以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PM(単に「遊技機PM」とも称する)は、図1に示すように、外郭方形
枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン(演出スイッチ)15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。以下では、便宜上、演出用の操作入力手段を「演出ボタン15」と称するが、本例における演出ボタン15とは、オン/オフ操作式のボタン型のスイッチ、操作入力の方向に応じた出力を行う十字型のスイッチ(十字キー、十字ボタン)、傾動操作式のレバー型のスイッチ、回転操作式のダイヤルスイッチ、遊技者の手が近付いたとき又は接触したときに出力を行う近接スイッチ、タッチセンサ、タッチパネルなど、あらゆる操作入力手段を含む概念で用いる。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール41及び内レール42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール41と内レール42とにより遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路(図示せず)が形成され、この案内通路における遊技球の出口開口の近傍位置(内レール42の先端部に)、該出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路へ逆戻りするのを防止する球戻り防止弁43が配設されている。この遊技領域PAには、風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口61,62,63,64などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り21が配設されており、このセンター飾り21の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。
遊技領域PAは、略中央のセンター飾り21を基準として、センター飾り21の左側の領域(左打ちに対応した盤面領域)である左側領域PA1と、センター飾り21の右側の領域(右打ちに対応した盤面領域)である右側領域PA2とに区画される。センター飾り21の上部には、外レール41と略上下方向に対向する天板部22が一体形成されており、上記の案内通路の延長上において、天板部22と外レール41との間で遊技球が右側領域PA2へ通過可能な連絡通路44が形成されている。本実施形態において、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、センター飾り21の下方に配置された第1始動口51、一般入賞口61〜63のいずれかに入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、センター飾り21の右方に配置された作動ゲート53、一般入賞口64、第2始動口52、大入賞口54のいずれかに入球可能である。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口
29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口51は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511を備えている。この第1始動口51は、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として左側領域PA1を流下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。第1始動口51への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置71において変動表示又は停止表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼称する。
第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。この第2始動口51は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。第2始動口52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。なお、本実施形態では、第2特別図柄表示装置72において変動表示又は停止表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼称する。この第2始動口52は、一般に電チューと称される普通電動役物522と、この普通電動役物522を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド523とを備える。普通電動役物522は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が第2始動口52に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。つまり、普通電動役物522は、開放状態に変位しなければ遊技球が第2始動口52へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開放状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。この普通電動役物522は、第2始動口52を開閉するための前後スライド式の可動部材524を備えている。可動部材524は、第2始動口52を閉鎖して遊技球の入球を不能又は困難とする閉鎖位置(突出位置)と、第2始動口52を開放して遊技球の入球を可能又は容易とする開放位置(退避位置)との間で、前後方向(盤面と直交する方向)にスライド可能となっている。この可動部材524の上面は、前後方向に遊技球約1個分以上の通路幅を有して、正面視にて右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、可動部材524が閉鎖位置にある場合(第2始動口52が閉鎖状態である場合)は、遊技球が可動部材524の上面を誘導路として流下可能となり、当該誘導路上を右方から左方に流下して普通電動役物522の左端から落下する。
作動ゲート53は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ531を備えている。なお、作動ゲート53への遊技球の通過は、第2始動口52を開放状態とするか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選結果が大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ541と、一般にアタッカーと称される特別電動役物542と、この特別電動役物542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド543とを備えている。特別電動役物542は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が大入賞口54に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。本例において大入賞口54は、遊技領域PAにおける右側領域PA2に設けられている。そのため、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)においては、遊技球を発射する際に、右側領域PA2を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口54への入球が容易となっている。
一般入賞口61〜63は、左打ちに対応した盤面領域である左側領域PA1に配設され、左側領域PA1を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口61〜63は、遊技球の入球を検出するための左一般入賞口スイッチ611を備えている。この左一般入賞口ス
イッチ611は、コスト低減等の観点から、三つの一般入賞口61〜63の共通センサ(シングルセンサ)として構成されており、いずれの一般入賞口61〜63への遊技球の入球も検出が可能である。
一般入賞口64は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、右側領域PA2を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口64は、遊技球の入球を検出するための右一般入賞口スイッチ641を備えている。なお、各一般入賞口61〜64への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲート53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口51に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口52に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(それぞれ最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは大当り遊技の実行中に、第1始動口51への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは大当り遊技の実行中に、第2始動口52への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。なお、普通図柄表示装置75の左側には、大当り遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(ラウンド数:特別電動役物542が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器77が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止表示する装飾図柄の変動演出や大当りの期待度を予告的に示唆又は報知する予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球に対応した保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示領域700と、第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74と同期して第1特別図柄およぶ第2特別図柄の保留画像が表示される保留画像表示領域710と、当該変動表示に対応する変動中画像が表示される変動中画像表示領域720が設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部700には、所定の有効ライン(不図示)
上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左図柄表示領域Z1、中図柄表示領域Z2、右図柄表示領域Z3)が設けられており、左図柄表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中図柄表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右図柄表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。保留画像表示部710には、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)と、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像(保留アイコン)とが表示される。保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、第1特別図柄の保留画像として最大で4個、第2特別図柄の保留画像として最大で4個の表示が可能である。また、変動中画像表示領域720には、現在実行中の当該変動表示に対応する変動中画像(変動中アイコン)が表示される。
センター飾り21は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出画面の保護、装飾等の機能を有する。このセンター飾り21には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物24が設けられている。可動役物24は、駆動源としてモータM(例えば、ステッピングモータ)を備えて構成されている。また、遊技盤20には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述する主制御基板100、演出制御基板200、画像制御基板300が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300、などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500、遊技機PMの外部に外部情報信号(外端信号)を出力する外部情報端子板600(図3を参照)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図3を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板500において生成されるバックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、左一般入賞口スイッチ611、右一般入賞口スイッチ641などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド523、特別電動役物ソレノイド543に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。また、主制御基板100は、外部情報端子板600に電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、メインCPU101からの遊技情報信号を外部端子板600に送信する。この外部情報端子板600は、主制御基板100から送信された遊技情報信号に基づいて、各種の外部情報信号を遊技機PMの外部に設置された外部装置(データ表示器、ホールコンピュータなど)に送信する。なお、主制御基板100から送信される遊技情報信号は、例えば払出制御基板300などを介して、外部情報端子板600に入力されるものであってもよい。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回
路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を
演出表示装置に送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板500には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
外部情報端子板600は、主制御基板100からの遊技情報信号に基づき、遊技機PMの外部に外部情報信号(外端信号)を出力する。外部情報端子板600が外部情報として機外の外部装置に出力する外部情報信号には、例えば、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号、賞球信号(賞球情報信号とも称する)、扉枠開放信号、セキュリティ信号(セキュリティ情報信号とも称する)、磁気センサ異常信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号などが含まれる。また、本遊技機PMの外部に設置された外部装置には、データ表示器や、ホールコンピュータなどがある。データ表示器は、遊技機PMの上部に設置されて、遊技機PMから出力される外部情報信号に基づき、遊技機PMの動作状態に関するデータ(遊技情報)を表示する装置である。このデータ表示器に表示された遊技情報は、遊技者が遊技機を選択するうえで有益な判断材料となる。ホールコンピュータは、遊技店内のホールに設置された各遊技機から出力される外部情報信号に基づき、各遊技機(本遊技機PMもその一つである)の動作状態を集計して、各遊技機の稼働状況などを管理する装置である。このホールコンピュータは、データ表示器を介して本遊技機PMに電気接続されていても、データ表示器を介さずに本遊技機PMに電気接続されていてもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設
される球送り機構13によって1球ずつ発射機構14に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。このとき、発射ハンドル12を所定量未満で操作したときは、遊技球は右側領域PA2へ到達せず、左側領域PA1を流下する。この左側領域PA1には、遊技球を第1始動口51や一般入賞口61〜63へ向けて流下させるための左側流路が形成されている。一方、発射ハンドル12を所定量以上で操作したときは、遊技球は右側領域PA2に到達し、右側領域PA2を流下する。この右側領域PA2には、遊技球を作動ゲート53、一般入賞口64、第2始動口52、大入賞口54へ向けて流下させるための右側流路が形成されている。このように左側領域PA1又は右側領域PA2を流下する遊技球は、これら左側領域PA1又は右側領域PA1にて振り分けられた経路に応じて、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口61〜64のいずれかに入球し得る一方で、いずれの入賞口にも入球しなかった場合はアウト口29へ流下される。
遊技領域PAを流下する遊技球が、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口54、一般入賞口61〜63のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9へ払い出される。本実施形態において、各入賞口に遊技球が1球入球したときに払い出される賞球数(「単位賞球数」と呼称する)として、第1始動口51は「4個」、第2始動口52は「1個」、一般入賞口61〜64は「3個」、大入賞口54は「15個」が設定されている。なお、各入賞口の単位賞球数は、本実施形態に例示したもに限定されるものではなく、他の単位賞球数を適用してもよい。例えば、単位賞球数として、第1始動口51は「4個」でなく「1個」などとしてもよい。また、第2始動口52は「1個」ではなく「3個」などとしてもよい。また、一般入賞口61〜64は「3個」ではなく「5個」などとしてもよい。また、大入賞口は「15個」でなく「10個」などとしてもよい。
遊技球が第1始動口51又は第2始動口52に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の作動保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(後述の特別図柄の変動開始条件)が成立する場合に、最先の作動保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者にとって有利となる特別遊技(大当り遊技)に移行する。この大当り遊技の各ラウンド遊技(単位遊技)において、大入賞口54を1回又は複数回だけ開放状態に変化させる開閉動作が行われる。大入賞口54に規定カウント数の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口54の開放時間が開放限度時間に到達すると、実行中のラウンド遊技が終了する。ここで、大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別図柄および装飾図柄が大当りを示す停止態様で確定表示されると、大当り遊技として、複数回のラウンド遊技(単位遊技)が実行される。
本実施形態では、所定の大当りに当選すると、大当り遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能が作動する場合がある。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(大当り遊技)が比較的早期に発生するようになる。なお、特別図柄の確率変動機能は、次回の大当りが発生するまで継続するものとしてもよい。また、上記所定の終期回数として、実質的に次回の大当り発生までの変動表示回数に相当する「10000回」を設定してもよい。
また、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の変動時間短縮機能に付随して又は独立して、電チューサポート機能(単に「電サポ」とも呼称する)が作動する場合がある。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物522の開放延長機能が作動することにより、第2始動口52への入球容易性が高められる状態(「電サポ状態」又は「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物522の開放延長機能が作動すると、普通電動役物522の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口52への入球容易性も高まるため、第2始動口52への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口52への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。つまり、遊技球の発射球数に対する賞球数の割合である「ベース」が高くなる。以下では、電チューサポート機能が作動している状態を「高ベース状態」、電チューサポート機能が作動していない状態を「低ベース状態」とも呼称する。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図4を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。なお、図4は本遊技機PM(主として主制御基板100/演出制御基板200)の機能ブロック図である。
主制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611,641などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第1始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、第2始動口スイッチ521にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第2始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、作動ゲートスイッチ531にて遊技球の通過を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「作動ゲート入賞コマンド」と称する)を生成し、大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「大入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、左一般入賞口スイッチ611にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「左一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、右一般入賞口スイッチ611にて遊技球の入球を検
出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「右一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成し
た内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタと、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタとを有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応
するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート53への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、上記事前判定タイミングは一例であり、遊技機仕様に合わせて事前判定タイミングを変更(例えば、普通電動役物を有さない第2特別図柄に係る始動口を有し、通常時に8個保留が溜められる機種では上記(1)を第1特別図柄のみならず第2特別図柄も対象にする、等)したり、事前判定タイミングを設けずいつでも事前判定を行う仕様を採用したりしてもよい。また、各遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象としてもよく、例えば、通常遊技状態においては第1特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とし、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、確変遊技状態においては第2特別図柄の作動保留球のみを事前判定の対象とすることが好適である。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判
定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。また、変形例として、上記の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に格納する前に一時的に記憶されるメインCPU101上のレジスタ等の乱数値を事前判定するように構成してもよい。そして、事前判定手段135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「第1特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、(A1)大当り中ではないこと、(A2)第1特別図柄および第2特別図柄が変動待機中であること、(A3)第1特別図柄の作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときである。また、「第2特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、(B1)大当り中ではないこと、(B2)第1特別図柄および第2特別図柄が変動待機中であること、(B3)第2特別図柄の作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときである。なお、第1特別図柄の変動開始条件と第2特別図柄の変動開始条件とが同時に成立しているときは、前記の優先消化のもと、第2特別図柄の変動開始条件を優先的に処理する。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図5は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図である。図5(A)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)において参照され、図5(B)は特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)において参照される。特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値の乱数範囲と、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)とが対応付けられている。図5に示すように、特別図柄の当否判定において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)では、特別図柄当り乱数値が「0〜204」の範囲に該当する場合に大当りとなり、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)では、特別図柄当り乱数値が「0〜1506」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率の「1/319.69」から高確率の「1/43.49」に変動する。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定とで大当りの当選確率は等しく設定されている。なお、本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」を設定していないが、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」を設定してもよい。小当りの当選
確率は、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率に設定される。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、図6に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄(大当り種別)を決定する際に参照される第1特別図柄大当り図柄テーブルおよび第2特別図柄大当り図柄テーブルを有している。本実施形態において、「特定大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機となる大当り(確変大当り)を意味し、「通常大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機とはならない大当り(非確変大当り)を意味する。
本実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態が設定されている。その遊技状態の種類として、(1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と呼称し、(2)特別図柄の確率変動機能が作動せずに特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と呼称し、(3)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と呼称する。ここで、「確変遊技状態」および「時短遊技状態」は「通常遊技状態」と比べて遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。そのため、以下では、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度の高い遊技状態として、確変遊技状態、時短遊技状態を「有利遊技状態」とも呼称する。
なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)確変遊技状態を「高確率高ベース状態」、(2)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(3)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。その他、確率変動機能の作動状態としては高確率状態である一方、電チューサポート機能の作動状態としては低ベース状態である遊技状態(「通常遊技状態」と比べて遊技者にとって有利な遊技状態の1つ)を備えてもよく、そのような遊技状態を潜確遊技状態と称し、この潜確遊技状態を「高確率低ベース状態」と表現してもよい。この潜確遊技状態(「高確低ベース状態」)は、小当りを主体とした遊技を行うにあたって好適な遊技状態であり、詳細は後述する。これらの状態(低確率/高確率と低ベース/高ベースとの組合せ状態)については、特に断りがない限り、大当り中や小当り中ではない状態における遊技状態(当否判定や変動表示が可能な状態)を指すが、大当り中においては低確率低ベース状態であり、小当り中においては小当り当選時の遊技状態と同じ遊技状態となる。このとき、特別図柄の変動時間短縮機能は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、少なくともその遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動時間が短縮された状態となっていることを意味する。すなわち、本実施形態において、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)では、少なくとも第1特別図柄の変動時間(平均変動時間)が短縮され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(確変遊技状態、潜確遊技状態、時短遊技状態)では、少なくとも第2特別図柄の変動時間(平均変動時間)が短縮される。
本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の終了後の遊技状態は、(1)大当り種別(図柄群の種類)と、(2)大当り当選時の遊技状態とに応じて決定される。なお、各遊技状態の継続回数(特別図柄の変動表示の回数)は、特別図柄の確率変動機能が作動する回数(「確率変動回数」と呼称する)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数(「変動時間短縮回数」と呼称する)と、電チューサポート機能が作動する回数(「電サポ回数」と呼称する)とに応じて設定される。本実施形態では、特別図柄の変動時間短縮機能と電チューサポート機能は、同時に作動を開始し
て、同時に作動を終了するため、「変動時間短縮回数」と「電サポ回数」とは同一回数となる(そのため、図6では「変動時間短縮回数」と「電サポ作動回数」とを同一の欄に記載している)。
図6(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に対応して、2種類の大当り種別が設定されている。具体的には、2種類の大当り種別(図柄群)として、4R特定大当り(図柄群A)と、4R通常大当り(図柄群B)とに振り分けられる。
(4R特定大当り:図柄群A)
第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、その継続回数(確率変動回数、変動時間短縮回数、電サポ回数)として「10000回」という膨大な回数が設定されており、該継続回数に到達するまで大当りに当選しないことは確率的(約1/44で当選する)には有り得ないため、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。
(4R通常大当り:図柄群B)
第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。また、第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群B)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。
図6(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、確率変動回数、変動時間短縮回数(電サポ回数)、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に対応して、3種類の大当り種別が設定されている。具体的には、3種類の大当り種別(図柄群)として、16R特定大当り(図柄群C)と、4R特定大当り(図柄群D)と、4R通常大当り(図柄群E)とに振り分けられる。
(16R特定大当り:図柄群C)
第2特別図柄の「16R特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、前述したとおり、その継続回数として「10000回」という膨大な回数が設定されており、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第2特別図柄の「16R
特定大当り(図柄群C)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。また、この16R特定大当りは、第1特別図柄でも当選する仕様としてもよく、その場合には、第2特別図柄よりも当選しにくい(例としては、全大当り図柄のうちの5%とし、第1特別図柄では、16R特定大当りは5%、4R特定大当りは60%、4R通常大当りは35%とする)仕様とすることが好適である。
(4R特定大当り:図柄群D)
第2特別図柄の「4R特定大当り(図柄群D)」に当選した場合、確率変動回数「10000回」、変動時間短縮回数「10000回」、電サポ回数「10000回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、前述したとおり、その継続回数として「10000回」という膨大な回数が設定されており、実質的に次の大当りが発生するまで継続する。また、第2特別図柄の「4R特定大当り(図柄群D)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。
(4R通常大当り:図柄群E)
第2特別図柄の「4R通常大当り(図柄群E)」に当選した場合、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。また、第2特別図柄の「4R通常大当り(図柄群E)」に当選した場合、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」で、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は「29秒」である。
ここで、本実施形態では、大当り種別として、16R特定大当り(図柄群C)と、4R特定大当り(図柄群A,D)と、4R通常大当り(図柄群B,E)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(「賞球獲得期待値」と呼称する)は、16R特定大当り>4R特定大当り=4R通常大当りとなっている。ここで、第1特別図柄で大当りに当選した場合の特別遊技の実質ラウンド数は「4ラウンド」であるのに対し、第2特別図柄で大当りに当選した場合の特別遊技の実質ラウンド数は「16ラウンド」であるため、第1特別図柄で大当りが発生する場合よりも、第2特別図柄で大当りが発生する場合の方が、ラウンド数の多い特別遊技に移行する可能性が高く、多くの出玉を獲得できる点で遊技者にとって有利である。この特別遊技の実質ラウンド数は、その特別遊技に設定された「長開放ラウンド遊技」の実行回数に対応している。なお、本実施形態では、大当り遊技の各ラウンドの最大開放時間を29秒という固定時間としているが(全てのラウンドを「長開放ラウンド遊技」としているが)、同一の大当り遊技中の所定のラウンド又は全てのラウンドで、大入賞口54の最大開放時間を2秒と短くする「短開放ラウンド遊技」を設けるようにして、大当り遊技のラウンド数が同一であっても、実質的に出玉の獲得できるラウンド数の異なる大当り(実質ラウンド数の異なる大当り)を有する構成を採用してもよい。なお、長開放ラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が、大入賞口54に規定カウント数(フルカウント=10球)の遊技球を入球可能又は入球容易に設定されたラウンド遊技である。短開放ラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が、大入賞口54に規定カウント数(フルカウント=10球)の遊技球を入球不能又は入球困難に設定されたラウンド遊技である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別
図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態に基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。変動パターン選択状態と、変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、特別図柄の変動表示の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が対応付けられており、その変動時間にて装飾図柄の変動表示も実行されることを前提としてしている。
ここで、変動パターン選択状態について説明する。変動パターン選択状態とは、変動パターン(変動パターンテーブル)を選択する際に参照される選択条件の一つである。本例では、複数種の変動パターン選択状態として、「通常選択状態」、「時短選択状態」、「確変選択状態」が設定されている。通常選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能のいずれも作動していない遊技状態(通常遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。時短選択状態は、特別図柄の確率変動機能は作動していないが、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動している遊技状態(時短遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。確変選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能の全てが作動している遊技状態(確変遊技状態)に対応して設定される変動パターン選択状態である。
特別図柄の変動パターンテーブルは、図7〜図9に示すように、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで参照する欄が相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るようになっている。ここで、各図に記載されている作動保留球の個数(「保留0個」、「保留1〜2個」、「保留3個」)は、第1特別図柄の変動パターン抽選であれば、第1特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味し、第2特別図柄の変動パターン抽選であれば、第2特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味する。この作動保留球の個数は、変動パターンの抽選時(当該変動表示の開始時/保留消化後)に存在する作動保留球の個数である(当該変動表示により消化された作動保留球は含まない)。なお、その変形例としては、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の合算値を使用してもよい。
特別図柄の変動表示と連動して行われる装飾図柄の変動演出は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)などに基づき決定される。図7〜図9には、参考として、各変動パターン(変動時間)に対応して設定される変動演出の内容も記載している。図中、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。以下では、超短縮変動、短縮変動及び通常変動をまとめて「非リーチはずれ」とも称する。この非リーチはずれ種別は、通常変動よりも短縮変動、短縮変動よりも超短縮変動の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。
「Nリーチ(ノーマルリーチ)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(一般的には左列及び右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態)で、残り1列(一般的には中列)に異なる装飾図柄が停止したならば「はずれ」となり、残り1列(一般的には中列)に同一の装飾図柄が停止したならば「大当り」となる演出である。
「SPリーチ(スーパーリーチ)」は、上記のNリーチよりも相対的に大当り期待度の高いリーチ演出であり、リーチの成立後にNリーチから発展して、例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。本実施形態では、SPリーチの種類として、複数種のSPリーチA〜Cが用意されている。SPリーチAは、現在実行中の遊技状態が通常状態である場合に実行されるリーチ演出である。SPリーチBは、現在実行中の遊技状態が時短遊技状態である場合に実行されるリーチ演出である。SPリーチCは、現在実行中の遊技状態が確変遊技状態である場合に実行されるリーチ演出である。本実施形態の変動パターン種別では、「非リーチ」<「Nリーチ」<「SPリーチ」の順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。変形例として、通常状態と時短遊技状態とでSPリーチの演出内容を同じ(SPリーチA)とし、確変遊技状態である場合にはそれとは異なるSPリーチ(SPリーチC)としてもよい。また、その他の変形例として、擬似連を含む変動パターンを用意してもよい。擬似連とは、装飾図柄の1回の変動表示の間に、装飾図柄を仮停止(擬似停止、一旦停止)および再変動表示させることにより、擬似的に複数回の変動表示が行われたように見せる演出(擬似連演出、擬似変動演出、擬似連続変動演出、再変動演出)である。つまり、擬似連は、3列の装飾図柄の全てが変動又は再変動を開始した後に仮停止又は確定停止する擬似変動を複数回実行する演出である。この擬似連の回数(擬似変動の回数)が多いほど、大当り期待度の高いSPリーチに発展する可能性が高いことを示す。
(変動パターンテーブル1)
図7は、変動パターンテーブル1を示す模式図である。変動パターンテーブル1は、現在滞在中の変動パターン選択状態が通常選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル1は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPH1−1(短縮変動)、PH1−2(通常変動)、PH1−3(Nリーチ)、PH1−4(SPリーチA)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、変動パターンPH1−1(短縮変動)、PH1−2(通常変動)、PH1−3(Nリーチ)、PH1−4(SPリーチA)のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第1特別図柄の作動保留球数が多いほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択され易く、第1特別図柄の作動保留球数が少ないほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く設定された変動パターンが選択され易い。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、変動時間が相対的に短く設定された変動パターンPH1−1(短縮変動)又はPH1−2(通常変動)が選択される。なお、変形例として、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留数に依存せず、短縮変動のメイン変動パターンPH1−2のみを選択する又は短縮変動の変動パターンPH1−2を最も選択し易い(第2特別図柄の作動保留球数に依存せず選択割合は同じとすることが好適)構成としてもよい。
大当り用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPA1−1(Nリーチ)、PA1−2(SPリーチA)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA1−1(Nリーチ)又はPA1−2(SPリーチA)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA1−1(Nリーチ)又はPA1−2(SPリーチA)が選択される。
(変動パターンテーブル2)
図8は、変動パターンテーブル2を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が時短選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPH2−1(超短縮変動)、PH2−2(通常変動)、PH2−3(Nリーチ)、PH2−4(SPリーチB)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存することなく、変動パターンPH2−2(通常変動)、PH2−3(Nリーチ)、PH2−4(SPリーチA)のうちのいずれかが選択される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球が何個存在していたとしても、変動パターンPH2−1(超短縮変動)が選択されることはない。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、変動パターンPH2−1(超短縮変動)、PH2−2(通常変動)、PH2−3(Nリーチ)、PH2−4(SPリーチB)のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在していない場合は、変動パターンPH2−1(超短縮変動)が選択されることはなく、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合には、第2特別図柄の作動保留球数が多いほど、変動パターンPH2−1(超短縮変動)が選択され易くなる傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPA2−1(Nリーチ)、PA2−2(SPリーチB)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA2−1(Nリーチ)又はPA2−2(SPリーチB)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別に依存することなく、変動パターンPA2−1(Nリーチ)又はPA2−2(SPリーチB)が選択される。
(変動パターンテーブル3)
図9は、変動パターンテーブル3を示す模式図である。変動パターンテーブル3は、現在滞在中の変動パターン選択状態が確変選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル3は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるようになっている。
はずれ用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPH3−1(超短縮変動)、PH3−2(通常変動)、PH3−3(SPリーチC)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、変動パターンPH3−2(通常変動)又はPH3−3(SPリーチC)が選択される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の作動保留球が何個存在していたとしても、変動パターンPH3−1(超短縮変動)が選択されることはない。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH3−1(超短縮変動)、PH3−2(通常変動)、PH3−3(SPリーチC)のいずれかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第2特別図柄の作動保留球数に応じて(詳しくは第2特別図柄の作動保留球の有無に応じて)参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、取得した特別図柄変動パターン乱数値が同一であっても、異なる変動パターンが選択され
得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在していない場合は変動パターンPH3−1(超短縮変動)が選択されることはなく、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合にのみ変動パターンPH3−1(超短縮変動)が選択され得るため、第2特別図柄の作動保留球が存在しない場合よりも、第2特別図柄の作動保留球が存在している場合の方が、相対的に変動時間の短い変動パターンが選択され易くなる傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPA3−1(SPリーチC)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別(4R特定大当り、4R通常大当り)に依存することなく、変動パターンPA3−1(SPリーチC)が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、大当り種別(16R特定大当り、4R特定大当り、4R通常大当り)に依存することなく、変動パターンPA3−1(SPリーチC)が選択される。
前述したとおり、変動パターンテーブル1〜3には、各変動パターンに対して特別図柄の変動時間が規定されているが、いずれの変動パターンが選択された場合でも、特別図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.5秒」が設定されている。なお、特別図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、特別図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間及び確定停止時間に対応して、装飾図柄の変動時間及び確定停止時間も設定されている。また、変動パターンテーブル1〜3において、大当り時ははずれ時と同じ演出内容および変動時間となり得るが、大当り時とはずれ時とでは最終的な演出内容を異ならせることが好適である。つまり、同じNリーチであっても大当り時は装飾図柄がゾロ目(例:「7・7・7」)になる一方ではずれ時は装飾図柄がリーチはずれの出目(例:「7・8・7」)になったり、同じSPリーチA〜Cであっても大当り時は最終的な演出内容が成功を示す演出内容になり装飾図柄がゾロ目(例:味方キャラクタが敵キャラクタに勝利し、その後「7・7・7」が表示される)になる一方ではずれ時は最終的な演出内容が失敗を示す演出内容になり装飾図柄がリーチはずれの出目(例:味方キャラクタが敵キャラクタに敗北し、その後「7・8・7」が表示される)になったりすることが好適である。また、大当り時ははずれ時と比べて、同一の演出内容(同じSPリーチに発展した場合)であったとしても、変動時間(演出時間)が長時間となることが好適であり、例としては、大当り時のSPリーチA〜Cは、はずれ時のSPリーチA〜Cよりも、10秒長い変動時間(演出時間)とすることが好適である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板200との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、特別図柄の変動付加パターン(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148とを有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「普通図柄の変動開始条件」とは、(1)普通図柄の変動
待機中であること、(2)普通図柄の作動保留球が存在することである。この全ての条件を満足したときに、普通図柄が変動開始可能な状態(変動開始条件が成立した状態)であると判断される。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して普通図柄の当否判定を実行し、当該判定結果が「当り」、「はずれ」のいずれに該当するかを決定する。この普通図柄の当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この普通図柄の当否判定の際に参照される不図示の普通図柄当否抽選テーブルを保持している。普通図柄の当り確率は、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動していない場合は「1/3001」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動している場合は「2999/3001」に設定されている。
普通図柄停止図柄判定手段147は、不図示の普通図柄停止図柄テーブルを参照して、普通図柄の当否判定の結果が当りである場合には所定の当り図柄(普通電動役物522が作動する契機となる停止図柄)を選択する一方、普通図柄の当否判定の結果がはずれである場合には所定のはずれ図柄(普通電動役物522が作動する契機とならない停止図柄)を選択する。本実施形態では、普通図柄の当り図柄として図柄Aおよび図柄Bを割り当てる一方、普通図柄のはずれ図柄として図柄Cを割り当てる。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、不図示の普通図柄変動パターンテーブルを参照して、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。普通図柄の変動時間は、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動していない場合は「0.6秒」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動している場合は「0.2秒」に設定されている。いずれの普通図柄の変動パターンが選択された場合でも、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.1秒」が設定されている。普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、普通図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、普通図柄の制御においては、主制御基板100のの処理負荷の軽減のため、電チューサポート機能が作動していない場合は、普通図柄の当否判定の当り確率を「0」とし、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
また、普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の当否判定の結果などに応じて、普通電動役物522の開放パターン(開放時間)を決定する。普通図柄抽選処理手段145は、普通電動役物522の開放パターン(開放時間)を決定する際に参照される普通電動役物開放パターンテーブルを保持している。普通電動役物522の開放パターン(開放時間)は、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない場合は「0.2秒」が設定され、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合は「5.8秒」が設定される。なお、普通電動役物522の開放パターンを、普通図柄の当り図柄の種類に応じて異なるものとしてもよい。例えば、普通電動役物522の開放パターンとして、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合に、普通図柄の当り図柄が図柄Aであれば「3秒開放×1回→2.8秒開放×1回(総開放時間5.8秒)」とし、普通図柄の当り図柄が図柄Bであれば「2.8秒開放×1回→3秒開放×1回(総開放時間5.8秒)」とする。
特別遊技制御手段150は、特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合、前記決定された大当り種別(図柄群)に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモの実行時間(デモ時間)と、ラウンド遊技の実行時間(ラウンド時間)とを決定する。そして、特別
遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、大当り遊技中に展開される一連の大当り中演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、大当り遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口54の開放や閉鎖の情報などが含まれる。なお、図11にて後述するように、本実施形態においては、大当り開始デモの実行時間は一律5秒、大当り終了デモの実行時間は一律20秒に設定されているが、大当り開始デモおよび大当り終了デモの実行時間(デモ時間)に関しては、大当り種別(図柄群)のみではなく、大当り当選時の遊技状態に応じて、同一の大当り種別(図柄群)であっても、大当り開始デモや大当り終了デモの実行時間(デモ時間)を異なるものとしてもよい。例えば、第1特別図柄でも16R特定大当りが当選する仕様を前提とし、4R通常大当りについては、低確率低ベース状態で大当りした場合は、大当り開始デモの実行時間は5秒(大当り開始デモ演出として、「通常大当り開始」と表示される演出A−1を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は15秒(大当り終了デモ演出として、「時短モード突入」と表示される演出B−1およびプリペイドカード(※遊技用の遊技球を借りるために必要となる金額に関する情報が記憶された記憶媒体)の取り忘れに関する注意喚起を行う演出Cを実行)とする一方、高確率高ベース状態又は低確率高ベース状態で大当りした場合は、大当り開始デモの実行時間は5秒(大当り開始デモ演出として、演出A−1を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は10秒(大当り終了デモ演出として、演出B−1を実行し、演出Cは実行されない)とし、16R特定大当りおよび4R特定大当りについては、低確率低ベース状態で大当りした場合は、大当り開始デモの実行時間は5秒(大当り開始デモ演出として、「確変大当り開始」と表示される演出A−2を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は20秒(大当り終了デモ演出として、「確変モード突入」と表示される演出B−2および演出Cを実行)とする一方、高確率高ベース状態又は低確率高ベース状態で大当りした場合は、大当り開始デモの実行時間は5秒(大当り開始デモ演出として、演出A−2を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は10秒(大当り終了デモ演出として、「確変モード継続」と表示される演出B−3を実行し、演出Cは実行されない)としてもよい。その他、第1特別図柄でも16R特定大当りが当選する仕様を前提とし、第1特別図柄での大当りであれば、大当り時の遊技状態問わず、大当り開始デモの実行時間は5秒(16R特定大当り、4R特定大当り、4R通常大当りの何れにおいても5秒とし、大当り開始デモ演出として、演出A−1または演出A−2を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は30秒(16R特定大当りおよび4R特定大当りについては30秒で、大当り終了デモ演出として、演出B−2および演出Cを実行、但し、4R通常大当りについては15秒とし、大当り終了デモ演出として、演出B−1および演出Cを実行)とする一方、第2特別図柄での大当りであれば、大当り時の遊技状態問わず、大当り開始デモの実行時間は5秒(16R特定大当り、4R特定大当り、4R通常大当りの何れにおいても5秒とし、大当り開始デモ演出として、演出A−1または演出A−2を実行)とし、大当り終了デモの実行時間は20秒(16R特定大当りおよび4R特定大当りについては20秒で、大当り終了デモ演出として、演出B−3を実行し、演出Cを実行しない、但し、4R通常大当りについては10秒とし、大当り終了デモ演出として、演出B−1を実行し演出Cを実行しない)としてもよい。この時間値の関係性は一例であり、各状況での各デモ時間の大小関係が上記と同じであれば、この時間値に限定されることはない。また、上記のような仕様の何れにおいても、高確率高ベース状態又は低確率高ベース状態で大当りした場合に演出Cは発生しないが、その大当りに係る変動もしくは大当り遊技中(特別遊技中)に電源断が発生し且つ
その変動中または大当り遊技中に電断復帰した場合、例外的に演出Cを発生させてもよい。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
また、特別図柄表示制御手段156は、遊技の中断状態が所定時間以上継続した場合に、待機デモ演出(客待ちデモ演出)の実行契機となる演出制御コマンド(「待機デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。「遊技の中断状態が所定時間以上継続する」とは、特別図柄の作動保留球が存在せず、且つ、特別図柄の変動表示が行われていない期間が所定時間以上継続することを意味する。なお、遊技球が発射されていない期間が所定時間以上継続する場合や、遊技球が全ての入賞口に入球していない期間が所定時間以上継続する場合に、遊技の中断状態が所定時間以上継続する仕様としてもよい。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、大当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド543に制御信号を出力し、特別電動役物542を所定の作動パターンに従って開閉制御する。大当り遊技は、特別電動役物542の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物542の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り遊技における特別電動役物542の作動終了条件(単位遊技の終了条件)とは、大入賞口54に規定カウント数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、大入賞口54の開放時間が最大開放時間(本実施形態では「29秒」)に到達したことである。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否判定の結果が当りに該当する場合、普通電動役物ソレノイド523に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物522(第2始動口52)を開閉制御する。ここで、電動役物制御手段160は、前述したとおり、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない低ベース状態において、普通電動役物522を0.2秒だけ開放させるのに対して、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している高ベース状態において、普通電動役物522を5.8秒だけ開放させる。ここで、普通電動役物522の作動終了条件とは、第2始動口52に所定数(本実施形態では「10個」)の遊技球が入球したこと、又は、第2始動口52の開放
時間が最大開放時間(本実施形態では「0.2秒」又は「5.8秒」)に到達したことである。
遊技状態制御手段165は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、当該大当り種別(図柄群の種類)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、大当り遊技の終了後の遊技状態を切り替える。本実施形態では、前述したように、複数種の遊技状態として、通常遊技状態(低確率低ベース状態)、時短遊技状態(低確率低ベース状態)、確変遊技状態(高確率高ベース状態)が設定されており、複数種の遊技状態のうちのいずれかが択一的に設定される。なお、各遊技状態については既に詳述しているので、ここでは重複説明を省略する。
また、遊技状態制御手段165は、大当り遊技が実行された場合に、当該大当り種別(図柄群の種類)に基づき、大当り遊技の終了後の変動パターン選択状態を決定するとともに、大当り遊技の終了後の変動パターン選択状態を切り替える。本実施形態では、複数種の変動パターン選択状態として、通常選択状態、時短選択状態、確変選択状態が設定されており、前記決定された遊技状態や大当り種別、特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の変動パターン選択状態のうちのいずれかが択一的に設定される。なお、各変動パターン選択状態については既に詳述しているので、ここでは重複説明を省略する。
また、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図4等では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、特別図柄および普通図柄の当否判定の結果情報(大当り、はずれ)、特別図柄および普通図柄に係る停止図柄(図柄群含む)の情報、特別図柄および普通図柄の変動パターン(変動付加パターン含む)の情報、大当り遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物542の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとし
て送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図4に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ制御手段230、役物制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板100から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、変動演出制御手段224、装飾図柄制御手段225、予告演出制御手段226、特別遊技演出制御手段227を含む。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドなどに基づき、主制御基板100側で管理される遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モード(「遊技演出モード」とも称する)を制御する。本実施形態では、複数種の演出モードとして、「通常演出モード」、「時短演出モード」、「確変演出モード」が設定されており、主制御基板100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。本実施形態では、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短演出モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態であるときは「確変演出モード」が設定される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、このコマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段222は、主制御基板
100からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留画像表示部710に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。また、保留情報表示制御手段222は、演出表示装置70の変動中画像表示領域720に、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球(最先の作動保留球)が消化されることで、この作動保留球に対応する保留画像に切り替わって表示される変動中画像を表示する制御を行う。本実施形態では、明示的に言及しない限り、第1特別図柄の保留画像と第2特別図柄の保留画像とを区別せずに単に「保留画像」と称し、第1特別図柄の変動中画像と第2特別図柄の変動中画像とを区別せずに単に「変動中画像」と称する場合がある。
先読み予告制御手段223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板100からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき行われる。ここで、先読み予告制御手段223は、主制御基板100からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
変動演出制御手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。変動演出制御手段224は、装飾図柄の変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルが選択されるようになっている。ここで、主制御基板100側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「SPリーチA」や「SPリーチB」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば「SPリーチA1,A2…」や「SPリーチA2,A3…」など)が定まる。装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動
演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される。
また、変動演出制御手段224は、主制御基板100からの待機デモコマンドを受信したことを契機として、該待機デモコマンドを受信してから特別図柄の変動表示が開始されるまで(次の変動開始コマンドを受信するまで)の客待ち期間中に、例えばデモンストレーション用の動画像を再生する待機デモ演出(客待ちデモ演出)を実行する。
装飾図柄制御手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目(例えば、順目として「1・2・3」や「5・6・7」など、ズレ目として「2・2・3」や「5・5・6」など)が選択されることがある。更には、前述の擬似連続演出において、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示および再変動表示させる演出を行う場合には、擬似連の発生を示唆する仮停止図柄として特殊図柄(擬似連図柄)が選択される。擬似連の発生を示唆する仮停止図柄を表示させる場合は、三列の装飾図柄の停止図柄のうち、少なくとも一つの停止図柄(典型的には中図柄)を「NEXT」などの文字を表示する特殊図柄(擬似連図柄)に差し替えて表示させる場合(例えば、「2・NEXT・3」など)がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。また、いずれの停止順であったとしても、変動開始時は左図柄・右図柄・中図柄が同時に変動を開始することが望ましい。但し、こちらも特殊の変動演出パターンとして、左図柄・右図柄・中図柄の順で変動を開始してもよい。
ここで、図10は、本実施形態における装飾図柄の図柄属性を示す模式図である。装飾図柄は、数字からなる識別要素と、該識別要素に付された色彩(表示色)との組合せにより形成されている。本実施形態では、識別要素として、「1」〜「9」の数字の全9種類が設定されている(すなわち、全9種類の装飾図柄が存在する)。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」〜「9」の順に配置されており、演出表示装置70上では「1」〜「
9」の順序(又は「9」〜「1」の順序)で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示又はスクロール表示され、「9」のあとは再び「1」に戻る(又は「1」のあとは再び「9」に戻る)ようになっている。この仕様は他の実施形態においても同様である。各装飾図柄は、識別要素に付された色彩の種類により図柄属性が定められている。つまり、複数の装飾図柄が互いに異なる識別要素から構成されていても、同一の色彩が付されることにより、同一の図柄属性にグループ化されることになる。本例では、装飾図柄の色彩として「青色」、「赤色」、「金色」の3種類が設定されている。なお、図面上では、「青色」、「赤色」、「金色」の3種類の装飾図柄の表示態様を、「白抜き」、「斜線」、「塗り潰し」により表現する。具体的に、装飾図柄「2」、「4」、「6」、「8」は青色の図柄属性(青色属性)に分類され、装飾図柄「1」、「3」、「5」、「9」は赤色の図柄属性(赤色属性)に分類され、装飾図柄「7」は金色の図柄属性(金色属性)に分類される。本実施形態では、装飾図柄の図柄属性として、「青色」<「赤色」<「金色」の順に1段階ずつ、出玉獲得の期待度及び確変移行の期待度が高くなる。以下では、便宜上、青色属性の装飾図柄を「青図柄」、赤色属性の装飾図柄を「赤図柄」、金色属性の装飾図柄を「金図柄」とも称する。
予告演出制御手段226は、変動演出制御手段224によて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動表示過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
特別遊技演出制御手段227は、大当り遊技中であることを報知する大当り中演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り中演出は、大当り遊技の開始を報知する大当り開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、大当り遊技の終了を報知する大当り終了デモ演出とを含む。特別遊技演出制御手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り中演出パターン(大当り開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、大当り終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り開始デモ演出時間と、ラウンド演出時間(大入賞口54の開放パターンに応じた演出時間)と、大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、特別遊技演出制御手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として大当り開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したこと
を契機として大当り終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、大当り遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上に現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、大当り遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、大当り遊技の終了が告げられ、その後に移行する遊技状態(モード)を示す演出が表示される。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。役物制御手段240は、可動役物24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μ
s)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
[各種の演出]
かかる構成のぱちんこ遊技機PAは、前述したとおり、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板200および画像制御基板300により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、大当り中演出の内容について説明する。なお、以下において、「実行を制限する」又は「実行を規制する」とは、例えば、全部を実行しないこと、一部を実行しないこと、表示又は出力の優先度を相対的に低くすることなどを含む概念として用いる。また、以下において、「重複実行する(重複して実行する)」とは、一方の実行期間(又は実行タイミング)と、他方の実行期間(又は実行タイミング)とが重なることであり、両者の実行期間(又は実行タイミング)の全部が重なる場合と、両者の実行期間(又は実行タイミング)の一部が重なる場合とを含む概念で用いている。
[大当り中演出]
大当り中演出は、前述のとおり、大当り開始デモ演出と、ラウンド演出と、大当り終了デモ演出とを含む。図11は、大当り種別(図柄群の種類)と、大当り図柄組合せ(大当り発生時の装飾図柄の組合せ)と、大当り中演出パターンとの対応関係を示す模式図である。図中(A)は大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態である場合に参照され、図中(B)は大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合に参照される。図11に示すように、大当り図柄組合せの種類と大当り中演出パターンの種類とは、特別図柄の抽選処理で選択された大当り種別(図柄群)に応じて決定される。本実施形態では、大当り種別が同一である場合でも、大当り当選時の遊技状態に応じて、大当り図柄組合せの種類と大当り中演出パターンの種類とが異なり得るように構成されている。
大当り図柄組合せは、同一の数字(識別要素)の装飾図柄が3つ揃った停止態様の組合せ「*・*・*」から構成される(*:任意の数字の装飾図柄)。大当り図柄組合せは、「1・1・1」、「3・3・3」、「5・5・5」、「7・7・7」、「9・9・9」といった「特定大当り」を示す奇数図柄組合せ(赤図柄組合せ、金図柄組合せ)と、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった「特定大当り」又は「通常大当り」を示す偶数図柄組合せ(青図柄組合せ)とに区別される。つまり、奇数図柄組合せ(金図柄組合せ、赤図柄組合せ)は、「特定大当り」に当選したことが確定する大当り図柄組合せである一方、偶数図柄組合せ(青図柄組合せ)は、「特定大当り」および「通常大当り」のいずれの大当り種別に当選しているのか不確定な大当り図柄組合せである。
金図柄組合せは、実質ラウンド数が「16ラウンド」であり、且つ、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」に当選していることを報知する大当り図柄組合せである。すなわち、金図柄組合せは、複数種の大当り種別のうち、遊技者にとって最も有利度合いの高い最有利大当り(16R特定大当り)に当選していることを確定的に報知する大当り図柄組合せである。赤図柄組合せは、実質ラウンド数が「16ラウンド」および「4ラウンド」うちのいずれかであるのか不確定であるが、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」に当選していることを報知する大当り図柄組合せである。青図柄組合せは、実質ラウンド数が「4ラウンド」であることは確定しているが、確変遊技状態への移行契機
となる「特定大当り」に当選しているのか、「時短遊技状態」への移行契機となる「通常大当り」に当選しているのか不確定であることを報知する大当り図柄組合せである。ここで、青図柄組合せであっても、実質ラウンド数が「16ラウンド」となる場合があるようにしてもよい(つまり、実質ラウンド数が「16ラウンド」の確変大当りであっても、青図柄組合せ選択され得るよう構成してもよい)が、赤図柄組合せのほうが実質ラウンド数が「16ラウンド」となる可能性が高いことが好適である。この場合、後述する「喜大当り演出」の1つとして、確変昇格且つラウンド昇格となる「喜大当りC演出」を備えてよい。
本実施形態では、複数種の大当り中演出パターンとして、「超寿大当り演出」、「寿大当りA演出」、「寿大当りB演出」、「喜大当りA演出」、「喜大当りB演出」が設定されている。超寿大当演出は、大当り図柄組合せが「金図柄組合せ」であることに対応して設定される大当り中演出パターン種別である。寿大当りA演出および寿大当りB演出は、大当り図柄組合せが「赤図柄組合せ」であることに対応して設定される大当り中演出パターン種別である。喜大当り演出Aおよび喜大当りB演出は、大当り図柄組合せが「青色図柄組合せ」であることに対応して設定される大当り中演出パターン種別である。すなわち、大当り中演出パターン種別は、大当り図柄組合せの図柄属性(金図柄、赤図柄、青図柄)に応じて設定される。
ここで、図11(A)を参照して、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態である場合に選択される大当り図柄組合せと大当り中演出パターンについて説明する。まず、第1特別図柄の「4R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」又は「青図柄組合せ」が選択される。例えば、大当り図柄組合せとして、赤図柄組合せが80%の確率で選択され、青図柄組合せが20%の確率で選択される。このとき、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りA演出」が選択され、大当り図柄組合せとして「青図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りB演出」が選択される。また、第1特別図柄の「4R通常大当り」に当選した場合、大当り図柄として「青図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りA演出」が選択される。また、第2特別図柄の「16R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄として「金図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「超寿大当り演出」が選択される。また、第2特別図柄の「4R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りA演出」が選択される。また、第2特別図柄の「4R通常大当り」に当選した場合、大当り図柄として「青図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りA演出」が選択される。
続いて、図11(B)を参照して、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合に選択される大当り図柄組合せと大当り中演出パターンについて説明する。第1特別図柄の「4R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りA演出」が選択される。また、第1特別図柄の「4R通常大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「青図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りA演出」が選択される。また、第2特別図柄の「16R特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「金図柄組合せ」又は「赤図柄組合せ」が選択される。例えば、大当り図柄組合せとして、金図柄組合せが80%の確率で選択され、赤図柄組合せが20%の確率で選択される。このとき、大当り図柄組合せとして「金図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「超寿大当り演出」が選択され、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りB演出」が選択される。第2特別図柄の「4R
特定大当り」に当選した場合、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」又は「青図柄組合せ」が選択される。例えば、大当り図柄組合せとして、赤図柄組合せが80%の確率で選択され、青図柄組合せが20%の確率で選択される。このとき、大当り図柄組合せとして「赤図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「寿大当りA演出」が選択され、大当り図柄組合せとして「青図柄組合せ」が選択された場合には、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りB演出」が選択される。また、第2特別図柄の「4R通常大当り」に当選した場合、大当り図柄として「青図柄組合せ」が選択され、それに対応する大当り中演出パターンとして「喜大当りA演出」が選択される。
超寿大当り演出は、複数種の大当り種別のうち、遊技者にとって最も有利度合いの高い最有利大当り(16R特定大当り)に当選していることを確定的に報知する大当り演出パターンである。
寿大当りA演出および寿大当りB演出は、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」種別に当選していることが確定しているが、所定回数目のラウンド(4ラウンド)に達するまでは、実質ラウンド数が「16ラウンド」および「4ラウンド」うちのいずれかであるのか不確定のままで演出が進展する大当り中演出パターンである。ここで、寿大当りA演出は、所定回数目のラウンド(4ラウンド目)に達したとしても、昇格演出(ラウンド昇格演出)が行われず、今回の大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」であることが確定する。一方、寿大当りB演出は、所定回数目のラウンド(4ラウンド目)に達すると、昇格演出(ラウンド昇格演出)が発生して、今回の大当り遊技の規定ラウンド数が「16ラウンド」であること(規定ラウンド数が「16ラウンド」に昇格したこと)が確定する。
喜大当りA演出および喜大当りB演出は、実質ラウンド数が「4ラウンド」であることは確定しているが、大当り終了デモに達するまでは、確変遊技状態への移行契機となる「特定大当り」に当選しているのか、時短遊技状態への移行契機となる「通常大当り」に当選しているのか不確定のままで演出が進展する大当り中演出パターンである。ここで、喜大当りA演出は、大当り終了デモに達したとしても、昇格演出(確変昇格演出)が行われず、今回の大当り種別が「通常大当り」であること(今回の大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行すること)が確定する。一方、喜大当りB演出は、大当り終了デモに達すると、昇格演出(確変昇格演出)が発生して、今回の大当り種別が「特定大当り」であること(今回の大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行すること)が確定する。また、図11では、大当り当選時の遊技状態に応じて、大当り種別と大当り中演出パターンとの対応関係を異ならせたが、大当り当選時の遊技状態問わず、図11(B)のような対応関係としてもよい。また、第1特別図柄にも16R特定大当りを設けてもよく、その場合、第1特別図柄の大当り時であっても、超寿大当り演出や寿大当りB演出を実行してもよい。なお、昇格演出(ラウンド昇格演出、確変昇格演出)の詳細な内容については後述する。
次に、各大当り中演出パターンの内容について説明する。図12〜図16は、大当り中演出パターンの内容を示す模式図である。図中には、大当り中演出パターンごとに、大当り遊技中に発生する個別演出の種類と発生タイミングとの対応関係が定められている。なお、図中には、説明の理解を容易にするため、大入賞口54の開放態様を付記している。但し、本実施形態では、大入賞口54の開放態様として、大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が規定カウント数(フルカウント)の遊技球を入球可能又は入球容易な開放時間に設定された「長開放」のみを用意しているが、この構成に限定されるものではなく、大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が規定カウント数(フルカウント)の遊技球を入球不能又は入球困難な開放時間に設定された「短開放」を用意してもよい。
まず、大当り開始デモの実行中は、大当り中演出の種別(超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)を示唆する画面が表示され、遊技者に対していずれの大当り中演出が開始されるのかが示唆される。本実施形態では、大当り開始デモの実行時間は、全ての大当りに共通して「5秒」に設定されている。
各ラウンド遊技の実行中は、大当り中演出の種別(超寿大当り演出、寿大当り演出、喜大当り演出)に応じたラウンド演出画面が表示される。すなわち、大当り中演出パターンが超寿大当り演出である場合には超寿大当りラウンド画面、寿大当りA演出A又は寿大当りB演出である場合には寿大当りラウンド画面、喜大当りA演出又は喜大当りB演出である場合には喜大当りラウンド画面が表示される。但し、所定のラウンド遊技にて後述のラウンド昇格演出が発生した場合は、この大当り中演出の種別が昇格して、ランクの低い種別のラウンド演出画面からランクの高い種別のラウンド演出画面に切り替わるようになっている。
なお、各ラウンド遊技の終了後には、各ラウンド遊技の終了が設定されてから次のラウンド遊技又は大当り終了デモの設定が開始されるまでの休止時間(大入賞口54の閉鎖時間)であるインターバル期間が設定されている。そのため、特別遊技は「大当り開始デモ」→「ラウンド遊技」→「インターバル期間」→「ラウンド遊技」→「インターバル期間」→・・・→「ラウンド遊技」→「インターバル期間」→「大当り終了デモ」といった流れで展開される。本実施形態では、インターバル時間(インターバル期間)は、全ての大当りに共通して「2秒」に設定されている。このインターバル時間の詳細については後述する。
大当り終了デモの実行中は、現在実行中の大当り遊技の終了後に移行される演出モード(遊技状態)の内容が示唆され、遊技者に対していずれの演出モードに突入又は継続されるのかが示唆される。また、この大当り終了デモ期間に、後述の確変昇格演出又は保留連示唆演出が行われる場合がある。なお、この大当り終了デモ期間に行われる保留連示唆演出には、後述の変形例においてオーバー入賞又はオマケ入賞が発生することを契機として行われる保留連示唆演出(オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出との兼用演出)は含まれない。つまり、後述の変形例に係る保留連示唆演出は、大当り終了デモ期間に行われる演出ではなく、インターバル期間に行われる演出である。なお、本実施形態の確変昇格演出および保留連示唆演出の詳細については後述する。本実施形態では、大当り終了デモの実行時間は、全ての大当りに共通して「20秒」に設定されている。なお、大当り開始デモと大当り終了デモについては、前述したように、初当り時の大当り遊技(つまり、低確率低ベース状態からの大当り)であるか、連荘中の大当り遊技(つまり、高確率高ベース状態または低確率高ベース状態からの大当り)であるかに応じて、各デモ時間が異なるように構成してもよい。具体的には、初当り時の大当り遊技である場合よりも、連荘中の大当り遊技である場合の方が、大当り前後における遊技の処理を迅速に進めるため(連荘中の遊技を迅速に進めるため)、各デモ時間が相対的に短時間に設定されていてもよい。また、前述したように、初当り時の大当り遊技でプリペイドカード取り忘れに関する注意喚起を行う演出を行う場合には、相対的に長時間に設定された大当り終了デモ期間内に行うのが好適であり、連荘中の大当り遊技でプリペイドカード取り忘れに関する注意喚起を行う演出を行う場合には、相対的に短時間に設定された大当り終了デモ期間ではなく、ラウンド遊技の実行期間に行うことが好適である。また、保留連示唆演出については、初当り時の大当り遊技(つまり、低確率低ベース状態からの大当り)では、保留内に大当り保留があっても実行しないもしくは実行確率を低くすることが好適であり、連荘中の大当り遊技(つまり、高確率高ベース状態または低確率高ベース状態からの大当り)では、保留内に大当り保留があっても実行しないもしくは実行確率を高くすることが好適である。更に、保留連示唆演出は、16R特定大当りに対応する特別遊技の実行中に行われることが好適であり、また、保留内の大当り保留が16R特定大当りに対応する大当り保留である場合
に実行することが好適である(つまり、保留連示唆演出が表示される大当りおよび保留連示唆演出の実行契機となる保留内の大当り保留は、16R特定大当りのみが対象であり、4R特定/通常大当りは対象とならないようにすることが好適である)。
ここで、図17は、ラウンド遊技中の基本画面(ラウンド演出画面)を示す模式図である。図示省略するが、画面の中央領域には、大当り遊技を盛り上げるため、大当り中演出パターンの種類に応じた各種画像(アニメーション画像など)が表示される。
画面のラウンド表示領域730には、現在実行中のラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるのかを示すラウンド数(図示例では第3ラウンド目)が表示される。例えば、現在実行中のラウンド遊技が1回目のラウンド遊技(第1ラウンド目)である場合はラウンド表示領域に「ROUND1」が表示され、現在実行中のラウンド遊技が2回目のラウンド遊技(第2ラウンド目)である場合はラウンド表示領域に「ROUND2」が表示され、その後においても、ラウンド遊技が行われるたびに、ラウンド表示領域に「ROUND3」、「ROUND4」・・・が表示されていく。
画面の右打ち表示領域731には、遊技球を右側領域PA2に向けて発射すべきこと(右打ち)を遊技者に促す右打ち画像(発射指示演出とも称する)が表示される。なお、右打ちすべき状況(大当り中)であるにもかかわらず、これに反して、遊技球が左側領域PA1を流下して一般入賞口61〜63に入球した場合、もしくは、第1始動口51に入球した場合、すなわち、遊技球が左側領域PA1へ向けて発射された場合は、遊技者が左打ちすることのないよう注意を喚起する演出(注意報知演出)が実行されるようにしてもよい。注意報知演出では、右打ちを指示するメッセージが画面上に表示される、或いは、演出ランプLPが特殊な発光態様で点灯(例えば高輝度で高速又は瞬間的に点滅)することで、遊技球を右側領域PA2へ向けて発射すべきこと(右打ち)が遊技者に報知される。なお、注意報知演出として、例えばスピーカ11から「右打ちして下さい」という音声(右打ち指示音声)を出力させてもよい。この注意報知演出については、遊技者が明確に視認できるよう、目立つ位置(例えば、中央の表示領域)や大きさ(例えば、演出表示装置70の表示領域の大半を占めるなど)であることが望ましく、右打ち画像や、後述する賞球獲得表示領域732における表示内容、累積賞球数表示領域733における表示内容、強調演出、そしてラウンド表示領域730の表示内容が表示されている状況であっても表示され得るように構成することが好適である。但し、右打ち画像についても遊技者に明確に伝えるべき情報(適切な発射位置に関する情報)であるため、右打ち画像と注意報知演出とは重畳表示されないよう、それぞれ異なる表示領域に表示することが適切である。一方、注意報知演出の視認性を阻害しないように、後述する賞球獲得表示領域732における表示内容や、累積賞球数表示領域733における表示内容、強調演出、そしてラウンド表示領域730の表示内容よりも表示優先度が高い(つまり、重畳表示し得る一方で、その場合は注意報知演出のほうが前面にて表示される)よう構成することが望ましい。この発射指示演出については、大当り中に一般入賞口61〜63に入球した場合、もしくは、第1始動口51に入球した場合を表示条件として表示されるが、表示時間は10秒と設定されている。但し、この表示時間10秒が経過するまでに、再度表示条件充足した場合、そこから再度10秒が表示時間としてセットされる(つまり、表示時間が延長される)。また、右打ち画像および注意報知演出については、大当り中だけでなく、高確率高ベース状態や低確率高ベース状態といった高ベース状態においても表示することが好適であり、右打ち画像は大当り中から高ベース状態に亘って継続表示され、注意報知演出は大当り終了まで10秒未満の際に表示された場合(例として、大当り終了デモの終了5秒前など)は、大当り中から高ベース状態に亘って継続表示されるように構成することが望ましい。
画面の賞球獲得表示領域732には、所定の入賞(後述のオーバー入賞やオマケ入賞)が発生した場合に、該入賞が発生したことを報知すべく、該入賞に基づき付与される賞球
数(単位賞球数)が表示される。この賞球獲得表示領域732は、オーバー入賞が発生したときに該オーバー入賞により獲得する賞球数(大入賞口54に遊技球が1個入賞した場合に獲得する単位賞球数)が表示される第1賞球獲得表示領域732Aと、オマケ入賞が発生したときに該オマケ入賞により獲得する賞球数(一般入賞口64に遊技球が1個入賞した場合に獲得する単位賞球数)が表示される第2賞球獲得表示領域732Bとを含む。例えば、オーバー入賞が発生した場合には、大入賞口54の単位賞球数(15個)に対応する「+15pt」が表示され、オマケ入賞が発生した場合には、一般入賞口64の単位賞球数(3個)に対応する「+3pt」が表示される。また、変形例として、第1賞球獲得表示領域732Aと第2賞球獲得表示領域732Bとを離した位置としてもよい。
画面の累積賞球数表示領域733には、連荘中の大当り遊技において遊技球が大入賞口54又は一般入賞口64に入球したことに基づき現時点までに獲得した賞球数の累積値(「累積賞球数」と呼称する)が表示される。「連荘」とは、非特定遊技状態から特定遊技状態への移行契機となる初当りの発生後、非特定遊技状態に戻ることなく、特定遊技状態が継続している状態(初当り時を起点とし、その後、特定遊技状態での大当りが連続して発生している状態)のことである。また、「特定遊技状態」とは、通常遊技状態(低確率低ベース状態)よりも、特別遊技への移行確率が高められた遊技状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態(高確率高ベース状態、低確率高ベース状態、高確率低ベース状態の少なくともいずれか)のことである。本実施形態では、少なくとも電チューサポート機能が作動している遊技状態(高ベース状態)が「特定遊技状態」に該当する。なお、この累積賞球数には、初当りが発生したときの特別遊技にて大入賞口54又は一般入賞口64への遊技球の入球により獲得した賞球数も含まれる。なお、この累積賞球数は、後述のオーバー入賞により付与される賞球数を含むものであってもよいし、当該オーバー入賞により付与される賞球数を含まないものであってもよい。また、この累積賞球数には、後述のオマケ入賞により付与される賞球数を含むものであってもよいし、当該オマケ入賞により付与される賞球数を含まないものであってもよい。後述するオーバー入賞演出は、大当り中だからこそ実行される(大入賞口54が開放可能で入球可能な状況であるため実行可能である)ものであるが、一般入賞口64については、大当り中であるか否かにかかわらず入球可能である。しかし、後述するオマケ入賞演出についても、大当り中のみ実行するように構成されている。オマケ入賞について、大当り中であれば、オマケ入賞演出を実行するが、低確率低ベース状態であれば、オマケ入賞とは異なる特殊演出(例として、「今はここに入れないで!」という台詞表示およびサウンドが発生する特殊演出、但し、1個の入球ではなく所定時間内(例として5秒内)に3個入球した場合などに発生させてもよい)が実行され、高確率高ベース状態や低確率高ベース状態であれば、オマケ入賞演出も特殊演出も実行しない(その際は、何も実行しなくてもいいが、その他演出として、演出表示装置70の枠周辺に赤い炎が一瞬発生する程度の演出を実行してもよい)。
なお、この累積賞球数の他に、又は、累積賞球数の代わりに、現在実行中の1回の大当り遊技において遊技球が大入賞口54又は一般入賞口64に入球することに基づき現時点までに獲得した賞球数の累積値(「大当り中賞球数」と呼称する)を表示してもよい。大当り中賞球数は、1回の大当り遊技の実行中に現実に遊技者が獲得できた賞球数であるため、基本的には、大当り種別に応じて設定される獲得可能賞球数(理論上の期待賞球数)より少なくなることはあるが、獲得可能賞球数を超えることはない。但し、後述のオーバー入賞が発生した場合には、大当り中賞球数が、大当り種別に応じて設定される獲得可能賞球数(理論上の期待賞球数)を超える場合がある。
また、図示省略するが、連荘中は、特定遊技状態において大当りが連続する回数、または、その回数に初当りを含めた回数(1回を加算した回数)である連荘回数を表示してもよい。例としては、初当り後、特定遊技状態にて3回大当りした場合は、大当り中に「3
連荘目」または「4連荘目」といった表示を行ってもよい。また、特別遊技の各ラウンドにおいて、擬似的な装飾図柄(以下、「擬似装飾図柄」と称する)を変動表示及び停止表示(仮停止表示、確定停止表示)させてもよい。この擬似装飾図柄は、非特別遊技中に変動表示される通常の装飾図柄とは異なる図柄態様(大当り中専用の図柄)であることが好適である。具体的には、非特別遊技中に変動表示される装飾図柄が絵柄(キャラクタ)と数字で構成されているのであれば、特別遊技中では数字のみの装飾図柄となり、その大きさも縮小されている、もしくは、非特別遊技中に変動表示される装飾図柄が数字のみで構成されているのであれば、特別遊技中では同じ数字のみの装飾図柄であるがその大きさが縮小されている。更に、大当り時に「7・7・7」などのゾロ目が揃った場合、どの装飾図柄で大当りしたかさえ認識できればよいため、特別遊技中には「7・7・7」が表示されているわけではなく、「7」のみ(3つの装飾図柄である装飾図柄組合せではなく、1つの装飾図柄のみ)が表示されればよい。また、大当り遊技(ラウンド遊技)の実行中は、本実施形態の特徴的な演出である「入賞関連演出」が実行される。
[入賞関連演出]
次に、本実施形態の入賞関連演出について説明する。図18は、本実施形態の入賞関連演出の構成を説明するための概念図である。入賞関連演出は、大当り遊技の実行中に遊技球が特定の入賞口(大入賞口54又は一般入賞口64)に入球したことに基づき実行される演出である。この入賞関連演出は、(A)大入賞口入賞演出と、(B)一般入賞口入賞演出とを含む。
<A.大入賞口入賞演出>
大入賞口入賞演出は、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口54に入賞したことを契機として実行される演出である。大入賞口入賞演出は、大入賞口通常入賞演出と、大入賞口オーバー入賞演出と、大入賞口カウントアップ演出とを含む。なお、以下では、特段の場合を除き、(ア)遊技球が大入賞口54に入賞することと、(イ)遊技球が大入賞口54に入球することと、(ウ)遊技球が大入賞口スイッチ541に検出されることと、(エ)主制御基板100から大入賞口入賞コマンドを受信することと、を同義の意味で使用する。
≪A−1.大入賞口通常入賞演出≫
大入賞口通常入賞演出は、大入賞口54への規定カウント数内の遊技球の入賞を対象として、遊技球が大入賞口54に入賞したことを報知する演出である。つまり、大入賞口通常入賞演出は、1回のラウンド遊技における大入賞口54への遊技球の入賞数が規定カウント数に到達するまで、遊技球が大入賞口54に入賞するごとに行われる演出となる。本実施形態では、大入賞口通常入賞演出の具体例を特に明示しないが、演出表示装置70、スピーカ11、演出ランプLP、可動役物24などの複数の演出手段のうちの少なくとも1つを用いた大入賞口通常入賞演出が行われる。一例として、(1)1回の単位遊技における規定カウント数に対応したオブジェクトを表示し(例えば、宝箱表示を規定カウント数分、1回の単位遊技内で表示し)、大入賞口54へ遊技球が入球するごとに、そのオブジェクトが削除されていく演出表示装置70での演出、(2)大入賞口54へ遊技球が入球するごとに、「チャリーン」というサウンドが出力されるスピーカ11での演出、(3)大入賞口54へ遊技球が入球するごとに、ランプが2回点滅する演出ランプLPでの演出などが挙げられる。なお、本実施形態の変形例として、大入賞口通常入賞演出を設けることなく、規定カウント数までの大入賞口54への遊技球の入賞に対しては後述の大入賞口カウントアップ演出のみが行われるように構成してもよい。
≪A−2.大入賞口オーバー入賞演出≫
大入賞口オーバー入賞演出(「オーバー入賞演出」とも呼称する)は、大入賞口54への規定カウント数を超過する遊技球の入賞(オーバー入賞)を対象として、遊技球が大入
賞口54に入賞したことを示唆又は報知する演出である。「オーバー入賞」とは、1回のラウンド遊技の実行中に規定カウント数を超過する遊技球(本実施形態では11個目以降の遊技球)が大入賞口スイッチ541にて検出されることをいう。本実施形態では、詳細後述するが、大入賞口スイッチ541の有効検出期間は、各ラウンド遊技が終了した後の検出猶予期間(本実施形態ではインターバル期間と同じ期間とするが、インターバル期間と検出猶予期間とを異なる期間としてもよく、一例としては、各ラウンド遊技の間又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間に設定される待機時間であり大入賞口54の閉鎖動作開始から閉鎖が維持されている期間であるラウンド遊技待ち時間(単位遊技待ち時間)又は終了デモ待ち時間であるインターバル期間を2秒と設定した場合、検出猶予期間は、各ラウンド遊技の間又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間に設定される期間であり大入賞口54が閉鎖動作を開始した以降の遊技球の入球(規定カウント数を超過した遊技球の入球など)を検知可能とする期間である検出猶予期間については、インターバル期間と少なくとも一部が重複する期間としつつ、大入賞口54が閉鎖動作を開始してから1秒と設定してもよく、また、3秒と設定してもよい)が経過するまでの間に亘り設定されており、このインターバル期間内(検出猶予期間内)においてオーバー入賞が発生し得ることになる。オーバー入賞の一例としては、10カウント目の遊技球が大入賞口54に入球して大入賞口スイッチ541に検出されることで大入賞口54の閉鎖動作が開始された場合に、この大入賞口54が閉鎖される前に後続の遊技球(11カウント目以降の遊技球)が大入賞口54に入球している状況であれば、この後続の遊技球(11カウント目以降の遊技球)が大入賞口スイッチ541にインターバル期間内(検出猶予期間内)で検出されることでオーバー入賞が発生する。
オーバー入賞演出の種類には、オーバー入賞画像表示演出と、オーバー入賞音出力演出とがある。図19は、本実施形態のオーバー入賞演出の演出例を示す模式図である。なお、オーバー入賞演出の演出態様は、上述の大入賞口通常入賞演出の演出態様とは異なることが好適である。また、変形例としては、オーバー入賞に関する演出として、オーバー入賞画像のみを搭載(オーバー入賞音を非搭載)とする、もしくは、オーバー入賞音のみを搭載(オーバー入賞画像を非搭載)としてもよい。
オーバー入賞画像表示演出は、オーバー入賞が発生したことを示唆する画像(「オーバー入賞画像」と呼称する)を表示する演出である。本実施形態では、図19に示すように、画面の賞球獲得表示領域732に、オーバー入賞画像として「+15pt」という文字のオーバー入賞画像が表示され、オーバー入賞の発生に基づき「15個」の賞球を獲得したことが示唆される。それにより、オーバー入賞が発生したことを遊技者は直感的に理解することができる。
オーバー入賞音出力演出は、オーバー入賞が発生したことを示唆する音声(「オーバー入賞音」)をスピーカ11から出力する演出である。本実施形態では、図19に示すように、スピーカ11から「やったね」という効果音(キャラクタの音声)が出力されることで、オーバー入賞が発生したことを示唆される。
なお、本実施形態の変形例として、オーバー入賞演出の演出パターンを複数設けてもよい。すなわち、複数種のオーバー入賞画像又は複数種のオーバー入賞音を用意して、オーバー入賞が発生したときの演出抽選によって、いずれかのオーバー入賞画像およびオーバー入賞音を選択するように構成してもよい。なお、その場合には、オーバー入賞画像又はオーバー入賞音の種類に応じて、保留連示唆、確変示唆、ラウンド数示唆などを行うようにしてもよい。一例としては、オーバー入賞画像としては「+15pt」の1種類のみである一方、オーバー入賞音については「やったね」以外に「いいぞ」や「その調子」、「おめでとう」といったものがあり、その中でも「おめでとう」というオーバー入賞音が発生した場合には、(1)その演出が保留連示唆の役割も兼ねる、(2)現在実行されてい
る大当りが確変大当りである旨を示唆する役割を兼ねる、(3)現在実行されている大当りが4R大当りではなく16R大当りである旨を示唆する役割を兼ねてもよい。
より具体的には、本実施形態の変形例として、複数種のオーバー入賞音を設定して、オーバー入賞が発生したことに加えて、オーバー入賞音の種類に応じて保留内連荘が発生している可能性を示唆する構成を採用してもよい(つまり、オーバー入賞演出と保留連示唆演出とを兼用する)。ここで、「保留内連荘」とは、或る先行の作動保留球が消化されることで行われた特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合に、この先行の作動保留球に係る特別図柄の当否判定が許可されてから当該大当りを契機として実行される特別遊技の終了時までの間の所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「大当り保留」とも称する)が含まれていることをいう。本変形例では、複数種のオーバー入賞音として、オーバー入賞音A(「やったね」という音声)と、オーバー入賞音B(「おめでとう」という音声)とを用意する。そして、オーバー入賞の発生時に大当り保留が存在しない場合(保留内連荘が成立していない場合)、オーバー入賞音Aの選択率は「100%」、オーバー入賞音Bの選択率は「0%」となる。一方、オーバー入賞の発生時に大当り保留が存在する場合(保留内連荘が成立している場合)、オーバー入賞音Aの選択率は「0%」、オーバー入賞音Bの選択率は「100%」となる。つまり、オーバー入賞音Aは、オーバー入賞が発生し、且つ、保留内連荘が成立していないことを示唆する通常態様の音声となる。オーバー入賞音Bは、オーバー入賞が発生し、且つ、保留内連荘が成立していることを示唆する特殊態様の音声となる。なお、オーバー入賞音A,Bの選択率は適宜に設定してもよく、例えば、オーバー入賞の発生時に大当り保留が存在する場合(保留内連荘が成立している場合)、オーバー入賞音Aの選択率は「80%」、オーバー入賞音Bの選択率は「20%」としてもよい。また、上記変形例では、保留連示唆演出をオーバー入賞音出力演出に適用した場合を例示して説明したが、保留連示唆演出をオーバー入賞画像表示演出に適用してもよい(例えば、オーバー入賞画像表示演出として「+15pt」が黒文字で表示されている場合は、保留内連荘が成立していない又は成立している可能性が低いが、金文字で表示されている場合は、保留内連荘が成立している又は成立している可能性が高い仕様としてよい)。また、上記変形例については、保留連示唆としてのオーバー入賞音Bについて説明したが、オーバー入賞音Bについては、確変示唆やラウンド数示唆の役割を持たせる仕様としてもよく、その場合、現在実行されている大当りが通常大当りであるか特定大当り(確変大当り)であるかに応じて、オーバー入賞音AおよびBの選択率を、通常大当りの場合、オーバー入賞音Aの選択率は「100%」、オーバー入賞音Bの選択率は「0%」となる一方、特定大当り(確変大当り)の場合、オーバー入賞音Aの選択率は「0%」、オーバー入賞音Bの選択率は「100%」、または、オーバー入賞音Aの選択率は「80%」、オーバー入賞音Bの選択率は「20%」としてもよく、現在実行されている大当りが4R大当りなのか16R大当りなのかに応じて、オーバー入賞音AおよびBの選択率を、4R大当りの場合、オーバー入賞音Aの選択率は「100%」、オーバー入賞音Bの選択率は「0%」となる一方、16R大当りの場合、オーバー入賞音Aの選択率は「0%」、オーバー入賞音Bの選択率は「100%」、または、オーバー入賞音Aの選択率は「80%」、オーバー入賞音Bの選択率は「20%」としてもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する「特図2優先消化方式」を採用しており、保留内連荘の対象となる作動保留球として、第2特別図柄の作動保留球のみを対象としてもよい。また、特別遊技の実行契機となる大当り発生時の遊技状態が特定遊技状態(高ベース状態)であり、且つ、特別遊技の終了後の遊技状態も特定遊技状態(高ベース状態)となる場合に、該特別遊技の実行中に発生したオーバー入賞を契機として保留連示唆演出を実行するようにしてもよい。また、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として
含まれる場合に、該特別遊技の実行中に発生したオーバー入賞を契機として保留連示唆演出を実行するようにしてもよい。換言すれば、後続の作動保留内に大当り保留が存在していても、大当り保留(大当り保留が複数ある場合には最先の大当り保留)に係る大当り種別が低利益大当りである場合は、保留荘示唆演出を実行しないように構成してもよい。つまり、特別遊技の実行中に保留連示唆演出が発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。
また、本実施形態の変形例として、オーバー入賞演出により、オーバー入賞が発生したことに加えて、確変大当りに当選している可能性を示唆してもよい。つまり、オーバー入賞演出と確変示唆演出とを兼用させてもよい。確変示唆演出とは、現在実行中の特別遊技の実行契機となった大当りの種別が特定大当り(確変大当り)であること、すなわち、特別遊技の終了後に確変遊技状態に移行することを示唆する演出である。本変形例では、例えば、複数種のオーバー入賞音A〜Cが設定され、今回当選した大当り種別が通常大当りである場合には、オーバー入賞音Aの選択率は「70%」、オーバー入賞音Bの選択率は「30%」、オーバー入賞音Cの選択率は「0%」となる。また、今回当選した大当り種別が特定大当りである場合には、オーバー入賞音Aの選択率は「10%」、オーバー入賞音Bの選択率は「30%」、オーバー入賞音Cの選択率は「60%」となる。つまり、「オーバー入賞音A」<「オーバー入賞音B」<「オーバー入賞音C」という順に、確変期待度(確変遊技状態への移行期待度)が1段階ずつ高くなる。なお、更なる変形例として、オーバー入賞音により確変期待度ではなく、特別遊技の終了後に付与される電サポ回数を示唆するように構成してもよい。
≪A−3.大入賞口カウントアップ演出≫
大入賞口カウントアップ演出は、連荘中の特別遊技の実行中において遊技球が大入賞口54に入球した場合に、累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数の値に、該大入賞口への遊技球の入球に基づき払い出される賞球数(単位賞球数)の値を加算表示する演出である。本実施形態では、遊技球が大入賞口54に1個入球することで「15個」の賞球が払い出される仕様(大入賞口54の単位賞球数が15個)であるため、遊技球が大入賞口54に入球した場合には、累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数の値は「15個」単位で更新される。また、特別遊技演出制御手段227には、累積賞球数を計数するための累積賞球数カウンタが備えられており、大入賞口54に遊技球が入球する毎に(主制御基板100から大入賞口入賞コマンドを受信する毎に)、累積賞球数カウンタのカウント値に大入賞口54の単位賞球数である「15」が加算され、それに応じて累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数の値に「15」が加算表示される大入賞口カウントアップ演出が行われる。この大入賞口カウントアップ演出は、大入賞口54への遊技球の入球が規定カウント数以内の入球であるか、規定カウント数を超過する入球であるかに関わらず実行される演出である。
図20は、大入賞口カウントアップ演出の連出例を示す模式図である。大入賞口カウントアップ演出は、図20に示すように、大入賞口54への遊技球の入球があった場合に、累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数に、この大入賞口54への遊技球の入球に基づき付与される賞球数が、「1」ずつカウントアップ形式で順に加算表示される演出である。図示例では、累積賞球数が「7000」→「7001」→・・・→「7014」→「7015」といったように1つずつカウントアップ表示されている。なお、図20はオーバー入賞が発生したときの大入賞口カウントアップ演出の流れを示しており、図中の(A)にてオーバー入賞演出が行われた後に、図中の(B)〜(E)にて大入賞口カウントアップ演出が行われている。図20ではオーバー入賞演出が行われた場合の大入賞口カウントアップ演出について示したが、オーバー入賞時だけでなく、規定カウント数以内の遊技球の入球についても同様に大入賞口カウントアップ演出がなされる。また、規定カウント数以内の遊技球の入球に対応した大入賞口カウントアップ演出(特に、規定カウン
ト数目である10カウント目に対応した大入賞口カウントアップ演出)が行われている最中であり未だ15球分のカウント分のカウントアップが完了していないときに、オーバー入賞が発生すると、未だ15球分のカウントアップが完了していない大入賞口カウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、該オーバー入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出が開始されるよう構成されることが望ましい。ここで、該オーバー入賞がインターバル期間(検出猶予期間)の終了間際でに検知された場合は、該オーバー入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出自体は次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行期間と重複することになるが、該次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行中に行われる該オーバー入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出の実行中に大入賞口54に入球があっても、その入球タイミングが該オーバー入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出が行われている最中であり未だ15球分のカウントアップが完了していないときには、未だ15球分のカウントアップが完了していない大入賞口カウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、次のラウンドにおける大入賞口54の入賞に対応した大入賞口カウントアップ演出が開始されるよう構成されることが望ましい。
なお、本実施形態の変形例として、特別遊技の実行中にオーバー入賞が発生した場合に、オーバー入賞演出を実行する一方で、該オーバー入賞に基づき付与される賞球数を累積賞球数に加算表示しないように構成してもよい。つまり、累積賞球数には、大入賞口54への規定カウント数以内の遊技球の入球に基づき付与される賞球数を加算表示の対象とし、大入賞口54への規定カウント数を超過する遊技球の入球に基づき付与される賞球数を加算表示の対象としないように構成してもよい。
また、本実施形態の変形例として、初当りが発生する(通常遊技状態において第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる)ことで行われる特別遊技の実行中は、規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、特別遊技の種類として、高利益特別遊技(例えば16R特別遊技)と低利益特別遊技(例えば4R特別遊技)とを有し、高利益特別遊技の実行中には規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生することでオーバー入賞演出を実行し、低利益特別遊技の実行中には規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生したとしてもオーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、ラウンド遊技の種類として、大入賞口54の最大開放時間が規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球可能又は入球容易な開放時間(例えば29秒)に設定された長開放ラウンド遊技と、大入賞口54の最大開放時間が規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球可能又は入球容易な開放時間(例えば2秒)に設定された短開放ラウンド遊技とを有し、長開放ラウンド遊技の実行中には規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生することでオーバー入賞演出を実行し、短開放ラウンド遊技の実行中には規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生したとしてもオーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、特定大当り(確変大当り)に当選した場合に行われる特別遊技の実行中には、規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生することでオーバー入賞演出を実行し、通常大当り(非確変大当り)に当選した場合に行われる特別遊技の実行中には、規定カウント数を超過するオーバー入賞が発生したとしてもオーバー入賞演出を実行しないように構成してもよい。
<B.一般入賞口入賞演出>
一般入賞口入賞演出は、遊技球が一般入賞口64に入賞したことを契機として実行される演出である。一般入賞口入賞演出は、一般入賞口通常入賞演出と、一般入賞口カウントアップ演出とを含む。
≪B−1.一般入賞口通常入賞演出≫
一般入賞口通常入賞演出(「オマケ入賞演出」とも呼称する)は、遊技球が一般入賞口64に入賞したことを示唆又は報知する演出である。なお、以下では、特別遊技の実行中に遊技球が一般入賞口64に入賞することを「オマケ入賞」とも呼称するが、特別遊技の実行中以外(非特別遊技状態)に遊技球が一般入賞口64に入賞しても「オマケ入賞」とも呼称してもよい。
オマケ入賞演出の種類には、オマケ入賞画像表示演出と、オマケ入賞音出力演出とがある。図21は、本実施形態のオマケ入賞演出の演出例を示す模式図である。また、変形例としては、オマケ入賞に関する演出として、オマケ入賞画像のみを搭載(オマケ入賞音を非搭載)とする、もしくは、オマケ入賞音のみを搭載(オマケ入賞画像を非搭載)としてもよい。なお、このオマケ入賞演出は、ラウンド遊技の実行中であっても、大当り中の大入賞口54の閉鎖中(インターバル期間中)であっても実行されるように構成されており、大当り中の大入賞口54の閉鎖中(インターバル期間中)であれば、オーバー入賞演出と同時に実行することが可能なよう構成されている。
オマケ入賞画像表示演出は、オマケ入賞が発生したことを示唆する画像(「オマケ入賞画像」と呼称する)を表示する演出である。本実施形態では、図21に示すように、画面の賞球獲得表示領域732に、オマケ入賞画像として「+3pt」という文字のオマケ入賞画像が表示され、オマケ入賞の発生に基づき「3個」の賞球を獲得したことが示唆される。それにより、オマケ入賞が発生したことを遊技者は直感的に理解することができる。
オマケ入賞音出力演出は、オマケ入賞が発生したことを示唆する音声(「オマケ入賞音」)をスピーカ11から出力する演出である。本実施形態では、図21に示すように、スピーカ11から「ピコン」という効果音が出力されることで、オマケ入賞が発生したことが示唆される。
なお、本実施形態の変形例として、オマケ入賞演出の演出パターンを複数設けてもよい。すなわち、複数種のオマケ入賞画像又は複数種のオマケ入賞音を用意して、オマケ入賞が発生したときの演出抽選によって、いずれかのオマケ入賞画像およびオマケ入賞音を選択するように構成してもよい。なお、その場合には、オマケ入賞画像又はオマケ入賞音の種類に応じて、保留連示唆、確変示唆、ラウンド数示唆などを行うようにしてもよい。一例としては、オマケ入賞画像としては「+3pt」の1種類のみである一方、オマケ入賞音については「ピコン」以外に「ガチャン」や「チーン」、「ドカーン」といったものがあり、その中でも「ドカーン」というオマケ入賞音が発生した場合には、(1)その演出が保留連示唆の役割も兼ねる、(2)現在実行されている大当りが確変大当りである旨を示唆する役割を兼ねる、(3)現在実行されている大当りが4R大当りではなく16R大当りである旨を示唆する役割を兼ねてもよい。
より具体的には、本実施形態の変形例として、複数種のオマケ入賞音を設定して、オマケ入賞が発生したことに加えて、オマケ入賞音の種類に応じて保留内連荘が発生している可能性を示唆する構成を採用してもよい(つまり、オマケ入賞演出と保留連示唆演出とを兼用する)。本変形例では、複数種のオマケ入賞音として、オマケ入賞音A(「ピコン」という効果音)と、オマケ入賞音B(「ドカーン」という効果音)とを用意する。そして、オマケ入賞の発生時に大当り保留が存在しない場合(保留内連荘が成立していない場合)、オマケ入賞音Aの選択率は「100%」、オマケ入賞音Bの選択率は「0%」となる。一方、オマケ入賞の発生時に大当り保留が存在する場合(保留内連荘が成立している場合)、オマケ入賞音Aの選択率は「0%」、オマケ入賞音Bの選択率は「100%」となる。つまり、オマケ入賞音Aは、オマケ入賞が発生し、且つ、保留内連荘が成立していないことを示唆する通常態様の音声となる。オマケ入賞音Bは、オマケ入賞が発生し、且つ、保留内連荘が成立していることを示唆する特殊態様の音声となる。また、オマケ入賞の
発生時に大当り保留が存在する場合(保留内連荘が成立している場合)、オマケ入賞音Aの選択率は「80%」、オマケ入賞音Bの選択率は「20%」としてもよい。なお、変形例では、保留連示唆演出をオマケ入賞音出力演出に適用した場合を例示して説明したが、保留連示唆演出をオマケ入賞画像表示演出に適用してもよい(例えば、オマケ入賞画像表示演出として「+3pt」が黒文字で表示されている場合は、保留内連荘が成立していない又は成立している可能性が低いが、金文字で表示されている場合は、保留内連荘が成立している又は成立している可能性が高い仕様としてよい)。また、上記変形例については、保留連示唆としてのオマケ入賞音Bについて説明したが、オマケ入賞音Bについては、確変示唆やラウンド数示唆の役割を持たせる仕様としてもよく、その場合、現在実行されている大当りが通常大当りであるか特定大当り(確変大当り)であるかに応じて、オマケ入賞音AおよびBの選択率を、通常大当りの場合、オマケ入賞音Aの選択率は「100%」、オマケ入賞音Bの選択率は「0%」となる一方、特定大当り(確変大当り)の場合、オマケ入賞音Aの選択率は「0%」、オマケ入賞音Bの選択率は「100%」、または、オマケ入賞音Aの選択率は「80%」、オマケ入賞音Bの選択率は「20%」としてもよく、現在実行されている大当りが4R大当りなのか16R大当りなのかに応じて、オマケ入賞音AおよびBの選択率を、4R大当りの場合、オマケ入賞音Aの選択率は「100%」、オマケ入賞音Bの選択率は「0%」となる一方、16R大当りの場合、オマケ入賞音Aの選択率は「0%」、オマケ入賞音Bの選択率は「100%」、または、オマケ入賞音Aの選択率は「80%」、オマケ入賞音Bの選択率は「20%」としてもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する「特図2優先消化方式」を採用しており、保留内連荘の対象となる作動保留球として、第2特別図柄の作動保留球のみを対象としてもよい。また、特別遊技の実行契機となる大当り発生時の遊技状態が特定遊技状態(高ベース状態)であり、且つ、特別遊技の終了後の遊技状態も特定遊技状態(高ベース状態)となる場合に、該特別遊技の実行中に発生したオマケ入賞を契機として保留連示唆演出を実行するようにしてもよい。また、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、該特別遊技の実行中に発生したオマケ入賞を契機として保留連示唆演出を実行するようにしてもよい。換言すれば、後続の作動保留内に大当り保留が存在していても、大当り保留(大当り保留が複数ある場合には最先の大当り保留)に係る大当り種別が低利益大当りである場合は、保留荘示唆演出を実行しないように構成してもよい。つまり、特別遊技の実行中に保留連示唆演出が発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。
また、本実施形態の変形例として、オマケ入賞演出により、オマケ入賞が発生したことに加えて、確変大当りに当選している可能性を示唆してもよい。つまり、オマケ入賞演出と確変示唆演出とを兼用させてもよい。確変示唆演出とは、現在実行中の特別遊技の実行契機となった大当りの種別が特定大当り(確変大当り)であること、すなわち、特別遊技の終了後に確変遊技状態に移行することを示唆する演出である。本変形例では、例えば、複数種のオマケ入賞音A〜Cが設定され、今回当選した大当り種別が通常大当りである場合には、オマケ入賞音Aの選択率は「70%」、オマケ入賞音Bの選択率は「30%」、オマケ入賞音Cの選択率は「0%」となる。また、今回当選した大当り種別が特定大当りである場合には、オマケ入賞音Aの選択率は「10%」、オマケ入賞音Bの選択率は「30%」、オマケ入賞音Cの選択率は「60%」となる。つまり、「オマケ入賞音A」<「オマケ入賞音B」<「オマケ入賞音C」という順に、確変期待度(確変遊技状態への移行期待度)が1段階ずつ高くなる。なお、更なる変形例として、オマケ入賞音により確変期待度ではなく、特別遊技の終了後に付与される電サポ回数を示唆するように構成してもよい。
≪一般入賞口カウントアップ演出≫
一般入賞口カウントアップ演出は、連荘中の特別遊技の実行中において遊技球が一般入賞口64に入球した場合に、累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数に、該一般入賞口64への遊技球の入球に基づき払い出される賞球数(単位賞球数)を加算表示する演出である。本実施形態では、遊技球が一般入賞口64に1個入球することで「3個」の賞球が払い出される仕様(一般入賞口64の単位賞球数が3個)であるため、遊技球が一般入賞口64に入球した場合には、累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数は「3個」単位で更新される。また、特別遊技演出制御手段227には、前述したとり、累積賞球数を計数するための累積賞球数カウンタが備えられており、一般入賞口64に遊技球が入球する毎に(主制御基板100から一般入賞口入賞コマンドを受信する毎に)、累積賞球数カウンタのカウント値に一般入賞口64の単位賞球数に対応する「3」が加算され、それに応じて累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数の値に「3」が加算表示される一般入賞口カウントアップ演出が行われる。
ここで、図22は、一般入賞口カウントアップ演出の連出例を示す模式図である。一般入賞口カウントアップ演出は、図22に示すように、一般入賞口54への遊技球の入球があった場合に、累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数の現在値に、該一般入賞口64への遊技球の入球に基づき付与される単位賞球数の値が、カウントアップ形式で順に「1」ずつ加算表示される演出である。図示例では、累積賞球数の値が「8000」→「8001」→「8002」→「8003」といったように1つずつカウントアップ表示されている。
なお、一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出、一般入賞口カウントアップ演出)は、特別遊技の実行中に、複数の一般入賞口61〜64のうち、右側領域PA2に設けられた一般入賞口64への遊技球の入球を対象として行われる。そのため、特別遊技の実行中に、複数の一般入賞口61〜64のうち、左側領域PA1に設けられた一般入賞口61〜63に遊技球が入球したとしても、一般入賞口入賞演出は行われない。但し、特別遊技の実行中に遊技球が一般入賞口61〜64のいずれかに入球すると、一般入賞口61〜64の種類に関わらず(一般入賞口入賞演出を実行するか否かに関わらず)、一般入賞口61〜64への遊技球の入賞に基づく賞球(3個)は払い出される。
なお、本実施形態では、1回のオマケ入賞が発生する毎に、該オマケ入賞により付与される賞球数(単位賞球数)を累積賞球数に加算表示しているが、この構成に限定されるものではなく、1回のラウンド遊技の実行中に発生した全てのオマケ入賞に基づく賞球数(単位賞球数×1回のラウンド遊技中のオマケ入賞数)を、当該ラウンド遊技の終了時にまとめて累積賞球数に加算表示するように構成してもよいし、1回の特別遊技の実行中に発生した全てのオマケ入賞に基づく賞球数(単位賞球数×1回の特別遊技中のオマケ入賞数)を、最終回のラウンド遊技の終了時又は当該特別遊技の終了時にまとめて累積賞球数に加算表示するように構成してもよい。
また、本実施形態では、一般入賞口64を第2始動口51よりも上流側に配置する盤面構成を採用しているが、この構成に限定されるものではなく、一般入賞口64を第2始動口51よりも下流側に配置する盤面構成を採用してもよい。その場合には、一般入賞口64を大入賞口54よりも上流側に配置してもよいし、一般入賞口64を大入賞口54よりも下流側に配置してもよい。
また、本実施形態の変形例として、一般入賞口64を普通図柄抽選の実行契機となる作動口(作動ゲート53)と兼用させてもよい。つまり、一般入賞口64に遊技球が入球することで、第2始動口52を開状態とするか否かを決定する普通図柄抽選が行われるとともに、所定個数(例えば1個又は2個)の賞球が払い出されるように構成してもよい。
また、一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出、一般入賞口カウントアップ演出)は、前述のとおり、現在実行中の遊技状態が特別遊技状態である場合に一般入賞口64に遊技球が入球することを契機として行われる演出であるため、現在実行中の遊技状態が非特別遊技状態である場合に一般入賞口64に遊技球が入球したとしても一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出、一般入賞口カウントアップ演出)が行われることはない。つまり、現在実行中の遊技状態が第1特別図柄の変動表示を遊技の主体とする遊技状態(非電サポ状態)であっても、現在実行中の遊技状態が第2特別図柄の変動表示を遊技の主体とする遊技状態(電サポ状態)であっても、一般入賞口64への遊技球の入球を契機として一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出、一般入賞口カウントアップ演出)は行われない。なお、現在実行中の遊技状態が第2特別図柄の変動表示を遊技の主体とする遊技状態(電サポ状態)である場合は、現在も連荘状態が継続していることを前提に、画面の累積賞球数表示領域733に、当該連荘中の特別遊技で獲得した累積賞球数(直近の特別遊技終了時の累積賞球数)が表示されるようになっている。但し、この電サポ状態では、連荘中の特別遊技で獲得した累積賞球数が表示されているだけで、一般入賞口64に遊技球が入球しても、その賞球数が累積賞球数に加算表示されず(一般入賞口カウントアップ演出は行われず)、累積賞球数の値は変化しない(直近の特別遊技終了時の累積賞球数が維持される)。
また、初当りが発生する(通常遊技状態において第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる)ことで行われる特別遊技の実行中は、一般入賞口64に遊技球が入球したとしても、オマケ入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、特別遊技の種類として、高利益特別遊技(例えば16R特別遊技)と低利益特別遊技(例えば4R特別遊技)とを有し、高利益特別遊技の実行中には一般入賞口64に遊技球が入球することでオマケ入賞演出を実行し、低利益特別遊技の実行中には一般入賞口64に遊技球が入球してもオマケ入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、ラウンド遊技の種類として、大入賞口54の最大開放時間が規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球可能又は入球容易な開放時間(例えば29秒)に設定された長開放ラウンド遊技と、大入賞口54の最大開放時間が規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球可能又は入球容易な開放時間(例えば2秒)に設定された短開放ラウンド遊技とを有し、長開放ラウンド遊技の実行中には遊技球が一般入賞口64に入球することではオマケ入賞演出を実行し、短開放ラウンド遊技の実行中には遊技球が一般入賞口64に入球したとしてもオマケ入賞演出を実行しないように構成してもよい。また、特定大当り(確変大当り)に当選した場合に行われる特別遊技の実行中には、一般入賞口64に遊技球が入球することでオマケ入賞演出を実行し、通常大当り(非確変大当り)に当選した場合に行われる特別遊技の実行中には、一般入賞口64に遊技球が入球したとしてもオマケ入賞演出を実行しないように構成してもよい。
<入賞関連演出のその他の特徴>
続いて、本実施形態の大入賞口入賞演出および一般入賞口入賞演出のその他の特徴について説明する。なお、大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出は同一の表示物(累積賞球数表示領域733に表示された累積賞球数)に対する演出であるため、以下では、大入賞口カウントアップ演出と一般入賞口カウントアップ演出とを総称して単に「カウントアップ演出」という場合がある。
≪カウントアップ演出時間≫
本実施形態では、賞球1個分のカウントアップの時間(「N」から「N+1」へのカウントアップに要する時間)は、「0.03秒」に設定されている。つまり、累積賞球数表示領域733に表示された累計賞球数の値は、「0.03秒」刻みでカウントアップされる。そのため、大入賞口カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口54に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位
賞球数)の値を乗算することで導出され、大入賞口カウントアップ演出の実行時間は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。同様に、一般入賞口カウントアップ演出は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、一般入賞口64に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出され、一般入賞口カウントアップ演出の実行時間は、「3(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.09秒」となる。以下では、便宜上、大入賞口カウントアップ演出の実行時間(1回の大入賞口カウントアップ演出を開始してから終了するまでの時間値)を「カウントアップ演出時間A」、一般入賞口カウントアップ演出の実行時間(1回の一般入賞口カウントアップ演出を開始してから終了するまでの時間値)を「カウントアップ演出時間B」と略称する。ここで、大入賞口通常入賞演出、オーバー入賞演出、オマケ入賞演出は、特別遊技の実行中であっても、大当り開始デモの実行中および大当り終了デモの実行中には実行しないよう構成されており、そのため、大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出についても、特別遊技の実行中であっても、大当り開始デモの実行中および大当り終了デモの実行中には実行しないよう構成されている。
(カウントアップ演出時間Aの関係1)
カウントアップ演出時間Aは、各ラウンド遊技の終了後に設定されたインターバル時間(「インターバル期間」とも呼称する)よりも短く設定されている。インターバル時間とは、各ラウンド遊技の間又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間に設定される待機時間であり大入賞口54の閉鎖動作開始から閉鎖が維持されている期間であるラウンド遊技待ち時間(単位遊技待ち時間)又は終了デモ待ち時間である。本実施形態では、インターバル時間は、全てのラウンド遊技に共通して、「2秒」に設定されている。本実施形態では、カウントアップ演出時間A(0.45秒)がインターバル時間(2秒)よりも短くなるように構成したことで、或るラウンド遊技の終了間際に遊技球が大入賞口54に入球することに基づき大入賞口カウントアップ演出が行われる場合であっても、該ラウンド遊技の終了後のインターバル時間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出がインターバル期間を越えて次回のラウンド遊技又は大当り終了デモまでに跨って行われる可能性を低くすることができ(オーバー入賞した場合は、インターバル期間を超えてしまう可能性がある)、各ラウンド遊技の間の区切り又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間の区切りを明確にすることができる。
(カウントアップ演出時間Aの関係2)
カウントアップ演出時間Aは、大当り終了デモの実行時間よりも短く設定されている。前述したとおり、カウントアップ演出時間Aは、「0.45秒」に設定され、大当り終了デモの実行時間は、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。大当り終了デモの実行時間とは、特別遊技における最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル時間が経過したときから、特別遊技が終了するまでの待機時間である。つまり、大当り終了デモの実行時間には、最終回のラウンド遊技の終了後に設定されたインターバル時間は含まれない。すなわち、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル時間は、その時間内に大入賞口54への遊技球の入球が有効に検出(つまり、入賞球払出の対象として検出、不正入球と判定されない検出)される可能性のある該ラウンド遊技の残余時間(猶予時間)として設定されているが、大当り終了デモの実行時間は、その時間内に大入賞口54への遊技球の入球が有効に検出される可能性の無い、該ラウンド遊技と区切られた特別遊技終了後の遊技(演出モード)への準備時間として設定されている。本実施形態では、カウントアップ演出時間A(0.45秒)が、大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技の終了間際に遊技球が大入賞口54に入球することに基づき大入賞口カウントアップ演出が行われる場合であっても、更に言えば、最終回のラウンド遊技にてオーバー入賞が発生しても、最終
回のラウンド遊技後である大入賞口54の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)大入賞口カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大当り終了デモ期間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。変形例として、大当り終了デモの実行時間の少なくとも一部について、その時間内に大入賞口54への遊技球の入球が有効に検出されてもよい。
(カウントアップ演出時間Aの関係3)
本実施形態では、1回のラウンド遊技において大入賞口54へ規定カウント数の遊技球が入球する場合、この1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間(1回のラウンド遊技にて獲得可能な賞球数分の大入賞口カウントアップ演出)は、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成されている。具体的には、規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間A)×10球(規定カウント数)=4.5秒」となる。一方、大当り終了デモの実行時間は、前述したとおり、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。本実施形態では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間(4.5秒)が、大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞口54に連続して入球することに基づき複数回の大入賞口カウントアップ演出が連続的に行われる場合であっても、最終回のラウンド遊技後である大入賞口54の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)大入賞口カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大当り終了デモ期間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
なお、1回のラウンド遊技において大入賞口54に遊技球が規定カウント数を超過して入球する場合(オーバー入賞が発生する場合)についても、この1回のラウンド遊技における累計カウント数分(規定カウント数+オーバー入賞数)のカウントアップ演出時間Aの合計時間が、大当り終了デモの実行時間よりも短く設定されていることが好適である。すなわち、1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とオーバー入賞数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とを足し合わせた時間が、そのラウンド遊技の終了後の大当り終了デモの実行時間よりも短く設定されることで、最終回のラウンド遊技後である大入賞口54の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)大入賞口カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、オーバー入賞が発生した場合でも、大入賞口カウントアップ演出を大当り終了デモの実行時間内に終了させて、特別遊技の終了時と変動表示の開始時との区切りを明確にすることが好ましい。なお、オーバー入賞数は遊技の進行状況(遊技球の発射状況や遊技球の流下状況)に依存するため不定であるが、規定カウント数と同数である10球と想定した場合であっても、上記関係性を充足することが望ましく(その場合、1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とオーバー入賞数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とを足し合わせた時間が、4.5秒+4.5秒の9秒となり、大当り終了デモの実行時間である20秒よりも短い)、そのように構成している。
(カウントアップ演出時間Aの関係4)
本実施形態の変形例として、1回のラウンド遊技において大入賞口54へ規定カウント数の遊技球が入球する場合、この1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間が、該ラウンド遊技の終了後のインターバル時間よりも短くなるように構成してもよい。本変形例では、規定カウント数分のカウントアップ演出時
間Aの合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間A)×10球(規定カウント数)=4.5秒」となる。一方、各ラウンド遊技の終了後のインターバル時間は、上記実施形態のインターバル時間(2秒)よりも長く、全てのラウンド遊技に共通して、「6秒」に設定されている。本変形例では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間(4.5秒)が、そのインターバル時間(6秒)よりも短くなるように構成したことで、或るラウンド遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞54に連続して入球することで、複数回の大入賞口カウントアップ演出が連続して行われる場合でも、該ラウンド遊技の終了後のインターバル時間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出がインターバル期間を越えて次回のラウンド遊技又は大当り終了デモまでに跨って行われることがなく、各ラウンド遊技の間の区切り又は最終回のラウンド遊技と大当り終了デモとの間の区切りを明確にすることができる。
なお、1回のラウンド遊技において大入賞口54に遊技球が規定カウント数を超過して1個だけ入球する場合(1個だけオーバー入賞が発生する場合)についても、この1回のラウンド遊技における累計カウント数分(規定カウント数+1個のオーバー入賞数)のカウントアップ演出時間Aの合計時間が、該ラウンド遊技の終了後のインターバル時間よりも短く設定されていることが好適である。すなわち、1回のラウンド遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間とオーバー入賞1個分のカウントアップ演出時間Aとを足し合わせた時間(4.5秒+0.45秒=4.95秒)が、そのラウンド遊技の終了後のインターバル時間(6秒)よりも短く設定されることで、オーバー入賞が発生した場合でも、大入賞口カウントアップ演出をインターバル期間内に終了させて、ラウンド遊技間の区切りを明確にすることが好ましい。
(カウントアップ演出時間Aの関係5)
本実施形態の変形例として、1回の特別遊技の全てのラウンド遊技において大入賞口54へ規定カウント数(フルカウント)の遊技球が入球する場合、この特別遊技の実行中に発生するフルカウント数分(規定ラウンド数×規定カウント数)のカウントアップ演出時間Aの合計時間が、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成してもよい。本変形例では、1回の特別遊技の規定ラウンド数が最高ラウンド数(16ラウンド)であるときに、全てのラウンド遊技において遊技球が大入賞口へ規定カウント数(10球)だけ入球した場合、合計160回の大入賞口カウントアップ演出が実行される。そのため、全カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間A)×10球(規定カウント数)×16ラウンド(規定ラウンド数)=72秒」である。一方、本変形例では、大当り終了デモの実行時間が、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「120秒」に設定されている。本変形例では、1回の特別遊技における全カウント数分のカウントアップ演出時間Aの合計時間(72秒)が、大当り終了デモの実行時間(120秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技後である大入賞口54の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)大入賞口カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大入賞口54への遊技球の連続入賞によりラウンド遊技中又はインターバル期間中に大入賞口カウントアップ演出の実行が渋滞したとしても、全ての大入賞口カウントアップ演出が少なくとも大当り終了デモの終了時までに完結することが保証されるため、大当り中演出を円滑に進めることが可能となる。
≪先後の大入賞口カウントアップ演出の優先度≫
図23は、大入賞口カウントアップ演出の優先度の説明に供するタイムチャートである。図23に示すように、或るラウンド遊技の実行中に、複数の遊技球(図示例では2個の遊技球)が大入賞口54へ連続して入球した場合、該連続入賞に基づく2回の大入賞口カウントアップ演出が実行されることになる。具体的には、1球目の遊技球が大入賞口54へ入球することで大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立すると、先の大入賞口カウントアップ演出が実行される。同様に、2球目の遊技球が大入賞口54へ入賞すること
で大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立すると、後の大入賞口カウントアップ演出が実行されることになる。大入賞口カウントアップ演出の実行条件とは、大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するための条件であり、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口54に入球すること(大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球が検出されたこと)を契機として成立する。このとき、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立する状況となった場合には、先の大入賞口カウントアップ演出の実行を途中で打ち切ることなく、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するようになっている。つまり、本実施形態では、先後2回の大入賞口カウントアップ演出のうち、後の大入賞口カウントアップ演出の優先度よりも、先の大入賞口カウントアップ演出の優先度の方が高く設定されており、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了する前に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行が開始されることはなく、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行が開始されるように構成されている。なお、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始する場合には、先の大入賞口カウントアップ演出と後の大入賞口カウントアップ演出とを連続的(シームレス)に繋げて、2回分の大入賞口カウントアップを連続的に行うことが好適である。但し、変形例として、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、所定時間(微小時間)を経過してから、後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始して、先の大入賞口カウントアップ演出と後の大入賞口カウントアップ演出との間に明確な区切りを付けるようにしてもよい。ここでは大入賞口カウントアップ演出について説明したが、一般入賞口カウントアップ演出も同様の仕様としてよく、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立する状況となった場合には、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行を途中で打ち切ることなく、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行を開始するよう構成することが好適である。また、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立する状況となった場合には、先の大入賞口カウントアップ演出の実行を途中で打ち切ることなく、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行を開始するよう構成することが好適である。また、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立する状況となった場合には、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行を途中で打ち切ることなく、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行が終了した後に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するよう構成することが好適である。
なお、本実施形態の変形例として、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が充足する場合、先の大入賞口カウントアップ演出の実行を中断して、次の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するように構成してもよい。つまり、先の大入賞口カウントアップ演出の優先度よりも、後の大入賞口カウントアップ演出の優先度の方を高くする。その場合には、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が中断した時点で、カウント値を強制的に先の大入賞口カウントアップ演出の最終値又は後の大入賞口カウントアップ演出の初期値に切り替えて、その時点から後の大入賞口カウントアップ演出を開始させることが好適である。この変形例では大入賞口カウントアップ演出について説明したが、一般入賞口カウントアップ演出も同様の仕様としてよく、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行条件が充足する場合、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行を中断して、次の一般入賞口カウントアップ演出の実行を開始するように構成してもよい。また、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の一般入賞口カウントアップ演出の実行条件が充足する場合、先の大入賞口カウントアップ演出の実行を中断して、次の一般入賞口カウントアップ演出の実行を開始するように構成してもよい。また、先の一般入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が充足する場合、先の一
般入賞口カウントアップ演出の実行を中断して、次の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始するように構成してもよい。
(累積賞球数の強調演出)
図24は、本実施形態の強調演出の説明に供する模式図である。図中の(A)は強調演出の実行中にオーバー入賞演出が実行された場合を示し、図中の(B)は強調演出の実行中にオマケ入賞演出が実行された場合を示している。本実施形態では、特別遊技の実行中に大入賞口54又は一般入賞口64へ遊技球が入球することを契機として、連荘中の累積賞球数の値が予め定められた特定値に到達すると、累積賞球数が特定値に到達したことを報知する強調演出が実行されるように構成されている。なお、特定値とは、所定賞球数(10000個)の倍数値である。すなわち、累積賞球数の現在値が所定賞球数の倍数値(10000個、20000個、30000個…)に到達するたびに、強調演出が行われることになる。そのため、強調演出は特定値到達演出と称してもよく、強調表示は特定値対応表示と称してもよい。なお、本実施形態では、オーバー入賞又はオマケ入賞を契機として累積賞球数が特定値に到達した場合でも、強調演出が実行されるようになっており、その場合には該強調演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とが重複実行される。
強調演出の種類には、図24に示すように、画面中央の強調表示領域735に、累積賞球数が到達した特定値(図示例では「20000pt」)を拡大表示する強調表示演出と、スピーカ11から特殊音(図示例では「絶好調」という音声)を出力する強調音出力演出とがある。
特定値の強調表示は、所定時間(例えば5秒間)継続して行われ、その間に大入賞口54又は一般入賞口64への遊技球の入球により累積賞球数表示が更新表示(加算表示)されたとしても、該強調表示が更新表示(加算表示)されることはない。このとき、各レイヤの表示の優先度は、「累積賞球数表示」<「強調表示」<「ラウンド表示」という順に高くなる。「レイヤ」とは、全体画像を構成する各画像の表示の優先度を規定する階層構造の各層を意味する。各レイヤは、表示の優先度が高いものほど上位のレイヤ(遊技者から見て前方側)に配置され、表示の優先度が低いものほど下位のレイヤ(遊技者から見て後方側)に配置される。図24では、強調表示と累積賞球数表示が重畳表示しない形で示しているが、強調表示を更に強調するため表示領域を拡大し、重畳表示させてもよく、その場合は、上記優先度に従い、累積賞球数表示の前面に強調表示が表示される(累積賞球数表示の一部または全部を覆って強調表示が表示される)よう構成してもよい。
また、図24に示すように、賞球獲得表示領域732と強調表示領域735とは別個独立した表示領域として設けられており、強調表示の実行中にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、強調画像とオーバー入賞画像又はオマケ入賞画像とを同時並行して表示する。なお、強調画像とオーバー入賞画像又はオマケ入賞画像とを同時に表示する場合には、オーバー入賞画像又はオマケ入賞画像よりも強調画像の表示の優先度を高くしても、強調画像よりもオーバー入賞画像又はオマケ入賞画像の表示の優先度を高くしてもよい。図24では、強調表示とオーバー入賞画像/オマケ入賞画像が重畳表示しない形で示しているが、強調表示を更に強調するため表示領域を拡大し、重畳表示させてもよく、その場合は、上記優先度に従い、オーバー入賞画像/オマケ入賞画像の前面に強調表示が表示される(オーバー入賞画像/オマケ入賞画像の一部または全部を覆って強調表示が表示される)よう構成してもよい。
また、特殊音の出力中にオーバー入賞が発生した場合には、特殊音の出力中においてオーバー入賞音又はオマケ入賞音が重複して出力される。なお、特殊音とオーバー入賞音又はオマケ入賞音とが重複する場合には、オーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量を、優先度の高い特殊音の音量と比較して小さい音量としてよく、その逆で、特殊音の音声を、優
先度の高いオーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量と比較して小さい音量としてもよい。なお、その場合には、優先度の低い方の音量(小さいほうの音量)を実質「0」に設定してもよい。
≪エラー発生時のオーバー入賞演出/オマケ入賞演出≫
本実施形態では、遊技機に各種のエラーが発生した場合、そのエラー種別に応じてオーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行可否を制御するように構成されている。図25は、遊技機のエラー種別の説明に供する模式図である。本実施形態では、遊技機に発生するエラー種別として、「扉・枠開放エラー」、「磁気センサエラー」、「電波センサエラー」、「断線短絡電源エラー」、「過剰入賞エラー」、「払出エラー」などが設定されている。なお、上記のエラー種別は一例であり、遊技機の仕様等に応じて様々なエラー種別が設けられてもよい。
扉・枠開放エラーは、外枠1に対してガラス枠5、前枠2もしくは裏セット盤30が開いている場合、ガラス枠5の開放を検出する扉開放スイッチ、前枠2の開放を検出する枠開放スイッチ、裏セット盤30の開放を検出する裏セット開放スイッチに断線や故障が生じた場合などに発生するエラーである。この扉・枠開放エラーは、遊技機に異常がないかを確認し、ガラス枠5、前枠2および裏セット盤30を閉鎖した場合に解除される。
磁気センサエラーおよび電波センサエラーは、磁気センサが磁気を検出した場合、電波センサが電波を検出した場合、および磁気センサや電波センサの断線、短絡、故障が生じた場合に発生するエラーである。磁気センサエラーおよび電波センサエラーは、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。
断線短絡電源エラーは、電波センサおよび遊技盤面に設けられた各種スイッチの断線、短絡、故障が生じた場合に発生するエラーである。断線短絡電源エラーは、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。
過剰入賞エラーは、各種入賞口に遊技球が過剰に入球した場合に発生するエラーである。過剰入賞エラーは、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。ここで、過剰入賞エラーには、大入賞口54の過剰入賞エラー(「大入賞口過剰入賞エラー」とも呼称する)や、一般入賞口61〜64の過剰入賞エラー(「一般入賞口過剰入賞エラー」とも呼称する)などが含まれる。例えば、大入賞口過剰入賞エラーは、1回のラウンド遊技の実行中に、遊技球が大入賞口54に所定数(例えば30球)入球した場合に発生するエラーである。一般入賞口過剰入賞エラーは、単位時間(例えば30秒)あたりに遊技球が一般入賞口61〜63に所定数(例えば30球)入球した場合、又は、単位時間(例えば30秒)あたりに遊技球が一般入賞口64に特定数(例えば60球)入球した場合に発生するエラーである。一般入賞口61〜63よりも一般入賞口64のほうが、遊技球が入球しやすい配置になっているため、一般入賞口64のほうが単位時間あたりの入球数に基づくエラー判定値(エラーと判定する遊技球数の値)として、余裕のある数値となっている。本実施形態では、大入賞口過剰入賞エラーが発生した場合、または、大入賞口54が開放していない状態(非特別遊技中)での大入賞口54への入球が発生した場合、つまりは大入賞口54に関する異常入賞が検知された場合(異常入賞と判定された場合)には、外部情報端子板600からエラーが発生した旨を示す外部情報信号(セキュリティ信号)を出力する。一方、一般入賞口過剰入賞エラーが発生した場合に、つまりは一般入賞口61〜64に関する異常入賞が検知された場合(異常入賞と判定された場合)には、外部情報端子板600からエラーが発生したことを示す外部情報信号(セキュリティ信号)を出力しない。なお、外部情報端子板600が出力する外部情報信号(外端信号)については後述する。
払出エラーは、賞球の払い出しに支障が生じる場合に発生するエラーである。この払出エラーには、下球皿9が遊技球で満タン状態(満タンスイッチがオン)となる満タンエラーや、賞球払出ユニット34の玉噛み/玉詰まりエラー、遊技島から遊技球を補給できずに不足する玉無しエラーなどが含まれる。満タンエラーが発生した場合、報知レベルは2段階に分けられる。報知レベル1は、満タンスイッチがオンとなってから、そのオン状態が30秒継続している状態におけるレベルである。報知レベル1においては、「球を抜いてください」との音声報知のみが実行される。この報知レベル1においては、大入賞口54や一般入賞口61〜64への入球があっても、賞球払出が制限されることはない(賞球払出が停止することはない)。オン状態が30秒を超過すると、報知レベル2に移行し、「球を抜いてください」との音声報知だけでなく、演出表示装置70にて「下球皿の玉抜きを促す画像」を表示する画像報知もなされ、更には、大入賞口54や一般入賞口61〜64への入球があっても、賞球払出が制限される(賞球払出が停止する)。変形例としては、報知レベル1では画像報知のみ、報知レベル2では画像報知と音声報知の両方が行われる仕様としてもよい。賞球払出ユニット34の玉噛み/玉詰まりエラー、遊技島から遊技球を補給できずに不足する玉無しエラーについては、大入賞口54や一般入賞口61〜64への入球があっても、賞球払出が制限される(賞球払出が停止する)。
また、各種エラーは、図25に示すように、エラーの優先度(重要度)に応じて、「第1エラー」、「第2エラー」、「第3エラー」に分類されている。第1エラーとは、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が中レベルに設定されたエラー種別である。第1エラーには、「扉・枠開放エラー」が含まれる。第2エラーとは、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が高レベルに設定されたエラー種別である。第2エラーには、「磁気センサエラー」、「電波センサエラー」、「断線短絡電源エラー」、「過剰入賞エラー」が含まれる。第3エラーとは、遊技の続行が禁止又は困難となれる優先度(重要度)が低レベルに設定されたエラー種別である。第3エラーには、「払出エラー」が含まれる。
ここで、遊技機に上記エラーが発生した場合には、各種のエラー報知として、画像演出、音声演出などが行われ、具体的には、演出表示装置70の画面上に当該エラーの内容が表示され、エラー用の音量にてスピーカ11からエラー報知音が出力される。なお、エラー報知の変形例として、演出ランプLPがエラー用の輝度で点滅表示されるように構成してもよい。
本実施形態では、遊技機が第1エラー(扉・枠開放エラー)となった場合は、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出の一部又はオマケ入賞演出の一部が行われないように構成されている。すなわち、遊技機に第1エラーが発生した場合には、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出のうち、オーバー入賞画像表示演出およびオマケ入賞画像表示演出の実行が許容されるが、オーバー入賞音出力演出およびオマケ入賞音出力演出の実行が制限される。第1エラー中に、オーバー入賞又はおまけ入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の一部が行われないことで、遊技機が第1エラー状態となっていることを見逃さないようになっている。この場合、カウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出)については、その実行が許容される。具体的には、第1エラーとなった場合は、第1エラーとなったことを報知するために、第1エラーであることを示すエラー画像を表示するが、全画面に表示するわけではなく、一部の表示領域のみを用いて表示する。表示優先度はオーバー入賞画像やオマケ入賞画像よりもエラー画像のほうが高いが、これらは全て同時に表示可能であり、カウントアップ演出も同時に表示可能である。但し、第1エラーであることを報知するエラー報知音が出力されている最中は、オーバー入賞音やオマケ入賞音については出力されない(又は音量が小さい)。なお、遊技機が第1エラー状態となった場合に、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したときは、このオーバー入賞又はオマケ入賞に
基づく賞球の払い出しは行われるようになっている。
また、遊技機が第2エラー(磁気センサエラー、電波センサエラー、断線短絡電源エラー、過剰入賞エラー)となった場合は、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の全てが行われないように構成されている。すなわち、遊技機に第2エラーが発生した場合には、オーバー入賞演出として、オーバー入賞画像表示演出およびオーバー入賞音出力演出の両方の実行が制限され、オマケ入賞演出として、オマケ入賞画像表示演出およびオマケ入賞音出力演出の両方の実行が制限される。第2エラー中に、オーバー入賞等が発生したとしても、オーバー入賞演出等の全てが行われないことで、遊技機が第2エラー状態となっていることを見逃さないようになっている。この場合、カウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出)についても、その実行は制限される。具体的には、第2エラーとなった場合は、第2エラーとなったことを報知するために、第2エラーであることを示すエラー画像を全画面に表示するため、オーバー入賞画像やオマケ入賞画像、そしてカウントアップ演出は表示されない。また、第2エラーであることを報知するエラー報知音が出力されている最中は、オーバー入賞音やオマケ入賞音については出力されない。なお、遊技機が第2エラー状態となった場合に、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したときは、このオーバー入賞又はオマケ入賞に基づく賞球の払い出しは行われるようになっている。
また、遊技機が第3エラー(払出エラー)となることで、賞球の払い出しを行うことができない状況となった場合であっても、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生すると、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行されるように構成されている。つまり、遊技機に払出エラーが発生した場合は、遊技を続行しても特に支障が生じるおそれもなく、また、遊技者が不利益を被るおそれもないため、エラー報知によりオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出を制限すると、却って遊技の興趣を低下させる可能性があるからである。この場合、カウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出および一般入賞口カウントアップ演出)についても実行される。但し、遊技機が第3エラー状態となった場合に、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したときは、このオーバー入賞又はオマケ入賞に基づく賞球の払い出しは行われない。
本実施形態では、このように遊技機が「特定のエラー」であるときにオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、その発生したエラー種別に応じて、オーバー入賞演出の一部又は全部が制限されるとともに、オマケ入賞演出の一部又は全部が制限されるように構成されている。つまり、特定エラーのうち、上記第1エラーが発生した場合には、オーバー入賞演出のうちの1つ又は一部の要素演出(オーバー入賞音出力演出)の実行が制限され、上記第2エラーが発生した場合には、オーバー入賞演出のうちの複数又は全ての要素演出(オーバー入賞音出力演出、オーバー入賞画像表示演出など)の実行が制限される。本実施形態では、特定エラーのうち、第1エラーよりも第2エラーの方が相対的に優先度(重要度)の高いエラー種別となるからである。なお、特定のエラーを遊技の進行が禁止されるエラー種別としてもよい。また、特定のエラーを不正行為(ゴト行為)が疑われる異常を検出した場合に発生するエラー種別としてもよい。また、特定のエラーを電源を遮断/再投入することにより解消されるエラー種別としてもよい。
なお、本実施形態の変形例として、オーバー入賞演出よりもエラー報知演出の優先度を高く設定することで、例えば、オーバー入賞音よりもエラー報知音を優先的に出力し(例えば、オーバー入賞音よりもエラー報知音の方が音声レベルを高く設定し)、オーバー入賞画像よりもエラー報知画像を優先的に表示してもよい(例えば、オーバー入賞画像よりもエラー報知画像の方がレイヤの優先度を高く設定してもよい)。
≪大当り終了時のオーバー入賞演出≫
図26は、大当り終了時のオーバー入賞演出の実行有無等を説明するためのタイムチャートである。各ラウンド遊技には、大入賞口スイッチ541による遊技球の検出を有効とする検出有効期間(大入賞口有効期間)が設定されている。この検出有効期間は、大入賞口54が閉鎖する直前に入球した遊技球が大入賞口スイッチ541に到達するまでに要する時間を考慮して設定されている。本実施形態では、各ラウンド遊技が開始されてから終了するまで(大入賞口54が開放してから閉鎖するまで)のラウンド期間と、該ラウンド遊技が終了してから(大入賞口54が閉鎖してから)所定時間が経過するまでのインターバル期間との全期間に跨って、大入賞口スイッチ541の検出有効期間が設定されている。この検出有効期間がラウンド期間〜インターバル期間までに亘り設定されることで、ラウンド期間が終了した後のインターバル期間内において、大入賞口スイッチ541により遊技球が検出された場合でも、大入賞口54への遊技球の入賞が有効として扱われる(賞球の払い出しの対象となる)。つまり、「ラウンド遊技の実行期間(大入賞口開放期間)」と、前述した「検出猶予期間(インターバル期間)」とが連続した検出有効期間として設定されている。また、前述したとおり、インターバル期間と検出猶予期間とを異なる期間としてもよい。
本実施形態では、インターバル期間の期間内は、オーバー入賞演出の実行タイミングが到来した場合に、オーバー入賞演出の実行が許容されるオーバー入賞演出許容期間として設定されている。一方、インターバル期間の期間外は、オーバー入賞演出の実行タイミングが到来したとしても、オーバー入賞演出の実行が禁止されるオーバー入賞演出禁止期間として設定されている。
具体的には、図26(A)に示すように、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、大入賞口スイッチ541にて規定カウント数を超過する遊技球(図示例では11個目の遊技球)が検出された場合、このインターバル期間内にオーバー入賞演出の実行タイミングが到来するときは、このインターバル期間内でのオーバー入賞演出の実行が許容されることになる。但し、オーバー入賞演出の演出時間(例えば0.5秒)が、オーバー入賞演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間終了までにオーバー入賞演出の全てを実行することができないため、インターバル期間の終了に基づき、オーバー入賞演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断することが望ましい。但し、オーバー入賞演出として、オーバー入賞画像とオーバー入賞音とを備える場合、オーバー入賞画像については中断(途中から非表示もしくは消去)、オーバー入賞音については中断せずに出力し切るようにしてもよい。また、オーバー入賞演出と同じく、大入賞口カウントアップ演出についても、インターバル期間内でのオーバー入賞を契機として実行してよく、その場合、大入賞口カウントアップ演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間終了までに大入賞口カウントアップ演出の全てを実行することができないため、インターバル期間の終了に基づき、大入賞口カウントアップ演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断することが望ましい。
一方、図26(B)に示すように、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、大入賞口スイッチ541にて規定カウント数を超過する遊技球(図示例では11個目の遊技球)が検出された場合であっても、このインターバル期間の経過後の大当り終了デモ期間内にオーバー入賞演出の実行タイミングが到来するときは、この大当り終了デモ期間内でのオーバー入賞演出の実行が禁止される。但し、大当り終了デモ期間中はオーバー入賞演出の実行が禁止されるだけで、このオーバー入賞に基づく賞球の払い出しは行われる。また、上記の場合には、オーバー入賞演出と同じく、大入賞口カウントアップ演出についても、実行が禁止されてよい。
なお、本実施形態の変形例として、大当り終了デモ期間をオーバー入賞演出の実行が許
容されるオーバー入賞演出許容期間として設定し、大当り終了デモの実行中にオーバー入賞演出を実行するように構成してもよい。なお、その場合には、大当り終了デモ期間のうち始めの所定時間のみをオーバー入賞演出許容期間として設定することが望ましい。一例として、大当り終了デモ期間の20秒のうち、最初の5秒のみをオーバー入賞演出許容期間とし、その後の15秒をオーバー入賞演出禁止期間とすることが挙げられる。また、更なる変形例として、最終ラウンド後のインターバル期間内に、オーバー入賞演出許容期間とオーバー入賞演出禁止期間を設定してもよく、例として、インターバル期間2秒のうち、最初の1.5秒をオーバー入賞演出許容期間とし、その後の0.5秒をオーバー入賞演出禁止期間としてもよく、その後の大当り終了デモ期間についてもオーバー入賞演出禁止期間としてもよい。また、更なる変形例として、大入賞口スイッチ541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出されたタイミングと、オーバー入賞演出の実行タイミングとが同期していることを考えると、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、大入賞口スイッチ541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出された場合は、必ずオーバー入賞演出を実行するよう構成し(インターバル期間の終期タイミングでの入球は除く)、その実行に際しては、前述したように、オーバー入賞演出の演出時間よりも、オーバー入賞演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間の終了に基づき、オーバー入賞演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断するよう構成する一方(但し、オーバー入賞演出として、オーバー入賞画像とオーバー入賞音とを備える場合、オーバー入賞画像については中断(途中から非表示もしくは消去)、オーバー入賞音については中断せずに出力し切るようにしてもよい)、大当り終了デモ期間中にて大入賞口54への遊技球の検出があった場合(大入賞口スイッチ541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出された場合)は、オーバー入賞演出が実行されないよう構成してもよく、その場合、大入賞口カウントアップ演出についても、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に大入賞口スイッチ541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出された場合は必ず実行され(インターバル期間の終期タイミングでの入球は除く)、その実行に際しては、前述したように、大入賞口カウントアップ演出の演出時間よりも、大入賞口カウントアップ演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間の終了に基づき、大入賞口カウントアップ演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断するよう構成し、大当り終了デモ期間中にて大入賞口54への遊技球の検出があった場合(大入賞口スイッチ541にて規定カウント数を超過する遊技球が検出された場合)は実行しないよう構成してもよい。
≪大当り終了時のオマケ入賞演出≫
図27は、大当り終了時のオマケ入賞演出の実行有無等を説明するためのタイムチャートである。本実施形態では、ラウンド期間の期間内およびインターバル期間の期間内は、オマケ入賞演出の実行タイミングが到来した場合に、オマケ入賞演出の実行が許容されるオマケ入賞演出許容期間として設定されている。一方、大当り終了デモ期間の期間内は、オマケ入賞演出の実行タイミングが到来したとしても、オマケ入賞演出の実行が禁止されるオマケ入賞演出禁止期間として設定されている。
具体的には、図27(A)に示すように、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、右一般入賞口スイッチ641にて遊技球が検出された場合に、このインターバル期間内にオマケ入賞演出の実行タイミングが到来するときは、このインターバル期間内でのオマケ入賞演出の実行が許容されることになる。但し、オマケ入賞演出の演出時間(例えば0.5秒)が、オマケ入賞演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間終了までにオマケ入賞演出の全てを実行することができないため、インターバル期間の終了に基づき、オマケ入賞演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断することが望ましい。但し、オマケ入賞演出として、オマケ入賞画像とオマケ入賞音とを備える場合、オマケ入賞画像につ
いては中断(途中から非表示もしくは消去)、オマケ入賞音については中断せずに出力し切るようにしてもよい。また、オマケ入賞演出と同じく、大入賞口カウントアップ演出についても、インターバル期間内でのオマケ入賞を契機として実行してよく、その場合、大入賞口カウントアップ演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間終了までに大入賞口カウントアップ演出の全てを実行することができないため、インターバル期間の終了に基づき、大入賞口カウントアップ演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断することが望ましい。
一方、図27(B)に示すように、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、右一般入賞口スイッチ641にて遊技球が検出された場合であっても、このインターバル期間の経過後の大当り終了デモ期間内にオマケ入賞演出の実行タイミングが到来するときは、この大当り終了デモ期間内でのオマケ入賞演出の実行が禁止される。但し、大当り終了デモ期間中はオマケ入賞演出の実行が禁止されるだけで、このオマケ入賞に基づく賞球の払い出しは行われる。また、上記の場合には、オマケ入賞演出と同じく、大入賞口カウントアップ演出についても、実行が禁止されてよい。
なお、本実施形態の変形例として、大当り終了デモ期間をオマケ入賞演出の実行が許容されるオマケ入賞演出許容期間として設定し、大当り終了デモの実行中にオマケ入賞演出を実行するように構成してもよい。なお、その場合には、大当り終了デモ期間のうち始めの所定時間のみをオマケ入賞演出許容期間として設定することが望ましい。一例として、大当り終了デモ期間の20秒のうち、最初の5秒のみをオマケ入賞演出許容期間とし、その後の15秒をオマケ入賞演出禁止期間とすることが挙げられる。また、更なる変形例として、最終ラウンド後のインターバル期間内に、オマケ入賞演出許容期間とオマケ入賞演出禁止期間を設定してもよく、例として、インターバル期間2秒のうち、最初の1.5秒をオマケ入賞演出許容期間とし、その後の0.5秒をオマケ入賞演出禁止期間としてもよく、その後の大当り終了デモ期間についてもオマケ入賞演出禁止期間としてもよい。また、更なる変形例として、右一般入賞口スイッチ641にて遊技球が検出されたタイミングと、オマケ入賞演出の実行タイミングとが同期していることを考えると、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に、右一般入賞口スイッチ641にて遊技球が検出された場合は、必ずオマケ入賞演出を実行するよう構成し(インターバル期間の終期タイミングでの入球は除く)、その実行に際しては、前述したように、オマケ入賞演出の演出時間よりも、オマケ入賞演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間の終了に基づき、オマケ入賞演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断するよう構成する一方(但し、オマケ入賞演出として、オマケ入賞画像とオマケ入賞音とを備える場合、オマケ入賞画像については中断(途中から非表示もしくは消去)、オマケ入賞音については中断せずに出力し切るようにしてもよい)、大当り終了デモ期間中にて右一般入賞口64への遊技球の検出があった場合(右一般入賞口スイッチ641にて遊技球が検出された場合)は、オマケ入賞演出が実行されないよう構成してもよく、その場合、一般入賞口カウントアップ演出についても、最終回のラウンド遊技の終了後のインターバル期間内に右一般入賞口スイッチ641にて遊技球が検出された場合は必ず実行され(インターバル期間の終期タイミングでの入球は除く)、その実行に際しては、前述したように、一般入賞口カウントアップ演出の演出時間よりも、一般入賞口カウントアップ演出の実行開始タイミングからインターバル期間の終了タイミングまでの時間よりも長い場合、インターバル期間の終了に基づき、一般入賞口カウントアップ演出をインターバル期間の終了タイミングにて強制的に中断するよう構成し、大当り終了デモ期間中にて右一般入賞口64への遊技球の検出があった場合(右一般入賞口スイッチ641にて遊技球が検出された場合)は実行しないよう構成してもよい。
一方、大当り開始デモ期間の期間内は、理論上、遊技球が大入賞口54に入球することがないため(オーバー入賞が発生することはないため)、大当り開始デモ期間中は、大入賞口入賞演出(オーバー入賞演出)が実行されることはない。大当り開始デモ期間の期間内であっても、一般入賞口64へ入球することは可能であるが、一般入賞口64へ入球したとしても、大当り開始デモ期間中に一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)は実行せず、また、大当り開始デモ期間中の入球であればいずれのタイミングで入球したとしても(特に、大当り開始デモ期間の終盤に入球したとしても)、その入球に対応した一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)が大当り開始デモ終了後の初回のラウンド遊技にて行われることはなく、更に、その入球に対応した賞球(賞球数)ついては、累積賞球数表示における累積対象ではない。
(発射ハンドル検知)
本遊技機PMによる遊技は、遊技者が発射ハンドル12を回動操作して、遊技球を遊技領域PAに向けて発射することを前提として実行される。この発射ハンドル12には、遊技者が発射ハンドル12に触れていることを検知するタッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル12に触れたことによる静電容量の変化を検出する近接スイッチ等から構成されている。タッチセンサは、遊技者が発射ハンドル12に触れていることを検知すると、払出制御基板300に対して発射ソレノイドの通電を許可する検出信号を出力する。また、主制御基板100は、タッチセンサからの検出信号に基づき、発射ハンドルのタッチ状態を監視して、演出制御基板200に対して演出制御コマンド(ハンドル状態演出コマンド)を定期的に送信する。それにより、演出制御基板200は、遊技者が発射ハンドル12に触れているか否か(発射ハンドル12が操作されているか否か)を特定する。
図28は、タッチセンサの検出状態とオーバー入賞演出および一般入賞演出との関係を示すタイムチャートである。演出統括手段220は、タッチセンサにより遊技者が発射ハンドル12に触れていることが検知されていない場合(遊技球の発射を停止させている場合)でも、それ以前に発射した遊技球が大入賞口54に入球することにより、規定カウント数を超過する遊技球(図示例では11個目の遊技球)が検出された場合(オーバー入賞が発生した場合)には、オーバー入賞演出を実行するようになっている。同様に、演出統括手段220は、遊技者が発射ハンドル12に触れていることが検知されていない場合(遊技球の発射を停止させている場合)でも、それ以前に発射した遊技球が一般入賞口64に入球することにより、右一般入賞口スイッチ641により遊技球が検出された場合(オマケ入賞が発生した場合)には、オマケ入賞演出を実行するようになっている。すなわち、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、オーバー入賞のタイミングおよびオマケ入賞のタイミングでのタッチセンサの検出結果に関わらず実行される。従って、大入賞口54が閉鎖される(ラウンド遊技が終了する)ことにより、遊技者による遊技球の発射が停止された場合であっても、そのインターバル期間内にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生したときは、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が発生することとなり、実際に遊技球が大入賞口54又は一般入賞口64に入球したのにも関わらず何ら入賞演出が行われないといった不満感や不信感を遊技者が抱くのを防止することができる。
(遊技開始準備演出)
本実施形態では、現在実行中の遊技状態が通常遊技状態(非特別遊技状態)である場合に、遊技の中断状態が所定時間以上継続することを契機として、待機デモ演出(客待ちデモ演出)が実行される。「遊技の中断状態が所定時間以上継続する」とは、例えば、特別図柄の作動保留球が存在していない期間が所定時間以上継続すること、特別図柄の変動表示の行われない期間が所定時間以上継続すること、遊技球が特定の入賞口に入球又は通過しない期間が所定時間以上継続すること、遊技球が発射されていない期間が所定時間以上継続すること、などを意味する。この待機デモ演出の終了条件は、遊技の中断状態が解除
されたとき(遊技が開始又は再開されたとき)であり、例えば、遊技者が発射ハンドル12に触れたこと(発射ハンドル12を操作したこと)がタッチセンサにより検出されたときや、特定の入賞口である第1始動口51もしくは第2始動口52への入球があったときが該当し、作動ゲート53への遊技球の通過や一般入賞口61〜64への入球は該当しない(作動ゲート53への遊技球の通過や一般入賞口61〜64への入球があっても、待機デモ演出は終了しない)。また、待機デモ演出中は、音量がゼロになる、つまり消音されている状態である、もしくは、待機デモ演出ではない状態(遊技中の状態)よりも音量が小さくなっている状態であるが、後述する音量調整画面の表示が可能であり、音量調整を行っても待機デモ演出は終了しないよう構成されている。つまり、遊技が中断されている状況では必要以上に演出を行う必要がないため、消音もしくは音量低減を行っているが、その状態であっても、待機デモ演出を維持しつつ(遊技が中断されていることを示しつつ)、待機デモ演出終了後(遊技進行中、つまりは図柄変動中)の演出に係る音量を待機デモ演出中にも視覚化したうえで調整可能としている。
図29は、遊技開始準備演出の実行される遊技状態とオーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行される遊技状態との関係を示すタイムチャートである。演出統括手段220は、待機デモ演出の実行中において、タッチセンサにより遊技者の接触が検知されたことを契機(主制御基板100からのハンドル状態演出コマンドを受信することを契機)として、待機デモ演出の実行を終了して、遊技開始準備演出(発射検知演出)の実行を開始する。遊技開始準備演出は、例えば、画面上に「いらっしゃい」という文字を表示、又は、スピーカ11から「いらっしゃい」という音声を出力して、遊技を開始又は再開した実感を与える演出(遊技を歓迎する演出)である。この遊技開始準備演出は、待機デモ演出が終了した直後に行われる演出であり、この待機デモ演出と同様に、遊技状態が通常遊技状態(非特別遊技状態)であるときに実行される。
本実施形態では、遊技開始準備演出が行われ得る遊技状態(非特別遊技状態)では、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行されることはなく、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が行われ得る遊技状態(特別遊技状態)では、遊技開始準備演出が行われることはない。つまり、遊技開始準備演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とが、同一の遊技状態において行われることはなく、当然ながら、同一のタイミングで重複して実行されることはない。
(電源断復帰時のサウンド報知)
本実施形態では、特別遊技の実行中に電源断が発生した場合、この電源断からの復帰時に、電源断から復帰した旨を報知する電源復帰報知演出を実行する。この電源断復帰報知演出は、例えば、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)を表示するとともに、スピーカ11から電源が復帰した旨を示す音声(電源復帰報知音声)を出力する演出である。本実施形態において、電源復帰演出の実行時間(電源復帰報知音の出力時間)は、1回のラウンド遊技(長開放ラウンド遊技)の最大時間である「29秒」よりも長時間となる「30秒」に設定されている。例えば、所定のラウンド遊技の途中で電源断が発生して、その所定のラウンド遊技の途中から電源断復帰した場合(所定のラウンド遊技の途中から再開した場合)、少なくとも当該ラウンド遊技の残り時間中は電源断復帰音が出力されることとなるため、遊技者にラウンド遊技が再開していることを確実に認識させることが可能となる。ここで、電源断復帰音と大当り中演出音とが競合する場合、大当り中演出音よりも電源断復帰音を優先する(例えば、大当り中演出音よりも電源断復帰音を大きな音声レベルで出力する、又は、大当り中演出音の出力を中止する)ことが好適である。また、電源断復帰音が出力されているときは、再開後のラウンド遊技においてオーバー入賞が発生したとしても、オーバー入賞音よりも電源断復帰音を優先する(例えば、オーバー入賞音よりも電源断復帰音を大きな音声レベルで出力する、又は、オーバー入賞音の出力を中止する)ように構成してもよい。また、大当り中であることを認識できるよう、電源
が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示時間は、電源が復帰した旨を示す音声(電源復帰報知音声)の出力時間よりも短く構成することが望ましく、例えば、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示時間を15秒とし、電源が復帰した旨を示す音声(電源復帰報知音声)の出力時間は30秒とすることが望ましい。また、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)が表示されている状況では、大当り中の演出が表示されないため、累積賞球数表示や強調表示、オーバー入賞画像やオマケ入賞画像が表示されることはない。また、電源断復帰時においては、電源断前に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去されている状態となるため、電源断復帰時の電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示が終了し大当り中の演出が表示された場合、累積賞球数表示はゼロ(「0」)から再度開始することになり、強調表示の表示条件についても(特定値に到達するまでの条件についても)再設定されることになるため、電源断前の累積賞球数表示が後1個の大入賞口54への入球で特定値に到達する状況(例えば、10000個の手前の9999個)であっても、電源断が生じたうえで電源断復帰となった後の大当り中においては、累積賞球数表示がゼロであるため、この状況で大入賞口54への入球が1個あったとしても、強調表示がなされないことになる。また、電源断復帰時の電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示が終了し大当り中の演出が表示される場合、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示中は、大入賞口54への入球や一般入賞口64への入球があった場合、その入球に対応する賞球払い出しは行われるが、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示中にオーバー入賞画像の表示、オマケ入賞画像の表示、累積賞球数表示、カウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出、一般入賞口カウントアップ演出)などは行われず、その際、(1)電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示が終了して大当り中演出に復帰した場合でも、累積賞球数表示はゼロからスタートするようにしてもよいし、(2)電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示が終了して大当り中演出に復帰した場合、累積賞球数表示は、電源が復帰した旨を示す画像(電源復帰報知画像)の表示中における大入賞口54への入球や一般入賞口64への入球に対応する賞球払い出し分の数値が加算された累積賞球数表示としてもよい。その他、電源断前にカウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出、一般入賞口カウントアップ演出)が実行中で未だカウントアップ演出が終了していない状況であり且つそのカウントアップ演出に対応した賞球の払い出しも実行中で未だ完了していない場合(例として、300個の賞球に係るカウントアップ演出および払い出しの途中である場合)に電源断が発生した場合、電源が復帰したあとは、電源断発生前に実行されていたカウントアップ演出の残りを行うことはないが、未だ払い出していない賞球については払い出されるように構成されている。
(右打ち報知画像)
特別遊技の実行中は、上記の図17に示すように、画面の右打ち表示領域731に、遊技者に対して右打ち(右側領域PA2を狙って遊技球を発射すること)を喚起する右打ち報知画像が表示される。また、画面の第1賞球獲得表示領域732Aには、オーバー入賞が発生することを契機として、オーバー入賞画像が表示される。右打ち表示領域731と第1賞球獲得表示領域732Aとはそれぞれ異なる表示領域として設けられており、右打ち報知画像とオーバー入賞画像とが互いに重複しない位置関係で別個に表示される。また、特別遊技の実行中は、画面の第2賞球獲得表示領域732Bに、オマケ入賞が発生することを契機として、オマケ入賞画像が表示される。右打ち表示領域731と第2賞球獲得表示領域732Bとはそれぞれ異なる表示領域として設けられており、右打ち報知画像とオマケ入賞画像とが互いに重複しない位置関係で別個に表示される。そのため、特別遊技の実行中にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合、オーバー入賞画像又はオマケ入賞画像が右打ち報知画像と被ることはなく、一方の情報によって他方の情報が隠れないようになっている。
(音量調整画面)
図30は、本実施形態の音量調整画面を示す模式図である。本実施形態では、特別遊技の実行中に、遊技者により十字キーの左右キーが同時に操作されると、画面の音量調整画像表示領域736に複数段階の音量レベルを示す音量調整画像が横並びに表示される。音量調整画像は、現在の音量レベルを示すものであり、図示例では、現在の音量レベルに相当する3段階目の音量レベルに調整された表示態様となっている。そして、遊技者により左キー又は右キーが操作されることにより、スピーカ11から出力されるBGMや効果音などの音声の出力レベル(音量レベル)を調整することが可能となる。具体的には、音量調整画像の表示中は、右キーを操作すると音量レベルが上がり、左キーを操作すると音量レベルが下がる。
本実施形態では、特別遊技の実行中であるかにかかわらず、更に言えば、オーバー入賞演出の実行中(オーバー入賞音が出力されている状況)であるか、オマケ入賞演出の実行中(オマケ入賞音が出力されている状況)であるかに関わらず、遊技者が左右キーを操作することでスピーカ11の音量調整が可能に構成されている。そのため、オーバー入賞演出の実行中(オーバー入賞音が出力されている状況)、或いは、オマケ入賞演出の実行中(オマケ入賞音が出力されている状況)に、遊技者により音量調整が行われた場合には、その調整された音量レベルが、現在出力中のオーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量レベルとしてリアルタイムで変化することになる。つまり、遊技者による音量調整操作が行われることにより、オーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量が途中で変更されることで、オーバー入賞音又はオマケ入賞音の音量を当該音量調整操作の前後で異ならせることが可能となる。なお、音声画像表示領域736と第1賞球獲得表示領域732Aとはそれぞれ異なる表示領域として設けられており、音声調整画像とオーバー入賞画像とは互いに重複しない位置関係で別個に表示される。同様に、音声画像表示領域736と第2賞球獲得表示領域732Bとはそれぞれ異なる表示領域として設けられており、音声調整画像とオマケ入賞画像とは互いに重複しない位置関係で別個に表示される。そのため、特別遊技の実行中にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合、オーバー入賞画像又はオマケ入賞画像が音量調整画像と被ることはなく、一方の情報によって他方の情報が隠れないようになっている。強調表示と音量調整画面とは、同時に実行された場合に重畳表示されるが、音量調整画面のほうが表示優先度は高く、重畳表示された場合は、強調表示よりも前面で音量調整画面が表示される(強調表示の一部または全部が、音量調整画面で隠れた形で表示される)。
≪一般入賞口の過剰入賞エラー発生条件≫
「エラー発生条件」とは、遊技機にエラーが発生したことを判定するための条件である。本実施形態では、主制御基板100が所定のエラー発生条件が成立したことを判定した場合、主制御基板100から演出制御基板200へ所定の演出制御コマンド(エラー演出指定コマンド)が送信され、演出制御基板200によりエラー報知演出が行われる。
以下では、複数種のエラー発生条件のうちの一つとして、一般入賞口61〜64の過剰入賞エラー発生条件について説明する。本実施形態では、複数の一般入賞口61〜64のうち、一般入賞口61〜63の過剰入賞エラー発生条件と、一般入賞口64の過剰入賞エラー発生条件とが異なる条件に設定されている。
一般入賞口61〜63の過剰入賞エラー発生条件は、単位時間(30秒間)内における一般入賞口61〜63への遊技球の入球数(左一般入賞口スイッチ611による遊技球の検出個数)が第1規定数に到達した場合に成立する条件である。第1規定数は、例えば、「30個」に設定されている。つまり、30秒間に30個の遊技球が一般入賞口61〜63に入球した場合に、一般入賞口61〜63の過剰入賞エラー発生条件が成立することになる。
一般入賞口64の過剰入賞エラー発生条件は、単位時間(30秒間)内における一般入賞口64への遊技球の入賞数(右一般入賞口スイッチ641による遊技球の検出個数)が第2規定数に到達した場合に成立する条件である。第2規定数は、例えば、「60個」に設定されている。つまり、30秒間に60個の遊技球が一般入賞口64に入球した場合に、一般入賞口64の過剰入賞エラー発生条件が成立することになる。
なお、本実施形態の変形例として、現在実行中の遊技状態の種類に応じて、一般入賞口61〜64の過剰入賞エラー発生条件を設定してもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)であれば、一般入賞口64よりも一般入賞口61〜63の方が単位時間あたりの入球頻度が相対的に高くなるはずであるため、一般入賞口64の過剰入賞エラー発生条件よりも一般入賞口61〜63の過剰入賞エラー発生条件の方が条件成立の閾値が高くなるように設定されている。その場合には、遊技球が一般入賞口61〜63に所定条件(所定の入球頻度)で入球した場合であっても過剰入賞エラー条件は成立しないが、遊技球が一般入賞口64に所定条件(所定の入球頻度)で入賞した場合は過剰入賞エラーが発生することになる。一方、第2特別図柄の変動表示が主体となる遊技状態(確変遊技状態、時短遊技状態)であれば、一般入賞口61〜63よりも一般入賞口64の方が単位時間あたりの入球頻度が相対的に高くなるははずであるため、一般入賞口61〜63の過剰入賞エラー発生条件よりも一般入賞口64の過剰入賞エラー発生条件の方が条件成立の閾値が高くなるように設定されている。その場合には、遊技球が一般入賞口64に特定条件(特定の入球頻度)で入球した場合であっても過剰入賞エラーは成立しないが、遊技球が一般入賞口61〜64に特定条件(特定の入球頻度)で入球した場合は過剰入賞エラーが発生することになる。
なお、一般入賞口61〜63の過剰入賞エラー発生条件と、一般入賞口64の過剰入賞エラー発生条件とを異なる条件に設定した場合であっても、一般入賞口61〜63の過剰入賞エラー解除条件と、右一般入賞口64の過剰入賞エラー解除条件とを同一の条件に設定することが好ましい。エラー解除条件とは、例えば、エラー報知演出が終了する条件(例としては、エラー報知画面の表示/エラー報知音の開始から30秒経過など)、過剰入賞エラーに係る外端信号のオン出力が停止される条件(オフ出力となる条件であり、例えば、出力開始から300秒経過など)、一旦電源断を行ってその後電源復帰させることなどが該当する。
≪オーバー入賞演出とオマケ入賞演出との重複実行≫
図31は、オーバー入賞演出とオマケ入賞演出との重複実行の説明に供するタイムチャートである。本実施形態では、オーバー入賞とオマケ入賞とが略同一のタイミングで発生した場合には、オーバー入賞演出とオマケ入賞演出とが重複実行され得るように構成されている。オーバー入賞演出とオマケ入賞演出との重複実行とは、オーバー入賞演出の実行期間(又は実行タイミング)と、オマケ入賞演出の実行期間(又は実行タイミング)とが重なることであり、両演出の実行期間の全部が重なる場合と、両演出の実行期間の一部が重なる場合とが含まれる。図示例では、オーバー入賞演出の実行期間とオマケ入賞演出の実行期間とが一部重複する場合を示している。なお、オーバー入賞演出とオマケ入賞演出とが重複実行される場合、オーバー入賞画像が表示される第1賞球獲得表示領域732Aと、オマケ入賞画像が表示される第2賞球獲得表示領域732Bとは互いに別個独立した表示領域として設けられているため、オーバー入賞画像とオマケ入賞画像とが前後に重畳表示されないようになっている。一方、オーバー入賞音とオマケ入賞音とは重複して出力されてもよく、一方のみを出力してもよい。一方のみを出力する仕様とした場合、先の入賞を優先してもよいし(つまり、先の入賞が大入賞口54への入賞であり、後の入賞が一般入賞口64への入賞である場合は、オーバー入賞音を優先し、先の入賞が一般入賞口64への入賞であり、後の入賞が大入賞口54への入賞である場合は、オマケ入賞音を優先する)、後の入賞を優先してもよい(つまり、先の入賞が大入賞口54への入賞であり、
後の入賞が一般入賞口64への入賞である場合は、オマケ入賞音を優先し、先の入賞が一般入賞口64への入賞であり、後の入賞が大入賞口54への入賞である場合は、オーバー入賞音を優先する)。先の入賞を優先する場合、例えば、先の入賞に係る入賞音の出力中に後の入賞があった場合、先の入賞に係る入賞音を出力し切ってから後の入賞に係る入賞音を出力開始するようにしてもよいし、後の入賞に係る入賞音を一切出力しないようにしてもよい。後の入賞を優先する場合、例えば、先の入賞に係る入賞音の出力中に後の入賞があった場合、先の入賞に係る入賞音を後の入賞を契機に中断して、その後は後の入賞に係る入賞音を出力開始するようにしてもよい。
本実施形態の変形例として、オーバー入賞とオマケ入賞とが略同一のタイミングで発生した場合には、オーバー入賞画像とオマケ入賞画像とを重複表示しないように構成してもよい。つまり、オーバー入賞とオマケ入賞とが略同一のタイミングで発生した場合、オーバー入賞画像の表示期間(又は表示タイミング)と、オマケ入賞画像の表示期間(又は表示タイミング)とが重ならないようにしてもよい。その場合には、両画像の表示期間の全部が重ならない場合と、両画像の表示期間の一部が重ならない場合とが含まれる。
なお、オーバー入賞画像とオマケ入賞画像とを重複表示しない場合には、オマケ入賞画像およびオーバー入賞画像のうちの時間的に先に入賞した方(先に遊技球の入球が検知された方)の入賞画像を優先的に表示するように構成してもよい。また、それとは逆の構成として、オーバー入賞画像とオマケ入賞画像とを重複表示しない場合には、オマケ入賞画像およびオーバー入賞画像のうちの時間的に後に入賞した方(後に遊技球の入球が検知された方)の入賞画像を優先的に表示するように構成してもよい。
(複数回のオーバー入賞)
図32は、所定期間内にオーバー入賞およびオマケ入賞がそれぞれ複数回発生した場合のタイムチャートである。本実施形態では、所定期間(図示例ではインターバル期間)内において複数回のオーバー入賞が発生した場合には、1回目のオーバー入賞(11個目の遊技球の入賞)に対してはオーバー入賞演出が行われるが、2回目以降のオーバー入賞(12個目以降の遊技球の入賞)に対してはオーバー入賞演出が行われないように構成されている。つまり、所定期間内に複数回のオーバー入賞が発生した場合には、1回目のオーバー入賞演出の実行のみが許容され、2回目以降のオーバー入賞演出の実行は制限されている(規制されている)。但し、オーバー入賞による賞球払出は2回分行われ、オーバー入賞による大入賞口カウントアップ演出も2回分行われる(1回目の大入賞口カウントアップ演出を中断することなく2回分行われる)。一方、本実施形態では、所定期間(図示例ではインターバル期間)内において複数回のオマケ入賞が発生した場合は、各回のオマケ入賞のそれぞれに対して、オマケ入賞演出が行われ、オマケ入賞による賞球払出も2回分行われ、オマケ入賞による一般入賞口カウントアップ演出も2回分行われる(1回目の一般入賞口カウントアップ演出を中断することなく2回分行われる)ように構成されている。つまり、所定期間内に複数回のオマケ入賞が発生した場合には、複数回全てのオマケ入賞演出の実行が許容されている。変形例としては、所定期間内において複数回のオーバー入賞が発生した場合には、1回目のオーバー入賞(11個目の遊技球の入賞)に対してオーバー入賞演出が行われ、2回目以降のオーバー入賞(12個目以降の遊技球の入賞)に対してもオーバー入賞演出が行われるように構成する一方、1回目のオーバー入賞演出の実行中に2回目のオーバー入賞があった場合、(1)1回目のオーバー入賞演出が終了してから(完了し切ってから)、2回目のオーバー入賞演出の実行を開始する、もしくは、(2)1回目のオーバー入賞演出が途中であっても2回目のオーバー入賞を契機として中断し、その後2回目のオーバー入賞演出の実行を開始するよう構成してもよい。その場合、(1)(2)のいずれであっても、オーバー入賞による賞球払出は2回分行われ、オーバー入賞による大入賞口カウントアップ演出も2回分行われる(1回目の大入賞口カウントアップ演出を中断することなく2回分行われる)ことが好適である。更に、所定期間
内において複数回のオマケ入賞が発生した場合には、1回目のオマケ入賞に対してオマケ入賞演出が行われ、2回目以降のオマケ入賞に対してもオマケ入賞演出が行われるように構成する一方、1回目のオマケ入賞演出の実行中に2回目以降のオマケ入賞があった場合、(3)1回目のオマケ入賞演出が終了してから(完了し切ってから)、2回目のオマケ入賞演出の実行を開始する、もしくは、(4)1回目のオマケ入賞演出が途中であっても2回目のオマケ入賞を契機として中断し、その後2回目のオマケ入賞演出の実行を開始するよう構成してもよい。その場合、(3)(4)のいずれであっても、オマケ入賞による賞球払出は2回分行われ、オマケ入賞による一般入賞口カウントアップ演出も2回分行われる(1回目の一般入賞口カウントアップ演出を中断することなく2回分行われる)ことが好適である。
≪外部情報信号≫
本実施形態において、外部情報端子板600が外部情報として機外の外部装置に出力する外部情報信号(外端信号)には、例えば、賞球信号、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号、扉枠開放信号、セキュリティ信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号などが含まれる。
ここで、遊技機PMの外部に設置された外部装置には、データ表示器や、ホールコンピュータなどがある。データ表示器は、遊技機PMの上部に設置されて、遊技機PMから出力される外部情報信号に基づき、遊技機PMの動作状態に関するデータ(遊技情報)を表示する装置である。このデータ表示器に表示された遊技情報は、遊技者が遊技機を選択するうえで有益な判断材料となる。ホールコンピュータは、遊技店内のホールに設置された各遊技機から出力される外部情報信号に基づき、各遊技機(本遊技機PMもその一つである)の動作状態を集計して、各遊技機の稼働状況などを管理する装置である。このホールコンピュータは、データ表示器を介して本遊技機PMに電気接続されていても、データ表示器を介さずに本遊技機PMに電気接続されていてもよい。
(賞球信号)
賞球信号は、本遊技機から所定数(本実施形態では「10個」)の遊技球が払い出されるごとに所定時間だけ出力される外部情報信号である。つまり、本実施形態では、賞球が10個払い出されるごとに、賞球信号が所定時間(例えば100ms)だけ継続して出力される。本実施形態では、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球の個数をカウントする賞球個数カウンタを備えており、賞球払出ユニット34に設けられた払出検出スイッチにて遊技球が1個検出されるごとに、賞球個数カウンタに「1」が加算される。そして、賞球個数カウンタの値が所定数「10」に達すると、外部情報端子板600から賞球信号が出力されることになる。なお、賞球個数カウンタの値が所定数「10」に達すると、該カウント値が初期値「0」に戻る(すなわち、初期値「0」からカウントされる)。
図33は、一般入賞口64に遊技球が入球した場合の賞球信号のタイムチャートである。本実施形態では、遊技球が一般入賞口64に1個入球することに基づき付与される賞球数(単位賞球数)は「3個」である。そのため、右一般入賞口スイッチ641にて遊技球の入球が検出されると、賞球払出ユニット34から3個の遊技球が払い出され、賞球個数カウンタの値に「3」が加算される。このとき、図中の(A)に示すように、加算前の賞球個数カウンタの値が「0」〜「6」までの範囲(図示例では「0」に相当)にある場合には、加算後の賞球個数カウンタの値が所定数まで到達することはなく、賞球信号は出力されない。一方、図中(B)に示すように、加算前の賞球個数カウンタの値が「7」〜「9」までの範囲(図示例では「7」に相当)にある場合には、加算後の賞球個数カウンタの値が所定数に1回到達することで、賞球信号が1回出力されることとなる。よって、本実施形態では、一般入賞口64に遊技球が1個入球することを契機(一般入賞口通常入賞演出が1回実行されることを契機)として、賞球信号が1回も出力されない場合と、賞球
信号が1回出力される場合とがある。なお、上述の説明では、複数の一般入賞口61〜64のうち、一般入賞口64を例に挙げて説明したが、一般入賞口61〜63についても同様のことが言える。
図34は、大入賞口54に遊技球が入球した場合の賞球信号のタイムチャートである。本実施形態では、遊技球が大入賞口54に1個入球することに基づき付与される賞球数(単位賞球数)は「15個」である。そのため、大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球が検出されると、賞球払出ユニット34から15個の遊技球が払い出され、賞球個数カウンタの値に「15」が加算される。このとき、加算前の賞球個数カウンタの値が「0」〜「4」までの範囲にある場合(図示例では「0」に相当)には、加算後の賞球個数カウンタの値が所定数に1回到達することで、賞球信号が1回出力されることとなる。一方、加算前の賞球個数カウンタの値が「5」〜「9」までの範囲(図示例では「5」に相当)にある場合には、加算後の賞球個数カウンタの値が所定数に2回到達することで、賞球信号が2回出力されることとなる。よって、本実施形態では、大入賞口54に遊技球が1個入球することを契機(大入賞口通常入賞演出又は大入賞口オーバー入賞演出が1回実行されることを契機)として、賞球信号が1回出力される場合と、賞球信号が2回出力される場合とがある。
<その他の大当り中演出との関係>
次に、入賞関連演出(大入賞口入賞演出、一般入賞口入賞演出)と、その他の大当り中演出との関係について説明する。以下では、その他の大当り中演出として、(C)保留連示唆演出と、(D)昇格演出と、(E)特別演出とを例示する。
≪C.保留連示唆演出≫
保留連示唆演出は、特別遊技の実行中に保留内連荘が成立していること(大当り保留が存在すること)を示唆する演出である。「保留内連荘」とは、前述したとおり、或る先行の作動保留球が消化されることで行われた特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合に、当該作動保留球に係る特別図柄の当否判定が許可されてから当該大当りを契機として実行される特別遊技の終了時までの間の所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「大当り保留」とも称する)が含まれていることをいう。なお、本実施形態では、現在実行中の特別遊技の実行契機となる大当り発生時の遊技状態が特定遊技状態(高ベース状態)であり、且つ、該特別遊技の終了後の遊技状態も特定遊技状態(高ベース状態)となる場合、すなわち、連荘の継続中である場合に、保留内に大当り保留があれば、現在実行中の特別遊技にて保留連示唆演出が実行される。逆を言えば、現在実行中の特別遊技の実行契機となる大当り発生時の遊技状態が通常遊技状態(低ベース状態)である場合には、例え保留内に大当り保留が存在しても、現在実行中の特別遊技にて保留連示唆演出が実行されない。また、現在実行中の特別遊技が第2特別図柄に係る当否判定結果に基づくものであることが好適であり、更に保留内の大当り保留も第2特別図柄に係る保留であることが好適である。
本実施形態では、保留連示唆演出の実行タイミングは、図12および図14に示すように、大当り終了デモ期間に設定されている。保留連示唆演出の実行可否は、特別遊技実行開始時に行われ、特別遊技実行開始時に保留連示唆演出実行条件が成立している場合に抽選で決定される。変形例としては、大当り終了デモの開始直前又は開始時に保留連示唆演出実行条件が成立していることを契機として行われた実行抽選にて当選した場合に、保留連示唆演出を実行してもよい。
保留連示唆演出実行条件は、現在実行中の特別遊技の実行契機となった大当りの種別が高利益大当り(16R特定大当り)であることを前提に、1又は複数の特別図柄の作動保留球内に高利益大当り(16R特定大当り)となる大当り保留が含まれている場合に成立
する条件である。換言すれば、特別図柄の作動保留球内に大当り保留が存在していても、その大当り保留に係る大当り種別が高利益大当りではない場合(4R特定大当りまたは4R通常大当りである場合)は、保留連示唆演出が実行されない。更に言えば、特別図柄の作動保留球内に大当り保留が複数存在する状況において、先の大当り保留に係る大当り種別が低利益大当りで、後の大当り保留に係る大当り種別が高利益大当りである場合には、現在実行中の特別遊技にて保留連示唆演出を実行しない。従って、本実施形態では、特別遊技の実行中に保留連示唆演出が実行された場合、該特別遊技の終了後の所定回数(4回転)以内の変動表示にて高利益大当り(16R大当り)が発生することが確定的となるだけでなく、保留連示唆演出が実行された特別遊技の次の特別遊技が低利益大当り(4R特定大当りまたは4R通常大当り)ではないことが確定的となる。なお、本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する「特図2優先消化方式」を採用しており、保留内連荘の対象となる作動保留球は、第2特別図柄の作動保留球に限られる。
保留連示唆演出は、大当り終了デモ期間中に実行されて、その他のいかなる場面でも現出することのない特殊画像が表示される演出である。この特殊画像としては、静止画で構成される演出画像、動画で構成される演出画像、静止画および動画の両方で構成される演出画像を例示できる。
本実施形態では、保留連示唆演出は、現在実行中の特別遊技が高利益特別遊技(16R特別遊技)である場合にのみ実行され得る。すなわち、保留連示唆演出は、大当り中演出パターンとして、超寿大当り演出においてのみ実行され得る。一方、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、現在実行中の特別遊技が高利益特別遊技(16R特別遊技)であっても低利益特別遊技(4R特別遊技)であっても実行され得る。すなわち、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、大当り中演出パターンとして、超寿大当り演出、寿大当りA演出、寿大当りB演出、喜大当りA演出、喜大当りB演出のいずれにおいても実行され得る。
本実施形態では、保留連示唆演出の実行中は、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出は実行されない。すなわち、保留連示唆演出の実行期間(実行タイミング)と、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行期間(実行タイミング)とが重複することはない。つまり、保留連示唆演出は、大当り終了デモ期間に実行されるのに対して、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、大当り終了デモ期間中に実行されることはなく、インターバル期間中に実行されるからである。従って、特別遊技の実行中に、保留連示唆演出とオーバー入賞演出とが重複実行されることはなく、また、保留連示唆演出とオマケ入賞演出とが重複実行されることはなく、保留連示唆演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とは単独実行されるようになっている。変形例としては、ラウンド遊技中に保留連示唆演出を実行するよう構成してもよく、その場合、保留連示唆演出とオーバー入賞演出とが重複実行されてもよく、また、保留連示唆演出とオマケ入賞演出とが重複実行されてもよく、そのように構成する場合、保留連示唆演出の方が表示優先度が高く(オーバー入賞画像やオマケ入賞画像の表示を背面に表示する、または、非表示とする)、また、保留連示唆演出時の特殊な効果音が発生する場合は、この特殊な効果音を優先して出力する(オーバー入賞音やオマケ入賞音の音量を低減させる、または、出力しない)よう構成してよい。
また、本実施形態では、保留連示唆演出の実行時間は、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間と比較して、長時間に設定されている。保留内連荘は、オーバー入賞やオマケ入賞と比べて、遊技者にとって利益度合いの高い褒賞であるため、保留内連荘演出の実行時間を相対的に長く設定して、遊技者が見逃すことのないようにしている。
なお、本実施形態では、保留内連荘演出を保留内連荘の成立を確定的に報知する「真実
の演出」としてのみ実行されるが、その変形例として、実際には保留内連荘が成立していない「ガセの演出」を含めてもよい。なお、本例では、保留内連荘演出の実行条件の一つとして、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)の大当り保留であることを条件としているが、これに限定されるものではなく、先行の作動保留球は高利大当り(16R大当り)以外の大当り保留、すなわち、低利益大当り(4R大当り)に対応する大当り保留であってもよい。
また、累積賞球数表示の表示態様を通常表示態様(例えば白色表示)から特殊表示態様(金色表示)に変化させることで、保留内連荘が成立していることを示唆してもよい。また、累積賞球数の値が特定値に達することで行われる強調演出(強調表示)の実行タイミングにて保留連示唆演出を行ってもよい。その場合には、強調演出の表示態様により保留内連荘が成立していることを示唆することが好適である。
≪D.昇格演出≫
昇格演出とは、特別図柄の変動表示にて大当りが発生した場合に、その特別遊技の開始前又は開始時に当該大当りに係る利益態様(便宜上「仮の利益態様」とする)を示唆又は報知した後、その特別遊技の実行中において当該大当りに係る現実の利益態様が仮の利益態様よりも利益度合いが高いか否かを示唆する演出である。つまり、特別遊技の開始前又は開始時に示唆された当該大当りの利益態様が真実(そのとおりの利益態様)なのか、虚偽(高い利益態様)なのかを示唆して、その一連の過程を通じて当該大当りの利益態様が昇格(変化)するか否かを見せる演出である。
昇格演出の種類は、ラウンド昇格演出と、確変昇格演出とに大別される。ラウンド昇格演出は、大当り発生時に示唆又は報知された特別遊技の規定ラウンド数(仮の規定ラウンド数)が真実のラウンド数か虚偽のラウンド数か不確定な状態において、その仮のラウンド数以降においてもラウンド遊技が継続する可能性を示唆する演出である。このラウンド昇格演出には、単にラウンド昇格したことを示唆するものと、ラウンド昇格することだけでなく真の規定ラウンド数又は長開放ラウンド数までも示唆するものとがある。確変昇格演出は、大当り発生時に示唆又は報知された大当り種別(仮の大当り種別)が真実の大当り種別か虚偽の大当り種別であるか不確定な状態(特定大当りであるか否か不確定な状態)において、特別遊技の終了後に確変遊技状態に移行する可能性を示唆する演出である。本実施形態では、特別遊技の実行中に昇格演出(ラウンド昇格演出、確変昇格演出)が発生した時点で、昇格成功することが確定的となる。
確変昇格演出は、図11,図16に示すように、通常遊技状態で第1特別図柄の「4R特定大当り」に当選したとき、又は、時短遊技状態もしくは確変遊技状態で第2特別図柄の「4R特定大当り」に当選したときに、その大当り中演出パターンとして「喜大当りB演出」が選択された場合に実行される。この確変昇格演出の実行タイミングは、大当り終了デモ期間中に設定されている。この確変昇格演出は、可動役物24を落下移動させて画面と重なる状態とした後、この可動役物24を再び上方に移動させることで露出された画面上に「寿大当り」というタイトルを表示することにより、「喜大当り演出」から「寿大当り演出」に昇格(大当り種別が4R通常大当りから4R特定大当りに昇格)したかの如く見せる演出内容である。
ラウンド昇格演出は、図11,図14に示すように、時短遊技状態又は確変遊技状態で第2特別図柄の「16特定大当り」に当選したときに、その大当り中演出パターンとして「寿大当りB演出」が選択された場合に実行される。このラウンド昇格演出の実行タイミングは、第4ラウンドから該第4ラウンドのインターバル期間までに亘り設定されている。このラウンド昇格演出は、画面上に「最終ラウンド」という文字(偽の表示物)を一旦表示して現在実行中のラウンド遊技が最終回のラウンド遊技であるかのように見せかけた
後、本機種の主要キャラクタの発する「そんなわけないでしょう!」というメッセージのカットイン画像を表示し、その後、「超寿大当り」というタイトルを表示することで、「寿大当り演出」から「超寿大当り演出」に昇格(大当り種別が4R特定大当りから16R特定大当りに昇格)したかの如く見せる演出内容である。
本実施形態では、ラウンド昇格演出は、現在実行中の特別遊技が「16R特別遊技(高利益特別遊技)」である場合にのみ実行され得るが、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、現在実行中の特別遊技が「16R特別遊技(高利益特別遊技)」、「4R特別遊技(低利益特別遊技)」のいずれであって実行され得るように構成されている。
また、本実施形態では、確変昇格演出の実行中には、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行されないように構成されている。すなわち、確変昇格演出の実行期間(実行タイミング)と、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行期間(実行タイミング)とが重複することはない。つまり、確変昇格演出は、大当り終了デモ期間に実行されるのに対して、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、大当り終了デモ期間中に実行されることはなく、インターバル期間中に実行されるからである。従って、特別遊技の実行中に、確変昇格演出とオーバー入賞演出とが重複実行されることはなく、また、確変昇格演出とオマケ入賞演出とが重複実行されることはなく、確変昇格演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とは単独実行されるようになっている。変形例としては、ラウンド遊技中に確変昇格演出を実行するよう構成してもよく、その場合、確変昇格演出とオーバー入賞演出とが重複実行されてもよく、また、確変昇格演出とオマケ入賞演出とが重複実行されてもよく、そのように構成する場合、確変昇格演出の方が表示優先度が高く(オーバー入賞画像やオマケ入賞画像の表示を背面に表示する、または、非表示とする)、また確変昇格演出時の特別な効果音が発生する場合は、この特別な効果音を優先して出力する(オーバー入賞音やオマケ入賞音の音量を低減させる、または、出力しない)よう構成してよい。
また、本実施形態では、ラウンド昇格演出の実行中に、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が重複実行され得るように構成されている。すなわち、ラウンド昇格演出は、第4ラウンドから該第4ラウンドのインターバル期間までに亘り実行されるため、該インターバル期間内にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、ラウンド昇格演出の実行期間(実行タイミング)と、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行期間(実行タイミング)とが重複し得ることとなる。また、ラウンド昇格演出の方が表示優先度が高く(オーバー入賞画像やオマケ入賞画像の表示を背面に表示する、または、非表示とする)、またラウンド昇格演出時の専用の効果音が発生する場合は、この専用の効果音を優先して出力する(オーバー入賞音やオマケ入賞音の音量を低減させる、または、出力しない)よう構成してよい。
また、本実施形態では、ラウンド昇格演出の実行時間を、第4ラウンドの開始時からインターバル期間の終了時までの「31秒」に設定し、確変昇格演出の実行時間を、大当り終了デモの開始時から終了時までの「20秒」に設定している。一方、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間は、それぞれ「0.5秒」に設定している。従って、ラウンド昇格演出の実行時間は、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間と比較して、長時間に設定されている。また、確変昇格演出の実行時間は、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間と比較して、長時間に設定されている。
≪E.特別演出≫
特別演出は、所定の連荘条件が成立した場合に実行される希少性の高い演出である。「所定の連荘条件」とは、大当りの連荘回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達し、且つ、少なくとも規定回数目(本実施形態では20回目)の大当りの種別が最高利益大当り(16R特定大当り)となる場合に成立する条件である。この特別演出は、規定回数
目(20回目)の大当りが発生したことを契機として行われる特別遊技(16R特別遊技)の実行中に現出する。但し、この特別演出は、最終回(第16ラウンド目)のラウンド遊技で終了し、その後の終了デモ期間は含まれない(但し、最終回のインターバル期間を含むものでも、最終回のインターバル期間を含まないものでもよい)。また、この特別演出は、本機種の希少性の高いプレミアキャラクタを1カットずつ順番に表示する演出内容(スペシャルムービー)で構成されている。
なお、所定の連荘条件として、連荘の規定回数の他に、例えば、連荘状態での16R特定大当りの累積回数が所定回数に到達すること(第2特別図柄の16R特定大当りが規定回数連続すること)や、連荘状態での総獲得ラウンド数や累積賞球数が所定数に到達することなどを条件に加えてもよい。ここで、「連荘(連荘状態)」とは、前述したように、非特別遊技状態中の遊技状態として、非特定遊技状態から特定遊技状態への移行契機となる初当りの発生後、非特定遊技状態に戻ることなく、特定遊技状態が継続している状態(初当り時を起点とし、その後、特定遊技状態での大当りが連続して発生している状態)のことを言う。「特定遊技状態」とは、通常遊技状態よりも特別遊技への移行確率が高められた遊技状態であり、広義には、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のうちの何れかの機能が作動している遊技状態のことである。なお、本実施形態において、特定遊技状態とは、少なくとも電チューサポート機能が作動している遊技状態、すなわち、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態を意味する。
本実施形態では、特別演出は、現在実行中の特別遊技が高利益特別遊技(16R特別遊技)である場合にのみ実行され得る。一方、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は、現在実行中の特別遊技が高利益特別遊技(16R特別遊技)であっても低利益特別遊技(4R特別遊技)であっても実行され得る。
本実施形態では、特別演出の実行中には、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生したとしても、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行されないように構成されている。すなわち、特別演出の実行期間(実行タイミング)と、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行期間(実行タイミング)とが重複することはない。その理由としては、特別演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とが競合する場合には、希少性の高い特別演出の実行(特別演出でしか見ることのできないプレミアキャラクタの表示)を優先する方が遊技者にとって満足の得られる結果となるからである。
なお、本実施形態の変形例として、特別演出の実行中にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出を重複実行するように構成してもよい。特別演出とオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出とを重複実行する場合には、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも、特別演出の表示の優先度(レイヤの優先度)の方が高く設定されていることが好適である。但し、特別演出は画面全体に大きく表示される演出であるのに対して、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出は画面の端の方に小さく表示される演出であるため、特別演出の表示の優先度(レイヤの優先度)よりも、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の表示の優先度(レイヤの優先度)の方が高く設定されていてもよい。
本実施形態では、特別演出の実行時間を、大当り開始デモの開始時から最終回(第16ラウンド)のラウンド遊技の終了時までの「499秒」に設定している。一方、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間は、それぞれ「0.5秒」に設定している。従って、特別演出の実行時間は、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行時間と比較して、長時間に設定されている。
なお、特別遊技の実行中に電源断が発生した場合(例えば、停電等により遊技機への電力供給が遮断された場合)、該電源断の復帰後にオーバー入賞又はオマケ入賞が発生していれば、該電源断の復帰後においてオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出が実行される。これは、オーバー入賞演出の実行決定やオマケ入賞演出の実行決定については、オーバー入賞やオマケ入賞を契機とする、つまり電源断復帰後の事象を契機とするため、実行することが可能である。一方、電源断の復帰後に主制御基板100から送信される電源断復帰用の演出制御コマンドには、保留連示唆演出、昇格演出および特別演出の復旧用のデータが含まれておらず、また、演出制御基板200のRAM203は電源バックアップされていないため、特別遊技の実行中に電源断が発生した場合には、該電源断時に各演出の実行条件が成立又は実行契機が到来したとしても、特別遊技開始時に実行可否を決定する保留連示唆演出、昇格演出、特別演出については、該電源断の復帰後においては、それらの演出の実行可否に関するデータが存在しない状態となるため、電源断復帰後においては実行されない。
<主制御基板側の処理>
次に、図35〜図48のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図35〜図36は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物522を電源断前の状態(例えば、第2始動口52を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物542を電源断前の状態(例えば、大入賞口54を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、確変フラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、確変フラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグ(特別図柄の確率変動機能が作動している状態であることを示すフラグ)である。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定す
る(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図37は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611,641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄変動パターン乱数、特別図柄変動付加パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数および特別図柄変動付加パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場
合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72による変動表示および停止表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。特別図柄遊技タイマには、特別図柄の変動表示の開始時に規定の変動時間が設定され、その時間の経過に伴い減算される。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の小当り遊技が実行された場合には、その小当り遊技の実行中は、一方の特別図柄の変動表示の計時が中断される。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口51の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口51の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、一般入賞口スイッチ611,641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報をメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。なお、この入賞監視処理(S59)の詳細は図25を用いて後述する。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、上記の入賞監視処理での検出結果に基づき、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート53への通過を監視し、作動ゲート53を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物522に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口51および第2始動口52への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数の
コマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物542に係る動作処理として、特別電動役物542の作動開始および作動終了の設定、大入賞口54の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口54の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口54の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物542が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S72)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、
払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物542を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部情報端子板600を介して、本遊技機PMに係る遊技情報を外部情報信号としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。この外部情報信号としては、例えば、賞球信号、扉枠開放信号、磁気センサ異常信号、断線短絡電源異常信号、異常センサ検知(入球通過時間異常等)信号、大当り信号、連荘中信号、図柄確定信号などがある。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S
26〜S32)を実行することとなる。
≪入賞監視処理≫
次に、入賞監視処理(S59)について説明する。図38は、入賞監視処理(S59)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口スイッチ入力処理を実行する(S101)。第1始動口スイッチ入力処理では、第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力したか否かを判定する。第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第1始動口51に入球したことを示す第1始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第1始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第1始動口スイッチ511からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、第2始動口スイッチ入力処理を実行する(S102)。第2始動口スイッチ入力処理では、第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力したか否かを判定する。第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第2始動口52に入球したことを示す第2始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第2始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第2始動口スイッチ521からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
次いで、作動ゲートスイッチ入力処理を実行する(S103)。作動ゲートスイッチ入力処理では、作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力したか否かを判定する。作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力した場合は、遊技球が作動ゲート53を通過したことを示す作動ゲート入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、作動ゲート入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、作動ゲートスイッチ531からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、大入賞口スイッチ入力処理を実行する(S104)。大入賞口スイッチ入力処理では、大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力したか否かを判定する。大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力した場合は、遊技球が大入賞口54に入球したことを示す大入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、大入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、大入賞口スイッチ541からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、左一般入賞口スイッチ処理を実行する(S105)。左一般入賞口スイッチ入力処理では、左一般入賞口スイッチ611からの検出信号を入力したか否かを判定する。左一般入賞口スイッチ611からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口61〜63のいずれかに入球したことを示す左一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞データ格納領域に一時記憶するとともに、左一般入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、左一般入賞口スイッチ611からの検出信号の入力がなければ、今回の入賞監視処理を終了する。
続いて、右一般入賞口スイッチ処理を実行する(S106)。右一般入賞口スイッチ入力処理では、右一般入賞口スイッチ641からの検出信号を入力したか否かを判定する。右一般入賞口スイッチ641からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口64に入球したことを示す右一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞データ格納領域に一時記憶するとともに、右一般入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、右一般入賞口スイッチ641からの検出信号の入力がなければ、今回の入賞監視処理を終了する。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図39は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口51への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口51への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段1
80の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口51の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口52への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口52への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口52の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、始動口入賞時に取得された各種乱数に基づく先読み判定情報を生成するため、当り乱数バッファ(保留n記憶領域またはレジスタなど)から特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図40は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否か
を判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図68を用いて後述する。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)について説明する。図41は、特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S305,S309)では、上述のS304又はS308で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域、特別図柄変動付加パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図
柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄(図柄群)、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された停止図柄(図柄群)の種類と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合(S342:NO)は、S351に移行する。
特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合(S342:YES)は、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において特別図柄の確率変動機能が作動する回数として、確率変動回数を決定する(S345)。また、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数として、変動時間短縮回数を決定する(S346)。さらに、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、大当り当選時の遊技状態とに基づき、大当り遊技の終了後において電チューサポート機能が作動する回数として、電サポ回数を決定する(S347)。この判定結果(確率変動回数、変動時間短縮回数、電サポ回数)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および電サポ回数格納領域に記憶される。続いて、S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)に基づき、大当り遊技(ラウンド遊技)中の特別電動役物542の作動パターンを設定する(S348)。具体的には、特別電動役物542の作動パターンとして、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドにおける大入賞口54の開放パターン(最大開放時間)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、大当り遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S349)。続いて、S330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S350)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S351)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S352)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図42は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物542が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特
別電動役物542が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図43を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S404,S407)。ここで、図43は、特別図柄制御汎用処理(S404,S407)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S404,S407)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図44を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図45を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図46を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図44は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図45は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図46は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、確変フラグに「00H(オフ)」を設定するとともに、確率変動回数カウンタ、変動時間短縮回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、変動時間短縮回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。変動時間短縮回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の変動時間短縮回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の電サポ回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、電サポ回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。電サポ回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の電サポ回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図47〜図48は、電動役
物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物542が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物542の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物542の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物542の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物542の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物542の作動を開始して(S505)、特別電動役物542の作動中の処理として、S506〜S510の処理を実行する。
特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物542の作動を停止させる(S508)。そして、特別電動役物542の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物542の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
他方、特別電動役物542の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、変動時間短縮回数カウンタに、上記S346で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S512)。また、電サポ回数カウンタに、上記S347で設定した電サポ回数情報を格納する(S513)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに、上記S345で設定した確率変動回数(作動時データ)を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、電サポ回数カウンタに記憶された電サポ回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519〜S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物522の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519〜S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512〜S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図49〜図55のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理:最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理:最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理:レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理:レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理:レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理:レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、サブメインCPU201が不正な命令を実行したとき、サブメインCPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図49は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図39を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図50は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行して
いるときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S622)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄の変動変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、所定の操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、演出ボタン15の入力状態に関する情報を保持する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S618)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された予告演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出パターン格納領域に一時記憶される。また、この予告演出パターン番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターンが選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動役物24の駆動パターンが特定される。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレ
ーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図51を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)、すなわち、コマンドバッファが空である場合には、所定時間が経過するまで、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。なお、本実施形態では、上記の所定時間として、ランプLPの切り替え制御の最小単位(32ms)の半分の時間となる「16ms」が設定されている。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの各種の演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S622)について説明する。図51は、コマンド解析処理(S622)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態情報および変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留画像表示部710に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変
動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を終了させるための処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドが含まれる。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドが含まれる。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に入賞口入賞関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。ここで、この入賞口入賞関連コマンドには、第1始動口入賞コマンド、第2始動口入賞コマンド、作動ゲート入賞コマンド、大入賞口入賞コマンド、左一般入賞口入賞コマンド、右一般入賞口入賞コマンドなどが含まれる。この入賞口入賞関連コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、入賞演出内容決定処理(S642)へ移行する。この入賞演出内容決定処理(S642)の詳細は図52を用いて後述する。
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S643)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S643:YES)には、エラー演出内容決定処理(S644)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S644)では、サブ情報記憶手段280からエラー演出指定コマンドを読み出して、液晶表示装置70の画像表示、演出ランプLPの点灯、スピーカ11の音声などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO、S643:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
(入賞演出内容決定処理)
次に、入賞演出内容決定処理(S642)について説明する。図52は、入賞演出内容決定処理(S642)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口入賞演出制御処理を実行する(S701)。この第1始動口入賞演出制御処理(S701)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、第1始動口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、第1始動口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が第1始動口51
に入球したことを報知する第1始動口入賞演出を実行する。
続いて、第2始動口入賞演出制御処理を実行する(S702)。この第2始動口入賞演出制御処理(S702)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、第2始動口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、第2始動口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が第2始動口52に入球したことを報知する第2始動口入賞演出を実行する。
続いて、作動ゲート入賞演出制御処理を実行する(S703)。この作動ゲート入賞演出制御処理(S703)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、作動ゲート入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、作動ゲート入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が作動ゲート53を通過したことを報知する作動ゲート入賞演出を実行する。
続いて、大入賞口入賞演出制御処理を実行する(S704)。この大入賞口入賞演出制御処理(S704)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、大入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、大入賞口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が大入賞口54に入球したことを報知する大入賞口入賞演出を実行する。
続いて、左一般入賞口入賞演出制御処理を実行する(S705)。この左一般入賞口入賞演出制御処理(S705)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、左一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、左一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が一般入賞口61〜63のいずれかに入球したことを報知する左一般入賞口入賞演出を実行する。
続いて、右一般入賞口入賞演出制御処理を実行する(S706)。この右一般入賞口入賞演出制御処理(S706)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、右一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、右一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、所定の演出実行条件を充足していることを条件に、遊技球が一般入賞口64に入球したことを報知する右一般入賞口入賞演出を実行する。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図53は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば
、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。そして、当該演出制御コマンド受信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図54は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S917)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S916)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S917のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S9189の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S919のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S917)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S621)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S918)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基
板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S919)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S616)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図55は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像制御コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
以上、本実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
まず、本実施形態によれば、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口54に規定カウント数を超過して入球することを契機としてオーバー入賞演出が実行されることで、オーバー入賞が発生したことを遊技者に明確に報知して、本来であれば得ることのできない特別な利益を享受できたことに対する遊技者の満足感および高揚感を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、特別遊技の実行中に遊技球が大入賞口54に入球することを契機として大入賞口入賞演出(オーバー入賞演出)を行い、遊技球が一般入賞口64に入球することを契機として一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)を行うことで、特別遊技の実行中に行われる大入賞口入賞演出と一般入賞口入賞演出との間で減り張りを付けて、大当り中演出の単調性を解消することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、特別遊技の実行中に遊技球が一般入賞口64に入球することを契機として一般入賞口入賞演出(オマケ入賞演出)を行うことで、大入賞口54を狙って遊技を進めることだけが遊技者の唯一の関心事となるのを防止して、一般入賞口64
を狙う面白みを遊技者に享受させることができるようになり、遊技者が積極的に遊技球を一般入賞口64に入球させる機会を増大させることが期待でき、遊技者の射幸心を高めるとともに、遊技をより一層興趣性の富んだものにすることでき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、大入賞口カウントアップ演出の実行時間を大当り終了デモ期間やインターバル期間との関係で適宜に設定することで、大入賞口カウントアップ演出が行われるタイミングや、大入賞口カウントアップ演出の連続回数等に依らず、この大入賞口カウントアップ演出を必要以上に間延びさせずに適切に完結させることができるため、前後のラウンド遊技間の区切りや、特別遊技と該特別遊技の終了後の変動表示との区切りを明確に付けて、遊技者が現在の遊技状況を誤認することを未然に防止できるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。特に、規定カウント数分の大入賞口カウントアップ演出の実行時間の合計時間が、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成したことで、最終回のラウンド遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞口に連続して入球することに基づき複数回の大入賞口カウントアップ演出が連続的に行われる場合であっても、大当り終了デモ期間内に大入賞口カウントアップ演出が完結することになる。そのため、大入賞口カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることが可能となる。
また、本実施形態によれば、先の大入賞口カウントアップ演出の実行中に、後の大入賞口カウントアップ演出の実行条件が成立した場合に、先の大入賞口カウントアップ演出の実行が終了してから後の大入賞口カウントアップ演出の実行を開始させることで、該カウント演出の処理が煩雑になるのを防止でき、また、この先後2回の大入賞口カウントアップ演出の区切りが明確になることで、累積賞球数のカウントアップ表示が遊技者にとって見辛いものとなることがなく、画面上で累積賞球数がテンポ良く次々と増加していく様子を遊技者は満足感を持って見ることができるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、オーバー入賞が発生することで累積賞球数が特定値に達して強調演出が行われる場合、或いは、強調演出が行われている状況でオーバー入賞が発生した場合には、この強調演出とオーバー入賞演出とを重複して実行することで、累積賞球数が特定数に到達するという規則性のないタイミングと、オーバー入賞が発生するという規則性のないタイミングとが合致する滅多にない特別な状況であることを両演出の現出によって遊技者に明確に報知することができるため、遊技者の高揚感および達成感を一層高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が相対的に高い特定のエラーが発生している状況で、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行を制限することで、遊技機に重大なエラーが発生していることを見逃さないようになっている。一方、遊技の続行が禁止又は困難とされる優先度(重要度)が相対的に低い非特定のエラーが発生している状況で、オーバー入賞又はオマケ入賞が発生した場合には、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出の実行を許容しても特に実害が生じることはなく、却ってエラー報知演出によりオーバー入賞演出が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるため、オーバー入賞演出を実行することにしている。このように遊技機に発生したエラーの種別に応じて、当該エラーの発生およびオーバー入賞の発生を適切に報知することで、過剰にオーバー入賞演出の発生を阻害することなく、遊技者の遊技意欲を持続させることができるため、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、連荘が継続している場合、特別遊技の実行中だけでなく、当該特別遊技の終了後の電サポ状態においても累積賞球数を表示することで、連荘中の累積賞球数をさらに延ばすことを期待しながら遊技者が遊技を進めることが期待され、大当り発生に対する遊技者の意欲を一層高めることができるとともに、遊技機の稼働率を向上させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、特別遊技の実行中に、右側領域PA2に配された一般入賞口64に遊技球が入球することを契機としてオマケ入賞演出を実行する一方で、左側領域PA1に配された一般入賞口61〜63に遊技球が入球してもオマケ入賞演出を実行しないように構成したことで、オマケ入賞演出が無暗やたらに発生して、却ってオマケ入賞演出が単調になる(マンネリ化する)のを防止することができるとともに、大入賞口54への入賞を狙って遊技球を打ち出した結果、付随的に発生した一般入賞口64への入賞に対する喜びを一層高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、特別遊技の実行中にオーバー入賞とオマケ入賞とが略同時に発生した場合に、オーバー入賞演出とオマケ入賞演出とを重複実行することで、大入賞口54への遊技球の入球を狙って遊技をした結果、付随的に発生したオーバー入賞およびオマケ入賞の双方を遊技者に明確に報知することができるため、特別遊技の面白みを一層高めることができるとともに、大当り中演出が単調となるのを防止できるようになり、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、大当り終了デモ期間中におけるオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行を制限する一方で、最終回のラウンド遊技直後のインターバル期間中におけるオーバー入賞演出又はオマケ入賞演出の実行を許容することで、大当り終了デモの実行中に特別遊技が終了することを報知しているのにも関わらず、いずれかの入賞演出(オーバー入賞演出又はオマケ入賞演出)が割込み的に発生することにより、全体として統一感のない遊技演出となるのを防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、特別遊技中の所定期間内において複数回のオマケ入賞が発生した場合には、当該複数回のオマケ入賞演出の実行が許容される一方で、特別遊技中の所定期間内において複数回のオーバー入賞が発生した場合には、当該複数回のオーバー入賞のうちの1回目のオーバー入賞に対応するオーバー入賞演出のみが実行されることで、オーバー入賞演出が無暗やたらに発生して、却ってオーバー入賞演出が単調になる(マンネリ化する)のを防止することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技球が一般入賞口64に1個入球することを契機として賞球信号が1回出力され得るが、遊技球が大入賞口54に1個入球することを契機として賞球信号が2回出力され得るように構成したことで、遊技機の稼働状況をホールコンピュータにより適正に管理することができるとともに、遊技機の真の稼働状況をデータ表示器により遊技者に報知して遊技機選びの判断材料や遊技の参考情報として利用させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態では、累積賞球数を数値情報(例えば「1000pt」)により報知しているが、この構成に限定されるものではなく、累積賞球数を例えばアイコンやメータ等の画像情報により報知するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、連荘中の累積賞球数に対するカウントアップ演出(大入賞口
カウントアップ演出、一般入賞口カウントアップ演出)を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、1回の大当り遊技の実行中の累積賞球数(大当り中賞球数)に対するカウントアップ演出(大入賞口カウントアップ演出、一般入賞口カウントアップ演出)に上記特徴構成を適用しても同様の作用効果を奏することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第2実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第1実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
以下、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機の基本構成を順番に説明する。なお、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機は、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合に、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」が頻発する小当りRUSHを採用している。この小当りRUSHの遊技性については後述する。
第2実施形態の特別図柄の当否判定について説明する。図56は、第2実施形態の特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図である。図中、(A)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)において参照され、(B)は特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)において参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値の乱数範囲と、当否判定の結果(大当り、小当り、はずれ)とが対応付けられている。図56に示すように、特別図柄の当否判定において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)である場合は、特別図柄当り乱数値が「0〜204」の範囲に該当する場合に大当りとなり、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)である場合は、特別図柄当り乱数値が「0〜818」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率「1/320」から高確率「1/80」に変動する。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定とで大当りの当選確率は等しく設計されている。ここで、当否判定の結果が大当りに該当しなかった場合であっても、第2特別図柄の当否判定においては、相対的に高確率「1/1.1」で小当りに当選する。小当りの当選確率は、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率に設計されている。この第2実施形態では、第2特別図柄の当否判定のみ小当りが設定されているが、例えば、第1特別図柄の当否判定にも小当りを設定して、第1特別図柄の当否判定よりも第2特別図柄の当否判定の方が高い確率で小当りに当選するように構成してもよい。
なお、第2実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、その特別図柄の変動表示中(大当りの変動表示中)に、他方の特別図柄の当否判定が実行される場合は、他方の特別図柄の当否判定の結果として大当りを導出することが禁止され、小当り又ははずれのみが導出される。他方の特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当する場合は、該当否判定の結果が大当りからはずれに強制的に差し替えられる。つまり、上記の特別図柄当否抽選テーブルにおいて、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)であるときは、特別図柄当り乱数値が「0〜204」の範囲に該当する場合に、該当否判定の結果が強制的にはずれとなり(大当りからはずれに差し替えられ)、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)であるときは、特別図柄当り乱数値が「0〜818」の範囲に該当する場合に、該当否判定の結果が強制的にはずれとなる(大当りからはずれに差し替えられる)。なお、その変形例としては、上記の特別図柄当否抽選テーブルの他に、特別図柄の当否判定の結果として大当りの判定値(乱数範囲)を含まない大当り無抽選用のテーブルを用意
して、一方の特別図柄の大当りの変動表示中は、上記の特別図柄当否抽選テーブルではなく、大当り無抽選処理専用のテーブルを参照して、当否判定の結果が小当り又ははずれのみとなる小当り抽選を行う方法を採用してもよい。なお、この変形例において、当否判定の結果として小当りが設定されていないスペックであれば、当否判定を行わずに、即時はずれを決定する方法を採用してもよい。
続いて、第2実施形態の大当り種別(大当り内訳)について説明する。この第2実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が「大当り」となる場合、図57に示す特別図柄大当り図柄テーブルを参照して、大当り種別(大当り図柄、図柄群)を決定する。
図57(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に応じて、4種類の大当り種別が設定されている。具体的には、10R特定大当り(図柄群A)と、4R特定大当り1(図柄群B)と、4R特定大当り2(図柄群C)と、4R通常大当り(図柄群D)とに振り分けられる。10R特定大当り(図柄群A)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。4R特定大当り1(図柄群B)、4R特定大当り2(図柄群C)および4R通常大当り(図柄群D)は、大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。
図57(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当りテーブルには、各図柄群に応じて、5種類の大当り種別が設定されている。具体的には、10R特定大当り(図柄群E)と、6R特定大当り(図柄群F)と、4R特定大当り1(図柄群G)と、4R特定大当り2(図柄群H)と、2R通常大当り(図柄群I)とに振り分けられる。10R特定大当り(図柄群E)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。6R特定大当り(図柄群F)は、大当り遊技の規定ラウンド数が6ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。4R特定大当り1(図柄群G)および4R特定大当り2(図柄群H)は、大当り遊技の規定ラウンド数が4ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が28秒である。2R通常大当り(図柄群I)は、大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が2秒である。
各種の大当り種別のうち、2R通常大当りを除く各大当りは、大当り遊技中の全てのラウンド遊技において、大入賞口54が長時間(28秒)開放する長開放のラウンド遊技が実行される契機となる大当りである。一方、2R通常大当りは、大当り遊技中の全てのラウンド遊技において、大入賞口54が短時間(2秒)開放する短開放のラウンド遊技が実行される契機となる大当りをいう。本実施形態において、長開放のラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間が、大入賞口54に規定数(フルカウント:15球)の遊技球を入球可能又は入球容易に設定されたラウンド遊技である。短開放のラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間が、大入賞口54に規定数(フルカウント:15球)の遊技球を入球不能又は入球困難に設定されたラウンド遊技である。
なお、図示省略するが、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなる場合、複数種の小当り図柄(図柄群)から一の小当り図柄(図柄群)を選択して、その第2特別図柄の変動表示の終了時にその選択された小当り図柄(図柄群)が停止表示されることになっている。なお、この小当り図柄の種類に応じて、小当り遊技における大入賞口54の開閉パターン(開放時間、開放回数)が異なるように構成してもよい。
続いて、第2実施形態の遊技状態について説明する。図58は、第2実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。第2実施形態では、複数種の遊技状態として、「通常遊技状態」、「時短遊技状態」、「潜確遊技状態」、「確変遊技状態」が設定されている。その遊技状態の種類として、(1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と呼称し、(2)特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が作動して電チューサポート機能が作動しない遊技状態を「潜確遊技状態(潜伏確変遊技状態)」又は「潜伏確変状態」と呼称し、(3)特別図柄の確率変動機能が作動せずに特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と呼称し、(4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と呼称する。ここで、「確変遊技状態」、「潜確遊技状態」および「時短遊技状態」は、いずれも「通常遊技状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)確変遊技状態を「高確率高ベース状態」、(2)潜確遊技状態を「高確率低ベース状態」、(3)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(4)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。ここで、特別図柄の変動時間短縮機能については、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、少なくともその遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動時間が短縮されていればよい。つまり、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していると言えるのは、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)では第1特別図柄の変動時間が短縮され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)では第2特別図柄の変動時間が短縮されていればよい。
図59は、第2実施形態における遊技状態設定テーブルを示す模式図である。遊技状態設定テーブルには、各大当り種別(図柄群の種類)に対して、その大当り遊技の終了後に移行する遊技状態が設定されている。本実施形態において、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の終了後の遊技状態は、(A)大当り種別(図柄群の種類)と、(B)大当り当選時の遊技状態とに応じて設定される。なお、各遊技状態の継続回数(特別図柄の変動表示の回数)は、特別図柄の確率変動機能が作動する確率変動回数(確変作動回数)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する変動時間短縮回数(時短作動回数)と、電チューサポート機能が作動する電サポ回数(電サポ作動回数)とに基づき設定される。なお、「ST」とは、大当り確率が規定の変動表示回数まで高確率に設定された期間(スペシャルタイムの略称)である。つまり、規定の変動表示回数までは確変状態(確変遊技状態)を維持するが、その規定の変動表示回数内で大当りが発生しなければ通常状態(通常遊技状態)に移行する回数区切り確変機を「ST機」と呼称する。その意味で、規定の変動表示回数を、以下では、「規定ST回数」又は「ST回数」とも呼称する。
第1特別図柄において「10R特定大当り(図柄群A)」、「4R特定大当り1(図柄群B)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜確遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に潜確遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「0回」が設定される。この潜確遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(
100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで潜確遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第1特別図柄において「4R特定大当り2(図柄群C)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第1特別図柄において「4R通常大当り(図柄群D)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「70回」、電サポ回数「70回」が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達するまで、又は、この特定回数(70回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第2特別図柄において「10R特定大当り(図柄群E)」、「6R特定大当り(図柄群F)」、「4R特定大当り1(図柄群G)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に応じて、その大当り遊技の終了後に設定される遊技状態が異なる。具体的には、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定され、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態、確変遊技状態又は潜確遊技状態である場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜確遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後に潜確遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「0回」が設定される。従って、確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行る。同じく、潜確遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで潜確遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第2特別図柄において「4R特定大当り2(図柄群H)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「100回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(100回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(100回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
第2特別図柄において「2R通常大当り(図柄群I)」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に関わらず、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合は、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「70回」、電サポ回数「70回」が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達するまで、又は、この特定回数(70回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が特定回数(70回)に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
上述したように、大当りの発生は遊技状態の移行契機となり得るが、小当りの発生は遊技状態の移行契機とはならない。すなわち、特別図柄の当否判定の結果が小当りとなる場合、その遊技状態の終了条件となる最終回の変動表示(例えば、確変遊技状態および潜確遊技状態の100回転目の変動表示、時短遊技状態の70回転目の変動表示)を除いて、小当り当選時の遊技状態がそのまま継続され、小当り当選を契機として遊技状態の移行制御は行われない。つまり、小当り発生前の遊技状態が通常遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が時短遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も時短遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が確変遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も確変遊技状態となり、小当り発生前の遊技状態が潜確遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も潜確遊技状態となる。
続いて、第2実施形態の演出モードについて説明する。第2実施形態では、図58に示すように、複数種の演出モードとして、通常モード、時短モード、潜確モード、確変モードが設定されており、遊技状態(又は変動パターン選択状態)等に応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。
基本的には、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短モード」が設定され、遊技状態が潜確遊技状態であるときは「潜確モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態であるときは「確変モード」が設定される。但し、非通常遊技状態(時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)が終了したことに基づき通常状態へ移行するときは、遊技状態が通常遊技状態へ移行した直後の所定回数の変動表示においては特殊演出モードが設定され、その所定回数の変動表示を終えたときに通常演出モードが設定される。所定回数とは、特別図柄の変動表示回数として「4回」である。これは第1特別図柄及び第2特別図柄の累計の変動表示回数が「4回」という意味である。つまり、特別図柄の変動表示回数が所定回数に到達するとは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との合計回数が「4回」に到達したことを意味する。なお、その変形例としては、第1特別図柄の変動表示回数のみが所定回数(4回)に到達、又は、第2特別図柄の変動表示回数のみが所定回数(4回)に到達することを契機として、特殊モードを終了させてもよい(通常モードに移行させてもよい)。そして、いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
続いて、第2実施形態の特別図柄の変動時間(変動パターン)について説明する。図60は、第2実施形態における特別図柄の変動時間の比較表である。なお、この第2実施形
態では、特別図柄の変動パターンテーブルの図示を省略しているが、実際には、第1実施形態と同様に、特別図柄の変動時間(変動パターン)は、特別図柄の変動パターンテーブルを参照して選択される。
図中の(A)には、遊技状態が通常遊技状態である場合の特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「3秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜90秒」に設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果が小当り又ははずれである場合は「1000秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜90秒」が設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合を除き、他の変動時間と比較して極めて長い変動時間(1000秒)が設定されている。
図中の(B)には、遊技状態が時短遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態である場合の特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」が設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜3秒」に設定され、当否判定の結果が小当りである場合は「0.5秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。
続いて、第2実施形態における普通図柄抽選について説明する。図61は、第2実施形態における普通図柄抽選の説明に供する模式図である。図中(A)は普通図柄当否抽選テーブル、図中(B)は普通図柄変動パターンテーブル、図中(C)は普通電動役物開放パターンテーブルを示している。
普通図柄の当り確率は、図61(A)に示すように、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動していない場合は「1/1.02」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の確率変動機能)が作動している場合は「1/1.01」に設定されている。そのため、第2実施形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに関わらず、普通図柄の当否判定において極めて高確率で当りが導出される仕様となっている。
普通図柄の変動時間は、図61(B)に示すように、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動していない場合は「0.5秒」に設定され、電チューサポート機能(普通図柄の変動時間短縮機能)が作動している場合は「0.2秒」に設定されている。つまり、本実施形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに関わらず、普通図柄の変動時間が極めて短時間に設定されている。なお、いずれの普通図柄の変動パターンが選択された場合でも、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)は「0.1秒」が設定されている。なお、普通図柄の確定停止時間(確定表示時間)とは、普通図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。
普通電動役物522の開放パターンは、図61(C)に示すように、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動していない場合は「1秒の開放→2秒の閉鎖→1秒の開放→2秒の閉鎖→1秒の開放」に設定され、電チューサポート機能(開放延長機能)が作動している場合は「5.9秒の開放」に設定されている。すなわち、普通電動役物522の開放パターンとして、低ベース状態においては1秒の開放動作が3回にわたり行われるため総開放時間は「3秒」であり、高ベース状態においては5.9秒の開放動作が1回だけ行われるため総開放時間は「5.9秒」である。
続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の同時変動処理(変動中断処理、変動強制停止処理)について説明する。図62は、本実施形態における同時変動処理(変動中断処理、変動強制停止処理)を説明するための模式図である。本実施形態では、第1特別図柄の変動開始条件の判定と、第2特別図柄の変動開始条件の判定とを別個独立して実行することで、第1特別図柄表示装置71による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置72による第2特別図柄の変動表示とを同時並行して実行する仕様(いわゆる並列機と呼ばれるスペック)を採用している。つまり、第1特別図柄の作動保留球と第2特別図柄の作動保留球とを別個独立して消化することで、第1特別図柄および第2特別図柄について、それぞれに対応する当否抽選や変動表示等を並行して行う構成となっている。そのため、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が長時間にわたり行われたとしても、この一方の特別図柄の変動表示と並行して他方の特別図柄の変動表示が行われるため、一方の特別図柄の変動表示の実行中に、他方の特別図柄の変動表示が滞ることがない。なお、以下では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示について、大当りの変動表示を「大当り変動表示」と呼称し、小当りの変動表示を「小当り変動表示」と呼称し、はずれの変動表示を「はずれ変動表示」と呼称する。
(変動中断処理)
ここで、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示、小当り変動表示又ははずれ変動表示であり、他方の特別図柄の変動表示が小当り変動表示である場合に、一方の特別図柄の変動表示と他方の特別図柄の小当り変動表示とが並行して実行されている状況下において、一方の特別図柄の変動表示が終了する前に、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了したときは、他方の特別図柄の小当り変動表示が終了したときからその小当り遊技が終了するまでの間、一方の特別図柄の変動表示が中断される(一方の特別図柄の変動表示に係る変動時間の計測が中断される)。なお、変動表示の中断とは、変動表示の一時停止という意味(後に再開されることが予定されているという意味)で用いている。そして、他方の特別図柄の小当り遊技が終了すると、一方の特別図柄の変動表示に係る変動時間の計測が再開されて、再開前の変動時間の計測時間と再開後の変動時間の計測時間との合算時間が、予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に達したときに、一方の特別図柄の変動表示が終了することになる。
(変動強制停止処理)
一方、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示であり、他方の特別図柄の変動表示が小当り変動表示又ははずれ変動表示である場合に、一方の特別図柄の大当り変動表示と他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示とが並行して実行されている状況下において、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示が終了する前に、一方の特別図柄の大当り変動表示が終了したときは、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示の計測時間が予め設定された規定の変動時間(設計値通りの変動時間)に到達する前であっても、一方の特別図柄の大当り変動表示の終了時に、それと連動又は同期させて、他方の特別図柄の小当り変動表示又ははずれ変動表示を強制的に終了させる。なお、他方の特別図柄の小当り変動表示を強制終了させる場合には、その小当り変動表示の終了時に停止表示される図柄(確定表示図柄)を、小当り図柄からはずれ図柄に差し替えるものとする。すなわち、他方の特別図柄の小当り変動表示がはずれ変動表示にて強制的に停止表示されることになる(結果的に小当り遊技はキャンセルされる)。それにより、一方の特別図柄における特別遊技(大当り遊技)と、他方の特別図柄における特別遊技(小当り遊技)とが競合する事態を回避することができる。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示として開始した場合、それより後から変動開始する他方の特別図柄の変動表示は大当り変動表示以外の変動表示とする(つまり、はずれ変動表示又は小当り変動表示とし、当否判定処理にて大当りに該当する当否乱数だった場合は強制的に当否判定結果を
はずれに差し替え、はずれ変動表示とする)ことが望ましい。また、一方の特別図柄の変動表示が大当り変動表示として開始した場合、それより後から変動開始する他方の特別図柄の変動表示ははずれ変動表示(当否判定処理にて大当りや小当りに該当する当否乱数だった場合は強制的に当否判定結果をはずれに差し替え、はずれ変動表示とする)としてもよい。
≪小当りRUSHの遊技性≫
次に、小当りRUSH(潜確モード)の遊技性について説明する。小当りRUSH(潜確モード)は、第2始動口52に遊技球を入球させることを契機として第2特別図柄の当否判定において小当りを頻出させて、大当りに当選するまでの間、小当り遊技を連続的且つ集中的に発生させることを目指す遊技性である。
遊技状態が潜確遊技状態である場合、遊技球が作動ゲート53を通過すると、普通図柄の当否判定において極めて高確率(1/1.02)で当りが導出される。この潜確遊技状態(低ベース状態)においては、普通図柄の当否判定に当選すると、普通電動役物522が1秒間の開放作動を3回行う。そのため、第2始動口52を狙って右打ちを行っていれば、普通電動役物522が開放状態となっている間に遊技球を第2始動口52に入球させることが可能又は容易である。また、この潜確遊技状態においては、第2特別図柄の当否判定における小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されており、しかも小当りに当選したときの第2特別図柄の変動時間が極めて短時間(0.5秒)に設定されているため、第2始動口52への遊技球の入球に基づき小当りが頻繁に発生する可能性が高い。
このとき、普通電動役物522が1秒間の開放作動を3回行っている間に、遊技球がこの第2始動口52に入球して小当りに当選した場合には、第2特別図柄の変動表示が極めて短時間のうちに終了して、小当り遊技が即開始されることになる。ここで、普通電動役物522は、1秒間の開放作動(3回目の開放作動を除く)を行った直後に、2秒間の閉鎖作動を行うようになっている。よって、小当り遊技が開始された後、右側領域PA2を流下する遊技球は、普通電動役物522が2秒間の閉鎖作動を行っている間に、該閉鎖中の普通電動役物522(可動部材524)の上面を通過して大入賞口54へと到達しやすくなっている。そのため、小当り遊技の実行中において、右側領域PA2を流下する遊技球は、普通電動役物522に入球することなく可動部材524の上面を素通りして、その斜め下方に配置された大入賞口54へ向けて流下することで、該大入賞口54に入球可能となっている。従って、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合は、第2始動口52に遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、次の大当りが発生するまでの間、小当り遊技を高頻度で実行させる遊技性となる。それにより、小当り遊技を実行する度に大入賞口54に2〜3個程度の遊技球を入球させて、毎回20〜30個程度の賞球を連続して獲得することで、遊技者は持ち球を増加させながら遊技を進めることが可能となる。
一方、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合においても、第2特別図柄の当否判定において小当りの当選確率が極めて高く、しかも小当りの変動時間が極めて短く設定されているため、小当り遊技が頻繁に発生しやすくなっている。しかしながら、小当りRUSHの遊技性を潜確遊技状態のみに限定し、潜確遊技状態以外の遊技状態については、該小当り遊技による持ち球の増加を抑制するため、以下のような対策が講じられている。
具体的には、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合、遊技球が作動ゲート53を通過すると、普通図柄の当否判定において極めて高確率(1/1.01)で当りが導出される。この遊技状態(高ベース状態)においては、普通図柄の当否判定に当選す
ると、普通電動役物522が5.9秒間の1回の開放作動を行う。そのため、第2始動口52を狙って右打ちを行っていれば、普通電動役物522が開放状態となっている間に遊技球を第2始動口52に入球させることは極めて容易である。また、この時短遊技状態又は確変遊技状態においても、第2特別図柄の当否判定における小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されており、しかも小当りに当選したときの第2特別図柄の変動時間が極めて短時間(0.5秒)に設定されているため、第2始動口52への遊技球の入球に基づき小当りが頻繁に発生する可能性が高い。
ここで、普通電動役物522が5.9秒間の開放作動を行っている間に、遊技球がこの第2始動口52に入球して小当りに当選した場合は、第2特別図柄の変動表示が極めて短時間のうちに終了し、小当り遊技が即開始されることになる。このとき、普通電動役物522が開放作動を継続している間(第2始動口52が開放状態となっている間)に、小当り遊技が実行された場合には、右側領域PA2を流下する遊技球は、該開放中の普通電動役物522に極めて入球しやすく、大入賞口54に到達する可能性が著しく低くなる。一方、普通電動役物522が閉鎖作動した後(第2始動口52が閉鎖状態となった後)に、小当り遊技が実行された場合には、その後続の遊技球が作動ゲート53を通過してから普通電動役物522が開放作動するまでの時間が極めて短い時間(変動時間0.2秒+停止時間0.1秒)に設定されているため、この即開放された普通電動役物522に遊技球が入球し易くなっている。つまり、小当り遊技の実行中は、普通電動役物522(第2始動口52)がほぼ開きっ放しの状態となっており、右側領域PA2を流下する遊技球は、開放状態の普通電動役物522(第2始動口52)に極めて入球しやすく、その下流に配置された大入賞口54に入球させることは極めて困難である。従って、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態(高ベース状態)である場合は、たとえ第2特別図柄の当否判定にて小当りが頻出したとしても、遊技球が大入賞口54に到達する可能性が著しく低く、小当り遊技により出玉を増やすことは極めて困難である。
また、遊技状態が通常遊技状態(限定期間を除く)である場合にも、第2特別図柄の当否判定において小当りの当選確率が極めて高確率(約1/1.1)に設定されているが、第2特別図柄の変動時間が極めて長時間(10分以上)に設定されているため、遊技者が遊技球を第2始動口52に入球させて小当りを狙った遊技を行ったとしても、第2特別図柄の消化の効率が非常に悪く、小当り遊技を頻発させることはできない。なお、通常遊技状態に移行した直後の所定回数の変動表示では、変動パターン選択状態として限定頻度選択状態が設定され、第2特別図柄の変動効率が相対的に高く設定されている(第2特別図柄の変動時間が極めて長時間となることはない)。つまり、通常遊技状態に移行した直後の所定回数の変動表示(4回転以内の変動表示)では、この所定回数の変動表示が終了した後の変動表示(5回転目以降の変動表示)よりも、第2特別図柄の変動時間(変動時間の平均値)が短縮化され、第2特別図柄の変動効率が高くなるように設定されている。
ここで、第2実施形態では、小当りRUSH(潜確モード)の実行中は、画面の累積賞球数表示領域733に累積賞球数が表示され、遊技者に累積賞球数を報知可能に構成されている。この小当りRUSH(潜確モード)の実行中に、遊技球が一般入賞口64に入球したときは、オマケ入賞演出は行われない一方で、累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)は行われるように構成されている。また、この小当りRUSH(潜確モード)の実行中に、第2特別図柄の当否判定の結果が小当りとなることで行われる小当り遊技において遊技球が大入賞口54に入球した場合には、累積賞球数の加算表示(大入賞口カウントアップ演出)が行われることが好適である。変形例としては、小当りRUSH(潜確モード)の実行中に、遊技球が一般入賞口64に入球しても、オマケ入賞演出も行われず、累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)も行われないように構成してもよい。
なお、第2実施形態においても、上述の第1実施形態の特徴的な構成を適用することで、上述の第1実施形態と同様の作用効果を奏することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、第2実施形態の変形例として、第2始動口52を常時開放型の入賞口として構成してもよい。つまり、本変形例においては、第1始動口51および第2始動口52が非可変式の始動口(常時開放式の始動口)として構成されており、普通電動役物は搭載されていない。図63は、第2実施形態の変形例に係るぱちんこ遊技機の正面図である。図63に示すように、センター飾り21の右方の領域(右側領域PA2)には、第2始動口52が配置され、その左斜め下方には大入賞口54が配置されている。第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。この第2始動口52は、上方に向けて開口された常時開放型の入賞口であり、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。つまり、第2始動口52は、右側領域PA2を流下する遊技球が常時入球可能な一般入賞口64を兼用しており、特別遊技状態であっても、非特別遊技状態であっても、常に入球可能に構成されている。本変形例では、特別遊技の実行中に第2始動口52(一般入賞口64)に遊技球が入球することを契機として、オマケ入賞演出と累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)が行われる。なお、特別遊技の実行中に第2始動口52(一般入賞口64)に遊技球が入球したときに、累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)のみが行われ、オマケ入賞演出は行われないように構成してもよい。また、小当りRUSH(潜確モード)の実行中に、遊技球が第2始動口52(一般入賞口64)に入球しても、オマケ入賞演出も行われず、累積賞球数の加算表示(一般入賞口カウントアップ演出)も行われないように構成してもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第3実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第1実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
以下、第3実施形態に係るぱちんこ遊技機の基本構成を順番に説明する。
第3実施形態では、図1に示すように(前述の第1実施形態と同様に)、左側領域PA1を流下する遊技球は、主として、センター飾り21の下方に配置された第1始動口51、一般入賞口61〜63のいずれかに入球可能である。一方、右側領域PA2を流下する遊技球は、主として、センター飾り21の右方に配置された作動ゲート53、一般入賞口64、第2始動口52、大入賞口54のいずれかに入球可能である。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。
第3実施形態では、各入賞口に遊技球が1球入球したときに払い出される賞球数(単位賞球数)として、第1始動口51は「4個」、第2始動口52は「1個」、一般入賞口61〜64は「3個」、大入賞口54は「11個」に設定されている。なお、単位賞球数は当該第3実施形態に例示したものに限定されず、他の単位賞球数を適用してもよい。
続いて、第3実施形態の特別図柄の当否判定について説明する。図64は、第3実施形態の特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図である。図64(A)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)において参照され、図64(B)は特
別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)において参照される。
この特別図柄当否抽選テーブルには、図64に示すように、特別図柄当り乱数値の乱数範囲と、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)とが対応付けられている。特別図柄の当否判定において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)では、特別図柄当り乱数値が「0〜655」の範囲に該当する場合に大当りとなり、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)では、特別図柄当り乱数値が「0〜1700」の範囲に該当する場合に大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率の「1/99.90」から高確率の「1/38.53」に変動することになる。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否判定と第2特別図柄の当否判定とで大当りの当選確率は等しく設定されている。なお、本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」を設定していないが、特別図柄の当否判定の結果として「小当り」を設定してもよい。小当りの当選確率は、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率に設定される。
続いて、第3実施形態の特別図柄の大当り種別(大当り内訳)について説明する。第3実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が「大当り」となる場合、図65に示す特別図柄大当り図柄テーブルを参照して、大当り種別(大当り図柄、図柄群)を決定する。なお、前述したとおり、「特定大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機となる大当り(確変大当り)を意味し、「通常大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させる契機とはならない大当り(非確変大当り)を意味する。詳細は後述するが、特定大当りに当選した場合は、大当り遊技の終了後から特別図柄の確率変動機能が作動し、該大当り遊技の終了後から起算して特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(40回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。また、「特定大当り」および「通常大当り」のいずれに当選した場合でも、大当り遊技の終了後から特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動して、大当り遊技の終了後から起算して特別図柄の変動表示回数が所定回数(15回又は100回)に到達するまで継続する。
図65(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、3種類の大当り種別(図柄群)として、10R特定大当り(図柄群A)と、4R特定大当り(図柄群B)と、4R通常大当り(図柄群C)とが設定されている。10R特定大当り(図柄群A)は、大当り遊技の規定ラウンド数が「10ラウンド」であり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が「28秒」である。4R特定大当り(図柄群B)および4R通常大当り(図柄群C)は、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」であり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が「28秒」である。
図65(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間(最大開放時間)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、5種類の大当り種別(図柄群)として、10R特定大当り(図柄群D)と、4R特定大当り(図柄群E)と、10R通常大当り(図柄群F)と、4R通常大当り(図柄群G)とが設定されている。10R特定大当り(図柄群D)および10R通常大当り(図柄群F)は、大当り遊技の規定ラウンド数が「10ラウン
ド」であり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が「28秒」である。4R特定大当り(図柄群E)および4R通常大当り(図柄群G)は、大当り遊技の規定ラウンド数が「4ラウンド」であり、1回のラウンド遊技における大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が「28秒」である。
この第3実施形態では、全ての大当り種別が、大当り遊技中の各ラウンド遊技において大入賞口54が長時間開放するラウンド遊技(長開放ラウンド遊技)が実行される契機となる大当り種別である。この長開放ラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が、大入賞口54に規定カウント数(フルカウント=10球)の遊技球を入球可能又は入球容易に設定されたラウンド遊技である。なお、この第3実施形態では、大当り遊技中の各ラウンド遊技の最大開放時間を「28秒」という固定時間に設定しているが(全てのラウンド遊技を「長開放ラウンド遊技」としているが)、同一の大当り遊技中の所定のラウンド遊技又は全てのラウンド遊技で、大入賞口54の最大開放時間を「2秒」という短時間に設定する「短開放ラウンド遊技」を設けて、大当り遊技のラウンド数が同一であっても、実質ラウンド数(実質的に出玉の獲得できるラウンド数)の異なる大当り種別を有する構成を採用してもよい。なお、短開放ラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間(最大開放時間)が、大入賞口54に規定カウント数(フルカウント=10球)の遊技球を入球不能又は入球困難に設定されたラウンド遊技である。
続いて、第3実施形態の遊技状態について説明する。図66は、第3実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。第3実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態が設定されている。その遊技状態の種類として、(1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と呼称し、(2)特別図柄の確率変動機能が作動して特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動しない遊技状態を「潜確遊技状態」又は「潜確状態」と呼称し、(3)特別図柄の確率変動機能が作動せずに特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と呼称し、(4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と呼称する。ここで、「確変遊技状態」、「潜確遊技状態」および「時短遊技状態」は、いずれの遊技状態も「通常遊技状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。そのため、以下では、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度の高い遊技状態として、確変遊技状態、潜確遊技状態、時短遊技状態を有利遊技状態とも呼称する。
なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)確変遊技状態を「高確率高ベース状態」、(2)潜確遊技状態を「高確率低ベース状態」、(3)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(4)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。このとき、特別図柄の変動時間短縮機能は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、少なくともその遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の変動時間が短縮された状態となっていることを意味する。すなわち、本実施形態において、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(通常遊技状態)では、少なくとも第1特別図柄の変動時間(平均変動時間)が短縮され、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態(確変遊技状態、潜確遊技状態、時短遊技状態)では、少なくとも第2特別図柄の変動時間(平均変動時間)が短縮される。
図67は、第3実施形態における遊技状態設定テーブルを示す模式図である。遊技状態設定テーブルには、各大当り種別(図柄群の種類)に対して、その大当り遊技の終了後における特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能(電チューサポート機能)の作動
回数が設定されている。本実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の終了後の遊技状態は、(1)大当り種別(図柄群の種類)と、(2)大当り当選時の遊技状態とに応じて決定される。なお、各遊技状態の継続回数(特別図柄の変動表示の回数)は、特別図柄の確率変動機能が作動する回数(「確率変動回数」と呼称する)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する回数(「変動時間短縮回数」と呼称する)と、電チューサポート機能が作動する回数(「電サポ回数」と呼称する)とに応じて設定される。なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間短縮機能と電チューサポート機能は、同時に作動を開始して、同時に作動を終了するため、「変動時間短縮回数」と「電サポ回数」とは同一回数となる(そのため、図67では「電サポ作動回数」の記載を省略している)。
(特図1_10R特定大当り)
第1特別図柄の「10R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「40回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(40回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から時短遊技状態に移行する。
(特図1_4R特定大当り)
第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群B)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態又は潜確遊技状態であれば、確率変動回数「40回」、変動時間短縮回数「15回」、電サポ回数「15回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)のうち変動時間短縮回数(又は電サポ回数)である15回に到達するまで、又は、この15回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が15回に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から潜確遊技状態に移行する。この潜確遊技状態は、潜確遊技状態となってからの特別図柄の変動表示回数が25回に到達するまで(言い換えれば、規定ST回数である40回に到達するまで)、又は、この25回以内に次の大当りが発生するまで継続する。潜確遊技状態となってからの特別図柄の変動表示回数が25回に到達することで潜確遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。一方、第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群B)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態が確変遊技状態又は時短遊技状態であれば、確率変動回数「40回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(40回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から時短遊技状態に移行する。この時短遊技状態は、時短遊技状態となってからの特別図柄の変動表示回数が60回に到達するまで(言い換えれば、変動時間短縮回数又は電サポ回数である100回に到達するまで)、又は、この60回以内に次の大当りが発生するまで継続する。時短遊技状態となってからの特別図柄の変動表示回数が60回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
(特図1_4R通常大当り)
第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群C)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態又は潜確遊技状態であれば、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「15回」、電サポ回数「15回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態と
して時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が15回に到達するまで、又は、この15回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が15回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。一方、第1特別図柄の「4R通常大当り(図柄群C)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態が確変遊技状態又は時短遊技状態であれば、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
(特図2_10R特定大当り)
第2特別図柄の「10R特定大当り(図柄群D)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「40回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(40回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から時短遊技状態に移行する。この時短遊技状態は、時短遊技状態となってからの特別図柄の変動表示回数が60回に到達するまで(言い換えれば、変動時間短縮回数又は電サポ回数である100回に到達するまで)、又は、この60回以内に次の大当りが発生するまで継続する。時短遊技状態となってからの特別図柄の変動表示回数が60回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
(特図2_4R特定大当り)
第2特別図柄の「4R特定大当り(図柄群E)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「40回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。この確変遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達するまで、又は、この規定ST回数(40回)以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が規定ST回数(40回)に到達することで確変遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から時短遊技状態に移行する。この時短遊技状態は、時短遊技状態となってからの特別図柄の変動表示回数が60回に到達するまで(言い換えれば、変動時間短縮回数又は電サポ回数である100回に到達するまで)、又は、この60回以内に次の大当りが発生するまで継続する。時短遊技状態となってからの特別図柄の変動表示回数が60回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
(特図2_10R通常大当り)
第2特別図柄の「10R通常大当り(図柄群F)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
(特図2_4R通常大当り)
第2特別図柄の「4R通常大当り(図柄群G)」に当選した場合、その大当り当選時の遊技状態に関わらず、確率変動回数「0回」、変動時間短縮回数「100回」、電サポ回数「100回」が設定され、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の変動表示回数が100回に到達するまで、又は、この100回以内に次の大当りが発生するまで継続する。特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了する場合は、次回の特別図柄の変動表示から通常遊技状態に移行する。
続いて、第3実施形態の変動パターン選択状態について説明する。図68は、第3実施形態の変動パターン選択状態テーブルを示す模式図である。
変動パターン選択状態は、特別図柄の変動パターン(変動パターンテーブル)を選択する際に参照される選択条件の一つである。本実施形態では、9種類の変動パターン選択状態として、「選択状態0」、「選択状態1」、「選択状態2」、「選択状態3」、「選択状態4」、「選択状態5」、「選択状態6」、「選択状態7」、「選択状態8」が設定されている。なお、この9種類の変動パターン選択状態のうち「選択状態1〜7」の7種類については、図68で示すとおり、複数の遊技状態で共通となる、つまり、複数の遊技状態にて共通のテーブルを使用している。ここで言う「共通のテーブルを使用」とは、1つのテーブルを複数の遊技状態のいずれに対しても使用するという意味でも良いし、各遊技状態でテーブルは分かれているがお互いのテーブルの内容(選択される変動パターン候補やその選択率など)が同じであるという意味でも良い。
選択状態0は、通常遊技状態(低確率/低ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態0は、演出モードが後述の「通常モード」であるときの変動表示に対応して設定される。
選択状態1は、通常遊技状態(低確率/低ベース)又は潜確遊技状態(高確率/低ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態1は、演出モードが後述の「引き戻しモード」であるときの変動表示に対応して設定される。
選択状態2は、通常遊技状態(低確率/低ベース)又は潜確遊技状態(高確率/低ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態2は、選択状態4を終了した直後の4回転の変動表示(電サポ状態を抜けた後の4回転の変動表示)に対応して設定される。なお、図66に示すように、15回転の「チャンスモード」の終了時(選択状態4の終了時)に第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、その作動保留球の個数分(最大4個分)だけ、この選択状態2で「チャンスモード」が継続される。一方、選択状態2の途中で第2特別図柄の作動保留球が無くなった場合、その次の変動表示となる第1特別図柄の変動表示からは、選択状態2において「引き戻しモード」が設定されることになる。
選択状態3は、確変遊技状態(高確率/高ベース)又は時短遊技状態(低確率/高ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態3は、演出モードが後述の「チャンスモード」であるときの1〜14回転目の変動表示に対応して設定される。
選択状態4は、確変遊技状態(高確率/高ベース)又は時短遊技状態(低確率/高ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態4は、演出モードが後述の「チャンスモード」であるときの15回転目の変動表示(電サポ状態の最終回の変動表示)に対応して設定される。
選択状態5は、確変遊技状態(高確率/高ベース)又は時短遊技状態(低確率/高ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態5は、演出モードが後述の「ラッシュモード」であるときの1〜5回転目の変動表示に対応して設定される。
選択状態6は、確変遊技状態(高確率/高ベース)又は時短遊技状態(低確率/高ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態6は、演出モードが後述の「ラッシュモード」であるときの6〜30回転目の変動表示に対応して設定される。
選択状態7は、確変遊技状態(高確率/高ベース)又は時短遊技状態(低確率/高ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態7は、演出モードが後述の「ラッシュモード」であるときの31〜40回転目の変動表示に対応して設定される。
選択状態8は、時短遊技状態(低確率/高ベース)に対応して設定される変動パターン選択状態である。また、この選択状態8は、演出モードが後述の「ラッシュモード」であるときの41〜100回転目の変動表示に対応して設定される。
続いて、変動パターン選択状態の遷移の順序について説明する。図69は、変動パターン選択状態遷移テーブルを示す模式図である。この変動パターン選択状態遷移テーブルには、大当り種別ごとに、変動パターン選択状態(選択状態0〜8)の遷移の順序が規定されている。
第3実施形態では、変動パターン選択状態の遷移パターンとして、変動パターン選択状態が「選択状態3(14回)→選択状態4(1回)→選択状態2(4回)→選択状態1(21回)→選択状態0」という順に遷移するパターン(遷移パターンA)と、変動パターン選択状態が「選択状態5(5回)→選択状態6(25回)→選択状態7(10回)→選択状態8(60回)→選択状態0」という順に遷移するパターン(遷移パターンB)とが設定されている。なお、選択状態0は、次の大当りが発生するまで継続するため、選択状態0の滞在回数は不定的な回数となる。
第1特別図柄の「10R特定大当り(図柄群A)」に当選した場合、変動パターン選択状態は、その大当り当選時の遊技状態に関わらず、大当り遊技の終了後において、「選択状態5(5回)→選択状態6(25回)→選択状態7(10回)→選択状態8(60回)→選択状態0」という順に遷移する。
第1特別図柄の「4R特定大当り(図柄群B)」又は「4R通常大当り(図柄群C)」に当選した場合、変動パターン選択状態は、その大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態又は潜確遊技状態であれば、大当り遊技の終了後において、「選択状態3(14回)→選択状態4(1回)→選択状態2(4回)→選択状態1(21回)→選択状態0」という順に遷移し、その大当り当選時の遊技状態が確変遊技状態又は時短遊技状態であれば、大当り遊技の終了後において、「選択状態5(5回)→選択状態6(25回)→選択状態7(10回)→選択状態8(60回)→選択状態0」という順に遷移する。
第2特別図柄の「10R特定大当り(図柄群D)」、「4R特定大当り(図柄群E)」、「10R通常大当り(図柄群F)」、「4R通常大当り(図柄群G)」に当選した場合、すなわち、第2特別図柄で大当りとなるときは、変動パターン選択状態は、いずれの大当り種別に当選した場合であっても、その大当り当選時の遊技状態に関わらず、大当り遊技の終了後において、「選択状態5(5回)→選択状態6(25回)→選択状態7(10
回)→選択状態8(60回)→選択状態0」という順に遷移する。
続いて、第3実施形態の特別図柄の変動パターンについて説明する。図70〜図78は、特別図柄の変動パターンテーブルを示す模式図である。
特別図柄の変動パターンテーブルは、図70〜図78に示すように、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで参照する欄が相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るようになっている。ここで、各図に記載されている作動保留球の個数(「保留0個」、「保留1〜2個」、「保留3個」)は、第1特別図柄の変動パターン抽選であれば、第1特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味し、第2特別図柄の変動パターン抽選であれば、第2特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味する。この作動保留球の個数は、変動パターンの抽選時(当該変動表示の開始時/保留消化後)に存在する作動保留球の個数である(当該変動表示により消化された作動保留球は含まない)。なお、その変形例としては、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の合算値を使用してもよい。また、所定の限定頻度期間中(特殊な変動パターンテーブルを参照する状態であり、特に高確率高ベース状態や低確率高ベース状態における最終変動の変動パターンを選択する期間)においては、第1特別図柄、第2特別図柄に関係なく、共通のテーブルを使用して変動パターン抽選を行うものであって良く、その場合は特に、はずれの変動パターンを選択する際に共通のテーブルを使用することが望ましい、つまりはずれの変動パターンを選択する際には変動パターンの選択傾向が第1特別図柄と第2特別図柄とで共通とすることが望ましく、大当りの変動パターンを選択する場合は、第1特別図柄、第2特別図柄に応じて、実行され得る特別遊技の種別が異なり得るため、特別遊技の種類に対応した変動パターンを選択すべく、共通のテーブルを使用しないことが望ましい、つまり大当りの変動パターンを選択する際には変動パターンの選択傾向が第1特別図柄と第2特別図柄とで異ならせることが望ましく、特に、第3実施形態における特別遊技種別とは異なることになるが、第2特別図柄の大当り時には実行されず第1特別図柄の大当り時には実行される特別遊技(例えば3R確変大当り)に対応した変動パターンと、第1特別図柄の大当り時には実行されず第2特別図柄の大当り時には実行される特別遊技(例えば9R確変大当り)に対応した変動パターンとは、その変動パターンの傾向が異なることが望ましい。また、ここで言う「共通のテーブルを使用」とは、1つのテーブルを第1特別図柄と第2特別図柄のいずれに対しても使用するという意味でも良いし、第1特別図柄と第2特別図柄とでテーブルは分かれているがお互いのテーブルの内容(選択される変動パターン候補やその選択率など)が同じであるという意味でも良い。
特別図柄の変動表示と連動して行われる装飾図柄の変動演出は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)などに基づき決定される。図70〜図78には、参考として、各変動パターン(変動時間)に対応して設定される変動演出の内容も記載している。図中、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。以下では、超短縮変動、短縮変動及び通常変動をまとめて「非リーチはずれ」とも称する。この非リーチはずれでは、通常変動よりも短縮変動、短縮変動よりも超短縮変動の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。
「Nリーチ(ノーマルリーチ)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(一般的には左列及び右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態)で、残り1列(一般的には中列)に異なる装飾図柄が停止したならば「はずれ」となり、残り1列(一般的には中列)に同一の装飾図柄が停止したならば「大当り」となるリーチ演出である。
「SPリーチ(スーパーリーチ)」は、上記のNリーチよりも相対的に大当り期待度の
高いリーチ演出であり、Nリーチから発展して、例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示されるリーチ演出である。本実施形態では、SPリーチの種類として、複数種のSPリーチA〜Eが用意されている。
「即当り」は、変動時間が極めて短時間に設定され、当該変動表示の開始直後、リーチ状態を経由することなく即時に「大当り」となる演出である。また、「特殊演出」は、変動表示中にプレミアキャラが突如乱入して、「大当り」となることを予告する演出である。
なお、図中には特に明示していないが、擬似連(擬似連演出)が行われる場合がある。「擬似連」は、装飾図柄の1回の変動表示の間に、装飾図柄を仮停止(擬似停止、一旦停止)および再変動表示させることにより、擬似的に複数回の変動表示が行われたように見せる演出(擬似連演出、擬似変動演出、擬似連続変動演出、再変動演出)である。この擬似連演出では、3列の装飾図柄の全てが変動又は再変動を開始した後に仮停止又は確定停止する擬似変動を複数回実行するである。この擬似変動の回数を「擬似連回数」とも呼称する。そして、この擬似連回数が多いほど、大当り期待度の高いSPリーチに発展する可能性が高いことを示す。また、3列の装飾図柄のうち、左列および右列の装飾図柄がリーチ状態(テンパイ)にて仮停止する場合の方が、左列および右列の装飾図柄が非リーチ状態で仮停止する場合よりも、大当り期待度が高くなる。
(変動パターンテーブル0)
図70は、変動パターンテーブル0を示す模式図である。変動パターンテーブル0は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態0である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル0は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。
はずれ用の変動パターンテーブル0には、5種類の変動パターンPH0−1(超短縮変動:4秒)、PH0−2(短縮変動:8秒)、PH0−3(通常変動:12秒)、PH0−4(Nリーチ:20秒)、PH0−5(SPリーチA:50秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、5種類の変動パターンPH0−1〜PH0−5のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる種類の変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第1特別図柄の作動保留球数が多いほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択されやすく、第1特別図柄の作動保留球数が少ないほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く設定された変動パターンが選択されやすい。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、超短縮変動の変動パターンPH0−1のみが選択される。なお、変形例として、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留数に依存せず、変動パターンPH0−1〜PH0−5の中から、超短縮変動の変動パターンPH0−1が最も選択されやすくなる構成(第2特別図柄の作動保留球数に依存せず選択割合は同じとすることが好適)としてもよい。
大当り用の変動パターンテーブル0には、3種類の変動パターンPA0−1(Nリーチ:20秒)、PA0−2(SPリーチA:50秒)、PA0−3(特殊演出:40秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、3種類の変動パターンPA0−1〜PA0−3のうちのいずれかが選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、特殊演出の変動パターンPA0−3のみが選択される。なお、特殊演出とは、所定
のプレミアキャラクタが登場することで、大当り確定となる演出(大当り期待度が100%に設定された演出)である。なお、第1特別図柄の当否判定の結果又は第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合でも、「特定演出」が選択され得るように構成してもよい。なお、その場合には、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には特殊演出が選択されることがない一方で、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には特殊演出が選択され得るようにしてもよい。その逆で、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には特殊演出が選択されることがない一方で、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には特殊演出が選択され得るようにしてもよい。
(変動パターンテーブル1)
図71は、変動パターンテーブル1を示す模式図である。変動パターンテーブル0は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態1である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル1は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。
はずれ用の変動パターンテーブル1には、4種類の変動パターンPH1−1(超短縮:4秒)、PH1−2(短縮:8秒)、PH1−3(通常:12秒)、PH1−4(SPリーチB:60秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、4種類の変動パターンPH1−1〜PH1−4のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる種類の変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第1特別図柄の作動保留球数が多いほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択されやすく、第1特別図柄の作動保留球数が少ないほど、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く設定された変動パターンが選択されやすい。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、超短縮変動の変動パターンPH1−1が選択される。なお、変形例として、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留数に依存せず、変動パターンPH1−1〜PH1−4の中から、超短縮変動の変動パターンPH1−1が最も選択されやすくなる構成(第2特別図柄の作動保留球数に依存せず選択割合は同じとすることが好適)としてもよい。
大当り用の変動パターンテーブル1には、1種類の変動パターンPA1−1(SPリーチB:60秒)のみが設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA1−1が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA1−1が選択される。
(変動パターンテーブル2)
図72は、変動パターンテーブル2を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態2である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。なお、この変動パターンテーブル2は、チャンスモードの15回転の変動表示を終了した直後(電サポ状態を抜けた直後)の4回転の変動表示に対応して設定される。ここで、図66に示すように、電サポ状態(15回転分のチャンスモード)の終了時に第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、その作動保留球の個数分(最大4個分)だけチャンスモードが継続され、このチャンスモードにおいて変動パターンテーブル2が参照される。一方、電サポ状態を抜けた直後の
4回転以内で第2特別図柄の作動保留球が無くなった場合、その次の変動表示となる第1特別図柄の変動表示からは引き戻しモードに移行して、この引き戻しモードにおいて変動パターンテーブル2が参照される。
はずれ用の変動パターンテーブル2には、1種類の変動パターンPH2−1(超短縮:2秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、超短縮変動の変動パターンPH2−1が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、超短縮変動の変動パターンPH2−1が選択される。すなわち、この変動パターンテーブル2が参照される変動表示(電サポ状態が終了した直後の4回転の変動表示)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となる場合には、常に超短縮変動の変動パターンPH2−1が選択される。
大当り用の変動パターンテーブル2には、2種類の変動パターンPA2−1(即当り:3秒)、PA2−2(SPリーチB:70秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA2−2が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA2−1が選択される。
(変動パターンテーブル3)
図73は、変動パターンテーブル3を示す模式図である。変動パターンテーブル3は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態3である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル3は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。
はずれ用の変動パターンテーブル3には、4種類の変動パターンPH3−1(超短縮:2秒)、PH3−2(短縮:4秒)、PH3−3(通常:12秒)、PH3−4(SPリーチC:80秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、超短縮変動の変動パターンPH3−3が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、4種類の変動パターンPH3−1〜PH3−4のうちのいずれかが選択される。本実施形態では、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合には、第2特別図柄の作動保留球数(詳しくは第2特別図柄の作動保留球の有無)に応じて、参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる種類の変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、第2特別図柄の作動保留球が存在しない場合よりも、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合の方が、第2特別図柄の変動時間が相対的に短く設定された変動パターンが選択されやすい。
大当り用の変動パターンテーブル3には、1種類の変動パターンPA3−1(SPリーチC:90秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA3−1が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA3−1が選択される。すなわち、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」となる場合には、図中の「演出内容」の欄に記載されている如く、当該変動表示においてSPリーチC(通常バトル演出)に発展する変動パターンPA3−1が選択される。
(変動パターンテーブル4)
図74は、変動パターンテーブル4を示す模式図である。変動パターンテーブル4は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態4である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル4は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。
はずれ用の変動パターンテーブル4には、1種類の変動パターンPH4−1(最終バトル敗北演出または最終バトル勝利演出:35秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、変動パターンPH4−1が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、変動パターンPH4−1が選択される。なお、図中の「演出の内容」の欄に記載されているように、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合、当該当否判定の実行時(当該変動表示の開始時)に第2特別図柄の作動保留球内に「大当り」となる作動保留球が存在しないときは最終バトル敗北演出が実行され、当該当否判定の実行時(当該変動表示の開始時)に第2特別図柄の作動保留球内に「大当り」となる作動保留球が存在するときは最終バトル勝利演出が実行される。但し、本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化される関係上、第1特別図柄の当否判定が実行される場合(第1特別図柄の変動表示の開始時)には、第2特別図柄の作動保留球(「大当り」となる作動保留球)が存在することはなく、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となるときは、最終バトル敗北演出のみが実行され、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となるときにのみ、最終バトル勝利演出又は最終バトル敗北演出が選択的に実行される。なお、詳細後述するが、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となることで最終バトル演出が実行された場合には、この最終バトル演出が終了したとき(当該変動表示が終了したとき)に、その図柄固定時間(後述する図柄固定時間B)を利用して、最終変動後固定時間演出が行われる。
大当り用の変動パターンテーブル4には、1種類の変動パターンPA4−1(最終バトル勝利演出:40秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、変動パターンPA4−1が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、変動パターンPA4−1が選択される。
(変動パターンテーブル5)
図75は、変動パターンテーブル5を示す模式図である。変動パターンテーブル5は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態5である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル5は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。
はずれ用の変動パターンテーブル5には、2種類の変動パターンPH5−1(超短縮:4秒)、PH5−2(通常変動:12秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、通常変動の変動パターンPH5−2が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、超短縮変動の変動パターンPH5−1が選択される。
大当り用の変動パターンテーブル5には、1種類の変動パターンPA5−1(即当り:5秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA5−1が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA5−1が選択される。
(変動パターンテーブル6)
図76は、変動パターンテーブル6を示す模式図である。変動パターンテーブル6は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態6である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル6は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。
はずれ用の変動パターンテーブル6には、4種類の変動パターンPH6−1(超短縮:2秒)、PH6−2(短縮:4秒)、PH6−3(通常:12秒)、PH6−4(SPリーチD:50秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、3種類の変動パターンPH6−2〜PH6−4のうちのいずれかが選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、3種類の変動パターンPH6−1,PH6−2,PH6−4のうちのいずれかが選択される。
大当り用の変動パターンテーブル6には、2種類の変動パターンPA6−1(即当り:5秒)、PA6−2(SPリーチD:50秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別が特定大当り(10R特定大当り、4R特定大当り)であれば、変動パターンPA6−1又はPA6−2が選択され、大当り種別が通常大当り(4R通常大当り)であれば、変動パターンPA6−2が選択される。第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別が特定大当り(10R特定大当り、4R特定大当り)であれば、変動パターンPA6−1又はPA6−2が選択され、大当り種別が通常大当り(10R通常大当り、4R通常大当り)であれば、変動パターンPA6−2が選択される。
(変動パターンテーブル7)
図77は、変動パターンテーブル7を示す模式図である。変動パターンテーブル7は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態7である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル7は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。
はずれ用の変動パターンテーブル7には、4種類の変動パターンPH7−1(超短縮:2秒)、PH7−2(短縮:4秒)、PH7−3(通常:12秒)、PH7−4(SPリーチE:50秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、3種類の変動パターンPH7−2〜PH7−4のうちのいずれかが選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、3種類の変動パターンPH7−1,PH7−2,PH7−4のうちのいずれかが選択される。
大当り用の変動パターンテーブル7には、1種類の変動パターンPA7−1(SPリーチE:50秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA7−1が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA7−1が選択される。
(変動パターンテーブル8)
図78は、変動パターンテーブル8を示す模式図である。変動パターンテーブル8は、現在滞在中の変動パターン選択状態が選択状態8である場合に設定される変動パターンテ
ーブルである。変動パターンテーブル8は、特別図柄の当否判定の結果(大当り、はずれ)に応じてテーブル内容が異なるように構成されている。なお、この変動パターンテーブル8は、前述の変動パターンテーブル7と実質的に同一の設定内容となっている。但し、この変動パターンテーブル8は、遊技状態が時短遊技状態であるときに参照される変動パターンテーブルであるのに対して、変動パターンテーブル7は、遊技状態が確変遊技状態であるときに参照される変動パターンテーブルである点で異なる。
はずれ用の変動パターンテーブル8には、4種類の変動パターンPH8−1(超短縮:2秒)、PH8−2(短縮:4秒)、PH8−3(通常:12秒)、PH8−4(SPリーチE:50秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、3種類の変動パターンPH8−2〜PH8−4のうちのいずれかが選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、3種類の変動パターンPH8−1,PH8−2,PH8−4のうちのいずれかが選択される。
大当り用の変動パターンテーブル8には、1種類の変動パターンPA8−1(SPリーチE:50秒)が設定されている。第1特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA8−1が選択される。同様に、第2特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合は、大当り種別に依存せず、変動パターンPA8−1が選択される。ここで、変動パターンテーブル6〜8は、(1)第3実施形態においては、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」であり且つ第2特別図柄の作動保留球数が0個の場合の第2特別図柄の変動パターンは、超短縮変動、短縮変動、SPリーチの3種類のいずれかが選択されるよう構成したが、変形例では、通常変動のみを選択する、または通常変動とSPリーチのいずれか(選択率としては、通常変動90%でSPリーチ10%)を選択するように構成してもよく、(2)第3実施形態においては、第1特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合は、第1特別図柄の作動保留球数(0個/1〜2個/3個)に依存せず、短縮変動、通常変動、SPリーチの3種類のいずれかが選択されるよう構成したが、変形例では、通常変動のみを選択する、または通常変動とSPリーチのいずれか(選択率としては、通常変動90%でSPリーチ10%)を選択するように構成してもよく、(3)第3実施形態においては、変動パターンテーブル7と変動パターンテーブル8とは実質的に同じ内容のテーブルとしたが、変形例としては、例えば、第1特別図柄の当否判定の結果又は第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」である場合のSPリーチ(SPリーチE)の選択率を異ならせる(例としては、変動パターンテーブル7では短縮変動:通常変動:SPリーチE=20%:70%:10%だが、変動パターンテーブル8では短縮変動:通常変動:SPリーチE=20%:65%:15%とするなど)ように構成してもよい。
続いて、第3実施形態の特別図柄の停止表示時間について説明する。図79は、第3実施形態の図柄固定時間テーブルを示す模式図である。特別図柄の停止表示時間(以下「図柄固定時間」とも呼称する)は、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止表示された状態が保持される時間)である。なお、本例では、特別図柄の変動時間および停止表示時間(図柄固定時間)に対応して、装飾図柄の変動時間および停止表示時間(図柄固定時間)が設定されている。そのため、以下において、「停止表示時間(図柄固定時間)」という用語を使用した場合には、特段の場合を除き、特別図柄の停止表示時間(図柄固定時間)と装飾図柄の停止表示時間(図柄固定時間)との両方を指すものとする。
図柄固定時間テーブルには、図79に示すように、変動パターン選択状態と、その変動パターン選択状態に滞在しているときの変動表示回数と、特別図柄の当否判定の結果と、
図柄固定時間(特別図柄の停止表示時間)との対応関係が規定されている。第3実施形態では、図柄固定時間として、相対的に短時間の図柄固定時間A(0.5秒)と、相対的に長時間の図柄固定時間B(6.5秒)とがある。いずれの変動パターン選択状態においても、特別図柄の当否判定の結果が「大当り」となる場合は、相対的に短時間の図柄固定時間A(0.5秒)となる。一方、特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となる場合は、電サポ状態の終了契機とならない変動表示であれば図柄固定時間A(0.5秒)となり、電サポ状態の終了契機となる変動表示であれば図柄固定時間B(6.5秒)となる。詳細には、変動パターン選択状態が「選択状態4」であるとき、すなわち、チャンスモードの15回転目の変動表示(電サポ状態が終了する契機となる最終回の変動表示)で、特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となる場合は、図柄固定時間B(6.5秒)が設定される。同様に、変動パターン選択状態が「選択状態8」であるときの最終回の変動表示、すなわち、ラッシュモードの最終回の変動表示(電サポ状態が終了する契機となる最終回の変動表示)で、特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となる場合は、図柄固定時間B(6.5秒)が設定される。
ここで、チャンスモードにおいて、特別図柄の変動表示の図柄固定時間が図柄固定時間B(6.5秒)となる場合は、その図柄固定時間中に特定演出(最終変動後固定時間演出)が実行されるように構成されている。なお、この特定演出(最終変動後固定時間演出)の詳細については後述する。また、ラッシュモードにおいて、特別図柄の変動表示の図柄固定時間が図柄固定時間B(6.5秒)となる場合は、その図柄固定時間中に、ラッシュモードが終了すること(連荘状態が終了すること)を示唆する最終リザルト演出が表示される。この最終リザルト画面には、連荘回数情報や連荘中の累積賞球数情報などが表示される。連荘回数情報は、連荘中における大当りの連続回数(本例では、ラッシュモードへの移行契機となる大当りが連続して発生する回数)の情報である。累積賞球数情報は、連荘中に獲得できた賞球数(連荘中に発生した特別遊技の実行中における大入賞口54への入球及び/又は一般入賞口64への入球によって獲得できた賞球数であり、連荘中における一般入賞口61〜63や第1始動口51や第2始動口52への入球によって獲得できた賞球数は含まない)の累積値の情報である。なお、連荘(連荘状態)とは、非特別遊技状態中の遊技状態として、非特定遊技状態から特定遊技状態への移行契機となる初当りの発生後、非特定遊技状態に戻ることなく、特定遊技状態が継続している状態(初当り時を起点とし、その後、特定遊技状態での大当りが連続して発生している状態)のことを言う。また、特定遊技状態とは、通常遊技状態よりも特別遊技への移行確率が高められた遊技状態であり、広義には、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のうちの何れかの機能が作動している遊技状態のことである。なお、本例において、特定遊技状態とは、少なくとも電チューサポート機能が作動している遊技状態(第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる遊技状態)を意味し、より具体的には、ラッシュモードに滞在中の遊技状態(確変遊技状態又は時短遊技状態)を指す。
続いて、第3実施形態の演出モードについて説明する。第3実施形態では、図66に示すように、複数種の演出モードとして、「通常モード」、「チャンスモード」、「引き戻しモード」、「ラッシュモード」が設定されており、主制御基板100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。なお、演出モード(ゲームフロー)の詳細については次述する。
[ゲームフロー]
次に、第3実施形態のゲームフローについて説明する。図66は、前述したとおり、第3実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。本実施例では、通常モードで第1特別図柄の大当り(所謂初当り)を引いた後、電サポ状態に滞在中の15回転の変動表示と、該電サポ状態を抜けた後の4回転の変動表示とを合算した計19回転の変動表示が終了するまでの間に、第2特別図柄で大当りを引くこと(すなわち、この関門を突破してラッシュモードに移行すること)を目指す遊技性である。つまり、初当り後は電サポ回数が15回しか付与されないが、この電サポ状態に滞在中の15回転の変動表示にて第2特別図柄の大当りを引くか、電サポ状態を抜けた後の4回転の変動表示(電サポ状態に滞在中に生起した第2特別図柄の残存保留球に係る変動表示)にて第2特別図柄の大当りを引けば、以降は電サポ回数100回が付与されるラッシュモード(最有利状態)でループする仕様となっている。なお、本実施例では、大当り確率が相対的に高めに設定された甘デジスペックとなっているため、電サポ状態を抜けた後の上記4回転の変動表示においても第2特別図柄の大当りを引く可能性が十分に確保された仕様となっている。
<通常モード>
まず、RAMクリアスイッチを押下したうえでの電源投入時のぱちんこ遊技機PMは、電源投入前の演出モードの種類にかかわらず、演出モードが通常モードに設定され、この通常モードから遊技が開始される。なお、RAMクリアスイッチを押下せずの電源投入時のぱちんこ遊技機PMは、電源投入前の演出モードと同じ演出モードが設定される。通常モードは、通常遊技状態(低確率低ベース状態)に対応する演出モードである。演出モードが通常モードである場合、第2始動口52への遊技球の入球頻度よりも第1始動口51への遊技球の入球頻度の方が高く設定されているため、左打ち(左側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第1始動口51に入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この通常モードにおいて、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、第1特別図柄の大当り種別として、「10R特定大当り(図柄群A)」が1%、「4R特定大当り(図柄群B)」が59%、「4R通常大当り(図柄群C)」が40%の当選確率で発生する。大当り種別が「10R特定大当り(図柄群A)」である場合は、その大当り遊技の終了後に、演出モードがラッシュモードに移行する。一方、大当り種別が「4R特定大当り(図柄群B)」又は「4R通常大当り(図柄群C)」である場合は、その大当り遊技の終了後に、演出モードがチャンスモードに移行する。そのため、この通常モードにおいて第1特別図柄の大当りを引くと、1%の確率でラッシュモードに移行し、99%の確率でチャンスモードに移行する。
<チャンスモード>
チャンスモードは、時短遊技状態(低確率高ベース状態)又は確変遊技状態(高確率高ベース状態)に対応する演出モード、すなわち、電チューサポート機能が作動した高ベース状態に対応する演出モードである。演出モードがチャンスモードに移行すると、電チューサポート機能が作動することで、第2始動口52への遊技球の入球容易性が高まるため、右打ち(右側領域PA2を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させて、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。このチャンスモードにおいて、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、第2特別図柄の大当り種別として、「10R特定大当り(図柄群D)」が30%、「4R特定大当り(図柄群E)」が30%、「10R通常大当り(図柄群F)」が20%、「4R通常大当り(図柄群G)」が20%の当選確率で発生する。そして、大当り種別が「10R特定大当り(図柄群D)」、「4R特定大当り(図柄群E)」、「10R通常大当り(図柄群F)」、「4R通常大当り(図柄群G)」のいずれである場合でも、その大当り遊技の終了後に、ラッシュモードに移行する。つまり、チャンスモード
において第2特別図柄で大当りとなった場合、実質100%の確率でラッシュモードに移行する(ラッシュモードへの突入率が実質100%に設定されている)。その結果、このチャンスモードでは、基本的には、該チャンスモードが終了するまで(電サポ状態が終了するまで)の間に、第2特別図柄の当否判定で大当りを獲得して、その大当り遊技の終了後にラッシュモードに移行させることを狙って遊技が進められる。
なお、このチャンスモードは、基本的には、大当り遊技の終了後から起算して、特別図柄の変動表示回数が所定の上限回数(15回)に達するまで、すなわち、電チューサポート機能が終了するまで継続する。そして、このチャンスモードにおいて次の大当りが発生することなく、特別図柄の変動表示回数が所定の上限回数(15回)に到達することを契機として、チャンスモードが終了して、引き戻しモードに移行することになる。但し、特別図柄の変動表示回数が所定の上限回数に到達する最終回の変動表示(15回転目の変動表示)において、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、この第2特別図柄の作動保留球に対応する変動表示が終了するまで、当該最終回の変動表示の終了画面を継続的に表示して、チャンスモードを続行する。つまり、当該最終回の変動表示の停止時に、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、その第2特別図柄の作動保留球の個数(最大4個)分だけチャンスモードの継続回数が上乗せされ、チャンスモードの継続回数が実質的に延長されることになる(チャンスモードの継続回数が最大19回転まで延びる)。なお、このチャンスモード中における電サポ状態の終了タイミングについては後述する。そして、第2特別図柄の作動保留球が全て消化された後、第1特別図柄の作動保留球が消化される(第1特別図柄の変動表示が行われる)ことを契機として、演出モードが引き戻しモードに移行する。
<引き戻しモード>
引き戻しモードは、通常遊技状態(低確率低ベース状態)又は潜確遊技状態(高確率低ベース状態)に対応する演出モード、すなわち、電チューサポート機能が作動していない低ベース状態に対応する演出モードである。なお、引き戻しモードに滞在中は、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率状態)であるのか潜確遊技状態(高確率状態)であるのか秘匿されたままで遊技が進められる。なお、チャンスモードやラッシュモードについても、現在の遊技状態が時短遊技状態(低確率状態)であるのか確変遊技状態(高確率状態)であるのか秘匿されたままで遊技が進められる。演出モードが引き戻しモードである場合、第2始動口52への遊技球の入球頻度よりも第1始動口51への遊技球の入球頻度の方が高く設定されているため、左打ち(左側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第1始動口51に入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この引き戻しモードにおいて、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、第1特別図柄の大当り種別として、「10R特定大当り(図柄群A)」が1%、「4R特定大当り(図柄群B)」が59%、「4R通常大当り(図柄群C)」が40%の当選確率で発生する。大当り種別が「10R特定大当り(図柄群A)」である場合は、その大当り遊技の終了後に、演出モードがラッシュモードに移行する。一方、大当り種別が「4R特定大当り(図柄群B)」又は「4R通常大当り(図柄群C)」である場合は、その大当り遊技の終了後に、演出モードがチャンスモードに移行する。そのため、この通常モードにおいて第1特別図柄の大当りを引くと、1%の確率でラッシュモードに移行し、99%の確率でチャンスモードに移行する。
なお、引き戻しモードは、基本的には、該引き戻しモードに移行した直後から起算して、特別図柄の変動表示回数が「25回」に達するまで継続する。但し、上記のようにチャンスモードの継続回数が上乗せされた場合には、そのチャンスモードの上乗せ回数(最大4回転)分だけ、引き戻しモードの継続回数が減少する(引き戻しモードの継続回数が最大21回転まで短くなる)。すなわち、引き戻しモードの継続回数は、確率変動回数(規定ST回数)に相当する「40回」からチャンスモードの継続回数(15回〜19回)を
減算した残りの回数となる。そのため、チャンスモードの実行回数が所定の上限回数に到達する最終回の変動表示において存在する第2特別図柄の作動保留球の個数分だけ、チャンスモードの継続回数が増加する一方で、引き戻しモードの継続回数が減少することになる。それにより、引き戻しモードに対応する遊技状態として、通常遊技状態と潜確遊技状態とがあるが、引き戻しモードの継続回数が増減されたとしても、引き戻しモードの終期を潜確遊技状態(高確率状態)の終期と一致させることができる。そして、この引き戻しモードが終了すると、次の変動表示から通常モードに移行する。
<ラッシュモード>
ラッシュモードは、確変遊技状態(高確率高ベース状態)又は時短遊技状態(低確率高ベース状態)に対応する演出モードである。演出モードがラッシュモードに移行すると、電チューサポート機能が作動することで、第2始動口52への遊技球の入球容易性が高まるため、右打ち(右側領域PA2を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させて、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。このラッシュモードにおいて、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、第2特別図柄の大当り種別として、「10R特定大当り(図柄群D)」が30%、「4R特定大当り(図柄群E)」が30%、「10R通常大当り(図柄群F)」が20%、「4R通常大当り(図柄群G)」が20%の当選確率で発生する。大当り種別が「10R特定大当り(図柄群D)」、「4R特定大当り(図柄群E)」、「10R通常大当り(図柄群F)」、「4R通常大当り(図柄群G)」のいずれである場合でも、その大当り遊技の終了後に、ラッシュモードに移行する。そのため、このラッシュモードにおいて第2特別図柄の大当りを引くと、100%の確率で再びラッシュモードに移行する(ラッシュモードをループする)。なお、ラッシュモードは、大当り遊技の終了後から起算して、特別図柄の変動表示回数が「100回」に達するまで継続する。なお、このラッシュモード中における電サポ状態の終了タイミングについては後述する。そして、ラッシュモードにおいて次の大当りが発生することなく、特別図柄の変動表示回数が「100回」に到達すると、このラッシュモードが終了して、次の変動表示から通常モードに移行することになる。
[電サポ状態の終了タイミング]
次に、第3実施形態における電サポ状態の終了タイミングについて説明する。ここで、図80(A)は、従来例(従来の技術)の電サポ状態の終了タイミングを説明するためのタイムチャート、図80(B)は本実施例の電サポ状態の終了タイミングを説明するためのタイムチャートである。この電サポ状態の終了タイミングについては、該電サポ状態に対応する演出モードとして、チャンスモードとラッシュモードとが適用可能である。以下では、主として、チャンスモーに適用した場合を例示するが、当然ながら、ラッシュモードに適用しても同様の作用効果を得ることができる。
ここで、本実施例では、前述したとおり、チャンスモード(電サポ状態)で第2特別図柄の大当りを引くと、その大当り遊技の終了後にラッシュモード(電サポ回数が100回付与される状態)へ移行することが確定する(すなわち関門突破が確定する)仕様である。そして、本実施例では、現在滞在中の演出モードがチャンスモードである場合、電サポ状態に滞在中の15回転の変動表示と、電サポ状態を抜けた後の4回転の変動表示(第2特別図柄の残存保留球に係る変動表示)との計19回転の変動表示にて第2特別図柄の大当りを狙って関門突破する遊技性となっている。つまり、第2特別図柄で大当りとなる場合、高ベース状態(低確率高ベース状態又は高確率高ベース状態)にて大当りとなっても、低ベース状態(低確率低ベース状態又は高確率低ベース状態)にて大当りとなっても、その大当り遊技の終了後にラッシュモード(電サポ回数が100回付与される状態)へ移行することが確定する仕様である。本実施例では、大当り確率が相対的に高めに設定された甘デジ仕様であるため、1回転の重み付けが大きくなっており、上記19回転という変
動表示回数が多少でも増減されると、遊技者側が得るべき利益又は遊技店側が被る不利益に対して多大な影響を及ぼし兼ねない。そこで、本実施例では、このような利益付与機会(第2特別図柄の当否判定・変動表示を行う機会)の適正化を図るべく、従来の技術とは異なる、以下のような特徴構成を構築している。
まず、従来例では、図80(A)に示すように、電サポ状態に移行した直後から起算して特別図柄の変動表示回数が所定の上限回数に到達した場合に、その最終回(上限回数)の変動表示の図柄固定時間の終了時に、電サポ状態が終了していた。また、最終回の変動表示の図柄固定時間は、最終回以前の変動表示の図柄固定時間と同一となる相対的に短時間の図柄固定時間A(0.5秒)に設定されていた。そのため、電サポ状態(最終回の変動表示)中に普通図柄の変動が開始して電サポ状態(最終回の変動表示)の終了間際(例えば、電サポ状態終了の0.5秒前)に普通図柄の変動が停止して普通図柄が当り図柄で停止することで、第2始動口52が例えば6秒間(規則で認められる最大開放時間)だけ開放された場合には、電サポ状態が終了した後(最終回の変動表示が終了してその図柄固定時間(0.5秒)が経過した後)に、該最終回の変動表示の終了時に記憶されていた最大4個の残存保留球(第2特別図柄の作動保留球)が消化されることで、遊技球が第2始動口52に入球すると消化された残存保留球の分だけ新たな第2特別図柄の作動保留球が生起可能となり、全ての残存保留球が消化された後(全ての残存保留球に係る第2特別図柄の変動表示が終了した後)も、新たに生起した第2特別図柄の作動保留球に係る第2特別図柄の変動表示が実行される事態となる。つまり、少なくとも第2始動口52が開放されている間は、残存保留球が1個又は複数個消化された後に遊技球を第2始動口52に入球させる毎に、新たな作動保留球が1個生起され、常に第2特別図柄の作動保留球が上限数(4個)に達した状態となり得る。よって、電サポ状態が終了した後、残存保留球の4個の他に、第2始動口54の開放時間中に生起された作動保留球の個数分だけ、第2特別図柄の変動表示が継続することになり、これは、チャンスモードにおける第2特別図柄の当否判定回数・変動表示回数は最大19回であるとの当初の想定値(設計値)を逸脱したものとなる。なお、電サポ状態(最終回の変動表示)中に普通図柄の変動が開始して電サポ状態(最終回の変動表示)の終了後に普通図柄の変動が停止して普通図柄が当り図柄で停止する場合、第2始動口52が例えば0.2秒だけ開放するため、そもそも第2始動口52への入球が困難となるため、当初の想定値から逸脱しない(逸脱しづらい)ことになる。
本実施例では、図80(B)に示すように、電サポ状態に移行した直後から起算して特別図柄の変動表示回数が所定の上限回数に到達した場合に、その最終回(上限回数)の変動表示の図柄固定時間の開始時に電サポ状態が終了する。また、最終回の変動表示の図柄固定時間は、最終回以前の変動表示の図柄固定時間と比べて、相対的に長時間となる図柄固定時間B(6.5秒)に設定されている。しかも、この図柄固定時間B(6.5秒)は、第2始動口52の開放時間として規則で認められる最大開放時間(6秒)よりも長時間に設定されている。そのため、電サポ状態(最終回の変動表示)中に普通図柄の変動が開始して電サポ状態(最終回の変動表示)の終了間際(例えば、電サポ状態終了の0.5秒前)に普通図柄が当り図柄で停止することで、第2始動口52が例えば6秒間(規則で認められる最大開放時間)だけ開放された場合には、電サポ状態が終了した後(最終回の変動表示が終了してその図柄固定時間(6.5秒)が開始された後)に、遊技球が第2始動口52に入球したとしても、該図柄固定時間が終了するまでは、最終回の変動表示の終了時に記憶されていた最大4個の残存保留球(第2特別図柄の作動保留球)が消化されることはなく、新たな第2特別図柄の作動保留球が生起されることもない。つまり、この図柄固定時間中は、第2特別図柄の作動保留球(残存保留球)が1個も減らず、それ故に、最大4個の残存保留球(第2特別図柄の作動保留球)が記憶されている場合には新たな第2特別図柄の作動保留球を1個も溜められないという状態となる(最大4個未満の残存保留球(第2特別図柄の作動保留球)が記憶されている場合には、最大4個となるまでは新た
な第2特別図柄の作動保留球を溜めることができる)。従って、電サポ状態が終了した後も、第2特別図柄の変動表示が当初の想定値(設計値)である4回転を超えて継続する(チャンスモードにおける第2特別図柄の当否判定回数・変動表示回数は最大19回であるとの想定値を逸脱する)事態を未然に防止することができ、遊技者が得るべき利益の適正化を図ることができる。なお、電サポ状態(最終回の変動表示)中に普通図柄の変動が開始して電サポ状態(最終回の変動表示)の終了後に普通図柄の変動が停止して普通図柄が当り図柄で停止する場合、第2始動口52が例えば0.2秒だけ開放するため、そもそも第2始動口52への入球が困難となるため、この場合もやはり当初の想定値から逸脱しない(逸脱しづらい)ことになる。
[各種の演出]
かかる構成の第3実施形態のぱちんこ遊技機PMでは、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板200および画像制御基板300により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、現在滞在中の演出モードがチャンスモードであるときに行われる主たる演出について説明する。
図81は、現在滞在中の演出モードがチャンスモードであるときの演出フローを示す模式図である。第3実施形態では、チャンスモード中に行われる主たる演出として、チャンスモードの1〜15回転目の変動表示中に行われるバトル演出と、チャンスモードの15回転目の変動表示の終了後に行われる最終変動後固定時間演出とを備えている。なお、チャンスモードの15回転目の変動表示は、電サポ状態が終了する契機となる最終回の変動表示に該当するため、以下では、「最終変動表示」又は「最終変動」と呼称する場合がある。また、以下では、便宜上、特別図柄の作動保留球に関して、特別図柄の当否判定(又は事前判定)の結果が大当りとなる作動保留球を「大当り保留球」、特別図柄の当否判定(又は事前判定)の結果がはずれとなる作動保留球を「はずれ保留球」とも呼称る。また、先読み予告の対象となる作動保留球を「トリガ保留球」とも呼称する。さらに、チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)の終了時に残存する第2特別図柄の作動保留球を「残存保留球」とも呼称する。
<バトル演出>
バトル演出は、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦した結果(勝敗)に応じて、特別図柄の当否判定の結果を示唆又は報知する演出である。基本的には、このバトル演出に勝利すると「大当り」となることが確定し、バトル演出に敗北すると「はずれ」となることが確定する。
このバトル演出は、チャンスモードの1〜14回転目の変動表示中に行われる通常バトル演出と、チャンスモードの15回転目の変動表示中(電サポ状態の最終回の変動表示中)に行われる最終バトル演出(特別バトル演出)とに大別される。
≪通常バトル演出≫
通常バトル演出は、チャンスモードの1〜14回転目の変動表示において、リーチが成立すること(図73に記載の「SPリーチC」に発展すること)を契機として実行される。そのため、チャンスモードの1〜14回転目の変動表示では、当該変動表示の実行中にリーチが成立しないと(SPリーチに発展しないと)、通常バトル演出は実行されない。
ここで、図82(A)は、チャンスモードの1〜14回転目に参照される変動演出パターンテーブルを示す模式図である。つまり、この変動演出パターンテーブルは、図73の変動パターンテーブル3に対応する変動演出パターンテーブルとして構成されている。但し、図中には、便宜上、SPリーチ種別の変動演出パターンテーブルのみを示し、その他の種別(非リーチ種別など)の変動演出パターンテーブルについては省略する。この変動
演出パターンテーブルには、特別図柄の変動パターンに対して、その選択候補となる1又は複数の変動演出パターン(通常バトル演出パターン)が割り当てられており、その選択候補となる1又は複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンが抽選で選択される。具体的には、はずれの変動パターンPH3−4に対しては、通常バトル演出の演出結果が「敗北」となる1種類の変動演出パターンPEH31が対応付けられている。また、大当りの変動パターンPA3−1に対しては、通常バトル演出の演出結果が「勝利」となる3種類の変動演出パターンPEA31〜PEA33が対応付けられている。なお、この変動演出パターンPEH31,PEA31〜PEA33の演出内容(通常バトル演出の演出ルート)については後述する。また、図中には、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には演出抽選乱数値に応じて、変動演出パターンPEH31,PEA31〜33を決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、演出抽選乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動演出パターンPEH31,PEA31〜33が選択されるようになっている。
≪最終バトル演出≫
最終バトル演出は、チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)が開始されることを契機として実行される。つまり、最終バトル演出は、この15回転目の変動表示に移行すると大当りかはずれかを問わず必ず行われる演出となっている。
ここで、図82(B)は、チャンスモードの15回転目に参照される変動演出パターンテーブルを示す模式図である。つまり、この変動演出パターンテーブルは、図74の変動パターンテーブル4に対応する変動演出パターンテーブルとして構成されている。この変動演出パターンテーブルには、特別図柄の変動パターンと、第2特別図柄の作動保留球の事前判定結果(先読み結果)と、変動演出パターンとの対応関係が規定されている。つまり、変動演出パターンテーブルには、特別図柄の変動パターンと上記事前判定結果(先読み結果)との組合せに対して、その選択候補となる1又は複数の変動演出パターンが割り当てられており、その選択候補となる1又は複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンが抽選で選択される。そのため、この最終変動表示(15回転目)の変動演出パターンは、上記の非最終変動(1〜14回転目)の変動演出パターンとは異なり、特別図柄の変動パターンの他に、第2特別図柄の作動保留球の事前判定結果(先読み結果)を参酌して決定されるようになっている。具体的には、はずれの変動パターンPH4−1に対しては、残存する第2特別図柄の作動保留球の事前判定結果(先読み結果)が大当りとなる作動保留球が無いとの結果である場合には、最終バトル演出の演出結果が「敗北」となる1種類の変動演出パターンPEH41が対応付けられ、残存する第2特別図柄の作動保留球の事前判定結果(先読み結果)が大当りとなる作動保留球が有るとの結果である場合には、最終バトル演出の演出結果が「勝利」となる2種類の変動演出パターンPEA41,PEA42が対応付けられている。また、大当りの変動パターンPA4−1に対しては、残存する第2特別図柄の作動保留球の事前判定結果(先読み結果)に依存せず、又は、残存する第2特別図柄の作動保留球の事前判定(先読み)を行わず、最終バトル演出の演出結果が「勝利」となる2種類の変動演出パターンPEA41,PEA42が対応付けられている。なお、この変動演出パターンPEH41,PEA41,PEA42の演出内容(通常バトル演出の演出ルート)については後述する。また、図中には、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には演出抽選乱数値に応じて、変動演出パターンPEH41,PEA41〜42を決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、演出抽選乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動演出パターンPEH41,PEA41〜42が選択されるようになっている。
続いて、各バトル演出の演出フローについて説明する。図83は、通常バトル演出の演出フローを示す模式図であり、図84は、最終バトル演出の演出フローを示す模式図である。各図中には、バトル演出の基本的な流れが、紙面の左から右に向けて時系列的に表さ
れている。
まず、通常バトル演出の演出フローについて図83を参照して説明する。チャンスモードの1〜14回転目の変動表示では、当該変動表示が開始された後、リーチが成立してSPリーチに発展すると、以降において味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する通常バトル演出が展開される(ST101〜ST113)。
図示例では、通常バトル演出の演出ルートとして複数種の演出ルート1〜4が用意されており、その演出ルートごとに互いに異なる演出過程を経由して通常バトル演出の勝敗が導出されることになる。大まかに言うと、演出ルート1は通常バトル演出の結果が「敗北」となる「はずれ用ルート」であり、演出ルート2〜4は通常バトル演出の結果が「勝利」となる「大当り用ルート」である。なお、本実施例では、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃を行う演出が現出した時点(後述の「味方攻撃演出」が発生した時点)で、通常バトル演出の結果が「勝利」となること(大当りに当選したこと)が確定する仕様となっている。
各演出ルート1〜4の分岐点では、複数種の演出ルート1〜4のうちのいずれの演出ルートに進展するのかを示唆する分岐演出が行われる。本実施形態では、複数種の分岐演出として、分岐演出1(先制煽り演出:ST102)と、分岐演出2(敵攻撃回避煽り演出:ST106)とが設定されている。
分岐演出1(先制煽り演出:ST102)は、先制攻撃を行うのが味方キャラクタとなるか敵キャラクタとなるかを煽ることで、味方キャラクタが先制攻撃を行うルートとなる「演出ルート2」に移行するのか、敵キャラクタが先制攻撃を行うルートとなる「演出ルート1,3,4」に移行するのかを示唆する演出である。
分岐演出2(敵攻撃回避煽り演出:ST106)は、敵キャラクタの攻撃を回避できるか否かを煽ることで、回避することに成功するルートとなる「演出ルート3」に移行するのか、回避することに失敗するルートとなる「演出ルート1,4」に移行するのかを示唆する演出である。
具体的に、演出ルート1は、バトル開始演出(ST101)→先制煽り演出(ST102)→敵攻撃演出(ST105)→敵攻撃回避煽り演出(ST106)→敵攻撃回避失敗演出(ST110)→敗北演出(ST113)という流れで演出が進展する。
演出ルート2は、バトル開始演出(ST101)→先制煽り演出(ST102)→味方攻撃演出(ST103)→勝利演出A(ST104)という流れで演出が進展する。
演出ルート3は、バトル開始演出(ST101)→先制煽り演出(ST102)→敵攻撃演出(ST105)→敵攻撃回避煽り演出(ST106)→敵攻撃回避成功演出(ST107)→味方攻撃演出(ST108)→勝利演出B(ST109)という流れで演出が進展する。
演出ルート4は、トル開始演出(ST101)→先制煽り演出(ST102)→敵攻撃演出(ST105)→敵攻撃回避煽り演出(ST106)→敵攻撃回避失敗演出(ST110)→救済演出(ST111)→→勝利演出C(ST113)という流れで演出が進展する。なお、救済演出(ST111)は、味方キャラクタが倒れた後、仲間キャラクタが登場して敵キャラクタに攻撃を行うことで、敵キャラクタに勝利する演出である。
ここで、勝利演出A〜C(ST104、ST109、ST112)は、通常バトル演出
の結果が「勝利」となったことを示唆する演出を意味する。勝利演出A(演出ルート2)は、変動演出パターンPEA31に対応する演出ルートであり、勝利演出B(演出ルート3)は、変動演出パターンPEA32に対応する演出ルートであり、勝利演出C(演出ルート4)は、変動演出パターンPEA33に対応する演出ルートである。一方、敗北演出(ST113)は、通常バトル演出の結果が「敗北」となったことを示唆する演出を意味する。敗北演出(演出ルート1)は、変動演出パターンPEH31に対応する演出ルートである。
続いて、最終バトル演出の演出フローについて図84を参照して説明する。チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)では、この最終変動表示が開始された時点から、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する最終バトル演出が展開される(ST201〜ST212)。
図示例では、最終バトル演出の演出ルートとして複数種の演出ルート1〜3が用意されており、その演出ルートごとに互いに異なる演出過程を経由して最終バトル演出の勝敗が導出されることになる。大まかに言うと、演出ルート1は最終バトル演出の結果が「敗北」となる「はずれ用ルート」であり、演出ルート2〜3は最終バトル演出の結果が「勝利」となる「大当り用ルート」である。なお、本実施例では、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃を行う演出が現出した時点(後述の「味方攻撃演出」が発生した時点)で、最終バトル演出の結果が「勝利」となること(大当りに当選したこと)が確定する仕様となっている。
各演出ルート1〜3の分岐点では、複数種の演出ルート1〜3のうちのいずれの演出ルートに進展するのかを示唆する分岐演出が行われる。本実施形態では、複数種の分岐演出として、分岐演出1(敵攻撃回避煽り演出:ST202)、分岐演出2(復活煽り演出:ST207)とが設定されている。
分岐演出1(敵攻撃回避煽り演出:ST202)は、敵キャラクタの攻撃を回避できるか否かを煽ることで、回避することに成功するルートとなる「演出ルート2」に移行するのか、回避することに失敗するルートとなる「演出ルート1,3」に移行するのかを示唆する演出である。
分岐演出2(復活煽り演出:ST207)は、味方キャラクタが倒れた後に復活できるか否かを煽ることで、復活することに成功するルートとなる「演出ルート3」に移行するのか、復活することに失敗するルートとなる「演出ルート1」に移行するのかを示唆する演出である。
具体的に、演出ルート1は、敵攻撃演出(ST201)→敵攻撃回避煽り演出(ST202)→敵攻撃回避失敗演出(ST206)→復活煽り演出(ST207)→復活失敗演出(ST211)→敗北演出(ST212)という流れで演出が進展する。
演出ルート2は、敵攻撃演出(ST201)→敵攻撃回避煽り演出(ST202)→敵攻撃回避成功演出(ST203)→味方攻撃演出(ST204)→勝利演出D(ST205)という流れで演出が進展する。
演出ルート3は、敵攻撃演出(ST201)→敵攻撃回避煽り演出(ST202)→敵攻撃回避失敗演出(ST206)→復活煽り演出(ST207)→復活成功演出(ST208)→味方攻撃演出(ST209)→勝利演出E(ST210)という流れで演出が進展する。
ここで、勝利演出D〜E(ST205、ST210)は、最終バトル演出の結果が「勝利」となったことを示唆する演出を意味する。勝利演出D(演出ルート2)は、変動演出パターンPEA41に対応する演出ルートであり、勝利演出E(演出ルート3)は、変動演出パターンPEA42に対応する演出ルートである。一方、敗北演出(ST212)は、最終バトル演出の結果が「敗北」となったことを示唆する演出を意味する。なお、敗北演出(演出ルート1)は、変動演出パターンPEH41に対応する演出ルートである。
なお、本実施例では、この最終変動表示の当否判定の結果が「はずれ」となる場合には、最終バトル演出の結果が勝利であっても敗北であっても、該最終バトル演出の終了後(つまり、該最終変動表示に係る図柄固定時間の開始時)に、次述する最終変動後固定時間演出が行われる。
<最終変動後固定時間演出>
最終変動後固定時間演出(以下「固定時間演出」と呼称する)は、図81に示すように、チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)の図柄固定時間が「図柄固定時間B(6.5秒)」となる場合、すなわち、この最終変動表示の実行契機となった特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となることで電サポ状態が終了する場合に、その図柄固定時間中に行われる演出である。但し、この最終変動表示(電サポ状態)の終了時に、一又は複数の第2特別図柄の作動保留球が残存している場合には、この第2特別図柄の作動保留球に対応する変動表示(電サポ抜け後の1又は複数回の変動表示)が終了するまでの間、固定時間演出は継続して行われる。つまり、固定時間演出は、最終変動表示(電サポ状態)の終了時に残存している一又は複数の第2特別図柄の作動保留球(以下「残存保留球」と呼称する)が該最終変動表示の終了後に消化されることを前提に、この最終変動表示の図柄固定時間と、その残存保留球が消化されたときの変動表示の実行時間(変動時間)及び図柄固定時間とに跨って、一体的且つ連続的に行われる演出である。そのため、電サポ終了時に存在する残存保留球に基づく一又は複数回の変動表示を、最終変動表示を終えた後の図柄固定時間中(チャンスモード中)であるかの如く見せて、遊技者に違和感を与えることなく、この残存保留球をしれっと消化することができる。なお、最終変動表示の図柄固定時間が「図柄固定時間A(0.5秒)」となる場合、すなわち、この最終変動表示の実行契機となる特別図柄の当否判定の結果が「大当り」である場合には、固定時間演出は行われず、図柄固定時間(固定時間A)の経過後に大当り遊技に移行する(固定時間A中には、図87の図柄固定時間における画面例の「天破RUSHGET」の文字が表示される)。なお、以降の説明においては、残存保留球が消化されたときの変動表示の図柄固定時間に表示される演出については詳述しないが、残存保留球が消化されたときの変動表示にて表示される演出を図柄固定時間にも継続して表示する。
この固定時間演出は、その演出尺の全期間を通して所定画面(所定の映像)が表示される。つまり、固定時間演出は、所定画面の表示時間に制約のない、言わば垂れ流し的に表示される演出として構成されている。なお、固定時間演出の実行中(所定画面の表示中)は、三列の装飾図柄が画面の端において小図柄として縮小表示させる。
また、固定時間演出は、最終バトル演出の結果が「敗北」となる場合に行われる第1固定時間演出と、最終バトル演出の結果が「勝利」となる場合に行われる第2固定時間演出とに大別される。つまり、第1固定時間演出および第2固定時間演出のうちの何れの演出が行われるのかは、最終バトル演出の結果(すなわち、最終回の変動表示の開始時における当否判定の結果(最終変動表示が「はずれ」となることを条件とする)と残存保留球の先読み結果)に応じて決まることになる。
第1固定時間演出は、最終バトル演出の結果が「敗北」となることを契機として、チャンスモードが終了することを示唆する演出(上記所定画面としてチャンスモード終了示唆
画面を表示する演出)である。そのため、この第1固定時間演出が終了すると、チャンスモードが終了して、引き戻しモードに移行することになる。但し、詳細後述するが、最終回の変動表示の実行契機となった当否判定の結果が「はずれ」となり、且つ、当該当否判定の実行時に第2特別図柄の作動保留球内に大当りとなる作動保留球が存在しないと事前判定されたことで、最終バトル演出の結果が敗北となった場合であっても、この最終回の変動表示が終了(最終バトル演出が終了)するまでに第2特別図柄の作動保留球として大当りとなる作動保留球が生起されたときには、第1固定時間演出が終了した後(この大当りとなる作動保留球に係る変動表示が終了した後)、大当り遊技に移行することになる。そのときは、最終バトル演出の演出結果(バトルで敗北したことによる「はずれ」の示唆)と、実際の遊技結果(大当り遊技移行)との帳尻を合わせるため、その大当り遊技の開始時に、実際には「はずれ」ではなく「大当り」に当選していることを示す救済演出(詳細後述)を実行する。
第2固定時間演出は、最終バトル演出の結果が「勝利」となることを契機として、その大当り遊技の終了後にラッシュモードに移行することを示唆する演出(上記所定画面としてラッシュモード移行示唆画面を表示する演出)である。そのため、第2固定時間演出が終了すると、大当り遊技が実行された後、ラッシュモードに移行することになる。
次に、図柄固定時間演出の演出例について説明する。図85は第1固定時間演出のタイムチャート、図86は第1固定時間演出が行われた後、大当り遊技の開始時に救済演出が行われるときのタイムチャート、図87は第2固定時間演出のタイムチャートである。なお、本図示例の説明においては、特段の場合を除き、特別図柄の変動表示として、第2特別図柄の変動表示が行われることを前提に説明する。
まず、第1固定時間演出の演出例について、図85を参照して説明する。本図示例では、チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)の開始時に、該最終変動表示の実行契機となる第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となり、且つ、該最終変動表示の開始時に実行される第2特別図柄の事前判定における事前判定結果(先読み結果)として「大当り」となる作動保留球が記憶されていない(3個の「はずれ」の作動保留球のみが記憶されている)状況である。なお、この3個分の作動保留球は、最終変動表示の開始時に存在する作動保留球であるため、変動表示の開始時の事前判定(先読み)の対象となっている。そのため、この第2特別図柄の当否判定の結果と事前判定結果(先読み結果)とに基づき、15回転目の変動表示(最終変動表示)では、対戦結果が「敗北」となる最終バトル演出が実行されることになる。ここで、この最終変動表示(最終バトル演出)の実行中に、新たな第2特別図柄の作動保留球(4個目の作動保留球)として「はずれ」の作動保留球が生起され、最終変動表示の終了時に第2特別図柄の作動保留球が4個(保留1〜保留4)記憶された状況となる。なお、この4個目の作動保留球は、最終変動表示の開始時には存在しなかった作動保留球であるため、変動表示の開始時の事前判定(先読み)の対象にならない。そして、最終バトル演出で味方キャラクタが敵キャラクタに敗北して、最終変動表示が「はずれ」で終了すると、この最終変動表示に係る図柄固定時間B(6.5秒)の開始時に、電サポ状態が終了して、非電サポ状態に転落することになる。また、この図柄固定時間Bの開始時(電サポ状態の終了時)に、チャンスモードが終了することを示唆する第1固定時間演出が開始され、あたかも該15回転目の変動表示にてチャンスモードが終了するかのように見せている(実際には19回転目の変動表示にてチャンスモードが終了するが、見た目上は15回転目の変動表示にてチャンスモードが終了するように見せている)。この第1固定時間演出は、最終変動表示に係る図柄固定時間Bが開始されたときから、該最終変動表示の終了時に記憶されている第2特別図柄の作動保留球(4個の作動保留球)が全て消化されるまで(この第2特別図柄の作動保留球に対応する変動表示が全て終了するまで)の間、シームレスに繋がる一連の演出として行われる。なお、この第1固定時間演出の実行中は、上記所定画面(チャンスモード終了示唆画面
)を表示したままで、装飾図柄を画面の端の方に縮小した状態で変動表示および停止表示する。それにより、実際には第2特別図柄の作動保留球が消化されている期間(電サポ状態が抜けた直後の4回転の変動表示)を、あたかも最終変動表示の図柄固定時間が継続しているかの如く遊技者に見せて、見た目上は電サポ状態にて第2特別図柄の変動表示が全て完結したかのように見せることができる。また、この第1固定時間演出の実行中は、第2特別図柄の作動保留球を極短時間で高速消化することで、最終変動表示が終了してから第2特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでの時間を圧縮して、第2特別図柄の作動保留球が消化されていることを遊技者に極力認識させることなく、第1固定時間演出をしれっと終了させることができる。そして、この第1固定時間演出が終了することで(第2特別図柄の作動保留球が全て消化されることで)チャンスモードが終了し、次の変動表示にて第1特別図柄の作動保留球が消化されることを契機として引き戻しモードに移行する。なお、不図示ではあるが、最終変動表示にて表示される演出(特に、変動終盤に表示される演出)も図柄固定時間にて表示される演出(固定時間演出)と一連の内容又は同一の内容(継続表示)であるため、最終変動表示、最終変動表示の図柄固定時間、残存保留球に係る変動表示、残存保留球に係る変動表示の図柄固定時間に亘って(少なくとも最後の残存保留球に係る変動表示まで又は図柄固定時間まで)、シームレスに繋がる一連の演出を行うことができる。
続いて、図86を参照して、第1固定時間演出が行われた後(最終バトル演出が敗北となった後)、大当り遊技の開始時に救済演出が行われるときの演出例について説明する。本図示例では、上記の図85と同様に、チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)の開始時に、該最終変動表示の実行契機となる第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となり、且つ、第2特別図柄の作動保留球内には「大当り」となる作動保留球が記憶されていないが(3個の「はずれ」の作動保留球のみが記憶されているが)、上記の図85とは異なる点として、この最終回の変動表示の実行中に新たな第2特別図柄の作動保留球(4個目の作動保留球)として「大当り」となる作動保留球が生起される。なお、前述したとおり、この4個目の作動保留球は、最終変動表示の開始時には存在しなかった作動保留球であるため、変動表示の開始時の事前判定(先読み)の対象にならない。そのため、4個目の作動保留球であり且つ「大当り」となる作動保留球が最終変動表示の開始後に生起しても、固定時間演出は、後述する第2固定時間演出ではなく、第1固定時間演出となる、つまりは最終バトル演出の結果が敗北となる。しかし、最終バトル演出の結果が敗北となる場合であっても、この最終変動表示の実行中に新たな第2特別図柄の作動保留球として「大当り」となる作動保留球が生起されたとき(図86で言えば、4個目の作動保留球であり且つ「大当り」となる作動保留球が生起されたとき)は、該最終変動表示の終了時に記憶されている第2特別図柄の作動保留球(「大当り」となる作動保留球)が全て消化されるまで(この第2特別図柄の作動保留球に対応する変動表示が終了するまで)の間、第1固定時間演出を実行した後、「大当り」となる作動保留球が消化されたことにより実行される大当り遊技における大当り開始デモの開始時に救済演出を行うことで(大当り遊技の開始時に救済演出を挟むことで)、最終バトル演出の結果(敗北)と遊技結果(大当り遊技への移行)との間に生じる齟齬を、大当り開始時の救済演出(実際には「はずれ」ではなく「大当り」に当選していることを示唆する演出)にて帳尻を合わせるようにしている。この救済演出とは、一旦はずれであると見せかけたうえで、その後、実は大当りであることを報知するような演出である。なお、不図示ではあるが、最終変動表示にて表示される演出(特に、変動終盤に表示される演出)も図柄固定時間にて表示される演出(固定時間演出)と一連の内容又は同一の内容(継続表示)であるため、最終変動表示、最終変動表示の図柄固定時間、残存保留球に係る変動表示、残存保留球に係る変動表示の図柄固定時間に亘って(少なくとも「大当り」となる残存保留球に係る変動表示まで)、シームレスに繋がる一連の演出を行うことができる。
続いて、第2固定時間演出の演出例について、図87を参照して説明する。本図示例で
は、チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)の開始時に、該最終変動表示の実行契機となる第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となり、且つ、該最終変動表示の開始時に実行される第2特別図柄の事前判定における事前判定結果(先読み結果)として「大当り」となる作動保留球が記憶されている(3個目の作動保留球が「大当り」の作動保留球として記憶されている)状況である。なお、この3個目を含む3個分の作動保留球は、最終変動表示の開始時に存在する作動保留球であるため、変動表示の開始時の事前判定(先読み)の対象となっている。そのため、この第2特別図柄の当否判定の結果と事前判定結果(先読み結果)とに基づき、15回転目の変動表示(最終変動表示)では、対戦結果が「勝利」となる最終バトル演出が実行されることになる。そして、最終バトル演出で味方キャラクタが敵キャラクタに勝利して、最終変動表示が終了すると、この最終変動表示に係る図柄固定時間B(6.5秒)の開始時に、電サポ状態が終了して、非電サポ状態に移行することになる。また、この図柄固定時間Bの開始時(電サポ状態の終
了時)に、大当り遊技の終了後にラッシュモードに移行することを示唆する第2固定時間
演出が開始され、あたかも該15回転目の変動表示にて大当りしたかのように、更に言えば該15回転目での大当りを契機にラッシュモードに移行するように見せている(実際には18回転目の変動表示にて大当りする/その大当りを契機にラッシュモードに移行するが、見た目上は15回転目の変動表示にて大当りしているように見せている/その大当りを契機にラッシュモードに移行するように見せている)。この第2固定時間演出は、最終変動表示に係る図柄固定時間Bが開始されたときから、該最終変動表示の開始時(又は終了時)に記憶されている大当りの作動保留球が消化されるまで(この大当りの作動保留球に対応する変動表示が終了するまで)の間、シームレスに繋がる一連の演出として行われる。なお、この第2固定時間演出の実行中は、上記所定画面(ラッシュモード移行示唆画面)を表示したままで、装飾図柄の画面の端の方に縮小した状態で変動表示および停止表示する。それにより、実際には第2特別図柄の作動保留球が消化されている期間(電サポ状態が抜けた直後の3回転の変動表示)を、あたかも最終変動表示の図柄固定時間Bが継続しているかの如く遊技者に見せて、見た目上は電サポ状態にて第2特別図柄の変動表示が全て完結したかのように見せることができる(電サポ状態の最終変動で大当りが発生したかのように見せることができる)。また、この第2固定時間演出の実行中は、第2特別図柄の作動保留球を極短時間で高速消化することで、最終変動表示が終了してから第2特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでの時間を圧縮して、第2特別図柄の作動保留球が消化されていることを遊技者に極力認識させることなく、第2固定時間演出をしれっと終了させることができる。そして、この第2固定時間演出が終了することで(大当りの変動表示が終了することで)チャンスモードが終了し、大当り遊技が実行された後、ラッシュモードに移行する。なお、不図示ではあるが、最終変動表示にて表示される演出(特に、変動終盤に表示される演出)も図柄固定時間にて表示される演出(固定時間演出)と一連の内容又は同一の内容(継続表示)であるため、最終変動表示、最終変動表示の図柄固定時間、残存保留球に係る変動表示、残存保留球に係る変動表示の図柄固定時間に亘って(少なくとも「大当り」となる残存保留球に係る変動表示まで又は図柄固定時間まで)、シームレスに繋がる一連の演出を行うことができる。
なお、図85〜図87に示す画面例には図示を省略しているが、電サポ状態の終了時を境目として、遊技の主体が第2始動口52を狙って遊技球を発射させる遊技性から第1始動口51を狙って遊技球を発射させる遊技性に切り替わるため、電サポ状態の終了前の画面には、遊技球を右側領域PA2に向けて発射すべきこと(右打ち)を遊技者に促す右打ち画像(所定演出)が表示されるが、電サポ状態の終了後の画面には、この右打ち画像(所定演出)が非表示となる。すなわち、最終変動表示の実行中に行われる最終バトル演出では、右打ち画像(所定演出)が表示されるが、最終変動表示の終了後の図柄固定時間B中に行われる固定時間演出(第1固定時間演出、第2固定時間演出)では、右打ち画像(所定演出)が表示されない。
以上、第3実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
まず、第3実施形態によれば、電サポ状態の最終回の変動表示にて「はずれ」となるときの図柄固定時間を、該最終回以前の変動表示にて「はずれ」となるときの図柄固定時間よりも相対的に長時間に設定して、該最終回の変動表示に係る図柄固定時間の開始時に電サポ状態を終了させるように構成したことで、電サポ状態(最終回の変動表示)の終了間際に普通図柄の当り図柄が停止して第2始動口52が所定時間(例えば規則で認められる最大開放時間の6秒間)だけ開放された場合、該電サポ状態が終了した後(最終回の変動表示が終了してその図柄固定時間(6.5秒)が開始された後)に遊技球が第2始動口52に入球したとしても、該図柄固定時間が終了するまでは、最終回の変動表示の終了時に記憶されていた第2特別図柄の残存保留球が消化されることはないため、該図柄固定時間中に第2特別図柄の残存保留数が上限数溜まっていれば新たな第2特別図柄の作動保留球が生起されることもない。そのため、この第3実施形態によれば、従来の技術のように、電サポ状態が終了した後も、第2特別図柄の残存保留球に係る変動表示が行われる毎に、新たな第2特別図柄の作動保留球が次々と生起されて第2特別図柄の変動表示が想定回数以上に継続する事態を未然に防止することができるため、遊技者が得るべき利益の適正化(利益付与機会の適正化)を図り、遊技機のスペックを一脱しない公正且つ公平な遊技を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。なお、本実施例の効果をより確実にするためには、図柄固定時間を第2始動口の開放時間(最大開放時間)よりも相対的に長時間とすることが好適である。なお、最大開放時間とは、第2始動口の開放時間を複数種類備える場合は、その中でも最も長時間となるものであることは言うまでもないが、第2始動口の開放時間を1つしか備えない場合は、その1つの開放時間そのものが最大開放時間となる。
また、第3実施形態によれば、電サポ状態が終了する契機となる最終回の変動表示の開始時に、その当否判定の結果に加えて、第2特別図柄の作動保留球(電サポ状態が終了した後に消化される予定の残存保留球)の事前判定結果を参照して、該最終回の変動表示にて行われる図柄変動演出(最終バトル演出)の内容を決定するとともに、該最終回の変動表示に係る停止表示(図柄固定時間)と残存保留球に係る変動表示とを連続性のある一連の演出(固定時間演出)として繋げることで、残存保留球に係る変動表示の過程を該最終回の変動表示の変動表示中又は図柄固定時間中の如く見せて、電サポ状態を抜けた後の残存保留球に係る変動表示に対して遊技者が違和感を抱き難くすることができるため、従来にない斬新な遊技演出を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第3実施形態によれば、電サポ状態が終了する契機となる最終回の変動表示の開始時に、第2特別図柄の当否判定の結果が「はずれ」となり、且つ、第2特別図柄の作動保留球内に大当りとなる作動保留球が存在しなかったことで、該最終回の変動表示がはずれの変動表示となった場合(最終バトル演出が敗北となった場合)であっても、該最終回の変動表示が終了するまでの間に、新たな第2特別図柄の作動保留球として「大当り」となる作動保留球が生起された場合には、その大当り遊技の開始時に実際には大当りであったことを示唆する特定演出を挟むことで、図柄変動演出(最終バトル演出)及び固定時間演出(第1固定時間演出)の内容と、実際の遊技結果との間に齟齬が生じるのを未然に防止して、遊技者に不信感や違和感を抱かせ難くすることができ(逆に最終結果として救済演出が発生することで遊技者の満足感や高揚感を高めることができ)、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、時短遊技状態又は確変遊技状態に対応する演出モードとしてチャンスモードとラッシュモードとを大当り種別等に応じて択一的に設定して、現在滞在中の演出モードがチャンスモード(第1有利状態)である場合は、最終回の変動表示と
最終回以前の変動表示とで変動パターン選択傾向が異なるが、現在滞在中の演出モードがラッシュモード(第2有利状態)である場合は、最終回の変動表示と最終回以前の変動表示とで変動パターン選択傾向を同一にするとともに、チャンスモード(第1有利状態)の終了後の変動パターン選択傾向と、ラッシュモード(第2有利状態)の終了後の変動パターン選択傾向とを異なるものとすることにより、同じ遊技状態に対応する二つの演出モードであっても、変動パターン選択傾向が全く異なるものとなるため、変動パターンテーブルのバリエーションを豊富にして、多様な遊技性および遊技演出を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、チャンスモード(第1有利状態)の終了後は、該終了時に記憶されている第2特別図柄の作動保留球が全て消化されるまでは次の演出モード(引き戻しモード)へ移行しないが、ラッシュモード(第2有利状態)の終了後は、該終了時に記憶されている最先の第2特別図柄の作動保留球が消化されることを契機として次の演出モード(通常モード)へ移行する構成となることで、同じ遊技状態に対応する二つの演出モードであっても、演出モードの移行条件や移行タイミングに差異をもたせて、多様な遊技性および遊技演出を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
[第3実施形態の変形例]
次に、第3実施形態の変形例に係るぱちんこ遊技機について説明する。本変形例に係るぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第3実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。つまり、以下の説明においては、特段の場合を除き、第3実施形態と共通の構成を適用することが可能である。
図88は、第3実施形態の変形例の電気ブロック図である。主制御基板100には、第1特別図柄および第2特別図柄の当否判定の結果において大当りと判定する確率(大当り確率)を段階的に設定可能に構成された設定変更部900が設けられている。
設定変更部900は、設定キー(設定鍵)901と、設定変更スイッチ902と、設定表示モニタ903とを有して構成される。設定キー901は、大当り確率の設定確認および設定変更を行う場合に操作される鍵型のスイッチである。設定変更スイッチ902は、大当り確率の設定値を複数の段階(本例では6段階)で設定変更するスイッチである。なお、この設定変更スイッチ902は、RAMクリアスイッチとしても兼用されている。すなわち、後述の設定変更モードを開始させるために、設定変更スイッチ902を操作した状態において電源投入を行うと、主制御基板100のRAM103に記憶された全情報のうち、少なくとも遊技状態に関する情報(電源断前の遊技状態に関する情報であり、特別遊技中か否か、高確状態か低確状態か、高ベース状態か低ベース状態か、第1特別図柄/第2特別図柄の作動保留球数は幾つか、変動パターン選択状態は何であるか、変動中か否かなどの情報)をクリアする。但し、設定変更スイッチ902をRAMクリアスイッチとして兼用せずに、専用の設定変更スイッチを設け、RAMクリアスイッチとは別としてもよい。設定表示モニタ903は、設定変更スイッチ902にて設定された設定値や大当り確率などを表示するLED表示器(7セグメントLED)である。なお、設定変更部900は、主制御基板100以外の他の制御基板に設けてもよいし、制御基板以外の他の要素に設けてもよい。
設定変更部600は、設定キー901が所定方向に回動操作され、且つ、設定変更スイッチ902がオン操作された状態において、電源が供給されることで、設定変更モード(設定値を変更可能とするモード)に移行する。この設定変更モードでは、設定変更スイッチ902が操作される毎に設定値を6段階で切り換えられ、その切り換えられた現在の設
定値が設定表示モニタ903に表示される。そして、設定キーが元の位置に戻されると上記で切り換えられた設定値が確定し、設定変更モードを終了して通常モード(遊技を行うことが可能なモード)に移行する。
このような構成の設定変更部900では、設定変更スイッチ902の入力操作によって、6段階の設定値の中からいずれかの設定値を選択することができる。ここで、図89は、大当り確率設定値テーブルを示す模式図である。本変形例では、6段階の設定値として、「設定値1」、「設定値2」、「設定値3」、「設定値4」、「設定値5」および「設定値6」を有している。具体的には、設定値ごとの大当りの確率は、設定値1<設定値2<設定3<設定4<設定値5<設定値6という順に1段階ずつ高くなる。
ここで、各設定値1〜6において、低確率状態の大当り確率と高確率状態の大当り確率との間の比率は、同一の比率になるように設定されている。つまり、いずれの設定値1〜6が選択された場合でも、低確率状態の大当り確率と高確率状態の大当り確率との間の比率(大当り確率の変化率)は同じである。現在の設定値が「設定値1」である場合は、低確率状態の大当り確率が「1/100」、高確率状態の大当り確率が「1/40」に設定される。現在の設定値が「設定値2」である場合は、低確率状態の大当り確率が「1/96」、高確率状態の大当り確率が「1/38.4」に設定される。現在の設定値が「設定値3」である場合は、低確率状態の大当り確率が「1/92」、低確率状態の大当り確率が「1/36.8」に設定される。現在の設定値が「設定値4」である場合は、低確率状態の大当り確率が「1/88」、高確率状態の大当り確率が「1/35.2」に設定される。現在の設定値が「設定値5」である場合は、低確率状態の大当り確率が「1/84」、高確率状態の大当確率が「1/33.6」に設定される。現在の設定値が「設定値6」である場合は、低確率状態の大当り確率が「1/80」、高確率状態の大当り確率が「1/32」に設定される。
本変形例では、上記実施形態と同様に、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板200および画像制御基板300により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、大当り確率の設定値を示唆する「設定示唆演出」の内容について説明する。
<設定示唆演出>
設定示唆演出は、設定変更スイッチ902により設定された現在の設定値が6段階の設定値1〜6のうちのいずれであるかを示唆する演出である。この設定示唆演出は、大当り遊技の実行中に行われる第1設定示唆演出と、電サポ状態の終了時に行われる第2設定示唆演出とを含む。
≪第1設定示唆演出≫
まず、第1設定示唆演出について説明する。図90は、第1設定示唆演出で用いる特定ランプ81を示す模式図である。
第1設定示唆演出は、大当り遊技の実行中に、遊技球が一般入賞口64へ入球することを契機として、盤面上の一般入賞口64の近傍に設けられた特定ランプ81を所定の発光色で点灯することで、大当り確率の設定値を示唆する演出である。なお、本変形例では、遊技球を右側領域PA2に向けて発射する右打ちを遊技の主体とする遊技状態(大当り遊技状態、電サポ状態)のうち、大当り遊技状態にて遊技球が一般入賞口64に入球することを契機として第1設定示唆演出が行われるが、電サポ状態(非特別遊技状態)にて遊技球が一般入賞口64に入球したとしても第1設定示唆演出は行われない。
本変形例では、第1設定示唆演出の演出パターン(特定ランプ81の発光色)として、
「白色」、「緑色」、「赤色」の3種類が設定されている。また、特定ランプの発光色は、「白色」<「緑色」<「赤色」の順に、現在の大当り確率の設定値が相対的に高い状態であることを示唆する。つまり、「白色」は低い設定値のほうが発生しやすく(例えば、「設定値1」〜「設定値3」のほうが「設定値4」〜「設定値6」よりも発生しやすく)、「緑色」は高い設定値のほうが発生しやすく(例えば、「設定値4」〜「設定値6」のほうが「設定値1」〜「設定値3」よりも発生しやすく)、「赤色」は高い設定値のほうが非常に発生しやすい(例えば、「設定値4」〜「設定値6」のほうが「設定値1」〜「設定値3」よりも非常に発生しやすい、又は、「設定6」でないと発生しない)。
ここで、図91は、大当り遊技の実行中に第1設定示唆演出が行われるときのタイムチャートである。本実施例において、第1設定示唆演出は、大当り確率の設定値が相対的に高設定となっている場合、大当り遊技の実行中において、大入賞口54が開放されているとき(大入賞口54の開放期間)よりも、大入賞口54が閉鎖されているとき(大入賞口54の閉鎖期間)の方が、特定ランプ81の発光色が高期待度の発光色(大当り確率の設定値が相対的に高い状態であることを示す発光色)となる可能性が高くなるように構成されている。
図中に示すように、大当り確率の設定値が高設定(例えば「設定値4」〜「設定値6」)である状況で、大入賞口54の開放期間中に遊技球が一般入賞口54に入球した場合には、特定ランプ81の発光色として、白色の選択率が「80%」、緑色の選択率が「15%」、赤色の選択率が「5%」となる。また、大当り確率の設定値が高設定(例えば「設定値4」〜「設定値6」)である状況で、大入賞口54の閉鎖期間中に遊技球が一般入賞口54に入球した場合、特定ランプ81の発光色として、白色の選択率が「60%」、緑色の選択率が「25%」、赤色の選択率が「15%」となる。すなわち、大入賞口54が開放されている期間(遊技者が右側領域PA2を狙って遊技球を発射させている期間)よりも、大入賞口54が閉鎖されている期間(遊技者が意図的に遊技球の発射を停止させてしまう期間)の方が、第1設定示唆演出による設定示唆の信頼度が高くなることで、遊技者の射幸心を高めて、大当り遊技中の稼働率を向上させることができる。なお、不図示であるが、低設定(「設定値1」〜「設定値3」)である状況における特定ランプ81の各発行色の選択率と各設定値との関係は、大入賞口54の開放期間中に遊技球が一般入賞口54に入球した場合には、白色の選択率が「85%」、緑色の選択率が「12.5%」、赤色の選択率が「2.5%」となり、大入賞口54の閉鎖期間中に遊技球が一般入賞口54に入球した場合も同様とする(もしくは白色の選択率を更に上げ、赤色の選択率を更に下げる)。そうすることで、大入賞口54の閉鎖期間中に遊技球が一般入賞口54に入球した場合は、大入賞口54の開放期間中に遊技球が一般入賞口54に入球した場合と比べて高設定に限り緑色や赤色が選択され易くなり、大入賞口54の入球が期待できない状況(閉鎖期間中)においても、遊技者に対して遊技球の発射を促す動機付けとなる。更なる変形例としては、第1設定示唆演出は、特定ランプ81を用いずに、大当り遊技状態にて遊技球が一般入賞口64に入球することを契機として画面上に特殊画像(例えば、何かが発光したかのように見せる画像であるエフェクト画像)を表示させるよう構成してもよい。
≪第2設定示唆演出≫
続いて、第2設定示唆演出について説明する。図92は、第2設定示唆演出の画面例を示す模式図である。
第2設定示唆演出は、現在滞在中の演出モードがチャンスモードである場合に、特別図柄の変動表示回数が所定の終期回数(15回)に到達することに基づき電サポ状態が終了することを契機として、画面上に特定画像(キャラクタ画像)を所定の表示態様で表示することで、大当り確率の設定値を示唆する演出である。なお、チャンスモードの15回転
目の変動表示(最終変動表示)が終了した後の図柄固定時間中は、画面上において、この第2設定示唆演出の特定画像(キャラクタ画像)と、前述の固定時間演出のチャンスモード終了示唆画像とが互いに重複しない位置関係で別個に表示される。このように電サポ状態の終了時に、特定画像(キャラクタ画像)とチャンスモード終了示唆画像と装飾図柄とが互いに被ることはなく、一方の情報によって他方の情報が隠れないようになっている。更なる変形例としては、チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)が終了した後の図柄固定時間中に特定画像(キャラクタ画像)を表示させるのではなく、チャンスモードの15回転目の変動表示(最終変動表示)中に特定画像特定画像(キャラクタ画像)を表示させるよう構成してもよい。
本変形例では、第2設定示唆演出の演出パターン(特定画像の表示態様)として、「表示なし」、「銅」、「銀」、「金」「キリン(柄)」、「虹」の6種類が設定されている。また、特定画像の表示態様(表示色)は、現在の大当り確率の設定値と関係しており、「表示なし」<「銅」<「銀」<「金」<「キリン(柄)」<「虹」の順に、現在の大当り確率の設定値が相対的に高い状態であることを示唆する。なお、「表示なし」とは、特定画像が表示されないことを意味する。また、「銅」、「銀」、「金」、「キリン(柄)」、「虹」は、特定画像がその色彩又は表示色で表示されることを意味する。ここで、詳細後述するが、「銅」は現在の設定値が「設定値2」以上であることを示す表示態様であり、「銀」は現在の設定値が「設定値3」以上であることを示す表示態様であり、「金」は現在の設定値が「設定値4」以上であることを示す表示態様であり、「キリン(柄)」は現在の設定値が「設定値5」以上であることを示す表示態様であり、「虹」は現在の設定値が「設定値6」であることを示す表示態様である。つまり、「銅」は現在の設定値が「設定1」である場合には絶対に表示されず、「銀」は現在の設定値が「設定1」〜「設定2」である場合には絶対に表示されず、「金」は現在の設定値が「設定1」〜「設定3」である場合には絶対に表示されず、「キリン(柄)」は現在の設定値が「設定1」〜「設定4」である場合には絶対に表示されず、「虹」は現在の設定値が「設定1」〜「設定5」である場合には絶対に表示されない。
図93は、第2設定示唆演出のタイムチャートである。第2設定示唆演出は、現在の設定値が相対的に高設定となっている場合、電サポ状態(チャンスモード)で大当りを引く
ことなく、この電サポ状態(チャンスモード)が終了して非電サポ状態(引き戻しモード)に移行する連続回数(以下「連続終了回数」と呼称する)が多くなるほど、特定画像の表示態様が高期待度の表示態様(大当り確率の設定値が相対的に高い状態であることを示す表示態様)となる可能性が高くなるように構成されている。
図中に示すように、現在の設定値が高設定(例えば「設定値6」)である状況で、電サポ状態の連続終了回数がN回目の場合、特定画像の表示態様として、「表示なし」の選択率が「65%」、「銅」の選択率が「10%」、「銀」の選択率が「10%」、「金」の選択率が「5%」、「キリン」の選択率が「5%」、「虹」の選択率が「5%」となる。一方、現在の設定値が高設定(例えば「設定値6」)である状況で、電サポ状態の連続終了回数がN+1回目の場合、特定画像の表示態様として、「表示なし」の選択率が「60%」、「銅」の選択率が「5%」、「銀」の選択率が「5%」、「金」の選択率が「10%」、「キリン」の選択率が「10%」、「虹」の選択率が「10%」となる。すなわち、電サポ状態の連続終了回数がN回目の場合よりも、電サポ状態の連続終了回数がN+1回目の場合の方が、特定画像の表示態様として高設定示唆の「金」以上が出現する確率が向上する。従って、ラッシュモード(最有利状態)への関門を突破できない回数が連続するほど、第1設定示唆演出による設定示唆の信頼度が高くなることで、遊技者の遊技意欲(モチベーション)が減退するのを防止して、遊技を継続させることができる。
以上、第3実施形態の変形例によれば、現在の大当り確率の設定値が相対的に高設定と
なっている場合、大当り遊技の実行中において大入賞口54が開放されている期間よりも大入賞口54が閉鎖されている期間(遊技者が意図的に遊技球の発射を停止させてしまう期間)において設定示唆の信頼度(確度)が高くなるため、遊技者の射幸心を高めて、大当り遊技中の稼働率を向上させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第3実施形態の変形例によれば、現在の大当り確率の設定値が相対的に高設定となっている場合、電サポ状態の実行中に大当りを引くことなく該電サポ状態が終了して非電サポ状態に移行する回数が連続するほど、設定示唆の信頼度(確度)が高くなるため、電サポ状態を何度も抜けることで遊技者の遊技意欲(モチベーション)が減退するのを防止して、遊技の継続を促すことができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、第2設定示唆演出の変形例として、以下に示す不利状態又は非有利状態が連続した場合に、該設定示唆の実行頻度又は該設定示唆の信頼度(確度)を向上させるように構成してもよい。例えば、大当り種別として16R大当り(高利益大当り)と4R大当り(低利益大当り)とを少なくとも有する機種において、4R大当り(低利益大当り)がN回連続した場合や、16R大当り(高利益大当り)を一度も引くことなく連荘状態が終了した場合に、特別遊技中もしくは連荘状態が終了する契機となった変動表示中(又は連荘状態が終了した後の変動表示中)に設定示唆を必ず実行したり、設定示唆の実行頻度や設定示唆の信頼度(確度)を向上させたりしてもよい。また、特定大当り(確変大当り)に当選した場合に、その大当り遊技の終了後から起算して特別図柄の変動表示回数が規定のST回数に到達するまで特別図柄の確率変動機能が継続する回数切り確変機(ST機)において、初当り(通常遊技状態にて第1特別図柄の大当り)を引いた後、その大当り遊技の終了後に、特別図柄の変動表示回数が規定のST回数に到達するまでに大当りを引くことができず特別図柄の確率変動機能が終了した場合(所謂単発だった場合)には、その終了契機となる変動表示の終了時(又はその図柄固定時間中)に、設定示唆を必ず実行したり、設定示唆の実行頻度や設定示唆の信頼度(確度)を向上させたりしてもよい。さらに、上記の小当りRUSHモードを採用する機種(第2実施形態)において、小当りRUSHモード(潜確遊技状態)への移行契機とならない大当り種別(大当り図柄)での大当りが所定回数連続した場合に、特別遊技中もしくは低確低ベース状態以外の遊技状態から低確低ベース状態に移行する契機となった変動表示中(又は低確低ベース状態以外の遊技状態から低確低ベース状態に移行する契機となった変動表示の後の変動表示中)に設定示唆を必ず実行したり、設定示唆の実行頻度や設定示唆の信頼度(確度)を向上させたりしてもよい。
≪RTCを利用した設定示唆≫
第3実施形態の更なる変形例(第2変形例)として、遊技機に備えられたRTC機能を利用して、各設定示唆演出の演出パターンの選択率(出現頻度)をRTCの計時時刻又は時間帯に応じて異なるように構成してもよい。なお、以下では、RTC機能を用いた設定示唆演出として、第2設定示唆演出に適用した場合を例示するが、第1設定示唆演出に適用してもよい。
演出制御基板200は、現在の時刻を計時するためのRTC(リアルタイムクロック)を具備している。RTCは、「年」、「月」、「日」、「曜」、「時」、「分」、「秒」を計時する時計・カレンダ機能を有しており、不図示の水晶振動子の発振動作に基づいてクロック信号を生成する発振回路部と、生成した時間情報が書き込まれるレジスタ回路部と、長時間におけるバッテリバックアップが可能なバックアップ電池とを備えている。演出制御基板200のサブメインCPU201は、RTCのレジスタ回路部に一時格納されている時間情報を読み出して時刻を算出する。なお、RTCの計時時刻、すなわち、各レ
ジスタのカウント値は、ぱちんこ遊技機PMの製造時又は出荷時などに、正確な現在時刻(日本標準時)を管理するマスター時計等を用いて、現在の年、月、日、曜、時、分、秒に初期設定される。
図94は、第2設定示唆演出パターンテーブルを示す模式図である。図中には、第2設定示唆演出パターンと各時間帯の選択率との対応関係が規定されている。なお、図94にて示す対応関係は連続終了回数が0回の場合の対応関係であり、連続終了回数が増加することで、図93にて示したような対応関係となる(例えば、後述する第3時間帯における「設定値6」の対応関係が、連続終了回数が2回、3回となることで、図93に示す「電サポ抜け:N回目」、「電サポ抜け:N+1回目」の対応関係へと変化する)。
本変形例では、現在の設定値が「設定値1」である場合は、第2設定示唆演出の表示態様として「表示なし」のみを選択可能である。そのため、第2設定示唆演出の実行タイミング(電サポ状態の終了時)にて特定画像が表示された時点で、現在の設定値が「設定値2」以上あることが確定する(すなわち「設定値1」であることを否定する)。
また、「銅」は、現在の設定値が「設定値2」以上である場合に選択される表示態様であるため、銅色の特定画像が表示された時点で、現在の設定値が「設定値2」以上であることが確定する。
「銀」は、現在の設定値が「設定値3」以上である場合に選択される表示態様であるため、銀色の特定画像が表示された時点で、現在の設定値が「設定値3」以上であることが確定する。
「金」は、現在の設定値が「設定値4」以上である場合に選択される表示態様であるため、金色の特定画像が表示された時点で、現在の設定値が「設定値4」以上であることが確定する。
「キリン」は、現在の設定値が「設定値5」以上である場合に選択される表示態様であるため、キリン柄の特定画像が表示された時点で、現在の設定値が「設定値5」以上であることが確定する。
「虹」は、現在の設定値が「設定値6」である場合にのみ選択される表示態様であるため、虹色の特定画像が表示された時点で、現在の設定値が「設定値6」であることが確定する。
また、本変形例では、遊技店の営業時間およびその前後の時間を含めた1日24時間の時間帯を、「第1時間帯(8時〜11時)」、「第2時間帯(11時〜18時)」、「第3時間帯(18時〜20時)」、「第4時間帯(20時〜23時)」、「第5時間帯(23時〜8時)」の5つの時間帯に区分している。この第2設定示唆演出パターンテーブルには、第2設定示唆演出パターン(特定画像の表示態様)が時間帯毎に設定されており、第2設定示唆演出の実行タイミング(RTCの計時時刻)がいずれの時間帯に該当するかに応じて、第2設定示唆演出パターンの選択率が異なるよう構成されている。
第1時間帯(8時〜11時)は、遊技店が開店する朝一の時間帯であり、「銅色」と「銀色」の出現頻度を比較的高く設定することで、これから遊技を始めようとする遊技者の遊技意欲を高めて、遊技の継続を促している。
第2時間帯(11時〜18時)は、1日の営業時間内で最も長く設定された昼間の時間帯であり、全体的に出現頻度を抑えて、遊技に集中することを促している。
第3時間帯(18時〜20時)は、仕事帰りの客層が増える賑わう時間帯であり、「金色」、「キリン」、「虹色」の出現率を高くして、積極的に高設定示唆を行うことで、遊技者のモチベーションを高めて、閉店までの遊技の継続を促している。
第4時間帯(20時〜23時)は、遊技店の閉店間際の時間帯であり、遊技者に対して閉店までの遊技の続行を促しつつ、設定示唆と実際の設定値との答え合わせの意味を込めて、「金色」、「キリン」、「虹色」の出現率を大幅に高くする。
第5時間帯(23時〜8時)は、遊技店の営業時間外の時間帯となるが、遊技店側で遊技機の動作確認などを行うため、各時間帯の中で最も出現頻度を抑えつつも、設定示唆が行われ得るようになっている。
以上、本変形例では、RTCにより計時された現在の時刻(時間帯)に応じて、設定示唆演出の選択傾向を変化せしめることで、遊技者に対して各時間帯に応じた異なる出現頻度で大当り確率の指標を提示することができ、遊技者は時間の経過とともに現在の設定値を推測することを楽しみながら遊技を進めることができるようになるため、設定示唆演出の演出効果を一層高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
なお、前述の第3実施形態の変形例として、以下のような構成を適用してもよい。(1)上記第3実施形態では、最終変動表示における図柄固定時間開始時に電サポ状態を終了させていたが、変形例として、最終変動表示の変動表示開始時に電サポ状態を終了させるように構成してもよい。(2)上記第3実施形態では、「大当り」となる残存保留球に係る大当り遊技中に救済演出を実行したが、変形例として、残存保留球に係る変動表示中に救済演出を実行するように構成してもよい。その場合には、この変動表示(残存保留球に係る大当りの変動表示)は、超短縮の変動表示(超短縮の変動パターン)ではなく、20秒程度の演出尺を有する(20秒程度の演出実行を可能とする)変動表示(変動パターン)とすることが好適である。(3)上記第3実施形態では、最終変動表示の変動表示開始時に残存保留球の事前判定(先読み)を行ったが、変形例として、最終変動表示の変動中(例えば変動表示の開始から20秒後)に残存保留球の事前判定を行うように構成してもよい。それによれば、当該変動表示が開始された後に生起された4個目の作動保留球(残存保留球)についても事前判定を行ったうえで、最終変動表示の演出(演出結果)を決めることができる。その場合には、(a)最終変動表示の開始時でその変動表示全体の演出を決定し、最終変動表示の途中で演出(演出結果)を変更決定又は再決定する、もしくは、(b)最終変動表示の開始時でその変動表示の前半部分(例えば最初の20秒)の演出を決定し、最終変動表示の途中の事前判定に基づいてその後の残りの演出を決定するように構成してもよい。この場合、最終変動表示の開始時に当該変動の当否判定及び残存保留球の事前判定を行い、最終変動表示の途中で残存保留球の事前判定を行い、それらの当否判定結果及び事前判定結果に基づいて、上記(a),(b)のような決定を行うように構成してもよいし、最終変動表示の開始時に当該変動の当否判定を行い(最終変動表示の開始時に事前判定は行わず)、最終変動表示の途中で残存保留球の事前判定を行い、それらの当否判定結果及び事前判定結果に基づいて、上記(a),(b)のような決定を行うように構成してもよい。
[共通変形例]
次に、上記第1〜第3実施形態の変形例について説明する。この変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
<共通変形例1>
上記実施形態では、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)に基づき確変移行の有無を判定するノーマル確変遊技機を採用しているが、この構成に限定されるものではなく、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域に入球するか否かに応じて確変移行の有無を判定するV確変遊技機を採用してもよい。また、上記実施形態の遊技機の変形例として、予め設定されたリミット回数(上限回数)を限度として、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなることを契機として付与される確変遊技状態又は潜確遊技状態の連続回数を制限するためのリミッタ機能を備えた遊技機を採用してもよい。また、上記実施形態では、特別図柄の確率変動機能が大当り遊技の終了後から次の大当りが発生するまでの間、継続するノーマル確変機として構成したが、特別図柄の確率変動機能が規定ST回数(例えば100回)だけ継続して作動する回数切り確変機として構成してもよい。
<共通変形例2>
上記実施形態では、遊技領域に大入賞口を1つのみ搭載した機種を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、遊技領域に複数の大入賞口を搭載した機種を適用してもよい。また、複数の大入賞口を搭載した機種を採用する場合、上記のV確変遊技機として、特別図柄の確率変動機能の作動契機となる特定領域(確率変動機能作動領域、V領域)を備えた第1の大入賞口と、この特定領域(確率変動機能作動領域、V領域)を備えていない第2の大入賞口との、2つ以上の大入賞口を搭載するものでよい。その盤面配置例としては、遊技領域の右側領域に第1の大入賞口と第2の大入賞口とを略上下又は略左右に並べて配置してもよいし、第1の大入賞口が配置される盤面領域と、第2の大入賞口が配置される盤面領域とを異なる領域としてもよい。なお、その場合には遊技球が第1の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)と、遊技球が第2の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)とを同数としても相違するものとしてもよい。また、二つの大入賞口のうち、第1大入賞口(又は第2大入賞口)を小当り遊技用の大入賞口、第2大入賞口(又は第1大入賞口)を大当り遊技用の大入賞口として構成してもよい。その場合には、小当り遊技用の大入賞口の賞球数(単位賞球数)は10個、大当り遊技用の大入賞口の賞球数(単位賞球数)は15個などとしてもよい。
<共通変形例3>
上述の実施形態では、複数種の遊技状態のうち、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態として定義したが、これに限定されるものではなく、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能のみが作動し、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動していない遊技状態と定義してもよい。また、特別図柄の変動時間短縮機能を、第1特別図柄の変動時間短縮機能と第2特別図柄の変動時間短縮機能とに機能分割して、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能および第2特別図柄の変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態として規定してもよい。また、電チューサポート機能は、特別図柄の変動時間短縮機能(第2特別図柄の変動時間短縮機能)と同期して作動するものでも、特別図柄の変動時間短縮機能(第2特別図柄の変動時間短縮機能)と独立して作動するものでもよい。
次に、上記実施形態および変形例の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、上記実施形態および変形例に対応する課題について概説しておく。
従来機種のぱちんこ遊技機では、上記当否判定の当選確率が通常確率に設定された通常遊技状態や、上記当否判定の当選確率が高められた確変遊技状態、上記当否判定の結果を示唆又は報知するための図柄変動の効率が高められた時短遊技状態などの各種の遊技状態
を備え、確変遊技状態又は時短遊技状態において図柄の変動表示回数が所定回数に到達したことを契機として通常遊技状態へ移行するものが知られている(例えば、「特開2011−182873号公報」を参照)。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、遊技店の店員等が所定の設定操作を行うことで、上記当否判定の大当り確率を複数段階で設定可能となる確率設定機能を搭載した機種が提案されている(例えば、「特開平10−7583号公報」を参照)。
そこで、上記実施形態および変形例に係るぱちんこ遊技機では、遊技の興趣性の向上を図ることを目的として、上記のような構成を採用し、上記のような作用効果を達成している。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。