JP2020066323A - ドアビームおよびドアビームの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車の側面衝突に対する強度を確保しつつ軽量化を実現することが可能なドアビームおよびドアビームの製造方法を提供する。【解決手段】ドアビーム3は、アウタフランジ31と、インナフランジ32と、アッパーウェブ33と、ロワーウェブ34と、を備える。インナフランジ32は、上方に突出した突出フランジ部32Hを有する。突出フランジ部32Hは、中央フラット部321と、後方傾斜部322と、前方傾斜部323とを含む。後方傾斜部322および前方傾斜部323の長さが、ドアビーム3の全長Lの30%以上となるように設定されている。【選択図】図2A

Description

本発明は、車両のドアを補強するドアビームおよびドアビームの製造方法に関するものである。
従来、自動車のドアに備えられるドアビームが知られている。ドアビームは、自動車の側面衝突時の安全性のために、ドアの剛性、強度を向上させる。ドアビームは、ドアを構成するインナパネルとアウタパネルとの間における車両幅方向の狭い領域に配置される。このため、ドアビームには、車両幅方向のスペースの制約が厳しく要求される。
上記のような自動車の側面の衝突安全性の評価方法として、各国の法規やNCAP(New Car Assessment Program)によって、多くの規定が定められている。たとえばEURO NCAP, IIHS, FMVSSなどがその一例である。なお、ドアビーム単品での性能評価では、一般に、変形モードが想定される。図14は、ドアビーム(3)の性能評価を行うための曲げ試験の一例を示す模式図である。図14に示すようにドアビームの両端が支持され、その中央部を負荷治具で押圧することで、3点曲げの最大荷重やエネルギ吸収量によってドアビームの性能が評価される。
図15は、図14の曲げ試験によって得られる変位δ−荷重P曲線の模式図であり、変位δが大きくなるとやがて荷重Pが最大荷重に達し、その後ドアビームが荷重Pに耐えられず座屈変形して荷重Pが低下する様子を示している。一般的に、この変位δ−荷重P曲線において、最大荷重が大きく、座屈、破断するまでの変位が大きく、結果としてエネルギ吸収量(面積)が大きい方が望ましいとされている。
特許文献1乃至3には、このようなドアビームの形状を工夫することで、ドアビームに求められる各種性能を向上させる技術が開示されている。
実開平5−30245号公報 特開平11−48779号公報 特開平11−278054号公報
近年、エネルギ問題や地球温暖化問題の深刻化を背景に、自動車の燃費改善の動きが加速している。燃費改善には車体の軽量化が有効であり、鋼に比べ密度が約1/3のアルミニウム合金製の板材、押出材、鍛造材および鋳造材の採用が増加している。
そして、このような軽量化は、ドアに備えられたドアビームに対しても要求される傾向にある。しかしながら、特許文献1乃至3に開示されるような従来のドアビームでは、安全上要求される剛性、強度を確保するために、ドアビームの軽量化が困難であるという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動車の側面衝突に対する強度を確保しつつ軽量化を実現することが可能なドアビームおよびドアビームの製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係るドアビームは、自動車のドアに装着されるドアビームであって、前記ドアビームにおける前記自動車の車両幅方向の内側部分を画定するインナフランジと、前記ドアビームにおける前記車両幅方向の外側部分を画定するアウタフランジと、前記ドアビームにおける前記自動車の車両上下方向の上側部分で、前記インナフランジと前記アウタフランジとを車両幅方向に沿って接続するアッパーウェブと、前記ドアビームにおける前記車両上下方向の下側部分で、前記インナフランジと前記アウタフランジとを車両幅方向に沿って接続するロワーウェブと、を備え、前記インナフランジ、前記アウタフランジ、前記アッパーウェブおよび前記ロワーウェブによって、車両前後方向と交差する閉断面が形成されており、前記インナフランジおよび前記アウタフランジのうちの少なくとも一方は、前記アッパーウェブよりも上方、または、前記ロワーウェブよりも下方に突出する突出フランジ部を有しており、前記突出フランジ部は、車両前方に向かうに連れて前記アッパーウェブまたは前記ロワーウェブに近づくように傾斜した前側傾斜部と、車両後方に向かうに連れて前記アッパーウェブまたは前記ロワーウェブに近づくように傾斜した後側傾斜部と、前記前側傾斜部と前記後側傾斜部とを接続するフラット部と、を有し、前記前記ドアビームの長手方向に沿った前記前側傾斜部および前記後側傾斜部の長さがそれぞれLf、Lr、前記長手方向に沿った前記ドアビームの全長がLと定義された場合、(Lf+Lr)≧0.3×Lの関係が満たされている。
本構成によれば、自動車の側面衝突に対して必要な曲げ強度を確保しつつ、ドアビームの軽量化が実現される。
上記の構成において、前記ドアビームが、アルミニウム合金製であることが望ましい。
本構成によれば、ドアビームがアルミニウム合金製であるため、鋼製のドアビームと比較して、より軽量化が実現可能とされる。
上記の構成において、前記ドアビームが、耐力350MPa以上の7000系アルミニウム合金製であることが望ましい。
本構成によれば、他のアルミニウム材料と比較して、ドアビームが少ない重量で所望の強度を満足することができる。
上記の構成において、前記ドアビームが、前記長手方向に沿った押出加工によって成形されていることが望ましい。
本構成によれば、長手方向に沿って連続した閉断面を容易に形成することができる。このため、ドアビームの断面性能を長手方向に沿って安定して維持することができる。
本発明の他の局面に係るドアビームの製造方法は、上記に記載のドアビームの製造方法であって、前記ドアビームの前記突出フランジ部を構成するフランジ部であって、前記アッパーウェブまたは前記ロワーウェブに対する突出量が前記長手方向に沿って一定に保持された形状を有するフランジ部を含むように、前記押出加工によって前記ドアビームの基材を製造する押出工程と、前記押出工程によって成形された前記ドアビームの基材に対して、前記フランジ部の前側部分および後側部分を切除することで、前記前側傾斜部および前記後側傾斜部を形成する、切除工程と、を備える。
本方法によれば、押出工程の後に、突出フランジ部の一部を切除することで、ドアビームを軽量化することができるとともに、ドアビームの中央部の曲げ剛性(塑性断面係数)を高く維持することができる。
上記の方法において、前記切除工程において、前記基材の15%以上の質量部分を切除することが望ましい。
本方法によれば、ドアビームが装着される自動車を大きく軽量化することができる。
本発明によれば、自動車の側面衝突に対する強度を確保しつつ軽量化を実現することが可能なドアビームおよびドアビームの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るドアビームを備えた自動車のドアの模式的な側面図である。 本発明の第1実施形態に係るドアビームの模式的な側面図である。 本発明の第1実施形態に係るドアビームの断面図であって、図2Aの位置P−Pにおける断面図である。 本発明の第1実施形態に係るドアビームの断面図であって、図2Aの位置Q−Qにおける断面図である。 本発明の第1実施形態に係るドアビームの断面図であって、図2Aの位置R−Rにおける断面図である。 自動車の側面衝突時にドアビームに要求される理想的な塑性断面係数の分布を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るドアビームの塑性断面係数の分布を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るドアビームにおける遷移部の長さと質量増加率との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るドアビームと比較される他のドアビームにおける遷移部の長さと質量増加率との関係を示すグラフである。 自動車の側面衝突時にドアビームに掛かる外力をモデル化した模式図である。 本発明の第1実施形態に係るドアビームおよび当該ドアビームと比較される他のドアビームにおける、塑性断面係数の分布を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るドアビームの模式的な側面図である。 本発明の第2実施形態に係るドアビームの断面図であって、図8Aの位置P−Pにおける断面図である。 本発明の第2実施形態に係るドアビームの断面図であって、図8Aの位置Q−Qにおける断面図である。 本発明の第2実施形態に係るドアビームの断面図であって、図8Aの位置R−Rにおける断面図である。 本発明の第3実施形態に係るドアビームの模式的な側面図である。 本発明の第3実施形態に係るドアビームの断面図であって、図9Aの位置P−Pにおける断面図である。 本発明の第3実施形態に係るドアビームの断面図であって、図9Aの位置Q−Qにおける断面図である。 本発明の第3実施形態に係るドアビームの断面図であって、図9Aの位置R−Rにおける断面図である。 本発明の第4実施形態に係るドアビームの模式的な側面図である。 本発明の第4実施形態に係るドアビームの断面図であって、図10Aの位置P−Pにおける断面図である。 本発明の第4実施形態に係るドアビームの断面図であって、図10Aの位置Q−Qにおける断面図である。 本発明の第4実施形態に係るドアビームの断面図であって、図10Aの位置R−Rにおける断面図である。 本発明の第5実施形態に係るドアビームの模式的な側面図である。 本発明の第5実施形態に係るドアビームの断面図であって、図11Aの位置P−Pにおける断面図である。 本発明の第5実施形態に係るドアビームの断面図であって、図11Aの位置Q−Qにおける断面図である。 本発明の第5実施形態に係るドアビームの断面図であって、図11Aの位置R−Rにおける断面図である。 本発明の第6実施形態に係るドアビームの模式的な側面図である。 本発明の第6実施形態に係るドアビームの断面図であって、図12Aの位置P−Pにおける断面図である。 本発明の第6実施形態に係るドアビームの断面図であって、図12Aの位置Q−Qにおける断面図である。 本発明の第6実施形態に係るドアビームの断面図であって、図12Aの位置R−Rにおける断面図である。 本発明の第7実施形態に係るドアビームの模式的な側面図である。 本発明の第7実施形態に係るドアビームの断面図であって、図13Aの位置P−Pにおける断面図である。 本発明の第7実施形態に係るドアビームの断面図であって、図13Aの位置Q−Qにおける断面図である。 本発明の第7実施形態に係るドアビームの断面図であって、図13Aの位置R−Rにおける断面図である。 ドアビームの性能評価を行うための曲げ試験の一例を示す模式図である。 図14の曲げ試験によって得られる変位σ−荷重P曲線の模式図である。 本発明の各実施形態に係るドアビームと比較される他のドアビームの模式的な側面図である。 図16Aのドアビームの断面図であって、図16Aの位置P−Pにおける断面図である。 図16Aのドアビームの断面図であって、図16Aの位置Q−Qにおける断面図である。 図16Aのドアビームの断面図であって、図16Aの位置R−Rにおける断面図である。 本発明の各実施形態に係るドアビームと比較される他のドアビームの模式的な側面図である。 図17Aのドアビームの断面図であって、図17Aの位置P−Pにおける断面図である。 図17Aのドアビームの断面図であって、図17Aの位置Q−Qにおける断面図である。 図17Aのドアビームの断面図であって、図17Aの位置R−Rにおける断面図である。
以下に、本発明に係るドアビーム3について、図面を参照しながら概説する。なお、各図に示される方向において、左(外)、右(内)は、それぞれ、左方向であって車両幅方向外側に向かう方向、右方向であって車両幅方向内側に向かう方向を意味する。図1は、本発明の一実施形態に係るドアビーム3を備えた自動車のドア2の模式的な側面図である。ドア2は、アウタパネル21と、インナパネル22と、ドアビーム3と、上下一対のヒンジ4と、を備える。
図1に示されるドア2は、不図示の自動車のフロントドア、特に、右側のフロントドアに相当する。アウタパネル21は、ドア2の車両幅方向外側に配置される。インナパネル22は、ドア2の車両幅方向内側に配置される。アウタパネル21およびインナパネル22は、例えば、鋼板プレス成形品である。ドア2の内部に所定の空間が形成されるように、アウタパネル21およびインナパネル22の外周縁が互いに接合される。ドア2は、自動車の不図示の車両本体(ボディ)に対して、一対のヒンジ4回りに回動可能とされる。ドアビーム3は、少なくとも自動車の車両前後方向に沿った所定の長手方向に延びるように前記自動車のドア2(アウタパネル21とインナパネル22との間)に装着される。図1では、ドアビーム3は、その長手方向が車両前後方向に延びるように、インナパネル22の内壁に固定されている。詳しくは、ドアビーム3の両端部が、不図示のブラケットを介して、インナパネル22に締結される。この際、ドア2内のスペースの制約のために、ドアビーム3の両端部には、つぶし加工等による断面形状の扁平化や斜め方向の切断加工等が施されてもよい。なお、ドアビーム3が延びる長手方向は、図1の態様に限定されるものではない。以下では、本発明に係るドアビーム3(3A〜3G)を各実施形態に則して説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係るドアビーム3Aについて、詳述する。図2Aは、本実施形態に係るドアビーム3Aの模式的な側面図である。図2B乃至図2Dは、それぞれ、本実施形態に係るドアビーム3Aの断面図であって、それぞれ、図2Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。なお、図2A乃至図2Dでは、説明を容易とするために、ドアビーム3Aが車両前後方向に沿って延びる姿勢で図示している。
ドアビーム3Aは、アウタフランジ31と、インナフランジ32と、アッパーウェブ33と、ロワーウェブ34と、を備える。
インナフランジ32は、ドアビーム3Aの車両幅方向内側部分を画定する。インナフランジ32は、上下方向に所定の高さを備えるとともに、車両前後方向に沿って延びる板状部分である。換言すれば、インナフランジ32は、車両幅方向に面している。
アウタフランジ31は、車両幅方向においてインナフランジ32に対向して配置され、ドアビーム3Aの車両幅方向外側部分を画定する。アウタフランジ31は、上下方向に所定の高さを備えるとともに、車両前後方向に沿って延びる板状部分である。換言すれば、アウタフランジ31は、車両幅方向に面している。
アッパーウェブ33は、ドアビーム3Aの上側部分で、インナフランジ32とアウタフランジ31とを車両幅方向に沿って接続する。アッパーウェブ33は、車両幅方向に所定の幅を備えるとともに、車両前後方向に沿って延びる板状部分である。換言すれば、アッパーウェブ33は、上下方向に面している。
ロワーウェブ34は、上下方向においてアッパーウェブ33に対向して配置され、ドアビーム3Aの下側部分で、インナフランジ32とアウタフランジ31とを車両幅方向に沿って接続する。ロワーウェブ34は、車両幅方向に所定の幅を備えるとともに、車両前後方向に沿って延びる板状部分である。換言すれば、ロワーウェブ34は、上下方向に面している。
図2B乃至図2Dに示すように、インナフランジ32、アウタフランジ31、アッパーウェブ33およびロワーウェブ34によって、車両前後方向と交差する閉断面が形成されている。当該閉断面は、車両前後方向に沿って連続的に形成されている。
更に、本実施形態では、ドアビーム3Aのインナフランジ32が、上下一対の突出フランジ部32Hを有している。なお、後記の他の実施形態のように、本発明に係るドアビーム3では、インナフランジ32およびアウタフランジ31のうちの少なくとも一方が、アッパーウェブ33よりも上方、または、ロワーウェブ34よりも下方に突出する突出フランジ部32Hを有していればよい。
図2A乃至図2Cに示すように、インナフランジ32のうち上側の突出フランジ部32Hは、アッパーウェブ33よりも上方に突出している。また、インナフランジ32のうち下側の突出フランジ部32Hは、ロワーウェブ34よりも下方に突出している。各突出フランジ部32Hは、ドアビーム3Aの前端部よりも後方の位置から、ドアビーム3Aの後端部よりも前方の位置まで、ドアビーム3Aの長手方向に沿って連続して延びている(図2A)。
更に、各突出フランジ部32Hは、中央フラット部321(フラット部)と、後側傾斜部322と、前側傾斜部323と、を有する。
中央フラット部321は、ドアビーム3Aの長手方向の中央部に配置され、アッパーウェブ33またはロワーウェブ34に対する突出量が前記長手方向に沿って一定に保持された部分である。また、中央フラット部321は、突出フランジ部32Hの中でアッパーウェブ33またはロワーウェブ34に対する突出量が最も大きい部分である。
前側傾斜部323は、中央フラット部321の前端部に接続され、車両前方に向かうに連れてアッパーウェブ33またはロワーウェブ34に近づくように傾斜した部分である。換言すれば、前側傾斜部323のアッパーウェブ33またはロワーウェブ34に対する突出量は、前側部分ほど小さく設定されている。
後側傾斜部322は、中央フラット部321の後端部に接続され、車両後方に向かうに連れてアッパーウェブ33またはロワーウェブ34に近づくように傾斜した部分である。換言すれば、後側傾斜部322のアッパーウェブ33またはロワーウェブ34に対する突出量は、後側部分ほど小さく設定されている。なお、インナフランジ32の両端部のフランジ端部324には、突出フランジ部32Hが配置されていない。
本実施形態では、このようなドアビーム3Aが、アルミニウム合金製からなり、より詳しくは、アルミニウム合金の押出加工によって成形される。この際、図2B乃至図2Dに示される閉断面を形成するために、ドアビーム3Aは、その長手方向に沿って押出加工される。当該閉断面は、車両前後方向に沿って同じ面積となるように形成されている。このため、ドアビーム3Aの断面性能も長手方向に沿って一定とされる。
図3は、自動車の側面衝突時にドアビーム3に要求される理想的な塑性断面係数の分布を示すグラフである。図4は、本実施形態に係るドアビーム3Aの塑性断面係数の分布を示すグラフである。図5Aは、本実施形態に係るドアビーム3Aにおける遷移部(後記の後側傾斜部322、前側傾斜部323)の長さと各ドアビームの質量増加率との関係を示すグラフである。また、図5Bは、本実施形態に係るドアビーム3Aと比較される他のドアビーム3Z1、3Z2における遷移部(後記の後側傾斜部322、前側傾斜部323)の長さと各ドアビームの質量増加率との関係を示すグラフである。なお、当該質量増加率とは、対象となるドアビームの質量の増加率であって、後記の理想分布と同じ形状を有するドアビームの質量に対する増加率を言う。図6は、自動車の側面衝突時にドアビーム3に掛かる外力をモデル化した模式図である。図7は、本実施形態に係るドアビーム3Aおよび当該ドアビーム3Aと比較される他のドアビーム3Z1、3Z2における、塑性断面係数の分布を示すグラフである。
更に、図16Aは、上記の他のドアビーム3Z1の模式的な側面図である。また、図16B乃至図16Dは、図16Aのドアビーム3Z1の断面図であって、それぞれ、図16Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。同様に、図17Aは、上記の他のドアビーム3Z2の模式的な側面図である。また、図17B乃至図17Dは、図17Aのドアビーム3Z2の断面図であって、それぞれ、図17Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。なお、図16、図17では、本実施形態に係るドアビーム3Aの各部分と類似する構造部分については、ドアビーム3Aの符号と同じ符号の末尾にZ1、Z2を付している。
ここで、前述のようにドアビームは自動車の側面衝突において車室への侵入を防ぐ目的でドア2の内部に配置される。ドアビームには、曲げ荷重(図14)によって生じる曲げ強度が求められる。自動車の側面衝突時のドアビームは、図6のようにモデル化することができる。図6において、Pは荷重であり、RおよびRはドアビームの両端部において発生する反力である。また、Lは長手方向におけるドアビームの全長であり、xはドアビームの一端部から荷重点までの距離である。ドアビームの位置xにおける曲げモーメント分布M(x)は、式1のように示される。
ここで、降伏応力をσとし、ドアビームの塑性断面係数をZとすると、ドアビームの全塑性モーメントMpはMp=σ×Zで表すことができる。このため、塑性断面係数Zpが以下の式2を満足するとき、任意の入力位置xにおける最大荷重Pmaxが互いに等しくなる。この結果、ドアビームに均一な荷重が付与されるとともに、ドアビームを最も理想的かつ最軽量な形状に設定することができる.
式2の関係をグラフに示したものが図3である。両端支持構造とされた理想的なドアビームでは、長手方向の中央部において最も塑性断面係数が大きく設定されるとともに、中央部から両端部に向かって緩やかに塑性断面係数が小さくなることが望ましい。しかしながら、前述のような押出加工によって、図3のような塑性断面係数を備えさせることは困難である。このため、本発明の発明者は、前述のようなドアビーム3Aの形状を工夫することによって、ドアビーム3Aの塑性断面係数を図3の理想的な塑性断面係数に近づけることを新たに知見した。
前述のように、ドアビーム3Aは、アウタフランジ31、インナフランジ32、アッパーウェブ33およびロワーウェブ34を備えている。更に、インナフランジ32は、一対の突出フランジ部32Hを有する。そして、一対の突出フランジ部32Hは、それぞれ、中央フラット部321と、後側傾斜部322と、前側傾斜部323と、を有する。このようなドアビーム3Aの塑性断面係数が、図4に示される。中央フラット部321は、理想的な塑性断面係数の中央部に近い係数を有している。また、前後一対の後側傾斜部322、前側傾斜部323は、理想的な塑性断面係数のカーブに沿うような係数を有している。このため、自動車の側面衝突に対して必要な塑性断面係数を維持しながら、過剰な肉厚部分を削減することが可能となる。
ここで、ドアビーム3Aにおいて、後側傾斜部322および前側傾斜部323の長手方向における長さをそれぞれaとすると、ドアビーム3Aの全長Lに対するa(遷移部の長さ)の比率(a/L)と、理想的な塑性断面係数分布を有するドアビームに対するドアビーム3Aの質量増加率との関係(試算結果)が、図5Aに示されている。なお、当該試算では、塑性断面係数Zとドアビーム3Aの断面積がほぼ比例すると仮定した。図5Aに示されるように、後側傾斜部322および前側傾斜部323の長さaが、ドアビーム3Aの全長Lの0.13以上0.29以下の範囲に含まれるときに、理想的な塑性断面係数分布に近い塑性断面係数を維持しつつ、ドアビーム3Aの質量増加率が約25%以下に保持されることが知見された。換言すれば、ドアビーム3Aの長手方向に沿った前側傾斜部323および後側傾斜部322の長さがそれぞれLf、Lr、前記長手方向に沿ったドアビーム3Aの全長がLと定義された場合、(Lf+Lr)≧0.3×Lの関係が満たされていることが望ましい。
また、図5Bには、本実施形態に係るドアビーム3Aと比較されるドアビーム3Z1(図16A〜図16D)、ドアビーム3Z2(図17A〜図17D)の試算結果が示されている。なお、図5Bでは、図5Aのドアビーム3Aをドアビーム3Z1、3Z2に置き換えたときのドアビーム3Aに対する質量増加率(仮想質量増加率)が縦軸に示されている。また、本実施形態に係るドアビーム3Aに加え、ドアビーム3Z1およびドアビーム3Z2の塑性断面係数の分布が、それぞれ図7に示される。図7において、ドアビーム3Z1および3Z2とドアビーム3Zとの面積の差が、それぞれ、図5Bにおける仮想質量増加率に相当する。
ドアビーム3Z1は、本実施形態に係るドアビーム3Aの中央フラット部321を有していない。また、ドアビーム3Z2は、車両前後方向に沿って中央フラット部321と同様のフランジ部分が長い領域に亘って配置されるとともに、本実施形態に係るドアビーム3Aの後側傾斜部322および前側傾斜部323を有していない。図5Bを参照して、ドアビーム3Z1およびドアビーム3Z2では、本実施形態に係るドアビーム3Aと比較して、ドアビームの質量増加率を25%以下に抑制することが困難な結果となった。一方、本実施形態に係るドアビーム3Aでは、後側傾斜部322、前側傾斜部323の比率a/Lが0.225近傍に設定された場合に、質量増加率が12%程度に維持され最もドアビーム3Aを軽量化することができる。
そして、本実施形態では、上記のような形状を備えたドアビーム3Aがアルミニウム合金の押出加工によって成形される。図2Aには、押出加工直後に、ドアビーム3Aの基材が備えていた被切除部Xが破線で示されている。当該被切除部Xは、図2Aのドアビーム3Aの四隅にそれぞれ配置される。換言すれば、ドアビーム3Aの全長に亘って同じ突出高さの一対のフランジ部を備えたドアビームが成型された後、当該ドアビームの四隅(X)がプレスによるトリム加工によって切除されることで、本実施形態に係るドアビーム3Aが製造される。このため、自動車の側面衝突に対して高い曲げ強度が必要な部分にインナフランジ32の突出フランジ部32Hを配置させつつ、アルミニウム合金による軽量化に加え、4箇所の被切除部Xに対応してドアビーム3Aの軽量化が実現される。
以上のように、本実施形態では、ドアビーム3Aが、アウタフランジ31と、インナフランジ32と、アッパーウェブ33と、ロワーウェブ34と、を備える。そして、インナフランジ32は、上下一対の突出フランジ部32Hを有する。各突出フランジ部32Hは、中央フラット部321と、後側傾斜部322と、前側傾斜部323と、を有する。また、ドアビーム3Aの長手方向に沿った前側傾斜部323および後側傾斜部322の長さがそれぞれLf、Lr、前記長手方向に沿ったドアビーム3Aの全長がLと定義された場合、(Lf+Lr)≧0.3×Lの関係が満たされている。このため、自動車の側面衝突に対して必要な曲げ強度を確保しつつ、ドアビーム3Aの軽量化が実現される。また、ドアビーム3Aが備えられる自動車の側面衝突の安全性能に適応するように、突出フランジ部32Hの形状(中央フラット部321、後側傾斜部322および前側傾斜部323の長さ、突出量)を設定することができる。
また、本実施形態では、ドアビーム3Aがアルミニウム合金製であるため、鋼製のドアビームと比較して、より軽量化が実現可能とされる。特に、ドアビーム3Aが、耐力350MPa以上の7000系アルミニウム合金製であることが望ましい。この場合、他のアルミニウム材料からなるドアビームと比較して、ドアビーム3Aが少ない重量で所望の強度を満足することができる。
また、本実施形態では、ドアビーム3Aが、長手方向に沿った押出加工によって成形されている。このため、長手方向に沿って連続した閉断面を容易に形成することができる。このため、ドアビーム3Aの断面性能を長手方向に沿って安定して維持することができる。
また、本実施形態に係る3Aの製造方法は、ドアビーム3Aの突出フランジ部32Hを構成するフランジ部であって、アッパーウェブ33またはロワーウェブ34に対する突出量が長手方向に沿って一定に保持された形状を有するフランジ部(図2Aの突出フランジ部32Hと被切除部Xとを足し合わせた部分)を含むように、押出加工によってドアビーム3Aの基材を製造する押出工程と、前記押出工程によって成形された前記ドアビームの基材に対して、突出フランジ部32Hの前側部分および後側部分を切除することで、前側傾斜部323および後側傾斜部322を形成する、切除工程と、を備える。この場合、押出工程の後に、フランジ部の一部を切除することで、ドアビーム3Aを軽量化することができるとともに、ドアビーム3Aの中央部の曲げ剛性(塑性断面係数)を高く維持することができる。この際、切除工程において、前記基材の15%以上の質量部分を切除することが望ましい。この場合、ドアビーム3Aが装着される自動車を大きく軽量化することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8Aは、本実施形態に係るドアビーム3Bの模式的な側面図である。図8B乃至図8Dは、それぞれ、本実施形態に係るドアビーム3Bの断面図であって、それぞれ、図8Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。なお、図8A乃至図8Dにおいても、説明を容易とするために、ドアビーム3Bが車両前後方向に沿って延びる姿勢で図示している。また、当該実施形態では、先の第1実施形態との相違点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。以後の実施形態においても同様である。
図8A乃至図8Dに示されるドアビーム3Bでは、インナフランジ32が突出フランジ部32Hを備えている。突出フランジ部32Hは、インナフランジ32の下側部分に配置され、ロワーウェブ34よりも下方に突出している。このような構成の場合、ドア2内のスペースに制約がある場合であっても、ドアビーム3Bを配置することが可能となる。また、押出加工によって成形するドアビーム3Bの基材は、下方にのみ突出するフランジ部を備えている。このため、押出工程後の切除工程におけるフランジ部の切除箇所も前後の2箇所となり、先の第1実施形態と比較して加工工数が低減する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図9Aは、本実施形態に係るドアビーム3Cの模式的な側面図である。図9B乃至図9Dは、それぞれ、本実施形態に係るドアビーム3Cの断面図であって、それぞれ、図9Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。
図9A乃至図9Dに示されるドアビーム3Cでは、インナフランジ32が上下一対の突出フランジ部32Hを備えている。上側の突出フランジ部32Hは、アッパーウェブ33よりも上方に突出している。また、下側の突出フランジ部32Hは、ロワーウェブ34よりも下方に突出している。また、上側の突出フランジ部32Hの突出量および長手方向における長さは、下側の突出フランジ部32Hの長さよりも小さい。特に、遷移部a2(上側の突出フランジ32Hの後側傾斜部322および前側傾斜部323)の長さは遷移部a1(下側の突出フランジ32Hの後側傾斜部322および前側傾斜部323)の長さよりも小さい。このような構成の場合、ドア2内のスペースのうち、上方の空間に制約がある場合であっても、ドアビーム3Cを配置することが可能となる。すなわち、ドア2内のレイアウトの制約に応じて、各突出フランジ部32Hの形状は変化させてもよい。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図10Aは、本実施形態に係るドアビーム3Dの模式的な側面図である。図10B乃至図10Dは、それぞれ、本実施形態に係るドアビーム3Dの断面図であって、それぞれ、図10Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。
図10A乃至図10Dに示されるドアビーム3Dでは、インナフランジ32およびアウタフランジ31がそれぞれ上下一対の突出フランジ部32Hおよび突出フランジ部31Hを備えている。上側の突出フランジ部31H、32Hは、アッパーウェブ33よりも上方に突出している。また、下側の突出フランジ部31H、32Hは、ロワーウェブ34よりも下方に突出している。また、上側の突出フランジ部31H、32Hの突出量および長手方向における長さは互いに同じである。下側の突出フランジ部31H、32Hの突出量および長手方向における長さも互いに同じである。各突出フランジ部32Hは、中央フラット部321と、後側傾斜部322と、前側傾斜部323と、を有する。同様に、各突出フランジ部31Hは、中央フラット部311と、後側傾斜部312と、前側傾斜部313と、を有する。なお、インナフランジ32の両端部のフランジ端部324には、突出フランジ部32Hが配置されていない。同様に、なお、アウタフランジ31の両端部のフランジ端部314には、突出フランジ部31Hが配置されていない。このような構成の場合、ドアビーム3Dの曲げ剛性、強度を高く設定しつつ、断面性能の効率をアップすることができる。ここで断面性能について付言すると、前述の図9Bに示されるドアビーム3Cでは、車両幅方向の外側部分と内側部分との間で形状が大きく異なっている。この場合、ドアビーム3Cの車両幅方向の中心に対して、ドアビーム3Cの曲げ中立軸が車両幅方向内側にずれた位置に配置される。なお、曲げ中立軸とは、図9Bに示される断面のうち車両幅方向内側の面積と車両幅方向外側の面積とが互いに等しくなるように、ドアビーム9Cを左右に分断する仮想的な直線に相当する。一方、図10Bに示されるドアビーム3Dでは、車両幅方向の外側部分と内側部分との間で形状が近似している。この場合、ドアビーム3Dの車両幅方向の中心に対して、ドアビーム3Dの曲げ中立軸が前記中心に近い位置に配置される。このため、ドアビーム3Dの両端部の断面性能が高く保持される。更に、図10Aに示されるように、アウタフランジ31の両端部のフランジ端部314には、突出フランジ部31Hが配置されていないため(図10D)、ドアビーム3Dの両端部の断面性能が更に高く保持される。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図11Aは、本実施形態に係るドアビーム3Eの模式的な側面図である。図11B乃至図11Dは、それぞれ、本実施形態に係るドアビーム3Eの断面図であって、それぞれ、図11Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。
図11A乃至図11Dに示されるドアビーム3Eでは、インナフランジ32およびアウタフランジ31がそれぞれ上下一対の突出フランジ部32Hおよび突出フランジ部31Hを備えている。上側の突出フランジ部31H、32Hは、アッパーウェブ33よりも上方に突出している。また、下側の突出フランジ部31H、32Hは、ロワーウェブ34よりも下方に突出している。また、上側の突出フランジ部31Hの突出量および長手方向における長さは、上側の突出フランジ部32Hの突出量および長手方向における長さよりも大きい。同様に、下側の突出フランジ部31Hの突出量および長手方向における長さは、下側の突出フランジ部32Hの突出量および長手方向における長さよりも大きい。特に、遷移部a2(インナフランジ32の突出フランジ32Hの後側傾斜部322および前側傾斜部323)の長さは遷移部a1(アウタフランジ31の突出フランジ31Hの後側傾斜部312および前側傾斜部313)の長さよりも小さい。更に、本実施形態では、突出フランジ部32Hの肉厚よりも突出フランジ部31Hの肉厚の方が大きく設定されている。このような構成の場合、側面衝突時に曲げ応力が発生した際のドアビーム3Eの初期剛性が高く保持される。また、突出フランジ部31Hが座屈しやすいため、突出フランジ部32Hの破断が防止される。具体的に、車両外側フランジ31Hが座屈すると、ドアビーム3Eの断面の幅寸法が低下する。この結果、曲げ外側に相当する車両幅方向内側のひずみが緩和されるため、突出フランジ部32Hの破断が防止される。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図12Aは、本実施形態に係るドアビーム3Fの模式的な側面図である。図12B乃至図12Dは、それぞれ、本実施形態に係るドアビーム3Fの断面図であって、それぞれ、図12Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。
図12A乃至図12Dに示されるドアビーム3Fでは、インナフランジ32およびアウタフランジ31がそれぞれ上下一対の突出フランジ部32Hおよび突出フランジ部31Hを備えている。上側の突出フランジ部31H、32Hは、アッパーウェブ33よりも上方に突出している。また、下側の突出フランジ部31H、32Hは、ロワーウェブ34よりも下方に突出している。また、上側の突出フランジ部31Hの突出量および長手方向における長さは、上側の突出フランジ部32Hの突出量および長手方向における長さよりも小さい。同様に、下側の突出フランジ部31Hの突出量および長手方向における長さは、下側の突出フランジ部32Hの突出量および長手方向における長さよりも小さい。特に、遷移部a2(アウタフランジ31の突出フランジ31Hの後側傾斜部312および前側傾斜部313)の長さは遷移部a1(インナフランジ32の突出フランジ32Hの後側傾斜部322および前側傾斜部323)の長さよりも小さい。更に、本実施形態では、突出フランジ部32Hの肉厚よりも突出フランジ部31Hの肉厚の方が大きく設定されている。このような構成においても、側面衝突時に曲げ応力が発生した際のドアビーム3Fの初期剛性がアウタフランジ31Hの肉厚によって高く保持されるとともに、ドアビーム3Fに対して効率的な最大荷重を設けることができる。また、突出フランジ部31Hが座屈しやすいため、突出フランジ部32Hの破断が防止される。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図13Aは、本実施形態に係るドアビーム3Gの模式的な側面図である。図13B乃至図13Dは、それぞれ、本実施形態に係るドアビーム3Gの断面図であって、それぞれ、図13Aの位置P−P、位置Q−Qおよび位置R−Rにおける断面図である。
図13A乃至図13Dに示されるドアビーム3Gでは、インナフランジ32が上下一対の突出フランジ部32Hを備えている。上側の突出フランジ部32Hは、アッパーウェブ33よりも上方に突出している。また、下側の突出フランジ部32Hは、ロワーウェブ34よりも下方に突出している。また、上下一対の突出フランジ部32Hの前側傾斜部323および後側傾斜部322は互いに異なる形状を備えている。具体的に、前側傾斜部323の長手方向における長さa1は、後側傾斜部322の長手方向における長さa2よりも小さい。なお、ドアビーム3Gがこのような前後非対称の突出フランジ部32Hを備える場合でも、ドアビーム3Gの長手方向に沿った前側傾斜部323および後側傾斜部322の長さがそれぞれLf(=a1)、Lr(=a2)、前記長手方向に沿ったドアビーム3Gの全長がLと定義された場合、(Lf+Lr)≧0.3×Lの関係が満たされていることが望ましい。ドアビーム3Gでは、ドア2の内部のレイアウトの制約が多い場合でも、ドアビーム3Gの配置の自由度を増すことができる。
2 ドア
21 アウタパネル
22 インナパネル
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G ドアビーム
31 アウタフランジ
32 インナフランジ
321 中央フラット部(フラット部)
322 後側傾斜部
323 前側傾斜部
324 フランジ端部
31H、32H 突出フランジ部
33 アッパーウェブ
34 ロワーウェブ
4 ヒンジ

Claims (6)

  1. 自動車のドアに装着されるドアビームであって、
    前記ドアビームにおける前記自動車の車両幅方向の内側部分を画定するインナフランジと、
    前記ドアビームにおける前記車両幅方向の外側部分を画定するアウタフランジと、
    前記ドアビームにおける前記自動車の車両上下方向の上側部分で、前記インナフランジと前記アウタフランジとを車両幅方向に沿って接続するアッパーウェブと、
    前記ドアビームにおける前記車両上下方向の下側部分で、前記インナフランジと前記アウタフランジとを車両幅方向に沿って接続するロワーウェブと、
    を備え、前記インナフランジ、前記アウタフランジ、前記アッパーウェブおよび前記ロワーウェブによって、車両前後方向と交差する閉断面が形成されており、
    前記インナフランジおよび前記アウタフランジのうちの少なくとも一方は、前記アッパーウェブよりも上方、または、前記ロワーウェブよりも下方に突出する突出フランジ部を有しており、
    前記突出フランジ部は、
    車両前方に向かうに連れて前記アッパーウェブまたは前記ロワーウェブに近づくように傾斜した前側傾斜部と、
    車両後方に向かうに連れて前記アッパーウェブまたは前記ロワーウェブに近づくように傾斜した後側傾斜部と、
    前記前側傾斜部と前記後側傾斜部とを接続するフラット部と、
    を有し、
    前記ドアビームの長手方向に沿った前記前側傾斜部および前記後側傾斜部の長さがそれぞれLf、Lr、前記長手方向に沿った前記ドアビームの全長がLと定義された場合、(Lf+Lr)≧0.3×Lの関係が満たされている、ドアビーム。
  2. 前記ドアビームが、アルミニウム合金製である、請求項1に記載のドアビーム。
  3. 前記ドアビームが、耐力350MPa以上の7000系アルミニウム合金製である、請求項2に記載のドアビーム。
  4. 前記ドアビームが、前記長手方向に沿った押出加工によって成形されている、請求項2または3に記載のドアビーム。
  5. 請求項4に記載のドアビームの製造方法であって、
    前記ドアビームの前記突出フランジ部を構成するフランジ部であって、前記アッパーウェブまたは前記ロワーウェブに対する突出量が前記長手方向に沿って一定に保持された形状を有するフランジ部を含むように、前記押出加工によって前記ドアビームの基材を製造する押出工程と、
    前記押出工程によって成形された前記ドアビームの基材に対して、前記フランジ部の前側部分および後側部分を切除することで、前記前側傾斜部および前記後側傾斜部を形成する、切除工程と、
    を備える、ドアビームの製造方法。
  6. 前記切除工程において、前記基材の15%以上の質量部分を切除する、請求項5に記載のドアビームの製造方法。
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