障害を有する各中継装置SW’[2],SW’[1]を、左障害グループの中継装置と呼ぶ。
図15に示した障害発生前では、右障害グループの中継装置SW’[3]〜SW’[5]のFDB(例えばSW’[4]のFDB)において、左障害グループの中継装置SW’[2],SW’[1]に対応するFDBエントリ(MA[2],MA[1]のFDBエントリ)は右ポートPrを保持する。一方、図18に示す障害発生後では、当該左障害グループの中継装置SW’[2],SW’[1]に対応するFDBエントリは、右ポートPrに代わって左ポートPlを保持する。
また、図15に示した障害発生前では、左障害グループの中継装置SW’[2],SW’[1]のFDB(例えばSW’[2]のFDB)において、右障害グループの中継装置SW’[3]〜SW’[5]に対応するFDBエントリ(MA[3]〜MA[5]のFDBエントリ)は左ポートPlを保持する。一方、図18に示す障害発生後では、当該右障害グループの中継装置SW’[3]〜SW’[5]に対応するFDBエントリは、左ポートPlに代わって右ポートPrを保持する。
《中継システム(比較例)の問題点》
以上のように、比較例となる中継システムでは、図17に示したように、障害発生時にFDBフラッシュが行われる。このため、図18に示したような状態に達するまで(すなわち、FDBエントリが定常状態に達するまで)は、FDBの検索結果がミスヒットになる状況が多発する。FDBの検索結果がミスヒットになると、各中継装置SW’[1]〜SW’[5]は、受信したフレームをフラッディングによって中継する。例えば、中継装置SW’[4]は、ユーザポートPuで受信したフレームを、受信ポートを除く全てのポート(右ポートPr、左ポートPl、更には図示しない他のユーザポートなど)へ中継する。その結果、障害発生に伴う通信負荷の増大が生じ得る。
《中継システム(実施の形態1)の構成および通常動作》
図1は、本発明の実施の形態1による中継システムの構成例および障害無し時の動作例を示す概略図である。図1に示す中継システムでは、図15の構成例と異なり、各中継装置SW[1]〜SW[5]のFDBは、MACアドレスとポートとに加えて、TTL(Time To Live)値とを対応付けたFDBエントリを単数または複数保持する。
その前提として、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、ユーザポートPuで受信したフレームをリングポート(Pr,Pl)へ中継する際に、当該フレームに予め定めた初期のTTL値(この例では“10”)を付加する。また、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、リングポート(Pr,Pl)の一方で受信したフレームをリングポート(Pr,Pl)の他方へ中継する際に当該フレームのTTL値を更新する(この例ではTTL値を“1”減算する)。さらに、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、リングポート(Pr,Pl)でフレームを受信した場合に、当該フレームのMACアドレス(送信元MACアドレス)に加えてTTL値を、当該フレームの受信ポートに対応付けてFDBに学習する。
具体的な動作例として、図1では、端末TM[2]が端末TM[5]を宛先としてフレーム(ユーザフレーム)UFn25を送信する場合が示される。中継装置SW[2]は、ユーザポートPuでユーザフレームUFn25を受信し、図15の場合と同様にしてFDBの学習を行う。また、中継装置SW[2]は、当該フレームの宛先MACアドレス(MA[5])を検索キーとしてFDBを検索し、その検索結果に基づいてユーザフレームUFn25を左ポートPlへ中継する。この際に、中継装置SW[2]は、ユーザフレームUFn25に初期のTTL値“10”を付加したユーザフレームUFc25を生成し、当該ユーザフレームUFc25を左ポートPlへ中継する。
中継装置SW[3]は、ユーザフレームUFc25を右ポートPrで受信し、当該フレームの送信元MACアドレス(MA[2])およびTTL値“10”を受信ポート(Pr)に対応付けてFDBに学習する。また、中継装置SW[3]は、当該フレームの宛先MACアドレス(MA[5])を検索キーとしてFDBを検索し、その検索結果に基づいてユーザフレームUFc25を左ポートPlへ中継する。この際に、中継装置SW[3]は、ユーザフレームUFc25のTTL値を“10”から“9”に更新する。
同様に、中継装置SW[4]は、ユーザフレームUFc25を右ポートPrで受信し、当該フレームの送信元MACアドレス(MA[2])およびTTL値“9”を受信ポート(Pr)に対応付けてFDBに学習する。また、中継装置SW[4]は、当該フレームの宛先MACアドレス(MA[5])を検索キーとしてFDBを検索し、その検索結果に基づいてユーザフレームUFc25を左ポートPlへ中継する。この際に、中継装置SW[4]は、ユーザフレームUFc25のTTL値を“9”から“8”に更新する。
中継装置SW[5]も、同様にしてFDBの学習と検索を行うことで、右ポートPrで受信したユーザフレームUFc25をユーザポートPuへ中継する。ただし、この例では、中継装置SW[5]は、フレームをユーザポートPuへ中継する際に、TTL値が付加されたユーザフレームUFc25をTTL値が付加される前のユーザフレームUFn25に戻す処理を行う。その結果、端末TM[5]は、端末TM[2]から送信されたユーザフレームUFn25を受信する。
また、図1では、他の動作例として、端末TM[1]が端末TM[5]を宛先としてフレーム(ユーザフレーム)UFn15を送信する場合が示される。前述した端末TM[2]の場合と同様に、ユーザフレームUFn15は、中継装置SW[1],SW[2],…,SW[5]を順に介して端末TM[5]で受信される。この際に、前述したユーザフレームUFc25は、中継装置SW[2]によって初期のTTL値“10”が付加されるのに対して、ユーザフレームUFn15に対応するユーザフレームUFc15は、中継装置SW[1]によって初期のTTL値“10”が付加される。このため、例えば、中継装置SW[4]のFDBにおいて、MACアドレスMA[2]のTTL値は“9”であるのに対して、MACアドレスMA[1]のTTL値は一つ少ない“8”である。
図2は、図1における各ユーザフレームの構造例を示す概略図である。図2には、各中継装置SW[1]〜SW[5]がユーザポートPuを介して送信または受信するユーザフレームUFnと、リングポート(Pr,Pl)を介して送信または受信するユーザフレームUFcとが示される。この例では、ユーザフレームUFnは、非カプセル化フレームであり、ユーザフレームUFcは、カプセル化フレームである。
図1の中継システムは、TTLを処理する必要がある。そのための構成例として、図1の中継システムには、例えば、MACフレームをMACフレームでカプセル化するMAC−in−MAC方式等が適用される。MAC−in−MAC方式として、代表的には、IEEE 802.1ah等に基づくPBB(Provider Backbone Bridges)方式が挙げられる。PBB方式を適用する場合、ユーザネットワーク11a〜11eは、図2の非カプセル化フレーム(ユーザフレーム)UFnで通信を行うカスタマ網またはPB網であり、リングネットワーク10は、図2のカプセル化フレーム(ユーザフレーム)UFcで通信を行うPBB網である。
非カプセル化フレームUFnは、宛先カスタマ用アドレスCMAC(CDA)、送信元カスタマ用アドレスCMAC(CSA)、Sタグ15、タイプ16およびデータDTを含む。例えば、図1のユーザフレームUFn25を例とすると、送信元カスタマ用アドレスCMAC(CSA)および宛先カスタマ用アドレスCMAC(CDA)には、それぞれ、“MA[2]”および“MA[5]”が格納される。Sタグ15には、カスタマを識別するためのサービスVLAN識別子SVID等が格納され、タイプ16には、フレームタイプを表す所定の識別子が格納される。
カプセル化フレームUFcは、当該非カプセル化フレームUFnをカプセル化ヘッダ19でカプセル化した構造を備える。カプセル化ヘッダ19は、宛先カプセル化用アドレスBMAC(BDA)、送信元カプセル化用アドレスBMAC(BSA)、Bタグ17、およびIタグ18を含む。例えば、図1のユーザフレームUFc25を例とすると、送信元カプセル化用アドレスBMAC(BSA)には、中継装置SW[2]自体に設定されたMACアドレス(カプセル化用アドレスBMAC)が格納され、宛先カプセル化用アドレスBMAC(BDA)には、中継装置SW[5]自体に設定されたMACアドレスが格納される。これに応じて、図1のFDBが保持するMACアドレスは、より詳細には、カスタマ用アドレスCMACに加えてカプセル化用アドレスBMACを含む。
Bタグ17は、PBB網(リングネットワーク10)内でのブロードキャスト(マルチキャスト)ドメインを定めるバックボーンVLAN識別子BVIDを含む。Iタグ18は、TPIDおよびサービスインスタンス識別子ISIDを含む。TPIDは、例えば、Iタグフレームであることを示す“0x88e7”に定められる。サービスインスタンス識別子ISIDは、カスタマを識別するサービスVLAN識別子SVIDを拡張する識別子である。ここで、TTLは、カプセル化ヘッダ19内に格納され、詳細には、例えば、Iタグ18内の予約領域等に格納される。
なお、カプセル化フレームUFcにおいて、IEEE 802.1ahの標準規格では、非カプセル化フレームUFc内の送信元カスタマ用アドレスCMAC(CSA)および宛先カスタマ用アドレスCMAC(CDA)は、Iタグ18内に含まれる。明細書では、説明を分かり易くするため、図2に示されるように、当該カスタマ用アドレスCMACは、Iタグ18に含まれないこととして記載する。
《中継システム(実施の形態1)の障害発生時動作》
図3および図4は、図1の中継システムにおける障害発生時の動作例を示す概略図である。図5は、図3および図4に続く障害発生時の動作例を示す概略図である。図6は、図5に続く、障害発生後の定常状態での動作例を示す概略図である。図3および図4の例では、図17の場合と同様に、中継装置SW[2]と中継装置SW[3]との間のリンクに障害20が発生している。図17の場合と同様に、中継装置SW[2],SW[3]は、障害20を図16のリンク障害監視フレームLCCMによって検出し、中継装置SW[2]は左ポートPlを閉塞状態BKに制御し、中継装置SW[3]は右ポートPrを閉塞状態BKに制御する。
ここで、リングポートの一方で障害を検出した中継装置は、初期のTTL値“10”に応じた所定のTTL値(例えば“10”)を格納した閉塞箇所通知フレームを生成し、当該閉塞箇所通知フレームをリングポートの他方から送信する。図3の例では、右ポートPrで障害20を検出した中継装置SW[3]は、所定のTTL値“10”を格納した閉塞箇所通知フレームNF32を生成し、当該閉塞箇所通知フレームNF32を左ポートPlから送信する。この際に、中継装置SW[3]は、例えば、閉塞箇所通知フレームNF32を右ポートPrの位置で生成し、それを左ポートPlへ中継する際に、TTL値を“1”減算して“9”に更新する。
同様に、図4の例では、左ポートPlで障害20を検出した中継装置SW[2]は、所定のTTL値“10”を格納した閉塞箇所通知フレームNF23を生成し、当該閉塞箇所通知フレームNF23を右ポートPrから送信する。この際に、中継装置SW[2]は、例えば、閉塞箇所通知フレームNF23を左ポートPlの位置で生成し、それを右ポートPrへ中継する際に、TTL値を“1”減算して“9”に更新する。
そして、図3および図4に示されるように、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、閉塞箇所通知フレームを受信したリングポート、または障害20を検出したリングポートである対象ポートと、閉塞箇所通知フレームに格納されたTTL値との対応関係に基づいて対象のFDBエントリを定める。より詳細には、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、対象ポートと、閉塞箇所通知フレームに格納されたTTL値以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。
図3の例では、中継装置SW[3]は、障害20を検出した右ポートPrを対象ポートとして、当該右ポートPrと、閉塞箇所通知フレームNF32に格納されたTTL値“10”以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。また、中継装置SW[4]は、閉塞箇所通知フレームNF32を受信した右ポートPrを対象ポートとして、当該右ポートPrと、閉塞箇所通知フレームNF32に格納されたTTL値“9”以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。
以降同様にして、例えば、中継装置SW[1]は、右ポートPrと、閉塞箇所通知フレームNF32に格納されたTTL値“7”以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。中継装置SW[2]は、右ポートPrと、閉塞箇所通知フレームNF32に格納されたTTL値“6”以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。
図4の例では、中継装置SW[2]は、障害20を検出した左ポートPlを対象ポートとして、当該左ポートPlと、閉塞箇所通知フレームNF23に格納されたTTL値“10”以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。また、中継装置SW[1]は、閉塞箇所通知フレームNF23を受信した左ポートPlを対象ポートとして、当該左ポートPlと、閉塞箇所通知フレームNF23に格納されたTTL値“9”以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。以降同様にして、例えば、中継装置SW[4]は、左ポートPlと、閉塞箇所通知フレームNF23に格納されたTTL値“7”以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。
その後、図5に示されるように、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、図3および図4のようにして定めた対象のFDBエントリに保持されるリングポートの一方が他方に変更されるように切り替え処理を行う。具体的には、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、例えば、切り替え処理として、実際に、対象の前記FDBエントリに保持されるリングポートの一方を他方に書き換える。例えば、中継装置SW[4]は、図3で定めた対象のFDBエントリに保持される右ポートPrを左ポートPlに書き換える。また、中継装置SW[1],SW[2]は、図4で定めた対象のFDBエントリに保持される左ポートPlを右ポートPrに書き換える。さらに、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、対象のFDBエントリに保持されるTTL値を消去する。
また、図5において、マスタ装置である中継装置SW[1]は、障害20を図16に示したリング障害監視フレームRCCMによって検出する。中継装置(マスタ装置)SW[1]は、当該障害検出に応じて、図17の場合と同様に、初期閉塞ポート(Pr)を閉塞状態BKから開放状態FWに変更する。その後、図6に示されるように、フレーム経路UFP上でユーザフレームの中継が行われると、図5で消去されたTTL値がFDBの学習によって適宜更新され、定常状態に到達する。
ここで、図3〜図5について補足する。図18で述べたように、障害が発生した場合、右ポートPrの先に障害を有する右障害グループの中継装置SW[3]〜SW[5]では、左ポートPlの先に障害を有する左障害グループの中継装置SW[2],SW[1]に対応するFDBエントリが、右ポートPrから左ポートPlに代わる。一方、左障害グループの中継装置SW[2],SW[1]では、右障害グループの中継装置SW[3]〜SW[5]に対応するFDBエントリが、左ポートPlから右ポートPrに代わる。
そこで、まず、右障害グループの中継装置SW[3]〜SW[5]のFDBエントリを変更するため、図3に示したように、中継装置SW[3]は、TTL値“10”を格納した閉塞箇所通知フレームNF32を左回りに送信する。中継装置SW[3]を除く各中継装置SW[4],SW[5],SW[1],SW[2]は、閉塞箇所通知フレームNF32を右ポートPrで受信する。
右障害グループの中継装置SW[3]〜SW[5]において、右ポートPrと、閉塞箇所通知フレームNF32のTTL値とを保持するFDBエントリは、障害発生箇所よりも右回りに設置される最初の中継装置SW[2]に対応する。このため、右ポートPrと、当該TTL値以下のTTL値とを保持するFDBエントリは、当該最初の中継装置SW[2]から順に右回りに設置される各中継装置SW[2],SW[1],SW[5],…に対応する。
この際に、右障害グループの中継装置(例えばSW[3])において、初期閉塞ポート(SW[1]のPr)から自装置(SW[3])に向けて順に右回りに設置される各中継装置(SW[5],SW[4])に対応するFDBエントリは、障害発生前に右ポートPrではなく左ポートPlを保持している。その結果、右障害グループの中継装置SW[3]〜SW[5]において、右ポートPrと、閉塞箇所通知フレームNF32のTTL値以下のTTL値とを保持するFDBエントリは、左障害グループの中継装置SW[2],SW[1]のみに対応することになる。
また、左障害グループの中継装置SW[2],SW[1]は、対象のFDBエントリ(すなわち右ポートPrと、閉塞箇所通知フレームNF32のTTL値以下のTTL値とを保持するFDBエントリ)を原理的に有しない。具体的には、当該中継装置SW[2],SW[1]のFDBにおいて、右ポートPrに対応付けられる最小のTTL値は、初期閉塞ポートの左回りに設置される最初の中継装置SW[1]から左回りに送信されたフレームによって得られる。一方、閉塞箇所通知フレームは、初期閉塞ポートの右回りに設置される中継装置(例えばSW[3])から左回りに送信される。このため、左障害グループの中継装置SW[2],SW[1]において、右ポートPrに対応付けられるFDBエントリのTTL値は、閉塞箇所通知フレームのTTL値よりも常に大きくなる。
同様にして、左障害グループの中継装置SW[2],SW[1]のFDBエントリを変更するため、図4に示したように、中継装置SW[2]は、TTL値“10”を格納した閉塞箇所通知フレームNF23を右回りに送信する。中継装置SW[2]を除く各中継装置SW[1],SW[5],SW[4],SW[3]は、閉塞箇所通知フレームNF23を左ポートPlで受信する。
左障害グループの中継装置SW[2],SW[1]において、左ポートPlと、閉塞箇所通知フレームNF23のTTL値とを保持するFDBエントリは、障害発生箇所よりも左回りに設置される最初の中継装置SW[3]に対応する。このため、左ポートPlと、当該TTL値以下のTTL値とを保持するFDBエントリは、当該最初の中継装置SW[3]から順に左回りに設置される各中継装置SW[3],SW[4],SW[5],SW[1],…に対応する。
この際に、左障害グループの中継装置(例えばSW[2])において、初期閉塞ポート(SW[1]のPr)から自装置(SW[2])に向けて順に左回りに設置される各中継装置(SW[1])に対応するFDBエントリは、障害発生前に右ポートPlではなく右ポートPrを保持している。その結果、左障害グループの中継装置SW[2],SW[1]において、左ポートPrと、閉塞箇所通知フレームNF23のTTL値以下のTTL値とを保持するFDBエントリは、右障害グループの中継装置SW[3]〜SW[5]のみに対応することになる。
また、右障害グループの中継装置SW[3]〜SW[5]は、対象のFDBエントリ(すなわち左ポートPlと、閉塞箇所通知フレームNF23のTTL値以下のTTL値とを保持するFDBエントリ)を原理的に有しない。具体的には、当該中継装置SW[3]〜SW[5]のFDBにおいて、左ポートPlに対応付けられる最小のTTL値は、初期閉塞ポートの右回りに設置される最初の中継装置SW[5]から右回りに送信されたフレームによって得られる。一方、閉塞箇所通知フレームは、初期閉塞ポートの左回りに設置される中継装置(例えばSW[2])から右回りに送信される。このため、右障害グループの中継装置SW[3]〜SW[5]において、左ポートPlに対応付けられるFDBエントリのTTL値は、閉塞箇所通知フレームのTTL値よりも常に大きくなる。
以上のように、中継装置SW[1]〜SW[5]は、リングネットワーク10に障害が発生した場合に、障害発生箇所に応じて定まるTTL値とリングポートとの対応関係に基づいて、FDBの中から対象のFDBエントリを定める。その具体的な方式の一例として、中継装置SW[1]〜SW[5]は、閉塞箇所通知フレームNF32,NF23に基づいてTTL値とリングポートとの対応関係を定める。そして、中継装置SW[1]〜SW[5]は、対象のFDBエントリに保持されるリングポートの一方を他方に書き換える。このような方式を用いることで、図17および図18の場合と異なり、障害発生時にFDBフラッシュを行う必要がなく、障害発生後に、FDBのミスヒットに伴うフレームのフラッディングも生じない。
なお、この例では、閉塞箇所通知フレームに格納されたTTL値以下のTTL値を対象のFDBエントリに定めたが、この閉塞箇所通知フレームに格納されたTTL値と対象のFDBエントリとの対応関係は、実装方法に応じて適宜変更することが可能である。すなわち、閉塞箇所通知フレームに格納されたTTL値に基づいて障害発生箇所を特定できるような対応関係であればよい。また、TTL値は、このようにFDBエントリの書き換えを行う目的で使用される他に、一般的に知られているように、TTL値が特定値(例えばゼロ)となったフレームを破棄することでフレームの無限ループを防止する目的でも使用される。
閉塞箇所通知フレームNF32,NF23は、図3および図4の例では、初期閉塞ポート(SW[1]のPr)を超えて伝送されるフレームを用いたが、場合によって、初期閉塞ポートで遮断されるフレームを用いてもよい。図3および図4に示したように、仮に、閉塞箇所通知フレームが初期閉塞ポートで遮断されても、各中継装置は、FDBエントリを正しく書き換えることができる。
ここで、閉塞箇所通知フレームNF32,NF23は、例えば、イーサネットOAMに基づくLBM(LoopBack Message)およびLBR(LoopBack Reply message)を用いて実現することができる。図3の閉塞箇所通知フレームNF32を例とすると、中継装置SW[3]の右ポートPrは、中継装置SW[2]の左ポートPlを宛先としてLBMを送信する。この場合、図3では示されていないが、中継装置SW[2]の左ポートPlは、当該LBMに返信する形で中継装置SW[3]の右ポートPrを宛先としてLBRを送信する。
この際に、中継装置SW[2]は、LBMから引き継いだTTL値をLBRに格納する。そこで、TTL値がゼロに達しないようにするため、図3等の例では、最大のTTL値(例えば“10”)は、中継装置の台数(5台)の2倍以上に設定される。また、当該LBMおよびLBRを用いる場合、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、LBMを図3の閉塞箇所通知フレームNF32とみなし、LBRを実質的に無視する。ただし、場合によっては、TTL値を適宜換算することで、LBRを、図4の閉塞箇所通知フレームNF23の代わりとして取り扱うことも可能である。
LBMおよびLBRは、例えば、図2のカプセル化フレームUFcに示したようなフレーム構造を有する。タイプ16には、イーサネットOAMに基づく制御フレームを表す“0x8902”が格納される。この場合、データDT内にOpCode領域が設けられ、当該OpCode領域の値によって、LBMとLBRが区別される。なお、図16で述べたリング障害監視フレームRCCMやリンク障害監視フレームLCCMの一例となるCCMも、同様のフレーム構造を有する。この場合も、データDT内のOpCode領域の値によって、CCMであることが示される。
また、LBMは、FDBに基づいて中継されるため、障害発生時には、閉塞箇所通知フレームNF32,NF23を正常に中継できない恐れがある。そこで、例えば、ユーザフレーム用のVLANとは別に、リングポート(Pr,Pl)のみが属する制御フレーム用のVLANが設けられる。各中継装置SW[1]〜SW[5]は、LBMを当該制御フレーム用のVLAN上にフラッディング中継する。
さらに、当該制御フレーム用のVLANには、初期閉塞ポートが設けられない。これにより、各中継装置SW[1]〜SW[5]は、マスタ装置の初期閉塞ポートが開放状態FWに変更されるのを待たずにLBMを送信することができるため、タイミング設計が容易になる。さらに、障害検出に応じて閉塞箇所通知フレームを迅速に送信できるため、障害が発生してから正常なフレーム中継を行えるようになるまでの時間(すなわち経路切り替え時間)を短縮することも可能となる。
《中継装置の詳細》
図7は、図1の中継システムにおける各中継装置の構成例を示すブロック図である。図8は、図7における障害切替回路の処理内容の一例を示すフロー図である。図7に示す中継装置SWは、リングポートである右ポートPrと、リングポートである左ポートPlと、複数のユーザポートPu[1]〜Pu[m]とを備える。図15で述べたように、リングポート(Pr,Pl)は、通信回線(例えばイーサネット回線)25によってリングネットワーク10に接続される。複数のユーザポートPu[1]〜Pu[m]は、所定のユーザネットワーク(11a〜11eのいずれか)に接続される。
また、当該中継装置SWは、インタフェース回路26と、フレーム処理回路27と、FDBと、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ28とを有する。インタフェース回路26は、複数のポート(Pr,Pl,Pu[1]〜Pu[m])のいずれかでフレームを受信した際に、受信したポートの識別子(受信ポート識別子と呼ぶ)をフレームに付加し、それをフレーム処理回路27またはCPUに送信する。また、インタフェース回路26は、フレーム処理回路27またはCPUからのフレームを、当該フレームに付加された宛先ポート識別子(後述)に基づき、複数のポートのいずれかに送信する。
CPUは、メモリ28に記憶されるプログラムに基づき、主に、中継装置SW全体の管理等を行う。また、CPUは、場合によっては、フレーム処理回路27と協調してフレームに対する各種プロトコル処理等を行う。フレーム処理回路27は、FDB処理回路30と、TTL処理回路31と、障害切替回路32と、カプセル処理回路33と、OAM処理回路34とを有する。
TTL処理回路31は、図1に示したように、フレームをユーザポートPu[1]〜Pu[m]からリングポート(Pr,Pl)へ中継する際に、当該フレームに予め定めた初期のTTL値を付加する。また、TTL処理回路31は、フレームをリングポート(Pr,Pl)の一方から他方へ中継する際に当該フレームのTTL値を更新する。
FDB処理回路30は、FDBの学習とFDBの検索とを行う。具体的には、FDBの学習に際し、FDB処理回路30は、フレームを受信した場合に、当該フレームの送信元MACアドレスを、当該フレームに付加された受信ポート識別子に対応付けてFDBに学習する。この際に、FDB処理回路30は、リングポート(Pr,Pl)で受信したフレーム(すなわち、TTL値が付加されたフレーム)に対しては、当該フレームの送信元MACアドレスに加えてTTL値を、受信ポート識別子に対応付けてFDBに学習する。
また、FDBの検索に際し、FDB処理回路30は、受信したフレームの宛先MACアドレスを検索キーとしてFDBを検索し、対応するポート識別子(ヒットしたFDBエントリのポート識別子)を取得する。そして、FDB処理回路30は、取得したポート識別子(すなわち宛先ポート識別子)を当該フレームに付加してインタフェース回路26へ送信する。
カプセル処理回路33は、図1および図2で述べたように、MAC−in−MAC方式に伴う各種処理を行う。具体的には、カプセル処理回路33は、ユーザポートPu[1]〜Pu[m]で受信した非カプセル化フレームUFnをリングポート(Pr,Pl)へ中継する際に、カプセル化フレームUFcに変換する。また、カプセル処理回路33は、リングポート(Pr,Pl)で受信したカプセル化フレームUFcをユーザポートPu[1]〜Pu[m]へ中継する際に、非カプセル化フレームUFnに変換する。
OAM処理回路34は、イーサネットOAM規格に基づく制御フレームの処理を行う。OAM処理回路34は、閉塞箇所通知回路36と、障害監視回路37とを備える。障害監視回路37は、図16で述べたように、リンク障害監視フレームLCCMを用いて隣接する装置との間でリンク障害の有無を監視する。また、中継装置SWがマスタ装置である場合、障害監視回路37は、図16で述べたように、リング障害監視フレームRCCMを用いてリングネットワーク10の障害有無を監視する。
閉塞箇所通知回路36は、図3および図4に示したように、障害監視回路37を介してリングポート(Pr,Pl)の一方で障害を検出した場合に、初期のTTL値に応じた所定のTTL値を格納した閉塞箇所通知フレーム(NF32,NF23)を生成し、当該閉塞箇所通知フレームをリングポート(Pr,Pl)の他方から送信する。
障害切替回路32は、図3および図4に示したように、リングネットワーク(Pr,Pl)に障害が発生した場合に、障害発生箇所に応じて定まるTTL値とリングポートとの対応関係に基づいて、FDBの中から対象のFDBエントリを定める。そして、障害切替回路32は、図5に示したように、対象のFDBエントリに保持されるリングポート(Pr,Pl)の一方が他方に変更されるように切り替え処理を行う。切り替え処理の一例として、障害切替回路32は、実際に、対象のFDBエントリに保持されるリングポートの一方を他方に書き換える。
具体的には、障害切替回路32は、図8に示されるように、閉塞箇所通知フレームに基づいてTTL値とリングポートとの対応関係を定め、当該対応関係に基づいて対象のFDBエントリを定める。図8において、障害切替回路32は、フレームを受信し(ステップS101)、受信したフレームが閉塞箇所通知フレームであるか否かを判定する(ステップS102)。障害切替回路32は、受信したフレームが閉塞箇所通知フレームでない場合(ステップS102の“No”時)には、処理を終了する。
一方、障害切替回路32は、受信したフレームが閉塞箇所通知フレームである場合(ステップS102の“Yes”時)、対象ポートと、閉塞箇所通知フレームに格納されたTTL値との対応関係に基づいて対象のFDBエントリを定める(ステップS103)。対象ポートは、図3等で述べたように、閉塞箇所通知フレームを受信したリングポート(Pr,Pl)、または障害を検出したリングポート(Pr,Pl)である。より詳細には、障害切替回路32は、対象ポートと、閉塞箇所通知フレームに格納されたTTL値以下のTTL値とを保持するFDBエントリを対象のFDBエントリに定める。
続いて、障害切替回路32は、対象のFDBエントリに保持されるリングポート(Pr,Pl)の一方を他方に書き換えて、処理を終了する(ステップS104)。なお、具体的な処理方法として、障害切替回路32は、例えば、ステップS103での対象ポートおよびTTL値を検索キーとしてFDBを検索し、ヒットしたFDBエントリのリングポートを書き換える。
なお、図7において、例えば、インタフェース回路26は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成される。フレーム処理回路27は、高速なフレーム処理を実現するため、FPGA(Field Programmable Gate Array)、または、ASIC等で構成される。FDBは、CAM(Content Addressable Memory)等で構成される。ただし、各部の具体的な実装形態は、勿論、これに限定されるものではなく、ハードウェアまたはソフトウェア(CPUを用いたプログラム処理)あるいはその組合せを用いて適宜実装されればよい。
《実施の形態1の主要な効果》
以上、実施の形態1の方式を用いることで、図17および図18の場合と異なり、障害発生時にFDBフラッシュを行う必要がないため、代表的には、障害発生に伴う通信負荷の増大を抑制可能になる。また、特許文献1の方式と比較して、閉塞箇所通知フレームのデータ量を削減できる。すなわち、特許文献1の方式では、障害を検出した中継装置は、アドレス学習情報(例えば、複数のMACアドレス)を他の中継装置へ送信するため、データ量が大きくなり得る。これに伴い、処理負荷も増大し得る。一方、実施の形態1の方式では、TTL値を送信すればよい。
さらに、特許文献1の方式と比較して、経路切り替え時間の短縮が図れる。すなわち、特許文献1の方式では、障害を検出した中継装置は、アドレス学習情報を他の中継装置へ送信する際の前処理としてFDBの検索を行う必要がある。このため、送信を開始するまでにある程度の時間を要する恐れがある。一方、実施の形態1の方式では、障害を検出した中継装置は、FDBを検索することなく、即座に閉塞箇所通知フレームを送信することができる。
(実施の形態2)
《中継システム(実施の形態2)の障害復旧時動作》
図9は、本発明の実施の形態2による中継システムにおいて、図1の中継システムにおける障害復旧時の動作例を示す概略図である。図10および図11は、図9に続く障害復旧時の動作例を示す概略図である。図12は、図10および図11に続く障害復旧時の動作例を示す概略図である。図9では、図6の状態から、中継装置SW[2]と中継装置SW[3]との間のリンクの障害20が復旧している。
中継装置SW[2],SW[3]は、障害20の復旧を図16のリンク障害監視フレームLCCMによって検出する。これに応じて、中継装置SW[2]は左ポートPlを閉塞状態BKから開放状態FWに変更し、中継装置SW[3]は右ポートPrを閉塞状態BKから開放状態FWに変更する。また、マスタ装置である中継装置SW[1]は、障害20の復旧を図16のリング障害監視フレームRCCMによって検出し、初期閉塞ポート(右ポートPr)を開放状態FWから閉塞状態BKに変更する。
この状況は、前述した図3〜図5の状況に当て嵌めることができる。すなわち、中継装置SW[3]の右ポートPr(または中継装置SW[2]の左ポートPl)を初期閉塞ポートとみなすと、中継装置(マスタ装置)SW[1]と中継装置SW[5]との間のリンク障害に応じて、当該初期閉塞ポートが開放状態FWに変更された状況とみなせる。そこで、図10に示されるように、中継装置SW[1]は、リングネットワーク10が障害20から復旧する場合に、閉塞箇所通知フレームNF11Lを閉塞状態BKのポート(初期閉塞ポート)とは異なるリングポートから送信する。
具体的には、中継装置SW[1](その閉塞箇所通知回路36(図7))は、図3の中継装置SW[3]の場合と同様に、TTL値“10”を格納した閉塞箇所通知フレームNF11Lを生成し、当該閉塞箇所通知フレームNF11Lを左回りに送信する。この際に、中継装置SW[1]は、例えば、閉塞箇所通知フレームNF11Lを右ポートPrの位置で生成し、それを左ポートPlへ中継する際に、TTL値を“1”減算して“9”に更新する。
さらに、中継装置(マスタ装置)SW[1]は、図11に示されるように、リングネットワーク10が障害20から復旧する場合に、閉塞箇所通知フレームNF11Rを初期閉塞ポートからも送信する。具体的には、中継装置SW[1](その閉塞箇所通知回路36(図7))は、TTL値“10”を格納した閉塞箇所通知フレームNF11Rを生成し、当該閉塞箇所通知フレームNF11Rを右回りに送信する。この際に、中継装置SW[1]は、例えば、閉塞箇所通知フレームNF11Rを右ポートPrで生成し、右ポートPrから送信するため、送信された閉塞箇所通知フレームNF11RのTTL値は、図10の場合と異なり“10”を維持する。
ここで、図11の中継装置SW[5]は中継装置(マスタ装置)SW[1]との間のリンク障害は検出できるが、マスタ装置の初期閉塞ポートは検出できない場合がある。そこで、この例では、図4の中継装置SW[2]に対応する図11の中継装置SW[5]の代わりに、マスタ装置が閉塞箇所通知フレームNF11Rを生成する。ただし、リングプロトコルによっては、中継装置SW[5]が初期閉塞ポートを検出できる場合がある。この場合、中継装置SW[5]が、図4の場合と同様にして閉塞箇所通知フレームを生成すればよい。
その後、図10および図11において、各中継装置SW[1]〜SW[5](その障害切替回路32(図7))は、障害復旧後の閉塞状態のポート(初期閉塞ポート)の位置に応じて定まるTTL値とリングポートとの対応関係に基づいて、FDBの中から対象のFDBエントリを定める。この対応関係は、実施の形態1の場合と同様に、閉塞箇所通知フレームNF11L,NF11Rによって定められる。そして、各中継装置SW[1]〜SW[5](障害切替回路32)は、図12に示されるように、実施の形態1の場合と同様にして、対象のFDBエントリに保持されるリングポートの一方を他方に書き換える。
その結果、図12に示される各中継装置(この例ではSW[1],SW[2],SW[4])のFDBにおいて、MACアドレスとポートとの対応関係は、図1のFDBと同じになる。その後、ユーザフレームを受信した際に対象のFDBエントリにおけるTTL値が適宜更新されることで、図12のFDBは、図1のFDBに完全に一致することになる。
《実施の形態2の主要な効果》
以上、実施の形態2の方式を用いることで、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。さらに、障害発生時に加えて、障害復旧時にもFDBフラッシュを行う必要がないため、障害復旧に伴う通信負荷の増大も抑制可能になる。
(実施の形態3)
《障害切替回路(実施の形態3)の動作》
図13は、本発明の実施の形態3による中継装置において、障害切替回路の処理内容の一例を示すフロー図である。実施の形態1,2の方式では、閉塞箇所通知フレームに基づいてFDBエントリの書き換えが行われたが、実施の形態3の方式では、例えば、図13に示される処理を行うことで、当該実施の形態1の方式と、図17に示した比較例の方式(すなわちFDBフラッシュを行う方式)とが併用される。
概略的には、各中継装置SW[1]〜SW[5](その障害切替回路32(図7))は、閉塞箇所通知フレームと図17に示した障害通知フレームRRDIの両方を受信した場合には、障害通知フレームRRDIを無視して閉塞箇所通知フレームに基づき対象のFDBエントリの書き換えを行う。一方、各中継装置SW[1]〜SW[5](障害切替回路32)は、障害通知フレームRRDIのみを受信した場合には、FDBが保持するFDBエントリをフラッシュする。
図13に示すフローは、図8に示したフローに対して、ステップS201,S205〜S210の処理が追加されている。ステップS201において、障害切替回路32は、受信したフレームが閉塞箇所通知フレームの場合(ステップS102の“Yes”時)、カウントダウン[1]を開始して、ステップS103の処理へ移行する。一方、受信したフレームが閉塞箇所通知フレームでない場合(ステップS102の“No”時)、障害切替回路32は、受信したフレームが障害通知フレームRRDIであるか否かを判定する(ステップS205)。障害切替回路32は、受信したフレームが障害通知フレームRRDIでない場合には、処理を終了する。
一方、受信したフレームが障害通知フレームRRDIである場合、障害切替回路32は、カウントダウン[2]を開始したのち(ステップS206)、ステップS201に伴うカウントダウン[1]が実行中か否か(すなわち、閉塞箇所通知フレームを受信したのち所定期間内か否か)を判定する(ステップS207)。カウントダウン[1]が実行中である場合(ステップS207の“Yes”時)、障害切替回路32は、処理を終了することで、実質的に当該障害通知フレームRRDIを無視する。
一方、カウントダウン[1]が実行中でない場合(ステップS207の“No”時)、障害切替回路32は、カウントダウン[2]が満了するまでの期間内(すなわち、障害通知フレームRRDIを受信したのち所定期間内)に閉塞箇所通知フレームを受信したか否かを判定する(ステップS208,S209)。障害切替回路32は、閉塞箇所通知フレームを受信した場合(ステップS208の“Yes”時)には、ステップS201の処理へ移行することで、実質的に当該障害通知フレームRRDIを無視する。一方、障害切替回路32は、閉塞箇所通知フレームを受信せずにカウントダウン[2]が満了した場合(ステップS209の“Yes”時)には、FDBフラッシュを行って処理を終了する(ステップS210)。
《実施の形態3の主要な効果》
以上、実施の形態3の方式を用いることで、実施の形態1,2の場合と同様の効果が得られる。さらに、何らかの原因で閉塞箇所通知フレームを受信できなかった場合であっても、FDBフラッシュによって経路切り替えを行えるため、フレームの誤中継を防止でき、信頼性の向上が図れる。また、リングネットワーク10内に、既存の中継装置(ただし、図7のTTL処理回路31を有する)が含まれる場合であっても対応できるため、中継システムを構築する際の柔軟性の向上が図れる。具体例として、図3の中継装置SW[3]が既存の中継装置の場合、当該中継装置SW[3]は、閉塞箇所通知フレームを生成しない。この場合であっても、各中継装置(例えばSW[3],SW[4]等)は、障害通知フレームRRDIに基づきFDBフラッシュを行うことで経路切り替えを行える。
(実施の形態4)
《障害切替回路(実施の形態4)の構成および動作》
図14は、本発明の実施の形態4による中継装置において、障害切替回路周りの構成例および動作例を示す概略図である。例えば、図3および図5における中継装置SW[4]のFDBを例とすると、前述したように、障害20に伴い、ポート識別子{Pr}かつTTL=9以下のFDBエントリが対象のFDBエントリとなり、当該対象のFDBエントリの書き換えが行われる。しかし、実使用上、FDBエントリの書き換えには、ある程度の時間を要する場合があり、その結果、経路切り替え時間が増大する恐れがある。
そこで、図14の障害切替回路32は、実施の形態1等の場合と同様に、対象のFDBエントリに保持されるリングポートの一方が他方に変更されるように切り替え処理を行うが、実施の形態1の場合と異なり、当該切り替え処理を、実際にFDBを書き換えることなく行う。具体的には、当該障害切替回路32は、例えば、マッチング条件と条件ヒット時のアクションとを保持するメモリ41と、当該メモリ41の保持内容に基づいて処理を行うマッチング処理回路40とを有する。
マッチング処理回路40は、FDB処理回路30によって宛先検索が行われた結果に対してマッチング処理を実行する。メモリ41内のマッチング条件には、対象のFDBエントリを定めるための条件が設定され、この例では、“ポート識別子{Pr}かつTTL=9以下”が設定される。一方、条件ヒット時のアクションには、リングポートの一方を他方に変更する旨が定められる。
具体例として、FDB処理回路30が、宛先カスタマ用アドレスCMAC(CDA)が“MA[2]”であるカプセル化フレームUFcを受信した場合を想定する。この場合、FDB処理回路30は、“MA[2]”を検索キーとしてFDBを検索することで、“宛先ポート識別子DPID={Pr}および“TTL=9”を取得する。マッチング処理回路40は、“宛先ポート識別子DPID={Pr}および“TTL=9”を検索キーとしてメモリ41内のマッチング条件を検索する。
この例では、条件ヒットとなるため、マッチング処理回路40は、条件ヒット時のアクションに基づき、宛先ポート識別子DPIDを{Pr}から{Pl}に変更し、当該宛先ポート識別子DPID{Pl}が付加されたカプセル化フレームUFcを図7のインタフェース部26へ送信する。なお、実際には、FDB処理回路30がカプセル化フレームUFcに宛先ポート識別子DPID{Pr}を付加し、マッチング処理回路40は、当該{Pr}を{Pl}に書き換える。
また、当該宛先検索でヒットした、カスタマ用アドレスCMAC“MA[2]”、ポート識別子{Pr}、TTL=9の対応関係を保持するFDBエントリは、その後に、送信元カスタマ用アドレスCMAC(CSA)“MA[2]”、ポート識別子{Pl}、TTL=8(図6参照)のフレームを受信した際に正しく書き換えられる。正しく書き換えられた後、当該FDBエントリは、メモリ41内のマッチング条件にヒットしなくなる。
《実施の形態4の主要な効果》
以上のように、実施の形態4の方式では、FDB処理回路30は、受信したフレームの宛先MACアドレスを検索キーとしてFDBを検索することで、TTL値と宛先のリングポートとの対応関係を取得する。障害切替回路32は、切り替え処理として、当該対応関係に基づき、受信したフレームが対象のFDBエントリに対応するフレームであるか否かを判定し、対象のFDBエントリに対応するフレームである場合には、当該フレームの宛先のリングポートを変更する。これにより、FDBを実際に書き換えることなくフレームの中継経路を変更できるため、経路切り替え時間を短縮することが可能になる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10 リングネットワーク
11 ユーザネットワーク
20 障害
25 通信回線
26 インタフェース回路
27 フレーム処理回路
28 メモリ
30 FDB処理回路
31 TTL処理回路
32 障害切替回路
33 カプセル処理回路
34 OAM処理回路
36 閉塞箇所通知回路
37 障害監視回路
40 マッチング処理回路
41 メモリ
BK 閉塞状態
FW 開放状態
LCCM リンク障害監視フレーム
NF 閉塞箇所通知フレーム
Pl 左ポート(リングポート)
Pr 右ポート(リングポート)
Pu ユーザポート
RCCM リング障害監視フレーム
RRDI 障害通知フレーム
SW 中継装置
TM 端末
UF ユーザフレーム
UFP フレーム経路
UFc カプセル化フレーム(ユーザフレーム)
UFn 非カプセル化フレーム(ユーザフレーム)

Claims (18)

  1. リングネットワークを構成する複数の中継装置を備える中継システムであって、
    前記複数の中継装置の少なくとも一つは、
    前記リングネットワークに接続されるリングポートであり、右回りにフレームを送信し、左回りのフレームを受信する右ポートと、前記リングポートであり、左回りにフレームを送信し、右回りのフレームを受信する左ポートと、ユーザネットワークに接続されるユーザポートとを含む複数のポートと、
    MACアドレスと、前記ポートと、TTL(Time To Live)値とを対応付けたFDBエントリを単数または複数保持するFDB(Forwarding DataBase)と、
    フレームを前記ユーザポートから前記リングポートへ中継する際に、当該フレームに予め定めた初期の前記TTL値を付加し、フレームを前記リングポートの一方から他方へ中継する際に当該フレームの前記TTL値を更新するTTL処理回路と、
    前記リングポートでフレームを受信した場合に、当該フレームの送信元MACアドレスと前記TTL値とを、当該フレームの受信ポートに対応付けて前記FDBに学習するFDB処理回路と、
    前記リングネットワークに障害が発生した場合に、障害発生箇所に応じて定まる前記TTL値と前記リングポートとの対応関係に基づいて、前記FDBの中から対象の前記FDBエントリを定め、前記対象の前記FDBエントリに保持される前記リングポートの一方が他方に変更されるように切り替え処理を行う障害切替回路と、
    を有する、
    中継システム。
  2. 請求項1記載の中継システムにおいて、
    前記複数の中継装置の少なくとも一つは、前記リングポートの一方で障害を検出した場合に、前記初期のTTL値に応じた所定の前記TTL値を格納した閉塞箇所通知フレームを生成し、前記閉塞箇所通知フレームを前記リングポートの他方から送信する閉塞箇所通知回路を備え、
    前記障害切替回路は、前記閉塞箇所通知フレームを受信した前記リングポート、または前記障害を検出した前記リングポートである対象ポートと、前記閉塞箇所通知フレームに格納された前記TTL値との対応関係に基づいて前記対象の前記FDBエントリを定める、
    中継システム。
  3. 請求項2記載の中継システムにおいて、
    前記障害切替回路は、前記対象ポートと、前記閉塞箇所通知フレームに格納された前記TTL値以下の前記TTL値とを保持する前記FDBエントリを前記対象の前記FDBエントリに定める、
    中継システム。
  4. 請求項1記載の中継システムにおいて、
    前記障害切替回路は、前記リングネットワークが前記障害から復旧する場合に、障害復旧後の閉塞状態のポートの位置に応じて定まる前記TTL値と前記リングポートとの対応関係に基づいて、前記FDBの中から対象の前記FDBエントリを定め、前記対象の前記FDBエントリに対する前記切り替え処理を行う、
    中継システム。
  5. 請求項4記載の中継システムにおいて、
    前記複数の中継装置の一つは、前記障害復旧後の前記閉塞状態のポートを有するマスタ装置であり、
    前記マスタ装置の前記閉塞箇所通知回路は、前記リングネットワークが前記障害から復旧する場合に、前記閉塞箇所通知フレームを前記閉塞状態のポートとは異なる前記リングポートから送信する、
    中継システム。
  6. 請求項5記載の中継システムにおいて、
    前記マスタ装置の前記閉塞箇所通知回路は、前記リングネットワークが前記障害から復旧する場合に、前記閉塞箇所通知フレームを前記閉塞状態のポートから送信する、
    中継システム。
  7. 請求項2記載の中継システムにおいて、
    前記複数の中継装置の一つは、前記リングネットワークに障害が無い場合に自装置の前記リングポートの一方を閉塞状態に制御し、前記リングネットワークに障害が有る場合に前記閉塞状態のポートを開放状態に変更するマスタ装置であり、
    前記マスタ装置は、前記リングネットワークの障害を検出した場合に、前記リングネットワークへ障害通知フレームを送信し、
    前記障害切替回路は、前記閉塞箇所通知フレームと前記障害通知フレームの両方を受信した場合には、前記障害通知フレームを無視して前記閉塞箇所通知フレームに基づき前記対象の前記FDBエントリに対する前記切り替え処理を行い、前記障害通知フレームのみを受信した場合には、前記FDBが保持する前記FDBエントリをフラッシュする、
    中継システム。
  8. 請求項1記載の中継システムにおいて、
    前記障害切替回路は、前記切り替え処理として、前記対象の前記FDBエントリに保持される前記リングポートの一方を他方に書き換える、
    中継システム。
  9. 請求項1記載の中継システムにおいて、
    前記FDB処理回路は、前記リングポートで受信したフレームの宛先MACアドレスを検索キーとして前記FDBを検索することで、前記TTL値と宛先の前記リングポートとの対応関係を取得し、
    前記障害切替回路は、前記切り替え処理として、前記FDB処理回路からの前記対応関係に基づき、前記リングポートで受信したフレームが前記対象のFDBエントリに対応するフレームであるか否かを判定し、前記対象のFDBエントリに対応するフレームである場合には、当該フレームの前記宛先のリングポートを変更する、
    中継システム。
  10. リングネットワークを構成する中継装置であって、
    前記リングネットワークに接続されるリングポートであり、右回りにフレームを送信し、左回りのフレームを受信する右ポートと、前記リングポートであり、左回りにフレームを送信し、右回りのフレームを受信する左ポートと、ユーザネットワークに接続されるユーザポートとを含む複数のポートと、
    MACアドレスと、前記ポートと、TTL(Time To Live)値とを対応付けたFDBエントリを単数または複数保持するFDB(Forwarding DataBase)と、
    フレームを前記ユーザポートから前記リングポートへ中継する際に、当該フレームに予め定めた初期の前記TTL値を付加し、フレームを前記リングポートの一方から他方へ中継する際に当該フレームの前記TTL値を更新するTTL処理回路と、
    前記リングポートでフレームを受信した場合に、当該フレームの送信元MACアドレスと前記TTL値を、当該フレームの受信ポートに対応付けて前記FDBに学習するFDB処理回路と、
    前記リングネットワークに障害が発生した場合に、障害発生箇所に応じて定まる前記TTL値と前記リングポートとの対応関係に基づいて、前記FDBの中から対象の前記FDBエントリを定め、前記対象の前記FDBエントリに保持される前記リングポートの一方が他方に変更されるように切り替え処理を行う障害切替回路と、
    を有する、
    中継装置。
  11. 請求項10記載の中継装置において、
    前記リングポートの一方で障害を検出した場合に、前記初期のTTL値に応じた所定の前記TTL値を格納した閉塞箇所通知フレームを生成し、前記閉塞箇所通知フレームを前記リングポートの他方から送信する閉塞箇所通知回路を備え、
    前記障害切替回路は、前記閉塞箇所通知フレームを受信した前記リングポート、または前記障害を検出した前記リングポートである対象ポートと、前記閉塞箇所通知フレームに格納された前記TTL値との対応関係に基づいて前記対象の前記FDBエントリを定める、
    中継装置。
  12. 請求項11記載の中継装置において、
    前記障害切替回路は、前記対象ポートと、前記閉塞箇所通知フレームに格納された前記TTL値以下の前記TTL値とを保持する前記FDBエントリを前記対象の前記FDBエントリに定める、
    中継装置。
  13. 請求項10記載の中継装置において、
    前記障害切替回路は、前記リングネットワークが前記障害から復旧する場合に、障害復旧後の閉塞状態のポートの位置に応じて定まる前記TTL値と前記リングポートとの対応関係に基づいて、前記FDBの中から対象の前記FDBエントリを定め、前記対象の前記FDBエントリに対する前記切り替え処理を行う、
    中継装置。
  14. 請求項13記載の中継装置において、
    前記中継装置は、前記障害復旧後の前記閉塞状態のポートを有するマスタ装置であり、
    前記閉塞箇所通知回路は、前記リングネットワークが前記障害から復旧する場合に、前記閉塞箇所通知フレームを前記閉塞状態のポートとは異なる前記リングポートから送信する、
    中継装置。
  15. 請求項14記載の中継装置において、
    前記閉塞箇所通知回路は、前記リングネットワークが前記障害から復旧する場合に、前記閉塞箇所通知フレームを前記閉塞状態のポートから送信する、
    中継装置。
  16. 請求項11記載の中継装置において、
    前記リングネットワークには、前記リングネットワークに障害が無い場合に自装置の前記リングポートの一方を閉塞状態に制御し、前記リングネットワークに障害が有る場合に前記閉塞状態のポートを開放状態に変更するマスタ装置が含まれ、
    前記マスタ装置は、前記リングネットワークの障害を検出した場合に、前記リングネットワークへ障害通知フレームを送信し、
    前記障害切替回路は、前記閉塞箇所通知フレームと前記障害通知フレームの両方を受信した場合には、前記障害通知フレームを無視して前記閉塞箇所通知フレームに基づき前記対象の前記FDBエントリに対する前記切り替え処理を行い、前記障害通知フレームのみを受信した場合には、前記FDBが保持する前記FDBエントリをフラッシュする、
    中継装置。
  17. 請求項10記載の中継装置において、
    前記障害切替回路は、前記切り替え処理として、前記対象の前記FDBエントリに保持される前記リングポートの一方を他方に書き換える、
    中継装置。
  18. 請求項10記載の中継装置において、
    前記FDB処理回路は、前記リングポートで受信したフレームの宛先MACアドレスを検索キーとして前記FDBを検索することで、前記TTL値と宛先の前記リングポートとの対応関係を取得し、
    前記障害切替回路は、前記切り替え処理として、前記FDB処理回路からの前記対応関係に基づき、前記リングポートで受信したフレームが前記対象のFDBエントリに対応するフレームであるか否かを判定し、前記対象のFDBエントリに対応するフレームである場合には、当該フレームの前記宛先のリングポートを変更する、
    中継装置。
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