JP2020020309A - 垂直軸型螺旋タービン - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で柔軟性のある高効率な垂直軸型螺旋タービン及びブレードを提供する。【解決手段】垂直軸型螺旋タービン2Aにおいて、翼形のブレード20Bを、3枚のサブブレード21、22、23で構成し、該サブブレード間にスリット41、42を設ける。該スリットから流体が抜けることによって、流体のブレードからの剥離を遅らせ、風などの流速を増大する効果を持たせることができ、安定的に風のエネルギ−を回転数アップに変換することが可能となる。【選択図】図8B
Description
本発明はたとえば垂直軸型螺旋タービンに係り、特に風力発電等に使用するための垂直軸型螺旋タービン(垂直軸型風車)に関する。
風力発電等に使用されるタービンは、風向きに対して回転軸が平行となる水平軸型タービンと風向きに対して回転軸が垂直になる垂直軸型タービンとに大別される。水平軸型タービンは、主に揚力型であり、プロペラ風車、オランダ型風車、多翼型風車などがある。垂直軸型タービンは、サボニウス型に代表される抗力型と、ジャイロミル型タービン、ダリウス型タービン、直線翼型タービンに代表される揚力型とに分類される。
水平軸型タービンとして代表的なプロペラ風車は回転軸にハブなどによって翼根元が固定され、回転軸を中心とする回転半径の方向を翼幅として、その先端が翼端になる形状が一般的であり、現在の風力発電用のタービンとしては主流となっている。
水平軸型タービンは、風力エネルギーの変換効率(以下、「効率」と表記することがある。)が垂直軸型タービンよりも高いとされているが、受風面が風向に対し直交となるように回転軸の方向を合わせて変えなければならず、方向制御機構が必要であると同時に風向きが変わるたびに損失を生じる。また翼幅の二倍以上の高さを必要とするだけでなく、翼幅を半径とする360度周囲の設置面積を必要とすることになる。また、発電機などを格納するナセルを高所に配置せざるを得ないためメンテナンスもしづらく、高い重心を支える構造や安全性確保のための制御機構による一定の配慮が必要となる。つまり、水平軸型タービンは風向が変わりやすい地域では不利であり、かつ広い設置面積が必要であり、機構そのものが複雑かつ高コストになりやすいという点が短所となる。
それに対し、垂直軸型タービンは、回転軸に直接ブレードが取り付けられるのではなく、円板状の台座や水平方向に伸ばした腕などで一定の半径を保ち、回転軸と平行になる方向を翼幅とするのが一般的な形状である。風向きに対する依存性がないため方向制御装置は不要となる他、発電機などの重量物を地面近くの下方に配置できる。よって、水平軸型タービンに比べて、シンプルかつ安定性の高い構造とすることができる。また、翼幅を伸ばしても回転半径が拡大されないので、設置面積を小さくすることができる。
こうした垂直軸型タービンは、ジャイロミル型タービン、ダリウス型タービン、直線翼型タービンに代表される揚力型の方がサボニウス型に代表される抗力型に比べて高出力を得られる。しかし、揚力型は自己起動性が低いという課題があった。
そこで垂直軸型タービンのうち揚力型の分野においては、自己起動性の低さを改善するための様々な取り組みが行われてきたが、自己起動性の改善のためだけに別の機構を用いるものが多く、その分コストが嵩む結果となるもの、高速時に安定的な出力を得られなくなるものが多かった。そうした中、垂直軸型タービンの中で風力エネルギーの変換効率が最も高いとされる直線翼型タービンに対して、翼に後退角を持たせることで翼の回転軌道上に傾斜させた(ブレードをヘリカル螺旋状とした)垂直軸型タービン(以下、「ヘリカルタービン」ともいう。)が開発された(特許文献1)。
かかるヘリカルタービンは翼型の断面を有し、主として揚力によって回転を得るように構成されているが、ヘリカル形状によって、すべての回転角位相においてブレードの断面のいずれかが常時流体の流れに対して最適な迎角を持つことが保証される。また、同様にすべての回転角位相において、抗力によって回転モーメントを得られる断面を持つことが保証される。これによりタービンの自己起動を容易にし、回転を安定させるとされている。
また、上記ヘリカルタービンに対して、その翼幅の中心となる位置を最大回転半径とし、翼端を最小回転半径になるようにブレードを傾斜変形させ、さらに輪状体にて複数のブレードを連結させて樽型状とすることで、主にその構造上の強度など高める改善を施された垂直軸型螺旋タービンも開発された(特許文献2)。
なお、本出願の出願人と同一の出願人による特許第6126287号公報、特願2017−083076号も、垂直軸型螺旋タービンに関する有力な技術思想を含んでいる。(特許文献3、特許文献4)
設置面積やメンテナンス性などにおいて有利な垂直軸型螺旋タービンを、持ち運びの容易性と簡易な設置を可能にし、垂直軸型螺旋タービンの変換効率の更なる向上と、応用の拡大を課題とした。
<基本形状>
上記課題を解決するために、特許文献3に記載された発明の第1の態様は、回転軸体と、前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成されたブレードと、前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部とを備えて構成される。即ち、たとえば図1に示されるように(ただし図1に示されるものに限定されるものではない。以下同様に、本「課題を解決するための手段」項において、「たとえば」の後に図面を示す場合、本発明の態様は当該示された図面に限定されるものではない)、回転軸体と、たとえば図2に示すように回転軸体の長さ方向を翼幅とし、たとえば図3に示すようにブレードの回転円周方向の長さを翼弦とする翼型の断面を持つブレードが円板状の台座や水平方向に伸ばした腕部などで回転軸体に連結される垂直軸型螺旋タービンの形状として構成される。そのブレードは、たとえば図2に示すように、翼端が翼根元に対して後退するように後退角を持ちつつ、図3に示すように回転軸からの半径を翼根元から翼端側に広げる拡大角θ(0度<θ<90度)によって、ほぼ対数螺旋状の前縁及び後縁を持つ形状とする。拡大角θは対数螺旋のピッチと同意である。
上記課題を解決するために、特許文献3に記載された発明の第1の態様は、回転軸体と、前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成されたブレードと、前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部とを備えて構成される。即ち、たとえば図1に示されるように(ただし図1に示されるものに限定されるものではない。以下同様に、本「課題を解決するための手段」項において、「たとえば」の後に図面を示す場合、本発明の態様は当該示された図面に限定されるものではない)、回転軸体と、たとえば図2に示すように回転軸体の長さ方向を翼幅とし、たとえば図3に示すようにブレードの回転円周方向の長さを翼弦とする翼型の断面を持つブレードが円板状の台座や水平方向に伸ばした腕部などで回転軸体に連結される垂直軸型螺旋タービンの形状として構成される。そのブレードは、たとえば図2に示すように、翼端が翼根元に対して後退するように後退角を持ちつつ、図3に示すように回転軸からの半径を翼根元から翼端側に広げる拡大角θ(0度<θ<90度)によって、ほぼ対数螺旋状の前縁及び後縁を持つ形状とする。拡大角θは対数螺旋のピッチと同意である。
なお、上記及び以降において、回転軸体は、軸方向に分割可能なものであっても、或いは軸方向に伸縮可能なものであってもよい。
<基本形状の特徴と形状全体による効果>
上記の構成を持つ垂直軸型対数螺旋タービンは、従来のヘリカルタービン同様に後退角を有しているため、流体の流れに対してブレードの断面のいずれかが常時最適な位置になることが保証され、タービンの自己起動を容易にし、回転を安定させることができる。さらに垂直軸型対数螺旋タービンは拡大角θによってブレード全体が翼根元から翼端側に回転半径が広がるように傾斜を持っているため、前縁または後縁の長さは翼幅÷signθで求められることになり、同一スケールの翼幅及び回転半径の従来の直線翼タービンやヘリカルタービンに比べ、前縁及び後縁の長さが長くなる。これはブレード1枚あたりの面積を拡張することになるため、抗力と揚力とを問わずに受風によるエネルギーの獲得に有利となる。よって、タービンの初動時に特に必要となる抗力の増大によって初期の起動性が高まると同時に、揚力の増大によって回転時のトルクを増大することが期待できる。
上記の構成を持つ垂直軸型対数螺旋タービンは、従来のヘリカルタービン同様に後退角を有しているため、流体の流れに対してブレードの断面のいずれかが常時最適な位置になることが保証され、タービンの自己起動を容易にし、回転を安定させることができる。さらに垂直軸型対数螺旋タービンは拡大角θによってブレード全体が翼根元から翼端側に回転半径が広がるように傾斜を持っているため、前縁または後縁の長さは翼幅÷signθで求められることになり、同一スケールの翼幅及び回転半径の従来の直線翼タービンやヘリカルタービンに比べ、前縁及び後縁の長さが長くなる。これはブレード1枚あたりの面積を拡張することになるため、抗力と揚力とを問わずに受風によるエネルギーの獲得に有利となる。よって、タービンの初動時に特に必要となる抗力の増大によって初期の起動性が高まると同時に、揚力の増大によって回転時のトルクを増大することが期待できる。
<基本形状における流体の流れによる効果>
上記構成を有する垂直軸型対数螺旋タービンは、前述の通り翼根元から翼端に向けて回転半径が広がることになるので、常に翼端側の周速が翼根元よりも速くなる。すなわち翼表面の流れの速度は常に翼端側が翼根元側よりも速くなる。ベルヌーイの定理により流体の速度が増加すると圧力は降下するので翼端側が翼根元側よりも負圧となる。ここで翼端側は翼根元よりも回転軸に対して後退しているため、たとえば図4Bに示されるように、正圧側の翼根元より負圧側の翼端に向けての2次的な流れが生じることになる。
上記構成を有する垂直軸型対数螺旋タービンは、前述の通り翼根元から翼端に向けて回転半径が広がることになるので、常に翼端側の周速が翼根元よりも速くなる。すなわち翼表面の流れの速度は常に翼端側が翼根元側よりも速くなる。ベルヌーイの定理により流体の速度が増加すると圧力は降下するので翼端側が翼根元側よりも負圧となる。ここで翼端側は翼根元よりも回転軸に対して後退しているため、たとえば図4Bに示されるように、正圧側の翼根元より負圧側の翼端に向けての2次的な流れが生じることになる。
特に垂直軸タービンにおいて大きな揚力を発生させる回転角位相(時計周りの回転方向の場合は2時から4時の間に相当する回転角位相)では周速の差によって発生する圧力差から生じる流体の流れと、タービンに流入する一様の流れとが合成されることにより、翼の上面及び下面表面の流れが常に翼端側に引き上げられつつ加速することになる。タービンに流入する流体の流れが元々は水平であると仮定した場合、従来の垂直軸型タービンはその流れを二次元的に水平のままタービン後方に流していくが、垂直軸型対数螺旋タービンでは、前述の負圧による引き上げ効果と傾斜角とによって、流れが後ろ斜め上方に三次元的に傾くことが予測される。これは流体が単一時間内に翼表面のより長い距離に対して働きかけを行ったことになる。
この効果は翼弦長を長くして揚力を増やすことと同じであるとも言えるが、実際には翼弦長を伸ばしていないためタービンへの流体の流入量を減らすことがない。一般にタービンの出力エネルギー量Pは[数1]式に示すとおり回転角速度ω[rad/s]とトルクQ[Nm]とによって求められる。また、風車において受風面積に対する実際の翼の持つ表面積の占める割合をソリディティと言うところ、ソリディティと回転角速度、トルクには以下の[表1]の関係があるとされる。すなわちトルク増大のためにはソリディティの増大(翼弦長の拡大)が必要となり、それに伴い時間あたりのタービンへの流体の流入量が減るため回転角速度が減少する。つまり、トルクと回転角速度とはソリディティを介して相反する関係にあるわけである。この点において、特許文献3に記載された発明ではソリディティを増大させないようにするために回転角速度は減少させずに、流体の流れを三次元的に傾けることで揚力の働く面を拡大してトルクを増大させることを企図している。つまり風車の出力エネルギー量を求める式[数2]におけるエネルギー変換効率Cpを高めていることになる。
<基本形状の変形要素及び変形例>
この基本形状は、翼型の形状(前縁半径の大きさや、翼弦長など)と翼幅の長さ、ヘリカルタービンにて導入された後退角、そして特許文献3に記載された発明で導入された半径の拡大角θという概念的要素を備えて構成される。ここにおいて、前述の対数螺旋による効果を得るためには、翼の一部に基本形状が取り入れられていれば良い。翼の性能は設置される環境や発電機などの特徴によって、トルクを増大させた方が有利な場合と回転速度を増大させた方が有利な場合とがある。これは主に翼弦長の調整によって、ソリディティを変化させることで実現可能であるが、翼弦長や後退角は必ずしも固定である必要はない。例えば、後退角と水平断面におけるソリディティとを固定とした場合、たとえば図5Aにその一例を示すが、翼根元から翼端に向かって翼弦長が大きくなる形状となる。また、前縁の後退角と翼弦長とを固定とした場合、たとえば図5Bにその一例を示すが、後縁の後退角はおのずと小さくなる。翼端に向かうに従って、翼弦長を小さくする、いわゆるテーパー形状を形成する場合、たとえば図5Cにその一例を示すが、前縁の後退角を翼端に向けて次第に大きくするか、後縁の後退角を次第に小さくすることになる。
この基本形状は、翼型の形状(前縁半径の大きさや、翼弦長など)と翼幅の長さ、ヘリカルタービンにて導入された後退角、そして特許文献3に記載された発明で導入された半径の拡大角θという概念的要素を備えて構成される。ここにおいて、前述の対数螺旋による効果を得るためには、翼の一部に基本形状が取り入れられていれば良い。翼の性能は設置される環境や発電機などの特徴によって、トルクを増大させた方が有利な場合と回転速度を増大させた方が有利な場合とがある。これは主に翼弦長の調整によって、ソリディティを変化させることで実現可能であるが、翼弦長や後退角は必ずしも固定である必要はない。例えば、後退角と水平断面におけるソリディティとを固定とした場合、たとえば図5Aにその一例を示すが、翼根元から翼端に向かって翼弦長が大きくなる形状となる。また、前縁の後退角と翼弦長とを固定とした場合、たとえば図5Bにその一例を示すが、後縁の後退角はおのずと小さくなる。翼端に向かうに従って、翼弦長を小さくする、いわゆるテーパー形状を形成する場合、たとえば図5Cにその一例を示すが、前縁の後退角を翼端に向けて次第に大きくするか、後縁の後退角を次第に小さくすることになる。
翼弦長や後退角の調整だけではなく、拡大角θ(=対数螺旋のピッチ)を翼幅の途中で変更することもできる。例えば、拡大角θを0度とした場合は、従来の直線翼型タービンやヘリカルタービンと同一形状となるが、これと対数螺旋状の形状とを組み合わせた形状は回転半径を一定程度に留めながら翼幅の長さを拡大させる手段として有効である。対数螺旋状の形状を翼根元側や翼端側、またはその両方として、従来の直線翼型タービンやヘリカルタービンと接合させることや、その逆パターン、接合を交互に繰り返すことが可能である。たとえば図6ではeの部分がヘリカルタービンと同じθ=0度となっている。
<スリットの導入による効果>
特許文献3に記載された発明の第2の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様において、前記ブレードが前記翼型の翼幅の方向に形成された1又は2以上のスリットを備える構成としても良い。一般に風向きが安定している場合においては、水平軸タービンは垂直軸タービンに比べてエネルギー変換効率が高い。これは水平軸型タービンの受風面が風向きに対して直交しているときには、ブレードはその回転角位相の360度のすべての位置において同一の的確な迎角を保って回転することができるのに対し、垂直軸型タービンではブレードの回転角位相の360度のすべての位置において迎角が変わり、受風によってモーメントを発生させる方法やエネルギー変換効率も変わるからである。その上、垂直軸型タービンでは、揚力を発生させることが困難となって失速状態となる回転角位相が存在するからである。さらにこの失速状態となる回転角位相において、回転方向とは逆向きの摩擦抗力も増大する回転角位相がある。翼上面をタービン内側として回転方向が時計周りのタービンの場合には、回転角位相がおおよそ4時から6時の位置にあるときがそれにあたる。
特許文献3に記載された発明の第2の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様において、前記ブレードが前記翼型の翼幅の方向に形成された1又は2以上のスリットを備える構成としても良い。一般に風向きが安定している場合においては、水平軸タービンは垂直軸タービンに比べてエネルギー変換効率が高い。これは水平軸型タービンの受風面が風向きに対して直交しているときには、ブレードはその回転角位相の360度のすべての位置において同一の的確な迎角を保って回転することができるのに対し、垂直軸型タービンではブレードの回転角位相の360度のすべての位置において迎角が変わり、受風によってモーメントを発生させる方法やエネルギー変換効率も変わるからである。その上、垂直軸型タービンでは、揚力を発生させることが困難となって失速状態となる回転角位相が存在するからである。さらにこの失速状態となる回転角位相において、回転方向とは逆向きの摩擦抗力も増大する回転角位相がある。翼上面をタービン内側として回転方向が時計周りのタービンの場合には、回転角位相がおおよそ4時から6時の位置にあるときがそれにあたる。
この垂直軸型タービンが避けて通ることができない不都合をもたらす可能性のある回転角位相をなるべく減少させるために、特許文献3に記載された発明の別の態様として、ブレードを複数に分割してサブブレードとし、タービンの外側から回転方向の後ろに向けて、各サブブレードの外側から次のサブブレード内側に流体が斜めに抜けるようにスリットを設置する。スリットを設けることで、たとえば図7に示されるように、風の流入側となる翼下面から翼上面へ勢いのある流れが送出され、隙間より後方にあたる翼上面の流速を取り戻し、翼下面の流速を減衰させる。これにより翼上面の境界層における流体の隔離が遅延され翼の揚力を維持するとともに、翼下面に発生する回転とは逆向きの大きな摩擦効力を低減するという二つの効果が期待できる。
またスリットは、好適には、迎角がおおよそ90度になるあたりでスリットが見えなくなるように次のサブブレードが重なりあう形状とする。こうすることで、抗力を主体に回転のモーメントが得られることになる6時の方向の回転角位相以降はスリットから流体が抜けづらくなり、影響を抑えることができる。このスリットを用いた手法は翼上面がタービンの内側に向いている形態で特に効果を発揮するが、翼上面がタービン外側に向いている形状であっても、一定の効果を発揮することができる。その場合はスリットを翼上面か翼下面に流れが吸い込まれることによって流速の減衰を防ぐことになる。
<内部副翼による効果>
特許文献4に記載された発明の実施形態Aとして、特許文献3に記載された発明の第2の態様に加えて、翼に設置されたスリットの効果をより高めるために、翼の内側かつスリットのやや後方に位置する箇所に、たとえば図20及び図21のように副翼(43、44)を設置した。なお、副翼の翼上面は主翼とは逆の外側になるように配置した。これによって、たとえば図22及び図23のように、主翼によって生成される流体の循環(45)は副翼によって生成される流体の循環(46)と合成され増速する。また、副翼は主翼から剥離した流れ(47)を捉えて利用するため、翼全体の失速角領域を狭めることになる。
特許文献4に記載された発明の実施形態Aとして、特許文献3に記載された発明の第2の態様に加えて、翼に設置されたスリットの効果をより高めるために、翼の内側かつスリットのやや後方に位置する箇所に、たとえば図20及び図21のように副翼(43、44)を設置した。なお、副翼の翼上面は主翼とは逆の外側になるように配置した。これによって、たとえば図22及び図23のように、主翼によって生成される流体の循環(45)は副翼によって生成される流体の循環(46)と合成され増速する。また、副翼は主翼から剥離した流れ(47)を捉えて利用するため、翼全体の失速角領域を狭めることになる。
<翼表面への乱流発生による流体の剥離遅延効果>
特許文献3に記載された発明の第3の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様または第2の態様において、前記ブレードが、前記翼型の表面に流体渦を発生させるための流体渦発生機構としてのボルテックスジェネレータを備えた構成としても良い。即ち、各ブレードの翼上面または翼下面に、たとえば図8Aのように複数の小さな楔状凸型や、複数の小さな窪み状凹型など、前記ボルテックスジェネレータを配置することができる。実際にボルテックスジェネレータを配置した態様の例が、たとえば図8Bに示される。ボルテックスジェネレータはブレードの翼表面に小さな渦流を発生させることで境界層の運動量を高め翼表面からの流体の剥離を抑制することができるため、迎角の大きい回転角位相のときの流体の剥離を遅延させて揚力低減を防ぐことができる。
特許文献3に記載された発明の第3の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様または第2の態様において、前記ブレードが、前記翼型の表面に流体渦を発生させるための流体渦発生機構としてのボルテックスジェネレータを備えた構成としても良い。即ち、各ブレードの翼上面または翼下面に、たとえば図8Aのように複数の小さな楔状凸型や、複数の小さな窪み状凹型など、前記ボルテックスジェネレータを配置することができる。実際にボルテックスジェネレータを配置した態様の例が、たとえば図8Bに示される。ボルテックスジェネレータはブレードの翼表面に小さな渦流を発生させることで境界層の運動量を高め翼表面からの流体の剥離を抑制することができるため、迎角の大きい回転角位相のときの流体の剥離を遅延させて揚力低減を防ぐことができる。
<前縁のドッグトゥース形状によるアウトフロー抑止効果>
ブレードの前縁の後退角を大きめにしてブレードを形成した場合、たとえば図9Aのように、流体が翼上面方向ではなく、前縁から翼端方向に横滑りしてしまうアウトフローが発生しやすくなる。このアウトフローは、翼上面を前縁から後縁に向かうべき流体の流れを減少させてしまうことで、揚力を発生させることができない前縁失速状態を引き起こす。これを避けるために、特許文献3に記載された発明の第4の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第3の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードが、前記翼型の前縁部に流体渦を発生させるための流体渦発生機構としてのドッグトゥース形状を備えた構成としても良い。即ち、たとえば図9Bのように、翼の前縁をギザギザの形状いわゆるドッグトゥース形状とするものである。これは、いわゆるボルテックスジェネレータの別の態様でもある。ドッグトゥースはアウトフローを遮る役割と、翼上面に強い帯状の乱流を発生させることで、翼端側に極端にそれてしまう流れを翼上面に安定させる働きとを持っている。
ブレードの前縁の後退角を大きめにしてブレードを形成した場合、たとえば図9Aのように、流体が翼上面方向ではなく、前縁から翼端方向に横滑りしてしまうアウトフローが発生しやすくなる。このアウトフローは、翼上面を前縁から後縁に向かうべき流体の流れを減少させてしまうことで、揚力を発生させることができない前縁失速状態を引き起こす。これを避けるために、特許文献3に記載された発明の第4の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第3の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードが、前記翼型の前縁部に流体渦を発生させるための流体渦発生機構としてのドッグトゥース形状を備えた構成としても良い。即ち、たとえば図9Bのように、翼の前縁をギザギザの形状いわゆるドッグトゥース形状とするものである。これは、いわゆるボルテックスジェネレータの別の態様でもある。ドッグトゥースはアウトフローを遮る役割と、翼上面に強い帯状の乱流を発生させることで、翼端側に極端にそれてしまう流れを翼上面に安定させる働きとを持っている。
<ウィングレットにより翼端渦の影響による揚力低下を抑制する効果>
一般に翼端においては、たとえば図10のように、負圧側となる翼上面へ正圧側の翼下面からの流体の回り込みの渦が発生する。この渦は翼端渦と呼ばれ、翼端における揚力の低下をもたらすことが知られている。これに鑑み、特許文献3に記載された発明の第5の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第4の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードが、前記翼型の翼端に流体による翼端渦を防止するための翼端渦防止機構としての平面状あるいは立体的なウィングレットを備えた構成としても良い。あるいは特許文献3に記載された発明の第6の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第4の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードが、前記翼型の翼端に流体による翼端渦を利用するための翼端渦利用機構としての立体的形状のウィングレットを備えた構成としても良い。即ち、この翼端渦の影響による揚力低下を抑制する手段として、翼端にいわゆるウィングレットを設置することとする。一般に、ウィングレットには以下にあげるタイプがある。
a)翼端に遮蔽板を設けてしまうことで翼端渦の回り込みを防止するタイプ
b)翼端の形状を丸めたり狭めたりするなどの形状を与えることで圧力差そのものを低減するタイプ
c)翼端の形状を翼上面または翼下面方向に折り曲げることで、揚力の働くベクトルを変え、主たる翼部の揚力低下を防ぐタイプ
d)b)とc)とを組み合わせたタイプ
一般に翼端においては、たとえば図10のように、負圧側となる翼上面へ正圧側の翼下面からの流体の回り込みの渦が発生する。この渦は翼端渦と呼ばれ、翼端における揚力の低下をもたらすことが知られている。これに鑑み、特許文献3に記載された発明の第5の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第4の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードが、前記翼型の翼端に流体による翼端渦を防止するための翼端渦防止機構としての平面状あるいは立体的なウィングレットを備えた構成としても良い。あるいは特許文献3に記載された発明の第6の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第4の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードが、前記翼型の翼端に流体による翼端渦を利用するための翼端渦利用機構としての立体的形状のウィングレットを備えた構成としても良い。即ち、この翼端渦の影響による揚力低下を抑制する手段として、翼端にいわゆるウィングレットを設置することとする。一般に、ウィングレットには以下にあげるタイプがある。
a)翼端に遮蔽板を設けてしまうことで翼端渦の回り込みを防止するタイプ
b)翼端の形状を丸めたり狭めたりするなどの形状を与えることで圧力差そのものを低減するタイプ
c)翼端の形状を翼上面または翼下面方向に折り曲げることで、揚力の働くベクトルを変え、主たる翼部の揚力低下を防ぐタイプ
d)b)とc)とを組み合わせたタイプ
ここで、鳥類の一部などは翼端の羽の間隔を広げることで、翼端渦の影響を低減していると考えられている。これは単に揚力の低減を防ぐだけでなく、風切り音を低減することにもつながる。これらの考察を踏まえて、たとえば図11に、特許文献3に記載された発明に適用することが可能と本発明者が考えたウィングレットの形態の例を示す。このような形状にすることはブレード成型時などでより手間が掛かることになるが、翼端渦の発生を抑制することにより揚力の低下を防ぐことができるので、更なる効率の向上を図ることが可能となる。また、風切り音の低減効果も期待できる。
<加速された気流と翼端渦とを利用した推進力の獲得効果>
従来の垂直軸型タービンとは異なり、垂直軸型対数螺旋タービンでは、束縛渦及び気流そのものが翼端側すなわち、回転方向の後方に傾き加速する特性を持つため、その翼端において気流は最大速になっていると考えられる。翼端形状を回転軸側に折り曲げるだけでなく、気流が後方に流れるように後退角をさらに大きくし、たとえば図12のように翼端を狭めることで、加速された気流と翼端渦とを積極的に取り入れ、推力に変換することが可能となる。
従来の垂直軸型タービンとは異なり、垂直軸型対数螺旋タービンでは、束縛渦及び気流そのものが翼端側すなわち、回転方向の後方に傾き加速する特性を持つため、その翼端において気流は最大速になっていると考えられる。翼端形状を回転軸側に折り曲げるだけでなく、気流が後方に流れるように後退角をさらに大きくし、たとえば図12のように翼端を狭めることで、加速された気流と翼端渦とを積極的に取り入れ、推力に変換することが可能となる。
<腕部に翼型を採用し副翼とする効果>
垂直軸型螺旋タービンでは、各ブレードが回転軸体に対して腕部により連結されるが、腕部も回転し流体を受けることから、当該腕部の断面を翼型にして摩擦抗力を低減することはエネルギー変換効率を高めることになると考えられる。そこで特許文献3に記載された発明の第7の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第6の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記腕部の横断面が翼型を形成し、該腕部の縦方向が螺旋状あるいは対数螺旋状に形成される構成としても良い。たとえば図13のように、この腕部をブレードと同様に対数螺旋状あるいは螺旋状の形状にする構成とするのも好ましい。このようにすることで、主たるブレードに対する副翼的な効果を持たせて、この腕部からも揚力及び抗力による回転モーメントを発生することで、更に効率を向上させることが可能となる。
垂直軸型螺旋タービンでは、各ブレードが回転軸体に対して腕部により連結されるが、腕部も回転し流体を受けることから、当該腕部の断面を翼型にして摩擦抗力を低減することはエネルギー変換効率を高めることになると考えられる。そこで特許文献3に記載された発明の第7の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第6の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記腕部の横断面が翼型を形成し、該腕部の縦方向が螺旋状あるいは対数螺旋状に形成される構成としても良い。たとえば図13のように、この腕部をブレードと同様に対数螺旋状あるいは螺旋状の形状にする構成とするのも好ましい。このようにすることで、主たるブレードに対する副翼的な効果を持たせて、この腕部からも揚力及び抗力による回転モーメントを発生することで、更に効率を向上させることが可能となる。
<腕部と翼部の固定輪による効果>
特許文献4に記載された発明の実施形態Bとして、特許文献3に記載された発明に加えて、固定輪を設けることとした。すなわち、垂直軸風車においては、回転軸に翼を固定するために台座や腕が必要となるが、翼上面(負圧側)を回転の内側に配置する場合には、腕によって翼下面(正圧側)よりも早い流体の流れが遮られることになってしまう。そこで断面を紡錘型などにすることによって、たとえば図24及び図25のように、流体の抵抗を低めた輪状の固定具(32、33)を翼部の外側に配置し、これを腕で支えることによって翼部を結束する。
特許文献4に記載された発明の実施形態Bとして、特許文献3に記載された発明に加えて、固定輪を設けることとした。すなわち、垂直軸風車においては、回転軸に翼を固定するために台座や腕が必要となるが、翼上面(負圧側)を回転の内側に配置する場合には、腕によって翼下面(正圧側)よりも早い流体の流れが遮られることになってしまう。そこで断面を紡錘型などにすることによって、たとえば図24及び図25のように、流体の抵抗を低めた輪状の固定具(32、33)を翼部の外側に配置し、これを腕で支えることによって翼部を結束する。
同様に翼上面(負圧側)を回転の外側に配置する場合には、たとえば図26及び図27のように、輪状の固定具(34、35)を翼部の内側に配置して結束する。
これにより、早い流体の流れがさえぎられることはなくなり、また、輪と腕によって全ての翼部が拘束されることになるため、全体の剛性を高めることができる。
<垂直軸型螺旋タービンの連結設置による効果>
特許文献3に記載された発明の第8の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第7の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記回転軸体の軸方向に複数段連結されたタンデム型の垂直軸型螺旋タービン、としても良い。この場合、ブレード回転半径を下部に向けて対数螺旋状に減少する型(A型)と、下部に向けて対数螺旋状に増加する型(B型)との組み合わせは、たとえば図18A、図18B、図18C、図18Dに示されるように、A+A、A+B、B+A、B+Bなど、色々な組み合わせが可能であるが、設置場所や季節などの条件により好適な組合せを選ぶことが望ましい。これらは少ない設置面積で総受風面積を増やすことになるので、より大きな運動エネルギーを得ることが可能となる。
特許文献3に記載された発明の第8の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第7の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記回転軸体の軸方向に複数段連結されたタンデム型の垂直軸型螺旋タービン、としても良い。この場合、ブレード回転半径を下部に向けて対数螺旋状に減少する型(A型)と、下部に向けて対数螺旋状に増加する型(B型)との組み合わせは、たとえば図18A、図18B、図18C、図18Dに示されるように、A+A、A+B、B+A、B+Bなど、色々な組み合わせが可能であるが、設置場所や季節などの条件により好適な組合せを選ぶことが望ましい。これらは少ない設置面積で総受風面積を増やすことになるので、より大きな運動エネルギーを得ることが可能となる。
<連結設置における翼端渦の積極的利用>
前述の通り、翼には必ず翼端渦が発生するが、ウィングレットの利用などにより揚力の低下を抑えることができる。特許文献4に記載された発明の実施形態の態様Cとして、特許文献3に記載された発明の第8の態様に加えて、連結設置において翼の向きを一方向にする場合には、その位相をずらすようにした複数段型(あるいはタンデム型)の垂直軸型螺旋タービンとした。たとえば図28のように、その位相をずらすことによって、上流側にある翼で発生する翼端渦404を下流側の翼に積極的に利用することでより多くの揚力を得ることができる。これは、鳥がV字編隊を組むことで、後方に位置する側が少ないエネルギーで揚力を得る方法と同じ考え方である。
前述の通り、翼には必ず翼端渦が発生するが、ウィングレットの利用などにより揚力の低下を抑えることができる。特許文献4に記載された発明の実施形態の態様Cとして、特許文献3に記載された発明の第8の態様に加えて、連結設置において翼の向きを一方向にする場合には、その位相をずらすようにした複数段型(あるいはタンデム型)の垂直軸型螺旋タービンとした。たとえば図28のように、その位相をずらすことによって、上流側にある翼で発生する翼端渦404を下流側の翼に積極的に利用することでより多くの揚力を得ることができる。これは、鳥がV字編隊を組むことで、後方に位置する側が少ないエネルギーで揚力を得る方法と同じ考え方である。
<連結設置における後方旋回流の積極的利用>
特許文献4に記載された発明の実施形態Dとして、特許文献3に記載された発明の第8の態様に加えて、翼上面が外側となる垂直軸型螺旋タービンを連結設置した複数段型の垂直軸型螺旋タービンとした。翼上面が外側となるタイプのタービンではタービンの内側に回転方向と同一かつ拡開側への後方旋回流(409)が発生する。この後方旋回流の下流に位置するタービンがこれを利用することで、回転速度またはトルクが増大することになる。
特許文献4に記載された発明の実施形態Dとして、特許文献3に記載された発明の第8の態様に加えて、翼上面が外側となる垂直軸型螺旋タービンを連結設置した複数段型の垂直軸型螺旋タービンとした。翼上面が外側となるタイプのタービンではタービンの内側に回転方向と同一かつ拡開側への後方旋回流(409)が発生する。この後方旋回流の下流に位置するタービンがこれを利用することで、回転速度またはトルクが増大することになる。
<連結設置における二重反転式発電機を利用した形態>
特許文献4に記載された発明の実施形態Eとして、特許文献3の第8の態様に記載された発明に加えて、回転方向が異なる複数の垂直軸型螺旋タービンを連結設置した複数段型の垂直軸型螺旋タービンとした。
特許文献4に記載された発明の実施形態Eとして、特許文献3の第8の態様に記載された発明に加えて、回転方向が異なる複数の垂直軸型螺旋タービンを連結設置した複数段型の垂直軸型螺旋タービンとした。
一般に、二重反転式発電機とは、従来の固定子と回転子による発電機における固定子を回転子とは逆方向に回転させることで、相対的に回転を2倍とし発電能力を増すことができる発電機である。近年では風力発電、水力発電の分野などにおいて積極的に取り入れられている。遊星ギアシステムを応用したり、タービンを連結させたりすることでその利用が可能である。
特に特許文献4に記載された発明の実施形態では、連結によってタービンごとに発生する流れを互いに利用して回転力を高めることが可能であるため、二重反転式発電機による効果以上の発電力の増加を期待することができる。
図30は連結方法の一例である。翼上面が内側となる垂直軸型螺旋タービン5A、及び、垂直軸型螺旋タービン5Bは拡開側が同一方向かつ回転方向が逆になるように配置され、垂直軸型螺旋タービン5Aは垂直軸型螺旋タービン5Bの内側に入り込む位置関係となる。図内では垂直軸型螺旋タービン5Aが反時計回り、垂直軸型螺旋タービン5Bが時計周りとなる。
前述の通り二重反転式発電機の両回転子は互いに反転することになるため、相対的な回転速度が2倍となる。よって発電力を増加させることができる。
また、一方向のみの回転の場合には、回転方向に対する揚力やモーメントが発生するが、相反する回転を利用すると回転方向に対する揚力やモーメントを相殺することになるため、装置全体の安定性が増し、架台などの構造上の優位となる。
なお、二重反転式発電機の利用する場合の連結形式は、図の形式に限定されるものではなく、垂直軸型螺旋タービン5Aと垂直軸型螺旋タービン5Aの組み合わせ、垂直軸型螺旋タービン5Bと垂直軸型螺旋タービン5Bの組み合わせなど複数の形式があり得る。また、逆転のみならず順転方向の連結形式と組み合わせて複数段の連結を行うことも可能である。
更に、垂直軸型螺旋タービンは複数のタービンを隣接して設置することができるため、二重反転式発電機の利用は、同軸に連結するだけでなく、二台以上のタービンを併設して、ギヤやプーリーなどを介して一台の二重反転式発電機を利用することももちろん可能である。
<二重反転式発電機を利用した形態における後方旋回流の利用>
更に、特許文献4に記載された発明の実施形態Fとして、特許文献4に記載された発明の実施形態Eの連結設置における二重反転式発電機を利用した形態において、更に、例えば図33に示すように、上下反転する垂直軸型螺旋タービンに対して後方旋回流を利用するために、上下の垂直軸型螺旋タービンの間に回転方向を逆転に整流する固定翼(803)を設けてもよいとした。
更に、特許文献4に記載された発明の実施形態Fとして、特許文献4に記載された発明の実施形態Eの連結設置における二重反転式発電機を利用した形態において、更に、例えば図33に示すように、上下反転する垂直軸型螺旋タービンに対して後方旋回流を利用するために、上下の垂直軸型螺旋タービンの間に回転方向を逆転に整流する固定翼(803)を設けてもよいとした。
例えば、翼上面が内側となる垂直軸型螺旋タービン6Aと翼上面が外側となる垂直軸型螺旋タービンタービン6Bは拡開側が同一方向かつ回転方向が逆になるように配置され、垂直軸型螺旋タービン6Aは垂直軸型螺旋タービンタービン6Bの内側に入り込む位置関係となる。図内では螺旋タービンタービン6Aが反時計回り、螺旋タービンタービン6Bが時計周りとなる。図33に示すように翼上面が外側になる螺旋タービンタービン6Aからは上方に向けての後方旋回流409が発生する。この後方旋回流は上方に位置する螺旋タービンタービン6Aの回転方向とは逆向きになるため、固定翼803を設置することで回転方向を逆転させて、螺旋タービンタービン6Aの回転と同一方向410にすることで回転力を増加させることができる。
<ブレードの回転半径を下部に向けて減少させることの効果>
特許文献3に記載された発明の第9の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第7の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードの一部または全部の回転半径が、縦方向に下部に向けて対数螺旋状に減少するよう形成された構成としても良い。翼端が垂直軸型螺旋タービンの上部側になるように形成した場合は、気流の上昇成分の運動エネルギーを回転数増加につなげることができることになるので、ビルなどの建物の屋上や、山の稜線上など、気流の上昇成分が多くなる場所に設置する場合に、より大きな運動エネルギーを得ることが可能となる。
特許文献3に記載された発明の第9の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第7の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードの一部または全部の回転半径が、縦方向に下部に向けて対数螺旋状に減少するよう形成された構成としても良い。翼端が垂直軸型螺旋タービンの上部側になるように形成した場合は、気流の上昇成分の運動エネルギーを回転数増加につなげることができることになるので、ビルなどの建物の屋上や、山の稜線上など、気流の上昇成分が多くなる場所に設置する場合に、より大きな運動エネルギーを得ることが可能となる。
<ブレードの回転半径を下部に向けて増加させることの効果>
特許文献3に記載された発明の第10の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第7の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードの一部または全部の回転半径が、縦方向に下部に向けて対数螺旋状に増加するよう形成された構成としても良い。このように翼端をタービンの下部になるように形成した場合は、気流の下降成分や降雨、降雪が持つ運動エネルギーをブレードが受けとめることから、回転数増加につなげることができる。したがって、高層ビルの下などのように気流の下降成分が多くなる場所や、降雨や降雪の多い地域に設置する場合に、より大きな運動エネルギーを得ることが可能となる。
特許文献3に記載された発明の第10の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第7の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードの一部または全部の回転半径が、縦方向に下部に向けて対数螺旋状に増加するよう形成された構成としても良い。このように翼端をタービンの下部になるように形成した場合は、気流の下降成分や降雨、降雪が持つ運動エネルギーをブレードが受けとめることから、回転数増加につなげることができる。したがって、高層ビルの下などのように気流の下降成分が多くなる場所や、降雨や降雪の多い地域に設置する場合に、より大きな運動エネルギーを得ることが可能となる。
<垂直軸型螺旋タービンの向きを上下逆にできることの効果>
特許文献3に記載された発明の第11の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第7の態様までのうちいずれか1つの態様において、垂直軸型螺旋タービンを上下の向きを逆向きに変更することが可能な機構を更に備えた構成としても良い。前述のように垂直軸型螺旋タービンでは、設置場所や季節などの条件により、翼端側をタービンの上部になるように設置するか下部になるようにするか、どちらかがより好適となるが、それらの条件は変化することも考えられる。従って、これらの条件に対応して、対数螺旋状タービンの天地を変えることができるような機構にすることにより、より好適な回転効率を得ることが可能となる。
特許文献3に記載された発明の第11の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第7の態様までのうちいずれか1つの態様において、垂直軸型螺旋タービンを上下の向きを逆向きに変更することが可能な機構を更に備えた構成としても良い。前述のように垂直軸型螺旋タービンでは、設置場所や季節などの条件により、翼端側をタービンの上部になるように設置するか下部になるようにするか、どちらかがより好適となるが、それらの条件は変化することも考えられる。従って、これらの条件に対応して、対数螺旋状タービンの天地を変えることができるような機構にすることにより、より好適な回転効率を得ることが可能となる。
<翼弦長が一定であることの利点>
特許文献3に記載された発明の第12の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第11の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードの幅が一定である構成としても良い。翼弦長を一定にすることは、対数螺旋状で3次元的に回転半径が変化するブレードを形成するときに、形成しやすい利点がある。形成しやすいといってもブレードは対数螺旋状であるので、ここまで述べてきたように、従来型の垂直軸型螺旋タービンに比べ、より良い回転効率を得ることが可能である。
特許文献3に記載された発明の第12の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第11の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記ブレードの幅が一定である構成としても良い。翼弦長を一定にすることは、対数螺旋状で3次元的に回転半径が変化するブレードを形成するときに、形成しやすい利点がある。形成しやすいといってもブレードは対数螺旋状であるので、ここまで述べてきたように、従来型の垂直軸型螺旋タービンに比べ、より良い回転効率を得ることが可能である。
<翼弦長と翼弦の中心と回転軸体の間隔が共に増加することの利点>
特許文献3に記載された発明の第13の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第11の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記回転軸体と前記ブレードに係る翼弦長の中心との間隔が、前記回転軸体の翼根元側から翼端側にかけて対数螺旋状で増加するのに合わせて、前記翼弦長も増加するように形成される構成としても良い。回転軸体と翼弦長の中心との間隔が対数螺旋状に増加する場合は、翼弦長も同時に増加させ、ソリディティを保つ方が自然で、ブレードを形成しやすいという利点がある。この形状とした場合には、ブレードの面積を若干拡大することになり、トルクを得やすく、弱風時の初動に有利となる。
特許文献3に記載された発明の第13の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第11の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記回転軸体と前記ブレードに係る翼弦長の中心との間隔が、前記回転軸体の翼根元側から翼端側にかけて対数螺旋状で増加するのに合わせて、前記翼弦長も増加するように形成される構成としても良い。回転軸体と翼弦長の中心との間隔が対数螺旋状に増加する場合は、翼弦長も同時に増加させ、ソリディティを保つ方が自然で、ブレードを形成しやすいという利点がある。この形状とした場合には、ブレードの面積を若干拡大することになり、トルクを得やすく、弱風時の初動に有利となる。
<翼弦の中心と回転軸体との間隔が拡大する中で翼弦長が減少することの利点>
特許文献3に記載された発明の第14の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第11の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記回転軸体と前記ブレードに係る翼弦の中心との間隔が、前記回転軸体の翼端側から翼根元側にかけて対数螺旋状で拡大する中で、前記翼弦長は逆に縮小するように形成される構成としても良い。回転軸体と翼弦の中心との間隔が対数螺旋状に拡大する中で、翼弦長を逆に縮小させることは、ブレードを形成し難いというデメリットがある。しかし、回転軸体と翼弦の中心との間隔が拡大していき、周速が早まるにつれ、ブレードの面積も減少することになるので、より良い回転効率につなげられるという効果が得られる。
特許文献3に記載された発明の第14の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第11の態様までのうちいずれか1つの態様において、前記回転軸体と前記ブレードに係る翼弦の中心との間隔が、前記回転軸体の翼端側から翼根元側にかけて対数螺旋状で拡大する中で、前記翼弦長は逆に縮小するように形成される構成としても良い。回転軸体と翼弦の中心との間隔が対数螺旋状に拡大する中で、翼弦長を逆に縮小させることは、ブレードを形成し難いというデメリットがある。しかし、回転軸体と翼弦の中心との間隔が拡大していき、周速が早まるにつれ、ブレードの面積も減少することになるので、より良い回転効率につなげられるという効果が得られる。
<マグヌス効果の利用>
特許文献3に記載された発明の第15の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第14の態様までのうちいずれか1つの態様に示される垂直軸型螺旋タービンと、前記垂直軸型螺旋タービンを同一円周上に配置できるような一体型フレームと、前記一体型フレームの回転軸と、前記一体型フレームの外周脚部を支え、かつ、回転が可能となるような軌道溝とを更に備え、前記一体型フレームの回転方向と前記垂直軸螺旋タービンの回転方向とが同じになるように形成された構成を有する垂直軸型螺旋タービン群体として本発明を実現しても良い。
特許文献3に記載された発明の第15の態様として、特許文献3に記載された発明の第1の態様から第14の態様までのうちいずれか1つの態様に示される垂直軸型螺旋タービンと、前記垂直軸型螺旋タービンを同一円周上に配置できるような一体型フレームと、前記一体型フレームの回転軸と、前記一体型フレームの外周脚部を支え、かつ、回転が可能となるような軌道溝とを更に備え、前記一体型フレームの回転方向と前記垂直軸螺旋タービンの回転方向とが同じになるように形成された構成を有する垂直軸型螺旋タービン群体として本発明を実現しても良い。
一様流の中の回転する円柱体や円錐台には、移動方向または一様流に対して垂直の(揚力)が発生することが知られている。これをマグヌス効果と言うが、垂直軸型螺旋タービンにおいても、そのブレードが回転しているときのタービン全体の形状は円柱形となるので、ブレードやタービン自体にもマグヌス効果が働くことになる。垂直軸型タービンは水平軸型タービンのように重心が高くなることはなく、タービン全体に風圧がかかることになるので、強風時において安全性の面では有利であるが、同一方向からの強風が一定時間吹くような環境にあるときには、このマグヌス効果によりタービン全体または腕部等へ強い圧力がかかることになる。
このように強い風圧からタービンを守り、このマグヌス効果による揚力も回転エネルギーに変換する設置方法としては、たとえば図19に示すような複数の垂直軸型螺旋タービンを同一円周上に配置できるような一体型フレームと、その一体型フレームの回転軸と、一体型フレームの外周脚部を支え、かつ、回転が可能となるような軌道溝とで、複数の垂直軸型螺旋タービンを設置するというものがある。
個々の垂直軸螺旋タービンの回転が時計回りになるように設置されている場合は、一体型フレームの回転もマグナス効果が働き、時計回りとなる。この機構により、一体型フレームは、単独の垂直軸型螺旋タービンのフレームより頑強な構造にすることができ、かつ強風時の強いマグヌス効果による回転軸への圧力も、回転運動に変換することで安全性を図れる。ここで得た回転エネルギーは個々の垂直軸型螺旋タービンの回転と同様に電力などに変換して利用することができる。
<水流の利用>
特許文献4に記載された発明の実施形態Gとして、特許文献3に記載された発明に加えて、水流中に設置するようにした垂直軸型螺旋タービンとした。すなわち、垂直軸型螺旋タービンの利用は風力などの気流には限定されず、河川、運河水路、上下水道などの一定方向の水流にも利用できることはもちろん、波や潮流など往復や流れが遷移する水流にも利用が可能である。さらに干潮による水位の上下が発生した場合でも、水面下では水力を利用し、水上では風力を利用することも可能である。これは、垂直軸型螺旋タービンが360度のどの方向からも回転力を得ることができるためである。
特許文献4に記載された発明の実施形態Gとして、特許文献3に記載された発明に加えて、水流中に設置するようにした垂直軸型螺旋タービンとした。すなわち、垂直軸型螺旋タービンの利用は風力などの気流には限定されず、河川、運河水路、上下水道などの一定方向の水流にも利用できることはもちろん、波や潮流など往復や流れが遷移する水流にも利用が可能である。さらに干潮による水位の上下が発生した場合でも、水面下では水力を利用し、水上では風力を利用することも可能である。これは、垂直軸型螺旋タービンが360度のどの方向からも回転力を得ることができるためである。
ただし、水流は気流に比べて粒子密度が高いことから、粘性、エネルギー密度が高い。よって、航空機のプロペラと船舶のスクリューの違いのように翼弦を広くして負荷エネルギーの分散を図る、肉厚にして強度を図るなどの構造上の違いが生まれる。ただし、原理的には同一である。
垂直軸型螺旋タービンを水中設置する場合には、従来の直線型、またはヘリカル型のタービンなどと異なり、圧力を鉛直に受けるのではなく、後退角と拡大角によって斜めに受けることから、翼の一部のみ大きな圧力を受けることがない。従って、強度上も利点を備えていると言える。
<設置方向を水平とすることによる応用の拡大>
特許文献4に記載された発明の実施形態Hとして、特許文献3に記載された発明を、たとえば図37のように、水平方向(矢印で示す流れと回転軸の延伸方向が同一方向)に設置するようにした。垂直軸型螺旋タービンは、水平方向に設置しても十分その性能を発揮することができ、プロペラなど一般の水平軸タービンに比べて穏やかな抵抗となる。水平に設置することで、例えば自動車への搭載(車の屋上やエンジンルームなどに搭載する)のほか、鉄道車両や船舶などへの搭載も可能となり、垂直軸型螺旋タービンの応用を拡大することができる。
特許文献4に記載された発明の実施形態Hとして、特許文献3に記載された発明を、たとえば図37のように、水平方向(矢印で示す流れと回転軸の延伸方向が同一方向)に設置するようにした。垂直軸型螺旋タービンは、水平方向に設置しても十分その性能を発揮することができ、プロペラなど一般の水平軸タービンに比べて穏やかな抵抗となる。水平に設置することで、例えば自動車への搭載(車の屋上やエンジンルームなどに搭載する)のほか、鉄道車両や船舶などへの搭載も可能となり、垂直軸型螺旋タービンの応用を拡大することができる。
なお、水平方向設置としては、流れと回転軸の延伸方向が同一(平行)の場合だけでなく、流れと回転軸の延伸方向が直交あるいは斜交するようにしてもよい。使用条件によっては有利な効果を奏することもあり得る。
<折り畳み可能にすることによる応用の拡大>
本発明の様態として、折り畳み可能な形状を採用することで携帯性にすぐれ、例えば、アウトドアや非常時など非常設での応用が可能となる。
本発明の様態として、折り畳み可能な形状を採用することで携帯性にすぐれ、例えば、アウトドアや非常時など非常設での応用が可能となる。
特許文献3に記載された発明に係る垂直軸型螺旋タービンは、各ブレードで生じる揚力/抗力による回転モーメントをより増加させることで、風力エネルギー等の利用効率を更に向上させることができ、また自己起動が容易且つ確実となる。
特許文献4に記載された発明に係る垂直軸型螺旋タービンは、垂直軸型螺旋タービンの変換効率の更なる向上、垂直軸型螺旋タービンの強度の向上が実現できる。
更に、本発明に係る垂直軸型螺旋タービンは、特許文献3と特許文献4に記載された発明に加えて、携帯性に適した形状により、移動先での利用拡大が実現できる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンについて説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、当該範囲について主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
<第1の実施形態:ブレードの基本形状>
図1は特許文献3に記載された発明の第1の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンの概略構成を示す斜視図である。また図2はそのブレード部分の概略正面図であり、図3は概略平面図である。図1に示されるように、特許文献3に記載された発明の一実施形態に係る垂直軸型螺旋タービン1Aは、回転軸体11に腕部30により3枚のブレード20が取り付けられて構成される。これらの構成のうち、ブレード20はその延伸方向と略直交する断面(以下、「横断面」ともいう。)が図1及び図3に示されるように、翼型もしくは涙の雫を引き伸ばした形状をなし、こうした断面が上下方向(延伸方向)にいわば積層されてもしくは積算的に構成されて形成されている。各ブレード20はその上下方向(延伸方向)の断面(以下、「縦断面」ともいう。)が、図2で示されるように、上側の翼端91から下側の翼根元92に向かって、回転軸体11からの水平距離がたとえば図3で示すように対数螺旋状に減少するように形成されている。
図1は特許文献3に記載された発明の第1の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンの概略構成を示す斜視図である。また図2はそのブレード部分の概略正面図であり、図3は概略平面図である。図1に示されるように、特許文献3に記載された発明の一実施形態に係る垂直軸型螺旋タービン1Aは、回転軸体11に腕部30により3枚のブレード20が取り付けられて構成される。これらの構成のうち、ブレード20はその延伸方向と略直交する断面(以下、「横断面」ともいう。)が図1及び図3に示されるように、翼型もしくは涙の雫を引き伸ばした形状をなし、こうした断面が上下方向(延伸方向)にいわば積層されてもしくは積算的に構成されて形成されている。各ブレード20はその上下方向(延伸方向)の断面(以下、「縦断面」ともいう。)が、図2で示されるように、上側の翼端91から下側の翼根元92に向かって、回転軸体11からの水平距離がたとえば図3で示すように対数螺旋状に減少するように形成されている。
上記の構成を有する垂直軸型螺旋タービン1Aの作用・動作について説明する。図1において、回転軸10に直交する方向から風などの流体が流れてきて各ブレード20がかかる流体によって押圧されると、その縦断面の中心線によって形成される線分が螺旋状に形成されていることから、ブレード20面のいずれかの部分が常に最適な位置となり初期の回転を起動するトルクを発生する。更にブレード20はその縦断面の中心線によって形成される線分が対数螺旋状に形成されていることから、従来のヘリカルタービンに比べてブレード1枚あたりの面積が拡張される効果を持ち、受風によるエネルギーをより多く獲得することとなる。これらの結果、回転時のトルクの増大、即ち回転数の増大につなげることが可能となる。
このように特許文献3に記載された発明の第1の実施形態によれば、ブレード20を複数枚(たとえば3枚)回転軸体11の周りに均等に配置し、各ブレードの翼端から翼根元にかけて回転軸10を中心としたその縦断面を略対数螺旋状に形成したことから、より大きな揚力/トルクを発生させ、回転数の増加を実現することが可能となる。
<第2の実施形態:ブレードの構成要素:スリットの導入>
以下、特許文献3に記載された発明の第2以降の実施形態及び該当する図では、特許文献3に記載された発明の第1の実施形態と同じ機能のものは同一の符号を付し、その説明を省略する。図14は、特許文献3に記載された発明の第2の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンの概略構成を示す図であり、図15はそのブレードの翼型断面を示した図である。特許文献3に記載された発明の第2の実施形態に係る垂直軸型対数螺旋状タービン2Aにおいては、図14に示されるように、各ブレード20Aは複数のスリット41、42を有するように複数のサブブレード(ブレード構成要素)21、22、23を備えて構成される。これらのサブブレードは、図7で示されるように、各サブブレードの翼型形状が若干の重なりを持つように、すなわち、サブブレード21の横断面における翼型もしくは涙滴型形状の尖端部とサブブレード22の同様形状の円弧端部とが正面視で若干の重なりを帯び、サブブレード22の横断面における翼型もしくは涙滴型形状の尖端部とサブブレード23の同様形状の円弧端部とが正面視で若干の重なりを帯びるように、形成される。このように構成されることで、流体がそのスリットをスムーズに通り抜けることが可能となる。また、上記では1枚のブレードが3枚のサブブレードを有して構成される態様を例にとって説明したが、サブブレードの数は3に限らず、任意の自然数とすることができる。その場合には、スリットの数は(サブブレードの数)−1となる。
以下、特許文献3に記載された発明の第2以降の実施形態及び該当する図では、特許文献3に記載された発明の第1の実施形態と同じ機能のものは同一の符号を付し、その説明を省略する。図14は、特許文献3に記載された発明の第2の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンの概略構成を示す図であり、図15はそのブレードの翼型断面を示した図である。特許文献3に記載された発明の第2の実施形態に係る垂直軸型対数螺旋状タービン2Aにおいては、図14に示されるように、各ブレード20Aは複数のスリット41、42を有するように複数のサブブレード(ブレード構成要素)21、22、23を備えて構成される。これらのサブブレードは、図7で示されるように、各サブブレードの翼型形状が若干の重なりを持つように、すなわち、サブブレード21の横断面における翼型もしくは涙滴型形状の尖端部とサブブレード22の同様形状の円弧端部とが正面視で若干の重なりを帯び、サブブレード22の横断面における翼型もしくは涙滴型形状の尖端部とサブブレード23の同様形状の円弧端部とが正面視で若干の重なりを帯びるように、形成される。このように構成されることで、流体がそのスリットをスムーズに通り抜けることが可能となる。また、上記では1枚のブレードが3枚のサブブレードを有して構成される態様を例にとって説明したが、サブブレードの数は3に限らず、任意の自然数とすることができる。その場合には、スリットの数は(サブブレードの数)−1となる。
特許文献3に記載された発明の第2の実施形態によれば、スリット41,42を備えたことにより、回転軸10に(略)直交する方向から風などの流体が流れてきて各ブレード20Bがかかる流体からの押圧力を受けた場合、図7で示したように、スリットからかかる流体(たとえば風)が抜けることから当該流体(たとえば風)のブレードからの剥離を遅らせ、風などの流速を増大する効果を持たせることが可能となる。この結果、垂直軸型螺旋タービンで風の状態により発生するいわゆる失速状態を回避し、安定的に風のエネルギーを回転数に変換することが可能となる。
<実施形態A:内部副翼による効果>
特許文献4に記載された発明の実施形態Aとして、特許文献3に記載された発明の第2の実施形態に加えて、翼(主翼)に設置されたスリットの効果をより高めるために、主翼の内側かつスリットのやや後方に位置する箇所に副翼を設置する。
特許文献4に記載された発明の実施形態Aとして、特許文献3に記載された発明の第2の実施形態に加えて、翼(主翼)に設置されたスリットの効果をより高めるために、主翼の内側かつスリットのやや後方に位置する箇所に副翼を設置する。
図20は特許文献4に記載された発明の実施形態Aに係る、垂直軸型螺旋タービンの内部副翼を示す斜視図であり、図21は特許文献4に記載された発明の実施形態Aに係る、垂直軸型螺旋タービンの内部副翼を示す平面図である。
図に示すように、主翼の各ブレード20Bは2個所のスリット41、42を有するように3枚のサブブレード(ブレード構成要素)21、22、23を備えて構成される。
次に、主翼の各ブレード20Bの内側かつスリット41、42のやや後方に位置する箇所に第1の副翼43、第2の副翼44を設置する。なお、第1の副翼43及び第2の副翼44の翼上面は主翼とは逆の外側になるように配置する。
図22及び図23は特許文献4に記載された発明の実施形態Aに係る、垂直軸型螺旋タービンの内部副翼による気流を示す図であり、これによって、主翼の各ブレード20Bの構成要素21、22、23によって生成される流体の循環45は第1の副翼43、第2の副翼44によって生成される流体の循環46と合成され増速し、結果として合成気流47となる。また、副翼43は主翼から剥離した流れ48を捉えて利用するため、翼全体の失速角領域を狭めることになる。
なお、ここで、主翼のサブブレードの数あるいはスリットの数、副翼の数は、この例に限定されず、これよりも多くても少なくてもよい。
<第3の実施形態:ブレードの別の構成要素:ボルテックスジェネレータの配置>
特許文献3に記載された発明の第3の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンとして、上記の第1もしくは第2の実施形態の構成に加えて、図8Bに示すように各ブレード20の表面に複数の小さな楔状凸型のボルテックスジェネレータ50(図8Aの(a))を配置することもできる。ボルテックスジェネレータの形状としては種々のパターンが可能であり、たとえば、板状凸型51(図8Aの(b))、ブレードの翼幅方向に沿った縦溝状凹型52(図8Aの(c))、ブレードの翼弦方向に沿った横溝状凹型53(図8Aの(d))もしくは複数の小さな窪み状凹型54(図8Aの(e))などを採用することもできる。これらブレード表面に凸型もしくは凹型のボルテックスジェネレータを備えることで、流体が各ブレードの表面を流れるときに小さな渦流が発生し、流体のブレードからの剥離を遅らせることを可能としている。その結果、風のエネルギーからより多くの揚力を発生させ、トルクの増加から回転数の増加につなげることができるようになる。
特許文献3に記載された発明の第3の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンとして、上記の第1もしくは第2の実施形態の構成に加えて、図8Bに示すように各ブレード20の表面に複数の小さな楔状凸型のボルテックスジェネレータ50(図8Aの(a))を配置することもできる。ボルテックスジェネレータの形状としては種々のパターンが可能であり、たとえば、板状凸型51(図8Aの(b))、ブレードの翼幅方向に沿った縦溝状凹型52(図8Aの(c))、ブレードの翼弦方向に沿った横溝状凹型53(図8Aの(d))もしくは複数の小さな窪み状凹型54(図8Aの(e))などを採用することもできる。これらブレード表面に凸型もしくは凹型のボルテックスジェネレータを備えることで、流体が各ブレードの表面を流れるときに小さな渦流が発生し、流体のブレードからの剥離を遅らせることを可能としている。その結果、風のエネルギーからより多くの揚力を発生させ、トルクの増加から回転数の増加につなげることができるようになる。
<第4の実施形態:ブレードの別の構成要素:ドッグトゥース形状の導入>
特許文献3に記載された発明の第4の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンとして、上記の第1〜第3のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、図9Bに示すように各ブレードの前縁にギザギザ形状のいわゆるドッグトゥース503を導入する機能を採用する。これによりブレードが回転するときに気流に作用し、図9Aで示されるようなアウトフロー502を遮り、翼上面に帯状の乱流を発生させる。これらの作用により翼端側に極端にそれてしまう流れを翼上面に安定させ、揚力を安定させる機能を持つことが可能となる。
特許文献3に記載された発明の第4の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンとして、上記の第1〜第3のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、図9Bに示すように各ブレードの前縁にギザギザ形状のいわゆるドッグトゥース503を導入する機能を採用する。これによりブレードが回転するときに気流に作用し、図9Aで示されるようなアウトフロー502を遮り、翼上面に帯状の乱流を発生させる。これらの作用により翼端側に極端にそれてしまう流れを翼上面に安定させ、揚力を安定させる機能を持つことが可能となる。
<第5、第6の実施形態:ブレードの別の構成要素:ウィングレットの導入>
図16及び図17は、それぞれ特許文献3に記載された発明の第5の実施形態及び第6の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンとして、上記の第1〜第4のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、ブレードの翼端にウィングレットとして機能する部分を導入した状態を示す図である。ウィングレットとは、各ブレードの翼端を他の翼部とは異なる形状/角度に加工し、もしくは当該の異なる形状体を取り付けた翼端のことである。特許文献3に記載された発明の第5の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンの概略は、図16に示されている。特許文献3に記載された発明の第5実施形態では、第2の実施形態のように各ブレードはサブブレードで構成されスリットを持っているが、各ブレードの翼端部には曲り型のウィングレット61が導入されている。このようなウィングレットを持った構成を備えることで、ブレードが回転するときに気流に作用して翼端渦を発生、これにより揚力低減を抑止することや空気抵抗(誘導抗力)を減らす機能を持つことが可能となる。
図16及び図17は、それぞれ特許文献3に記載された発明の第5の実施形態及び第6の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンとして、上記の第1〜第4のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、ブレードの翼端にウィングレットとして機能する部分を導入した状態を示す図である。ウィングレットとは、各ブレードの翼端を他の翼部とは異なる形状/角度に加工し、もしくは当該の異なる形状体を取り付けた翼端のことである。特許文献3に記載された発明の第5の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンの概略は、図16に示されている。特許文献3に記載された発明の第5実施形態では、第2の実施形態のように各ブレードはサブブレードで構成されスリットを持っているが、各ブレードの翼端部には曲り型のウィングレット61が導入されている。このようなウィングレットを持った構成を備えることで、ブレードが回転するときに気流に作用して翼端渦を発生、これにより揚力低減を抑止することや空気抵抗(誘導抗力)を減らす機能を持つことが可能となる。
特許文献3に記載された発明の第6の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンにおいては、図17に示されるように、各ブレード20の翼端部に先細り形状62が与えられている。このように、各ブレードの翼端に、翼端翼機能相当部を設けることで、翼端(ブレード端)渦の発生を抑制する効果を持たせることができる。翼端翼の形状は図11の(a)から同図(l)に示されるように先端を細くする、先端を丸める、先端を細分化するなど様々な類型を用いることができる。図17の場合は、各ブレードの翼端部に立体的な曲りを持ったウィングレット62が導入されている。このウィングレット62によって、ブレードが回転するときに気流に作用し、図12で説明されたように翼端渦404と増大した翼表面の流れ500とが合成されて、翼を進行方向に押し出す推進力(抗力)501を作り出す機能を持つことが可能となる。その結果、風のエネルギーからより多くのトルクを発生し、回転数の増加を実現することができる。
このようなウィングレットは、好適には、図12に示すように翼に対して、内側かつ回転方向後方に後退しながら先細りになるような形状として導入する。
<第7の実施形態:垂直軸型螺旋タービンの構成要素:腕部の副翼化>
図13は、特許文献3に記載された発明の第7の実施形態に係る、各ブレードを回転軸に連結する腕部の形状を示す概念的斜視図である。特許文献3に記載された発明の第7の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンにおいては、上記の第1〜第6のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、図13に示されるように、各ブレード20Bを回転軸に接続する腕部30Bは、各ブレードと同様に螺旋状あるいは対数螺旋状であり、この部分でも揚力及び抗力を回転モーメントとして生かせるように翼型の断面を有している。この構成により、ブレードを対数螺旋状としたことによる作用・効果を、腕部30Bにおいても享受でき腕部に副翼的な機能を持たせることが可能となる。したがって、たとえば上記の各ブレードを対数螺旋状とした第1もしくは第2の実施形態と本第7の実施形態とを重畳的に用いれば、両者が相まってさらに風のエネルギーを回転数の増加につなげる効果を増大させることができる。
図13は、特許文献3に記載された発明の第7の実施形態に係る、各ブレードを回転軸に連結する腕部の形状を示す概念的斜視図である。特許文献3に記載された発明の第7の実施形態に係る垂直軸型螺旋タービンにおいては、上記の第1〜第6のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、図13に示されるように、各ブレード20Bを回転軸に接続する腕部30Bは、各ブレードと同様に螺旋状あるいは対数螺旋状であり、この部分でも揚力及び抗力を回転モーメントとして生かせるように翼型の断面を有している。この構成により、ブレードを対数螺旋状としたことによる作用・効果を、腕部30Bにおいても享受でき腕部に副翼的な機能を持たせることが可能となる。したがって、たとえば上記の各ブレードを対数螺旋状とした第1もしくは第2の実施形態と本第7の実施形態とを重畳的に用いれば、両者が相まってさらに風のエネルギーを回転数の増加につなげる効果を増大させることができる。
上述した特許文献3に記載された発明の第1もしくは第2の実施形態は、それぞれ、第3の実施形態及び/もしくは第4の実施形態、及び/もしくは第5の実施形態もしくは第6の実施形態、及び/もしくは第7の実施形態、と組み合わせた構成とすることができる。これらを組み合わせることによって、上述したそれぞれの実施形態の効果が重畳的に奏されることとなる。因みに、図13は第2の実施形態をベースに翼幅方向の縦溝状凹型ボルテックスジェネレータを施した第3の実施形態、翼端渦を利用するウィングレット61である第5の実施形態、そして第7の実施形態である腕部30Bの副翼化、を組み合わせた構成を有するものである。これらの構成を組み合わせることで、風のエネルギーから安定的にトルクを発生し、回転数をより増大させることが期待できる。
<実施形態B:腕部と翼部の固定輪による効果>
ここで、特許文献4に記載された発明の実施形態Bとして、特許文献3に記載された発明に加えて、固定輪を設ける。図24は特許文献4に記載された発明の実施形態Bに係る、垂直軸型螺旋タービンの固定輪を示す平面図であり、図25は特許文献4に記載された発明の実施形態Bに係る、垂直軸型螺旋タービンの固定輪を示す斜視図である。
ここで、特許文献4に記載された発明の実施形態Bとして、特許文献3に記載された発明に加えて、固定輪を設ける。図24は特許文献4に記載された発明の実施形態Bに係る、垂直軸型螺旋タービンの固定輪を示す平面図であり、図25は特許文献4に記載された発明の実施形態Bに係る、垂直軸型螺旋タービンの固定輪を示す斜視図である。
垂直軸型螺旋タービン1の回転軸体11の根元には、円盤状の台座31が形成されている。台座31からは、回転軸体11の先端側に向けて3本の長い腕部30Aが延伸し、それぞれの腕部30Aは、ブレード20Bの外周に、略水平状態で設けられた第1の固定輪32に固着している。
更に、台座31からは、回転軸体11の先端側に向けて3本の短い腕部30Bが延伸し、それぞれの腕部30Bは、ブレード20Bの外周に、略水平状態で設けられた第2の固定輪33に固着している。いずれの固定輪32、33も、断面形状は紡錘型に形成されている。
このようにすると、翼上面(負圧側)を回転の内側に配置する場合には、腕部30A、30Bによって翼下面(正圧側)よりも早い流体の流れが遮られることになってしまう。そこで断面を紡錘型などにすることによって、流体の抵抗を低めた輪状の固定具(固定輪)32、33をブレード(翼部)20Bの外側に配置し、これを腕部30A、30Bで支えることによってブレード(翼部)20Bを結束し、これにより、早い流体の流れがさえぎられることはなくなり、また、固定輪32、33と腕部30A、30Bによって全てのブレード(翼部)20Bが拘束されることになるため、全体の剛性を高めることができる。
また、図26は特許文献4に記載された発明の実施形態Bに係る、垂直軸型螺旋タービンの固定輪の別の例を示す平面図であり、図27は特許文献4に記載された発明の実施形態Bに係る、垂直軸型螺旋タービンの固定輪の別の例を示す斜視図であり、翼上面(負圧側)を回転の外側に配置する場合には、輪状の固定具、すなわち、第1の固定輪34及び第2の固定輪35をブレード20Bの内側に配置して固着する。そのほかの部分については先の例と同様であるので説明を省略する。
なお、ここで、固定輪の個数(段数)は、2段に限定されず、1段でも3段以上であってもよく、断面形状も流体の抵抗を低めることができれば紡錘型に限定されるものではない。また、翼についても、図では各ブレード20Bがサブブレード21、22、23に分割されているように示されているが、分割されていない構造のブレード20であってもよく、また、特許文献3の実施形態に示された、あるいは示されていない、いかなるブレードの形態であってもよい。
<第8の実施形態:対数螺旋タービンの連結設置による効果>
図18A、図18B、図18C、図18Dは、特許文献3に記載された発明の第8の実施形態に係る対数螺旋タービンの連結設置を示す図である。上記の第1〜第7のうちのいずれかの実施形態の構成を有する垂直軸型対数螺旋タービンのユニットは、回転方向を同一にして複数組み合わせて同一軸に連結する、いわゆるタンデム構造としてもよい。この場合、各ブレードの回転半径を下部に向けて減少する型(A型)と、下部に向けて増加する型(B型)との組み合わせは、図18A、図18B、図18C、図18Dに示すように、A+A、A+B、B+A、B+Bなど、色々な組み合わせが可能であるが、設置場所や季節などの条件により好適な組合せを選ぶことが望ましい。また、同一軸に連結するのではなく、発電機などのエネルギー変換ユニットと一体化したものを一つの出力モジュールとして、同一垂直軸位置に積み上げる、いわゆるスタック構造としてもよい。これらのスタック構造を採用すれば少ない設置面積で総受風面積を増やすことになるので、より大きな運動エネルギーを得ることにつながる。このスタック構造は垂直軸タービンに特有な有効的方法である。なおこの様々な組み合わせにおいては、流体の流れは翼端方向に傾斜しているので、翼端と翼端とが天地で向き合うような積み重ねをする場合は、その距離を広げクリアランス602を設ける等の処置をして、互いの流れの干渉を考慮した上でスタック構造を形成するのが好ましい。逆に翼根元が天地で向き合うような積み重ねをする場合では互いの距離を広げる必要はないため、積み重ねではなく完全に一体化した構造であっても問題はない。
図18A、図18B、図18C、図18Dは、特許文献3に記載された発明の第8の実施形態に係る対数螺旋タービンの連結設置を示す図である。上記の第1〜第7のうちのいずれかの実施形態の構成を有する垂直軸型対数螺旋タービンのユニットは、回転方向を同一にして複数組み合わせて同一軸に連結する、いわゆるタンデム構造としてもよい。この場合、各ブレードの回転半径を下部に向けて減少する型(A型)と、下部に向けて増加する型(B型)との組み合わせは、図18A、図18B、図18C、図18Dに示すように、A+A、A+B、B+A、B+Bなど、色々な組み合わせが可能であるが、設置場所や季節などの条件により好適な組合せを選ぶことが望ましい。また、同一軸に連結するのではなく、発電機などのエネルギー変換ユニットと一体化したものを一つの出力モジュールとして、同一垂直軸位置に積み上げる、いわゆるスタック構造としてもよい。これらのスタック構造を採用すれば少ない設置面積で総受風面積を増やすことになるので、より大きな運動エネルギーを得ることにつながる。このスタック構造は垂直軸タービンに特有な有効的方法である。なおこの様々な組み合わせにおいては、流体の流れは翼端方向に傾斜しているので、翼端と翼端とが天地で向き合うような積み重ねをする場合は、その距離を広げクリアランス602を設ける等の処置をして、互いの流れの干渉を考慮した上でスタック構造を形成するのが好ましい。逆に翼根元が天地で向き合うような積み重ねをする場合では互いの距離を広げる必要はないため、積み重ねではなく完全に一体化した構造であっても問題はない。
<実施形態C:連結設置における翼端渦の積極的利用>
図28は特許文献4に記載された発明の実施形態Cに係る、2段構造の垂直軸型螺旋タービンの斜視図である。図示しない共通の回転軸体の周りに形成された上下2段の垂直軸型螺旋タービンであって、上方の第1の垂直軸型螺旋タービン3Aは、これまでの実施形態で説明したように、3枚のサブブレード21、22、2で構成されるブレード20Bからなる翼、腕部30A、30B、固定輪32、33などから構成され、下方の第2の垂直軸型螺旋タービン3Bも、同様の要素から構成されている。
図28は特許文献4に記載された発明の実施形態Cに係る、2段構造の垂直軸型螺旋タービンの斜視図である。図示しない共通の回転軸体の周りに形成された上下2段の垂直軸型螺旋タービンであって、上方の第1の垂直軸型螺旋タービン3Aは、これまでの実施形態で説明したように、3枚のサブブレード21、22、2で構成されるブレード20Bからなる翼、腕部30A、30B、固定輪32、33などから構成され、下方の第2の垂直軸型螺旋タービン3Bも、同様の要素から構成されている。
ここで、特許文献4に記載された発明の実施形態Cは、特許文献3の第8の実施形態に記載された発明に加えて、第1の垂直軸型螺旋タービンと第2の垂直軸型螺旋タービンとが、図示するように、約60度の角度の位相のずれをもって配置されている。すなわち、下方の3枚のウイング20Bに対して、上方の3枚のウイング20Bが、円周上で、ほぼその間に位置するように配置されている。
このようにすると、前述の通り、翼には必ず翼端渦が発生するが、ウィングレットの利用などにより揚力の低下を抑えることができ、連結設置において翼の向きを一方向にする場合には、その位相をずらすことによって、上流側にある翼で発生する翼端渦404を下流側の翼に積極的に利用することでより多くの揚力を得ることができる。これは、鳥がV字編隊を組むことで、後方に位置する側が少ないエネルギーで揚力を得る方法と同じ考え方である。
なお、ここで、位相のずれは、約60度に限定されず、設計上最適となる角度を選択すればよい。また、2段構造の垂直軸型螺旋タービンとして説明したが、3段以上であってもよい。更に、個々の垂直軸型螺旋タービンについて、ブレードの形状、固定輪の有無や個数(段数)は、図示する内容に限定されず、本発明の実施形態や特許文献3の実施形態に示された、あるいは示されていない、いかなる垂直軸型螺旋タービンの形態であってもよい。
<実施形態D:連結設置における後方旋回流の積極的利用>
また、図29は特許文献4に記載された発明の実施形態Dに係る、2段構造の垂直軸型螺旋タービンの斜視図である。共通の回転軸体11の周りに形成された上下2段の垂直軸型螺旋タービンであって上方の第1の垂直軸型螺旋タービン4Aは、これまでの実施形態で説明したように、3枚のサブブレード21、22、23で構成されるブレード20Bからなる翼、腕部30A、30B、固定輪34、35を有し、固定輪34、35は、翼上面が外側になるように構成されている。また、下方の第2の垂直軸型螺旋タービン4Bも、同様の要素から構成されている。
また、図29は特許文献4に記載された発明の実施形態Dに係る、2段構造の垂直軸型螺旋タービンの斜視図である。共通の回転軸体11の周りに形成された上下2段の垂直軸型螺旋タービンであって上方の第1の垂直軸型螺旋タービン4Aは、これまでの実施形態で説明したように、3枚のサブブレード21、22、23で構成されるブレード20Bからなる翼、腕部30A、30B、固定輪34、35を有し、固定輪34、35は、翼上面が外側になるように構成されている。また、下方の第2の垂直軸型螺旋タービン4Bも、同様の要素から構成されている。
ここで、特許文献4に記載された発明の実施形態Dでは、特許文献3の第8の実施形態に記載された発明に加えて、翼上面が外側となる垂直軸型螺旋タービン4A及び4Bを連結設置した複数段型の垂直軸型螺旋タービンとしたことから、翼上面が外側となるタイプのタービンではタービンの内側に回転方向とは同一方向かつ拡開側への後方旋回流409が発生する。この後方旋回流の下流に位置するタービンがこれを利用することで、回転速度またはトルクが増大することになる。
<実施形態E:連結設置における二重反転式発電機を利用した形態>
また、図30は特許文献4に記載された発明の実施形態Eに係る、2段構造の垂直軸型螺旋タービンの斜視図であり、上方に位置する、翼上面が内側となる垂直軸型螺旋タービン5Aと、下方に位置する、翼上面が内側となる垂直軸型螺旋タービン5Bとから構成される。
また、図30は特許文献4に記載された発明の実施形態Eに係る、2段構造の垂直軸型螺旋タービンの斜視図であり、上方に位置する、翼上面が内側となる垂直軸型螺旋タービン5Aと、下方に位置する、翼上面が内側となる垂直軸型螺旋タービン5Bとから構成される。
ここで、特許文献4に記載された発明の実施形態Eでは、特許文献3の第8の実施形態に記載された発明に加えて、両方の垂直軸型螺旋タービン5A及び5Bは、拡開側が同一方向かつ回転方向が逆になるように配置され、垂直軸型螺旋タービン5Aは垂直軸型螺旋タービン5Bの内側に入り込む位置関係となる。図では垂直軸型螺旋タービン5Aが反時計回り、垂直軸型螺旋タービン5Bが時計周りとなる。
ここで、垂直軸型螺旋タービン5Aは、回転軸体11を有しており、垂直軸型螺旋タービン5Bは、回転軸体13を有しており、回転軸体13は、同時に回転軸体11の軸受けでもある。
ここで、回転軸体11の回転は二重反転式発電機800の内部回転子801を反時計回り700に回転させる。一方で回転軸体13の回転は二重反転式発電機800の外部回転子802を時計回り701に回転させる。二重反転式発電機800への回転の伝達は図のように直接であっても良いし、ギヤやプーリーなどの伝導機器を介してもよい。
一般に、二重反転式発電機とは、従来の固定子と回転子による発電機における固定子を回転子とは逆方向に回転させることで、相対的に回転を2倍とし発電能力を増すことができる発電機である。近年では風力発電、水力発電の分野などにおいて積極的に取り入れられている。さらに、遊星ギアシステムを応用したり、タービンを連結させたりすることでその利用が可能である。
このように、特許文献4に記載された発明の実施形態Eに係る発明では、連結によってタービンごとに発生する流れを互いに利用して回転力を高めることが可能であるため、二重反転式発電機による効果以上の発電力の増加を期待することができる。
なお、図31は特許文献4に記載された発明の実施形態Eに係る、別の例の複数段構造の垂直軸型螺旋タービンの斜視図であり、垂直軸型螺旋タービン5を2段より多い段数の構造としたものである。この図においては垂直軸型螺旋タービン5A、5B、5C、5Dの4段構造を示しており、更に発電力の増加が期待できる。
また、図32は特許文献4に記載された発明の実施形態Eに係る、別の例の複数段構造の垂直軸型螺旋タービン5の斜視図であり、複数の多段垂直軸型螺旋タービンを隣接して設置したものである。
すなわち、第1の2段構造の垂直軸型螺旋タービン5A、5Bと第2の2段構造の垂直軸型螺旋タービン5E、5Fを、プーリー850、ベルト851などを介して二重反転式発電機800に連結する。このようにしても、更に発電力の増加が期待できる。
<実施形態F:二重反転式発電機を利用した形態における後方旋回流の利用>
更に、特許文献4に記載された発明の実施形態Fとして、本発明の実施形態Eの連結設置における二重反転式発電機を利用した形態において、更に、上下反転する垂直軸型螺旋タービンに対して後方旋回流を利用するために、上下の垂直軸型螺旋タービンの間に回転方向を逆転に整流する固定翼を設けてもよい。
更に、特許文献4に記載された発明の実施形態Fとして、本発明の実施形態Eの連結設置における二重反転式発電機を利用した形態において、更に、上下反転する垂直軸型螺旋タービンに対して後方旋回流を利用するために、上下の垂直軸型螺旋タービンの間に回転方向を逆転に整流する固定翼を設けてもよい。
図33は特許文献4に記載された発明の実施形態Fに係る、2段構造の垂直軸型螺旋タービンの斜視図であり、翼上面が内側となる垂直軸型螺旋タービン6Aと翼上面が外側となる垂直軸型螺旋タービンタービン6Bとを有し、これらは拡開側が同一方向かつ回転方向が逆になるように配置され、垂直軸型螺旋タービン6Aは垂直軸型螺旋タービンタービン6Bの内側に入り込む位置関係となる。
図内では螺旋タービンタービン6Aが反時計回り、螺旋タービンタービン6Bが時計周りとなる。図に示すように翼上面が外側になる螺旋タービンタービン6Aからは上方に向けての後方旋回流409が発生する。この後方旋回流は上方に位置する螺旋タービンタービン6Aの回転方向とは逆向きになるため、固定翼803を設置することで回転方向を逆転させて、螺旋タービンタービン6Aの回転と同一方向410にすることで回転力を増加させることができる。
<垂直軸型対数螺旋タービンの天地と回転方向>
垂直軸型対数螺旋タービンでは、翼端が後退し拡開する形状をとるが、翼端がタービンの上部側となるように設置しても、天地を変えて翼端をタービンの下部側になるように設置しても良い。また、タービンの回転方向は時計回りでも反時計回りでも良いが、各ブレード断面は風などの流体の流れに対して、最大の受益を得られる翼型断面としておくのが好ましい。
垂直軸型対数螺旋タービンでは、翼端が後退し拡開する形状をとるが、翼端がタービンの上部側となるように設置しても、天地を変えて翼端をタービンの下部側になるように設置しても良い。また、タービンの回転方向は時計回りでも反時計回りでも良いが、各ブレード断面は風などの流体の流れに対して、最大の受益を得られる翼型断面としておくのが好ましい。
<天地の違いによる効果>
ところで、本発明者がより考察を深めたところ、垂直軸型対数螺旋タービンの向きには、それぞれ好適な設置条件があることが解った。特許文献3に記載された発明の第9の実施形態に係るものとして、上記の第1〜第7のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、各ブレードの一部または全部の回転半径が縦方向に減少するよう形成さる。この構成の場合、即ち翼端がタービンの上部側になるように設置した場合は、気流の上昇成分の運動エネルギーを回転数増加につなげることができるので、ビルなどの建物の屋上や、山の稜線上など、気流の上昇成分が多くなる場所に設置する場合に好適ということができる。
ところで、本発明者がより考察を深めたところ、垂直軸型対数螺旋タービンの向きには、それぞれ好適な設置条件があることが解った。特許文献3に記載された発明の第9の実施形態に係るものとして、上記の第1〜第7のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、各ブレードの一部または全部の回転半径が縦方向に減少するよう形成さる。この構成の場合、即ち翼端がタービンの上部側になるように設置した場合は、気流の上昇成分の運動エネルギーを回転数増加につなげることができるので、ビルなどの建物の屋上や、山の稜線上など、気流の上昇成分が多くなる場所に設置する場合に好適ということができる。
一方で、特許文献3に記載された発明の第10の実施形態に係るものとして、上記の第1〜第7のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、各ブレードの一部または全部の回転半径が縦方向に増加するよう形成する。この構成の場合、即ち翼端をタービンの下部になるように設置した場合では、気流の下降成分や降雨、降雪が持つ運動エネルギーをも回転数増加につなげることができるので、高層ビルの下などのように気流の下降成分が多くなる場所や、降雨や降雪の多い地域に設置する場合に好適となるのである。
このように垂直軸型対数螺旋タービンでは、設置場所や季節などの条件により、翼端側をタービンの上部になるように設置するか下部になるようにするか、どちらかがより好適となるが、それらの条件は変化するといえる。この点に鑑みて、特許文献3に記載された発明の第11の実施形態として、上記の第1〜第7のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、垂直軸型対数螺旋タービンの上下(天地)の向きを逆向きに変更することが可能な機構を更に備えた構成としても良い。この機構を備えることで、季節などの条件の変化に合わせて、より適した回転効率を得ることが可能となる。その機構としては例えば、複数のブレードで構成されるタービン部を回転軸に固定する方法をネジ止めとし、ネジを外してタービン部を取り出して天地の向きを反転させた後、再びタービン部を回転軸に固定する、などのメカニズムを採用することができるが、本願発明においてはこのメカニズムに限定されることなく、各種公知の機構を採用することができる。
<対数螺旋タービンにおける翼弦長の変化の違いと利点>
対数螺旋タービンの重要な構成要素であるブレード部20について、その幅を垂直方向にどのようにするかについては、3つのパターンがある。特許文献3に記載された発明の第12の実施形態として、上記の第1〜第11のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、翼弦長を一定にした場合は、ブレードを製作する場合に、その要素の一つを一定にすることで製作しやすい。一方で、特許文献3に記載された発明の第13の実施形態として、上記の第1〜第11のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、回転軸体と各ブレードの翼弦の中心との間隔が、回転軸体の翼根元から翼端にかけて対数螺旋状で増加するのと同様に、各翼弦長も同じ比率で増加させ、ソリディティが一定となるように形成する構成の場合は、自然な変化となるので、前述の場合とは違う意味で製作しやすい、即ち製作コストを抑えられるという利点があると言える。ブレード全体のソリディティは若干拡大するため、トルクが増大し初期起動が容易となる。さらに、特許文献3に記載された発明の第14の実施形態として、上記の第1〜第11のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、回転軸体と各ブレードの翼弦中心との間隔が、回転軸体の翼根元から翼端にかけて対数螺旋状で増加するのに対して、各翼弦長が逆に減少するように形成するような構成の場合は、前述の場合とは異なり、減少させる度合いを微妙に調整する必要があることから、設計や製作の面でコスト増になると考えられる。しかし、ブレード全体のソリディティ、特に周速の速い翼端側のソリディティが縮小されることになるため、高速回転時においてより速度を増加させる効果が期待できる。いずれも設置環境に合わせて設計することが可能である。
対数螺旋タービンの重要な構成要素であるブレード部20について、その幅を垂直方向にどのようにするかについては、3つのパターンがある。特許文献3に記載された発明の第12の実施形態として、上記の第1〜第11のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、翼弦長を一定にした場合は、ブレードを製作する場合に、その要素の一つを一定にすることで製作しやすい。一方で、特許文献3に記載された発明の第13の実施形態として、上記の第1〜第11のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、回転軸体と各ブレードの翼弦の中心との間隔が、回転軸体の翼根元から翼端にかけて対数螺旋状で増加するのと同様に、各翼弦長も同じ比率で増加させ、ソリディティが一定となるように形成する構成の場合は、自然な変化となるので、前述の場合とは違う意味で製作しやすい、即ち製作コストを抑えられるという利点があると言える。ブレード全体のソリディティは若干拡大するため、トルクが増大し初期起動が容易となる。さらに、特許文献3に記載された発明の第14の実施形態として、上記の第1〜第11のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、回転軸体と各ブレードの翼弦中心との間隔が、回転軸体の翼根元から翼端にかけて対数螺旋状で増加するのに対して、各翼弦長が逆に減少するように形成するような構成の場合は、前述の場合とは異なり、減少させる度合いを微妙に調整する必要があることから、設計や製作の面でコスト増になると考えられる。しかし、ブレード全体のソリディティ、特に周速の速い翼端側のソリディティが縮小されることになるため、高速回転時においてより速度を増加させる効果が期待できる。いずれも設置環境に合わせて設計することが可能である。
<マグヌス効果の利用>
一様流の中の回転する球体や円柱体、並びに円錐・円錐台には、移動方向または一様流に対して垂直の力(揚力)が発生することが知られている。これをマグヌス効果と言うが、垂直軸型螺旋タービンについても、各ブレードが回転しているときのタービン全体の形状は円柱形となるので、ブレードのみならずタービン自体にもマグヌス効果が働くことになる。垂直軸型タービンは水平軸型タービンのように重心が高くなることはなくタービン全体に風圧が均一にかかることになるので、強風時においても安全性の上では有利であるが、同一方向からの強風が一定時間吹くような環境にあるときには、このマグヌス効果によりタービン全体またはシャフト等には強い圧力がかかることになる。
一様流の中の回転する球体や円柱体、並びに円錐・円錐台には、移動方向または一様流に対して垂直の力(揚力)が発生することが知られている。これをマグヌス効果と言うが、垂直軸型螺旋タービンについても、各ブレードが回転しているときのタービン全体の形状は円柱形となるので、ブレードのみならずタービン自体にもマグヌス効果が働くことになる。垂直軸型タービンは水平軸型タービンのように重心が高くなることはなくタービン全体に風圧が均一にかかることになるので、強風時においても安全性の上では有利であるが、同一方向からの強風が一定時間吹くような環境にあるときには、このマグヌス効果によりタービン全体またはシャフト等には強い圧力がかかることになる。
このように強い風圧からタービンを守り、このマグヌス効果による揚力も回転エネルギーに変換するものとして、特許文献3に記載された発明の第15の実施形態を図19に示す。同図に示されるように、特許文献3に記載された発明の第15の実施形態は、上記の第1〜第14のうちのいずれかの実施形態の構成に加えて、複数の垂直軸型螺旋タービンを同一円周上に配置できるような一体型フレーム70と、その一体型フレームの回転軸71と、一体型フレームの外周脚部を支え、かつ、回転が可能となるような軌道溝72とで、複数の垂直軸型螺旋タービンすなわち垂直軸型螺旋タービン群体が設置される。
個々の垂直軸型螺旋タービンの回転80が時計回りになるように設置されている場合には、一体型フレームの回転81もマグナス効果が働き、時計回りとなる。この機構により、一体型フレームは、単独の垂直軸型螺旋タービンのフレームより頑強な構造にすることができ、かつ強風時の強いマグヌス効果による回転軸への圧力も回転運動に変換することで安全性が図れる。ここで得た回転エネルギーは個々の垂直軸型螺旋タービンの回転と同様に電力などに変換して利用することができる。個々の垂直軸型螺旋タービンの回転は、ベルトドライブなどで中央の回転軸に動力を伝えても良い。また、一体型フレームの回転エネルギーは中央の回転軸から伝達ではなく、軌道溝を移動する外周脚部からの伝達であっても良い。
<実施形態G:水流の利用>
図34は特許文献4に記載された発明の実施形態Gに係る、水流設置用の垂直軸型螺旋タービン7の斜視図であり、図35は特許文献4に記載された発明の実施形態Gに係る、水流設置用の垂直軸型螺旋タービン7の着床型設置の説明図であり、図36は特許文献4に記載された発明の実施形態Gに係る、水流設置用の垂直軸型螺旋タービン7の浮体型設置の説明図である。
図34は特許文献4に記載された発明の実施形態Gに係る、水流設置用の垂直軸型螺旋タービン7の斜視図であり、図35は特許文献4に記載された発明の実施形態Gに係る、水流設置用の垂直軸型螺旋タービン7の着床型設置の説明図であり、図36は特許文献4に記載された発明の実施形態Gに係る、水流設置用の垂直軸型螺旋タービン7の浮体型設置の説明図である。
ここで、特許文献4に記載された発明の実施形態Gでは、特許文献3に記載された発明に加えて、垂直軸型螺旋タービンを水流設置用とした。ここで、着床型の場合は、満潮時にも干潮時にも、図35(1)に示すように全体が喫水線900より下方に隠れることが、エネルギー量の大きな水流を使用できるため望ましいが、図35(2)に示すように、干潮時に喫水線上にブレードが出てしまったとしても、風の影響でも同一方向に回るため、抵抗となる力は発生しない。
また、図36に示すような、浮体装置911を付加して喫水線902を一定とし、干満によってその位置が不変の浮体型設置においては、常に水流を主体に利用することで、安定的な出力を得ることができる。
ただし、水流は気流に比べて粒子密度が高いことから、粘性、エネルギー密度が高い。よって、航空機のプロペラと船舶のスクリューの違いのように翼弦を広くして負荷エネルギーの分散を図る、あるいは肉厚にして強度を図るなどの構造上の違いが生まれるが、原理的には同一である。
特許文献4の発明、水流設置用の垂直軸型螺旋タービンの場合には、従来の直線型、またはヘリカル型のタービンなどと異なり、圧力を鉛直に受けるのではなく、後退角と拡大角によって斜めに受けることから、翼の一部のみ大きな圧力を受けることがない。従って、強度上も利点を備えていると言える。
<実施形態H:設置方向を水平とすることによる応用の拡大>
図37は特許文献4の発明の一実施形態に係る、垂直軸型螺旋タービンの水平設置を示す図である。ここで、特許文献4の発明の実施形態Hとして、特許文献3に記載された発明を水平方向に設置するようにしてもよい。すなわち、垂直軸型螺旋タービン1を、回転軸体11が水平で、かつ、その延伸方向が図中の流れの方向(図中に矢印で示す)と同一方向(平行)となるように設置する。
図37は特許文献4の発明の一実施形態に係る、垂直軸型螺旋タービンの水平設置を示す図である。ここで、特許文献4の発明の実施形態Hとして、特許文献3に記載された発明を水平方向に設置するようにしてもよい。すなわち、垂直軸型螺旋タービン1を、回転軸体11が水平で、かつ、その延伸方向が図中の流れの方向(図中に矢印で示す)と同一方向(平行)となるように設置する。
このようにすると、河川など流れが一定方向にしか発生しない環境において、垂直軸型螺旋タービンを横に寝かせて設置することはもちろん可能であるが、そればかりでなく、水平方向(流れと回転軸が平行となる水平軸型タービンと同様の設置)に設置しても十分その性能を発揮することができる。水平に設置することで、例えば自動車への搭載(車の屋上やエンジンルームなどに搭載する)のほか、鉄道車両や船舶などへの搭載も可能となり、垂直軸型螺旋タービンの応用を拡大することができる。
図38は本発明の一実施形態に係る、垂直軸型螺旋タービンの平面図である。回転軸体が、スライド回転軸体110A,110B,110C,110D,110Eを備えて構成される。合わせて、翼幅方向に分割された、例えば粗相似形のスライド翼90A、90B,90C、90D、90Eを備えて構成される。回転軸体を軸方向へスライドさせることで、スライド回転軸体とスライド翼が折りたたまれた状態になり、携帯性の向上が期待できる。スライド回転軸体110A,110B,110C,110D,110Eを軸方向へ最大に伸長し、合わせてスライド翼が最大限に伸長された状態で、例えば、回転軸体をロックすることで、タービンとしての使用状態となる。スライド回転軸体の数とスライド翼の数は5に限らず、2以上の任意の自然数とすることができる。さらにスライド翼は相似形に限定しない。
各スライド回転軸体を最大に伸長した状態で、正面視で翼根元から翼端まで連続した螺旋形状に形成され、さらに、各スライド翼が翼幅方向で、若干の重なり(スリット)を持つように、形成される。このように構成されることで、流体がそのスリットをスムーズに通り抜けることが可能となる。図4Bに示されたように、垂直軸型対数螺旋タービンでは、正圧側の翼根元より負圧側の翼端に向けての2次的な流れが生じるが、タービンに流入する一様の流れと合成されることにより、翼の上面及び下面表面の流れが常に翼端側に引き上げられ、揚力の働く面を拡大してトルクを増大させる。さらに上記スリットにより、より加速する効果が期待できる。
図39は本発明の一実施形態に係る、垂直軸型螺旋タービンを収縮し折りたたんだ平面図である。
図40は、本発明の一実施形態に係る、翼を柔軟な素材を用いて構成した垂直軸型螺旋タービンを伸長した状態の平面図である。翼型を形成する肋1000を腕部30及び固定輪32、固定輪33、固定輪36、固定輪37、固定輪37、固定輪39によって、スライド回転軸体110A,110B,110C,110D,110Eに固定する。例えばロープやワイヤーや樹脂材など柔軟な素材からなる筋1100により立体的な翼型を形成する。上記筋で形成された翼型の骨組みに帆1200を張ることで翼を構成する。筋1100と帆1200は、柔軟な素材で構成されているので、回転軸体を軸方向へスライドし収縮することで、翼を簡単に折りたたむことができる。(固定輪を用いないで、肋1000と腕部30直接固定しても良い)
図41は、回転軸10に発電機1300を取り付けた一実施形態である。(発電機側に羽が拡開する様態でも良い)
図42は、発電機1300に吊り紐2000を取り付けて、吊り下げて設置した一実施形態である。吊り下げた場合には、翼が風にあおられて垂直軸型螺旋タービンが傾くことがあるが、上記垂直型螺旋タービンの翼は、拡開側に風が流れることによって、回転効率が上がるため、適度な傾きに対しては回転速度が増し、発電効率を高める効果がある。
図43は、発電機1300に吊り紐2000を取り付けて、吊り下げて設置きした一実施形態である。吊り下げる設置方法の場合に、発電機1300と翼が同じ方向に回転することを抑止するため、例として固定垂直翼2100を取り付けても良い。さらに固定垂直翼2100に併設して固定水平翼2200を設けることで、傾きを制御することができる。
以上、本発明に係る垂直軸型螺旋タービンについて説明したが、本発明に係る垂直軸型螺旋タービンは、各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を変更することなく、適宜変形・拡大・縮小して、或いは部分的に代替させて実施することができるが、これらはすべて本発明の技術思想の範囲内のものである。例えば、ブレードの枚数や各ブレードを構成するサブブレード枚数、スライド翼枚数などに限定はない。もちろん本発明に係る垂直軸型螺旋タービンは、気体の運動エネルギーで回転するものに限定されず、流体(例えば水)の運動エネルギーで回転するものであればよい。
また、たとえば図38、図41等を参照しつつの上記説明では、スライド回転軸体110A,110B,110C,110D,110Eが分割されて軸方向へスライド可能な態様として説明したが、本願に係る技術思想としてスライド回転軸体はこの態様に限られることはなく、たとえば、スライド回転軸体が部分的もしくは全体的に軸方向に伸縮可能な形態/素材によって構成されていてもよく、これも本願の技術思想に包摂される。
さらにこれまで本発明で考案した翼形またはタービンの構造にたいして「鳥の翼の構造の細分化」を行うことによる機能、性能の向上について説明する。
20世紀初頭に発明された航空機の翼および翼型は鳥の翼を模倣したものであることは言うまでもない。しかし、鳥の翼を完全に模倣した人工翼は未だに存在しない。
複雑な生物の形状を人造物で形作ることは困難であるとともに、人間が道具として使う為には、生物のそれとは異なる速度や大きさ、重量を考慮せねばならず、さらに製造にかかる技術やコストが加味され単純化される。しかし、近年においても鳥の飛翔や翼の構造の研究は継続され続け、航空機の翼(固定翼)やプロペラなどの回転翼に応用されている。
例えば、初期の航空機の翼は複葉であったが、これは非力な動力であったため十分な速度を得ることができず、単葉では飛翔するための揚力が確保できなかったからである。
複雑な生物の形状を人造物で形作ることは困難であるとともに、人間が道具として使う為には、生物のそれとは異なる速度や大きさ、重量を考慮せねばならず、さらに製造にかかる技術やコストが加味され単純化される。しかし、近年においても鳥の飛翔や翼の構造の研究は継続され続け、航空機の翼(固定翼)やプロペラなどの回転翼に応用されている。
例えば、初期の航空機の翼は複葉であったが、これは非力な動力であったため十分な速度を得ることができず、単葉では飛翔するための揚力が確保できなかったからである。
一方、鳥の翼も単葉ではなく、複数の羽根からなる複葉であるとも言える。その意味では初期の航空機の速度は鳥の速度に近く、その分だけ鳥に近かったとも言える。大きな力を得られる発動機の進化によって航空機の翼はシンプルなものに変わっていったが、それでも長距離を飛ぶのに適した形、早く飛ぶのに適した形、大きな重量を運ぶのに適した形などのいずれも人は鳥の翼の形を模倣している。また航空機などにおける固定翼、回転翼のいずれも鳥の翼のように飛翔中に大きく形や角度を変えることはできないが、迎角ピッチの変更や、フラップなどによるキャンバー角の変更行っている。これらはいずれも翼または複数の羽根の形状をどう変えるかということで揚力/抗力の調整を行っているという点において鳥の翼を模倣していると言える。
このように人工の翼は、鳥の翼を複数の羽根から構成されるものとして捉えてきたが、鳥の翼は羽根との二階層構造だけではない。羽根はさらに羽根軸を中心に両側に生える羽枝からなり、さらに羽肢を中心に両側に小羽枝が生え、小羽枝が網の目のように重なることで面を構成している。
この構造は柔軟でありながら形状の再生が行いやすく、さらに軽量化に大きく役立っている。また、この複雑な形状の羽根の中をどのように流体が流れていくのかを研究されているかはわからないが、流体を保持したり、あるいは速やかに流したりするのに適した形状になっていると推測される。
翼と羽根の二階層構造から推測しても、同一平面における翼面積の増大にも寄与し、流速が遅くとも揚力/抗力を獲得しやすくなっていると思われる。
そこで現状の人工の羽根にこの羽枝の構造を取り入れることで、低流量、低エネルギー下での効率的な揚力/抗力の獲得を計ることとした。
図44〜図49に基づいて、本発明に係るブレード及びタービンの他の実施形態をについて説明する。図44は、本実施形態のブレード1−10を用いて構成したタービンの一例を示したものである。3枚の羽根(サブブレード)21,22,23によって一つの翼(ブレード)1−20を形作ることは既出の実施形態と変わらないが、羽根が単板で形成されるのではなく、鳥の羽根の羽枝同様の多数の小さな部材によって形成される。この多数の羽枝(バーブ)による羽根をサブブレード1−10とし、これらの複数の羽根(サブブレード)1−10にて形成された翼1−20を複数組のスライド回転軸体110に取り付けて本実施形態のタービン1−30を形成する(図44参照)・本実施形態のタービン1−30は、風車のみならず、扇風機、空調用ファンなど他の動力機関の回転力を持って流体の流れを作るものに適用することができる。
図45は21、22、23の羽根(サブブレード)を翼上面(負圧側)から見た斜視図である。図46は21、22、23の羽根(サブブレード)を翼下面(正圧側)から見た斜視図である。図47は21、22、23の羽根(サブブレード)を翼後縁から見た斜視図である。図48は21、22、23の羽根(サブブレード)の断面を表した斜視図である。なお、図45、46、47、48は全て図面上部を翼根、図面下部を翼端としている。
該ブレード全体を支える羽軸部1−11にその後方に向けて多数の後方羽枝1−12を整列して設けるとともに、これら多数の後方羽枝1−12のそれぞれと隣り合う後方羽枝1−12,1−12間に隙間1−13を設けた構成となっている(図46参照)。
後方羽枝1−12の断面形状は特に限定されないが、断面略矩形状、断面略楕円形状、または、いわゆる飛行機の翼のリブのようなリブ形状でも良い。また、後方羽枝1−12の長さは、特に限定されないが、ブレード1−10を成す材料の剛性等を考慮して適宜決定されれば良い。
後方羽枝1−12の断面形状は特に限定されないが、断面略矩形状、断面略楕円形状、または、いわゆる飛行機の翼のリブのようなリブ形状でも良い。また、後方羽枝1−12の長さは、特に限定されないが、ブレード1−10を成す材料の剛性等を考慮して適宜決定されれば良い。
また、ブレード1−10は、羽軸部1−11にその前方に向けて複数の前方羽枝1−14を整列して設けるとともに、複数の前方羽枝1−14のそれぞれ隣り合う前方羽枝1−14,1−14間に隙間1−15を設けた構成となっている(図46参照)。前方羽枝1−14の断面形状も、特に限定されないが、断面略矩形状、断面略楕円形状、または、いわゆる飛行機の翼のリブのようなリブ形状でも良い。また、前方羽枝1−14の長さは、特に限定されないが、ブレード1−10を成す材料の剛性等を考慮して適宜決定されれば良い。前方羽枝1−14は、ブレード1−10がスムーズに風を受けることができるように、後方羽枝1−12に比べてかなり短く設定されている。
ブレードの断面(翼形)は通常の翼と同じく上面(負圧側)が凸面となるように膨らみをもち、下面(正圧側)が凹面となるように平になるか、キャンバー角を持たせて凹みを大きくとるようにする(図48参照)。
後方羽枝1−12を形成する為の隙間1−13は、図47に示すように、翼前縁から翼後縁に向けて、翼元側から翼端側に流れるように斜めに切り込むようするとともに、流体の流路が上面から下面に向かうようにする。本実施形態は他の実施形態と同じく、流体の流れは元の流れのベクトルと本タービンの形状によって発生する翼元から翼端への流れのベクトルとの合成となる。つまり、図49に示すように、翼上面へ向かう際(向い風)の元の流体のベクトルAは合成されたA1となり、翼下面に向かう際(追い風)の元の流体のベクトルBは合成されたB1となる。よって、羽枝によって構成される隙間は負圧側では流体が通り抜けやすく、正圧側では流体が通り抜けづらい構造となっている。
前方羽枝1−14を形成する為の隙間1−15は、図48に示すように、後方羽枝1−12とは対照的に流路には沿わない。これは特に向い風場合に、前方羽枝1−14の役割が後方羽枝1−12とは異なるためである。向い風の場合には翼上面に乱流を発生し流速を早めるためのボルテックスジェネレータの役割を担っているためである。追い風の場合は後方羽枝1−12と同様、流体が通り抜けづらい方向に隙間が設置される。
なお、上記実施形態では、ブレード1−10の羽枝1−12を直線状に形成したが、適当に湾曲させて形成しても勿論良い。要は、ブレード1−10を平面的に見た場合に、隙間1−13を通じて該ブレードの下方が直接見えないように、隙間1−13を折曲させるか、傾斜させて形成されることが好ましい。隙間1−15についても隙間1−13と同様であることが好ましいが、隙間1−15は、ブレード1−10を平面的に見た場合に、隙間1−15を通じて該ブレードの下方が直接見えるように形成しても良い。
また、上記実施形態では、ブレード1−10に後方羽枝1−12と前方羽枝1−14の両方を設けたが、本発明はこれに限らず、前方羽枝1−14については必ずしも必須の構成要素ではなく、ブレードの翼面積と風圧とを考慮して適宜決定すれば良い。
本実施形態のブレード1−10を形成する素材はとくに限定されないが、ブレード1−10を例えば柔軟な樹脂ですることで、ブレード1−10を組み合わせて形成したブレード1−20は、容易に湾曲させながら設置することができる。これを図38、図39、図40に表した110A,110B,110C,110D,110Eのスライド回転軸体などと組み合わせることにより、同様に折りたたむことができる。この実施形態を図50に示す。この実施形態はスライド回転軸体およびブレードを捻り巻きながら折りたたんでいるが、たたみ方はこの方法に限定されない。
例えば、本実施形態のブレード1−20は、前述した風力発電等に使用するための垂直軸型螺旋タービン(垂直軸型風車)に適用することができる。すなわち、本実施形態のブレード1−10を、同公報に記載のブレードのように、回転軸からの水平距離が該回転軸の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように設置することができる。これ故、本実施形態のタービン1−30を同公報に記載の垂直軸型螺旋タービン等に代えて設置することができる。
以上説明した各実施形態は、本発明の理解のために例示されたものであり、本発明は、これら実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって定義される。また、本発明の技術思想から離れるものでない限り、特許請求の範囲に記載の構成と均等であるものも本発明の保護の範囲に含まれるものである。
1A、2A、3A、3B、4A、4B、5A、5B、5C、5D、5E、5F、6A、6B、7 垂直軸型螺旋タービン
10 回転軸
11、11B、13 回転軸体
12 回転方向
20 ブレード
20B ブレード(スリットあり)
20C ブレードの変形例
20D ブレードの別の変形例
20E ブレードのまた別の変形例
20F ブレードのヘリカルタービンとの合成例(一部が対数螺旋状)
21 第1サブブレード
22 第2サブブレード
23 第3サブブレード
30 腕部
30B 腕部(螺旋状または対数螺旋状)
30C 腕部(斜め直線状)
32、34 第1の固定輪
33、35 第2の固定輪
36 第3の固定輪
37 第4の固定輪
38 第5の固定輪
39 第六の固定輪
41 第1のスリット
42 第2のスリット
43 第1の副翼
44 第2の副翼
45 主翼によって生成される流体の循環
46 副翼によって生成される流体の循環
47 合成気流
48 主翼から剥離した流れ
50 ボルテックスジェネレータ(楔状凸型)
51 ボルテックスジェネレータ(板状凸型)
52 ボルテックスジェネレータ(縦溝状凹型)
53 ボルテックスジェネレータ(横溝状凹型)
54 ボルテックスジェネレータ(窪み状凹型)
60 ウィングレット(先端割れ型)
61 ウィングレット(先端曲り型)
62 ウィングレット(立体的先端曲り型)
63 ウィングレット(先端丸形)
70 一体型フレーム
71 一体型フレームの回転軸
72 一体型フレームの回転用軌道溝
80 垂直軸型螺旋タービンの回転方向
81 一体型フレームの回転方向
90 翼幅
90A、90B、90C、90D、90E スライド翼
91 翼端
92 翼根元
θB 後退角
θ 拡大角
100 タービンの大回転径(翼端の回転軌跡)
101 タービンの小回転径(翼根元の回転軌跡)
102 前縁
103 後縁
104 翼上面
105 翼下面
106 翼弦
110 スライド回転軸体
110A,110B,110C,110D,110E スライド回転軸体
201 ヘリカルタービンのブレードを通過する流れ
202 翼端の回転半径
203 垂直軸型螺旋タービンのブレードを通過する風の流れ
204 周速差で生じる圧力差による2次的流れ
205 翼根元の回転半径(202より小さい)
301 摩擦抗力の低減
302 剥離の遅延
303 流速の増大
304 ヘリカルタービン部分e
401 揚力の働く向き
402 正圧側から負圧側への回り込みの流れ
403 ブレード翼端を流れる風の流れ
404 翼端渦
409 後方旋回流
410 固定翼で回転方向を逆転した流れ
501 推進力(抗力)
502 アウトフロー
503 ドッグトゥース形状
601 気流の流れ
602 複数段構造におけるクリアランス
700 内部回転子の回転方向
701 外部回転子の回転方向
800 二重反転式発電機
801 内部回転子
802 外部回転子
803 固定翼
850 プーリー
851 ベルト
900 満潮時の喫水線
901 干潮時の喫水線
902 浮体型の場合の喫水線
911 浮体装置
1000 肋
1100 筋
1200 帆
1300 発電機
2000 吊り紐
2100 固定垂直翼
2200 固定水平翼
1−10,1−20 ブレード
1−11 羽軸部
1−12 後方羽枝
1−13、1−15 隙間
1−14 前方羽枝
1−30 タービン
10 回転軸
11、11B、13 回転軸体
12 回転方向
20 ブレード
20B ブレード(スリットあり)
20C ブレードの変形例
20D ブレードの別の変形例
20E ブレードのまた別の変形例
20F ブレードのヘリカルタービンとの合成例(一部が対数螺旋状)
21 第1サブブレード
22 第2サブブレード
23 第3サブブレード
30 腕部
30B 腕部(螺旋状または対数螺旋状)
30C 腕部(斜め直線状)
32、34 第1の固定輪
33、35 第2の固定輪
36 第3の固定輪
37 第4の固定輪
38 第5の固定輪
39 第六の固定輪
41 第1のスリット
42 第2のスリット
43 第1の副翼
44 第2の副翼
45 主翼によって生成される流体の循環
46 副翼によって生成される流体の循環
47 合成気流
48 主翼から剥離した流れ
50 ボルテックスジェネレータ(楔状凸型)
51 ボルテックスジェネレータ(板状凸型)
52 ボルテックスジェネレータ(縦溝状凹型)
53 ボルテックスジェネレータ(横溝状凹型)
54 ボルテックスジェネレータ(窪み状凹型)
60 ウィングレット(先端割れ型)
61 ウィングレット(先端曲り型)
62 ウィングレット(立体的先端曲り型)
63 ウィングレット(先端丸形)
70 一体型フレーム
71 一体型フレームの回転軸
72 一体型フレームの回転用軌道溝
80 垂直軸型螺旋タービンの回転方向
81 一体型フレームの回転方向
90 翼幅
90A、90B、90C、90D、90E スライド翼
91 翼端
92 翼根元
θB 後退角
θ 拡大角
100 タービンの大回転径(翼端の回転軌跡)
101 タービンの小回転径(翼根元の回転軌跡)
102 前縁
103 後縁
104 翼上面
105 翼下面
106 翼弦
110 スライド回転軸体
110A,110B,110C,110D,110E スライド回転軸体
201 ヘリカルタービンのブレードを通過する流れ
202 翼端の回転半径
203 垂直軸型螺旋タービンのブレードを通過する風の流れ
204 周速差で生じる圧力差による2次的流れ
205 翼根元の回転半径(202より小さい)
301 摩擦抗力の低減
302 剥離の遅延
303 流速の増大
304 ヘリカルタービン部分e
401 揚力の働く向き
402 正圧側から負圧側への回り込みの流れ
403 ブレード翼端を流れる風の流れ
404 翼端渦
409 後方旋回流
410 固定翼で回転方向を逆転した流れ
501 推進力(抗力)
502 アウトフロー
503 ドッグトゥース形状
601 気流の流れ
602 複数段構造におけるクリアランス
700 内部回転子の回転方向
701 外部回転子の回転方向
800 二重反転式発電機
801 内部回転子
802 外部回転子
803 固定翼
850 プーリー
851 ベルト
900 満潮時の喫水線
901 干潮時の喫水線
902 浮体型の場合の喫水線
911 浮体装置
1000 肋
1100 筋
1200 帆
1300 発電機
2000 吊り紐
2100 固定垂直翼
2200 固定水平翼
1−10,1−20 ブレード
1−11 羽軸部
1−12 後方羽枝
1−13、1−15 隙間
1−14 前方羽枝
1−30 タービン
Claims (25)
- 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成され、翼幅方向において2つ以上に分割されたブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と、
を備えたことを特徴とする垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成され、翼幅方向に2つ以上に分割されたブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と、
前記ブレードの外側に配置され、前記腕部によって支持される固定輪と
を備えたことを特徴とする垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成され、翼幅方向に2つ以上に分割されたブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と
を備えた垂直軸型螺旋タービンが前記回転軸体の軸方向に複数段連結された複数段連結型垂直軸型螺旋タービンにおいて、前記ブレードの向きが各段で同一の場合に、前記ブレードの位相を段ごとにずらすことを特徴とする複数段連結型垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成され、翼幅方向に2つ以上に分割されたブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と
を備えた垂直軸型螺旋タービンが前記回転軸体の軸方向に複数段連結された複数段連結型垂直軸型螺旋タービンにおいて、翼上面が外側となることを特徴とする複数段連結型垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成され、翼幅方向に2つ以上に分割されたブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と
を備えた垂直軸型螺旋タービンが前記回転軸体の軸方向に複数段連結された複数段連結型垂直軸型螺旋タービンにおいて、回転方向が異なる複数の垂直軸型螺旋タービンを連結設置したことを特徴とする複数段連結型垂直軸型螺旋タービン。 - 前記複数の垂直軸型螺旋タービンの間に回転方向を逆転に整流する固定翼を設けたことを特徴とする請求項5に記載の複数段連結型垂直軸型螺旋タービン。
- 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成され、翼幅方向に2つ以上に分割されたブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と、
を備え、水流中に設置することを特徴とする垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成され、翼幅方向に2つ以上に分割されたブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と
を備えた垂直軸型螺旋タービンであって、その設置形態を水平方向とすることを特徴とする垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成された柔軟な素材のブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と、
前記腕部によって支持される固定輪と
を備えたことを特徴とする垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成された柔軟な素材のブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と、
前記ブレードの外側に配置され、前記腕部によって支持される固定輪と
を備えたことを特徴とする垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成された柔軟な素材のブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と
を備えた垂直軸型螺旋タービンが前記回転軸体の軸方向に複数段連結された複数段連結型垂直軸型螺旋タービンにおいて、前記ブレードの向きが各段で同一の場合に、前記ブレードの位相を段ごとにずらすことを特徴とする複数段連結型垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成された柔軟な素材のブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と
を備えた垂直軸型螺旋タービンが前記回転軸体の軸方向に複数段連結された複数段連結型垂直軸型螺旋タービンにおいて、翼上面が外側となることを特徴とする複数段連結型垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成された柔軟な素材のブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と
を備えた垂直軸型螺旋タービンが前記回転軸体の軸方向に複数段連結された複数段連結型垂直軸型螺旋タービンにおいて、回転方向が異なる複数の垂直軸型螺旋タービンを連結設置したことを特徴とする複数段連結型垂直軸型螺旋タービン。 - 前記複数の垂直軸型螺旋タービンの間に回転方向を逆転に整流する固定翼を設けたことを特徴とする請求項13に記載の複数段連結型垂直軸型螺旋タービン。
- 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成された柔軟な素材のブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と、
を備え、水流中に設置することを特徴とする垂直軸型螺旋タービン。 - 回転軸体と、
前記回転軸体の周りに配置され該回転軸体に近い方の端部である翼根元から前記回転軸体に遠い方の端部である翼端までの区間のうち少なくとも一部の区間において拡開するように形成されるブレードであって、該ブレードは前記回転軸体の延伸方向と略直交する断面である横断面において翼型を有し前記横断面の前記回転軸体からの水平距離が前記回転軸体の軸方向に沿って対数螺旋状で変化するように形成された柔軟な素材のブレードと、
前記回転軸体と前記ブレードとを連結する腕部と
を備えた垂直軸型螺旋タービンであって、その設置形態を水平方向とすることを特徴とする垂直軸型螺旋タービン。 - 前記回転軸体は、軸方向に分割可能であることを特徴とする請求項1〜16のうち1項記載の垂直軸型螺旋タービン。
- 前記回転軸体は、軸方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項1〜16のうち1項記載の垂直軸型螺旋タービン。
- 羽軸部にその後方に向けて複数の後方羽枝を方向を揃えて設けるとともに、前記複数の後方羽枝のそれぞれ隣合う後方羽枝間に隙間を設けたことを特徴とするブレード。
- 前記羽軸部にその前方に向けて複数の前方羽枝を方向を揃えて設けるとともに、前記複数の前方羽枝のそれぞれ隣合う前方羽枝間に隙間を設けたことを特徴とする請求項19に記載のブレード。
- 前記複数の後方羽枝と前記前方羽枝は、二つを合わせて平面的には翼型断面形状をなしていることを特徴とする請求項19または20に記載のブレード。
- 請求項19〜21のいずれかに記載のブレードをサブブレードとして複数枚並べ、これら複数枚のブレードの隣合うブレードの一方のブレードの前方端とその他方のブレードの後方端を重ね合わせて構成したことを特徴とするブレード。
- 請求項22に記載のブレードを複数組リング状支持体に等間隔に配設したことを特徴とするタービン。
- 請求項23に記載のタービンを適用した風車、扇風機、空調用ファンなど他の動力機関の回転力を持って流体の流れを作るもの。
- 軸方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項23または24のいずれかに記載のタービン。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018145774A JP2020020309A (ja) | 2018-08-02 | 2018-08-02 | 垂直軸型螺旋タービン |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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