JP2020020012A - 銑鉄製造設備およびそれを用いた銑鉄製造方法 - Google Patents

銑鉄製造設備およびそれを用いた銑鉄製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素高炉への冷却ガスの流量を少なくでき、付帯設備の必要もなく、効率よく酸素高炉の羽口先温度を冷却することができる、酸素高炉を使用する銑鉄製造設備およびそれを用いた銑鉄製造方法を提案する。【解決手段】酸素高炉と熱風高炉とを使用する銑鉄製造設備であって、羽口から純酸素及び還元材、羽口用冷却ガスを吹込み、炉頂からは実質的に窒素を含まない酸素高炉ガスを発生する酸素高炉と、該酸素高炉ガスと実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとを燃焼して熱風炉燃焼排ガスを生成する際に発生する熱により空気を昇熱し、前記熱風高炉へ供給する熱風炉とからなり、該熱風炉燃焼排ガスの一部が、前記酸素高炉の羽口用冷却ガスとなるように構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、酸素高炉と熱風高炉とを使用する銑鉄製造設備およびそれを用いた銑鉄製造方法に関する。
近年の製鉄所は、地球環境問題や化石燃料枯渇問題を背景として、省エネが強く求められている。これを受け、最近の高炉操業は、低還元材比(低RAR)操業が強力に推進されるようになってきた。
一般的な高炉は、羽口においてコークスや微粉炭と熱風(1200℃程度に加熱した空気)中の酸素が反応し、COおよびHガス(還元ガス)を生成させて、これらの還元ガスにより炉内の鉄鉱石等の還元を行っている。以前は、内容積100m程度の小型高炉による操業が行われてきたが、生産性の要求と技術の発達に伴い、高炉は年々大容量化し、近年では5000m級の大型高炉が主流となっている。しかし、高炉の大型化は、高炉に装入するコークスや焼結鉱の強度を高くする必要が生じ、そのために原料の塊成化が発達してきた。一方で、近年は原料の劣質化が進んでおり、従来のように高強度の原料を得ることが困難となっている。このことから、低強度の原料でも操業できる小型高炉への技術開発が求められている。また、近年の安全要求の厳格化により、高炉のみならずその周辺設備も可能な限り小型化し、保守性を高めることが求められている。
高炉小型化技術の1つとして、酸素高炉の研究がある。通常高炉では熱風(1200℃程度の高温に加熱した空気)を羽口から吹込むのに対し、酸素高炉は純酸素を羽口から吹込む炉である。この酸素高炉は、通常高炉と比べると高炉内部を流れる還元ガスの体積を半減できるので、生産量を維持しつつ高炉サイズを大幅に小型化できるメリットがある。また、熱風炉が不要となるため、周辺設備の大幅な小型化も可能となる。
ただし、酸素高炉では羽口から純酸素を吹込むため、羽口部にて純酸素による燃焼が起こり、火炎温度が極めて高温になるという問題がある。このように、火炎温度が高すぎると、羽口や炉壁の損傷や、スラグ成分の揮発による高炉内の荷下がり不調などのトラブルが起こる。従って、酸素高炉では、羽口から純酸素とともに羽口冷却材を吹き込み、火炎温度を適正温度(2000−2600℃)に制御する技術の採用が必須となる。
ところで、特許文献1は、酸素高炉において、羽口からCOもしくはHO(水蒸気)を羽口冷却材として吹き込み、これらの吸熱熱分解反応を用いて羽口先の火炎温度を低下させ、適正な温度に制御する技術が開示されている。
また、特許文献2には、酸素高炉の羽口から純酸素、微粉炭とともに羽口冷却材として高炉炉頂ガスを吹込む方法が開示されている。この既知の方法は、炉頂ガスに含まれるCOが羽口先にて吸熱熱分解を起こすので、火炎温度を低下させ適正温度に制御できるようになることが知られている。
特開昭60−159104号公報 特開昭62−27509号公報
ところで、前記特許文献1に開示の技術は、酸素高炉の羽口から酸素とともに水蒸気もしくはCOガスを吹込む方法であるが、高炉羽口は一般に銅製かつ水冷仕様となっているため、羽口表面は数十℃程度にまで冷却されている。従って、羽口から水蒸気を吹込むと、その水蒸気の一部が羽口にて冷やされてドレーン化し、水として流出してしまい、水蒸気の全量を吸熱反応に用いることができない。従って、この場合、水蒸気吹込みでは、火炎温度を目標値に制御することが困難である。また、COガスの場合はドレーン化の問題は起こらないが、一方で純COガスは自然界に存在せず、例えばCOガスを50vol%程度含む酸素高炉の炉頂ガスから、PSA法(圧力変動分離法)によるCO分離設備を用いて、COガスのみを分離する必要がある。しかし、酸素高炉は羽口からCOガスを吹込む場合、1高炉あたり30000Nm/hもの多量のCOガスが必要となる。そのため、酸素高炉の場合、羽口から吹込むのみ必要な多量のCOガスをガス分離設備によって生成させようとすると、巨大なガス分離設備が必要となり、設備が逆に大型化してしまうという問題が起こる。
また、特許文献2の方法は、酸素高炉自体の炉頂ガスを羽口に再循環して吹込む方法であるから、ガス分離設備のような大型付帯設備は不要となる。しかし、酸素高炉の炉頂ガスは約半分がCO、残りの約半分がCOであるため、吹込んだガスのうち半分しか吸熱熱分解反応に寄与しない。従って、羽口先の火炎温度を適正温度にまで下げるためには、羽口あたり10000m/hもの多量の炉頂ガスを吹込む必要がある。しかし、酸素高炉というのは、通常の高炉よりも小型化することが目的であることを鑑みると、設備レイアウトの都合から羽口から吹込むガス流量は可能な限り少なくすることが望ましく、多量の羽口冷却ガスを吹込む炉頂ガス循環は好ましくない。
本発明の目的は、酸素高炉への冷却ガスの流量を少なくでき、付帯設備の必要もなく、効率よく酸素高炉の羽口先温度を冷却することができる、酸素高炉を使用する銑鉄製造設備およびそれを用いた銑鉄製造方法を提案することにある。
従来技術が抱えている前述の課題を解決し、前記の目的を実現するために鋭意研究した結果、発明者らは、以下に述べる新規な銑鉄製造設備およびそれを用いた銑鉄製造方法を開発するに至った。
即ち、本発明の銑鉄製造設備は、酸素高炉と熱風高炉とを使用する銑鉄製造設備であって、羽口から純酸素及び還元材、羽口用冷却ガスを吹込み、炉頂からは実質的に窒素を含まない酸素高炉ガスを発生する酸素高炉と、該酸素高炉ガスと実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとを燃焼して熱風炉燃焼排ガスを生成する際に発生する熱により空気を昇熱し、前記熱風高炉へ供給する熱風炉とからなり、該熱風炉燃焼排ガスの一部が、前記酸素高炉の羽口用冷却ガスとなるように構成したことを特徴とする銑鉄製造設備である。
なお、前記のように構成される本発明に係る銑鉄製造設備においては、
(1)前記実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとして、純酸素ガスを用いること、
(2)前記実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとして、純酸素に前記熱風炉燃焼排ガスを混合したガスを用いること、
(3)前記実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとして、純酸素に水蒸気を混合したガスを用いること、
がより好ましい解決手段となるものと考えられる。
また、本発明の銑鉄製造方法は、銑鉄製造設備を用いた銑鉄製造方法において、前記熱風炉で発生する実質的に窒素を含まない熱風炉燃焼排ガスの一部を、前記酸素高炉の羽口用冷却ガスとして用いることを特徴とする銑鉄製造方法である。
本発明に係る銑鉄製造設備および銑鉄製造方法によれば、純酸素を用いる酸素高炉から排出される実質的に窒素を含まない酸素高炉ガスを用い、かつ、熱風炉においても空気を用いずに窒素を含まない酸素含有ガスを用いて酸素高炉ガスを燃焼させて熱風を生成することができるので、実質的に窒素を含まずほぼCOのみで構成される熱風炉燃焼排ガスを生成させることができるようになる。
そして、この熱風炉燃焼排ガスの一部を羽口用冷却ガスとして酸素高炉の羽口から吹きこむようにしたので、PSA等の大規模なCO分離設備を用いることなく多量のCOガスを羽口に吹き込めるようになり、かつ、上記熱風炉燃焼排ガスはほぼCOのみとなるため、高炉炉頂ガスを再循環させて羽口に吹込む場合と比べて少量の羽口冷却ガスで羽口先温度を適正に制御できるようになる。その結果、CO分離等の余剰な設備を追加することなく、かつ少量の羽口冷却ガスを吹き込めるだけの吹込み設備を設ければよいので、酸素高炉及び周辺設備の小型化が可能となる。
また、本発明の好適例では、熱風炉設備において、空気を用いずに熱風炉燃焼排ガスの一部を再循環して純酸素と混合して、実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとしたうえで、酸素高炉ガスと燃焼させるようにした。さらに、本発明の別の好適例では、水蒸気を純酸素と混合して、実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとしたうえで、酸素高炉ガスと燃焼させるようにした。
これにより、少量の熱風炉燃焼排ガスを羽口に吹込むだけで羽口先温度を適正値に制御できるようになった。さらに、熱風炉において、純酸素単体を用いず熱風炉燃焼排ガスの一部または水蒸気を混合させて希釈しているが、これにより、窒素レスの条件を保ったまま、純酸素燃焼にて生じる異常高温化した燃焼火炎の発生を抑止することが可能となり、熱風炉燃焼排ガスの羽口先冷却効果を保ちつつ、熱風炉内の耐火物損傷も抑止することが可能となる。さらには、本発明を用いれば、熱風炉燃焼排ガスのうち再循環されなかった分は系外に排出されることとなるが、実質的に窒素を含まずほぼCOのみで構成される熱風炉燃焼排ガスが生成されるので、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage、COの回収・貯留)やCCU(Carbon capture and utilization、CO利用)に適用でき、CO排出削減にも寄与することが可能である。
本発明の銑鉄製造設備の一例の構成を示す図である。 本発明の銑鉄製造設備の他の例の構成を示す図である。 本発明の銑鉄製造設備の酸素高炉に用いる羽口を高炉羽口用バーナーとともに示す概略図である。 本発明の銑鉄製造設備のさらに他の例の構成を示す図である。 比較例1の銑鉄製造設備の構成を示す図である。 比較例2の銑鉄製造設備の構成を示す図である。 比較例3の銑鉄製造設備の構成を示す図である。 比較例4の銑鉄製造設備の構成を示す図である。
図1は、本発明の銑鉄製造設備の一例の構成を示す図である。この図に示す構成において、1は酸素高炉、1’は熱風高炉、2は酸素高炉1の炉頂から発生する酸素高炉ガス(OBガス)と酸素含有ガス(ここでは酸素)とを用いて、併設された熱風高炉1’に吹き込むための熱風を生成する熱風炉、3は上記酸素高炉ガスを部分燃焼させて生成した予熱ガスを炉内に吹込むためのバーナー、4は酸素高炉1内に酸素などを吹込むために使用する羽口、4’は熱風高炉の羽口である。上述した構成の酸素高炉1の操業では、炉頂部から鉱石やコークスなどが装入されるとともに、酸素高炉下部の羽口4から酸素とともに微粉炭などが吹込まれる。なお熱風高炉からは熱風高炉ガス(Bガス)が発生する。図には記載を省略しているが、熱風高炉のBガスは通常の製鉄所と同様に製鉄所内で発電燃料などとして利用される。
図2は、本発明の銑鉄製造設備の他の例の構成を示す図である。図2に示す構成において、図1に示す例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す構成において、図1に示す構成に加えて、熱風炉2から発生する熱風炉燃焼排ガスの一部を、熱風炉2に供給する純酸素と混合する熱風炉燃焼排ガス再循環路5が設けられている。これにより、純酸素を希釈(例えば、酸素を20vol%程度)することが可能となる。
本発明の特徴は、図1および図2に示す銑鉄製造設備において、熱風炉2から発生する実質的に窒素を含まない熱風炉燃焼排ガスの一部を、酸素高炉1の羽口4から吹込まれる冷却ガスとして用いる点の構成にある。以下、本発明の銑鉄製造設備について、具体的に説明する。
一般的な高炉では、羽口にブローパイプと微粉炭等の吹込みランスが取り付けられるが、酸素高炉1は羽口4から熱風の代わりに純酸素を吹込むため、微粉炭の着火性が悪いという問題を抱えている。そこで、酸素高炉1では、微粉炭の着火を促進するために羽口4に酸素高炉羽口用バーナーが取り付けられる。
図3は、銑鉄製造設備の酸素高炉に用いる羽口を酸素高炉羽口用バーナーとともに示す概略図である。この図に示す構成において、11は羽口4に取付けられた酸素高炉羽口用バーナーである。酸素高炉羽口用バーナー11は、外部にガス漏れしないように、羽口4に押し付けて設置される。ここで、酸素高炉羽口用バーナー11は、中心管12−1、内環状管12−2および外環状管12−3からなる同軸多重管から構成されている。一例として、中心管12−1から冷却ガスを吹込み、内環状管12−2と中心管12−1との間の環状管路から微粉炭を吹込むとともに、外環状管12−3と内環状管12−2との間の環状管路から純酸素を吹込む。そして、羽口4の先の酸素高炉炉内に、純酸素と微粉炭とが反応するレースウェイ6を形成している。
上述した構成の酸素高炉羽口用バーナー11によりこれらガスや微粉炭が羽口4内にて強混合され、羽口4から出た直後に急速着火・急速燃焼させることが可能となる。また、酸素高炉では炉内ガス量が少なくなるので、炉上部における装入物の昇温が不十分となる問題がある。これを回避するために、酸素高炉1においては、酸素高炉ガス(OBガス)を1000℃程度となるようにバーナー3により部分燃焼させてから、高炉シャフト部に吹込む予熱ガス吹込みを用いている。
酸素高炉1では羽口4から空気を吹込まず酸素を吹込むようにしたので、炉内では窒素がほとんど発生しない。従って、酸素高炉1から排出される酸素高炉ガス(OBガス)は窒素レスとなる。すなわち、通常の熱風高炉の炉頂ガス組成は、窒素が50%、CO+Hが25%、CO+HOが25%程度であるのに対し、酸素高炉1ではCO+Hが50%、CO+HOが50%程度の組成である。よって、図1に示す溶銑製造設備のように、酸素高炉1の酸素高炉ガスを純酸素で燃焼させて、併設されている熱風高炉1’用の熱風炉2の運転に用いるようにすれば、熱風炉燃焼排ガスもまた窒素レスとなる。また、熱風炉燃焼排ガスを常温まで冷却すれば水蒸気は自然に分離できるので、結果として熱風炉2から排出される熱風炉燃焼排ガスは、COのみ、もしくは、熱風炉を酸素過剰にて運転した場合であれば、COと酸素のみ、を含み窒素を含まない熱風炉燃焼排ガスとなる。
なお、熱風炉においては、耐火物の耐熱制約があるため1100℃〜1500℃程度の温度にしなければならない。一方で、純酸素と酸素高炉から発生する酸素高炉ガスとを燃焼させると、3000℃を超える極めて高温の燃焼ガスが発生する場合があり、そのまま熱風炉に流し込むことができない場合がある。そこで、純酸素に他のガスを混合希釈して、火炎温度を下げる方法を用いることが好ましい。しかし、下記に示すように希釈ガス中に窒素が含まれることは好ましくない。そのため、図2に示す本発明の好適例では、窒素を含まない希釈ガスとして、熱風炉2自体の熱風炉燃焼排ガスを再循環して用いている。
ここで、酸素高炉ガスと窒素レスの酸素含有ガスを用いる熱風炉2から発生する熱風炉燃焼排ガスもまた窒素を含まないものになるため、この方法を用いた場合でも窒素はほとんど含まれず、実質的にCOのみで構成される熱風炉燃焼排ガスを生成させることができる。なお、ここで純酸素に熱風炉燃焼排ガスを混合する際、図2に示すように、熱風炉2の燃焼器前に純酸素と熱風炉燃焼排ガスを混合してもよいし、また、熱風炉燃焼排ガス自体は燃焼反応に寄与しないので、燃焼器にて酸素高炉ガスと純酸素を燃焼させたのちに熱風炉燃焼排ガスと混合してもよい。また、両者を併用してもよい。
また、酸素高炉1の羽口4に吹き込む羽口冷却材としては、高温の羽口先にて熱分解反応を起こす物質が好ましい。羽口先にはコークスが充填されており、たとえばCO、HOはコークスと反応して下記のような吸熱熱分解反応をおこすので、大きな冷却効果をも持つ。
C(coke)+CO=2CO−172.42kJ/mol
C(coke)+HO=CO+H−131.27kJ/mol
しかしながら、CO、H、Nガスは熱分解反応を起こさないので、羽口に吹き込んでも顕熱相当の小さな冷却効果しかない。よって、羽口に吹き込む羽口冷却材は、可能な限り熱分解をおこす物質、すなわちCOやHOの濃度が高いものが好ましい。上記に示す熱風炉燃焼排ガスは、窒素をほとんど含まずほぼCOのみで構成されているので、羽口冷却ガスとして適している。
なお、本発明において実質的に窒素を含まない酸素高炉ガス、実質的に窒素を含まない酸素含有ガス、実質的に窒素を含まない熱風炉燃焼排ガスとあるが、これらは羽口先に吹き込んだ際に羽口先の吸熱熱分解反応を妨げない程度に窒素を少なくしておけばよく、必ずしも窒素ゼロである必要はない。例えば、それぞれ窒素濃度10vol%以下、好ましくは3vol%以下となるように窒素濃度を制御しておけば、羽口から吹き込んだ熱風炉燃焼排ガスによって十分な羽口先の吸熱熱分解反応が起こり、本発明が成り立つ。
以下に示すように実施例1〜2および比較例1〜4を準備し、実施例1〜2と比較例1〜4とを比較した。なお、図2および図4に実施例1〜2、図5〜図8に比較例1〜4のそれぞれの銑鉄製造設備の構成を示したが、図4〜図8に示す例において、図1に示す例と同じ部材には同じ符号を付して、その説明を省略する。
<実施例1>
本発明に適合する第1の例としては、羽口4から酸素を吹き込む酸素高炉1において、図2に示すように、酸素高炉1の窒素をほとんど含まない酸素高炉ガスを熱風炉2に流しこむ例を基本とする。また、熱風炉2では、酸素と熱風炉燃焼排ガスを混合させた酸素含有ガスを生成し、熱風炉2内部にて上記酸素高炉ガスと混合して燃焼させる。熱風炉2の熱風炉燃焼排ガスはほぼCOのみであり、その熱風炉燃焼排ガスを酸素高炉1の羽口4に送ると共に、羽口4からは酸素ガスを微粉炭とともに吹込んだ。
<実施例2>
本発明に適合する第2の例としては、酸素高炉1の窒素をほとんど含まない酸素高炉ガスを熱風炉2に流し込み、熱風炉2では、酸素と水蒸気を混合させた酸素含有ガスを生成し、熱風炉2内部にて上記酸素高炉ガスと混合して燃焼させる。熱風炉2に吹き込んだ水蒸気は排ガス冷却の際に自然に液化分離されるので、熱風炉燃焼排ガスはほぼCOのみであり、その熱風炉燃焼排ガスを酸素高炉1の羽口4に送ると共に、羽口4からは酸素ガスを微粉炭とともに吹込んだ。
<比較例1>
特許文献1に開示のものであり、図5に示すように、酸素高炉ガス(OBガス)からPSAを用いてCO分離設備21によりCO分離を行い、分離したCOを冷却ガスとして羽口4から吹込み、酸素高炉1の操業を行った。
<比較例2>
同じく特許文献1に示されていた例であり、図6に示すように、羽口4から水蒸気を冷却ガスとして吹込み、酸素高炉1の操業を行った。
<比較例3>
特許文献2に示されていた例であり、図7に示すように、羽口4から酸素高炉ガスを循環して冷却ガスとして吹込み、酸素高炉1の操業を行った。
<比較例4>
熱風炉の酸素含有ガスとして、図8に示すように、純酸素ではなく空気を用いる例であり、酸素高炉1の炉頂から発生する酸素高炉ガス(OBガス)と空気とを熱風炉2のボイラーにて燃焼させ、熱風炉2において発生した熱風炉燃焼排ガスを羽口4から冷却ガスとして吹込み、酸素高炉1の操業を行った。
まず、上述した本発明に適合する実施例1〜2と比較例1〜4とを比較するに当たり、酸素高炉の諸元は統一した。すなわち、出銑量10000t/day、羽口数40、コークス比375kg/t、微粉炭比200kg/tとなるようにした。また、予熱ガス吹込みとして、高炉ガスを1000℃となるように純酸素で部分燃焼させ、高炉シャフト部から135000Nm/hで吹き込むようにした。さらに、各種羽口冷却材(冷却ガス)は、羽口先温度が2400℃となるような量を吹き込むようにした。
実施例1〜2および比較例1〜4を比較した結果を以下の表1に示す。
Figure 2020020012
表1に示す結果からわかるように、実施例1〜2においては、温調ガス(冷却ガス)として熱風炉燃焼排ガス(窒素レス)を各羽口に781Nm/h吹き込むことで羽口先温度を2400℃に制御でき、また、特段の付帯設備もなく実施できることが確認できた。
一方、CO分離を用いる比較例1においては、温調ガスとしてのCOガスの流量は実施例と同一となり、比較的少量の温調ガスで羽口先温度を制御できた。しかし、比較例1では、多量のCOを酸素高炉ガスから生成しなければならないため、大規模なPSAによるCO分離設備が必要となるため、付帯設備過大という点で好ましくないことが確認できた。
また、羽口から水蒸気を吹き込む比較例2においては、温調ガスとしての水蒸気の流量は906Nm/hであり若干実施例より増大するが、比較的小流量の水蒸気で済む利点があることが確認できた。しかし、この比較例2では、水蒸気は羽口表面でドレーン化してしまう問題が起こったため、羽口先温度の制御性の観点で問題があることがわかった。
さらに、酸素高炉ガスを再循環して羽口から吹き込む比較例3では、特段の付帯設備もなく実施可能な形態であることが確認できた。しかし、この比較例3では、酸素高炉ガスは約半分がCO、残り半分がCOとなっているため、吸熱熱分解をおこすCOの濃度が低い。結果として、酸素高炉ガスの吹き込み量が1260Nm/hにもなってしまうため、羽口周りの吹込み設備が巨大となり、羽口周りのレイアウト上実施困難であることがわかった。
さらにまた、熱風炉の酸素含有ガスとして、純酸素ではなく空気を用いた場合の比較例4では、熱布炉排ガスの半分以上が窒素となってしまったため、吸熱熱分解をおこすCOの濃度が低下した。結果として、比較例3と同様に、羽口に吹込む熱風炉燃焼排ガスの流量が巨大になってしまう問題が起こることがわかった。
以上の結果から、本発明の実施例1〜2の方法は、比較例1〜4の各方法に比べて欠点がなく有意な操業ができることが確認できた。
本発明の銑鉄製造設備によれば、実質的に窒素を含まずほぼCOのみで構成される熱風炉燃焼排ガスが生成されるので、羽口から純酸素及び還元材、冷却ガスが吹込まれ、炉頂から実質的に窒素を含まない酸素高炉ガスを発生せしめる酸素高炉と、前記酸素高炉の炉頂から発生する酸素高炉ガスと実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとを用いて、併設された熱風高炉への熱風を生成する熱風炉とからなる銑鉄製造設備だけでなく、併設された熱風高炉への熱風を生成する熱風炉とからなる銑鉄製造設備だけでなく、を用いて運転される炉とからなる銑鉄製造設備だけでなく、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage、COの回収・貯留)やCCU(Carbon capture and utilization、CO利用)にも適用でき、CO排出削減にも寄与することが可能である。
1 酸素高炉
1’ 熱風高炉
2 熱風炉
3 バーナー
4 羽口
4’ 熱風高炉の羽口
5 熱風炉燃焼排ガス再循環路
6 レースウェイ
11 高炉羽口用バーナー
12−1 中心管
12−2 内環状管
12−3 外環状管
21 CO分離設備

Claims (5)

  1. 酸素高炉と熱風高炉とを使用する銑鉄製造設備であって、羽口から純酸素及び還元材、羽口用冷却ガスを吹込み、炉頂からは実質的に窒素を含まない酸素高炉ガスを発生する酸素高炉と、該酸素高炉ガスと実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとを燃焼して熱風炉燃焼排ガスを生成する際に発生する熱により空気を昇熱し、前記熱風高炉へ供給する熱風炉とからなり、該熱風炉燃焼排ガスの一部が、前記酸素高炉の羽口用冷却ガスとなるように構成したことを特徴とする銑鉄製造設備。
  2. 請求項1に記載の銑鉄製造設備であって、前記実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとして、純酸素ガスを用いることを特徴とする銑鉄製造設備。
  3. 請求項1に記載の銑鉄製造設備であって、前記実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとして、純酸素に前記熱風炉燃焼排ガスを混合したガスを用いることを特徴とする銑鉄製造設備。
  4. 請求項1に記載の銑鉄製造設備であって、前記実質的に窒素を含まない酸素含有ガスとして、純酸素に水蒸気を混合したガスを用いることを特徴とする銑鉄製造設備。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の銑鉄製造設備を用いた銑鉄製造方法において、
    前記熱風炉で発生する実質的に窒素を含まない熱風炉燃焼排ガスの一部を、前記酸素高炉の羽口用冷却ガスとして用いることを特徴とする銑鉄製造方法。
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