JP2020056603A - 土石流検知装置、受信機及び土石流検知システム - Google Patents

土石流検知装置、受信機及び土石流検知システム Download PDF

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優一 倉島
嘉星 叶
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嘉星 叶
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健 小林
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Tetsuya Higuchi
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Wataru Sakurai
亘 桜井
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Hiroaki Izumiyama
寛明 泉山
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晃宙 高原
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Abstract

【課題】土石流の発生を高い精度で検知可能であると共に、低コストで実現可能な土石流検知装置を提供することである。【解決手段】本発明の一態様は、土石流を検知する対象箇所の地振動を含む振動を検知する検知部と、前記検知部からの振動波形から特徴量を求めて抽出を行い、その抽出した特徴量に基づいて異常現象が発生しているかを判定する第1の判定部と、前記第1の判定部が前記異常現象が発生していると判定した場合に、学習済み機械学習モデルによって、前記抽出した特徴量が土石流の発生によるものであるかを判定する第2の判定部と、前記土石流の発生を通知する通信部と、を備える土石流検知装置に関する。【選択図】図5

Description

本発明は、土石流検知システムに関する。
地震災害、火山噴火、風水害などの様々な自然災害があるが、土砂災害も主要な自然災害の1つとして認識されている。土砂災害の具体例として、がけ崩れ、地滑り、土石流などがある。
がけ崩れとは、斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震などでゆるみ、突然崩れ落ちる現象である。また、地滑りとは、斜面の一部あるいは全部が、地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象である。土石流とは、山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象である。
このうち土石流については、国内には約22万カ所の土砂災害警戒区域があり、土石流対策として多くの砂防堰堤が築かれている。砂防堰堤とは、山からの大量の土砂が混じって流れ出る土石流を防ぐための施設であり、土石流を止め、土砂を貯めたり、溜まった土砂を少しずつ川に流したり、流れを緩めることによって川底が削られるのを防いだり、あるいは、土砂によって川岸が崩れるのを防ぐなどの機能がある。
また、土石流を検知するため、土石流検知センサが砂防堰堤に設置されることもある。土石流検知センサからの通報によって関係機関(消防、警察、地方公共団体など)は土石流の発生を知ることができる。土石流センサとしては、現在、ワイヤセンサ、振動センサ、超音波センサ、ハネルセンサなどが一般的に利用されている(例えば、特許文献1〜3および非特許文献1参照。)。
特開2002−352356号公報 特開2004−117316号公報 特開2004−205433号公報
https://www.pwri.go.jp/jpn/results/01_tokyo/pdf/02.pdf 国土技術政策総合研究所(平成29年1月11日)
現在利用されているセンサには、検知精度の信頼性や機器設置費用などの問題がある。例えば、ワイヤセンサは、ワイヤに通電した電流の切断によって土石流の発生を検知するものであり、検知方法がシンプルで検知の確実性が高い一方、一度切断されると、復旧に時間を要するため、その間は土石流を検知できず、連続的な使用が不可能であるという問題がある。
また、振動センサは、振動を検知することによって土石流の発生を検知するものであり、土石流発生後も使用可能である一方、土石流として認識するための振動の大きさや継続時間などの閾値を設定する必要があり、この閾値の設定が困難である。閾値の設定を誤った場合、土石流発生の見逃しや、土石流以外の振動(例えば、周辺の工事などによる振動、風雨による振動など)を土石流として誤検知する可能性がある。さらに、機器コストが高価であるという問題がある。
さらに、超音波センサは、超音波によって土石流による水位の上昇を検知するが、検知精度は高いものの機器コストがかなり高価である。ハネルセンサもまた、機器設置費用が高価であるという問題がある。
また、複数のセンサを砂防堰堤の周囲に分散設置した場合、複数のセンサからの検知報告によって高い検知精度で土石流の発生を判断することが可能であると共に、センサが土石流によって故障又は流失しても、残りのセンサによって検知を継続することができる。このような複数のセンサの分散配置を実現するため、センサの低コスト化が求められている。
上述した問題点を鑑み、本発明の課題は、土石流の発生を高い精度で検知可能であると共に、低コストで実現可能な土石流検知装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、土石流を検知する対象箇所の地振動を含む振動を検知する検知部と、前記検知部からの振動波形から特徴量を求めて抽出を行い、その抽出した特徴量に基づいて異常現象が発生しているかを判定する第1の判定部と、前記第1の判定部が前記異常現象が発生していると判定した場合に、学習済み機械学習モデルによって、前記抽出した特徴量が土石流の発生によるものであるかを判定する第2の判定部と、前記土石流の発生を通知する通信部と、を備える土石流検知装置が提供される。
上記態様によれば、土石流の発生を高い精度で検知可能であると共に、低コストで実現可能な土石流検知装置を提供することができる。また、第1の判定部で異常現象が発生していないと判定した場合は、第2の判定部の土石流の発生の判定を行わないので、判定に要するリソースを低減でき、また、判定の負荷を軽減できる。
本発明の他の態様によれば、土石流を検知する対象箇所の地振動を含む振動を検知する検知部と、該検知部から振動波形を送信する通信部と、を有する検知装置と;複数の前記検知装置から送信された該振動波形を受信する通信部と、前記受信した振動波形から特徴量を求めて抽出を行い、その抽出した特徴量に基づいて前記複数の前記検知装置を配置した箇所に異常現象が発生しているかを判定する第1の判定部と、前記第1の判定部が前記異常現象が発生していると判定した場合に、学習済み機械学習モデルによって、前記抽出した特徴量が土石流の発生によるものであるかを判定する第2の判定部と、を有する受信機と;を備える土石流検知システムが提供される。
上記他の態様によれば、土石流の発生を高い精度で検知可能であると共に、検知装置を低コストで実現できるため、土石流を検知する対象箇所に多数配置できる。また、第1の判定部で異常現象が発生していないと判定した場合は、第2の判定部の土石流の発生の判定を行わないので、判定に要するリソースを低減でき、また、判定の負荷を軽減できる。
本発明の一実施例による土石流検知システムを示す概略図である。 本発明の一実施例による土石流検知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の一実施例による土石流検知装置の具体例を示す図である。 本発明の一実施例による受信機のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施例による土石流検知装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施例による土石流の振動波形を示す図である。 本発明の第1実施例によるサポートベクターマシーンによる土石流判別モデルの学習処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施例によるサポートベクターマシーンによる土石流判別モデルの実施処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施例による部分空間法を利用した振動波形の異常現象検出を示す図である。 本発明の第1実施例によるニューラルネットワークによる土石流判別モデルの学習処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施例によるニューラルネットワークによる土石流判別モデルの実施処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施例による受信機の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施例による検知装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施例による受信機の機能構成を示すブロック図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
[本発明の概略]
以下の実施例では、検知した振動波形から土石流の発生を検知する土石流検知装置及び受信機が開示される。後述される実施例を概略すると、土石流検知装置は、振動波形から土石流の発生(すなわち、土石流の発生を示す波形特徴量)の有無を判別する学習済み土石流判別モデルを有し、当該土石流判別モデルを利用して、センサによって検知された振動波形から土石流の発生を検知する。土石流の発生を検知すると、土石流検知装置は、無線通信などによって土石流発生通知を受信機に送信する。典型的には、複数の土石流検知装置が砂防堰堤などの土石流が発生する可能性のある場所に分散配置され、土石流が発生すると、受信機は、これらの土石流検知装置から土石流発生通知を受信し、土石流の発生を所定の手段(例えば、サイレン、警報メールなど)によって近隣住民、関係機関などに知らせる。また、他の実施例では、受信機が、学習済み土石流判別モデルを有し、当該土石流判別モデルを利用して土石流検知装置又は単なる検知装置から受信した振動波形から土石流の発生を検知する。土石流の発生を検知すると、受信機は、土石流の発生を所定の手段によって近隣住民、関係機関などに知らせる。
[土石流検知システム]
まず、図1〜4を参照して、本発明の一実施例による土石流検知システムを説明する。図1は、本発明の一実施例による土石流検知システムを示す概略図である。
図1に示されるように、土石流検知システム10は、複数の土石流検知装置100と、これらの土石流検知装置と通信接続される受信機200とを有する。
土石流検知装置100は、典型的には、土石流が発生する可能性のある場所(例えば、砂防堰堤周辺、傾斜地を流れる河川沿いなど)に分散配置され、設置場所における振動波形を検知し、予め格納されたニューラルネットワーク、サポートベクターマシーンなどの機械学習モデルによって実現される学習済み土石流判別モデルを利用して、検知した振動波形から土石流の発生を判別する。土石流の発生を検知すると、土石流検知装置100は、土石流が発生したことを示す土石流発生通知を受信機200に送信する。
土石流検知装置100は、例えば、図2に示されるようなハードウェア構成を有してもよい。すなわち、土石流検知装置100は、加速度センサ101、マイクロプロセッサ(MPU)102、RFIC103、メモリ104、温度センサ105、太陽電池106、充電制御装置107、バッテリモニタ基板108及びアンテナ109を有する。
加速度センサ101は、設置場所における地振動を含む振動を測定する。MPU102は、学習済み土石流判別モデルによって振動波形を解析すると共に、土石流検知装置100の各構成要素を制御する。RFIC103は、アンテナ109を介し受信機200と無線通信するための通信回路である。メモリ104は、加速度センサ101及び温度センサ105からの測定結果及び学習済み土石流判別モデルを格納する。太陽電池106は、太陽光を電力に変換し、変換した電力を蓄える。充電制御装置107は、太陽電池106から供給された電力をバッテリに充電すると共に、バッテリに蓄えられた電力を各構成要素に供給する。バッテリモニタ基板108は、バッテリの状態を表示するバッテリモニタと、バッテリから供給された電力及び電圧を制御するLDO(Low Drop Out)とを有する。アンテナ109は、RFIC103によって生成された無線信号を受信機200に送信すると共に、受信機200から受信した無線信号をRFIC103に提供する。
図2に示されるハードウェア構成から理解されるように、土石流検知装置100の各構成要素は市販のデバイスによって実現可能である。具体的には、土石流検知装置100は、図3に示されるような筐体に収容可能であり、図示されるような二次電池によって、上述したセンサ、メモリ、マイクロプロセッサ及び通信回路が駆動される。このため、本実施例による土石流検知装置100は、従来の土石流センサと比較して、相対的に安価に製造可能であると考えられる。
受信機200は、分散配置された各土石流検知装置100から土石流発生通知を受信し、受信した土石流発生通知に基づき土石流の発生を付属の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)に通知したり、あるいは、無線通信によってインターネットを介し関係機関などに通知する。
受信機200は、例えば、図4に示されるようなハードウェア構成を有してもよい。すなわち、受信機200は、RFIC201、MPU202,メモリ203、ハードディスクドライブ(HDD)204、USBインターフェイスユニット205、IP通信インターフェイスユニット206及びアンテナ207を有する。
RFIC201は、アンテナ207を介し土石流検知装置100及び付属の情報処理装置などと通信するための通信回路である。
MPU202は、土石流検知装置100から受信した土石流発生通知などのデータを処理すると共に、受信機200の各構成要素を制御する。また、土石流検知装置100の代わりに、受信機200が学習済み土石流判別モデルを有し、受信した振動波形などの測定結果に基づき土石流検知処理を実行する場合、MPU202は、学習済み土石流判別モデルを利用して土石流検知処理を実行してもよい。
メモリ203は、HDD204からロードされたMPU202によって実行及び/又は処理される各種プログラム及びデータを格納すると共に、土石流検知装置100から受信した土石流発生通知などのデータを格納する。
HDD204は、MPU202によって実行及び/又は処理される各種プログラム及びデータを格納する。また、受信機200が学習済み土石流判別モデルを有し、受信した振動波形などの測定結果に基づき土石流検知処理を実行する場合、HDD204は、土石流判別モデルを実現するプログラム及びデータを格納する。
USBインターフェイスユニット205は、パーソナルコンピュータなどの外部装置とやりとりするためのインターフェイスである。
IP通信インターフェイスユニット206は、インターネットなどのネットワークとやりとりするためのインターフェイスである。
アンテナ207は、土石流検知装置100から無線信号を受信すると共に、RFIC201からの無線信号を土石流検知装置100などの外部装置に無線信号を送信する。
こうしたデータ格納用メモリやデータ処理はWindows OS もしくはMac OSベースの市販されているPCを用いても良いし、Lynux OS ベースのRaspberry pi などのように低消費電力で稼働するPCでも良い。Raspberry piを用いることにより受信ユニットとRaspberry piを一体とすることが可能になり小型化が可能である。図4に示されるハードウェア構成から理解されるように、受信機200の各構成要素もまた、市販のデバイスによって実現可能であり、本実施例による受信機200もまた、比較的安価に製造可能であると考えられる。
[土石流検知装置]
次に、図5及び6を参照して、本発明の第1実施例による土石流検知装置100を説明する。図5は、本発明の第1実施例による土石流検知装置100の機能構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、土石流検知装置100は、検知部110、判定部120及び通信部130を有し、判定部120は、第1判定部121及び第2判定部122を有する。
検知部110は、土石流を検知する対象箇所の地振動を含む振動波形を検知する。具体的には、検知部110は、加速度センサなど振動を検知可能な何れかのセンサを用いて土石流検知装置100の設置場所における振動を検知し、検知した振動から振動波形データを生成する。検知部110は、生成した振動波形データを判定部120に逐次送信する。
判定部120は、学習済み機械学習モデルによって、検知した振動波形が土石流の発生によるものであるか判定する。具体的には、判定部120は、振動波形を入力とし、土石流の発生を判別するニューラルネットワーク、サポートベクターマシーンなどの学習済み土石流判別モデルを有し、検知部110から受信した振動波形データに対して、後述されるような前処理を実行した後、前処理された振動波形データを学習済み土石流判別モデルに入力し、入力された振動波形データが土石流の発生を示しているか判定する。
以降において詳細に説明されるように、第1判定部121は、検知部110からの振動波形から特徴量を求めて抽出を行い、その抽出した特徴量に基づいて異常現象が発生しているかを判定し、第2判定部122は、第1判定部121が異常現象が発生していると判定した場合に、学習済み機械学習モデルによって、抽出した特徴量が土石流の発生によるものであるかを判定する。
土石流発生時の振動波形には特有の波形があることが知られており、この土石流発生に特有の波形が入力された振動波形に含まれていると学習済み土石流判別モデルによって判別された場合、判定部120は、当該設置場所において土石流が発生したと判断できる。例えば、土石流発生時の振動波形としては、図6に示されるように、定常的な相対的に振幅が小さい振動状態から振幅が相対的に大きな振動の生じる状態がしばらく続き、その後に元の定常的な振動に戻るというパターンがみられる。土石流発生前の定常的な強度の振動は、水流や含まれる砂礫の衝突などによるものであり、相対的に大きな振動の発生は、水深の上昇とそれに伴う大きな岩石の流動、土石流の先頭部に含まれる大きな岩石の衝突などによるものと考えられる。その後は、水深が増大する状態が継続するものの大きな礫は既に流下してしまって小さな砂礫の衝突のみとなり、振幅が小さくなったものと考えられる。なお、土石流の先頭部には巨礫が集中することが既往の研究で分かっており、ある程度一定の振動波形パターンがあると考えられる。このような振動波形パターンを検出するのに、画像特徴抽出に一定の成果を上げているニューラルネットワーク、あるいは、土石流発生の有無という分類判定に適したサポートベクターマシーンなどの機械学習モデルを利用することは、好適であると考えられる。
[サポートベクターマシーンによる土石流判別モデル]
一実施例では、土石流判別モデルはサポートベクターマシーンによって実現されてもよい。この場合、土石流判別モデルは、例えば、図7に示されるような手順によって学習される。
ステップS101:訓練データの取得及び前処理
まず、土石流発生時の振動波形、土石流なしの降水時の振動波形、及び定常時の振動波形の3種類の振動波形データを、例えば、「土石流発生:2」、「土石流なしの風雨時:1」及び「定常時:0」の3種類のラベルによるラベル付きデータとして用意する。定常時とは、例えば、降雨、強風、異常な出水や増水、土石流の発生、地震等の異常現象がない場合である。
ラベル付きデータは、そのまま訓練データとして利用してもよいが、データに含まれるノイズ等を除去するため以下のような前処理が実行されてもよい。すなわち、加速度センサによって検知される3軸振動波形データは、周囲の環境やセンサ自体によって生じるノイズを含み、これを除去するため、ハイパスフィルタを訓練データとなる振動波形に適用してもよい。また、実際の観測データには、センサの電力不足や不具合等によるデータの欠落があり、これを補うため、連続的な振動波形をセグメント化し、重複部分を含む所定の持続時間の振動波形ウィンドウ(以降、クリップと呼ぶ)に分割する。例えば、隣接するクリップとの間で4分間の重複部分を有する5分間のクリップに分割されてもよい。以降の処理は、クリップ単位で実行される。
ステップS102:特徴抽出
土石流によって生じる振動波形パターンをより良好に抽出するため、振動波形から異なるデータ表現によって特徴付け可能な時間領域特徴量、周波数領域特徴量及び時間周波数動的特徴量を抽出してもよい。時間領域特徴量は、平均、中央値、標準偏差、最大/最小値、尖度、歪度、ゼロクロッシングレート、エネルギー、エネルギーのエントロピーなどの何れかの指標により表されてもよい。また、周波数領域特徴量は、スペクトル中心、スペクトル拡散、スペクトルエントロピー、スペクトルフラックス、スペクトルロールオフなどの何れかの指標により表されてもよい。また、時間周波数動的特徴量は、高次局所自己相関特徴(HLAC)、局所二値パターン(LBP)などの何れかの指標により表されてもよい。各クリップに対して、時間領域特徴量、周波数領域特徴量及び時間周波数動的特徴量のうちの複数の特徴量が抽出され、与えられた振動波形を表現するのに利用されてもよい。
ステップS103:サポートベクターマシーン(SVM)モデルの学習
上述した訓練データと抽出された特徴量とに基づき機械学習モデルを学習する。具体的には、最適な土石流判別モデルを推定するため、訓練データの振動波形から抽出された特徴量をマルチクラスサポートベクターマシーン(mSVM)に入力し、当該振動波形に対応するラベルを教師出力データとしてmSVMを学習する。推定されたmSVCモデル及び対応するパラメータは、
によって表され、g(・)及びθ optはそれぞれ、入力された振動波形xにおける土石流の有無を判別する判別関数及び関連するパラメータである。
学習済み土石流判別モデルが上述した学習手順によって学習されたサポートベクターマシーンにより実現される場合、判定部120は、図8に示されるような実施手順に従って振動波形における土石流の有無を判別する。
ステップS201:振動波形の取得及び前処理
判定部120は、検知部110から取得した振動波形から周囲の環境やセンサ自体によって生じるノイズを除去するため、ハイパスフィルタを振動波形に適用し、連続的な振動波形を重複部分を含む所定の持続時間のクリップにセグメント化する。
ステップS202:特徴抽出
判定部120は、各クリップに対して、時間領域特徴量、周波数領域特徴量及び時間周波数動的特徴量の1つ以上を抽出する。
ステップS203:第1判定部 異常現象の発生の判定
第1判定部121は、部分空間法を利用することによって、各クリップに対して異常現象(アノマリー)検出を実行する。まず、定常時の振動波形パターン、すなわち、定常時、例えば、降雨、強風、異常な出水や増水、土石流の発生、地震等の異常現象がない場合の振動波形パターンの部分空間が確定される。
を振動波形から抽出されるM次元特徴ベクトルとする(ただし、i=1,...,N、Nはクリップ数)。このとき、以下の共分散行列が、
計算可能であり、取得した共分散行列に対して固有値分解(EVD)を実行する。
これら2つの行列は、固有ベクトル
と固有値
から構成される。ここで、固有ベクトルは固有値の降順にソートされる。
k番目の固有ベクトルの寄与率は、
によって計算可能であり、η>0.99の寄与率を有する最初のk個の固有ベクトル
を定常時の振動波形パターンとして保持する。
次に、第1判定部121は、土石流発生時及び強い風雨時の振動波形パターンなどの異常現象検出のため、部分空間に対する入力クリップの異常現象の程度(乖離距離)を計算する。定常時の振動波形パターンの部分空間をSとし、それの射影演算子を
としたとき、Sの直交補部分空間上への射影演算子は、
により示される。入力された特徴ベクトルからSへの乖離距離(類似度)は、
として計算可能である。
定常時の振動波形パターンから抽出された特徴ベクトルxnormalは、定常時の振動波形パターンの部分空間の基底ベクトルの線形結合によって表すことが可能であり、
によって直交補部分空間上に射影されたとき、ゼロ又は極めて小さなd値(加法ノイズ又は干渉劣化によって)を示しうる。
他方、土石流発生時又は強い風雨時等の異常現象発生時の振動波形(異常現象又はアノマリーパターン)から抽出された特徴ベクトルxabnormalについては、それらは定常時の振動波形パターンの部分空間の基底ベクトルから線形独立した成分を有している。このため、d値は、図7に示されるような有意な値となる。
次に、第1判定部121は、閾値処理によって異常現象が発生しているかの判定を行う。適切な閾値を推定するためのロウバストな閾値推定を実行するため、第1判定部121は、ラプラス分布を利用する。ガウス分布と比較して、ラプラス分布は、極値による影響をほとんど受けない。具体的には、
を利用することによって閾値τを設定する。ここで、med(d)は乖離距離の中央値を表す。閾値処理は、τとdの値とを比較することによって実行され、dの値がτより大きいとき、異常現象が発生していると判定し、土石流判定に進む。dの値がτ以下の場合、異常現象が発生していないと判定し、次のクリップの異常現象発生の判定を行う。すなわち、第1判定部121は、判定対象の特徴量ベクトルが、平常時の振動波形から特徴量を求め、抽出した特徴量ベクトルにより形成した部分空間からの距離が閾値を超えている場合は、異常現象が発生していると判定してもよい。また、当該閾値は、それまでに判定に用いた距離に基づいてラプラス分布を仮定して設定されてもよい。また、第1判定部121は、振動波形から時間領域特徴量、周波数領域特徴量及び時間周波数動的特徴量の1つ以上を抽出してもよい。これにより、学習済みSVMを用いることなく、異常現象の発生の判定が可能である。
ステップS204:第2判定部 土石流判別
第2判定部122は、異常現象が発生していると判定されたクリップ、すなわち、土石流発生時及び強い風雨時のクリップの特徴ベクトルを、
により示される学習済みのサポートベクターマシーンに入力する。ここで、g(・)及びθ optはそれぞれ、土石流の有無を判別する判別関数及び関連するパラメータである。上式により表されるサポートベクターマシーンは、入力された異常現象が検出された各クリップに対して土石流の有無を判別し、すなわち、カテゴリインデックス
を予測する予測関数である。
本実施例では、当該インデックスとして、「土石流発生:2」、「土石流なしの風雨時:1」及び「定常時:0」の3つが設定され、例えば、予測されたインデックスが所定の系列長の2の系列となった場合、第2判定部122は、土石流が発生していると判別してもよい。
[ニューラルネットワークによる土石流判別モデル]
また、他の実施例では、土石流判別モデルは、ニューラルネットワークによって実現されてもよい。この場合、土石流判別モデルは、例えば、図10に示されるような手順によって学習される。
ステップS301:訓練データの取得及び前処理
サポートベクターマシーンの場合と同様に、まず、土石流発生時の振動波形、土石流なしの降水時の振動波形及び定常時の振動波形の3種類の振動波形データを、例えば、「土石流発生:2」、「土石流なしの風雨時:1」及び「定常時:0」の3種類のラベルによるラベル付きデータとして用意する。
ラベル付きデータは、そのまま訓練データとして利用してもよいが、データに含まれるノイズ等を除去するため以下のような前処理が実行されてもよい。すなわち、加速度センサによって検知される3軸振動波形データは、周囲の環境やセンサ自体によって生じるノイズを含み、これを除去するため、ハイパスフィルタを訓練データとなる振動波形に適用してもよい。また、実際の観測データには、センサの電力不足や不具合等によるデータの欠落があり、これを補うために、連続的な振動波形をセグメント化し、重複部分を含む所定の持続時間の振動波形ウィンドウ(以降、クリップと呼ぶ)に分割する。例えば、隣接するクリップとの間で4分間の重複部分を有する5分間のクリップに分割されてもよい。この場合、以降の処理は、クリップ単位で実行されてもよい。
ステップS302:ニューラルネットワークの学習
まず、訓練データ用のクリップを所与のニューラルネットワークに入力し、ニューラルネットワークからの出力結果、すなわち、「異常現象発生」及び「定常時:0」の2種類のラベルと、訓練データ用のラベルとを比較し、誤差が減少するようにニューラルネットワークのパラメータを、バックプロパゲーションなどの何れかのニューラルネットワーク学習アルゴリズムに従って更新する。ここで、「異常現象発生」は、「定常時:0」以外の状態であり、「土石流発生:2」及び「土石流なしの風雨時:1」を含む。学習されたニューラルネットワークは、異常現象検出モデルとして第1判定部121に提供される。
次に、「異常現象発生」として、すなわち、「土石流発生:2」及び「土石流なしの風雨時:1」として分類されている訓練データ用のクリップを所与のニューラルネットワークに入力し、ニューラルネットワークの出力結果、すなわち、「土石流発生:2」及び「土石流なしの風雨時:1」の2種類のラベルと、訓練データ用のラベルとを比較し、誤差が減少するようニューラルネットワークのパラメータを、バックプロパゲーションなどの何れかのニューラルネットワーク学習アルゴリズムに従って更新する。学習されたニューラルネットワークは、土石流判別モデルとして第2判定部122に提供される。
訓練用の各ラベル付きクリップに対して、所定の終了条件を充足するまで、上述した学習処理を繰り返す。所定の終了条件としては、所定数のクリップに対して上述したパラメータ更新処理が実行されたこと、誤差が所定の閾値以下になったこと、誤差が収束したこと、などであってもよい。
なお、訓練データとして3種類のラベルを使用したが、本発明は、これに限定されず、他の何れか適切な種類のラベルが利用されてもよい。
学習済み土石流判別モデルが上述した学習手順によって学習されたニューラルネットワークにより実現される場合、判定部120は、図11に示されるような実施手順に従って振動波形における土石流の有無を判別する。
ステップS401:振動波形の取得及び前処理
判定部120は、検知部110から取得した振動波形から周囲の環境やセンサ自体によって生じるノイズを除去するため、ハイパスフィルタを振動波形に適用し、連続的な振動波形を重複部分を含む所定の持続時間のクリップにセグメント化する。
ステップS402:第1判定部 異常現象の発生の判定
第1判定部121は、学習済み異常現象検出モデルを利用することによって、各クリップに対して異常現象(アノマリー)検出を実行する。すなわち、第1判定部121は、上述したように学習された異常現象を検出するニューラルネットワークを利用して、入力されたクリップにおいて異常現象があるか判断する。
ステップS402:第2判定部 土石流判別
第2判定部122は、異常現象が検出された各クリップを学習済み土石流判別モデルに入力し、土石流の発生の有無を判別する。例えば、「土石流発生:2」、「土石流なしの風雨時:1」及び「定常時:0」の3種類のラベルが出力される具体例では、第2判定部122は、異常現象が検出されたクリップに対して、当該異常現象が土石流の発生によるものであるか、あるいは、土石流以外の風雨によるものであるか判別する。
このように、サポートベクターマシーンを利用した実施例と同様に、異常現象の発生を判定するニューラルネットワークと、異常現象が土石流の発生によるものであるか判定するニューラルネットワークとの2つのニューラルネットワークが利用される。第1判定部121は、定常時と異常現象とを判別するニューラルネットワークを利用し、第2判定部122は、異常現象が検出された場合に、当該異常現象が土石流の発生によるものであるか判定するニューラルネットワークを利用する。
通信部130は、土石流の発生を通知する。判定部120が、このようにして学習された何れかの土石流判別モデルを利用して、検知部110によって検知された振動波形が土石流の発生によるものであると判定した場合、土石流の発生を通信部130に通知する。当該通知を受信すると、通信部130は、受信機200に土石流発生通知を送信する。
一実施例では、通信部130が学習済み機械学習モデルの更新通知を受信すると、判定部120は、受信した更新通知に従って学習済み機械学習モデルを更新してもよい。具体的には、学習済み異常現象検出モデル及び/又は学習済み土石流判別モデルが更新される場合、第1判定部121及び/又は第2判定部122は、更新通知に従って異常現象検出モデル及び/又は土石流判別モデルを更新してもよい。
[受信機]
次に、図12を参照して、本発明の一実施例による受信機200を説明する。図12は、本発明の一実施例による受信機200の機能構成を示すブロック図である。
図12に示されるように、受信機200は、通信部210及び判定部220を有する。受信機200は、土石流監視区域に分散配置された土石流検知装置100と通信接続(例えば、無線接続)し、各土石流検知装置100と通信する。
通信部210は、土石流発生通知を受信する。具体的には、通信部210は、土石流の発生を検知した各土石流検知装置100から土石流検知通知を受信する。当該土石流発生通知には、例えば、土石流発生を示すフラグと共に、送信元の土石流検知装置100の識別情報が含まれてもよく、通信部210は、土石流発生通知の送信元の土石流検知装置100を特定することができる。また、土石流検知装置100の動作状態を確認するため、通信部210は、生存信号送信要求を各土石流検知装置100に定期的に送信し、受信した生存信号に基づき土石流検知装置100の動作状態を確認してもよい。
判定部220は、複数の土石流検知装置100から受信した土石流発生通知の通知数と土石流検知装置100の設置数との比較結果に基づき、土石流の発生を判定する。例えば、10個以上などの多数の土石流検知装置100が設置されている環境下では、1、2個などの少数の土石流検知装置100からしか土石流発生通知を受信しなかった場合、判定部220は、誤検知の可能性が高いと判定してもよい。このような誤検知を判定するため、受信した土石流発生通知の通知数と土石流検知装置100の設置数との比較結果に基づき、土石流の発生を判定してもよい。例えば、l番目の土石流検知装置100から順次送信される土石流発生通知を
として示す場合(ここで、y は、l番目の土石流検知装置100のi番目のクリップの検知結果を示す)、判定部120は、
に従って設置済みのL個の土石流検知装置100からの土石流発生通知をスコア化してもよく、例えば、算出されたスコアyAllが所定の閾値(例えば、2など)より大きい場合、すなわち、
である場合、判定部220は、土石流が発生したと判断し(yout=1)、地域住民や関係機関に土石流の発生を通知するなど所定の処理を実行するようにしてもよい。他方、算出されたスコアyAllが所定の閾値以下である場合、判定部220は、受信した土石流発生通知は誤検知によるものであり、土石流は発生していないと判断し(yout=0)、地域住民や関係機関への通知を留保する。最適なウェイトの組み合わせαlは、リニアプログラミングを利用することによって訓練段階において推定され、より高い精度及びロウバスト性による最終的な土石流判定を生成するよう適用されてもよい。また、yALLは、時間軸に沿ってN個の系列要素によるベクトル形式を有する。
このとき、要素毎の線形関数を利用して、
に従って3値インデックス要素y ALLをバイナリ判定スコアに変換してもよい。最終的に、
が土石流判定結果として出力される。ここで、"0"は土石流なしを表し、"1"は土石流の発生を表す。
一実施例では、通信部210は、更新された学習済み機械学習モデルを土石流検知装置100に送信してもよい。例えば、土石流検知装置100の設置後に学習済み土石流判別モデルがアップデートされた場合、通信部210は、アップデートされた学習済み土石流判別モデルを各土石流検知装置100に送信し、最新の土石流判別モデルによって各土石流検知装置100に土石流判別を実行させるようにしてもよい。なお、通信部210は、アップデートされた土石流判別モデルだけでなく、アップデートされた各種情報を土石流検知装置100に送信してもよい。
[第2実施例]
上述した第1実施例では、土石流検知装置100が学習済み異常現象検出モデル及び学習済み土石流判別モデルを有し、検知した振動波形から異常現象の発生及び土石流の発生を検知している。第2の実施例では、受信機400が学習済み異常現象検出モデル及び学習済み土石流判別モデルを有し、各検知装置300から検知した振動波形を受信すると、受信機400が、学習済み異常現象検出モデル及び学習済み土石流判別モデルを利用して、受信した振動波形から異常現象の発生及び土石流の発生を判定し、第1実施例による土石流検知装置100は、異常現象の発生及び土石流の発生の判定処理を実行せず、測定結果を単に受信機400に通知する検知装置300として構成される。
図13は、本発明の第2実施例による検知装置の機能構成を示すブロック図である。図13に示されるように、検知装置300は、検知部310及び通信部320を有する。すなわち、検知装置300は、上述した土石流検知装置100と異なって、判定部120を備えず、検知した振動波形を受信機400に送信する。
検知部310は、土石流を検知する対象箇所の地振動を含む振動波形を検知する。具体的には、検知部310は、加速度センサなど振動を検知可能な何れかのセンサを用いて検知装置300の設置場所における振動を検知し、検知した振動から振動波形データを生成する。検知部310は、生成した振動波形データを通信部320に逐次送信する。
通信部320は、検知部310からの振動波形を受信機400に送信する。具体的には、通信部320は、振動波形を定期的に受信機400に送信してもよいし、あるいは、受信機400からの取得要求に応答して、振動波形を送信してもよい。
図14は、本発明の第2実施例による受信機の機能構成を示すブロック図である。図14に示されるように、受信機400は、通信部410及び判定部420を有し、判定部420は、第1判定部421、第2判定部422及び第3判定部423を有する。
通信部410は、検知装置300から送信された該振動波形を受信する。具体的には、通信部410は、複数の検知装置300から振動波形を受信する。当該振動波形と一緒に、例えば、送信元の検知装置300の識別情報が送信されてもよく、通信部410は、送信元の検知装置300を特定することができる。また、検知装置300の動作状態を確認するため、通信部410は、生存信号送信要求を各検知装置300に定期的に送信し、受信した生存信号に基づき検知装置300の動作状態を確認してもよい。
判定部420は、第1判定部421及び第2判定部422を有する。
第1判定部421は、検知装置300から受信した振動波形から特徴量を求めて抽出を行い、その抽出した特徴量に基づいて複数の検知装置300を配置した箇所に異常現象が発生しているかを判定する。具体的には、第1判定部421は、第1実施例において上述した第1判定部121に備えられた学習済み異常現象検出モデルを有し、上述したように学習されたサポートベクターマシーン又はニューラルネットワークにより実現される学習済み異常現象検出モデルを利用して、振動波形が定常時のものであるか、あるいは、土石流の発生や風雨時などの非定常時の異常現象発生時のものであるか判定する。なお、学習済み異常現象検出モデルについては、上述したものと同様であるため、詳細な説明は省く。
第2判定部422は、第1判定部421が異常現象が発生していると判定した場合に、学習済み機械学習モデルによって、抽出した特徴量が土石流の発生によるものであるかを判定する。具体的には、第2判定部422は、第1実施例において上述した第2判定部122に備えられた学習済み土石流判別モデルを有し、上述したように学習されたサポートベクターマシーン又はニューラルネットワークにより実現される学習済み土石流判別モデルを利用して、異常現象が発生していると判定された振動波形が土石流の発生によるものであるか、あるいは、風雨の発生によるものであるか判定する。なお、学習済み土石流判別モデルについては、上述したものと同様であるため、詳細な説明は省く。 なお、第1判定部421は、土石流検知装置100の実施例と同様に、判定対象の特徴量ベクトルが、平常時の振動波形から特徴量を求め抽出した特徴量ベクトルにより形成した部分空間からの距離が閾値を超えている場合は、異常現象が発生していると判定するようにしてもよい。また、当該閾値は、それまでに判定に用いた距離に基づいてラプラス分布を仮定して設定されてもよい。また、第1判定部421は、振動波形から時間領域特徴量、周波数領域特徴量及び時間周波数動的特徴量の1つ以上を抽出するようにしてもよい。また、学習済み機械学習モデルは、土石流検知装置100の実施例と同様に、振動波形を入力とし、土石流の発生の有無を出力するサポートベクターマシーンとして実現されてもよいし、ニューラルネットワークとして実現されてもよい。
一実施例では、第1判定部421は、複数の検知装置300のうち少なくとも2つ以上の検知装置300からの振動波形に基づいて異常現象が発生していると判定した場合に、第2判定部422で土石流の発生の判定を行うようにしてもよい。
また、一実施例では、受信機400は、第2判定部422における複数の検知装置300のそれぞれに対応する土石流の発生の判定結果に基づいて、土石流の発生の判定をさらに行う第3判定部423をさらに備えてもよい。例えば、第3判定部423は、複数の検知装置300から受信した測定結果に基づき土石流の発生を検知した検知数と検知装置300の設置数との比較結果に基づき、土石流の発生を判定してもよい。
また、一実施例では、通信部410が学習済み機械学習モデルの更新通知を受信すると、第1判定部421及び/又は第2判定部422は、受信した更新通知に従って学習済み機械学習モデルを更新してもよい。例えば、通信接続されたパーソナルコンピュータ、サーバなどの外部装置が機械学習モデルを更新し、更新通知を送信すると、受信機400は、更新通知において通知された更新内容に基づき第1判定部421及び/又は第2判定部422の機械学習モデルを更新してもよい。
なお、第1実施例と第2実施例とは組み合わされてもよい。すなわち、土石流判定処理が可能な土石流検知装置100と受信機400とが土石流検知システム10に含まれ、土石流検知装置100と受信機400との何れか一方が土石流判定処理を実行するようにしてもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 土石流検知システム
100 土石流検知装置
110,310 検知部
120,220,320,420 判定部
121,421 第1判定部
122,422 第2判定部
130,210,410 通信部
200,400 受信機
300 検知装置
423 第3判定部

Claims (14)

  1. 土石流を検知する対象箇所の地振動を含む振動を検知する検知部と、
    前記検知部からの振動波形から特徴量を求めて抽出を行い、その抽出した特徴量に基づいて異常現象が発生しているかを判定する第1の判定部と、
    前記第1の判定部が前記異常現象が発生していると判定した場合に、学習済み機械学習モデルによって、前記抽出した特徴量が土石流の発生によるものであるかを判定する第2の判定部と、
    前記土石流の発生を通知する通信部と、
    を備える土石流検知装置。
  2. 前記検知部と、前記第1の判定部と、前記第2の判定部と、前記通信部とが一体化されてなる請求項1記載の土石流検知装置。
  3. 前記通信部が前記学習済み機械学習モデルの更新通知を受信すると、前記第2の判定部は、前記受信した更新通知に従って前記学習済み機械学習モデルを更新する、請求項1または2記載の土石流検知装置。
  4. 前記学習済み機械学習モデルは、振動波形を入力とし、土石流の発生の有無を出力するサポートベクターマシーンとして実現される、請求項3記載の土石流検知装置。
  5. 前記第1の判定部は、判定対象の特徴量ベクトルが、定常時の前記振動波形から特徴量を求め抽出した特徴量ベクトルにより形成した部分空間からの距離が閾値を超えている場合は、異常現象が発生していると判定する、請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の土石流検知装置。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の複数の土石流検知装置と;
    前記複数の土石流検知装置から土石流発生通知を受信する通信部と、
    前記複数の土石流検知装置から受信した土石流発生通知に基づいて、土石流の発生を判定する判定部と、を有する受信機と、
    を備える土石流検知システム。
  7. 前記判定部は、前記複数の土石流検知装置から受信した土石流発生通知の通知数と前記土石流検知装置の設置数との比較結果に基づいて土石流の発生を判定する、請求項6記載の土石流検知システム。
  8. 前記判定部は、前記複数の土石流検知装置のうち少なくとも2つ以上の土石流検知装置からの土石流発生通知を受信した場合に土石流が発生したと判定する、請求項6記載の土石流検知システム。
  9. 土石流を検知する対象箇所の地振動を含む振動を検知する検知部と、該検知部から振動波形を送信する通信部と、を有する検知装置と;
    複数の前記検知装置から送信された該振動波形を受信する通信部と、
    前記受信した振動波形から特徴量を求めて抽出を行い、その抽出した特徴量に基づいて前記複数の前記検知装置を配置した箇所に異常現象が発生しているかを判定する第1の判定部と、
    前記第1の判定部が前記異常現象が発生していると判定した場合に、学習済み機械学習モデルによって、前記抽出した特徴量が土石流の発生によるものであるかを判定する第2の判定部と、を有する受信機と;
    を備える土石流検知システム。
  10. 前記第1の判定部は、前記複数の検知装置のうち少なくとも2つ以上の検知装置からの振動波形に基づいて前記異常現象が発生していると判定した場合に、前記第2の判定部で土石流の発生の判定を行う、請求項9記載の土石流検知システム。
  11. 前記受信機は、前記受信機の前記第2の判定部における前記複数の検知装置のそれぞれに対応する土石流の発生の判定結果に基づいて、土石流の発生の判定をさらに行う第3の判定部をさらに備える、請求項9または10記載の土石流検知システム。
  12. 前記受信機の通信部が前記学習済み機械学習モデルの更新通知を受信すると、前記第2の判定部は、前記受信した更新通知に従って前記学習済み機械学習モデルを更新する、請求項9乃至11のうちいずれか一項記載の土石流検知システム。
  13. 前記第1の判定部は、判定対象の特徴量ベクトルが、定常時の前記振動波形から特徴量を求め抽出した特徴量ベクトルにより形成した部分空間からの距離が閾値を超えている場合は、異常現象が発生していると判定する、請求項9乃至12のうちいずれか一項記載の土石流検知システム。
  14. 前記第1の判定部は、前記振動波形から時間領域特徴量、周波数領域特徴量及び時間周波数動的特徴量の1つ以上を抽出する、請求項9乃至13のうちいずれか一項記載の土石流検知システム。
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