以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
(実施の形態の概要)
まず、本発明の実施の形態の概要を説明する。本実施の形態では、ユーザ装置UEにおけるリソース使用状況(resource utilization)及びサービス種別(service type)に応じて発見信号間隔を制御することを基本としている。
つまり、本実施の形態では、サービス種別に応じて優先度(priority)が定まることを前提とし、低優先度のサービスに対応するユーザ装置UEは、高優先度のサービスに対応するユーザ装置UEよりも長い遅延に耐え、発見信号間隔を長くできると考え、輻輳時に、低優先度のサービスに対応するユーザ装置UEにおける発見信号間隔を長くするような制御を行う。基本的な処理内容は以下のとおりである。
まず、各ユーザ装置UEが、サービス種別に応じて、基本となる発見信号間隔を設定する。ここで、各サービス種別は優先度(priority)に対応付けられる。一般に、異なる種別のサービス間での優先度は異なる。
ユーザ装置UEもしくは基地局BSがリソース使用状況を評価し、制御メッセージを送信する。そして、制御メッセージを受信するユーザ装置UEが、リソース使用状況及びサービス種別に応じて発見信号間隔を調整する。本実施の形態では、例えば、輻輳状態であるとき、発見信号間隔は増加し、また、低使用状態(under−utilization)であるときに発見信号間隔が基本発見信号間隔にリセットされるように制御する。
このような制御の一例を図4、図5を参照して説明する。本例では、図4に示すようにサービスが分類されているものとする。つまり、サービス種別(0、1)として、公共安全サービス(public safety service)と商用広告サービスの2つが定義され、図4に示すように、発見信号間隔と優先度が対応付けられている。
このとき、図5(a)に示すように、初期の状態において、サービス種別が0である高優先度のユーザ装置UE−Aと、サービス種別が1である低優先度のユーザ装置UE−Bが、同じ間隔(基本発見信号間隔)で発見信号の送信を行っている。ここから輻輳状態になると、図5(b)に示すように、低優先度のユーザ装置UE−Bにおける発見信号間隔が増加される。その後、例えば、低使用状態になった場合、発見信号間隔はリセットされ、図5(a)の状態に戻る。上記のような制御を行うことで、優先度の低いユーザ装置UEにおける発見信号送信を抑制して、輻輳状態を解消させることができる。
以下、より具体的な実施の形態として、第1、第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態は、基地局BS(セルラーネットワーク)が発見信号間隔調整のための制御を行う形態である。第2の実施の形態は、ユーザ装置UE間で制御情報を送受信することにより制御を行う形態であり、実施の形態2−1と実施の形態2−2に分けられる。実施の形態2−1では、ユーザ装置UEが、調整要求(adjustment request)を発見信号に含めて送信し、実施の形態2−2では、ユーザ装置UEが、当該ユーザ装置UEの現在の発見信号間隔を発見信号に含めて送信する。
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるシステムは、図6に示すように、基地局BSとユーザ装置UEとを有する移動通信システムである。本実施の形態において、当該移動通信システムは、LTEに準拠したシステムであることを想定しているが、本発明はLTEに限定されるわけではなく、方式に依存せずに実施することが可能である。
図6には、例として、基地局BSに接続されたRRC_CONNECTEDの状態であるユーザ装置UE−Aと、アイドル状態(RRC_IDLE)であるユーザ装置UE−Bが示されている。
図6に示すように、ユーザ装置UE−Aが、リソース使用状況を示す情報(メッセージ1)を基地局BSに送信する(ステップA)。このメッセージ1は、例えば、PUCCHのような既存チャネルを用いて送信してもよいし、新たにチャネルを定義して送信してもよい。
そして、基地局BSは、ステップAで受信した情報に基づいて、制御信号を生成し、当該制御信号(メッセージ2)を各ユーザ装置UEに報知(ブロードキャスト)する。このメッセージ2は例えばSIBとして送信することができるが、SIBに限らず、任意のチャネルで送信してよい。
図7は、図6に示す各ユーザ装置UEと基地局BSの処理手順例を示した図である。図7に示すように、各ユーザ装置UEは、まず基本間隔を設定する(ステップ1)。そして、各ユーザ装置UEは、発見チャネルのリソース使用状況を取得(モニタ)する(ステップ2)。
次に、ユーザ装置UE−Aが、前述したメッセージ1としてリソース使用状況(resource utilization)を示す情報を基地局BSに報告する(ステップ3)。
基地局BSは、ステップ3でメッセージ1を受信することなどにより、発見チャネルのリソース使用状況を取得し(ステップ4)、当該リソース使用状況に応じて、制御信号における指標(indicator)の値を決定する(ステップ5)。そして、基地局BSは、ステップ5で決定した指標値を含む制御信号(メッセージ2)を各ユーザ装置に報知する(ステップ6)。メッセージ2を受信した各ユーザ装置は、メッセージ2で示される指標ちに応じて、発見信号間隔を調整する。
以下、各メッセージの内容、及び各ステップの内容をより詳細に説明する。
<メッセージ1:ユーザ装置UEから送信されるリソース使用状況報告>
まず、図7のステップ3でユーザ装置UEから基地局BSに送信されるメッセージ1について詳細に説明する。
メッセージ1は、発見チャネルのリソース使用状況を示す情報要素(information element)を含む。本実施の形態では、メッセージ1に含めるリソース使用状況として、図8に示すように、輻輳状態及び低使用状態の2種類のリソース使用状況がある。
輻輳状態においては、例えば、空きの時間−周波数ブロックが検出されず、いくつかのユーザ装置UEが、発見信号送出のために同じ時間−周波数ブロックを選択することになる。輻輳状態でのメトリック(測定基準)として、図8に示すように、EmとNcbがある。Emは、測定する全てのブロックの中の、エネルギ(電界強度、受信電力等)が下位q%以内である複数ブロックの正規化平均エネルギである(The normalized mean energy of blocks whose energy are within lower q% of all blocks)。また、Ncbは、ユーザ装置UEにより検出された、衝突が発生したブロックの数である。
低使用状態では、空きの時間−周波数ブロックが存在する。本実施の形態では、低使用状態でのメトリック(測定基準)として、Nfbを使用する。Nfbは、空きの時間−周波数ブロックの数を示す。
上記のブロックは、例えば、前述した発見リソースである。また、上記の各測定値は、1回の発見期間における値でもよいし、複数回の発見期間における値でもよい。
図9(a)に示すように、リソース使用状況は、例えば10ビットの情報要素として定義され、例えば図9(b)に示すように値が設定される。
本実施の形態では、メッセージ1の送信は、ある条件をトリガとして行われる。その条件は、例えば、ユーザ装置UEが、輻輳状態(輻輳イベント)を検出したこと、もしくは、低使用状態(低使用状態イベント)を検出したことである。
<メッセージ2:基地局BSから報知される制御信号>
メッセージ2は、1つ又は複数の指標を含み、基地局BSが、ユーザ装置UEにおける発見信号間隔調整を制御するために使用される。基地局BSが発見信号間隔調整を制御することを、制御シグナリングと呼ぶことができる。
本実施の形態では、メッセージ2に含める指標として、調整係数k(adjustment factor : k)とサービス種別が用いられる。
調整係数kは、リソース使用状況に応じて基地局BSにより決定される係数であり、各kは1種類のリソース使用レベルに対応し、kが大きいほど輻輳の度合が高く、大きな発見信号間隔を表す。各ユーザ装置UEは、kに応じて発見信号間隔を調整する。
サービス種別は、調整係数kと組み合わされて使用されるものであり、基地局BSが発見信号間隔調整の対象とするサービス種別を示す。
図10に、メッセージ2における上記指標の組み合わせ方のオプション1〜3を示す。なお、図10は、サービス種別が2種類の場合の例である。
図10に示すとおり、オプション1におけるメッセージ2は、2ビットの1つの調整係数フィールドを持つ。2ビットで4種類のkを表すことができる。オプション1では、例えば、kが変更されたときに、サービス種別に拠らずに、全てのユーザ装置UEの発見信号間隔が変更される。
オプション2におけるメッセージ2は、イネーブルビット、サービス種別、及び調整係数を含む。オプション2では、イネーブルビット=1である場合に、基地局BSは、指定したサービス種別の間隔を調整でき、イネーブルビット=0である場合にはサービス種別の指定は無効になり、全てのユーザ装置UEの発見信号間隔が変更される。
オプション3におけるメッセージ2は、複数の調整係数フィールドを含む。オプション3では、各フィールドが1つのサービス種別に対応づけられており、基地局BSは、複数の異なるサービス種別のそれぞれにおける発見信号間隔を制御できる。
上記各オプションの具体例を以下で説明する。以下の例でも、サービス種別は2種類であるとする。
(1)オプション1の例
図11に、オプション1における調整係数kの具体例を示す。図11に示すとおり、2ビットで調整係数kを示すことから、kの値に応じて、4種類のリソース使用レベルを表すことができる。ここで、k=0(低使用状態)は、ユーザ装置UEにおける発見信号間隔を基本間隔にリセットすることを意味する。
(2)オプション2の例
図12に、オプション2の具体例を示す。オプション2における調整係数kのフィールドの意味はオプション1と同じであり、図11に示すとおりである。図12に示す例1では、イネーブルビットが0、サービス種別が0、調整係数kが0であるから、基地局BSが全てのユーザ装置UEに対して、発見信号間隔の基本間隔へのリセットを通知することを意味する。
例2は、イネーブルビットが1、サービス種別が1、調整係数kが2であるから、基地局BSが、サービス種別1のユーザ装置UEに対して、発見信号送信間隔のレベル2への調整を通知することを意味する。
(3)オプション3の例
図13に、オプション3の具体例を示す。本例では、調整係数フィールド1(B0,B1)がサービス種別0に対応付けられ、調整係数フィード2(B2,B3)がサービス種別1に対応付けられているものとする。
図13に示す例1では、サービス種別0の調整係数が0であり、サービス種別1の調整係数が2である。よって、基地局BSは、サービス種別0のユーザ装置UEに対して、発見信号間隔の基本間隔へのリセットを通知するとともに、サービス種別1のユーザ装置UEに対して、発見信号間隔のレベル2への調整を通知することになる。
図13に示す例2では、サービス種別0の調整係数が1であり、サービス種別1の調整係数が2である。よって、基地局BSは、サービス種別0のユーザ装置UEに対して、発見信号間隔のレベル1への調整を通知するとともに、サービス種別1のユーザ装置UEに対して、発見信号間隔のレベル2への調整を通知することになる。
以下、図7に示した各ステップの処理をより詳細に説明する。
<図7のステップ1:基本発見信号間隔の設定>
ステップ1では、ユーザ装置UEは、要求された(requested)もしくはオファー(offered)したサービス種別に応じて、最初に基本発見信号間隔を設定する。本実施の形態では、各サービス種別には優先度(priority)が割り当てられており、例えば、高い優先度ほど短い発見信号間隔に対応付けられる。
発見信号間隔Tnは、下記の式に示すように、サービス種別n、調整係数k、及び最小間隔Tmの関数(マッピング関数)として表され、ユーザ装置UEは、当該式に相当する情報を記憶手段に保持しており、nとkとからTnを算出する機能を有する。
Tn=f(n,k)*Tm
上記の式において、Tnはサービス種別nにおける発見信号間隔を示し、kは調整係数を示し、Tmは当該システムにおける最小発見信号間隔を示す。ステップ1における基本発見信号間隔の設定においては、k=0である。
図14に、サービス種別例と、マッピング関数の例を示す。サービス種別の例は、図4に示した例と同じである。図14に示すマッピング関数の例1(Tn=2nkTm)では、k=0のとき、Tn=Tmとなり、全てのサービス種別のユーザ装置UEは同じ発見信号間隔を持つことになる。マッピング関数の例2(Tn=2(n+k)Tm)では、k=0のとき、サービス種別毎に発見信号間隔が異なる。
マッピング関数の例3(Tn=Tn,b+k*Tn,s)において、Tn,bは、サービス種別nの基本発見信号間隔を示し、例えばTmの所定数倍の数である。Tn,sは、サービス種別nにおける調整ステップを示し、例えばTmの所定数倍の数である。例3において、k=0のとき、サービス種別毎に発見信号間隔が異なり得る。
<図7のステップ2:ユーザ装置UEによる発見チャネルのモニタ>
ステップ2では、各ユーザ装置UEが発見チャネルをモニタし、リソース使用状況を示す値を求め、当該値に基づいて、当該値を通知するかどうかを決定する。本例では、輻輳状態もしくは低使用状態が検出された場合に、リソース使用状況通知処理がトリガされる。なお、リソース使用状況を示す値を求める処理及び通知は、発見期間毎に行ってもよいし、予め定めた時間間隔で行ってもよいし、予め定めた複数回の発見期間毎に行ってもよく、特定の方法に限定されない。
(1)輻輳状態の検出
輻輳状態は、例えば、ユーザ装置UEにより検出された衝突ブロックの数(例1:Ncb)、所定のブロックの平均エネルギ(例2:Em)等の基準により評価される。
上記例1(Ncb)の場合、トリガ条件は、予め定めた閾値Nthを用いて、Ncb≧Nthと表される。
上記例2におけるEmは、前述したとおり、全てのブロックの中の、エネルギ(電界強度、受信電力等)が下位q%以内である複数ブロックの正規化平均エネルギ(normalized mean energy)である。例2の場合、トリガ条件は、予め定めた閾値Ethを用いて、Em≧Ethと表される。
(2)低使用状態の検出
低使用状態は、例えば、空き時間−周波数ブロックの数等の基準により評価される。空き時間−周波数ブロックの数をNfbとすると、トリガ条件は、予め定めた閾値Nfthを用いて、Nfb≧Nfthと表される。つまり、Nfb≧Nfthとなった場合に、低使用状態になった(低使用状態イベントが発生した)と判断される。
図15に、Ncbを用いる場合におけるステップ2でのユーザ装置UEの処理手順例を示し、図16に、Emを用いる場合におけるステップ2でのユーザ装置UEの処理手順例を示す。
図15において、ユーザ装置UEは発見チャネルを受信(listen)し(ステップ211)、Nfbを計算する(ステップ212)。ユーザ装置UEは、Nfb≧Nfthであるかどうかを判断し(ステップ213)、判断結果がYesであればステップ214に進み、Noであればステップ215に進む。
ステップ214では、ユーザ装置UEは、低使用状態になった(低使用状態イベントが発生した)と判断し、リソース使用状況通知トリガを行う(ステップ218)。その後に通知されるリソース使用状況には、Nfbが含まれる。
ステップ215では、ユーザ装置はNcbを計算し、Ncb≧Nthであるかどうかを判断する(ステップ216)。判断結果がYesであればステップ217に進み、Noであれば終了する。
ステップ217では、ユーザ装置UEは、輻輳状態になった(輻輳状態イベントが発生した)と判断し、リソース使用状況通知トリガを行う(ステップ218)。その後に通知されるリソース使用状況には、Ncbが含まれる。
図16の例においては、ユーザ装置UEは発見チャネルを受信(listen)し(ステップ221)、Nfbを計算する(ステップ222)。ユーザ装置UEは、Nfb≧Nfthであるかどうかを判断し(ステップ223)、判断結果がYesであればステップ224に進み、Noであればステップ225に進む。
ステップ224では、ユーザ装置UEは、低使用状態になった(低使用状態イベントが発生した)と判断し、リソース使用状況通知トリガを行う(ステップ228)。その後に通知されるリソース使用状況には、Nfbが含まれる。
ステップ225では、ユーザ装置UEはEmを計算し、Em≧Ethであるかどうかを判断する(ステップ226)。判断結果がYesであればステップ227に進み、Noであれば終了する。
ステップ227では、ユーザ装置UEは、輻輳状態になった(輻輳状態イベントが発生した)と判断し、リソース使用状況通知トリガを行う(ステップ228)。その後に通知されるリソース使用状況には、Emが含まれる。
<図7のステップ3>
ステップ3では、ユーザ装置UEはリソース使用状況を示す情報を含むメッセージ1(例:図9)を基地局BSに送信する。
<図7のステップ4>
ステップ4では、基地局BSは発見チャネルのリソース使用状況をモニタする。本実施の形態では、基地局BSが発見チャネルのリソース使用状況をモニタする方法として以下の2つの方法がある。
方法1)方法1を図17に示す。方法1では、基地局BSが、ステップ3で1つ又は複数のユーザ装置UEから受信したメッセージ1に含まれるリソース使用状況の値(Ncb、Em、Nfb等)を収集することで、発見チャネルのリソース使用状況を把握する。前述したように、メッセージ1は、接続された(RRC_CONNECTED状態の)ユーザ装置UEから、既存のチャネル(PUCCH等)、もしくは、新たに定義されたチャネルを用いて送信される。
方法2)図17に示した情報に加え、図18に示すように、基地局BSは、各ユーザ装置UEから送信される発見信号を受信する。基地局BSは、このようにユーザ装置UEから受信する発見信号に基づいてNcb、Em、Nfb等の値を算出してもよい。ただし、発見信号の送信電力には限りがあるため、基地局BSは、発見信号の一部又は全部を受信できない可能性がある。そのような場合は、方法1で受信した報告からNcb、Em、Nfb等の値を把握すればよい。また、基地局BSが、方法1での通知も方法2での発見信号のいずれも受信しない場合、基地局BSは、Ncb、Em、Nfb等の値を算出する必要はない。
<図7のステップ5>
ステップ5において、基地局BSは、制御シグナリングにおける制御信号に含める指標の値を決定する。ここでは、ステップ4で得られたNcb、Em、Nfb等から決定されるリソース使用レベルに基づいて、主にメッセージ2における調整係数k、及び、制御対象とするサービス種別が決められる。
図19に、基地局BSによるリソース使用レベル及び調整係数kの決定例を示す。図19に示すように、Ncb、Em、Nfbと、所定の閾値との比較に応じて、リソース使用レベル(高輻輳、中輻輳、低輻輳、低使用状態)、及び対応する調整係数kの値が決定される。ここで、Nth0,Nth1,Nth2,Nfth,Eth0,Eth1,Eth2は、発見のために割り当てられたリソースの数に応じて予め定められる閾値であり、基地局BSの記憶手段に予め格納される。なお、Nth0は、図15、図16に示したNthとしてよい。また、図19に示す対応情報も基地局BSの記憶手段に予め格納される。一例として、基地局BSが、Nth1≦Ncb<Nth2であると判断した場合、基地局BSは、リソース使用レベルを中程度の輻輳であると判断し、調整係数を2と決定する。また、例えば、制御対象として、優先度が高くないサービス種別を選択する。
<図7のステップ6>
ステップ6において、基地局BSは、例えばSIBを用いることにより、ステップ5で決定した指標値を含むメッセージ2(例:図10等)を各ユーザ装置UEに報知する制御シグナリングを実行する。
<図7のステップ4〜6に関わる処理手順>
図20に、基地局BSにおけるステップ4〜6の処理手順をより具体的に示したフローチャートを示す。図20に示すように、基地局BSは、リソース使用状況をモニタし、Ncb、Em、Nfbのそれぞれの平均値を算出する(ステップ4)。この平均値は、例えば、予め定めた期間で受信したある数のリソース使用状況の値を加え、その数で割った値として算出することができる。
基地局BSは例えば図19に示す決定方法を用いて、調整係数kを決定し(ステップ5)、更に制御対象のサービス種別を必要に応じて選択して、これらを含むメッセージ2を報知する(ステップ6)。
図21は、基地局BSにおける発見信号間隔制御の手順をより詳細に示したフローチャートである。図21を参照して基地局BSの動作例を説明する。
基地局BSは、リソース使用状況をモニタし(ステップ301)、例えば図19に示す決定方法を用いて、発見チャネルが輻輳状態であるかどうか(例:低輻輳以上であるかどうか)を判定する(ステップ302)。ここでの判定がYesでればステップ303に進み、Noであればステップ306に進む。
ステップ303において、輻輳状態であると決定する。そして、基地局BSは、指標値(調整係数等)を決定し、メッセージ2をユーザ装置UEに報知(ブロードキャスト)する(ステップ304)。基地局BSは、リソース使用状況のモニタを継続する場合はステップ301に進み、継続しない場合は処理を終了する(ステップ305)。
ステップ306において、基地局BSは、例えば図19に示す決定方法を用いて、発見チャネルが低使用状態であるかどうかを判定する。ここでの判定がYesであればステップ307に進み、Noであればステップ305に進む。ステップ307において、低使用状態であると決定し、指標値(調整係数等)を決定し、メッセージ2をユーザ装置UEに報知する(ステップ304)。
<図7のステップ7:ユーザ装置UEにおける発見信号間隔の調整>
ステップ7において、各ユーザ装置UEはメッセージ2を受信(listen)し、メッセージ2の内容に従って発見信号間隔調整を行う。
図22のフローチャートを参照して、ステップ7におけるユーザ装置UEの処理内容を説明する。
ユーザ装置UEは、基地局BSからの制御シグナリングにより、メッセージ2を受信する(ステップ401)。ユーザ装置UEは、メッセージ2に含まれるサービス種別と、自身のサービス種別が一致するかどうかを判定する(ステップ402)。ここでの判定がYesの場合はステップ403に進み、Noの場合はステップ405に進む。なお、メッセージ2が調整係数のみを含む場合(前述したオプション1の場合)、全てのサービス種別(全てのユーザ装置UE)が制御対象なので、ユーザ装置UEは、ステップ402において一致すると判断する。このように、サービス種別(つまり優先度)の一致判定に基づく制御を行うことで、特定のサービス種別(例:低優先度)のユーザ装置UEのみに対して発見信号間隔調整を行うことが可能となる。
ステップ403において、ユーザ装置UEは調整係数kが0であるかどうかを判定する。ステップ403での判定がYesの場合、ステップ404に進み、Noの場合、ステップ406に進む。
ステップ404(k=0の場合)では、ユーザ装置UEは、発見信号間隔を基本間隔にリセットする。続いて、ユーザ装置UEは、所定の時間(発見期間)において発見信号を送信する(ステップ405)。
ステップ406(kが0でない場合)では、ユーザ装置UEは、kに従って発見信号間隔を調整する。
ここで、本実施の形態では、サービス種別毎の発見信号間隔Tnについて、最大値Tmaxと最小値Tminが定められており、ユーザ装置UEに格納されているとする。すなわち、Tmin≦Tn≦Tmaxの関係がある。あるkについて、Tn>Tmaxである場合、当該種別のサービスについては、発見信号の送信を停止する。なお、Tminは前述したTmとすることができる。
図22のステップ407において、ユーザ装置UEは、Tn>Tmaxであるか否かを判定する。ステップ407での判定がYesである場合、ステップ408に進み、発見信号の送信を停止する。ステップ407での判定がNoである場合、ステップ405に進み、発見信号の送信を行う。
<具体例>
本実施の形態における処理の具体例を図23、図24を参照して説明する。本例では、マッピング関数をTn=2nkTmとし、基地局BSは、メッセージ2としてオプション1を使用するものとする。
この場合、サービス種別が0であるユーザ装置UE−Aと、サービス種別が1であるユーザ装置UE−Bのそれぞれにおいて、調整係数kの値(0〜3、ケース1〜4)毎の発見信号間隔は図23に示すようになる。図24に、各ケースにおける発見信号間隔での発見信号の送信状況を模式的に示す。
図23、図24に示すように、ケース1(k=0)の場合、ユーザ装置UE−AとUE−Bともに同じ間隔(Tm)で発見信号を送信する。ケース2(k=1)の場合、ユーザ装置UE−Aの発見信号間隔は変らず、優先度の低いユーザ装置UE−Bは、発見信号間隔を2Tmに増加させる。ケース3(k=2)の場合、ユーザ装置UE−Aの発見信号間隔は変らず、優先度の低いユーザ装置UE−Bは、発見信号間隔を4Tmに更に増加させる。
本例では、サービス種別1におけるTmaxが4Tmであるとする。この場合、ケース4(k=3)では、Tn=2nkTmから求められるユーザ装置UE−Bの発見信号間隔は8Tmになるが、これはTmaxを超えるため、ケース4では、ユーザ装置UE−Bは発見信号送信を停止する。
<ユーザ装置UEの構成>
図25に、これまでに説明した処理を実行する本実施の形態におけるユーザ装置UEの機能構成図を示す。図25は、ユーザ装置UEにおける本実施の形態に関わる機能を特に示すものである。例えば、ユーザ装置UEは、LTE(LTE−Advancedを含む)に準拠したUEとして動作するために必要な機能を更に備えてもよい。
図25に示すように、ユーザ装置UEは、受信部101、発見信号デコーダ102、リソース使用状況判断部103、制御信号デコーダ104、発見信号間隔決定部105、発見信号生成部106、リソース使用状況報告生成部107、送信部108を備える。
受信部101は、発見信号、及び基地局BSからの制御信号を受信する。発見信号デコーダ102は、受信した発見信号をデコードし、発見信号を送信したユーザ装置UEのIDを抽出する等の処理を行う。リソース使用状況判断部103は、受信した発見信号等に基づいて、リソース使用状況(Ncb、Em、Nfb等)の値を算出する。
制御信号デコーダ104は、基地局BSから受信する制御信号をデコードし、メッセージ2における指標値を取得する処理を行う。発見信号間隔決定部105は、マッピング関数を保持しており、メッセージ2における指標値から発見信号間隔を決定する機能を持ち、また、図22等に示したようにステップ7における発見信号間隔制御処理を行う。発見信号生成部106は、発見信号間隔決定部105により決定された発見信号間隔での発見信号生成を行い、送信部108から送信する。
リソース使用状況報告生成部107は、図15、図16等で示したステップ2における条件判定を行い、条件に合致した場合に、リソース使用状況を含む信号を生成し、送信部108から送信する処理を行う。送信部108は、発見信号生成部106により生成した発見信号やリソース使用状況報告生成部107により生成したリソース使用状況報告の信号を送信する。
なお、図25に示す機能区分は一例に過ぎない。例えば、ユーザ装置UEを、発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置であって、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得部と、前記リソース使用状況取得部により取得した前記リソース使用状況を示す情報を基地局に送信する送信部と、前記基地局から、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況に対応する指標値を含む制御信号を受信し、当該制御信号に含まれる指標値に基づいて、前記発見信号間隔を調整する調整部とを備えるユーザ装置として構成してもよい。
前記制御信号は、優先度に対応する情報を更に含み、前記調整部は、当該情報に対応する優先度と前記ユーザ装置の現在の優先度とが一致する場合に、前記発見信号間隔を調整するように構成してもよい。また、前記調整部は、前記指標値が輻輳状態を示す値である場合に、前記発見信号間隔を増加させるように構成してもよい。
<基地局BSの構成>
図26に、これまでに説明した処理を実行する本実施の形態における基地局BSの機能構成図を示す。図26は、基地局BSにおける本実施の形態に関わる機能を特に示すものである。例えば、基地局BSは、LTE(LTE−Advancedを含む)に準拠したeNBとして動作するために必要な機能を更に備えてもよい。
図26に示すように、基地局BSは、受信部201、リソース使用状況取得部202、指標決定部203、制御信号生成部204、送信部205を備える。
受信部201は、ユーザ装置UEから送信されるリソース使用状況報告信号、発見信号等を受信する。リソース使用状況取得部202は、図20等に示したステップ4の処理を行い、発見チャネルのリソース使用状況の値を取得する。指標決定部203は、図19等に示す処理を行うことで、リソース使用状況取得部202により取得したリソース使用状況に基づいて、制御信号に含める指標値を決定する。制御信号生成部204は、指標決定部203により決定した指標値を含む制御信号(メッセージ2)を生成し、送信部205から送信する。送信部205は、上記制御信号等の送信を行う。
なお、図26に示す機能区分は一例に過ぎない。例えば、基地局BSを、発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置と通信する基地局であって、前記ユーザ装置から受信する信号に基づいて、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得部と、前記リソース使用状況取得手段により取得された前記リソース使用状況を示す情報に基づいて、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況に対応する指標値を決定する指標決定部と、前記ユーザ装置に前記発見信号間隔を調整させるために、前記指標決定手段により決定された指標値を含む制御信号を送信する送信部とを備える基地局として構成してもよい。前記制御信号は、優先度に対応する情報を更に含み、当該制御信号を受信するユーザ装置において、当該情報に対応する優先度と当該ユーザ装置の現在の優先度とが一致する場合に、前記発見信号間隔が調整されるようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、基地局BSを介さずに、ユーザ装置UE間で発見信号送受信を行うことで発見信号間隔の調整を行う。前述したとおり、第2の実施の形態は、実施の形態2−1と実施の形態2−2に分けられ、実施の形態2−1では、ユーザ装置UEが、調整要求(adjustment request)を発見信号に含めて送信し、実施の形態2−2では、ユーザ装置UEが、当該ユーザ装置UEの現在の間隔を発見信号に含めて送信する。以下、各形態を説明する。
<実施の形態2−1>
実施の形態2−1では、図27に示すように、ユーザ装置UEが調整要求を他のユーザ装置UEに送信することで、発見信号間隔の調整を行う。
本実施の形態において、調整要求を示す指標は1ビットであり、当該指標が発見信号の中に含められ、発見信号とともに送信される。一例として、調整要求が0である場合、FALSE(輻輳でない)を示し、1である場合、TRUE(輻輳であり)を示す。ユーザ装置UEは、輻輳状態を検出した場合に、調整要求に1をセットし、輻輳状態を検出しない場合に、調整要求に0をセットする。
本例では、サービス種別(優先度を識別可能)は発見信号に含まれるものとし、調整要求を含む発見信号を受信したユーザ装置UEは、自身が当該発見信号を送信したユーザ装置UEよりも優先度が低く、かつ、TRUEの調整要求を含む発見信号を受信した場合に、自身の発見信号間隔を調整する(増加させる)。
次に、図28を参照して、一例として、本実施の形態におけるユーザ装置UE−1とユーザ装置UE−2間での処理概要を説明する。
各ユーザ装置UEは、基本間隔を設定し(ステップ1)、リソース使用状況をモニタする(ステップ2)。ステップ1、2の処理は、第1の実施の形態におけるステップ1、2の処理と同じである。なお、図15、図16に示したように、所定の条件を満たすことを調整要求を含めるトリガとしてもよいし、このようなトリガを用いずに、常に調整要求を含めることとしてもよい。
ユーザ装置UE−1は、1ビットの調整要求(1:輻輳状態、0:それ以外)を含む発見信号を送信する(ステップ503)。ここではユーザ装置UE−2は、ユーザ装置UE−1よりも優先度が低いものとし、ユーザ装置UE−2は、ユーザ装置UE−1から受信した発見信号に含まれる調整要求に基づいて発見信号間隔を調整する(ステップ504)。
図29を参照して、本実施の形態におけるユーザ装置UEの動作をより詳細に説明する。なお、図29に示す処理は、例えば発見期間毎に行われるが、図29に示す処理を行う頻度は、これに限られるわけではない。
ユーザ装置UEは、発見チャネルを受信(listen)する(ステップ601)。ユーザ装置UEは、TRUEの調整要求が含まれる発見信号があるか否かを判定する(ステップ602)。ステップ602での判定がYesである場合、ステップ603に進み、Noである場合、ステップ607に進む。
テップ602での判定がYesである場合(輻輳の場合)、ユーザ装置UEは、自身が発見信号の送信元のユーザ装置UEよりも優先度が低いかどうかを判定する(ステップ603)。低い場合はステップ604に進み、低くない場合はステップ611に進む。
ステップ603において、自身が発見信号の送信元のユーザ装置UEよりも優先度が低いと判定された場合(ステップ603のYes)、ユーザ装置UEは、発見信号間隔算出におけるマッピング関数の調整係数kを増加させ、調整係数kを増加させた発見信号間隔を設定する。なお、第2の実施の形態(実施の形態2−1、実施の形態2−2)においても、ユーザ装置UEは、第1の実施の形態で説明したマッピング関数を保持しており、自身が保持するサービス種別n及び、調整係数kから発見信号間隔を算出する機能を備える。
次に、ユーザ装置UEは、発見信号間隔が最大値を超えるかどうかを判定し(ステップ605)、超える場合は、発見信号の送信を停止し(ステップ606)、超えない場合は、所定の時間で発見信号を送信する(ステップ611)。
ステップ602において、TRUEの調整要求が含まれる発見信号がない場合(ステップ602のNo)、ユーザ装置UEは、kを1だけ減少させる(ステップ607)。そして、kが0より大きいか否かを判定し(ステップ608)、kが0より大きい場合は、kに基づき発見信号間隔を設定し(ステップ609)、発見信号を送信する(ステップ611)。kが0である場合、ユーザ装置UEは、発見信号間隔を基本間隔にリセットし(ステップ610)、発見信号を送信する(ステップ611)。
上記のように、本実施の形態では、優先度の低いユーザ装置UEのみが発見信号間隔を増加させる調整を行う。
<ユーザ装置UEの構成>
図30に、これまでに説明した処理を実行する実施の形態2−1におけるユーザ装置UEの機能構成図を示す。図30は、ユーザ装置UEにおける本実施の形態に関わる機能を特に示すものである。例えば、ユーザ装置UEは、LTE(LTE−Advancedを含む)に準拠したUEとして動作するために必要な機能を更に備えてもよい。
図30に示すように、ユーザ装置UEは、受信部301、発見信号デコーダ302、リソース使用状況判断部303、調整要求生成部304、発見信号間隔決定部305、発見信号生成部306、送信部307を有する。
受信部301は、発見信号を受信する。発見信号デコーダ302は、受信した発見信号をデコードし、発見信号を送信したユーザ装置UEのIDを抽出したり、発見信号に含まれる調整要求(例:1ビット)を抽出する処理を行う。第1の実施の形態と同様に、リソース使用状況判断部303は、受信した発見信号等に基づいて、リソース使用状況(Ncb、Em、Nfb等)の値を算出する。
調整要求生成部304は、リソース使用状況判断部103で求められたリソース使用状況の値と所定の閾値とを比較することで、輻輳状態か否かを判断し、調整要求の値(例:0又は1)を決定し、決定した値を調整要求とする。
発見信号間隔決定部305は、マッピング関数を保持しており、図29に示されている判定処理を行うことで発見信号間隔を決定する。発見信号生成部306は、発見信号間隔決定部305により決定された発見信号間隔での発見信号生成を行い、送信部307から送信する。なお、発見信号生成部306は、調整要求生成部304で生成された調整要求を発見信号に含めることで発見信号を生成する。送信部307は、発見信号生成部306により生成した発見信号を送信する。
なお、図30に示す機能区分は一例に過ぎない。例えば、ユーザ装置UEを、発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置であって、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得部と、前記リソース使用状況取得部により取得した前記リソース使用状況を示す情報に基づいて、調整要求を生成する調整要求生成部と、前記調整要求生成部により生成された調整要求を含む発見信号を送信する送信手段と、調整要求を含む発見信号を受信し、当該調整要求に基づいて前記発見信号間隔を調整する調整部とを備えるユーザ装置として構成してもよい。
<実施の形態2−2>
実施の形態2−2では、図31に示すように、ユーザ装置UE(図31ではユーザ装置UE−1)が発見信号間隔を示す指標を他のユーザ装置UE(図31では、ユーザ装置UE−2、3)に送信することで、発見信号間隔の調整を行う。
本実施の形態において、上記指標は、当該ユーザ装置UE−1の現在の発見信号間隔を示し、発見信号に中に含められ、発見信号とともに送信される。当該発見信号を受信したユーザ装置UE−2、3は、指標で示される間隔でユーザ装置UE−1を追跡できる。
本例では、あるユーザ装置UEが、受信した発見信号に基づき、自身よりも優先度の低いユーザ装置UEの発見信号間隔が基本間隔でないことを検出し、かつ、輻輳状態であることを検知している場合に、間隔を調整する。本例でも、サービス種別(優先度)は、発見信号から識別できるものとする。
次に、図32を参照して、本実施の形態におけるユーザ装置UE−1とユーザ装置UE−2間での処理概要を説明する。
各ユーザ装置UEは、基本間隔を設定し(ステップ1)、リソース使用状況をモニタする(ステップ2)。ステップ1、2の処理は、第1の実施の形態におけるステップ1、2の処理と同様である。
ユーザ装置UE−1は、発見信号間隔を示す指標を含む発見信号を送信する(ステップ703)。ここではユーザ装置UE−2は、ユーザ装置UE−1よりも優先度が低いものとし、ユーザ装置UE−2は、ユーザ装置UE−1から受信した発見信号に含まれる発見信号間隔を示す指標に基づいて発見信号間隔を調整する(ステップ704)。ここで、ステップ703でユーザ装置UE−1が送信する発見信号には、例えば、図33に示すように、1ビットの指標が含められる。図33の例の場合、指標値0が間隔Tmを示し、指標値1が間隔2Tmを示す。
図34を参照して、本実施の形態におけるユーザ装置UEの動作をより詳細に説明する。なお、図34に示す処理は、例えば発見期間毎に行われるが、図34に示す処理を行う頻度は、これに限られるわけではない。
ユーザ装置UEは、発見チャネルを受信(listen)する(ステップ801)。ユーザ装置UEは、自身でモニタしているリソース使用状況に基づいて輻輳状態であるか否かを判定する(ステップ802)。ステップ802での判定がYesである場合、ステップ803に進み、Noである場合、ステップ806に進む。
テップ802での判定がYesである場合(輻輳の場合)、ユーザ装置UEは、受信する発見信号に基づいて、自身よりも優先度が低いユーザ装置UEがあるかどうかを判定する(ステップ803)。自身よりも優先度が低いユーザ装置UEがある場合(ステップ803のYes)、ユーザ装置UEは、当該低優先度のユーザ装置UEから受信した発見信号に含まれる間隔指標に基づき、当該低優先度のユーザ装置UEにおける発見信号間隔が基本間隔(最小間隔)であるかどうかを判定し(ステップ804)、基本間隔であれば発見信号の送信を行い(ステップ808)、基本間隔でなければ、kを1だけ増加させ、増加させたkに基づき発見信号間隔を設定し(ステップ805)、発見信号の送信を行う(ステップ809)。つまり、輻輳である場合に、低優先度のユーザ装置UEがある場合には、当該低優先度のユーザ装置UEでの間隔が増加されている場合に、自身の間隔を増加させる。
ステップ803において、自身よりも優先度が低いユーザ装置UEがない場合は、ステップ804を実行することなく、kを1だけ増加させ、増加させたkに基づき発見信号間隔を設定し(ステップ805)、発見信号の送信を行う(ステップ809)。
ステップ802での判定がNoである場合(輻輳でない場合)、ユーザ装置UEは、自身の発見信号間隔が基本間隔であるかどうかを判定し(ステップ806)、基本間隔でなければ(ステップ806のNo)、発見信号間隔を基本間隔にリセットして(ステップ807)、発見信号の送信を行う(ステップ808)。ステップ806において、自身の発見信号送信間隔が基本間隔である場合(ステップ806のYes)、ステップ807を行うことなく発見信号の送信を行う(ステップ808)。
上記のとおり、本実施の形態では、輻輳が発生している場合、優先度の高いユーザ装置UEよりも優先度の低いユーザ装置UEが先に間隔を調整する動作が行われる。
<ユーザ装置UEの構成>
図35に、これまでに説明した処理を実行する実施の形態2−2におけるユーザ装置UEの機能構成図を示す。図35は、ユーザ装置UEにおける本実施の形態に関わる機能を特に示すものである。例えば、ユーザ装置UEは、LTE(LTE−Advancedを含む)に準拠したUEとして動作するために必要な機能を更に備えてもよい。
図35に示すように、ユーザ装置UEは、受信部401、発見信号デコーダ402、リソース使用状況判断部403、発見信号間隔決定部404、間隔指標生成部405、発見信号生成部406、送信部407を有する。
受信部401は、発見信号を受信する。発見信号デコーダ402は、受信した発見信号をデコードし、発見信号を送信したユーザ装置UEのIDを抽出したり、発見信号に含まれる間隔指標(例:1ビット)を抽出する処理を行う。第1の実施の形態と同様に、リソース使用状況判断部403は、受信した発見信号等に基づいて、リソース使用状況(Ncb、Em、Nfb等)の値を算出する。
発見信号間隔決定部404は、マッピング関数を保持しており、リソース使用状況判断部403で求められたリソース使用状況の値(閾値と比較することで輻輳状態かどうか判別)、受信した発見信号から抽出されたサービス種別、自身のサービス種別、及び受信した発見信号から抽出された間隔指標等に基づいて、図34に示されている判定処理を行うことで発見信号間隔を決定する。間隔指標生成部405は、発見信号間隔決定部404から現在の発見信号間隔を取得し、それを発見信号生成部406に渡す。
発見信号生成部406は、発見信号間隔決定部405により決定された発見信号間隔での発見信号生成を行い、送信部407から送信する。なお、発見信号生成部406は、間隔指標生成部405から受け取った間隔指標を発見信号に含めることで発見信号を生成する。送信部407は、発見信号生成部406により生成した発見信号を送信する。
なお、図35に示す機能区分は一例に過ぎない。例えば、ユーザ装置BSを、発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置であって、前記発見信号間隔を示す情報を含む発見信号を送信する送信部と、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得部と、他のユーザ装置における発見信号間隔を示す情報を含む発見信号を受信し、前記リソース使用状況取得手段により取得した前記リソース使用状況を示す情報と、前記他のユーザ装置における発見信号間隔とに基づいて、前記ユーザ装置における前記発見信号間隔を調整する調整部とを備えるユーザ装置として構成してもよい。
(実施の形態の効果)
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、ユーザ装置UEが高密度に存在する状況における輻輳を軽減することが可能となる。また、本実施の形態によれば、低優先度のユーザ装置UEに対して優先して発見信号間隔増加の制御を行うことで輻輳を軽減することができるので、発見信号間隔が短いままに維持される高優先度のユーザ装置UEの発見を迅速に行うことができる。
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、ユーザ装置UE及び基地局BSは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明に従って動作するソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
明細書には以下の事項が開示されている。
(第1項)
発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置であって、
前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得手段と、
前記リソース使用状況取得手段により取得した前記リソース使用状況を示す情報を基地局に送信する送信手段と、
前記基地局から、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況に対応する指標値を含む制御信号を受信し、当該制御信号に含まれる指標値に基づいて、前記発見信号間隔を調整する調整手段と
を備えることを特徴とするユーザ装置。
(第2項)
前記制御信号は、優先度に対応する情報を更に含み、前記調整手段は、当該情報に対応する優先度と前記ユーザ装置の現在の優先度とが一致する場合に、前記発見信号間隔を調整する
ことを特徴とする第1項に記載のユーザ装置。
(第3項)
前記調整手段は、前記指標値が輻輳状態を示す値である場合に、前記発見信号間隔を増加させる
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載のユーザ装置。
(第4項)
発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置と通信する基地局であって、
前記ユーザ装置から受信する信号に基づいて、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得手段と、
前記リソース使用状況取得手段により取得された前記リソース使用状況を示す情報に基づいて、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況に対応する指標値を決定する指標決定手段と、
前記ユーザ装置に前記発見信号間隔を調整させるために、前記指標決定手段により決定された指標値を含む制御信号を送信する送信手段と
を備えることを特徴とする基地局。
(第5項)
前記制御信号は、優先度に対応する情報を更に含み、当該制御信号を受信するユーザ装置において、当該情報に対応する優先度と当該ユーザ装置の現在の優先度とが一致する場合に、前記発見信号間隔が調整される
ことを特徴とする第4項に記載の基地局。
(第6項)
発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置が実行する発見信号間隔調整方法であって、
前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得ステップと、
前記リソース使用状況取得ステップにより取得した前記リソース使用状況を示す情報を基地局に送信する送信ステップと、
前記基地局から、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況に対応する指標値を含む制御信号を受信し、当該制御信号に含まれる指標値に基づいて、前記発見信号間隔を調整する調整ステップと
を備えることを特徴とする発見信号間隔調整方法。
(第7項)
発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置と通信する基地局が実行するユーザ装置制御方法であって、
前記ユーザ装置から受信する信号に基づいて、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得ステップと、
前記リソース使用状況取得ステップにより取得された前記リソース使用状況を示す情報に基づいて、前記発見チャネルにおけるリソース使用状況に対応する指標値を決定する指標決定ステップと、
前記ユーザ装置に前記発見信号間隔を調整させるために、前記指標決定ステップにより決定された指標値を含む制御信号を送信する送信ステップと
を備えることを特徴とするユーザ装置制御方法。
(第8項)
発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置であって、
前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得手段と、
前記リソース使用状況取得手段により取得した前記リソース使用状況を示す情報に基づいて、調整要求を生成する調整要求生成手段と、
前記調整要求生成手段により生成された調整要求を含む発見信号を送信する送信手段と、
調整要求を含む発見信号を受信し、当該調整要求に基づいて前記発見信号間隔を調整する調整手段と
を備えることを特徴とするユーザ装置。
(第9項)
発見信号を送受信するための発見チャネルを、所定の時間間隔である発見信号間隔で使用することにより発見信号の送受信を行うユーザ装置であって、
前記発見信号間隔を示す情報を含む発見信号を送信する送信手段と、
前記発見チャネルにおけるリソース使用状況を示す情報を取得するリソース使用状況取得手段と、
他のユーザ装置における発見信号間隔を示す情報を含む発見信号を受信し、前記リソース使用状況取得手段により取得した前記リソース使用状況を示す情報と、前記他のユーザ装置における発見信号間隔とに基づいて、前記ユーザ装置における前記発見信号間隔を調整する調整手段と
を備えることを特徴とするユーザ装置。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。