以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係るタブレットスタンドは、例えばオフィスや自宅等において机上等の平坦な設置面に置いて使用するもの(いわゆる、置き敷きタイプ)であり、これにタブレットを支持させて、設置面における使用者が所望する位置に置いて使用する。このタブレットスタンドを使用することによって、使用者が片手をタブレットの支持のために塞がれることがなくなり、両手を自由に使用しつつ、タブレットを見ながらの作業やタブレットの操作等を行うことができる。後に明らかになるように、本発明に係るタブレットスタンドは、タブレットの支持高さ、すなわち、設置面に対するタブレットの高さ、および、タブレットの姿勢、すなわち、設置面とタブレットがなす角度を、使用者が適宜に変更することができるように構成されており、タブレットを、使用者が所望する高さおよび姿勢(角度)に支持することができる。
<<第1実施形態>>
<1.構成>
第1実施形態に係るタブレットスタンドの構成について、図1〜図7を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るタブレットスタンド100を斜め上から見た斜視図である。図2は、タブレットスタンド100を斜め下から見た斜視図である。図3は、タブレットスタンド100の側面図である。図4は、タブレットスタンド100の背面図である。図5は、タブレットスタンド100の分解斜視図である。図6は、タブレットスタンド100が備える主アーム21の斜視図である。図7は、タブレットスタンド100が備えるスタンド部側係合部42a,42bの斜視図である。
タブレットスタンド100は、スタンド支持部1と、スタンド部2と、タブレット支持部3と、スタンド部2とスタンド支持部1を接続する第1関節4aと、スタンド部2とタブレット支持部3を接続する第2関節4bとを備える。スタンド支持部1はスタンド部2を支持し、スタンド部2はタブレット支持部3を支持し、タブレット支持部3はタブレットTを支持する。この実施形態では、第1関節4aが、スタンド部2の一方の端部とスタンド支持部1の一方の端部を接続する位置に設けられる。また、第2関節4bが、スタンド部2の他方の端部とタブレット支持部3の一方の端部付近を接続する位置に設けられる。なお、以下においては、説明の便宜上、スタンド部2における第1関節4aが設けられる側を「下側」呼び、第2関節4bが設けられる側を「上側」と呼ぶが、これは、タブレットスタンド100の使用方向を限定するものではない。
<1−1.スタンド支持部>
スタンド支持部1は、ベース板11と、脚体12と、支持部13とを備える。
ベース板11は、平面視長方形の平板状部材である。タブレットスタンド100の使用時には、このベース板11の下面が設置面Gに当接するように、好ましくは、平坦な設置面Gに対してベース板11の下面が全面的に接触するように、配置される。ベース板11の上面側であって一方の短辺の付近には、第1受け部111が設けられており、他方の短辺の付近には、第2受け部112が設けられている。第1受け部111には、脚体12の下端が回動可能に支持される。また、第2受け部112は、支持部13の下端を収容できるようになっている。
脚体12は、断面コ字状の長尺部材であり、その延在方向に沿って長尺の凹状部121が形成されている。この凹状部121の内寸(幅寸法および長さ寸法)は、スタンド部2の外寸(幅寸法および長さ寸法)よりも一回り大きなものとされており、脚体12と接続されたスタンド部2が第1関節4aを介して回動されて両者12,2が略平行な姿勢とされた状態において、スタンド部2がこの凹状部121に収容されるようになっている(図13)。また、脚体12の上端において、脚体12の各側壁部分には突壁部122が形成されており、各突壁部122には貫通孔H12が形成される。
支持部13は、その一端が脚体12の途中部分に回動可能に支持されている。一方、支持部13の他端は、ベース板11の上面に当接しつつ該上面に沿ってスライド移動可能に形成されている。支持部13の該他端が第2受け部112に収容された状態となることによって、脚体12が所定の姿勢(すなわち、ベース板11に対して所定の角度をなす姿勢)で固定される。
<1−2.タブレット支持部>
タブレット支持部3は、載置板31と挟持部32とを備える。
載置板31は、タブレットTを受けるタブレット受け部であり、透明材料により形成された平面視長方形の平板状部材である。載置板31の一方の主面(上面)は、タブレットTを載置するための載置面を形成する。載置板31の下端部付近には、その上面側に立ち上がった下縁部311が形成されており、この下縁部311が載置板31の上面に載置されたタブレットTの下縁に当接するようになっている。また、載置板31の下端部付近には、その下面側に、一対の突壁部312,312が形成されており、各突壁部312には貫通孔H31が形成される。
挟持部32は、載置板31の上面に載置されたタブレットTが落下しないように挟持するための部材である。挟持部32は、載置板31の下面側において、載置板31の各側辺に沿って延在するように設けられた一対の挟持アーム321,321を有する。各挟持アーム321の一方の端部(先端部)には押圧部322が設けられており、この押圧部322が、載置板31に載置されたタブレットTの側面に当接するようになっている。各挟持アーム321の他方の端部(基端部)は、載置板31に対して回動可能に軸支されている。この基端部には、回動軸と同心のギヤ323が設けられており、各挟持アーム321のギヤ323が互いに噛み合わされている。これにより、両挟持アーム321,321が同期して回動するようになっている。ただし、各ギヤ323は、載置板31に対して付勢された状態で軸支されており、使用者からの操作がない限り、回動しないようになっている。使用者は、タブレットTを、表示画面を上に向けた状態で載置板31に載置し、両挟持アーム321,321を回動させて、一対の押圧部322,322がタブレットTの両側面を押圧するような回転姿勢におく。これにより、載置板31に載置されたタブレットTが落下しないように挟持される。
<1−3.スタンド部>
スタンド部2について、主として図5〜図7を参照しながら説明する。スタンド部2は、主アーム21と、主アーム21と平行に延在するとともに主アーム21に対して近接離間する方向に変位可能な補助アーム22と、主アーム21および補助アーム22の間に設けられた一対のコイルバネ23,23と、を備える。
主アーム21および補助アーム22は、いずれも樹脂または樹脂よりも高剛性の材料により形成されている。両アーム21,22は互いに略等しい長さを有する長尺の部材であり、いずれも一方の側面が開口した略箱状を呈している。そして、両アーム21,22は開口した面を対向させるようにして配置される。以下において、各アーム21,22における、他方のアームと対向する側の面を「内側面」とよび、これと逆側の面を「外側面」とよぶ。
主アーム21の両端部の各々には、貫通孔H21が形成される。同様に、補助アーム22の両端部の各々にも、貫通孔H22が形成される。各アーム21,22の下端側に設けられた各貫通孔H21,H22は、互いに対応する位置に設けられており、これらには後述する第1軸部40aが挿通される。また、各アーム21,22の上端側に設けられた各貫通孔H21,H22も、互いに対応する位置に設けられており、これらには後述する第2軸部40bが挿通される。
主アーム21の内側面には、各貫通孔H21を囲むように円筒状のリブ(円筒部)211が立設される。同様に、補助アーム22の内側面にも、各貫通孔H22を囲むように円筒状のリブ(円筒部)221が立設される。主アーム21および補助アーム22の各内側面には、長尺方向と交差して延在する直線状のリブが適宜形成されることも好ましい。
補助アーム22の外側面には、操作受付部222が形成される。操作受付部222は、具体的には、該外側面に形成された凸条部であり、補助アーム22の延在方向に沿う長尺な頂面を有する。この頂面の長尺方向の中央付近はなだらかに窪んでおり、該頂面の長尺方向の両端部の近傍(すなわち、各関節4a,4bの近傍)は略平坦面となっている。後述する第1操作S1は、操作受付部222の長尺方向の各端部(その近傍を含む)を押圧する操作であり(図9)、第2操作S2は、操作受付部222の長尺方向の中央部(その近傍を含む)を押圧する操作である(図10)。つまり、操作受付部222は、その各端部が、第1操作S1の入力部を構成し、その中央部が、第2操作S2の入力部を構成する。
補助アーム22の内側面には、スタンド部2の延在方向に間隔を設けつつ配置された一対の凸部(接触凸部)223,223が形成される。各接触凸部223は、他の部分に比べて突出した形状部分であり、主アーム21と補助アーム22の間隔を狭める狭窄部としての役割を担う。一対の接触凸部223,223は、その中間位置が、第1関節4aと第2関節4bの中間位置と一致するように形成される。
一対のコイルバネ23,23は、主アーム21と補助アーム22の間に設けられる。具体的には、各コイルバネ23は、主アーム21に設けられた各円筒部211に外挿され、この状態で、補助アーム22が、主アーム21との間に一対のコイルバネ23,23を挟み込むようにして主アーム21と対向配置される。スタンド部2が各支持部1,3に取り付けられた状態において、各コイルバネ23は、縮短状態で、一端側において補助アーム22の内側面に当接するとともに他端側において主アーム21の内側面に当接する。つまり、この状態において、主アーム21と補助アーム22は、一対のコイルバネ23,23によって互いに離間する方向に付勢される。すなわち、一対のコイルバネ23,23は、補助アーム22を主アーム21から離間する方向に付勢する付勢部としての役割を担う。
<1−4.第1関節>
第1関節4aについて、引き続き図5〜図7を参照しながら説明する。第1関節4aは、クラッチ状に形成されている。すなわち、第1関節4aは、スタンド部2(具体的には、補助アーム22)の側に設けられた係合部(第1スタンド部側係合部)41aと、スタンド支持部1の側に設けられた係合部(第1支持部側係合部)42aと、を備える。両係合部41a,42aは、軸部(第1軸部)40aによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部41a,42aが、噛合/解離することによって、第1関節4aの回動(すなわち、スタンド部2のスタンド支持部1に対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。
第1スタンド部側係合部41aは、例えば一体成形技術を用いることにより、補助アーム22と一体的に形成される。第1スタンド部側係合部41aは、補助アーム22の外側面における平面状の部分において、貫通孔H22(下端側に形成されている貫通孔H22)を囲むように設けられた凹凸構造を備える。この凹凸構造は、具体的には、矩形状の凸部分(歯)が、貫通孔H22の中心から放射状を成すように360°に亘って配列されたものである。
第1支持部側係合部42aは、一対の平面状の主面を有する略円盤状の部材である。第1支持部側係合部42aの中心には、例えば一体成形技術を用いることにより、円筒状の軸部(第1軸部)40aが一体的に形成されている。また、第1支持部側係合部42aにおける第1軸部40aが形成されている側の主面には、凹凸構造が設けられている。この凹凸構造は、第1軸部40aの周りに設けられたものであり、具体的には、矩形状の凸部分が、第1軸部40aの中心から放射状を成すように360°に亘って配列されたものである。また、第1支持部側係合部42aの他方の主面には、一対の溝422,422が形成されている。
<1−5.第2関節>
第2関節4bについて、引き続き図5〜図7を参照しながら説明する。第2関節4bは、第1関節4aと同様、クラッチ状に形成されている。すなわち、第2関節4bは、スタンド部2(具体的には、補助アーム22)の側に設けられた係合部(第2スタンド部側係合部)41bと、タブレット支持部3の側に設けられた係合部(第2支持部側係合部)42bと、を備える。両係合部41b,42bは、軸部(第2軸部)40bによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部41b,42bが、噛合/解離することによって、第2関節4bの回動(すなわち、スタンド部2のタブレット支持部3に対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。
第2スタンド部側係合部41bは、第1スタンド部側係合部41aと同様、例えば一体成形技術を用いることにより、補助アーム22と一体的に形成される。第2スタンド部側係合部41bは、補助アーム22の外側面における平面状の部分において、貫通孔H22(上端側に形成されている貫通孔H22)を囲むように設けられた凹凸構造を備える。第2スタンド部側係合部41bの具体的な構成は、第1スタンド部側係合部41aと同様である。
第2支持部側係合部42bは、第1支持部側係合部42aと同様の部材である。すなわち、第2支持部側係合部42bは、一対の平面状の主面を有する略円盤状の部材であって、中心に円筒状の軸部(第2軸部)40bが一体的に形成されている。また、その一方の主面に凹凸構造が設けられ、他方の主面に一対の溝422,422が設けられる。
<2.各関節の形成態様>
第1関節4aおよび第2関節4bの形成態様について、引き続き図5〜図7を参照しながら説明する。
まず、主アーム21の内側面に設けられた各円筒部211にコイルバネ23が外挿される。そして、補助アーム22が、主アーム21との間に一対のコイルバネ23,23を挟み込むようにして主アーム21と対向配置される。
続いて、第1支持部側係合部42aに設けられた第1軸部40aが、下端側において重なり合わされた一対の貫通孔H22,H21、具体的には、補助アーム22の下端側の円筒部221内、および、主アーム21の下端側の円筒部211内に、順に軸通される。同様に、第2支持部側係合部42bに設けられた第2軸部40bが、上端側において重なり合わされた一対の貫通孔H22,H21、具体的には、補助アーム22の上端側の円筒部221内、および、主アーム21の上端側の円筒部211内に、順に軸通される。これにより、一対の係合部41a,42aおよび一対の係合部41b,42bの各々が、凹凸構造が形成されている面同士を対向させて配置されることになる。
ここで、第1軸部40aおよび第2軸部40bの途中には、段差部分421が設けられており、先端側が基端側よりも小径となっている。具体的には、段差部分421よりも先端側の部分の外径は、主アーム21側の円筒部211の内径よりも僅かに小さい寸法とされており、円筒部211に内挿可能に構成されている。一方、段差部分421よりも基端側の部分の外径は、該円筒部211の内径よりも大きく、且つ、補助アーム22側の円筒部221の内径よりも小さいものとされており、補助アーム22側の円筒部221内には挿入可能であるものの、主アーム21側の円筒部211内には挿入されないように構成されている。したがって、第1軸部40aおよび第2軸部40bが軸通された状態において、段差部分421が、主アーム21側の円筒部211の先端面と突き当たった状態となる。
続いて、これら一群の部材42a,42b,21〜23が、その下端部が、脚体12の一対の突壁部122,122の間に配置され、その上端部が、載置板31の一対の突壁部312,312の間に配置された状態とされる。このとき、第1支持部側係合部42aは、一対の溝422,422が形成されている側の主面を、脚体12の一方の突壁部122(補助アーム22側の突壁部122)の内側面に当接させ、該内側面に形成された一対の凸条1221が一対の溝422,422内に収容されるような位置に配置される。これにより、第1支持部側係合部42aが、突壁部122(ひいては、スタンド支持部1)に対して、回転不能に係止される。同様に、第2支持部側係合部42bは、一対の溝422,422が形成されている側の主面を、載置板31の一方の突壁部312(補助アーム22側の突壁部312)の内側面に当接させ、該内側面に形成された一対の凸条3121が一対の溝422,422内に収容されるような位置に配置される。これにより、第2支持部側係合部42bが、突壁部312(ひいては、タブレット支持部3)に対して、回転不能に係止される。
続いて、一方の突壁部122の貫通孔H12、第1軸部40aの軸内部、他方の突壁部122の貫通孔H12に、次々とネジ401aを挿通して、ナット402aで締結する。これによって、主アーム21、補助アーム22、および、スタンド支持部1が、第1軸部40aによって軸支されることになる。これにより、第1関節4aが形成される。
同様に、一方の突壁部312の貫通孔H31、第2軸部40bの軸内部、他方の突壁部312の貫通孔H31に、次々とネジ401bを挿通して、ナット402bで締結する。これによって、主アーム21、補助アーム22、および、タブレット支持部3が、第2軸部40bによって軸支されることになる。これにより、第2関節4bが形成される。
ここで、例えば、各突壁部312の寸法および貫通孔H31の形成位置等が適宜に調整されることにより、第2関節4bの接線、具体的には、第2スタンド部側係合部41bおよび第2支持部側係合部42bの各円盤部分の接線を含む面Fが、載置板31の背面に略合致するように形成されている(図3)。これにより、第2関節4bと載置板31が十分に近接して配置されることとなり、タブレットスタンド100全体を小型化することができるとともに、後述する折り畳み姿勢において、タブレットスタンド100をコンパクトに折り畳むことができる(図13)。
上記の通り、補助アーム22側の円筒部221には、第1軸部40aあるいは第2軸部40bにおける段差部分421よりも基端側の部分が挿通される。ここで、該基端側の部分の外径は、補助アーム22側の円筒部221の内径よりも小さいものとされており、補助アーム22は、各軸部40a,40bに軸支された状態において、軸方向に移動可能とされている。具体的には、補助アーム22は、両軸部40a,40bに対して同じ軸方向に移動する(すなわち、主アーム21と略平行な姿勢のままこれに対して近接離間する)ことも可能であり、各軸部40a,40bに対して逆の軸方向に移動する(すなわち、主アーム21に対して傾斜した姿勢をとる)ことも可能である。一方、主アーム21には段差部分421が突き当たっており、各軸部40a,40bに軸支された状態において、軸方向に移動できないように規制されている。主アーム21の軸方向の移動が規制されることにより、タブレットTをガタつかせることなく安定して保持できるとともに、補助アーム22が変位可能な範囲が十分広く確保される。以下に明らかになるように、補助アーム22が主アーム21に対して変位されることにより、各関節4a,4bの回動の禁止/許容が切り替えられる。
<3.操作の態様>
タブレットスタンド100の操作の態様について、図1〜図7に加え、図8〜図11を参照しながら説明する。図8は、第1操作S1、第2操作S2のいずれも行われていない状態におけるタブレットスタンド100の背面図である。図9は、第1操作S1が行われている状態のタブレットスタンド100の背面図である。図10は、第2操作S2が行われている状態のタブレットスタンド100の背面図である。図11(a)は、第1操作S1、第2操作S2のいずれも行われていない状態におけるタブレットスタンド100の要部の拡大図である。図11(b)は、第1操作S1が行われている状態のタブレットスタンド100の要部の拡大図である。図11(c)は、第2操作S2が行われている状態のタブレットスタンド100の要部の拡大図である。
上記の通り、主アーム21と補助アーム22は、一対のコイルバネ23,23によって互いに離間する方向に付勢される。これにより、補助アーム22に設けられた第1スタンド部側係合部41aおよび第2スタンド部側係合部41bが、スタンド支持部1に設けられた第1支持部側係合部42aおよびタブレット支持部3に設けられた第2支持部側係合部42bに向けてそれぞれ付勢されて、一対の係合部41a,42aの対向する各主面に形成されている凹凸構造が噛合するとともに、一対の係合部41b,42bの対向する各主面に形成されている凹凸構造が噛合する(図8)。この状態においては、たとえスタンド部2およびスタンド支持部1に外力が付加されたとしても、各係合部41a,42aの互いの相対角度は変更されない。また、たとえスタンド部2およびタブレット支持部3に外力が付加されたとしても、各係合部41b,42bの互いの相対角度は変更されない。つまり、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がいずれも禁止された状態となり、スタンド部2とスタンド支持部1が互いに回動することができず、スタンド部2とタブレット支持部3も互いに回動することができない。
第1関節4aおよび第2関節4bの回動が禁止された状態のタブレットスタンド100に対して、使用者が、第1操作S1を行うと、第1関節4aおよび第2関節4bの各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わる。また、使用者が、第2操作S2を行うと、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わる。以下において、各操作S1,S2について説明する。
(第1操作)
第1操作S1は、補助アーム22における、第1関節4aの近傍、あるいは、第2関節4bの近傍に対する操作であり、具体的には、操作受付部222の長尺方向の各端部を押圧する操作である。
すなわち、使用者が、例えば、操作受付部222の下側の端部(すなわち、第1関節4aの近傍)を、下側のコイルバネ23の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム22が、第2スタンド部側係合部41b(すなわち、第2支持部側係合部42bと係合している第2スタンド部側係合部41b)を支点として、下端側が主アーム21に近づく方向に回動する。ここで、上記の通り、補助アーム22の内側面には一対の接触凸部223,223が形成されており、補助アーム22と主アーム21の離間距離は、接触凸部223が形成されている部分において、他の部分よりも小さく(狭く)なっている。補助アーム22が、その下端側が主アーム21に近づく方向に回動すると、ある回動角度で、下側の接触凸部223が主アーム21に当接し、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アーム21に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。つまり、該接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接するところで、それ以上の補助アーム22の移動が規制される。
操作受付部222の下側の端部が押圧されて補助アーム22が回動すると、第1スタンド部側係合部41aが第1支持部側係合部42aから解離する。一方、第2スタンド部側係合部41bは、依然として上側のコイルバネ23の付勢力によって第2支持部側係合部42bに向けて付勢されたままであり、該一対の係合部41b,42bは噛合した状態に維持される。つまり、第1関節4aの回動が許容され(すなわち、スタンド部2のスタンド支持部1に対する回動が許容され)、且つ、第2関節4bの回動が禁止された(すなわち、スタンド部2のタブレット支持部3に対する回動が禁止された)状態となる。このとき、補助アーム22の回動角度(つまりは、傾斜角度)が大きいほど、一方の一対の係合部41a,42aの離間距離が大きくなるところ、上記の通り、ここでは、主アーム21の軸方向の移動が規制されることにより、補助アーム22が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム22が十分大きな角度で回動(つまりは、傾斜)することができる。したがって、第1関節4aの回動が確実に許容される。その一方で、押圧位置が比較的中央寄りであった場合やスタンド部2の長さが比較的短い場合等においては、補助アーム22が回動しつつ主アーム21に近接する方向に全体的にスライドする可能性があり、こうなると、一方の一対の係合部41a,42aの噛合だけでなく、他方の一方の係合部41b,42bの噛合も解除されてしまう可能性がある。しかしながらここでは、下側の接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接すると、たとえ使用者が引き続き操作受付部222に強い押圧力を付与し続けたとしても、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アームに近接する方向に全体的にスライドすることもできない。したがって、押圧されていない側の係合部41b,42bの噛合が解除されることが確実に回避される。これにより、第1関節4aの回動が確実に許容されつつ、第2関節4bの回動が確実に禁止される。
また、使用者が、例えば、操作受付部222の上側の端部(すなわち、第2関節4bの近傍)を、上側のコイルバネ23の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム22が、第1スタンド部側係合部41a(すなわち、第1支持部側係合部42aと係合している第1スタンド部側係合部41a)を支点として、上端側が主アーム21に近づく方向に回動する(図9)。補助アーム22が、このような方向に回動すると、ある回動角度で、上側の接触凸部223が主アーム21に当接し、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アーム21に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。つまり、該接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接するところで、それ以上の補助アーム22の移動が規制される。
操作受付部222の上側の端部が押圧されて補助アーム22が回動すると、第2スタンド部側係合部41bが第2支持部側係合部42bから解離する。一方、第1スタンド部側係合部41aは、依然として下側のコイルバネ23の付勢力によって第1支持部側係合部42aに向けて付勢されたままであり、これらの係合部41a,42aは噛合した状態に維持される。つまり、第2関節4bの回動が許容され(すなわち、スタンド部2のタブレット支持部3に対する回動が許容され)、且つ、第1関節4aの回動が禁止された(すなわち、スタンド部2のスタンド支持部1に対する回動が禁止された)状態となる。上記の通り、ここでは、補助アーム22が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム22が十分大きな角度で回動(つまりは、傾斜)することができる。したがって、第2関節4bの回動が確実に許容される。また、上側の接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接すると、たとえ使用者が引き続き操作受付部222に強い押圧力を付与し続けたとしても、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アーム21に近接する方向に全体的にスライドすることもできない。したがって、押圧されていない側の係合部41a,42aの噛合が解除されることが確実に回避される。これにより、第2関節4bの回動が確実に許容されつつ、第1関節4aの回動が確実に禁止される。
このように、タブレットスタンド100は、第1操作S1を受けることにより、第1関節4aおよび第2関節4bの各々の回動が、個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。したがって、使用者は、例えば、操作受付部222の下側の端部を押圧しながら、スタンド部2とスタンド支持部1(具体的には、脚体12)の角度を変更し、該角度が所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、スタンド部2とタブレット支持部3の角度を変更することなく、スタンド部2とスタンド支持部1の角度だけを所望のものに変更することができる。また、使用者は、操作受付部222の上側の端部を押圧しながら、スタンド部2とタブレット支持部3(具体的には、載置板31)の角度を変更し、該角度が所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、スタンド部2とスタンド支持部1の角度を変更することなく、スタンド部2とタブレット支持部3の角度だけを所望のものに変更することができる。
(第2操作)
第2操作S2は、補助アーム22における、第1関節4aと第2関節4bの中央あるいはその近傍に対する操作であり、具体的には、操作受付部222の長尺方向の中央部を押圧する操作である。
すなわち、使用者が、操作受付部222の長尺方向の中央部を、一対のコイルバネ23,23の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム22は、主アーム21と略平行な姿勢のまま、主アーム21に近づく方向に移動する(図10)。つまり、補助アーム22の上端側と下端側がともに、主アーム21に近接する方向に変位する。
すると、第1スタンド部側係合部41aが第1支持部側係合部42aから解離するとともに、第2スタンド部側係合部41bも第2支持部側係合部42bから解離する。つまり、第1関節4aの回動、および、第2関節4bの回動が、いずれも許容された状態となる。
このように、タブレットスタンド100は、第2操作S2を受けることにより、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。したがって、使用者は、操作受付部222の頂面の中央部を押圧しながら、スタンド部2とスタンド支持部1の角度を変更するとともに、スタンド部2とタブレット支持部3の角度も変更し、両角度がそれぞれ所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、スタンド部2とスタンド支持部1の角度、および、スタンド部2とタブレット支持部3の角度を、一度に、所望のものに変更することができる。
<4.使用の態様>
タブレットスタンド100の使用の態様について、図1〜図4に加え、図12〜図14を参照しながら説明する。図12、図13は、展開姿勢のタブレットスタンド100を示す図である。図14は、折り畳み姿勢のタブレットスタンド100を示す図である。
上記の通り、タブレットスタンド100は、例えばオフィスや自宅等において机上等の平坦な設置面Gに置いて使用するものであり、これにタブレットTを支持させて、設置面Gにおける所望の位置に置いて使用する。タブレットスタンド100においては、使用者が上述した各操作S1,S2を行うことによって、スタンド部2とスタンド支持部1の角度、および、スタンド部2とタブレット支持部3の角度を、それぞれ独立に変更できるようになっている。
例えば、スタンド部2とスタンド支持部1の角度、および、スタンド部2とタブレット支持部3の角度がいずれも十分に小さいものとなるように調整することにより、タブレットスタンド100を折り畳み姿勢とすることができる(図14)。また、折り畳み姿勢から、スタンド部2とスタンド支持部1の角度、または/および、スタンド部2とタブレット支持部3の角度を大きくするように調整することにより、タブレットスタンド100を折り畳み姿勢から展開姿勢へ姿勢変更することができる(図1〜図4、図12、図13)。また、展開姿勢において、これらの各角度を変更することにより、タブレット支持部3の高さ(ひいては、これに支持されるタブレットTの高さ)、および、タブレット支持部3の姿勢(ひいては、これに支持されるタブレットTの姿勢)を、変更することができる。ただし、ここでいう「タブレット支持部3の高さ」は、設置面Gに対するタブレット支持部3の高さであり、「タブレット支持部3の姿勢」は、設置面Gに対するタブレット支持部3の角度(設置面Gと載置板31とがなす角度)である。
具体的には例えば、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド100において、スタンド部2とタブレット支持部3の角度を変更することで、タブレットスタンド100に支持されるタブレットTの姿勢を変更することができる。すなわち、タブレットTの姿勢を変更したい場合、使用者は、例えば、第2関節4bの側に対する第1操作S1を行う。すると、第2関節4bの回動が許容された状態となる。この状態で、第2関節4bの周りでタブレット支持部3を回動させて、スタンド部2とタブレット支持部3がなす角度を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの姿勢を所望のものにすることができる。例えば、タブレットTを、略鉛直な姿勢とすることもできるし(図12の実線)、このような姿勢から、第2関節4bの周りでタブレット支持部3を回動させてスタンド部2とタブレット支持部3の角度を変更して、タブレットTが後方に傾斜した姿勢とすることもできる(図12の仮想線)。前者の姿勢は、使用者がタブレットTを真正面から見たい場合等に適しており、後者の姿勢は、使用者がタブレットTを斜め上から見たい場合等に適している。
さらに、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド100において、スタンド部2とスタンド支持部1の角度を変更することで、タブレットスタンド100に支持されるタブレットTの高さを変更することができる。すなわち、タブレットTの高さを変更したい場合、使用者は、例えば、第1関節4aの側に対する第1操作S1を行う。すると、第1関節4aの回動が許容された状態となる。この状態で、第1関節4aの周りでスタンド部2を回動させて、スタンド部2とスタンド支持部1がなす角度を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの高さを所望のものにすることができる。
また、タブレットTの姿勢を変えずに、タブレットTの高さだけを変更したい場合は、使用者は、第2操作S2を行えばよい。こうすると、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がともに許容された状態となる。この状態で、第1関節4aの周りでスタンド部2を回動させつつ、第2関節4bの回りでタブレット支持部3を回動させて、スタンド部2とスタンド支持部1がなす角度およびスタンド部2とタブレット支持部3がなす角度の各々を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの姿勢を変更せずに高さを所望のものにすることができる(図13の仮想線)。
一方、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド100において、スタンド部2とタブレット支持部3の角度、および、スタンド部2とスタンド支持部1の角度を変更することで、タブレットスタンド100の姿勢を展開姿勢から折り畳み姿勢に変更することができる。すなわち、展開姿勢にあるタブレットスタンド100を折り畳み姿勢に変更したい場合、使用者は、まず、支持部13の下端を第1受け部111に近づけるようにスライドさせて支持部13を脚体12と平行な姿勢とし、この状態で、脚体12を、支持部13とともに第1受け部111を中心に回動させてこれらをベース板11に向けて押し倒す。続いて、使用者は、第2操作S2を行って、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がともに許容された状態とする。この状態で、スタンド部2に対してタブレット支持部3とスタンド支持部1を同じ方向(図3では時計回り方向)AR1に回動させる。すなわち、第1関節4aの周りでスタンド支持部1を所定方向AR1に回動させて、これをスタンド部2に近づけて、スタンド部2がスタンド支持部1と重なった状態、より具体的には、スタンド部2の一方側のほぼ全体が脚体12の凹状部121内に収容された状態とする。また、第2関節4bの周りでタブレット支持部3を所定方向AR1に回動させて、これをスタンド部2に近づけて、タブレット支持部3がスタンド部2の他方側に重なった状態、より具体的には、載置板31とスタンド部2の他方側がほぼ全体的に重なった状態とする。これにより、タブレットスタンド100が折り畳み姿勢となる(図14)。この折り畳み姿勢では、スタンド部2がタブレット支持部3とスタンド支持部1に挟まれた状態となる。いうまでもなく、これと逆の手順、すなわち、スタンド部2に対してタブレット支持部3とスタンド支持部1を上記の所定方向AR1と逆の方向(図14では反時計回り方向)AR2に回動させることによって、折り畳み姿勢のタブレットスタンド100を展開姿勢に姿勢変更することができる。
折り畳み姿勢は、タブレットスタンド100を使用しない場合(保管時)等に適している。上記の通り、タブレットスタンド100においては、第2関節4aの接線を含む面Fが、載置板31の背面に略合致するように形成されている(図3)ので、第2関節4bと載置板31が十分に近接して配置されることとなり、折り畳み姿勢において、タブレットスタンド100の厚みが十分に小さなものとなり、保管に場所をとりにくい。また、タブレットスタンド100を折り畳む(あるいは、折り畳まれたタブレットスタンド100を展開する)にあたっては、第2操作S2が便利である。すなわち、第2操作S2を行って、第1関節4aと第2関節4bをともに回動が許容された状態に切り替えて、両関節4a,4bのまわりで各部1,2,3を同時に回動させることにより、タブレットスタンド100を速やかに折り畳む(あるいは、展開する)ことができる。
<5.効果>
以上の通り、上記実施形態に係るタブレットスタンド100は、タブレットTを受けるタブレット受け部としての載置板31を備えるタブレット支持部3と、タブレット支持部3を支持するスタンド部2と、を備える。そして、タブレット支持部3とスタンド部2とが、両者が少なくとも部分的に重なる折り畳み姿勢(図14)と展開姿勢(図12等)との間で姿勢変更可能に構成されている。さらに、タブレットスタンド100が設置された面(設置面)Gに対するタブレット支持部3の高さと姿勢が変更可能である。この構成によると、タブレットTの姿勢だけでなく、タブレットTの支持高さを調整することができるので、タブレットTの様々な使用態様に係る多様な要望に応じることができる。
また、タブレットスタンド100は、スタンド部2を支持するスタンド支持部1を備える。そして、折り畳み姿勢において、スタンド部2とスタンド支持部1がほぼ全体的に重なるように構成されている。この構成によると、タブレット支持部3が、スタンド部2とスタンド支持部1により支持されることになるので、タブレットTを安定して支持することができる。その一方で、タブレット支持部3、スタンド部2、および、スタンド支持部1を、互いに重なるように折り畳むことができるので、タブレットスタンド100をコンパクトに折り畳むことができる。
また、タブレットスタンド100においては、スタンド部2の端部に、スタンド支持部1の端部が接続される。そして、設置面Gに置かれた状態において、スタンド支持部1が設置面Gに当接する。この構成によると、簡易な構成でタブレットTを安定して支持することができる。
また、タブレットスタンド100においては、タブレット支持部3とスタンド部2、および、スタンド部2とスタンド支持部1が、回転軸である関節4a,4bを介して連結されている。そして、折り畳み姿勢と展開姿勢の間の姿勢の変更、タブレット支持部3の高さの変更、および、タブレット支持部3の角度の変更が、回転軸である関節4a,4bのまわりでの回動により実現される。この構成によると、折り畳み姿勢と展開姿勢の間の姿勢の変更、タブレットTの支持高さの変更、あるいは、タブレットTの姿勢の変更を、簡易な構成で実現することができる。
また、タブレットスタンド100においては、回転軸である第2関節4bの接線を含む面Fが、載置板31の背面に略合致している。この構成によると、第2関節4bと載置板31が十分に近接しているので、タブレットスタンド100全体を小型化することができるとともに、タブレットスタンド100をコンパクトに折り畳むことができる。
また、タブレットスタンド100においては、回転軸である関節4a,4bが、放射状の歯同士が噛合あるいは解離することにより回動が禁止あるいは許容されるクラッチが設けられている。この構成によると、簡易な構成で、回転軸である関節4a,4bのまわりでの回動を禁止/許容することができる。
また、タブレットスタンド100においては、スタンド部2とスタンド支持部1が、回転軸である第1関節4aを介して連結されるとともに、タブレット支持部3とスタンド部2が回転軸である第2関節4bを介して連結されており、展開姿勢と折り畳み姿勢との間の姿勢の変更が、スタンド部2に対してタブレット支持部3とスタンド支持部1が同じ方向に回動することにより実現される。そして、折り畳み姿勢において、スタンド部2がタブレット支持部3とスタンド支持部1に挟まれた状態となる。この構成によると、展開姿勢と折り畳み姿勢との間の姿勢の変更をスムーズに行うことができるとともに、タブレットスタンド100を十分コンパクトに折り畳むことができる。
<<第2実施形態>>
<1.構成>
第2実施形態に係るタブレットスタンドの構成について、図15〜図18を参照しながら説明する。図15は、第2実施形態に係るタブレットスタンド200の斜視図である。図16は、タブレットスタンド200の側面図である。図17は、タブレットスタンド200の分解斜視図である。図18は、タブレットスタンド200の要部の分解斜視図である。
タブレットスタンド200は、スタンド支持部5と、スタンド部6と、タブレット支持部7と、スタンド部6とスタンド支持部5を接続する第1関節8aと、スタンド部6とタブレット支持部7を接続する第2関節8bとを備える。スタンド支持部5はスタンド部6を支持し、スタンド部6はタブレット支持部7を支持し、タブレット支持部7はタブレットTを支持する。この実施形態では、第1関節8aが、スタンド部6の延在途中(すなわち、スタンド部6の一方の端部と他方の端部の間に設定された中間接続部)と、スタンド支持部5の一方の端部とを接続する位置に設けられる。また、第2関節8bが、スタンド部6の一方の端部とタブレット支持部7の一方の端部を接続する位置に設けられる。なお、以下においても、説明の便宜上、スタンド部6における第1関節8aが設けられる側を「下側」と呼び、第2関節8bが設けられる側を「上側」と呼ぶが、これは、タブレットスタンド200の使用方向を限定するものではない。
<1−1.スタンド支持部>
スタンド支持部5は、脚体51を備える。
脚体51は、断面コ字状の長尺部材であり、その延在方向に沿って長尺の凹状部511が形成されている。この凹状部511の内寸(幅寸法および長さ寸法)は、スタンド部6における第1関節8aよりも上側の部分の外寸(幅寸法および長さ寸法)よりも一回り大きなものとされており、脚体51と接続されたスタンド部6が第1関節8aを介して回動されて両者51,6が略平行な姿勢とされた状態において、スタンド部6における第1関節8aよりも上側の部分が、この凹状部511に収容されるようになっている(図23)。また、脚体51の上端において、脚体51の各側壁部分には突壁部512が形成されており、各突壁部512には貫通孔H51が形成される。
脚体51の下端には、長尺棒状の支持棒513が、長尺方向を脚体51の幅方向に沿わせるような姿勢で、該脚体51と一体的に設けられている。タブレットスタンド200の使用時には、この支持棒513と後述する支持棒641が設置面Gに当接するように、好ましくは、平坦な設置面Gに対して一対の支持棒513,641の全体が接触するように、配置される。
<1−2.タブレット支持部>
タブレット支持部7は、載置板71とスライド板72とを備える。
載置板71は、タブレットTを受けるタブレット受け部であり、平面視長方形の平板状部材である。載置板71の一方の主面(上面)は、タブレットTを載置するための載置面を形成する。載置板71の下端部付近には、その上面側に立ち上がった下縁部711が形成されており、この下縁部711が載置板71の上面に載置されたタブレットTの下縁に当接するようになっている。また、載置板71の下端部付近には、その下面側に、一対の突壁部712,712が形成されており、各突壁部712には貫通孔H71が形成される。また、載置板71には、ここに載置されたタブレットTのカメラレンズに対応する位置に窓713が形成される。カメラレンズの位置はタブレットTの種類によって異なるため、各種のタブレットTに対応できるように、複数の窓713が形成されることも好ましい。
スライド板72は、載置板71の上面に載置されたタブレットTが落下しないように挟持するための部材である。スライド板72は、載置板71の下面側に、該下面に沿ってスライド可能に設けられる。また、スライド板72の上端部付近には、その上面側に立ち上がった上縁部721が形成されている。使用者は、タブレットTを、表示画面を上に向けた状態で載置板71に載置し、スライド板72をスライドさせて、上縁部721がタブレットTの上縁に当接するような位置に配置する。これにより、載置板71上に載置されたタブレットTが上縁部721と下縁部711の間に挟持されて落下しないように支持される。
<1−3.スタンド部>
スタンド部6について、主として図17、図18を参照しながら説明する。スタンド部6は、主アーム61と、主アーム61と平行に延在するとともに主アーム61に対して近接離間する方向に変位可能な補助アーム62と、主アーム61および補助アーム62の間に設けられた一対のコイルバネ63,63と、主アーム61の一方の端部からこれと同じ方向に延出するように設けられた支持部64と、を備える。主アーム61の該一方の端部は、スタンド部6の一端部と他端部の間に設定された中間接続部に相当し、スタンド部6とスタンド支持部5とを接続する第1関節8aは、該中間接続部に設けられる。
主アーム61および補助アーム62は、いずれも樹脂または樹脂よりも高剛性の材料により形成されている。両アーム61,62は互いに略等しい長さを有する長尺の部材であり、いずれも一方の側面が開口した略箱状を呈している。そして、両アーム61,62は開口した面を対向させるようにして配置される。
主アーム61の両端部の各々には、貫通孔H61が形成される。同様に、補助アーム62の両端部の各々にも、貫通孔H62が形成される。各アーム61,62の下端側に設けられた各貫通孔H61,H62は、互いに対応する位置に設けられており、これらには後述する第1軸部80aが挿通される。また、各アーム61,62の上端側に設けられた各貫通孔H61,H62も、互いに対応する位置に設けられており、これらには後述する第2軸部80bが挿通される。
主アーム61の内側面には、各貫通孔H61を囲むように円筒状のリブ(円筒部)611が立設される。同様に、補助アーム62の内側面にも、各貫通孔H62を囲むように円筒状のリブ(円筒部)が立設される。主アーム61および補助アーム62の各内側面には、長尺方向と交差して延在する直線状のリブが適宜形成されることも好ましい。
補助アーム62の外側面には、操作受付部621が形成される。操作受付部621は、具体的には、該外側面に形成された凸条部であり、補助アーム62の延在方向に沿う長尺な頂面を有する。この頂面の長尺方向の各端部(すなわち、各関節8a,8bの近傍)には、他の部分(中央平坦部6212)に比べて突出した操作凸部6211が設けられている。後述する第1操作S1は、操作凸部6211を押圧する操作であり、第2操作S2は、中央平坦部6212を押圧する操作である。つまり、操作受付部621における各操作凸部6211が、第1操作S1の入力部を構成し、中央平坦部6212が、第2操作S2の入力部を構成する。
補助アーム62の内側面には、スタンド部6の延在方向に間隔を設けつつ配置された一対の凸部(接触凸部)622,622が形成される。各接触凸部622は、他の部分に比べて突出した形状部分であり、主アーム61と補助アーム62の間隔を狭める狭窄部としての役割を担う。一対の接触凸部622,622は、その中間位置が、第1関節8aと第2関節8bの中間位置と一致するように形成される。各接触凸部622は、操作受付部621の中央平坦部6212と各操作凸部6211の境界と対応する位置あるいはその近傍に形成されることが好ましい。
一対のコイルバネ63,63は、主アーム61と補助アーム62の間に設けられる。具体的には、各コイルバネ63は、主アーム61に設けられた各円筒部611に外挿され、この状態で、補助アーム62が、主アーム61との間に一対のコイルバネ63,63を挟み込むようにして主アーム61と対向配置される。スタンド部6が各支持部5,7に取り付けられた状態において、各コイルバネ63は、縮短状態で、一端側において補助アーム62の内側面に当接し、他端側において主アーム61の内側面に当接する。つまり、この状態において、主アーム61と補助アーム62は、一対のコイルバネ63,63によって互いに離間する方向に付勢される。すなわち、一対のコイルバネ63,63は、補助アーム62を主アーム61から離間する方向に付勢する付勢部としての役割を担う。
支持部64は、主アーム61と同じ方向に延在する長尺な部材であり、その上端部が、主アーム61の下端部に固定されている。また、支持部64の下端には、長尺棒状の支持棒641が、長尺方向を支持部64の幅方向に沿わせるような姿勢で設けられている。支持部64と主アーム61とは、例えば一体成形技術を用いることにより一体的に形成されている。
<1−4.第1関節>
第1関節8aについて、引き続き図17、図18を参照しながら説明する。第1関節8aは、クラッチ状に形成されている。すなわち、第1関節8aは、スタンド部6(具体的には、補助アーム62)の側に設けられた係合部(第1スタンド部側係合部)81aと、スタンド支持部5の側に設けられた係合部(第1支持部側係合部)82aと、を備える。両係合部81a,82aは、軸部(第1軸部)80aによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部81a,82aが、噛合/解離することによって、第1関節8aの回動(すなわち、スタンド部6のスタンド支持部5に対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。
第1スタンド部側係合部81aは、例えば一体成形技術を用いることにより、補助アーム62と一体的に形成される。第1スタンド部側係合部81aは、補助アーム62の外側面における平面状の部分において、貫通孔H62(下端側に形成されている貫通孔H62)を囲むように設けられた凹凸構造を備える。この凹凸構造は、具体的には、矩形状の凸部分(歯)が、貫通孔H62の中心から放射状を成すように360°に亘って配列されたものである。
第1支持部側係合部82aは、一対の平面状の主面を有する略円盤状の部材である。第1支持部側係合部82aの中心には、例えば一体成形技術を用いることにより、円筒状の軸部(第1軸部)80aが一体的に形成されている。また、第1支持部側係合部82aにおける第1軸部80aが形成されている側の主面には、凹凸構造が設けられている。この凹凸構造は、第1軸部80aの周りに設けられたものであり、具体的には、矩形状の凸部分が、第1軸部80aの中心から放射状を成すように360°に亘って配列されたものである。また、第1支持部側係合部82aの円盤部分の周縁には、切欠き部822が形成されている。
<1−5.第2関節>
第2関節8bについて、引き続き図17および図18を参照しながら説明する。第2関節8bは、第1関節8aと同様、クラッチ状に形成されている。すなわち、第2関節8bは、スタンド部6(具体的には、補助アーム62)の側に設けられた係合部(第2スタンド部側係合部)81bと、タブレット支持部7の側に設けられた係合部(第2支持部側係合部)82bと、を備える。両係合部81b,82bは、軸部(第2軸部)80bによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部81b,82bが、噛合/解離することによって、第2関節8bの回動(すなわち、スタンド部6のタブレット支持部7に対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。
第2スタンド部側係合部81bは、第1スタンド部側係合部81aと同様、例えば一体成形技術を用いることにより、補助アーム62と一体的に形成される。第2スタンド部側係合部81bは、補助アーム62の外側面における平面状の部分において、貫通孔H62(上端側に形成されている貫通孔H62)を囲むように設けられた凹凸構造を備える。第2スタンド部側係合部81bの具体的な構成は、第1スタンド部側係合部81aと同様である。
第2支持部側係合部82bは、第1支持部側係合部82aと同様の部材である。すなわち、第2支持部側係合部82bは、一対の平面状の主面を有する略円盤状の部材であって、中心に円筒状の軸部(第2軸部)80bが一体的に形成されている。また、その一方の主面に凹凸構造が設けられ、円盤部分の周縁に切欠き部822が形成されている。
<2.各関節の形成態様>
第1関節8aおよび第2関節8bの形成態様について、引き続き図17、図18を参照しながら説明する。
まず、主アーム61の内側面に設けられた各円筒部611にコイルバネ63が外挿される。そして、補助アーム62が、主アーム61との間に一対のコイルバネ63,63を挟み込むようにして主アーム61と対向配置される。
続いて、第1支持部側係合部82aに設けられた第1軸部80aが、下端側において重なり合わされた一対の貫通孔H62,H61、具体的には、補助アーム62の下端側の円筒部内、および、主アーム61の下端側の円筒部611内に、順に軸通される。同様に、第2支持部側係合部82bに設けられた第2軸部80bが、上端側において重なり合わされた一対の貫通孔H62,H61、具体的には、補助アーム62の上端側の円筒部内、および、主アーム61の上端側の円筒部611内に、順に軸通される。これにより、一対の係合部81a,82aおよび一対の係合部81b,82bの各々が、凹凸構造が形成されている面同士を対向させて配置されることになる。
ここで、第1軸部80aおよび第2軸部80bの途中には、段差部分821が設けられており、先端側が基端側よりも小径となっている。具体的には、段差部分821よりも先端側の部分の外径は、主アーム61側の円筒部611の内径よりも僅かに小さい寸法とされており、円筒部611に内挿可能に構成されている。一方、段差部分821よりも基端側の部分の外径は、円筒部611の内径よりも大きく、且つ、補助アーム62側の円筒部の内径よりも小さいものとされており、補助アーム62側の円筒部内には挿入可能であるものの、主アーム61側の円筒部611内には挿入されないように構成されている。したがって、第1軸部80aおよび第2軸部80bが軸通された状態において、段差部分821が、主アーム61側の円筒部611の先端面と突き当たった状態となる。
続いて、これら一群の部材82a,82b,61〜63が、その下端部が、脚体51の一対の突壁部512,512の間に配置され、その上端部が、載置板71の一対の突壁部712,712の間に配置された状態とされる。このとき、第1支持部側係合部82aは、その円盤部分に設けられている切欠き部822内に、脚体51の突壁部512に形成されている凸部が収容されるような位置に配置される。これにより、第1支持部側係合部82aが、突壁部512(ひいては、スタンド支持部5)に対して、回転不能に係止される。同様に、第2支持部側係合部82bは、その円盤部分に設けられている切欠き部822内に、載置板71の突壁部712に形成されている凸部7121が収容されるような位置に配置される。これにより、第2支持部側係合部82bが、突壁部712(ひいては、タブレット支持部7)に対して、回転不能に係止される。
続いて、一方の突壁部512の貫通孔H51、第1軸部80aの軸内部、他方の突壁部512の貫通孔H51に、次々とネジ801aを挿通して、ナット802aで締結する。これによって、主アーム61、補助アーム62、および、スタンド支持部5が、第1軸部80aによって軸支されることになる。これにより、第1関節8aが形成される。ただし、第1支持部側係合部82aが突壁部512に対して十分に付勢されるように第1軸部80aには十分な締付力が付加されることが好ましい。これにより、第1支持部側係合部82aの切欠き部822と突壁部512の凸部との係合が解除されないように担保される。
同様に、一方の突壁部712の貫通孔H71、第2軸部80bの軸内部、他方の突壁部712の貫通孔H71に、次々とネジ801bを挿通して、ナット802bで締結する。これによって、主アーム61、補助アーム62、および、タブレット支持部7が、第2軸部80bによって軸支されることになる。これにより、第2関節8bが形成される。ここでも、第2支持部側係合部82bが突壁部712に対して十分に付勢されるように第2軸部80bに十分な締付力が付加されることが好ましい。
ここで、例えば、各突壁部712の寸法および貫通孔H71の形成位置等が適宜に調整されることにより、第2関節8bの接線、具体的には、第2スタンド部側係合部81bおよび第2支持部側係合部82bの各円盤部分の接線を含む面Fが、載置板71の背面に略合致するように形成されている(図16)。これにより、第2関節8bと載置板71が十分に近接して配置されることとなり、タブレットスタンド200全体を小型化することができるとともに、後述する折り畳み姿勢において、タブレットスタンド200をコンパクトに折り畳むことができる。
上記の通り、補助アーム62側の円筒部には、第1軸部80aあるいは第2軸部80bにおける段差部分821よりも基端側の部分が挿通される。ここで、該基端側の部分の外径は、補助アーム62側の円筒部の内径よりも小さいものとされており、補助アーム62は、各軸部80a,80bに軸支された状態において、軸方向に移動可能とされている。具体的には、補助アーム62は、両軸部80a,80bに対して同じ軸方向に移動する(すなわち、主アーム61と略平行な姿勢のままこれに対して近接離間する)ことも可能であり、各軸部80a,80bに対して逆の軸方向に移動する(すなわち、主アーム61に対して傾斜した姿勢をとる)ことも可能である。一方、主アーム61には段差部分821が突き当たっており、各軸部80a,80bに軸支された状態において、軸方向に移動できないように規制されている。主アーム61の軸方向の移動が規制されることにより、タブレットTをガタつかせることなく安定して保持できるとともに、補助アーム62が変位可能な範囲が十分広く確保される。以下に明らかになるように、補助アーム62が主アーム61に対して変位されることにより、各関節8a,8bの回動の禁止/許容が切り替えられる。
<3.操作の態様>
タブレットスタンド200の操作の態様について、引き続き、図15〜図18を参照しながら説明する。
上記の通り、主アーム61と補助アーム62は、一対のコイルバネ63,63によって互いに離間する方向に付勢される。これにより、補助アーム62に設けられた第1スタンド部側係合部81aおよび第2スタンド部側係合部81bが、スタンド支持部5に設けられた第1支持部側係合部82aおよびタブレット支持部7に設けられた第2支持部側係合部82bに向けてそれぞれ付勢されて、一対の係合部81a,82aの対向する各主面に形成されている凹凸構造が噛合するとともに、一対の係合部81b,82bの対向する各主面に形成されている凹凸構造が噛合する。この状態においては、たとえスタンド部6およびスタンド支持部5に外力が付加されたとしても、各係合部81a,82aの互いの相対角度は変更されない。また、たとえスタンド部6およびタブレット支持部7に外力が付加されたとしても、各係合部81b,82bの互いの相対角度は変更されない。つまり、第1関節8aおよび第2関節8bの回動がいずれも禁止された状態となり、スタンド部6とスタンド支持部5が互いに回動することができず、スタンド部6とタブレット支持部7も互いに回動することができない。
第1関節8aおよび第2関節8bの回動が禁止された状態のタブレットスタンド200に対して、使用者が、第1操作S1を行うと、第1関節8aおよび第2関節8bの各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わる。また、使用者が、第2操作S2を行うと、第1関節8aおよび第2関節8bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わる。以下において、各操作S1,S2について説明する。
(第1操作)
第1操作S1は、補助アーム62における、第1関節8aの近傍、あるいは、第2関節8bの近傍に対する操作であり、具体的には、操作受付部621の操作凸部6211を押圧する操作である。
すなわち、使用者が、例えば、操作受付部621における下側の操作凸部6211(すなわち、第1関節8aの近傍)を、下側に配置されているコイルバネ63の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム62が、第2スタンド部側係合部81b(すなわち、第2支持部側係合部82bと係合している第2スタンド部側係合部81b)を支点として、下端側が主アーム61に近づく方向に回動する。ここで、上記の通り、補助アーム62の内側面には一対の接触凸部622,622が形成されており、補助アーム62と主アーム61の離間距離は、接触凸部622が形成されている部分において、他の部分よりも小さく(狭く)なっている。補助アーム62が、その下端側が主アーム61に近づく方向に回動すると、ある回動角度で、下側の接触凸部622が主アーム61に当接し、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム61に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。つまり、該接触凸部622を介して補助アーム62と主アーム61が当接するところで、それ以上の補助アーム62の移動が規制される。
下側の操作凸部6211が押圧されて補助アーム62が回動すると、第1スタンド部側係合部81aが第1支持部側係合部82aから解離する。一方、第2スタンド部側係合部81bは、依然として上側のコイルバネ63の付勢力によって第2支持部側係合部82bに向けて付勢されたままであり、該一対の係合部81b,82bは噛合した状態に維持される。つまり、第1関節8aの回動が許容され(すなわち、スタンド部6のスタンド支持部5に対する回動が許容され)、且つ、第2関節8bの回動が禁止された(すなわち、スタンド部6のタブレット支持部7に対する回動が禁止された)状態となる。このとき、補助アーム62の回動角度(つまりは、傾斜角度)が大きいほど、一方の一対の係合部81a,82aの離間距離が大きくなるところ、上記の通り、ここでは、主アーム61の軸方向の移動が規制されることにより、補助アーム62が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム62が十分大きな角度で回動(つまりは、傾斜)することができる。したがって、第1関節8aの回動が確実に許容される。その一方で、押圧位置が比較的中央寄りであった場合やスタンド部6の長さが比較的短い場合等においては、補助アーム62が回動しつつ主アーム61に近接する方向に全体的にスライドする可能性があり、こうなると、一方の一対の係合部81a,82aの噛合だけでなく、他方の一方の係合部81b,82bの噛合も解除されてしまう可能性がある。しかしながらここでは、下側の接触凸部622を介して補助アーム62と主アーム61が当接すると、たとえ使用者が引き続き操作凸部6211に強い押圧力を付与し続けたとしても、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム61に近接する方向に全体的にスライドすることもできない。したがって、押圧されていない側の係合部81b,82bの噛合が解除されることが確実に回避される。これにより、第1関節8aの回動が確実に許容されつつ、第2関節8bの回動が確実に禁止される。
また、使用者が、例えば、操作受付部621における上側の操作凸部6211(すなわち、第2関節8bの近傍)を、上側のコイルバネ63の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム62が、第1スタンド部側係合部81a(すなわち、第1支持部側係合部82aと係合している第1スタンド部側係合部81a)を支点として、上端側が主アーム61に近づく方向に回動する。補助アーム62がこのような方向に回動すると、ある回動角度で、上側の接触凸部622が主アーム61に当接し、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム61に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。つまり、該接触凸部622を介して補助アーム62と主アーム61が当接するところで、それ以上の補助アーム62の移動が規制される。
上側の操作凸部6211が押圧されて補助アーム62が回動すると、第2スタンド部側係合部81bが第2支持部側係合部82bから解離する。一方、第1スタンド部側係合部81aは、依然として下側のコイルバネ63の付勢力によって第1支持部側係合部82aに向けて付勢されたままであり、該一対の係合部81a,82aは噛合した状態に維持される。つまり、第2関節8bの回動が許容され(すなわち、スタンド部6のタブレット支持部7に対する回動が許容され)、且つ、第1関節8aの回動が禁止された(すなわち、スタンド部6のスタンド支持部5に対する回動が禁止された)状態となる。上記の通り、ここでは、補助アーム62が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム62が十分大きな角度で回動(つまりは、傾斜)することができる。したがって、第2関節8bの回動が確実に許容される。また、上側の接触凸部622を介して補助アーム62と主アーム61が当接すると、たとえ使用者が引き続き操作凸部6211に強い押圧力を付与し続けたとしても、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム21に近接する方向に全体的にスライドすることもできない。したがって、押圧されていない側の係合部81a,82aの噛合が解除されることが確実に回避される。これにより、第2関節8bの回動が確実に許容されつつ、第1関節8aの回動が確実に禁止される。
このように、タブレットスタンド200は、第1操作S1を受けることにより、第1関節8aおよび第2関節8bの各々の回動が、個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。したがって、使用者は、下側の操作凸部6211を押圧しながら、スタンド部6とスタンド支持部5(具体的には、脚体51)の角度を変更し、該角度が所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、スタンド部6とタブレット支持部7の角度を変更することなく、スタンド部6とスタンド支持部5の角度だけを所望のものに変更することができる。また、使用者は、上側の操作凸部6211を押圧しながら、スタンド部6とタブレット支持部7(具体的には、載置板71)の角度を変更し、該角度が所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、スタンド部6とスタンド支持部5の角度を変更することなく、スタンド部6とタブレット支持部7の角度だけを所望のものに変更することができる。
(第2操作)
第2操作S2は、補助アーム62における、第1関節8aと第2関節8bの中央あるいはその近傍に対する操作であり、具体的には、操作受付部621の頂面の中央平坦部6212を押圧する操作である。
すなわち、使用者が、操作受付部621の中央平坦部6212を、一対のコイルバネ63,63の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム62は、主アーム61と略平行な姿勢のまま、主アーム61に近づく方向に移動する。つまり、補助アーム62の上端側と下端側がともに、主アーム61に近接する方向に変位する。ここでは、一対の接触凸部622,622の両方が略同時に主アーム61に接触し、補助アーム62が主アーム61と略平行な姿勢となるように規制される。
すると、第1スタンド部側係合部81aが第1支持部側係合部82aから解離するとともに、第2スタンド部側係合部81bも第2支持部側係合部82bから解離する。つまり、第1関節8aの回動、および、第2関節8bの回動が、いずれも許容された状態となる。上記の通り、ここでは、補助アーム62が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム62が軸方向に沿って十分大きな距離だけ変位することができる。すなわち、一対の係合部81a,82aおよび一対の係合部81b,82bがいずれも十分に解離することができる。したがって、第1関節8aおよび第2関節8bの回動が確実に許容される。
このように、タブレットスタンド200は、第2操作S2を受けることにより、第1関節8aおよび第2関節8bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。したがって、使用者は、操作受付部621の中央平坦部6212を押圧しながら、スタンド部6とスタンド支持部5の角度を変更するとともに、スタンド部6とタブレット支持部7の角度も変更し、両角度がそれぞれ所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、スタンド部6とスタンド支持部5の角度、および、スタンド部6とタブレット支持部7の角度を、一度に、所望のものに変更することができる。
<4.使用の態様>
タブレットスタンド200の使用の態様について、図15、図16に加え、図19〜図23を参照しながら説明する。図19〜図22は、展開姿勢のタブレットスタンド200を示す図である。図23は、折り畳み姿勢のタブレットスタンド200を示す図である。
上記の通り、タブレットスタンド200は、第1の実施形態に係るタブレットスタンド100と同様、オフィスや自宅等において机上等の平坦な設置面Gに置いて使用するものであり、これにタブレットTを支持させて、設置面Gにおける所望の位置に置いて使用する。タブレットスタンド200においては、使用者が上述した各操作S1,S2を行うことによって、スタンド部6とスタンド支持部5の角度、および、スタンド部6とタブレット支持部7の角度を、それぞれ独立に変更できるようになっている。
例えば、スタンド部6とスタンド支持部5の角度、および、スタンド部6とタブレット支持部7の角度がいずれも十分に小さいものとなるように調整することにより、タブレットスタンド200を折り畳み姿勢とすることができる(図23)。また、折り畳み姿勢から、スタンド部6とスタンド支持部5の角度、または/および、スタンド部6とタブレット支持部7の角度を大きくするように調整することにより、タブレットスタンド200を折り畳み姿勢から展開姿勢へ姿勢変更することができる(図15、図16、図19〜図22)。また、展開姿勢において、これらの各角度を変更することにより、タブレット支持部7の高さ(ひいては、これに支持されるタブレットTの高さ)、および、タブレット支持部7の姿勢(ひいては、これに支持されるタブレットTの姿勢)を、変更することができる。
具体的には例えば、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド200において、スタンド部6とタブレット支持部7の角度を変更することで、タブレットスタンド200に支持されるタブレットTの姿勢を変更することができる。すなわち、タブレットTの姿勢を変更したい場合、使用者は、例えば、第2関節8bの側に対する第1操作S1を行う。すると、第2関節8bの回動が許容された状態となる。この状態で、第2関節8bの周りでタブレット支持部7を回動させて、スタンド部6とタブレット支持部7がなす角度を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの姿勢を所望のものにすることができる。例えば、タブレットTを、略鉛直から僅かに後方に傾斜した姿勢とすることもできるし(図15、図16)、このような姿勢から、第2関節8bの周りでタブレット支持部7を回動させてスタンド部6とタブレット支持部7の角度を変更して、タブレットTが水平面から僅かに(10°〜15°程度)立ち上がった姿勢とすることもできる(図19、図20)。前者の姿勢は、使用者がタブレットTを斜め上から見たい場合等に適しているし、後者の姿勢は、カメラ機能を含んで構成されるタブレットTの該カメラ機能で机上に載置されている書類等を撮像したい場合、等に適している。
さらに、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド200において、スタンド部6とスタンド支持部5の角度を変更することで、タブレットスタンド200に支持されるタブレットTの高さを変更することができる。すなわち、タブレットTの高さを変更したい場合、使用者は、例えば、第1関節8aの側に対する第1操作S1を行う。すると、第1関節8aの回動が許容された状態となる。この状態で、第1関節8aの周りでスタンド部6を回動させて、スタンド部6とスタンド支持部5がなす角度を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの高さを所望のものにすることができる。
また、タブレットTの姿勢を変えずに、タブレットTの高さだけを変更したい場合は、使用者は、第2操作S2を行えばよい。こうすると、第1関節8aおよび第2関節8bの回動がともに許容された状態となる。この状態で、第1関節8aの周りでスタンド部6を回動させつつ、第2関節8bの回りでタブレット支持部7を回動させて、スタンド部6とスタンド支持部5がなす角度およびスタンド部6とタブレット支持部7がなす角度の各々を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの姿勢を変更せずに高さを所望のものにすることができる。例えば、図19、図20に示される状態から、タブレットTの姿勢が維持されるようにスタンド部6とタブレット支持部7がなす角度を調整しつつ、スタンド部6とスタンド支持部5がなす角度を十分に小さくしてスタンド部6がスタンド支持部5に重なるように折り畳むことで、タブレットTの姿勢を変更せずに高さだけを低くすることができる(図21、図22)。このようなタブレットスタンド200の姿勢は、例えば、タッチパネルを含んで構成されるタブレットTの該タッチパネルにタッチペン等で描画作業をしたい場合、等に適している。
一方、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド200において、スタンド部6とタブレット支持部7の角度、および、スタンド部6とスタンド支持部5の角度を変更することで、タブレットスタンド200の姿勢を展開姿勢から折り畳み姿勢に変更することができる。すなわち、展開姿勢にあるタブレットスタンド200を折り畳み姿勢に変更したい場合、使用者は、第2操作S2を行って、第1関節8aおよび第2関節8bの回動がともに許容された状態とする。この状態で、スタンド部6に対してタブレット支持部7とスタンド支持部5を同じ方向(図16では時計回り方向)AR1に回動させる。すなわち、第1関節8aの周りでスタンド支持部5を所定方向AR1に回動させて、これをスタンド部6に近づけて、スタンド支持部5がスタンド部6の一方側に部分的に重なった状態、より具体的には、スタンド部6の一方側における第2関節8bよりも上側の部分が脚体51の凹状部511内に収容された状態とする。また、第2関節8bの周りでタブレット支持部7を所定方向AR1に回動させて、これをスタンド部6に近づけて、タブレット支持部7がスタンド部6の他方側に重なった状態、より具体的には、載置板71とスタンド部6の他方側がほぼ全体的に重なった状態とする。これにより、タブレットスタンド200が折り畳み姿勢となる(図23)。この折り畳み姿勢では、スタンド部6がタブレット支持部7とスタンド支持部5に挟まれた状態となる。いうまでもなく、これと逆の手順、すなわち、スタンド部6に対してタブレット支持部7とスタンド支持部5を上記の所定方向AR1と逆の方向(図23では反時計回り方向)AR2に回動させることによって、折り畳み姿勢のタブレットスタンド200を展開姿勢に姿勢変更することができる。
折り畳み姿勢は、タブレットスタンド200を使用しない場合(保管時)等に適している。上記の通り、タブレットスタンド200においては、第2関節8aの接線を含む面Fが、載置板71の背面に略合致するように形成されている(図16)ので、第2関節8bと載置板71が十分に近接して配置されることとなり、折り畳み姿勢において、タブレットスタンド200の厚みが十分に小さなものとなり、保管に場所をとりにくい。また、タブレットスタンド200を折り畳む(あるいは、折り畳まれたタブレットスタンド200を展開する)にあたっては、第2操作S2が便利である。すなわち、第2操作S2を行って、第1関節8aと第2関節8bをともに回動が許容された状態に切り替えて、両関節8a,8bのまわりで各部4,5,6を同時に回動させることにより、タブレットスタンド200を速やかに折り畳む(あるいは、展開する)ことができる。
<5.効果>
上記実施形態に係るタブレットスタンド200によると、第1実施形態に係るタブレットスタンド100と同様の効果を得ることができる。
また、タブレットスタンド200においては、スタンド部6の延在途中である中間接続部に、スタンド支持部5の上端が接続される。そして、設置面Gに置かれた状態において、スタンド部6の下端、具体的には支持棒641と、スタンド支持部5の下端、具体的には支持棒513が、設置面Gに当接する。この構成によると、スタンド支持部5をそれのみで自立させる構成とする必要がないので、簡易な構成でタブレットTを安定して支持することができる。
<<第3実施形態>>
<1.構成>
第3実施形態に係るタブレットスタンドの構成について、図24〜図30を参照しながら説明する。図24は、第3実施形態に係るタブレットスタンド200tの斜視図である。図25は、タブレットスタンド200tの側面図である。図26は、タブレットTを支持しない状態のタブレットスタンド200tの斜視図である。図27は、該タブレットスタンド200tの側面図である。図28は、該タブレットスタンド200tを背面側から見た斜視図である。図29は、タブレットスタンド200tの分解斜視図である。図30は、保持部材72tの分解斜視図である。なお、これらの各図および以下の説明において、タブレットスタンド200tが備える各要素には、基本的に、第2実施形態に係るタブレットスタンド200における対応する要素の参照符号の末尾に「t」を加えた参照符号を付している。
タブレットスタンド200tは、スタンド支持部5tと、スタンド部6tと、タブレット支持部7tと、スタンド部6tとスタンド支持部5tを接続する第1関節8atと、スタンド部6tとタブレット支持部7tを接続する第2関節8btとを備える。スタンド支持部5tはスタンド部6tを支持し、スタンド部6tはタブレット支持部7tを支持し、タブレット支持部7tはタブレットTを支持する。この実施形態でも、第2実施形態と同様、第1関節8atが、スタンド部6tの延在途中(すなわち、スタンド部6tの一方の端部と他方の端部の間に設定された中間接続部)と、スタンド支持部5tの一方の端部とを接続する位置に設けられる。また、第2関節8btが、スタンド部6tの一方の端部とタブレット支持部7tの一方の端部を接続する位置に設けられる。なお、以下においても、説明の便宜上、スタンド部6tにおける第1関節8atが設けられる側を「下側」と呼び、第2関節8btが設けられる側を「上側」と呼ぶが、これは、タブレットスタンド200tの使用方向を限定するものではない。
<1−1.スタンド支持部>
スタンド支持部5tは、脚体51tを備える。
脚体51tは、断面コ字状の長尺部材であり、その延在方向に沿って長尺の凹状部511tが形成されている。この凹状部511tの内寸(幅寸法および長さ寸法)は、スタンド部6tにおける第1関節8atよりも上側の部分の外寸(幅寸法および長さ寸法)よりも一回り大きなものとされており、脚体51tと接続されたスタンド部6tが第1関節8atを介して回動されて両者51t,6tが略平行な姿勢とされた状態において、スタンド部6tにおける第1関節8atよりも上側の部分が、この凹状部511tに収容されるようになっている(図34、図35)。また、脚体51tの上端において、脚体51tの各側壁部分には突壁部512tが形成されており、各突壁部512tには貫通孔H51tが形成される。
脚体51tの下端には、長尺凹状の支持枠513tが、長尺方向を脚体51tの幅方向に沿わせるような姿勢で、該脚体51tと一体的に設けられている。タブレットスタンド200tの使用時には、例えば、この支持枠513tと後述する支持部64tの各下端辺が設置面Gに当接するように、好ましくは、平坦な設置面Gに対して支持枠513tおよび支持部64tの各下端辺の全体が接触するように、配置される。
脚体51tの延在途中には、円形の貫通孔514tが形成されており、ここに、ペンライト等を差し込むことができるようになっている。また、脚体51tの下端に連なる支持枠513tは、その下端側の枠部分5131tが折れ曲がって突出した形状とされており、脚体51tにスマートフォン等の板状、薄型の機器を立て掛けて置いたときに、該機器の下端部分が、この枠部分5131tに係止されるようになっている(図36、図37)。つまり、この枠部分5131tが、脚体51tに立て掛けて置かれた機器を係止する係止部を構成する。このように、貫通孔514t、および、この枠部分(係止部)5131tは、いずれも、照明装置となるペンライトやスマートフォン等を支持する照明支持部としての役割を担っている。
<1−2.タブレット支持部>
タブレット支持部7tは、載置板71tと保持部材72tとを備える。
載置板71tは、タブレットTを受けるタブレット受け部であり、平面視長方形の平板状部材である。載置板71tの一方の主面(上面)は、タブレットTを載置するための載置面を形成する。載置板71の下端部付近には、その下面側に、一対の突壁部712t,712tが形成されており、各突壁部712tには貫通孔H71tが形成される。また、各突壁部712tの外側面には、貫通孔H71tを囲むように円筒突部713tが形成される。この円筒突部713tには、保持部材72tが揺動可能に取り付けられる。
保持部材72tは、載置板71tの上面に載置されたタブレットTが落下しないように挟持するための部材であり、円筒突部713tに対して揺動可能に取り付けられて、載置板71の下端部付近に配置される。保持部材72tは、一対の揺動支持部721t,721tと、タブレット荷重受け部722tと、2個のタブレット押さえ723t,723tとを備える。
一対の揺動支持部721t,721tは、所定間隔だけ離間して略平行な姿勢で配置される。各揺動支持部721tの上端部の内側面には、円形の凹部7211tが形成されている。凹部7211tの直径は、突壁部712tに設けられた円筒突部713tの外径より大きい。一対の揺動支持部721t,721tの各凹部7211tは、一対の突壁部712t,712tの各円筒突部713tに外挿される。これにより、保持部材72tが、一対の突壁部712t,712tに対して揺動可能に支持される。したがって、円筒突部713tは、一対の揺動支持部721t,721tが揺動する際の回転軸となる。
タブレット荷重受け部722tは、載置板71tと略同一の幅を有する矩形板状の部材であり、一対の揺動支持部721t,721tの下端に接続される。タブレット荷重受け部722tは、タブレットTがタブレット支持部7に装着された状態において、該タブレットTの荷重を受ける部分である。後述するように、タブレット荷重受け部722tに外力が作用してない状態から、タブレット荷重受け部722tが自重に抗して持ち上げられた後、タブレットTが装着されて、タブレット荷重受け部722tが該タブレットTの荷重を受けると、一対の揺動支持部721t,721tが突壁部712tに対して揺動し、タブレット荷重受け部722tが円筒突部713tを回転軸として回転動作を行う。
2個のタブレット押さえ723t,723tは、略同一の幅を有し、載置板71tの幅方向に離間して配置される。各タブレット押さえ723tは、載置板71t上のタブレットTを後方に向かって押さえる部分であり、タブレット荷重受け部722tの先端から上方に向かって延在する。また、各タブレット押さえ723tは、その基端部7231tよりも先端部7232tが後方に配置されるように傾斜する。各タブレット押さえ723tは、タブレット荷重受け部722tと一体的に形成され、タブレット荷重受け部722tとともに円筒突部713tを回転軸として回転動作を行う。したがって、タブレットTが装着された状態において、タブレット押さえ723tは、その基端部7231tよりも先端部7232tがタブレットTにより近くなるように傾斜し、タブレットTを載置板71tに向かって押し付ける。タブレット押さえ723tの押し付け力は、タブレット荷重受け部722tが受けるタブレットTの重量に応じて変化する。すなわち、タブレット押さえ723tの押し付け力は、タブレットTの重量が大きいほど大きくなる。
タブレット押さえ723tは、載置板71tよりも前に配置される。また、一対の揺動支持部721t,721tの回転軸である円筒突部713tは、タブレット荷重受け部722tよりも後上方にあり、タブレット押さえ723tは、このタブレット荷重受け部722tとともに可動である。したがって、タブレット荷重受け部722tがタブレットTの荷重を受けて下がると、タブレット押さえ723tが、タブレットTを載置板31に密着させる方向に移動する。
<1−3.スタンド部>
スタンド部6tは、主アーム61tと、主アーム61tと平行に延在するとともに主アーム61tに対して近接離間する方向に変位可能な補助アーム62tと、主アーム61tおよび補助アーム62tの間に設けられた一対のコイルバネ63t,63tと、主アーム61tの一方の端部からこれと同じ方向に延出するように設けられた支持部64tと、を備える。主アーム61tの該一方の端部は、スタンド部6tの一端部と他端部の間に設定された中間接続部に相当し、スタンド部6tとスタンド支持部5tとを接続する第1関節8atは、該中間接続部に設けられる。
主アーム61t、補助アーム62t、および、各コイルバネ63tの具体的な構成は、第2実施形態に係る主アーム61、補助アーム62、および、各コイルバネ63の各構成と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
支持部64tは、主アーム61tと同じ方向に延在する矩形枠状の部材であり、その上端辺が、主アーム61tの下端部に固定されている。支持部64tの上端辺には、スタンド部6tにおける第1関節8tよりも上側の部分とスタンド支持部5tがなす角度が所定値よりも大きくならないように規制するための規制部641tが形成されている。支持部64tは、タブレットスタンド200tが展開姿勢とされている状態においては、タブレットスタンド200tを支持する支持部としての役割を担う一方で、タブレットスタンド200tが折り畳み姿勢とされている状態においては、使用者がこれを掴んでタブレットスタンド200tを携行するためのハンドルとしての役割を担う。支持部64tと主アーム61tとは、例えば一体成形技術を用いることにより一体的に形成されている。
<1−4.第1関節、第2関節>
第1関節8atは、クラッチ状に形成されている。すなわち、第1関節8atは、スタンド部6t(具体的には、補助アーム62t)の側に設けられた係合部(第1スタンド部側係合部)81atと、スタンド支持部5tの側に設けられた係合部(第1支持部側係合部)82atと、を備える。両係合部81at,82atは、軸部(第1軸部)80atによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部81at,82atが、噛合/解離することによって、第1関節8atの回動(すなわち、スタンド部6tのスタンド支持部5tに対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。第1関節8atの具体的な構成およびその形成態様は、第2実施形態に係る第1関節8aのそれらとほぼ同様であるので、詳細な説明を省略する。ただし、第1関節8atにおいては、第1支持部側係合部82atは、その円盤部分における凹凸構造が設けられた主面とは逆側の主面に形成されたコ字状の凸部822tが、突壁部512tの内側面に形成された、該凸部822tと対応する凹部5121t内に収容されるように配置されることで、突壁部512tに対して回転不能に係止される。また、第1関節8atにおいては、ネジ801atおよびナット802atによる締結の後に、突壁部512tの外側面からキャップ803atが被せられる。
第2関節8btは、第1関節8atと同様、クラッチ状に形成されている。すなわち、第2関節8btは、スタンド部6t(具体的には、補助アーム62t)の側に設けられた係合部(第2スタンド部側係合部)81btと、タブレット支持部7tの側に設けられた係合部(第2支持部側係合部)82btと、を備える。両係合部81bt,82btは、軸部(第2軸部)80btによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部81bt,82btが、噛合/解離することによって、第2関節8btの回動(すなわち、スタンド部6tのタブレット支持部7tに対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。第2関節8btの具体的な構成およびその形成態様は、第2実施形態に係る第2関節8bのそれらとほぼ同様であるので、詳細な説明を省略する。ただし、第1関節8atと同様、第2関節8btにおいても、第2支持部側係合部82btは、その円盤部分における凹凸構造が設けられた主面とは逆側の主面に形成されたコ字状の凸部822tが、突壁部712tの内側面に形成された、該凸部822tと対応する凹部内に収容されるように配置されることで、突壁部712tに対して回転不能に係止される。
なお、第2関節8btにおいても、第2実施形態に係る第2関節8bと同様、例えば、各突壁部712tの寸法およびここに設けられる貫通孔H71tの形成位置等が適宜に調整されることにより、第2関節8btの接線、具体的には、第2スタンド部側係合部81btおよび第2支持部側係合部82btの各円盤部分の接線を含む面Fが、載置板71tの背面に略合致するように形成されている(図27)。さらに、第2関節8btにおいては、各突壁部712tの寸法およびここに設けられる貫通孔H71tの形成位置等が適宜に調整されることにより、第2関節8btが、タブレット支持部7tの厚み内に収まるような寸法とされている。具体的には、外力が作用しない状態の保持部材72t、すなわち、タブレット押さえ723tの先端部7232tが載置板71tの下端に押し付けられた状態における、保持部材72tの後端縁(具体的には、タブレット荷重受け部722tの後端縁)を通り、載置板71tと平行な面Dを規定したときに、第2関節8btが、この面Dよりも載置板71tの側に収まるような寸法とされている(図27)。また、第1関節8btは、第2関節8btとほぼ同じ寸法とされている。
<2.操作の態様>
タブレットスタンド200tの操作の態様は、第2実施形態に係るタブレットスタンド200の操作の態様と同様である。すなわち、第1操作S1、および、第2操作S2のいずれも行われない状態においては、第1関節8atおよび第2関節8btの回動がいずれも禁止された状態となり、スタンド部6tとスタンド支持部5tが互いに回動することができず、スタンド部6tとタブレット支持部7tも互いに回動することができない。また、第1関節8atおよび第2関節8btの回動が禁止された状態のタブレットスタンド200tに対して、使用者が、第1操作S1を行うと、第1関節8atおよび第2関節8btの各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わる。また、使用者が、第2操作S2を行うと、第1関節8atおよび第2関節8btの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わる。
<3.使用の態様>
上記の通り、タブレットスタンド200tは、例えばオフィスや自宅等において机上等の平坦な設置面Gに置いて使用するものであり、これにタブレットTを支持させて、設置面Gにおける所望の位置に置いて使用する。以下において、タブレットスタンド200tの使用の態様について説明する。
<3−1.タブレットTの装着>
タブレットTをタブレットスタンド100に装着する態様について、図31を参照しながら説明する。図31は、タブレットTをタブレットスタンド100に装着する態様を説明するための図である。
上述したように、保持部材72tは、突壁部712tに設けられた円筒突部713tに対して揺動可能に支持されており、外力が作用しない状態では、その自重により、タブレット荷重受け部722tが円筒突部713tを回転軸としてスタンド部2に近づく方向に移動しており、タブレット荷重受け部722tが円筒突部713tの略鉛直下方に配置されるとともに、タブレット押さえ723tの先端部7232tが載置板71tの下端に押し付けられた状態となっている(図31(a))。
この状態から、タブレット荷重受け部722tが自重に抗して持ち上げられると、保持部材72tが円筒突部713tを回転軸として回転して、タブレット押さえ723tと載置板71tとの間にタブレット挿入口tが開口する。タブレット荷重受け部722tが大きく持ち上げられるにつれて、保持部材72tの回転が進み、タブレット挿入口tが大きくなる。保持部材72tは、一対の揺動支持部721t,721tが載置板71tの裏面に接するような位置まで回転可能であり、保持部材72tがこのような回転姿勢に配置されたときに、タブレット挿入口tは、一般的なタブレットTの厚みに対して十分に大きなものとなる(図31(b))。
使用者は、タブレット荷重受け部722tを持ち上げて適宜の大きさのタブレット挿入口tを開口させて、ここからタブレットTを挿入する。そして、タブレットTの下端がタブレット荷重受け部722tに当接した状態として、タブレットTから手を離す(図31(c))。すると、タブレット荷重受け部722tがタブレットTの荷重を受けて下がることにより、タブレット押さえ723tの先端部7232tが、タブレットTを載置板71tに密着させる方向に移動する。このようにして、タブレットTを装着することで、タブレットTとタブレット押さえ723tとの接触部が載置板71tに近づいて、タブレット押さえ723tがタブレットTを載置板71tに密着させる(図31(d))。これにより、載置板71tに載置されたタブレットTが、落下しないように支持される。
<3−2.姿勢変更>
上記の通り、タブレットスタンド200tにおいては、使用者が上述した各操作S1,S2を行うことによって、スタンド部6tとスタンド支持部5tの角度、および、スタンド部6tとタブレット支持部7tの角度を、それぞれ独立に変更できるようになっており、これによってタブレットスタンド200tの姿勢等を変更できるようになっている。タブレットスタンド200tの姿勢等を変更する態様について、図24、図25に加え、図32〜図35を参照しながら説明する。図32、図33は、展開姿勢のタブレットスタンド200tを示す図である。図34、図35は、折り畳み姿勢のタブレットスタンド200tを示す図である。
例えば、スタンド部6tとスタンド支持部5tの角度、および、スタンド部6tとタブレット支持部7tの角度がいずれも十分に小さいものとなるように調整することにより、タブレットスタンド200tを折り畳み姿勢とすることができる(図34、図35)。また、折り畳み姿勢から、スタンド部6tとスタンド支持部5tの角度、または/および、スタンド部6tとタブレット支持部7tの角度を大きくするように調整することにより、タブレットスタンド200tを折り畳み姿勢から展開姿勢へ姿勢変更することができる(図24、図25、図32、図33)。また、展開姿勢において、これらの各角度を変更することにより、タブレット支持部7tの高さ(ひいては、これに支持されるタブレットTの高さ)、および、タブレット支持部7tの姿勢(ひいては、これに支持されるタブレットTの姿勢)を、変更することができる。
具体的には例えば、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド200tにおいて、スタンド部6tとタブレット支持部7tの角度を変更することで、タブレットスタンド200tに支持されるタブレットTの姿勢を変更することができる。すなわち、タブレットTの姿勢を変更したい場合、使用者は、例えば、第2関節8btの側に対する第1操作S1を行う。すると、第2関節8btの回動が許容された状態となる。この状態で、第2関節8btの周りでタブレット支持部7tを回動させて、スタンド部6tとタブレット支持部7tがなす角度を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの姿勢を所望のものにすることができる。例えば、タブレットTを、略鉛直な姿勢とすることもできるし(図32の実線)、このような姿勢から、第2関節8btの周りでタブレット支持部7tを回動させてスタンド部6tとタブレット支持部7tの角度を変更して、タブレットTが後方に傾斜した姿勢とすることもできる(図32の仮想線)。前者の姿勢は、使用者がタブレットTを真正面から見たい場合等に適しており、後者の姿勢は、使用者がタブレットTを斜め上から見たい場合等に適している。また、タブレットTが前方に傾斜した姿勢とすることもできる。
さらに、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド200tにおいて、スタンド部6tとスタンド支持部5tの角度を変更することで、タブレットスタンド200tに支持されるタブレットTの高さを変更することができる。すなわち、タブレットTの高さを変更したい場合、使用者は、例えば、第1関節8atの側に対する第1操作S1を行う。すると、第1関節8atの回動が許容された状態となる。この状態で、第1関節8atの周りでスタンド部6tを回動させて、スタンド部6tとスタンド支持部5tがなす角度を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの高さを所望のものにすることができる。
また、タブレットTの姿勢を変えずに、タブレットTの高さだけを変更したい場合は、使用者は、第2操作S2を行えばよい。こうすると、第1関節8atおよび第2関節8btの回動がともに許容された状態となる。この状態で、第1関節8atの周りでスタンド部6tを回動させつつ、第2関節8btの回りでタブレット支持部7tを回動させて、スタンド部6tとスタンド支持部5tがなす角度およびスタンド部6tとタブレット支持部7tがなす角度の各々を適宜に調整することで、使用者は、タブレットTの姿勢を変更せずに高さを所望のものにすることができる(図33の仮想線)。
一方、使用者は、展開姿勢のタブレットスタンド200tにおいて、スタンド部6tとタブレット支持部7tの角度、および、スタンド部6tとスタンド支持部5tの角度を変更することで、タブレットスタンド200tの姿勢を展開姿勢から折り畳み姿勢に変更することができる。すなわち、展開姿勢にあるタブレットスタンド200tを折り畳み姿勢に変更したい場合、使用者は、第2操作S2を行って、第1関節8atおよび第2関節8btの回動がともに許容された状態とする。この状態で、スタンド部6tに対してタブレット支持部7tとスタンド支持部5tを同じ方向(図25では時計回り方向)AR1に回動させる。すなわち、第1関節8atの周りでスタンド支持部5tを所定方向AR1に回動させて、これをスタンド部6tに近づけて、スタンド支持部5tがスタンド部6tの一方側に部分的に重なった状態、より具体的には、スタンド部6tの一方側における第2関節8btよりも上側の部分が脚体51tの凹状部511t内に収容された状態とする。また、第2関節8btの周りでタブレット支持部7tを所定方向AR1に回動させて、これをスタンド部6tに近づけて、タブレット支持部7tがスタンド部6tの他方側に部分的に重なった状態、より具体的には、載置板71tとスタンド部6tの他方側の一部分(すなわち、支持部64tの上端側の枠部分およびこれよりも上側の部分)が重なった状態とする。さらに、保持部材72tを、タブレット押さえ部723tが載置板71tに当接するとともに、タブレット荷重受け部722tが、脚体51tの支持枠513t内に収容された状態とする。これにより、タブレットスタンド200tが折り畳み姿勢となる(図34、図35)。この折り畳み姿勢では、スタンド部6tがタブレット支持部7tとスタンド支持部5tに挟まれた状態となる。いうまでもなく、これと逆の手順、すなわち、スタンド部6tに対してタブレット支持部7tとスタンド支持部5tを上記の所定方向AR1と逆の方向(図35では反時計回り方向)AR2に回動させることによって、折り畳み姿勢のタブレットスタンド200tを展開姿勢に姿勢変更することができる。
折り畳み姿勢は、タブレットスタンド200tを使用しない場合(保管時)等に適している。上記の通り、タブレットスタンド200tにおいては、第2関節8atの接線を含む面Fが、載置板71tの背面に略合致するように形成されている(図27)ので、第2関節8btとタブレット支持部7が十分に近接して配置されることとなり、折り畳み姿勢において、タブレットスタンド200tの厚みが十分に小さなものとなる。さらに、上記の通り、関節8at,8btは、タブレット支持部7tの厚み内に収まるような寸法とされているため、折り畳み姿勢において、関節8at,8btが邪魔になることなく、タブレット支持部7tと、スタンド支持部5tが、互いに当接しあう位置まで近接配置される。したがって、折り畳み姿勢において、タブレットスタンド200tの厚みが特に小さなものとなる。このため、保管に場所をとりにくい。
また、折り畳み姿勢においては、スタンド部6tにおける第2関節8btよりも下側の部分、すなわち、支持部64tが、タブレット支持部7tおよびスタンド支持部5tと重ならずに突出する。上記の通り、支持部64tは矩形枠状であり、使用者がこれを容易に掴むことができるハンドルを構成している。したがって、使用者は、折り畳み姿勢のタブレットスタンド200tの支持部64tを掴んでこれを簡易に持ち運ぶことができる。
また、タブレットスタンド200tを折り畳む(あるいは、折り畳まれたタブレットスタンド200tを展開する)にあたっては、第2操作S2が便利である。すなわち、第2操作S2を行って、第1関節8atと第2関節8btをともに回動が許容された状態に切り替えて、両関節8at,8btのまわりで各部4,5,6を同時に回動させることにより、タブレットスタンド200tを速やかに折り畳む(あるいは、展開する)ことができる。
<3−3.照明装置>
タブレットスタンド200tにおける、照明支持部の使用の態様について、図36,図37を参照しながら説明する。図36は、照明装置としてのスマートフォンを支持した状態のタブレットスタンド200tの斜視図である。図37は、該タブレットスタンド200tの側面図である。
上記の通り、スタンド支持部5tには、照明支持部としての機能を担う貫通孔514tおよび係止部5131tが形成されている。脚体51tに、照明装置としてのスマートフォンLを立て掛けて置いて、該スマートフォンLの下端縁が、係止部5131tによって係止された状態として、該スマートフォンLのライトを点灯させると、タブレット支持部7tに支持されているタブレットTと対向している使用者の下方から照明があたるように構成されている。貫通孔514tにペンライト等を差し込んで、該ペンライトを点灯させた場合も同様である。したがって、使用者は、例えば、タブレットスタンド200tに支持されたタブレットTを用いて、ビデオ通話や自撮りを行う際に、顔の下方から照明をあててカメラ写りをよくすることができる(いわゆる、女優ライト)。
<3−4.描画作業>
タブレットスタンド200tは、タッチパネルを含んで構成されるタブレットTの該タッチパネルにタッチペン等で描画作業をする際にも好適に用いることができる。このような使用の態様について、図38を参照しながら説明する。図38は、描画作業に好適な状態のタブレットスタンド200tの斜視図である。
タブレットスタンド200を用いて、タブレットTに対する描画作業を行いたい場合、使用者は、第1操作S1あるいは第2操作S2を行って、第2関節8btの回動が許容された状態とし、この状態で、第2関節8btの周りでタブレット支持部7tを回動させて、これをスタンド部6tに近づけて、タブレット支持部7tがスタンド部6tに部分的に重なった状態、より具体的には、載置板71tとスタンド部6tの一部分(すなわち、支持部64tの上端側の枠部分およびこれよりも上側の部分)が重なった状態とする。また、第1操作S1あるいは第2操作S2を行って、第1関節8atの回動が許容された状態とし、この状態で、第1関節8atの周りでスタンド支持部5tを回動させて、これを、スタンド部6tにおける第1関節8tよりも上側の部分から遠ざけて、脚体51tが、スタンド部6tに設けられた規制部641tに当接した状態とする。これにより、脚体51tの回動姿勢が規制され、脚体51tが、これ以上スタンド部6tの該部分から離れる方向に回動することができない状態となる。そして、タブレットスタンド200tを、タブレット支持部7tの下端、具体的には保持部材72tの下端と、スタンド支持部5tの下端、具体的には支持枠513tとが、設置面Gに当接するような姿勢で配置する。
タブレットスタンド200tがこのような姿勢とされたとき、タブレットTは、十分に低い位置で、十分に傾斜した姿勢で支持される。したがって、使用者は、自然な姿勢で、タブレットTのタッチパネルにタッチペン等で描画作業を行うことができる。特にこの姿勢においては、脚体51tがこれ以上スタンド部6tから離れる方向に回動することができない状態となるとともに、スタンド部6tとタブレット支持部7tとが当接してタブレット支持部7tの全体が裏面側からスタンド部6tに支えられた状態となる。したがって、描画作業においてタブレットTに比較的強い押圧力が付与されたとしても、タブレット支持部7tの姿勢が変更されにくい。タブレットスタンド200tのこのような姿勢は、描画作業以外にも、タブレットTに比較的強い押圧力が付与され得る各種の使用態様(例えばゲーム)や、タブレットTを比較的低い位置に支持させたい場合等にも好適である。
なお、いうまでもなく、上記の姿勢にあるタブレットスタンド200tにおいて、第1関節8atの周りでスタンド支持部5tを回動させて、これとスタンド部6tとがなす角度を変更することによって、タブレット支持部7t、ひいては、これに支持されるタブレットTの姿勢を変更することができる。
<4.効果>
上記実施形態に係るタブレットスタンド200tによると、第1、第2実施形態に係るタブレットスタンド100,200と同様の効果を得ることができる。
また、タブレットスタンド200tにおいては、回転軸である関節8at,8btは、タブレット支持部7tの厚み内に収まっている。この構成によると、折り畳み姿勢において、回転軸である関節8at,8btが邪魔になることがないので、タブレットスタンド200tをコンパクトに折り畳むことができる。
また、タブレットスタンド200tにおいては、折り畳み姿勢において、スタンド部6tにおけるタブレット支持部7tと重ならずに突出する支持部64tが、携行用のハンドルを構成している。したがって、使用者は、支持部64tを掴んで、折り畳み姿勢のタブレットスタンド200tを簡易に持ち運ぶことができる。
また、タブレットスタンド200tにおいては、スタンド支持部5tに、照明装置を支持する照明支持部としての機能を担う貫通孔514tおよび係止部5131tが形成されている。そして、該照明支持部に照明装置が支持された状態において、タブレット支持部7tに支持されたタブレットTと対向している使用者の下方から照明があたるように構成されている。この構成によると、例えば、使用者が、ビデオ通話や自撮りを行う際に、顔の下方から照明をあててカメラ写りをよくすることができる。
<<他の実施形態>>
第1実施形態においては、タブレット支持部3の高さの変更は、スタンド部2およびスタンド支持部1が、第1関節4aの回りで相対的似回動することによって行われていたが、該高さの変更は、これ以外の態様によってなされてもよい。例えば、図39に示されるタブレットスタンド100dのように、スタンド支持部1dの脚体12dにスライド部123dを設けて、タブレット支持部3の高さの変更が、該スライド部123dのスライド動作により実現されるものとしてもよい。図の例では、スライド部123dは、脚体12dが、いずれも断面コ字状である2個の長尺部材1231d,1232dが、入れ子状に配置されて、軸方向にスライド可能に連なってテレスコピック式に伸縮する構造とされることにより実現されている。この構成においては、長尺部材1231d,1232dが他方に対してスライドすることにより脚体12dが伸縮し、これによってタブレット支持部3の高さが変更されることになる。なお、スライド部123dは、スタンド部2に設けられてもよい。また、スライド部123dを設ける場合、第1関節4aを省略してもよい。同様に、第2、第3実施形態において、タブレット支持部7,7tの高さの変更が、スタンド部6,6tあるいはスタンド支持部5,5tに設けられたスライド部のスライド動作によって実現されてもよい。
また、第1実施形態においては、載置板31は透明材料により形成されるものとしたが、透明ではない材料により形成されてもよい。透明ではない材料により形成される場合、載置板31には、ここに載置されたタブレットTのカメラレンズに対応する位置に窓が形成されることが好ましい。また、第2、第3実施形態において、載置板71,71tを透明材料により形成してもよい。
また、第1実施形態において、コイルバネ23に代えて、各種の弾性部材(例えば、板バネ)を採用してもよい。また、各関節4a,4bの強度を向上させるために、各関節4a,4bにねじりコイルバネや圧縮コイルバネを適宜に追加して設けてもよい。第2、第3実施形態においても同様である。
また、第1実施形態においては、タブレットTの画面を上に向けて載置板31に載置する使用態様を例示したが、タブレットスタンド100の使用態様はこれに限らない。例えば、載置板31を透明材料により形成し、タブレットTの画面を下に向けて載置板31に載置して、透明な載置板31越しに該画面を見るようにしてもよい。第2、第3実施形態においても同様である。
また、第1実施形態において、タブレットスタンド100が支持するタブレットTのサイズはどのようなものであってもよい。使用が想定されるタブレットTのサイズに応じて、載置板31のサイズ等を適宜調整することも好ましい。第2、第3実施形態においても同様である。
また、第1実施形態に係るスタンド部2を各支持部1,3に対して回動可能に支持する構成は上記において説明したものに限らない。例えば、スタンド部2が、これに設けられた凸部が各支持部1,3の各突壁部122,312に設けられた凹部に収容されることによって、回動可能に支持される構成であってもよい。第2、第3実施形態においても同様である。
また、第2実施形態においては、主アーム61と補助アーム62の間隔を狭める狭窄部(一対の接触凸部622,622)が、補助アーム62の内側面に形成されていたが、一対の接触凸部は、主アーム61の内側面に形成されてもよい。この場合も、一対の接触凸部は、スタンド部6の延在方向に間隔を設けつつ形成され、互いの中間位置が第1関節8aと第2関節8bの中間位置と一致するように形成される。また、各接触凸部は、操作受付部621の中央平坦部6212と各操作凸部6211の境界と対応する位置あるいはその近傍に形成されることが好ましい。第1,第3実施形態においても同様である。
また、第2実施形態においては、狭窄部が一対の接触凸部622,622により形成されていたが、狭窄部の形成態様はこれに限らない。例えば、狭窄部を、スタンド部6の延在方向に沿う長尺の凸条部によりを形成してもよい。この場合、凸条部は、その長尺方向の中心位置が、第1関節8aと第2関節8bの中間位置と一致し、その長尺方向の端部が、操作受付部621の中央平坦部6212と各操作凸部6211の境界と対応する位置あるいはその近傍に形成されることが好ましい。また、凸条部は、その頂面が平坦なものとされる。この場合も、例えば、補助アーム62における第1スタンド部側係合部81aあるいは第2スタンド部側係合部81bの近傍がコイルバネ63の付勢力に逆らって押圧された場合に、凸条部の一方の端部を介して補助アーム62と主アーム61が当接すると、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム61に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となるので、押圧されていない側の係合部81a,82aの噛合が解除されることが確実に回避される。したがって、第1操作S1において一方の関節のみの回動が確実に許容される。第1,第3実施形態においても同様である。
また、第3実施形態において、携行用のハンドルを構成する支持部64tは矩形枠状であるとしたが、支持部64tの構成はこれに限られるものではなく、Y字状、T字状、等であってもよい。
また、第3実施形態において、載置板71tの表面に、ここに載置されたタブレットTの滑りを抑制するための凹凸構造を設けてもよい。具体的には例えば、載置板71tの表面に、平行に延在する複数の凸条を設けてもよい。第1、第2実施形態の載置板31,71においても同様である。
また、第1〜第3実施形態に係るタブレットスタンド100,200,200tにおける各部の具体的な形状、仕様、その他の詳細な構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、各実施形態に係るタブレットスタンド100,200,200tの各構成を適宜に組み合わせてもよい。