JP2020041643A - リリーフ弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体排出口の開度を非連続的に変化させるリリーフ弁を提供する。【解決手段】リリーフ弁は、ケース外とケース内を連通する2個の連通孔24,38を有するケース22と、ケース内に固定されている付勢部材36と、ケース内に配置されており、付勢部材によって付勢されて2個の連通孔のうちの第1連通孔の開口を塞ぐ弁体32を備えている。このリリーフ弁では、配管内の圧力が第1所定圧力未満のときは、弁体は、付勢部材によってケースに付勢された状態で、第1連通孔の開口を一巡して接触している。配管内の圧力が第1所定圧力以上になったときは、弁体は、付勢部材によってケースに付勢された状態で弾性変形し、第1連通孔の開口を一巡する範囲において少なくとも一部が弁座面と非接触となる。配管内の圧力が第1所定圧力より大きい第2所定圧力以上になったときは、弁体は、付勢部材の付勢力に抗して弁座面から離反する。【選択図】図1
Description
本明細書は、リリーフ弁に関する技術を開示する。
特許文献1に、配管内の圧力上昇を抑制するためのリリーフ弁が開示されている。特許文献1のリリーフ弁は、内燃機関を備える車両において、内燃機関の構成部品に供給されるオイルが通過する配管に取り付けられる。特許文献1のリリーフ弁は、配管内の圧力を受圧する受圧部を備えたスプールを用いてオイル排出口(第4スプール)を開閉し、配管内の圧力を制御する。具体的には、配管内の圧力が低圧のときは、オイル排出口がスプールによって塞がれており、配管内の圧力が維持される。配管内の圧力が上昇すると、スプールが移動し、配管とオイル排出口が連通して配管からオイルが排出され、配管内の圧力が低下する。なお、スプールの移動量(オイル排出口の開口面積)は、配管内の圧力に比例して変化する。また、特許文献1のリリーフ弁では、複数の受圧部がスプールに設けられており、電子制御される切換弁を用いて配管からリリーフ弁までの流路を変更し、配管内の圧力が加わる受圧部の数(受圧面積)を変更することができる。配管内の圧力が加わる受圧部の数を変更することにより、リリーフ弁が作動開始する圧力を変化させることができる。
上記したように、特許文献1のリリーフ弁は、配管内の圧力に比例してスプールの移動量(オイル排出口の開口面積)が変化する。すなわち、オイル排出口の開口面積は、配管内の圧力上昇に伴い、連続的に大きくなる。しかしながら、リリーフ弁の機能として、配管内が特定の圧力を超えたときに、急速に(非連続的に)オイル排出口の開口面積を大きくすることが必要な場合がある。例えば、配管内の圧力が異常に上昇した場合、圧力に応じて開口面積が連続的に変化するタイプより、開口面積が非連続的に変化するタイプの方が、配管内の圧力を素早く低下させることができる。なお、特許文献1のリリーフ弁は、上記した切換弁とともに用いれば、リリーフ弁が作動開始する圧力を変化させることができる。しかしながら、作動開始後は、圧力に応じて開口面積が連続的に変化する。本明細書は、配管内の圧力変化に対して、流体排出口の開度を非連続的に変化させることができるリリーフ弁を提供することを目的とする。
本明細書で開示する第1技術は、流体が通過する配管に取り付けられ、配管内の圧力上昇を抑制するためのリリーフ弁である。そのリリーフ弁は、ケース外とケース内を連通する2個の連通孔を有するケースと、ケース内に固定されている付勢部材と、ケース内に配置されており、付勢部材によって付勢されて2個の連通孔のうちの第1連通孔の開口を塞ぐ弁体を備えていてよい。また、このリリーフ弁では、配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力未満のときは、弁体は、付勢部材によってケースに付勢された状態で、第1連通孔の開口の周囲の弁座面に第1連通孔の開口を一巡して接触していてよい。また、配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力以上になったときは、弁体の少なくとも一部が、付勢部材によってケースに付勢された状態で弾性変形し、第1連通孔の開口を一巡する範囲において少なくとも一部が弁座面と非接触になってよい。さらに、配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力より大きい第2所定圧力以上になったときは、弁体は、付勢部材の付勢力に抗して弁座面から離反してよい。
本明細書で開示する第2技術は、上記第1技術のリリーフ弁であって、弁体は、付勢部材と接触するとともに第1連通孔側端面のサイズが第1連通孔の開口より小さい第1部材と、弁座面に接触するとともに第1部材より剛性が低い第2部材を備えていてよい。
本明細書で開示する第3技術は、上記第2技術のリリーフ弁であって、第2部材の弁座面と接触する部分の弁座面に直交する方向の厚みが、第1連通孔の開口を一巡する方向において不均一であってよい。
本明細書で開示する第4技術は、流体が通過する配管に取り付けられ、配管内の圧力上昇を抑制するためのリリーフ弁である。そのリリーフ弁は、ケース外とケース内を連通する2個の連通孔を有するケースと、2個の連通孔のうちの第1連通孔に圧入されているとともに、第1連通孔に沿って伸びる貫通孔を有する圧入部材を備えていてよい。また、このリリーフ弁では、配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力未満のときは、圧入部材の貫通孔は封止されていてよい。配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力以上になったときは、圧入部材の貫通孔によって配管内とケース内が連通してよい。配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力より大きい第2所定圧力以上になったときは、圧入部材がケース内に向けて移動してよい。
本明細書で開示する第5技術は、上記第4技術のリリーフ弁であって、圧入部材の貫通孔は、ケース外側の開口の断面積がケース内側の開口の断面積より大きく、ケース外側の開口に向けて断面積が増加する開口断面積増加部を備えていてよい。
本明細書で開示する第6技術は、上記第4または第5技術のリリーフ弁であって、さらに、ケース内に固定されている付勢部材と、ケース内に配置されているとともに付勢部材によって付勢されて第1連通孔の開口を塞ぐ弁体を備えていてよい。このリリーフ弁では、配管内の圧力が第1所定圧力未満のときは、弁体は、付勢部材によって圧入部材に付勢されて圧入部材の開口を塞いでいてよい。また、配管内の圧力が第1所定圧力以上になったときは、弁体は、付勢部材の付勢力に抗して圧入部材から離反してよい。さらに、配管内の圧力が第2所定圧力以上になったときは、圧入部材がケース内に向けて移動してよい。
第1技術によると、配管内の圧力が第1所定圧力(リリーフ弁が作動開始する圧力)未満のときは、付勢部材によって第1連通孔の開口部分に付勢された弁体により、リリーフ弁の作動が禁止される。すなわち、リリーフ弁は配管内の圧力を低下させず、配管内の圧力が維持される。
配管内の圧力が第1所定圧力に達すると、配管内の圧力によって弁体(典型的には、弁体の端部)が弾性変形を開始する。弁体と弁座面(弁体が接触する面)との間に隙間が生じ、ケースに設けられた第1連通孔の開口が、ケース内空間と連通する。その結果、配管内とケース内空間が第1連通孔を介して連通し、配管内の流体がリリーフ弁から排出され、配管内の圧力が低下する。なお、開口を一巡する範囲の全体において弁体と弁座面が非接触となる必要はなく、開口を一巡する範囲において、少なくとも弁体と弁座面の一部が非接触となればよい。また、配管内の圧力が第1所定圧力に達しても、付勢部材は変形しない。詳細は後述するが、付勢部材は、配管内の圧力が第2所定圧力(第1所定圧力より大きい圧力)になるまで変形しない。そのため、第1連通孔の開口の大部分は弁体によって塞がれており、上記した隙間のみから流体がケース内空間に移動する。また、配管内の圧力が第1所定圧力を超えて上昇すると、弁体の変形量も増大し、弁体と弁座面の隙間が増大する。その結果、配管内からケース内空間への流体の移動量(リリーフ弁による配管内圧力の低減能力)も増大する。
上記したように、配管内の圧力が第2所定圧力に達すると、付勢部材が変形し、弁体が弁座面から離反する。すなわち、弁体は、付勢部材の付勢力に抗して、弁座面から離反する。その結果、第1連通孔の開口の全面がケース内に露出し、配管内からケース内への流体の移動量が急激に増大する。
以上のように、第1技術によると、配管内の圧力が第1所定圧力未満のときは配管内の圧力を維持し、第1所定圧力以上第2所定圧力未満のときは流体が配管内からケース内に移動するための流路(弁体と弁座面の隙間)が形成され、さらに、配管内の圧力に応じて流路サイズ(流路の断面積)が増大する。また、配管内の圧力が第2所定圧力以上になったときは、第1連通孔の開口が完全に開き、流路サイズが急速に増大する。すなわち、第1所定圧力以上第2所定圧力未満のときは流路サイズが配管内の圧力変化に比例して変化し、第2所定圧力の前後で流路サイズが非連続に変化する。
特に限定されないが、「付勢部材」は、コイルばね、板ばね、空気ばね、ゴム、樹脂等、弾性を有し、弁体に付勢力を与える(弁体を弁座面に押し付ける)ことが可能であればよい。また、上記したように、付勢部材は、配管内の圧力が第2所定圧力未満のときは変形せず(弁体を弁座面に押し付け)、第2所定圧力以上になったときは変形する(弁体が弁座面から離れることを許容する)という特性を有することが必要である。そのため、付勢力が容易に調整でき、比較的低コストであるという観点より、付勢部材はコイルばねであることが好ましい。
特に限定されないが、「弁体」は、少なくとも弁座と接する部分が、ゴム、樹脂、金属(薄片板)、超弾性合金などの弾性金属等、弾性を有し、圧力が加わったときに弾性変形可能なものであればよい。また、弁体は、単体の材料で構成されていてもよいし、弁座に接する部分と弁座に接しない部分が異なる材料で構成されていてもよい。上記したように、弁体は、付勢部材に付勢されて弁座面に接し、第1連通孔の開口を塞ぐことが必要である。そのため、弁座面との高い密着性を実現することができるという観点より、弁体のうち、弁座と接する部分は、ゴムであることが好ましい。弁体として用いるゴム材料として、例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、シリコンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。
第2技術によると、配管内の圧力(第1所定圧力以上第2所定圧力未満)が弁体に加わったときに、弁体が変形する範囲を調整することができる。すなわち、配管内の圧力が弁体に加わったときに、弁体が変形する部分と、弁体が変形しない部分を区画することができる。配管内の圧力に応じて弁体と弁座面の隙間を制御し易くなり、配管内の圧力に応じて流路サイズを調整し易くなる。また、配管内の圧力が第2所定圧力以上となったときに、弁体から付勢部材に対して力(圧力)が加わり易くなる。配管内の圧力が第2所定圧力以上になったときに、付勢部材が速やかに変形し、第1連通孔の開口を速やかに開放することができる。
第3技術によると、配管内の圧力が第1所定圧力以上になったときに、まず、厚みが薄い部分の第2部材が弁座面と非接触となり、第2部材が弁座面に隙間が形成される。その後、さらに配管内の圧力が上昇すると、厚みが厚い部分の第2部材が弁座面と非接触となり、弁体と弁座面に隙間が存在する範囲が拡大する。すなわち、第2部材の厚みを周方向(開口を一巡する方向)において不均一にすることにより、配管内の圧力に応じて流体の流路サイズを変化させ易くすることができる。
第4技術によると、配管内の圧力が第1所定圧力以上第2所定圧力未満のときは、貫通孔(第1連通孔より流路サイズが小さい)を通じて配管内の流体がケース内に移動する。また、配管内の圧力が第2所定圧力以上のときは、第1連通孔の開口が完全に開き、第1連通孔(貫通孔より流路サイズが大きい)を通じて配管内の流体がケース内に移動する。すなわち、第2所定圧力の前後で、流路自体が変わり、配管内の圧力変化に伴い流路サイズが非連続に変化する。
第5技術によると、圧入部材に加わる配管内の圧力を、貫通孔が設けられている位置に集中させることができる。
第6技術によると、配管内の圧力が第1所定圧力未満のときに確実に貫通孔を塞ぐことができる。
(リリーフ弁の基本構造)
図1を参照し、リリーフ弁20について説明する。リリーフ弁20は、本明細書で開示するリリーフ弁の基本構造を簡易的に示したものである。リリーフ弁20について説明することにより、先ず、本明細書で開示するリリーフ弁の一般的な特徴を説明する。なお、リリーフ弁の詳細な形態については後述する。リリーフ弁20は、配管2に取り付けられる。配管2の内部空間6を、流体(液体、気体)が通過する。リリーフ弁20は、配管2内の圧力が上昇したときに、配管2内と配管2外を連通し、配管2内の圧力上昇を抑制するために用いられる。リリーフ弁20は、ケース22と、ケース22内に配置されているコイルばね36と、ゴム弁32を備えている。コイルばね36は付勢部材の一例であり、ゴム弁32は弁体の一例である。
図1を参照し、リリーフ弁20について説明する。リリーフ弁20は、本明細書で開示するリリーフ弁の基本構造を簡易的に示したものである。リリーフ弁20について説明することにより、先ず、本明細書で開示するリリーフ弁の一般的な特徴を説明する。なお、リリーフ弁の詳細な形態については後述する。リリーフ弁20は、配管2に取り付けられる。配管2の内部空間6を、流体(液体、気体)が通過する。リリーフ弁20は、配管2内の圧力が上昇したときに、配管2内と配管2外を連通し、配管2内の圧力上昇を抑制するために用いられる。リリーフ弁20は、ケース22と、ケース22内に配置されているコイルばね36と、ゴム弁32を備えている。コイルばね36は付勢部材の一例であり、ゴム弁32は弁体の一例である。
ケース22には、突出部26とフランジ部28が設けられている。また、ケース22には、ケース22内とケース22外を連通する2個の連通孔24,38が設けられている。2個の連通孔24,38のうち、連通孔24は、第1連通孔の一例である。連通孔24は、突出部26に設けられており、突出部26の先端(配管2の内部空間6)とケース内空間34を連通している。連通孔38は、突出部26及びフランジ部28が設けられている位置に対抗する位置で、ケース内空間34とケース22の外部を連通している。リリーフ弁20を配管2に取り付ける際、配管2に設けられた取付孔(貫通孔)8に突出部26を挿入し、配管2の外面4にフランジ28を固定する。その結果、配管2の内部空間6と連通孔24が連通する。なお、シール材14が、突出部26の外周面と取付孔8の内周面の間に設けられている。シール材14は、配管2内の流体が突出部26と取付孔8の隙間から漏れることを防止している。なお、シール材14に代えて、または、シール材14に加えて、配管2の外面4とフランジ28(フランジ28の配管2側の表面28a)の間にシール材(図示省略)を配置してもよい。突出部26と取付孔8の隙間から流体が漏れることを防止することができるシール構造であれば、公知の種々のシール構造を適用することができる。
ケース22内には、コイルばね36とゴム弁32が配置されている。コイルばね36の一端はケース22に固定されており、他端はゴム弁32に接している。コイルばね36は、ケース22とゴム弁32によって圧縮されている。そのため、コイルばね36は、ゴム弁32に付勢力を加え、ゴム弁32を弁座面30(連通孔24の開口周囲のケース22内壁)に押し付けている。その結果、ゴム弁32は、連通孔24の開口を塞いでいる。詳細は後述するが、配管2内の圧力が上昇し、ゴム弁32と弁座面30の間に隙間が形成されると、配管2内の流体が連通孔24を通過してケース内空間34に移動し(矢印10)、連通孔38よりケース22外に排出される(矢印12)。
(リリーフ弁の適用例1)
図2を参照し、リリーフ弁20を適用した燃料電池システム60について説明する。燃料電池システム60は、例えば車両に搭載され、車両に搭載されたモータ(図示省略)を駆動するための電力を発電する。燃料電池システム60は、水素と酸素の化学反応を利用して電力を発電する。燃料電池システム60は、燃料電池80と、燃料電池80に水素を供給する水素供給路64と、燃料電池80から使用後の水素を排出する水素排出路78と、燃料電池80に空気(酸素)を供給する空気供給路81と、燃料電池80から使用後の空気(酸素)を排出する空気排出路86を備えている。
図2を参照し、リリーフ弁20を適用した燃料電池システム60について説明する。燃料電池システム60は、例えば車両に搭載され、車両に搭載されたモータ(図示省略)を駆動するための電力を発電する。燃料電池システム60は、水素と酸素の化学反応を利用して電力を発電する。燃料電池システム60は、燃料電池80と、燃料電池80に水素を供給する水素供給路64と、燃料電池80から使用後の水素を排出する水素排出路78と、燃料電池80に空気(酸素)を供給する空気供給路81と、燃料電池80から使用後の空気(酸素)を排出する空気排出路86を備えている。
水素供給路64は、水素ボンベ62に接続される。水素供給路64には、水素ボンベ62から燃料電池80に向けて、第1圧力計66,レギュレータ68,リリーフ弁20,第2圧力計70,水素供給器72,第3圧力計74が配置されている。燃料電池システム60では、水素供給路64が図1に示す配管2に相当する。レギュレータ68は、水素ボンベ62から排出された水素ガスの圧力を減圧する。第1圧力計66は、水素ボンベ62とレギュレータ68の間の水素供給路64の圧力を検出する。すなわち、第1圧力計66は、レギュレータ68に送られる水素ガスの圧力を検出する。
水素供給器72は、燃料電池80に供給する水素ガスの圧力及び流量を調整する。水素供給器72内には、インジェクタ(図示省略)が配置されている。なお、水素供給器72の構造は特に限定されず、公知のものを用いることができる。第2圧力計70は、レギュレータ68と水素供給器72の間の水素供給路64の圧力、すなわち、水素供給器72に送られる水素ガスの圧力を検出する。また、第3圧力計74は、水素供給器72と燃料電池80の間の水素供給路64の圧力、すなわち、燃料電池80に送られる水素ガスの圧力を検出する。水素排出路78には、第1バルブ76が設けられている。第1バルブ76を開弁することにより、燃料電池80で使用された後の水素ガス(水素オフガス)が排出される。
空気供給路81には、ポンプ82及び第4圧力計84が配置されている。ポンプ82は、燃料電池80に供給する空気の流量を調整する。第4圧力計84は、ポンプ82より下流(燃料電池80側)に配置されている。第4圧力計84は、ポンプ82と燃料電池80の間の空気供給路81の圧力、すなわち、燃料電池80に送られる空気の圧力を検出する。空気排出路86には、第2バルブ88が設けられている。第2バルブ88を開弁することにより、燃料電池80で使用された後の空気(空気オフガス)が排出される。なお、燃料電池80の構造は特に限定されず、公知のものを用いることができる。また、燃料電池80の発電メカニズムについても公知のため、説明を省略する。
燃料電池システム60では、リリーフ弁20を配置することにより、水素供給路64の圧力(より具体的には、水素供給器72に送られる水素ガスの圧力)が上昇することを抑制する。すなわち、リリーフ弁20は、水素供給路64の圧力が所定値(第1所定圧力)以上になったときに作動し、水素供給路64の圧力を低減する。なお、リリーフ弁20は、レギュレータ68と水素供給器72の間に代えて、あるいは、レギュレータ68と水素供給器72の間に加えて、水素供給器72と燃料電池80の間に配置してもよい。
(リリーフ弁の適用例2)
図3を参照し、リリーフ弁20を適用したオイル供給システム90について説明する。オイル供給システム90は、例えば車両に搭載され、車両の構成部品(例えば、エンジンのオイルギャラリ)に対してオイルを供給する。オイル供給システム90は、オイルタンク92と構成部品98を接続するオイル供給路95と、オイル供給路95に配置されているポンプ94と、ポンプ94の下流(構成部品98側)でオイル供給路95に配置されているリリーフ弁20と、リリーフ弁20とオイルタンク92を接続するオイル回収路96を備えている。オイル供給システム90では、オイル供給路95が、図1に示す配管2に相当する。
図3を参照し、リリーフ弁20を適用したオイル供給システム90について説明する。オイル供給システム90は、例えば車両に搭載され、車両の構成部品(例えば、エンジンのオイルギャラリ)に対してオイルを供給する。オイル供給システム90は、オイルタンク92と構成部品98を接続するオイル供給路95と、オイル供給路95に配置されているポンプ94と、ポンプ94の下流(構成部品98側)でオイル供給路95に配置されているリリーフ弁20と、リリーフ弁20とオイルタンク92を接続するオイル回収路96を備えている。オイル供給システム90では、オイル供給路95が、図1に示す配管2に相当する。
ポンプ94は、構成部品98に向けてオイルを圧送する。ポンプ94より下流のオイル供給路95の圧力が所定値(第1所定圧力)以上になると、リリーフ弁20が作動し、オイル供給路95内のオイルがオイル回収路96を通じてオイルタンク92に戻る。その結果、オイル供給路95内の圧力上昇が抑制される。
以上、リリーフ弁20の適用例について2つのシステムについて説明した。なお、リリーフ弁20は、流体が通過する配管であれば、上記したシステム以外のシステムにも適用することができる。
以下、リリーフ弁の具体的な構造(第1〜第6実施例)について説明する。以下の説明では、リリーフ弁20(図1)で説明した部品と実質的に同一の部品については、同一又は下二桁が同一の参照番号を付すことにより、重複説明を省略することがある。
(第1実施例)
図4から図6を参照し、リリーフ弁20aについて説明する。リリーフ弁20aは、実質的に図1に示すリリーフ弁20と同一であり、構造が図1よりも詳細に示されたものである。なお、図4は、配管2内の圧力(内部空間6の圧力)が正常(圧力を低減する必要が無い圧力)であるときのリリーフ弁20aの状態を示している。図5は、配管2内の圧力が上昇し、第1所定圧力(圧力を低減する必要がある圧力)以上になったときのリリーフ弁20aの状態を示している。図6は、配管2内の圧力が過剰に上昇し、第2所定圧力(圧力を早急に低減する必要がある圧力)以上になったときのリリーフ弁20aの状態を示している。
図4から図6を参照し、リリーフ弁20aについて説明する。リリーフ弁20aは、実質的に図1に示すリリーフ弁20と同一であり、構造が図1よりも詳細に示されたものである。なお、図4は、配管2内の圧力(内部空間6の圧力)が正常(圧力を低減する必要が無い圧力)であるときのリリーフ弁20aの状態を示している。図5は、配管2内の圧力が上昇し、第1所定圧力(圧力を低減する必要がある圧力)以上になったときのリリーフ弁20aの状態を示している。図6は、配管2内の圧力が過剰に上昇し、第2所定圧力(圧力を早急に低減する必要がある圧力)以上になったときのリリーフ弁20aの状態を示している。
図4に示すように、リリーフ弁20aは、ケース22,ばね支持体40,コイルばね36,ゴム弁32を備えている。ばね支持体40は、突出部26及びフランジ部28が設けられている位置に対抗する位置のケース壁22a(連通孔38が設けられているケース壁)に固定されている。ばね支持体40のサイズは、連通孔38のサイズより大きい。また、ばね支持体40には貫通孔42が設けられている。貫通孔42のサイズは、連通孔38のサイズより小さく、コイルばね36の径36Rより小さい。そのため、連通孔38のサイズと径36Rの関係に関わらず(連通孔38のサイズが径36Rより大きくても)、コイルばね36をケース22内に固定することができる。なお、貫通孔42によって、ケース内空間34と連通孔38が連通している。
コイルばね36は、圧縮された状態で、一端がばね支持体40に接し、他端がゴム弁32に接している。そのため、コイルばね36は、ゴム弁32に対して圧力(付勢力)を与えている。コイルばね36は、ゴム弁32の中央部32c(突出部26の連通孔24の開口を塞いでいる部分)に接している。すなわち、コイルばね36の径36Rは、連通孔24の径24Rより小さい。
ゴム弁32の端部32eは、弁座面30に接している。上記したように、ゴム弁32は、コイルばね36に付勢され、弁座面30に押し付けられている。ゴム弁32は、連通孔24の開口を一巡する範囲で、弁座面30に接触している。ゴム弁32は、配管2内の流体が配管2外(ケース内空間34)に漏れることを防止している。すなわち、配管2内の圧力が第1所定圧力未満の場合、配管2内の圧力が維持される。
図5に示すように、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になると、ゴム弁32に対して矢印10方向に加わる圧力が増加し、ゴム弁32の端部32eが変形(弾性変形)し、弁座面30から離れる。その結果、ゴム弁32と弁座面30に隙間が形成され、配管2内の流体がケース内空間34に移動し(矢印11)、連通孔38からリリーフ弁20aの外部に排出される(矢印12)。なお、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になった直後は、端部32eの周方向の一部が弁座面30から離れる。すなわち、連通孔24の開口を一巡する範囲の一部において、ゴム弁32と弁座面30が非接触となる。配管2内の圧力が上昇するに従って、ゴム弁32と弁座面30が非接触となる範囲が広くなり、流体の流路が広がる。また、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になっても、コイルばね36は変形しない(縮まない)。そのため、連通孔24の開口の中央部分はゴム弁32に覆われており、流体の経路はゴム弁32と弁座面30に隙間に限定される。
図6に示すように、配管2内の圧力が第2所定圧力以上になると、ゴム弁32に対して矢印10方向に加わる圧力がさらに増加する。その結果、ゴム弁32全体が、コイルばね36の付勢力に抗して、弁座面30から離れる方向に移動する。すなわち、コイルばね36が変形し(縮み)、連通孔24の開口が完全に開き、流体の流路が拡大する。配管2内の流体がケース内空間34に速やかに移動し、配管2内の圧力が速やかに低減する。
上記したように、リリーフ弁20aは、配管2内の圧力が第1所定圧力未満のときは、配管2内の圧力を維持する。配管2内の圧力が第1所定圧力以上第2所定圧力未満のときは、配管2内の圧力上昇に応じて、リリーフ弁20aの開度(ゴム弁32と弁座面30の隙間)が連続的に大きくなる。そして、配管2内の圧力が第2所定圧力以上になったときは、リリーフ弁20aが全開する(連通孔24の開口が完全に開く)。すなわち、第2所定圧力の前後で、リリーフ弁20aの開度を非連続に変化させる。リリーフ弁20aは、配管2内の圧力が異常に上昇したときに、配管2内の圧力を速やかに低減させることができる。
(第2実施例)
図7を参照し、リリーフ弁120について説明する。リリーフ弁120は、弁体の構造がリリーフ弁20aと異なる。リリーフ弁120では、金属ブロック46とゴム弁32によって弁体48が構成されている。金属ブロック46は第1部材の一例であり、ゴム弁32は第2部材の一例である。金属ブロック46は、コイルばね136とゴム弁32の間に介在している。金属ブロック46は、表裏面(コイルばね36側の表面46aとゴム弁32側の裏面46b)のサイズが異なる。なお、表面46a及び裏面46bは円形である。すなわち、表面46aの径が、裏面46bの径46R(連通孔側端面のサイズ)より大きい。また、径46Rは、連通孔38の径24Rより小さい。
図7を参照し、リリーフ弁120について説明する。リリーフ弁120は、弁体の構造がリリーフ弁20aと異なる。リリーフ弁120では、金属ブロック46とゴム弁32によって弁体48が構成されている。金属ブロック46は第1部材の一例であり、ゴム弁32は第2部材の一例である。金属ブロック46は、コイルばね136とゴム弁32の間に介在している。金属ブロック46は、表裏面(コイルばね36側の表面46aとゴム弁32側の裏面46b)のサイズが異なる。なお、表面46a及び裏面46bは円形である。すなわち、表面46aの径が、裏面46bの径46R(連通孔側端面のサイズ)より大きい。また、径46Rは、連通孔38の径24Rより小さい。
リリーフ弁120は、配管2内の圧力が弁体48(ゴム弁32)に加わったときに、ゴム弁32の中央部32cが変形することを抑制することができる。すなわち、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になったときに、ゴム弁32の端部32eのみが変形する。ゴム弁32が変形する部分を特定位置に制限することにより、配管2内の圧力に対する流路サイズを制御し易い。また、コイルばね136の径と連通孔24の径24Rの関係に関わらず(コイルばね136の径が径24Rより大きくても)、ゴム弁32の端部32eの変形が妨げられることを防止することができる。リリーフ弁120の作動形態は、リリーフ弁20aと同様のため、説明を省略する。
(第3実施例)
図8及び図9を参照し、リリーフ弁220について説明する。図8に示すように、リリーフ弁220は、金属ブロック246とゴム弁232が一体となって弁体248を構成している。図9に示すように、弁体248は、金属ブロック246を、貫通孔232aを有するリング状のゴム弁232に嵌めることにより形成することができる。
図8及び図9を参照し、リリーフ弁220について説明する。図8に示すように、リリーフ弁220は、金属ブロック246とゴム弁232が一体となって弁体248を構成している。図9に示すように、弁体248は、金属ブロック246を、貫通孔232aを有するリング状のゴム弁232に嵌めることにより形成することができる。
図8から明らかなように、リリーフ弁220では、ゴム弁232は、ほぼ弁体248の端部(弁座面30と接触する部分)のみに位置する。配管2内の圧力が上昇したときに弁体248の中央部が変形することを確実に防止することができ、配管2内の圧力に対する流体の流路サイズをさらに制御し易くなる。リリーフ弁220の作動形態は、リリーフ弁20a,120と同様のため、説明を省略する。
(第4実施例)
図10から図13を参照し、リリーフ弁320について説明する。図10に示すように、リリーフ弁320は、金属ブロック346とゴム弁332が一体となって弁体348を構成しているという点において、リリーフ弁220(図8も参照)と共通する。しかしながら、リリーフ弁320では、ゴム弁332の端部(弁座面30と接触する部分)の厚み(弁座面に直交する方向の厚み)が、周方向(連通孔24の開口を一巡する方向)において不均一である。図13に示すように、ゴム弁332は、中央部332cの厚みは均一であり、端部332eの厚みは周方向で連続的に変化している。すなわち、ゴム弁332の端部332eは、周方向において強度(変形のし易さ)が異なる。
図10から図13を参照し、リリーフ弁320について説明する。図10に示すように、リリーフ弁320は、金属ブロック346とゴム弁332が一体となって弁体348を構成しているという点において、リリーフ弁220(図8も参照)と共通する。しかしながら、リリーフ弁320では、ゴム弁332の端部(弁座面30と接触する部分)の厚み(弁座面に直交する方向の厚み)が、周方向(連通孔24の開口を一巡する方向)において不均一である。図13に示すように、ゴム弁332は、中央部332cの厚みは均一であり、端部332eの厚みは周方向で連続的に変化している。すなわち、ゴム弁332の端部332eは、周方向において強度(変形のし易さ)が異なる。
図11及び図12に示すように、リリーフ弁320では、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になったときに、まず、端部332eの厚みが薄い部分が変形する(図11)。その結果、ゴム弁332周方向の一部において、ゴム弁332(端部332e)と弁座面30に隙間が形成され、配管2内の流体がケース内空間34に移動する(矢印11)。配管2内の圧力がさらに上昇すると、端部332eの厚みが薄い部分に加え、厚みが厚い部分も変形する(図12)。ゴム弁332周方向において、ゴム弁332と弁座面30に隙間が形成される範囲が広がり、流体の流路がさらに広がる(矢印11)。このように、リリーフ弁320では、端部332eの強度を変化させる(不均一にする)ことにより、配管2内の圧力に応じて流体の流路サイズの制御を容易に行うことができる。なお、配管2内の圧力が第2所定圧力以上になると、コイルばね36が変形し(縮み)、連通孔24の開口が完全に開く。
上記第1〜第4実施例のリリーフ弁は、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になったときにゴム弁の端部が変形してゴム弁と弁座面に隙間(流体の流路)が形成され、配管2内の圧力が第2所定圧力以上になったときにコイルばねが収縮して連通孔24の開口を完全に開くという点で共通している。以下に説明する実施例のリリーフ弁は、ゴム弁の端部が変形することを必要としない点で、第1〜第4実施例のリリーフ弁と相違する。
(第5実施例)
図14から図16を参照し、リリーフ弁420について説明する。図14に示すように、リリーフ弁420では、金属ブロック446とゴムブロック50によって連通孔24の開口を塞いでいる。金属ブロック446は、弁体の一例である。ゴムブロック50の中央には貫通孔52が設けられている。ゴムブロック50の外径は、連通孔24の径24Rより僅かに大きい。ゴムブロック50は、連通孔24に圧入されている。すなわち、ゴムブロック50は、圧縮された状態で連通孔24内に挿入されており、ゴムブロック50自体の反力によって連通孔24内に保持されている。ゴムブロック50は、圧入部材の一例である。
図14から図16を参照し、リリーフ弁420について説明する。図14に示すように、リリーフ弁420では、金属ブロック446とゴムブロック50によって連通孔24の開口を塞いでいる。金属ブロック446は、弁体の一例である。ゴムブロック50の中央には貫通孔52が設けられている。ゴムブロック50の外径は、連通孔24の径24Rより僅かに大きい。ゴムブロック50は、連通孔24に圧入されている。すなわち、ゴムブロック50は、圧縮された状態で連通孔24内に挿入されており、ゴムブロック50自体の反力によって連通孔24内に保持されている。ゴムブロック50は、圧入部材の一例である。
金属ブロック446は、コイルばね36とゴムブロック50の間に介在している。コイルばね36は、金属ブロック446に付勢力を加え、金属ブロック446をゴムブロック50に押し付けている。金属ブロック446によって貫通孔52が塞がれている。リリーフ弁420では、配管2内の圧力が第1所定圧力未満のときは、金属ブロック44とゴムブロック50によって連通孔24が塞がれ、配管2内の圧力が維持される(流体がケース内空間34に移動しない)。
図15に示すように、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になると、金属ブロック446がコイルばね36の付勢力に抗して、ゴムブロック50から離れる方向に移動する。すなわち、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になると、コイルばね36が縮む。その結果、貫通孔52によって連通孔24とケース内空間34が連通し、矢印11,12に示すように、配管2内の流体がケース内空間34を通過して連通孔38から排出される。
図16に示すように、配管2内の圧力が第2所定圧力以上になると、ゴムブロック50に加わる力によって、ゴムブロック50がケース内空間34に向けて矢印55方向に移動する。その結果、連通孔24の開口が完全に開き、配管2内の圧力が速やかに低減する。すなわち、第2所定圧力の前後で、流体の流路サイズが非連続に変化する。リリーフ弁420は、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になったときに、ゴムブロック50の変形を利用することなく、金属ブロック446からコイルばね36力が加わり、コイルばね36が縮むことによって流体の流路が確保される。そのため、コイルばね36の付勢力を調整するだけでリリーフ弁420の作動開始圧力を制御することができ、配管2内の圧力変化に対する応答性を制御し易い。
(第6実施例)
図17及び図18を参照し、リリーフ弁520について説明する。図17に示すように、リリーフ弁520では、ゴムブロック54によって連通孔24の開口を塞いでいる。詳細は後述するが、ゴムブロック54の中央には貫通孔56が設けられている。図17は、貫通孔56が閉じた状態を示している。ゴムブロック54の外径は、連通孔24の径24Rより僅かに大きい。ゴムブロック54は、連通孔24に圧入されている。ゴムブロック54は、圧入部材の一例である。ゴムブロック54は、貫通孔56が閉じるまで圧縮された状態で連通孔24内に挿入されており、ゴムブロック54自体の反力によって連通孔24内に保持されている。また、貫通孔56のケース22外側(内部空間6に面する側)には傾斜部58が設けられている。そのため、貫通孔56のケース22外側の断面積は、ケース22内側の断面積より大きい。なお、傾斜部58は、貫通孔56の中間部分からケース22の外側の開口まで設けられており、貫通孔56の断面積は、ケース22外側の開口に向けて連続的に増加している。傾斜部58は、開口断面積増加部の一例である。
図17及び図18を参照し、リリーフ弁520について説明する。図17に示すように、リリーフ弁520では、ゴムブロック54によって連通孔24の開口を塞いでいる。詳細は後述するが、ゴムブロック54の中央には貫通孔56が設けられている。図17は、貫通孔56が閉じた状態を示している。ゴムブロック54の外径は、連通孔24の径24Rより僅かに大きい。ゴムブロック54は、連通孔24に圧入されている。ゴムブロック54は、圧入部材の一例である。ゴムブロック54は、貫通孔56が閉じるまで圧縮された状態で連通孔24内に挿入されており、ゴムブロック54自体の反力によって連通孔24内に保持されている。また、貫通孔56のケース22外側(内部空間6に面する側)には傾斜部58が設けられている。そのため、貫通孔56のケース22外側の断面積は、ケース22内側の断面積より大きい。なお、傾斜部58は、貫通孔56の中間部分からケース22の外側の開口まで設けられており、貫通孔56の断面積は、ケース22外側の開口に向けて連続的に増加している。傾斜部58は、開口断面積増加部の一例である。
図18に示すように、ゴムブロック54は、内部空間6の圧力に応じて、(a)〜(d)に示すように形状が変化する。形状(a)は、配管2内の圧力が第1所定圧力未満(正常状態)のときのゴムブロック54を示している。図18に示すように、貫通孔56が閉じており、配管2内の圧力が維持される。形状(b)は、配管2内の圧力が第1所定圧力以上になったときのゴムブロック54を示している。配管2内の圧力が第1所定圧力以上になると、ゴムブロック54の圧縮力(貫通孔56を閉じる力)に抗し、貫通孔56が開く。なお、上記したように、貫通孔56のケース22外側に傾斜部58が設けられている。そのため、配管2内の圧力は傾斜部58に集中し易く、配管2内の圧力上昇に伴って貫通孔56が開きやすい。配管2内の圧力がさらに上昇すると、形状(c)のように貫通孔56のサイズ(貫通孔56が伸びる方向に直交する面の断面積)がさらに大きくなる。また、配管2内の圧力が第2所定圧力以上になると、ゴムブロック54の反力(ゴムブロック54を連通孔24内に保持する力)に抗して、ゴムブロック54がケース内空間34に向けて移動する。その結果、連通孔24の開口が完全に開き、配管2内の圧力が速やかに低減する。すなわち、第2所定圧力の前後で、流体の流路サイズが非連続に変化する。
リリーフ弁520は、ゴムブロック54単体で、流体の流路サイズを非連続に変化させることができる。換言すると、リリーフ弁520は、実施例1〜5のリリーフ弁よりも、部品数を少なくすることができる。
(他の実施形態)
第1実施例では、貫通孔42のサイズが連通孔38及びコイルばね36の径より小さいばね支持体40について説明した。しかしながら、ばね支持体は、ケース内空間34と連通孔38が連通し、コイルばね36を支持できるものであれば、ばね支持体40に限定されない。例えば、ばね支持体は、メッシュ状の平板(パンチングメタル等)であってもよい。
第1実施例では、貫通孔42のサイズが連通孔38及びコイルばね36の径より小さいばね支持体40について説明した。しかしながら、ばね支持体は、ケース内空間34と連通孔38が連通し、コイルばね36を支持できるものであれば、ばね支持体40に限定されない。例えば、ばね支持体は、メッシュ状の平板(パンチングメタル等)であってもよい。
第2,第3,第4実施例の金属ブロック(第1部材)は、ゴム弁(第2部材)より剛性が高い材料であればよく、例えば、セラミックス、樹脂等であってもよい。
第4実施例では、ゴム弁332の端部332eの厚みが連続的に変化する例について説明した。しかしながら、ゴム弁は、端部の厚みが周方向で不均一であればよく、例えば、端部を周方向にn分割(第1〜第n範囲)したときに、第1範囲は第1厚さで均一であり、第2範囲は第2厚さで均一であり、・・第n範囲は第n厚さで均一であってよい。
第5実施例の金属ブロック(弁体)446は、ゴムブロック50に設けられた貫通孔52を塞ぐことが可能であればよく、例えば、セラミックス、樹脂、あるいは、ゴムブロックと同じ材料で形成されていてもよい。
第6実施例では、開口断面積増加部の一例として、貫通孔56の断面積がケース22外側の開口に向けて連続的に増加する傾斜部58について説明した。しかしながら、開口断面積増加部は、ケース外側の開口の断面積がケース内側の開口の断面積より大きく、ケース外側の開口に向けて断面積が増加していればよく、例えば、開口の断面積が階段状に非連続的に増加していてもよい。
第5,第6実施例では、圧入部材としてゴムブロックを用いる例について説明した。圧入部材は、連通孔に圧入したときに、自身の反力で連通孔内に保持される材料であればよく、例えば、発泡高分子材料等であってもよい。また、第5実施例において、第6実施例と同様に、貫通孔のケース外側に傾斜部(開口断面積増加部)を設けてもよい。
また、実施例では、貫通孔、連通孔、弁体、圧入部材が円形である例について説明した。しかしながら、貫通孔、連通孔、弁体、圧入部材は、多角形、あるいは、楕円形であってもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:配管
20:リリーフ弁
22:ケース
24,38:連通孔
30:弁座面
32:弁体
36:付勢部材
20:リリーフ弁
22:ケース
24,38:連通孔
30:弁座面
32:弁体
36:付勢部材
Claims (6)
- 流体が通過する配管に取り付けられ、配管内の圧力上昇を抑制するためのリリーフ弁であって、
ケース外とケース内を連通する2個の連通孔を有するケースと、
ケース内に固定されている付勢部材と、
ケース内に配置されており、付勢部材によって付勢されて2個の連通孔のうちの第1連通孔の開口を塞ぐ弁体と、
を備えており、
配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力未満のときは、弁体は、付勢部材によってケースに付勢された状態で、前記開口の周囲の弁座面に前記開口を一巡して接触しており、
配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力以上になったときは、弁体の少なくとも一部が、付勢部材によってケースに付勢された状態で弾性変形し、前記開口を一巡する範囲において少なくとも一部が弁座面と非接触になり、
配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力より大きい第2所定圧力以上になったときは、弁体は、付勢部材の付勢力に抗して弁座面から離反するリリーフ弁。 - 請求項1に記載のリリーフ弁であって、
弁体は、付勢部材と接触するとともに第1連通孔側端面のサイズが前記開口より小さい第1部材と、弁座面に接触するとともに第1部材より剛性が低い第2部材と、を備えているリリーフ弁。 - 請求項2に記載のリリーフ弁であって、
第2部材の弁座面と接触する部分の弁座面に直交する方向の厚みが、前記開口を一巡する方向において不均一であるリリーフ弁。 - 流体が通過する配管に取り付けられ、配管内の圧力上昇を抑制するためのリリーフ弁であって、
ケース外とケース内を連通する2個の連通孔を有するケースと、
2個の連通孔のうちの第1連通孔に圧入されているとともに、第1連通孔に沿って伸びる貫通孔を有する圧入部材と、
を備えており、
配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力未満のときは、前記貫通孔は封止されており、
配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力以上になったときは、前記貫通孔によって配管内とケース内が連通し、
配管にリリーフ弁を取り付けた状態において配管内の圧力が第1所定圧力より大きい第2所定圧力以上になったときは、圧入部材がケース内に向けて移動するリリーフ弁。 - 請求項4に記載のリリーフ弁であって、
前記貫通孔は、ケース外側の開口の断面積がケース内側の開口の断面積より大きく、ケース外側の開口に向けて断面積が増加する開口断面積増加部を備えているリリーフ弁。 - 請求項4または5に記載のリリーフ弁であって、
さらに、ケース内に固定されている付勢部材と、
ケース内に配置されているとともに付勢部材によって付勢されて第1連通孔の開口を塞ぐ弁体と、
を備えており、
配管内の圧力が第1所定圧力未満のときは、弁体は、付勢部材によって圧入部材に付勢されて前記貫通孔を塞ぎ、
配管内の圧力が第1所定圧力以上になったときは、弁体は、付勢部材の付勢力に抗して圧入部材から離反し、
配管内の圧力が第2所定圧力以上になったときは、圧入部材がケース内に向けて移動するリリーフ弁。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021103464A (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-15 | 櫻護謨株式会社 | 減圧弁 |
JP2022018110A (ja) * | 2020-07-14 | 2022-01-26 | ▲東▼莞▲東▼▲陽▼光科研▲発▼有限公司 | 圧力解放弁およびそれを備えた電解コンデンサ |
-
2018
- 2018-09-12 JP JP2018170887A patent/JP2020041643A/ja active Pending
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