以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部(プッシュボタン)25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンスイッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機10は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。設定変更/確認処理については、図12を用いて後で説明する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に遊技機10が客待ち状態(客待ちデモ画面を表示する状態)においておこなう客待ち演出について図13を用いて説明する。なお、遊技機10は、遊技状態(制御状態が普段処理中である状態)において保留記憶(保留中の始動記憶)が「0」になると、直前の変動表示ゲームの演出の音量を徐々にフェードアウトさせていき、音量のフェードアウト完了後(所定時間経過後)に客待ち状態に制御状態を移行する。なお、客待ち状態は、遊技者の遊技開始を待ち受ける状態であって、遊技に関する設定を設定変更可能(設定変更を受付可能)な状態である。遊技に関する設定としては、音量や輝度等の演出効果がある。
図13は、第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の一例を示す図である。図13に示す客待ち演出の演出構成は、1周期分の演出構成を示す。1周期の客待ち演出は、重複しないように設定された第1区間(第1期間)から第5区間(第5期間)までの5つの区間で構成されている。すなわち、遊技機10は、第5区間の演出を終了した後、次の周期を開始(再度、第1区間の演出を開始)する。なお、以下では1周期目と2周期目以降が同じ演出構成であるものとして説明するが異なっていてもよい。たとえば、2周期目以降は第2区間から第5区間の演出をおこなうようにしてもよい。
第1区間は、図柄を表示(報知)する区間である。図柄の表示は、表示(報知)の優先度(報知の重要度)が低く設定されている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定中の設定値や、設定値の変更方法を表示(案内)する設定表示(案内表示)がデフォルト状態(非操作状態,非設定状態,非受付状態)および操作状態(設定変更操作の受付状態)で表示されるよう構成されている。なお、設定表示および図柄を表示する表示画面の画面例については図21を用いて後で説明する。
第2区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、機種名の表示をおこなう第2区間では、機種名の表示の視認性を確保できる(報知効果の低減を抑止できる)ように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で(設定変更操作(オプション設定部25の操作)がおこなわれる場合に)設定表示が表示されるよう構成されている。なお、機種名を表示する表示画面の画面例については図22を用いて後で説明する。
第3区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーとしては、たとえば、遊技説明をおこなうムービーなどがある。客待ちムービーの表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第3区間では、客待ちムービーの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態(設定変更操作の受付状態)で設定表示が表示されるよう構成されている。なお、客待ちムービーを表示する表示画面の画面例については図23を用いて後で説明する。
第4区間は、メーカーロゴ(企業名)を表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第4区間では、メーカーロゴの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。なお、メーカーロゴを表示する表示画面の画面例については図24を用いて後で説明する。
第5区間は、注意喚起を表示する区間である。注意喚起は、遊技者に所定の注意を喚起する表示であり、メッセージやピクトグラム、アニメーション等により表現される。たとえば、注意喚起内容には、のめり込み防止やプリペイドカードの取り忘れ防止等がある。注意喚起の表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、注意喚起の表示をおこなう第5区間では、注意喚起の表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。なお、注意喚起を表示する表示画面の画面例については図25を用いて後で説明する。
以上が客待ち演出の演出構成の一例である。このように遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容である場合に、デフォルトで設定表示を非表示とし、表示の優先度が低い表示内容である場合にのみデフォルトで設定表示を表示している。これによれば遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を確保できる(報知効果の低減を抑止できる)。
また、遊技機10は、設定表示がデフォルト状態で表示される区間(表示されない区間)が周期内で連続するように1周期の客待ち演出を構成している。これによれば遊技機10は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。
なお、上記演出構成は一例であってこれに限らない。たとえば、各区間の表示の優先度を上記構成例と異なるように設定してもよいし、上記以外の表示内容を表示する区間を設けてもよいし、各区間の順番を入れ替えて設定してもよいし、一部区間を除外してもよい。なお、区間数は「5」に限らず、「2」以上であればよい。
ここで客待ち演出の演出構成の変形例について図14,15を用いて説明する。図14は、第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の変形例を示す図(その1)である。図15は、第1の実施形態における遊技機の客待ち演出の演出構成の変形例を示す図(その2)である。
図14(1)に示す客待ち演出の演出構成は、1周期分の演出構成の変形例を示す。1周期の客待ち演出は、第1区間から第4区間までの4つの区間で構成されている。すなわち、遊技機10は、第4区間の演出を終了した後、次の周期を開始(再度、第1区間の演出を開始)する。
第1区間は、図柄を表示する区間である。図柄の表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第2区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーの表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第2区間では、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第3区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、機種名の表示をおこなう第3区間では、機種名の表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
第4区間は、メーカーロゴを表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第4区間では、メーカーロゴの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
このように遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容である場合に、デフォルトで設定表示を非表示とし、表示の優先度が低い表示内容である場合にのみデフォルトで設定表示を表示している。これによれば遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を確保できる。
また、遊技機10は、設定表示がデフォルト状態で表示される区間(表示されない区間)が周期内で連続するように1周期の客待ち演出を構成している。これによれば遊技機10は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。
図14(2)に示す客待ち演出の演出構成は、1周期分の演出構成の変形例を示す。1周期の客待ち演出は、第1区間から第5区間までの5つの区間で構成されている。すなわち、遊技機10は、第5区間の演出を終了すると、次の周期を開始(再度、第1区間の演出を開始)することとなる。
第1区間は、図柄を表示する区間である。図柄の表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第2区間は、メーカーロゴを表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第2区間では、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第3区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーの表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第3区間では、設定表示がデフォルト状態で表示されるよう構成されている。
第4区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、機種名の表示をおこなう第4区間では、機種名の表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
第5区間は、注意喚起を表示する区間である。注意喚起の表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、注意喚起の表示をおこなう第5区間では、注意喚起の表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
このように遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容である場合に、デフォルトで設定表示を非表示とし、表示の優先度が低い表示内容である場合にのみデフォルトで設定表示を表示している。これによれば遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を確保できる。
また、遊技機10は、設定表示がデフォルト状態で表示される区間(表示されない区間)が周期内で連続するように1周期の客待ち演出を構成している。これによれば遊技機10は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。
図15(1)に示す客待ち演出の演出構成は、第1区間から第4区間までの4つの区間で構成されている。すなわち、遊技機10は、第4区間の演出を終了した後、次の周期を開始(再度、第1区間の演出を開始)する。
第1区間は、図柄を表示する区間である。図柄の表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第2区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、機種名の表示をおこなう第2区間では、機種名の表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
第3区間は、メーカーロゴを表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第3区間では、メーカーロゴの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
第4区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーの表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第4区間では、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
このように遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容である場合に、デフォルトで設定表示を非表示とし、表示の優先度が低い表示内容である場合にのみデフォルトで設定表示を表示している。これによれば遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を確保できる。
また、遊技機10は、客待ち演出を構成する設定表示がデフォルト状態で表示される区間(表示されない区間)が繰り返し客待ち演出をおこなった場合に連続するように構成している。これによれば遊技機10は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。
図15(2)に示す客待ち演出の演出構成は、第1区間から第4区間までの4つの区間で構成されている。すなわち、遊技機10は、第4区間の演出を終了した後、次の周期を開始(再度、第1区間の演出を開始)する。
第1区間は、図柄を表示する区間である。図柄の表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、図柄の表示をおこなう第1区間では、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第2区間は、客待ちムービーを表示する区間である。客待ちムービーの表示は、表示の優先度が低く設定されている。そのため、客待ちムービーの表示をおこなう第2区間では、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示されるよう構成されている。
第3区間は、機種名を表示する区間である。機種名の表示は、表示の優先度が高く設定されている。そのため、機種名の表示をおこなう第3区間では、機種名の表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態では非表示となり、操作状態で設定表示が表示されるよう構成されている。
第4区間は、メーカーロゴを表示する区間である。メーカーロゴの表示は、表示の優先度が最も高く設定されている。そのため、メーカーロゴの表示をおこなう第4区間では、メーカーロゴの表示の視認性を確保できるように設定表示がデフォルト状態および操作状態で非表示となるよう構成されている。なお、この区間においても遊技機10は、操作状態において設定変更を受付可能とすることができる。たとえば、この区間では遊技機10は、設定変更操作による変更内容を変更音(変更内容を報知する音)によって報知することで、変更内容を把握可能にする。
このように遊技機10は、表示の優先度が「高」および「最高」の表示内容である場合に、デフォルトで設定表示を非表示とし、表示の優先度が「低」の表示内容である場合にのみデフォルトで設定表示を表示し、さらには、表示の優先度が「最高」の表示内容である場合には操作状態でも設定表示を非表示としている。これによれば遊技機10は、表示の優先度が高い表示内容の視認性を確保できる。
また、遊技機10は、設定表示がデフォルト状態および操作状態で表示される区間(第1区間、第2区間)、操作状態でのみ表示される区間(第3区間)、デフォルト状態でも操作状態でも表示されない区間(第4区間)がそれぞれ周期内で連続するように1周期の客待ち演出を構成している。これによれば遊技機10は、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。
次に、客待ち状態において設定変更操作(設定変更)がおこなわれた場合における設定表示の表示状態の切り替え(デフォルト状態と操作状態との切り替え)について図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの一例を説明する図である。
図16は、第2区間の途中において設定変更操作(オプション設定部25の操作)を検出し、第3区間に設定変更操作(オプション設定部25の操作)の終了を検出した場合の表示状態の切り替えの一例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデフォルト状態(非操作状態)から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設定変更操作の終了を検出すると、当該設定変更操作の終了を検出した周期の終了(第5区間)まで設定表示の表示状態を操作状態として継続した後、次周期から設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰(操作状態を終了)させる。
以上が、遊技者によって設定変更操作がされた場合の設定表示の表示状態の切り替えの一例である。このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を検出した場合であっても、周期の終わりまで表示状態を操作状態とすることで、設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。
なお、遊技機10は、たとえば、遊技者によるオプション設定部25を用いた所定の操作を受け付けた場合に設定変更操作が終了したと検出してもよいし、最後の操作から所定時間操作がない場合に設定変更操作が終了したと検出してもよい。なお、遊技機10は、次周期から設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰(操作状態を終了)させるとしたがこれに限らない。たとえば、遊技機10は、次周期のデフォルト状態で非表示となる区間(第2区間)から設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰させてもよい。
なお、上記デフォルト状態と非操作状態との切り替えは一例であってこれに限らない。ここで遊技者によって設定変更操作がされた場合の設定表示の表示状態の切り替えの変形例について図17〜20を用いて説明する。
図17は、第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その1)である。図18は、第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その2)である。図19は、第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その3)である。図20は、第1の実施形態における設定表示の表示状態の切り替えの変形例を説明する図(その4)である。
図17は、第2区間の途中において設定変更操作を検出し、第3区間に設定変更操作の終了を検出した場合の表示状態の切り替えの変形例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデフォルト状態から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設定変更操作の終了を検出すると、即座に設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰させる。
このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を検出した場合に、その時点で設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで表示の優先度が高い表示内容の視認性が低下するのを抑止できる。
図18は、第2区間の途中において設定変更操作を検出し、第3区間に設定変更操作の終了を検出した場合の表示状態の切り替えの変形例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデフォルト状態から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設定変更操作の終了を検出すると、予め設定した所定の猶予期間を経た(再設定の猶予を与えた)後、設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰させる。なお、猶予期間は、今回周期と次回周期とを跨いでいてもよい。猶予期間は、時間単位(たとえば5秒)でもよいし、区間単位(たとえば、今回1区間終了まで、あるいは次回1区間終了まで等)でもよい。
このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を検出した場合に、一定の猶予期間の後に設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。また、遊技機10は、周期の終了まで待たずに、設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで、優先度が高い表示内容の視認性が低下するのを抑止することができる。
図19は、第2区間の途中において設定変更操作を検出し、第3区間に設定変更操作の終了を検出した場合の表示状態の切り替えの変形例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデフォルト状態から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設定変更操作の終了を検出すると、当該設定変更操作の終了を検出した第3区間の次の区間(第4区間)から設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰させる。
このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を検出した場合に、当該設定変更操作の終了を検出した次の区間で設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで、区間の途中で設定表示の表示/非表示の切り替えが発生するのを抑止して、表示が煩雑になるのを抑止できる。また、遊技機10は、周期の終了まで待たずに、設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで、優先度が高い表示内容の視認性が低下するのを抑止できる。
図20は、第2区間の途中において設定変更操作を検出し、第3区間に設定変更操作の終了を検出した場合の表示状態の切り替えの変形例を示している。
遊技機10は、第2区間の途中に設定変更操作を検出すると、設定表示の表示状態をデフォルト状態から操作状態へと切り替える。その後、遊技機10は、第3区間において設定変更操作の終了を検出すると、予め設定した所定の猶予期間を経た後、当該猶予期間の終了時の区間(第4区間)の次の区間(第5区間)から設定表示の表示状態を操作状態からデフォルト状態へと復帰させる。
このように遊技機10は、周期の途中(たとえば、第3区間)で設定変更操作の終了を検出した場合に、一定の猶予期間の後に設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで設定表示の表示/非表示の切り替えが頻繁に生じて、表示が煩雑となるのを抑止できる。また、遊技機10は、猶予期間が終了した次の区間で設定表示の表示状態をデフォルト状態に対応する表示状態へと復帰させることで、区間の途中で設定表示の表示/非表示の切り替えが発生するのを抑止して、表示が煩雑になるのを抑止できる。また、遊技機10は、周期の終了まで待たずに、設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させることで、表示の優先度が高い表示内容の視認性が低下するのを抑止できる。
なお、遊技機10は、操作終了を検出した区間(時点)が、デフォルト状態において設定表示を表示する区間であるか非表示とする区間であるかによってデフォルト状態への復帰の仕方を変化させてもよい。
たとえば、遊技機10は、操作終了を検出した区間が第1区間である場合(操作終了を検出した区間がデフォルト状態において設定表示を表示する区間である場合)には、即座に設定表示の表示状態をデフォルト状態へと復帰させ、操作終了を検出した区間が第1区間以外である場合(操作終了を検出した区間がデフォルト状態において設定表示を非表示とする区間である場合)には、設定表示の表示状態を周期終了時にデフォルト状態へと復帰させるようにしてもよい。
次に客待ち演出を構成する各演出の画面例について説明する。まず、図柄を表示する表示画面の画面例について図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その1)である。
図21(1)に示す表示画面500は、表示内容として図柄を表示するとともに、設定表示を非表示としている状態の画面例である。
表示画面500は、2組の飾り図柄と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506を表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群501と、第2飾り図柄として小図柄群502とがある。大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群501は、左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rとを含む。表示画面500の左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rは、いずれも停止しており、対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。表示画面500における左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rの図柄組み合わせは、前回変動表示ゲームの結果である。なお、左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501Rの図柄組み合わせは、所定の図柄組み合わせに差し替えられたものであってもよい。
一般に、大図柄群501は、左図柄501L、右図柄501R、中図柄501Cの順に変動を開始し、左図柄501L、右図柄501R、中図柄501Cの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群501は、多くの場合において、左図柄501Lと右図柄501Rとでリーチ態様を形成し、中図柄501Cの停止を待って大当り態様を形成可能にする。
大図柄群501を構成する図柄(左図柄501Lと中図柄501Cと右図柄501R)は、主として意匠性の高い装飾図柄による。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500の小図柄群502における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも停止しており、対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
これらによって遊技機10は、大図柄群501について表示演出の多様性を確保しながら小図柄群502について視認性を確保し、遊技者の遊技状態把握を容易にすることができる。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。たとえば、特図1ゲームの保留記憶は、始動入賞口36への入賞を契機にして生じる。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。たとえば、特図2ゲームの保留記憶は、普通変動入賞装置37への入賞を契機にして生じる。
保留表示505は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数(保留している始動記憶の数)を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示505が表示する保留記憶数は、遊技状態に応じて、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数、または特図2保留数表示504が表示する保留記憶数のいずれか、または双方の合計数に相当する。
なお、保留表示505が表示する保留記憶数は、「0」から「8」までの値とし、これを超える保留記憶数を表示対象外とする。遊技機10は、保留表示505が一部または全部の保留記憶を表示対象外としても、特図1保留数表示503と特図2保留数表示504とによって正確な保留記憶数の表示を担保できる。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。すなわち、遊技機10は、保留表示505と保留消化表示506とを用いて保留予告演出をおこなうことができる。保留予告演出は、保留表示505と保留消化表示506とを用いておこなう先読み演出の一態様である。
表示画面500は、客待ち状態であることから(特図1保留数表示503が示す特図1ゲームの保留記憶数が「0」であり、特図2保留数表示504が示す特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることから)、保留表示505が示す保留記憶数は「0」である。また、表示画面500は、客待ち状態であることから保留消化表示506により特図変動表示ゲームが図柄停止中であることを示す。
また、遊技機10は、大図柄群501と小図柄群502について変動表示中の変動態様を異なるものとすることができる。たとえば、遊技機10は、大図柄群501について縦スクロールとするとき、大図柄群501と小図柄群502との区別を容易にすることができる。また、遊技機10は、大図柄群501と小図柄群502とで非同期に図柄を更新する場合があっても、遊技者に与える違和感を軽減できる。
図21(2)に示す表示画面510は、表示内容として図柄を表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面510は、表示画面500が表示していた表示内容に加え、さらに、設定表示511を表示内容に含む。設定表示511は、設定中の設定値および設定値の変更方法を表示する。表示画面510において設定表示511は、図柄(大図柄群501)等(表示画面500の表示内容)の前面側に表示されている。そのため、表示画面510においては、図柄等の視認性が設定表示511を表示しない場合(表示画面500)よりも低下し得る状態となっている。
設定表示511は、輝度設定案内表示512,513と、輝度操作案内表示514と、音量設定案内表示515,516と、音量操作案内表示517とを含む。
輝度設定案内表示512は、設定中の輝度がレベル4であることをランプ状のアイコンと数値により案内する。輝度設定案内表示513は、設定中の輝度がレベル4であることを8つのバー表示の表示態様(たとえば色彩や明度)により案内する。
輝度操作案内表示514は、オプション設定部25による輝度設定変更操作を案内する。輝度操作案内表示514は、上下に位置するボタンスイッチ25aの表示態様と、その他のボタンスイッチ25aの表示態様(たとえば色彩や明度)とを違えることで、オプション設定部25の上下に位置するボタンスイッチ25aが輝度操作ボタンであることを案内する。
音量設定案内表示515は、設定中の音量がレベル4であることをスピーカ状のアイコンと数値により案内する。音量設定案内表示516は、設定中の音量がレベル4であることを8つのバー表示の表示態様(たとえば色彩や明度)により案内する。
音量操作案内表示517は、オプション設定部25による音量設定変更操作を案内する。音量操作案内表示517は、左右に位置するボタンスイッチ25aの表示態様と、その他のボタンスイッチ25aの表示態様(たとえば色彩や明度)とを違えることで、オプション設定部25の左右に位置するボタンスイッチ25aが音量操作ボタンであることを案内する。
なお、設定表示511は、透明または半透明にして背面側を視認可能にしてもよい。また、遊技機10は、設定表示511を設けずに(設定表示511によって領域を明示せずに)、輝度設定案内表示512,513と、輝度操作案内表示514と、音量設定案内表示515,516と、音量操作案内表示517とを各々表示するようにしてもよい。
次に、機種名を表示する表示画面の画面例について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その2)である。
図22(1)に示す表示画面520は、表示内容として機種名を表示するとともに、設定表示を非表示としている状態の画面例である。
表示画面520は、機種名表示521を表示内容に含む。機種名表示521は、機種名を表示する。表示画面520では機種名表示521は、「CR虎虎虎」を表示する。
図22(2)に示す表示画面522は、表示内容として機種名を表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面522は、機種名表示521と設定表示511を表示内容に含む。表示画面522において設定表示511は、機種名表示521の前面側に表示されている。そのため、表示画面522においては、機種名表示521の視認性が設定表示511を表示しない場合(表示画面520)よりも低下し得る状態となっている。
次に、客待ちムービーを表示する表示画面の画面例について図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その3)である。
図23(1)に示す表示画面523は、表示内容として客待ちムービーを表示するとともに、設定表示を非表示としている状態の画面例である。
表示画面523は、客待ちムービー表示524を表示内容に含む。客待ちムービー表示524は、客待ちムービーを表示する。表示画面523では客待ちムービー表示524は、三台のロケットが飛行するムービー(映像)を表示する。
図23(2)に示す表示画面525は、表示内容として客待ちムービーを表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面525は、客待ちムービー表示524と設定表示511を表示内容に含む。表示画面525において設定表示511は、客待ちムービー表示524の前面側に表示されている。そのため、表示画面525においては、客待ちムービー表示524の視認性が設定表示511を表示しない場合(表示画面523)よりも低下し得る状態となっている。
次に、メーカーロゴを表示する表示画面の画面例について図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その4)である。
図24(1)に示す表示画面526は、表示内容としてメーカーロゴを表示するとともに、設定表示を非表示としている状態の画面例である。
表示画面526は、メーカーロゴ表示527を表示内容に含む。メーカーロゴ表示527は、メーカーロゴを表示する。表示画面526ではメーカーロゴ表示527は、「虎虎虎」という企業名と、虎のようなキャラクタ(たとえば、企業のマスコットキャラクタ)とからなるメーカーロゴ(企業ロゴ)を表示する。
図24(2)に示す表示画面528は、表示内容としてメーカーロゴを表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面528は、メーカーロゴ表示527と設定表示511を表示内容に含む。表示画面528において設定表示511は、メーカーロゴ表示527の前面側に表示されている。そのため、表示画面528においては、メーカーロゴ表示527の視認性が設定表示511を表示しない場合(表示画面526)よりも低下し得る状態となっている。
次に、注意喚起を表示する表示画面の画面例について図25を用いて説明する。図25は、第1の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その5)である。
図25(1)に示す表示画面529は、表示内容として注意喚起を表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面529は、注意喚起表示530を表示内容に含む。注意喚起表示530は、「のめりこみに気を付けよう」という注意喚起の文字と、虎のようなキャラクタを表示する。
図25(2)に示す表示画面531は、表示内容として注意喚起を表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面531は、注意喚起表示530と設定表示511を表示内容に含む。表示画面531において設定表示511は、注意喚起表示530の前面側に表示されている。そのため、表示画面531においては、注意喚起表示530の視認性が設定表示511を表示しない場合(表示画面529)よりも低下し得る状態となっている。
なお、注意喚起表示(文字部分)と設定表示511とが重なるように表示することに限らない。たとえば、遊技機10は、設定表示511を注意喚起表示(文字部分)と重ならないように表示してもよい。または、遊技機10は、設定表示511と重ならない位置に注意喚起表示(文字部分)を表示するようにしてもよい。
ところで、設定中の設定値が極端な値である場合、遊技をおこなうのに適した値に設定し直そうとした場合に、設定の手間が大きくなってしまう場合がある。また、知らずに遊技機10で遊技を開始した遊技者が、設定に不満を抱く恐れもある。
そこで遊技機10は、設定中の設定値を定期的に初期化する(予め設定されたデフォルト値に戻す)ことで、新たに遊技機10を操作する遊技者に対して標準の設定値が設定された遊技機10を提供する。ここで設定値(音量、輝度)の初期化の流れについて図26を用いて説明する。図26は、第1の実施形態における遊技機の設定の初期化の流れを示すタイミングチャートである。
遊技機10は、客待ち状態N周期目において輝度が「6」、音量が「4」で設定されている。遊技機10は、タイミングt1にN周期目を終了し、N+1周期目を開始すると、輝度を「6」からデフォルト値である「3」、音量を「4」からデフォルト値である「3」に変更する。
このように遊技機10は、周期の切れ目で設定値の初期化をおこなうことで、演出の途中で設定値が変化するのを抑止でき、違和感を低減できる。なお、遊技機10は、周期の切れ目で初期化をおこなうことに限らず、区間の切れ目で初期化をおこなってもよい。この場合でも遊技機10は、演出の途中で設定値が変化するのを抑止でき、違和感を低減できる。
なお、遊技機10は、初期化を1周期経過ごとにおこなってもよいし、所定周期(たとえば、3周期)経過ごとにおこなってもよい。たとえば、所定周期経過ごとにおこなうことで遊技者による設定の変更操作中に周期を跨ぐ場合において設定値が初期化されてしまうのを抑止できる。
また遊技機10は、デフォルト値以外の設定値で客待ち状態が1周期以上経過した場合に初期化するようにしてもよい。これによっても、遊技者による設定の変更操作中に周期を跨ぐ場合において設定値が初期化されてしまうのを抑止できる。
以上が第1の実施形態の遊技機10である。なお、遊技機10は、客待ち状態に加えて遊技中においても設定値を設定可能であってもよい。この場合には遊技機10は、デフォルト状態(設定変更操作の受付状態ではない状態)で設定表示を非表示とし、操作状態(設定変更操作の受付状態)で設定表示を表示としてもよいし、デフォルト状態と操作状態とで設定表示を表示としてもよいし、デフォルト状態と操作状態とで設定表示を非表示としてもよい。
また、遊技機10は、変動表示中と図柄停止中とで設定表示の表示/非表示の仕方を変えてもよい。たとえば、遊技機10は、変動表示中においてはデフォルト状態で設定表示を非表示とし、操作状態で設定表示を表示とし、図柄停止中においてはデフォルト状態と操作状態とで設定表示を表示とする。
また、遊技機10は、音量の設定値が変更される場合に、専用の設定音(たとえば、「ピッ」という音)で設定値の音量を報知してもよいし、演出のBGMで設定値の音量を報知してもよい。
[第1の実施形態の変形例1]
次に第1の実施形態の変形例1について図27を用いて説明する。図27は、第1の実施形態の変形例1における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図27(1)に示す表示画面532は、設定表示の表示状態がデフォルト状態において表示内容としてメーカーロゴを表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。
表示画面532は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511とを表示内容に含む。表示画面532では、設定表示511が表示画面内を適宜移動する。このように遊技機10は、設定表示511を適宜移動させ、設定表示511の背面側に位置するメーカーロゴ表示527の全容を遊技者が把握可能にすることで、表示内容の視認性の低下を抑止できる。
図27(2)に示す表示画面533は、設定表示の表示状態が操作状態において表示内容としてメーカーロゴを表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。表示画面533は、表示画面532の状態において設定表示の表示状態が操作状態に切り替わった場合の画面を示す。
表示画面533は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511とを表示内容に含む。表示画面533では、表示画面532において適宜移動していた設定表示511が停止している。表示画面532における設定表示511の停止位置は、たとえば、デフォルト状態から操作状態に移行したタイミング(設定変更操作を検出したタイミング)における設定表示511の位置である。このように遊技機10は、操作状態においては適宜移動していた設定表示511を停止させることで、設定中における設定表示511の視認性の低下を抑止できる。
[第1の実施形態の変形例2]
次に第1の実施形態の変形例2について図28を用いて説明する。図28は、第1の実施形態の変形例2における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図28(1)に示す表示画面534は、設定表示の表示状態がデフォルト状態において表示内容としてメーカーロゴを表示するとともに、設定表示を表示している状態の画面例である。表示画面534は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511とを表示内容に含む。
遊技機10は、表示画面534において音量設定変更操作を検出すると表示画面535を表示し、輝度設定変更操作を検出すると表示画面536を表示する。
図28(2)に示す表示画面535は、音量設定変更操作を検出した状態(音量操作状態)の画面例である。表示画面535は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511aとを表示内容に含む。
設定表示511aは、音量設定案内表示515,516と、音量操作案内表示517とを含む。すなわち、設定表示511aは、設定表示511が表示していた輝度設定案内表示512,513と、輝度操作案内表示514と、音量設定案内表示515,516と、音量操作案内表示517とのうち、音量に関する表示内容のみを表示する。
このように検出した設定変更操作の内容に応じた表示内容のみを設定表示511aにおいて表示することで遊技機10は、メーカーロゴ表示527との重畳部分を減らすことができる。これにより遊技機10は、メーカーロゴ表示527の視認性の低下を抑止できる。
遊技機10は、表示画面535において輝度設定変更操作を検出すると表示画面536を表示し、設定変更操作の終了を検出すると表示画面534を表示する。
図28(3)に示す表示画面536は、輝度設定変更操作を検出した状態(輝度操作状態)の画面例である。表示画面536は、メーカーロゴ表示527と、設定表示511bとを表示内容に含む。
設定表示511bは、輝度設定案内表示512,513と、輝度操作案内表示514とを含む。すなわち、設定表示511bは、設定表示511が表示していた輝度設定案内表示512,513と、輝度操作案内表示514と、音量設定案内表示515,516と、音量操作案内表示517とのうち、輝度に関する表示内容のみを含んでいる。
このように検出した設定変更操作の内容に応じた表示のみを設定表示511bにおいて表示することで遊技機10は、メーカーロゴ表示527との重畳部分を減らすことができる。これにより遊技機10は、メーカーロゴ表示527の視認性の低下を抑止できる。
遊技機10は、表示画面536において音量設定変更操作を検出すると表示画面535を表示し、設定変更操作の終了を検出すると表示画面534を表示する。
なお、設定表示がデフォルト状態で表示の場合の例を用いて説明したが設定表示がデフォルト状態で設定表示が非表示の場合についても同様に、遊技機10は、検出した設定変更操作の内容に応じた表示のみを表示するようにできる。
[第1の実施形態の変形例3]
次に第1の実施形態の変形例3について図29を用いて説明する。図29は、第1の実施形態の変形例3における表示装置の表示画面の一例を示す図である。
図29(1)に示す表示画面537は、設定表示の表示状態がデフォルト状態において表示内容として機種名を表示するとともに、設定表示を非表示としている状態の画面例である。表示画面537は、機種名表示521を表示内容に含む。遊技機10は、表示画面537において設定変更操作を検出すると表示画面538を表示する。
図29(2)に示す表示画面538は、表示画面537において設定変更操作を検出した状態の画面例である。表示画面538は、デフォルト状態から操作状態へと移行中の画面であり、当該画面においては設定値の変更がおこなわれない。
表示画面538は、機種名表示521と、設定表示511cとを表示内容に含む。設定表示511cは、機種名表示521の背面側に表示されている。また、設定表示511cは、半透明で表示されている。したがって表示画面538においては、機種名表示521の設定表示511cと重畳している部分が設定表示511cによって完全に遮られていない。
遊技機10は、表示画面538において設定変更操作を検出すると表示画面539を表示し、設定変更操作の終了を検出すると表示画面537を表示する。
図29(3)に示す表示画面539は、表示画面538において設定変更操作を検出した状態の画面例である。表示画面539は、設定値の変更可能な状態の画面であり、機種名表示521と、設定表示511とを表示内容に含む。遊技機10は、設定変更操作の終了を検出すると表示画面537を表示する。
このように一度の設定変更操作の検出では半透明な設定表示511cを表示し、再度、設定変更操作を検出した場合に設定表示511を表示することで遊技機10は、誤操作によって表示内容(機種名)の視認性が低下してしまうのを抑止できる。
なお、遊技機10は、一度目に設定変更操作を検出した場合に設定表示511cを表示し、二度目に設定変更操作を検出した場合には検出した設定変更操作の内容に応じた表示(設定表示511a、設定表示511b)をするようにしてもよい。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態における客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(設定表示511)とを表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の情報を表示する第1の期間(図13の第1区間)と、第2の情報を表示する第2の期間(図13の第2区間〜第5区間)とを含む。制御手段は、客待ち状態であって設定変更操作の受付状態でないとき(デフォルト状態であるとき)、第1の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第2の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させない。
(2)(1)の第2の情報は、第1の情報よりも表示の優先度が高い情報である。
(3)(2)の客待ち状態では、客待ち演出表示が周期的におこなわれる。
(4)(3)の制御手段は、第1周期の客待ち演出表示内で受付状態となった場合、第1周期の次の第2周期までの間、受付状態を継続する(図16)。
(5)(4)の制御手段は、受付状態においては第2の期間においても設定表示を表示手段に表示させる。
(6)(5)の遊技に関する設定変更操作は音量と輝度の設定変更操作を含み、制御手段は、音量の設定に関する設定変更操作の受付状態であるときには音量に関する設定変更操作表示のみを表示手段に表示させ、輝度の設定に関する設定変更操作の受付状態であるときには、輝度に関する設定変更操作表示のみを表示手段に表示させる(図27)。
(7)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態における客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(設定表示511)とを表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の属性(優先度が低い情報)の第1の情報を表示する第1の期間(たとえば、図14の第1区間、図15の第1区間)と、第1の属性の第2の情報を表示する第2の期間(たとえば、図14の第2区間、図15の第4区間)と、第2の属性(優先度が高い情報)の第3の情報を表示する第3の期間(たとえば、図14の第3区間、図15の第2区間)と、第2の属性の第4の情報を表示する第4の期間(たとえば、図14の第4区間、図15の第3区間)とを含む。制御手段は、客待ち演出表示を繰り返し表示するとき、第1の期間と第2の期間を連続して表示手段に表示させ、第3の期間と第4の期間を連続して表示手段に表示させ、客待ち状態であって設定変更操作の受付状態でないとき(デフォルト状態であるとき)、第1の属性の情報を表示する期間(第1の期間、第2の期間)において設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第2の属性の情報を表示する期間(第3の期間、第4の期間)において設定変更操作表示を表示手段に表示させない。
(8)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態において繰り返しおこなわれる客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(設定表示511)とを表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の情報を表示する第1の期間(図13の第1区間)と、第2の情報を表示する第2の期間(図13の第2区間〜第5区間)とを含む。制御手段は、客待ち状態であって設定変更操作の受付状態でないとき(デフォルト状態であるとき)、第1の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第2の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させず、設定変更操作を開始すると設定変更操作の受付状態を開始し、設定変更操作を終了すると設定変更操作の終了時の客待ち演出表示の次に実行される客待ち演出表示の開始時に設定変更操作の受付状態を終了する(デフォルト状態へと復帰させる)。
(9)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態において繰り返しおこなわれる客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(設定表示511)とを表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の情報を表示する第1の期間(図13の第1区間)と、第2の情報を表示する第2の期間(図13の第2区間〜第5区間)とを含む。制御手段は、客待ち状態であって設定変更操作の受付状態でないとき(デフォルト状態であるとき)、第1の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第2の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させず、設定変更操作を開始すると設定変更操作の受付状態を開始し、設定変更操作を終了すると設定変更操作の終了時の客待ち演出表示の次に実行される客待ち演出表示における第2の期間の開始時に設定変更操作の受付状態を終了する(デフォルト状態へと復帰させる)。
(10)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100,演出制御装置300)とを備える。制御手段は、客待ち状態における客待ち演出表示と、遊技に関する設定変更操作の受付状態における設定変更操作表示(設定表示511)とを表示手段に表示させる。客待ち演出表示は、第1の情報を表示する第1の期間と、第2の情報を表示する第2の期間とを含む。制御手段は、客待ち状態であって設定変更の受付状態であるとき、第1の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させ、第2の期間において設定変更操作表示を表示手段に表示させず、客待ち状態であって設定変更操作の受付状態である第2の期間において設定変更操作を受け付けた場合には設定変更操作による変更内容を変更音により報知する。
[操作入力手段]
次に、第1の実施形態や後述する第2の実施形態の遊技機10に設けられたプッシュボタン(オプション設定部)25について説明する。プッシュボタン25は、遊技者による遊技演出への介入や、演出内容の設定に用いられる操作入力手段を構成する要素である。操作入力手段は、厳密には、プッシュボタン25と、プッシュボタン25のインタフェースであるスイッチ入力回路336とによって構成される。まず、演出制御装置300とプッシュボタン25の接続について図30を用いて説明する。図30は、第1の実施形態の演出制御装置とプッシュボタンの接続例を示す図である。
プッシュボタン25は、プッシュボタンLED25cと、タッチセンサ25dと、プッシュボタンSW25eを含む。プッシュボタンLED25cは、9系統のフルカラーLEDである。タッチセンサ25dは、遊技者のタッチ操作を8か所で検出できる。プッシュボタンSW25eは、プッシュボタン25の押下操作を検出できる。
演出制御装置300とプッシュボタン25とは電気的に接続する。演出制御装置300は、プッシュボタンLED25cの制御信号をプッシュボタン25に出力し、タッチセンサ25dの検出信号およびプッシュボタンSW25eの検出信号をプッシュボタン25から入力する。
ここで、図4を用いて説明した選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bについてあらためて説明する。選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとは、タッチセンサ25dの検出信号とプッシュボタンSW25eの検出信号との組み合わせにより検出される信号である。たとえば、選択操作に対応する左右位置のタッチ操作をタッチセンサ25dが検出し、かつプッシュボタン25の押下操作をプッシュボタンSW25eが検出した状態が、選択ボタンスイッチ25aのON状態に相当する。また、決定操作に対応する中央位置のタッチ操作をタッチセンサ25dが検出し、かつプッシュボタン25の押下操作をプッシュボタンSW25eが検出した状態が、決定ボタンスイッチ25bのON状態に相当する。
次に、プッシュボタン25におけるプッシュボタンLED25cおよびタッチセンサ25dの配置について図31を用いて説明する。図31は、第1の実施形態のプッシュボタンにおけるプッシュボタンLEDおよびタッチセンサの配置例を示す図である。
プッシュボタン25は、遊技者が俯瞰した際に上面となる面の概形を略円形とする円柱形状である。プッシュボタン25は、その上面に指先程度の大きさの9つの小円部250〜258を有し、上面の中央部に小円部250を配置し、小円部250を囲む円周上に8つの小円部251〜258を配置する。
小円部250は、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW4)とをその円周内に配置する。小円部251は、小円部250の左方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW1)とをその円周内に配置する。小円部252は、小円部250の左斜め上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW2)とをその円周内に配置する。小円部253は、小円部250の上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW3)とをその円周内に配置する。小円部254は、小円部250の右斜め上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW5)とをその円周内に配置する。小円部255は、小円部250の右方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW6)とをその円周内に配置する。小円部256は、小円部250の右斜め下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW7)とをその円周内に配置する。小円部257は、小円部250の下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW8)とをその円周内に配置する。小円部258は、小円部250の左斜め下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cをその円周内に配置する。小円部258は、タッチセンサ25dを配置しないことから、タッチセンサ25dを配置する小円部250〜257と区別容易にするために星型多角形の意匠を有する。また、小円部258は、タッチセンサ25dを配置しないことから、遊技者が8つのタッチセンサ25dを操作する際のホームポジションとなり得る。この小円部258は、プッシュボタン25が遊技機10の中央部にあって操作部24が右側にあるときに、遊技者側からみると小円部251〜258のうちで手前左側に位置し、遊技者が小円部258をホームポジションとして扱うことを容易にしている。
なお、プッシュボタン25は、小円部258にタッチセンサ25dを配置しないとしたが、小円部250〜257と同様にタッチセンサ25dを配置してもよい。また、プッシュボタン25は、タッチセンサ25dに代えて、遊技者のタッチ操作の位置座標を検出可能なタッチパネルを備えるものであってもよい。その場合、演出制御装置300は、小円部250〜258に対応する座標と、タッチパネルで検出した位置座標とから、小円部250〜258のタッチ操作を検出できる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。遊技機10の演出制御装置300は、操作入力手段(本実施形態ではプッシュボタン25とスイッチ入力回路336とよりなる入力手段)の手動入力操作を受け付け可能な第1入力手段としての機能に加え、操作入力手段の自動入力操作(本実施形態では、長押し操作)を受け付け可能な第2入力手段としての機能を有している。すなわち、特定演出中の操作入力受付期間において、プッシュボタン25が規定の判定時間dをこえて長押し操作されると、その時点からプッシュボタン25が押下操作されている間は、所定頻度(n回/秒)の連打操作(みなし操作入力)がされているとみなして、この連打操作(みなし操作入力)の操作回数を入力値(自動入力値)とする機能(第2入力手段)を有する。所定頻度は、具体的には、たとえば2〜4回/秒(たとえばn=2〜4)である。
このように遊技者による操作入力方法が2種類存在し、単純に自動入力操作を一定頻度の連打操作とみなす構成であると、たとえば上記所定頻度(n回/秒)が大きく設定されて自動入力操作の方が手動入力操作よりも演出結果に対する影響が大きく優位であって入力も楽で便利であると遊技者が判断すれば、遊技者は手動入力操作(プッシュボタン25を実際に連打する操作)を全くおこなわなくなる虞がある。また逆に、たとえば上記所定頻度(n回/秒)が小さく設定されて手動入力操作の方が自動入力操作よりも演出結果に対する影響が大きく優位であると遊技者が判断すれば、遊技者は自動入力操作を全くおこなわなくなる虞がある。このため、せっかく操作入力方法が2種類存在するにもかかわらず、一方のみが使用されて遊技の興趣を向上できないという課題がある。
なお、遊技者には初心者もいて手動入力操作による連打操作の速度(押下操作の頻度)は遊技者によってかなり異なるので、上記所定頻度(n回/秒)を手動入力操作と同等の一定頻度として設定することは困難である。このため、操作入力方法の違いによって演出結果に大きな差がでる虞があり、しかも何れか一方の操作入力方法の方がいつも優位になり易い。これにより、たとえば上記所定頻度(n回/秒)が大きく設定されている場合に、たとえば自動入力の機能を知らない初心者が低速で手動入力による連打操作をした場合、自動入力操作をした場合と比べて演出に対する影響(介入度)が相当小さくなり、遊技者が興ざめしてしまう虞や初心者に不公平になる虞がある。
なお、遊技者難易度設定がおこなえる構成として、この遊技者難易度設定によって初心者向けのレベル(イージー)が設定されると、プッシュボタン25の1回の押下操作によってたとえば押下操作10回分の演出への介入が一度におこなわれるようにして、初心者等をアシストすることが考えられる。しかしこの場合には、プッシュボタン25を1回から10回まで押下操作する過程でおこなわれる演出の変化を遊技者が鑑賞することができないという問題や、たとえば操作入力受付期間において遊技者がプッシュボタン25を10回押下操作できた場合と、ぎりぎり不足の9回しか押下操作できなかった場合とでの、演出結果の違いを遊技者が鑑賞できないという問題がある。
そこで、第2の実施形態の遊技機10は、第1入力手段が受け付けた第1入力回数(第1入力情報)と第2入力手段が受け付けた第2入力回数(第2入力情報)のうちの少なくともいずれか一方に係数をかけて得られる第3入力回数(第3入力情報)を演出に反映させる操作入力制御手段としての機能を、演出制御装置300が有する。これにより、手動入力と自動入力の何れか一方の入力操作がいつも優位になることを回避して、手動入力と自動入力の何れの入力操作によっても興趣を得ることができる。
まず、第2の実施形態の演出制御装置300がおこなう操作入力補正処理について図32を用いて説明する。図32は、第2の実施形態の演出制御装置における操作入力補正処理のフローチャートを示す図である。この操作入力補正処理は、演出制御装置300のたとえばメイン処理(図12)における演出ボタン入力処理(ステップD19)において、たとえば、手動によるボタン押下操作、又は自動入力によるみなしボタン押下操作が、1回又は所定回数あったと判定された時(操作判定された時)に実行される。所定周期(たとえば描画周期)ごとに毎回実行してもよいが、その場合、演出に反映していない新たな操作が無いときや、新たな操作回数が前述の所定回数に到達していないときには実質的には何も実行しない。上記操作判定は、たとえば演出ボタン入力処理(ステップD19)において実行される別の処理によっておこなわれる。
この操作入力補正処理においては、まず、ステータスの読み込み(ステップD101)をおこなってから、自動入力が有効か否かを判定する(ステップD102)。そして、自動入力が有効である場合(ステップD102;Y)は、自動入力値の読み込み(ステップD103)をおこなってから、読み込んだ自動入力値に自動時係数を乗算して演出に反映させる設定(ステップD104)をおこなって、操作入力補正処理を終了する。
一方、自動入力が有効でない場合(ステップD102;N)は、手動入力値の読み込み(ステップD105)をおこなってから、読み込んだ手動入力値に手動時係数を乗算して演出に反映させる設定(ステップD106)をおこなって、操作入力補正処理を終了する。
ここで、自動入力が有効か否かの判定は、たとえば演出ボタン入力処理(ステップD19)において実行される別の処理によっておこなわれる。すなわち、演出制御装置300の制御部(CPU311)は、操作入力受付期間において、たとえばプッシュボタンSW25eから入力される信号が、プッシュボタン25の押下操作を検出していないオフ状態から、プッシュボタン25の押下操作を検出しているオン状態に変化すると(すなわち、信号の立ち上がりがあると)、その時点からの経過時間の計時動作を開始し、プッシュボタンSW25eから入力される信号がオン状態のまま経過時間が自動入力判定の判定時間d(たとえば1.5秒)を超えると自動入力有効と判定し、その後プッシュボタンSW25eから入力される信号がオン状態のままである限り自動入力有効と判定する。
また、手動入力値は、前述した操作判定により判定されたプッシュボタン25の手動による押下操作の操作回数に応じた値(操作回数そのものでもよい)である。前述した操作判定の処理で制御部(CPU311)は、操作入力受付期間において、たとえばプッシュボタンSW25eから入力される信号が、プッシュボタン25の押下操作を検出していないオフ状態から、プッシュボタン25の押下操作を検出しているオン状態に変化すると(すなわち、信号の立ち上がりがあると)、1回の押下操作(詳細には、オフ状態からオン状態とするオン操作)があったと判定し、この押下操作の回数に応じた値(操作回数そのものでもよい)を入力値として出力する。このように判定された手動入力時の操作回数に応じた値がステップD105で読み込まれる手動入力値である。
また、自動入力値は、前述した操作判定により判定された自動入力によるプッシュボタン25のみなし押下操作の操作回数に応じた値(操作回数そのものでもよい)である。前述した操作判定の処理で制御部(CPU311)は、操作入力受付期間において自動入力有効と判定されていると、所定頻度(n回/秒)で手動の押下操作がおこなわれた場合と同じになるように、規定時間(1/n秒)が経過するごとに周期的に押下操作がおこなわれたと判定し、この押下操作の回数に応じた値(操作回数そのものでもよい)を入力値として出力するが、これがみなし押下操作の入力である。このようなみなし押下操作の回数に応じた値がステップD103で読み込まれる自動入力値である。
なお、上述した操作判定の処理や自動入力が有効か否かの判定の処理は、演出制御装置300の前述した第1入力手段や第2入力手段としての機能を実現する。また、図32に示した操作入力補正処理と、この操作入力補正処理のステップD104やステップD106の設定にしたがって操作入力を演出に反映させる制御処理は、演出制御装置300の操作入力制御手段としての機能を実現する。操作入力制御手段としての機能とは、第1入力手段が受け付けた第1入力回数(手動入力値)と第2入力手段が受け付けた第2入力回数(自動入力値)のうちの少なくともいずれか一方に係数(自動時係数または手動時係数)をかけて得られる第3入力回数を入力値として演出に反映させる機能である。また操作入力制御手段としての機能は、たとえば、手動入力操作(たとえばプッシュボタン25の連打操作)がおこなわれた場合と、自動入力操作(たとえばプッシュボタン25の長押し操作)がおこなわれた場合とで、少なくとも何れか一方の場合に入力回数(第1入力回数または第2入力回数)に対して係数(自動時係数または手動時係数)を乗算し、この乗算結果を第3入力回数として演出に反映させる機能である。
また、操作入力補正処理におけるステップD103やステップD105で読み込む入力値(手動入力値や自動入力値)は、操作回数(手動による押下操作の回数、あるいは、みなし押下操作の回数)そのものを示す値でもよいし、操作回数に対して基本の補正用係数(「1」未満、または「1」以上の値)を乗算した結果に相当する値であってもよい。
たとえば、操作がm回(mはたとえば「1」であり、「1」より大きな整数でもよい)判定されるごとに入力値を「m」(操作回数m回に相当する値)として操作入力補正処理をおこなう態様(すなわち、基本の補正用係数が「1」であり、入力値が操作回数そのものを示す値である態様)でもよいし、操作回数がm回判定されるごとに入力値を「2m」(操作回数2m回に相当する値)として操作入力補正処理をおこなう態様(すなわち、基本の補正用係数が「2」である態様)でもよいし、操作回数が2m回判定されるごとに入力値を「m」(操作回数m回に相当する値)として操作入力補正処理をおこなう態様(すなわち、基本の補正用係数が「0.5」である態様)でもよい。
これにより、補正前の操作回数と演出に反映される補正後の操作回数との関係(補正倍率)を全体的に調整できる。特に、補正前の操作回数と演出に反映される補正後の操作回数との関係を1対1よりも小さいたとえば2対1(補正倍率は0.5)とすることができる。操作入力補正処理におけるステップD104やステップD106で乗算する係数(手動時係数と自動時係数)は、本実施形態の場合、「1」以上の値としているため、この係数による補正では補正前の操作回数に対して補正後の操作回数を同じか大きくすることしかできない。しかし、上述した基本の補正用係数が「1」未満である態様とすれば、たとえば後述するステータス1の場合、補正前の操作回数と演出に反映される補正後の操作回数との関係を全体的にたとえば2対1などとし、操作回数の全体的な補正倍率(たとえば、手動入力についての基本の補正用係数とステップD106で乗算する手動時係数とをかけたもの)を1より小さくすることができる。なお、後述する操作入力補正の具体例や、補正後の入力及び演出の具体例の説明では、説明を簡単にするために、特に記載のない限り原則的に上述した基本の補正用係数が「1」である態様(操作回数が1回判定されるごとに入力値を「1」(操作回数1回に相当する値)として操作入力補正処理をおこなう態様)として説明する。
次に、操作入力補正処理のステップD104において入力値(自動入力値)に乗算される係数(自動時係数)と、操作入力補正処理のステップD106において入力値(手動入力値)に乗算される係数(手動時係数)について、図33を用いて説明する。図33は、第2の実施形態の操作入力補正の係数(手動時係数と自動時係数)を示す図である。
手動時係数と自動時係数は、図33に示すように、ステータス1では両方ともに「1」に設定され、ステータス2では手動時係数が「X」に設定されるとともに自動時係数が「1」に設定され、ステータス3では手動時係数が「1」に設定されるとともに自動時係数が「Y」に設定され、ステータス4では手動時係数が「X」に設定されるとともに自動時係数が「Y」に設定される。
ここで、「X」と「Y」は、何れも「1」より大きい数値(たとえば、「2」や「3」など)である。「X」や「Y」が、小数点以下の端数を有する値である態様もあり得る。たとえば、手動時係数=「X」=「1.5」として、実際の操作が2回あると、3回入力があったように補正する態様でもよい。
またステータスは、前述した操作入力補正処理とは別の処理によって、たとえば遊技状態(高確率状態か否か、時短状態(サポート状態)か否かなど)や大当り信頼度によって選択されて設定される。前述した操作入力補正処理のステップD101では、ステータスがステータス1〜4のうちの何れに設定されているかを読み込んで、各係数(手動時係数と自動時係数)をステータスに対応したものに設定しており、同処理のステップD104やステップD106では、このように設定されたステータスに対応した係数を使用している。
次に、検出手段(たとえばプッシュボタンSW25e)によって検出される操作入力(補正前)の一例について、図34を用いて説明する。図34は、第2の実施形態の操作入力の一例を示すタイミングチャートである。
一般的に、演出に介入するための操作入力(本実施形態の場合は、プッシュボタン25の押下操作)は、図34に示すように、特図変動中における特定演出期間(たとえば、特定のリーチ演出期間)においておこなわれ、この特定演出期間における最初と最後の事前演出期間と事後演出期間を除いた操作入力受付期間Tにおいて有効となる。なお通常、この特定演出期間における演出は、一種の予告(大当り信頼度を遊技者に示唆するもの)としておこなわれる。たとえば、実行される演出の種類や、演出に登場するキャラクタの種類などによって大当り確率が異なるように制御され、遊技者はレアなキャラクタが登場したりすると熱い演出(大当りになる確率が高い演出)と感じる。
そして、この操作入力受付期間Tにおいて、遊技者が手動による連打操作(プッシュボタン25を短周期で繰り返し押下する操作)をおこなうと、たとえば図34の中段に示すように、操作入力(プッシュボタンSW25eから入力される信号)が連打操作に対応して変化する(すなわち、オン状態とオフ状態とを短周期で連続的に繰り返す)。なお、演出への介入のための遊技者による操作の態様(連打の速度(周期)など)は、遊技者により、あるいは遊技者の気分等により当然異なるため、図34の中段に示す操作入力の変化は一例にすぎない。
また、遊技者が自動入力を希望して長押し操作(プッシュボタン25を押下し続ける操作)をおこなうと、たとえば図34の下段に示すように、操作入力(プッシュボタンSW25eから入力される信号)がオン状態になりオン状態を維持する。この場合、遊技者は一般的に事後演出(結果表示)を見て操作入力受付期間Tの終了を知り、長押し操作を止める。この場合、遊技者が長押し操作を開始してから前述した判定時間dが経過するまでの期間が自動入力判定期間となり、前述した判定時間dが経過した時点から操作入力受付期間Tが終了するまでの期間が自動入力状態の期間ATとなる。
次に、操作入力の補正の具体例1(ステータス2、手動時係数=X=2、自動時係数=1)について、図35を用いて説明する。図35は、第2の実施形態の操作入力補正の一例(具体例1)を示すタイミングチャートである。前述したみなし操作入力は、図35の上から1段目と2段目のチャートに示すように、自動入力(前述した長押し操作による入力)による前述した自動入力状態の期間ATにおいて、所定頻度(n回/秒)で操作入力が周期的にオン状態になったものとして判定される。なお、「操作入力補正」は「操作入力の補正」を意味する(以下同様)。
そして、この図35に示す具体例1の場合、自動時係数が「1」であるため、図35の上から3段目のチャートに示すように、自動入力である場合の補正後の操作入力も、図35の上から2段目のチャートに示す補正前の操作入力(みなし操作入力)と同様に、所定頻度(n回/秒)で周期的にオン状態になるものとなる。しかし、手動時係数は「2」であるため、たとえば図35の上から4段目のチャートに示すように手動入力で所定頻度(n回/秒)の連打操作があった場合には、図35の上から5段目のチャートに示すように、補正後の操作入力は補正前の2倍の頻度(2n回/秒)で周期的にオン状態になるものとなる。
また、たとえば図35の上から6段目のチャートに示すように手動入力で所定頻度の半分の頻度(n/2回/秒)の連打操作があった場合には、図35の上から7段目(最下段)のチャートに示すように、補正後の操作入力は補正前の2倍の頻度(n回/秒)で周期的にオン状態になるものとなる。
なお、補正後の操作入力とは、操作回数に対して係数を乗算するなどして補正した操作入力であり、演出に反映させる仮想の操作入力である。図35の場合、手動時係数は「2」であるため、図35の上から5段目や7段目のチャートに示すように、補正前の1回のオン操作(オフ状態からオン状態への立ち上がり1回)に対して、補正後には2回のオン操作があったものとして補正されており、補正前の1回のオン操作から補正により増えた最後の(この場合2回目の)オン操作が発生したと想定しているタイミングまでの遅延時間LTをゼロより大きく設定している。特に図35に示した具体例の場合には、補正後の操作入力についても全てのオン操作が一定周期で発生した状態となるように遅延時間LTを設定している。
このように、補正によって増加したオン操作が所定時間だけ遅れて発生したと想定し、補正後の各オン操作に対する演出変化をそれぞれの発生タイミングで所定間隔をおいて実行すれば、遊技者はオン操作の回数が累積してゆく過程の演出変化も鑑賞し易くなる。なお、実際のオン操作1回に対して補正により増加した仮想のオン操作の分まで演出変化を一度に(あるいは連続的に)おこなってしまう態様でもよいが、この場合、過程の演出変化を視認し難くなったり、遊技者が違和感を覚えたりする虞がある。
次に、操作入力の補正の具体例2(ステータス4、手動時係数=X=4、自動時係数=Y=2、入力上限2n回/秒)について、図36を用いて説明する。図36は、第2の実施形態の操作入力補正の一例(具体例2)を示すタイミングチャートである。前述したみなし操作入力は、図36の上から1段目と2段目のチャートに示すように、前述した自動入力状態の期間ATにおいて、所定頻度(n回/秒)で操作入力が周期的にオン状態になったものとして判定される。
そして、この図36に示す具体例2の場合、自動時係数が「2」であるため、自動入力である場合の補正後の操作入力は、図36の上から3段目のチャートに示すように、所定頻度の2倍の頻度(2n回/秒)で周期的にオン状態になるものとなる。また、手動時係数は「4」であり、入力上限が2n回/秒であるため、たとえば図36の上から4段目のチャートに示すように手動入力で所定頻度(n回/秒)の連打操作があった場合や、たとえば図36の上から5段目のチャートに示すように手動入力で所定頻度の半分の頻度(n/2回/秒)の連打操作があった場合には、図36の上から6段目のチャートに示すように、補正後の操作入力は所定頻度の2倍の頻度(2n回/秒)で周期的にオン状態になるものとなる。
また、たとえば図36の上から7段目のチャートに示すように手動入力で所定頻度の1/4の頻度(n/4回/秒)の連打操作があった場合には、図36の上から8段目または9段目(最下段)のチャートに示すように、補正後の操作入力は補正前の4倍の所定頻度(n回/秒)で周期的にオン状態になるものとなる。
なお、図36の上から8段目のチャートは、補正後の操作入力についても全てのオン操作が一定周期で発生した状態となるように遅延時間LTを比較的長く設定したケースである。また、図36の上から9段目(最下段)のチャートは、遅延時間LTを比較的短く設定し、補正前の1回のオン操作に対して生じた補正後の4回分のオン操作が時間的に偏って連続的に発生したとして演出に反映させるケースである。
またここで、入力上限とは、演出に反映させるオン操作の頻度の上限である。係数を乗算するなどして補正した後の操作入力(あるいは補正前の実際の操作入力でもよい)の頻度(時間当たりのオン操作の回数)が、この入力上限を超えた場合、強制的に補正後の操作入力の頻度をこの入力上限にする操作入力制限機能を演出制御装置300が備えていてもよく、図36はこの操作入力制限機能を備えている場合の具体例である。
たとえば、n=3とすると、入力上限は6回/秒であり、前述した操作入力補正処理におけるステップD104やステップD106の設定を受けて演出を実行する制御処理では、ステップD104やステップD106で設定された補正後の操作入力の頻度(時間当たりのオン操作の回数)が、この入力上限を超えるか否か判定し、超えると判定した場合、強制的に補正後の操作入力の頻度をこの入力上限にすることがおこなわれる。このため、図36の上から4段目のチャートに示すように手動入力で所定頻度(たとえばn回/秒=3回/秒)の連打操作があった場合でも、補正後の操作入力は所定頻度の4倍の頻度(4n回/秒=12回/秒)にはならず、図36の上から6段目のチャートに示すように、補正後の操作入力は所定頻度の2倍の頻度(2n回/秒=6回/秒)で周期的にオン状態になるものに制限される。
なお、遊技機10は、手動時係数に応じた遅延時間LTをあらかじめ設定することができる。たとえば、遊技機10は、手動時係数「2」のときに遅延時間LTを100msとし、手動時係数「3」のときに遅延時間LTを60msとし、手動時係数「4」のときに遅延時間LTを40msとする。また、遅延時間LTは、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。たとえば、遅延時間LTは、手動入力の間隔をサンプリングして決定されるものであってもよく、手動入力の間隔が520ms、手動時係数「2」のときに遅延時間LTを260ms(=520/2)のように決定してもよいし、あらかじめ用意する複数の遅延時間LT(たとえば、200ms、250ms、300ms)のうちから近似値となる遅延時間LT(たとえば、250ms)を選択するようにしてもよい。
なお、遊技者が手動入力によるオン操作(実オン操作)1回に対して補正により増加した仮想のオン操作(仮想オン操作)の受け付けタイミングは、実オン操作の受け付けタイミングに遅延時間LTだけ遅延した遅延受け付けタイミングになされたものとみなすことができる。
また、実オン操作1回に対して補正により2以上の仮想オン操作を増加させるとき、遊技機10は、増加する仮想オン操作ごとに遅延時間LTを異ならせるようにしてもよいし、同じものとしてもよい。また、遊技機10は、手動入力間隔(入力頻度)が変動するとき、随時に遅延時間LTを更新するようにしてもよい。
このような操作入力制限機能があると、補正後の操作入力のオン操作の頻度が過度に多くなって、操作入力を反映させた演出変化の表示(描画)が困難になったり、そのための制御処理が複雑化したりする不具合を回避できる。
次に、補正後の操作入力及び演出の具体例について、図37から図41を用いて説明する。図37は、第2の実施形態の係数1の場合の補正後の入力および演出の一例を示すタイミングチャートである。図38は、第2の実施形態の係数2の場合の補正後の入力および演出の一例を示すタイミングチャートである。図39は、第2の実施形態の係数1.5の場合の補正後の入力および演出の一例を示すタイミングチャートである。図40は、第2の実施形態の係数4の場合の補正後の入力および演出の一例(具体例1)を示すタイミングチャートである。図41は、第2の実施形態の係数4の場合の補正後の入力および演出の一例(具体例2)を示すタイミングチャートである。なお、これら図37から図41に示した演出の具体例は、後述する図42から図46の表示例(特定のキャラクタが風船割りの空手修行をおこなうもの)に対応している。
図37から図41に記載した描画周期は、演出制御装置300の前述した処理周期(フレーム切替タイミングの周期)であり、たとえば1/30秒≒33.333msである。図37から図41に記載した縦方向の複数の半線(点線)は、演出制御装置300のメイン処理の説明において既述したフレーム切替タイミングを表しており、隣り合う各半線の横方向間隔が描画周期に相当する。
各図(図37から図41を意味する。以下同様。)の1段目のチャートには、操作入力(手動入力)または自動入力によるみなし操作入力(すなわち、係数(手動時係数または自動時係数)を乗算して補正する前の操作入力)の具体例を示し、各図の2段目のチャートには、補正後の操作入力の具体例を示し、各図の3段目のチャートには、補正後の操作入力を反映させることによって表示装置41でおこなわれるキャラクタの動作表示の実行例を示し、各図の4段目のチャートには、補正後の操作入力を反映させることによって表示装置41でおこなわれるエフェクト画像表示の実行例を示し、各図の5段目のチャートには、補正後の操作入力を反映させることによって表示装置41でおこなわれるレベル表示等の実行例を示し、各図の6段目(最下段)のチャートには、補正後の操作入力を反映させることによって表示装置41でおこなわれるキャラクタ態様変化の実行例を示す。
なお、キャラクタの動作表示(後述する図42(2)のようにキャラクタ557Aが空手の突きまたは蹴りなどをおこなう動作の表示)は、一例として、補正後の入力のオン操作が1回あったと判定されるごとに1回実行される。また、エフェクト画像表示(後述する図42(2)のように、たとえばキャラクタ557Aが突いた拳の先に表示される、風船との衝突などを表す画像561の表示)は、一例として、キャラクタの動作表示が2回おこなわれるごとに1回実行される。また、レベル表示の増加や風船が破裂する画像表示(詳細後述する)は、一例として、キャラクタの動作表示が4回おこなわれるごと(エフェクト画像表示が2回おこなわれるごと)に1回実行される。
また、キャラクタ態様変化(後述する図42から図44のように、たとえばキャラクタ557Aの空手着の帯の色が白→茶→黒と順に変化する画像の表示)は、一例として、レベル表示が所定個数(たとえば6個)増加するごとに1変化実行される。また、表示のみならず、補正後の操作入力に対応して、表示に対応した効果音やキャラクタのセリフなどの音声出力、ランプ類点灯などもおこなわれる。また、キャラクタの態様変化は、帯の色のような一部分の態様変化に限られず、キャラクタの全体の風貌などが強力に見えるものに変化するなどの演出がおこなわれてもよい。また、帯の色が茶や黒以外の他の色(黄、緑、青、赤、虹色など)に変化して各種の異なる大当り期待度を示唆する態様でもよい。
まず図37は、補正前の操作入力として3回/秒の周期でオン操作がおこなわれた場合であり、これに対して、係数(手動時係数または自動時係数)が「1」であるため、補正後の操作入力も3回/秒の周期でオン操作があったという入力内容になる。そして、この補正後の操作入力に対応して各種の演出が実行される。たとえば、キャラクタの動作表示が3回/秒の周期で実行され、エフェクト画像表示が1.5回/秒(すなわち、2秒間に3回)の周期で実行される。
次に図38は、補正前の操作入力として3回/秒の周期でオン操作がおこなわれた場合であり、これに対して、係数(手動時係数または自動時係数)が「2」であるため、補正後の操作入力は6回/秒の頻度でオン操作があったという入力内容になる。但し、補正前の操作入力の1回のオン操作に対して2回のオン操作がほぼ同時に発生したとして処理する構成(すなわち、前述の遅延時間LTが略ゼロ)である。そして、この補正後の操作入力に対応して各種の演出が実行される。たとえば、キャラクタの動作表示が6回/秒の頻度で実行され、エフェクト画像表示が3回/秒の頻度で実行される。この場合、補正前の操作入力の1回のオン操作に対して2回のオン操作がほぼ同時に発生したとみなし、2回のオン操作に対応する演出が、特図の始動記憶に対する特図の変動表示のように、順にタイムラグ無しで連続しておこなわれる。たとえば、補正前の1回目のオン操作に対して、図38の3段目に示すように、キャラクタの動作表示の1回目と2回目が順に連続しておこなわれ、図38の4段目に示すように、キャラクタの動作表示の2回目と同じタイミングでエフェクト画像表示(1回目)がおこなわれる。また、補正前の2回目のオン操作に対して、図38の3段目に示すように、キャラクタの動作表示の3回目と4回目が順に連続しておこなわれ、図38の4段目に示すように、キャラクタの動作表示の4回目と同じタイミングでエフェクト画像表示(2回目)がおこなわれ、さらに図38の5段目に示すように、キャラクタの動作表示の4回目と同じタイミングで風船の1個目が破裂する画像表示がおこなわれ、同時にレベル表示が0個から1個に増加する表示の切替がおこなわれる。
次に図39は、補正前の操作入力として3回/秒の周期でオン操作がおこなわれた場合であり、これに対して、係数(手動時係数または自動時係数)が「1.5」であるため、補正後の操作入力は4.5回/秒(すなわち、2秒間に9回)の頻度でオン操作があったという入力内容になる。この場合、補正前の操作入力の2回のオン操作に対して3回のオン操作がほぼ同時に発生したとして処理する構成(すなわち、前述の遅延時間LTが略ゼロ)である。なお、この図39に示す具体例は、たとえば、補正前の操作回数(みなし操作入力の回数でもよい)が2回あるごとに入力値を「2」として前述の操作入力補正処理(図32)を実行することにより実現できる。この場合、前述した操作入力補正処理におけるステップD103やステップD105で入力値として「2」が読み込まれ、次いでステップD104やステップD106では、係数「1.5」を乗算するため、乗算結果は「3」となりオン操作3回分の演出への介入が一度に設定される。
そして図39の場合、この補正後の操作入力に対応して各種の演出が実行される。たとえば、キャラクタの動作表示が4.5回/秒(すなわち、2秒間に9回)の頻度で実行される。この場合、補正前の操作入力の2回のオン操作に対して3回のオン操作がほぼ同時に発生したとみなし、3回のオン操作に対応する演出が、特図の始動記憶に対する特図の変動表示のように、順にタイムラグ無しで連続しておこなわれる。たとえば、補正前の2回目のオン操作に対して、図39の3段目に示すように、キャラクタの動作表示の1回目から3回目が順に連続しておこなわれ、図39の4段目に示すように、キャラクタの動作表示の2回目と同じタイミングでエフェクト画像表示(1回目)がおこなわれる。
次に図40は、補正前の操作入力として1回/秒の周期でオン操作がおこなわれた場合であり、これに対して、係数(手動時係数または自動時係数)が「4」であるため、補正後の操作入力は4回/秒の頻度でオン操作があったという入力内容になる。但し、補正前の操作入力の1回のオン操作に対して4回のオン操作がほぼ同時に発生したとして処理する構成(すなわち、前述の遅延時間LTが略ゼロ)である。そして、この補正後の操作入力に対応して各種の演出が実行される。たとえば、キャラクタの動作表示が4回/秒の頻度で実行され、エフェクト画像表示が2回/秒の頻度で実行される。この場合、補正前の操作入力の1回のオン操作に対して4回のオン操作がほぼ同時に発生したとみなし、4回のオン操作に対応する演出が、特図の始動記憶に対する特図の変動表示のように、順にタイムラグ無しで連続しておこなわれる。たとえば、補正前の1回目のオン操作に対して、図40の3段目に示すように、キャラクタの動作表示の1回目から4回目が順に連続しておこなわれ、図40の4段目に示すように、キャラクタの動作表示の2回目と4回目と同じタイミングでエフェクト画像表示(1回目と2回目)がおこなわれる。また、図40の5段目に示すように、キャラクタの動作表示の4回目と同じタイミングで風船の1個目が破裂する画像表示がおこなわれ、同時にレベル表示が0個から1個に増加する表示の切替がおこなわれる。
次に図41は、補正前の操作入力として1回/秒の周期でオン操作がおこなわれた場合であり、これに対して、係数(手動時係数または自動時係数)が「4」であるため、補正後の操作入力は4回/秒の頻度でオン操作があったという入力内容になる。但し、補正前の操作入力の1回のオン操作に対して4回のオン操作が所定間隔をおいて発生したとして処理する構成(すなわち、前述の遅延時間LTを描画周期よりも格段に長く設定した構成)である。そして、この補正後の操作入力に対応して各種の演出が実行される。
たとえば、キャラクタの動作表示が4回/秒の頻度で実行され、エフェクト画像表示が2回/秒の頻度で実行される。この場合、補正前の操作入力の1回のオン操作に対して4回のオン操作が描画周期よりも長い所定間隔(LT/3)をおいて発生したとみなし、4回のオン操作に対応する演出が、それぞれタイムラグΔt(Δt>0)の時間的間隔をおいて順次おこなわれる。その他の演出の内容や順番は、図40の場合と同じである。
次に、操作入力手段(プッシュボタン25を含む入力手段)の操作によって遊技者が演出に介入できる特定演出(連打演出、プッシュボタン演出、あるいはチャンスボタン演出などと称されることもある)の表示例を、図42から図46を用いて説明する。
図42は、第2の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その1)である。図43は、第2の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その2)である。図44は、第2の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その3)である。図45は、第2の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その4)である。図46は、第2の実施形態における表示装置の表示画面の一例を示す図(その5)である。ここで表示画面とは、表示装置41の表示領域に表示される一つ又は複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。
図42(1)に示す表示画面550は、リーチ演出の一種としてのプッシュボタン演出が開始された直後の事前演出の表示画面(図34に示した事前演出期間の表示例)である。表示画面550は、大図柄群551と、小図柄群552と、特図1保留数表示553と、特図2保留数表示554と、操作案内表示555と、レベル表示556と、第1キャラクタ表示557と、第2キャラクタ表示558とを表示する。
大図柄群551は、興趣向上を目的として特図変動の遊技演出を担当する。そのため、大図柄群551は、特別な演出実行時を除いて、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。しかし、特別な演出実行時である表示画面550では、大図柄群551が第1キャラクタ表示557などとなるべく重ならないように、大図柄群551を左上隅の位置に比較的小さく表示する。大図柄群551は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面550は、左右図柄が「3」を表示するリーチ変動中の画面を示す。表示画面550では、小図柄群552を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
なお、大図柄群551、小図柄群552、特図1保留数表示553、特図2保留数表示554の詳細については、前述の図21(1)に示す表示画面500における対応する表示要素と同じであるため、説明を省略する。
操作案内表示555は、プッシュボタンを押下する様子を示す画像(プッシュボタンの操作を促す画像)と、「押せ!!」というメッセージ(プッシュボタンの操作を促す文字を含む画像)と、残り時間(たとえば前述の操作入力受付期間Tの残り時間)を示すタイマ(たとえば図に示すような横方向の棒グラフ状の画像)を表示する。操作案内表示555は、遊技者に対して、特図変動表示ゲームにおいてプッシュボタンを用いる演出(プッシュボタン演出)が実行中であることを明示するとともに、前述の残り時間を示し、さらにプッシュボタン25の押下操作(たとえば連打操作、あるいは自動入力としての長押し)を促す。
レベル表示556は、プッシュボタン演出の進行度あるいは達成度を遊技者に報知する表示であり、この場合、複数のマス目が横一列に並んだものとなっている。レベル表示556の各マス目内の表示態様(輝度や発光色など)は、レベル表示0個の場合は、全てが目立たない態様となる。表示画面550におけるレベル表示556は、レベル表示0個の場合を示す。
第1キャラクタ表示557は、空手着を着た登場人物であるキャラクタ557Aと、キャラクタ557Aのセリフ557B(たとえば、「白帯いきます!!」)とを表示する。キャラクタ557Aの空手着の帯は、表示画面550では白色の白帯となっている。
第2キャラクタ表示558は、空中に浮かんだような複数の単純な風船であるキャラクタ558Aと、キャラクタ558Aに対して混在するように空中に浮かぶ豚の顔のようなキャラクタ558Bと、キャラクタ558Bのセリフ558C(たとえば、「風船割り修行じゃあ!」)とを表示する。
第1キャラクタ表示557と第2キャラクタ表示558は、空手着を着た人物が風船割りの修行をする表示演出であって、遊技者によるプッシュボタン25の操作によって演出内容や演出結果に変化が生じる(あるいは生じる可能性のある)特定演出の中心的な表示演出を構成する。以下では、この特定演出(プッシュボタン演出)のうちの、特に前述の操作入力受付期間Tにおいておこなわれる演出を操作介入演出という。
図42(2)に示す表示画面560は、操作介入演出を開始した後の表示画面である。表示画面560は、表示画面550の後の画面(時間的に後に表示する画面)であって、
プッシュボタン25が所定回数押下操作されたことに対応して、第1キャラクタ表示557のキャラクタ557Aが風船に対して突きの動作をおこなう動作表示を表示する。また表示画面560は、エフェクト画像表示561を表示する。エフェクト画像表示561は、キャラクタ557Aの突きの動作によって突き出された拳と風船との衝突や、突きの動作の強度などを、ギザギザの形状や発光色などの表示態様によって表現する画像である。なお表示画面560は、第2キャラクタ表示558の風船のキャラクタ558Aの一つが、突きの動作によって破裂した状態を示し、この場合のエフェクト画像表示561は風船の破裂も表現している。また表示画面560では、風船の破裂に応じて、レベル表示556における1個目のマス目(この場合、一番左側のマス目)が目立つ表示態様に変化しており、レベル表示1個を示す。すなわち表示画面560では、レベル表示が0個から1個に増加している。
図43(1)に示す表示画面563は、表示画面560の後の画面であって、キャラクタ557Aが態様変化(白帯→茶帯)した直後の画面を示す。この表示画面563のレベル表示556は、左側の6個のマス目が目立つ表示態様に変化しており、レベル表示6個を示す。
図43(2)に示す表示画面565は、表示画面563の後の画面であって、プッシュボタン25がさらに押下操作されたことに対応して、茶帯のキャラクタ557Aが風船に対して突きの動作を連続でおこなう動作表示を表示する。また表示画面565は、エフェクト画像表示561を複数表示する。このように、複数のエフェクト画像表示561を同時に表示し、キャラクタ557Aの動作が高速かつ連続でおこなわれていることを遊技者に強くイメージさせるようにしてもよい。この表示画面565のレベル表示556は、レベル表示8個を示す。
図44(1)に示す表示画面567は、表示画面565の後の画面であって、キャラクタ557Aが態様変化(茶帯→黒帯)した直後の画面を示す。この表示画面567のレベル表示556は、レベル表示12個を示す。
図44(2)に示す表示画面569は、表示画面567の後の画面であって、プッシュボタン25がさらに押下操作されたことに対応して、黒帯のキャラクタ557Aが風船に対して突きや蹴りの動作を連続でおこなう動作表示を表示する。また表示画面569は、エフェクト画像表示561を多数表示する。この表示画面569のレベル表示556は、レベル表示15個(最大値まで残り1個)を示す。
図45(1)に示す表示画面571は、表示画面569の後の画面であって、プッシュボタン演出の最後の事後演出(結果表示の演出)の表示画面(図34に示した事後演出期間の表示例)である。表示画面571は、キャラクタ558Bのセリフ558C(たとえば、「まいった!」)を表示し、キャラクタ557Aの空手修行(風船割り修行)が最高度に成功したこと(最高レベルで終わったこと)を遊技者に報知する表示画面(成功演出の表示画面)である。この表示画面571のレベル表示556は、レベル表示16個(最大値)を示す。
図45(2)に示す表示画面573は、たとえば図43(2)に示した表示画面565の後の画面であって、プッシュボタン演出の最後の事後演出(結果表示の演出)の表示画面(図34に示した事後演出期間の表示例)の他の具体例である。表示画面573は、キャラクタ558Bのセリフ558C(たとえば、「まだまだじゃあ!」)を表示し、キャラクタ557Aの空手修行(風船割り修行)が失敗ではないものの成功しなかったこと(中レベルで終わったこと)を遊技者に報知する表示画面(成功演出ではない表示画面)である。この表示画面573のレベル表示556は、レベル表示8個を示す。
図46(1)に示す表示画面575と、図46(2)に示す表示画面578は、図44(2)に示す表示画面569と同様に、黒帯のキャラクタ557Aが風船に対して突きや蹴りの動作を連続でおこなう動作表示を表示するが、前述した操作案内表示555とは異なる操作案内表示を表示する例である。
図46(1)に示す表示画面575は、自動入力がおこなわれていることを報知する操作案内表示576を表示する。操作案内表示576は、オート連打中(自動入力中でありバイブレーション作動中)のプッシュボタンを示す画像と、「オート連打 バイブ作動中」というメッセージと、残り時間(たとえば前述の操作入力受付期間Tの残り時間)を示すタイマを表示する。操作案内表示576は、遊技者に対して、特図変動表示ゲームにおいてプッシュボタン演出が実行中であることを明示するとともに、前述の残り時間を示し、さらに自動入力操作(たとえば長押し操作)がおこなわれていて操作する遊技者の手に振動を与えるバイブレーションが作動中であることを報知する。
なお、バイブレーションは、プッシュボタン25をたとえば上下に僅かに振動させるアクチュエータ(図示省略)を演出制御装置300が制御することによって実現される。このバイブレーションの振動の周期は、たとえば、自動入力操作の際の前述した所定頻度(n回/秒)に対応する周期となっており、遊技者が手動で連打しているときと同様の感覚が持てるようになっている。
図46(2)に示す表示画面578は、操作入力の補正倍率がたとえば2倍であることを報知する操作案内表示579を表示する。操作案内表示579は、プッシュボタンを押下する様子を示す画像(プッシュボタンの操作を促す画像)と、「押せ!入力2倍!」というメッセージ(プッシュボタンの操作を促し補正倍率を明示する文字を含む画像)と、残り時間(たとえば前述の操作入力受付期間Tの残り時間)を示すタイマを表示する。操作案内表示579は、遊技者に対して、特図変動表示ゲームにおいてプッシュボタン演出が実行中であることを明示するとともに、前述の残り時間を示し、さらにプッシュボタン25の押下操作(たとえば連打操作、あるいは自動入力としての長押し)を促す。
なお、上記操作案内表示579では、たとえば「手動で連打せよ!入力2倍!」などのメッセージを表示し、手動入力に限って補正倍率がたとえば2倍であること(すなわち、たとえば前述の手動時係数が「2」であること)を報知するようにしてもよい。また、図46(1)における操作案内表示576では、たとえば「入力1倍」などのメッセージも表示して、自動入力の補正倍率がたとえば1倍であること(すなわち、たとえば前述の自動時係数が「1」であること)を報知するようにしてもよい。
以上説明した第2の実施形態の遊技機10によれば、以下の効果が得られる。
遊技状態がたとえば通常状態(高確率状態、時短状態などの特別な状態でない状態)であり、大当り信頼度の低い予告演出として操作介入演出がおこなわれる場合などの定常的な状態では、たとえばステータス2に設定し、自動時係数=1、手動時係数=X=1.5〜3程度に設定すれば、遊技者の便宜のために自動入力(オート連打)の所定頻度(n回/秒)を比較的大きな値(すなわち、手動入力で可能な高速の連打操作に近い値であり、たとえばn=3)に設定したとしても、平均的には自動入力と手動入力とで演出の進行や演出の結果に大きな差が生じ難く、概ねバランスがとれて、操作入力を演出に反映させる制御処理も簡単なものですむ。
一般に、このような設定の自動入力に対して、遊技者が手動でおこなう平均的な連打操作は押下操作の頻度(時間当たりの押下操作の回数)が少なく、遊技者が途中で疲れたりして押下操作の頻度が途中から極端に少なくなったりする場合もある。そして、連打演出などの操作介入演出は、前述した具体例のように、一般的に操作入力値(押下操作の回数)の累積に対して演出のレベル(進行度や達成度)を手動でも自動でも同じ制御処理によって同様に進めるので、一般的に手動入力は進みが遅く、自動入力は進みが数倍速い。
このため、操作入力を演出に反映させる制御処理(操作入力に応じて演出を進行させ演出結果を導出する制御処理)を、比較的高速に進む自動入力に対して演出時間が余らずに演出期間の最後に達成度が最高レベルの演出結果(成功演出結果)が生じるような設定とすると、平均的な遊技者による手動入力の場合は演出期間の最後になっても操作入力値の累積が所定数に達しないで成功演出が生じないことになる。この結果、一般的には、遊技者は自動入力のみをおこない手動入力をおこなわなくなってしまう虞がある。
なお、操作入力を演出に反映させる制御処理を、平均的な低速の手動入力に対しても演出期間中に達成度が最高レベルの演出結果(成功演出結果)が生じるような設定とすると、高速に進む自動入力の場合には演出期間の途中で成功演出結果が生じてしまって演出時間が相当に余ってしまい、かえって興ざめになってしまう虞がある。また、これを改善してバランスをとるために、操作入力を演出に反映させる制御処理を、たとえば手動入力用と自動入力用の2種類設定することが考えられるが、これでは制御処理が複雑化する。
しかし、本実施形態であれば、上述したように自動時係数が「1」であるのに対して手動時係数をたとえば「2」や「3」などと大きく設定することで、手動入力時の操作入力値がこの手動時係数に応じた倍率で補正されて増えるので(たとえば補正前の押下操作の頻度が1.5回/秒であったとしても、補正後はその2倍の3回/秒になるので)、操作入力を演出に反映させる制御処理が同じでも、平均的には自動入力と手動入力とで演出の進行や演出の結果に大きな差が生じないようにバランスをある程度とることができる。
しかも本実施形態であれば、入力値に係数を乗算して補正し補正後の入力値を全て演出に反映させるので、1回の操作によってたとえば操作10回分の演出への介入が一度におこなわれるようにして初心者等をアシストする構成の場合と異なり、複数回操作する過程でおこなわれる演出の変化を遊技者が全て鑑賞できるし、たとえば操作入力受付期間において遊技者が10回操作できた場合と、ぎりぎり不足の9回しか操作できなかった場合とでの、演出結果の違いを遊技者が鑑賞できる。
また本実施形態によれば、手動時係数と自動時係数が固定ではなく、両者が同じ「1」で実質的に補正なしのステータス1、自動時係数が「1」で手動時係数のみが「1」より大きなステータス2、手動時係数が「1」で自動時係数のみが「1」より大きなステータス3、両者が「1」より大きなステータス4という各種の設定のうちの何れかが選択されて操作入力の補正がおこなわれるため、どんな遊技者に対しても、いつも何れか一方の操作入力方法が優位になるということを回避できる。
たとえば、一般的な自動入力の所定頻度を上回るような手動による高速な連打が得意で手動入力が好きな遊技者は、上述したステータス2はもちろんのこと、ステータス1の場合でも手動入力のみをおこない自動入力を使わない可能性がある。しかし、このような遊技者もステータス3である場合には、自動入力が格段に便利で有利になるので(所定頻度がたとえば3回/秒であり、ステータス3での自動時係数Yがたとえば「2」なら、補正後の自動入力の押下操作頻度は6回/秒になるので)、自動入力を選択する可能性が大となる。
また逆に、手動による連打が不得意で自動入力が好きな遊技者は、上述したステータス3はもちろんのこと、ステータス1の場合でも自動入力のみをおこない手動入力を使わない可能性がある。しかし、このような遊技者も、たとえば図36に示したステータス4である場合には、手動入力が格段に有利になるので(手動入力による押下操作頻度がたとえば1.5回/秒であっても、ステータス4での手動時係数Xがたとえば「4」なら、補正後の自動入力の押下操作頻度は6回/秒になるので)、手動入力を選択する可能性が大となる。
このため、どんな遊技者も、操作介入演出を含む特定演出が発生したときに、どちらの操作入力方法が有利なのかを考えて選択するなどの面白さが生まれる。また、時々でも手動操作をおこなうようになることで、遊技に参加している感じが強くなる。これらの結果、遊技の興趣が向上する。
また本実施形態によれば、手動時係数と自動時係数が固定ではなく、前述したように各種のステータスの設定のうちの何れかが選択されて操作入力の補正がおこなわれ、遊技者が同じ操作をおこなっていても、各ステータスの設定の違いによって演出の進行速度や達成度を異ならせることができる(すなわち、操作介入演出における操作入力手段の効き具合を異ならせることができる)ため、この点でも遊技の興趣が向上する。すなわち、操作介入演出に対する操作入力の効き具合が状態により変化するので意外感を演出できる。また、この違いを利用して大当り信頼度や遊技状態を遊技者に示唆する構成とすれば、従来に無い操作入力手段の効き具合による予告演出等が可能となる。
たとえば、大当り信頼度が高い予告演出として操作介入演出を含む特定演出をおこなう場合に、手動時係数X等の値が特に大きく設定されるステータス4が選択される構成(あるいは選択される確率が高くなる構成)とすれば、遊技者は操作介入演出での操作入力手段の効き具合が特に良いときには大当りし易いと感じることになり、操作入力手段の効き具合による一種の斬新な予告演出が実現できる。
また、高確率状態(いわゆる潜伏確変含む)や時短状態(サポート状態)の場合に、たとえば手動時係数X等の値が特に大きく設定されるステータス4が選択される構成(あるいは選択される確率が高くなる構成)とすれば、遊技者は操作介入演出での操作入力手段の効き具合が特に良いときには高確率状態などであることを推定または確信することになり、操作入力手段の効き具合による一種の斬新な状態報知が実現できる。
[第2の実施形態の変形例1]
次に第2の実施形態の変形例1について図47を用いて説明する。図47は、第2の実施形態の変形例1における操作入力補正の係数を示す図である。図47のうち、図47(a)は、経過時間tと係数(手動時係数と自動時係数)の関係を示すチャートであり、図47(b)は、経過時間tと係数(手動時係数と自動時係数)の関係を示す表である。経過時間tは、操作入力受付期間Tの開始時点(すなわち、操作介入演出の開始時点)からの経過時間である。
この変形例1は、操作入力を補正する係数(手動時係数と自動時係数)を、たとえば図47(a)に示すように経過時間tに応じて変化させる。たとえば図47(b)に示すように、操作入力受付期間Tから経過時間tを差し引いた残時間(T−t)を変数とする関数Fx、Fyとして各係数をそれぞれ定義し、残時間(T−t)に応じて各係数が変化する構成である。
図47の場合、操作入力受付期間の長さT=15秒であり、残時間(T−t)が15秒の時点から11秒になるまでは手動時係数=1、残時間(T−t)が11秒の時点から4秒になるまでは手動時係数=2、残時間(T−t)が4秒の時点から0秒になるまでは手動時係数=3、というように変化する。また、残時間(T−t)が15秒の時点から11秒になるまでは自動時係数=1、残時間(T−t)が11秒の時点から4秒になるまでは自動時係数=1.5、残時間(T−t)が4秒の時点から0秒になるまでは自動時係数=1、というように変化する。
このように係数(手動時係数と自動時係数)を経過時間tに応じて変化させれば、経過時間tに応じたより最適な補正が可能となる。たとえば図47のような設定であると、経過時間tが進むほど手動時係数が増加するので、経過時間tが進むにつれて疲れて押下操作の頻度が低下しがちな手動入力を、特に期間の終わりの方で大きく増やすように補正して、全体的により良好に演出を進行させることができる。また図47のような設定であると、経過時間tが進んだ終了近くで自動時係数が低下するので、経過時間tが進むにつれて手動入力よりも進みがちな自動入力を、特に期間の終わりの方で増やさないように補正して、全体的に良好に演出を進行させることができる。また、操作入力手段の効き具合(演出に対して反映される度合い)が経過時間tに応じて異なるので、意外感を演出して興趣をより向上できる。
また本実施形態では、残時間(T−t)が15秒の時点から11秒になるまでの第1有効期間(初期期間)では、手動時係数=1、自動時係数=1として補正倍率を「1」として、残時間(T−t)が11秒の時点から4秒になるまでの第2有効期間以降で係数を1以外にしている。このため、期間開始直後から入力値が増えて遊技者が違和感を覚える虞がなくなる。
[第2の実施形態の他の変形例]
次に第2の実施形態の他の変形例について説明する。図36で説明したような入力上限はあってもよいが、なくてもよい。また入力上限を設ける場合でも、特定の状態(たとえば、前述のステータス2〜4の係数が1より大きく補正後の入力値が過大になる可能性がある状態)でのみ設けるようにしてもよい。
また、操作入力の受付自体は、制御手段の処理周期(たとえば前述した描画周期)ごとの頻度(たとえば30回/秒)まで可能であるが、演出に反映させる入力としては入力上限(たとえば5〜6回/秒)を超えるものを制限する(すなわち、入力上限を超える操作入力は演出に反映させない)構成でもよい。また、入力上限は、補正前の入力値を所定の上限値以下に制限するものでもよいし、補正後の入力値を所定の上限値以下に制限するものでもよいし、補正後の入力値を演出に反映させる処理において上限値を超える入力値を無視する構成などでもよい。
また、前述した係数(手動時係数、自動時係数)などの補正倍率に係わる係数は、前述したように状態や大当り信頼度や時間に応じて変化させてもよいが、遊技者の遊技履歴(たとえば、操作介入演出が発生したときに操作入力手段を操作して演出に参加した参加率)のデータを計測して記憶しておき、この参加率などの遊技履歴に応じて係数の大きさを変化させてもよい(たとえば、参加率が高いほど係数を大きくするなど)。なお、遊技履歴のデータは、客待ち状態あるいは大当り状態になったときにリセットして新たに計測する構成とすれば、ほぼ遊技者それぞれの遊技履歴に応じてその遊技者が遊技する際の係数を変えられる。
前述の図33に示した具体例では、操作入力の補正の係数(手動時係数、自動時係数)が1以上の場合を例示したが、これらの係数は1未満でもよい。これらの係数を1未満として補正倍率を1未満とすると、補正後の操作頻度が減って操作入力手段の効き具合が逆に悪くなるという変わった演出が実現できる。但しこの場合には、ステップD106等で係数を乗算した結果に小数点以下の端数が生じて、この乗算結果を演出に反映させる処理がやや煩雑になる虞(たとえば端数分については演出を一時保留し、次回の端数と合計して整数になったときに演出に反映させるなどの処理が必要になる虞)がある。
そこで、特に手動入力の場合に、全体的な補正倍率を1未満とする場合には、前述したように、たとえば操作回数が2回判定されるごとに入力値を「1」(操作回数1回に相当する値)として操作入力補正処理(図32)をおこなう態様(すなわち、基本の補正用係数が「0.5」である態様)としてもよい。基本の補正用係数が「0.5」で、たとえばステップD106で乗算する手動時係数が「1」であれば、全体的な補正倍率(基本の補正用係数と手動時係数等をかけたもの)は「0.5」になる。
なお自動入力は、所定頻度(n回/秒)(オート速度)を小さい値に設定変更することによって、自動時係数を「1」より小さくするのと同等の効果が得られる。つまり、補正後の自動入力の操作頻度(回/秒)をたとえば1/2に減らしたいとき、自動時係数を「1」から「0.5」に変更してもよいが、自動時係数は「1」のままで(全体的な補正倍率も「1」のままで)、自動入力のみなし操作入力である所定頻度(n回/秒)(オート速度)のnの値を半分の値に設定変更してもよい。しかし、手動入力は補正前の入力が遊技者による実際の操作によって決まるので、補正後の手動入力の操作頻度(回/秒)をたとえば1/2に減らしたいとき、手動時係数または上記基本の補正用係数を「1」から「0.5」に変更して全体的な補正倍率を「0.5」にする必要がある。
また、ステータスを4種類だけでなく、さらに増やしてもよい。たとえば、ステータス2〜4の係数Xや係数Yの具体的数値の違いで異なるステータスを多数設定してもよい。つまり、たとえば自動時係数が「1」で手動時係数が「2」のステータスと、たとえば自動時係数が「1」で手動時係数が「3」のステータスとを、別のステータスとして設定してもよい。
操作入力手段の手動入力は、入力信号のオフ状態からオン状態への立ち上がり(オン操作)で検出して1回の操作と判定してもよいが、入力信号のオン状態からオフ状態への立ち下がり(オフ操作)で検出して1回の操作と判定してもよい。立ち下がりで判定すれば、自動入力操作(長押し操作)の最初の入力信号の立ち上がりを1回の手動入力と判定してしまう問題を解消できる。
操作入力手段は、操作部を押す構成(押しボタン式)に限られず、レバーのような操作部を引いたり倒したりする操作、ハンドルのような操作部を回す操作、人体などの接触を検出可能な操作部に人体などを接触(タッチ)させる操作、たとえば線状(直線状、曲線状など)に動く操作部を動かす(スライドさせる)操作などによって、これら操作を検出するスイッチやセンサー(検出手段)をオン状態(検出状態)とオフ状態(非検出状態)の何れかに切り替えることが可能な構成でもよい。
手動入力としての連続操作(入力信号をオフ状態からオン状態またはオン状態からオフ状態に変化させる動作を繰り返し連続的におこなう操作)は、連打操作(押す動作を繰り返す操作)に限られない。上述したレバーのような操作部を繰り返し引いたり倒したりする操作、ハンドルのような操作部を一方向に回し続ける操作(あるいは繰り返し揺動させる操作)、接触を検出可能な操作部に繰り返し指などを接触(タッチ)させる操作、線状に動く操作部を繰り返し往復するように動かす(スライドさせる)操作などでもよい。
手動入力操作と自動入力操作をおこなう操作入力手段の操作部は、前述した具体例のように共用の操作部でもよいが、それぞれ別個に設けてもよい。たとえば、自動入力専用のボタンを設け、この自動入力専用のボタンを押し続けている間は、手動入力による連続操作と同じ入力が可能となる構成としてもよい。操作部が共用で入力信号の立ち上がりで検出する場合、1操作目は手動/自動の判別ができず、1操作目は演出への反映を一時保留しておく、あるいは、1操作目は手動の1回の操作であるとして演出に反映してしまうなど、制御処理がやや煩雑になる虞があるが、操作部を別個に設ければそのような問題を解消できる。
また操作入力手段の操作部が共用である場合でも、この共用の操作部とは別個に手動/自動を切り替える切替入力手段を設けて、この切替入力手段の操作部を遊技者が事前に操作して手動/自動を設定した上で共通の操作部を操作する構成でもよい。
自動入力としての操作は、前述した長押しのような状態操作でもよいが、これに限られない。たとえば、自動入力専用のボタンを設け、この自動入力専用のボタンを1回押して離すと、手動入力による連続操作と同じ入力が開始され、自動入力専用のボタンをもう1回押して離すと、手動入力による連続操作と同じ入力が停止する構成(あるいは、操作入力の受付期間が終わると自動停止する構成)としてもよい。このように、手動入力と自動入力の切り分けは、操作部の違いによって切り分けてもよいし、操作内容で切り分けてもよい。
自動入力による操作入力の前述した所定頻度(n回/秒)(オート速度)は、予め設定された一定の値(デフォルト値)でもよいが、可変としてもよい。たとえば、同じ遊技機で遊技した同じ遊技者または他の遊技者も含めた過去の手動による連打操作の頻度(時間当たりのオン操作またはオフ操作の回数)をサンプリング(必要に応じて平均化等する処理含む)して記憶しておき、このサンプリング結果があるときには、たとえばデフォルト値に代えてこのサンプリング結果の最新値を前述した所定頻度(n回/秒)(オート速度)として使用する構成でもよい。
また、遊技状態などにより選択されるステータスによって異なる所定頻度(n回/秒)(オート速度)を設定する構成でもよい。また、所定頻度(n回/秒)(オート速度)は、期間に応じて異ならせてもよい。
また、変形例1で説明したように、初期期間には入力値に係数をかけないで(あるいは係数を1とし)、初期期間経過後に「1」以外の係数をかける態様が好ましい。
補正後の操作入力と操作介入演出との関係は、遊技者に分かり易いという観点からは、前述した具体例のキャラクタの動作表示(突きや蹴りなどの動作の表示)のように、操作が1回あるごとになんらかの演出変化(表示の変化の他、音声の出力でもよい)が少なくとも1個おこなわれる態様が好ましい。しかしこれに限定されず、操作が所定の複数回あるごとに1個または複数の演出変化が生じる態様などでもよい。たとえば、手動時係数が「2」の場合、手動による操作1回ごとに補正後の入力値は2倍の「2」となるが、手動による操作が5回あって補正後の入力値の累計が「10」になったときに、この操作回数「10」に対応する演出変化がおこなわれる(手動による操作の4回までは何も変化しない)、といった態様でもよい。
また、遊技者が客待ち状態などにおいておこなう遊技機に対する設定操作によって、上述した操作入力の補正倍率を決める手動時係数等を遊技者が設定できる構成、上述したステータス(少なくとも定常時のステータス)を遊技者が選択できる構成、上述した所定頻度(n回/秒)(オート速度)を遊技者が設定できる構成、としてもよい。
手動入力と自動入力の一方または両方について、図46(2)に示したように、現在の操作入力補正の実行状況(入力値を増加させる補正をおこなっていることなど)や、現在の操作入力補正の倍率(前述した手動時係数等の係数そのものでもよいし、前述した基本の補正用係数が「1」でない場合には、この基本の補正用係数を手動時係数等にかけて得られる全体的な補正倍率でもよい)を遊技者に報知してもよい。報知は、図46(2)に示したように、画像や文字の表示でおこなってもよいし、音声出力によっておこなってもよい。
また、操作入力受付期間の終了間際の操作入力に対して、補正後の操作回数を反映させた操作介入演出の演出変化のうちで操作入力受付期間中に時間的に実行できないものは、事後演出期間に入ってから実行してもよい。その場合、事後演出期間における事後演出(結果表示など)がその分遅れる場合には、特定演出期間のうちの事後演出期間の部分をその分延長して事後演出の結果表示などをおこなう時間を十分確保するようにしてもよい。これにより、たとえば操作入力受付期間の終了間際の1回の操作に対して補正によって増大した多数回分の演出変化をおこなう必要が生じた場合でも、それらの演出変化を順に全て遊技者に見せて(あるいは聞かせて)、しかも結果表示などの事後演出も十分な時間見せる(あるいは聞かせる)ことが確実にできる。
また、係数の乗算による補正は、手動入力と自動入力のうちの何れか一方のみしかおこなわない態様もありうる。たとえば、自動入力に対しては係数(たとえば上述した自動時係数)を乗算しない態様(たとえば、図32におけるステップD103を削除し、ステップD104では単に自動入力値を演出に反映させる設定をおこなう態様であり、実質的には自動時係数を常に「1」に固定した態様と同じもの)でもよい。この場合も、手動入力に係数を乗算して補正することにより、遅れがちな手動入力を改善し、また手動入力の効き具合を変化させて興趣向上を図るなどの前述した効果を得ることができる。
また、第1入力情報や第2入力情報は、操作回数(すなわち、第1入力回数や第2入力回数)でなくてもよい。たとえば、操作頻度(たとえば、単位時間あたりのオン操作の回数)の値や、操作間隔(たとえば、前のオン操作と次のオン操作の時間的間隔)の値を、これらの情報として使用してもよい。すなわち、手動入力のたとえば操作頻度や操作間隔を第1入力情報とし、自動入力(みなし操作入力)のたとえば操作頻度や操作間隔を第2入力情報とし、これら第1入力情報または第2入力情報に必要に応じて前述したような係数を乗算した結果を第3入力情報として演出に反映させる構成もあり得る。
なお、遊技機10は、手動時係数と自動時係数とを変化させることができるとしたが、当該変化は、時間経過や遊技状態に応じてなされるだけでなく、遊技場の管理者や遊技者によってなされるものであってもよく、あらかじめ設定操作により手動時係数や自動時係数が設定されるものであってもよい。また、遊技機10は、遊技者によって非遊技中に手動時係数や自動時係数が設定される場合、客待ち時等に表示する設定操作画面から設定可能にすることができる。遊技場の管理者や遊技者によってなされる手動時係数や自動時係数の設定操作は、数値表示(たとえば、手動時係数「2」、自動時係数「2」等)やレベル表示(レベル1、レベル2等)によってなされるものであってもよいし、遊技者がイメージできる選択肢(やや速い、速い、超速等)を提示してなされるものであってもよい。
また、遊技機10は、遊技者によって遊技中に手動時係数や自動時係数が設定される場合、遊技中のモード選択やキャラクタ選択等の遊技演出選択機会に選択する選択肢に併せて設定可能にすることができる。たとえば、遊技機10は、キャラクタA(黒帯)とキャラクタB(茶帯)とキャラクタC(白帯)とを選択肢として提示したときに、キャラクタA(黒帯)に「超速」に対応する手動時係数または自動時係数を対応させ、キャラクタB(茶帯)に「速い」に対応する手動時係数または自動時係数を対応させ、キャラクタC(白帯)に「やや速い」に対応する手動時係数または自動時係数を対応させることができる。
また、遊技機10は、時間経過や遊技状態に応じた変化と、遊技者の選択による変化とが重複した場合、遊技者の選択を優先するようにしてもよい。また、遊技機10は、遊技者の選択による変化中に、時間経過や遊技状態に応じた変化をおこなうようにしてもよいし、時間経過や遊技状態に応じた変化を制限(おこなわない)するようにしてもよい。
また、遊技機10は、遊技者の選択によらずに、遊技制御状態(たとえば、低確率遊技状態、高確率遊技状態、普電サポート遊技状態、当り状態等)や遊技演出状態(演出モードA,B,Cの区別や、リーチの有無等)に応じて手動時係数や自動時係数を変化させるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、リーチ時にキャラクタA(黒帯)とキャラクタB(茶帯)とキャラクタC(白帯)のうちからいずれかを登場させたときに、キャラクタA(黒帯)に「超速」に対応する手動時係数または自動時係数を対応させ、キャラクタB(茶帯)に「速い」に対応する手動時係数または自動時係数を対応させ、キャラクタC(白帯)に「やや速い」に対応する手動時係数または自動時係数を対応させることができる。
また、遊技機10は、時間経過や遊技状態に応じた変化と、遊技制御状態や遊技演出状態に応じた変化とが重複した場合、遊技制御状態や遊技演出状態に応じた変化を優先するようにしてもよい。また、遊技機10は、遊技制御状態や遊技演出状態に応じた変化中に、時間経過や遊技状態に応じた変化をおこなうようにしてもよいし、時間経過や遊技状態に応じた変化を制限(おこなわない)するようにしてもよい。
上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、演出に介入可能な操作入力手段(プッシュボタン25,スイッチ入力回路336)と、操作入力手段の手動入力操作を受け付け可能な第1入力手段(演出制御装置300)と、操作入力手段の自動入力操作を受け付け可能な第2入力手段(演出制御装置300)と、第1入力手段が受け付けた手動入力操作に関する第1入力情報(たとえば、第1入力回数)と第2入力手段が受け付けた自動入力操作に関する第2入力情報(たとえば、第2入力回数)のうちの少なくともいずれか一方に係数(自動時係数または手動時係数)をかけて得られる第3入力情報(たとえば、第3入力回数)を演出に反映させる操作入力制御手段(演出制御装置300)とを備える。
(2)(1)の操作入力制御手段は、手動入力操作(たとえばプッシュボタン25の連打操作)がおこなわれた場合と、自動入力操作(たとえばプッシュボタン25の長押し操作)がおこなわれた場合とで、少なくとも何れか一方の場合に入力情報(たとえば、第1入力回数または第2入力回数)に対して係数(自動時係数または手動時係数)を乗算し、この乗算結果を第3入力情報として演出に反映させる。
(3)(1)の係数(自動時係数または手動時係数)の値は、ステータス(遊技状態等)によって異ならせ、ステータスによって、何れか一方の係数のみを1より大きく設定し、両方の係数を1より大きく設定する。
(4)(1)の係数(自動時係数または手動時係数)の値は、演出の期間によって異ならせる。
(5)(1)の係数(自動時係数または手動時係数)の値によって決まる補正倍率は、演出の期間の初期においては1に設定する。
(6)(1)の操作入力手段の受付期間中に、係数をかける(乗算する)ことによる補正の状況や内容(たとえば補正倍率)を遊技者に報知する表示または音声出力をおこなう制御手段(演出制御装置300)を備える。
(7)(1)の手動入力操作は連続操作(たとえば連打操作)であり、自動入力操作は、連続操作とは異なり連続操作よりも簡易な操作(たとえば長押し操作)であり、第2入力手段は、自動入力操作を所定頻度(n回/秒)の連続操作とみなして第2入力情報(たとえば、第2入力回数)を出力する。
(8)(1)の第1入力手段は、手動入力操作の実際の操作入力情報(たとえば、手動入力操作の実際の操作回数)に対して基本の補正用係数(1未満または1以上の値)を乗算した乗算結果に相当する値を第1入力情報(たとえば、第1入力回数)として出力する。
(9)遊技機10は、演出に介入可能な操作入力手段(プッシュボタン25,スイッチ入力回路336)と、操作入力手段の手動入力操作を受け付け可能な手動入力手段(演出制御装置300)と、手動入力手段が受け付けた手動入力操作に関する第1入力情報(たとえば、第1入力回数)に係数をかけて得られる第2入力情報(たとえば、第3入力回数)を演出に反映させるとき、手動入力操作の受け付けタイミングを遅延する遅延受け付けタイミングを生成し、遅延受け付けタイミングを第2入力情報に含ませる操作入力制御手段(演出制御装置300)と、を備える。
(10)(9)の操作入力制御手段は、手動入力操作の入力頻度に応じて遅延受け付けタイミングを変化させる。
(11)遊技機10は、演出に介入可能な操作入力手段(プッシュボタン25,スイッチ入力回路336)と、操作入力手段の手動入力操作を受け付け可能な第1入力手段(演出制御装置300)と、操作入力手段の自動入力操作を受け付け可能な第2入力手段(演出制御装置300)と、第1入力手段が受け付けた手動入力操作に関する第1入力情報(たとえば、第1入力回数)と第2入力手段が受け付けた自動入力操作に関する第2入力情報(たとえば、第2入力回数)のうちの少なくともいずれか一方に所定条件に応じて選択される係数(自動時係数または手動時係数)をかけて得られる第3入力情報(たとえば、第3入力回数)を演出に反映させる操作入力制御手段(演出制御装置300)とを備える。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の遊技機10について説明する。遊技機10は、演出制御装置300が制御対象とする音出力装置(スピーカ19a,19b)や、光出力装置(表示装置41、枠装飾装置18、盤装飾装置46等が有する発光部)の出力量を設定可能にし、設定操作時に所要の案内メッセージを出力可能にしている。
まず、設定値と設定値に対応する案内メッセージ(コメント表示)について図48を用いて説明する。図48は、第3の実施形態の設定値に対応するコメント表示の一例を示す図である。
遊技機10は、音出力装置に関して音量を10段階に調整可能であり、設定値「1」から設定値「10」のいずれかの選択により音量を10段階で調整することができる。また、遊技機10は、光出力装置に関して光量を10段階に調整可能であり、設定値「1」から設定値「10」のいずれかの選択により光量を10段階で調整することができる。
設定値「1」から設定値「3」は、グループLに属する設定値であり、設定値「4」から設定値「7」は、グループMに属する設定値であり、設定値「8」から設定値「10」は、グループHに属する設定値である。
遊技機10は、各グループに対応する音量設定コメントと光量設定コメントとを表示することができる。遊技機10は、グループLに対応する音量設定コメント、あるいはグループLに対応する光量設定コメントとして、「ゆったりと長時間、遊技をしたい人に向きます」を表示部(たとえば、表示装置41)に表示する。
また、遊技機10は、グループMに対応する音量設定コメントとして、「適度な音量で、遊技をお楽しみいただけます」を表示部に表示し、グループMに対応する光量設定コメントとして、「適度な光量で、遊技をお楽しみいただけます」を表示部に表示する。
また、遊技機10は、グループHに対応する音量設定コメントとして、「大迫力の音量で、遊技をお楽しみいただけます」と「※耳の健康のため、長時間の設定固定をお控えください」を表示部に表示し、グループHに対応する光量設定コメントとして、「大迫力の光量で、遊技をお楽しみいただけます」と「※目の健康のため、長時間の設定固定をお控えください」を表示部に表示する。
このように、遊技機10は、遊技者が設定操作をおこなううえで適切な設定値決定の目安となる情報を提示できる。また、遊技機10は、グループHに対応する音量設定コメントや光量設定コメントのように、遊技者の選択に対する注意喚起をおこなう情報を提示できる。
なお、遊技機10は、各グループに対応する音量設定コメントと光量設定コメントとを表示することができるとしたが、一部のグループに限って音量設定コメントや光量設定コメントとを表示するようにしてもよい。一部のグループに限った音量設定コメントや光量設定コメントの表示について図49を用いて説明する。図49は、第3の実施形態の設定値に対応するコメント表示の変形例を示す図である。
変形例の遊技機10は、設定値「1」から設定値「10」のいずれかの選択により音量や光量を10段階で調整することができるが、各設定値のグループ分けは、グループLとグループHの2つである。設定値「1」から設定値「9」は、グループLに属する設定値であり、設定値「10」は、グループHに属する設定値である。
遊技機10は、グループLに対応する音量設定コメント、あるいはグループLに対応する音量設定コメントや光量設定コメントを有しないが、グループHに対応する音量設定コメントとして、「耳の健康のため、長時間の設定固定をお控えください」を表示部に表示し、グループHに対応する光量設定コメントとして、「目の健康のため、長時間の設定固定をお控えください」を表示部に表示する。このように、遊技機10は、グループHに対応する音量設定コメントや光量設定コメントのように、遊技者の選択に対する注意喚起をおこなう情報を提示できる。
なお、遊技機10は、光量設定コメントや音量設定コメントを表示装置41に表示するとしたが、表示装置41に限らない、その他の表示装置(たとえば、サブ表示装置等)に表示するようにしてもよい。
また、遊技機10は、光量設定コメントや音量設定コメントを表示装置41に表示するとしたが、音出力装置(たとえば、スピーカ19a,19b)から音出力するようにしてもよい。これにより、遊技機10は、音量や光量の程度、かつ推奨設定であるか否か等を好適に遊技者に把握させることができる。
なお、遊技機10は、光量設定コメントや音量設定コメントに対応する音出力をおこなうとき、設定値の更新がある都度に音出力をおこなうようにしてもよいが、頻回な音出力を抑止するために設定値が所属するグループの変更があるときや、その他の限られたタイミングに音出力をおこなうようにしてもよい。
なお、遊技機10は、光量設定コメントや音量設定コメントを音出力装置から音出力するとき、表示装置41に表示する光量設定コメントや音量設定コメントと同じ内容を音出力するようにしてもよいし、異なる内容を音出力するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、表示装置41に表示する光量設定コメントや音量設定コメントよりも詳細なコメントを音出力してもよいし、簡潔なコメントを音出力するようにしてもよい。
また、遊技機10は、光量設定コメントや音量設定コメントを音出力装置から音出力するとき、コメントに限らない特定音を出力するようにしてもよい。このとき、遊技機10は、光量設定コメントや音量設定コメントに対応する音出力と、光量設定コメントや音量設定コメントに対応しない音出力とを同時に出力するものであってもよいし、光量設定コメントや音量設定コメントに対応しない音出力だけを出力するものであってもよい。なお、光量設定コメントや音量設定コメントに対応しない音出力もまた、設定値あるいは設定値が所属するグループに対応する音出力である。
なお、光量設定コメントや音量設定コメントに対応しない音出力は、たとえば、設定値ごとに対応する音程で音出力をおこなうものとしてもよく、設定値「1」〜設定値「10」まで順に、音程「ド」、「レ」、「ミ」、「ファ」、「ソ」、「ラ」、「シ」、「ド(1オクターブ高い)」、「レ(1オクターブ高い)」としたり、設定値「1」〜設定値「10」まで順に、音程「ド(1オクターブ低い)」、「レ(1オクターブ低い)」、「ミ(1オクターブ低い)」、「ド」、「レ」、「ミ」、「ファ」、「ド(1オクターブ高い)」、「レ(1オクターブ高い)」、「ミ(1オクターブ高い)」としたりできる。また、光量設定コメントや音量設定コメントに対応しない音出力は、音色や楽器音、サンプリング音等で設定値ごとに対応する音出力をおこなうものとしてもよい。また、また、光量設定コメントや音量設定コメントに対応しない音出力は、設定値が所属するグループごとに性格付けされたものであってもよく、たとえば、グループLは弦楽器による音出力の性格付けがされて設定値「0」〜設定値「3」まで順に、「ギター音」、「三味線」、「バイオリン音」とし、グループMは金管楽器による音出力の性格付けがされて設定値「4」〜設定値「7」まで順に、「トランペット」、「ホルン」、「トロンボーン」、「チューバ」とし、グループMは金管楽器による音出力の性格付けがされて設定値「8」〜設定値「10」まで順に、「スネアドラム」、「バスドラム」、「和太鼓」とする。なお、光量設定コメントや音量設定コメントに対応しない音出力は、設定値が異なっていても、同一グループ内では同じ音出力をおこなうものであってもよい。
なお、遊技機10は、必ずしも光量設定コメントや音量設定コメントの表示とともに特定音を出力することを要しない。遊技機10は、光量設定コメントや音量設定コメントの表示なしに、特定音を出力するものであってもよい。
また、遊技機10は、光量設定コメントや音量設定コメントを音出力装置から音出力するとき、対応する設定値(音量設定値に限らず、光量設定値を含むものであってもよい)に応じた音量や音程等で音出力するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、音量設定値が小さなとき(たとえば、設定値「1」)のときに小さな音量で、音量設定値が大きなとき(たとえば、設定値「10」)のときに大きな音量で音出力する。また、遊技機10は、光量設定値が小さなとき(たとえば、設定値「1」)のときに低い音程で、光量設定値が大きなとき(たとえば、設定値「10」)のときに高い音程で音出力する。
次に、客待ち中の設定変更画面について図50から図52を用いて説明する。図50は、第3の実施形態の設定変更可能状態(客待ち中)における設定変更画面の一例を示す図(その1)である。図51は、第3の実施形態の設定変更可能状態(客待ち中)における設定変更画面の一例を示す図(その2)である。図52は、第3の実施形態の設定変更可能状態(客待ち中)における設定変更画面の一例を示す図(その3)である。
図50(1)に示す画面600は、客待ち中における表示装置41の表示画面の1つである。画面600は、所要の客待ち画面を表示する。たとえば、遊技機10は、客待ち画面として、変動表示ゲームに関する遊技演出の一場面を表示したり、客待ち用のムービーを表示したり、機種名やメーカー名等の表示、遊技性の案内や、のめり込みに注意等の注意喚起表示をおこなう。
図50(2)に示す画面601は、客待ち中における表示装置41の表示画面の1つであり、光量設定操作中における表示画面である。画面601は、プッシュボタン25の押下と光量設定操作の検出により切替表示される。画面601は、画面600に設定操作表示を重畳表示するものであってもよい。
画面601は、音量設定表示602と光量設定表示603とコメント表示604と設定対象明示表示605とプッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを含む。
音量設定表示602は、音量設定に関する表示であり、数値表示(文字表示)とグラフ表示(イメージ表示)とで音量設定の設定値を表示する。光量設定表示603は、光量設定に関する表示であり、数値表示(文字表示)とグラフ表示(イメージ表示)とで光量設定の設定値を表示する。コメント表示604は、設定操作中の設定値に関するコメント(音量設定コメント、または光量設定コメント)を表示する。設定対象明示表示605は、音量設定に関する表示または光量設定に関する表示の背景表示となって、設定対象が音量であるか光量であるかを明示する。また、設定対象明示表示605は、その表示領域内に、音量設定に関する表示または光量設定に関する表示と、コメント表示604を含むことによって、コメント表示604が音量設定に関するコメントと光量設定に関するコメントのいずれであるかを明示する。たとえば、画面601は、設定対象明示表示605が光量設定表示603とコメント表示604の背景表示となって、設定対象が光量であることを案内するとともに、コメント表示604が光量設定コメントであることを案内する。
プッシュボタンイメージ表示606は、設定変更の操作部となるプッシュボタン25のイメージを表示する。操作案内表示607は、設定項目(音量設定、光量設定)に対応した設定変更の操作案内や操作説明等を表示する。なお、プッシュボタンイメージ表示606は、操作案内表示607と対応する表示態様でプッシュボタン25のイメージを表示する。
なお、画面601においてコメント表示604は、光量設定の設定値が「3」であることから、グループLに対応する光量設定コメントとして、「ゆったりと長時間、遊技をしたい人に向きます」を表示する。
なお、画面601は、音量設定表示602を上部に表示し、コメント表示604を表示する間隙を設けて光量設定表示603を中央部に表示し、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを下部に表示する。画面601における音量設定表示602は、タイトル「音量設定」と、横方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を横長の矩形の表示領域内に表示する。画面601における光量設定表示603は、タイトル「光量設定」と、横方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を横長の矩形の表示領域内に表示する。画面601におけるコメント表示604は、音量設定表示602と光量設定表示603に挟まれた略矩形の表示領域に表示される。
また、遊技機10は、光量設定コメントを音出力装置から音出力するとき、対応する音出力中に発光部を特定発光態様で発光させるようにしてもよい。なお、特定態様で発光する発光部は、発光装置41、枠装飾装置18、プッシュボタン25の小円部251〜258(図31参照)、盤装飾装置46等の発光部のうちの所要の発光部とすることができる。特定発光態様とは、通常の発光態様(通常発光態様)と異なることで光量設定コメントとの対応関係を示す発光態様である。たとえば、特定発光態様は、発光色や輝度、点滅周期や2以上の発光態様の時系列変化からなる点灯パターン等が、通常発光態様と異なる。たとえば、特定発光態様は、通常発光態様が赤色発光の時に青色発光であり、通常発光態様が比較的暗い時に比較的明るく、通常発光態様が点灯している時に点滅し、通常発光態様が1000ms周期で点滅している時に500ms周期で点滅し、あるいは通常発光態様が赤色、青色、黄色で順次に色変化しているときに、通常発光態様に含まれない桃色で点滅する。なお、通常発光態様は、遊技状態に応じた発光態様であるが、特別に用意される発光態様としてもよい。たとえば、遊技機10は、遊技状態が客待ち中であれば客待ち中の発光態様が通常発光態様であり、変動表示中であれば変動表示中の発光態様が通常発光態様である。
なお、遊技機10は、設定値の更新があるごとに、特定発光態様の出力をリセットすることができる。たとえば、遊技機10は、設定値の更新があったときに所定時間だけ特定発光態様の出力をおこなうとき、特定発光態様の出力中であれば、設定値の更新があってから所定時間の特定発光態様の出力を再度おこなう。
図51(1)に示す画面608は、客待ち中における表示装置41の表示画面の1つであり、設定操作中における表示画面である。画面608においてコメント表示604は、光量設定の設定値が「5」であることから、グループMに対応する光量設定コメントとして、「適度な光量で、遊技をお楽しみいただけます」を表示する。
図51(2)に示す画面609は、客待ち中における表示装置41の表示画面の1つであり、設定操作中における表示画面である。画面609においてコメント表示604は、光量設定の設定値が「10」であることから、グループHに対応する光量設定コメントとして、「大迫力の光量で、遊技をお楽しみいただけます」と「※目の健康のため、長時間の設定固定をお控えください」を表示する。
図52(1)に示す画面610は、客待ち中における表示装置41の表示画面の1つであり、音量設定操作中における表示画面である。画面610は、プッシュボタン25の押下と音量設定操作の検出により切替表示される。
画面610は、音量設定表示602と光量設定表示603とコメント表示604と設定対象明示表示605とプッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを含む。
画面610は、設定対象明示表示605が音量設定表示602とコメント表示604の背景表示となって、設定対象が音量であることを案内するとともに、コメント表示604が音量設定コメントであることを案内する。
なお、画面610においてコメント表示604は、音量設定の設定値が「5」であることから、グループMに対応する音量設定コメントとして、「適度な音量で、遊技をお楽しみいただけます」を表示する。
図52(2)に示す画面611は、客待ち中における表示装置41の表示画面の1つであり、音量設定操作あるいは光量設定操作から所定時間経過後の表示画面である。画面611は、音量設定表示602と光量設定表示603とプッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを含むが、コメント表示604と設定対象明示表示605とを含まない。このように、遊技機10は、音量設定操作あるいは光量設定操作から所定時間経過後に、コメント表示604と設定対象明示表示605とを表示しないようにすることができる。これにより、遊技機10は、遊技者の設定操作が設定値に反映されたことを案内することができる。なお、画面611は、客待ち中のプッシュボタン25の押下検出により切替表示されるものであってもよい。これにより、遊技機10は、設定操作前の設定値を案内することができる。
次に、設定中画面表示における、音量設定表示602と光量設定表示603とコメント表示604と設定対象明示表示605とプッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の配置の変形例について図53と図54を用いて説明する。図53は、第3の実施形態の変形例の設定変更可能状態(客待ち中)における設定変更画面の一例を示す図(その1)である。図54は、第3の実施形態の変形例の設定変更可能状態(客待ち中)における設定変更画面の一例を示す図(その2)である。
図53(1)に示す画面612は、音量設定表示602を右部に表示し、光量設定表示603を下部に表示し、コメント表示604を表示する領域を中央部に設けて、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを左上部に表示する。画面612における音量設定表示602は、タイトル「音量設定」と、縦方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を縦長の矩形の表示領域内に表示する。画面612における光量設定表示603は、タイトル「光量設定」と、横方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を横長の矩形の表示領域内に表示する。画面612におけるコメント表示604は、音量設定表示602と光量設定表示603に近接する略矩形の表示領域に表示される。
画面612は、設定対象明示表示605が音量設定表示602とコメント表示604の背景表示となって、設定対象が音量であることを案内するとともに、コメント表示604が音量設定コメントであることを案内する。
このような音量設定表示602の配置は、音量設定が上下方向の操作であることと対応し、ユーザにとって理解容易な操作性を提供する。また、このような光量設定表示603の配置は、光量設定が左右方向の操作であることと対応し、ユーザにとって理解容易な操作性を提供する。
図53(2)に示す画面613は、音量設定表示602を右部に表示し、光量設定表示603を左部に表示し、音量設定表示602と光量設定表示603との間隙となる中央部に、コメント表示604を表示する領域を設け、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを下部に表示する。画面613における音量設定表示602は、タイトル「音量設定」と、縦方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を縦長の矩形の表示領域内に表示する。画面613における光量設定表示603は、タイトル「光量設定」と、横方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を縦長の矩形の表示領域内に表示する。画面613におけるコメント表示604は、音量設定表示602と光量設定表示603に挟まれた略矩形の表示領域に表示される。
画面613は、設定対象明示表示605が光量設定表示603とコメント表示604の背景表示となって、設定対象が光量であることを案内するとともに、コメント表示604が光量設定コメントであることを案内する。なお、設定対象明示表示605は、光量設定表示603とコメント表示604の対応関係を明示するものであればよく、光量設定表示603とコメント表示604のすべてを包含する背景表示に限らず、光量設定表示603とコメント表示604の一部と重なる背景表示であってもよい。
図53(3)に示す画面614は、音量設定表示602と光量設定表示603を下部に表示し、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを上部に表示し、音量設定表示602と光量設定表示603の設定表示群と、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の案内表示群との間隙となる中央部に、コメント表示604を表示する領域を設ける。画面614における音量設定表示602は、タイトル「音量設定」と、横方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を横長の矩形の表示領域内に表示する。画面614における光量設定表示603は、タイトル「光量設定」と、横方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を横長の矩形の表示領域内に表示する。画面614におけるコメント表示604は、設定表示群と案内表示群とに挟まれた略矩形の表示領域に表示される。
画面614は、設定対象明示表示615が音量設定表示602の背景表示となって、設定対象が音量であることを案内する。なお、画面614は、設定対象明示表示615がコメント表示604に重ならないが、設定対象明示表示615が音量設定表示602の背景表示となることで、コメント表示604が音量設定コメントであることを案内する。なお、設定対象明示表示615は、音量設定表示602とコメント表示604の対応関係を明示するものであればよく、音量設定表示602のすべてを包含する背景表示に限らず、音量設定表示602の一部と重なる背景表示であってもよい。
また、設定対象明示表示615は、必ずしも背景表示であることを要せず、設定対象を特定可能であれば強調表示や目印表示等であってもよい。また、設定対象明示表示615は、コメント表示604が音量設定コメントであることを案内するとしたが、コメント表示604が光量設定コメントであることを案内するものであってもよい。設定対象明示表示605も同様である。また、遊技機10は、設定対象を音量と光量としたが、その他のパラメータを設定対象とするものであってもよい。また、遊技機10は、設定対象を音量と光量の2つとしたが、1つ、または3つ以上のパラメータを設定対象とするものであってもよい。
図54に示す画面616は、光量設定操作により光量設定中の表示画面である。画面616は、光量設定表示603と、コメント表示604a,604b,604cと、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを含む。
画面616は、切替表示可能な音量設定表示602と光量設定表示603のうち光量設定表示603を表示中であることから、光量設定中であることを示す。画面616は、設定中の設定値、あるいは設定操作中の設定値に関わらず、すべてのグループに対応するコメントを表示する。たとえば、画面616は、グループLに対応する光量設定コメント「ゆったりと長時間、遊技をしたい人に向きます」と、グループMに対応する光量設定コメント「適度な光量で、遊技をお楽しみいただけます」と、グループHに対応する光量設定コメント「大迫力の光量で、遊技をお楽しみいただけます」、注意喚起コメント「※目の健康のため、長時間の設定固定をお控えください」とを同時に表示する。
なお、画面616は、音量設定表示602と光量設定表示603とを切替表示することから設定対象明示表示605,615を表示内容に含まない。また、コメント表示604a,604b,604cは、光量設定中に常時表示されるものであってもよいし、任意のトリガで表示され、任意のトリガで非表示にされるものであってもよい。
ここで、コメント表示604a,604b,604cの表示タイミングについて図55を用いて説明する。図55は、第3の実施形態の設定中の表示画面におけるコメント表示タイミングの一例を示す図である。
たとえば、表示タイミングAは、グループLに対応するコメント表示604a、グループMに対応するコメント表示604b、およびグループHに対応するコメント表示604cのすべてを設定操作中に常時表示する表示タイミングである。
また、表示タイミングBは、グループLに対応するコメント表示604a、グループMに対応するコメント表示604b、およびグループHに対応するコメント表示604cのすべてを設定操作中に一時表示する表示タイミングである。たとえば、コメント表示604a,604b,604cは、設定操作開始後の所定時間だけ表示されるものであってもよいし、設定操作検出後の所定時間だけ表示されるものであってもよい。
また、表示タイミングCは、グループLに対応するコメント表示604aをグループLに属する設定値の設定操作中に常時表示し、グループMに対応するコメント表示604bをグループMに属する設定値の設定操作中に常時表示し、グループHに対応するコメント表示604cをグループHに属する設定値の設定操作中に常時表示する表示タイミングである。たとえば、設定値「1」から設定値「3」の設定操作中に、コメント表示604aが常時表示され、コメント表示604b,604cが常時非表示とされる。また、設定値「4」から設定値「7」の設定操作中に、コメント表示604bが常時表示され、コメント表示604a,604cが常時非表示とされる。また、設定値「8」から設定値「10」の設定操作中に、コメント表示604cが常時表示され、コメント表示604a,604bが常時非表示とされる。
また、表示タイミングDは、グループLに対応するコメント表示604aをグループLに属する設定値の設定操作中に一時表示し、グループMに対応するコメント表示604bをグループMに属する設定値の設定操作中に一時表示し、グループHに対応するコメント表示604cをグループHに属する設定値の設定操作中に一時表示する表示タイミングである。たとえば、設定値「1」から設定値「3」の設定操作中に、コメント表示604aが一時表示され、コメント表示604b,604cが常時非表示とされる。また、設定値「4」から設定値「7」の設定操作中に、コメント表示604bが一時表示され、コメント表示604a,604cが常時非表示とされる。また、設定値「8」から設定値「10」の設定操作中に、コメント表示604cが一時表示され、コメント表示604a,604bが常時非表示とされる。コメント表示604a,604b,604cが一時表示されるタイミングは、当該グループの設定操作開始後の所定時間だけ表示されるものであってもよいし、当該グループの設定操作検出後の所定時間だけ表示されるものであってもよい。なお、コメント表示604a,604b,604cが同時に表示されないように、新しいコメント表示をおこなうとき、所定の表示時間に関わらず表示中のコメント表示を非表示にするようにしてもよい。
また、表示タイミングEは、設定操作中の設定値が所属するグループがグループMからグループLに遷移したときにグループLに対応するコメント表示604aを一時表示し、設定操作中の設定値が所属するグループがグループLからグループMに遷移したとき、あるいはグループHからグループMに遷移したときにグループMに対応するコメント表示604bを一時表示し、設定操作中の設定値が所属するグループがグループMからグループHに遷移したときにグループHに対応するコメント表示604cを一時表示する表示タイミングである。たとえば、設定値を「4」から「3」に変更する設定操作でコメント表示604aが一時表示され、コメント表示604b,604cが非表示とされる。また、設定値を「3」から「4」に変更する設定操作、あるいは設定値を「8」から「7」に変更する設定操作でコメント表示604bが一時表示され、コメント表示604a,604cが非表示とされる。また、設定値を「7」から「8」に変更する設定操作でコメント表示604cが一時表示され、コメント表示604a,604bが非表示とされる。コメント表示604a,604b,604cが一時表示されるタイミングは、当該グループに遷移後の所定時間であってもよいし、所定の設定操作検出までであってもよい。なお、コメント表示604a,604b,604cが同時に表示されないように、新しいコメント表示をおこなうとき、非表示トリガ(所定時間満了や所定の設定操作検出等)に関わらず表示中のコメント表示を非表示にするようにしてもよい。
なお、遊技機10は、表示タイミングAから表示タイミングEのうちいずれかがあらかじめ設定されるものであってもよいし、遊技場係員や遊技者によって後から設定されるものであってもよい。また、遊技機10は、表示タイミングAから表示タイミングEを所定条件(たとえば、現在日時や、操作回数、稼働時間等)によって所定のグループを選択するものであってもよいし、順次切り替えるものであってもよい。
なお、表示タイミングAから表示タイミングEは、任意に設定可能な表示タイミングの一例であって、その他の表示タイミングを採用するものであってもよい。また、光量設定操作時の表示タイミングと音量設定操作時の表示タイミングとで、表示タイミングを同じにしてもよいし、違えるようにしてもよい。
これにより、遊技機10は、遊技者がより適切な調整をおこなえるよう調整操作を補助できる。
ここまで、客待ち状態における設定操作画面について説明してきたが、遊技機10は、変動表示ゲーム中に設定操作画面を表示するものであってもよい。ここで、変動表示ゲーム中の設定操作画面について図56を用いて説明する。図56は、第3の実施形態の変形例の設定変更可能状態(変動表示ゲーム中)における設定変更画面の一例を示す図である。
図56(1)に示す画面620は、表示装置41が表示する変動表示ゲームにおける変動表示中の表示に、設定操作表示を重畳する表示画面である。まず、変動表示ゲームにおける変動表示中の表示について説明する。画面620は、変動表示ゲームにおける変動表示中の表示として、大図柄群621と、小図柄群622と、特図1保留数表示623と、特図2保留数表示624と、保留表示625と、保留消化表示626を表示内容に含む。
大図柄群621は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。画面620の大図柄群621は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。小図柄群622は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。画面620の小図柄群622は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。一般に、大図柄群621は、小図柄群622と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群622は、大図柄群621と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示623は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特図2保留数表示624は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。保留表示625は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留表示625が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示623が表示する保留記憶数と特図2保留数表示624が表示する保留記憶数の和に相当する。保留消化表示626は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。
次に、変動表示ゲームにおける変動表示中の表示に重畳する設定操作表示について説明する。画面620は、設定操作表示として、音量設定表示602を大図柄群621の表示領域の右部に表示し、光量設定表示603を大図柄群621の表示領域の左部に表示し、音量設定表示602と光量設定表示603との間隙となる大図柄群621の表示領域の中央部に、コメント表示604を表示する領域を設け、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを大図柄群621の表示領域の下部に表示する。画面620における音量設定表示602は、タイトル「音量設定」と、縦方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を縦長の矩形の表示領域内に表示する。画面620における光量設定表示603は、タイトル「光量設定」と、縦方向のグラフ表示と、グラフ表示に並ぶ数値表示を縦長の矩形の表示領域内に表示する。画面620におけるコメント表示604は、音量設定表示602と光量設定表示603に挟まれた略矩形の表示領域に表示される。
画面620は、設定対象明示表示605が光量設定表示603とコメント表示604の背景表示となって、設定対象が光量であることを案内するとともに、コメント表示604が光量設定コメントであることを案内する。なお、設定対象明示表示605は、光量設定表示603とコメント表示604の対応関係を明示するものであればよく、光量設定表示603とコメント表示604のすべてを包含する背景表示に限らず、光量設定表示603とコメント表示604の一部と重なる背景表示であってもよい。
このように、遊技機10は、変動表示ゲームにおける変動表示中の表示のうち遊技者が遊技進行把握を担保する情報への設定操作表示の重畳を避けている。たとえば、遊技機10は、設定操作表示が小図柄群622と、特図1保留数表示623と、特図2保留数表示624と、保留表示625と、保留消化表示626に重ならないようにしている。なお、遊技機10は、必ずしも設定操作表示が小図柄群622と、特図1保留数表示623と、特図2保留数表示624と、保留表示625と、保留消化表示626のすべてと重ならないようにすることを要しない。遊技者が遊技進行把握を担保する情報が小図柄群622と、特図1保留数表示623と、特図2保留数表示624であるとする場合には、遊技機10は、設定操作表示が重ならない範囲を当該範囲に限定してもよい。
図56(2)に示す画面627は、表示装置41が表示する変動表示ゲームにおける変動表示中の表示に、設定操作表示を重畳する表示画面の別例である。まず、変動表示ゲームにおける変動表示中の表示について、画面627は、画面620と同様の表示要素を含む。
画面627は、設定操作表示として、光量設定表示603を大図柄群621の表示領域の右部に表示し、キャラクタ628を大図柄群621の表示領域の左部に表示し、キャラクタ628と光量設定表示603との間隙となる大図柄群621の表示領域の中央部に、コメント表示604を表示する領域を設け、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607とを大図柄群621の表示領域の下部に表示する。
キャラクタ628とコメント表示604とは、対応関係をもって表示され、コメント表示604は、キャラクタ628のセリフ演出として表示される。なお、キャラクタ628は、設定操作表示の一要素であってもよいし、変動表示ゲームにおける変動表示中の表示の一要素であってもよい。また、画面627は、光量設定表示603を表示するとしたが、音量設定操作中にあっては光量設定表示603に代えて音量設定表示602を大図柄群621の表示領域の右部に表示するものとする。
これにより、遊技機10は、変動表示ゲームの変動表示中にあっても、遊技者がより適切な調整をおこなえるよう調整操作を補助できる。なお、遊技機10は、変動表示ゲームの変動表示中に限らず、当り中など、その他の遊技状態にあっても同様にして設定操作表示を重畳してもよい。
なお、遊技機10は、変動表示ゲームの変動表示中に、コメント表示604、プッシュボタンイメージ表示606、および操作案内表示607を大図柄群621の表示領域に表示するとしたが、これらのうちの一部または全部を表示しないようにしてもよい。また、遊技機10は、コメント表示604、プッシュボタンイメージ表示606、および操作案内表示607の一部または全部を変動表示ゲームの変動表示中に表示しないとき、非表示期間を変動表示中の一部期間(たとえば、図柄停止期間や設定操作検出後の所定時間経過後の期間、変動開始後の所定期間、変動終了前の所定期間等)に限定するものであってもよい。また、逆に、遊技機10は、コメント表示604、プッシュボタンイメージ表示606、および操作案内表示607の一部または全部を変動表示ゲームの変動表示中に表示するとき、表示期間を変動表示中の一部期間(たとえば、設定操作検出後の所定時間経過後の期間や変動開始後の所定期間、変動終了前の所定期間等)に限定するものであってもよい。
また、遊技機10は、音量設定表示602や光量設定表示603をおこなうとき、設定名称(たとえば、音量設定や光量設定)、数値表示(文字表示)、およびグラフ表示(イメージ表示)のうち数値表示あるいはグラフ表示だけを表示するものであってもよい。また、グラフ表示は、視覚的に設定値をボリュームとして感得できるものであればメータ表示等であってもよい。このとき、遊技機10は、設定対象明示表示605や、アイコン、グラフデザイン、色彩、透明度、目盛数の相違等により、音量設定表示602と光量設定表示603との区別を示すようにしてもよい。このような遊技機10は、簡潔な表示態様により、変動表示ゲームに係る演出の障害とならない設定操作環境を提供できる。
また、遊技機10は、遊技状態に応じて設定操作に関する表示要素の数を加減するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、客待ち状態に表示する設定操作に関する表示要素よりも、変動表示ゲームの実行中に表示する設定操作に関する表示要素を簡素にすることができる。なお、遊技機10は、設定操作に関する表示要素を十分に表示する客待ち状態を、表示要素が簡素な操作環境に対するチュートリアルとして機能させることができる。
また、遊技機10は、遊技状態に応じて設定操作に関する表示要素の数を加減するとしたが、設定値や設定値が所属するグループに応じて設定操作に関する表示要素の数を加減するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、設定値「10」で表示する設定操作に関する表示要素よりも、設定値「1」〜設定値「9」で表示する設定操作に関する表示要素を簡素にすることができる。また、遊技機10は、グループLやグループHで表示する設定操作に関する表示要素よりも、グループMで表示する設定操作に関する表示要素を簡素にすることができる。これにより、遊技機10は、設定変更に対する案内や注意喚起と、遊技演出との調和を図ることができる。
また、遊技機10は、音量設定表示602や光量設定表示603、コメント表示604、設定対象明示表示605の一形態としてキャラクタ628を表示するようにしてもよい。このとき、遊技機10は、設定値や設定値が所属するグループに応じてキャラクタ628の表示の有無、キャラクタ628の種別や数等を違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、設定値「10」でキャラクタ628を表示し、設定値「1」〜設定値「9」でキャラクタ628を表示しないようにしてもよい。また、遊技機10は、グループLで女の子(キャラクタ628)を表示し、グループMで男の子(キャラクタ628)を表示し、グループHで男の子と女の子(2つのキャラクタ628)を表示してもよい。
なお、遊技機10は、設定変更中に表示するキャラクタ628を、遊技演出において表示するキャラクタと独立したキャラクタ、すなわち遊技演出において表示されることのないキャラクタとしてもよい。たとえば、遊技機10は、音量設定中に表示されるキャラクタ628をスピーカを模したキャラクタ(音量に関するキャラクタであることが認識できる表示態様)とし、光量設定中に表示されるキャラクタ628を電球を模したキャラクタ(光量に関するキャラクタであることが認識できる表示態様)とすることができる。このような遊技機10は、設定操作中に表示されるキャラクタ628を、遊技演出において表示されるキャラクタと区別可能にする。
なお、遊技機10は、設定操作中の興趣向上を目的にして、遊技状態に応じて異なるキャラクタを表示するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、遊技状態が低確率遊技状態であるときに光量設定中に表示されるキャラクタ628を白熱電球を模したキャラクタとし、遊技状態が高確率遊技状態であるときに光量設定中に表示されるキャラクタ628をLED電球を模したキャラクタとすることができる。なお、キャラクタ628を区別する遊技状態は、確率状態に限らず、普電サポートの有無、稼働量、RTCから取得する現在時刻、変動中のゲームの結果、先読み予告の内容等であってもよい。
次に、管理者によって設定可能なデフォルト設定について図57を用いて説明する。図57は、第3の実施形態の管理者によって設定可能なデフォルト設定の一例を示す図である。
先に説明した通り、設定値は、「1」から「10」までの10段階があり、設定レベルごとにグループL、グループM、グループHのいずれかに属している。遊技機10は、管理者のデフォルト設定選択の負担を軽減するため、デフォルト設定を設定値によらずにグループ指定により受け付け可能にしている。したがって、遊技機10は、管理者によるデフォルト設定を、グループL、グループM、グループHのいずれかの指定を受け付け可能である。
このとき、遊技機10は、あらかじめ設定する選択設定値A,B,Cを用意している。たとえば、遊技機10は、選択設定値Aが設定されている場合に、管理者がデフォルト設定をグループLとしたときに具体的な設定値を「2」にし、管理者がデフォルト設定をグループMとしたときに具体的な設定値を「5」にし、管理者がデフォルト設定をグループHとしたときに具体的な設定値を「9」にする。すなわち、遊技機10は、選択設定値Aが設定されている場合に、管理者が設定したグループの中間程度の設定値を具体的な設定値にする。
また、遊技機10は、選択設定値Bが設定されている場合に、管理者がデフォルト設定をグループLとしたときに具体的な設定値を「1」にし、管理者がデフォルト設定をグループMとしたときに具体的な設定値を「4」にし、管理者がデフォルト設定をグループHとしたときに具体的な設定値を「8」にする。すなわち、遊技機10は、選択設定値Bが設定されている場合に、管理者が設定したグループのうち最小の設定値を具体的な設定値にする。
また、遊技機10は、選択設定値Cが設定されている場合に、管理者がデフォルト設定をグループLとしたときに具体的な設定値を「3」にし、管理者がデフォルト設定をグループMとしたときに具体的な設定値を「7」にし、管理者がデフォルト設定をグループHとしたときに具体的な設定値を「10」にする。すなわち、遊技機10は、選択設定値Cが設定されている場合に、管理者が設定したグループのうち最大の設定値を具体的な設定値にする。
これにより、遊技機10は、管理者が具体的な数値設定で迷うことなく設定できるように設定作業を補助することができる。なお、遊技機10は、管理者による設定操作においても、遊技者に対して案内したようなコメントを表示することで、デフォルト設定選択の負担を一層軽減できる。
また、遊技機10は、管理者が設定するデフォルト設定(管理者デフォルト設定)とは別に遊技者によって設定するデフォルト設定(遊技者デフォルト設定)がある。ここで、遊技者デフォルト設定について図58を用いて説明する。図58は、第3の実施形態の遊技者によって設定可能なデフォルト設定の一例を示す図である。
遊技機10は、遊技者の細かなニーズに対応するため、遊技者によるデフォルト設定を設定値により受け付け可能にしている。なお、遊技者についても管理者と同様にデフォルト設定を設定値によらずにグループ指定により受け付け可能にするものであってもよい。
このように、遊技機10は、管理者が設定するデフォルト設定(管理者デフォルト設定)と、遊技者が設定するデフォルト設定(遊技者デフォルト設定)の2つのデフォルト設定を有する。
なお、遊技機10は、管理者デフォルト設定に遊技者デフォルト設定が優先する。ただし、遊技機10は、遊技者デフォルト設定に有効期間を設定し、有効期間満了後に遊技者デフォルト設定を無効化する。すなわち、遊技機10は、遊技者デフォルト設定が設定されていない場合に管理者デフォルト設定を有効なデフォルト設定とし、遊技者デフォルト設定が設定されている場合に有効期間に限り遊技者デフォルト設定を有効なデフォルト設定とする。
また、遊技機10は、遊技者デフォルト設定をより優先順位の高い設定として一時的な遊技者設定(一時的遊技者設定)を設定可能である。なお、一時的遊技者設定は、一時的に有効な設定値であり、遊技者デフォルト設定よりも有効期間が短い。
このような遊技者デフォルト設定は、先に説明した設定操作で設定可能であり、一時的遊技者設定は、先に説明した設定操作よりも簡素な形態で設定可能である。たとえば、遊技者デフォルト設定は、音量設定表示602、光量設定表示603、コメント表示604、設定対象明示表示605、プッシュボタンイメージ表示606、操作案内表示607等をその設定操作画面に含むが、一時的遊技者設定は、その設定操作画面に含む表示要素を一部に限定する。より具体的には、一時的遊技者設定は、音量設定表示602、光量設定表示603をその設定操作画面に含み、コメント表示604、設定対象明示表示605、プッシュボタンイメージ表示606、操作案内表示607等をその設定操作画面に含まない。
これにより、遊技機10は、遊技者デフォルト設定について丁寧な設定操作を案内し、一時的遊技者設定について簡潔な設定操作を案内することができる。
このような遊技機10は、管理者デフォルト設定が「5」、遊技者デフォルト設定が「8」のとき、遊技者が特別なリーチ演出を普段よりも迫力をもって楽しみたいとき等、一時的に所望する設定変更に対応できる。遊技機10は、特別なリーチ演出等の限定された機会に、簡潔な設定操作(操作数の簡潔化、表示の簡潔化等)を提供して迅速な設定変更を受け付け可能にする。これにより、遊技機10は、一時的に設定値をたとえば「10」に変更できる。遊技機10は、一時的に設定値について、たとえば、60秒の有効期間(タイマトリガ)や、変動表示回数で区切った有効期間(イベントトリガ)等に有効期間を限定し、有効期間満了後に遊技者デフォルト設定に復帰する。
このような遊技機10は、遊技者の所望する設定変更に柔軟に対応しながら、設定変更にかかる煩わしさを軽減できる。
次に、演出制御装置300が実行する遊技者設定変更処理について図59を用いて説明する。図59は、第3の実施形態の遊技者設定変更処理のフローチャートを示す図である。遊技者設定変更処理は、遊技者操作による設定変更を受け付ける処理であり、メイン処理(図12参照)のステップD20のホール・遊技者設定モード処理中で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD111]制御部は、遊技者の設定変更操作が遊技者デフォルト設定の変更にかかる操作か否かを判定する。制御部は、遊技者の設定変更操作が遊技者デフォルト設定の変更にかかる操作である場合にステップD112に進み、遊技者デフォルト設定の変更にかかる操作でない場合にステップD113に進む。
[ステップD112]制御部は、遊技者デフォルト設定の変更にかかる処理をおこなう。制御部は、受け付けた設定値を遊技者デフォルト設定として有効期間とともに記憶する。たとえば、制御部は、客待ち状態で5分経過や、2回目の客待ち状態になるまで、電源遮断までのように、遊技者デフォルト設定の有効期間を設定できる。制御部は、遊技者デフォルト設定の変更にかかる処理をおこなった後に、遊技者設定変更処理を終了する。
[ステップD113]制御部は、一時的遊技者設定の変更にかかる処理をおこなう。制御部は、受け付けた設定値を一時的遊技者設定として有効期間とともに記憶する。たとえば、制御部は、60秒や、次回変動表示終了までのように、一時的遊技者設定の有効期間を設定できる。制御部は、一時的遊技者設定の変更にかかる処理をおこなった後に、遊技者設定変更処理を終了する。
これにより、遊技機10は、遊技者デフォルト設定と一時的遊技者設定とを遊技者から受け付けることができる。
次に、演出制御装置300が実行する設定変更復帰処理について図60を用いて説明する。図60は、第3の実施形態の設定変更復帰処理のフローチャートを示す図である。設定変更復帰処理は、遊技者操作により変更した設定値の有効期間が満了した場合に、設定値を有効な設定値に復帰させる処理であり、メイン処理(図12参照)のステップD20のホール・遊技者設定モード処理中で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD121]制御部は、一時的遊技者設定が設定されているか否かを判定する。制御部は、一時的遊技者設定が設定されている場合にステップD122に進み、設定されていない場合にステップD124に進む。
[ステップD122]制御部は、一時的遊技者設定のリセットタイミングか否かを判定する。すなわち、制御部は、一時的遊技者設定の有効期間が満了しているか否かを判定する。制御部は、一時的遊技者設定のリセットタイミングである場合にステップD123に進み、リセットタイミングでない場合にステップD124に進む。
[ステップD123]制御部は、一時的遊技者設定を無効化し、遊技者デフォルト設定を設定値として復帰させる。
[ステップD124]制御部は、遊技者デフォルト設定のリセットタイミングか否かを判定する。すなわち、制御部は、遊技者デフォルト設定の有効期間が満了しているか否かを判定する。制御部は、遊技者デフォルト設定のリセットタイミングである場合にステップD125に進み、リセットタイミングでない場合に設定変更復帰処理を終了する。
[ステップD125]制御部は、遊技者デフォルト設定を無効化し、管理者デフォルト設定を設定値として復帰させ、設定変更復帰処理を終了する。
次に、設定確認画面について図61を用いて説明する。図61は、第3の実施形態の設定確認画面の一例を示す図である。
画面630は、客待ち中における表示装置41の表示画面の1つであり、設定確認画面である。画面630は、プッシュボタン25の押下等、所要の操作検出により切替表示される。画面630は、音量設定表示602と光量設定表示603とプッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607と、設定確認表示631とを含む。
設定確認表示631は、設定中の管理者デフォルト設定(ホール設定)と遊技者デフォルト設定(ユーザ設定)を表示する。たとえば、画面630は、音量設定表示602に矢印を指して、管理者デフォルト設定と遊技者デフォルト設定とがともに「5」であることを示す。また、画面630は、光量設定表示603に矢印を指して、管理者デフォルト設定が「5」であり、遊技者デフォルト設定が「10」であることを示す。なお、画面630に示した矢印は、設定値を示す指示表示の一形態であって、矢印に限らず、指差し表示や、丸印、三角印等であってもよい。
これにより、遊技機10は、遊技機10に設定されている設定値を遊技者に案内することができる。また、遊技機10は、遊技者に対して遊技場が設定している管理者デフォルト設定を示すことで、遊技者デフォルト設定の適切さの判断材料を遊技者に与えることができる。
なお、遊技機10は、遊技機10に設定されている一時的遊技者設定を案内するようにしてもよい。また、遊技機10は、遊技機10に設定されている管理者デフォルト設定、遊技者デフォルト設定、一時的遊技者設定のすべてを案内してもよいし、これらのうちの一部(たとえば、遊技者デフォルト設定と一時的遊技者設定等)を案内するようにしてもよい。
このような遊技機10は、遊技者がより適切な調整をおこなえるよう調整操作を補助できる。
なお、遊技機10は、遊技者が遊技者デフォルト設定を変更するときに、管理者デフォルト設定に対応するコメントを表示するようにしてもよい。たとえば、図56(2)に示すような吹き出し形態のコメント604としてメッセージ「おすすめ」等を矢印とともに表示するようにしてもよい。これにより、遊技機10は、遊技者が遊技者デフォルト設定を変更するときの参考材料を提供し、遊技者の設定操作を補助することができる。
なお、遊技機10は、管理者デフォルト設定を示す矢印と遊技者デフォルト設定を示す矢印とを異なる色彩で表示してもよく、たとえば、管理者デフォルト設定を示す矢印を赤色矢印とし、遊技者デフォルト設定を示す矢印を青色矢印とすることができる。このとき、管理者デフォルト設定と遊技者デフォルト設定とが重複した場合、遊技機10は、管理者デフォルト設定を示す矢印と遊技者デフォルト設定を示す矢印とを同位置に表示しながらその色彩を混合色(赤色と青色の混合色である紫色)として示すようにしてもよい。また、遊技機10は、矢印を混合色で表示することに代えて、赤色矢印と青色矢印の交代表示(交互表示)や、管理者デフォルト設定を優先する赤色表示や、遊技者デフォルト設定を優先する青色表示や、オフセットを設けて赤色矢印と青色矢印の並列表示や、オフセットを設けて赤色矢印と青色矢印の直列表示や、音量設定表示602や光量設定表示603を挟む対向表示等であってもよい。なお、遊技機10は、オフセットを設けて赤色矢印と青色矢印の並列表示や直列表示をおこなう場合に、指示先(たとえば、グラフや目盛等)に近い方に管理者デフォルト設定を示す矢印を配置し、指示先から遠い方に遊技者デフォルト設定を示す矢印を配置する。また、遊技機10は、オフセットを設けて赤色矢印と青色矢印の並列表示や直列表示をおこなう場合に、あらかじめ定める正位置(たとえば、グラフや目盛等の左側や下側)に管理者デフォルト設定を示す矢印を配置し、非正位置(たとえば、グラフや目盛等の右側や上側)に遊技者デフォルト設定を示す矢印を配置する。
これにより、遊技機10は、遊技者に対して遊技者デフォルト設定と管理者デフォルト設定とを好適に案内することができる。なお、管理者デフォルト設定を示す矢印と遊技者デフォルト設定を示す矢印とを同位置に表示する場合について説明したが、一時的遊技者設定を示す矢印と遊技者デフォルト設定を示す矢印とを同位置に表示する場合、一時的遊技者設定を示す矢印と管理者デフォルト設定を示す矢印とを同位置に表示する場合、一時的遊技者設定を示す矢印と遊技者デフォルト設定を示す矢印と管理者デフォルト設定を示す矢印とを同位置に表示する場合についても同様とすることができる。
なお、遊技機10は、遊技者が設定値「1」〜設定値「10」の範囲で設定変更できるとしたが、設定変更できる範囲を管理者によって制限されるものであってもよい。たとえば、遊技機10は、遊技者が設定変更できる範囲を、管理者の設定により設定値「1」〜設定値「8」の範囲に制限できる。このとき、遊技機10は、遊技者が設定変更可能な範囲が10から8に減少するので、グラフ表示を8段階表示として10段階の設定が可能であったこと、すなわち管理者によって設定範囲が制限されていることを遊技者に感得させないようにしてもよい。また、遊技機10は、遊技者が設定変更可能な範囲が10から8に減少しても、グラフ表示を10段階表示として管理者によって設定範囲が制限されていることを遊技者に感得させるようにしてもよい。
また、遊技機10は、遊技者が設定変更可能な範囲が10から8に減少しても、グラフ表示を10段階表示として制限範囲内で10段階の設定変更を可能にしてもよい。たとえば、遊技機10は、遊技者が設定変更できる範囲が管理者の設定により設定値「1」〜設定値「8」の範囲に制限されているとき、制限前の設定値「1」に対応する制限後の設定値を「1」とし、制限前の設定値「8」に対応する制限後の設定値を「10」とする。すなわち、遊技機10は、制限前の音量設定値「1」が音量レベル「0」に対応し、制限前の音量設定値「10」が音量レベル「100」に対応するとき、制限後の音量設定値「1」が音量レベル「0」に対応し、制限後の音量設定値「10」が音量レベル「80」に対応する。なお、ここでいう音量レベル「0」は、必ずしも無音を指すものではない。これにより、遊技機10は、遊技者が設定変更可能な範囲が減少しても、管理者によって設定範囲が制限されていることを遊技者に感得させないようにすることができる。
なお、遊技機10は、管理者によって制限される設定変更範囲の最大値を、管理者デフォルト設定としてもよい。この場合、遊技機10は、設定変更範囲の最大値が管理者デフォルト設定と同じなので、管理者デフォルト設定を示す矢印を表示しないようにしてもよい。
また、遊技機10は、管理者によって制限される設定変更範囲の最大値を、管理者デフォルト設定と独立に設定可能であってもよい。この場合、遊技機10は、設定変更範囲の最大値が管理者デフォルト設定と異なるので、管理者デフォルト設定を示す矢印を表示するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、管理者によって制限される設定変更範囲の最大値を、管理者デフォルト設定と独立に設定可能する場合、先に設定変更範囲の最大値を受け付けて、設定変更範囲のうちから管理者デフォルト設定を受け付けるようにすることで、遊技者デフォルト設定と管理者デフォルト設定との関係を把握容易にすることができる。
なお、遊技機10は、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の表示態様を同態様とする。具体的には、プッシュボタンイメージ表示606において上下操作(音量設定操作)に対応する操作部イメージ(プッシュボタン25の小円部253,257に対応するイメージ)と、操作案内表示607において上下操作(音量設定操作)に対応する操作部イメージ(プッシュボタン25の小円部253,257に対応するイメージ)とを同様の表示態様とする。同様に、プッシュボタンイメージ表示606において左右操作(光量設定操作)に対応する操作部イメージ(プッシュボタン25の小円部251,255に対応するイメージ)と、操作案内表示607において左右操作(光量設定操作)に対応する操作部イメージ(プッシュボタン25の小円部251,255に対応するイメージ)とを同様の表示態様とする。たとえば、プッシュボタンイメージ表示606において上下操作に対応する操作部イメージが所定色で点灯しているときに、操作案内表示607において上下操作に対応する操作部イメージを同色での点灯とする。また、プッシュボタンイメージ表示606において上下操作に対応する操作部イメージが所定色で点滅しているときに、操作案内表示607において上下操作に対応する操作部イメージを同色、かつ同周期での点滅とする。なお、上下操作に対応する点滅周期と、左右操作に対応する点滅周期とは、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。たとえば、音量設定操作中にあっては、上下操作に対応する点滅周期を相対的に速くし、左右操作に対応する点滅周期を相対的に遅くし、光量設定操作中にあっては、上下操作に対応する点滅周期を相対的に遅くし、左右操作に対応する点滅周期を相対的に速くすることで、いずれの設定操作がおこなわれているかを点滅周期から明示するものであってもよい。
また、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の操作部イメージの表示態様と、プッシュボタン25における小円部251〜258の表示態様は、同態様であることが望ましいが、対応関係を把握できるものであれば異なる態様であってもよい。なお、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の操作部イメージの点滅周期と、プッシュボタン25における小円部251〜258の点滅周期とは、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。また、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の操作部イメージの点滅周期と、プッシュボタン25における小円部251〜258の点滅周期とが同周期であるときに、位相を同じにするものであってもよいし、位相を異にするものであってもよい。遊技機10は、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の操作部イメージの表示態様と、プッシュボタン25における小円部251〜258の表示態様とを同態様とすることで、遊技者により明確に対応関係を示すことができる。また、遊技機10は、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の操作部イメージの表示態様と、プッシュボタン25における小円部251〜258の表示態様とを異態様としても、遊技者に一定の対応関係を示しながら、演出制御装置300の処理負担を軽減することができる。
なお、遊技機10は、プッシュボタン25の操作を検出して、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の操作部イメージの表示態様のうち少なくともいずれか一方について表示態様を違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、プッシュボタン25の操作を検出して、操作部イメージの表示色や、輝度(光量)、点滅や点灯、点滅周期、背景色、エフェクト等を変更し、プッシュボタン25の操作を検出したことを遊技者にフィードバックしてもよい。また、遊技機10は、操作部イメージの変更後の表示態様を所定の復帰トリガ(所定時間経過等)により変更前の表示態様に復帰させる。なお、遊技機10は、プッシュボタン25の操作を検出してプッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の操作部イメージの表示態様のうち少なくともいずれか一方の表示態様を違えるとき、これに同期してプッシュボタン25の表示態様を変更するようにしてもよい。このとき、遊技機10は、プッシュボタンイメージ表示606と操作案内表示607の操作部イメージの表示態様と、プッシュボタン25の表示態様とを同じにしてもよいし、異なるものとしてもよい。
なお、遊技機10は、遊技者により光量や音量を設定変更できるとしたが、遊技場の管理者によって設定変更に制限を設けられるものとしてもよい。たとえば、遊技機10は、遊技場の管理者によって遊技者による光量や音量の設定変更の一切を制限(禁止)可能にすることができる。また、遊技機10は、遊技場の管理者によって遊技者による光量や音量の設定変更の範囲を制限可能にすることができる。たとえば、遊技機10は、遊技場の管理者が設定することにより、遊技者が設定値「10」を選択できないようにしたり(特定設定値の設定禁止)、遊技者が設定できる範囲を設定値「3」から設定値「7」の範囲に制限したり(設定値単位の設定可能範囲の設定)、遊技者が設定できる範囲をグループMに制限したり(グループ単位の設定可能範囲の設定)できる。また、遊技機10は、遊技者により光量や音量を設定変更できるとしたが、遊技場の管理者によって調整可能なパラメータを制限するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、遊技場の管理者が設定することにより、光量の設定変更を禁止して音量の設定変更を許容したり、音量の設定変更を禁止して光量の設定変更を許容したりしてもよい。
なお、遊技機10は、設定値に対応する案内メッセージ(コメント表示)を表示するとしたが、これに限らず設定値に対応する特定表示をおこなうものであってもよい。設定値に対応する特定表示は、設定値に対応する表示の他、設定値変更に対応する表示を含む。たとえば、設定値に対応する特定表示は、キャラクタの表示態様とすることができる。具体的には、遊技機10は、設定値に対応するキャラクタを表示可能であり、設定値の適正範囲(あるいは推奨範囲)がグループMに所属する設定値であるとき、グループMに所属しない設定値に変更しようとした場合、あるいは変更した場合に、キャラクタの表情を変化させて設定値の適正範囲を案内する。より具体的には、遊技機10は、変更後の設定値が適正範囲から外れて小さくなるとキャラクタの表情を悲しいものにしたり、変更後の設定値が適正範囲から外れて大きくなるとキャラクタの表情を怒ったものにしたりすることができ、変更後の設定値が適正範囲内にあるとキャラクタの表情を明るいものにしたりすることができる。すなわち、遊技機10は、設定値に応じて特定表示を変更することができ、これにより遊技機10は、遊技者がより適切な調整をおこなえるよう調整操作を補助できる。なお、特定表示は、キャラクタに限らず、背景等、その他の表示要素であってもよい。
また、遊技機10は、複数の遊技モード(たとえば、演出頻度低モードや演出頻度高モード、演出頻度普通モード等)がある場合、各遊技モードによって推奨する設定(推奨音量設定や推奨光量設定等)に対応した特定表示を表示するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、演出頻度低モードで遊技者が設定変更操作をおこなう場合に演出頻度低モードに対応したキャラクタ(たとえば、ハイビスカス)を推奨設定値「8」で表示し、演出頻度高モードで遊技者が設定変更操作をおこなう場合に演出頻度高モードに対応したキャラクタ(たとえば、トラ)を推奨設定値「3」で表示し、演出頻度普通で遊技者が設定変更操作をおこなう場合に演出頻度普通に対応したキャラクタ(たとえば、男の子)を推奨設定値「5」で表示する。なお、遊技機10は、遊技モードごとの演出強度に応じた設定値を推奨する。たとえば、遊技機10は、リーチの発生頻度が低い等、基本的に静かな(演出強度が低い)演出頻度低モードで推奨設定値を大きくし、リーチの発生頻度が高い等、基本的に騒がしい(演出強度が高い)演出頻度高モードで推奨設定値を小さくする。なお、遊技機10は、演出強度が低いときに推奨設定値を小さくし、演出強度が高いときに推奨設定値を大きくするものであってもよい。
また、遊技機10は、複数の遊技状態(たとえば、低確率遊技状態、高確率遊技状態、普電サポート遊技状態、長時間稼働状態等)がある場合、各遊技状態によって推奨する設定(推奨音量設定や推奨光量設定等)に対応した特定表示を表示するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、稼働時間(連続遊技時間)が短い時に推奨設定値を大きくし、稼働時間が長い時に推奨設定値を小さくするようにして、遊技者の健康に配慮するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、遊技モードや遊技状態に応じた特定表示をおこなうことができるか否かを管理者の設定対象としてもよい。また、遊技機10は、遊技モードや遊技状態に応じた特定表示の種別や出現基準を管理者の設定対象としてもよい。
上述した第3の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示部(表示装置41)と、演出出力部(表示装置41、音出力装置(スピーカ19a,19b)、光出力装置(枠装飾装置18、盤装飾装置46)、盤演出装置44(可動役物)、その他装置(振動装置等))と、設定制御部(演出制御装置300)と、演出制御部(演出制御装置300)と、を含む。表示部は、表示出力可能である。演出出力部は、演出出力可能である。設定制御部は、演出出力部の出力量設定を受け付け可能である。表示制御部は、出力量設定に関して、第1の設定値と第1の設定値と異なる第2の設定値とを選択可能にし、第1の設定値と第2の設定値のうち少なくともいずれか一方が選択されたときに選択された設定値に対応する特定表示(案内メッセージ、キャラクタ、背景、その他の表示要素)を表示部に表示する(図50から図52参照)。
(2)遊技機10は、表示部(表示装置41)と、音出力部(音出力装置(スピーカ19a,19b))と、設定制御部(演出制御装置300)と、表示制御部(演出制御装置300)と、を含む。表示部は、表示出力可能である。音出力部は、音出力可能である。設定制御部は、音出力部の音量設定を受け付け可能である。表示制御部は、音量設定に関して、第1の設定値と第1の設定値と異なる第2の設定値とを選択可能にし、第1の設定値と第2の設定値のうち少なくともいずれか一方が選択されたときに、選択された設定値に対応する特定表示(案内メッセージ、キャラクタ、背景、その他の表示要素)を表示部に表示する(図52(1)参照)。
(3)遊技機10は、表示部(表示装置41)と、光出力部(光出力装置(表示装置41、枠装飾装置18、盤装飾装置46等が有する発光部))と、設定制御部(演出制御装置300)と、表示制御部(演出制御装置300)と、を含む。表示部は、表示出力可能である。光出力部は、光出力可能である。設定制御部は、表示部と光出力部のうち少なくともいずれか一方の光量設定を受け付け可能である。表示制御部は、光量設定に関して、第1の設定値と第1の設定値と異なる第2の設定値とを選択可能にし、第1の設定値と第2の設定値のうち少なくともいずれか一方が選択されたときに選択された設定値に対応する特定表示(案内メッセージ、キャラクタ、背景、その他の表示要素)を表示部に表示する(図50(2)参照)。
(4)遊技機10は、音出力部(音出力装置(スピーカ19a,19b))と、設定制御部(演出制御装置300)と、出力制御部(演出制御装置300)と、を含む。音出力部は、音出力可能である。設定制御部は、音出力部の音量設定を受け付け可能である。出力制御部は、音量設定に関して、第1の設定値と第1の設定値と異なる第2の設定値とを選択可能にし、第1の設定値と第2の設定値のうち少なくともいずれか一方が選択されたときに、選択された設定値に対応する特定音を音出力部から出力する(図48、図49参照)。
(5)遊技機10は、音出力部(音出力装置(スピーカ19a,19b))と、光出力部(光出力装置(表示装置41、枠装飾装置18、盤装飾装置46等が有する発光部))と、設定制御部(演出制御装置300)と、出力制御部(演出制御装置300)と、を含む。音出力部は、音出力可能である。光出力部は、光出力可能である。設定制御部は、光出力部の光量設定を受け付け可能である。出力制御部は、光量設定に関して、第1の設定値と第1の設定値と異なる第2の設定値とを選択可能にし、第1の設定値と第2の設定値のうち少なくともいずれか一方が選択されたときに選択された設定値に対応する特定音を音出力部から出力する(図48、図49参照)。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。