[1.遊技機の構成]
[1−1.外観構成]
まず、図1〜図8を用いて、パチンコ遊技機1の外観について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す斜視図の一例である。図2は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す分解斜視図の一例である。図3は、操作ボタン群の一例を模式的に示す図である。図4は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図の一例である。図5は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。図6は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観斜視図を示す一例である。図7は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットを前方右斜め上から見た分解斜視図を示す一例である。図8は、第1及び第2特別図柄表示部を含むLEDユニットを示す正面図の一例である。また、図面に示されている方向は、正面視における方向である。したがって、例えば図面右方向に「左」と記載されているのは、当該図面が背面図であるため、図面上の「右」が正面視における「左」となる。同様に、図面左方向に「右」と記載されているものも、同様の理由により図面上の「左」が正面視における「右」となる。
なお、以下の説明では、特に説明がない限り、パチンコ遊技機1を遊技者から見て、手前側を前側とし、奥側を後側として、前後方向を規定する。また、パチンコ遊技機1を遊技者から見て、左手側を左側とし、右手側を右側として、左右方向を規定する。さらに、正面とは遊技者側から見た場合に視認できる側の面であり、背面とは遊技者の反対側から見た場合に視認できる側の面である。
図1、図2および図4〜図7に示すように、パチンコ遊技機1は、木枠11、ベースドア12、ガラスドア13、皿ユニット14、発射装置15、液晶表示装置16、遊技盤ユニット17、払出ユニット18、及び、基板ユニット19を具備する。
木枠11は、正面視略矩形状の枠体である。木枠11には、前後方向に貫通する開口21が設けられる。木枠11の開口21には、ベースドア12が嵌め込まれる。ベースドア12は、各種の部材を支持するものである。具体的には、ベースドア12は、裏面側に払出ユニット18及び基板ユニット19を支持すると共に、表面側にガラスドア13や、皿ユニット14、発射装置15、液晶表示装置16及び遊技盤ユニット17を支持する。
ガラスドア13は、ベースドア12に対して開閉自在に軸着されるものである。ガラスドア13には、開口22、操作ボタン群66が設けられる。ガラスドア13の開口22には、透過性を有する保護ガラス23が配設される。保護ガラス23は、ガラスドア13がベースドア12に対して閉鎖された状態で後述する遊技盤ユニット17と前後方向に対向するように配置される。また、ガラスドア13の上部には、スピーカ24及びLED25が配設される。スピーカ24は、例えば音声での告知や、演出、エラー報知等を行うものである。LED25は、例えば光での告知や、演出等を行う演出用の発光手段であり、発光演出を実行できればLEDに限られず、例えばランプ等であってもよい。
図3に示すように、操作ボタン群66は、メインボタン662とセレクトボタン664とを有する。セレクトボタン664は、上セレクトボタン664a、下セレクトボタン664b、左セレクトボタン664cおよび右セレクトボタン664dを有する。以下において、セレクトボタン664と称するときは、上下左右セレクトボタン664a〜664dの総称を意味する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、メインボタン662およびセレクトボタン664のうち少なくともいずれか一方または両方を用いて、後述するガイドメニュー画面やホールメニュー画面等で操作を行うことができる。なお、操作ボタン群66を設ける位置は、ガラスドア13に限られず、皿ユニット14、例えば上皿26上等に設けてもよい。
皿ユニット14は、上皿26及び下皿27を一体化したユニット体である。皿ユニット14は、ベースドア12の前下部であって、ガラスドア13の下方に配置される。
上皿26は、遊技球を貯留するものであって、上皿26に貯留される遊技球は、発射装置15から後述する遊技領域20に向けて発射される。上皿26には、払出口61及び演出ボタン62が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口61から上皿26に払い出される。演出ボタン62は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン62は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば後述する特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて上方に突出するような機能が相当する。
下皿27は、主に上皿26から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿27には、払出口63が設けられる。上皿26から溢れた遊技球は、払出口63から下皿27に払い出される。
発射装置15は、上皿26に貯留された遊技球を、遊技領域20に向けて発射するためのものである。発射装置15は、ベースドア12の前右下部であって、皿ユニット14の右下方に配置される。発射装置15は、パネル体31、駆動装置(不図示)及び発射ハンドル32を具備する。
パネル体31は、発射装置15において皿ユニット14の右下部と一体化されるものである。発射ハンドル32は、パネル体31の表面側に配置される。前記駆動装置は、パネル体31の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。こうして、発射装置15において、遊技者によって発射ハンドル32が操作されると、操作に応じた前記駆動装置の動作により遊技球が発射される。
液晶表示装置16は、特別図柄の大当り判定(以下、特別図柄の大当り判定を単に「大当り判定」と称することもある)の結果や、遊技に関する各種の演出画像を表示するものである。演出表示装置16の表示領域に表示される前記各種の演出画像には、例えば演出用識別図柄(装飾図柄)や、大当り判定の結果に応じた演出画像、大当り中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の変動表示(可変表示)の保留数等が含まれる。液晶表示装置16(より詳細には、液晶表示装置16の表示領域)は、遊技盤ユニット17の略中央(後述するセンターレール1742の内周側)に配置される。
なお、本実施形態では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの液晶表示装置16を備えているが、二つの液晶表示装置を設けて、当該二つの液晶表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
また、図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御回路100(後述する図9参照)を有する主制御基板30と、サブ制御回路200(後述する図9参照)を有するサブ制御基板40と、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路300(後述する図9参照)を有する払出・発射制御基板50と、電源を供給する電源供給回路338(後述する図9参照)を有する電源供給ユニット60と、電源スイッチ35と、バックアップクリアスイッチ330(後述する図9参照)とがそれぞれ設けられている。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、パチンコゲームにかかわる各種データが異なる複数の設定値(本実施形態では「1」〜「6」の6段階)が設けられている。設定「6」が遊技者に最も有利であり、設定値の値が小さくなるにつれて遊技者にとっての有利度も段階的に低くなる。
主制御基板30を収容する主基板ケース内には、設定値を変更する際に操作される設定スイッチ332、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー328、性能表示モニタ334およびエラー報知モニタ336(いずれも後述の図9参照)が収容されている。性能表示モニタ334には、例えば後述する性能表示データや設定値が表示される。エラー報知モニタ336には、例えば後述するエラーコード等が表示される。なお、設定スイッチ332および設定キー328が主制御基板ケース内に収容されているのは、セキュリティ面を考慮して、パチンコ遊技機1の管理責任者(以下、「遊技機管理責任者」と称する)以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ332や設定キー328に容易にアクセスできないようにするためである。尚主基板ケース内とは、正に主基板ケースを開放しないと設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできないものに加え、主基板ケースの設定スイッチ332および設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機1を設置している島設備から当該パチンコ遊技機1を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできるようにされているものも含む。
遊技盤ユニット17は、保護ガラス23の後方に位置するように、ベースドア12の前方に配置される。遊技盤ユニット17の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域20が形成される。
図5〜図7に示すように、遊技盤ユニット17は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域20が形成される透明パネル172と、遊技領域20の略中央部に配置されるセンターユニット174と、普通電動役物ユニット400と、アタッカユニット500と、通過ゲート49と、裏ユニット176とを備える。センターユニット174、普通電動役物ユニット400、アタッカユニット500、及び通過ゲート49は、透明パネル172の前方側に設けられる。裏ユニット176は、遊技盤ユニット17を装飾するものであって、透明パネル172の後方側に設けられる。この裏ユニット176は、液晶表示装置16の表示領域の上部に配置される上部役物1000等(図7参照)の各役物を備える。これらの各役物1000は、特別抽選の結果にもとづいて動作可能な演出役物として機能する。
透明パネル172には、後述する液晶表示装置16の表示領域が配置される部位に開口1722が形成されている。図5及び図7に示すように、透明パネル172の前面には、ガイドレール26が設けられるとともに遊技釘29等が植設されている。発射装置15から発射された遊技球は、ガイドレール26から遊技領域20に向けて飛び出し、遊技釘29等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域20の下方に向けて流下する。
ガイドレール26は、2つのレール状の部材(以下では、「外レール26a」及び「内レール26b」と称する。)により構成される。遊技領域20は、ガイドレール26によって区画(画定)される。内レール26bは、外レール26aと共に、発射された遊技球を遊技領域20の上部に案内するためのものである。内レール26bは、透明パネル172の左側において外レール26aの内側に配置される。
センターユニット174は、透明パネル172の開口1722の上方(液晶表示装置16の表示領域の上方)にセンターレール1742を備えており、正面視で円弧状に形成されている。センターレール1742は、遊技領域20の上部に配置されており、遊技領域20における遊技球の流下領域を、当該センターレール1742の左右に区分けするものである。
発射装置15によって発射された遊技球は、センターレール1742の左右に区分けされて遊技領域20を流下し、遊技領域20を流下する遊技球は、遊技盤ユニット17(詳しくは透明パネル172)に植設された遊技釘29等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射された遊技球は、発射ハンドル52の操作量に応じて流下領域が振り分けられる。具体的には、発射ハンドル52の操作量が小さい場合、発射された遊技球はセンターレール1742の左側領域を流下する。一方、発射ハンドル52の操作量が大きい場合、発射された遊技球はセンターレール1742の右側領域を流下する。なお、センターレール1742の左側領域に遊技球を流下させる打ち方は所謂「左打ち」と呼ばれ、センターレール1742の右側領域に遊技球を流下させる打ち方は所謂「右打ち」と呼ばれ、遊技者によって打ち分け可能とされている。
アタッカユニット500は、第1始動口420、大入賞口540及び特別電動役物600を一体化したユニット体である。アタッカユニット500は、遊技領域20内の略右下部であって、通過ゲート49の下方に配置される。
大入賞口540は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態の場合に開放可能な部分である。大入賞口540には、カウントスイッチ541が配設される(図9参照)。大入賞口540に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球がカウントスイッチ541に検知される。カウントスイッチ541に遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26(又は、払出口63から下皿27)に払い出される。
特別電動役物600は、前後方向に進退可能なシャッタ610、及び当該シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620(図9参照)を具備する。特別電動役物600は、大入賞口540の上方に配置される。特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド620によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物600(シャッタ610)による開放駆動は、第1始動口420又は後述する第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われる大当り判定の結果に基づいて、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。なお、第1始動口420又は後述する第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われる大当り判定の結果は、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74において、特別図柄の停止表示態様によって示される。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、第1特別図柄および第2特別図柄の両方を意味するものとする。ただし、本実施形態では特別図柄の数が2つ(第1特別図柄、第2特別図柄)であるが、特別図柄の数は1つであっても良い。
第1始動口420は、遊技球の入賞(通過)を条件に大当り判定の契機を与えると共に、大当り判定の結果を、液晶表示装置16や、後述する第1特別図柄表示部73に表示させる契機を与えるものである。第1始動口420には、第1始動口スイッチ421が配設される(図9参照)。第1始動口420に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が第1始動口スイッチ421に検知される。第1始動口スイッチ421に遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図9に示すメインCPU101)において大当り判定が行われると共に、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26に又は払出口63から下皿27に払い出される(排出される)。なお、第1始動口420への遊技球の入賞は、左打ちによって行われる。
普通電動役物ユニット400は、第2始動口440、アウト口450及び普通電動役物460を一体化したユニット体である。普通電動役物ユニット400は、遊技領域20の略左下部に配置される。第2始動口440とアウト口450とは互いに隣接して配置されており、第2始動口440が正面視で右側に、アウト口450が正面視で左側に配置されている。従来、普通電動役物ユニット400は例えば第1始動口420の下方に配置されるものが多かった。しかし、近年、液晶表示装置16をより大型化することが要求されており、第1始動口420の下方に配置することが困難となっている。そこで本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域20の略左下部に普通電動役物ユニット400を配置するようにしている。
第2始動口440は、遊技球の入賞(通過)を条件に大当り判定の契機を与えると共に、大当り判定の結果を、液晶表示装置16や、後述する第2特別図柄表示部74に表示させる契機を与えるものである。第2始動口440には、第2始動口スイッチ441が配設される(図9参照)。第2始動口440に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が第2始動口スイッチ441に検知される。第2始動口スイッチ441に遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図9に示すメインCPU101)において大当り判定が行われると共に、予め設定された数の遊技球が、払出口61から上皿に又は払出口63から下皿27に払い出される(排出される)。第2始動口440は、普通電動役物460によって入賞困難性が決定される。なお、第2始動口440への遊技球の入賞は、原則として右打ちによって行われる。
普通電動役物460は、右方向に回動可能な羽根部材4620、始動口ソレノイド4630(例えば、図9参照)及び当該始動口ソレノイド4630の動力を羽根部材4620に伝達する動力伝達機構(不図示)を具備する。普通電動役物460は、始動口ソレノイド4630により羽根部材4620が駆動されることによって、遊技球の通過が容易な開放状態と遊技球の通過が困難な閉鎖状態との間で移行(駆動)可能に構成される。羽根部材4620が駆動されているときに当該羽根部材4620の上方を遊技球が通過すると、当該遊技球は、第2始動口440に入賞するか、アウト口450からパチンコ遊技機1の外部に排出される。普通電動役物460(羽根部材4620)による開閉駆動は、普通図柄表示部71において普通図柄が特定の停止表示態様となった場合に、所定の期間及び回数だけ行われる。
通過ゲート49は、遊技球の入賞(通過)を条件に普通図柄判定の契機を与えるものである。通過ゲート49は、センターユニット174の下方右側であって、アタッカユニット500の上方右側に配置される。通過ゲート49には、通過ゲートスイッチ49aが配設される(図9参照)。通過ゲート49に遊技球が通過すると、当該通過した遊技球が通過ゲートスイッチ49aに検知される。通過ゲートスイッチ49aに遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図2に示すメインCPU101)において普通図柄判定が行われる。なお、通過ゲート49への遊技球の通過は、右打ちによって行われる。
アタッカユニット500は、第1始動口420、大入賞口540及び特別電動役物600を一体化したユニット体である。アタッカユニット500は、遊技領域20の略右下部に配置される。アタッカユニット500が遊技領域20の略右下部に配置されるのは、近年、液晶表示装置16をより大型化することが要求されており、アタッカユニット500等の各種部材を遊技領域20に配置するには、かかる大型化された液晶表示装置16を回避する必要があるためである。
大入賞口540は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態の場合に開放可能な部分である。大入賞口540には、カウントスイッチ541が配設される(図9参照)。大入賞口540に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球がカウントスイッチ541に検知される。カウントスイッチ541に遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26(又は、払出口63から下皿27)に払い出される(排出される)。
特別電動役物600は、前後方向に進退可能なシャッタ610、及び当該シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620(図9参照)を具備する。特別電動役物600は、大入賞口540の上方に配置される。特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド620によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物600(シャッタ610)による開放駆動は、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
一般入賞口53・54・55は遊技盤ユニット17の左下部に配置され、一般入賞口56は遊技盤ユニット17の右下部に配置される。また、一般入賞口53・54・55・56には、一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aが配設される(図9参照)。一般入賞口53・54・55・56に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aに検知される。一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aに遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26(又は、払出口63から下皿27)に払い出される(排出される)。
なお、本実施形態においては、第1始動口420及び第2始動口440の賞球数は3個、一般入賞口53・54・55・56の賞球数は10個、大入賞口540の賞球数は15個にそれぞれ設定されている。この値(賞球数)は、任意に設計変更可能である。
アウト口57は、遊技領域20の中央最下部(遊技球の流下方向における最下流位置)に配置される。アウト口57は、発射された遊技球が、いずれの始動口や入賞口にも入賞しなかった場合に、最終的に流入される。
LEDユニット70は、遊技盤ユニット17の右下部であって、ガイドレール41の外側に配置される(図5、図6参照)。LEDユニット70は、各種の表示部を一体化したユニット体である。具体的には、LEDユニット70は、前記各種の表示部として、普通図柄表示部71、普通図柄用保留表示部72、第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74、第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76を具備する。
普通図柄表示部71は、普通図柄ゲームに対する判定(普通図柄判定)の結果を表示するものである。ここで、普通図柄ゲームとは、判定(普通図柄判定)の結果によって普通電動役物460を駆動して開放状態とするか否かを決定するゲームを指す。普通図柄表示部71は、表示LED71a・71bを具備する。表示LED71a・71bは、変動表示(可変表示)の開始条件が成立すると、交互に点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED71a・71bの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、普通図柄として表示される。表示LED71a・71bは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
判定(普通図柄判定)の結果が当り(以下「普通当り」と称する)である場合、表示LED71a・71bの点灯・消灯の組み合わせ(普通図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物460を開放状態とすることが決定し、普通電動役物460が所定のパターンで開閉駆動し、第2始動口440への遊技球の入賞困難性が変更される。
普通図柄用保留表示部72は、保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(以下、「普通図柄の変動表示の保留数」と称する)を表示するものである。普通図柄用保留表示部72は、表示LED72a・72bを具備する。普通図柄用保留表示部72は、表示LED72a・72bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の変動表示の保留数を表示する。例えば、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、表示LED72aが点灯すると共に、表示LED72bが消灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が2回分保留されている場合には、表示LED72aが点灯すると共に、表示LED72bが点灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が3回分保留されている場合には、表示LED72aが点滅すると共に、表示LED72bが点灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が4回分保留されている場合には、表示LED72aが点滅すると共に、表示LED72bが点滅する。
第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74は、特別図柄ゲームに対する判定(大当り判定)の結果を表示するものである。ここで、特別図柄ゲームとは、判定(大当り判定)の結果によって遊技状態の移行又は維持を決定するゲームを指す。
第1特別図柄表示部73は、8個のLEDからなる表示LED群73aを具備する。表示LED群73aは、第1始動口420への遊技球の入賞(始動入賞)を契機として変動表示を行うと共に、当該遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果を表示する。表示LED群73aは、変動表示の開始条件が成立すると、8個のLEDがそれぞれ点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED群73aにおいて、8個のLEDの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、特別図柄として表示される。表示LED群73aは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果が大当りである場合、表示LED群73aの8個のLEDの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、遊技状態の移行が決定し、シャッタ610が所定のパターンで開閉駆動し、大入賞口540に遊技球が入賞可能な遊技状態となる。なお、以下の説明では、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄表示部73に変動表示される特別図柄を、第1特別図柄と称する。
第2特別図柄表示部74は、8個のLEDからなる表示LED群74aを具備する。表示LED群74aは、第2始動口440への遊技球の入賞(始動入賞)を契機として変動表示を行うと共に、当該遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果を表示する。表示LED群74aは、変動表示の開始条件が成立すると、8個のLEDがそれぞれ点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED群74aにおいて、8個のLEDの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、特別図柄として表示される。表示LED群74aは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果が大当りである場合、表示LED群74aの8個のLEDの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、遊技状態の移行が決定し、シャッタ610が所定のパターンで開閉駆動し、大入賞口540に遊技球が入賞可能な遊技状態となる。なお、以下の説明では、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄表示部74に変動表示される特別図柄を、第2特別図柄と称する。
このように、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74の表示LED群73a・74aにおいて、第1又は第2特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、通常の遊技状態(通常遊技状態)から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態への移行が決定する。なお、本実施形態において、大当り判定は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当り判定と、第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当り判定と、が含まれる。すなわ+ち、大当り判定の結果が大当りである場合には、大入賞口540が開放されるラウンド遊技が所定ラウンド数にわたって実行される大当り遊技状態に移行される。
第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76は、保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(以下、「特別図柄の変動表示の保留数」と称する)を表示するものである。第1特別図柄用保留表示部75は、表示LED75a・75bを具備する。第2特別図柄用保留表示部76は、表示LED76a・76bを具備する。第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76は、表示LED75a・75b及び76a・76bの点灯・消灯によって特別図柄の変動表示の保留数を表示する。表示LED75a・75b及び76a・76bの点灯・消灯の表示態様は、普通図柄用保留表示部72の表示LED72a・72bと同様である。
[1−2.電気的構成]
次に、図9を用いて、パチンコ遊技機1の制御回路について説明する。
図9に示すように、パチンコ遊技機1は、主に、遊技の制御を行う主制御回路100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路200と、払出・発射制御回路300と、電源供給回路338と、から構成される。
主制御回路100は、メインCPU101、メインROM102(読み出し専用メモリ)及びメインRAM103(読み書き可能メモリ)等を具備しており、主基板ケース内に収容されている。
メインCPU101には、メインROM102や、メインRAM103等が接続される。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM102には、メインCPU101によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM103は、メインCPU101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有し、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能である。なお、本実施形態においては、メインCPU101の一時記憶領域としてメインRAM103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
メインRAM103には、特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される記憶領域が設けられる。具体的には、メインRAM103には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。また同様に、メインRAM103には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。
また、主制御回路100は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路104や、I/Oポート105、コマンド出力ポート106、バックアップコンデンサ107等を具備する。初期リセット回路104は、メインCPU101に接続される。I/Oポート105は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU101に送信したり、メインCPU101からの出力信号を各種の装置に送信したりするものである。コマンド出力ポート106は、メインCPU101からのコマンドをサブ制御回路200に送信するものである。バックアップコンデンサ107は、電断(電源OFF)時において、例えばメインRAM103に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM103に記憶されている各種データを保持するものである。
また、主制御回路100には、各種の装置(部材)が接続されている。
例えば、主制御回路100には、普通図柄表示部71や、普通図柄用保留表示部72、第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74、第1特別図柄用保留表示部75、第2特別図柄用保留表示部76、普通電動役物460の羽根部材4620を駆動する始動口ソレノイド4630、シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620等が接続されている。主制御回路100は、信号を送信することにより、これらの装置(部材)の動作を制御することができる。また、主制御回路100には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ700にデータ送信するために用いる外部端子板323が接続されている。
また、主制御回路100には、第1始動口スイッチ421や、第2始動口スイッチ441、通過ゲートスイッチ49a、カウントスイッチ541、一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56a、性能表示モニタ334等が接続されている。主制御回路100には、これらの部材で遊技球が検知された場合に、当該部材から所定の検知信号が供給される。また、主制御回路100には、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ330等が接続されている。
さらに、主制御回路100には、設定キー328および設定スイッチ332も接続されている。設定キー328は、後述の設定変更処理や設定確認処理を実行するための契機となる鍵または鍵に類するものである。設定スイッチ332は、押下操作可能であり、後述の設定変更処理の際に、セットされている設定値を変更するためのものである。上述したとおり、設定キー328および設定スイッチ332は、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が容易にアクセスできないように主基板ケース内に収容されている。
また、主制御回路100には、払出・発射制御回路300が接続されている。払出・発射制御回路300には、遊技球の払い出しを行う払出装置340や、遊技球の発射を行う発射装置15、カードユニット360等が接続されている。払出装置340は、払出ユニット18に設けられる。カードユニット360には、球貸し操作パネル370が接続され、当該球貸し操作パネル370への遊技者の操作に応じた信号が供給される。
払出・発射制御回路300は、主制御回路100から供給される賞球制御コマンドや、カードユニット360から供給される貸し球制御信号を受け取ると、払出装置340に対して所定の信号を送信し、払出装置340に遊技球を払い出させる制御を行う。また、払出・発射制御回路300は、発射ハンドル32が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらに、コマンド出力ポート106には、サブ制御回路200(コマンド入力ポート208)が接続されている。サブ制御回路200は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置16における表示制御や、スピーカ24から発生させる音声に関する制御、LED25の光に関する制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路100からサブ制御回路200にコマンドを供給する一方、サブ制御回路200から主制御回路100に信号を供給できないように構成したが、これに限らず、サブ制御回路200から主制御回路100に信号を送信できるように構成してもよい。
サブ制御回路200は、サブCPU201、プログラムROM202、バックアップメモリとして機能するワークRAM203、表示制御回路204、音声制御回路205、LED制御回路206、役物制御回路207およびコマンド入力ポート208等を具備する。サブ制御回路200は、主制御回路100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、サブ制御回路200には、演出ボタン62の操作によってON/OFFされる演出ボタンスイッチ621、メインボタン662の操作によってON・OFFされるメインボタンスイッチ6621、および、各セレクトボタン664a〜664dの操作によってON・OFFされるセレクトボタンスイッチ6641a〜6641dが接続されている。なお、実際には、各セレクトボタン664a〜664dに対応するセレクトボタンスイッチ6641a〜6641dが夫々設けられているが、図9では、便宜上、これらをまとめてセレクトボタンスイッチ6641と示している。
サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU201は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに従って、サブ制御回路200の制御を行う。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラムやテーブル等が記憶される記憶手段として、メインROM102及びプログラムROM202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよい。例えば、前記記憶手段として、ハードディスク装置や、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を用いてもよい。また、前記プログラムやテーブル等は、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にダウンロードされ、ワークRAM203等に記録されるものでもよい。さらに、前記プログラムやテーブル等は、各々異なる記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路204は、液晶表示装置16における表示制御を行うための回路である。表示制御回路204は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を具備する。
表示制御回路204は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、液晶表示装置16に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる。表示制御回路204は、サブCPU201から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置16に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、液晶表示装置16に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データや、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路204は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置16に供給する。液晶表示装置16に画像信号が供給されると、液晶表示装置16に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路204は、液晶表示装置16に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路205は、スピーカ24から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路205は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を具備する。
前記音源ICは、スピーカ24から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ24から音声を発生させる。
LED制御回路206は、装飾LED等を含むLED25の制御を行うための回路である。LED制御回路206は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を具備する。
役物制御回路207は、各役物の制御を行うための回路である。役物制御回路207は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を有する。
また、駆動回路は、サブCPU201から供給される役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU201から供給される点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート208は、主制御回路100送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路300は、パチンコ遊技機1からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路300には、遊技球を払い出すための払出装置350、遊技球を発射するための発射装置340、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ330等が接続されている。
電源供給回路338は、パチンコ遊技機1で遊技を行うために必要な電源電圧を、主制御回路100、サブ制御回路200、払出・発射制御回路300等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路338には、電源スイッチ35等が接続されている。電源スイッチ35は、パチンコ遊技機1に必要な電源を供給するときにON操作するものである。
なお、設定キー328および設定スイッチ332は、上述したように主制御回路100に接続されているが、これに代えて、電源供給回路338に接続されるようにしても良い。この場合であっても、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ332や設定キー328に容易にアクセスできないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。このような場合であっても、所定のケース内とは、正に当該ケースを開放しないと設定スイッチ332や設定キー328にアクセスできないものに加え、上記ケースの設定スイッチ332および設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機1を設置している島設備から当該パチンコ遊技機1を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできるようにされているものも含む。
ここで、性能表示モニタ334に表示される表示内容について説明する。性能表示モニタ334には、メインCPU101の制御により性能表示データが表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000発)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
払出・発射制御回路300は、過去の遊技履歴に基づいてベース値を集計し、集計結果をメインRAM103の作業領域のうち後述する特定作業領域に記憶する。この特定作業領域については後述するが、後述のバックアップクリア処理が行われてもデータがクリアされない領域である。なお、ベース値の集計は、所定の操作が行われたことに基づいて行われるようにしても良いし、常に集計を行って性能表示モニタ334にベース値が常時表示されるようにしても良い。
払出・発射制御回路300は、初期電源投入(パチンコ遊技機1が製造されたのち初めての電源投入)から現在までの全遊技履歴に基づいて全ベース値の集計を実行する全履歴集計手段と、設定値毎の過去の遊技履歴に基づいて設定値別ベース値の集計を実行する設定値別履歴集計手段とを備える。
例えば遊技機管理責任者等によって全ベース値の表示操作が行われると、全履歴集計手段は、上記の全ベース値の集計を実行する。全履歴集計手段により集計された全ベース値は、メインCPU101によって性能表示モニタ334に表示される。また、設定値別ベース値の表示操作が行われると、設定値別履歴集計手段は、設定値別ベース値の集計を実行する。設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値は、メインCPU101によって性能表示モニタ334に表示される。
設定値別履歴集計手段は、要求(操作)に応じて、任意の設定値についてのベース値のみを集計することもできる。この場合、セットされている設定値についてのベース値だけでなく、セットされている設定値以外の他の設定値についてのベース値を集計することもできる。したがって、メインCPU101は、後述する設定変更処理を実行することなく、他の設定値についてのベース値を性能表示モニタ334に表示することができる。
なお、メインCPU101は、例えば遊技機管理責任者等による操作に応じて、全履歴集計手段により集計された全ベース値と、設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値との両方を性能表示モニタ334に表示することもできるし、これらのうちいずれか一方のみを選択的に性能表示モニタ334に表示することもできる。
また、メインCPU101は、特定の設定値のベース値のみを性能表示モニタ334に表示しても良いし、全設定値のベース値を一覧で表示しても良い。また、全ベース値と設定値別ベース値との両方を一覧で表示しても良い。全設定値のベース値を一覧で表示する場合や、全ベース値と設定値別ベース値との両方を一覧で表示する場合には、性能表示モニタ334と他の表示手段との両方を使って表示するようにしても良い。
また、メインCPU101は、全履歴集計手段と設定値別履歴集計手段とを備えるが、これらに加えてまたは設定値別履歴集計手段に代えて、後述する設定変更処理が実行されてから現在までの遊技履歴に基づいて設定変更後ベース値を集計する設定変更後履歴集計手段を備えるようにしても良い。この場合、メインCPU101は、設定変更後ベース値の表示操作に基づいて設定変更後の設定値別ベース値を性能表示モニタ334に表示することができる。
このように、全ベース値と、設定値別ベース値または/および設定変更後の設定値別ベース値とのうち全部または一部が性能表示モニタ334に表示されるようにすることで、パチンコ遊技機1における過去の遊技履歴に基づく情報を容易に確認することが可能となる。
なお、本実施例ではベース値を性能表示モニタ334に表示するようにしたが、遊技球の総払出数に対し、特別電動役物(大入賞口)、普通電動役物への入球により払い出された遊技球数(役物による払出)の割合を表示するようにしてもよい。また、それは総発射数に対する表示でもよく、さらに特別電動役物(大入賞口)により払い出された遊技球数の割合を表示するものでもよい。またそれらを設定別に表示してもよい。
また、エラー報知モニタ336には、後述するエラーコードが表示される。このエラー報知モニタ336には、エラーコードの他に、後述する設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、後述設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中において、特別図柄表示装置において通常では表示することのない図柄(設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
[2.機能フロー]
次に、図10を用いて、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローについて説明する。図10は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
図10に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「普通当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の変動表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の変動表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームは、メインCPU101により制御処理として実行される。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、各種カウンタ(例えば大当り判定用カウンタや図柄決定用カウンタ)からそれぞれ各種乱数値(例えば大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値)が抽出(取得)され、抽出された各乱数値が記憶される(図10に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図10に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立したか否かが判別される。この判別処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値等の各種データが記憶されているか否かを参照し、乱数値等の各種データが記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立したと判別する。
次いで、特別図柄の変動表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)を決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の変動表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の変動表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の変動表示の制御を行う変動表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、変動表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技状態を行う大当り遊技状態制御処理が実行される。なお、大当り遊技状態では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技状態制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技状態制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、所定の確率で「大当り」と判定される遊技状態(以下、「通常遊技状態」という)や、「大当り」と判定される確率が通常遊技状態よりも増大する遊技状態(以下、「高確率遊技状態」という)や、後述する普通当り判定の結果として特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の変動表示を開始させるか否かの判別処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に抽出される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立するまで記憶される。このように、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立するまで各種データ(例えば大当り判定用乱数値等)を記憶することを「保留」といい、保留される各種データを始動記憶という。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の変動表示の実行が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の変動表示が順に開始される。以下では、保留されている特別図柄についての各種データを「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個まで特別図柄の変動表示の実行を保留することができる。すなわち、本実施形態では、第1特別図柄の4個と第2特別図柄の4個とで合計最大8個まで、特別図柄の変動表示の実行を保留することができる。
なお、図10には示されていないが、本実施形態のパチンコ遊技機1は、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えている。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、普通当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図10に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図10に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の変動表示を開始する条件が成立したか否かが判別される。この判別処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の変動表示を開始する条件が成立したと判別する。
次いで、普通図柄の変動表示を開始する場合、普通当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「普通当り」とするか否かの普通当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、普通当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された普通当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の変動表示の制御を行う変動表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
変動表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「普通当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「普通当り」となると判定されると、普通当り遊技を行う普通当り遊技制御処理が実行される。
普通当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「普通当り」とならないと判定されると、普通当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の変動表示を開始させるか否かの判別処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「普通当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、メインCPU101によりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[3.パチンコ遊技機の基本仕様]
次に、図11〜図14を用いて、パチンコ遊技機1の基本仕様について説明する。図11はパチンコ遊技機1の大当りの確率を示すテーブルの一例を示す図であり、図12は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの当り種別(以下「メイン図柄」と称する)の選択率についての一例を示す図であり、図13はメインROM102に記憶される特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの一例を示す図である。図14は、サブ制御回路200のプログラムROM202に記憶される装飾図柄決定テーブルの一例を示す図である。なお、以下の説明において、図11〜図14に示されていないメインCPU101およびメインRAM103の用語を用いているが、これらは図9に示されている。
図11に示される大当りの確率について説明するにあたり、先ず、パチンコ遊技機1における大当りについて簡単に説明する。
メインCPU101は、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞を検出すると、大当り判定用カウンタから第1特別図柄の大当り判定用乱数を抽出し、メインRAM103に記憶される第1特別図柄大当り乱数判定テーブル(図示せず)を参照して、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定(以下、「第1特別図柄の大当り判定」と称する)を行う。なお、第1特別図柄の大当り判定用乱数の抽出は、大当り遊技状態に制御されているときであっても行われる。
同様に、メインCPU101は、第2始動口440(例えば図5参照)への遊技球の入賞を検出すると、大当り判定用カウンタから第2特別図柄の大当り判定用乱数を抽出し、メインRAM103に記憶される第2特別図柄大当り乱数判定テーブル(図示せず)を参照して、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定(以下、「第2特別図柄の大当り判定」と称する)を行う。なお、第2特別図柄の大当り判定用乱数の抽出は、大当たり遊技状態に制御されているときであっても行われる。
第1特別図柄の大当り判定が行われると、「大当り」および「ハズレ」のいずれかに決定される。また、第2特別図柄の大当り判定が行われると、第1特別図柄の大当り判定と同様に、「大当り」および「ハズレ」のいずれかに決定される。メインRAM103に記憶される第1特別図柄の大当り乱数判定テーブルおよび第2特別図柄の大当り乱数判定テーブルには、それぞれ、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
本実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、総乱数は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数は0〜65535の範囲(幅)で発生する。この範囲は固定値として設定されている。大当り確率は、大当り判定用乱数の範囲に対する大当り判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数の範囲(幅)は、適宜変更することができる。
なお、確変フラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「高確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「低確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。
また、時短フラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1」となり、「非時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「0」となる。なお、時短遊技状態では、時短回数もメインCPU101によって管理されており、特別図柄が1回変動する毎に、時短回数が1減算される。
なお、時短フラグがON設定される時短遊技状態では、非時短遊技状態と比べて、普通当り判定において普通当りと判別される確率(普通当り確率)が高められる。そのため、時短遊技状態では、非時短遊技状態と比べて、普通電動役物46が閉鎖状態から開放状態になる頻度、すなわち第2始動口440への遊技球の入賞頻度が高められる。ただし、時短遊技状態において、非時短遊技状態と比べて普通当り確率を高めることに代えて、例えば、普通当り抽選の実行頻度を高める(普通図柄の変動時間が短くする)ことで、普通電動役物46が閉鎖状態から開放状態になる頻度を高めるようにしても良いし、普通電動役物46の開放態様を変えることで当該普通電動役物46に入賞しやすくしても良い。また、上記の三態様のうち二態様または三態様を組み合わせても良い。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFの通常遊技状態と、確変フラグON且つ時短フラグONの確変時短遊技状態と、確変フラグOFF且つ時短フラグONの時短遊技状態とのうち、いずれかの遊技状態にメインCPU101により制御されるように構成されている。
メインCPU101は、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞を検出して第1特別図柄の大当り判定用乱数を抽出すると、当該抽出した第1特別図柄の大当り判定用乱数値を、第1特別図柄の変動表示が開始されるまで始動記憶として保留する。そして、第1特別図柄の変動表示を開始するときに、第1特別図柄の大当り判定を行い、大当りであるかハズレであるかを決定する。
メインCPU101は、第2始動口440(例えば図5参照)への遊技球の入賞を検出して第2特別図柄の大当り判定用乱数を抽出すると、当該抽出した第2特別図柄の大当り判定用乱数値を、第2特別図柄の変動表示が開始されるまで始動記憶として保留する。そして、第2特別図柄の変動表示を開始するときに、第2特別図柄の大当り判定を行い、大当りであるかハズレであるかを決定する。
[3−1.大当り確率]
図11に示されるように、第1特別図柄の大当り判定においては、セットされている設定値に応じて大当り確率が異なっている。大当り確率が相対的に低い低確率遊技状態(確変フラグOFF)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で約300分の1、設定2で約290分の1、設定3で約280分の1、設定4で約270分の1、設定5で約260分の1、設定6で約250分の1となっている。また、大当り確率が相対的に高い高確率遊技状態(確変フラグON)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で約30分の1、設定2で約29分の1、設定3で約28分の1、設定4で約27分の1、設定5で約26分の1、設定6で約25分の1となっている。
すなわち、上述したとおり、本実施形態では大当り判定用乱数の範囲(幅)が0〜65535の範囲に固定値として設定されているため、第1特別図柄の大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。例えば、第1特別図柄における低確率遊技状態では、固定値である大当り判定用乱数の範囲(0〜65535)に対して、大当り判定値データの数を、設定1で218個、設定2で226個、設定3で234個、設定4で243個、設定5で252個、設定6で262個とすることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。また、高確率遊技状態における大当り判定値データの数は、設定1で21個、設定2で22個、設定3で23個、設定4で24個、設定5で25個、設定6で26個となっている。
また、第2特別図柄の大当り判定においても、セットされている設定値に応じて大当り確率が異なっている。大当り確率が相対的に低い低確率遊技状態(確変フラグOFF)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で300分の1、設定2で290分の1、設定3で280分の1、設定4で270分の1、設定5で260分の1、設定6で250分の1となっている。また、大当り確率が相対的に高い高確率遊技状態(確変フラグON)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で30分の1、設定2で29分の1、設定3で28分の1、設定4で27分の1、設定5で26分の1、設定6で25分の1となっている。
すなわち、第2特別図柄の大当り確率についても、大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。例えば、第2特別図柄における低確率遊技状態では、固定値である大当り判定用乱数の範囲(0〜65535)に対して、大当り判定値データの数を、設定1で218個、設定2で226個、設定3で234個、設定4で243個、設定5で252個、設定6で262個とすることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。また、高確率遊技状態における大当り判定値データの数についても、設定1で21個、設定2で22個、設定3で23個、設定4で24個、設定5で25個、設定6で26個となっている。
なお、第1特別図柄の大当り判定と第2特別図柄の大当り判定とでは、設定に応じて定められる大当り確率が同じである。すなわち、設定値が同じであれば、第1特別図柄の大当り判定における大当り確率と、第2特別図柄の大当り判定における大当り確率とが同じである。例えば設定3であれば、第1特別図柄の大当り判定における大当り確率は低確率遊技状態で280分の1(高確率遊技状態で28分の1)であり、この大当り確率は、第2特別図柄の大当り判定における大当り確率(低確率遊技状態で280分の1、高確率遊技状態で28分の1)と同じである。
本実施形態では、設定値が設定1〜設定6の6段階であるが、必ずしも6段階である必要はなく、複数段階であれば任意に定めることができる。
また、本実施形態では、設定値が異なると大当り確率も異なるように構成しているが、これに限られず、複数の設定値で共通の大当り確率となるようにしても良い。例えば、設定1と設定2とで共通の大当り確率(第1の確率)とし、設定3と設定4とで共通の大当り確率(第1の確率よりも高い第2の確率)とし、設定5と設定6とで共通の大当り確率(第2の確率よりも高い第3の確率)となるようにしても良い。
また、本実施形態では、メインCPU101により発生される大当り判定用乱数の範囲(幅)が0〜65535の範囲に固定値として設定されており、固定値であるこの大当り判定用乱数の範囲に対して、大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値毎に大当り確率を異ならせているが、設定値毎に大当り確率を異ならせる手法はこれに限られず、大当り判定値データの数を全設定共通とし、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせるようにしても良い。例えば、大当り判定値データの数を全設定共通の218個とし、大当り判定用乱数の範囲(幅)を、設定1で0〜65535の範囲(大当り確率が約300分の1)、設定2で0〜63219の範囲(大当り確率が290分の1)、設定3で0〜61039の範囲(大当り確率が280分の1)、設定4で0〜58859の範囲(大当り確率が270分の1)、設定5で0〜56679の範囲(大当り確率が260分の1)、設定6で0〜54499の範囲(大当り確率が250分の1)とし、メインCPU101が設定値に応じた範囲で大当り判定用乱数を発生させることで、設定値に応じて大当り確率を変えることができる。しかも、この手法によれば、分子(大当り判定値データの数)よりも桁数が多い分母(大当り判定用乱数の範囲)を変えることで大当り確率を変えることになるため、大当り判定用乱数の範囲を固定値として大当り判定値データの数を設定値に応じて変える手法と比べて、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
なお、上記では、大当り判定値データの数を全設定共通とし、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えているが、大当り判定値データの数を全設定共通とすることは必ずしも必須ではない。例えば、設定1では、大当り判定値データの数218個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜65535の範囲(大当り確率が約300分の1)とし、設定2では、大当り判定値データの数219個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜63509の範囲(大当り確率が約290分の1)とし、設定3では、大当り判定値データの数220個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜61599の範囲(大当り確率が約280分の1)とし、設定4では、大当り判定値データの数221個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜59669の範囲(大当り確率が約270分の1)とし、設定5では、大当り判定値データの数222個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜57719の範囲(大当り確率が約260分の1)とし、設定6では、大当り判定値データの数223個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜55749の範囲(大当り確率が約250分の1)としたように、大当り判定値データおよび大当り判定用乱数の範囲(幅)の両方を設定値に応じて変えた場合であっても、大当り判定用乱数の範囲を固定値として大当り判定値データの数を設定値に応じて変える手法と比べて、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
なお、メインCPU101は、上記の総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えた場合には、後述するステップS72やステップS82の設定チェック処理(図31参照)において、設定値データが「0」〜「5」の範囲内であるか否かの判別に加えてまたはこれに代えて、例えば、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)が設定値に応じた範囲であるか否か、または/および、大当り判定値データの数が設定値に規定された数であるか否か等をチェックするようにしても良い。そして、当該チェックで正常でない(例えば、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)または/および大当り判定値データの数が設定値に応じた範囲外)と判別された場合(後述するステップS721におけるNOに相当する場合)には、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS722)、遊技を進行させることが不可能となる。
[3−2.大当り振分け]
次に、図12を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの大当り振分け、すなわち、特別図柄の停止図柄(メイン図柄)の選択率について説明する。図12に示される例では、メイン図柄の振分は全設定共通となっている。なお、図12に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。
図12に示されるように、第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、特図1−1(振分確率25.0%)、特図1−2(振分確率25.0%)、特図1−3(振分確率25.0%)、および特図1−4(振分確率25.0%)のうちいずれかに決定する。特図1−1は、ラウンド数4、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図1−2は、ラウンド数4、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する(時短フラグは次回の大当り遊技状態が開始されたときにOFFに設定される)大当りである。特図1−3は、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図1−4は、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りである。第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、第1特別図柄を、後述する図13を参照して決定される変動時間にわたって変動表示したのち、上記決定されたメイン図柄で停止させる制御を実行する。
なお、本実施形態では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、所定の条件が成立すると(本実施形態では、特図1−2や特図1−4のように確変フラグONとなる大当りであると)、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する所謂「確変ループ機」と呼ばれるものである。このような確変ループ機では、高確率遊技状態における特別図柄の大当り判定の結果が大当りであって、所定の条件が成立すると、大当り遊技状態が終了したのち、再び、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する。そして、高確率遊技状態における特別図柄の大当り判定の結果が大当りであって、所定の条件が成立しなければ(本実施形態では、特図1−1や特図1−3のように確変フラグONとならない大当りであると)、大当り遊技状態が終了したのち、高確率遊技状態に制御されずに低確率遊技状態に制御される。
第2特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、特図2−1(振分確率50.0%)または特図2−2(振分確率50.0%)に決定する。特図2−1は、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図2−2は、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りである。第2特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、第2特別図柄を、後述する図13を参照して決定される変動時間にわたって変動表示したのち、上記決定されたメイン図柄で停止させる制御を実行する。
なお、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるとき、メインCPU101は、ハズレ図柄を決定し、当該決定されたハズレ図柄で特別図柄を停止させる制御を実行する。
また、ラウンド数とは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数である。また、確変フラグがONであれば大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態(確変フラグがONに設定される遊技状態)に制御され、確変フラグがOFFであれば大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が低確率遊技状態(確変フラグがOFFに設定される遊技状態)に制御される。以下において、ラウンド数4、確変フラグOFF、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−1の大当り)を「4R通常大当り」と称し、ラウンド数4、確変フラグON、次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−2の大当り)を「4R確変大当り」と称し、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−3、特図2−1の大当り)を「10R通常大当り」と称し、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−4、特図2−2の大当り)を「10R確変大当り」と称する。
また、本実施形態では、大当り判定の結果が大当りであるときは、常に時短フラグがONに設定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、抽出した図柄決定用乱数に基づいて決定されるメイン図柄に応じて、時短フラグをONに設定するかOFFに設定するかを決定するようにしても良い。
[3−3.特別図柄の変動時間]
次に、図13を参照して、特別図柄の変動時間が決定されるまでの流れについて説明する。特別図柄の変動時間は、特別図柄の変動パターンと対応しているため、メインCPU101は、特別図柄の変動時間と特別図柄の変動パターンとを同時に決定することとなる。また、特別図柄の変動パターンは、サブ制御回路200(サブCPU201)により液晶表示装置16(例えば図5参照)に表示される演出内容(例えば装飾図柄の変動パターン)とも対応している。本実施形態のパチンコ遊技機1では、決定される特別図柄の変動パターンが(すなわち変動時間や演出内容についても)設定値に応じて異なりうるように構成されている。なお、図13に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。また、特別図柄の保留個数に応じてリーチ演出の実行確率を変えたり、特別図柄の保留個数が多くなるにつれて通常変動における変動時間が短くなるものもあるが、図13ではこれらを省略している。
図13に示されるように、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて第1特別図柄の変動時間を決定し、第2特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて第2特別図柄の変動時間を決定する。
図13に示されるように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通のテーブルを用いて特別図柄の変動時間が決定されるようになっている。ただし、これに代えて、第1特別図柄と第2特別図柄とで別のテーブルを用いて特別図柄の変動時間が決定されるようにしても良い。
また、特別図柄の変動時間決定テーブルは、特別図柄の大当り判定の結果と、遊技状態と、リーチ判定用乱数範囲と、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄と、演出選択用乱数範囲と、変動パターン(可変表示パターン)と、変動パターン指定コマンドと、変動時間と、演出内容との関係を規定している。ただし、特別図柄の変動時間を決定するにあたり、確変時短遊技状態と時短遊技状態とは識別されない。また、特別図柄の変動時間を決定する際のリーチ判定用乱数範囲と演出選択用乱数範囲とについては、設定値に応じて異なる乱数範囲が設定されている。
リーチ判定用乱数範囲は、特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合に、設定値毎に、リーチ演出を実行するか否かの決定に供される乱数である。メインCPU101は、第1始動口420や第2始動口440(いずれも例えば図5参照)に遊技球が入賞したときに、リーチ判定用カウンタからリーチ判定用乱数を抽出し、当該抽出したリーチ判定用乱数をメインRAM103に格納する。上述したとおり、メインCPU101は、特別図柄の変動表示を開始するときに大当り判定用乱数値を用いて大当り判定を行うが、この大当り判定の結果がハズレであるときに、メインRAM103に格納されたリーチ判定用乱数を用いてリーチ演出を実行するか否かを決定する。本実施形態では、リーチ判定用カウンタから抽出されるリーチ判定用乱数値が0〜249の範囲に設定されているが、この範囲は適宜変更することができる。
例えば、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜25に規定されており、設定3・4では0〜26に規定されており、設定5・6では0〜27に規定されている。また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合には、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜10に規定されており、設定3・4では0〜11に規定されており、設定5・6では0〜12に規定されている。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出は、設定1・2よりも設定3・4の方が実行されやすく、さらに、設定3・4よりも設定5・6の方が実行されやすくなっている。すなわち、設定値に応じてリーチ演出の実行頻度が異なっており、設定値がより高いほどリーチ演出の実行頻度が高くなる。
なお、本実施形態では、リーチ演出を実行するか否かの決定に際し、リーチ判定用乱数範囲は、設定1と設定2とで共通し、設定3と設定4とで共通し、設定5と設定6とで共通しているが、これに限られず、全ての設定で異なるようにしても良い。
また、上述したリーチ演出を実行するか否かの決定は、特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合についての説明であるが、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、メインCPU101は、リーチ判定用カウンタから抽出されたリーチ判定用乱数の値がいずれであるかにかかわらずリーチ演出を実行する旨を決定する。
演出選択用乱数範囲は、設定値毎に、特別図柄の変動時間の決定に供される乱数である。メインCPU101は、第1始動口420や第2始動口440(いずれも例えば図5参照)に遊技球が入賞したときに、演出選択用カウンタから演出選択用乱数を抽出し、当該抽出した演出選択用乱数をメインRAM103に格納する。メインCPU101は、遊技状態と、リーチ演出を実行するか否かの決定(特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合のみ)の結果とに応じて、メインRAM103に格納された演出選択用乱数を用いて特別図柄の変動時間を決定する。本実施形態では、演出選択用カウンタから抽出される演出選択用乱数値が0〜99の範囲に設定されているが、この範囲は適宜変更することができる。なお、メインCPU101は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、遊技状態に応じて、メインRAM103に格納された演出選択用乱数を用いて特別図柄の変動時間を決定する。
具体的には、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行しない旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が10000msec(通常変動A)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜51に規定されており、設定3・4では0〜50に規定されており、設定5・6では0〜49に規定されている。また、特別図柄の変動時間が5000msec(通常変動B)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では52〜99に規定されており、設定3・4では51〜99に規定されており、設定5・6では50〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が25000msec(時短中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が35000msec(時短中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が45000msec(時短中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行しない旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が4000msec(短縮変動A)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜51に規定されており、設定3・4では0〜50に規定されており、設定5・6では0〜49に規定されている。また、特別図柄の変動時間が2000msec(短縮変動B)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では52〜99に規定されており、設定3・4では51〜99に規定されており、設定5・6では50〜99に規定されている。
なお、メイン図柄は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるものであるため、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときは、特別図柄の変動時間の決定とはかかわらない。
通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜1に規定されており、設定3・4では0〜2に規定されており、設定5・6では0〜3に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では2〜49に規定されており、設定3・4では3〜49に規定されており、設定5・6では4〜49に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が25000msec(時短中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜1に規定されており、設定3・4では0〜2に規定されており、設定5・6では0〜3に規定されている。また、特別図柄の変動時間が35000msec(時短中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では2〜49に規定されており、設定3・4では3〜49に規定されており、設定5・6では4〜49に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が45000msec(時短中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で50〜99に規定されている。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1において、遊技状態と、特別図柄の大当り判定の結果と、リーチ演出を実行するか否かの決定の結果とが同じである限り、特別図柄の変動時間は、設定1・2よりも設定3・4の方が短い変動時間に決定されやすく、さらに、設定3・4よりも設定5・6の方が短い変動時間に決定されやすくなっている。そのため、設定値がより高いほど特別図柄の変動時間の平均が短くなり、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)が多くなる。ひいては、単位時間で見たときの大当り遊技状態の実行回数が多くなる期待度が高く、また、単位時間内に大当り遊技状態が実行される確率も高くなり、設定値が高いほど、遊技者にとって有利なゲームの実行が可能となる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間の決定に際し、演出選択用乱数範囲は、設定1と設定2とで共通し、設定3と設定4とで共通し、設定5と設定6とで共通しているが、これに限られず、全ての設定値で異なるようにしても良い。
また、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で決定されるようにしているが、これに限られず、メイン図柄に応じて特別図柄の変動時間が異なるように構成しても良い。
変動パターンは、変動時間および演出内容を表すデータである。例えば、変動パターン「02H」は、変動時間40000msecの通常中スーパーリーチBを表す。
変動パターン指定コマンドは、変動時間及び演出内容を表すデータとして、主制御回路100からサブ制御回路200へ送信される。例えば、メインCPU101により決定された変動パターンが「05H」であれば、「83H05H」の変動パターン指定コマンドが主制御回路100からサブ制御回路200へ送信される。このとき、主制御回路100(メインCPU101)により決定されたメイン図柄を特定する図柄指定コマンドもサブ制御回路200へ送信される。
[3−4.装飾図柄の停止図柄]
次に、図14を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに、図12に示される選択率でメイン図柄が決定された場合の装飾図柄の停止図柄の一例について説明する。なお、図14に示されるテーブルの内容はサブ制御回路200のプログラムROM202に記憶されている。
サブ制御回路200(サブCPU201)は、主制御回路100から送信された図柄指定コマンドを受信すると、設定値にかかわらず、当該図柄指定コマンドにより特定されるメイン図柄にもとづいて装飾図柄の停止図柄を決定する。例えば、主制御回路100から送信された図柄指定コマンドにより特定されるメイン図柄が特図1−2であるとき、サブCPU201は、全ての装飾図柄が同一の特定図柄(例えば「7」図柄)となる態様の振分確率が0%であるから、全ての装飾図柄(本実施形態では3つの装飾図柄)が同一の偶数図柄となる態様(振分確率30.0%)、または、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様(振分確率70.0%)に決定する。本実施形態では、特定図柄を「7」図柄としているが、これに限られず、遊技者からみて利益度合いの高い大当りであると認識できれば他の図柄(例えば、「V」図柄)を特定図柄としても良い。
なお、上述したとおり、図14に示されるメイン図柄は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるものである。したがって、サブCPU201は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに図14を参照して装飾図柄の停止図柄を決定し、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときは、図14に示される図柄以外の図柄を、装飾図柄の停止図柄として決定する。図14に示される図柄以外の図柄とは、例えば、全ての装飾図柄のうち少なくとも一つの装飾図柄が他の装飾図柄と異なる図柄等が相当する。
このように、図14によると、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、全ての装飾図柄が停止したときの態様は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちいずれの大当り判定の結果であるのか、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御される大当りであるか否か、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数が10Rであるか否か、によって異なりうる。
すなわち、図12を参照して決定されたメイン図柄が特図1−1、特図1−3または特図2−1(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、全ての装飾図柄が同一の偶数図柄となる態様(以下「第1態様」と称する)で停止する。
また、メイン図柄が特図1−2(4R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、第1態様、または、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄(特定図柄である「7」図柄以外の奇数図柄)となる態様(以下「第2態様」と称する)で停止する。
また、メイン図柄が特図1−4(10R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様、または、全ての装飾図柄が同一の特定図柄となる態様(以下「特定態様」と称する)で停止する。
さらに、メイン図柄が特図2−2(10R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、特定態様で停止する。特図1−4および特図2−2はいずれも10R確変大当りであるが、特図1−4は第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当りであるから、通常遊技状態において大当りに当選した可能性が高い。また、特図2−2は第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当りであるから、高確率遊技状態または時短遊技状態において大当りに当選した可能性が高い。
このように、特定態様で停止すると、遊技者にとっての利益度合いが最も大きい10R確変大当りが確定し、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様で停止すると、確変大当り(4R確変大当りまたは10R確変大当り)が確定する。一方、第1態様で停止した場合には、遊技者にとっての利益度合いが最も大きい10R確変大当りでないことは確定するものの、4R確変大当りの可能性は残されている。
なお、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであった場合、当該大当りがいずれの大当りであるかについては、装飾図柄が全て停止したときに遊技者に報知するようにしても良いし、大当り遊技状態の実行中に報知するようにしても良いし、大当り遊技状態が終了する際に報知するようにしても良い。また、本実施形態のパチンコ遊技機1では採用されていないが、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御される大当りであったにもかかわらず、当該高確率遊技状態に制御されることを遊技者に明示しない所謂「潜伏確変状態」に制御するようにしても良い。
[4.パチンコ遊技機の基本仕様の他の例]
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の基本仕様は上述したとおりであるが、上述の仕様に限られず、適宜変更することができる。以下に、基本仕様を適宜変更した例について説明する。ただし、以下の説明は一例であり、これに限られないことは言うまでもない。
[4−1.特別図柄の変動時間の変形例]
次に、図15を参照して、特別図柄の変動時間(すなわち特別図柄の変動パターン)の変形例について説明する。図15は、メインROM102に記憶される特別図柄の変動時間決定テーブルの他の例を示す図である。なお、上述したとおり、特別図柄の保留個数に応じてリーチ演出の実行確率を変えたり、特別図柄の保留個数が多くなるにつれて通常変動における変動時間が短くなるものもあるが、図15においてもこれらを省略している。
また、図15を参照して説明する特別図柄の変動特別図柄の変形例にかかるパチンコ遊技機のメインCPUは、特別図柄の変動回数(すなわち特別図柄の抽選回数)の実行回数をカウントする抽選回数カウント手段(図示せず)を備えている。この抽選回数カウント手段は、例えば大当り遊技状態の開始時にリセットし、大当り遊技状態が終了したときを起点として特別図柄の変動回数のカウントを開始する。
図15に示されるように、他の例では、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出を実行するか否かの決定は、大当り遊技状態が終了した時点を起点としてカウントされる特別図柄の変動回数と、設定値との両方に応じて行われる。
具体的には、特定の時点(例えば大当り遊技状態が終了した時点)を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜25に規定されており、設定3・4では0〜26に規定されており、設定5・6では0〜27に規定されている。これらは図13と同じである。
一方、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜10に規定されており、設定3・4では0〜5に規定されており、設定5・6では0〜1に規定されている。すなわち、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであれば、設定1・2では設定3・4と比べてリーチ演出の実行確率が2倍と高く、設定3・4では設定5・6と比べてリーチ演出の実行確率が5倍と高い(設定1・2では設定5・6と比べてリーチ演出の実行確率が10と高い)。
このように、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合と比べて、リーチ演出の実行確率が設定に応じて顕著に異なっている。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合、特別図柄の変動時間についても、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合と1001回以上の場合とで、設定差が顕著となっている。
具体的には、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。これらは図13と同じである。
一方、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4では規定されておらず、設定5・6では0〜99に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4では0〜89に規定されており、設定5・6では規定されていない。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4共通で90〜99に規定されており、設定5・6では規定されていない。したがって、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上といった所謂大ハマリした状況下では、実行されるリーチ演出により、セットされている設定値を遊技者に示唆することが可能となる。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上では、設定値が高いほどリーチ演出の実行確率が低い。また、リーチ演出が実行されたとしても、設定値が高いほど特別図柄の変動時間が短いリーチ演出の実行確率が高い。
このように、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、より設定値が高いほど、1回あたりの特別図柄の変動時間の平均がより一層短くなり、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)がより一層多くなる。ひいては、単位時間で見たときの大当り遊技の実行回数が多くなる期待度がより一層高く、また、単位時間内に大当り遊技が実行される確率もより一層高くなる。
また、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1000回未満においては、リーチ演出の実行頻度から、セットされている設定値を推測することは極めて困難であるが、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、設定値に応じてリーチ演出の実行頻度が顕著に異なってくるため、所謂大ハマリしたときには、セットされている設定値を推測できる余地が生じうる。これにより、所謂大ハマリしたときには、ホールに対して直接的な損失を与えることなく(例えば遊技球を遊技者に付与する等を行うことなく)、遊技者に対してセットされている設定値を推測しうる機会を与えることで、遊技者に楽しみを与えることが可能となる。しかも、本来であればリーチ演出になって欲しいと遊技者が考えるところ、本実施形態では、所謂大ハマリしたときにリーチ演出の実行頻度が低いほど、設定値が高いのではないかといった期待を遊技者が抱くことができるため、リーチ演出の実行頻度が低くても遊技の続行意欲の低下を軽減することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動回数がカウントされる起点を、大当り遊技状態が終了した時点としたが、これに限られず、例えば、予め決められた期間を経過すると高確率遊技状態が終了する所謂ST機と呼ばれるパチンコ機において高確率遊技状態が終了したときや、時短遊技状態が終了したときなど、任意の時点を起点とすることができる。
また、本実施形態では、特定の時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、リーチ演出の実行確率および特別図柄の変動時間が設定値に応じて顕著に異なるが、必ずしも1001回以上である必要はない。例えば、遊技者にとってハマリであると感じられる程度であれば、その回数は特定の回数に限られない。
また、本実施形態では、特定の時点を起点とする特別図柄の変動回数が規定回数以上になると、リーチ演出の実行確率および特別図柄の変動時間が設定値に応じて顕著に異なるが、設定値に応じて顕著に異なるのは、必ずしもリーチ演出の実行確率や特別図柄の変動時間に限られない。例えば、メインCPU101は、特別図柄の大当り抽選の結果が大当りであることが決定されてから実際に大当り遊技状態に制御するまでの間に所定の待機時間(以下「オープニング時間」と称する)を設けている。また、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了してから特別図柄の変動表示を開始するまでの間にも所定の待機時間(以下「エンディング時間」と称する)を設けている。サブCPU201(表示制御回路204)は、上記のオープニング時間においてオープニング演出を液晶表示装置16に表示し、上記のエンディング時間においてエンディング演出を液晶表示装置16に表示する。オープニング演出では、例えば、特別抽選の結果が大当りであった旨を示す演出や、特別抽選の結果が大当りであった旨を祝福する演出、大当り遊技状態での遊技手法(例えば右打ち等)を教示する演出等が行われる。エンディング演出では、大当り遊技状態において払い出された賞球量を示す演出、大当り遊技状態が継続された回数(連荘回数)を示す演出、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御されることを示す演出、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態での遊技手法(例えば左打ちに戻す等)を教示する演出、パチンコ遊技機1の製造メーカーのロゴを表示する演出等が行われる。
具体的には、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間を設定値が高くなるほど短くすることによって、設定値が高くなるほど大当り遊技状態に要する時間を短くすることができる。その結果、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)の平均を多くすることが可能となり、設定値が高いほど、遊技者にとって有利なゲームの実行が可能となる。
また、例えば、高設定値ほど出玉期待値が高い(例えば高設定値ほど大当り確率が高い等)パチンコ遊技機1にあっては、低設定値と比べて短時間で多量の賞球が払い出される可能性があることに鑑みれば、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間を設定値が高くなるほど長くなるように構成しても良い。この場合、出玉期待値が高い高設定値ほど、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間が長くなるため、高設定値による遊技の面白みを担保しつつ、単位時間で払い出される賞球を抑制することが可能となる。
なお、メインCPU101は、上記のオープニング時間、エンディング時間および大当り遊技状態に制御されているときであっても、始動口(第1始動口420,第2始動口440)への遊技球の入賞を検出すると各種乱数を抽出し、後述するステップSステップS74やステップS82の設定チェック処理(図31参照)を実行する。そして、この設定チェック処理において設定値データが「0」〜「5」の範囲外であると判別された場合(後述するステップS721におけるNO)には、たとえ大当り遊技状態に制御されていたとしても、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS722)、遊技を進行させることが不可能となる。
[4−2.大当り振分けおよび装飾図柄の停止図柄の変形例]
次に、図16〜図18を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの大当り振分け(メイン図柄の選択率)についての第1変形例および第2変形例と、これら第1変形例および第2変形例のときの装飾図柄の停止図柄について説明する。第1変形例および第2変形例では、メイン図柄の選択率が設定値に応じて異なっている。なお、図16は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄の選択率についての第1変形例を示す図であり、図17は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄の選択率についての第2変形例を示す図である。また、図18は、サブ制御回路200のプログラムROM202に記憶される装飾図柄決定テーブルの変形例であり、第1変形例および第2変形例に共通で用いられる。
[4−2−1.第1変形例]
先ず、図16および図18を参照して、上記第1変形例について説明する。なお、図16に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されており、図18に示されるテーブルの内容はサブ制御回路200のプログラムROM202に記憶されている。
図16に示されるように、第1変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、設定値に応じた確率で、特図1−1、特図1−2、特図1−3、特図1−4、特図1−5、特図1−6、特図1−7、および、特図1−8のうちいずれかに決定する。ただし、この第1変形例では、特図1−1と特図1−3とが「4R通常大当り」、特図1−2と特図1−4とが「4R確変大当り」、特図1−5と特図1−7と特図2−1と特図2−3とが「10R通常大当り」、特図1−6と特図1−8と特図2−2と特図2−4とが「10R確変大当り」となっている。
具体的には、メインCPU101は、設定1〜設定4では共通確率で、メイン図柄を、特図1−1(振分確率12.5%)、特図1−2(振分確率12.5%)、特図1−3(振分確率12.5%)、特図1−4(振分確率12.5%)、特図1−5(振分確率12.5%)、特図1−6(振分確率12.5%)、特図1−7(振分確率12.5%)、および、特図1−8(振分確率12.5%)、のうちいずれかに決定する。これに対して、設定5では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率10.0%)、特図1−2(振分確率10.0%)、特図1−3(振分確率15.0%)、特図1−4(振分確率15.0%)、特図1−5(振分確率10.0%)、特図1−6(振分確率10.0%)、特図1−7(振分確率15.0%)、および、特図1−8(振分確率15.0%)、のうちいずれかに決定する。また、設定6では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率5.0%)、特図1−2(振分確率5.0%)、特図1−3(振分確率20.0%)、特図1−4(振分確率20.0%)、特図1−5(振分確率5.0%)、特図1−6(振分確率5.0%)、特図1−7(振分確率20.0%)、および、特図1−8(振分確率20.0%)、のうちいずれかに決定する。
すなわち、大当り種別が共通する特図1−2および特図1−4(いずれも4R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
同様に、大当り種別が共通する特図1−6および特図1−8(いずれも10R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
さらに、大当り種別が共通する特図2−2および特図2−4(いずれも10R確変大当り)についても、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも50.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。
ところで、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、サブCPU201は、図18に示されるように、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、例えば液晶表示装置16に表示される装飾図柄が第1態様で停止するよう制御する。
一方、特図1−2(4R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第1態様(選択率50.0%)、または、第2態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−4(4R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第1態様(選択率25.0%)、または、第2態様(選択率75.0%)で停止するよう制御する。ここで、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−2と特図1−4とは大当り種別(いずれも4R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が第2態様(遊技者にとって第1態様よりも高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
同様に、特図1−6(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、必ず、第2態様で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−8(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)、または、特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−6と特図1−8とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様(遊技者にとって最も高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
さらに同様に、特図2−2(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)または特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図2−4(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、必ず、特定態様で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。そのため、特図2−2と特図2−4とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様で停止する確率が高くなる。
このように、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、大当り種別が同じであったとしても、設定値に応じて装飾図柄の停止態様が異なりうるようにすることが実現可能となる。とくに高設定値(例えば設定5・6)であるときには、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに特定の大当り種別(例えば10R確変大当り)に決定される合成確率が同じであったとしても、低設定値(例えば設定1〜4)であるときと比べて、高い確率で、遊技者にとって相対的に高い期待度を有する態様(例えば特定態様)で装飾図柄を停止させることが可能となる。
[4−2−2.第2変形例]
次に、図17および図18を参照して、上記第2変形例について説明する。なお、図17に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。
第1変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変フラグがON設定されるか否かが決定される。これに対して、第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変フラグがON設定されるか否かがただちに決定されるわけではない。詳述すると、第2変形例では、第1変形例と異なり、確変アタッカー(図示せず)を例えば大入賞口540(例えば図5参照)の内部に備えている。そして、例えば大当り遊技状態に制御されているときに、確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されると当該大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御され、確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されることなく大当り遊技状態が終了したときには当該大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が低確率遊技状態に制御されるようにしたものである。このように、確変アタッカーへの遊技球の進入にもとづいて高確率遊技状態に制御されるパチンコ遊技機も所謂「確変ループ機」である。
図17に示されるように、第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変アタッカーへの遊技球の進入のしやすさが異なっている。例えば、特図1−1では確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様で大当り遊技状態に制御され、特図1−2では確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様で大当り遊技状態に制御される。本実施形態において、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」での大当りであるときの時短回数は100回であり、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」での大当りであるときは次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する。
本実施形態において、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」は、大当り遊技状態に制御されている間に確変アタッカーに遊技球が進入する可能性がほぼないに等しい(ほぼ100%に近い確率で低確率遊技状態に制御される)態様である。また、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」は、確変アタッカーの配置部位(例えば大入賞口540(例えば図5参照))に向けて遊技球を発射する限り、大当り遊技状態に制御されている間に確変アタッカーに遊技球がほぼ進入する(ほぼ100%に近い確率で高確率遊技状態に制御される)態様である。したがって、この第2変形例では、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」での大当りを「通常大当り」と称し、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」での大当りを「確変大当り」と称する。
ただし、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」であれば100%に近い確率で高確率遊技状態に制御され、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」であれば100%に近い確率で低確率遊技状態に制御されることに代えて、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」であるときに、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」よりも相対的に高い確率で高確率遊技状態に制御される態様であっても良い。
確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出す方法として、例えば、確変アタッカーを内部に備える大入賞口540(例えば図5参照)とは別に、確変アタッカーを備えていない他の大入賞口(図示せず)を設けることが考えられる。そして、確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様(例えば、特図1−2、特図1−4、特図1−6、特図1−8、特図2−2、特図2−4)であるときには大入賞口540を開放する大当り遊技状態に制御し、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様(例えば、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3)であるときには大入賞口540を開放せずに他の大入賞口を開放する大当り遊技状態に制御することで、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出すことができる。なお、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出すことができれば、上記の態様に限定されない。
また、上記のように、確変アタッカーを内部に備える大入賞口540と、確変アタッカーを備えていない他の大入賞口(図示せず)とを設けた場合、大当り遊技状態において開放される大入賞口に設定差をもたせるようにしても良い。例えば、設定1などの低設定値では、大入賞口540よりも他の大入賞口が開放される大当り遊技状態が選択されやすく、設定6などの高設定値では、他の大入賞口よりも大入賞口540が開放される大当り遊技状態が選択されやすいといったように、高設定値であるほど大入賞口540が開放される大当り遊技状態が選択されやすいようにすることができる。
図17に示されるように、このような第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、設定値に応じた確率で、特図1−1、特図1−2、特図1−3、特図1−4、特図1−5、特図1−6、特図1−7、および、特図1−8のうちいずれかに決定する。ただし、この第2変形例では、特図1−1と特図1−3とが「4R通常大当り」、特図1−2と特図1−4とが「4R確変大当り」、特図1−5と特図1−7と特図2−1と特図2−3とが「10R通常大当り」、特図1−6と特図1−7と特図2−2と特図2−4とが「10R確変大当り」となっている。
具体的には、メインCPU101は、設定1〜設定4では共通確率で、メイン図柄を、特図1−1(振分確率12.5%)、特図1−2(振分確率12.5%)、特図1−3(振分確率12.5%)、特図1−4(振分確率12.5%)、特図1−5(振分確率12.5%)、特図1−6(振分確率12.5%)、特図1−7(振分確率12.5%)、および、特図1−8(振分確率12.5%)、のうちいずれかに決定する。これに対して、設定5では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率10.0%)、特図1−2(振分確率10.0%)、特図1−3(振分確率15.0%)、特図1−4(振分確率15.0%)、特図1−5(振分確率10.0%)、特図1−6(振分確率10.0%)、特図1−7(振分確率15.0%)、および、特図1−8(振分確率15.0%)、のうちいずれかに決定する。また、設定6では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率5.0%)、特図1−2(振分確率5.0%)、特図1−3(振分確率20.0%)、特図1−4(振分確率20.0%)、特図1−5(振分確率5.0%)、特図1−6(振分確率5.0%)、特図1−7(振分確率20.0%)、および、特図1−8(振分確率20.0%)、のうちいずれかに決定する。
すなわち、大当り種別が共通する特図1−2および特図1−4(いずれも4R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
同様に、大当り種別が共通する特図1−6および特図1−8(いずれも10R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
さらに、大当り種別が共通する特図2−2および特図2−4(いずれも10R確変大当り)についても、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも50.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。
ところで、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、サブCPU201は、図18に示されるように、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、例えば液晶表示装置16に表示される装飾図柄が第1態様で停止するよう制御する。
一方、特図1−2(4R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第1態様(選択率50.0%)、または、第2態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−4(4R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第1態様(選択率25.0%)、または、第2態様(選択率75.0%)で停止するよう制御する。ここで、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−2と特図1−4とは大当り種別(いずれも4R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が第2態様(遊技者にとって第1態様よりも高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
同様に、特図1−6(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、必ず、第2態様で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−8(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)、または、特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−6と特図1−8とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様(遊技者にとって最も高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
さらに同様に、特図2−2(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)または特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図2−4(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、必ず、特定態様で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。そのため、特図2−2と特図2−4とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様で停止する確率が高くなる。
このように、第2変形例においても、第1変形例と同様に、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、大当り種別が同じであったとしても、設定値に応じて装飾図柄の停止態様が異なりうるようにすることが実現可能となる。とくに高設定値(例えば設定5・6)であるときには、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに特定の大当り種別(例えば10R確変大当り)に決定される合成確率が同じであったとしても、低設定値(例えば設定1〜4)であるときと比べて、高い確率で、遊技者にとって相対的に高い期待度を有する態様(例えば特定態様)で装飾図柄を停止させることが可能となる。
なお、上述の第1変形例および第2変形例のいずれにおいても、設定値に応じてメイン図柄の選択率を異ならせることで、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるように構成している。すなわち、サブCPU201は、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄を制御しているのではなく、メイン図柄に応じて装飾図柄の停止図柄を制御し、その結果として、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるようになっている。ただし、これに限られず、サブCPU201による制御によって、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるように構成しても良い。
上述の第1変形例および第2変形例によれば、設定値に応じて特別図柄の選択率に差を設けること、すなわち、ラウンド数、確変突入率、時短突入率に設定差を設けることが可能となる。
[5.主制御回路による処理]
次に、図19〜図40を参照して、パチンコ遊技機1のメインCPU101で実行される各種の処理について説明する。ただし、以下の説明(メインCPU101における処理の説明)において、電源スイッチ35、設定スイッチ332、設定キー328、性能表示モニタ334、エラー報知モニタ336、外部端子板323、ホールコンピュータ700の各用語を用いているが、これらは図9に示されている。
[5−1.電源投入処理]
図19は、メインCPU101による電源投入処理の一例を示すフローチャートである。例えばホール関係者が電源スイッチ35をON操作すると、パチンコ遊技機1の電源が投入される。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、電源投入時処理(ステップS10)と、設定値にかかわる設定処理(ステップS20)と、遊技復帰処理(ステップS30)とを、順に実行する。以下に、これらの各処理について説明する。なお、図示はしていないが、メインCPU101は、所定レベルまで電圧が降下していないかを常にチェックしており、停電発生時や電源スイッチ35のOFF操作等により電圧が所定レベルまで降下すると、後述する電源断発生時処理を行う。
[5−1−1.電源投入時処理]
図20は、電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、初期値をスタックポインタに設定する(ステップS11)。
次に、メインCPU101は、RWM(メインRAM103)に対するアクセスを許可(ステップS12)したのち、サブ制御回路200が信号を受け付け可能になるまで待機するサブ制御受信受付ウェイト処理を行う(ステップS13)。そしてその後、メインCPU101は、CPU内蔵の各種デバイスについて初期化処理を行う(ステップS14)。
次に、メインCPU101は、設定値にかかわるスイッチを有効化する(ステップS15)。設定値にかかわるスイッチとは、ステップS20の設定処理を行う際に用いるスイッチであり、例えば、設定処理を開始・終了させるための設定キー328や、設定値を変更するための設定スイッチ332等が相当する。そして、メインCPU101は、設定にかかわるスイッチを有効化(ステップS15)したのち、各スイッチの読込処理(ステップS16)を行い、その後、遊技許可処理(ステップS17)を行う。
図21は、遊技許可処理の一例を示すフローチャートである。ステップS17(図20参照)の遊技許可処理では、遊技の実行を許可するための遊技許可フラグの管理が行われる。遊技許可フラグは、遊技の実行を許可するか否かを示すフラグであり、例えば、RWM(メインRAM103)の作業領域が正常でないとき等、遊技を実行することができないときにOFFに設定される。以下に遊技許可処理(ステップS17)について説明する。
メインCPU101は、先ず、電断時状況識別フラグがONであるか否かを判別する(ステップS1710)。電断時状況識別フラグとは、前回の電断発生時の状況を識別するフラグである。すなわち、例えば後述する設定変更処理中等に電断が発生すると、設定変更処理が適正に完了する前に電断している可能性が高いため、電源を投入したときに、そのまま遊技の実行を許可することができない。そこで、電源を投入したときに、前回の電断発生時の状況を識別できるようにしている。本実施形態では、例えば、通常遊技中や後述する設定確認処理中に電断が発生したときには、電断されるまでの間に、電断時状況識別フラグがONに設定される。一方、後述する設定変更処理中に電断が発生したときには、電断されるまでの間に、電断時状況識別フラグがOFFに設定される。また、後述するステップS722〜ステップS727の異常状態中に電断が発生したときにも、電断時状況識別フラグがOFFに設定される。なお、未だ電源投入されたことがない初期状態、または長期間にわたって電源が投入されなかったためにメインRAM103のデータが消失したとき、電断時状況識別フラグはOFFである。上記の「通常遊技中」とは、設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中を意味し、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFの通常遊技状態を意味するものではない(以下、同じ)。
ステップS1710において、メインCPU101は、電断時状況識別フラグがON(ステップS1710におけるYES)であるとステップS1720に移り、電断時状況識別フラグがOFF(ステップS1710におけるNO)であると遊技許可フラグをOFF(ステップS1750)にしたのちステップS1720に移る。
ステップS1720において、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域のチェックを行う。この作業領域のチェックには、セットされている設定値データが規定の範囲内(本実施形態では「0」〜「5」の範囲内)であるか否かのチェックも含まれる。
なお、メインRAM103の作業領域は、後述するバックアップクリア処理が行われたときにデータがクリアされる一般作業領域と、後述するバックアップクリア処理が行われてもデータが原則クリアされずに保持される特定作業領域とに分かれている。この特定作業領域には、例えば、性能表示データやセットされている設定値データ等が記憶されている。設定値を示すデータである。本実施形態では、6段階の設定値「1」〜「6」のそれぞれに、「0」〜「5」の設定値データが対応している。すなわち、例えばセットされている設定値が「4」であれば、メインRAM103に記憶される設定値データは「3」である。
ステップS1730において、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域が正常であるか否かを判別し、正常(ステップS1730におけるYES)であるとステップS1740に移り、正常でないすなわち異常(ステップS1730におけるNO)であると遊技許可フラグをOFF(ステップS1760)にしたのちステップS1740に移る。例えば、設定値データが規定の範囲内(本実施形態では「0」〜「5」の範囲内)でないとき、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域が正常でないと判別する。
ステップS1740において、メインCPU101は、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。このステップS1740では、通常遊技中や後述する設定確認処理中に電断が発生し(ステップS1710におけるYES)、メインRAM103の作業領域が正常であれば(ステップS1730におけるYES)、遊技許可フラグがONであると判別される。一方、設定変更処理中や異常状態中に電断が発生したとき(ステップS1710におけるNO)、および、メインRAM103の作業領域が正常でなければ(ステップS1730におけるNO)、遊技許可フラグがOFFであると判別される。そして、遊技許可フラグがON(ステップS1740におけるYES)である場合には、遊技許可処理を終了する。遊技許可フラグがOFF(ステップS1740におけるNO)である場合には、ステップS1770に移る。
なお、この明細書において、通常遊技中に発生する電断、設定確認処理中に発生する電断および設定変更処理中に発生する電断を、正常な電断とし、後述するステップS722〜ステップS727において発生する電断を異常な電断とする。
ステップS1770において、メインCPU101は、設定キー328がON操作された状態で電源投入された(電源スイッチ35がONとなる操作が行われた)か否か、すなわち設定キースイッチ信号がONであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がON(ステップS1770におけるYES)であるとステップS1780に移り、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS1770におけるNO)であるとステップS1810に移る。
ステップS1780において、メインCPU101は、バックアップクリアスイッチ330の押下操作が行われたか否か、すなわちバックアップクリア信号がONであるか否かを判別し、バックアップクリア信号がON(ステップS1780におけるYES)であるとステップS1790に移り、バックアップクリア信号がOFFであるとステップS1810に移る。
ステップS1790において、メインCPU101は、遊技許可フラグをONに設定し、ステップS1800に移る。
このようにメインCPU101は、前回の電断発生時の状況やメインRAM103の作業領域が正常でないこと等によって遊技許可フラグがOFFであったとしても(ステップS1740におけるNO)、設定キースイッチ信号ON(ステップS1770におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS1780におけるYES)であると、ステップS1790において遊技許可フラグをONに設定する。すなわち、設定キー328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われた場合には、遊技許可フラグがたとえOFFであったとしても遊技許可フラグがONに設定されるが、設定キースイッチ信号とバックアップクリア信号とのうち少なくともいずれか一つでもOFFであれば、遊技許可フラグがOFFからONに設定されることがない。
ステップS1800において、メインCPU101は、バックアップクリアフラグをONに設定し、遊技許可処理を終了する。バックアップクリアフラグは、後述するバックアップクリア処理を行う必要があるか否かを示すフラグであり、バックアップクリア処理を行う必要があるときはバックアップクリアフラグがONに設定され、バックアップクリア処理が行われるとバックアップクリアフラグがOFFに設定される。
ステップS1810において、メインCPU101は、遊技の実行が許可されない(遊技許可フラグがOFFである)ことを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。メインCPU101は、ステップS1810の処理を行うと、遊技許可処理を終了する。このように、エラーコードをエラー報知モニタ336に表示することで、ホール関係者は、エラー報知モニタ336に表示されたエラーコードを確認することで、遊技を実行できる状態でない(遊技許可フラグがOFFである)ことを把握することができる。本実施形態では、遊技許可フラグがOFFであるとき、設定キースイッチ328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われた場合に限り、遊技許可フラグをONに設定することが可能となっている。すなわち、遊技許可フラグがOFFであるときは、電断操作を行って電力の供給を一旦停止し、後述する設定変更処理が実行されない限り、遊技許可フラグがONにならない。なお、上記ではステップS1810の処理を行うと遊技許可処理を終了するようにしているが、これに代えて、ステップS1810の処理を行った後、ステップS1740に戻り、遊技許可フラグをONにする条件が成立するまで(図21で言えば、ステップS1780においてYESと判別されるまで)、ステップS1740〜ステップS1810の処理をループするようにしても良い。
[5−1−2.設定処理]
図22(a)は、ステップS20(図19参照)の設定処理の一例を示すフローチャートであり、図22(b)は、ステップS20の設定処理の他の例を示すフローチャートである。図22(a)と図22(b)とで異なる点は、ステップS21において遊技許可フラグがOFFである(ステップS21におけるNO)と判別されたときの処理が異なるだけで、その他の処理(ステップS22〜ステップS28の処理)は両者で共通する。以下に、設定処理について説明する。
図22(a)に示されるように、メインCPU101は、先ず、ステップS21において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。メインCPU101は、遊技許可フラグがON(ステップS21におけるYES)であるとステップS22に移り、遊技許可フラグがOFF(ステップS21におけるNO)であると、設定変更処理(ステップS24)および設定確認処理(ステップS26)のいずれも実行せずに設定処理を終了する。
メインCPU101は、設定キースイッチ信号ON(ステップS22におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS23におけるYES)であると、設定変更処理(ステップS24)を行い、設定キースイッチ信号ON(ステップS22におけるYES)且つバックアップクリア信号OFF(ステップS23におけるNO)であると、設定確認処理(ステップS26)を行う。したがって、設定キー328がON操作された状態で電源投入されると、バックアップクリア信号がONであれば設定変更処理(ステップS24)が実行され、バックアップクリア信号がOFFであれば設定確認処理(ステップS26)が実行される。
なお、メインCPU101は、設定キースイッチ信号OFF(ステップS22におけるNO)且つバックアップクリア信号ON(ステップS27におけるYES)であると、バックアップクリアフラグをONに設定し(ステップS28)、設定変更処理(ステップS24)および設定確認処理(ステップS26)のいずれも実行せずに設定処理を終了する。また、メインCPU101は、設定キースイッチ信号OFF(ステップS22におけるNO)且つバックアップクリア信号OFF(ステップS27におけるNO)であると、ステップS28の処理を実行せずに、設定処理を終了する(設定変更処理(ステップS24)および設定確認処理(ステップS26)についても実行されない)。
すなわち、前回の電断が通常遊技中や後述する設定確認処理中に発生した正常な電断であって、且つ、メインRAM103の作業領域が正常であれば、ステップS21においてYESと判別される。このとき、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況に応じて、設定変更処理(ステップS24)、設定確認処理(ステップS26)またはバックアップクリアフラグ処理(ステップS28)を実行する。なお、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330のいずれも操作されずに電源が投入された場合には、設定変更処理(ステップS24)、設定確認処理(ステップS26)およびバックアップクリアフラグ処理(ステップS28)のいずれも実行することなく、遊技復帰処理(ステップS30)に移り、この遊技復帰処理(ステップS30)が実行されたのち、遊技の実行が可能となる。
一方、前回の電断が異常な電断であったり、前回の電断が正常な電断であったとしても設定変更処理中に発生した電断であれば、ステップS21においてNOと判別される。このとき、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、設定変更処理(ステップS24)、設定確認処理(ステップS26)およびバックアップクリアフラグON(ステップS28)のいずれも実行せずに、設定処理を終了する。したがって、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合には、設定キースイッチ信号ON(ステップS1770におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS1780におけるYES)と判別されて(すなわち、設定キー328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われて設定変更状態に制御されて)設定値が確定されたときに限り、設定変更処理(ステップS24)が実行されてステップS30の遊技復帰処理に移り、この遊技復帰処理(ステップS30)が実行されたのち、遊技の実行が可能となる。そのため、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330のいずれも操作されなかったり、操作されたとしてもいずれか一方のみが操作されただけであるときには、設定変更処理(ステップS24)、設定確認処理(ステップS26)およびバックアップクリアフラグ処理(ステップS28)のいずれも実行されずに遊技復帰処理(ステップS30)に移る。ただし、この遊技復帰処理(ステップS30)では、異常時処理(後述の図26のステップS38参照)が実行されることとなり、遊技を実行することができず、遊技停止状態となる。
このように、図22(a)のフローチャートで示される設定処理の一例では、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合には、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、設定変更処理(ステップS24)、設定確認処理(ステップS26)およびバックアップクリアフラグON(ステップS28)のいずれも実行せずに、設定処理を終了している。ただし、これに限られず、図22(b)のフローチャートで示される設定処理の他の例のように、設定変更処理中に電断が発生した場合または/および前回の電断が異常な電断である場合に、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、強制的に設定変更処理(ステップS24)を実行するようにしてもよい。設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合に、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず強制的に設定変更処理(ステップS24)が実行されるようにすることで、設定キー328やバックアップクリアスイッチ330の操作をし忘れた状態で電源を投入してしまったときに、再び電断を強いるような煩わしさを軽減することが可能となる。
なお、図22(a)に示されるフローチャートでは、ステップS21においてNOと判別されると、設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況のいずれも判別することなく設定処理を終了している。同様に、図22(b)に示されるフローチャートにおいても、ステップS21においてNOと判別されると、設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況のいずれも判別することなく設定変更処理(ステップS24)を実行している。ただし、これらに代えて、設定キー328の操作状況または/およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況を判別し、この判別結果にかかわらず、設定処理を終了したり設定変更処理(ステップS24)を実行したりしてもよい。
[5−1−2−1.設定変更処理]
図23は、設定変更処理の一例を示すフローチャートである。ステップS24(図22参照)の設定変更処理は、セットされている設定値を変更するための処理であるが、セットされている設定値と同じ設定値にして設定変更処理を終了することもできる。また、上述したように、遊技許可フラグがOFFであるときには、電断操作を行って電力の供給を一旦停止した上で設定変更処理を実行しない限り、遊技許可フラグがONにならない。
メインCPU101は、先ず、ステップS2410において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS2410におけるNO)であると、メインCPU101は、設定変更処理を実行することなく当該処理を終了する。なお、電源が投入された時点で遊技許可フラグがOFFであったとしても、設定キースイッチ信号ON且つバックアップクリア信号ONであるときは、ステップS1790(図21参照)において遊技許可フラグがONに設定されるため、設定変更処理が実行される。
メインCPU101は、遊技許可フラグがONであると(ステップS2410におけるYES)、ステップS2420に移り、バックアップクリア処理を実行する。このバックアップクリア処理については後述する。
メインCPU101は、ステップS2420のバックアップクリア処理を実行したのち、ステップS2430に移り、メインRAM103に記憶されている設定値データをレジスタに格納し、ステップS2440に移る。なお、バックアップクリア処理は、設定変更処理が開始されてから終了するまでの間であれば、どのタイミングで実行しても良い。
ステップS2440において、メインCPU101は、設定変更セキュリティ信号の出力設定を行う。この設定変更セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。なお、設定変更セキュリティ信号は、同信号の出力期間内で一定時間以上(例えば50msec以上)出力される。
ステップS2450において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。この性能表示モニタ334には、レジスタに格納されている設定値データが設定値に変換されて表示される。例えば、レジスタに格納されている設定値データが「3」であるとき、性能表示モニタ334には、設定値データ「3」に対応する設定値「4」が表示される。ただし、レジスタに格納されている設定値データとセットされている設定値とが対応していれば、必ずしも、性能表示モニタには数字が表示される必要はない。例えば、設定値データ「0」〜「5」をそれぞれ「A」〜「F」と対応させて、レジスタに格納されている設定値データが例えば「3」であるときにはこれに対応する「D」が性能表示モニタ334に表示されるようにしても良い。なお、このステップ2450において、性能表示モニタ334には、レジスタに格納されている設定値データが設定値に変換されて表示されることとしたが、前のデータが破棄されることにより、予め定められた初期値(例えば「1」)が表示されるようにしても良い。また、このパチンコ遊技機1に初めて電源が投入されたときには、メインCPU101は、予め定められた初期値(例えば「1」)や、通常では表示されない値(例えば「8」)などが性能表示モニタ334に表示されるように制御してもよい。メインCPU101は、通常では表示されない値を性能表示モニタ334に表示するときには、ステップS2510において設定スイッチ332が押下されたと判定されない限り、正当な設定値を設定せず、遊技許可フラグをOFFにするようにしてもよい。
ステップS2460において、メインCPU101は、設定変更中であることを示す設定変更中コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、設定変更処理中であることを把握することができる。
ステップS2470において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がOFFでなければ(ステップS2470におけるNO)、ステップS2510に移る。
ステップS2510において、メインCPU101は、設定スイッチ332が押下されたか否かを判別し、設定スイッチ332が押下されていれば(ステップS251におけるYES)、ステップS2520に移り、レジスタに格納されている設定値データを更新したのち、ステップS2440に戻る。一方、設定スイッチ332が押下されなければ(ステップS2510におけるNO)、ステップS2440に戻る。すなわち、設定変更処理では、設定キースイッチ信号がONであると判別されない限り(ステップS2470においてYESでない限り)、ステップS2510、ステップS2520、ステップS2440〜ステップS2470をループする(ステップS2510、ステップS2520、ステップS2440〜ステップS2470の処理が繰り返される)こととなる。
なお、メインCPU101は、設定スイッチ332が押下された(ステップS2510においてYESと判別した)とき、その後のステップS2450において、更新された設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。
また、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFである(ステップS2470におけるYES)と判別しない限り、設定スイッチ332が押下される都度、レジスタに格納されている設定値データを「0」〜「5」まで循環増加させる(設定値データが「5」であるときに設定スイッチ332が押下されると「0」に戻る)。これにより、設定スイッチ332が押下される都度、性能表示モニタ334における表示も循環表示される。ただし、設定スイッチ332が押下される都度、レジスタに格納されている設定値データを「5」〜「0」まで循環減少させるようにしても良いし、設定スイッチ332の押下態様によって循環増加と循環減少との両方を実行できるようにしても良い。
ステップS2470において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS2470におけるYES)と判別すると、ステップS2480に移る。ステップS2480に移ると、メインCPU101は、ステップS2510、ステップS2520、およびステップS2440〜ステップS2470のループを終了する。
ステップS2480において、メインCPU101は、レジスタに格納されている設定値データをメインRAM103に記憶する。ステップS2480の処理が実行されると、設定値が確定する。すなわち、設定変更処理では、設定キースイッチ信号がOFFとなる操作が実行されたこと(ステップS2470においてYESと判別されたこと)にもとづいて設定値が確定し、設定キースイッチ信号がOFFとなる操作を実行せずに設定スイッチ332が押下されるだけ(ステップS2510、ステップS2520、ステップS2440〜ステップS2470をループするだけ)であれば、レジスタに格納されている設定値データが更新されるだけで、メインRAM103に記憶されている設定値データの更新は行われない。
なお、ステップS2470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS2470におけるYES)と判別された後、再び設定キー328を戻す操作を行っても、当該操作は検出されず(設定キースイッチ信号がONと検出されず)、電源断操作(電源スイッチ35のOFF操作)を行わない限り、設定値を変更することができない。なお、その際(ステップS2470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS2470におけるYES)と判別された後、再び設定キー328を戻す操作を行った際)、メインCPU101は、レジスタに格納されている設定値データを性能表示モニタ334に表示し、設定確認ができる(設定確認処理を行う)ようにしても良い。その際(設定確認処理を行うようにした際)、メインCPU101は、遊技許可フラグを、設定キースイッチ信号がOFFになるまでOFFとするようにしてもよい。
ところで、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断であるときに、その後に電源が投入されたとき(電断復帰時)の設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況(設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態)にかかわらず強制的に設定変更処理(図23参照)を実行するようにした場合(図22(b)参照)には、設定キー328がON操作されなくとも(設定キースイッチ信号がOFFのまま)設定変更処理が実行される。このように、設定キー328がON操作されずに設定変更処理(ステップS24)が実行されたときには、設定キースイッチ信号がOFFのままであることがあるため、メインCPU101は、ステップS2470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS2470におけるYES)であるとただちに判別せずに、設定キー328が一旦ON操作された上でOFF操作されたことをもって、設定キースイッチ信号がOFFであると判別し、ステップS2480に移る(設定値を確定する)。なおこの場合、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がONとなったことを検出し、さらに設定キースイッチ信号がOFFとなったことを検出したことをもって、ステップS2480においてYESと判別するようにしてもよいし、設定キースイッチ信号がONとなったことを検出しなくとも、設定キースイッチ信号がONからOFFとなったことを検出したことをもって、ステップS2480においてYESと判別するようにしてもよい。なお、上記において、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断であるとき、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず強制的に設定変更処理を実行すると記載したが、これに限られない。例えば、メインCPU101により、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず状態を強制的に設定変更状態に変更することとしてもよい。また、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず電断が発生したときの設定変更状態で電断復帰する(すなわち、電断発生時にその状態を保持し、その後の電断復帰時に、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず、保持した状態に戻す処理を実行する)ようにしてもよい。
ステップS2490において、メインCPU101は、性能表示データが性能表示モニタ334に表示されるように報知設定し、ステップS2500において、初期化コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定し、設定変更処理を終了する。
なお、ステップS2470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS2470におけるYES)と判別されることで、設定キースイッチ信号がOFFになったことを示すコマンド、すなわち設定変更処理が終了したことを示すコマンドとして初期化コマンドがサブCPU201に送信されることとなる。
ステップS24(図22参照)の設定変更処理が終了すると、ステップS20(図19参照)の設定処理が終了し、ステップS30(図19参照)の遊技復帰処理に移る。
なお、ステップS24(図22参照)の設定変更処理が実行されたのちに後述の遊技復帰処理を経て遊技の実行が可能となった場合、遊技が開始されたのちの一定期間において、または、遊技が開始されたのちの所定のタイミングにおいて、設定変更処理が実行された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によってより高設定値に変更された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によってより低設定値に変更された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によって設定値が複数段階以上変更された(例えば設定6から設定4といったように2段階以上変更された)可能性があることを示唆する情報等、設定変更処理にかかわる情報を、例えば液晶表示装置16等に表示するようにしても良い。例えば、液晶表示装置16等で行われる演出や装飾図柄の変動パターンを、設定変更処理が実行されたときと実行されていないときとで異なりうるようにしたり、設定変更処理によってより高設定値に変更されたときと低設定値に変更されたときとで異なりうるようにしたり、設定変更処理によって設定値が複数段階以上変更されたときと複数段階以上変更されていないときとで異なりうるようにしても良い。
また、上述した設定変更セキュリティ信号の出力期間、およびエラー報知モニタ336に設定変更中コードが表示される期間は、設定変更処理が開始されてから当該設定変更処理の終了処理が実行されるまでとなっている。ただし、これらの期間を完全に一致させる必要はない。
なお、上記の設定変更処理は、内部的に遊技許可フラグがONおよびOFFのいずれであったとしても実行される処理である。また、上記ステップS24における設定変更処理が開始されたこと、ステップS2510において設定スイッチが押下されるごと、ステップS2480の処理を実行する際など、所定のタイミングにおいてサブ制御回路200に対しコマンドを送信することにより液晶表示装置16やスピーカ24、LED25などにおいて、設定変更中である旨の報知、設定値が変更されている旨の報知、設定変更が完了した旨の報知などを行うようにしてもよい。
[5−1−2−1−1.バックアップクリア処理]
図24は、ステップS2420(図23参照)のバックアップクリア処理の一例を示すフローチャートである。このバックアップクリア処理は、メインRAM103の作業領域に記憶されている情報をクリアする処理である。ただし、このバックアップクリア処理では、上述したとおり、一般作業領域に記憶されている情報はクリアされるが、特定作業領域に記憶されている情報は原則としてクリアされない。
メインCPU101は、先ず、ステップS2421において、バックアップクリアフラグがOFFであるか否かを判別する。メインCPU101は、バックアップクリアフラグがOFF(ステップS2421におけるYES)であるときはバックアップクリア処理を実行することなく当該処理を終了し、バックアップクリアフラグがON(ステップS2421におけるNO)であるときはステップS2422に移る。
ステップS2422において、メインCPU101は、RWM(メインRAM103)の作業領域をクリアする。ただし、前回の電断が設定変更処理中に発生していれば、前回の電断が発生した設定変更処理中にバックアップクリア処理の全部または一部が実行されている可能性がある。そのため、前回の電断が設定変更処理中に発生した場合には、前回の電断が発生した設定変更処理中に実行されたバックアップクリア処理とあわせてメインRAM103の作業領域をクリアするようにし、今回のバックアップクリア処理では部分的にクリアするだけとしても良い。
なお、ステップS2422の処理では、上述したように、特定作業領域に記憶されている性能表示データや設定値データは原則としてクリアされない。ただし、RWM(メインRAM103)に記憶されている設定値データが異常である(例えば、セットされている設定値データが規定の範囲外である)と判別されたときは、設定値データもクリアされる。また、RWM(メインRAM103)に記憶されている性能表示データが異常であると判別されたときは、性能表示データもクリアされる。なお、設定値データが異常であるときには設定値データもクリアされるようにしているが、その際は遊技許可フラグをOFFにして、設定変更処理(例えば、図23参照)を行わない限り遊技許可フラグをONにしないようにしてもよい。
ステップS2423において、メインCPU101は、バックアップクリア処理が実行されたことを示す情報(メインRAM103の作業領域がクリアされたことを示す情報)が表示されるように報知設定する。その後、ステップS2424において、メインCPU101は、バックアップクリアフラグをOFFに設定し、バックアップクリア処理を終了する。なお、上記の報知設定(バックアップクリア処理が実行されたことを示す情報)は例えばサブ制御回路200へコマンド送信され、表示制御回路204(図9参照)により、バックアップクリア処理が実行されたことを示す画像が例えば液晶表示装置16に表示される。
なお、設定変更処理(例えば、図23参照)に伴ってバックアップクリア処理が実行される場合、設定変更処理のステップS2450において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。これと同様に、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が実行される場合にも、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定するようにするとよい。
[5−1−2−2.設定確認処理]
図25は、設定確認処理の一例を示すフローチャートである。ステップS26(図22参照)の設定確認処理は、セットされている設定値を確認するための処理である。セットされている設定値はメインRAM103に格納される。
メインCPU101は、先ず、ステップS2610において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS2610におけるNO)であると、メインCPU101は、設定確認処理を実行することなく当該処理を終了する。
メインCPU101は、遊技許可フラグがONであると(ステップS2610におけるYES)、ステップS2620に移り、設定確認セキュリティ信号の出力設定を行う。この設定確認セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。なお、設定確認セキュリティ信号は、同信号の出力期間内で一定時間以上(例えば50msec以上)出力される。
ステップS2630において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。この性能表示モニタ334に表示される設定値情報は、セットされている設定値データを示す情報である。例えば、メインRAM103に記憶されている設定値データが「3」であるとき、性能表示モニタ334には、設定値データ「3」に対応する「4」が設定値を示す情報として表示される。
ステップS2640において、メインCPU101は、設定確認中であることを示す設定確認中コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、設定確認処理中であることを把握することができる。
ステップS2650において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がOFFでなければ(ステップS2650におけるNO)、ステップS2620に戻る。すなわち、設定確認処理では、設定キースイッチ信号がONであると判別されない限り(ステップS2650においてYESでない限り)、ステップS2620〜ステップS2650の処理をループする(ステップS2620〜ステップS2650の処理が繰り返される)こととなる。
ステップS2650において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS2650におけるYES)と判別すると、ステップS2660に移る。ステップS2660に移ると、メインCPU101は、ステップS2620〜ステップS2650の各処理を終了する。
なお、ステップS2650において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS2650におけるYES)と判別されることで、後述するステップS37において、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして電断復帰コマンドがサブCPU201に送信されることとなる。
ステップS2660において、メインCPU101は、性能表示データが性能表示モニタ334に表示されるように報知設定し、ステップS2670において、エラー報知モニタ336に何らの情報も表示されないよう非報知設定し、設定確認処理を終了する。
ステップS26(図22参照)の設定確認処理が終了すると、ステップS20(図19参照)の設定処理が終了し、ステップS30(図19参照)の遊技復帰処理に移る。
[5−1−3.遊技復帰処理]
図26は、遊技復帰処理の一例を示すフローチャートである。ステップS30(図19参照)の設定処理では、遊技許可フラグがONであることを前提として、遊技が実行できる状態に復帰させる処理が行われる。以下に、遊技復帰処理について説明する。
メインCPU101は、先ず、ステップS31において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS31におけるNO)であると、メインCPU101は、ステップS38の異常時処理を実行する。この異常時処理については後述する。
メインCPU101は、遊技許可フラグがON(ステップS31におけるYES)であると、ステップS32に移り、全スイッチを有効化する処理を行う。
ステップS33において、メインCPU101は、バックアップクリア信号がOFFであるか否かを判別する。メインCPU101は、バックアップクリア信号がOFFであると(ステップS33におけるYES)、ステップS34に移る。
ステップS34において、メインCPU101は、電断時状況識別フラグがONであるか否かを判別する。メインCPU101は、電断時状況識別フラグがONであれば(ステップS34におけるYES)、ステップS35に移る。上述したとおり、電断時状況識別フラグは、通常遊技中(設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中)や設定確認処理中に電断が発生するとONに設定され、設定変更処理中に電断が発生するとOFFに設定される。したがって、前回の電断が通常遊技中や設定確認処理中に発生した場合に、ステップS35の処理が行われる。
ステップS35において、メインCPU101は、電断復旧時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、ステップS36において、メインCPU101は、電断復旧時の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、高確率遊技状態であることを示す報知設定を行う。
次に、ステップS37において、メインCPU101は、電断復帰時のコマンド(電断復帰コマンド)をサブ制御回路200に対して送信する処理を行う。このコマンドには、セットされている設定値についての設定値情報も含まれる。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS30(図19参照)の遊技復帰処理を終了し、一連の電源投入処理が終了する。これにより、遊技の実行が可能となる。上記の電断復帰コマンドは、電断復帰時であることを示すコマンド、または、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして機能する。
ステップS33において、メインCPU101は、バックアップクリア信号がON(ステップS33におけるNO)であると判別すると、ステップS39のバックアップクリア処理に移る。このバックアップクリア処理は、図23に示すステップS2420のバックアップクリア処理(図24に示すバックアップクリア処理)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS39のバックアップクリア処理が終了すると、メインCPU101は、ステップS40に移り、RWM(メインRAM103)の初期化時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、ステップS41において、メインCPU101は、RWM初期化時のコマンド(初期化コマンド)をサブ制御回路200に対して送信する処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS30(図19参照)の遊技復帰処理を終了し、一連の電源投入処理が終了する。これにより、遊技の実行が可能となる。なお、上記の初期化コマンドは、設定変更処理が終了した(バックアップクリア処理も実行されている)ことを示すコマンド、または、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示すコマンドとして機能する。
また、上記した設定確認セキュリティ信号の出力期間、およびエラー報知モニタ336に設定確認中コードが表示される期間は、設定確認処理が開始されてから当該設定確認処理の終了処理が実行されるまでとなっている。ただし、これらの期間を完全に一致させる必要はない。
[5−1−3−1.異常時処理]
図27は、異常時処理の一例を示すフローチャートである。ステップS38(図26参照)の異常時処理は、上述したとおり、ステップS31(図26参照)の処理において、遊技許可フラグがOFF(ステップS31におけるNO)であると判別されたときに実行される処理である。
先ず、ステップS381において、メインCPU101は、遊技許可フラグがOFFであること、すなわち遊技を実行することができないことを示す異常コマンドを、サブ制御回路200に対して送信する処理を行う。サブCPU201は、異常コマンドを受信するとバックアップ不良と判断し、パチンコ遊技機1が正常でない旨の情報をサブCPU201(表示制御回路204)の制御により液晶表示装置16に表示することが可能となる。
なお、メインCPU101は、必ずしも異常コマンドを送信しなくてもよい。例えば、サブCPU201は、サブ制御回路200(図9参照)への電源供給が開始されてから所定時間(例えば30秒)、メインCPU101からの正常なコマンドを受信できなかった場合にバックアップ不良と判断するようにしてもよい。
ステップS382において、メインCPU101は、異常セキュリティ信号の出力設定を行う。この異常セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。
ステップS383において、メインCPU101は、遊技の実行が許可されない(遊技許可フラグがOFFである)ことを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、遊技を実行できる状態でない(遊技許可フラグがOFFである)ことを把握することができる。
ステップS384において、メインCPU101は、電断検知信号がONであるか否かを判別する。電断検知信号は、電圧が所定レベルまで降下するとONとなる信号である。そして、メインCPU101は、電断検知信号がON(ステップS384におけるYES)であると判別すると、ステップS385に移り、電源断発生時処理が実行される。一方、電断検知信号がOFFの場合(ステップS384におけるNO)、メインCPU101は、ステップS382〜ステップS384をループする(ステップS382〜ステップS384の処理が繰り返される)。
[5−1−3−1−1.電源断発生時処理]
図28は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、メインCPU101は、所定レベルまで電圧が降下していないかを常にチェックしており、電圧が所定レベルまで降下すると、電源断発生時処理を行う。
メインCPU101は、先ず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS3851)。そして、メインRAM103の作業領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データをメインRAM103のバックアップ領域に記憶(保存)する(ステップS3852)。このチェックサムは、復電時に、停電前のメインRAM103の内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。このようにして、電力の供給が停止されたとしても、メインRAM103に記憶されている各種の遊技データを保持することが可能となっている。
次いで、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電断時状況識別フラグを設定する(ステップS3853)。すなわち、上述したとおり、メインCPU101は、電断が通常遊技中(設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中)や設定確認処理中に発生したのであれば電断時状
況識別フラグをONに設定し、設定変更処理中に発生したのであればOFFに設定する。
メインCPU101は、ステップS3851〜ステップS3853の処理を終えると、ステップS3854に移り、RWM(メインRAM103)へのアクセスを禁止し、無限ループに入って電力供給の停止に備える。
このように遊技許可フラグがOFFであるときは、上述したとおり、電断操作を行って電力の供給を一旦停止し、後述する設定変更処理が実行されない限り、遊技許可フラグがONにならないようになっている。
ところで、この処理では、ごく短時間の停電等(以下「瞬停」と称する)により電源電圧が不安定になって電源断発生時処理が開始されてしまうと、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のメインCPU101には、図示しないウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。その結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図28の無限ループに入った場合でも所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでメインCPU101が起動することになる。
なお、RWM(メインRAM103)のバックアップ領域に代えて、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えるようにしてもよい。この場合、データをバックアップさせるために常時の電力供給を必要としないといったメリットがある。
若しくは、RWM(メインRAM103)の全領域を、電力の常時供給によってデータがバックアップされるバックアップ領域としてもよい。この場合、電源遮断時において、メインRAM103に記憶されているデータを他の領域に退避させる必要がなくなる。また、電源復帰時にも、退避データを処理領域に読み出す必要がなくなるため、これらの処理に要する負荷が軽減されるようになる。
[5−1−4.操作者側から見た電源投入処理の流れ]
以上がメインCPU101による電源投入処理の制御フローであるが、操作を行う者(例えばホール関係者等)から見た電源投入処理の流れについて簡単に説明する。
[5−1−4−1.設定変更処理の流れ]
先ず、設定変更処理、すなわちセットされている設定値を変更するための流れについて説明する。セットされている設定値を変更するためには、先ずは電源断操作(電源スイッチ35のOFF操作)を行う必要がある。そして、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行う。
電源スイッチ35をON操作すると、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化されて、設定変更処理が開始され、設定変更を行うことが可能な状態となる。
設定変更処理が開始されると、設定変更処理中であることを示す設定変更中コードがエラー報知モニタ336に表示される。さらに、性能表示モニタ334の表示は、電源スイッチ35がON操作された後、消灯状態から、セットされている設定値を示す情報に切り替わる。
設定変更処理において、バックアップクリア処理、すなわちメインRAM103の初期化処理(メインRAM103の作業領域のクリア、メインRAM103の作業領域のクリア報知、メインRAM103の作業領域の初期設定、RWMの初期化時のコマンド送信)が実行されると、バックアップクリア処理が実行された旨の音声がスピーカ24から出力される。なお、後述するとおり、バックアップクリア処理が実行された旨の表示は行われないが、スピーカ24からの音声出力に代えてまたは加えて、バックアップクリア処理が実行された旨を液晶表示装置16の表示領域に表示するようにしてもよい。
設定変更処理では、設定スイッチ332を押下する毎に、性能表示モニタ334に表示されている設定値を示す情報が循環増加表示される。すなわち、設定値を示す情報は、設定値が「1」〜「5」であるときは設定スイッチ332を押下する毎に1ずつ増加するが、設定値が「6」であるときは設定スイッチ332を押下すると「1」に戻って表示される。
設定変更処理中に設定キー328をOFF操作すると設定変更状態が終了し、性能表示モニタ334に表示されている設定値がセットされる。また、エラー報知モニタ336の表示は設定変更中コードから初期化コードに変更され、性能表示モニタ334には性能表示(ベース値)が表示され、全スイッチの操作が有効化される。
このように、設定変更処理中は、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化され、その他のスイッチは全て無効化されたままである。そして、設定キー328をOFF操作すると、全スイッチが有効化される。
[5−1−4−2.設定確認処理の流れ]
次に、設定確認処理、すなわちセットされている設定値を確認するための流れについて説明する。設定確認処理は、内部的に遊技許可フラグがONであることを条件として実行される処理であり、内部的に遊技許可フラグがOFFであるときには実行されない。
セットされている設定値を確認するためには、内部的に遊技許可フラグがONであることを条件として、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアクリアスイッチ330を押下操作せずに、電源スイッチ35のON操作を行う。
電源スイッチ35をON操作すると、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定キー328の操作のみが有効化されて、設定確認処理が開始され、セットされている設定を確認できる状態となる。
設定確認処理が開始されると、設定確認処理中であることを示す設定確認中コードがエラー報知モニタ336に表示される。さらに、性能表示モニタ334の表示は、電源スイッチ35がON操作された後、消灯状態から、セットされている設定値を示す情報に切り替わる。
なお、設定確認処理中は、設定スイッチ332を押下操作したとしても、性能表示モニタ334に表示されている設定値を示す情報は変化しない。
設定確認処理中に設定キー328をOFF操作すると設定確認状態が終了し、エラー報知モニタ336の表示は設定確認中コードから非表示に変更され、性能表示モニタ334には性能表示(ベース値)が表示され、全スイッチの操作が有効化される。
このように、設定確認処理中は、全スイッチのうち設定キー328のみが有効化され、その他のスイッチは全て無効化されたままである。したがって、設定スイッチ332も無効化されたままである。そして、設定キー328をOFF操作すると、全スイッチが有効化される。なお、上記の通り設定確認処理においては電源スイッチ35の操作に関係なく、通常遊技中において実行可能な処理としてもよい。
[5−1−4−3.異常時処理における流れ]
上述したとおり、内部的に遊技許可フラグがOFFであるとき、設定変更処理を実行することはできるものの設定確認処理を実行することができない。そのため、内部的に遊技許可フラグがOFFであるときに、設定変更処理を実行するための操作(電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアクリアスイッチ330を押下操作し且つ電源スイッチ35のON操作)を行わずに、設定確認処理を実行するための操作を行った場合、設定変更処理を伴わないバックアップ処理(詳細は後述する)を行った場合、または、ただ単に電源を投入する操作だけを行った場合には、異常時処理が実行される。以下に、異常時処理における流れを説明する。
電源スイッチ35をON操作した後、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化される(内部的には異常時処理が開始される)。設定にかかわる操作が有効化される理由は、設定変更処理の実行により遊技許可フラグをONにすることができるようにするためである。
異常時処理が開始されると、遊技を実行できない状態であることを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示される。これにより、操作者は、遊技を実行できない状態であることを確認できる。さらに、性能表示モニタ334には、エラーであることを示す情報が表示される。
さらに、異常時処理が開始されると、設定にかかわる操作についても無効化される。すなわち、全スイッチの操作が無効化される。したがって、異常時処理が開始されると、いずれの操作を実行しても反応しなくなり、電源スイッチ35をOFF操作した上で上述の設定変更処理を行わない限り、遊技を実行できる状態にパチンコ遊技機1を復旧させることができない。なお、全スイッチの操作が無効化とは、サブ制御回路200により制御される各デバイスも一切停止する遊技が一切できない状況であるもの、一部のサブ制御回路200により制御される各デバイス(例えばLED25)は制御可能な状態であるものも含む。
[5−2.システムタイマ割込処理]
図29は、メインCPU101によるシステムタイマ割込処理を示すフローチャートである。システムタイマ割込処理は、例えば2msごとに実行される。同図に示すように、メインCPU101は、各レジスタの値をメインRAM103のスタックエリアに退避する(ステップS51)。
次に、メインCPU101は、各種の乱数値を更新する乱数更新処理を行う(ステップS52)。
次に、メインCPU101は、各種スイッチからの入力信号を検出するためのスイッチ入力検出処理を実行する(ステップS353。スイッチ入力検出処理については、図30を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を行う(ステップS54)。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路200に各種コマンドを出力(送信)するコマンド出力処理を行う(ステップS55)。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路200に各種遊技情報を出力(送信)する遊技情報出力処理を行う(ステップS56)。遊技情報は、主制御回路100、サブ制御回路200、払出・発射制御回路300などにおいて処理される遊技に関わる情報であり、サブ制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータ700に送信される。
次に、メインCPU101は、退避した各レジスタの値を復帰させる処理を行う(ステップS57)。この処理を終了すると、メインCPU101は、システムタイマ割込処理を終了する。
[5−2−1.スイッチ入力検出処理]
図30は、メインCPU101によるスイッチ入力検出処理を示すフローチャートである。スイッチ入力検出処理は、先述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を実行する(ステップS61)。始動口入賞検出処理については、図31を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、一般入賞口通過検出処理を行う(ステップS62)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口53・54・55・56への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU101は、大入賞口通過検出処理を行う(ステップS63)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口540への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU101は、球通過検出器通過検出処理を行う(ステップS64)。球通過検出器通過検出処理では、通過ゲート49(例えば図5参照)への遊技球の通過検出を球通過検出器(図示せず)に検出されたことに基づいて普通図柄ゲームの抽選結果(乱数値)を抽出する。この処理を終了すると、メインCPU101は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[5−2−1−1.始動口入賞検出処理]
図31は、メインCPU101による始動口入賞検出処理を示すフローチャートである。始動口入賞検出処理は、先述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU101は、第1始動口スイッチ421で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS71)。第1始動口スイッチ421で遊技球を検出した場合(ステップS71におけるYES)、メインCPU101は、ステップS52の処理に移る。第1始動口スイッチ421で遊技球を検出していない場合(ステップS71におけるNO)、メインCPU101は、ステップS81の処理に移る。
ステップS72において、メインCPU101は、設定チェック処理を行う。この設定チェック処理については後述する。
ステップS73において、メインCPU101は、第1特別図柄についての大当り判定乱数及び図柄決定用乱数等の各種乱数を抽出するとともに、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数(第1特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS74)。当該保留個数が4個未満の場合(ステップS74におけるYES)、メインCPU101は、ステップS75の処理に移る。当該保留個数が4個の場合(ステップS74におけるNO)、メインCPU101は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄し、ステップS80の処理に移る。
ステップS75において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を、第1特別図柄の変動開始条件(始動条件)が成立するまでメインRAM103に格納する処理を行う(ステップS76)。これにより、抽出した乱数についての第1特別図柄の変動表示が、始動条件が成立するまで保留される。
次に、メインCPU101は、第1特別停止図柄判断処理を行う(ステップS77)。第1特別停止図柄判断処理では、第1特別図柄について抽出された大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値に基づいて、第1特別図柄用の大当り乱数判定テーブル、図柄判定テーブルおよび大当り種類決定テーブルを参照し、メイン図柄(停止表示される予定の第1特別図柄)に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU101は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS78)。変動パターン決定処理は、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。また、メインCPU101は、図13(または図15)の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照し、大当り判定の結果、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて、変動パターンを選択し、決定する処理を行う。
なお、図13や図15に示されるように、変動パターンには、装飾図柄の変動表示時間が対応付けて記憶されているため、上記の変動パターン決定処理において決定された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドは、実質的に、変動時間を表すことが可能な情報となる。
次に、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS79)。第1始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS78の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路200へと送信される。
ステップS80において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドをセットする処理を行い、ステップS81に移る。第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドは、第1特別図柄の保留個数が上限(例えば4個)であるときに第1始動口入賞があった旨を示すコマンドであり、サブ制御回路200へと送信される。
なお、図31からも明らかであるが、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドがサブ制御回路200に送信されるのは、後述するステップS72の設定チェック処理において設定値データが正常で判別されることが前提である。
ステップS81において、メインCPU101は、第2始動口スイッチ441で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS81)。第2始動口スイッチ441で遊技球を検出した場合(ステップS81におけるYES)、メインCPU101は、ステップS82の処理に移る。第2始動口スイッチ441で遊技球を検出していない場合(ステップS81におけるNO)、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS82において、メインCPU101は、設定チェック処理を行う。この設定チェック処理については後述するが、ステップS72と同様の処理である。
ステップS83において、メインCPU101は、第2特別図柄についての大当り判定乱数及び図柄決定用乱数等の各種乱数を抽出するとともに、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数(第2特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS84)。当該保留個数が4個未満の場合(ステップS84におけるYES)、メインCPU101は、ステップS85の処理に移る。当該保留個数が4個の場合(ステップS84におけるNO)、メインCPU101は、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄し、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS85において、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を、第2特別図柄の変動開始条件(始動条件)が成立するまでメインRAM103に格納する処理を行う(ステップS86)。これにより、抽出した乱数についての第2特別図柄の変動表示が、始動条件が成立するまで保留される。
次に、メインCPU101は、第2特別停止図柄判断処理を行う(ステップS87)。第2特別停止図柄判断処理も、第1特別停止図柄判断処理と同様に、第2特別図柄について抽出された抽出された大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値に基づいて、第2特別図柄用の大当り乱数判定テーブル、図柄判定テーブルおよび大当り種類決定テーブルを参照し、メイン図柄(停止表示される予定の第2特別図柄)に係る図柄指定コマンドや大当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU101は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS88)。この変動パターン決定処理は、ステップS78と同様に、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出され、メインCPU101は、図13(または図15)の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照し、大当り判定の結果、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて、変動パターンを選択する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS89)。第2始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS88の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路200へと送信される。この処理を終了すると、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
なお、第1始動口420への遊技球入賞と第2始動口440への遊技球入賞とが同時検出された場合には、ステップS72の設定チェック処理とステップS82の設定チェック処理とのうちいずれか一方のみを行うようにしても良い。
また、本実施形態では、第2始動口スイッチ441で遊技球が検出された場合(ステップS81におけるYES)に、第2始動口入賞の保留個数が4個(ステップS84におけるNO)であったとしても、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドをサブ制御回路200に送信せずに、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄して始動口入賞検出処理を終了している。これは、後述する設定値示唆演出を効果的に行うことができるのは、非時短遊技状態のときであるからである。
[5−2−1−1−1.設定チェック処理]
図32は、メインCPU101による設定チェック処理の一例を示すフローチャートであり、この設定チェック処理はステップS72とステップS82(いずれも図31参照)とで同じ処理である。設定チェック処理は、セットされている設定値が正常であるか否かのチェックを行う処理である。この設定チェック処理では、例えばステップS1720(図21参照)において実行されるRWM(メインRAM103)の作業領域チェックと同様の処理を行っても良いが、本実施形態では、セットされている設定値が正常であるか否かのチェックに重点をおいている。
同図に示すように、メインCPU101は、先ず、ステップS721において、メインRAM103に記憶されている設定値データが適正(例えば規定の範囲内)であるか否かをチェックする。上述したとおり、本実施形態では、設定値「1」〜「6」に対応する設定値データとして「0」〜「5」がメインRAM103に記憶されているため、ここでは、設定値データが「0」〜「5」の範囲内であるか否かが判別される。設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(ステップS721におけるYES)には、設定チェック処理を終了する。設定値データが「0」〜「5」の範囲外である場合(ステップS721におけるNO)には、ステップS722に移る。
ステップS722において、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFに設定し、ステップS723に移る。
ステップS723において、メインCPU101は、特別図柄が変動表示中であるか否かを判別する。メインCPU101は、特別図柄が変動表示中であると判別すると(ステップS723におけるYES)、ステップS724に移り、特別図柄が変動表示中でないと判別すると(ステップS723におけるNO)、ステップS725に移る。
ステップS724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄の停止を禁止する。すなわち、図13(または図15)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照してステップS78またはステップS88(いずれも図31参照)で決定された特別図柄の変動時間が経過したとしても、特別図柄の変動表示が継続され、特別図柄が停止表示されない。そしてその後、ステップS726に移る。
例えば、メインCPU101により特別図柄の変動表示が行われているときに始動口5442,440に遊技球が入賞すると、当該特別図柄の変動表示中(当該特別図柄の変動表示が終了する前)にステップS72(またはステップS82)の設定チェック処理が実行される場合がある。メインCPU101は、この設定チェック処理において正常でない(ステップS721におけるNO)と判別すると、たとえ特別図柄の変動表示中であったとしても(変動表示中の特別図柄の大当り判定の結果が表示されていなくても)、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。この場合、電源を一旦落として設定変更処理を実行しない限り遊技を実行することができないため、変動表示中の特別図柄の大当り判定の結果は、保留中のデータも含めてバックアップクリア処理においてクリアされることとなる。
ステップS726において、メインCPU101は、遊技球の発射を禁止する。すなわち、払出・発射制御回路300(図9参照)から発射ソレノイド(図示せず)に電力の供給が行われないよう制御される。したがって、遊技者が発射ハンドル32を握持して時計回り方向へ回動操作したとしても、遊技球が発射されず、遊技を行うことが不可能な状態となる。
メインCPU101は、ステップS726において遊技球の発射を禁止すると、ステップS727の異常時処理に移る。
ステップS725において、メインCPU101は、特別図柄の変動表示を禁止し、次の新しい変動表示が開始されないようにする。例えば、特別図柄が変動表示中でないときに特別図柄の変動表示が保留されたり、特別図柄の変動表示が停止して次の変動表示の開始待ちであったとしても、特別図柄の変動表示が開始されない。メインCPU101は、ステップS725の処理を終了すると、ステップS726に移る。
ステップS727の異常時処理において、メインCPU101は、ステップS38(図26参照)の異常時処理と同様の処理を行う。すなわち、電断検知信号ONが検出されるまで図27に示されるステップS381〜ステップS384の処理が行われ、電断検知信号ONが検出されると、ステップS385の電源断発生時処理、すなわち図28に示されるステップS3851〜ステップS3854の処理が行われる。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1始動口420への遊技球の入賞時と第2始動口440への遊技球の入賞時とに設定チェック処理を行い、メインRAM103に記憶されている設定値データが正常でなければ遊技の実行が禁止されるようになっている。そのため、遊技の実行中であっても、設定値データが正常でないときは遊技を継続して行うことが不可能となり、電源を一旦落として再び電源を投入して設定変更処理を行わない限り、遊技を実行することができない。これにより、例えば設定が正常でない状態で遊技が継続して行われてしまうことを防止できる。
また、メインCPU101は、ステップS721において設定値データが適正でないと判別したときには、特別図柄の変動表示が未だ開始されずに保留されていたとしても、上述したとおり、電源を一旦落として再び電源を投入して設定変更処理を行わない限り遊技を実行することができないため、メインRAM103に記憶されている上記保留にかかる各種データ(例えば大当り判定用乱数等)は全てクリアされることとなる。すなわち、保留されている各種データが、第1始動口420への遊技球の入賞に基づくものであるか、第2始動口440への遊技球の入賞に基づくものであるかにかかわらず、全てクリアされる。これにより、上記保留にかかる各種データが正常でない設定値に基づいて処理が行われてしまうことを防止でき、セキュリティ性を高めることが可能となる。
また、上述したとおり、設定チェック処理は、ステップS72とステップS82(いずれも図31参照)とで同じ処理が行われる。したがって、第1始動口420に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS72)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS721におけるNO)、ステップS724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が第1特別図柄であるときのみならず第2特別図柄であるときも、当該変動表示中の第2特別図柄の停止を禁止する。同様に、第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS82)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS721におけるNO)も、ステップS724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が第2特別図柄であるときのみならず第1特別図柄であるときも、当該変動表示中の第1特別図柄の停止を禁止する。
また、同様に、第1始動口420に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS72)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS721におけるNO)、ステップS725において、メインCPU101は、変動表示が保留されている特別図柄が第1特別図柄であるときのみならず第2特別図柄であるときも、当該第2特別図柄の変動表示を禁止する。同様に、第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS82)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS721におけるNO)も、ステップS725において、メインCPU101は、変動表示が保留されている特別図柄が第2特別図柄であるときのみならず第1特別図柄であるときも、当該第1特別図柄の変動表示を禁止する。
また、本実施形態では、電源投入時(図21のステップS1730参照)の他、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時に設定チェック処理を行っているが、これに限られず、例えば、設定確認処理時(図22のステップS24参照)、設定変更処理時(図22のステップS26参照)、バックアップクリア処理の実行時(図24参照)、特別図柄の変動表示が開始されるとき、特別図柄の変動停止時、通過ゲートスイッチ49a(図9参照)による通過検出時、普通図柄の変動開始時、普通図柄の変動停止時等、所定のタイミングを契機として設定チェック処理を行うようにしても良い。なお、上記の所定のタイミングは例示列挙である。また、設定チェック処理は、特定のタイミングを契機として行うだけでなく、複数のタイミング(例えば、上記の全てまたは一部のタイミング)を契機として行うようにしても良い。このような場合であっても、例えば設定が正常でない状態で遊技が継続して行われてしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、設定チェック処理において設定値データが正常でないと判別されると、大当り遊技状態中であるか否かにかかわらずただちに遊技許可フラグをOFFにして遊技を進行させることが不可能となるようにしているが、これに限られず、設定チェック処理において設定値データが正常でないと判別したタイミングと、遊技の実行を不可能にするタイミングとをずらすようにしても良い。これにより、第1始動口420または第2始動口440に遊技球が入賞したにもかかわらず変動表示が行われないことによって生じうる遊技者の損失感を軽減することができる。ただし、設定値データが正常でない状態で各種判定処理(例えば大当り判定処理等)が行われることは好ましくないため、各種判定処理を行わず、所定時間にわたって特別図柄の変動表示を行ったのち、当該特別図柄をハズレで停止させるようにすることが好ましい。
なお、図32では示されていないが、ステップS722において遊技許可フラグがOFFに設定されると、普通図柄が変動表示中であれば当該普通図柄についても停止が禁止されるようにすることが好ましい。また、普通図柄が変動表示中でない場合には、普通図柄の変動表示を禁止にすることが好ましい。
[5−3.主制御メイン処理]
図33は、メインCPU101による主制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、初期設定処理を行う(ステップS91)。この処理において、メインCPU101は、先述の電源投入時処理等の処理を行う。
次に、メインCPU101は、初期値乱数更新処理を行う(ステップS92)。この処理において、メインCPU101は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。
次に、メインCPU101は、特別図柄制御処理を行う(ステップS93)。特別図柄制御処理については、図34を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、普通図柄制御処理を行う(ステップS94)。普通図柄制御処理については、図40を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、図柄表示部制御処理を行う(ステップS95)。この処理において、メインCPU101は、ステップS93及びステップS94でメインRAM103に記憶された特別図柄制御処理の結果及び普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71を駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。これにより、メインCPU101は、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71に制御信号を送信し、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71は、受信した制御信号に基づいて特別図柄や普通図柄についての変動表示及び停止表示を行う。
次に、メインCPU101は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS96)。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータ700に送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM103に記憶する。
次に、メインCPU101は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(ステップS97)。この処理において、メインCPU101は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、サブ制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、当該記憶・遊技状態データをメインRAM103に記憶する。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS92の処理に戻る。
[5−3−1.特別図柄制御処理]
図34は、メインCPU101による特別図柄制御処理を示すフローチャートである。特別図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、同図に示す各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU101は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図34に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS101)。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU101は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS102〜S110の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、ステップS102〜S110のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU101は、ステップS102〜S110の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図29参照)も実行する。
次に、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を行う(ステップS102)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の変動表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、始動口入賞検出処理で得られた大当り判定の結果、メイン図柄の決定結果、特別図柄の変動パターンの決定結果等を取得する。また、メインCPU101は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS93)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で取得された変動パターンに対応する特別図柄の変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動表示時間が経過した後、後述の特別図柄変動時間管理処理が実行されるように設定される。一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)、メインCPU101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理については、図35を参照して詳述する。
次に、メインCPU101は、特別図柄変動時間管理処理を行う(ステップS103)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動表示時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(ステップS104)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS103の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を行う(ステップS104)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、ステップS103の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、大当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する。そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(ステップS105)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS104の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、大当り判定の結果が「大当り」でない場合、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(ステップS110)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図36を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、大当り開始インターバル管理処理を行う(ステップS105)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、ステップS104の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口540を開放させるため、メインROM102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(ステップS106)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口540の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、大入賞口開放中処理を行う(ステップS106)。この処理において、まず、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU101は、大入賞口540を閉鎖させるため、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS107)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ステップS107でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、サブ制御回路200に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU101は、大入賞口内残留球監視処理を行う(ステップS107)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判別する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU101は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU101は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、ステップS107において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(ステップS108)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU101は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU101は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(ステップS106)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前には、サブ制御回路200に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(ステップS109)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS109の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、上述したメイン図柄が特図1−2、特図1−8および特図2−2のうちのいずれかである場合、メインCPU101は、遊技状態を高確率遊技状態に移行させる制御を行い、上述したメイン図柄が特図1−1、特図1−3および特図2−1のうちのいずれかである場合には、遊技状態を低確率遊技状態(確変フラグOFF)にする制御を行う。
次に、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、大当り判定の結果が「ハズレ」であった場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS110)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU101は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS110の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS102)が実行されるように設定される。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、遊技状態が大当り遊技状態でなく、大当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU101は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS102)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS103)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS104)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS110)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU101は、遊技状態が大当り遊技状態でなく、大当り判定の結果が「大当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS102)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS103)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS104)及び大当り開始インターバル管理処理(ステップS105)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU101は、大当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS106)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS107)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(ステップS108)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU101は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS106)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS107)、大当り終了インターバル処理(ステップS109)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS110)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図33に示す主制御メイン処理中のステップS94の普通図柄制御処理(後述の図40参照)もまた、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[5−3−1−1.特別図柄記憶チェック処理]
図35は、メインCPU101による特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャートである。特別図柄記憶チェック処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU101は、メインRAM103内の所定の記憶領域から制御状態フラグをロード処理によって読み出す(ステップS111)。
次に、メインCPU101は、読み出した制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(ステップS112)。制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(ステップS112におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、制御状態フラグが「00」であると判別した場合(ステップS112におけるYES)、メインCPU101は、ステップS113の処理に移る。
ステップS113において、メインCPU101は、第2始動口入賞(第2特別図柄の変動表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(ステップS113におけるYES)、ステップS114の処理に移り、第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(ステップS113におけるNO)、ステップS121の処理に移る。
ステップS114において、メインCPU101は、第1始動口入賞(第1特別図柄の変動表示)の保留個数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(ステップS114におけるNO)、ステップS115の処理に移り、第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(ステップS114におけるYES)、ステップS120の処理に移る。
ステップS115において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の第1特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の第1特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の変動表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第1始動口420の入賞時に抽出した大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、ステップS116において、メインCPU101は、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU101は、ステップS117の処理に移る。
ステップS117において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して特別図柄演出開始コマンドを送信する。
ステップS118において、メインCPU101は、大当り判定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、始動口入賞時に抽出され、かつ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する大当り判定テーブル(図示せず)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU101は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」であるか「ハズレ」であるかを判定(大当り判定)する。
次に、ステップS119において、メインCPU101は、ステップS78またはステップS88(いずれも図31参照)の変動パターン決定処理で決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
また、ステップS120において、メインCPU101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路200に対してデモ表示コマンドを送信する。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
また、ステップS121において、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の第2特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の第2特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の変動表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第2始動口440の入賞時に抽出した大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS122)。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU101は、ステップS117の処理に移り、ステップS118およびステップS119の処理を実行したのち、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
[5−3−2.特別図柄表示時間管理処理]
図36は、メインCPU101による特別図柄表示時間管理処理を示すフローチャートである。特別図柄表示時間管理処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(ステップS131)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(ステップS131におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(ステップS131におけるYES)、メインCPU101は、ステップS132の処理に移る。
ステップS132において、メインCPU101は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマにセットされた変動表示確定後の待ち時間(変動表示開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS132におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS132におけるYES)、メインCPU101は、ステップS133の処理に移る。
ステップS133において、メインCPU101は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(ステップS133におけるYES)、メインCPU101は、ステップS134の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(ステップS133におけるNO)、メインCPU101は、ステップS140の処理に移る。
ステップS134において、メインCPU101は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS135の処理に移る。
ステップS135において、メインCPU101は、時短回数カウンタ、並びに時短フラグ及び確変フラグをクリアする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS136の処理に移る。
ステップS136において、メインCPU101は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ms)を待ち時間タイマにセットする処理を行う(ステップS137)。
次に、メインCPU101は、特別図柄に対応する大当り開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う(ステップS138)。これにより、サブ制御回路200には、大当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU101は、大当り種類決定テーブル(図12、図16または図17参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM103にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(ステップS139)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS140において、メインCPU101は、時短回数減算処理を行う。この時短回数減算処理については、図37を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS141)。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
[5−3−2−1.時短回数減算処理]
図37は、メインCPU101による時短回数減算処理を示すフローチャートである。時短回数減算処理は、先述した特別図柄表示時間管理処理あるいは後述の大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS151)。時短回数カウンタは、セットされた時短回数が0になるまで計数する減算カウンタである。時短回数カウンタの値が0である場合(ステップS151におけるYES)、メインCPU101は、ステップS154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合(ステップS151におけるNO)、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。なお、詳細は後述するが、本実施形態において時短回数カウンタとしてセットされる回数は100回または10000回である。
ステップS152において、メインCPU101は、時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、再び時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS153)。時短回数カウンタの値が0である場合(ステップS153におけるYES)、メインCPU101は、ステップS154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合(ステップS153におけるNO)、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
ステップS154において、メインCPU101は、時短フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
[5−3−3.大当り終了インターバル処理]
図38は、メインCPU101による大当り終了インターバル処理を示すフローチャートである。大当り終了インターバル処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(ステップS161)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(ステップS161におけるNO)、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合(ステップS161におけるYES)、メインCPU101は、ステップS162の処理に移る。
ステップS162において、メインCPU101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS161におけるNO)、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS161におけるYES)、メインCPU101は、ステップS163の処理に移る。
ステップS163において、メインCPU101は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU101は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(ステップS164)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ大入賞口540を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも大入賞口540を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して特別図柄大当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS165)。
次に、メインCPU101は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(ステップS166)。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(ステップS166におけるYES)、メインCPU101は、ステップS167の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(ステップS166におけるNO)、メインCPU101は、ステップS174の処理に移る。
ステップS167において、メインCPU101は、メインRAM34の所定領域に大当りフラグをONに設定する処理を行う。
次に、メインCPU101は、確変大当りか否かを判別する(ステップS168)。確変大当りである場合(ステップS168におけるYES)、メインCPU101は、ステップS169の処理に移る。確変大当りでない場合(ステップS168におけるNO)、メインCPU101は、ステップS171の処理に移る。
ステップS169において、メインCPU101は、確変フラグとして「1」をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、時短フラグとして「1」をセットする処理を行う(ステップS171)。
次に、メインCPU101は、時短回数カウンタに規定の時短回数をセットする処理を行う(ステップS172)。本実施形態では、大当り種類決定テーブル(図12、図16または図17)を参照して、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−1、特図1−3、特図2−1など)であるときには時短回数カウンタに100回をセットし、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−2、特図1−8、特図2−2など)であるときには時短回数カウンタに10000回をセットする。ただし、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りであるときにセットされる時短回数カウンタは10000回に限定されるものではなく、ホールの開店から閉店まで遊技を継続したとしても現実的に起こりえない回数であれば良い。このように、ホールの開店から閉店まで遊技を継続したとしても現実的に起こりえない回数を時短回数カウンタにセットすることで、実質的に、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続することとなる。さらには、時短回数100回の大当りであるときにはカウンタ処理を行い(時短回数カウンタに100回をセットし)、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りであるときにはフラグ処理を行う(時短フラグがONである限り時短遊技状態を継続する)ようにしても良い。
次に、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を実行する(ステップS173)。変動パターンテーブル設定処理については、図39を参照して後述する。この処理を終了すると、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
ステップS174において、メインCPU101は、大当りフラグをクリアする処理、すなわち、メインRAM34の所定領域にON設定されている大当りフラグをOFFに設定する処理を行う。
ステップS175において、メインCPU101は、上述の時短回数減算処理を実行する(ステップS175)。この処理を終了すると、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[5−3−3−1.変動パターンテーブル設定処理]
図39は、メインCPU101による変動パターンテーブル設定処理を示すフローチャートである。変動パターンテーブル設定処理は、先述した電源投入時処理あるいは大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、電源投入時であるか否かを判別する(ステップS181)。電源投入時である場合(ステップS181におけるYES)、メインCPU101は、ステップS182の処理に移る。電源投入時でない場合(ステップS181におけるNO)、メインCPU101は、ステップS183の処理に移る。
ステップS182において、メインCPU101は、図13(または図15)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン1をセットする処理を行う。テーブルパターン1は、図13(または図15)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがONの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
次に、メインCPU101は、時短フラグがONであるか否かを判別する(ステップS183)。時短フラグがONである場合(ステップS183におけるYES)、メインCPU101は、ステップS184の処理に移る。時短フラグがOFFである場合(ステップS183におけるNO)、メインCPU101は、ステップS185の処理に移る。
ステップS184において、メインCPU101は、図13(または図15)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン2をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。テーブルパターン2は、図13(または図15)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、時短フラグがOFFの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
ステップS185において、メインCPU101は、図13(または図15)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン3をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。テーブルパターン3は、図13(または図15)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、時短フラグがONの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
[5−4.普通図柄制御処理]
図40は、メインCPU101による普通図柄制御処理を示すフローチャートである。普通図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図40に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は、普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
図40に示すように、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS191)。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU101は、読み出した普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS192〜S196の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS162〜S166のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU101は、ステップS162〜S166の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図29参照)も実行する。
次に、メインCPU101は、普通図柄記憶チェック処理を行う(ステップS192)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の変動表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、大当り判定等の処理を行う。また、この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄変動時間監視処理(ステップS193)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS192の処理により、決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄変動時間監視処理を行う(ステップS193)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄表示時間監視処理(ステップS194)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS193の処理により、セットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄表示時間監視処理を行う(ステップS194)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、ステップS193の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、大当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する。そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合、メインCPU101は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに後述の普通電動役物開放処理(ステップS195)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。一方、大当り判定の結果が「大当り」でない場合、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS195)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、ステップS194において大当り判定の結果が「大当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(ステップS195)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物460の開放中において所定数の入賞があったという条件、及び、普通電動役物460の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判別する。上記一方の条件が満たされた場合、メインCPU101は、普通電動役物460の羽根部材4620(例えば、図5を参照)を閉鎖状態にするため、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS196)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の変動表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU101は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、ステップS196の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(ステップS192)が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU101は、普通図柄制御処理を終了する。
[6.サブ制御回路メイン処理]
一方、サブCPU201は、サブ制御回路メイン処理を実行することとなる。このサブ制御回路メイン処理について図41を用いて説明する。図41は、サブCPU201によるメイン処理の一例を示すフローチャートである。なお、このサブ制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
図41に示すように、サブCPU201は、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理を行う(ステップS201)。
次に、サブCPU201は、ウォッチドッグタイマのカウンタ値をクリアする処理を行う(ステップS202)。ウォッチドッグタイマは、起動時にリセット時間(例えば2000ms)が設定され、サービスパルスの書き込みが行われなかった場合(タイムアウト時)に電断処理が実行されることとなる。
次に、サブCPU201は、操作手段入力処理を実行する(ステップS203)。
次に、サブCPU201は、コマンド解析処理を実行する(ステップS204)。コマンド解析処理については、図42を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理を実行する(ステップS205)。演出態様決定処理は、主制御回路100から送信された各種コマンドに基づいて、液晶表示装置16に表示される演出態様を決定する処理である。
上記の演出態様決定処理(ステップS205)で決定される演出態様には、セットされている設定値を示唆する設定示唆演出も含まれる。この設定示唆演出について、第1の例および第2の例を挙げて説明する。
(第1の例)
設定示唆演出の第1の例は、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたことを条件に行われる。例えば、サブCPU201は、第1始動入賞口オーバーフローポイントをカウントしており、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドが主制御回路100から送信されると、第1始動入賞口オーバーフローポイントに1加算する。そして、この第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイント(例えば50ポイント)に達すると、メインCPU101は、上記の演出態様決定処理において、設定示唆演出を実行する旨を決定する。通常遊技状態等の時短フラグがOFFの非時短遊技状態では、第1始動口420への遊技球の入賞が容易でないため、第1始動入賞口オーバーフローが発生すると、遊技者の落胆ははかりしれない。そこで、非時短遊技状態において第1始動入賞口オーバーフローが発生したことを条件に設定示唆演出を行うようにすることで、ホールに直接的な損失を与えることなく遊技者の落胆を抑制することが可能となる。また、遊技者のなかには、第1始動口420への遊技球の入賞が保留上限であると、遊技球の発射を中断する遊技者もいる。この点、第1始動口420の遊技球の入賞が保留上限を超えたことを条件に設定示唆演出を行うようにすることで、遊技を促進させることも可能となる。
なお、上記設定示唆演出の第1の例では、第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイントに達したときに設定示唆演出を行っているが、必ずしもこれに限られず、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドが主制御回路100から送信されたことをもって設定示唆演出を行うようにしても良い。この場合、設定示唆演出の実行頻度が高くなるため、例えば、設定示唆演出が1回行われただけでは設定を推測することが困難な演出であることが好ましい。例えば、1回の設定示唆演出から得られる情報だけでは設定を推測することが困難であるが、複数回の設定示唆演出から得られる複数の情報を集めることで設定を推測することが可能となるようにすることが考えられる。
また、上述したとおり、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドがサブ制御回路200に送信されるのは、ステップS72の設定チェック処理において設定値データが正常であると判別されることが前提である。そのため、設定チェック処理において設定値データが正常であると判別されなかったときには、たとえ、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたとしても、サブCPU201は、第1始動入賞口オーバーフローポイントへの加算を行わない。したがって、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われると第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイントに達するような状況下(例えば所定のポイント50ポイントに対して49ポイントであるとき)において、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたときにステップS72の設定チェック処理(図31参照)において正常でないと判別されると、サブCPU201による設定示唆演出が行われることなく、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS722)、遊技を進行させることが不可能となる。
また、上記設定示唆演出の第1の例では、第2始動口440(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたとしても設定示唆演出が行われないが(図31参照)、第2始動口440への遊技球の入賞が保留上限を超えたことを条件に、第1始動口420への遊技球の入賞が保留上限を超えたときと同様に、設定示唆演出を行うようにしても良い。
(第2の例)
設定示唆演出の第2の例は、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口に遊技球が入賞したときに行われる。例えば、サブCPU201は、リーチ演出の開始時に、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口53・54・55(いずれも例えば図5参照)のうち特定の入賞口を、例えば抽選によりランダムに決定する。そして、リーチ演出の実行中に、上記決定された特定の入賞口への遊技球の入賞コマンドが主制御回路100から送信されると、設定示唆演出を実行する旨を決定する。例えば、遊技者のなかには、変動時間が長いリーチ演出が実行されると、遊技球の発射を中断する遊技者がいる。そこで、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口への遊技球の入賞検出に基づいて設定示唆演出を実行することで、リーチ演出中であっても遊技球の発射を促すことが可能となる。また、リーチ演出には、リーチ演出が開始された時点で期待度が低いことがただちに分かる場合もある。このような場合、遊技者にとっては、リーチ演出が終了するまで次に変動表示が開始されず、興趣が低下する虞がある。この点、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口への遊技球の入賞検出に基づいて設定示唆演出を実行することで、興趣の低下を抑制することが可能となる。しかも、設定値を遊技機管理責任者が設定できるようになると、遊技者は、自らが遊技を行うパチンコ遊技機の設定値が低いのではないかと疑心暗鬼になるおそれがあるが、この第2の例によれば、そのようなおそれを軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記特定の入賞口を、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口53・54・55(いずれも例えば図5参照)のなかから例えば抽選によりランダムに決定した場合、いずれが特定の入賞口であるかを開示せずに秘匿にすることが好ましい。これにより、遊技者は、いずれの入賞口を狙えばいいかといった点に面白みが生まれる。
また、上記設定示唆演出の第2の例では、上記特定の入賞口を、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口53・54・55(いずれも例えば図5参照)のなかから例えば抽選によりランダムに決定するようにしているが、必ずしも特定の入賞口をランダムに決定することに限られず、固定の入賞口を特定の入賞口としても良い。
また、上記設定示唆演出の第1の例および第2の例では、いずれも、サブCPU201が設定示唆演出を実行する旨を決定しているが、メインCPU101が決定するようにしても良い。
なお、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口に遊技球が入賞した場合、当該特定の入賞口が始動口であればステップS72またはステップS82(いずれも図31参照)の設定チェック処理が行われる。そしてこの場合の設定示唆演出は、上記の設定チェック処理で正常であると判別されたとき(ステップS721におけるYES)に限り行われる。メインCPU101は、上記の設定チェック処理で正常でないと判別したとき(ステップS721におけるNO)は、設定示唆演出を行わないのみならず、ステップS734の処理によって変動表示中の特別図柄についても停止を禁止する。また、サブCPU201についても、リーチ演出を伴う装飾図柄の変動演出中であったとしても、当該装飾図柄の変動演出を継続する。ただし、サブCPU201は、音声制御回路205による音演出の出力を停止しても良いし、出力される音量を小さくしても良い。
次に、サブCPU201は、コマンド送信処理を実行する(ステップS206)。コマンド送信処理については、図43を参照して後述する。
次に、表示制御回路204は、描画制御処理を実行する(ステップS207)。この処理において、表示制御回路204は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて液晶表示装置16に画像を表示させるための描画制御を行う。
次に、音声制御回路205は、音声制御処理を実行する(ステップS208)。この処理において、音声制御回路205は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてスピーカ24に音声を出力させるための音声制御を行う。
次に、LED制御回路206は、LED25の発光態様についての制御処理を実行する(ステップS209)。この処理において、LED制御回路206は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてLED25を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
次に、役物制御回路207は、役物制御処理を実行する(ステップS210)。この処理において、役物制御回路207は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて可動役物ユニットを作動させる演出用駆動モータを動作させるための駆動制御を行う。このようなサブ制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期化処理が終了した後、ステップS202〜S210の各処理が繰り返し実行される。
[6−1.コマンド解析処理]
図42は、サブCPU201によるコマンド解析処理を示すフローチャートである。コマンド解析処理は、先述したサブ制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、主制御回路100(メインCPU101)から受信後、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う(ステップS241)。
次に、サブCPU201は、受信したコマンドに対して整合性チェックを行う(ステップS242)。整合性チェックは、コマンド受信に際して目的とするデータが存在し、そのデータに誤りや欠けが無いことを検証するために行われる。
次に、サブCPU201は、サブ抽選処理を行う(ステップS243)。この処理において、サブCPU201は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドである場合に、当該変動パターン指定コマンドに基づいて抽選により演出パターンを選択する。この処理を終了すると、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。なお、サブ抽選処理においては、演出パターンを含む演出に係る全ての事項について抽選で選択するようにしてもよいし、演出パターンとして演出の種類(セリフ予告の有無やSU予告の有無等)のみを抽選で選択し、当該演出において実行される演出内容(エフェクトの種類やカットインの種類等)は、別途サブルーチン化された他の処理で演出情報として選択されるようにしてもよい。本実施形態では、サブ抽選処理において演出の種類を示す演出パターンが選択され、その後、当該演出パターンに基づいて実行される演出内容が演出情報として後述の演出態様決定処理により選択されるようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技の実行中、ステップS72およびステップS82(図31参照)において設定チェック処理を行い、この設定チェック処理において、設定値データが「0」〜「5」の範囲内でなければ(図32のステップS721におけるNO)、ステップS722〜ステップS726の処理を実行した上で、ステップS727の異常時処理を実行している。ただし、例えば、主制御基板30が不正に取り替えられたりした場合には、ステップS72またはステップS82の設定チェック処理が実行されない可能性が高い。また、不正信号が入力されてセットされている設定値が変更されるような場合には、設定値データが「0」〜「5」の範囲内である可能性がある。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、ステップS72またはステップS82において設定チェック処理が実行されない場合や、設定値が不正に変更された可能性があるにもかかわらず設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(例えば、ステップS721においてYESと判別される場合)を想定し、サブCPU201により設定値情報の適否を判定する設定判定処理を実行するようにしている。この設定判定処理について、図示せずに以下に説明する。
先ず、メインCPU101は、特定のタイミング(例えば、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時、特別図柄の変動表示が保留されているとき、特別図柄の変動表示が開始されるときなど)で、メインRAM103に記憶されている設定値情報を示すコマンドを送信する。そして、このコマンドを受信したサブCPU201は、今回受信したコマンドで示される設定値情報(以下「今回設定値」と称する)の適否判定を行う。この適否判定は、例えば、前回受信したコマンドで示される設定値情報(以下「前回設定値」と称する)と今回設定値とが一致しているか否かを判別する処理である。
そして、サブCPU201は、前回設定値と今回設定値とが一致していれば設定値が正常であると判定し、前回設定値と今回設定値とが一致していなければ設定値が異常であると判定する。
また、受信した設定値情報が異常であるとき、サブCPU201は、設定値異常時処理を実行する。この異常時実行処理は、例えば、液晶表示装置16の表示領域に、設定値が異常である旨を報知する画像を表示したり、これに代えてまたは加えて、設定値が異常である旨を報知する音声を出力する処理である。
なお、上述した設定値情報の適否判定は、前回設定値と今回設定値とが一致しているか否かの判定に限られず、例えば、3回以上にわたって受信した設定値情報の全てが一致しているか否かを判定するようにしてもよいし、複数回にわたって受信した設定値情報のうち一部(例えば、前々回受信したコマンドで示される設定値および今回設定値)の設定値情報が一致しているか否かを判定するようにしてもよい。ただし、設定変更処理(図22のステップS24参照)が実行された旨を示すコマンド(例えば、設定変更開始コマンドや初期化コマンド)をサブCPU201が受信したときには、今回設定値をワークRAM203に記憶するだけで、前回設定値を含む過去の設定値と今回設定値とが一致しているか否かの判定は行わない。
また、上述の設定判定処理(設定値情報の適否判定)は、遊技の実行中に限らず、電断後に電源投入された場合であっても、設定変更処理が実行されない限り実行することが好ましい。電断後に電源投入された場合に実行される設定判定処理については、図56を参照して後述する。
上述のサブCPU201により実行される設定判定処理は、コマンド解析処理(ステップS204)において実行してもよいし、コマンド解析処理のサブルーチンを抜けた後に実行してもよい。
[6−2.コマンド送信処理]
図43は、サブCPU201によるコマンド送信処理を示すフローチャートである。コマンド送信処理は、先述したサブ制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、各制御回路204〜207に対して制御用のコマンド(メッセージ)を送信する際、メッセージ設定処理を実行する(ステップS251)。この処理において、サブCPU201は、演出態様決定処理で得られた演出情報に基づいてメッセージ(演出指定情報)を生成し、当該メッセージを一時的にワークRAM203のディレクトバッファに格納する処理を行う。このメッセージ設定処理については、図44を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、ディレクトテーブル登録処理を実行する(ステップS252)。この処理において、サブCPU201は、ディレクトバッファに格納されたメッセージと演出情報とに基づいて、これらに対応するディレクトテーブルをワークRAM203の所定領域にセットする処理を行う。このディレクトテーブル登録処理については、図45を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、メッセージ送信処理を実行する(ステップS253)。この処理において、サブCPU201は、ディレクトバッファに格納されたメッセージをディレクトテーブルに基づく所定のタイミングで読み出し、当該メッセージを所定の制御回路204〜207に送信する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、コマンド送信処理を終了する。このメッセージ送信処理については、図46を参照して後述する。
[6−2−1.メッセージ設定処理]
図44は、サブCPU201によるメッセージ設定処理を示すフローチャートである。メッセージ設定処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、演出情報に基づいて送信するデバイス(制御回路204〜207)の設定を行う(ステップS261)。
次に、サブCPU201は、システム動作の有無を設定する処理を行う(ステップS262)。
次に、サブCPU201は、ステージ情報や各演出情報の設定を行う(ステップS263)。
次に、サブCPU201は、予告パターンの設定を行う(ステップS264)。これにより、ディレクトバッファには、送信先となるデバイス(制御回路204〜207)や、システム動作の有無、ステージ情報や各演出情報、予告パターンを示すメッセージが格納される。この処理を終了すると、サブCPU201は、メッセージ設定処理を終了する。
[6−2−2.ディレクトテーブル登録処理]
図45は、サブCPU201によるディレクトテーブル登録処理を示すフローチャートである。ディレクトテーブル登録処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、シングルテーブルを登録する処理を行う(ステップS271)。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理で決定された演出情報に基づいてマスターテーブルを登録する処理を行う(ステップS272)。
次に、サブCPU201は、マスターテーブルで使用するスレーブテーブルを登録する処理を行う(ステップS273)。
次に、サブCPU201は、ディレクトバッファにセットされたメッセージに対応するディレクトテーブルをスレーブテーブルとして登録する処理を行う(ステップS274)。この処理を終了すると、サブCPU201は、ディレクトテーブル登録処理を終了する。
[6−2−3.メッセージ送信処理]
図46は、サブCPU201によるメッセージ送信処理を示すフローチャートである。メッセージ送信処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、ディレクトテーブルに対応するディレクトバッファにメッセージが登録されていれば、当該メッセージに設定された「送信先デバイス」に従い各デバイス(制御回路204〜207)にメッセージを送信する処理を行う(ステップS281)。
次に、サブCPU201は、メッセージの送信完了後、不要なディレクトテーブルを破棄する処理を行う(ステップS282)。この処理を終了すると、サブCPU201は、メッセージ送信処理を終了する。
[7.本実施形態に係る遊技機の拡張性]
上述したとおり、本実施形態のパチンコ遊技機1では、セットされている設定値に応じて、大当り確率、リーチ確率、特別図柄の変動時間、メイン図柄の選択率(ラウンド数、確変突入率、時短突入率)を変えるようにしたが、必ずしも、設定値に応じてこれらの全部を変える必要はなく、設定値に応じてこれらのうち1つだけ変えても良いし複数を変えても良い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄表示部71において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「普通当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。そこで、普通電動役物46が閉鎖状態から開放状態となるタイミングや開放状態から閉鎖状態となるタイミング(すなわち遊技球の発射タイミング)を遊技者に報知するようにしても良い。この場合、遊技球の発射タイミングの報知を行う頻度を、設定値に応じて変える(高設定値ほど発射タイミングの報知頻度を高める)ようにしても良い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、バックアップクリア処理(例えばステップS39)を行うと、メインRAM103の作業領域のうちの一般作業領域に記憶されているデータがクリアされる。このバックアップクリア処理は、設定変更処理(ステップS24)を実行したときにも必ず行われるため、バックアップクリア処理を行うと、必ず、メインRAM103の作業領域のうちの一般作業領域に記憶されているデータがクリアされる。ただし、これに代えて、設定変更処理を実行したときに行われるバックアップクリア処理と、設定変更処理を実行せずに行われるバックアップクリア処理とで、データがクリアされるメインRAM103のクリアアドレス範囲を異ならせるようにしても良い。例えば、大当り遊技状態が終了したのち、所定数のゲームが実行されるまで(特別図柄が所定回数変動表示されるまで)は高確率遊技状態とし、所定数のゲームの実行が終了したのちは低確率遊技状態に移行するパチンコ遊技機(所謂「ST機」と呼ばれるパチンコ遊技機)において、高確率遊技状態に制御されているとき(所定数のゲームの実行が終了する前)に、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が行われたときには確変フラグをOFF設定し、設定変更処理の実行にともなってバックアップクリア処理が行われたときには確変フラグのON設定を継続する(高確率遊技状態の残りゲーム数の記憶を保持する)ようにしても良い。さらには、設定変更処理の実行にともなってバックアップクリア処理が行われたときには、前回と同じ設定値にセットされたときは確変フラグのON設定を継続し、前回と異なる設定値にセットされたときは確変フラグをOFF設定するようにしても良い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態における各ラウンドゲームにおいて、大入賞口540は、当該大入賞口540に入賞した遊技球のカウントが10球に達したときと、開放状態の時間が30secに達したときとのうちいずれか一方の条件を満たすと、閉鎖状態となる。そこで、大当り遊技状態における各ラウンドゲームにおいて、大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる条件を、設定値に応じて変えるようにしても良い。例えば、大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる条件を複数用意し(例えば、1ラウンドの間に大入賞口540に遊技球を入賞させることができる遊技球数の期待値が異なる複数の条件を用意し)、設定値に応じてかかる条件を変えることで、高設定値ほど上記期待値が高い条件が選択されやすいようにしても良い。具体例としては、設定値に応じて、ラウンドゲームにおける大入賞口540の開放時間を抽選により決定することで、高設定値ほど大入賞口540の開放時間が長くなりやすいようにすることが考えられる。また、設定値に応じて、ラウンドゲームにおいて大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる遊技球のカウントを変えることで、高設定値ほど大入賞口540への遊技球数が多くなりやすいようにすることも考えられる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、停止表示された普通図柄が普通当りの態様である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になるが、普通電動役物46が開放状態となる時間(開放時間)を、設定値に応じて異ならせることで、高設定値ほど、普通電動役物46の開放時間が長くなりやすいようにしても良い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特図1−2や特図1−4のように確変フラグONとなる大当りであるとき、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技が実行されるまで高確率遊技状態が継続するが、必ずしもこれに限られず、特定のタイミング(例えば、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時、特別図柄の変動表示が保留されているとき、特別図柄の変動表示が開始されるとき)で、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行させるか否かの移行抽選を、実行するようにしても良い。この場合、高確率遊技状態から低確率遊技状態への移行確率を設定値に応じて異ならせることで、高設定値ほど高確率遊技状態の継続確率を高める(高確率遊技状態から低確率遊技状態への移行確率を低くする)ようにしても良い。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、例えば第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時に設定チェック処理(ステップS72、ステップS82)を行っているが、この設定チェック処理で正常でないと判別されたとき(ステップS721におけるNO)は、設定変更処理(ステップS24)の実行によりバックアップクリア処理(ステップS2420)において上記移行抽選の結果もクリアされる(確変フラグもOFFに設定される)。
上記のとおり、本実施形態では、セットされている設定値に応じて、大当り確率、リーチ確率、特別図柄の変動時間、メイン図柄の選択率(ラウンド数、確変突入率、時短突入率)を変えるようにしたパチンコ遊技機1について説明したが、設定差を設けることは上述の実施形態に限られず、一部構成を変更しても良い。以下に、一部構成を変更した他の拡張例について説明する。なお、以下の他の拡張例の説明において特に言及しない構成については、本実施形態の構成と同様であるが、以下では、ステップ番号を除いて、例えばメインCPU等の各部材にあえて符号を付していない。
[7−1.拡張例1]
拡張例1のパチンコ遊技機は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、所定の条件が成立すると、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する所謂「確変ループ機」を例に挙げて説明する。この拡張例1では、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行される回数(以下「ループ回数」と称する)に上限を設け、ループ回数がこの上限に達すると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率遊技状態に制御するとともに、設定値に応じて、上記ループ回数の上限(以下「リミッタ回数」と称する)が異なりうるようにしている(このような遊技機は「リミッタ機」とも呼ばれる)。これについて、図47を参照して説明する。なお、図47は、拡張例1のパチンコ遊技機におけるリミッタ回数の選択率の一例を設定値毎に示すテーブルである。
拡張例1にかかるパチンコ遊技機のメインCPUは、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとループ回数をチェックするループ回数チェック手段と、ループ回数が0であるとリミッタ回数抽選を行うリミッタ回数抽選手段と、ループ回数が規定の範囲内(本例では1〜4の範囲内)であるとループ回数をインクリメントするループ回数カウント手段と、ループ回数が規定値(本例ではリミッタ上限の5)であると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率状態に制御する遊技状態制御手段と、ループ回数が規定値であるとループ回数をリセットするループ回数リセット手段とを備える。なお、リミッタ回数抽選は、大当り判定の結果が大当りであると判別したとき、大当り遊技状態の開始時、大当り遊技状態中、大当り遊技状態の終了時のどのタイミングで行っても良い。
図47に示すように、設定1では、リミッタ回数が、例えば、25%の確率で1回に決定され、30%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、15%の確率で4回に決定され、5%の確率で5回に決定される。設定2では、リミッタ回数が、例えば、25%の確率で1回に決定され、25%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、20%の確率で4回に決定され、5%の確率で5回に決定される。設定3では、リミッタ回数が、例えば、15%の確率で1回に決定され、25%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、20%の確率で4回に決定され、15%の確率で5回に決定される。設定4では、リミッタ回数が、例えば、15%の確率で1回に決定され、20%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、25%の確率で4回に決定され、15%の確率で5回に決定される。設定5では、リミッタ回数が、例えば、5%の確率で1回に決定され、20%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、25%の確率で4回に決定され、25%の確率で5回に決定される。設定6では、リミッタ回数が、例えば、5%の確率で1回に決定され、10%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、30%の確率で4回に決定され、25%の確率で5回に決定される。すなわち、高設定値になるほど、より大きなリミッタ回数に決定される期待度が高くなる。
このように、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待度を異ならせて、高設定値ほど、大当り遊技状態と高確率遊技状態とがより多く繰り返されうるようにすることで、ワンチャンス(大当りに1回当選したときに低確率遊技状態に制御されるまでの機会)で遊技者に付与される賞球量を設定値に応じて異ならせることが可能となる。しかも、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待値を異ならせてはいるものの、リミッタ回数を抽選により決定しているため、リミッタ回数によって設定値が遊技者に推測されてしまうといったことも防止可能となっている。
なお、上記拡張例1では、リミッタ回数を設置値に応じて抽選により決定しているが、必ずしも抽選は必須ではなく、例えば、設定値が遊技者に推測されてしまうといった懸念はあるものの、設定1・2では3回、設定3・4では4回、設定5・6では5回といったように、設定値に応じてリミッタ回数を一義的に決定するようにしても良い。
なお、上記のリミッタ回数は、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対して別に定めても良いし、第1特別図柄と第2特別図柄との両方に対してあわせて定めても良い。
例えば、上記のリミッタ回数を第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対して別に定める場合、第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであれば第1特別図柄についての第1リミッタ回数を決定し、ループ中に第1特別図柄の大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されると、第1特別図柄についてのループ回数をインクリメントする。ただし、上記ループ中に第2特別図柄の大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されたときには、第1特別図柄についてのループ回数をインクリメントせずに、第2特別図柄についての第2リミッタ回数を決定する。この場合、第1リミッタ回数と第2リミッタ回数とのうちいずれかがリミッタ回数に達したときにループを終了(低確率遊技状態に制御)しても良いし、第1リミッタ回数と第2リミッタ回数との両方がリミッタ回数に達したときにループを終了するようにしても良い。
また、例えば、上記のリミッタ回数を第1特別図柄と第2特別図柄との両方に対してあわせて定める場合、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを問わず大当り判定の結果が大当りであったときにリミッタ回数を決定し、ループ中に、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを問わず大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されると、ループ回数をインクリメントする。そして、このループ回数がリミッタ回数に達するとループを終了する。
さらに、上述した拡張例1のパチンコ遊技機は、所謂確変ループ機であるが、必ずしも確変ループ機である必要はなく、例えば、所謂「ST機」と呼ばれるパチンコ遊技機に上記の技術思想を適用することもできる。「ST機」とは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を必ずまたは所定の抽選結果に基づいて高確率遊技状態に制御し、当該高確率遊技状態を所定回数(以下「ST回数」と称する)の特別図柄の変動表示が行われるまで継続し、上記所定回数の特別図柄の変動表示が行われると高確率遊技状態を終了して低確率遊技状態に制御するパチンコ遊技機である。このような「ST機」であっても、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待度を異ならせることができる。すなわち、高設定値ほど、大当り遊技状態と高確率遊技状態とがより多く繰り返されうるようにすることで、ワンチャンス(大当りに1回当選したときに低確率遊技状態に制御されるまでの機会)で遊技者に付与される賞球量を設定値に応じて異ならせることが可能である。
なお、所謂「ST機」では、「ST回数」を予め定められた回数(例えば70回)に設定することが可能であるが、設定値に応じてST回数が異なりうるようにすることもできる。例えば、「ST機」のメインCPUは、ST回数を抽選により決定し、設定値に応じて決定されるST回数の期待値が異なるようにすることができる。具体例としては、抽選により決定されるST回数の期待値を、設定1で60回、設定2で63回、設定3で66回、設定4で69回、設定5で72回、設定6で75回とすることで、高設定値ほどST回数の期待値を高くすることができる。ただし、上記のST回数を抽選で決定することは必須ではなく、設定値に応じてST回数が一義的に決定されるようにしても良い。なお、設定値に応じてST回数が異なるようにしたときには、時短回数を全設定値で共通にすると好ましい。例えば、ST回数またはST回数の期待値が、設定1で60回、設定2で63回、設定3で66回、設定4で69回、設定5で72回、設定6で75回であるとき、全設定共通で時短回数を例えば60回にすることが考えられる。そして、サブCPUは、ST回数が一定ゲーム数(例えば60ゲーム)に達するまでは高確率遊技状態であることを把握できる演出を例えば液晶表示装置16で行い、ST回数が一定ゲーム数に達すると、高確率遊技状態であるか否かにかかわらず、高確率遊技状態であることを把握し難い演出を例えば液晶表示装置で行うことが好ましい。これにより、遊技者に設定値を察知されないようにしつつ、設定値に応じてST回数やST回数の期待値を異ならせることが可能となる。
また、拡張例1のパチンコ遊技機においても、例えば第1始動口・第2始動口への遊技球の入賞時等に設定チェック処理(ステップS72、ステップS82)が行われる。そして、この設定チェック処理で正常でないと判別されたとき(ステップS721におけるNO)は、たとえループ中(すなわち、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行されているとき)であっても、ループ回数がリミッタ回数にいたることなく、設定変更処理(ステップS24)の実行によりバックアップクリア処理(ステップS2420)において上記ループ回数もクリアされる(確変フラグもOFFに設定される)。
[7−2.拡張例2−1]
拡張例2のパチンコ遊技機は、特定口が設けられる特定領域を有している。この特定領域は、例えば役物によって遊技球の流下領域と区画形成されており、通常は特定領域内への遊技球の進入が困難(または不可能)とされている。また、特別図柄の大当り判定の結果として、大当りの他に小当りも用意されている。
具体的には、メインCPUは、設定値に応じて定められた大当り確率で特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果がハズレであるときに小当りの当落判定を行う。そして、小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する。すなわち、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、この拡張例2において、例えば、時短フラグがOFFに設定される非時短遊技状態等の通常遊技状態では、第1始動口への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームと、第2始動口への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームとのうち、第1特別図柄ゲームが主として行われる。一方、時短フラグがONに設定される時短遊技状態等の例えば確変時短遊技状態では、第1特別図柄ゲームと第2特別図柄ゲームとのうち、第2特別図柄ゲームが主として行われる。また、第2特別図柄ゲームでは、大当り判定の結果がハズレであるときに、所定の確率で小当りに当選する。なお、第1特別図柄ゲームにおける大当り判定の結果がハズレであるとき、小当りの当落判定を行っても行わなくて良い。
また、メインCPUは、始動口への遊技球の進入(受け入れ)に基づいて行われる特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであると、所定の可動片を作動させて特定領域を閉鎖態様から開放態様にする小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、小当り遊技の実行により開放態様となった特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて、払出・発射制御回路を介して所定個数(例えば10球)の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備える。
また、この拡張例2では、時短回数が例えば5回に設定されるとともに、特定領域内に特定口が設けられている。そして、例えば5回の時短遊技状態において普通当りとなって始動口に遊技球が入賞した結果、小当りになると、所定の可動片が作動し、特定領域が開放する。このとき、特定領域内に進入した遊技球がさらに特定口に進入したことが検出されると、メインCPUは、大当り遊技を実行する。また、5回の時短遊技状態において普通当りとならなかった場合には、メインCPUは時短遊技状態を終了し、非時短遊技状態に制御する。なお、時短遊技状態では、遊技領域の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ちで遊技が行われ、非時短遊技状態では、遊技領域の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ちで遊技が行われる。
このようなパチンコ遊技機にあって、この拡張例2では、少なくとも第2特別図柄ゲームにおける小当り確率を設定値に応じて異ならせることで、第2特別図柄ゲームが主として行われる例えば時短遊技状態において、特定領域の開放頻度ひいては出玉を設定値に応じて異ならせることが可能となる。
例えば、小当りの確率を、設定1で9分の1、設定2で8分の1、設定3で7分の1、設定4で6分の1、設定5で5分の1、設定6で4分の1とする。この場合、普通図柄の変動時間が高設定であるほど長かったり、普通電動役物の開放態様が高設定ほど始動口に遊技球が入賞し難い態様であったりしない限り、高設定値であるほど始動口に遊技球が入賞しやすくなる。その結果、高設定値であるほど特定領域への遊技球の入賞頻度が高くなり、ひいては、設定値に応じて出玉スピードに差を設けることが可能となる。
なお、この拡張例2では、時短遊技状態において、確変フラグをONに設定しても良いが、必ずしも確変フラグをONに設定する必要はない。
また、メインCPUにより特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、この場合も、ステップS72またはステップS82の設定チェック処理が実行される。メインCPUは、この設定チェック処理において正常でない(ステップS721におけるNO)と判別すると、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPUは、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであった旨も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[7−3.拡張例2−2]
拡張例2−2のパチンコ遊技機は、第1始動口および第2始動口を備えている。メインCPUは、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の大当り判定(以下、「第1特別抽選」と称する)を行い、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の大当り判定(以下、「第2特別抽選」と称する)を行う。
また、メインCPUは、第1特別抽選と第2特別抽選とのうち、第1特別図柄の抽選(以下、「第1特別抽選」と称する)が主として行われる第1遊技状態(例えば、確変フラグおよび時短フラグの両方がOFFに設定される通常遊技状態)と、第2特別図柄の抽選(以下、「第2特別抽選」と称する)が主として行われる第2遊技状態(例えば、確変フラグがONに設定され且つ時短フラグがOFFに設定される有利遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段を備える。このパチンコ遊技機では、第1遊技状態において特定の図柄で大当りに当選すると、大当り遊技が終了したのち、第2遊技状態に制御される。
また、遊技領域の右側領域には普図ゲートが設けられており、普通ゲートに遊技球が通過すると普通抽選が行われる。この普通抽選の結果が特定の結果(例えば普通当り)であると、メインCPUは、所定の可動部材(例えば電動チューリップ)を開放し、これによって第2始動口への遊技球の入賞が容易化される。したがって、遊技領域の右側領域に向けて遊技球を発射させて遊技を行った場合には、遊技領域の左側領域に向けて遊技球を発射させて遊技を行った場合と比べて第2始動口への遊技球の入賞頻度が高められる。
メインCPUは、第1特別抽選において、設定値に応じて定められた大当り確率で第1特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果が大当りであるときには、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第1大当り遊技実行手段を備える。
また、メインCPUは、第2特別抽選において、設定値に応じて定められた大当り確率で第2特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果が大当りであるときには、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第2大当り遊技実行手段を備える。また、メインCPUは、上記第2特別抽選において、上記第2特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときには小当りの当落判定を行い、この小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段も備える。
なお、第1特別抽選における大当り確率と第2特別抽選における大当り確率とは共通している。確変フラグがOFFに設定される第1遊技状態における大当り確率は、例えば、設定1で300分の1、設定2で290分の1、設定3で280分の1、設定4で270分の1、設定5で260分の1、設定6で250分の1とされている。また、確変フラグがONに設定される第2遊技状態における大当り確率は、例えば、設定1で30分の1、設定2で29分の1、設定3で28分の1、設定4で27分の1、設定5で26分の1、設定6で25分の1とされている。
メインCPUは、第1特別抽選の結果が大当りであるときに、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第1大当り遊技実行手段と、第2特別抽選の結果が大当りであるときに、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第2大当り遊技実行手段とを有している。第1特別抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口と、第2特別抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口とは、共通の大入賞口であっても良いし、異なる大入賞口であっても良い。
また、第1特別抽選における小当り確率は、確変フラグがONおよびOFFのいずれであっても0(設定1〜設定6で共通)である。また、第2特別抽選における小当り確率は、確変フラグがONおよびOFFのいずれであっても、例えば、設定1で9分の1、設定2で8分の1、設定3で7分の1、設定4で6分の1、設定5で6分の1とされている。このように、第2特別抽選における小当り確率は、セットされている設定値に応じて異なるものの、いずれの設定値であっても第1特別抽選における小当り確率より高い。
また、メインCPUは、第2特別抽選の結果が小当りであるとき、小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段を有している。小当り遊技では、第2特別抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口と同じ大入賞口が開放される遊技である。この大入賞口に遊技球が入賞すると、払出・発射制御回路は、払出装置を作動させて、所定数の遊技球が賞として払い出されるよう制御する。ただし、小当り遊技では、大入賞口に入賞させることができる遊技球数が大当り遊技よりも少ないため、遊技者にとっての有利度合いは、大当り遊技よりも小当り遊技の方が低い。
また、上述したとおり、第1特別抽選における小当り確率は0である。すなわち、メインCPUは、第1特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときに、小当り確率が0の小当り判定を行っている。ただし、これに代えて、第1特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときに、メインCPUは、小当り判定そのものを行わないようにしても良い。
なお、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、メインCPUは、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動表示を行う第1特別図柄変動表示制御手段と、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示を行う第2特別図柄変動表示制御手段とを備える。第1特別図柄変動表示制御手段は、第1特別図柄を所定時間にわたって変動表示させた後、第1特別抽選の結果が表示されるように第1特別図柄を停止させる。また、第2特別図柄変動表示制御手段は、第2特別図柄を所定時間にわたって変動表示させた後、第2特別抽選の結果が表示されるように第2特別図柄を停止させる。
第1特別図柄変動表示制御手段による第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄変動表示制御手段による第2特別図柄の変動表示とは、同じタイミングで行うことが可能に構成されている。すなわち、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動表示が行われているときに第2始動口に遊技球が入賞すると、第1特別図柄が変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示が開始される。第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口に遊技球が入賞すると、第2特別図柄が変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示が開始される。
また、第1特別図柄変動表示制御手段により実行される第1特別図柄の変動時間の平均時間は、確変フラグがONである場合とOFFである場合とでほぼ同じであるが、第2特別図柄変動表示制御手段により実行される第2特別図柄の変動時間の平均時間は、確変フラグがONである場合とOFFである場合とで顕著に異なっている。例えば、第1特別図柄の変動時間の平均時間は、第1遊技状態で10sec、第2遊技状態で10secである一方、第2特別図柄の変動時間の平均時間は、第1遊技状態で1000sec、第2遊技状態で1secとされている。特別抽選(第1特別抽選、第2特別抽選)は、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示が開始されるときに行われるが、特別抽選の結果が表示されるのは特別図柄の変動表示が停止したときである。したがって、第1遊技状態において第2始動口に遊技球が入賞したとき、第2特別抽選はすでに行われているものの、当該第2特別抽選の結果が表示されるまでに相当の時間を要することとなる。
このように、確変フラグがOFFに設定される第1遊技状態では、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させて第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の変動表示が停止されるまでに時間を要してしまう。しかも、第2特別図柄は、変動時間が異なる複数のパターンのうちいずれかのパターンで変動表示されるため、仮に第2特別図柄が小当りを示す態様で停止して(小当りであることが確定して)大入賞口が所定時間(例えば1.8秒)開放したとしても、第2特別図柄が小当りであることが確定するタイミングを掴みづらくなっている。そのため、第2特別図柄が小当りであることが確定するタイミングを狙って大入賞口に遊技球を入賞させるといった、所謂狙い打ちを行うことも困難となっている。さらに、第1遊技状態では、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させた場合には、例えばサブCPUの制御によってスピーカから警告音が出力される。そのため、第1遊技状態では、遊技領域の例えば左側領域に向けて遊技球を発射させて遊技が行われる。一方、第2遊技状態では、普図ゲートに遊技球を通過させることによって普通抽選をつうじて第2始動口への遊技球の入賞が容易化されるだけでなく第2特別図柄の変動時間も1secと短く、しかも第2特別抽選ではいずれの設定値であっても10分の1よりも高い確率で小当りに当選するため、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させる遊技が行われる。
第1遊技状態における第2特別図柄の変動時間の平均時間(例えば、1000sec)は、第1遊技状態における第1特別図柄の変動時間の平均時間(例えば、10sec)の例えば50倍以上であることが好ましいが、少なくとも10倍以上であることが好ましい。
なお、サブCPUは、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示と同期して、装飾図柄の変動表示が例えば液晶表示装置に表示されるよう制御する装飾図柄変動表示制御手段を備える。ただし、この装飾図柄変動表示制御手段は、第1遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行わず、第1始動口に遊技球が入賞したときに第1特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行う。
上記の「目立つ態様」の例について詳述すると、液晶表示装置は、例えば、表示領域の略中央において、左図柄(第1図柄)、中図柄(第2図柄)および右図柄(第3図柄)を変動表示させて特別抽選の結果を表示可能となっている。また、表示領域の四隅のうちの例えば一隅の小さな領域において、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれに同期して変動表示(例えば点滅)させることが可能な第4図柄(例えば○や△のような形状)を表示可能となっている。第1図柄〜第3図柄が表示領域を占める割合は、第4図柄が表示領域を占める割合と比べると極めて大きいため、遊技者の注視は、第4図柄よりも第1図柄〜第3図柄に向くこととなる。そして、例えば、サブCPUは、第1遊技状態において、第2始動口に遊技球が入賞したときは第1図柄〜第3図柄を変動表示させずに第4図柄のみ変動表示を行う一方、第1始動口に遊技球が入賞したときは第1図柄〜第3図柄を変動表示させるとともに第4図柄の変動表示も行う。このようにして、第1遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行わず、第1始動口に遊技球が入賞したときに第1特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行うといったことを実現できる。
上述した拡張例2−2のパチンコ遊技機によれば、第1遊技状態では、たとえ第2始動口に遊技球が入賞したとしても第2特別抽選の結果がほとんど表示されないが、第2遊技状態では、第2始動口への遊技球の入賞が容易化されるだけでなく第2特別図柄の変動時間の平均時間が1secと短い。しかも、第2遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したときに、第2特別抽選の結果が小当りとなる確率(設定に応じて9分の1〜4分の1)が大当りとなる確率(設定に応じて30分の1〜25分の1)よりも高いため、小当り遊技による大入賞口の開放が高い頻度で行われ、時短フラグをセットすることなく(すなわち普通抽選の実行頻度を高めることなく)、賞としての遊技球が払い出される機会を増加させることが可能となる。しかも、第2特別抽選の結果が小当りとなる確率はセットされている設定に応じて異なるため、大当り遊技が実行されていない状態であっても、セットされている設定値に応じて出玉を異ならせることが可能となる。
また、メインCPUにより特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、この場合も、ステップS72またはステップS82の設定チェック処理が実行される。したがって、メインCPUは、例えば第2遊技状態において、第2特別図柄の変動表示中に第1始動口に遊技球が入賞した場合にも、ステップS72またはステップS82の設定チェック処理を行う。そして、メインCPUは、この設定チェック処理において正常でない(ステップS721におけるNO)と判別すると、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。すなわち、第2遊技状態において、変動表示中の第2特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPUは、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、第2遊技状態において変動表示中の第2特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、第2遊技状態である旨の情報および小当りである旨の情報も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[7−4.拡張例3]
拡張例3のパチンコ遊技機は、大当り遊技状態に制御されるためのルートが2つあるパチンコ遊技機であり、そのために、特定口が設けられる特定領域を有している。この特定領域は、例えば役物によって遊技球の流下領域と区画形成されており、通常は特定領域内への遊技球の進入が困難(または不可能)とされている。また、特別図柄の大当り判定の結果として、大当りの他に小当りも用意されている。
具体的には、メインCPUは、設定値に応じて定められた大当り確率で特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果がハズレであるときに小当りの当落判定を行う。そして、小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する。すなわち、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、この拡張例3において、例えば、時短フラグがOFFに設定される非時短遊技状態等の通常遊技状態では、第1始動口への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームと、第2始動口への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームとのうち、第1特別図柄ゲームが主として行われる。一方、時短フラグがONに設定される時短遊技状態等の例えば確変時短遊技状態では、第1特別図柄ゲームと第2特別図柄ゲームとのうち、第2特別図柄ゲームが主として行われる。また、第2特別図柄ゲームでは、大当り判定の結果がハズレであるときに、所定の確率で小当りに当選する。なお、第1特別図柄ゲームにおける大当り判定の結果がハズレであるとき、小当りの当落判定を行っても行わなくて良い。
また、メインCPUは、始動口への遊技球の進入(受け入れ)に基づいて行われる特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであると、所定の可動片を作動し、上記特定領域の内部への遊技球の進入を許容する小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段を備える。このように所定の可動片が作動したことによって上記特定領域の内部に遊技球の進入し、当該特定領域の内部に進入した遊技球が上記特定口に進入(受け入れ)が検出されると、メインCPUは、大当り遊技状態に制御する。すなわち、メインCPUは、始動口への遊技球の入賞に基づいて行われた大当り判定処理の結果が大当りであるときに、大入賞口を開放するラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる第1大当り遊技状態に制御する第1大当り遊技制御手段と、上記小当り遊技が実行されたときに上記特定口に遊技球が進入したことに基づいて、上記所定の可動片を作動させるラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる第2大当り遊技状態に制御する第2大当り遊技制御手段とを備える。
このようなパチンコ遊技機にあって、この拡張例3では、始動口への遊技球の入賞のしやすさ(例えば、小当り遊技の実行頻度や、普通電動役物の開放パターン)を設定値に応じて異ならせている。なお、この拡張例3においても、メインCPUは、遊技者が右打ちしたときに遊技球が通過しうるゲートへの通過を検出したことに基づいて行われる普通図柄判定の結果が普通当りであるときに、普通電動役物を閉鎖状態から開放状態に制御する。普通電動役物が開放状態になると始動口への遊技球の入賞が容易化される。設定値に応じて小当り遊技の実行頻度を異ならせる手法としては、例えば、普通図柄判定における普通当りの確率を設定値に応じて異ならせたり、普通図柄の変動時間を設定値に応じて異ならせたりすることで実現できる。
始動口への遊技球の入賞のしやすさを設定値に応じて異ならせる手法として、普通図柄判定における普通当りの確率を設定値に応じて異ならせる手法を例に挙げて説明する。
例えば、普通当りの確率を、設定1で60分の1、設定2で50分の1、設定3で40分の1、設定4で30分の1、設定5で20分の1、設定6で10分の1とする。この場合、普通図柄の変動時間が高設定であるほど長かったり、普通電動役物の開放態様が高設定ほど始動口に遊技球が入賞し難い態様であったりしない限り、高設定値であるほど始動口に遊技球が入賞しやすくなる。その結果、高設定値であるほど、小当り遊技の実行頻度が高くなり、ひいては、第2大当り遊技制御手段により大当り遊技状態に制御される機会が促進される。このようにして、設定値に応じて出玉スピードに差を設けることが可能となる。
なお、この拡張例3においても、インCPU101により特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、ステップS72またはステップS82の設定チェック処理が実行される。メインCPU101は、この設定チェック処理において正常でない(ステップS721におけるNO)と判別すると、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPU101は、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであった旨も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[7−5.拡張例4]
拡張例4のパチンコ遊技機は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであったとしても、それだけをもってただちに大当り遊技状態に制御されるのではなく、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであることに基づいて条件装置が作動し、条件装置が作動したことを前提として遊技球が所定の領域を通過(または進入)したことに基づいて役物連続作動装置が作動するようにしたものである。以下、図48および図49を参照して説明する。図48は役物連続作動右ゲートを遊技球が通過する態様の一例を示す図であり、図49は役物連続作動左ゲートを遊技球が通過する態様の一例を示す図である。
図48および図49に示されるように、この拡張例4のパチンコ遊技機は、遊技領域に、役物連続作動左ゲート1100および役物連続作動右ゲート1110を備えている。また、遊技領域を流下する遊技球を、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とのうちいずれかに振り分けることが可能な振分装置1120が、役物連続作動ゲート1100・1110の上方に配置されている。
役物連続作動左ゲート1100および役物連続作動右ゲート1110には、それぞれ、遊技球の通過を検出可能な左ゲートセンサおよび右ゲートセンサ(いずれも図示せず)が設けられている。この左ゲートセンサおよび右ゲートセンサは、通常時は遊技球の通過検出が無効化されており、条件装置が作動したことに基づいて有効化される。また、左ゲートセンサおよび右ゲートセンサは、条件装置が作動したことに基づいて有効化されたのち、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とのうちいずれかを遊技球が通過したことを検出したことに基づいて無効化される。
左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出すると、メインCPUは、例えば8ラウンドのラウンド遊技が実行される8R大当り遊技状態に制御する。また、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出すると、メインCPUは、2ラウンドのラウンド遊技が実行される2R大当り遊技状態(選択率50%)と、16ラウンドのラウンド遊技が実行される16R大当り遊技状態(選択率50%)とのうちいずれを実行するかを抽選で決定し、当該抽選で決定された大当り遊技状態に制御する。
なお、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値は同じとなっている。
また、役物連続作動左ゲート1100または役物連続作動右ゲート1110を通過した遊技球は、そのまま遊技領域を流下するが、これに代えて、アウト口からパチンコ遊技機の機外に排出されるように構成しても良い。
振分装置1120は、規則的な動作により、当該振分装置1120の上方に到達した遊技球を、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とのうちいずれかに振り分ける。振分装置1120が左側に傾いた第1姿勢では遊技球が役物連続作動右ゲート1110を通過しやすく(図48参照)、振分装置1120が右側に傾いた第2姿勢では遊技球が役物連続作動左ゲート1100を通過しやすい(図49参照)。
この拡張例4では、設定値に応じて、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とで遊技球の通過のしやすさを異ならせている。例えば、振分装置1120の動作を、設定1では第1姿勢0.5秒と第2姿勢1.5秒とを繰り返す動作、設定2では第1姿勢0.7秒と第2姿勢1.3秒とを繰り返す動作、設定3では第1姿勢0.9秒と第2姿勢1.1秒とを繰り返す動作、設定4では第1姿勢1.1秒と第2姿勢0.9秒とを繰り返す動作、設定5では第1姿勢1.3秒と第2姿勢0.7秒とを繰り返す動作、設定6では第1姿勢1.5秒と第2姿勢0.5秒とを繰り返す動作とすることで、設定値に応じて、大当り遊技状態の態様に変化をもたせることが可能となる。
なお、この拡張例4では、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値が同じである。すなわち、設定値に応じて大当り遊技状態の態様に変化を持たせることはできるものの、設定値に応じて大当り遊技状態において払い出される賞球量に差がないが、これに限られず、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値を異ならせても良い。例えば、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出したときは、2R大当り遊技状態(選択率70%)と16R大当り遊技状態(選択率30%)とのうちいずれを実行するかを上記の選択率で行なわれる抽選で決定し、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出したときは、2R大当り遊技状態(選択率30%)と16R大当り遊技状態(選択率70%)とのうちいずれを実行するかを上記の選択率で行なわれる抽選で決定するようにしても良い。この場合、設定値に応じて大当り遊技状態において払い出される賞球量に差をもたせることができ、高設定値ほど、多量の遊技球が賞球として払い出される期待値の高い大当り遊技状態に制御される可能性を高めることが可能となる。
また、この拡張例4では、条件装置が作動した状況下で二つのゲート(役物連続作動右ゲート1100,役物連続作動右ゲート1110)のうちいずれかを遊技球が通過すると役物連続作動装置が作動して大当り遊技状態に制御されるように構成されている。ただし、始動口への遊技球の入賞に基づいて行われた特別図柄の大当り判定の結果が大当りであることに基づいて条件装置が作動したとしても、遊技球が上記二つのゲートのいずれをも通過する前に始動口に遊技球が入賞することがある。この場合、条件装置が作動したものの未だ上記二つのゲートのいずれにも遊技球が通過していない状況下で、メインCPU101は、始動口への遊技球の入賞に基づいて設定チェック処理(例えば図31のステップS72参照)を実行し、当該設定チェック処理において正常でない(例えば図32のステップS721におけるNO)と判別されることがある。この場合、たとえ条件装置が作動したいたとしても、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS722)、遊技を進行させることが不可能となる。
また、この拡張例4では、振分装置1120の下方に、条件装置が作動していることを前提として遊技球の通過を検出すると役物連続作動装置が作動する二つのゲート(役物連続作動右ゲート1100,役物連続作動右ゲート1110)が設けられているが、振分装置1120の下方に設けるのは必ずしも役物連続作動ゲートに限られず、例えば、始動口および一般入賞口であっても良い。すなわちこの場合、振分装置1120は、規則的な動作により、当該振分装置1120の上方に到達した遊技球を、特別図柄の大当り判定契機となる始動口と、当該大当り判定契機とならない一般入賞口とのうちいずれかに振り分ける。そして、振分装置1120の動作を、例えば、設定1では第1姿勢0.5秒と第2姿勢1.5秒とを繰り返す動作、設定2では第1姿勢0.7秒と第2姿勢1.3秒とを繰り返す動作、設定3では第1姿勢0.9秒と第2姿勢1.1秒とを繰り返す動作、設定4では第1姿勢1.1秒と第2姿勢0.9秒とを繰り返す動作、設定5では第1姿勢1.3秒と第2姿勢0.7秒とを繰り返す動作、設定6では第1姿勢1.5秒と第2姿勢0.5秒とを繰り返す動作とすることで、設定値に応じて、始動口への入賞率を異ならせることが可能となる。しかも、このようなパチンコ遊技機によれば、設定値に応じて始動口への入賞率を異ならせることが可能ではあるものの、いかなる設定値であったとしても遊技者による遊技球の発射タイミングで始動口への入賞を狙うことができるという面白みをもたせることが可能となる。
[7−6.拡張例5]
拡張例5のパチンコ遊技機は、パチンコ遊技機の基本仕様にかかるデータを設定値に応じて異ならせるものではなく、パチンコ遊技機のゲーム性を設定値に応じて変更できるようにしたものである。なお、この拡張例5では、設定値を設定1〜設定5の5段階のうちいずれかにセットすることができるように構成されているが、必ずしも5段階である必要はなく、複数段階であれば任意に定めることができる。
具体的には、設定値が設定1にセットされた場合、メインCPUは、例えば99分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば5ラウンドの大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定1にセットされると、大当り確率が100分の1未満と比較的高い代わりに、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が比較的少ない、所謂甘デジと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定2にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を高確率遊技状態に制御し、予め決められた期間を経過すると高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、所謂ST機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定3にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り判定の結果が大当りであるとき、例えば図柄乱数を用いて確変フラグをON設定するか否かを決定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、次回の大当り遊技状態が実行されるまで高確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定3にセットされると、所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定4にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り判定の結果が大当りであるとき、例えば図柄乱数を用いて確変フラグをON設定するか否かを決定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、次回の大当り遊技状態が実行されるまで高確率遊技状態に制御する。ただし、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行される回数(上述した「ループ回数」)に上限を設け、ループ回数がこの上限に達すると、メインCPUは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定4にセットされると、所謂リミッタ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。なお、上記のゲーム性では、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態であれば、当該高確率遊技状態は次回の大当り遊技状態が実行されるまで継続するようにしているが、これに限られず、大当り遊技状態が終了したのちの高確率遊技状態を、予め決められた期間が経過すると終了して低確率遊技状態に制御される所謂ST機であっても良い。
また、設定値が設定5にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り遊技状態が終了すると、必ずまたは一定の確率で確変フラグをON設定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、高確率遊技状態に制御する。また、メインCPUは、高確率遊技状態において、特別図柄の大当り判定を行う際に遊技状態移行抽選を行い、当該遊技状態移行抽選において遊技状態を移行する旨を決定すると、確変フラグをOFF設定し、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行させる制御を実行する。すなわち、設定値が設定5にセットされると、高確率遊技状態において低確率遊技状態への移行抽選が行われるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
このように、拡張例5のパチンコ遊技機では、設定値に応じて、例えば大当り確率のようなスペックではなく、パチンコ遊技機のゲーム性を変えることができ、バリエーションに富んだゲーム性でのパチンコゲームを1台で実行することが可能となる。
なお、上記では、設定1では所謂甘デジと呼ばれるゲーム性での遊技が実行可能であり、設定2では所謂ST機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定3では所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定4では所謂リミッタ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定5では高確率遊技状態において低確率遊技状態への移行抽選が行われるゲーム性での遊技を実行することが可能であるが、これらの全部のゲーム性を設定値に応じて実行できるようにすることは必須ではない。ただし、設定値に応じて、所謂ST機と呼ばれるゲーム性と、所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性とを切り替えて実行できる方が好ましい。所謂ST機と呼ばれるゲーム性および所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性は、いずれも、大当り遊技状態終了後に高確率遊技状態に制御される可能性がある点で共通するものの、当該高確率遊技状態が次回の大当り遊技状態まで継続するか中途で終了するかで大きく異なる。このように、一見は似ているものの実質的には異なる2つのゲーム性を切り替えて実行できるようにすることで、遊技機の管理責任者等によるパチンコ遊技機の活用の仕方に幅を持たせつつ興趣の向上を図ることが可能なパチンコ遊技機を提供することができる。
[7−7.その他の拡張例]
本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全ての遊技機について、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路100自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路100に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
主制御回路100に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、本実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。
[8.ホールメニュータスク]
先ず、図50〜図53を参照してホールメニュータスクについて説明する。ホールメニュータスクはホールメニューを制御するタスクである。ホールメニュータスクは、サブCPU201によって、所定の周期、本実施形態では33msec毎に行われる。
図50は、サブCPU201により実行されるホールメニュータスクの一例を示すフローチャートである。
図50に示されるように、サブCPU201は、先ず、設定変更処理中または設定確認処理中であるかを判別する(ステップS301)。具体的には、サブCPU201は、電源投入時にメインCPU101から送信される設定操作コマンド(設定変更開始コマンド、設定確認開始コマンド)を受信したか否かを判別する。
サブCPU201は、設定変更処理中または設定確認処理中であると判別、すなわち設定操作コマンドを受信したと判別すると(ステップS301におけるYES)、ステップS302のホールメニュー表示処理を実行する。このホールメニュー表示処理(ステップS302)は、後述のホールメニュー画面を表示制御回路204により液晶表示装置16の表示領域に表示する処理である。なお、ホールメニュー画面は、後述のステップS310の処理が実行されたときも液晶表示装置16の表示領域に表示されるが、ステップS302において表示されるホールメニュー画面と、ステップS310において表示されるホールメニュー画面とでは異なる点があり、これについては後述する。
ステップS302のホールメニュー表示処理が実行されたときに液晶表示装置16の表示領域に表示される画像(画面)について、図51〜図53を参照して説明する。図51は、ステップS302のホールメニュー表示処理が実行されたときに、ホールメニュー画面が液晶表示装置16の表示領域に表示されたときの一例を示す図である。図52および図53は、ステップS302のホールメニュー表示処理が実行されたときに、液晶表示装置16の表示領域に表示されるホールメニュー画面の一例を示す図である。
図51〜図53に示されるように、ホールメニュー表示処理(ステップS302)が実行されると、液晶表示装置16の表示領域にはホールメニュー画面が表示される。ホールメニュー画面は、図52および図53に示されるように、画面左側領域のホールメニュー項目表示領域1610と、画面下方の左右方向略中央の操作説明領域1620と、画面略中央に配置されるプレビュー表示領域1630と、を有する。
ホールメニュー項目表示領域1610には、ホールメニューの各項目が表示される。図51〜図53には、便宜上、ホールメニュー項目として、時刻設定、賞球情報、設定履歴・設定確認履歴、エラー情報履歴、監視履歴、警告表示設定のみが図示されているが、これらの項目の他に、報知設定、省電力設定(省電力モード)、メンテナンス、役物動作確認、液晶輝度設定、液晶確認、音量調節設定等の項目が表示されるようにしてもよい。ただし、ステップS302は、設定変更処理中または設定確認処理中の処理であるため、ホールメニュー画面の表示を終了して遊技画面に復帰させることができない。そのため、ホールメニューの項目の中に、ホールメニュー終了の項目はない。
操作説明領域1620には、操作ボタン群66(図3参照)に対応する画像、すなわちメインボタン662および上下左右の各セレクトボタン664a〜664dに対応する画像が表示される。なお、ホールメニュー画面では、操作ボタン群66のうち有効化されている操作ボタンと無効化されている操作ボタンとを区別することができるように表示される。例えば図51〜図53では、有効化されている操作ボタンが白塗りで表示されており(メインボタン662および上下セレクトボタン664a,664bが有効化されており)、無効化されている操作ボタンが黒塗りで表示されている(左右セレクトボタン664c,664dが無効化されている)。
有効化されているセレクトボタン(上下セレクトボタン664a,664b)を操作者が操作することで、複数のホールメニューの項目のうちいずれかを選択することができる。図51および図52では、実線で囲まれたホールメニュー項目が選択されているホールメニュー項目である。例えば、図51では、実線で囲まれた「時刻設定」が選択されていることを示している。また、図53では、実線で囲まれた「設定変更・確認履歴」が選択されていることを示している。
本実施形態のパチンコ遊技機1において、サブCPU201は、選択されている項目をハイライト表示する。ただし、選択されている項目を操作者が把握しやすい態様であれば必ずしもハイライト表示に限られない。なお、時刻設定の項目が選択されている画面(図51および図52参照)が、ホールメニュー画面の初期画面である。
プレビュー表示領域1630には、複数のホールメニューの項目のうち選択されている項目についてのプレビュー画面が表示される。例えば、「時刻設定」の項目が選択されているときは、時刻設定画面がプレビュー表示され(図51および図52参照)、「設定変更・確認履歴」の項目が選択されているときは、設定変更・確認履歴画面がプレビュー表示される(図53参照)。ただし、設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面では、設定値が表示されないようにすることが好ましい。なお、上記のプレビュー画面内では操作を行うことができない。例えば、時刻設定画面がプレビュー表示されているとき、プレビュー表示されている時刻設定画面において時刻を設定する操作を行うことができず、ホールメニュー項目として表示されている時刻設定が選択決定されたことによって表示される時刻設定画面において時刻を設定する操作を行うことができる。
さらに、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面とあわせて、ホールメニュー画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定変更中です」または「設定確認中です」といった文字を表示する。また同時に、サブCPU201は、音声制御回路205(図9参照)を介して「設定変更中です」または「設定確認中です」といった音声がスピーカ24から出力されるよう制御する。さらに、サブCPU201は、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25(例えば、図1参照)を白色で全点灯させる制御を実行する。このようにして、設定変更中であるか設定確認中であるかを、ホールメニュー画面における操作を阻害することなく操作者に把握させるようにしている。
次に、図50に戻り、サブCPU201は、ステップS303において、ホールメニュー処理を実行する。このホールメニュー処理(ステップS303)についての詳細は後述する。
サブCPU201は、ホールメニュー処理(ステップS303)を実行したのち、設定変更処理または設定確認処理が終了したか否か、すなわち、設定変更処理が終了したことを示すコマンド(初期化コマンド)または設定確認処理が終了したことを示すコマンド(電断復帰コマンド)を、メインCPU101から受信したか否かを判別する(ステップS304)。サブCPU201は、初期化コマンドおよび電断復帰コマンドのいずれをも受信していなければ(ステップS304におけるNO)、ステップS303のホールメニュー処理を継続して実行する。
また、メインCPU101は、初期化コマンドを送信する場合には、当該コマンドと同じタイミングで、変更後の設定値情報についてもサブCPU201に送信する。
なお、変更後の設定値情報は、初期化コマンドと必ずしも同じタイミングで送信される必要はなく、設定変更処理と対応付けることができれば異なるタイミングで送信されるようにしてもよい。
また、メインCPU101は、電断復帰コマンドを送信する場合には、設定値が変更されていないため設定値情報をサブCPU201に送信する必要はないが、設定値情報についてもサブCPU201に送信するようにしてもよい。
サブCPU201は、ステップS304において、設定変更処理または設定確認処理が終了、すなわち初期化コマンドまたは電断復帰コマンドをメインCPU101から受信すると(ステップS304におけるYES)、ワークRAM203に記憶されている履歴数が所定数N以上であるか否かを判別する(ステップS305)。これは、ワークRAM203に記憶されている履歴数に応じて、データの上書きを行うか、空き領域にデータを書き込むかを適宜決定することで、極力多くの履歴データを残しつつ、履歴を記録したいときに記録できないといった事態が発生してしまうことを未然に防止するようにしたものである。なお、所定数Nは、ワークRAM203に記憶できる容量に応じて適宜設定することができるが、本実施形態では例えば500に設定されている。
ワークRAM203に記憶されている履歴情報の履歴数が所定数N以上であれば(ステップS305におけるYES)、ステップS306に移り、履歴情報の上書き処理(ステップS306)を実行する。ステップS306の履歴情報の上書き処理は、ワークRAM203に記憶されている履歴のうち、最も先に記憶された履歴(最も古い履歴情報)から順に上書きされる。
なお、ステップS306の履歴情報の上書き処理では、ワークRAM203にすでに記憶されている履歴情報に対して新たな履歴情報を上書きすることで、ワークRAM203に記憶されている履歴情報が結果的に消去されるようにしているが、これに限られない。例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信したときに、新たな履歴情報をワークRAM203に記憶させると所定の上限を超えるおそれがあれば、ワークRAM203に記憶されている履歴情報の少なくとも一部を消去した上で、歴情報を記憶するようにしてもよい。また、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信していなくとも、これ以上の履歴情報をワークRAM203に記憶させると上限を超えるおそれがあるときに、ワークRAM203記憶されている設定履歴情報の少なくとも一部を消去するようにしてもよい。
サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている履歴数が所定数N未満であれば(ステップS305におけるNO)、ステップS307に移り、ワークRAM203の空き領域に履歴情報を記録する履歴情報記録処理(ステップS307)を実行する。
なお、本明細書において、ステップS306の履歴情報の上書き処理およびステップS307の履歴情報記録処理を総称して、履歴記録処理と称する場合がある。
なお、履歴情報とは、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドをメインCPU101から受信したときの、RTC209により計時されている時間情報、操作種別情報(設定変更処理が実行された旨の情報または設定確認処理が実行された旨の情報)、および、設定値情報等の情報である。具体的には、初期化コマンドを受信した場合には、初期化コマンドを受信した時間情報と、設定変更処理が実行された旨の情報と、メインCPU101から送信された設定変更後の設定値情報とを対応付けた情報が履歴情報である。また、電断復帰コマンドを受信した場合には、電断復帰コマンドを受信した時間情報と、設定確認処理が実行された旨の情報と、メインCPU101から送信された現在の設定値情報とを対応付けた情報が履歴情報である。電断復帰コマンドを受信した場合に、メインCPU101から送信された現在の設定値情報を履歴情報に含むことは必須ではないが、上述した設定判定処理を実行するために、メインCPU101から送信された現在の設定値情報を履歴情報に含むことが好ましい。また、閲覧履歴も上記の履歴情報に含まれ、ホールメニュー処理(ステップS303)において設定変更・確認履歴の閲覧が行われていれば、ステップS306において閲覧履歴が履歴情報として上書き処理されるか、またはステップS307においてワークRAM203の空き領域に閲覧履歴が履歴情報として記録される。
なお、正常な状態では、電源が投入されると、サブCPU201が起動した後にメインCPU101からはすぐに何らかのコマンド(例えば、電断復帰コマンド、設定操作コマンドなど)が送信されることとなるが、サブCPU201は、起動してから所定時間(例えば30秒)経過してもメインCPU101からのコマンドが受信されないときには異常と判断し、サブ制御回路200側において遊技停止状態とする。サブ制御回路200側において遊技停止状態となったときの表示出力、音声出力およびLED25の各態様については後述する。
また、ワークRAM203に記憶させる履歴情報の1つである時間情報は、日時の情報のみならず、時分までの情報あるいは時分秒までの情報まで記憶させることが好ましい。
サブCPU201は、ステップS306またはステップS307の処理を実行したのち、ステップS308に移る。
サブCPU201は、ステップS308において、設定変更が行われたか否か、すなわち、ステップS304において初期化コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS308)。なお、ステップS301において受信した設定操作コマンドが設定変更開始コマンドであるときは、ステップS304において電断復帰コマンドを受信することはなく、ステップS301において受信した設定操作コマンドが設定確認開始コマンドであるときは、ステップS304において初期化コマンドを受信することはない。また、ステップS308の処理では、設定変更が行われたことをサブCPU201が判別できればよいため、ステップS304において受信したコマンドが初期化コマンドであるか否かの判別に代えて、例えば変更後の設定値情報を受信したことをもって設定変更処理が行われたと判別するようにしてもよい。
サブCPU201は、設定変更が行われたと判別すると(ステップS308におけるYES)、設定変更初期化処理を行い(ステップS309)、ステップS310に移る。
サブCPU201は、ステップS310において、ホールメニュー再表示処理を実行する。このとき、再表示されるホールメニュー画面は、設定変更中または設定確認中に表示されるホールメニュー画面(ステップS302において表示されるホールメニュー画面)とは異なり、設定変更処理が終了して遊技の実行が可能な状態(またはステップS30の遊技復帰処理中)に表示される画面であり、例えば図54に示されるように、ホールメニューの項目の中の一つに、ホールメニュー終了の項目が表示される。なお、図54は、ステップS310のホールメニュー再表示処理が実行されたときに、液晶表示装置16の表示領域に表示されるホールメニュー画面の一例を示す図である。
すなわち、設定変更中または設定確認中に表示されるホールメニュー画面(ステップS302において表示されるホールメニュー画面)では、操作者の意思でホールメニュー画面の表示を終了することはできないが、設定変更処理が終了したのちに再表示されるホールメニュー画面(ステップS310において表示されるホールメニュー画面)では、操作者の意思でホールメニュー画面の表示を終了することができるように構成されている。なお、ステップS302において表示されるホールメニュー画面(例えば、図52参照)とステップS310において表示されるホールメニュー画面(図54参照)とは、各項目のうちのいずれかを選択決定して操作できるといった機能面(例えば、設定変更・確認履歴画面を閲覧できるといった機能面)等は共通する。
また、サブCPU201は、ステップS308において設定変更が行われたと判別したとき(ステップS308におけるYES)、ステップS310のホールメニュー再表示処理において、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面とあわせて、ホールメニュー画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定が変更されました」といった文字を表示する。選択されたホールメニュー項目の画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)が表示されたときにも、同様に、当該画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定が変更されました」といった文字を表示する。また同時に、サブCPU201は、音声制御回路205(図9参照)を介して「設定が変更されました。RAMが初期化されました」といった音声がスピーカ24から出力されるよう制御する。これにより、設定が変更されたこと(あわせてバックアップクリア処理が実行されたこと)を、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面における操作を阻害することなく操作者に把握させることが可能となる。さらに、サブCPU201は、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25(例えば、図1参照)を赤色で全点灯させる制御を実行する。
一方、ステップS308において設定確認が行われたと判別したとき(ステップS308におけるNO)、すなわちステップS304において受信したコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるとき、サブCPU201は、ステップS309〜ステップS314の処理を実行せずに、ステップS315の遊技画面復帰処理を実行する。したがって、設定確認処理が終了したときは、ホールメニュー再表示処理(ステップS310)は実行されない。また、液晶表示装置16の表示領域に設定確認が終了した旨を示す文字も表示しない。さらに、設定確認が終了した旨を示す音声も出力しない。ただし、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25(例えば、図1参照)を赤色で全点灯させる制御がサブCPU201により実行される。
ところで、ステップS302の処理が実行されるときおよびステップS310の処理が実行されるときは、いずれも、液晶表示装置16の表示領域にホールメニュー画面が表示されるが、ステップS302の処理が実行されるときは設定確認中または設定変更中であるため遊技を実行することができないのに対し、ステップS310の処理が実行されるときは遊技を実行することができる。しかし、上述したように、ステップS302の処理が実行されるときとステップS310の処理が実行されるときとで、液晶表示装置16の表示領域への文字表示の態様(設定確認終了時は表示されない)、スピーカ24から出力させる音声の態様、および、LED25の発光態様が大きく異なっている。そのため、液晶表示装置16の表示領域にホールメニュー画面や選択されたホールメニュー項目の画面が表示されていたとしても、ホールメニュー画面や選択されたホールメニュー項目の画面における操作(例えば、ホールメニュー項目を選択する操作やページ更新するための操作等)を阻害することなく、パチンコ遊技機1が遊技を実行することが可能な状態であるか不可能な状態であるかを、外観で容易に把握することが可能となっている。
サブCPU201は、ステップS310の処理を実行すると、ステップS311に移り、ホールメニュー処理を実行する。このステップS311のホールメニュー処理は、基本的にステップS303と同様の処理であるが、後述する図60のステップS3072におけるYESのときの処理が異なっており、これについては後述する。
サブCPU201は、ステップS312において、再表示されたホールメニュー画面において、「ホールメニュー終了」が選択されたか否かを判別する。「ホールメニュー終了」が選択されたと判別すると(ステップS312におけるYES)、サブCPU201は、遊技画面復帰表示処理(ステップS315)を行う。この遊技画面復帰表示処理において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、パチンコ遊技機1(例えば発射ハンドル32)が所定期間操作されなかった場合に表示される初期映像を表示する。そして、サブCPU201は、ステップS315の遊技画面復帰処理を実行した後、ステップS316に移る。
一方、ステップS312において「ホールメニュー終了」が選択されていないと判別すると(ステップS312におけるNO)、サブCPU201は、所定時間(例えば30秒)が経過していないか否かを判別する(ステップS313)。図50では図示を省略しているが、設定変更処理または設定確認処理が終了したとき(ステップS304におけるYES)、ホールメニュー再表示処理(ステップS310)を実行したとき、ホールメニュー処理(ステップS311)においていずれかのホールメニュー項目が選択されたとき等、操作者が何らかの操作を行ったことにもとづいて計時を開始しており、ステップS313の処理は、この計時時間が所定時間経過していないか否かを判別する処理であり、操作者が所定時間以上にわたって何らの操作も実行しなければ、サブCPU201は、ステップS313においてYESと判別する。
サブCPU201は、無操作のまま所定時間(例えば30秒)が経過したと判別すると(ステップS313におけるYES)、再表示されたホールメニュー画面の表示を終了し、ステップS315の遊技画面復帰表示処理を実行する。
また、無操作のまま所定時間(例えば30秒)が経過していなければ(ステップS313におけるNO)、サブCPU201は、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS314)。演出制御オブジェクトを生成するコマンドは、遊技が実行されると受信可能となるコマンドであり、例えば、図柄の変動開始コマンド、図柄の変動確定(変動停止)コマンド、大当り遊技の実行開始コマンド、大当り遊技におけるラウンド数を示すコマンド、大当り遊技におけるラウンドインターバルコマンド、大当り遊技の終了コマンド、初期化コマンド、電断復帰コマンド等である。サブCPU201は、ステップS314において、これらの演出制御オブジェクトを生成するコマンドのうちいずれかのコマンドを受信したと判別すると、再表示されたホールメニュー画面の表示を終了し、ステップS315の遊技画面復帰表示処理を実行する。これにより、メインCPU101による遊技の進行にあわせた遊技画面が液晶表示装置16の表示領域に表示されることとなり、例えばメインCPU101による遊技が進行しているにもかかわらず遊技とは無関係の画像が表示される等といった、遊技の進行が阻害されることを防止することが可能となる。一方、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信していないと判別すると(ステップS314におけるNO)、ステップS311に戻る。
サブCPU201は、遊技画面復帰表示処理(ステップS315)を実行すると、ステップS316に移り、ホールメニュー表示禁止処理を実行する。このホールメニュー表示禁止処理は、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面が再び表示されることを禁止する処理である。すなわち、ホールメニュー表示禁止処理(ステップS316)が実行されると、設定キー328を再びON操作したとしてもホールメニュー画面が表示されず、電源OFF操作を行って設定変更処理または設定確認処理が実行されない限りホールメニュー表示処理(ステップS302)を実行することができない。
このように、ホールメニュー画面は、原則的には設定変更処理または設定確認処理の実行中に液晶表示装置16の表示領域に表示される画面である。ただし、設定変更処理が実行されたときには、この設定変更処理が終了したとしても、例えば、ホールメニュー画面において操作者自身が「ホールメニュー終了」の項目を選択しないこと(ステップS312におけるNO)、無操作時間が所定時間経過しないこと(ステップS313におけるNO)、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信していないこと(ステップS314におけるNO)といった一定条件下では、ステップS311〜ステップS314の処理が繰り返し実行され、ホールメニュー画面が継続して表示されることとなる。したがって、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面(例えば設定変更・確認履歴画面)において操作者が何らかの操作を行っていれば、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面の表示が終了することなく継続して表示されることとなる。これにより、設定変更処理または設定確認処理が終了したとしても、操作者がホームメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面を操作する時間に猶予を持たせることが可能となる。しかも、操作者が「ホールメニュー終了」を選択し忘れたとしても、所定時間(例えば30秒)にわたって無操作であるとホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面の表示が終了して遊技画面復帰処理(ステップS315)が実行されるため、権限を有しない者(例えば遊技機管理者でないホール係員や遊技者)が設定変更履歴、設定確認履歴、閲覧履歴などの秘匿情報を容易に閲覧することができず、セキュリティ性を担保することが可能となる。
なお、本実施形態では、ステップS314において、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したと判別したときに遊技画面復帰処理(ステップS315)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS316)を行っているが、必ずしもこれに限られず、例えば、発射ハンドル32が操作されたことを示すコマンドを受信したこと等、遊技の実行が開始されると受信可能となる特定のコマンドを受信したことにもとづいて、遊技画面復帰処理(ステップS315)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS316)を行うようにしてもよい。
ここで、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理を含めて、エラーが発生したときの報知態様について、図55を参照して説明する。図55は、液晶表示装置16の表示領域にエラー内容が表示された画面の一例であり、(a)設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示す画面、(b)始動口異常入賞エラーが発生したことおよび設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示す画面、(c)設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことおよび始動口異常入賞エラーの両方が発生している状態で、バックアップクリア処理が実行されたことを示す報知期間(例えば30秒)が経過したのちの画面、を示す図である。
図55に示されるように、複数のエラーが発生した場合、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に発生したエラー内容を全て表示するとともに、優先順位の高いエラー順に、音声制御回路205(図9参照)を介してスピーカ24から音声を出力するとともに、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25の発光制御を実行する。
設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたとき、他にエラーが発生していない場合には、サブCPU201は、図55(a)に示されるように、液晶表示装置16の表示領域内に「RAMがクリアされました」といった文字が表示されるよう制御するとともに、「RAMがクリアされました」といった音声がスピーカ24から出力されるよう制御し、さらに、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25(例えば、図1参照)を赤色で全点灯させる制御を実行する。なお、「RAMがクリアされました」といった文字は、「設定が変更されました」といった文字が表示される上述の極小領域(図54参照)よりも大きな領域を用いて表示される。
すなわち、本実施形態では、設定変更処理を行うときはバックアップクリア処理も必ず実行され(図23参照)、設定変更処理終了後に実行されるステップS310のホールメニュー再表示処理では、上述したとおり、「設定が変更されました」といった文字が液晶表示装置16の表示領域に表示されるものの、バックアップクリア処理が実行されたことについては表示されず、「設定が変更されました。RAMが初期化されました」といった音声がスピーカ24から出力されるだけにとどまる。これに対し、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が実行されたとき、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域内において、上述の極小領域(図54参照)よりも大きな領域を用いて「RAMがクリアされました」といった文字が表示されるよう制御するとともに、「RAMがクリアされました」といった音声がスピーカ24から出力されるよう制御する(図55(a)参照)。ここで、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理における主たる目的は設定値を変更することである(バックアップクリア処理ではない)のに対し、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理ではバックアップクリア処理が主たる目的であると考えられる。そのため、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理が実行されたときは、再表示されるホールメニュー画面の操作を阻害しない態様で、バックアップクリア処理が実行されたことを控えめに報知するようにしている。これに対し、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときは、バックアップクリア処理が実行されたことを、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理が実行されたときよりも目立つ態様で報知することで、バックアップクリア処理が不正に実行されることを抑制できるようにしている。
なお、バックアップクリア処理が実行されたあと、他のエラーとして例えば始動口異常入賞エラーも発生していれば、例えば図55(b)に示されるように、始動口異常入賞エラーが発生したことと、バックアップクリア処理が実行されたこととの両方が、液晶表示装置16の表示領域に文字として表示される。このとき、始動口異常入賞エラーよりもバックアップクリア処理が実行されたことの方が優先順位が高いため、発生した順にかかわらず、バックアップクリア処理が実行された旨を示す文字が上位に表示される。また、優先順位が高いバックアップクリア処理が実行されたことを報知する音声がスピーカ24から出力されるとともに、バックアップクリア処理が実行されたことを示す態様でLED25が発光される。
また、バックアップクリア処理が実行されたことおよび始動口異常入賞エラーの両方が発生している状態で、バックアップクリア処理が実行されたことについての報知期間(例えば30秒)が経過すると、バックアップクリア処理が実行されたことを示す文字が液晶表示装置16の表示領域から削除され、他のエラーが発生していなければ、始動口異常入賞エラーを示す文字のみが液晶表示装置16の表示領域に表示される。また、スピーカ24から出力される音声は、バックアップクリア処理が実行されたことを報知する音声から始動口異常入賞エラーが発生したことを報知する音声に変化するとともに、LED25の発光態様も、バックアップクリア処理が実行されたことを示す態様から始動口異常入賞エラーが発生したことを示す態様に変化する。このようにして、発生しているエラー内容を容易に把握することができるようになっている。
なお、上記では、設定変更処理中または設定確認処理中であると判別、すなわち設定操作コマンドを受信したと判別したとき(ステップS301におけるYES)に、ホールメニュー表示処理(ステップS302)を実行する旨を説明したが、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにも実行するようにするとよい。設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作せずに、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方が行われると実行される(図22参照)。バックアップクリア処理が実行されると、メインCPU101は初期化コマンドをサブCPU201に送信するので、設定操作コマンドを受信せずに初期化コマンドを受信したサブCPU201は、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたと判別することができ、ホールメニュー表示処理(ステップS302)およびホールメニュー処理(ステップS303)を実行することができる。
[9.ホールメニュータスクの他の例]
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機のメインCPU101は、電源投入時処理(図20参照)の遊技許可処理(ステップS17)において、メインRAM103の作業領域が正常であるか否かを判別しており(図21のステップS1730参照)、例えば、設定値データが規定の範囲内(本実施形態では「0」〜「5」の範囲内)でないとき、メインRAM103の作業領域が正常でないと判別し(ステップS1730におけるNO)、遊技許可フラグをOFFにし(ステップS1760参照)、遊技を実行できないようにしている。ただし、例えば、主制御基板30が不正に取り替えられたりした場合には、RAM103の作業領域チェック処理(ステップS1720)が実行されない可能性が高い。また、不正信号が入力されてセットされている設定値が変更されるような場合には、設定値データが「0」〜「5」の範囲内である可能性がある。そこで、遊技の実行中に実行される上述の設定判定処理と同様に、ステップS1720において作業領域チェック処理が実行されない場合や、設定値が不正に変更された可能性があるにもかかわらず設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(例えば、ステップS1730においてYESと判別される場合)を想定し、サブCPU201により設定値情報の適否を判定する設定判定処理(ステッ317およびステップS318の処理)を実行するようにしてもよい。この場合のホールメニュータスクを図56に示す。図56は、サブCPU201により実行されるホールメニュータスクの他の例であって、サブCPU201により設定値情報の適否を判定する設定判定処理を実行する場合のフローチャートである。以下において、ホールメニュータスクの他の例について説明する。ただし、図50と共通する処理についての説明は省略し、設定判定処理についてのみ説明する。
先ず、メインCPU101は、設定確認処理が終了したことを示す電断復帰コマンドを送信する場合であっても、遊技の進行に用いられる現在の設定値としてメインRAM103に記憶されている設定値情報をサブCPU201に送信する。
一方、電断復帰コマンドを受信したサブCPU201は、設定変更が行われていないと判別し(ステップS308におけるNO)、ステップS317に移る。このステップS317において、サブCPU201は、設定値チェック処理を実行する。この設定値チェック処理(ステップS317)は、現在の設定値情報(電断前にメインCPU101から送信された、ワークRAM203に記憶されている設定値情報)およびメインCPU101から送信された設定値情報(電断後にメインCPU101から送信された設定値情報)を確認する処理である。なお、ステップS308において設定変更が行われていないと判別したとき(ステップS308におけるNO)、ステップS309〜ステップS314の処理は実行しない。
設定値チェック処理(ステップS317)において現在の設定値情報およびメインCPU101から送信された設定値情報を確認した後、サブCPU201は、設定値適否判断処理すなわち設定値が適正であるか否かを判断する(ステップS318)。このとき、現在の設定値情報とメインCPU101から送信された設定値情報とが一致していれば適正と判断し(ステップS318におけるYES)、ステップS315に移る。ステップS315以降の処理は上述したとおりである。
一方、現在の設定値情報とメインCPU101から送信された設定値情報とが一致していなければ不適であると判断し(ステップS318におけるNO)、ステップS319に移り、サブCPU201は、設定値異常時処理を実行する。
上記の設定値異常時処理は、液晶表示装置16の表示領域に、設定値が異常である旨を報知する画像を表示する処理である。なお、この設定値異常時処理(ステップS319)では、設定値が異常である旨を報知する画像を表示する処理に代えてまたは加えて、設定値が異常である旨を報知する音声を出力する処理を実行するようにしてもよい。
このように、メインCPU101から送信されたコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドである場合に、サブCPU201は、設定判定処理(ステッ317およびステップS318の処理)を実行し、設定値が適正でないと判断したときには(ステップS318におけるNO)設定値異常時処理(ステップS319)を実行することで、設定値が適正でないことを遊技機管理者に報知することが可能となる。
なお、上述の設定判定処理(ステップS317およびステップS318の処理)は、設定確認処理が終了したときに実行しているが、設定変更処理および設定確認処理のいずれも実行せずに、設定変更処理を伴わないバックアップ処理(電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作せずに、バックアップクリアスイッチ330の押下操作し且つ電源スイッチ35のON操作)を実行した場合や、ただ単に電源を投入しただけの場合にも実行することが好ましい。設定変更処理が実行されない限り、電断前に受信した設定値情報と電断後に受信した設定値情報とが一致しているか否かの判定を実行することで、サブCPU201により設定値情報の適否を判定することが可能だからである。
[10.ホールメニュー処理]
次に、図57を参照して、ホールメニュータスク(図50、図56参照)におけるホールメニュー処理(ステップS303)について説明する。図57は、サブCPU201により実行されるホールメニュー処理の一例を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、セレクトボタン664または/およびメインボタン662が操作者に操作されたことに基づいて各種情報・設定の確認や各種設定の変更を行う対象であるホールメニュー項目を選択するホールメニュー選択処理を行う(ステップS3001)。なお、図57のホールメニュー選択処理では、ホールメニュー項目が、時刻設定、賞球情報、設定履歴・設定確認履歴、エラー情報履歴、監視履歴、警告表示設定、報知設定、省電力モード、メンテナンス、役物動作確認、液晶輝度設定、音量調節設定の場合について説明するが、ホールメニュー項目は、上述したとおりこれらに限られない。
次に、サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューは「時刻設定」であるか否かを判別する(ステップS3002)。ステップS3002において、選択したホールメニューが「時刻設定」であると判別した場合(ステップS3002におけるYES)、サブCPU201は、時刻設定処理を行う(ステップS3003)。この時刻設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に時刻設定画面(不図示)を表示し、操作者が、設定されている時刻の確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「時刻設定」でないと判別した場合(ステップS3002におけるNO)、ステップS3001で選択されたホールメニューが「賞球情報」であるか否かを判別する(ステップS3004)。サブCPU201は、選択したホールメニューが「賞球情報」であると判別した場合(ステップS3004におけるYES)、賞球情報処理を行う(ステップS3005)。この賞球情報処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に賞球情報画面(不図示)を表示し、操作者によって、賞球情報の確認が行われることを可能とする。賞球情報は、例えば、本日払い出された賞球数情報、本日払い出された賞球数と発射された遊技球数との差分情報、過去数日間に払い出された日毎の賞球数情報、過去数日間に払い出された賞球数と発射された賞球数との差分情報(日毎)等である。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「賞球情報」でないと判別した場合(ステップS3004におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」であるか否かを判別する(ステップS3006)。サブCPU201は、選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」であると判別した場合(ステップS3006におけるYES)、設定変更・確認履歴処理を行う(ステップS3007)。この設定変更・確認履歴処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に、後述する設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図61参照)を表示し、操作者が、設定の確認履歴、変更履歴及び閲覧履歴を確認することを可能とする。
また、サブCPU201は、セレクトボタン664が操作されて「設定変更・確認履歴」が選択されている状態で、メインボタン662が操作されたことを検知すると、液晶表示装置16の表示領域に、設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図61参照)を表示し、操作者が、設定(設定値)の変更履歴、設定(設定値)の確認履歴、閲覧履歴、確認した設定(設定値)及び変更後の設定(設定値)を確認することを可能とする。なお、設定変更・確認履歴処理の詳細については、図59および図60を参照して後述する。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」でないと判別した場合(ステップS3006におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「エラー情報履歴」であるか否かを判別する(ステップS3008)。サブCPU201は、選択したホールメニューが「エラー情報履歴」であると判別した場合(ステップS3008におけるYES)、エラー情報履歴処理を行う(ステップS3009)。このエラー情報履歴処理において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域にエラー情報履歴画面(例えば、図58参照)を表示し、操作者がエラー情報履歴の確認や変更を行うことを可能とする。
なお、エラー情報履歴処理において表示されるエラー履歴は、例えば、サブCPU201がバックアップ不良と判断したときにエラー履歴としてワークRAM203に記憶された情報等である。サブCPU201がバックアップ不良と判断するのは、上述したとおり、メインCPU101から異常コマンドを受信したときであってもよいし、メインCPU101から異常コマンドを送信せずに、サブ制御回路200(図9参照)への電源供給が開始されてから所定時間(例えば30秒)、メインCPU101からの正常なコマンドを受信できなかったときであってもよい。
図58に示すように、エラー情報履歴画面の略中央には、エラー情報履歴表が配置されている。エラー情報履歴表は、エラーコードが表示されるエラー内容列、エラーコードが記録された日時が表示される発生日時列、エラーが解除された日時が表示される解除日時列を有している。また、エラー情報履歴画面の左下部には、エラー情報履歴画面における操作方法が表示されている。例えば、セレクトボタン664a〜664d(図3参照)を操作することでカーソル(不図示)を上下左右に移動することができる旨が示されており、メインボタン662を操作することで決定することができる旨が示されている。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「エラー情報履歴」でないと判別した場合(ステップS3008におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「監視履歴」であるか否かを判別する(ステップS3010)。選択したホールメニューが「監視履歴」であると判別した場合(ステップS3010におけるYES)、サブCPU201は、監視履歴処理を行う(ステップS3011)。この監視履歴処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に監視履歴処理画面(不図示)を表示し、操作者が監視履歴の確認を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「監視履歴」でないと判別した場合(ステップS3010におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「警告表示設定」であるか否かを判別する(ステップS3012)。選択したホールメニューが「警告表示設定」であると判別した場合(ステップS3012におけるYES)、サブCPU201は、警告表示設定処理を行う(ステップS3013)。この警告表示設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に警告表示設定画面(不図示)を表示し、操作者が警告表示設定の確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「警告表示設定」でないと判別した場合(ステップS3012におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「報知設定」であるか否かを判別する(ステップS3014)。選択したホールメニューが「報知設定」であると判別した場合(ステップS3014におけるYES)、サブCPU201は、報知設定処理を行う(ステップS3015)。この報知設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に報知設定画面(不図示)を表示し、操作者が報知設定の確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「報知設定」でないと判別した場合(ステップS3014におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「省電力モード」であるか否かを判別する(ステップS3016)。選択したホールメニューが「省電力モード」であると判別した場合(ステップS3016におけるYES)、サブCPU201は、省電力モード処理を行う(ステップS3017)。この省電力モード処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に省電力モード画面(不図示)を表示し、操作者が省電力モードの設定の確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「省電力モード」でないと判別した場合(ステップS3016におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「メンテナンス」であるか否かを判別する(ステップS3018)。選択したホールメニューが「メンテナンス」であると判別した場合(ステップS3018におけるYES)、サブCPU201は、メンテナンス処理を行う(ステップS3019)。メンテナンス処理の詳細については図72を参照して後述する。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「メンテナンス」でないと判別した場合(ステップS3018におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「役物動作確認」であるか否かを判別する(ステップS3020)。選択したホールメニューが「役物動作確認」であると判別した場合(ステップS3020におけるYES)、サブCPU201は、役物動作確認処理を行う(ステップS3021)。この役物動作確認処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に役物動作確認画面(不図示)を表示し、操作者が役物の動作の確認を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「役物動作確認」でないと判別した場合(ステップS3020におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「液晶輝度設定」であるか否かを判別する(ステップS3022)。選択したホールメニューが「液晶輝度設定」であると判別した場合(ステップS3022におけるYES)、サブCPU201は、液晶輝度設定処理を行う(ステップS3023)。この液晶輝度設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に液晶輝度設定画面(不図示)を表示し、操作者が液晶表示装置16の輝度の設定確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS3001で選択したホールメニューが「液晶輝度設定」でないと判別した場合(ステップS3022におけるNO)、ステップS3001で選択したホールメニューが「音量調整設定」であるか否かを判別する(ステップS3024)。選択したホールメニューが「音量調整設定」であると判別した場合(ステップS3024におけるYES)、サブCPU201は、音量調整設定処理を行う(ステップS3025)。この音量調整設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16に音量調整設定画面(不図示)を表示し、操作者がスピーカ24から出力される音の音量の設定確認及び変更を行うことを可能とする。
ステップS3003、ステップS3005、ステップS3007、ステップS3009、ステップS3011、ステップS3013、ステップS3015、ステップS3017、ステップS3019、ステップS3021、ステップS3023、ステップS3025の処理後、及びステップS3001で選択したホールメニューが「音量調整設定」でないと判別した場合(ステップS3024におけるNO)、サブCPU201は、ホールメニュー処理を終了し、処理をホールメニュータスク(図50参照)のステップS304に戻す。
[11.設定変更時・設定確認時における各種デバイスの態様等]
設定変更時・設定確認時における各種デバイス(液晶表示装置16、スピーカ24、LED25、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等については上述したとおりであるが、理解しやすいように以下にまとめて説明する。
先ず、設定変更時について、各種操作が実行される順に沿って説明する。電源投入前の電源OFF状態では、電源スイッチ35はOFFとなっている。このとき、液晶表示装置16、スピーカ24、LED25および性能表示モニタ334は消灯している。設定変更処理を開始するためには、電源を投入する前に設定キー328をON操作する必要があるが、設定キー328をON操作したとしても、電源が投入されない限り、液晶表示装置16、スピーカ24、LED25および性能表示モニタ334は消灯したままである。
次に、設定キー328をON操作した状態でバックアップクリアスイッチ330および電源スイッチ35の両方をON操作すると、メインCPU101は、設定変更状態に制御し、設定操作コマンド(設定変更開始コマンド)を送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された設定操作コマンド(設定変更開始コマンド)を受信したことに基づいて、設定変更状態に制御された(設定変更状態が開始された)と判断する。設定変更状態に制御されると、遊技を実行できない状態となり、サブCPU201は、表示制御回路204により、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面を表示するとともに「設定変更中です」といった文字を表示する。また同時に、サブCPU201は、音声制御回路205により「設定変更中です」といった音声をスピーカ24から出力するとともに、LED制御回路206によりLED25を白色で全点灯する。また、メインCPU101は、設定変更セキュリティ信号を、外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信する。さらに、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域がクリアされるバックアップクリア処理を実行する。なお、性能表示モニタ334には、セットされている設定値がメインCPU101により表示される。
次に、設定変更状態において設定スイッチ332を操作すると、設定値が更新される。ただし、この段階ではまだ設定値が確定していない。性能表示モニタ334には更新された設定値が表示される。また、液晶表示装置16の表示領域には、ホールメニュー画面が表示されるとともに、「設定変更中です」といった文字が継続して表示されている。また同時に、「設定変更中です」といった音声がスピーカ24から継続して出力されるとともに、LED25が継続して白色で全点灯している。本実施形態では、設定値が更新されたとしても、確定するまではレジスタに格納されているだけでメインRAM103には記憶されていないが、設定値が確定しなくとも、更新された設定値をメインRAM103の作業領域に記憶するようにしてもよい。また、本実施形態では、設定スイッチ332を操作することによって設定値が更新されるようにしているが、他の操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)を操作することによって設定値が更新されるようにしてもよい。
次に、設定キー328をOFF操作すると、メインCPU101は、設定変更状態を終了し、初期化コマンドを送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された初期化コマンドを受信したことに基づいて、設定変更状態が終了したと判断する。設定変更状態が終了すると、遊技を実行できる状態となる。ただし、設定変更状態が終了したとしても、遊技の実行が開始されない限り(例えば演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信しない限り)、サブCPU201は、少なくとも所定期間(例えば30秒)は、表示制御回路204により液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示するとともに、「設定が変更されました」といった文字を液晶表示装置16の表示領域に表示する。ただし、バックアップクリア処理が実行されたことについは表示されない。また同時に、サブCPU201は、少なくとも所定期間(例えば30秒)は、音声制御回路205により「設定が変更されました。RAMが初期化されました。」といった音声をスピーカ24から出力するとともに、LED制御回路206によりLED25を赤色で全点灯する。このような、液晶表示装置16の表示領域における表示、スピーカ24からの出力およびLED25の赤色での全点灯は、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面において何らかの操作が行われる限り継続され、無操作期間が所定期間継続するか、遊技の実行が開始されると終了する。なお、性能表示モニタ334には、ベース値がメインCPU101により表示される。ところで、上記ではバックアップクリア処理が実行されたことについては表示されないこととしたが、サブCPU201は、「設定が変更されました」という表示に加え、「RAMがクリアされました」という表示を併記するようにしてもよい。
このように、設定変更状態が終了したとしても、「設定が変更されました」といった文字表示、「設定が変更されました。RAMが初期化されました。」といった音声出力、LED25の赤色全点灯を少なくとも所定期間(例えば30秒)にわたって行うことで、例えば設定変更・確認履歴画面等が閲覧される等の不正が、権限を有しない第三者によって行われることを抑制することが可能となる。また、設定変更状態中と設定変更状態が終了したときとで少なくともLED25の発光態様が明確に異なるため、遊技を実行できる状態であるか否かを外観で容易に把握することができる。
以上が、設定変更時における各種デバイス(液晶表示装置16、スピーカ24、LED25、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等である。
次に、設定確認時について、各種操作が実行される順に沿って説明する。電源投入前の電源OFF状態では、電源スイッチ35はOFFとなっている。このとき、液晶表示装置16、スピーカ24、LED25および性能表示モニタ334は消灯している。設定確認処理を開始するためには、電源を投入する前に設定キー328をON操作する必要があるが、設定キー328をON操作したとしても、電源が投入されない限り、液晶表示装置16、スピーカ24、LED25および性能表示モニタ334は消灯したままである。
次に、設定キー328をON操作した状態で電源スイッチ35をON操作すると(バックアップクリアスイッチ330はON操作しない)、メインCPU101は、設定確認状態に制御し、設定操作コマンド(設定確認開始コマンド)を送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された設定操作コマンド(設定確認開始コマンド)を受信したことに基づいて、設定確認状態に制御された(設定確認状態が開始された)と判断する。設定確認状態に制御されると、遊技を実行できない状態となり、サブCPU201は、表示制御回路204により、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面を表示するとともに、「設定確認中です」といった文字を表示する。また同時に、サブCPU201は、音声制御回路205により「設定確認中です」といった音声をスピーカ24から出力するとともに、LED制御回路206によりLED25を白色で全点灯する。また、メインCPU101は、設定確認セキュリティ信号を、外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信する。なお、性能表示モニタ334には、セットされている設定値がメインCPU101により表示される。
次に、設定キー328をOFF操作すると、メインCPU101は、設定確認状態を終了し、電断復帰コマンドを送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された電断復帰コマンドを受信したことに基づいて、設定確認状態が終了したと判断する。設定確認状態が終了すると、遊技を実行できる状態となる。また、サブCPU201は、メインCPU101から送信された電断復帰コマンドを受信したことに基づいて、遊技画面復帰表示処理(ステップS316)を実行する。このとき、サブCPU201は、設定確認が終了した旨を示す文字については表示せず、設定確認が終了した旨を示す音声も出力しない。ただし、サブCPU201は、所定期間(例えば30秒)にわたってLED25を赤色で全点灯し、遊技の実行が開始されるとLED25の赤色全点灯を終了する。なお、性能表示モニタ334には、メインCPU101によりベース値が表示される。
このように、設定確認状態が終了したとしても、LED25の赤色全点灯を少なくとも所定期間(例えば30秒)にわたって行うことで、例えば設定変更・確認履歴画面等が閲覧される等の不正が、権限を有しない第三者によって行われることを抑制することが可能となる。また、設定変更状態中と設定変更状態が終了したときとで、少なくともLED25の発光態様が明確に異なるため、遊技を実行できる状態であるか否かを外観で容易に把握することができる。
なお、上述したとおり、サブCPU201は、起動してから所定時間(例えば30秒)経過してもメインCPU101から何らコマンドが受信されずに異常と判断したときには、遊技停止状態であると判断する。サブCPU201は、遊技停止状態であると判断すると、表示制御回路204および音声制御回路205により「設定値を決定してください」と表示出力および音声出力し、LED制御回路206によりLED25(例えば、図1参照)を白全点滅とする。この状態は、再度メインCPU101により設定変更状態に制御され、この設定変更状態の終了に基づく初期化コマンドをサブCPU201が受信するまで継続する。
以上が、設定確認時における各種デバイス(液晶表示装置16、スピーカ24、LED25、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等である。
[12.設定変更・確認履歴処理]
次に、ホールメニュー処理(図50のステップS303参照)における設定変更・確認履歴処理(ステップS3007)について説明する。設定変更・確認履歴処理においては、設定値の設定変更の履歴、設定値の確認の履歴、設定変更および確認を行った閲覧履歴を液晶表示装置16の表示領域に設定変更・確認履歴情報(後述の「設定変更履歴情報」および「設定確認履歴情報」の総称)として表示する。以下において、設定変更・確認履歴処理を説明する前に、まず、設定変更、設定確認および閲覧について説明する。
本実施形態において、設定変更操作は、上述したとおり、設定変更処理において行うことができる。この設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで開始される。設定変更処理が開始されると、性能表示モニタ334に設定値が表示されることは上述したとおりである。そして、例えば設定スイッチ332を押下することにより、性能表示モニタ334に表示される設定値を「1」〜「6」の範囲で増減させ、所望の設定値となったときに設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作すると、複数の設定値のうち遊技の進行に供される一の設定値が決定され、設定変更処理が終了する。
設定変更の履歴を表示可能とするため、上述したとおり、メインCPU101は、設定変更処理を実行した後、設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドと、変更後の設定値情報とを、サブCPU201に送信する。
一方、サブCPU201は、設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドを受信すると、操作種別情報(設定変更処理が実行された旨の情報)、設定変更後の設定値を示す設定値情報、および、RTC209により現在計時されている日時データすなわち初期化コマンドを受信した日時データを、設定変更履歴情報としてワークRAM203に記憶させる。このときに記憶される設定変更履歴情報は、例えば、後述する図61に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.3」および「No.4」の欄に表示される情報に相当する。
また、本実施形態において、設定値の確認を行うときは、上述したとおり、メインCPU101によって設定確認処理が実行される必要がある。この設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行される。設定確認処理が開始されると、性能表示モニタ334に設定値が表示されることは上述したとおりである。そして、設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作されると、設定確認処理が終了する。なお、設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作された後、再び設定キースイッチ信号がONとなるように操作された場合に、再び設定確認処理が実行されるようにしてもよいことは上述したとおりである。
また、設定確認の履歴を表示可能とするため、上述したとおり、メインCPU101は、設定確認処理を実行した後、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして電断復帰コマンドを、サブCPU201に送信する。このとき、設定値は変更されていないが、上述の設定判定処理(ステップS317およびステップS318の処理、図56参照)を実行するために、設定値情報についても、メインCPU101からサブCPU201に送信されることが好ましい。
一方、サブCPU201は、設定確認処理が終了したことを示す電断復帰コマンドを受信すると、操作種別情報(設定確認処理が実行された旨の情報)、および、RTC209により現在計時されている日時データすなわち電断復帰コマンドを受信した日時データを、設定確認履歴情報としてワークRAM203に記憶させる。このときに記憶される設定確認履歴情報は、例えば、後述する図61に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.1」の欄に示される情報に相当する。なお、図61に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.1」の欄に示されるように、設定確認処理が実行された旨の情報および時間情報と対応付けて、設定値情報についてもあわせて表示するようにしてもよい。
なお、本実施形態に係るワークRAM203は、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能な記憶保持格納領域を構成している。したがって、操作者によってパチンコ遊技機1の電源が断された場合や停電等によって電断された場合であっても、ワークRAM203に記憶される例えば設定変更・確認履歴情報の記憶が保持される。
本実施形態において、閲覧とは、ホールメニュー画面(図52、図53を参照)において、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態でメインボタン662が押下されて、ワークRAM203に記憶されている設定変更・確認履歴情報が示される設定変更・確認履歴画面(例えば、後述する図61参照)が表示されることをいう。
閲覧の履歴(閲覧履歴)を表示可能とするため、サブCPU201は、以下の処理を実行する。すなわち、設定変更処理中または設定確認処理中であるとき(ステップS301におけるYES)、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域にホールメニュー画面を表示する(ステップS301)。そして、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS3006におけるYES)、サブCPU201は、「設定変更・確認履歴」をハイライト表示する(図53参照)。この状態で、メインボタン662が押下されると、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている設定変更・確認履歴情報を読み出し、設定変更・確認履歴画面(例えば、後述する図61参照)を液晶表示装置16の表示領域に表示するとともに、閲覧が行われたことを示す操作種別情報(閲覧されたことを示す情報)と、RTC209により現在計時されている日時データ、すなわち、閲覧されたとき(メインボタン662が押下されたとき)の日時データとを対応付けてワークRAM203に記憶させる。これが、上述の履歴記録処理(ステップS306、ステップS307)において閲覧履歴が記録されるときの処理である。すなわち、閲覧履歴は、設定変更処理中および設定確認処理中のいずれであっても、設定変更・確認履歴画面が液晶表示装置16の表示領域に表示されると、ワークRAM203に記録される。サブCPU201は、閲覧履歴をワークRAM203に記憶させるとき、例えば、上記閲覧履歴を既に記憶されている設定変更・確認履歴情報に統合してワークRAM203に記憶させる。このときに記憶される閲覧履歴は、例えば、後述する図61に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.2」および「No.5」の欄に表示される情報に相当する。
ここで、ステップS306、ステップS307の履歴記録処理についてまとめると、以下のとおりである。先ず、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS3006におけるYES)、且つ、ステップS304において受信したコマンドが設定変更処理の終了を示す初期化コマンドであるときは、サブCPU201は、設定の変更履歴および閲覧履歴の両方を行う。また、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS3006におけるYES)、且つ、ステップS304において受信したコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるときは、サブCPU201は、設定の確認履歴および閲覧履歴の両方を行う。また、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されず(ステップS3006におけるNO)、且つ、ステップS304において受信したコマンドが初期化コマンドであるときは、サブCPU201は、設定の変更履歴と閲覧履歴とのうち閲覧履歴については行わず設定の変更履歴のみを行う。さらに、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されず(ステップS3006におけるNO)、且つ、ステップS304において受信したコマンドが電断復帰コマンドであるときは、サブCPU201は、設定の確認履歴と閲覧履歴とのうち閲覧履歴については行わず設定の確認履歴のみを行う。したがって、ステップS306、ステップS307の履歴記録処理では、ステップS304で受信したコマンドが初期化コマンドであるか電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS3006におけるYES)、閲覧記録が行われる。
なお、設定変更処理中または設定確認処理中であるとき以外にも、上述したように設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにホールメニュー表示処理(ステップS302)やホールメニュー処理(ステップS303)を実行する場合には、上記の閲覧記録が行われるようにすることで、遊技店店員の不正監視にもなる。すなわち、設定変更処理または設定確認処理を行うためには専用の鍵(設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵)が必要となり、この専用の鍵を持たない例えば一般の店員では閲覧を行うことができないが、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理については、専用の鍵を持たない一般の遊技店店員や不正遊技者がバックアップ処理を行うことにより閲覧することが可能となる。そこで、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにもサブCPU201による閲覧記録が行われるようにすることで、その時刻に対応する防犯カメラ(通常店内に設置されている防犯カメラ)等の映像と照合し、閲覧を行った人物を特定することが可能となる。
なお、ステップS306、ステップS307の履歴記録処理において、ステップS304で受信したコマンドが設定変更処理の終了を示す初期化コマンドであるか設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS3006におけるYES)、閲覧記録が行われることは上述したとおりであるが、必ずしもこれに限られない。例えば、サブCPU201は、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS3006におけるYES)、且つ、ステップS304において受信したコマンドが電断復帰コマンドであるときは、設定の確認履歴および閲覧履歴の両方を行うが、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS3006におけるYES)、且つ、ステップS304において受信したコマンドが初期化コマンドであるときは、設定の変更履歴と閲覧履歴とのうち設定の変更履歴のみを記録し、閲覧履歴については記録しないようにしてもよい。これにより、閲覧履歴の記録回数を極力抑えることが可能となり、閲覧履歴が不必要に増えて不正を発見しづらくなってしまうことを抑制できる。これについて説明すると、設定変更を伴う不正が行われたときは、遊技機管理責任者の記憶にない設定の変更履歴をもって不正の可能性があることを察知可能であるが、設定の確認履歴を伴う不正については設定の確認履歴だけで不正の可能性があることを察知し難い。そこで、設定変更が行われたときは閲覧されたか否かにかかわらず閲覧履歴を記録せずに、設定確認が行われたときは閲覧(少なくとも設定値情報が閲覧)されていれば閲覧履歴を記録するようにしたものである。不正を行う者は、設定変更後に閲覧するよりも、設定確認後に閲覧することの方が主であると考えられるからである。すなわち、同じ時間帯において、閲覧履歴がなく設定確認履歴だけであれば不正の可能性が低いが、設定確認履歴および閲覧履歴の両方の履歴回数が多いと、不正の可能性があると考えられる。なお、ステップS304において受信したコマンドが初期化コマンドであるか電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されていれば(ステップS3006におけるYES)、設定の変更履歴または設定の確認履歴と閲覧履歴との両方を記録するようにし、液晶表示装置16の表示領域に設定変更・確認履歴画面を表示する際に、設定確認処理が実行された旨の操作種別情報であるときは閲覧履歴についてもあわせて表示するようにし、設定変更処理が実行された旨の操作種別情報であるときは閲覧履歴を表示しないようにしてもよい。
また、ステップS306、ステップS307の履歴記録処理は、ステップS302のホールメニュー表示処理が開始されてからステップS315の遊技画面復帰表示処理が実行されるまでの間に、複数回にわたって閲覧が行われたとしても、閲覧記録は、設定変更処理または設定確認処理が終了したときに実行されるステップS306またはステップS307の1回に限り実行される。例えば、ホールメニュー画面(例えば、図53参照)において「設定変更・確認履歴」を選択して決定すると(ステップS3046におけるYES)、設定変更・確認履歴画面(例えば、図61参照)が表示されるが、この設定変更・確認履歴画面において「戻る」を選択して決定すると再びホールメニュー画面に戻る。そして、このホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」を選択して決定すると再び設定変更・確認履歴画面が表示される。このように、ステップS302〜ステップS315の間に複数回にわたって設定変更・確認履歴画面が閲覧されたとしても、閲覧記録は1回となる。
ステップS302〜ステップS315の間に行われる閲覧記録を1回に限ることが好ましい理由は次のとおりである。すなわち、例えば不正を目的として設定変更、設定確認または閲覧を行った者は、意図的に閲覧記録を増やして履歴数を多くし、不正の発見を困難ならしめる行為を行う可能性がある。そこで、このような行為が行われたとしても、ステップS301〜ステップS312の間に、設定変更、設定確認または閲覧が複数回にわたって行われたとしてもこれらの履歴を1回に限り記録し、電源を一旦OFFにして再投入しない限り履歴が記録されないようにすることで、これらの履歴が徒に増えることを防止することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、設定変更処理の終了後はホールメニュー再表示処理(ステップS310)が実行され、設定確認処理の終了後はホールメニュー再表示処理が実行されずに遊技画面復帰処理(ステップS315)が実行されるが、例えば、設定キー328をOFF操作して設定変更処理または設定確認処理が終了した後であっても、設定キー328を再びON操作すればホールメニュー画面が表示されるような仕様である場合には、遊技画面に復帰した後、再びホールメニュー画面を表示することができる。この場合、再び表示されたホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」を選択決定したり、設定キー328のON・OFF操作を繰り返し実行する都度、閲覧したことになるが、このような場合であっても閲覧記録を1回にすることが好ましい。
なお、パチンコ遊技機1は、メインボタン662、セレクトボタン664の他に、電源スイッチ35、発射ハンドル32、ボリュームスイッチ108、設定スイッチ332、設定キー328、バックアップクリアスイッチ330等の操作手段を有している。このうち、メインボタン662、セレクトボタン664および発射ハンドル32は遊技者が操作することができる操作部であるが、電源スイッチ35、ボリュームスイッチ108、設定スイッチ332、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330については、遊技者が操作することができず、遊技機管理者といった特定の者のみが操作できる操作部である。
また、本実施形態では、設定値を確認可能な設定変更・確認履歴画面(例えば、図61参照)が表示されたことを閲覧履歴として記憶するようにしているが、設定値が表示されない設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図66参照)が表示されたことを閲覧履歴として記憶する構成としてもよい。
次に、図59、図60および図61〜図65を参照して、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理と、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面とを対比しつつ説明する。
なお、図59は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。図60は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の一例であって、図59から続くフローチャートである。図61は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の初期画面(設定変更・確認履歴画面に移行したときの画面)の一例を示す図である。図62は、設定変更・確認履歴画面において「Page」が選択されたときの一例を示す図である。図63は、設定変更・確認履歴画面において、ページ更新を行うことができるページ更新画面の一例を示す図である。図64は、設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択されたときの一例を示す図である。図65は、設定変更・確認履歴画面において、各履歴データがクリアされたデータクリア画面の一例を示す図である。
ホールメニュー処理(図57参照)において「設定変更・確認履歴」が選択されると(図57のステップS3006におけるYES)、サブCPU201は、設定変更・確認履歴画面表示処理を行う(ステップS3051)。このとき、液晶表示装置16の表示領域には、設定変更・確認履歴画面の初期画面(図61参照)が表示される。この設定変更・確認履歴画面の初期画面では、「戻る」がハイライト表示されている。
なお、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば図61参照)は、設定変更・確認履歴表示領域1640と、操作説明領域1650と、第1選択領域1660aと、第2選択領域1660bとを有する。図61では、第1選択領域1660aには「Page」が表示され、第2選択領域1660bには「クリア」および「戻る」が表示されている例が示されている。
例えば図61に示されるように、設定変更・確認履歴表示領域1640には、時間情報と、操作種別情報と、設定値情報とが対応付けられて、一覧で表示される。日時の欄には、設定変更・設定確認・閲覧が行われた日時が表示される。操作種別の欄には、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)が表示される。設定値の欄には、設定変更が行われたときは変更後の設定値が表示され、設定確認が行われたときはそのときの設定値が表示される。なお、操作種別の欄には、設定変更の場合は単に「変更」と表示され、設定確認の場合は単に「確認」と表示される。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、設定変更・確認履歴画面の初期画面において、時間情報と、操作種別情報(設定変更、設定確認、閲覧)とが対応付けられて表示される。さらに、操作種別が設定変更であるときには設定後の設定値が、設定確認であるときとにはそのときの設定値が、それぞれ、日時および操作種別と対応付けて表示される。
サブCPU201は、設定変更・確認履歴画面表示処置(ステップS3051)を実行したのち、計時処理を実行する(ステップS3052)。この計時処理は、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。ここで、タイマの計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面表示処理(ステップS3051)が実行されてから(液晶表示装置16の表示領域に設定変更・確認履歴画面の初期画面(図61参照)が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS3053において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS3053におけるNO)、後述するステップS3071に移り、設定変更・確認履歴画面の初期画面(図61参照)において「戻る」に決定されたか否かを判別する。設定変更・確認履歴画面の初期画面では、上述したとおり「戻る」がハイライト表示(選択)されているため、セレクトボタン664が操作されずにメインボタン662を押下操作すると、「戻る」に決定される。
サブCPU201は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS3053におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS3054)。例えば、「戻る」がハイライト表示されている設定変更・確認履歴画面の初期画面(図61参照)において上セレクトボタン664aを操作すると、ハイライト表示が「戻る」から「Page」に移動する(図62参照)。
サブCPU201は、選択された項目をハイライト表示(ステップS3054)した後、計時処理を実行する(ステップS3055)。この計時処理は、ステップS3052で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示(ステップS3054)されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS3056において、「Page」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「Page」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「Page」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「Page」に決定されたと判別すると(ステップS3056におけるYES)、ページ更新画面表示処理を実行する(ステップS3057)。ページ更新画面表示処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域には、設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図63参照)が表示される。この設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面では、「Page」の表記の左右に、左右セレクトボタン664c,664dを模した画像と、「次ページ」および「前ページ」とが表示される。これにより、左セレクトボタン664cを操作すると設定変更・確認履歴画面が前ページに更新され、下セレクトボタン664dを操作すると設定変更・確認履歴画面が次ページに更新されることを、操作者が把握することができる。なお、設定変更・確認履歴画面の1ページ目が表示されているときに左セレクトボタン664cを操作すると最終ページが表示され、最終ページが表示されているときに右セレクトボタン664dを操作すると1ページ目が表示されるように循環表示すると、利便性を高めることができる。
一方、「Page」に決定されていなければ(ステップS3056におけるNO)、サブCPU201は、後述するステップS3065に移り、設定変更・確認履歴画面において「クリア」に決定されたか否かを判別する。
サブCPU201は、ページ更新画面表示処理(ステップ3057)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS3058)。この計時処理は、ステップS3055で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、ページ更新画面表示処理(ステップS3057)が実行されてから(設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図63参照)が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS3059において、ページ更新操作が行われたか否かを判別する。ページ更新操作が行われていなければ(ステップS3059におけるNO)、後述するステップS3062に移る。
サブCPU201は、ページ更新操作が行われたと判別すると(ステップS3059におけるYES)、ページ更新処理を実行する(ステップS3060)。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図63参照)において左右セレクトボタン664c,664dが操作されると、サブCPU201は、ページ更新処理が行われたと判別し、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面を、次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面に更新して表示する。なお、次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面に更新されたときの設定変更・確認履歴画面の図示は省略している。
なお、本実施形態において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図63参照)において左右セレクトボタン664c,664dが操作されるとページ更新処理を行うようにしているが、ページ更新処理を行うための操作はこれに限られない。例えば、上下セレクトボタン664a,664bを操作することによって設定変更・確認履歴画面中の「No.1」〜「No.5」のうちいずれかを選択できるようにし、下セレクトボタン664bが操作され、且つ、最後の行であると判別されたときにページ更新処理を行うようにしてもよい。後述する設定変更・確認履歴処理の変形例におけるページ更新処理も同様である。
サブCPU201は、ページ更新処理(ステップ3060)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS3061)。この計時処理は、ステップS3058で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、ページ更新処理(ステップS3060)が実行されてから(次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS3061の計時処理を実行した後、ステップS3059に戻り、ページ更新操作が行われたか否かを判別する。
サブCPU201は、ステップS3062において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS3062におけるNO)、後述するステップS3072に移る。この場合、ステップS3071ではなくステップS3072に移るのは、設定変更・確認履歴画面のページ更新画面では、設定変更・確認履歴画面の初期画面のように「戻る」がハイライト表示(選択)されているわけではないからである。
サブCPU201は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS3062におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS3063)。例えば、設定変更・確認履歴画面(図63参照)において下セレクトボタン664bを操作すると、ハイライト表示が「Page」から「クリア」に移動する(図64参照)。
サブCPU201は、選択された項目をハイライト表示(ステップS3063)した後、計時処理を実行する(ステップS3064)。この計時処理は、ステップS3061で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS3064の計時処理を実行した後、ステップS3065に移り、「クリア」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS3065におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行する(ステップS3066)。この設定変更・確認履歴データクリア処理は、ワークRAM203に記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴の全てのデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域における設定変更・確認履歴表示領域1640に表示されていた各履歴データが全て消去される(図65参照)。ステップS3065の設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、「戻る」の項目がハイライト表示される。
なお、上記の設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS3066)では、ワークRAM203に記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴の全てのデータを消去しているが、必ずしも全てのデータを消去することに限られず、一部のデータのみを消去できるようにしてもよい。一部のデータを消去する態様としては、例えば、図64のNo.1〜No.5のうちの特定のNoに対応する時間(日時)情報と操作種別情報と設定値情報とを消去する態様、設定変更・確認履歴画面をページ毎に消去する態様、複数の操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)のうち特定の操作種別に対応する日時(時間)情報と操作種別情報と設定値情報とを消去する態様、時間(日時)情報と操作種別情報と設定値情報とのうち特定の情報(例えば設定値情報)のみを消去する態様などが考えられる。
また、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS3066)は、特定の条件を満たした者だけで実行されるようにすることが好ましい。例えば、設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)では、例えばパスワードの入力を、メインボタン662の押下が有効化される条件としてもよい。この場合、パスワードを入力せずに操作者がメインボタン662を押下すると、パスワードを要求する画面が表示され、正しいパスワードが入力された場合に限り、設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されるようにすることができる。これにより、設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを誤ってクリアしてしまうことを防止できる。また、例えば、不正を目的として設定変更処理や閲覧を行った者は、自らの不正を隠すために設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去するおそれがあると考えられる。そこで、例えばパスワードを知っている者等、特定の者だけが設定変更・確認履歴データクリア処理を実行できるようにすることで、不正を目的として設定変更処理や閲覧を行うことを抑制することが可能となる。
サブCPU201は、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS3066)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS3067)。この計時処理は、ステップS3064で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS3066)が実行されてから(設定変更・確認履歴表示領域1640に表示されていた各履歴データが全て消去されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS3068において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS3068におけるNO)、後述するステップS3072に移る。この場合、ステップS3072ではなくステップS3071に移るのは、各履歴データがクリアされたデータクリア画面では、セレクトボタン664が操作されない限り、「戻る」がハイライト表示(選択)されているからである。したがって、各履歴データがクリアされたデータクリア画面において「戻る」がハイライト表示されない仕様であれば、ステップS3072に移る。
サブCPU201は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS3068におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS3069)。
サブCPU201は、選択された項目をハイライト表示(ステップS3069)した後、計時処理を実行する(ステップS3070)。この計時処理は、ステップS3067で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示(ステップS3069)されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS3071において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS3071におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS3073)、設定変更・確認履歴処理を終了する。このホールメニュー画面表示処理は、液晶表示装置16の表示領域に、設定変更・確認履歴画面に代えて、ホールメニュー画面の初期画面(図52参照)を表示する処理である。
なお、ステップS3071において「戻る」に決定されなければ(ステップS3071におけるNO)、サブCPU201は、所定時間経過したか否かを判別する(ステップS3072)。
サブCPU201は、ステップS3072において所定時間経過したと判別すると(ステップS3072におけるYES)、ステップS3073に移り、液晶表示装置16の表示領域に表示されている設定変更・確認履歴画面を終了し、ホールメニュー画面の初期画面(図52参照)を表示する。すなわち、操作者の意思で「戻る」の項目を選択決定しなくても、無操作期間が所定期間継続すると、設定変更・確認履歴画面の表示が終了し、ホールメニュー画面の初期画面が表示されることとなる。
一方、ステップS3072において所定時間経過していなければ(ステップS3072におけるNO)、サブCPU201は、ステップS3053に戻り、ステップS3053以降の処理を継続する。
このように、設定変更中または設定確認中に液晶表示装置16に表示される設定変更・確認履歴画面では、何らの操作も行われることなく所定時間が経過すると、設定変更・確認履歴画面が終了し、ホールメニュー画面が表示されるように構成されている。ただし、ホールメニュー画面では、たとえ無操作であったとしても設定変更中または設定確認中である限りホールメニュー画面が終了することなく、サブCPU201は、ホールメニュー画面の表示が継続するよう制御する。この場合、ホールメニュー画面には、ホールメニュー終了の項目は表示されない。
なお、ステップS3072において所定時間経過した(ステップS3072におけるYES)と判別されたときにステップS3073に移る処理は、上述のステップS303(図50、図56参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更中または設定確認中)における処理であり、ステップS311(図50、図56参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更または設定確認が終了したのち)では異なる処理を実行する(不図示)。具体的には、ステップS311のホールメニュー処理における設定変更・確認履歴処理(ステップS3007)において無操作のまま所定時間経過したとき(ステップS311のホールメニュー処理におけるステップS3072において所定時間経過した(ステップS3072におけるYES)と判別されたとき)、サブCPU201は、ステップS315(図50、図56参照)に移り、設定変更・確認履歴画面の表示を終了して遊技画面復帰表示処理(ステップS315)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS316)を実行する。すなわち、設定変更中または設定確認中における設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続するとホールメニュー画面に戻るだけである(再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができる)が、設定変更処理が終了して再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続すると、再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができなくなる。
また、ステップS3072において所定時間経過していない(ステップS3072におけるNO)と判別されたときにステップS3053に戻る処理についても、上述のステップS303(図50、図56参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更中または設定確認中)における処理であり、ステップS311(図50、図56参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更または設定確認が終了したのち)では異なる処理を実行する(不図示)。具体的には、ステップS311のホールメニュー処理における設定変更・確認履歴処理(ステップS3007)において無操作期間が所定期間に至っていなくても(ステップS3072におけるNO)、例えば、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したと判別されたとき等の所定の終了条件が成立したことにもとづいて、遊技画面復帰処理(ステップS315)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS316)を実行する。すなわち、設定変更中または設定確認中における設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続するとホールメニュー画面に戻るだけである(再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができる)が、設定変更処理が終了して再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にいたっていなくても、再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができなくなる。言い換えると、設定変更処理が終了したのちに再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、所定期間にわたって無操作期間が継続されず、上記の所定の終了条件が成立しない限り、ステップS3053〜ステップS3072の処理が繰り返し実行されることとなる。
このように、設定変更処理が実行されたときには、この設定変更処理が終了したとしても、設定変更や設定確認の履歴といった秘匿情報を操作者が閲覧する時間に猶予を持たせつつ、所定時間(例えば30秒)にわたって無操作であると設定変更・確認履歴画面の表示が終了して遊技画面復帰処理(ステップS315)およびホールメニュー禁止処理(ステップS316)が実行されるため、権限を有しない者(例えば遊技機管理者でないホール係員や遊技者)が設定変更履歴、設定確認履歴、閲覧履歴などの秘匿情報を容易に閲覧することができず、セキュリティ性を担保することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、例えば図61に示される設定変更・確認履歴画面では、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)にかかわらず、時間情報と操作種別情報と設定値情報との全部が示される一覧画面が表示される。すなわち、設定変更されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第1の情報(例えば、図61のNo.3)と、設定確認されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第2の情報(例えば、図61のNo.3、No.4)と、閲覧されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第3の情報(例えば、図61のNo.2、No.5)とが一覧で表示される。しかし、操作者(例えば遊技機管理者)は、特定の操作種別情報にターゲットを絞り込んで表示させたい場合がある。そこで、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示される画面(例えば、図61参照)と、上記の第1の情報と上記の第2の情報と上記の第3の情報とのうち特定の情報のみに絞り込まれた絞込画面とを、操作者の意思によって選択的に液晶表示装置16の表示領域に表示可能に構成するとよい。これにより、操作者の利便性を高めることが可能となる。とくに上記の第1の情報は、不正発見のみならず、その設定値で何日間営業を行ったか等の情報を知ることができるため、営業上における利便性も高い。上記の絞込画面は、特定の操作種別情報にターゲットを絞り込んで表示できればよいため、操作種別とは関係のない情報(例えば、現在時刻情報など)が表示されていてもよい。
[13.設定変更・確認履歴処理において表示される表示画面の他の例]
次に、設定変更・確認履歴処理において液晶表示装置16の表示領域に表示される表示画面の他の例について、図66〜図70を参照して説明する。ただし、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理は、図59および図60と同様であるため、この他の例では、液晶表示装置16の表示領域に表示される画面について説明し、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理についての説明は省略する。
図66は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、初期画面の例を示す図である。図67は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、「設定表示」が選択されたときの一例を示す図である。図68は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、設定値が新たに加えて表示されたときの一例を示す図である。図69は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、「Page」が選択されたときの一例を示す図である。図70は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、ページ更新を行うことができるページ更新画面の例を示す図である。
例えば図66に示されるように、設定変更・確認履歴画面は、設定変更・確認履歴表示領域1670と、操作説明領域1680と、第1選択領域1690aと、第2選択領域1690bとを有する。
図66に示される設定変更・確認履歴画面の初期画面では、確認設定変更・確認履歴表示領域1670に、時間情報および操作種別情報は表示されるものの、設定値情報については表示されない。すなわち、図66に示される設定変更・確認履歴画面は、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される画面である。なお、時間情報が表示される日時の欄には、設定変更・設定確認・閲覧が行われた日時が表示され、操作種別情報が表示される操作種別の欄には、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)が表示される。
また、設定変更・確認履歴画面の初期画面では、第2選択領域1690bに、「クリア」および「戻る」の他に、「設定表示」も表示される。なお、設定変更・確認履歴の初期画面では、「戻る」が選択表示(ハイライト表示)されている。この他の例においても、セレクトボタン664を操作することによって、ハイライト表示される項目を選択することができるようになっている。
セレクトボタン664を操作して「設定表示」を選択すると、「設定表示」がハイライト表示される(図67参照)。そして、「設定表示」が選択(ハイライト表示)されている状態で、メインボタン662が押下されたことをサブCPU201が検知すると、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報については表示されない設定変更・確認履歴画面の初期画面に代えて、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示された設定変更・確認履歴画面(一覧画面)が表示される(図68参照)。このように、この他の例では、設定変更・確認履歴画面の初期画面では設定値が表示されていないものの、「設定表示」を選択して決定することで、日時および操作種別と対応付けて新たに設定値が一覧で表示されることとなる。なお、設定変更・確認履歴画面の初期画面に代えて、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面が表示されると、図68に示されるように「戻る」がハイライト表示される。
時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面(図68参照)において、セレクトボタン664を操作して「Page」を選択すると、「Page」がハイライト表示される(図69参照)。そして、「Page」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されたことをサブCPU201が検知すると、サブCPU201によってページ更新処理が実行される。このページ更新処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域には、設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図70参照)が表示される。このページ更新画面では、左右セレクトボタン664c,664dを操作することで、次ページまたは前ページに更新することができる。
また、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面の初期画面(図66参照)において、「Page」を選択してメインボタン662を押下した場合にも、サブCPU201によってページ更新処理が実行される。ただし、このページ更新処理が実行されたときは、液晶表示装置16の表示領域に、時間情報および操作種別情報は表示されるものの、設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面が表示される。このページ更新画面では、左右セレクトボタン664c,664dを操作すると、設定値が表示されない設定変更・確認履歴画面の次ページまたは前ページに更新することができる。ただし、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面では、ページ更新処理を実行できないように構成してもよい。
なお、この他の例では、例えば図66のように時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが画面と、例えば図68のように時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示される画面とを選択的に表示可能となっているが、図66の画面は、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうちいずれか一または二の情報のみが表示される画面であればよい。
また、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示された設定変更・確認履歴画面は、特定の条件を満たした者(例えば、適正なパスワードを入力した者など)だけが閲覧できるようにしてもよいが、これについては後述する。
図71は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の液晶表示装置16の表示領域に表示されるホールメニュー画面において、設定値を確認することが可能な設定変更・確認履歴画面が表示されるまでの操作手順の一例を示すフロー図である。図71に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、設定変更・確認履歴情報を閲覧するための第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1において、設定キー328のON操作は、設定変更処理および設定確認処理のいずれを実行する場合であっても行われる操作であるが、これに限られず、設定変更処理および設定確認処理のうち少なくともいずれか一方の処理を実行するときに行われる操作であってもよい。後述するいずれの変形例においても同様である。
第2の手順として、パチンコ遊技機1は、ホールメニュー画面(例えば、図53参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図53参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機1は、第2の手順で表示されたホールメニュー画面(図53参照)において、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態でメインボタン662が押下されることにより設定変更・確認履歴画面(図61参照)を、液晶表示装置16の表示領域に表示する。この設定変更・確認履歴画面には、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている。
よって、設定キー328の使用及び操作することができる者(権限を有する者)は、上記第1〜第3の手順を経て表示される設定変更・確認履歴画面(図61参照)の設定変更・確認履歴を見ることで、出玉率を規定する設定値の設定変更、設定変更の確認、設定変更および確認の閲覧の各履歴と対応する設定値とを一目で確認することができるようになる。なお、権限を有する者とは、設定変更、設定変更の確認等に関する権限が与えられた者であって、ホールの店長等を意味する。以下、「権限を有する者」は、「管理権限者」と称することもある。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、メインボタン662及びセレクトボタン664等の操作ボタン群66と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置16の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、サブCPU201に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なバックアップメモリとして機能するワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、メインRAM203に記憶された設定変更又は設定確認と日時データとを液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、設定変更又は設定確認と日時データとが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定値を表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認及び日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定値を表示することができる。したがって、ホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された場合に、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるようになる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、設定値を受信した日時データをRTC209から取得し、設定値と、日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、変更後の設定値と、変更された日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の変更が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、設定値を確認したこと表す情報を受信した日時をRTC209から取得し、日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、設定値を確認した日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の確認が行われた日時を特定することができ、設定値を確認する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上記構成によって、本実施形態では、設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとをそれぞれ対応づけた設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるパチンコ遊技機1を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、メインボタン662及びセレクトボタン664等の操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置11の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、サブCPU201に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報が液晶表示装置16に表示された場合には日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16の表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチスロ1は、設定変更・確認履歴情報が液晶表示装置16に表示された日時データをRTC209から取得し、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶するので、設定値に関する情報の閲覧が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、設定変更確認・履歴情報を閲覧した閲覧履歴と日時データとを対応づけた閲覧履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機1を提供することができる。
[14.メンテナンス処理]
次に、図72〜図74を参照して、サブCPU201により実行されるメンテナンス処理(ステップS3019)と、メンテナンス処理が実行されたときに液晶表示装置16の表示領域に表示されるメンテナンス画面とを対比しつつ説明する。なお、図72は、サブCPU201により実行されるメンテナンス処理の一例を示すフローチャートである。図73は、メンテナンス画面が液晶表示装置16の表示領域に表示されたときの一例を示す図である。図74は、液晶表示装置16の表示領域に表示されるメンテナンス画面の一例である。
メンテナンス処理において、サブCPU201は、メンテナンス画面(図73および図74参照)を液晶表示装置16の表示領域に表示する。このメンテナンス処理では、例えば、演出ボタンスイッチ621、上部役物1000等の演出役物といった、サブCPU201に接続されたデバイス(例えば、各種センサ、作動する各種役物等)をメンテナンス処理の対象とし、これらのデバイスが正常に作動するか否かを操作者に確認させることができる。
図73および図74に示すように、サブCPU201は、メンテナンス画面(図73および図74参照)の略中央に、各種装置(各種センサや各種役物等)の動作状態表示表を表示する。この動作状態表示表は、例えば28個の各種装置の名称が表示されている名称列と、名称列に表示されている各種装置に付された通し番号(1〜28)が表示されている番号列と、各種装置の動作状態を示す動作状態列と、を有している。動作状態列の「OFF」表示は、各種装置からの入力がない旨を表している。各種装置から入力があると、動作状態列の表示は、「OFF」表示から「ON」表示に変更される。例えば、メンテナンス画面の表示中に、演出ボタン1が操作されると、サブCPU201は、演出ボタン1の動作状態列の表示を、「OFF」表示から「ON」表示に変更する。なお、「ON」表示は赤字で表示される。上記の「各装置から入力」とは、サブCPU201による入力ポート等の検出に基づくものである。また、演出役物のそれぞれには少なくとも通常位置(待機位置)に存在することを検出するセンサがあり、通常位置を検出するセンサがONの場合に表示をOFFとして、通常位置を検出するセンサがOFFの場合すなわち演出役物が移動した場合に表示をONとするものとする。
また、サブCPU201は、メンテナンス画面の下方に、メンテナンス画面における操作方法を表示する。具体的には、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとを同時に押下すると、ホールメニュー画面の初期画面(図52参照)に戻る(再表示される)旨が表示されており、さらにその下方には、メインボタン662およびセレクトボタン664夫々に対応する画像が表示されている。図74では、全部のセレクトボタン664a〜624dに対応する画像が有効であることを示す白抜きで表示されている。
メンテナンス処理(図72参照)において、サブCPU201は、先ず、サブデバイス入力情報を取得する(ステップS3081)。サブデバイス入力情報は、図74に示す動作状態表示表の通し番号21〜28が付された各種装置の作動状態の検出結果である。サブデバイス入力情報には、上記各種装置において入力がある状態であるオン状態か入力がない状態であるオフ状態かを示すサブ入力状態情報が含まれている。
次に、サブCPU201は、取得したサブデバイス入力情報におけるサブ入力状態情報を読み出すサブ入力状態情報編集処理を行う(ステップS3082)。
次に、サブCPU201は、ステップS3082で読み出したサブ入力状態情報に基づいて、メンテナンス画面(図73、図74参照)を液晶表示装置16の表示領域に表示するメンテナンス画面表示処理を行う(ステップS3083)。この処理で、メンテナンス画面の表示及び表示の更新(例えば、「OFF」表示から「ON」表示への変更)が行われる。
次に、サブCPU201は、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されたか否かを判別する(ステップS3084)。メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されたと判別した場合(ステップS3084におけるYES)、サブCPU201は、メンテナンス処理及びホールメニュー処理(図57参照)を終了し、処理をホールメニュータスク(図50参照)のステップS304に戻す。
一方、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されていないと判別した場合(ステップS3084におけるNO)、サブCPU201は、処理をステップS3081に戻す。
ところで、近年のパチンコ遊技機やパチスロでは、1デバイスで複数の機能を有するものもある。例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1でいえば、演出ボタン62に、操作ボタンとしての機能と、演出ボタンとしての機能とを持たせたような場合である。演出ボタンの機能としては、例えば、特別図柄の抽選結果にもとづいて上方に向けて突出移動するような機能が相当する。そして、図74に示される通し番号21の「演出ボタン1」が選択決定されると、サブCPU201は、演出ボタン62の操作機能についてのメンテナンスを実行する。また、図74に示される通し番号22の「演出ボタン2」が選択決定されると、サブCPU201は、演出ボタン62を上方に突出移動させて、演出機能についてのメンテナンスを実行する。メンテナンス操作の結果が正常判定であれば、サブCPU201は、メンテナンス画面表示処理(ステップS3083)を実行し、メンテナンス画面の表示処理を実行する(「OFF」表示から「ON」表示に変更する)。なお、「メインボタン2」が選択決定されたことによって上方に突出した演出ボタン62は、例えば、正常判定された場合、セレクトボタン664を操作して図74に示される他の通し番号の項目が選択された場合、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に押下されてメンテナンスモードが終了した場合に、通常状態(上方に突出する前の状態)に戻るようサブCPU201により制御される。
また、近年のパチンコ遊技機やパチスロでは、駆動手段が異なる複数の演出役物が備えられているものもあり、このような遊技機では、駆動手段が異なる複数の演出役物を同時に作動させてメンテナンスを実行してもよいし、駆動手段が異なる複数の演出役物の夫々を異なるタイミングで作動させてメンテナンスを実行してもよいし、単独で作動させてメンテナンスを実行してもよい。例えば、駆動手段が夫々異なる演出役物1〜演出役物3を備える遊技機において、例えば図74に示される通し番号14の「演出役物1+2」が選択決定されると、サブCPU201は、演出役物1および演出役物2を同時に作動させてメンテナンスを実行する。また、例えば図74に示される通し番号17の「演出役物1→2」が選択決定されると、サブCPU201は、先ずは演出役物1を作動させ、その後に演出役物2を作動させてメンテナンスを実行する。さらに例えば図74に示される通し番号11の「演出役物1」が選択決定されると、サブCPU201は、演出役物1を単独で作動させてメンテナンスを実行する。なお、例えば演出1と演出3とが同時に作動すると干渉し合って作動不能となる場合には、例えば図74の通し番号15の「演出役物1+3」を選択できないか、または選択しても決定できない(メインボタン662の操作が有効化されない)ように構成されている。図74では、通し番号15の「演出役物1+3」を、選択できない項目として網掛け表示している。ただし、例えば演出1と演出3とが同時に作動した場合には干渉し合って作動不能となるものの、タイミングを異ならせて作動させた場合(例えば、先ずは演出役物1を作動させ、その後に演出役物3を作動させる場合)に干渉しなければ、例えば図74に示される通し番号18の「演出役物1→3」が選択決定できるようにするとよい。このように、複数の演出役物を、複数で作動させたり、タイミングを異ならせて作動させたり、単独で作動させたりすることを可能にするとともに、同時に作動すると干渉するような場合には同時に作動できないようにすることで、トラブルの発生を回避しつつメンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
なお、図74には示されていないが、遊技球やメダルの払出センサ、払出担保球センサ、貸出ボタン(球貸ボタンとも称される)、CRカードの返却ボタン、パチスロの精算ボタン、封入された遊技球を循環させることで遊技を可能にしたパチンコ遊技機にあっては、遊技球の発射検出センサなどについても、メンテナンスの対象にすることが好ましい。また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、サブCPU201に接続されるデバイス(各種センサ、各種役物等)をメンテナンス処理の対象として説明したが、これに限られず、メインCPU101に接続されるデバイス(例えば、電源スイッチ35、第1始動口スイッチ421、第2始動口スイッチ441等)をメンテナンス処理の対象としてもよい。さらには、CR機において、貸出ボタンやCRカードの返却ボタンが操作されたことにもとづいて球貸機とパチンコ遊技機との間(CRパチスロの場合は球貸機とパチスロとの間)で擬似的な信号通信を行い、この信号通信の通常状態を検出し、正常であればメンテナンス画面の表示処理を実行する(「OFF」表示から「ON」表示に変更する)ようにしてもよい。
[15.携帯端末連携機能]
次に、図75〜図77を参照してパチンコ遊技機1の携帯端末連携機能を例に説明する。
パチンコ遊技機1の携帯端末連携機能は、パチンコ遊技機1と携帯端末とを連携させる機能である。パチンコ遊技機1の携帯端末連携機能を使用すると、遊技者が行った遊技に関する詳細な情報を記録したり、所定の条件を満たすことによりパチンコ遊技機1の遊技結果に影響を与えない機能をカスタマイズしたりすることができる。
所定の条件としては、例えば、特別図柄の大当り判定の結果が条件装置の作動を伴わない小当りに決定されることや、特定の演出が実行されたことなどを挙げることができる。また、パチンコ遊技機1の遊技結果に影響を与えない機能をカスタマイズすることとしては、例えば、大当り遊技中や高確率遊技状態中に出力される音楽を特別な曲に変更したり、液晶表示装置16に表示されるキャラクタの衣装を変更したりすること等が挙げられる。
携帯端末連携機能を使用する場合は、まず、液晶表示装置16の表示領域にガイドメニュー画面(ガイド初期画像)を表示させる。液晶表示装置16の表示領域に表示される装飾図柄の変動表示が行われていない状態で例えばメインボタン662に対する押圧操作を行うと、液晶表示装置16の表示領域にガイド初期画像が表示される。
図75は、液晶表示装置16の表示領域にガイド初期画像が表示されたときの一例を示す図である。ガイド初期画像は、「ユニメモ(登録商標)」という文字と、「好きなメニューを選んで下さい」という文字と、ガイドメニューとを含む。
図75に示すように、ガイドメニューの項目は、「ユニメモを始める」と、「大当り図柄・ラウンド数」と、「機種サイト」と、「遊技に戻る」とを含む。ガイド初期画像では、「ユニメモを始める」がハイライト表示されている。そして、これら複数のガイドメニューの項目のうちハイライト表示される項目を、上下セレクトボタン664a,664bを操作することによって選択できる。また、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている項目に決定される。図75では、複数の各項目が実線の枠で囲まれており、ハイライト表示されている「ユニメモを始める」がより太い実線の枠で囲まれている。
ガイドメニューの「ユニメモを始める」を選択すると、液晶表示装置16の表示領域にユニメモ初期画像が表示される。また、「大当り図柄・ラウンド数」を選択すると、液晶表示装置16の表示領域に大当り図柄・ラウンド数が表示される(不図示)。そして、「機種サイト」を選択すると、液晶表示装置16の表示領域に機種サイト用登録コードが表示される(不図示)。
「ゲームに戻る」を選択すると、液晶表示装置16の表示領域に表示されるガイド初期画像の表示が終了する(ガイドメニューの表示も終了する)。そして、液晶表示装置16の表示領域には、遊技を行う際に表示される演出用の映像や、発射ハンドル32が所定期間操作されなかったり、第1始動口420及び第2始動口440のいずれにも所定期間入賞しなかったりした場合に表示されるデモ映像が表示される。また、ガイドメニューの項目の何れも選択せずに所定の時間が経過した場合も、液晶表示装置16の表示領域には、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、上記のデモ映像が表示される。
図76は、液晶表示装置16の表示領域にユニメモ初期画像が表示されたときの一例を示す図である。ユニメモ初期画像は、「ユニメモ」という文字と、「好きなキャラクタをカスタマイズしよう」という文字と、ユニメモメニューとが表示される。ユニメモメニューの項目は、「パスワード入力」と、「記録する」と、「記録して終了する」と、「会員登録」と、「遊技に戻る」と、「戻る」とを含む。ユニメモ初期画像では、「パスワード入力」がハイライト表示されている。そして、これら複数のユニメモメニューの項目のうちハイライト表示される項目を、セレクトボタン664a〜664dを操作することによって選択できる。また、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている項目に決定される。図76では、複数の各項目が実線の枠で囲まれており、ハイライト表示されている「パスワード入力」がより太い実線の枠で囲まれている。
そして、「パスワード入力」が選択されて決定されると、液晶表示装置16の表示領域にパスワード要求画面が表示される(図77参照)。
図77は、液晶表示装置16の表示領域にパスワード要求画面が表示されたときの一例を示す図である。パスワード表示画像は、「パスワードを入力して下さい」という文字と、パスワード入力メニューとを含む。
パスワード入力メニューには、複数のパスワード入力メニューの項目が表示される。パスワード入力メニューの項目は、「決定」と、「削除」と、「0」〜「9」の数字と、「A」〜「F」のアルファベットと、「遊技に戻る」と、「戻る」とを含む。パスワード表示画像では、「0」〜「9」及び「A」〜「F」のうち、ハイライト表示される項目を、セレクトボタン664a〜664dを操作することによって選択でき、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている数字またはアルファベットに決定される。決定された数字またはアルファベットは、パスワード表示画像に表示される。パスワード入力メニューの「決定」が選択されて決定されると、パスワード表示画像に表示された複数の文字を、入力するパスワードとして決定する。そして、パスワード入力メニューの「削除」が選択されると、最後に入力した文字から1文字ずつ、パスワード表示画像から削除される。
パスワード入力メニューの「遊技に戻る」が選択されると、液晶表示装置16の表示領域には、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、発射ハンドル32が所定期間操作されなかったり、第1始動口420及び第2始動口440のいずれにも所定期間入賞しなかったりした場合に表示されるデモ映像が表示される。また、パスワード入力メニューの「戻る」が選択されると、液晶表示装置16の表示領域にユニメモ初期画像が表示される。
[16.設定変更・確認履歴処理の変形例]
以下に、設定変更・確認履歴処理の変形例1〜3について説明する。
[16−1.設定変更・確認履歴処理の変形例1]
先ず、設定変更・確認履歴処理の変形例1について、図78〜図83を参照して、設定変更・確認履歴の変形例1について説明する。
この変形例1における設定変更・確認履歴処理は、設定値を閲覧するための認証機能を有する点以外は、図59および図60を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と略同一である。以下においては、図59および図60を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と異なる点について詳述する。なお、図59および図60を参照して上述した設定変更・確認履歴処理では、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするために計時処理(図59のステップS3052等を参照)を行う旨を説明した。この変形例1においても、図59および図60を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と同様に計時処理を行い、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面を表示するようにしてもよいが、以下の説明では、計時処理の説明を省略する。
図78は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1を示すフローチャートである。この設定変更・確認履歴処理は、図57のステップS3006において表示中のホールメニュー画面(図52、図53参照)の中から「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されることを条件に開始される。
設定変更・確認履歴処理が開始されると、サブCPU201は、管理者権限を認証する認証処理を行う(ステップS3100)。この認証処理について、図79を参照して説明する。図79は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、認証処理の例を示すフローチャートである。
図79に示されるように、認証処理において、サブCPU201は、先ず、ホールメニュー画面が表示されている液晶表示装置16の表示領域に、例えば図80および図81に示されるように、パスワードを要求するパスワード要求画面をさらに表示する(ステップS3101)。図80は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに、パスワード要求画面が液晶表示装置16の表示領域に表示される例を示す図である。図81は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、液晶表示装置16の表示領域に表示されるパスワード要求画面の例である。
なお、本変形例1では、設定変更・確認履歴処理が開始されると(ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されると)、例えば図80および図81に示されるように、ホールメニュー画面が表示されている状態でパスワード要求画面が表示されるが、必ずしもこれに限られない。例えば、設定変更・確認履歴が開始されると、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される(設定値が表示されない)設定変更・確認履歴画面を表示し、この設定変更・確認履歴画面が表示されている状態でパスワード要求画面が表示されるようにしてもよいし、ホールメニューおよび設定変更・確認履歴画面のいずれも表示することなくパスワード要求画面のみが表示されるようにしてもよい。
パスワードが入力されると、サブCPU201は、パスワード入力処理を実行し(ステップS3102)、ステップS3103に移る。
サブCPU201は、ステップS3103において、入力されたパスワードが適正であるか否かを判別し、入力されたパスワードが適正であれば(ステップS3103におけるYES)、認証処理を終了する。一方、入力されたパスワードが適正でないと判別すると(ステップS3103におけるNO)、サブCPU201は、認証NG表示処理を実行する(ステップS3104)。認証NG表示処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域には、例えば図82に示される画面が表示される。ここで、図82は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、入力したパスワードが不適であったときに液晶表示装置16の表示領域に表示される画面の例を示す図である。
サブCPU201は、ステップS3100の認証処理を実行すると、認証結果が正しい、つまり、パスワードが適正であると判別した場合(ステップS3103におけるYES)には認証OKと判別し(ステップS3110におけるYES)、ステップS3120に移る。一方、パスワードが適正でないと判別した場合(ステップS3103におけるNO)に、サブCPU201は、認証OKでないと判別し(ステップS3110におけるNO)、設定変更・確認履歴処理を終了する。
なお、サブCPU201は、パスワード要求画面においてパスワードが入力された後、例えばメインボタン662が押下されると、入力されたパスワードの適否を判別する。入力されたパスワードが不適であったり、パスワードを入力せずにメインボタン662を押下した場合には、上述したステップS3103の認証NG処理が実行される。そして、正しいパスワードが入力されて例えばメインボタン662が押下されたた場合に限り、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面が表示されるようにすることができる。これにより、不正を目的として設定値の履歴情報が閲覧されてしまうことを防止することが可能となる。
サブCPU201は、ステップS3120において、設定変更・確認履歴画面表示処理を行う。このとき、液晶表示装置16の表示領域には、日時データと操作種別と設定値とが対応付けて示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図61参照)が表示される。
ステップS3120の設定変更・確認履歴画面表示処理の後、サブCPU201は、ページ更新操作されたか否かを判別する(ステップS3130)。ページ更新操作が行われたと判別すると(ステップS3130におけるYES)、ページ更新処理を実行し(ステップS3140)、その後、ステップS3130に移る。一方、ページ更新操作が行われていなければ(ステップS3130におけるNO)、ステップS3150に移る。
サブCPU201は、ステップS3150において、「クリア」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図64参照)において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS3150におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行し(ステップS3160)、ステップS3180に移る。上記の設定変更・確認履歴データクリア処理は、ワークRAM203に記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域に表示されていた各履歴データが全て消去される(例えば、図65参照)。一方、「クリア」に決定されていなければ(ステップS3150におけるNO)、ステップS3170に移る。
サブCPU201は、ステップS3170において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図61参照)において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS3170におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS3180)、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されなければ(ステップS3170におけるNO)、ステップS3130に移り、ステップS3130移行の処理を継続する。
図83は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1における液晶表示装置16の表示領域に表示されるホールメニュー画面において、設定値を確認することが可能な設定変更・確認履歴画面が表示されるまでの操作手順の一例を示すフロー図である。図83に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、設定変更・確認履歴情報を閲覧するための第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機1は、ホールメニュー画面(例えば、図53参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図53参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機1は、パスワードの入力を要求し(図80、図81参照)、入力されたパスワードの適否判定を行う。
第4の手順として、パチンコ遊技機1は、第3の手順で入力されたパスワードが適正であれば、設定値情報、より詳しくは、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている設定変更・確認履歴画面(例えば、図68参照)を、液晶表示装置16の表示領域に表示する。
よって、設定キー328の使用及び操作することができる者(権限を有する者)は、上記第1〜第4の手順を経て表示される設定変更・確認履歴画面(図61参照)の設定変更・確認履歴を見ることで、出玉率を規定する設定値の設定変更、設定変更の確認、設定変更および確認の閲覧の各履歴と対応する設定値とを一目で確認することができるようになる。なお、権限を有する者とは、設定変更、設定変更の確認等に関する権限が与えられた者であって、ホールの店長等を意味する。以下、「権限を有する者」は、「管理権限者」と称することもある。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、メインボタン662及びセレクトボタン664等の操作ボタン群66と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置16の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、サブCPU201に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なバックアップメモリとして機能するワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、メインRAM203に記憶された設定変更又は設定確認と日時データとを液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、設定変更又は設定確認と日時データとが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定値を表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認及び日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定値を表示することができる。したがって、ホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された場合に、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるようになる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、設定値を受信した日時データをRTC209から取得し、設定値と、日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、変更後の設定値と、変更された日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の変更が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、設定値を確認したこと表す情報を受信した日時をRTC209から取得し、日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、設定値を確認した日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の確認が行われた日時を特定することができ、設定値を確認する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上記構成によって、本実施形態では、設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとをそれぞれ対応づけた設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるパチンコ遊技機1を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、メインボタン662及びセレクトボタン664等の操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置11の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、サブCPU201に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報が液晶表示装置16に表示された場合には日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16の表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチスロ1は、設定変更・確認履歴情報が液晶表示装置16に表示された日時データをRTC209から取得し、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶するので、設定値に関する情報の閲覧が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、設定変更確認・履歴情報を閲覧した閲覧履歴と日時データとを対応づけた閲覧履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機1を提供することができる。
[16−2.設定変更・確認履歴処理の変形例2]
次に、設定変更・確認履歴処理の変形例2について、図84〜図88を参照して、設定変更・確認履歴の変形例2について説明する。
この設定変更・確認履歴処理の変形例2における設定変更・確認履歴処理は、認証機能の構成が異なる以外は変形例1のものと基本的な構成は略同一である。以下においては、特に変形例1との相違点について詳述する。
設定変更・確認履歴処理の変形例2に係るパチンコ遊技機1は、スピーカ24の音量を調整する音量調整手段として例えばスライドスイッチを備えるようにし、複数の音量位置(ボリューム位置)、例えば音量「大」、「中」、「小」に対応する3つのボリューム位置のいずれかに切換操作するとともに、所定の操作順序で複数のボリューム位置に切り換え操作するように構成し、その切り換え操作順が予め設定した順序と一致するときに管理者権限を有するユーザとして認証するようにしている。なお、スピーカ24の音量を調整する音量調整手段は、スライドスイッチに限られず、例えば、ジョグダイヤルを回して音量を調整し、ジョグダイヤルを押圧すると音量が確定するようにしてもよい。
このように、設定変更・確認履歴処理の変形例2に係るパチンコ遊技機1は、ボリューム位置の変更順序に対応するボリュームパスワードに基づいて認証を行う認証処理機能を有する。この変形例2では、例えば音声制御回路204に上記認証処理機能が付加された制御プログラムが記憶され、サブCPU201が、その制御プログラムにしたがってボリュームパスワードに基づく認証処理を実行する。
図84は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、認証処理(図85参照)に適用されるボリュームパスワードを発生するボリュームスイッチ108の構成例を示す図である。ボリュームスイッチ108は、例えば、サブ制御回路200の回路基板内に配置されており、初期設定値を設定するスライド操作が可能になっている。例えば、ボリュームスイッチ108は、音量「小」、「中」、「大」に対応する3つのボリューム位置603a、603b、603c(以下、ボリューム位置1、2、3ということもある)のいずれかに切換操作されるとともに、所定の操作順序で複数のボリューム位置1、2、3に順次切り換え操作されるようになっている。具体的には、初期設定値を設定する場合、ボリュームスイッチ108を「大」→「中」→「小」→「中」のようにスライドさせることで、設定できる。すなわち、サブCPU201は、ボリュームスイッチ108のボリューム位置1、2、3を検出する位置検出部を構成する。
一方、管理者権限を有するユーザ(管理権限者)を設定する場合、所定の管理者設定手順に従って、ボリュームスイッチ108を初期設定時とは異なる順序で、複数のボリューム位置を経由する所定の認証操作パターンで操作し、その複数のボリューム位置および操作順序をメモリに記憶させておく。そして、設定値の変更履歴の閲覧等のために管理者権限が必要な場合に、ボリュームスイッチ108を所定の認証操作パターンで操作し、設定値の変更履歴の閲覧等を可能にする。
上記認証操作パターンとしては、例えば、図84におけるボリューム位置2(音量「中」)からボリューム位置1(音量「小」)への位置変更を表す操作パターン、またはボリューム位置2からからボリューム位置3(音量「大」)への位置変更を表す操作パターン等を予め保持しておくことができる。
これにより、サブCPU201は、ボリュームスイッチ108の上記各ボリューム位置を示すボリューム位置情報から操作パターンを認識し、該操作パターンが予め設定されている認証操作パターンと一致するか否かによって管理権限者から否かを判定することができる。
このように、設定変更・確認履歴処理の変形例2において、ボリュームスイッチ108は、ボリューム位置の操作パターンに対応したボリュームパスワードを入力する操作部として機能する。この設定変更・確認履歴処理の変形例2におけるボリュームスイッチ108は、設定スイッチ332、設定キー328、電源スイッチ35、バックアップクリアスイッチ330と同様に、遊技者が操作することができない操作部である。これに対し、例えば、メインボタン662、セレクトボタン664、発射ハンドル32等は、遊技者が操作することができる操作部である。
図85は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、認証処理の一例を示すフローチャートである。この認証処理は、図57のステップS3006において表示中のホールメニュー(図52参照)の中から「設定変更・確認履歴」が選択され(ステップS3006におけるYES)、ホールメニュー画面で「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態(図53参照)でメインボタン662が押下されることにより開始される。
この認証処理が開始されると、サブCPU201は、ホールメニュー画面が表示されている液晶表示装置16の表示領域に、ボリュームパスワードの入力を促す画面を表示するボリュームパスワード要求表示処理(ステップS3201)を実行する。
図86は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに、パスワード要求画面が液晶表示装置16の表示領域に表示される例を示す図である。図87は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、液晶表示装置16の表示領域に表示されるボリュームパスワード要求表示画面の例である。図86、図87に示すように、図85のステップS3201のボリュームパスワード要求表示処理において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に、例えば、「※ボリュームスイッチを操作してパスワードを入力してください。パスワード入力後に設定値が表示されます。」等のメッセージを、設定変更・確認履歴情報とともに表示する。
なお、本変形例2では、設定変更・確認履歴処理が開始されると(ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されると)、例えば図86および図87に示されるように、ホールメニュー画面が表示されている状態でボリュームパスワード要求画面が表示されるが、必ずしもこれに限られない。例えば、設定変更・確認履歴が開始されると、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される(設定値が表示されない)設定変更・確認履歴画面を表示し、この設定変更・確認履歴画面が表示されている状態でボリュームパスワード要求画面が表示されるようにしてもよいし、ホールメニューおよび設定変更・確認履歴画面のいずれも表示することなくボリュームパスワード要求画面のみが表示されるようにしてもよい。
上記ボリュームパスワード要求表示画面の表示後、サブCPU201は、ボリュームスイッチ108のボリューム位置情報の変更順序、すなわち操作パターンを監視する操作パターン取得処理を継続的に実行する(ステップS3202)。
上記ボリューム位置情報の入力監視中にボリューム位置情報が入力されると、サブCPU201は、そのボリューム位置情報から当該ボリューム位置情報に対応する操作パターンを抽出して予め設定している認証操作パターンと照合し、両者が一致するか否かにより正しい操作がされたか否かを判定する(ステップS3203)。ここで、正しい操作が行われたことが判定された場合(ステップS3203におけるYES)、サブCPU201は、図78におけるステップS3120以降の処理を実行する。
これに対し、正しい操作が行われなかったことが判定された場合(ステップS3203におけるNO)、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に認証がNGである旨を表示する認証NG表示処理を行う(ステップS3204)。これにより、サブCPU201は、認証処理を終了して図78におけるステップS3110の処理に移行する。なお、上記認証NG表示処理では、液晶表示装置16の表示領域に、例えば、「ボリュームパスワードが間違っています。最初からやり直して下さい。」等のメッセージが表示される。
なお、図84においては、本発明に係る操作スイッチとして3つのボリューム位置を有するボリュームスイッチ108を用いる例を挙げているが、これに限らず、例えば、操作スイッチは、少なくとも3つ以上の任意の位置を取り得ることが可能なスイッチであってもよい。この場合、サブCPU201に、操作スイッチの各ボリューム位置を検出可能な位置検出機能を設け、この位置検出機能によって検出された位置情報(ボリューム位置情報を取得し、取得された順序とワークRAM203に予め記憶された所定の操作順序と一致したことを条件に、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を表示するように構成してもよい。
図88は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順の一例を示すフロー図である。図88に示すように、設定変更・確認履歴処理の変形例2では、設定変更・確認履歴情報の設定値確認の第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機1は、ホールメニュー画面(例えば、図53参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図53参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機1は、ボリュームパスワードの入力を要求し(図86、図87参照)、入力されたボリュームパスワードを取り込み、取り込んだボリュームパスワードの適否判断を行う。ボリュームパスワードの適否判断は、取り込んだボリュームパスワードと認証操作パターン(認証用パスワード)とを照合することで行われ、両者が一致して認証OKが得られた場合に、ボリュームパスワードが適正であると判断する。
第4の手順として、パチンコ遊技機1は、第3の手順で入力されたボリュームパスワードが適正であれば、設定値情報、より詳しくは、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている設定変更・確認履歴画面(例えば、図68参照)を、液晶表示装置16の表示領域に表示する。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、少なくとも遊技者の操作を受け付ける操作部であるメインボタン662及びセレクトボタン664と、遊技者が操作することのない非遊技操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置16の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定スイッチ332と、表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値をサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、非遊技操作部を所定の順序で操作されたことを条件にワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を表示する構成を有している。
この構成により、非遊技操作部を所定の順序で操作されたことを条件にワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を表示することができる。したがって、所定の操作順序を知った権限を有する者のみ、設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるようになる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、非遊技操作部は、音量を調整する操作スイッチ、例えば、ボリュームスイッチ108である構成としてもよい。
この構成により、権限を有する者のみが知っている操作順序で認証することができるので、権限を有するものを識別する操作スイッチを追加することがなく、コストを低減することができる。なお、この操作順序は、パチンコ遊技機1をホールに納品する際に示され、権限を有するもののみが設定変更や設定確認の際に用いる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、操作スイッチは、少なくとも3つ以上の任意の位置を取り得ることが可能なスイッチであって、サブCPU201が、操作スイッチの各ボリューム位置を検出可能な位置検出機能をさらに備え、設定表示機能は、位置検出機能によって検出されたボリューム位置情報を取得し、取得されたボリューム位置情報の順序と予め記憶された所定の操作順序と一致したことを条件に、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を表示する構成としてもよい。
この構成により、3つ以上の任意のボリューム位置の操作順序を予め所定の操作順序として記憶しておき、当該操作順序を予め権限を有する者に知らしめておくことで、権限を有するものを識別する操作スイッチを追加することがなく、権限を有する者のみが知っている操作順序で認証することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、権限を有する者のみ設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機1を提供することができる。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、上述したように、設定変更・確認履歴情報を表示する際に、ホールにおける設定値に関する権限を有する者のみ、表示できるようボリュームスイッチ108による操作により認証する構成について説明したが、以下に説明する設定変更・確認履歴処理の変形例3に係るパチンコ遊技機1のように、設定変更・確認履歴情報を表示する際に、パチンコ遊技機1における入力部から入力されるパスワードを用いた認証するよう構成してもよい。
[16−3.設定変更・確認履歴処理の変形例3]
次に、設定変更・確認履歴処理の変形例3について、図89〜図96を参照して、設定変更・確認履歴の変形例3について説明する。
図89は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例3に係る遊技システム210の構成例を示す図である。この遊技システム210は、パチンコ遊技機1Aと、携帯無線通信端末220と、ネットワーク230に配置されるサーバ装置240と、を備えて構成される。遊技システム210は、後述するように、パチンコ遊技機1A、携帯無線通信端末220、サーバ装置240が協働して設定変更・確認履歴情報の確認に係る認証処理を行う。
遊技システム210において、パチンコ遊技機1Aは、上述したパチンコ遊技機1の各機能に加えて、設定変更・確認履歴情報およびURL(Uniform Resource Locator)を含む二次元コードを生成する機能、該二次元コードを液晶表示装置16A(図92参照)の表示領域に表示する機能を備えている。二次元コードに含まれる設定変更・確認履歴情報は、具体的には、例えば図61に示す設定変更・確認履歴画面に表示されるような情報内容であり、設定値を含んでいる。パチンコ遊技機1AにおけるサブCPUは、本発明に係る二次元コードを生成する生成手段を構成する。
携帯無線通信端末220は、スマートホン等の移動通信端末であり、制御部221、表示操作部222、カメラ部(図示せず)等を備えて構成される。表示操作部222は、表示部および操作部の機能を備えたものであり、タッチパネル等により構成される。カメラ部は、パチンコ遊技機1Aの液晶表示装置16Aの表示領域に表示された二次元コード161a(登録商標)等(図92参照)を読み取る(撮像する)機能部である。表示操作部222、カメラ部は、それぞれ、本発明における操作表示部、撮像手段を構成する。
制御部221は、CPU、ストレージデバイス(フラッシュメモリ、microSDメモリカード等)、RAM、通信回路等を有し、CPUが例えばストレージデバイス又はRAMに記憶されている制御プログラムに従った各種動作の制御を行う。本実施形態において、制御部221は、撮像された二次元コードを解析し、設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する抽出部、操作表示部222にパスワードを入力するパスワード入力画面(後述の図95参照)を表示する入力画面表示制御部、パスワード入力画面で入力された入力パスワードを上記URLに基づいてサーバ装置240に送信し、サーバ装置240から通知される認証結果を取得する認証結果取得部、取得した認証結果が正しい場合、設定変更・確認履歴情報を設定値を含む態様で表示操作部222に表示する履歴情報表示制御部を有する。抽出部、表示制御部、認証結果取得部、履歴情報表示制御部は、上記ストレージデバイス等に予めインストールした専用アプリケーションに従って作動するCPUにより実現可能な機能である。本実施形態に係る制御部221の構成要素である抽出部、入力画面表示制御部、認証結果取得部、履歴情報表示制御部は、それぞれ、本発明における抽出手段、入力画面表示制御手段、認証結果取得手段、履歴情報表示制御手段を構成する。
サーバ装置240は、コンピュータにより実現され、上記URLで識別される認証サービスの専用サイトを管理する機能、上記URLへアクセスした携帯無線通信端末220からの入力パスワードを受信し、予め設定されているパスワードと照合してパスワードが正しいか否かを判定し、その認証結果を携帯無線通信端末220に通知する認証サービス機能等を備えている。サーバ装置240は、本発明に認証手段を構成する。
図90は、変形例3に係る遊技システム210を構成するパチンコ遊技機1Aにおける設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。この設定変更・確認履歴処理は、パチンコ遊技機1Aの液晶表示装置16Aの表示領域に表示されたホールメニュー画面(例えば図51参照)に表示される複数のホールメニューの項目の中から「設定変更・確認履歴」が選択決定され、ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態(例えば図53参照)でメインボタン662が押下されることを条件に開始される。
なお、図59および図60を参照して上述した設定変更・確認履歴処理では、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面(例えば、図52参照)が表示されるようにするために計時処理(図59のステップS3052等を参照)を行う旨を説明した。この変形例3においても、図59および図60を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と同様に計時処理を行い、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面を表示するようにしてもよいが、この変形例3における説明では、計時処理の説明を省略している。
この設定変更・確認履歴処理が開始されると、サブCPUは、ワークRAMから設定変更・確認履歴情報を読み出し、この設定変更・確認履歴情報と認証サービスの専用サイトのURLとを含む二次元コード161a(図92参照)を生成する二次元コード生成処理を行う(ステップS3301)。次いで、サブCPU201は、ステップS3301で読み出した設定変更・確認履歴情報と生成した二次元コード161aとを、例えば図92に示す態様で液晶表示装置16Aの表示領域に表示する二次元コード表示処理を実行する(ステップS3302)。
上記ステップS3302における二次元コード表示処理の実行後、サブCPU201は、メインボタン662、セレクトボタン664の操作に基づくデータクリア要求、カーソル移動(改ページ)要求、処理戻し要求を受け付け可能な受付可能状態に移行する。メインボタン662は処理戻し要求を行うためのボタンである。セレクトボタン664は、カーソル移動(改ページ)要求を行うためのボタンである。また、メインボタン662とセレクトボタン664を一緒に操作することにより、データクリア要求を指示することができる。
上記受付可能状態に移行後、サブCPU201は、ステップS3303〜ステップS3305の処理を行う。なお、図90においては、図59に示されるステップS3056〜ステップS3064の処理が省略されているが、これらの処理を行うためには、図90のステップS3302とステップS3303との間に、図59に示されるステップS3056〜ステップS3064の処理を追加することになる。
図90において、ステップS3302の二次元コード表示処理の後、サブCPU201は、ステップS3303において、「クリア」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば図92参照)において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS3303におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行し(ステップS3304)、ステップS3306に移る。上記の設定変更・確認履歴データクリア処理は、ワークRAM203に記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域の設定変更・確認履歴表示領域に表示されていた各履歴データが全て消去される(図65参照)。一方、「クリア」に決定されていなければ(ステップS3303におけるNO)、ステップS3305に移る。
サブCPU201は、ステップS3305において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図92参照)において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS3305におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS3306)、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されなければ(ステップS3305におけるNO)、ステップS3303に移り、ステップS3303以降の処理を継続する。
このように、本実施形態において、サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS3303におけるYES)、二次元コード161a(図92参照)とともに表示している設定変更・確認履歴情報をクリアするようにしてもよい。この場合、パチンコ遊技機1Aは、二次元コード161aを表示しているが、認証結果を取得していないため、認証結果がOKもしくはNGにかかわらず、設定変更・確認履歴情報をクリアすることができるようになっている。
図91は、変形例3に係る遊技システム210の携帯無線通信端末220およびサーバ装置240における設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ遊技機1Aの液晶表示装置16Aの表示領域に表示された二次元コード161aを携帯無線通信端末220で撮影することを条件に開始される。
携帯無線通信端末220で二次元コード161aの撮影が行われると、制御部221は、撮影により得られた画像データを読み込み、該画像データに基づき表示操作部222に例えば図94に示す態様で二次元コード222aを表示する二次元コード読込み表示処理を行う(ステップS3401)。
引き続き、携帯無線通信端末220では、制御部221が、読み込んだ二次元コードを解析し、その中に含まれる設定変更・確認履歴情報とURLを抽出して例えばRAM内の所定の記憶領域に一時的に保持する二次元コード取得処理を実行する(ステップS3402)。次いで、制御部221は、上記URLに基づき認証サービスの専用サイトにアクセスしてパスワード入力画面(図95参照)を表示し、パスワードを受け付けるパスワード入力表示処理を実行する(ステップS3403)。
ステップS3403でパスワード入力表示処理を実行した後、携帯無線通信端末220の制御部221は、サーバ装置240と連携し、以下のステップS3404およびステップS3405を経てパスワードの認証処理を行う。
パスワードの認証処理において、携帯無線通信端末220の制御部221は、まず、パスワード表示欄222c(図95参照)に対してパスワードが入力されたか否かを監視しながら(ステップS3404)、テンキー222bからのパスワードの入力を受け付ける処理を行う。ここで、パスワードが入力された場合(ステップS3404におけるYES)、制御部221は、入力されたパスワードをサーバ装置240へ伝送する。
サーバ装置240では、携帯無線通信端末220から送られてきたパスワードを予め登録されている登録パスワードと照合し、両者が一致するか否かによって認証OKか認証NGかを判定する。サーバ装置240では、上記判定結果を携帯無線通信端末220に通知する。このように、本実施形態では、認証だけサーバ装置240で行っている。つまり、サーバ装置240は、認証結果のみを携帯無線通信端末220に返すようになっている。
これに対し、携帯無線通信端末220の制御部221は、ステップS3404で受け付けた入力パスワードを伝送した後、サーバ装置240からの認証結果の通知を待ち、通知された認証結果が認証OKか認証NGかによってパスワードは正しいか否かを判定する(ステップS3405)。
ここで、パスワードは正しくないと判定された場合(ステップS3405におけるNO)、制御部221は、表示操作部222にパスワードが認証NGであることを示すメッセージ等を表示する認証NG表示処理を行い(ステップS3410)、その後、処理を終了する。認証NG表示処理では、メッセージ欄222dに例えば、「パスワードが間違っています。最初からやり直して下さい。」等のメッセージが表示される。
これに対し、パスワードは正しいと判定された場合(ステップS3405におけるYES)、制御部221は、ステップS3402で一時的に保持しておいた設定変更・確認履歴情報を表示操作部222に表示する設定変更・確認履歴表示処理を行う(ステップS3406)。この設定変更・確認履歴表示処理において、制御部221は、上記ステップS3402で保持しておいた設定変更・確認履歴情報を予め設定されている表示フォーマットに従って埋め込んだ(配置した)表示用の情報を作成し、この表示用の情報に基づき設定変更・確認履歴情報を表示操作部222に表示する(図96参照)処理を行う。
図92は、変形例3に係る遊技システム210のパチンコ遊技機1Aにおける二次元コードを含む設定変更・確認履歴画面の一例を示す図である。
図92に示すように、パチンコ遊技機1Aにおいて、サブCPU201は、図90の二次元コード表示処理(ステップS3302)において、パチンコ遊技機1Aの液晶表示装置16Aの表示領域に設定変更・確認履歴情報と二次元コード161aとを含む設定変更・確認履歴画面を表示する。設定変更・確認履歴画面116gに表示される二次元コード161aは、上述したように、表液晶表示装置16Aの表示領域に表示中の設定変更・確認履歴情報と、認証サービスの専用サイトのURLとを含んでいる。
なお、ステップS3302の二次元コード表示処理(図90参照)で二次元コード161aを表示する際、サブCPU201が、表液晶表示装置16Aの表示領域に、例えば、「※二次元コードを携帯端末で読み取って認証サービスにアクセスしてください。」等、認証サービスへの移行を促すメッセージを表示する構成としてもよい。
図93は、変形例3に係る遊技システム210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順の一例を示すフロー図である。この設定値確認手順については、便宜上、本実施形態の最後に説明する。
図94は、変形例3に係る遊技システム210の携帯無線通信端末220における二次元コード表示画面の一例を示す図である。携帯無線通信端末220は、上記S1101の二次元コード読込み表示処理において、図94に示すような二次元コード222aを表示操作部222に表示する。
図95は、変形例3に係る遊技システム210の携帯無線通信端末220におけるパスワード入力画面の一例を示す図である。上記ステップS3403のパスワード入力表示処理(図91参照)では、携帯無線通信端末220が、上記URLへアクセスし、図95に示すパスワード入力画面を表示操作部222に表示する。
図95に示すように、パスワード入力画面には、「0」〜「9」及び「※」、「♯」のキーを有するテンキー222bと、テンキー222bにより入力されるパスワードを表示するパスワード表示欄222cと、メッセージ欄222dが表示される。メッセージ欄222dには、例えば、「※パスワードを入力してください。パスワード入力後に設定値が表示されます。」等、パスワードの入力を促すメッセージが表示されている。携帯無線通信端末220では、図95に示すパスワードワード入力画面において、テンキー22 2bを操作してパスワードを入力したパスワード表示欄222cに隠し文字「*」に変換したパスワードを表示させることができる。
図96は、変形例3に係る遊技システム210の携帯無線通信端末220における設定変更・確認履歴画面222gの一例を示す図である。図96に示すように、設定変更・確認履歴画面222gは、上記S1102で一時的に保持したおいた設定変更・確認履歴情報が、例えば、図133に示す設定変更・確認履歴画面と同等の表示フォーマットで表示されたものである。すなわち、図96において、設定変更・確認履歴情報は、設定変更・確認日時に対応して設定値が表示されている。
携帯無線通信端末220において、予めインストールした専用アプリケーションは、上述した表示フォーマット、図96に示す設定変更・確認履歴画面222gの上記表示フォーマット、設定変更・確認履歴情報のスクロール、一括削除の処理機能をサポートしている。これにより、制御部221は、図91における設定変更・確認履歴処理中、S1107での設定変更・確認履歴表示処理を後、設定変更・確認履歴情報とともに表示操作部222に表示されている決定ボタン222e、セレクトボタン222fの操作に基づくページ更新要求を受け付け可能な受付可能状態に移行する。
上記受付可能状態に移行後、携帯無線通信端末220の制御部221では、ページ更新操作が行われたか否かを判別する(ステップS3407)。ページ更新操作が行われたか否かの判別は、セレクトボタン222fが操作され、且つ、最後の行に至ったと判別されると、ページ更新操作が行われたと判別し(ステップS3407におけるYES)、ページ更新処理を実行する(ステップS3408)。ここで、セレクトボタン222fが操作されてページ更新操作が行われたと判別される限り(すなわち、セレクトボタン222fが操作され、且つ、最後の行に至ったと判別される限り)、ページのスクロールを続行するページ更新処理を行う(ステップS3408)。
制御部222は、ページ更新操作が停止されたと判別すると(ステップS3407におけるNO)、すなわち、セレクトボタン222fの操作が停止され、決定ボタン222eが押下されていないと判別すると、ステップS3409に移る。このステップS3409において、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS3071におけるYES)、制御部222は、ホールメニュー画面表示処理(ステップS3410)を実行し、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されていないと判別すると(ステップS3409におけるNO)、制御部222は、ステップS340に戻る。
なお、本実施形態に係る遊技システム210では、パチンコ遊技機1A側で設定変更・確認履歴情報を所謂生データのままで二次元コードに変換して表液晶表示装置16Aの表示領域に表示し(図90のステップS3301、ステップS3302参照)、携帯無線通信端末220側でパチンコ遊技機1Aの表液晶表示装置16Aの表示領域に表示された二次元コードを撮影して設定変更・確認履歴情報を生データに戻す処理を行っている(図91のステップS3401、ステップS3402参照)。
一方で、近年の移動通信端末は、二次元コードを読み取って解析する機能が標準装備されているものも多い。
この点について、本実施形態に係る遊技システム210では、携帯無線通信端末220に専用のアプリケーションをインストールし、この専用アプリケーションによってパチンコ遊技機1A側と同等の表示フォーマットで表示することを可能としている。
言い換えると、専用アプリケーションをインストールしていない移動通信端末では、設定変更・確認履歴情報を生データとして見ることができても、パチンコ遊技機1A側と同等の表示フォーマットで表示された状態で見ることができず、設定変更・確認履歴情報を認識することは困難である。
よって、本実施形態において、携帯無線通信端末220に専用アプリケーションをインストールして用いることで、権限のある者だけが設定値付きの設定変更・確認履歴情報をみることができるという、十分な機密性を確保することができる。
上述したように、本実施形態では、二次元コードを読み取った段階で、それによって得られるデータはすべて携帯無線通信端末220に取り込まれるが、専用アプリケーションが有する表示フォーマットに従って上記データが図96のように表示される。したがって、当該表示フォーマットを有する専用アプリケーションを有しなければ、汎用のバーコードリーダで読み取ったとしても、二次元コードを読み取った文字列がどのような表示であるかを理解させることができないので、一定の機密性を確保できる。当該アプリケーションは、パチンコ遊技機1Aの納品時に配布され、権限を有する者だけが取得できるようになっている。
本実施形態において、パスワードの認証をサーバ装置240からの認証結果の通知を受け、通知された認証結果が認証OKか認証NGかによってパスワードは正しいか否かを判定したが、これに限定されず、サーバ装置240からパスワードを携帯無線通信端末220が受け取り、入力したパスワードとサーバ装置240から受け取ったパスワードとの一致を判断して入力されたパスワードが正しいか否かを判断してもよく、又、機密性をさらに確保したい場合には、パチンコ遊技機1A側で設定変更・確認履歴情報を暗号化してから二次元コードを生成して表示し、携帯無線通信端末220にインストールする専用アプリケーションには上記暗号化に対応する設定変更・確認履歴情報の復号化機能を追加する構成としてもよい。
次に、本実施形態に係る遊技システム210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順について図93のフロー図を参照して説明する。
図93に示すように、本実施形態に係る遊技システム210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認のための第1の手順として、パチンコ遊技機1Aは、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機1Aは、ホールメニュー画面(例えば、図53参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図53参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機1Aは、設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図53参照)において「設定変更・確認履歴」が選択されている(ハイライト表示されている)状態でメインボタン662が押下されると、ワークRAM203に保持している設定変更・確認履歴情報およびURLを含む二次元コードを生成し、該二次元コードを設定変更・確認履歴情報とともに表示させる(図92参照)。
第4の手順として、携帯無線通信端末220は、パチンコ遊技機1Aに表示された二次元コードを撮影する(図94参照)。二次元コードの撮影後、携帯無線通信端末220は、二次元コードに含まれる設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する。
第5の手順として、携帯無線通信端末220は、第3の手順で抽出したURLに基づき認証サービスの専用サイトにアクセスし、この専用サイトによって提供されるパスワード入力画面(図95参照)からパスワードの入力を行う。
このパスワードは、例えば、遊技システム210のメーカーから取扱い説明書等で開示され、遊技システム210、あるいは個々のパチンコ遊技機1A等に関連付けて登録されているパスワードである。専用サイトでは、サーバ装置240が携帯無線通信端末220からの入力パスワードを受け付け、登録パスワードと照合してパスワード認証を行う。ここで、サーバ装置240は、認証OKの場合にその旨を携帯無線通信端末220に通知する。
第6の手順として、携帯無線通信端末220は、第5の手順で認証OKが得られた場合に、第4の手順で抽出した設定変更・確認履歴情報を所定の表示フォーマットの画面(図96参照)として設定値を含む内容で表示操作部222に表示する。これにより、パスワードを入力した管理権限者は、携帯無線通信端末220の表示操作部222に表示された画面上でこの設定変更・確認履歴情報を設定値とともに確認することができる。
上述したように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1Aは、各種画像を表示する液晶表示装置16Aと、各種操作を受け付ける操作部であるメインボタン662及びセレクトボタン664と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置16Aの表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定スイッチ332、表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を液晶表示装置16Aの表示領域に表示する設定表示機能を備え、設定表示機能によって設定変更又は設定確認及び日時データが表示された状態で、操作部であるメインボタン662が操作された場合に設定変更・確認履歴情報を二次元コードにより表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及び日時計時手段からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認及び日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を二次元コードにより表示することができる。したがって、携帯無線通信端末220において二次元コードを読み取って、パスワード認証した後に表示を許可するようにすれば、所定のパスワードを知った権限を有する者のみ、設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1Aにおいて、サブCPU201は、設定表示機能によってワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16Aの表示領域に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16Aの表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1Aは、表示制御機能によって表示される二次元コードが携帯無線通信端末220で読み込まれることを契機として所定のサーバ装置240からの情報に基づいて携帯無線通信端末220に設定変更・確認履歴情報を表示する構成としてもよい。
この構成により、表示制御機能によって表示される二次元コードが携帯無線通信端末220で読み込まれることを契機として所定のサーバ装置240からの情報、例えば予め定められたパスワードと、携帯無線通信端末220で入力されたパスワードとが一致したことを条件に、携帯無線通信端末220に設定変更・確認履歴情報を表示することができる。したがって、権限を有する者のみが知っているパスワードで認証することができるので、権限を有するものを識別する入力手段をパチンコ遊技機1A側に追加することがなく、コストを低減することができる。なお、このパスワードは、パチンコ遊技機1Aをホールに納品する際に示され、権限を有するもののみが設定変更や設定確認の際に用いる。
また、本実施形態に係る遊技システム210は、上述したパチンコ遊技機1Aと、ネットワーク230に接続され、認証のためのサイトを管理するサーバ装置240と、を有し、パチンコ遊技機1Aは、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報およびサイトのURLの二次元コードを生成する生成機能をさらに有し、サーバ装置240は、携帯無線通信端末220からのパスワードを予め設定されたパスワードと比較して認証し、認証結果を携帯無線通信端末220に通知する認証サービス機を有し、携帯無線通信端末220は、表示および操作機能を備える表示操作部222と、液晶表示装置16Aの表示領域に表示された二次元コードを撮像するカメラ部と、撮像された二次元コードを解析し、設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する抽出部と、パスワードを入力するパスワード入力画面を表示する入力画面表示制御部と、パスワード入力画面での入力パスワードをURLに基づいてサーバ装置240に送信し、サーバ装置240から通知される認証結果を取得する認証結果取得部と、取得した認証結果が正しい場合、設定変更・確認履歴情報を表示操作部222に表示する履歴情報表示制御部と、を有する構成である。
この構成により、本実施形態に係る遊技システムは、パチンコ遊技機1Aの表示制御機能によって表示される二次元コードを携帯無線通信端末220で読み取り、サーバ装置240による認証を経て携帯無線通信端末220に設定変更・確認履歴情報を表示できる。したがって、所定のパスワードを知った権限を有する者のみ、設定変更確認情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるようになる。
上述した構成により、本実施形態では、権限を有する者のみ設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機1Aおよび遊技システム210を提供することができる。
以上、本発明の各実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明は、ここで説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施形態を含むことは言うまでもない。
[17.パチスロへの適用例]
例えば、本実施形態に係る発明をパチスロに適用することもできる。本実施形態に係る発明をパチスロに適用する場合、設定変更処理および設定確認処理を実行する手順がパチンコ遊技機1と異なる。
パチスロでは、電源OFFの状態で設定キーをOFFからONに操作したことを条件に設定変更処理に移行し、設定値の変更が可能となる。そして、スタートレバーの操作が検知されたか、もしくは設定キーがONからOFFになったことが検知された場合に、設定変更が確定する。
設定変更の履歴を表示可能とするため、パチスロのメインCPUは、上述した設定変更が行われ、設定キーの操作によって設定スイッチから発生する信号を入力し、次いで、スタートレバーが操作されたことを示す信号を受信すると、設定変更が行われたことを表すデータと、現在の設定値を示すコマンドとを、サブCPUに送信する。なお、パチスロのメインCPUは、遊技の進行に関わる制御を行う制御部を構成している。メインCPUはまた表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段を構成している。
一方、サブCPUは、メインCPUから受信されたデータが設定変更が行われたことを表す初期化コマンドである場合、設定変更であることを示す操作種別情報(設定変更を表す情報)と、RTCにより現在計時されている日時データ、すなわち、初期化コマンドを受信した日時データとを設定変更確認履歴情報としてワークRAM203に記憶する。パチスロのサブCPUは、表示部の表示の制御を行う表示制御部を構成している。また、サブCPUは、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段を構成している。
パチスロにおいて、設定値の確認とは、設定キーを操作(右方向に回動)し、設定用鍵型スイッチから発生する信号に基づいて7セグ表示機に現在の設定値を表示することをいう。このように、パチスロ1は、電源ON状態で設定キーをOFFからONに操作したことを条件に設定確認処理に移行し、7セグ表示機に設定値が表示されるようになっている。パチスロの設定スイッチは、メインCPUとともに設定値の変更又は確認を可能にする設定手段を構成している。
設定値の確認の履歴を表示可能とするため、メインCPUは、上述した操作により設定値の確認が行われ、設定キーの操作によって設定スイッチから発生する信号を入力すると、設定値を確認したことを表すデータと、現在の設定値である設定確認コマンドをサブCPUに送信する。
一方、サブCPUは、メインCPUから受信されたデータが設定値を確認したことを表す設定確認コマンドである場合、設定値の確認であることを示す操作種別情報(設定確認を表す情報)と、RTCにより現在計時されている日時データ、すなわち、設定値を確認したこと表す設定確認コマンドを受信した日時データとを設定変更確認履歴情報として、バックアップメモリとして機能するワークRAM203に記憶する。このワークRAM203は、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能となっている。
設定変更開始コマンドまたは設定確認コマンドを受信したサブCPUは、設定キーがOFFからONになったと判別する。そして、サブCPUは、設定キーがOFFからONになったと判別すると、パチスロが備える液晶表示装置のメイン画面に、ホールメニュー画面を表示するホールメニュー表示処理を行う。パチスロで表示されるホールメニュー画面は、本実施形態のパチンコ遊技機1の液晶表示装置16に表示されるホールメニュー画面(例えば図52参照)に表示されている「賞球情報」に代えて「トータルメダル情報」が表示されるなど細かい点で異なる箇所はあるものの、基本的には、本実施形態のパチンコ遊技機1の液晶表示装置16に表示されるホールメニュー画面と同様の画面である。
パチスロにおいて、閲覧とは、設定キーを操作(右方向に回動)し、液晶表示装置のメイン画面に表示されるホールメニュー画面中の「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタンが押下されることを条件に、ワークRAM203に記憶されている設定変更確認履歴情報を、例えば、設定変更・確認履歴画面として表示する。
なお、パチスロのサブCPUは、ホールメニュー処理、設定変更・確認履歴処理、メンテナンス処理、認証処理など、本実施形態のパチンコ遊技機1のサブCPU201によって実行される処理と同様の処理を実行することができる。また、パチンコ遊技機1の実施形態をパチスロに適用した場合、パチンコ遊技機1の実施形態において説明したホールメニュー画面、設定変更・確認履歴画面、エラー情報履歴画面、ガイドメニューの画面、パスワード要求画面、入力したパスワードが不適であったときに表示される画面、携帯無線通信端末に表示される画面などと同様の画面が、パチスロの液晶表示装置のメイン画面や携帯無線通信端末に表示される。
なお、パチスロでは、ボーナス抽選により「ボーナス当選」が決定されると、ボーナス振り分け抽選によって「SBB」、「BB」、「RB」の何れかを決定する。しかし、本発明の遊技機としては、ボーナス振り分け抽選によって「SBB又はBB」、「RB」の何れかを決定し、前兆ゲームの終了時に「SBB」、「BB」の何れかを決定するようにしてもよい。
また、パチスロでは、「SBB」又は「BB」の前兆ゲームが行われている場合に、「BB前兆フラグ」がオンになっている。つまり、「SBB」と「BB」の前兆ゲームは、「BB前兆フラグ」で管理している。しかし、本発明の遊技機としては、「SBB」用の前兆フラグと「BB」用の前兆フラグを設ける構成としてもよい。この場合は、「SBB」に対応する前兆ゲームの演出と、「BB」に対応する前兆ゲームの演出を異ならせてもよい。
また、パチスロでは、第1のART(「SBB」、「BB」、「RB」)及び第2のARTが、それぞれ滞在ゲーム数の遊技を消化したことを条件に終了するが、第1のART及び第2のARTとしては、所定回数のナビ(表示補助情報の報知)が行われたことを条件に終了する構成にしてもよい。
また、パチスロでは、第1のARTにおける「SBB」の滞在ゲーム数を例えば「100」に固定してもよいし、「BB」と同様に、「SBB」中に滞在ゲーム数に上乗せゲーム数が加算(上乗せ)される構成であってもよい。
また、パチスロでは、BRで発生する可能性がある追加上乗せA,B,Cの演出を行うゲーム数を例えば「2」に固定してもよい。すなわち、追加上乗せA,B,Cの演出が決定されると、追加上乗せゲーム数カウンタに「2」をセットする構成としてもよい。しかし、追加上乗せA,B,Cの演出を行うゲーム数としては、可変にしてもよい。例えば、追加上乗せ演出の種別(追加上乗せA,B,C)に応じて、追加上乗せゲーム数カウンタにセットする値を異ならせてもよい。
また、パチスロでは、第2のARTの滞在ゲーム数として、例えば「50」といった固定のゲーム数に決定されるようにしてもよいし、これに代えて、所定のゲーム数を1セットとし(例えば、1セット「50」ゲーム)、第2のARTのゲーム数を、抽選によって決定した複数のセット数で設定してもよい。例えば、第2のARTの滞在ゲーム数を、1セット「50」ゲームを2セット、すなわち合計「100」ゲームに設定してもよい。また、この場合、セット間に停止順序を報知せず、且つ、遊技毎にARTゲーム数カウンタの値を減算しない所定の期間を設けてもよい。また、この所定の期間における遊技毎に上乗せゲーム数抽選を行ってもよい。そして、この所定の期間が終了する前(この所定の期間を遊技回数が所定の遊技回数に達したときに終了させる場合は、この所定の遊技回数に達する前)に、順押し以外の停止順序で停止操作(変則押し)が行われた場合は、所定の期間を強制的に終了し、変則押しが行われた遊技の次の遊技からARTゲーム数カウンタの値を遊技毎に「1」減算してもよい。
また、パチスロでは、パチンコ遊技機1に設ける役物として、ステッピングモータの駆動によって回転する回転役物123を有する回転役物ユニット122を例に説明した。しかし、これに限らず、パチンコ遊技機1に、例えば、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動によって左右方向や上下方向又は前後方向に移動する役物を設けてもよい。
[第1〜第4実施形態]
次に、他の実施形態として、第1〜第4実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。なお、先述した実施形態に係るパチンコ遊技機と同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してあるいは符号を割愛して説明を省略し、異なる構成について詳述する。
[第1実施形態に係るパチンコ遊技機]
図97は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。図98は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機の保護ガラスと釘確認シートとを示す斜視図である。図99は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機の保護ガラスの保持構造とともに釘確認シートの支持構造を示す一部拡大斜視図である。
図97〜99に示すように、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1は、ホール係員などが釘確認シートSを用いて遊技釘29の位置や姿勢を目視で確認することができるものである。このパチンコ遊技機1は、複層構造の保護ガラス23を利用して釘確認シートSを支持する形態に特徴を有する。ガラスドア13は、複層構造の保護ガラス23として設けられる第1ガラス23A及び第2ガラス23B、ドア本体の右側面に設けられた開口部130、開口部130に着脱可能な側面部材131、第1ガラス23A及び第2ガラス23Bを保持する枠部材132、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの間に形成される隙間23Cにおいて保護ガラス23の下端部に設けられるスペーサ133、並びに釘確認シートSを支持するためのシート治具134を有する。
釘確認シートSは、透明なシート本体における適宜の位置に釘確認用のマークmが形成されたものである。釘確認シートSの下端部は、シート治具134により保持される。このような釘確認シートSによれば、保護ガラス23に対して釘確認シートSを適正に配置し、この釘確認シートSを通して遊技釘29を目視した際、遊技釘29の頭部がマークmに重なって見えると、遊技釘29の位置及び姿勢が適正である一方、遊技釘29の頭部がマークmからずれて見えると、遊技釘29の位置あるいは姿勢が適正でないと確認することができる。
第1ガラス23A及び第2ガラス23Bは、互いに隙間23Cをあけて重なり合った状態で枠部材132に固定される。第1ガラス23A及び第2ガラス23Bは、各々の下端部が枠部材132に固定されて保持され、各々の上端部及び左側の端部も図示しない他の枠部材に固定されて保持されるが、右側の端部は、枠部材によって固定・保持されておらず、側面部材131を開口部130から取り外すと開放端として開口部130の奥方に露出する。隙間23Cは、前後方向の間隔が少なくともシート治具134を挿入可能な程度に形成される。
開口部130は、第1ガラス23A及び第2ガラス23Bの右側の端部に対応するドア本体の右側面に形成されている。開口部130は、通常、側面部材131によって閉鎖されており、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの隙間23Cに釘確認シートSを挿入すべく側面部材131が取り外されると開放される。
側面部材131は、例えば図示しないネジを介して開口部130を閉鎖するようにドア本体の右側面に取り付けられる。ネジを緩めて開口部130から側面部材131を取り外すと、第1ガラス23A及び第2ガラス23Bの右側の端部が開口部130の奥方に開放端として位置する。これにより、ドア本体の右側面から側面部材131を取り外して開口部130を開放状態とすると、この開口部130から第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの隙間23Cに釘確認シートSを挿入することができる。
枠部材132は、ガラスドア13の背面に固定されており、第1ガラス23Aの下端部が固定・保持される溝状の凹部132Aと、第2ガラス23Bの下端部が固定・保持される溝状の凹部132Bとを有する。第1ガラス23A及び第2ガラス23Bの上端部及び左側の端部に対応する他の枠部材も同様に固定・保持するための凹部を有する。枠部材132の凹部132A,132Bに第1ガラス23A及び第2ガラス23Bが固定・保持されると、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの間に所定の間隔を保って隙間23Cが形成され、第1ガラス23A及び第2ガラス23Bが枠部材132に保持される。
図99に示すように、スペーサ133は、枠部材132の凹部132Aと凹部132Bとの間にはめ込んで固定される。スペーサ133の上部の右側端部には、シート治具134を位置決めするための一対の係合凸部132Cが形成されている。
図99に示すように、シート治具134は、釘確認シートSの下端部を支持するものであり、釘確認シートSの下端部を差し込んで固定するための溝134Aと、スペーサ133の係合凸部132Cに対応する一対の係合孔部134Bとを有する。溝134Aは、平面視直線状に形成されている。これにより、溝134Aに固定された釘確認シートSは、たわむことなく平面的形状を保つように支持される。一対の係合孔部134Bは、シート治具134の右側端部において上下方向に貫通するように形成されている。このようなシート治具134は、釘確認シートSを支持した状態で開口部130の近傍に位置する第1ガラス23A及び第2ガラス23Bの右側の端部から左側の端部の方へと差し込まれ、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの隙間23Cに挿入される。そして、隙間23Cにおける適正な位置までシート治具134が挿入されると、シート治具134の係合孔部134Bがスペーサ133の係合凸部132Cに係合する。これにより、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの隙間23Cにおいてシート治具134が適正に位置決めされ、シート治具134に支持された釘確認シートSも適正に位置決めされる。
このような第1実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの隙間23Cにシート治具134を介して釘確認シートSを挿入した上で適正な位置及び姿勢に保持することができるので、釘確認シートSを透して遊技釘29の位置及び姿勢を正確にチェックすることができる。
また、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの隙間23Cにおいて、スペーサ133の係合突起133Cに対してシート治具134の係合孔部134Bが係合するようにシート治具134を隙間23Cに挿入することにより、シート治具134を隙間23Cにおける適正な位置に正確に位置決めすることができるので、シート治具134とともに釘確認シートSを正確に位置決めすることで遊技釘29の位置及び姿勢を正確にチェックすることができる。
[第2実施形態に係るパチンコ遊技機]
図100は、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の左側面を示す側面図である。図100に仮想線で示すように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機1は、上下方向に沿ってまっすぐ起立した姿勢から前後方向に若干傾斜した姿勢で島設備に設置可能なものであり、その設置時にパチンコ遊技機1の傾斜姿勢によって遊技盤ユニット(図示略)の傾斜具合を適宜調節することで遊技球の流れる方向を調整することができるものである。なお、第2実施形態に係るパチンコ遊技機1は、先述した第1実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用される。
図100に示すように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機1は、上下のブラケット10A,10Bを介して島設備に設置され、ベースドア12の下端部を覆う遮蔽部材135を有する。木枠11の下端部110及び上端部は、ブラケット10A,10Bに固定されており、木枠11の下端部110は、ベースドア12の下端部とわずかな隙間をあけてベースドア12の下方に位置する。遮蔽部材135は、木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間全体を覆うように皿ユニット14の下端部に設けられる。
このような第2実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、仮に、木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間に硬貨などの異物が挟み込まれると、ベースドア12に支持された遊技盤ユニット(図示略)が前後方向に傾斜させられ、遊技球の流れる方向が不正に変更されることとなるが、木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間全体が遮蔽部材135によって覆われており、この隙間に正面から異物を挟み込むことができないので、遊技盤ユニットの傾け具合を遊技者自身が調節することを防止することができ、ひいては遊技球の流れる方向について不正に変更されることがないようにすることができる。
なお、ガラスドア13と皿ユニット14とは、互いに一体となってベースドア12に対して開閉自在であり、ガラスドア13及び皿ユニット14が閉じた状態では、ベースドア12と一体になる。そのため、ガラスドア13や皿ユニット14を外部から無理に傾斜させようとすると、ガラスドア13や皿ユニット14と一体になったベースドア12も傾斜してしまい、その結果、ベースドア12に支持された遊技盤ユニットも傾斜してしまう。したがって、例えば木枠11の下端部110が皿ユニット14の下端部の直下まで設けられている場合、木枠11の下端部110と皿ユニット14の下端部との隙間全体を覆うように遮蔽部材135を設けるようにしてもよい。
[第3実施形態に係るパチンコ遊技機]
図101は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤ユニットを示す正面図である。図102の(a)は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤ユニットにおける振分装置の状態を説明するための上面図、図102の(b)は、A−A線に沿う断面図である。図103の(a)は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤ユニットにおける振分装置の状態を説明するための上面図、図103の(b)は、B−B線に沿う断面図である。図104の(a)は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤ユニットにおける振分装置の状態を説明するための上面図、図104の(b)は、C−C線に沿う断面図である。なお、第3実施形態に係るパチンコ遊技機は、先述した第1実施形態あるいは第2実施形態に係るパチンコ遊技機にも適用される。
図101〜104に示すように、第3実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17の前後方向の傾斜具合によって振分装置2000による遊技球の振り分け方向を調整することができるものである。このパチンコ遊技機は、振分装置2000に特徴を有する。振分装置2000は、遊技球を左方向に誘導可能な左誘導部材2100、遊技球を右方向に誘導可能な右誘導部材2200、左誘導部材2100と右誘導部材2200との間において前後方向に遊技球を振り分け可能な振分部2300を有する。
図102の(a)に示すように、左誘導部材2100は、遊技球を左方向へと誘導するものであり、外周壁2110、後端部2120、及び誘導路2130を有する。外周壁2110は、左誘導部材2100の前端部及び左右両端部に形成されており、遊技球の流れを規制するように設けられている。後端部2120の左側部分は、外周壁が形成されておらず、この部分から遊技球が落下可能である。後端部2120の左側部分から落下した遊技球は、概ね役物連続作動左ゲート1100の方へと導かれる。後端部2120の右側部分は、振分部2300に位置し、この部分に凸片2310が設けられる。誘導路2130は、凸片2310によって振り分けられた遊技球を後端部2120の左側部分へと導くように平坦面として形成されている。
図102の(a)に示すように、右誘導部材2200は、遊技球を右方向へと誘導するものであり、外周壁2210、前端部2220、及び誘導路2230を有する。外周壁2210は、右誘導部材2200の後端部及び左右両端部に形成されており、遊技球の流れを規制するように設けられている。前端部2220の右側部分は、外周壁が形成されておらず、この部分から遊技球が落下可能である。前端部2220の右側部分から落下した遊技球は、概ね役物連続作動右ゲート1110の方へと導かれる。前端部2220の左側部分は、振分部2300に位置するように左誘導部材2100の後端部2120の右側部分と接合され、この部分に凸片2310が設けられる。誘導路2230は、凸片2310によって振り分けられた遊技球を前端部2220の右側部分へと導くように平坦面として形成されている。
図102の(a)及び(b)に示すように、振分部2300は、左誘導部材2100の後端部2120の右側部分と右誘導部材2200の前端部2220の左側部分とを前後方向に仕切るように凸片2310が設けられる。凸片2310は、左右方向に延びているとともに、上方に突出した形状である。このような凸片2310によれば、上方から落下してきた遊技球が突き当たると、左誘導部材2100の誘導路2130へと当該遊技球が振り分けられて左方向へと導かれることもあれば、右誘導部材2200の誘導路2230へと当該遊技球が振り分けられて右方向へと導かれることもある。
このような振分装置2000は、遊技盤ユニット17の前後方向の傾斜具合に応じて、当該振分装置2000の上方に到達した遊技球を、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とのうちいずれかに偏って振り分けやすくなる。
例えば、図102の(b)に示すように、振分装置2000が前後方向に傾斜せずに水平姿勢に保たれた状態であれば、図外の遊技釘29に案内されて振分部2300の上方へと導かれてきた遊技球は、概ね重心の直下部位に凸片2310が突き当たりやすい。その結果、水平姿勢の振分装置2000では、遊技球が前後方向に偏りなく平均的に振り分けられ、左誘導部材2100と右誘導部材2200とのいずれか一方にバランスよく導かれる。これにより、遊技盤ユニット17を前後方向に傾斜させないようにパチンコ遊技機を設置した場合は、振分装置2000によって役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とのいずれにもバランスよく遊技球が導かれる。
一方、図103の(b)に示すように、振分装置2000が前後方向において前下がりの姿勢に傾斜した状態であれば、図外の遊技釘29に案内されて振分部2300の上方へと導かれてきた遊技球は、重心より後寄り部位に凸片2310が突き当たりやすい。その結果、前下がり姿勢の振分装置2000では、遊技球が前方向に偏って振り分けられがちとなり、左誘導部材2100の方へと流れやすくなる。これにより、遊技盤ユニット17を前下がりぎみの傾斜姿勢となるようにパチンコ遊技機を設置した場合は、振分装置2000によって役物連続作動右ゲート1110よりも役物連続作動左ゲート1100の方へと遊技球が流れやすくなるように調整することができる。
また、図104の(b)に示すように、振分装置2000が前後方向において後下がりの姿勢に傾斜した状態であれば、図外の遊技釘29に案内されて振分部2300の上方へと導かれてきた遊技球は、重心より前寄り部位に凸片2310が突き当たりやすい。その結果、後下がり姿勢の振分装置2000では、遊技球が後方向に偏って振り分けられがちとなり、右誘導部材2200の方へと流れやすくなる。これにより、遊技盤ユニット17を後下がりぎみの傾斜姿勢となるようにパチンコ遊技機を設置した場合は、振分装置2000によって役物連続作動左ゲート1100よりも役物連続作動右ゲート1110の方へと遊技球が流れやすくなるように調整することができる。
[第4実施形態に係るパチンコ遊技機]
図105は、第4実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤ユニットを示す正面図である。図106は、第4実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤ユニットにおける振分装置を示す斜視図である。図107の(a)は、第4実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤ユニットにおける振分装置の左側面図、図107の(b)は、振分装置の右側面図である。図108の(a)〜(c)は、第4実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤ユニットにおける振分装置の状態を説明するための正面図である。なお、第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、先述した第1〜第3実施形態に係るパチンコ遊技機のいずれかにも組み合わせて適用することができる。
図105に示すように、第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17や振分装置3000、並びに遊技状態などが先述した第1〜第3実施形態によるものとは異なり、振分装置3000に主たる特徴を有し、振分装置3000が後述するアタッカ531に連動して振り分ける方向が変化させられるように構成されたものである。
遊技盤ユニット17には、先述した実施形態によるものとは異なるものとして、遊技領域20において、中央始動口414a、第1始動口414b、第2始動口414c、入賞ユニット415、球通過検出器(通過ゲート)416、シャッタ417、大入賞口418、V入賞装置422、タッチセンサ550等の遊技部材が配設されている。
中央始動口414aは、ステージ413d中央に形成された凹部の直下に配置されている。すなわち、ステージ413d中央の凹部に乗った遊技球は、中央始動口414aに入球し易くなる。中央始動口414a内には、入賞領域が設けられている。この入賞領域には、中央始動口入賞球センサ(図示略)が備えられている。
第1始動口414b及び第2始動口414cは、遊技領域20における右側下部の領域に配設されている。第1始動口414b及び第2始動口414c内には、それぞれ入賞領域が設けられている。この入賞領域には、第1始動口入賞球センサ及び第2始動口入賞球センサ(図示略)が備えられている。本実施形態においては、中央始動口414aへの入賞は左打ちによってのみ、第1始動口414b及び第2始動口414cへの入賞は右打ちによってのみ可能になるように、遊技領域20に各種の遊技部材が配置されている。
入賞ユニット415は、遊技領域20における右側下部の領域に配設されている。入賞ユニット415は、普通電動役物415a、第1非電動役物415b、第2非電動役物415c、カバー板415d等を備えており、これらの部材を一体化したユニット体である。入賞ユニット415が遊技領域20に配設された場合に、普通電動役物415aが右ガイド部413eの下流側端部の直下に配置され、更に第2非電動役物415c、第1非電動役物415bが遊技領域20における右側下部に順に配置される。
普通電動役物415aは、遊技盤ユニット17の板面に対して突出、引き込み可能な平板部材(図示略)と、電気的に駆動されて本体から突出、引き込み可能なソレノイド鉄心を有する普通電動役物ソレノイド(図示略)とを備えている。平板部材は、ソレノイド鉄心に間接的に連結されており、ソレノイド鉄心に連動してスライド移動する。
第1非電動役物415bは、入賞ユニット415の本体に回動可能に取り付けられる羽根部材510と、遊技球の移動に連動して羽根部材510を回動させる第1作動機構(図示略)と、を備えている。羽根部材510は、回動軸方向視した場合に弧状に形成されており、その中央部が回動自在に支持され、遊技盤ユニット17の盤面に沿って回動する。第1作動機構は、羽根部材510の内側の面に遊技球が乗りやすい開状態及び羽根部材510の内側の面に乗り難い閉状態に切り替えられる。
第2非電動役物415cは、入賞ユニット415の本体に回動可能に取り付けられる羽根部材512と、遊技球の移動に連動して羽根部材512を回動させる第2作動機構(図示略)と、を備えている。羽根部材512は、回動軸方向視した場合に弧状に形成されており、その中央部が回動自在に支持され、遊技盤ユニット17の盤面に沿って回動する。第2作動機構は、羽根部材512の内側の面に遊技球が乗りやすい開状態及び羽根部材512の内側面に乗り難い閉状態に切り替えられる。
第1非電動役物415b及び第2非電動役物415cは、一般に、メカチューと称される役物である。
普通電動役物415aの平板部材が突出して、上方から流下した遊技球が平板部材に乗ることによって捕捉された場合、この遊技球は、遊技盤ユニット17に形成された通過口(図示略)を通って盤面の奥側に移動する。この通過口の近傍には、普通電動役物入球センサ(図示略)が配置されている。入賞ユニット415は、平板部材が捕捉した遊技球を第1作動機構及び第2作動機構のいずれかに振り分ける構成を有している。このため、平板部材が遊技球を拾うことによって羽根部材510及び羽根部材512のいずれかが開くようになる。
カバー板415dは、遊技領域20における右側下部の領域をカバーする装飾部材である。普通電動役物415a、第1非電動役物415b及び第2非電動役物415c等の前方は、カバー板415dによって覆われる。このカバー板415dの裏面には、突条に延びる案内路520が形成されており、カバー板415dが遊技盤ユニット17に装着された場合に、案内路520が普通電動役物415aの下方に配置される。
案内路520は、普通電動役物415a側から落下した遊技球を受けて、入賞ユニット415の左側外方に導くように斜め方向に延びる斜面部分521と、この斜面部分521の下端から大入賞口418に向かって案内部分522とを有する。案内部分522は、二段に形成されており、この段差の付根部分にそれぞれ孔部が形成されている。これら2つの孔部において、下流側の孔部が第1始動口414bとして機能し、上流側の孔部が第1始動口414bとして機能する。
第1非電動役物415bの羽根部材510の回動軸は、第1始動口414bに対して下流側に配置され、閉状態においては、先端部が案内路500における第1始動口414bの上流側に当接又は近接することにより、羽根部材510の第1始動口414bが羽根部材510によって閉鎖される。開状態においては、羽根部材510の先端部が案内路520から離間することによって第1始動口414bが開放されるとともに、第1始動口414bに向かう弧状の斜面が羽根部材510に形成される。このように羽根部材510は、開くことによって遊技球が乗り易い状態となり、羽根部材510に乗った遊技球は、第1始動口414b側に移動する。すなわち、羽根部材510が開くことによって、遊技球が第1始動口414bに入球し易くなる。
第2非電動役物415cの羽根部材512の回動軸も同様に、第2始動口414cに対して下流側に配置され、閉状態においては、羽根部材512の先端部が案内路520における第2始動口414cの上流側に当接又は近接することにより、第2始動口414cが羽根部材512によって閉鎖される。開状態においては、羽根部材512の先端部が案内路500から離間することによって第2始動口414cが開放されるとともに、第2始動口414cに向かう弧状の斜面が羽根部材512に形成される。このように羽根部材512は、開くことによって遊技球が乗り易い状態となり、羽根部材512に乗った遊技球は、第2始動口414c側に移動する。すなわち、羽根部材512が開くことによって、遊技球が第2始動口414cに入球し易くなる。
球通過検出器416は、遊技球が一球ずつ通過可能な通過ゲートを形成し、この通過ゲート内に配設された球通過検出センサ(図示略)を備えている。球通過検出器416は、普通電動役物415aの直上に配置され、球通過検出器416の通過ゲートは、右ガイド部413eの下流側端部に対向配置される。すなわち、遊技領域20の右側領域に発射された遊技球は、右ガイド部413eと通過して、通過ゲートに向かって流下するため、球通過検出器416を通過し易くなる。
シャッタ417は、中央始動口414aの下方に配設されている。シャッタ417は、開放状態又は閉鎖状態に切替可能に構成されている。大入賞口418は、シャッタ417の背面側(後方)に配設されている。大入賞口418は、シャッタ417が開放状態の時に入賞可能であり、シャッタ417が閉鎖状態の時には入賞が不可能となる。大入賞口418内には、入賞領域が設けられており、この入賞領域には、大入賞口カウントセンサ(図示略)が備えられている。なお、図105において、シャッタ417は、中央始動口414aの下方に配設されているが、右打ちした遊技球を捕捉することが可能な位置であれば、中央始動口414aの位置については適宜設定可能である。例えば、非電動役物415bと非電動役物415cとの間の領域や、案内路520の斜面部分521に配設してもよい。
V入賞装置422は、中央台板413の内部における右側下部に配設されており、開閉入賞口530と、アタッカ531と、V入賞口424と、ハズレ口425と、振分装置3000と、を備えている。
開閉入賞口530は、中央台板413の右側に形成された遊技球が通過可能な通過口と、この通過口付近に設置され、通過口を通過した遊技球を検知する開閉入賞口カウントセンサ(図示略)と、からなる。開閉入賞口530を遊技球が通過した場合に、所定数(本実施形態においては、3個)の遊技球が払出装置から払い出される。
アタッカ531は、弧状に沿った部材からなり、中央台板413の右側に配置された開閉入賞口530を開閉する部材である。アタッカ531の基端部は、中央台板413における開閉入賞口530の下方の近傍に回動自在に取り付けられている。アタッカ531は、開閉入賞口ソレノイド(図示略)によって駆動され、アタッカ531の先端部が中央台板413における開閉入賞口530の上方に当接又は近接している場合には、開閉入賞口530を閉鎖状態とする。アタッカ531の先端部が入賞ユニット415側に傾いた場合には、開閉入賞口530を開放状態とする。このような開閉入賞口530及びアタッカ531は、遊技媒体が通過し易い通過容易態様と通過し難い通過困難態様とに変動可能な可変装置の一例である。
V入賞口424は、中央台板413内部において開閉入賞口530より下方で左寄りに配置されている。V入賞口424には、振分装置3000によって左側に振り分けられて落下した遊技球が入球する。V入賞口424には、V入賞口424に入賞した遊技球を検出するためのV入賞球センサ(図示略)が設けられている。
ハズレ口425は、中央台板413内部において開閉入賞口530より下方で右寄りに配置されている。ハズレ口425には、振分装置3000によって右側に振り分けられて落下した遊技球が入球する。
振分装置3000は、中央台板413内部においてV入賞口424及びハズレ口425の上方に配置されており、開閉入賞口530を通過した遊技球をそれぞれ左方向(V入賞口424側)又は右方向(ハズレ口425側)に案内して、遊技球を振り分ける装置である。振分装置3000の詳細については後述するが、アタッカ531が16回にわたり開放するごとに、その16回のうちの15回は振分装置3000が遊技球を右側に振り分ける一方、1回は左側に振り分ける機能を備えている。
図106に示すように、振分装置3000は、振分ドラム3100と、振分軸3200と、複数の仕切り壁3300と、左側壁カバー3400と、右側壁カバー3500と、図示しない駆動機構とを備えている。振分装置3000は、図示しない半円筒状のケースを介して概ね前側半分が遊技領域20の前方に露出するように設けられる。
振分ドラム3100は、左右方向に沿う振分軸3200を軸として回動可能に支持されている。振分ドラム3100の外周面には、振分軸3200を中心として16等分の等間隔で放射状に複数の仕切り壁3300が設けられている。仕切り壁3300の左側端部には、左側壁カバー3400が設けられており、特定の仕切り壁3300の右側端部には、右側壁カバー3500が設けられている。
振分軸3200は、図示しない駆動機構とギアなどを介して連結されており、この駆動機構によりアタッカ531の開放動作に連動して360/16度ずつ所定方向に回転する。駆動機構は、ステッピングモータなどを有し、アタッカ531の開閉動作に連動して作動するようになっている。駆動機構は、アタッカ531が開放するごとに360/16度ずつ振分軸3200を所定方向に回転させるように作動する。
複数の仕切り壁3300は、左側壁カバー3400と一体となって囲うことで15の右振分案内部3310を形成するとともに、右側壁カバー3500と一体となって囲うことで1の左振分案内部3320を形成する。右振分案内部3310は、それぞれ最上部に位置する際に上方から落下してきた遊技球を受け入れ可能であり、受け入れた遊技球を右側へと振り分けて落下させるように右側面部分が開口状の右振分口3310aとして形成される。左振分案内部3320は、最上部に位置する際に上方から落下してきた遊技球を受け入れ可能であり、受け入れた遊技球を左側へと振り分けて落下させるように左側面部分が開口状の左振分口3320aとして形成される。すなわち、振分ドラム3100が回動して左振分案内部3320が最上部に位置する場合、開閉入賞口530を通過して左振分案内部3320に達した遊技球は、左振分案内部3320の左振分口3320aを通って左側下方へと案内される。その後、振分ドラム3100が回動して右振分案内部3310が最上部に位置する場合、開閉入賞口530を通過して右振分案内部3310に達した遊技球は、右振分案内部3310の右振分口3310aを通って右側下方へと案内される。
左側壁カバー3400は、右振分案内部3310に入った遊技球が左側に振り分けられることを規制するために全ての右振分案内部3310の左側面部分に形成される。右側壁カバー3500は、左振分案内部3320に入った遊技球が右側に振り分けられることを規制するために1つの左振分案内部3320の右側面部分に形成される。これにより、右振分案内部3310に受け入れられた遊技球は、右振分口3310aを通じて必ず右側下方に落下し、左振分案内部3320に受け入れられた遊技球は、左振分口3320aを通じて必ず左側下方に落下する。
次に、振分装置3000の動作について説明する。
図108(a)に示すように、振分装置3000は、振分ドラム3100が回動すると、その最上部に位置する案内部(右振分案内部3310又は左振分案内部3320)に対して遊技球を受入可能な態様となる。例えば、左振分案内部3320が最上部に位置して遊技球を受入可能となる態様が、第1案内部(左振分案内部3320)に遊技媒体を受け入れ可能な第1態様となる。また、右振分案内部3310が最上部に位置して遊技球を受入可能となる態様が、第2案内部(右振分案内部3310)へと遊技媒体を受け入れ可能な第2態様となる。
例えば、図108(b)に示すように、アタッカ531(図105参照)が1回開放すると、それに応じて360/16度だけ振分ドラム3100が回動する。これにより、左振分案内部3320が最上部に位置して遊技球の受入可能な状態となる。そして、振分装置3000の上方から遊技球から流下すると、左振分案内部3320に遊技球が受入れられる。その際、遊技球は、右側壁カバー3500によって右側からの落下が妨げられ、左側に移動する。そして、左振分案内部3320に受入れられた遊技球は、左振分口3320aを通って左側下方へと流下し、V入賞口424(図105参照)へと導かれる。
次に、図108(c)に示すように、左振分案内部3320が最上部に位置してから振分ドラム3100が360度一回転するまでの間、アタッカ531(図105参照)が1回開放するごとに360/16度ずつ振分ドラム3100が回動する。これにより、右振分案内部3310が最上部に位置して遊技球の受入可能な状態となる。そして、振分装置3000の上方から遊技球から流下すると、右振分案内部3310に遊技球が受入れられる。その際、遊技球は、左側壁カバー3400によって左側からの落下が妨げられ、右側に移動する。そして、右振分案内部3310に受入れられた遊技球は、右振分口3310aを通って右側下方へと流下し、ハズレ口425(図105参照)へと導かれる。さらに、360/16度ずつ振分ドラム3100が回動するごとに図108(c)に示すような状態が繰り返され、次に振分ドラム3100が360/16度回動して再び左振分案内部3320が最上部に位置すると、図108(b)に示すような状態となる。このような振分装置3000の振り分け状態は、アタッカ531が開放するごとに繰り返し実行される。
このような振分装置3000によれば、アタッカ531の開放動作に連動して360/16度ずつ回動することにより、開閉入賞口530が開放状態となる16回のうちの少なくとも1回は、遊技球がV入賞口424へと振り分けられる一方、その余の15回は、遊技球がハズレ口425へと振り分けられる。要するに、開閉入賞口530が開放した状態で左振分案内部3320が最上部に位置する場合には、V入賞する可能性がある。また、右振分案内部3310が最上部に位置することでV入賞の可能性がなくても、次にアタッカ531が開放するごとに左振分案内部3320が最上部へと近づくため、アタッカ531の開放動作に応じて徐々にV入賞の期待感が高められる。
なお、本実施形態では、左側に振り分けられた遊技球が必ずV入賞424へと案内されるようになっているが、左側に振り分けられた遊技球であっても例えばハズレ口425へと向かうことがあるようにしてもよい。遊技者にとって有利な左振分案内部3320の数に対して右振分案内部3310の数が相対的に多いほどV入賞の期待感が徐々に高められるため、本実施形態のように左振分案内部3320の数が1に対して右振分案内部3310の数が15でもよいが、左振分案内部3320の数に対して右振分案内部3310の数が多ければ、左振分案内部3320の数を例えば所定数おきに2以上設けるようにしてもよい。振り分ける方向については、右側を遊技者にとって有利な方向としてもよく、あるいは前後方向に振り分けるように振分装置3000を配置し、前後方向のいずれか一方側を遊技者にとって有利な方向としてもよい。
このようなV入賞装置422においては、遊技球が開閉入賞口530を通過した時に、振分装置3000が遊技球を左側に振り分け可能な姿勢に回動してV入賞可能状態にある場合には、振分装置3000に受け入れられた遊技球が左側に落下してV入賞口424に入球する。振分装置3000が遊技球を右側に振り分け可能な姿勢に回動した場合には、振分装置3000に受け入れられた遊技球が右側に落下してハズレ口425に入球することで遊技盤ユニット17の裏側で回収される。
遊技球がV入賞口424に入ることを「V入賞」という。また、遊技球がV入賞口424に入賞したことによる大当りを「V大当り」という。遊技球が開閉入賞口530を通過することは、アタッカ531が開放状態のときに限定され、アタッカ531が閉鎖状態のときに、遊技球が開閉入賞口530を通過することは不可能である。つまり、アタッカ531が開放状態のときにV入賞の可能性があり、アタッカ531が閉鎖状態のときにV入賞することはない。このようなV入賞口424は、可変装置を通過した遊技媒体が入賞可能な入賞領域の一例である。
また、アタッカ531は、開放状態のときに斜め上方を向いており、アタッカ531の先端部は、案内路520の斜面部分521の下端部に近接する。このため、アタッカ531が開放状態の間に、遊技球は第2非電動役物415c側に流下しづらくなっている。また、アタッカ531が閉鎖状態においては、中央台板413と案内路520における案内部分522との間を遊技球が通過する。ここで、第2非電動役物415cは、アタッカ531に対して遊技球の流下方向下流側の近傍に配置されており、第2非電動役物415cが開放した場合に、羽根部材512の先端部が中央台板413に近接する。言い替えれば、アタッカ531が閉鎖状態で第2非電動役物415cが開放状態の場合には、アタッカ531の側方を通過した遊技球が第2非電動役物415cに入球する。これにより、第2非電動役物415cが特別遊技状態(大当り遊技状態、V大当り遊技状態、小当り遊技状態)の直前に開放状態となったとしても、アタッカ531が閉じた直後にアタッカ531の側方を通過する遊技球が第2非電動役物415cに入球する。したがって、特別遊技状態の直前に開放した第2非電動役物415cが、特別遊技状態終了後の遊技まで開放状態を維持することが困難になる。
なお、上述した実施形態によれば、アタッカ531は、第2非電動役物415cの上流側に配置されているが、それに限らず、アタッカ531は、第2非電動役物415cの下流側に配置されてもよい。これにより、遊技球は、第2非電動役物415cの開放中は優先的に第2非電動役物415cに向かい、第2非電動役物415cの閉鎖後にアタッカ531に向かうようになる。これにより、特別遊技状態の直前に開放した第2非電動役物415cが、特別遊技状態終了後の遊技まで開放状態を維持することを確実に防止できる。
タッチセンサ550は、非接触式のタッチセンサからなり、遊技領域20の右側の領域における所定部位、例えば液晶表示装置16の表示領域の右側近傍に配置されている。タッチセンサ550は、遊技者がタッチセンサ550に向かって、保護ガラス23(図97参照)越しに手をかざすかあるいは保護ガラス23に触接した場合に検知信号を出力する。
[第4実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技状態]
次に、第4実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技状態について説明する。本実施形態における遊技状態には、通常遊技状態と、特別遊技状態と、時短遊技状態とがある。通常遊技状態は、シャッタ417及びアタッカ531が閉鎖状態であり、大入賞口418及び開閉入賞口530に遊技球が受け入れ不可能でかつ第1始動口414b又は第2始動口414cへの入賞機会が少ない遊技状態である。
特別遊技状態は、シャッタ417又はアタッカ531が開放して、大入賞口418又は開閉入賞口530に遊技球が受け入れ可能となり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技状態である。特別遊技状態としては、シャッタ417が開放して、遊技者に多くの遊技価値を付与可能な大当り遊技状態及びV大当り遊技状態と、アタッカ531が開放して、遊技者に遊技価値を付与可能な小当り遊技状態とが含まれる。
時短遊技状態は、第1非電動役物415b又は第2非電動役物415cが開き易くなり、第1始動口414b又は第2始動口414cへの入賞機会が多くなることによって、結果として特別図柄の変動表示の時間が短くなる遊技状態である。時短遊技状態としては、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つの遊技状態がある。時短遊技状態においては、普通電動役物415aの駆動パターンからなる開放パターンが設定される。特に、第1時短遊技状態においては、第1非電動役物415bの開く機会が多くなる開放パターンが設定され、第2時短遊技状態おいては第2非電動役物415cの開く機会が多くなる開放パターンが設定される。
第1時短遊技状態の開放パターンは、第1非電動役物415bの開く機会が多くなる複数種類の開放パターンを有する第1開放パターン群の中から設定され、第2時短遊技状態の開放パターンは、第2非電動役物415cの開く機会が多くなる複数種類の開放パターンを有する第1開放パターン群の中から設定される。
具体的に、第1開放パターン群は、第2非電動役物415cが開く可能性がほとんどないパターンと第2非電動役物415cが開く可能性が極めて小さいパターンとを有しており、第2パターン群は、第2非電動役物415cがほぼ確実に開くパターンと第2非電動役物415cが開かないこともあり得るパターンとを有している。第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態においてどの開放パターンを設定するかについては、主制御回路のメインCPUによる乱数抽選によって決定される。なお、本実施形態においては、普通電動役物415aの開放パターンは、第1時短遊技状態又は第2時短遊技状態においてそれぞれ2パターンであるが、1パターンでもよく、2パターンより多くてもよい。要するに、第1時短遊技状態においては、第2非電動役物415cが開放せず、第2時短遊技状態において第2非電動役物415cが開放するようなパターンであれば、パターン数は適宜設定可能である。
遊技者は、一般的に通常遊技状態から遊技を開始し、発射装置により遊技球を遊技盤ユニット17の遊技領域20に打ち込む。この打ち込まれた遊技球が中央始動口414aに入賞すると、特別図柄表示部の特別図柄及び液晶表示装置16に表示された演出用の識別図柄(導出図柄)が変動表示する。また、特別図柄の変動表示中に中央始動口414aへ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示するまで、中央始動口414aへの遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示した場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には、上限が設定されており、本実施形態においては、中央始動口414a及び第1始動口414bへの入球による特別図柄の変動表示の保留数は、中央始動口414aへ入球した場合と第1始動口414bへの入球した場合とを合わせて4回を上限としている。したがって、最大4回の保留が可能になる。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されているときに特別図柄の始動条件を満たすことである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。なお、本実施形態においては、第2始動口414cに入賞したことを契機とする特別図柄表示部における変動表示は保留されないため、第2始動口414cに入賞した場合は、特別図柄が停止表示されている状態においてのみ特別図柄表示部が変動表示する。
そして、特別図柄表示部において停止表示された特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から特別遊技状態に移行する。この特定の停止表示態様のうち、大当り遊技状態に移行する停止表示態様が大当りであり、小当り遊技状態に移行する停止表示態様が小当りである。また、大当り又は小当り以外の特別図柄の停止表示態様はハズレ図柄であり、ハズレ図柄が停止表示された場合は、特別遊技状態に移行せずに、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
ここで、特別図柄ゲームは、中央始動口414a及び第1始動口414bへの入賞を契機として実行され、小当りに移行する確率が低い(確率0を含む)第1特別図柄ゲームと、第2始動口414cへの入賞を契機として実行され、小当りに移行する確率が高い第2特別図柄ゲームとを備えている。通常遊技状態においては、第1特別図柄ゲームが実行され、時短遊技状態においては、第1特別図柄ゲーム又は第2特別図柄ゲームのいずれかのゲームが実行される。なお、以下の説明の便宜上、中央始動口414a及び第1始動口414bへの入賞を契機として変動、停止表示される特別図柄を第1特別図柄と称する。また、第2始動口414cへの入賞を契機として変動、停止表示される特別図柄を第2特別図柄と称する。
また、液晶表示装置16の表示領域には、特別図柄表示部において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、特別図柄表示部の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置16の表示領域において、識別図柄の一例である数字からなる導出図柄が変動表示される。また、特別図柄表示部が停止表示して特別図柄が表示されるとともに、液晶表示装置16の表示領域でも導出図柄が停止表示される。
また、特別図柄表示部において、停止表示された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置16の表示領域において表示される。具体的には、特別図柄表示部において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置16の表示領域において表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当りを示す演出画像が液晶表示装置16の表示領域において表示される。
そして、特別図柄表示部において特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が大当り遊技状態に移行した場合、シャッタ417は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口418は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
特別図柄表示部において特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が小当り遊技状態に移行された場合、アタッカ531が、短時間、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動され、開閉入賞口530が開放される。開閉入賞口530には、開閉入賞口カウントセンサ(図示略)を有する領域があり、その領域に遊技球が所定個数(例えば1個)入賞するか、又は、所定時間(例えば、約1.8秒)が経過するまでアタッカ531が開放状態に駆動される。そして、開閉入賞口530が開放する毎に振分装置3000が360/16度ずつ回動し、この振分装置3000によって開閉入賞口530を通過した遊技球が左側の方へと導かれ、V入賞口424にV入賞した場合にV大当りとなり、小当り遊技状態からV大当り遊技状態に移行する。遊技状態がV大当り遊技状態に移行した場合、シャッタ417は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口418は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
なお、本実施形態においては、小当りからV大当りになった場合に、大当り遊技中においてシャッタ417を開放しているが、本実施形態はそれに限るものではなく、2ラウンド目以降もアタッカ531を開放させるような大当り遊技としてもよい。その際、1ラウンドあたりの入賞個数は10個程度が望ましい。また、V大当り中における開閉入賞口530への入賞による賞球を3個から10個に切り替わるように構成することが望ましい。また、シャッタ417とアタッカ531とをラウンド毎に交互に開閉して、例えば、アタッカ531が閉鎖した時にアタッカ531付近を通過した遊技球がシャッタ417に捕捉されるようにして、大当り遊技中におけるアウト球をできるだけ少なくすることも可能である。
また、本実施形態においては、小当り遊技状態においてV入賞が可能であるが、大当り遊技状態においてV入賞が可能であってもよい。例えば、アタッカ531の開放時間が短い2ラウンド大当りを設け、2ラウンド大当りの遊技中に振分装置3000の回動姿勢によってV入賞が可能に構成し、このV入賞を契機にラウンドゲームの回数及び開放時間を増やしてもよい。
シャッタ417の背面側(後方)に設けられた大入賞口418には、大入賞口カウントセンサ(図示略)を有する領域があり、その領域に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞するか、又は、所定時間(例えば、約30秒)が経過するまでシャッタ417が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口418への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ417が駆動し、大入賞口418は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。なお、大当り遊技状態又はV大当り遊技状態において、大入賞口418は、シャッタ417の駆動により、閉鎖状態から開放状態への移行が15回繰り返されるが、これに限らず、遊技球を受け入れやすい開放状態を1回、2回等の任意の回数としてもよい。
また、特別図柄表示部における特定の停止表示態様が大当りであった場合、遊技状態は、特別遊技状態のうち大当り遊技状態に移行する。また、V入賞した場合、遊技状態は、V大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態では、大入賞口418が閉鎖状態から開放状態への移行が15回繰り返される遊技を1回のラウンドとし、このラウンドが繰り返されるラウンドゲームが行われる。このようなラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドともいう。なお、本実施形態において、大当り遊技状態におけるラウンド数は、15ラウンドであるが、これに限らず、ラウンド数は任意の回数とすることができる。V大当り遊技状態においては、最初のアタッカ531の開閉が1ラウンド目として扱われ、シャッタ417が開放されるのは2ラウンド目とする。そして、シャッタ417の開閉によるラウンドゲームが14回繰り返されることにより、計15ラウンドのラウンドゲームが行われる。
また、中央始動口414a、第1始動口414b、第2始動口414c、一般入賞口53〜55、大入賞口418、開閉入賞口530に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が、払出ユニットにより上皿又は下皿に払い出される。
また、遊技者により、遊技領域20に打ち込まれた遊技球が球通過検出器416を通過すると、普通図柄表示部の表示用ランプが変動表示する。また、普通図柄の変動表示中において球通過検出器416を遊技球が通過した場合には、普通図柄保留表示部による表示態様を切り換えて、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該球通過検出器416への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示部において停止表示された普通図柄が、当りを示す態様の場合には、普通電動役物415aの平板部材(図示略)が、所定時間だけ突出した状態となる。なお、以下の説明の便宜上、普通電動役物415aの平板部材が突出していることを普通電動役物415aが開放している、あるいは開放状態にあると称する。同様に、普通電動役物415aの平板部材が引き込んでいることを普通電動役物415aが閉鎖している、あるいは閉鎖状態にあると称する。
以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって普通電動役物415a(図4参照)の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
大当り遊技状態又はV大当り遊技状態が終了した場合には、特別図柄の変動表示の時間が短くなる時短遊技状態に移行する場合がある。時短遊技状態においては、普通図柄ゲームにおいて当りとなる確率が通常遊技状態の当り確率よりも高く設定されており、普通電動役物415aの平板部材が突出する機会が増える。その結果、遊技球が平板部材に乗る機会が多くなり、平板部材に乗った遊技球が転動することにより、第1非電動役物415bあるいは第2非電動役物415cが開く機会が増える。
第1特別図柄ゲームにおいては、大当り確率が1/300、小当り確率が0/300、保留個数が4個、中央始動口414a、第1始動口414b及び第2始動口414cの賞球が3個、一般入賞口53〜55の賞球が10個、大入賞口418の賞球が10個、開閉入賞口530の賞球が3個、開閉入賞口カウントセンサによるカウント数の上限が1個、大入賞口カウントセンサによるカウント数の上限が10個となるように設定されている。
第2特別図柄ゲームにおいては、大当り確率が1/300、小当り確率が299/300、保留個数が4個、中央始動口414a、第1始動口414b及び第2始動口414cの賞球が3個、一般入賞口53〜55の賞球が10個、開閉入賞口530の賞球が3個、開閉入賞口カウントセンサによるカウント数の上限が1個、大入賞口カウントセンサによるカウント数の上限が10個となるように設定されている。第1特別図柄と第2特別図柄で区分されるのは保留個数までである。それ以降は共通である。
第1特別図柄ゲームにおいては、小当り確率が0/300であって小当りにはならないためV入賞することはない。一方、第2特別図柄ゲームにおいては、小当りの確率が極めて高いため、V入賞からV大当り遊技状態に移行する可能性がある。このように、第1特別図柄ゲームにおいて小当り確率が0/300であり、第2特別図柄ゲームにおいて小当りの確率が299/300であることは、第2始動口414cへの遊技球通過を契機として小当りへ移行する確率が、第1始動口414bへの遊技球通過を契機として小当り)へ移行する確率より高いといえる。なお、第1特別図柄ゲームの小当り確率を0ではなく、例えば1/300等、第2特別図柄ゲームよりも低い確率とし、第1特別図柄ゲームから小当り、V入賞そしてV大当りを狙う遊技性を持たせてもよい。
普通図柄ゲームにおいては、通常遊技状態(非時短状態)、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態の場合がある。
通常遊技状態においては、当り確率が0、保留個数が4個に設定される。第1時短遊技おいては、当り確率が251/251、保留個数が4個、時短回数が100回に設定される。普通電動役物の開放パターンは、第1パターン群に設定される。第2時短遊技おいては、当り確率が251/251、保留個数が4個、時短回数が100回に設定される。普通電動役物415aの開放パターンは、第2パターン群に設定される。第1、第2パターン群は、普通電動役物415aの駆動パターンである。
本実施形態においては、特別図柄ゲームによる大当り及びV大当りの場合に、大当りが、15ラウンド通常大当り、15ラウンド時短1大当り、15ラウンド時短2大当りのいずれかに振り分けられる。ここで、15ラウンド通常大当りとは、ラウンドゲーム数が15回であり、大当り遊技状態の終了後に時短状態にならない大当りである。15ラウンド時短1大当りとは、ラウンドゲーム数が15回であり、大当り遊技状態の終了後に第1時短遊技状態に移行する大当りである。15ラウンド時短2大当りとは、ラウンドゲーム数が15回であり、大当り遊技状態の終了後に第2時短遊技状態に移行する大当りである。
第1特別図柄ゲームの大当りにおいては、15ラウンド通常大当りに振り分けられる確率が50/100であり、15ラウンド時短1大当りに振り分けられる確率が0であり、15ラウンド時短2大当りに振り分けられる確率が50/100である。
第2特別図柄ゲームの大当りにおいては、15ラウンド通常大当りに振り分けられる確率が20/100であり、15ラウンド時短1大当りに振り分けられる確率が15/100であり、15ラウンド時短2大当りに振り分けられる確率が65/100である。具体的に、第2特別図柄ゲームの大当りにおいては、大当りとなる特別図柄(大当り図柄)が100種類あり、これらの大当り図柄において、20種類の大当り図柄は、15ラウンド通常大当りに振り分けられ、15種類の大当り図柄は、15ラウンド時短1大当りに振り分けられ、65種類の大当り図柄は、15ラウンド時短2大当りに振り分けられる。
第2特別図柄ゲームの小当りを経由するV大当りにおいては、通常遊技状態に振り分けられる確率が20/100であり、第1時短遊技状態に振り分けられる確率が15/100であり、第2時短遊技状態に振り分けられる確率が65/100である。具体的に、第2特別図柄ゲームの小当りを経由とするV大当りにおいては、小当りとなる特別図柄(小当り図柄)によって決定される。小当り図柄は100種類あり、これらの小当り図柄において、20種類の小当り図柄は通常遊技状態に振り分けられ、15種類の小当り図柄は第1時短遊技状態に振り分けられ、65種類の小当り図柄は第2時短遊技状態に振り分けられる。
このように、第2特別図柄ゲームの大当りによる大当り遊技状態終了後の遊技状態の振り分けと、第2特別図柄ゲームの小当りを経由するV大当り遊技状態終了後の遊技状態の振り分けは同じであり、第2特別図柄ゲームを契機とする大当りとV大当りは、大当り遊技終了後、同じ確率で通常遊技状態、第1時短遊技状態あるいは第2時短遊技状態に移行する。
このような振分装置3000を設けたパチンコ遊技機によれば、遊技者にとって有利なV入賞となるには、アタッカ531が開放した際に左振分案内部3320が最上部に位置することで導かれる一方、V入賞以外のハズレとなる場合には、アタッカ531が開放した際に右振分案内部3310が最上部に位置することで導かれることとなる。そして、振分装置3000の振分ドラム3100が360/16度ずつ回動することで16回回動すると一回転することになるが、16回のうちの15回までは左振分案内部3320へと遊技球が導かれず、16回のうちの1回は遊技球が左振分案内部3320を介して左側に振り分けられる。これにより、遊技者にとって有利なV入賞となる左側の方向にどのタイミングで遊技球が案内されるかといったことに期待を持たせることができる。
[第1〜第4実施形態に係るパチンコ遊技機の変形例]
次に、第1〜第4実施形態に係るパチンコ遊技機の変形例について説明する。なお、先述した第1〜第4実施形態に係るパチンコ遊技機と同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してあるいは符号を割愛して説明を省略する。
[第1実施形態に係るパチンコ遊技機の変形例]
図109は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機の保護ガラスと釘確認シートとの変形例を示す斜視図である。図110の(a)は、図109に示す保護ガラスの保持構造を一部拡大して示す一部拡大斜視図、図110の(b)は、保護ガラスの保持構造を上面側から示す一部切り欠き上面図である。
図109及び図110に示すように、第1実施形態に係るパチンコ遊技機の変形例では、スペーサ133やシート治具134を用いることなく釘確認シートSを第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの間に直接挿入して支持することができるように構成されており、主として枠部材132に特徴を有する。
枠部材132は、凹部132Aと凹部132Bとの間に釘確認シートSの下端部を直接挿入して支持するための内溝132Dを有する。図110の(b)に示すように、内溝132Dの右側端部132D以外は、前後方向に沿う幅W1が釘確認シートSの厚みより若干大きい程度の寸法に形成されている。一方、内溝132Dの右側端部132dは、釘確認シートSの厚みより相当大きい幅W2から幅W1の部分へと漸次狭小となるようにテーパ状に形成されている。
このようなテーパ状の右側端部132dを有する内溝132Dによれば、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの間に釘確認シートSを直接挿入する際に、釘確認シートSの挿入方向先端部分を引っ掛かりなくスムーズに奥方へと挿入することができる。これにより、第1ガラス23Aと第2ガラス23Bとの隙間23Cに釘確認シートSを挿入した上で適正な位置及び姿勢にまっすぐ保持することができ、釘確認シートSを透して遊技釘29の位置及び姿勢を正確にチェックすることができる。
[第2実施形態に係るパチンコ遊技機の変形例]
図111は、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の第1変形例として左側面を示す側面図である。図112は、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の第2変形例として左側面を示す側面図である。図113は、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の第3変形例として左側面を示す側面図である。
図111に示すように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機1の第1変形例では、木枠11の下端部110の先端付近に、例えばゴムなどの弾性を有する遮蔽部材136が設けられている。遮蔽部材136は、ガラスドア13と一体になって皿ユニット14が開閉させられる際に、皿ユニット14の下端部に接することで撓んだ状態になる。そして、皿ユニット14が閉じた状態においては、遮蔽部材136が皿ユニット14の下端部に接しつつ木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間全体を覆うように配置される。
このような第2実施形態に係るパチンコ遊技機1の第1変形例によれば、ガラスドア13の開閉に支障なく弾性体としての遮蔽部材136を、木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間を覆うように設けることができ、第1変形例によっても遮蔽部材136によって遊技盤ユニットの傾け具合を遊技者自身が調節することを防止することができる。
図112に示すように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機1の第2変形例では、木枠11の下端部110の先端付近に凹部110Aが設けられ、この凹部110Aにおいて遮蔽部材137が上下動可能に設けられている。遮蔽部材137は、ベースドア12に対するガラスドア13の開閉用に設けられた鍵ユニット(図示略)の開錠・施錠に連動して上下動するように設けられている。鍵ユニットが開錠されると、遮蔽部材137が凹部110Aの下部へと引き込まれる一方、ガラスドア13を閉じた状態で鍵ユニットが施錠されると、遮蔽部材137が凹部110Aから一部突出するように動作する。その結果、ガラスドア13と一体になって皿ユニット14が閉じた状態においては、遮蔽部材137が皿ユニット14の下端部に接しつつ木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間全体を覆うように配置される。
このような第2実施形態に係るパチンコ遊技機1の第2変形例によっても、ガラスドア13の開閉に支障なく遮蔽部材137を、木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間を覆うように設けることができ、第2変形例によっても遮蔽部材137によって遊技盤ユニットの傾け具合を遊技者自身が調節することを防止することができる。
図113に示すように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機1の第3変形例では、木枠11の下端部110に凹部110Aが設けられ、この凹部110Aにおいて遮蔽部材137が上下動可能に設けられている。また、遮蔽部材137は、ベースドア12に対するガラスドア13の開閉用に設けられた鍵ユニット(図示略)の開錠・施錠に連動して上下動するように設けられている。そして、皿ユニット14の下端部において遮蔽部材137と対応する位置にも凹部14Aが設けられている。鍵ユニットが開錠されると、遮蔽部材137が凹部110Aの下部へと引き込まれる一方、ガラスドア13を閉じた状態で鍵ユニットが施錠されると、遮蔽部材137が凹部110Aから突出するとともに、遮蔽部材137の先端部分が凹部14Aまで入り込むように動作する。その結果、ガラスドア13と一体になって皿ユニット14が閉じた状態においては、遮蔽部材137が皿ユニット14の下端部に設けられた凹部14Aまで入り込みつつ木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間全体を覆うように配置される。
このような第2実施形態に係るパチンコ遊技機1の第3変形例によっても、ガラスドア13の開閉に支障なく遮蔽部材137を、木枠11の下端部110とベースドア12の下端部との隙間を覆うように設けることができるのに加えて、できる限りそのような隙間の近傍に遮蔽部材137を配置することができるので、遊技盤ユニットの傾け具合を遊技者自身が調節することをより確実に防止することができる。
[第3実施形態に係るパチンコ遊技機の変形例]
先述した第3実施形態では、振分装置2000における左誘導部材2100の後端部2120の下方に役物連続作動左ゲート1100が設けられ、右誘導部材2200の前端部2220の下方に役物連続作動右ゲート1110が設けられていたが、左誘導部材2100や右誘導部材2200の誘導路2130,2230上に対応するゲートや始動口、入賞口を設けるようにしてもよい。例えば、誘導路2130上の左端部や誘導路2230上の右端部に機能的には同一となる第1特別図柄の始動口を設け、誘導路2130上の始動口は、入賞に応じて10個の賞球が払い出される一方、誘導路2230上の始動口は、入賞に応じて4個の賞球が払い出されるように設定することで、振り分けられる方向によって有利差が生じるようにしてもよい。また、有利な振り分け方向の左誘導部材2100に対応するように始動口を設ける一方、有利な振り分け方向の右誘導部材2200に対応しては、アウト口を設けたり、あるいは遊技球を回収することなくそのまま遊技領域20に流下させるようにしてもよい。さらに、例えば、誘導路2130上の左端部や誘導路2230上の右端部のそれぞれに賞球数が同一となる第1特別図柄の始動口及び第2特別図柄の始動口を設け、第2特別図柄の始動口に対する入賞では、第1特別図柄の始動口に対する入賞の場合よりも大当り遊技状態のラウンド数やV入賞の可能性が高くなるように設定することで、振り分けられる方向によって有利差が生じるようにしてもよい。有利・不利の振り分け方向は、左右いずれの方向にも設定することができるのはいうまでもない。
[第4実施形態に係るパチンコ遊技機の変形例]
先述した第4実施形態では、振分装置3000の振り分けによってV入賞口424及びハズレ口425のいずれかに遊技球が入球するようになっているが、V入賞口424やハズレ口425に遊技球が入球せずに流下することもあるようにしてもよい。また、有利となる振り分け方向には、例えば始動口を設けるようにしてもよい。
[18.付記]
以上説明した実施形態のパチンコ遊技機によれば、以下のような遊技機を提供することができる。
[18−1.付記1に係る遊技機]
[背景技術]
従来、パチンコ遊技機は、発射された遊技球が転動可能な遊技盤の遊技領域に多数の遊技釘や通過領域(始動口など)が設けられており、通過領域を遊技球が通過した場合に、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄が変動表示するとともに、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せとなった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるようになっている。
この種の遊技機においては、遊技釘の調整によって通過領域などに対する遊技球の流れ易さを変化させるようになっている(特開2010−104661号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、近年の遊技機においては、遊技釘の調整が不可とされ、遊技球の流れを容易に変化させることができないという事情があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技媒体の流れを容易に変化させることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
遊技媒体が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域20)を有する遊技盤(例えば、遊技盤ユニット17)と、
前記遊技領域において遊技媒体を振り分け可能な振分装置(例えば、振分装置2000)と、
を備え、
前記振分装置は、
前記遊技領域内の第1方向(例えば、左方向)に遊技媒体を誘導可能な第1誘導部(例えば、左誘導部材2100)と、
前記遊技領域内の前記第1方向とは異なる第2方向(例えば、右方向)に遊技媒体を誘導可能な第2誘導部(例えば、右誘導部材2200)と、
前記遊技領域に対向する第3方向(例えば、前後方向)の一方端側(例えば、前端側)及び他方端側(例えば、後端側)に遊技媒体を振り分け可能であり、当該第3方向の一方端側に前記第1誘導部が連設される一方、当該第3方向の他方端側に前記第2誘導部が連設される振分部(例えば、振分部2300)と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、遊技領域に対向する第3方向に遊技盤の傾け具合を調節して設置することにより、振分装置の振分部における第3方向の一方端側あるいは他方端側への遊技媒体の振り分け易さを変化させることができるので、遊技領域内の第1方向となる第1誘導部や第2方向となる第2誘導部への遊技媒体の流れを容易に変化させることができる。
本発明の好ましい実施の形態は、
前記振分部は、前記第3方向の一方端側及び他方端側を互いに仕切り、遊技媒体に当接可能な凸片(例えば、凸片2310)を有することを特徴とする。
このような構成によれば、遊技領域に対向する第3方向に遊技盤の傾け具合を調節するだけで振分部の凸片に対する遊技媒体の当り具合を変化させることできるので、振分部における第3方向の一方端側に遊技媒体を振り分け易くしたり、あるいは振分部における第3方向の他方端側に遊技媒体を振り分け易くすることができ、第1誘導部や第2誘導部への遊技媒体の流れ易さを変化させるように遊技媒体の流れを簡単に調整することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技媒体の流れを容易に変化させることができる。
[18−2.付記2に係る遊技機]
[背景技術]
従来、パチンコ遊技機は、発射された遊技球が転動可能な遊技盤の遊技領域に多数の遊技釘や通過領域(始動口など)が設けられており、通過領域を遊技球が通過した場合に、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄が変動表示するとともに、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せとなった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるようになっている。
この種の遊技機においては、遊技釘の調整によって通過領域などに対する遊技球の流れ易さを変化させるようになっている(特開2010−104661号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、近年の遊技機においては、遊技釘の調整が不可とされ、遊技球の流れを容易に変化させることができないようになっている。そのため、遊技盤の傾け具合を調節して設置することにより、遊技釘を調整せずとも遊技球の流れを変化させる仕組みが提案されている。ところが、遊技盤を支持するベースドアやその前面に配設される部材の下端部に形成される隙間に硬貨などの異物を挟み込むと、遊技盤が傾いてしまうので、遊技者が遊技盤の傾け具合を調節して遊技球の流れを有利に変化させるおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技盤の傾け具合を遊技者自身が調節することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
遊技媒体が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域20)を有する遊技盤(例えば、遊技盤ユニット17)と、
前記遊技盤を支持する枠部材(例えば、ベースドア12)と、
を備え、
前記枠部材の下端部を覆う遮蔽部材(例えば、遮蔽部材135〜137)を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、枠部材の下端部に形成される隙間が遮蔽部材によって覆われ、この隙間に異物を挟み込むことができないので、遊技盤の傾け具合を遊技者自身が調節することを防止することができる。
本発明の好ましい実施の形態は、
前記遊技領域において遊技媒体を振り分け可能な振分装置(例えば、振分装置2000)を備え、
前記振分装置は、
前記遊技領域内の第1方向(例えば、左方向)に遊技媒体を誘導可能な第1誘導部(例えば、左誘導部材2100)と、
前記遊技領域内の前記第1方向とは異なる第2方向(例えば、右方向)に遊技媒体を誘導可能な第2誘導部(例えば、右誘導部材2200)と、
前記遊技領域に対向する第3方向(例えば、前後方向)の一方端側(例えば、前端側)及び他方端側(例えば、後端側)に遊技媒体を振り分け可能であり、当該第3方向の一方端側に前記第1誘導部が連設される一方、当該第3方向の他方端側に前記第2誘導部が連設される振分部(例えば、振分部2300)と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、遊技領域に対向する第3方向に遊技盤の傾け具合を調節して設置することにより、振分装置の振分部における第3方向の一方端側あるいは他方端側への遊技媒体の振り分け易さを変化させることができるので、遊技領域内の第1方向となる第1誘導部や第2方向となる第2誘導部への遊技媒体の流れを容易に変化させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技盤の傾け具合を遊技者自身が調節することを防止することができる。
[18−3.付記3に係る遊技機]
[背景技術]
従来、パチンコ遊技機は、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた通過領域(始動口など)を遊技球が通過した場合に、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄が変動表示するとともに、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せとなった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるようになっている。
この種の遊技機としては、遊技領域に設けられた一般入賞口と大入賞口とのいずれか一方に遊技球を振り分け可能な振分装置を設けたものが提案されている(特開2017−93546号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来の遊技機では、振分装置によって単純に一般入賞口の方向と大入賞口の方向とのいずれかに遊技球を振り分けるだけであり、遊技者にとって有利な入賞となる方向にどのタイミングで遊技球が流れるかといったことについて期待させるような遊技の興趣を高める工夫がなされていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な入賞となる方向にどのタイミングで遊技媒体が案内されるかといったことに期待を持たせることができ、ひいては遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
遊技媒体が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域20)を有する遊技盤(例えば、遊技盤ユニット17)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が通過し易い通過容易態様と通過し難い通過困難態様とに変動可能な可変装置(例えば、開閉入賞口530、アタッカ531)と、
前記可変装置を通過した遊技媒体が入賞可能な入賞領域(例えば、V入賞口424)と、
前記入賞領域に遊技媒体が入賞した場合に、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、V大当り遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、主制御回路100のメインCPU101)と、
前記可変装置を通過した遊技媒体を前記入賞領域あるいは前記入賞領域以外へと振り分け可能な振分装置(例えば、振分装置3000)と、
を備えた遊技機であって、
前記振分装置は、
前記入賞領域へと遊技媒体を案内可能な第1案内部(例えば、左振分案内部3320)と、
前記入賞領域以外へと遊技媒体を案内可能な第2案内部(例えば、右振分案内部3310)と、
前記第1案内部に遊技媒体を受け入れ可能な第1態様と、前記第2案内部に遊技媒体を受け入れ可能な第2態様とのいずれかに変動可能な振分部(例えば、振分ドラム3100)と、
を有し、
前記振分部は、前記可変装置が所定回数にわたって通過容易態様となるごとに、前記第2態様となり、前記可変装置が前記所定回数の次の回で通過容易態様となると、前記第1態様に切り替わることを特徴とする。
このような構成によれば、遊技者にとって有利な遊技状態に制御される可能性がある入賞領域には、通過容易態様となった可変装置を遊技媒体が通過した後に振分装置の第1案内部を通じて案内される一方、入賞領域以外には、通過容易態様となった可変装置を遊技媒体が通過した後に振分装置の第2案内部を通じて案内されることとなる。そして、可変装置が通過容易態様となる所定回数まで振分部が第2態様となって複数の遊技媒体が第2案内部に受け入れられ、第1案内部には遊技媒体が受け入れられない一方、可変装置が所定回数の次の回で通過容易態様となると、第1案内部に遊技媒体が受け入れられることで当該遊技媒体が入賞領域へと案内されることとなる。これにより、遊技者にとって有利な入賞となる方向にどのタイミングで遊技媒体が案内されるかといったことに期待を持たせることができ、ひいては遊技の興趣を高めることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な入賞となる方向にどのタイミングで遊技媒体が案内されるかといったことに期待を持たせることができ、ひいては遊技の興趣を高めることができる。
[18−4.付記4に係る遊技機]
[背景技術]
従来、パチンコ遊技機は、発射された遊技球が転動可能な遊技盤の遊技領域に多数の遊技釘や通過領域(始動口など)が設けられており、通過領域を遊技球が通過した場合に、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄が変動表示するとともに、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せとなった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるようになっている。
この種の遊技機としては、遊技釘の位置や姿勢を確認するために、遊技領域の前面にあるガラスに釘確認シート(目視用治具)を合わせて遊技釘を目視でチェックすることができるものが提案されている(特開2017−131403号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来の遊技機では、遊技領域と同程度の比較的大きな釘確認シートをガラスの前面に合わせるだけであるので、釘確認シートに描かれたマークと遊技釘の位置とが微妙にずれやすく、遊技釘を正確にチェックすることができないおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、釘確認シートを用いて遊技釘を正確にチェックすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の第1側面に係る遊技機は、
遊技媒体が転動可能で複数の遊技釘(例えば、遊技釘29)が植設された遊技領域(例えば、遊技領域20)を有する遊技盤(例えば、遊技盤ユニット17)と、
前記遊技領域を視認可能に前記遊技盤の前面に配設されるカバー部材(例えば、ガラスドア13)と、
を備え、
前記カバー部材は、
互いに積層された第1透明部材(例えば、第1ガラス23A)及び第2透明部材(例えば、第2ガラス23B)と、
前記第1透明部材と前記第2透明部材とを互いに隙間(例えば、隙間23C)をあけて保持する保持枠(例えば、枠部材132)と、
前記遊技領域における前記複数の遊技釘を確認するための釘確認シート(例えば、釘確認シートS)を支持しつつ、前記第1透明部材及び前記第2透明部材の一端側から他端側へと進んで前記隙間に挿入するためのシート治具(例えば、シート治具134)と、有することを特徴とする。
このような構成によれば、第1透明部材と第2透明部材との隙間にシート治具を介して釘確認シートを確実に保持することができるので、釘確認シートを透して遊技釘を正確にチェックすることができる。
本発明の第1側面に係る好ましい実施の形態は、
前記保持枠の前記隙間に対応する箇所(例えば、スペーサ133の右側端部)と前記シート治具の所定箇所(例えば、シート治具134の右側端部)には、互いに係合する係合部(例えば、スペーサ133の係合突起133C、シート治具134の係合孔部134B)が形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、第1透明部材と第2透明部材との隙間において係合部を介して正確にシート治具を位置決めすることができるので、このシート治具とともに釘確認シートを正確に位置決めすることで遊技釘を正確にチェックすることができる。
本発明の第2側面に係る遊技機は、
遊技媒体が転動可能で複数の遊技釘(例えば、遊技釘29)が植設された遊技領域(例えば、遊技領域20)を有する遊技盤(例えば、遊技盤ユニット17)と、
前記遊技領域を視認可能に前記遊技盤の前面に配設されるカバー部材(例えば、ガラスドア13)と、
を備え、
前記カバー部材は、
互いに積層された第1透明部材(例えば、第1ガラス23A)及び第2透明部材(例えば、第2ガラス23B)と、
前記第1透明部材と前記第2透明部材とを互いに隙間(例えば、隙間23C)をあけて保持する保持枠(例えば、枠部材132)と、を有し、
前記保持枠の内周部には、前記遊技領域における前記複数の遊技釘を確認するための釘確認シート(例えば、釘確認シートS)を、前記第1透明部材及び前記第2透明部材の一端側から他端側へと差し込んで前記隙間に挿入するための内溝(例えば、内溝132C)が形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、第1透明部材と第2透明部材との隙間において、保持枠の内周部に形成された内溝に沿って釘確認シートを差し込むようにして確実に保持することができるので、釘確認シートを透して遊技釘を正確にチェックすることができる。
本発明の第2側面に係る好ましい実施の形態は、
前記釘確認シートを挿入する側の前記内溝の一端(例えば、右側端部132d)側は、テーパ状に形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、第1透明部材と第2透明部材との隙間に対してテーパ状に形成された内溝の一端側から他端側へと釘確認シートをスムーズに差し込むことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、釘確認シートを用いて遊技釘を正確にチェックすることができる。
なお、本実施形態ではパチンコ遊技機に適用した場合の実施形態について説明したが、本明細書に記載された全ての発明は、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で、パチンコ機、ゲームマシン、スロットマシンその他の全ての遊技機において適用することができる。