以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29aと表している。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29a(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29aと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29aと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。設定変更/確認処理については、図12を用いて後で説明する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
[ベースの算出と表示]
ここで、遊技機10がおこなう遊技性能としてのベースの算出と表示について、図13、図14を用いて説明する。ここでベースとは、通常遊技状態での出玉率である。ここで通常遊技状態とは、時短状態ではなく大当り遊技状態(大当り状態)でもない状態であり、さらに一般的には、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確状態)である状態である。また出玉率とは、アウト球数100個あたりの払出球数である。そのため、通常遊技状態でのアウト球数をNoutとし、通常遊技状態での払出球数をNsafeとした場合、ベースBは、B=(Nsafe÷Nout)×100という式で算出する。なお、アウト球数とは、遊技領域に発射されてアウト口又は入賞口に入った球数(たとえば前述したアウト球検出スイッチ信号にもとづいて計数される球数)であり、アウト個数、或いは単にアウトなどと称することもある。また払出球数とは、入賞に対して払い出された賞球数であり、払出個数、セーフ球数、或いは単にセーフなどと称することもある。
図3の説明で既述したように、遊技機10の遊技制御装置100には性能表示装置135が設けられている。図13は、第1の実施形態のベースの表示手段である性能表示装置とベース用の記憶領域を示す図であり、図13(1)は性能表示装置135の表示部を示し、図13(2)はベース用の記憶領域を示す。また図14は、第1の実施形態の性能表示装置による表示例を示す図である。
性能表示装置135は、図13(1)に示すように、横に4個並べて設けられた4桁分の7セグメントLEDよりなり、各7セグメントLEDの右下にはドットポイント(小さな円形の発光部)が設けられている。ベースの表示に関して、4桁の7セグメントLEDのうち、左側の2桁はベースの計測時期(計測中のものか否かや計測した順番)を表示する識別セグとなっており、右側の2桁はベースの値を表示する比率セグとなっている。なお図14に示すように、性能表示装置135の7セグメントLEDでは「B」を実際には小文字「b」の形態で表示する。
遊技制御装置100は(詳細には、制御部であるCPU111Aは)、RAM111CなどのRWMに、図13(2)に示すようなベース用の記憶領域を設定し、ベースの算出とベースの表示に使用する。すなわち遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域として、アウト球数の累積値を記憶する「アウト球数」と、払出球数の累積値を記憶する「払出球数」とを設定する。また、ベースの算出値を記憶するベース用記憶領域として、「ベース(BL)」、「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」を設定する。
ここで、「ベース(BL)」は計測中のベースを記憶する領域であり、「ベース(B1)」は1回前に計測したベースを記憶する領域であり、「ベース(B2)」は2回前に計測したベースを記憶する領域であり、「ベース(B3)」は3回前に計測したベースを記憶する領域である。つまり、「ベース(B3)」が設定される記憶領域のうちで最も古いベースの計測値(算出値)を記憶する領域である。
なお、上述したベース算出用記憶領域とベース用記憶領域の記憶値は、電源断時にはバックアップされて記憶保持され、またRWMの異常を除いて、RAMクリア時(RAM初期化スイッチ112を押して電源投入時)にもゼロクリアしないで記憶保持する構成であることが望ましい。
遊技制御装置100は、前述した設定変更モード又は設定確認モードにおいて確率設定の設定内容(5段階のうちの何れかの設定)を性能表示装置135によって表示する場合を除いて、性能表示装置135によってベースの表示をおこなう。なお、前述した第1の実施形態では、確率設定の設定内容の表示は確率設定値表示装置136によりおこなう態様を説明した。しかし、確率設定値表示装置136を削除して、性能表示装置135が確率設定値表示装置としても機能する構成としてもよく、その場合には、性能表示装置135によって上記設定内容の表示を上記各モードにおいておこない、それ以外では性能表示装置135によってベースの表示をおこなう。
遊技制御装置100は、ベースの算出と表示を一例として次のようにおこなう。すなわち遊技制御装置100は、電源投入時にはまず、性能表示装置135の4桁の7セグメントLEDの全てのセグメント(ドットポイント含む)を確認として所定時間(たとえば5秒間)全点滅させる。
その後、遊技制御装置100は、図14(1)に示すようなBL表示状態、図14(2)に示すようなB1表示状態、図14(3)に示すようなB2表示状態、図14(4)に示すようなB3表示状態、をそれぞれ所定時間(たとえば5秒間)維持する動作を繰り返し実行する。すなわち、電源投入後の定常状態では、BL表示状態を所定時間維持し、次いでB1表示状態を所定時間維持し、次いでB2表示状態を所定時間維持し、次いでB3表示状態を所定時間維持し、次いでBL表示状態を所定時間維持し、次いでB1表示状態を所定時間維持し、…といったように四つの状態を順に切り替えて繰り返す。
ここで、BL表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が計測中(今回)であることを示す「bL」(BL)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(BL)」の値(或いは「‐ ‐ 」)を表示する。また、B1表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が1回前であることを示す「b1」(B1)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B1)」の値(或いは「‐ ‐ 」)を表示する。また、B2表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が2回前であることを示す「b2」(B2)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B2)」の値(或いは「‐ ‐ 」)を表示する。また、B3表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が3回前であることを示す「b3」(B3)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B3)」の値(或いは「‐ ‐ 」)を表示する。
一方、ベースの算出のために遊技制御装置100は、起動後に、通常遊技状態でたとえばアウト球が検出されるごと(すなわちアウト球検出スイッチ信号が出力されるごと)にベース算出用記憶領域の「アウト球数」の記憶値を検出されたアウト球の数に相当する値だけ増加させ、通常遊技状態で遊技球の入賞口への入賞があるごと(或いは入賞にもとづく賞球の払出が発生するごとなど)にベース算出用記憶領域の「払出球数」の記憶値を発生した払出球数(或いは払出制御装置200からの信号にもとづいて検知した実際に払い出した賞球数でもよい)に相当する値だけ増加させる。また遊技制御装置100は、たとえばベース算出用記憶領域の「アウト球数」または「払出球数」の記憶値が変化するごとに、前述した式でベースBを算出し、算出結果をベースBの最新の値としてベース用記憶領域の「ベース(BL)」に上書きする。
なお、遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域の「アウト球数」の記憶値が規定の計測個数(たとえば60000個)に到達すると、1回の計測が終了したとして、次のような計測終了時の処理をおこなう構成となっている。この計測終了時の処理では、その時点のベース用記憶領域「ベース(B2)」の値をベース用記憶領域「ベース(B3)」に上書きし、その時点のベース用記憶領域「ベース(B1)」の値をベース用記憶領域「ベース(B2)」に上書きし、その時点のベース用記憶領域「ベース(BL)」の値をベース用記憶領域「ベース(B1)」に上書きし、さらに、ベース算出用記憶領域の「アウト球数」と「払出球数」の記憶値をクリアしてゼロにリセットする。これにより、常に最大3回前までのベースの値と、現在計測中のベースの値とが記憶保持される。
そして遊技制御装置100は、初回電源投入時(ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値はゼロ)からベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が所定の算出開始個数(たとえば300個未満の所定個数)未満である期間Aでは、各表示状態において、識別セグでは「bL」、「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点滅表示し、比率セグでは図14(4)に示すように「‐ ‐ 」(中央の横長のセグメントのみを発光させる状態)を表示し、未計測状態であることを報知する。
次いで遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が所定の算出開始個数(たとえば300個未満の所定個数)に到達すると、ベース算出用記憶領域とベース用記憶領域を初期化(ゼロクリア)して1回目の計測を開始する。
そして遊技制御装置100は、1回目の計測開始からベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数(たとえば60000個)に到達するまでの期間Bでは、BL表示状態において、識別セグでは「bL」を点滅表示または点灯表示し、比率セグではベース用記憶領域「ベース(BL)」の値を表示する。また期間Bでは、その他の表示状態(B1〜B3表示状態)においては、識別セグでは「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点滅表示し、比率セグでは「‐ ‐ 」を表示し、未計測状態であることを報知する。
なお、BL表示状態における識別セグでの「bL」の表示は、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数未満である場合には点滅表示とし、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数に到達した場合には点灯表示とする。また、上記識別セグや比率セグでの点滅表示の点滅周期は、たとえば0.6秒周期とし、そのうちたとえば点灯0.3秒、消灯0.3秒とする。また、「アウト球数」の記憶値が計測個数(たとえば60000個)に到達して期間Bが終了すると、前述した計測終了時の処理をおこない、次の2回目の計測を開始する。
その後、遊技制御装置100は、上記1回目の計測をおこなう期間Bと同様に、2回目の計測をおこなう期間C、3回目の計測をおこなう期間D、4回目の計測をおこなう期間E、…というように計測を連続的におこなう。そして、3回目の計測を終了した時点以降では、過去3回のベースの算出値が記憶されているので、B1〜B3表示状態の全てにおいて、識別セグでは「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点灯表示し、比率セグでは対応するベース用記憶領域(「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」のうちの何れか)の値を表示する。
なお、図14(1)〜(4)は、2回目の計測が終了した後の上記期間Dにおける各表示状態での具体的な表示の一例を示している。この場合、3回前の計測結果はないので、B3表示状態の具体例である図14(4)では、比率セグの表示が「‐ ‐ 」(未計測状態を示す表示)となっている。
また、BL表示状態の具体例である図14(1)では、比率セグの表示が「5 8 」となっていて、現在計測中のリアルタイムのベースの値が58であることを示している。また、B1表示状態の具体例である図14(2)では、比率セグの表示が「6 7 」となっていて、1回前に計測された規定の計測個数に対するベースの値が67であることを示している。また、B2表示状態の具体例である図14(3)では、比率セグの表示が「4 9 」となっていて、2回前に計測された規定の計測個数に対するベースの値が49であることを示している。なお、ベースの値が100以上の場合には、比率セグの表示を「9 9.」(比率セグで数字99を表示し、かつ最後の桁のドットポイントを点灯)とすることで、100以上であることを報知する。
またベースの値は、一般的にたとえば25〜35程度の範囲が正常範囲であり、この範囲より小さくても、この範囲より大きくても異常であり、この異常はベース異常と呼ばれる。前述した図14の表示例は、正常範囲を超えるベース異常の計測結果が連続している状態を一例として示しており、正常な場合には、識別セグに25〜35程度の正常範囲内の数値が表示される。
遊技制御装置100は、たとえば、ベース用記憶領域(「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」)に記憶されている過去3回のベースの計測値(上記B1〜B3表示状態での比率セグの表示値)が全て正常範囲から外れて異常である場合に、ベース異常が発生したとして、ベース異常が発生したことを示す信号を外部のたとえば遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)に送信する。
このベース異常を示す信号(情報)は、たとえばコマンドとして演出制御装置300に送信されて、この信号を受けた演出制御装置300の制御によって、表示装置41の表示領域に、このベース異常を報知する画像(たとえばエラー報知画像)が表示される構成としてもよい。また、このベース異常は、不正がおこなわれている場合に発生する可能性があるので、強エラーに設定することが望ましい。
また、図13、図14に示した例では、ベースの計測値を過去3回前まで記憶し表示する構成であるが、ベース用記憶領域の数を増やして過去4回以上前まで記憶し表示する構成でもよい。また、ベース算出用記憶領域は、計測中のものしか設定していないが、過去の計測値の算出の基となったアウト球数と払出球数を記憶しておく記憶領域をそれぞれ設けてもよい。
また、性能表示装置135の表示部は、遊技機の前面に設けて遊技者等が前面から視認できる構成としてもよい。この場合、性能表示装置135の表示部を設ける遊技機前面の位置は、遊技盤30内の位置(遊技領域32の内部、または遊技領域32の外部)でもよいし、遊技盤30外の位置(すなわち枠前面)でもよい。
[RAM初期化時コマンドと停電復旧時コマンド]
次に、遊技制御装置100が演出制御装置300に通知するRAM初期化時コマンドと停電復旧時コマンドとについて図15を用いて説明する。図15は、第1の実施形態のRAM初期化時コマンドと、停電復旧時コマンドの一例を示す図である。
遊技制御装置100は、メイン処理のステップS54(図9参照)においてRAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信し、ステップS59(図9参照)において停電復旧時のコマンドを演出制御装置300に送信する。
(1)RAM初期化時コマンドは、遊技制御装置100がRAM初期化時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「機種指定」)を送信する。コマンド名「機種指定」は、MODE「ACH」と、機種に応じてACTION「10H」からACTION「30H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしに対応するACTION「01H」を含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしに対応するACTION「01H」を含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「確率情報」)を送信する。このコマンド名「確率情報」は、MODE「A0H」と、初期状態に対応してACTION「01H」からACTION「07H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「設定値」)を送信する。コマンド名「設定値」は、MODE「AFH」と、設定値に対応するACTION「01H」〜「06H」を含む。なお、ACTION「01H」〜「06H」は、設定値「1」〜設定値「6」に対応する。
次に、遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンド(コマンド名「電源投入」)を送信する。コマンド名「電源投入」は、MODE「AAH」と、対応するACTION「55H」を含む。
これにより、遊技制御装置100は、RAM初期化時に設定されている設定値(1〜6の範囲)などの情報を演出制御装置300に通知できる。
(2)停電復旧時コマンドは、遊技制御装置100が停電復旧時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「機種指定」)を送信する。コマンド名「機種指定」は、MODE「ACH」と、機種に応じてACTION「10H」からACTION「30H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「確率情報」)を送信する。コマンド名「確率情報」というコマンド(以下、確率情報コマンドという)は、MODE「A0H」と、各種遊技状態に対応するACTION「01H」からACTION「07H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「設定値」)を送信する。コマンド名「設定値」は、MODE「AFH」と、設定値に対応するACTION「01H」〜「06H」を含む。なお、ACTION「01H」〜「06H」は、設定値「1」〜設定値「6」に対応する。
次に、遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンドとして、送信順「6−1」のコマンド(コマンド名「客待ちデモ」)または送信順「6−2」のコマンド(コマンド名「停電復旧」)に対応するコマンドのいずれかを送信する。コマンド名「客待ちデモ」は、MODE「80H」と、対応するACTION「55H」を含む。コマンド名「停電復旧」は、MODE「ABH」と、対応するACTION「55H」を含む。
これにより、遊技制御装置100は、停電復旧時に設定されている設定値(1〜6の範囲)と、特図1保留数および特図2保留数などの情報を演出制御装置300に通知できる。
次に、遊技機10において演出制御装置300(演出制御手段)が制御する二つの表示装置(表示装置41、LED表示装置520)について図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の各表示装置の配置を示す遊技盤正面図である。図16は、遊技盤30の正面側(表側)の概略を図示したものである。前述したように、遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた遊技領域32が形成され、遊技領域32の中央付近には、表示装置41の表示領域の周囲を囲うセンターケース(遊技演出構成体)40が配置され、遊技領域32の底部にはアウト口30aが設けられている。また、遊技盤30における遊技領域32の外側には、遊技制御装置100によって制御される一括表示装置50が設けられている。
表示装置41は、前述したようにLCD等の装置で構成され、演出制御装置300の制御により、演出用の識別情報である飾り特図の変動表示などを表示領域にておこなう第1の表示手段に相当し、遊技者が最も注目する演出用のメインの表示装置である。表示装置41の表示領域は、前述したようにセンターケース40内(遊技領域32のほぼ中央)に配設されている。
一方、LED表示装置520は、図2では図示省略しているが、たとえば図16(1)に示すように遊技盤30の前面に配設され、演出制御装置300の制御により、特図の変動表示の実行状態を報知する表示(いわゆる第4図柄の表示)などをおこなう第2の表示手段に相当し、演出用のサブの表示装置である。
LED表示装置520は、遊技盤30の前面における遊技領域32内(たとえばセンターケース40の外)に配設され、一括表示装置50よりも表示装置41の表示領域に近い位置に設けられる。なお、一括表示装置50が遊技領域32外に配設されているのに対して、LED表示装置520は遊技領域32内に配設される。これにより、LED表示装置520は、遊技制御装置100の制御によっていわゆる本特図(演出用の飾り特図ではない特図)を表示する本特図表示手段である一括表示装置50とは明確に区別される。
また表示装置41は、遊技者向けの演出用の飾り特図を表示する飾り特図表示手段であり、LED表示装置520は、表示装置41の表示を補助するものということができ、いわゆる第4図柄(特図の変動状態を示す情報)を表示する第4図柄表示手段である。本実施形態は、この第4図柄表示手段であるLED表示装置520に、保留数の情報(始動記憶の情報)を表示する機能も備える。
LED表示装置520は、図4に示した演出制御装置関連の構成においては、盤装飾LED制御回路332が駆動制御する盤装飾装置46に相当し、この盤装飾装置46を構成する複数の機器のうちの一つの表示装置(表示ユニット)である。
LED表示装置520は、このLED表示装置520の表示(第4図柄としての表示など)を遊技者が常に視認可能となるように、役物の可動部が動いた場合などでも常に前面側から見える位置(たとえば遊技盤上の他の要素や役物の可動部などによって前面を覆われることがない位置)に配置される。
LED表示装置520は、表示装置41からの視線の移動距離を少なくする観点からは、表示装置41の表示領域により近い位置に配置するのが望ましく、たとえば図16(2)に示すようにセンターケース40の前面に配設してもよい。これにより、表示装置41の表示とLED表示装置520の表示の両方を遊技者が見易くなる。またLED表示装置520は、好ましくは、遊技領域32内を流下する遊技球がこのLED表示装置520の表示面の前面側を流れない位置、すなわち、遊技球によってLED表示装置520の表示が一時的にも遮られることのない位置に配設することが望ましい。これにより、このLED表示装置520の表示(第4図柄としての表示など)を遊技者が常に視認容易となる。
本実施形態の遊技機10は、このように表示装置41(第1の表示手段)とは別個に異なる位置に配設されたLED表示装置520(第2の表示手段)によって第4図柄としての表示などをおこなう。このため、表示装置41の表示状態や表示装置41の表示領域を覆う可動範囲を有する役物の可動部の作動状態に無関係に、LED表示装置520による第4図柄としての表示などを常に確実に観察者(遊技者など)に見せることができる。
なお従来の遊技機では、メインの表示装置41の表示領域の一部(表示画面の一部)において第4図柄としての表示をおこなうことがあったが、この場合には、表示装置41の表示領域に表示する他の画像に対して優先的に第4図柄を表示する制御が必要になるとともに、この第4図柄の表示をおこなう表示領域の箇所の前面には役物の可動部を動かすことができないという問題があった。しかし、本実施形態の遊技機10は、表示装置41とは別個に異なる位置に配設されたLED表示装置520によって第4図柄としての表示などをおこなうため、この問題が解消され、表示装置41にて第4図柄の表示をおこなう必要がなくなり、表示装置41での表示の自由度が向上するとともに、表示装置41の表示領域全体を役物の可動部で一時的に遮蔽するなどの演出も可能となる。
次に、LED表示装置520の構成について図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態のLED表示装置(第2の表示手段)の一例を示す図である。図17は、遊技盤30の前面に露出して前面側に望むように配置されるLED表示装置520の表示面を示している。この具体例のLED表示装置520は、LED_d21からLED_d26までの6個のLEDを備える。LED表示装置520は、LED_d21からLED_d26の点灯態様により各種状態表示(各種情報報知)をおこなう。
LED表示装置520は、LED_d21からLED_d26に各種状態表示機能を振り分けることで、特図1変動表示部521(特図1の第2変動表示部)と、特図2変動表示部522(特図2の第2変動表示部)と、特図1保留表示部523(特図1の第2始動記憶表示部)と、特図2保留表示部524(特図2の第2始動記憶表示部)とを備える。
ここで、特図1変動表示部521は、LED_d21の1個のLEDの動作態様により、特図1ゲーム(特図1の変動表示ゲームを意味する。以下同様)における図柄の変動状態を表示する。特図2変動表示部522は、LED_d22の1個のLEDの動作態様により、特図2ゲーム(特図2の変動表示ゲームを意味する。以下同様)における図柄の変動状態を表示する。特図1保留表示部523は、LED_d23とLED_d24の2個のLEDの動作態様により、特図1ゲームにおける保留数(特図1の変動表示ゲームが未実行で残っている特図1の始動記憶の数であり、特図1の保留記憶数や始動記憶数と称することもある)を表示する。特図2保留表示部524は、LED_d25とLED_d26の2個のLEDの動作態様により、特図2ゲームにおける保留数(特図2の変動表示ゲームが未実行で残っている特図2の始動記憶の数であり、特図2の保留記憶数や始動記憶数と称することもある)を表示する。
なお、表示装置41の表示領域における特図変動を表示する部分が第1変動表示部であるのに対して、LED表示装置520における特図1変動表示部521や特図2変動表示部522は第2変動表示部である。また、表示装置41の表示領域における保留表示をする部分が第1始動記憶表示部であるのに対して、LED表示装置520における特図1保留表示部523や特図2保留表示部524は第2始動記憶表示部である。
次に、LED表示装置520の第2変動表示部の動作について図18を用いて説明する。図18は、第1の実施形態の特図1変動表示部と特図2変動表示部(第2変動表示部)の動作態様と報知情報の一例を示す図である。
図18(1)に示すように、特図1変動表示部521は、LED_d21が消灯している動作態様(図では黒色の塗りつぶしで示す。以下同様)により特図1の変動表示ゲームがはずれで停止中であることを示し、LED_d21が点滅している動作態様(図では灰色の塗りつぶしで示す。以下同様)により特図1の変動表示ゲームが変動表示中であることを示し、LED_d21が点灯している動作態様(図では白色の塗りつぶしで示す。以下同様)により特図1の変動表示ゲームが当りで停止中であることを示す。
図18(2)に示すように、特図2変動表示部522は、LED_d22が消灯している動作態様により特図2の変動表示ゲームがはずれで停止中であることを示し、LED_d22が点滅している動作態様により特図2の変動表示ゲームが変動表示中であることを示し、LED_d22が点灯している動作態様により特図2の変動表示ゲームが当りで停止中であることを示す。
次に、LED表示装置520の第2始動記憶表示部の動作について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の特図1保留表示部と特図2保留表示部(第2始動記憶表示部)の動作態様と報知情報の一例を示す図である。
特図1保留表示部523は、図19(1)に示すように、LED_d23とLED_d24の両方が消灯している動作態様により特図1の保留数が「0」であることを示し、LED_d23とLED_d24の一方が点灯して他方が消灯している動作態様により特図1の保留数が「1」であることを示し、LED_d23とLED_d24の両方が点灯している動作態様により特図1の保留数が「2」であることを示し、LED_d23とLED_d24の一方が点滅して他方が点灯している動作態様により特図1の保留数が「3」であることを示し、LED_d23とLED_d24の両方が点滅している動作態様により特図1の保留数が「4」であることを示す。
特図2保留表示部524は、図19(2)に示すように、LED_d25とLED_d26の両方が消灯している動作態様により特図2の保留数が「0」であることを示し、LED_d25とLED_d26の一方が点灯して他方が消灯している動作態様により特図2の保留数が「1」であることを示し、LED_d25とLED_d26の両方が点灯している動作態様により特図2の保留数が「2」であることを示し、LED_d25とLED_d26の一方が点滅して他方が点灯している動作態様により特図2の保留数が「3」であることを示し、LED_d25とLED_d26の両方が点滅している動作態様により特図2の保留数が「4」であることを示す。
次に、遊技機10の遊技中に演出制御装置300が実行する表示について図20と図21を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の第1の表示手段における遊技中の表示画面の例を示す図である。図21は、第1の実施形態の第2の表示手段における遊技中の表示例を示す図である。ここで表示画面とは、表示装置41の表示領域に表示される一つ又は複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。また既述したように、本実施形態において、第1の表示手段とは表示装置41であり、第2の表示手段とはLED表示装置520である。
図20(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示する。
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。保留表示505が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数と特図2保留数表示504が表示する保留記憶数の和に相当する。
たとえば、表示画面500に示すように特図1保留数表示503が「4」を表示し、特図2保留数表示504が「0」を表示するとき、保留表示505は、4つの保留記憶表示により保留記憶数が「4」であることを示す。
保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
図20(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
なお、表示装置41の表示領域に表示される上述した表示画面500や表示画面510において、特図変動を表示する部分(大図柄群501、小図柄群502、保留消化表示506)が第1変動表示部に相当し、保留表示(保留数の表示)をする部分(特図1保留数表示503、特図2保留数表示504、保留表示505)が第1始動記憶表示部に相当する。
次に図21(1)に示すLED表示装置520の表示例は、たとえば図20(1)に示す表示画面500の表示中におこなわれるものである。この表示例でLED表示装置520は、特図1変動表示部521のLED_d21が消灯して特図1の変動表示ゲームがはずれで停止中であることを報知し、特図2変動表示部522のLED_d22が消灯して特図2の変動表示ゲームがはずれで停止中であることを報知し、特図1保留表示部523のLED_d23とLED_d24の両方が点滅して特図1の保留数(特図1ゲームの保留記憶数)が「4」であることを報知し、特図2保留表示部524のLED_d25とLED_d26の両方が消灯して特図2の保留数(特図2ゲームの保留記憶数)が「0」であることを報知する。
次に図21(2)に示すLED表示装置520の表示例は、たとえば図20(2)に示す表示画面510の表示中におこなわれるものである。この表示例でLED表示装置520は、特図1変動表示部521のLED_d21が点滅して特図1の変動表示ゲームが変動中であることを報知し、特図2変動表示部522のLED_d22が消灯して特図2の変動表示ゲームがはずれで停止中であることを報知し、特図1保留表示部523のLED_d23とLED_d24の一方が点滅し他方が点灯して特図1の保留数(特図1ゲームの保留記憶数)が「3」であることを報知し、特図2保留表示部524のLED_d25とLED_d26の両方が消灯して特図2の保留数(特図2ゲームの保留記憶数)が「0」であることを報知する。
次に、遊技機10の停電復旧時に演出制御装置300が実行する表示について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の演出制御装置が停電復旧時に実行する表示の一例を示す図である。
遊技制御装置100のメイン処理のステップS59の説明で既述したように、停電復旧時にはこのステップS59の処理によって、図15(2)に示した複数のコマンドが演出制御装置300に送信される。
上記複数のコマンドには、変動表示ゲームの実行権利としての始動記憶の残りの数(保留数)を知らせるコマンドとして、前述した送信順「2」のコマンド(特図1保留数コマンド)と、送信順「3」のコマンド(特図2保留数コマンド)が含まれる。
また、上記複数のコマンドのうち、送信順「6−1」のコマンド(以下、客待ちデモ画面コマンドという)と、送信順「6−2」のコマンド(以下、停電復旧画面コマンドという)は、既述した画面指定のコマンドに相当する。そして、停電時の特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中、小当り中のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令する客待ちデモ画面コマンドが送信され、それ以外である場合には停電復旧画面(停電復旧時に表示する画面)の表示を指令する停電復旧画面コマンドが送信される。
このため、遊技中(特図変動中など)に停電があって復旧した時には、画面指定のコマンドとして客待ちデモ画面コマンドではなく停電復旧画面コマンドが送信される。これにより、演出制御装置300は、停電復旧時に送信されてくる各コマンド(特に停電復旧画面コマンド)を受けて、たとえば図22(1)に示す表示画面530を表示装置41に表示する。
図22(1)に示す表示画面530は、遊技中に停電があって復旧した時に表示される停電復旧画面であり、停電復旧表示531を表示内容に含む。停電復旧表示531は、「停電復旧中」という文字を含む画像(停電復旧中であることを知らせる情報)を表示する。停電復旧表示531により遊技者等に停電からの復旧中であることが報知される。
なお表示画面530には、前述した停電復旧時ではない遊技中の表示画面(たとえば表示画面500など)とは異なり、大図柄群501や小図柄群502などの変動表示ゲームに関する表示や、特図1保留数表示503や特図2保留数表示504などの保留数(始動記憶数)の表示は含まれない。すなわち、停電復旧時に演出制御装置300は、変動表示ゲームを表示することに代えて停電復旧に関する所定情報を表示装置41の第1変動表示部に表示させ、始動記憶を表示することに代えて停電復旧に関する所定情報を表示装置41の第1始動記憶表示部に表示させる。所定情報とは、少なくとも停電復旧中であることを知らせる情報を含む。
また演出制御装置300は、図22(1)に示す表示を表示装置41でおこなうとともに、停電復旧時に送信されてくる各コマンド(特に特図1保留数コマンドと特図2保留数コマンド)を受けて、たとえば図22(2)に示す表示をLED表示装置520にておこなう。
図22(2)に示すLED表示装置520の表示例は、特図1の保留数が「3」で特図2の保留数が「0」であるときに停電が発生してその後復旧した際に、停電復旧画面(たとえば図22(1)に示す表示画面530)の表示と同時期におこなわれるものである。この表示例でLED表示装置520は、特図1変動表示部521のLED_d21が予め定められた所定態様(たとえば消灯状態)となり、特図2変動表示部522のLED_d22が予め定められた所定態様(たとえば消灯状態)となり、特図1保留表示部523のLED_d23とLED_d24の一方が点滅し他方が点灯して特図1の保留数が「3」であることを報知し、特図2保留表示部524のLED_d25とLED_d26の両方が消灯して特図2の保留数が「0」であることを報知する。
すなわち、停電復旧時に演出制御装置300は、変動表示ゲームに代えて所定態様(たとえば消灯状態)をLED表示装置520の第2変動表示部に表示させ、始動記憶をLED表示装置520の第2始動記憶表示部に表示させる。これにより、停電復旧時に充実した内容の情報報知が可能となる。具体的には、本実施形態の場合、停電復旧中であるという情報に加えて、残りの始動記憶の有無及び数を示す情報である特図1と特図2の保留数の情報報知がおこなわれる。このため、実行権利が多数残っているのに(すなわち、保留数がたとえば上限値「4」または上限値「4」に近い値であるのに)遊技者が遊技媒体の投入(遊技球の発射操作)をすぐに再開してしまうことがなくなり、遊技者に不利にならない。
次に、表示装置41の表示レイヤの構成について図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の第1の表示手段における表示レイヤの構成の一例を示す図である。表示レイヤとは、画像が手前側にあるものとして優先的に表示されるか、あるいは逆に奥側にあるものとして表示されるか、という画像同士の相対的な前後関係を大別する制御処理上のレイヤ(層)である。たとえば、表示位置が重なる異なる二つの画像が異なる表示レイヤに配置されて描画された場合、後側の優先度の低い表示レイヤに配置された画像は、手前側の優先度の高い表示レイヤに配置された画像によって重なった部分で遮蔽され、この手前側の画像の透明度がゼロであれば重なった部分では後側の画像は制御上描画されていても表示装置41の観察者からは全く見えなくなる。
本実施形態の場合、上記表示レイヤとしては、たとえば図23に示すように、手前側(優先度の高い側)から順に、停電復旧画面の画像を配置する表示レイヤL1、エラー報知の画像を配置する表示レイヤL2、大保留の画像を配置する表示レイヤL3、小図柄や小保留の画像を配置する表示レイヤL4、キャラクタの画像を配置する表示レイヤL5、大図柄の画像を配置する表示レイヤL6、背景の画像を配置する表示レイヤL7、ムービーの画像を配置する表示レイヤL8がある。なお図23において、「停電復旧画面」、「エラー報知」といった文字は各表示レイヤの説明であり、表示されるものではない。
このように、最前面の表示レイヤL1に停電復旧画面の画像を配置する構成であることにより、他の表示レイヤの描画状態に無関係に確実に停電復旧画面の画像(停電復旧表示531の画像を含む)を観察者に見せることができる。たとえば、停電復旧時の停電復旧画面表示中に、裏側(奥側)の他の表示レイヤでの描画を開始(停電発生直前の状態から開始)して停電復旧後(停電復旧画面表示後)の表示が速やかにおこなえるように準備しつつ、停電復旧表示531を確実に遊技者に見せて停電復旧中であることの情報報知を確実におこなえる。なお、裏側の他の表示レイヤで描画を開始していても、停電復旧画面の画像が表示装置41の表示領域全体を覆う大きさで、かつ透明度ゼロであれば、裏側の他の表示レイヤ(表示レイヤL2〜L8)に配置された画像は見えない。
なお、停電復旧画面の画像の大きさを表示装置41の表示領域全体を覆わない大きさとして、停電復旧中(すなわち、停電復旧画面の表示中)に表示装置41の表示領域の一部において裏側の他の表示レイヤの画像を見せるようにしてもよい。また、停電復旧画面の画像の透明度(透過度)をゼロより大きく設定することにより、停電復旧中に裏側の他の表示レイヤの画像が透けて見えるようにしてもよい。これにより、遊技機10が停電から復旧して通常の遊技中の表示画面(停電復旧画面ではない表示画面)の表示の準備をしていることを、遊技者に強く知らせることができる。
また、停電復旧画面の表示中は、単純に停電復旧画面の画像(たとえば前述した停電復旧表示531を含む画像)のみを所定の表示レイヤに配置して描画するだけで、他の表示レイヤにはなにも画像を描画しない構成でもよい。
次に、遊技機10の電源投入時の各表示装置の起動順について図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態における電源投入時の各装置の起動順の一例を示すタイミングチャートである。
停電復旧(通常の電源投入含む)によって、遊技機10の電源がオフからオンに立ち上がったタイミングをタイミングT1とすると、このタイミングT1より所定時間遅れたタイミングT2で一括表示装置50の制御が開始されて一括表示装置50が作動し(すなわち、一括表示装置50が表示を開始し)、さらにこのタイミングT2より所定時間遅れたタイミングT3で性能表示装置135の制御が開始されて性能表示装置135が作動する(すなわち、性能表示装置135が表示を開始する)。この起動順は、たとえば遊技制御装置100の制御部である遊技用マイコン111が、起動時に、前述したステップS76の出力処理において前述した第3出力ポート134cや第4出力ポート134dからのデータ出力を最初に開始し、その所定時間後に第1出力ポート134aからのデータ出力を開始することにより実現される。
そして、たとえばタイミングT3より遅れたタイミングT4で遊技制御装置100の起動時のコマンド(前述したRAM初期化時コマンドまたは停電復旧時コマンド)が遊技制御装置100から送信され、このコマンドを受けて演出制御装置300が、タイミングT4よりも遅れたタイミングT5で表示装置41(第1の表示手段)やLED表示装置520(第2の表示手段)を作動させてこれら表示装置による表示を開始させる。この起動順は、たとえば遊技用マイコン111が、起動時に、前述したステップS76の出力処理において前述した第1出力ポート134aからのデータ出力の開始よりも後に、シュミットバッファ132を経由したコマンドの送信を開始することにより実現される。
なお、起動時のコマンド(前述したRAM初期化時コマンドまたは停電復旧時コマンド)は、前述したステップS54またはS59で送信する設定がなされるが、実際に送信するタイミングは、たとえばステップS54またはS59による設定を受けてステップS76の出力処理内の処理で決まる構成とすればよい。
但し、タイミングT5はタイミングT3よりも遅れたタイミングであるが、タイミングT4は必ずしもタイミングT3より後である必要はない。起動時のコマンドが遊技制御装置100から送信されるタイミングT4が、たとえば一括表示装置50等の起動タイミングであるタイミングT2やT3と同じか早いタイミングであったとしても、このコマンドの送受信がおこなわれて演出制御装置300によって表示装置41等が表示を開始するまでの時間(タイミングT4からタイミングT5までの時間)によってタイミングT5がタイミングT3よりも遅くなればよい。このため、タイミングT4からタイミングT5までの時間が十分長い場合は、前述したステップS54またはS59の処理の実行時にたとえば遊技用マイコン111のシリアル通信機能によって即座に起動時のコマンドが送信されてもよい。
また、表示装置41(第1の表示手段)が表示を開始するタイミングと、LED表示装置520(第2の表示手段)が表示を開始するタイミングは、異なっていてもよい(何れか一方が先でもよい)。たとえばLED表示装置520が表示を開始するタイミングが早ければ、たとえば停電復旧時に遊技者に保留数の情報をより早く報知できる。
いずれにせよ本実施形態では、遊技機10の起動時に各表示装置は、一括表示装置50、次いで性能表示装置135、次いで演出制御装置300が制御する表示装置(少なくともLED表示装置520、或いはさらに表示装置41)の順に表示を開始する構成となっている。これにより、遊技者向けの表示(LED表示装置520や表示装置41による表示)を遅らせて、どちらかというと遊技者向けでない表示(遊技店の店員などに向けた表示)を早めにおこない、遊技店の店員などに異常などの情報を起動時に早めに知らせることができる。
なお、停電復旧時に遊技盤上の他の要素や役物の可動部などが初期化動作をおこなう場合があるが、LED表示装置520は、これら遊技盤上の他の要素や役物の可動部などによって視認性が阻害されない位置に配置されるので、停電復旧時を含む、いかなる遊技状態においても遊技者に保留数の情報を報知可能にしている。
次に、停電復旧画面の他の例について図25を用いて説明する。図25は、第1の実施形態における停電復旧時の表示画面の他の例を示す図である。たとえば、前述の図22(1)に示す表示画面530に代えて、図25(1)に示す表示画面533、図25(2)に示す表示画面536、または図25(3)に示す表示画面539の何れかを表示してもよい。
図25(1)に示す表示画面533は、停電復旧画面であり、前述した停電復旧表示531に加えて再開催促表示534を表示内容に含む。再開催促表示534は、「遊技を再開してください」という文字を含む画像(遊技の再開を遊技者に促す情報)を表示する。
図25(2)に示す表示画面536は、停電復旧画面であり、前述した停電復旧表示531に加えてメーカー名表示537を表示内容に含む。メーカー名表示537は、メーカー名(企業名)を表す文字を含む画像を表示する。なお、メーカー名表示537に代えて、或いはメーカー名表示537に加えて、メーカーロゴ表示(たとえば、企業のマスコットキャラクタなどを含むメーカーロゴ(企業ロゴ)の画像を表示するもの)を表示してもよい。
図25(3)に示す表示画面539は、停電復旧画面であり、前述した停電復旧表示531に加えて注意喚起表示540とキャラクタ表示541を表示内容に含む。注意喚起表示540は、「のめりこみに気を付けよう」という注意喚起の文字を含む画像を表示する。キャラクタ表示541は、虎のようなキャラクタの画像を表示する。なお、注意喚起表示540に代えて、或いは注意喚起表示540に加えて、「カードの取り忘れに注意」という注意喚起の文字を含む画像(第2の注意喚起表示)を表示してもよい。
なお、停電復旧画面としてのこれら表示画面は、何れか一つが予め設定されて表示されてもよいし、演出制御装置300の処理によって何れか一つが選択されて表示されてもよい。また、演出制御装置300の処理によって、予め設定された複数の異なる表示画面(或いは多数設定された中から選択した複数の異なる表示画面)を停電復旧画面として順次切り替えて表示してもよい。たとえば、最初に所定時間だけ図22(1)に示す表示画面530を表示し、次いで所定時間だけ図25(1)に示す表示画面533を表示し、次いで所定時間だけ図25(2)に示す表示画面536を表示し、次いで所定時間だけ図25(3)に示す表示画面539を表示し、といったように切り替えて表示してもよい。このようにすると、異なる文字情報が順次表示されて遊技者が表示内容を把握し易い。
[第1の実施形態の変形例1]
次に第1の実施形態の変形例1について図26と図27を用いて説明する。図26は、第1の実施形態の変形例1におけるRAM初期化時コマンドと停電復旧時コマンドの一例を示す図である。図27は、第1の実施形態の変形例1における停電復旧時の表示画面の例を示す図である。
(1)RAM初期化時コマンドは、遊技制御装置100がRAM初期化時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「機種指定」)を送信する。コマンド名「機種指定」は、MODE「ACH」と、機種に応じてACTION「10H」からACTION「30H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしに対応するACTION「01H」を含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしに対応するACTION「01H」を含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「確率情報」)を送信する。コマンド名「確率情報」は、MODE「A0H」と、初期状態に対応してACTION「01H」からACTION「07H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「設定値」)を送信する。コマンド名「設定値」は、MODE「AFH」と、設定値に対応するACTION「01H」〜「06H」を含む。なお、ACTION「01H」〜「06H」は、設定値「1」〜設定値「6」に対応する。
次に、遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンド(コマンド名「打ち方」)を送信する。コマンド名「打ち方」は、MODE「D3H」と、初期状態(左打ち)に対応するACTION「01H」を含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「7」のコマンド(コマンド名「電源投入」)を送信する。コマンド名「電源投入」は、MODE「AAH」と、対応するACTION「55H」を含む。
これにより、遊技制御装置100は、RAM初期化時に設定されている設定値(1〜6の範囲)や「打ち方」などの情報を演出制御装置300に通知できる。
(2)停電復旧時コマンドは、遊技制御装置100が停電復旧時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「機種指定」)を送信する。コマンド名「機種指定」は、MODE「ACH」と、機種に応じてACTION「10H」からACTION「30H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「確率情報」)を送信する。コマンド名「確率情報」は、MODE「A0H」と、各種遊技状態に対応するACTION「01H」からACTION「07H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「設定値」)を送信する。コマンド名「設定値」は、MODE「AFH」と、設定値に対応するACTION「01H」〜「06H」を含む。なお、ACTION「01H」〜「06H」は、設定値「1」〜設定値「6」に対応する。
次に、遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンド(コマンド名「打ち方」)を送信する。コマンド名「打ち方」は、MODE「D3H」と、停電時の遊技状態に対応するACTION「01H」または「F1H」を含む。ここで、ACTION「01H」は左打ちを示し、ACTION「F1H」は右打ちを示す。遊技者の利益のためには、遊技球を遊技領域32の左側に打ち込む左打ちと、遊技球を遊技領域32の右側に打ち込む右打ちは、遊技状態に応じて何れかを選択しておこなうべきである。このため、遊技制御装置100は、停電時の遊技状態が左打ちをおこなうべき状態であれば上記送信順「6」のコマンド(以下、打ち方コマンドという)のACTIONのデータを「01H」とし、停電時の遊技状態が右打ちをおこなうべき状態であれば上記送信順「6」のコマンドのACTIONのデータを「F1H」とする。
次に、遊技制御装置100は、送信順「7」のコマンド(コマンド名「停電復旧」)を送信する。コマンド名「停電復旧」というコマンド(停電復旧画面コマンド)は、MODE「ABH」と、対応するACTION「55H」を含む。
これにより、遊技制御装置100は、停電復旧時に設定されている設定値(1〜6の範囲)と、特図1保留数および特図2保留数や、打ち方などの情報を演出制御装置300に通知できる。
そして演出制御装置300は、停電復旧時に送信されてくる各コマンド(特に停電復旧画面コマンドや打ち方コマンド)を受けて、たとえば図27(1)に示す打ち方表示を含む表示画面543を停電復旧画面として表示装置41に表示する。
図27(1)に示す表示画面543は、右打ちすべき状態で電源が復旧した場合の停電復旧画面であり、前述した停電復旧表示531や再開催促表示534に加えて右打ち表示544を表示内容に含む。右打ち表示544は、右打ちの場合の打ち方表示であり、「右打ち」という文字や右向きの矢印を含む画像(右打ちを勧める情報)を表示する。右打ち表示544により遊技者等に右打ちすべき状態であることが報知される。
なお、たとえば表示画面543に代えて、図27(2)に示す表示画面546を表示装置41に表示してもよい。表示画面546は、停電復旧画面であり、前述した停電復旧表示531や再開催促表示534に加えて右打ち表示547を表示内容に含む。右打ち表示547は、「右打ち」を示すピクトグラム(視覚記号の一種であり絵文字とも呼ばれる)を含む画像(右打ちを勧める情報)を表示する。右打ち表示547により遊技者等に右打ちすべき状態であることが報知される。
なお、左打ちをすべき状態で電源が復旧した場合には、上記右打ち表示544等に代えて左打ちを勧める情報を表示する左打ち表示(左打ちの場合の打ち方表示)をおこなう。打ち方を示す表示は、受信した打ち方コマンド(MODE「D3H」のコマンド)のACTIONのデータが「01H」なら左打ち表示となり、受信した打ち方コマンド(MODE「D3H」のコマンド)のACTIONのデータが「F1H」なら右打ち表示となる。
この変形例1によれば、停電復旧中であるという情報やLED表示装置520に表示される残りの始動記憶の情報に加えて、打ち方の情報報知が停電復旧時に表示装置41にておこなわれる。すなわち、停電復旧時により充実した内容の情報報知が実現できる。このため、停電復旧時に遊技者が打ち方の状態(左打ちすべき状態か、或いは右打ちすべき状態か)を把握できず、たとえば右打ちすべき状態であるのに左打ちをおこなってしまうといったことがなくなり、遊技者がより有利になる。
なおこの変形例1では、停電復旧時コマンドにおける画面指定のコマンドとして客待ちデモ画面コマンドはなく停電復旧画面コマンド(上記送信順「7」のコマンド)しか設定されていない。つまり、停電ではない通常の電源遮断操作後の通常の電源投入操作(但し、RAM初期化スイッチの操作を伴う電源投入操作を除く)がなされた場合も含めて、停電復旧時には、停電時(電源遮断前)の遊技状態に無関係に、停電復旧画面の表示を指令する停電復旧画面コマンドを含む停電復旧時コマンドが必ず遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
この停電復旧時コマンドを受けた演出制御装置300としては、たとえば遊技中でない場合でも、停電復旧時コマンドに含まれる停電復旧画面コマンドの指令に従って図27に例示するような停電復旧画面を最初に表示装置41に表示し、その後、遊技中でなければ送信されてくる客待ちデモを指令するコマンド(停電復旧時コマンドとしてではなく、全ての保留数がゼロになり変動表示ゲームが終了し大当り状態等でない時に遊技制御装置100から送信されてくる客待ちデモコマンド)を受信したときに客待ちデモ画面に切り替えて表示する構成であればよい。
但し、受信した停電復旧時コマンドに含まれる他のコマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンドなど)のACTIONのデータが示す情報から、演出制御装置300において、最初から客待ちデモ画面を表示すべき状態であること(すなわち、遊技客が遊技していない状態)が判定できる場合には、停電復旧画面を表示することなく最初から客待ちデモ画面を表示する構成であってもよい。
[第1の実施形態の変形例2]
次に第1の実施形態の変形例2について図28と図29を用いて説明する。図28は、第1の実施形態の変形例2における停電復旧時コマンドの一例を示す図である。図29は、第1の実施形態の変形例2における停電復旧時の表示画面の一例を示す図である。
この変形例2の停電復旧時コマンドとしては、次のコマンドを送信する。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「機種指定」)を送信する。コマンド名「機種指定」は、MODE「ACH」と、機種に応じてACTION「10H」からACTION「30H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「確率情報」)を送信する。コマンド名「確率情報」は、MODE「A0H」と、各種遊技状態に対応するACTION「01H」からACTION「07H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「5」のコマンド(コマンド名「設定値」)を送信する。コマンド名「設定値」は、MODE「AFH」と、設定値に対応するACTION「01H」〜「06H」を含む。なお、ACTION「01H」〜「06H」は、設定値「1」〜設定値「6」に対応する。
次に、遊技制御装置100は、送信順「6」のコマンド(コマンド名「変動中」)を送信する。このコマンド名「変動中」というコマンド(以下、変動状態コマンドという)は、MODE「D3H」と、停電時の遊技状態に対応するACTION「01H」または「F1H」を含む。ここで、ACTION「01H」は特図1または特図2が停止中であることを示し、ACTION「F1H」は特図1または特図2が変動中であることを示す。
次に、遊技制御装置100は、送信順「7」のコマンドとして、送信順「7−1」のコマンド(コマンド名「停電復旧(デフォルト)」)または送信順「7−2」のコマンド(コマンド名「停電復旧(右打ち)」)に対応するコマンドのいずれかを送信する。コマンド名「停電復旧(デフォルト)」は、MODE「ABH」と、対応するACTION「01H」を含む。コマンド名「停電復旧(右打ち)」は、MODE「ABH」と、対応するACTION「F1H」を含む。
なお遊技制御装置100は、停電時の遊技状態が左打ちをおこなうべき状態であれば上記送信順「7」のコマンドとしてコマンド名「停電復旧(デフォルト)」のコマンドを送信し、停電時の遊技状態が右打ちをおこなうべき状態であれば上記送信順「7」のコマンドとしてコマンド名「停電復旧(右打ち)」のコマンドを送信する。
これにより、遊技制御装置100は、特図1保留数および特図2保留数などの情報に加えて、変動中か否かの情報と、打ち方などの情報を演出制御装置300に通知できる。なお、たとえば送信順「6」のコマンドのACTIONのデータの種類を増やして、単なる停止中であることのみならず、はずれで停止中か、当りで停止中かが、送信順「6」のコマンドのACTIONのデータによって判定できる構成としてもよい。
そして演出制御装置300は、停電復旧時に送信されてくる上記停電復旧時コマンドを受けて、たとえば図29に示す表示画面を表示装置41に表示する。詳細には、受信した送信順「6」のコマンド(変動状態コマンド)のACTIONのデータがはずれで停止中を示すものであれば、たとえば図29(1)に示す表示画面549を表示し、受信した送信順「6」のコマンド(変動状態コマンド)のACTIONのデータが当りで停止中を示すものであれば、たとえば図29(2)に示す表示画面552を表示する。また、受信した送信順「6」のコマンド(変動状態コマンド)のACTIONのデータが変動中を示すものであれば、たとえば図29(3)に示すように表示画面549と表示画面552を所定の短い周期で交互に切り替えて表示する(すなわち、二つの異なる静止画を交互に切り替えて表示する)。
図29(1)に示す表示画面549は、はずれで変動表示停止中に停電が発生して電源が復旧した場合の停電復旧画面であり、前述した停電復旧表示531に加えてはずれを示唆するはずれ表示550を表示内容に含む。はずれ表示550は、困り顔のキャラクタと×印を含む画像(はずれを示唆する情報)を表示する。このはずれ表示550が前述の周期を超えて所定時間以上表示されることにより遊技者等にはずれ停止中であることが報知される。
図29(2)に示す表示画面552は、当り(大当りまたは小当り)で変動表示停止中に停電が発生して電源が復旧した場合の停電復旧画面であり、前述した停電復旧表示531に加えて当りを示唆する当り表示553を表示内容に含む。当り表示553は、嬉しい顔のキャラクタと○印を含む画像(当りを示唆する情報)を表示する。この当り表示553が前述の周期を超えて所定時間以上表示されることにより遊技者等に当り停止中であることが報知される。
また、図29(3)に示すように表示画面549と表示画面552が所定の短い周期で交互に切り替えて表示されることにより、遊技者等に特図1または特図2の何れかが変動中であることが報知される。
この変形例2によれば、停電復旧中であるという情報やLED表示装置520に表示される残りの始動記憶の情報に加えて、変動中か否かの情報や、はずれか当りかの情報報知が停電復旧時におこなわれる。すなわち、停電復旧時により充実した内容の情報報知が実現できる。このため、停電復旧時に遊技者が変動中か否か等を把握できずに興趣が低下することを抑止できる。また、図29(3)に示す表示画面549と表示画面552の切り替え(静止画の切り替え)によって、一種の変動表示のような演出が容易に実現できて興趣が向上する。
なおこの変形例2では、図29よりも単純な表示画面を停電復旧画面として表示してもよい。たとえば、前述した停電復旧表示531に加えて単純に変動中か否かを示す文字等の表示を表示内容に含む表示画面でもよい。
また、この変形例2における停電復旧画面でも、前述した再開催促表示534や、右打ち表示544などの打ち方表示をおこなってもよい。この場合、打ち方表示は、受信した送信順「7」のコマンド(MODE「ABH」のコマンド)のACTIONのデータが「01H」なら左打ち表示となり、受信した送信順「7」のコマンド(MODE「ABH」のコマンド)のACTIONのデータが「F1H」なら右打ち表示となる。
またこの変形例2では、演出制御装置300の制御によって、受信した送信順「2」と「3」の特図1保留数コマンドと特図2保留数コマンドのACTIONのデータがいずれも「01H」(保留数ゼロ)であり、受信した送信順「6」のコマンド(変動状態コマンド)のACTIONのデータが「01H」(停止中)である場合には、遊技中でないと判定し、最初から停電復旧画面ではなく客待ちデモ画面を表示する構成としてもよい。
[第1の実施形態の変形例3]
次に第1の実施形態の変形例3について図30を用いて説明する。図30は、第1の実施形態の変形例3における停電復旧設定処理のフローチャートを示す図である。
停電復旧設定処理は、前述した演出制御装置300のメイン処理における、たとえばステップD22の受信コマンドチェック処理において、受信したコマンドが停電復旧時コマンドであった場合に呼び出されて実行されるルーチンである。
この停電復旧設定処理においては、まず、受信した停電復旧時コマンド(前述したように複数のコマンドがある)のデータ読み込み(ステップD101)をおこなってから、読み込んだデータに応じて表示装置41に表示する表示画面の種類や仕様を選択する(ステップD102)。次に、選択した表示画面を表示するためのデータの設定(ステップD103)をおこなって、停電復旧設定処理を終了する。
ここで、ステップD102で選択される表示画面の種類としては、まず大きく分けて、停電復旧中であることを知らせる情報を含む停電復旧画面と、停電復旧中であることを知らせる情報を含まず客待ちデモをおこなう客待ちデモ画面と、がある。そして、停電復旧画面の中でも、たとえば画面の背景の態様(色、明るさ、模様など)や、表示する情報の有無や内容によって種類が異なってもよい。表示する情報としては、注意喚起や再開催促などのメッセージ、打ち方(左打ちか、右打ちか)、保留数(特図1の保留数、特図2の保留数)、変動状態(変動中か否か)、確率状態(高確率中か否か)、当り状態(当り中か否か、大当りか小当りか)、キャラクタ、メーカー名、メーカーロゴ、などがある。
また、ステップD102で選択される表示画面の仕様としては、停電復旧画面の場合、たとえば、メッセージの表示仕様(メッセージの数、種類、大きさ、表示位置、表示色、フォントなど)、打ち方の表示仕様(打ち方表示の種類、大きさ、表示位置、表示色など)、保留数の表示仕様(保留数表示の種類、大きさ、表示位置、表示色など)、変動状態の表示仕様(変動状態の表示の種類、大きさ、表示位置、表示色など)、確率状態の表示仕様(確率状態の表示の種類、大きさ、表示位置、表示色など)、当り状態の表示仕様(当り状態の表示の種類、大きさ、表示位置、表示色など)、背景の詳細な表示仕様、キャラクタの表示仕様(キャラクタの数、種類、大きさ、表示位置、表示色など)、などがある。
このように本変形例3では、演出制御装置300が、停電復旧時(RAM初期化を伴わない通常の電源投入時も含む)に表示装置41に表示する表示画面の表示内容を、受信した停電復旧時コマンドの内容に応じて異ならせる。これにより、状況に応じて最適な表示画面を停電復旧時に表示できる。
たとえば、特図1と特図2の保留数がいずれも所定値(たとえば「2」)未満である場合には、前述した再開催促表示534を含む表示画面533を表示して遊技者に遊技球の発射操作を促し、特図1と特図2の保留数のいずれかが所定値(たとえば「2」)以上である場合には、再開催促表示534を含まない前述した表示画面530あるいは表示画面536を表示し、特図1と特図2の保留数のいずれかが第2の所定値(たとえば「3」)以上である場合には、再開催促表示534を含まず注意喚起表示540を含む前述した表示画面539を表示する。これにより、保留数に応じた最適な表示画面を停電復旧時に表示できる。
また、表示画面の内容に保留数が含まれる場合には、遊技者は、LED表示装置520のみならず、メインの表示装置41によっても停電復旧時に保留の有無や数(すなわち、残りの始動記憶の有無や数)を知ることができ、遊技者がより有利になる。
[第1の実施形態の変形例4]
次に第1の実施形態の変形例4について図31を用いて説明する。図31は、第1の実施形態の変形例4における第2の表示手段の表示例を示す図である。
本変形例4は、遊技機の機種が、特図変動表示ゲームが1種類しかない機種(たとえば、特図1のみがあり、特図2がない機種)である場合である。そして、LED表示装置520のハード構成を、前述した特図変動表示ゲームが2種類ある場合と共用する実施形態である。このため、LED表示装置520のハード構成は、前述した実施形態と同じである。
まず、図31(1)に示す具体例1では、LED表示装置520における特図1変動表示部521と特図1保留表示部523によって、前述した実施形態と同様に特図1変動表示ゲームの状態と特図1の保留数の表示をおこない、特図2変動表示部522と特図2保留表示部524によって装飾または他の情報の表示をおこなう。他の情報とは、たとえば、前述した送信順「4」のコマンド(確率情報コマンド)によって演出制御装置300が判定できる遊技状態(たとえば、高確率状態か否か)の情報や、前述した変形例1における送信順「6」のコマンド(コマンド名「打ち方」)によって演出制御装置300が判定できる打ち方(左打ちか、右打ちか)の情報である。
次に、図31(2)に示す具体例2では、LED表示装置520における特図1変動表示部521と特図1保留表示部523によって、前述した実施形態と同様に特図1変動表示ゲームの状態と特図1の保留数の表示をおこなうとともに、特図2変動表示部522と特図2保留表示部524によっても、特図1変動表示部521と特図1保留表示部523がおこなう表示と同じ表示(ミラーリングの表示)をおこなう。
次に、図31(3)に示す具体例3では、LED表示装置520における特図1変動表示部521によって、前述した実施形態と同様に特図1変動表示ゲームの状態の表示をおこない、特図2変動表示部522によって装飾または他の情報(遊技状態や打ち方の情報)の表示をおこなう。そして、LED表示装置520における特図1保留表示部523と特図2保留表示部524によって特図1の保留数の表示をおこなう。
たとえば、特図1保留表示部523と特図2保留表示部524のLED_d23、LED_d24、LED_d25、及びLED_d26の合計4個のLEDの点灯と消灯によって、特図1の保留数を表示する。具体的には、たとえば4個のLEDのうち点灯しているLEDの数が特図1の保留数になるように演出制御装置300がこれら4個のLEDを制御して、点灯しているLEDの数で特図1の保留数を示す。これにより、LEDを点滅させなくても、保留数を表示でき、遊技者にとって分かり易い保留数の情報報知が実現できる。
[第1の実施形態の変形例5]
次に第1の実施形態の変形例5について図32を用いて説明する。図32は、第1の実施形態の変形例5におけるLED表示装置(第2の表示手段)およびLED表示装置の打ち方表示部の動作態様と報知情報の一例を示す図である。
本変形例5のLED表示装置520は、図32(1)に示すように、前述した実施形態のLED表示装置520に打ち方表示部525(第2の状態表示部)を追加した構成である。本変形例5のLED表示装置520は、前述した各表示部(特図1変動表示部521、特図2変動表示部522、特図1保留表示部523、および特図2保留表示部524)を構成するLED_d21からLED_d26に加えて、打ち方表示部525を構成するLED_d27を有する。
打ち方表示部525は、LED_d27の1個のLEDの動作態様により、打ち方の状態(左打ちか、右打ちか)を表示する。たとえば図32(2)に示すように、打ち方表示部525は、LED_d27が消灯している動作態様により左打ちすべき状態であることを示し、LED_d27が点灯している動作態様により右打ちすべき状態であることを示す。なお打ち方表示部525は、前述の変形例1における送信順「6」のコマンド(コマンド名「打ち方」)を受信した演出制御装置300の制御によって、停電復旧時にも打ち方の情報を表示する。
これにより、表示装置41に打ち方の情報が表示されない場合(あるいは表示されていても見えない場合含む)でも、遊技者はLED表示装置520を見ることによって、打ち方の状態を把握でき、遊技者に有利となる。なお、表示装置41の表示画面でおこなわれる打ち方の表示(たとえば前述した右打ち表示544など)は、第1の状態表示部(第1の打ち方状態表示部)に相当するのに対して、LED表示装置520の打ち方表示部525は第2の状態表示部(第2の打ち方状態表示部)に相当する。
[第1の実施形態の他の変形例]
次に第1の実施形態の他の変形例について説明する。
LED表示装置520を構成するLEDは、単色で発光するLEDでもよいが、発光色を複数の異なる色に切り替えられるLED(フルカラーの発光が可能なLEDでもよい)とし、LEDの発光色によって保留数や変動状態以外の他の情報(高確率状態か否かの遊技状態や、打ち方の状態など)を示してもよい。たとえば、LED表示装置520において点灯または点滅しているいずれかのLEDの発光色が青色なら左打ち、赤色なら右打ちを示す構成としてもよい。
図25や図27に例示したような表示要素(たとえば、再開催促表示534、メーカー名表示537、注意喚起表示540、キャラクタ表示541、右打ち表示544など)は、停電復旧画面に複数表示するようにしてもよい。たとえば、上記表示要素のうちの複数または全てを同時に表示する構成もあり得る。
第1の表示手段は、前述した表示装置41のようなLCD(液晶表示器)などの映像表示装置に限定されず、リールタイプの表示装置でもよい。
第2の表示手段は、前述したLED表示装置520のようなLEDによる表示装置に限定されず、たとえば表示領域の小さなLCD(液晶表示器)によって構成することもできる。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶可能な遊技機であって、変動表示ゲームを第1の表示手段(表示装置41)で表示可能な第1変動表示部(大図柄群501、小図柄群502、保留消化表示506が表示される表示領域)と、変動表示ゲームを第2の表示手段(LED表示装置520)で表示可能な第2変動表示部(特図1変動表示部521、特図2変動表示部522)と、始動記憶を第1の表示手段で表示可能な第1始動記憶表示部(特図1保留数表示503、特図2保留数表示504、保留表示505が表示される表示領域)と、始動記憶を第2の表示手段で表示可能な第2始動記憶表示部(特図1保留表示部523、特図2保留表示部524)と、遊技制御をおこなう遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からコマンドを受信して演出手段を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技制御手段は、停電復旧を検出して、少なくとも始動記憶に関する情報を演出制御手段に通知する(特図1保留数コマンドと特図2保留数コマンドを含む停電復旧時コマンド)。演出制御手段は、通知を受けて、変動表示ゲームを表示することに代えて停電復旧に関する所定情報(停電復旧表示531など)を第1変動表示部に表示させ、始動記憶を表示することに代えて停電復旧に関する所定情報(停電復旧表示531など)を第1始動記憶表示部に表示させ、変動表示ゲームに代えて所定態様(たとえばLEDが消灯した態様)を第2変動表示部に表示させ、始動記憶を第2始動記憶表示部に表示させる。
(2)(1)の遊技機10は、発射された遊技球が打ち込まれる遊技盤の遊技領域に始動入賞口が配設され、この始動入賞口への遊技球の入賞によって実行権利として始動記憶が記憶され、この始動記憶に基づき識別情報(特図)を変動表示する変動表示ゲームをおこない、この変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に遊技者に有利な状態を発生させる。(1)の第1の表示手段と第2の表示手段は、遊技領域内に配設する。(1)の演出制御手段は、変動表示ゲームが未実行な残りの始動記憶の数(特図1の保留数、特図2の保留数)を第2始動記憶表示部に表示させる。
(3)(1)の第2の表示手段は、この第2の表示手段の表示が遊技機の他の構成要素(たとえば役物の可動部)で遮られない位置に配置する。
(4)(1)の通知(停電復旧時コマンド)には、遊技球を遊技領域の左側に打ち込むべき左打ち状態か、遊技球を遊技領域の右側に打ち込むべき右打ち状態かを示す打ち方の情報(打ち方コマンド)が含まれ、演出制御手段は、通知を受けて、打ち方の情報を示す表示(たとえば、右打ち表示544、あるいは打ち方表示部525による表示)を第1の表示手段または第2の表示手段(あるいは第1の表示手段と第2の表示手段)によっておこなう。
(5)(1)の通知(停電復旧時コマンド)には、停電時の遊技状態(特図が変動中か否か、あるいは高確率状態か否かなど)の情報(変動状態コマンド、確率情報コマンド)が含まれ、演出制御手段は、通知を受けて、遊技状態の情報を示す表示(たとえば、はずれ表示550、当り表示553、あるいはLED表示装置520の発光色による表示)を第1の表示手段または第2の表示手段(あるいは第1の表示手段と第2の表示手段)によっておこなう。
(6)(1)の演出制御手段は、受信した通知(停電復旧時コマンド)に応じて第1の表示手段に表示する表示画面の種類や仕様を複数ある中から選択して表示する。
(7)(1)の演出制御手段は、通知(停電復旧時コマンド)を受けて、第1の表示手段に異なる表示画面を順次切り替えて表示する。
(8)遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶可能な遊技機であって、変動表示ゲームを第1の表示手段(表示装置41)で表示可能な第1変動表示部(大図柄群501、小図柄群502、保留消化表示506が表示される表示領域)と、始動記憶を第1の表示手段で表示可能な第1始動記憶表示部(特図1保留数表示503、特図2保留数表示504、保留表示505が表示される表示領域)と、始動記憶を第2の表示手段(LED表示装置520)で表示可能な第2始動記憶表示部(特図1保留表示部523、特図2保留表示部524)と、遊技制御をおこなう遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からコマンドを受信して演出手段を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技制御手段は、停電復旧を検出して、少なくとも始動記憶に関する情報を演出制御手段に通知する(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンドを含む停電復旧時コマンド)。演出制御手段は、通知を受けて、変動表示ゲームを表示することに代えて停電復旧に関する所定情報(停電復旧表示531など)を第1変動表示部に表示させ、始動記憶を表示することに代えて停電復旧に関する所定情報(停電復旧表示531など)を第1始動記憶表示部に表示させ、始動記憶(特図1の保留数、特図2の保留数)を第2始動記憶表示部に表示させる。
(9)遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な遊技機であって、変動表示ゲームを第1の表示手段(表示装置41)で表示可能な第1変動表示部(大図柄群501、小図柄群502、保留消化表示506が表示される表示領域)と、変動表示ゲームを第2の表示手段(LED表示装置520)で表示可能な第2変動表示部(特図1変動表示部521、特図2変動表示部522)と、始動記憶の数を特定可能な情報を第1の表示手段で表示可能な第1始動記憶表示部(特図1保留数表示503、特図2保留数表示504、保留表示505が表示される表示領域)と、始動記憶の数を特定可能な情報を第2の表示手段で表示可能な第2始動記憶表示部(特図1保留表示部523、特図2保留表示部524)と、遊技制御をおこなう遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からコマンドを受信して演出手段を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技制御手段は、停電復旧を検出して、少なくとも始動記憶の数に関する情報を演出制御手段に通知する(特図1保留数コマンドと特図2保留数コマンドを含む停電復旧時コマンド)。演出制御手段は、通知を受けて、第1の表示手段に停電からの復旧中であることを示す所定の停電復旧情報を表示させ(停電復旧表示531など)、第2の表示手段に少なくとも始動記憶の数を特定可能な情報を表示させる(図22参照)。
(10)遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な遊技機であって、第1の表示手段(表示装置41)と、第2の表示手段(LED表示装置520)と、始動記憶の数を特定可能な情報を第1の表示手段で表示可能な第1始動記憶表示部(特図1保留数表示503、特図2保留数表示504、保留表示505が表示される表示領域)と、始動記憶の数を特定可能な情報を第2の表示手段で表示可能な第2始動記憶表示部(特図1保留表示部523、特図2保留表示部524)と、遊技制御をおこなう遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からコマンドを受信して演出手段を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技制御手段は、停電復旧を検出して、少なくとも始動記憶の数に関する情報を演出制御手段に通知する(特図1保留数コマンドと特図2保留数コマンドを含む停電復旧時コマンド)。演出制御手段は、通知を受けて、第1の表示手段に停電からの復旧中であることを示す所定の停電復旧情報を表示させ(停電復旧表示531など)、第2の表示手段に少なくとも始動記憶の数を特定可能な情報を表示させる。第2の表示手段は、いかなる遊技状態においても第2始動記憶表示部の視認性が阻害されない位置(たとえば遊技盤上の他の要素や役物の可動部などによって前面を覆われることがない位置、遊技領域32内を流下する遊技球がこのLED表示装置520の表示面の前面側を流れない位置)に配置される(図16、図22参照)。
[第2の実施形態]
まず、第2の実施形態の表示装置41における表示画面の構成について図33を用いて説明する。図33は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その1)である。
表示画面600は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群601と、第2飾り図柄として小図柄群602とがある。大図柄群601は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群601は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群601は、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとを含む。表示画面600における左図柄601Lは「3」、中図柄601Cは「7」、右図柄801Rは「6」で停止しており、特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群601は、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cの順に変動を開始し、左図柄601L、右図柄601R、中図柄601Cの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群601は、多くの場合において、左図柄601Lと右図柄601Rとでリーチ態様を形成し、中図柄601Cの停止を待って大当り態様を形成可能にする。
大図柄群601を構成する図柄(左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601R)は、主として意匠性の高い装飾図柄による。
小図柄群602は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群602は、大図柄群601による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群602は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面600の小図柄群602における左図柄は「3」、中図柄は「7」、右図柄は「6」で停止しており、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群601は、小図柄群602と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群602は、大図柄群601と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
これらによって遊技機10は、大図柄群601について表示演出の多様性を確保しながら小図柄群602について視認性を確保し、遊技者の遊技状態把握を容易にすることができる。
特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。たとえば、特図1ゲームの保留記憶は、始動入賞口36への入賞を契機にして生じる。特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。たとえば、特図2ゲームの保留記憶は、普通変動入賞装置37への入賞を契機にして生じる。
保留表示605は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示605が表示する保留記憶数は、遊技状態に応じて、特図1保留数表示603が表示する保留記憶数、または特図2保留数表示604が表示する保留記憶数のいずれか、または双方の合計数に相当する。
保留消化表示606は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。すなわち、遊技機10は、保留表示605と保留消化表示606とを用いて保留予告演出をおこなうことができる。保留予告演出は、保留表示605と保留消化表示606とを用いておこなう先読み演出の一態様である。
表示画面600は、特図1保留数表示603が示す特図1ゲームの保留記憶数が「3」であり、特図2保留数表示604が示す特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることから、保留表示605が示す保留記憶数も「3」である。また、表示画面600は、保留消化表示606により特図変動表示ゲームが図柄停止中であることを示す。
また、遊技機10は、大図柄群601と小図柄群602について変動表示中の変動態様を異なるものとすることができる。たとえば、遊技機10は、大図柄群601について縦スクロールとするとき、大図柄群601と小図柄群602との区別を容易にすることができる。また、遊技機10は、大図柄群601と小図柄群602とで非同期に図柄を更新する場合があっても、遊技者に与える違和感を軽減できる。
次に大図柄の図柄配列について図34を用いて説明する。図34は、第2の実施形態の大図柄群の図柄配列の一例を示す図である。
大図柄群601は、左図柄と中図柄と右図柄の3桁の図柄で構成され、各図柄は、9つの図柄(通常図柄または標準図柄とも言う)を配列する。大図柄群における通常図柄は、図柄610,611,612,613,614,615,616,617,618を図柄配列に含む。図柄610,611,612,613,614,615,616,617,618は、それぞれが異なる表示態様により他の図柄と区別可能になっている。図柄610,611,612,613,614,615,616,617,618は、それぞれ図柄の外形となる矩形状のベースと、ベース内に付された文字(たとえば数字)による識別性を有する文字要素とで表される。なお、配列される通常図柄は、図柄の価値に応じた所定の色彩が付されている。数字「0」と数字「2」と数字「6」の図柄(図柄610,612,616)は、青色の図柄であり、数字「1」と数字「4」と数字「8」の図柄(図柄611,614,618)は、緑色の図柄であり、数字「3」と数字「5」と数字「7」の図柄は、赤色の図柄(図柄613,615,617)である。
また、大図柄群601は、通常図柄と別に専用図柄を含むことができる。大図柄群601は、通常図柄だけからなる図柄配列を標準時図柄配列とすると、通常図柄に専用図柄を加えた図柄配列を特別時図柄配列とすることができる。大図柄群601は、たとえば所定の演出や所定の結果の報知を契機に、標準時図柄配列を特別時図柄配列に切り替えることができる。なお、特別時図柄配列は、1つ以上の専用図柄を含むものであって、その数は1つに限らない。また、特別時図柄配列は、通常図柄に専用図柄を加えた図柄配列に限らず、通常図柄のうち1つ以上の図柄を専用図柄に差し替えるものであってもよい。
たとえば、大図柄群601は、特別時図柄配列を、9つの通常図柄と1つの専用図柄としてもよいし、9つの通常図柄と2つの専用図柄としてもよいし、8つの通常図柄と1つの専用図柄としてもよいし、すべての通常図柄に代えて3つの専用図柄としてもよい。
大図柄群601における専用図柄は、図柄620,621,622を含む。図柄620,621,622は、通常図柄と区別可能な表示態様であり、図柄の外形となる矩形状のベースと、ベース内に付された文字による識別性を有する文字要素とで表される。専用図柄は、変動表示ゲームにおける報知演出(所定の演出が発生することを報知(予告)する演出)に用いられる。なお、報知演出は、専用図柄でおこなうことに加えて、通常図柄でおこなうこともできる。
図柄620は、変動表示ゲームにおいて疑似連が発生することを報知(予告)する図柄であり、文字要素として「もう一回」を含む。図柄621は、変動表示ゲームにおいて所定の図柄の組み合わせによって導出される小当りが発生することを報知する図柄であり、文字要素として「桜」を含む。図柄622は、変動表示ゲームにおいてリーチが発生することを報知する図柄であり、文字要素として「チャンス」を含む。
なお、上記専用図柄は一例であってこれに限らない。たとえば、遊技機10は、専用図柄として、所定の遊技状態(たとえば潜伏確変,普電サポート,確率変動など)への移行を報知する図柄を含むこともできる。また、遊技機10は、専用図柄として、変動表示ゲームが導出する結果(たとえば大当り)の信頼度を報知する図柄を含むこともできる。
また、遊技機10は、専用図柄として、小当り以外の変動表示ゲームが導出する結果(たとえば大当り)を報知する図柄を含むこともできる。また、遊技機10は、専用図柄として、変動表示ゲームが導出する結果(当り)の価値(たとえば、5ラウンドの当り,16ラウンドの当り,普電サポートを伴う当り,確率変動を伴う当りなど)を報知する図柄を含むこともできる。また、遊技機10は、専用図柄として、表示演出上のモードチェンジを報知する図柄を含むこともできる。また、遊技機10は、専用図柄として、普電サポートや確率変動等の所定の遊技状態の継続回数を報知する図柄を含むこともできる。また、遊技機10は、遊技案内(たとえば、プッシュボタン25の押下操作)を報知する図柄を含むこともできる。
次に大図柄の特図変動表示ゲームにおける表示態様について図35を用いて説明する。図35は、第2の実施形態の大図柄の表示態様の一例を示す図である。
第2の実施形態の遊技機10では、大図柄の表示態様が特図変動表示ゲーム(変動表示)の実行状態によって変化する。具体的には、大図柄の表示態様は、報知演出中を除く仮停止中および停止中と、報知演出中と、報知演出中を除く高速変動中とで、それぞれ異なる態様となる。このように、報知演出中の表示態様を他の表示態様(非報知演出中の表示態様)と異ならせることで、遊技機10は、専用図柄以外(通常図柄)を用いて報知演出を実行する場合であっても、報知演出であることを理解容易にできる。
大図柄の表示態様は、報知演出中を除く仮停止中および停止中において最も透過度が低い低透過表示態様(たとえば、透過度0%)となり、報知演出中において次に透過度が低い中透過表示態様(たとえば、透過度25%)となり、報知演出中を除く高速変動中において最も透過度が高い高透過表示態様(たとえば、透過度50%)となる。
その結果、大図柄は、報知演出中を除く高速変動中において最も視認性が低くなり、報知演出中において次に視認性が低くなり、報知演出中を除く仮停止中および停止中において最も視認性が高くなる。
このように、図柄の視認性を特図変動表示ゲームの実行状態に応じて変化させる場合であっても、特図変動表示ゲームの終了時(図柄の停止中)における図柄の視認性を高くすることで、遊技機10は、遊技の進行を理解容易にするとともに、特図変動表示ゲームの結果を把握容易にできる。
次に大図柄群を用いた報知演出(同色チャンス目先読み予告報知演出)について説明する。まず、通常図柄による報知演出について図36,37を用いて説明する。図36は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その2)である。図37は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その3)である。
表示画面630は、表示画面600の後の表示画面であって特図変動表示ゲームが高速変動中の状態の表示画面を示す。
表示画面630においては、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとは、図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。
表示画面631は、表示画面630の後の表示画面であって通常図柄による報知演出がおこなわれている状態の表示画面を示す。
表示画面631においては、左図柄601Lと右図柄601Rは、図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。一方、中図柄601Cは、中透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を仮停止させており、数字「7」の図柄を用いた報知演出をおこなっていることを示す。
中図柄601Cによる数字「7」の図柄の報知演出は、中図柄601Cの停止図柄を仮停止中の図柄(数字「7」の図柄)とした同色チャンス目先読み予告が発生することを報知するものである。同色チャンス目先読み予告は、停止する左図柄601L、中図柄601C、右図柄601Rの色の組み合わせによって、保留中の保留記憶(保留表示605が表示する保留記憶)の信頼度(期待度)を予告(報知)する演出である。
具体的には、遊技機10は、中図柄601Cによる数字「7」の図柄の報知演出では、中図柄601Cを数字「7」の図柄とする同色チャンス目先読み予告が発生することを報知(中図柄601Cに数字「7」の図柄が停止することを報知)し、これにより小図柄群602の停止図柄(小図柄群602の中図柄が数字「7」の図柄で停止すること)を示唆している。
すなわち、表示画面631における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄のうちの1つの停止図柄(中図柄の停止図柄)と対応した表示(関係づけられた表示)となっている。つまりは、表示画面631における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄のうちの1つの停止図柄(中図柄の停止図柄)についての情報を含んでいる。
これによれば、遊技機10は、大図柄群601における中図柄601Cを用いた報知演出により、大図柄群601が表示する特図変動表示ゲームを対象とする予告と、小図柄群602が表示する特図変動表示ゲームを対象とする予告とを併せておこなう演出(全ての図柄群の特図変動表示ゲームを対象とした予告演出)を実行することができる。これにより遊技機10は、表示全体(大図柄群601における特図変動表示ゲームの表示と、小図柄群602における特図変動表示ゲームの表示と)の統一感(一体感)を高め、違和感のない演出ができる。また、図柄群602の3つの停止図柄のうちの1つの停止図柄について示唆することにより、遊技機10は、遊技の予測可能性を高めることができる。したがって、遊技機10は、興趣を向上できる。
表示画面632は、表示画面631の後の表示画面であって通常図柄による報知演出が終了した後の状態の表示画面を示す。
表示画面632においては、中図柄601Cは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を仮停止させており、報知演出が終了したことを示す。また、左図柄601Lは低透過表示態様の数字「3」の図柄(図柄613)を仮停止させ、右図柄601Rは低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を仮停止させており、左図柄601Lと右図柄601Rは報知演出がおこなわれていないことを示す。
表示画面633は、表示画面632の後の表示画面であって同色チャンス目先読み予告が発生している状態の表示画面を示す。
表示画面633は、表示要素634を表示内容に含む。表示要素634は、「チャンス」という文字を表示し、同色チャンス目先読み予告が発生していることを案内している。すなわち、表示要素634は、大図柄群601を構成する各図柄(左図柄601L、中図柄601C、右図柄601R)の色の組み合わせによって保留表示605内に含まれる保留記憶の期待度を報知している状態であることを示す。
表示画面635は、表示画面633の後の表示画面であって同色チャンス目先読み予告が終了した後、特図変動表示ゲームが終了した状態の表示画面を示す。
表示画面635においては、左図柄601Lは、低透過表示態様の数字「3」の図柄(図柄613)を停止させ、中図柄601Cは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を停止させ、右図柄601Rは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を停止させている。
また、表示画面635においては、小図柄群602は、数字「3」の図柄を左図柄で停止させ、報知演出(表示画面631)において示唆した数字「7」の図柄を中図柄で停止させ、数字「7」の図柄を右図柄で停止させている。
次に、専用図柄(図柄620)による報知演出(疑似連報知演出)について図38,39を用いて説明する。図38は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その4)である。図39は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その5)である。
表示画面636は、表示画面600の後の表示画面であって特図変動表示ゲームが高速変動中の状態の表示画面を示す。
表示画面636においては、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとは、図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。
表示画面637は、表示画面636の後の表示画面であって図柄620による報知演出がおこなわれている状態の表示画面を示す。
表示画面637においては、左図柄601Lと右図柄601Rは、図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。一方、中図柄601Cは、中透過表示態様の「もう一回」の図柄(図柄620)を仮停止させており、「もう一回」の図柄を用いた報知演出をおこなっていることを示す。
具体的には、遊技機10は、中図柄601Cによる「もう一回」の図柄の報知演出では、疑似連が発生することを(大図柄群601が再度高速変動することを)報知し、小図柄群602の停止図柄については示唆をしていない。
すなわち、表示画面637における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602のいずれの停止図柄とも対応していない表示となっている(関係づけられた表示となっていない)。つまりは、表示画面637における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の停止図柄の情報を含んでいない。
これによれば、遊技機10は、大図柄群601における中図柄601Cを用いて大図柄群601が表示する特図変動表示ゲームをだけを対象とする予告を実行することができる。これにより、遊技機10は、報知演出をする場合であっても、意外性のある遊技を実行することができる。したがって、遊技機10は、興趣を向上できる。
表示画面638は、表示画面637の後の表示画面であって図柄620による報知演出が終了した後の状態の表示画面を示す。
表示画面638においては、中図柄601Cは、低透過表示態様の「もう一回」の図柄(図柄620)を仮停止させており、報知演出が終了したことを示す。また、左図柄601Lは低透過表示態様の数字「3」の図柄(図柄613)を仮停止させ、右図柄601Rは低透過表示態様の数字「3」の図柄(図柄613)を仮停止させており、左図柄601Lと右図柄601Rは報知演出がおこなわれていないことを示す。
表示画面639は、表示画面638の後の表示画面であって疑似連により図柄の再変動が開始した後の状態の表示画面を示す。
表示画面639においては、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとは、図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。
表示画面640,641は、表示画面639の後の表示画面であって再変動(疑似連)が終了し、特図変動表示ゲームが終了した状態の表示画面を示す。
表示画面640においては、左図柄601Lは、低透過表示態様の数字「4」の図柄(図柄614)を停止させ、中図柄601Cは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を停止させ、右図柄601Rは、低透過表示態様の数字「6」の図柄(図柄616)を停止させている。
また、表示画面640においては、小図柄群602は、左図柄で数字「4」の図柄を停止させ、中図柄で数字「7」の図柄を停止させ、右図柄で数字「6」の図柄を停止させている。
一方で表示画面641においては、左図柄601Lは、低透過表示態様の数字「1」の図柄(図柄611)を停止させ、中図柄601Cは、低透過表示態様の数字「1」の図柄(図柄611)を停止させ、右図柄601Rは、低透過表示態様の数字「1」の図柄(図柄611)を停止させている。
また、表示画面641においては、小図柄群602は、左図柄で数字「1」の図柄を停止させ、中図柄で数字「1」の図柄を停止させ、右図柄で数字「1」の図柄を停止させている。
このように疑似連後の大図柄群601(小図柄群602)の停止図柄は、報知表示によって示唆されていないため、任意の組み合わせ(自由な組み合わせ)となる(たとえば、当りの組み合わせとすることもできるし、はずれの組み合わせとすることもできる)。
次に、専用図柄(図柄621)による報知演出(小当り報知演出)について図40,41を用いて説明する。図40は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その6)である。図41は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その7)である。
表示画面642は、表示画面600の後の表示画面であって特図変動表示ゲームが高速変動中の状態の表示画面を示す。
表示画面642においては、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとは、図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。
表示画面643は、表示画面642の後の表示画面であって図柄621による報知演出がおこなわれている状態の表示画面を示す。
表示画面643においては、左図柄601Lと右図柄601Rは図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。一方、中図柄601Cは、中透過表示態様の「桜」の図柄(図柄621)を仮停止させており、「桜」の図柄を用いた報知演出をおこなっていることを示す。
具体的には、遊技機10は、中図柄601Cによる「桜」の図柄の報知演出では、所定の図柄組み合わせからなる小当りが発生することを報知し、これにより小図柄群602の停止図柄(小図柄群602が所定の図柄組み合わせで停止すること)を示唆している。
たとえば、小当りの停止図柄の組み合わせが「357」と「753」の二種類であるとき、「桜」の図柄は、「357」と「753」のいずれかの小当りが発生することを報知するものであってもよいし、一方の小当りが発生することを報知するものであってもよい。
たとえば、「桜」の図柄が「357」の組み合わせからなる小当りが発生することを報知するものである場合、表示画面643における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄(「357」)と対応した表示(関係づけられた表示)となっている。つまりは、表示画面643における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄(左図柄、中図柄、右図柄の停止図柄)についての情報を含んでいる。
また、「桜」の図柄が「357」と「753」のいずれかの組み合わせからなる小当りが発生することを報知するものである場合、表示画面643における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄の候補(「357」と「753」)と対応した表示(関係づけられた表示)となっている。つまりは、表示画面643における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄の候補(左図柄、中図柄、右図柄の停止図柄の候補)についての情報を含んでいる。
これによれば、いずれの場合であっても遊技機10は、大図柄群601における中図柄601Cを用いた報知演出により、大図柄群601が表示する特図変動表示ゲームを対象とする予告と、小図柄群602が表示する特図変動表示ゲームを対象とする予告とを併せておこなう演出(全ての図柄群の特図変動表示ゲームを対象とした予告演出)を実行することができる。これにより遊技機10は、表示全体(大図柄群601における特図変動表示ゲームの表示と、小図柄群602における特図変動表示ゲームの表示と)の統一感(一体感)を高めることができる。また、遊技機10は、遊技の予測可能性を高め、違和感のない演出ができる。また、図柄群602の3つの停止図柄のうちの3つの停止図柄について示唆することにより、遊技機10は、遊技の予測可能性を高めることができる(たとえば、1や2つの停止図柄について示唆する場合よりも遊技の予測可能性を高めることができる)。したがって、遊技機10は、興趣を向上できる。
表示画面644は、表示画面643の後の表示画面であって図柄621による報知演出が終了した後の状態の表示画面を示す。
表示画面644においては、中図柄601Cは、低透過表示態様の「桜」の図柄(図柄621)を仮停止させており、報知演出が終了したことを示す。また、左図柄601Lは低透過表示態様の数字「4」の図柄(図柄614)を仮停止させ、右図柄601Rは低透過表示態様の数字「3」の図柄(図柄613)を仮停止させており、左図柄601Lと右図柄601Rは報知演出がおこなわれていないことを示す。
表示画面645は、表示画面644の後の表示画面であって特図変動表示ゲームが終了し、小当りが発生している状態の表示画面を示す。
表示画面645は、表示要素646を表示内容に含む。表示要素646は、「桜チャンス」という文字を表示し、小当りが発生したことを案内している。そして表示画面645においては、小当りが発生したことに伴い、小図柄群602は、報知演出(表示画面643)において示唆した小当りに対応する停止図柄の組み合わせで各図柄を停止させている(数字「3」の図柄を左図柄で停止させ、数字「5」の図柄を中図柄で停止させ、数字「7」の図柄を右図柄で停止させている)。
次に、専用図柄(図柄622)による報知演出(リーチ報知演出)について図42,43を用いて説明する。図42は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その8)である。図43は、第2の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図(その9)である。
表示画面647は、表示画面600の後の表示画面であって特図変動表示ゲームが高速変動中の状態の表示画面を示す。
表示画面647においては、左図柄601Lと中図柄601Cと右図柄601Rとは、図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。
表示画面648は、表示画面647の後の表示画面であって図柄622による報知演出がおこなわれている状態の表示画面を示す。
表示画面648においては、左図柄601Lと右図柄601Rは図柄を高速変動させており、図柄が高透過表示態様となっている。一方、中図柄601Cは、中透過表示態様の「チャンス」の図柄(図柄622)を仮停止させており、「チャンス」の図柄を用いた報知演出をおこなっていることを示す。
具体的には、遊技機10は、中図柄601Cによる「チャンス」の図柄の報知演出では、リーチが発生することを報知し、これにより小図柄群602の停止図柄(小図柄群602の左図柄,中図柄,右図柄のうちの少なくとも2つが同じ停止図柄(リーチが発生する組み合わせ)で停止すること)を示唆している。
なお、「チャンス」の図柄は、所定のリーチ目のリーチ(たとえば、リーチ目を「7」とするリーチ)が発生することを報知するものであってもよいし、複数のリーチ目のうちのいずれかのリーチ目のリーチが発生することを報知する者であってもよい。
たとえば、「チャンス」の図柄がリーチ目を「7」とするリーチが発生することを報知するものである場合、表示画面648における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄のうちの2つの停止図柄(たとえば、左図柄と右図柄)と対応した表示(関係づけられた表示)となっている。つまりは、表示画面648における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄のうちの2つの停止図柄(左図柄と右図柄の停止図柄)についての情報を含んでいる。
また、「チャンス」の図柄が複数のリーチ目のうちのいずれかのリーチ目のリーチが発生することを報知するものである場合、表示画面648における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の小図柄群602の3つの停止図柄のうちの2つの停止図柄の候補と対応した表示(関係づけられた表示)となっている。つまりは、表示画面648における中図柄601Cによる報知演出の表示は、小図柄群602の3つの停止図柄のうちの2つの停止図柄の候補(左図柄と右図柄の停止図柄の候補)についての情報を含んでいる。
これによれば、いずれの場合であっても遊技機10は、大図柄群601における中図柄601Cを用いた報知演出により、大図柄群601が表示する特図変動表示ゲームを対象とする予告と、小図柄群602が表示する特図変動表示ゲームを対象とする予告とを併せておこなう演出(全ての図柄群の特図変動表示ゲームを対象とした予告演出)を実行することができる。これにより遊技機10は、表示全体(大図柄群601における特図変動表示ゲームの表示と、小図柄群602における特図変動表示ゲームの表示と)の統一感(一体感)を高めることができる。また、遊技機10は、遊技の予測可能性を高め、違和感のない演出ができる。また、図柄群602の3つの停止図柄のうちの3つの停止図柄について示唆することにより、遊技機10は、遊技の予測可能性を高めることができる(たとえば、1つの停止図柄について示唆する場合よりも遊技の予測可能性を高めることができる)。したがって、遊技機10は、興趣を向上できる。
表示画面649は、表示画面648の後の表示画面であって図柄622による報知演出が終了した後の状態の表示画面を示す。
表示画面649においては、中図柄601Cは、高透過表示態様の図柄を高速変動させており、報知演出が終了したことを示す。また、左図柄601Lは低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を仮停止させ、右図柄601Rは低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を仮停止させており、左図柄601Lと右図柄601Rは報知演出がおこなわれていないことを示す。また、左図柄601Lと右図柄601Rは、リーチ目が「7」であるリーチが発生していることを示す。
表示画面650,651は、表示画面649の後の表示画面であって特図変動表示ゲームが終了した状態の表示画面を示す。
表示画面650においては、左図柄601Lは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を停止させ、中図柄601Cは、低透過表示態様の数字「3」の図柄(図柄613)を停止させ、右図柄601Rは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を停止させている。
また、表示画面650においては、小図柄群602は、数字「7」の図柄を左図柄で停止させ、数字「3」の図柄を中図柄で停止させ、数字「7」の図柄を右図柄で停止させている。
一方で表示画面651においては、左図柄601Lは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を停止させ、中図柄601Cは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を停止させ、右図柄601Rは、低透過表示態様の数字「7」の図柄(図柄617)を停止させている。
また、表示画面651においては、小図柄群602は、数字「7」の図柄を左図柄で停止させ、数字「7」の図柄を中図柄で停止させ、数字「7」の図柄を右図柄で停止させている。
このように「チャンス」の図柄の報知演出後の大図柄群601(小図柄群602)の停止図柄は、報知演出(表示画面648)において示唆したリーチに対応する停止図柄の組み合わせで各図柄を停止させている。
このように第2の実施形態の遊技機10は、予測可能性の高い報知演出と、意外性の高い報知演出とを実行可能であるので演出にバリエーションを持たせることができる。また、遊技機10によれば小図柄群602の異なる数の停止図柄(1つの停止図柄、2つの停止図柄、3つの停止図柄)についての示唆をおこなう報知演出を実行可能であるので、演出にバリエーションを持たせることができる。これにより遊技機10は、マンネリ化を防止し、興趣を向上できる。
また、遊技機10は、大図柄群601が小図柄群602の停止態様を示唆することから、大図柄群601のみならず小図柄群602に対する遊技者の興趣を喚起することができる。
[第2の実施形態の変形例]
第2の実施形態では表示状態に応じて透過度が変化する例を用いて説明した。第2の実施形態では図44を用いて他の例について説明する。図44は、第2の実施形態の変形例1の大図柄の表示態様の一例を示す図である。
図44(1)に示す変形例では大図柄の表示態様は、報知演出中を除く仮停止中および停止中において最も図柄の大きさが大きい表示態様(たとえば、縮小率0%)となり、報知演出中において次に図柄の大きさが大きい表示態様(たとえば、縮小率25%)となり、報知演出中を除く高速変動中において最も図柄の大きさが小さい表示態様(たとえば、縮小率50%)となる。
その結果、大図柄は、報知演出中を除く高速変動中において最も視認性が低くなり、報知演出中において次に視認性が低くなり、報知演出中を除く仮停止中および停止中において最も視認性が高くなる。
図44(2)に示す変形例では大図柄の表示態様は、報知演出中を除く仮停止中および停止中において最も解像度が高い表示態様(たとえば、300ppi(Pixel Per inch))となり、報知演出中において次に解像度が高い表示態様(たとえば、200ppi)となり、報知演出中を除く高速変動中において最も解像度が低い表示態様(たとえば、100ppi)となる。
その結果、大図柄は、報知演出中を除く高速変動中において最も視認性が低くなり、報知演出中において次に視認性が低くなり、報知演出中を除く仮停止中および停止中において最も視認性が高くなる。
上記変形例でも、報知演出中の表示態様を他の表示態様(非報知演出中の表示態様)と異ならせているので、遊技機10は、専用図柄以外(通常図柄)を用いて報知演出を実行する場合であっても、報知演出であることを理解容易にできる。
また、図柄の視認性を特図変動表示ゲームの実行状態に応じて変化させる場合であっても、特図変動表示ゲームの終了時(図柄の停止中)における図柄の視認性を高くしているので、遊技機10は、遊技の進行を理解容易にするとともに、特図変動表示ゲームの結果を把握容易にできる。
上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示部(表示装置41)と、第1表示制御手段(表示装置41,遊技制御装置100,演出制御装置300)と、第2表示制御手段(表示装置41,遊技制御装置100,演出制御装置300)とを備える。表示部は、図柄を変動表示するゲームを表示可能である。第1表示制御手段は、表示部の第1の表示領域(画面右下領域)にゲームを第1の表示態様で表示させる(小図柄群602)。第2表示制御手段は、表示部の第1の表示領域より大きい第2の表示領域(画面中央領域)にゲームを第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させる(大図柄群601)。第2表示制御手段は、第1の視認性(たとえば、低透過表示態様に対応する視認性)で図柄を表示させる第1表示状態(報知演出中を除く仮停止中または停止中の状態)と、第1の視認性より低い第2の視認性(たとえば、中透過表示態様に対応する視認性)で図柄を表示させる第2表示状態(報知演出中の状態)とを切り替え可能であり、ゲームの結果を図柄のうち第1示唆図柄(たとえば、数字「7」の図柄(図柄617))で示唆する第1示唆演出(同色チャンス目先読み予告報知演出)と、ゲームの結果を第1示唆図柄と異なる第2示唆図柄(たとえば、「もう一回」の図柄(図柄620))で示唆する第2示唆演出(疑似連報知演出)とを実行可能であって、第1示唆演出において第2表示状態で第1示唆図柄を表示させるとき(表示画面631)、第1示唆図柄を第1表示制御手段が停止表示させる図柄(小図柄群602の中図柄の停止図柄)に対応させて表示させ、第2示唆演出において第2表示状態で第2示唆図柄を表示させるとき(表示画面637)、第2示唆図柄を第1表示制御手段が停止表示させる図柄に対応させずに表示させる。
(2)遊技機10は、表示部(表示装置41)と、第1表示制御手段(表示装置41,遊技制御装置100,演出制御装置300)と、第2表示制御手段(表示装置41,遊技制御装置100,演出制御装置300)とを備える。表示部は、図柄を変動表示するゲームを表示可能である。第1表示制御手段は、表示部の第1の表示領域(画面右下領域)にゲームを第1の表示態様で表示させる(小図柄群602)。第2表示制御手段は、表示部の第1の表示領域より大きい第2の表示領域(画面中央領域)にゲームを第1の表示態様と異なる第2の表示態様で表示させる(大図柄群601)。第2表示制御手段は、第1の視認性(たとえば、低透過表示態様に対応する視認性)で図柄を表示させる第1表示状態(報知演出中を除く仮停止中または停止中の状態)と、第1の視認性より低い第2の視認性(たとえば、中透過表示態様に対応する視認性)で図柄を表示させる第2表示状態(報知演出中の状態)とを切り替え可能、かつゲームの結果を図柄のうち第1示唆図柄(たとえば、数字「7」の図柄(図柄617))で示唆する第1示唆演出(同色チャンス目先読み予告報知演出)と、ゲームの結果を第1示唆図柄と異なる第2示唆図柄(たとえば、「桜」の図柄(図柄621))で示唆する第2示唆演出(小当り予告報知演出)とを実行可能であって、第1示唆演出において第2表示状態で第1示唆図柄を表示させるとき(表示画面631)、第1示唆図柄を第1表示制御手段が停止表示させる1つの図柄(小図柄群602の中図柄の停止図柄)に対応させて表示させ、第2示唆演出において第2表示状態で第2示唆図柄を表示させるとき(表示画面643)、第2示唆図柄を第1表示制御手段が停止表示させる2以上の図柄(小図柄群602の左図柄,中図柄,右図柄の停止図柄)に対応させて表示させる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の遊技機10について説明する。遊技機10は、変動表示ゲームの実行中にルーレット演出を実行可能であって、ルーレット演出の結果を遊技者が予測することで得られる興趣を演出する。
まず、ルーレット演出を実行可能な変動表示ゲームについて図45から図48を用いて説明する。図45は、第3の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その1)である。図46は、第3の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その2)である。図47は、第3の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その3)である。図48は、第3の実施形態の表示装置における表示画面の一例を示す図(その4)である。
図45(1)に示す表示画面700は、表示装置41の表示内容である。表示画面700は、大図柄群701と、小図柄群702と、特図1保留数表示703と、特図2保留数表示704と、保留表示705と、保留消化表示706を表示内容に含む。
大図柄群701は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、表示装置41は、大図柄群701を表示画面700の略中央部に大きく表示する。大図柄群701は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面700の大図柄群701における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。
小図柄群702は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、表示装置41は、小図柄群702を、大図柄群701による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように周縁部に小さく表示する。小図柄群702は、単独で図柄の視認性を確保する。小図柄群702は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面700の小図柄群702における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。
一般に、大図柄群701は、小図柄群702と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群702は、大図柄群701と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示703は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特図2保留数表示704は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。保留表示705は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示705が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示703が表示する保留記憶数と特図2保留数表示704が表示する保留記憶数の和に相当する。保留消化表示706は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。
なお、小図柄群702と特図1保留数表示703と特図2保留数表示704は、盤演出装置44の動作や前面側を転動する遊技球等によっても遊技者の死角に入らない位置に表示され、常時、変動表示状態と保留記憶数を遊技者に明示する。
また、遊技機10は、大図柄群701と小図柄群702とをそれぞれ3桁の図柄で構成したが、1つ以上の図柄を含むものであれば何桁であってもよい。また、遊技機10は、大図柄群701と小図柄群702とで図柄の桁数を揃えているが、大図柄群701と小図柄群702とで図柄の桁数を異ならせるものであってもよい。
また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群701について図柄の透明度を変更(たとえば透明度0%から50%に変更)することがあっても、小図柄群702について図柄の透明度を固定(たとえば透明度0%に固定)することができる。これにより、遊技機10は、大図柄群701について表示演出の多様性を確保しながら小図柄群702で遊技者の遊技状態把握を容易にすることができる。
また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群701について図柄の色相を変更(たとえば赤から青に変更)することがあっても、小図柄群702について図柄の色相を固定(たとえば赤に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群701について図柄の彩度を変更(たとえば彩度100%から0%に変更)することがあっても、小図柄群702について図柄の彩度を固定(たとえば彩度100%に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群701について図柄の明度を変更(たとえば明度100%から10%に変更)することがあっても、小図柄群702について図柄の明度を固定(たとえば明度100%に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群701について図柄の大きさを変更(たとえば、標準サイズから拡大(縮小)サイズに変更)することがあっても、小図柄群702について図柄の大きさを固定することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群701について図柄の表示位置を変更(たとえば画面中央から画面右上に変更)することがあっても、小図柄群702について図柄の表示位置を固定することができる。また、遊技機10は、変動表示中と停止表示中とで、あるいは変動表示中において大図柄群701について図柄のデザインを変更(たとえば矩形から円形に変更、あるいは数字からキャラクタに変更)することがあっても、小図柄群702について図柄のデザインを固定(たとえば数字に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中において大図柄群701について図柄の変動表示態様を変更(たとえば縦スクロールから横スクロールに変更)することがあっても、小図柄群702について図柄の変動表示態様を固定(たとえば軸回転変動に固定)することができる。また、遊技機10は、変動表示中において大図柄群701について図柄の変動表示を変更(たとえば縦スクロールから横スクロールに変更)することがあっても、小図柄群702について図柄の変動表示態様を固定(たとえば軸回転変動に固定)することができる。
これらによっても遊技機10は、大図柄群701について表示演出の多様性を確保しながら小図柄群702で遊技者の遊技状態把握を容易にすることができる。
図45(2)に示す表示画面707は、表示画面700より後の表示装置41の表示内容であって、ルーレット演出を実行中の表示画面である。表示画面707は、表示画面700の表示内容に加えて、ルーレット演出表示708を表示内容に含む。ルーレット演出表示708は、大図柄群701の変動表示の一部を構成する。表示画面707における大図柄群701は、左図柄と右図柄とを仮停止表示してリーチ状態を表示する。ルーレット演出表示708は、大図柄群701のうち中図柄に対応して停止、または仮停止する図柄候補708a〜708dを提示する。図柄候補708a〜708dは、表示位置が固定されていて、ポインタ708pは、図柄候補708a〜708dを所定周期で順次指示する。ルーレット演出表示708は、中図柄の変動表示の一形態であり、大図柄群701の変動表示の一部を構成する。
なお、図柄候補708aは、大図柄群701の変動表示において「はずれ図柄」である。たとえば、図柄候補708aは、左図柄と右図柄とが図柄「3」でリーチを形成しているときに、左図柄と右図柄とともに図柄「3」のゾロ目を構成しない図柄「2」である。図柄候補708bは、大図柄群701の変動表示において発展(たとえば、スーパーリーチへの発展)を示唆する特別図柄であり、図柄候補708cは、大図柄群701の変動表示において継続(たとえば、疑似連の継続)を示唆する特別図柄である。なお、図柄候補708cは、ルーレット演出の継続を示唆する特別図柄であってもよい。図柄候補708cがルーレット演出の継続を示唆する場合、遊技機10は、ルーレット演出表示708において、選択肢をそのままにして再度(2回目)のルーレット演出をおこなうようにしてもよいし、選択肢を入れ替えて再度のルーレット演出をおこなうようにしてもよい。また、遊技機10は、選択肢を入れ替えて再度のルーレット演出をおこなう場合、選択肢の数をそのままにしてもよいし、増減するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、1回目のルーレット演出で特別図柄「継続」、特別図柄「発展」、図柄「3」(当り図柄)、および図柄「2」(はずれ図柄)の4つの選択肢を表示していた場合、2回目のルーレット演出で特別図柄「発展」、図柄「3」(当り図柄)、および図柄「2」(はずれ図柄)の3つの選択肢を表示するようにしてもよいし、特別図柄「発展」、図柄「3」(当り図柄)、図柄「2」(はずれ図柄)、および図柄「4」(はずれ図柄)のる5つの選択肢を表示するようにしてもよい。また、遊技機10は、再度(2回目)のルーレット演出で、同じ図柄を2以上にして表示してもよい。たとえば、遊技機10は、1回目のルーレット演出で特別図柄「継続」、特別図柄「発展」、図柄「3」(当り図柄)、および図柄「2」(はずれ図柄)の4種類、4つの選択肢を表示していた場合、2回目のルーレット演出で特別図柄「発展」、図柄「3」(当り図柄)、図柄「3」(当り図柄)、および図柄「2」(はずれ図柄)の3種類、4つの選択肢や、特別図柄「発展」、図柄「3」(当り図柄)、図柄「3」(当り図柄)、および図柄「3」(当り図柄)の2種類、4つの選択肢や、すべて図柄「3」(当り図柄)の1種類、4つの選択肢を表示するようにしてもよい。
図柄候補708dは、大図柄群701の変動表示において「当り図柄」である。たとえば、図柄候補708dは、左図柄と右図柄とが図柄「3」でリーチを形成しているときに、左図柄と右図柄とともに図柄「3」のゾロ目を構成する図柄「3」である。
なお、図柄候補708aは、はずれを示唆することから、図柄候補708a〜708dのうちでもっとも期待感が低い選択肢である。図柄候補708dは、当りを示唆することから、図柄候補708a〜708dのうちでもっとも期待感が高い選択肢である。図柄候補708b,708cは、図柄候補708aと図柄候補708dの中間程度の期待感となる選択肢である。
なお、大図柄群701は、所定の図柄列(たとえば、図柄「1」から図柄「9」までの9個の図柄からなる図柄列)を順次表示する変動表示をおこなう。しかしながら、ルーレット演出表示708に表示する図柄は、大図柄群701が表示する所定の図柄列の一部(たとえば、当り図柄とはずれ図柄の2図柄)に限り、所定の図柄列の全部としない。
また、ルーレット演出表示708は、所定の図柄列の一部の図柄に加えて、特別図柄を選択肢に含めることができる。特別図柄は、大図柄群701が表示する所定の図柄列に含まれない図柄である。
小図柄群702もまた、所定の図柄列(たとえば、図柄「1」から図柄「9」までの9個の図柄からなる図柄列)を順次表示する変動表示をおこなう。また、小図柄群702の図柄配列は、少なくとも一部に、ルーレット演出表示708が表示する図柄候補708a〜708dに対応する図柄を含む。たとえば、小図柄群702の図柄配列は、図柄候補708aと図柄候補708dに対応する図柄を含む。また、小図柄群702の図柄配列は、ルーレット演出表示708が表示する図柄候補708a〜708dのうち少なくとも一部に対応する図柄を含まない。たとえば、小図柄群702の図柄配列は、図柄候補708bと図柄候補708cに対応する図柄を含まない。
また、小図柄群702は、ポインタ708pが図柄候補708a〜708dを順次指示する周期よりも短い周期で所定の図柄列を順次表示する。これにより、小図柄群702の変動表示は、図柄候補708aと図柄候補708dの案内表示として機能する。すなわち、ルーレット演出表示708においてポインタ708pが図柄候補708a〜708dを順次指示する1周期の間に、小図柄群702は、1周期を超えて図柄列を順次表示する。したがって、遊技機10は、ポインタ708pが図柄候補708a〜708dを順次指示する1周期の間に、ルーレット演出表示708で表示される図柄候補708aと図柄候補708dが小図柄群702の図柄列に含まれることを案内することができる。
図46(1)に示す表示画面709は、表示画面707より後の表示装置41の表示内容であって、ルーレット演出を実行中の表示画面である。表示画面709におけるルーレット演出表示708は、ポインタ708pが図柄候補708a〜708dのうちから1つの演出結果を指示し、大図柄群701の変動表示においてはずれを導出する様子を示す。たとえば、表示画面709におけるルーレット演出表示708は、ポインタ708pが図柄候補708aを演出結果として指示する様子を示す。このとき、小図柄群702は、図柄列を順次表示中であるが、ポインタ708pが図柄候補708a〜708dのうちから1つの演出結果を指示するタイミングで停止するようにしてもよい。
図46(2)に示す表示画面710は、表示画面709より後の表示装置41の表示内容であって、変動表示結果を表示中の表示画面である。表示画面710は、ルーレット演出が終了したことから、ルーレット演出表示708を表示内容に含まない。表示画面710は、大図柄群701においてはずれを導出し、小図柄群702においてはずれを導出する。大図柄群701の中図柄は、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する図柄を表示し、小図柄群702の中図柄は、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する図柄を表示する。このように、遊技機10は、大図柄群701と小図柄群702とが、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する図柄を表示することで、ルーレット演出中の小図柄群702が大図柄群701の停止図柄を案内することを明らかにできる。
図47(1)に示す表示画面711は、表示画面707より後の表示装置41の表示内容であって、ルーレット演出を実行中の表示画面である。表示画面711におけるルーレット演出表示708は、ポインタ708pが図柄候補708a〜708dのうちから1つの演出結果を指示し、大図柄群701の変動表示において発展演出を導出する様子を示す。たとえば、表示画面711におけるルーレット演出表示708は、ポインタ708pが図柄候補708bを演出結果として指示する様子を示す。このとき、小図柄群702は、図柄列を順次表示中である。
図47(2)に示す表示画面712は、表示画面711より後の表示装置41の表示内容であって、変動表示結果を表示中の表示画面である。表示画面712は、ルーレット演出が終了したことから、ルーレット演出表示708を表示内容に含まない。表示画面712は、ルーレット演出が発展演出を導出したことから、ルーレット演出表示708に代えて発展演出表示713を表示内容に含む。発展演出表示713は、たとえば、キャラクタ同士のバトル演出等がある。このとき、大図柄群701は、左図柄と右図柄とが図柄「3」でリーチを形成し、透明度を上げた中図柄の変動表示をおこなう。小図柄群702は、ルーレット演出表示708から発展演出表示713への切替に関わらず定速での変動表示を継続する。
なお、ポインタ708pが図柄候補708cを演出結果として指示した場合、遊技機10は、発展演出に代えて疑似連演出をおこなう。遊技機10は、疑似連演出をおこなう場合に、発展演出表示713と同様に疑似連演出表示の表示領域を設けて疑似連演出をおこなうようにしてもよいし、大図柄群701の表示領域において疑似連演出をおこなうようにしてもよい。小図柄群702は、ルーレット演出表示708から疑似連演出表示への切替に関わらず定速での変動表示を継続する。
図48(1)に示す表示画面714は、表示画面707より後の表示装置41の表示内容であって、ルーレット演出を実行中の表示画面である。表示画面714におけるルーレット演出表示708は、ポインタ708pが図柄候補708a〜708dのうちから1つの演出結果を指示し、大図柄群701の変動表示において当りを導出する様子を示す。たとえば、表示画面714におけるルーレット演出表示708は、ポインタ708pが図柄候補708dを演出結果として指示する様子を示す。このとき、小図柄群702は、図柄列を順次表示中であるが、ポインタ708pが図柄候補708a〜708dのうちから1つの演出結果を指示するタイミングで停止するようにしてもよい。
図48(2)に示す表示画面715は、表示画面714より後の表示装置41の表示内容であって、変動表示結果を表示中の表示画面である。表示画面715は、ルーレット演出が終了したことから、ルーレット演出表示708を表示内容に含まない。表示画面715は、大図柄群701において当りを導出し、小図柄群702において当りを導出する。大図柄群701の中図柄は、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708dに対応する図柄を表示し、小図柄群702の中図柄は、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708dに対応する図柄を表示する。このように、遊技機10は、大図柄群701と小図柄群702とが、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708dに対応する図柄を表示することで、ルーレット演出中の小図柄群702が大図柄群701の停止図柄を案内することを明らかにできる。
次に、大図柄群701の図柄列と小図柄群702の図柄列について図49を用いて説明する。図49は、第3の実施形態の大図柄群と小図柄群の一例を示す図である。大図柄群701は、図柄「1」から、図柄「2」、図柄「3」、図柄「4」、図柄「5」、図柄「6」、図柄「7」、図柄「8」、図柄「9」の順に並ぶ図柄列を、左図柄、右図柄、中図柄のそれぞれで変動表示する。
小図柄群702は、図柄「1」から、図柄「2」、図柄「3」、図柄「4」、図柄「5」、図柄「6」、図柄「7」、図柄「8」、図柄「9」の順に並ぶ図柄列を、左図柄、右図柄、中図柄のそれぞれで変動表示する。小図柄群702は、図柄「7」の表示態様(たとえば、背景表示を設けて白抜き文字)だけ他の図柄の表示態様(たとえば、背景なしで黒文字)と異なる態様とする。これにより、小図柄群702は、変動表示中の図柄列の変動周期を把握容易にしている。なお、遊技機10は、ルーレット演出表示708におけるポインタ708pの回転周期(変動周期)も把握容易にしていることから、小図柄群702における図柄列の変動周期とポインタ708pの回転周期との比較もまた容易にしている。
なお、大図柄群701が表示する図柄と小図柄群702が表示する図柄とは、表示態様が大きさの相違や、小図柄の図示簡潔化等により厳密に一致しないものの、遊技者が感得可能な程度の対応関係を有して表示される。たとえば、大図柄群701の図柄「1」と小図柄群702の図柄「1」とは、遊技者によって同じ図柄を示すことを認識可能な程度の対応関係を有する。また、大図柄群701の図柄「7」と小図柄群702の図柄「7」も、遊技者によって同じ図柄を示すことを認識可能な程度の対応関係を有する。また、大図柄群701と小図柄群702は、それぞれ同数の図柄からなる図柄列であって、大図柄群701の図柄と小図柄群702の図柄とが1対1の対応関係を有する。
なお、大図柄群701と小図柄群702において、左図柄、右図柄、中図柄は、同じ図柄列を変動表示するものであってもよいし、左図柄、右図柄、中図柄で異なる図柄列を変動表示するものであってもよい。
ここで、大図柄群701の図柄と小図柄群702の図柄との対応関係の変形例について図50を用いて説明する。図50は、第3の実施形態の変形例の大図柄群と小図柄群の一例を示す図である。
大図柄群701は、図柄「1」から、図柄「2」、図柄「3」、図柄「4」、図柄「5」、図柄「6」、図柄「7」、図柄「J」、図柄「Q」、図柄「K」の順に並ぶ図柄列を、左図柄、右図柄、中図柄のそれぞれで変動表示する。
小図柄群702は、図柄「1」から、図柄「2」、図柄「3」、図柄「4」、図柄「5」、図柄「6」、図柄「7」、図柄「8」、図柄「9」の順に並ぶ図柄列を、左図柄、右図柄、中図柄のそれぞれで変動表示する。小図柄群702は、図柄「7」の表示態様(たとえば、背景表示を設けて白抜き文字)だけ他の図柄の表示態様(たとえば、背景なしで黒文字)と異なる態様とする。これにより、小図柄群702は、変動表示中の図柄列の変動周期を把握容易にしている。なお、遊技機10は、ルーレット演出表示708におけるポインタ708pの回転周期(変動周期)も把握容易にしていることから、小図柄群702における図柄列の変動周期とポインタ708pの回転周期との比較もまた容易にしている。このとき、ルーレット演出表示708は、大図柄群701に含まれる図柄のうちの一部だけを図柄候補としていることから、ポインタ708pの回転周期は、大図柄群701における図柄列の変動周期から独立している。
なお、大図柄群701が表示する図柄と小図柄群702が表示する図柄とは、表示態様が大きさの相違や、小図柄の図示簡潔化、図柄数、デザイン等で一致しない場合があるものの、遊技者が経験的に感得可能な程度の対応関係を有して表示される。たとえば、大図柄群701の図柄「1」と小図柄群702の図柄「1」とは、遊技者によって同じ図柄を示すことを認識可能な程度の対応関係を有する。また、大図柄群701の図柄「7」と小図柄群702の図柄「7」も、遊技者によって同じ図柄を示すことを認識可能な程度の対応関係を有する。また、大図柄群701の図柄「J」と小図柄群702の図柄「8」は、一見すると対応関係を有しないが、1対1の対応関係があり遊技者によって経験的に感得可能な対応関係を有する。また、大図柄群701の図柄「Q」、図柄「K」と小図柄群702の図柄「9」は、一見すると対応関係を有しないが、2対1の対応関係があり遊技者によって経験的に感得可能な対応関係を有する。このように、大図柄群701と小図柄群702は、異なる数の図柄からなる図柄列であっても、遊技者によって感得可能な対応関係があれば、大図柄群701の図柄と小図柄群702の図柄とが1対1、あるいは多対1の対応関係を有するものであってもよい。なお。遊技者によって感得可能な対応関係は、あらかじめ設定された対応関係であり、大図柄群701の図柄と小図柄群702の図柄とが多対1、多対多の対応関係にないものをいう。このような対応関係は、遊技者が遊技を通じて経験的に感得可能になる。
なお、大図柄群701と小図柄群702において、左図柄、右図柄、中図柄は、同じ図柄列を変動表示するものであってもよいし、左図柄、右図柄、中図柄で異なる図柄列を変動表示するものであってもよい。
なお、大図柄群701の図柄と小図柄群702の図柄との対応関係は、左図柄、右図柄、中図柄のすべてに求められるものであってもよいし、ルーレット演出表示708の対象となる図柄に限るものであってもよい。たとえば、ルーレット演出表示708の対象が中図柄である場合、大図柄群701の図柄と小図柄群702の図柄との対応関係は、中図柄だけを対象とするものであってもよい。
ここで、大図柄群701の図柄と小図柄群702の図柄との対応関係の変形例について図51を用いて説明する。図51は、図51は、第3の実施形態の変形例の表示装置における表示画面の一例を示す図である。
図51(1)に示す表示画面716は、表示画面709より後の表示装置41の表示内容であって、変動表示結果を表示中の表示画面である。表示画面716は、ルーレット演出が終了したことから、ルーレット演出表示708を表示内容に含まない。表示画面716は、大図柄群701においてはずれを導出し、小図柄群702においてはずれを導出する。大図柄群701の中図柄701Cは、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する図柄として図柄「2」を表示し、小図柄群702の中図柄702Cは、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する図柄として図柄「2」を表示する。このように、遊技機10は、中図柄701Cと中図柄702Cとが、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する図柄を表示することで、ルーレット演出中の小図柄群702が大図柄群701の停止図柄を案内することを明らかにできる。
このとき、大図柄群701は、大図柄群701の左図柄701Lと小図柄群702の左図柄702L、あるいは大図柄群701の右図柄701Rと小図柄群702の右図柄702Rとが対応するものであってもよいし、対応しないものであってもよい。表示画面716は、右図柄701Rと右図柄702Rとがともに図柄「3」で対応し、左図柄701Lと左図柄702Lとが図柄「3」と図柄「1」で対応しない例を表示する。
図51(2)に示す表示画面717は、大図柄群701がマルチラインの有効ライン表示であり、小図柄群702がシングルラインの有効ライン表示である。表示画面717において、大図柄群701の中図柄701Cは、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する図柄として図柄「2」を表示し、小図柄群702の中図柄702Cは、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する中図柄702Cとして図柄「2」を表示する。このように、遊技機10は、中図柄701Cと中図柄702Cとが、ルーレット演出の結果としてポインタ708pが指示した図柄候補708aに対応する図柄を表示することで、ルーレット演出中の小図柄群702が大図柄群701の停止図柄を案内することを明らかにできる。
このとき、大図柄群701と小図柄群702は、有効ライン数、および表示する図柄数が異なるので、中図柄701Cと中図柄702Cとで対応関係を有すれば、その他の図柄においてまで対応関係を有することを要しない。このような場合においても、遊技機10は、ルーレット演出中の小図柄群702が大図柄群701の停止図柄を案内することを明らかにできる。
次に、小図柄群702における図柄列の変動周期(小図柄群変動周期)と、ルーレット演出表示708におけるポインタ708pの回転周期(ルーレット変動周期)の関係について図52を用いて説明する。図52は、第3の実施形態の変形例の小図柄群変動周期とルーレット変動周期の一例を示す図である。
遊技機10は、変動表示ゲームの変動表示期間t0からt4までの間、小図柄群変動周期を変動周期TAとして小図柄群702を定速で変動表示する。一方、遊技機10は、t0からt4までの変動表示ゲームの変動表示期間のうちに、t1からt3までのルーレット演出期間があるとき、t1からt2までの期間でルーレット変動周期を変動周期TBとしてポインタ708pを定速で回転表示し、t2からt3までの期間でルーレット変動周期を変動周期TCとしてポインタ708pを定速で回転表示する。変動周期TB,TCは、いずれも変動周期TAより長い周期である。なお、遊技機10は、ルーレット演出期間において2以上の変動周期を設定した場合に、すべての変動周期が変動周期TAより長い周期であることが望ましいが、少なくとも1つの変動周期が変動周期TAより長い周期であるものであってもよい。また、遊技機10は、ルーレット演出期間において2以上の変動周期を設定せずにただ1つの変動周期を設定するものであってもよく、その場合、ただ1つの変動周期は、変動周期TAより長い周期である。
次に、小図柄群702における図柄列の変動速度(小図柄群変動速度)と、ルーレット演出表示708におけるポインタ708pの回転速度(ルーレット変動速度)の関係について図53を用いて説明する。図53は、第3の実施形態の変形例の小図柄群変動速度とルーレット変動速度の一例を示す図である。
遊技機10は、変動表示ゲームの変動表示期間t0からt4までの間、小図柄群変動速度を変動速度v0として小図柄群702を定速で変動表示する。一方、遊技機10は、t0からt4までの変動表示ゲームの変動表示期間のうちに、t1からt3までのルーレット演出期間があるとき、t1からt2までの期間でルーレット変動速度を変動速度v1としてポインタ708pを定速で回転表示し、t2からt3までの期間でルーレット変動速度を変動速度v2としてポインタ708pを定速で回転表示する。変動速度v1,v2は、いずれも変動速度v0より速い速度である。なお、遊技機10は、ルーレット演出期間において2以上の変動速度を設定した場合に、すべての変動速度が変動速度v0より速い速度であることが望ましいが、少なくとも1つの変動速度が変動速度v0より速い速度であるものであってもよい。また、遊技機10は、ルーレット演出期間において2以上の変動速度を設定せずにただ1つの変動速度を設定するものであってもよく、その場合、ただ1つの変動速度は、変動速度v0より速い速度である。
なお、遊技機10は、ルーレット変動周期が小図柄群変動周期より長い周期であり、ルーレット変動速度が小図柄群変動速度より速い速度であることが望ましいとしたが、いずれか一方を満たすものであってもよい。
このような遊技機10は、ルーレット演出が小図柄群702の停止態様を示唆することから、大図柄群701のみならず小図柄群702に対する遊技者の興趣を喚起することができる。
次に、ルーレット演出表示708の変形例について図54を用いて説明する。図54は、第3の実施形態の変形例のルーレット演出画面の一例を示す図である。ルーレット演出表示708は、図柄候補708a〜708dの表示位置を固定して、ポインタ708pを回転させてルーレット演出をおこなっていたが、図柄候補を提示して1の図柄を選択するものであれば他の態様であってもよい。
図54(1)に示すルーレット演出表示720は、ポインタ708pに代えてポインタに相当するウインドウ721を固定表示し、図柄候補708a〜708dを回転表示する。ルーレット演出表示720は、ウインドウ721から臨む図柄をルーレット演出の結果として選択された図柄とする。
図54(2)に示すルーレット演出表示722は、複数の矩形領域723をマトリクス状に配置し、各矩形領域に図柄候補708a〜708dを1つずつ配置する。ルーレット演出表示722は、選択中の矩形領域723を明るく表示し、非選択中の矩形領域723を暗く表示し、選択中の矩形領域723と非選択中の矩形領域723を切り替える。ルーレット演出表示722は、最終的に明るく表示された矩形領域に配置された図柄をルーレット演出の結果として選択された図柄とする。
上述した第3の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、第1変動表示手段(演出制御装置300、表示装置41、大図柄群701)と、第2変動表示手段(演出制御装置300、表示装置41、小図柄群702)と、制御手段(演出制御装置300)と、を含む。第1変動表示手段は、第1の図柄列の変動表示によりゲームの結果を表示する。第2変動表示手段は、第1の図柄列と異なる第2の図柄列の変動表示によりゲームの結果を表示する。制御手段は、第1変動表示手段において、第1の図柄列に含まれるとともに、第2の図柄列に含まれる図柄に対応する図柄のうちから1部の図柄を含む選択肢(図柄候補708a〜708d)を決定し、選択肢を第1の周期(ルーレット変動)で変動表示させるとき、第2変動表示手段において、第2の図柄列に含まれるすべての図柄を第1の周期よりも短い第2の周期(小図柄群変動周期)で変動表示させる。(図45から図48、図52)
(2)(1)の選択肢は、はずれを示唆する選択肢と、当りを示唆する選択肢とを含む。
(3)(1)の選択肢は、はずれを示唆する選択肢と、当りを示唆する選択肢と、図柄列に含まれない、遊技進行を案内する特別図柄とを含む。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態の遊技機10について説明する。遊技機10は、遊技機10が備える各種構成によりユーザインタフェースの向上を図っている。まず、遊技機10の正面にあってユーザインタフェースの向上を図る構成について図55を用いて説明する。図55は、第4の実施形態の遊技機の一例を示す正面図である。
遊技機10は、前面枠12の上部に交換可能なトップユニット800を有する。トップユニット800は、機種に応じて交換可能なユニット式であり、ユニットごとの特性を有した演出を可能にする。たとえば、トップユニット800は、ランプやLEDからなる装飾装置であってもよく、枠装飾装置18を補完して発光演出をおこなうことができる。また、トップユニット800は、スピーカからなる音出力装置であってもよく、スピーカ19a,19bを補完して音演出をおこなうことができる。また、トップユニット800は、可動機構からなる演出装置であってもよく、盤演出装置44(可動役物)を補完してアクション演出をおこなうことができる。また、トップユニット800は、発光演出、音演出、アクション演出、その他演出のうちただ1つを分担するものに限らず、2以上の演出を複合的におこなうことが可能なマルチ演出ユニットであってもよい。
また、トップユニット800は、ベース部材とクリアカバーとの間に機種名等が表示されたシートを保持するようにしてもよく、遊技盤30を交換する機種交換時に対応するシートに交換することによって異なる機種間でベース部材とクリアカバーとを共用し、コスト削減を図るようにしてもよい。
また、遊技機10は、ガラス枠15の額縁部(ベース部材)803を黒色にしている。額縁部803は、ガラス枠15の左右に設けられた枠装飾装置18と遊技盤30とを区画する。これにより、遊技機10は、遊技盤30(たとえば、表示装置41や各種入賞口等)を注視する遊技者の視野において発光する枠装飾装置18の装飾効果を際立たせることができる。また、遊技機10は、遊技盤30を注視する遊技者の視野においてガラス枠15の圧迫感を軽減することができる。
また、額縁部803は、ガラス枠15の下方に設けられた演出ボタン25と遊技盤30とを区画する。これにより、遊技機10は、遊技盤30を注視する遊技者の視野において演出(たとえば、発光や振動、突出アクション等)する演出ボタン25の演出効果を際立たせることができる。また、額縁部803は、演出ボタン25の背景となって演出ボタン25の演出効果を際立たせることができる。また、遊技機10は、遊技盤30を注視する遊技者の視野においてガラス枠15の圧迫感を軽減することができる。なお、遊技機10は、上皿21の遊技球収容面を黒色にして額縁部803の区画機能を補助する。また、上皿21の遊技球収容面は、オプション設定部29と遊技盤30とを区画する機能を有する。
なお、遊技機10は、額縁部803を黒色としたが、黒色と同様の性質(収縮色、後退色等のイメージ効果)を有する色であれば、灰色等、その他の色であってもよい。仮に、額縁部803が黒色でなく赤色等の黒色と異なる性質(膨張色、進出色等のイメージ効果)を有する色であれば、遊技機10は、遊技盤30を注視する遊技者の視野において額縁部803が邪魔なものとなるとともに、ガラス枠15の圧迫感を強調するものとなる。
次に、遊技機10のユーザインタフェースの向上を図る構成について図56を用いて説明する。図56は、第4の実施形態の遊技機の一例を示す分解斜視図である。
遊技機10は、外枠11の前面左側で前面枠12を軸支し、前面枠12の右側を開放端にして開閉回動可能にしている。なお、図示省略されている遊技盤30は、外枠11によって支持され、ガラス枠15が備えるカバーガラス越しに前面側に臨む。また、遊技機10は、前面枠12と別体となる下皿ユニット804を支持する。
前面枠12は、トップユニット800を収容可能な収容凹部801と、トップユニット800と前面枠12とを連結する連結機構802を備える。前面枠12は、収容凹部801にトップユニット800を収容することで、トップユニット800を保護するとともに、前面枠12とトップユニット800とが一体となった意匠効果を発揮する。トップユニット800は、連結機構802により電気的かつ機械的に接続されるとともに取り外し不能にロック(たとえば、嵌合状態を係止爪により保持)される。なお、連結機構802は、前面枠12の裏面側から、すなわち前面枠12の開放状態においてロック解除可能(たとえば、係止爪の保持状態を解除する解除操作部を有する)であり、メンテナンス等の保守作業時にトップユニット800を取り外し可能にする。
遊技機10は、トップユニット800が可動機構を有してアクション演出をおこなうとき、トップユニット800の可動部を前方に突出させたり、上方や下方に向けて動作させたりしてもよく、このような場合にあっても、トップユニット800を収容凹部801に収容して保持することで、可動時においてダイナミックな演出をおこなうことを可能にしながらも、通常時(非可動時)において遊技者に対する圧迫感を抑制する。
また、前面枠12は、前面側に突出するようにして上部の左右両側に一対のスピーカ飾り805を備える。スピーカ飾り805は、収容凹部801を挟むようにして配設され、トップユニット800の収容時にトップユニット800のおおよその外形をスピーカ飾り805で示す範囲内に収めて遊技者に対する圧迫感を軽減する。
なお、スピーカ飾り805は、スピーカ19aの前面側にあって、前面側を閉じて、周縁(たとえば、遊技盤30に向く下方や側方)を開放する。これにより、スピーカ飾り805は、スピーカ19aの出力音が直接に遊技者に向かうことを避け、間接的に遊技者に向かう間接音響を実現している。
そのため、遊技機10は、スピーカ飾り805の前面側にまで及ぶ大きさのトップユニット800を備えても、スピーカ19aの出力音の音響効果を損なわないようにしている。すなわち、遊技機10は、トップユニット800がスピーカ飾り805の前面側に干渉する大きさを有するか否かに関わらず、安定した音響効果を実現可能にしている。
また、枠装飾装置18は、サイドカバーにインナーカバーが臨む窓を設け、サイドカバーの窓からインナーカバーを介して漏れる光を観察可能にしている。遊技機10は、サイドカバー自体の発光とサイドカバーの窓からの漏れ光とにより、枠装飾装置18の装飾効果を高めることができる。
次に、前面枠12におけるスピーカ飾り805、スピーカ19aの配置構成について図57を用いて説明する。図57は、第4の実施形態の前面枠の一例を示す分解斜視図である。
前面枠12は、前面枠ベース806の上部の左右両側に一対のスピーカ19aを備える。スピーカ19aは、音出力方向を遊技盤30に向けて配設される。すなわち、前面枠ベース806の上部左側のスピーカ19aは、音出力方向を遊技機正面方向よりも下方右側に傾け、前面枠ベース806の上部右側のスピーカ19aは、音出力方向を遊技機正面方向よりも下方左側に傾ける。また、スピーカ飾り805は、スピーカ19aの音出力方向を覆うようにするとともに、遊技者側に向けて間接音響を出力可能な間隙を設けて前面枠ベース806に配設される。これにより、遊技機10は、遊技者側に向けて迫力ある音を出力可能にする。また、遊技機10は、並設される他の遊技機の音出力との干渉を好適に抑制する。
前面枠12は、前面枠ベース806の上部にガラス枠15を配設し、前面枠ベース806の下部であって、ガラス枠15の開閉動作による干渉を受けない位置に上皿ユニット807を配設する。
次に、上皿ユニット807について図58を用いて説明する。図58は、第4の実施形態の上皿ユニットの一例を示す平面図である。
上皿ユニット807は、平面視で略半円形状であり、弦に相当する面で前面枠ベース806と接続し、弧に相当する面を遊技者側に向ける。上皿ユニット807は、中央部に演出ボタン25を配設し、前面枠ベース806側であって演出ボタン25の左側に上皿21を配設し、前面枠ベース806側であって演出ボタン25の右側に球抜きレバー808とスマートフォン載置部809を配設する。球抜きレバー808は、上皿21から下皿に遊技球を抜く時の操作レバーである。スマートフォン載置部809は、載置面に載置したスマートフォンを上皿ユニット807上に保持可能にする。スマートフォン載置部809は、載置面に角度と長さを違えた3つのリブを突設して、形状が異なるスマートフォンの載置に対応する。なお、遊技機10は、スマートフォン載置部809に載置されたスマートフォンのカメラに対応する位置に表示装置を設け、スマートフォン載置部809に載置されたスマートフォンから所要の情報を読み取り可能にしてもよい。
また、上皿ユニット807は、プリペイドカードの残高を表示可能なカード残高表示部810と、プリペイドカードの残高の範囲内での遊技貸出操作を受け付け可能な貸出ボタン811と、プリペイドカードの返却操作を受け付け可能な返却ボタン812とを演出ボタン25の右側に配設する。
また、上皿ユニット807は、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29を演出ボタン25の右側に配設する。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチ29bと、十字カーソルスイッチ29bの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチ29cと、音量を大きくする調整操作を受け付け可能なプラス調整ボタン29dと、音量を小さくする調整操作を受け付け可能なマイナス調整ボタン29eとを含む。なお、十字カーソルスイッチ29bと、中央スイッチ29cと、プラス調整ボタン29dと、マイナス調整ボタン29eは、第1の実施形態における設定スイッチ29aに相当する。
なお、上皿ユニット807は、円形の演出ボタン25を囲むように操作パネル813を配設する。操作パネル813は、メッキ処理が施され、演出ボタン25を装飾する装飾光を反射可能にしている。このように、操作パネル813は、演出ボタン25の装飾効果の向上に寄与する。
次に、上皿ユニット807と演出ボタン25の組付けについて図59を用いて説明する。図59は、第4の実施形態の演出ボタンの組付例を示す斜視図である。上皿ユニット807は、演出ボタンユニット814と上皿ベースユニット815とを含んで構成される。上皿ベースユニット815は、上皿ユニット収容部816を備える。上皿ユニット収容部816は、操作パネル813に囲まれていて概形を円筒形とする演出ボタンユニット814を収容する。
演出ボタン25は、上皿ユニット807から遊技者に臨むユーザインタフェース部であって、演出ボタンユニット814の一部である。演出ボタンユニット814は、上皿ユニット収容部816に収容(嵌合)された状態で、上皿ベースユニット815と電気的に接続可能であり、所要の固定手段(たとえば、ビス止め)によって上皿ベースユニット815に固定される。
なお、演出ボタンユニット814は、操作パネル813が形成する凹部から演出ボタン25を臨ませるため、操作パネル813上にジュースやコーヒー等の液体がこぼれた場合に浸水するおそれがある。そこで、遊技機10は、演出ボタンユニット814を浸水から保護する浸水保護機構を上皿ベースユニット815に備える。浸水保護機構の詳細については、後で説明する。
次に、上皿ベースユニット815の部品構成について図60を用いて説明する。図60は、第4の実施形態の上皿ベースユニットの一例を示す分解斜視図である。上皿ベースユニット815は、上皿ベース817と、ボタンベース818と、LED基板ベース(R)820と、LED基板ベース(L)821と、上皿フレーム822と、操作パネルベース823と、上皿レンズ(R)824と、上皿レンズ(L)825とを含む。
上皿ベース817は、上皿21のベースとなる構成部品であり、スピーカ19bを上皿21の下方に備える。ボタンベース818は、演出ボタン25を支持する。ボタンベース818は、補強プレート819を備え、演出ボタン25の押下操作による操作パネルベース823の沈み込みを抑止する。
LED基板ベース(R)820は、上皿ユニット807の右側を装飾するLEDを有するLED基板と、LED基板を支持するベース部と、上皿21から下皿23への球抜き流路を備える。LED基板ベース(L)821は、上皿ユニット807の左側を装飾するLEDを有するLED基板と、LED基板を支持するベース部を備える。上皿フレーム822は、上皿ユニット807の右側を装飾するLEDによる装飾効果を高める上皿レンズ(R)824と、上皿ユニット807の左側を装飾するLEDによる装飾効果を高める上皿レンズ(L)825と、操作パネルベース823とを支持する。
操作パネルベース823は、カード残高表示部810、貸出ボタン811、および返却ボタン812に関する基板と、オプション設定部29に関する基板と、操作パネル813を備える。
次に、演出ボタンユニット814の概観について図61を用いて説明する。図61は、第4の実施形態の演出ボタンユニットの一例を示す斜視図である。なお、図61に示す演出ボタンユニット814は、外観の把握を容易にするために、後述するボタンフレームの図示を省略している。
演出ボタンユニット814は、演出ボタン25の周囲に誘導溝826を備え、演出ボタン25の前面側に下部導水口827を備える。誘導溝826は、演出ボタン25の外周を取り巻く溝であり、誘導溝826から案内された水(ジュースやコーヒー、その他の液体を含む)を下部に導く下部導水口827につながる。なお、演出ボタンユニット814は、わずかに前傾しているため誘導溝826に流れ落ちた水は、重力により下部導水口827に案内される。また、下部導水口827は、水が下部に流れやすいように、縦方向に複数のリブを設ける。また、誘導溝826は、演出ボタン25周りに水等の液体(以降、水とする)がこぼれたときに一時的に水を貯留することで、演出ボタン25周りの水を速やかに排水し、演出ボタン25の操作環境を早期に復帰する。
次に、演出ボタンユニット814の部品構成について図62を用いて説明する。図62は、第4の実施形態の演出ボタンユニットの一例を示す分解斜視図である。演出ボタンユニット814は、ボタンフレーム828と、ボタンレンズ830と、ボタンレンズ飾り831と、ボタン内レンズ(上)832と、ボタン内レンズ(下)833と、リフレクタ834と、リフレクタベース835と、ボタン下ベース837と、ボタンユニットベース842とを備える。
ボタンフレーム828は、演出ボタン25の周囲を飾る飾り部材である。ボタンフレーム828は、ボス829を備えてボタンユニットベース842が備える嵌合部848に嵌合してビス固定される。
ボタンレンズ830は、演出ボタン25の操作面である。ボタンレンズ830は、ボタン下ベース837に係合して固定される。ボタンレンズ830は、透明なクリアパーツであり、ボタン下ベース837との間の装飾を演出する。また、ボタンレンズ830は、周囲に誘導溝826を備える。
ボタンレンズ飾り831は、ボタンレンズ830を通して外部に臨む意匠「PUSH」を有する飾り部材である。ボタンレンズ飾り831は、1対の脚部をボタン下ベース837の外周にある切り欠きに係合させてボタン下ベース837に固定される。
ボタン内レンズ(上)832とボタン内レンズ(下)833は、ボタン下ベース837が備えるLED基板839が有するLEDの装飾効果を高めるレンズ部材である。また、リフレクタ834とリフレクタベース835は、LED基板839が有するLEDの照射光の照射効率を高める反射部材である。たとえば、リフレクタ834とリフレクタベース835は、凹凸等により反射加工が施された複数の反射面を有する。
ボタン内レンズ(上)832は、リフレクタ834と係合して固定するとともに、ボタン内レンズ(下)833と係合してボタン内レンズ(下)833に固定される。ボタン内レンズ(下)833は、ボス849を備え、リフレクタベース835が備える嵌合部858に嵌合してリフレクタベース835に固定される。
リフレクタベース835は、ボス836を備え、ボタン下ベース837が備える貫通穴841にボス836を貫通させて、ボタンユニットベース842が備える嵌合部845に嵌合してボタンユニットベース842に固定される。
ボタン下ベース837は、下部導水口827と、伸縮脚838と、LED基板839と、遮光板840と、貫通穴841を備える。伸縮脚838は、弾性により伸縮可能な脚部であり、たとえばバネを内蔵して伸縮する。伸縮脚838は、ボタンユニットベース842が備える嵌合部844に遊嵌し、演出ボタン25の操作状態に応じてボタン下ベース837を上下動させる。すなわち、伸縮脚838は、演出ボタン25の押下操作により縮み、演出ボタン25の押下操作解除により弾性により伸びることで、演出ボタン25とともにボタン下ベース837を上下動させる。また、伸縮脚838は、弾性により演出ボタン25に適度な操作感を与える。LED基板839は、リフレクタ834を囲むようにして円状に配置された8個のLEDと、ボタン内レンズ(上)832の下方であって円状に配置された8個のLEDの中心部に位置する1つのLEDとからなる合計9つのLEDを実装する。遮光板840は、ボタンユニットベース842が備えるフォトセンサ843の通光状態と遮光状態とを、ボタン下ベース837の位置、すなわち演出ボタン25の操作状態に応じて切り替え可能にする。
ボタンユニットベース842は、フォトセンサ843と、嵌合部844と、嵌合部845と、モータ846と、緩衝部材847とを備える。フォトセンサ843は、遮光板840によって切り替えられる通光状態と遮光状態とから演出ボタン25の操作状態を検出する。モータ846は、偏芯軸の回転動作により振動を生成し、演出ボタン25を含む演出ボタンユニット814を振動させて振動演出をおこなう。なお、遊技機10は、モータ846の回転動作に代えてソレノイドの動作や、スピーカの音圧によって振動演出をおこなうようにしてもよい。緩衝部材847は、ウレタンやゴム等の衝撃吸収材であり、ボタンユニットベース842の底面と接触して演出ボタン25の操作衝撃を緩和するとともに伸縮脚838を保護する。
なお、ボタン下ベース837は、伸縮脚838を備えるとしたが、伸縮脚838に代えて固定脚を備えるようにしてもよい。その場合、固定脚は、端部をばね等の弾性部材を介してボタンユニットベース842に当接する。これにより、ボタン下ベース837は、演出ボタン25の押下操作により弾性部材が縮み、演出ボタン25の押下操作解除により弾性部材が伸びることで、演出ボタン25とともに上下動することができる。
このような演出ボタンユニット814は、演出ボタン25の操作時において、ボタンフレーム828と、ボタン内レンズ(上)832と、ボタン内レンズ(下)833と、リフレクタ834と、リフレクタベース835と、ボタンユニットベース842を固定し、ボタンレンズ830と、ボタンレンズ飾り831と、ボタン下ベース837を位置移動可能にする。すなわち、演出ボタンユニット814は、発光部(ボタン下ベース837)と、意匠部(ボタンレンズ飾り831)と、観察面(ボタンレンズ830)を可動にして、反射部(リフレクタ834とリフレクタベース835)と、拡散部(ボタン内レンズ(上)832とボタン内レンズ(下)833)を固定する。したがって、演出ボタンユニット814は、演出ボタン25の観察面における装飾効果を遊技者操作に応じて変更することができる。このような演出ボタンユニット814は、演出ボタン25の操作に対する興趣を向上することができる。
次に、演出ボタンユニット814の排水機構について図63を用いて説明する。図63は、第4の実施形態の演出ボタンユニットの一例を示す平面図である。なお、図63に示す演出ボタンユニット814は、外観の把握を容易にするために、後述するボタンフレームの図示を省略している。
演出ボタンユニット814は、図61を用いて説明した誘導溝826と下部導水口827に加えて、側部誘導口850,851を備える。演出ボタンユニット814は、図中の破線Lより下側で誘導溝826に案内された水を下部導水口827から下部に排水し、破線Lより下側で誘導溝826に案内された水を側部誘導口850,851から操作パネルベース823に向けて排水する。
次に、操作パネルベース823の排水機構について図64を用いて説明する。図64は、第4の実施形態の操作パネルベースの一例を示す斜視図である。なお、図64に示す操作パネルベース823は、外観の把握を容易にするために、オプション設定部29の操作ボタン等の図示を省略している。
操作パネルベース823は、誘導溝852,853を備える。誘導溝852は、側部誘導口850からの排水をボタン下ベース837に案内し、誘導溝853は、側部誘導口851からの排水をボタン下ベース837に案内する。
ここで、上皿ユニット807の排水機構について図65と図66を用いて説明する。図65は、第4の実施形態の上皿ユニットの一例を示す(1)正面図と(2)A−A断面図と(3)要部断面図である。図66は、第4の実施形態の上皿ユニットの一例を示す(1)平面図と(2)B−B断面図と(3)貯水イメージ図である。
図65(1)は、上皿ユニット807の正面図である。図65(2)は、上皿ユニット807の図65(1)におけるA−A断面図である。図65(3)は、上皿ユニット807の図65(2)における要部(破線A1で囲った部分)断面図である。図66(1)は、上皿ユニット807の平面図である。図66(2)は、上皿ユニット807の図66(1)におけるB−B断面図である。図66(3)は、上皿ユニット807を正面から観察したときの貯水イメージ図である。
演出ボタンユニット814の下部導水口827からの排水は、まず排水フローF1の流路を通る。排水フローF1は、下部導水口827、第1空間854を経て、第2空間855に至る。第1空間854は、操作パネルベース823の上部に位置する空間である。第2空間855は、上皿フレーム822の階段状部分と操作パネルベース823とによって形成される空間である。第2空間855に貯水された排水は、図66(3)のハッチング部分で示すように貯水される。第2空間855は、遊技者が誤ってこぼした程度の水であれば十分に貯水可能な容量を有する。このように、上皿ユニット807は、排水を貯水する貯水機能を有する。なお、上皿ユニット807は、貯水された水を自然に蒸発させてもよいし、排水機構を設けて係員等による排水操作により排水するようにしてもよい。
なお、上皿ユニット807は、演出ボタンユニット814を前傾させるとともに、上皿ユニット807の前部側に排水機構を設けて、演出ボタンユニット814における伸縮脚838等の摺動機構部を排水から隔離する。これにより、上皿ユニット807は、演出ボタンユニット814を排水から保護する。また、上皿ユニット807は、ジュースやコーヒー等の粘性のある液体を排水する場合であっても演出ボタン25の操作性が影響を受けることはない。
また、演出ボタンユニット814の下部導水口827からの排水は、大量の水がこぼされて第2空間855だけで排水を貯水することができない場合、排水フローF2の流路を通る。排水フローF2は、第2空間855の越流部から第3空間856に至る。第3空間856は、上皿フレーム822とボタンベース818とによって形成される空間である。
第3空間856もまた、遊技者が誤ってこぼした程度の水であれば十分に貯水可能な容量を有する。このように、上皿ユニット807は、第2空間855をオーバーフローした排水を貯水可能である。したがって、上皿ユニット807は、第1の貯水機能を補完する第2の貯水機能として第3空間856を有する。なお、上皿ユニット807は、第2空間855と第3空間856の両方に排水機構を設けることなく貯水された水を自然に蒸発させてもよいし、第2空間855と第3空間856の少なくともいずれか一方に排水機構を設けて係員等による排水操作により排水するようにしてもよい。
演出ボタンユニット814は、図61を用いて説明した誘導溝826と下部導水口827に加えて、側部誘導口850,851を備える。演出ボタンユニット814は、図中の破線Lより下側で誘導溝826に案内された水を下部導水口827から下部に排水し、破線Lより下側で誘導溝826に案内された水を側部誘導口850,851から操作パネルベース823に向けて排水する。
次に、演出ボタンユニット814が備える側部誘導口850,851からの排水フローについて図67と図68を用いて説明する。図67は、第4の実施形態の上皿ユニットの一例を示す(1)平面図と(2)C−C断面図と(3)要部断面図である。図68は、第4の実施形態の上皿ユニットの貯水イメージの一例を示す図である。
図67(1)は、上皿ユニット807の平面図である。図67(2)は、上皿ユニット807の図67(1)におけるC−C断面図である。図67(3)は、上皿ユニット807の図67(2)における要部(破線C1で囲った部分)断面図である。図68(1)は、ボタンベース818を平面視したときの第1の貯水空間の貯水イメージ図であり、図68(2)は、ボタンベース818を平面視したときの第2の貯水空間の貯水イメージ図である。
演出ボタンユニット814の側部誘導口851からの排水は、まず排水フローF3の流路を通る。排水フローF3は、側部誘導口851、ボタンフレーム828の裏面側、操作パネルベース823の内壁側、補強プレート819の内壁側を流下して、ボタンベース818の補強プレート819の下部にある貯水部861に至る。貯水部861に貯水された排水は、図68(1)のハッチング部分で示すように貯水される。貯水部861は、遊技者が誤ってこぼした程度の水であれば十分に貯水可能な容量を有する。このように、上皿ユニット807は、排水を貯水する貯水機能を有する。なお、上皿ユニット807は、貯水された水を自然に蒸発させてもよいし、排水機構を設けて係員等による排水操作により排水するようにしてもよい。
また、演出ボタンユニット814の側部誘導口851からの排水は、大量の水がこぼされて貯水部861だけで排水を貯水することができない場合、排水フローF4の流路を通る。排水フローF4は、貯水部861の越流部から貯水部862に至る。貯水部862は、ボタンフレーム828に形成される空間であって、ボタンベース818のうち演出ボタンユニット814を係合する係合部863に設けられた貯水空間である。
貯水部862もまた、遊技者が誤ってこぼした程度の水であれば十分に貯水可能な容量を有する。このように、上皿ユニット807は、貯水部861をオーバーフローした排水を貯水部862でも貯水可能である。なお、上皿ユニット807は、貯水部861と貯水部862の両方に排水機構を設けることなく貯水された水を自然に蒸発させてもよいし、貯水部861と貯水部862の少なくともいずれか一方に排水機構を設けて係員等による排水操作により排水するようにしてもよい。また、上皿ユニット807は、貯水部862によっても貯水しきれない排水を第3空間856(図65参照)に越流させるようにしてもよい。また、上皿ユニット807は、第3空間856に排水機構を設けて係員等による排水操作により排水するようにしてもよい。これによれば、上皿ユニット807は、大量の水がこぼれて、第3空間856に大量の水が貯水された場合であっても、演出ボタンユニット814や、その他基板、LED等の電気電子部品を水から保護するとともに、その操作性への影響を排除できる。また、上皿ユニット807は、多段階に複数の貯水部を設けることで排水機構を作動させるまでの時間的猶予を得て、浸水による影響を低減することができる。
遊技機10は、図68(1)に示すように、ボタンベース818の補強プレート819に貯水空間を設け、補強プレート819の内部に排水を貯水するようにしてもよい。これによれば、遊技機10は、水による影響範囲を貯水空間内に閉じることができる。
また、遊技機10は、図68(2)に示すように、演出ボタンユニット814から隔離して排水を貯水するようにしてもよい。これによれば、遊技機10は、演出ボタンユニット814から離れて、水による影響範囲を貯水空間内に閉じることができる。
なお、遊技機10は、補強プレート819の内部を第1の貯水空間とし、係合部860を第2の貯水空間として、第1の貯水空間に先に貯水し、オーバーフロー分を第2の貯水空間に貯水するようにしてもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。