以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図87を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3〜5はパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域に設けられた普電入賞装置640の構造を模式的に示した模式図であり、図6〜図9はパチンコ機10の遊技盤13の正面視左上領域に設けられた特殊可変入賞装置65の構造を模式的に示した模式図であり、図10はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や球が入球可能な入球口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット112a(図21参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。尚、遊技盤13に設けられた多数の入球口の内容については、図2を参照して後述する。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図21参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、特図入球口64、640、可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入球口63、特図入球口64、普電入賞装置640、V入賞装置65、可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図9参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
返しゴム69の左上側には第1図柄表示装置37が設けられている。この第1図柄表示装置37は、透明の樹脂(例えば、ABS)にて形成されている遊技盤13の裏面(遊技領域を形成する面とは反対側の面)に覆われるように配設されており、発射された球が第1図柄表示装置37に衝突しないように構成している。
この第1図柄表示装置37には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図21参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、球が、特図入球口64へ入球(入賞)した場合に、第1図柄表示装置37が作動するように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37は、特図入球口64に球が入球した場合に実行される抽選(特図抽選)の抽選結果を示すための表示手段である。なお、本実施形態では、特別図柄の種別が1種類のパチンコ機10を用いているため、第1図柄表示装置37にて1種類の特図抽選の結果が表示されるが、例えば、特別図柄の種別を2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)有するパチンコ機10であれば、第1図柄表示装置37に各特別図柄の種別に応じた表示領域を設ければ良い。
また、第1図柄表示装置37は、LEDにより、パチンコ機10の遊技状態(例えば、通常状態、時短状態等)の何れであるかを点灯状態により示したり、特別図柄(第1図柄)が変動中(抽選結果を示すための図柄の組み合わせを停止表示させるための動的表示中)であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が遊技者に有利な大当たりに対応した図柄か不利な大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。また、特別図柄の変動を一時的に停止(中断)させている状態であることも点灯状態にて示すことが可能に構成している。複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、本実施形態では、発光手段(7セグメント表示装置)の発光色の組み合わせにより各種遊技状態を報知するように構成しているが、遊技者が各種遊技状態を識別可能な構成であれば良く、例えば、発光手段が点灯している期間と消灯している期間との長さ(点滅態様)を可変させることにより各種遊技状態を報知するように構成しても良い。
尚、本パチンコ機10では、特図入球口64へ入球(入賞)があったことを契機として抽選(特別図柄の抽選)が行われる。そして、その特別図柄の抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行う。ここで、大当たりに当選したと判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技状態となる大当たり遊技が実行される。
大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置650の特定入賞口650aに球を容易に入賞させることが可能な開放状態となり、特定入賞口650aに球を入賞させることで多くの賞球を短期間で獲得可能な遊技が実行される。この大当たり遊技は、特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に(場合に)実行されるものであり、所定時間(例えば1秒)のオープニング期間(可変入賞装置650の特定入賞口650aに球を入球させ難い閉鎖状態が設定される期間)と、開放状態が設定されるラウンド遊技期間と、1のラウンド遊技期間が終了した後に、次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(例えば、0.5秒)、閉鎖状態が設定されるインターバル期間と、最後のラウンド遊技期間が終了した後に、所定期間(例えば、2秒)の閉鎖状態が設定されるエンディング期間と、からなる大当たり遊技期間が設定される。
このように、大当たり当選を示す特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に、オープニング期間が設定することにより、大当たり遊技中において特定入賞口650aが開放状態となるタイミングに合わせて球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、大当たり遊技を円滑に行わせることができる。また、このオープニング期間を、今回の大当たり遊技の遊技内容を遊技者に報知する期間として用いることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、最後のラウンド遊技が終了した直後から、新たな特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができるため、大当たり遊技の終了後に実行される遊技に向けて、球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
なお、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の各期間(オープニング期間、ラウンド期間、エンディング期間)の長さについては、大当たり当選した時点における遊技状態や、当選した大当たりの種別に応じて異なる長さを設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容として、大当たり当選時の遊技内容とは異なる遊技内容が設定される大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技のエンディング期間(例えば、10秒)が、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも長くなるように設定しておき、そのエンディング期間中に遊技者に対して大当たり遊技終了後に実行される遊技内容を事前に案内する演出を実行可能に構成すると良い。これにより、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
一方、大当たり当選時の遊技内容と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容とが同一となる大当たりに当選した場合には、その大当たりのエンディング期間(例えば、1秒)を、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも短くなるように設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して効率良く遊技を行わせることができる。
また、大当たり当選時の遊技内容と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容とを実際に判別する構成を用いること無く、例えば、当選した大当たりの種別と、大当たり当選した時点における遊技状態とに基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予め規定しておき、その規定内容に応じて、各大当たり遊技のエンディング期間を予め設定しておけば良い。
具体的な説明は後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)である場合に遊技者に実行させる遊技と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合に遊技者に実行させる遊技と、を異ならせるように構成し、通常状態中に実行させる遊技よりも、時短状態中に実行させる遊技のほうが遊技者に有利となる(大当たり遊技が実行され易くなる)ように構成している。
つまり、通常状態が設定されている状態で大当たり当選し、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される大当たり遊技のエンディング期間のほうが、既に時短状態が設定されている状態で大当たり当選し、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に再度時短状態が設定される大当たり遊技のエンディング期間よりも長くなるように大当たり遊技の内容(動作シナリオ)を規定しておけば良い。これにより、予め規定された内容に従って大当たり遊技を実行するだけで、遊技者に適した期間のエンディング期間を設定することができる。
なお、当選した大当たりの種別や、大当たり当選時の遊技状態に応じてエンディング期間以外の期間を異ならせるように予め規定しても良く、オープニング期間や、インターバル期間を異ならせても良い。また、当選した大当たりの種別が同一であっても、大当たり当選時の遊技状態に応じて大当たり遊技中の各期間の長さを異ならせるように構成しても良い。これにより、遊技者に対して、どの大当たり種別で大当たり当選したか(特別図柄の抽選結果)だけでは無く、大当たり当選時の遊技状態についても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、大当たり抽選において大当たり当選した場合は、その大当たり種別の判定も行う。詳細な説明は後述するが、判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が4ラウンドで大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が付与される4R時短大当たりとして、時短状態の継続期間を異ならせた大当たり種別(時短状態が設定された後、大当たり当選することなく特別図柄の抽選が4回実行されるまで時短状態が継続する時短大当たり(時短回数4回)と、大当たり当選することなく特別図柄の抽選が15回実行されるまで時短状態が継続する時短大当たり(時短回数15回))が用意されている。
なお、本実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選しなかった場合は外れと判定され、遊技者に特典が付与されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置65を開放させる特典)小当たり遊技が実行されるように構成しても良い。第1図柄表示装置37には、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
本実施形態では、遊技状態として、「通常状態」、「時短状態」の何れかが設定されるように構成している。通常状態は、特別図柄の大当たり確率が低確率(1/100)に設定され、普通図柄の当たり確率が低確率(1/1000)に設定される遊技状態(以下、特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態と称す)であり、時短状態は、特別図柄の大当たり確率が低確率(1/100)に設定され、普通図柄の当たり確率が高確率(300/1000)に設定される遊技状態(以下、特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態と称す)である。
ここで、「4R大当たり(時短4回)」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり遊技(可変入賞装置650を4ラウンド分開放させる大当たり遊技)の後に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へ移行させることが可能な大当たりのことであって、大当たり遊技終了後に時短回数が4回の時短状態が設定される。
「4R大当たり(時短15回)」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり遊技(可変入賞装置650を4ラウンド分開放させる大当たり遊技)の後に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へ移行させることが可能な大当たりのことであって、大当たり遊技終了後に時短回数が15回の時短状態が設定される。
本実施形態では、時短状態が設定された後、所定の終了条件(時短終了条件)が成立した場合に、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行するように構成しており、上述した時短回数とは、時短終了条件を示すものである。つまり、時短回数4回とは、時短状態が設定されてから大当たりに当選すること無く、特別図柄の抽選が4回実行された(4回目の特別図柄変動が停止表示した)場合に時短終了条件が成立し、時短回数15回とは、時短状態が設定されてから大当たりに当選すること無く、特別図柄の抽選が15回実行された(15回目の特別図柄変動が停止表示した)場合に時短終了条件が成立するように規定されている。
即ち、「4R大当たり(時短4回)」のほうが、「4R大当たり(時短15回)」よりも、成立し易い時短終了条件が規定されている大当たり種別となるため、「4R大当たり(時短4回)」よりも、「4R大当たり(時短15回)」のほうが、時短状態が継続し易い大当たり種別となり、遊技者に有利となる大当たり種別となる。
なお、本実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中の特別図柄抽選の回数に関する条件(時短回数)を規定しているが、時短終了条件としてそれ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が大当たり以外であって、特定の抽選結果(特定の外れ)である回数が所定回数(例えば、3回)に到達した場合に成立する時短終了条件や、時短状態が設定されてからの経過時間が所定時間(例えば、100秒)経過した場合に成立する時短終了条件や、時短状態中に球が特定の入球口(例えば、一般入球口63a)に入球した個数が所定個数(例えば、5個)に到達した場合に成立する終了条件を設定しても良い。
図2に戻り説明を続ける。遊技盤13の表面に形成される遊技領域の左下方側には、球が入球することにより10個の球が賞球として払い出される複数の左一般入球口63aが配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、特図入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして普通図柄(第2図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図21参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示(動的表示)されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図21参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、普電入賞装置640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態(開放状態)となる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるよう構成している。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、普図抽選の結果、及び、普通図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に関わらず常に一定(3秒)となるように構成されている。このように構成することで、例えば、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)に普図当たり遊技が実行され難くするために、普通図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)が時短状態中よりも通常状態中のほうが長くなるように構成したパチンコ機10において、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、普図当たり遊技が実行され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が移行する場合に、通常状態中に実行された長時間の普通図柄変動(時短状態中よりも遊技者に不利となる普図当たり遊技)の実行中に時短状態へと移行してしまい、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない期間が長時間設定されてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、通常状態と時短状態とで、普通図柄の変動時間を可変させること無く、実行される普図当たり遊技の遊技内容(電動役物640aの開放パターン)を異ならせるように構成している。具体的には、通常状態中に実行される普図当たり遊技よりも、時短状態中に実行される普図当たり遊技のほうが、遊技者に有利な普図当たり遊技、即ち、球が、特電作動口643に入賞し易くなるように構成している。具体的には、通常状態が設定されている場合は、4.1秒間のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)を経て、0.1秒の開放期間が設定される普図当たり遊技(通常普図当たり遊技)が実行され、時短状態が設定されている場合は、0.1秒のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)を経て、3秒の開放期間が設定される普図当たり遊技(時短普図当たり遊技)が実行される。
このように、普通図柄の確率状態に応じて、電動役物640aが開放状態となる期間を異ならせた普図当たり遊技を実行することにより、通常状態(普通図柄の低確率状態)よりも時短状態(普通図柄の高確率状態)のほうが普図当たり遊技中に普電入賞装置640内に球を入賞させ易くすることができる。
さらに、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、通常状態と、時短状態とで普図当たり遊技中に普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643へと入球する割合を異ならせるように構成している。具体的には、通常状態中に実行される通常普図当たり遊技中に普電入賞装置640に入賞した球よりも、時短普図当たり遊技中に普電入賞装置640に入賞した球のほうが、特電作動口643に入球し易くなるように構成している。このように構成することで、通常状態が設定されている場合は、球を普電入賞装置640に入賞させ難く、且つ、たとえ普電入賞装置640に入賞した場合であっても特電作動口643へと入球し難くし、時短状態が設定されている場合は、球を普電入賞装置640に入賞させ易く、且つ、普電入賞装置640に入賞した場合に特電作動口643へと球を入球させ易くすることができる。
つまり、本実施形態では、発射された球が特電作動口643へと入球するまでの複数の過程において、特電作動口643への球の入球を許容する状態と、規制する状態とを設定される遊技状態に応じて可変しているため、特電作動口643への球の入球のし易さを、設定される遊技状態に応じて確実に異ならせることができる。
図2を参照して上述した通り、本実施形態では、通常状態が設定されている遊技状態中も、時短状態が設定されている遊技状態中も、遊技者に有利となる遊技方法が同一(左打ち遊技)となるように構成している。このように構成されたパチンコ機10では、通常状態中にも普通図柄の抽選契機が成立し(スルーゲート67への球通過が発生し)、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄抽選の結果、当たり当選した場合には、左打ち遊技によって発射された球が到達可能な遊技領域に設けられた電動役物640aが開放制御されるため、時短普図当たり遊技よりも普電入賞装置640内に球を入賞させ難い通常普図当たり遊技の実行中において、球が普電入賞装置640に入賞してしまう虞があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10は、通常状態中に実行される普図当たり遊技中に球が普電入賞装置640に入賞したとしても、その入賞球が特電作動口643へと入球し難くなるように構成している。このように構成することで、通常状態(普通図柄の低確率状態)と、時短状態(普通図柄の高確率状態)と、で同一の遊技方法で遊技を実行する構成を有するパチンコ機10において、通常状態中に普電入賞装置640に球が入球してしまったとしても、その球が特電作動口643へと入球してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、通常状態(普通図柄の低確率状態)と、時短状態(普通図柄の高確率状態)とで、普通図柄の変動パターンとして同一の変動時間(3秒)が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技状態が普通図柄の低確率状態(通常状態)の場合と、普通図柄の高確率状態(時短状態)の場合とで、普通図柄の高確率状態(時短状態)の方が普通図柄の変動時間が短くなるように構成しても良い。また、普通図柄の高確率状態中(普図高確中)において、普通図柄の当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法を用いて普通図柄の高確率状態を、普通図柄の低確率状態よりも普電入賞装置640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、普図高確中において通常状態よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤13の左側領域を流下する球の殆ど(約100%)が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。この第2図柄の当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大1回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84において表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の1つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は1回に限定されるものでなく、2回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の右方でも良い。また、本実施形態では、左打ち遊技によって遊技盤13の左側領域を流下する球の殆どがスルーゲート67を通過するように構成しているが、これに限ること無く、一部の球のみがスルーゲート67を通過するように構成しても良い。
次に、普通図柄抽選で当たり当選した場合に開放状態となる普電入賞装置640の構成について説明をする。普電入賞装置640は、図2に示した通り、可変表示装置ユニット80の下方に設けられており、その内部へと球を入賞可能にする開放状態と、その開放状態よりも入賞し難い閉鎖状態とに可変可能な電動役物640aが、遊技盤13上に形成された遊技領域のうち左側領域(可変表示装置ユニット80よりも正面視左側の領域)を流下する球が到達する箇所に電動役物640aが付設されている。本実施形態では、左打ち遊技によって発射された球が、約3球の1球の割合で普電入賞装置640へと到達(電動役物640aが開放状態であれば普電入賞装置640へと入賞可能な位置に到達)するように構成している。
電動役物640aは、通常、閉鎖状態を維持しているものであり、普通図柄抽選で当たり当選した場合に、電動役物640aが予め定められた可変パターンで所定期間開放状態へと可変動作される普図当たり遊技が実行される。つまり、本実施形態では、普通図柄抽選によって当たり当選し普図当たり遊技が実行させることにより、普電入賞装置640に球が入賞し易い状態を遊技者に提供可能に構成している。
以上、説明をした通り、本実施形態では、継続して左打ち遊技を実行することにより、普通図柄の抽選契機を成立可能にし(スルーゲート67へと球を通過可能にし)、且つ、普通図柄の抽選で当たり当選した場合に開放状態となる普電入賞装置640内に球を入賞させることが可能となるように構成している。さらに、左打ち遊技によって、特別図柄の抽選契機も成立させることができるように構成している。加えて、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技によって可変動作される可変入賞装置650も左打ち遊技によって発射された球が入賞可能となる位置に配設されている。
このように構成することで、遊技状態に関わらず、常に同一の遊技方法(左打ち遊技)で遊技者に遊技を行わせることができるため、遊技者に対して遊技方法を変更させる煩わしさを与えることが無く、スムーズに遊技を行わせることができる。
ここで、図3から図5を参照して、普電入賞装置640の構成および普電入賞装置640内に入賞した球の流れについて詳細に説明をする。図3は、普電入賞装置640の内部構成を模式的に示した模式図であって、図4は、普電入賞装置640内に入賞した球がアウト口644へ流入する流れを示した模式図であって、図5は、普電入賞装置640内に入賞した球が特電作動口643に入球する流れを示した模式図である。
本実施形態では、スルーゲート67を球が通過したことを契機に普通図柄の抽選が実行され、普通図柄の抽選で当たりに当選した場合に、電動役物640aを所定の可変パターンで開放動作させる普図当たり遊技が実行される。そして、この普図当たり遊技にて電動役物640aが開放状態へと可変すると、球が普電入賞装置640内へと入賞し得る状態となる。
図3に示した通り、普電入賞装置640内には第2可動弁642が設けられている。この第2可動弁642は、普図当たり遊技の実行を契機に、普電入賞装置640内に流入し第1流路641aを流下した球を、特電作動口643へと連通する第2流路641bへと誘導可能な第1状態と、アウト口644へと連通する第3流路641cへと誘導可能な第2状態とに所定の可変パターンで可変するように構成されている。また、普電入賞装置640に入賞した球は、球検知センサ640sにより検知され、1回の普図当たり遊技における普電入賞装置640への球の入賞数を計測可能に構成している。詳細な説明は省略するが、本実施形態では、1回の普図当たり遊技にて普電入賞装置640へと入賞した球数が所定個数(例えば10個)に到達した場合には、その時点で普図当たり遊技が終了するように構成している。なお、本実施形態では、球が特電作動口643へと入賞した場合に賞球(4個)が払い出され、アウト口644に入球した場合には賞球が払い出されないように構成している。
この普電入賞装置640は、遊技者が普電入賞装置640内の球流れを視認できるように透過性を有するアクリル樹脂でカバー体が形成されており、そのカバー体が遊技盤13に取り付けられている。よって、普電入賞装置640内の球流れを遊技者に視認させることができるため、普電入賞装置640に入賞した球の挙動を遊技者に楽しませることができる。
普電入賞装置640に設けられた電動役物640aは、第2隔壁640k2の上端部側を回動の基部として設けられており、球が普電入賞装置640へと入賞し難い閉鎖状態(図3参照)と、その閉鎖状態よりも球が普電入賞装置640へと入賞し易い開放状態(図4参照)と、に可変可能に構成されている。図3に示した通り、閉鎖状態中の電動役物640aは、普電入賞装置640内に収納されるように構成されており、具体的には、第2隔壁640k2の垂直線上よりも左側(図3の視点で左側)に第1隔壁640k1の先端部が突出するように構成されており、その第1隔壁640k1の先端部の下方位置に閉鎖状態の電動役物640aが収まるように構成している。このように構成することで、閉鎖状態の電動役物640aが、左打ち遊技によって発射された球と接触し難くすることができるため、電動役物640aが破損する事態を発生させ難くすることができる。
詳細な説明は後述するが、本実施形態では普図当たり遊技が実行される時点にて設定されている遊技状態に応じて、普電入賞装置640内に入賞した球が特電作動口643に入賞する確率(入賞のし易さ)を異ならせるように構成している。具体的には、普図当たり遊技が実行されてから電動役物640aが所定の開放パターンで開放制御されるまでの期間(普図当たりオープニング期間)を異ならせることにより、通常状態中に実行される普図当たり遊技にて普電入賞装置640内に入賞した球が、時短状態中に実行される普図当たり遊技にて普電入賞装置640内に入賞した球よりも、特電作動口643に入賞し難くなるように構成している。
このように構成することで、通常状態中も時短状態中も同一の遊技方法(左打ち遊技)で遊技を行わせる本実施形態のパチンコ機10において、通常状態中に特電作動口643へ球が入賞することを抑制することができる。さらに、本実施形態では、通常状態中に実行される普図当たり遊技のほうが、時短状態中に実行される普図当たり遊技よりも球が普電入賞装置640内に入賞し難い普図当たり遊技が実行されるように構成している。この構成によっても、通常状態中に特電作動口643へ球が入賞することを抑制することができる。つまり、本実施形態では、通常状態中は時短状態中よりも普電入賞装置640内に球を入賞させ難くする対策に加え、通常状態中に普電入賞装置640内に球が入賞した場合には、時短状態中に普電入賞装置640内に球が入賞した場合よりも特電作動口643に球が入賞し難くする対策を有している。このように、通常状態中における特電作動口643への球の入賞を抑制する構成を複数段階で設けることにより、より確実に抑制することができる。
次に、図4を参照して、通常状態が設定されている場合に実行される普図当たり遊技にて球が普電入賞装置640内に入賞した際の球流れについて説明をする。図4は、通常状態中における普図当たり遊技にて普電入賞装置640に入賞した球の流れを示した模式図である。本実施形態では、遊技者に遊技方法を変更させる煩わしさを与えないようにするために、常時左打ち遊技で遊技が実行可能となるように構成している。よって、普通図柄の低確率状態である通常状態中においても、普通図柄の抽選契機が成立し(スルーゲート67へと球が通過し)、普図当たり遊技が実行された場合に普電入賞装置640内に球が入賞する虞があった。
即ち、通常状態(普通図柄の低確率状態)は、普電入賞装置640内に球を入賞させ易い時短状態(普通図柄の高確率状態)に比べて、普電入賞装置640内に球を入賞させ難い遊技状態ではあるが、本実施形態では、通常状態と時短状態とで同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行されるため、低確率ではあるが、通常状態中に普電入賞装置640内に球が入賞してしまう可能性があった。
上述した通り、普電入賞装置640内には、V入賞装置65を開放動作させる当たり遊技(役物当たり遊技)の実行契機となる特電作動口643が設けられており、通常状態中に球が特電作動口643へ入球し、役物当たり遊技が実行されてしまうと、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して過剰に有利な遊技を提供してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、通常状態中に普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643に入球する割合と、時短状態中に普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643に入球する割合と、を異ならせるように構成している。具体的には、通常状態で普図当たり遊技が実行される場合は、時短状態で普図当たり遊技が実行される場合よりも、普図当たり遊技が開始されてから電動役物640aが開放状態となる(最初に開放状態となる)までの期間を長く設定し、普図当たり遊技の開始に基づいて可動する第2可動弁642が第2状態(普電入賞装置640に入賞した球をアウト口644へと誘導可能な状態)を維持するタイミングでのみ球が普電入賞装置640に入賞し得るように構成している。
つまり、図4に示した通り、通常状態中に実行される普図当たり遊技中に普電入賞装置640へと球が入賞すると、球の流下期間が約0.5秒に設計された第1流路641aを球が流下し、第2状態に位置する第2可動弁642によって第3流路641cへと誘導され、アウト口644に入球することになる(第2可動弁642に到達してからアウト口644へと入球するまでの期間が約0.3秒に設計)。このように構成することで、たとえ、通常状態中に普電入賞装置640に球が入賞したとしても、特電作動口643に球が入球することを抑制することができるため、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
また、通常状態中に球が特電作動口643に入球することを抑制するために、通常状態中に実行される普図当たり遊技によって球が普電入賞装置640に入賞しないようにするための特殊な構成を用いる必要が無いため、遊技盤13の設計自由度を高めることができる。
さらに、詳細な説明は後述するが、通常状態中に実行される普図当たり遊技では、第2可動弁642を第2状態へと可変させるタイミング(普図当たり遊技開始時)が、電動役物640aが開放状態となるタイミング(普図当たり遊技開始から4.1秒後)よりも早く、例え、第2可動弁642が第1状態に位置している状態で普図当たり遊技が開始されたとしても、第2可動弁642が可変動作している際中に球が第2可動弁642に到達することが無いように構成している。このように構成することで、可変動作中の第2可動弁642と普電入賞装置640に入賞した球とが接触してしまい、普電入賞装置640内で球詰まりが発生してしまう事態や、第2可動弁642が故障してしまう事態を防止することができる。
なお、本実施形態では、普電入賞装置640内に設けられた特電作動口643に球が入球した場合には、賞球として4個の球が払い出され、アウト口644に球が入球した場合には、賞球が払い出されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、アウト口644に球が入球した場合には、特電作動口643に球が入球した場合よりも多くの数の賞球(例えば、10個)が払い出されるように構成しても良い。このように構成することで、普通図柄の抽選に基づいて遊技者に付与される特典を遊技状態に応じて可変させることが可能となる。具体的には、通常状態が設定されている状態では、遊技者に対して時短状態よりも多くの賞球を特典として付与し、時短状態が設定されている状態では、遊技者に対して、通常状態よりも少ない賞球に加え、通常状態では付与されない(され難い)役物当たり遊技を特典として付与することができる。よって、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、普通図柄の抽選結果に対して遊技者に興味を持たせることができる。
また、特電作動口643に球が入球した場合と、アウト口644に球が入球した場合と、で同一数の賞球(4個)を払い出すように構成しても良く、この場合、普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643に入球したのか、アウト口644に入球したのかを分かり難くするように構成すると良い。これにより、払い出された賞球の数によって何れの入球口(特電作動口643、アウト口644)に球が入球したのかを遊技者が把握できないため、遊技者に対して普電入賞装置640に球を入賞させた後、V入賞装置65を開放動作させる当たり遊技(役物当たり遊技)が実行されるか否かが抽選で決定されているように思わせる演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。さらに、この場合、球検知センサ640sが球を検知した場合に、賞球(4個)を払い出すように構成すると良い、これにより、遊技者に対して普電入賞装置640への球の入賞に基づいて遊技者に付与される賞球をいち早く払い出すことができる。
図4に示した通り、電動役物640aが開放状態へと位置した場合は、第1隔壁640k1の先端側と電動役物640aとが略並行となりその間に球流路が形成される。よって、開放状態へと位置した電動役物640aが球を受け止めた際に、その衝撃で球が普電入賞装置640外に跳ね返ってしまうことを抑制することができる。
次に、図5を参照して、時短状態が設定されている場合に実行される普図当たり遊技にて球が普電入賞装置640内に入賞した際の球流れについて説明をする。図5は、時短状態中における普図当たり遊技にて普電入賞装置640に入賞した球の流れを示した模式図である。図5に示した通り、時短状態中に普図当たり遊技が実行された場合は、通常状態中に実行される普図当たり遊技よりも、普図当たり遊技が開始されてから電動役物640aが開放状態(最初に開放状態)となるまでの期間が短く設定されているため、第2可動弁642が第1状態(普電入賞装置640に入賞した球を特電作動口643へと誘導可能な状態)を維持しているタイミングで電動役物640aが開放状態となる。
よって、普電入賞装置640に入賞した球が第1流路641aを流下し、第2可動弁642へと到達した場合には(普電入賞装置640に球が入賞してから0.5秒には)、第2可動弁642が第1状態に位置しているため、第1流路641aと連通する第2流路641bを流下し(流下期間は約0.2秒に設計)、特電作動口643に入球する。そして、特電作動口643への球の入球を図示しない検知手段(近接センサ)が検知することに基づいてV入賞装置65を開放動作させる役物当たり遊技が開始される。
図5に示した通り、第2可動弁642が第1状態に位置した場合には、第1流路641aを流下(図5の視点で垂直下方向に流下)する球が第2可動弁642と接触し難くなる位置まで、第2可動弁642が可変するように構成している。これにより、球と第2可動弁642とが頻繁に接触してしまい第2可動弁642が故障してしまうことを抑制することができる。なお、詳細な説明は後述するが、時短状態中に普図当たり遊技が実行される場合には、普図当たり遊技が開始されてから0.1秒後に電動役物640aが開放状態となり、普電入賞装置640に球が入賞可能な状態となる。よって、普図当たり遊技が実行されてから第2可動弁642の位置に球を到達させるまでの最短期間は、0.6秒(普図当たり遊技が開始してから電動役物640aが開放状態となるまでの0.1秒と、普電入賞装置640に入賞した球が第2可動弁642に到達するまでの0.5秒とを、合算した値)となる。
第2可動642は、普図当たり遊技が開始されると同時に可変動作し、その可変動作期間(第1状態から第2状態(第2状態から第1状態)へと可変させるために要する期間)が0.1秒となるように構成している。また、普図当たり遊技にて電動役物640aが閉鎖状態となってから1秒後に第2可動弁642を可変動作させるように構成しているため、電動役物640aが閉鎖状態へと可変される直前に普電入賞装置640に入賞した球が第2可動弁642に到達するまでの期間(0.5秒)の倍の期間(1秒)が経過した場合に第2可動弁642を可変動作するように構成している。よって、時短状態中に実行される普図当たり遊技においても、可変動作中の第2可動弁642と球とが接触し難くすることができる。
図2に戻り説明を続ける。可変表示装置ユニット80の左方(図2の視点で左方)には、左打ち遊技によって発射され左側領域を流下する球が入賞し得るようにV入賞装置65が設けられている。ここで、図6から図9を参照して、V入賞装置65の具体的な構成、及び、V入賞装置65内に入賞した球の流れについて説明をする。本実施形態では、普電入賞装置640内に設けられた特電作動口643に球が入球したことを契機に、V入賞装置65を開放動作させる役物当たり遊技が実行されるように構成している。そして、V入賞装置65内に設けられたV入賞口165に球が入賞することで大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されるように構成している。
つまり、本実施形態では、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に成立する大当たり遊技(特図大当たり遊技)の実行契機に加え、特定の入賞口(V入賞口165)に球が入賞した場合に成立する大当たり遊技(V大当たり遊技)の実行契機を有している。このように、大当たり遊技を実行させるための契機を複数設けることにより、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
まず、図6を参照して、V入賞装置65の構成について説明をする。V入賞装置65には、V入賞装置65内に球が入賞し易い開放状態と、その開放状態よりも球が入賞し難い閉鎖状態とに可変可能な開閉扉65aが設けられている。この開閉扉65aは、遊技盤13の左側領域を流下する球が到達し得る位置(図2参照)に設けられており、役物当たり遊技が実行される場合に開放状態へと可変される。
V入賞装置65内には、開放状態中の開閉扉65aを通過した球が流下する第1流路65bが第1隔壁65k1と第2隔壁65k2との間の空間に形成され、その第1流路65bを流下した球(流下期間0.5秒)が到達する位置に貯留弁66aが設けられている。この貯留弁66aの上面には球を1個貯留可能な貯留部が形成されており、役物当たり遊技中に最初にV入賞装置65に入賞した球が貯留部に一時的に貯留するように構成している。また、貯留弁66aの上方には貯留センサ65sが設けられており、球が貯留部に貯留されていることを検知可能に構成している。さらに、V入賞装置65に入賞した球を検知するための球検知センサ65s2が第1流路65bの上流側に設けられており、球検知センサ65s2が球を検知したことに基づいて、役物当たり遊技中にV入賞装置65へと入賞した球数を計測すると共に、入賞した球に対する賞球払出制御が実行される。このように、V入賞装置65に入賞した球が直後に流下する位置に球検知センサ65s2を設けることにより、V入賞装置65へと規定数以上の球が入賞してしまう事態を抑制することができると共に、役物当たり遊技中の賞球を遊技者に即座に付与することができる。
また、第1流路65bと連通するように第2流路65cが形成されており、第2流路65cの下流側には、第1アウト口163aが設けられている。図6に示した通り、第2流路65cは、第1流路65bを流下した球が直接流入するのでは無く、貯留弁66aの貯留部に球が貯留されている状態で、第1流路65bを流下した後続の球が、貯留弁66aの貯留部に貯留されている球と接触し、第2流路65cへと誘導されるように構成している。第2流路65cの下流側に設けられた第1アウト口163aは、入球した球をパチンコ機10の外部へと排出するための入球口であって、第2流路65cを流下(流下期間0.1秒)し、第1アウト口163aに入球した球は、図示しない球排出経路を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。
詳細な説明は後述するが、貯留弁66aは、役物当たり遊技の進行に応じて(役物当たり遊技が実行される動作シナリオに対応させて)、球を貯留可能な貯留状態と、その貯留状態よりも球を貯留し難い解除状態と、に可変動作されるように構成している。この貯留弁66aが解除状態に位置すると、第1流路65bと、第3流路65dと、が連通し、第1流路65bを流下した球、又は、貯留弁66aの貯留部に貯留されていた球が第3流路65dを流下する。この第3流路65dは、第1隔壁65k1の下端側と、第3隔壁65k3との間の空間に形成された幅が約15ミリの垂直方向に直線状に形成された流路である。
第3流路65dの下流側が臨む位置には、第1可動弁66bが配設されている。この第1可動弁66bは、パチンコ機10に電源が投入されたことを契機に予め定められた可動パターンで、第3流路65dを流下した球を受け止め可能な誘導位置(突出位置)と、第3流路65dを流下した球を受け止め不可能な通過位置(埋没位置)と、に可動するように構成している。具体的には、主制御装置110の入出力ポート205に接続され、主制御装置110によって駆動制御される第1可動弁ソレノイド209dの動作に応じて可動するように構成しており、第1可動弁ソレノイド209dがオンに設定された場合(通電させた場合)に、第1可動弁66bがV入賞装置65内から退避する通過位置(遊技盤13に埋没する位置)へと可動し、第1可動弁ソレノイド209dがオフに設定された場合(電気を遮断させた場合)に、第1可動弁66bがV入賞装置65内に突出する誘導位置(遊技盤13から突出する位置)へと可動するように構成している。
誘導位置(突出位置)に位置する第1可動弁66bは、その上面を球が流下可能に構成されており、図6に示した通り、第1可動弁66bの上面の下流端側が第4流路65eに向けて下り傾斜するように構成している。よって、第1可動弁66bが誘導位置(突出位置)に位置した状態で第3流路65dを流下した球(流下期間0.2秒)は、第1可動弁66bの上面を第4流路65eに向けて流下することになる。第4流路65eの下流側には第2アウト口163bが設けられており、第4流路65eを流下した球(流下期間0.2秒)は第2アウト口163bに入球する。この第2アウト口163bは、上述した第1アウト口163aと同様に、入球した球をパチンコ機10の外部へと排出させるための入球口であって、第2アウト口163bに入球した球は図示しない球排出経路を流下し、パチンコ機10の外部へと排出される。
一方、第1可動弁66bが通過位置に位置している状態では、第3流路65dと、第5流路65fとが連通し、第3流路65dを流下した球(流下期間0.2秒)が第5流路65f(流下期間0.1秒)へと流入する。そして、第5流路65fの下流側にはV入賞口165が設けられている。V入賞口165は、大当たり遊技を実行するための契機となり得る入賞口であって、大当たり遊技が実行されていない状態で球がV入賞口165に入賞した場合に、大当たり遊技が実行される。
図6に示した通り、V入賞装置65内には、第1アウト口163aと、第2アウト口163bとが設けられている。このように構成することで、貯留弁66aが貯留状態である場合にV入賞装置65に入賞した球が、貯留弁66aが解除状態となった場合に球が通過し得る流路(第3流路65d、第4流路65e、第5流路65f)へと流入することを確実に防止することができる。なお、本実施形態の構成に限ること無く、例えば、第1アウト口163aを排除し、第2流路65cと、第4流路65eと、を連通させ、貯留弁66aが貯留状態であって、第2流路65cを流下した球が、第2アウト口163bへと入球するように構成しても良い。この場合、図6では垂直方向に直線的に設けられている第3隔壁65k3を、上端側から下端側に向けて図6の視点で右下方向へと傾けて、即ち、隔壁65k3の下端側方向に向けての延長線上が第4隔壁65k4の右側(図6の視点で右側)となるように設けると良い。このように構成することで、第2流路65cを流下した球が第5流路65fへと流入してしまう事態を抑制することができる。
このように、本実施形態では、大当たり遊技を実行させる契機が2つ、即ち、特別図柄の抽選によって大当たり当選したことを契機として大当たり遊技を実行させる場合と、役物当たり遊技中に球がV入賞口165へと入賞したことを契機として大当たり遊技を実行させる場合とがある。以降、実行契機を区分けして大当たり遊技を説明する際に、V入賞口165へと入賞したことを契機として実行される大当たり遊技のことをV大当たり遊技とも称す。
上述した通り、本実施形態のV入賞装置65は、役物当たり遊技が実行されることで球が入賞可能な開放状態となり、貯留弁66aに貯留された1個の球のみが第3流路65dを流下するように構成し、第3流路65dを流下した球が第1可動弁66bに到達した際における第1可動弁66bの稼働状況に応じて、V入賞口165に球が入賞するか否かが決定するように構成している。
詳細な説明は後述するが、第1可動弁66bは、誘導位置に位置する時間(球がV入賞口165へと入賞し得ない時間)が5秒に対して、通過位置に位置する時間(球がV入賞口165へと入賞し得る時間)が0.5秒となる可動パターンで常時可動しているため、第3流路65dを流下した球がV入賞口165へと入賞する割合は、約1/11となる。
また、1回の役物当たり遊技においてV入賞装置65へと複数個の球を入賞させたとしても、第3流路65dを流下させる球数が1個となるように貯留弁66aが動作制御されるため、役物当たり遊技が11回実行された場合に1回の大当たり遊技が実行される割合となるように構成している。
次に、図7から図9を参照して、役物当たり遊技の実行中におけるV入賞装置65に入賞した球流れの内容について説明をする。まず、図7を参照して、役物当たり遊技の前半期間(貯留弁66aが貯留状態である期間)における球流れについて説明をする。図7は、役物当たり遊技のうち、貯留弁66aが貯留状態である場合におけるV入賞装置65内の球流れを示す模式図である。詳細な説明は後述するが、貯留弁66aは、役物当たり遊技が実行されてから、V入賞装置65が閉鎖状態となるまでの間、貯留状態となるように動作制御されるように構成している。そして、貯留弁66aが貯留状態中に複数の球がV入賞装置65に入賞した場合には、最初に入賞した球P1が貯留弁66aに形成される貯留部に貯留され、次点で入賞した球P2は、貯留弁66aに貯留されている球P1と当接し、第2流路65cを流下し、アウト口163aに入球する。
このように、貯留弁66aが貯留状態である場合は、貯留弁66aの貯留部に貯留された球P1以外の入賞球(例えば、球P2)が、全てアウト口163aに入球するように構成しているため、複数の球がV入賞装置65内に滞留することが無い。また、貯留弁66aは、V入賞装置65のV開閉扉65aが閉鎖状態となってから(閉鎖状態にさせるための動作制御を実行してから)、貯留状態が解除されるため、1回の役物当たり遊技にて第3流路65dを流下させる球数を確実に1個にすることが可能となる。
このように構成することで、役物当たり遊技中にV入賞装置65へと球を入賞させるタイミングや、入賞数に応じて、V入賞口165への球の入賞のし易さが可変することが無いため、全ての遊技者に対して公平な遊技を提供することができる。
次に、図8を参照して、貯留弁66aが貯留状態から解除状態へと移行した際の球流れ(役物当たり遊技の後半期間)の内容について説明をする。図8は、役物当たり遊技のうち、貯留弁66aが貯留状態から解除状態へと移行した場合における球流れを示す模式図である。図8に示した通り、V開閉扉65aが閉鎖状態となり、新たな球がV入賞装置65に入賞し得ない状態となった後に、貯留弁66aが解除状態(図では点線で表示)へと移行すると、貯留弁66aの貯留部に貯留されていた球P1(図7参照)が、第3流路65dを流下する。図8に示した状態では、第1可動弁66bが誘導位置に位置しているため、球P1が第1可動弁66bの上面に形成された下り傾斜を転動し、第4流路65eを流下し、第2アウト口163bに入球する。
一方、貯留弁66aの貯留部に貯留されていた球P1(図7参照)が、第3流路65dを流下し、第1可動弁66bに到達したタイミングで、第1可動弁66bが通過位置に位置している場合の球流れについて、図9を参照して説明をする。図9は、役物当たり遊技のうち、貯留弁66aが貯留状態から解除状態へと移行した場合における球流れを示す模式図である。図9に示した通り、第3流路65dを流下した球が第1可動弁66bに到達したタイミングにおいて、第1可動弁66bが通過位置に位置している場合は、第5流路66fを流下し、V入賞口165へと入賞する。
図2に戻り説明を続ける。可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る特図入球口64が配設されている。この特図入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる特図入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その特図入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図21参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。また、特図入球口64に球が入球した場合には、特典として4個の賞球が払い出される。本実施形態では、左打ち遊技によって発射された球のうち、約15球に1球の割合で球が特図入球口64へと入球し得るように構成している。
図10に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図21参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図21参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図21を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図21は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプが接続される。また、大当たり遊技が実行される場合に可変入賞装置650の特定入賞口650aを開状態と閉状態とに可変させるための開閉扉を開閉駆動するための特定入賞口ソレノイド209a、V入賞装置65の開閉扉を開閉駆動するためのV入賞口ソレノイド209b、V入賞装置65内に設けられた貯留弁66aを可変駆動させるための貯留ソレノイド209c、同じく、V入賞装置65内に設けられた第1可動弁66bを可変駆動させるための第1可動弁ソレノイド209d、普電入賞装置640内に設けられた第2可動弁641を可変駆動させるための第2可動弁ソレノイド209e、その他の各種装置を駆動させるためのその他ソレノイド209z等からなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群(各入球口に球が入球したことを検知するスイッチや、球が特定位置に位置していることを検知するスイッチ等)からなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図10参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図10参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容について図11〜図19を参照して説明する。図11(a)および(b)は本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容を模式的に示した模式図である。第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列(L1〜L3)が表示される(図11(b)参照)。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(特別図柄)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「0」から「9」の数字を模した識別情報が付された10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。
本実施形態のパチンコ機10では、主図柄が数字を模した識別情報に応じて異なる種類の表示態様を用いて形成されている。このように、各識別情報に対応させた表示態様を用いることで、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を視覚的に報知することができるため分かり易い遊技を行わせることができる。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上下方向へスクロールして変動表示が行われる。
そして、図11(a)に示した通り、主表示領域Dmは、左右方向に形成される1つの有効ラインL1を有しており、各図柄列Z1〜Z3が停止表示された状態で、第3図柄が有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本第1実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、特別図柄の変動に対応した第3図柄を変動表示(動的表示)させるように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の変動に対応した第3図柄を変動表示(動的表示)させるように構成しても良い。この場合、第3図柄表示装置81の表示面にて実行されている第3図柄の変動表示が特別図柄の変動に対応しているのか、普通図柄の変動に対応しているのかを、遊技者に分かり難く報知するように構成しても良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示面にて実行されている第3図柄の変動表示の結果に応じてどのような特典が遊技者に付与されるのかを分かり難くすることができる。
また、特別図柄の変動(抽選)に対応した変動表示と、普通図柄の変動(抽選)に対応した変動表示と、を共に実行可能に構成したパチンコ機10であれば、実行される遊技内容(遊技状態)に応じて第3図柄の対象を切り替えるように構成しても良く、例えば、通常状態中は特別図柄の変動(抽選)に対応させた第3図柄の変動表示を実行し、時短状態中は普通図柄の変動(抽選)に対応させた第3図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。この場合、遊技者に有利な抽選(遊技者が抽選結果をより注視する側の抽選)が実行される図柄種別に対応させて第3図柄を変動表示させると良い。一方、変動している図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。これにより分かり易い遊技を遊技者に提供することができる。
図11(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりが確定し、大当たり遊技が開始され、大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示(確定表示)後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示(確定表示)された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、特図入球口64に対して新たに遊技球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が遊技球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、特図入球口64への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に特図入球口64に対して新たに遊技球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、特図入球口64、スルーゲート67に入球された遊技球のうち変動が未実行である遊技球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図11(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が特図入球口64に入球した場合、その入球回数は最大4個まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。またスルーゲート67へ入球した場合、その入球回数は最大1回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。なお、小領域Ds1のうち、左半分には、特図入球口64への入球に基づく保留球数を示す保留球数図柄を表示し、小領域Ds1のうち、右半分には、スルーゲート67への入球に基づく保留球数を示す保留球数図柄を表示する構成としている。図11(b)の例では、小領域Ds1の左半分に4つの保留球数図柄が表示されている一方で、右半分には保留球数図柄が1つも表示されていないので、特別図柄の保留球が4つ存在するが、普通図柄の保留球は0個となっている状態を示している。
なお、本実施形態においては、特図入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成し、スルーゲート67への入球は、最大1回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
また、図11を参照して示した表示画面では、主表示領域Dmの上方に副表示領域Dsが形成されているが、表示領域をこれ以外の態様で形成しても良く、例えば、主表示領域Dmの下方に副表示領域Dsを形成しても良い。また、この場合、設定されている遊技状態に応じて、第3図柄表示装置81の表示画面の表示領域を可変形成すると良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面を見るだけで、異なる遊技状態へ移行したことを遊技者が容易に把握することができる。さらに、特別図柄の抽選結果が大当たり当選している期待度が高いことを示す第3図柄の変動表示が実行されている状態といった、遊技者に対して主表示領域Dmの表示態様を注視させる状態では、副表示領域Dsの表示領域を小さくしたり、副表示領域Dsを非表示にしたりするように構成しても良い。
<第1実施形態における第3図柄表示装置81での演出内容について>
次に、図12〜図19を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81で実行される演出内容について説明する。本実施形態では、特別図柄の抽選(特図抽選)で大当たりに当選した場合、その大当たり遊技終了後に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。この時短状態は、特別図柄の抽選が規定回数に達するまで(予め定められた時短状態の終了条件が成立するまで)継続され、特別図柄の抽選が規定回数実行されると、時短状態の終了条件が成立し、通常状態が設定されるように構成している。
時短状態は、普通図柄の高確率状態が設定される状態であり、遊技状態が通常状態である場合と比べ、普図当たり遊技によって普電入賞装置640へと球が入球可能な開放状態が設定され易くなるように構成している。
そして、普通図柄の当たりに当選し、球が普電入賞装置640内の特電作動口643に入球すると役物当たり遊技が実行され、V入賞装置65内に設けられたV入賞口165に球を入賞させるための遊技が実行される。
ここで、本実施形態では、遊技盤13の左側領域を狙って発射した遊技球は、100%の確率でスルーゲート67を通過するよう構成されている。そして、スルーゲート67を遊技球が通過したことで実行される普通図柄の抽選において、時短状態が設定されている場合は、3/10の確率で当たり当選するように設計されており、普通図柄の抽選で当たり当選した場合には、電動役物640aが開放状態となる普図当たり遊技が実行される。
時短状態中に実行される普図当たり遊技は、左打ち遊技を継続して実行することでその殆どで(約100%)球を普電入賞装置640へと入賞させることができる期間(3秒間)電動役物640aが開放状態となる普図当たり遊技が実行される。
さらに、時短状態中に実行される普図当たり遊技では、普電入賞装置640に入賞した球の殆どが特電作動口643へと入球するように構成され、球が特電作動口643へと入球したことを契機に役物当たり遊技が実行される。そして、役物当たり遊技が実行されることでV入賞装置65が開放動作され、V入賞装置65に入賞した球が約1/11の割合でV入賞口165へと入賞し、V入賞口165へと球の入賞を契機に大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されるように構成している。
つまり、時短状態中は、特別図柄の抽選で大当たり当選を狙う遊技(特図遊技)を実行するよりも、V入賞口165に遊技球を入賞(V入賞)させることで大当たりを狙う遊技(特電遊技)のほうが大当たり遊技を実行させ易くできるので、遊技者は特電遊技において役物当たり遊技によるV入賞(V大当たり遊技)を所望しながら遊技を実行することになる。
上述したように、本実施形態では、特電遊技として普電入賞装置640に球を入賞させるため(普通図柄抽選の実行契機となるスルーゲート67に球を通過させるため)に遊技盤13の左側領域を狙って球を発射する必要がある。さらに、本実施形態では、遊技盤13の左側領域を狙って遊技(左打ち遊技)を実行していると、特図入球口64にも球が入球するため、時短状態中において、特図遊技(特別図柄の抽選を行う遊技)と、特電遊技(普通図柄の抽選を行う遊技)と、の両方が実行されることになる。
特図遊技よりも特電遊技のほうが遊技者に有利な遊技となる時短状態は、特図遊技によって実行される特別図柄抽選が規定回数に達するまでの時間(即ち、規定回数分の特別図柄の変動時間)が経過するまで継続するように構成しているため、遊技状態が時短状態へ移行すると、その時短状態が終了し通常状態へと移行する契機となる特別図柄の変動時間が経過するまでに、特電遊技によるV入賞を期待しながら遊技を実行することが、本実施形態における時短状態中の基本的な遊技方法となる。
この時短遊技の状態を、遊技者に分かり易く伝えるべく、第3図柄表示装置81において、様々な演出を実行する。詳しくは、図12〜図19を参照して後述するが、大当たり遊技が実行され、大当たり終了時に、遊技状態が遊技者にとって有利な状態である時短状態であることを示すためのVラッシュモードへと移行し、時短状態が設定されたことを報知する。そして、Vラッシュ中における様々な演出について説明する。以下、説明の簡略化のために、時短状態を「Vラッシュ」と称す。
まず、図12(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たりエンディング画面について説明する。図12(a)は、大当たり(遊技)のエンディング画面の一例を示した図である。大当たり遊技の最終ラウンドが終了すると、図12(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsには、「大当たり終了後Vラッシュが始まるよ!!」という文字が表示され、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを示すVラッシュモードに移行することを遊技者に分かりやすく示している。そして、主表示領域Dmには、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態が継続する期間を示すための残時短期間態様801が「40秒」の「Vラッシュ期間40秒ゲット」というコメントが表示される。
ここで、残時短期間態様801の表示内容について説明をする。本実施形態では、上述したように、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数が規定回数(例えば、4回)に到達した場合に成立する終了条件が設定されている。よって、特別図柄の抽選が規定回数に達するまでの時間(即ち、規定回数分の特別図柄の変動時間を合計した時間)が経過するまで時短状態が継続される。残時短期間態様801は、時短状態の終了条件が成立するまでの特別図柄の変動時間を合計した合計時間の示す表示態様が表示される。
次に、図12(a)に示した状態における各図柄の保留状況について図12(c)を参照して説明をする。図12(c)は、図12(a)に示した表示画面が表示される場合における各図柄の保留状況を示した模式図である。本実施形態では、特別図柄の保留記憶を最大で4個、普通図柄の保留記憶を最大で1個、記憶可能に構成している。図12(c)では、実行中の特別図柄変動の状況を説明するための実行中特図th0と、保留記憶されている特別図柄の入賞情報を説明するための特図第1保留th1〜特図第4保留th4と、実行中の普通図柄変動の状況を説明するための実行中普図fh0と、保留記憶されている普通図柄の入賞情報を説明するための普図第1保留fh1と、を用いて各図柄の状況を説明している。
図12(c)は、特図第1保留th1〜特図第4保留th4には、10秒間の変動パターンが設定されている特別図柄の保留が4つ貯まっている状態である。つまり、今回の時短状態の期間は、特別図柄抽選4回分の変動時間を合算した値である40秒が設定される。よって、遊技者にとって有利となる遊技状態の継続期間を示すための残時短期間表示態様801には「40秒」の文字が表示され、Vラッシュの期間がいつまで続くかを分かり易く報知することができる。
なお、上述したように、本実施形態では、遊技者に有利となるVラッシュの継続期間を残時短期間表示態様801に示すように、具体的な秒数で表示するよう構成したが、継続期間の残期間が分かるものであればよく、インジケータなどを用いて遊技者に報知しても良い。このように構成することで、遊技者によりどきどき感のある遊技を提供することができる。
また、本実施形態では、図12(a)に示した通り、Vラッシュの継続期間として算出された「40秒」の全てを示す表示態様で残時短期間態様801を表示しているが、これに限ること無く、Vラッシュに突入することを報知する時点では、Vラッシュの継続期間として算出された値(例えば、40秒)のうち一部のみ(例えば、30秒)を報知するように構成し、Vラッシュの実行中に未報知分(例えば、10秒)に対応する値を追加報知するように構成しても良い。
この場合、例えば、時短回数4回が設定される場合において、獲得済の4個の特別図柄の保留(特図保留)のうち、3個の特図保留に対応する特別図柄の変動時間を合算した値、つまり、図12(c)の場合であれば、特図第1保留th1〜特図第3保留th3の合算値である「30秒」をVラッシュ突入時に表示すれば良い。このように構成することで、Vラッシュの継続期間として算出された値の一部のみを報知するための処理を簡素化することができる。
図12(a)に示した通り、本実施形態では、時短状態が終了するまでに実行される複数回の特別図柄抽選の変動時間を合算してVラッシュの継続期間を表示するように構成している。さらに、現在の特図保留数が遊技者に把握され難くするために、第3図柄表示装置81の表示面にて特図保留数を示すための表示態様を表示しないように構成している。これにより、Vラッシュの継続期間として表示される残時短期間態様801の値が、何個分の特図保留に対応した変動時間の合算値であるかを遊技者に分かり難くすることができる。また、個々の特別図柄抽選の変動時間を遊技者に分かり難くすることができる。
よって、例えば、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合と、外れである場合とで異なる変動時間の変動パターンが設定されるパチンコ機10であっても、残時短期間態様801の表示態様によって、特図保留内の抽選結果(特図保留内に大当たり当選に対応する入賞情報が含まれているか否か)が遊技者に事前に把握されてしまうことを抑制することができる。
また、例えば、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に変動時間が50秒の変動パターンが選択されるように構成し、特別図柄の抽選結果が外れである場合に変動時間が10秒、20秒、30秒の何れかの変動パターンが選択されるように構成したパチンコ機10であって、特図第1保留th1が「10秒」、特図第2保留th2が「30秒」、特図第3保留th3が「20秒」、特図第4保留th4が「10秒」である場合には、Vラッシュの継続期間を示す残時短期間態様801の表示態様として、「50秒」を表示させるように構成すると良い。このように構成することで、Vラッシュの継続期間である「90秒」(特図保留4個分の変動時間の合算値)よりも少ない期間であって、且つ、時短状態中に実行される特別図柄抽選にて大当たり当選(時短1回目の特別図柄抽選が大当たり当選しており、変動時間50秒が設定)していることに対する期待感を遊技者に持たせることができる。
つまり、Vラッシュが継続する全期間では無く、一部の期間のみを表示する場合には、上述したように大当たり当選している場合に設定される変動時間(50秒)に対応した値を表示する構成以外にも、例えば、時短1回目が外れ変動(変動時間10秒)で、時短2回目が大当たり変動(変動時間50秒)であると遊技者に思わせる「60秒」の表示態様で残時短期間態様801を表示するように構成しても良い。つまり、実際のVラッシュの継続期間を示す値よりも小さく、且つ、少なくとも大当たり変動で選択され得る変動時間と、外れ変動で選択され得る変動時間と、を組み合わせた場合に算出される値を表示すれば良い。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81の表示面に獲得済の特図保留数を表示しないように構成しているが、これに限ること無く、特図保留数を示すための表示態様を表示しても良い。この場合であっても、特図保留数を示すための表示態様を遊技者がその内容を視認し難い表示態様で表示することで遊技者に対して現在獲得している特図保留数を分かり難くすることができる。
次に、図12(b)を参照し、第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ開始画面について説明する。図12(b)は、大当たりのエンディング期間が終了し、Vラッシュが開始される表示態様の一例を示した図であり、図12(d)は、図12(b)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。つまり、図12(b)は、大当たりのエンディング時に特図第1保留th1で示されていた特図保留が変動を開始する時点における表示画面を示したものであって、大当たりのエンディング時に特図第1保留th1であった特図保留が実行中特図th0へとシフトし、また、特図第2保留th2は特図第1保留th1に、特図第3保留th3は特図第2保留th2に、特図第4保留th4は特図第3保留th3にそれぞれシフトされた状態における表示画面である。また、Vラッシュが開始されてから新たに特図入球口64に入球が無く、特図第4保留th4が空の状態である。そして、実行中普図fh0に示す様に、普通図柄の抽選も変動を開始しており、普図第1保留fh1に保留が貯まっている状態である(図12(d)参照)。
Vラッシュが開始されると、主表示領域Dmには、現在がVラッシュ期間であることを示す遊技状況報知態様として「Vラッシュ中」の文字が表示される。そして主表示領域Dmの横には、うさぎを模したキャラクタ810が袋810aの中から何かを取り出そうとしているように動的表示される。これは、普通図柄が変動中であることを示している。
そして、主表示領域Dmの中央には、遊技者に有利となるVラッシュ期間の残期間を示すためのタイマ812が表示されている。このタイマ812には、時短状態の終了契機までの特別図柄の規定回数分の変動時間が合算された値が表示される。図12(b)では、時短状態中の特別図柄の抽選回数が4回に規定されており、実行中特図th0の変動時間である10秒と、特図第1保留th1から特図第3保留th3までの変動時間を合算した値である「40.0秒」がタイマ812に示されている。このタイマ812は、実行中特図th0の変動時間が減算される度にその値が減算されるように表示され、遊技者がVラッシュの期間が進行していることを容易に理解させることができる。
さらに、副表示領域Dsには、「タイマが0になるとVラッシュ終了!!」の文字が表示され、減算されているタイマ812の値が0になった場合に、Vラッシュが終了してしまうことを遊技者に報知している。上述したように、Vラッシュ期間中は、遊技者は、V入賞口165に球を入球させることを目的として遊技が実行される。よって、遊技者は、タイマ812に表示されている値の変位状況を視認することにより有利期間が終了してしまうまでの期間(残期間)を容易に理解することができる。
そして、主表示領域Dmの左上の表示領域HR1には「1連目」の文字が示され、通常状態から大当たりに当選し(所謂、初当たり)、Vラッシュが開始されてから、遊技状態が通常状態に移行しないまま何回目のVラッシュ期間であるかを示している。さらに、表示領域HR1の下に示される表示領域HR2には「0pt」が表示されており、Vラッシュ期間中に当選した大当たりで獲得した賞球数が表示される。このように、表示領域HR1にVラッシュが継続している回数、表示領域HR2にVラッシュ中の大当たりで獲得した賞球数を表示しておくことで、遊技者が遊技者自身のタイミングで、遊技履歴を確認することができ、遊技の利便性を向上することができる。
また、主表示領域Dmには、Vラッシュ変動領域811が表示され、このVラッシュ変動領域811の左領域811a、中領域811b、右領域811cにはそれぞれ図柄が変動(動的表示)するような表示態様が表示されている。このVラッシュ変動領域811には、Vラッシュ中の遊技状況を遊技者に示唆するための情報が表示される。図12(b)では、現在、特図と普図との変動中であり、Vラッシュ変動領域811によって、Vラッシュ期間が経過していることを示している。
次に、図13(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中に普図当たりに当選した場合の表示画面について説明する。図13(a)は、Vラッシュ中に普図当たりに当選した場合の表示画面の一例を示した図であり、図13(c)は、図13(a)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、上述したように、普通図柄の抽選に当選した場合に、普電入賞装置640に付随する電動役物640aが、遊技球が入球可能となるよう開放される。
図13(c)に示すように、実行中普図保留fh0は、普通図柄の抽選で当たり当選したことを示す「○」が示される。そして、主表示領域Dmの右上には、Vラッシュの開始時には(図12(b)参照)袋810aから何かを探していたキャラ810が、普通図柄の抽選に当選し特典を獲得したことを示すための報知態様である「ラッキー」の文字が書かれたチケット810bを取り出すアニメーションが表示される。そして、主表示領域Dmの右下の表示領域HR3には、普電入賞装置640を模式的に示した画像が表示され、普通図柄の抽選に当選し、電動役物640aが開放されている状態で表示されている。さらに、副表示領域Dsには「電チューに入ればV獲得チャンス!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者は電チューを狙って遊技を実行することを理解できるので、正しい遊技方法を遊技者に案内することができる。つまり、上述した表示領域HR3の表示態様、および、副表示領域Dsの表示態様は、遊技者に対して実行すべき遊技の内容を案内するための案内報知態様となる。
また、主表示領域Dm中央に表示されているタイマ812は、その値として30.9秒が表示されている。図13(a)の遊技状況では、実行中特図th0に示される実行中の特図変動の残り変動時間は、0.9秒であり、特図第1保留th1〜特図第3保留th3までの特図抽選がVラッシュの期間である。よって、その合算した値である30.9秒がタイマ812に表示されている。なお、図13(a)では、Vラッシュの開始時(図12(b)参照)には貯留されていなかった特図第4保留th4が保留されているが、これはVラッシュの規定回数の期間が経過した後に実行される特図抽選となるため、この特図第4保留th4の変動時間は合算されない。よって、特図第4保留th4には「‐」が示されている(図13(c)参照)。
次に、図13(b)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中に役物当たりした場合の表示画面について説明する。図13(b)は、Vラッシュ中に役物当たり遊技が実行された場合の表示画面の一例を示した図であり、図13(d)は、図13(b)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、上述したように、普電入賞装置640内の特電作動口643に遊技球が入賞した場合には、V入賞装置65に付随するV開閉扉65aが開放状態となる役物当たり遊技が実行される。
図13(b)は、図13(a)で示した普図当たりによって普電入賞装置640内の特電作動口643に遊技球が入賞した場合の表示画面である。図13(a)では、特図第1保留th1に保留されていた保留球が、図13(b)では実行中特図th0にシフトされている。そして、その残変動時間が9.9秒であり変動が仮停止していることを示す「?」が示されている(図13(d)参照)。本実施形態では、役物当たり遊技、或いは、大当たり遊技が実行される場合に、実行中の特別図柄変動の変動時間の減算を、各当たり遊技が終了するまで中断(仮停止)させるように構成している。
そして、主表示領域Dmには、図13(a)までは、特図の変動時間と共に減少していたタイマ812の値の減算表示が、特図の変動(特別図柄変動の変動時間の減算)が中断された時間(即ち、特電作動口643に入賞した時間)で中断表示されている。さらに、タイマ812の減算表示が中断していることを示すための「STOP!!」の文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者はVラッシュの期間が経過することが中断されていることを把握することができる。そして、表示領域HR3には、V開閉扉65aが開放された状態のV入賞装置65が模式的に表示され、「狙え!!」という文字と共に表示されている。
これにより遊技者は、V入賞装置65のV開閉扉65aの開放していること(役物当たり遊技が実行されていること)を、第3図柄表示装置81を視認することで理解することができる。つまり、図13(b)における表示領域HR3の表示態様、及び、副表示領域Dsの表示態様は、Vラッシュ中における遊技状況を遊技者に報知するための遊技状況報知態様の機能と、役物当たり遊技中において実行すべき遊技を遊技者に案内するための案内報知態様の機能と、を有するものとなる。
また、Vラッシュ変動領域811は、左領域811aと右領域811cとに「V」の文字が停止表示され、所謂リーチ表示態様となるように表示されている。さらに、副表示領域Dsには、「Vに入れば大当たり!!」の文字が表示されており、これらの表示内容により、遊技者は、もう少しでV入賞口165に遊技球を入賞させることができるのではないかという期待感をもちながら遊技を実行することができる。
つまり、図11(b)に示した通り、パチンコ機10における一般的な遊技、即ち、特別図柄の抽選を実行し、その抽選結果が大当たり当選であることを期待しながら実行される遊技(特図遊技)では、抽選結果を示すための複数の識別情報(第3図柄表示装置81にて動的表示される各図柄(第3図柄))が複数列(例えば、3列)で変動表示(動的表示)され、その複数の図柄列のうち、一の図柄列を除いた他の図柄列が大当たり当選を示すための識別情報の組合せとなるリーチ表示態様(例えば、同一の識別情報の組合せ)で停止表示されると、大当たり当選の期待度が高まるリーチ演出が実行されるように構成している。
本実施形態のパチンコ機10における時短状態(Vラッシュ)中に実行される遊技(特電遊技)は、特別図柄の抽選では無く、普通図柄の抽選を基点に様々な過程を経て最終的にV入賞口165へと球を入賞させることで大当たり遊技(V大当たり遊技)を実行させる遊技となるため、特電遊技の具体的な遊技内容を遊技者が理解し難いという問題があった。これに対して、本実施形態では、上述した複雑な遊技性を有する特電遊技の進行状況(大当たり遊技が実行されるまでの各種過程)に応じて、Vラッシュ変動領域811の左領域811a、中領域811b、右領域811cの各領域にて変動表示(動的表示)される図柄(文字)の変動表示態様を、あたかも特図遊技が実行されているかのような演出態様が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者は特電遊技における具体的な遊技内容を把握しなくとも、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各表示態様を把握することができるため、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
次に、図14(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中の役物当たり遊技中のV入賞画面について説明する。図14(a)は、Vラッシュ中の役物当たり遊技中にV入賞口165に遊技球が入賞し、大当たりが付与される場合の表示画面の一例を示した図であり、図14(c)は、図14(a)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では上述したように、Vラッシュ中に、役物当たり遊技が実行され、役物当たり遊技中にV入賞口165に球を入賞した場合(V入賞した場合)には、大当たり遊技(V大当たり遊技)が付与される。
図14(a)は、図13(b)で示した役物当たり遊技中に、V入賞口165に球が入賞した場合の表示画面である。上述した通り、役物当たり遊技中は特別図柄の変動が中断されているため、実行中特図th0は、変動時間を9.9秒残したまま仮停止している。そして、特図第1保留th1と特図第2保留th2は今回のVラッシュの規定回数内の保留であり、変動時間はそれぞれ10秒が設定されている。よって、Vラッシュ期間の残期間は、図13(b)で示した時点から変わること無く「29.9秒」となる(図14(c)参照)。
そして、球がV入賞して大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されることが確定した場合には、Vラッシュ期間の減算が所定期間(大当たり遊技期間)の間減算されない状態となるため、図13(b)に示したタイマ812にて表示させた「29.9秒」の表示態様が、そのタイマ812よりも目立たない表示領域HR4にて表示される。表示領域HR4には「タイムストック29.9秒」が表示されている。
本実施形態では、特図の仮停止中にV入賞(V大当たり遊技)が発生した場合には、その仮停止していた特図変動が終了した後に実行される特別図柄抽選が今回実行される大当たり遊技の大当たり種別に対応して設定される時短回数分実行されるまで時短状態が継続するように構成している。即ち、大当たり遊技終了後に実行される中断されていた特別図柄変動(再開特図変動)によって、時短終了条件を成立させるための情報(時短回数)が更新(減算)されないように構成している。
つまり、図14(c)に示した状態では、大当たり遊技終了後に時短回数4回が設定される場合には、中断中の特別図柄変動の残期間(9.9秒)に、特図保留4個分の特図変動時間を合算した値が、次のVラッシュの継続期間となる。このように構成することで、通常状態において特図遊技を行い、大当たり当選することで設定される時短状態(Vラッシュ初突入時)に対して、Vラッシュ中に大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行され、その大当たり遊技終了後に再度設定される時短状態(Vラッシュ継続時)のほうが、再開特図変動の変動時間(残変動時間)分、Vラッシュ継続期間を長く設定することができるため、Vラッシュ初突入時よりも、Vラッシュ継続時のほうが遊技者に有利なVラッシュを提供し易くすることができる。よって、遊技者に対して、Vラッシュが継続することをより期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、Vラッシュ初突入時よりも、Vラッシュ継続時のほうが遊技者に有利な時短状態を設定するために他の手法を用いても良く、例えば、通常状態中に大当たり遊技の実行条件が成立(特図抽選で大当たりに当選)し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合と、時短状態で大当たり遊技の実行条件が成立(特電遊技でV入賞)し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合とで、特別図柄の変動パターンとして異なる変動パターンが選択されるように構成しても良く、具体的には、通常状態中に大当たり遊技の実行条件が成立(特図抽選で大当たりに当選)し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合よりも、時短状態で大当たり遊技の実行条件が成立(特電遊技でV入賞)し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合のほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、Vラッシュ初突入時よりも、Vラッシュ継続時のほうが時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間を長くし易くすることができるため、結果として、Vラッシュの継続期間を長くすることができる。よって、Vラッシュを継続させた遊技者に対して付加価値を付与することができるため遊技者の遊技意欲を高めることができる。
一方、本実施形態のパチンコ機10とは反対の技術思想として、再開特図変動の実行により時短終了条件を成立させるための情報(時短回数)が更新(減算)されるように構成しても良いし、Vラッシュ初突入時のほうがVラッシュ継続時よりも長い変動時間の特別図柄変動が実行され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、Vラッシュが過剰に継続してしまうことを抑制しつつ、Vラッシュ中に実行される特電遊技にて一度も大当たり遊技(V大当たり遊技)を実行させることなくVラッシュが終了してしまい遊技意欲が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態のように、実行中の特図変動の中断タイミングが、大当たり遊技(V大当たり遊技)終了後のVラッシュの継続期間の長さに大きな影響を与える構成を用いる場合には、特図変動を中断させることが可能となる状態(例えば、普通当たり遊技に当選した状態)において、実行中の特図変動の残変動時間を示すための情報を遊技者に報知するように構成し、遊技者が、特図変動を中断させるか否かを選択し得るように構成しても良い。つまり、実行中の特図変動の残変動時間が所定時間よりも長い(例えば、30秒)である場合には、特図変動を中断させるための遊技(普図当たり遊技中に特電作動口643に球を入賞させ役物当たり遊技を実行させる遊技)を実行し、V入賞を狙う遊技を選択し、実行中の特図変動の残変動時間が所定時間よりも短い(例えば、2秒)である場合には、特図変動を中断させない遊技を選択することが可能となるように構成しても良い。
また、V入賞によって大当たり遊技(V大当たり遊技)が付与された場合には、その仮停止していた特別図柄の変動時間と、その時点で保留されていたVラッシュの規定回数内の特別図柄の変動時間が次のVラッシュの予め設定された期間として表示されるよう構成している。そしてその時間を主表示領域DmのH表示領域HR4に表示するよう構成している。よって、遊技者は、表示領域HR4を確認することで、次のVラッシュにストックされた期間を確認することができる。
そして、主表示領域DmのVラッシュ中の遊技状態を示すためのVラッシュ変動領域811では、図13(b)では変動していた中領域811bに「V」が停止表示される。そして、左領域811aと右領域811cは役物当たりが実行された際に、「V」の文字が停止表示されているため、左領域811aと中領域811bと右領域811cとを合わせて「VVV」と大当たりに当選したことを示唆する報知態様が表示される。また、副表示領域Dsには「大当たりおめでとう!!」の文字が表示される。これらの表示内容により、役物当たり中に、V入賞口165に遊技球を入賞させ、大当たりが付与されたことを遊技者に分かりやすく示している。
なお、本実施形態では、Vラッシュ変動領域811は、役物当たりが実行された場合に左領域811aと右領域811cとを停止表示し、役物当たり中にV入賞した場合に中領域811bを停止表示するよう構成したが、これに限ることなく、普図当たりに当選した場合に、左領域811aを、役物当たりが実行された場合に、右領域811cを、V入賞した場合に中領域811bを停止表示するよう構成しても良い。このように遊技条件の成立などを契機として、段階的な演出を実行するよう構成することで、遊技者はV変動領域811を視認すると、遊技段階がどの段階なのかを瞬時に判断することができる。よって、遊技者により多くの情報を提供することができる。また、停止される文字は、大当たりが付与され、遊技者が特典を獲得することが出来ることを示すためのものならよく、「当たり」や「V入賞」などと表示してもよい。このように大当たりを示す文字を複数表示されるよう構成することで、よりバリエーションのある演出を遊技者に提供することができる。
次に、図14(b)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中の役物当たり中の外れ画面について説明する。図14(b)は、Vラッシュ中の役物当たり中にV入賞口165に遊技球が入賞しなかった場合の表示画面の一例を示した図である。本実施形態では、役物当たりに実行された場合に、実行されていた特別図柄の変動を仮停止するよう構成したが、役物当たり中にV入賞できなかった場合には、その仮停止していた特別図柄の変動が再開される。
図14(b)は、図13(b)において役物当たりが実行された場合からV入賞口165に遊技球が入賞しなかった場合の表示画面である。主表示領域Dmの、Vラッシュ中の遊技状況を示すV変動領域811では、中領域811bにV入賞しなかったことを示す「×」の文字が表示される。よってVラッシュ変動領域811には「V×V」という外れ表示態様が表示される。これにより、遊技者は、今回の役物当たり中に、V入賞口165に遊技球を入賞させることができなかったことを理解することができる。
そして、主表示領域Dmには、仮停止していた特図の変動が再開することを示すための「再開!!」という文字が表示される。そして、タイマ812に示されるVラッシュの残期間を示すための表示態様が、実行中特図th0に示す特図の変動再開(図14(d)参照)とともに再び減少し始める。これにより遊技者は、このタイマ812に示す時間内にV入賞させることを目指して遊技を実行しなければならないことを容易に理解できる。
次に、図15(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中の大当たりエンディング画面について説明する。図15(a)は、Vラッシュ中の大当たりエンディングの表示画面の一例を示した図であり、図15(c)は、図15(a)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、Vラッシュ期間中に、大当たりに当選、或いは、V入賞した場合には、再度Vラッシュ期間(時短状態)が設定される。
図15(a)は、図14(a)に示したV入賞より付与された大当たりのエンディング画面を示した図である。上述したように、Vラッシュ中に大当たりが付与された場合には、仮停止していた実行中特図th0と前回のVラッシュ期間の規定回数であった特図第2保留th2までの変動時間を合算した値がタイムストックとして表示領域HR4に「タイムストック29.9秒」の文字が表示されている。そして、図15(c)の特図第3保留th3に対応する特図保留、即ち、大当たり遊技が実行される前のVラッシュ中では、Vラッシュ期間(時短期間)として加算されていなかった特図保留の変動時間が算出される。
上述したように、Vラッシュ中に大当たりが付与された場合には、その大当たり遊技の終了時に、再度Vラッシュが設定される。そのVラッシュの期間は大当たり中に仮停止していた特図の変動の残時間と、大当たり種別により付与された特図の抽選回数分の変動時間が合算された値が設定される。図15(a)では、表示領域HR4に表示されているようにタイムストックとして29.9秒、即ち、中断されている特図変動の残期間(9.9秒)と、前回のVラッシュ中に既にタイマ812に加算表示されていた特図第1保留th1、及び特図第2保留th2に対応する特図保留の変動時間(合計20秒)を合算した秒数がタイムストックとして既に表示されており、このタイムストックされている秒数に対して、大当たり遊技終了時点において新たにVラッシュ期間に加算可能な値として特図第3保留th3に対応する特図保留の変動時間(15秒)が加算される。
なお、図15(a)に示した例では、大当たり遊技の終了後に時短4回が付与される大当たり遊技のエンディング画面を示しており、タイムストックとして保留されている特図保留は特図第2保留th2まで(特図保留2個分)であるため、あと2個分の特図保留の変動時間を今回のVラッシュ期間としてタイマ812に加算表示することができるが、図15(a)では、タイマ812に加算表示可能な特図保留が1個しか無いため(特図第4保留th4に特図保留が記憶されていないため)、特図第3保留th3に対応する特図保留の変動時間のみが加算表示される。
本実施形態では、Vラッシュ中に大当たりが付与され、その時点でタイムストックされている特図保留数が今回付与される時短(Vラッシュ)の規定回数(時短回数)に足りない場合には、大当たり遊技終了後までに保留記憶された特図保留に対応する変動時間を、タイムストックの値に上乗せする演出を実行するように構成しており、図15(a)では、特図第3保留th3に示された15秒の外れ変動パターンが実行される特図保留に対応させて上乗せ期間表示態様802に「+15秒GET」の文字が表示される。これにより、遊技者は、遊技者にとって有利となる期間がさらに延長されたという喜びを得ることができる。さらに、本実施形態では、大当たり遊技のエンディング期間中にVラッシュ期間を上乗せする演出を実行するように構成しているため、大当たり遊技のエンディング時に有利期間が延長されるのではないかという期待感を持ちながら遊技を実行することができるため、大当たり中の演出により注目させることが出来る。
また、主表示領域Dmの表示領域HR1にはVラッシュが2回継続されたことを示す「2連目」の文字が表示され、また、表示領域HR2にはVラッシュ中の大当たりで獲得出来た賞球数である「670P」が表示される。このように、遊技結果を遊技者が視認しやすい位置に表示し、大当たりが実行され特典を得るたびにその値が増加することで、より満足感を遊技者に与えることができる。そして、副表示領域Dsには、Vラッシュが再度設定されたことを示す「Vラッシュ継続」の文字が表示される。これにより遊技者は、遊技者にとって有利となるVラッシュが継続されることを容易に理解することができる。
次に、図15(b)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中のタイマ上乗せ画面について説明する。図15(b)は、Vラッシュ中のタイマ上乗せ画面の表示内容の一例を示した図である。上述したように、本実施形態では、Vラッシュ中に実行された大当たりエンディング時に新たに入賞した特図保留や、大当たり前にはVラッシュの規定回数の期間外であった特別図柄の変動時間の上乗せ演出を実行する。そして、大当たり終了時にVラッシュの規定回数分の保留球数が保留されていない状態である場合には、Vラッシュの規定回数分の特図保留が貯まるまで、Vラッシュ期間中も新たに増加した保留球数分の上乗せ演出を実行する。
図15(b)は、図15(a)に示した大当たりのエンディング時から遊技が進行し、新たに特図入球口64に遊技球が入賞した場合の表示画面を示した図であり、図15(d)は、図15(b)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。主表示領域Dmには、Vラッシュ変動領域がVラッシュの期間が経過していることを示す変動表示態様が表示されている。図15(b)は、図15(d)に示した通り、実行中特図th0が変動を再開し、残変動時間が3.2秒となり、特図第1保留th1と特図第2保留th2とには、変動時間としてそれぞれ10秒が設定されている保留が記憶されている。そして、特図第3保留th3は15秒の変動時間の保留球が記憶されている状態である。よって、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されているタイマ812は、これらの値が合算された「38.2」秒が表示されている。
図15(a)の状態は、上述した通り、Vラッシュ期間として新たな特図保留2個分の変動時間を上乗せ可能な状態であるが、新たな特図保留を1個しか獲得していない状態(特図第3保留th3のみ)である。この場合、図15(b)に示した通り、次に新たな特図保留を獲得した場合に、その獲得した特図保留の変動時間が上乗せ表示されるように構成している。
具体的には、特図第4保留th4には追加入賞があったことが示されており、この新たな特図保留には、20秒の変動時間が設定されている。よって、今回のVラッシュ期間に20秒が加算される演出が実行される。そして主表示領域Dmに表示されているキャラ810が、Vラッシュの期間が追加され、遊技者に有利期間延長を示すためのチケット810bを、Vラッシュの残期間を示すためのタイマ812に投げている様子が表示される。この演出が実行された後、タイマ812に表示されている残期間に今回追加入賞した特図の変動時間がVラッシュの残期間に加算され、タイマ812にその値である「58.2秒」が表示される。また、副表示領域Dsには、「タイマ上乗せ!!」の文字が表示され、Vラッシュ期間が延長(追加)されたことを分かり易く報知している。
次に、図16(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ終了画面について説明する。図16(a)は、Vラッシュの終了を示す表示画面の一例を示した図であり、図16(c)は、図16(a)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、Vラッシュ期間中に、V入賞口165に遊技球を入賞させられなかった場合、或いは、特別図柄の抽選で大当たりに当選しなかった場合には、Vラッシュ期間が終了し、遊技状態が通常状態へと移行する。
図16(c)に示した通り、今回のVラッシュの最終変動である実行中特図th0fが外れで停止したことを示す「×」の表示が示されている。特図第1保留th1〜特図第3保留th3まで保留球は貯まっているが、これらの保留球はVラッシュの規定回数外の保留球である。なお、実行中普図fh0は変動している状態であり、普図第1保留fh1普図保留球が貯まっている。
そして、主表示領域Dmには「VGET×2」という今回何回Vラッシュが継続されたかどうか示す文字が表示され、さらに、「PGET×1500」という今回のVラッシュ中の大当たりで、賞球(特典)をどれだけ獲得できたかを示すための文字が表示される。これにより、今回のVラッシュの遊技結果を遊技者が分かり易く報知している。また、副表示領域Dsには、有利期間が終了してしまったことを報知するための「Vラッシュ終了」の文字が表示される。これらの表示態様により、遊技者に対し、Vラッシュ期間が終了してしまったことを遊技者に対し分かり易く報知することができる。
次に、図16(b)を参照して、Vラッシュ延長画面について説明する。図16(b)は、Vラッシュの期間が延長したことを示す表示画面の一例を示した図であり、図16(d)は、図16(b)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。
本実施形態では、時短状態が設定されている場合において、Vラッシュ演出を実行するように構成している。そして、時短状態は、予め定められた規定回数の特別図柄変動が終了した場合に終了するように構成している。具体的には、時短回数4回が設定された場合には、時短状態が設定されてから4回目の特別図柄変動が停止表示(確定表示)した場合に、時短状態を終了し、通常状態へと移行するように構成している。ここで、特別図柄の抽選(変動)と、普通図柄の抽選(変動)とは、独立して実行されるものであるため、Vラッシュ期間の終了間際(時短状態における特別図柄の最終変動が停止表示する直前)に、普図当たり遊技が実行された場合には、時短状態が終了した後(通常状態へと移行した後)に、役物当たり遊技を実行させることができる場合がある。
この場合、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行するタイミングでVラッシュ演出を終了してしまうと、Vラッシュ演出が終了したにも関わらず、役物当たり遊技が開始される事態は発生してしまい、遊技者を困惑させてしまう虞があった。そこで、本実施形態では、Vラッシュ期間の終了タイミング(時短状態における特別図柄の最終変動停止タイミング)において、普図当たり遊技が実行されている場合には、その普図当たり遊技が終了するまで、或いは、その普図当たり遊技を契機に実行される役物当たり遊技が終了するまで、Vラッシュ演出を延長するように構成している。これにより、V大当たり遊技を狙う特電遊技期間に対応させてVラッシュ演出を実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
具体的には、図16(d)に示した通り、実行中普図tf0に当たり当選したことを示す「○」の文字が示される状態、即ち、普図当たり遊技中に、時短状態の最終変動である特別図柄変動が停止表示(実行中特図th0が外れで停止していることを示す「×」で停止表示)した場合には、図16(b)に示した通り、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmには、Vラッシュ中の遊技状況を示すためのVラッシュ変動領域811の左領域811a、中領域811b、右領域811cが変動している状態で表示されている。即ち、Vラッシュが継続されていることを遊技者に示唆している。
そして、タイマ812には、時短状態の規定回数分の特図の変動が全て終了したことを示す「00.0秒」が表示される。しかしながら、主表示領域の上方には、「Vラッシュ延長中」の文字が表示されている。このように表示されることで、遊技者は、終了してしまったと思っていたVラッシュが延長されていることを知り、思わぬ喜びを得ることができる。そして、副表示領域Dsには「ラストチャンス!!」の文字が表示され、今回の普図当たりで特電作動口643に遊技球を入賞させ、V入賞口165に遊技球を入賞させなければ、Vラッシュが終了してしまうことを、遊技者は容易に理解することができる。
なお、図16(b)に示した状態、即ち、Vラッシュの延長表示中に球を特電作動口643へと入球させた場合には、通常のVラッシュ期間中と同様に役物当たり遊技が実行される。この場合、図13(b)に示した役物当たり遊技中の表示画面が表示されると共に、副表示領域Dsには継続して「ラストチャンス!!」の文字が表示される。これにより、今回の役物当たり遊技にてV入賞口165に球が入賞しなければVラッシュ期間が終了してしまうことを遊技者に分かり易く報知することができる。そして、「ラストチャンス!!」と表示された役物当たり遊技にて球がV入賞口165に入賞した場合には、通常のVラッシュ期間中と同一のV大当たり遊技が実行される。一方で球がV入賞口165に入賞しなかった場合には、役物当たり遊技終了後に、図16(a)に示したVラッシュ終了画面が表示される。
以上、図16(a)、及び図16(b)を参照して説明をした通り、本実施形態では、遊技状態の移行状況では無く、特電遊技を実行可能な期間をVラッシュ期間として一連のVラッシュ演出を実行するように構成している。このように構成することで遊技者に分かり易い演出を提供することができる。なお、図16(a)に示したVラッシュ期間の終了を示す終了画面の表示タイミングは、Vラッシュ期間の特別図柄の最終変動が停止表示された後に限ること無く、例えば、特別図柄の最終変動の残期間が所定時間(例えば、5秒)となった場合に表示を開始し、特別図柄の最終変動が停止表示され、次の特図変動が開始されるタイミングで終了画面の表示を終了させるように構成しても良い。この場合、タイマ812に表示するVラッシュ期間を、Vラッシュの終了画面が表示されるまでの期間として算出すると良い。
このように構成することで、タイマ812の値が0になった後に、所定時間(例えば、5秒)を用いて終了画面を表示することができるため、遊技者にVラッシュ期間中の遊技結果を分かり易く報知することができる。なお、このような構成を用いた場合には、例えば、Vラッシュの終了画面を表示する時点において普通図柄の抽選状況を事前判別し、Vラッシュの終了画面を表示し得る期間内にて普図当たり遊技が実行されると事前判別した場合には、Vラッシュの終了画面を表示するタイミングにて、図16(b)に示した延長画面を表示するように構成しても良いし、一旦終了画面を表示した後に、普図当たり遊技が実行された場合に、終了画面を延長画面へと切り替えるように構成しても良い。このよに、終了画面を延長画面へと切り替えるように構成を用いることで、終了画面が表示された後にもV大当たり遊技を狙える可能性を残すことができるため、遊技者に対して最後まで期待感を持たせたまま遊技を行わせることができる。なお、本実施形態では、図16(b)に示した延長画面が表示されている状態では、遊技状態として通常状態が設定されるように構成している。このような構成を用いた場合、例えば、時短状態中にV大当たり遊技が実行される場合よりも、通常状態中にV大当たり遊技が実行された場合のほうが遊技者に有利となる大当たり遊技が実行されるように構成すると良い。これにより、延長画面が表示されている期間は、Vラッシュ期間が間もなく終了してしまうことを示す期間であると共に、有利な大当たり遊技が実行され得る期間であることを示すことになる。よって、Vラッシュ期間中の遊技を行っている遊技者に対して、最後まで期待感を持たせた遊技を行わせることができる。加えて、この場合、遊技状態として通常状態が設定されている状態を、Vラッシュ期間が延長している特殊通常状態と、通常の通常状態とに区分けして管理可能に構成し、特殊通常状態が設定されている場合のみ、遊技者に有利な大当たり遊技が付与されるように構成し、通常の通常状態中にV大当たり遊技が実行された場合にはペナルティとして賞球を殆ど得ることが出来ず、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される不利大当たり遊技が実行されるように構成すると良い。また、これに限ること無く、例えば、Vラッシュ期間の特別図柄の最終変動が停止表示された時点で延長画面の表示条件が成立している場合には、時短状態を終了させず、延長画面表示の終了条件が成立した場合に時短状態を終了させるように構成しても良い。これにより、時短状態が終了するタイミングが可変することになるため、遊技者に対して、どのタイミングで時短状態が終了するのかを分かり難くすることができる。
次に、図17(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示される大当たり遊技のエンディング時の特殊画面について説明する。図17(a)は、大当たり遊技のエンディング時の特殊画面の表示画面の一例を示した図であり、図17(c)は、図17(a)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、上述したように、Vラッシュ中に大当たり遊技が実行された場合に、大当たり遊技の終了後、再度Vラッシュの期間が特別図柄の保留球数と変動時間とに基づいて設定されるが、大当たり遊技のエンディング時に保留球内に変動時間が200秒の当たり変動が実行される保留球があれば、所定期間の経過後に必ず大当たりに当選することを示す天国モード演出が実行される。
図17(a)は、大当たり遊技のエンディング時に、変動時間が200秒の当たり変動が保留されている場合の表示画面である。図17(c)に示すように、図17(a)で示す大当たり遊技のエンディング時の各図柄の保留状況は、実行中特図th0は、大当たり遊技中であるため特別図柄の変動が実行されていない。また、実行中普図fh0は変動中であることを示す「↓」が示されており、普図第1保留fh1は記憶されていることが示されている。そして、特図第1保留th1と特図第2保留th2とには、それぞれ10秒の外れ変動パターンが実行される保留球が記憶されていることが示されている。
そして、特図第3保留th3には、200秒の当たり変動パターンが実行される保留球が示されている。本実施形態では、詳しくは後述するが、時短遊技中(Vラッシュ中)の特別図柄の変動パターンとして、当否判定結果が当たりである場合に、変動時間が200秒の当たりロング変動(以下、特殊当たりと称す)が実行される場合がある。さらに、特別図柄の抽選において当選する大当たり(大当たりA、大当たりB)においては、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。よって、遊技者はこの特殊当たりの変動が停止するまで(天国モード中)は、特電遊技においてV入賞口165に入賞させることができなくても、必ず、特殊当たりにより当選した大当たり遊技により、大当たり遊技終了後再度Vラッシュの期間が設定されることため、安心して特電遊技を実行することができる。なお、図17(c)に示すように、特図第4保留th4は保留球があることを示しているが、特図第3保留th3において大当たり遊技が実行されるので、特図第3保留th3の保留球によって実行される大当たり遊技の終了後に設定されるVラッシュの期間として設定されるため、変動時間は「‐」が示されている。
そして、図17(a)に示す様に、大当たり遊技のエンディング時に保留内に特殊当たりがある場合には、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて、保留内に特殊当たりがあることを示す「天国モード突入」の文字が表示される。また、遊技状態が通常状態である場合や、保留内に特殊当たりがないVラッシュ中には表示されない第1ラッキーキャラクタ820aと第2ラッキーキャラクタ820bが表示される。また、副表示領域Dsに「超ラッキー!!」の文字が表示される。このように、通常状態時や保留内に特殊当たりがないVラッシュ中には表示されない第1ラッキーキャラクタ820aと第2ラッキーキャラクタ820bとが表示されることで遊技者は、遊技状況が特殊な状況であるのではないかという期待感を持つことができ、わくわくしながら遊技を継続することができる。つまり、第1ラッキーキャラクタ820aと第2ラッキーキャラクタ820bとは、遊技者にとって現在の遊技状況が特殊な遊技状況であることを示唆するための特殊遊技状況示唆態様となる。
また、主表示領域Dmの中央には、「220秒」と書かれた特殊期間表示態様803が表示される。この特殊期間表示態様803に表示される値は、特別図柄の抽選で特殊当たりに当選する変動が停止するまでの時間、即ち、天国モードの期間として設定される値が表示される。つまり、これから実行される特殊遊技期間を示すための特殊遊技期間報知態様となる。よって、この特殊期間表示態様803に表示される値は、特殊当たりの変動時間である200秒と、特殊当たりに当選するまでの保留球数分の変動時間が合算された値が表示される。図17(c)では、特図第1保留th1と特図第2保留th2とがそれぞれ10秒の変動時間が設定されている。さらに、特図第3保留th3に示される特殊当たりの変動時間は200秒であるため、特図第1保留th1〜特図第3保留th3までの変動時間の値を合算した「220秒」が、天国モードが設定される期間である。
本実施形態のパチンコ機10における時短状態(Vラッシュ)の期間は、大当たり遊技のエンディング時に第3図柄表示装置81において遊技者に対し報知するよう構成したが、時短遊技状態における特別図柄の変動時間は、特殊当たり変動である200秒を除くと最大でも50秒が最長の変動時間として設定される変動パターンが実行されるよう構成している(図25(c)参照)。よって、図17(a)に示す様に、200秒を超える極端に長い時間が特殊期間表示態様803に表示される場合には、必ず再度時短状態が設定されることを遊技者は理解することができ、安心して特電遊技を実行することができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技のエンディング時に、保留球内に特殊当たり変動があるかを判別し、特殊当たりがある場合には、大当たり遊技のエンディング時に、遊技者に対し報知するよう構成したが、報知態様はこれに限られるものではない。例えば、保留内に特殊当たりがある場合には、大当たりのエンディング時には、特殊当たり変動が実行されるまでの時間を報知するよう構成し、特殊当たりの変動が開始される時に、「200秒」の期間延長があったことを遊技者に報知するようにしてもよい。このように構成することで、終わってしまったかと思われたVラッシュの期間が、突然長い期間延長されたという思わぬ喜びを遊技者に対し与えることができる。
次に、図17(b)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示される天国モード中の画面について説明する。図17(b)は、天国モード中の表示画面の一例を示した図であり、図17(d)は、図17(b)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、大当たりのエンディング時に保留球内に特殊当たりがある場合に、その特殊当たりの変動が停止するまでの時間を、天国モードと称し、遊技者が安心して特電遊技を実行することができる期間となるよう構成している。図17(b)は、図17(a)に示した天国モードに移行してから、遊技状況が進行した場合の表示画面の一例である。
図17(b)に示す様に、主表示領域Dmの表示領域HR1には、遊技状態が通常状態から時短状態(Vラッシュ)に移行してから10回目のVラッシュ期間であることを示す「10連目」の文字が表示されている。そして、表示領域HR1の下方に設けられている表示領域HR2には、Vラッシュに移行してから実行された大当たり遊技によって獲得した賞球数を示す「6000pt」の文字が表示されている。主表示領域Dmの上方には「天国モード中」の文字が表示され、現在の遊技状態を遊技者が瞬時に判断できるよう示している。また、Vラッシュ中と同様に、Vラッシュ変動領域811が表示され、左領域811a、中領域811b、右領域811cの各領域には、普通図柄の抽選が実行されており、特電遊技が進行していることを示す変動表示態様が示されている。また、Vラッシュ中と同様に、主表示領域Dmの右上には、キャラクタ810が袋810aの中から何かを探しているアニメーションが表示される。これは、普通図柄の抽選が実行されていることを示すものである。
そして、図17(d)に示す様に、実行中特図th0では、残り変動時間30秒の特別図柄の変動が実行されている。この実行中特図th0は、図17(c)に示した遊技状況では、特図第3保留th3に示されていた特殊当たりが実行される保留球が変動を開始しているものである。よって図17(b)で実行されている天国モードの残期間は、この実行中特図th0の残変動時間である30秒である。また、特図第1保留th1〜特図第3保留th3には保留球が存在していることを示しているが、実行されている天国モードの期間外に実行される特図抽選であるため、変動時間は「‐」が示されている。また、実行中普図fh0は、普図抽選が実行されていることを示す「↓」が示されており、また普図第1保留fh1にも保留球が記憶されている状況である。
主表示領域Dmのタイマ812は、実行中特図th0の変動の残期間に合わせて減算されるよう表示されている。図17(d)に示す様に、実行中特図th0の残変動時間はth0であるため、タイマ812には「30.0秒」の文字が表示されている(図17(b)参照)。また、副表示領域Dsには「タイマ0でいいことがあるよ」という文字が表示され、タイマ812に表示されている残期間の値が0になると大当たりに当選することを遊技者に対して示唆している。つまり、副表示領域Dsには、これからの遊技状況を遊技者に対して示唆するための示唆演出報知態様が表示される。
上述したように、本実施形態では、特殊当たりに当選し、当たり図柄が停止するまでの期間である天国モード中の一部の表示態様を、Vラッシュモードと同一となるよう構成している。このように構成することで、天国モード中もVラッシュ中と同様に、特電遊技を実行し、V入賞口165に遊技球を入賞させることが、遊技者にとって有利となる基本的な遊技方法であることを遊技者に対し案内することができる。よって、分かり易い遊技を遊技者に提供することができる。
なお、表示態様はこれに限られるものではなく、天国モード専用の演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、演出の種類に幅を持たせることができ、演出効果を更に高めることができる。
次に、図18(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示される役物当たり中のチャンス演出画面について説明する。図18(a)は、役物当たり中のチャンス演出の表示画面の一例を示した図であり、図18(c)は、図18(a)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、上述したように、普通図柄の当たりに当選し、特電作動口643に遊技球が入賞すると役物当たりが実行され、役物当たりの実行中にV入賞装置65内のV入賞口165に遊技球が入賞した場合に大当たりが付与される。図18(a)では、図13(b)に示した遊技状況から役物当たり中にV入賞口165内に遊技球が入賞しやすいタイミングをチャンス演出とし遊技者に対し報知する。
図18(c)に示すように、図18(a)の各図柄の保留状況は、実行中特図th0は役物当たり中であるため、変動を仮停止していることを示す「?」が示されている。そして、特図第1保留th1〜特図第2保留th2までの各保留球は、それぞれ10秒のはずれ変動を示している。また、特図第3保留th3は、現在実行されているVラッシュの期間外に実行される特図変動であるため、変動時間は「‐」を示している。さらに、特図第4保留th4は保留されていないことを示している。そして、実行中普図fh0は、普図抽選の当たりに当選したことを示す「○」が示されている。
そして、図18(a)は、図13(b)に示した役物当たり中に、V入賞口165に遊技球が入賞しやすいことを遊技者に報知するための報知画面である。本実施形態では、上述したように、役物当たり中にV入賞装置65内に入賞した遊技球は、貯留弁66aに貯留される。そして、この貯留弁66aは、3秒の期間のうち1.5秒間は、遊技球が第3流路65d(図7参照)を流下するよう開放状態となるよう構成されている。そして、V入賞口165の上方に配設されている第1可動弁66bは、遊技状態に関わらず5.5秒間の内、0.5秒間遊技球が、V入賞口165への第5流路を流下可能な開放状態となるよう構成されている(図27(a)参照)。
つまり、V入賞口165に遊技球を入賞させるには、貯留弁66aが開放されてから第3流路65dを流下した遊技球を第1可動弁66bが開放状態に設定されている間に、V入賞口165に入球させる必要がある。よって、本実施形態では、貯留弁66aが開放状態に設定されてから2秒以内に第1可動弁66bが開放状態になるかを判別し、2秒以内に第1可動弁66bが開放状態となると判別した場合には、図18(a)に示すように、主表示領域Dmに表示されているVラッシュ変動領域811のまわりに強調態様811zを表示する。そして、副表示領域Dsには、「V入賞の大チャンス!!」という文字が表示される。つまり、遊技者に対し強調態様811zは、有利となる遊技状態に移行しやすいタイミングを報知するためのタイミング報知態様となる。このように構成することで遊技者は、V入賞し易いタイミングを理解することができ、遊技を実行しやすくなる。
なお、本実施形態では、V入賞し易いタイミングを強調表示態様811zや、副表示領域Dsのコメントにて報知するよう構成したが、これに限ることなく、V入賞し難いタイミングも報知するよう構成しても良い。このように構成することで、より親切な遊技を遊技者に対し提供することができる。
次に、図18(b)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中の普図停止画面について説明する。図18(b)は、Vラッシュの期間中に普通図柄の抽選が停止した場合の表示画面の一例を示した図であり、図18(d)は、図18(b)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、上述したように、Vラッシュ(時短状態)中には、普通図柄の抽選に当選し、特電作動口643に遊技球を入賞させ、V入賞を狙う特電遊技を実行することが、遊技者にとって最も有利な遊技方法となる。よって、このVラッシュ中に、普通図柄の抽選が実行されていない場合には、特電遊技を実行できない状態であるため、遊技球の発射を促す演出を第3図柄表示装置81において実行する。
図18(d)に示す様に、図18(a)のVラッシュ中の各図柄の保留状況は、実行中特図th0は変動中であり、残変動時間が2秒であることが示されている。また、特図第1保留th1と特図第2保留th2とにはそれぞれ10秒間の外れ変動が実行される保留球が記憶されている。そして、特図第3保留th3と特図第4保留th4とは、保留球が記憶されていない状態である。よって、図18(b)に示すVラッシュの残期間は実行中特図th0の残変動時間と、特図第1保留th1と特図第2保留th2との変動時間を合算した22.2秒である。そして、実行中普図fh0は、普図抽選が実行されていないことを示す「‐」が示されている。さらに、普通第1保留fh1にも保留球が記憶されていない。
図18(d)に示した様に、Vラッシュ中に普通図柄の抽選が実行されずに停止している場合には、普通入賞装置640に付随する電動役物640aが開放状態に設定されず、特電作動口643に遊技球を入球させることは不可能である。つまり、Vラッシュ中の基本的な遊技方法となる特電遊技を実行することができず、さらに、特図抽選は実行されているため、規定回数分の特図抽選が狩猟した場合にそのままVラッシュが終了してしまう。さらに、本実施形態では、特図入球口64、或いは、普通入賞装置640に遊技球を入球させるには、遊技盤13の左側領域を狙って遊技球を発射する左打ち遊技を実行する必要があり、左打ち遊技を実行した場合には、普通図柄の抽選の契機となるスルーゲート67への遊技球の通過が100%実行されるよう構成している。つまり、図18(b)に示した特図抽選は実行されていながら、普図抽選が実行されていないという遊技状況は、遊技球が発射されていない状況である。よって、第3図柄表示装置81において、遊技者に対して、遊技球の発射を促す演出を実行する。
主表示領域Dmには「Vラッシュ中」の文字が表示され、さらに、タイマ812にはVラッシュの残り期間を示す「22.2秒」が時間の経過に合わせて減算されているように表示している。これらの表示内容により、遊技者はVラッシュ遊技が実行されており、その残期間が減少していることを容易に理解することができる。また、普通図柄の抽選が実行されている場合には変動表示が実行されていたV変動領域811では、左領域811aには「打」、中領域811bには「っ」、右領域には「て」と合わせて「打って」という文字が、キャラクタ810が案内しているアニメーションによって、遊技者に示されている。つまり、V変動領域811は、普通図柄の抽選が実行されていないことを示し、Vラッシュが終了してしまうことを遊技者に対し示すための警告表示態様となっている。
また、副表示領域Dsには「遊技を開始してください」の文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対し、普通図柄の抽選が実行されておらず特電遊技が実行できないことを報知することができ、また、特図抽選は実行されているため、このまま遊技者にとって有利な期間となるVラッシュ期間が終了してしまうことを警告することができる。このように構成することで、遊技者が思わぬ形で有利期間が終了してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した遊技球の発射を促す演出は、この表示態様に限られるものではない。つまり、普通図柄の抽選が実行されていないことが遊技者に対して伝わるものであればよく、「WARNING」など危険を示す文字を第3図柄表示装置81全体に表示しても良い。このように構成することで、遊技者が損をしてしまう恐れがあることをより警告することができる。
次に、図19(a)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中の特図停止画面について説明する。図19(a)は、Vラッシュ中に特別図柄の抽選が実行されていない場合の表示画面の一例を示した図であり、図19(c)は、図19(a)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、上述したように、時短状態(Vラッシュ)は、特別図柄の抽選がその規定回数分実行されるまで継続し、その規定回数分の変動時間を合算した値をVラッシュの規定期間として遊技者に対し報知するよう構成している。よって、特別図柄の抽選が実行されていない場合には、その規定された期間が判別されていないため、遊技者にVラッシュがいつまで続くかを期待させるような演出を実行する。
図19(c)に示すように、図19(a)に示す遊技状況の各保留図柄の保留状況は、実行中特図th0は特別図柄の抽選が実行されていないことを示す「‐」が示されている。また特図第1保留th1〜特図第4保留th4は、保留球が記憶されていないことを示している。一方、実行中普図fh0は普図抽選が実行されていることを示す「↓」が示めされており、普図第1保留fh1も記憶されている状態である。
このように、Vラッシュ中に特図抽選が実行されていない場合には、規定回数分の特別図柄の抽選が実行されるまで、特電遊技を実行することができる。図19(a)に示す様に、タイマ812には特別図柄の抽選が実行されておらず、また規定期間に到達していないことを示す「???秒」の文字が表示されている。またV変動領域811には普通図柄の抽選が実行されていることを示す「↓↓↓」の変動表示が表示されている。そして、副表示領域Dsには、「いつまで続くかドキドキ」というVラッシュの規定期間に到達していないことを示唆するための報知態様が表示されている。これらの表示内容により、遊技者は、特別図柄の抽選が実行されていないためVラッシュの残期間が減っていない状態であるが、普通図柄の抽選は実行されているため特電遊技を実行できていることを理解することができる。このように構成することで、Vラッシュの期間が経過しないまま特電遊技を実行できるという遊技者にとって有利な遊技状況がいつまで続くかを遊技者がわくわくしながら遊技を実行することができる。つまり、図19(a)に示す表示内容は、遊技者に対し、有利な状態であることを示すための示唆報知内容となっている。
なお、上述したようにVラッシュ期間中に特別図柄の保留球がなくなった場合には、一度Vラッシュの期間が終了してしまったように報知し、次に特図入球口64に遊技球が入球した場合に、Vラッシュの期間が復活したような復活演出を実行しても良い。このように構成することで、遊技者は終了してしまったかと思われたVラッシュ期間が復活したように思い、思わぬ喜びを得ることができる。
次に、図19(b)を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において表示されるVラッシュ中のラッキータイム画面について説明する。図19(b)は、Vラッシュ中のラッキータイム画面の一例を示した図であり、図19(d)は、図19(b)に示した表示画面が表示された場合における各図柄状況を示した図である。本実施形態では、上述したように、時短状態(Vラッシュ)中にV大当たり遊技が実行されると、中断中の特別図柄変動の残時間と、V大当たり遊技終了後に設定される時短回数(4回)分の特別図柄変動時間が、V大当たり遊技終了後の時短期間(Vラッシュ期間)として設定されるように構成している。
よって、V大当たり遊技が実行される時点において中断されている特別図柄変動の残期間が長ければ長いほど、次回のVラッシュ期間を長くすることができる。しかしながら、第3図柄表示装置81の表示面ではVラッシュ期間をタイマ812の表示態様を用いて表示(減算表示)しているが、実行中の特別図柄変動の残期間は表示していないため、遊技者は、特別図柄変動が中断する毎に、実行中の特別図柄変動の残期間の長さが長いことを期待しながら遊技を行う必要があった。
そこで、本実施形態では、実行中の特別図柄変動の残期間の長さが所定条件を満たしている場合に、その旨を遊技者に報知するための演出を実行するように構成している。具体的には、特別図柄変動の残期間が所定時間(例えば、30秒)よりも長い場合、或いは、次に実行される特別図柄変動の変動時間よりも、実行中の特別図柄変動の残期間が長い場合に、ラッキータイム演出を実行し得るように構成している。このように構成することで、ラッキータイム中にV当たり遊技を実行させた場合には、次回のVラッシュ期間を長くすることができるため、遊技者に対して、意欲的に遊技を行わせることができる。
ラッキータイム演出が実行されると、主表示領域Dmに「ラッキータイム突入」の文字が表示されると共に、期間表示態様851として「10秒」が表示される。図19(b)に示した表示画面では、実行中の特別図柄変動の残期間が、次に実行される特別図柄変動の変動時間よりも長い状態であることを示すラッキータイム演出が実行されており、図19(d)に示した通り、実行中の特別図柄変動の残期間が20秒で、次に実行される特別図柄変動の変動時間が10秒である場合に、その差分である10秒が期間表示態様851に表示される。この期間表示態様851に表示された秒数は、特別図柄変動の変動時間の減算に対応させて減算表示され、0秒が表示された場合に、ラッキータイム演出が終了する。
そして、副表示領域Dsには、ラッキータイム中の特典を遊技者に案内するための案内表示態様として「ラッキータイム中の役物当たりはチャンス」のコメントが表示される。これにより、遊技者に対してラッキータイム中の遊技を意欲的に行わせることができる。なお、詳細な図示は省略したが、本実施形態では、実行中の特別図柄変動の残期間が所定時間未満(例えば、5秒未満)である場合に、その旨を遊技者に報知可能な演出としてアンラッキー演出も実行可能に構成している。つまり、このアンラッキー演出が実行されている場合にV大当たり遊技が実行されると、次に設定されるVラッシュ期間が短くなり易いことを遊技者に把握させることができるように構成している。
このようにアンラッキー演出を実行することで、遊技者に対して、Vラッシュ期間中に取りあえずV大当たり遊技を実行させるためにアンラッキー演出中も積極的に特電遊技を実行するか、Vラッシュ期間は減算されていくが、アンラッキー演出が終了するまで特電遊技を行わず、V大当たり遊技終了後により長いVラッシュ期間が設定されることを目指すかを選択させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、上述したラッキータイム演出やアンラッキー演出を特別図柄の変動時間が所定条件を満たした場合に実行するように構成しているが、これに限ること無く、所定条件を満たした場合に、演出の実行の有無を抽選で決定するように構成しても良いし、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)への操作結果に基づいて演出の実行の有無を決定するように構成しても良い。さらに、ラッキータイム演出やアンラッキー演出として表示可能な期間の長さに応じて演出の実行頻度を可変させても良く、実行中の特別図柄変動の残期間が50秒を越える場合には、高確率でラッキータイム演出が実行されるように構成しても良い。
本実施形態では、図19(b)に示した通り、ラッキータイム演出が実行されている期間中に、遊技者に有利となる期間を、期間表示態様851を用いて遊技者に報知しているが、これに限ること無く、期間表示態様851を表示すること無くラッキータイムであることを示す表示態様のみを表示するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して、有利度合いを把握させ難くすることができるため、V大当たり遊技終了後に設定されるVラッシュ期間の長さを予測する楽しみを提供することができる。
さらに、ラッキータイム演出やアンラッキー演出の実行条件として、Vラッシュ期間の残期間、即ち、時短状態が終了するまでの特別図柄変動の合算期間が所定時間(例えば、30秒)以上であることを実行条件として設けても良いし、Vラッシュ期間における特別図柄の最終変動中はラッキータイム演出やアンラッキー演出が実行されないように構成しても良い。
<第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技状態の遷移について>
次に、図20を参照して、本第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技状態の遷移内容について説明をする。図20は本第1実施形態におけるパチンコ機10にて設定される遊技状態の流れを示した遷移図である。
本第1実施形態では、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、2つの遊技状態を設定可能に構成しており、遊技状態に関わらず、大当たり遊技が終了した後に時短状態が設定され、その時短状態中に時短終了条件(例えば、特別図柄抽選が大当たりに当選すること無く所定回数(4回)実行された場合に成立する条件)が成立した場合に通常状態が設定されるように構成している。
まず、遊技状態として通常状態が設定されている場合について説明をする。本実施形態のパチンコ機10では、初期状態(主制御装置110の立ち上げ処理(図54参照)にてRAM消去スイッチ122(図10参照)が操作されたと判別した際の処理が実行された状態)では、遊技状態として通常状態が設定される。この通常状態は、普通図柄の低確率状態となるため普電入賞装置640内に球を入賞させ難い(普通図柄の高確率状態よりも入賞させ難い)遊技状態であることから、特図入球口64に球を入球させるための左打ち遊技が実行される。
この通常状態中において、特別図柄(特図)の抽選(特図抽選)にて大当たりに当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、或いは大当たりBの何れかが設定され、大当たり遊技が実行される。詳細な説明は、図24を参照して後述するが、本実施形態では、特図抽選で大当たりに当選した場合の99%の割合で大当たり種別として「大当たりA(4R(ラウンド)、時短4回)」が設定され、1%の割合で大当たり種別として「大当たりB(4R(ラウンド)、時短15回)」が設定されるように構成している。
つまり、通常状態中に大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されるように構成しており、設定された大当たり種別に応じて時短状態の終了条件が異なるように構成している。具体的には、設定され易い大当たり種別(大当たりA)のほうが、設定され難い大当たり種別(大当たりB)よりも、成立し易い時短終了条件が設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、特図抽選で大当たり当選を目指す遊技に加え、設定される大当たり種別が遊技者に有利な大当たり種別(大当たりB)となることを期待しながら遊技を行わせることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、通常状態が設定されている間は、特図抽選の抽選結果を示すための動的表示(演出表示)が第3図柄表示装置81の表示面にて実行され、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される動的表示態様(演出態様)を把握することにより、実行中の特図抽選の結果を遊技者が予測できるように構成している。また、上述した通り、通常状態中は、普通図柄の低確率状態が設定されているため、普通図柄の抽選(普図抽選)によって普電入賞装置640に球が入賞し難い状態であることから、第3図柄表示装置81の表示面にて普図抽選の結果を遊技者に示唆するための演出表示が実行されない、或いは、特図抽選の結果を示唆するための動的表示態様よりも、目立たない表示態様で実行するように構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている期間は、普図抽選の結果に基づいて実行される演出よりも、特図抽選の結果に基づいて実行される演出を、遊技者に注視させることができるため、通常状態中は、特図抽選を主とした遊技(特図遊技)が実行されることを視覚的に把握させることが可能となる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
そして、大当たり遊技の終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されると、普図抽選に基づいて普電入賞装置640が開放状態となり易くなり、普図抽選に基づいて特電作動口643に球を入球させることで実行される役物当たり遊技にて大当たり遊技(V大当たり遊技)を目指す遊技(特電遊技)のほうが、特図抽選に基づいて大当たり遊技(特図大当たり遊技)を目指す遊技(特図遊技)よりも遊技者に有利な遊技となるように構成している。
このように、設定される遊技状態に応じて遊技者が狙うべき大当たりの実行契機を異ならせることで、設定される遊技状態に応じて異なる遊技を遊技者に実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、本実施形態では、通常状態中は特図抽選を狙う特図遊技が普図抽選を狙う特電遊技よりも遊技者に有利となるように構成し、時短状態中は普図抽選を狙う特電遊技が特図抽選を狙う特図遊技よりも遊技者に有利となるように構成することで、遊技状態に応じて遊技者が実行すべき遊技の内容を異ならせているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を複数設け(第1特別図柄、第2特別図柄)、設定される遊技状態に応じて、遊技者が実行すべき特図抽選に対応する特別図柄の種別を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態が設定されている場合は、第1特別図柄の特図抽選を狙う第1特図遊技が第2特別図柄の特図抽選を狙う第2特図遊技よりも遊技者に有利となるようにし、通常状態とは異なる遊技状態(例えば、時短状態)が設定されている場合は、第2特別図柄の特図抽選を狙う第2特図遊技が第1特別図柄の特図抽選を狙う第1特図遊技よりも遊技者に有利となるように構成しても良い。
また、本実施形態では、図2を参照して上述した通り、特図遊技を実行する場合も、特電遊技を実行する場合も、同一の遊技方法(左打ち遊技)を実行させるように遊技盤13を構成することで、遊技状態が可変する毎に遊技方法を可変させる煩わしさを遊技者に与え無いように構成しているが、これに限ること無く、設定される遊技状態に応じて遊技方法を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態中は左打ち遊技(可変表示装置ユニット80の左側に形成される遊技領域(左側領域)を狙う遊技)を実行させ、時短状態中は右打ち遊技(可変表示装置ユニット80の右側に形成される遊技領域(右側領域)を狙う遊技)を実行させるように構成しても良い。この場合、左側領域に特図遊技を実行させるための構成として、特図入球口64を設け、右側領域に特電遊技を実行させるための構成として、スルーゲート67、普電入賞装置640、V入賞装置65を設け、左側領域、或いは右側領域を流下した球が到達可能な遊技領域(下方領域)に、大当たり遊技として開放動作される可変入賞装置650を設けるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に主として実行させる遊技内容(特図遊技、特電遊技)に応じて遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を異ならせることができるため、遊技者に対して、遊技方法を可変させる楽しさを提供することができる。
また、このように、遊技者に主として実行させる遊技内容(特図遊技、特電遊技)に応じて遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を異ならせる場合には、遊技者に対して実行すべき遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を案内するための案内報知(例えば、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される「右打ち」の表示態様)を実行するように構成すると良い。
さらに、遊技者に主として実行させる遊技内容(特図遊技、特電遊技)に応じて遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を異ならせる場合に、左側領域、或いは右側領域を流下した球が到達可能な遊技領域(下方領域)に、大当たり遊技として開放動作される可変入賞装置650を設けることで、特図遊技に基づいて大当たり遊技が実行される場合も、特電遊技に基づいて大当たり遊技が実行される場合も、大当たり遊技の実行を契機に遊技方法を可変させる必要が無く、円滑に遊技を行わせることができる。
図20に戻り説明を続ける。本実施形態では、特別図柄の変動回数(特図抽選の回数)に基づいて時短状態の終了条件が成立するように構成している。また、普通図柄の抽選(普図抽選)は、特別図柄の抽選(特図抽選)に関わること無く独立して実行可能に構成している。つまり、普図抽選の実行契機は、特図抽選の状況に関わらず成立するように構成している。
加えて、本実施形態では、特別図柄変動(特図変動)普電入賞装置640内に設けられた特電作動口643に球が入賞し、役物当たり遊技が実行されると、実行中の特別図柄変動を中断するように構成し、役物当たり遊技が終了した場合に、中断していた特別図柄変動を再開させるように構成している。また、役物当たり遊技中に球がV入賞口165に入賞し大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行された場合には、その大当たり遊技が終了した場合に、中断していた特別図柄変動を再開させるように構成している。
このように構成された本実施形態では、時短状態が設定されている場合に、特図抽選に基づいて成立し得る時短状態の終了条件(時短終了条件)が成立するまでに、即ち、所定回数(例えば、4回)の特図抽選が実行されるまでに、数多くのV大当たり遊技を狙う特電遊技が実行される。具体的に例を示すと、時短終了条件として特図変動4回が設定された場合には、4回目の特図抽選が終了するまでの期間、即ち、4回の特図抽選に対してそれぞれ10秒の変動時間が設定された場合には、今回設定された時短状態が40秒後(4回目の特図抽選が終了するタイミング)まで継続することになる。
この場合、図12(a)に示した通り、大当たり遊技終了時に特図保留数が4個ある場合には、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が終了するまでの期間として「40秒」が表示される。
さらに、上述した通り、本実施形態では、時短状態中の役物当たり遊技や大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されている間、実行中の特図変動の変動時間が減算されないように構成しているため、実際に時短状態が設定される期間は、時短終了条件が成立するまでの特図変動時間と、その特図変動時間の減算が中断されている中断時間と、を合算した期間となる。特図変動の減算が中断される中断時間は、上述した通り、当たり遊技(役物当たり遊技、大当たり遊技)が実行されている期間が該当し、その当たり遊技の実行期間は、遊技者の遊技内容によって期間の長さが前後するため遊技者に対して中断時間を正確に報知することができない。
よって、本実施形態では、時短状態が終了するまでの残時間(特図変動時間)を表示し(図13(a)参照)、特図変動時間の減算が中断される場合には、その減算が再開されるまで、時短状態が終了するまでの残時間(特図変動時間)の減算表示が中断されていることを示すための表示態様(図13(b)参照)を表示するように構成している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示される時短状態が終了するまでの期間を示す表示態様(図12(a)の残時短期間表示態様801)の表示内容と、実際に時短状態が終了するまで期間と、が相違すること無く、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
時短状態(普通図柄の高確率状態)中に実行される普通図柄抽選(普図抽選)は、当たり当選の確率が約33%となるように構成しており、通常状態(普通図柄の低確率状態)中に実行される普通図柄抽選(普図抽選)の当たり確率(1%)に比べて、普図当たりに当選し易くなるように構成している。さらに、本実施形態では、設定されている遊技状態に関わらず、普通図柄の変動パターンとして3秒の変動時間が設定されるように構成している。よって、時短状態中に継続して左打ち遊技を実行することにより、約10秒に1回は普図当たり遊技が実行され普電入賞装置640が開放状態となるように構成している。
図3から図5を参照して上述した通り、時短状態中に普図当たり遊技が実行された場合には、普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643へと入球し易く(通常状態中に実行される普図当たり遊技よりも入球し易く)なるように構成しており、普図当たり遊技の実行回数と略同一回数の役物当たり遊技を実行可能に構成している。そして、図6から図9を参照して上述した通り、1回の役物遊技において球がV入賞口165に入賞し、大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行される確率が約1/11となるように構成している。
つまり、本第1実施形態では、時短状態中において、約10秒に1回の割合で、球をV入賞口165に入賞させるチャンスとなる役物当たり遊技が実行されるように構成している。役物当たり遊技の遊技結果がV入賞口165へと球を入賞できた場合(V入賞である場合)は、役物当たり遊技の後、大当たり遊技(大当たり種別が大当たりCの大当たり遊技(10R(ラウンド)、時短4回))が実行され、その大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される。つまり、時短状態中にV大当たり遊技(球をV入賞口165に入賞させることにより実行される大当たり遊技)が実行された場合には、その大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定されるように構成している。よって、一旦時短状態が設定されると、特電遊技にて大当たり遊技を実行させ続ける限り時短状態が終了することが無いため、遊技者に対して期待感を持たせて特電遊技を実行させることができる。
また、詳細な説明は後述するが、特電遊技によって大当たり遊技が実行された場合は、その大当たり遊技の終了後に、中断していた特図変動が再開されることになるが、その再開された特図変動によって、時短終了条件を成立させるための特図抽選(特図変動)回数が更新されないように構成している。即ち、再開後の特図変動が終了した後に、特図変動が4回実行されるまで時短状態が継続するように構成している。
つまり、特図変動の残期間が長時間(例えば、30秒)である場合に役物当たり遊技が実行され、その役物当たり遊技によってV大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技後に設定される時短状態の期間が、「30秒+特図変動4回分」となるのに対して、特図変動の残期間が短時間(例えば、0.5秒)である場合に役物当たり遊技が実行され、その役物当たり遊技によってV大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技後に設定される時短状態の期間が、「0.5秒+特図変動4回分」となる。
このように構成することで、経過時間に基づいて終了条件が成立する時短状態中にV大当たり遊技を狙う特電遊技を実行する場合において、V大当たり遊技が早く実行されるほうが遊技者に有利となるのでは無く、実行中の特図変動の残期間が長い状態でV大当たり遊技が実行されたほうが遊技者に有利とすることが可能となる。よって、時短状態が設定されてから所定期間が経過した状態でV大当たり遊技が実行されていない場合であっても、遊技者に対して期待感を持たせながら継続して遊技を行わせることが可能となる。
なお、本実施形態では、大当たり終了後に再開される特図変動に基づいて時短回数(時短終了条件を成立させるために更新される特図変動回数)が更新(減算)されないように構成しているが、これに限ること無く、大当たり終了後に再開される特図変動に基づいて時短回数(時短終了条件を成立させるために更新される特図変動回数)が更新されるように構成しても良い。このように構成した場合であっても、再開後の特図変動期間(残変動期間)が長いほど、遊技者に有利とすることができるため、時短状態が設定されてから所定期間が経過した状態でV大当たり遊技が実行されていない場合であっても、遊技者に対して期待感を持たせながら継続して遊技を行わせることが可能となる。
図20に戻り、説明を続ける。時短状態中に実行される役物当たり遊技の遊技結果が、V入賞口165へと球を入賞させることが出来なかった場合(非V入賞の場合)は、時短状態が終了するまで繰り返し特電遊技が実行される。
また、時短状態中において、特別図柄変動(特図変動)が終了すると、時短終了条件が成立しているか、即ち、時短終了条件として設定された回数分の特図変動が終了したかが判別され、時短終了条件が成立している場合には、遊技状態が通常状態へと移行し、特図遊技が実行される。一方、時短終了条件が成立していない場合は、次の特図変動が実行される。詳細な説明は図25(c)を参照して後述するが、本実施形態では、時短状態中に実行される特図抽選の変動パターンとして、特図抽選の結果が当たり当選(1/100)の場合には50秒、或いは200秒の変動時間が設定される変動パターンが選択され、特図抽選の結果が外れ(99/100)の場合には、10秒〜50秒の変動時間が設定される変動パターンが選択されるように構成している。即ち、時短終了条件が成立するまでに実行される特図抽選(時短終了条件として時短4回が設定された場合には、大当たり遊技終了後に実行される4回の特図抽選)にて大当たり当選した場合のほうが、長い期間時短状態を継続させ易くすることができるように構成している。さらに、時短状態中に特図抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される。よって、時短状態が設定される限られた期間内で特図抽選により大当たり当選した場合の付加価値を遊技者に提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技終了時に獲得している特別図柄の保留記憶内に200秒の変動時間が設定される大当たり情報があると判別した場合には、その旨を報知するための特殊演出を実行するように構成している(図17(a)参照)。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件として、成立し易い時短終了条件(時短4回)と、成立し難い時短終了条件(時短15回)と、を設定可能に構成している。ここで、時短15回が設定された場合には、時短状態中に実行される15回目の特図抽選が終了するまで時短状態が継続することになるため、特図変動回数の増加分に応じて時短期間を長くすることができると共に、時短状態中に大当たり当選する確率を高くすることができ、大当たり当選時に設定される長時間の変動パターンによってより時短期間を長くすることができる。
また、本第1実施形態のパチンコ機10は、図2に示した通り、通常状態中も、時短状態中も、大当たり遊技中も、全て同一の遊技方法(左打ち遊技)で遊技を行わせるように構成されているため、時短状態中に特図抽選が実行されない状況が発生することを抑制することができる。なお、本実施形態では、特図変動の変動パターンが特別図柄の保留数(特図保留数)に関わらず選択されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態が設定されている場合は、特図保留数が多いほど長い変動時間が設定される変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、時短状態が設定される前段階(例えば、大当たり遊技中)において、特図保留数を上限(4個)に到達させようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、時短状態中に特図変動が実行されない状態(時短終了条件が成立しない状態)が発生することを抑制することができる。
さらに、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、時短状態が設定されている期間中において、即ち、所定回数の特別図柄変動(特図変動)が終了するまでの期間において、普通図柄の抽選を実行させ、最終的にV入賞装置65内のV入賞口165に球を入賞させる特電遊技を実行させるように構成している。そして、V入賞装置65は役物当たり遊技中に球を入賞させ易く構成しており、役物当たり遊技中は特図変動の変動時間が減算されない(中断する)ように構成している。さらに、役物当たり遊技は複数の終了条件を有しており、具体的には、役物当たり遊技中にV入賞装置65に入賞した球数が所定数(3個)に到達した場合に成立する第1終了条件(球入賞終了条件)と、役物当たり遊技が実行されてからの経過期間が所定期間(3秒)に到達した場合に成立する第2終了条件(時間経過終了条件)と、を有しており、第1終了条件、或いは、第2終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に、役物当たり遊技を終了するように構成している。また、普通図柄の変動期間中、及び、普図当たり遊技の実行期間中は、新たな普通図柄の抽選(普図抽選)が実行されないが、普図当たり遊技中に特電作動口643へと球が入賞し、役物当たり遊技が実行されている期間中は、新たな普図抽選を実行可能に構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、時短状態中に役物当たり遊技を実行させることで、特図変動を中断させながらより多くの役物当たり遊技が実行されることを目指して特電遊技が行われる。しかしながら、普通図柄の抽選結果が停止表示されるまでの普通図柄の変動期間や、普図当たり遊技の実行期間中において球を普電入賞装置640へと入賞させることができない期間(電動役物640aが閉鎖状態となる期間)といった役物当たり遊技を実行させることができない期間は、時短状態中における特別図柄の変動時間を無駄に減算させる期間となるため、時短状態中において、遊技者に不利な不利時短期間となる。
よって、例えば、時短状態中に設定される普通図柄の変動パターンとして、変動時間が短い普図短変動パターン(変動時間3秒)と、変動時間が長い普図長変動パターン(変動時間15秒)と、を選択可能に構成した場合には、上述した不利時短期間が短くなるように、普図短変動パターンが選択されることを期待しながら遊技を行うことになる。さらに、本実施形態のように、役物当たり遊技の実行期間中は特図変動が中断される(特図変動の変動時間を減算する処理を中断させる)構成を用いた場合には、不利時短期間と、特図変動の中断期間と、が重複する期間を長くすることにより、不利時短期間中に特別図柄の変動時間が減算されてしまうことを抑制することができる。
そこで、時短状態中の不利時短期間を短くするために、時短状態中において役物当たり遊技が実行される場合に実行中の普図変動の残時間を判別し、その残時間が所定時間(例えば、10秒)よりも長い場合は、役物当たり遊技を球入賞によって終了させるのでは無く、時間経過によって終了させたほうが良いことを促す演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、役物当たり遊技の実行期間を長くすることができる分、不利時短期間を短くすることができる。
<第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図21を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図21は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図22を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図22は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(図示せず)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図39参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図55参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特図入球口64への入球に対応する特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、特別図柄保留球格納エリア203aには、特図入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
なお、本実施形態では、特別図柄の種別が1種類の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を2種類以上設けても良い。この場合、例えば、特図入球口64(第1入球口)への球の入球に基づいて一の特別図柄種別(例えば、第1特別図柄)の抽選条件を成立させるために、第1特別図柄保留球格納エリアに上述した各値を格納し、特図入球口64(第1入球口)とは異なる入球口(例えば、第2入球口)への球の入球に基づいて他の特別図柄種別(例えば、第2特別図柄)の抽選条件を成立させるために、第1特別図柄保留球格納エリアとは異なる第2特別図柄保留球格納エリアに上述した各値を格納するように構成すれば良い。
そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。
さらに、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア、第2特別図柄保留球格納エリア)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れのみとなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。
加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。
このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
さらに、本実施形態のRAM203には、1つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203bには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
次に、図22を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図39参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図55参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が特図入球口64に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図23(b)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図23(b)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値が所定範囲内に規定されており所定範囲の判定値が規定されている。図23(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜3」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「4〜399」)が外れの判定値として規定されている。
なお、本実施形態では、大当たりに当選する確率が遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて大当たり確率が異なる様に構成しても良い。また、その場合、特別図柄の大当たり確率を、高確率状態と低確率状態の2種類、或いは、3種類以上にしても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
なお、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202aに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が特図入球口64へと入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202cを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図24を参照して第1当たり種別選択テーブル202c内容について説明をする。
図24(a)は、第1当たり種別選択テーブル202cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図24(a)に示した通り、この第1当たり種別選択テーブル202cには、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図大当たり種別選択テーブル202c1と、V入賞口165へと球が入賞(V入賞)した場合に参照されるV大当たり種別選択テーブル202c2と、を有している。
まず、図24(b)を参照して、特図大当たり種別選択テーブル202c1の内容について説明をする。図24(b)は、特図大当たり種別選択テーブル202c1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図大当たり種別選択テーブル202c1は、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜98」の範囲には、「大当たりA」が規定されており、「99」の値には、「大当たりB」が規定されている。
ここで、各大当たり種別に対応して実行される大当たり遊技の内容、及び、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容について説明をする。本実施形態では、各大当たり種別に応じて実行される大当たり遊技の開放動作内容(ラウンド遊技内容)、即ち、大当たり遊技中に実行される可動部材(可変入賞装置650)に対する動作内容(開放タイミング、開放回数)を時系列に規定した開放動作シナリオが主制御装置110のROM202が有する各種動作シナリオテーブル202eに予め記憶されている。
そして、大当たりに当選した場合に設定された大当たり種別に対応する開放動作シナリオが各種動作シナリオテーブル202eから読み出され、主制御装置110のRAM203内の実行中シナリオ格納エリア(図示せず)に格納される。開放動作シナリオが実行中シナリオ格納エリア(図示せず)に格納されると、主制御装置110のメイン処理(図55参照)が実行される毎(4ミリ秒毎)に、シナリオ内容が更新され、大当たり遊技中の制御を実行する大当たり制御処理(図56のS1804参照)において、現在のシナリオ内容を判別し、その判別結果に基づいた処理を実行するように構成している。
このように構成することで、例えば、一つの開放動作制御によって複数の可動部材を可動させる場合において、各可動部材の動作内容を時系列に規定した開放動作シナリオを用いることにより、複数の可動部材に対する動作制御を一元管理することができる。よって、各可動部材に対して別個に動作制御を実行する場合に比べて、各可動部材の動作タイミングを適正に設定することができるとともに、一つの可動部材に不具合が生じた場合における他の可動部材に対する動作処理を円滑に実行することができる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数(ラウンド遊技が実行される回数)が4ラウンドで、4ラウンドの間、可変入賞装置650が開放動作される大当たり遊技が実行される大当たり種別である。このラウンド遊技とは、球が可変入賞装置650に10球入賞する、或いは、開放期間が30秒を経過するまでの間、第1アタッカ650を継続して開放させる遊技のことである。つまり、4ラウンドのラウンド遊技が実行される「大当たりA」では、最大で40個の球を可変入賞装置650へと入賞させることができる大当たり遊技となる。
さらに、「大当たりA」は、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように規定されており、時短状態が継続する期間として「時短4回」、即ち、時短状態中に特別図柄の抽選で大当たり当選すること無く4回実行されるまで(4回目の特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)されるまで)の時短期間が規定されている。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数(ラウンド遊技が実行される回数)が4ラウンドで、4ラウンドの間、可変入賞装置650が開放動作される大当たり遊技が実行される大当たり種別である。そして、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように規定されており、時短状態が継続する期間として「時短15回」、即ち、時短状態中に特別図柄の抽選で大当たり当選すること無く15回実行されるまで(15回目の特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)されるまで)の時短期間が規定されている。
つまり、本実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、必ず4ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されるように構成している。そして、設定された大当たり種別が「大当たりA」である場合(大当たり当選時の99%)には時短回数「4回」が、「大当たりB」である場合(大当たり当選時の1%)には時短回数「15回」が設定されるように構成している。
本実施形態のパチンコ機10では、時短状態中に、通常状態中における特図遊技(特図入球口64へと球を入球させ、特別図柄抽選で大当たり当選を目指す遊技)よりも、大当たり遊技が実行され易い特電遊技(普通図柄の抽選を基点としてV入賞口165に球を入賞(V入賞)させることで大当たりを目指す遊技)が実行されるように構成しており、通常状態よりも時短状態のほうが遊技者に有利な遊技状態となるように構成している。よって、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が終了し難い(時短状態の終了条件が成立し難い)「大当たりB」のほうが、「大当たりA」よりも遊技者に有利な大当たり種別となる。
なお、本実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで同一のラウンド数の大当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ることなく、選択された大当たり種別に応じて異なる数のラウンド遊技を実行可能に構成しても良い。また、本実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで大当たり遊技終了後に時短状態を設定するように構成し、大当たり種別に応じて時短回数(時短終了条件)を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、選択される大当たり種別に応じて大当たり遊技終了時に時短状態が設定される大当たり種別と、通常状態が設定される大当たり種別と、を設けても良い。
次に、図24(c)を参照して、V大当たり種別選択テーブル202c2の内容について説明をする。図24(c)は、V大当たり種別選択テーブル202c2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。このV大当たり種別選択テーブル202c2は、球がV入賞口165に入賞(V入賞)したことを契機に実行される大当たり遊技(V大当たり遊技)の遊技内容が規定されているデータテーブルである。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」の全範囲に「大当たりC」が規定されている。
この「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数(ラウンド遊技が実行される回数)が10ラウンドで、10ラウンドの間、可変入賞装置650が開放動作される大当たり遊技が実行される大当たり種別である。そして、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように規定されており、時短状態が継続する期間として「時短4回」、即ち、時短状態中に特別図柄の抽選で大当たり当選すること無く4回実行されるまで(4回目の特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)されるまで)の時短期間が規定されている。
つまり、本実施形態では、特図抽選に基づいて実行される大当たり遊技(特図遊技で実行される大当たり遊技)よりも、V入賞に基づいて実行される大当たり遊技(特電遊技で実行される大当たり遊技)のほうが、ラウンド数の多い大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、大当たり遊技中に付与される特典量(賞球数)の面でも、通常状態よりも時短状態のほうが遊技者に有利な遊技状態となる。
本実施形態では、特電作動口643に球が入賞したことに基づいて、第1当たり種別カウンタC2の値を取得するように構成し、役物当たり遊技中にV入賞したことに基づいて実行される大当たり遊技(V大当たり遊技)は、V入賞した役物当たり遊技の実行契機となった特電作動口643への球の入賞時に取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいてV大当たり種別選択テーブル202c2を参照して選択された大当たり種別に基づいて実行されるように構成している。
なお、本実施形態では、V大当たり種別選択テーブル202c2に規定されている大当たり種別が1種類(大当たりC)のみであるため、何れの役物当たり遊技によってV入賞した場合であっても同一内容の大当たり遊技が実行されるものであるが、これに限ること無く、V大当たり種別選択テーブル202c2に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて複数の大当たり種別を規定しても良い。また、普電入賞装置640内に複数の特電作動口を設け、その複数の特電作動口のうち球が入賞した特電作動口に対応させて大当たり種別を設定するように構成しても良い。さらに、役物当たり遊技が実行されている間にV入賞口165に球が入賞したことに基づいて第1当たり種別カウンタC2の値を取得し、その取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たり種別を選択するように構成しても良い。
また、本実施形態では、大当たりに当選した時点、或いは、V入賞口165に球が入賞した時点において設定されている遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後の遊技状態を選択するように構成しているが、これに限ることなく、大当たりに当選した時点、或いは、V入賞口165に球が入賞した時点において設定されている遊技状態に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を可変させるように構成しても良く、この場合、例えば、時短状態の終了間際(時短状態における特別図柄の最終変動の停止直前)に、普図当たり遊技が実行され、時短状態が終了した後の通常状態が設定されている状態で実行される役物当たり遊技中にV入賞した場合、即ち、通常状態中に特電遊技でV入賞した場合にのみ、大当たり遊技の終了後に時短終了条件が成立し難い時短状態(例えば、時短回数が20回の時短状態)が設定されるように構成しても良い。
本実施形態では、大当たり種別の種類は3種類としたが、それに限らず、2種類以下でもよいし、4種類以上設けるように構成してもよい。また、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合と、特電遊技でV入賞した場合とで、同一の大当たり種別が設定され得るように構成しても良い。さらに、過去に選択された大当たり種別に関する情報(例えば、大当たり遊技内容や、遊技状態の移行内容)に基づいて、今回選択される大当たり種別の選択割合や種類を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、過去の遊技履歴(大当たり履歴)に対しても遊技者に興味を持たせることができる。また、この場合、過去の大当たり履歴に基づいて次回の大当たり時に設定され易い大当たり種別を遊技者に示唆可能な示唆演出を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して遊技を継続的に行わせ易くすることができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図55参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図25参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図25を参照して変動パターン選択テーブル202dの内容について説明をする。図25(a)は変動パターン選択テーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図25(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202dには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用テーブル202d1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用テーブル202d2と、が規定されている。詳細については後述するが、本実施形態では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
次に、変動パターン選択テーブル202dに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図25(b)及び図25(c)を参照して説明をする。図25(b)は通常用テーブル202d1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常用テーブル202d1は、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように規定している。
具体的には、図25(b)に示した通り、特別図柄(特図)の抽選結果が「大当たり(当たり)」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲に変動時間が20秒の当たりノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「51〜198」の範囲に変動時間が60秒〜120秒の当たりスーパーリーチが規定されている。図25(b)では、当たりスーパーリーチの変動パターンの説明を簡略化するために、変動種別カウンタCS1の値が「51〜198」の範囲に「60秒〜120秒」と示しているが、実際には、予め定められた変動時間(例えば、変動時間60秒、変動時間100秒、変動時間120秒)が、対応する変動種別カウンタCS1の値の範囲にそれぞれ規定されているものである。つまり、特別図柄の抽選結果が「大当たり(当たり)」であって、取得した変動種別カウンタCS1の値が「51〜198」の範囲である場合には、取得した値に対応する「60秒〜120秒」の何れかの変動時間が設定された変動パターンが設定されるものである。
また、抽選結果が「外れ」の場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲に変動時間が8秒の短外れが対応付けて規定され、「180〜194」の範囲に変動時間が20秒の外れノーマルリーチ対応付けて規定され、「195〜198」の範囲に変動時間が60秒〜120秒の外れスーパーリーチが対応付けて規定されている。なお、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「195〜198」の範囲に示した内容は、上述した抽選結果が「大当たり(当たり)」の場合と同一の目的であり、その説明を簡素化したものである。
つまり、本実施形態では、通常状態中において実行される特別図柄抽選の結果に関わらず、選択され得る変動時間の種類を同一にし、各変動時間が選択される割合のみを異ならせるように構成している。そして、特別図柄の抽選結果が大当たり(当たり)である場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間が選択される割合を高くするように構成している。よって、実行中の特別図柄変動が長くなればなるほど、大当たり当選の期待度を高めることができるため、長い変動時間の特別図柄変動が実行された場合において、その変動時間が経過するまでに遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、つまり、本実施形態では、通常状態で実行される特別図柄の抽選に対して設定される変動時間として、第1特別図柄の保留球数が少ないほど長い変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄の抽選が実行されない期間が頻繁に発生してしまう事態を抑制することができる。また、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している場合には、短い変動時間が設定されるため、保留球数が上限に到達した状態で特図入球口64に球が入球してしまう事態を抑制することができる。
また、本実施形態では、通常状態中において実行される特別図柄抽選の結果に関わらず、選択され得る変動時間の種類が同一となるように構成することで、設定される変動時間の長さを把握することにより特別図柄の抽選結果が遊技者に事前にばれてしまうことを抑制することができるように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄の抽選結果が大当たり(当たり)の場合のみ選択される変動時間や、外れの場合のみ選択される変動時間を一部設定可能に構成しても良い。
図25(b)に示した通り、本実施形態では、特別図柄の抽選結果(当否判定結果)と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンを選択するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選した場合において設定される大当たり種別に基づいて変動パターンを選択するように構成しても良い。
次に、図25(c)を参照して変動パターン選択テーブル202dに設けられた時短用テーブル202d2の内容について説明をする。図25(c)は時短用テーブル202d2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図25(c)に示した通り、時短用テーブル202d2には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図25(c)に示した通り、当否判定結果(抽選結果)が「当たり(大当たり)」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の範囲に変動時間が50秒の「当たりショート」が規定され、「100〜198」の範囲に変動時間が200秒の「当たりロング」が規定されている。また、「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲、に変動時間が10秒の「ショート外れA」が規定され、「150〜169」の範囲に、変動時間が15秒の「ショート外れB」が規定され、「170〜189」の範囲に、変動時間が20秒の「ショート外れC」が規定され、「190〜196」の範囲に、変動時間が30秒の「ロング外れA」が規定され、「197,198」の値に、変動時間が50秒の「ロング外れB」が規定されている。
上述した通り、時短状態中は、通常状態中とは異なり、特別図柄の抽選結果が当たりである場合と、外れである場合とで、選択され得る変動時間の種類が異なるように構成しており、大当たりに当選した場合に選択され得る変動時間のほうが、外れの場合に選択され得る変動時間よりも長くなるように構成している。
本実施形態では、上述した通り、時短状態が設定されている期間が遊技者に有利な遊技状態となり、その時短期間において、普通図柄の抽選を基点に特電遊技が実行される。また、時短状態の終了条件(時短終了条件)として、特別図柄の変動回数(抽選回数)に基づく終了条件(時短回数)が設定されている。
よって、時短状態中に実行される特別図柄変動として、長い変動時間が選択されたほうが、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定される期間を長くすることができる。そして、時短状態中に実行される特別図柄抽選、例えば、時短4回が設定されている場合には、時短状態が設定されてから実行される4回分の特別図柄抽選において、大当たり当選(1/100)した場合に、その付加価値として長い変動時間の変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、時短状態という限られた期間内に特別図柄の大当たりに当選した場合に、遊技者により有利な遊技を提供することができるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
また、特別図柄の抽選結果が外れである場合にも、「10秒〜50秒」と選択される変動時間に最大で5倍の差を設けているため、より長い変動時間の外れ変動が選択されることを遊技者に期待させながら遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、図12(a)に示した通り、大当たり遊技の終了画面において、時短状態の期間(Vラッシュ期間)の長さを示すための残時短期間態様801が表示されるように構成しており、この残時短期間態様801は、時短終了条件が成立するまでの範囲内であって、既に獲得済の特別図柄保留に含まれる入賞情報に基づいて事前に判別された変動時間を合算した値を表示するように構成している。
このように構成することで、残時短期間態様801として表示された秒数が、複数個の外れ変動の変動時間を合算した表示態様なのか、それとも1個の大当たり変動の変動時間に対応する表示態様なのか、を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
図22に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり999)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図39参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202bによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202bによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202bは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
この第2当たり乱数テーブル202bに規定されている内容について、図23(c)を参照して説明をする。図23(c)は、第2当たり乱数テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(c)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0〜299」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/1000)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され普電入賞装置640内に球が入賞する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(300/1000)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
なお、本実施形態では上述した通り、通常状態中に実行される普図当たり遊技では、時短状態中に実行される普図当たり遊技に対して、球が普電入賞装置640に入賞し難くなるように構成し、さらに、通常状態中に普電入賞装置640に球が入賞したとしても、その入賞した球が特電作動口643に入球し難くなるように構成している。即ち、本実施形態では、通常状態中において普図当たりに当選し難くし、万が一、普図当たりに当選した場合であっても、その普図当たり遊技中に球が普電入賞装置640に入賞し難くし、さらに、球が普電入賞装置640に入賞したとしても、その入賞した球が特電作動口643に入賞し難くなるように構成している。
このように、普通図柄の抽選が実行されてから特電作動口643へと球が入賞するまでの複数の過程(3つの過程)において、通常状態中は時短状態中よりも遊技を進行させ難くするように構成することで、通常状態中に実行された普通図柄の抽選を契機に特電作動口643に球が入賞し、役物当たり遊技が実行されることを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、上述した3つの過程において、通常状態中に普通図柄の抽選が実行されたことに基づく特電作動口643への球の入賞を規制するように構成するかわりに、通常状態中においても普通図柄の変動時間として短い変動時間(時短状態中と同一の3秒)が設定されるように構成している。つまり、短い期間で普通図柄の抽選が実行され易くなるように構成したとしても、上述した3つの過程における規制によって、球が特電作動口643に入賞することを規制しているため、通常状態中に実行された普通図柄の抽選を契機に特電作動口643に球が入賞し、役物当たり遊技が実行されることを確実に防止することができる。
このように、通常状態中における普通図柄の変動時間を短く設定することで、遊技状態が切り替わるタイミング、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されるタイミングにおいて、通常状態(普通図柄の低確率状態)中に実行された長い変動時間の普通図柄変動が遊技状態の移行タイミングを跨いで実行されてしまい、時短状態中の特別図柄変動が開始されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄の抽選を実行することができない事態が発生することを抑制することができる。よって、本実施形態のように、時短状態が期間管理されるパチンコ機10において、限定された時短期間を有効に用いた遊技(特電遊技)を遊技者に提供することができる。
なお、本実施形態では、上述した3つの過程(普通図柄の当たり確率、普図当たり遊技における普電入賞装置640への球の入賞率、普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643へと入賞する入賞率)において、通常状態中における特電作動口643への球の入賞を規制するように構成しているが、これに限ること無く、2つ以下の過程において規制するように構成しても良い。また、本実施形態では、普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643に入賞しない場合は、アウト口644に入球し、遊技者に特典(例えば、賞球)が付与されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、アウト口644に球が入球した場合には、特電作動口643に球が入球した場合よりも多くの賞球が払い出されるように構成しても良い。
このように構成することにより、通常状態中に特電作動口643へと球が入賞することを抑制しながらも、普電入賞装置640に入賞した場合に異なる特典(役物当たり遊技を実行する特典とは異なる特典)を遊技者に付与することができるため、遊技者に対して、意外性のある遊技を提供することができる。また、普通図柄の低確率状態が設定されている状態において、普図当たり当選した場合の付加価値を遊技者に提供することができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜999)、タイマ割込処理(図39参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図55参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
普図変動種別カウンタCS2は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。この普図変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図55参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、普図変動種別カウンタCS2の値によって、普通図柄の変動時間が決定される。具体的には、取得した普図変動種別カウンタCS2の値を用いて、普通図柄の変動時間が決定されるように構成している。
図21に戻り説明を続ける。ROM202は、図22に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図23(a)を参照して、本実施形態のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図23(a)は、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
図23(a)に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202a、第2当たり乱数テーブル202b、大当たり種別選択テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、各種動作シナリオテーブル202eを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、第2当たり乱数テーブル202b、大当たり種別選択テーブル202c、変動パターン選択テーブル202dについては、図22に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
各種動作シナリオテーブル202eは、主制御装置110が動作制御を管理する各種可動部材の動作内容が予め時系列で規定されている動作シナリオを有するデータテーブルであって、主制御装置110の制御処理において、可動部材を動作制御する際に読み出されるものである。本実施形態では、可動部材を動作制御する際に、この各種動作シナリオテーブル202eのうち、今回の動作制御条件と合致する動作シナリオを読み出し、その読み出した動作シナリオをRAM203の記憶エリアに一時的に記憶する。そして、4ミリ秒間隔で実行されるメイン処理(図55参照)において、記憶エリアに記憶された動作シナリオの内容を定期的に(4ミリ秒単位で)更新させ、更新後の値に対応するエリアに可動部材を可変動作させる動作シナリオがある場合には、その動作シナリオに基づく動作制御を実行するように構成している。また、各動作シナリオテーブルは、可動部材毎に設けられるのでは無く、可動部材を動作制御させる1つのイベント(大当たり遊技、普図当たり遊技、役物当たり遊技)単位で設定されるものである。よって、1つのイベント内で複数の可動部材を動作制御する必要があるイベント(例えば、普図当たり遊技)に対応する動作シナリオテーブルには、複数の可動部材に対して実行する動作制御内容が規定されている。
ここで、図26〜図28を参照して、各種動作シナリオテーブル202eの内容について説明をする。図26(a)は、各種動作シナリオテーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。図26(a)に示した通り、各種動作シナリオテーブル202eには、大当たり動作シナリオテーブル202e1、役物当たり動作シナリオテーブル202e2、普図当たり動作シナリオテーブル202e3、第1可動弁シナリオテーブル202e4を有している。
まず、図26(b)を参照して、役物当たり動作シナリオテーブル202e2の内容について説明をする。図26(b)は、役物当たり動作シナリオテーブル202e2に規定されている各種内容を模式的に示した模式図である。役物当たり動作シナリオテーブル202e2は、役物当たり遊技中の動作内容が設定された役物当たりシナリオが規定されているデータテーブルであり、役物当たり遊技のオープニング期間(役物当たり遊技が開始されてからV入賞装置65が開放するまで(V入賞口ソレノイド209bがオンに設定されるまで)の期間)、ラウンド期間(V入賞装置65が開放される最大期間)、エンディング期間(V入賞装置65の開放期間が終了し、貯留ソレノイド209cがオフに設定されてからの猶予期間)が規定されており、役物当たり遊技が開始される場合に設定され、周期的(主制御装置110のメイン処理が実行される毎に)値が1加算されるシナリオカウンタ(図示せず)の値に対応した動作制御が実行される。
具体的には、役物当たり遊技が開始されると、シナリオカウンタの値が「1」にセットされる。シナリオカウンタ「1」には、対応する動作シナリオとして、貯留ソレノイド209cをオンに設定する動作シナリオが規定されているため、役物当たり遊技の開始と同時に貯留ソレノイド209cがオンに設定され、貯留弁66aの上面に形成される貯留部に球を貯留可能な状態へと貯留弁66aが可動される。そして、シナリオカウンタの値が4ミリ秒毎に加算されていき、シナリオカウンタ「25」、即ち、役物当たり遊技が開始されてから0.1秒後にオープニング期間を終了させ、次いで、シナリオカウンタの値が「26」となるタイミングでV入賞口ソレノイド209bをオンに設定し、V開閉扉65a(Vアタッカー)を開放させる。つまり、本実施形態では、役物当たり遊技が開始されてからV入賞装置65を開放状態とするまでの期間を用いて貯留弁66aを貯留状態へと可変させるように構成している。このように構成することで、V入賞装置65が開放状態となった直後に勢いよく球がV入賞装置65へと入賞したとしても、V入賞装置65が開放状態となるタイミングにおいて既に貯留弁66aを貯留状態へと可変されているため、球が貯留弁66aを通過してV入賞口165に入賞してしまうことを確実に防止することができる。
次いで、シナリオカウンタの値が「375」のタイミング、即ち、役物当たり遊技が開始されてから1.6秒経過したタイミングに、V入賞口ソレノイド209bをオフに設定し、V開閉扉65a(Vアタッカー)を閉鎖させるシナリオが規定されている。そして、V開閉扉65a(Vアタッカー)の閉鎖制御を実行後、即ち、シナリオカウンタの値が「376」のタイミングで、役物当たり遊技のエンディング期間が設定され、貯留ソレノイド209cがオフに設定されるように規定している。そして、シナリオカウンタの値が「750」に到達するまで、役物当たり遊技の閉鎖状態(エンディング期間)が設定される。
つまり、本実施形態のパチンコ機10において実行される役物当たり遊技では、貯留弁66aを貯留状態へと移行させた後に、V入賞装置65が開放するように構成している。そして、V入賞装置65を閉鎖するタイミング(シナリオカウンタ「375」)よりも後に、貯留ソレノイド209cがオフに設定されるようにシナリオが規定されている。このように構成することで、役物当たり遊技の開始時、或いは終了時において、不測の事態が発生してしまい、意図しないタイミングで役物当たり遊技が実行されることを抑制することができる。
次に、図27(a)を参照して、第1可動弁動作シナリオ202e4の内容について説明をする。図27(a)は、第1可動弁シナリオ202e4に規定されているシナリオの内容を示した模式図である。本実施形態の第1可動弁66bは、パチンコ機10に電源が投入されている間、予め定められた動作パターンで可動するように動作制御されるものであり、パチンコ機10に電源が投入された場合に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(図54参照)にて第1可動弁66bの動作が設定されるものである(図54のS1715参照)。そして、主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて4ミリ秒毎に実行される処理によってシナリオカウンタの値が更新(1加算)されるように構成されている。
図27(a)に示した通り、本実施形態における第1可動弁66bは、V入賞口165へと球を入賞させることが可能なV入賞可能状態と、V入賞口165へと球を入賞させることが困難なV入賞困難状態との何れかの状態に位置するように構成している。第1可動弁動作シナリオ202e4は、シナリオカウンタの値が「1」〜「1500」の範囲に対して、第1可動弁ソレノイド209dをオン(第1可動弁66bを球がV入賞口165に入賞可能な状態)にする動作シナリオと、第1可動弁ソレノイド209dをオフ(第1可動弁66bを球がV入賞口165に入賞困難な状態)にする動作シナリオと、が規定されている。
具体的には、シナリオカウンタの値が「1」〜「1250」の範囲、即ち、第1可動弁動作シナリオ202e4が設定されてから5秒が経過するまでは、第1可動弁ソレノイド209dがオフ、シナリオカウンタの値が「1251」〜「1500」の範囲、即ち、第1可動弁動作シナリオ202e4が設定されてから5秒〜5.5秒の間は、第1可動弁ソレノイド209dがオンに設定されるように動作シナリオが規定されている。そして、シナリオカウンタの値が上限値「1500」に到達した場合には、次のメイン処理(図55参照)が実行される際に、シナリオカウンタの値を「1500」から「1」へと切り替え、以降、パチンコ機10の電源が断されるまで繰り返し第1可動弁動作シナリオ202e4に基づく動作制御を実行するように構成している。
つまり、本実施形態のパチンコ機10では、V入賞口165への球の入賞を許容、禁止するための可変部材である第1可動弁66bを、5.5秒間の間、0.5秒間だけV入賞口165に球を入賞させることが可能な状態へと切り替えるように可変動作するように構成している。これにより、第1可動弁66bにランダムなタイミングで球が到達した場合において、その球が第1可動弁66bを通過し、V入賞口165へと入賞する確率は、1/11となるように構成している。よって、遊技者に対してどの役物当たり遊技でV入賞口165へと球が入賞するのかを分かり難くすることができ、全ての役物当たり遊技において意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、1回の役物当たり遊技中にV入賞装置65へと複数個の球が入賞したとしても、第1可動弁66bへと到達し得る球の数が1個となるように構成している。これにより、役物当たり遊技における大当たり確率(球がV入賞口165へと入賞する確率)が約1/11となるため、遊技者に対して過剰に大当たり遊技が提供されてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1可動弁66bの動作内容として、パチンコ機10に電源が投入されている期間中、常時同一の動作内容が設定されるように構成しているが、これに限らず予め定められている動作パターンで有れば良く、例えば、第1可動弁ソレノイド209dのオフ期間(5.5秒)、オン期間(0.5)秒と規定される第1動作パターンと、オフ期間(3秒)、オン期間(0.2秒)、オフ期間(2秒)、オン期間(0.3秒)と規定される第2動作パターンと、を順に設定する動作シナリオを設定しても良い。
また、本実施形態では、パチンコ機10に電源が投入されてから同一の動作シナリオを繰り返し設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、パチンコ機10に電源が投入されてからの経過時間を計測する計測手段を設け、その計測手段による計測結果に基づいて、異なる動作シナリオへと切り替えるように構成しても良い。この場合、計測手段の計測結果が特定の計測結果(例えば、電源投入から1時間以内や、電源投入から3時間〜3時間10分等)である場合のみ、通常の動作シナリオよりも、第1可動弁ソレノイド209dがオンに設定される期間の割合が、オフに設定される期間の割合に対して高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特定の期間だけ時短遊技中に大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行され易くすることができ、その期間を目指して遊技者に遊技を行わせることが可能となり、遊技の稼働を向上させることができる。
また、遊技状況に応じて動作シナリオの制御内容を異ならせても良く、例えば、特定の大当たり遊技が実行されるタイミング、終了するタイミング、にて第1可動弁動作シナリオ202e4を初期状態(シナリオカウンタの値「1」)から開始させるように構成しても良いし、特別図柄抽選の結果が所定回数(例えば、本パチンコ機10の大当たり確率の逆数である300回)に渡って連続して外れであった場合に、通常の動作シナリオよりも、第1可動弁ソレノイド209dがオンに設定される期間の割合が、オフに設定される期間の割合に対して高くなる特殊動作シナリオを設定するように構成しても良い。そして、この特殊動作シナリオが一旦設定されると、その後、時短状態が設定され、その時短状態が終了するまでの期間継続して設定され続けるように構成すると良い。これにより、特殊動作シナリオが設定されることで遊技者に対して継続して遊技を行わせることができる。なお、この場合、遊技者に対して特殊動作シナリオが設定されたことを報知するための報知手段を設けると良い。このように構成することで、遊技者に対して特殊動作シナリオが設定されていることを分かり易く報知することができる。
次に、図27(b)を参照して、普図当たり動作シナリオテーブル202e3の内容について説明をする。図27(b)は、普図当たり動作シナリオテーブル202e3に規定されている内容を示した模式図である。この普図当たり動作シナリオテーブル202e3は、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の動作パターンが格納されているデータテーブルであって、普図当たり遊技が開始される時点において設定されている遊技状態に対応した動作シナリオが設定されるものである。
具体的には、普図当たり動作シナリオテーブル202e3には、通常状態中に実行される普図当たり遊技の動作シナリオが規定されている通常用普図当たりシナリオ202e31と、時短状態中に実行される普図当たり遊技の動作シナリオが規定されている時短用普図当たりシナリオ202e32と、が規定されている。
ここで、図27(c)を参照して、通常用普図当たりシナリオ202e31の内容について説明をする。図27(c)は、通常用普図当たりシナリオ202e31に規定されているシナリオ内容を示した模式図である。この通常用普図当たりシナリオ202e31は、普通図柄変動処理(図48のS106参照)において、当たり当選した普通図柄変動が停止した(確定した)時点における遊技状態が通常状態であると判別した場合(図48のS1118:No)設定される動作シナリオである。
通常用普図当たりシナリオ202e31は、シナリオカウンタの値が「1」〜「1050」の範囲に対して、普電入賞装置640の電動役物640aを動作制御する普電ソレノイドと、普電入賞装置640へと入賞した球の流下先を振り分ける第2可動弁642を動作制御する第2可動弁ソレノイド209eと、をそれぞれオン、オフに設定するための動作シナリオが規定されている。
具体的には、シナリオカウンタの値が「1」〜「1025」の範囲、即ち、通常用普図当たりシナリオ202e31が設定されてから(通常状態中の普図当たり遊技が実行されてから)4.1秒が経過するまでは、普電ソレノイドがオフ(電動役物640aが閉鎖状態)、第2可動弁ソレノイド209eがオフ(球をアウト口644へと流下させる状態)が継続し、その後、シナリオカウンタの値が「1026」〜「1050」の範囲、即ち、通常用普図当たりシナリオ202e31が実行されてから4.1秒から4.2秒の間の0.1秒間、普電ソレノイドがオン(電動役物640aが開放状態)、第2可動弁ソレノイド209eがオン(球を特電作動口643へと流下させる状態)となるように動作シナリオが規定されている。
つまり、通常状態で普図当たり遊技が実行された場合には、閉鎖状態(4.1秒)、開放状態(0.1秒)の普図当たり遊技が実行される。さらに、0.1秒間の開放状態中に球が普電入賞装置640へと入賞したとしても、その時点では第2可動弁643が入賞球をアウト口644へと流下させる位置(図4参照)へと可変しているため、球が特電作動口643へと入賞することを確実に防止することができる。
次に、図28を参照して、時短用普図当たりシナリオ202e32の内容について説明をする。図28は、時短用普図当たりシナリオ202e32に規定されているシナリオ内容を示した模式図である。この時短用普図当たりシナリオ202e32は、普通図柄変動処理(図48のS106参照)において、当たり当選した普通図柄変動が停止した(確定した)時点における遊技状態が通常状態であると判別した場合(図48のS1118:Yes)設定される動作シナリオである。
時短用普図当たりシナリオ202e32、シナリオカウンタの値が「1」〜「1025」の範囲に対して、普電入賞装置640の電動役物640aを動作制御する普電ソレノイドと、普電入賞装置640へと入賞した球の流下先を振り分ける第2可動弁642を動作制御する第2可動弁ソレノイド209eと、をそれぞれオン、オフに設定するための動作シナリオが規定されている。
具体的には、シナリオカウンタの値が「1」〜「25」の範囲、即ち、通常用普図当たりシナリオ202e31が設定されてから(通常状態中の普図当たり遊技が実行されてから)0.1秒が経過するまでは、普電ソレノイドがオフ(電動役物640aが閉鎖状態)、第2可動弁ソレノイド209eがオン(球を特電作動口643へと流下させる状態)に設定される状態を継続し、その後、シナリオカウンタの値が「26」〜「775」の範囲、即ち、時短用普図当たりシナリオ202e32が設定されてから0.1秒から3.1秒の間の3秒間、普電ソレノイドがオン(電動役物640aが開放状態)に設定され、第2可動弁ソレノイド209eが継続してオンに設定され、シナリオカウンタの値が「776」〜「1024」の範囲、即ち、時短用普図当たりシナリオ202e32が設定されてから3.1秒〜4.1秒が経過するまでは、普電ソレノイドがオフ(電動役物640aが閉鎖状態)、第2可動弁ソレノイド209eがオン(球を特電作動口643へと流下させる状態)に設定され、シナリオカウンタの値が「1025」、即ち、時短用普図当たりシナリオ202e32に規定される上限値となった場合に、第2可動弁ソレノイド209eがオフ(球をアウト口644へと流下させる状態)となるように動作シナリオが規定されている。
つまり、時短状態で普図当たり遊技が実行された場合には、短時間の閉鎖状態(0.1秒)、を経て、即座に普図当たり遊技における電動役物640aの開放動作が3秒間実行される。よって、通常状態における普図当たり遊技よりも、球を普電入賞装置640へと入賞させ易くすることができる。
さらに、時短用普図当たりシナリオ202e32では、球が普電入賞装置640へと入賞可能な期間において、第2可動弁643を特電作動口643へと球を入賞させることが可能な位置(図5参照)を設定することができるため、普図当たり遊技中に特電作動口643へと球を入賞させ易くすることができる。
加えて、上述した通常用普図当たりシナリオ202e31と、時短用普図当たりシナリオ202e32と、では、第2可動弁ソレノイド209dに対する動作シナリオが同一となるように規定しているため、動作シナリオに基づく動作制御内容を統一化することができ、可変部材を制御する処理を簡略化することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、この普図当たり遊技には、時間経過に基づいて成立する時間終了条件(普図当たりシナリオが上限値まで更新される成立する条件)と、普電入賞装置640への球の入賞数が上限値(例えば、5個)に到達した場合に成立する入賞終了条件と、が設定されている。通常の遊技を行っている場合は、時間終了条件が先に成立するように入賞終了条件が設定されている。これにより、例えば、普図当たり遊技において、普電入賞装置640内へと不正に球を大量に入賞させる行為を抑制することができる。
図21に戻り、説明を続ける。RAM203は、図22に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図55参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図54参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図53参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図29に示すように、特別図柄保留球格納エリア203a、普通図柄保留球格納エリア203b、特別図柄保留球数カウンタ203c、普通図柄保留球数カウンタ203d、入賞個数カウンタ203e、動作カウンタ群203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、大当たりフラグ203i、時短終了フラグ203j、役物当たりフラグ203k、特図仮停止フラグ203m、特図変動時間カウンタ203n、Vフラグ203p、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、特図入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、特別図柄が変動停止した場合に、特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。
特別図柄保留球格納エリア203a、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図22参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図39参照)の中で、球が特図入球口64へ球が入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2,CS1の値を取得し、特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する。
MPU201は、特別図柄変動(抽選)の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C2,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリアへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球格納エリア203bはスルーゲート67への球の通過(始動入賞)検出に伴ってカウンタ用バッファ(図22参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4、普図変動種別カウンタCS2の各値が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図39参照)の中で、球がスルーゲート67を通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4の値、普図変動種別カウンタCS2の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203bに格納する。普通図柄保留球格納エリア203bは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4,CS2の値)が、最大1回分まで記憶(保留)できるように、1つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203bには、スルーゲート67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4,CS2の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値、普図変動種別カウンタCS2の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア(図示せず)へシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203c、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図39参照)の中で検出される特図入球口64への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。特別図柄保留球数カウンタ203cは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図54のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(即ち、保留球数)は、特特図入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて特別図柄保留球数カウンタ203cが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C2,CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されたデータを、特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、特図変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図39参照)の中で検出されるスルーゲート67を球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第2図柄表示装置83で行われる変動表示の保留球数(待機回数)を最大1回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図54のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値まで1加算される(図49のS1204参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、普通図柄の変動表示が実行される毎に1減算される(図48のS1105参照)。
入賞個数カウンタ203eは、役物当たり遊技におけるラウンド遊技中にV入賞装置65に入賞した球の数や可変入賞装置650の特定入賞口650aに入賞した球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、V入賞装置65に設けられた検出口(図示せず)を球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、V入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203eの値)と排出された個数(各入賞口に設けられた球の通過数を検知可能な検知手段の検知結果を累積した個数)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203eの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ群203kは、設定された各種動作シナリオの進行状況を計測(更新)するためのカウンタであって、各種動作シナリオテーブル202eに格納されているシナリオのそれぞれに対応させたシナリオカウンタから構成されており、各種動作シナリオテーブル202eの何れかの動作シナリオが設定された場合に、主制御装置110のメイン処理(図55参照)における4ミリ秒毎に実行される処理として、カウンタ値の更新処理が実行される。
本実施形態では、各種動作シナリオテーブル202eに格納されているシナリオが重複して実行される場合がある。例えば、普図当たり遊技に関するシナリオと、役物当たり遊技に関するシナリオは同時に実行可能に構成している。よって、シナリオカウンタを各種動作シナリオテーブル202eに格納されているシナリオに対応させて設けているが、これに限ること無く、同時に実行し得るシナリオの上限数分のシナリオカウンタを設けて場良い。この場合、シナリオカウンタに種別を設け、新たな動作シナリオを設定する場合に、未使用のシナリオカウンタ種別を判別し、その判別結果に基づいてシナリオカウンタを設定し、設定したシナリオカウンタに対して、どの動作シナリオで用いるかを示すための使用情報を設定し、主制御装置110のRAM203の記憶手段に設定した使用情報を設定するように構成すれば良い。さらに、使用情報が設定される記憶手段に対して、他のRAM203の各種構成と同様に、パチンコ機10の電源が断された状態でも記憶された情報を保持可能なバックアップ機能を持たせると良い。このように構成することで、動作シナリオに基づく動作制御中に停電等によりパチンコ機10の電源が断された場合であっても、電源復旧後の動作制御を、停電前の状態から継続させることが可能となる。
遊技状態格納エリア203gは、現在設定されている遊技状態を一時的に格納するための記憶領域であって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(時短カウンタ203hの設定状況)に対応した遊技状態が記憶される。具体的には、時短カウンタ203hの値が0である場合に通常状態が記憶され、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい値である場合に時短状態が記憶される。
さらに、大当たり遊技や、役物当たり遊技が実行されている状態では、各当たり遊技が実行されている状態であることを示す当たり遊技状態(大当たり状態、役物当たり遊技状態)と、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別を示す種別情報も記憶されるように構成されている。加えて、普図当たり遊技の実行中であることを示す普図当たり遊技中情報も記憶されるように構成されている。
そして、遊技状態格納エリア203gに格納(記憶)された情報に基づいて、状態コマンドが設定され、その状態コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113では出力された状態コマンドを受信し、従状態設定エリア223gに一時的に記憶する。
この遊技状態格納エリア203gに記憶された情報は、パチンコ機10の電源が断された場合であっても、その情報を保持可能に構成されており、パチンコ機10の電源を入れた際に実行される立ち上げ処理(図54参照)において、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する状態コマンドを設定するように構成している。
これにより、停電等によりパチンコ機10の電源が断された場合であっても、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113側が判別可能にすることができる。
時短カウンタ203jは、普通図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この時短カウンタ203jには、大当たり遊技終了後に、その当選した大当たり種別に対応した値が設定される(図56のS1914,1915)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は普通図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されると、時短カウンタ203jの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、時短カウンタ203jの値が減算され、時短カウンタ203jの値が0となった場合に、時短状態が終了し、通常状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまでは、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、時短カウンタ203jの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、時短状態を終了させるための条件、時短カウンタ203jの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて時短カウンタ203jの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短カウンタ203jの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短カウンタ203jの値を減算させるように構成しても良いし、特電作動口643へと球が入賞した場合に、時短カウンタ203jの値を減算させるように構成しても良い。
加えて、本実施形態では、時短カウンタ203jの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短カウンタ203jの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短カウンタ203jの値に関わらず、時短カウンタ203jの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、時短状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、時短状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
大当たりフラグ203iは、特図入球口64に球が入球したことに基づいて、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。
時短終了フラグ203hは、時短の終了条件が成立している状態であることを示すためのフラグであって、時短の終了条件が成立している場合にオンに設定されるものである。この時短終了フラグ203hは、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)において、時短カウンタ203hの値が1である、即ち、今回の特図変動が時短状態の最終変動であると判別した場合にオンに設定される(図41のS311参照)。そして、特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)において参照され(図45のS802参照)、オンであると判別した場合に、時短カウンタ203jの値を「0」にリセットし、時短状態を終了させるための処理を実行し(図45のS803参照)、オフに設定される(図45のS804参照)。
また、時短終了フラグ203jがオンに設定されている状態で実行される特別図柄変動中(時短状態の最終変動中)において、V入賞口165に球が入賞しV大当たり遊技が実行された場合にも、オフに設定される(図52のS1508参照)。
つまり、本実施形態では、特別図柄の変動開始タイミングにて時短カウンタ203hの減算処理を実行し、特別図柄の変動停止タイミングにて時短終了を決定するための終了処理を実行するように構成している。そして、特別図柄の変動中に役物当たり遊技によって特別図柄変動が中断され、その役物当たり遊技を契機に大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行された場合には、時短終了フラグ203hがオフに設定されるように構成している。
よって、例えば、時短終了フラグ203hがオンに設定されている状態でV大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に中断されていた特別図柄変動を再開したとしても、その再開された特別図柄変動の変動停止タイミングにて時短状態が終了してしまうことを抑制することができる。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の変動開始時にて時短カウンタ203hの減算処理を実行しているため、特別図柄変動の再開時に時短終了フラグ203hの減算処理が実行されることが無い。よって、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合には、再開後の特別図柄変動が終了した次の特別図柄変動が開始された時点から時短カウンタ203jの値を減算する処理が実行される。
このように構成することで、遊技者に対して設定された時短状態でより長く遊技を行わせることが可能となり、遊技者の遊技意欲を高めることができる。なお、本実施形態では、時短状態の最終変動のみ時短状態を更新させる処理を特別図柄の変動停止時としているが、これに限ること無く、例えば、時短カウンタ203jの値が所定値(例えば、2)である場合も時短状態を更新させる処理を特別図柄の変動停止時としても良い。
役物当たりフラグ203kは、役物当たり遊技が実行されることを示すためのフラグであって、役物当たり遊技が実行される場合にオンに設定されるものである。この役物当たりフラグ203kは、普図当たり遊技中において普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643へと入賞し、且つその時点で、役物当たり遊技が実行されていない場合にオンに設定される(図50のS1307参照)。そして、主制御装置110のMPU201により実行される各種処理において、役物当たり遊技中であるかを判別する際に参照され、役物当たり遊技が終了する場合にオフに設定される。なお、本実施形態では、役物当たりフラグ203kがオンに設定されている場合は、特別図柄変動が中断されるように構成している。
特図仮停止フラグ203mは、特図の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図仮停止フラグ203mは、特別図柄変動が仮停止(中断)されていることを示すためのものであって、特別図柄変動が仮停止(中断)されている場合に、オンに設定されものである。なお、本実施形態では、特電作動口643に球を入賞させた場合に役物当たり遊技を実行可能に構成し、その役物当たり遊技が実行されると、実行中の特別図柄の変動が停止されるように構成している。
特図変動時間カウンタ203nは、特別図柄の変動時間を計測するためのカウンタであって、特別図柄変動パターン選択処理(図43のS6のS307参照)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値がセットされる(図43のSS509参照)。そして、特別図柄変動実行中処理(図44のS206参照)が実行される毎に値が更新(減算)される。特別図柄変動処理(図40のS104参照)にて値が0であるかが判別される(図40のS204参照)。ここで、特図変動時間カウンタ203aの値が0であると判別されると(図40のS204:No)、変動中の特別図柄を停止させるための特別図柄変動停止処理(図45のS287参照)が実行される。
さらに、この特図変動時間カウンタ203nは、役物当たり遊技や大当たり遊技が実行された場合に、その値を減算するための処理が中断されるように構成されている。よって、役物当たり遊技中、或いは、大当たり遊技中に特図変動時間カウンタ203nの値が減算されることがない。
Vフラグ203pは、役物当たり遊技中に球がV入賞口へと入賞したことを示すためのフラグであって、役物当たり遊技中に球がV入賞口へと入賞した場合にオンに設定されるものである。このVフラグ203pの設定状況は、役物当たり制御処理(図58のS1805参照)において参照され(図58のS2008参照)、オンに設定されている場合は大当たり遊技(V大当たり遊技)の開始が設定される(図58のS2010参照)。その後、オフに設定される(図58のS2011参照)。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図9に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ、特定入賞口650aの開閉板650bの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための特定入賞口ソレノイド209aや、V入賞装置65の開閉扉65aを開閉駆動するためのV入賞口ソレノイド209bや、V入賞装置65内に設けられた貯留弁66aを駆動させるための貯留ソレノイド209cや、第1可動弁66bを駆動させるための第1可動弁ソレノイド209dや、普電入賞装置640内の第2可動弁643を駆動させるための第2可動弁ソレノイド209eや、電動役物640aを駆動するためのソレノイド(その他ソレノイド209z)などからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群(例えば、V入賞装置65内の貯留弁66aに形成される貯留部に貯留されている球を検知する貯留センサ65s等)などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図53参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図30(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222aと、動作シナリオテーブル222bと、が少なくとも記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、遊技状態が通常状態である場合には、実行される特別図柄変動に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が変動表示される変動演出が実行される。この変動演出では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンが決定されるため、遊技者は、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出を視認することで今回の特別図柄変動が大当たり当選しているか否かを予測しながら遊技(特図遊技)を行うことができる。
一方、時短状態が設定されている場合は、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出が第3図柄表示装置81にて実行されず、普通図柄の抽選を契機にV当たり遊技を目指す特電遊技の遊技内容を案内するための演出(Vラッシュ演出)が実行されるように構成している。よって、変動パターン選択テーブル222aには、遊技状態が通常状態である場合に参照される変動パターンとして様々な変動パターンが規定されており、時短状態である場合に参照される変動パターンが規定されていない。なお、時短状態中において第3図柄表示装置81の表示面にて特別図柄変動に対応させて第3図柄を小さく表示する場合には、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別(変動時間)に対応させた変動表示態様のみを規定するように構成すれば良い。
動作シナリオテーブル222bは、主制御装置110側で実行されている各種装置に対する動作制御の状況を音声ランプ制御装置113側で把握するためのデータテーブルであって、主制御装置110のROM202が有する各種動作シナリオテーブル202eと同一のデータテーブルから形成されるものである。この動作シナリオテーブル222bは、主制御装置110側から動作制御の開始を示すコマンド(例えば、当たり遊技の開始を示すコマンド)を受信した場合に、受信したコマンドに対応する動作シナリオを設定する際に参照される。ここで設定された動作シナリオは、主制御装置110側の更新動作と同期するように更新制御される。
このように構成することで、動作制御の開始を示すコマンドのみを主制御装置110側から出力するだけで、音声ランプ制御装置113側で各種装置の動作状況や今後の動作展開を容易に把握することが可能となる。なお、本実施形態では、主制御装置110側の処理負荷を軽減させることを目的として、音声ランプ制御装置113側に動作シナリオテーブル222bを設けているが、これに限ること無く、主制御装置110の各種動作シナリオテーブル202eが有する各種動作シナリオの進捗状況をコマンド設定し、音声ランプ制御装置113側へと出力するように構成しても良い。
次に、図30(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図30(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、先読みカウンタ223h、時短期間カウンタ223i、未報知期間格納エリア223j、未報知保留数格納エリア223k、中断フラグ223m、特殊当たりフラグ223n、延長フラグ223p、Vラッシュフラグ223q、変動時間カウンタ223r、報知済保留数格納エリア223s、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図61参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを特別図柄に対して有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、特図入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数を第3図柄表示装置81の副表示領域Ds1(図11(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図変動開始フラグ223dは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特別図柄の変動パターンを通知する特図変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
特図停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から出力される特別図柄の変動停止種別を通知する停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。
演出カウンタ223fは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタであって、0から98の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
従状態設定エリア223gは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223gに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。
先読みカウンタ223hは、時短状態として設定される時短回数のうち、変動時間が先読みされている特図保留数を計測するためのカウンタであって、時短状態が設定される場合に設定される時短回数に対応する値がセットされ、変動時間の先読みを実行した特図保留数に応じて減算されるものである。そして、後述する時短期間カウンタ223iの値が0となった場合において参照され、先読みカウンタ223hの値が0では無い場合は、時短状態中にも関わらず、特別図柄変動が実行されている状態となり、専用の演出(図19(a)参照)を表示するための処理が実行される。
時短期間カウンタ223iは、時短状態が終了するまでの特別図柄変動の時間(特図変動時間)を示すカウンタであって、時短状態の終了条件が成立する特別図柄変動が終了するまでの複数個の特図変動時間を累積した値が設定されるものである。この時短期間カウンタ223iの値は、音声ランプ制御処理113のメイン処理(図60参照)にて1ミリ秒毎に実行される演出更新処理(図72のS4111)において、参照、減算される(図72のS5303,S5304参照)。
時短期間カウンタ223iの示す値は、時短状態中に実行されるVラッシュ演出にてVラッシュの残期間を示すためタイマ812の表示態様を設定する際に用いられる(図12(c)参照))。本実施形態では、図2に示した通り、通常状態中、大当たり遊技中、時短状態中と同一の遊技方法(左打ち遊技)で遊技が行われるように構成しており、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が開始されるタイミングでは特別図柄保留球数カウンタ223cの値が上限(4)に到達し易くなるように構成している。
よって、時短回数4回が設定される大当たり遊技のエンディング画面(図12(a)参照)では、その時点で獲得している特別図柄保留情報(入賞情報格納エリア223bに格納されている特別図柄の入賞情報)に基づいて、時短状態が終了するまでの変動時間(特図変動4回分の変動時間の累計値)が表示される。
なお、時短回数が特別図柄保留球数カウンタ223cの上限値(4)よりも多い値であったり、時短回数4回が設定された場合であっても、大当たり遊技終了時の特別図柄保留数(特図保留数)が4個に到達していない場合は、その時点で獲得されている特別図柄保留情報に応じて時短期間カウンタ223iの値を設定すると共に、先読みカウンタ223hの値から、時短期間カウンタ223iに加算された特別図柄保留の数が減算される。そして、新たな特別図柄保留情報を獲得した場合に、獲得した特別図柄保留情報に基づいて特別図柄変動時間が時短期間カウンタ223iに加算され、先読みカウンタ223hの値が減算される。
未報知期間格納エリア223jは、時短期間カウンタ223iに変動時間を加算可能な状態、即ち、先読みカウンタ223hの値が1以上である場合において、入賞コマンドを受信したにも関わらず、その入賞コマンドに含まれる特別図柄保留情報に応じた特図変動時間の値を時短期間カウンタ223iに加算できない場合(例えば、大当たり遊技中、役物当たり遊技中)において、受信した入賞コマンドに含まれる特別図柄保留情報に応じた特図変動時間を一時的に格納するエリアである。
この未報知期間格納エリア223jに格納された値(特図変動時間)は、時短期間を加算可能な状態となった場合に読み出され、時短期間カウンタ223iに加算する際に参照される。このように構成することで、時短期間を加算可能な状態か否かに関わらず、入賞コマンドを受信した際に、その入賞コマンドに含まれる特図変動時間を読み出す処理を実行するだけで良く、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
未報知保留数格納エリア223kは、上述した未報知期間格納エリア223jに特図変動時間が格納された入賞コマンドの数、即ち、特別図柄保留球の数を一時的に格納するための記憶エリアであって、時短期間を加算可能な状態となった場合に読み出され、読み出した値に対応させて先読みカウンタ223hの値が減算される。
中断フラグ223mは、時短期間カウンタ223hの値が減算されない状態であることを示すためのフラグであって、時短期間カウンタ223hの値が減算されない状態、即ち、役物当たり遊技、大当たり遊技が実行される場合にオンに設定されるものである。
特殊当たりフラグ223nは、保留記憶されている特別図柄内に特殊当たり(「大当たりB」)を示す入賞情報が含まれている場合にオンに設定されるフラグである。この特殊当たりフラグ223nは、大当たり終了処理(図69のS4914参照)において、保留記憶内に特殊当たりを示す入賞情報が含まれていると判別した場合にオンに設定される(図69のS5013参照)。
本実施形態では、大当たり遊技終了時点で獲得している特図保留内に特殊当たりが存在する場合には、その特殊当たりに対応する特別図柄変動が終了するまでの期間のみがVラッシュ中の時短期間として表示されるように構成し、さらに、特図保留内に特殊当たりが存在していることを遊技者に報知するための演出(天国モード)が実行されるように構成している(図17(a)参照)。
このように構成することで、遊技者に対して、所定期間経過後(第3図柄表示装置81の表示面に表示される時短期間の経過後)に、大当たり遊技(特図抽選で当選した大当たり遊技)が実行されることを事前に報知することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。さらに、本実施形態では、天国モードが設定された場合には、特殊当たりに対応する特別図柄変動の変動時間が終了するまでの期間が時短期間として報知されるように構成しているため、大当たり遊技(特殊当たり)時点における時短期間の残期間を0秒にすることができる。よって、何秒後に大当たり遊技が実行されるのかを遊技者に分かり易く報知することができるため、天国モードの時短期間中(特殊当たりの大当たり遊技が実行されるまでの期間中)に、V大当たり遊技を何回実行させることができるかを楽しませながら遊技を行わせることができる。
さらに、天国モードが設定された場合には、特殊当たりに対応する特別図柄変動の変動時間が終了するまでの期間が時短期間として報知されるように構成しているため、特殊当たりに対応する特図保留よりも後に獲得した特図保留に対応する特図変動時間を遊技者が事前に判別できないようにすることができる。これにより、例えば、時短期間が残り10秒の段階で特殊当たりに対応した大当たり遊技が実行された場合に、次に実行される特別図柄変動の変動時間が10秒であることが事前に遊技者に把握されてしまい、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
延長フラグ223pは、時短状態の終了条件が成立したタイミングで普図当たり遊技が実行されていることを示すためのフラグであって、時短状態の終了条件が成立したタイミングで普図当たり遊技が実行されている場合に、オンに設定される。本実施形態では、普図当たり遊技の動作シナリオとして、通常状態中の普図当たり遊技に対応する通常用普図当たりシナリオ202e31と、時短状態中の普図当たり遊技に対応する時短用普図当たりシナリオ202e32と、を有しており、普図当たり遊技の実行タイミングにおいて設定されている遊技状態に基づいて普図当たり遊技の遊技内容を可変設定するように構成している。
よって、例えば、時短状態の終了間際に普図当たり遊技が実行された場合には、遊技状態が通常状態へと移行した後も、時短状態中の普図当たり遊技が実行される場合がある。そのような状態が発生した場合には、時短状態中の遊技モードを示すVラッシュ演出の終了タイミングを普図当たり遊技の終了タイミングまで延長させた演出を実行するように構成している(図16(c)参照)。これにより、遊技者に対してV入賞を狙うべき期間(Vラッシュ期間)を分かり易く報知することができる。
Vラッシュフラグ223qは、Vラッシュ期間であることを示すためのフラグであって、通常状態中の特別図柄抽選(特図抽選)にて大当たり当選した場合にオンに設定され、時短状態の終了条件が成立した場合にオフに設定されるものである。このVラッシュフラグ223qは、時短期間中(Vラッシュ中)に大当たり遊技が実行される場合も継続してオンが設定されるように構成している。これにより、Vラッシュ期間における各種累積情報(V大当たり遊技獲得数や、Vラッシュ期間中の獲得球数を示すための情報)の算出対象となる期間を容易に設定することができる。
変動時間カウンタ223rは、特別図柄の変動時間を計測するためのカウンタであって、特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合に、受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間が設定され、音声ランプ制御処理113のメイン処理(図60参照)にて1ミリ秒毎に実行される演出更新処理(図72のS4111)において、参照、減算される(図72のS5303,S5304参照)。この変動時間カウンタ223hの値は、特別図柄変動が中断し得るタイミングにおける実行中の特別図柄変動の残期間を判別する際に参照され、その残期間に応じて異なる演出態様を設定するために用いられる。
報知済保留数格納エリア223sは、既に時短期間カウンタ223iの値に加算した変動時間に対応する特図保留数を格納するためのエリアであって、未報知保留数格納エリア223kの値が更新された際に、更新された値が格納されると共に、特別図柄変動が終了した場合に値が減算されるものである。そして、新たな時短回数が設定される大当たり遊技の終了時において、先読みカウンタ223hに設定される値から報知済保留数格納エリア223sに格納される値を減算することで、新たな時短状態が設定された場合において、既に、時短状態の残期間として報知されている特別図柄保留球数を減算し、時短期間を新たに加算表示可能な特別図柄保留球数を先読みカウンタ223hの値に対応させるために用いられる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
なお、本実施形態では、通常状態中において獲得している特図保留に対応した変動時間を遊技者に示唆する演出が実行されないように構成しているが、これに限ること無く、通常状態における特図保留内容に応じて演出態様を可変させるように構成しても良い。
例えば、特別図柄の停止種別(大当たりを示す第3図柄の組合せ)を、獲得している特図保留に対応した変動時間に基づいて可変設定しても良く、特図保留の変動時間の合計が100秒を越えている状態で大当たり当選した場合に、奇数の数字がぞろ目で停止表示される第3図柄の組合せを表示するように構成しても良い。
また、通常状態中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄の表示態様を、特図抽選による大当たり当選の有無に加え、変動時間の長短に基づいて可変設定するように構成しても良い。
なお、本実施形態では、Vラッシュに突入した場合に、獲得済の特図保留に基づく変動時間を全て報知するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、獲得済の特図保留に基づく変動時間の一部のみを遊技者に報知するように構成しても良いし、遊技者が操作手段を操作することにより、Vラッシュの継続期間(時短状態が終了するまでの期間)を示すための特別図柄の変動時間が報知されない遊技性を選択可能に構成しても良い。
また、本実施形態では、時短終了条件が成立するまでに実行される複数回の特図変動に対応する変動時間を合算して報知するように構成しているが、これに限ること無く、個々の特図保留に対応する変動時間を通技者が識別可能となるように構成しても良い。この場合、例えば、時短終了条件が成立するまでに実行される特図変動に対応する特図保留の表示態様を、キャラクタを模した表示態様で表示し、その表示されるキャラクタの種別に応じて当該特図保留に対応する特図変動の変動時間の長さを遊技者が大まかに把握できるように構成しても良い。
本実施形態では、大当たり遊技が実行された後に必ず遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定されるように構成しているため、大当たり遊技が実行されるとVラッシュフラグを設定するための処理を実行するように構成しているが、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態と、通常状態とが特定の割合で設定されるように構成している場合には、大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されない虞がある。この場合は、大当たり遊技終了後(大当たり遊技のエンディング期間中)に、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されるか否かを設定されている大当たり種別に基づいて判別し、時短状態が設定されると判別した場合に、その時点で獲得している特図保留後に可変させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10における普通図柄抽選を契機に実行される遊技内容について、図31及び図32を参照して説明をする。図31は、通常状態において、普図当たり遊技が実行された場合の遊技の流れを示したタイミングチャートであって、図32は、時短状態において、普図当たり遊技が実行された場合の遊技の流れを示したタイミングチャートである。
ここで、図31を参照して、通常状態において、普図当たり遊技が実行された場合の遊技の流れについて説明をする。本実施形態では、普通図柄の抽選で当たり当選したことを契機に、普図当たり遊技、役物当たり遊技、大当たり遊技(V大当たり遊技)の順で進行し得る遊技(特電遊技)を実行可能に構成している。つまり、特別図柄の抽選を行うこと無く、大当たり遊技を実行させることができるように構成している。
まず、通常状態において、普通図柄抽選で当たり当選した場合は、通常用普図当たりシナリオ202e31(図27(c)参照)に基づいた普図当たり遊技が実行され、普電入賞装置640が開放制御される。通常状態中に実行される普図当たり遊技では、図27(c)に示した通り、普図当たり遊技が開始されてから電動役物640aが開放状態となるまでに4秒(t1)を要し、その後0.1秒(t2)の開放状態を経て、1秒(t3)の閉鎖状態を経て、普図当たり遊技が終了する。そして、普図当たり遊技の開始タイミングから4秒(t4)の間、第2可動弁643を球が特電作動口643へと入賞可能な状態となるように第2可動弁ソレノイド209eがオンに設定され、その後、球がアウト口644へと誘導される状態となるように第2可動弁ソレノイド209eがオフに設定される。
よって、通常状態中に実行される普図当たり遊技では、球が普電入賞装置640内へ入賞し難く、且つ、入賞した場合であっても、その入賞球がアウト口644へと誘導されることになる。これにより、通常状態中に特電作動口643へと球が入賞し、役物当たり遊技が実行されることを確実に抑制することができる。このように構成することで、特別図柄の抽選により大当たり遊技の実行を狙う特図遊技が実行される通常状態中と、普通図柄の抽選により大当たり遊技の実行を狙う特電遊技が実行される時短状態中と、で同一の遊技方法を実行させるように構成したとしても、通常状態中に特電遊技によって大当たり遊技が実行されることを抑制し、遊技者に過剰に大当たり遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、時短状態中において特別図柄抽選が所定回数(4回、又は15回)実行されることで時短状態が終了するように構成しているため、時短状態中に特別図柄抽選が実行されない事態を防止する必要がある。これに対して、本実施形態では、通常状態、大当たり遊技状態、時短状態と、同一の遊技方法を実行させるように構成しているため、時短状態中に普通図柄の抽選のみを実行させる遊技が行われることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、通常状態中に特電遊技が実行されることを禁止するように普図当たり遊技の動作内容を設定しているが、これに限ること無く、例えば、通常状態中に実行される普図当たり遊技の一部にて、時短状態中に実行される普図当たり遊技と同一の動作シナリオが選択されるように構成しても良い。これにより、遊技者に対して意外性のある遊技を行わせることができる。
図31に戻り説明を続ける。上述した通り、通常状態中に普図当たり遊技が実行された場合は、普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643へと入賞することが無いため、特電作動口643への球の入賞を契機に実行される役物当たり遊技が実行されることが無く、V入賞装置65が開放動作される役物当たり遊技、及び、可変入賞装置650が開放動作される大当たり遊技が実行されず、普図当たり遊技が終了したことに基づいて新たな普通図柄変動(普図変動)が実行される。なお、第1可動弁66b(図31(h))は、パチンコ機10に電源が投入されている期間、常時駆動する動作シナリオが設定されるため、役物当たり遊技の実行の有無に関わらず、第1可動弁動作シナリオ202e4(図27(a)参照)に基づいた動作パターンで駆動されている。
次に、図32を参照して、時短状態において、普図当たり遊技が実行された場合の遊技の流れのうち、大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行される場合における遊技の流れについて説明をする。
まず、時短状態において、普通図柄抽選で当たり当選した場合は、時短用普図当たりシナリオ202e32(図28参照)に基づいた普図当たり遊技が実行され、普電入賞装置640が開放制御される。時短状態中に実行される普図当たり遊技では、図28に示した通り、普図当たり遊技が開始されてから電動役物640aが開放状態となるまで0.1秒(t1)を要し、その後3秒(t2)の開放状態を経て、1秒(t3)の閉鎖状態を経て、普図当たり遊技が終了する。そして、普図当たり遊技の開始タイミングから4秒(t4)の間、第2可動弁643を球が特電作動口643へと入賞可能な状態となるように第2可動弁ソレノイド209eがオンに設定され、その後、球がアウト口644へと誘導される状態となるように第2可動弁ソレノイド209eがオフに設定される。
よって、時短状態中に実行される普図当たり遊技では、球が普電入賞装置640内へ入賞し易く(通常状態中の普図当たり遊技よりも入賞し易く)、且つ、入賞球が特電作動口643へと入賞し易く(通常状態中の普図当たり遊技よりも入賞し易く)なるように構成している。これにより、時短状態中に実行される普図当たり遊技にて、特電作動口643へと球を入賞させ易くし役物当たり遊技を実行され易くすることができる。
特電作動口643へと入賞した球、図示しない特電作動口入賞スイッチ(図32(e))により球の通過(入賞)が検知され、その検知結果を契機にV入賞装置65を開放動作させる役物当たり遊技が実行される。役物当たり遊技が開始されると、0.1秒(t5)の待機期間を経過した後に、V開閉扉65aを開放させるためにV入賞口ソレノイド209bが1.5秒(t6)オンに設定され、その後、1.4秒(t7)の間V入賞口ソレノイド209bをオフに設定する役物当たり遊技が実行される。また、役物当たり遊技の開始を契機に、1.6秒(t8)の間、貯留弁66aを貯留状態に位置させるために貯留ソレノイド209cがオンに設定される。つまり、役物当たり遊技によって球がV入賞装置65へと入賞可能となる期間においては、貯留弁66aが貯留状態(図7参照)に維持されるため、1回の役物当たり遊技中に、V入賞口165に複数の球が到達し得ないようにすることができる。
そして、期間t8の経過後に貯留ソレノイド209cがオフに設定されると、貯留弁66aの貯留部に貯留されていた1個の球が第1可動弁66bに向けて流下する。第1可動弁66bは5秒(t10)の閉鎖状態と、0.5秒(t9)の開放状態と、に交互に切り替わるように第1可動弁動作シナリオ202e4に基づいて駆動されており、貯留弁66aにて貯留されていた球が第1可動弁66aに到達した場合に、第1可動弁66bが閉鎖状態であれば球が第2アウト口163bに向けて流下し、第1可動弁66bが開放状態であれば球がV入賞口165に向けて流下する。V入賞口165に球が入賞すると、図示しないV入賞スイッチ(図32(i))により、球の通過が検知され、その検知結果に基づいて、大当たり遊技(V大当たり遊技)が開始される。
以上、説明をした通り、本実施形態では、時短状態中に普図当たり遊技が実行される場合には、普電入賞装置640に球を入賞させ易く(通常状態中の普図当たり遊技よりも入賞させ易く)、且つ、入賞した球が特電作動口643へと入賞し易い普図当たり遊技を実行し、通常状態中に普図当たり遊技が実行される場合には、普電入賞装置640に球を入賞させ難く(時短状態中の普図当たり遊技よりも入賞させ難く)、且つ、球が普電入賞装置640に入賞した場合であっても、その入賞した球が特電作動口643へと入賞し難い普図当たり遊技を実行するように構成している。
このように構成することで、時短状態中に特別図柄変動を継続的に実行させるために、特別図柄の抽選契機となる特別入球口64を狙う遊技方法と、普通図柄の抽選契機となるスルーゲート67を狙う遊技方法と、を同一にした場合であっても、遊技状態に応じて役物当たり遊技が実行される確率を大きく異ならせることができる。また、通常状態中の普図当たり遊技において、不正に球を普電入賞装置640へと入賞させる行為(例えば、電動役物640aの近傍に球を磁石で止めておき、開放タイミングに合わせて球を入賞させる行為)が実行されたとしても、その入賞球が特電作動口643に入賞することを防止することができるため、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
また、本実施形態では、特別図柄の抽選契機、或いは、普通図柄の抽選契機を成立させるための遊技だけでは無く、普図当たり遊技、役物当たり遊技、大当たり遊技の何れも左打ち遊技で実行させることができるため、遊技者に対して遊技方法を変更させる煩わしさを感じさせること無く円滑に遊技を行うことができる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図10参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図53参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図10参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図33〜図38を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図33は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図73のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図73のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図38参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図75(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、特図入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図73のS6003,S6004参照)。
ここで、図34を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図34は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図34(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図34(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図34(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図34(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図34(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、特図入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図34(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に特図入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図33に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図35を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図35は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図35(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図35(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。また、図28は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図35に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル(図示せず)に基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、時間の経過とともに、(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、朝やけ示す背面画像に戻る繰り返し背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図35(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図35(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eに対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて画像を表示させている間に、残りの画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、画像データの範囲が設定されている。これにより、画像を表示させている間に残りの画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、残りの画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図33参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図33に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、特図入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図36を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図36は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図37の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図33参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図37を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図37は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図37のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図37のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図37の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図33参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図37の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図34(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図73参照)の中でオンに設定される(図73のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図85(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図75(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図76〜図81参照)および表示設定処理(図82〜図84参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図85(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図85(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図86参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図33参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図38参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図38参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図75(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図84のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図38参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図38を参照して、描画リストの詳細について説明する。図38は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図38に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図75(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図82のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図74のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図86参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図86のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図86のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図87のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図75(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図81(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図86のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図86のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図81(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図82参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図82のS7221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図77(a)のS6505、図78(a)のS6705、図78(b)のS6805、図79のS6905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図82参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図82のS7214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図86(a)のS6505、図78(a)のS6705、図78(b)のS6805、図79のS6905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図39から図58のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図39は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では999)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,999)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、特図入球口64への球の入球(始動入賞)や普電入賞装置640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図40〜図47を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図48および図49を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、特電始動口入賞処理を実行し(S108)、次いで、V入口通過処理(S109)とV通過処理(S110)を実行する。尚、特電始動口入賞処理、V入口通過処理、およびV通過処理の詳細は、図50から52を参照して後述する。V通過処理を実行した後は、次いで、発射制御処理を実行し(S111)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S112)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図40は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図40、S104)は、特別図柄を、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図40、S104)について説明する。
特別図柄変動処理(図40、S104)では、まず、大当たり遊技中(大当たり中)、或いは役物当たり遊技中(役物当たり中)であるかを判別する(S201)。ここでは、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて現在が大当たり遊技中(大当たり中)、或いは役物当たり遊技中(役物当たり中)であるかが判別される。
S201の処理において、大当たり中又は役物当たり中であると判別した場合には(S201:Yes)、次に、特図仮停止フラグ203mがオンに設定されているかを判別し(S202)、オンに設定されていると判別した場合は(S202:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置83の表示を更新し(S203)、本処理を終了する。一方、S202の処理において、特図仮停止フラグ203mがオンに設定されていないと判別した場合は(S202:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、特図仮停止フラグ203mは、役物当たり遊技が実行される場合オンに設定されるものである。本実施形態では、役物当たり遊技が実行されている間は、特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(特図変動表示)に設定されている変動時間が更新(減算)されないように構成しており、その期間は、第1図柄表示装置83にて特別図柄の変動表示が仮停止されていることを示すための仮停止表示態様が表示されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、役物当たり遊技の開始に伴って実行中であった特別図柄の変動表示が仮停止していることを報知することができるため、実行中の特別図柄変動が消滅してしまったと遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。なお、特別図柄の変動表示が仮停止中であることを示すための表示態様としては、例えば、通常の変動表示中であることを示すための表示態様(例えば、0.2秒間隔で点灯、消灯を繰り返す点滅表示態様)と同一の表示態様でも良いし、変動表示中であることを示すための表示態様よりも点滅間隔が遅い表示態様(例えば、0.5秒間隔で点灯、消灯を繰り替える点滅表示態様)を用いても良い。さらに、第1図柄表示装置83の表示態様として複数色の表示態様を表示可能に構成している場合は、仮停止中である場合にのみ表示され得る専用色を用いた点滅表示態様を用いても良い。
一方、S201の処理において、現在が大当たり中、或いは役物当たり中では無いと判別した場合には(S201:No)、特図変動時間カウンタ203nの値が0よりも大きいか、即ち、特別図柄が変動表示中であるかを判別する(S204)。特別図柄の変動表示中である(特図変動時間カウンタ203nの値が0よりも大きい)と判別した場合には(S204:Yes)、特別図柄変動実行中処理を実行する(S206)。
この特別図柄変動実行中処理(S206)では、特別図柄が変動している期間中に第1図柄表示装置83に表示されている特別図柄の変動表示態様を可変(更新)するための処理が実行される。この特別図柄変動実行中処理(S206)については、図44を参照して詳しく後述する。
そして、S206の処理を終えると、次に、特別図柄変動実行中処理(S206)にて更新された特図変動時間カウンタ203nの値が0であるかを判別し(S207)、S207の処理にて特図変動時間カウンタ203nが0であると判別した場合は(S207:Yes)、特別図柄変動停止処理を実行し(S208)、その後、本処理を終了する。
特別図柄変動停止処理(S208)では、変動表示中の特別図柄に規定されている変動時間が経過した場合に、特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。この特別図柄変動停止処理(S208)の詳細については、図45を参照して後述する。また、S207の処理にて特図変動時間カウンタ203nが0では無いと判別した場合は(S207:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S204の処理において特図変動時間カウンタ203nが0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S204:No)、即ち、現在が特図変動中では無いと判別した場合は、次に、特別図柄変動開始処理を実行する(S205)。この特別図柄変動開始処理(S205)では、特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための処理が行われるものであり、新たな抽選(変動)を実行可能な状態であるかの判別と、新たな抽選(変動)を実行可能な状態である場合には、新たな抽選(変動)を行う処理が実行される。この特別図柄変動開始処理(S205)については、図41から図43を参照して詳しく後述する。特別図柄変動開始処理(S205)を実行した後、本処理を終了する。
以上、図40を参照して説明をした通り、本実施形態では特別図柄の抽選(変動)を実行可能な構成において、1回の特別図柄変動処理内で特別図柄に関する変動処理(S204〜S208)を実行するように構成している。よって、特別図柄に対して新たな抽選(変動)の実行が可能となった場合に遅滞なく変動処理を実行することができ、円滑な遊技を提供することができる。
次に、図41を参照して、特別図柄変動処理(図40、S104)の一処理である特別図柄変動開始処理(S205)について説明する。図41は、この特別図柄変動開始処理(S205)を示すフローチャートである。
特別図柄変動開始処理(図41のS205)では、まず、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)を取得し(S301)、取得した特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)が0より大きいかを判別する(S302)。特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)が0であると判別した場合には(S302:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S302:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)を1減算する(S303)。
そして、減算後の保留球数を示した保留球数コマンドを設定し(S304)、特別図柄保留球格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S305)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、特別図柄大当たり判定処理を実行する(S306)。この特別図柄大当たり判定処理(S306)の詳細については、図42を参照して後述するが、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S307)。特別図柄変動パターン選択処理(S307)は、詳しく後述するが、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納された変動種別カウンタCS2の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。
S307の処理を実行後、次いで、時短カウンタ203hの値が0より大きいかを判別する(S308)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合には(S308:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0より大きいと判別した場合には(S308:Yes)、次に、時短カウンタ203hの値が1であるか否かを判別する(S309)。時短カウンタ203hの値が1ではないと判別した場合には(S309:No)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S310)、その後、本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が1であると判別した場合には(S309:Yes)、時短終了フラグ203jをオンに設定し(S311)、その後、本処理を終了する。
つまり、本実施形態では、時短状態中において、特別図柄の変動開始タイミングに時短回数を更新するための処理を実行し、今回の特別図柄変動が時短状態における最終変動である場合には、時間回数を更新すること無く、時短終了フラグ203jをオンに設定する処理を実行するように構成している。詳細は後述するが、この時短終了フラグ203jの設定状況は、特別図柄の変動停止時に参照され、特別図柄の変動停止時に時短終了フラグ203jがオンに設定されている場合には、時短カウンタ203hの値を0にセットし、時短状態を終了させるように構成している。そして、特別図柄の変動中に特電遊技によって役物当たり遊技が実行され、V大当たり遊技が開始されると、時短終了フラグ203jをオフに設定する処理を実行するように構成している。
このように構成することで、例えば、時短状態における特別図柄の最終変動中にV大当たり遊技が実行されることに基づいて、特別図柄変動が中断した場合には、その大当たり遊技終了後において、中断していた特別図柄変動の残期間に対応する特別図柄変動が再開されるが、その再開後の特別図柄変動が停止表示された場合には、時短終了フラグ203jがオフに設定されているため、時短状態が終了することが無い。また、特別図柄変動の再開時には、特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)が実行されないため、時短カウンタ203hの値が減算されることも無い。
これにより、時短状態中に大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行された場合には、その大当たり遊技に対応する大当たり種別(大当たりC)に対応する時短回数(4回)に中断中の特別図柄変動の残期間を加算した期間が、時短状態が設定される時短期間として設定されることになる。よって、通常状態中に特図遊技を実行し、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される時短状態の継続期間よりも、時短状態中に特電遊技を実行し、V入賞口165へと球の入賞で大当たり遊技(V大当たり遊技)を実行した場合のほうが、中断されている特別図柄変動の残期間が加算される分、遊技者に有利となる時短状態の継続期間を長くし易くすることができる。
即ち、通常状態中の遊技に基づいて時短状態が設定される場合よりも、時短状態中の遊技に基づいて時短状態が再度設定される場合のほうが、設定される時短状態の継続期間を長くし易くすることができるため、遊技者に対して、より有利な遊技状態が設定されることを期待しながら意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、特別図柄の変動開始タイミングに、時短回数を更新するための処理と、時短状態を終了させるための処理と、を実行する構成を用いた場合では、特別図柄変動の再開時には、特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)が実行されないため、時短カウンタ203hの値が減算されることは無いが、時短状態における最後の特別図柄変動の変動期間中の遊技状態が通常状態となるため、時短状態中の遊技を遊技者に最大限提供することができないという問題があった。
これに対して、本実施形態では、時短回数を更新するための処理と、時短状態を終了させるための処理と、を異なるタイミングで実行可能に構成している。具体的には、特別図柄の変動開始タイミングにて時短回数を更新するための処理を実行し、特別図柄の変動停止タイミングにて時短状態を終了させるための処理を実行するように構成している。このように構成することで、特別図柄変動の再開時に時短回数が更新されること無く、且つ、時短状態における最後の特別図柄変動の変動期間中の遊技状態として時短状態を設定することができるため、遊技者に対して時短状態中の遊技を最大限提供することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動停止タイミングにて時短状態を終了させるための処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次の特別図柄変動の開始条件が成立した状態であって、次の特別図柄変動の抽選が実行されるまでの期間、例えば、特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)においてS305の処理が実行され、S306の処理が実行される前のタイミングで時短状態を終了させるための処理を実行するように構成しても良い。
また、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、時短状態中における残時短回数の管理を音声ランプ制御装置113側で実行するように構成している。つまり、大当たり遊技終了時に設定される状態コマンドに含まれる遊技状態を示す情報(時短状態が設定されることを示す情報、時短回数を示す情報)を受信したことに基づいて、今回設定される時短状態の情報を記憶し、特別図柄変動が開始されることを示す特図変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、残時短回数を更新することで、音声ランプ制御装置113側で時短状態の遊技状況を管理するように構成している。
このように構成することで、主制御装置110の制御処理において、残時短回数を示すためのコマンドや、時短状態の最終変動(時短終了フラグ203jがオンに設定されたこと)を示すためのコマンドを設定しなくても、音声ランプ制御装置113が時短状態の遊技状況を管理し、現在の遊技状況に対応した演出態様を設定することができる。よって、主制御装置110における制御処理を簡素化することができる。
次に、図42を参照して、特別図柄変動開始処理(図41のS205)の一処理である特別図柄大当たり判定処理(S306)について説明する。図42は、この特別図柄大当たり判定処理(S306)を示すフローチャートである。
特別図柄大当たり判定処理(図42のS306)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。そして、第1当たり乱数テーブル202a(図23(b)参照)に基づいて、S401の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S402)。
S402の処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S403)、大当たりであると判別した場合は(S403:Yes)、特別図柄の大当たり当選を示すように大当たりフラグ203iをオンに設定する(S404)。本実施形態では大当たりフラグ203iが、大当たり当選の有無を示す情報を記憶(設定)することが可能に構成されている。
そして、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S405)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S406)、本処理を終了する。一方、S403の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S403:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(S407)、本処理を終了する。
次に、図43を参照して、特別図柄変動開始処理(図41のS205)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S307)について説明する。図43はこの特別図柄変動パターン選択処理(S307)を示すフローチャートである。
特別図柄変動パターン選択処理(図43のS307)では、まず、特別図柄大当たり判定処理(図42のS306)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S501)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、特別図柄に対して大当たりフラグ203iがオンであるか否かで判別される。この大当たりフラグ203iは、上述した特別図柄大当たり判定処理(図42参照)におけるS404の処理でオンに設定されるものである。
S501の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S501:Yes)、大当たり種別選択テーブル202c(図24参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S502)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S503)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、潜伏状態、確変状態)に対応した変動パターン選択テーブル202dを読み出す(S504)。
そして、S503の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S504の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202dとに基づいて変動パターンを選択し(S505)、S505の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S506)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図55)の外部出力処理(図55のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S507)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S508)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ203nの値にセットし(S509)、本処理を終了する。S507の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図55)の外部出力処理(図55のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S501の処理において、特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、特別図柄に対する大当たりフラグ203iがオフである)と判別した場合には(S501:No)、S502の処理をスキップしてS503の処理へ移行する。
次に、図44を参照して、特別図柄変動処理(図40のS104)の一処理である特別図柄変動実行中処理(S206)について説明をする。図44は特別図柄変動実行中処理(S206)を示すフローチャートである。この特別図柄変動実行中処理(S206)では、実行中の特別図柄変動の変動時間を更新するための処理が実行される。
特別図柄変動実行中処理(S206)では、まず、特図仮停止フラグ203mがオンに設定されているかを判別する(S701)。
S701の処理において、特図仮停止フラグ203mがオンに設定されていると判別した場合は(S701:Yes)、特図変動再開コマンドを設定し(S702)、特図仮停止フラグ203mをオフに設定し(S703)、特図変動時間カウンタ203nの値を1減算し(S704)、第1図柄表示装置37の特別図柄の表示を更新し(S705)、本処理を終了する。
本実施形態では、2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理(図39参照)にて実行される特別図柄変動処理(図40のS104参照)内で、特別図柄変動実行中処理(図44のS206参照)を実行するように構成しており、その特別図柄変動実行中処理(図44のS205参照)内で特図変動時間カウンタ203nの値を更新(1減算)するように構成している。よって、例えば、特別図柄の変動時間として30秒の変動時間が設定された場合には、特図変動時間カウンタ203nの値として「15000」が設定され、2ミリ秒毎に値が1減算されるように構成している。
一方、S701の処理において特図仮停止フラグ203mがオンに設定されていないと判別した場合(S701:No)は、S702,S703の処理をスキップしてS704の処理へ移行する。
次に、図45を参照して、特別図柄変動処理(図40のS104)の一処理である特別図柄変動停止処理(S208)について説明する。図45はこの特別図柄変動停止処理(S208)を示すフローチャートである。この特別図柄変動停止処理(S208)は、現在が特図変動時間カウンタ203nの値が「0」であると判別した場合、即ち、特別図柄(特図)の変動時間が経過した場合に実行される処理である。
特別図柄変動停止処理(図45のS208)を実行すると、まず大当たりフラグ203iがオンに設定されているかを判別する(S801)。大当たりフラグ203iがオンに設定されていると判別した場合には(S801:Yes)、次に、今回の特別図柄変動で当選した大当たりシナリオを設定し(S806)、大当たりフラグ202i、時短カウンタ203hの値をリセットし(S807)、遊技状態格納エリア203gに現在の遊技状態が大当たり中(大当たり遊技中)であることを示す情報を記憶し(S808)、S809の処理へ移行する。遊技状態格納エリア203gは、抽選遊技に関する遊技状態(通常状態、時短状態)と、当たり遊技に関する遊技状態を記憶することができるように構成しており、S808の処理を実行することにより、大当たり当選したタイミングにおける抽選遊技に関する遊技状態(通常状態、時短状態)と、大当たり中であることを示す遊技状態とが記憶される。
このように構成することで、大当たり遊技終了時点で、大当たりに当選したタイミングで設定されていた遊技状態を判別することができる。
一方、S801の処理において、大当たりフラグ203iがオフに設定されていると判別した場合、即ち、今回の特別図柄抽選の結果が外れであった場合には(S801:No)、次いで、時短終了フラグ203jがオンに設定されているか否かを判別する(S802)。時短終了フラグ203jがオンに設定されていると判別した場合には(S802:Yes)、即ち、今回変動停止された特別図柄変動が時短状態の最終変動であると判別した場合は、時短カウンタ203hの値を0にリセットし(S803)、時短終了フラグ203jをオフに設定し(S804)、遊技状態格納エリア203gに現在の遊技状態が通常状態であることを示す情報を記憶し(S805)、S809の処理へ移行する。S802の処理において、時短終了フラグ203jがオフに設定されていると判別した場合には(S802:No)、S803〜S805の処理をスキップし、S809の処理へ移行する。
S809の処理では、特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図確定コマンドを設定し(S809)、第1図柄表示装置37で変動表示している特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S810)、本処理を終了する。
このように、特別図柄変動停止処理(S208)では、特別図柄の抽選(抽選遊技)結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S809,S810)が実行される。
なお、本実施形態では、特電作動口643に球が入賞し、役物当たり遊技が実行されると、実行中の特別図柄変動を中断させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特電作動口643に球が入賞した場合に実行される所定判別の結果に基づいて、実行中の特別図柄変動を中断させるのでは無く、破棄するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態の継続期間を示す特別図柄変動が中断する場合と、破棄される場合とを現出させることが可能となるため、時短状態の継続期間を急に減算(終了)させることが可能となり、遊技者に対して緊張感のある演出を実行することができる。
次に、図46を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図39)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図46は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図46のS105)は、特図入球口64に球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(特図入球口64に最大4個)まで、取得した各カウンタ値を特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する処理である。
また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ記憶されると、特別図柄保留球格納エリア203aのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図46のS105)について説明する。
始動入賞処理(図46のS105)では、まず、球が始動口である特図入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S901)。ここでは、特図入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が特図入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別した場合には(S901:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)を取得し(S902)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S903)。
つまり、現時点で特図入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S903:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)を1加算し(904)、音声ランプ制御装置113に対して始動口の保留個数(特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S905)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の特別図柄保留球実行エリアの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)する(S906)。
次に、先読み処理を実行し(S907)、その後、本処理を終了する。この先読み処理(S907)については、図47を参照して後述するが、新たに特別図柄保留球格納エリア203aに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本実施形態では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、特別図柄保留球格納エリア203aに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
また、S901の処理で球が特図入球口64に入球していないと判別した場合(S901:No)、或いは、S903の処理で、現時点で特図入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S903:No)は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)を加算する処理をスキップして、本処理を終了する。
上述した通り、本実施形態では、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理(S907)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S903の処理で特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S903:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で特図入球口64に球を入球させた場合に先読み処理(S907)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で特図入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で特図入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図47を参照して、始動入賞処理(図46のS105)の一処理である先読み処理(S907)について説明する。図47は、この先読み処理(S907)を示すフローチャートである。
先読み処理(図47のS907)では、まず、新たに特別図柄保留格納エリア203aに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S1001)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S1002)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(特別図柄保留格納エリア203aに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S1003)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S1003:Yes)、大当たりに当選する条件(抽選時に設定される遊技状態)と、当選した場合の大当たり種別とを示す入賞コマンドを設定し(S1004)、その後、本処理を終了する。
一方、S1003の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S1003:No)、外れを示す入賞コマンドを設定し(S1005)、その後、本処理を終了する。
ここで、S1004、或いはS1005の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S1001の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本実施形態では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、特別図柄保留格納エリア203aに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本実施形態では、特別図柄保留格納エリア203aに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、特別図柄保留格納エリア203aに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図48を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図48は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図48のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する。(S1101)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S1101:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S1101:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S1102)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S1102:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を取得し(S1103)、その値が0よりも大きいかを判別する(S1104)。
S1104の処理で普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であると判別された場合には(S1104:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1104:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S1105)。つまり、S1104の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203dの値を1減算する。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S1106)。S1106の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1107)。
次に、時短カウンタ203hがオンであるか否か、即ち、現在が普通図柄の高確率状態であるか否かを判別し(S1108)、時短カウンタ203hがオンに設定されていると判別した場合は(S1108:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202b(図23(c)参照)の当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得しS1111の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203hがオフであると判別した場合は(S1108:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202b(図23(c)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(S1110)、S1111の処理へ移行する。
S1111の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S1111)、当たりであると判別した場合は(S1111:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S1112)、普図変動種別カウンタの値を用いて普図変動パターンに基づいて普通図柄の変動時間を決定する(S1114)。一方、S1111の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1111:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S1113)、上述したS1114の処理へ移行する。
上述した通り、本実施形態では、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
また、本実施形態では、時短状態中において普通図柄抽選を契機に大当たり遊技(V大当たり遊技)を狙う特電遊技(Vラッシュ)が実行されるように構成しており、時短状態中(Vラッシュ中)は、第3図柄表示装置81の表示面にも、普通図柄抽選に基づく演出が表示されるように構成している。このように、普通図柄抽選(変動)に基づく演出を実行する場合において、変動時間を統一させることで演出データの量を減らすことができる。
さらに、本実施形態では、通常状態中に普図当たり遊技が実行され、普電入賞装置640へと球が入賞した場合であっても、役物当たり遊技の実行契機となる特電作動口643へと球が入賞させ難くなるように構成している。よって、同一の変動時間(3秒)のみが設定されるように構成したとしても、普図当たり遊技の実行タイミングを計って遊技を行うメリットを生じなくさせることができる。
なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本実施形態の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本実施形態では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、普電入賞装置640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。
このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、普電入賞装置640への球の入球具合を可変させるように構成することで、普電入賞装置640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。
一方、S1102の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中ではないと判別した場合には(S1102:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S1115)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S1115:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1115の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S1115:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S1116)。S1116の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS1112、或いはS1113の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。
S1116の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S1112の処理、或いはS1113の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S1117)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S1117:Yes)、電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)を設定するための処理が実行される。一方、子泣きの普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1117:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、本実施形態における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S1108〜S1111の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S1115の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本実施形態では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。
このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
S1117の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合は(S1117:Yes)、次に、現在の普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別するために、時短カウンタ203hがオンであるかを判別し(S1118)、時短カウンタ203hがオンでは無い(オフである)、即ち、現在が普通図柄の低確率状態であると判別した場合は(S1118:No)、通常用普図当たりシナリオ動作を設定する(S1119)。
一方、S1118の処理において、時短カウンタ203hがオンに設定されていると判別した場合は(S1118:Yes)、時短用普図当たりシナリオ動作を設定する(S1120)。
次いで、S1119、或いはS1120の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S1121)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。
また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(図48のS106参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理(図55)の外部出力処理(図55のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図49を参照して、本第1実施形態にて実行されるスルーゲート通過処理(S107)を実行する。本処理は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。
スルーゲート通過処理(図49のS107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S1201)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S1201:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を取得し(S1202)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が1よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S1203)。
S1203の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が1よりも大きい(上限値の1である)と判別した場合は(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が1よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S1203:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)に1を加算し(S1204)、普図保留球数コマンド(普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を示すためのコマンド)を設定し(S1205)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203bに格納し(S1206)、本処理を終了する。
次に、図50を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特電始動口入賞処理(S108)について説明する。図50は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行される特電始動口入賞処理(S108)を示すフローチャートである。本実施形態のパチンコ機10は、図2に示した通り、普電入賞装置640内に特電作動口643を有しており、球を特電作動口643に入賞させることにより、V入賞装置65を所定の可変パターンが開放させる役物当たり遊技を実行するように構成している。この特電始動口入賞処理(S108)では、特電作動口643に球が入賞した場合における各種処理が実行される。
特電始動口入賞処理(S108)が実行されると、まず、特電始動入賞、即ち、特電作動口643に遊技球が入賞したかを判別する(S1301)。このS1301の処理では、特電作動口643に入賞した球を検知可能な検知スイッチ(図示せず)から球を検知したことを示す検知信号が出力されたか(されているか)が判別される。S1301の処理において、特電作動口643に遊技球が入賞していないと判別した場合は(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特電作動口643に遊技球が入賞したと判別した場合は(S1301:Yes)、次いで、現在が普通図柄の当たり遊技中であるかを判別する(S1302)。現在が普通図柄の当たり遊技中ではないと判別した場合は(S1302:No)、特電作動口643に球が入賞し得ない状態であるため、エラーコマンドを設定し(S1309)、その後、本処理を終了する。S1309の処理を行うことで、普図当たり遊技期間外に遊技球が特電作動口643に入賞した状態、即ち、不正に遊技球を特電作動口643に入賞させる遊技が行われた場合、或いは、特電作動口643に付設された部材(例えば、電動役物640a、第2可動弁642)の不具合が発生している場合を迅速に外部に報知することができる。
S1302の処理において、現在が普通図柄の当たり遊技中であると判別した場合は(S1302:Yes)、次に、現在が特電作動中(役物当たり遊技中)であるかを判別し(S1303)、現在が特電作動中(役物当たり遊技中)であると判別した場合は(S1303:Yes)、新たな役物当たり遊技を実行することができない状態であるため、そのまま本処理を終了する。一方、現在が特電作動中(役物当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S1303:Yes)、次いで、現在が特別図柄の変動中であるか否かを判別する(S1304)。現在が特別図柄の変動中であると判別した場合には(S1304:Yes)、特図仮停止フラグ203mをオンに設定し(S1305)、特図仮停止コマンドを設定し(S1306)、役物当たりフラグ203kをオンに設定し(S1307)、S1308の処理へ移行する。
即ち、S1304の処理において、現在が特別図柄の変動中であると判別した場合には、実行中の特別図柄変動の変動時間の減算を中断させるためにS1305,S1306の処理を実行する。これにより、役物当たり遊技が実行される場合に実行中の特別図柄変動が中断する。また、S1307の処理において設定された仮停止コマンドは、主制御装置110のメイン処理(図55)の外部出力処理(図55のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S1304の処理において、現在が特別図柄の変動中ではないと判別した場合には(S1304:No)、S1305,S1306の処理をスキップし、S1307の処理へ移行する。S1308の処理では、特電作動コマンドを設定し(S1308)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、特電始動口入賞処理(S108)は、特電作動口643に球が入賞した場合において、その入賞が正常に入賞したものであるかの判別処理手段と、その入賞に基づいて新たな役物当たり遊技を実行可能であるかの判別処理手段と、特別図柄変動に対する処理(実行中の特別図柄変動を中断させる処理、役物当たり遊技中に新たな特別図柄変動が実行されないようにする処理)を実行する手段と、役物当たり遊技を実行する手段と、を有するものである。
次に、図51を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S109)について説明する。図51は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行されるV入口通過処理(S109)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S109)では、まず貯留センサ65s(図6参照)がオンであるかを判定し(S1401)、貯留センサ65sがオンでなければ(貯留センサ65s01:No)、そのまま本処理を終了する。一方、貯留センサ65sがオンであると判定した場合は(S1401:Yes)、次に、V入賞口開放期間中、即ち、役物当たり遊技中であるかを判別する(S1402)。S1402の処理において、V入賞口開放期間中(役物当たり遊技中)であると判別された場合は(S1402:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S1403)、本処理を終了する。V入賞口開放期間中ではない場合は(S1402:No)、役物当たり遊技中でないにも関わらず、V入賞装置65へ遊技球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定し(S1404)、本処理を終了する。
S1403の処理において設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図55参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した遊技球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置65への入球に基づく役物当たり遊技中の演出を実行することができる。
次に、図52を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S110)について説明する。図52は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行されるV通過処理(S110)を示すフローチャートである。
V通過処理(S110)が実行されると、まず、V通過ありか、即ち、V入賞口165に遊技球が入賞したかを判別し(S1501)、V入賞口165に遊技球が入賞していないと判別した場合は(S1501:No)、そのまま本処理を終了する。V入賞口165に遊技球が入賞したと判別した場合は(S1501:Yes)、次いで、現在がV有効期間中であるかを判別する(S1502)。S1502の処理では、役物当たり遊技に関する動作シナリオが設定されている期間をV有効期間中であると判別し、それ以外の場合に、V有効期間中では無いと判別する。
S1502の処理において、V有効期間中であると判別した場合は(S1502:Yes)、次に、現在が役物当たり遊技中であるかを判別し(S1503)、役物当たり遊技中であれば(S1503:Yes)、今回の役物当たり遊技に対応するV通過時大当たり種別値を取得し(S1504)、大当たり種別に対応したVフラグをオンに設定し(S1505)、時短カウンタ203hの値を0に設定し(S1506)、S1507の処理へ移行する。
つまり、S1504〜S1506の処理では、役物当たり遊技中に遊技球がV入賞口165へ入賞したことに基づいて、大当たり遊技を実行するための処理が実行される。一方、S1503の処理において、役物当たり遊技中では無いと判別した場合は(S1503:No)、新たに大当たり遊技を実行するための処理を行う必要が無いため、S1504〜S1506の処理をスキップして、S1507の処理へ移行する。
S1507の処理では、V通過コマンドを設定し(S1507)、本処理を終了する。ここで設定されるV通過コマンドは、主制御装置110の制御処理で設定される他のコマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113がV通過コマンドを受信した場合、例えば、役物当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、役物当たり遊技中に実行されるVラッシュ中の演出に成功し、役物当たり遊技に続いて、大当たり遊技が実行されることを示すための演出を実行する。また、大当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、役物当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合と同様の演出を実行する。
一方で、役物当たり遊技中の所定タイミングでV通過コマンドを受信しなかった場合は、Vチャレンジに失敗したことを示すための残念演出を実行し、大当たり遊技中の所定タイミングでV通過コマンドを受信しなかった場合は、残念演出からの復活演出を実行し、継続して大当たり遊技が実行されることを遊技者に報知する。
なお、本実施形態では、V入賞口165に遊技球が入賞したことを示すためのコマンド(V通過コマンド)のみを設定する構成を示したが、V入賞口165に遊技球が入賞しなかったことを示すためのコマンド(例えば、V非通過コマンド)を設定するように構成しても良い。この場合、例えば、本実施形態ではV入賞口165に入球可能な遊技球は、貯留弁66aにより滞留されている遊技球(例えば、1個)だけであるため、貯留弁66aに貯留されている遊技球の有無(個数)を判別する個数判別手段と、痔亜2アウト高163bへの遊技球の通過を検知する検知手段と、を設け、個数判別手段により判別された個数分の遊技球が検知手段により検知された場合に、上述したV非通過コマンドを設定するように構成すれば良い。これにより、音声ランプ制御装置113にて適切な演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。また、上述した構成を用いることで、V入賞装置65内で遊技球が詰まったことを迅速に判別することができる。
一方、S1502の処理において、現在がV有効期間中では無いと判別した場合は(S1502:No)、エラーコマンドを設定し(S1508)、本処理を終了する。S1508の処理を行うことで、V有効期間外に遊技球がV入賞口165に入賞した状態、即ち、不正に遊技球をV入賞口165に入賞させる遊技が行われた場合、或いは、V入賞口165に付設された部材(例えば、V開閉扉65a、貯留弁66a、第1可動弁66b)の不具合が発生している場合を迅速に外部に報知することができる。
なお、本実施形態では、図26(b)に示した通り、役物当たり遊技において球がV入賞口165へと入賞し得るタイミングが役物当たり遊技のエンディング期間となるように動作シナリオを規定しているため、S1506〜S1508の処理をV通過処理(S110)にて実行するように、即ち、球がV入賞口165へと入賞したタイミングで実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、役物当たり遊技中に常に球がV入賞口165へと入賞し得るように役物当たり遊技の動作シナリオが規定されている場合であれば、V通過処理(S110)では、S1505の処理のみを実行し、S1506〜S1508の処理を、役物当たり制御処理(図58のS1805参照)において、Vフラグがオンに設定されている場合に実行される処理として実行するように構成すると良い。これにより、役物当たり遊技中が実行された直後に球がV入賞口165に入賞したとしても、大当たり遊技が開始されるまでは時短状態を継続させることができるため、遊技者に違和感を与えること無く遊技を行わせることができる。
次に、図53を参照して、NMI割込処理について説明をする。図53は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図54を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図54は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図54)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図10参照)がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。RAMの初期化処理(S1713、S1714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1713)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1714)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1710)。その後、割込みを許可し(S1711)、第1可動弁動作シナリオに基づく動作を設定する(S1715)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図55を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図55は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図55参照)においては、まず、タイマ割込処理(図39参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801)。具体的には、タイマ割込処理(図39参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図40参照)や始動入賞処理(図46参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図55のS1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理(図56参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置650の特定入賞口(大開放口)650aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1804)。
大当たり制御処理(S1804)の詳細な内容については、図56〜図57を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1804)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口650a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口650a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口650a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1804)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次いで、球が特電作動口643に入賞した場合に実行される役物当たり遊技に関する役物当たり制御処理を実行する(S1805)。この役物当たり制御処理(S1805)では、役物当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置65に対して、V開閉扉65aを開放する期間と、閉鎖する期間とを、予め定められたシナリオ(役物当たり動作シナリオ)に基づいて設定するための処理が実行される。なお。役物当たり制御処理(S1805)の詳細な内容については、図58を参照して後述する。
次に、普電入賞装置640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1806)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図48参照)のS1121の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS1119の処理、S1120の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1807)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図41のS205)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図41参照)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)によって、特別図柄変動パターン選択処理(図43のS307参照)のS507で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1808)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図48参照)のS1114の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1808)では、普通図柄変動処理(図48参照)のS1116の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図48参照)のS1112の処理またはS1113の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1809)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1809:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1810)、既に所定時間が経過していれば(S1810:Yes)、処理をS1801へ移行し、上述したS1801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1810:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1811,S1812)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1811)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479、232)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1811の処理と同一の方法によって実行する(S1812)。なお、このS1812の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、S1801〜S1808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、S1809の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1809:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図53のNMI割込処理が実行されたということなので、S1813以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1813)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1814)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1815)、RAM203のアクセスを禁止して(S1816)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1809の処理は、S1801〜S1808で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1811とS1812の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図56のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1804)を説明する。図56は、この大当たり制御処理(S1804)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1804)は、メイン処理(図55参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出を実行するための情報(コマンド)の設定や、入賞口等(特定入賞口(大開放口)650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S1804)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるタイミングであるかを判別する(S1901)。具体的には、特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)のS806の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されている場合、或いは、役物当たり制御処理(図58のS1805参照)のS2010の処理が実行され、大当たりの開始が設定されている場合に、各種動作シナリオテーブル202eが有する大当たり動作シナリオテーブル202e1に対応させて動作カウンタがセットされる。そして、動作カウンタの値が大当たり動作シナリオテーブル202e1に規定されている大当たり開始タイミングと一致した場合に、大当たりが開始されると判別する。S1901の処理において、特別図柄の大当たり開始タイミングであると判別した場合には(S1901:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1902)、本処理を終了する。
なお、オープニングコマンドは遊技状態や大当たり種別に応じて遅延(可変)して送信するように構成してもよい。具体的には、定期的(4ms毎)に更新されるオープニングカウンタを設ける。そして、特別図柄の大当たりまたは役物当たりが開始される場合に、オープニングカウンタを0に初期化して、その後、オープニングカウンタが所定値(例えば、大当たりA,Bの場合は2500、大当たりCの場合は5000)となった場合に、オープニングコマンドを送信するようにすればよい。このようにすることで、例えば、左打ち遊技であって、特図抽選で大当たりとなった場合には、大当たりの開始(特定入賞口650aが開放される)までの時間を短くし、左打ち遊技であって、特電遊技の結果、役物当たり遊技にて大当たりとなった場合には、大当たりの開始(特定入賞口650aが開放される)までの時間を長くすることができる。このように構成することで、役物当たり遊技中の球流れ状況を注視していた遊技者に対して大当たり遊技への準備をさせる期間を確保することができる。
一方、S1901の処理において、大当たり開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1901:No)、次に、現在が大当たり中であるかを判別する(S1903)。このS1903の処理では、遊技状態格納エリア203gに記憶されている当たり遊技に関する遊技情報を読み出して判別が行われる。
大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。また、V入賞口165に球が入賞したことを示す表示がなされている最中も含まれる。S1903の処理において大当たり中では無いと判別した場合は(S1903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、大当たり中であると判別した場合は(S1903:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1904)。
S1904の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合、即ち、取得した動作カウンタの値が大当たり動作シナリオテーブル202e1に規定されているラウンド遊技の開始タイミングであると判別した場合は(S1904:Yes)、特定入賞口ソレノイド209aをオンに設定し(S1905)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1906)、その後、本処理を終了する。
一方、S1904の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合には(S1904:No)、ラウンドの終了タイミングであるか判別する(S1907)。ラウンドの終了タイミングであると判別した場合には、即ち、取得した動作カウンタの値が大当たり動作シナリオテーブル202e1に規定されているラウンド遊技の終了タイミングであると判別した場合は(S1907:Yes)、特定入賞口ソレノイド209aをオフに設定し(S1908)、入賞個数カウンタ203eの値を0にクリアする(S1909)。その後、この処理を終了する。
一方、S1907の処理において、ラウンドの終了タイミングでないと判別した場合には(S1907:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1910)。エンディング演出の開始タイミングは、大当たり遊技における最終ラウンド(大当たりAの場合であれば4ラウンド目)が終了して特定入賞口650aが閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1910:Yes)、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを設定して(S1911)、本処理を終了する。
一方、S1910の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1910:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるか否かを判別する(S1912)。なお、大当たりの終了タイミングとは、具体的には、取得した動作カウンタの値が大当たり動作シナリオテーブル202e1に規定されている大当たり遊技の終了タイミングである。S1912の処理において、大当たりの終了タイミング(エンディング演出の終了タイミング)であると判別した場合は(S1912:Yes)、次いで、大当たりの種別が大当たりBであるか否かを判別する(S1913)。大当たりBであると判別した場合は(S1913:Yes)、時短カウンタ203hの値に15を設定し(S1914)、S1916の処理へ移行する。S1913の処理において、大当たりの種別が大当たりBではない(大当たりA、又は大当たりCである)と判別した場合には(S1913:No)、S1915の処理へ移行する。
S1915の処理では、時短カウンタ203hの値に4を設定し(S1915)、次に、大当たり後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S1916)、大当たりの終了を設定するための大当たり終了を設定して(S1917)、本処理を終了する。
一方、S1912の処理において、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S1912:No)、入賞処理を実行し(S1918)、その後、本処理を終了する。ここで、図57を参照して、この入賞処理(S1918)について詳細に説明する。図57は、この入賞処理(S1918)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(図57のS1918)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S2001)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口650aが開放している期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S2001:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S2001:Yes)、次いで、特定入賞口650aを球が通過したかを判別する(S2002)。特定入賞口650aを球が通過したと判別した場合には(S2002:Yes)、入賞個数カウンタの値に1加算して更新し(S2003)、加算後の入球数を示すコマンドを設定する(S2004)。一方、特定入賞口650aを球が通過していないと判別した場合には(S2002:No)、そのまま本処理を終了する。
S2004の処理を実行後、次いで、入賞個数カウンタの値が10であるか判別する(S2005)。入賞個数カウンタの値が10であると判別した場合には(S2005:Yes)、動作カウンタの値を現在のラウンド終了を示す値の1つ手前に更新し(S2006)、その後、本処理を終了する。S2005の処理において、入賞個数カウンタの値が10ではないと判別した場合には(S2005:No)、S2006の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
このように構成することで、ラウンド遊技の終了条件として、時間の経過(30秒経過)を契機に成立する終了条件と、球の入賞(10個入賞)を契機に成立する終了条件と、を設けた場合において、何れの終了条件が成立した場合であっても、同一の動作シナリオに基づいて大当たり遊技の動作制御を実行することができる。よって、主制御装置110の制御処理を簡素化することができる。
次に、図58のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される役物当たり制御処理(S1805)を説明する。図58は、この役物当たり制御処理(S1805)を示すフローチャートである。この役物当たり制御処理(S1805)は、メイン処理(図55参照)の中で実行されるものであり、特電始動口入賞処理(図50のS108参照)にて役物当たりフラグ203kがオンに設定されたことを契機に設定される動作シナリオ(役物当たり動作シナリオテーブル202e2に規定されている動作シナリオ)の更新状況(取得した動作カウンタの値)に基づいて各種制御処理が実行される。
役物当たり制御処理(S1805)では、まず、役物当たりが開始されるタイミングであるかを判別する(S2101)。ここでは、役物当たり動作シナリオテーブル202e(図26(b)参照)に対応する動作カウンタの値が1であるかを判別する。役物当たりの開始タイミングであると判別した場合には(S2101:Yes)、役物当たりオープニングコマンドを設定して(S2102)、本処理を終了する。
一方、S2101の処理において、役物当たり開始タイミングでは無いと判別した場合は(S2101:No)、次に、現在が役物当たり中であるかを判別する(S2103)。役物当たり中では無いと判別した場合は(S2103:No)、そのまま本処理を終了する。一方、役物当たり中であると判別した場合は(S2103:Yes)、次に、開放動作のタイミングであるか判別する(S2104)。具体的には、役物当たり動作シナリオテーブル202eに対応する動作カウンタの値が26であるかを判別する。開放動作のタイミングであると判別した場合には(S2104:Yes)、開放ソレノイド(V入賞口ソレノイド209b)をオンに設定し(S2105)、その後、本処理を終了する。なお、図示は省略するが、V入賞装置65の役物当たり動作シナリオテーブル202eに対応する動作カウンタの値に応じて、開放ソレノイド(V入賞口ソレノイド209b)を閉鎖(オフに設定)する処理や、貯留ソレノイド209cをオンに設定する処理が実行される。
一方、S2104の処理において、開放動作のタイミングではないと判別した場合には(S2104:No)、次に、役物当たり終了のタイミングであるか判別する(S2106)。具体的には、役物当たり動作シナリオテーブル202eに対応する動作カウンタの値が750であるかを判別する。役物当たり終了のタイミングであると判別した場合には(S2106:Yes)、役物当たりフラグ203kをオフに設定し(S2107)、次に、Vフラグ203pがオンであるか否かを判別する(S2108)。Vフラグ203pがオフであると判別した場合には(S2108:No)、そのまま本処理を終了する。Vフラグ203pがオンであると判別した場合には(S2108:Yes)、大当たりの開始を設定し(S2110)、Vフラグ203pをオフに設定し(S2111)、その後、本処理を終了する。
一方、S2106の処理において、役物当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S2106:No)、V通過検出処理を実行し(S2112)、その後、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図59から図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図59を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図59は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4117の電源断処理(図60参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図60を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図60のS4114参照)、S4117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図60のS4116参照)。つまり、電源断フラグは、S4117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、割込み許可を設定して(S4011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S4010)。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図60を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図60は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4111の処理を行わずにS4112の処理へ移行する。S4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4111が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4112のコマンド判定処理やS4113の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103〜S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S4110)、次に、演出更新処理を実行する(S4111)。この演出更新処理(S4111)の詳細については、図72を参照して後述する。S4111の処理を実行後、S4112の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4111の処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S4112)が実行され、S4113の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S4112)の詳細については、図61を参照して後述する。
S4113の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図71を参照して後述する。
S4113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4116)、電源断処理を実行する(S4117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4115)、RAM223が破壊されていなければ(S4115:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112)について説明する。図61は、このコマンド判定処理(S4112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図60参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S4112)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S4112)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より第1可動弁動作コマンドを受信したか否かを判別する(S4201)。第1可動弁動作コマンドを受信したと判別された場合には(S4201:Yes)、受信した第1可動弁動作コマンドに基づいて、動作シナリオの更新を設定し(S4202)、その後、本処理を終了する。
つまり、本実施形態では、パチンコ機10において電源投入時に実行される第1可動弁66bへの動作制御に関するコマンド(第1可動弁動作コマンド)を受信した場合に、遅滞無く動作シナリオを更新させるために、コマンド判定処理の最優先判別順序に第1可動弁コマンドの受信を判別するための処理を設けている。このように構成することで、主制御装置110側の動作制御内容と、音声ランプ制御装置113側での状況把握内容とを容易に同期させることができる。
なお、本実施形態では、パチンコ機10において電源投入時に実行される第1可動弁66bへの動作制御に関するコマンド(第1可動弁動作コマンド)を受信した場合にのみ動作シナリオ(第1可動弁66bの動作状況を音声ランプ制御装置113側で把握するための動作シナリオ)を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、所定期間毎(1時間毎)に主制御装置110側から第1可動弁66bの動作制御内容を示すコマンドを出力したり、大当たり遊技が実行される毎に第1可動弁66bの動作制御内容を示すコマンドを出力したりするように構成しても良い。そして、受信したコマンドの内容と、更新している動作シナリオの内容と、を比較し、動作シナリオの更新内容を補正する処理を実行しても良い。これにより、音声ランプ制御装置113側による主制御装置110側の動作制御内容の把握精度をより高めることができる。さらに、主制御装置110側から出力されるコマンドを受信するまでに要するタイムラグを予め考慮して、音声ランプ制御装置113側の動作シナリオの更新処理を実行するように構成しても良い。
一方、S4201の処理において、第1可動弁動作コマンドを受信していないと判別された場合には(S4201:No)、主制御装置110より特図変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4203)。ここで、特図変動パターンコマンドは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。S4203の処理において、特図変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S4203:Yes)、特図変動開始処理を実行し(S4204)、本処理を終了する。この特図変動開始処理(S4204)の詳細については、図62を参照して後述する。
一方、S4203の処理において、特図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4203:No)、特図停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S4205)。特図停止種別コマンドを受信したと判別した場合は(S4205:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S4206)、受信した特図停止種別コマンドから停止種別を抽出し(S4207)、その後、本処理を終了する。
一方、S4205の処理において、特図停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S4205:No)、次に、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S4208)。ここで、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S4208:Yes)、受信した保留球数コマンドの図柄種別(特別図柄、普通図柄)を解析し、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた対応するカウンタの値を更新する(S4209)。具体的には、特別図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(即ち、特別図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新する。
また、普通図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、普通図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた普通図柄保留球数カウンタの値を更新する。
ここで、保留球数コマンドは、球が各種入球口(特図入球口64、スルーゲート67)に入球(始動入賞)し、各種保留球数カウンタの値が加算された場合、或いは、各種変動開始処理を実行する際に、各種保留球数カウンタの値が減算されたときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞時や変動表示設定時毎に、S4209の処理によって、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタの値を、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203c、普通図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。
よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の各種保留球数カウンタ203c,203dの値とずれてしまっても、始動入賞時、変動表示設定時、即ち、各種保留球数変更されることに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の各種保留球数カウンタ各種保留球数カウンタ203c,203dの値に合わせることができる。
また、S4208の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4208:No)、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか判別する(S4210)。S4210の処理において、入賞コマンドを受信したと判別した場合は(S4210:Yes)、入賞コマンド処理を実行し(S4211)、本処理を終了する。この入賞コマンド処理(S4211)は、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対応する図柄種別(特別図柄、普通図柄)を解析し、その解析結果に対応する記憶領域(音声ランプ制御装置113のRAM223内の入賞情報格納エリア223b)に格納(記憶)する処理と、受信した入賞情報に基づいた演出(先読み演出)を実行するための処理を行うものである。なお、詳細な内容については、図63を参照して後述する。
S4210の処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4210:No)、次に、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判別する(S4212)。状態コマンドを受信したと判別した場合には(S4212:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4213)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理(S4213)の詳細については、図64を参照して後述するが、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいてパチンコ機10の遊技状態(通常状態、時短状態)と、当たり遊技状態(大当たり中、役物当たり中)を従状態設定エリア223gに設定する処理が実行される。
次に、S4212の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4212:No)、主制御装置110より停止関連コマンドを受信したかを判別する(S4214)。S4214の処理において停止関連コマンドを受信したと判別した場合は(S4214:Yes)、停止関連処理を実行し(S4215)、本処理を終了する。この停止関連処理(S4215)の詳細な説明は図65を参照して後述するが、主制御装置110から出力される各種停止コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄や第4図柄を用いた変動演出の表示態様を設定するための処理が実行される。
本実施形態では、特別図柄の変動表示が実行される期間として、特別図柄変動を実行する際に変動パターン(変動時間)を予め設定するように構成しているが、予め設定された変動パターンに基づいて特別図柄変動を実行している最中でも、他の特別図柄変動の結果に応じて強制的に特別図柄変動を停止させる処理を実行する場合がある。そのため、音声ランプ制御装置113側で停止関連処理(S4215)を実行し、特別図柄変動が停止されたタイミングに対応させて第3図柄、第4図柄の変動表示(変動演出)を停止することができるように構成している。これにより、特別図柄の変動状況と第3図柄表示装置81に表示される変動演出の状況とを同期させることができ、遊技者に分かり易い表示態様を提供することができる。
一方、S4214の処理において、停止関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4214:No)、主制御装置110より普図関連コマンドを受信したかを判別し(S4216)、普図関連コマンドを受信したと判別した場合は(S4216:Yes)、普図関連処理を実行し(S4217)、本処理を終了する。普図関連処理(S4217)の詳細については、図66を参照して後述する。
S4216の処理において、普図関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4216:No)、主制御装置110より当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S4218)、当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(S4218:Yes)、当たり関連処理を実行し(S4219)、本処理を終了する。当たり関連処理(S4219)の詳細については、図67を参照して後述するが、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものである。
S4218の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4218:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S4220)、本処理を終了する。S4220の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
以上、本実施形態の音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(図61のS4112)について説明をしたが、コマンド判定処理(S4112)において、各種コマンドに対する受信の有無を判別する順序について、本実施形態に示した順序以外の順序を用いても良く、例えば、状態コマンドを受信したか否かを判別する処理を、特図変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する処理よりも先に実行するよう判別順序を規定しても良い。
このように構成することで、変動パターンコマンドと状態コマンドとが同時に主制御装置110から出力される場合、即ち、主制御装置110の特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)の中で、特別図柄変動パターン選択処理(図43のS307参照)を実行し、特図変動パターンコマンドを設定し、その後に遊技状態が可変したことを示す状態コマンドを設定した場合であっても、音声ランプ制御装置113側で現在設定されている遊技状態を特図変動パターンコマンドよりも先に判定することができる。
次に、図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図変動開始処理(S4204)について説明をする。図62は、特図変動開始処理(S4204)を示したフローチャートである。この特図変動開始処理(S4204)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図61参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される特別図柄に対応する表示態様(主変動用変動パターン、従変動用変動パターン)を設定する処理が実行される。
そして、表示制御装置114は、ここで設定された表示態様(表示用コマンド)と、後述する変動表示設定処理(図71参照)にて設定された表示用変動パターンコマンドとに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域に表示される表示態様を設定する。以下、特図変動開始処理(S4204)の詳細を説明する。
特図変動開始処理が設定されると、まず。特図変動開始フラグ223dをオンに設定し(S4301)、受信した特図変動パターンコマンドから変動パターンを抽出し(S4302)、変動パターン選択テーブル222aを用いて詳細な表示態様を選択する(S4303)。
次に、従状態設定エリア223gに設定(記憶)されている情報(現在の遊技状態を示す情報)を読み出して、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別する(S4304)。S4304の処理で、現在が時短状態では無い(通常状態)であると判別した場合は(S4304:No)、通常状態中の表示用コマンドを設定し(S4305)、本処理を終了する。S4305の処理において表示用コマンドが設定されると、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(図60のS4102)において、表示制御装置114へと送信され、図11(b)に示したような主表示領域Dmにて特別図柄抽選の結果を示すための演出態様が設定される。
一方、S4304の処理で、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S4304:Yes)、時短状態中の表示用コマンドを設定し(S4306)、報知済保留数格納エリア223sの値を1減算し(S4307)、今回受信した変動パターンに対応する値(変動時間)を、変動時間カウンタ223rにセットし(S4308)、本処理を終了する。
次に、図63を参照して音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞コマンド処理(S4211)について説明をする。図63は、入賞コマンド処理(S4211)を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理(S4211)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図61参照)の中で実行されものであって、受信した入賞コマンドの種別(特別図柄、普通図柄)と、現在の遊技状態と、に応じて入賞コマンド受信時に実行する演出(所謂、先読み演出)を設定するための処理が実行される。
入賞コマンド処理(S4211)を実行すると、まず、受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいてどの図柄種別に対応するものであるのかを解析し、対応する入賞情報記憶エリア223bに設定(格納)する(S4401)。そして、Vラッシュフラグ223qがオンに設定されているかを判別し(S4402)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4402:No)、S4412の処理へ移行し、その後、本処理を終了する。一方、オンに設定されていると判別した場合は(S4402:Yes)、受信した入賞コマンドに含まれる変動時間情報を抽出する(S4403)。
そして、先読みカウンタ223hの値が1以上であるか否かを判別する(S4404)。先読みカウンタ223hの値が1より小さい(0である)と判別した場合は(S4404:No)、今回受信した入賞情報に含まれる変動時間(特別図柄の変動時間)を、Vラッシュの残期間として上乗せ報知することが出来ない状態であるため、抽出した変動時間を未報知期間格納エリア223jに格納し(S4410)、未報知保留数格納エリア223kの値を1加算し(S4411)、S4412の処理へ移行する。
一方、S4404の処理において、先読みカウンタ223hの値が1以上であると判別した場合は(S4404:Yes)、今回受信した入賞コマンドに含まれる変動時間(特別図柄の変動時間)を、Vラッシュの残期間として上乗せ報知することが可能な状態であるため、次いで、中断フラグ223mがオンであるか否かを判別する(S4405)。S44405の処理では、現時点が上乗せ報知を実行可能なタイミングであるかを判別する。本実施形態では、Vラッシュ中において、役物当たり遊技期間中、及び大当たり遊技期間中は、Vラッシュの残期間を上乗せ報知しないように構成している。このように構成することで、遊技者に対して各種当たり遊技に集中させて遊技を行わせることができる。
S4405の処理において、中断フラグ223mがオフであると判別した場合は(S4404:No)、次に、特殊当たりフラグ223nがオンであるか否かを判別する(S4406)。特殊当たりフラグ223nがオフであると判別した場合は(S4406:No)、現在が、上乗せ報知を実行可能な状態であるため、時短期間カウンタ223iの値にS4403の処理で抽出した変動時間に対応する値を加算し(S4407)、報知済保留数格納エリア223sの値を1加算し、S4409の処理へ移行する。
図示は省略するが、S4407の処理において変動時間が加算された場合には、その加算値に対応する表示用コマンドが設定され第3図柄表示装置81の表示面にて上乗せ報知演出(図15(a)参照)が実行される。なお、本実施形態では、上乗せ報知演出として、S4407の処理で加算された全ての値を報知するように構成しているが、これに限ること無く、加算された値を上限に複数回に分けて上乗せ報知演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、何を契機にVラッシュの残期間(残時短期間)が上乗せされているのかを遊技者に分かり難くすることができるため、遊技者が早期に飽きることの無い演出を実行することができる。
また、それ以外にも、S4407の処理において加算された値が所定値に到達するまで、或いは、時短期間カウンタ223iの値が所定値まで減算するまでは、S4407の処理において加算された値を報知しないように構成し、複数の入賞コマンドに含まれる変動時間(特別図柄の変動時間)を合算して報知するように構成しても良い。これにより、1回の上乗せ報知演出にて上乗せされる残時短期間の長さに意外性を持たせることができる。また、この場合、例えば、特別図柄の大当たり当選時に設定される長さの変動時間(例えば、50秒)と同一の変動時間分の時短期間カウンタ223iに加算された場合に、上乗せ報知演出にて50秒の上乗せ報知演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄の大当たりに当選したのではと遊技者に思わせることができ、演出効果を高めることができる。
一方、S4405の処理において、中断フラグ223mがオンであると判別した場合と(S4405:Yes)、S4406の処理において、特殊当たりフラグ223nがオンであると判別した場合は(S4406:Yes)、抽出した変動時間を未報知期間格納エリア223jに格納し(S4410)、上述したS4411の処理へ移行する。
S4411の処理を終えると、先読みカウンタ223hの値を1減算し(S4409)、次いで、その他の処理を実行し(S4412)、その後、本処理を終了する。
次に、図64を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S4212)について説明する。図64は、この状態コマンド受信処理(S4212)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図61参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド受信処理(S4213)の詳細を説明する。
状態コマンド受信処理(S4213)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4501)。ここでは、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S4501の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(S4501:No)、S4502〜S4508の処理をスキップし、S4509の処理へ移行する。遊技状態に変更があると判別した場合は(S4501:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S4502)。
S4502の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S4502:Yes)、次いで、現在が、普通図柄の当たり中であるか否かを判別する(S4503)。普通図柄の当たり中ではないと判別した場合は(S4503:No)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S4504)、今回受信した状態コマンドが示す情報を従状態設定エリア223gに記憶(設定)し(S4509)、本処理を終了する。
ここで、S4504の処理で設定されたコマンドが表示制御装置114に通知されることにより通常状態中における変動演出表示が実行されることになる。このように、本実施形態では、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される各種表示態様の種別(モード、背景)を設定し、その種別を示すコマンドを表示制御装置114へと出力するように構成している。
このように構成することで、例えば、音声ランプ制御装置113側で設定されている遊技状態に対してそれぞれ変動演出表示の表示態様を設定する必要を無くすことが可能となる。つまり、現在設定されている遊技状態に対応する各種表示態様の種別を示すコマンド(種別コマンド)と、特別図柄の変動表示に対応する変動パターンコマンド(共通コマンド)とを表示制御装置114に出力するだけで、表示制御装置114側で受信した種別コマンドと、共通コマンドとに基づいて、現在の遊技状態と受信した変動パターンとに対応した表示態様で第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定することができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した複数のコマンドを表示制御装置114側で組み合わせることにより第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定するように構成した場合には、表示制御装置114側から音声ランプ制御装置113側へと設定後の表示データの内容を示す情報(確認情報)を出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した確認情報が適正であるかを判別する判別手段を設け、その判別結果が適正では無いと判別した場合に、適正な情報を示す簡易的な表示用変動パターンコマンドを設定し、既に設定されている表示データの内容を簡易的な表示データに書き換えるように構成すると良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から受信した各種コマンドに対して適正な表示データが設定されなかった場合に、適正な情報を示す簡易的な表示データを設定することができ、その簡易的な表示データに基づく変動演出表示を表示することができる。よって、実際の遊技結果(特別図柄の抽選結果)とは異なる内容の変動演出表示が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、上述した簡易的な表示データにとしては、例えば、どの遊技状態にも対応しない特殊モード(例えば、黒背景のモード)を表示する表示データや、第4図柄の変動表示を実行する表示データといった、通常の変動演出表示にて用いる表示データよりもデータ量の少ない表示データを用いれば良い。
なお、本実施形態では、上述した構成を用いているがこれに限ること無く、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態と、受信した変動パターンとに基づいた表示用変動パターンコマンドを設定するように構成しても良い。
図64に戻り説明を続ける。S4502の処理において、変更後の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドでは無い場合)は(S4502:No)、次いで、変更後の遊技状態が時短状態であるかを判別し(S4507)、遊技状態が時短状態である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合は(S4507:Yes)、Vラッシュモードを示す表示用コマンドを設定し(S4508)、上述したS4509の処理へ移行する。遊技状態が時短状態はないと判別した場合は(S4507:No)、S4508の処理をスキップし、本処理を終了する。
一方、S4503の処理において、現在が普通図柄の当たり中であると判別した場合は(S4503:Yes)、延長モードを示す表示用コマンドを設定し(S4505)、延長フラグ223pをオンに設定し(S4506)、上述したS4509の処理へ移行する。S4505の処理において表示用コマンドが設定されると、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(図60のS4102)において、表示制御装置114へと送信され、図16(b)に示した延長画面を示す表示態様が設定される。
次に、図65を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図61参照)内の一処理である停止関連処理(S4215)について説明する。図65は、停止関連処理(S4215)の内容を示したフローチャートである。この停止関連処理(S4215)は、主制御装置110から停止関連コマンド(他の特別図柄抽選の抽選結果に基づいて停止表示される場合に設定されるコマンド)を受信した場合の表示態様を設定するための処理が実行される。
停止関連処理(S4215)が実行されると、まず、今回受信した停止関連コマンドが特図確定コマンドであるかを判別する(S4601)。特図確定コマンドであると判別した場合は(S4601:Yes)、変動停止用の表示コマンドを設定し(S4602)、S4603の処理へ移行する。一方、特図確定コマンドを受信していないと判別した場合は(S4601:No)、S4602の処理をスキップし、S4603の処理へ移行する。
S4603の処理では、今回受信した停止関連コマンドが特図仮停止コマンドであるかを判別する(S4603)。特図仮停止コマンドを受信したと判別した場合は(S4603:Yes)、中断フラグ223mをオンに設定し(S4604)、特別図柄の仮停止態様を示す表示コマンドを設定し(S4605)、S4606の処理へ移行する。一方、特図仮停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S4603:No)、S4604,S4605の処理をスキップし、S4606の処理へ移行する。
S4605の処理で特別図柄の仮停止態様を示す表示コマンドが設定されると、図13(b)に示したように、仮停止中であることを示す表示態様(「STOP」の文字)が表示されると共に、特別図柄変動の残期間を示すためのタイマ812の減算表示が中断される。
S4606の処理では、今回受信した停止関連コマンドが特図変動再開コマンドであるかを判別する(S4606)。この特図変動再開コマンドは、主制御装置110の特別図柄変動実行中処理(図44のS206参照)において、特別図柄の変動が再開した場合に設定されるコマンドである(図44のS702参照)。特図変動再開コマンドを受信したと判別した場合は(S4606:Yes)、中断フラグ223mをオフに設定し(S4607)、特別図柄の変動再開を示す表示コマンドを設定し(S4608)する。
そして、中断フラグ223mがオンに設定されていた期間中に、未報知情報の更新があったかを判別する(S4609)。この処理では、未報知期間格納エリア223j、未報知保留数格納エリア223kに新たな変動時間を示す情報が格納されたかを判別する。S4609の処理において、更新が無いと判別した場合は(S4609:No)、そのまま本処理を終了する。一方、更新があると判別した場合は(S4609:Yes)、更新内容に対応させて時短期間カウンタ223iの値を加算し(S4610)、未報知期間格納エリア223j、未報知保留数格納エリア223k、報知済保留数格納エリア223sの情報を更新し、本処理を終了する。一方、特図変動再開コマンドを受信していないと判別した場合は(S4606:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、S4610の処理によって加算された値は、中断フラグ223がオフに設定されるタイミング、即ち、特図変動が再開され、第3図柄表示装置81の表示面にて表示されるタイマ812の数値が減算を開始するタイミングで纏めて上乗せ報知される。このように構成することで、特別図柄の変動時間の減算がストップしている状態では、各種当たり遊技に注視させると共に、各種当たり遊技の終了後に纏めて上乗せ報知演出が実行されるため、各種当たり遊技の終了後においても遊技者にVラッシュの残期間が大量に上乗せされることに期待を持たせることができる。
次に、図66を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される普図関連処理(S4217)について説明する。図66は、この普図関連処理(S4217)を示したフローチャートである。この普図関連処理(S4217)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図61参照)の中で実行されるものである。以下、普図関連処理(S4217)の詳細を説明する。
普図関連処理(S4217)が実行されると、まず、今回受信した普図関連コマンドが普図変動パターンコマンドであるか否かを判別する(S4701)。受信したコマンドが普図変動パターンコマンドであると判別した場合は(S4701:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S4702)、その後、本処理を終了する。
S4701の処理において、受信したコマンドが普図変動パターンコマンドではないと判別した場合は(S4701:No)、次いで、今回受信した普図関連コマンドが普図当たり開始コマンドであるか否かを判別する(S4703)。受信したコマンドが普図当たり開始コマンドであると判別した場合は(S4703:Yes)、表示用小当たり入賞コマンドを設定し(S4704)、その後、本処理を終了する。
S4703の処理において、受信したコマンドが普図当たり開始コマンドではないと判別した場合は(S4703:No)、次いで、今回受信した普図関連コマンドが特電作動コマンドであるか否かを判別する(S4705)。受信したコマンドが特電作動コマンドであると判別した場合は(S4705:Yes)、表示用V当たり入賞コマンドを設定し(S4706)、次いで、延長フラグ223pがオンに設定されているかを判別し(S4707)、オンに設定されていると判別した場合、即ち、時短状態の終了タイミングにおいて実行中の普図当たり遊技にて特電作動口643へと球が入賞したことにより実行された役物当たり遊技であると判別した場合は(S4707:Yes)、延長フラグ223pをオフに設定し(S4708)、その後、本処理を終了する。一方、S4707の処理において延長フラグ223pがオンでは無いと判別した場合は(S4707:No)、S4708の処理をスキップして本処理を終了する。
S4705の処理において、受信したコマンドが特電作動コマンドではないと判別した場合は(S4705:No)、次いで、今回受信した普図関連コマンドが普図当たり終了コマンドであるか否かを判別する(S4709)。受信したコマンドが普図当たり終了コマンドではないと判別した場合は(S4709:No)、そのまま本処理を終了する。受信したコマンドが普図当たり終了コマンドであると判別した場合は(S4709:Yes)、次いで、延長フラグ223pがオンであるか否かを判別する(S4710)。延長フラグ223pがオンであると判別した場合は(S4710:Yes)、延長フラグ223pをオフに設定し(S4711)、Vラッシュ終了を示す表示用コマンドを設定し(S4712)、Vラッシュフラグ223qをオフに設定し(S4713)、その後、本処理を終了する。
S4710の処理において、延長フラグ223pがオフであると判別は(S4710:No)、普図当たり終了を示す表示用コマンドを設定し(S4714)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、時短状態における特別図柄の最終変動が停止した状態で普図当たり遊技が実行されている場合には、Vラッシュ演出を延長させるために延長フラグ223pがオンに設定される。そして、その普図当たり遊技に基づいて実行される特電遊技の進行状況に応じて、Vラッシュ演出の終了タイミングを異ならせている。具体的には、普図当たり遊技にて特電作動口643へと球が入賞しなかった場合は、その普図当たり遊技の終了タイミングでVラッシュ演出を終了させ、特電作動口643へと球が入賞し、役物当たり遊技が実行された場合は、その役物当たり遊技の終了タイミングでVラッシュ演出を終了させる。なお、役物当たり遊技にてV入賞口165へと球が入賞した場合は、大当たり遊技(V大当たり遊技)に基づく演出が優先して実行される。
このように構成することで、遊技者に対して、V大当たり遊技を目指すことが可能な期間を遊技状態に問わず報知することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、図67を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図61参照)内の一処理である当たり関連処理(S4219)について説明する。図67は、当たり関連処理(S4219)の内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S4219)では、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は役物当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は役物当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たり又は役物当たりに当選した場合に主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
加えて、当たり遊技(大当たり遊技、役物当たり遊技)中に獲得した賞球の数を示すための賞球数コマンドを受信した場合に、その賞球数コマンドが示す賞球数を累積し、累積結果に基づいた表示用賞球数コマンドを設定する処理が実行される。
当たり関連処理(S4219)では、まず、コマンド判定処理(図61参照)により受信したコマンドが、大当たり関連コマンドであるかを判別する(S4801)。受信したコマンドが大当たり関連コマンドであると判別した場合には(S4801:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S4802)、本処理を終了する。
ここで、図68を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(図67のS4219)内の一処理である大当たり関連処理(S4802)について説明する。図68は、大当たり関連処理(S4802)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理(S4802)では、まず、当たり関連処理(図67のS4801)により受信した当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(S4901)。大当たり開始コマンドであると判別した場合には(S4901:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定する(S4902)。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
次いで、Vラッシュフラグ223qがオンであるか否かを判別する(S4903)。Vラッシュフラグ223qがオンであると判別した場合は(S4903:Yes)、今回の大当たりが特殊当たり(大当たりB)であるかを判別し(S4911)、特殊当たり(大当たりB)であると判別した場合は(S4911:Yes)、特殊当たりフラグ223nをオフに設定し(S4912)、そのまま本処理を終了する。一方、S4911の処理で今回の大当たりが特殊当たり(大当たりB)では無いと判別した場合は(S4911:No)、S4912の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
S4903の処理において、Vラッシュフラグ223qがオフであると判別した場合は(S4903:No)、今回実行される大当たりで付与される時短回数を抽出し(S4904)、入賞情報格納エリア223bに格納されている特図入賞情報を読み出し(S4905)、読み出した特図入賞情報から抽出した時短回数を上限に対象を選定し(S4906)、選定した特図入賞情報の数を未報知保留数格納エリア223kに格納し(S4907)、選定した特図入賞情報に含まれる変動時間を算出し(S4908)、算出した変動時間を未報知期間格納エリア223jに格納し(S4909)、Vラッシュフラグ223qをオンに設定し(S4910)、その後、本処理を終了する。
一方、S4901の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S4901:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S4913)。ラウンド数コマンドを受信した場合には(S4913:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4914)、本処理を終了する。なお、本実施形態では主制御装置110からラウンド数コマンドとしてラウンド数を示す情報を送信しているため、受信したラウンド数コマンドに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定しているが、例えば、主制御装置110から送信するコマンドデータの容量を軽減するために、主制御装置110から新たなラウンドが開始されたことを示すための情報をラウンド更新コマンドとして送信する構成する場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223にラウンド更新コマンドを受信した場合に、受信したラウンド更新コマンドの数を蓄積するラウンド数蓄積カウンタを設け、そのラウンド数蓄積カウンタの値に基づいて音声ランプ制御装置113側で現在のラウンド数を算出し、表示用ラウンド数コマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S4913の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4913:No)、大当たり終了コマンドを受信したか判別する(S4915)。大当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S4915:No)、そのまま本処理を終了する。一方、大当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S4915:Yes)、大当たり終了処理を実行し(S4916)、本処理を終了する。
ここで、図69を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(図68のS4802)内の一処理である大当たり終了処理(S4919)について説明する。図69は、大当たり終了処理(S4919)の内容を示したフローチャートである。
大当たり終了処理(S4919)では、今回実行される大当たりで付与される時短回数を先読みカウンタ223hにセットし(S5001)、先読みカウンタ223hの値から、報知済保留数格納エリア223sの値を減算し(S5002)、その後、未報知保留数格納エリア223kに格納されている値を読み出す(S5003)。次いで、未報知保留数格納エリア223kの値が1以上であるか否かを判別し(S5004)。未報知保留数格納エリア223kの値が1より小さい(0である)と判別した場合は(S5004:No)、大当たり遊技のエンディング画面(図15(a)参照)にて上乗せ報知演出を実行することが出来ない状態であるため(上乗せさせる変動時間情報が無いため)、表示用上乗せ無しコマンドを設定し(S5014)、その後、本処理を終了する。
一方、S5004の処理において、未報知保留数格納エリア223kの値が1以上であると判別した場合は(S5004:Yes)、即ち、上乗せ報知可能な変動時間を示す情報(上乗せ報知に用いられていない特別図柄の変動時間情報)がある場合は、読み出した値に対応させて先読みカウンタ223hの値を減算し(S5005)、未報知保留数格納エリア223kに格納されている値のうち、S5005の処理で減算された値に対応した値をクリアし(S5006)、未報知期間格納エリア223jに格納されている変動時間を読み出す(S5007)。
その後、入賞情報格納エリア223bに含まれている入賞情報(特図保留情報)の中に特殊当たり(大当たりB)の当選を示す入賞情報が含まれているかを判別し(S5008)、含まれていないと判別した場合は(S5008:No)、読み出した変動時簡に対応する表示用上乗せコマンドを設定し(S5009)、未報知期間格納エリア223jに格納されている変動時間のうち、今回今回の上乗せ演出に用いられた変動時間に対応する期間をクリアし(S5010)、本処理を終了する。
一方、S5008の処理において、入賞情報格納エリア223b内に特殊当たり(大当たりB)の当選を示す入賞情報が含まれていると判別した場合は(S5008:Yes)、特殊当たり変動が終了するまでの変動時間に対応する表示用コマンドを設定する(S5011)。つまり、次々々回に実行される特別図柄変動が特殊当たり当選に対応する特別図柄変動である場合は、たとえ、上乗せ報知演出として特別図柄保留4個分の変動時間を合算して報知可能な状態であったとしても、次回の特別図柄変動の変動時間と、次々回の特別図柄変動の変動時間と、特殊当たり当選に対応する特別図柄変動(特殊当たり変動)の変動時間とを合算した変動時間のみが上乗せ報知演出で用いられる。
さらに、特殊モード(天国モード)を示す表示用コマンドを設定し(S5012)、特殊当たりフラグ223nをオンに設定し(S5013)、上述したS5010の処理へ移行する。
これにより、大当たり遊技の終了時点で特別図柄の保留内に特殊当たり(大当たりB)の当選を示す入賞情報がある場合には、図17(a)に示した通り、特殊モード(天国モード)への移行を報知する演出と、特殊当たり変動が終了するまでの変動時間「220秒」が表示されることになる。よって、特殊当たり遊技(大当たりBが設定される大当たり遊技)が実行されるまでの期間を遊技者に分かり易く報知することができる。また、特殊当たり遊技の終了後は、再度時短状態が設定されるため、遊技者に安心して天国モード中の遊技を行わせることができる。さらに、特殊当たり変動より後に保留記憶されている特別図柄の変動時間を遊技者に報知することが無いため、大当たり遊技終了後に設定される時短状態(Vラッシュ)の期間を大当たり遊技が終了するまで遊技者に分かり難くすることができる。
図67に戻り、説明を続ける。S4801の処理において、受信したコマンドが大当たり関連コマンドではないと判別した場合には(S4801:No)、受信したコマンドが、役物当たり関連コマンドであるかを判別する(S4803)。受信したコマンドが役物当たり関連コマンドであると判別した場合には(S4803:Yes)、役物当たり関連処理(S4804)を実行し、本処理を終了する。
ここで、図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(図67のS4219)内の一処理である役物当たり関連処理(S4804)について説明する。図70は、役物当たり関連処理(S4804)の内容を示したフローチャートである。役物当たり関連処理では、役物当たりが実行された場合に実行される役物当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、役物当たりが実行された場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
役物当たり関連処理(S4804)では、まず、当たり関連処理(図67のS4219)により受信した当たり関連のコマンドが、役物当たり開始コマンドであるかを判別する(S5101)。
S5101の処理において、役物当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S5101:Yes)、表示用役物当たり開始コマンドを設定し(S5102)、本処理を終了する。
一方、S5101の処理において、受信したコマンドが役物当たり開始コマンドではないと判別した場合には(S5101:No)、次に、受信したコマンドがV入口通過コマンドであるかを判別する(S5103)。
S5103の処理において、V入口通過コマンドを受信したと判別した場合には(S5103:Yes)、表示用役物当たり入賞コマンドを設定し(S5104)、本処理を終了する。
一方、S5103の処理において、受信したコマンドがV入口通過コマンドではないと判別した場合には(S5103:No)、次に、受信したコマンドがV通過コマンドであるかを判別する(S5105)。
S5105の処理において、V通過コマンドを受信したと判別した場合には(S5105:Yes)、表示用V当たりコマンドを設定し(S5106)、本処理を終了する。
一方、S5105の処理において、受信したコマンドがV通過コマンドではないと判別した場合には(S5105:No)、次に、受信したコマンドがエンディングコマンドであるかを判別する(S5107)。受信したコマンドがエンディングコマンドではないと判別した場合には(S5107:No)、そのまま本処理を終了する。一方、受信したコマンドがエンディングコマンドであると判別した場合には(S5107:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S5108)、本処理を終了する。
図67に戻り、説明を続ける。S4803の処理において、受信したコマンドが役物当たり関連コマンドではないと判別した場合には(S4803:No)、賞球コマンドを受信したかどうか判別する(S4805)。受信したコマンドが賞球コマンドではないと判別した場合には(S4805:No)、そのまま本処理を終了する。一方、受信したコマンドが、賞球コマンドであると判別した場合には(S4805:Yes)、受信したコマンドに対応する値を賞球数カウンタ(図示せず)の値に加算し(S4806)、加算した後の賞球数カウンタの値に対応した表示用賞球数コマンドを設定し(S4807)、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態のパチンコ機10では、Vラッシュフラグ223qがオンに設定されている期間(有利継続期間)中に受信した賞球数コマンドに対応する賞球数を賞球数カウンタにて累積するように構成している。そして、当たり遊技(大当たり遊技、役物当たり遊技)中やVラッシュ演出中に、賞球数カウンタの累積値に応じた賞球数を示す情報が表示されるように構成している(図12(c)の表示領域HR2参照)。
このように構成することで、時短状態(Vラッシュ)が設定されてから、Vラッシュが終了するまでの期間(有利継続期間)中に獲得した球数の累計を遊技者に分かり易く報知することができる。
本実施形態では、有利継続期間中に獲得した賞球数の累計値を有利継続期間中に表示するように構成しているが、有利継続期間中に獲得した賞球数を遊技者に報知可能な構成であれば良く、例えば、有利継続期間中のうち、大当たり遊技で獲得した賞球数と、役物当たり遊技で獲得した賞球数とを区分けして表示するように構成しても良い。この場合、賞球コマンドを受信した時点の当たり遊技状態(大当たり中、役物当たり中)を従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて判別し、判別結果毎に賞球数を累積する手段を設けると良い。これにより、有利継続期間中に獲得した賞球数を容易に区分けすることができる。
さらに、有利継続期間内における1回の遊技期間(大当たり遊技期間と、次の大当たり遊技が実行されるまでの潜確状態期間とを合わせた期間)において獲得した賞球数を累積して表示するように構成しても良い。この場合、1回の遊技期間内に獲得した賞球数の累積数を履歴情報として記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている情報を履歴表示するように構成すると良い。
また、本実施形態では、Vラッシュ期間中において特電遊技に基づいて実行されたV大当たり遊技の回数を累積表示するように構成している(図12(c)の表示領域HR1参照)が、これに限ること無く、上述した通り、有利継続期間内に獲得した賞球数を累積表示する構成を用いる場合は、特別図柄の抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(大当たり)となった回数を表示したり、特別図柄の抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(大当たり)となった抽選確率を表示したりするように構成しても良い。
このように構成することで、有利継続期間中に実行された特別図柄の抽選結果と、有利継続期間中に獲得した賞球数と、を遊技者に分析させることが可能となり、意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図71を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113)について説明する。図71は、この変動表示設定処理(S4113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図71のS4113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図60参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図71のS4113)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(大当たりA〜大当たりC)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(S4113)では、まず、RAM223に設けられた特図変動開始フラグ223dがオンに設定されているか判別する(S5201)。そして、特図変動開始フラグ223dはオフであると判別した場合には(S5201:No)、主制御装置110より特図変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5205の処理へ移行する。一方、特図変動開始フラグ223dはオンであると判別した場合には(S5201:Yes)、特図変動開始フラグ223dをオフに設定する(S5202)。
そして、コマンド判定処理(図61のS4112参照)にて実行される特図変動開始処理(図62のS4204参照)のS4302の処理において、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドから抽出した変動演出に関する変動パターンに基づいて、特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し(S5203)、特別図柄保留球数カウンタ223cの値を1減算し(S5204)、S5205の処理へ移行する。
S5203の処理で設定された表示用変動パターンコマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)で実行されるコマンド出力処理(図60のS4102)にて表示制御装置114へと出力される。表示制御装置114は受信した表示用変動パターンコマンドと、遊技状態を示すための各種表示用コマンドとに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域(表示画面)に表示する表示データを作成する。
S5205の処理では、停止種別選択フラグ223eがオンに設定されているかを判別し(S5205)、オンに設定されていないと判別した場合は(S5205:No)、そのまま本処理を終了する。一方、オンに設定されていると判別した場合は(S5205:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフに設定し(S5206)、抽出した停止種別をそのまま設定し(S5207)、表示用特図停止種別コマンドを設定し(S5208)、本処理を終了する。
次に、図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出更新処理(S4111)について説明する。図72は、この演出更新処理(S4111)を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図60参照)の一処理であり、Vラッシュ期間中に設定された各種カウンタの値を更新すると共に、更新後のカウンタの値に基づいた演出態様を設定するための処理を実行するものである。
演出更新処理(S4111)では、まず、中断フラグ223mがオンに設定されているかを判別し(S5300)、中断フラグ223mがオンに設定されている場合は(S5300:Yes)、S5309の処理へ移行し、本処理を終了する。一方、中断フラグ223mがオンに設定されていない場合、即ち、特別図柄変動が中断されていない場合は(S5300:No)、次に、変動時間カウンタ223rの値が0より大きいか否かを判別する(S5301)。変動時間カウンタ223rの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S5301:No)、S5309の処理へ移行する。変動時間カウンタの値が0より大きいと判別した場合は(S5301:Yes)、変動時間カウンタの値を更新し(S5302)、次いで、時短期間カウンタ223iの値が0より大きいか否かを判別する(S5303)。時短期間カウンタ223iの値が0であると判別した場合は(S5303:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5303の処理において、時短期間カウンタ223iの値が0より大きいと判別した場合は(S5303:Yes)、時短期間カウンタ223iの値を更新し(S5304)、次いで、更新後の時短期間カウンタ223iの値が0であるか否かを判別する(S5305)。更新後の時短期間カウンタ223iの値が0ではないと判別した場合は(S5305:No)、時短期間カウンタ223iの値に対応する表示用コマンドを設定する(S5306)。ここで設定された表示用コマンドは、他の表示用コマンドと同様に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(図60のS4102参照)にて表示制御装置114へと出力される。そして、表示制御装置114にて画像データが作成され、Vラッシュ中に第3図柄表示装置81の表示面に表示されるタイマ812の表示態様として表示される(図13(a)参照)。
次いで、変動時間カウンタの値が残期間5秒を示す値であるか否かを判別する(S5307)。S5307の処理において、変動時間カウンタ223rの値が残期間5秒を示す値であると判別した場合は(S5307:Yes)、残変動時間が少ないことを示す表示用コマンドを設定し(S5308)、S5309の処理へ移行する。S5308の処理において表示用コマンドが設定されると、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(図60のS4102)において、表示制御装置114へと送信され、遊技者に対して、実行中の特別図柄変動の残時間が少ないことを示すための演出態様(例えば、アンラッキー演出)が設定される。これにより、遊技者は、V大当たり遊技を実行させるための特電遊技を実行するか否かを選択しながら遊技を行うことが出来る。
なお、本実施形態では、実行中の特別図柄変動の残期間が5秒となった場合に(S5307:Yes)、残変動時間が少ないことを示す表示用コマンドを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S5308の処理を実行する前に、残変動時間が少ないことを示す表示用コマンドを設定するか否かを決定するための抽選処理を実行し、その抽選処理の結果が表示用コマンドを設定すると決定した場合にのみ残変動時間が少ないことを示す表示用コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、実行中の特別図柄変動の残時間が少ないことを示すための演出態様(例えば、アンラッキー演出)が設定されていない(第3図柄表示装置81にてアンラッキー演出が実行されていない)状態では、実行中の特別図柄変動の残期間が長いか短いかを遊技者が判別し難くすることができる。
また、S5307の処理において、変動時間カウンタ223rの値が残期間5秒を示し値では無いと判別した場合は(S5307:No)、入賞情報格納エリア223bから次変動の変動時間(次に実行される特別図柄変動の変動時間)を読み出し(S5313)、変動時間カウンタ223rの値が示す秒数(実行中の特別図柄変動の残秒数)に10秒を加算した値のほうが、S5313の処理で読み出した次変動の変動時間を示す秒数よりも大きいか(長いか)を判別する(S5314)。
S5314の処理で、変動時間カウンタ223rの値が示す秒数(実行中の特別図柄変動の残秒数)に10秒を加算した値のほうが、S5313の処理で読み出した次変動の変動時間を示す秒数よりも大きい(長い)と判別した場合は(S5314:Yes)、現在の状況が遊技者に有利な状況、即ち、V大当たり遊技を実行した場合に、V大当たり遊技終了後に設定されるVラッシュ期間が長くなり易い状況であることを遊技者に報知するためのラッキータイムを示す表示用コマンドを設定し(S5315)、S5309の処理へ移行する。一方、S5314の処理で、変動時間カウンタ223rの値が示す秒数(実行中の特別図柄変動の残秒数)に10秒を加算した値のほうが、S5313の処理で読み出した次変動の変動時間を示す秒数よりも大きくない(短い)と判別した場合は(S5314:No)、S5315の処理をスキップしてS5309の処理へ移行する。
S5315の処理において表示用コマンドが設定されると、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(図60のS4102)において、表示制御装置114へと送信され、図19(b)に示したラッキータイム演出の表示態様が設定される。このように構成することで、Vラッシュ期間において遊技者により有利となる期間を遊技者が把握することができるため、Vラッシュ期間中の遊技が単調になることを抑制することができる。なお、本実施形態では、ラッキータイム演出の実行契機として、実行中の特別図柄変動の残期間が、次の特別図柄変動の変動時間よりも10秒以上長い場合を設定しているが、これに限ること無く、特別図柄変動を中断させた場合に残変動時間が長くなる期間をラッキータイム演出にて遊技者に報知できれば良く、例えば、次の特別図柄変動の変動時間に関わらず、実行中の特別図柄変動の残期間が所定秒数(例えば、50秒)以上であると判別したことをラッキータイム演出の実行契機としても良い。
また、本実施形態では、S5314の処理において、変動時間カウンタ223rの値が示す秒数(実行中の特別図柄変動の残秒数)に10秒を加算した値のほうが、S5313の処理で読み出した次変動の変動時間を示す秒数よりも大きい(長い)場合に、必ずS5315の処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S5315の処理を実行する前に、残変動時間が長いことを示す表示用コマンドを設定するか否かを決定するための抽選処理を実行し、その抽選処理の結果が表示用コマンドを設定すると決定した場合にのみ残変動時間が長いことを示す表示用コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、実行中の特別図柄変動の残時間が長いことを示すための演出態様(例えば、ラッキータイム演出)が設定されていない(第3図柄表示装置81にてラッキータイム演出が実行されていない)状態では、実行中の特別図柄変動の残期間が長いか短いかを遊技者が判別し難くすることができる。
一方、S5305の処理において、更新後の時短期間カウンタ223iの値が0であると判別した場合は(S5305:Yes)、先読みカウンタ223hの値が0より大きいか否かを判別する(S5310)。先読みカウンタ223hの値が0より大きいと判別した場合は(S5310:Yes)、時短状態の終了条件が成立していないにも関わらず、特別図柄変動が実行されていない状態であるため、Vラッシュ継続の「???」を示す表示用コマンドを設定し(S5311)、S5309の処理へ移行する。S5311の処理にて設定された表示コマンドは、他の表示用コマンドと同様に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(図60のS4102参照)にて表示制御装置114へと出力される。そして、表示制御装置114にて画像データが作成され、Vラッシュ中にて、時短終了条件が更新されない期間であることを示す表示態様(図19(a)参照)が表示される。
一方、S5310の処理において、先読みカウンタ223hの値が0であると判別した場合は(S5310:No)、Vラッシュ終了を示す表示用コマンドを設定し(S5312)、Vラッシュフラグ223qをオフに設定し、S5309の処理へ移行する。S5309の処理では、その他の演出更新処理を実行し(S5309)、本処理を終了する。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図73から図87を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図73を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図73は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図74を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図74は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図73のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図73のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図74に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図73の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図85(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図85(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図75(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、特図入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図75(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図75(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図75(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図75(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図75(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図76〜図81を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図82〜図84を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図85および図86を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図38に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図87を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図76〜図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図76は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図76に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図77(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図77(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図76の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図77(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図77(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜G、小当たりA〜C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図75(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図76に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図78(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図78(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図78(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図78(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図79を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図79は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動停止コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用変動停止コマンドがあれば(S6414:Yes)、変動停止コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図80(a)を参照して、変動停止コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図80(a)は、変動停止コマンド処理を示すフローチャートである。この変動停止コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動停止コマンドに対応する処理を実行するものである。
この表示用変動停止コマンドとは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図73のS4112参照)において設定された表示用変動パターンコマンドの終了タイミング、即ち、主制御装置110における各特別図柄の変動パターンを設定する処理にて設定された変動パターン(変動時間)の終了タイミング(主制御装置110が停止コマンドを設定するタイミング)にて、音声ランプ制御装置113から出力される表示用停止コマンド(正常停止コマンド)と、音声ランプ制御装置113のへ変動停止処理(図70のS4217参照)にて設定された各種表示コマンドを示すものである。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)とを独立(並行)して実行可能に構成されており、さらに、一方の特別図柄が特定の抽選結果(例えば、大当たり)を示す図柄で停止(確定)表示された場合に、変動中の他方の特別図柄を、予め定められた変動パターン(変動時間)の終了の有無に関わらず、強制的に外れを示す図柄で停止表示するように構成している。
そして、音声ランプ制御装置113では主制御装置110から強制的に特別図柄の変動を停止させる際に設定されるコマンドを受信した場合に、変動停止処理(図70のS4217参照)を実行することで、特別図柄変動に対応する第3図柄、或いは第4図柄の表示態様を可変表示(強制的に停止表示される特別図柄の表示態様に対応させるように可変表示)させるための表示用コマンド(強制停止コマンド)を設定するように構成している。
なお、本実施形態では、上述した正常停止コマンドを既に受信している場合であっても、第3図柄表示装置81に第3図柄、或いは第4図柄が停止表示されていない状態であれば、後で受信した強制停止コマンドに基づく停止表示が実行されるように構成している。即ち、強制停止コマンドが、正常停止コマンドよりも優先して処理されるように構成している。これにより、主制御装置110の制御内容に対応した表示態様で第3図柄、第4図柄を確実に表示することができる。
加えて、表示用変動停止コマンドには、音声ランプ制御装置113の変動停止処理(図70のS4217参照)において設定される仮停止を示す表示コマンドも含まれており、この仮停止を示す表示コマンド(表示用仮停止コマンド)を受信した場合には、変動停止表示データとして、停止表示される図柄が若干揺動する表示データが設定されるデータテーブルが決定されるように構成している。
変動停止コマンド処理では、まず、表示用変動停止コマンドによって示される変動停止データテーブルを決定し、その決定した変動停止データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6932)。
次いで、S6931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動停止データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6933)、ポインタ233fを0に初期化する(S6934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6935)、変動停止コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、変動停止コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用報知コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、表示用報知コマンドがあれば(S6416:Yes)、表示用報知コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図80(b)を参照して、追加演出コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図80(b)は、報知コマンド処理を示すフローチャートである。この報知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した(表示用)報知コマンドに対応する処理を実行するものである。
この報知コマンドは、主制御装置110にて設定された各種異常状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に設定される各種報知コマンドのうち、表示制御装置114に出力された表示用報知コマンドを表示制御装置114が受信した場合に実行される処理である。
報知コマンド処理では、まず、報知コマンドによって示される報知態様に対応した表示(報知)データテーブルを決定し、その決定した表示(報知)データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6952)。
次いで、S6951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示(報知)データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6953)、ポインタ233fを0に初期化する(S6954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6955)、報知コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の設定した各種報知コマンドのうち、報知対象が第3図柄表示装置81(表示装置)であることを示す表示用コマンドのみを表示制御装置114が判別するように構成しているが、これに限ること無く、表示用コマンド以外の発光用コマンドや、音声出力用コマンドや、役物駆動用コマンドといった関連コマンドも一旦受信し、表示制御装置114の処理にて設定されたデータ内容(表示態様)を示すための情報を追加した状態で、関連コマンドを対応する制御装置に出力するように構成しても良い。
図76に戻り、説明を続ける。S6416の処理において、表示用報知コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6418)、背面画像変更コマンドがあれば(S6418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図81を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図81は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図76の説明に戻る。S6418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6420)、エラーコマンドがあれば(S6420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6421)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図81(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421)の詳細について説明する。図81(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図76の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6422の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図75(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)および停止種別コマンド処理(図77(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図82〜図84を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図82は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図82に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202〜S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203〜S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図83を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図83は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図82の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図84を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図84は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図82に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図75(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図85及び図86を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図85(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図85(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図86を参照して後述する。
次いで、図85(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図85(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図75(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図76〜図81参照)および表示設定処理(図82〜図84参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図86参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図85(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図86を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図86は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図87を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図87は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図38)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図75(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第2実施形態>
次に、図88〜図107を参照して本パチンコ機10の第2実施形態について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、遊技盤13の構成の一部と、主制御装置110の構成の一部と、音声ランプ制御装置113の構成の一部と、が相違している。
上述した第1実施形態では、図3に示した通り、普電入賞装置640に入賞した球が入球し得る入球口として特電作動口643と、アウト口644と、を設けるように構成していた。そして、特電作動口643に球が入賞した場合に役物当たり遊技が実行されるように構成していた。しかしながら、上述した第1実施形態では、役物当たり遊技を実行させるための作動口が1つしか無く、役物当たり遊技に対してバリエーションを持たせることができないため、遊技が単調となってしまい遊技に早期に飽きてしまうことに加え、毎回同一の動作パターンで役物当たり遊技が実行されることから、球をV入賞口165に入賞させ易いタイミングを図って役物遊技を実行させる(特電作動口643に球を入賞させる)遊技が実行され易くなるという問題があった。
これに対して、本第2実施形態では、普電入賞装置640内に新たに第2特電作動口1643を設け、普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643、第2特電作動口1643、或いは、アウト口644の何れかに入賞し得るように構成している点で相違している。
さらに、球が特電作動口643に入賞した場合と、第2特電作動口1643に入賞した場合とで異なる開放パターンの役物当たり遊技が実行されるように構成しており、特電作動口643に球が入賞した場合に実行される役物当たり遊技よりも、第2特電作動口1643に球が入賞した場合に実行される役物当たり遊技のほうが、役物当たり遊技中に球をV入賞口165(図6参照)に入賞させ易くするように構成している。
このように構成することで、普図当たり遊技中に普電入賞装置640に入賞した球の流下状況に対して遊技者により興味を持たせることができる。また、球が特電作動口643に入賞した場合と、第2特電作動口1643に入賞した場合とで、異なる動作パターンの役物当たり遊技が実行されるため、球をV入賞口165に入賞させ易いタイミングを図って役物遊技を実行させる(特電作動口643に球を入賞させる)遊技が実行され難くすることができる。
さらに、本第2実施形態では、上述した第1実施形態にて実行される各種演出に対して、時短状態中に役物当たり遊技が実行される場合において実行中の普通図柄の残変動時間に基づいて実行される第1遊技方法示唆演出と、時短状態中に役物当たり遊技が実行される場合において中断されている特別図柄変動(特図変動)の残変動時間に基づいて実行される第2遊技方法示唆演出と、を新たに実行可能に構成している点で相違している。
上述した第1実施形態では、図12から図19を参照して上述した通り、時短状態中の遊技(特電遊技)の遊技内容を示すための演出として、時短状態の残継続期間、普通図柄の抽選結果、普図当たり遊技の実行状況、役物当たり遊技の実行状況、を報知するための演出を第3図柄表示装置81の表示面にて表示するように構成し、時短状態中の遊技を遊技者に分かり易く報知するものであった。
しかしながら、上述した第1実施形態のパチンコ機10にて実行される演出内容では、時短状態中(Vラッシュ中)の遊技状況を遊技者に分かり易く報知することは可能であるが、Vラッシュ中において、より良い遊技を遊技者に実行させるために遊技方法を遊技者に選択させることはできなかった。つまり、Vラッシュの残期間となる特別図柄変動の残変動時間(時短終了条件が成立する特別図柄変動が終了するまでの期間)の減算を中断させる役物当たり遊技が実行された場合に、現状が、V入賞装置65に複数の球を入賞させることで、V入賞口165への球の入賞を狙いながらいち早く役物当たり遊技を終了させたほうが良い状態であるか、V入賞口165への球の入賞を諦め、なるべく長い期間役物当たり遊技を継続させたほうが良い状態であるかを、遊技者に示唆(報知)することができなかった。
これに対して、本第2実施形態では、上述した第1遊技方法示唆演出と、第2遊技方法示唆演出と、を実行可能に構成しているため、遊技者に対して実行される各種示唆演出の演出内容に基づいて役物当たり遊技の遊技方法を選択させることが可能となる。よって、遊技者が任意に選択した遊技方法によってVラッシュ中の遊技が実行され、遊技方法の選択結果に応じてVラッシュ中の有利性を異ならせることができるため、実行される各種示唆演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。また、自身の選択結果に応じてVラッシュ中の有利度合いを異ならせることができるため、遊技者を積極的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
まず、図88、及び図89を参照して、本第2実施形態にて用いられる普電入賞装置640の構成について説明をする。図88は、本第2実施形態のパチンコ機10における普電入賞装置640の構成を模式的に示した模式図であって、図89は、本第2実施形態のパチンコ機10における普電入賞装置640に入賞した球が第2特電作動口1643へと流下し得る状態を示した模式図である。本第2実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の構成は、上述した第1実施形態のパチンコ機10に対して普電入賞装置640内の構成を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図88に示した通り、本第2実施形態の普電入賞装置640は、上述した第1実施形態の普電入賞装置640(図3参照)に対して、第2隔壁640k2の下端側(第2可動弁642により区切られる位置よりも下方側)に切欠きを設け、その切欠き部により形成される開口部から球が流入し得る第4流路641dを形成するために、第2隔壁640k2の下端側と連結される第4隔壁640k4を設けている点で相違している。
そして、第1流路641aを流下した球が第4流路641dに流入すること無く、第2流路641bを特電作動口643に向けて流下させるために、第2流路641bと第4流路641dとを遮蔽する通常位置(図88参照)と、第1流路641aを流下した球が第2流路641bを流下し特電作動口643へと入球する流路を遮蔽し、第4流路641dへと誘導する作動位置(図89参照)とに可変可能な第3可動弁1643を設けた点で相違している。
詳細な説明は後述するが、この第3可動弁1643は、主制御装置110の入出力ポート205に接続される第3可動弁ソレノイド209fの駆動によって可変動作されるように構成しており、主制御装置110による普図当たり遊技の動作制御が開始された場合に予め定められた可変パターンで上述した通常位置と、作動位置とに可変動作される。第3可動弁1643は、第3可動弁ソレノイド209がオンに設定される場合(通電される場合)に作動位置に位置し、第3可動弁ソレノイド209dがオフに設定される場合(通電されない場合)に通常位置に位置するように構成されている。よって、普図当たり遊技が実行されていない状態では通常位置に位置する。なお、本第2実施形態では、特電作動口643に球を入賞させた場合と、第2特電作動口1643に球を入賞させた場合と、で実行される役物当たり遊技の遊技内容(動作パターン)を異ならせており、第2特電作動口1643に球を入賞させた場合のほうが、役物当たり遊技中に球をV入賞口165へと入賞させ易くなるように構成している。よって、第3可動弁ソレノイド209dがオフに設定されている場合に、第3可動弁1642を第2特電作動口1643に球が入賞し得ない通常位置に位置させることにより、不正に球を第2特電作動口1643に入賞させる行為を抑制することができる。
また、第3可動弁1643の可動範囲は、第2状態(第1流路641aを流下した球が第3流路641cへと誘導される状態(図88参照))に位置している第2可動弁642と接触しない範囲となるように設計されている。このように構成することで、第2可動弁642の可動状況を考慮すること無く第3可動弁1642を可動させることができる。
そして、第2可動弁642が第1状態に位置し、第3可動弁1642が作動位置に位置した場合には、図89に示した通り、普電入賞装置640に入賞した球が第3可動弁1642の上面で受け止められ、第2特電作動口1643へと誘導される。詳細な説明は後述するが、第3可動弁1642は、普図当たり遊技が開始されることを契機に予め定められた可変パターンで可変動作されるものであり、作動位置(図89参照)を0.2秒維持し、通常位置(図88参照)を1.5秒維持する可変動作を繰り返し実行するように構成している。つまり、第1状態に位置している第2可動弁642を通過した球の約85%が特電作動口643へと入賞し、約15%が第2特電作動口1643へと入賞するように構成している。よって、普図当たり遊技中において、特電作動口643のほうが第2特電作動口1643よりも球が入賞し易い作動口となる。
さらに、特電作動口643に球が入賞した場合よりも、第2特電作動口1643に球が入賞した場合のほうが、実行される役物当たり遊技において球がV入賞口165へと入賞し易くなるように構成している。よって、本第2実施形態では、上述した第1実施形態とは異なり、普通図柄抽選を契機にV大当たり遊技を目指す特電遊技において、普図当たり遊技中の遊技結果(何れの作動口に球が入賞するか)に応じて、役物当たり遊技中のV入賞口165への球の入賞のし易さが異なるため、普図当たり遊技と、役物当たり遊技との両方に対して遊技者が注視することになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、時短状態中に実行される普図当たり遊技において、球が入賞する作動口が、特電作動口643になるか、第2特電作動口1643になるかが、第3可動弁1642の可変動作によって決定されるため、実行される普図当たり遊技によって球が入賞し易い作動口が可変することが無く、常に第2特電作動口1643へと球が入賞することを期待させながら遊技者に意欲的に普図当たり遊技を実行させることができるものであるが、これに限ること無く、例えば、普通図柄抽選で当たり当選した場合に設定される普図当たり種別として、第1状態に位置している第2可動弁642を通過した球の約85%が特電作動口643へと入賞し、約15%が第2特電作動口1643へと入賞する通常普図当たり遊技が実行される通常普図当たり種別と、その通常普図当たり遊技よりも第2特電作動口1643へと球が入賞する割合を高くした有利普図当たり遊技が実行される有利普図当たり種別と、を設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、特電遊技によってV大当たり遊技を狙う遊技者に対して、普通図柄の抽選結果(設定される普図当たり種別)、普図当たり遊技、役物当たり遊技の全てにおいて、遊技者を注視させることができ、特電遊技をより意欲的に遊技させることができる。
<第2実施形態において実行される演出内容について>
次に、図90、及び図91を参照して、本第2実施形態のパチンコ機10で実行される各種演出の特徴的な内容について説明をする。図90(a)は、時短状態(Vラッシュ)中において普図ロング当たり遊技と、役物当たり遊技と、が重複して実行されている状態のうち、普図ロング当たり遊技の残期間が所定期間未満(15秒未満)である場合に表示される表示内容の一例を示した模式図であって、図90(b)は、時短状態(Vラッシュ)中において普図ロング当たり遊技と、役物当たり遊技と、が重複して実行されている状態のうち、普図ロング当たり遊技の残時間が所定期間以上(15秒以上)である場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。なお、上述した第1実施形態にて説明をした第3図柄表示装置81の表示面に表示される各表示態様と同一の表示態様については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、時短状態の終了条件が成立する特別図柄変動が終了するまで時短状態が継続するように構成しており、その時短状態中(特別図柄変動中)に役物当たり遊技が実行されると、実行中の特別図柄変動が中断(特別図柄変動の変動時間を減算する処理が中断)するように構成している。つまり、役物当たり遊技が実行されている間は、時短状態の残期間が減算されない期間となる。よって、役物当たり遊技が実行されてから球をV入賞口165に入賞(V入賞)させるまでの間は、時短状態の残期間を気にすること無く遊技を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機10では、時短状態中(Vラッシュ中)に、多くの大当たり遊技(V大当たり遊技)を実行させるためには、時短状態中に実行される特別図柄変動として長い変動時間が設定されることにより、時短状態の期間(時短終了条件が成立するまでの期間)を長くする方法と、役物当たり遊技が実行させる間隔を短くすることで時短状態の残期間の減算をなるべく多く中断させる方法と、がある。前者の方法は特別図柄抽選の結果によるものであり遊技者の技量に関わらず設定されるため、時短状態中に実行される特別図柄変動として短い変動時間が設定された場合には遊技者の遊技意欲が低下してしまう虞があった。
一方、本実施形態では、遊技者の技量によって時短状態の残期間が減算される期間の長さを可変させることを可能に構成しているため、上述した後者の方法に対して、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
ここで、役物当たり遊技が実行させる間隔を短くすることで時短状態の残期間の減算をなるべく多く中断させる方法について説明をする。本実施形態のパチンコ機10における時短状態中の遊技は、上述した第1実施形態と同一であり、まず、普通図柄の抽選を実行し、普図当たり当選に基づいて普図当たり遊技を実行させる。そして、普図当たり遊技中に普電入賞装置640内の特電作動口643、第2特電作動口1643に球を入賞させ、役物当たり遊技を実行させ、その役物当たり遊技中にV入賞装置65内のV入賞口165へと球を入賞(V入賞)させ、大当たり遊技(V大当たり遊技)を狙う遊技(特電遊技)が実行される。
そして、特電遊技の開始契機となる普通図柄の抽選は、既に普通図柄の抽選が実行されている状態、或いは、普図当たり遊技中に新たに実行されないように構成している。つまり、役物当たり遊技と普通図柄の抽選とは重複して実行可能に構成している。さらに、役物当たり遊技には、複数の終了条件が設定されており、役物当たり遊技中にV入賞装置65に球が所定数(3個)入賞した場合、或いは、所定期間(役物当たり遊技の動作シナリオが役物当たり遊技の終了タイミングまで更新される期間)の経過によって役物当たり遊技が終了するように構成している。
よって、普通図柄の抽選期間(変動期間)、即ち、普図当たり遊技が実行されていない期間と重複して実行される役物当たり遊技の実行期間を長くすることにより、普図当たり遊技が実行されていない期間における特別図柄変動の実行期間を短くすることができる。これにより、普通図柄の抽選期間中(変動期間中)に特別図柄変動が実行されることにより、役物当たり遊技の実行間隔が長くなることを抑制することができる。
また、本実施形態では、普図当たり遊技として複数の開放動作パターンを実行可能に構成しており、普図当たり遊技中に球を普電入賞装置640へと入賞可能な開放状態(電動役物640aが開放される状態)が比較的長く設定される有利普図当たり遊技と、その有利普図当たり遊技よりも開放状態が短く設定される不利普図当たり遊技と、を実行可能に構成している。さらに、不利普図当たり遊技では、球を普電入賞装置640へと入賞させることが可能な開放状態が設定された後に、球を普電入賞装置640へと入賞させ難い閉状態が長期間(15秒間)設定されるように構成している。
この不利普図当たり遊技における長期間の閉鎖状態においても、上述した普通図柄の変動期間中と同様に、新たな役物当たり遊技を実行させることが実質不可能な状態であるため、役物当たり遊技と、不利普図当たり遊技と、が重複して実行されている場合において、役物当たり遊技の実行期間を長くすることにより、新たな役物当たり遊技が実行されない期間における特別図柄変動の実行期間を短くすることができる。これにより、普図当たり遊技中における閉鎖期間中に特別図柄変動が実行されることにより、役物当たり遊技の実行間隔が長くなることを抑制することができる。
上述した通り、Vラッシュ中において新たな役物当たり遊技が実行されない(され難い)不利期間(普図変動期間、普図当たり遊技の閉鎖期間)を判別し、その不利期間と、特図変動の減算が中断される役物当たり遊技期間と、が重複した場合に、実行中の役物当たり遊技の実行期間を長くさせることにより、不利期間中における特別図柄変動の実行期間を短くすることが可能であり、本実施形態では、不利期間と役物当たり遊技とが重複した場合において、遊技者にその旨を報知可能に構成している。
つまり、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される演出内容によって、役物当たり遊技中の普図当たり遊技の遊技状況を遊技者が視認可能に構成している。そして、役物当たり遊技中における普図当たり遊技の遊技状況に応じて演出態様を異ならせるように構成している。具体的には、図90(a)に示した通り、役物当たり遊技の実行中(特図変動が中断されている状態)であって、不利普図当たり遊技における長時間(15秒間)の閉鎖期間中である場合には、表示領域HR10にて、不利普図当たり遊技の終了までの残期間(閉鎖期間が終了するまでの残期間)を示す情報として「普図当たり終了まで10秒」のコメントが表示される。また、副表示領域Dsには役物当たり遊技の遊技期間を長くすることの利点を遊技者に報知するための報知態様として「役物当たり非入賞でSTOP継続」のコメントが表示される。それ以外の表示要素については、上述した第1実施形態の図13(b)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
このように、表示領域HR10の表示態様、および副表示領域Dsの表示態様を遊技者に把握させることにより、遊技者に実行中の役物当たり遊技に対して、V入賞装置65へと球を入賞させることでV入賞を狙う遊技、即ち、球入賞に基づく役物当たり遊技の終了条件が成立し易く、役物当たり遊技期間が短くなり易いが、V入賞により大当たり遊技(V大当たり遊技)を狙える第1遊技を実行するか、V入賞による大当たり遊技(V大当たり遊技)の実行を諦めると共に、時間経過に基づく役物当たり遊技の終了条件を成立させることで役物当たり遊技期間を長くする第2遊技(球を発射させない遊技)を実行するかを選択させることが可能となる。
また、図90(b)に示した通り、役物当たり遊技と、普通図柄の長時間変動と、が重複している場合においても、図90(a)と同様に、遊技者に遊技方法(第1遊技、第2遊技)を選択させるための情報が表示される。具体的には、役物当たり遊技の実行中(特図変動が中断されている状態)であって、実行中の普通図柄変動の残期間が所定期間(15秒)以上である場合には、表示領域HR11にて、普通図柄変動の残期間を示す情報として「普図変動終了まで15秒」のコメントが表示される。また、副表示領域Dsには役物当たり遊技の遊技期間を長くすることの利点を遊技者に報知するための報知態様として「役物当たり非入賞でSTOP継続」のコメントが表示される。それ以外の表示要素については、上述した第1実施形態の図13(b)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
このように構成することで、遊技者に技量(実行する遊技内容)により、特別図柄変動を中断させる期間の長さを異ならせることが可能となるため、遊技者に対してVラッシュ中(時短状態中)における遊技を積極的に実行させることができる。また、何れの遊技を遊技者が選択した場合であっても、異なる点で遊技者に有利となり得る遊技結果が発生し得るように構成しているため、遊技者が選択した遊技によって、その後の遊技結果を大きく異ならせることができ、より積極的に遊技方法を選択させることができる。
また、本実施形態では、時短状態中に実行される普図当たり遊技の動作パターンとして、有利普図当たり遊技と不利普図当たり遊技とを少なくとも実行可能に構成し、時短状態中に実行される普通図柄の変動時間も長時間変動と、短時間変動と、を設定可能に構成している。そして、有利普図当たり遊技中に役物当たり遊技が実行される場合と、普通図柄の短時間変動中に役物当たり遊技が実行される場合には、役物当たり遊技中に球をV入賞装置65へと入賞させる遊技(第1遊技)を実行した場合のほうが、遊技者に有利となるように構成している。
このように、時短状態中(Vラッシュ中)における不利期間(新たな役物当たり遊技が実行され得ない期間)となるタイミング(不利期間の有無)を普通図柄の抽選結果に応じて可変させることにより、時短遊技中(Vラッシュ中)における遊技が単調になることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、役物当たり遊技として、V入賞装置65に入賞した球がV入賞口165へと入賞(V入賞)し易い有利役物当たり遊技と、その有利役物当たり遊技よりも不利な不利役物当たり遊技と、を実行可能に構成しており、有利役物当たり遊技が実行された場合は、その役物当たり遊技中の略100%の割合で球をV入賞させることが可能で、不利役物当たり遊技が実行された場合は、V入賞する確率が約1/11となるように構成している。
そこで、上述した不利期間と重複して実行される役物当たり遊技が有利役物当たり遊技である場合には、図90(a),(b)にて示した演出が実行されないように構成している。このように構成することで、遊技者に対して容易にV大当たり遊技を獲得可能な状況が発生したにも関わらず、V大当たり遊技の実行を狙わない遊技(第2遊技)が実行されてしまい、遊技者に過剰に不利な遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
次に、図91(a),(b)を参照して、役物当たり遊技において中断されている特別図柄変動の残期間(残変動時間)の長さに基づいて実行される演出について説明をする。図91(a)は、中断されている特別図柄変動の残期間が所定期間(例えば、5秒)よりも短い場合における第3図柄表示装置81の表示面の表示内容を模式的に示した模式図であって、図91(b)は、中断されている特別図柄変動の残期間が所定期間(例えば、5秒)よりも長い場合における第3図柄表示装置81の表示面の表示内容を模式的に示した模式図である。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、時短状態中(Vラッシュ中)に、大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行された場合には、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の期間として、実行される大当たり遊技の大当たり種別に対応して設定される時短回数(例えば、時短4回)に、中断中の特別図柄変動の残期間を加算した期間が設定されるように構成している。つまり、大当たり遊技の終了後に再開される特別図柄変動(大当たり遊技実行時に中断されていた特別図柄変動)の終了後に、時短回数の減算が開始されるように構成している。
よって、同一の大当たり種別が設定される大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行される場合であっても、大当たり遊技(V大当たり遊技)時における特別図柄変動の残期間に応じて、大当たり遊技終了後に設定される新たな時短状態の期間が異なることになる。本実施形態のパチンコ機10のように、時短状態中に特別図柄抽選とは異なる遊技によって、大当たりを目指す遊技性を有し、時短状態中の特別図柄抽選を、時短状態が終了させるための要素(時短状態の継続期間を設定するための要素)として用いるパチンコ機10においては、特別図柄変動の残期間が長い状態で大当たり遊技(V大当たり遊技)を実行させることが望ましい。しかし、上述した第1実施形態と同様に、時短状態の継続期間を示す残時短期間態様801(図12(a)参照)は、個々の特別図柄変動の残期間を示すこと無く、時短状態の終了条件が成立する特別図柄変動が終了するまでの合計時間に対応する情報が表示され、タイマ812(図12(b)参照)では、時短状態の終了条件が成立する特別図柄変動が終了するまでの時間がカウントダウン表示されるように構成している。
つまり、上述した第1実施形態にて説明をした演出態様では、遊技者に対して、役物当たり遊技が実行されることにより中断されている特別図柄変動の残期間を遊技者が把握出来ないものであった。これに対して、本実施形態では、上述した第1実施形態の演出態様に加え、中断中の特別図柄変動の残期間に応じた演出を実行可能に構成している。具体的には、図91(a)に示した通り、役物当たり遊技中における中断中の特別図柄変動の残期間が0.1秒(図91(c)参照)である場合には、副表示領域Dsにて「次の役物当たりでVGETしたほうが大チャンス」のコメントを表示し、図91(b)に示した通り、役物当たり遊技中における中断中の特別図柄変動の残期間が20.1秒(図91(d)参照)である場合には、副表示領域Dsにて「今回の役物当たりでVGETすると大チャンス」のコメントを表示するように構成している。
即ち、本実施形態では、中断中の特別図柄変動の残期間を判別し、その判別結果が予め定められた所定期間(例えば、5秒)よりも短い場合には、今回の役物当たり遊技にてV入賞口165に球を入賞させ、V大当たり遊技を実行した場合に、そのV大当たり遊技の後に設定される時短状態の期間(Vラッシュ期間)が短くなり易い状態であることを示す演出が実行され、中断中の特別図柄変動の残期間が所定期間(例えば、5秒)よりも長い場合には、今回の役物当たり遊技にてV入賞口165に球を入賞させ、V大当たり遊技を実行した場合に、そのV大当たり遊技の後に設定される時短状態の期間(Vラッシュ期間)が長くなり易い状態であることを示す演出が実行されるように構成している。よって、V大当たり遊技中の遊技方法を実行される演出の内容に基づいて遊技者が選択(V入賞口165へと球を入賞させるか、入賞させないかを選択)することが可能となり、遊技者が任意に選択した遊技方法に基づいてVラッシュ期間中の遊技結果を大きく異ならせることが可能となる。
なお、詳細な説明は省略するが、図91(a)に示した演出を実行するには、その他にも演出実行条件を設けており、具体的には、獲得済の普図保留記憶(獲得済の普通図柄の入賞情報)内に当たり当選している入賞情報が含まれている場合に成立する第1条件と、中断中の特別図柄変動が時短終了条件を成立させることとなる特別図柄変動(時短最終変動)では無い場合に成立する第2条件と、を有している。このように演出実行条件を設定することにより、副表示領域Dsにて表示されたコメントに従って、実行中の役物当たり遊技中に球をV入賞させない遊技を選択した後に、直ぐに時短状態が終了してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した図91(a),(b)の演出の実行条件は本実施形態にて用いた実行条件を用いても良く、例えば、中断中の特別図柄変動の残期間と、次に実行される特別図柄変動の変動時間と、を比較する比較手段を設け、その比較結果が中断中の特別図柄変動の残期間のほうが長いと判別した場合には、今回の役物当たり遊技中のV入賞促す演出(図91(b)参照)を実行し、中断中の特別図柄変動の残期間のほうが短いと判別した場合には、今回の役物当たり遊技中にはV入賞を抑制する演出(図91((a)参照)を実行するように構成しても良い。これにより、実際に実行される特別図柄変動の期間(次に実行される特別図柄変動の期間)に対して、中断中の特別図柄変動の残期間を相対的に判別することが可能となるため、遊技者に精度の高い演出を実行(設定)することができ、演出効果を高めることができる。
以上、図90及び図91で示したように、本実施形態では、Vラッシュ中の役物当たり遊技中(特別図柄変動の中断中)における普通図柄の変動状況、普図当たり遊技の遊技状況、及び、中断されている特別図柄変動の残期間に基づいて、遊技者に対して有利となり得る遊技方法を示唆する演出を実行するように構成することで、遊技者に対して遊技方法を選択させる楽しさを提供することができるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、役物当たり遊技中における普通図柄の変動状況、普図当たり遊技の遊技状況、及び、中断されている特別図柄変動の残期間のそれぞれを示唆する演出を実行する、即ち、Vラッシュ期間中における各種状況を示唆する状況示唆演出のみを実行するように構成しても良い。このように構成することで、状況示唆演出を把握した遊技者がVラッシュ期間中の遊技状況を分析し、最も有利となる遊技方法を自ら予測して遊技方法を選択する楽しさを提供することができる。
<第2実施形態における時短状態中の遊技の流れについて>
次に、図92及び図93を参照して、第2実施形態における時短状態中の遊技の流れについて説明をする。本第2実施形態では、時短状態中の普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技として、普図当たり遊技の期間が短い普図当たり遊技と、普図当たり遊技の期間が長い普図当たり遊技とを実行可能に構成している。そして、普図当たり遊技の期間が短い普図当たり遊技よりも、普図当たり遊技の期間が長い普図当たり遊技のほうが、普図当たり遊技全体の期間の長さに対する普電入賞装置640が開放状態となる期間の長さの割合が低くなるように構成している。つまり、普図当たり遊技の期間が短い普図当たり遊技は、普図当たり遊技中に普電入賞装置640へと球を入賞させることができ、且つ、短い期間(約3.5秒)で普図当たり遊技が終了する有利普図当たり遊技となり、普図当たり遊技の期間が長い普図当たり遊技は、普図当たり遊技中に普電入賞装置640へと球を入賞させることができるが、普図当たり遊技が終了するまでの期間が長い(約17.5秒)不利普図当たり遊技となる。
さらに、詳細な説明は後述するが、上述した不利普図当たり遊技は、有利普図当たり遊技と同一の可変動作で普電入賞装置640を開放動作させた後、普電入賞装置640が閉鎖状態となる期間が15秒間設定される普図当たり遊技であり、その15秒間は、特別図柄変動の残期間が無駄に減算される不利期間となる。
そこで、上述した不利期間が設定されるタイミングと、役物当たり遊技の遊技内容について図92を参照して説明をする。図92は、不利普図当たり遊技(普図当たりB)が実行された場合における遊技の流れを示したタイミングチャートである。普通図柄抽選で当たり当選し、不利普図当たり遊技が実行されると、普電入賞装置640が1秒開放、0.5秒閉鎖、1秒開放、15秒閉鎖、0.1秒開放する普図当たり遊技が実行される。そして、最初の1秒開放の期間中に普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643へと入賞すると、その入賞を契機に役物当たり遊技が実行される。
そして、詳細は図96(b)を参照して後述するが、図92(a)に示したように、特電作動(役物当たり遊技)中に球をV入賞装置65へと入賞させること無く、時間経過で終了させた場合には、役物当たり遊技が開始されてから8.1秒後に役物当たり遊技が終了するため、8.1秒の間、特図変動(特別図柄変動)の変動時間の減算が中断される。よって、不利普図当たり遊技(普図当たりB)が実行される場合に設定される不利期間の一部を特別図柄変動の変動時間が減算されない状態と重複させることができるため、不利期間中に減算される特別図柄変動の変動時間を減少させることができる。
一方、図92(b)に示した通り、特電作動(役物当たり遊技)中に球をV入賞装置65へと規定個数(3個)入賞させ、球入賞に基づいて役物当たり遊技を終了させた場合には、図92(a)に示した時間経過で役物当たり遊技を終了させた場合に比べて、役物当たり遊技の期間(特別図柄変動の変動時間の減算が中断されている期間)が短くなるため、不利期間中に減算される特別図柄変動の変動時間が長くなる。
このような状況において、本実施形態では、図90(a)に示した通り、普図当たり遊技が終了するまでの期間を表示領域HR10に表示し、さらに、副表示領域Dsにて特別図柄変動の変動時間の減算を継続して中断させる遊技方法が案内表示されるため、遊技者に対して、役物当たり遊技中の遊技方法を選択させ易くすることができる。なお、役物当たり遊技中に球がV入賞口165へと入賞し、V大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技期間と、不利普図当たり遊技(普図当たりB)が実行される場合に設定される不利期間とが重複するため、不利期間が設定されることにより遊技者に不利となることが無い。
よって、遊技者に対して、実行中の役物当たり遊技を時間経過で終了させ無駄に特別図柄変動の変動時間の減算が行われてしまうことを防ぐ遊技方法を選択するか、実行中の役物当たり遊技にてV入賞口165へと球を入賞させ(入賞確率は約1/11)、V大当たり遊技を狙う遊技方法を選択するかを、選択させる楽しみを提供することができる。
次に、図93を参照して、時短状態中に実行される普通図柄変動の変動時間として、遊技者に不利となる長時間変動(15秒)が選択された場合における遊技の流れについて説明をする。図93は、時短状態中に実行される普通図柄変動の変動時間として、遊技者に不利となる長時間変動(15秒)が選択された場合における遊技の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
詳細は後述するが、本実施形態では、時短状態中に実行される普通図柄変動の変動時間として、1秒の短変動と、15秒の長変動と、が選択されるように構成している。ここで、時短状態中における普通図柄の変動期間中は、特別図柄変動の変動時間の減算が実行され、且つ、普図当たり遊技が実行されない期間であるため、遊技者に不利な不利期間となる。よって、図92を参照して上述した普図当たり遊技中における閉鎖状態期間と同様に、役物当たり遊技の遊技期間、即ち、特別図柄変動の変動時間の減算が中断されている期間と、普通図柄変動の変動期間とを重複させ、不利期間中の無駄に特別図柄変動の変動時間が減算されないようにしたほうが、時短状態中の遊技を効率良く実行することができる。
詳細は図96(b)を参照して後述するが、図93(a)に示した通り、特電作動(役物当たり遊技)中に球をV入賞装置65へと規定個数(3個)入賞させ、球入賞に基づいて役物当たり遊技を終了させた場合には、図92(a)に示した時間経過で役物当たり遊技を終了させた場合に比べて、役物当たり遊技の期間(特別図柄変動の変動時間の減算が中断されている期間)が短くなるため、不利期間中に減算される特別図柄変動の変動時間が長くなる。
一方、図93(b)に示したように、特電作動(役物当たり遊技)中に球をV入賞装置65へと入賞させること無く、時間経過で終了させた場合には、役物当たり遊技が開始されてから8.1秒後に役物当たり遊技が終了するため、8.1秒の間、特図変動(特別図柄変動)の変動時間の減算が中断される。よって、長時間の普通図柄変動(15秒)の変動期間を特別図柄変動の変動時間が減算されない状態と重複させることができるため、不利期間中に減算される特別図柄変動の変動時間を減少させることができる。
このような状況において、本実施形態では、図90(b)に示した通り、普図当たり変動が終了するまでの期間を表示領域HR11に表示し、さらに、副表示領域Dsにて特別図柄変動の変動時間の減算を継続して中断させる遊技方法が案内表示されるため、遊技者に対して、役物当たり遊技中の遊技方法を選択させ易くすることができる。なお、役物当たり遊技中に球がV入賞口165へと入賞し、V大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技期間と、長時間の普通図柄変動(15秒)の変動期間とが重複するため、不利期間が設定されることにより遊技者に不利となることが無い。
よって、遊技者に対して、実行中の役物当たり遊技を時間経過で終了させ無駄に特別図柄変動の変動時間の減算が行われてしまうことを防ぐ遊技方法を選択するか、実行中の役物当たり遊技にてV入賞口165へと球を入賞させ(入賞確率は約1/11)、V大当たり遊技を狙う遊技方法を選択するかを、選択させる楽しみを提供することができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図94〜図99を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110のROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のRAMの構成の一部とが相違している。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図94を参照して、本第2実施形態のパチンコ機10おける電気的構成について説明をする。図94は、本第2実施形態のパチンコ機10における電気的構成を示すブロック図である。本第2実施形態では、上述した第1実施形態のパチンコ機10における電気的構成(図21参照)に対して、主制御装置110のROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のRAMの構成の一部と、主制御装置110の入出力ポート205に接続されるソレノイド209に新たなソレノイドを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第2実施形態では、図88、及び図89を参照して上述した通り、普電入賞装置640内に第3可動弁1642を設けており、その第3可動弁1642を駆動させるための第3可動弁ソレノイド209fを追加している点で相違している。詳細な説明は後述するが、この第3可動弁ソレノイド209fは、普図当たり遊技の実行を契機に所定間隔でオン状態とオフ状態とに切り替え制御される。これにより、普図当たり遊技中は第3可動弁1642が通常位置(図88参照)と、作動位置(図89参照)とに可変される。よって、普図当たり遊技中に第2可動弁642が作動し、普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643に向けて流下した場合には、第3可動弁1642の状況に応じて、球が特電作動口643に入賞するか、第2特電作動口1643に入賞するかが切り替わることになる。よって、遊技者に対して普電入賞装置640内に入賞した球の流下状況に興味を持たせることができる。
次に、図95(a)を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明をする。図95(a)は、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態では、上述した第1実施形態におけるROM202(図23参照)に対して、各種動作シナリオテーブル202eに替えて各種動作シナリオ2テーブル202aaを設け、新たに普図当たり種別選択テーブル202ab、普図変動パターン選択テーブル202acを設けた点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、普図当たり種別選択テーブル202abについて図95(b)を参照して説明をする。図95(b)は、普図当たり種別選択テーブル202abに規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態は、上述した第1実施形態と異なり、時短状態中において実行される普図当たり遊技に複数の種別を設け、動作パターンを異ならせた普図当たり遊技を実行可能に構成している。具体的な説明は省略するが、普通図柄変動処理(図48のS106参照)において、普図当たりに当選した普通図柄変動が停止した場合に(S1117:Yes)、スルーゲート67を球が通過した際に取得した第2当たり種別カウンタC9(0〜99)の値と、設定されている遊技状態と、に基づいて普図当たり種別選択テーブル202abを参照して、普図当たり種別が選択されるように構成している。
普図当たり種別選択テーブル202abに規定されている内容を具体的に説明すると、設定されている遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)であって、取得した第2当たり種別カウンタC9の値が「0〜89」の範囲には、普図当たり種別として「普図当たりA」が規定され、「90〜99」の範囲には、普図当たり種別として「普図当たりB」が規定されている。具体的な普図当たり遊技の動作内容については後述するが、「普図当たりA」が選択された場合は(選択率90%)、普図当たり遊技期間の全体に渡って複数回(2回)、電動役物640aが開放状態となり、比較的、球を普電入賞装置640へと入賞させ易い普図当たり遊技が実行される。一方、「普図当たりB」が選択された場合は(選択率10%)、「普図当たりA」と同様の普図当たり遊技が実行された後に(普図当たり遊技期間の後半に)、電動役物640aが閉鎖状態となる期間が長期間(15秒)設定される普図当たり遊技が実行される。
上述した通り、普図当たり遊技は、特別図柄変動が中断されることなく実行されるため、「普図当たりA」は、普図当たり遊技中の全体に渡って球を特電作動口643、或いは第2特電作動口1643へと入賞させ、役物当たり遊技を狙う遊技を実行可能だが、「普図当たりB」は、普図当たり遊技の後半に球を普電入賞装置640へと入賞させることが困難な期間が長期間設定されるため、特別図柄変動の残期間が無駄に減算されてしまい、遊技者にとって不利となる不利普図当たり遊技となる。
本実施形態では、このような遊技者に不利となる普図当たり遊技が実行される場合において、遊技者が役物当たり遊技を実行中であれば、その役物当たり遊技を長く継続させることで、不利普図当たり遊技の実行期間中に減算される特別図柄の残期間を減少させる遊技を遊技者に選択させることが可能な演出(図90(a)参照)を実行するように構成している。これにより、遊技者の技量に基づいて時短状態が継続する期間を可変させることが可能となるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
次に、図95(c)を参照して、普図変動パターン選択テーブル202acの内容について説明をする。図95(c)は、普図変動パターン選択テーブル202acに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この普図変動パターン選択テーブル202acは、スルーゲート67を球が通過したことを契機に実行される普通図柄の変動パターンを選択するためのデータテーブルであって、普通図柄変動処理(図48のS106参照)において、普通図柄の変動時間を選択する際に参照される。
上述した第1実施形態では、図48に示した通り、普通図柄の変動時間が3秒に統一されていたため、普通図柄の変動パターンを選択する処理(図48のS1114参照)では、3秒の変動時間(変動パターン)が設定されるだけであった。これに対して、本第2実施形態では、設定されている遊技状態と、普通図柄の変動種別を選択する際に参照される変動種別カウンタCS2の値とに基づいて、異なる変動パターンを選択可能に構成している。
具体的には、遊技状態が通常状態である場合には、取得した変動種別カウンタCS2の全範囲(0〜198)に対して変動時間3秒の通常変動が選択されるように構成している。つまり、通常状態においては、上述した第1実施形態と同一の3秒間の普通図柄変動が実行されるように構成している。一方、遊技状態が時短状態である場合には、変動種別カウンタCS2の値が「0〜179」の範囲に変動時間が1秒の変動パターンとして、短変動が規定されており。「180〜197」の範囲に変動時間が15秒の変動パターンとして、長変動が規定されている。
このように、本実施形態では、時短状態中に選択される普図変動パターンによって、普通図柄が変動している期間の長さが大きく異なることになる。この時短状態中における普通図柄の変動期間中は、普図当たり遊技が実行されることの無い期間であり、さらに、特別図柄変動の残期間が減算処理される期間であるため、時短状態中において、遊技者に不利となる普図変動パターンとなる。
本実施形態では、このような遊技者に不利となる不利普図変動パターンで普通図柄変動が実行される場合において、遊技者が役物当たり遊技を実行中であれば、その役物当たり遊技を長く継続させることで、不利普図変動の実行期間中に減算される特別図柄の残期間を減少させる遊技を遊技者に選択させることが可能な演出(図90(c)参照)を実行するように構成している。これにより、遊技者の技量に基づいて時短状態が継続する期間を可変させることが可能となるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
次に、図96(a)を参照して、各動作シナリオテーブル202eのうち、上述した第1実施形態とは異なる内容について説明をする。図96(a)は、本第2実施形態における各動作シナリオテーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態では、上述した第1実施形態の各動作シナリオテーブル202e(図26参照)に対して、普図当たり動作シナリオテーブル202e3の一部を変更した点と、第2役物当たり動作シナリオテーブル202e5を追加した点で相違している。それ以外は、同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図96(b)を参照して、第2役物当たり動作シナリオテーブル202e5の内容について説明をする。図96(b)は、第2役物当たり動作シナリオテーブル202e5に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第2役物当たり動作シナリオテーブル202e5は、普図当たり遊技において、第2特電作動口1643に球が入賞した場合に実行される役物当たり遊技の動作シナリオが規定されているデータテーブルである。
具体的には、シナリオカウンタの値が「1」のタイミング、即ち、役物当たり遊技が実行された直後に貯留ソレノイド209cがオフに設定され、貯留ソレノイド209cがオフの状態が、役物当たり遊技が終了するまで継続するように規定されている。そして、シナリオカウンタの値が「25」、即ち、役物当たり遊技が開始されてから0.1秒後までオープニング期間(V開閉扉65aが閉鎖状態の期間)が継続し、その後、シナリオカウンタの値が「26」〜「400」までの範囲、即ち、1.5秒間の間、V入賞口ソレノイド209bがオンに設定(ラウンド期間が設定)される動作シナリオが規定されている。このV入賞口ソレノイド209bがオンに設定されると、V開閉扉65aが開放状態となり、球がV入賞装置65へと入賞可能となる。このラウンド期間中にV入賞装置65へと入賞した球は、球非貯留状態(退避状態)へと移動している貯留弁66aを通過し、第1可動弁66bへと到達する。よって、1回の役物当たり遊技中に複数の球を第1可動弁66bへと流入させることができるため、役物当たり遊技中のV入賞確率を高めることができる。
そして、シナリオカウンタの値が「400」に到達すると、V入賞口ソレノイド209bがオフに設定され、V開閉扉65aが閉鎖状態となる状態がシナリオカウンタの値が「1650」に到達するまで、即ち、5秒間継続するように動作シナリオが規定されている。その後、シナリオカウンタの値が「1650」に到達すると、「1675」までの間、即ち、0.1秒間、V入賞口ソレノイド209bがオンに設定された後に、シナリオカウンタの値が「2025」までの間V入賞口ソレノイド209bがオフに設定される。
なお、本実施形態では、上述した役物当たり動作シナリオテーブル202e2に規定されている貯留弁66aに対する動作シナリオと、第2役物当たり動作シナリオテーブル202e5に規定されている貯留弁66aに対する動作シナリオとで、貯留弁66aの動作内容を異ならせているが、これに限ること無く、実行される役物当たり遊技において、貯留弁66aの動作内容を統一化しつつ、役物当たり遊技中におけるV入賞口165へと球の入賞割合を異ならせるように構成しても良い。
具体的には、貯留ソレノイド209cの動作シナリオを、役物当たり遊技が開始されてから3秒間、貯留ソレノイド209cをオフに設定した後に、貯留ソレノイド209cを2秒間オンに設定し、その後、再度貯留ソレノイド209cをオフに設定するように規定し、第2特電作動口1643に球が入賞した場合には、オープニング期間(V開閉扉65aが閉鎖状態の期間)0.1秒、ラウンド期間(V開閉扉65aが開放状態の期間)1.5秒、エンディング期間(V開閉扉65aが閉鎖状態の期間)1.5秒となる役物当たり遊技が実行されるように動作シナリオを規定する。
一方、特電作動口643に球が入賞した場合には、オープニング期間(V開閉扉65aが閉鎖状態の期間)3.1秒、ラウンド期間(V開閉扉65aが開放状態の期間)1.5秒、エンディング期間(V開閉扉65aが閉鎖状態の期間)1.5秒となる役物当たり遊技が実行されるように動作シナリオを規定すれば良い。このように構成することで、第2特電作動口1643に球が入賞したことに基づいて実行される役物当たり遊技では、V入賞装置65へと球を入賞させることが可能な期間において貯留弁66aが球を貯留できない退避状態(球非貯留状態)となるため、V入賞装置65へと入賞した複数の球が第1可動弁66bへと流入することになり、V入賞口165へと入賞する確率を高めることができる。
また、特電作動口643に球が入賞したことに基づいて実行される役物当たり遊技では、V入賞装置65へと球を入賞させることが可能な期間において貯留弁66aが球を貯留可能な突出状態(球貯留状態)となるため、V入賞装置65へと入賞した球のうち、貯留弁66aの貯留部に貯留された球のみが第1可動弁66bへと流入することになり、V入賞口165へと入賞する確率を低くすることができる。
このように構成することで、実行される役物当たり遊技の種別に応じて、役物当たり遊技中におけるV入賞口165へと球の入賞のし易さ(V入賞率)を可変させる場合において、V開閉扉65aの開放パターン、貯留弁66aの動作パターンのうち、最初にV開閉扉65aを開放させるまでの期間(オープニング期間)の長さのみを異ならせるだけで、V入賞率を可変させることができるため、役物当たり遊技における動作制御を簡素化することができる。つまり、役物当たり遊技が開始されてからオープニング期間が終了するまでの期間のみ、役物当たり遊技の種別毎に動作シナリオを設定し、それ以降は共通の動作シナリオに基づいて各種装置の動作制御を実行することができるため、動作制御を簡素化することができる。
また、上述した例によれば、遊技者に有利となる役物当たり遊技(第2特電作動口1643に球が入賞した場合に実行される役物当たり遊技)のほうが、遊技者に不利となる役物当たり遊技(特電作動口643に球が入賞した場合に実行される役物当たり遊技)よりも、役物当たり遊技が開始されてから早い段階でV入賞装置65へと球を入賞させることができるように構成している。これにより、遊技者に有利な遊技を効率良く実行させることができる。また、貯留弁66aの動作内容として、遊技者に有利な動作(貯留ソレノイド209cをオフにする動作)を、遊技者に不利となる役物当たり遊技によって、V入賞装置65へと球を入賞させることが可能となるタイミングよりも前に設定しているため、遊技者に不利となる役物当たり遊技中にV入賞装置65へと入賞した球が、V入賞装置65内にて詰まり、或いは、意図的に滞留させたとしても、その後に、遊技者に有利な動作(貯留ソレノイド209cをオフにする動作)が実行されないため、不正に球をV入賞口165へと入賞させる行為を抑制することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、役物当たり動作シナリオテーブル202e2に規定されている動作シナリオを、上述した第1実施形態に対して異ならせており、具体的には、図96(b)を参照して説明をした第2役物当たり動作シナリオテーブル202e5と同様に、役物当たり遊技の後半期間に15秒間の閉鎖期間と、0.1秒間の開放期間とを規定している点で相違している。
即ち、本実施形態では、役物当たり遊技が実行された場合に、球入賞に基づいて役物当たり遊技を終了させる場合と、時間経過に基づいて役物当たり遊技を終了させる場合と、で役物当たり遊技の遊技期間を大きく異ならせることができるように構成している。これにより、役物当たり遊技中における遊技方法の選択結果に応じて、時短状態中の遊技結果を大きく異ならせることが可能となり、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図97(a)を参照して、本第2実施形態の普図当たり動作シナリオテーブル202e3のうち、上述した第1実施形態とは異なる点について説明をする。図97(a)は、本第2実施形態の普図当たり動作シナリオテーブル202e3の内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、時短状態中に実行される普図当たり遊技の動作内容を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。図97(a)に示した通り、本第2実施形態では、時短状態中に実行される普図当たり遊技の動作シナリオを上述した第1実施形態と異ならせており、時短用普図当たり2シナリオ202e33と、時短用普図当たり3シナリオ202e33と、を有している。
まず、図97(b)を参照して、時短用普図当たり2シナリオ202e33の内容について説明をする。図97(b)は、時短用普図当たり2シナリオ202e33に規定されている内容を模式的に示した模式である。この時短用普図当たり2シナリオ202e33は、普図当たり種別として「普図当たりA」が選択された場合に実行される普図当たり遊技の動作シナリオが規定されており、普図当たり遊技全体の長さが3.6秒であって、普図当たり遊技期間全体に占める電動役物640aが開放状態となる期間の割合が、後述する時短用普図当たり3シナリオ202e34に規定されている動作シナリオよりも高い普図当たり遊技が実行される。
具体的には、シナリオカウンタの値が「1」に対して、第2可動弁ソレノイド209eがオンに設定される動作シナリオが規定され、第3可動弁ソレノイド209fがオンに設定される動作シナリオが規定されている。なお、第2可動弁ソレノイド209eは、普図当たり遊技が終了する時点(シナリオカウンタの値が「900」となる)までオン状態が設定される。つまり、「普図当たりA」に対応して実行される普図当たり遊技では、電動役物640aに入賞した球が必ず特電作動口643、或いは、第2特電作動口1643へと入賞するように構成している。
また、第3可動弁ソレノイド209fは、0.2秒のオン期間(第2特電作動口1643に球が入賞可能となる作動位置に第3可動弁1642を位置させる期間)と、1.5秒のオフ期間(特電作動口643に球が入賞可能となる通常位置に第3可動弁1642を位置させる期間)と、が繰り返し設定されるように構成している。つまり、第2可動弁642を通過した球が第2特電作動口1643へと入賞する割合が約11%となり、第2可動弁642を通過した球が特電作動口643へと入賞する割合が約89%となるように構成している。
そして、シナリオカウンタの値が「25」、即ち、普図当たり遊技が開始されてから0.1秒後までオープニング期間(電動役物640aが閉鎖状態の期間)が継続し、その後、シナリオカウンタの値が「26」〜「274」までの範囲、即ち、1秒間の間、普電ソレノイドがオンに設定され(電動役物640aが開放状態となり)、「275」〜「400」までの範囲、即ち、0.5秒の間、普電ソレノイドがオフに設定される(電動役物640aが閉鎖状態となる)。そして、「401」〜「649」までの範囲、即ち、1秒間の間、再度普電ソレノイドがオンに設定され、その後、「650」〜「900」までの範囲、即ち1秒間の間、普電ソレノイドがオフに設定される動作シナリオが規定されている。つまり、時短用普図当たり2シナリオ202e33に規定されている動作シナリオに基づく普図当たり遊技が実行されると、電動役物640aが1秒間開放される開放動作が2回実行される普図当たり遊技が実行され、普図当たり遊技全体の期間(3.6秒)に対して、球が普電入賞装置640へと入賞可能となる電動役物640aの開放状態期間の合計が2秒となるため、普図当たり遊技期間における約40%が遊技者に有利な期間(特電遊技を進行させることが可能(特電作動口643、或いは、第2特電作動口1643へと球を入賞させることが可能)な期間)となる。
次に、図98を参照して、時短用普図当たり3シナリオ202e34の内容について説明をする。図98は、時短用普図当たり3シナリオ202e34に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短用普図当たり3シナリオ202e34は、「普図当たりB」が選択された場合に実行される普図当たり遊技の動作シナリオが規定されているものである。時短用普図当たり3シナリオ202e34に規定されている内容は、上述した時短用普図当たり2シナリオ202e33に対して、シナリオカウンタの値が「650」に到達するまでは同一であるため、その詳細な説明を省略する。
シナリオカウンタの値が「650」〜「3500」の範囲、即ち、15秒間の間、普電ソレノイドがオフに設定され、その後、シナリオカウンタの値が「3501」〜「3524」の範囲、即ち、0.1秒の間、普電ソレノイドがオンに設定され、その後、シナリオカウンタの値が「3525」となる場合に、普電ソレノイドがオフに設定される。
つまり、時短用普図当たり3シナリオ202e34に規定されている普図当たり遊技は、普図当たり遊技期間全体の長さが17.7秒であって、普図当たり遊技中に球を普電入賞装置640へと入賞させることが可能な期間の合計が2.1秒となるように構成している。よって、普図当たり遊技全体の期間(17.7秒)に対して、球が普電入賞装置640へと入賞可能となる電動役物640aの開放状態期間の合計が2.1秒となるため、普図当たり遊技期間における約12%が遊技者に有利な期間(特電遊技を進行させることが可能(特電作動口643、或いは、第2特電作動口1643へと球を入賞させることが可能)な期間)となる。さらに、2回目の電動役物640a開放動作を終えると、そこから15秒間もの間、電動役物640aが閉鎖状態となる。
よって、時短状態中に時短用普図当たり3シナリオ202e34が設定された場合には、球が普電入賞装置640に入賞し得ない期間が長く設定されるため遊技者に不利となる普図当たり遊技となる。また、本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、時短状態中に実行される特別図柄抽選が所定回数(例えば、4回)に到達した場合に(4回目の特別図柄変動が終了した場合に)、時短状態が終了するように構成しており、普図当たり遊技中は、特別図柄変動の残期間が減算されるように構成している。つまり、15秒間の閉鎖状態中も、特別図柄変動の残期間が減算されることになるため、遊技者により不利となる普図当たり遊技となる。
次に、図99を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図99は、音声ランプ制御装置113のRAMの構成を模式的に示した模式図である。図99に示した通り、本第2実施形態では、上述した第1実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223に対して、普図変動時間カウンタ223aaと、普図当たり時間カウンタ223abと、発射禁止示唆フラグ223acと、演出設定済フラグ223adと、追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
普図変動時間カウンタ223aaは、普通図柄の変動時間を計測するためのカウンタであって、普図変動パターンコマンドを受信した場合に、受信したコマンドに対応する変動時間が設定され、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)にて定期的(1ミリ秒毎)に実行される演出更新処理にて設定されているカウンタの値が減算されるように構成している。役物当たり遊技が実行される際に参照され、カウンタ値に基づいて様々な演出が実行されるように構成している。
普図当たり時間カウンタ223abは、普図当たり遊技が実行される遊技期間を計測するためのカウンタであって、普図当たり開始コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに対応する普図当たり遊技期間がセットされ、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)にて定期的(1ミリ秒毎)に実行される演出更新処理にて設定されているカウンタの値が減算されるように構成している。
発射禁止示唆フラグ223acは、役物当たり遊技をパンクさせる(時間経過によって役物当たり遊技を終了させる)ためのパンク示唆演出を実効する際にオンに設定され、オンに設定されている状態で役物当たり遊技が終了した場合にオフに設定される。役物当たり遊技が終了した際に、フラグの設定状況と、成立した役物当たり遊技の終了条件(入賞終了、時間経過終了)とに基づいて役物当たり遊技のエンディング画面の表示態様を可変させる際に参照される。
演出設定済フラグ223adは、役物当たり遊技を時間経過に基づいて終了させることを示唆するパンク示唆演出や、役物当たり遊技中に球をV入賞装置65へと入賞させることを示唆する演出が設定されたことを示すためのものであって、役物当たり遊技中に専用の演出が設定された場合にオンに設定される。
<第2実施形態における主制御装置により実行される制御処理について>
本第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、普図当たり遊技中に球が入賞する作動口(特電作動口643、第2特電作動口1643)に応じて異なる役物当たり遊技を実行可能に構成した点で大きく相違している。また、詳細な図示は省略するが、普通図柄抽選において普通図柄の変動時間を遊技状態、及び、取得した変動種別カウンタCS2の値に基づいて、普図変動パターン選択テーブル202ac(図95(c)参照)を参照して選択可能に構成した点と、時短状態中に実行される普図当たり遊技として異なる動作内容の普図当たり遊技を実行可能に構成している点で相違している。主制御装置110により実行される制御処理について上述した内容以外は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図100を参照して、特電始動口入賞処理2(S108)の内容について説明をする。図100は、特電始動口入賞処理2(S108)の内容を示したフローチャートである。この特電始動口入賞処理2(S108)は、上述した第1実施形態の特特電始動口入賞処理(図50のS108参照)に対して、球が入賞した作動口(特電作動口643、第2特電作動口1643)に対応する当たり種別を設定可能に構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図101〜図107を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について、上述した第1実施形態における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理との相違点を中心に説明を行う。本第2実施形態の音声ランプ制御装置113により実行される制御処理は、上述した第1実施形態の音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理に対して、コマンド判定処理(図61のS4112参照)にて実行される普図関連処理(図66のS4217参照)に替えて普図関連処理2(図101のS4217参照)を、当たり関連処理(図67のS4219)にて実行される役物当たり関連処理(図70のS4804)に替えて役物当たり関連処理2(図103のS4851参照)を、演出更新処理(図72のS4111参照)に替えて演出更新処理2(図105のS4151参照)を、実行する点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図101を参照して、普図関連処理2(S4217)の内容について説明をする。図101は、普図関連処理2(S4217)の内容を示したフローチャートである。この普図関連処理2(S4217)は、上述した第1実施形態の普図関連処理(図66のS4217参照)に対して、普図変動パターンコマンドを受信した場合に実行される処理と、普図当たり開始コマンドを受信した場合に実行される処理と、を変更した点で相違し、それ以外は同一である。
普図関連処理2(S4217)が実行されると、まず、普図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4701)、受信したと判別した場合は(S4701:Yes)、普図変動開始処理を実行し(S4751)、その後、本処理を終了する。なお、S4751の処理で実行される普図変動開始処理(S4751)については、詳細は図102を参照して後述するが、普通図柄変動の変動時間を計測するための処理が実行される。本実施形態では、普通図柄の変動パターンとして複数の変動時間を選択可能(図95(c)参照)に構成しており、選択される変動パターンに応じて時短状態中に実行される遊技の有利度合いを可変させるように構成している。
S4701の処理において、普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4701:No)、普図当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S4703)、受信したと判別した場合は(S4703:Yes)、受信したコマンドに基づいて普図当たりの時間(対応する普図当たり遊技動作シナリオのEND時間)を普図当たり時間カウンタにセットし(S4752)、表示用普図当たり開始コマンドをセットし(S4704)、本処理終了する。一方、S4703の処理で普図当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4703:No)、上述した第1実施形態の普図関連処理(図66参照)と同一のS4705〜S4714の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図102を参照して普図変動開始処理(S4751)の内容について説明をする。図102は、普図変動開始処理(S4751)の内容を示したフローチャートである。普図変動開始処理(S4751)が実行されると、まず、現在が時短中(時短状態中)であるかを判別し(S4771)、時短中では無いと判別した場合は(S4771:No)、表示用普図変動コマンドを設定し(S4771)、本処理を終了する。一方、S4771の処理において時短中では無いと判別した場合は(S4771:Yes)、受信した普図変動パターンコマンドから普図変動時間を抽出し(S4772)、抽出した値を普図変動時間カウンタ223aaにセットし(S4773)、上述したS4774の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図103を参照して、役物当たり関連処理2(S4851)の内容ついて説明をする。図103は、役物当たり関連処理2(S4851)の内容を示したフローチャートである。この役物当たり関連処理2(S4851)は、上述した役物当たり関連処理(S4804)に対して、役物当たり開始コマンドを受信した場合、エンディングコマンドを受信した場合に実行される処理の内容を変更した点で相違し、それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
役物当たり関連処理2(S4851)が実行されると、まず、役物当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S5101)、受信したと判別した場合は(S5101:Yes)、役物当たり開始処理を実行し(S5151)、本処理を終了する。一方、S5101の処理において受信していないと判別した場合は(S5101:No)、上述した役物当たり関連処理(S4804)と同一のS5103〜S5107の処理を実行し、S5107の処理でエンディングコマンドを受信したと判別した場合に(S5107:Yes)、次いで、発射禁止示唆フラグ223acがオンに設定されているかを判別する(S5152)。
つまり、S5152の処理では、遊技者に球の発射を禁止させたほうが有利な状態であることを示唆するための演出を実行している状態であるかを判別している。S5152の処理で発射禁止示唆フラグ223acがオンでは無いと判別した場合は(S5152:No)、上述した役物当たり関連処理(S4804)と同一のS5108〜S5109の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S5152の処理でオンに設定されていると判別した場合は(S5152:Yes)、発射禁止示唆フラグ223acをオフに設定し(S5153)、今回の普図当たり遊技の終了条件が時間経過であるかを判別する(S5154)。
時間経過に基づく普図当たり遊技の終了であると判別した場合は(S5154:Yes)、「成功」を示す表示用コマンドを設定し(S5155)、時間経過に基づく普図当たり遊技の終了では無い、即ち、球入賞に基づく普図当たり遊技の終了であると判別した場合は(S5154:No)、「残念」を示す表示用コマンドを設定する(S5156)。このように、時短状態中における普図当たり遊技の遊技内容に基づいて遊技者に球を発射させたほうが有利な状態か、不利な状態かを予測し、その予測結果に基づいて遊技者に遊技方法を示唆する演出を実行した場合に、その示唆内容に基づいて普図当たり遊技が終了したのかを判別し、その判別結果に基づいて普図当たり遊技の終了画面の表示態様を可変するように構成することで、遊技者に対して、今回の遊技方法が正しい選択であったのか否かを分かり易く報知することができる。
なお、本実施形態とは異なり、例えば、時短状態中における普図当たり遊技の遊技内容に基づいて遊技者に球を発射させたほうが有利な状態か、不利な状態かを予測し、その予測結果に基づいて遊技者に遊技方法を示唆する演出を実行した場合において、遊技者に本当に有利な遊技方法を予測し選択させるために、実際の予測結果とは異なる遊技方法を示唆する演出(所謂、ガセ演出)も実行可能に構成した場合には、S5154の処理において、実際の予測結果に対応した遊技(時間経過、球入賞)で普図当たり遊技を終了させたかを判別し、その判別結果に基づいて終了画面の表示態様を可変させるように構成しても良い。これにより、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
また、この場合、上述した遊技者に遊技方法を示唆する演出以外に、実際の遊技状況を遊技者に予測させるための状況報知演出(例えば、普図当たり遊技の種別を示唆する演出)を実行すると良い。これにより、遊技者に遊技方法を示唆する演出がガセ演出であるか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。さらに、本実施形態では、普図当たり遊技と役物当たり遊技とが重複して実行される場合において、遊技者に遊技方法を示唆する演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が遊技方法を選択可能な状態であれば、遊技者に遊技方法を示唆する演出を同一の手法で実行するように構成しても良い。
次に、図104を参照して、役物当たり開始処理(S5151)の内容について説明をする。図104は、役物当たり開始処理(S5151)の内容を示したフローチャートである。役物当たり開始処理(S5151)では、役物当たり遊技の開始タイミングにおける遊技状況に応じて、実行させる演出態様を可変させるための各種処理が実行される。
役物当たり開始処理(S5151)が実行されると、まず、受信したコマンドに基づいて入賞した特電作動口の種別を抽出する(S5301)。そして、今回の役物当たり遊技が、特電作動口643(特電作動口1)に球が入賞した場合に実行される役物当たり遊技であるかを判別し(S5302)、特電作動口1への入賞に基づくものでは無いと判別した場合は(S5302:No)、有利役物当たりを示すための表示用コマンドを設定し(S5303)、本処理を終了する。
一方、S5301の処理において、特電作動口1への入賞に基づくものであると判別した場合は(S5301:Yes)、次に、普図変動時間カウンタの値を読み出し(S5304)、読み出した値が10秒以上を示す値であるかを判別する(S5305)。10秒以上を示す値であると判別した場合は(S5305:Yes)、役物当たり時間経過終了を示唆するための表示用コマンドを設定し(S5306)、発射禁止示唆フラグ223acをオンに設定し(S5307)、S5310の処理へ移行する。S5306の処理で設定された表示用コマンドに基づいて、図90(a)に示した表示画面のように、球の発射を抑制(禁止)させるための表示態様(副表示領域Dsのコメントに相当)が表示される。
また、S5305の処理において、10秒以上を示す値では無いと判別した場合は(S5305:No)、次に、S5304の処理で読み出した値が5秒以下を示す値であるかを判別し(S5308)、5秒以下であると判別した場合は(S5308:Yes)、早く役物当たり遊技を終了させることで、次の普図当たり遊技によって、再度、役物当たり遊技を実行させることが可能な状態であるため、役物当たり入賞終了を示唆するための表示用コマンドを設定し(S5309)、S5310の処理へ移行する。ここで、S5309の処理によって設定された表示用コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面には、球の発射を促す表示態様(例えば、「球を早く発射して、役物当たり遊技を終了させるとチャンス」)が表示される。
S5308の処理で5秒以下を示す値では無い、即ち、5〜10秒を示す値であると判別した場合は、専用の表示用コマンドを設定すること無く、役物当たりを示すための表示用コマンドを設定し(S5310)、演出設定済フラグ223adをオンに設定し(S5311)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第2実施形態では、上述した第1遊技方法示唆演出と、第2遊技方法示唆演出と、を実行可能に構成しているため、遊技者に対して実行される各種示唆演出の演出内容に基づいて役物当たり遊技の遊技方法を選択させることが可能となる。よって、遊技者が任意に選択した遊技方法によってVラッシュ中の遊技が実行され、遊技方法の選択結果に応じてVラッシュ中の有利性を異ならせることができるため、実行される各種示唆演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。また、自身の選択結果に応じてVラッシュ中の有利度合いを異ならせることができるため、遊技者を積極的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第2実施形態では、役物当たり遊技中に実行される普通図柄変動や普図当たり遊技の状況に応じて、役物当たり遊技の遊技方法を遊技者が選択することができるように示唆演出を実行するように構成しているが、それ以外にも重複して複数の遊技が実行される場合において、同様の示唆演出を実行するように構成しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合において、その大当たり遊技の終了タイミングを、実行中の普通図柄変動の残期間の長さに基づいて遊技者に選択させることが可能な示唆演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合において、通常状態(普通図柄の低確率状態)中に実行された普通図柄変動が長時間実行されてしまい、時短状態中の普通図柄変動が実行されない期間が長くなり遊技意欲が低下してしまう事態を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、図108〜図113を参照して、第3実施形態について説明をする。上述した第1実施形態、及び第2実施形態では、特電作動口(特電作動口643、或いは第2特電作動口1643)に球が入賞したことに基づいて、役物当たり遊技を実行すると共に、実行中の特別図柄変動の減算を中断させるように構成していた。つまり、役物当たり遊技を実行させればさせるほど遊技者に有利となるように構成していた。よって、時短状態中(Vラッシュ中)における遊技方法が単調となり、遊技者が遊技に飽きてしまう虞があった。
これに対して、本第3実施形態は、役物当たり遊技が実行される場合における実行中の特別図柄変動に対する処理内容を異ならせている点で上述した第1実施形態、及び第2実施形態と相違しており、具体的には、実行される(設定される)役物当たり遊技種別に応じて、実行中の特別図柄変動を中断させる処理と、破棄する(残変動時間を破棄し、抽選結果に関わらず外れで強制停止させる)処理と、破棄に加え、時短状態を終了させる処理とのうち、何れかが実行されるように構成している。
このように構成することで、役物当たり遊技の実行に基づいて、時短状態中の遊技状況を大きく可変させることができるため、遊技者に対して飽きのこない遊技を提供することができる。
さらに、時短状態(Vラッシュ)中に実行される演出に基づいて、遊技者に役物当たり遊技を実行させるか否かを選択させることが可能な演出を実行するように構成している。これにより、例えば、時短状態が終了してしまう役物当たり遊技が実行された場合に、遊技者に対して、急に時短状態が終了してしまい不信感を与えてしまうことを抑制することができる。また、実行される演出の内容に基づいて、役物当たり遊技を実行するか否かを遊技者自身が選択することができるため、意欲的に遊技に参加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
<第3実施形態における演出内容について>
まず、図108、図109を参照して、本第3実施形態において第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本実施形態で実行される演出は、上述した各実施形態に対して、時短状態の継続期間(Vラッシュの継続期間)がタイマ812に表示される値の計時的な減算表示以外に、役物当たり遊技が実行されることにより実行中の特別図柄変動が破棄された場合に大幅にタイマ812に表示されている値が減少してしまう減少表示や、役物当たり遊技が実行されることにより時短状態が終了してしまう消滅表示を実行可能に構成している点で大きく相違する。
さらに、実行中の特別図柄変動が大当たり当選している場合(大当たり変動中)において、役物当たり遊技が実行されることにより、実行中の大当たり変動が破棄されてしまうことを示唆する示唆演出を実行するように構成している点で大きく相違する。それ以外の表示内容については、上述した相違点を表示するために、表示領域の大きさや位置が変化する程度で表示内容については同一である。同一の表示内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図108(a)は、特別図柄の大当たり変動の残期間が所定期間(10秒)に到達した場合に実行される表示内容の一例を示した模式図であり、図108(c)は、図108(a)に示した表示画面が表示される場合における各図柄の保留状況を示した模式図である。図108(a)に示した通り、大当たり変動の残期間が10秒に到達すると、「デンジャータイム突入」の表示態様が表示され、デンジャータイムが終了するまで(大当たり変動が停止表示するまで)の期間を示す期間表示態様851として「10秒」が表示される。この期間表示態様851は、タイマ812に表示される値と同様に、音声ランプ制御装置113の演出更新処理によって定期的に減算表示(カウントダウン表示)される。
さらに、Vラッシュ変動領域811では、Vラッシュ中における遊技の成功(V大当たり遊技の実行)に対応させた「V」を模した図柄に加え、遊技者に不利となる遊技結果を示す「ドクロ」を模した図柄が変動表示される。また、副表示領域Dsには「デンジャータイム中の役物当たりは大ピンチ」の文字が表示される。
つまり、デンジャータイムに突入すると、所定時間後(10秒後)に、大当たり変動が停止(特図抽選に基づく大当たり遊技の実行)する可能性があることを遊技者に示唆することになる。一方、詳細は後述するが、このデンジャータイムは、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部においても実行されるように構成している。
よって、遊技者はデンジャータイムに突入した場合に、デンジャータイムが終了するまで、役物当たり遊技を狙う特電遊技を実行しない(球を発射しない)か、デンジャータイム中にも関わらず特電遊技を実行し、意欲的にV当たり遊技を狙いに行くのかを選択することになる。
なお、本実施形態では、デンジャータイムの突入条件を実行中の特別変動の残期間が所定期間(10秒)に到達した場合としているが、これに限ること無く、例えば、実行中の特別図柄変動の抽選結果が大当たりの場合と、外れの場合とで、デンジャータイムの突入条件を異ならせても良く、大当たり変動中は、残期間が「27秒」、「17秒」、「10秒」、「7秒」となった場合にデンジャータイムに突入し得るように構成し、外れ変動中は残期間が「10秒」の場合にのみデンジャータイムに突入し得るように構成しても良い。これにより、デンジャータイム突入時に表示されるデンジャータイムの残期間表示に基づいて、実行中の特別図柄変動の抽選結果を遊技者に予測させることが可能となる。
また、上述した例では、大当たり変動中専用のデンジャータイム突入条件を設けた例を示したが、これに限ること無く、例えば、外れ変動中であることを遊技者に示唆するために、外れ変動の残期間が「14秒」となった場合にデンジャータイムに突入し得るように構成しても良い。これにより、外れ変動中であることを理解した遊技者に対して、球を発射させること無く意欲的に遊技を行わせることが可能となる。
次いで、図108(b)を参照して、デンジャータイム中に役物当たり遊技が実行され、大当たり変動が破棄された場合の表示内容について説明をする。図108(b)は、デンジャータイム中に役物当たり遊技が実行され、大当たり変動が破棄された場合の表示内容を示した模式図である。図108(b)に示した通り、デンジャータイム中に役物当たりが実行されると、期間表示態様851には「終了」の文字が表示され、デンジャータイムが終了したことが報知される。そして、実行中であった大当たり変動が破棄されたことを示すためにVラッシュ変動領域811には、「ドクロ」を模した図柄がぞろ目で停止表示される。さらに、副表示領域Dsには「残念・・・引き戻せ」のコメントが表示される。
一方、役物当たり遊技が実行されているため、役物遊技にてV入賞を狙うための表示態様が表示される。
また、実行中の特別図柄変動が破棄されたので、時短状態(Vラッシュ)の残期間を示す表示領域HR4には、次変動の変動時間である「10秒」のみが表示される。このような表示画面を表示することにより、大当たり変動が破棄されたことについて遊技者に分かり易く報知することができる。
また、大当たり変動が中断する役物当たり遊技を、デンジャータイム中に実行させた場合は、図109に示した通り、デンジャータイムを継続させた上で、V大当たり遊技が実行されたことを報知する演出が実行される。
<第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図110を参照して、本第3実施形態における電気的構成について説明をする。本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、特電作動口643に球が入賞した場合に、第1当たり種別カウンタC2の値を取得するように構成し、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、V入賞口165に入賞した場合に実行される大当たり遊技(V大当たり遊技)の種別(大当たり種別)を選択可能に構成した点と、音声ランプ制御装置113のROM222の構成を一部変更した点と、で相違する。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図110(a)を参照して、V大当たり種別選択3テーブル202c3の内容について説明をする。図110(a)は、V大当たり種別選択3テーブル202c3の内容を模式的に示した模式図である。図110(a)に示した通り、V大当たり種別選択3テーブル202c3には3種類の大当たり種別が規定されており、選択された大当たり種別に応じて、実行されるV大当たり遊技の遊技内容、V大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(時短回数)、役物当たり遊技実行時における実行中の特別図柄への影響が異なるように構成している。
具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜79」の範囲には大当たりCが規定され、「80〜94」の範囲には大当たりDが規定され、「95〜99」の範囲には大当たりEが規定されている。
「大当たりC」(選択率80%)は、上述した各実施形態にて実行されるV大当たり遊技と同一内容であり、10ラウンド(R)の大当たり遊技、時短回数4回、実行中の特別図柄を中断する内容が設定されている。「大当たりD」(選択率15%)は、10ラウンド(R)の大当たり遊技、時短回数4回、実行中の特別図柄変動を破棄する内容が設定されている。「大当たりE」(選択率5%)は、15ラウンド(R)の大当たり遊技、時短回数15回、実行中の特別図柄変動を破棄し、且つ、時短状態を終了させるように設定されている。
上述した通り、実行中の特別図柄変動に対する影響が最も遊技者に不利となる「大当たりE」が設定された場合は、その役物当たり遊技中にV入賞した場合に、最も遊技者に有利な大当たり遊技、及び、大当たり遊技終了後の遊技状態(時短回数)が設定されることになるため、遊技者に対して最後のチャンスを付与することができる。また、例えば、時短状態の最終変動が外れであって、その外れ変動の終了間際であれば、即ち、何もしなくても後数秒で時短状態が終了してしまう状態であれば、この「大当たりE」が遊技者に最も有利な大当たり種別とすることができる。
次に、図110(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図110(b)は、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を模式的に示した模式図である。図110(b)に示した通り、本実施形態では、上述した第1実施形態に対してデンジャータイム選択テーブル222caを追加した点で相違している。それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
デンジャータイム選択テーブル222caは、デンジャータイム突入条件が成立した場合に、実際にデンジャータイム演出を実行するかを決定する際に参照されるデータテーブルであって、実行中の特別図柄変動の抽選結果に基づいて実行確率を異ならせるように構成している。
ここで、図110(c)を参照して、デンジャータイム選択テーブル222caの内容について説明をする。図110(c)は、デンジャータイム選択テーブル222caの内容を模式的に示した模式図である。図110(c)に示した通り、実行中の特別図柄変動が大当たり変動である場合のほうが、外れ変動である場合よりも、デンジャータイム演出が実行され易くなるように構成している。これにより、デンジャータイム演出が実行された場合に、大当たり変動中であることを期待させながら遊技を行うことができる。
具体的には、特別図柄の抽選結果(特図判定結果)が大当たりである場合は取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、デンジャータイムの実行有りが選択され、特別図柄の抽選結果(特図判定結果)が外れの場合は、演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲で、デンジャータイム演出を実行しないことが選択され、「90〜99」の範囲で、デンジャータイム演出を実行することが選択されるように構成している。
このように構成することで、実行中の特図抽選結果が外れの場合であってもデンジャータイム演出を実行することができるため、デンジャータイム中における遊技者の遊技に予測と選択に関するゲーム性を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第3実施形態における制御処理内容について>
次に、図111〜図113を参照して、本第3実施形態における制御処理内容について説明をする。本実施形態では、主制御装置110にて実行される制御処理の内容と、音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の内容と、を一部変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素に対しては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図111を参照して、主制御装置110で実行される特電始動口入賞処理3(S158)について説明をする。図111は、特電始動口入賞処理3(S158)の内容を示したフローチャートである。この特電始動口入賞処理3(S158)は、上述した第1実施形態の特電始動入賞処理(図50のS108参照)に対して、特電作動口643に球が入賞した場合に異なる大当たり種別を選択可能に構成し、その選択された大当たり種別に対応させた処理を実行させる点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特電始動口入賞処理3(S158)が実行されると、上述した特電始動入賞処理(図50のS108参照)と同一のS1301〜S1303,S1305〜S1309の処理を実行するように構成している。そして、S1303の処理において、特電作動中(役物当たり遊技中)であることを判別し、特電作動中であると判別した場合は、次いで、今回選択された大当たり種別が「大当たりE」であるかを判別し(S1371)、「大当たりE」であると判別した場合は(S1371:Yes)、時短カウンタ203hの値を0にセットし(S1373)、特別図柄変動停止処理を実行し(S1374)、S1375の処理へ移行する。なお、特別図柄変動停止処理(S1374)の内容は、上述した第1実施形態の特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)と同一内容であるため、その詳細な説明を省略する。
一方、S1371の処理において、「大当たりE」では無いと判別した場合は(S1371;No)、次いで、「大当たりD」であるかを判別し(S1372)、「大当たりD」であると判別した場合は(S1372:Yes)、S1374の処理を実行し、S1375の処理へ移行する。S1372の処理で「大当たりD」では無い、即ち、「大当たりC」であると判別した場合は(S1372:No)は、S1305,S1306の処理を実行し、S1375の処理へ移行する。
S1375の処理では、役物当たりフラグをオンに設定し(S1375)、今回の当たり種別(「大当たりC」〜「大当たりE」)に対応するコマンドを設定し(S1376)、特電作動コマンドを設定し(S1308)、本処理を終了する。
次に、図112を参照して音声ランプ制御装置113で実行される演出更新処理3(S4171)について説明をする。図112は、演出更新処理3(S4171)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理3(S4171)は、上述した第2実施形態の演出更新処理2(図105のS4151参照)に対して、デンジャータイム演出の設定に関するデンジャータイム設定処理(S5371)を、S5306の処理の後に実行するように構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図113を参照してデンジャータイム設定処理(S5371)の内容について説明をする。図113は、デンジャータイム設定処理(S5371)の内容を模式的に示した模式図である。このデンジャータイム設定処理(S5371)では、デンジャータイム演出の実行条件が成立した場合に、実際にデンジャータイムを実行するかを判別し、判別結果に基づいてデンジャータイム演出を設定するための処理が実行される。
デンジャータイム設定処理(S5371)が実行されると、まず、変動時間カウンタ223rの値が残期間10秒を示す値であるかを判別し(S5601)、残期間10秒を示す値では無いと判別した場合は(S5601:No)、デンジャータイムの実行条件が成立していない場合であるため、そのまま本処理を終了する。
S5601の処理において、残期間10秒を示す値であると判別した場合は(S5601:Yes)、実行中の特別図柄変動の抽選結果(特図抽選結果)と、取得した演出カウンタ223fの値とに基づいてデンジャータイム選択テーブル222caを参照してデンジャータイム演出の実行の有無を選択する(S5602)。
S5603の処理では、S5602の処理結果(選択結果)に基づいて、デンジャータイム演出を実行するかを判別し(S5603)、実行すると判別した場合は(S5603:Yes)、デンジャータイム演出を示す表示用コマンドを設定し(S5604)、本処理を終了する。一方、S5603の処理において、デンジャータイム演出を実行しないと判別した場合は(S5603:No)、そのまま本処理を終了する。
S5604の処理において設定された表示コマンドにより、図90(a)に示したデンジャータイム演出が実行される。
<第4実施形態>
次に、図114〜図137を参照して本パチンコ機10の第4実施形態について説明する。本第4実施形態では、第1実施形態に対して、遊技盤13の構成と、主制御装置110の構成とが相違している。
上述した第1実施形態では、図2に示した通り、通常遊技状態では、特図入球口64に入球させる特図遊技を実行し、遊技状態が時短状態に移行すると、電動役物640aが開放されやすくなるため、普電入賞装置640内の特電作動口643に遊技球を入球させ、V入賞装置65内のV入賞口165に遊技球を入球させることを狙う特電遊技が遊技者に対し有利となる遊技方法となるよう構成していた。これに対し、本第4実施形態では、特電作動口643に代わって、第2特別図柄の抽選契機となる入球口(第2入球口1645)を設けている(図114参照)。そして、V開閉扉65aは、第2特別図柄の抽選で特定の抽選結果(小当たり)となった場合に開放されるように構成している。即ち、本第4実施形態では、V入賞装置65に付随するV開閉扉65aの開放契機が、特電作動口643への入球による役物当たりではなく、第2入球口1645への入球を契機として実行される第2特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合となる。この小当たりは、外れの一種であり、遊技状態の変更を伴わずに所定の入賞装置(V入賞装置65)を作動させることが可能となる抽選結果である。
更に、本第4実施形態では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが同時に実行される(所謂、同時変動)よう構成している。そして、時短状態中は、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが、変動時間が短くなるように設定し、第2特別図柄の抽選が実行されやすくなるように構成している。
加えて、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄の抽選回数(変動回数)と、第2特別図柄の抽選回数(変動回数)と、の合計が100回となった場合に成立する累積時短終了条件と、第1特別図柄の抽選回数(変動回数)が4回に到達した場合に成立する特図1時短終了条件と、が設定され、累積時短終了条件或いは特図1時短終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成している。
上述した構成を有する本第4実施形態では、時短状態中に設定される第1特別図柄の変動パターンが、上述した第1実施形態のパチンコ機10において時短状態中に設定される特別図柄の変動パターンと同一内容となるように構成しており、時短状態中(Vラッシュ中)の遊技性が、上述した第1実施形態に対して、特電始動口643に球を入球させ、役物当たり遊技(V入賞装置65を開放させる当たり遊技)を実行させる遊技に替えて第2入球口1645に球を入球させ、第2特別図柄の抽選で小当たり当選することにより小当たり遊技(V入賞装置65を開放させる遊技)を実行させる遊技を用いた点と、第1特別図柄の変動回数(抽選回数)が所定回数(例えば、4回)に到達する前に、累積時短終了条件が成立した場合にも時短状態が終了する遊技を用いた点と、で相違する。
つまり、本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、第2特別図柄の抽選結果を示すための期間(第2特別図柄の変動期間)を可変設定可能に構成しているため、例えば、第2特別図柄の変動期間として、短い変動期間(例えば、0.1秒の変動時間)と、長い変動期間(例えば、10秒の変動時間)と、を設定可能に構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の間隔を、設定される第2特別図柄の変動期間に応じて大きく異ならせることができる。よって、時短状態中における遊技のバリエーションをより富んだものにすることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2特別図柄の抽選が実行されることに基づいて累積時短終了条件が成立し得るため、時短状態中に実行される小当たり遊技の回数に上限を設定することが可能となる。よって、時短状態中に遊技者に対して過度に特典(V大当たり遊技)が付与されてしまうことを抑制することができる。さらに、時短状態中に設定される第2特別図柄の変動期間として短い変動期間(例えば、0.1秒)が設定され難く構成することで、時短状態中に小当たり遊技が頻繁に実行されることを抑制することができる。これにより、遊技者に対して短時間で過剰に特典(賞球)が付与されることを抑制することができる。
以下、本第4実施形態の特徴的な構成や遊技性について主に説明をする。まず、本第4実施形態における時短回数の更新タイミングと、時短状態を終了させるための判別処理タイミングとについて説明をする。本第4実施形態と同様に第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選と、を並行して実行可能な同時変動タイプの遊技機では、時短状態中に実行される特別図柄の変動回数が規定回数(例えば、100回)を越えないように、各特別図柄の変動開始タイミングにおいて、時短回数の更新処理と、時短状態を終了させるための判別処理と、を実行するように構成していた。これにより、規定回数目の特別図柄変動が実行されるタイミングで時短状態を終了させることができるため、規定回数(例えば、100回)を越えた101回目の特別図柄変動を、通常状態で確実に実行することができ、遊技者に過剰に特典(時短状態での特別図柄変動)が付与されてしまうことを抑制していた。しかしながら、時短状態の最終変動(100回目の特別図柄変動)が停止表示される前、具体的には、100回目の特別図柄変動が開始された直後に、時短状態が終了してしまうため、各特別図柄の判別(変動)タイミングによっては、時短状態が設定される期間が短くなり遊技者に不快感を与えてしまうという問題があった。
具体的には、例えば、第1特別図柄の判別(変動)として、100回転目(時短回数の最終回)の特図変動が実行された直後に、第2特別図柄の判別(変動)、即ち、101回転目の特図変動が実行される場合は、100回目の特図変動が実行されるタイミング(101回転目の特図変動が実行される直前)で時短状態が終了させることができるため、遊技者に不快感を与えることは無いが、100回転目(時短回数の最終回)の特図変動が実行された状態で101回転目の特図変動が実行されない場合、例えば、100回転目の特図変動が終了した後に、101回転目の特図変動が開始されるような場合では、100回転目の特図変動が実行されるタイミングで時短状態が終了してしまうため、100回転目の特図変動中の普通図柄の状態に対して遊技者に不快感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本第4実施形態では、普通図柄の高確率状態を終了させるための時短終了条件として特図変動回数(例えば、100回)が設定されている場合において、時短終了条件が成立する特図変動(例えば、100回転目の特図変動)の終了タイミングと、時短終了条件が成立した以降において最初に実行される特図変動(例えば、101回転目の特図変動)の開始タイミングと、を判別可能にし、何れかタイミングのうち、先に実行されるタイミングに基づいて時短状態を終了させるように構成している。
このように構成することで、規定回数目の特別図柄変動が停止表示するタイミング、或いは規定回数を超えた回数目の特別図柄変動が実行されるタイミングまで普通図柄の高確率状態(時短状態)を設定することができ、遊技者に対して最大限の期間、時短状態を提供することができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、本第4実施形態では、101回転目の特図変動が実行されるタイミングとして、101回転目の特図変動を実行可能な条件が成立したタイミングを判別可能に構成し、101回転目の特別図柄の判別が行われる前に時短状態が終了するように構成している。これにより、予め定められた時短回数を超えた範囲で時短状態を設定してしまい、その時短状態において特別図柄の抽選が実行されてしまうことを確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、時短終了条件が成立する特図変動の終了タイミングと、時短終了条件が成立する特図変動の次に特図変動が実行されるタイミングと、のうち、先に成立するタイミングに基づいて時短状態を終了させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短終了条件が成立する特図変動の次に特図変動が実行されるタイミングのみに基づいて時短状態を終了させるように構成しても良い。
また、本実施形態では、第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合には、第1特別図柄の変動(第1特別図柄の変動時間を減算する処理)を仮停止(中断)するよう構成している。そして、小当たり遊技中にV入賞(V入賞口165への球の入賞)が発生し、大当たりが付与された場合には、その大当たり遊技終了後に、仮停止していた特別図柄変動が再開されるように構成している。そして、本第4実施形態では、時短回数の減算の契機を、時短遊技中に変動が開始された特別図柄の変動が停止される場合に、減算するよう構成している。
このように構成することで、仮停止していた特別図柄の変動は、大当たり遊技の前に開始された変動であるため、仮停止していた特別図柄の変動が再開し停止した場合には、時短回数は減算されない。つまり、本実施形態は、V入賞により大当たりが付与された場合には、大当たりにより付与された時短回数に加えて、その仮停止していた特別図柄の変動が停止されるまでの期間も、時短遊技状態として設定する。このように構成することで、遊技者にとって最も有利となる時短状態を可能な限り長く設定することが出来る。
ここで、本第4実施形態は、上述した第1実施形態から第3実施形態において説明をしたパチンコ機10の遊技性(特別図柄抽選と、特電作動口643への球の入賞と、により大当たり遊技を目指す遊技性)を別の手法で実現させるための一例として示したものであり、上述した第1実施形態から第3実施形態に記載した各技術思想や、実行される演出内容等は適宜転用しても良い。なお、上述した第1実施形態から第3実施形態と同一に用いられる各技術思想や演出内容については、その詳細な説明を省略する。
<第4実施形態におけるパチンコ機の遊技盤構成について>
まず、図114を参照して、本第4実施形態のパチンコ機10に用いられる遊技盤13の構成について説明をする。本第4実施形態のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第1実施形態のパチンコ機10の遊技盤13に対して、普電入賞装置640に代わって、第2入球口ユニット1640を設けた点と、特電作動口643に替えて第2入球口1645を設けた点とで相違している。
上述した第1実施形態では、図2に示した通り、左打ち遊技を実行することで特図入球口64に球が入球したことに基づいて第1特別図柄の抽選が実行され、スルーゲート67を通過することで、普通図柄の抽選が実行され当選すると電動役物640aが、遊技球が普電入賞装置640内に入球可能な開放状態となるよう構成していた。そして、特電作動口643に遊技球が入球すると役物当たりが実行され、V入賞装置65に付随するV開閉扉65aが開放状態となるよう構成していた。
これに対して、本第4実施形態では、上述した特電作動口643に代えて第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口1645を設けている点で大きく相違している。よって、本実施形態では、V開閉扉65aの開放契機が特電作動口643への入賞ではなく、第2入球口1645への入球に基づき、第2特別図柄の抽選により小当たりに当選することがV開閉扉65aの開放契機となる。
遊技者は、遊技状態が通常状態である場合には、上述した第1実施形態と同様に遊技盤13の左側領域に向けて遊技球を発射し、特図入球口64に入球させ、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選することを所望しながら遊技を実行する。そして、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、100%の割合で、時短遊技状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)へと遊技状態が移行する。
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、遊技盤13の左側領域を狙って遊技を実行していれば、スルーゲート67に遊技球が100%の割合で通過可能な状態であり、そのスルーゲート67への遊技球の通過を契機として実行される普通図柄の抽選に当選した場合には、第2入球ユニット1640に付随する第2電動役物1640aが開放状態(遊技球が第2入球ユニット1640に入球可能な状態)が設定される。
第2入球ユニット1640内には、第2入球口1645が設けられており、遊技球が入球した場合には、第2特別図柄の抽選が実行される。そして、本実施形態では、第2特別図柄の抽選において小当たりに当選するよう構成している。小当たりに当選した場合には、V入賞装置65内のV開閉扉65aが開放状態に設定され、遊技球がV入賞口165に入賞した場合に大当たりが付与される。
なお、本実施形態では、詳しくは後述するが、第2特別図柄の抽選において小当たりに当選する確率が396/400(約9/10)となるように規定されている。第2入球口1645に遊技球が入球しやすい状態である時短状態が、V入賞が発生し易い状態となるため、遊技者にとって最も有利な状態となる。
<第4実施形態の電気的構成について>
次に、図115から図118を参照して、本第4実施形態における電気的構成について説明をする。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、特別図柄抽選の方法が相違しており、上述した相違点に対応して主制御装置110のROM202、RAM203の一部構成を異ならせている。
まず、図115を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図115は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(図示せず)と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタC5と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図39参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図55参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特図入球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203daと、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第2入球口1645への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203dbと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203daには、特図入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203daの保留第1エリアに格納されている各種値を第1特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
同様に、第2特別図柄保留球格納エリア203dbには、第2入球口1645への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
そして、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203dbの保留第1エリアに格納されている各種値を第2特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
以上、説明をした通り、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成されているため、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203da、第2特別図柄保留球格納エリア203db)がそれぞれ実行エリアを有するように構成している。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
なお、本実施形態では、第2特別図柄のみ抽選結果として小当たりを有するように構成しているため、第1特別図柄保留球格納エリア203daに対して小当たり種別カウンタC5の値を格納しないように構成しているが、例えば、第1特別図柄の抽選結果として小当たりを有するように構成し、小当たり種別カウンタC5の値を第1特別図柄保留球格納エリア203daに対して格納するように構成しても良い。
また、本実施形態のように、抽選結果として小当たりを有さない特別図柄種別(第1特別図柄)に対応した保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203da)においても、小当たり種別カウンタC5の値を格納するように構成しても良い。このように、特別図柄の抽選の仕様(小当たりの有無)に関わらず、特別図柄の抽選契機となる始動口(特図入球口64、第2入球口1645)への球の入球によって取得した各カウンタ値を全て格納するように構成し、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、取得した各カウンタ値のうち、必要となる値のみを用いて特別図柄の抽選を実行するように構成することで、特別図柄の抽選の仕様(小当たりの有無)が異なる複数の遊技機に対して、同一の構成を用いることができるため、部品、技術の共通化を図ることができ、コストの削減を図ることができる。
さらに、本実施形態のRAM203には、上述した特別図柄と同様に4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203dcが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203dcには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203dcの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
なお、本実施形態では第2入球口1645への入球に基づいて取得した各カウンタ値を保留して格納する構成、および、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて取得した各カウンタ値を保留して格納する構成を有しているが、これに限ること無く、各図柄(特別図柄、普通図柄)に対して取得した各カウンタ値を格納する機能(保留記憶機能)を設けないように構成しても良い。
このように構成することで、設定される遊技状態に応じて一の特別図柄種別の抽選として遊技者に有利となる抽選と、不利となる抽選とが切り替わる遊技機において、有利抽選を実行させるために一の特別図柄の保留記憶を多く獲得した状態で、異なる遊技状態が設定され、一の特別図柄にて不利抽選が実行されてしまう事態を抑制することができる。
次に、図116を参照して、本第4実施形態における主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。本第4実施形態における主制御装置110のROM202は、上述した第1実施形態における主制御装置110のMPU201が有するROM202に対して、大当たり種別選択テーブル202d(図24(a)参照)に替えて大当たり種別選択4テーブル202dbを、変動パターン選択テーブル202eに替えて変動パターン選択4テーブル202dcを設けた点で相違し、また、新たに小当たり乱数テーブルdaを設けた点で相違する。なお、それ以外は同一であるため、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図117(a)を参照して、本第4実施形態における主制御装置110のROM202に設けられる小当たり乱数テーブル202daについて説明する。図117(a)は、小当たり乱数テーブル202daに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この小当たり乱数テーブル202daは、第2特別図柄の抽選において、小当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、小当たり乱数テーブル202daには、小当たりと判定される判定値が特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)毎に規定されており、特別図柄の状態(低確率状態、高確率状態)に関わらず所定範囲の判定値が規定されている。図117(a)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄の場合には、小当たりに対応する第1当たり乱数カウンタC1の値が規定されておらず、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選することが無いように規定されている。
一方、図柄種別が第2特別図柄の場合には、小当たりに対応する第1当たり乱数カウンタC1の値が「4〜399」の範囲に規定されている。つまり、本実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率が0(当選しない)で、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率が396/400(約9/10)となるように規定されている。
さらに、本実施形態では上述した通り、大当たりに当選する第1当たり乱数カウンタC1の値と、小当たりに当選する第1当たり乱数カウンタC1値とが異なるように構成されており、特別図柄の抽選を実行する1回の処理(当たりの有無を判別する処理)において、大当たりの当否判定と小当たりの当否判定とを連続して(同時に)実行するように構成している。
このように構成することで、取得した1つのカウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1値)に対して、予め規定されている確率で大当たり、或いは小当たりの抽選を実行することができる。
そして、本実施形態では、小当たりに当選した場合には、V入賞装置65に付随するV開閉扉65aが、一定期間開放(遊技球がV入賞装置65内に入球可能となる状態)されるよう構成している。V開閉扉65aが開放されている期間内に、遊技球をV入賞装置65内のV入賞口165に入賞させることで、大当たりが付与される。よって、遊技者は小当たりに多く当選することを所望しながら遊技を実行する。
なお、本実施形態では、小当たりに当選した場合に定められた期間V開閉扉65aが開放されるよう構成したが、これに限ることなく、当選する小当たりに種別を設けて、当選した小当たり種別に基づいて、V開閉扉65aが開放される期間を異ならせるよう構成しても良い。このように構成する場合には、小当たり種別テーブルを設け、そのテーブルを参照し、小当たり種別を決定するとよい。このように構成することで、遊技者は、小当たりに当選することだけではなく、その当選する小当たり種別にも興味を持つことができ、より長い期間V開閉扉65aが開放される小当たりに当選することを所望しながら遊技を実行する。よって、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで、小当たりに当選する確率を異ならせて規定している。このように構成することにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者に付与する特典を異ならせることができる。また、遊技者に対して、より有利となる特別図柄の抽選をより多く実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。上述した通り、本実施形態では、特定の遊技状態(時短状態)が設定されない限り、遊技者に有利となる第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されないように構成しているため、遊技者に対して、特定の遊技状態が設定されるように意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、大当たり抽選を実行する際に参照されるテーブル(第1当たり乱数テーブル202a)と、小当たり抽選を実行する際に参照されるテーブル(小当たり乱数テーブル202da)と、を別々に構成しているが、これに限ること無く、1つのテーブルを用いて、大当たり抽選と、小当たり抽選とを実行するように構成しても良い。この場合、例えば、第1当たり乱数テーブル202aに、小当たり当選するカウンタ値の範囲を特別図柄の種別毎に規定するように構成すれば良い。このように構成することで、主制御装置110のROM202が有するデータテーブルの数を削減することができる。
以上、説明をしたとおり、本実施形態では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄の種別と、特別図柄の状態と、に応じて予め規定されている判定値に応じて大当たり当選、或いは小当たり当選の判定を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、所定条件が成立するまでの特定期間内における大当たり当選回数や小当たり当選回数に応じて、大当たり当選、或いは小当たり当選として規定されている第1当たり乱数カウンタC1値を可変させるように構成しても良いし、所定の異常条件が成立している状態において実行される大当たり抽選、小当たり抽選において参照される異常時用のデータテーブルとして、大当たりに対応する判定値や小当たりに対応する判定値が規定されていないデータテーブルを設けても良い。
また、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の抽選(変動)と第2特別図柄の抽選(変動)とを同時に(並行して)実行可能に構成し、且つ、両方の特別図柄が同時に(並行して)大当たりに当選しないように(大当たり遊技が実行されないように)制限を設けている。このような制限を有するパチンコ機10において、例えば、一方の特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり当選に対応する大当たり遊技が実行されるまでの期間中は、他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選することが無いように、大当たりに対応する判定値を規定せず、小当たりに対応する判定値のみを規定させた専用のデータテーブルを参照して特別図柄の抽選を実行するように構成しても良い。
次に、図118を参照して、本第4実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の内容について説明をする。図118は本第4実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図118に示した通り、本第4実施形態のRAM203は、上述した第1実施形態のRAM203に対して、第1特別図柄保留球格納エリア203da、第2特別図柄保留球格納エリア203db、普通図柄保留球格納エリア203dc、第1特別図柄保留球数カウンタ203dd、第2特別図柄保留球数カウンタ203de、特図2変動停止フラグ203cf、小当たりフラグ203dg、特図1仮停止フラグ203dh、特図1変動時間カウンタ203di、特図2変動時間カウンタ203dj、特図1減算フラグ203dk、特図2減算フラグ203dl、時短終了待機フラグ203dmを追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第1特別図柄保留球格納エリア203daは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、特図入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。また、第2特別図柄保留球格納エリア203dbは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、遊技球が第2入球口1645に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203daに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、詳細については第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)と同様である。
第1特別図柄保留球格納エリア203da、第2特別図柄保留球格納エリア203db、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)、第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図115参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、小当たり種別カウンタC5の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図39参照)の中で、球が特図入球口64へ球が入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2,C5,CS1の値を取得し、第1特別図柄保留球格納エリア203daにそれぞれ格納する。一方、球が第2入球口1645へ入球(始動入賞)したことを検出すると、第1特別図柄保留球格納エリア203daと同様に、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2,C5,CS1の値を取得し、各対応するエリア(図示せず)にそれぞれ同様に記憶される。
MPU201は、特別図柄変動(抽選)の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203da、第2特別図柄保留球格納エリア203dbに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C2,C5,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリアへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球格納エリア203dcはスルーゲート67への球の通過(始動入賞)検出に伴ってカウンタ用バッファ(図115参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4、普図変動種別カウンタCS2の各値が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図39参照)の中で、球がスルーゲート67を通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4の値、普図変動種別カウンタCS2の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203dcに格納する。普通図柄保留球格納エリア203dcは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4,CS2の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203dcには、スルーゲート67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4,CS2の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203dcに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値、普図変動種別カウンタCS2の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア(図示せず)へシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dd、第2特別図柄保留球数カウンタ203deは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図39参照)の中で検出される特図入球口64または第2入球口1645への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203dd、第2特別図柄保留球数カウンタ203deは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図54のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dd、第2特別図柄保留球数カウンタ203deは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(即ち、保留球数)は、特図入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203daにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203ddが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(即ち、保留球数)は、第2入球口1645に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203dbにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203deが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)または第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C2,C5,CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)または第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されたデータを、第1特別図柄変動開始処理(図123のS255参照)または第2特別図柄変動開始処理(図126のS260)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または特図2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
特図2変動停止フラグ203dfは、第2特別図柄が変動表示中に、第1特別図柄の大当たりが実行されることを示すフラグであって、第2特別図柄の変動表示中に、第1特別図柄の大当たりが実行される場合にオンに設定されるものである。この特図2変動停止フラグ203dfは、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動停止処理(図124のS257参照)のS852においてオンに設定される。また、第2特別図柄変動開始処理(図126のS260参照)のS952の処理において、オフに設定される。
これにより、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり図柄が停止表示された時点で、強制的に外れ図柄で停止表示させた第2特別図柄が再度抽選を実行することを防止することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10の主制御装置110では、1回の特別図柄変動処理4(図119のS151参照)内で、第1特別図柄に関する処理を実行した後に、第2特別図柄に関する処理を実行するように構成することで、各特別図柄に対する変動処理を遅滞なく実行するように構成している。
そして、特別図柄変動処理4(図119のS151参照)において、何れかの特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示されると、主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて大当たり制御処理(図56のS1804)が実行されるように構成している。加えて、特別図柄変動処理4(図119のS151参照)は、現在が大当たり状態または小当たり状態である場合(図151のS251:Yes)には、各特別図柄に対する変動処理(図119のS254〜S263)をスキップするように構成している。
つまり、本実施形態では、特別図柄の抽選結果に基づいて大当たり遊技、或いは、小当たり遊技が実行されている間は、新たな特別図柄変動(抽選)が実行されないように構成しているが、特別図柄変動処理4(図119のS151参照)において先に実行される第1特別図柄に対する変動処理によって、抽選結果が大当たりであることを示すための表示態様で第1特別図柄が停止表示された場合に、その特別図柄変動処理4(図119のS151参照)内で第2特別図柄に対する新たな変動処理が行われるように構成している。
このように構成された本実施形態において、特図2変動停止フラグ203dfを用いることで、抽選結果が大当たりであることを示すための表示態様で第1特別図柄が停止表示された場合に、その特別図柄変動処理4(図119のS154参照)内で第2特別図柄に対する新たな変動処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
小当たりフラグ203dgは、第2特別図柄の当否判定結果が小当たりであることを示すフラグであって、小当たりに当選した場合にオンに設定されるものである。この小当たりフラグ203dgは、第2特別図柄の当否判定結果が小当たりとなる場合にオンに設定され(図128のS1151参照)、当選結果が小当たりである特別図柄変動が停止表示された場合にオフに設定される(図128のS1655参照)。
特図1仮停止フラグ203dhは、特図1の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図1仮停止フラグ203dhは、抽選結果が小当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され(図133のS1652)、特別図柄変動処理4(図119参照)において参照される(図119のS252)。S252の処理においてオンに設定されている場合には、第1特別図柄(特図1)に対応する第1図柄表示装置37の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される(図119のS253)。つまり、特図1仮停止フラグ203dhがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ203dhがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理(図123参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図123のS751:Yes)、オフに設定される(図123のS753)。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選し得るように構成しているため、小当たりに当選したことに基づいて変動表示が仮停止される特別図柄が第1特別図柄のみとなるが、第1特別図柄の抽選についても小当たりに当選し得るように構成した場合は、第2特別図柄の変動表示を仮停止させるために特図2仮停止フラグを設けても良い。
上述した通り、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、大当たりを示す組み合わせで一方の特別図柄が停止したことに基づいて(大当たり遊技が実行されることに基づいて)、他方の特別図柄の変動表示を強制的に外れで停止させる処理と、一方の特別図柄の抽選結果が小当たりである場合には、小当たりを示す組み合わせで一方の特別図柄が停止したことに基づいて、他方の特別図柄の変動表示を一旦停止(小当たり遊技が終了するまで停止)するように構成している。
即ち、一方の特別図柄の抽選結果に応じて、他方の特別図柄の変動表示を様々な態様に加工することができるように構成している。このように構成することで、一方の特別図柄の抽選結果が遊技者に最も有利な遊技結果(例えば、大当たり)となり、その遊技結果を示すための変動表示が実行されている最中に、他方の特別図柄(抽選結果は小当たり)が停止表示されてしまい、小当たりによって大当たりが消去されてしまうことを抑制することができる。
特図1変動時間カウンタ203diは、第1特別図柄の変動時間を計測するためのカウンタであって、第1特別図柄変動パターン選択処理(図122のS357参照)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値がセットされる(図122のS559参照)。そして、第1特別図柄変動実行中処理(図123のS255参照)が実行される毎に値が更新(減算)され、特別図柄変動処理4(図119のS151参照)にて値が0であるかが判別される(図119のS256参照)。ここで、特図1変動時間カウンタ203diの値が0であると判別されると(図119のS256:Yes)、変動中の第1特別図柄を停止させるための第1特別図柄変動停止処理(図119のS257参照)が実行される。
さらに、この特図1変動時間カウンタ203diの値は、第2特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、その値が0にクリアされる(図132のS1555参照)。これにより、第2特別図柄の大当たり停止表示時に第1特別図柄を、外れを示す表示態様で強制的に停止表示した場合に、特図1変動時間カウンタ203diの値が残ってしまい、強制的に停止表示した後に、特図2変動時間カウンタ203djに残された値に基づいて再度第1特別図柄の変動が再開されてしまうことを抑制することができる。
特図2変動時間カウンタ203djは、第2特別図柄の変動時間を計測するためのカウンタであって、第2特別図柄変動パターン選択処理(図129のS956参照)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値がセットされる(図129のS1260参照)。そして、第2特別図柄変動実行中処理(図131のS261参照)が実行される毎に値が更新(減算)され、特別図柄変動処理4(図119のS151参照)にて値が0であるかが判別される(図119のS262参照)。ここで、特図2変動時間カウンタ203djの値が0であると判別されると(図119のS262:Yes)、変動中の第2特別図柄を停止させるための第2特別図柄変動停止処理(図119のS263参照)が実行される。
さらに、この特図2変動時間カウンタ203djの値は、第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、その値が0にクリアされる(図124のS855参照)。これにより、第1特別図柄の大当たり停止表示時に第2特別図柄を、外れを示す表示態様で強制的に停止表示した場合に、特図2変動時間カウンタ203djの値が残ってしまい、強制的に停止表示した後に、特図2変動時間カウンタ203djに残された値に基づいて再度第2特別図柄の変動が再開されてしまうことを抑制することができる。
特図1減算フラグ203dkは、第1特別図柄の変動において、変動停止時に時短カウンタ203hの値を減算するべき変動であるか否かを示すフラグである。この特図1減算フラグ203dkは、第1特別図柄変動開始処理(図120のS258参照)において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合に(図120のS358:Yes)、オンに設定され(図120のS359)、第1特別図柄変動停止処理(図124のS257参照)の時短更新処理(図125のS863参照)にて、特図1減算フラグ203dkがオンであると判別した場合には(図125のS2101:Yes)、時短カウンタ203hの値を減算してから(S2102)、特図1減算フラグ203dkをオフに設定する(S2103)。
なお、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第1特別図柄変動停止処理(図124のS257参照)において、オフに設定される。また同様に、第2特別図柄の抽選において、大当たりに当選した場合には、第2特別図柄変動停止処理(図132のSS263参照)において、オフに設定される。また、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に特図1減算フラグ203dkをオフに設定することで、大当たり遊技終了後、第1特別図柄の変動が仮停止している場合には、変動が再開されてからその変動停止時に、特図1減算フラグ203dkがオフであるかどうかを判別し(図125のS2101)、特図1減算フラグ203dkがオフであると判別した場合には(図125のS2101:No)、時短カウンタ203hの値を減算する処理(図125のS2102参照)をスキップし、その変動を停止する処理を実行する。
このように構成することで、大当たり遊技が終了し、仮停止していた第1特別図柄の変動が再開し、その変動が停止する場合に残時短回数が更新(減算)されることはない。よって、本実施形態では、V入賞により付与された大当たり遊技の終了後の時短遊技は、その大当たりによって規定された特別図柄の抽選回数に加えて、仮停止していた第1特別図柄の残変動時間も時短遊技状態となる。このように構成することで、遊技者にとって有利な期間となる時短遊技状態をより長く設定することができる。
特図2減算フラグ203dlは、第2特別図柄の変動において、変動停止時に時短カウンタ203hの値を減算するべき変動であるか否かを示すためのフラグである、この特図2減算フラグ203dlは、第2特別図柄変動開始処理(図126のS260参照)において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかを判別し(図126のS960参照)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値である(即ち、時短中である)と判別した場合に(S960:Yes)、オンに設定される(図126のS961参照)。そして、特図2外れ停止処理(S1564)の時短更新処理(S1661)にて参照され、オンである場合には、時短カウンタ203hの値を減算し、特図2減算フラグ203dlをオフに設定する。また、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第1特別図柄変動停止処理(図124のS257参照)にてオフに設定され(図124のS860参照)、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第2特別図柄変動停止処理(図132のS263参照)にてオフに設定される(図132のS1560参照)。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選において、大当たりに当選した場合に、第2特別図柄が変動している場合には、その変動を外れで強制停止するよう構成している。上述したように、第1特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合には、この特図2減算フラグ203dlがオフに設定されるよう構成しているため、その外れで強制停止した変動の停止時には、時短カウンタ203hの値を更新する処理をスキップすることができる。よって、処理負荷を軽減することが出来る。
時短終了待機フラグ203dmは、時短状態の終了条件が成立する特図変動が開始されたことを示すフラグである。具体的に、本実施形態では、大当たり遊技の終了後に、時短状態の規定期間として、特別図柄の変動が4回、或いは、15回の変動が実行され、時短状態が終了するよう構成したが、この時短の最終変動が開始され、時短状態が終了させる待機状態であることを示している。
この時短終了待機フラグ203dmは、第1特別図柄変動開始処理(図120のS258参照)において、時短カウンタ203hの値が1である(即ち、時短状態の規定回数の最終変動である)か判別し(S360)、時短カウンタ203hの値が1であると判別した場合に(S360:Yes)、オンに設定される(図120のS361参照)。また、第2特別図柄変動開始処理(図126のS260参照)においても、時短カウンタ203hの値が1である場合には(S962:Yes)、オンに設定される(図126のS963参照)。
そして、特別図柄の変動停止タイミングである時短更新処理(図125のS862参照)が実行された場合、或いは、新たな特別図柄の判別を実行する場合(第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356参照))、第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS955参照))において参照され、時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されている場合に、時短終了待機フラグ203dmがオフに設定される。
このように構成することで、時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されている状態(即ち、待機状態)である場合において、何れかの時短終了タイミングが到来した場合に、各タイミングに応じて確実に時短終了処理を実行させることができる。
<第4実施形態における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図119から図136のフローチャートを参照して、本第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第4実施形態は、上述した第1実施形態における主制御装置110の制御処理に対して、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選と、を重複して(並行して)実行可能に構成している点で相違しており、上述した相違点に対応する制御処理の内容が相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図119を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理4(S151)を説明する。図119は、この特別図柄変動処理4(S151)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理4(図119のS151)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理4(図119のS151)について説明する。
特別図柄変動処理4(図119のS151)では、まず、大当たり遊技中(大当たり中)、或いは小当たり遊技中(小当たり中)であるかを判別する(S251)。ここでは、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて現在が大当たり遊技中(大当たり中)、或いは小当たり遊技中(小当たり中)であるかが判別される。
S251の処理において、大当たり中又は小当たり中であると判別した場合には(S251:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203dhがオンに設定されているかを判別し(S252)、オンに設定されていると判別した場合は(S252:Yes)、仮停止されている特図(本実施形態では第1特別図柄(特図1))に対応する第1図柄表示装置83の表示を更新し(S253)、本処理を終了する。一方、S252の処理において、特図1仮停止フラグ203dhがオンに設定されていないと判別した場合は(S252:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、特図1仮停止フラグ203dhは、第2特別図柄が小当たり当選を示す表示態様で停止表示(確定表示)される場合にオンに設定されるものである。本実施形態では、小当たり遊技が実行されている間は、特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(特図変動表示)に設定されている変動時間が更新(減算)されないように構成しており、その期間は、第1図柄表示装置83にて第1特別図柄の変動表示が仮停止されていることを示すための仮停止表示態様が表示されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、小当たり遊技の開始に伴って実行中であった第1特別図柄の変動表示が仮停止していることを報知することができるため、実行中の第1特別図柄変動が消滅してしまったと遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。なお、第1特別図柄の変動表示が仮停止中であることを示すための表示態様としては、例えば、通常の変動表示中であることを示すための表示態様(例えば、0.2秒間隔で点灯、消灯を繰り返す点滅表示態様)と同一の表示態様でも良いし、変動表示中であることを示すための表示態様よりも点滅間隔が遅い表示態様(例えば、0.5秒間隔で点灯、消灯を繰り替える点滅表示態様)を用いても良い。さらに、第1図柄表示装置83の表示態様として複数色の表示態様を表示可能に構成している場合は、仮停止中である場合にのみ表示され得る専用色を用いた点滅表示態様を用いても良い。
一方、S251の処理において、現在が大当たり中、或いは小当たり中では無いと判別した場合には(S251:No)、特図1変動時間カウンタ203diの値が0よりも大きいか、即ち、第1特別図柄が変動表示中であるかを判別する(S254)。第1特別図柄の変動表示中である(特図1変動時間カウンタ203diの値が0よりも大きい)と判別した場合には(S254:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理を実行する(S255)。
この第1特別図柄変動実行中処理(S255)では、第1特別図柄が変動している期間中に第1図柄表示装置83に表示されている特別図柄の変動表示態様を可変(更新)するための処理が実行される。そして、S255の処理を終えると、次に、第1特別図柄変動実行中処理(S255)にて更新された第1変動時間カウンタ203a2の値が0であるかを判別し(S256)、S256の処理にて特図1変動時間カウンタ203diが0であると判別した場合は(S256:Yes)、第1特別図柄変動停止処理を実行し(S257)、後述するS259の処理へ移行する。
第1特別図柄変動停止処理(S257)では、変動表示中の第1特別図柄に規定されている変動時間が経過した場合に、第1特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄変動停止処理(S257)では、第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、実行中の第2特別図柄を、強制的に外れを示す表示態様で停止表示させる処理が実行される。さらに、実行中の第2特別図柄が大当たりに当選している場合にはその大当たりに関する情報を消去するための処理が実行される。この第1特別図柄変動停止処理(S257)の詳細については、図124を参照して後述する。また、S256の処理にて特図1変動時間カウンタ203diが0では無いと判別した場合は(S256:No)、S257の処理をスキップしてS259の処理へ移行する。
一方、S254の処理において特図1変動時間カウンタ203diが0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S254:No)、即ち、現在が特図1変動中では無いと判別した場合は、次に、第1特別図柄変動開始処理を実行する(S258)。この第1特別図柄変動開始処理(S258)では、第1特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための処理が行われるものであり、新たな抽選(変動)を実行可能な状態であるかの判別と、新たな抽選(変動)を実行可能な状態である場合には、新たな抽選(変動)を行う処理が実行される。この第1特別図柄変動開始処理(S258)については、図120から図122を参照して詳しく後述する。
第1特別図柄変動開始処理(S258)を実行した後、S256の処理で特図1の変動中であると判別(S256:No)した後、或いは、第1特別図柄変動停止処理(S257)を実行した後には、次に、第2特別図柄に関する変動処理(S259〜S263)を実行する。
まず、特図2変動時間カウンタ203djの値が0よりも大きいかを判別する(S259)。即ち、現在が第2特別図柄(特図2)の変動表示中であるかを判別する。S259の処理において特図2変動時間カウンタ203djの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S259:No)、現在が特図2変動中では無い場合であるため、次に、第2特別図柄の新たな抽選(変動)を実行するための第2特別図柄変動開始処理を実行し(S260)、本処理を終了する。
第2特別図柄変動開始処理(S260)では、第2特別図柄保留球数格納エリア203bに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。また、第2特別図柄変動開始処理(S260)では、抽選結果が大当たり(または小当たり)となる場合には、大当たりフラグ203i(または小当たりフラグ203y)をオンに設定する。
一方で、S259の処理において、特図2変動時間カウンタ203djの値が0よりも大きい、即ち、現在が特図2変動中であると判別した場合は(S259:Yes)、次に、第2特別図柄変動実行中処理を実行する(S261)。この第2特別図柄変動実行中処理(S261)の内容については、図131を参照して後述するが、上述した第1特別図柄変動実行中処理(S255)と同様の内容の処理を、処理対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと変更して実行するものである。
そして、第2特別図柄変動実行中処理(S261)を終えると、現在の特図2変動時間カウンタ203djの値が0であるかを判別し(S262)、0であると判別した場合は(S262:Yes)、第2特別図柄変動停止処理を実行し(S263)、その後本処理を終了する。一方、S262の処理において特図2変動時間カウンタ203djの値が0では無いと判別した場合は(S262:No)、S263の処理をスキップして本処理を終了する。
第2特別図柄変動停止処理(S263)については、図132を参照して後述するが、第1特別図柄変動停止処理(S257)と同様に、変動表示中の第2特別図柄に規定されている変動時間が経過した場合に、第2特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第2特別図柄変動停止処理(S263)では、第2特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、実行中の第1特別図柄変動を、強制的に外れを示す表示態様で停止表示させる処理が実行される。さらに、実行中の第2特別図柄が大当たりに当選している場合にはその大当たりに関する情報を消去するための処理が実行される。加えて、本実施形態では第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し得るように構成していることから、第2特別図柄の抽選結果が大当たりでは無い場合に、小当たり或いは、外れに対応した処理が実行される。
以上、図119を参照して説明をした通り、本実施形態では第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)と、を同時に(並行して)実行可能な構成において、1回の特別図柄変動処理内で第1特別図柄に関する変動処理(S254〜S258)と、第2特別図柄に関する変動処理(S259〜S263)と、を実行するように構成している。よって、各特別図柄に対して新たな抽選(変動)の実行が可能となった場合に遅滞なく変動処理を実行することができ、円滑な遊技を提供することができる。
また、本実施形態では、1回の特別図柄変動処理において、第1特別図柄に関する変動処理を第2特別図柄に関する変動処理よりも先に(優先して)実行するように構成している。このように、各特別図柄の処理順位を明確に設定することにより、たとえ、第1特別図柄の変動停止タイミングと第2特別図柄の変動停止タイミングとが同一となったとしても、優先して第1特別図柄の変動停止処理が実行されることになる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄に関する変動処理を、第2特別図柄に関する変動処理よりも優先して実行するように構成しているが、これに限ること無く、第2特別図柄に関する変動処理を、第1特別図柄に関する変動処理よりも優先して実行するように構成してもよい。
また、設定されている遊技状態において遊技者に有利となる抽選が実行される特別図柄種別に対する変動処理を優先して実行するように構成しても良く、設定される遊技状態に応じて遊技者に有利となる抽選が実行される特別図柄種別が切り替わるパチンコ機10であれば、変動処理を実行する特別図柄種別の順番を切り替える手段を設けると良い。このように構成することで、遊技者に有利となる抽選の抽選結果が、遊技者に不利となる抽選結果によって消滅(破棄)されてしまうことを抑制することができる。
次に、図120を参照して、特別図柄変動処理4(図119のS151)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S258)について説明する。図120は、この第1特別図柄変動開始処理(S258)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図120のS258)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)を取得し(S351)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が0より大きいかを判別する(S352)。第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S352:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)を1減算する(S353)。
そして、減算後の保留球数を示した保留球数コマンドを設定し(S354)、第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S355)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S356)。第1特別図柄大当たり判定処理(図120のS356)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S357)。第1特別図柄変動パターン選択処理(S357)は、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納された変動種別カウンタCS2の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理(S357)を実行し、次に、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるか、即ち、現在の遊技状態が時短中であるかどうかを判別する(S358)。時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合には(S358:Yes)、特図1減算フラグ203dkをオンに設定し(S359)、S360の処理に移行する。一方、S358の処理において時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S358:No)、遊技状態は通常状態であるため、そのまま本処理を終了する。このように、時短カウンタ203hの値が0より大きい値である場合、即ち、時短中である場合には、特図1減算フラグ203dkをオンに設定することで、変動停止時に時短中に開始された変動であるかを判別することができ、変動停止時に時短の終了条件を更新(時短カウンタ203hの値を減算)することができる。
上述したS359の処理を実行した後、時短カウンタ203hの値が1であるか判別する(S360)。即ち、時短状態の終了条件である最終変動であるか判別する。時短カウンタ203hの値が1であると判別した場合には(S360:Yes)、時短終了待機フラグ203dmをオンに設定し(S361)、本処理を終了する。一方、S360の処理において、時短カウンタ203hの値が1ではないと判別した場合には、時短遊技状態の最終変動ではないため、そのまま本処理を終了する。
次に、図121を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図120のS258)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S356)について説明する。図121は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S356)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S451)。そして、時短の終了条件が成立し待機している状態であるか、即ち、第2特別図柄の抽選で時短の最終変動が実行されている状態であるか否かを判別するために、時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されているかを判別する(S452)。時短終了待機フラグ203dmがオンである(即ち、第2特別図柄が時短の最終変動中である)と判別した場合には(S452:Yes)、今回設定されている時短状態の期間は終了しているため、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定し(S453)、時短終了待機フラグ203dmと特図2減算フラグ203dlをオフに設定する(S454)。次に、時短カウンタ203hの値を0に設定し(S455)、遊技状態が通常状態に切り替わったことを示す状態コマンドを設定し(S456)、S457の処理に移行する。一方、S452の処理において、時短終了待機フラグ203dmがオンではないと判別した場合(S452:No)、時短状態の最終変動が実行されている状態ではないため、S453〜S456の処理をスキップし、S457の処理に移行する。
このように、時短状態の終了を待機している状態(他方の特別図柄で時短状態の最終変動が開始されている状態)である場合には、特別図柄の抽選結果を取得する前に、遊技状態を通常状態に設定することで、時短遊技状態が終了しているにも関わらず、時短状態の最終変動が実行されている特別図柄の変動が終了するまで、他方の特別図柄で時短遊技状態に基づく遊技を実行してしまうという不具合をなくすことが出来る。よって、適正な遊技を遊技者に提供することができる。
S452またはS453の処理を終えると、次に、第1当たり乱数テーブル202a(図23(b)参照)に基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否を判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S457)。そして、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S458)、大当たりであると判別した場合は(S458:Yes)、第1特別図柄の大当たり当選を示すように大当たりフラグ203iをオンに設定する(S459)。本実施形態では大当たりフラグ203iが、大当たり当選の有無を示す情報に加え、大当たり当選した特別図柄の種別を示す情報も記憶(設定)することが可能に構成されており、具体的には、特別図柄種別毎に大当たりの有無を示す情報を設定可能に構成している。よって、S459の処理では、大当たりフラグ203iのうち、第1特別図柄に対応する領域に対して大当たりを示す情報が設定される。
そして、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S460)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S461)、本処理を終了する。一方、S458の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S458:No)、第1図柄表示装置37に第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S462)、本処理を終了する。
次に、図122を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図120のS258)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S357)について説明する。図122はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S357)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図236のS357)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S551)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203iがオンであるか否かで判別される。この大当たりフラグ203iは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図121参照)におけるS459の処理でオンに設定されるものである。
S551の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S551:Yes)、大当たり種別選択4テーブル202dbと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S552)。次いで、第1特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S553)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、潜伏状態、確変状態)に対応した変動パターン選択4テーブル202dcを読み出す(S554)。
そして、S553の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S554の処理で読み出した変動パターン選択4テーブル202dcとに基づいて変動パターンを選択し(S555)、S555の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S556)。
次に、第1特別図柄の停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定し(S557)、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(S558)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図1変動時間カウンタ203diの値にセットし(S559)、本処理を終了する。
一方、S551の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、第1特別図柄に対する大当たりフラグ203iがオフである)と判別した場合には(S551:No)、S552の処理をスキップしてS553の処理へ移行する。
次に、図123を参照して、特別図柄変動処理4(図119のS151)の一処理である第1特別図柄変動実行中処理(S255)について説明をする。図123は第1特別図柄変動実行中処理(S255)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理(S255)では、実行中の特別図柄変動の変動時間を更新するための処理と、第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選したことにより中断された特別図柄変動を再開するための処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理(S255)では、まず、特図1仮停止フラグ203dhがオンに設定されているかを判別する。この特図1仮停止フラグ203dhは第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合にオンに設定されるものである。本実施形態では、一方の特別図柄にて小当たりに当選した時点で、他方の特別図柄が変動表示中である場合には、その他方の特別図柄変動を所定期間(小当たり当選から小当たり遊技が終了するまでの期間)中断し、所定期間経過後(小当たり遊技終了後)に再度他方の特別図柄変動を再開させるように構成している。
このように構成することで、一方の小当たり遊技中に他方の特別図柄変動が終了してしまい、遊技者に分かり難い遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。さらに、一方の特別図柄抽選で小当たり遊技に当選したことに基づいて、他方の特別図柄抽選の抽選結果が破棄されることが無いため、例えば、小当たりに当選したことによって、大当たり当選となる抽選結果(小当たり当選よりも遊技者に有利となる抽選結果)が破棄されてしまう事態が発生することを禁止(抑制)することができる。
S751の処理において、特図1仮停止フラグ203dhがオンに設定されていると判別した場合は(S751:Yes)、特図1変動再開コマンドを設定し(S752)、特図1仮停止フラグをオフに設定し(S753)、特図1変動時間カウンタ203diの値を1減算し(S754)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の表示を更新し(S755)、本処理を終了する。
本実施形態では、2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理(図39参照)にて実行される特別図柄変動処理4(図119のS151参照)内で、第1特別図柄変動実行中処理(図119のS255参照)を実行するように構成しており、その第1特別図柄変動実行中処理(図123のS255参照)内で特図1変動時間カウンタ203diの値を更新(1減算)するように構成している。よって、例えば、第1特別図柄の変動時間として30秒の変動時間が設定された場合には、特図1変動時間カウンタ203diの値として「15000」が設定され、2ミリ秒毎に値が1減算されるように構成している。
一方、S751の処理において特図1仮停止フラグ203dhがオンに設定されていないと判別した場合(S751:No)、即ち、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選していないと判別した場合は、S752,S753の処理をスキップしてS754の処理へ移行する。
次に、図124を参照して、特別図柄変動処理4(図119のS151)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S257)について説明する。図124はこの第1特別図柄変動停止処理(S257)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(S257)は、現在が特図1変動時間カウンタ203diの値が「0」であると判別した場合、即ち、第1特別図柄(特図1)の変動時間が経過した場合に実行される処理である。
第1特別図柄変動停止処理(図124のS257)を実行すると、まず第1特別図柄(特図1)に対して大当たりフラグ203iがオンに設定されているかを判別する(S851)。第1特別図柄に対して大当たりフラグ203iがオンに設定されていると判別した場合には(S851:Yes)、次に、特図2変動停止フラグ203dfをオンに設定し(S852)、特図2変動停止フラグ203dfがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S853)。
次に、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S854)、特図2変動時間カウンタ203djの値を0に設置する(S855)。これにより、第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、実行中の第2特別図柄(特図2)の変動表示を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示(確定表示)することができる。
S855の処理を終えると、次に、第2特別図柄に対する大当たりフラグ203iがオンに設定されているかを判別し(S856)、オンに設定されていると判別した場合は(S856:Yes)、上述したS854の処理にて強制的に外れで停止表示された第2特別図柄に対して第2特別図柄の抽選結果を適応させるために、第2特別図柄に対する大当たりフラグ203iをオフに設定し(S857)、特図2大当たりに対する記憶情報を削除し(S858)、S859の処理へ移行する。一方で、S856の処理において、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選していないと判別した場合は、S857,808の処理をスキップして、S859の処理へ移行する。
S859の処理では、まず、今回の特別図柄変動で当選した大当たりシナリオを設定し、(809参照)次いで、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203i、特図1減算フラグ203dk、特図2減算フラグ203dl、時短終了待機フラグ203dmをオフに設定し、時短カウンタ203hの値をリセットする(S860)。そして、遊技状態格納エリア203gに現在の遊技状態が大当たり中(大当たり遊技中)であることを示す情報を記憶する(S861)。遊技状態格納エリア203gは、抽選遊技に関する遊技状態(通常状態、時短状態)と、当たり遊技に関する遊技状態(大当たり中、小当たり中)とを分けて記憶することができるように構成しており、S861の処理を実行することにより、大当たり当選したタイミングにおける抽選遊技に関する遊技状態(通常状態、時短状態)と、大当たり中であることを示す遊技状態とが記憶される。
このように構成することで、大当たり遊技終了時点で、大当たりに当選したタイミングで設定されていた遊技状態を判別することができる。
S861の処理を終えると、次に、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定し(S863)、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S864)、本処理を終了する。
一方、S851の処理において、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合には(S851:No)、時短更新処理(S862)を実行し、上述したS863の処理に移行する。時短更新処理(S862)の詳細な説明については、図125を参照し後述する。
このように、第1特別図柄変動停止処理(S257)では、第1特別図柄の抽選(第1抽選遊技)結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S859〜S864)が実行される。また、今回の抽選結果が大当たりである場合には(S851:Yes)、変動中の第2特別図柄が、抽選結果が外れとなるように強制的に停止表示される(S854)。このように、一方の特別図柄を、大当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)させる処理において、変動中の他方の特別図柄を強制的に停止させる処理を実行するように構成することで、同時に実行される複数の特別図柄変動に対して適正な処理を実行することができる。
つまり、本実施形態のパチンコ機10のように、第1特別図柄に関する変動処理と、第2特別図柄に関する変動処理とを順に実行する構成において、第1特別図柄の抽選結果に基づいて実行される第2特別図柄の変動処理(強制停止処理)を、第1特別図柄に関する変動処理内で実行することにより、第2特別図柄に関する変動処理が実行されていないタイミングで第2特別図柄を強制停止することができるため、第2特別図柄に関する処理が重複してしまうことを防ぐことができスムーズに処理を実行することができる。
なお、本実施形態では一方の特別図柄が大当たりを示す図柄で停止表示したタイミングで他方の特別図柄を、外れを示す図柄で強制的に停止させる処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、一方の特別図柄が大当たりに当選したと判別した場合、即ち、第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356)において今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合(図121のS458:Yes)に、他方の特別図柄の変動を強制的に外れ図柄で停止させるように構成しても良い。この場合、強制的に外れ停止された他方の特別図柄に対して、一方の特別図柄の大当たり変動が終了するまでの期間、大当たりに当選することのない特殊変動を実行させるように構成すると良い。このように構成することで、一方の特別図柄で大当たりに当選した際に強制的に他方の特別図柄変動を停止させたことを遊技者が気づき難くすることができる。よって、他方の特別図柄変動が強制的に停止表示されたことを判別し、大当たり当選の有無を遊技者が把握してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一方の特別図柄が大当たりを示す図柄で停止表示した場合に、実行中の他方の特別図柄変動に対する抽選結果を破棄するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、一方の特別図柄に基づく大当たり遊技が終了するまでの間、他方の特別図柄変動を中断し、大当たり遊技終了後に中断中の特別図柄変動を再開させるように構成しても良い。これにより、遊技者が実行した抽選遊技の遊技結果が破棄されることにより遊技者がパチンコ機10に不信感を持ってしまうことを抑制することができる。
加えて、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、実行中の他方の特別図柄変動を制御する場合に、実行中の他方の特別図柄の抽選結果に応じて変動制御内容を異ならせるように構成しても良く、例えば、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示したタイミングで、第2特別図柄の抽選が外れであることを示すための変動(外れ変動)中である場合には、その抽選結果を破棄し、且つ、その外れ変動を強制停止させる強制停止処理を実行し、第2特別図柄の抽選結果が当たり(大当たり、小当たり)であることを示すための変動(当たり変動)中である場合には、第1特別図柄の大当たり遊技が終了した後に、第2特別図柄の変動が再開できるように中断処理を実行するように構成しても良い。
この場合、第1特別図柄の大当たり遊技が終了した後に、新たな第2特別図柄変動が実行されるのか、中断中の第2特別図柄変動が再開されるのかについて遊技者に興味を持たせながら遊技を行わせることができる。さらに、このような構成を用いた場合は、第1特別図柄の大当たり遊技中における第2特別図柄の状況(中断中か否か)を遊技者に示唆するための示唆演出を実行するように構成すると良い。
次に、図125を参照して、特別図柄の変動停止処理(第1特別図柄変動停止処理(図119のS151参照)、第2特別図柄変動停止処理(図132のS263参照))の一処理である時短更新処理(S862(S1661))について説明する。図125はこの時短更新処理(S862(S1661))の内容を示すフローチャートである。この時短更新処理(S862(S1661))では、遊技状態が時短状態である場合に、特別図柄の変動停止時に時短カウンタ203hの値を更新し、終了条件が満たされる場合には、遊技状態を通常状態へと移行する処理を実行する。なお、後述する説明では、第1特別図柄の変動が停止される場合の処理について説明するが、対象が第2特別図柄である場合にも同様の処理を実行する。
時短更新処理(S864(S1661))が実行されると、まず、特図1減算フラグ203dkがオンであるかどうか、即ち、今回実行されている特別図柄の変動が、時短遊技中に変動を開始したものであるかどうかを判別する(S2101)。特図1減算フラグ203dkがオンではある、即ち、時短遊技中に変動を開始していると判別した場合には(S2101:Yes)、時短カウンタ203hの値を減算する(S2102)。そして、特図1減算フラグ203dkをオフに設定し(S2103)、S2104の処理に移行する。一方、S2101の処理において、特図1減算フラグ203dkがオンではないと判別した場合には(S2101:No)、時短状態の更新の契機となる変動停止ではないため、S2102〜S2106の処理をスキップし、S2107の処理へと移行する。
上述したように、特別図柄の変動開始時に、遊技状態が時短状態である場合には、対応する図柄種別の減算フラグをオンに設定することで変動停止時に、時短カウンタ203hの値を減算することができる。よって、時短遊技状態の最終変動が停止するまで時短遊技状態を設定することが出来る。このように構成することで、遊技者にとって有利となる時短遊技状態を、最大限長い期間として提供することができる。
また、上述したように、本実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、第1特別図柄の変動を仮停止し、小当たり遊技が終了するまでの期間は変動を再開しないよう構成している。そして、その小当たり遊技中にV入賞が発生し、大当たりが付与され、その大当たり遊技終了後に、仮停止していた第1特別図柄の変動が再開する。さらに、詳しくは図137を参照し後述するが、大当たり遊技が開始される前に特図1減算フラグ203dkをオフに設定するため、仮停止していた変動が再開し停止する場合には、特図1減算フラグ203dkがオフであるため、時短カウンタ203hの値が減算されない。即ち、V入賞による大当たり遊技終了後の仮停止していた特別図柄の変動停止時には残時短回数が減算されないように構成している。このように構成することで、大当たり種別により設定された時短の規定期間に加えて、仮停止していた特図の残変動時間も時短遊技が設定されるため、遊技者にとって有利な期間となる時短状態を最大限長い期間となるよう設定することができる。よって、遊技の興趣が向上する。
S2104の処理では、時短終了待機フラグ203dmがオンであるか判別する(S2104)。時短終了待機フラグ203dmがオンであると判別した場合(S2104:Yes)、即ち、今回の特別図柄の変動が時短の最終変動であり、また、第2特別図柄(他方の特別図柄)において、時短の最終変動から次の変動が開始されていない状態である場合には、遊技状態を通常状態へと移行するタイミングであるため、時短終了待機フラグ203dmをオフに設定し(S2105)、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定する(S2106)。そして、S2107の処理へ移行する。
一方、S2104の処理において、時短終了待機フラグ203dmがオンではないと判別した場合には(S2104:Yes)、時短遊技の最終変動が実行されていない状態、即ち、時短状態が継続している状態であるため、上述したS2105〜S2106の処理をスキップし、S2107の処理に移行する。このように、同時変動タイプの遊技機において、時短遊技の最終変動となる変動の停止時に、他方の特別図柄で時短遊技状態の規定回数を超えた変動(最終変動から次の変動)が実行されていないかを判別し、実行されていない場合には、遊技状態を移行させる。このように構成することで違和感のない遊技を遊技者に対し提供することができる。
S2101、S2104、S2106のいずれかの処理が終了するとS2107の処理に移行する。S2107の処理では、時短カウンタ203hの値と遊技状態とを示すコマンドを設定し(S2107)、本処理を終了する。
次に、図126を参照して、特別図柄変動処理4(図119のS151)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S260)について説明する。図126はこの第2特別図柄変動開始処理(S260)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(S260)が実行されると、まず、特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されているかを判別する(S951)。即ち、本処理が実行される直前に(同一の特別図柄変動処理4(図119のS151参照)内で)実行された第1特別図柄の抽選(第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356参照))にて大当たりに当選したか否かを判別する。
S951の処理において、特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されていると判別した場合は(S951:Yes)、第2特別図柄の変動を開始するための各種処理をスキップし、特図2変動停止フラグ203dfをオフに設定し(S952)、本処理を終了する。つまり、本実施形態では、特図2変動停止フラグ203dfを用いることで、第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356参照)において、第1特別図柄を大当たり図柄で停止表示すると共に、第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させた後に、新たな第2特別図柄変動が実行されることを禁止している。これにより、第1特別図柄に関する変動処理内で第2特別図柄を強制的に停止表示させたとしても不具合が生じること無く制御処理を実行することができる。
本実施形態では、S951の処理において特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されていると判別すると(S951:Yes)、特図2変動停止フラグ203dfをオフに設定するように構成しているため、特図2変動停止フラグ203dfを設定することで、第2特別図柄変動開始処理(図126のS260)を1回だけスキップすることができるように構成している。
これは、第2特別図柄変動開始処理(S260)が実行される直前に(同一の特別図柄変動処理4(図119のS151参照)内で)実行された第1特別図柄の抽選(第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356参照))にて大当たりに当選した場合のみ、直後に実行される第2特別図柄変動開始処理(図126のS260)をスキップすれば、その後、第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356参照)にて設定された大当たり情報(大当たりシナリオ)に基づいて大当たり遊技が開始され、特別図柄変動処理4(図119のS151参照)のS251の処理によって、大当たり遊技が終了するまで、第2特別図柄変動開始処理(図119のS260)が実行されないように構成されているためである。
このように構成することで、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、他方の特別図柄の変動処理をスキップする処理を簡素化することができるため、主制御装置110にて実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(大当たり当選)である場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示(外れ図柄で停止表示)させ、一方の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技が実行されるまで、他方の特別図柄の新たな変動(抽選)が実行されないようにするために特図2変動停止フラグ203dfを設定し他方の特別図柄の変動処理を1回スキップさせる構成を用いているが、これ以外の構成を用いても良い。
つまり、一方の特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(大当たり当選)である場合に、その大当たり当選に基づく大当たり遊技が終了するまで、他方の特別図柄抽選(変動)で大当たりに当選しないように構成すれば良く、例えば、後述する主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて大当たり遊技を実行するための大当たり制御処理(図56のS1804参照)が実行される場合に、特図2変動停止フラグ203dfをオフに設定するように構成しても良い。
このように構成することで、特図2変動停止フラグ203dfをオンにするタイミングを第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示されるタイミングよりも前に設定したとしても、大当たり遊技が実行されるまで新たな第2特別図柄の変動(抽選)が実行されることを禁止することができる。
また、本実施形態では、特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されている状態で第2特別図柄変動開始処理(図126のS260参照)が実行された場合に、第2特別図柄の変動処理をスキップする、即ち、新たな変動を開始しない(第2特別図柄を停止させたままにする)ように構成しているが、これに限ること無く、特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されている場合専用の第2特別図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。
この場合、大当たりに当選しない特殊抽選を用いて第2特別図柄の抽選を行い、その特殊抽選の結果に基づいて決定した変動パターンに対応する期間、第2特別図柄の変動表示を実行するように構成しても良いし、第2特別図柄の抽選を実行すること無く、第1特別図柄の大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されるまでの期間、大当たり遊技中の特定タイミングに到達するまでの期間、或いは、大当たり遊技が終了するまでの期間、第2特別図柄を変動表示するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して、特別図柄変動を強制停止させたことを分かり難くすることができる。
なお、上述した各特別図柄に関する変動処理の内容は、その内容を示すコマンドを設定することにより、適宜、音声ランプ制御装置113側へと出力されるように構成されており、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される第3図柄、第4図柄の変動表示を上述した第1図柄表示装置37に表示される各特別図柄の表示態様と同期させることができるように構成しているが、第1図柄表示装置37に表示される第2特別図柄を強制停止させている間、第2特別図柄が強制的に停止表示されたことを示すコマンドを音声ランプ制御装置113側で受信した場合に、第3図柄表示装置81にて変動表示される第2特別図柄に対応する第3図柄、或いは、第4図柄を用いて、強制停止中の変動演出を実行するように構成しても良い。
このように、遊技者が視認し易い第3図柄表示装置81に特別図柄の変動表示と同期させて変動表示される各図柄(第3図柄、第4図柄)を用いて、実際の第2特別図柄が強制停止中に変動演出を実行するように構成した場合であっても、遊技者に対して、特別図柄変動を強制停止させたことを分かり難くすることができる。
S951の処理において、特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されていない、即ち、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示されていないと判別した場合は(図126のS951:No)は、S953〜S959の処理を実行し、後述するS960の処理へ移行する。このS953〜S959の処理は、上記した第1特別図柄変動開始処理(図120のS258)のS351〜S357までの各処理に対して、第1特別図柄保留球数カウンタ203dd、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、第1特別図柄保留球格納エリア203da、第1特別図柄大当たり判定処理(S355)、第1特別図柄変動パターン選択処理(S356)を、第2特別図柄保留球数カウンタ203de、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア203db、第2特別図柄大当たり判定処理(S958)、第2特別図柄変動パターン選択処理(S959)に変更した点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
さらに、第2特別図柄変動パターン選択処理(S909)を実行した後、S960〜S963の処理を実行し、本処理を終了する。このS960〜S963の処理は、上述した第1特別図柄変動開始処理(図120のS258)のS358〜S361までの各処理に対して、特図1減算フラグ203dkを特図2減算フラグ203dlに変更した点を除いては同一であるのでその説明は省略する。
上述したように、本実施形態では、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動が同時に実行される遊技機であるため、両方の特別図柄の変動開始時に、同一の処理を実行することで他方の特別図柄において、残時短回数が減算されないなどの不具合を防止することが出来る。
次に、図127を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図126のS260)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S955)について説明する。図127は、第2特別図柄大当たり判定処理(S955)を示すフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理(S955)は、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356)に対して、対象となる特別図柄の種別を第1特別図柄から第2特別図柄へと変更し、その他、一部処理を追加したものである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS955)では、上記した第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356)に対して、次の点で相違する。即ち、S451の処理に対応するS1051の処理で、第1特別図柄保留球実行エリア(図示せず)を、第2特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に変更した点と、S452〜S461の処理に対応するS1052〜S1061の処理で、対象を特図1(第1特別図柄)から特図2(第2特別図柄)に変更した点と、特別図柄の抽選結果が外れである場合に実行される処理を変更した点で相違する。その他の点は同一であるので、その説明は省略する。
第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS955)において、今回の抽選が大当たりでは無いと判別した場合は(S1058:No)、特図2外れ変動処理を実行し(S1062)、本処理を終了する。
この特図2外れ変動処理(S1062)は、第2特別図柄の抽選結果が大当たり以外、即ち、小当たり、或いは外れである場合に実行される処理である。詳細な説明は図128を参照して後述するが、抽選結果が外れである場合は、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356)のS462の処理と同様の処理が実行され、抽選結果が小当たりである場合は、小当たり当選に対応する処理が実行される。
ここで、図128を参照して、特図2外れ変動処理(S1062)の内容について説明をする。図128は、特図2外れ変動処理(S1062)を示したフローチャートである。
特図2外れ変動処理(S1062)では、まず、今回の抽選結果(第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS955参照)のS1057の処理で取得した抽選結果)が小当たりであるかを判別する(S1151)。
S1151の処理で小当たりに当選していると判別した場合は(S1151:Yes)、小当たりフラグ203dgをオンに設定し(S1152)、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S1153)、次いで、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の小当たり図柄をセットし(S1154)、本処理を終了する。
一方、S1151の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無い、即ち、外れであると判別した場合は(S1151:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S1155)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、第2特別図柄変動開始処理(図126のS260参照)の一処理として実行される特図2外れ変動処理(図128のS1062)、即ち、特別図柄の変動(抽選)を開始するタイミングにて実行される処理で小当たりに当選したと判別した場合に小当たりフラグ203dgをオンに設定することで、第2特別図柄の変動停止タイミングでその小当たりフラグ203dgの設定状況に基づいて小当たり当選に対応する処理を容易に実行することができる。
次に、図129を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図126のS260)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S959)について説明する。図129はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S959)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図129のS959)では、上記した第1特別図柄変動パターン選択処理(図122のS357)に対して、次の点で相違する。S551の処理に対応するS1251の処理で、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)が特図2抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)に変更される点と、S552〜S559までの各処理に対応するS1252〜S1256、S1258〜S1260の各処理で、特図1変動パターンコマンド(第1特別図柄の変動パターンコマンド)が特図2変動パターンコマンドに変更される点と、特図2外れ変動パターン選択処理(S1257)の処理を追加する点と、でそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図130を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図126のS260)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S959)にて実行される特図2外れ変動パターン選択処理(図130のS1257)の内容について説明をする。
第2特別図柄変動開始処理(図126のS260)が実行されると、まず、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別する(S1351)。このS1351の処理では、第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS959参照)のS1057の処理にて取得した抽選結果に基づいて判別を実行する。
S1351の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S1351:Yes)、次に、小当たり種別カウンタC5の値を取得し(S1352)、取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて小当たり種別を選択する(S1353)。なお、本実施形態のパチンコ機10では、小当たり種別が1種類しかないため、取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて異なる小当たり種別が設定されることがないが、例えば、複数の小当たり種別を設定可能に構成されたパチンコ機10であれば、取得した小当たり種別カウンタC5の値の範囲に対して異なる小当たり種別が規定される小当たり種別選択テーブルを設け、S1352及びS1353の処理によって異なる小当たり種別を選択するように構成すれば良い。
本実施形態のように、小当たり種別が1種類しかないにも関わらず、S1352及びS1353の処理を用いるように構成しておくことで、例えば、パチンコ機10の開発期間中に遊技の仕様が変更されたとしても、その変更に対して容易に対応をすることができる。
S1353の処理を終えると、次いで、現在の遊技状態に応じた変動パターン選択テーブルを読み出し(S1354)、読み出した変動パターン選択テーブルと、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて小当たり用の変動パターン(小当たり変動パターン)を選択する(S1355)。そして、S1355の処理で選択した小当たり変動パターンを示す特図2変動パターンコマンドを設定し(S1356)、本処理を終了する。
一方、S1351の処理で、今回の抽選結果が小当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1351:No)、抽選結果が外れである場合の処理(S1357〜S1359)を実行する。S1357の処理では、まず、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブルを読み出し(S1357)、取得した変動種別カウンタCS2の値に基づいて変動パターンを選択し(S1358)、選択した変動パターンに基づいて特図2変動パターンコマンドを設定し(S1359)、本処理を終了する。
次に、図131を参照して、特別図柄変動処理4(図119のS151)の一処理である第2特別図柄変動実行中処理(S261)の内容について説明をする。図131は、第2特別図柄変動実行中処理(S261)を示したフローチャートである。本実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選しないように構成しているため、この第2特別図柄変動実行中処理(S261)では、上述した第1特別図柄変動実行中処理(図123のS255参照)に対して、他方の特別図柄にて小当たりに当選(小当たり遊技を実行)した場合に設定されるフラグ(特図1仮停止フラグ203dh)がオンに設定されているかを判別する処理を省略している点で相違し、それ以外は、処理の対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと変更した点以外が同一であるため、その詳細な説明を省略する。
なお、第1特別図柄の抽選において小当たりに当選し得るように構成したパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選したこと(小当たり遊技が実行されること)を示すためのフラグ(例えば、特図2仮停止フラグ)を設け、この第2特別図柄変動実行中処理にて、上述した第1特別図柄変動実行中処理(図123のS255参照)と同様の処理を実行すれば良い。
次に、図132を参照して、特別図柄変動処理4(図119のS151)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S263)について説明する。図132はこの第2特別図柄変動停止処理(S263)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動停止処理(S263)では、上記した第1特別図柄変動停止処理(図124のS257参照)に対して、処理の対象を第1特別図柄から第2特別図柄に変更した点と、抽選結果が大当たり以外である場合に実行される処理の内容を変更した点と、他方の特別図柄の変動を停止させるためのフラグを設定する処理とを省略した点で相違する。
即ち、第1特別図柄変動停止処理(図124のS257参照)におけるS852の処理を削除した点と、S851及びS853〜S864の処理対象を第2特別図柄に変更した点(S1551及びS1553〜S1513)と、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合に(S1551:No)、特図2外れ停止処理(S1558)を実行する点とでそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、図133を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図132参照)において実行される特図2外れ停止処理(S1564)の内容について説明をする。図133は特図2外れ停止処理(S1564)の内容を示したフローチャートである。この特図2外れ停止処理(S1564)は、第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS955参照)にて取得した抽選結果が大当たり以外(小当たり、または外れ)である場合に対応した特別図柄変動の停止処理を実行するものである。
特図2外れ停止処理(S1564)が実行されると、まず小当たりフラグ203dgがオンに設定されているかを判別し(S1651)、小当たりフラグ203dgがオンに設定されていると判別した場合は(S1651:Yes)、特図1仮停止フラグ203dhをオンに設定し(S1652)、特図1仮停止フラグ203dhがオンに設定されたことを示すための特図1仮停止コマンドを設定する(S1653)。ここで設定された特図1仮停止コマンドは、主制御装置110のメイン処理(図55参照)で実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113へと出力される。そして、音声ランプ制御装置113側で特図1仮停止コマンドを受信した場合には、第1特別図柄(特図1)が仮停止したこと(していること)を示すための仮停止態様を第3図柄表示装置81に表示させるための表示用コマンドを設定し、表示制御装置114へと出力する。表示制御装置114は受信した表示用コマンドに基づいて第3図柄表示装置81に特図1の仮停止態様表示を表示するための処理を実行する。このように構成することで、遊技者に対して、第1特別図柄が仮停止していることを容易に把握させることができる。
図133に戻り説明を続ける。S1653の処理を終えると、次に、小当たり遊技に対応する小当たりシナリオ(小当たり用の開放動作シナリオ)を設定し(S1654)、小当たりフラグ203dgをオフに設定し(S1655)、遊技状態格納エリア203gに小当たり遊技中(小当たり中)であることを示す当たり情報を記憶し(S1656)、第2特別図柄が小当たりを示す図柄(小当たり図柄)で停止表示(確定表示)されることを示すための特図2確定コマンドをセットし(S1657)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止(確定表示)する(S1658)。そして、残時短回数の減算などの処理を行う時短更新処理(S1661(S863))を実行し、本処理を終了する。
一方、S1651の処理で小当たりフラグ203dgがオフに設定される場合は(S1651:No)、第2特別図柄が外れを示す図柄(外れ図柄)で停止表示(確定表示)されることを示すための特図2確定コマンドをセットし(S1659)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で変動停止(確定表示)する(S1660)。そして、時短更新処理を実行し(S1661(S863))、本処理を終了する。
なお、時短更新処理(S1661(S863))については、図125を参照して上述した時短更新処理(S863(S1661))のS2101とS2104の処理において参照した特図1減算フラグ203dkを、特図2減算フラグ203dlに変更する点で相違するのみであるため、その詳細な説明を省略する。
以上、説明をした通り、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が停止されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりを示す図柄(大当たり図柄)が停止表示された場合に、他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図134を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図39)の一処理である始動入賞処理4(S152)を説明する。図134は、この始動入賞処理4(S152)を示すフローチャートである。始動入賞処理4(図134のS152)は、特図入球口64、第2入球口1645のいずれかに球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(特図入球口64、第2入球口1645にそれぞれに最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203daまたは第2特別図柄保留球格納エリア203dbにそれぞれ格納する処理である。
また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203daまたは第2特別図柄保留球格納エリア203dbにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203daまたは第2特別図柄保留球格納エリア203dbのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理4(図134のS152)について説明する。
始動入賞処理4(図147のS152)では、まず、球が第1始動口である特図入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S1751)。ここでは、特図入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が特図入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別する(S1751:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)を取得し(S1752)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S1753)。
つまり、現時点で特図入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S1753:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)を1加算し(S1754)、音声ランプ制御装置113に対して特図入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S1755)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリア203aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)する(S1756)。
次に、第1先読み処理を実行する(S1757)。この第1先読み処理(S1757)については、図135を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203daに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本実施形態では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203daに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203daに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、第1特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、第1特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、第1特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、第2特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
そして、S1757の処理を実行すると、次にS1758の処理を実行する。また、S1751の処理で球が特図入球口64に入球していないと判別した場合(S1751:No)、或いは、S1753の処理で、現時点で特図入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S1753:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)を加算する処理をスキップして、S1758の処理へ移行する。
上述した通り、本実施形態では、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた第1先読み処理(S1757)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S1753の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S1753:No)、即ち、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で特図入球口64に球を入球させた場合に第1先読み処理(S1757)を実行することができるように構成しても良い。これにより、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で特図入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、第1特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で特図入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、S1758〜S1764までの各処理については、S1751〜S1757までの各処理で実行された第1始動口(特図入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口1645に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し得るように構成していることから、S1763の処理では、小当たり種別カウンタC5の値も取得される。
次に、図135を参照して、始動入賞処理4(図134のS152)の一処理である第1先読み処理(S1757)について説明する。図136は、この第1先読み処理(S1757)を示すフローチャートである。
第1先読み処理(図135のS1757)では、まず、新たに第1特別図柄保留格納エリア203aに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S1821)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S1822)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留格納エリア203aに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
具体的には、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)とが、同時に(並行して)実行されるように構成されており、且つ、各特別図柄の抽選結果に対応させて設定される変動時間が、特別図柄の抽選時における保留記憶数(保留図柄個数)によって可変されるように設定されるので、各特別図柄の変動(抽選)が開始するタイミングを事前に判別することが困難だからである。
そして、S1823の処理における判別結果が大当たりである(低確率状態のみ大当たり、高確率状態のみ大当たり、低確率状態、高確率状態の何れも大当たり)と判別した場合は(S1823:Yes)、大当たりに当選する条件(抽選時に設定される遊技状態)と、当選した場合の大当たり種別とを示す第1入賞コマンドを設定し(S1824)、本処理を終了する。
一方、S1823の処理における判別結果が大当たりでは無い(特別図柄が高確率状態でも、低確率状態でも外れである)と判別した場合は(S1823:No)、外れを示す第1入賞コマンドを設定し(S1825)、本処理を終了する。
ここで、S1824、或いはS1825の処理で設定された第1入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S1821の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図54参照)にて実行される外部出力処理(S2401)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本実施形態では、先読み処理を実行する場合に、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留格納エリア203aに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本実施形態では、第1特別図柄保留格納エリア203aに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留格納エリア203aに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図136を参照して、始動入賞処理4(図134のS152)の一処理である第2先読み処理(S1764)について説明する。図136は、この第2先読み処理(S1764)を示すフローチャートである。第2先読み処理(図134のS1764)は、上記した第1先読み処理(図133のS1757)が第1始動口(特図入球口64)に球が入球(始動入賞)したことに基づく保留データ(入賞情報)を事前に判別(先読み)して、各種判定を行う処理であるのに対して、判定を行う対象を第1始動口に始動入賞したことに基づく入賞情報から第2始動口(第2入球口1645)に始動入賞したことに基づく入賞情報へと変更した点でなるのみであり、その他は同一の処理が実行されるため、詳細な説明は省略する。
次に、図137を参照して、本第4実施形態におけるV通過処理4(S153)の詳細について説明する。図137は、このV通過処理4(S153)の内容を示したフローチャートである。本第4実施形態におけるV通過処理4(S153)は、第1実施形態におけるV通過処理(図52のS153参照)に対して、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり遊技中にV入賞が発生した場合に、時短終了待機フラグ203dmと特図1減算フラグ203dkとをオフに設定する処理が追加される。その他の処理については同一であるため、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
V通過処理4(S153)では、まず、上述したS1501〜S1502の処理を実行し、V有効期間中であると判別した場合には(S1502:Yes)、小当たり中であるか判別する(S1571)。小当たり中であると判別した場合には(S1571:Yes)、上述したS1504〜S1506の処理を実行し、S1572の処理に移行する。一方、小当たり中ではないと判別した場合には(S1571:No)、S1504〜S1506及びS1572〜S1575の処理をスキップし、S1509の処理に移行する。
S1572の処理では、時短終了待機フラグ203dmがオンであるか判別する(S1572)。時短終了待機フラグ203dmがオンであると判別した場合には(S1572:Yes)、このV入賞より付与される大当たり遊技の終了後に、新たな時短状態の期間が設定されるため、時短終了待機フラグ203dmをオフに設定する(S1573)。このように、時短遊技の最終変動で小当たりに当選し、V入賞が発生し大当たりが付与された場合には、新たな時短期間が付与される。よって、V入賞した場合に、時短終了待機フラグ203dmをオフに設定することで新たな時短期間が設定されてから、すぐに通常遊技状態に移行してしまうという不具合を防止することができる。
S1572、或いは、S1573の処理を実行した後、S1574の処理に移行する。S1574の処理では、特図1減算フラグ203dkがオンであるか判別する(S1574)。即ち、今回の第2特別図柄の変動と並行して第1特別図柄の変動が実行されており、その第1特別図柄の変動がまだ停止しておらず仮停止されている状態かを判別する。特図1減算フラグ203dkがオンであると判別した場合には(S1574:Yes)、特図1減算フラグ203dkをオフに設定し(S1575)、S1509の処理に移行する。一方、特図1減算フラグ203dkがオフであると判別した場合には(S1574:Yes)、S1575の処理をスキップし、S1509の処理へ移行する。
本実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選するよう構成している。そして、小当たり当選時に第1特別図柄の抽選が実行されている場合には、第1特別図柄の変動を仮停止するよう構成している。そして、小当たり遊技終了後に仮停止していた特別図柄の変動が再開するよう構成しているが、本実施形態では、小当たり遊技中にV入賞し、大当たりが付与される場合がある。その大当たり遊技中も第1特別図柄の抽選を仮停止するよう構成している。そして、大当たり遊技終了後に仮停止していた特別図柄の変動が再開されるが、本実施形態では変動停止時に残時短回数が減算されてしまうため、この仮停止していた変動でも、残時短期間が減少してしまうという問題点があった。
そこで、本実施形態では、小当たり中にV入賞が発生した場合には、特図1減算フラグ203dkをオフに設定することで、仮停止していた変動の停止時では時短期間が減算されない。よって、遊技者には、時短の規定された期間に加えて、この仮停止していた図柄の残変動時間も時短期間として設定することができる。このように構成することで、遊技者にとって有利となる時短期間をより長く設定することが可能であり、より長い期間喜びを与えることができる。
なお、本実施形態では、他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、他方の特別図柄の変動を外れで強制停止(破棄)するよう構成している。さらに、小当たりに当選した場合には、他方の特別図柄の変動を仮停止するよう構成しているが、これに限るものではなく、小当たりに当選した場合には、他方の特別図柄の変動を破棄するよう構成してもよい。このように構成することで、V入賞により大当たり遊技が付与された後に、仮停止していた変動で大当たりに当選し、遊技者に対して過剰な特典を与えられることを防止することができる。
また、一方の特別図柄で遊技者にとって不利となる大当たりに当選した場合には、もう一方の特別図柄で小当たりに当選することで不利な大当たり変動を破棄することができる。よって、より多様な遊技性を遊技者に対して提供することができる。
以上、本第4実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の変動が並行して行われる遊技機であり、小当たり当選した場合には、他方の図柄を仮停止するよう構成した。そして、その小当たり遊技中にV入賞が発生し、大当たりが付与された場合には、その大当たり遊技終了後に仮停止していた図柄が変動を再開する。また、本実施形態では、変動の開始時に、遊技状態が時短状態である場合には、変動開始時に時短カウンタの値を減算する予定であることを示すフラグをオンに設定することで、その変動停止時に時短カウンタ203hの値を更新する。
よって、仮停止していた特別図柄の変動は、V入賞発生時に減算フラグをオフに設定することで、その変動が再開し、停止する際には、時短カウンタは減算されない。即ち、仮停止していた図柄が変動を再開し、停止する際には、時短期間は更新されないため、遊技者は、あらかじめ設定された時短期間に加えて、仮停止していた特別図柄の残変動期間も設定することができる。よって、遊技者にとって有利となる時短期間を最大限長く設定することができる。
なお、本実施形態では、V入賞により付与される大当たりの種別を1つとするよう構成したが、これに限ることなく、複数設けるよう構成してもよい。このように構成する場合には遊技者にとって、有利となる大当たり種別と不利となる大当たり種別とを設けるよう構成するとよい。このように構成することで、遊技者は、V入賞が発生するかだけではなく、付与される大当たり種別にも関心を持ちながら遊技を実行することができる。
また、本実施形態では、当選する小当たり種別を1つとするよう構成したが、これに限ることなく、複数の小当たり種別を設けても良い。さらに、第1特別図柄の抽選でも小当たりに当選するよう構成してもよい。このように、複数の小当たり種別を設けることで、遊技者は、よりV入賞を発生させやすい小当たりを期待しながら遊技を実行することができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の変動が並行して行われるよう構成したが、これに限ることなく、入球口に入球した順に対応する特別図柄の変動が実行される(所謂、入賞順変動)よう構成しても良い。なお、このように構成した場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、当選する大当たり種別の有利度合いを異なるよう構成するとよい。このように構成することで、遊技者は、より有利となる特図の抽選が実行されている際に、大当たりに当選することを所望しながら遊技を実行することができるので、緊張感のある遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の抽選において、小当たりに当選した場合に、第1特別図柄の変動を仮停止するよう構成したが、小当たり種別を複数設けることにより、第1特別図柄の変動を破棄する(外れで強制停止する)小当たりと、仮停止する小当たりとを分けて設定されるようにしてもよい。このように構成した場合には、他方の特別図柄の変動が、遊技者にとって不利となる大当たりに当選した場合に、それを破棄することを遊技者に促すような演出を実行するようにするとよい。このように構成することで、多様な遊技性を遊技者に対して提供することができる。
本実施形態では、設定される遊技状態を2種類(通常状態、時短状態)としたが、3種類(通常状態、時短状態、確変状態)としてもよいし、4種類(通常状態、時短状態、確変状態、潜確状態)としてもよい。また、2種類以下としてもよい。
さらに、本実施形態では、遊技状態に関わらず、遊技盤13の左側領域を遊技球が流下するよう狙って遊技を実行するよう構成したが、これに限ることはなく、遊技盤13の右側領域を狙う遊技方法を実行させても良い。そして、その遊技方法の切替を遊技状態に基づいて設定するよう構成しても良い。さらに、このように構成した場合には、遊技者に現在の遊技方法を示すための案内表示態様を実行するとよい。遊技者は、この案内表示態様によって、遊技方法だけでなく現在の遊技状態も把握することができる。
以上、説明をした通り、本第4実施形態では、時短状態の更新タイミング、即ち、時短回数を減算するタイミングと、時短状態の終了条件が成立しているかを判別するタイミングと、を異ならせるように構成として、時短状態を更新させた後に、時短状態の終了条件の成立を判別する構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、時短状態の終了条件が成立しているかを先に判別し、終了条件が成立していない場合に、時短状態の更新処理を実行するように構成しても良い。また、特図抽選を実行した後に時短回数を減算する処理を行っているが、時短回数を減算した後に特図抽選を実行するように構成しても良い。
また、本第4実施形態では、時短状態における特別図柄最終変動(時短終了条件が成立している状態で実行されている特別図柄変動)にて小当たり当選した場合であっても、特別図柄変動が停止表示したタイミングで時短状態を終了させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄最終変動にて小当たり当選した場合には、その小当たり遊技が終了するまで時短状態が終了しないように構成しても良い。即ち、時短終了条件が成立している状態で、時短終了条件の成立を判別するタイミングにおいて、切替条件(特別図柄抽選の結果が小当たり当選)が成立している場合には、時短終了条件の成立を判別するタイミングを切り替える(小当たり遊技終了時に遅延させる)ように構成すると良い。これにより、時短状態中における特別図柄抽選の結果に基づいて時短状態が継続する期間を可変させることができるため、遊技者に対して、最後まで期待感を持たせて遊技を行わせることができる。
なお、上述した切替条件として上述した内容(小当たり当選)以外を用いても良く、例えば、時短終了条件が成立している状態で、時短終了条件の成立を判別するタイミングにおいて、普通図柄変動が実行していることや、普図当たり遊技が実行されていることを切替条件として設定しても良いし、時短終了条件の成立を判別するタイミングにおいて、保留記憶されている特別図柄保留や普通図柄保留に含まれる入賞情報に特定の情報(当たり情報)が含まれていることを切替条件として設定しても良い。このように複数の切替条件を設けることにより、遊技者に対して、時短状態が終了するタイミングを分かり難くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
<普電入賞装置640の組合せ変形例>
次に、図138を参照して、変形例について説明をする。上述した第1実施形態では、普電入賞装置640内に特電作動口643を設け、普図当たり遊技中に普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口643へと入賞した場合に役物当たり遊技を実行するように構成して。また、上述した第2実施形態では、第1実施形態のパチンコ機10において生じ得る問題点、即ち、時短状態中における遊技の単調化により遊技意欲が低下してしまうという問題点を解決するために、普電入賞装置640内に複数の特電作動口(特電作動口643、第2特電作動口1643)を設け、球が入賞した特電作動口に応じて、V大当たり遊技が実行され易い役物当たり遊技と、V大当たり遊技が実行され難い役物当たり遊技を実行可能に構成していた。
さらに、上述した第1実施形態、或いは第2実施形態では、役物当たり遊技の実行を契機に実行中の特別図柄変動を中断(特別図柄変動の変動時間を減算する処理を中断)させることで、時短状態の期間が長くするように構成していたため、時短状態中には役物当たり遊技を数多く実行したほうが遊技者に有利となり、時短状態中の遊技が単調になってしまうという問題があった。これに対して、上述した第3実施形態では、特電作動口643へと球が入賞したことに基づいてV大当たり種別を選択するように構成し、選択されたV大当たり種別に応じて役物当たり遊技実行時に実行中の特別図柄変動を中断させるパターンと、破棄するパターンと、破棄した上で時短状態も終了させるパターンと、の何れかが実行されるように構成し、時短状態中において役物当たり遊技を実行させるか否かを遊技者に選択させる新たな遊技性を提供することで、時短状態中の遊技が単調になることを抑制するものであった。
加えて、上述した第1実施形態から第3実施形態では、普電入賞装置640内に特電作動口643を設け、特電作動口643へと球が入賞した場合に役物当たり遊技を実行する構成であるのに対し、第4実施形態では、普電入賞装置640内に第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口1645を設け、上述した第1実施形態から第3実施形態と同様の遊技性を、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを、並行して実行させる、所謂同時変動タイプの仕様で実現するように構成していた。
これに対して、本変形例では、図138に示した通り、上述した第2実施形態のパチンコ機10が有する普電入賞装置640の構成(図88参照)をベースに、第2特電作動口1643に替えて、第2入球口1645を設け、普電入賞装置640内に入賞した球が特電作動口643、或いは、第2入球口1645に入球し得るように構成している点で他の実施形態と相違している。
そして、第2入球口1645に球が入球したことに基づいて実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技と、特電作動口643に球が入賞したことに基づいて実行される役物当たり遊技と、でV入賞装置65が同一内容で開放動作されるように構成している。
このように構成することで、小当たり遊技によってV入賞装置65が開放動作される場合は、第2特別図柄抽選が実行されているため、上述した第4実施形態と同様に時短状態の終了条件である累積時短終了条件の成立要素が更新されるのに対し、役物当たり遊技にV入賞装置65が開放動作される場合は、時短終了条件に関わる要素が更新されることが無い。よって、V入賞装置65が開放動作された回数と、時短終了条件の成立要素が更新される回数と、が一致しなくなるため、遊技者に対して、時短状態が終了するまでの期間を把握させ難くすることができる。
なお、本変形例では、時短状態の終了条件として、上述した第4実施形態と同一の終了条件を設定する例を示しているが、これに限ること無く、例えば、役物当たり遊技が実行された回数が特定回数(例えば、50回)に到達した場合にも時短終了条件が成立するように構成しても良い。このように構成することで、第2特別図柄の抽選に基づいて時短終了条件が成立するのが先か、役物当たり遊技が実行されることに基づいて時短終了条件が成立するのが先かを、遊技者に予測させながら遊技を行わせることができる。
また、この場合、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出として、第2特別図柄の抽選に基づいて成立する時短終了条件と、役物当たり遊技が実行されることに基づいて成立する時短終了条件とのうち、何れの時短終了条件が成立し易い状況であるかを遊技者に示唆するための示唆演出(例えば、各時短終了条件が成立するまでの回数を示唆する演出)を実行するように構成すると良い。このように構成することで、いずれかの時短終了条件が成立するまでの期間を遊技者に把握させることができるため、普電入賞装置640に入賞した球の流下先について一喜一憂させることができる。
図138に示した通り、本変形例では、普電入賞装置640内に特電作動口643と、第2入球口1645を設けているが、これに限ること無く、第2特電作動口1643も設け、普電入賞装置640に入賞した球が上述した3つのうち、何れかに入賞するように構成しても良い。
さらに、本変形例の構成を用いた場合において、第2入球口1645に球が入球したことに基づいて小当たり遊技が実行される場合と、特電作動口643に球が入賞したことに基づいて役物当たり遊技が実行される場合と、で実行中の特別図柄変動に対する処理内容を異ならせても良く、例えば、小当たり遊技が実行された場合は、役物当たり遊技が実行された場合よりも、実行中の特別図柄変動を破棄し易くし、役物当たり遊技が実行された場合は、小当たり遊技が実行された場合よりも、実行中の特別図柄変動を中断させ易くするように構成すると良い。
なお、本変形例では、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とが実行されている状態で、特電作動口643へと球が入賞する場合がある。この場合には、第1特別図柄変動も、第2特別図柄変動も中断させるように構成している。そして、役物当たり遊技が終了した後には、中断されている第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とを、再開させるように構成している。そして、再開後の第2特別図柄変動が小当たり当選している場合には、その小当たり当選に基づいて小当たり遊技が実行される場合に、実行中の第1特別図柄変動を中断、或いは、破棄するように構成している。
このように、第1特別図柄変動(抽選)、第2特別図柄変動(抽選)、特電作動口643への球入賞と、3種類の遊技を同時に実行可能に構成した本変形例では、時短状態中において、第2特別図柄変動よりも長い変動時間が選択され易い第1特別図柄変動を、複数の契機で中断させることが可能となる。よって、時短状態中において第1特別図柄変動が中断されるタイミングや中断される期間について遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
また、本変形例では、普電入賞装置640内に入賞した球が特電作動口643、或いは、第2入球口1645に入賞し得るように構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が第2入球口1645、或いは特電作動口643を狙って遊技が行えるように遊技盤13の構成を変更しても良く、具体的には、普電入賞装置640内に特電作動口643を設け、遊技盤13の右側領域(図2参照)に第2入球口1645を設けるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して遊技方法を選択する楽しみを提供することができる。
<第5実施形態>
次に、図139から図143を参照して、第5実施形態について説明をする。本第5実施形態は、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201にて実行された制御処理内容を音声ランプ制御装置113側へと出力するための各種コマンドの設定方法を異ならせた点、及び、音声ランプ制御装置113側にて主制御装置110から出力された各種コマンドを受信した場合に実行する制御処理の一部を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中における特別図柄変動に応じた演出(Vラッシュ)の演出態様を、時短状態の残期間(時短状態中に実行される特別図柄変動の残期間)に応じて可変設定するために、時短状態が設定された時点で主制御装置110から出力される情報(状態コマンド)に基づいて音声ランプ制御装置113側で時短状態が終了するまでの期間、即ち、時短状態の終了条件として設定される時短回数(特別図柄の変動回数)を記憶し、特別図柄の変動開始を示す情報(変動パターンコマンド)を受信した場合に、時短回数を更新する処理を実行することにより、音声ランプ制御装置113側で時短状態の残期間を判別可能に構成していた。
このように構成することで、時短回数を更新するタイミング(特別図柄変動開始時)と、時短条件が成立したかを判別するタイミング(特別図柄変動停止時)とを、異ならせた第1実施形態において、主制御装置110側で専用のコマンドを設定すること無く、即ち、遊技状態を変更した場合に設定する状態コマンドや、特別図柄の変動を開始する場合に設定する変動パターンコマンドといった特別図柄抽選を用いた遊技の内容を示すコマンドのみを用いて、時短状態の残期間を音声ランプ制御装置113側で把握することができ、時短状態中における期間の経過に応じた演出を設定することができるものであった。
しかしながら、上述した第1実施形態で用いた制御内容では時短状態における遊技状態の更新状況を、バックアップ機能を有していない音声ランプ制御装置113のRAM223にて管理(一時的に記憶)しているため、例えば、時短状態が設定されている期間中にパチンコ機10に供給されている電源が遮断され(停電が発生し)、その後、電源の供給が再開された場合には、音声ランプ制御装置113側のRAM223に一時的に記憶されていた各種情報がクリア(初期化)されてしまい、音声ランプ制御装置113側で時短状態における遊技状態の更新状況を判別することができないという問題があった。
これに対して、本第5実施形態では主制御装置110にて特別図柄変動を開始する処理(変動パターンコマンドを設定する処理)を実行する際に時短回数の更新結果を示すコマンド(時短回数コマンド)を設定可能に構成し、実行中の特別図柄変動を停止する処理(確定コマンドを設定する処理)を実行する際に時短状態の終了判別結果を示すためのコマンド(時短継続コマンド)を設定するように構成している。
そして、変動パターンコマンドと時短回数コマンドとを同一タイミングで出力可能に構成し、確定コマンドと時短継続コマンドとを同一タイミングで出力可能に構成している。さらに、音声ランプ制御装置113側で変動パターンコマンドを受信した場合に、併せて時短回数コマンドを受信しているかを判別し、その判別結果に基づいて現在の時短状況を判別可能にし、さらに、確定コマンドを受信した場合に、併せて時短継続コマンドを受信しているかを判別し、その判別結果に基づいて現在の時短状況を判別可能に構成している。
このように構成することで、主制御装置110にて設定され、音声ランプ制御装置113で受信した各コマンドの組合せによって時短状態の状況を音声ランプ制御装置113側で判別することが可能となり、特別図柄の変動表示中において停電が発生した場合であっても、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて時短状態の状況を音声ランプ制御装置113側で判別することが可能となる。
また、同一タイミングで受信したコマンドの組合せによって、時短状態の状況を判別するように構成しているため、主制御装置110側にて時短状態の状況を示すために個々のコマンドを設定する場合よりも、主制御装置110にて設定するコマンドの種類を削減することができ、主制御装置110における制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理内容について>
次に、図139から図141を参照して本第5実施形態のパチンコ機10における主制御装置110の制御処理内容のうち、上述した第1実施形態とは異なる点について説明をする。本第5実施形態では、上述した第1実施形態に対して、特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)に替えて特別図柄開始処理5(図139のS235参照)を、特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)に替えて特別図柄変動停止処理5(図140のS238参照)を、普通図柄変動処理(図48のS106参照)に替えて普通図柄変動処理5(図141のS136参照)を設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合において、特別図柄の変動を開始する場合に時短回数(時短カウンタ203hの値)を更新(減算)するための処理(図139のS205参照)を実行し、特別図柄の変動を停止する場合に時短状態を終了させる条件が成立しているかを判別するための処理(図45のS208参照)を実行するように構成していた。
さらに、上述した第1実施形態では、音声ランプ制御装置113側で時短状態の状況を管理するために、主制御装置110から出力される状態コマンド(図56のS1916の処理で設定される状態コマンド)と、変動パターンコマンド(図43のS506にて設定される特図変動パターンコマンド)と、に基づいて、時短状態の残期間を判別可能に構成していた。
これに対して、本第5実施形態では、特別図柄の変動開始時、或いは、特別図柄の変動停止時において、特別図柄変動の開始、停止を示すコマンドに加え、時短状態の状況(残時短回数等)を示すための各種コマンドを設定するように構成し、音声ランプ制御装置113側で記憶している時短状態の状況を管理するための情報が消去された場合(停電等により音声ランプ制御装置113のRAM223に記憶されている情報が消去された場合)であっても、主制御装置110側から出力される各種コマンドに基づいて音声ランプ制御装置113側で時短状態の状況(残時短回数)を把握することが可能となるように構成している。
まず、図139を参照して、特別図柄変動開始処理5(S235)の内容について説明をする。図139は、特別図柄変動開始処理5(S235)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理5(S235)では、上述した第1実施形態の特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)に対して、特別図柄変動の開始時における時短状態を更新するための処理が相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した通り、上述した第1実施形態では、主制御装置110にて実行される時短状態を更新するための処理の処理内容(更新結果)を示すための情報を音声ランプ制御装置113へと出力する必要が無いため、今回の特別図柄変動が時短状態の最終変動であるか否かを一時的に記憶する(今回実行された特別図柄変動が停止表示されるまで記憶する)ための処理(時短カウンタ203hの値の更新処理、及び時短終了フラグ203jの設定処理)を実行するものであった。
これに対して、本第5実施形態では、特別図柄の時短回数(残時短回数)を示すためのコマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成している。
特別図柄変動開始処理5(S235)の処理内容を、図139を参照して具体的に説明をすると、まず、上述した第1実施形態の特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)と同一のS301からS308の処理を実行する。そして、S308の処理において時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、現在が時短状態中であると判別した場合は(S308:Yes)、次に、時短カウンタ203hの値を減算し(S371)、減算後の時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S372)。
S372の処理において時短カウンタ203hの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は、減算後の時短カウンタ203hの値、即ち、残時短回数を示す時短回数コマンドを設定し(S373)、本処理を終了する。S373の処理で設定された時短回数コマンドは、特別図柄変動パターン選択処理(図43のS307参照)にて設定される特図変動パターンコマンド(図43のS506参照)と同一のタイミングで、主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて実行される外部出力処理(図55のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
詳細な説明は後述するが、本第5実施形態では、音声ランプ制御装置113の制御処理において、時短状態中に変動パターンコマンド(特図変動パターンコマンド)を受信した場合に併せて時短回数コマンドも受信しているかを判別し、その判別結果に基づいて、今回の特別図柄変動に対応する時短回数(残時短回数)を判別するように構成している。
また、本第5実施形態では、図139のS372の処理において、更新後(減算後)の時短カウンタ203hの値が1以上であると判別した場合に(S372:No)のみ、時短回数コマンドを設定するように構成しているため、音声ランプ制御装置113の制御処理において、時短状態中に変動パターンコマンド(特図変動パターンコマンド)を受信した場合に併せて時短回数コマンドを受信していない場合は、時短状態における特別図柄の最終変動であると判別することができる。
図139に戻り、説明を続ける。S372の処理において、更新後の時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合(S372:Yes)、即ち、今回実行される特別図柄変動が時短状態の最終変動である場合には、上述した第1実施形態と同様に時短終了フラグ203jをオンに設定し(S311)、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい(1以上である)場合に加え、時短カウンタ203hの値が0であっても、時短終了フラグ203jがオンに設定されている間は、普通図柄の高確率状態が設定されるように構成している。よって、図139に示した通り、特別図柄の変動開始タイミングにおいて時短カウンタ203hの値が0よりも大きい場合には(S308:Yes)、必ず時短カウンタ203hの値を減算する処理が実行されるため制御処理の共通化を図ることができる。
また、上述した通り、本第5実施形態では、減算後(更新後)の時短カウンタ203h値が0よりも大きい(1以上)の場合に時短回数コマンドを設定し、減算後(更新後)の時短カウンタ203h値が0である場合には時短回数コマンドを設定しないように構成している。加えて、特別図柄の変動パターンコマンド(特図変動パターンコマンド)を設定する処理(図43のS506参照)と同一の処理内(特別図柄変動開始処理)にて時短回数コマンドが設定されるように構成し、主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて実行される外部出力処理(図55のS1801)において、同一タイミングで音声ランプ制御装置113へと出力されるように構成している。
このように構成することにより、音声ランプ制御装置113側では、時短状態が設定されている状態で変動パターンコマンドを受信した場合に、併せて時短回数コマンドを受信したか否かの判別を実行することで、今回実行される特別図柄変動が時短状態の最終変動であるか否かの判別を行うことができる。また、併せて時短回数コマンドを受信した場合には、今回特別図柄変動が実行されることにより更新される時短状態の残期間(残時短回数)の判別を行うことができる。
また、更新後の時短カウンタ203hの値が0になる場合、即ち、今回実行される特別図柄変動が時短状態の最終変動である場合は、時短回数コマンドを設定しないように構成しているため、音声ランプ制御装置113側では、時短状態が設定されている状態で変動パターンコマンドを受信した場合に、併せて時短回数コマンドを受信しなかった場合には、時短状態の最終変動であると判別し、時短状態の最終変動に対応する演出態様を設定することになる。このように、時短状態における特別図柄の最終変動(時短最終変動)が実行される場合に時短回数コマンドとして残時短回数0回を示す時短回数コマンドを設定するのでは無く、時短回数コマンドを設定しないように構成することで、主制御装置110にて設定された時短回数コマンドを受信することができなかった場合、例えば、ノイズ等により正常にコマンドを受信できなかった場合には、時短最終変動時の演出が実行されることになる。
よって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力されたコマンドを正常に受信できなかった場合における専用の演出データを用いること無く、且つ、実際に設定されている残時短回数よりも少ない残時短回数0回に対応した演出を実行することができるため、パチンコ機10の処理負荷を軽減しながら遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができる。
なお、本実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中有に実行される特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、4回)に到達した場合に成立する時短終了条件のみを設けているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件に加え、特別図柄の抽選結果に基づいて成立する終了条件(特別図柄の抽選で特定の抽選結果(例えば、小当たり)に所定回数(例えば、2回)当選した場合に成立する終了条件)を設けても良い。
このように、時短状態を終了させるための終了条件を複数有するパチンコ機10では、複数の終了条件のうち、何れの終了条件が成立するのかが遊技者の遊技内容に応じて可変するため、各終了条件に対して終了条件が成立するまでの更新状況を判別する必要がある。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10では、時短状態の最終変動が実行される場合において、時短回数コマンドを設定することが無い。よって、複数成立し得る時短終了条件のうち、何れの時短終了条件が成立したとしても、今回の特別図柄変動が時短状態の最終変動であることを音声ランプ制御装置113側で容易に判別することができる。
次に、図140を参照して、特別図柄変動停止処理5(S238)の内容について説明をする。図140は、本第5実施形態における特別図柄変動停止処理5(S238)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動停止処理5(S238)は、上述した第1実施形態における特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)に対して、特別図柄変動の停止時における時短状態の更新内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動停止処理5(S238)が実行されると、まず、上述した第1実施形態における特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)と同一のS801,S802の処理を実行し、S802の処理において時短終了フラグ203jがオンでは無いと判別した場合には(S802:No)、次に、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか(1以上か)を判別し(S871)、0よりも大きい、即ち、今回停止表示される特別図柄変動が時短最終変動では無いと判別した場合は(S871:Yes)、時短状態が継続することを示す時短継続コマンドを設定し(S872)、上述した第1実施形態における特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)と同一のS809,S810の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S871の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きくないと判別した場合(S871:No)、即ち、現在の遊技状態が通常状態である場合は、S872の処理をスキップしてS809の処理へ移行する。また、S802の処理において、時短終了フラグ203jがオンに設定されていると判別した場合、即ち、今回停止表示される特別図柄変動が時短最終変動であると判別した場合は(S802:Yes)、上述した第1実施形態における特別図柄変動停止処理(図45のS208参照)と同一のS804,S805の処理を実行し、次いで、S809,S810の処理を実行し本処理を終了する。
なお、S801の処理において、大当たりフラグ203iがオンに設定されていると判別した場合は(S801:Yes)、S806〜S810の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5実施形態では、特別図柄変動を停止表示(確定表示)させるための特別図柄変動停止処理5(図140のS238参照)にて、特図確定コマンドを設定すると共に、時短継続コマンドを設定するように構成している。そして、特別図柄変動停止処理5(図140のS238参照)にて設定された特図確定コマンド、及び、時短継続コマンドは、主制御装置110のメイン処理(図55)にて実行される外部出力処理(図55のS1801参照)にて同一のタイミングで音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113は、時短状態が設定されている状態で特図確定コマンドを受信した場合に、併せて時短継続コマンドを受信したかを判別し、その判別結果に基づいて、今回停止表示される特別図柄変動が時短状態の最終変動(時短最終変動)であるかを把握し演出態様を設定することになる。
具体的には、時短状態が設定されている状態において、音声ランプ制御装置113が特図確定コマンドと、時短継続コマンドと、を同一タイミングで受信した場合には、時短状態が継続することを示すための演出態様が設定され、特図確定コマンドのみを受信した場合には、時短状態が終了することを示すための演出態様が設定される。このように、同一タイミングで主制御装置110から出力される複数のコマンドの組合せによって、現在の時短状態の状況を音声ランプ制御装置113側で把握可能に構成することにより、主制御装置110にて時短状態の状況を示すために個々のコマンドを設定する場合よりも、主制御装置110にて設定されるコマンドの種類を削減することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄変動停止処理5(図140のS238参照)内で特図確定コマンドと、時短継続コマンドと、を設定するように構成しているが、主制御装置110のメイン処理(図55)にて実行される外部出力処理(図55のS1801参照)にて同一のタイミングで各コマンドが出力されるものであれば良く、主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて外部出力処理(S1801)が実行される4ミリ秒の間隔内で特図確定コマンドと、時短継続コマンドと、をそれぞれ設定可能に構成すれば良い。
また、本実施形態では、主制御装置110のメイン処理(図55)にて実行される外部出力処理(図55のS1801参照)を実行する場合に、前回の外部出力処理が実行されてからの間(4ミリ秒間)に設定された各種コマンドを、一度に音声ランプ制御装置113へと出力するように(シリアルデータとして出力するように)構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図確定コマンドが設定された場合は、外部出力処理(S1801参照)が所定回数(例えば3回)実行されるまで特図確定コマンドの出力を待機させるように構成しても良い。このように構成することで、特図確定コマンドと、時短継続コマンドと、を同一処理内で設定させ無くても同一タイミングで音声ランプ制御装置113へと出力させることが可能となる。
次に、図141を参照して、普通図柄変動処理5(S136)の内容について説明をする。図141は、普通図柄変動処理5(S136)の内容を示したフローチャートである。この普通図柄変動処理5(S136)は、上述した第1実施形態の普通図柄変動処理(図48のS106参照)に対して、現在の遊技状態が普通図柄の高確率状態であるかを判別するための処理を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本第5実施形態では、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい状態(時短カウンタ203hの値が1以上の状態)と、時短終了フラグ203jがオンに設定されている状態とが、普通図柄の高確率状態を示す情報として管理されるように構成しており、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい状態(時短カウンタ203hの値が1以上の状態)のみを普通図柄の高確率状態を示す情報として管理される第1実施形態と相違している。
つまり、時短カウンタ203hの値が1である場合には時短カウンタ203hの値を減算する処理がスキップされる第1実施形態とは異なり、本第5実施形態では、特別図柄変動開始処理5(図139のS235)において、時短カウンタ203hの値が0になるまで減算されるように構成することで、時短カウンタ203hの更新処理の簡素化を図り、時短カウンタ203hの値が0に減算された場合であっても、その特別図柄変動が停止表示されるまでの期間、普通図柄の高確率状態を継続させるために時短終了フラグ203jをオンに設定するように構成している点で相違している。
よって、普通図柄変動処理5(図141のS136)が実行されると、まず、上述した第1実施形態の普通図柄変動処理(図48のS106参照)と同一のS1101〜S1108の処理を実行し、S1108の処理で時短カウンタ203hの値が0より大きく無い(0である)と判別した場合は(S1108:No)、時短終了フラグ203jがオンに設定されている、即ち、特別図柄の時短最終変動中であるかを判別し(S1171)、オンに設定されていると判別した場合は(S1171:Yes)、普通図柄の高確率状態中であるため、上述した第1実施形態の普通図柄変動処理(図48のS106参照)と同一のS1109の処理を実行し、その後S1111〜S1114の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S1171の処理において、時短終了フラグ203jがオンに設定されていないと判別した場合は(S1171:No)、現在が普通図柄の低確率状態(通常状態)であるため、上述した第1実施形態の普通図柄変動処理(図48のS106参照)と同一のS1110〜S1114の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S1102の処理において、普通図柄の変動中であると判別した場合は(S1102:Yes)、上述した第1実施形態の普通図柄変動処理(図48のS106参照)と同一のS1115〜S1118の処理を実行し、S1118の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい(1以上)であると判別した場合は(S1118:Yes)、時短用普図当たりシナリオ動作を設定し(S1120)、電動役物の開閉制御開始を設定し(S1121)、本処理を終了する。
S1118の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S1118:No)、次に、時短終了フラグ203jがオンに設定されているかを判別し(S1172)、オンに設定されていると判別した場合は(S1172:Yes)、現在が普通図柄の高確率状態中であるため、上述した第1実施形態の普通図柄変動処理(図48のS106参照)と同一のS1120,S1121の処理を実行し、本処理を終了する。また、S1172の処理において、時短終了フラグ203jがオンに設定されていないと判別した場合は(S1172:No)、現在が普通図柄の低確率状態であるため、上述した第1実施形態の普通図柄変動処理(図48のS106参照)と同一のS1119,S1121の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、本第5実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、普通図柄の抽選結果を停止表示させるための期間(動的表示期間)の長さ(動的表示期間の長さ)、或いは、普通図柄の抽選(普図抽選)で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の内容(電動役物640aの開放パターン)を、普通図柄の確率状態に応じて異ならせて設定するように構成しており、普通図柄の確率状態を判別するために、時短カウンタ203hの値に加え、時短終了フラグ203jの設定状況を参照するように構成している。このように構成することで、普通図柄の確率状態を適切に判別することができる。
<第5制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図142、及び図143を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本第5実施形態のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理は、上述した第1実施形態のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理に対して、特図変動開始処理(図62のS4204参照)に替えて特図変動開始処理5(図142のS4254参照)を、停止関連処理(図65のS4215参照)に替えて停止関連処理5(図143のS4265参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。
本第5実施形態では、上述した第1実施形態に対して、主制御装置110から出力されるコマンドの種類が追加されており、主制御装置110から出力される各種コマンドに基づいて、時短状態中の状況(残時短回数)を音声ランプ制御装置113側で判別可能に構成している。このように構成することで、時短状態中に停電等によりパチンコ機10への電源供給が遮断されてしまい、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223にて一時的に記憶していたデータが消去された場合であっても、電源の供給が復帰した後に、実際の時短状態の状況(残時短回数)に応じた適切な演出態様を設定することができる。
まず、図142を参照して、特図変動開始処理5(S4254)の内容について説明をする。図142は、特図変動開始処理5(S4254)の内容を示したフローチャートである。この特図変動開始処理5(S4254)は、コマンド判別処理(図61のS4112参照)にて特図変動パターンコマンドを受信した場合に実行される処理であって、上述した第1実施形態の特図変動開始処理(図62のS4204参照)に対して、時短状態中における処理内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
特図変動開始処理5(S4254)が実行されると、上述した第1実施形態の特図変動開始処理(図62のS4204参照)と同一のS4301〜S4305の処理を実行し、本処理を終了する。なお、S4304の処理において、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合、即ち、時短状態が設定されている状態で特図変動パターンコマンドを受信した場合は(S4304:Yes)、今回受信したコマンドの中に、時短回数コマンドが含まれているかを判別する(S4351)。
本実施形態では、主制御装置110のメイン処理(図60参照)にて実行される外部出力処理(図60のS1801参照)にて、複数のコマンドを格納可能なシリアルデータを用いて音声ランプ制御装置113へとコマンドを出力するように構成している。よって、主制御装置110にて実行される特別図柄変動開始処理5(図139のS235参照)にて、特図変動パターンコマンドと、時短回数コマンドと、が同一処理内で設定された場合には、同一のシリアルデータ内に少なくとも特図変動パターンコマンドと、時短回数コマンドとが格納され音声ランプ制御装置113へと出力されることになる。
S4351の処理において、今回受信したコマンドに時短回数コマンドがあるか、即ち、特図変動パターンコマンドが格納されていたシリアルデータ内に、時短回数コマンドも含まれていたかを判別し(S4351)、時短回数コマンドが含まれていると判別した場合は(S4351:Yes)、時短状態が設定されている状態であって、今回受信した特図変動パターンコマンドに対応する特別図柄変動が時短状態の最終変動(時短最終変動)では無い場合であるため、時短状態中であることを示すための表示用コマンドを設定し(S4306)、上述した第1実施形態の特図変動開始処理(図62のS4204参照)と同一のS4306〜S4308の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S4351の処理にて、受信したコマンドに時短回数コマンドが無いと判別した場合は(S4351:No)、今回の特図変動パターンコマンドに対応する特別図柄変動が時短最終変動であるため、時短最終変動を示す表示用コマンドを設定し(S4352)、上述したS4307の処理へ移行した後に、S4308の処理を実行し本処理を終了する。
このように構成することで、時短状態中において特図変動パターンコマンドを受信した場合において、受信した特図変動パターンコマンドと同時に受信したコマンドの種別を判別することにより、時短状態の状況(残時短回数)を音声ランプ制御装置113側で容易に判別することが可能となる。
次に、図143を参照して、停止関連処理5(S4265)の内容について説明をする。図143は、停止関連処理5(S4265)の内容を示したフローチャートである。この停止関連処理5(S4265)では、上述した第1実施形態の停止関連処理(図65のS4215参照)に対して、特図確定コマンドを受信した場合に実行される処理内容を変更した点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
停止関連処理5(S4265)が実行されると、まず、特図確定コマンドを受信したかを判別し(S4601)、特図確定コマンドを受信していないと判別した場合は(S4601:No)、上述した第1実施形態の停止関連処理(図65のS4215参照)と同一のS4602〜S4611の処理を実行し本処理を終了する。
一方、S4601の処理において、特図確定コマンドを受信したと判別した場合は(S4601:Yes)、次に、時短継続コマンドを受信したかを判別し(S4631)、時短継続コマンドを受信したと判別した場合は(S4631:Yes)、時短継続を示す変動停止用の表示コマンドを設定し(S4632)、S4602の処理へ移行する。
S4631の処理において、時短継続コマンドを受信していないと判別した場合は、次いで、時短終了コマンドを受信したかを判別し(S4633)、時短終了コマンドを受信したと判別した場合は(S4633:yes)、時短状態の終了を示す変動停止用の表示用コマンドを設定する。
このように、特図確定コマンドを受信した場合において、時短継続コマンド、或いは、時短終了コマンドを同時に受信可能に構成しているため、停止関連処理5(図143のS4265参照)を実行することにより、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様(演出態様)を、時短継続コマンドを受信した場合、時短終了コマンドを受信した場合、何れのコマンドも受信しなかった場合とで、可変させて設定することができる。よって、特図確定コマンドを受信した場合に実行する変動停止用の表示態様を設定するための処理と、時短状態の状況(残時短回数)を示すための表示態様を設定するための処理と、を同一の処理内で実行することができ、制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
<第6実施形態>
次に、図144から図155を参照して、第6実施形態について説明をする。上述した第1実施形態では、普通図柄の抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技を契機に役物当たり遊技を狙い(普図当たり遊技で開放される普電入賞装置640内に設けられた特電作動口643への球の入賞を狙い)、その役物当たり遊技中(V入賞装置65が開放される期間内)に、V入賞装置65内に設けられたV入賞口165へと球を入賞させることで大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されることを目指す遊技(特電遊技)を遊技者に実行させるように構成していた。
そして、特電遊技が実行される時短状態は、特別図柄抽選が所定回数(4回または15回)実行されるまで(所定回数目の特別図柄変動が停止表示するまで)、或いは、所定回数に到達するよりも前に特別図柄抽選で大当たり当選するまで(抽選結果が大当たりであることを示すための特別図柄が停止表示するまで)継続するように構成しており、時短状態中における特別図柄の変動時間が長くなればなるほど、時短状態が設定される期間(時短期間)を長くすることができ、時短期間中に実行させる普通図柄抽選の回数を増加させることができるものであった。
さらに、普図当たり遊技中に特電作動口643へと球が入賞したことを契機に役物当たり遊技が実行されると、実行中の特別図柄変動が中断され(特別図柄変動の変動時間を減算するための処理が中断され)るように構成しており、その中断させた特別図柄変動(特別図柄変動の変動時間を減算するための処理)を、役物当たり遊技の終了後や大当たり遊技(V大当たり遊技)の終了後、即ち、新たな特別図柄変動を実行可能な条件が成立した場合に再開させるように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、特電遊技の実行期間(時短期間)の長さが、特別図柄変動の変動時間と、役物当たり遊技による中断期間によって可変することになるため、特電遊技中の遊技者に対して、特別図柄変動としてなるべく長い変動時間が選択させることを願いながら、且つ、役物当たり遊技を数多く実行させるように意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、特電遊技中において、例えば、普通図柄の変動期間中や、普図当たり遊技中において球を普電入賞装置640へと入賞させることが出来ない(入賞させ難い)期間(電動役物640aの閉鎖期間)は、役物当たり遊技を実行させることが出来ず、且つ、特別図柄変動の変動時間が減算される期間となるため、電動役物640aへと球を入賞させることが可能な普図当たり遊技中における電動役物640aの開放期間、即ち、特別図柄変動の変動時間が減算される期間ではあるが、役物当たり遊技を実行させることが可能な期間よりも遊技者に不利な不利期間となる。
また、特別図柄変動が中断される役物当たり遊技は、V入賞装置65への球の入賞数が所定個数(3個)に到達した場合に成立する終了条件(入賞終了条件)、或いは、役物当たり遊技が開始されてから所定期間(1.6秒)が経過した場合に成立する終了条件(時間終了条件)のうち、何れかの終了条件が成立した場合に終了するように構成されており、役物当たり遊技中における遊技者による遊技内容(球の発射の有無)に応じて、いずれかの終了条件が成立した場合に役物当たり遊技が終了するものであった。
つまり、上述した第1実施形態では、特電遊技中において普通図柄の変動状況や、普図当たり遊技の遊技状況を鑑み、実行中の役物当たり遊技に対して何れの終了条件を成立させるかを選択させる遊技性を有するものであった。このように構成することにより、遊技者の技量によって、上述した特電遊技中における不利期間(普通図柄の変動期間、普図当たり遊技の電動役物640a閉鎖期間)と、役物当たり遊技の実行期間とが重複する期間の長さを可変することができ、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、上述した第1実施形態のパチンコ機10によれば、終了条件が複数設定されているため、例えば、入賞終了条件を成立させようと遊技を行ったにも関わらず、V入賞装置65へと球が思うように入賞せず時間終了条件が成立してしまったり、時間終了条件を成立させようと遊技を行ったにも関わらず、事前に発射されていた球がV入賞装置65へと入賞してしまい入賞終了条件が成立してしまったりする事態が発生し、遊技者が所望する終了条件を成立させることができないという問題があった。
これに対して、本第6実施形態では、役物当たり遊技の終了条件として、入賞終了条件または時間終了条件の何れかを遊技者が選択可能に構成している。つまり、入賞終了条件を選択した場合には、時間終了条件が成立し得る期間が経過したとしても時間終了条件が成立することが無く、時間終了条件を選択した場合には、V入賞装置65への入賞数が、入賞終了条件が成立し得る個数に到達した場合であっても入賞終了条件が成立しないように構成している。このように構成することで、遊技者が所望する終了条件が成立した場合に役物当たり遊技を終了させることができるため、特電遊技中の遊技をより積極的に遊技者に行わせることができる。
なお、本第6実施形態では、入賞終了条件を選択した場合には、役物当たり遊技中の経過時間に基づいて役物当たり遊技が終了すること無く、時間終了条件を選択した場合には、役物当たり遊技中のV入賞装置65への球の入賞数に基づいて役物当たり遊技が終了することが無いように構成しているが、これに限ること無く、例えば、入賞終了条件を選択した場合には、通常の時間終了条件として設定される経過時間(例えば、1.6秒)よりも長い時間(例えば、10秒)が経過した場合に成立する強制時間終了条件や、時間終了条件を選択した場合には、通常の入賞終了条件として設定される入賞数(例えば、3個)よりも多い入賞数(例えば、10個)に到達した場合に成立する強制入賞終了条件を設定するように構成しても良い。このように構成することで、役物当たり遊技が長時間実行されてしまうことを抑制することができる。
まず、図144を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10の構成のうち、特徴的な構成について説明をする。図144は、本第6実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。本第6実施形態のパチンコ機10では、上述した第1実施形態のパチンコ機10(図2参照)に対して、遊技者が操作可能な操作手段(切替ボタン22za、第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)を新たに設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図144に示した通り、本第6実施形態のパチンコ機10では、貸球操作部40に設けられた返却ボタン43の右側(図144の正面視で右側)に、切替ボタン22zaが設けられており、上皿17の右側(図144の正面視で右側)に、第1選択ボタン22zbと、第2選択ボタン22zcとが設けられている。切替ボタン22za、第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc(以下、終了条件切替ボタン群22zとも称す)は、遊技者が押下操作した場合に、図示しない検知スイッチが押下を検知し、検知結果を主制御装置110の入出力ポート205(図21参照)へと出力するように構成している。
具体的には、切替ボタン22zaを押下操作した場合には、切替ボタン用検知スイッチ(図示せず)が切替ボタン22zaの押下を検知し、第1選択ボタン22zbを押下操作した場合には、第1選択ボタン用検知スイッチ(図示せず)が第1選択ボタン22zbの押下を検知し、第2選択ボタン22zcを押下操作した場合には、第2選択ボタン用検知スイッチ(図示せず)が第2選択ボタン22zcの押下を検知するように構成し、各々の検知スイッチが検知結果をそれぞれ主制御装置110へと出力するように構成している。
つまり、切替ボタン用検知スイッチ、第1選択ボタン用検知スイッチ、第2選択ボタン用検知スイッチは、図21を参照して上述した各種スイッチ208に含まれるものである。
また、本第6実施形態では、上述した終了条件切替ボタン群22zを、枠ボタン22と約10センチ離間させて設けている。このように構成することにより、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出に対して遊技者に興味を持たせるために、枠ボタン22を用いた操作演出を実行し、遊技者に対して枠ボタン22を操作させる際に遊技者が誤って終了条件切替ボタン群22zを操作してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本実施形態では、パチンコ機10に、演出用の操作手段(枠ボタン22)と、遊技性能に影響を与えることとなる操作手段(終了条件切替ボタン群22z)と、を設けており、演出面においても遊技性能面においても遊技者が任意に内容を選択可能に構成している。よって、遊技者に対して意欲的に遊技への参加を促すことができる。
<第6実施形態における演出内容について>
次に、図145及び図146を参照して、本第6実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、終了条件切替ボタン群を遊技者に操作させるための選択演出と、終了条件切替ボタン群に対する遊技者の操作結果を示すための切替演出と、を実行可能に構成している。
まず、図145(a)を参照して、大当たり遊技におけるエンディング画面の表示内容について説明をする。図145(a)は、本第6実施形態における大当たりエンディング画面にて表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図145(a)に示した表示画面は、上述した第1実施形態における大当たりエンディング画面(図12(a)参照)に対して、遊技者に切替ボタン22zaへの操作を促すための表示態様を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の表示内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図145(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsには、「大当たり終了後Vラッシュが始まるよ!!」という文字が表示され、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを示すVラッシュモードに移行することを遊技者に分かりやすく示している。そして、主表示領域Dmには、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態が継続する期間を示すための残時短期間態様801が「40秒」の「Vラッシュ期間40秒ゲット」というコメントが表示される。なお、図145(a)の表示画面が表示される際に特別図柄の保留記憶状況(図145(c)参照)は、上述した第1実施形態の図12(a)の表示画面が表示される際の特別図柄の保留記憶状況(図12(c)参照)と、同一であるため、その詳細な説明を省略する。
加えて、主表示領域Dmの左下側(図145の正面視で左下側)には表示領域HR20が形成され、切替ボタン22zaを操作することを促すための表示態様として「ボタンPUSHで終了条件選択」のコメントと、切替ボタン22zaを模したアイコンが表示される。
本第6実施形態では、大当たり遊技のエンディング画面が表示されている期間中に遊技者が切替ボタン22zaを操作(押下)することで、役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成している。つまり、本第6実施形態では、大当たり遊技が実行された場合に役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成し、大当たり遊技終了後に設定される時短状態(Vラッシュ)中は、役物当たり遊技の終了条件を切り替えることができないように構成している。
このように構成することで、Vラッシュ中の遊技状況、即ち、特別図柄の変動状況と、普通図柄の変動状況と、に応じて役物当たり遊技の終了条件が頻繁に切り替え、遊技者に過剰に有利な遊技状況を提供してしまうことを抑制することができる。また、大当たり遊技において可変入賞装置650に球を入賞させる遊技が終了したタイミングであって、特電遊技が実行される前のタイミングにて役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しているため、球を発射させる遊技と、終了条件を選択する行為とが重複することなく、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
加えて、図145(a)に示した通り、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の期間(40秒)が報知されている状態で役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しているため、大当たりエンディング画面に表示される残時短期間態様801を把握した状態で遊技者に役物当たり遊技の終了条件を選択させることができる。具体的には、残時短期間態様801の表示態様として時短状態の期間が短い(例えば、40秒)ことを示す表示態様が表示された場合は、役物当たり遊技の終了条件として入賞終了条件を選択し、役物当たり遊技の遊技期間を任意に調整することで、特別図柄変動を中断させる期間を効率良く設定する特電遊技を目指し、残時短期間態様801の表示態様として時短状態の期間が長い(例えば、200秒)ことを示す表示態様が表示された場合は、時間終了条件を選択し、1回の役物当たり遊技にてV入賞装置65へと入賞させる球数を増加させることにより単位時間当たりにおける特典量(賞球数)が大きくなる特電遊技を目指すことができる。
なお、本第6実施形態では、大当たり遊技のエンディング画面が表示されている期間中に役物当たり遊技の終了条件を遊技者が選択可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中のどのタイミングであっても役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しても良い。
また、時短状態中であって、特別図柄変動が実行されていない場合に表示される待機画面(デモ画面)が表示されている場合にも役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しても良いし、役物当たり遊技が実行されている期間中に役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しても良い。このような場合であっても、時短状態の残時間(時短期間)が減算されないタイミングで役物当たり遊技の終了条件を選択することができるため、遊技者に時間的余裕を持たせながら役物当たり遊技の終了条件を選択させることができる。
一方、本第6実施形態の技術思想とは異ならせ、時短状態の残時間(時短期間)が減算される期間中にのみ役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しても良い。このように構成することで、時短状態の残時間(時短期間)が減算されている特電遊技中において、特電遊技のみに集中して遊技を行うか、役物当たり遊技の終了条件を選択する操作を実行するのかを遊技者に選択させることが可能となり、今後の遊技内容を予測させながら遊技者に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図145(a)に示した画面が表示されている状態で、遊技者が切替ボタン22zaを押下すると、図145(b)に示した表示画面が表示される。次に、図145(b)を参照して、役物当たり遊技の終了条件を遊技者に選択させるための選択画面の表示内容について説明をする。図145(b)は、終了条件選択画面として表示される表示内容の一例を示した模式図である。
上述した通り、本実施形態では切替ボタン22zaを押下したことを切替ボタン用検知スイッチ(図示せず)が検知した場合に、その検知結果が主制御装置110へと出力される。主制御装置110では切替ボタン22zaが押下されたことを示すコマンド(切替中コマンド)を設定し、その設定したコマンド(切替中コマンド)がメイン処理(図55参照)で実行される外部出力処理(図55のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力されるように構成している。そして、音声ランプ制御装置113では切替中コマンドを受信したことに基づいて、図145(b)に示した表示画面の表示態様を設定する。
役物当たり遊技の終了条件を選択するための終了条件選択画面の表示内容について、図145(b)を参照して具体的に説明をすると、主表示領域Dmの上部には「役物当たりの終了条件を選んでね」のコメントが表示される。遊技者は、このコメントを視認することで、現在表示されている画面が役物当たり遊技の終了条件を選択するための画面であることを容易に把握することができる。
主表示領域Dmには、遊技者が選択可能な複数の終了条件に対応させた表示領域(HR21,HR22)が区画形成されており、複数の終了条件(入賞終了条件、時間終了条件)の内容(終了条件を成立させるための内容)が表示されている。具体的には、表示領域HR21が役物当たり遊技の終了条件として入賞終了条件が対応付けて表示され、表示領域HR22が役物当たり遊技の終了条件として時間終了条件が対応付けて表示されている。
表示領域HR21には、入賞終了条件を成立させるための要件として「Vアタッカーに球が3個入ると終わるよ」のコメントが表示されると共に、対象の終了条件を示すための「入賞終了」が表示領域HR21aに表示される。また、入賞終了条件を選択する場合に遊技者が操作すべき選択ボタンを案内するための案内表示態様871として、第1選択ボタン22zbを模したアイコン(数字の1が付された丸印)が表示されている。
一方、表示領域HR22には、時間終了条件を成立させるための要件として「役物当たり開始から1.6秒経過で終わるよ」のコメントが表示されると共に、対象の終了条件を示すための「時間終了」が表示領域HR22aに表示される。また、時間終了条件を選択する場合に遊技者が操作すべき選択ボタンを案内するための案内表示態様872として、第2選択ボタン22zcを模したアイコン(数字の2が付された丸印)が表示されている。
さらに、主表示領域Dmの右下側には、表示領域HR23が形成されており、役物当たり遊技の終了条件として現在設定されている終了条件の種別を示すための「時間」の文字が表示されている。つまり、図145(b)では、役物当たり遊技の終了条件として時間終了条件が設定されている状態を示している。なお、役物当たり遊技の終了条件として入賞終了条件が設定されている場合には、表示領域HR23に「入賞」の文字が設定される。また、副表示領域Dsには、役物当たり遊技の終了条件を選択するために遊技者が実行すべき操作を案内するための案内表示態様として「ボタンで選択してね」のコメントと、第1選択ボタン22zb、或いは第2選択ボタン22zcを操作(押下)させることを示すアイコンが表示される。
このような選択画面を表示することにより、遊技者に対して、役物当たり遊技の終了条件の内容を把握しながら、容易に選択することが可能となる。なお、図145(b)に示した表示画面では、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な選択画面が表示されている場合に、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の期間(時短期間)の長さを示唆する情報(例えば、図145(a)にて示した残時短期間態様801)が表示されないように構成しているが、これに限ること無く、選択画面が表示されている状態で残時短期間態様801が表示されるように構成しても良い。これにより、直後に設定される時短状態の期間の長さを参照しながら役物当たり遊技の終了条件を選択し易くすることができる。
終了条件選択画面(図145(b)参照)が表示されている状態で、第1選択ボタン22zbを操作(押下)すると、第1選択ボタン22zbが操作(押下)されたことを第1選択ボタン検知スイッチが検知し、その検知結果が主制御装置110の入出力ポート205へと出力される。そして、主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理において、第1選択ボタン22zbが操作されたことに基づく処理(選択された終了条件を記憶するための処理)を実行するとともに、第1選択ボタン22zbが有効に操作されたことを示すためのコマンド(操作コマンド)を設定する。
主制御装置110の制御処理にて操作コマンドが設定された場合には、主制御装置110のメイン処理(図55参照)で実行される外部出力処理(図55のS1801参照)において音声ランプ制御装置113へと操作コマンドが出力され、音声ランプ制御装置113では、受信した操作コマンドに含まれる情報(操作された選択ボタンの種別を示す情報)に基づいて、終了条件選択後の表示態様が設定される。ここで、終了条件選択後に表示される表示画面の一例について、図146(a)を参照して説明する。図146(a)は、役物当たり遊技の終了条件として入賞終了条件を選択した後に表示される表示内容の一例を示した模式図である。
図145(b)に示した終了条件選択画面が表示されている状態で、入賞終了条件に対応する第1選択ボタン22zbが操作(押下)されると、図146(a)に示した通り、選択された終了条件(入賞終了条件)に対応する表示領域が主表示領域Dmの全面に形成され、主表示領域Dmの上部に終了条件の選択が完了したことを示す「決定」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsには今回の選択結果が反映されるタイミングを遊技者に案内するための案内態様として「次の役物当たりから入賞終了になるよ」のコメントが表示されると共に、表示領域HR23には、現在設定されている終了条件が入賞終了条件であることを示す「入賞」の文字が表示される。
詳細な説明は省略するが、本実施形態では、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な期間内であれば、役物当たり遊技の終了条件を複数回選択することが可能に構成し、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な期間が経過した時点において選択されている終了条件が役物当たり遊技の終了条件として設定されるように構成している。よって、遊技者が間違って終了条件を選択した場合であっても、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な期間が経過するまでの間であれば、再度終了条件を選択することができる。
加えて、本実施形態では、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な状態で、第1選択ボタン22zb、或いは、第2選択ボタン22zcが操作された場合には、選択ボタンが操作された旨と、操作された選択ボタンの種別と、を示す操作コマンドを設定し、大当たり遊技のエンディング期間が終了した時点、即ち、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な期間が終了した時点で、最終的に選択された役物当たり遊技の終了条件を示すコマンド(終了条件コマンド)を設定するように構成している。
つまり、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な期間中は、遊技者が終了条件を複数回選択する場合があるため、各選択ボタンを操作した旨のみを音声ランプ制御装置113へと出力し、選択ボタンの操作に応じた表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示されるようにし、最終的に選択された終了条件のみが音声ランプ制御装置113へと出力されるように構成している。このように構成することで、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと無用なコマンドが出力されてしまうことを抑制することができる。
そして、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定されると、図146(b)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面にはVラッシュが開始されたことを示す表示態様が標示される。図145(b)は、Vラッシュ中に表示される表示内容の一例を示した模式図である。この図146(b)に示した表示画面は、上述した第1実施形態の図12(b)に示した表示画面が表示される状況(図12(c)参照)と、同一の状況(図146(c)参照)で表示される表示画面であって、上述した第1実施形態に対して、現在設定されている役物当たり遊技の終了条件を示すための表示領域HR23が形成されている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図146(b)に示した通り、Vラッシュ中の表示画面には役物当たり遊技の終了条件として入賞終了条件が設定されていることを示す「入賞」の文字が表示されている。このように構成することで、Vラッシュ中に実行される役物当たり遊技の終了条件を遊技者に分かり易く報知することができる。なお、図示は省略しているが、この表示領域HR23は、Vラッシュ期間中は常に表示されるように構成しており、例えば、役物当たり遊技中も役物当たり遊技の終了条件を遊技者が容易に把握できるように構成している。なお、このように役物当たり遊技中に終了条件を表示する場合には、終了条件を成立させるための要素(入賞終了条件が設定されている場合にはVアタッカー(V入賞装置65)への球の入賞数、時間終了条件が設定されている場合には、役物当たり遊技が開始されてからの経過時間)の更新状況と、終了条件が成立する値と、を表示面に表示するように構成すると良い。このように構成することで、役物当たり遊技が急に終了してしまい、遊技者が困惑してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
<第6実施形態における主制御装置の電気的構成について>
次に、図147を参照して、本第6実施形態における主制御装置110の電気的構成について説明をする。図147は、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図147に示した通り、本第6実施形態のRAM203は、上述した第1実施形態のRAM203(図29参照)に対して、終了条件格納エリア203ea、切替可能フラグ203eb、切替中フラグ203ecを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
終了条件格納エリア203eaは、遊技者が選択した役物当たり遊技の終了条件を記憶するための記憶エリアであって、切替処理(図151のS171参照)において、選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)が操作されたと判別した場合に、操作内容に対応した終了条件が記憶される。そして、大当たり遊技が終了した場合に記憶されている終了条件が読み出され、読み出された終了条件に対応する終了条件コマンドを設定する際に参照される。また、役物当たり遊技を実行する場合に読み出され、読み出された終了条件に基づいた役物当たり遊技が実行される。
本第6実施形態では、終了条件格納エリア203eaには、初期データとして入賞終了条件を示す情報が記憶されるように構成されている。具体的には、主制御装置110の立ち上げ処理(図54参照)において、RAM消去スイッチ122(図10参照)が操作されていると判別した場合に(図54のS1704:Yes)、S1714の処理の一環として終了条件格納エリア203eaに入賞終了条件を示すための情報が記憶される。
このように、役物当たり遊技の終了条件として少なくとも何れかの終了条件が初期データとして終了条件格納エリア203eaに記憶されるように構成することで、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な機能を有しているパチンコ機10において、役物当たり遊技の終了条件が何れも設定されていない状況を発生してしまうことを確実に防止することができる。なお、本実施形態では、役物当たり遊技の終了の終了条件の初期データとして、入賞終了条件に対応する情報が終了条件格納エリア203eaに記憶(格納)されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、役物当たり遊技の終了条件の初期データとして、少なくとも入賞終了条件と時間終了条件とが設定されるように構成しても良い。
切替可能フラグ203ebは、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な期間であることを示すためのフラグであって、大当たり遊技のエンディング期間を開始する場合にオンに設定され、大当たり遊技のエンディング期間が終了する場合にオフに設定されるものである。
本第6実施形態では、切替可能フラグ203ebがオンに設定されていない状態で切替ボタン22zaが操作された場合には、その切替ボタン22zaに対する操作が無効となるように構成している。このように構成することで、切替可能フラグ203ebがオンに設定されていない状態で、遊技者が誤って第1選択ボタン22zbや第2選択ボタン22zcを操作したとしても、その操作に基づく処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
切替中フラグ203ecは、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な期間(切替可能フラグ20ebがオンに設定されている期間)中に、切替ボタン22zaが操作(押下)され、第1選択ボタン22zb、或いは第2選択ボタン22zcを操作することで終了条件を選択することが可能な期間であることを示すためのフラグであって、第1選択ボタン22zb、或いは第2選択ボタン22zcを操作することで終了条件を選択することが可能な期間が設定される場合にオンに設定される。
この切替中フラグ203ecは、切替処理(図151のS171参照)において、切替可能フラグ203ebがオンに設定されている状態で(図151のS2201:Yes参照)、切替ボタン22zaが操作された場合、即ち、大当たり遊技のエンディング期間中に切替ボタン22zaを操作した場合(図151のS2203:Yes)にオンに設定される(図151のS2204参照)。
そして、切替中フラグ203ecの設定状況が、切替処理(図151のS171参照)にて、第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zcに対する操作を有効に判別可能な期間であるかを判別する際に参照され(図151のS2202)、第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zcへの操作に基づいて終了条件が選択された場合(図151のS2206参照)にオフに設定される(図151のS2209参照)。また、切替中フラグ203ecがオンに設定されている状態で、遊技者による選択操作が実行されなかった場合は、大当たり遊技の終了タイミングにてオフに設定される(図153のS2303参照)。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置の電気的構成について>
次に、図148を参照して、本第6実施形態のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容について説明をする。図148は、本第6実施形態のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図148に示した通り、本第6実施形態では、上述した第1実施形態における第1実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223(図30(b)参照)に対して、終了格納エリア223eaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
終了格納エリア223eaは、選択された役物当たり遊技の終了条件を記憶するための記憶エリアであって、終了条件関連処理(図156のS4272参照)において、操作コマンドを受信した場合に、その操作コマンドに含まれる操作情報(第1選択ボタン22zbを操作したか、第2選択ボタン22zcを操作したかを示す情報)に基づいて、対応する終了条件が記憶される(図155のS5706,S5707参照)。そして、大当たり遊技の終了時に出力される終了条件コマンドを受信した場合に(図155のS5709:Yes)、受信した終了条件コマンドの内容(設定された終了条件の種別)と、終了格納エリア223eaに格納されている情報(操作コマンドに基づいて予め格納しておいた終了条件の種別)とが比較され(図155のS5710)、比較結果が相違している場合には、終了条件コマンドの内容に対応する終了条件が格納されるものである。
つまり、この終了格納エリア223eaは、遊技者により選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)が操作されたことを示す操作コマンドを受信した場合に、その受信した操作コマンドに基づいた終了条件が記憶され、終了格納エリア223eaに記憶されている終了条件に基づいて第3図柄表示装置81の表示面にて実行される切替演出の表示態様を設定可能にしている。そして、最終的に選択された終了条件を示すための終了条件コマンドを受信した場合に、操作コマンドに基づいて音声ランプ制御装置113側で設定した終了条件と、実際に設定された終了条件と、を比較し、比較結果が同一では無い場合には、終了条件コマンドの内容に対応した終了条件が記憶される。
このように構成することで、最終的に選択された終了条件を示すためのコマンド(終了条件コマンド)が大当たり遊技の終了時に設定される構成を用いたパチンコ機10において、終了条件コマンドを受信するよりも前段階では操作コマンドに基づいて遊技者が選択した終了条件を予測し、その予測結果に基づいた演出態様を設定することができ、遊技者に違和感の無い演出を実行することができる。なお、本実施形態では、終了条件コマンドの設定タイミングを大当たり遊技の終了タイミングとしているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)を操作した場合に、操作コマンドに加え、終了条件コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成した場合には、受信した終了条件コマンドに基づいて、即ち、実際に設定された終了条件に基づいて第3図柄表示装置81の表示面にて実行される表示態様を選択することができる。
<第6実施形態における主制御装置の制御処理について>
図149から図153を参照して、本第6実施形態のパチンコ機10における主制御装置110の制御処理について説明をする。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、タイマ割込処理(図39参照)に替えてタイマ割込処理6(図149参照)を、特電始動口入賞処理(図50のS108参照)に替えて特電始動口入賞処理6(図150のS178参照)を、大当たり制御処理(図56のS1804参照)に替えて大当たり制御処理6(図152のS1854参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図149を参照してタイマ割込処理6の内容について説明をする。図149は、タイマ割込処理6の内容を示したフローチャートである。このタイマ割込処理6は、上述したタイマ割込処理(図39参照)に対して、特電始動口入賞処理(図50のS108参照)に替えて特電始動口入賞処理6(図150のS178参照)を実行し、切替処理(S171参照)を追加した点で相違し、それ以外の処理(S101〜S107,S109〜S112)は、上述したタイマ割込処理(図39参照)と同一であるためその詳細な説明は省略する。
次に、図150を参照して、特電始動口入賞処理6(S178)の内容について説明をする。図150は、特電始動口入賞処理6(S178)の内容を示したフローチャートである。この特電始動口入賞処理6(S178)では、上述した特電始動口入賞処理(図50のS108参照)に対して、役物当たり遊技の実行条件が成立した場合に実行される処理内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特電始動口入賞処理6(S178)が実行されると、まず、上述した第1実施形態の特電始動口入賞処理(図50のS108参照)と同一のS1301〜S1307の処理を実行し、その後、終了条件格納エリア203eaに格納されている終了条件を読み出し(S1381)、読み出した終了条件を設定(S1382)する。その後、特電作動コマンドを設定し(S1308)、本処理を終了する。また、S1302の処理において普図当たり中ではないと判別した場合は(S1302:No)、エラーコマンドを設定し(S1309)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第6実施形態では、役物当たり遊技の実行条件が成立した場合に、終了条件格納エリア203eaに格納されている情報を読み出し、読み出した情報に対応した終了条件を設定することにより、役物当たり遊技の終了条件を可変させるように構成している。これにより、遊技者が選択した終了条件が成立した場合に役物当たり遊技を終了させることが可能となるため、特電遊技中に付与される特典の大小を遊技者が選択することができ、遊技意欲を高めることができる。なお、本実施形態では、役物当たり遊技の実行条件が成立する毎に、実行される役物当たり遊技の終了条件を設定するように構成しているが、本実施形態のように大当たり遊技中にのみ役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しているパチンコ機10であれば、大当たり遊技が終了した時点、或いは、大当たり遊技が終了してから最初に役物当たり遊技の実行条件が成立した場合に、終了条件格納エリア203eaに格納されている終了条件を読み出し、その終了条件に対応する役物当たり動作シナリオを設定するように構成し、次に大当たり遊技が実行されるまでは設定された役物当たり動作シナリオに基づいた役物当たり遊技を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、役物当たり遊技の実行条件が成立する毎に終了条件格納エリア203eaから情報を読み出す処理を実行しなくても、遊技者が選択した終了条件に対応させた役物当たり遊技を実行することができる。
また、本第6実施形態とは異なり、特電遊技中(時短状態中)において役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成したパチンコ機10の場合であっても、例えば、役物当たり遊技の終了条件が切り替わったことを示すフラグ(終了条件切替フラグ)を設け、その終了条件切替フラグがオンに設定されている場合にのみ、終了条件格納エリア203eaに格納されている情報を読み出して、役物当たり遊技の終了条件を切り替えるように構成すると良い。これにより、前回の役物当たり遊技と同一の終了条件で新たな役物当たり遊技を実行する場合には、終了条件格納エリア203eaに格納されている情報を読み出す処理をスキップすることができるため、役物当たり遊技を実行する際の制御処理を簡素化することができる。
次に、図151を参照して、切替処理(S171)の内容について説明をする。図151は、切替処理(S171)の内容を示したフローチャートである。この切替処理(S171)は、タイマ割込処理6(図149参照)にて実行される制御処理であって、終了条件切替ボタン群22zに対する遊技者の操作に基づく処理が実行される。
切替処理(S171)が実行されると、まず、切替可能フラグ203ebがオンに設定されているかを判別し(S2201)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、現在が大当たり遊技のエンディング期間中では無いと判別した場合は(S2201:No)、終了条件切替ボタン群22zへの操作が無効の期間であるため、そのまま本処理を終了する。一方、S2201の処理において切替可能フラグ203ebがオンに設定されていると判別した場合、即ち、現在が大当たり遊技のエンディング期間中であると判別した場合は(S2201:Yes)、次に、切替中フラグ203ecがオンに設定されているかを判別する(S2202)。
S2202の処理において、切替中フラグ203ecがオンに設定されていない場合、即ち、大当たり遊技のエンディング期間中であって、切替ボタン22zaが操作されていない状態(図145(a)の表示画面が表示されている状態)である場合は(S2202:No)、切替ボタン22zaへの操作があるかを判別し(S2203)、操作されていないと判別した場合は(S2203:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、切替ボタン22zaへの操作があったと判別した場合は(S2203:Yes)、次に、切替中フラグ203ecをオンに設定し(S2204)、切替中コマンドを設定し(S2205)、本処理を終了する。
ここで、S2203の判別処理について説明をする。本実施形態では、切替ボタン22zaを遊技者が操作(押下)した場合に、押下された切替ボタン22zaを切替ボタン用検知スイッチが検知し、その検知結果を主制御装置110の入出力ポート205へと出力されるように構成している。そして、S2203の判別処理では、上述した切替ボタン用検知スイッチから検知信号が出力されているかを判別している。
一方、S2202の処理において、切替中フラグ203ecがオンに設定されている場合、即ち、大当たり遊技のエンディング期間中であって、既に切替ボタン22zaが操作されている状態(図145(b)の表示画面が表示されている状態)である場合は(S2202:Yes)、選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)の何れかが操作されているかを判別する(S2206)。このS2206の判別処理では、第1選択ボタン22zbが操作(押下)されている場合は、押下された第1選択ボタン22zbを第1選択ボタン用検知スイッチが検知し、その検知結果が主制御装置110の入出力ポート205へと出力されるため、第1選択ボタン用検知スイッチから検知信号が出力されているか否かが判別される。また、第2選択ボタン22zcが操作(押下)されている場合は、押下された第2選択ボタン22zcを第2選択ボタン用検知スイッチが検知し、その検知結果が主制御装置110の入出力ポート205へと出力されるため、第2選択ボタン用検知スイッチから検知信号が出力されているか否かが判別される。
S2206の処理において、第1選択ボタン22zb、或いは第2選択ボタン22zcの何れかが操作されていると判別した場合は(S2206:Yes)、選択ボタンが操作されたことを示す情報と、操作された選択ボタンの種別を示す情報と、を含む操作コマンドを設定し(S2207)、S2206の処理によって選択された終了条件を終了条件格納エリア203eaに格納し(S2208)、切替中フラグ203ecをオフに設定し(S2209)、本処理を終了する。
また、S2206の処理において、第1選択ボタン22zb、或いは第2選択ボタン22zcの何れも操作されていないと判別した場合、即ち、第1選択ボタン用検知スイッチからも第2選択ボタン用検知スイッチからも検知信号が出力されていないと判別した場合は(S2206:Yes)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、切替処理(図151のS171参照)では、選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)への操作が有効に判別されるタイミングにおいて、何れかの選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)が操作された場合に、終了条件格納エリア203eaに選択された終了条件を示す情報が格納されるが、選択された終了条件を示すコマンドを設定すること無く、選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)が操作されたことを示す情報と、操作された選択ボタンの種別を示す情報が含まれる操作コマンドを設定するように構成している。また、S2209の処理において切替中フラグ203ecをオフに設定するため、大当たり遊技のエンディング期間中であれば、終了条件切替ボタン群22zを操作し、再度、終了条件を選択することが可能に構成している。
つまり、大当たり遊技のエンディング期間が終了するまでは、終了条件が確定しないため、音声ランプ制御装置113に向けて選択された終了条件を示すためのコマンド(終了条件コマンド)を出力しないように構成している。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側では終了条件コマンドを受信した場合に、次の大当たり遊技が実行されるまで、受信した終了条件コマンドに含まれている情報(終了条件種別)に応じた演出を設定することができる。よって、遊技者が選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)を操作する毎に終了条件コマンドが設定される場合に比べて、音声ランプ制御装置113側の制御処理を簡素化することができる。
また、切替中フラグ203ecがオンに設定されている状態で選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)が操作されたことを示す操作コマンドを設定可能に構成しているため、大当たり遊技のエンディング期間中は、受信した操作コマンドに基づいた演出を実行することができる。よって、選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)を操作した遊技者に対して違和感を与えることの無い演出を実行することができる。
次に、図152を参照して、大当たり制御処理6(S1854)の内容について説明をする。図152は、大当たり制御処理6(S1854)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理6(S1854)では、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図56のS1804参照)に対して、エンディング期間の開始タイミングにて実行される処理と、大当たり遊技の終了タイミングにて実行される処理と、が相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり制御処理6(S1854)が実行されると、まず、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図56のS1804参照)と同一のS1901〜S1911の処理を実行し、S1911の処理を終えた後に、切替可能フラグ203ebをオンに設定し(S1951)、本処理を終了する。つまり、本実施形態では、大当たり遊技において最後のラウンド遊技が終了した後に設定されるエンディング期間が設定された場合に、切替可能フラグ203ebをオンに設定することで、切替ボタン22zaに対する遊技者の操作を有効に判別するように構成している。
一方、S1910の処理において、エンディング期間の開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1910:No)、次に、大当たり終了のタイミング、即ち、エンディング期間の終了タイミングであるかを判別し(S1912)、大当たり終了のタイミングであると判別した場合は(S1912:Yes)、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図56のS1804参照)と同一のS1913〜S1917の処理を実行し、その後、終了条件設定処理を実行し(S1952)、本処理を終了する。また、S1912の処理において大当たり終了のタイミングでは無いと判別した場合は(S1912:No)、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図56のS1804参照)と同一のS1918の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図153を参照して、終了条件設定処理(S1952)の内容について説明をする。図153は、終了条件設定処理(S1952)の内容を示したフローチャートである。この終了条件設定処理(S1952)は、大当たり制御処理6(図152のS1854参照)にて実行されるものであり、大当たり遊技のエンディング期間中に実行された役物当たり遊技の終了条件選択の選択結果に基づいた処理を実行するものである。
終了条件設定処理(S1952)が実行されると、まず、切替可能フラグ203ebをオフに設定し(S2301)、次いで、切替中フラグ203ecがオンに設定されているかを判別し(S2302)、オンに設定されていると判別した場合、即ち、終了条件を選択する選択画面(図145(b)参照)が表示された状態で大当たり終了タイミングとなった場合は(S2302:Yes)、切替中フラグ203ecをオフに設定し(S2303)、終了条件格納エリア203eaに格納されている情報(最終的に選択した終了条件種別)を読み出し(S2304)、終了条件格納エリア203eaから読み出した情報に基づいて終了条件コマンドを設定し(S2305)、本処理を終了する。一方、S2302の処理で切替中フラグ203ecがオンに設定されていないと判別した場合、即ち、大当たりエンディング画面(図145(a)参照)にて切替ボタン22zaを操作しなかった場合、或いは、終了条件選択画面(図145(b)参照)にて所望の選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)を操作(押下)した場合は(S2302:No)、S2303の処理をスキップしてS2304の処理へ移行する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、大当たり遊技の終了タイミングにおいて実行される終了条件設定処理(図153のS1952参照)にて、最終的に選択された終了条件のみを対象に終了条件コマンドを設定するように構成している。さらに、役物当たり遊技の終了条件を選択可能な期間が大当たり遊技中のみとなるように構成している。このように構成することで、1回の大当たり遊技を契機に音声ランプ制御装置113側へと出力される終了条件コマンドの数を1つにすることができ、その終了条件コマンドに含まれる終了条件に対応した終了条件が、少なくとも次の大当たり遊技が実行されるまで適用されることになる。
よって、音声ランプ制御装置113側では、受信した終了条件コマンドに基づいた演出を、少なくとも次の大当たり遊技が実行されるまでは継続して実行することができるため、役物当たり遊技の終了条件に応じて演出態様を可変させる場合において、演出態様を可変させるための処理が煩雑になることを抑制することができる。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図154、及び図155を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第6実施形態では、上述した第1実施形態に対して、コマンド判定処理(図61のS4102)に替えてコマンド判定処理6(図154のS4172)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図154を参照して、コマンド判定処理6(S4172)の内容について説明をする。図154は、コマンド判定処理6(S4172)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理6(図154のS4172)は、上述した第1実施形態におけるコマンド判定処理(図61のS4102)に対して、役物当たり遊技の終了条件に関するコマンドを受信したかの判別処理と、その判別処理の結果に基づいて実行される処理と、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理6(図154のS4172)が実行されると、まず、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図61のS4102参照)と同一のS4201〜S4219の処理を実行する。そして、S4218の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4218:No)、次に、終了条件関連コマンドを受信したかを判別する(S4271)。ここで、終了条件関連コマンドとしては、主制御装置110の切替処理(図151のS171参照)にて設定される切替中コマンド、操作コマンドと、終了条件設定処理(図153のS1952参照)にて設定される終了条件コマンドと、が該当する。
S4271の処理において、終了条件関連コマンドを受信したと判別した場合は(S4271:Yes)、次に、終了条件関連処理を実行し(S4272)、本処理を終了する。一方、S4271の処理において、終了条件関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4271:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4220)、本処理を終了する。
次に、図155を参照して、終了条件関連処理(S4272)の内容について説明をする。図155は、終了条件関連処理(S4272)の内容を示したフローチャートである。この終了条件関連処理(S4272)は、遊技者が役物当たり遊技の終了条件を選択する選択操作を実行した場合に、その選択操作に対応する演出態様を設定するための様々な処理が実行される。
終了条件関連処理(S4272)が実行されると、まず、現在が大当たり遊技中であるかを判別し(S5701)、大当たり遊技中では無いと判別した場合は(S5701:No)、そのまま本処理を終了する。つまり、本実施形態では、大当たり遊技中にのみ役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しているため、大当たり遊技中以外に終了条件関連コマンドを受信した場合には、受信したコマンドに対応する演出を設定しないように構成している。よって、ノイズ等により誤ったコマンドを受信した場合に遊技者の意図しない演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
S5701の処理において、現在が大当たり遊技中であると判別した場合は(S5701:Yes)、次に、切替中コマンドを受信したか、即ち、大当たりのエンディング期間中に遊技者が切替ボタン22zaを操作(押下)したかを判別する(S5702)。S5702の処理において切替中コマンドを受信したと判別した場合は(S5702:Yes)、選択画面を示す表示用コマンドを設定し(S5703)、本処理を終了する。
S5703の処理が実行されると、大当たりのエンディング画面(図145(a)参照)を、役物当たり遊技の終了条件を選択するための選択画面(図145(b)参照)へと切り替えるための表示用コマンドが設定される。ここで設定された表示用コマンドは、その他の表示用コマンドと同様に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(図60のS4102参照)にて表示制御装置114へと出力される。そして、表示制御装置114がS5703の処理で設定された表示用コマンドを受信すると、終了条件の選択画面(図145(b)参照)を表示するための画像データを作成し、第3図柄表示装置81に選択画面が表示される。
一方、S5702の処理において、切替中コマンドを受信していないと判別した場合は(S5702:No)、次いで、操作コマンドを受信したかを判別する(S5704)。この操作コマンドは、遊技者が選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)を操作(押下)したことが有効に判別された場合に、即ち、大当たりのエンディング期間中に、切替ボタン22zaを操作し、終了条件の選択画面を表示させた状態で選択ボタン(第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)を操作した場合に、設定されるコマンドであって、遊技者が操作した選択ボタンの種別を示すための情報を含むコマンドである。
S5704の処理において、操作コマンドを受信したと判別した場合は(S5704:Yes)、今回受信した操作コマンドが第1選択ボタン22zbに対応する操作コマンドであるか、即ち、操作コマンドに含まれる情報に第1選択ボタン22zbを操作したことを示すための情報が含まれているかを判別し(S5705)、第1選択ボタン22zbであると判別した場合は(S5705:Yes)、第1選択ボタン22zbに対応する終了条件である入賞終了(条件)を示す表示用コマンドを設定する(S5706)。S5706の処理で表示用コマンドが設定されると、終了条件の選択画面(図145(b)参照)から、遊技者が入賞終了条件を選択したことを示す終了条件決定画面(図146(a)参照)が表示される。その後、設定した終了条件(入賞終了条件)を終了格納エリア223eaに格納し、本処理を終了する。
S5705の処理において、今回受信した操作コマンドが第1選択ボタン22zbを操作したものでは無いと判別した場合は(S5705:No)、今回受信した操作コマンドが第2選択ボタン22zcを操作したものであるため、時間終了(条件)を示す表示用コマンドを設定し(S5707)、本処理を終了する。S5707の処理で表示用コマンドが設定されると、終了条件の選択画面(図145(b)参照)から、遊技者が時間終了条件を選択したことを示す終了条件決定画面が表示される。具体的には、図146(a)を参照して上述した表示画面に対して、表示領域HR21に替えて表示領域HR22(図145(b)参照)が拡大表示され、表示領域HR22aに「時間終了」が表示され、表示領域HR23に「時間」の文字が表示される。その後、設定した終了条件(時間終了条件)を終了格納エリア223eaに格納し、本処理を終了する。
S5704の処理において、操作コマンドを受信していないと判別した場合は(S5704:No)、次に、終了条件コマンドを受信したかを判別し(S5709)、終了条件コマンドを受信していないと判別した場合は(S5709:No)、そのまま本処理を終了する。一方、終了条件コマンドを受信したと判別した場合は(S5709:Yes)、終了格納エリア223eaに格納されている終了条件を示す情報と、今回受信した終了条件コマンドに含まれる情報と、を比較し、同一の終了条件を示しているかを判別する(S5710)。
S5710の処理において、同一の終了条件であると判別した場合、即ち、受信した操作コマンドに基づいて設定した終了条件と、終了条件コマンドが示す終了条件とが、同一の終了条件を示している場合は(S5710:Yes)、そのまま本処理を終了する。また、受信した操作コマンドに基づいて設定した終了条件と、終了条件コマンドが示す終了条件とが、同一の終了条件を示していない場合は(S5710:No)、実際に設定される終了条件と、第3図柄表示装置81の表示面にて表示した選択結果とが相違する場合であるため、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を、終了条件コマンドが示す終了条件に対応する表示態様へと切り替えるための表示用コマンドを設定し(S5711)、本処理を終了する。
S5711の処理において表示用コマンドが設定されると、主表示領域Dmの中央部にて「終了条件切替中」のコメントを表示しながら、表示領域HR23に終了条件コマンドが示す終了条件に対応した表示態様が表示される。
以上、説明をした通り、本第6実施形態では、役物当たり遊技の終了条件として、入賞終了条件または時間終了条件の何れかを遊技者が選択可能に構成している。つまり、入賞終了条件を選択した場合には、時間終了条件が成立し得る期間が経過したとしても時間終了条件が成立することが無く、時間終了条件を選択した場合には、V入賞装置65への入賞数が、入賞終了条件が成立し得る個数に到達した場合であっても入賞終了条件が成立しないように構成している。このように構成することで、遊技者が所望する終了条件が成立した場合に役物当たり遊技を終了させることができるため、特電遊技中の遊技をより積極的に遊技者に行わせることができる。
なお、本第6実施形態では、入賞終了条件を選択した場合には、役物当たり遊技中の経過時間に基づいて役物当たり遊技が終了すること無く、時間終了条件を選択した場合には、役物当たり遊技中のV入賞装置65への球の入賞数に基づいて役物当たり遊技が終了することが無いように構成しているが、これに限ること無く、例えば、入賞終了条件を選択した場合には、通常の時間終了条件として設定される経過時間(例えば、1.6秒)よりも長い時間(例えば、10秒)が経過した場合に成立する強制時間終了条件や、時間終了条件を選択した場合には、通常の入賞終了条件として設定される入賞数(例えば、3個)よりも多い入賞数(例えば、10個)に到達した場合に成立する強制入賞終了条件を設定するように構成しても良い。このように構成することで、役物当たり遊技が長時間実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本第6実施形態では、大当たり遊技のエンディング画面が表示されている期間中に遊技者が切替ボタン22zaを操作(押下)することで、役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成している。つまり、本第6実施形態では、大当たり遊技が実行された場合に役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成し、大当たり遊技終了後に設定される時短状態(Vラッシュ)中は、役物当たり遊技の終了条件を切り替えることができないように構成している。
このように構成することで、Vラッシュ中の遊技状況、即ち、特別図柄の変動状況と、普通図柄の変動状況と、に応じて役物当たり遊技の終了条件が頻繁に切り替え、遊技者に過剰に有利な遊技状況を提供してしまうことを抑制することができる。また、大当たり遊技において可変入賞装置650に球を入賞させる遊技が終了したタイミングであって、特電遊技が実行される前のタイミングにて役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しているため、球を発射させる遊技と、終了条件を選択する行為とが重複することなく、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
さらに、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の期間(40秒)が報知されている状態で役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しているため、大当たりエンディング画面に表示される残時短期間態様801を把握した状態で遊技者に役物当たり遊技の終了条件を選択させることができる。具体的には、残時短期間態様801の表示態様として時短状態の期間が短い(例えば、40秒)ことを示す表示態様が表示された場合は、役物当たり遊技の終了条件として入賞終了条件を選択し、役物当たり遊技の遊技期間を任意に調整することで、特別図柄変動を中断させる期間を効率良く設定する特電遊技を目指し、残時短期間態様801の表示態様として時短状態の期間が長い(例えば、200秒)ことを示す表示態様が表示された場合は、時間終了条件を選択し、1回の役物当たり遊技にてV入賞装置65へと入賞させる球数を増加させることにより単位時間当たりにおける特典量(賞球数)が大きくなる特電遊技を目指すことができる。
なお、本第6実施形態では、大当たり遊技のエンディング画面が表示されている期間中に役物当たり遊技の終了条件を遊技者が選択可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中のどのタイミングであっても役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しても良い。
また、時短状態中であって、特別図柄変動が実行されていない場合に表示される待機画面(デモ画面)が表示されている場合にも役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しても良いし、役物当たり遊技が実行されている期間中に役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しても良い。このような場合であっても、時短状態の残時間(時短期間)が減算されないタイミングで役物当たり遊技の終了条件を選択することができるため、遊技者に時間的余裕を持たせながら役物当たり遊技の終了条件を選択させることができる。
一方、本第6実施形態の技術思想とは異ならせ、時短状態の残時間(時短期間)が減算される期間中にのみ役物当たり遊技の終了条件を選択可能に構成しても良い。このように構成することで、時短状態の残時間(時短期間)が減算されている特電遊技中において、特電遊技のみに集中して遊技を行うか、役物当たり遊技の終了条件を選択する操作を実行するのかを遊技者に選択させることが可能となり、今後の遊技内容を予測させながら遊技者に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
<第2変形例>
次に、図156を参照して、上述した各実施形態における第2変形例について説明をする。上述した各実施形態では、通常状態が設定されている場合、時短状態が設定されている場合、当たり遊技(役物当たり遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)といった全ての遊技において、遊技盤13上に形成される遊技領域のうち、左側領域(可変表示ユニット80の左側)を球が流下するように球を発射させる遊技(左打ち遊技)を実行するように構成していた。
これにより、遊技者に対して球を発射させる遊技領域を可変させることが無いため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるものであった。また、各実施形態では、上述した通り、遊技の途中(例えば、当たり遊技が実行される際)で、遊技方法を可変する必要が無いため、普図当たり遊技が実行される場合(図13(a)参照)や、役物当たり遊技が実行される場合(図18(a)参照)であっても、遊技方法を可変させるための案内報知(例えば、「右打ちしろ」のコメント表示)を実行せず、表示領域HR3にて、実行される当たり遊技中に開放状態となる装置(例えば、普電入賞装置640、V入賞装置65等)を遊技者に報知するように構成していた。
しかしながら、上述した各実施形態における表示領域HR3(図13(a)参照)には、単に、実行される当たり遊技に対応する入賞装置(普電入賞装置640)を模式的に示した画像表示が表示されるだけであり、実行される当たり遊技の内容を理解している遊技者に対しては不必要な表示になるという問題があった。また、パチンコ機10に設けられる第3図柄表示装置81の表示面の領域には制限があるため、不必要な表示が表示領域HR3(図13(a)参照)に表示されると、その他の演出表示を実行する領域が狭くなり、パチンコ機10の演出効果が低下してしまうという問題があった。一方で、他の演出表示を実行する領域を広くし、演出効果を高めることを目的として第3図柄表示装置81の表示面の各表示領域を設定してしまうと、表示領域HR3の表示領域が狭くなり、遊技者に分かり難い遊技が提供されてしまうという問題があった。
これに対して、本第2変形例では、当たり遊技中において遊技者が狙うべき入賞装置(普電入賞装置640、V入賞装置65、可変入賞装置650)を示す案内表示態様(表示領域HR3に表示される表示画像の表示態様)を様々な条件に基づいて可変設定可能に構成している点で上述した各実施形態と相違している。それ以外の内容は上述した各実施形態と同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、本第2変形例のパチンコ機10にて第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示画面の一例について図156を参照して説明をする。図156(a)は、Vラッシュ期間中に普図当たり遊技が実行された場合に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図であって、図156(b)は、図156(a)に示した表示画面が表示されている状態で遊技者が操作手段(枠ボタン22)に対して所定の操作を実行した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
本第2変形例では、上述した各第1実施形態と同様に、普図当たり遊技が実行された場合に、普電入賞装置640へと球が入賞可能な状態となる。そして、普電入賞装置640の内部に特電作動口643が設けられており、特電作動口643へと球が入賞した場合に、V入賞装置65へと球が入賞可能となる役物当たり遊技が実行されるように構成している。さらに、V入賞装置65内にはV入賞口165が設けられており、そのV入賞口165へと球が入賞することで、可変入賞装置650へと球が入賞可能となる大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されるように構成している。つまり、一の当たり遊技(普図当たり遊技)を基点に、複数可能の当たり遊技を実行し得るように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、例えば、普図当たり遊技中に球が特電作動口643へと入球することで、普図当たり遊技と継続して役物当たり遊技が実行されることになる。この場合、実行中の当たり遊技の種別に対応させて案内表示態様を表示してしまうと、普図当たり遊技から役物当たり遊技へと切り替わるタイミングに合わせて表示領域HR3に表示される案内表示態様が切り替わるため、役物当たり遊技に対応する入賞装置(V入賞装置65)を遊技者に案内するための案内表示態様が表示されるタイミングが遅れてしまうという問題があった。また、案内表示態様が表示されるタイミングが遅れることを考慮し、例えば、普図当たり遊技から役物当たり遊技へと当たり遊技が切り替わる際に、具体的には、普図当たり遊技が終了してから(特電作動口643へと球が入賞してから)、役物当たり遊技が実行されるまでの間に待機期間(例えば、3秒)を設定することも考えられるが、待機期間を設定することにより、一連の流れで大当たり遊技(V大当たり遊技)を目指す特電遊技のスピード感が低下してしまい、遊技の興趣を向上させることができないという問題があった。
これに対して、本第2変形例では、図156(a)に示した通り、普図当たり遊技であって、表示領域HR3にて案内表示態様として普電入賞装置640を模した画像表示が実行されている状態において、次に実行され得る当たり遊技、即ち、実行中の普図当たり遊技にて球を特電作動口643へと入球させた場合に実行される当たり遊技(役物当たり遊技)にて遊技者が狙うべき入賞装置(V入賞装置65)を、事前に遊技者に案内するための第2案内表示態様が表示領域HR30に表示されるように構成している。
このように構成することで、今回の普図当たり遊技の遊技結果が特定の遊技結果(特電作動口643へと球を入賞させた遊技結果)である場合に、次に実行される当たり遊技にて狙うべき入賞装置を遊技者に分かり易く報知することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。また、普図当たり遊技中に次に実行され得る役物当たり遊技の遊技内容を予め報知することで、普図当たり遊技が終了してから役物当たり遊技が実行されるまでの期間に、役物当たり遊技の遊技内容(狙うべき入賞装置)を遊技者に把握させるための待機期間を設ける必要を無くすことができる(待機期間の長さを短くすることができる)。よって、一連の流れで大当たり遊技(V大当たり遊技)を目指す特電遊技を円滑に行わせることで遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述した通り、実行中の普図当たり遊技の遊技結果が特定の遊技結果となった場合に役物当たり遊技が実行されるように構成しているため、普図当たり遊技中に表示領域HR30にて表示される第2案内表示態様には、「狙え」のコメントが表示されない。また、役物当たり遊技の実行が確定していない状態、即ち、普図当たり遊技中であって、球が特電作動口643へと入球していない状態では、V入賞装置65を模した表示画像(例えば、図18(a)の表示領域HR3に表示される画像)の一部のみが表示されるように構成している。このように構成することで、実行中の当たり遊技の遊技内容を示す第1案内表示態様と、次に実行され得る当たり遊技の遊技内容を示す第2案内表示態様と、を遊技者に分かり易く識別させることができるため、例えば、普図当たり遊技中にV入賞装置65を狙う遊技が実行されることを抑制することができる。
図156(a)を参照して示した例では、第1案内表示態様、及び第2案内表示態様として、対応する当たり遊技にて開放状態となる入賞装置を模した画像表示を用いているが、これに限ること無く、文字表示のみで第1案内表示態様、及び第2案内表示態様を設定しても良いし、文字と画像の両方を用いて設定しても良い。
また、第1案内表示態様、及び第2案内表示態様として表示される入賞装置を模した画像表示として、実際にパチンコ機10に設けられている各入賞装置を撮影した撮影データを用いても良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される画像として実際に入賞装置を撮影した画像を用いることができるため、遊技者により分かり易い演出を実効することができる。
反対に、当たり遊技に対応する入賞装置のうち、必要最低限の表示情報のみを表示する簡易表示を用いても良い。この場合、複数のパチンコ機10にて簡易表示を流用することができるため、遊技機開発の費用を削減することができる。
さらに、詳細な説明は省略するが、本第2変形例では、第1案内表示態様、及び第2案内表示態様が表示領域HR3に表示されている場合に、現在実行中の当たり遊技(例えば、大当たり遊技)の実行契機となった当たり遊技の種別を報知可能にするための過去履歴情報態様も表示するように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行された場合に、過去の遊技内容を見返すことが可能となるため、今回実行された大当たり遊技が特別図柄の抽選で大当たり当選したことに基づいて実行された大当たり遊技であるか、役物当たり遊技中にV入賞口165へと球が入賞したことに基づいて実行された大当たり遊技であるかを遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、本第2実施形態では、普図当たり遊技中に表示される第2案内表示態様を、普図当たり遊技の進行状況に応じて、即ち、実行中の普図当たり遊技において特電作動口643に球が入賞する期待度の変化に応じて可変設定するように構成されている。具体的には、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から普図当たり遊技の開始を示すコマンドを受信した場合に、第1案内表示態様として表示すべき第1画像データ(普電入賞装置640を模式的に示した画像データ)を示す表示用コマンドと、第2案内表示態様として表示すべき第2画像データ(V入賞装置65を模式的に示した画像データ)を示す表示用コマンドと、を設定し、表示制御装置114へと送信する。
表示制御装置114では、上述した表示用コマンドを受信したことに基づいて、図156(a)に示した第1案内表示態様の画像表示データと、第2案内表示態様の画像表示データを作成し、第3図柄表示装置81の表示面に表示する。つまり、普図当たり遊技が開始された直後は、図156(a)に示した表示画面が表示される。そして、普図当たり遊技中に球が普電入賞装置640へと入賞したことを入賞センサ640sが検知したことを示す入賞コマンドが主制御装置110から出力されると、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114へと普図当たり遊技の進展を示すコマンドを出力する。
これにより、実行中の普図当たり遊技において特電作動口643に球が入賞する期待度が高くなったことを示すように第2案内表示態様として、V入賞装置65を模した画像が図156(a)に示した表示態様よりも多く露出した画像表示データ(V入賞装置65を模した画像の約3/4が表示される画像表示データ)が作成し、第3図柄表示装置81の表示面に表示する。そして、同様に、球が特電作動口643へと入賞することが確定する状態、例えば、第2可動弁642を通過し、球が特電作動口643に向けて流下する状態を検知したことを示すコマンドが主制御装置110から出力されると、第3図柄表示装置81の表示面に第2案内表示態様として、V入賞装置65を模した画像全体が表示される。
このように構成することで、実行中の当たり遊技の進行具合に応じて、次に実行され得る当たり遊技に対する案内表示の表示態様(第2案内表示態様)を可変させることができるため、即ち、実行中の普図当たり遊技において特電作動口643に球が入賞する期待度が高くなるほど、次に実行され得る当たり遊技を案内するための案内表示を明確に表示させることができる。
なお、図156(a)を参照して示した例は、あくまでも一例であり、複数の当たり遊技を一連の流れで実行可能な遊技機において、一の当たり遊技が実行されている期間中に、次に実行され得る当たり遊技の遊技方法を案内可能であれば良く、例えば、実行される一の当たり遊技(例えば、普図当たり遊技)の種別に応じて、次の当たり遊技(例えば、役物当たり遊技)が実行される確率を異ならせる構成を用いた場合には、実行される普図当たり遊技の種別に応じて、普図当たり遊技中に表示される第1案内表示態様、或いは、第2案内表示態様を可変させても良い。具体的には、第1案内表示態様の表示色や大きさを、次の当たり遊技(例えば、役物当たり遊技)が実行される確率が高いほど遊技者に目立つ態様へと可変させるように構成すると良い。また、普図当たり遊技の開始時に表示される第2案内表示態様の表示態様を可変させても良く、例えば、次の当たり遊技(例えば、役物当たり遊技)が実行される確率が低い不利普図当たり遊技が実行される場合は、第2案内表示態様としてV入賞装置65の画像の約半分が表示される表示態様とし、不利普図当たり遊技よりも役物当たり遊技が実行され易い有利普図当たり遊技が実行される馬合は、第2案内表示態様としてV入賞装置65の画像の3/4が表示される表示態様を表示させるように構成すると良い。
このように構成することで、第1案内表示態様や第2案内表示態様を視認することにより、実行される当たり遊技の遊技方法を分かり易く把握するだけでは無く、実行中の当たり遊技が遊技者に有利な当たり遊技であるか否かを遊技者に予測させることができるため、第1案内表示態様、及び第2案内表示態様の演出効果を高めることができる。また、上述した通り、遊技者に有利な遊技結果と期待度に応じて段階的に表示態様を可変させるように構成し、実行される当たり遊技(普図当たり遊技)の有利度合いに応じて、最初に設定される表示態様の段階を異ならせるように構成することで、即ち、期待度が高いことを示す表示態様を表示するタイミングを異ならせることで、共通の画像データを用いながらも実行される当たり遊技の有利度合いを遊技者に報知することができるため、画像データの容量を削減することができる。
なお、上述した内容では、普図当たり遊技と役物当たり遊技とが一例の当たり遊技として実行される例を示したが、これに限ること無く、複数の当たり遊技が一連の当たり遊技として実行される全ての場合に当然用いても良い。
次に、図156(b)を参照して、普図当たり遊技中に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作した場合における表示される表示内容について説明をする。図156(a)に示した表示画面が表示されている状態で遊技者が枠ボタン22を1回操作すると(押下すると)、実行中の普図当たり遊技の遊技方法を案内する表示領域HR3が拡大表示される。これにより、実行中の当たり遊技の遊技方法を知りたい遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。また、枠ボタン22を2回操作すると、表示領域HR3が図156(a)に示した大きさよりも縮小表示され、枠ボタン22を3回操作すると、表示画面から表示領域HR3が削除され、枠ボタン22を4回操作すると、図156(a)に示した表示画面へと戻るように構成している。
このように、実行中の当たり遊技の遊技方法を案内するための案内表示態様(第1案内表示態様)の大きさを遊技者の操作に基づいて可変させることにより、遊技者の所望する大きさで案内表示態様を表示させることができる。また、案内表示態様を縮小、或いは、削除した場合には、案内表示態様の表示タイミングと重複して表示画面に表示されるその他の演出表示(符号811、符号812等の演出表示)の表示領域が大きくなるように構成している。さらに、その他の演出表示の表示領域が大きくなった場合にのみ実行される演出表示を有している。これにより、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を操作させることができる。
なお、これに限ること無く、例えば、第1案内表示態様を拡大表示することで、第1案内表示態様の詳細な表示箇所、例えば、普電入賞装置640内の第2可動弁642を模した表示態様が通常とは異なる特定表示態様であることを遊技者に視認可能に構成し、この特定表示態様は、遊技者に有利な当たり遊技が実行されている場合に表示され易くなるように構成すると良い。これにより、既に遊技方法を理解している遊技者に対しても、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様に興味を持たせることができる。
以上、説明をした例では、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することにより、案内表示態様を拡大または縮小可能に構成しているが、操作手段への操作に基づいて案内表示態様が可変されるものであれば良く、例えば、操作手段として、少なくとも左右方向、或いは上下方向を示す操作を実行可能な方向操作手段(十字スイッチ)を設けているパチンコ機10であれば、方向操作手段を操作することで、案内表示態様の対象となる入賞装置以外の領域(パチンコ機10の遊技盤13にて対象となる入賞装置が配設されている領域の付近)が表示されるように案内表示態様を可変させても良いし、案内表示態様の対象となる入賞装置を回転(横回転、縦回転)させるように案内表示態様を可変させても良い。この場合、表示制御装置114に予め、遊技盤13の遊技領域全体を示す画像データと、入賞装置の立体的な画像データ(3Dデータ)と、を記憶させておき、方向操作手段に対する操作内容を示す操作信号に対応するコマンドを受信した場合に、そのコマンドに対応する画像データを作成し表示すれば良い。さらに、この場合、方向操作手段を操作した場合にのみ、表示され得る領域に遊技者に有利となる情報が表示されるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して操作手段を意欲的に操作させることができる。
以上、説明をした本第2変形例では、上述した第1実施形態と同様に、全ての遊技を左打ち遊技で実行可能に構成しているが、例えば、複数の当たり遊技を一連の遊技として実行可能な遊技機であって、一の当たり遊技を左打ち遊技、次の当たり遊技を右打ち遊技で実行する場合には、第1案内表示態様が表示される表示領域HR3を、第3図柄表示装置81の表示面の左側に形成し、第2案内表示態様が表示される表示領域HR30を、第3図柄表示装置81の表示面の右側に形成するように構成すると良い。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に形成される表示領域の位置によっても、遊技者に遊技方法を示唆することが可能となる。また、この場合、上述した方向操作手段を操作することで、表示領域HR3や表示領域HR30が表示される位置を遊技者が操作可能に構成しても良い。
以上、説明をした本第2変形例では、複数の当たり遊技を一連の遊技として実行する場合について説明をしたが、特定の当たり遊技が単体で実行される場合においても、上述した内容の演出を適用することができる。例えば、特別図柄変動期間と大当たり遊技と、を一連の遊技として設定し、特別図柄変動期間中には第1案内表示態様として特図入球口64を狙う画像を表示させ、第2案内表示態様として可変入賞装置650を示す画像を表示するように適用しても良い。この場合、遊技者に遊技方法を案内する必要性が少ない第1案内表示態様を削除し、第2案内表示態様のみを表示させるように構成しても良い。また、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に開放動作される可変入賞装置650を複数設けた遊技機であれば、第2案内表示態様として、いずれの可変入賞装置650が最終的に表示されるのかを遊技者に煽る演出を実行可能に構成しても良い。
また、上述した第2変形例では、普図当たり遊技が実行されている場合の案内表示態様について説明をしたが、例えば、普通図柄の抽選にて当たり当選し、普図当たり遊技が実行されるまでの期間は、第1案内表示態様のみを表示するように構成すれば良い。また、そのタイミングにて、一例の遊技が全て成功した場合の遊技の流れ、即ち、普図当たり遊技、役物当たり遊技、大当たり遊技の流れを順に示すように案内表示態様を順に切り替えて表示するように構成しても良い。
さらに、当たり遊技中に表示される案内表示態様の可変内容を適宜設定しても良く、例えば、拡大、縮小、回転以外にも、点滅や変色を用いて案内表示態様を可変させても良いし、案内表示態様の近傍にキャラクタを出現させることで案内表示態様を可変させても良い。また、実際の入賞装置を模した装飾用構造物と、第3図柄表示装置81の表示面とを組み合わせて遊技方法を案内しても良い。
さらに、上述した各第2変形例では、遊技者に分かり易く当たり遊技中の遊技方法を案内するために、実物を模した画像を用いた画像表示を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、対象となる入賞装置が遊技領域のどの位置に配設されているかと、入賞装置のうち球が入球可能となる箇所と、入賞装置内に球が通過し得る領域として遊技機に有利な領域と不利な領域とが設けられている場合には、有利な領域の箇所と、の少なくとも1つを遊技者に把握させることが可能な程度に簡素化した表示画像を用いても良い。このように構成することで、遊技者に最低限必要な情報を提供することが出来ると共に、異なるパチンコ機10にも共通の画像データを用いることが可能となるため、パチンコ機10の開発費用、製造コストを抑えることができる。
上述した第1実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合、或いは、役物当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口165)へと入球(入賞)した場合に、大当たり遊技を実行可能に構成し、その大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成している。加えて、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選で大当たり当選すること無く所定回数(例えば、4回)の特別図柄抽選が実行されたことに基づいて成立する時短終了条件(時短回数)が設定されるように構成している。さらに、特別図柄抽選が実行されてから抽選結果が停止表示されるまでの動的表示期間(特別図柄の変動期間)中に役物当たり遊技が実行されると、動的表示期間を減算するための処理を中断し、役物当たり遊技の終了、或いは、役物当たり遊技中に球が特定領域を通過(入球)したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了に基づいて、中断されていた動的表示期間を減算するための処理を再開するように構成している。
さらに、第1実施形態では、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数を更新する処理(残時短回数を減算する処理)を、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて実行し、具体的には、特別図柄抽選が実行されてから特別図柄変動が実行されるまでの期間に実行し、特別図柄変動が停止表示した後に、時短終了条件が成立したかを判別するように構成している。
このように構成することで、特別図柄変動の実行中に、役物当たり遊技が実行されたことに基づいて動的表示期間を減算するための処理が中断され、その後、中断されていた動的表示期間を減算するための処理を再開した場合において、その再開後の動的表示期間が経過し特別図柄が停止表示された場合に、時短回数が更新されないようにすることができる。よって、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合において、中断中の動的表示の残動的表示期間が極端に短く、大当たり遊技終了後に設定された時短回数が再開後の特別図柄変動の停止表示によって、即座に減算されてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態では、時短状態の終了条件が成立しているかの判別を実行するタイミングを、特別図柄の動的表示期間が経過したタイミングとしている。よって、時短状態の終了条件が成立することになる特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるまで時短状態を継続させることができるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を可能な限り長く継続させることができる。さらに、特別図柄の動的表示期間中に時短状態の終了条件が成立しているかの判別を実行しないため、特別図柄の動的表示期間中に遊技状態が時短状態から通常状態へと移行することが無い。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、上述した内容を、第4実施形態のパチンコ機10に用いても良い。上述した通り、第4実施形態のパチンコ機10は、特別図柄を複数種類(第1特別図柄、第2特別図柄)設け、第1特別図柄の抽選(変動)と第2特別図柄の抽選(変動)とを重複して実行可能に構成している。そして、一方の特別図柄抽選の結果が所定の抽選結果(小当たり、大当たり)である場合には、その抽選結果が停止表示された場合に、実行中の他方の特別図柄変動(特別図柄の動的表示期間を減算するための処理)を中断、或いは破棄するように構成している。具体的には、一方の特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、実行中の他方の特別図柄変動を破棄し、小当たり当選した場合には、実行中の他方の特別図柄変動を中断するように構成している。
そして、第4実施形態のパチンコ機10では、時短状態が設定された場合に、第1特別図柄の抽選回数と第2特別図柄の抽選回数とを合算した累積抽選回数が所定回数(例えば、100回)に到達した場合、或いは、第1特別図柄の抽選回数が特定回数(例えば、4回)に到達した場合に、時短終了条件が成立するように構成している。
上述した第4実施形態のパチンコ機10は、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数を更新する処理(残時短回数を減算する処理)を、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて実行し、時短終了条件が成立したか否かの判別を、時短状態の終了条件が成立しているかの判別を実行するタイミングを、特別図柄の動的表示期間が経過したタイミング、或いは、一方の特別図柄変動時に実行された残時短回数を減算する処理の処理結果として、時短終了条件が成立し得る特別図柄変動(減算後の時短回数が0となる特別図柄変動)の実行中に、他方の特別図柄抽選の実行条件が成立した場合であって、その特別図柄抽選が実行される前のタイミングとしている。
このように構成することで、第4実施形態のパチンコ機10であっても、規定回数以上の特別図柄抽選(変動)が時短状態中に実行されること無く、且つ、遊技者に対して有利となる遊技状態(時短状態)を可能な限り長く継続させることができる。
なお、上述した第1実施形態、及び第4実施形態では、時短状態の終了条件が成立しているかを判別する処理と、その処理結果に基づいて時短状態を終了させる(通常状態へと移行させる)処理とを、特別図柄が停止表示されるタイミング(特別図柄が停止表示されるタイミング)としているが、これ以外のタイミングでも良く、例えば、特別図柄の停止表示が所定期間(例えば1秒)経過したタイミング(確定表示されたタイミング)でも良いし、時短終了条件が成立する特別図柄変動(時短状態の最終変動)が当たり(小当たり、又は、大当たり)当選している場合には、その当たり遊技が実行されるタイミング、当たり遊技中の所定タイミング(例えば、当たり遊技が開始されてから1秒後)、当たり遊技の終了タイミングとしても良い。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数を更新する処理(残時短回数を減算する処理)が実行され、その実行対象となった特別図柄変動が停止表示されてから次の特別図柄抽選が実行されるまでの期間であれば良い。
さらに、上述した第1実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の抽選回数が特定回数(例えば4回)に到達した場合に成立する時短終了条件を設けているが、これに限ること無く、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(例えば、大当たり当選以外の抽選結果であって、外れ当選した場合の一部の抽選結果)となった回数が所定回数(例えば、5回)に到達した場合に成立する時短終了条件や、時短状態中の特定の終了領域を通過した球数が特定数(例えば、10個)に到達した場合に成立する時短終了条件や、時短状態が設定されてからの経過時間が所定時間(例えば、200秒)を超えた場合に成立する時短終了条件を設定可能に構成しても良い。また、上述した第4実施形態のように、大当たり遊技とは異なる当たり遊技(小当たり遊技)を実行可能に構成した遊技機であれば、その小当たり遊技が実行された回数が特定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を設定可能に構成しても良い。
また、様々な条件で成立する時短状態の終了条件を設定可能に構成する場合には、時短状態が設定される契機に応じて異なる時短終了条件を設定するように構成すると良い。具体的には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合には、大当たり当選した際の遊技状態や、大当たり当選時に設定される大当たり種別に基づいて時短終了条件を設定しても良いし、大当たり当選するまでに実行された特別図柄抽選の回数に基づいて時短終了条件を設定しても良い。さらに、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が大当たり遊技を跨いで連続して設定されている回数に基づいて時短終了条件を設定しても良い。このように構成することで、遊技者に対して設定される時短終了条件を予測する楽しみを提供することができる。
加えて、時短終了条件として設定可能な複数の時短終了条件のうち、今回の時短状態に対して設定される時短終了条件を遊技者が選択できるように構成しても良い。このように構成することで、どの時短終了条件を選択した場合に最も有利な遊技を実行することができるのかを遊技者に予測させながら遊技を行わせることができる。
また、上述した各実施形態のパチンコ機10では、時短状態中に特別図柄変動が中断した場合において、再開した特別図柄変動が停止表示された際に時短回数が減算されないように構成しているが、これに限ること無く、再開した特別図柄変動が停止表示された場合に時短回数が減算されるように構成しても良く、具体的には、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにて時短回数の更新(減算)処理を実行するように構成しても良い。このような構成を用いた場合であっても、中断時における特別図柄変動の残変動期間の長さに応じて、再開後の時短期間の長さが異なることになるため、遊技者に対してどのタイミングで特別図柄変動が中断したのか(大当たり遊技が実行されたのか)、興味を持たせることができる。
さらに、上述した各実施形態では、時短回数を更新(減算)する処理を、特別図柄抽選が実行されてから特別図柄変動が開始されるまでの期間に実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄変動が開始されてから所定期間経過後(5秒後)に実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄変動が中断されたタイミングによって、再開後の特別図柄変動に基づいて時短回数が更新(減算)される場合と、されない場合とを設けることができる。具体的には、特別図柄変動が開始されてから2秒後に特別図柄変動が中断された場合は、特別図柄変動が再開されてから3秒後に時短回数の更新処理が実行される。一方、特別図柄変動が開始されてから10秒後に特別図柄変動が中断された場合は、特別図柄変動が再開されてから時短回数の更新処理が実行されることが無い。よって、特別図柄変動が開始された直後、即ち、残変動時間が長い状態で特別図柄変動を中断させた場合であっても、遊技者に不利な状態が発生する場合があるため、遊技者に対して、再開後の遊技(時短状態中の遊技)に対して興味を持たせることができる。加えて、特別図柄が変動している期間中に時短回数の更新(減算)処理を実行するように構成した場合には、選択された特別図柄の変動パターン(変動時間や大当たり抽選結果や停止種別)に応じて、時短回数の更新(減算)処理を実行するタイミングを異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に有利となる(再開後の特別図柄変動によって時短回数が更新されない。或いは、再開時に設定されている時短状態を長期間継続させることができる)特別図柄変動の中断タイミングを遊技者に分かり難くすることができるため、後に実行される遊技の内容を予測しながら遊技者に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、上述した各実施形態では、実行中の特別図柄変動の残期間の長さが所定条件を満たしている場合に、その旨を遊技者に報知するための演出を実行するように構成している。具体的には、特別図柄変動の残期間が所定時間(例えば、30秒)よりも長い場合、或いは、次に実行される特別図柄変動の変動時間よりも、実行中の特別図柄変動の残期間が長い場合に、ラッキータイム演出を実行し得るように構成している。このように構成することで、ラッキータイム中にV当たり遊技を実行させた場合には、次回のVラッシュ期間を長くすることができるため、遊技者に対して、意欲的に遊技を行わせることができる。
また、実行中の特別図柄変動の残期間の長さを判別する際に、残期間が予め定められた長さ(例えば、30秒)よりも長いか否かを判別する手法(絶対的判別)と、次に実行される特別図柄変動の変動時間よりも長いか否かを判別する手法(相対的判別)と、を実行可能に構成している。これにより、特別図柄変動を有利に中断させるタイミングを遊技者が把握することができる。
なお、上述した各実施形態では、実行中の特別図柄変動の残期間の長さを遊技者に報知し得る演出を実行可能に構成しているが、遊技者に有利となる特別図柄変動の中断タイミングを遊技者が予測可能な演出であれば良く、特別図柄変動の残期間の長さ以外を実行条件として演出を実行するように構成しても良い。例えば、特別図柄変動の時短回数の更新処理を特別図柄変動中に実行する構成を用いたパチンコ機10であれば、時短回数の更新処理が実行されたことを示す演出を実行するように構成しても良い。
上述した各実施形態では、特別図柄変動の実行中に特定の当たり遊技(役物当たり遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)が実行される場合に、実行中の特別図柄変動を中断、或いは破棄するように構成しているが、これに限ること無く、当たり遊技以外の条件が成立した場合に、実行中の特別図柄変動を中断、或いは破棄するように構成しても良い。
上述した各実施形態では、普通図柄の抽選で当たり当選し、普図当たり遊技が実行された場合に球が入賞し易くなる普電入賞装置640を設け、その普電入賞装置640内に入賞した球が特定領域(特電作動口643、特電作動口1643、第2入球口1645)を通過(入球)した場合に、遊技者に有利な遊技(役物当たり遊技、小当たり遊技)、即ち、その遊技結果によっては大当たり遊技が実行され得る遊技を実行可能に構成している。さらに、普電入賞装置640に入賞した球が、上述した特定領域を通過し易い遊技状態(時短状態)と、通過し難い遊技状態(通常状態)と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態中に実行される普図当たり遊技中に普電入賞装置640へと球が入賞したとしても、特定領域に球が入球することを抑制することができるため、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
また、通常状態中に球が特定領域に入球することを抑制するために、通常状態中に実行される普図当たり遊技によって球が普電入賞装置640に入賞しないようにするための特殊な構成を遊技盤13に設ける必要が無いため、遊技盤13の設計自由度を高めることができる。なお、上述した各実施形態では、普電入賞装置640に入賞した球のうち、特定領域を通過(入球)しなかった球はアウト口へと入球するように構成し、遊技者に対して特典(賞球)が付与されないように構成しているが、これに限ること無く、特定領域を通過(入球)した場合に付与される第1特典(大当たり遊技の契機となり得る遊技の提供)とは異なる第2特典(賞球)を付与するように構成しても良い。
このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて普電入賞装置640に入賞した球により遊技者に付与される特典の種類を異ならせることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。
さらに、上述した第2実施形態では、普電入賞装置640に入賞した球が、上述した特定領域を通過し易い遊技状態(時短状態)と、通過し難い遊技状態(通常状態)と、を設定可能に構成したうえで、時短状態中に普電入賞装置640に入賞した球が入球する特定領域を、大当たり遊技の実行契機が成立し易い役物当たり遊技を実行させるための第1特定領域(第2特電作動口1643)と、その第1特定領域よりも大当たり遊技の実行契機が成立し難い役物当たり遊技を実行させるための第2特定領域(特電作動口643)との何れかに切り替える切替手段(第3可動弁1642)を設けている。
このように構成することで、普電入賞装置640に入賞した球が特定領域を通過する割合(通過し易さ)を設定されている遊技状態によって異ならせた上で、特定領域を通過し易い遊技状態(時短状態)が設定されている状態で普電入賞装置640に入賞した球が遊技者に有利な第1特定領域、或いは、その第1特定領域よりも不利な第2特定領域の何れかを通過させることができる。よって、遊技者に対して、普電入賞装置640に入賞した球によって第1特典が付与されることが確定した状態(付与され易い状態)においても、何れの特定領域に球が入球(通過)するのかに対して興味を持たせることができる。よって、時短状態中に実行される普図当たり遊技に対して最後まで興味を持たせることができる。
なお、上述した第2実施形態では、球が入球する特定領域(特電作動口)の種別に応じて、実行される役物当たり遊技におけるV入賞口165への球の入賞のし易さを異ならせている。即ち、役物当たり遊技経由で実行されるV大当たり遊技の実行確率を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、V入賞口165へと球が入賞した場合に実行されるV大当たり遊技の内容(ラウンド数、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(時短回数))を、球が入球する特定領域(特電作動口)の種別に応じて異ならせるように構成しても良い。
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態のパチンコ機10では、球が特電作動口643に入賞した場合に、実行中の特別図柄変動を中断(変動時間の減算処理を中断)させるように構成しているが、上述した第3実施形態のように、球が特電作動口643に入賞した場合に成立する条件に応じて、実行中の特別図柄変動を破棄(特別図柄変動を強制的に外れで停止させる)させたり、破棄させた上で時短状態を終了させるように構成しても良い。
さらに、上述した第4実施形態のように、複数種類の特別図柄の抽選(第1特別図柄の抽選、第2特別図柄の抽選)を重複して実行するように構成したパチンコ機10に対して、上述した第2実施形態の技術思想を適用しても良い。上述した第4実施形態では、普電入賞装置640内に第2特別図柄の抽選の実行契機となる第2入球口1645を設け、通常状態中に普電入賞装置640内に球が入賞した場合よりも、時短状態中に普電入賞装置640内に球が入賞した場合のほうが、入賞した球が第2入球口1645へと入球し易くなるように構成しているが、これに加え、普電入賞装置640内に第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口を設け、時短状態中に普電入賞装置640に入賞した球が第2入球口1645、或いは、右第1入球口の何れかに入球するように切替手段を設けても良い。この場合、通常状態中も実行し得る第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口よりも、第2入球口1645に球が入球した場合のほうが、遊技者に有利な抽選が実行されるように構成すると良い。
このように構成することで、時短状態中に実行される普図当たり遊技の結果を最後まで遊技者に楽しませることができる。また、時短状態の終了条件として第1特別図柄の抽選回数(変動回数)が規定される上述した各実施形態のような構成を用いた場合において、時短状態中に第1特別図柄の抽選(変動)が実行されない事態が発生することを抑制することができる。さらに、この場合、普電入賞装置640内に設けられた切替手段の動作を、第1特別図柄抽選の実行状況や、第1特別図柄の保留球数に基づいて可変可能に構成すると良く、例えば、時短状態が設定されている場合であって、第1特別図柄抽選が実行されていない状態、或いは、第1特別図柄の保留球数が少ない(例えば、1個)場合には、普電入賞装置640に入賞した球が右第1入球口へと入球し易くなるように切替手段を動作制御するように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に第1特別図柄抽選をより確実に実行させることができる。
また、上述した各実施形態では、普電入賞装置640内に設けられた各可動弁の動作を、普図当たり遊技の開始を契機に実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図当たり当選を示す普通図柄が停止表示されたタイミングや、停止表示期間が経過したタイミングに基づいて実行するように構成しても良いし、普図当たり遊技が開始されてから所定期間(例えば、0.5秒)が経過したタイミングで実行するように構成しても良く、予め定められた規則に従って動作するものであればどのタイミングで実行しても良い。
上述した各実施形態では、時短状態が設定されている場合において、時短状態が終了するまでに(時短状態の終了条件が成立する特別図柄変動が終了するまでに)、特定遊技(役物当たり遊技、或いは小当たり遊技)を経由して大当たり遊技(V大当たり遊技)を狙う遊技性を有するパチンコ機10について説明をした。
このような遊技性を有するパチンコ機10では、時短状態中における特別図柄の変動時間が長くなればなるほど、時短状態が設定される期間(時短期間)を長くすることができ、時短期間中における特定遊技の実行回数を増加させることができるものであった。
さらに、特定遊技が実行されると、実行中の特別図柄変動が中断され(特別図柄変動の変動時間を減算するための処理が中断され)るように構成しており、その中断させた特別図柄変動(特別図柄変動の変動時間を減算するための処理)を、特定遊技の終了後や大当たり遊技(V大当たり遊技)の終了後、即ち、新たな特別図柄変動を実行可能な条件が成立した場合に再開させるように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、時短期間の長さが、特別図柄変動の変動時間と、特定遊技による中断期間によって可変することになるため、遊技者に対して、特別図柄変動としてなるべく長い変動時間が選択させることを願いながら、且つ、特定遊技を数多く実行させるように意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、例えば、特定遊技を実行させるための遊技期間(普通図柄の変動期間中や、普図当たり遊技中において球を普電入賞装置640へと入賞させることが出来ない(入賞させ難い)期間(電動役物640aの閉鎖期間))は、特定遊技を実行させることが出来ず、且つ、特別図柄変動の変動時間が減算される期間となるため、特定遊技を実行させることが可能な遊技期間(電動役物640aへと球を入賞させることが可能な普図当たり遊技中における電動役物640aの開放期間、即ち、特別図柄変動の変動時間が減算される期間ではあるが、役物当たり遊技を実行させることが可能な期間)よりも遊技者に不利な不利期間となる。
また、特別図柄変動が中断される特定遊技は、特定遊技中に開放される可変入球手段(V入賞装置65)への球の入賞数が所定個数(例えば、3個)に到達した場合に成立する終了条件(入賞終了条件)、或いは、役物当たり遊技が開始されてから所定期間(例えば、1.6秒)が経過した場合に成立する終了条件(時間終了条件)のうち、何れかの終了条件が成立した場合に終了するように構成されており、役物当たり遊技中における遊技者による遊技内容(球の発射の有無)に応じて、いずれかの終了条件が成立した場合に役物当たり遊技が終了するものであった。
これに対して、上述した各実施形態では、特定遊技が実行されている状態と上述した不利期間とが重複した場合において、その不利期間の長さに基づいて特定遊技の演出態様を可変可能に構成している。これにより、特定遊技中における遊技の内容(成立させる終了条件)を遊技者に選択させることが可能となるため、意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した各実施形態では、図3、図88、或いは図89に示した通り、普電入賞装置640内に実行中の特別図柄変動を中断させる契機となる特電作動口643を設けている。また、上述した第4実施形態においても、図114に示した通り、普電入賞装置640内に実行中の特別図柄変動を中断させる契機となる第2入球口1645を設けている。このよう構成を遊技機において、普電入賞装置640に入賞した球が特電作動口、或いは第2入球口へと入球するまでの期間(球の流下期間)をランダムにする(遅延させる)遅延手段を設けると良い。
即ち、上述した各実施形態では、複数回の特別図柄変動が終了するまでの期間が時短期間となるように構成し、大当たり遊技が実行されることで新たに時短状態(時短回数)が設定された場合には、中断されていた特図変動の残期間が時短回数を減算させること無く追加されるように構成している。よって、残時短回数が残っている状態で、且つ、実行中の特図変動の残期間が短い場合よりも、それ以降であって、残時間回数が減った状態で、且つ、実行中の特図変動の残期間が長い場合で大当たり遊技が実行されたほうが(時短期間が短くなってから大当たり遊技が実行されたほうが)、遊技者に有利となる場合が生じるように構成している。
これにより、普電入賞装置640内に遅延手段を設け、球が特電作動口、或いは第2入球口へと入球するタイミングを遅らせることにより、遊技者に有利となる場合がある。これにより、普電入賞装置640に入賞した球がどのタイミングで特電作動口、或いは第2入球口に入球するのかを楽しませることができる。また、特図変動の残期間が長い状態で特電作動口、或いは第2入球口へと球を入球させる遊技が意図的に行われることを抑制することができる。
なお、この場合、遅延手段として、球が転動可能なクルーン部材を設け、クルーン部材に複数の球が流入した場合に、クルーン部材の中央部に設けられた通過口へと球が流入し易くなるように構成し、その通過口を通過した球が特電作動口、或いは第2入球口へと流入するように構成しても良い。このように構成することで、遅延手段を設けながらも普図当たり遊技中の遊技内容(普電入賞装置640への球の入賞度合い)に応じて球が特電作動口、或いは第2入球口へと入球するタイミングを操作することが可能となる。よって、任意のタイミングで球が特電作動口、或いは第2入球口へと入球するように意欲的に遊技を行わせることができる。
また、遅延手段(クルーン部材)に球が流入したことを契機に、遊技者に有利な期間(特図変動の残期間が長い期間)を遊技者に示唆する示唆演出を実行したり、球が特電作動口、或いは第2入球口に入球したタイミングが遊技者に有利なタイミング(特図変動の残期間が長い期間)であるかを報知する結果報知手段を設けても良い。さらに、上述した例では、遅延手段としてクルーン部材を用いた例を説明したが、普電入賞装置640に入球した球の流下期間を可変させることができるものであれば良く、例えば、普電入賞装置640に入球してから特電作動口、或いは第2入球口へと入球するまでの期間(流下期間)を異ならせた複数の流路を設け、複数の流路の何れかに球を振り分ける振分手段を設けても良い。
<第7実施形態>
次に、図157から図192を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態にて用いたパチンコ機10のように、第1特別図柄の抽選(特図1抽選)と、第2特別図柄の抽選(特図2抽選)と、を重複して実行可能に構成し(所謂、同時変動仕様)、設定されている遊技状態に応じて選択される第1特別図柄の変動時間の長さと第2特別図柄の変動時間の長さとを可変させることにより、重複して実行可能な2種類の特別図柄抽選のうち、抽選が実行され易い特別図柄種別を、遊技状態に応じて可変させるものがある。具体的には、一の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている場合は、第1特別図柄の変動時間として短い変動時間(例えば、5秒〜60秒)が選択され、第2特別図柄の変動時間として長い変動時間(例えば、10分)が選択されるように構成し、通常状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、潜確状態)が設定されている場合は、第1特別図柄の変動時間として長い変動時間(例えば、10分)が選択され、第2特別図柄の変動時間として短い変動時間(例えば、0.5秒)が選択されるように構成し、通常状態中は第1特別図柄抽選が実行され易く、潜確状態中は第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成するものがある。
さらに、上述した構成を有する遊技機において、第2特別図柄抽選にて高確率(例えば、約1/1)で小当たりに当選するように構成し、小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技が頻繁に実行される潜確状態を、遊技者に有利な遊技状態とするものがある。
上述した遊技機では、小当たり遊技を頻発させる遊技(有利遊技)を特定の遊技状態(潜確状態)でのみ実行可能としているため、遊技者に対して、遊技状態が移行することを期待させながら遊技を行わせることができるものであった。しかしながら、潜確状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として固定された変動時間(0.5秒)が選択されるように構成しているため、潜確状態中における小当たり遊技実行頻度に大きな差を設けることができない、つまり、上述した遊技機では、第2特別図柄抽選が実行されると殆ど小当たり当選することから第2特別図柄抽選の実行頻度によってのみ小当たり遊技実行頻度に差を設けるものであるため、潜確状態中における遊技が単調になってしまうという虞があった。
これに対して、本第7実施形態では、第1特別図柄の保留球数に応じて第2特別図柄の変動時間として選択され得る範囲を可変させるように構成している。具体的には、第1特別図柄の保留球数が少ないほど、第2特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易くなるように構成している。
さらに、本第7実施形態では、潜確状態中の遊技(右打ち遊技)を実行することで、第1特別図柄の始動入賞(保留記憶)と、第2特別図柄の始動入賞と、を共に獲得可能にし、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別に応じて、実行中の第1特別図柄変動を中断させたり、外れを示す抽選結果で強制停止(破棄)させたりすることが可能に構成している。そして、実行中の第1特別図柄変動を強制停止させることにより、積極的に第1特別図柄の保留数を減少させることが可能に構成している。これにより、潜確状態中に主として実行される第2特別図柄の抽選結果に基づいて第1特別図柄の保留記憶数を減少させることができる。
この第7実施形態におけるパチンコ機10が、第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第4実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、本第7実施形態における遊技状態について簡単に説明する。本第7実施形態では、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)と、を設定可能に構成しており、詳細な説明は後述するが、潜確状態を最も遊技者に有利な遊技状態として構成し、通常状態を最も遊技者に不利な遊技状態として構成している。また、確変状態は、通常状態よりも有利度合いが高い遊技状態として構成している。以降の説明では、各遊技状態中に実行される演出モードの名称を用いて遊技状態を示す場合があり、例えば、通常状態を通常モード、確変状態を確変モード、潜確状態をラッシュモードと称す場合もある。
次に、図157を参照して、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図157に示した通り、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成は、上述した第4実施形態(および第1実施形態)における遊技盤13の盤面構成(図2参照)に対して、V入賞装置65、および電動役物640が削除され、代わりに右可変入賞装置1650、右電動役物164、および右第2入球口645が設けられている。また、可変入賞装置650、およびスルーゲート67の配設位置を異ならせている点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図157に示した通り、本第7実施形態では、遊技盤13に形成された遊技領域のうち可変表示ユニット80の左側の領域(左側領域)と、右側の領域(右側領域)と、のそれぞれに球を入賞(入球)させることが可能な入賞口(入球口)を配設している。よって、上述した第1実施形態の遊技盤13の盤面構成とは異なり、遊技者に対して左側領域に球を流下させる遊技(左打ち遊技)と、右側領域に球を流下させる遊技(右打ち遊技)と、を実行させることが可能に構成している。
詳細な説明は後述するが、本第7実施形態では、設定されている遊技状態に応じて異なる遊技を遊技者に実行させるように構成しており、通常状態が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技を実行させ、確変状態が設定されている場合には、右電動役物164に球を入賞させるために右打ち遊技を実行させ、潜確状態が設定されている場合には、右第2入球口645に球を入球させるために右打ち遊技を実行させるように構成している。また、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行された場合にも、右打ち遊技を実行させるように構成している。
つまり、遊技者に有利な遊技が実行される場合には、右打ち遊技を行わせるように構成している。よって、遊技者に対して現在が有利な状況であるか否かを遊技方法によって把握させることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。なお、詳細は後述するが、右打ち遊技を実行させる遊技状態(確変状態、潜確状態、および各種当たり状態)中には、第3図柄表示装置81の表示面に、遊技者に右打ち遊技を実行させるための案内表示態様が表示されるように構成している。これにより、より遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
図157に示した通り、第1入球口64(中央第1入球口64c)、左打ち遊技によって左側領域を流下した球が第1入球口64(中央第1入球口64c)に入球する割合と、右打ち遊技によって右側領域を流下した球が第1入球口64に入球する割合と、を遊技盤13の盤面上に植設された釘や、各種構造物によって異ならせるように構成しており、具体的には、左打ち遊技によって左側領域を流下した球の約15球に1球が第1入球口64(中央第1入球口64c)に入球するように構成し、右打ち遊技によって右側領域を流下した球の約250球に1球が第1入球口64(中央第1入球口64c)に入球するように構成している。よって、第1入球口64(中央第1入球口64c)に球を入球させることにより、第1特別図柄の抽選を実行させる通常状態では、左打ち遊技を行うことが遊技者に最も有利な遊技方法となる。
また、図157に示した通り、遊技盤13の右側領域(可変表示ユニット80の右側の領域)には、右可変入賞装置1650と、右可変入賞装置1650の下流に設けられたスルーゲート67と、そのスルーゲート67の下流に設けられた右第1入球口164rと、その右第1入球口164rの上面を開放および閉鎖することが可能な開閉扉164r1を有する右電動役物164と、開閉扉164r1が閉鎖している状態で、その上面を流下(通過)した球が入球可能な右第2入球口645と、上述した各入球口の何れにも入球せずに右側領域を流下した球が到達する下流領域に可変入賞装置650と、が設けられている。
図157に示した通り、右第2入球口645へは、右電動役物164が閉鎖されている状態(開閉扉164r1が閉鎖している状態)でスルーゲート67を通過した遊技球のみが到達可能となるように、遊技球の流下経路が設定されている。つまり、右電動役物164が開放された状態となり易い普通図柄の高確率状態(確変状態)において右打ち遊技を行ったとしても、スルーゲート67を通過したほぼ全ての遊技球が右第1入球口164rへと入球してしまうため、右第2入球口645へと遊技球を入球させることができない。このように構成することで、確変状態(確変モード)においても、右打ち遊技によって遊技を進行することが可能となるように構成できる。
本第7実施形態では、右打ち遊技により右側領域を流下するほぼ全ての球が開放状態の右可変入賞装置1650に入賞し得るように、可変部材(開閉扉)1650aが可変可能に構成されている。この右可変入賞装置1650は、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技にて開放される可変入賞装置(可変入球手段)である。
右可変入賞装置1650が閉鎖している状態(小当たり遊技が実行されていない状態)において右側領域を流下した球の約1/2が、スルーゲート67が配設されている領域(右可変入賞装置1650の左方に植設された釘によって区画形成された左右領域のうち、右側の領域(第1経路))を流下し、残りの約1/2が、左側の領域(第2経路)を流下する。この左側の領域(第2経路)を流下する球は、右電動役物164、および右第2入球口1645へと入球すること無く、可変入賞装置650に向けて流下する。
一方、スルーゲート67が配設されている右側の領域(第1経路)を流下した球は、その全てが右電動役物164の上流側(開閉扉164r1の上流端側)に向けて流下し、開閉扉164r1の上面を上流側から下流側へと流下する。そして、右電動役物164の上面から排出された球の約2/3が右第2入球口645へと入球し、残りの約1/3が右電動役物164と、右第2入球口645との間に形成された隙間を通過し、可変入賞装置650に向けて流下する。
つまり、本第7実施形態では、右打ち遊技によって右側領域へと発射された球が可変入賞装置650へと到達する経路を複数設けており、球が流下するのに要する期間が異なるように各経路が形成されている。具体的には、右側の領域(第1経路)の球の流下期間が約2秒、左側の領域(第2経路)の球の流下期間が約1秒となるように構成している。このように構成することで、異なるタイミングで発射された球(右打ち遊技によって発射された球)、具体的には、0.6秒間隔で発射された複数の球を、同様のタイミングで可変入賞装置650へと到達させることが可能となる。よって、可変入賞装置650が開放状態となる期間(大当たり遊技中)において、複数の球を同時に可変入賞装置650へと入賞させ易くすることができるため、遊技者に対して、大当たり遊技中における流下球の挙動に興味を持たせることができる。
右電動役物164は、スルーゲート67を球が通過した場合に抽選条件が成立し得る普通図柄の抽選(普図抽選)において当たり当選した場合(普図当たり遊技が実行された場合)に開放動作される可変入球手段である。ここで、本第7実施形態における普通図柄抽選(普図抽選)、および、普図当たり遊技の内容について簡単に説明をする。
本第7実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態であっても、低確率ではあるが、右打ち遊技によって球が右電動役物164へと入球し得るように構成されており、例えば、通常状態中に右打ち遊技した場合には、約50球に1球の割合で球が右電動役物164に入賞し得るように構成している。この入球割合は、通常状態中において左打ち遊技を行った場合に第1入球口64へと入球する球の割合(約20球に1球の割合)よりも低く設定されている。右電動役物164に入球した球は、必ず右第1入球口164rに入球するように構成されている。そして、右電動役物164に球を入球させた場合には、第1入球口64に球を入球させた場合と同じく、第1特別図柄の抽選権利を獲得(抽選条件を成立させる)するように構成している。
さらに、第1入球口64に球を入球させた場合には、球を入球させた特典として、第1特別図柄の抽選権利に加え、賞球(4個)が付与される。一方、右電動役物164に球を入球させた場合には、球を入球させた特典として、第1特別図柄の抽選権利に加え、賞球(1個)が付与される。即ち、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている場合には、右打ち遊技を実行するよりも、左打ち遊技が実行された場合のほうが、第1特別図柄の抽選権利を獲得し易く、且つ、第1特別図柄の抽選権利を獲得するために球を入球させる入球口に球を入球させた際に付与される賞球数が多くなるように構成している。よって、通常状態中は右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技となる。
また、通常状態中に右打ち遊技をした場合には、右側領域を流下する球の約1/3が右第2入球口645へと入球することになる。この右第2入球口645に球が入球すると、第2特別図柄の抽選を実行するための抽選権利が付与され、且つ、賞球が1球付与される。詳細な説明は後述するが、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選では、その変動時間として長時間(10分)の変動時間が設定されるように構成されている。また、本実施形態では、第2特別図柄の抽選権利が記憶(保留記憶)されないように構成している。よって、通常状態中に右打ち遊技を行ったとしても第2特別図柄抽選が円滑に行われることが無い。
さらに、図157に示した通り、大当たり遊技が実行された場合には、右打ち遊技を行い、球を可変入賞装置650へと入賞させる遊技が実行されることになる。大当たり遊技の実行中は普通図柄の通常状態が設定されるため、大当たり遊技の期間中に、右電動役物164内の右第1入球口164rに球が入球し、その大当たり遊技の終了後には、第1特別図柄の保留記憶数(保留球数)が上限値となる。
これにより、大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定された場合には、第1特別図柄の保留球数が上限の状態で遊技が開始されることになる。本実施形態では、潜確状態が設定されると、第2特別図柄の変動時間として短変動(0.5秒,10秒)が選択され、第1特別図柄の変動時間として長時間(10分)が選択されるように構成している。そして、第2特別図柄抽選で小当たり当選を頻発させながら多くの賞球を獲得する遊技(小当たりRUSH)が実行されるように構成している。
さらに、潜確状態中における第1特別図柄の保留球数が所定数(1個、或いは2個)になった場合に、所定数以外の場合(0個、3個、4個)よりも、第2特別図柄変動の変動時間として短時間の変動時間が選択され易くなるように構成している。つまり、潜確状態中に第1特別図柄の保留球数が所定数となる期間が、単位時間当たりで実行される小当たり遊技の回数が最も多くなり易い期間なり、遊技者に有利な遊技期間となる。
本実施形態は、上述した通り、第2特別図柄の抽選権利を記憶する保留記憶機能を有していないため、潜確状態中には継続して右打ち遊技を実行する必要がある。そして、潜確状態中における第1特別図柄の変動時間が長時間(10分)となるように構成している。よって、潜確状態中において、第1特別図柄の変動時間経過では第1特別図柄の保留球数を所定数(1個、或いは2個)へと到達させることが困難である。そこで、本実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たり当選した場合の一部で、実行中の第1特別図柄変動を外れで強制停止(破棄)するように構成している。これにより、潜確状態中において、第2特別図柄の抽選で小当たり当選を目指す遊技を行いながら、第1特別図柄の保留球数を減少させる遊技を遊技者に行わせることができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球数に基づいて潜確状態中における第2特別図柄抽選(変動)の有利期間を設定するように構成し、さらに、第2特別図柄抽選を実行させようとする遊技(右打ち遊技)を実行した場合に第1特別図柄の保留球数が増加し得るように構成している。よって、第2特別図柄抽選(変動)の有利期間が設定された場合において、その有利期間がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10は、第2特別図柄の抽選権利を記憶する保留記憶機能を有していないため、第1特別図柄の保留記憶数に基づいて、第2特別図柄の変動時間を選択するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特別図柄の保留記憶数と、第2特別図柄の保留記憶数と、を合算した値に基づいて第2特別図柄の変動時間を選択するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、潜確状態中に選択される第1特別図柄の変動時間について、必ず長時間の変動時間が選択されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、潜確状態中における第1特別図柄変動の変動時間として約1/10の確率で短変動(例えば、20秒)の変動時間が選択されるように構成しても良い。このように構成することで、潜確状態中に第1特別図柄の保留記憶を現象させる現実的な手法の中に、第1特別図柄の変動時間経過を含ませることができる。よって、潜確状態中における第1特別図柄の保留記憶数(保留球数)を減少させる契機を実質複数持たせることができる。
また、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たり当選した場合の一部において破棄条件が成立した場合に、実行中の第1特別図柄変動を破棄するように構成していたが、第2特別図柄の抽選結果に関わらず成立し得る破棄条件を用いても良く、例えば、小当たり遊技の実行中に右可変入賞装置1650へと入球した球数が所定の入賞条件(例えば、11個の入賞)を超えたことに基づいて成立する破棄条件を設けても良いし、遊技盤13の遊技領域(右側領域)の何れかに配設された入球口に球が入球した場合に成立し得る破棄条件を設定しても良い。このように、様々な要因によって第1特別図柄への破棄状態が成立することで、遊技者に対して、どのタイミングで有利期間が設定されるのかを分かり難くすることができる。
次に、図158、及び図159を参照して、右電動役物164の構成について詳細に説明をする。図158(a)は、右電動役物164の閉鎖状態(開閉扉164r1が閉じている状態)を模式的に示した正面斜視図であり、図158(b)は、右電動役物164の開放状態(開閉扉164r1が開いている状態)を模式的に示した正面斜視図である。
図158(a)に示した通り、開閉扉164r1の上面には、遊技球の流下を妨げるために設けられている凸部164r1a〜164r1cが設けられている。開閉扉164r1の上面を流下する遊技球は、各凸部164r1a〜164r1cによって流下を妨げられるので、各凸部164r1a〜164r1cの外周に沿って開閉扉164r1上を図示左側から右側へと流下する。つまり開閉扉164r1上には、各凸部164r1a〜164r1cによってつづら折り状の流路が形成されることになる。このため、各凸部164r1a〜164r1cが設けられていない場合(即ち、遊技球が開閉扉164r1上を正面視左方向から右方向へと直線的に流下する場合)と比較して、開閉扉164r1の上面を流下しきるまでに要する期間を長くすることができる。これにより、一つの球が開閉扉164r1の上面を流下している間に、複数の球(後続の球)を開閉扉164r1の上面へと到達させ易くすることができる。よって、スルーゲート67を通過した球が開閉扉164r1の上面を流下している期間を長くすることができ、普図当たり遊技が実行された場合に球を右電動役物164へと入賞させ易くすることができる。
詳細は、図160を参照して後述するが、本実施形態では、遊技状態として普通図柄の高確率状態(確変状態)が設定された場合には、スルーゲート67を通過した球の殆どが右電動役物164に入球するように、普通図柄の変動時間と、普図当たり遊技の動作内容と、スルーゲート67を通過した球の経路が設計されている。このように構成することで、確変状態は、特別図柄抽選で大当たり当選する確率を通常状態中よりも高め、且つ、右打ち遊技を実行することにより、通常状態中よりも第1特別図柄の抽選を実行させ易くすることができる。また、確変状態中は、第2特別図柄の抽選が実行され難くなるため、確変状態中の遊技を行っている遊技者に対して過剰に有利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。なお、本実施形態では、万が一、確変状態中に右第2入球口645に球が入球し、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、通常状態よりも短い変動時間(60秒)が選択されるように構成している。
このように構成することで、長時間(例えば、10分)の第2特別図柄変動が実行されている際中に確変状態から潜確状態へと移行してしまい、潜確状態に移行したにも関わらず、第2特別図柄の抽選を長時間実行することができない事態が発生することを抑制している。
さらに、本実施形態では、遊技状態を確変状態から潜確状態へと移行させるための移行条件として、確変状態中に実行される特別図柄抽選(変動)の実行回数が所定回数(50回)に到達した場合に成立する第1移行条件と、確変状態中に実行された第2特別図柄の抽選にて特定の小当たり(小当たりC)に当選した場合に成立する第2移行条件とを設定している。つまり、第2特別図柄の抽選が実行され難い確変状態において、第2特別図柄の抽選で特定の小当たり(小当たりC)に当選した場合(第2移行条件が成立した場合)には、確変状態中に実行される特別図柄抽選(変動)の実行回数が所定回数(50回)に到達していなくても潜確状態へと移行させることができる。
図158(b)は、開閉扉164r1が開放された状態を示した図である。図158(b)に示した通り、開閉扉164r1は、正面視手前側から正面視奥側に向けてスライド動作し、遊技盤13に設けられている開口部を介して遊技盤13の内側に収納される。これにより、右第1入球口164rが開放された状態となる。なお、詳細な説明は省略するが、この開閉扉164r1は、主制御装置110からの指示に基づいてオン状態と、オフ状態とに切替可能なソレノイド(図示せず)と連結しており、このソレノイドに対して電流を流した場合に、ソレノイドがオン状態となり開閉扉164r1が開放状態となるように構成している。つまり、普通図柄の抽選で当たり当選し、普図当たり遊技が実行された場合にのみソレノイドに対して電流が流れるように構成している。これにより、パチンコ機10に電源が投入されている期間のうち、占める割合が大きい開閉扉164r1が閉鎖状態となる期間では電力を要する必要が無いため、パチンコ機10の消費電力を抑えることができる。
第1入球口164rが開放されると(開閉扉164r1が開放状態になると)、スルーゲート67を通過した球が右電動役物164に入賞可能となる。また、開閉扉164r1を収納するための開口部の高さ方向の間隔は、遊技球の直径に対して十分に低いので、開閉扉164r1のスライド移動が開始される時点で開閉扉164r1の上面を流下中であった遊技球が開閉扉164r1と共に遊技盤13の内部に収納されることが無く、開閉扉164r1が遊技盤13の内部へとスライド移動した場合に、開閉扉164r1の上面に位置する球を第1入球口164rに向けて開閉扉164r1上から落下させることができる。
なお、本第7実施形態では、開閉扉164r1の上面に3つの凸部164r1a〜164r1cを設けることにより、凸部164r1a〜164r1cを遊技球が迂回する構成とし、遊技球が開閉扉164r1を通過する通過期間が長くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、凸部164r1a〜164r1cを設けるのに代えて、または加えて、開閉扉164r1の上面の材質を、他の部分(遊技盤13の表面や可変入賞装置65の内面等)よりも摩擦係数が大きい材質(例えば、弾性体等)で構成したり、遊技球が転動し難くなる加工を施したり(例えば、表面に凹凸を設ける等)してもよい。
図159は、開閉扉164r1を鉛直上面側から見た平面図である。図159に示した通り、開閉扉164r1の上面のうち、球が転動可能(容易)なつづら折り状の経路に、球の通過を検出可能な通過検出センサ228a〜228fが埋め込まれている。これらの通過検出センサ228a〜228fは、開閉扉164r1の上面に形成されている経路において、互いに少なくとも遊技球の直径を超える距離を離して配置されている。これらの通過検出センサ228a〜228fは、その上方に遊技球が配置されている場合に出力がH(ハイ)となり、上方を妨げるものが何もない場合に出力がL(ロー)となる公知の光学センサで構成されている。本第7実施形態では、これらの通過検出センサ228a〜228fの出力の組み合わせを音声ランプ制御装置113側で監視する構成としている。そして、通過検出センサ228a〜228fの出力の組み合わせによって、開閉扉164r1上における球の通過状況を算出し、算出結果に基づいた球通過状況報知を実行可能に構成している。
このように構成することで、確変状態中において右打ち遊技によって発射された球が右第2入球口645にどれくらい近づけたのかを遊技者が把握することが可能となる。よって、実行される球通過状況報知の内容に基づいて、確変状態中における右打ち遊技の実行タイミングをずらしたりすることで、確変状態中における遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第7実施形態では、図159に示した通り、通過検出センサ228a〜228fを開閉扉164r1上にのみ配設しているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過してから開閉扉164r1上に到達するまでの領域や、開閉扉164r1の上面を通過した後の領域に通過検出センサを設け、開閉扉164r1に到達する球数や、開閉扉164r1の上面を通過した球数を検出可能に構成しても良い。
次に、図160を参照して、右打ち遊技によって発射された球が右側領域を流下する際の流下状況について説明をする。図160(a)は、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)であって、球が右第2入球口645に入球する場合における球の流下状況を模式的に示した模式図であり、図160(b)は、潜確状態であって、小当たり遊技が実行されている場合における球の流下状況を模式的に示した模式図である。
本第7実施形態は、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合に、右打ち遊技によって、右第2入球口645へと球を入球させる遊技が遊技者に最も有利な遊技となるように構成されている。潜確状態中に右打ち遊技を実行すると、図160(a)に示した通り、スルーゲート67を通過した球が閉鎖状態である右電動役物164の開閉扉164r1上面を流下し、右第2入球口645へと入球する。
詳細な説明は後述するが、普通図柄の低確率状態である潜確状態では、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて実行される普通図柄抽選にて当たり当選する確率が1/2に設定されており、且つ、普通図柄抽選が実行されてから抽選結果が停止表示(確定)するまでの期間(変動時間)として30秒が設定されるように構成している。つまり、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態、大当たり遊技状態)中に右打ち遊技を行った場合は、2球に1球の割合でスルーゲート67を球が通過するため、4球に1球の割合で普図当たりに当選し、60秒に1回の割合で普図当たり遊技が実行されることになる。
さらに、本第7実施形態では、図158を参照して上述した通り、普図当たり遊技として開放動作される右電動役物164の開閉扉164r1上に蛇行状の球流路(通過期間1.3秒)を形成しているため、右打ち遊技を継続して実行することにより、高確率で複数の球を閉鎖状態である右電動役物164の開閉扉164r1上に滞在させることが可能に構成している。
よって、普通図柄の低確率状態が設定されている場合であっても、1分間に1〜2個の球を右電動役物164へと入賞させることが可能となる。加えて、右電動役物164の開閉扉164r1上に球を滞在させ易く構成しているため、普図当たり遊技の遊技期間を短期間(例えば、0.2秒開放)に設定したとしても、その普図当たり遊技中に球を右電動役物164へと入賞させ易くすることができる。
このように普図当たり遊技の遊技期間を短く設定することにより、普通図柄の停止表示態様に基づいて普図当たり遊技が実行されることを判別した後に右打ち遊技を実行した場合に、その球が右電動役物164へと到達するまでに普図当たり遊技を終了させることが可能となる。よって、普通図柄の抽選結果が当たりであると判別してから右打ち遊技を実行し、効率良く球を右電動役物164へと入賞させる遊技が実行されることを抑制することができる。
また、図160(b)に示した通り、本第7実施形態では、スルーゲート67よりも上方(上流)側に、小当たり遊技中に開放動作される右可変入賞装置(第2アタッカー)が設けられている。よって、普通図柄の低確率状態が設定される状態であっても、第2特別図柄抽選を円滑に実行可能な遊技状態(潜確状態)であれば、小当たり遊技が実行されることにより、球がスルーゲート67、及び右電動役物164へと到達することを抑制することができる。
このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定されている場合であっても、通常状態、或いは大当たり遊技中よりも潜確状態のほうが右電動役物164に球を入賞させ難くすることができる。よって、大当たり遊技中に実行する右打ち遊技では右電動役物164に球を入賞させることにより、第1特別図柄の保留球数(特図1保留球数)を上限まで獲得させることを可能としながら、潜確状態中に実行される右打ち遊技によって過剰に特図1保留球数が増加してしまうことを抑制することができる。
<第7実施形態における演出内容について>
次に、図161から図165を参照して、本第7実施形態のパチンコ機10が実行する各種演出内容のうち、特徴的な演出内容について説明をする。具体的には、遊技状態として確変状態が設定されてから潜確状態が設定されるまでの演出の流れ、及び、潜確状態中に実行される演出の流れについて説明をする。
まず、図161及び図162を参照して、遊技状態として確変状態が設定されてから潜確状態が設定されるまでの演出の流れについて説明をする。本実施形態では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部で、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成している。そして、確変状態が設定されている状態で、所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を確変状態から潜確状態へと移行させるように構成している。具体的には、確変状態として、特別図柄の高確率状態が次回大当たり当選まで継続し、普通図柄の高確率状態が50回の特別図柄抽選が実行されるまで継続するように構成している。つまり、確変状態が設定されてから大当たり当選すること無く、特別図柄抽選を50回実行した場合に、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。そこで、本実施形態では、確変状態が設定された場合において、遊技者に最も有利となる潜確状態が設定されるまでの期間を示唆するための演出が実行される。これにより、遊技者に対して潜確状態が設定されるまでの条件を分かり易く報知することができる。
図161(a)は、確変状態(確変モード)が設定されている状態において第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図であって、図161(b)は、確変モード中において、潜確状態への移行条件が成立した場合に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。
上述した通り、本第7実施形態では、確変状態において時短回数を経過(加算)させることにより、直接、最も有利な潜確モード(潜確状態)へと移行する構成としている。このため、確変状態(確変モード)では、潜確状態を目指す演出が実行される。具体的には、例えば、図161(a)に示した通り、ウサギを模したキャラクタ811が岩山をよじ登っていく演出が実行される。また、岩山を登るキャラクタ811の上方に形成される表示領域HR1には、「頂上を目指せ!!」という文字が表示されると共に、キャラクタ811の右側に形成される表示領域HR2には、確変モードが終了する(時短回数が所定回数(例えば50回)経過する)までの残りの変動回数(抽選回数)を示唆する表示内容が表示される。図161(a)の例では、表示領域HR2に対して「残り50m」という文字が表示されている場合を例示している。この頂上までの残りのメーター表示は、変動表示(第3図柄の変動表示)が1回実行される毎に1mずつ減算表示されるので、遊技者に対して、頂上までの残りのメーター(距離)が、潜確モードへと移行するまでの残りの変動回数であるということを容易に理解させることができる。
なお、本実施形態では、上述した表示領域HR2に表示されるメーター表示の表示態様を、第3図柄の変動表示が実行される毎に可変(減算)され、可変(減算)後のメーター表示の表示態様が特定の移行表示態様(例えば、「残り0m」)となった場合に、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成しているが、これにかぎること無く、例えば、第3図柄の変動表示が実行される毎に加算されるように構成し、メーター表示の表示態様(数値)が、特定の数値まで加算された場合に潜確モードが設定されるように構成しても良い。また、必ずしも第3図柄の変動表示が実行される毎にメーター表示の表示態様を可変させる必要は無く、例えば、第3図柄の変動表示が複数回実行された場合に、メーター表示の表示態様が可変されるように構成しても良い。このように構成することにより、メーター表示の表示態様が可変するタイミングを、第3図柄の変動表示タイミングに対して異ならせることができるため、遊技者に対して、潜確モード(潜確状態)が設定されるまでの大凡の期間を認識させながらも、一度にメーター表示の表示態様(数値)が大きく減少させる演出を実行することで意外性のある演出を提供することができる。
さらに、本実施形態では、表示領域HR2に表示されるメーター表示の表示態様として、潜確モードが設定されるまでの期間が短くなっていることを(移行条件の成立タイミングが近づいていること)を遊技者に報知するために、メーター表示の表示態様(数値)を減算させる演出のみを実行するように構成しているが、潜確状態が設定される際に特定の移行表示態様(例えば、「残り0m」)が表示されれば良く、例えば、確変状態が設定されている間に、メーター表示の表示態様(数値)を一時的に増加させる演出を実行しても良い。これにより、どのタイミングで潜確状態が設定されるのかを遊技者に予測させ難くすることができるため、潜確状態が設定されることを常に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、この場合、確変状態から潜確状態へと移行するための移行条件として、少なくとも複数の移行条件、具体的には、確変状態が設定される契機となった大当たり種別や、大当たり当選時の遊技状態に応じて、時短状態を終了させるための時短終了条件として、成立し易い第1移行条件(例えば、時短回数20回)と、その第1移行条件よりも成立し難い第2移行条件(例えば、時短回数50回)とのうち、何れかの時短終了条件を設定するように構成し、確変状態が設定された際に、成立し易い第1移行条件が成立するまでの期間を示す表示態様(例えば、「残り20m」)を表示領域HR2に表示するように構成し、実際に設定されている時短終了条件が第1移行条件である場合は、そのままメーター表示の表示態様を減算させる演出を実行し、実際に設定されている時短終了条件が第2移行条件である場合は、残時短回数に基づいてメーター表示の表示態様を増加させながら、第2移行条件が成立するタイミングで、特定の移行表示態様が表示されるように構成すれば良い。このように構成することにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合において、今回の確変状態に対して設定されている時短終了条件が何であるかを遊技者に分かり難くすることができる。
さらに、本実施形態では、特定の大当たり遊技の実行後に設定される確変状態にて複数の時短終了条件が設定されるように構成している。より具体的には、確変状態中に実行される特別図柄変動(抽選)の実行回数が所定回数(例えば、50回)に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、確変状態中に実行される特別図柄変動(抽選)の結果が特定結果(例えば、小当たりC当選)である場合に成立する第2時短終了条件とが設定されるように構成している。そして、表示領域HR2には、予め時短終了条件が成立するタイミングを算出可能な第1時短終了条件に基づいたメーター表示が表示されるように構成している。つまり、確変状態中は、特別図柄変動が実行される毎にメーター表示が減算されていき、メーター表示が特定の移行表示態様(例えば、「残り0m」)となった場合に潜確状態が設定されることを報知する演出が実行される。一方、上述した第1時短終了条件が成立するよりも前に(メーター表示の表示態様が特定の移行表示態様になる前に)、第2時短終了条件が成立した場合には、メーター表示の表示態様(数値)が急激に減少する短縮演出として、キャラクタ811が勢いよく山を登っていく演出の後にメーター表示が特定の移行表示態様(例えば、「残り0m」)となる演出が実行される。
このように、表示領域HR2に表示されるメーター表示が様々な態様で可変されるように構成することで、どのタイミングで潜確状態へと移行するのかを分かり難くすることができるため、確変状態を遊技している遊技者に対して潜確状態への移行を常に期待させながら遊技を行わせることができる。また、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、メーター表示の表示態様として特定の移行表示態様が表示されることにより潜確状態への移行を遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
次に、図161(b)を参照して、確変状態中において時短終了条件が成立した場合に実行される演出内容について説明をする。図162(a)は、確変モード(確変状態)において時短回数を経過させた(時短終了条件を成立させた)場合における表示内容の一例を示した図である。図162(a)に示した通り、時短終了条件(例えば、所定回数の特別図柄変動)が成立すると、キャラクタ811が岩山の頂上に到達する演出が実行されると共に、表示領域HR1に対して、「頂上到達!!」という文字が表示される。また、表示領域HR2に対して、「残り0m」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して潜確状態(潜確モード)へと移行したということを容易に理解させることができる。
ここで、本実施形態では、潜確状態が設定されている場合に、右打ち遊技を実行することで、潜確状態以外の遊技状態が設定されている場合よりも、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成し、第2特別図柄の抽選では高確率(第1特別図柄の抽選よりも高確率)で小当たり当選するように構成している。そして、第2特別図柄抽選を頻繁に実行することで、小当たり遊技を頻繁に実行させ、遊技者に対して多くの特典(賞球)を獲得可能な遊技を実行させるように構成している。以下、潜確状態において第2特別図柄抽選によって小当たり遊技を頻繁に実行させる遊技を「RUSH」と称し、そのRUSH遊技中に実行される演出を「RUSH演出」と称して説明をする。
図162(a)は、潜確状態(潜確モード)へと移行してから、実際に賞球を獲得可能な状態となるまで(第2特別図柄の抽選で小当たりに当選するまで)の間の状態(準備状態)における表示態様を示した図である。図162(a)に示した通り、準備状態では、小領域Dm3に「右打ち」という文字が表示されると共に、表示領域HR1に対して、「右打ちでRUSHを開始させるんだ!!」という文字が表示される。また、副表示領域Dsに対して、「RUSH準備中」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ち遊技を行うことで賞球を獲得可能なRUSH状態に突入するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
つまり、本実施形態では、確変状態にて時短終了条件が成立した場合に潜確状態が設定されるように構成しているが、潜確状態が設定された直後に第2特別図柄抽選を実行させることができない場合がある。具体的には、確変状態中に第2特別図柄変動が実行され、その第2特別図柄変動が実行されている間に、第1特別図柄変動の実行に基づいて時短終了条件が成立した場合には、第2特別図柄変動が実行されている間に遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行することになる。この場合、実行中の第2特別図柄変動(確変状態中に変動が開始された第2特別図柄変動)が停止表示されるまで、潜確状態における第2特別図柄変動が実行されない事態が発生する。
このように、潜確状態が設定された後に、第2特別図柄抽選を新たに実行することが出来ない期間が所定期間生じてしまう場合は、図162(a)に示した表示画面(RUSH準備画面)を表示することにより、遊技者に対して、後にRUSH遊技が実行されることを報知することができるため、潜確状態が設定されたにも関わらずRUSH遊技が実行されない期間に対して遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述した通り、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するタイミングにおいて、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間が所定期間以上(例えば、10秒以上)である場合に図162(a)に示したRUSH準備期間表示を実行するように構成しているが、遊技者に有利となる有利遊技を実行可能な遊技状態が設定されてから、実際に有利遊技の実行条件が成立するまでの期間の長さが所定期間である場合に、後に有利遊技が実行されることを報知するように構成すれば良く、例えば、不利遊技(確変状態)中に遊技者に実行させる遊技方法(例えば、左打ち遊技)と、有利遊技(潜確状態)中に遊技者に実行させる遊技方法(例えば、右打ち遊技)と、を異ならせたパチンコ機10においては、潜確状態が設定されてから実際に右打ち遊技によって第2特別図柄変動が実行されるまでの期間を用いて、図162(a)に示したRUSH準備中表示を実行するように構成すると良い。
さらに、例えば、遊技者に不利となる不利遊技状態のほうが、遊技者に有利となる有利遊技状態よりも普通図柄の抽選で外れに当選し易く、且つ、選択される変動時間の長さが長くなり易く構成されているパチンコ機10であって、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技中に第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成しているパチンコ機10であれば、有利遊技状態が設定された時点において、不利遊技状態中に実行された普通図柄変動が停止表示されるまでの期間中に、図162(a)に示したRUSH準備期間表示を実行するように構成しても良い。この場合、図162(a)に示した表示画面に対して、案内表示領域Dm3に表示される「右打ち」の表示態様を非表示(見え難く表示)したり、表示領域HR1にて「準備中、暫くお待ち下さい」の文字を表示したりすると良い。即ち、潜確状態が設定されている状態ではあるが、右打ち遊技を実行しても第2特別図柄抽選を実行することが出来ない(実行し難い)状況であることを遊技者に報知するようにRUSH準備期間表示を表示すると良い。これにより、右打ち遊技を実行したにも関わらずRUSH遊技が実行されず、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。
そして、潜確状態中に第2特別図柄変動(抽選)が実行されると、図162(b)に示した表示画面が表示され、RUSH演出が実行される。図162(b)は、RUSH遊技が実行された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。図162(b)に示した通り、潜確状態中に球が右第2入球口645へと入球し、小当たり当選している第2特別図柄変動が実行されると、表示領域HR1に「RUSH開始」の文字が表示され、副表示領域Dsにて「RUSH突入!!」の文字が表示される。さらに、主表示領域Dmには宝箱を模したアイコン(宝箱812)が表示される。これにより、RUSH遊技中には、宝箱を模したアイコン(宝箱812)の用いた演出(RUSH演出)が実行されることを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図163を参照して、本第7実施形態におけるRUSH遊技中に実行されるRUSH演出の表示内容について説明をする。図163は、RUSH演出中に表示される表示内容の一例を示した模式図である。図163に示した通り、RUSH演出が実行されると、キャラクタ811が宝箱812を開けていく演出が実行される。そして、開いた宝箱812の中から、今回の第2特別図柄抽選の抽選結果を示す抽選結果表示態様が表示される演出が実行される。抽選結果表示態様としては、例えば、第2特別図柄抽選の抽選結果が小当たりである場合には「V」を模した表示態様が表示され、大当たりである場合には「当」の文字を模した表示態様が表示され、外れである場合には「バツ印」を模した表示態様が表示される。このように、常時表示されている宝箱812に対して、宝箱812を開放させる演出と、宝箱812の中身を表示させる演出を実行するだけで第2特別図柄の抽選結果を表示することができるため、宝箱812を表示する演出と、宝箱812を開放させる演出と、宝箱812の中身を表示させる演出と、を実行する場合に比べて、第2特別図柄の変動時間を短く設定した場合であっても、実行される演出数を減らすことが出来るため、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
次に、図164、及び図165を参照して、RUSH遊技中において、他のRUSH遊技中よりも、遊技者に有利となるスーパーRUSH遊技中に実行される演出について説明をする。本実施形態では、潜確状態中に実行される第2特別図柄の変動時間が、保留記憶されている特図保留数(第1特別図柄の保留記憶数)に基づいて可変するように構成しており、具体的には、特図保留数が特定数(例えば、1)である場合に実行される第2特別図柄変動では、特図保留数が特定数以外である場合に実行される第2特別図柄変動よりも、短い変動時間が選択され易くなるように構成している。上述した通り、潜確状態が設定されている間は、第2特別図柄抽選の小当たり当選に基づく小当たり遊技を頻発させることで遊技者に特典(賞球)を付与する演出が実行される。
よって、潜確状態中における第2特別図柄変動の変動時間が短ければ短いほど、単位期間に占める小当たり遊技期間の割合を大きくすることができるため、遊技者により遊技な遊技状態とすることができる。以下、RUSH遊技中において、特図保留数が特定数となり、第2特別図柄変動の変動時間が短くなる期間中のRUSH遊技をスーパーRUSH遊技と称し説明をする。
まず、RUSH遊技がスーパーRUSH遊技へと切り替わる際に実行される演出内容について説明をする。図164(a)は、RUSH遊技中において特図保留数が減算され易い状態において実行される演出内容の一例を示した模式図である。本実施形態では、潜確状態中に実行される第2特別図柄抽選にて特定の小当たり(例えば、小当たりB)に当選した場合に、実行中の第1特別図柄変動を強制的に外れで停止表示させるように構成している。また、潜確状態中に実行される第1特別図柄変動に対しては長時間の変動時間(例えば、10分)が選択され易くなるように構成している。さらに、潜確状態中に実行される右打ち遊技によって、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)を獲得可能に構成している。つまり、潜確状態中にRUSH遊技を実行しながら、変動時間経過に基づいて特図1保留球を減少させ難くなるように構成している。
よって、スーパーRUSH遊技が実行される条件が成立するまで特図1保留球数を減少させるためには、第2特別図柄抽選にて特定の小当たりに当選させる必要がある。そして、特定の小当たりに当選した第2特別図柄変動が実行されると、図164(a)に示した通り、副表示領域Dsに「さらなる頂きを目指せ」の文字が表示されると共に、主表示領域Dmには、キャラクタ811がより高い位置を目指すための演出が実行される。
具体的には、現在獲得している特図1保留球数と、スーパーRUSH遊技が実行される条件となる特図1保留球数との差分に対応した段階を示す表示態様が表示されると共に、主表示領域Dmの右側に形成される表示領域HR71に、スーパーRUSH遊技が実行されるまでの状況を遊技者に示唆する案内示唆表示が表示される。
そして、RUSH遊技中に特定の小当たりに複数回当選し、特図1保留球数が特定数(2)になると、図164(b)に示した表示態様が表示される。図164(b)は、スーパーRUSH遊技の実行条件が成立した場合において表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。スーパーRUSH遊技の実行条件(例えば、特図1保留球数が2となる)が成立すると、キャラクタ811が最頂上に到達し、スーパーRUSH遊技の実行条件が成立したことを報知する表示態様を手に取った演出が実行される。そして、表示領域HR71には、現在の特図1保留球数が、スーパーRUSH遊技の実行条件を持たしていることを示す表示態様「2」が表示される。
なお、図164(a),(b)が表示されている状態、即ち、後述する特図破棄設定処理(図186のS4643参照)にてスーパーRUSH突入を示唆する演出態様を設定した後に、新たに特図1保留を獲得した場合には、実行中の第1特別図柄変動が破棄された場合に、スーパーRUSH遊技が実行されない場合がある。よって、図164(a),(b)が表示されている状態では、新たに特図1保留を獲得したか否かを判別する処理を実行し、獲得した場合には、演出態様を切り替えるための処理を実行するように構成している。例えば、特図1保留を新たに獲得した場合には、図164(a)に示した頂が新たに獲得した特図1保留の数に対応して遠ざかる演出が実行される。これにより、スーパーRUSH突入を示唆する演出の実行中にスーパーRUSH突入契機が消滅した場合であっても遊技者に違和感の与えることの無い演出を実行することができる。
また、図164(a),(b)では、特図1保留球数を減少させることでスーパーRUSH遊技が実行される場合の演出内容について説明をしたが、これ以外にも、特図1保留球数を増加させることでスーパーRUSH遊技が実行される場合にもスーパーRUSH突入を示唆する演出が実行される。この場合、現在が、特図1保留数が1個増加することで有利期間(スーパーRUSH遊技が実行される期間)が設定される状態(増加有利状態)であるかを判別する処理を実行し、増加有利状態であると判別した場合に、普図当たり遊技が実行されるか否かを判別する。この判別では、実行中の普通図柄変動の抽選結果、及び、普図保留されている情報に基づく先読み処理(上述した各実施形態にて実行される特別図柄に対する先読み処理と同一の処理を普通図柄に対して実行する処理に相当)にて普図当たり当選する情報が含まれているかの事前判別結果(先読み結果)に基づいて普図当たり遊技が実行されるか否かが判別される。そして、普図当たり遊技が実行されると判別した場合に、間もなく特図1保留が増加する機会が到来することを示唆するためのスーパーRUSH突入演出を実行する。
このスーパーRUSH突入演出の演出態様としては、特図1保留数を増加させることで(右電動役物164に球を入賞させることで)、スーパーRUSH遊技が実行されることを遊技者に報知する報知態様が設定される。これにより、遊技者に対してスーパーRUSH遊技を実行させるための条件を成立させ易くすることができる。なお、本実施形態では、スーパーRUSH遊技を実行させるための条件を遊技者が把握可能、即ち、特図1保留球数を減少させることでスーパーRUSH遊技が実行される場合と、特図1保留球数を増加させることでスーパーRUSH遊技が実行される場合と、を遊技者が識別可能となる演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、スーパーRUSH遊技を実行させる条件が成立し易い状態であることのみを遊技者に報知し、遊技者に対して特図1保留数を増加させる遊技を実行するか、減少させる遊技を実行するかを選択させるように構成しても良い。
次に、図165を参照して、スーパーRUSH中に実行される演出の内容について説明をする。図165は、スーパーRUSH中の演出画面の一例を示した図である。スーパーRUSH遊技が実行されると、通常のRUSH遊技よりも短い変動時間の第2特別図柄変動が実行され易くなるため、結果として小当たり遊技の実行間隔が短くなり単位時間における小当たり遊技の実行回数を通常のRUSH遊技よりも多くすることができる。よって、スーパーRUSH遊技中は、通常のRUSH遊技中よりも遊技者に有利な遊技期間となる。そして、スーパーRUSH遊技中は、図165(a)に示した通り、主表示領域Dmに「スーパーRUSH」の文字が表示されると共に、複数の宝箱812a〜宝箱812cが表示される。そして、副表示領域Dsには「スピードアップ」の文字が表示される。
つまり、スーパーRUSH遊技中は、第2特別図柄変動の変動時間が短時間(例えば、0.5秒)となり、1回の第2特別図柄変動の変動期間を用いて第2特別図柄抽選の抽選結果を示唆する演出(宝箱を表示する演出)と、抽選結果を報知する演出(宝箱を開放し中身を表示する演出)と、遊技者に分かり易く実行することが困難となるため、予め複数の宝箱812a〜宝箱812cを表示しておき、適宜抽選結果に基づいて宝箱を開放させる演出が実行されるように構成している。
具体的には、表示態様(例えば、色やデザイン)を異ならせた複数の宝箱を予め表示しておき、実行される第2特別図柄の抽選結果に応じた宝箱を開放させる演出を実行するように構成している。この場合、第2特別図柄の抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果として、例えば、大当たり遊技の終了後に再度潜確状態が設定される大当たりに当選している場合は、虹色や金色の豪華な宝箱を開放させ、遊技者に不利となる抽選結果として、例えば、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される大当たり、即ち、RUSH遊技が終了する大当たりに当選している場合は、ボロボロの宝箱を開放させる演出が実行される。
このように、予め表示態様の異なる複数の宝箱を表示しておくことで、第2特別図柄抽選の結果に応じて表示されている宝箱の表示態様を可変させる演出を実行しなくとも、抽選結果を示唆する演出(開放する宝箱の表示態様を異ならせる演出)を実行し易くすることができる。
さらに、本実施形態では、RUSH遊技(スーパーRUSH遊技)中に主として実行される第2特別図柄に保留記憶機能を持たせていないため、例えば、保留記憶されている第2特別図柄の入賞情報を事前に判別し、その事前判別結果に基づいて、当該入賞情報に基づく第2特別図柄変動が実行される前の期間から抽選結果を示唆する演出(所謂、先読み演出)を実行することができないように構成している。よって、各第2特別図柄抽選の抽選結果を示唆する演出を実行する期間を長く設定し難いため、上述した予め表示態様の異なる複数の宝箱を表示しておくことの演出効果をより高めることができる。
なお、本実施形態のように予め表示態様の異なる複数の宝箱を表示する構成を用いる場合には、同時に表示される宝箱の表示数や、表示態様をランダムに設定しても良いし、潜確状態中における遊技回数(特別図柄抽選の実行回数)に応じて表示態様を可変させるように構成しても良い。また、現在の特図保留球数(第1特別図柄の保留球数)を読み出し、読み出した結果に基づいてスーパーRUSH遊技が終了し易い状態か否かを判別し、その判別結果に基づいて宝箱の表示態様や表示数を可変させるように構成しても良い。このように構成することで、宝箱の表示態様や表示数を用いて第2特別図柄抽選の抽選結果だけでは無く、スーパーRUSH遊技の遊技状況も遊技者に把握させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図165(b)を参照して、スーパーRUSH遊技中において、スーパーRUSH遊技の終了を示唆する演出の演出内容について説明をする。図165(b)は、スーパーRUSH遊技の終了を示唆する終了示唆演出にて表示される表示画面の一例を示した図である。上述した通り、本実施形態では特図保留球数(第1特別図柄の保留球数)が特定数(1個又は2個)である場合に、スーパーRUSH遊技が実行されるように構成しており、スーパーRUSH遊技中に実行される遊技(右打ち遊技)によって、第1特別図柄の保留球数(特図1保留球数)が増加し得るように遊技盤13の右側領域が構成されている(図157参照)。
よって、スーパーRUSH遊技中において特図1保留球数が増加、即ち、特図1保留球数が2個から3個に増加してしまうことでスーパーRUSH遊技が終了する場合がある。そのような場合に、図165(b)に示したような終了示唆演出が実行される。図165(b)に示した状態は、特図1保留球数が2個であって、スーパーRUSH遊技中において普通図柄の当たりに当選(当選確率1/30)し、右電動役物164が開放される際に実行される終了示唆演出であり、主表示領域Dmには、キャラクタ811がしゃがみ込んでしまい、スーパーRUSH遊技が終了することを示唆する表示態様が表示される。そして、副表示領域Dsには、「終了のピンチ」の文字が表示される。
このように終了示唆演出を実行することにより、スーパーRUSH遊技中に右電動役物164に球を入賞させ、特図1保留球数が増加したことによりスーパーRUSH遊技が通常のRUSH遊技へと移行した場合に遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。なお、図165(b)に示した例では、スーパーRUSH遊技が終了する要因、即ち、特図1保留球数が増加することによりスーパーRUSH遊技が終了する状態において、特図1保留球数が増加し易い状態(普図当たり遊技が実行される状態)であることを遊技者に報知しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、「右打ちを中断してウサギを休憩させろ」のコメントを表示し、普図当たり遊技中に球が右電動役物164へと入賞させ難くする案内報知を実行しても良い。これにより、特図1保留球数の増加に基づいてスーパーRUSH遊技が終了してしまうことを抑制することができると共に、遊技者に対してスーパーRUSH遊技中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示内容を注視させることができるため、演出効果を高めることができる。
また、図165(b)に示した終了示唆演出の実行タイミングとしては、普図当たり遊技の開始タイミングでも良いし、普図当たり当選している普通図柄変動(変動時間10秒〜30秒)の開始タイミングや、当該普通図柄変動の残変動時間が所定時間(例えば5秒)となったタイミングや、普通図柄保留球に含まれる情報を事前に判別し、その事前判別結果に基づいて設定した所定タイミング(例えば、普図当たり遊技が実行される30秒前)でも良い。
さらに、上述した案内報知(右打ち遊技を中断させることで普図当たり遊技中に球が右電動役物164へと入賞させ難くする案内報知)を実行する場合には、その案内報知の報知内容を把握してから右打ち遊技を中断させた場合に、中断前に実行していた右打ち遊技によって発射された球が右電動役物164へと入賞し得ない程度の期間を確保して案内報知を実行すると良く、例えば、普図当たり遊技が実行される10秒前に案内報知を実行するように構成すると良い。これにより、案内報知を把握した遊技者に対して特図1保留球数を増加させない遊技を確実に実行させることができる。また、実際に普図当たり遊技が実行されない場合や、例えば、普通図柄保留球に含まれる情報を事前に判別し、60秒後に普図当たり遊技が実行されると事前判別した場合、即ち、右打ち遊技を中断しなくても特図1保留球数が増加し得ないタイミングにて上述した終了示唆演出(所謂、ガセ演出)を実行するように構成しても良い。
上述した図165(b)では、特図1保留球数が増加することにより特図1保留球数が特定数(1個又は2個)では無くなり、スーパーRUSH遊技が終了し得る場合に実行される終了示唆演出を説明したが、逆に、特図1保留球数が減少することにより特図1特図1保留球数が特定数(1個又は2個)では無くなり、スーパーRUSH遊技が終了し得る場合もある。
ここで、図166を参照して、特図1保留球数が減少することでスーパーRUSH遊技が終了する場合に実行される終了示唆演出について説明をする。図166は、特図1保留球数が減少することでスーパーRUSH遊技が終了する場合に実行される終了示唆演出の演出画面の一例を示した図である。図166に示した状態は、特図1保留球数が1個の状態であって、実行中の第1特別図柄変動の残変動時間が1.5秒の状態である。図166に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmには、上述した図165(b)に示した表示態様と同様の表示態様で終了示唆演出が実行されている。
この場合、1.5秒後に第1特別図柄変動が停止表示し、次の第1特別図柄変動が開始されることで特図1保留球数が0個になりスーパーRUSH遊技が終了することになる。よって、副表示領域Dsには、「終了のピンチ!!保留を貯めろ」の文字が表示される。このように終了示唆演出を実行することにより、遊技者に対して、特図1保留球数を増加させなければスーパーRUSH遊技が終了してしまうことを分かり易く報知することができる。
本実施形態では、特図1保留球数を減少させる契機を複数設けており、図166に示した通り、実行中の第1特別図柄変動が変動時間経過で停止表示する場合に加え、第2特別図柄抽選にて特定の小当たり(小当たりB)に当選し、実行中の第1特別図柄変動を強制停止(破棄)する場合がある。何れの契機が成立する(成立し得る)状態においても、図166に示した終了示唆演出を実行することで、遊技者に対して、スーパーRUSH遊技が通常のRUSH遊技へと移行した場合に遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、図166に示した終了示唆演出を実行するタイミングとしては、実行中の第1特別図柄変動の残変動時間や、小当たりB当選している第2特別図柄変動の残変動時間を判別し、その判別結果に基づいて特図1保留球数が0個になるまでの残期間を算出し、その算出結果が所定期間(例えば、10秒)となるタイミングで実行するように構成しても良いし、特図1保留球数が2個から1個になったタイミングから所定間隔(例えば、30秒間隔)で実行するように構成しても良い。即ち、特図1保留球数が1個の状態は、特図1保留球数が1個増加してもスーパーRUSH遊技が継続する状態であるため、特図1保留球数が0個になり得るタイミングを判別すること無く、特図1保留球数を2個にさせるために終了示唆演出を実行するように構成しても良い。
上述した通り、本実施形態では、特図1保留球数が増加した場合も、減少した場合も、スーパーRUSH遊技が終了し得るように構成しているため、スーパーRUSH遊技中の遊技者に対して、特図1保留球数を増加させることでスーパーRUSH遊技を継続させる遊技と、特図1保留数を増加させないことでスーパーRUSH遊技を継続させる遊技と、を実行させることができるという今までに無い斬新な遊技性を提供することができる。
なお、本実施形態の演出内容とは異ならせ、例えば、特図1保留球数が増加することでスーパーRUSH遊技を終了させる終了条件が成立し易い状態にて実行される終了示唆演出(図165(b)参照)と、特図1保留球数が減少することでスーパーRUSH遊技を終了させる終了条件が成立し易い状態にて実行される終了示唆演出(図166参照)の演出態様を同一にし、副表示領域Dsにて右打ち遊技を継続するか否かを遊技者に選択させる演出を実行するように構成しても良い。これにより、遊技者が選択した遊技方法、即ち、特図1保留球数を増加させるために右打ち遊技を実行することでスーパーRUSH遊技を継続させる遊技方法と、特図1保留球数を増加させないようにするために右打ち遊技を中断することでスーパーRUSH遊技を継続させる遊技方法とによって、スーパーRUSH遊技の継続期間を異ならせることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、遊技者が誤った遊技方法を選択した場合には、その遊技方法がスーパーRUSH遊技の終了条件を成立させ易くする遊技方法となるため、遊技者の選択した遊技方法が後の遊技結果に与える影響をより大きくすることができる。
以上、説明をした通り、本実施形態ではスーパーRUSH遊技が実行される期間を特図1保留球数が連続する特定範囲(1個、2個)となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、非連続の範囲にスーパーRUSH遊技が実行される特図1保留球数を設定するように構成しても良く、例えば、特図1保留球数が1個と3個の場合にスーパーRUSH遊技が実行されるように構成しても良い。この場合、終了示唆演出として、特図1保留球数が1個から0個になり得る場合と、3個から4個になり得る場合には、上述した図165(b)、及び図166と同様の終了示唆演出を実行し、特図1保留球数が1個から2個、又は3個から2個になり得る場合には、スーパーRUSHの終了を示唆するのでは無く、スーパーRUSH遊技の待機状態へと移行することを示唆する演出として待機演出を実行するように構成すると良い。つまり、上述した例によれば、特図1保留球数が2個の場合は、特図1保留球数が減少しても、増加してもスーパーRUSH遊技が実行されることになるため、特図1保留球数が0個の場合や、4個の場合に比べて、スーパーRUSH遊技が実行され易い状態(待機状態)となるため、待機演出を実行することによりその旨を遊技者に分かり易く報知することができる。また、この場合、特図1保留球数が2個の場合に実行される第1特別図柄変動(今回の第1特別図柄抽選で用いた特図1保留球を差し引いた状態で特図1保留球数が2個となる場合の第1特別図柄変動)にて選択される変動時間を特図1保留球数が0個の場合や、4個の場合に比べて、短くなるように構成しても良い。これにより、待機状態からスーパーRUSH遊技へと移行させ易くすることができ、待機状態に移行した遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図167を参照して、本第7実施形態のパチンコ機10における遊技の流れについて説明をする。図167は、本第7実施形態のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容を模式的に示した遷移図である。図167に示した通り、本実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成している。そして、設定される遊技状態に応じて、遊技を行う遊技者に対して付与される特典の量が異なるように構成している。具体的には、潜確状態が設定されている場合が遊技者に最も多くの特典が付与され、次いで、確変状態、通常状態の順で遊技者に付与される特典の量が少なくなるように構成している。
本第7実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の初期状態(RAMクリアスイッチ122を操作しながら電源を投入した状態)として通常状態が設定されるように構成されている。そして、通常状態中は、右打ち遊技を実行するよりも左打ち遊技を実行した場合のほうが特別図柄抽選を実行させ易いため、第1入球口64への球の入球を狙う左打ち遊技が実行される。通常状態中に第1入球口64に球が入球すると、1/200の確率で大当たりに当選する第1特別図柄抽選が実行される。第1特別図柄抽選で大当たりに当選した場合には、35%の割合で大当たり遊技終了後に再度通常状態が設定される大当たり種別(大当たりA7)が設定され、45%の割合で大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別(大当たりB7)が設定され、20%の割合で大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される大当たり種別(大当たりC7)が設定される。
つまり、本第7実施形態では、通常状態中における特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に、確変状態へと最も移行し易く、次いで、通常状態に移行し易く、潜確状態へは最も移行し難くなるように構成している。このように構成することで、複数の遊技状態を経由することで遊技者に最も有利となる潜確状態が設定される遊技性を提供することができる。
次に、確変状態が設定された場合は、普通図柄の高確率状態となるため、右電動役物164が普通図柄の低確率状態よりも開放動作し易くなり、左打ち遊技により第1入球口64に球を入球させるよりも、右打ち遊技により右第1入球口164rへと球を入球させ易くなるため、右打ち遊技によって第1特別図柄抽選を実行させる遊技が実行される。さらに、確変状態中は特別図柄の高確率状態となり、1/60の確率で大当たり当選する第1特別図柄抽選が実行される。確変状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たりに当選すると、35%の割合で大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別(大当たりA7)が設定され、45%の割合で大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される大当たり種別(大当たりB7)が設定され、20%の割合で大当たり遊技終了後に再度確変状態が設定される大当たり種別(大当たりC7)が設定される。
つまり、本第7実施形態では、初期状態である通常状態よりも、確変状態のほうが、大当たり当選した際に、潜確状態へと移行し易くなるように構成している。これにより、通常状態中に大当たり当選し、確変状態へと移行した場合に、その確変状態を、通常状態よりも潜確状態へと移行し易い状態とすることができるため、遊技者に対して継続して遊技を行わせ易くすることができる。
また、確変状態が設定されている状態で大当たりに当選すること無く、50回の特別図柄変動が実行されると、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件(時短終了条件)が成立し、潜確状態へと移行するように構成している。つまり、確変状態が設定された場合は、大当たり当選(当選確率1/60)すること無く特別図柄抽選を50回実行した場合に成立する第1移行条件(成立確率は約35%)と、確変状態中に大当たり当選し、且つ、大当たりB7が設定された場合に成立する第2移行条件(成立確率は約30%)のうち、何れかの移行条件が成立した場合に潜確状態が設定されることになる。また、上述した第1移行条件は、確変状態の残期間に応じて成立確率が可変するものであり、例えば、確変状態中に特別図柄変動が49回実行されている状態では、次に実行される50回目の特別図柄変動にて外れ当選(当選確率59/60)した場合に第1移行条件が成立する(成立確率は約90%)。
このように、確変状態から潜確状態へと遊技状態を移行させるための移行条件を複数設けた場合において、特別図柄変動の実行回数に応じて成立確率が可変する移行条件(第1移行条件)と、特別図柄変動の実行回数に応じて成立確率が可変することの無い移行条件(第2移行条件)と、を設けることにより、確変状態中の遊技を行っている遊技者に対して、遊技の経過に応じて所望する遊技結果を可変させることができる。よって、確変状態が設定された直後、即ち、第1移行条件の成立に基づいて潜確状態が設定される確率よりも、第2移行条件の成立に基づいて潜確状態が設定される確率のほうが高くなる期間では、遊技者に対して第2移行条件が成立するか否かを煽る演出を実行し、確変状態が設定されてから所定期間が経過した場合、即ち、第1移行条件の成立に基づいて潜確情報が設定される確率のほうが、第2移行条件の成立に基づいて潜確状態が設定される確率よりも高くなる期間では、遊技者に対して第1移行条件が成立するか否かを煽る演出を実行することが可能となる。
次に、潜確状態中の遊技の流れについて説明をする。潜確状態が設定されると、上述した通り、特図保留数(特図1保留球数)に応じたRUSH遊技が実行される。具体的には、特図保留数(特図1保留球数)が0,3,4個の場合は、潜確状態中の第2特別図柄変動の変動時間として通常の長さが選択され易いRUSH遊技が実行され、特図保留数(特図1保留球数)が1,2個の場合は、潜確状態中の第2特別図柄変動の変動時間として通常よりも短い長さが選択され易いスーパーRUSH遊技が実行されるように構成している。このように、第2特別図柄変動の変動時間を、遊技状況(特図1保留球数)に応じて可変させることにより、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数、ひいては、小当たり遊技の実行回数を、可変させることが可能となるため、遊技者に対してより有利なRUSH遊技が実行されることを期待させながら潜確状態中の遊技を行わせることができる。
上述したRUSH遊技、及び、スーパーRUSH遊技は共に、潜確状態中に実行される遊技であって、特別図柄の当たり確率(第2特別図柄で当たり当選)は共通(1/60)に設定されている。また、本実施形態では、第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選する確率が高確率(59/60)となるように設定されている。そして、潜確状態中に大当たり当選した場合は、35%の割合で大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別(大当たりD7)が設定され、65%の割合で大当たり遊技終了後に潜確状態が再度設定される。一方、潜確状態中に小当たり当選した場合は、遊技状態が可変することが無い。つまり、一度潜確状態が設定されると、大当たりD7(大当たり当選の35%)が設定されるまで、RUSH遊技(潜確状態中の遊技)を継続することができる。
<第7実施形態における電気的構成について>
次に、図168から図174を参照して、本第7実施形態のパチンコ機10における電気的構成について説明をする。本第7実施形態のパチンコ機10は、上述した第4実施形態のパチンコ機10に対して、主制御装置110内に設けられているROM202の一部、RAM203の一部、及び、音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図168から図172を参照して、本第7実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明をする。最初に、図168(a)を参照して本第7実施形態における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図168(a)は、本第7実施形態のパチンコ機10における主制御装置110のROM202に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図168に示した通り、本実施形態のROM202は、上述した第4実施形態におけるROM202(図116参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数7テーブル202faを、小当たり乱数テーブル202deに代えて小当たり乱数7テーブルを、第2当たり乱数テーブル202bに代えて第2当たり乱数7テーブル202fcを、大当たり種別選択4テーブル202dbに代えて大当たり種別選択7テーブル202fdを、変動パターン選択4テーブル202dcに代えて変動パターン選択7テーブル202feを設けた点、及び、新たに、小当たり種別選択7テーブル202ffと、普図変動パターン選択7テーブル202fgと、を設けた点で相違している。さらに、図示は省略するが、本第7実施形態では、上述した第4実施形態に対して、第1当たり乱数カウンタC1の値が更新し得る範囲を「0〜399」から「0〜599」に、第2当たり乱数カウンタC2の値が更新し得る範囲を「0〜999」から「0〜299」に変更している点で相違している。それ以外の構成については、同一であるため同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、図168(b)を参照して、第1当たり乱数7テーブル202faについて説明をする。図168(b)は、第1当たり乱数7テーブル202faに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数7テーブル202faは、上述した第1当たり乱数テーブル202a(図23(b)参照)に対して、特別図柄の図柄種別、及び、特別図柄の確率状態に応じて当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値を規定している点で相違している。
具体的には、特別図柄抽選が実行された特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)に関わらず、特別図柄の低確率状態が設定されている場合は、大当たり判定値(特別図柄の抽選で大当たりと判定される値)として第1当たり乱数カウンタC1の値「0〜2」の範囲が規定され、特別図柄の高確率状態が設定されている場合は、大当たり判定値として第1当たり乱数カウンタC1の値「0〜9」の範囲が規定されている。即ち、本第7実施形態では、特別図柄の低確率状態が設定されている状態で何れの種別の特別図柄抽選が実行されたとしても約1/200の確率で大当たりに当選し、特別図柄の高確率状態が設定されている常態で何れの種別の特別図柄抽選が実行されたとしても約1/60の確率で大当たりに当選するように構成している。なお、本実施形態では各特別図柄種別に対して大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値を共通に規定しているが、これに限ること無く、各特別図柄種別に対して異なる第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値となるように規定しても良いし、各特別図柄種別に対して大当たり判定値となる第1当たり乱数カウンタC1の値の数を異ならせても良い。
以上、説明をした通り、本実施形態では、特別図柄の低確率状態が設定されている場合に大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(「0〜2」)が、特別図柄の高確率状態が設定されている場合にも大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値となるように構成している。このように構成することにより、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理4(図134のS152参照)にて実行される第1先読み処理(図135のS1757参照)や、第2先読み処理(図136のS1764参照)において、例えば、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値を取得した場合に、当該入賞情報に対応する特別図柄抽選が実行される時点における遊技状態を判別(予測)する処理を実行すること無く、当該入賞情報に大当たり当選する情報が含まれていることを事前に予測することができる。なお、これに限ること無く、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の少なくとも一部、或いは全部が、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定されないように第1当たり乱数テーブル202faの内容を規定しても良い。このように構成することで、同一の第1当たり乱数カウンタC1の値を取得した場合において、当該取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を用いた大当たり判定が実行される際に設定されている遊技状態に応じて判定結果を異ならせることができる。よって、特定の第1当たり乱数カウンタC1の値を取得する不正行為を行われ難くすることができる。
次に、図168(c)を参照して、小当たり乱数7テーブル202fbの内容について説明をする。図168(c)は、小当たり乱数7テーブル202fbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この小当たり乱数7テーブル202fbは、上述した第4実施形態における小当たり乱数テーブル202da(図117参照)に対して、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値の範囲を変更した点に伴い、図柄種別が第2特別図柄における小当たり判定値の範囲を「10〜599」へと変更した点で相違しているだけであり、それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、本第7実施形態は、第1特別図柄の抽選で小当たり当選すること無く、第2特別図柄の抽選では高確率(590/600)で小当たりに当選するように構成している。
次に、図168(d)を参照して、第2当たり乱数7テーブル202fcの内容について説明をする。図168(d)は、第2当たり乱数7テーブル202fcに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数7テーブル202fcは、図168(d)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0〜299」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/299)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態、潜確状態と、普通図柄の高確率状態である確変状態と、で普図当たり遊技の実行確率を異ならせることができる。
上述した通り、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定される確変状態と、普通図柄の低確率状態が設定される潜確状態とで同一の遊技方法(右打ち遊技)が実行されるように構成している。そして、潜確状態中に実行される右打ち遊技では右第2入球口645(図157参照)に球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行させる遊技が行われ、確変状態中に実行される右打ち遊技では右電動役物164に球を入球させることで第1特別図柄抽選を実行させる遊技が行われるように構成している。
次に、図169を参照して、本第7実施形態における大当たり種別選択7テーブル202fdの詳細について説明する。図169は、大当たり種別選択7テーブル202fdの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択7テーブル202fdは、第1実施形態における大当たり種別選択テーブル202dと同様に、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルである。
図169に示した通り、本第7実施形態における大当たり種別選択7テーブル202fdには、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として、「大当たりA7」〜「大当たりC7」の3個の大当たり種別が規定されている。一方、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりD7」〜「大当たりE7」の2個の大当たり種別が規定されている。
図169に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜34」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA7」が対応付けて規定されている。この「大当たりA7」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後が特別図柄の通常状態に設定される種別の大当たり(8ラウンド(R)通常大当たり)である。なお、大当たり当選時の遊技状態に応じて、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されるか否かが可変する。より具体的には、通常状態、確変状態、および潜確状態において「大当たりA7」に当選した場合、普通図柄の時短状態は設定されない(時短カウンタ203fの値に0が設定される)。即ち、通常状態、確変状態、および潜確状態において「大当たりA7」に当選すると、最も不利な通常状態が再度設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が35個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA7」が決定される割合は35%(35/100)である。
また、図169に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「35〜79」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB7」が対応付けて規定されている。この「大当たりB7」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態において「大当たりB7」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に50が設定される一方で、確変状態、および潜確状態において「大当たりB7」に当選した場合、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
即ち、通常状態において「大当たりB7」に当選すると、比較的有利な確変状態(50回)へと移行する。これに対し、確変状態或いは潜確状態において「大当たりB7」に当選した場合は、時短回数が0に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態となる。よって、「大当たりB7」は、通常状態において当選した場合、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となる。一方、通常状態以外の遊技状態において当選した場合、遊技状態の面で最も有利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が45個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB7」が決定される割合は45%(45/100)である。
また、図169に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC7」が対応付けて規定されている。この「大当たりC7」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、確変において「大当たりC7」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に50が設定される一方で、通常状態、および潜確状態において「大当たりC7」に当選した場合、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
即ち、通常状態中においては、「大当たりB7」に当選するよりも「大当たりC7」に当選したほうが遊技者に有利となり、確変状態中においては、「大当たりC7」に当選するよりも「大当たりB7」に当選したほうが遊技者に有利となる。また、潜確状態中においては、「大当たりB7」に当選した場合と「大当たりC7」に当選した場合とで、有利度合いが変わることが無い。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が20個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC11」が決定される割合は20%(20/100)である。
以上、説明をした通り、本実施形態では、第1特別図柄抽選で大当たりに当選した際の遊技状態に応じて、遊技者に最も有利となる遊技状態(潜確状態)へと移行する割合が異なるように構成しており、通常状態中は20%、確変状態中は45%、潜確状態中は65%の割合で、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態が移行した場合に、例えば、通常状態中に大当たり当選し、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合に、通常状態よりも潜確状態へと移行し易い有利状態を提供することができるため、潜確状態が設定されなかった遊技者に対して意欲的に遊技を継続させることができる。
また、図169に示した通り、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜34」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD7」が対応付けて規定されている。この「大当たりD7」は、上述した「大当たりA7」と同一内容が規定されている大当たり種別であり、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後が特別図柄の通常状態に設定される種別の大当たり(8ラウンド(R)通常大当たり)である。なお、大当たり当選時の遊技状態に応じて、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されるか否かが可変する。より具体的には、通常状態、確変状態、および潜確状態において「大当たりD7」に当選した場合、普通図柄の時短状態は設定されない(時短カウンタ203fの値に0が設定される)。即ち、通常状態、確変状態、および潜確状態において「大当たりD7」に当選すると、最も不利な通常状態が再度設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が35個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりD7」が決定される割合は35%(35/100)である。なお、本実施形態では、遊技者に最も有利な遊技状態(潜確状態)が設定されている場合において第2特別図柄抽選が実行され易く構成しているため、この「大当たりD7」は、遊技者に最も有利な遊技状態(潜確状態)を終了させる終了契機となる。
また、図169に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「35〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE7」が対応付けて規定されている。この「大当たりE7」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態において「大当たりE7」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に100が設定される一方で、確変状態、および潜確状態において「大当たりE7」に当選した場合、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
即ち、通常状態において「大当たりE7」に当選すると、比較的有利な確変状態(100回)へと移行する。これに対し、確変状態或いは潜確状態において「大当たりE7」に当選した場合は、時短回数が0に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態となる。よって、「大当たりE7」は、通常状態において当選した場合、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となる。一方、通常状態以外の遊技状態において当選した場合、遊技状態の面で最も有利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が65個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE7」が決定される割合は65%(65/100)である。
以上、説明をした通り、本第7実施形態では、遊技者に最も有利な遊技状態(潜確状態)において、主として実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)にて大当たり当選した場合は、65%の割合で潜確状態がループし、35%の割合で潜確状態が終了(通常状態が設定)されるように構成している。よって、遊技者は、潜確状態が設定されている状態では高確率(59/60)で実行される小当たり遊技によって賞球を獲得しながら、「大当たりE7」に当選しないことを願う遊技が実行されることになる。
次に、図170及び図171を参照して、本第7実施形態における変動パターン選択テーブル202feの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202feは、第1実施形態における変動パターン選択テーブル202d(図25参照)と同様に、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、変動表示の変動パターン(変動時間)を決定するためのデータテーブルである。本第7実施形態では、変動パターン選択テーブル202feとして、上述した第1実施形態に対して、遊技状態が通常状態である場合に参照されるデータテーブルの内容を一部変更した点と、遊技状態が確変状態である場合に参照される確変用7テーブル202fe2と、潜確状態である場合に参照される潜確用7テーブル202fe3を追加した点で相違している。
まず、遊技状態が通常状態である場合に参照される通常用7テーブル202fe1の内容について、図170を参照して説明をする。図170は、通常用7テーブル202fe1に規定されている内容を示した図である。この通常用7テーブル202fe1は、上述した第1実施形態の通常用テーブル202d1(図25参照)に対して、図柄種別として第1特別図柄(特図1)に対応する変動パターンと、第2特別図柄(特図2)に対応する変動パターンとがそれぞれ規定されている点で大きく相違している。
具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の範囲に当たりノーマル変動(10000ミリ秒(10秒))が対応付けられ、「100〜179」の範囲に当たりスーパー変動(15000ミリ秒(15秒))が対応付けられ、「180〜198」の範囲に当たりスペシャル変動(20000ミリ秒(20秒))が対応付けられている。
なお、図170では、各種変動パターンに対して規定される変動時間の長さをミリ秒単位(1/1000秒単位)で示しているが、説明の便宜上、以下の説明では変動時間の長さを、秒単位を用いて説明する。
第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値として「0〜180」の範囲に外れショート変動(1秒)の変動パターンが対応付けられ、「181〜197」の範囲に外れミドル変動(10秒)が対応付けられ、「197,198」の値に外れスーパー変動(15秒)が対応付けられている。
一方、第2特別図柄の抽選では、抽選結果に関わらず、変動種別カウンタCS1の全範囲「0〜198」に対して、ロング変動(当たりロング変動、外れロング変動)(600秒)が対応付けられている。
本実施形態では、特別図柄変動の変動パターンを選択する際には、全特別図柄の保留記憶数の合算値を参照して変動パターンを選択するように構成している。なお、本実施形態では、第1特別図柄のみ保留記憶機能を有するように構成しているため、実質、第1特別図柄の保留記憶数(保留球数)に基づいて第1特別図柄の変動パターン、及び第2特別図柄の変動パターンが選択されることになる。ここで、第1特別図柄の変動パターンを選択する処理(図139のS307参照)は、第1特別図柄の保留球を減算する処理(図139のS303参照)よりも後段で実行される。よって、図170に示した通り、特図保留球数が4個の状態で変動パターンが選択されることはない。一方、第2特別図柄の変動パターンを選択する処理(図179のS1277参照)は、上述した第4実施形態と同様に、第1特別図柄抽選とは独立して実行されるため、特図保留球数(特図1保留球数)が4個の状態で変動パターンが選択される場合がある。
次いで、図171(a)を参照して、確変状態中の特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される確変用7テーブル202fe2の内容について説明をする。図171(a)は、確変用7テーブル202fe2に規定されている内容を示した図である。本実施形態では、上述した通り、確変状態が設定されている状態では、右打ち遊技によって右電動役物164に球を入賞させ、第1特別図柄抽選を通常状態よりも効率良く実行させる遊技が行われる。そして、確変状態中における第1特別図柄変動に対しては、上述した通常用7テーブル202fe1と同一内容の変動パターンが規定されている。一方、第2特別図柄変動に対しては、通常用7テーブル202fe1に規定されている変動パターンよりも短い変動時間(60秒)が設定される変動パターンが規定されている。それ以外の要素については、上述した通常用7テーブル202fe1と同一であるため詳細な説明を省略する。
つまり、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定される確変状態では高確率で右電動役物164が開放動作されることにより右第2入球口645へと球が入球し難くなるように構成している。即ち、通常状態において右打ち遊技を実行する場合よりも、確変状態において右打ち遊技を実行する場合のほうが、右第2入球口645へと球を入球させ難くなるように構成している。さらに、通常状態が設定されている場合は左打ち遊技によって第1入球口64へと球を入球させる遊技が適正な遊技方法となり、確変状態が設定されている場合は右打ち遊技によって右電動役物164に球を入球させる遊技が適正な遊技方法となるように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、通常状態中に右打ち遊技を実行した場合には、容易に右第2入球口645へと球を容易に入球させることができるため、通常状態中に実行される第2特別図柄変動の変動パターンとして長時間の変動時間(10分)が規定されている変動パターンを設定することで通常状態中において右打ち遊技を実行し、第2特別図柄抽選を実行させる行為を抑制するようにしている。
一方、確変状態中において、適正な遊技方法である右打ち遊技を実行した場合には、図157から図160を参照して上述した通り、右打ち遊技によって発射された殆どの球が右電動役物164へと入球するが、右側領域を流下する球が不規則な挙動、例えば、右側領域を流下する球同士が衝突し、開放状態の開閉扉164r1を飛び越えた場合に、右第2入球口645へと入球する場合がある。
本実施形態では、このように適正な遊技方法を実行している場合において、予測し得ない挙動で球が流下し、右第2入球口645へと球が入球した場合、即ち、確変状態中に右第2入球口645に球が入球し、第2特別図柄抽選が実行された場合に、通常状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合に比べて短い変動時間(60秒)が設定されるように構成している。さらに、詳細は後述するが、第2特別図柄抽選にて特定の小当たり(小当たりC)に当選すると、確変状態中に実行された特別図柄変動の回数に関わらず、確変状態を潜確状態へと移行させることができるように構成している。
これにより、確変状態中の遊技を実行している遊技者に対して、右側領域を流下する球の挙動に注視させ、第2特別図柄抽選が実行されることを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図171(b)を参照し、潜確状態中の特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される潜確用7テーブル202fe3の内容について説明をする。図171(b)は、潜確用7テーブル202fe3に規定されている内容を示した図である。本実施形態では、上述した通り、潜確状態が設定されている状態では、右打ち遊技によって第2入球口645に球を入球させ、第2特別図柄抽選を通常状態よりも効率良く実行させる遊技が行われる。そして、潜確状態中に実行される第1特別図柄変動に対してはロング変動(10分)を実行させることで、潜確状態中における特別図柄(第1特別図柄)の保留記憶数(特図1保留球数)が上限数となるように構成している。さらに、本実施形態では、特別図柄(第1特別図柄)の保留記憶数(特図1保留球数)に応じて潜確状態中に設定される第2特別図柄の変動パターンを異ならせるように構成している。
具体的には、図171(b)に示した通り、第1特別図柄抽選に対応して決定される変動パターンとしては、第1特別図柄抽選の抽選結果や取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず変動時間が600秒の変動パターン(当たり超ロング変動、外れ超ロング変動)が対応付けられている。つまり、潜確状態中に実行される第1特別図柄変動には必ず600秒の変動時間が設定されるように構成している。
一方、第2特別図柄の抽選で当たり(大当たり)となった場合に決定される変動パターンとしては、特図保留数(特図1保留数)が「0〜3」の場合には、変動種別カウンタCS1の全範囲「0〜198」の範囲に当たりロング変動(10秒)が対応付けられ、特図保留数(特図1保留数)が「4」の場合には、変動種別カウンタCS1の全範囲「0〜198」の範囲に当たりショート変動(1秒)が対応付けられている。
また、第2特別図柄の抽選で外れ(小当たりA,C含む)となった場合に決定される変動パターンとしては、特図保留数(特図1保留数)が「1,2」の場合には、変動種別カウンタCS1の全範囲「0〜198」に外れショート変動(0.5秒)が対応付けられ、特図保留数(特図1保留数)が「0,3,4」の場合には、変動種別カウンタCS1の全範囲「0〜198」に外れミドル変動(10秒)が対応付けられている。
さらに、第2特別図柄の抽選で小当たりBとなった場合に決定される変動パターンとしては、特図保留数(特図1保留数)が「0,1,2」の場合には、変動種別カウンタCS1の全範囲「0〜198」に小当たりミドル変動(10秒)が対応付けられ、特図保留数(特図1保留数)が「3,4」の場合には、変動種別カウンタCS1の全範囲「0〜198」に小当たりショート変動(0.5秒)が対応付けられている。
つまり、本実施形態では、潜確状態中に実行される第2特別図柄変動に対して設定される変動パターン(変動時間)として、第2特別図柄抽選にて小当たり当選した場合に設定される変動パターンとして、0.5秒の短変動と、10秒の長変動とが設定されるように構成しており、小当たり当選時の約95%で設定される小当たりA,Bに当選した場合は、特図保留数が特定数(1,2)であれば、短変動(0.5秒)が設定される遊技(スーパーRUSH遊技)が実行され、特定数以外(0,3,4)であれば、長変動(10秒)が設定される遊技(RUSH遊技)が実行される。
このように構成することで、潜確状態中における特図保留数(特図1保留球数)に応じて、単位時間当たりにおける小当たり遊技回数を異ならせることができるため、結果として、単位時間に遊技者が獲得可能な特典量(賞球数)を異ならせることができる。よって、潜確状態中にRUSH遊技を実行している遊技者に対して、より遊技者に有利となるスーパーRUSH遊技を目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
一方、小当たりBに当選した場合、即ち、実行中の第1特別図柄変動を破棄(強制停止)させる処理が実行される小当たり種別に当選した場合は、特図保留数(特図1保留球数)が特定数(1,2)よりも多い場合(3,4)に短変動(0.5秒)が設定され、特図保留数(特図1保留球数)が特定数(1,2)以下である場合(0,1,2)に長変動(10秒)が設定されるように構成している。つまり、特図1保留球数を減少させることが可能な小当たりに当選した場合は、特図1保留球数(特図保留数)が特定数よりも多い場合は、特図1保留球数(特図保留数)が特定数よりも少ない場合よりも短い変動時間が決定されるように構成している。
このように構成することで、特図1保留球数(特図保留数)が特定数よりも多い状態で小当たりBに当選した場合に実行中の第1特別図柄変動を早急に破棄することができるため、特図1保留球数(特図保留数)を特定数にし易くすることができる。一方で、特図1保留球数(特図保留数)が特定数よりも少ない状態で小当たりBに当選した場合は、その小当たり変動として長時間の変動時間が設定されるため、実行中の第1特別図柄変動を破棄するまでに要する期間を長くすることができる、よって、特図1保留球数(特図保留数)が特定数よりも減少してしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、特図保留球数が下限値である「0」の場合のほうが、特図保留球数が下限値以外である場合よりも、第2特別図柄変動の変動パターン(変動時間)として長時間変動(10秒変動)が設定され易くなるように構成している。具体的には、図171(b)に示した通り、特図保留球数が下限値である「0」の場合は、何れの小当たりに当選した場合であっても長時間変動(10秒変動)が設定されるように構成している。
このように、特図保留球数が下限値である「0」の場合に長時間変動が実行され易くなるというペナルティを課すことにより、潜確状態が設定された後に、特図1保留球数(特図保留数)が「0」になるまで遊技を中断、具体的には、10分の変動時間が設定される潜確状態中の第1特別図柄変動が4回実行されるまで遊技を中断してから、潜確状態中の遊技を実行する行為を抑制することができる。
なお、本実施形態では、特図保留数に応じて潜確状態中の有利度合いを2段階に分けた構成を用いているが、これに限ること無く、特図保留数に応じて潜確状態中の有利度合いを3段階以上に分けて構成しても良い。この場合、例えば、特図保留球数が下限値である「0」の場合において設定される第2特別図柄の変動パターンとして、上述した長時間変動(10秒変動)よりも長い変動時間(例えば、30秒)を設定可能に構成し、特図保留球数が下限値である「0」の場合に長時間変動が実行され易くなるというペナルティをより大きなものにしても良いし、特図保留数が特定数(1,2)のうち、一方(例えば、1)の特図保留数のほうが他方(例えば、2)の特図保留数よりも短い変動時間(例えば、0.1秒)を設定可能に構成し、より遊技者に有利となる有利遊技を実行可能にしても良い。
加えて、潜確状態が設定される契機、即ち、大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定される大当たりに当選した場合と、確変状態を経由して潜確状態が設定される場合とで、異なる変動パターンテーブルを参照するように構成し、一方の契機(例えば、大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定される契機)が成立したことにより潜確状態が設定されたほうが、他方の契機(例えば、確変状態を経由して潜確状態が設定される契機)が成立したことにより潜確状態が設定されるよりも潜確状態中に遊技者に有利となる有利遊技(第2特別図柄変動の変動パターンとして短い変動時間が選択され易い遊技)が実行され易くなるように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、潜確状態中に実行された特別図柄変動の実行回数に関わらず、同一の規定内容で特別図柄の変動パターンを選択(決定)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、潜確状態が設定されてからの第1期間(前半期間)と、その第1期間経過後の第2期間(後半期間)と、で選択される変動パターンの規定内容を変更させるように構成しても良く、この場合、例えば、図171(b)に示した潜確用7テーブル202fe3に対して、潜確状態が設定されてからの特図変動回数(第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とを合算した回数)に応じて異なる変動パターンを規定し、第1期間よりも第2期間のほうが、遊技者に有利となる有利遊技(第2特別図柄変動の変動パターンとして短い変動時間が選択され易い遊技)が実行され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、潜確状態を長時間継続させることにより、即ち、潜確状態中に大当たり当選しない期間(所謂、ハマリ期間)が長くなるほど遊技者に有利な状態とすることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、確変状態が設定されている場合に、第2特別図柄の抽選が実行され、小当たりCに当選したことに基づいて、規定回数(50回)の特別図柄変動を実行すること無く潜確状態へと移行した場合に、遊技者に最も有利となる有利遊技(第2特別図柄変動の変動パターンとして短い変動時間が選択され易い遊技)が実行されるように構成しても良い。この場合、例えば、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定された場合に参照される確変用7テーブル202fe2に対して、確変状態中に参照される変動パターンデータを特別図柄変動が規定回数(50回)実行されるまでの期間対応させて規定すると共に、その規定回数内に潜確状態へと移行した場合に参照される特殊変動パターンデータを対応させて規定させておけば良い。即ち、特別図柄変動の回数が規定回数(50回)の範囲に対して変動パターンデータが規定されている確変用7テーブル202fe2に、その規定回数内において確変状態中に実行される特別図柄変動用の変動パターンデータと、潜確状態中に実行される特別図柄変動用の変動パターンデータと、を予め規定しておけば良い。
このように構成することで、確変状態中に第2特別図柄変動(抽選)が実行されることをより期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。なお、この場合、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄変動の実行回数が規定回数(50回)に到達した以降は、図171(b)に示した潜確用7テーブル202fe3を参照して変動パターンを設定するように構成しても良いし、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄変動の実行回数が規定回数(50回)に到達した以降も、その規定回数内に潜確状態へと移行した場合に参照される特殊変動パターンデータを継続して設定可能に構成しても良い。
以上、図170、及び図171を参照して各遊技状態に対応して設定される変動パターン(変動時間)について説明をしたが、本実施形態で説明した例に限定されるものでは無く、設定されている遊技状態、特別図柄の図柄種別、及び当否判定結果に基づいて、設定される各変動パターンの変動時間が、本実施形態の技術思想を逸脱しない範囲(他の変動パターンと比して相対的に技術思想を逸脱しない範囲)となるように規定されていれば良い。また、本実施形態では、説明を簡略化するために、様々な特定条件下において特定の変動パターン(変動時間)が決定される例を示しているが、各特定条件下において、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて異なる変動パターン(変動時間)を選択可能に構成しても良い。この場合、潜確し得る各変動パターンの選択割合、及び、各変動パターンの変動時間に基づいて算出される平均値が、本実施形態の技術思想を逸脱しない範囲となるように規定していれば良く、例えば、潜確用7テーブル202fe3に規定される特図1用の変動パターンとして、僅かな確率(例えば、変動種別カウンタCS1の値「1」の場合)で、潜確状態中に実行される第2特別図柄変動に設定され得る変動パターン(変動時間)よりも、短い変動時間(例えば、1秒)が設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、潜確状態中に実行される主な遊技の流れを可変させること無く、且つ、遊技者に対して意外性のある遊技を稀に提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。尚、上述した例は、潜確状態に選択される変動パターンを例に挙げているが、同様の技術思想の基、他の遊技状態が設定されている場合に選択される変動パターンに対して同様の技術思想を適用しても勿論良い。
次に、図172(a)を参照して、小当たり種別選択7テーブル202ffの内容について説明をする。この小当たり種別選択7テーブル202ffは、特別図柄抽選で小当たり当選した後、小当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルであって、取得した小当たり種別カウンタC5の値に対応させて「小当たりA7」、「小当たりB7」、「小当たりC7」の3種類の小当たり種別が選択されるよう規定されている。
特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、選択された小当たり種別に応じて、小当たり動作内容、図柄確定時間(特別図柄の停止表示を確定させるために要する期間)、実行中の特別図柄変動に対する処理内容を異ならせることができるように構成している。なお、本実施形態では、小当たり乱数7テーブル202fb(図168(c)参照)を用いて説明をした通り、第2特別図柄の抽選によってのみ小当たり当選するように構成しているため、主制御装置110にて実行される特図2外れ変動パターン選択処理7(図179のS1277参照)において、小当たり当選したと判別した場合に小当たり種別選択7テーブル202ffが参照される。
小当たり種別選択7テーブル202ffに規定されている内容について具体的に説明をすると、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜74」の範囲には、「小当たりA」が対応付けられており、「75〜79」の範囲には「小当たりB7」が対応付けられており、「80〜99」の範囲には「小当たりC」が対応付けられている。小当たり種別カウンタC5の取り得る値の範囲は「0〜99」の100個であることから、小当たり当選時において「小当たりA」が選択される割合は75%(75/100)、「小当たりB」が選択される割合は5%(5/100)、「小当たりC」が選択される割合は20%(20/100)となるように構成している。
「小当たりA」が選択された場合は、右可変入賞装置(第2アタッカ)650を1.5秒間開放させる小当たり遊技が実行される。また、特別図柄の図柄確定時間として「0.2秒」が選択され、実行中の第1特別図柄(特図1)を中断させる処理が実行される。ここで、実行中の第1特別図柄(特図1)を中断させる処理が実行されると、実行中の第1特別図柄変動の変動時間経過を計測するための処理を中断させるための処理が実行される。具体的には、小当たり遊技が実行される場合に、特図1仮停止フラグ203dhをオンに設定し、特図1仮停止フラグ203dがオンに設定されている間、第1特別図柄(特図1)の変動時間(残変動時間)を示す特図1変動時間カウンタ203diの値を更新する処理をスキップさせる処理を実行する。そして、小当たり遊技の終了を契機に再開条件を成立させ(特図1仮停止フラグ203dhをオフに設定し)、中断されていた特図1変動時間カウンタ203diの値を更新する処理を再開させる。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている間(中断条件が成立している間)、実行中の第1特別図柄変動の残変動時間が減少することを禁止することができるため、小当たり遊技が実行されている間に、例えば、当たり当選している第1特別図柄変動が停止表示されてしまい重複して当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行されてしまうことを禁止することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、実行中の特別図柄変動の変動時間経過を計測する処理を中断(スキップ)させているだけであるため、再開条件が成立した後に、小当たり遊技前に実行していた第1特別図柄変動を再開させることができる。よって、既に実行された特別図柄抽選の結果を遊技者に確実に報知することができる。なお、本実施形態では、小当たり当選したことを契機に中断条件が成立した場合に、実行中の特別図柄変動を中断させる処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、実行中の特別図柄変動は継続して実行し、特別図柄変動の変動時間が経過した状態で第1特別図柄変動の停止表示を中断させるように構成しても良い。つまり、中断条件が成立した場合であっても、特別図柄変動の変動時間を更新する更新処理は継続して実行し、予め設定された変動時間が経過するまで更新処理を実行した場合に、中断条件が成立しているか否かを判別し、中断条件が成立していると判別した場合に、再開条件が成立するまで特別図柄変動の停止表示を実行しないように構成しても良い。これにより、特別図柄変動の変動時間を更新する更新処理を途中で中断させる必要が無くなるため、処理負荷を軽減させることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、中断条件が成立し、特別図柄変動を中断させている状態、即ち、特図1変動時間カウンタ203diの値を更新する処理をスキップしている状態では、第3図柄表示装置81の表示面にて、特別図柄変動(第1特別図柄変動)の変動表示を中断させた中断演出と、現在の遊技状況として第1特別図柄変動が中断中であることを遊技者に報知するための報知表示と、所定期間経過後(小当たり遊技終了後)に中断中の特別図柄変動が再開されることを示すための案内表示と、を表示可能に構成している。これにより、特別図柄変動が中断された場合において、遊技者にその旨を分かり易く報知することができる。
また、上述した中断演出としては、例えば、第3図柄表示装置81の表示面にて実行されている変動表示演出(第1特別図柄に対応する第3図柄を用いた変動表示演出)の演出態様に応じて異なる中断演出を実行可能に構成すると良く、例えば、中断条件が成立し、特別図柄変動を中断させた時点において、第3図柄表示装置81の表示面にて第3図柄が高速変動、即ち、変動中の第3図柄を遊技者が視認困難な速度で第3図柄が変動している場合は、中断演出として、第3図柄の高速変動を再開条件が成立するまで継続させる演出を実行するように構成し、第3図柄表示装置81の表示面にて第3図柄が低速変動、即ち、変動中の第3図柄を遊技者が視認可能な速度で第3図柄が変動している場合は、中断演出として、第3図柄の低速変動を再開条件が成立するまで継続させる演出を実行するように構成すると良い。このように、中断条件が成立した時点における第3図柄の変動演出態様に応じて、中断条件が成立している期間の変動演出態様(中断演出態様)を異ならせることで、遊技者に対して違和感を与えること無く中断演出を実行することができる。
さらに、第3図柄の変動停止直前において中断条件が成立した場合、例えば、複数の図柄のうち、一の図柄を除く他の図柄が大当たり当選を示す組合せ(同一数字を示す図柄の組合せ)で停止表示されており、残りの一の図柄が大当たり当選を示す組合せで停止するか否か(全ての図柄が同一の数字で停止するか否か)を煽る変動演出(所謂リーチ演出)中に中断条件が成立した場合には、上述した残りの一の図柄に対して変動表示を継続させる中断演出を実行しても良いし、変動表示中の一の図柄を、中断条件が成立したことを示す表示態様(例えば、「一旦休憩!!」)で停止表示させ、リーチ演出を終了させても良い。そして、再開条件が成立した後に、「休憩終了!!」の文字を表示させ、リーチ演出を実行すること無く、中断前に実行されていたリーチ演出の結果を停止表示させるように構成しても良い。これにより、中断条件が成立したタイミングに応じて様々な演出を実行することができるため、中断条件が成立したことに基づいて実行される演出を多様化することが可能となり、演出効果を高めることができる。
図172(a)に戻り説明を続ける。「小当たりB」が選択された場合は、右可変入賞装置(第2アタッカ)650を1.5秒間開放させる小当たり遊技が実行される。また、特別図柄の図柄確定時間として「0.5秒」が選択され、実行中の第1特別図柄(特図1)を破棄させる処理が実行される。ここで、実行中の第1特別図柄(特図1)を破棄させる処理が実行されると、実行中の第1特別図柄変動の抽選結果、及び残変動時間に関わらず、第1特別図柄変動の抽選結果が外れであることを示す表示態様で停止表示させるための処理が実行される。具体的には、小当たり遊技が実行される場合に、第1特別図柄(特図1)の変動時間(残変動時間)を示す特図1変動時間カウンタ203diの値を0にクリアする処理を実行し、第1特別図柄変動を停止表示させたことを示す強制停止コマンドを設定する。さらに、強制停止の対象となる第1特別図柄変動が大当たり当選している場合には、その第1特別図柄変動の開始タイミングで設定されている大当たり当選を示す情報をクリア(特図1大当たりフラグ203iをオフに設定)する。
強制停止コマンドが設定され音声ランプ制御装置113側で強制停止コマンドを受信すると(強制停止表示条件が成立すると)、実行中の第3図柄変動(第1特別図柄変動に対応させて第3図柄表示装置81の表示面に表示している第3図柄変動)の変動表示態様を切り替えるための強制停止演出が実行される。
なお、詳細な説明は省略するが、「小当たりB」に当選したことに基づいて強制停止条件が成立し、特別図柄変動を強制停止させた状態、第3図柄表示装置81の表示面にて、特別図柄変動(第1特別図柄変動)が、抽選結果が外れで強制停止されたことを示す表示態様で停止表示される。また、強制停止条件が成立したタイミングに応じて、実行中の第3図柄変動を強制停止表示させるための強制停止演出の演出態様を異ならせるように構成している。
具体的には、第3図柄表示装置81の表示面にて第3図柄が高速変動、即ち、変動中の第3図柄を遊技者が視認困難な速度で第3図柄が変動している状態で強制停止表示条件が成立した場合は、強制停止演出として、高速変動中の第3図柄変動表示に対して短期間(第1期間)で強制停止表示が実行される演出を実行し、第3図柄表示装置81の表示面にて第3図柄が低速変動、即ち、変動中の第3図柄を遊技者が視認可能な速度で第3図柄が変動している場合は、強制停止演出として、低速変動中の第3図柄変動表示に対して上述した第1期間よりも長い第2期間を用いて強制停止表示が実行される演出を実行するように構成している。
つまり、第3図柄の高速変動中は、変動表示されている第3図柄を遊技者が識別困難な状態であるため、急に外れを示す表示態様で第3図柄が停止表示されても、遊技者に違和感を与えてしまうことが無いため、強制停止条件が成立したことを遊技者に即座に報知することを目的として、短い期間(第1期間)で第3図柄を強制停止表示させるように構成し、一方、第3図柄の高速変動中は、変動表示されている第3図柄を遊技者が識別可能な状態であるため、その状態で急に強制停止演出を実行してしまうと、実行中の第3図柄変動の演出態様が急に切り替わったと遊技者に違和感を与えることになる。また、強制停止演出は最終的に特別図柄抽選の結果が外れであることを示す表示態様で第3図柄を停止表示させるものであるため、実行中の第3図柄変動の演出態様が急に切り替わった後に第3図柄を外れ表示させることになり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという不具合があった。
これに対して、第3図柄表示装置81の表示面にて第3図柄が低速変動、即ち、変動中の第3図柄を遊技者が視認可能な速度で第3図柄が変動している場合は、強制停止演出として、低速変動中の第3図柄変動表示に対して上述した第1期間よりも長い第2期間を用いて強制停止表示が実行される演出を実行するように構成し、実行中の第3図柄変動表示の内容に応じて第2期間中に実行する強制停止演出の演出態様を設定し、最終的に外れ表示を実行するように構成している。よって、強制停止条件が成立した時点における第3図柄の変動演出態様に応じて、強制停止条件が成立してから第3図柄表示装置81の表示面にて第3図柄が停止表示されるまでの演出態様、及び演出期間を異ならせることで、遊技者に対して違和感を与えること無く強制停止演出を実行することができる。
「小当たりC」が選択された場合は、右可変入賞装置(第2アタッカ)650を1.5秒間開放させる小当たり遊技が実行される。また、特別図柄の図柄確定時間として「1.5秒」が選択され、上述した「小当たりA」と同様に実行中の第1特別図柄(特図1)を破棄させる処理が実行される。さらに、普通図柄の高確率状態(確変状態)中に「小当たりC」が選択された場合には、普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理が実行される。即ち、「小当たりC」は、普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる時短終了条件として設定されている。
以上、説明をした通り、本実施形態では、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に選択された小当たり種別に応じて、実行中の第1特別図柄変動に対して実行する処理を異ならせている。このように構成することで、小当たり当選した場合にどの小当たり種別が選択されるかに対して遊技者に興味を持たせることができる。さらに、第1特別図柄変動に対して実行される処理(中断、破棄)の内容に応じて、後に実行される遊技の有利度合いを異ならせることができる。
さらに、上述した通り、本実施形態では、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に選択された小当たり種別に応じて特別図柄の確定時間を異ならせるように構成している。これにより、小当たり当選を示すための特別図柄が停止表示されてから小当たり遊技が実行されるまでの期間を、選択された小当たり種別に応じて異ならせることができる。よって、小当たり遊技が実行されるタイミングを予測し球を発射させる遊技を実行させ難くすることができる。
なお、本実施形態では、どの小当たり種別が選択された場合にも、同一の開放内容で小当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、選択された小当たり種別に応じて、小当たり遊技にて開放動作させるアタッカの種別を異ならせても良いし、開放動作内容(開放時間、開放回数)を異ならせても良い。
次に、図172(b)を参照して、普図変動パターン選択テーブル202fgの内容について説明をする。図172(b)は、普図変動パターン選択テーブル202fgに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この普図変動パターン選択テーブル202fgは、普通図柄抽選の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、取得した第2変動種別カウンタCS3の値と、設定されている遊技状態とに応じて異なる変動パターン(変動時間)が選択されるように各データが規定されている。
具体的には、遊技状態が通常状態である場合は、第2変動種別カウンタCS3の値が「0〜198」の範囲に対して、変動時間が10秒〜30秒の範囲で設定されている各変動パターン(ロング変動)が規定されている。より具体的には、「0〜99」の範囲に「10秒」の変動パターン、「100〜149」の範囲に「20秒」の変動パターン、「150〜198」の範囲に「30秒」の変動パターンが対応付けられている。このように、同一の遊技状態が設定されている場合において取得した第2変動種別カウンタCS3の値に応じて異なる変動時間の変動パターンを選択可能に構成することにより、遊技者に対して、普通図柄変動の停止表示タイミング、ひいては、普通図柄変動が普図当たりを示す表示態様で停止表示され、普図当たり遊技が実行されるタイミングを予測させ難くすることができる。
また、確変状態中は、取得した第2変動種別カウンタCS3の値が「0〜198」の全範囲に対して「0.8秒」の変動パターン(ショート変動)が対応付けられている。このように構成することで、確変状態中に実行される右打ち遊技にて普通図柄抽選の実行契機となるスルーゲート67を通過した球を高確率で右電動役物164へと入球させることができる。
一方、潜確状態が設定されている場合は、取得した第2変動種別カウンタCS3の値が「0〜169」の範囲に「0.1秒」の変動パターンが対応付けられ、「170〜198」の範囲に「10秒」の変動パターンが対応付けられている。このように構成することで、確変状態中よりも、潜確状態中のほうが右電動役物164に球が入球し難くすることができると共に、潜確状態中において適度に球を右電動役物164へと入球させることができる。
次に、図173を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のRAM203に規定されている内容について説明をする。図173は、本第7実施形態における主制御装置110のRAM203に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第7実施形態のRAM203は、上述した第4実施形態におけるRAM203の構成に対して、特別図柄の高確率状態を記憶するための確変フラグ203faを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した通り、本第7実施形態では、上述した第4実施形態に対して、設定可能な遊技状態の種類、数を異ならせているため、例えば、遊技状態格納エリア203gに格納し得る情報の種類や数が異なっているが、遊技状態格納エリア203gの役割や、格納されている情報を更新するための処理内容は同一であるためその詳細な説明を省略する。
確変フラグ203faは、遊技状態が確変状態となったことを示すためのフラグであって、確変状態が設定されると判別した場合にオンに設定される。そして、確変状態の終了条件が成立した場合にオフに設定される。
次に、図174を用いて、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図174は、音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、上述した第5実施形態に対して、特図2変動開始フラグ223fa、特図2停止種別選択フラグ223fb、変動回数カウンタ223fc、準備状態中フラグ223fd、特図1変動時間カウンタ223fe、特図2変動時間カウンタ203ff、RUSH中フラグ223fg、天井演出実行中フラグ223fh、スーパーRUSH中フラグ223fiを追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、特図2変動開始フラグ223fa、特図2停止種別選択フラグ223fbについて説明をする。この特図2変動開始フラグ223fa、特図2停止種別選択フラグ223fbは、上述した特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223eに対して、その対象を第2特別図柄に変更した点で相違している。よって、特図2変動開始フラグ223fa、特図2停止種別選択フラグ223fbでは、当該フラグをオンに設定するか否かを判別する処理や、当該フラグの設定状況を判別する処理が、第1特別図柄変動に基づいて実行されていたのに対して、特図2変動開始フラグ223fa、特図2停止種別選択フラグ223fbは、第2特別図柄変動に基づいて実行される処理において当該フラグをオンに設定するか否かを判別する処理や、当該フラグの設定状況を判別する処理が実行される。それ以外の要素については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
変動回数カウンタ223fcは、特別図柄変動の変動回数を計測するためのカウンタであって、特別図柄変動が実行されたことに基づいてそのカウンタ値が更新されるものである。
準備状態中フラグ223fdは、準備状態であるか否かを示すためのフラグであり、オンであれば準備状態(図162(a)参照)であることを意味し、オフであれば準備状態ではないことを意味する。潜確状態においては、この準備状態中フラグ223fdが参照されて、既に準備状態が終了されている(RUSH中の表示に切り替わっている)か否かが判別され、準備状態の演出を実行するか、RUSH状態の演出を実行するかを決定する。
RUSH中フラグ223fgは、RUSH遊技中(連荘モード)であるか否かを示すためのフラグであり、オンであればRUSH遊技中(連荘モード)であることを意味し、オフであればRUSH遊技中(連荘モード)ではないことを意味する。潜確状態中においては、準備状態中フラグ223fdと、このRUSH中フラグ223fgとが参照されて、いずれの状態用の演出態様を設定するかが判別される。
天井演出実行中フラグ223fhは、確変回数、または時短回数が残り1の状態において実行される、岩山の頂上へとキャラクタ811が到達する演出態様の演出(頂上到達演出)の実行中であるか否かを示すフラグである。この天井演出実行中フラグ223fhがオンであれば、頂上到達演出(図161(b)参照)の実行中であることを意味し、オフであれば、頂上到達演出の実行中ではないことを意味する。この天井演出実行中フラグ223fhがオンの状態で図柄停止タイミングになることで、連荘モードへと移行して準備状態となる。なお、本実施形態では、確変状態における確変回数(時短回数)の残回数が1では無い場合であっても、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(小当たりC)である場合に時短終了条件が成立するように構成しており、天井演出実行中フラグ223fhがオンに設定される。この場合、確変回数の減算状況に応じて演出態様を徐々に可変させていき、頂上到達演出を実行する場合に比べて、急に頂上到達演出が実行されることになるため、例えば、小当たりCに当選したことを示す情報と、天井演出実行中フラグ223fhの設定状況とに基づいて、専用の頂上到達演出として、ワープ演出を実行するように構成すると良い。これにより、第3図柄表示装置81にて実行される演出を違和感無く実行することが出来ると共に、遊技者に対して、予定よりも早いタイミングで頂上に到達した(潜確状態が設定された)ことを分かり易く報知することができる。
スーパーRUSH中フラグ223fiは、RUSH遊技が実行されている状態で特図保留球数が特定数となり、遊技者に有利なRUSH遊技が実行されていることを示すためのフラグであり、オンであればスーパーRUSH遊技中であることを意味し、オフであればスーパーRUSH遊技中ではないことを意味する。このスーパーRUSH中フラグ223fiがオンに設定されることにより、スーパーRUSH演出(図165参照)が実行される。
<第7実施形態における主制御処理について>
次に、図175から図182を参照して、本第7実施形態における主制御装置110にて実行される制御処理内容について説明をする。本第7実施形態のパチンコ機10は、上述した第4実施形態と同様に、第1特別図柄(特図1)の抽選(特図1抽選)と第2特別図柄(特図2)の抽選(特図2抽選)とを重複して実行可能に構成しており、上述した第4実施形態に対して、第2特別図柄の抽選権利を一時的に記憶する機能(保留記憶機能)を削除した点と、特別図柄の高確率状態を設定可能に構成している点と、特図2抽選で小当たり当選した場合において、設定される小当たり種別の種類を増やし、設定される小当たり種別に応じて実行中の第1特別図柄変動(特図1変動)に対して実行する処理を異ならせるように構成した点と、設定される小当たり種別が特定の小当たり種別である場合に遊技状態を移行させる(普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる)ように構成した点と、で相違している。また、図168から図172を参照して上述した通り、主制御装置110にて実行される制御処理において参照される各種データテーブルに規定されている内容を異ならせている点で相違している。それ以外は上述した第4実施形態と同一であり、同一の内容については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
まず、図175を参照して、第1特別図柄変動停止処理7(図175のS278参照)の内容について説明をする。この第1特別図柄変動停止処理7(図175のS278参照)は、上述した第4実施形態の第1特別図柄変動停止処理(図124のS258参照)に対して、特図1大当たりフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合(S581:No)、即ち、今回変動停止される第1特別図柄変動が外れ変動である場合に実行される時短更新処理(図124のS862参照)を、時短更新処理7(図175のS882参照)に変更した点と、特図1大当たりフラグ203iがオンに設定されている判別した場合(S581:Yes)、即ち、今回変動停止される第1特別図柄変動が大当たり変動である場合に実行される各処理のうち、大当たり変動の停止(大当たり遊技の開始)に基づいて各種フラグ、及び各種カウンタをクリアする処理(図124のS860)に、確変フラグ203faを追加した処理(図175のS870)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、第1特別図柄変動停止処理7(図175のS278参照)にて実行される時短更新処理7(図176のS882参照)の内容について、図176を参照して説明をする。図176は、時短更新処理7(図176のS882参照)の内容を示したフローチャートである。この時短更新処理7(図176のS882参照)は、上述した第4実施形態における時短更新処理(図125のS862参照)に対して、時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されていると判別した場合(図125のS2104:Yes)において設定される遊技状態を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第7実施形態では、図167を参照して上述した通り、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)と、の3種類の遊技状態を設定可能に構成している。そして、時短終了待機フラグ203dmがオンに設定された場合には、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行するように構成している。確変モードが設定されている状態から潜確モード(RUSH遊技)が実行される状態へと移行する。
次に、図177を参照して、第2特別図柄変動開始処理7(図177のS280参照)の内容について説明をする。図177は、第2特別図柄変動開始処理7(図177のS280参照)の内容を示したフローチャートである。本第7実施形態では、上述した第4実施形態に対して、第2特別図柄の保留記憶機能を有していない点で相違しているため、第2特別図柄の変動を開始する(第2特別図柄変動を開始する開始条件が成立しているかを判別する)場合に参照する情報の内容を変更している。
具体的には、図177に示した通り、第2特別図柄変動開始処理7(図177のS280参照)が実行されると、特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されているかを判別し(S951)、オンに設定されていると判別した場合には(S951:Yes)、特図2変動停止フラグ203dfをオフに設定し(S952)、本処理を終了する。一方、S951の処理で特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されていると判別した場合は(S951:Yes)、次いで、球が第2入球口(右第2入球口645)に入球したかを判別する(S974)。本実施形態では、第2特別図柄が保留記憶機能を有していないため(第2特別図柄保留球数カウンタ、及び第2特別図柄保留球格納エリアを有していないため)、第2特別図柄変動開始処理7(S280)が実行される状態において、球が右第2入球口645に入球し、第2特別図柄抽選の実行権利を獲得したかを判別する。
詳細な説明は省略するが、球が右第2入球口645に入球したことを図示しない検知スイッチが検知した場合には、主制御装置110の制御処理において第2特別図柄変動開始処理7(S280)が複数回実行される期間の長さであって、第2特別図柄変動に設定される最短の変動時間より短い長さの期間、検知信号が出力されるように構成しており、主制御装置110にて実行される各種制御処理の処理タイミングによって球が右第2入球口645に入球したことを示す検知信号を取りこぼしてしまうことが無いように構成している。ここで、S974の処理において、一度球の入賞を検知した場合には、第2特別図柄変動を開始させるための処理が実行され、所定の変動時間で第2特別図柄変動が実行される。よって、主制御装置110の制御処理において第2特別図柄変動開始処理7(S280)が複数回実行される期間の長さ分、検知信号が出力されるように構成したとしても、1回の検知信号の出力に基づいて、第2特別図柄変動が複数回実行されてしまうことを抑制することができる。なお、これに限らず、検知信号を受信したことに基づいて第2特別図柄変動を開始させるための処理を実行した場合に、現在出力されている検知信号が無効となるようにフラグを設定する処理を追加しても良い。このように構成することで、1回の検知信号の出力に基づいて、第2特別図柄変動が複数回実行されてしまうことをより確実に抑制することができる。
S974の処理において、球が第2入球口(右第2入球口645)へ入球したと判別した場合は(S974:Yes)、次に、第2特別図柄大当たり判定処理7を実行し(S978)、その後、上述した第2特別図柄変動開始処理(図126のS260参照)と同一のS959〜S963の処理を実行し、本処理を終了する。また、S974の処理において、球が第2入球口(右第2入球口645)へ入球していないと判別した場合は(S974:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図178を参照して、第2特別図柄変動開始処理7(図177のS280参照)にて実行される第2特別図柄大当たり判定処理7(図178のS978参照)の内容について説明をする。図178は、第2特別図柄大当たり判定処理7(図178のS978参照)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理7(図178のS978参照)は、上述した第4実施形態の第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS955参照)に対して、設定されている特別図柄の確率状態に対応した大当たり判定を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図178に示した通り、第2特別図柄大当たり判定処理7(図178のS978参照)が実行されると、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS955参照)と同一のS1051,S1052の処理を実行し、S1052の処理において時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されていると判別した場合は(S1052:Yes)、S1053〜S1056の処理を実行し、S1071の処理へ移行する。一方、S1052の処理において時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されていないと判別した場合は(S1052:No)、そのままS1071の処理へ移行する。
S1071の処理では、確変フラグ203faがオンに設定されているか、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(S1071)、確変フラグ203faがオンに設定されていると判別した場合は(S1071:Yes)、第1当たり乱数テーブル(第1当たり乱数7テーブル)202fa(図168(b)参照)の高確率状態に規定されているデータを参照して抽選結果(当否判定結果)を取得する。一方、S1071の処理において、確変フラグ203faがオンに設定されていない、即ち、特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S1071:No)、第1当たり乱数テーブル(第1当たり乱数7テーブル)202fa(図168(b)参照)の低確率状態に規定されているデータを参照して抽選結果(当否判定結果)を取得する。
そして、S1073の処理、或いは、S1072の処理にて抽選結果を取得した後は、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図127のS955参照)と同一のS1058〜S1062の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図179を参照して、特図2外れ変動パターン選択処理7(S1277)について説明をする。この特図2外れ変動パターン選択処理7(S1277)は、第2特別図柄変動の変動パターンを選択するための第2特別図柄変動パターン選択処理(図129のS956参照)にて実行されるものであり、対象となる第2特別図柄抽選の結果が大当たりでは無い(小当たりを含む外れである)場合の変動パターンを選択する際に実行される処理である。
図179は、特図2外れ変動パターン選択処理7(S1277)の内容を示したフローチャートであり、図179に示した通り、上述した特図2外れ変動パターン選択処理(図130のS1257参照)に対して、変動パターンを選択する際に、今回当選した小当たりに対して小当たり種別を選択(決定)する際の処理内容を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特図2外れ変動パターン選択処理7(S1277)が実行されると、まず、特図2外れ変動パターン選択処理(図130のS1257参照)と同一のS1371の処理を実行し、今回の第2特別図柄の抽選結果(特図2抽選結果)が小当たりでは無いと判別した場合は(S1371:No)、特図2外れ変動パターン選択処理(図130のS1257参照)と同一のS1377〜S1379の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S1371の処理において小当たりであると判別した場合は(S1371:Yes)、小当たり種別カウンタC5の値を取得し(S1372)、取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて小当たり種別選択7テーブル202ffを参照して小当たり種別を選択する(S1391)。次いで、特図2外れ変動パターン選択処理(図130のS1257参照)と同一のS1374〜S1376の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の変動パターンを選択する処理において、小当たり種別を選択する処理を実行しているが、これに限ること無く、例えば、第2特別図柄の抽選結果を判定する処理(第2特別図柄大当たり判定処理7(図178のS978参照))にて今回の抽選結果が小当たりであると判別した場合に、合わせて小当たり種別を選択する処理を実行しても良いし、各小当たり種別に対して異なる小当たり判定値を規定しておき、小当たり当選と判定された際に用いた小当たり判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)に対応させて小当たり種別が決定されるように構成しても良い。これにより、カウンタの種類を減少させることができ、製造コストを削減することができる。
次に、図180を参照して、第2特別図柄変動停止処理7(S283)の内容について説明をする。図180は、第2特別図柄変動停止処理7(S283)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理7(S283)は、第2特別図柄変動の変動時間が経過し、変動中の第2特別図柄変動を停止させる場合に実行される処理であり、上述した第2特別図柄変動停止処理(図132のS263参照)に対して、処理対象となる第2特別図柄変動が大当たり変動である場合に実行される処理の一部内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動停止処理7(S283)が実行されると、まず、上述した第2特別図柄変動停止処理(図132のS263参照)と同一のS1551〜S1559の処理を実行し、次いで、特図2大当たりフラグ(大当たりフラグ203iのうち第2特別図柄抽選に対応するフラグ)、特図1減算フラグ203dk、特図2減算フラグ203dl、時短終了待機フラグ203dm、確変フラグ203faをオフに設定し、時短カウンタ203hの値の値を0にリセットする(S1580)。
つまり、一方の特別図柄変動が大当たり当選を示す表示態様で停止表示される場合は、実行中の他方の特別図柄変動に対する抽選結果、残変動時間を完全に破棄したうえで停止表示させると共に、設定されている遊技状態に関する情報(確変フラグ203fa、時短カウンタ203h、時短終了待機フラグ203dm)も全てリセットされる。よって、大当たり遊技中は通常状態が設定されることになるため、大当たり遊技によって開放される可変入球手段(第1アタッカ1650)に球を入賞させることにより得る特典(賞球)以外の特典を遊技者が獲得し難くすることができ、遊技者に過剰に特典が付与されてしまう事態を抑制することができる。
さらに、同時変動仕様のパチンコ機10において、大当たり遊技終了後に大当たり遊技前に実行されていた特別図柄変動が再開されたり、大当たり遊技前に実行されていた特別図柄変動に基づく情報により時短回数が減算されたりすることが無いため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。S1580の処理を終えると、次いで、上述した第2特別図柄変動停止処理(図132のS263参照)と同一のS1561〜S1563の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、特図2外れ停止処理7(S1584)の内容について、図181を参照して説明をする。図181は、特図2外れ停止処理7(S1584)の内容を示したフローチャートである。この特図2外れ停止処理7(S1584)は、上述した特図2外れ停止処理(図133のS1564参照)に対して、小当たりフラグ203dgがオンに設定されていると判別した場合(S1651:Yes)に、小当たり処理(S1671)を実行する点で相違する。それ以外の処理内容は同一であるため、詳細な説明を省略する。ここで、特図2外れ停止処理7(S1584)にて実行される小当たり処理(S1671)の内容について、図182を参照して説明をする。
図182は、小当たり処理(S1671)の内容を示したフローチャートである。この小当たり処理(S1671)は、小当たり当選している第2特別図柄を停止表示させる際に実行するものであって、選択されている小当たり種別に応じた処理(中断処理、強制停止(破棄)処理)を、実行中の第1特別図柄変動に対して実行するためのものである。
小当たり処理(S1671)が実行されると、まず、今回の第2特別図柄変動に対して設定されている小当たり種別(特図2外れ変動パターン選択処理7(図179のS1277参照)にて選択した小当たり種別)を読み出し(S1682)、読み出した小当たり種別が「小当たりA」であるかを判別する(S1683)。「小当たりA」であると判別した場合は(S1683:Yes)、現在が特図1変動中(第1特別図柄変動中)であるかを判別し(S1684)、特図1変動中であると判別した場合は(S1684:Yes)、特図1仮停止フラグ203dhをオンに設定し(S1685)、特図1仮停止フラグ203dhのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定し(S1686)、本処理を終了する。S1684の処理において、特図1変動中では無いと判別した場合は(S1684:No)、S1685,S1686の処理をスキップして本処理を終了する。
一方、S1683の処理において、「小当たりA」では無いと判別した場合は(S1683:No)、次に、読み出した小当たり種別が「小当たりC」であるかを判別し(S1687)、「小当たりC」であると判別した場合は(S1687:Yes)、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が確変状態中(普通図柄の高確率状態中)であるかを判別する(S1688)。現在が確変状態中であると判別した場合(S1688:Yes)、即ち、確変状態中に実行された第2特別図柄抽選にて「小当たりB」に当選した第2特別図柄変動が今回の処理対象である場合は、次に、時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されているかを判別し(S1689)、時短終了待機フラグ203dmがオンでは無いと判別した場合(S1689:No)、即ち、確変状態の最終変動では無いと判別した場合は、時短終了待機フラグ203dmをオンに設定し(S1690)、上述したS1684に移行する。また、S1688の処理にて時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い、即ち、現在が確変状態中では無いと判別した場合(S1688:No)、或いは、S1689の処理において時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されている、即ち、確変状態の最終変動であると判別した場合は(S1689:Yes)、S1690の処理をスキップして、上述したS1684の処理へ移行する。
つまり、確変状態中において「小当たりC」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値が0まで減算されなくても、強制的に時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されるため、確変状態中の特別図柄変動(抽選)を所定回数(50回)実行する前に、遊技状態を確変状態から潜確状態へと移行させることが可能となる。よって、「小当たりC」当選は、確変状態(普通図柄の高確率状態)を終了させるための終了条件として設定されている。本実施形態では、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に有利な遊技状態となるため、確変状態中に実行される特別図柄抽選の回数が少ない状態、即ち、確変状態中に大当たり当選し、潜確状態に移行すること無く通常状態へと移行してしまう可能性が低い状態で潜確状態へと移行させることが出来る分、時短カウンタ203hの値を0にすることで潜確状態へと移行する終了条件よりも、「小当たりC」当選により成立する終了条件のほうが、遊技者に有利となる終了条件となる。なお、時短カウンタ203hの値が0である場合(普通図柄の低確率状態である場合)、即ち、通常状態、或いは潜確状態である場合は、時短状態を終了させるための処理が実行されないため、「小当たりC」当選した場合と、「小当たりA」当選した場合とで同一の処理が実行される。
S1687の処理において、「小当たりC」では無いと判別した場合、即ち、読み出した小当たり種別が「小当たりB」であると判別した場合は(S1687:No)、現在が特図1変動中(第1特別図柄変動中)であるかを判別し(S1691)、特図1変動中であると判別した場合は(S1691:Yes)、特図1変動の停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(S1692)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S1693)、特図1変動時間カウンタ203diの値を0にセット(S1694)する。
そして、特図1大当たりフラグ(大当たりフラグ203iのうち第1特別図柄に対応するフラグ)がオンに設定されているか、即ち、実行中の第1特別図柄変動が大当たり変動であるかを判別し(S1695)、特図1大当たりフラグ(大当たりフラグ203iのうち第1特別図柄に対応するフラグ)がオンに設定されていると判別した場合は(S1695:Yes)、特図1大当たりフラグ(大当たりフラグ203iのうち第1特別図柄に対応するフラグ)をオフに設定し(S1696)、特図1大当たりに対する記憶情報を削除し(S1697)、本処理を終了する。S1691の処理において、特図1変動中では無いと判別した場合は(S1691:No)、そのまま本処理を終了する。また、S1695の処理において、特図1大当たりフラグ(大当たりフラグ203iのうち第1特別図柄に対応するフラグ)がオンに設定されていない、即ち、実行中の第1特別図柄変動が外れ変動であると判別した場合は(S1695:No)、S1696,S1697の処理をスキップして本処理を終了する。
<第7実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図183から図192を参照して、第7実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。まず、図183を参照してコマンド判定処理7(S4192)の内容について説明をする。図183は、コマンド判定処理7(S4192)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理7(S4192)は、コマンド判定処理(図61のS4112)に代えて実行される制御処理であって、上述したコマンド判定処理7(S4192)と同様に主制御装置110から受信した様々なコマンドに対応した処理を実行するものである。
コマンド判定処理7(S4192)が実行されるとまず、状態コマンドを受信したかを判別し(S4231)、受信したと判別した場合は(S4231:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4232)、本処理を終了する。この受信コマンド処理(S4232)は、上述したコマンド判定処理(図61のS4112)にて実行される受信コマンド処理(図64のS4213参照)と同様の処理を実行するものである。詳細な説明は省略するが、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信し、その遊技状態に応じたモード演出態様を設定し、第3図柄表示装置81の表示面にて対応する演出態様(例えば、背面画像)を表示するための表示用コマンドが設定される。例えば、確変状態を示す状態コマンドを受信した場合は、図161に示したキャラクタ811が山を登る演出態様に対応する表示用コマンドが設定され、潜確状態を示す状態コマンドを受信した場合は、図162に示す準備状態、或いは、図163に示すRUSH遊技状態を示すための演出態様に対応する表示用コマンドが設定される。なお、潜確状態中における演出態様の切替制御の詳細については後述する。
コマンド判定処理7(S4192)では、上述したコマンド判定処理(図61のS4112)に対して、状態コマンドの受信の有無を判別する順序を異ならせている。具体的には、特図変動パターンコマンドを受信したかの判別よりも先に状態コマンドを受信したかの判別を実行するように構成している。このように構成することで、現在の遊技状態を判定した上で、特図変動パターンコマンドに基づく処理を確実に実行することができる。なお、これに限ること無く、上述したコマンド判定処理(図61のS4112)と同一の順序で各種コマンド判定を実行しても良い。
S4231の処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4231:No)、次に、特図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4203)、受信したと判別した場合は(S4203:Yes)、受信した特図変動パターンコマンドに対応する変動開始フラグ(特図変動開始フラグ223d、特図2変動開始フラグ223fa)をオンに設定し(S4233)、受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する(S4234)。そして、本処理を終了する。
S4203の処理において特図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4203:No)、次に、特図停止種別コマンドを受信したかを判別し(S4205)、受信したと判別した場合は(S4205:Yes)、受信した特図停止種別コマンドに対応する停止種別選択フラグ(停止種別選択フラグ223e、特図2停止種別選択フラグ223fb)をオンに設定し(S4235)、受信したコマンドから停止種別を抽出する(S4236)。そして、本処理を終了する。
S4205の処理において特図停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S4205:No)、上述したコマンド判定処理(図61のS4112)と同一のS4208〜S4214の処理を実行し、S4214の処理において、停止関連コマンドを受信したと判別した場合は、停止関連処理7を実行し(S4236)、本処理を終了する。この停止関連処理7(S4236)の詳細な内容については、図184を参照して後述する。
S4214の処理において、停止関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4214:No)、次いで、上述したコマンド判定処理(図61のS4112)と同一のS4216〜S4218の処理を実行し、S4214の処理において、停止関連コマンドを受信したと判別した場合は、当たり関連処理7を実行し(S4237)、本処理を終了する。この当たり関連処理7(S4237)の詳細な説明は省略するが、上述した当たり関連処理(図67のS4219参照)に対して、役物当たり関連コマンドに代えて小当たり関連コマンドの受信に基づく処理が実行される。この小当たり関連コマンドは、上述した役物当たり関連コマンドと同様に、小当たり遊技の開始を示す小当たり開始コマンド、小当たり遊技中に動作対象となる入賞装置が開放するラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンド、小当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドが少なくとも含まれており、受信した各コマンドに対応する表示用コマンドを設定する処理が実行される。これにより、主制御装置110にて実行される小当たり遊技に対応させた演出態様を第3図柄表示装置81の表示面にて実行されることができる。
そして、S4218の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4220:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、コマンド判定処理7(図183のS4192参照)にて実行される停止関連処理7(S4236)の内容について、図184を参照して説明をする。図184は、停止関連処理7(S4236)の内容を示したフローチャートである。この停止関連処理7(S4236)は、上述した停止関連処理(図65のS4215参照)に対して、特図確定コマンドを受信した場合(S4601:Yes)に、準備状態設定処理(図184のS4641参照)を実行する処理を追加した点と、特図破棄コマンドを受信したかを判別する処理を実行し(S4642)、S4642の処理において特図破棄コマンドを受信したと判別した場合に(S4642:Yes)、特図破棄設定処理を実行する(S4643)処理を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号付してその詳細な説明を省略する。
ここで、準備状態設定処理(S4641)の内容について図185を参照して説明をする。図185は準備状態設定処理(S4641)の内容を示したフローチャートである。この準備状態設定処理(S4641)は、上述した通り、準備状態(図162(a)参照)を設定するための処理である。この準備状態設定処理(S4641)では、まず、天井演出実行中フラグ223fhがオンであるか否かを判別し(S8001)、オフであると判別した場合は(S8001:No)、準備状態に移行させる可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S8001の処理において、天井演出実行中フラグ223fhがオンであると判別した場合は(S8001:Yes)、天井演出実行中フラグ223fhをオフに設定し(S8002)、RUSH準備中の表示態様(図162(a)参照)を設定する(S8003)。次いで、RUSH中フラグ223fg、および準備状態中フラグ223fdをいずれもオンに設定して(S8004)、本処理を終了する。
この準備状態設定処理(図185参照)を実行することにより、連荘モード(RUSH遊技)へと移行した時点から、準備状態の表示態様を設定することができる。
以上説明した通り、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態を、第2特別図柄の抽選が実行され易く、小当たり遊技が頻繁に実行される有利な遊技状態(連荘モード)として構成し、通常状態を最も不利な通常モードとして構成した。そして、確変状態において確変回数(50回)を終了させることにより、最も有利な連荘モードへと移行する構成とした。つまり、確変状態から、大当たりを介さずに直接最も有利な遊技状態へと移行可能に構成した。このように構成することで、確変状態において、確変回数を経過させることを一つの目標として遊技を行わせることができる。
ここで、従来より、潜確状態を最も有利な遊技状態に設定し、大当たり当選を経て潜確状態を設定可能にする遊技機が知られている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、大当たり当選しない限り潜確状態が設定されることが無いため、通常状態に滞在している間(即ち、大当たりに当選するまでの間)は、持ち球が減り易い不利な状態を形成するものであっため、遊技者に対して満足感を抱かせるには至らず、遊技者の興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して本第7実施形態では、潜確状態よりも不利な確変状態において確変回数を終了(経過)させることにより、大当たり当選を介すること無く直接、最も有利な連荘モード(潜確状態)へと移行する構成とした。つまり、大当たりに当選しなくても、右打ち遊技を継続するだけで容易に賞球を断続的に獲得し続けることができる有利な状態に移行する構成としている。このように構成することで、確変回数を終了させることができた場合に、遊技者に対してより大きな満足感や達成感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、確変状態が設定されている状態において、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(小当たりC)である場合に、確変回数を経過させること無く最も有利な連荘モード(潜確状態)へと移行する構成とした。これにより、確変状態中における大当たり当選以外の抽選結果に対しても遊技者に期待感を持たせることができる。
加えて、上述した抽選結果(小当たりC)は、確変状態中に実行され難い特別図柄(第2特別図柄)の抽選でのみ当選し得るように構成している。よって、確変状態において右打ち遊技により発射された遊技球が不規則な挙動で右第2入球口645へと入球し、第2特別図柄抽選が実行された場合に、遊技者に期待感を持たせることができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の保留記憶を有していないため、確変状態中に球を第2入球口645へと入球させない限り、小当たりCに当選し得ないように構成している。よって、遊技者に対して確変状態中の球の挙動を注視させることができる。なお、上述した本実施形態の構成の一部のみを採用しても良く、例えば、第2特別図柄の保留記憶機能を持たせ、例えば、確変状態が設定される大当たり遊技中に獲得した第2特別図柄の保留記憶に基づく第2特別図柄抽選を確変状態中に実行させるように構成しても良い。このように構成することで、確変状態が設定された直後に複数回の第2特別図柄変動を実行させることが可能となる。この場合、第2特別図柄変動が実行される期間中の演出として、例えば、図161(a)に示したキャラクタ811が頂上を目指す演出態様の前段階として、ヘリコプターに乗り込むか否かを煽る演出(ワープ煽り演出)を実行し、第2特別図柄の抽選結果が「小当たりC」である場合に、キャラクタ811がヘリコプターに乗り込み、図161(b)に示した頂上に到達する演出を実行すると良い。
これにより、確変状態が設定された直後に、潜確状態へと移行し易い期間が設定されていることを遊技者に分かり易く報知することができる。さらにこの場合、確変状態中に実行される第2特別図柄変動の変動パターンとして、確変状態が設定されてから実行される特別図柄変動回数が所定回数未満(例えば、10回未満)である場合は、ショート変動(変動時間が5秒)が選択され易くなるように構成すると良い。これにより、大当たり遊技中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を円滑に実行することができる。
また、本実施形態では、確変状態中に右電動役物164を頻繁に開放させることで、右打ち遊技によって発射された球が右第2入球口645へと入球し難く構成しているが、例えば、普通図柄の変動パターンとして僅かな確率(例えば、1/100の確率)で長時間の変動時間(例えば、10秒)の変動パターンが選択されるように構成し、一時的に右第2入球口645へと球が入球し易い状態を形成し得るように構成しても良い。これにより、確変状態中において一時的に第2特別図柄抽選を実行し易くすることができる。よって、確変状態が設定されている状態において、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(小当たりC)となり、潜確状態へと移行する機会を増加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、本実施形態では、確変状態から潜確状態へと移行する契機となる「小当たりC」を第2特別図柄抽選でのみ当選可能に構成しているが、これに限ること無く、第1特別図柄抽選においても、第2特別図柄抽選よりも低い僅かな確率(例えば、1/200)で当選し得るように構成しても良い。
本第7実施形態におけるパチンコ機10では、連荘モード(潜確状態)へと移行してから、第2特別図柄の抽選で最初に小当たりに当選するまでの間を準備状態として報知する構成とし、実際に賞球を獲得し得る状況となった場合(即ち、小当たり変動が開始された場合)に、有利な状態(RUSH状態)となったことを報知する構成としている。このように構成することで、RUSH状態が報知されたにもかかわらず賞球が獲得できない状況が長く続いてしまい、遊技者に不満感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
なお、本第7実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率を約1/1(59/60)に設定していたが、これに限られるものではなく、小当たり確率は任意に定めてもよい。例えば、小当たり確率を低くしても良い。
次に、図186を参照して、特図破棄設定処理(S4643)の内容について説明をする。図186は特図破棄設定処理(S4643)の内容を示したフローチャートである。この特図破棄設定処理(S4643)は、停止関連処理7(図184のS4236参照)において、特図破棄コマンドを受信した場合に実行されるものである。本実施形態では、潜確状態中において右打ち遊技を実行することで、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)を確保しながら、主として第2特別図柄の抽選を実行し、頻繁に小当たり遊技を実行させるRUSH遊技が実行されるように構成している。
そして、潜確状態中は、第1特別図柄変動として設定される変動時間が長時間(600秒)となり易くなるように構成している。さらに、潜確状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間を、特図1保留球数に応じて異ならせるように構成しており、具体的には、特図1保留球数が少ないほど(特図1保留球数が1、或いは2の場合)、第2特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択されるように構成している。加えて、第2特別図柄抽選で特定の抽選結果(「小当たりB」)に当選した場合は、実行中の第1特別図柄変動を破棄(強制停止)させるように構成している。
つまり、本実施形態では、潜確状態中において、第2特別図柄抽選で小当たり遊技を頻繁に実行させながら、且つ、特定の小当たり当選によって第1特別図柄の保留球数を減少させ、より効率の良い遊技(単位時間内に実行される小当たり遊技回数を増加させる遊技)を目指す遊技が実行されることになる。
そこで、本実施形態では、潜確状態中に実行されるRUSH遊技を、通常のRUSH遊技と、通常のRUSH遊技よりも単位時間内に実行される小当たり遊技回数が増加するスーパーRUSH遊技と、を遊技者に報知する演出を実行可能にし、第2特別図柄抽選で特定の抽選結果(「小当たりB」)に当選した場合に、スーパーRUSH遊技への移行を示唆する示唆演出(図164参照)を実行可能に構成している。これにより、潜確状態中の遊技を実行している遊技者に対して、より有利な状態(スーパーRUSH遊技)が存在すること、及び、スーパーRUSH遊技が実行されるまでの状況を分かりやすく報知することができ、遊技者の遊技意欲をより高めることができる。
特図破棄設定処理(S4643)が実行されると、まず、RUSH中フラグ223fgがオンに設定されているかを判別し(S8101)、オンに設定されていないと判別した場合は(S8101:No)、現在が潜確状態(RUSH遊技)では無いため、後述するS8102〜S8107の処理をスキップして、S8108の処理へ移行する。
一方、S8101の処理において、RUSH中フラグ223fgがオンに設定されていると判別した場合は(S8101:Yes)、特図保留球数カウンタ(第1特別図柄保留球数カウンタ)203ddの値を読み出し、現在の特図保留球数が3であるかを判別する。即ち、第1特別図柄の保留球数が3個で強制停止された状態であるかを判別する(S8103)。ここで、特図保留球数が3であると判別した場合は(S8103:Yes)、スーパーRUSH突入を示す演出態様(図164(b)参照)を決定し、スーパーRUSH中フラグをオンに設定し(S8105)、第1特別図柄の強制停止態様を決定し(S8108)、決定した各種態様を示すための表示用コマンドを設定し(S8109)、本処理を終了する。
ここで、S8108の処理について説明をする。本実施形態では、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが並行して(重複して)実行されるように構成しているため、第2特別図柄抽選で特定の小当たり(小当たりB7)に当選した第2特別図柄変動が停止表示されるタイミングは、第1特別図柄変動の変動タイミングとは無関係で決定される。よって、第1特別図柄変動が開始された直後で強制停止(破棄)される場合もあれば、第1特別図柄変動の停止表示直前のタイミングで強制停止(破棄)される場合もある。そして、第1特別図柄変動に対応して変動表示される第3図柄(第3図柄表示装置81の表示面にて変動表示される装飾用図柄)の変動態様が変動時間の経過に基づいて可変されるパチンコ機10であれば、例えば、変動開始直後は遊技者が第3図柄を識別困難な程度の高速変動表示を実行し、変動時間の終了間際(変動停止直前)になると、第3図柄を遊技者が識別可能な程度に変動速度を落とした低速変動表示を実行するものが一般的である。
このように構成されたパチンコ機10において、第1特別図柄変動を強制停止させたことに基づいて、実行中の第3図柄変動を、強制停止を示すコマンドを受信したタイミングで第3図柄表示装置81の表示面に表示している表示態様のまま停止表示させてしまうと、例えば、第3図柄が低速変動表示している場合には、大当たりを示す表示態様で第3図柄を停止表示させてしまう虞があった。
これに対して、本実施形態では、S8108の処理において特図(第1特別図柄)の強制停止態様として実行中の第1特別図柄変動の残期間に基づいて、高速変動時停止態様と、低速変動時停止態様との何れかを決定する。そして、S8109の処理にて設定される表示用コマンドにて表示制御装置114へと出力する。表示制御装置114側では、受信した表示用コマンドに含まれている強制停止態様の種別に基づいて、第3図柄表示装置81にて変動表示されている第3図柄の強制停止表示態様を決定し、決定した強制停止表示態様に基づいた表示制御を実行する。
具体的には、高速変動時停止態様を示す表示用コマンドを受信した場合は、高速変動表示を実行するために準備された画像データに強制停止を示す表示態様の画像データを割り込ませ、高速変動表示が急に強制停止を示す表示態様に切り替わるように表示制御を実行する。このように構成することで、第1特別図柄が強制停止されたことを遅滞無く遊技者に報知することができる。また、高速変動中は変動している第3図柄を遊技者が識別困難な状況であるため、強制停止を示す表示態様が急に停止表示されたとしても、画像が差し替わったことに対して遊技者に違和感を与えることが無い。
一方、低速変動時停止態様を示す表示用コマンドを受信した場合は、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている(される)画像を読み出し、リーチ状態(大当たり当選を示す組み合わせで第3図柄を停止表示可能な状態)であるか否かを判別する。そして、現在がリーチ状態では無いと判別した場合は、低速変動表示用に用いられる表示データのうち、各第3図柄が所定位置(成立ライン)に表示される表示データに対応する画像を強制停止画像に決定し、その強制停止画像が表示されるまで低速変動を継続させた後に変動表示を強制停止させる。また、リーチ状態である場合には、変動中の残りの第3図柄列に含まれる一の図柄を、強制停止を示す強制停止図柄に差し替えた画像データを作成し、強制停止図柄が停止表示されるように強制停止用変動表示データを生成し、その強制停止用変動表示データに基づいた表示制御を実行する。
このように、第1特別図柄を強制停止させる場合において、第3図柄表示装置81の表示面にて実行されている第3図柄の変動表示態様に応じて、第3図柄を強制停止させるための処理を異ならせることにより、第1特別図柄変動がどのタイミングで強制停止されたとしても遊技者に違和感を与えること無く第3図柄を停止表示されることができる。
また、上述した表示制御を実行した場合は、第1特別図柄変動が強制停止されてから第3図柄変動表示が停止表示されるまでの期間が、実行中の第3図柄変動の変動表示態様に応じて異なるが、この場合、例えば、第1特別図柄変動を強制停止する場合において、第1特別図柄変動を強制停止表示してから強制停止を確定するまでの期間、或いは、第1特別図柄変動を強制停止させるための強制停止条件が成立する第2特別図柄変動における小当たりB当選を示す特別図柄が停止表示されてから確定するまでの図柄確定期間を所定期間(例えば、1秒)に規定し、その所定期間内において、第3図柄変動を停止表示させる各種強制停止表示制御を実行すれば良い。そして、確定期間が経過したことを示すコマンド(確定コマンド)が主制御装置110から出力されたことに基づいて強制停止確定用の第3図柄表示態様(例えば、「123」)を表示させれば良い。このように構成することで、第3図柄変動表示を強制停止させる際に、実行中の第3図柄変動の変動表示態様に応じて第3図柄変動表示を強制停止させるまでの期間を異ならせたとしても確定期間内で第3図柄変動表示を強制停止させることができ、さらに、確定期間経過時に同一の表示態様で第3図柄を強制停止確定用の表示態様で表示させることができる。
図186に戻り説明を続ける。S8103の処理において、特図保留球数が3では無いと判別した場合は(S8103:No)、次に、特図保留球数が4であるかを判別し(S8106)、4であると判別した場合は(S8106:Yes)、最頂上を目指す演出態様(例えば、図164(a)に示した演出画面からキャラクタ811が一段上に上る演出態様)を決定し(S8107)、S8108の処理へ移行する。また、S8106の処理において4では無いと判別した場合は、S8107の処理をスキップしてS8108の処理へ移行する。
次に、図187を参照して、変動表示設定処理7(S4153)の内容について説明をする。図187は変動表示設定処理7(S4153)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理7(S4153)は、第7実施形態において音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理7(S4153)では、まず、RAM223に設けられた特図変動開始フラグ223dがオンかを判別する(S5201)。そして、特図変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S5201:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5234の処理へ移行する。一方、特図変動開始フラグ223dがオンであると判別した場合(S5201:Yes)、変動回数カウンタ223fcの値に1を加算し(S5231)、特図変動開始フラグ223dをオフに設定し(S5202)、次いで、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための演出態様設定処理を実行し(S5232)、入賞情報格納エリア223bのデータをシフトし(S5233)、S5234の処理へ移行する。
S5234の処理では、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223faがオンかを判別する(S5234)。そして、特図2変動開始フラグ223faがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S5234:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5238の処理へ移行する。一方、特図2変動開始フラグ223faがオンであると判別した場合(S5234:Yes)、変動回数カウンタ223fcの値を1加算し(S5235)、特図2変動開始フラグ223faをオフに設定し(S5236)、次いで、特図2用変動表示設定処理7を実行する(S5237)。この特図2用変動表示設定処理7(S5237)の詳細については図190を参照して後述する。S5237の処理を終えると、S5238の処理へ移行する。
S5238の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eまたは特図2停止種別選択フラグ223fbがオンかを判別する(S5238)。そして、特図変動開始フラグ223eまたは特図2変動開始フラグ223fbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S5238:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、特図変動開始フラグ223eまたは特図2変動開始フラグ223fbがオンであると判別した場合(S5238:Yes)、特図変動開始フラグ223eまたは特図2変動開始フラグ223fbをオフに設定し(S5239)、次いで、コマンドから抽出した停止種別に基づいて表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定し(S5240)、その後、本処理を終了する。
次いで、上述した演出態様設定処理(S5232)の詳細について説明する。この演出態様設定処理(S5232)は、上述した通り、変動パターンコマンドにより通知された第1特別図柄の変動種別に応じた演出態様を設定するための処理である。この演出態様設定処理(S5232)では、まず、現在が通常状態であるかを判別し(S8201)、通常状態ではないと判別した場合は(S8201:No)、次いで、確変状態であるかを判別する(S8202)。S8202の処理において、確変状態ではないと判別した場合は(S8202:No)、潜確状態(連荘モード)であることを意味し、天井演出設定処理を実行し(S8203)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S8208)、本処理を終了する。
一方、S8202の処理において、確変状態であると判別した場合は(S8202:Yes)、今回の第1特別図柄が確変状態の最終変動であるかを判別するために、変動回数カウンタ223fcの値が1であるかを判別する(S8204)。S8204の処理において、変動回数カウンタ223fcの値が1であると判別した場合は(S8204:Yes)、RUSH遊技へと移行する前の最後の変動表示演出の演出態様を選択するための天井演出設定処理を実行して(S8206)、処理をS8208へと移行する。一方で、S8204の処理において、残時短回数が1ではないと判別した場合(S8204:No)、即ち、潜確状態(連荘モード)へと移行する可能性が無いため、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応する演出態様を決定して(S8205)、処理をS8208へと移行する。これに対し、S8201の処理において、現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S8201:Yes)、次いで、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応する通常モード用の演出態様を決定して(S8207)、処理をS8208へと移行する。
次に、図188のフローチャートを参照して、上述した天井演出設定処理(S8202,S8206)の詳細について説明する。図188に示した通り、天井演出設定処理(S8203(S8206))では、まず、入賞情報格納エリア223bのうち、第1特別図柄に対応する実行エリアのデータを読み出して(S8301)、読み出した実行エリアのデータが大当たりに対応するデータであるか否かを判別し(S8302)、大当たりであると判別した場合(S8302:Yes)、即ち、今回の特図1変動が大当たり変動であると判別した場合、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応する演出態様(大当たりを報知するための演出態様を決定して(S8303)、本処理を終了する。即ち、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合は、潜確状態へと移行すること無く大当たり遊技が実行されるため、頂上到達を報知する演出(図161(b)参照)の演出態様を決定すること無く、大当たりを報知するための演出態様(例えば、崖を登っている際中に大当たり当選を示す表示態様を表示させる演出態様)が決定される。このように構成することで、頂上到達演出が実行されたにも関わらず、大当たり遊技が実行され、その後、潜確状態以外の遊技状態が設定されてしまい、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、S8302の処理にて大当たり当選した特別図柄変動であると判別した場合は、選択された大当たり種別に関わらず、頂上到達演出を実行しないように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される大当たりに当選している場合は、頂上到達演出を実行した上でさらに、頂上に大当たり当選を示す表示態様を表示させる演出を実行するように構成しても良い。また、本実施形態では、確変状態の最終変動にて頂上到達演出を実行するか否かを判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、確変状態中に大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される大当たりに当選している場合(大当たり変動中)に、頂上到達演出を実行した上でさらに、頂上に大当たり当選を示す表示態様を表示させる演出を実行するように構成しても良い。これにより、確変状態中に実行される演出(キャラクタ811が頂上を目指す演出)の演出態様を、確変状態の残期間と、第1特別図柄抽選の抽選結果とに基づいて可変させることができ、且つ、頂上到達演出が実行された場合に、潜確状態が確実に設定されるように構成することができ、演出効果を高めることができる。
これに対し、S8302の処理において、実行エリアから読み出したデータが大当たりを示すデータではないと判別した場合は(S8302:No)、岩山の頂上にキャラクタ811が到達する演出態様(図169(b)参照)を決定し(S8304)、天井演出実行中フラグ223fhをオンに設定して(S8305)、本処理を終了する。
この天井演出設定処理(図189参照)を実行することにより、潜確状態へと移行した時点における第1特別図柄の抽選結果の先読み結果に応じて、頂上到達演出(図169(b)参照)の実行可否を好適に設定することができる。
次に、図190のフローチャートを参照して、上述した変動表示設定処理7(図187のS4153参照)にて実行される特図2用変動表示設定処理7(S5237)の詳細について説明する。この特図2用変動表示設定処理7(S5237)は、第2特別図柄変動の変動パターンに対応した変動演出を設定するための処理である。この特図2用変動表示設定処理7(S5237)が実行されると、まず、RUSH中フラグ223fgがオンであるか否かを判別し(S8401)、RUSH中フラグ223fgがオフであると判別した場合(S8401:No)、即ち、現在の遊技状態が通常状態、或いは潜確状態であると判別した場合は、次いで、確変状態が設定されているかを判別する(S8402)。
S8402の処理において、確変状態が設定されていないと判別した場合、即ち、現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S8402:No)、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応する第2特別図柄の変動表示態様を決定し(S8403)、本処理を終了する。
一方、S8402の処理において、現在の遊技状態が確変状態であると判別した場合は(S8402:Yes)、確変状態中における第2特別図柄変動の変動表示態様を設定するための確変中設定処理(S8404)を実行し、本処理を終了する。この確変中設定処理(S8404)の詳細な内容については、図191を参照して後述する。
S8401の処理において、RUSH中フラグ223fgがオンであると判別した場合は(S8401:Yes)、次に、準備状態中フラグ223fdがオンであるか否かを判別し(S8405)、準備状態中フラグ223fdがオフであると判別した場合は(S8405:No)、RUSH遊技中(準備状態が終了している状態)であることを意味するため、潜確状態(RUSH遊技)中における第2特別図柄変動の変動表示態様を設定するためのRUSH中設定処理(S8410)を実行し、本処理を終了する。このRUSH中設定処理(S8410)の詳細な内容については、図192を参照して後述する。
一方、S8405の処理において、準備状態中フラグ223fdがオンである(即ち、準備状態中である)と判別した場合は(S8405:Yes)、次いで、変動パターンコマンドにより小当たりの変動種別が通知されたか否かを判別し(S8406)、小当たりの変動種別が通知されたと判別した場合は(S8406:Yes)、準備状態中フラグ223fdをオフに設定し(S8407)、今回の変動表示演出の演出態様として、RUSH突入を報知するRUSH突入演出の演出態様(図162(b)参照)を決定して(S8408)、本処理を終了する。
次に、図191を参照して確変中設定処理(S8404)の処理内容について説明をする。図191は、確変中設定処理(S8404)の内容を示したフローチャートである。この確変中設定処理(S8404)では、確変状態中に第2特別図柄変動が実行された際の演出態様を設定するためのものであり、確変状態中に小当たりCに当選し、確変回数(50回)を経過すること無く、潜確状態が設定される際の演出態様(ショートカット演出態様)を設定するための処理が実行される。上述した通り、本実施形態では確変状態中において右打ち遊技を実行した場合には、右側領域を流下する殆どの球が右電動役物164に入賞し、第1特別図柄変動が実行されるように構成している。しかしながら、右側領域を流下する球同士が衝突する等により、不規則な挙動をとった場合において稀に右第2入球口645へと球が入球し、第2特別図柄抽選が実行される場合がある。そして、確変状態中に実行された第2特別図柄抽選により小当たりCに当選した場合は、確変状態の終了条件である確変回数(50回)分の特別図柄変動の実行を行わずして確変状態を潜確状態へと移行させることができるように構成している。よって、確変状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行された場合には、遊技者に対して潜確状態へと移行するチャンスが訪れたことを示すために特別な演出が実行される。
確変中設定処理(S8404)が実行されるとまず、今回の第2特別図柄変動が小当たりCに当選している変動であるかを判別する(S8501)。小当たりCであると判別した場合は(S8501:Yes)、次に変動回数カウンタ223fcの値を読み出し(S8502)、S8502の処理で読み出した変動回数カウンタ223fcの値に基づいて確変残回数が5回以下であるかを判別し(S8503)、5回以下であると判別した場合は(S8503:Yes)、小当たりRUSH(RUSH遊技)突入を示す演出態様を決定し、後述するS8506の処理へ移行する。
一方で、S8503の処理において、確変算回数が5回以下では無い(6回以上である)と判別した場合は(S8503:No)、小当たりRUSH(RUSH遊技)にショートカット突入することを示す演出態様(例えば、ワープ演出)を決定し(S8504)、S8506の処理へ移行する。また、S8501の処理において、今回の変動が小当たりCに当選していないと判別した場合は(S8501:No)、そのままS8506の処理へ移行する。
S8506の処理では、確変中に特2変動(第2特別図柄変動)が実行されたことを示す演出態様(例えば、図161(a)に示した表示態様からキャラクタ811が炎を身に纏い(キャラクタ811の表示態様を可変させ)、山を勢いよく登り出す演出態様)を決定し(S8506)、決定された各種演出態様を示す表示用パターンコマンドを設定し(S8507)、本処理を終了する。
次に、図192を参照して、RUSH中設定処理(S8410)の内容について説明をする。図192は、RUSH中設定処理(S8410)の内容を示したフローチャートである。このRUSH中設定処理(S8410)では、RUSH遊技中に実行される第2特別図柄変動に対して各種演出を設定するための処理が実行される。
RUSH中設定処理(S8410)が実行されると、スーパーRUSH中フラグ223fiがオンに設定されているかを判別し(S8601)、オンに設定されていると判別した場合は(S8601:Yes)、次に、今回の変動が小当たりB当選しているかを判別する(S8602)。小当たりB当選していると判別した場合は(S8602:Yes)、変動停止時に実行中の第1特別図柄変動が強制停止されるため、スーパーRUSH終了のピンチを示す終了示唆演出の演出態様を設定し(S8603)、その他、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応するRUSH用の演出態様を決定し(S8604)、本処理を終了する。
一方、S8602の処理において、今回の変動が小当たりB当選していない場合(S8602:No)、或いは、S8601の処理においてスーパーRUSH中フラグ223fiがオンに設定されていないと判別した場合(S8601:No)は、そのままS8604の処理へ移行し、その後本処理を終了する。
<第7実施形態の遊技盤構成を用いた別例について>
上述した第7実施形態では、図157に示した通り、遊技盤13の右側領域にスルーゲート67を通過した球が流下し得る流路を形成し、その流路内に右電動役物164を配設するように構成し、さらに、右電動役物164が閉状態(球が右電動役物164内に入賞困難となる状態)の間は、右電動役物164の開閉蓋164r1上を球が流下するように流路(図158参照)を形成し、開閉蓋164r1上を流下した球が入球可能となる位置に右第2入球口645を配設するように構成していた。そして、右電動役物164の開放パターン(普図当たり遊技の開放動作パターン)に応じて、右側領域を流下する球、ひいては、スルーゲート67を通過した球が流下可能な流路(以下、特定流路と称す)を流下する球が、右電動役物164へと入賞する割合(右電動役物164内に設けられた右第1入球口164r(第1特別図柄抽選の抽選契機となる始動口)へと入球する割合)と、右第2入球口645へと入球する割合(第2特別図柄抽選の抽選契機となる始動口へと入球する割合)と、を可変させることができるように構成していた。
具体的には、遊技状態として確変状態が設定されている場合は、特定流路を流下する球の殆どが右電動役物164へと入賞するように、普通図柄変動の変動時間と、右電動役物164の開放パターンと、を規定し、潜確状態が設定されている場合は、確変状態が設定されている場合よりも、特定流路を流下した球が右電動役物164へと入賞する割合を低くするように普通図柄変動の変動時間と、右電動―役物164の開放パターンと、を規定している。加えて、通常状態が設定されている場合は、潜確状態が設定されている場合よりもさらに、右電動役物164へと入賞する割合を低くするように普通図柄変動の変動時間を規定している。なお、潜確状態と通常状態とでは、共に普通図柄の低確率状態が設定されており、普図当たり遊技に実行される開放動作パターン(右電動役物164のの開放パターン)は同一であるが、普通図柄の変動時間を可変させることにより、普図当たり遊技が実行される間隔を異ならせ、結果として特定流路を流下した球が右電動役物164へと入賞する割合を異ならせるように構成していた。
上述した第7実施形態の構成によれば、設定されている遊技状態に応じて、球が入球し易い始動口(右第1入球口164r、右第2入球口645)を異ならせることにより、右打ち遊技を実行することにより主として特別図柄抽選が実行される特別図柄の種別を容易に異ならせることができるため、遊技者に対して異なる遊技状態が設定された場合に、異なる遊技性の遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら上述した第7実施形態では、設定されている遊技状態(例えば、確変状態)に対して、主として特別図柄抽選が実行される特別図柄種別が規定されており、具体的には、確変状態中は第1特別図柄抽選が、潜確状態中は第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成していた。よって、設定されている遊技状態が可変設定されない限り、主として実行される特別図柄抽選に対応する特別図柄種別を異ならせることができず、同一の遊技状態で長期間遊技を行っている遊技者が早期に遊技に飽きてしまうという問題があった。
上述した問題を解決するためには、第7実施形態の構成に代えて以下の各構成、或いは各構成を組み合わせて用いると良い。
<構成例1:普図変動パターン選択テーブルの構成>
上述した第7実施形態では、図172(b)に示した通り、設定されている遊技状態と、第2変動種別カウンタCS3の値に対応させて変動パターンが規定されており、変動パターンを選択する処理が実行される場合に、取得している第2変動種別カウンタCS3の値に対応した変動パターンを選択するように構成していた。つまり、上述した第7実施形態では、同一の遊技状態が設定されている場合には、当該遊技状態中に実行された特別図柄変動の回数に関わらず、同一内容の変動パターンが規定されているデータテーブルから取得した第2変動種別カウンタCS3の値に基づいて変動パターンを選択するように構成していた。これに対して、本構成例1では、特定の遊技状態(確変状態)が設定されている状態で実行される特別図柄変動回数(確変大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選回数)に応じて、選択される変動時間の選択割合や、選択される変動時間の長さを異ならせることができるよう普図変動パターン選択テーブルが構成されている。
つまり、上述した第7実施形態の普図変動パターン選択テーブル202fg(図172(b)参照)の構成に対して、遊技状態が設定されてからの特別図柄変動回数に対応させて異なる変動パターンが規定されている点で相違している。具体的には、確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数が1〜2回の範囲では、変動時間が2秒の変動パターンが規定されており、3〜50回の範囲では、上述した第7実施形態の普図変動パターン選択テーブル202fgと同様に変動時間が0.8秒の変動パターンが規定されている。
このように構成することで、確変状態が設定されてから特別図柄変動が2回実行されるまでの間、普通図柄変動として変動時間が2秒の変動パターンが選択されることになる。よって、確変状態が設定されてからの所定期間(特別図柄変動が2回実行されるまでの期間)は、当該所定期間外(特別図柄変動が2回実行された以降の期間)よりも、右第2入球口645へと球を入球させ易くすることができる。これにより、確変状態中の一部期間のみ第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。よって、確変状態中の一部期間のみ第2特別図柄抽選にて特定の小当たり(小当たりC)に当選し、予め定められた所定期間(確変回数50回)の経過を待たずして確変状態から、その確変状態よりも遊技者に有利となる潜確状態へと移行させ易くすることが可能となる。
なお、上述した構成例1では、確変状態が設定されてからの所定期間を、その所定期間以外の期間よりも遊技者に有利とするように選択され得る普通図柄の変動パターンを規定しているが、これに限ること無く、例えば、確変状態が設定されてから特定期間経過した場合に、遊技者に有利となる普通図柄の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、確変状態を終了させること無く特定期間を経過させた場合に、特定期間内よりも遊技者に有利な遊技を実行させることができる。よって、遊技状態が可変されること無く長時間の遊技を実行している遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述した構成例1では、確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数に応じて異なる変動時間(変動パターン)を選択するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄変動回数に関わらず、変動時間が2秒の変動パターンと、変動時間が0.8秒の変動パターンとを選択可能に構成し、各変動パターンが選択される確率を、特別図柄変動回数に応じて異ならせるように構成し、具体的には、確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数が所定条件を満たしている場合(例えば、確変状態が設定されてから実行された特別図柄変動回数が2回以内の場合で、或いは、確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数が偶数の場合)のほうが、所定条件を満たしていない場合よりも遊技者に有利となる変動パターン(2秒の変動パターン)が選択され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、各変動パターンの選択割合を特別図柄の変動回数に応じて可変設定するだけで遊技者に有利な遊技が実行される期間を容易に設定することができる。
上述した構成例1では、確変状態が設定された場合に参照する普図変動パターン選択テーブルを1種類としているが、これに限ること無く、確変状態が設定される契機となる大当たり種別に応じて、異なるデータテーブルを参照して普通図柄の変動パターンを選択するように構成しても良く、この場合、大当たり遊技の終了後に同一の確変状態が設定される大当たり種別であっても、当選した大当たり種別に応じて、異なるデータテーブル(普図変動パターンテーブル)を参照して普通図柄変動の変動パターン(変動時間)を選択させることができる。この場合、大当たり種別に応じて、有利期間(他の期間よりも遊技者に有利な遊技(例えば、第2特別図柄抽選)が実行され易い期間)の長さや、有利期間が設定されるタイミングを異ならせるように構成すると良い。また、特定の有利大当たり種別が設定された場合は、確変状態の全期間が有利期間となるようにし、特定の不利大当たり種別が設定された場合は、確変状態の全期間に対して有利期間が設定されないように構成しても良い。
なお、上述したように特定の遊技状態(確変状態)が設定されている期間のうち、一部の期間において、他の期間よりも遊技者に有利な遊技を実行可能に構成した場合には、遊技者に対して、現在の遊技状態に加え、現在が有利期間(他の期間よりも遊技者に有利な遊技(例えば、第2特別図柄抽選)が実行され易い期間)であるかを遊技者に示唆(報知)するための期間示唆演出を実行するように構成すると良く、例えば、上述した第7実施形態において確変状態中に実行される山登り演出(図161(a)参照)中に、ウサギを模したキャラクタ811をパワーアップさせた表示態様に変更させ、主表示領域Dmに「パワフルゾーン突入」の文字を表示し、頂上に到達するまでの期間が短縮し得る演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、現在が有利期間であることを分かり易く報知することができる。よって、例えば、確変状態中に参照される普図変動パターンテーブルとして有利期間が異なる複数の普図変動パターンテーブルを複数用意しておき、確変大当たり当選時に設定された大当たり種別に基づいて、一の普図変動パターンテーブルを選択可能に構成した場合であっても、遊技者に対して有利期間を分かり易く報知することができる。なお、上述した期間示唆演出は、有利期間中のほうが有利期間外よりも実行され易くなるように構成されている全ての演出を対象とするものであり、遊技者に対して現在が有利期間であることを直接的に説明する演出以外の演出であっても、その演出が実行された時点で、現在が有利期間の可能性のほうが、有利期間外である可能性よりも高くなるため期間示唆演出に含まれる。よって、期間示唆演出は、その実行頻度が有利期間よりも低くなれば良く、有利期間外の期間(不利期間)にて実行されても良い。
また、上述した期間示唆演出、即ち、現在が有利期間である可能性が高いことを遊技者に示唆するための演出に加え、今回の確変状態にて参照される普図変動パターンテーブルが、確変状態中に参照可能な複数の普図変動パターンテーブルのうち、有利期間が設定され易い普図変動パターンテーブルであることを示唆する状態示唆演出を実行するように構成しても良い。
さらに、確変状態が設定されている場合において、右第2入球口645へと球が入球した場合に、球が右第2入球口645へと入球したことを報知するための報知演出の演出態様を、現在が有利期間であるか否かの判別結果に基づいて異ならせるように構成しても良く、例えば、有利期間中に右第2入球口645へと球が入球した場合には、入球頻度が高い状態(有利期間中)における球の入球であるため、遊技者を過剰に祝福する演出態様を設定すること無く報知演出を実行し、入球頻度が低い状態(不利期間中)で球が右第2入球口645へと入球した場合には、有利期間中に球が右第2入球口645へと入球した場合に設定され得る報知演出の演出態様よりも、遊技者を祝福する演出態様が設定されるように構成すると良い。このように特定の入球口に対する入球のさせ易さを異ならせた複数の期間を設定可能に構成した場合に、設定されている期間に応じて報知演出の演出態様を可変させることにより、入球し難い期間中に球を特定の入球口に入球させることができた場合に特別な演出態様の報知演出を実行することができる。
上述した構成例1では、所定条件(大当たり種別、遊技状態、特別図柄変動回数、変動種別カウンタCS3の値)に応じて普通図柄の変動時間を可変させることにより、特定流路(スルーゲート67を通過した球が流下する流路)を流下した球が右第2入球口645へと到達する割合を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄抽選で当たり当選した場合に、その当たり当選した普通図柄変動が停止表示されてから普図当たり遊技が実行されるまでの期間(普図確定期間)の長さを、当選した普図当たり種別、或いは、選択された普図変動パターンの種別に応じて異ならせても良い。即ち、普通図柄変動が開始されてから普図当たり遊技が実行されるまでの期間を、所定条件(大当たり種別、遊技状態、特別図柄変動回数、変動種別カウンタCS3の値、普図抽選結果等)に応じて可変させることができるように構成しても良い。
<構成例2:右電動役物の開放動作構成>
上述した第7実施形態では、確変状態中に実行される普図当たり遊技における右電動役物164の開放動作パターンが1種類の例を示しているが、これに限ること無く、例えば、確変状態中に実行される普図当たり遊技における右電動役物164の開放動作パターンを複数種類設定可能に構成し、設定された開放動作パターンに応じて、普図当たり遊技中における右電動役物164が閉鎖状態(球が開閉蓋164r1を流下して右第2入球口645に)となる期間の長さを異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、確変状態中に実行される普図当たり遊技の当たり種別に応じて特定流路(スルーゲート67を通過した球が流下する流路)を流下した球が右第2入球口645へと到達する割合を可変させることができる。
さらに、例えば、普図当たり遊技の開放動作パターンとして、第1開放状態(球を右電動役物164へと入賞し易い状態)が2秒間、第1閉鎖状態(球を右電動役物164へと入賞し難い状態)が5秒間、第2開放状態が0.5秒間設定される開放動作パターンを設定し、普図当たり遊技中に球が右電動役物164へと1個入賞した場合に普図当たり遊技が終了するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、第1開放状態中に球を右電動役物164に入賞させてしまうと、その時点で普図当たり遊技が終了してしまうが、第1開放状態中に球を右電動役物164へと入賞させないように遊技を実行することで、普図当たり遊技中に球を右第2入球口645へと到達させ易くすることができる。また、この場合、第1開放状態の期間が経過した時点で普図当たり遊技が終了する開放動作パターンも設定可能に構成すると良い。これにより、遊技者に対して普図当たり遊技中に球を発射させるか(右打ち遊技を実行するか)否かを選択させる楽しみを提供することができる。
以上、説明をした第7実施形態、及び第7実施形態の別構成例では、上述した第7実施形態では、図157に示した通り、遊技盤13の右側領域にスルーゲート67を通過した球が流下し得る流路を形成し、その流路内に右電動役物164を配設するように構成し、さらに、右電動役物164が閉状態(球が右電動役物164内に入賞困難となる状態)の間は、右電動役物164の開閉蓋164r1上を球が流下するように流路(図158参照)を形成し、開閉蓋164r1上を流下した球が入球可能となる位置に右第2入球口645を配設するように構成していた。そして、右電動役物164の開放パターン(普図当たり遊技の開放動作パターン)に応じて、右側領域を流下する球、ひいては、スルーゲート67を通過した球が流下可能な流路(以下、特定流路と称す)を流下する球が、右電動役物164へと入賞する割合(右電動役物164内に設けられた右第1入球口164r(第1特別図柄抽選の抽選契機となる始動口)へと入球する割合)と、右第2入球口645へと入球する割合(第2特別図柄抽選の抽選契機となる始動口へと入球する割合)と、を可変させることができるように構成し、確変状態中においては、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利となるように構成していた。つまり、特定流路の上流側に設けられた始動口のほうが下流側に設けられた始動口よりも遊技者に不利な抽選が実行されるように構成し、上流側に設けられた始動口への球の入賞割合を可変させることにより遊技者に有利となる抽選が実行される下流側の始動口への球の入賞割合を可変させるように構成していたが、これに限ること無く、例えば、特定領域の上流側に設けられた始動口に球が入球したほうが、下流側に設けられた始動口に球が入球するよりも遊技者に有利な抽選が実行されるように構成しても良い。
また、上述した第7実施形態では、遊技者に最も有利となる潜確状態がどの契機で設定されたとしても、具体的には、大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定される大当たりに当選し、大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定された場合、或いは、確変状態中に所定の移行条件(例えば、確変回数50回)が成立し潜確状態が設定された場合でも、潜確状態が設定される時点において、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)が所定個数(例えば4個)確保されている状態となり易くするために、大当たり遊技中、或いは確変状態中に実行される右打ち遊技において特図1保留を獲得することができるように構成していた。具体的には、確変状態中は第1特別図柄変動が実行され、大当たり遊技中は第1特別図柄変動が実行されないため、潜確大当たりに当選したことを契機に潜確状態が設定される場合のほうが、確変状態を経由して潜確状態が設定される場合よりも、特図1保留数が上限値(4)の状態で潜確状態が実行され易くなる。
また、潜確状態が設定されると、特図1保留の数に応じて有利度合いの異なる(変動時間の異なる)遊技(第2特別図柄抽選)を実行するように構成し、特図1保留数が少ない方が、特図1保留数が多い場合よりも遊技者に有利な遊技が実行されるように構成していた。
つまり、確変状態中に確変回数(確変状態中に実行される特別図柄変動回数)が50回に到達した場合には、確変回数50回に到達するまでに実行された右打ち遊技によって、特図1保留数が高確率で上限(4個)となるよう構成していた。さらに、上述した第7実施形態では、確変状態中に第2特別図柄抽選で小当たりCに当選した場合には、確変回数が50回に到達するよりも前に確変状態を潜確状態へと移行させることができるように構成していた。よって、例えば、確変状態が設定された直後に小当たりCに当選し、潜確状態に移行した場合は、他の移行条件の成立に基づいて潜確状態が設定された場合に比べて、潜確状態が設定される前における右打ち遊技の実行期間が短くなることから、潜確状態が設定された時点における特図1保留数を少なくし易くすることができる。よって、上述した他の移行条件(確変回数50回到達時に成立する移行条件)よりも遊技者に有利な移行条件とすることができる。
このように、特定の遊技状態(例えば、潜確状態)を設定するために複数の移行条件(大当たり、確変回数50回、小当たりC当選)を予め設定しておき、成立した移行条件の種別に応じて特定の遊技状態が設定されてからの有利度合いを可変可能に構成することにより、遊技者に対して設定される遊技状態だけでは無く、成立する移行条件に対しても興味を持たせることができる。さらに、同一の遊技状態(例えば、確変状態)が設定している状態で特定の遊技状態(例えば、潜確状態)を設定するために複数の移行条件(確変回数50回、小当たりC当選)として大当たりを介すること無く成立し得る移行条件を予め設定しておき、成立した移行条件の種別に応じて特定の遊技状態が設定されてからの有利度合いを可変可能に構成しているため、遊技者に対して大当たり当選することを目指す遊技と、有利な移行条件を成立させることを目指す遊技と、を並行して行わせることができる。さらに、予め設定されている特定の移行条件(小当たりC当選)は、成立するタイミングに応じて潜確状態設定後の有利度合いが可変され易くなるように構成しているため、具体的には、特図1保留数が少ない状態で移行条件が成立した場合は、潜確状態設定後に有利な遊技(スーパーRUSH)が実行され易くなるように構成しているため、遊技者に対してどのタイミングで移行条件が成立するのかを期待を持たせながら遊技を行わせることができる。また、特定の移行条件(小当たりC当選)は、特図1保留数に関わらず成立し得るものであるため、遊技者に対して常に特定の移行条件が成立することを期待させることができる。
上述した第7実施形態では、潜確状態へと移行させる複数の移行条件のうち、小当たりC当選により成立する移行条件が遊技者に最も有利となり得るように構成しているが、これに限ること無く、確変回数50回に到達した場合のほうが、遊技者に有利となるように構成しても良い。この場合、例えば、確変状態のほうが潜確状態よりも遊技者に有利となるように構成したり、特図1保留球数が多い状態で潜確状態が設定されたほうが、少ない状態で潜確状態が設定されるよりも遊技者に有利な遊技が実行されるように構成したりすれば良い。
また、図161(a)及び(b)を参照して示した確変状態中に実行される演出(山登り演出)として、移行条件が成立した場合に実行される演出の演出態様を、その時点における特図1保留球数に応じて可変させても良く、例えば、潜確状態設定後に有利な遊技を実行させるための実行条件が成立している場合(例えば、特図1保留球数が1個の状態で移行条件が成立している場合)は、成立していない場合よりも豪華な頂上(例えば、頂上が花畑になっている演出態様)に到達する演出を実行し、遊技者に対して有利な状態で移行条件が成立したことを報知するように構成しても良い。また、小当たりCに当選した時点(小当たりC当選した第2特別図柄変動が開始された時点)や、確変回数50回に到達することが確定した時点(特図1保留を先読みし、確変回数50回に到達するまでに大当たり当選しないことが確定した時点)で、右打ち遊技を中断させることを促す演出を実行しても良い。これにより、無駄に特図1保留が増加してしまうことを抑制することができる。
さらに、上述した第7実施形態では、潜確状態が設定された状態で、長時間変動の第1特別図柄変動(10分変動)が複数回実行されるまで遊技を中断することで、強制的に有利な遊技状態で遊技を行うことが可能なものであったが、これに対して、潜確状態中に長時間の間遊技を中断することで遊技者に最も不利な遊技が実行されるようにペナルティを設けると良い。具体的には、普通図柄の保留記憶数(普図保留数)に応じて、選択される普図変動パターンを異ならせるように構成し、普通図柄の保留記憶数が0の場合に選択される普図変動パターンが、普通図柄の保留記憶数が0よりも多い場合(例えば、3)の場合に選択される普図変動パターンよりも遊技者に不利となるように構成すると良い。より具体的には、長時間の変動時間が設定される普図変動パターンが選択され易くなるように構成すれば良い。
このように構成することで、潜確状態中に長時間遊技を中断させたことにより、普図保留数を0にした場合には、特図1保留が0から増加させ難い不利状況で遊技者に遊技を行わせることができる。また、これに限ること無く、例えば、普図保留数と特図1保留球数とに基づいて普図変動パターンを選択可能に構成しても良く、例えば、普図保留数が0で、特図保留数が1個或いは2個の場合は、普通図柄の変動時間として特図1保留球数が3個以上になり易くなるように短い変動時間が設定され易くし、普図保留数が0で、特図保留数が0個の場合は、新たに特図1保留を獲得し難くするために、長い変動時間が設定されるように構成すると良い。
さらに、普通図柄の保留記憶数に応じて、普図変動パターンを異ならせる構成を、以下の構成を有するパチンコ機10に適用しても良い。具体的には、パチンコ機10の遊技盤13の構成として、図157に示した第7実施形態のパチンコ機10の遊技盤13に対して、左側領域にもスルーゲート67を設け、左打ち遊技(左側領域に球を流下させる遊技)と、右打ち遊技(右側領域に球を流下させる遊技)との何れの遊技を行ったとしても球を入賞させることができる位置(例えば、第1入球口64の下方位置)に大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置650を配設する点で異ならせた遊技盤13の構成とし、大当たり遊技中に左打ち遊技と、右打ち遊技とを遊技者に選択させることができるように構成する。そして、右打ち遊技を行った場合と、左打ち遊技を行った場合とで、発射した球がスルーゲート67を通過する割合を異ならせる。これにより、大当たり遊技中に何れの遊技を行うかによって、大当たり遊技終了時に獲得している普通図柄の保留記憶数(普図保留数)を異ならせることができる。そして、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、普図保留数が多いほうが少ない場合よりも有利となる第1遊技状態と、普図保留数が多い方が少ない場合よりも不利となる第2遊技状態と、を設定可能に構成する。
このように構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測しながら大当たり遊技中の遊技方法を選択させる楽しみを提供することができる。
<第7実施形態の変形例>
次に、図193から図200を参照して、上述した第7実施形態の変形例について説明をする。上述した第7実施形態では、第1特別図柄の抽選(特図1抽選)と、第2特別図柄の抽選(特図2抽選)と、を重複して実行可能な遊技機(所謂、同時変動仕様)において、特定の遊技状態(例えば、潜確状態)が設定された場合に、第1特別図柄変動の変動時間として長時間(例えば、10分)の変動パターンが、第2特別図柄変動の変動時間として短時間(例えば、1秒)の変動パターンが設定されるように構成し、更に、特図2抽選にて小当たり当選し得るように構成していた。
このように構成することで、潜確状態中は特図1抽選の実行回数よりも特図2抽選の実行回数を多くすることが可能となり、特図2抽選の抽選結果に基づいて実行される小当たり遊技を頻発させることで遊技者に有利な遊技を提供可能とするものであった。
これに対して本第7実施形態の変形例では、上述した第7実施形態と同様に第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選と、を重複して実行可能な遊技機(所謂、同時変動仕様)において、特定の遊技状態(例えば、確変状態)が設定された場合に、一方の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の変動時間が長くなる(例えば、10分)ように構成し、他方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の変動時間が短くなる(例えば、1秒)ように構成することで、他方の特別図柄抽選を優先的に実行されるものがある。
そして、他方の特別図柄抽選(例えば、第2特別図柄)の抽選が、一方の特別図柄抽選(例えば、第1特別図柄)の抽選よりも有利となるように(例えば、第2特別図柄抽選のほうが第1特別図柄抽選よりも小当たり当選し易くなる、或いは、大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の内容)構成し、特定の遊技状態(例えば、確変状態)中に遊技者に有利な遊技が行われ易くするものがある。
上述した遊技機では、少なくとも、確変状態が設定されている期間中は第1特別図柄抽選が遊技者に不利となる不利抽選となり、第2特別図柄抽選が遊技者に有利となる有利抽選となる。さらに、上述した遊技機では、特定の遊技状態(例えば、確変状態)を終了させるための終了条件の少なくとも1つに、一方の特別図柄抽選(例えば、第1特別図柄抽選)の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、外れ当選又は大当たり当選)となった場合に成立する終了条件を設定し、不利特別図柄抽選により終了条件が成立するまでに、有利特別図柄抽選を数多く実行させる遊技性を提供することで、遊技の興趣を向上させるものがある。
しかしながら、上述した遊技機では、遊技者に有利な有利遊技状態となる特定の遊技状態(例えば、確変状態)が設定された場合において、その有利遊技状態が継続する期間が、第1特別図柄抽選の結果によってのみ設定されてしまうため、遊技者に対して有利遊技状態が長く継続することを期待しながら意欲的に遊技を行わせることが出来ないという問題があった。具体的には、第1特別図柄抽選の結果が有利遊技状態を終了させる抽選結果(例えば、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される大当たり当選)である場合は、その抽選結果を示すための特別図柄が停止表示されるまでの期間(抽選結果に基づく大当たり遊技が開始されるまでの期間)が、有利遊技状態が継続する期間となり、有利遊技状態が継続する期間が一旦設定されてしまうと、その期間を可変(破棄)することが出来ないという問題があった。
これに対して、本第7実施形態では、有利遊技状態中において主として実行される有利特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)にて小当たり当選した場合に、実行中の不利特別図柄変動(第1特別図柄変動)を破棄し得るように構成している。即ち、実行中の不利特別図柄変動の結果が、有利遊技状態を終了させる結果(例えば、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される大当たり当選を示す結果)である場合には、その抽選結果を破棄することで、有利遊技状態を延長(継続)させることが可能に構成している。また、実行中の不利特別図柄変動(第1特別図柄変動)を破棄した場合には、その破棄された不利特別図柄変動によって不利特別図柄変動の回数が更新(加算)されないように構成しているため、有利遊技状態を終了させるための終了条件として、有利遊技状態中における不利特別図柄変動の回数が所定回数(例えば、2回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件を設定している場合においても、有利遊技状態を延長(継続)させることが可能に構成している。
このように構成することで、有利遊技状態が継続する期間を、有利特別図柄(第2特別図柄)の抽選結果に基づいて可変させることができるため、有利遊技状態中の遊技を行う遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、本変形例では、有利遊技状態(確変状態)にて有利特別図柄抽選で小当たり当選した場合に、上述した実行中の不利特別図柄変動(第1特別図柄変動)を破棄する小当たり種別(小当たりB)と、実行中の不利特別図柄変動(第1特別図柄変動)を破棄した上で、有利遊技状態を終了させる小当たり種別(小当たりC)と、を少なくとも設定可能に構成している。
つまり、本第変形例では、有利遊技状態を終了させるための終了条件として、有利特別図柄(第2当別図柄)の抽選結果に基づいて成立する終了条件を設定するように構成している。このように有利遊技状態を終了させるための終了条件を複数設けることにより、遊技者に対して有利遊技状態が継続する期間の長さを予測させ難くすることができる。
また、有利遊技状態中における有利特別図柄(第2特別図柄)の抽選結果に基づいて成立し得る終了条件を設定しているため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。加えて、上述した通り、有利特別図柄抽選にて小当たり当選した場合に、設定される小当たり種別によって、有利遊技状態が継続する期間を、短くしたり、長くしたりすることができるため、有利特別図柄(第2特別図柄)の抽選で小当たり当選した場合に、その後の遊技内容を遊技者に注視させることができる。
さらに、本変形例では、上述した第7実施形態と同様に、不利特別図柄(第1特別図柄)の保留球数(特別図柄の保留球数、有利特別図柄の保留球数との合算数)に応じて、有利特別図柄(第2特別図柄)変動の変動時間を可変設定可能に構成しており、具体的には、不利特別図柄(第1特別図柄)の保留球数(不利特別図柄の保留球数、有利特別図柄の保留球数との合算数)が少ないほど、有利遊技状態(確変状態中)中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として短時間の変動時間が設定され易くなるように構成している。
これにより、有利特別図柄(第2特別図柄)の抽選で小当たり当選し、実行中の不利特別図柄変動を破棄させることで、有利遊技状態における第2特別図柄の抽選回数を増加させることができる。
さらに、上述した第7実施形態では、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定された場合には、次に特別図柄抽選によって大当たり当選するまでの間、特別図柄の高確率状態が継続するように構成し、普通図柄の確率状態は、所定の移行条件(特定の小当たり当選、或いは、所定回数の特別図柄抽選の実行)が成立した場合に高確率状態から低確率状態へと移行するように構成していた。このように構成されたパチンコ機10では、特別図柄の高確率状態が一度設定されると、次の大当たり当選まで特別図柄抽選における大当たり当選確率を高めることができるため遊技者に安心して遊技を行わせることができるものであったが、一方で、特別図柄の高確率状態が設定されてしまうと、大当たり当選するまで特別図柄の高確率状態が終了することが無いため、特別図柄の高確率状態中において遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本変形例では、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行する条件を追加し、特別図柄抽選で大当たり当選しない場合であっても、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行し得るように構成している。これにより、特別図柄の高確率状態が設定された場合であっても、大当たり当選すること無く特別図柄の高確率状態が終了する場合があるため、特別図柄の高確率状態中を遊技している遊技者に対して緊張感を持たせた遊技を行わせることができる。
加えて、本変形例では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合に、第1移行条件が成立すると特別図柄の低確率状態が設定され、第2移行条件が成立すると普通図柄の低確率状態が設定されるように構成し、第1移行条件が第2移行条件よりも先に成立した場合は、確変状態から時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行し、第2移行条件が第1移行条件よりも先に成立した場合は、確変状態から潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)へと移行するように構成している。そして、両方の移行条件が成立した場合に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されるように構成している。
つまり、確変状態中に成立し得る第1移行条件と、第2移行条件と、の成立順序によって異なる過程を経て、最終的に通常状態へと移行するように構成している。このように構成することで、確変状態中を遊技している遊技者に対して、確変状態がいつ終了するのかだけでは無く、確変状態からどの遊技状態へと移行するのかについても興味を持たせることができる。
さらに、上述した第7実施形態のパチンコ機10は、潜確状態が設定されている間は、第1特別図柄変動の変動時間として長時間(例えば10分)の変動パターンが設定され、通常状態が設定されている間は、第2特別図柄変動の変動時間として長時間(例えば、10分)の変動パターンが設定されるように構成しており、本変形例のように特別図柄抽選で大当たり当選しない場合であっても成立し得る第1移行条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が50回)を設定した場合には、第1移行条件が成立したことに基づいて設定される通常状態中に、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とが共に長時間(例えば、10分)変動してしまう虞があり、遊技者に対して円滑に遊技を行わせることが出来ないという問題があった。
これに対して、本変形例では、一方の特別図柄変動(例えば、第1特別図柄変動)の変動パターンとして長時間変動が設定される遊技状態(例えば、確変状態)から、他方の特別図柄変動(例えば、第2特別図柄変動)の変動パターンとして長時間変動が設定される遊技状態(例えば、通常状態)へと、特別図柄の大当たり当選を介さずに直接移行することが無いように構成し、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とが共に長時間(例えば、10分)変動してしまう事態が発生し難くなるように構成している。これにより、遊技者に対して円滑に遊技を行わせることができる。
まず、図193に基づいて、本変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図193は第7実施形態の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。本変形例のパチンコ機10は、上述した第7実施形態のパチンコ機10(図157参照)に対して、遊技盤13に形成される遊技領域のうち、右側領域(可変表示ユニット80の右側に形成される領域)の構成の一部が相違し、それ以外の構成は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図193に示した通り、本変形例では、右側領域の上流側に振分部材700を設け、右打ち遊技によって発射された球が振分部材700の左側に形成される左側流路701と、右側流路702とに交互に振り分けられるように構成している。
左側流路701の上流側には、左側流路701の流下面を形成する可動蓋1500が設けられており、パチンコ機10に電源が投入されると、図示しない可動制御手段によって一定の開閉動作が実行されるように構成されており、可動蓋1500の下方に配設された右側第1入球口64bに球が入球可能な開放状態と、入球困難(不可能)な閉鎖状態とに、位置するように開閉動作が実行されるように構成している。
具体的には、主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて4ミリ秒毎に実行される処理として、可動蓋開閉処理を設け、可動蓋開閉処理によって、0.1秒の開放期間と、平均0.8秒の閉鎖期間とを予め定められたシナリオに沿って繰り返す開閉動作が実行される。このように開閉制御される右側第1入球口64bは、第1入球口64よりも球が入球し難くなるように構成されている。
そして、左側流路701を流下し、可動蓋1500上を流下した球(閉鎖状態に位置する可動蓋1500上に形成された流路を流下した球)は、左側流路701の屈曲部を流下し、左側流路701の流下端部が臨む位置に植設された釘により電動役物640aに向けて流下する。
一方、振分装置700により右側流路702には屈曲部が形成されており、その屈曲部の流下面の一部となるように、小当たり用アタッカ(可変入球手段)3650が配設されている。この小当たり用アタッカ3650は、第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に開閉制御される開閉蓋3650aと、開閉蓋3650aが開放状態である場合に流入した球が流下する流路と、その流路を流下した球が入球する小当たり用入賞口3653とから構成されている。なお、小当たり遊技中における開閉蓋3650aの開閉制御内容については、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のメイン処理(図55参照)にて実行される役物当たり制御処理の内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、常時可動部材1500の動作について詳細に説明をする。この常時可動弁1500は、パチンコ機10に電源が投入されたことに基づいて、予め定められたタイミングで開放位置(開放状態)と閉鎖位置(閉鎖状態)とに可変されるように構成されている。具体的には、主制御装置110のメイン処理(図55参照)において4ミリ秒毎に実行される可動部材駆動処理(図示せず)において、ROM203に格納されている可動シナリオに基づいて動作制御されている。この可動シナリオは、常時可動部材1500を0.1秒間開放させ、その後0.8秒間閉鎖させる動作を繰り返し実行するものである。
つまり、本変形例の遊技盤13では、右打ち遊技にて発射された球が、1.2秒間隔で第1流路701に流入し、常時可動部材1500が配設されている転動面を転動しながら下流方向へと流下していく。この球が第1流路701に流入し、常時可動部材1500上を転動(または、常時可動部材上に落下)するタイミングと、常時可動弁1500が開放状態となるタイミングとが合致した場合に球が開放状態の常時可動部材1500を通過して、右第1入球口64bに入球することになる。
常時可動部材1500上を転動(または、常時可動部材上に落下)するタイミングは、1.2秒間隔であり、常時可動弁1500が開放状態となるタイミングとは、0.9秒中の0.1秒であるため、両者が合致するタイミングは約15.6秒に一回となる。即ち、右打ち遊技を連続して実行した場合には、1分間に約4発の球が右第1入球口64bに入球することになる。
つまり、大当たり遊技中や時短遊技中といった、右打ち遊技が継続的に実行される遊技状態においては、定期的に右第1入球口64bに球が入球することになるため、大当たり遊技が終了して確変状態が設定された場合に、第1特別図柄の保留(特図1保留)が無い状態が発生することを防止することができる。また、常時可動弁1500が1回に開放する期間として、遊技者が狙い打ちすることが困難な期間(0.1秒)が設定されているため、遊技状態が通常状態において、第1入球口64を狙う左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に不利とすることができる。
具体的に説明をすると、遊技状態が通常状態の場合において、左打ち遊技を行うと、発射された250発の球のうち、第1入球口64に約15発が入球するように設計されており、球が入球した場合は5発の賞球が払い出される。また、一般入球口63に約5発が入球するように設計されており、球が入球した場合5個の賞球が払い出される。よって、左打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射させることも考慮すると、約20個の球を第1入球口64に入球させることが可能となる。
一方、遊技状態が通常状態の場合において、右打ち遊技を行った場合は、発射された250個の球のうち、右第1入球口64bに約9発が入球するように設計されており、球入球した場合は2発の賞球が払い出される。また、右側領域には一般入球口63が設けられていない。よって右打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射されることを考慮したとしても、約10個の球を右第1入球口64bに入球させることしかできない。従って、遊技状態が通常状態の場合において、遊技者が右打ち遊技を行うことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が通過する遊技領域(右側領域)に一般入賞口63を設けていないが、遊技状態が通常状態において、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利とならない程度の設計思想の基、一般入賞口63を配設してもよい。これにより、時短状態中や大当たり状態中の右打ち遊技において、賞球として払い出される球数を増加させることができる。
さらに、右打ち遊技によって発射された球が可動蓋1500に到達するまでの経路に、球の流下を遅らせる遅延手段として振分部材700を設けているため、右打ち遊技によって発射された球が可動蓋1500に到達するタイミングを予測させ難くすることができる。なお、本変形例では、球の流下を遅らせる(球の流下挙動を異ならせる)ための目的と、右打ち遊技によって発射された球を複数の流路へと振り分けるための目的と、を兼ねて振分部材700を設けているが、これに限ること無く、個々の目的に対してそれぞれ別の構成を用いても良いし、振分部材700によって第1流路701へと振り分けられた球に対して、その球の流下期間(可動蓋1500へと到達するまでの流下期間)を異ならせるための遅延手段(例えば、流下面の摩擦係数を他の流下面と異ならせた流路や、球の流下方向が途中で分岐し、何れに分岐された場合であっても最終的に可動蓋1500へと到達する流路)を設けても良い。
次に、第1流路701、及び第2流路702を流下した球が到達する電動役物640aについて説明をする。図193に示した通り、電動役物640aは第1流路701を流下した球、及び、第2流路702を流下した球の何れもが到達し得る領域に設けられ、普通図柄抽選にて当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技によって、電動役物640aに到達した球を第2入球口640に向けて流下させることが可能な誘導状態(突出状態)と、電動役物640aに到達した球を受け入れることができない解除状態(埋設状態)と、に可変される。
さらに、上述した普図当たり遊技として実行される電動役物640aの可変態様(開閉制御内容)は、設定されている普通図柄の確率状態に応じて異ならせており、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)では、電動役物640aに到達した球が第2入球口640へと到達するのに十分な時間(例えば、3秒)、電動役物640aが誘導状態となるように開閉制御され、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、潜確状態)では、電動役物640aに到達した球が第2入球口640へと到達し得ない時間(例えば、0.1秒)、電動役物640aが誘導状態となるように開閉制御される。
このように構成することにより、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態(例えば、通常状態、潜確状態)中は、右打ち遊技よりも左打ち遊技が有利者に有利な有利遊技とし、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態(例えば、確変状態、時短状態)中は、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な有利遊技とすることができる。
最後に、電動役物640aを通過した球(第1流路701を流下した球、及び第2流路702を流下した球)は、V入賞装置2650へと到達する。このV入賞装置2650は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技によって開閉制御されるものであり、大当たり遊技中にV入賞装置2650へと入賞した球が特定ゲートをくぐることによって、その大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定することができるように構成している。
次に、V入賞装置2650の内部構造について、図194〜図196を参照して説明をする。まず、図194を参照してV入賞装置2650の構造について詳細に説明をする。図194は、このV入賞装置2650の分解斜視図である。
V入賞装置2650は、図194に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材2650b、その開口部形成部材2650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置2650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材2650cと、そのベース部材2650cの背面側に配置されてベース部材2650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板2650dと、そのLED基板2650dをベース部材2650cと狭持する裏カバー体2650eと、開口部形成部材2650bに形成されている大当たり用入賞口(大当たり入賞口)2650aを開閉するための開閉扉2650f1を有した開閉ユニット2650fと、裏カバー体2650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体2650gと、裏カバー体2650eと流路カバー体2650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材2650hと、その切替部材2650hと係止されるリンク部材2650iと、流路カバー体2650gの背面側に配置される背面カバー体2650jと、その背面カバー体2650jの背面側に固定されて、リンク部材2650iを作動させる流路ソレノイド2650kと、その流路ソレノイド2650kを背面側から覆って背面カバー体2650jにビスにより固定するための固定用カバー体2650mとで構成されている。
図195は、V入賞装置2650の断面図である。図195(c)はV入賞装置2650の上面図であり、図195(b)は、V入賞装置2650のLb−Lb断面図である。図195(b)に示すように、V入賞装置2650には、遊技球が入球可能な開口部である大当たり用入賞口(大当たり入賞口)2650aが形成されている。大当たり用入賞口(大当たり入賞口)2650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図195(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)2650c1で構成された検出口2650a1が配置されている。この検出口2650a1を通過した遊技球は、図195(b)で示す裏カバー体2650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図195(b)に示すように大当たり用入賞口(大当たり入賞口)2650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉2650f1により球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉2650f1によって覆われ、開閉扉の上部を球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉2650f1は、ベース部材2650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより大当たり用入賞口(大当たり入賞口)2650a内から退避されるように構成されている。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置2650の開口として構成することができるので、より多くの遊技球を効率よく大当たり用入賞口(大当たり入賞口)2650a内に入賞させることができる。よって、大当たり遊技中に球を確実のV入賞装置2650に入賞させることができ、遊技の効率化を図ることができる。
図195(a)は、図195(b)に示すLa−La断面図である。図195(a)に示すように検出口2650a1を有する磁気センサ2650c1は、裏カバー体2650eの振り分け流路側へと検出口2650a1が傾くようにベース部材2650cに固定されている。
次に、図196を参照して、裏カバー体2650eの振り分け流路に誘導された球が後述する通常排出流路2650e1と特別排出流路2650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図196(a)は、球が特別排流路2650e2に振り分けられるように切替部材2650hが作動された状態を示す裏カバー体2650eの背面図である。図196(a)に示すように、切替部材2650hは、リンク部材2650iの突部が挿入される係止穴2650h1と球を誘導する誘導片2650h2とを有しており、流路カバー体2650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体2650gには、この誘導片2650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体2650gの背面側より振り分け流路内に誘導片2650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図196(a)に示すように、検出口2650a1より振り分け流路内に誘導された球は、左斜め下方に配置された誘導片2650h2の上面に誘導されて特別排出流路(特定ゲート)2650e2に誘導される。特別排出流路(特定ゲート)2650e2は、流入した球が特定領域(検知スイッチ)2650e3を通過するVルートを有するように構成されており、特別排出流路(特定ゲート)2650e2に流入した球の通過を検出可能な検知スイッチ2650e3に検出され、その後、アウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した検知スイッチ2650e3が球を検知した場合、即ち、Vルートを球が通過することにより、特別図柄の高確率状態が設定されるように構成されている。つまり、特定領域(検知スイッチ)2650e3は、特別図柄の高確率状態を設定させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材2650hは、大当たり遊技中にV入賞装置2650に入賞した球の流路として、特定領域(検知スイッチ)2650e3を通過可能な流路(特別排出流路(特定ゲート)2650e2)、或いは特定領域(検知スイッチ)2650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路2650e1)の何れかの流路を設定するためのものであって、流路ソレノイド2650kをオンに設定することでV入賞装置2650に入賞した球が特別排出流路2650e2を流下するように流路を切り替える(図196(a)参照)ように構成している。
次に、図198を参照して、本変形例における遊技状態の移行内容について説明をする。図198は、第7実施形態の変形例における遊技状態の移行内容を模式的に示した遷移図である。本変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が1/200に設定されており、通常状態が設定されている状態では、左打ち遊技によって第1入球口64に球を入球させることにより第1特別図柄の抽選を実行させる遊技が行われる。第1特別図柄抽選(特図1抽選)で大当たり当選した場合は、大当たり種別として40%の割合で大当たりAが設定され、60%の割合で大当たりBが設定されるように構成している。そして、第2特別図柄抽選(特図2抽選)で大当たり当選した場合は、大当たり種別として100%の割合で大当たりCが設定されるように構成している。
大当たり種別として大当たりAが設定された場合は、上述した第7実施形態の大当たりA7(図169参照)と同一の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される。大当たりBが設定された場合は、上述した第7実施形態の大当たりB7(図169参照)と同一の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される。本変形例では、確変状態が設定される場合に、特別図柄の高確率状態(特図高確率)の終了条件(第1移行条件)として、特別図柄の高確率状態中に実行された特別図柄抽選回数(ST回数)50回が設定され、普通図柄の高確率状態(普図高確率)の終了条件(第2移行条件)として、普通図柄の高確率状態中に実行された特別図柄抽選回数(時短回数)70回(第2移行条件A)、或いは、特図1抽選回数2回(第2移行条件B)が設定されるように構成している。
大当たり遊技が実行されると、右打ち遊技が行われる。図193を参照して上述した通り、大当たり遊技中に右打ち遊技を実行することにより、大当たり遊技終了後には、第1特別図柄の保留球数(特図1保留球数)が上限(4)に到達し易くすることができる。確変状態中は、右打ち遊技により特図2抽選を実行させる遊技が行われる。本変形例では、遊技者に最も有利となる遊技状態が確変状態となるように、特図1抽選よりも特図2抽選が遊技者に有利な抽選を実行するように構成し、且つ、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に特図2抽選が実行され易くなるように構成している点で上述した第7実施形態と相違している。
具体的には、特図1抽選よりも特図2抽選のほうが小当たり当選し易く構成しており、特図2抽選で小当たり当選する確率が1/20に設定している。さらに、特図1抽選で大当たり当選する場合よりも、特図2抽選で大当たり当選する場合のほうが、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定され易くなるように構成している。また、上述した第7実施形態において潜確状態中の変動パターンを選択する際に参照された潜確用7テーブル203fe3を、普通図柄の高確率状態中の変動パターンを選択する際に参照し、第7実施形態において普通図柄の高確率状態中の変動パターンを選択する際に参照された確変用7テーブル202fe2を、潜確状態中の変動パターンを選択する際に参照するように構成している。
このように構成された本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定される確変状態、及び時短状態において特図2抽選が主に実行される右打ち遊技が行われ、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態、及び潜確状態において特図1抽選が主に実行される左打ち遊技が行われる。
次に、確変状態中における遊技結果と、遊技状態の移行内容との関係について説明をする。上述した通り、本変形例では、成立した場合に確変状態から時短状態へと移行する第1移行条件と、成立した場合に確変状態から潜確状態へと移行する第2移行条件と、が設定されている。具体的には、第1移行条件として、特別図柄の高確率状態中に実行された特別図柄抽選回数(ST回数)50回が設定され、第2移行条件として、普通図柄の高確率状態中に実行された特別図柄抽選回数(時短回数)70回(第2移行条件A)、或いは、特図1抽選回数2回(第2移行条件B)が設定されるように構成している。
つまり、確変状態が設定されてから、大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が50回実行されると、時短状態へと移行し、その後、時短状態中の特別図柄抽選が20回実行されると、通常状態へと移行するように構成している。ここで、本変形例では、確変状態中において、第1特別図柄の保留球数(特図1保留球数)に応じて、第2特別図柄の変動時間として異なる変動時間が設定されるように構成している。具体的には、上述した第7実施形態における潜確用7テーブル203fe3と同様に、特図1保留球数が所定数以下の場合(例えば1,2)に、所定数以上の場合(例えば、4)よりも短い変動時間が選択され易くなるように構成している。
このように構成することで、設定期間(ST回数50回)が規定されている確変状態において、遊技者に有利な抽選が実行され易い特図2抽選の実行回数を増加させるために、特図2抽選で小当たりBに当選し、特図1変動を破棄することで特図1保留球数を減少させるという斬新な遊技を遊技者に行わせることができる。
さらに、本変形例では、第2移行条件Bを設定しているため、例えば、大当たり遊技が終了後に確変状態が設定された場合に、遊技を中断し、特図1変動を複数回実行させることで特図1保留球数を減少させる行為を実行した場合には、第2移行条件Bが成立し、確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。よって、長時間の変動時間が選択され易い確変状態中の特図1変動が実行されている期間、遊技を中断することにより遊技の稼働が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、遊技状態が移行する場合における各特別図柄の変動状況について説明をする。まず、確変状態が設定されている状態で第2移行条件Bが成立し、潜確状態が設定される際の流れについて説明をする。上述した通り、第2移行条件Bは、特図1変動が停止表示された際に成立し得るものであるため、潜確状態が設定された直後に新たな特図1変動が実行される。この新たに実行される特図1変動は、潜確状態中に参照される変動パターンテーブルを用いて変動パターン(変動時間)が選択されるため、特図1変動の変動パターンとして通常状態中に選択され得る変動パターンが選択されることになる。よって、長時間の特図1変動の実行中に、長時間の特図2変動が実行されてしまうことを抑制することができる。
一方、確変状態中に第1移行条件が成立し、時短状態が設定される場合について説明をする。上述した通り、第1移行条件は、特図1変動が停止表示された場合、或いは、特図2変動が停止表示された場合の何れにおいても成立し得るものであるため、時短状態が設定されたタイミングにおいて、長時間の特図1変動が実行されている場合がある。しかしながら、時短状態は、特図抽選が20回、或いは、特図抽選で大当たり当選するまで継続するように構成しており、時短状態中に実行される特図2変動20回分の変動時間の合算値が少なくとも潜確状態中に設定される特図1変動の変動時間よりも長くなるように構成している。そして、時短状態中に実行される特図1変動は、潜確状態中に実行される特図1変動よりも短い変動時間が選択され易くなるように変動パターンテーブルの内容が規定されている。
このように構成することで、確変状態から時短状態へと移行し、その後、通常状態へと移行する場合において、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とが共に長時間(例えば、10分)変動してしまう事態が発生することを抑制することができる。なお、時短状態中や潜確状態中において、特図抽選で大当たり当選した場合は、実行中の特図変動が破棄されるため、大当たり遊技終了後には、大当たり遊技終了後に設定された遊技状態に応じた新たな特図抽選が実行される。よって、大当たり当選を契機に新たな遊技状態が設定される場合において、大当たり当選前から実行していた長時間の特図変動が大当たり遊技終了後も継続して実行されることにより、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とが共に長時間(例えば、10分)変動してしまう事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本変形例では、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とを重複して実行可能に構成し、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも第2特別図柄抽選で大当たり当選したほうが大当たり遊技終了後に確変状態が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点において、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選(遊技)となる。
なお、本変形例と同一の技術思想を本変形例とは異なる遊技性を有するパチンコ機10に適用しても良く、例えば、上述した第1実施形態から第3実施形態を用いてパチンコ機10のように、特別図柄抽選で大当たり当選しなくても、所定の実行条件(例えば、特電始動口への球の入球や、特別図柄抽選で小当たりに当選)が成立した場合に所定遊技(役物当たり遊技、小当たり遊技)を実行可能にし、その所定遊技中に開放動作される可変入球手段へと入球した球が特定領域(例えば、V入賞口)へと入球したことを契機に大当たり遊技が実行されるパチンコ機10に適用しても良い。
この場合、図197(a),(b)に示した通り、小当たり用アタッカ3650の内部構造を変更し、小当たり用アタッカ3650に入賞した球が普通入賞口3652或いはV入賞口3653の何れかに入賞するように可動弁3651が可動するように構成し、球がV入賞口3653へと入賞した場合(図197(b)参照)に大当たり遊技が実行されるように構成すれば良い。また、小当たり用アタッカ3650に入賞した球が普通入賞口3652に入賞した場合(図197(a)参照)であっても、V入賞口3653に入賞した場合と同一の賞球を付与するように構成すると良い。
次に、図199及び図200を参照して、本変形例において実行される演出内容について説明をする。上述した通り、本実施形態では確変状態を終了させるための様々な移行条件が設定されており、成立した移行条件に応じて確変状態を異なる遊技状態へと移行させるように構成している。そのうち、確変状態中に特図1変動が所定回数(2回)実行された場合に成立する第2移行条件Bに関する演出内容について説明をする。
本変形例では、特図2抽選で小当たり当選した場合に、上述した第7実施形態と同様に、実行中の特図1変動を中断させる小当たり種別(小当たりA、小当たりC)と、実行中の特図1変動を破棄させる小当たり種別(小当たりB)と、を設定可能に構成している。そして、特図1変動が破棄されること無く停止表示された場合に、特図1変動回数が更新されるように構成している。
つまり、特図2抽選で小当たり当選した場合に小当たりBが設定されると、実行中の特図1変動が破棄され、特図1変動回数が更新されること無く、新たな特図1変動が実行されるように構成している。よって、確変状態中において、実行中の特図1変動を破棄し続けた場合には、上述した第2移行条件Bが成立し難くなるように構成している。一方、確変状態中の特図1変動の変動パターンとして、長時間(例えば、10分)の変動時間が設定される長特図1変動と、短時間(例えば、1分)の変動時間が設定される短特図1変動と、を選択可能に構成した場合、長特図1変動の実行中であって、その残変動時間が例えば8分である場合には、小当たりBに当選し、長特図1変動を破棄するよりも、小当たりAに当選し、長特図1変動を中断させたほうが遊技者に有利となる。即ち、第2移行条件Bが成立し難くすることができる場合があった。
具体的には、実行中の長特図1変動を破棄した後に新たに実行される特図1変動が短特図1変動である場合には、長特図1変動を破棄しない場合よりも、その短特図1変動の変動時間が経過することにより特図1変動回数が更新されてしまう可能性が高くなる場合があった。
そこで、本変形例では、確変状態が設定されている状態において、実行中の特図1変動の状況(残変動時間の長さ)と、次に実行される特図1変動に対して設定される変動パターン(変動時間)と、主として実行される特図2抽選の抽選結果と、に基づいて、現在の遊技状態が遊技者に有利であるか否か(確変状態を継続させ易い状態であるか否か)を示唆する演出を実行するように構成している。これにより、確変状態中における遊技内容を遊技者に分かり易く報知することができる。
図199(a)は、確変状態(RUSH)中において、特図2抽選で小当たり当選した場合に実行されるRUSH期間可変演出が実行された場合の表示内容の一例を模式的に示した模式図であり、図199(b)は、RUSH期間可変演出の演出結果としてRUSH期間が延長したことを示す延長表示の一例を模式的に示した模式図である。また、図200(a)は、RUSH期間可変演出の演出結果としてRUSH期間が短縮したことを示す延長表示の一例を模式的に示した模式図であって、図200(b)は、RUSH期間可変演出の演出結果としてRUSH期間が延長したことを示す延長表示の一例を模式的に示した模式図である。なお、本変形例において第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様のうち、上述した第7実施形態と同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図199(a)に示した通り、RUSH期間中において、特図2抽選の結果が所定の抽選結果(大当たり、小当たり、外れの一部)である場合には、主表示領域Dmにてウサギを模したキャラクタ811がおまけの袋812hが取り付けられた宝箱812を発見する演出(期間可変演出)が実行される。そして、副表示領域Dsには「おまけの中身は何だろう」の文字が表示される。宝箱812は主として実行される特図2抽選の抽選結果を示すための表示態様であり、袋812hは、特図2抽選の抽選結果に基づいてRUSH期間(確変状態期間)がどのように可変するのかを遊技者に報知するための表示態様である。
図199(a)に示した期間可変演出が開始された後、特図2変動が停止表示されると、図199(b)に示した通り、開いた宝箱812の中から、今回の第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を示す結果表示態様812aが表示される演出が実行される。図199(b)に示した例では、結果表示態様812aとして、特図2抽選で小当たり当選したことを示す「V」の表示態様が表示されている。なお、結果表示態様812aとしては、第2特別図柄抽選の抽選結果が小当たりである場合には「V」を模した表示態様が表示され、大当たりである場合には「当」の文字を模した表示態様が表示され、外れである場合には「バツ印」を模した表示態様が表示される。
そして、開いた袋812hの中から、今回の特図2抽選の抽選結果に基づいてRUSH期間(確変状態期間)が可変するか(可変し易い状態へと移行したか)を示す状況表示態様812jが表示される演出が実行される。図199(b)に示した例では、状況表示態様812jとして、RUSH期間が延長したことを示す「延長」の表示態様が表示されている。なお、状況表示態様812jとしては、RUSH期間が延長したことを示す「延長」の表示態様以外に、RUSH期間が短縮したことを示す「残念」、小当たりCが設定されRUSH期間が終了することを示す「終了」、期間可変演出の対象となる特図2抽選の抽選結果が外れであって、RUSH期間に影響を与えない「?」、期間可変演出の対象となる特図2抽選の抽選結果が大当たりであることを祝福する「祝」といった表示態様が表示される。
ここで、期間可変演出が実行された場合に表示される各種表示態様の設定方法について、上述した第7実施形態の音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理(図183〜図192参照)を用いて説明をする。まず、コマンド判定処理7(図183のS4192)にて実行される状態コマンド受信処理(図183のS4232参照)にて、現在の遊技状態が確変状態であるかを判別し、確変状態中であると判別した場合に、図199(a)に示した「RUSH中」を第3図柄表示装置81の表示面にて表示させるための表示用コマンドを設定する処理を実行する。
次に、変動表示設定処理7(図187のS4153参照)にて実行される特図2用変動表示設定処理7(図190のS5237参照)に代えて、今回の特図2変動が大当たり変動、小当たり変動、外れ変動であるかを判別し、判別結果に基づいて期間可変演出を実行するかを選択する選択処理を実行する。この選択処理では専用のデータテーブル(期間可変演出選択テーブル)に規定されている内容に基づいて期間可変演出を実行するか否かが選択される。具体的には、今回の特図2変動が大当たり変動である場合は約20%の割合で、小当たり変動である場合は100%の割合で、外れ変動である場合は10%の割合で期間可変演出の実行が選択されるように期間可変演出選択テーブルの内容が規定されている。
ここで、大当たり変動において期間可変演出を実行すると選択した場合は、特図2変動の停止タイミングに合わせて、結果表示態様812aとして「当」の表示態様を、状況表示態様812jとして「祝」の表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるための表示用コマンドが設定される。また、外れ変動おいて期間可変演出を実行すると選択した場合は、特図2変動の停止タイミングに合わせて、結果表示態様812aとして「バツ印」の表示態様を、状況表示態様812jとして「?」の表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるための表示用コマンドが設定される。
一方、小当たり変動において期間可変演出を実行すると選択した場合は、次いで、今回の小当たり変動にて設定される小当たり種別を読み出し、特図2変動の停止タイミングにて実行中の特図1変動を中断させる小当たり種別であるか、破棄させる小当たり種別であるかを判定する種別判定処理を実行する。次に、現在実行中の特図1変動の残時間を、特図1変動時間カウンタ223feの値に基づいて算出し、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報より、次に実行される特図1変動(保留第1エリアに格納されている入賞情報に含まれている変動パターンコマンド)の変動時間を予測する。
そして、種別判定処理の結果、特図1変動を中断させる小当たり種別であると判定した場合は、中断時における特図1変動の残時間が、次に実行される特図1変動の変動時間よりも長い場合には状況表示態様812jとして「延長」の表示態様を、中断時における特図1変動の残時間が、次に実行される特図1変動の変動時間よりも短い場合には「残念」の表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるための表示用コマンドが設定される。また、種別判定処理の結果、特図1変動を破棄させる小当たり種別であると判定した場合は、破棄時における特図1変動の残時間が、次に実行される特図1変動の変動時間よりも長い場合には状況表示態様812jとして「残念」の表示態様を、破棄時における特図1変動の残時間が、次に実行される特図1変動の変動時間よりも短い場合には「延長」の表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるための表示用コマンドが設定される。さらに、今回設定される小当たり種別が小当たりCである場合には、特図2変動の停止タイミングにおいて普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行するため状況表示態様812jとして「終了」の表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるための表示用コマンドが設定される。
以上、説明をした通り、本変形例では、同一の小当たり種別が設定される場合であっても、その小当たり変動が停止表示されるタイミングや、次回実行される特図1変動に対して設定される変動パターンに応じて、期間可変演出の演出結果が可変するように構成している。つまり、期間可変演出の演出結果として、今回の小当たり変動が停止表示されるタイミングにおいて、特図2変動の停止タイミングにて実行中の特図1変動を中断させる小当たり種別である場合と、破棄させる小当たり種別である場合とで何れのほうが遊技者に有利であるかを相対的に判別し、その判別結果に基づいて期間可変演出の演出態様(表示態様)を設定するように構成している。よって、どのタイミングで小当たり変動した場合であっても、その時点において遊技者に有利な小当たり種別が設定されたか否かを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本変形例では、上述した通り、期間可変演出の演出態様を相対的に設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図1変動が中断される際の残変動時間が特定時間(例えば、1分)よりも長いか否かで期間可変演出の演出態様を決定しても良いし、特図1変動が破棄される際の残変動時間が特定時間(例えば、30秒)よりも長いか否かで期間可変演出の演出態様を決定しても良い。
また、上述した第7実施形態の技術思想と第7実施形態の変形例の技術思想とを組合せても良く、例えば、第7実施形態の潜確状態中において、大当たり当選以外の終了条件を設け、その終了条件が成立した場合にも潜確状態が終了するように構成しても良い。
具体的には、第1特別図柄の抽選回数と、第2特別図柄の抽選回数との合計が100回に到達した場合に成立し得る第1終了条件と、第1特別図柄の抽選回数が5回に到達した場合に成立し得る第2終了条件と、第2特別図柄の抽選結果が特定の小当たり(小当たりC)である場合に成立し得る第3終了条件と、を設定可能に構成すれば良い。
このように構成することにより、上述した第7実施形態のパチンコ機10に対して、遊技者に有利となる潜確状態が設定された場合に、いつまで潜確状態が継続するのかを遊技者に分かり難くすることができる。つまり、上述した第7実施形態では、一度潜確状態が設定されてしまうと、少なくとも次の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は潜確状態が継続するため、潜確状態中の遊技が単調になってしまうという問題があったが、本変形例では、潜確状態が長く継続する、或いは、大当たり当選するまで継続することを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に、実行中の第1特別図柄変動を中断させる小当たり種別(小当たりA)と、実行中の第2特別図柄変動を破棄(外れで強制停止)させる小当たり種別(小当たりB)と、を少なくとも含む複数の小当たり種別を設定可能に構成している。そして、小当たり種別として小当たりBが設定され、第1特別図柄変動が破棄された場合には、その破棄された第1特別図柄変動によって潜確状態中における第1特別図柄の抽選回数が更新されないように構成している。このように構成することで、潜確状態中において上述した第2終了条件の成立のし易さを、第2特別図柄の抽選結果に基づいて可変させることができる。また、第1特別図柄の実行状況に応じて、第2特別図柄の抽選結果の有利度合いを異ならせることができる。
例えば、潜確状態中の第1特別図柄の変動時間として変動時間A(2分)と、変動時間B(10分)と、を少なくとも設定可能に構成した遊技機において、変動時間B(10分)が設定された第1特別図柄変動が実行された場合において、実行中の第1特別図柄変動の残時間が2分よりも長い状態では、実行中の第1特別図柄が破棄されるよりも、中断されたほうが遊技者に有利となり、実行中の第1特別図柄変動の残時間が2分よりも短い状態では、実行中の第1特別図柄が中断されるよりも破棄されたほうが遊技者に有利となる。
よって、遊技者に対して特別図柄の抽選結果と、第1特別図柄の変動状況と、の両方に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数の事象(特別図柄抽選、第1特別図柄の変動状況)の組合せによって、遊技者への有利度合いを異ならせることができるため、遊技者に予測され難い遊技を提供することができる。
さらに、上述した技術思想を、第3実施形態の構成を用いた遊技機に用いても良い。この場合、特電作動口に入賞した場合に取得した当たり種別に応じて、実行中の特図変動に対する処理を異ならせれば良い。
また、第7実施形態は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選と、を重複して実行可能な遊技機(所謂、同時変動仕様)において、第2特別図柄の抽選結果に応じて、実行中の第1特別図柄変動を破棄、或いは中断させることにより、有利遊技状態が設定される期間の長さを可変させるように構成していた。つまり、第1特別図柄変動を破棄させることにより、第1特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立し得る終了条件を成立し難くすることで、長期間の有利遊技状態を目指すものであったが、これに代えて、第2特別図柄の抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技にて開放される小当たり用アタッカ内に特定領域を設け、球が特定領域を通過した場合にも大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。
上述した第7実施形態では、第1特別図柄のみ保留記憶機能を有している構成を用いているが、これに限ること無く、第1特別図柄と第2特別図柄との何れにも保留記憶機能を設けても良い。この場合、遊技者に有利となる遊技状態(潜確状態)において、実行される第2特別図柄の変動時間を選択する際に参照される保留球数として、第1特別図柄の保留球数のみを参照するように構成しても良いし、第1特別図柄の保留球数と第2特別図柄の保留球数とを合算した累計保留球数を参照するように構成しても良い。さらに、第1特別図柄の保留球数と第2特別図柄の保留球数との差分に基づいて第2特別図柄の変動時間を選択するように構成しても良く、この場合、例えば、第2特別図柄の保留球数から第1特別図柄の保留球数を差し引いた値が多いほど、第2特別図柄の変動パターンとして遊技者に有利な変動パターン(変動時間が短い変動パターン)が選択され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者は、第2特別図柄の保留球を獲得しながら第1特別図柄の保留球数を減少させる必要があるため、遊技を中断して第1特別図柄の保留球数を減少させる行為を抑制することができる。これに加え、第1特別図柄の保留球数と第2特別図柄の保留球数とを合算した累計保留球数と、第1特別図柄の保留球数と第2特別図柄の保留球数との差分との両方に基づいて第2特別図柄の変動時間を選択するように構成し、累計保留球数が特定数(例えば、5個)以上であって、且つ、差分が3個以上である場合において、第2特別図柄の変動パターンとして遊技者に有利な変動パターン(変動時間が短い変動パターン)が選択され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に積極的に遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させることができる。
上述した第7実施形態では、遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)が設定されている場合において、第1特別図柄の保留球数が特定数(1個又は2個)である場合に、特定数以外の場合よりも第2特別図柄変動として遊技者に有利な変動パターン(短時間の変動パターン)が選択されるように構成し、特定数として、第1特別図柄の保留球数が少ない値を設定しているがこれに限ること無く、例えば、特定数を第1特別図柄の保留球数の上限数(4)を含む複数の値(例えば、3個又は4個)としても良いし、離れた値(例えば、1個又は3個)としても良い。この場合、第2特別図柄抽選で小当たり当選し、実行中の第1特別図柄変動を破棄させる小当たり種別が設定された場合に、その小当たり当選が遊技者に有利となるか不利となるかを第1特別図柄の保留球数に応じて可変させることができる。換言すれば、第1特別図柄の保留球数に応じて、第1特別図柄変動を破棄したほうが遊技者に有利となる場合と、破棄しない(中断させる)ほうが遊技者に有利となる場合とを設けることができる。このように構成することで、遊技者に対して、第2特別図柄の抽選結果と、第1特別図柄の保留球数との関係性についてより興味を持たせることができる。
また、上述した第7実施形態では、遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)が設定されている場合において第2特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルを1種類しか設けていないが、これに限ること無く、例えば、大当たり終了後に確変状態や潜確状態が設定される大当たり種別を多数設け、設定された大当たり種別に基づいて、潜確状態中に参照される変動パターンテーブルを異ならせることができるように、潜確状態中に参照される変動パターンテーブルを複数設けるように構成しても良く、この場合、参照される変動パターンテーブルに応じて、第2特別図柄変動として遊技者に有利な変動パターン(短時間の変動パターン)が選択され易い第1特別図柄の保留球数を異ならせると良い。このように構成することで、潜確状態中に遊技者が目指す第1特別図柄の保留球数を可変させることができるため、遊技者に予測され難い遊技を提供することができる。さらに、潜確状態中に参照される変動パターンテーブルを複数設けるように構成した場合には、その一部において、第1特別図柄の保留球数に関わらず、第2特別図柄変動として遊技者に有利な変動パターン(短時間の変動パターン)が選択され易い(必ず選択される)有利変動パターンテーブルと、第1特別図柄の保留球数に関わらず、第2特別図柄変動として遊技者に有利な変動パターン(短時間の変動パターン)が選択され難い(選択されることが無い)不利変動パターンテーブルと、の両方、或いは一方を設けると良い。
また、上述した第7実施形態の変形例では、実行中の第1特別図柄変動が破棄された場合、時短回数が減算されないように構成していたが、これに限ること無く、第1特別図柄変動が破棄された場合に時短回数が減算されるように構成しても良い。このように構成した場合は、遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定されている場合において、第2特別図柄変動の変動パターンとして短時間(例えば、5秒)の変動時間が設定される変動パターンが選択され易くなるように構成し、第1特別図柄変動の変動パターンとして長時間(例えば10分)の変動時間が設定される変動パターンが選択され易くなるように構成する。そして、第1特別図柄変動に対して効率良く実行される第2特別図柄変動にて、実行中の第1特別図柄変動を破棄する小当たりに所定回数(例えば、2回)当選するまで確変状態中の遊技を実行することができるという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
上述した第7実施形態では、潜確状態中に第1特別図柄の保留記憶数が1個、或いは2個となった場合に、第2特別図柄変動の変動時間が短くなるように構成していた。さらに、第2特別図柄抽選で特定の小当たり(小当たりB)に当選し、実行中の第1特別図柄変動を破棄(強制停止)することにより第1特別図柄の保留記憶数を減少させるように構成していた。また、パチンコ機10の遊技盤13の構成として、潜確状態中に実行する遊技(右打ち遊技)において、第1特別図柄の保留記憶を獲得可能に構成していた。加えて、潜確状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間が長時間(例えば、10分)となるように構成していた。このように構成することで、潜確状態中の遊技として、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な抽選が実行される第2特別図柄抽選にて、遊技者に有利な大当たりや小当たりに当選することで多くの賞球を獲得する遊技と、第1特別図柄の保留記憶を減少させ、第2特別図柄抽選の実行頻度を高める遊技と、を同時に実行させるという今までに無い遊技を遊技者に提供することができるものであった。
これに対して、第1特別図柄の保留記憶数が4個(上限)の場合に、第2特別図柄抽選の実行頻度を高めるように構成しても良い。この場合、上述した第7実施形態の構成に対して、潜確状態中の遊技(右打ち遊技)中に第1特別図柄の保留記憶を獲得させ難く構成しても良い。この場合、上述した各実施形態とは異なり、第2特別図柄抽選で特定の小当たり(小当たりB)に当選することが遊技者に不利となる。
このように構成した場合であっても、遊技者に不利な特別図柄(第1特別図柄)の保留記憶数に応じて、遊技者に有利な特別図柄(第2特別図柄)の抽選のし易さを異ならせることできる。また、この場合、例えば、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される大当たり遊技中に第1特別図柄の保留記憶数を上限値まで獲得しておくことで、第2特別図柄抽選が有利に実行される状態を設定し易くすることができる。よって、大当たり遊技中に第1特別図柄の保留記憶数を上限値まで獲得するために意欲的に遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技中に第1特別図柄の保留記憶数を上限値まで獲得したとしても、潜確状態の設定後に、第1特別図柄変動を開始させる処理のほうが、第2特別図柄変動を開始させる処理よりも先に実行されるため、潜確状態設定後に第2特別図柄変動が有利な状態で実行されることを抑制することができる。なお、主制御装置110の制御処理として、第2特別図柄変動を開始させる処理が第1特別図柄変動を開始させる処理よりも先に実行するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される場合において、第1特別図柄の保留記憶数を、大当たり遊技中に獲得した保留記憶数から可変させる(減少させる)こと無く、第2特別図柄変動を実行させることができる。
以上、説明をした通り、第7実施形態では、特別図柄の保留記憶数(特図保留球数)が特定数(例えば、1個)である場合に、遊技者に有利な遊技(例えば、第2特別図柄変動)が実行され易くなるように構成し、さらに、特別図柄の保留記憶数(特図保留球数)を特定数にし易くする第1遊技(例えば、特別図柄変動を強制停止させる遊技)と、特定数にし難くする第2遊技(例えば、特別図柄変動を変動時間経過で停止させる遊技)と、を実行可能に構成している。また、遊技者に有利な遊技が実行され易い特図保留球の特定数(例えば、1個)が、特図保留球数の上限数(例えば、4個)よりも少ない数となるように設計し、現状の特図保留球数が特定数よりも多い場合には、特定数よりも少ない場合より第1遊技が実行され易くなるように構成している。また、現状の特図保留球数が特定数である場合、或いは、特定数よりも少ない場合には、特定数よりも多い場合より第1遊技が実行され難くなるように構成している。
このように構成することにより、遊技者に対して第1遊技が実行されることを目指して遊技を行わせるだけで、特図保留球数を特定数へと近づけることができ、遊技者に分かり易い遊技を行わせることができる。
なお、上述した第7実施形態では、遊技者に有利な遊技を実行させ易い特図保留球数を特図保留球の上限数より少ない数に設定しているが、これに限ること無く、例えば、特図保留球の上限数を遊技者に有利な遊技を実行させ易い特図保留球数(特定数)として設定しても良い。この場合、特別図柄変動を強制停止させる遊技が実行されると、特図保留球数が減少し易くなるため、遊技者に不利な遊技となる。つまり、特別図柄変動が強制停止される遊技が実行されないことを目指して遊技を行わせるという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
<第8実施形態>
次に、図201から図215を参照して、第8実施形態について説明をする。上述した第7実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別に応じて、実行中の第1特別図柄変動に対する処理内容を異ならせるように構成していた。具体的には、小当たり種別として小当たりA或いは小当たりCが設定された場合は、実行中の特別図柄変動を中断させ、小当たりBが設定された場合は、実行中の特別図柄変動を破棄させるように構成していた。
このような構成を用いたパチンコ機10では、実行中の第1特別図柄変動の抽選結果が何であっても、設定された小当たり種別に応じた処理が実行されるため、例えば、小当たり当選よりも遊技者に有利な抽選結果である大当たり変動中であっても、小当たり当選に基づいて大当たり変動が破棄されてしまうという問題があった。また、このような構成を用いた場合、実行中の第1特別図柄変動が大当たりである期待度が高い高期待度演出を、第2特別図柄が停止表示されるよりも前に実行してしまうと、遊技者に大当たり変動が破棄された(大当たり当選が無効になった)ことが気付かれてしまうため、高期待度演出を実行し難いという問題があった。
加えて、上述した第7実施形態では、遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)が設定されている場合において、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間が短く、且つ、第2特別図柄が保留記憶されないように構成しているため、例えば、大当たり当選した第1特別図柄が停止表示されるよりも前のタイミングで小当たり当選した第2特別図柄が停止表示されるか否かを事前に判別する手段を設けたとしても、停止表示されないと判別されるタイミングが、大当たり変動が停止表示される直前となってしまうため、高期待度演出を長時間(大当たり変動の変動時間に対応させた時間)実行し難いという問題があった。
これに対して、本第8実施形態では、小当たり遊技が実行される場合に(実行中の特別図柄変動に対して特殊処理を実行する場合に)、実行中の特別図柄変動の内容に応じて処理内容を決定するように構成した点で上述した第7実施形態と大きく相違している。より具体的には、一方の特別図柄抽選に基づいて小当たり遊技が実行される時点(小当たり当選を示す特別図柄が停止表示される時点)において、実行中の他方の特別図柄変動の変動パターンを判別し、その判別結果が特定の変動パターン(例えば、30秒以上の変動時間が設定されている変動パターン)である場合には、実行中の他方の特別図柄変動を破棄し、特定の変動パターン以外である場合には、実行中の他方の特別図柄変動を中断させることができるように構成している。
さらに、本第8実施形態では、大当たり当選した特別図柄変動(大当たり変動)の変動パターンとして、遊技者に有利な大当たり遊技(例えば、確変大当たり)が実行される有利大当たり種別と、遊技者に不利な大当たり遊技(例えば、通常大当たり)が実行される不利大当たり種別と、で異なる変動パターンが選択されるように構成しており、さらに、特別図柄の保留球数に応じて選択される変動パターンを異ならせるように構成している。
より具体的には、特別図柄の保留球数が多い場合には、特別図柄の保留球数が少ない場合よりも、有利大当たり種別に対応する変動パターンとして30秒未満の変動時間が設定される変動パターンが選択され易く構成し、不利大当たり種別に対応する変動パターンとして30秒以上の変動時間が設定される変動パターンが選択され易く構成している。
このように構成することで、特別図柄の保留球数が多い場合には、特別図柄の保留球数が少ない場合よりも、遊技者に有利な大当たり遊技(例えば、確変大当たり)が実行され易く(小当たり当選により破棄され難く)、且つ、遊技者に不利な大当たり遊技(例えば、通常大当たり)が実行され難く(小当たり当選により破棄され易く)することができる。つまり、特別図柄の保留球数に応じて、大当たり当選時における確変大当たりが占める割合を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、有利な大当たり遊技が実行されることを期待しながら意欲的に特別図柄の保留球数を貯めさせることができ、結果として遊技の稼働を向上させることができる。
また、本第8実施形態では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選との何れの抽選においても小当たり当選し得るように構成している点で上述した第7実施形態と相違している。このように構成することで、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選との何れか一方で大当たり当選した場合であっても、他方の小当たり当選によって大当たり当選を破棄することができるため、特別図柄の保留球数に応じて、大当たり当選時における確変大当たりが占める割合を確実に異ならせることができる。
まず、図201を参照して、本第8実施形態で用いられるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図201は、第8実施形態で用いられるパチンコ機10の遊技盤13の構成を模式的に示した正面図である。図201に示した通り、本実施形態における遊技盤13の構成は、上述した第7実施形態の変形例(図193参照)に対して、右側領域の構成の一部と、下側領域(可変表示ユニット80の下側の領域)の一部の構成を異ならせている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図201に示した通り、本第8実施形態で用いられるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第7実施形態の変形例のパチンコ機10の遊技盤13の構成(図193参照)に対して、振分部材700により振り分けられた球が流下し得る第1流路701と第2流路702とが右側領域の下方側まで延伸して設けられている点と、スルーゲート67、電動役物640aの構成及び配設位置を変更した点と、小当たり用アタッカ3650に代えて小当たり遊技にて開放動作される小当たり遊技の一部において開放動作される小当たり用アタッカ(第2アタッカ)5650を遊技盤13の中央下方位置に配設した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、遊技盤13の右側領域の構成について、上述した第7実施形態の変形例のパチンコ機10の遊技盤13の構成(図193参照)との相違点を中心に説明をする。振分部材700によって、第1流路701へと振り分けられた球は、屈曲路701aを通過し、スルーゲート67を通過して右側領域下方へと流出する。また、第2流路702へと振り分けられた球は、その下流側に設けられた第3流路703aを流下し、流入口704aに流入して第1流路701の裏面側(図201の視点で奥側)に設けられた第5流路704bを流下し、第2入球口640に付随する電動役物640aを通過して流出口より遊技盤13上の右側領域下方へと流出する。そして振分部材700によって2つの流路(第1流路701、第2流路702)に振り分けられた球は右側領域下方で合流し、可変入賞装置(第1アタッカ)2650上を流下しアウト口66へと流入する。
次に、遊技盤13の右側領域に配設された構成のうち、スルーゲート67と第2入球口640について説明する。本実施形態では、屈曲路701aを有する第1流路701の下流部にスルーゲート67を配設し、第2流路702の下流部(第5流路704bの下端部)に第2入球口640を配設している。このように構成することで、1.2秒間隔で第2流路702に流入する球の流下速度を低下させることなく第2入球口640に向けて流下させることができる。よって、第2流路702を流下する球の流下間隔を一定にすることができるため、第2流路702内で球が連なってしまい複数の球が同時に第2入球口640に入球されてしまうことを抑制することができる。また、電動役物640aが開放動作されたことに気付かず、第3図柄表示装置81にて電動役物640aが開放していることが報知された場合に、いち早く球を第2入球口640へ入球させることができる。
また、普通図柄の抽選の実行契機となるスルーゲート67と、普通図柄の当たり当選によって動作制御される電動役物640aと、を振分部材700によって振り分けられる異なる流路(第1流路701、第2流路702)に配設したため、振分部材700を何れか一方の流路にのみ球を流下させるように破壊された場合(振り分け機能を無効にした場合)に、第2入球口640に球を入球させ難くすることができる。つまり、振分部材700によって振り分けられる一方の流路にスルーゲート67と、電動役物640aを配設した場合、振分部材700を破壊し、一方の流路にのみ球を流下させる状態を作り出すことで第2入球口640に球を入球させやすい状態を作り出すことが可能となってしまうが、本変形例の構成を用いることで、不正に第2入球口640に球を入球させやすい状態を作り出すことを抑制することができる。
次に、球が第2流路702を流下する場合の説明をする。第2流路702は、上述した第1流路701と比べて球が流下する期間が短くなるように構成されている。具体的には、第2流路702に流入した球が流出口から流出されるまでに要する時間が約1.5秒となるように構成されている。このように構成することで、1分間に100個の球を右側領域に向けて発射した場合に、第1流路701に流入した球と、その球の次に発射され、第2流路702に流入した球とがほぼ同時(約0.1秒差)に遊技盤13の右下領域(第1可変入賞装置2650が配設される領域)を流下することとなる。よって、第1可変入賞装置2650が開放される遊技状態(大当たり状態または小当たり状態)において、一度に複数の球を入賞させ易くすることができる。
また、第2流路702の一部(第5流路704b)を、第1流路701の裏側に設け、正面視で複数の流路が重複するように構成している。このように、遊技盤13の奥行き方向を利用して複数の球流路を形成することで、球流路を形成するスペース(遊技盤13を球流路が占有する領域)を小さくすることができる。
さらに、第2流路702の球出口が、第1流路701の流出口(第2入球口640の下流側)よりも下方に位置し、且つ、遊技盤13の右下領域において第1流路701から流出した球よりも下流側に球が流出するように構成されている。これにより、流出口704cから勢いよく流出した球(第1流路701を流下した球よりも高速で流出した球)が、第1流路701から流出した球に直接衝突してしまい不規則な球流れが発生してしまう事態を抑制することができる。
なお、本実施形態では、振分部材700によって右打ち遊技によって発射された球を交互に2つの流路に振り分ける構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、2つの流路に対して交互(1:1)ではなく、異なる割合で球を振り分けるように構成してもよいし、3つ以上の流路に対して球を振り分ける構成にしてもよい。さらに、球の自重や、流下タイミングに応じてランダムに複数の流路へと球を振り分けるように構成しても良い。また、本実施形態では、通過した球の自重によって次に通過する球の振り分け先が変化する振分部材700を用いているが、例えば、予め定められた規則に沿って電気的に駆動する振分部材を用いてもよい。
次に、小当たり用アタッカ5650が配設されている遊技盤13の下方領域について説明をする。この小当たり用アタッカ5650は、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技にて開放動作される可変入球手段である。図201に示した通り、小当たり用アタッカ5650は、第1入球口64の下方位置に配設され、遊技盤13に植設された釘によって、遊技盤13上を流下する球が到達し難くなるように構成している。よって、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、遊技者が賞球を獲得し難い小当たり遊技が実行されることになる。
本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄で小当たり当選した場合に、実行中の他方の特別図柄変動を中断、或いは強制停止させる制御を実行可能に構成しており、さらに、実行中の他方の特別図柄変動の変動内容に基づいて実行させる制御内容を切り替えるように構成している。つまり、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、遊技者が賞球を獲得し難いが、実行中の第2特別図柄変動に対して所定の制御(中断、或いは強制停止)を実行させるための実行契機となるものである。
<第8実施形態における電気的構成について>
次に、図202から図208を参照して、本第8実施形態における電気的構成について説明をする。本第8実施形態は、上述した第7実施形態に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の一部構成と、RAM203の一部構成と、を異ならせた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図202を参照して、本第8実施形態における主制御装置110のROM202に規定されている内容について説明をする。図202は、本第8実施形態における主制御装置110のROM202に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図202に示した通り、本第8実施形態のROM202は、上述した第7実施形態のROM202(図168(a)参照)に対して、小当たり乱数7テーブル202fbに代えて小当たり乱数8テーブル202gbを、大当たり種別選択7テーブル202fdに代えて大当たり種別選択8テーブル202gdを、変動パターン選択7テーブル202feに代えて変動パターン選択8テーブル202geを、小当たり種別選択7テーブル202ffに代えて小当たり種別選択8テーブル202gfを設けた点で相違し、それ以外は同一である。
ここで、図203を参照して、小当たり乱数8テーブル202gbの内容について説明をする。図203は、小当たり乱数8テーブル202gbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図203に示した通り、小当たり乱数8テーブル202gbには、第1特別図柄に対しても小当たり判定値が規定されている。具体的には、図柄種別が第1特別図柄に対して、特別図柄の確率状態に関わらず、第1当たり乱数カウンタC1の値が「300〜599」の範囲に小当たり判定値が規定され、図柄種別が第2特別図柄に対して、特別図柄の確率状態に関わらず、第1当たり乱数カウンタC1の1の値が「550〜599」の範囲に小当たり判定値が規定されている。
つまり、本実施形態では、第1特別図柄抽選が実行された場合の約1/2の確率で小当たり当選し、第2特別図柄抽選が実行された場合の約1/12の確率で小当たり当選するように構成している。なお、本実施形態では、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、その小当たり遊技中に球が入賞し得ない(し難い)小当たり用アタッカ5650が開放動作される小当たり遊技が実行され、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65が開放動作される小当たり遊技が実行されるように構成している。よって、第1特別図柄抽選にて高確率で小当たり当選するように設定したとしても、遊技者に対して過剰に特定(賞球)が付与されてしまうことを抑制することができる。また、第2特別図柄抽選では、第1特別図柄抽選の小当たり確率よりも低い確率で小当たり当選するように設定されており、右打ち遊技によって遊技が実行される確変状態や潜確状態において、遊技者の持ち球を減少させ難くすることができる。
次に、図204を参照して、大当たり種別選択8テーブル202gdの内容について説明をする。図204は、大当たり種別選択8テーブル202gdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図204に示した通り、この大当たり種別選択8テーブル202gdは、上述した大当たり種別選択7テーブル202fd(図169参照)に対して、大当たり動作が実行される入賞装置(開放対象となる入賞装置)を異ならせた点と、大当たり終了後に設定される時短カウンタ203hの値を異ならせた点とで相違し、それ以外は同一である。なお、上述した第7実施形態にて用いた各大当たり種別と、本第8実施形態にて用いた各大当たり種別とで説明の便宜上、その名称の一部を異ならせている(例えば、大当たりA7と大当たりA8)が、相違点について説明の無い要素については同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
図204に示した通り、本第8実施形態では、第1特別図柄抽選、或いは、第2特別図柄抽選で通常大当たり(大当たりA8、大当たりD8)に当選した場合には、大当たり当選時に設定されている遊技状態に関わらず、時短カウンタ203hの値が0に設定される、即ち、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定されないように規定されている。また、第1特別図柄抽選において大当たり当選した場合のうち20%の割合で設定される大当たりC8に当選した場合は、大当たり当選時に設定されている遊技状態に関わらず、時短カウンタ203hの値が10000に設定される。即ち、実質、次回大当たりに当選するまで確変状態が設定されるように構成している。
上述した通り、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別には、遊技者にとって有利度合いが異なる大当たり種別が規定されており、遊技者にとって最も不利な順に「大当たりA8」、「大当たりB8」、「大当たりC8」が規定されている。言い換えれば、「大当たりC8」が遊技者に最も有利な大当たり種別となるように規定している。
一方、第2特別図柄抽選で確変大当たりに当選した場合(「大当たりE8」に当選した場合)は、大当たり当選時に設定されている遊技状態に関わらず、時短カウンタ203hの値が100に設定される。即ち、「大当たりE8」に当選した場合は、大当たり遊技終了後に100回(特別図柄変動が100回)の確変状態が設定される。
つまり、本実施形態では、確変状態中に右打ち遊技を実行し、第1特別図柄抽選と第2特別図柄を並行して(重複して)実行する際において、最も有利な大当たり種別である「大当たりC8」に当選することを目指しながら、確変状態が終了してしまう大当たり種別「大当たりA8」、「大当たりD8」に当選しないことを目指す遊技が実行される。
次に、図205及び図206を参照して、本第8実施形態における変動パターン選択テーブルのうち、確変状態中に参照される確変用8テーブル202geと、潜確用8テーブル202geとについて説明をする。図205は、確変用8テーブル202geに規定されている内容を模式的に示した図であり、図206は、潜確用8テーブル202geに規定されている内容を模式的に示した図である。
本実施形態では、確変状態、及び潜確状態が設定されている状態で右打ち遊技が実行され、第1特別図柄と第2特別図柄とを重複して実行させる遊技が行われる。そして、大当たり当選した場合に設定される変動パターンを、選択された大当たり種別に応じて異ならせるように構成している。さらに、第1特別図柄の保留球数(特図1保留球数)と、第2特別図柄の保留球数(特図2保留球数)とを合算した合算特図保留数に基づいて、異なる変動パターンを選択し得るように構成している。
具体的には、合算特図保留数が多い方が、合算特図保留数が短い場合よりも遊技者に有利な大当たりに当選している場合に選択される変動時間が短くなるように構成し、合算特図保留数が多い方が、合算特図保留数が短い場合よりも遊技者に不利な大当たりに当選している場合に選択される変動時間が長くなるように構成している。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄抽選において小当たり当選した場合において、実行中の他方の特別図柄変動の変動パターンに応じて、その実行中の他方の特別図柄変動に対して実行する制御内容を異ならせるように構成しており、具体的には、実行中の他方の特別図柄変動が30秒以上の変動パターンである場合には、その特別図柄変動を破棄するための処理を実行し、30秒未満の変動パターンである場合には、その特別図柄変動を中断させるための処理を実行するように構成している。
このように構成することで、合算特図保留数が多い場合は、合算特図保留数が少ない場合よりも、遊技者に不利となる大当たり種別が設定された場合に、その特別図柄変動を破棄し易くし、遊技者に有利となる大当たり種別が設定された場合には、その特別図柄変動を破棄し難く(中断させ易く)することができる。よって、遊技者に対して、合算特図保留数が多い状態を継続させるように意欲的に遊技を行わせることができる。
図205に示した通り、確変用8テーブル202g2では、特別図柄種別と、当否判定結果(選択された種別の結果)と、特図保留数(合算特図保留数)と、に基づいて異なる変動パターンが規定されている。
より具体的には、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりA」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜3」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が28秒のショート変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「4〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が30秒のロング変動が対応付けられて規定されている。
また、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりB」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜3」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が30秒のロング変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「4〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が28秒のショート変動が対応付けられて規定されている。
特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりC」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜3」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が60秒の超ロング変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「4〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が10秒の超ショート変動が対応付けられて規定されている。
また、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が外れ(小当たり含む)で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜3」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が35秒のロング変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「4〜6」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が25秒のミドル変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が15秒のショート変動が対応付けられて規定されている。
また、特別図柄の図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりD」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜3」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が20秒のショート変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「4〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が35秒のロング変動が対応付けられて規定されている。
特別図柄の図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりE」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜3」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が35秒のロング変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「4〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が20秒のショート変動が対応付けられて規定されている。
また、特別図柄の図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、当否判定結果が外れ(小当たり含む)で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜7」の範囲、即ち、全範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が15秒のショート変動が対応付けられ規定されている。
一方で、図206に示した通り、潜確用8テーブル202g2では、特別図柄種別と、当否判定結果(選択された種別の結果)と、特図保留数(合算特図保留数)と、に基づいて異なる変動パターンが規定されている。
より具体的には、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりA」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜4」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が28秒のショート変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「5〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が30秒のロング変動が対応付けられて規定されている。
また、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりB」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜4」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が28秒のショート変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「5〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が30秒のロング変動が対応付けられて規定されている。
特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりC」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜4」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が30秒のロング変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「5〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が28秒のショート変動が対応付けられて規定されている。
また、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が外れ(小当たり含む)で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜6」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が35秒のロング変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が25秒のミドル変動が対応付けられて規定されている。
また、特別図柄の図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりD」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜4」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が28秒のショート変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「5〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が30秒のロング変動が対応付けられて規定されている。
特別図柄の図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、当否判定結果が大当たりのうち、大当たり種別が「大当たりE」で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜4」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が30秒のロング変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「5〜7」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が28秒のショート変動が対応付けられて規定されている。
また、特別図柄の図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、当否判定結果が外れ(小当たり含む)で、特図保留数(合算特図保留数)が「0〜3」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が35秒のロング変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「4〜6」の範囲には、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が325のミドル変動が対応付けられ、特図保留数(合算特図保留数)が「7」の範囲、変動種別カウンタCS1の全範囲(「0〜198」)に、変動パターンとして変動時間が15秒のショート変動が対応付けられて規定されている。以上、説明をした通り、本実施形態では、実行中の特別図柄変動に対して特定制御(例えば、中断或いは破棄)を実行する実行条件が成立した場合(例えば、小当たり遊技実行時)において実行する特定制御の内容を、実行中の特別図柄変動の内容に応じて切り替えるように構成している。そして、実行中の特別図柄変動の変動表示態様(特別図柄変動の実行時に設定された変動表示態様)を、特定制御の内容に応じた変動表示態様へと切り替えるように構成している。これにより、実行中の特別図柄変動の内容に応じて変動表示態様の切替内容を異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、図205及び図206に示した通り、設定されている遊技状態に応じて、実行中の特別図柄変動の変動表示態様を特定変動表示態様(強制停止させる変動表示態様)へと切り替える切替条件の成立のし易さを異ならせている。さらに、実行中の特別図柄の種別や、設定されている大当たり種別に応じて切替条件の成立のし易さを異ならせている(選択される変動時間の長さを異ならせている)。これにより、遊技者に対して、実行条件が成立した場合に変動表示態様がどのように切り替わるのかを予測させる楽しみを提供することができる。加えて、本実施形態では、実行条件の成立のし易さが特別図柄種別に応じて異なる様に構成しており、具体的には、特別図柄抽選にて実行条件が成立し得る抽選結果(小当たり当選)となる確率を特別図柄種別に応じて異ならせ、さらに、小当たり当選した場合に設定される特別図柄変動の変動時間の長さを異ならせている。これにより、どの特別図柄種別がどのタイミングでどの抽選結果を示す変動を実行するかに応じて遊技結果を大きく異ならせることができる。なお、本実施形態では、図205、及び図206に示した通り、各条件に対応させて特定の変動時間が選択されるように構成しているが、これに限ること無く、各条件に対応させて選択され得る変動時間を複数規定しておき、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて異なる変動時間の変動パターンが選択されるように構成しても良い。また、本実施形態では、実行される特定制御の内容を切り替える条件として変動時間30秒を閾値に設定しているが、これに限ること無く、複数の閾値を設定しても良い。また、本実施形態では、実行される特定制御の内容を切り替える条件として設定される閾値に近似する変動時間(例えば、28秒、30秒)が選択されるように構成している。これにより、選択された変動パターンに対応する変動演出が第3図柄表示装置81の表示面にて実行される場合には、同一の演出態様の変動演出を実行することができる。なお、変動時間の差分(2秒分)については、変動演出の開始タイミングを特別図柄変動の開始タイミングより遅らせたり、変動演出の終了タイミングを特別図柄変動の終了タイミングより早めたりすることで対応すればよく、その差分期間については、静止画像(例えば、変動演出開始時に表示される画像や変動演出終了時に表示される画像)を表示するように構成すれば良い。
次に、図207を参照して、本第8実施形態における小当たり種別選択8テーブル202gfの内容について説明をする。図207は、小当たり種別選択8テーブル202gfに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この小当たり種別選択8テーブル202gfは、上述した小当たり種別選択7テーブル202ff(図172(a)参照)に対して、第1特別図柄に対しても小当たり種別を規定した点と、小当たり遊技にて開放動作される開放対象を変更した点と、図柄確定時間を変更した点と、実行中の特別図柄変動に対して行う制御内容を変更した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たり種別選択8テーブル202gfに規定されている内容について具体的に説明をすると、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜89」の範囲には、「小当たりA8」が対応付けられており、「90〜99」の範囲には「小当たりB8」が対応付けられている。小当たり種別カウンタC5の取り得る値の範囲は「0〜99」の100個であることから、小当たり当選時において「小当たりA8」が選択される割合は90%(90/100)、「小当たりB8」が選択される割合は10%(10/100)となるように構成している。
「小当たりA」が選択された場合は、小当たり用アタッカ(第2アタッカ)5650を0.1秒間開放させる小当たり遊技が実行される。また、特別図柄の図柄確定時間として「0.1秒」が選択され、実行中の第2特別図柄(特図2)を中断させる処理が実行される。ここで、実行中の第2特別図柄(特図2)を中断させる処理が実行されると、実行中の第2特別図柄変動の変動時間経過を計測するための処理を中断させるための処理が実行される。具体的には、小当たり遊技が実行される場合に、特図2仮停止フラグをオンに設定し、特図2仮停止フラグがオンに設定されている間、第2特別図柄(特図2)の変動時間(残変動時間)を示す特図2変動時間カウンタ203djの値を更新する処理をスキップさせる処理を実行する。そして、小当たり遊技の終了を契機に再開条件を成立させ(特図2仮停止フラグをオフに設定し)、中断されていた特図2変動時間カウンタ203djの値を更新する処理を再開させる。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている間(中断条件が成立している間)、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間が減少することを禁止することができるため、小当たり遊技が実行されている間に、例えば、当たり当選している第2特別図柄変動が停止表示されてしまい重複して当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行されてしまうことを禁止することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、実行中の特別図柄変動の変動時間経過を計測する処理を中断(スキップ)させているだけであるため、再開条件が成立した後に、小当たり遊技前に実行していた第1特別図柄変動を再開させることができる。よって、既に実行された特別図柄抽選の結果を遊技者に確実に報知することができる。なお、本実施形態では、小当たり当選したことを契機に中断条件が成立した場合に、実行中の特別図柄変動を中断させる処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、実行中の特別図柄変動は継続して実行し、特別図柄変動の変動時間が経過した状態で第1特別図柄変動の停止表示を中断させるように構成しても良い。つまり、中断条件が成立した場合であっても、特別図柄変動の変動時間を更新する更新処理は継続して実行し、予め設定された変動時間が経過するまで更新処理を実行した場合に、中断条件が成立しているか否かを判別し、中断条件が成立していると判別した場合に、再開条件が成立するまで特別図柄変動の停止表示を実行しないように構成しても良い。これにより、特別図柄変動の変動時間を更新する更新処理を途中で中断させる必要が無くなるため、処理負荷を軽減させることができる。
さらに、「小当たりA」が選択された場合は、小当たり遊技の開放対象が小当たりアタッカ(第2アタッカ)5650となり、小当たり遊技中に賞球を獲得し難い小当たり遊技が実行される。
「小当たりB」が選択された場合は、上述した「小当たりA」と同一の動作内容で小当たり遊技が実行される。さらに、実行中の第2特別図柄の変動状況に応じて、実行中の特図2変動を中断させる処理、或いは、強制停止(破棄)させる処理の何れかが実行される。上述した通り、本実施形態では一方の特別図柄抽選で小当たり当選した場合の一部において、実行中の他方の特別図柄変動に対して実行する制御の内容を、他方の特別図柄変動の状況(変動状況、設定状況)に基づいて切替可能に構成している。具体的には、実行中の他方の特別図柄変動に対して設定されている変動パターンが30秒以上の変動時間を有する変動パターンである場合には、その特別図柄変動を強制停止(破棄)し、30秒未満の変動時間を有する変動パターンである場合には、その特別図柄変動を中断させるように制御内容を切替可能に構成している。このように構成することで、実行中の特別図柄変動の変動状況に応じて、実行中の特別図柄抽選の抽選結果を破棄するか否かが決定されるため、小当たりB8に当選するタイミングがどのタイミングであるかに遊技者を注視させることができる。
また、本実施形態では、変動パターンの内容、即ち、変動時間の長さが実行中の特別図柄変動に対する制御内容を切り替える条件として設定しているため、例えば、遊技者に不利な抽選結果に対応する変動パターンの変動時間が長くなるように変動パターンテーブルを規定しておくだけで遊技者に不利な抽選結果に対応する特別図柄変動を強制停止(破棄)させ易くすることができる。なお、制御内容を決定する際に用いる条件はこれに限ること無く、例えば、実行中の特別図柄変動の残変動時間や、抽選結果が特定条件を満たしているか否かを判別し、その判別結果に基づいて制御内容の結果を決定しても良い。さらに、実行中の第1特別図柄変動と、小当たり当選した第2特別図柄の抽選結果との組合せに基づいて実行中の第1特別図柄変動に対して実行する制御内容を決定しても良い。
次に、小当たり種別選択8テーブル202gfのうち、図柄種別として第2特別図柄(特図2)に対応している小当たり種別の内容について説明をする。小当たり種別カウンタC5の値が「0〜79」の範囲には、「小当たりC8」が対応付けられており、「80〜89」の範囲には「小当たりD8」が対応付けられており、「90〜99」の範囲には「小当たりE8」が対応付けられている。小当たり種別カウンタC5の取り得る値の範囲は「0〜99」の100個であることから、小当たり当選時において「小当たりC8」が選択される割合は80%(80/100)、「小当たりD8」が選択される割合は10%(10/100)、「小当たりE8」が選択される割合は10%(10/100)となるように構成している。
「小当たりC8」が選択された場合は、大当たり用アタッカ(第1アタッカ)2650を1.5秒間開放させる小当たり遊技が実行される。また、特別図柄の図柄確定時間として「0.5秒」が選択される。また、「小当たりD8」が選択された場合も、上述した「小当たりC8」と同一の小当たり遊技が実行され、さらに、実行中の第1特別図柄の変動状況に応じて、実行中の特図1変動を中断させる処理、或いは、強制停止(破棄)させる処理の何れかが実行される。なお、「小当たりD8」に基づいて第1特別図柄変動を中断、或いは強制停止させる際の制御処理の内容は、「小当たりB8」に基づいて実行される制御処理の対象を第2特別図柄から第1特別図柄へと切り替えただけであるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図208を参照して、本第8実施形態における主制御装置110のRAM203の構成について説明をする。図208は、本第8実施形態における主制御装置110のRAM203の構成を模式的に示した模式図である。図208に示した通り、本実施形態では、上述した第7実施形態のRAM203に対して、特殊変動フラグ203gaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特殊変動フラグ203gaは、実行される特別図柄変動が30秒以上の変動時間が設定されている変動パターンであるかを示すためのものであり、30秒以上の変動時間が設定されている場合にオンに設定される。本実施形態では、特定の小当たり種別に当選した小当たり変動が停止表示した場合に、実行中の他方の特別図柄変動に設定されている変動パターンに応じて、他方の特別図柄変動を中断させる処理を実行するか、破棄(強制停止)する処理を実行するかを切替可能に構成している。つまり、一方の特別図柄抽選にて、他方の特別図柄変動に対して、実行中の変動態様を、他方の特別図柄変動を実行する際に設定した変動態様とは異なる変動態様へと切り替える処理条件が成立した場合に、実行中の変動態様に応じて切り替え後の変動態様を異ならせるように構成している。
このように構成することで、上述した処理条件が成立した場合に、どのような変動態様へと切り替えられるのかが他方の特別図柄変動に基づいて決定されるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。
<第8実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図209から図215を参照して、本第8実施形態における主制御装置110の制御処理内容について説明をする。本第8実施形態では、上述した第7実施形態に対して、第1特別図柄抽選にて小当たり当選し得るように構成した点と、変動パターンを選択した際に、30秒以上の変動時間が設定される変動パターンが選択されたかを判別する処理を追加した点と、小当たり当選している特別図柄変動が停止表示される場合に、実行中の他方の特別図柄変動に対して実行する処理内容を決定する処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
なお、本第8実施形態では、第1特別図柄を対象に実行する各種制御処理を用いて、本第8実施形態の特徴的な処理内容を図示しながら説明をするが、同一の処理内容は、対応する第2特別図柄の制御処理においても実行されるが、説明が重複するため図示を用いた詳細な説明を省略する。
まず、図209を参照して、第1特別図柄大当たり判定処理8(S386)の内容について説明をする。図209は、第1特別図柄大当たり判定処理8(S386)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄大当たり判定処理8(S386)は、上述した第7実施形態(第4実施形態)の第1特別図柄大当たり判定処理(図121のS356参照)に対して、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合(図121のS457参照)に、特図1外れ変動処理8(S481)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理8(図209のS386参照)にて実行される特図1外れ変動処理8(S481)の内容について、図210を参照して説明をする。図210は、特図1外れ変動処理8(S481)の内容を示したフローチャートである。この特図1外れ変動処理8では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選していない場合(外れ当選している場合)において、小当たり当選の有無を判定するための処理が実行される。なお、詳細な内容については、上述した特図2外れ変動処理(図128のS1059参照)に対して、処理対象を第2特別図柄から第1特別図柄へと切り替えた点で相違し、それ以外は同一である。
特図1外れ変動処理8(S481)では、まず、今回の抽選結果(第1特別図柄大当たり判定処理(図209のS386参照)のS457の処理で取得した抽選結果)が小当たりであるかを判別する(S485)。
S485の処理で小当たりに当選していると判別した場合は(S485:Yes)、小当たりフラグ203iをオンに設定し(S486)、第1特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S487)、次いで、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の小当たり図柄をセットし(S488)、本処理を終了する。
一方、S485の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無い、即ち、外れであると判別した場合は(S485:No)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S485)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、第1特別図柄変動開始処理(図120のS258参照)の一処理として実行される特図1外れ変動処理(図210のS481)、即ち、特別図柄の変動(抽選)を開始するタイミングにて実行される処理で小当たりに当選したと判別した場合に小当たりフラグ203iをオンに設定することで、第1特別図柄の変動停止タイミングでその小当たりフラグ203iの設定状況に基づいて小当たり当選に対応する処理を容易に実行することができる。
なお、本実施形態で用いられる小当たりフラグ203iは、第1特別図柄抽選で小当たり当選したことを示す特図1領域と、第2特別図柄抽選で小当たり当選したことを示す特図2領域と、を有するように構成しており、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、特図1領域のフラグをオンに設定し、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、特図2領域のフラグをオンに設定するように構成している。これにより、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで重複して小当たり当選した場合であっても、その状態を容易に記憶させておくことができる。
次に、図211を参照して、第1特別図柄変動パターン選択処理8(S387)の内容について説明をする。図211は、第1特別図柄変動パターン選択処理8(S387)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動パターン選択処理8(S387)は、上述した第7実施形態(第4実施形態)にて実行される第1特別図柄変動パターン選択処理(図122のS357参照)に対して、変動パターンを選択した後に、特殊変動フラグをオンに設定するための判別処理を追加した点と、大当たり当選以外の変動パターンを選択するための処理を追加して点とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第1特別図柄変動パターン選択処理8(S387)が実行されると、第1特別図柄変動パターン選択処理(図122のS357参照)と同一のS551〜S555の処理を実行し、その後、今回選択した変動パターンが、変動時間が30秒以上に変動パターンであるかを判別する(S582)。そして、変動時間が30秒以上であると判別した場合は(S582:Yes)、特殊変動フラグ203gaをオンに設定し(S583)、第1特別図柄変動パターン選択処理(図122のS357参照)と同一のS556〜S559の処理を実行し、本処理を終了する。また、変動時間が30秒以上では無いと判別した場合は(S582:No)、S583の処理をスキップして、第1特別図柄変動パターン選択処理(図122のS357参照)と同一のS556〜S559の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S551の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S551:No)、特図1外れ変動パターン選択処理を実行し(S581)、その後、S553の処理へ移行する。特図1外れ変動パターン選択処理(S581)の内容については、図212を参照して後述する。
ここで、図212を参照して、特図1外れ変動パターン選択処理8(S581)の内容について説明をする。図212は、特図1外れ変動パターン選択処理8(S581)の内容を示したフローチャートである。特図1外れ変動パターン選択処理8(S581)では、上述した第7実施形態の特図2外れ変動パターン選択処理7(図179のS1277参照)と同一の処理内容を、対象を第2特別図柄から第1特別図柄へと切り替えた処理が実行される。
特図1外れ変動パターン選択処理8(S581)が実行されると、今回の第1特別図柄の抽選結果(特図1抽選結果)が小当たりでは無いと判別した場合は(S591:No)、特図2外れ変動パターン選択処理7(図179のS1277参照)のS1377〜S1379と同一内容の処理を、処理対象を第1特別図柄に変更して実行し(S597〜S599)、その後、本処理を終了する。一方、S591の処理において小当たりであると判別した場合は(S591:Yes)、小当たり種別カウンタC5の値を取得し(S592)、取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて小当たり種別選択8テーブル202gfを参照して小当たり種別を選択する(S593)。次いで、特図2外れ変動パターン選択処理(図179のS1277参照)のS1374〜S1376の処理と同一内容の処理を、処理対象を第1特別図柄に変更して実行し(S594〜S596)、本処理を終了する。
次に、図213を参照して、第1特別図柄変動停止処理8(S288)の内容について説明をする。図213は、第1特別図柄変動停止処理8(S288)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理8(S288)は、上述した第1特別図柄変動停止処理7(図175のS278参照)に対して、特図1大当たりフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合に(S851;No)、即ち、今回変動停止される第1特別図柄変動が外れ変動である場合に実行される時短更新処理7(図175のS882参照)を、特図1外れ停止処理8(S892)に変更した点と、特図1大当たりフラグ203iがオンに設定されている判別した場合(S581:Yes)に、第2特別図柄変動が実行されているかを判別する処理を実行し(S891)、第2特別図柄変動が実行されていない場合に、S853〜S855の処理をスキップするように構成した点と、大当たり変動の停止(大当たり遊技の開始)に基づいて各種フラグ、及び各種カウンタをクリアする処理(図175のS870)に、特殊変動フラグ203gaを追加した処理(図213のS893)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
次に、図214を参照して、特図1外れ停止処理8(S892)の内容について説明をする。図214は、特図1外れ停止処理8(S892)の内容を示したフローチャートである。この特図1外れ停止処理8(S892)では、上述した第7実施形態の特図2外れ停止処理7(図181のS1584参照)と同様の処理を、処理対象を第2特別図柄から第1特別図柄へと切り替えて実行し、且つ、小当たり処理(図181のS1671参照)に代えて小当たり処理8(S1972)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、特図1外れ停止処理8(図214のS892参照)にて実行される小当たり処理8(S1972)について、図215を参照して説明をする。図215は、小当たり処理8(S1972)の内容を示したフローチャートである。この小当たり処理8(S1972)は、上述した第7実施形態の小当たり処理(図182のS1671参照)に対して、当選した小当たり種別に応じて実行される制御処理の内容を異ならせた点で相違している。具体的には、特定の小当たり種別(小当たりB,D,E)に当選した場合に、実行中の特別図柄変動の変動パターンに応じた処理(中断処理、強制停止(破棄)処理)を実行するように構成している点で相違している。
小当たり処理8(S1972)が実行されると、まず、今回の第1特別図柄変動に対して設定されている小当たり種別を読み出し(S1682)、読み出した小当たり種別が「小当たりA又は小当たりC」であるかを判別する(S1981)。「小当たりA」又は「小当たりC」であると判別した場合は(S1981:Yes)、現在が特図2変動中(第2特別図柄変動中)であるかを判別し(S1684)、特図2変動中であると判別した場合は(S1684:Yes)、第2特別図柄変動が中断(仮停止)することを示す特図2仮停止フラグをオンに設定し(S1685)、特図2仮停止フラグのオンを示す特図2仮停止コマンドを設定し(S1686)、本処理を終了する。S1684の処理において、特図2変動中では無いと判別した場合は(S1684:No)、S1685,S1686の処理をスキップして本処理を終了する。
一方、S1981の処理において、「小当たりA」又は「小当たりC」では無いと判別した場合は(S1981:No)、次に、読み出した小当たり種別が「小当たりE8」であるかを判別し(S1982)、「小当たりE8」であると判別した場合は(S1982:Yes)、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が確変状態中(普通図柄の高確率状態中)であるかを判別する(S1688)。現在が確変状態中であると判別した場合(S1688:Yes)は、次に、時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されているかを判別し(S1689)、時短終了待機フラグ203dmがオンでは無いと判別した場合(S1689:No)、即ち、確変状態の最終変動では無いと判別した場合は、時短終了待機フラグ203dmをオンに設定する(S1690)。
次に、特殊変動フラグ203gaがオンに設定されているかを判別し(S1983)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、実行中の第2特別図柄変動に設定されている変動パターンが30秒以上の変動時間の変動パターンでは無い、或いは、第2特別図柄変動が実行されていない場合は(S1983:No)、上述したS1684に移行する。また、S1688の処理にて時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い、即ち、現在が確変状態中では無いと判別した場合(S1688:No)、或いは、S1689の処理において時短終了待機フラグ203dmがオンに設定されている、即ち、確変状態の最終変動であると判別した場合は(S1689:Yes)、S1690の処理をスキップして、上述したS1684の処理へ移行する。一方で、S1983の処理において特殊変動フラグ203gaがオンに設定されていると判別した場合は(S1983:Yes)、S1692の処理へ移行する。また、S1982の処理で、「小当たりE8」では無いと判別した場合、即ち、「小当たりB8」又は「小当たりD8」であると判別した場合は(S1982:No)、S1688〜S1690の処理をスキップしてS1983の処理へ移行する。
S1692〜S1697の処理では、上述した第7実施形態の小当たり処理(図182のS1671参照)と同様の処理を、処理対象を第2特別図柄から第1特別図柄へと切り替えて実行し、その後、特殊変動フラグ203gaをオフに設定し(S1184)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第8実施形態では、小当たり遊技が実行される場合に(実行中の特別図柄変動に対して特殊処理を実行する場合に)、実行中の特別図柄変動の内容に応じて処理内容を決定するように構成している。より具体的には、一方の特別図柄抽選に基づいて小当たり遊技が実行される時点(小当たり当選を示す特別図柄が停止表示される時点)において、実行中の他方の特別図柄変動の変動パターンを判別し、その判別結果が特定の変動パターン(例えば、30秒以上の変動時間が設定されている変動パターン)である場合には、実行中の他方の特別図柄変動を破棄し、特定の変動パターン以外である場合には、実行中の他方の特別図柄変動を中断させることができるように構成している。つまり、実行中の特別図柄変動に対して特殊処理を実行する特定条件が成立した場合に、実行中の特別図柄の変動パターン(変動時間)を参照して特殊処理の処理内容を決定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定されている遊技状態に応じて特定条件が成立した場合に決定される特殊処理の内容を異ならせても良い。具体的には、通常状態が設定されている場合は、特定条件が成立したとしても、特殊処理として「中断」のみが決定され、確変状態が設定されている場合には、上述した第8実施形態と同様に、「中断」或いは「破棄」が設定されるように構成しても良い。このように設定されている遊技状態に応じて特殊処理の決定内容を異ならせることにより、各遊技状態における遊技性に多様性を持たせることができる。
また、特定条件が成立した特別図柄の種別に応じて、決定される特殊処理の内容を異ならせても良く、例えば、第1特別図柄にて特定条件が成立した場合よりも、第2特別図柄にて特定条件が成立した場合のほうが、「破棄」が決定され易くなるように構成しても良い。具体的には、第1特別図柄抽選のほうが第2特別図柄抽選よりも特定条件が成立し難くなるように(小当たり当選し難くなるように)構成しても良いし、特定条件が成立した場合において、「破棄」が決定される条件(第8実施形態では、実行中の変動パターンが30秒以上)を、第1特別図柄にて特定条件が成立した場合のほうが第2特別図柄にて特定条件が成立した場合よりも成立し難い条件(例えば、実行中の変動パターンが32秒以上)となるように構成しても良い。これにより、何れの特別図柄種別で特定条件が成立したかによって、特殊処理の内容を異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、実行中の特別図柄変動に対して特殊処理を実行する特定条件が成立した場合に、実行中の特別図柄の変動パターン(変動時間)を参照して特殊処理の処理内容を決定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、実行中の特別図柄変動の抽選結果が特定の抽選結果である場合は、実行中の特別図柄変動が「破棄」されないように構成しても良いし、実行中の特別図柄変動の抽選結果が大当たりの場合、小当たりの場合、外れの場合で、「破棄」が決定される条件(第8実施形態では、実行中の変動パターンが30秒以上)を異ならせても良い。このように構成することで、特別図柄抽選の抽選結果に応じて、「破棄」のし易さを異ならせることができるため、設計思想に適した遊技を容易に実行させることができる。
さらに、本第8実施形態では、大当たり当選した特別図柄変動(大当たり変動)の変動パターンとして、遊技者に有利な大当たり遊技(例えば、確変大当たり)が実行される有利大当たり種別と、遊技者に不利な大当たり遊技(例えば、通常大当たり)が実行される不利大当たり種別と、で異なる変動パターンが選択されるように構成しており、さらに、特別図柄の保留球数に応じて選択される変動パターンを異ならせるように構成している。
より具体的には、特別図柄の保留球数が多い場合には、特別図柄の保留球数が少ない場合よりも、有利大当たり種別に対応する変動パターンとして30秒未満の変動時間が設定される変動パターンが選択され易く構成し、不利大当たり種別に対応する変動パターンとして30秒以上の変動時間が設定される変動パターンが選択され易く構成している。
このように構成することで、特別図柄の保留球数が多い場合には、特別図柄の保留球数が少ない場合よりも、遊技者に有利な大当たり遊技(例えば、確変大当たり)が実行され易く(小当たり当選により破棄され難く)、且つ、遊技者に不利な大当たり遊技(例えば、通常大当たり)が実行され難く(小当たり当選により破棄され易く)することができる。つまり、特別図柄の保留球数に応じて、大当たり当選時における確変大当たりが占める割合を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、有利な大当たり遊技が実行されることを期待しながら意欲的に特別図柄の保留球数を貯めさせることができ、結果として遊技の稼働を向上させることができる。
また、本第8実施形態では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選との何れの抽選においても小当たり当選し得るように構成している点で上述した第7実施形態と相違している。このように構成することで、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選との何れか一方で大当たり当選した場合であっても、他方の小当たり当選によって大当たり当選を破棄することができるため、特別図柄の保留球数に応じて、大当たり当選時における確変大当たりが占める割合を確実に異ならせることができる。
上述した第8実施形態では、一方の特別図柄変動(例えば、第1特別図柄変動)に対して特殊処理(中断、或いは破棄)を実行する契機となる条件(特定条件)として、他方の特別図柄変動(例えば、第2特別図柄変動)にて特定の小当たりに当選した場合に成立する条件を示しているが、これ以外に特定条件を成立させる契機を設けても良く、例えば、球が特定の入球口に入球した場合に特定条件が成立するように構成しても良いし、パチンコ機10に対して供給させる電力が正常では無い状態(例えば、ノイズが発生し、一時的に電源が断される状態)であると判別した場合に特定条件が成立するように構成しても良い。また、遊技者が実行する遊技方法が不正な遊技方法(例えば、磁力を検出する磁気センサを設け、その磁気センサが磁力を検出した場合における遊技方法や、パチンコ機10に対する衝撃を検出する衝撃検知センサを設け、その衝撃検知センサが所定量の衝撃を検知した場合における遊技方法)を検知した場合に特定条件が成立するように構成しても良い。
また、上述した各実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定される場合(確変状態、時短状態が設定されている場合)において実行される特別図柄変動が破棄(強制停止)された場合に、破棄された特別図柄変動に応じて時短回数(確変回数)が加算されないように構成している。具体的には、確変状態が設定されている状態で特別図柄変動の回数が所定回数(例えば、50回)に到達した場合に、潜確状態が設定されるように構成された遊技機において、確変状態中に実行された特別図柄変動が破棄(強制停止)された場合には、時短回数(確変回数)が加算されないように構成している。このような構成を用いたパチンコ機10では、例えば、第3図柄表示装置81の表示面にて確変状態が終了するまでの時短回数(確変回数)を示すための表示態様(例えば、図161(a)の表示領域HR2に表示される値)も、時短回数に同期して表示態様が更新されないように構成している。よって、遊技者に対して、時短回数を更新させること無く特別図柄変動が破棄されたことを分かり易く報知することができる。なお、この場合において、例えば、第3図柄表示装置81の表示面に表示された時短回数(確変回数)を示すための表示態様を特別図柄変動の開始タイミングで更新するように構成しているパチンコ機10であれば、特別図柄変動が破棄されたことに基づいて、表示態様を復元(例えば、残時短回数を表示している場合であれば加算、経過した時短回数を表示している場合であれば減算)させる演出を実行すれば良い。
また、確変状態から潜確状態へと移行させるための移行条件(普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件(時短終了条件))として、複数の時短終了条件(例えば、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算回数が100回に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、第2特別図柄変動が5回実行された場合に成立する第2時短終了条件)を設定しているパチンコ機10であって、第3図柄表示装置81の表示面には、複数の時短終了条件のうち、最も成立し易い終了条件(例えば、第2特別図柄変動5回に対応する「5」)のみを表示することで、遊技者に遊技内容を分かり易く報知するように構成されたパチンコ機10であれば、確変状態が設定された直後に第1特別図柄変動が実行されたとしても、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される「5」の表示態様が更新されないように構成している。そして、確変状態が設定されてから第1特別図柄変動を95回実行した状態で、更に第1特別図柄変動を実行させた場合(96回目の第1特別図柄変動を実行させた場合)には、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される「5」の表示を「4」へと更新する表示制御を実行するように構成している。このように、確変(時短)状態中に特別図柄変動が実行される特別図柄種別に応じて、第3図柄表示装置81の表示面に表示される時短回数表示を更新するか否かを決定することで、確変状態が終了するまでの期間を遊技者に分かり易く報知することができる。
<第9実施形態>
次に、図216から図223を参照して、第9実施形態について説明をする。本第9実施形態は、上述した第7実施形態に対して、第2特別図柄に対しても保留記憶機能を設けた点と、潜確状態中(RUSH遊技中)に実行される演出(RUSH中演出)の演出態様を変更した点と、大当たり種別、小当たり種別、及び普通図柄の変動パターンを異ならせた点で大きく相違している。
上述した第7実施形態では、第3図柄表示装置81の表示面に特別図柄の保留記憶数を示すための特図保留数を表示するように構成していた(図161のdm1a参照)。また、近年の遊技機においては、特図保留数を遊技者に分かり易く示すために、特図保留数に対応した数の保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に表示するものがある。さらに、保留記憶されている特別図柄の入賞情報に対して先読み処理(事前判別処理)を実行し、その先読み結果(事前判別結果)を、対応する保留図柄の表示態様を可変(例えば、保留図柄の色やエフェクトを変更、又は保留図柄のデザインを変更)させることで遊技者に報知する保留変化演出を実行するものがある。
しかしながら、上述した保留変化演出は、獲得している特図保留球の数に応じて保留変化演出の対象となる保留図柄数が決定されるため、特図保留球数が少ない場合には、特図保留球数が多い場合よりも保留変化演出が実行され難くなる。つまり、獲得している特図保留球数に応じて第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄を用いた演出を実行する以上、獲得している特図保留球の数に応じて先読み結果(事前判別結果)を遊技者に報知する先読み演出(保留変化演出)の演出効果が可変されてしまうため、例えば、特図保留球を多く獲得することが出来ない遊技者に対しては、特図保留球を多く獲得出来ないことに対する不満感と、先読み演出の演出効果が低下するという不満感とを与えることになり遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、保留記憶されている特別図柄の入賞情報に対して実行された先読み処理(事前判別処理)の結果に応じて、獲得している特図保留球の数に関わらず、特定図柄(第3図柄表示装置81の表示面に表示される専用アイコン)の数を可変させる先読み演出(アイコン演出)を実行するように構成している。これにより、獲得している特図保留球数が少ない場合であっても、先読み結果に応じて、獲得している特図保留球数が上限である場合と同様の先読み演出を実行することが可能となる。よって、特図保留球を多く獲得することが出来ない遊技者に対しても、演出効果の高い先読み演出を提供することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、上述したアイコン演出において表示される特定図柄の数の上限値が、保留記憶可能な特図保留球数(潜確状態中に主として実行される第2特別図柄の保留記憶数)の上限値(4)となるように構成し、獲得している特図保留球数を示すための保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に表示しない(遊技者が判別し難いように表示する)ように構成している。このように構成することで、遊技者に対してアイコン演出にて表示される特定図柄が、あたかも特図保留球数(潜確状態中に主として実行される第2特別図柄の保留記憶数)を示すための保留図柄であると思わせることができる。特図保留球を多く獲得することが出来ない遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では先読み結果が特定の結果(例えば、潜確状態が設定される大当たり)である場合に、アイコン演出にて表示される特定図柄の数が保留記憶可能な特図保留球数(潜確状態中に主として実行される第2特別図柄の保留記憶数)の上限値(4)よりも多くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対してアイコン演出にて表示される特定図柄が、保留図柄であると錯覚していた遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
また、本実施形態では、保留記憶されている特別図柄の入賞情報に対して実行された先読み処理(事前判別処理)の結果として、小当たり遊技にて開放動作されるアタッカの開放回数を判別し、その判別結果に基づいて特定図柄の表示数を決定するように構成している。そして、当選した小当たりの種別に応じて1回の小当たり遊技におけるアタッカの開放回数を異ならせるように構成している。さらに、大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の一部として、小当たり遊技と同一のアタッカ開放動作が実行されるように構成している。
このように構成することにより、アイコン演出として表示される特定図柄の数に基づいて、遊技者に対して今後実行される小当たり遊技の回数を予測させることができる。また、本実施形態では、特定図柄が表示されている期間が、潜確状態(RUSH遊技)が終了しない期間であることを遊技者に報知するように構成している。即ち、大当たり遊技の終了時に特定図柄が1つでも残っている場合は、その大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定されることを事前に報知することになる。よって、特定図柄の数が可変される度に遊技者がアイコン演出に注視することになるため演出効果を高めることができる。
<第9実施形態における演出内容について>
次に、図216から図219を参照して、本第9実施形態のパチンコ機10にて実行される演出内容のうち、特徴的な演出内容について説明をする。具体的には、潜確状態中(RUSH遊技中)に実行される特定図柄を可変表示させるアイコン演出の内容について説明をする。このアイコン演出は、獲得済みの第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)に対する先読み結果に基づいて、特定図柄(アイコン)の数を可変表示させる演出である。
まず、図216(a)を参照して、直後に潜確状態(RUSH遊技)が設定される大当たり遊技のエンディング画面の表示内容について説明をする。図216(a)は、RUSH遊技突入前の大当たり遊技におけるエンディング期間中に表示されるエンディング画面の一例を示した模式図である。本第9実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、潜確状態が設定されていない状態で潜確大当たり(大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される大当たり)に当選した場合、即ち、RUSH遊技に突入する初当たり時と、潜確状態が設定されている状態で潜確大当たりに当選した場合とで、そのエンディング期間中に表示される演出態様を異ならせるように構成している。
RUSH遊技に突入する初当たり時のエンディング期間中には、図216(a)に示した通り、主表示領域Dmの左側に表示領域71が形成され、中央部に表示領域HR70が形成される。そして、表示領域HR70には、人参を模したアイコン871と獲得数情報872(図216(a)では4)とが表示される。そして、副表示領域Dsには「アイコンがあるうちは、RUSHが続くよ」の文字が表示される。
本実施形態では、RUSH遊技が実行されると、アイコン871が第3図柄表示装置81の表示面に表示され、そのアイコン871の表示数及び、表示態様に基づいてRUSH遊技中に実行される遊技の内容を遊技者に示唆するように構成している。このアイコン871は、RUSH遊技中に主として実行される第2特別図柄に関する情報(抽選情報、先読み情報)に基づいて、表示数や表示態様が可変設定されるように構成している。
上述した通り、RUSH遊技中にアイコン演出が実行されるように構成された本実施形態では、RUSH遊技に突入する契機となる大当たり遊技のエンディング期間中に図216(a)に示したアイコン演出初期表示画面が表示され、その時点における第2特別図柄の保留球数、及び、先読み結果に関わらず、アイコン871が4個表示されるように構成している。これにより、どのような状態でRUSH遊技が実行されたとしても、RUSH遊技突入時におけるアイコン演出の演出態様を同一にすることができるため、RUSH遊技が開始される時点におけるアイコン演出の演出態様によって遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、アイコン演出の開始時に、アイコン871を4個表示させるように構成しているが、これに限ること無く、アイコン演出の開始時に特定開始条件が成立している場合、例えば、第2特別図柄の保留球に対する先読み結果に遊技者に有利な大当たり(潜確状態が再度設定される潜確大当たり)が存在する場合に、アイコン演出の開始時において表示されるアイコン871の数が4個以外となるように構成しても良く、この場合、4個よりも少ない数のアイコン871を表示させるように構成すると良い。
RUSH遊技が開始されると、表示領域HR70に表示されたアイコン871が、表示領域HR71に保留アイコン873として表示され、その保留アイコン873と、ウサギを模したキャラクタ811とを用いた演出が主表示領域Dmにて実行される。図216(b)に示した通り、本実施形態では、保留アイコン873の上限表示数を、RUSH遊技中に主として抽選が実行される第2特別図柄の保留上限数と同一に構成している。よって、表示領域HR71には、最大で4個の保留アイコン873a〜873dが表示される。
保留アイコン873a〜873dは、表示領域HRの上から順に第1保留アイコン873a、第2保留アイコン873b、第3保留アイコン873c、第4保留アイコン873dが表示され、第1保留アイコン873aから順に演出に用いられる。そして、演出に用いるために第1保留アイコン873aが表示領域HR71から削除されると、残った第2保留アイコン873b〜第4保留アイコン873dがそれぞれ一つ前の順番の保留アイコンへとシフト表示される。また、新たな保留アイコンを獲得した場合には、既に表示されている保留アイコンの後の順番に追加表示される。
本実施形態では、RUSH遊技中において実行される小当たり遊技、より具体的には、第2アタッカ1650の開放回数を先読みし、その先読み結果に基づいて保留アイコンの数を決定するように構成している。そして、当選した小当たり種別に応じて小当たり遊技にて第2アタッカ1650の開放回数を異ならせており、さらに、大当たり当選した場合にも、当選した大当たりの大当たり種別の一部にて第2アタッカ1650を所定回数開放させる大当たり遊技が実行されるように構成している。
つまり、例えば、獲得済みの特図2保留球数が2個である場合でも、その2個の特図2保留球に対する先読み(事前判別)結果として第2アタッカ1650の開放回数が4回である場合には、保留アイコンの表示数として4個を設定することができるように構成している。このように構成することで、実際に獲得している特図2保留球数に関わらず、保留アイコンの表示数を決定することができるため、特図2保留球を多く獲得出来ていない状態であっても、興趣に富んだアイコン演出を実行することができる。
次に、図217(a)を参照してRUSH遊技中におけるアイコン演出のうち、保留アイコンを消費する演出内容について説明をする。図217(a)は、RUSH遊技中に小当たり遊技が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図217(a)に示した通り、小当たり遊技が実行されると、キャラクタ811が保留アイコン873aを食べる消化演出が実行されると共に、小当たり遊技にて獲得した賞球を示す賞球表示態様874が表示される。図217(a)に示した例では、第2アタッカ1650に球が1個入賞し、15球の賞球があったことを示す「+15」の表示態様で賞球表示態様874が表示されている。また、副表示領域Dsには「いただきます」の文字が表示され、キャラクタ811が保留アイコン873aを食べる演出が実行されることを遊技者に分かり易く報知している。
なお、図217(a)では、第2アタッカ1650の開放回数が1回の小当たり遊技が実行される場合を例に消化演出中に表示される表示画面の説明をしたため、キャラクタ811が手に取る保留アイコン873aの数が1つであるが、例えば、第2アタッカ1650の開放回数が2回の小当たり遊技が実行される場合には、キャラクタ811が2つの保留アイコンを食べる消化演出が実行される。詳細な説明は後述するが、本実施形態では、一部の小当たり遊技、或いは、一部の大当たり遊技において、第2アタッカ1650を複数回開放させる当たり遊技が実行されるように構成しており、小当たり遊技よりも大当たり遊技のほうが第2アタッカ1650が開放される回数が多くなるように構成している。
つまり、図217(a)に示した演出として、キャラクタ811が複数個の保留アイコンを食べる演出が実行されたほうが、大当たり当選に対する期待度を高めることができる。このように構成することで、RUSH遊技中に実行されるアイコン演出のうち、保留アイコンを消費(保留アイコン数を減少)させる演出の内容についても遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本実施形態では、小当たり遊技において開放動作される第2アタッカ1650の開放動作態様と、大当たり遊技において開放動作される第2アタッカ1650の開放動作態様と、が同一となるように構成している。よって、当たり遊技中に実行される第2アタッカ1650の開放動作内容を把握することで、今回の当たり遊技の種別(小当たり遊技、大当たり遊技)が遊技者に判別されてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、1回の消化演出にてキャラクタ811が食べる数、即ち、実行中の小当たり遊技における第2アタッカ1650の開放回数に対応した数の保留アイコン873を表示しているが、これに限ること無く、例えば、消化演出の終了タイミングにて消化演出に用いた保留アイコンが残る演出、即ち、小当たり遊技にて第2アタッカ1650が開放される開放回数よりも多い数の保留アイコンを用いた消化演出を実行しても良い。このように構成することで、消化演出の開始時点において表示される保留アイコン数を多くすることができるため、遊技者に対して大当たり当選への期待感を高めさせることができる。
また、消化演出の実行期間中に、消化演出で用いられる保留アイコンの数を可変させるように構成しても良い。これにより、どのタイミングで保留アイコンの数を増加させることができるため、大当たり期待度の低いアイコン演出が実行された場合であっても、その消化演出期間中の演出に用いられる保留アイコンの数が消化演出期間中に増加することを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図217(b)を参照して、RUSH遊技中に実行されるアイコン演出として、複数の保留アイコンを獲得したことを示す獲得演出の演出内容について説明をする。図217(b)は、RUSH遊技中に実行されるアイコン演出として、複数の保留アイコンを獲得したことを示す獲得演出にて表示される表示画面の一例を示した図である。本実施形態では、上述した第7実施形態のRUSH遊技中に実行される演出(図162(b)参照)と同様に、キャラクタ811が宝箱812を開放する演出が実行される。そして、その宝箱の中から保留アイコンが所定個数(1〜3個)表示される獲得演出を実行するように構成している。
図217(b)に示した通り、RUSH遊技中に表示される宝箱812が開き、表示領域HR70には、人参を模したアイコン871と獲得数情報872(図217(b)では3)とが表示される。そして、副表示領域Dsには「人参ゲット」の文字が表示され、保留アイコンの表示数が増加したことを遊技者に報知する演出が実行される。
上述した通り、本実施形態のアイコン演出では、RUSH遊技が継続する間、保留アイコンが0にならないように保留アイコンの表示数を制御しており、様々なタイミングで保留アイコンを増加させるための獲得演出を実行可能に構成している。そして、1回の獲得演出にて獲得するアイコン871の数が多いほど、遊技者に有利な遊技が実行されることを示唆するように構成している。また、本実施形態では、特図2保留球数の増加タイミングとは異なるタイミングで保留アイコンの表示数を増加させることができるように構成している。
次に、図218(a)を参照して、アイコン演出中に実行される連続演出の内容について説明をする。図218(a)は、アイコン演出中に実行される連続演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。本実施形態では、第2特別図柄の変動開始時に所定条件を満たしている場合において、連続演出を実行可能に構成している。この連続演出は、1回の第2特別図柄変動の変動期間に対して実行されるパターンと、複数の第2特別図柄変動に跨がって実行されるパターンとがあり、表示されている保留アイコンを全て用いた演出が実行される。
具体的には、本実施形態では、保留アイコンが4個(上限数)表示されている場合に連続演出が実行され得るように構成しており、連続演出が実行されると、図218(a)に示した通り、表示領域HR71に表示されていた4個の保留アイコン(873a〜873d)が主表示領域Dmの中央部に一列に表示され、キャラクタ811が第1保留アイコン873aから順に食べる演出が実行される。そして、最後の保留アイコン873dの後ろには大当たり当選(遊技者に有利な大当たり種別の大当たり当選)を示すVアイコン873yが表示される。さらに、副表示領域Dsには、連続演出の演出内容を遊技者に示すための「人参を食べ切れ!!中からお宝がでるかも」の文字が表示される。
つまり、連続演出が実行された場合は、保留アイコンを全て消化し大当たり当選するか、保留アイコンを消化しきれず、RUSH遊技が継続するかを示唆することになる。さらに、図218(b)に示した通り、連続演出実行中であって、最後の保留アイコンを消化するまでの状態で消化中の保留アイコンの中からVアイコン873zが表示される場合もある。
ここで、図218(b)を参照して、連続演出中にVアイコン873zが表示される場合の演出内容について説明をする。図218(b)は、連続演出中に保留アイコンを全て消化すること無く、Vアイコン873zを獲得した場合の表示画面の一例を示した図である。図218(b)に示した通り、第3保留アイコン873cを消化している際中(食べている際中)に、第3保留アイコン873cの中からVアイコン873zを発見する演出が実行される。この場合、第4保留アイコン873dが消化されていないため、表示領域HR71に第4保留アイコン873dが表示される。この状態で大当たり遊技が開始されると、保留アイコンが表示されたまま大当たり遊技が実行されることになるため、この時点で大当たり遊技終了後に再度潜確状態(RUSH遊技)が実行されることを遊技者に報知することになる。
次に、図219を参照して、アイコン演出中において通常の保留アイコンとは異なる特殊アイコンが表示される演出の内容について説明をする。図219は、アイコン演出中に特殊アイコンが表示される場合の表示画面の一例を示した模式図である。詳細は後述するが、本実施形態では、特図2保留球数と、先読みして算出した第2アタッカ1650の開放回数と、に基づいて表示可能な保留アイコン数を算出するように構成している。
そして、表示可能な保留アイコン数が所定数以上(例えば、4個以上)、即ち、表示上限数を超えた場合に、特殊アイコンを表示するように構成している。そして、実行中の第2特別図柄変動や第2特別図柄の先読み結果に遊技者に有利な大当たり当選が含まれている場合に、表示可能な保留アイコン数が所定数を超え易くなるように構成している。
図219に示した通り、表示可能な保留アイコン数が所定数以上と算出された場合には、獲得演出にて豪華な人参を模した特殊アイコン873xが宝箱812の中から現れる特殊アイコン演出が実行され、副表示領域Dsにて、今回獲得したアイコンが特殊アイコンであることを遊技者に示すための「ラッキー、SP人参ゲット」の文字が表示される。なお、本実施形態では、表示領域HR71に同時に表示可能なアイコン数が、第2特別図柄の保留球数の上限数である4個に規定しているため、表示可能な保留アイコンの数が4個を超えた場合に、特殊アイコンを表示することで表示領域HR71に同時に表示されるアイコン数の上限を維持した状態で遊技者に対して大当たりへの期待度を高めた演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、表示可能な保留アイコンの数が4個を超えた場合(特殊条件が成立した場合)に、表示領域HR71に同時に表示可能な保留アイコンの上限数を第2特別図柄の保留球数の上限数よりも多くするように構成しても良い。このように構成することで、保留アイコンが第2特別図柄の保留球数を示していると認識していた遊技者に対して、第2特別図柄の保留球数の上限数を超える数の保留アイコンが表示されることで意外性のある演出を実行することができる。さらに、第2特別図柄の保留球数の上限数を超える数の保留アイコンが表示された場合に大当たり当選の期待度を高めることができるため、大当たり期待度の高い演出を遊技者に対して意外性のある演出を用いて実行することができる。
以上、図216〜図219を用いて、本第9実施形態にて実行される特徴的な演出(アイコン演出)中に実行される様々な演出画面について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、RUSH遊技が実行されている状態で、特図2保留数が0個になった場合には、保留アイコンを1個以上表示させておき、特別図柄抽選の結果に関わることの無い、保留アイコンを用いた疑似変動演出を実行するように構成しても良いし、保留アイコンを非表示にするように構成しても良い。
また、本実施形態では、保留アイコンの表示態様として、通常の人参を模した表示態様(図217(a)の保留アイコン873a参照)と、豪華な人参を模した表示態様(図219の特殊アイコン873x参照)と、を設定可能に構成しているが、これ以外の表示態様を設定可能に構成しても良く、例えば、小当たり、大当たりの何れかに対応する第1表示態様と、大当たりに対応する第2表示態様と、特定の大当たりに対応する第3表示態様と、を設定可能に構成しても良い。また、一度に大量の保留アイコンを追加表示させるために、大量の保留アイコンを一度に消化させる減少演出を実行するように構成しても良い。
<第9実施形態における電気的構成について>
次に、図220〜図223を参照して、本第9実施形態における電気的構成について説明をする。本第9実施形態では、上述した第7実施形態に対して、主制御装置110のROM202の一部構成と、音声ランプ制御装置113のROM222の一部構成と、RAM223の一部構成とが相違している。それ以外は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図220を参照して、本第9実施形態における主制御装置110のROM202が有する大当たり種別選択9テーブル202hdの内容について説明をする。図220は、大当たり種別選択9テーブル202hdの内容を模式的に示した模式図である。この大当たり種別選択9テーブル202hdは、上述した第7実施形態における大当たり種別選択7テーブル202fd(図169参照)に対して、第1特別図柄(特図1)に対応付けられている大当たり種別(大当たりA〜C)に対して規定されている大当たり動作の開放対象と、大当たり遊技終了後に設定される時短カウンタ203hの値とを異ならせ、第2特別図柄(特図2)に対応付けられている大当たり種別の種類を増加させた点で相違しており、それ以外は同一である。
具体的には、図220に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜34」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA9」が対応付けて規定されている。この「大当たりA9」は、上述した第7実施形態の「大当たりA7」と同一の大当たり種別であるため、その詳細な内容の説明を省略する。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「35〜79」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB9」が対応付けて規定されている。この「大当たりB9」は、上述した第7実施形態の「大当たりB7」に対して、大当たり遊技終了後に設定される時短カウンタ203hの値を変更した点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、通常状態において「大当たりB9」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変状態において「大当たりB9」に当選した場合には、時短カウンタ203hの値に50が設定される。一方、潜確状態において「大当たり9」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
即ち、通常状態、或いは確変状態において「大当たりB9」に当選すると、比較的有利な確変状態へと移行する。これに対し、潜確状態において「大当たりB9」に当選した場合は、時短回数が0に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態となる。また、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合であっても、通常状態で「大当たりB9」に当選した場合よりも、確変状態で「大当たりB9」に当選した場合のほうが遊技者に有利な確変状態が設定されるように、通常状態で当選した場合よりも確変状態で当選した場合のほうが、確変回数が少なくなるように構成している。
このように構成することで、初期の遊技状態である通常状態から異なる遊技状態へと移行することで遊技者に最も有利な遊技状態へと移行し易くさせることができるため、遊技者に対して最も有利な遊技状態を目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
また、図220に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC9」が対応付けて規定されている。この「大当たりC9」は、上述した第7実施形態の「大当たりC7」に対して、大当たり遊技終了後に設定される時短カウンタ203hの値を変更した点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、通常状態、確変状態および潜確状態において「大当たりC9」に当選した場合、即ち、「大当たりC9」に当選した場合は、設定されている遊技状態に関わらず、時短カウンタ203hの値に0が設定される。即ち、「大当たりC9」に当選した場合には、その大当たり遊技終了後に遊技者に最も有利な遊技状態(潜確状態)が必ず設定される遊技者に最も有利な大当たり種別となる。なお、潜確状態が設定されている状態では、「大当たりB9」と「大当たりC9」との価値が同一となる。
以上、説明をした通り、本実施形態では、第1特別図柄抽選で大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、遊技者に最も有利となる遊技状態(潜確状態)へと移行する割合を、通常状態、及び確変状態が設定されている場合と、潜確状態が設定されている場合とで異なるように構成し、通常状態、確変状態中は20%、潜確状態中は65%の割合で、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されるように構成している。
また、上述した通り、潜確状態への移行割合が20%に設定される通常状態、及び確変状態は、共に45%の割合で確変状態へと移行するように構成しているが、確変状態へと移行した場合における潜確状態への移行期待度が異なるように構成している。このように構成することで、大当たり当選時に設定されている遊技状態として複数の遊技状態に対して大当たり遊技の終了後に遊技者に最も有利な遊技状態(潜確状態)へと移行する移行割合を同一に設定したとしても、大当たり当選時に設定されている遊技状態毎に潜確状態への移行期待度を異ならせることができる。
次に、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に選択される大当たり種別について説明をする。図220に示した通り、本第9実施形態では、第2特別図柄(特図2)に対応付けた大当たり種別が4種類(大当たりD9〜G9)規定されており、選択される大当たり種別に応じて大当たり遊技の開放動作内容を異ならせている。
具体的には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜34」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD9」が対応付けて規定されている。この「大当たりD9」は、上述した第7実施形態の「大当たりD7」と同一内容が規定されている大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が「35〜69」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE9」が対応付けて規定されている。この「大当たりE9」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態、確変状態、および潜確状態において「大当たりE9」に当選した場合、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
即ち、「大当たりC9」に当選した場合は、設定されている遊技状態に関わらず、時短カウンタ203hの値に0が設定される。即ち、「大当たりC9」に当選した場合には、その大当たり遊技終了後に遊技者に最も有利な遊技状態(潜確状態)が必ず設定される遊技者に最も有利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE9」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が35個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE9」が決定される割合は35%(35/100)である。
第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF9」が対応付けて規定されている。この「大当たりF9」は、大当たりのラウンド数が9ラウンドであり、1ラウンド(R)目は、第2アタッカ1650が1.5秒開放し、2ラウンド(R)目から9ラウンド(R)目まで、第1アタッカ650が30秒間開放する大当たり遊技が実行され、その大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される種別の大当たり(9ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態、確変状態、および潜確状態において「大当たりF9」に当選した場合、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
上述した通り、「大当たりF9」に当選した場合は、最初の1ラウンド目として小当たり遊技と同一の開放動作が実行される。つまり、第2特別図柄の先読みにおいて、大当たり当選に加え、第2アタッカ1650の開放回数1回が算出されることになる。これにより、第2アタッカ1650の開放回数(小当たり遊技の開放回数)に基づいて保留アイコンの表示数を決定するアイコン演出において、小当たり当選を示唆するパターンと、大当たり当選を示唆するパターンとを遊技者に分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。また、「大当たりF9」では、第1アタッカ650の開放回数が上述した「大当たりE9」と同一となるように、9ラウンドの大当たり遊技が規定されている。このように構成することで、第1アタッカ650の開放動作回数に基づいて選択された大当たり種別が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、1ラウンド(R)目に小当たり遊技と同一の開放動作を実行し、2ラウンド(R)目以降に実際の大当たり遊技を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、「大当たりF9」に当選した場合も、8ラウンド(R)の大当たり遊技が実行されるようにし、1ラウンド(R)目に第2アタッカ1650を1.5秒開放させる開放動作と、第1アタッカ650を28.5秒開放させる開放動作と、を実行するように構成しても良い。このように構成することで、実行される大当たり遊技のラウンド数を統一することができるため、例えば、第1図柄表示装置37に実行中の大当たり遊技のラウンド数を報知する報知手段(例えば、LEDランプの点灯によりラウンド数を報知する手段)を設けた場合に、報知手段により報知するラウンド数の種類を減らすことができ、パチンコ機10の製造コストを削減することができる。また、報知手段の報知内容に基づいて遊技者に大当たり種別を把握されてしまうことを抑制することができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりG9」が対応付けて規定されている。この「大当たりG9」は、大当たりのラウンド数が11ラウンドであり、1〜3ラウンド(R)目は、第2アタッカ1650が1.5秒開放し、4ラウンド(R)目から11ラウンド(R)目まで、第1アタッカ650が30秒間開放する大当たり遊技が実行され、その大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される種別の大当たり(11ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態、確変状態、および潜確状態において「大当たりG9」に当選した場合、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
上述した通り、「大当たりG9」に当選した場合は、1〜3ラウンド目として小当たり遊技と同一の開放動作が実行される。つまり、第2特別図柄の先読みにおいて、大当たり当選に加え、第2アタッカ1650の開放回数3回が算出されることになる。これにより、第2アタッカ1650の開放回数(小当たり遊技の開放回数)に基づいて保留アイコンの表示数を決定するアイコン演出において、小当たり当選を示唆するパターンと、大当たり当選を示唆するパターンとを遊技者に分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。加えて、第2特別図柄抽選1回の抽選結果として第2アタッカ1650の開放回数3回が算出されるため、特図2保留球数が少ない場合であっても、第2アタッカ1650の開放回数を多く算出することができ、アイコン演出の演出態様を多様化させることができる。また、「大当たりG9」では、第1アタッカ650の開放回数が上述した「大当たりE9」と同一となるように、11ラウンドの大当たり遊技が規定されている。このように構成することで、第1アタッカ650の開放動作回数に基づいて選択された大当たり種別が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、1ラウンド(R)目〜3ラウンド(R)目に小当たり遊技と同一の開放動作を実行し、4ラウンド(R)目以降に実際の大当たり遊技を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、「大当たりG9」に当選した場合も、8ラウンド(R)の大当たり遊技が実行されるようにし、1ラウンド(R)目に第2アタッカ1650を1.5秒開放させる開放動作を3回実行し、その後、第1アタッカ650を25.5秒開放させる開放動作を実行するように構成しても良い。このように構成することで、実行される大当たり遊技のラウンド数を統一することができるため、例えば、第1図柄表示装置37に実行中の大当たり遊技のラウンド数を報知する報知手段(例えば、LEDランプの点灯によりラウンド数を報知する手段)を設けた場合に、報知手段により報知するラウンド数の種類を減らすことができ、パチンコ機10の製造コストを削減することができる。また、報知手段の報知内容に基づいて遊技者に大当たり種別を把握されてしまうことを抑制することができる。
次に、図221(a)を参照して、小当たり種別選択9テーブル202hfの内容について説明をする。図221(a)は、小当たり種別選択9テーブル202hfの内容を示した模式図である。図221(a)に示した通り、小当たり種別選択9テーブル202hfは、上述した第7実施形態の小当たり種別選択7テーブル202ffに対して、小当たり種別の種類を増加させた点と、各小当たり種別に対して規定されている小当たり動作内容(小当たり遊技の開放動作内容)、及び、小当たり遊技が実行される場合に実行される第1特別図柄変動への処理内容を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
この小当たり種別選択9テーブル202hfは、上述した小当たり種別選択7テーブル202ffと同じく特別図柄抽選で小当たり当選した後、小当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルであって、取得した小当たり種別カウンタC5の値に対応させて「小当たりA9」〜「小当たりD9」の4種類の小当たり種別が選択されるよう規定されている。
特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、選択された小当たり種別に応じて、小当たり動作内容、実行中の特別図柄変動に対する処理内容を異ならせることができるように構成している。なお、本実施形態では、何れの小当たり種別が選択された場合も、実行中の特別図柄変動に対して中断処理を実行するように構成している。この中断処理は、実行中の特別図柄変動の変動時間を減算する処理を一時的に(例えば、小当たり遊技が終了するまで)中断させる処理である。この中断処理については、上述した第7実施形態と同一内容であるためその詳細な説明を省略する。
小当たり種別選択7テーブル202ffに規定されている内容について具体的に説明をすると、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜59」の範囲には、「小当たりA9」が対応付けられており、「60〜79」の範囲には「小当たりB9」が対応付けられており、「80〜89」の範囲には「小当たりC9」が対応付けられており、「90〜99」の範囲には「小当たりD9」が対応付けられている。小当たり種別カウンタC5の取り得る値の範囲は「0〜99」の100個であることから、小当たり当選時において「小当たりA9」が選択される割合は60%(60/100)、「小当たりB9」が選択される割合は20%(20/100)、「小当たりC9」が選択される割合は10%(10/100)、「小当たりD9」が選択される割合は10%(10/100)となるように構成している。
「小当たりA9」が選択された場合は、可変入賞装置(第1アタッカ650)を1.5秒間開放させる小当たり遊技が実行され、「小当たりB9」が選択された場合は、右可変入賞装置(第2アタッカ)2650を0.5秒間開放させる小当たり遊技が実行され、「小当たりC9」が選択された場合は、右可変入賞装置(第2アタッカ)2650の0.5秒開放を2回実行させる小当たり遊技が実行され、「小当たりC9」が選択された場合は、右可変入賞装置(第2アタッカ)2650の0.5秒開放を3回実行させる小当たり遊技が実行されるように規定している。
つまり、本実施形態では、小当たり当選した場合に選択される小当たり種別に応じて、主として大当たり遊技中に開放動作される第1アタッカ650を開放させる小当たり遊技と、主として小当たり遊技中に開放動作される第2アタッカ2650を開放させる小当たり遊技と、を実行可能に構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行された直後に、大当たり遊技が実行されたのでは?と遊技者に思わせることができる。なお、上述した通り、本実施形態では、潜確状態中において保留アイコンが表示されている状態で大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に再度潜確状態が設定されるようにアイコン演出が実行される。よって、保留アイコンが表示されている状態で「小当たりA」に当選すると、第1アタッカ650が開放された時点で有利な大当たり遊技が実行されたのではと遊技者に一喜一憂させることができる。
また、「小当たりB9」〜「小当たりD9」が選択された場合には、第2アタッカ1650が開放動作される小当たり遊技が実行されるが、選択される小当たり種別毎に第2アタッカ1650の開放回数を異ならせている。つまり、1回の特別図柄抽選に対して算出される第2アタッカ1650の開放回数を異ならせることができるように構成している。これにより、アイコン演出にて保留アイコンの表示数を算出する際において、第2アタッカ1650の開放回数を、特図2保留球数、ひいては小当たり当選数に対して、大きく乖離させることが可能となる。よって、第2アタッカ1650の開放回数に基づいて決定される保留アイコンの表示数を、特図2保留球数と同期させること無く表示させ易くすることができる。
なお、本実施形態では、選択された小当たり種別に応じて、第1アタッカ650、或いは、第2アタッカ1650のうち何れかを開放動作させる小当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、1回の小当たり遊技にて、第1アタッカ650と、第2アタッカ1650と、を順に開放させる開放動作を設定しても良い。これにより、1回の小当たり遊技として実行される開放動作を、複数回の小当たり遊技が連続して実行されていると遊技者に思わせることができる。よって、1回の特別図柄抽選と第2アタッカ1650の開放回数との関係性をより分かり難くすることができる。
次に、図221(b)を参照して、普図変動パターン選択9テーブル202hgの内容について説明をする。図221(b)は、普図変動パターン選択9テーブル202hgの内容を模式的に示した模式図である。図221(b)に示した通り、普図変動パターン選択9テーブル202hgは、上述した第7実施形態の普図変動パターン選択テーブル202fgに対して、潜確状態中に選択される普通図柄の変動パターンを、通常状態中と同一にした点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については詳細な説明を省略する。
普図変動パターン選択9テーブル202hgに示した通り、本実施形態では、確変状態中は、第7実施形態同様に右打ち遊技によって発射された球が右電動役物164に入球するように構成している。一方、潜確状態中に右打ち遊技によって発射された球は上述した第7実施形態に比べて右電動役物164に入球難くなるように構成している。つまり、上述した第7実施形態では、潜確状態中であっても右電動役物164に球を入球させ第1特別図柄の保留球数を増加させ易くする遊技性であるのに対し、本第9実施形態では、そのような遊技性を有していないため、通常状態と同一の変動パターンが選択される。
次に、図222(a)を参照して、本第9実施形態の音声ランプ制御装置113が有するROM222の内容について説明をする。図222(a)は、第9実施形態におけるROM222の内容を模式的に示した模式図である。図222(a)に示した通り、本第9実施形態では、上述した第7実施形態の音声ランプ制御装置113のROM222に対して、アイコン表示数選択テーブル222haと、連続演出選択テーブル222hbと、を設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
アイコン表示数選択テーブル222haは、図216及び図217を参照して上述したアイコン演出において表示される保留アイコンの表示数を選択する際に参照されるデータテーブルであって、未表示情報格納エリア223hbに格納されている主制御装置110から受信した入賞情報コマンドに基づいて算出された第2アタッカ1650の開放回数に関する情報と、獲得している特図2保留数とに基づいて保留アイコンの表示数が規定されている。
ここで、図223(a)を参照して、アイコン表示数選択テーブル222haの内容について説明をする。図223(a)は、アイコン表示数選択テーブル222haに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図223(a)に示した通り、選択され得るアイコン表示数(保留アイコン表示数)が、特図2保留数(特別図柄保留球数カウンタ223cのうち、第2特別図柄の保留球数のカウント値)と、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値とに基づいてアイコン表示数が規定されている。
具体的には、特図2保留数が「1」であって、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「0〜2」の場合は、アイコン表示数として「1」が規定されており、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「3〜5」の場合は、アイコン表示数として「5(特)」が規定されている。一方、特図2保留数が「1」の場合は、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「6」以上になることが無いため対応する値が規定されていない。
また、特図2保留数が「2」であって、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「0〜2」の場合は、アイコン表示数として「1〜2」が規定されており、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「3〜5」の場合は、アイコン表示数として「1〜4」が規定されており、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「6〜」の場合は、アイコン表示数として「5(特)」が規定されている。
特図2保留数が「3」であって、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「0〜2」の場合は、アイコン表示数として「1〜3」が規定されており、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「3〜5」の場合は、アイコン表示数として「2〜4」が規定されており、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「6〜」の場合は、アイコン表示数として「4」が規定されている。
そして、特図2保留数が「4」であって、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「0〜2」の場合は、アイコン表示数として「1〜4」が規定されており、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「3〜5」の場合は、アイコン表示数として「3〜4」が規定されており、未表示情報格納エリア223hbに格納されている値が「6〜」の場合は、アイコン表示数として「4」が規定されている。
ここで、アイコン表示数が「5(特)」が選択された場合は、特図2保留球数の上限数である「4」よりも大きなアイコン表示数が選択される状態であり、本実施形態では、保留アイコンの上限表示数が「4」であるため、選択されたアイコン表示数が特図2保留球数の上限数である「4」を超えたことを示すための特殊アイコン(図219の特殊アイコン873x参照)が表示される。
以上、説明をした通り、本実施形態では、特図2保留球数と、表示情報格納エリア223hbに格納されている値との差が大きいほど、即ち、1つの特図2保留の先読み結果として第2アタッカ1650の開放回数が複数回算出されるほど、特殊アイコンが表示され易くなるように構成している。このように構成することで、例え、特図2保留球数が少ない状況であったとしても、遊技者に期待感を与える演出を実行することができる。
一方で、特図2保留球数が多い場合(例えば、3個、4個)は、先読み対象となる特図2保留球数が多くなることから、特図2保留球数が少ない場合に実行される先読み結果よりも、1つの特図2保留の先読み結果として第2アタッカ1650の開放回数が複数回算出される可能性が高くなるが、特図2保留球数が多い場合(例えば、3個、4個)は、アイコン表示数として「5(特)」が設定されずに、「4」が設定され易くなるように構成している。そして、アイコン表示数が「4」である場合に、後述する連続演出を実行させ易くするように構成している。このように構成することで、特図2保留球数が多い状態において、特殊アイコンが頻繁に表示される事態を抑制することができる。
また、特図2保留球数が少ない(例えば、2)場合であっても、先読み結果として第2アタッカ1650の開放回数が多い場合、即ち、小当たりC9や小当たりD9(図221(a)参照)に当選している場合、又は、大当たりG9(図220参照)に当選している場合には、特図2保留球数よりも多いアイコン表示数が選択されるように構成されている。
一方、特図2保留球数が多い場合であっても、先読み結果として第2アタッカ1650の開放回数が少ない場合、即ち、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合、或いは、小当たりA9(図221(a)参照)に当選している場合、又は、大当たりD9、大当たりE9(図220参照)に当選している場合には、特図2保留球数よりも少ないアイコン表示数が選択されるように構成されている。
このように構成することで、アイコン演出に用いられる保留アイコンの表示数を、実際の特図2保留球数に関わらず決定することができるため、特図2保留球数に関わらず興趣に富んだ先読み演出を実行することができる。
本実施形態では、第3図柄表示装置81の表示面に第2特別図柄の保留球数(特図2保留球数)を表示しないように構成しているため、遊技者に対して保留アイコンが特図2保留球数を示すための保留図柄と思わせ実際の特図2保留球数に関わらず興趣に富んだ先読み演出を実行することができるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、アイコン演出に用いられる保留アイコンと、実際の特図2保留球数を示す保留図柄とを第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成しても良い。この場合、遊技者に実際の特図2保留球数と、保留アイコンの表示数とを把握させることができるため、例えば、特図2保留球数が少ない状態で保留アイコンが多く表示されると大当たり当選したのではと思わせることができる。
また、本実施形態では、第2アタッカ1650の開放回数が算出される大当たり種別(大当たりF9或いは大当たりG9)に当選した場合には、その大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定されるように構成しているため、保留アイコンの表示数に基づいて予測可能な大当たりは全て潜確状態が設定される大当たりとなる。よって、アイコン演出の演出態様(保留アイコン表示)に基づく予測が遊技者に有利な大当たり当選の予測となるため、遊技者に不利な大当たり当選も含む予測よりも遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、本実施形態では、第2アタッカ1650の開放回数が算出されない大当たり当選、即ち、大当たり遊技中に第2アタッカ1650が開放されない大当たり(大当たりD9、大当たりE9)が実行された場合に、その大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定される割合が50%となるように構成している。よって、アイコン演出の演出態様が大当たり当選を予測し得ない演出態様である場合(例えば、保留アイコンの表示数が少ない状態)で大当たり当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される可能性を残すことができる。なお、この場合は、大当たり遊技の実行前に保留アイコンを完全に消化されるか否かを煽る演出が実行され、大当たり遊技が実行される歳に保留アイコンが1つでも表示されていれば大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される(RUSH遊技が継続する)ことを報知するように構成している。
このように、アイコン演出にて表示される保留アイコンを様々な用途で用いることで、より多彩な演出を実行することができ演出効果を高めることができる。
図222に戻り説明を続ける。連続演出選択テーブル222hbは、図218を参照して上述した連続演出を実行するか否かを選択する際に参照されるデータテーブルであって、アイコン演出において保留アイコンの表示数が4個である状態で第2特別図柄変動が開始される場合に参照される。この連続演出選択テーブル222hbは、入賞情報格納エリア223bに格納されている第2特別図柄に関する入賞情報(特図2入賞情報)に基づいて連続演出の実行の有無が規定されている。
ここで、連続演出選択テーブル222hbに規定されている内容について図223(b)を参照して具体的に説明をする。図223(b)は、連続演出選択テーブル222hbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図223(b)に示した通り、連続演出選択テーブル222hbには、特図2入賞情報のうち、実行エリアの入賞情報(今回の第2特別図柄抽選にて用いられる入賞情報)と、保留内(保留エリア)の入賞情報と、取得した演出カウンタ223fの値と、表示済アイコン数カウンタ223hcの値に基づいて実行の有無が規定されており、表示済アイコン数カウンタ223hcの値が4の場合、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に保留アイコン873が4個表示されている状態でのみ連続演出が選択され得るように規定されている。
具体的には、実行エリアに含まれる入賞情報が大当たり、即ち、今回実行される第2特別図柄変動が大当たり変動である場合は、その大当たり種別が「大当たりF9、大当たりG9」である場合には、連続演出Aの実行(実行A)が規定されており、それ以外の大当たり種別「大当たりD9、大当たりE9」である場合は、取得した演出カウンタ223fの範囲が「0〜89」の範囲に連続演出の非実行が対応付けられ、「90〜99」の範囲に連続演出Bの実行(実行B)が対応付けられて規定されている。なお、実行エリアに大当たり当選に関する入賞情報が含まれている場合は、今回の第2特別図柄変動の後に大当たり遊技が実行されるため、保留エリアに格納されている入賞情報を考慮することなく連続演出の実行の有無が規定されている。
ここで、最終的に大当たり当選するパターンの連続演出では、連続演出の演出結果として、保留アイコンを全て消化してVアイコン873yをゲットする第1結果と、保留アイコンを全て消化せずにVアイコン873zをゲットする第2結果とのうち、何れの演出結果とするかの判別が実行される。より具体的には、今回の連続演出の実行対象となる大当たりが確変大当たり(大当たりE9〜G9)であるかを判別し、確変大当たりでは無い(大当たりD9)であると判別した場合(実行Bの場合)は、全ての保留アイコンを消化する第1結果を設定し、確変大当たりであると判別した場合は、第1結果を設定するか第2結果を設定するかを決定するための抽選(結果選択抽選)を実行し、その結果選択抽選の結果に基づいて演出結果の種別を設定するように構成している。このように構成することで、保留アイコンが残った状態で大当たり遊技が実行されたにも関わらず、その大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定されない事態が発生することを確実に抑制することができる。
また、確変大当たりに当選している場合(実行A)であっても、連続演出の演出結果として第1結果が設定され得るように構成しているため、例え、Vアイコン873yをゲットする連続演出が実行されたとしても遊技者に最後まで期待を持たせながら遊技を行わせることができる。なお、保留アイコンを全て消化した状態で確変大当たりに対応する大当たり遊技が実行された場合は、その大当たり遊技中に所定の発生条件が成立したことを契機に大当たり遊技が終了するまでに保留アイコンを表示させる演出を実行するように構成すると良く、例えば、大当たり遊技中に遊技者に対して枠ボタン22を操作させる操作演出を実行し、その操作演出の演出結果が所定の演出結果である場合に発生条件が成立するように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技中の遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態をいち早く把握させるために意欲的に遊技を行わせることができる。また、発生条件を成立させる手法はこれに限ること無く、例えば、大当たり遊技中に開放動作される可変入球手段(第1アタッカ650、或いは、第2アタッカ1650)に所定数の球を入賞させた場合に成立する発生条件や、大当たり遊技中に開放動作される可変入球手段とは異なる入球手段に球を所定個数入球させた場合に成立する発生条件を設定しても良い。
図223(b)に戻り説明を続ける。特図2入賞情報の実行エリアに小当たり当選を示す入賞情報が含まれており、その入賞情報が「小当たりB9」〜「小当たりD9」である場合は、保留内に「大当たりE」、「大当たりF」、「大当たりG」の何れかの大当たり種別を示す入賞情報がある場合に、演出カウンタ223fの値が「0〜69」の範囲に連続演出Bの実行(実行B)が対応付けられ、「70〜99」の範囲に連続演出の非実行が対応付けられて規定されている。また、保留内に「大当たりE」、「大当たりF」、「大当たりG」の何れかの大当たり種別を示す入賞情報が無い場合には、演出カウンタ223fの値が「0〜69」の範囲に連続演出の非実行が対応付けられ、「70〜99」の範囲に連続演出Cの実行(実行C)が対応付けられて規定されている。また、特図2入賞情報の実行エリアに小当たり当選を示す入賞情報が含まれており、その入賞情報が「小当たりA9」である場合は、保留エリアに格納されている入賞情報に関わらず、連続演出の非実行が規定されている。
特図2入賞情報の実行エリアに外れ当選を示す入賞情報が含まれている場合は、保留内に「大当たりE」、「大当たりF」、「大当たりG」の何れかの大当たり種別を示す入賞情報がある場合に対応付けて連続演出の実行が規定され、保留内に「大当たりE」、「大当たりF」、「大当たりG」の何れかの大当たり種別を示す入賞情報が無い場合に対応付けて連続演出の非実行が規定されている。
上述した通り、連続演出の実行の有無を選択する際において、今回実行される第2特別図柄の抽選結果、及び、保留記憶されている第2特別図柄の先読み結果(保留エリアに格納されている入賞情報)を参照しているため、大当たり期待度を高めた連続演出を実行することができる。よって、連続演出が実行された時点で大当たりに当選することを把握した上で、連続演出の演出結果が第1結果となるか第2結果となるかを注視させながら連続演出を見させることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本実施形態では保留アイコンが4個表示されている場合にのみ連続演出を実行するように構成している。そして、図223(a)に示した通り、実際の特図2保留球数が多いほど、4個の保留アイコンが表示され易くなるように構成している。よって、遊技者に対して4個の保留アイコンが表示されるように意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を高めることができる。加えて、特図2保留球数が上限に到達している状態であっても保留アイコンが上限数(4個)表示されない場合があるため、特図2保留球数が上限に到達している状態においても遊技者に対して4個の保留アイコンが表示されるように意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働をより高めることができる。
なお、本実施形態では4個の保留アイコンが表示されている場合にのみ連続演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、保留アイコンが2個以上表示されている場合に連続演出を実行し得るように構成しても良い。この場合、例えば、実際の特図2保留球数と、先読み結果とに基づいて連続演出の実行の有無を決定するように構成し、例えば、遊技者に有利となる大当たり(大当たりE9)に当選することを示す入賞情報がある場合にのみ、保留アイコンが少ない状態で連続演出を実行するように構成すると良い。これにより、連続演出が実行された時点における保留アイコンの表示数に応じて、連続演出の期待度、即ち、遊技者に有利となる大当たり当選の期待度を異ならせることができるため、遊技者に対して、連続演出が実行されるタイミングに対しても興味を持たせることができる。
さらに、実際の特図2保留球数と、先読み結果とに基づいて連続演出の実行の有無を決定するように構成し、例えば、遊技者に有利となる大当たり(大当たりE9)に当選することを示す入賞情報がある場合に、連続演出を実行させるための準備演出として、保留アイコンの表示数が上限となるように強制増加表示を実行した後に、連続演出を実行するように構成しても良い。
なお、図223(b)を参照して連続演出選択テーブル222hbに規定されている内容を説明した際に、連続演出の種別として、連続演出A(実行A)、連続演出B(実行B)、連続演出C(実行C)を設け、実行Aでは、主として連続演出の途中でVアイコン873zを獲得する連続演出(図218(b)参照)を、実行Bでは、主として連続演出の最後にVアイコンを獲得する演出(図218(a)のVアイコン873yを獲得する演出)を、実行Cでは、連続演出中に人参を模した保留アイコン873a〜873dを消化し切れず(食べきれず)、Vアイコンを獲得出来ない演出が実行されることを説明したが、主として上述した内容の演出が実行されればよく、例えば、低確率で実行Aにて実行Bの演出が実行されるように、即ち、演出結果が実際の遊技結果よりも不利となる演出であれば、別の連続演出を実行可能に構成しても良い。
次に、図222(b)を参照して、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図222(b)は、第9実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図222(b)に示した通り、本第9実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第7実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223(図174参照)に対して、未表示情報格納エリア223ha、未表示アイコン数カウンタ223hb、表示済アイコン数カウンタ223hc、連続演出中フラグ223hdを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
未表示情報格納エリア223hbは、主制御装置110から受信した入賞情報コマンド(入賞コマンド)に基づいて算出された第2アタッカ1650の開放回数を一時的に記憶するためのデータ領域であって、後述する入賞コマンド処理9(図224のS4281参照)において、抽出した第2アタッカ1650の開放回数が格納される(図224のS4486)。そして、格納された情報に基づいてアイコン表示数を決定する際に参照され、その後、参照された情報が破棄される。また、潜確状態が設定される前に既に獲得済の入賞情報については、大当たり遊技の終了タイミングにて入賞情報格納エリア223hbに格納されている全ての入賞情報に対して第2アタッカ1650の開放回数が抽出され、その結果が格納される。
このように未表示情報格納エリア223hbを設けることにより、特別図柄の入賞情報を受信したタイミングと、演出態様を決定するタイミングとを、容易に異ならせることができる。
未表示アイコン数カウンタ223hbは、現在表示可能な保留アイコン数のうち、まだ表示されていない保留アイコンの数を示すためのカウンタであって、新たな保留アイコンを表示した場合にカウンタの値が減算される。なお、本実施形態では、保留アイコンを増減させる演出として、未表示アイコン数カウンタ223hbの値、表示済アイコン数カウンタ223hcの値を増減させる真アイコン演出と、未表示アイコン数カウンタ223hbの値、表示済アイコン数カウンタ223hcの値を増減させること無く、見た目の保留アイコン数のみを増減させる疑似演出(最終的には同一の値となる演出)と、を実行可能に構成している。
表示済アイコン数カウンタ223hcは、現在表示されている保留アイコン数を計測するためのカウンタであって、新たな保留アイコンが表示される場合に加算され、保留アイコンが減少する場合に減算されるカウンタである。新たな保留アイコンを表示する際には、未表示アイコン数カウンタ223hbの値と、表示済アイコン数カウンタ223hcの値とを参照して、表示させる保留アイコンの総数を決定し、その決定した総数と表示済アイコン数カウンタ223hcの値との差分に基づいて表示数が決定される。
連続演出中フラグ223hdは、連続演出が実行されていることを示すためのフラグであって、連続演出が実行されている間にオンに設定される。連続演出中フラグ223hdがオンに設定されている間は、アイコン演出にて保留アイコン数が増減する演出が実行されないように構成している。
<第9実施形態の音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図224から図227を参照して、本第9実施形態の制御内容のうち、音声ランプ制御装置にて実行される制御処理について説明をする。本第9実施形態における音声ランプ制御装置の制御内容は、上述した第7実施形態に対して入賞コマンド処理(図183のS4211参照)に代えて入賞コマンド処理9(図224のS4281参照)を、大当たり終了処理に代えて大当たり終了処理9(図225のS4954参照)を、準備状態設定処理(図185のS4641参照)に代えて準備状態設定処理9(図226のS4691参照)を、RUSH中設定処理(図192のS8410参照)に代えてRUSH中設定処理9(図227のS8450参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については詳細な説明を省略する。
まず、図224を参照して、入賞コマンド処理9(図224のS4281参照)の内容を説明する。図224は、入賞コマンド処理9(S4281)の内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理9(S4281)では、RUSH遊技中に実行されるアイコン演出に関わる情報の更新、及び、アイコン演出で表示される保留アイコン873(図217参照)の表示数を決定する処理が実行される。
入賞コマンド処理9(S4281)が実行されると、まず、受信した入賞コマンドの情報を対応する入賞情報記憶エリア223bに設定し(S4481)、RUSH中フラグ223fgがオンに設定されているかを判別し(S4482)、オンに設定されている場合は(S4482:Yes)、受信した入賞コマンドに含まれる当たり情報(大当たり情報、小当たり情報)を抽出する(S4484)。即ち、今回受信した入賞コマンドが当たり当選する入賞コマンドであるかを判別する。
S4484の処理で当たり情報があると判別した場合は(S4484:Yes)、当たり情報が示す当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に基づいて第2アタッカ1650の開放回数を抽出し(S4485)、抽出した回数に対応する値を未表示情報格納エリア223hbに格納する(S4486)。そして、特図2保留球数と未表示情報格納エリア223hbに格納されている情報に基づいてアイコン表示数選択テーブル222haを参照してアイコン表示数を選択する(S4487)。その後、選択したアイコン表示数と表示済アイコン数カウンタ223hcとの差分を未表示アイコン数カウンタ223hbの値に加算し(S4488)、その他の処理を実行し(S4412)、本処理を終了する。
上述した通り、本実施形態では、入賞コマンドとして当たり入賞コマンドを受信した場合には、アイコン演出に用いる情報の更新を実行するのみで、保留アイコンの表示数を可変させる制御を実行しない。これにより、保留アイコンの表示数が可変するタイミングと、当たり入賞コマンドを受信したタイミングとを異ならせることができるため、保留アイコンの表示数がいつどのように可変するのかを遊技者に分かり難くさせることができる。なお、本実施形態では、入賞コマンドとして当たり入賞コマンドを受信した場合には、アイコン演出に用いる情報の更新を実行するのみで、保留アイコンの表示数を可変させる制御を実行しないように構成しているが、これに限ること無く、保留アイコンの表示数を可変させるための制御を実行しても良いし、所定の抽選を実行し当選した場合に保留アイコンの表示数を可変させるための制御を実行するように構成しても良い。
また、S4484の処理において、当たり情報が無いと判別した場合は(S4484:No)、次に、連続演出中フラグ223hdがオンに設定されているかを判別し(S4489)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4489:No)、未表示アイコン数カウンタ223hbの値が0よりも大きいかを判別する(S4490)。0よりも大きいと判別した場合は(S4490:Yes)、アイコン数を増減させる疑似演出の演出態様を設定し(S4491)、疑似演出の実行タイミングを設定し(S4492)、疑似演出の態様に合わせて各種カウンタ(未表示アイコン数カウンタ223hb、表示済アイコン数カウンタ223hc)の値を更新し(S4493)、設定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4494)、S4412の処理へ移行する。
S4489の処理において連続演出中フラグ223hdがオンに設定されていると判別した場合(S4489:Yes)、即ち、現在が連続演出中である場合、或いは、未表示アイコン数カウンタ223hbの値が0の場合(S4404:No)、即ち、保留アイコンの表示数を増加させることができない状態である場合は、疑似演出の設定を行うこと無く、S4412の処理へ移行する。
次に、図225を参照して、大当たり終了処理9(S4954)の内容について説明をする。図225は、大当たり終了処理9(S4954)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理9(S4954)は、大当たり終了後にRUSH遊技が実行され得る場合、即ち、潜確状態が設定される場合、確変状態が設定される場合に、既に獲得している入賞情報に基づいてアイコン演出に関する情報を設定するための処理が実行される点で上述した大当たり終了処理と大きく処理内容が相違している。
大当たり終了処理9(S4954)が実行されると、まず、RUSH中フラグ223fgがオンに設定されているかを判別し(S5051)、オンに設定されていないと判別した場合は(S5051:No)、次いで、今回の大当たりが確変大当たりであるかを判別する(S5052)。確変大当たりであると判別した場合(S5052:Yes)、即ち、RUSH遊技中以外のタイミングで実行された大当たりにて確変状態が設定された場合は、入賞情報記憶エリア223bに格納されている全ての入賞情報を読み出し(S5053)、入賞情報に含まれている当たり情報(大当たり情報、小当たり情報)を抽出し(S5054)、抽出した当たり情報に基づいて第2アタッカ1650の開放回数を算出する(S5055)。そして、算出した第2アタッカの合計回数(合計開放回数)を未表示情報格納エリア223hbに格納する(S5056)。
次に、今回の大当たりが潜確大当たりであるかを判別し(S5057)、潜確大当たりである場合は(S5057:Yes)、対応する潜確モード(準備モード、RUSHモード)を示すための表示用コマンドを設定し(S5058)、アイコン表示数を4に設定し(S5059)、表示済アイコン数カウンタの値を4に設定し(S5060)、未表示情報格納エリア223hbに格納されている情報から表示済アイコン数カウンタ223hcの値に対応する情報を削除し(S5061)、大当たり終了を示す表示用コマンドを設定し(S5062)、本処理を終了する。
一方、S5057の処理において潜確大当たりでは無い(確変大当たりである)と判別した場合は(S5057:No)、確変モードを示すための表示用コマンドを設定し(S5063)、S5062の処理へ移行する。
S5051の処理においてRUSH中フラグ223fgがオンに設定されていると判別した場合、即ち、RUSH遊技中に当選した大当たりである場合は(S5051:Yes)、今回の大当たりが通常大当たりであるかを判別し(S5064)、通常大当たりである場合は(S5064:Yes)、RUSH遊技が終了するため、RUSH遊技中に関わる各種フラグ、カウンタをリセット(初期状態に設定)し(S5065)、今回の大当たりに対応するRUSH用表示コマンドを設定し(S5066)、S5062の処理へ移行する。この場合、S5066の処理では、RUSH遊技終了を示す表示コマンドが設定される。また、S5065の処理において通常大当たりでは無いと判別した場合は(S5064:No)、S5065の処理をスキップしてS5066の処理を実行する。この場合、RUSH遊技が継続することを示す表示コマンドが設定される。
次に、図226を参照して、準備状態設定処理9(S4691)の内容について説明をする。図226は、準備状態設定処理9(S4691)の内容を示したフローチャートである。この準備状態設定処理9(S4691)では、上述した第7実施形態の準備状態設定処理(図226のS4641参照)に対して、確変状態から潜確状態へと移行するタイミングで保留アイコンを表示するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
準備状態設定処理9(S4691)が実行されると、まず、準備状態設定処理(図226のS4641参照)と同一のS8001〜S8004の処理を実行し、その後、対応する潜確モード(RUSHモード)を示すための表示用コマンドを設定し(S8051)、アイコン表示数を4に設定し(S8052)、表示済アイコン数カウンタの値を4に設定し(S8053)、未表示情報格納エリア223hbに格納されている情報から表示済アイコン数カウンタ223hcの値に対応する情報を削除し(S8054)、本処理を終了する。
即ち、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される場合における大当たり終了時に実行される処理と同一の処理が実行される。これにより、何れの契機で潜確状態が設定された場合もアイコン演出の初期表示(特図2保留球数に関わらず、保留アイコンが4個表示される状態)を統一させることができる。よって、潜確状態への移行契機に応じてアイコン演出の演出態様を可変させるための制御処理を統一することができるため制御処理の負荷を軽減することができる。
次に、図227を参照して、RUSH中設定処理9(S8450)の内容について説明をする。図227は、RUSH中設定処理9(S8450)の内容を示したフローチャートである。このRUSH中設定処理9(S8450)では、RUSH遊技中に実行される第2特別図柄変動に応じて実行させるアイコン演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
RUSH中設定処理9(S8450)が実行されると、まず、表示済アイコン数カウンタ223hcの値が4であるかを判別し(S8651)、4である場合は(S8651:Yes)、連続演出選択テーブル222hbを参照して連続演出を選択し(S8652)、連続演出を実行するかを判別する(S4453)。連続演出を実行すると判別した場合は(S4453:Yes)、選択した連続演出の演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4454)、本処理を終了する。なお、S4454の処理では、選択した連続演出にて用いる(消費する)保留アイコン数に対応させて、表示済アイコン数カウンタ223hcの値、未表示アイコン数カウンタ223hbの値も更新される。S4453の処理において連続演出を実行しないと判別した場合は(S8653:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S8651の処理において、表示済アイコン数カウンタ223hcの値が4では無いと判別した場合は(S8651:No)、次に、連続演出中フラグ223hdがオンに設定されているかを判別し(S8655)、オンに設定されていないと判別した場合は(S8655:No)、未表示アイコン数カウンタ223hbの値が0よりも大きいかを判別する(S8656)。0よりも大きいと判別した場合は(S8656:Yes)、アイコン数を増減させる疑似演出の演出態様を設定し(S8657)、疑似演出の実行タイミングを設定し(S8658)、疑似演出の態様に合わせて各種カウンタ(未表示アイコン数カウンタ223hb、表示済アイコン数カウンタ223hc)の値を更新し(S8659)、設定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S8660)、本処理を終了する。
S8655の処理において連続演出中フラグ223hdがオンに設定されていると判別した場合(S8655:Yes)、即ち、現在が連続演出中である場合、或いは、未表示アイコン数カウンタ223hbの値が0の場合、即ち、保留アイコンの表示数を増加させることができない状態である場合は、疑似演出の設定を行うこと無く、本処理を終了する。
<第9実施形態の変形例について>
次に、上述した第9実施形態の変形例について説明をする。上述した第9実施形態にて実行されるアイコン演出では、先読み結果に基づいて連続演出を実行可能にするものであった。そして、その連続演出の演出態様を、連続演出を設定する際に決定していた。具体的には、連続演出の演出結果として、保留アイコンを残存させるように実行する演出態様や、保留アイコンを全て消化するように実行する演出態様といった、演出態様の種別を予め決定しておき、その種別に応じた演出が実行されるように構成していた。このように構成することで、連続演出の演出結果と、実際の遊技結果とが相違すること無く、且つ、連続演出中の処理負荷を軽減させることができるものであるが、連続演出の演出パターンに多様性を持たせることが出来ないという問題があった。
これに対して本変形例では、連続演出の対象となる大当たり遊技が開始時に、当選した大当たり種別と、残存する保留アイコン数とに基づいて、連続演出の演出態様を可変させるように構成している。このように構成することで、連続演出の演出態様を、例えば、大当たり遊技が開始されるまでの前半期間と、大当たり遊技が開始されてからの後半期間とに分けて演出態様を設定することができるため、連続演出の演出パターンを多様化させ易くすることができる。
また、本変形例では、大当たり遊技が開始されてから保留アイコンの表示数を増加させる処理を実行可能に構成しているため、連続演出の前半期間において保留アイコンを全て消化した演出態様が設定されたとしても、当選した大当たり種別が潜確大当たりである場合には大当たり遊技中に保留アイコンの表示数を増加させることができる。よって、連続演出の演出パターンの前半期間の演出態様を決定する際の禁則条件を緩くすることができ、演出パターンを多様化させ易くすることができる。
さらに、本変形例では、大当たり遊技中に実行される第2アタッカ1650の開放動作に合わせて連続演出が進展するように構成している。これにより、大当たり遊技にて第2アタッカ1650が開放されているにも関わらず、遊技者に対して小当たり遊技が実行されていると思わせることができる。
<第9実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
ここで、図228を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本変形例では、上述した第9実施形態に対して、大当たり遊技の開始タイミングで実行される大当たり関連処理9(S4802)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。図228は大当たり関連処理9(S4802)の内容を示したフローチャートである。
大当たり関連処理9(S4802)が実行されると、大当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S4901)、受信したと判別した場合は(S4901:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S4902)、その後、RUSH中フラグ223fgがオンに設定されているかを判別し(S4951)、オンに設定されていると判別した場合は(S4951:Yes)、次に、連続演出中フラグ223hdがオンに設定されているかを判別する(S4952)。即ち、今回の大当たりが連続演出の対象となる大当たりであるかを判別する。
S4952の処理において、連続演出中フラグ223hdがオンに設定されていると判別した場合は(S4952:Yes)、連続演出中フラグ223hdをオフに設定し(S4953)、今回の大当たりが潜確大当たり(大当たり遊技終了後に潜確状態が設定される大当たり)であるかを判別し(S4954)、潜確大当たりであると判別した場合は(S4954:Yes)、大当たり中の第2アタッカ1650の開放数に対応させて未表示情報格納エリア223hbの情報、表示済アイコン数カウンタ223hcの値を更新、即ち、今回実行される大当たり遊技にて実行される第2アタッカ1650の開放に対応させて保留アイコンの表示数を消化させるために、各値を更新する(S4955)。
その後、更新した内容に対応した表示用コマンドを設定し(S4956)、更新後に表示済アイコン数カウンタ223hcの値が0であるかを判別し(S4957)、0であると判別した場合、即ち、潜確大当たりでRUSHが継続するにも関わらず、第2アタッカ1650の開放に合わせて連続演出を進展させた場合に、保留アイコンの表示数が0になる場合は(S4957)、連続演出の実行後に保留アイコンを1個表示させるための追加演出(態様)を設定し(S4958)、本処理を終了する。ここで設定される追加演出態様としては、大当たり遊技中において、空から人参が降ってくる演出等がある。また、詳細な説明は省略するが、RUSH中に実行される大当たり遊技中であって、保留アイコンが表示されていない場合、即ち、今回の大当たり遊技によって、RUSH遊技が終了する可能性がある場合には、上述した追加演出が実行されるか否かの疑似追加演出が実行されるように構成している。この疑似追加演出は追加演出と同様に空から何かが降ってくることを煽る第1演出と、空から人参以外のものが降ってくる第2演出とから形成されている。これにより、遊技者に対して最後まで期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
一方、S4954の処理において今回の大当たりが潜確大当たりでは無いと判別した場合は(S4954:No)、即ち、今回の大当たりでRUSH遊技が終了する場合は、表示されている保留アイコンを全て消費する演出態様を決定し(S4959)、表示済アイコン数カウンタ223hcの値をクリアし(S4960)、本処理を終了する。また、S4951の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4951:No)、上述した大当たり関連処理(図68のS4802参照)と同一のS4913〜S4916の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、本変形例で用いた技術思想、即ち、大当たり遊技が開始されるタイミングで保留アイコンの表示数を可変させる演出を実行する技術思想を、連続演出の中で実行する以外の用途で用いても良い。
本変形例では、大当たり遊技が開始されてから保留アイコンの表示数を増加させる処理を実行可能に構成しているため、連続演出の前半期間において保留アイコンを全て消化した演出態様が設定されたとしても、当選した大当たり種別が潜確大当たりである場合には大当たり遊技中に保留アイコンの表示数を増加させることができる。よって、連続演出の演出パターンの前半期間の演出態様を決定する際の禁則条件を緩くすることができ、演出パターンを多様化させ易くすることができる。
さらに、本変形例では、大当たり遊技中に実行される第2アタッカ1650の開放動作に合わせて連続演出が進展するように構成している。これにより、大当たり遊技にて第2アタッカ1650が開放されているにも関わらず、遊技者に対して小当たり遊技が実行されていると思わせることができる。
以上、説明をした通り、上述した第9実施形態では、保留記憶されている特別図柄の入賞情報に対して実行された先読み処理(事前判別処理)の結果に応じて、獲得している特図保留球の数に関わらず、特定図柄(第3図柄表示装置81の表示面に表示される専用アイコン)の数を可変させる先読み演出(アイコン演出)を実行するように構成している。これにより、獲得している特図保留球数が少ない場合であっても、先読み結果に応じて、獲得している特図保留球数が上限である場合と同様の先読み演出を実行することが可能となる。よって、特図保留球を多く獲得することが出来ない遊技者に対しても、演出効果の高い先読み演出を提供することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、上述したアイコン演出において表示される特定図柄の数の上限値が、保留記憶可能な特図保留球数(潜確状態中に主として実行される第2特別図柄の保留記憶数)の上限値(4)となるように構成し、獲得している特図保留球数を示すための保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に表示しない(遊技者が判別し難いように表示する)ように構成している。このように構成することで、遊技者に対してアイコン演出にて表示される特定図柄が、あたかも特図保留球数(潜確状態中に主として実行される第2特別図柄の保留記憶数)を示すための保留図柄であると思わせることができる。特図保留球を多く獲得することが出来ない遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では先読み結果が特定の結果(例えば、潜確状態が設定される大当たり)である場合に、アイコン演出にて表示される特定図柄の数が保留記憶可能な特図保留球数(潜確状態中に主として実行される第2特別図柄の保留記憶数)の上限値(4)よりも多くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対してアイコン演出にて表示される特定図柄が、保留図柄であると錯覚していた遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
また、本実施形態では、保留記憶されている特別図柄の入賞情報に対して実行された先読み処理(事前判別処理)の結果として、小当たり遊技にて開放動作されるアタッカの開放回数を判別し、その判別結果に基づいて特定図柄の表示数を決定するように構成している。そして、当選した小当たりの種別に応じて1回の小当たり遊技におけるアタッカの開放回数を異ならせるように構成している。さらに、大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の一部として、小当たり遊技と同一のアタッカ開放動作が実行されるように構成している。
このように構成することにより、アイコン演出として表示される特定図柄の数に基づいて、遊技者に対して今後実行される小当たり遊技の回数を予測させることができる。また、本実施形態では、特定図柄が表示されている期間が、潜確状態(RUSH遊技)が終了しない期間であることを遊技者に報知するように構成している。即ち、大当たり遊技の終了時に特定図柄が1つでも残っている場合は、その大当たり遊技の終了後に潜確状態が設定されることを事前に報知することになる。よって、特定図柄の数が可変される度に遊技者がアイコン演出に注視することになるため演出効果を高めることができる。
なお、上述した第9実施形態では、特別図柄の入賞情報を示す入賞情報コマンドを受信した場合に実行される入賞コマンド処理9(図224のS4281)にて、表示可能なアイコン数(保留アイコン数)を決定しておき、様々なタイミングで表示されている保留アイコンの数を増減させる演出を実行するように構成しているが、表示可能なアイコン数(保留アイコン数)を決定する処理(表示可能アイコン数決定処理)を、特別図柄の入賞情報を示す入賞情報コマンドを受信した場合に実行される入賞コマンド処理9(図224のS4281)が実行される毎に実行するのでは無く、入賞コマンド処理9(図224のS4281)が実行された場合に所定条件が成立している場合のみ実行するように構成しても良い。具体的には、前回の表示可能アイコン数決定処理が実行されてから所定期間(例えば、30秒の経過時間を示す期間、或いは、入賞情報コマンド(入賞コマンド)の追加受信数が3個となるまでの期間)が経過した場合に表示可能アイコン数決定処理を実行するように構成しても良い。これにより、実際に入賞情報コマンド(入賞コマンド)を受信したタイミングと、そのコマンドに含まれる情報に基づいて表示可能アイコン数を決定するタイミングと、を異ならせることができるため、どの入賞情報(特図保留記憶)に対して保留アイコン数が決定されたのかを分かり難くすることができる。このように、表示可能なアイコン数の決定タイミングを異ならせることで、表示可能なアイコン数の範囲内で表示されている保留アイコン数を増減させる演出の演出態様を、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して乖離させ易くすることができるため、遊技者に対して意外性のある演出を提供し易くすることができる。
さらに、入賞コマンド処理9(図224のS4281)以外に、例えば、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対して所定の操作を行った場合に、表示可能アイコン数決定処理を実行するように構成しても良い。この場合、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者に操作手段を所定内容で操作させるための操作演出を実行すると良い。これにより、実行される操作演出に対して正しく操作手段を操作した遊技者に対して、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいたアイコン演出を実行させ易くすることができるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
また、それ以外に、遊技盤13に設けられた一般入賞口63やスルーゲート67に球が入球したことを検知し、その検知結果に基づいて(入球した場合の所定確率で)、表示可能アイコン数決定処理を実行するように構成しても良い。このように構成することで特別図柄抽選とは関係の無い遊技によって、表示可能な保留アイコン数が決定されるため、遊技者に対して、実際に入賞情報コマンド(入賞コマンド)を受信したタイミングと、そのコマンドに含まれる情報に基づいて表示可能アイコン数を決定するタイミングと、を異ならせることができるため、どの入賞情報(特図保留記憶)に対して保留アイコン数が決定されたのかを分かり難くすることができる。
なお、本実施形態では、保留アイコンを増減させる演出として、未表示アイコン数カウンタ223hbの値、表示済アイコン数カウンタ223hcの値を増減させる真アイコン演出と、未表示アイコン数カウンタ223hbの値、表示済アイコン数カウンタ223hcの値を増減させること無く、見た目の保留アイコン数のみを増減させる疑似演出(最終的には同一の値となる演出)と、を実行可能に構成し、何れの演出の演出態様も音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理にて設定するように構成しているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113にて疑似演出の実行の有無を判別し、疑似演出を実行すると判別した場合に、疑似演出にて増減させる保留アイコン数の範囲と疑似演出を実行することを示す表示用コマンドを設定し、表示制御装置114へと出力し、表示制御装置114にて疑似演出を実行することを示す表示用コマンドを受信した場合に、受信した表示用コマンドに含まれる情報に基づいた演出態様を決定するように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄の入賞情報に基づいて設定されるアイコン演出(真のアイコン演出)のみ音声ランプ制御装置113にて演出態様を制御すれば良くなるため、音声ランプ制御装置113の制御処理の処理負荷を軽減させることができる。また、未表示アイコン数カウンタ223hbの値、表示済アイコン数カウンタ223hcの値を増減させること無く見た目上の保留アイコン数のみを増減させる(可変させる)疑似演出を実行することで、アイコン演出において保留アイコン数の可変パターンを多様化することができる。加えて、疑似演出は最終的な保留アイコンの増加分と減少分とが一致するように実行されるため、真のアイコン演出の演出態様を設定する際に、疑似演出の演出状況を気にする必要が無く、音声ランプ制御装置113の制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
<第10実施形態>
次に、図229〜図263を参照して、第10実施形態について説明をする。本第10実施形態では、上述した第7実施形態に対して、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成を一部変更した点と、主制御装置110のROM202、及びRAM203の構成の一部を変更した点と、音声ランプ制御装置113のROM222、及びRAM223の構成の一部を変更した点と、主制御装置110にて実行される制御処理、及び音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の一部を変更した点で相違している。また、上述した相違点に伴い、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出内容の一部も相違している。なお、上述した第7実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、本第10実施形態と、上述した第7実施形態との大きな相違点について簡単に説明をする。本第10実施形態では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが重複して(並行して)実行されることが無いように構成しており、第2特別図柄の抽選のほうが、第1特別図柄の抽選よりも優先して実行されるように構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となる抽選が実行されるように構成している。さらに、設定されている遊技状態に応じて第2特別図柄の抽選の実行し易さを異ならせるように構成している。具体的には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合(通常状態)よりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合(時短状態、確変状態)が設定されている場合のほうが、第2特別図柄の抽選権利を取得し易くなるように、普通図柄の当たり当選時に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開放動作される電動役物640aが付随する入球口(第2入球口640)に球が入球した場合に、第2特別図柄の抽選権利を取得し得るように構成している。つまり、初期の遊技状態である通常状態にて遊技を行う場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易く構成し、第1特別図柄の抽選にて大当たり当選したことを契機に、普通図柄の高確率状態を設定可能にし、普通図柄の高確率状態が設定された場合に、第1特別図柄の抽選よりも有利となる第2特別図柄の抽選を実行するように構成している。このように構成することで、設定される遊技状態に応じて遊技者への有利度合いを大きく異ならせることができるため、遊技者に対して有利度合いの高い遊技状態が設定されることを期待しながら意欲的に遊技を行わせることができる。
ここで、例えば、複数の遊技状態のうち、遊技者に最も不利な遊技状態となる通常状態が設定されている場合において、遊技者に有利な抽選である第2特別図柄の抽選が全く実行されないように構成すると、通常状態を遊技している遊技者の遊技意欲、即ち、より有利な遊技状態(時短状態、確変状態)が設定されることを目指すための遊技意欲が低下してしまい、遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。これに対して本第10実施形態では、通常状態が設定されている期間において特定条件が成立した場合に、第2特別図柄の抽選権利を所定個数(最大5個)獲得可能となるように構成している。具体的には、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行される普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、電動役物640が5秒間開放される普図当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に不利な遊技状態である通常状態であっても、一時的に第2特別図柄抽選を実行させ易い期間を提供することが可能となるため、通常状態を遊技している遊技者に対して、特別図柄抽選大当たり当選を目指す遊技と、普通図柄抽選で当たり当選を目指す遊技と、を実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図2変動演出の演出態様を、記憶している第2特別図柄の抽選権利数、即ち、特図2保留数に基づいて可変させるように構成している。具体的には、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に実行される特図2変動演出の演出態様として、変動演出の前半期間に抽選結果が外れであることを示す疑似外れ変動演出を実行し、後半期間において、疑似外れ変動演出にて停止(仮停止)された第3図柄を再始動させて抽選結果が大当たりであることを示す疑似当たり変動演出を実行するように構成し、その疑似当たり変動演出にて第3図柄が一時的に停止(仮停止)する回数を、特図2保留数に対応させて可変させるように構成している。このように構成することで、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるまでに、第3図柄を複数回疑似停止させる変動演出を実行することが可能となる。つまり、複数回の第2特別図柄抽選を経て大当たり当選したと思わせることができる。
これにより、普図当たり遊技中に獲得した複数の特図2保留のうち、最初に実行される第2特別図柄抽選に用いられた特図2保留で大当たり当選した場合であっても、遊技者に対して、複数の特図2保留を普図当たり遊技中に獲得したため大当たり当選したと思わせることができるため、普図当たり遊技中により意欲的に特図2保留を獲得するための遊技を行わせることができる。
また、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合における特図2保留数が0の場合は、上述した疑似当たり変動演出として、第1特別図柄抽選が実行される場合に第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出(第1特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図1変動演出の演出態様)を模した変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、特図2保留を獲得していない状況で擬似的に特図2変動演出が繰り返されることを抑制することができるため、遊技者に対して擬似的な変動演出が実行されていることを識別させ難くすることができる。また、特図1変動演出を模した擬似的な変動演出が実行された後に、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるため、遊技者に対して意外性のある変動演出を実行することが可能となる。
<第10実施形態におけるパチンコ機の遊技盤構成について>
次に、図229を参照して、本第10実施形態のパチンコ機10に用いられる遊技盤13の構成について説明をする。図229は、第10実施形態のパチンコ機10における遊技盤13の構成を模式的に示した正面図である。図229に示した通り、本第10実施形態のパチンコ機10は、上述した第7実施形態のパチンコ機10における遊技盤13の構成(図157参照)に対して、可変表示ユニット80の右側に形成される右側領域の構成、及び、可変表示ユニット80の下側に形成される下側領域の構成を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、本第10実施形態のパチンコ機10は、可変表示ユニット80の左側に形成される左側領域に球を流下させる遊技(左打ち遊技)を実行しても、右側領域に球を流下させる遊技(右打ち遊技)を実行しても、遊技者が得る遊技価値に差が生じ無い(生じ難い)ように遊技盤13が構成されている。具体的には、図229に示した通り、遊技盤13の中央部の垂線に対して左右対称に遊技盤13が形成されており、可変表示ユニット80の下側領域に、球が入球することにより第1特別図柄の抽選契機となり得る第1入球口64と、その第1入球口64の下方位置に設けられ、球が入球することにより第2特別図柄の抽選契機となり得る第2入球口640と、その第2入球口640に付設され、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技にて開放動作される電動役物640aと、その第2入球口640の下方位置に設けられ、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放動作されるV入賞装置2650と、が配設されている。
左打ち遊技によって発射された球は、左側領域を流下し1/2の割合で左側領域に設けられたスルーゲート67を通過し、スルーゲート67を通過した球も、スルーゲート67を通過しなかった球も、遊技盤13に植設された釘によって、下側領域に設けられた第1入球口64に向けて流下する。ここで、釘の間から直下方向へと流下した球は、2つの一般入球口63へと入球する。なお、本実施形態では、左側領域を流下する球の約1/50が2つの一般入球口63の何れかへと入球するように構成されており、一般入球口63へと球が入球した場合には、10個の賞球(特典)が付与されるように構成している。
第1入球口64は、上述した第1実施形態と同様に15球に1球の割合で球が入球し得るように構成されており、球が入球した場合には、4球の球が賞球として払い出されるように構成している。第2入球口640は、電動役物640が閉鎖している状態(図229にて白色で示した状態)では、殆ど球が入球せず、電動役物640が開放している状態(図229にて黒色で示した状態)では、左打ち遊技にて発射され、左側領域を流下する球の約2球に1球の割合で球が入球するように構成されており、球が入球した場合には、1球の球が賞球として払い出されるように構成している。また、V入賞装置2650は、大当たり遊技が実行されていない状態では、殆ど球が入球せず、大当たり遊技中には約3球に2球の割合で球が入球するように構成されており、球が入球した場合には、15球の球が賞球として払い出されるように構成している。
ここで、V入賞装置2650について説明をする。このV入賞装置2650は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放動作される可変入球手段であって、大当たり遊技中にV入賞装置2650へと入賞した球が特定ゲートをくぐることによって、その大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定することができるように構成している。また、当選した大当たりの種別に応じて、V入賞装置2650へと入賞した球が特定ゲートを流下し易い大当たり遊技と、流下し難い大当たり遊技と、を実行可能に構成しており、本実施形態では、V入賞装置2650へと入賞した球が特定ゲートを流下し易い大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に正常な遊技を行えば特定ゲートへと球を容易に流下させることが可能な大当たり(遊技)を確変大当たり(遊技)、V入賞装置2650へと入賞した球が特定ゲートを流下し難い大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に正常な遊技を行ったとしても特定ゲートへと球を流下させることが困難な大当たり(遊技)を通常大当たり(遊技)と称して説明をする。
なお、上述した通り、確変大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができなかった場合は、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されることが無い。つまり、本実施形態では、大当たり遊技が実行されたタイミングでは、その大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定しないことになる。詳細な説明は後述するが、本実施形態では、大当たり遊技の5ラウンド目に実行されるラウンド遊技にて、最も球を特定ゲートへと流下させ易いラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行されるように構成している。よって、このVラウンド遊技が終了するまで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を確定させることができない。このように大当たり遊技中の遊技結果によって大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定するように構成することで、遊技者は大当たり遊技にて様々な特典(賞球、特別図柄の高確率状態)を獲得するための遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
一方で、上述した構成を用いた場合、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するための報知演出の演出態様(例えば、大当たりエンディング期間の演出態様)を予め(例えば、大当たり遊技開始時に)設定しておくことが出来ず、出球に関する制御処理や表示に関する制御処理が密に実行される大当たり遊技中に報知演出の演出態様を設定しなければならず、パチンコ機10の制御処理が煩雑になってしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、確変大当たり遊技が実行される場合には、予め(大当たり遊技開始時に)報知演出の演出態様として大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出態様を設定しておき、報知演出が実行される直前に(例えば、大当たりエンディング期間の開始時に)特定ゲートへの球の流下結果に基づいて報知演出の演出態様を切り替えるか否かの判別を実行し、特定ゲートを球が流下している場合には、予め設定しておいた演出態様の報知演出を実行し、特定ゲートを球が流下していない場合にのみ、報知演出の演出態様を切り替えるように構成している。
さらに、本実施形態では、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせており、遊技者にとって有利となる確変大当たりのほうが通常大当たりよりも長いエンディング期間が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、実際に確変状態が設定されるよりも前に遊技者に分かり易く報知することができる。一方、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない場合には、その旨を長期間報知したとしても遊技者に不快感を与えてしまうだけであるため、エンディング期間が短くなるように構成している。
このように、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせている場合において、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合には、大当たりエンディング期間の演出態様を単に通常当たり遊技のエンディング期間に実行される演出態様へと切り替える処理を実行するだけではエンディング期間の長さが異なるためエンディング期間中に違和感のある報知演出が実行されてしまうという問題があった。また、確変大当たり遊技において球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合にのみ設定される専用の演出態様を予め容易してしまうと、その演出態様に対する画像データ(演出データ)を予め表示制御装置114のキャラクタROM234に記憶させておく必要があり、記憶容量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成し、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に、大当たりエンディング期間の後半期間に対応する演出態様のみ通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間に対して設定される演出態様へと切り替えるように構成している。これにより、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合にのみ用いられる専用の演出態様を設けること無く、且つ、遊技者に違和感を与えることの無い報知演出を実行することができる。
なお、本実施形態では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成することで、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に実行される報知演出の演出態様を切替設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の最終ラウンド期間中から報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも長い期間実行される報知演出を実行可能に構成しても良いし、大当たりエンディング期間が設定されてから所定期間の間、大当たり遊技の最終ラウンド期間中に実行されるラウンド演出を継続して実行し、その後、報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも短い期間の報知演出を実行するように構成しても良い。
このV入賞装置2650は、上述した第8実施形態のV入賞装置2650(図194〜図196参照)と同一内容で構成されているため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、可変表示ユニット80の右側領域の構成、及び、右側領域を流下した球がスルーゲート67、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、V入賞装置2650へと入球する割合については、上述した左側領域と同一であるため、その詳細な説明は省略する。以上、説明をした通り、本実施形態では、設定されている遊技状態に関わらず、ひいては大当たり遊技が実行されているか否かに関わらず、遊技者が右打ち遊技を実行しても左打ち遊技を実行しても同様の特典が付与されるように構成している。よって、遊技者は自分の気分に合わせて任意の遊技方法で遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、図229に示した通り、パチンコ機10の遊技盤13の構成を左右対称に構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が獲得可能な特典量が左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで大きく乖離しないように構成すれば良く、例えば、左側領域に設けられる一般入球口63の数を、右側領域に設けられる一般入球口63の数よりも少なくし、且つ、第1入球口64へと球が入球する割合を、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが高くなるように構成し、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも賞球を獲得し難いが第1特別図柄抽選を実行し易くし、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも賞球を獲得し易いが第1特別図柄抽選を実行し難くするように構成しても良い。このように構成した場合には、通常状態中、即ち、第1入球口64へと球を入球させる遊技を実行している間は、遊技者が任意の遊技方法で遊技を行うことができ、第2入球口640へと球を入球させる遊技(時短状態や確変状態中の遊技)においては、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技とすることができる。
<第10実施形態における表示内容について>
次に、本第10実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容について図230を参照して説明する。図230(a)および(b)は本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容を模式的に示した模式図である。本第10制御例における第3図柄表示装置81の表示内容は、上述した第1制御例における第3図柄表示装置81の表示内容に対して、第3図柄(特別図柄と同期して変動表示される装飾図柄)のスクロール方向を、縦方向から横方向(右から左方向)へと変更した点と、特別図柄の抽選結果を示すための有効ラインの数を1つ(図11(a)参照)から5つ(図230(a)参照)に変更した点と、遊技に関わる情報の報知態様を異ならせた点で相違している。また、第1制御例と同一(同様)の要素であるが説明の便宜上異なる符号を付しているものもある。それ以外は、同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列(Z1〜Z3)が表示される(図230(a)参照)。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「1」から「9」の数字を模した識別情報が付された10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。なお、本実施形態では、特定の数字を模した識別情報(例えば、「4」の数字を模した識別情報)の数が、他の数字を模した識別情報の数よりも多くなるように構成している。これにより、特定の数字を模した識別情報がリーチ状態となった場合には、他の識別情報でリーチ状態となった場合よりも、有効ライン上を通過する大当たり図柄(特定の数字を模した識別情報)の数を増やすことができるため、遊技者に対して大当たり当選の期待度が高いのではと視覚的に予測させることができる。
本制御例のパチンコ機10では、主図柄が数字を模した識別情報毎に異なる種類のキャラクタ(魚等)を用いて形成されている。このように、各識別情報に対応させたキャラクタを用いることで、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を視覚的に報知することができるため分かり易い遊技を行わせることができる。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
主表示領域Dmは、上・中・下のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3は、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって左右方向へスクロールして変動表示が行われる。
具体的には、上図柄列Z1は右から左に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されており、中図柄列Z2と下図柄列Z3は左から右に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されている。さらに、各図柄列には、主図柄の間に特別図柄の抽選結果を示さない副図柄(ブランク図柄)も形成されている。図230(b)では三角を模した図柄を用いてブランク図柄(副図柄)を表示している。
そして、図230(a)に示した通り、主表示領域Dmは、上下方向に形成される3つの有効ラインL1〜L3、及び、斜め方向に形成される2つの有効ラインL4,L5を有しており、各図柄列Z1〜Z3が停止表示された状態で、第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本制御例では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
図230(a)に示した通り、本制御例では、各有効ライン(L1〜L5)が、各図柄列Z1〜Z3の図柄表示位置を含むように形成されているため、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される各図柄列V1〜V3の全てが停止表示されるまで、対応する特別図柄の抽選結果を分かり難くすることができる。よって、最後の図柄列(本制御例では、中図柄列V2)が停止表示されるまでの間、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示に興味を持たせることができる。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本制御例では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図230(b)を参照して説明をする。図230(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には小表示領域Dm1が形成され、正面視右上には小表示領域Dm2が形成されている。この小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)、或いは、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。
また、小表示領域Dm2は、普通図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、普通図柄(普図)の抽選状況を示すための第4図柄(普図第4図柄)、或いは、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。
このように小表示領域Dm1,Dm2を設けることにより、特別図柄の抽選状況や普通図柄の抽選状況を遊技者に報知することができる。なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、第4図柄を、丸印とバツ印といった図形を模した表示態様で示しており、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を変動表示させることで(図230(b)の小表示領域Dm1参照)、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を停止表示させることで(図230(b)の小表示領域Dm2参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として数字を用いた表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、数字や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図230(b)に示した通り、本実施形態では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域Dm1,Dm2)を、主表示領域Dmの左上側、右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域Dmの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて異ならせても良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第4図柄表示領域を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成すると良い。
副表示領域Dsに表示される表示内容については、第1制御例と略同一であるため詳細な説明は省略するが、副表示領域Dsを左右方向に2つの小領域Ds1,Ds2に区画しているが、本第8制御例では、副表示領域Dsの表示領域を小領域Ds1のみとし、その小領域Ds1内に、実行中領域Ds1aと、待機中領域Ds1bとを形成するように構成している。実行中領域Ds1aの表示内容については、上述した第1制御例の小領域Ds1と同一であるため詳細な説明を省略する。
次に、待機中領域Ds1bの表示内容について説明をする。本実施形態では、待機中領域Ds1bに8つの台座が表示され、通常時は特別図柄の保留球数を示すための保留図柄が表示されるように構成している。
なお、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)と、第2特別図柄の保留球(特図2保留球)との合算値が8となった場合、即ち、一番右の台座に保留図柄が表示されると、即ち、特別図柄の保留球数が上限値(8)に到達した場合に、保留記憶されている8個の保留図柄を用いた専用演出(期間演出)が実行されるように構成しても良く、この期間演出が実行されている間は、待機中領域Ds1bには、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄では無く、期間演出が実行される期間(期間演出の対象となる保留図柄)のみを示す演出用保留図柄が表示されるように構成しても良い。
このように構成することで、期間演出中に新たな保留球を獲得したとしても、待機中領域Ds1bに新たな保留図柄が表示されることが無いため、遊技者に期間演出がいつまで続くのかを分かり易く報知することができる。
なお、本第10実施形態では、パチンコ機10の遊技盤13が左右対象に構成されており、右打ち遊技を行った場合と、左打ち遊技を行った場合とで、同様の遊技結果が付与されるように構成しているため、表示されることが無いが、例えば、設定されている遊技状態に応じて、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが有利な遊技方法となる場合と、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが有利な遊技方法となる場合とを設定可能にしたパチンコ機10であれば、第3図柄表示装置81の表示画面に、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
より詳細に説明をすると、案内表示領域として、遊技者に対して右打ち遊技を行わせることを案内するための「右打ち」の表示態様と、遊技者に対して左打ち遊技を行わせることを案内するための「左打ち」の表示態様と、が表示されるように構成すると良く、「右打ち」の表示態様は、右打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、例えば、確変状態、時短状態中及び、大当たり遊技中に表示され、「左打ち」の表示態様は、右打ち遊技が終了してから所定期間(例えば、10秒間)表示されるように構成すれば良い。また、左打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、通常状態中に、右打ち遊技が実行されていることを検知した場合にも、所定期間(例えば、10秒間)「左打ち」の表示態様が表示されるように構成すると良い。また、上述した各実施形態において説明をした第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様を適宜表示可能に構成しても良い。
<第10実施形態の演出内容について>
次に、図231から図236を参照して、本第10実施形態のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出内容のうち、特徴的な演出内容について説明をする。まず、図231(a)を参照して、通常状態中におけるリーチ成立時の表示画面について説明をする。図231(a)は、通常時(通常状態)にてリーチ状態となった場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。本実施形態では、変動表示される第3図柄が、上図柄列Z1、下図柄列Z2の順で停止表示され、有効ラインL1〜L5(図230(a)参照)の何れかにて、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z2が停止表示された場合にリーチ状態となり、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z2が停止表示された有効ラインをリーチ有効ラインとして、中図柄列Z2が変動表示されるように構成している。そして、リーチ状態となってからは、中図柄列Z2が各識別情報(第3図柄)を遊技者が視認可能な低速度(主図柄(数字を模した第3図柄)が1つ移行するのに要する時間が約0.5秒の速度)で変動表示されるように構成している。
上述した通り、本実施形態では、1つの図柄列が主図柄を10種類有しているため、中図柄列Z2が低速度で変動表示されている場合には、1周するまでに要する時間が5秒(0.5×10)となるように構成している。そして、低速度で変動表示されている中図柄列Z2が、そのまま停止表示される。或いは、特定の移行条件が成立したことに基づいて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成している。
さらに、本実施形態では、図231(a)に示した通り、どの第3図柄(図231(a)では、「9」を模した識別情報(カニを模した第3図柄))でリーチ状態となった場合であっても、リーチ中に変動表示される中図柄列Z2(図230参照)が数字の「1」を模した識別情報(タコを模した第3図柄)が最初に視認可能となるように低速変動表示が実行されるように構成している。
加えて、本実施形態では、リーチ状態となってからの中図柄列Z2の変動態様に応じて、変動演出の演出態様が可変するように構成しており、例えば、リーチ状態となってから中図柄列Z2が1周したタイミングや、2周したタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変し得るように構成している。よって、本実施形態のように、リーチ状態となってから最初に視認可能となる中図柄列Z2の識別情報を統一させることにより、遊技者に対して、どのタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するのかを分かり易くすることができる。
なお、本実施形態では、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングをリーチ状態となってから中図柄列Z2が1周したタイミングや、2周したタイミングとしているがこれに限ること無く、例えば、リーチ状態となってから大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインを通過するタイミングや、大当たりを示す組合せとなる識別情報から一つずれた識別情報がリーチ有効ラインを通過するタイミングにて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成してもよい。このように、リーチ停止されている識別情報の種別に対応した特定の識別情報がリーチ有効ラインを通過することに基づいて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成することで、遊技者に対して、大当たりとなる組合せで中図柄列Z2が停止表示されるタイミングと、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングとに関係性を持たせることができる。具体的には、リーチ状態となってから大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインを通過するタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成した場合には、遊技者に対して、大当たりとなる組合せで中図柄列Z2が停止表示されるタイミングと、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングとを重複させることができるため、大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインに接近する際に遊技者に大きな期待感を持たせながら変動演出を注視させることができる。
ここで、本実施形態では、上述した通り、どの第3図柄でリーチ状態となった場合であっても、特定の識別状態(数字の1を模した第3図柄)が最初に視認可能となるように中図柄列Z2が低速変動表示されるように構成しているため、例えば、最終的に停止表示させる第3図柄の組合せを大当たりとなる第3図柄の組合せに対して1種類ずらした組合せ(リーチ1コマ外れ)とする場合(最終停止表示態様を予め決定する場合)には、リーチ状態となってから全ての第3図柄が停止表示されるまで(最終停止表示態様が停止表示されるまで)の期間が、リーチ状態となる第3図柄の種別によって異なってしまうという新たな問題が発生する。
具体的には、「数字の1を模した第3図柄」でリーチ状態となった場合には、中図柄列Z2は「数字の1を模した第3図柄」を特定の図柄として低速変動表示するため、最終停止表示態様としてリーチ1コマ外れで中図柄列Z2を停止表示させるには、リーチ状態となってから5.5秒(1周目)、10.5秒(2周目)を要し、「数字の6を模した第3図柄」でリーチ状態となった場合には、中図柄列Z2は「数字の1を模した第3図柄」を特定の図柄として低速変動表示するため、最終停止表示態様としてリーチ1コマ外れで中図柄列Z2を停止表示させるには、リーチ状態となってから8秒(1周目)、13秒(2周目)を要することになる。
よって、同一の変動時間が設定される変動パターンにて、異なる種別の第3図柄でリーチ状態を成立させるためには、第3図柄の停止表示タイミングからリーチ状態となるタイミングを逆算して設定する処理を実行する必要があった。つまり、変動開始タイミングからリーチ状態となるまでの期間がリーチ状態となる第3図柄の種別に応じて可変する統一性の無いリーチ演出が実行されてしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、特別図柄の抽選の実行に伴って、特別図柄の抽選結果を示すための第1図柄の変動時間を主制御装置110において抽選により決定し、その決定した変動時間を、変動パターンコマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としている。そして、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に適合する演出期間の変動表示演出を選択して、第1図柄の変動表示に同期させて、第3図柄の変動表示演出を実行する構成としている。そして、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドは、基本の変動時間を示す基本時間コマンドと、加算される変動時間を示す加算時間コマンドとで構成されており、加算時間コマンドに含まれる変動時間の長さに基づいてリーチ状態となる第3図柄の種別を可変させるように構成している。より具体的には、30秒の変動時間の変動パターンが決定された場合には、基本時間コマンドとして30秒に対応するコマンドが通知されると共に、加算時間として0秒に対応するコマンドが通知される。一方で、37秒の変動時間の変動パターンが決定された場合には、基本時間コマンドとして30秒に対応するコマンドが通知されると共に、加算時間として7秒に対応するコマンドが通知される。つまり、加算時間コマンドの通知内容により、基本時間よりも7秒長い変動種別であることを音声ランプ制御装置113側で識別可能に構成されている。これにより、加算時間コマンドの内容を確認するだけで、リーチ状態とする第3図柄の種別を設定することができる。
次に、図231(b)〜図234を参照して、通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄変動(抽選)に関する演出内容について説明をする。まず、図231(b)を参照して、通常状態において、当たり当選している普通図柄変動の実行中における第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図231(b)は、通常状態において、当たり当選している普通図柄変動の実行中に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図231(b)に示した通り、普通図柄変動が実行されると、小表示領域Dm2に、普通図柄変動が実行されていることを示す変動表示態様(図では矢印で表示)が表示される。そして、主表示領域Dmの右下側に小表示領域Dm3が形成され、その中に普図当たり遊技にて開放動作される電動役物640を模したアイコンが表示されると共に、小表示領域Dm3が形成されたことを遊技者に報知するための強調表示(図では、6本の線で表示)が実行される。なお、図231(b)で示した状況は、当たり当選している普通図柄変動の実行中であるため、小表示領域Dm3に表示されるアイコンは、閉鎖状態の電動役物640を模した表示態様となっている。このように構成することで、遊技者に対して、間もなく普図当たり遊技が実行されるのでは?と予測させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図231(b)では、当たり当選している普通図柄変動の実行中を一例に挙げて説明をしたが、抽選結果が外れである普通図柄変動の実行中の一部(例えば、外れ変動の1/100の確率)で小表示領域Dm3を形成し、電動役物640を模したアイコンを表示する演出(ガセ演出)を実行するように構成している。この場合、実行中の普通図柄変動(外れ変動)が停止表示するまでに、小表示領域Dm3が消滅する演出態様が設定される。このように構成することで、遊技者に対して普図当たり遊技が実行されることを期待する期間を長くすることができる。
詳細は後述するが、本実施形態では、普通図柄の抽選権利も最大で4個保留可能に構成しており、新たな抽選権利(普図保留)を獲得した場合に、獲得した抽選権利を用いた普通図柄抽選の結果を事前判別可能に構成している。そして、その事前判別結果を示すコマンド(情報)を、音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成している。よって、普図当たり遊技の実行を示唆する示唆演出を当たり当選している普通図柄変動が実行されるよりも前段階、即ち、事前判別結果が当たり当選である普図保留を獲得している段階から普図当たり遊技が間もなく実行されることを示唆する示唆演出を実行することができる。この場合、図231(b)に示した示唆演出よりも、遊技者に分かり難い演出態様で示唆演出を実行するように構成すると良く、例えば、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果、或いは、獲得している特図保留に対する事前判別結果、を示唆する演出と同一の演出態様で示唆演出を実行するように構成し、実行された示唆演出によって、遊技者に有利な状況が間もなく訪れることのみを遊技者に報知するように構成しても良い。
このように、実際に普図当たり遊技が実行されるタイミングと、示唆演出の実行タイミングとが乖離するほど遊技者に普図当たり遊技が実行されることを示すための示唆演出の演出態様を分かり難く、ひいては、示唆演出の対象が普図当たり遊技であることを分かり難くすることにより、示唆演出が実行された場合における遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図232(a)を参照して、通常状態中に普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行された場合の演出内容について説明をする。図232(a)は、通常時(通常状態中)において普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行された場合に表示される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態中では、普通図柄抽選で当たり当選する確率が1/100に設計されており、普通図柄の低確率状態で実行される普通図柄変動の変動時間が10秒に設計されている。そして、図229を参照して上述した通り、右打ち遊技を実行した場合、左打ち遊技を実行した場合の何れにおいても発射した球の約1/2がスルーゲート67を通過するように構成している。また、普通図柄の抽選権利(普図保留)を最大で4個記憶可能に構成している。
つまり、通常状態にて遊技を継続している間は、継続して普通図柄抽選が実行され、約1000秒に1回の割合で普図当たりに当選するように構成している。さらに、通常状態で普図当たり当選した場合には、電動役物640が5秒間開放される普図当たり遊技(ロング開放当たり)が実行されるように構成している。また、図229に示した通り、電動役物640は第1入球口64の下方に設けられているため、第1入球口64を狙う遊技を継続するだけで発射された球が第2入球口640へと入球し得るように構成している。よって、低確率で発生する普通図柄の低確率状態中における普図当たり遊技にて遊技者が球を第2入球口640へと入球させることが出来ない事態が発生することを抑制している。
図232(a)に示した通り、通常状態にて普図当たり遊技が実行されると、小表示領域Dm2にて、普通図柄抽選の結果が当たりであることを示す組合せ(図では2つの丸印)で、識別情報(図柄)が停止表示され、主表示領域Dmの上側にて「電チューを狙ってね」のコメントが表示され、小表示領域Dm3には開状態の電チュー(電動役物640)を模したアイコンが表示される。なお、普通図柄抽選と、特別図柄抽選とは並行して(重複して)実行可能に構成しているため、特別図柄変動に対応して実行される第3図柄の変動表示、及び、小表示領域Dm1にて実行される第4図柄の変動表示は普図当たり遊技中も継続して実行される。
また、副表示領域Dsの待機中領域Ds1bには、第2入球口640に球が入球したことに基づいて獲得した第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)の数を示す特図2保留図柄(図では、黒丸で表示)が、獲得している第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)の数を示す特図1保留図柄(図では、白丸で表示)よりも優先して(待機中領域Ds1bの左側に)表示される。つまり、図232(a)に示した状態では、普図当たり遊技中に第2入球口640に球を4個以上入球させた後の状態であって、特図2保留を上限数である4個獲得した後の状態を示したものである。
本実施形態では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選を優先して実行するように構成しているため、後に獲得した特図2保留のほうが先に獲得している特図1保留よりも優先して特別図柄抽選が実行される。このように構成することで、通常状態中に普図当たり遊技が実行され、複数の特図2保留を獲得した場合に、第2特別図柄抽選を優先的に連続して実行することが可能となるため、第2特別図柄の抽選が実行される1つの期間を遊技者に有利な有利期間(チャンスゾーン)として専用の演出を実行することができ、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
次いで、通常状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行されるチャンスゾーン中の演出内容について、図232(b)から図234を参照して説明する。図232(b)は、チャンスゾーンが設定された場合に実行される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。図232(b)に示した通り、通常状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行されると、主表示領域Dmの上側に「チャンスゾーン突入」のコメントが表示される。このチャンスゾーンは通常状態中に獲得した全ての特図2保留を消化するまでの期間に設定される有利期間であって、基本的に最初の第2特別図柄抽選(変動)が開始されてから最後の第2特別図柄抽選(変動)が終了するまでの期間、第3図柄表示装置81の表示面に表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して現在が有利期間であることを分かり易く報知することができる。
また、副表示領域Dsには、チャンスゾーン中に大当たり当選した場合には、高確率で確変状態を獲得できることを示すための案内表示態様として「確変GET高確率中」の文字が表示される。なお、詳細な説明は後述するが、このチャンスゾーン中には、1回の特別図柄変動(第2特別図柄変動)中に、複数回の特別図柄変動が実行されたように見せる擬似変動演出を実行するように構成している。よって、副表示領域Dsにて表示されていた特別図柄の保留記憶数を示す表示態様(図232(a)参照)が非表示となり、主表示領域Dmの右上側に形成された小表示領域Ds11にて特図1保留数(図では特図1保留数が2個であることを示す「2」)が、小表示領域Ds12にて特図2保留数(図では、特図2保留数が3個であることを示す「3」)が表示される。
図232(b)に示した通り、小表示領域Ds11、及びDs12に表示される表示態様は、副表示領域Dsの待機中領域Ds1b(図232(a)参照)に表示される表示態様よりも遊技者が視認し難くなりように構成しているため、チャンスゾーン中は遊技者に特図保留数を把握させ難くすることができる。よって、チャンスゾーン中に疑似変動演出が実行された際に、実際に複数回の特別図柄抽選(変動)が実行されたのではと思わせることができ演出効果を高めることが出来る。なお、本実施形態では、主表示領域Dmの一部領域(小表示領域Ds11、及びDs12)を用いて、特図保留数を表示するように構成しているが、これに限ること無く、チャンスゾーン中は特図保留数を遊技者に報知しないように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の表示面以外の領域(例えば、可変表示ユニット80に設けられたLED)にて特図保留数を報知するように構成しても良い。さらに、遊技者に特図保留数を識別させ難く構成すれば良く、例えば、遊技者が容易に特図保留数を識別可能な数字を用いた表示態様から、各特図保留数に対応させて色を可変させる表示態様へと切替えても良い。このように構成した場合には、特図保留数を示すための表示態様を遊技者が容易に把握できたとしても、現在の特図保留数が容易に識別されてしまうことを抑制することができるため、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、図232(b)に示した通り、主表示領域Dmの右下側には、現在が第2特別図柄の変動中であることを示すウサギを模したキャラクタ1801が表示される。上述した通り、特別図柄抽選(変動)と、普通図柄抽選(変動)とは並行して(重複)して実行されるため、普図当たり遊技が実行されている期間が、第1特別図柄の変動期間中と重複する場合(図232(a)参照)と、重複しない場合とがある。第1特別図柄の変動期間中と重複して普図当たり遊技が実行された場合には、実行中の第1特別図柄変動が終了した後に第2特別図柄抽選が実行され、第1特別図柄の変動期間中と重複していない場合には、普図当たり遊技中に球が第2入球口640へと入球した直後(普図当たり遊技中)に第2特別図柄抽選が実行される。つまり、普図当たり遊技が実行された際の第1特別図柄の変動状況に応じて、第2特別図柄抽選の実行タイミングが異なることになり、現在実行されている特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者が正確に判別し難くなるという問題は発生する。
これに対して本実施形態では、第2特別図柄変動が実行されると、主表示領域Dmにてキャラクタ1801が表示されるように構成しているため、現在実行されている特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図233(a)から図234を参照して、チャンスゾーン中に実行される変動演出のうち、疑似変動演出(特殊変動演出)の演出内容について説明をする。図233(a)は、特殊変動演出中において第3図柄が仮停止した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図233(b)は、特図2保留を獲得している状態で実行される特殊変動演出において第3図柄が再始動した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図234は、特図2保留を獲得していない状態で実行される特殊変動演出において第3図柄が再始動した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
ここで、特殊変動演出(疑似変動演出)の演出内容について説明をする。この特殊変動演出は、1回の第2特別図柄変動の変動期間中に第3図柄を停止表示(仮停止表示)させ、その後再始動させる変動演出であり、遊技者に対して複数回の特別図柄変動が実行されたと思わせる擬似的な変動演出である。まず、特殊変動演出の前半期間(約10秒)を用いて、リーチ演出を実行し、前半期間の終了タイミングにて、図233(a)に示した通り、外れを示す組合せ(図では「353」で表示)で第3図柄を仮停止表示(図では、第3図柄に波線を付して表示)させる。このタイミング、即ち、特殊変動演出の前半期間の終了タイミングでは、副表示領域Dsに特別図柄抽選の結果が外れであることを示唆する「残念」の文字が表示され、遊技者に対して、チャンスゾーン中に実行された1の第2特別図柄抽選が外れであったと思わせるように構成している。つまり、特殊変動演出の前半期間では、大当たり当選に期待を持たせたリーチ演出が外れを示す演出結果で停止表示(仮停止表示)される特殊前半演出が実行される。
その後、特殊変動演出の後半期間にて、仮停止していた第3図柄を再始動させる変動演出(特殊後半演出)が実行される。この特殊後半演出は、獲得済みの特図2保留数に応じてその演出態様を異ならせるように構成しており、例えば、特図2保留を確保している状態では、図233(b)に示した通り、チャンスゾーン中の第2特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行され、特図2保留を確保していない状態では、図234に示した通り、チャンスゾーンが終了した後に実行される第1特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行される。つまり、本実施形態では、特殊変動演出として、実行中の第2特別図柄変動が終了した後に実行される特別図柄変動の種別を特図保留数に基づいて判別し、その判別結果に対応した演出態様で特殊後半演出の演出態様を設定している。よって、遊技者に対して、1回の第2特別図柄変動中に複数回の特別図柄変動が実行されたとより強く思わせることができる。
さらに、本実施形態では、チャンスゾーン中の第2特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行される場合(図233(b)参照)には、獲得済みの特図2保留数に対応させて後半期間中に第3図柄を仮停止させる回数を異ならせるように構成している。なお、詳細な説明は省略するが特殊変動演出が実行される際に、特図2保留、及び特図1保留の何れも確保していない場合は、図233(a)に示した第3図柄の仮停止表示を実行することなく、第2特別図柄変動の変動期間の全てを用いて1回の変動演出(第3図柄を一度も仮停止表示させることの無い変動演出)を実行するように構成している。これにより、特図保留数を確保している状態にのみ上述した特殊変動演出が実行されることになるため、1回の第2特別図柄変動中に複数回の特別図柄変動が実行されたとより強く思わせることができる。
加えて、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合にのみ、後半期間中に実行される第3図柄の仮停止回数を、獲得済みの特図2保留数と異ならせた演出態様が設定されるように構成している。よって、例えば、第3図柄が5回以上仮停止した場合には実行中の第2特別図柄変動が大当たり当選しているのではと遊技者に期待を持たせることができる。なお、上述した通り、本実施形態では、第3図柄が仮停止表示された場合と、停止表示された場合とを遊技者が識別困難に構成しているため、仮停止回数を正確に判別し難い。よって、仮停止表示回数と停止表示回数とを混在させて5回以上仮停止表示したと思わせたり、仮停止表示の一部を停止表示と思い込み、実際には5回以上仮停止表示されたにも関わらず、仮停止表示回数が5回に到達していない状態と思わせたりすることができ、遊技者に演出結果を予測する楽しみを提供することができる。
なお、特殊変動演出の演出態様としてこれ以外の構成を用いても良く、例えば、1回の第2特別図柄変動中に仮停止表示された第3図柄の回数を遊技者に容易に把握させるための仮停止表示回数を示す表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成しても良いし、1回の第2特別図柄変動中に仮停止表示された第3図柄の回数に応じて特殊変動演出の演出態様の少なくとも一部(例えば、背景の色や、第3図柄のエフェクト等)が段階的に可変するように構成しても良い。また、仮停止している第3図柄を再表示させるタイミングにて一時的に仮停止表示された回数を示す表示態様(例えば、1回目、2回目)を表示するように構成しても良い。
図234に示した通り、特図2保留を確保していない状態で特殊変動演出が実行された場合には、チャンスゾーンが終了したことを示す表示態様として「チャンスゾーン終了」の文字が副表示領域Dsに表示され、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示が第1特別図柄変動に対応する変動表示(水平方向へと第3図柄が変動する変動表示)となる演出態様が特殊後半演出として実行されるため、遊技者に対してチャンスゾーンが終了したと思わせた後に、特殊変動演出の演出結果、即ち、第2特別図柄の抽選結果が停止表示されることになる。よって、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
次に、図235を参照して、確変状態が設定されている状態における演出内容について説明をする。図235(a)は、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄変動が実行された場合の演出内容の一例を模式的に示した模式図であって、図235(b)は、確変状態が設定されている状態で第2特別図柄変動が実行された場合の演出内容の一例を模式的に示した模式図である。
本実施形態では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合には、第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。そして、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、高確率で確変状態が設定される(大当たり遊技中に特定ゲートへと容易に球を流下させることができる確変大当たり遊技が必ず実行される)ように構成している。そして、確変状態は特別図柄抽選が所定回数(50回)実行されるまで継続するように構成している。
つまり、一度確変状態が設定されると、所定回数(50回)の特別図柄抽選が実行されるまでに第2特別図柄抽選で大当たり当選(特別図柄の高確率状態での大当たり確率は1/50)に当選する限り、高確率で確変状態をループさせることができるように構成している。よって、確変状態中の遊技を実行している遊技者に対して、いち早く第2特別図柄抽選で大当たり当選するように意欲的に遊技を行わせることができる。
一方、確変状態が設定されている状態であっても、例えば、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選で確変大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に確変状態が設定された直後、即ち、確変状態が設定された状態において、特図2保留を獲得しておらず、且つ、特図1保留を獲得している状態では、第1特別図柄抽選が実行される場合がある。本実施形態では、上述した通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には100%の割合で確変大当たり遊技が実行されるのに対して、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には50%の割合で確変大当たり遊技が実行され、残りの50%では通常大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、確変状態が設定されている状態であっても、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、確変状態をループさせることが出来ない場合がある。
このように確変状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、当選した大当たりが通常大当たり遊技が実行される大当たり種別(通常大当たり)であることを遊技者に早期に判別されてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題が発生するため、本実施形態では、確変状態中に実行される第1特別図柄変動に対応する変動演出として、確変大当たりに対応する第3図柄(奇数の数字が付された識別情報)と、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)と、が同時にリーチ状態となる変動演出であるダブルリーチ演出が実行され易くなるように構成している。より具体的には、確変状態中に実行される第1特別図柄抽選で通常大当たりに当選した場合には、必ず上述したダブルリーチ演出が実行されるように構成している(図235(a)参照)。
これにより、確変状態中に実行される第1特別図柄抽選で通常大当たりに当選した場合において、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)のみがリーチ状態となるリーチ演出が実行されることを防止することができ、特別図柄の変動期間中に通常大当たりに当選することを遊技者に事前に予測されることを抑制することができる。
また、図235(a)に示した通り、本実施形態では、確変状態が設定されると、上述したチャンスゾーン中と同様に、小表示領域Ds11、及びDs12が形成され、遊技者に対して特図保留数が把握され難くなるように構成している。そして、主表示領域Dmの上側には現在が確変状態中であることを遊技者に報知するための表示態様として「スーパーチャンスモード中」の文字が表示される。
ここで、スーパーチャンスモード中において、図235(a)に示したダブルリーチ(確変大当たりに対応する第3図柄(1の数字が付された識別情報)と、通常大当たりに対応する第3図柄(2の数字が付された識別情報)と、が同時にリーチ状態となる変動演出であるダブルリーチ演出)が実行された場合には、実行中の特別図柄変動が第1特別図柄変動であることを遊技者に容易に把握されてしまう虞があるため、本実施形態では、第2特別図柄変動に対応させて実行される変動演出においても、図235(a)にしめしたダブルリーチ演出を実行可能に構成している。即ち、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対応させた変動演出にて、通常当たりに対応する第3図柄を用いたダブルリーチ演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、図235(a)に示したダブルリーチ演出が実行されたとしても、実行中の特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者に容易に判別させ難くすることができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄抽選に対応させた変動演出としてダブルリーチ演出が実行された場合には、中図柄列Z2が1周したタイミングでリーチ状態となる第3図柄の種別を図235(b)に示した通り、確変大当たりに対応する第3図柄(1の数字が付された識別情報と9の数字が付された識別情報)とに可変させる演出(確変ダブルリーチへの昇格演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、実行中の特別図柄抽選が大当たり当選している場合に、必ず確変大当たり遊技が実行されることを遊技者に事前に報知することができる。また、第1特別図柄抽選に対応させた変動演出としてダブルリーチ演出が実行された場合であっても、途中で確変ダブルリーチへと昇格するのではと遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、実行中のダブルリーチ演出を確変ダブルリーチ演出へと可変(昇格)させるための可変条件として、中図柄Z2の変動態様が所定態様(1周経過)となった場合に成立する可変条件を設定しているが、これに限ることなく、例えば、中図柄列Z2にて変動表示される第3図柄としてリーチ状態に対応する第3図柄(大当たりとなる組合せとなる第3図柄)がリーチ有効ラインを通過した場合に成立する可変条件を設定しても良いし、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対する操作結果が特定の操作結果である場合に成立する可変条件を設定するように構成しても良い。
また、本実施形態では、可変条件が成立した場合にリーチ状態となっている第3図柄の種別を可変するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、リーチ状態となる第3図柄の数を増加させるように構成しても良い。より具体的には、図235(a)に示したダブルリーチ状態から、ブランク図柄(図では三角印で表示)を消去し、上図柄列Z1として左から順に「3.2.1」を表示させ、下図柄列Z3として左から順に「1.2.3」を表示させた、トリプルリーチ演出を実行するように構成しても良い。このように構成した場合であっても、ダブルリーチ演出よりもトリプルリーチ演出のほうが、確変大当たりに対応した第3図柄のリーチ数を多くすることができるため、今回の特別図柄抽選にて確変大当たりに当選している可能性が高いことを遊技者に視覚的に報知することができる。
加えて、上述した技術思想を通常状態中に実行される変動演出に適用しても良く、例えば、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)のみがリーチ状態となる通常シングルリーチ演出中に可変条件が成立した場合に、リーチ状態である第3図柄の種別を確変大当たりに対応した第3図柄の種別へと切り替えても良いし、リーチ状態となる第3図柄の数を増加させるように構成しても良い。これにより、変動演出が終了するまで遊技者に対してより有利な演出結果が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図236を参照して、本実施形態における大当たりエンディング期間中実行される演出内容について説明をする。図236(a)は、通常大当たり遊技のエンディング期間のうち、前半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図236(b)は、確変大当たり遊技のエンディング期間のうち、前半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図236(c)は、通常大当たり遊技のエンディング期間のうち、後半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図236(d)は、確変大当たり遊技のエンディング期間のうち、後半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図である。
本実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態が設定され易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)では、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態が設定され難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)よりも、大当たりエンディング期間が長く設定されるように構成している。具体的には、確変大当たりでは大当たりエンディング期間として17秒が、通常大当たりでは大当たりエンディング期間として15秒が設定されるように規定している。これにより、エンディング期間中にて遊技者に対して確変状態が設定されることを分かり易く報知することができる。
また、本実施形態では、上述した通り、確変大当たり遊技が実行された場合であっても、V入賞装置2650に入賞した球を特定ゲートへと流下させないと確変状態が設定されないように構成している。よって、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合には、確変大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることなく、通常大当たり遊技と同様に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。
この場合、確変大当たり遊技のエンディング期間において確変状態が設定されることを示す報知演出が実行されてしまうと、報知演出の演出内容と実際に設定される遊技状態とが相違してしまい遊技者に不満感を与えてしまうという問題があった。さらに、確変大当たり遊技のエンディング期間(17秒)において実行される報知演出の演出態様を、通常大当たり遊技のエンディング期間(15秒)において実行される報知演出の演出態様へと切り替えた場合には、実際のエンディング期間の長さと報知演出の演出期間の長さが異なってしまい、遊技者に違和感のある報知演出を実行することになるという問題があった。
そこで、本実施形態では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、さらに、後半期間の長さを大当たり遊技の種別に関わらず統一の期間(7秒間)とするように構成している。そして、後半期間に実行される報知演出の演出態様を大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に応じて決定するように構成している。
具体的には、図236に示した通り、通常大当たり遊技が実行される場合には、大当たりエンディング期間中に実行される報知演出として、前半期間(8秒)に対して、時短状態が設定されることを示唆する「チャンスモード100回」の文字が表示される演出態様(図236(a)参照)を実行し、その後、後半期間(7秒)に対して、時短状態中に大当たり当選すると(第2特別図柄抽選で大当たり当選すると)、確変状態が設定されやすいことを示すための遊技案内態様として「チャンスモード中に当たりとスーパーチャンスGET」の文字が表示される演出態様(図236(c)参照)を実行するように構成している。
一方、確変大当たり遊技が実行される場合には、大当たりエンディング期間中に実行される報知演出として、前半期間(10秒)に対して、確変状態が設定されることを示唆する「スーパーチャンスモード100回」の文字が表示される演出態様(図236(b)参照)を実行し、その後、後半期間(7秒)に対して、遊技内容とは直接関係の無い注意喚起態様として「カードの取り忘れにご注意下さい」の文字が表示される演出態様(図236(d)参照)を実行するように構成している。
本実施形態では、上述した大当たりエンディング期間中の演出態様が、大当たり遊技が実行されるタイミングにて予め設定されるように構成されている。これにより、様々な制御処理が実行される大当たり遊技中において、報知演出の演出態様を決定するための処理を毎回実行する必要が無くなるため、大当たり遊技中に実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
ここで、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができなかった場合について説明をする。この場合、図236(b)に示した表示態様のうち、「スーパー」の文字を非表示にさせる処理と、大当たりエンディング期間の後半期間(7秒)にて実行される報知演出を、通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間(7秒)にて実行される報知演出(図236(c)参照)へと切り替える処理とが実行される。
より具体的には、図236(a)に示した表示態様として「スーパー」の文字が表示される表示レイヤ(表示階層)と、「チャンスモード100回」の文字が表示される表示レイヤ(表示階層)とを異ならせており、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができたか否かの判別結果に基づいて「スーパー」の文字が表示される表示レイヤ(表示階層)に対する表示指示の有無を切り替え可能に構成している。これにより、簡易的な制御処理によって、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができたか否かの判別結果に対応した報知演出を実行することが可能となる。さらに、大当たりエンディング期間の後半期間という同一の長さで設定される期間において、演出態様を切り替えるように構成しているため遊技者に違和感を与えること無く報知演出の演出態様を切り替えることができる。
なお、本実施形態では、大当たり種別によって大当たりエンディング期間の長さを異ならせているが、これに限ること無く、全ての大当たり種別に対して大当たりエンディング期間の長さを統一しても良い。また、本実施形態では、全ての大当たり種別に対して同一の長さとなる期間として大当たりエンディング期間の後半期間を設定しているが、これに限ること無く、大当たりエンディング期間の前半期間が全ての大当たり種別に対して同一の長さとなるように構成しても良い。さらに、大当たり種別が3以上ある場合には、その全ての大当たり種別に対して同一の期間を設定する必要は無く、例えば、大当たり種別Aと大当たり種別Bとでは大当たりの前半期間が同一の長さとなり、大当たり種別Bと大当たり種別Cとでは大当たりの後半期間が同一の長さとなるように構成しても良い。
また、本実施形態では、当選した大当たり種別に応じて異なる長さのエンディング期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中の遊技結果に応じてエンディング期間の長さを異ならせるように構成しても良い。
次に、図237を参照して、本実施形態において選択される特別図柄の変動パターンと、実行される演出態様との関係について説明をする。図237(a)は、第3図柄の変動演出として、非リーチ変動演出が実行される変動パターンが設定された場合の演出の流れを示した模式図であって、図237(b)は、第3図柄の変動演出として、リーチ変動演出が実行される変動パターンが設定された場合の演出の流れを示した模式図である。
詳細な説明は、図242を参照して後述するが、本実施形態では、特別図柄抽選の結果を示すための変動パターン(変動時間)として、基本時間と加算時間とを合算させた変動パターンを規定している。そして、基本時間に該当する期間を共通変動パターンとし、加算時間に該当する期間を特有変動パターンとするように構成している。
つまり、本実施形態では、特別図柄抽選の結果を示すために第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄変動の演出態様として、リーチ状態が表示されてから第3図柄が停止表示されるまでの期間を、リーチ状態となる第3図柄の種別に応じて異ならせるように構成している。そして、加算時間として設定された時間に応じた第3図柄をリーチ状態となる第3図柄として設定するように構成している。このように構成することで、第3図柄が変動を開始してからの所定期間の間に実行される第3図柄変動演出(基本時間に対応させて実行される第3図柄変動演出)を共通化させることができる。
具体的には、図237(a)に示した通り、非リーチ変動演出の場合は、加算時間が設定されないため、基本時間(8秒)に対応させた共通変動パターンが設定され、第3図柄変動演出が開始されてから所定期間が経過したタイミング(例えば、5秒経過タイミング)で上図柄列Z1が停止表示され、その1秒後に下図柄列Z3が有効ライン上にリーチ状態が発生しない停止表示態様で停止表示され、その2秒後に抽選結果が外れを示す停止表示態様で中図柄列Z2が停止表示される。その後、1秒間の停止表示期間(確定時間)を経て、特別図柄抽選の抽選結果が確定表示される。
図237(b)に示した通り、リーチ変動演出が実行される場合は、基本時間(30秒)が設定され、30秒間の共通変動パターンとして、リーチ状態となってから5秒が経過するまでの演出態様が設定される。つまり、リーチ状態となってから中図柄列Z2が1周するまでの演出態様が共通変動パターンとして設定される。その後、加算時間に応じた演出態様(リーチパターン、停止図柄)が設定される。
次に、図238を参照して、大当たり遊技のエンディング期間中に実行されるエンディング演出の演出態様について説明をする。図238(a)は、通常大当たり、図238(b)は、確変大当たりを対象としたエンディング期間の演出の流れを示したものであり、図238(c)は、確変大当たり遊技中に球が特定ゲートを流下しなかった場合の流れを示したものである。
図238に示した通り、本実施形態では通常大当たりと確変大当たりとでエンディング期間(ED期間)を異ならせており、通常大当たりは15秒、確変大当たりでは17秒のED期間が設定されるように構成している。そして、それぞれ前半期間と後半期間とに区分けされたエンディング表示態様が表示されるように構成している(図236参照)。
本実施形態では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング期間における演出態様がセットされ、大当たり期間中にV入賞したか否か(特定ゲートへと球が流下したか否か)の判別をエンディング期間(ED期間)の開始タイミングで判別し、その判別結果に基づいてエンディング表示態様を切り替えるように構成している。
<第10実施形態における電気的構成について>
次に、図239から図245を参照して、本第10実施形態における電気的構成について説明をする。本第10実施形態のパチンコ機10は、上述した第4実施形態のパチンコ機10に対して、主制御装置110内に設けられているROM202の一部、RAM203の一部、及び、音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の一部、RAM223の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図239から図242を参照して、本第10実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明をする。最初に、図239(a)を参照して本第10実施形態における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図239(a)は、本第10実施形態のパチンコ機10における主制御装置110のROM202に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図239(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、上述した第4実施形態におけるROM202(図116参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて特別図柄大当たり乱数10テーブル202jaを、変動パターン選択4テーブル202dcに代えて変動パターン選択10テーブル202jbを、第2当たり乱数テーブル202bに代えて普通当たり乱数10テーブル202jcを、大当たり種別選択4テーブル202dbに代えて大当たり種別選択10テーブル202jdを設けた点、及び、小当たり乱数テーブル202deを削除した点で相違している。さらに、図示は省略するが、本第10実施形態では、上述した第4実施形態に対して、第1当たり乱数カウンタC1に代えて更新範囲のみを異ならせそれ以外は同一の機能を有する特別当たり乱数カウンタC1(更新範囲「0〜999」)を、第2当たり乱数カウンタC2に代えて更新範囲のみを異ならせそれ以外は同一の機能を有する普通当たり乱数カウンタC5(更新範囲「0〜299」)を設けている点で相違している。それ以外の構成については、同一であるため同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、上述した通り、各種カウンタの名称を一部変更しているが、基本的な機能は同一であるため、その詳細な説明や、ROM202に規定されている各種データテーブルにおいて参照される各種カウンタの説明は省略する。
まず、図240(a)を参照して、特別図柄大当たり乱数10テーブル202jaについて説明をする。図240(a)は、特別図柄大当たり乱数10テーブル202jaに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特別図柄大当たり乱数10テーブル202jaは、上述した第1当たり乱数テーブル202a(図23(b)参照)に対して、特別図柄の図柄種別、及び、特別図柄の確率状態に応じて当たりと判定される特別当たり乱数カウンタC1の値を規定している点で相違している。
具体的には、特別図柄抽選が実行された特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)に関わらず、特別図柄の低確率状態が設定されている場合は、大当たり判定値(特別図柄の抽選で大当たりと判定される値)として特別当たり乱数カウンタC1の値「0〜4」の範囲が規定され、特別図柄の高確率状態が設定されている場合は、大当たり判定値とし特別当たり乱数カウンタC1の値「0〜19」の範囲が規定されている。即ち、本第10実施形態では、特別図柄の低確率状態が設定されている状態で何れの種別の特別図柄抽選が実行されたとしても約1/200の確率で大当たりに当選し、特別図柄の高確率状態が設定されている常態で何れの種別の特別図柄抽選が実行されたとしても約1/50の確率で大当たりに当選するように構成している。なお、本実施形態では各特別図柄種別に対して大当たりと判定される特別当たり乱数カウンタC1の値を共通に規定しているが、これに限ること無く、各特別図柄種別に対して異なる特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値となるように規定しても良いし、各特別図柄種別に対して大当たり判定値となる特別当たり乱数カウンタC1の値の数を異ならせても良い。
以上、説明をした通り、本実施形態では、特別図柄の低確率状態が設定されている場合に大当たりと判定される特別当たり乱数カウンタC1の値(「0〜4」)が、特別図柄の高確率状態が設定されている場合にも大当たりと判定される特別当たり乱数カウンタC1の値となるように構成している。このように構成することにより、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理4(図134のS152参照)にて実行される第1先読み処理(図135のS1757参照)や、第2先読み処理(図136のS1764参照)において、例えば、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値を取得した場合に、当該入賞情報に対応する特別図柄抽選が実行される時点における遊技状態を判別(予測)する処理を実行すること無く、当該入賞情報に大当たり当選する情報が含まれていることを事前に予測することができる。なお、これに限ること無く、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される特別当たり乱数カウンタC1の値の少なくとも一部、或いは全部が、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定されないように特別図柄大当たり当たり乱数テーブル202jaの内容を規定しても良い。このように構成することで、同一の特別当たり乱数カウンタC1の値を取得した場合において、当該取得した特別当たり乱数カウンタC1の値を用いた大当たり判定が実行される際に設定されている遊技状態に応じて判定結果を異ならせることができる。よって、特定の特別当たり乱数カウンタC1の値を取得する不正行為を行われ難くすることができる。
次に、図240(b)を参照して、普通当たり乱数10テーブル202jcに規定されている内容について説明をする。図240(b)は、普通当たり乱数10テーブル202jcに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この普通当たり乱数10テーブル202jcは、図240(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した普通当たり乱数カウンタC5が「0〜2」の範囲に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した普通当たり乱数カウンタC5が「0〜149」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態、普通図柄の高確率状態である確変状態、時短状態と、で普図当たり遊技の実行確率を異ならせることができる。
次に、図241(a)を参照して、大当たり種別選択10テーブル202jdの内容について説明をする。図241(a)は、大当たり種別選択10テーブル202jdの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択10テーブル202jdは、第1実施形態における大当たり種別選択テーブル202dと同様に、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルである。
図241(a)に示した通り、本第10実施形態における大当たり種別選択10テーブル202jdには、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図1大当たり用10テーブル202jd1と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図2大当たり用10テーブル202jd2とが規定されている。
次に、図241(b)を参照して、特図1大当たり用10テーブル202jd1に規定されている内容について説明をする。図241(b)は、特図1大当たり用10テーブル202jd1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図1大当たり用10テーブル202jd1は、第1特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。
図241(b)に示した通り、本第10実施形態における特図1大当たり用10テーブル202jd1には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として、「大当たりA」〜「大当たりB」の2個の大当たり種別が規定されている。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、特別当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0〜99」)が「0〜49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203jaの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中にV入賞装置2650内に設けられた特定ゲート(特別排出流路2650e2(図196参照))を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりA」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図241(b)に示した通り、特別当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される大当たり種別である。さらに、「大当たりB」では、大当たり遊技のエンディング期間として「15秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は50%(50/100)である。
即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技中にV入賞装置2650内に設けられた特定ゲート(特別排出流路2650e2(図196参照))への球の通過のさせ易さを異ならせており、「大当たりA」のほうが「大当たりB」よりも大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させ易い大当たり遊技が実行されるように構成している。よって、「大当たりA」は、「大当たりB」よりも有利な大当たり種別となる。
次に、図241(c)を参照して、特図2大当たり用10テーブル202jd2に規定されている内容について説明をする。図241(c)は、特図2大当たり用10テーブル202jd2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図2大当たり用10テーブル202jd2は、第2特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。
図241(c)に示した通り、本第10実施形態における特図2大当たり用10テーブル202jd2には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、「大当たりC」〜「大当たりE」の3個の大当たり種別が規定されている。
具体的には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、特別当たり種別カウンタC2の値が「0〜29」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203jaの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中にV入賞装置2650内に設けられた特定ゲート(特別排出流路2650e2(図196参照))を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりC」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、図241(c)に示した通り、特別当たり種別カウンタC2の値が「30〜69」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203jaの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中にV入賞装置2650内に設けられた特定ゲート(特別排出流路2650e2(図196参照))を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりD」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が40個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は40%(40/100)である。
また、図241(c)に示した通り、特別当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203jaの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中にV入賞装置2650内に設けられた特定ゲート(特別排出流路2650e2(図196参照))を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりE」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE」が決定される割合は30%(30/100)である。
即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る3個の大当たり種別(大当たりC、大当たりD、大当たりE)は、何れも確変大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技のラウンド数を異ならせており、最も多くのラウンド遊技が実行される「大当たりE」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりA」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず確変大当たり遊技が実行されるため、50%の割合で確変大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な大当たり種別となる。また、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数、即ち、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の面では、獲得し得る最大数は第2特別図柄抽選のほうが多く、獲得し得る最低数も第2特別図柄抽選のほうが少なくなるように規定している。また、平均的に獲得可能な賞球数では、第2特別図柄抽選のほうが多くなるように規定している。
よって、最低の条件において獲得可能な賞球数の面では、第1特別図柄抽選のほうが有利となり、それ以外の面では第2特別図柄抽選のほうが有利となる。なお、本実施形態では、図241に示した大当たり種別を規定しているが、これに限ること無く、上述した各実施形態にて設定され得る各大当たり種別と同一の技術思想に基づいて様々な大当たり種別を設定可能に構成しても良い。
次に、図242を参照して、本第10実施形態における変動パターン選択10テーブル202jbの内容について説明をする。図242(a)は、変動パターン選択10テーブル202jbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図242(a)に示した通り、変動パターン選択10テーブル202jbには、通常状態が設定されている状態において特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される通常用10テーブル202jb1と、確変状態或いは時短状態が設定されている状態において特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される確変・時短用10テーブル202jb2とが規定されている。
まず、図242(b)を参照して、通常用10テーブル202jb1について説明する。図242(b)は、この通常用10テーブル202jb1の規定内容を示した図である。この通常用10テーブル202jb1には、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けされている。具体的には、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜19」の場合は、変動パターンとして変動時間が33秒〜42秒のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が3秒〜12秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。詳細な説明は省略するが、本実施形態では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、例えば、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0」である場合には加算時間が「3秒」、「1」である場合には加算時間が「3.5秒」、「2」である場合には加算時間が「4秒」、「3」である場合には加算時間が「4.5秒」、「3」である場合には加算時間が「5秒」、「4」である場合には加算時間が「5.5秒」、「5」である場合には加算時間が「6秒」、「6」である場合には加算時間が「6.5秒」、「7」である場合には加算時間が「7秒」、「8」である場合には加算時間が「7.5秒」、「9〜11」である場合には加算時間が「8秒」、「12」である場合には加算時間が「8.5秒」、「13」である場合には加算時間が「9秒」、「14」である場合には加算時間が「9.5秒」、「15」である場合には加算時間が「10秒」、「16」である場合には加算時間が「10.5秒」、「17」である場合には加算時間が「11秒」、「18」である場合には加算時間が「11.5秒」、「19」である場合には加算時間が「12秒」となるように規定されている。
そして選択された基本時間(30秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間を示すコマンド(加算コマンド)が音声ランプ制御装置113に対して通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(ノーマルリーチ)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいてリーチ図柄(第3図柄の種別)を設定するように構成している。これにより、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本実施形態では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、変動演出が実行されてからリーチ状態となるまでの期間を可変させること無く、様々な第3図柄の種別でリーチ演出を実行することができる。
また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20〜169」の場合は、変動パターンとして変動時間が43秒〜52秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が13秒〜22秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。本実施形態では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、その内容は上述したノーマルのパターンと同一であるため詳細な説明を省略する。
ここで、本実施形態では、加算コマンドに含まれる情報(秒数)に応じて、リーチ演出の演出態様を可変可能に構成しており、具体的には、加算コマンドに含まれる秒数が「3秒〜12秒」の場合は、ノーマルリーチ演出(中図柄列Z2が1周程度変動した後に停止表示される演出)が、「13秒〜22秒」の場合は、スーパーリーチ演出(中図柄列Z2が2周程度変動した後に停止表示される演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、例えば、最初の所定期間中は同一の演出態様で変動演出が実行され、その後、演出態様が分岐する変動演出を実行する場合において、同一の演出態様が実行される期間を基本コマンド(基本時間を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて設定し、分岐後の変動演出を加算コマンド(加算時間を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて設定することが可能となる。よって、例えば、全体の変動時間が同一の場合であっても、その変動時間のうち、基本時間が占める割合、加算時間が示す割合を変更するだけで、音声ランプ制御装置113側で容易に異なる変動演出を設定することができる。
なお、本実施形態では、ノーマルリーチが実行される場合の基本時間(30秒)と、スーパーリーチが実行される場合の基本時間(30秒)と、を同一にし、加算時間として設定された変動時間の長さに応じて、リーチ演出の演出態様を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、ノーマルリーチ用の基本時間を30秒、スーパーリーチ用の基本時間を40秒に規定し、第3図柄の種別を決定するためだけに加算時間を「3〜12秒」の範囲から選択するように構成しても良い。
次いで、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が90秒のSP(リーチ)が規定されている。このSPが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が55秒間、加算時間が35秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、SPが決定された場合には、一旦リーチ状態となった第3図柄の変動演出が別の変動演出へと切り替わる演出が実行されるため、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本実施形態では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、遊技者に違和感を与えること無く、変動の途中で中図柄列Z2の第3図柄の表示順序を最終的に停止させる第3図柄に対応させて変更させることができるため、上述したノーマル、スーパーのように、加算時間を可変させてリーチ状態となる第3図柄の種別を設定する必要が無い。
また、図柄種別が特図1で、当否判定結果が外れの場合についても同様に、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜179」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されている。この外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間8秒、加算時間0秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、外れが決定された場合には、第3図柄の変動演出として、リーチ状態にならずに外れを示す組合せで第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。よって、加算時間を設定する必要が無い。
また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が33秒〜52秒のリーチ外れが規定されている。このリーチ外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が3秒〜22秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。本実施形態では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、その内容は上述したノーマルのパターンと同一であるため詳細な説明を省略する。つまり、抽選結果が外れである場合にも、抽選結果が当たりである場合と同様の変動パターンコマンドが設定されるように構成している。なお、抽選結果が外れである場合には、最終的に停止表示される第3図柄が大当たりとなる組合せ以外となるように停止表示される第3図柄の種別を設定する必要があるため、音声ランプ制御装置113側では、当たり当選している場合に参照される加算コマンドに基づく第3図柄種別の設定内容から1つずらした第3図柄が設定されるように補正処理が実行される。これにより、リーチ外れ演出が実行されると、大当たりの組合せとなる第3図柄の近辺で第3図柄が停止表示(外れ停止表示)される演出態様を容易に設定することができる。
一方、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)である場合は、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜99」の場合は、変動パターンとして変動時間が40秒の特殊リーチが規定されている。この特殊リーチが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が10秒間、加算時間が30秒を示す組合せのコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「100〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が10秒の特殊リーチが規定されている。この特殊リーチが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が10秒間、加算時間が0秒を示す組合せのコマンドが出力される。
ここで、本実施形態では、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行されると、図232(b)から図234を参照して上述したように、チャンスゾーン中の変動演出が実行されるように構成している。そして、音声ランプ制御装置113に対して基本時間(10秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間(30秒)を示すコマンド(加算コマンド)が通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(特殊変動)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいて特殊リーチを設定するように構成している。より具体的には、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄の変動パターンコマンドとして基本時間10秒を示す基本コマンドが通知された場合には、図232(b)に示した通り、上下方向に第3図柄が変動する特殊変動演出の演出態様が設定される。そして、基本時間の経過タイミングにて図233(a)に示したように第3図柄を停止表示(仮停止表示)させる演出態様が設定される。そして、加算時間0秒を示す加算コマンドを受信している場合は(変動パターンが特殊外れである場合は)、そのまま第3図柄を確定表示し変動演出を終了する。
一方、加算時間30秒を示す加算コマンドを受信している場合は(変動パターンが特殊リーチである場合は)、図233(b)や図234に示したように、仮停止している第3図柄が再始動する変動演出が設定される。なお、仮停止している第3図柄が再始動する変動演出の詳細な演出態様については、図244を参照して後述する。
次に、図239(b)を参照して、本第10実施形態における主制御装置110のRAM203の詳細について説明をする。図239(b)は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図239(b)に示した通り、本第10実施形態における主制御装置110のRAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203da、第2特別図柄保留球格納エリア203db、普通図柄保留球格納エリア203dc、第1特別図柄保留球数カウンタ203dd、第2特別図柄保留球数カウンタ203de、普通図柄保留球数カウンタ203d、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、確変カウンタ203ja、大当たり開始フラグ203jb、大当たり中フラグ203jcc、確変設定フラグ203jd、確変通過カウンタ203je、入賞個数カウンタ203jf、残球タイマフラグ203jg、残球タイマ203jh、確変有効フラグ203ji、確変有効タイマ203jj、排出個数カウンタ203jk、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
なお、本第10実施形態における主制御装置110のRAM203が有する各種構成のうち、上述した各実施形態と同一名称の構成について、説明の便宜上、異なる符号を付しているものもあるが、名称が同一の構成であって、詳細な説明が省略されているものは、符号が異なっていたとしても同一内容のものである。
第1特別図柄保留球格納エリア203daは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203daの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203daにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203dbは、第1特別図柄保留球格納エリア203daと同様に、4つの保留エリアを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア203dbには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア203daと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203dcは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、普通当たり乱数カウンタC5が格納される。より具体的には、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、カウンタC5の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203daや、第2特別図柄保留球格納エリア203dbと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203dcの保留第1エリアに記憶されているカウンタC5の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC5の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203daや、第2特別図柄保留球格納エリア203dbの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203ddは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203ddは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223c1によって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203deは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203deは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203deは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される。この第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、上述した第1実施形態にて用いられる普通図柄保留球数カウンタ203dと同一の内容であるためその詳細な説明を省略する。
確変カウンタ203jaは、特別図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、特別図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この確変カウンタ203jaには、大当たり遊技終了後に、その当選した大当たり種別に対応した値が設定される(図253のS2602参照)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。また、確変カウンタ203jaの値が0よりも大きい状態、即ち、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で特別図柄変動が停止表示される毎に値が1減算される(図248のS622参照)。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されると、確変カウンタ203jaの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、確変カウンタ203jaの値が減算され、確変カウンタ203jaの値が0となった場合に、確変状態が終了し、時短状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまでは特別図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、確変カウンタ203jaの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、確変状態を終了させるための条件、即ち、確変カウンタ203jaの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203jaの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203jaの値を減算するように構成してもよい。具体的には、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203jaの値を減算させるように構成しても良いし、球が特定の入球口(例えば、第1入球口64、第2入球口640等)に入球したことに基づいて確変カウンタ203jaの値を減算するように構成してもよい。
加えて、本実施形態では、確変カウンタ203jaの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、確変カウンタ203jaの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の確変カウンタ203jaの値に関わらず、確変カウンタ203jaの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、確変状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、確変状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、確変状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、確変状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
大当たり開始フラグ203jbは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203jbがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングであることを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203jbは、大当たりを示す変動表示の終了タイミングとなった場合にオンに設定される。また、大当たり開始フラグ203jbは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される(図251のS2403参照)。
大当たり中フラグ203jcは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203jcがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203jcは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図251のS2403参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図253のS2605参照)。そして、特別図柄変動処理10(図247参照)では、この大当たり中フラグ203jcが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図247のS601参照)。
確変設定フラグ203jdは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中にV入賞装置2650内に設けられた特定ゲート(特別排出流路2650e2(図196参照))に球が入球(流下)したか否かにより決定される。ここで、この特定ゲートへと球が入球(流下)したこと(特定ゲートに設けられている確変スイッチの通過)を検出すると、確変設定フラグ203jdがオンに設定される(図254のS2715)。一方、この確変設定フラグ203jdは、大当たりの終了時にオフに設定される(図253のS2605参照)。なお、この確変設定フラグ203jdは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203jdがオンに設定されている場合には、確変スイッチに電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203jdを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチを通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203mが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203jdのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203jeは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの5ラウンド)で確変スイッチを通過した(特定ゲートを流下した)球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203jeと後述する排出個数カウンタ203jkとの合計によりV入賞装置2650の特定入賞口2650aに入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203jeは、確変スイッチを球が通過した(特定ゲートを流下した)場合に1ずつ加算されて更新される。また、V入賞装置2650に入賞した球の数と排出個数が一致するか否かの判定処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この確変通過カウンタ203jeは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jfは、大当たり遊技における1つのラウンドでV入賞装置2650の特定入賞口2650aに入賞した球の数をカウントするためのカウンタであり、特定入賞口2650aへの入賞が検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、V入賞装置2650に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jfの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203jkと確変通過カウンタ203jeとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203jfの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
残球タイマフラグ203jgは、1のラウンドが終了し、特定入賞口2650aが閉鎖した後の球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203jgがオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203jgがオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203rが1ずつ加算されて更新される。残球タイマ203rは、特定入賞口2650aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、V入賞装置2650内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203jhは、予め設定されている1のラウンドが終了してV入賞装置2650の特定入賞口2650aが閉鎖した場合に、V入賞装置2650に入賞した球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、V入賞装置2650に入賞した球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203jhの上限値として設定されている。この残球タイマ203jhの上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、V入賞装置2650への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、V入賞装置2650内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチを遊技球が通過しても確変設定フラグ203jdをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203jiは、振分部材が球を特定ゲートへとに振り分け不可能な配置に切り替わった後に、遊技球が確変スイッチを通過した(V領域に入球した)場合に、その通過(入球)を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203jiがオンに設定されている場合には、確変スイッチを遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203jjは、上述した確変有効フラグ203jiがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203jjによりV役物が非V側の配置に切り替わった後に、確変スイッチを正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、V役物に到達した遊技球が確変スイッチを通過するのに要する時間は0.3秒である。確変有効タイマ203jjの上限値は0.5秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチを通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に遊技球をV領域に入球させて確変スイッチを通過させたり、確変スイッチの下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203jkは、1のラウンドで可変入賞装置65から排出された遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203jkは、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる。
次に、図243から図245を参照して、本第10実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222、及びRAM223の構成について説明をする。まず、図243(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明をする。図243(a)は、本第10実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を示した模式図である。本第10実施形態では、上述した第1実施形態の音声ランプ制御装置113のROM222に対して、通常中特図2演出選択テーブル222ja、確変中演出選択テーブル222jbを追加した点と、変動パターン選択テーブル222aの内容、及び、動作シナリオテーブル222bの内容を、本実施形態に対応させて変更させた点で相違している。なお、変動パターン選択テーブル222aの内容、及び、動作シナリオテーブル222bの内容の変更点については、その詳細な内容の説明を省略するが、主制御装置110の変更点に伴う各種値が変更されているものである。
まず、図244を参照して、通常中特図2演出選択テーブル222jaの内容について説明をする。図244は、通常中特図2演出選択テーブル222jaの内容を模式的に示した図である。この通常中特図2演出選択テーブル222jaは、通常状態が設定されている間に実行された第2特別図柄変動のうち、加算時間が30秒の変動パターンが選択された場合の第3図柄の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、第2特別図柄抽選の抽選結果(当否判定結果)、特図2保留数、特図1保留数、演出カウンタ223fの値に対応させて異なる演出態様(演出内容)が規定されている。
本実施形態では、通常状態中に第2特別図柄変動が実行されると、基本時間(10秒)に対応させて、共通の外れリーチ演出が実行され(図233(a)参照)、その後、通常中特図2演出選択テーブル222jaを参照して選択された演出内容(演出態様)として疑似変動演出(図233(b)〜234参照)が加算時間(30秒)の間に実行されるように構成している。
具体的には、抽選結果が大当たりであって、特図2保留数が3の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に、変動パターンとして「疑似3演出」が、「80〜99」の範囲に、変動パターンとして「特殊疑似2演出」が規定されており、特図2保留数が2の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に、変動パターンとして「疑似2演出」が、特図2保留数が1の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に、変動パターンとして「疑似1演出」が、「90〜99」の範囲に、変動パターンとして「特殊疑似4演出」が規定されている。
また、抽選結果が大当たりであって、特図2保留数が0の場合は、特図1保留数が1〜4の場合に「特殊終了演出」が、特図1保留数が0の場合に「疑似無し演出」が設定される。
抽選結果が外れである場合には、特図2保留数が3の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に、変動パターンとして「疑似3演出」が規定されており、特図2保留数が2の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に、変動パターンとして「疑似2演出」が、特図2保留数が1の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に、変動パターンとして「疑似1演出」が、特図2保留数が0の場合は、「疑似無し演出」が規定されている。
以上、説明をした通り、本実施形態では、第2特別図柄の疑似変動演出の演出態様を設定する際に、特図2保留数及び特図1保留数の有無を判別し、次に実行される特別図柄抽選に対応する演出態様で疑似変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、1の特別図柄変動期間中に実行される疑似変動演出を、あたかも次の特別図柄変動に対応させた変動演出と思わせ易くすることができる。
さらに、疑似変動演出にて実行される疑似変動回数(第3図柄の仮停止回数)が、獲得済みの特図2保留数に対応させた回数となるように構成しているため、通常状態中に実行された普図当たり遊技中に獲得した特図2保留が全て使用されたと思わせることができる。よって、大当たり当選している疑似変動演出が実行された場合は、通常状態中に実行された普図当たり遊技中に多くの特図2保留を獲得した結果として、大当たり当選したと遊技者に思わせることができる。また、外れ当選している疑似変動演出が実行された場合は、特図2保留を全て消化したと思わせた後に、次に特図2保留を用いた変動演出が実行されるため(チャンスゾーンが継続するため)、遊技者に以外性のある演出を提供することができる。
また、本実施形態では、大当たり当選した場合にのみ設定される疑似変動演出(特殊疑似2演出、疑似4演出)を設けているため、疑似変動演出にて実行される疑似変動回数と、特図2保留数とに対して遊技者に興味を持たせることができる。
次に、図245を参照して、確変中演出選択テーブル222jbの内容について説明をする。図245は、確変中演出選択テーブル222jbの内容を模式的に示した模式図である。この確変中演出選択テーブル222jbは、確変状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンとして、基本時間が30秒の変動パターンが選択された場合における変動演出を設定する際に参照されるデータテーブルである。
図245に示した通り、特別図柄の種別と、抽選結果と、演出カウンタ223fの値とに応じて異なる演出態様が規定されている。具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、抽選結果が確変大当たりである場合は、演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に「確変シングルリーチ」が、「50〜99」の範囲に「ダブルリーチ」が規定され、大当たり通常である場合は「ダブルリーチ」が、外れの場合は「非リーチ」が規定されている。
また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、抽選結果が確変大当たりである場合は、演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に「特殊ダブルリーチ」が、「50〜99」の範囲に「確変ダブルリーチ」が規定され、外れの場合は、演出カウンタ223fの値が「0〜4」の範囲に「ダブルリーチ」が、「5〜10」の範囲に「確変ダブルリーチ」が、「11〜99」の範囲に「非リーチ」が規定されている。
このように構成することで、確変状態において第1特別図柄抽選が実行される場合も、第2特別図柄抽選が実行される場合も「ダブルリーチ」(図235(a)に示した、通常当たりに対応する第3図柄を含む2以上の第3図柄がリーチ状態となるリーチ演出)が実行されることになるため、遊技者に対して、「ダブルリーチ」が実行された場合に、何れの特別図柄抽選に対応する第3図柄変動演出が実行されているのかを分かり難くすることができる。
さらに、「特殊ダブルリーチ」が設定されると、最初に「ダブルリーチ」の演出態様が設定され、その後、図235(b)に示した「確変ダブルリーチ」へと演出態様が可変するリーチ演出が実行される。よって、第1特別図柄抽選に対応して「ダブルリーチ」が実行された場合であっても、途中で「確変ダブルリーチ」へと昇格することを期待させながら遊技を行わせることができる。なお、この「特殊ダブルリーチ」において、リーチ演出の演出態様が可変するタイミングは、中図柄列Z2が1周、或いは2周したタイミングとしているが、これに限ること無く、遊技者が操作ボタン22を操作したタイミングに基づいて演出態様を可変しても良い。
次に、図246を参照して、本第10実施形態における遊技の流れを簡単に説明をする。図246は、本第10実施形態における遊技の流れを示した遷移図である。図246に示した通り、本実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として、通常状態、確変状態、時短状態の3つの遊技状態を設定可能に構成している。そして、通常状態では、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも実行し易くなるように構成し、確変状態、時短状態では、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選よりも実行し易くなるように構成している。
通常状態において実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選(大当たり確率1/200)した場合は、1/2の確率で通常大当たり遊技と確変大当たり遊技が実行され、大当たり遊技中に特定ゲートへと球が流下した場合に、確変状態へと移行し、特定ゲートへと球が流下しなかった場合に、時短状態へと移行する。
確変状態は、特別図柄抽選が50回実行される、或いは大当たり当選するまで継続するように構成しており、確変状態中に大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が50回実行されると、時短状態へと移行する。この時短状態は、大当たり遊技が終了してから100回の特別図柄抽選が実行されるまで継続するように構成しており、例えば、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合は、時短回数が100回となり、確変状態から時短状態へと移行した場合が、時短回数が50回となる。
<第10実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図247から図255を参照して、本第10実施形態における主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第10実施形態では、上述した通り、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄の抽選を優先的に実行するように構成している点。大当たり遊技が実行されている間に、V入賞装置2650内に配設された特定ゲートへと球を流下させることにより、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成している点。遊技者に有利な遊技状態である確変状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する終了条件以外に、特別図柄抽選が所定回数(例えば、50回)実行された場合に成立する終了条件を設けるように構成している点で上述した各実施形態と相違している。
そして、上述した相違点を有するパチンコ機10を構成するために、主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理として、後述する特別図柄変動処理10(図247のS154参照)、普通図柄変動処理10(図249のS166参照)、スルーゲート通過処理(図250のS157参照)、大当たり制御処理10(図251のS1074参照)を実行するように構成している。それ以外の制御内容については、上述した各実施形態のパチンコ機10において実行される制御処理内容の何れかと同一であるため、詳細な説明を省略する。
まず、図247を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理10(S154)について説明する。図247は、この特別図柄変動処理10(S154)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理10(S154)は、タイマ割込処理の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理10(S154)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(S601)。具体的には、大当たり中フラグ203jcがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S601の処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S601:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S603)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S604)。第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(N2)が0でなければ(S604:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(N2)を1減算し(S605)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値を示す保留球数コマンドを設定する(S606)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cのうち、第2特別図柄に対応させた第2特別図柄保留球数カウンタ223c2に格納する。
S606の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203dbに格納されたデータをシフトする(S607)。S607の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203dbの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S608の処理へ移行する。
一方、S604の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(N2)が0である場合は(S204:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S208)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S609)。
S609の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が0であると判別した場合は(S609:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S609の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S609:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ603ddの値(N1)を1減算し(S610)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値を示す保留球数コマンドを設定する(S611)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cのうち、第2特別図柄に対応させた第1特別図柄保留球数カウンタ223c1に格納する。
S611の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203daに格納されたデータを、S607の処理と同一の手法によりシフトして(S612)、処理をS608の処理へと移行する。S607、またはS612の処理後に実行されるS608の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S608)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理では、上述した第1実施形態の特別図柄変動開始処理(図41のS205参照)にて実行される特別図柄大当たり判定処理(図41のS306参照)と同様に、特別図柄の抽選結果を判別するための処理と、特別図柄変動パターン選択処理(図41のS307参照)と同様に特別図柄変動の変動パターンを選択するための処理が実行される。
S602の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S614)。S614の処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動開始処理(S608)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、S614の処理を実行する毎に更新(減算)される。一方、S613の処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S613:Yes)、即ち、S614の処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S615)。停止図柄の設定は、特別図柄変動開始処理(S608)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S608)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Eのいずれかが決定される。
尚、本制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S615の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S616)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S616:Yes)、大当たり開始フラグ203jbをオンに設定し(S617)、時短カウンタ203h、確変カウンタ203jaの値をクリア(0に設定)し(S618)、S619の処理へと移行する。S617の処理によって、大当たり開始フラグがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理10(図251のS1074参照)が実行された場合に、S2401:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S2402)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S616の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S616:No)、S617,S618の処理をスキップして、更新処理を実行し(S620)、その後、S619へと移行する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
次に、図248を参照して、特別図柄変動処理10(図247のS154参照)にて実行される更新処理(図247のS620)の内容について説明をする。図248は、更新処理(S620)の内容を示したフローチャートである。この更新処理(S620)では、特別図柄変動の変動時間が経過した場合(変動停止時)に実行される処理であって、確変状態が継続して設定される期間の残期間を更新したり、時短状態が継続して設定される期間の残期間を更新するための処理が実行される。
更新処理(S620)が実行されると、まず確変カウンタ203jaの値が0よりも大きい、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(S621)、確変カウンタ203jaの値が0よりも大きいと判別した場合は(S621:Yes)、確変カウンタ203jaの値を1減算(更新)し(S622)、次いで、更新後の確変カウンタ203jaの値が0であるかを判別し(S623)、0であると判別した場合は(S623:Yes)、遊技状態格納エリア203gに時短状態を設定し(S624)、S625の処理へ移行する。また、S621の処理において確変カウンタ203jaの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(S621;No)は、現在が特別図柄の高確率状態では無いため、確変カウンタ203jaの値を更新するための上述したS622〜S624の処理をスキップしてS625の処理へ移行する。
また、S623の処理において、確変カウンタ203jaの値が0では無い、即ち、確変カウンタ203jaの値が0よりも大きく、確変状態(特別図柄の高確率状態)が継続する場合もS624の処理をスキップしてS625の処理へ移行する。
S625の処理では、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(S625:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S626)、減算後の時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S627)。S627の処理において時短カウンタ203hの値が0であると判別した馬合は、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定し(S628)、確変カウンタ203jaの値、時短カウンタ203hの値、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S629)、本処理を終了する。また、S625の処理において時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S625:No)、或いは、S627の処理において時短カウンタ203hの値が0では無いと判別した場合(S627:No)は、そのままS629の処理へ移行する。
次に、図249を参照して、普通図柄変動処理10(S166)の内容について説明をする。この普通図柄変動処理10(S166)は、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行されるものであり、上述した第1実施形態の普通図柄変動処理(図48のS106参照)に対して、普通図柄の変動時間を選択する処理、普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理の内容を一部変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
普通図柄変動処理10(S166)が実行されると、まず、上述した普通図柄変動処理(図48のS106参照)と同一のS1101〜S1113の処理を実行する。その後、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S1161)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S1161:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(S1162)、本処理を終了する。一方、S1161の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S1161:No)、普通図柄の変動時間を10秒に設定し(S1163)、本処理を終了する。
また、上述した普通図柄変動処理(図48のS106参照)と同一のS1115〜S1118の処理を実行し、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S1118)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S1118:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640の開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(S1165)、S1121の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S1118の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S1118:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640の開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S1164)、S1121の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、普通図柄の低確率状態のほうが、普通図柄の高確率状態よりも、普通図柄の当たり確率が低確率であり(図240(b)参照)、且つ、普通図柄の変動時間が長く設定されているが、当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技において電動役物640が開放される期間が長くなるように構成している。このように構成することで、通常状態(普通図柄の低確率状態)において、低確率で普図当たり当選した場合に、球を第2入球口640へと入球させることができない事態が発生することを抑制することができる。また、1回の普図当たり遊技中に特図2保留を上限数(4個)獲得させ易くすることができるため、チャンスゾーン(図233(b)参照)にて第2特別図柄抽選を複数回実行させ易くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図250を参照してスルーゲート通過処理(S157参照)の内容について説明をする。図250は、スルーゲート通過処理(S157参照)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S157参照)は、上述した第1実施形態のスルーゲート通過処理(図49のS107参照)に対して、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理10(図249のS166参照)にて当否判定(S1111参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
スルーゲート通過処理(S157参照)が実行されると、まず、上述した第1実施形態のスルーゲート通過処理(図49のS107参照)と同一のS1201〜S1205の処理を実行し、その後、普通当たり乱数10テーブル202jcに基づいて抽選結果を事前に取得し(S1211)、普通当たり判定結果(S1211の処理にて取得した事前判別結果)を含む普図用入賞情報コマンドを設定し(S1212)、本処理を終了する。
S1212の処理で設定された普図用入賞情報コマンドは、上述した各実施形態にて設定される特別図柄の事前判別結果を示す入賞情報コマンドと同一の処理によって音声ランプ制御装置113へと通知される。このように構成することで、保留記憶されている普通図柄の抽選権利に対応する普通図柄抽選の抽選結果を事前に判別し、その事前判別結果に基づいた演出を実行することが可能となる。
具体的には、チャンスゾーンが設定されている状態において、即ち、通常状態中に普図当たり遊技が実行されたことに基づいて第2特別図柄抽選が実行されている状態において受信した普図用入賞情報コマンドに普通図柄の当たり当選を示す情報が含まれている場合には、次に普図当たり遊技が実行されるまでチャンスゾーンを継続させる演出を実行することができる。この場合、次に普図当たり遊技が実行されるまでの間に、第2特別図柄抽選が全て終了し、第1特別図柄抽選が実行される場合であっても、その第1特別図柄抽選に対応して実行される変動演出の演出態様として、第1特別図柄抽選に対応した演出態様(例えば、図231(b)に示した水平方向に第3図柄を変動させる演出態様)では無く、第2特別図柄抽選に対応した演出態様(例えば、図232(b)に示した垂直方向に第3図柄を変動させる演出態様)が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、通常状態において所定期間内に複数回の普図当たり遊技が実行される場合には、チャンスゾーンを長期間設定することができ演出効果を高めることができる。
また、チャンスゾーンが設定されてから所定回数の第2特別図柄抽選が実行されたにも関わらず、チャンスゾーンが終了しない場合には、間もなく次の普図当たり遊技が実行されることを遊技者が把握することができるため、チャンスゾーン中に実行される第2特別図柄抽選の回数に対して遊技者に興味を持たせることができる。加えて、本実施形態では、チャンスゾーン中に実行される第2特別図柄抽選に対応した変動演出として、第3図柄を複数回仮停止させる疑似変動演出を実行するように構成している。つまり、遊技者に対して第2特別図柄抽選の実行回数を分かり難くすることができる。よって、チャンスゾーンがいつ終了するのか、或いは、チャンスゾーンが延長されている期間であるか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図251を参照して、大当たり制御処理10(S1074)の内容について説明をする。図251は、大当たり制御処理10(S1074)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理10(S1074)は、主制御装置110のメイン処理(図55参照)において、実行される処理であって、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)2650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理10(S1074)では、まず、大当たり開始フラグ203jbがオンであるか否かを判別する(S2401)。大当たり開始フラグ203jbがオンであると判別した場合は(S2401:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S2402)、大当たり開始フラグ203jbをオフ、大当たり中フラグ203jcをオンにそれぞれ設定し(S2403)、本処理を終了する。一方、S2401の処理において、大当たり開始フラグ203jbがオフであると判別した場合は(S2401:No)、次に、現在が特別図柄の大当たり中であるか(即ち、大当たり中フラグ203jcがオンであるか)否かを判別する(S2404)。S2404の処理において、現在が大当たり中ではない(大当たり中フラグ203jcがオフである)と判別した場合は(S2404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2404の処理において、現在が大当たり中である(大当たりフラグ203jcがオンである)と判別した場合は(S2404:Yes)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S2405)。
S2405の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S2405:Yes)、ラウンド数に応じた特定入賞口2650aの開閉動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S2406)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理の詳細については図252を参照して後述する。
一方、S2405の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(S2405:No)、次に、現在実行されているラウンドのエンディング期間の開始タイミングであるかを判別する(S2407)。ここで、本制御例では、大当たりの最終ラウンドが終了した場合に、エンディング期間の開始タイミングであると判別する。エンディング期間の開始タイミングであると判定した場合は(S2407:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S2408)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出(図236参照)が開始される。
一方、S2407の処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S2407:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S2409)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S2409の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S2409:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S2410)、本処理を終了する。この大当たり終了処理の詳細については図253を参照して後述する。一方、S2409の処理において、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S2409:No)、特定入賞口2650aへの入賞に応じた制御を行うための入賞処理を実行し(S2411)、特定入賞口2650aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行し(S2412)、その後、本処理を終了する。入賞処理および異常処理の詳細については図254および図255を参照して後述する。
次に、図252のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S2406)の詳細について説明する。図252は、この大当たり動作設定処理(S2406)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S2406)は、大当たり制御処理の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた特定入賞口2650aの開閉動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理(図252参照)が開始されると、まず、5ラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S2501)。S2501の処理において、5ラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S2501:Yes)、V役物(流路ソレノイド(確変ソレノイド))65kの動作シナリオの開始を設定して(S2502)、大当たり種別に対応する特定入賞口2650aの開放パターンを設定する(S2503)。
ここで、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、1回の大当たり遊技中に複数回実行されるラウンド遊技のうち、特定のラウンド数(5ラウンド目)に実行されるラウンド遊技の内容を、大当たり種別に応じて異ならせており、具体的には、特定の大当たり種別(確変大当たり)の場合のみ、5ラウンド目のラウンド遊技として、球が特定ゲートへと流下させ易くなるようにV役物を動作させるラウンド遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定の期間のみ球を特定ゲートへと流下させる確率を高めることができるため、遊技者が集中力を切らすこと無く大当たり遊技中の遊技を実行することができる。
なお、本実施形態では、確変大当たり遊技における5ラウンド目が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者に対して特定ゲートへと球を流下させるチャンス期間であることを示すための案内報知態様として「Vを狙え」の文字が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定ゲートへと球を流下させ易い特定の期間を分かり易く報知することができる。さらに、球が特定ゲートを流下したことを検知手段が検知したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に球が特定ゲートを流下したことを案内するための案内報知態様として「VGET」の文字が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される条件を満たしたことを分かり易く報知することができる。
なお、上述した案内報知の報知態様を、条件成立に応じて可変させても良く、例えば、特定ゲートへと球を流下させ易い特定期間の経過時間、或いは残時間にもとづいて「Vを狙え」の文字色を可変させたり、表示領域の大きさを可変させたり、より強調した内容の文字(例えば「早くVを狙うんだ」)に可変させたりすると良い。これにより、特定ゲートへと球を流下させ易い状況にて遊技者が球を発射しない事態が発生することを抑制することができる。
また、本実施形態では、V入賞装置2650へと入賞した球の流路を切り替えるためのV役物の動作パターンを可変させることで球が特定ゲートへと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技開始時から共通の動作パターンでV役物を動作させるように構成し、特定入賞口2650aが開放状態となるタイミングを大当たり種別によって可変させることにより、球が特定ゲートへと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能に構成しても良い。これにより、V役物の動作パターンを共通化することができるため、V役物が故障し難くすることができる。
一方、S2501の処理において、今回のラウンドが5ラウンド目ではないと判別した場合は(S2501:No)、S2502,S2503の処理をスキップして、通常の特定入賞口2650aの開放を設定し(S2504)、処理をS2505へと移行する。S2505の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S2505)、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、新たに開始されたラウンド数を第3図柄表示装置81において表示するための表示用ラウンド数コマンドを設定する。これにより、大当たりのラウンド数に合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を更新することができる。
この大当たり動作設定処理(図252参照)を実行することにより、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口2650aを開放することができると共に、5ラウンド目に特別排出流路2665e2を通過可能に設定することができる。これにより、大当たりA,C〜Eでは、5ラウンド目に遊技者が球を発射するだけで、ほぼ確実に球が特定ゲート(確変スイッチ2665e3)を通過するので、大当たりの終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定することができる。
次に、図253のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S2410)の詳細について説明する。図253は、この大当たり終了処理(S2410)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S2410)は、大当たり制御処理10(図251のS1074参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S2410)では、まず、確変設定フラグ203jdがオンであるかを判別する(S2601)。S2601の処理において、確変設定フラグ203jdがオンであると判別した場合は(S2601:Yes)、大当たり中に特定へート(確変スイッチ2650e3)を球が通過したことを意味するので、確変カウンタ203jaの値の値に50を設定し(S2602)、S2603の処理へ移行する。一方、S2601の処理において、確変設定フラグ203jdがオフであれば(S2601:No)、S2602の処理をスキップして、S2603の処理へ移行する。
S2603の処理では、時短カウンタ203hの値に100を設定し(S2603)、次いで、時短カウンタ203hの値、確変カウンタ203jaの値に基づいて、状態コマンドを設定する(S2604)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて従状態設定エリア223gを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。次いで、大当たり中フラグ203jcおよび確変設定フラグ203jdを共にオフに設定して(S2605)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図253参照)を実行することにより、大当たり遊技中に特定ゲート(確変スイッチ2665e3)を球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
次に、図254のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S2411)の詳細について説明する。図254は、この入賞処理(S2411)を示すフローチャートである。この入賞処理(S2411)は、大当たり制御処理10(図251参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口2650aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S2411)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S2701)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口2650aの開放状態からインターバル期間が終了するまでの期間である。S2701の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S2701:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2701の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S2701:Yes)、次いで、特定入賞口2650aへの入賞を検出したかを判別し(S2702)、特定入賞口2650aに対する入賞を検出していれば(S2702:Yes)、入賞個数カウンタ203jfの値に1を加算して更新し(S2703)、特定入賞口2650aへの入賞を検出したことを示す入賞コマンドを設定して(S2704)、S2705の処理へ移行する。これに対し、S2702の処理において、特定入賞口2650aへの入賞を検出していなければ(S2702:No)、S2703,S2704の処理をスキップし、S2705の処理へ移行する。
S2705の処理では、入賞個数カウンタ203jfの値が10以上であるかを判別し(S2705)、入賞個数カウンタ203jfの値が10以上であれば(S2705:Yes)、S2707の処理へ移行する。一方、S2705の処理において、入賞個数カウンタ203jfの値が9以下であると判別した場合は(S2705:No)、ラウンド時間(30秒)が経過したかを判別し(S2706)、ラウンド時間が経過していれば(S2706:Yes)、S2707の処理へと移行する。なお、このS2706の処理では、今回の大当たりの各ラウンド遊技の開始から30秒間が経過した場合にラウンド時間が経過したと判別する。なお、本実施形態では、大当たり種別、ラウンド数に関わらず同一のラウンド時間経過及び個数入賞によってラウンド遊技の終了条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じてラウンド遊技の終了条件を異ならせても良いし、実行されるラウンド数によってラウンド遊技の終了条件を異ならせてもよい。
S2707の処理では、特定入賞口2650aの閉鎖を設定し(S2707)、特定入賞口2650aの閉鎖が設定されたことを示す閉鎖コマンドを設定する(S2708)。次いで、今回の特定入賞口2650aの閉鎖が5ラウンドの終了に基づく閉鎖であるかを判別し(S2709)、5ラウンドの終了に基づく閉鎖であると判別した場合は(S2709:Yes)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)2665kをオフに設定して(S2710)、処理をS2711へと移行する。一方、S2709の処理において、今回の特定入賞口2650aの閉鎖が5ラウンド以外のラウンドが終了したことによる閉鎖であると判別した場合は(S2709:No)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)2665kがオンに設定されていないので、S2710の処理をスキップして、処理をS2712へと移行する。
S2711の処理では、残球タイマフラグ203jg、確変有効フラグ203ji、ラウンド終了フラグ203をオンに設定し(S2711)、処理をS2712へと移行する。また、S2705の処理において入賞個数カウンタの値が9以下と判別され(S2705:No)、且つ、S2706の処理においてラウンド時間が経過していないと判別された場合には(S2706:No)、S2707〜S2711の処理をスキップして、処理をS2712へと移行する。
S2712の処理では、ラウンド終了フラグ203がオンであるかを判定し(S2712)、ラウンド終了フラグ203がオフであれば(S2712:No)、S2713の処理へ移行する。一方、S2712の処理においてラウンド終了フラグ203がオンであると判定した場合は(S2712:Yes)、次いで、確変有効フラグ203jiがオンであるかを判別する(S2716)。S2716の処理において、確変有効フラグ203jiがオフであれば(S2716:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203jiがオンであれば(S2716:No)、確変有効タイマ203jjの値に1を加算し(S2717)、次いで、確変有効タイマ203jjの値が上限値であるかを判別する(S2718)。そして、確変有効タイマ203jjの値が上限値でなければ(S2718:No)、S2713の処理へ移行し、確変スイッチ2665e3を監視して確変設定フラグ203jdを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203jjが上限値でないと、確変スイッチ2665e3を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ2665e3に球を通過させて確変状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203jjの値が上限値であれば(S2718:Yes)、確変有効フラグ203ji、ラウンド終了フラグ203をオフに設定し(S2719)、確変有効タイマ203jjの値をリセットして(S2720)、本処理を終了する。
また、S2713の処理では、球が確変スイッチ2665e3を通過したか否かを判別し(S2713)、球が確変スイッチ2665e3を通過していなければ(S2713:No)、本処理を終了する。一方、球が確変スイッチ2665e3を通過していれば(S2713:Yes)、確変通過カウンタ203jeの値に1を加算し(S2714)、確変設定フラグ203jdをオンに設定して(S2715)、本処理を終了する。
次に、図255のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S2412)を説明する。図255は、この異常処理(S2412)を示すフローチャートである。この異常処理(S2412)は、大当たり制御処理10(図251参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口2650aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S2412)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S2801)、ラウンド有効期間でなければ(S2801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S2801:Yes)、次いで、球が球排出口スイッチ2650e4(図196参照)を通過したかを判別する(S2802)。
S2802の処理において、球が球排出口スイッチ2650e4を通過したと判別した場合は(S2802:Yes)、排出個数カウンタ203jkの値に1を加算し(S2803)、S2804の処理へ移行する。一方、S2802の処理において、球が球排出口スイッチ2650e4を通過していなければ(S2802:No)、S2803の処理をスキップしS2804の処理へ移行する。
S2804の処理では、残球タイマフラグ203jgがオンであるかを判別する(S2804)。残球タイマフラグ203jgがオフであると判別した場合は(S2804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203jgがオンであれば(S2804:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203jhの値に1を加算して更新する(S2805)。次に、残球タイマ203jhの値が上限値であるかを判別し(S2806)、残球タイマ203jhの値が上限値でなければ(S2806:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203jhの値が上限値であると判別した場合は(S2806:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203jeの値と、排出個数カウンタ203jkの値との合計値)が入賞個数(入賞個数カウンタ203jfの値)と一致しているかを判別する(S2807)。
S2807の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S2807:No)、エラーコマンドを設定し(S2808)、S2809の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、特別排出流路2650e2が閉鎖されている期間に、不正に球を特別排出流路2650e2へと入球させて確変スイッチ2650e3を通過させる不正行為を抑制できる。
一方、S2807の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S2807:Yes)、S2808の処理をスキップし、S2809の処理へと移行する。S2809の処理では、残球タイマフラグ203jgをオフに設定し(S2809)、次いで、残球タイマ203jhの値をリセットする(S2810)。その後、入賞個数カウンタ203jf、排出個数カウンタ203jk、確変通過カウンタ203jeの値をそれぞれリセットし(S2811)、本処理を終了する。
この異常処理(図255参照)を実行することにより、V入賞装置2650の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口2650aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
<第10実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図256から図263を参照して、本第10実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される制御処理の内容について説明をする。本第10実施形態では、上述した第7実施形態に対して、コマンド判定処理7(図183のS4192参照)に代えてコマンド判定処理10(図256のS4193参照)を、変動表示設定処理7(図187のS4153参照)に代えて変動表示設定処理10(図261のS4183参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図256を参照して、コマンド判定処理10(S4193参照)の内容について説明をする。図256は、コマンド判定処理10(S4193参照)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理10(S4193参照)が実行されると、上述した第7実施形態のコマンド判定処理7(図183のS4192参照)と同一のS4231〜S4208の処理を実行する。
そしてS4208の処理において、保留球数コマンドを受信したと判別した場合に(S4208:Yes)、受信したコマンドから保留球数を抽出し、対応する値を特別図柄保留球数カウンタ223c(第1特別図柄保留球数カウンタ223c1、第2特別図柄保留球数カウンタ223c2)、普通図柄保留球数カウンタ223jaに格納し(S4291)、本処理を終了する。
一方、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4208:No)、次に、入賞コマンド(入賞情報コマンド)を受信したかを判別し(S4210)、受信したと判別した場合は(S4210:Yes)、入賞コマンド処理10を実行し(S4292)、本処理を終了する。なお、入賞コマンド処理10(S4292)の詳細な内容については、図257を参照して後述する。
S4210の処理において、入賞コマンド(入賞情報コマンド)を受信していないと判別した場合は(S4210:No)、次に、停止コマンドを受信したかを判別し(S4293)、受信したと判別した場合は(S4293:Yes)、第3図柄の停止表示を設定し(S4294)、本処理を終了する。停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S4293:No)、次いで、普図関連コマンドを受信したかを判別し(S4216)、受信したと判別した場合は(S4216:Yes)、普図関連処理10を実行し(S4295)、その後、本処理を終了する。なお、普図関連処理10(S4295)の詳細な説明は、図258を参照して後述する。
S4216の処理において、普図関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4216:No)、大当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S4296)、受信したと判別した場合は(S4296:Yes)、大当たり関連処理10を実行し(S4297)、その後、本処理を終了する。なお、大当たり関連処理10(S4297)の詳細な説明は、図259を参照して後述する。一方、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4296:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4220)、本処理を終了する。
次に、図257を参照して、コマンド判定処理10(図256のS4193参照)にて実行される入賞コマンド処理10(S4292参照)の内容を説明する。図257は、入賞コマンド処理10(S4292)の内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理10(S4292)は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。
入賞コマンド処理10(S4292)が実行されると、まず、受信した入賞コマンド(入賞情報コマンド)の情報を入賞情報格納エリア(入賞情報記憶エリア)223bの対応する領域に格納(設定)し(S4401)、今回受信したコマンドが普図用入賞情報コマンドであるかを判別し(S4441)、普図用入賞情報コマンドであると判別した場合は(S4441:Yes)、受信したコマンドの中に当たり情報(普図当たり当選している入賞情報)が含まれているかを判別し(S4442)当たり情報があると判別した場合は(S4442:Yes)、次いで、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態であるかを判別する(S4443)。
ここで、現在が普通図柄の高確率状態では無い、即ち、通常状態であると判別した場合は(S4443:No)、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した状態であって、チャンスゾーンが設定される可能性が高い場合であるため、電チューロング開放を示唆するための表示用コマンドを設定し(S4444)、S4445の処理へと移行する。S4444の処理で表示用コマンドが設定されると、他の音声ランプ制御装置での制御処理にて設定される各種表示用コマンドと同一の制御内容で表示制御装置114へと通知され、通常状態中に普図当たり遊技が実行され電動役物640がロング開放(5秒間開放)することを示唆する示唆演出(例えば、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmに小表示領域Dm3が形成されるか否かを煽る演出)が実行される。
なお、本実施形態では、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合にのみ上述した示唆演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、普図用入賞情報コマンドに特定の外れ当選を示す入賞情報が含まれていると判別した場合にも、上述した示唆演出が実行されるように構成すると良い。これにより、示唆演出が実行された場合に普図当たり遊技が実行される場合と、実行されない場合とを設定することができるため、遊技者に今後実行される遊技内容を予測させながら遊技を行わせることができる。
さらに、本実施形態では、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に、示唆演出が実行されるように構成しているが、この構成に加え、実行中の特別図柄抽選、或いは、入賞情報格納エリア223bに格納されている特別図柄抽選の事前判別結果に基づいて、実際に普図当たり遊技が実行されるタイミング、即ち、普図当たり当選を示す普図用入賞情報コマンドに対応する普通図柄抽選が実行されるタイミング(普図当たり遊技が実行されるタイミング)の遊技状態が通常状態であるか否かを判別する事前遊技状態処理を実行し、通常状態であると判別した場合に、上述した示唆演出を実行するように構成しても良い。これにより、チャンスゾーンが設定されることをより的確に示唆することが可能となる。
図257に戻り説明を続ける。S4441の処理で、普図用入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合(S4441:No)、S4442の処理で当たり情報が無いと判別した場合(S4442:No)、S4443の処理で時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合(S4443:Yes)もS4445の処理へ移行する。
S4445の処理では、今回受信したコマンドがV入賞コマンド(入賞処理(図254のS2411参照)にて確変スイッチ(特定ゲート)へと球が流下した場合に設定されるコマンド(S2791参照))であるかを判別し(S4445)、V入賞コマンドである場合は(S4445:Yes)、V入賞フラグ223jcをオンに設定し(S4446)、その他の処理を実行し(S4412)、本処理を終了する。また、S4445の処理において、V入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4445:No)、S4446の処理をスキップしてS4412の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図258を参照して、コマンド判定処理10(図256のS4193参照)にて実行される普図関連処理10(S4295)の内容を説明する。図258は、普図関連処理10(S4295)の内容を示したフローチャートである。この普図関連処理10(S4295)は、主制御装置110から普通図柄抽選が実行されたことを示す普図変動パターンコマンドや、普図当たり遊技が開始されたことを示す普図当たり開始コマンドや、普図当たり遊技の終了を示す普図当たり終了コマンドを受信した場合に実行される処理である。
普図関連処理10(S4295)が実行されると、まず、普図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4701)、受信したと判別した場合は(S4701:Yes)、表示用普図変動開始コマンドを設定し(S4702)、次いで、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、普通図柄の高確率状態であるかを判別する(S4781)。時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4781:Yes)、そのまま本処理を終了し、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4781:No)、今回受信した普図変動パターンコマンドが普図当たりに当選している普通図柄抽選に対応する普図変動パターンコマンドであるかを判別し(S4782)、普図当たりに当選していないと判別した場合は(S4782:No)、そのまま本処理を終了する。
一方で、普図当たりに当選していると判別した場合は(S4782:Yes)、ロング開放当たりが実行される普図当たり変動であるため、ロング開放待機中を示す表示用コマンドを設定し(S4783)、本処理を終了する。S4783の処理で表示用コマンドが設定されることで、図231(b)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。これにより、遊技者に対して間もなくチャンスゾーンが設定される可能性が高い状態であることを容易に予測させることができる。
なお、本実施形態では、普通図柄変動が当たり変動であるか否かに基づいて図231(b)に示した表示態様(小表示領域Dm3を形成する表示態様)を表示させる処理を用いているが、これに限ること無く、特定の普図外れ変動(例えば、普図当たり変動と同一の変動時間が設定される普図外れ変動の一部)にて図231(b)に示した表示態様(小表示領域Dm3を形成する表示態様)を表示させるように構成しても良い。
また、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出(第3図柄変動演出)の内容に応じて小表示領域Dm3の表示領域の大きさを可変させるように構成しても良く、例えば、第3図柄変動演出にて大当たり期待度の高い変動演出(例えば、リーチ演出)が実行されている場合は、大当たり期待度の高い変動演出(例えば、リーチ演出)が実行されていない場合よりも小表示領域Dm3の表示領域が小さくなるように表示内容を可変させるように構成すると良い。このように、独立して実行される特別図柄抽選の抽選結果を示唆する変動演出と普通図柄抽選の抽選結果を示唆する変動演出とに関係性を持たせて表示内容を可変制御することにより、遊技者に対して無駄に多くの遊技情報が提供されてしまい遊技者が混乱してしまうことを抑制し、分かり易い遊技を提供することができる。
図258に戻り、説明を続ける。S4701の処理にて普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4701:No)、次に、普図当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S4703)、普図当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S4703:Yes)、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し(S4784)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4784:No)、ロング開放中を示す表示用コマンドを設定し(S4785)、本処理を終了する。S4785の処理で表示用コマンドが設定されることで、図232(a)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。これにより、遊技者に対してロング開放当たりが実行されていることを容易に把握させることができる。また、S4784の処理にて、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4784:Yes)、S4785の処理をスキップして本処理を終了する。
S4703の処理で、普図当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4703:No)、普図当たり終了コマンドを受信したかを判別し(S4709)、受信したと判別した場合は(S4709:Yes)、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し(S4786)、大きく無いと判別した場合は(S4786:No)、次いで、普通図柄保留球カウンタ223jaの値が1以上であるかを判別し(S4787)、1以上であると判別した場合は(S4787:Yes)、特殊演出中フラグ223jbがオンに設定されているかを判別し(S4788)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4788:No)、チャンスゾーン突入を示す表示用コマンドを設定し(S4789)、特殊演出中フラグ223jbをオフに設定し(S4790)、本処理を終了する。一方、S4786〜S4788の処理において、上述した判別結果以外の判別結果であると判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
次に、図259を参照して、大当たり関連処理10(S4297)の内容について説明をする。図259は、大当たり関連処理10(S4297)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理10(S4297)では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理10(S4297)では、まず、今回受信したコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(S4901)。大当たり開始コマンドであると判別した場合には(S4901:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定する(S4902)。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
次いで、今回の大当たり遊技が通常大当たり(遊技)であるかを判別し(S4981)、通常大当たりであると判別した場合は(S4981:Yes)、チャンスモード突入(時短状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S4982)、本処理を終了する。一方、通常大当たりでは無いと判別した場合(S4981:No)、即ち、確変大当たりであると判別した場合は、スーパーチャンスモード突入(確変状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S4983)、本処理を終了する。
つまり、本実施形態では、図241を参照して上述した通り、設定される大当たり種別(通常大当たり、確変大当たり)に応じて異なる長さのエンディング期間が設定されており、大当たり遊技が開始されるタイミングにて今回実行される大当たり遊技のエンディング期間に対応させたエンディング表示態様(図236参照)を予め設定するように構成している。このように構成することで、各種制御(大当たり遊技の進行状況に応じて可変表示させる大当たり遊技情報の可変表示制御(例えば、獲得した賞球数を示すための情報を表示させる制御や実行中のラウンド遊技数を示すための情報を表示させる制御)や、大当たり遊技中にV入賞装置2650へと入賞した球数に応じて賞球を払い出すための賞球払出制御)が頻繁に実行される大当たり遊技期間中にエンディング表示態様を設定するための表示制御を実行する必要が無くなるため、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、本実施形態では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング表示態様を設定する処理を実行しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が実行されることが確定している特別図柄の大当たり変動中にエンディング表示態様を設定しても良いし、大当たり遊技期間のうち、制御処理が少ない期間に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理の残余期間を用いて設定するように構成しても良い。
S4901の処理にて、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4901:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S4913)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S4913:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4914)、今回のラウンド数が5ラウンド(Vラウンド)であるかを判別する(S4984)。5ラウンド(Vラウンド)であると判別した場合は(S4984:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定し(S4985)、本処理を終了する。また、S4984の処理で今回のラウンド数が5ラウンド(Vラウンド)では無い、即ち、5ラウンド目以外のラウンド遊技が開始されると判別した場合は(S4984:No)、そのまま本処理を終了する。
S4913の処理でラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4913:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S4986)、受信したと判別した場合は(S4986:Yes)、エンディング処理10を実行し(S4987)、本処理を終了する。また、S4986の処理にてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4986:No)、大当たり終了コマンドを受信したかを判別し(S4915)、受信したと判別した場合は(S4915:Yes)、大当たり終了処理を実行し(S4916)、その後、本処理を終了する。また、S4915の処理にて大当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合は(S4915:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図260を参照して、エンディング処理10(S4987)の処理について説明をする。図260は、エンディング処理10(S4987)の内容を示したフローチャートである。このエンディング処理10(S4987)は、上述した大当たり関連処理10(図259のS4297参照)にてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であって、エンディング期間中に実行されるエンディング表示態様を最終的に決定するための処理を実行するものである。
エンディング処理10(S4987)が実行されると、まず、V入賞フラグ223jcがオンに設定されているかを判別し(S4991)、オンに設定されていると判別した場合は(S4991:Yes)、V入賞フラグ223jcをオフに設定し(S4992)、既に設定されているエンディング表示態様に対応するエンディング表示の実行を設定し(S4995)、本処理を終了する。また、S4991の処理においてV入賞フラグ223jcがオンに設定されていないと判別した場合は(S4991:No)、今回の大当たりが確変大当たりであるかを判別し(S4993)、確変大当たりでは無い(通常大当たりである)と判別した場合は(S4993:No)、そのままS4995の処理へ移行する。
一方、S4993の処理において、確変大当たりであると判別した場合は(S4993:Yes)、エンディング期間のうち、後半期間(7秒)の表示態様を切り替えるための表示切替コマンドを設定し(S4994)、S4995の処理へ移行する。
S4994の処理において表示切替コマンドが設定されると、表示制御装置114へと通知され、予め確変状態が設定されることに対応して設定されていたエンディング期間の後半期間の表示態様(図236(d)参照)を、時短状態が設定されることに対応する表示態様(図236(c)参照)へと切り替える処理が実行される。本実施形態では、この表示切替コマンドに基づいて切り替えられる表示態様の表示期間を一定(7秒)にしているため、容易に表示態様を切り替えることができる。
次に、図261を参照して、変動表示設定処理10(S4183)の内容について説明をする。図261は、変動表示設定処理10(S4183)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理10(S4183)は、上述した第7実施形態の変動表示設定処理7(図187のS4153参照)に対して、演出態様設定処理(S5232)に代えて特図1演出態様設定処理(S5251)を実行する点と、特図2用変動表示設定処理7(S5237)に代えて特図2演出態様設定処理10(S5252)を実行する点で相違する。また、変動回数カウンタの値を減算する処理(図187のS5231,S5235)を削除した点で相違する。それ以外の処理は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図262を参照して、特図1演出態様設定処理10S(S5251)の内容について説明をする。図262は、特図1演出態様設定処理10S(S5251)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理10S(S5251)は、変動表示設定処理10(図261のS4183参照)にて、第1特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
変動表示設定処理10(S4183)が実行されると、まず、現在の遊技状態が確変状態であるかを、従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて判別する(S8251)。ここで確変状態では無い(通常状態、時短状態である)と判別した場合は(S8251:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンド(基本時間の長さを示すコマンド)に対応する演出態様(例えば、第3図柄変動が開始されてからリーチにならずに外れ停止させる演出態様、或いは、第3図柄変動が開始されてからリーチ状態となり5秒経過するまでの演出態様)、即ち、第3図柄の停止図柄に関わらず共通した演出態様を実行可能な期間に対応する演出態様を決定し(S8252)、その後、変動パターンコマンドが示す加算コマンド(加算時間の長さを示すコマンド)に対応する演出態様(例えば、リーチ状態となってから5秒経過した後、第3図柄が停止表示されるまでの期間に対応する演出態様)、即ち、第3図柄の停止図柄に対応して可変される期間の演出態様を決定し(S8253)、後述するS8257の処理へと移行する。
一方、S8251の処理において、確変状態であると判別した場合は(S8251:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間(基本時間)を抽出し(S8254)、基本変動時間(基本時間)が30秒であるかを判別する(S8255)。ここで、本実施形態では、図242(c)を参照して上述した通り、確変状態において第1特別図柄抽選が実行される場合には、大当たり当選している場合には必ず基本時間が30秒の変動パターンが選択され、外れ当選している場合の約90%が基本時間30秒の変動パターンが選択されるように構成している。
S8255の処理において、基本変動時間が30秒であると判別した場合には(S8255:Yes)、確変中演出選択テーブル222jbに基づいて演出態様(演出内容)を決定し(S8256)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S8257)、本処理を終了する。一方、基本変動時間が30秒では無いと判別した場合には(S8255:No)、上述したS8252,S8253の処理を実行し、その後、S8257の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図263を参照して、特図2演出態様設定処理10(S5252)の内容について説明をする。図263は特図2演出態様設定処理10(S5252)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理10(S5252)は、変動表示設定処理10(図261のS4183参照)にて、第2特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
特図2演出態様設定処理10(S5252)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S8261)、通常状態であると判別した場合は(S8261:Yes)、チャンスゾーン突入を示す表示用コマンドを設定し(S8262)、次いで、特殊演出中フラグ223jbをオンに設定し(S8263)、通常中特図2演出選択テーブル222jaに基づいて演出態様を決定し(S8264)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S8265)、本処理を終了する。
一方、S8261の処理において、通常状態では無いと判別した場合は(S8261:No)、次に、現在の遊技状態が確変状態であるかを判別し(S8266)、確変状態では無いと判別した場合は(S8266:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンド(基本時間の長さを示すコマンド)に対応する演出態様(例えば、第3図柄変動が開始されてからリーチにならずに外れ停止させる演出態様、或いは、第3図柄変動が開始されてからリーチ状態となり5秒経過するまでの演出態様)、即ち、第3図柄の停止図柄に関わらず共通した演出態様を実行可能な期間に対応する演出態様を決定し(S8267)、その後、変動パターンコマンドが示す加算コマンド(加算時間の長さを示すコマンド)に対応する演出態様(例えば、リーチ状態となってから5秒経過した後、第3図柄が停止表示されるまでの期間に対応する演出態様)、即ち、第3図柄の停止図柄に対応して可変される期間の演出態様を決定し(S8268)、上述したS8265の処理へと移行し、その後、本処理を終了する。
また、S8266の処理において、確変状態であると判別した場合は(S8266:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間(基本時間)を抽出し(S8269)、基本変動時間(基本時間)が30秒であるかを判別する(S8270)。ここで、本実施形態では、図242(c)を参照して上述した通り、確変状態において第2特別図柄抽選が実行される場合には、大当たり当選している場合の約25%、外れ当選している場合の約4%の確率で基本時間30秒の変動パターンが選択されるように構成している。
S8270の処理において、基本変動時間が30秒であると判別した場合には(S8270:Yes)、確変中演出選択テーブル222jbに基づいて演出態様(演出内容)を決定し(S8271)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S8265)、本処理を終了する。一方、基本変動時間が30秒では無いと判別した場合には(S8270:No)、上述したS8267,S8268の処理を実行し、その後、S8265の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第10実施形態では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが重複して(並行して)実行されることが無いように構成しており、第2特別図柄の抽選のほうが、第1特別図柄の抽選よりも優先して実行されるように構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となる抽選が実行されるように構成している。さらに、設定されている遊技状態に応じて第2特別図柄の抽選の実行し易さを異ならせるように構成している。具体的には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合(通常状態)よりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合(時短状態、確変状態)が設定されている場合のほうが、第2特別図柄の抽選権利を取得し易くなるように、普通図柄の当たり当選時に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開放動作される電動役物640aが付随する入球口(第2入球口640)に球が入球した場合に、第2特別図柄の抽選権利を取得し得るように構成している。つまり、初期の遊技状態である通常状態にて遊技を行う場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易く構成し、第1特別図柄の抽選にて大当たり当選したことを契機に、普通図柄の高確率状態を設定可能にし、普通図柄の高確率状態が設定された場合に、第1特別図柄の抽選よりも有利となる第2特別図柄の抽選を実行するように構成している。このように構成することで、設定される遊技状態に応じて遊技者への有利度合いを大きく異ならせることができるため、遊技者に対して有利度合いの高い遊技状態が設定されることを期待しながら意欲的に遊技を行わせることができる。
また、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行される普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、電動役物640が5秒間開放される普図当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に不利な遊技状態である通常状態であっても、一時的に第2特別図柄抽選を実行させ易い期間を提供することが可能となるため、通常状態を遊技している遊技者に対して、特別図柄抽選大当たり当選を目指す遊技と、普通図柄抽選で当たり当選を目指す遊技と、を実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図2変動演出の演出態様を、記憶している第2特別図柄の抽選権利数、即ち、特図2保留数に基づいて可変させるように構成している。具体的には、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に実行される特図2変動演出の演出態様として、変動演出の前半期間に抽選結果が外れであることを示す疑似外れ変動演出を実行し、後半期間において、疑似外れ変動演出にて停止(仮停止)された第3図柄を再始動させて抽選結果が大当たりであることを示す疑似当たり変動演出を実行するように構成し、その疑似当たり変動演出にて第3図柄が一時的に停止(仮停止)する回数を、特図2保留数に対応させて可変させるように構成している。このように構成することで、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるまでに、第3図柄を複数回疑似停止させる変動演出を実行することが可能となる。つまり、複数回の第2特別図柄抽選を経て大当たり当選したと思わせることができる。
これにより、普図当たり遊技中に獲得した複数の特図2保留のうち、最初に実行される第2特別図柄抽選に用いられた特図2保留で大当たり当選した場合であっても、遊技者に対して、複数の特図2保留を普図当たり遊技中に獲得したため大当たり当選したと思わせることができるため、普図当たり遊技中により意欲的に特図2保留を獲得するための遊技を行わせることができる。
また、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合における特図2保留数が0の場合は、上述した疑似当たり変動演出として、第1特別図柄抽選が実行される場合に第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出(第1特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図1変動演出の演出態様)を模した変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、特図2保留を獲得していない状況で擬似的に特図2変動演出が繰り返されることを抑制することができるため、遊技者に対して擬似的な変動演出が実行されていることを識別させ難くすることができる。また、特図1変動演出を模した擬似的な変動演出が実行された後に、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるため、遊技者に対して意外性のある変動演出を実行することが可能となる。
本実施形態では、確変大当たり遊技が実行される場合には、予め(大当たり遊技開始時に)報知演出の演出態様として大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出態様を設定しておき、報知演出が実行される直前に(例えば、大当たりエンディング期間の開始時に)特定ゲートへの球の流下結果に基づいて報知演出の演出態様を切り替えるか否かの判別を実行し、特定ゲートを球が流下している場合には、予め設定しておいた演出態様の報知演出を実行し、特定ゲートを球が流下していない場合にのみ、報知演出の演出態様を切り替えるように構成している。
さらに、本実施形態では、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせており、遊技者にとって有利となる確変大当たりのほうが通常大当たりよりも長いエンディング期間が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、実際に確変状態が設定されるよりも前に遊技者に分かり易く報知することができる。一方、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない場合には、その旨を長期間報知したとしても遊技者に不快感を与えてしまうだけであるため、エンディング期間が短くなるように構成している。
このように、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせている場合において、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合には、大当たりエンディング期間の演出態様を単に通常当たり遊技のエンディング期間に実行される演出態様へと切り替える処理を実行するだけではエンディング期間の長さが異なるためエンディング期間中に違和感のある報知演出が実行されてしまうという問題があった。また、確変大当たり遊技において球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合にのみ設定される専用の演出態様を予め容易してしまうと、その演出態様に対する画像データ(演出データ)を予め表示制御装置114のキャラクタROM234に記憶させておく必要があり、記憶容量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成し、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に、大当たりエンディング期間の後半期間に対応する演出態様のみ通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間に対して設定される演出態様へと切り替えるように構成している。これにより、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合にのみ用いられる専用の演出態様を設けること無く、且つ、遊技者に違和感を与えることの無い報知演出を実行することができる。
なお、本実施形態では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成することで、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に実行される報知演出の演出態様を切替設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の最終ラウンド期間中から報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも長い期間実行される報知演出を実行可能に構成しても良いし、大当たりエンディング期間が設定されてから所定期間の間、大当たり遊技の最終ラウンド期間中に実行されるラウンド演出を継続して実行し、その後、報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも短い期間の報知演出を実行するように構成しても良い。
このV入賞装置2650は、上述した第8実施形態のV入賞装置2650(図194〜図196参照)と同一内容で構成されているため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、可変表示ユニット80の右側領域の構成、及び、右側領域を流下した球がスルーゲート67、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、V入賞装置2650へと入球する割合については、上述した左側領域と同一であるため、その詳細な説明は省略する。以上、説明をした通り、本実施形態では、設定されている遊技状態に関わらず、ひいては大当たり遊技が実行されているか否かに関わらず、遊技者が右打ち遊技を実行しても左打ち遊技を実行しても同様の特典が付与されるように構成している。よって、遊技者は自分の気分に合わせて任意の遊技方法で遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、図230に示した通り、パチンコ機10の遊技盤13の構成を左右対称に構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が獲得可能な特典量が左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで大きく乖離しないように構成すれば良く、例えば、左側領域に設けられる一般入球口63の数を、右側領域に設けられる一般入球口63の数よりも少なくし、且つ、第1入球口64へと球が入球する割合を、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが高くなるように構成し、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも賞球を獲得し難いが第1特別図柄抽選を実行し易くし、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも賞球を獲得し易いが第1特別図柄抽選を実行し難くするように構成しても良い。このように構成した場合には、通常状態中、即ち、第1入球口64へと球を入球させる遊技を実行している間は、遊技者が任意の遊技方法で遊技を行うことができ、第2入球口640へと球を入球させる遊技(時短状態や確変状態中の遊技)においては、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技とすることができる。
上記各実施形態では、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、特図入球口64への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大1回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、特図入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて異なる遊技盤13の狙う領域を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態の場合は遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行され、時短状態の場合は遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行されるように構成しても良い、また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、何れの遊技状態が設定されている場合も、大当たり遊技が設定されている場合も、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、時短状態が設定されている場合と、大当たり遊技中は右打ち遊技を実行させ、通常状態中のみ左打ち遊技を実行させるように構成しても良い。このように構成することで、実行させる遊技方法(右打ち遊技、左打ち遊技)に応じて遊技者に有利な状態であるか否かを遊技者に分かり易く理解させることができる。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。
また、上述した第6実施形態では、役物当たり遊技の終了条件を選択するための切替ボタン群22z(切替ボタン22za、第1選択ボタン22zb、第2選択ボタン22zc)を設け、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
<第11実施形態>
次に、図264から図296を参照して、第11実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第7実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態に移行することにより、小当たり確率が高い第2特別図柄の抽選が実行され易くなり、右可変入賞装置1650へと遊技球を入球させて賞球を獲得する機会を頻繁に得ることができる状態を形成するように構成していた。つまり、大当たりに当選しなくても多量の賞球を得ることができる極めて有利な遊技状態を形成するように構成していた。
これに加えて本第11実施形態では、パチンコ機10に設けられている操作手段に対して所定の操作を行うことにより、特別図柄の低確率状態の大当たり確率と高確率状態(確変状態)の大当たり確率との組み合わせ(設定)を可変させることが可能に構成した。より具体的には、本第11実施形態におけるパチンコ機10には、大当たり確率の組み合わせ(設定)として、6種類の組み合わせ(設定)が規定されており(図269(a)参照)、例えば、ホールの店員等が営業時間外等において所定の操作(設定変更操作)を行うことにより、パチンコ機10の大当たり確率を任意に設定することができる。大当たり確率が高い設定(高設定)ほど、通常状態(特別図柄の低確率状態)においても潜確状態(特別図柄の高確率状態)においても大当たりに当選し易くなるため、通常状態が長い期間継続し難くなる(ハマりが発生し難くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的短期間で終了し易くなってしまう(潜確状態において大当たり当選により他の遊技状態が設定され易くなる)。一方、大当たり確率が低い設定(低設定)ほど、通常状態が長い期間継続し易くなる(ハマりが発生し易くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的長く継続し易くなるため、1の潜確状態において小当たり遊技によって獲得できるトータルの賞球数が多くなり易くなる。つまり、大当たり確率(確率)に応じて、遊技性(不利な状態も有利な遊技状態も比較的短い期間で終了し易くなる遊技性や、不利な遊技状態も有利な遊技状態も比較的長い期間継続し易い遊技性)を異ならせることができるので、遊技者の興趣をより向上させることができる。
この第11実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第7実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110に対して、パチンコ機10の設定(高確率状態および低確率状態における大当たり確率の組み合わせ)を変更するための各種の操作手段(設定キー110b、設定変更スイッチ110c)が設けられている点、主制御装置110のROM202及びRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第7実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第7実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図264を参照して、本第11実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図264は、本第11実施形態における遊技盤13の正面図である。図264に示した通り、本第11実施形態における遊技盤13は、上述した第7実施形態における遊技盤13(図157参照)に対して、中央第1入球口64cの下方に第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に開放される特図1用入賞装置1640が設けられている点でのみ相違している。つまり、本第11実施形態においては、第2特別図柄の抽選だけでなく、第1特別図柄の抽選でも小当たりに当選し得る仕様を採用していると共に、特別図柄の種別に応じて小当たり当選時に開放される(入球可能となる)入賞装置の種別を異ならせている。
この特図1用入賞装置1640は、遊技球が入球可能な特図1用入賞口1640aと、その特図1用入賞口1640aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための特図1小当たり用ソレノイド(図示せず)と、で少なくとも構成されている。この特図1用入賞装置1640は、通常時は開閉板が完全に特図1用入賞口1640aを覆った状態となって特図1用入賞口1640aに遊技球が入球し難くなる(特図1用入賞口1640aを閉鎖する)閉状態に維持される。第1特別図柄の抽選で小当たりになった場合は、特図1小当たり用ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、遊技球が特図1用入賞口1640aに入賞し易い開状態を一時的に形成する。なお、図264に示した通り、特図1用入賞装置1640は、その鉛直上方に中央第1入球口64cが配置されている上に、正面視右上方向および左上方向が遊技釘によって塞がれているため、たとえ特図1用入賞口1640aが開放されたとしても、遊技球を特図1用入賞口1640aへと入球させることは困難となる。つまり、第11実施形態における第1特別図柄の小当たりは、遊技者に賞球を獲得させるために設けられているものではなく、通常状態において故意に若しくは誤って右打ちを行ってしまったこと等により第2特別図柄の抽選が実行されてしまった場合に、第2特別図柄のロング変動を第1特別図柄の小当たりによって強制的に終了させる(破棄する)ために設けられている。より詳述すると、本第11実施形態では、一方の特別図柄の抽選が大当たり若しくは小当たりとなった場合に、当該大当たり若しくは小当たりの変動表示の停止時に他方の特別図柄の変動表示が実行中であれば、他方の特別図柄の変動表示を強制的に外れ図柄で停止表示させるように構成している。つまり、通常時において右打ちにより第2入球口645へと遊技球が入球して第2特別図柄の抽選が実行され、第2特別図柄のロング変動(600秒間の変動表示)が実行されたとしても、その後に左打ちにより中央第1入球口64cへと遊技球を入球させて第1特別図柄の抽選を実行されることで、高確率(例えば、約90%の割合)で大当たり若しくは第1特別図柄の小当たりに当選し、第2特別図柄のロング変動を強制的に外れで終了(破棄)させることができる。これにより、遊技状態毎に実行され易い側の特別図柄の変動をより実行させ易くすることができる。
次に、図265を参照して、本第11実施形態においてパチンコ機10の設定変更を行うための各種の操作手段の詳細について説明する。図265は、本第11実施形態におけるパチンコ機10の背面図である。図265に示した通り、本第11実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110に対して、設定値を表示させることが可能な設定値表示装置110aと、設定変更動作(および設定確認動作)を受け付ける状態と、受け付けない状態(通常遊技状態)とを切り替えることが可能な設定キー110bと、設定変更動作を受け付ける状態(設定変更状態)において操作者(例えば、パチンコ機10を設置しているホールの店員)の操作に応じてパチンコ機10の設定値を変更することが可能な設定スイッチ110cと、で少なくとも構成されている設定変更機構が設けられている。この設定変更機構を用いた設定変更の方法、および設定確認の方法について、図266を参照して詳細に説明する。
まず、図266(a)〜(d)を参照して、設定変更機構を用いたパチンコ機10の設定変更手順について説明する。図266(a)〜(d)に示した通り、パチンコ機10の設定を変更するためには、まず、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bを時計回りに回動することによりON位置へと回動させる(図266(a)参照)。つまり、設定変更を行うためには、まず、パチンコ機10の電源を遮断しておく必要がある。次に、設定キー110bをON側に回動させた状態でRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入する(図266(b)参照)。これにより、電源投入後のパチンコ機10の状態が設定変更状態に設定される。設定変更状態になると、4桁の7セグメントディスプレイで構成された設定値表示装置110aの各桁に対して、「−」が表示される。この表示内容により、設定変更状態に正常に遷移したということを操作者(例えば、ホールの店員)に対して容易に理解させることができる。
設定変更状態に移行すると、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定値が1ずつ切り替わる(図266(c)参照)。なお、本第11実施形態では、設定1〜6の6種類の設定値が設けられており、数値が大きくなる程大当たり確率が高くなるように構成されている。即ち、設定1の大当たり確率が最も低く(例えば、低確率状態で1/320、高確率(確変)状態で1/102)、設定6の大当たり確率が最も高くなる(例えば、低確率状態で1/220、高確率状態で1/70)ように構成されている。設定変更状態では、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定が1→2→・・・→6といった具合に変更されていく。また、設定値が6の状態で設定スイッチ110cが押下された場合は、設定値が1に戻るように構成されている。また、設定スイッチ110cが押下される毎に、設定値表示装置110aに対して現在の設定値を示す数字が表示される。なお、図226(c)は、設定値が「5」に設定されている状態における表示態様を示した図である。図226(c)に示した通り、設定スイッチ110cに対する押下操作によって設定値が5に切り替えられると、設定値表示装置110aにおける下1桁に対して、設定5を示す「5」という数字が表示される。
操作者が所望の設定値への切り替え動作を完了した後は、設定キー110bを反時計回りに回動させて設定キー110bをOFF位置に配置させることにより、設定変更状態が終了されて通常遊技が可能な状態に移行される(図266(d)参照)。なお、設定キー110bは、鍵型のキー部と、キー部に合致する鍵穴形状の鍵穴部と、で構成されており、キー部を取り外すことができる。これにより、操作者(例えば、ホールの店員)が設定変更動作を行う際にのみキー部を鍵穴部に挿入し、設定変更動作を終了した際にはキー部を取り外して保管しておくことができる。これにより、不正遊技者等が営業中にパチンコ機10の設定を不正に変更することを抑制することができるので、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを防止することができる。
次に、図266(e)〜(g)を参照して、設定確認を行ための手順(設定確認動作)について説明する。設定確認を行うためには、まず、設定変更動作と同様に、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bをON位置に回動させる(図266(e)参照)。そして、RAMクリアスイッチ122をオンにせずに(即ち、オフの状態のままで)パチンコ機10の電源を投入することにより、設定確認状態に設定される(図266(f)参照)。設定確認状態に移行すると、設定値表示装置110aに対して現在設定されている設定値が表示される。図266(f)の例では、設定値として「5」が設定されている状態を示している。操作者による設定の確認が終了すると、設定キー110bをON側に回動することで設定確認状態が終了されて通常遊技が可能な状態に移行される(図266(g)参照)。
なお、本第11実施形態では、設定キー110bと設定スイッチ110cとを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定スイッチ110cを削除して、設定キー110bの回動量に応じて設定を変更することができるように構成してもよい。より具体的には、設定キー110bを60度回動させる毎に、設定が1→2→・・・→6の順に切り替わるように構成してもよい。そして、設定変更動作の終了時には、設定キー110bのキー部を鍵穴部から引き抜くことで通常遊技が可能な状態に戻すように構成してもよい。このように構成することで、設定変更機構の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減を図ることができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
次に、図267を参照して、本第11実施形態において、設定変更動作を終了して通常遊技が可能な状態に移行した場合における演出態様の推移について説明する。ここで、本第11実施形態では、設定変更動作により設定された設定値を遊技者に示唆可能な演出を実行可能に構成している。より具体的には、本第11実施形態では、設定変更が行われてから最初に大当たりに当選するまでの間に限り、特定の変動パターンが選択される毎に、パチンコ機10の現在の設定値を第3図柄表示装置81において表示される第3図柄によって示唆する設定示唆演出を実行可能に構成している。
この設定示唆演出では、左図柄列、および右図柄列が同一の数字を付した第3図柄で停止表示され、最終的に外れとなる演出(所謂、リーチ外れ演出)が実行されると共に、リーチ発生時に停止された左右の第3図柄の数字によって設定値を遊技者に示唆するように構成している。より具体的には、1図柄のリーチ(左右に数字の「1」を付した第3図柄が停止表示されるリーチ演出)は、設定値として「1」が設定されている場合に選択される可能性が高く、2図柄のリーチは、設定値として「2」が設定されている場合に選択される可能性が高く、3図柄のリーチは、設定値として「3」が設定されている場合に選択される可能性が高く、4図柄のリーチは、設定値として「4」〜「6」が設定されている場合に選択される可能性が高く、5図柄のリーチは、設定値として「5」又は「6」が設定されている場合に選択される可能性が高く、6図柄のリーチは、設定値として「6」が設定されている場合に選択される可能性が高くなるように構成されている。また、「9」図柄のリーチは、設定値として「6」が設定されている場合にのみ選択され得るように構成されている。一方、8図柄のリーチは、設定が低い程選択される可能性が高くなるように構成されている。
図267は、本第11実施形態における設定変更動作後の演出態様の推移を示した図である。図267に示した通り、本第11実施形態では、設定変更動作が終了した後において、49回の特別図柄の抽選に基づく変動表示に渡って、通常の演出態様が実行され、50回目の変動表示において、設定示唆演出が実行される。そして、51回目から99回目の変動表示では、通常の演出態様が実行され、100回目の変動表示では設定示唆演出が実行される。以降も、最初に大当たりに当選するまでの間、変動表示の回数が50の倍数になる毎に、設定示唆演出が実行される。なお、本第11実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される変動パターンコマンドにより通知される変動パターンの種別によって、設定示唆演出を設定すべき変動パターンであるか否かを音声ランプ制御装置113側において判断するように構成している。
詳細については図271、および図272(b)を参照して後述するが、本第11実施形態では、RAMクリア122を伴う電源投入が実行された場合に、電源投入後の変動回数が50の倍数となる毎に、通常は選択されない特殊な変動種別(外れ特殊リーチ変動)が選択されるように変動パターンのシナリオが設定されている。音声ランプ制御装置113側においては、変動パターンコマンドとして外れ特殊リーチ変動が通知された場合にのみ、設定示唆演出の演出態様を決定して当該決定した演出態様の変動パターン演出を実行するように構成している。このように構成することで、音声ランプ制御装置113において、設定変更(RAMクリアスイッチ122の操作を伴う電源投入)が実行されたのか否かや、電源投入後の変動回数等を把握しておく必要が無いため、音声ランプ制御装置113側における処理負荷を軽減することができる。
設定変更後、最初に大当たりに当選するまでの間、50回の特別図柄の抽選が実行される毎に設定示唆演出を実行する構成とすることにより、遊技者に対して、ホールの開店から1回も大当たりに当選していないパチンコ機10で遊技を開始して、設定示唆演出が実行されるか否かを確認しようと思わせることができ、設定示唆演出の有無やその内容により、遊技を継続するモチベーションを遊技者に与えることができる。より具体的には、例えば、前日の結果が悪い(実際の遊技回数(特別図柄の抽選回数)と、大当たり回数と、から算出される大当たり確率が低い結果に終わっている)パチンコ機10において、設定示唆演出が確認できた場合には、有利な設定値に変更された期待が持てると遊技者に予測させることができるので、当該設定示唆演出が確認されたパチンコ機10における遊技を継続しようと思わせることができる。また、例えば、前日の結果が良い(実際の遊技回数と、大当たり回数と、から算出される大当たり確率が高い結果に終わっている)パチンコ機10において設定示唆演出が確認できなかった場合は、前日の設定のまま変更されていないと遊技者に確信させることができるので、前日と同様に良い結果となることを期待して遊技を継続させることができる。更に、設定示唆演出において、高設定が期待できる演出が実行された場合には、高設定であることをより強く期待して遊技を続行させることができる。加えて、設定示唆演出が実行されるよりも前に(特別図柄の抽選が50回実行されるよりも前に)大当たりとなった場合でも、50回以内に当選するという事象は高設定ほど起こり易いと遊技者に考えさせることができるため、やはり、遊技を続行しようと思わせることができる。
このように、本第11実施形態では、設定変更後、最初に大当たりに当選するまでの間、特定回数(50回)の特別図柄の抽選が実行される毎にパチンコ機10の有利度合いに関する特定の要素(設定値)を示唆可能な演出を実行することで、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることが可能に構成している。これにより、特に、大当たりに当選していない状態におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第11実施形態における電気的構成>
次に、図268(a)を参照して、本第11実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図268(a)は、本第11実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図268(a)に示した通り、本第11実施形態におけるROM202は、上述した第7実施形態におけるROM202の構成(図168(a)参照)に対して、第1当たり乱数7テーブル202faに代えて第1当たり乱数11テーブル202maが設けられている点、小当たり乱数テーブル202fbに代えて小当たり乱数11テーブル202mbが設けられている点、大当たり種別選択7テーブル202fdに代えて大当たり種別選択11テーブル202mdが設けられている点、変動パターン選択7テーブル202feに代えて変動パターン選択11テーブル202meが設けられている点、および変動パターンシナリオテーブル202mfが追加されている点で相違している。変動パターンシナリオテーブル202mfは、変動パターン11テーブル202meに規定されている4つの変動パターンテーブル(通常用11テーブル202me1、時短・確変用11テーブル202me2、潜確用11テーブル202me3、RAMクリア時テーブル202me4)のうちいずれの変動パターンテーブルを参照して変動パターン(変動時間)を選択するのかを決定するために参照されるデータテーブルである。
まず、図269(a)を参照して、本第11実施形態における第1当たり乱数11テーブル202maの詳細について説明する。図269(a)は、第1当たり乱数11テーブル202maの規定内容を示した図である。図269(a)に示した通り、本第11実施形態における第1当たり乱数11テーブル202maには、特別図柄の状態と設定値とに対応付けて、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。より具体的には、図269(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において、設定値「1」(設定1)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜204」が対応付けて規定され、設定値「2」(設定2)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜217」が対応付けて規定され、設定値「3」(設定3)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜233」が対応付けて規定され、設定値「4」(設定4)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜251」が対応付けて規定され、設定値「5」(設定5)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜272」が対応付けて規定され、設定値「6」(設定6)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜297」が対応付けて規定されている。また、本第11実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る範囲が「0〜65535」に拡大されている。このため、特別図柄の低確率状態における設定1の大当たり確率は1/320(205/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/301(218/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/280(234/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/260(252/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/240(273/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/220(298/65536)である。
一方、図269(a)に示した通り、特別図柄の高確率状態において、設定1に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜643」が対応付けて規定され、設定2に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜686」が対応付けて規定され、設定3に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜735」が対応付けて規定され、設定4に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜791」が対応付けて規定され、設定5に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜857」が対応付けて規定され、設定値6に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜935」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の高確率状態における設定1の大当たり確率は1/102(644/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/95(686/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/89(736/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/82(792/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/76(858/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/70(936/65536)である。なお、低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率との比率は共通となっている。
なお、本第11実施形態では、トータルとして、設定が高い方が遊技者にとっての有利度合いが高くなるように構成している。即ち、設定6が遊技者にとって最も有利となり、設定1が最も不利となるように構成している。つまり、設定が高くなる程大当たり確率が高くなるため、大当たり自体で獲得できるトータルの賞球も多くなり、潜確状態の間に獲得できる小当たりによる賞球数が減少することを加味しても、設定が高い方がトータルの有利度合いが高くなるように構成している。つまり、低設定(例えば、設定1)は、遊技を継続する程に遊技者に不利となっていき易くなるため、1の潜確状態でどれだけの賞球を獲得することができるか(大当たりに当選せずにどれだけの回数特別図柄の抽選を実行させることができるか)に懸ける短時間勝負の遊技性となり、高設定では、遊技を継続する程に有利となって行き易くなるため、安定的に賞球を得られる長時間勝負の遊技性となる。
このように、本第11実施形態では、1から6の6段階の設定値のうち1の設定値に設定することが可能に構成されており、設定が高くなるほど低確率状態、および高確率(確変)状態における大当たり確率が高くなる。よって、設定が高い方が不利な通常状態が長い期間継続し難くなる(ハマりが発生し難くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的短期間で終了し易くなる(潜確状態において大当たり当選により他の遊技状態が設定され易くなる)。ここで、上述した通り、本第11実施形態では、最も有利な遊技状態である潜確状態において特別図柄の抽選が実行されると高確率で小当たりに当選して右可変入賞装置1650が開放されるため、大当たりに当選しなくても賞球を獲得する機会が頻繁に与えられる。更に、一旦有利な潜確状態に移行すると、大当たりに当選しない限り他の遊技状態に移行することがないように構成されている。よって、潜確状態においては、大当たりに当選しない期間が長くなる程(即ち、ハマる程)小当たりによる賞球を多く獲得することができるため、遊技者に有利となる。よって、有利な潜確状態においては、大当たり確率が高く、比較的ハマりが発生し難い高設定よりも、大当たり確率が低く、比較的ハマりが発生し易い低設定の方が、1の潜確状態において小当たり遊技によって獲得できるトータルの賞球数が多くなり易くなる。つまり、大当たり確率(確率)に応じて、遊技性(不利な状態も有利な遊技状態も比較的短い期間で終了し易くなる遊技性や、不利な遊技状態も有利な遊技状態も比較的長い期間継続し易い遊技性)を異ならせることができるので、遊技者の興趣をより向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、特別図柄の低確率状態における大当たり確率と、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり確率との比率を全設定共通として構成していたが、これに限られるものではなく、低確率状態と高確率状態との大当たり確率の比率を設定毎に異ならせてもよい。より具体的には、例えば、低確率状態の大当たり確率は上述した第11実施形態と同様に設定値に応じて異ならせる一方で、高確率状態の大当たり確率については設定値によらず一定(例えば、1/90)としてもよい。このように構成することで、高確率状態におけるハマり易さを設定によらず共通とすることができるので、有利な潜確状態における有利度合いを設定によらず共通とすることができる。よって、高設定の優位性をより高めることができるので、設定が高い方があらゆる面で有利になるという分かり易い遊技性を提供することができる。また、例えば、奇数設定(設定1,3,5)と偶数設定(設定2,4,6)とで高確率状態の大当たり確率を異ならせてもよい。具体的には、例えば、奇数設定では高確率状態における大当たり確率が低くなる(例えば、1/100)一方、偶数設定では高確率状態における大当たり確率が高くなる(例えば、1/70)ように構成してもよい。このように構成することで、奇数設定と偶数設定とで有利な潜確状態における有利度合いを異ならせることができるので、設定に応じて遊技性を大きく異ならせることができる。更に、この場合において、特別図柄の低確率状態における大当たり確率として、偶数設定の方が奇数設定よりも高い大当たり確率になるように構成した上で、奇数設定内、および偶数設定内では設定が高くなる方が大当たり確率が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、設定値が奇数であるか、偶数であるかに応じて遊技性を大きく異ならせることができる。即ち、偶数設定では不利な通常状態が長く続き難いが、潜確状態が長く続き難いため、比較的出玉推移が穏やかになり易い遊技性を実現できる一方で、奇数設定では、不利な通常状態が長く続き易いが、潜確状態が長く続き易いため、ハマりが厳しいが一度潜確状態に移行させてしまえばより多くの賞球の獲得を期待できるという、出玉推移が激しく上下し易くなる、いわば荒波のような遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、ホールの営業方針に応じて適切な設定を選択させることができるので、ホールの利便性を向上させることができる。
次に、図269(b)を参照して、本第11実施形態における小当たり乱数11テーブル202mbの詳細について説明する。図269(b)は、本第11実施形態における小当たり乱数11テーブル202mbの規定内容を示した図である。図269(b)に示した通り、本第11実施形態では、小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、特別図柄の種別によらず共通の値が対応付けて規定されている。より具体的には、小当たりに対応する乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の範囲として、936〜58981が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る0〜65535の65535個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりに対応する乱数値(カウンタ値)の個数が58046個であるので、特別図柄の抽選が実行された場合に抽選結果が小当たりとなる割合は約88.6%(58046/65536)である。
このように、本第11実施形態では、特別図柄の抽選が実行されると、高確率(88.6%の割合)で小当たりに当選するように構成しているので、有利な潜確状態において頻繁に右可変入賞装置1650が開放され、賞球を遊技者に頻繁に獲得させることができる。よって、潜確状態における遊技の興趣を向上させることができるので、潜確状態へと移行することを強く期待して遊技を行わせることができる。また、第2特別図柄の抽選のみならず、第1特別図柄の抽選でも高確率で小当たりに当選するように構成することで、通常状態において故意に若しくは誤って右打ちを行ってしまったこと等により第2特別図柄の抽選が実行されてしまった場合に、第2特別図柄のロング変動を第1特別図柄の小当たりによって強制的に終了させる(破棄する)ことができる。
次に、図270を参照して、本第11実施形態における大当たり種別選択11テーブル202mdの詳細について説明する。図270は、大当たり種別選択11テーブル202mdの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択11テーブル202mdは、第7実施形態における大当たり種別選択7テーブル202fdと同様に、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルである。
図270に示した通り、本第11実施形態における大当たり種別選択11テーブル202mdには、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として、「大当たりA11」〜「大当たりF11」の6個の大当たり種別が規定されている。一方、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりG11」〜「大当たりK11」の5個の大当たり種別が規定されている。
図270に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値「0」に対して、大当たり種別として「大当たりA11」が対応付けて規定されている。この「大当たりA11」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態に設定される(遊技状態によらず時短カウンタ203hの値に0が設定され、確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(16ラウンド(R)確変大当たり)である。この「大当たりA11」は、ラウンド数が最も多い上に、大当たり終了後の遊技状態も最も有利となるため、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA11」が決定される割合は1%(1/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「1〜49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB11」が対応付けて規定されている。この「大当たりB11」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される(確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態において「大当たりB11」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に65536が設定される一方で、通常状態以外の遊技状態(時短状態、確変状態、および潜確状態)では、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
即ち、通常状態において「大当たりB11」に当選すると、比較的有利な確変状態へと移行する。この確変状態では、時短回数が65536に設定されるため、実質的に次の大当たりまで確変状態が継続する。一方、通常状態以外の遊技状態において「大当たりB11」に当選した場合は、時短回数が0に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態となる。よって、「大当たりB11」は、通常状態において当選した場合、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となる。一方、通常状態以外の遊技状態において当選した場合、遊技状態の面で最も有利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が49個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB11」が決定される割合は49%(49/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜59」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC11」が対応付けて規定されている。この「大当たりC11」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される(時短カウンタ203hの値に65536が設定され、確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。
即ち、「大当たりC11」に当選すると、当選時の遊技状態によらず、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される。よって、「大当たりC11」は、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC11」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「60〜64」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD11」が対応付けて規定されている。この「大当たりD11」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される(時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、「大当たりC11」とは異なり、「大当たりD11」では時短カウンタ203hの値に100が設定されるので、次回の大当たりまで確変状態が継続するとは限らない。即ち、「大当たりD11」が終了してから100回以内の特別図柄の抽選で大当たりとならなかった場合には、時短カウンタ203hの値が0となって最も有利な潜確状態に移行する。よって、「大当たりD11」は、大当たり終了後の遊技状態の面で、「大当たりC11」よりも有利となる大当たり種別である。なお、100回以内の特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、「大当たりD11」と全く同一の動作となるため、大当たり終了後の遊技状態の面で、「大当たりC11」よりも有利になり易い大当たり種別とも言い換えることができる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりD11」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜84」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE11」が対応付けて規定されている。この「大当たりE11」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的不利な時短状態に設定される(時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変フラグ203gがオフに設定される)種別の大当たり(8ラウンド通常大当たり)である。よって、「大当たりE11」は、大当たり終了後の遊技状態の面で比較的不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が20個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE11」が決定される割合は20%(20/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「85〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF11」が対応付けて規定されている。この「大当たりF11」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される(確変フラグ203gがオフに設定される)種別の大当たり(8ラウンド通常大当たり)である。なお、通常状態において「大当たりF11」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に100が設定される一方で、通常状態以外の遊技状態において「大当たりF11」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に0が設定される。よって、通常状態以外の遊技状態において「大当たりF11」に当選してしまうと、最も不利な通常状態に移行してしまうため、「大当たりF11」は、大当たり終了後の遊技状態の面で最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が15個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりF11」が決定される割合は15%(15/100)である。
一方で、図270に示した通り、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりG11」が対応付けて規定されている。この「大当たりG11」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の確変状態に設定される(確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(16ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態において「大当たりG11」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に65536が設定される一方で、通常状態以外の遊技状態において「大当たりG11」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に0が設定される。よって、通常状態において「大当たりG11」に当選した場合は、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される一方、通常状態以外の遊技状態において「大当たりG11」に当選した場合は、最も有利な潜確状態に設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりG11」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜9」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりH11」が対応付けて規定されている。この「大当たりH11」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の確変状態に設定される(確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(2ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態において「大当たりH11」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に65536が設定される一方で、通常状態以外の遊技状態において「大当たりH11」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に0が設定される。よって、通常状態において「大当たりH11」に当選した場合は、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される一方、通常状態以外の遊技状態において「大当たりH11」に当選した場合は、最も有利な潜確状態に設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりH11」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜14」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりI11」が対応付けて規定されている。この「大当たりI11」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短回数100回の確変状態に設定される(時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(2ラウンド確変大当たり)である。よって、「大当たりI11」は、大当たり終了後の遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりI11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりI11」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「15〜64」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりJ11」が対応付けて規定されている。この「大当たりJ11」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が、実質的に次回の大当たりまで継続する確変状態に設定される(時短カウンタ203hの値に65536が設定され、確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(2ラウンド確変大当たり)である。よって、「大当たりJ11」は、大当たり終了後の遊技状態の面で「大当たりI11」よりも有利度合いが低い大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりJ11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりJ11」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図270に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりK11」が対応付けて規定されている。この「大当たりK11」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が、時短回数が100回の時短状態に設定される(時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変フラグ203gがオフに設定される)種別の大当たり(2ラウンド通常大当たり)である。よって、「大当たりK11」は、ラウンド数の面でも大当たり終了後の遊技状態の面でも第2特別図柄の大当たり種別の中で最も不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりK11」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が35個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりK11」が決定される割合は35%(35/100)である。
なお、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、潜確状態へと直接移行する大当たり種別が存在しないのは、通常状態において右打ちにより右第2入球口645を狙って遊技球を発射する変則的な遊技方法に対する抑制を図るためである。即ち、通常状態において右打ちを行うと、第2特別図柄のロング変動が実行されて遊技効率が極端に悪化する上に、大当たり終了後の遊技状態の面でも第1特別図柄の大当たりよりも不利になるため、変則的な遊技を行った方が不利になると遊技者に感じさせることができる。よって、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図271を参照して、本第11実施形態における変動パターン選択11テーブル202meの詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第11実施形態における変動パターン選択11テーブル202meは、大当たり終了後の通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を決定するために参照される通常用11テーブル202me1と、確変状態および時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照される時短・確変用11テーブル202me2と、潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照される潜確用11テーブル202me3と、RAMクリア後の通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照されるRAMクリア時用テーブル202me4と、の4種類のデータテーブルで構成されている。
これらのうち、時短・確変用11テーブル202me2の規定内容は、第7実施形態における確変用7テーブル202fe2と同一であるので、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図271(a)を参照して、本第11実施形態における変動パターン選択11テーブル202meを構成する潜確用11テーブル202me3の詳細について説明する。図271(a)は、潜確用11テーブル202me3の規定内容を示した図である。
図271(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選に対しては、抽選結果によらず、60000msの超ロング変動が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合には、必ず600秒(10分間)の変動表示が実行される。一方、第2特別図柄の抽選に対しては、抽選結果が当たりの場合、変動種別カウンタCS1の値が「0〜49」の範囲に対して変動時間が2000msの当たりショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50〜198」の範囲に対しては、変動時間が5000msの当たりロング変動が対応付けて規定されている。一方、図271(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が外れ(若しくは小当たり)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0〜49」の範囲に対して、変動時間が2000msの外れショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50〜198」の範囲に対して、変動時間が5000msの外れロング変動が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において第2特別図柄の抽選が実行されると、短い変動時間(2秒間若しくは5秒間)の変動パターンのみが実行されるため、比較的短い期間で第2特別図柄の小当たり遊技が実行される。よって、潜確状態において短期間により多くの賞球を獲得させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図271(b)を参照して、RAMクリア時用テーブル202me4の詳細について説明する。このRAMクリア時用テーブル202me4は、上述した通り、RAMクリアスイッチ122を押下しながらパチンコ機10の電源を投入した場合に設定される通常状態(RAMクリア操作後の通常状態)において特別図柄の抽選に基づく変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。ここで、上述した通り、パチンコ機10の設定変更(低確率状態、および高確率状態における大当たり確率の組み合わせの設定)を行うためには、RAMクリア操作が必須となる。このため、設定変更後、大当たりに当選するまでの間は、必ず、このRAMクリア時用テーブル202me4が参照される。
図271(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が当たりの場合、RAMクリア操作後の変動回数によらず、変動種別カウンタCS1の値が「0〜39」の範囲に対して変動時間が20000msの当たりノーマル変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「40〜119」の範囲に対して変動時間が30000msの当たりスーパー変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「120〜198」の範囲に対しては、変動時間が40000msの当たりスペシャル変動が対応付けて規定されている。
一方、抽選結果が外れの場合で、且つ、RAMクリア操作後の変動回数が50の倍数である場合は、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動時間が25000秒の外れ特殊リーチ変動が対応付けて規定されている。この外れ特殊リーチ変動は、RAMクリア操作後の通常状態でのみ決定され得る変動種別である。音声ランプ制御装置113は、この外れ特殊リーチ変動を示す変動パターンコマンドを受信すると、当該外れ特殊リーチ変動の実行中における演出態様(変動パターン演出)として、設定示唆演出を実行するように構成されている。即ち、RAMクリア操作後(設定変更後)、1度も大当たりに当選していないことを条件として、特別図柄の抽選が50回実行される毎に設定示唆演出を実行することができる。よって、設定示唆演出の内容によって現在遊技を行っているパチンコ機10の設定を推測したいと考える遊技者に対して、少なくとも50回以上、特別図柄の抽選で連続して外れになって欲しいと願わせる斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、電源投入後に50回以上特別図柄の抽選を実行しても設定示唆演出が発生しなかった場合には、RAMクリア操作が行われていない(即ち、設定が変更されていない)と遊技者に確信させることができる。よって、遊技を行っているパチンコ機10の前日の結果が良い(実際の遊技回数(特別図柄の抽選回数)と、大当たり回数と、から算出される大当たり確率が高い結果に終わっている)場合には、前日以前に大当たり確率が良い設定(高設定)に設定され、本日まで当該良い設定のまま変更されていないのではないか、と遊技者に予測させることができる。一方、逆に、遊技を行っているパチンコ機10の前日の結果が悪い(実際の遊技回数(特別図柄の抽選回数)と、大当たり回数と、から算出される大当たり確率が低い結果に終わっている)場合には、前日以前に大当たり確率が悪い設定(低設定)に設定され、本日まで当該悪い設定のまま変更されていないのではないか、と遊技者に予測させることができる。このように、設定示唆演出の実行有無により、設定変更の有無や設定値を推測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の有利に対する興趣をより向上させることができる。
これに対し、図271(b)に示した通り、抽選結果が外れの場合で、且つ、RAMクリア操作後の変動回数が50の倍数以外である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜70」の範囲に対して変動時間が8000msの短外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「71〜130」の範囲に対して変動時間が12000msの長外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「131〜170」の範囲に対して変動時間が20000msの外れノーマル変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「171〜198」の範囲に対して変動時間が30000msの外れスーパー変動が対応付けて規定されている。つまり、変動回数が50の倍数以外の回数において第1特別図柄の抽選で外れになった場合は、外れ特殊リーチ変動が選択されないように構成されている。このように、外れ特殊リーチ変動が実行されるタイミング(即ち、設定示唆演出の実行タイミング)を50の倍数の変動回数に限定することにより、変動回数が50の倍数となるまで遊技を継続しようという目的意識を遊技者に抱かせることができる。よって、当日1度も大当たりに当選していないパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
また、図271(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が当たりの場合、RAMクリア操作後の変動回数、および変動種別カウンタCS1の値によらず、変動時間が600000msの当たりロング変動が対応付けて規定されている。一方、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合、RAMクリア操作後の変動回数、および変動種別カウンタCS1の値によらず、変動時間が600000msの外れロング変動が対応付けて規定されている。即ち、RAMクリア操作後の通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されると、いかなる状況下においても、600000msという極めて長い変動時間が設定される。よって、通常状態において右打ちにより遊技を行った場合の遊技効率を極めて悪化させることができる上に、外れになっても外れ特殊リーチ変動が選択されない(設定示唆演出が実行されない)ため、遊技者にとって極めて不利となる。従って、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
なお、通常用テーブル202me1に関しては、RAMクリア時用テーブル202me4に対して、第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に、変動回数が50の倍数であっても外れ特殊リーチ変動が選択されない(50の倍数以外の変動回数における変動パターンが選択される)ように構成されている点でのみ相違しており、その他の規定内容についてはRAMクリア時用テーブル202me4と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図272を参照して、本第11実施形態における変動パターンシナリオテーブル202mfの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202mfは、上述した通り、変動パターン11テーブル202meに規定されている4つの変動パターンテーブル(通常用11テーブル202me1、時短・確変用11テーブル202me2、潜確用11テーブル202me3、RAMクリア時テーブル202me4)のうちいずれの変動パターンテーブルを参照して変動パターン(変動時間)を選択するのかを決定するために参照されるデータテーブルである。
図272に示した通り、本第11実施形態における変動パターンシナリオテーブル202mfには、前回の大当たり終了後の遊技状態、前回の大当たり種別、および大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)に対応付けて、変動パターンを選択するために参照する変動パターンテーブルが規定されている。より具体的には、図272に示した通り、前回の大当たり終了後の遊技状態が潜確状態で、且つ、前回の大当たり種別が大当たりA11,B11,G11,H11に対しては、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)によらず、潜確用11テーブル202me3(図271(a)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、大当たりA11,B11,G11,H11に当選すると、次に大当たりとなるまで、右打ちを行うことによって第2特別図柄の抽選が頻繁に実行され、第2特別図柄の小当たりに当選して賞球を得る機会も頻繁に与えられる有利な遊技状態を形成する。
また、図272に示した通り、前回の大当たり終了後の遊技状態が確変状態で、且つ、前回の大当たり種別が大当たりD11,I11に対しては、大当たり終了後100回以内の特別図柄の抽選回数の場合に時短・確変用11テーブル202me2が参照され、101回以降の特別図柄の抽選回数の場合に潜確用11テーブル202me3が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、大当たりD11,I11に当選して大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されると、大当たり終了後特別図柄の抽選が100回終了するまでは右打ちにより第1特別図柄の抽選が頻繁に実行される(第2特別図柄の抽選が実行された場合に必ずロング変動が設定される)一方で、101回以降は第2特別図柄の抽選が頻繁に実行され、第2特別図柄の小当たりに当選して賞球を得る機会も頻繁に与えられる有利な遊技状態を形成する。よって、確変状態において大当たりに当選せずに101回以上抽選が実行されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図272に示した通り、前回の大当たり終了後の遊技状態が確変状態で、且つ、前回の大当たり種別が大当たりD11,I11以外(即ち、大当たりB11,C11,G11,H11,J11のいずれか)である場合に対しては、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数によらず、時短・確変用11テーブル202me2が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。よって、大当たりB11,C11,G11,H11,J11に当選して確変状態が設定された場合には、次に大当たりとなるまで持ち球を減らさずに遊技を行うことができる比較的有利な遊技状態を形成する。
また、図272に示した通り、前回の大当たり終了後の遊技状態が通常状態で、且つ、前回の大当たり種別が大当たりF11である場合に対しては、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数によらず、通常用11テーブル202me1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、左打ちにより中央第1入球口64cを狙って遊技を行わなければ遊技効率が著しく悪化する遊技者にとって不利な遊技状態を形成する。
また、図272に示した通り、前回の大当たり終了後の遊技状態が時短状態で、且つ、前回の大当たり種別が大当たりE11,F11,K11のいずれかである場合には、大当たり終了後100回以内の特別図柄の抽選回数の場合に時短・確変用11テーブル202me2が参照され、101回以降の特別図柄の抽選回数の場合に通常用11テーブル202me1が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。
また、図272に示した通り、RAMクリア後の通常状態に対しては、RAMクリア後の特別図柄の抽選回数によらず、RAMクリア時用テーブル202me4が参照される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、RAMクリア後の通常状態においては、特別図柄の抽選回数が50の倍数となる毎に外れ特殊リーチ変動が選択されて設定示唆演出が実行される。よって、設定示唆演出の内容によって現在遊技を行っているパチンコ機10の設定を推測したいと考える遊技者に対して、少なくとも50回以上、特別図柄の抽選で連続して外れになって欲しいと願わせる斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図268(b)を参照して、本第11実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図268(b)は、本第11実施形態におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図268(b)に示した通り、本第11実施形態におけるRAM203は、上述した第7実施形態におけるRAM203の構成(図173参照)に対して、第2特別図柄保留球格納エリア203dbと、第2特別図柄保留球数カウンタ203ddと、設定値格納エリア203maと、当選時状態格納エリア203mbと、特図1大当たりフラグ203mcと、特図2大当たりフラグ203mdと、特図1小当たりフラグ203meと、特図2小当たりフラグ203mfと、が追加されている点で相違している。また、特図1仮停止フラグ203dhと、特図1減算フラグ203dkと、特図2減算フラグ203dlと、時短終了待機フラグ203dmと、が削除されている点でも相違している。
第2特別図柄保留球格納エリア203dbは、第1特別図柄保留球格納エリア203daに対して、第2特別図柄に対応する記憶エリアであることのみ相違する。より具体的には、右第2入球口645への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、及び変動種別カウンタCS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203dbの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。
第2特別図柄保留球数カウンタ203ddは、右第2入球口645に入賞したことに基づく保留球をカウントするカウンタであり、第1特別図柄の保留球をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ203daと同様の機能を有する。即ち、第2特別図柄の保留球を上限値(4)までカウントすることが可能なカウンタである。
設定値格納エリア203maは、パチンコ機10の設定値に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。より具体的には、設定値格納エリア203maにデータとして「00H」が格納されていれば、設定値「1」が設定されていることを示し、データとして「01H」が格納されていれば、設定値「2」が設定されていることを示し、データとして「02H」が格納されていれば、設定値「3」が設定されていることを示し、データとして「03H」が格納されていれば、設定値「4」が設定されていることを示し、データとして「04H」が格納されていれば、設定値「5」が設定されていることを示し、データとして「05H」が格納されていれば、設定値「6」が設定されていることを示す。特別図柄の抽選を実行する際は、この設定値格納エリア203maのデータを読み出して、その読み出したデータが示す設定値に対応する抽選確率で特別図柄の抽選(大当たり抽選)を実行する。即ち、第1当たり乱数11テーブル202ma(図269(a)参照)のうち、設定値格納エリア203maのデータが示す設定値に対応する乱数値の範囲と、実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較することにより特別図柄の抽選を実行する(図278のS492,S493、図285のS1081,S1082参照)。なお、設定値格納エリア203maの値は、初期値が「00H」に設定されており、設定変更状態において設定スイッチ110cが押下(操作)される毎に、「01H」→「02H」→・・・→「05H」と「01H」ずつ値が更新され、データが「05H」の状態で更に設定スイッチ110cが押下されると、データが「01H」に更新される。なお、RAMクリアスイッチ122の押下を伴って電源が投入されると、RAM203のデータは全て書きりにリセット(クリア)される。よって、単にRAMクリア操作のみを行った場合、設定値格納エリア203maの値も初期値である「01H」にリセットされる。即ち、設定変更動作を実行せずに、単にRAMクリア動作のみを行ったとしても、設定1には変更することができる。これにより、ホールの利便性を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、RAMクリアスイッチ122に対する押下(RAMクリア操作)を伴う電源投入が行われた場合に、RAM203のデータが全てクリアされるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、設定値格納エリア203maのデータのみ、RAMクリア操作が行われた場合でも保持されるように構成してもよい。即ち、設定変更状態において設定スイッチ110cが操作(押下)されない限り、設定値格納エリア203maのデータが更新(変更)されないように構成してもよい。このように構成することで、設定値は変更せずにRAM203のデータをリセットしたいとホール側が希望した場合(例えば、最も有利な潜確状態のままホールの営業時間が終了してしまい、リセットしなければ翌営業日の営業開始時にも最も有利な状態のままとなってしまう場合等)に、容易にその希望を叶えることができるので、ホールの利便性を向上させることができる。
当選時状態格納エリア203mbは、大当たりに当選した時点における遊技状態を示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(時短カウンタ203hの値が0で、確変フラグ203faがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203mbに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短状態であれば(時短カウンタ203hの値が1以上で、確変フラグ203faがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203mbに、時短状態を示す情報として「01H」が格納される。また、大当たりに当選した時点の遊技状態が確変状態であれば(時短カウンタ203hの値が1以上で、確変フラグ203faがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203mbに、確変状態を示す情報として「02H」が格納される。また、大当たりに当選した時点の遊技状態が潜確状態であれば(時短カウンタ203hの値が0で、確変フラグ203faがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203jに、潜確状態を示す情報として「03H」が格納される。この当選時状態格納エリア203mbに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりが終了した後の遊技状態を設定する際に参照される(図292のS1991参照)。
特図1大当たりフラグ203mcは、中央第1入球口64c、若しくは右第1入球口164rに遊技球が入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図278のS459参照)。この特図1大当たりフラグ203mcは、大当たり若しくは第2特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図282のS10855、図288のS1594、図289のS11608参照)。
この特図1大当たりフラグ203mcがオンの状態で、第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図282のS854参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。
特図2大当たりフラグ203mdは、右第2入球口645に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図285のS1059参照)。この特図2大当たりフラグ203mdは、大当たり若しくは第1特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図282のS10855、図288のS1594、図289のS11608参照)。
この特図2大当たりフラグ203mdがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図288のS1554参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。
特図1小当たりフラグ203meは、中央第1入球口64c若しくは右第1入球口164rに遊技球が入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に小当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図279のS10481参照)。この特図1小当たりフラグ203meは、小当たり若しくは第2特別図柄の大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図283のS3009、図288のS1594、図289のS11608参照)。この特図1小当たりフラグ203meがオンの状態で、第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図283のS3006参照)。これにより、第1特別図柄の小当たりを実行中に、第2特別図柄の抽選で大当たり若しくは小当たりとなり、小当たり中に大当たり若しくは小当たりが重複して開始されてしまう不具合が発生してしまうことを防止(抑制)することができる。
特図2小当たりフラグ203mfは、は右第2入球口645に遊技球が入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に小当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図286のS1332参照)。この特図2小当たりフラグ203mfは、小当たり若しくは第1特別図柄の大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図282のS10855、図283のS3009、図289のS11608参照)。この特図2小当たりフラグ203mfがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図289のS11605参照)。これにより、第2特別図柄の小当たりを実行中に、第2特別図柄の抽選で大当たり若しくは小当たりとなり、小当たり中に大当たり若しくは小当たりが重複して開始されてしまう不具合が発生してしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、ROM202に規定された各種テーブルと、RAM203に設けられた各種フラグおよびカウンタに基づいて制御を行うことにより実現される、本第11実施形態におけるパチンコ機10の状態移行の方法について、図273を参照して説明する。図273は、本第11実施形態におけるパチンコ機10の状態移行の方法を示した図である。ここで、上述した通り、本第11実施形態のパチンコ機10には、大別して4つの遊技状態が設けられている。即ち、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)と、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)と、潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)と、の4つの遊技状態が設けられている。以下では、説明の簡略化のため、最も不利な通常状態のことを通常モードと称し、通常状態(通常モード)に次いで有利度合いが低いが、持ち球をほとんど減らさずに遊技を行うことができる時短状態のことを引き戻しモードと称し、次の大当たりまで持ち球をほとんど減らさずに遊技を行うことができる比較的有利度合いが高い確変状態のことを連荘モードAと称し、次に大当たりとなるまで小当たりに頻繁に当選して持ち球を増加させ続けることができる最も有利な潜確状態のことを連荘モードBと称する。図273においては、通常モードを上部左側に、引き戻しモードを上部右側に、連荘モードAを下部左側側に、連荘モードBを下部右側に、それぞれ図示している。
図273の上部左側に示した通り、通常モードから他の状態へは、大当たりとなった場合に移行する可能性がある。具体的には、図273の上部に示した通り、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として1%の割合で決定される大当たりA11が選択(決定)された場合には、大当たり終了後に連荘モードBへと移行する。また、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として64%の割合で決定される大当たりB11〜D11のいずれかが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に比較的有利な連荘モードAへと移行する。一方、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として35%の割合で決定される大当たりE11,F11のいずれかが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に比較的有利度合いが低い引き戻しモードへと移行する。このため、通常モードにおいて大当たりに当選した場合には、連荘モードA,Bのどちらかへ移行することを期待して遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、本第11実施形態では、設定に応じて大当たり確率が異なるように構成されており、設定が高いほど(高設定ほど)大当たり確率も高くなるように構成されている。このため、高設定ほど不利な通常モードにおいて早期に大当たりに当選する可能性が高まる。即ち、高設定ほど不利な通常モードにおいて大当たりに当選しない期間が長くなり難くなる(ハマり難くなる)。上述した通り、通常モードにおいて大当たりに当選すれば、必ず通常モードに比較して有利度合いが高い他のモードに移行するので、通常モードにおいては大当たり確率が高い高設定の方が、低設定に比較して有利度合いが高くなる。
また、図273の上部右側に示した通り、引き戻しモードから他の状態へは、大当たりとなった場合、および規定の時短回数を経過させた場合に移行する可能性がある。具体的には、図273の上部右側に示した通り、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として50%の割合で決定される大当たりA11,B11のどちらかが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に最も有利な連荘モードBへと移行する。また、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として15%の割合で決定される大当たりC11,D11のどちらかが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に比較的有利な連荘モードAへと移行する。また、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として15%の割合で決定される大当たりF11が選択(決定)された場合、および引き戻しモードが設定されてから規定の時短回数(100回)が経過した場合には、遊技者にとって不利な通常モードへと移行する。これに対し、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として20%の割合で決定される大当たりE11が選択(決定)された場合には、大当たり終了後に再度、比較的有利度合いが低い引き戻しモードが設定される(引き戻しモードをループする)。よって、引き戻しモードにおいては、大当たりに当選した場合に最も有利な連荘モードBが設定される割合が通常モードに比べて大幅に高くなる(1%→50%)ので、大当たりに当選した場合に、連荘モードBへと移行することをより強く期待させることができる。なお、上述した通り、本第11実施形態では、設定が高くなるほど大当たり確率が高くなるので、規定の時短回数(100回)の間に大当たりに当選する可能性も設定が高くなるほど高くなる。つまり、設定が高い程、時短回数内で再度大当たりに当選して(大当たりを引き戻して)最も有利な連荘モードBへと移行する可能性が高くなる一方、設定が低いほど、時短回数内に大当たりに当選することなく不利な通常モードへと移行する可能性が高くなる。よって、引き戻しモードにおいても、通常モードと同様に大当たり確率が高い高設定の方が、低設定に比較して有利度合いが高くなる。
また、図273の下部左側に示した通り、連荘モードAから他の状態へは、大当たりとなった場合、および規定の時短回数を経過させた場合に移行する可能性がある。具体的には、図273の下部左側に示した通り、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として50%の割合で決定される大当たりA11,B11が選択(決定)された場合、および連荘モードAにおいて設定された時短回数が経過した場合には、遊技者にとって最も有利な連荘モードBへと移行する。また、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として20%の割合で決定される大当たりE11が選択(決定)された場合、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利度合いの低い引き戻しモードに設定される。更に、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として15%の割合で決定される大当たりF11が選択(決定)された場合、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も不利な通常モードに設定される。これらに対し、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として15%の割合で決定される大当たりC11,D11が決定された場合には、大当たり終了後に再度、連荘モードAが設定される。よって、連荘モードAにおいては、大当たり確率が高くなる上に、大当たり当選時に有利な連荘モードBへと移行する割合も引き戻しモードと同様に高くなっている(50%になっている)ため、遊技者にとって有利な遊技状態を形成する。ここで、上述した通り、本第11実施形態では、特別図柄の高確率(確変)状態においても、設定が高くなるほど大当たり確率が高くなる。よって、設定が高い程早期に大当たりに当選し易くなるので、連荘モードAにおける時短回数として100回が設定された場合には、設定が低い方が特別図柄の抽選で、100回連続で外れとなる可能性が高くなるため、より有利な連荘モードBへと移行し易くなる。即ち、設定が低いほど有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができる。なお、連荘モードAは、実質的に次回の大当たりまで続く時短回数(65536回)が設定される可能性の方が高いが、次回の大当たりまで継続する場合は、大当たり確率が有利度合いに与える影響は比較的少なくなる。確変状態が継続している間は、右第1入球口164rへと遊技球が入球し易くなるため、持ち球をほとんど減らさずに遊技を行うことができるからである。
また、図273の下部右側に示した通り、連荘モードBから他の状態へは、大当たりとなった場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図273の下部右側に示した通り、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として55%の割合で決定される大当たりI11,J11が選択(決定)された場合には、大当たり終了後に遊技者に比較的有利な連荘モードAへと移行する。また、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として35%の割合で決定される大当たりK11が決定された場合には、大当たり終了後に有利度合いの低い引き戻しモードが設定される。これらに対し、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として10%の割合で決定される大当たりG11,H11が選択(決定)された場合には、大当たり終了後の遊技状態が再度、最も有利な連荘モードBに設定される(連荘モードBをループする)。このように、連荘モードBにおいては、連荘モードに滞在している間に第2特別図柄の小当たりによる賞球を獲得できる上に、大当たりになった場合に、最も不利な通常モードへと移行する可能性がないため、遊技者にとって非常に有利となる。ここで、上述した通り、本第11実施形態では、設定が高くなるほど大当たり確率も高くなるため、遊技者にとって有利な連荘モードBが早期に終了し易くなる(少ない抽選回数で大当たりに当選し易くなる)。連荘モードBは、実質的に次回の大当たりまで継続し、且つ、連荘モードBが継続している間は小当たりによる賞球を頻繁に獲得することが可能となるため、大当たりに当選しない方がより多くの賞球の獲得を期待できる。よって、大当たりに当選し難い(大当たり確率が低い)低設定の方が、連荘モードBへと移行した場合に獲得できる賞球数の期待値が高設定よりも高くなるので、最も有利な遊技状態において低設定の方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができる。言い換えれば、連荘モードBにおいては、当たりに当選し易くなるほど有利度合いが低くなるという極めて特殊な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図274を参照して、本第11実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図274に示した通り、本第11実施形態におけるROM222は、上述した第7実施形態(および第1実施形態)のRM222の構成(図30(a)参照)に対して、設定示唆演出選択テーブル222maが追加されている点でのみ相違している。設定示唆演出選択テーブル222maは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより変動種別として外れ特殊リーチ変動が通知された場合に、当該外れ特殊リーチ変動の実行期間中に実行する設定示唆演出の演出態様を選択するために参照されるデータテーブルである。
この設定示唆演出選択テーブル222maの詳細について、図275を参照して説明する。図275は、設定示唆演出選択テーブル222maの規定内容を示した図である。図275に示した通り、本第11実施形態における設定示唆演出選択テーブル222maには、設定値毎に、演出カウンタ223fの値と、演出態様とが対応付けて規定されている。具体的には、図275に示した通り、1図柄リーチの演出態様に対しては、設定1の場合、演出カウンタ223fの値の範囲として「0〜9」の10個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定2〜6の場合、演出カウンタ223fの値の範囲として「0〜2」の3個のカウンタ値が対応付けて規定されている。このため、設定1において外れ特殊リーチ変動が通知された場合(設定変更後の変動回数が50の倍数になった場合)に1図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は10%(10/100)である一方、設定1以外の設定において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に1図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%である。このため、設定変更後の変動回数が50の倍数において1図柄リーチが実行された場合には、最低設定である1の可能性が比較的高くなる。
また、図275に示した通り、2図柄リーチの演出態様に対しては、設定1の場合、演出カウンタ223fの値として「10〜12」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定2の場合、演出カウンタ223fの値として「3〜12」の10個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3〜6の場合、「3〜5」の3個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1において外れ特殊変動が通知された場合に2図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は1%(1/100)であり、設定2において外れ特殊変動が通知された場合に2図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は10%(10/100)であり、設定3〜6において外れ特殊変動が通知された場合に2図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)である。このため、設定変更後の変動回数が50の倍数において2図柄リーチが実行された場合には、設定2の可能性が比較的高くなる。
また、図275に示した通り、3図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「13〜15」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3の場合、演出カウンタ223fの値として「6〜20」の15個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定4〜6の場合、「6〜8」の3個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1,2,4〜6において外れ特殊変動が通知された場合に3図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)である一方で、設定3において外れ特殊変動が通知された場合に3図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は15%(15/100)である。このため、設定変更後の変動回数が50の倍数において3図柄リーチが実行された場合には、設定3の可能性が比較的高くなる。
また、図275に示した通り、4図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「16〜18」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3の場合、演出カウンタ223fの値として「21〜23」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定4の場合、「9〜23」の15個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定5,6の場合、「9〜15」の7個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1〜3において外れ特殊変動が通知された場合に4図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)であり、設定4において外れ特殊変動が通知された場合に4図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は15%(15/100)であり、設定5,6において外れ特殊変動が通知された場合に4図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は7%(7/100)である。このため、設定変更後の変動回数が50の倍数において4図柄リーチが実行された場合には、設定4の可能性が比較的高くなる上に、設定5や6の期待をも遊技者に抱かせることができる。
また、図275に示した通り、5図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「19〜21」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3,4の場合、演出カウンタ223fの値として「23〜26」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定5の場合、「15〜29」の15個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定6の場合、「16〜22」の7個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1〜4において外れ特殊変動が通知された場合に5図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)であり、設定5において外れ特殊変動が通知された場合に5図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は15%(15/100)であり、設定6において外れ特殊変動が通知された場合に5図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は7%(7/100)である。このため、設定変更後の変動回数が50の倍数において5図柄リーチが実行された場合には、設定5の可能性が比較的高くなる上に、設定6の期待をも遊技者に抱かせることができる。
また、図275に示した通り、6図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「22〜24」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3,4の場合、演出カウンタ223fの値として「27〜29」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定5の場合、「30〜32」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定6の場合、「23〜38」の15個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1〜5において外れ特殊変動が通知された場合に6図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)であり、設定6において外れ特殊変動が通知された場合に6図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は15%(15/100)である。このため、設定変更後の変動回数が50の倍数において6図柄リーチが実行された場合には、設定6の可能性が比較的高くなる。
また、図275に示した通り、8図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「25〜99」の75個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3,4の場合、演出カウンタ223fの値として「30〜99」の70個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定5の場合、「33〜99」の67個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定6の場合、「39〜96」の57個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1,2において外れ特殊変動が通知された場合に8図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は75%(75/100)であり、設定3,4において外れ特殊変動が通知された場合に8図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は70%(70/100)であり、設定5において外れ特殊変動が通知された場合に8図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は67%(67/100)であり、設定6において外れ特殊変動が通知された場合に8図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は57%である。よって、設定が低くなるほど8図柄リーチの変動パターン演出が選択され易くなるので、設定変更後の変動回数が50の倍数において8図柄リーチが実行された場合には、低設定の可能性が比較的高くなる。
また、図275に示した通り、9図柄リーチの演出態様に対しては、設定6の場合、演出カウンタ223fの値として「97〜99」の3個のカウンタ値が対応付けて規定されている一方で、他の設定の場合、演出カウンタ223fの値が対応付けられていない。よって、設定変更後の変動回数が50の倍数において9図柄リーチが実行されると、最高設定である設定6が確定する。
このように、本第11実施形態では、設定変更後の変動回数が50の倍数となる毎に、内容から設定を推測することが可能な(設定値毎に各演出態様の選択率が異なる)設定示唆演出を実行するように構成している。これにより、電源投入後の変動回数が50の倍数となるまで遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、電源投入後大当たりに当選するまでの間におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第11実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図276から図292を参照して、本第11実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図276を参照して、特別図柄変動処理11(図276,S121)の詳細について説明する。この特別図柄変動処理11(図276,S121)は、上述した第7実施形態(および第4実施形態)の特別図柄変動処理4(図119,S151)に代えて実行され、第7実施形態(および第4実施形態)における特別図柄変動処理4(図119参照)と同様に、第1図柄表示装置37a,37bにおける表示設定を行うための処理である。
この特別図柄変動処理11(図276,S121)のうち、S251,S254,S259およびS262の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第4実施形態)における特別図柄変動処理4(図119,S151)のS251,S254,S259およびS262の各処理と同一の処理が実行される。
また、図276に示した通り、本第11実施形態における特別図柄変動処理11(S121)では、S254の処理において、第1特別図柄の変動表示中である(特図1変動時間カウンタ203diの値が0よりも大きい)と判別した場合には(S254:Yes)、特図1変動時間カウンタ203diの値を減算して更新し(S291)、第1図柄表示装置の第1特別図柄の表示を更新する(S292)。次に、S291の処理にて更新された特図1変動時間カウンタ203diの値が0であるかを判別し(S256)、特図1変動時間カウンタ203diが0であると判別した場合は(S256:Yes)、第1特別図柄の停止表示を設定するための第1特別図柄変動停止処理11を実行して(S293)、S259の処理へ移行する。この第1特別図柄変動停止処理11(S293)の詳細については、図282および図283を参照して後述する。また、S256の処理にて特図1変動時間カウンタ203diが0ではないと判別した場合は(S256:No)、S293の処理をスキップしてS259の処理へ移行する。
一方、S254の処理において特図1変動時間カウンタ203diが0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S254:No)、第1特別図柄が変動表示中ではないことを意味するため、次に、第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1特別図柄変動開始処理11を実行し(S294)、処理をS259へと移行する。なお、詳細については図277から図281を参照して後述するが、この第1特別図柄変動開始処理11(S294)は、第7実施形態における第1特別図柄変動開始処理7(図177参照)に代えて実行される処理である。
また、本第11実施形態における特別図柄変動処理11では、S259の処理において特図2変動時間カウンタ203djの値が0よりも大きい値であると判別した場合は(S259:No)、現在が第2特別図柄の変動表示中であることを意味するため、次に、特図2変動時間カウンタ203djの値を減算して更新すると共に(S295)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の表示を更新し(S296)、次に、S295の処理による更新後の特図2変動時間カウンタ203djの値が0になったかを判別する(S262)。S262の処理において、特図2変動時間カウンタ203djが0に更新されたと判別した場合は(S262:Yes)、第2特別図柄の変動表示における変動時間が経過したことを意味するため、第2特別図柄の停止表示を設定するための第2特別図柄変動停止処理11を実行し(S297)、本処理を終了する。ここで、詳細については図288および図289を参照して後述するが、この第2特別図柄変動停止処理11(S297)は、第7実施形態における第2特別図柄変動停止処理7(図180参照)に代えて実行される処理である。一方、S262の処理において、更新後の特図2変動時間カウンタ203djの値が0に更新されていないと判別した場合は(S262:No)、S297の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、図276に示した通り、S259の処理において特図2変動時間カウンタ203djが0よりも大きくない(即ち、0である)と判別した場合は(S259:No)、第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを意味するので、次に、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2特別図柄変動開始処理11を実行し(S298)、本処理を終了する。詳細については図284から図287を参照して後述するが、この第2特別図柄変動開始処理11(S298)は、第7実施形態における第2特別図柄変動開始処理7(図177参照)に代えて実行される処理である。
次に、図277を参照して、特別図柄変動処理11(図276,S121)の一処理である第1特別図柄変動開始処理11(S294)の詳細について説明をする。この第1特別図柄変動開始処理11(S294)は、上述した第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄変動開始処理(図120,S258)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄の変動表示を開始させるための処理である。
この第1特別図柄変動開始処理11(S294)のうち、S351〜S355の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄変動開始処理(図120,S258)のS351〜S355の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第11実施形態における第1特別図柄変動開始処理11(S294)では、S355の処理を実行後、第1特別図柄の大当たり抽選を実行するための第1特別図柄大当たり判定処理11を実行する(S391)。詳細については、図278および図279を参照して後述するが、この第1特別図柄大当たり判定処理11(S391)は、第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄大当たり判定処理(図121参照)に代えて実行される処理である。
S391の処理が終了すると、次いで、特別図柄の抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するための第1特別図柄変動パターン選択処理11を実行する(S392)。詳細については図280を参照して後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理11(S392)は、第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄変動パターン選択処理(図122参照)に代えて実行される処理である。また、S392の処理が終了すると、次に、遊技状態を更新するための遊技状態更新処理を実行し(S393)、本処理を終了する。この遊技状態更新処理(S393)の詳細については、図281を参照して後述する。
次に、図278を参照して、第1特別図柄変動開始処理11(図277,S294)の中の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理11(S391)の詳細について説明をする。この第1特別図柄大当たり判定処理11(S391)は、上述した第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄大当たり判定処理(図121,S356)に代えて実行される処理であり、上述した通り、第1特別図柄の大当たり抽選を実行するための処理である。
この第1特別図柄大当たり判定処理11(S391)のうち、S451およびS458〜S461の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄大当たり判定処理(図121,S356)のS451およびS458〜S461の各処理と同一の処理が実行される。
また、図278に示した通り、本第11実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理11(S391)では、S451の処理が終了すると、次いで、確変フラグ203faがオンに設定されているかを判別し(S491)、確変フラグ203faがオンであると判別した場合は(S491:Yes)、現在が特別図柄の高確率状態(確変状態)であることを意味するため、高確率時用の第1当たり乱数11テーブル202ma(図269(a)参照)のうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値を読み出して(S492)、S494の処理へ移行する。一方、S491の処理において、確変フラグ203faがオフであると判別した場合は(S491:No)、現在が特別図柄の低確率状態であることを意味するため、低確率時用の第1当たり乱数11テーブル202ma(図269(a)参照)のうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値を読み出して(S493)、S494の処理へ移行する。S492、またはS493の処理後に実行されるS494の処理では、S492、またはS493の処理で読み出した当たり乱数値と実行エリアのデータとを用いて大当たり抽選の抽選結果(判定結果)を取得し(S494)、処理をS458へと移行する。
また、本第11実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理11(図278参照)では、S458の処理において、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合に(S458:No)、外れの種別に応じた停止図柄をセットするための特図1外れ変動処理11を実行し(S495)、本処理を終了する。この特図1外れ変動処理11(S495)の詳細について、図279を参照して、説明する。
特図1外れ変動処理11(S495)は、特別図柄の抽選結果が外れ(外れの一種である小当たりを含む)である場合に、停止図柄を設定するための処理であり、上述した第8実施形態における特図1外れ変動処理8(図210参照)と同様の処理である。この第11実施形態における特図1外れ変動処理11(図279参照)のうち、S485、およびS487〜S489の各処理では、それぞれ第8実施形態における特図1外れ変動処理8(図210,S481)のS485、およびS487〜S489の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第11実施形態における特図1外れ変動処理11(S495)では、S485の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別した場合に(S485:Yes)、特図1小当たりフラグ203meをオンに設定し(S10481)、処理をS487へと移行する。特図1小当たりフラグ203meを設定しておくことにより、第1特別図柄の変動停止時に小当たり図柄で停止させればよいということを容易に判別することができる。
次に、図280を参照して、第1特別図柄変動開始処理11(図277,S294)の中の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理11(S392)の詳細について説明をする。この第1特別図柄変動パターン選択処理11(S392)は、上述した第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄変動パターン選択処理(図122,S357)に代えて実行される処理である。
この第1特別図柄変動パターン選択処理11(S392)のうち、S551〜S553、およびS555〜S559の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄変動パターン選択処理(図122,S357)のS551〜S553、およびS555〜S559の各処理と同一の処理が実行される。
また、図280に示した通り、本第11実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理11(S392)では、S553の処理を実行後、変動パターンシナリオテーブル202mf(図272参照)を参照して変動回数に応じた変動パターンテーブルを読み出して(S560)、S555の処理へ移行する。変動パターンシナリオテーブル202mfを参照して変動パターンテーブルを読み出すことにより、大当たり後の変動回数、遊技状態、および前回の大当たり種別に応じて変動パターンを異ならせることができるので、変動パターンを多様化させることができる。なお、S555以降の処理では、第7実施形態(および第4実施形態)における第1特別図柄変動パターン選択処理(図122参照)と同様に、読み出した変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択し、選択した変動パターンの開始を設定する処理が実行される。
次に、図281を参照して、第1特別図柄変動開始処理11(図277,S294)の一処理である遊技状態更新処理(S393)の詳細について説明する。この遊技状態更新処理(S393)は、変動開始時において遊技状態を更新するための処理である。
図281に示した通り、遊技状態更新処理(S393)では、まず、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるか、即ち、現在の遊技状態が時短中であるかどうかを判別する(S2901)。S2901の処理において、時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S2901:No)、遊技状態(時短回数)を更新する必要がないため、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2901:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S2902)、時短カウンタの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S2903)。次いで、減算後の時短カウンタ203hの値が0になったか否かを判別し(S2904)、時短カウンタ203hの値が0になったと判別した場合は(S2904:Yes)、遊技状態が変更されたことを意味するため、変更後の遊技状態を音声ランプ制御装置113に対して通知するために、S2905の処理へ移行する。一方、S2904の処理において、減算後の時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合には(S2904:No)、遊技状態に変更がないため、そのまま本処理を終了する。
S2905の処理では、確変フラグ203faがオンであるか否かを判別し(S2905)、確変フラグ203faがオンであると判別した場合には(S2905:Yes)、確変状態において時短回数が0になって潜確状態に移行したことを意味するため、潜確状態を示す状態コマンドを設定し(S2906)、本処理を終了する。一方、S2905の処理において、確変フラグ203faがオフであると判別した場合には(S2905:No)、時短状態において時短回数が0になって通常状態に移行したことを意味するため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S2907)、本処理を終了する。
次に、図282を参照して、第1特別図柄変動停止処理11(S293)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動停止処理11(S293)は、上述した第7実施形態における第1特別図柄変動停止処理7(図175,S278)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。
この第1特別図柄変動停止処理11(S293)のうち、S851〜S855,S863、およびS864の各処理では、それぞれ第7実施形態における第1特別図柄変動停止処理7(図175,S278)のS851〜S855,S863、およびS864の各処理と同一の処理が実行される。
また、図282に示した通り、本第11実施形態における第1特別図柄変動停止処理11(S293)では、S851の処理において、特図1大当たりフラグ203mcがオフに設定されていると判別した場合(S581:No)、特別図柄の抽選結果が大当たりではないことを意味するため、第1特別図柄を外れ図柄で停止表示させるための特図1外れ停止処理を実行して(S10851)、S863の処理へ移行する。この特図1外れ停止処理(S10851)の詳細については、図283を参照して後述する。
一方、S581の処理において、特図1大当たりフラグ203mcがオンに設定されていると判別した場合は(S581:Yes)、次いで、特図2変動時間カウンタ203djの値が0より大きいか否かを判別する(S10852)。S10852の処理において、特図2変動時間カウンタ203djの値が0より大きいと判別した場合には(S10852:Yes)、実行中の第2特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止させるためのS852〜S855の処理を実行し、S10853の処理へ移行する。一方、特図2変動時間カウンタ203djの値が0であると判別した場合には(S10852:No)、第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを意味するため、S852〜S855の処理をスキップし、S10853の処理へ移行する。
S10853の処理では、大当たりの開始を設定し(S10853)、当選時状態格納エリア203mbに格納されているデータを現在の遊技状態に応じたデータ(即ち、大当たり当選時の遊技状態を示すデータ)に更新し(S10854)、次に、特図1大当たりフラグ203mc、特図2大当たりフラグ203md、特図2小当たりフラグ203mf、確変フラグ203fa、および時短カウンタ203hの値を全てリセットする(S10855)。次いで、大当たりフラグ203iをオンに設定し(S10856)、S863の処理へ移行する。
次に、図283を参照して、第1特別図柄変動停止処理11(図282,S293参照)の中で実行される特図1外れ停止処理(S10851)の詳細について説明をする。図283は、特図1外れ停止処理(S10851)を示したフローチャートである。
特図1外れ停止処理(S10851)では、まず、特図1小当たりフラグ203meがオンであるか否かを判別し(S3001)、特図1小当たりフラグ203meがオフであると判別した場合には(S3001:No)、今回の特別図柄の抽選結果が純粋な外れである(小当たりではない)ことを意味するため、第1図柄表示装置37において変動表示中の第1特別図柄に対して外れ図柄での変動停止を設定し(S3002)、本処理を終了する。一方、S3001の処理において、特図1小当たりフラグ203meがオンであると判別した場合には(S3001:Yes)、次いで、特図2変動時間カウンタ203djの値が0より大きいか否かを判別する(S3003)。S3003の処理において、特図2変動時間カウンタ203djの値が0より大きいと判別した場合は(S3003:Yes)、第2特別図柄の変動表示の実行中であることを意味するため、変動中の第2特別図柄を外れで強制停止させるための処理を実行する。より具体的には、特図2変動停止フラグ203dfをオンに設定し(S3004)、第2特別図柄の変動停止を示す特図2変動停止コマンドを設定し(S3005)、第1図柄表示装置37において変動表示中の第2特別図柄に対して外れ図柄での変動停止を設定する(S3006)。次いで、特図2変動時間カウンタ203djの値を0にセットし(S3007)、S3008の処理へ移行する。
一方、S3003の処理において、特図2変動時間カウンタ203djの値が0であると判別した場合には(S3003:No)、第2特別図柄が変動表示中ではないことを意味するため、S3004〜S3007の処理をスキップし、S3008の処理へ移行する。
S3008の処理では、第1特別図柄の小当たりの開始を設定し(S3008)、特図1小当たりフラグ203me、特図2大当たりフラグ203md、および特図2小当たりフラグ203mfをオフに設定する(3009)。次いで、遊技状態格納エリア203gに小当たり中であることを示すデータを設定し(S3010)、第1図柄表示装置37において変動表示中の第1特別図柄に対して小当たり図柄での変動停止を設定して(S3011)、本処理を終了する。
この特図1外れ停止処理(図283参照)を実行することにより、第1特別図柄の小当たりとなった場合に、当該小当たりの停止表示時に第2特別図柄を強制的に外れで変動停止させることができる。よって、特に、通常状態において第2特別図柄がロング変動を行った場合等に、第1特別図柄の抽選において高確率で当選する小当たりとなるだけで、容易にロング変動を終了させることができる。
次に、図284を参照して、第2特別図柄変動開始処理11(S298)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動開始処理11(S298)は、上述した第7実施形態における第2特別図柄変動開始処理7(図177,S280)に代えて実行される処理である。
この第2特別図柄変動開始処理11(S298)のうち、S951、およびS952の各処理では、それぞれ第7実施形態における第2特別図柄変動開始処理7(図177,S280)のS951、およびS952の各処理と同一の処理が実行される。
また、図284に示した通り、本第11実施形態における第2特別図柄変動開始処理11(S298)では、S951の処理において、特図2変動停止フラグ203dfがオンに設定されていない、即ち、第1特別図柄が大当たり図柄で停止表示されていないと判別した場合は(S951:No)、S953〜S957,S981およびS982の処理を実行し、後述するS983(S393)の処理へ移行する。このS953〜S957,S981およびS982の処理は、上記した第1特別図柄変動開始処理11(図277,S294)のS351〜S355,S391およびS392までの各処理に対して、第1特別図柄保留球数カウンタ203dd、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、第1特別図柄保留球格納エリア203da、第1特別図柄大当たり判定処理11(S391)、第1特別図柄変動パターン選択処理11(S392)を、第2特別図柄保留球数カウンタ203de、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア203db、第2特別図柄大当たり判定処理11(S981)、第2特別図柄変動パターン選択処理11(S982)に変更した点を除いて同一であるので、その詳細な説明については省略する。更に、本第11実施形態における第2特別図柄変動開始処理11(図284参照)では、第2特別図柄変動パターン選択処理11(S982)が終了すると、上述した遊技状態更新処理(図281,S393)と同一の処理を実行して(S983)、本処理を終了する。
次に、図285を参照して、第2特別図柄変動開始処理11(図284,S298)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理11(S981)の詳細について説明する。この第2特別図柄大当たり判定処理11(S981)は、上述した第7実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理7(図178,S978)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄の大当たり抽選を実行するための処理である。
この第2特別図柄大当たり判定処理11(S981)のうち、S1051,S1058〜S1061およびS1071の各処理では、それぞれ第7実施形態の第2特別図柄大当たり判定処理7(図178,S978)のS1051,S1058〜S1061およびS1071の各処理と同一の処理が実行される。
また、図285に示した通り、本第11実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理11(S981)では、S1071の処理において、確変フラグ203faがオンに設定されていると判別した場合は(S1071:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数11テーブル202ma(図269(a)参照)のうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値を読み出して(S1081)、処理をS1083へと移行する。一方、S1071の処理において、確変フラグ203faがオンに設定されていないと判別した場合は(S1071:No)、低確率時用の第1当たり乱数11テーブル202ma(図269(a)参照)のうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値を読み出して(S1082)、S1083の処理へ移行する。S1083の処理では、S1081およびS1082の処理で読み出した当たり乱数値と実行エリアのデータとに基づいて大当たり抽選の抽選結果(当否判定結果)を取得する(S1083)。
また、本第11実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理11(図285参照)では、S1058の処理において、今回の抽選が大当たりではないと判別した場合に(S1058:No)、第2特別図柄の外れに対応する変動表示を設定するための特図2外れ変動処理11を実行し(S1084)、本処理を終了する。この特図2外れ変動処理11(S1084)の詳細について、図286を参照して説明する。
図286に示した通り、特図2外れ変動処理11(S1084)では、まず、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S1331)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S1331:Yes)、特図2小当たりフラグ203mfをオンに設定する(S1332)。次いで、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S1333)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の小当たり図柄をセットして(S1334)、本処理を終了する。
一方、S1331の処理において、今回の抽選結果が小当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合は(S1331:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S1335)、本処理を終了する。この特図2外れ変動処理11(図286参照)を実行することにより、外れの種別が純粋な外れであるか、小当たりであるかに応じて適切な停止図柄を設定することができる。
次に、図287を参照して、第2特別図柄変動開始処理11(図284,S298)の中の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理11(S982)の詳細について説明をする。この第2特別図柄変動パターン選択処理11(S982)は、上述した第7実施形態(および第4実施形態)における第2特別図柄変動パターン選択処理(図129,S956)に代えて実行される処理である。
この第2特別図柄変動パターン選択処理11(S982)のうち、S1251〜S1253,S1255,S1256,およびS1258〜S1260の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第4実施形態)における第2特別図柄変動パターン選択処理(図129,S956)のS1251〜S1253,S1255,S1256,およびS1258〜S1260の各処理と同一の処理が実行される。
また、図287に示した通り、本第11実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理11(S982)では、S1251の処理において、特図2抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S1251:No)、S1252の処理をスキップし、S1253の処理へ移行する。
また、本第11実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理11(図287参照)では、S1253の処理を実行後、変動パターンシナリオテーブル202mf(図271)を参照して変動回数に応じた変動パターンテーブルを読み出し(S1281)、その後、S1255,S1256,S1258〜S1260の処理を実行して、本処理を終了する。
次に、図288を参照して、第2特別図柄変動停止処理11(S297)の内容について説明をする。この第2特別図柄変動停止処理11(S297)は、上述した第7実施形態における第2特別図柄変動停止処理7(図180,S283)に代えて実行される処理である。
この第2特別図柄変動停止処理11(S297)のうち、S1505,S1551,S1553,S1554、およびS1561〜S1563の各処理では、それぞれ第7実施形態における第2特別図柄変動停止処理7(図180,S283)のS1505,S1551,S1553,S1554、およびS1561〜S1563の各処理と同一の処理が実行される。
また、図288に示した通り、本第11実施形態における第2特別図柄変動停止処理11(S297)では、S1551の処理において、特図2大当たりフラグ203mdがオフであると判別した場合は(S1551:No)、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止表示させるための特図2外れ停止処理11を実行し(S1596)、S1562の処理へ移行する。この特図2外れ停止処理11(S1596)の詳細については、図289を参照して後述する。
一方、S1551の処理において、特図2大当たりフラグ203mdがオンであると判別した場合は(S1551:Yes)、次いで、特図1変動時間カウンタ203diの値が0より大きいか否かを判別する(S1591)。S1591の処理において、特図1変動時間カウンタ203diの値が0より大きいと判別した場合は(S1591:Yes)、特図1変動停止フラグをオンに設定し(S1592)、変動表示中の第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させるためのS1553,S1554およびS1505の各処理を実行して、S1593の処理へ移行する。
これに対し、S1591の処理において、特図1変動時間カウンタ203diの値が0であると判別した場合は(S1591:No)、第1特別図柄が変動表示中ではないことを意味し、第1特別図柄を強制的に停止させる必要がないため、S1592,S1553,S1554およびS1505の処理をスキップして、S1593の処理へ移行する。
S1593の処理では、大当たりの開始を設定し(S1593)、当選時状態格納エリア203mbのデータを現在の遊技状態に応じたデータ(大当たり当選時の遊技状態を示すデータ)に更新する(S1594)。次に、特図1大当たりフラグ203mc、特図1小当たりフラグ203me、特図2大当たりフラグ203md、確変フラグ203faおよび時短カウンタ203hの値を全てリセットし(S1595)、S1561の処理へ移行する。
次に、図289を参照して、特図2外れ停止処理11(S1596)の内容について説明をする。この特図2外れ停止処理11(S1596)は、上述した第7実施形態における特図2外れ停止処理7(図181,S1584)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止させるための処理である。
この特図2外れ停止処理11(S1596)のうち、S1660の処理は、第7実施形態における特図2外れ停止処理7(図181,S1584)のS1660の処理と同一の処理が実行される。
また、図289に示した通り、本第11実施形態における特図2外れ停止処理11(S1596)では、まず特図2小当たりフラグ203mfがオンに設定されているかを判別し(S11601)、特図2小当たりフラグ203mがオンに設定されていると判別した場合は(S11601:Yes)、次いで、特図1変動時間カウンタ203diの値が0よりも大きいか、即ち、第1特別図柄が変動表示中であるかを判別する(S11602)。S11602の処理において、第1特別図柄の変動表示中である(特図1変動時間カウンタ203diの値が0よりも大きい)と判別した場合には(S11602:Yes)、変動中の第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理を実行する。具体的には、特図1変動停止フラグをオンに設定し(S11603)、特図1変動停止フラグがオンに設定されたことを示すための特図1変動停止コマンドを設定する(S11604)。次に、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S11605)、特図1変動時間カウンタの値を0にセットして(S11606)、S11607の処理へ移行する。
一方、S11602の処理において、特図1変動時間カウンタの値が0であると判別した場合には(S11602:No)、第1特別図柄が変動中ではないため、第1特別図柄の変動表示を強制停止させるためのS11603〜S11606の処理をスキップし、S11607の処理へ移行する。
S11607の処理では、特図2小当たりの開始を設定し(S11607)、特図1大当たりフラグ203mc、特図1小当たりフラグ203meおよび特図2小当たりフラグ203mfをオフに設定する(S11608)。次いで、遊技状態格納エリア203gに小当たり中であることを示すデータを設定し(S11609)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を小当たり図柄で停止表示して(S11610)、本処理を終了する。
次に、図290を参照して、立ち上げ処理11の内容について説明をする。この立ち上げ処理11は、上述した第7実施形態(および第1実施形態)における立ち上げ処理(図54)に代えて実行される処理であり、パチンコ機10に対して電源が投入されたことに基づいて各種の初期設定を行うために実行される処理である。
この立ち上げ処理11のうち、S1701〜S1714の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第1実施形態)における立ち上げ処理(図54)のS1701〜S1714の各処理と同一の処理が実行される。
また、図290に示した通り、本第11実施形態における立ち上げ処理11では、S1703の処理を実行後、設定キー110bがオン位置に配置されているか否かを判別する(S1721)。S1721の処理において、設定キー110bがオン位置に配置されていると判別した場合は(S1721:Yes)、設定変更状態、若しくは設定確認状態に設定されていることを意味するため、これらの状態に対応する制御を行うための設定値制御処理を実行し(S1722)、S1710の処理へ移行する。この設定値制御処理(S1722)の詳細については、図291を参照して後述する。
一方、S1721の処理において、設定キーがオン位置ではないと判別した場合は(S1721:No)、S1704の処理へ移行する。
また、本第11実施形態における立ち上げ処理11(図290参照)では、S1710の処理を実行後、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S1723)、S1711の処理へ移行する。
次に、図291を参照して、立ち上げ処理11(図290)の中の一処理である設定値制御処理(S1722)の内容について説明をする。
図291に示した通り、設定値制御処理(S1722)では、まず、RAM消去スイッチ122(図265参照)がオンされているか否かを判別し(S3101)、オンされていれば(S3101:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S3102)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S3103、S3104)を実行する。RAMの初期化処理(S3103、S3104)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S3103)、その後、RAM203の初期値を設定する(S3104)。RAM203の初期化処理の実行後は、設定変更状態を示す状態コマンドを設定し(S3105)、処理をS3106へと移行する。
S3106の処理では、設定スイッチ110cがオンさたか(押下されたか)否かを判別する(S3106)。S3106の処理において、設定スイッチ110cがオンされた(押下された)と判別した場合は(S3106:Yes)、設定値格納エリア203maのデータを1加算することにより更新し(S3107)、S3108の処理へ移行する。一方、S3106の処理において、設定スイッチがオフであると判別した場合は(S3106:No)、S3107の処理をスキップし、S3108の処理へ移行する。
S3108の処理では、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別し(S3108)。設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合は(S3108:Yes)、そのまま本処理を終了する。即ち、設定変更状態を終了して、立ち上げ処理11(図292参照)へと戻る。これにより、通常の遊技が可能な遊技可能状態に移行させることができる。
一方、S3108の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(S3108:No)、S3106の処理へと戻る。つまり、S3108の処理において設定キー110bがオフ位置に配置されたと判別されるまで、S3106〜S3108の各処理が繰り返される。
また、S3101の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていないと判別した場合は(S3101:No)、まず、払出制御装置111へ払出復帰コマンドを送信し(S3109)、次いで、設定値格納エリア203maのデータを読み出す(S3110)。S3110の処理が終了すると、次に、読み出したデータに対応する設定値を設定値表示装置110aに表示させ(S3111)、設定確認状態を示す状態コマンドを設定して(S3112)、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別する(S3113)。S3113の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合は(S3113:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、遊技可能状態に移行させる。一方、S3113の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(S3113:No)、S3113の処理を繰り返し実行する。つまり、設定キー110bがオフ位置に配置されるまで、設定確認状態を継続させる。
この設定値制御処理(図291参照)を実行することにより、設定変更状態において設定スイッチ110cに対する操作に応じて設定値を可変させることができる。また、設定確認状態において、設定スイッチ110bがオフ位置に配置されるまで、設定値表示装置110aに対して設定値を表示させ続けることができる。
次に、図292を参照して、本第11実施形態における大当たり制御処理11(S1831)の詳細について説明をする。この大当たり制御処理11(S1831)は、上述した第7実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図56,S1804)に代えて実行される処理であり、大当たり遊技中の各種制御を行うための処理である。
この大当たり制御処理11(S1831)のうち、S1901〜S1912およびS1916〜S1918の各処理では、それぞれ第7実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図56,S1804)のS1901〜S1912およびS1916〜S1918の各処理と同一の処理が実行される。
また、図292に示した通り、本第11実施形態における大当たり制御処理11(S1831)では、S1912の処理において、現在が大当たり終了のタイミングであると判別した場合に(S1912:Yes)、当選時状態格納エリア203mbのデータを読み出して(S1991)、読み出したデータに対応する遊技状態(大当たり当選時の遊技状態)と、今回の大当たり種別と、に応じて時短カウンタ203h、確変フラグ203faをそれぞれ更新し(S1992)、S1916の処理に移行する。この大当たり制御処理11(図292参照)を実行することにより、大当たり終了後の遊技状態を、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別とに応じて適切に設定することができる。
<第11実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図293から図296を参照して、第11実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図293を参照して、本第11実施形態におけるコマンド判定処理11(S4131)の内容について説明をする。このコマンド判定処理11(S4131)は、上述した第7実施形態におけるコマンド判定処理7(図183,S4192)に代えて実行する処理であり、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
このコマンド判定処理11(S4131)のうち、S4241の処理を除く各処理では、それぞれ第7実施形態におけるコマンド判定処理7(図183,S4192)のうち、S4232の処理を除く各処理と同一の処理が実行される。
また、図293に示した通り、本第11実施形態におけるコマンド判定処理11(S4131)では、S4231の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合に(S4231:Yes)、当該状態コマンドによって通知された遊技状態に応じた制御を行うための状態コマンド受信処理11を実行して(S4241)、本処理を終了する。この状態コマンド処理11(S4141)の詳細について、図294を参照して説明する。この状態コマンド受信処理11(S4241)は、上述した第7実施形態(および第1実施形態)における状態コマンド受信処理(図64,S4213(S4232))に代えて実行される処理である。
この状態コマンド受信処理11(S4141)のうち、S4509の処理では、第7実施形態(および第1実施形態)における状態コマンド受信処理(図64,S4213(S4232))のS4509の処理と同一の処理が実行される。
また、図294に示した通り、本第11実施形態における状態コマンド受信処理11(S4241)では、まず、受信したコマンドが設定変更状態を示すコマンドであるか否かを判別し(S4511)、設定変更状態を示すコマンドであると判別した場合は(S4511:Yes)、設定変更画面に対応する表示用コマンドを設定して(S4512)、S4509の処理へ移行する。
一方、S4511の処理において、受信したコマンドが設定変更状態を示すコマンドではないと判別した場合は(S4511:No)、次いで、受信したコマンドが設定確認状態を示すコマンドであるか否かを判別する(S4513)。受信したコマンドが設定確認状態を示すコマンドであると判別した場合は(S4513:Yes)、設定確認画面に対応する表示用コマンドを設定して(S4514)、S4509の処理へ移行する。
一方、S4513の処理において、受信したコマンドが設定確認状態を示すコマンドではないと判別した場合は(S4513:No)、次いで、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4515)。遊技状態に変更がないと判別した場合は(S4515:No)、S4509の処理へ移行する。これに対し、S4515の処理において、遊技状態に変更があると判別した場合は(S4515:Yes)、変更後の遊技状態に対応する表示用コマンドを設定し(S4516)、S4509の処理へ移行する。
次に、図295を参照して、本第11実施形態における変動表示設定処理11(S4132)の詳細について説明をする。この変動表示設定処理11(S4132)は、上述した第7実施形態における変動表示設定処理7(図187,S4153)に代えて実行される処理である。
この変動表示設定処理11(S4132)のうち、S5261を除く各処理では、それぞれ第7実施形態における変動表示設定処理7(図187,S4153)のS5232を除く各処理と同一の処理が実行される。
また、図295に示した通り、本第11実施形態における変動表示設定処理11(S4132)では、S5202の処理を実行後、今回受信した変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに応じた変動表示態様を設定するための演出態様設定処理11を実行し(S5261)、S5233の処理へ移行する。この演出態様設定処理11(S5261)の詳細について、図296を参照して説明する。この演出態様設定処理11(S5261)は、上述した第7実施形態における演出態様設定処理(図188,S5232)に代えて実行する処理である。
この演出態様設定処理11(S5261)のうち、S8201,S8207、およびS8208の各処理では、それぞれ第7実施形態における演出態様設定処理(図188,S5232)のS8201,S8207、およびS8208の各処理と同一の処理が実行される。
また、図296に示した通り、本第11実施形態における演出態様設定処理11(S5261)では、S8201の処理において、現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合に(S8201:No)、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応する演出態様を決定し(S8281)、S8208の処理へ移行する。
一方、S8201の処理において、現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S8201:Yes)、次いで、今回の変動パターンが外れ特殊リーチ変動であるか否かを判別する(S8282)。S8282の処理において、今回の変動パターンが外れ特殊リーチ変動ではないと判別した場合は(S8282:No)、処理をS8207へと移行する。一方、S8282の処理において、今回の変動パターンが外れ特殊リーチ変動であると判別した場合は(S8282:Yes)、設定変更後(RAMクリア操作を伴う電源投入後)、大当たりとならずに変動回数が50の倍数になったことを意味し、設定示唆演出の実行タイミングであるため、設定示唆演出選択テーブル222ma(図275参照)を読み出して(S8283)、設定示唆演出選択テーブル222ma(図275参照)の演出カウンタの値に対応する設定示唆演出を伴う演出態様を決定し(S8284)、S8208の処理へ移行する。
この演出態様設定処理11(図296参照)を実行することにより、設定変更後の変動回数が50の倍数となる毎に、内容から設定を推測することが可能な(設定値毎に各演出態様の選択率が異なる)設定示唆演出を実行することができるよって、電源投入後の変動回数が50の倍数となるまで遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、電源投入後大当たりに当選するまでの間におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
以上説明した通り、本第11実施形態におけるパチンコ機10では、ホールの店員等が営業時間外等において所定の操作(設定変更操作)を行うことにより、パチンコ機10の大当たり確率を任意(例えば、6種類の大当たり確率のうちいずれかの確率)に設定することができるように構成した。大当たり確率が高い設定(高設定)ほど、通常状態(特別図柄の低確率状態)においても潜確状態(特別図柄の高確率状態)においても大当たりに当選し易くなるため、通常状態が長い期間継続し難くなる(ハマりが発生し難くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的短期間で終了し易くなってしまう(潜確状態において大当たり当選により他の遊技状態が設定され易くなる)。一方、大当たり確率が低い設定(低設定)ほど、通常状態が長い期間継続し易くなる(ハマりが発生し易くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的長く継続し易くなるため、1の潜確状態において小当たり遊技によって獲得できるトータルの賞球数が多くなり易くなる。つまり、大当たり確率(確率)に応じて、遊技性(不利な状態も有利な遊技状態も比較的短い期間で終了し易くなる遊技性や、不利な遊技状態も有利な遊技状態も比較的長い期間継続し易い遊技性)を異ならせることができるので、遊技者の興趣をより向上させることができる。
また、本第11実施形態におけるパチンコ機10では、設定変更操作を行うことにより、必ず通常状態に設定される(RAMクリア操作によりRAM203の設定が初期化される)ように構成した上で、設定変更後(RAMクリア操作後)に移行する通常状態でのみ、特定条件の成立に基づいて、特定の種別の変動パターン(変動時間)が選択されるように構成した。即ち、設定変更後(RAMクリア操作後)の特別図柄の抽選回数が50の倍数となる毎に、変動時間が25秒間の外れ特殊リーチ変動が選択されるように構成した。このように構成することで、電源投入後、特定条件が成立した(特別図柄の抽選回数が50の倍数になった)場合に実行される変動パターンの変動種別によって、設定変更操作が実行されたか否かを確認することができるので、電源投入後、特定条件が成立するまでの間におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。更に、本第11実施形態では、外れ特殊リーチ変動の実行中における演出態様(変動パターン演出)として、リーチが発生する際の第3図柄の種別(第3図柄に付された数字)によって、設定されている設定値を示唆可能に構成した。このように構成することで、高設定で実行され易い演出態様のリーチ演出が実行された場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。また、設定示唆演出において高設定を示唆する内容の演出態様が実行されなかった場合に、もう一度設定示唆演出を確認しようと思わせることができる。即ち、特別図柄の抽選を50回実行させようと思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、設定キー110bと設定スイッチ110cとを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定スイッチ110cを削除して、設定キー110bの回動量に応じて設定を変更することができるように構成してもよい。より具体的には、設定キー110bを60度回動させる毎に、設定が1→2→・・・→6の順に切り替わるように構成してもよい。そして、設定変更動作の終了時には、設定キー110bのキー部を鍵穴部から引き抜くことで通常遊技が可能な状態に戻すように構成してもよい。このように構成することで、設定変更機構の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減を図ることができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
本第11実施形態では、特別図柄の低確率状態における大当たり確率と、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり確率との比率を全設定共通として構成していたが、これに限られるものではなく、低確率状態と高確率状態との大当たり確率の比率を設定毎に異ならせてもよい。より具体的には、例えば、低確率状態の大当たり確率は上述した第11実施形態と同様に設定値に応じて異ならせる一方で、高確率状態の大当たり確率については設定値によらず一定(例えば、1/90)としてもよい。このように構成することで、高確率状態におけるハマり易さを設定によらず共通とすることができるので、有利な潜確状態における有利度合いを設定によらず共通とすることができる。よって、高設定の優位性をより高めることができるので、設定が高い方があらゆる面で有利になるという分かり易い遊技性を提供することができる。また、例えば、奇数設定(設定1,3,5)と偶数設定(設定2,4,6)とで高確率状態の大当たり確率を異ならせてもよい。具体的には、例えば、奇数設定では高確率状態における大当たり確率が低くなる(例えば、1/100)一方、偶数設定では高確率状態における大当たり確率が高くなる(例えば、1/70)ように構成してもよい。このように構成することで、奇数設定と偶数設定とで有利な潜確状態における有利度合いを異ならせることができるので、設定に応じて遊技性を大きく異ならせることができる。更に、この場合において、特別図柄の低確率状態における大当たり確率として、偶数設定の方が奇数設定よりも高い大当たり確率になるように構成した上で、奇数設定内、および偶数設定内では設定が高くなる方が大当たり確率が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、設定値が奇数であるか、偶数であるかに応じて遊技性を大きく異ならせることができる。即ち、偶数設定では不利な通常状態が長く続き難いが、潜確状態が長く続き難いため、比較的出玉推移が穏やかになり易い遊技性を実現できる一方で、奇数設定では、不利な通常状態が長く続き易いが、潜確状態が長く続き易いため、ハマりが厳しいが一度潜確状態に移行させてしまえばより多くの賞球の獲得を期待できるという、出玉推移が激しく上下し易くなる、いわば荒波のような遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、ホールの営業方針に応じて適切な設定を選択させることができるので、ホールの利便性を向上させることができる。更に、例えば、最高設定である設定6のみ他の設定に対して遊技性が大幅に変わるように構成してもよい。具体的には、例えば、設定1から設定5については、上述した第11実施形態における大当たり確率を採用する一方で、設定6のみ、極端に高い大当たり確率(例えば、設定5の2倍以上の確率)に設定するように構成してもよい。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態における大当たり確率を1/100、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を1/30に設定してもよい。このように構成することで、大当たりの当選率から、比較的短時間の遊技で設定6であるか否かを遊技者が容易に判別することが可能となる。よって、設定6であると確信した遊技者に対し、長時間遊技を行わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、設定6であるか否かを判別し易くすることにより、設定6が設定された場合に、最高設定である(即ち、遊技者にとって最も有利な)設定6を使用してくれるホールであると遊技者に認知させることができる。よって、ホールの評判を向上させることができる。
本第11実施形態では、確変大当たりの一部(大当たりD11,E11,I11になった場合)で、大当たり終了後に時短回数が100回の確変状態が設定されるように構成し、当該確変状態において100回の時短回数を経過させた(100回の特別図柄の抽選において連続で外れになった)場合に最も有利な潜確状態へと移行するように構成していた。つまり、特定の遊技状態(確変状態)において、特定回数(100回)の特別図柄の抽選に渡って連続して外れ(大当たりとは異なる抽選結果)になることで有利な状態に移行するように構成することで、特別図柄の高確率状態における大当たり確率が低い程(即ち、設定が低い程)有利になる遊技性を実現する構成としていたが、大当たり確率が低い程有利になる遊技性を実現するための構成は、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の確変状態が特定回数(例えば、100回)の特別図柄の抽選が実行されたことに基づいて終了される仕様とし、潜確状態を最も不利な状態(右打ちしても第1特別図柄の抽選も第2特別図柄の抽選も実行され難い状態)として、潜確状態において特定回数の特別図柄の抽選で連続して外れとなった場合に比較的有利な通常状態へと移行するように構成してもよい。即ち、潜確状態では、大当たりに当選してもラウンド数が少なく、且つ、大当たり終了後に再度潜確状態が設定される大当たり種別が大半となる一方で、通常状態で大当たりに当選すると、大当たり終了後に有利な確変状態に設定される大当たり種別が大半となるように構成してもよい。そして、確変状態では、持ち球をほとんど減らさずに大当たりに当選し易くなる上に、大当たり終了後も再度確変状態が設定され易くなるように構成し、有利な確変状態へと移行することを一つの目標に遊技を行わせる仕様を採用してもよい。この仕様においても、潜確状態において大当たり確率が低いほど、比較的有利な通常状態へと移行し易くなり、結果的に最も有利な確変状態へと移行し易くなるため、大当たり確率が低い(即ち、設定が低い)程有利度合いが向上するという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この場合、大当たり確率が低いと、有利度合いの高い通常状態において大当たりになり難くなる上に、有利な確変状態において大当たりにならずに確変回数(特定回数)が終了する可能性も高くなるため、大当たり確率が高い高設定では、潜確状態と不利な大当たりとが繰り返され易くなるが、通常状態に移行させることができれば、比較的少ない抽選回数で大当たりに当選させることができる上に、確変状態において大当たりと確変状態とがより多くの回数繰り返され易くなる遊技性を実現することができる。このように、低設定と高設定とで遊技性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第11実施形態では、設定変更後(RAMクリア操作後)に設定される通常状態においてのみ、外れ特殊リーチ変動が実行され得るように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、設定変更後(RAMクリア操作後)以外の条件で設定された通常状態においても、特別図柄の抽選回数が特定回数(50回)の倍数となる毎に、比較的低い確率(例えば、1/10の確率)で外れ特殊リーチ変動が実行されるように構成することで、設定変更後以外の通常状態においても設定示唆演出が実行され得るように構成してもよい。このように構成することで、設定変更後以外の条件で設定された通常状態においても、特定回数(50回)の倍数の抽選回数となるまで遊技を継続しようと思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、外れ特殊リーチ変動の選択確率を異ならせるのに代えて、例えば、外れ特殊リーチ変動が選択される周期を設定変更後(RAMクリア操作後)の通常状態よりも長くする(例えば、特別図柄の抽選回数が100の倍数となる毎)ように構成してもよい。また、通常状態であれば、設定変更後であるか否かによらず、共通の変動パターンシナリオを参照して変動パターンを決定してもよい。つまり、設定変更後以外の通常状態でも、抽選回数が50の倍数となる毎に外れ特殊リーチ変動が実行されるように構成し、抽選回数が50の倍数となる毎に設定示唆演出が実行され得るように構成してもよい。このように構成することで、不利な通常状態における稼働率をより向上させることができる。
本第11実施形態では、電源投入時にRAMクリア操作が行われた場合に、設定変更状態に移行しているか否かによらず、通常状態が継続している間、RAMクリア時用テーブル202me4を参照して変動パターンを決定するように構成していた。つまり、設定変更状態に移行していなくても、RAMクリア操作が行われていれば、特別図柄の抽選回数が50の倍数になる毎に外れ特殊リーチ変動が実行されて設定示唆演出が実行されるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、電源投入時に設定変更状態に移行していた場合にのみ、その後の通常状態において特別図柄の抽選回数が50の倍数になる毎に設定示唆演出が実行されるように構成してもよい。このように構成することで、ホールの店員等が実際に設定変更操作を行っている場合にのみ、外れ特殊リーチ変動が実行されて設定示唆演出が実行されるので、設定変更の有無をより容易に遊技者に見分けさせることができる。
本第11実施形態では、外れ特殊リーチ変動が実行された場合に、変動パターン演出として、リーチが発生した際の第3図柄に付された数字によって設定値を示唆するように構成していたが、必ずしも設定値を演出によって示唆する必要はない。例えば、外れ特殊リーチ変動であるか否かのみを示唆可能な演出態様の変動パターン演出を実行する構成としてもよい。つまり、外れ特殊リーチ変動が決定されたとしても、演出態様から設定値が示唆されないように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側において設定値を把握する必要がなく、単に外れ特殊リーチ変動の変動種別が通知された場合に専用(若しくは外れ特殊リーチ変動の場合にのみ出現しやすい態様)の演出を実行すればよいので、音声ランプ制御装置113側の処理負荷を軽減することができる。また、設定が示唆されることで遊技者に低設定であると思われてしまい、パチンコ機10の稼働率が低減してしまうことを抑制することができる。
本第11実施形態では、外れ特殊リーチ変動の変動パターンが通知された場合に、設定示唆演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。単に、音声ランプ制御装置113側において、変動パターン演出の演出態様を決定する際に、所定の割合(例えば、1%の割合)で設定示唆演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、外れ特殊リーチ変動を設ける必要がなくなり、通常状態では共通の変動パターンテーブルを用いることができるので、変動パターンテーブルの個数を削減することができる。よって、ROM202の容量を削減することができる。
本第11実施形態では、設定変更状態において設定された設定値によらず、設定変更後(RAMクリア操作後)の通常状態において、特別図柄の抽選が50回行われる毎に設定示唆演出を実行する(外れ特殊リーチ変動が選択される)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、外れ特殊リーチ変動が選択された場合に設定示唆演出を実行する割合を異ならせてもよい。即ち、外れ特殊リーチ変動が通知された場合に音声ランプ制御装置113側で設定示唆演出を実行する割合を、設定値に応じて異ならせてもよい。若しくは、設定値毎にRAMクリア操作後の通常状態において参照される変動パターン選択テーブルを異ならせることで、設定値に応じて変動回数が50の倍数となった場合に外れ特殊リーチ変動が選択される割合自体を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、50の倍数において、設定が高いほど外れ特殊リーチ変動以外の変動パターンが選択され易くなる(設定示唆演出が実行され難くなる)ように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選回数が50の倍数になったにもかかわらず外れ特殊リーチ変動が実行されなかった(設定示唆演出が実行されなかった)場合に、高設定に対する期待感を向上させることができる。また、例えば、設定値毎にRAMクリア操作後の通常状態において参照される変動パターン選択テーブルを異ならせることで、設定値に応じて外れ特殊リーチ変動が実行される(設定示唆演出が実行される)周期を異ならせてもよい。このように構成することで、何変動おきに外れ特殊リーチ変動が実行されるかに注目して遊技を行わせることができるので、大当たりが0回の状態から積極的に遊技を開始させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第11実施形態では、RAMクリア操作を伴ってパチンコ機10に対して電源が投入された場合に、設定値格納エリア203maのデータも初期値にクリアされるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、設定値格納エリア203maのデータはRAMクリア操作が行われたとしてもクリアされないように構成してもよい。言い換えれば、設定値格納エリア203maのデータは、設定キー110bがオン位置に配置されている間のみ更新され得るように構成してもよい。このように構成することで、設定は変更したくないが、RAMクリア操作を行いたいとホール側が希望した場合に、当該希望を叶えることができるので、ホールの利便性を向上させることができる。
本第11実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たり遊技中に入賞可能となる右可変入賞装置1650と、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当該大当たりの各ラウンドで入賞可能となる可変入賞装置650とを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合も、大当たりとなった場合も、可変入賞装置650が入球可能となるように構成してもよい。このように構成することで、右可変入賞装置1650を削除することができるので、パチンコ機10の部品点数を削減することができると共に、遊技領域の自由度を向上させることができる。
本第11実施形態では、設定値を設定示唆演出によってのみ示唆するように構成していた。即ち、設定変更後の通常状態において特別図柄の抽選回数が50の倍数となって外れ特殊リーチ変動の変動パターンが設定された場合に、当該外れ特殊リーチ変動における変動パターン演出として設定示唆演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりのオープニング演出やエンディング演出において、設定を示唆するように構成してもよい。この場合、オープニング演出やエンディング演出において第3図柄表示装置81に出現するキャラクタの種別(選択割合)を、設定値毎に異ならせておけばよい。また、例えば、有利な遊技状態(連荘モードAや連荘モードB)へと移行した後で、有利な遊技状態が終了されて不利な通常モードへと移行する場合に表示される、有利な遊技状態における遊技結果を示す表示態様(所謂、リザルト表示)の表示態様の種別を異ならせてもよい。具体的には、例えば、遊技結果に応じて表示される称号として、遊技結果のみに応じて決定される種別の称号と、設定値も加味して決定される種別の称号とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、有利な遊技状態の終了時においてリザルト表示に注目させることができる。
本第13実施形態では、設定変更状態や設定確認状態において、設定値を設定値表示装置110aに対して表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81においても設定値を示す数値を表示させるように構成してもよい。
本第13実施形態では、設定が高くなる程遊技者にとって有利になり易くなる(所謂、機会割が高くなる)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、一部の設定と、他の一部の設定とでトータルの有利度合いが同等となるように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たり確率を調節することにより、設定1と、設定6との有利度合いをそれぞれ同等にしてもよい。つまり、設定1では、一旦潜確状態へと移行した場合に、当該潜確状態において獲得できる賞球数の期待値を、他の設定に比較して大幅に多くする(例えば、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を1/200にする)ことにより、特別図柄の低確率状態において大当たり確率が低いことを加味しても、設定6以外の設定値(設定2〜5)よりも有利になるように構成してもよい。また、これに加えて、設定2と設定5とがそれぞれ同等の有利度合いとなり、設定3と設定4とがそれぞれ同等の有利度合いとなるように構成してもよい。つまり、設定1および設定6が最も有利度合いが高い設定となるように構成し、設定3および設定4が最も有利度合いが低い設定となるように構成してもよい。つまり、設定1から設定3では、大当たり確率が低い方が有利となる遊技性(潜確状態における小当たりの賞球で持ち球を増加させることがメインとなる遊技性)となり、設定4から設定6では、大当たり確率が高い方が有利となる遊技性(大当たりの賞球で持ち球を増加させることがメインとなる遊技性)となるように構成してもよい。このように構成することで、設定毎の遊技性の違いをより顕著にすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、この場合において、潜確状態における小当たりの賞球で持ち球を増加させることがメインとなる遊技性の設定(設定1〜3)が設定されているのか、大当たりの賞球で持ち球を増加させることがメインとなる遊技性の設定(設定4〜6)が設定されているのかを、遊技者に対して報知することが可能に構成してもよい。より具体的には、例えば、パチンコ機10における遊技が所定期間(例えば、30秒)以上行われていない場合に表示されるデモ表示において、どちらの遊技性であるのかを報知する(例えば、設定1〜3であれば「一撃タイプ」という文字を表示させ、設定4〜6であれば「コツコツタイプ」という文字を表示させる)ように構成してもよい。これにより、遊技者に対して好みの遊技性の設定で遊技を開始させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。また、デモ表示画面に代えて、又は加えて、パチンコ機10の音量を変更するための音量変更操作を行った場合に表示される音量表示や、LED等の各種発光部材の光量を変更するための光量変更操作を行った場合に表示される光量表示等の表示態様でも、遊技性(一撃タイプであるかコツコツタイプであるか)を報知可能に構成してもよい。このように構成することで、音量変更操作若しくは光量変更操作を行うことで遊技者の任意のタイミングで遊技性も確認することができるので、遊技者の利便性をより向上させることができる。更に、大当たりのエンディング画面や潜確状態終了後のリザルト画面における表示態様についても、遊技性に応じて異ならせてもよい。具体的には、例えば、一撃タイプの遊技性(設定1〜3)が設定されている場合は、有利状態において獲得した賞球数の総計をより目立つ態様で表示させる一方で、コツコツタイプの遊技性(設定4〜6)が設定されている場合は、有利状態において当選した大当たりの総回数をより目立つ態様で表示させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技性毎に、遊技者がより注目しがちな項目を視認し易く構成できるので、遊技者の利便性を向上させることができる。また、この場合において、設定値表示装置110aには、設定1,2,3に代えて、設定A,B,Cと表示されるように構成してもよい。つまり、遊技性に応じて、設定値の表記を異ならせてもよい。このように構成することで、ホールの店員等が設定値を変更若しくは確認する際に、有利度合いが数字の順になっていない(設定3,4→2,5→1,6の順に有利度合いが高くなる)ことにより混乱してしまうことを抑制することができる。
本第11実施形態では、設定変更後、最初に大当たりに当選するまではRAMクリア時用テーブル202me4(図271(b)参照)が参照されて変動パターンテーブルが決定される(50回の特別図柄の抽選が実行される毎に外れ特殊リーチ変動が実行される)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、小当たりに当選することで、通常用11テーブル202me1が参照される状態に切り替わるように変動パターンシナリオを設定してもよい。この場合において、RAMクリア時用テーブル202me4においては、大当たり以外の抽選結果となった場合に必ず外れ特殊リーチ変動が実行されるように構成してもよい。つまり、高確率で小当たりに当選する仕様において、設定変更後は最初の小当たり遊技(または大当たり遊技)が実行されるまで、特別図柄の抽選が実行される毎に、毎回外れ特殊リーチが実行されるように構成してもよい。このように構成することで、ホールの開店後、1回も特別図柄の抽選が実行されていないパチンコ機10において、1回の特別図柄の抽選を実行するだけで、設定変更が行われた可能性があるか否かを判別することができる。よって、ホールの開店直後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第11実施形態では、設定変更後のみ、50回の特別図柄の抽選が実行される毎に外れ特殊リーチ変動が実行されるように構成していたが、設定変更後以外の通常状態でも、50回の特別図柄の抽選が実行される毎に外れ特殊リーチ変動が実行されるように構成してもよい。このように構成することで、前日の遊技終了時点における変動回数から、設定変更が行われていなかった場合に外れ特殊リーチが設定される変動回数を予測して、当該予測した回数において外れ特殊リーチが実行されなかった場合に設定変更の可能性が高いと遊技者に確信させることができるという斬新な遊技性を実現することができる。
本第11実施形態では、特別図柄の抽選が50回実行される毎に、外れ特殊リーチ変動が実行されるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、外れ特殊リーチ変動が1回のみ実行され得るように構成してもよい。つまり、通常状態が設定された場合に、外れ特殊リーチ変動が設定されるまでの特別図柄の抽選回数を設定するように構成し、設定変更時は50回が設定される一方で、他の条件で通常状態が設定された場合は、65536回等の実質的に消化することが不可能な回数を設定するように構成してもよい。そして、外れ特殊リーチ変動が設定された後は、65536回等の実質的に消化することが不可能な回数を設定するように構成してもよい。このように構成することで、大当たりに当選していない状態で特別図柄の抽選が50回実行された場合に、外れ特殊リーチが発生するか否かにより注目して遊技を行わせることができる。
<第12実施形態>
次に、図297から図306を参照して、第12実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第11実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり確率を複数段階(6段階)の設定のうちいずれか1の設定に設定することが可能に構成し、設定が高くなるほど大当たり確率が高くなるように構成した。
これに加えて本第12実施形態では、所定の遊技状態において大当たりとは異なる特定の抽選結果になった場合に、遊技者にとって有利となる期間(チャンスゾーン)を形成するように構成した。より具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が遊技者に有利となり易く構成した上で、連荘モードB(潜確状態)において第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に変動時間が長い変動パターン(ロング変動)を設定可能に構成した。即ち、第1特別図柄のロング変動が実行されている間に、第2特別図柄の抽選を集中的に実行することにより、比較的有利度合いが低い第1特別図柄の大当たりに当選することなく、有利度合いの高い第2特別図柄の大当たりを目指すことができる有利な期間(チャンスゾーン)を形成可能に構成した。
加えて、本第12実施形態では、第1特別図柄の変動中に第2特別図柄の抽選で小当たりとなって当該小当たり図柄を停止表示させる場合に、第1特別図柄の変動表示を破棄しない(外れ図柄で停止表示させない)ように構成した。このように構成することで、第1特別図柄のロング変動中(チャンスゾーン中)に第2特別図柄の小当たりとなった場合に、ロング変動が破棄されてしまう(チャンスゾーンが強制的に終了されてしまう)ことを抑制することができる。よって、一旦突入したチャンスゾーンを遊技者に対して十分に楽しませることができる。
この第12実施形態におけるパチンコ機10が、第11実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第11実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第11実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図297、及び図298を参照して、本第12実施形態の連荘モードB(潜確状態)において実行される特徴的な演出態様について説明する。図297は、本第12実施形態の連荘モードBにおいて第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に実行される連続外れ演出の表示態様を示した図である。ここで、本第12実施形態では、上述した第11実施形態と同様に、第1特別図柄の抽選が実行されると、高確率(9割程度)で小当たり又は大当たりとなるように構成している。即ち、特別図柄の抽選で比較的低確率で外れとなるように構成している。本第12実施形態では、この比較的低確率の外れが予め定められた第1回数に渡って連続した(例えば、第1特別図柄の抽選で外れが3連続した)場合に、当該第1回数目の外れ変動としてロング変動を設定する(有利な第2特別図柄の抽選を集中的に実行させることが可能なチャンスゾーンを形成する)ように構成している。また、第1回数未満の第2回数に渡って外れが連続した(例えば、外れが2連続した)場合にも、所定の割合(例えば、20%の割合)で、当該第2回数目の外れ変動としてロング変動を設定する(チャンスゾーンを形成する)ように構成している。つまり、第1特別図柄の外れが連続するほど、チャンスゾーンを形成し易く構成しているので、第1特別図柄の外れの連続回数に注目して遊技を行わせることができる。これから説明する連続外れ演出は、外れの連続回数およびチャンスゾーンへの突入可否を遊技者に示唆(報知)するために実行される演出態様である。
まず、図297を参照して、上述した連続外れ演出の開始時における表示態様について説明する。この連続外れ演出は、大当たり終了後、若しくは第1特別図柄の小当たり終了後、最初に第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に開始される。図297に示した通り、第1特別図柄の抽選が外れになると、第1特別図柄の外れ図柄の停止時に、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ811が、頂上にSPという文字を付した旗FGが立てられた丘を発見する演出が実行される。また、この丘を発見する演出に伴って、副表示領域Dsに「さらなる頂きを目指せ」の文字が表示される。加えて、主表示領域Dmの右側に、チャンスゾーン(スーパーRUSH遊技)が実行されるまでの状況を遊技者に示唆する案内示唆表示が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、ウサギを模したキャラクタ811が丘を登って旗FGまで到達することができればチャンスゾーンが開始されるということを容易に理解させることができる。なお、図297(a)に示した通り、キャラクタ811が発見する丘には、麓から中腹まで続く梯子HG1と、中腹から頂上まで続く梯子HG2との2つの梯子が掛けられている。加えて、丘の麓には、ジャンプ台JDも設置されている。本第12実施形態においてチャンスゾーンが開始される場合は、梯子を1つずつ登ることで2変動を要してキャラクタ811が頂上(旗FG)まで到達する演出と、ジャンプ台JDを用いて1変動で一気に頂上まで跳躍する場合との2パターンのいずれかの演出が実行される。より具体的には、第1特別図柄の抽選において2連続で外れとなった場合において、2連続目の変動パターンがロング変動に設定された場合は、ジャンプ台JDを用いて一気に頂上まで跳躍する演出が実行されてチャンスゾーン(スーパーRUSH)の開始が報知される。一方、第1特別図柄の抽選で外れが3連続し、且つ、2連続目の外れがロング変動でなかった場合には、2連続目の外れ変動中に麓から中腹まで続く梯子HG1を登る演出が実行され、3連続目の外れ変動中に中腹から頂上まで続く梯子HG2を登る演出が実行されてチャンスゾーン(スーパーRUSH)の開始が報知される。
一方で、1回目の外れの次の第1特別図柄の抽選が外れでなかった(小当たりであった)場合は、図297(b)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、キャラクタ811がジャンプ台JDを用いて頂上目掛けて跳躍するものの、頂上へ到達できずに転倒してしまう演出が実行される。また、副表示領域Dsにおいて、「失敗・・・」という文字が表示される。これらの演出態様により、外れが連続せず、チャンスゾーンへと突入しなかったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図298は、連荘モードB(RUSH)において第1特別図柄の抽選で外れが3連続し、第1特別図柄のロング変動が設定された場合における表示態様を示した図である。図298に示した通り、第1特別図柄のロング変動が開始されると、主表示領域Dmにおいて、キャラクタ811が旗SPまで到達して、旗SPを掲げて喜ぶ演出が実行される。これに加えて、副表示領域Dsに対して、「スーパーRUSH突入!!」という文字が表示されると共に、ロング変動が終了するまでの残りの変動時間(即ち、チャンスゾーンが終了するまでの残り時間)のカウントダウン表示が表示される。これにより、有利な第2特別図柄の抽選ばかりを実行させることができるチャンスゾーン(スーパーRUSH)の終期を遊技者が容易に確認可能となるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、本第12実施形態では、第11実施形態と同様に、設定に応じて大当たり確率を異ならせる一方で小当たり確率を全設定共通としている。そして、特別図柄の抽選結果として、大当たり、小当たり、および外れの3種類の抽選結果のみが設けられている。このため、設定が高い程、外れとなる確率が低くなるため、チャンスゾーンに突入する(外れが連続する)可能性が低くなるように構成されている。言い換えれば、設定が低い程、遊技者に有利となるチャンスゾーンへと移行する可能性が高くなるので、連荘モードBに移行した場合には、低設定の方がより有利度合いが高くなるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第12実施形態における電気的構成>
次に、図299〜図301を参照して、本第12実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。ここで、本第12実施形態におけるROM202は、上述した第11実施形態におけるROM202の構成(図268(a)参照)に対して、第1当たり乱数11テーブル202maに代えて第1当たり乱数12テーブル202naが設けられている点、小当たり乱数11テーブル202mbに代えて小当たり乱数12テーブル202nbが設けられている点、大当たり種別選択11テーブル202mdに代えて大当たり種別選択12テーブル202ndが設けられている点、変動パターン選択11テーブル202meに代えて変動パターン選択12テーブル202neが設けられている点で相違している。
まず、図299(a)を参照して、本第12実施形態における第1当たり乱数12テーブル202naの詳細について説明する。図299(a)は、本第12実施形態における第1当たり乱数12テーブル202naの規定内容を示した図である。図299(a)に示した通り、本第12実施形態における第1当たり乱数12テーブル202naは、第11実施形態における第1当たり乱数11テーブル202maと同様に、特別図柄の状態と設定値とに対応付けて、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。より具体的には、図299(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において、設定1に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜204」が対応付けて規定され、設定2に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜217」が対応付けて規定され、設定3に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜233」が対応付けて規定され、設定4に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜251」が対応付けて規定され、設定5に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜311」が対応付けて規定され、設定6に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜409」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の低確率状態における設定1の大当たり確率は1/320(205/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/301(218/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/280(234/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/260(252/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/210(312/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/160(410/65536)である。
一方、図299(a)に示した通り、特別図柄の高確率状態において、設定1に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜467」が対応付けて規定され、設定2に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜498」が対応付けて規定され、設定3に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜534」が対応付けて規定され、設定4に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜575」が対応付けて規定され、設定5に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜712」が対応付けて規定され、設定値6に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜935」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の高確率状態における設定1の大当たり確率は1/140(468/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/131(499/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/123(535/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/114(576/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/92(713/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/70(936/65536)である。なお、第11実施形態と同様に、低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率との比率は共通となっている。
このように、本第12実施形態では、主に、特別図柄の低確率状態における設定5、および設定6の大当たり確率を高くすると共に、特別図柄の高確率(確変)状態における大当たり確率を全体的に低くした。これにより、相対的に、第1特別図柄の抽選で外れとなる確率を高めて連続外れ演出の実行頻度を高めることができるので、連続外れ演出の開始を確認した遊技者に対して、チャンスゾーンに移行することに対する期待感をより頻繁に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図299(b)を参照して、本第12実施形態における小当たり乱数12テーブル202nbの詳細について説明する。図299(b)は、本第12実施形態における小当たり乱数12テーブル202nbの規定内容を示した図である。図299(b)に示した通り、小当たり乱数12テーブル202nbには、第1特別図柄の小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として936〜59917の58982個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が58982個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は1/1.11(58982/65536)である。なお、上述した通り、特別図柄の確変状態において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、1/140(設定1)〜1/70(設定6)である。よって、特別図柄の確変状態において第1特別図柄の抽選で外れとなる確率は、1/10.8(設定1)〜1/11.7(設定6)である。上述した通り、潜確状態においては、第1特別図柄の抽選で外れが連続するほど有利なチャンスゾーンが設定され易くなる。そして、低設定の方が、大当たり確率が低くなる分、外れの確率が高くなる。よって、潜確状態においては、低設定の方が有利なチャンスゾーンに突入し易いという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図299(b)に示した通り、小当たり乱数12テーブル202nbには、第2特別図柄の小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として936〜65534の64599個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が64599個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は1/1.01(64599/65536)である。このため、本第12実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行されると、ほぼ小当たりに当選する。しかしながら、本第12実施形態では、連荘モードB(潜確状態)において第1特別図柄の抽選が実行された場合に、第2特別図柄の抽選と同様の振り分けで変動パターン(変動時間)が決定されるように構成されている。このため、第2特別図柄の小当たり変動中に、先に第1特別図柄の小当たりで停止表示されると、第2特別図柄が外れで強制停止されてしまう。つまり、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選したとしても、そのうちのおよそ半数は、先に第1特別図柄の小当たり図柄が停止表示されることにより外れに変更されてしまい、第2特別図柄の小当たり遊技によって賞球を得る機会が失われてしまう。言い換えれば、本第12実施形態における連荘モードBは、上述した第11実施形態における連荘モードB(潜確状態)に比較して、第2特別図柄の小当たりの頻度がおよそ半分となる(賞球の獲得頻度がおよそ半分となる)ように構成されている。そこで、本第12実施形態では、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を全体的に下げると共に、第2特別図柄の小当たり確率を上げることにより、第11実施形態における連荘モードB(潜確状態)に比較して不利になりすぎないように調整している。
なお、上述した通り、本第12実施形態では、第1特別図柄の抽選で外れが連続した場合に、第1特別図柄のロング変動が設定され得る構成としている。このロング変動の間は、第1特別図柄の小当たり図柄(および大当たり図柄)が停止される可能性が無いため、第2特別図柄の小当たりに当選した場合に、確実に小当たり当選に基づく小当たり遊技を実行させることができる。即ち、第1特別図柄のロング変動(チャンスゾーン)中は、第2特別図柄の小当たり遊技の実行頻度が高くなり、賞球の獲得頻度も高くなる極めて有利な状態を形成する。また、第2特別図柄の抽選で小当たりになったとしても、第1特別図柄のロング変動が破棄されない(外れ図柄で強制停止されない)ように制御する構成としているので、有利な状態(チャンスゾーン)をより長く継続させることができる。更に、詳細については後述するが、第2特別図柄の抽選で大当たりになる方が、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも遊技者に有利となり易く構成している。即ち、第1特別図柄の大当たりよりも、第2特別図柄の大当たりの方が、大当たり終了後に最も有利な連荘モードB(潜確状態)が設定される(連荘モードBをループする)割合が高くなるように構成している。このため、第1特別図柄の抽選が実行され難い(第2特別図柄の抽選が集中的に実行される)チャンスゾーンでは、大当たりとなった場合における連荘モードBのループ率も実質的に向上する結果となるので、遊技者に取って有利となる。よって、連荘モードBにおいて、チャンスゾーンへと移行させるために、外れが連続することを期待するという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図300を参照して、本第12実施形態における大当たり種別選択12テーブル202ndの詳細について説明する。図300は、本第12実施形態における大当たり種別選択12テーブル202ndの規定内容を示した図である。図300に示した通り、本第12実施形態における大当たり種別選択12テーブル202ndには、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA12」〜「大当たりF12」の6種類の大当たり種別が規定されている一方、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりG12」〜「大当たりK12」の3種類の大当たり種別が規定されている。
図300に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値「0」に対して、大当たり種別として「大当たりA12」が対応付けて規定されている。この「大当たりA12」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態に設定される(遊技状態によらず時短カウンタ203hの値に0が設定され、確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(16ラウンド(R)確変大当たり)である。この「大当たりA12」は、ラウンド数が最も多い上に、大当たり終了後の遊技状態も最も有利となるため、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA12」が決定される割合は1%(1/100)である。
また、図300に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「1〜49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB12」が対応付けて規定されている。この「大当たりB12」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後が特別図柄の確変状態に設定される(確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態および潜確状態において「大当たりB12」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に65536が設定される一方で、時短状態および確変状態では、時短カウンタ203hの値に0が設定される。
即ち、通常状態および潜確状態において「大当たりB12」に当選すると、比較的有利な確変状態へと移行する。この確変状態では、時短回数が65536に設定されるため、実質的に次の大当たりまで確変状態が継続する。一方、時短状態および確変状態において「大当たりB12」に当選した場合は、時短回数が0に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態となる。よって、「大当たりB12」は、通常状態および潜確状態において当選した場合、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となる。一方、通常状態以外の遊技状態において当選した場合、遊技状態の面で最も有利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が49個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB12」が決定される割合は49%(49/100)である。
また、図300に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜59」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC12」が対応付けて規定されている。この「大当たりC12」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される(時短カウンタ203hの値に65536が設定され、確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。
即ち、「大当たりC12」に当選すると、当選時の遊技状態によらず、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される。よって、「大当たりC12」は、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC12」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図300に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「60〜64」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD12」が対応付けて規定されている。この「大当たりD12」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される(時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、「大当たりC12」とは異なり、「大当たりD12」では時短カウンタ203hの値に100が設定されるので、次回の大当たりまで確変状態が継続するとは限らない。即ち、「大当たりD12」が終了してから100回以内の特別図柄の抽選で大当たりとならなかった場合には、時短カウンタ203hの値が0となって最も有利な潜確状態に移行する。よって、「大当たりD12」は、大当たり終了後の遊技状態の面で、「大当たりC12」よりも有利となり易い大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりD12」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図300に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜84」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE12」が対応付けて規定されている。この「大当たりE12」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的不利な時短状態に設定される(時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変フラグ203gがオフに設定される)種別の大当たり(8ラウンド通常大当たり)である。よって、「大当たりE12」は、大当たり終了後の遊技状態の面で比較的不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が20個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE12」が決定される割合は20%(20/100)である。
また、図300に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「85〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF12」が対応付けて規定されている。この「大当たりF12」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される(確変フラグ203gがオフに設定される)種別の大当たり(8ラウンド通常大当たり)である。なお、通常状態において「大当たりF12」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に100が設定される一方で、通常状態以外の遊技状態において「大当たりF12」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に0が設定される。よって、通常状態以外の遊技状態において「大当たりF12」に当選してしまうと、最も不利な通常状態に移行してしまうため、「大当たりF12」は、大当たり終了後の遊技状態の面で最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が15個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりF12」が決定される割合は15%(15/100)である。
一方で、図300に示した通り、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりG12」が対応付けて規定されている。この「大当たりG12」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の確変状態に設定される(確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(16ラウンド確変大当たり)である。なお、潜確状態以外の遊技状態において「大当たりG12」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に65536が設定される一方で、潜確状態において「大当たりG12」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に0が設定される。よって、潜確状態以外の遊技状態において「大当たりG12」に当選した場合は、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される一方、潜確状態において「大当たりG12」に当選した場合は、最も有利な潜確状態に設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が10個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりG12」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図300に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜64」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりH12」が対応付けて規定されている。この「大当たりH12」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の確変状態に設定される(確変フラグ203gがオンに設定される)種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、潜確状態以外の遊技状態において「大当たりH12」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に65536が設定される一方で、潜確状態において「大当たりH12」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に0が設定される。よって、潜確状態以外の遊技状態において「大当たりH12」に当選した場合は、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態が設定される一方、潜確状態において「大当たりH12」に当選した場合は、最も有利な潜確状態に設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が55個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりH12」が決定される割合は55%(55/100)である。
また、図300に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりK12」が対応付けて規定されている。この「大当たりK12」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が、時短回数が100回の時短状態に設定される(時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変フラグ203gがオフに設定される)種別の大当たり(8ラウンド通常大当たり)である。よって、「大当たりK12」は、ラウンド数の面でも大当たり終了後の遊技状態の面でも第2特別図柄の大当たり種別の中で最も不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりK12」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が35個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりK12」が決定される割合は35%(35/100)である。
このように、本第12実施形態では、連荘モードB(潜確状態)において第1特別図柄の大当たりとなった場合に、上述した第11実施形態よりも大当たり終了後の遊技状態が不利となるように構成している。より具体的には、第11実施形態では、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、50%の割合で(即ち、大当たりA11,B11のどちらかに当選した場合に)、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な連荘モードB(潜確状態)に設定されるように構成していたが、本第12実施形態では、連荘モードB(潜確状態)の間に第1特別図柄の大当たりになると、1%の割合でしか有利な連荘モードBが設定されないように構成している。一方で、本第12実施形態では、有利な連荘モードB(潜確状態)において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、高確率(65%の割合)で有利な連荘モードBが設定されるように構成している。よって、潜確状態においては、第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、第2特別図柄の抽選で大当たりになることをより強く期待して遊技を行わせることができる。また、第2特別図柄の抽選に偏って特別図柄の抽選を実行させることができるチャンスゾーン(第1特別図柄のロング変動期間)が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣向上させることができる。
なお、本第12実施形態では、有利な潜確状態において、第1特別図柄の大当たりよりも、第2特別図柄の大当たりの方が大当たり終了後に有利な潜確状態に設定される割合が高くなるように構成することで、第2特別図柄の抽選に偏って特別図柄の抽選を実行させることができるチャンスゾーンを有利な状態として形成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たりよりも第2特別図柄の大当たりの方が、確変大当たりの割合(大当たり終了後に確変状態、若しくは潜確状態に移行する大当たり)が高くなるように構成することで、第2特別図柄の有利度合いが高くなるように構成してもよい。
次に、図301を参照して、本第12実施形態における変動パターン選択12テーブル202neの詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第12実施形態における変動パターン選択12テーブル202neは、大当たり終了後の通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を決定するために参照される通常用12テーブル202ne1と、確変状態および時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照される時短・確変用12テーブル202ne2と、潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照される潜確用12テーブル202ne3と、RAMクリア後の通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照されるRAMクリア時用テーブル202ne4と、の4種類のデータテーブルで構成されている。これら4種類のデータテーブルのうち、通常用12テーブル202ne1、時短・確変用12テーブル202ne2、およびRAMクリア時用テーブル202ne4は、それぞれ上述した第11実施形態における通常用11テーブル202me1、時短・確変用11テーブル202me2、およびRAMクリア時用テーブル202me4と同一のデータが規定されているので、ここではその詳細な説明については省略する。
図301を参照して、本第12実施形態における変動パターン選択12テーブル202neを構成する潜確用12テーブル202ne3の詳細について説明する。図301は、本第12実施形態における潜確用12テーブル202ne3の規定内容を示した図である。
図301に示した通り、本第12実施形態における潜確用12テーブル202ne3では、第1特別図柄の抽選結果が当たりの場合、当たりおよび小当たり後の変動回数によらず、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に対して変動種別(変動パターン)として変動時間が2000msの当たりショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150〜198」の範囲に対して変動種別として変動時間が5000msの当たりロング変動が対応付けて規定されている。
一方、図301に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が外れの場合は、大当たりおよび小当たり終了後の第1特別図柄の変動回数に応じて変動時間が可変するように構成されている。より具体的には、図301に示した通り、大当たりおよび小当たり終了後の第1特別図柄の変動回数(第1特別図柄の抽選回数)が1であれば、変動種別カウンタCS1の値によらず(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して)、変動種別として変動時間が1000msの外れショート変動が対応付けて規定されている。このため、潜確状態における初回の(連続していない)外れでは、チャンスゾーン(ロング変動)が設定されない。これに対して、図301に示した通り、当たり(大当たり若しくは小当たり)後の第1特別図柄の変動回数が2回であれば、変動種別カウンタCS1の値が「0〜158」の範囲に対して変動種別として変動時間が1000msの外れショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「159〜198」の範囲に対して変動種別として変動時間が600000msの外れ超ロング変動が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において外れが2連続した場合には、約20%(40/199)の割合で外れ超ロング変動が設定される。即ち、有利な第2特別図柄の抽選のみを実行させることができる有利な状態(チャンスゾーン)を形成することができる。更に、図301に示した通り、当たり(大当たり若しくは小当たり)後の第1特別図柄の変動回数が3回以上であれば、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動種別として変動時間が600000msの外れ超ロング変動が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において外れが3連続以上した場合は、必ず外れロング変動(チャンスゾーン)が設定される。よって、外れが連続することを強く願う斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、設定が低い程第1特別図柄の外れ確率が高くなるため、潜確状態においては、設定が低い程有利になる(チャンスゾーンが設定され易くなるため、結果として有利な第2特別図柄の大当たりに当選し易くなる)という斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図301に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が小当たりの場合、当たり(大当たりおよび小当たり)後の変動回数によらず、変動種別カウンタCS1の値が「0〜49」の範囲に対して変動種別(変動パターン)として変動時間が2000msの当たりショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50〜198」の範囲に対して変動種別として変動時間が5000msの当たりロング変動が対応付けて規定されている。
これに対して、図301に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合、当たり(大当たりおよび小当たり)後の変動回数によらず、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に対して変動種別(変動パターン)として変動時間が2000msの当たりショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150〜198」の範囲に対して変動種別として変動時間が5000msの当たりロング変動が対応付けて規定されている。つまり、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同一の振り分けとなっている。また、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合、当たり(大当たりおよび小当たり)後の変動回数や、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動種別として変動時間が1000msの外れショート変動が対応付けて規定されている。更に、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合、当たり(大当たりおよび小当たり)後の変動回数によらず、変動種別カウンタCS1の値が「0〜49」の範囲に対して変動種別(変動パターン)として変動時間が2000msの当たりショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50〜198」の範囲に対して変動種別として変動時間が5000msの当たりロング変動が対応付けて規定されている。つまり、第1特別図柄の抽選で小当たりになった場合と同一の振り分けとなっている。
このように、本第12実施形態では、潜確状態(即ち、潜確用12テーブル202ne3を参照して変動パターンを決定する状態)において、外れ以外の抽選結果となった場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応関係を共通としている。これにより、不利な第1特別の変動ばかりが先に変動停止され続けることを抑制することができる。また、第1特別図柄の抽選で外れが連続するほど、外れ超ロング変動(有利な第2特別図柄の抽選を集中的に実行させることが可能なチャンスゾーン)が設定される割合を高く構成しているので、外れが連続することをより強く期待させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図302を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図302は、本第12実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図302に示した通り、本第12実施形態におけるRAM223は、上述した第11実施形態(および第7実施形態)におけるRAM223の構成(図174参照)に対して、連続外れ演出カウンタ223naが追加されている点でのみ相違する。
連続外れ演出カウンタ223naは、連続外れ演出(図297(a),(b)、図298参照)における演出の進行状況を示すカウンタである。この連続外れ演出カウンタ223naは、初期値が0に設定されており、潜確状態中に第1特別図柄の抽選で外れが連続する毎に値が1ずつ加算されて更新される(図306のS8735,S8741参照)。連続外れ演出の演出態様を設定する際は、この連続外れ演出カウンタ223naの値と、変動種別とに応じた演出態様が設定される。
<第12実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図303を参照して、本第12実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される特図2外れ停止処理12(S11595)について説明する。図303は、本第12実施形態における特図2外れ停止処理12(S11595)を示したフローチャートである。この特図2外れ停止処理12(S11595)は、上述した第11実施形態における特図2外れ停止処理11(図289,S1596)に代えて実行される処理である。
この特図2外れ停止処理12(S11595)は、上述した第11実施形態における特図2外れ停止処理11(図289,S1596)に対して、S11602〜S11606の処理が削除されている点、S11608の処理に代えて、S11611の処理が実行される点で相違する。つまり、第2特別図柄を小当たりで変動停止させる際に、第1特別図柄が変動中であっても、当該変動中の第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させない(変動表示をそのまま続行させる)ように構成されている点でのみ相違している。第2特別図柄の小当たりとなった場合に第1特別図柄の変動表示を破棄(強制停止)しないように構成することで、チャンスゾーン(第1特別図柄の外れ変動)が第2特別図柄の抽選で小当たりに1回当選しただけで、チャンスゾーンの残り時間によらずに強制的に終了されてしまうことを抑制することができる。
<第12実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図304から図306を参照して、第12実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。
まず、図304を参照して、本第12実施形態における演出態様設定処理12(S5271)の詳細について説明する。この演出態様設定処理12(S5271)は、上述した第11実施形態の演出態様設定処理11(図296,S5261)に代えて実行される処理である。
この演出態様設定処理12(S5271)のうち、S8201,S8207,S8208、およびS8281〜S8284の各処理では、それぞれ第11実施形態の演出態様設定処理11(図296,S5261)のS8201,S8207,S8208、およびS8281〜S8284の各処理と同一の処理が実行される。
また、図304に示した通り、本第12実施形態における演出態様設定処理12(S5271)では、S8201の処理において、現在が通常状態ではないと判別した場合に(S8201:No)、現在が潜確状態であるか否かを判別する(S8291)。現在が潜確状態ではないと判別した場合は(S8291:No)、S8281の処理へ移行する一方、現在が潜確状態であると判別した場合は(S8291:Yes)、潜確状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合に演出態様を設定するための特図1演出設定処理を実行し(S8292)、S8208の処理へ移行する。この特図1演出設定処理(S8292)の詳細について、図305を参照して説明する。
図305に示した通り、特図1演出設定処理(S8292)では、まず、変動パターンコマンドにより通知された第1特別図柄の変動パターンが外れに対応する変動パターンであるか否かを判別する(S8701)。S8701の処理において、今回の変動パターンが外れに対応する変動パターンであると判別した場合は(S8701:Yes)、連続外れ演出(図297参照)の演出態様を設定するための外れ時演出設定処理を実行して(S8702)、本処理を終了する。この外れ時演出設定処理(S8702)の詳細については図306を参照して後述する。
一方、S8701の処理において、今回の変動パターンが外れに対応する変動パターンではないと判別した場合は(S8701:No)、次いで、連続外れ演出カウンタ223naの値が0より大きいか否かを判別する(S8703)。S8783の処理において、連続外れ演出カウンタ223naの値が0より大きいと判別した場合は(S8703:Yes)、丘の頂上への到達に失敗する演出態様を決定し(S8704)、連続外れ演出カウンタ223naの値を0にリセットして(S8705)、本処理を終了する。
一方、S8703の処理において、連続外れ演出カウンタ223naの値が0であると判別した場合は(S8703:No)、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応する演出態様を決定し(S8706)、次いで、スーパーRUSH中フラグ223fiがオンであるか(即ち、チャンスゾーン中であるか)否かを判別する(S8707)。スーパーRUSH中フラグ223fiがオンであると判別した場合は(S8707:Yes)、スーパーRUSH中フラグ223fiをオフに設定し(S8708)、その後、本処理を終了する。スーパーRUSH中フラグ223fiがオフであると判別した場合は(S8707:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図306を参照して、上述した外れ時演出設定処理(S8702)の詳細について説明する。図306は、本第12実施形態における外れ時演出設定処理(S8702)を示したフローチャートである。図306に示した通り、外れ時演出設定処理(S8702)では、まず、スーパーRUSH中フラグ223fiがオンであるか否かを判別する(S8731)。S8731の処理において、スーパーRUSH中フラグ223fiがオンであると判別した場合は(S8731:Yes)、少なくとも前回の変動表示が外れ超ロング変動に設定されており、更に、今回も外れ超ロング変動に設定された(チャンスゾーンが少なくとも2連続した)ことを意味するため、スーパーRUSHの上乗せを示す演出態様を決定し(S8732)、本処理を終了する。
一方、S8731の処理において、スーパーRUSH中フラグ223fiがオフであると判別した場合は(S8731:No)、次いで、連続外れ演出カウンタ223naの値が0であるか否かを判別する(S8733)。S8733の処理において、連続外れ演出カウンタ223naの値が0であると判別した場合は(S8733:Yes)、連続外れ演出の1変動目に対応する演出態様(図297(a)参照)を決定し(S8734)、連続外れ演出カウンタ223naの値に1を加算して(S8735)、本処理を終了する。
一方、S8733の処理において、連続外れ演出カウンタ223naの値が0ではないと判別した場合は(S8733:No)、次いで、連続外れ演出カウンタ223naの値が1であるか否かを判別する(S8736)。連続外れ演出カウンタ223naの値が1ではない(2以上である)と判別した場合は(S8736:No)、2段階目の梯子を登ってスーパーRUSH(チャンスゾーン)に突入する演出態様を設定し(S8737)、S8742の処理へ移行する。
一方、連続外れ演出カウンタ223naの値が1であると判別した場合は(S8736:Yes)、次に、今回の変動が外れ超ロング変動に対応する変動パターンであるか否かを判別する(S8738)。今回の変動が外れ超ロング変動に対応する変動パターンであると判別した場合は(S8738:Yes)、ジャンプ台で一気に丘の頂上まで到達することでスーパーRUSH(チャンスゾーン)に突入する演出態様を決定し(S8739)、S8742の処理へ移行する。一方、S8738の処理において、今回の変動パターンが外れ超ロング変動に対応する変動パターンではないと判別した場合は(S8738:No)、1段目の梯子を登る演出態様を決定し(S8740)、連続外れ演出カウンタ223naの値に1を加算し(S8741)、その後、本処理を終了する。
S8742の処理では、連続外れ演出カウンタ223naの値をリセットし、スーパーRUSH中フラグ223fiをオンに設定して(S8742)、本処理を終了する。この外れ時演出設定処理(図306参照)を実行することにより、第1特別図柄の外れが連続した場合に、その連続回数および選択された変動パターンに応じて、好適に連続外れ演出の演出態様を設定することができる。
以上説明した通り、本第12実施形態におけるパチンコ機10では、設定が高くなるほど、特別図柄の外れとなる確率を低く構成した上で、有利な潜確状態において第1特別図柄の抽選で第1回数に渡って連続して外れとなった場合に、遊技者に有利なチャンスゾーンを設定する構成とした。より具体的には、第1回数目の外れ変動として、変動時間が極めて長い(10分間の)外れ超ロング変動を設定する構成とした。このように構成することで、当該外れ超ロング変動の実行中に、有利な第2特別図柄の抽選に偏らせて実行させることができる。つまり、第2特別図柄の抽選において高確率で小当たりに当選して賞球を獲得する機会を得られる上に、大当たりに当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が再度、最も有利な潜確状態に設定される可能性が高くなるように構成できる。よって、潜確状態において、設定が低い程チャンスゾーンが設定され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第12実施形態では、潜確状態において第1特別図柄の抽選において2連続で外れとなった場合に、20%の割合でチャンスゾーンを設定し、外れが3回以上連続した場合に100%の割合でチャンスゾーンを設定するように構成していたが、外れの連続回数とチャンスゾーンの設定割合との対応関係は、これに限られるものではなく任意に定めてよい。また、外れが連続しなくてもチャンスゾーンを設定し得る構成としてもよいし、連続回数とは無関係に、第1特別図柄の抽選で外れになった場合に一定の割合(例えば、50%や100%の割合)でチャンスゾーンを設定するように構成してもよい。このように構成することで、チャンスゾーンの出現率を増加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第12実施形態では、チャンスゾーンにおいて実行され易い第2特別図柄の抽選が実行されると、大当たりに当選した場合に有利な大当たり種別が選択され易い上に、高確率で当選する小当たりに当選した場合は小当たり遊技中に容易に賞球を獲得できるように構成していたが、これに限られるものではなく、第1特別図柄の抽選よりも有利となる範囲で任意に仕様を定めることができる。具体的には、例えば、第2特別図柄の抽選と、第1特別図柄の抽選とで大当たり当選時に確変大当たりとなる割合を異ならせ、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなる割合(例えば、50%)よりも、第2特別図柄の抽選で確変大当たりとなる割合を高くする(例えば、80%や100%にする)ように構成してもよい。このように構成することで、チャンスゾーン中に第2特別図柄の抽選で大当たりとなることを強く期待して遊技を行わせることができる。また、例えば、大当たりの種別に関しては第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が不利になる(例えば、有利な連荘モードB(潜確状態)が設定される割合を低くしたり、確変大当たりとなる割合を低くしたりする)ように構成してもよい。このように構成した場合、チャンスゾーンの間、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると不利になる可能性が高いが、小当たりに当選し続けることで遊技者に有利になるので、チャンスゾーンにおいて大当たりにならないことを強く願って遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を実現することができる。
本第12実施形態では、基本的に一方の特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりとなった場合に他方の特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止させるように構成し、第2特別図柄の小当たりとなった場合にのみ、第1特別図柄が変動表示の実行中でも変動表示を続行させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の抽選では、大当たりになった場合も小当たりになった場合も大当たり図柄若しくは小当たり図柄の停止時に第1特別図柄の変動表示が実行中であれば、当該実行中の変動表示を強制停止させずに続行させる(大当たり遊技、小当たり遊技の間、第1特別図柄の変動時間の減算を中断して、大当たり遊技、小当たり遊技の終了後に第1特別図柄の変動表示を再開させる)ように構成してもよい。このように構成することで、チャンスゾーンの間に大当たりに当選した場合に、当該大当たりの終了後もチャンスゾーンが継続するため、特に、大当たり終了後が再度有利な潜確状態(連荘モードB)に設定された場合に、大当たり終了後もチャンスゾーンの恩恵を継続して受け続けることができる。よって、チャンスゾーンの優位性をより高めることができるので、チャンスゾーンが設定された場合における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第12実施形態では、有利な連荘モードB(潜確状態)において、比較的不利な第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に、比較的有利な第2特別図柄の抽選のみを頻繁に実行させることができるチャンスゾーンを形成するように構成していたが、チャンスゾーンを設定する契機は外れに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり変動の変動時間を長くする(例えば、10分間にする)ことで、その大当たり変動の実行中を、有利な第2特別図柄の抽選のみを頻繁に実行させることができるチャンスゾーンとして形成してもよい。この場合、チャンスゾーン中に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し、且つ、チャンスゾーンが終了するよりも前に第2特別図柄の大当たり図柄が停止表示されなければ(つまり、第1特別図柄の大当たり変動を第2特別図柄の大当たり図柄停止によって強制的に外れに変更しなければ)、チャンスゾーン終了時に比較的不利な第1特別図柄の大当たりが開始されてしまうため、チャンスゾーンの間に有利な第2特別図柄の大当たりとなることを強く期待させる遊技性を実現することができる。よって、チャンスゾーンの間における遊技者の興趣をより向上させることができる。また、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にチャンスゾーンを形成する構成としてもよい。
本第12実施形態では、不利な第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に、有利な第2特別図柄の抽選のみを集中的に実行させることができる有利なチャンスゾーンを形成する構成としていたが、これに代えて、又は加えて、有利な第2特別図柄の抽選で外れとなった場合にも長い変動時間(例えば、5分間)が設定され得るように構成することで、比較的不利な第1特別図柄の抽選ばかりが実行されてしまう期間(ピンチゾーン)を形成するように構成してもよい。このように構成することで、低設定ほど、チャンスゾーンもピンチゾーンも出現し易くなるため、低設定ほど有利な連荘モードBにおける遊技にメリハリを付けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第13実施形態>
次に、図307から図327を参照して、第13実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第12実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(重複して)実行可能な仕様において、潜確状態で第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に有利な第2特別図柄の抽選に偏って実行させることが可能なチャンスゾーンを設定し得る構成としていた。
これに対して本第13実施形態では、1種類の変動表示のみしか実行し得ない仕様において、特別図柄の抽選結果が外れとなった場合に遊技者に有利な期間(チャンスゾーン)を設定する構成とした。より具体的には、本第13実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に実行される大当たり(直当たり)と、遊技盤13の所定位置に設けられている特定領域(V領域)に遊技球が入球した(V入賞した)ことに基づいて実行される大当たり(V当たり)と、が設けられており、特定の遊技状態(時短状態)において特別図柄の抽選で外れになると、当該外れ変動の間に特定の遊技方法を実施することにより、特定領域(V領域)への入球率(V入賞率)が高くなるように構成した。このように構成することで、第12実施形態と同様に、設定が低くなる程特定の遊技状態(時短状態)における有利度合いを向上させることができるという斬新な遊技性を実現することができる。
この第13実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第12実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202及びRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第12実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第12実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図307を参照して、本第13実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図307は、本第13実施形態における遊技盤13の正面図である。図307に示した通り、本第13実施形態における遊技盤13は、第12実施形態(および第11実施形態)における遊技盤13の盤面構成(図264参照)に対して、遊技盤13における第3図柄表示装置81の下方に対して、流入した遊技球を特定領域(V領域)とアウト口とのいずれかに振り分けることにより大当たり抽選(役物抽選)を実行するための抽選装置6750が設けられている点、右可変入賞装置1650、右電動役物164が削除されている点、および右第2入球口645に代えて電動役物6400aが付随して設けられている第2入球口6400が設けられている点で相違している。
抽選装置6750は、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、所定期間、遊技球が入球可能な状態となり(即ち、抽選装置6750の入り口部分に設けられている小当たり用アタッカー6750aが開放され)、当該入球可能な状態の間に入球した遊技球が抽選装置6750の内部に設けられているV入賞口6750f1へと遊技球が入球することにより、大当たり(V当たり)に当選する。なお、抽選装置6750の内部には、1つのV入賞口と、5つのアウト口(アウト口6750f2〜6750f6)が設けられている。抽選装置6750の内部に入球した遊技球は、V入賞口6750f1、若しくはいずれかのアウト口へと必ず入球するので、抽選装置6750へと入球した遊技球がV入賞口へと入球する(V入賞が発生する)割合(確率)は1/6である。
なお、本第13実施形態では、第1特別図柄の抽選が実行された場合、小当たりに当選する可能性は0であるが、第2特別図柄の抽選が実行された場合、高確率(例えば、98%の割合)で小当たりに当選する構成としている。よって、第2入球口6400へと遊技球が入球し易くなる普通図柄の時短状態では、右打ちをし続けることにより、高確率で小当たりとなって小当たり用アタッカー6750aが開放されるので、V入賞口に入球し易い状態となる。一方で、普通図柄の通常状態では、右打ちを行っても第2入球口6400へと遊技球を入球させることが困難となるので、左打ちによって遊技を進行させる必要がある。左打ちされた遊技球は、第1入球口64に入球可能であるが、第2入球口6400に入球不可能であるので、普通図柄の通常状態では、小当たりに当選することがない。なお、本第13実施形態では、通常状態、および時短状態の2種類の遊技状態のみが設けられている。即ち、特別図柄の高確率状態、低確率状態が設けられておらず、特別図柄の抽選確率(直当たりの抽選確率)は常に一定となるように構成されている。
次に、図308を参照して、本第13実施形態における抽選装置6750の詳細について説明する。図308は、抽選装置6750の内部構造を示した図である。図308に示した通り、抽選装置6750の内部には、1つのV入賞口6750f1と、5つの通常V入賞口6750f2〜6750f6とが設けられ、常時一定速度で回転動作を行う振分回転体6750fが設けられている。振分回転体6750fに到達した遊技球は、1つのV入賞口と5つのアウト口のうち、いずれかに入球する。振分回転体6750fは、パチンコ機10に対して電源が投入されてから電源が遮断されるまでの間、常に、等速で回転動作を行うため、小当たりに当選するタイミングや抽選装置6750内における遊技球の転動速度等によって、振分回転体6750fに設けられているいずれの入球口(1つのV入賞口、および5つのアウト口)へと振り分けられるかが可変する。即ち、小当たりとなって遊技球が抽選装置6750の内部へと入球する毎に、いずれかの入球口へと遊技球をランダムに振り分けることができる。
また、図308に示した通り、抽選装置6750における正面視右側には、抽選装置6750の入り口部分を開閉するための小当たり用アタッカー6750aが設けられている。この小当たり用アタッカー6750aは、小当たりに当選した場合に、所定期間(例えば、2秒間)開放される。この開放期間の間に上方から小当たり用アタッカー6750aへと到達した遊技球は、抽選装置6750の内部へと流入する。抽選装置6750の内部には、図308に示した通り、遊技球を振分回転体6750fへ向けて流下させるための誘導流路6750bが設けられており、その誘導流路6750bの床面の一部には、床面を開閉させる球排出扉6750cが設けられている。球排出扉6750cが閉鎖されている場合は、誘導流路6750bの床面と、球排出扉6750cの上面とで1の流路を形成するので、遊技球を球排出扉6750cよりも下流側へと流下させることができる。一方、球排出扉6750cが開放されている状態では、遊技球が球排出扉6750cの下方に形成されている排出領域6750dへと落下して、パチンコ機10の外部へと排出される。即ち、振分回転体6750fへと到達することなく、外部へと排出される。また、図308に示した通り、球排出扉6750cの下端よりも、遊技球1個分程度下流側には、流下してきた遊技球を誘導流路6750b内で一時的に停止させる(誘導流路6750bの特定位置を閉鎖する)ことが可能な球止め部6750eが設けられている。
球排出扉6750c、排出領域6750d、および球止め部6750eは、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達する遊技球を最大1個に限るために設けられている。この振分回転体6750fへと到達する遊技球を1個に限定するための制御方法について、図309を参照して説明する。図309(a)は、球排出扉6750c、および球止め部6750eがどちらも閉鎖されている状態で複数の遊技球が抽選装置6750の内部に入球した場合を示した図である。図309(a)に示した通り、球排出扉6750c、および球止め部6750eが閉鎖されている状態においては、抽選装置6750の内部へと流入した遊技球が球排出扉6750cの上面を通過して、球止め部6750eにより流下が妨げられ、球止め部6750eの右方に停留される。なお、1の遊技球が停留されている状態で更に遊技球が誘導流路6750bを流下した場合は、既に停留されている遊技球によって流下が妨げられ、停留されている遊技球の右方に停留される。なお、上述した通り、球止め部6750eは、球排出扉6750cの下端に対して遊技球1個分程度の距離を空けて配設されているので、2個目以降に抽選装置6750へと入球した遊技球は、球排出扉6750cの上面に停留される。
図309(b)は、遊技球が停留されている状態で球排出扉6750cが開放された状態を示した図である。図309(b)に示した通り、球排出扉6750cが開放されると、球止め部6750eの右方に停留されている遊技球以外の遊技球が、排出領域6750dへと落下することによりパチンコ機10の外部へと落下する。これにより、抽選装置6750の内部に1の遊技球のみが停留された状態を形成することができる。球止め部6750eは、球排出扉6750cが開放されてから0.5秒間が経過した後で、正面視左方向へと傾倒することにより誘導流路6750bを通過可能な状態となる。これにより、抽選装置6750内に残存する1の遊技球を振分回転体6750fへ向けて流下させることができる。誘導流路6750bを流下した遊技球は、振分回転体6750fに対して正面視右上方向から振分回転体6750fに向けて落下され、ほぼ、その落下時に正面視右側に配置されていた入球口へと入球する。このように制御することにより、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達可能となる遊技球を最大1個に限ることができるので、抽選装置6750を用いた大当たり抽選の確率(振分回転体6750fによりV入賞口に振り分けられる割合)を一定にすることができる。
次に、図310を参照して、振分回転体6750fの詳細について説明する。図310は、振分回転体6750fの上面図である。図189に示した通り、振分回転体6750fは、上面視略円形で構成されており、その外縁部分に6つの入球口が配置されている。振分回転体6750fは、その中心から外縁方向に向かって下る向きの傾斜が設けられているので、振分回転体6750fの中心付近に対して上方から到達した遊技球は、外縁方向に向かう傾斜に沿って、外縁部分に設けられている何れかの入球口へと振り分けられる。
図310に示した通り、振分回転体6750fには、上面視略台形形状の1つのV入賞口と、上面視略台形形状の5つのアウト口とが配置されている。即ち、V入賞口6750f1と、アウト口6750f2〜6750f6と、が順番に配置されている。なお、図310に示した通り、振分回転体6750fは、パチンコ機10に電源が投入されている間、常に、軸6750fzを回転軸として、上面視時計回り方向に等速(例えば、6秒間で1回転する回転速度)で回転動作を行い続けるように構成されている。
次に、図311を参照して、本第13実施形態における第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における、抽選装置6750の各部(小当たり用アタッカー6750a、球止め部6750e、および球排出扉6750c)の作動パターン(開放パターン)について説明する。図311は、小当たり当選時における各部の状態の経時変化を示した図である。
図311に示した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、小当たりの開始(小当たり有効期間の開始)と共に、小当たり用アタッカー6750aが開放される。図311に示した通り、この小当たり用アタッカー6750aの開放状態は2秒間継続し、2秒経過時に閉鎖される。以降は、小当たりが終了するまでの間、小当たり用アタッカー6750aが閉鎖状態に維持される。2秒間の開放期間の間に遊技球を小当たりアタッカー6750aへと入球させることができれば、小当たり有効期間の間に振分回転体6750fへと遊技球を到達させて、いずれかの入球口へと遊技球を入球させることができる。
また、図311に示した通り、球止め部6750eは、小当たりの開始から3.5秒が経過するまでの間、閉鎖状態(図309(a)参照)に維持され、3.5秒経過時点(小当たり用アタッカー6750aの閉鎖後1.5秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(誘導流路6750bを流下可能となる状態)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。これに対して球排出扉6750cは、小当たりの開始から3秒が経過するまでの間、閉鎖状態(図309(a)参照)に維持され、3秒経過時点(小当たり用アタッカー6750aの閉鎖後1秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(図309(b)参照)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。即ち、小当たりが開始されてから3秒の間は、球止め部6750eも球排出扉6750cも閉鎖された状態となるので、抽選装置6750の内部へと入球した遊技球は全て、球止め部6750eによって誘導流路6750b内に停留される。
また、小当たりの開始から3秒が経過すると、球止め部6750eが閉鎖された状態で球排出扉6750cが開放されるので、球止め部6750eの右側に直接接触することにより停留されている1の遊技球以外の遊技球が、全て球排出扉6750cの開口部から排出領域6750dへと落下して外部へと排出される。即ち、抽選装置6750の内部に停留されている遊技球が1個のみの状態となる。そして、球排出扉6750cが開放されてから0.5秒後に球止め部6750eが開放されるので、抽選装置6750の内部に残存している1個の遊技球が振分回転体6750fに向けて流下する。このように、先に球排出扉6750cを開放させてから球止め部6750eを開放させる構成とすることにより、小当たり用アタッカー6750aの開放期間中に抽選装置6750の内部に2個以上の遊技球が入球したとしても、球止め部6750eが開放されるまでの間に、2個目以降の遊技球を排出領域6750dから外部に排出しておくことができる。よって、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達する遊技球を、毎回1個に限ることができるので、小当たりにおける大当たりの当選確率(V入賞口へと遊技球が入球する確率)を常時一定(1/6)とすることができる。
なお、本第13実施形態では、普通図柄の時短状態において、第2特別図柄の保留球数が0の状態で実行された第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合、変動時間が1秒間、2秒間、3秒間のいずれかにランダムに設定される。このため、遊技球の発射タイミングを調節することによって変動開始タイミング(第2入球口6400への入球タイミング)を調節することができたとしても、小当たり遊技の開始タイミングまで調節することは不可能となる(変動開始後1秒後、2秒後、若しくは3秒後のいずれかのタイミングで開始される)ので、振分回転体6750fの配置からV入賞し易くなる小当たり開始タイミングを予測して遊技球の発射タイミングを調節するという遊技方法が成立しなくなるように構成することができる。言い換えれば、時短状態において小当たりとなった場合における大当たり(V当たり)当選率を一定(1/6)にすることができる。ここで、本第13実施形態では、普通図柄の変動時間が遊技状態によらず30秒間に固定化されているので、最短でも30秒間隔でしか電動役物6400aが開放されない(第2入球口6400への入球機会が30秒おきにしか与えられない)。一方で、第2特別図柄の抽選で98%の割合で当選する小当たりになると、変動時間が3秒以下(1秒、2秒、3秒のいずれか)に設定される。つまり、小当たり遊技の有効期間(6秒間)を加味しても、1の特別図柄の抽選が開始されてから小当たり遊技の終了までに要する期間は9秒以下となる(普通図柄の変動時間未満の期間となる)ので、時短状態においては、基本的に継続して右打ちを行い続けたとしても、保留球を貯めることが困難に構成されている。更に、本第13実施形態では、普通図柄の時短状態において普通図柄の当たりになった場合の電動役物6400aの開放時間として「0.5秒間×1回」が設定されるため、1の普通図柄の当たりに基づく開放期間の間に1個の遊技球を入球させるのがやっととなるように構成されている。従って、第2特別図柄の保留球をより貯め難く構成することができる。
一方で、第2特別図柄の保留球が存在する状況下において第2特別図柄の抽選が実行された場合には、変動時間が1秒間に固定化される。つまり、保留球が存在している間は、7秒(変動時間1秒間+小当たり遊技期間6秒間)おきに新たな特別図柄の抽選が実行される。この場合、球止め部6750eが開放されて誘導流路6750bの内部に停留されていた遊技球が振分回転体6750fへと向かうタイミングも7秒おきになる。ここで、上述した通り、振分回転体6750fは、パチンコ機10に対して電源が投入されている間、常時、6秒間で1周する回転速度で回転動作を行うように構成されているため、7秒おきに遊技球が振分回転体6750fへと向かう場合、およそ7/6周おきに遊技球が振分回転体6750fへと到達することになる。ここで、上述した通り、振分回転体6750fには、6つの入球口(V入賞口6750f1、アウト口6750f2〜6750f6)が等間隔に配置されているので、7/6周おきに遊技球が振分回転体6750fへと到達した場合、ほぼ、前回(約7秒前)に振り分けられた(入球した)入球口に対して回転方向に隣接している入球口へと入球する。よって、第2特別図柄の保留球が多くなるほど、小当たり変動毎に隣接する入球口へと遊技球を入球させていくことができるので、V入賞口6750f1へと遊技球が入り易くなるといえる。本第13実施形態では、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、第2特別図柄のロング変動が設定されるように構成することで、そのロング変動の間に第2特別図柄の保留球を最大(4個)まで貯めることが可能に構成した。これにより、本来あまり喜ばしくない外れを、逆にV当たりの大チャンスとすることができる斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図312を参照して、本第13実施形態におけるチャンスゾーンの概要について説明する。上述した通り、本第13実施形態では、時短状態において第2特別図柄の抽選が実行されると、長い変動時間(例えば、5分間)の変動パターン(外れロング変動)が設定されるように制御し、この間に第2特別図柄の保留球を最大(4個)まで貯めることが可能に構成している。つまり、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、普通図柄の抽選を少なくとも4回以上実行させることが可能となる長さの変動時間を設定するように構成している。上述した通り、普通図柄の変動時間は30秒であり、普通図柄の当たり時の開放期間が0.5秒間であるので、ロング変動中は、5回程度普通図柄の抽選を実行させることができる。よって、外れロング変動の間に継続的に右打ちを行うだけで、第2特別図柄の保留球を最大値である4個まで容易に貯めることが可能となる。図312は、チャンスゾーン(外れロング変動)において保留球を上限まで貯めた後における遊技の進行状況の経時変化を示した図である。
図312(a)は、チャンスゾーン終了直後における振分回転体6750fの配置(回転位置)の経時変化の一例を示している。図312(a)に付している数字は、それぞれ6個の入球口(V入賞口6750f1、アウト口6750f2〜6750f6)のいずれかに対応している。即ち、数字「1」が第1の入球口(6個の入球口のいずれか)を、数字「2」が第1の入球口に対して回転方向に隣接する第2の入球口、数字「3」が第2の入球口に対して回転方向に隣接する第3の入球口を、数字「4」が第3の入球口に対して回転方向に隣接する第4の入球口を、数字「5」が第4の入球口に対して回転方向に隣接する第5の入球口を、数字「6」が第5の入球口に対して回転方向に隣接する第6の入球口をそれぞれ示している。なお、図312(a)では、振分回転体6750fの位置(回転位置)として、誘導流路6750bから落下した遊技球が入球可能な入球口の経時変化を示している。ここで、図312(a)では、説明を分かり易くするために、チャンスゾーンの終了タイミングで、丁度、第1の入球口が入球可能な配置となった状況を例示しているが、振分回転体6750fの回転動作は、チャンスゾーンの終了タイミング(第2特別図柄の変動表示の状況)とは無関係に実行されるので、必ずしもチャンスゾーンの終了タイミングと第1の入球口が入球可能となる配置に移動したタイミングとが一致するものではない。
図312(a)に示した通り、振分回転体6750fにおいて遊技球が入球可能な位置に配置される入球口の種別は、1秒毎に切り替わる。即ち、図312(a)に示した通り、チャンスゾーンの終了から1秒が経過するまでは、第1の入球口へと遊技球が入球可能な配置となり、1秒経過後から2秒経過時までは第2の入球口へと遊技球が入球可能な配置となり、2秒経過後から3秒経過時までは第3の入球口へと遊技球が入球可能な配置となり、3秒経過後から4秒経過時までは第4の入球口へと遊技球が入球可能な配置となり、4秒経過後から5秒経過時までは第5の入球口へと遊技球が入球可能な配置となり、5秒経過後から6秒経過時までは第6の入球口へと遊技球が入球可能な配置となる。以降も、1秒経過毎に入球可能な配置となる入球口が1つずつ切り替わる。
一方、図312(b)は、外れロング変動(チャンスゾーン)終了後における遊技の推移を示した図である。外れロング変動の終了まで(チャンスゾーンの間)に保留球を貯めていた場合、チャンスゾーンの終了と共に小当たり変動が開始される。上述した通り、第2特別図柄の小当たり変動は、保留球が存在する状況下において、必ず1秒間に設定されるので、1秒間が経過した時点で小当たり図柄が停止表示されて小当たり遊技が開始される。図311において上述した通り、本第13実施形態の小当たり遊技は、開始直後に小当たり用アタッカー6750aが2秒間開放されて、その開放期間の間に最初に抽選装置6750へと入球した遊技球(球止め部6750eによって停留されていた遊技球)が、小当たり開始後3.5秒経過時に振分回転体6750fへ向けて流下される。つまり、チャンスゾーンの終了後1秒経過後から3秒経過時までの間、小当たりアタッカー6750aが開放され、チャンスゾーンの終了後4.5秒経過時に遊技球が振分回転体6750fへ向けて流下される。ここで、球止め部6750eから振分回転体6750fへの流下期間は0.5秒〜1秒を要するので、実際に振分回転体6750fへと到達するのはチャンスゾーンの終了から5秒経過後から5.5秒経過時の間となる。即ち、図312(a)に示した通り、第6の入球口が入球可能な配置において、遊技球が振分回転体6750fへと到達する。よって、第6の入球口がV入賞口6750f1であれば、遊技球がV入賞口6750f1へと入球して(即ち、V入賞が発生し)V当たりに当選する(小当たり終了時にV当たりが開始される)一方、第6の入球口がいずれかのアウト口であれば、V入賞が発生せず、V当たりに当選することもない。なお、図312(b)では、第6の入球口がアウト口である場合を例示している。
また、図312(b)に示した通り、チャンスゾーン終了後、1回目の小当たりでV入賞が発生しなかった場合は、小当たり有効期間の経過後(小当たり開始から6秒間経過後)に、チャンスゾーン中に保留された2つ目の保留球に基づく変動表示が開始される。つまり、チャンスゾーンの終了後、7秒経過時点で2つ目の保留球に基づく変動表示が開始される。なお、チャンスゾーン中に保留球を上限(4個)まで貯めていた場合、2つ目の保留球に基づく変動表示(保留球が2個存在する状況下で実行される変動表示)の変動時間も必ず1秒間に設定される。このため、変動開始後、1秒経過時点(チャンスゾーン終了後8秒経過時点)で小当たり図柄が停止表示されて小当たり遊技が開始されると共に、小当たりアタッカー6750aが2秒間(チャンスゾーン終了後8秒経過後から10秒経過時まで)開放される。そして、小当たり開始後3.5秒経過時(チャンスゾーン終了後11.5秒経過時)に球止め部6750eが開放される結果、チャンスゾーンの終了後、12秒から12.5秒の範囲内において遊技球が振分回転体6750fへと到達する。即ち、図312(a)に示した通り、第1の入球口が入球可能な配置において、遊技球が振分回転体6750fへと到達する。よって、第1の入球口がV入賞口6750f1であれば、遊技球がV入賞口6750f1へと入球して(即ち、V入賞が発生し)V当たりに当選する(小当たり終了時にV当たりが開始される)一方、第1の入球口がいずれかのアウト口であれば、V入賞が発生せず、V当たりに当選することもない。なお、図312(b)では、第1の入球口がアウト口である場合を例示している。このように、チャンスゾーン終了後、2回目の小当たり遊技では、チャンスゾーン終了後、1回目の小当たり遊技において入球した入球口(第6の入球口)に対して、回転方向に隣接する入球口(第1の入球口)へと入球する。
そして、チャンスゾーンにおいて保留された3個目の保留球に基づく小当たり(チャンスゾーン終了後、3回目の小当たり)でも同様に、図312(a),(b)に示した通り、2回目の小当たり遊技において入球した入球口(第1の入球口)に対して回転方向に隣接する入球口(第2の入球口)へと遊技球が入球する。なお、4個目の保留球に関しては、当該保留の消化時点で保留球が0になっているため、変動時間として1秒間、2秒間、3秒間のいずれかがランダムに設定されるが、1秒間の変動時間が設定された場合には、3回目の小当たり遊技において入球した入球口(第2の入球口)に対して回転方向に隣接する入球口(第3の入球口)へと入球し、2秒間の変動時間が設定された場合には、3回目の小当たり遊技において入球した入球口(第2の入球口)に対して回転方向に2つ分進んだ位置の入球口(第4の入球口)へと入球し、3秒間の変動時間が設定された場合には、3回目の小当たり遊技において入球した入球口(第2の入球口)に対して回転方向に3つ分進んだ位置の入球口(第5の入球口)へと入球する。
まとめると、チャンスゾーンにおいて継続的に右打ちを実行することで保留球を最大まで貯めておき、チャンスゾーン終了後の小当たり遊技の開放期間中に小当たり用アタッカー6750aへと遊技球を入球させることにより、第6の入球口、第1の入球口、第2の入球口へとほぼ確実に入球させることができる上に、第3〜第5の入球口のいずれかに対しても遊技球を入球させることができる。つまり、チャンスゾーン終了後の保留消化中に、振分回転体6750fに設けられている6つの入球口のうち、互いに異なる4つの入球口へと遊技球を入球させることが可能となる。よって、チャンスゾーンが終了してから当該チャンスゾーンの間に貯めた上限個数(4個)分の全ての保留球を消化するまでの間においてV入賞が発生する確率は4/6である。保留球が0の状態で小当たり遊技が4回実行された場合のV入賞率は約52%(1−5/6×5/6×5/6×5/6)であるため、チャンスゾーンが設定されることにより、V入賞率が10%以上アップする有利な状況を形成することができる。なお、保留消化中に普通図柄の当たりが開始されて第2特別図柄の保留球が増加した場合には、小当たり遊技の回数が増加するため、V入賞率は更にアップする。このように、本第13実施形態では、時短状態において外れとなった場合に、通常よりもV入賞が発生し易い有利な状況を形成することができるので、時短状態において特別図柄の抽選で外れとなることを願うという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図313を参照して、本第13実施形態における特徴的な演出について説明する。上述した通り、本第13実施形態では、時短状態において第2特別図柄の抽選で外れになると、変動時間が5分間(300秒)の外れロング変動が設定されるように制御し、この外れロング変動の実行中に保留球を上限個数まで貯めることが可能に構成している。そして、保留球を上限個数まで貯めることにより、外れロング変動が終了してから全ての保留球が消化されるまでの間に実行される小当たり遊技においてV入賞が発生する可能性が高くなる(4/6以上になる)ように構成している。図313では、この外れロング変動の実行中(チャンスゾーンの間)に第3図柄表示装置81において実行される演出態様(チャージタイム演出)について説明する。
図313(a)は、時短状態において第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に実行されるチャージタイム演出の演出態様を示した図である。図313(a)に示した通り、外れロング変動が実行され(チャンスゾーンに突入し)、チャージタイム演出が実行されると、主表示領域Dmの略中央部分において、ウサギを模したキャラクタ811が険しい表情で全身に力を込め始める表示態様が表示されると共に、キャラクタ811の上方に、横長略長方形形状で「チャージタイム突入!!」という文字が表示された表示領域が形成される。また、この表示領域には、チャージタイム(チャンスゾーン)が終了するまでの残り期間のカウントダウン表示も表示される。図313(a)の例では、残り4分56秒の状態を例示しており、表示領域内に「残り4:56」という文字が表示されている。更に、キャラクタ811に対して正面視右側には、縦長略長方形形状の期待度表示画像KHが表示される。この期待度表示画像KHは、チャンスゾーン終了後に実行される保留球数分の小当たり遊技においてV入賞が発生する期待度を示す文字が表示される表示領域であり、第2特別図柄の保留球数が増加する毎に表示される期待度が高くなって行くように構成されている。図313(a)では、第2特別図柄の保留球数が0の状態を例示しており、期待度表示画像KHには、「期待度0/6」と表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「右打ちで期待度を上げるんだ!!」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsにおける右側に形成された小表示領域Ds1に対して、第1特別図柄および第2特別図柄の保留球数を数字によって比較的目立たない態様で表示される。これらの表示態様により、遊技者に対して、右打ちを行うことによって大当たりとなる期待度が向上するということを容易に理解させることができる。
図313(b)は、チャージタイム演出の実行中に第2入球口6400aへと遊技球が入球して保留球が増加した場合の表示態様の一例を示した図である。チャージタイム演出の実行中に第2入球口6400aへの入球を検出すると、キャラクタ811がオーラOGを纏った(周囲が発光した)見た目の表示態様に切り替えられると共に、キャラクタ811の左上側に、横長略楕円形状で「UP!!」という文字が表示された期待度アップ画像UGが形成される。更に、期待度表示画像KHに表示されている期待度が1上昇して「1/6」となる。また、小表示領域Ds1における第2特別図柄の保留球数を示す数字も更新される。これらの表示内容により、第2特別図柄の保留球が増加するほど期待度が上昇していくのだということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、保留球が増加するほどオーラOGの範囲が広がっていくと共に、期待度表示画像KHに表示される期待度が最大4/6まで上昇する。これらの表示内容の変化により、チャンスゾーン(チャージタイム)終了後に実行される小当たり遊技に対する期待感をより高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第13実施形態では、単に第2特別図柄の保留球数に応じてオーラ画像OGや期待度表示画像KHの表示態様を可変させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、保留球が増加する毎に、先読み結果を判別して、その判別結果も加味して表示態様を決定してもよい。より具体的には、例えば、先読み結果が小当たりである場合は、オーラ画像OGや期待度表示画像KHの表示態様を1段階分だけ上昇させる一方で、先読み結果が大当たりである場合は、最大の期待度(例えば、6/6)に対応する表示態様に設定してもよい。このように構成することで、チャージタイム演出の実行中における表示態様(示唆される期待度)の変化により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第13実施形態における電気的構成>
次に、図314(a)を参照して、本第13実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図314(a)は、本第13実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図314(a)に示した通り、本第13実施形態におけるROM202は、上述した第12実施形態におけるROM202の構成に対して、第1当たり乱数12テーブル202naに代えて第1当たり乱数テーブル202paが設けられている点、小当たり乱数12テーブル202nbに代えて小当たり乱数13テーブル202pbが設けられている点、第2当たり乱数7テーブル202fcに代えて第2当たり乱数13テーブル202pcが設けられている点、大当たり種別選択12テーブル202ndに代えて大当たり種別選択13テーブル202pdが設けられている点、変動パターン選択12テーブル202neに代えて変動パターン選択13テーブル202peが設けられている点で相違している。
まず、図315(a)を参照して、本第13実施形態における第1当たり乱数13テーブル202paの詳細について説明する。図315(a)は、この第1当たり乱数13テーブル202paの規定内容を示した図である。図315(a)に示した通り、本第13実施形態における第1当たり乱数13テーブル202paには、設定値毎に1種類の第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲が対応付けて規定されている。つまり、本第13実施形態では、特別図柄の低確率状態、確変状態が存在せず、常に一定の大当たり確率で大当たり抽選(特別図柄の抽選)が実行されるように構成されている。
具体的には、図315(a)に示した通り、設定1に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜204」が対応付けて規定され、設定2に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜217」が対応付けて規定され、設定3に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜233」が対応付けて規定され、設定4に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜251」が対応付けて規定され、設定5に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜311」が対応付けて規定され、設定6に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜409」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の低確率状態における設定1の大当たり確率は1/320(205/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/301(218/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/280(234/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/260(252/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/210(312/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/160(410/65536)である。
次に、図315(b)を参照して、本第13実施形態における小当たり乱数13テーブル202pbの詳細について説明する。図315(b)は、本第13実施形態における小当たり乱数13テーブル202pbの規定内容を示した図である。図315(b)に示した通り、第1特別図柄に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値が対応付けられていない。よって、第1特別図柄の抽選で小当たりになる確率は0である。一方、第2特別図柄に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値の範囲として「410〜64634」が対応付けて規定されている。よって、第2特別図柄の抽選で小当たりになる確率は1/1.02(64225/65536)である。従って。大当たり確率を加味すると、第2特別図柄の抽選で外れとなる確率は、1/59(設定1)〜1/73(設定6)となる。つまり、設定が低い方が時短状態においてチャンスゾーンに突入する(特別図柄の抽選で外れになって外れロング変動が設定される)確率が高くなるので、有利な時短状態が設定されてから当該時短状態において保留された全ての第2特別図柄の保留球に基づく抽選が終了するまでの間において、V当たりに当選する確率も低設定の方が高くなる。ここで、本第13実施形態では、V当たりに当選すると、当該V当たりの終了後における遊技状態が、必ず有利な時短状態に設定される。よって、一旦時短状態に設定された後は、設定が低い方が時短状態と大当たりとの繰り返しがより長く(より多くの回数)続き易くなる。従って、有利な時短状態においては、設定が低いことを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図315(c)を参照して、本第13実施形態における第2当たり乱数テーブル202pcの詳細について説明する。図315(c)は、本第13実施形態における第2当たり乱数テーブル202pcの規定内容を示した図である。図315(c)に示した通り、本第13実施形態における第2当たり乱数13テーブル202pcには、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)として「0」のみが規定されている。このため、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の抽選で当たりとなる確率は1/300である。
一方、図315(c)に示した通り、第2当たり乱数13テーブル202pcには、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)として「0〜299」が規定されている。このため、普通図柄の低確率状態(通常状態)において普通図柄の抽選で当たりとなる確率は1/1(300/300)である。このように、本第13実施形態では、普通図柄の低確率状態(通常状態)における普通図柄の当たり確率を極めて低確率になるように構成している。これにより、通常状態において右打ちにより小当たり確率の高い第2特別図柄の抽選を実行させようとしても、普通図柄の当たりになり難く、第2入球口6400へと遊技球を入球させることが困難になるので、左打ちを行うよりも損になり易く構成することができる。よって、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図316を参照して、本第13実施形態における第1当たり種別選択13テーブル202pdの詳細について説明する。この第1当たり種別選択13テーブル202pdは、第12実施形態における第1当たり種別選択12テーブル202ndと同様に、大当たりに当選した場合の大当たり種別を特定(決定)するために参照されるデータテーブルである。図316(a)は、この第1当たり種別選択13テーブル202pdの構成を示したブロック図である。
図316(a)に示した通り、本第13実施形態における第1当たり種別選択13テーブル202pdには、特別図柄の抽選で大当たりとなった(所謂、「直当たり」が発生した)場合に大当たり種別を特定(決定)するための直当たり用テーブル202pd1と、V入賞が発生した(小当たり遊技中にV入賞口6750f1へと遊技球が入球した)ことに基づいて大当たりとなった場合に大当たり種別を特定(決定)するためのV当たり用テーブル202pd2と、が規定されている。まず、図316(b)を参照して、直当たり用テーブル202pd1の詳細について説明する。
図316(b)は、直当たり用テーブル202pd1の規定内容を示した図である。図316(b)に示した通り、本第13実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(直当たりが発生した)場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりA13」、および「大当たりB13」の2種類の大当たり種別が設けられている。「大当たりA13」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短回数5回の時短状態に設定される大当たり種別(4ラウンド時短大当たり)である。一方、「大当たりB13」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、通常状態において当選した場合には大当たり終了後に再度通常状態が設定される一方で、時短状態の間に当選した場合には、時短回数が5回の時短状態が付与される大当たり種別(4ラウンド通常大当たり)である。よって、通常状態においては、「大当たりA13」の方が、大当たり終了後の遊技状態が有利となるため、「大当たりB13」よりも遊技者に有利となる。なお、時短状態においては、いずれの大当たりに当選したとしても大当たり終了後に有利な時短状態が設定されるように構成しているため、有利度合いが同等となる。
図316(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜64」の範囲に対して、「大当たりA13」が対応付けて規定され、「65〜99」の範囲に対して、「大当たりB13」が対応付けて規定されている。つまり、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、65%の割合(65/100)で「大当たりA13」が決定され、35%(35/100)の割合で「大当たりB13」が決定される。
一方、図316(b)に示した通り、直当たり用テーブル202pd1には、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別として、「大当たりC13」が設けられている。この「大当たりC13」は、大当たりのラウンド数が12ラウンドであり、通常状態において当選した場合には大当たり終了後に再度通常状態が設定される一方で、時短状態の間に当選した場合には、時短回数が5回の時短状態が付与される大当たり種別(4ラウンド通常大当たり)である。第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は。100%(100/100)「大当たりC13」が決定される。
次に、図316(c)を参照して、V当たり用テーブル202pd2の詳細について説明する。このV当たり用テーブル202pd2は、上述した通り、小当たり遊技においてV入賞が発生した(遊技球がV入賞スイッチ6500e3を通過した)ことに基づいて実行される大当たりの種別を特定(選択)するためのデータが規定されたデータテーブルである。図316(c)は、このV当たり用テーブル202pd2の規定内容を示した図である。図316(c)に示した通り、V当たり用テーブル202pd2には、「大当たりD13」、「大当たりE13」、および「大当たりF13」の3種類の大当たり種別が規定されている。
図316(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲に対しては、「大当たりD13」が対応付けて規定されている。この「大当たりD13」は、大当たりのラウンド数が12ラウンドであり、当選した時点の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりD13」は、全ての大当たり種別の中でラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、最も遊技者に有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC7」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が50個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりD13」が決定(選択)される確率(割合)は50/100(50%)である。
また、図316(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「50〜69」の範囲に対して、「大当たりE13」が対応付けて規定されている。この「大当たりE13」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、当選した時点の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりE13」は、「大当たりC13」、および「大当たりD13」に次いでラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態となるため、ラウンド数の面では「大当たりC13」、「大当たりD13」に次いで有利な大当たり種別である。また、遊技状態の面では最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE13」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が20個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりE13」が決定(選択)される確率(割合)は20/100(20%)である。
また、図316(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の当たりが「70〜99」の範囲に対して、「大当たりF13」が対応付けて規定されている。この「大当たりF13」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、当選した時点の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりF13」は、ラウンド数の面では最も不利であるが、遊技状態の面では最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF13」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が30個なので、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生した場合に開始される大当たりの種別として「大当たりF13」が決定(選択)される確率(割合)は30/100(30%)である。
なお、上述した通り、本第13実施形態では、第2特別図柄の抽選が実行されると、約98%の割合で小当たりに当選し、且つ、1の小当たり遊技においてV入賞が発生する確率は1/6である。また、第2特別図柄の抽選で比較的低確率の外れにならない限り、第2特別図柄の保留球を貯めることはほぼ不可能に構成されている。よって、時短回数5回の時短状態が設定された場合、5回の小当たり遊技が実行されて第2特別図柄の保留球が0のまま通常状態に移行するか、5回以内にV入賞が発生してV当たりとなるかのどちらかとなるのがほとんどである。時短状態において実行される5回以内の小当たりでV入賞が発生する確率は約59.8%(1−5/6×5/6×5/6×5/6×5/6)であるので、基本的に、一旦時短状態が設定されると、約59.8%の割合(直当たりも加味すると60%超の割合)で大当たりに当選する。そして、第2特別図柄の直当たりに当選した場合、およびV当たりに当選した場合は、必ず大当たり終了後に再度有利な時短状態が設定されるので、時短状態に移行すると、6割強の割合で大当たりと時短状態とを繰り返す有利な状態を形成する。よって、時短状態へと移行することを一つの目標に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図317を参照して、本第13実施形態における変動パターン選択13テーブル202peの詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第13実施形態における変動パターン選択13テーブル202peは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照される通常用13テーブル202pe1と、時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照される時短用13テーブル202pe2と、RAMクリア後(設定変更後)の通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを決定するために参照されるRAMクリア時用テーブル202pe3と、で構成されている。説明の便宜上、まず、時短用13テーブル202pe2の詳細について説明する。
図317は、本第13実施形態における時短用13テーブル202pe2の規定内容を示した図である。図317に示した通り、時短用13テーブル202peには、第1特別図柄の抽選結果が当たりの場合、保留球数によらず、変動種別カウンタCS1の値の全範囲に対して変動種別(変動パターン)として変動時間が1000msの当たりショート変動が対応付けて規定されている。一方、第1特別図柄の抽選が外れの場合、保留球数によらず、変動種別カウンタCS1の値の全範囲に対して変動種別として変動時間が1000msの外れショート変動が対応付けて規定されている。よって、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行されると、抽選結果によらず変動時間が1000msに設定される。
また、図301に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜49」の範囲に対して、変動時間が5000msの当たりミドル変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50〜198」の範囲に対して、変動時間が10000msの当たりロング変動が対応付けて規定されている。また、図301に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合は、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲に対して、変動時間が300000msの外れロング変動が対応付けて規定されている。よって、時短状態において第2特別図柄の抽選で外れになると、第2特別図柄が5分間の間変動し続けるので、その間に第2特別図柄の保留球を貯めることができるチャンスゾーンを形成することができる。
また、図301に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合は、第2特別図柄の保留球数に応じて変動時間が可変するように構成されている。より具体的には、図301に示した通り、第2特別図柄の保留球数が0であれば、変動種別カウンタCS1の値が「0〜65」の範囲に対して、変動種別として変動時間が1000msの小当たり変動Aが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「66〜132」の範囲に対して、変動種別として変動時間が2000msの小当たり変動Bが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「133〜198」の範囲に対して、変動種別として変動時間が3000msの小当たり変動Cが対応付けて規定されている。つまり、1秒間の変動時間と、2秒間の変動時間と、3秒間の変動時間と、がほぼ1:1:1の比率で選択されるように構成されている。このため、保留球数が0の状態において、振分回転体6750fの配置からV入賞し易い小当たり開始タイミングを狙う遊技方法が成立しないように構成することができるので、保留球数が0の状態におけるV入賞率を一律1/6にすることができる。
一方、図301に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が小当たりで、且つ、第2特別図柄の保留球数が1以上の場合は、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲に対して、変動時間が1000msの小当たり変動Aが対応付けて規定されている。このため、チャンスゾーンにおいて保留球を上限個数まで貯めると、保留球が0になるまで(保留球を3個消化するまで)、変動時間が1秒間に固定化されるので、小当たり遊技において遊技球が振分回転体6750fへと到達する間隔を一定間隔(7秒間隔)にすることができる。これにより、6秒間で1周する振分回転体6750fに対して、保留球が0となるまで、小当たり毎に前回の小当たりで入球した入球口に対して回転方向に隣接する入球口へと遊技球を入球させることができる。即ち、保留球数分の小当たり遊技において、互いに同一の入球口へと入球し難くなるように構成することができるので、V入賞する可能性を向上させることができる。よって、チャンスゾーンに移行して保留球を貯める機会が与えられた場合に、V入賞に対する期待感を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図示については省略したが、本第13実施形態では、通常状態においても、第2特別図柄の変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応関係は、外れ以外同一となるように構成している。よって、例えば、時短回数が残り1回の状態において実行された第2特別図柄の抽選で外れとなってロング変動が設定された場合にも、当該ロング変動中に第2特別図柄の保留球を貯めることにより、ロング変動の終了後(即ち、時短状態の終了後)においてV入賞率が高い小当たり遊技を実行させることができる。即ち、第2特別図柄の抽選で外れとなるタイミングによらず、チャンスゾーンの終了後にV入賞率の高い小当たり遊技を実行することができるので、時短状態が終了するまでの間、常に、外れを期待させることができる。なお、通常状態において第2特別図柄の抽選で外れとなった場合には、変動時間が1秒間の外れショート変動が設定されるように構成されている。これは、通常状態において外れとなった場合に外れロング変動を実行したとしても、普通図柄の当たり確率が低く、第2特別図柄の保留球を貯めることができないため、特別図柄の抽選が実行されるわけでもなく、保留球を貯めることもできない無駄な期間が長く続いてしまうことを抑制する趣旨である。
次に、図314(b)を参照して、本第13実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図314(b)は、本第13実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図314(b)に示した通り、本第13実施形態におけるRAM203は、上述した第12実施形態(および第11実施形態)におけるRAM203の構成(図268(b)参照)に対して、大当たり種別格納エリア203paと、V通過フラグ203pbと、が追加されている点で相違している。また、特図2変動停止フラグ203dfと、特図1変動時間カウンタ203diと、特図2変動時間カウンタ203djと、確変フラグ203faと、特図1大当たりフラグ203mcと、特図2大当たりフラグ203mdと、特図1小当たりフラグ203meと、特図2小当たりフラグ203mfと、が削除されている点で相違している。これらのフラグ及びカウンタの削除に関しては、同時変動機能、および確変機能を削除したことによるものである。
大当たり種別格納エリア203paは、小当たり遊技の実行中に、抽選装置6750に入賞した遊技球がV入賞口6750f1へと入球した場合に設定される大当たり種別(V当たりの種別)を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。この大当たり種別格納エリア203paは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図320のS36022)。抽選装置6750内のV入賞口6750f1へと遊技球が入球すると、小当たり終了時に、大当たり種別格納エリア203paに記憶されているデータ値に対応する種別の大当たりの開始が設定される(図324のS3311参照)。
V通過フラグ203pbは、小当たり遊技中において、V入賞を検出済みであるか否かを示すフラグである。このV通過フラグ203pbがオンであれば、小当たり遊技中に既にV入賞を検出済みであることを示し、オフであれば、V入賞を未検出であることを意味する。このV通過フラグ203pbは、初期値がオフに設定されており、V入賞を検出した場合にオンに設定される(図325のS3406参照)。また、V入賞を検出した小当たりの終了時に、小当たり種別に応じた大当たりの開始を設定した後でオフに設定される(図324のS3312参照)。このV通過フラグ203pbによって、小当たり遊技の終了時において大当たりを開始すべきか否か(即ち、小当たり遊技中にV入賞が発生したか否か)を正確に判別することができる。
<第13実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図318から図325を参照して、本第13実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図318を参照して、特別図柄変動処理13(S141)の詳細について説明をする。この特別図柄変動処理13(S141)は、上述した第12実施形態(および第11実施形態)における特別図柄変動処理11(図276,S121)に代えて実行される処理であり、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示を設定するための処理である。
この特別図柄変動処理13(S141)のうち、S251の処理では、第12実施形態(および第11実施形態)における特別図柄変動処理11(図276,S121)のS251の処理と同一の処理が実行される。
また、本第13実施形態における特別図柄変動処理13(S141)では、S251の処理において、現在が大当たり中、又は小当たり中では無いと判別した場合に(S251:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S10201)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S10201:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S10202)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S10203)。
S10203の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S10203:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)を1減算し(S10204)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値を示す特図1保留球数コマンドを設定する(S10205)。ここで設定された特図1保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理13(図322参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図1保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S10205の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203daに格納されたデータを、シフトする(S10206)。S10206の処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S10212の処理へ移行する。
一方、S10203の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203ddの値(N1)が0であると判別した場合は(S10203:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S10207)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S10208)。第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(N2)が0でなければ(S10208:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値(N2)を1減算し(S10209)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S10210)。ここで設定された特図2保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理13(図322参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203deの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S10210の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203dbに格納されたデータをS10206の処理と同一の手法によりシフトする(S10211)。
S10206、またはS10211の処理後に実行されるS10212の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理13を実行し(S10212)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理13(S10212)の詳細については、図319を参照して後述する。
S10201の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S10201:Yes)、変動時間を計測するための変動時間カウンタを更新し(S10213)、更新後の変動時間カウンタの値に基づいて第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S10214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S10214:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新し(S10215)、本処理を終了する。
一方、S10214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S10214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S10216)。停止図柄の設定は、図319を参照して後述する特別図柄変動開始処理13(S10212)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理13(S10212)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別が決定される。
S10216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S10217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S10217:Yes)、現在の遊技状態に応じたデータを当選時状態格納エリア203mbに格納し(S10218)、時短カウンタ203hの値を0にリセットする(S10219)。次いで、大当たりの開始を設定すると共に、大当たりフラグ203iをオンに設定して(S10220)、S10225の処理へ移行する。
一方、S10217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れ(小当たり含む)であれば(S10217:No)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるか(即ち、普通図柄の時短状態であるか)を判別し(S10221)、時短カウンタ203hの値が0より大きいと判別した場合は(S10221:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算して更新して(S10222)、処理をS10223へと移行する。一方、S10221の処理において、時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S10221:No)、S10222の処理をスキップして、処理をS10223へと移行する。
S10223の処理では、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S10223)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S10223:Yes)、小当たりの開始を設定するための小当たり開始処理を実行して(S10224)、本処理を終了する。一方、S10223の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合は(S10223:No)、S10224の処理をスキップして、S10225の処理へ移行する。
S10225の処理では、停止種別を示す停止コマンドを設定して、本処理を終了する(S10225)。ここで設定された停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理13(図322参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、停止コマンドが示す停止種別に基づいて、第3図柄の停止図柄を設定する。
この特別図柄変動処理13(図318参照)を実行することにより、第1特別図柄の変動表示、若しくは第2特別図柄の変動表示のうち一方のみを実行するように構成できる。また、第1特別図柄の抽選を、第2特別図柄の抽選よりも優先的に実行させることができる。
次に、図319を参照して、特別図柄変動処理13(図318,S141)内の一処理である特別図柄変動開始処理13(S10212)の詳細について説明する。この特別図柄変動開始処理13(S10212)では、まず、実行エリアに格納されているデータを取得し(S321)、当該取得した実行エリアのデータのうち、第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数13テーブル202pa(図315,(a)参照)、小当たり乱数13テーブル202pb(図315,(b)参照)とを参照して大当たり抽選の抽選結果を取得する(S322)。次いで、S322の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S323)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S323:Yes)、大当たり種別格納エリア203paに今回の大当たりの種別を示すデータを格納する(S324)。そして、今回の大当たり種別に応じて大当たり時の表示態様を設定する(S325)。このS325の処理では、大当たり種別に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S326)。S326の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択13テーブル202peのうち、現在の遊技状態に対応するテーブルとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。S326の処理が終了すると、S332の処理へ移行する。
一方、S323の処理において、今回の特別図柄の抽選が大当たりではないと判別した場合に(S323:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選が小当たりであるか否かを判別して(S327)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S327:Yes)、小当たり時の表示態様を設定する(S328)。S328の処理が終了すると、小当たり時の変動パターンを決定する(S329)。S329の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において小当たりを示す図柄の組み合わせで停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択13テーブル202peのうち、現在の遊技状態に対応するテーブルとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。S329の処理が終了すると、S332の処理へ移行する。
一方、S327の処理において、今回の特別図柄の抽選が小当たりではないと判定された場合には(S327:No)、外れ時の表示態様(外れ図柄)を設定し(S330)、次に、外れ時の変動パターンを決定する(S331)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S329の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択13テーブル202peのうち現在の遊技状態に対応するテーブルとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。S331の処理が終了すると、S332の処理へ移行する。
S326、S329、S331のいずれかの処理が終わると、次に、S326、S329、S331のいずれかの処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S332)。次いで、今回の変動パターンの変動時間に対応するカウンタ値を、変動時間カウンタに設定する(S333)。そして、S325、S328、S330のいずれかの処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S334)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述するメイン処理13(図322参照)の外部出力処理(S1801)の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。S334の処理が終わると、特別図柄変動処理13(図318参照)へ戻る。
次に、図320を参照して、上述した小当たり開始処理(S10225)の詳細について説明する。この小当たり開始処理(S10225)は、上述した通り、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たりを開始させるための処理である。この小当たり開始処理(S10225)では、まず、小当たり遊技における抽選装置3750の動作シナリオ(図311参照)を読み出して(S3601)、次に、大当たり種別格納エリア203paに対して、今回の小当たりにおいてV入賞が発生した場合に開始される大当たり種別を示すデータを格納する(S3602)。より具体的には、S3602の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲内であれば、大当たり種別として大当たりD13(12ラウンド時短大当たり)を格納し、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲内であれば、大当たり種別として大当たりE13(8ラウンド時短大当たり)を格納し、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲内であれば、大当たり種別として大当たりF13(4ラウンド時短大当たり)を格納する。S3603の処理が終了すると、小当たりの開始を設定して、本処理を終了する。
次に、図321を参照して、普通図柄変動処理13(S142)の内容について説明をする。この普通図柄変動処理13(S142)は、上述した第12実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図48,S106)に代えて実行される処理である。
この普通図柄変動処理13(S142)のうち、S1101〜S1113,S1115〜1118およびS1121の各処理では、それぞれ第12実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図48,S106)のS1101〜S1113,S1115〜1118およびS1121の各処理と同一の処理が実行される。
また、図321に示した通り、本第13実施形態における普通図柄変動処理13(S142)では、S1112またはS1113の処理を実行後、普通図柄の変動時間を30秒に決定する(S1131)。この30秒という変動時間は、有利な時短状態において継続して右打ちを行い続けたとしても、第2特別図柄の保留球を増加させることが困難となる長さの期間である。つまり、時短状態においては、特別図柄の抽選で外れになって外れロング変動が設定されない限り、第2特別図柄の保留球を増加させることができなくなるように、普通図柄の変動時間を遊技状態によらず30秒間に固定化している。これにより、時短状態中に第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。
また、S1118の処理において、時短カウンタ203hがオンではない(オフである)、即ち、現在が普通図柄の低確率状態であると判別した場合は(S1118:No)、電動役物の開放時間および回数を「0.2秒間×1回」に設定する(S1133)。一方、S1118の処理において、時短カウンタ203hがオンに設定されていると判別した場合は(S1118:Yes)、電動役物の開放時間および回数を「0.5秒間×1回」に設定する(S1132)。この0.5秒間×1回という開放時間は、第2入球口6400へと遊技球を2個以上入球させることが困難になる(1の普通図柄の当たりで第2特別図柄の保留球を獲得することが困難になる)長さで構成されている。S1132、或いはS1133の処理を実行後、S1121の処理へ移行する。
次に、図322を参照して、本第13実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理13の詳細について説明をする。このメイン処理13は、上述した第12実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図55参照)に代えて実行される処理である。
このメイン処理13のうち、S1801〜S1803およびS1806〜1816の各処理では、それぞれ第12実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図55)のS1801〜S1803およびS1806〜1816の各処理と同一の処理が実行される。
また、図322に示した通り、本第13実施形態におけるメイン処理13では、S1803の処理を実行後、第12実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図56参照)に代えて、大当たり制御処理13を実行する(S1841)。この大当たり制御処理13(S1841)の詳細については図323を参照して後述する。S1841の処理が終了した後は、小当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための小当たり制御処理を実行し(S1842)、処理をS1806へと移行する。この小当たり制御処理(S1842)の詳細については図324を参照して後述する。
次に、図323を参照して、メイン処理13(図322)内の一処理である大当たり制御処理13(S1841)の詳細について説明をする。この大当たり制御処理13(S1841)は、上述した第12実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図56,S1804)に代えて実行される処理であり、大当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための処理である。
この大当たり制御処理13(S1841)のうち、S1901〜S1912およびS1916〜1918の各処理では、それぞれ第12実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図56,S1804)のS1901〜S1912およびS1916〜1918の各処理と同一の処理が実行される。
また、図323に示した通り、本第13実施形態における大当たり制御処理13(S1841)では、S1912の処理において、現在が大当たり終了のタイミングであると判別した場合に(S1912:Yes)、当選時状態格納エリア203mbのデータを読み出して(S1991)、読み出した当選時状態格納エリア203mbのデータに対応する遊技状態と、今回の大当たり種別と、に応じて時短カウンタ203hの値を更新し(S1992)、S1916の処理へ移行する。
次に、図324を参照して、メイン処理13(図322)内の一処理である小当たり制御処理(S1842)の内容について説明をする。この小当たり制御処理(S1842)では、まず、現在が小当たりの開始タイミングであるか否かを判別する(S3301)。なお、S3301の処理では、小当たり開始処理(図320参照)において、小当たりの開始が設定されている場合に、小当たりの開始タイミングであると判別する。
S3301の処理において、小当たりの開始タイミングであると判別した場合は(S3301:Yes)、小当たりのオープニング期間の開始を示す小当たり用オープニングコマンドを設定し(S3302)、小当たりフラグ203dgをオンに設定して(S3303)、小当たり用の動作シナリオの開始を設定し(S3304)、本処理を終了する。
一方、S3301の処理において、小当たりの開始タイミングではないと判別した場合は(S3301:No)、次いで、小当たりフラグ203dgがオンであるか(つまり、小当たり中であるか)を判別し(S3305)、小当たりフラグ203dgがオフであると判別した場合は(S3305:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、小当たりフラグ203dgがオンであると判別した場合は(S3305:Yes)、小当たり遊技の実行中であることを意味するため、次に、小当たりの終了タイミングであるか(即ち、エンディング期間の終了タイミングであるか)を判別し(S3306)、小当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S3305:Yes)、小当たりフラグ203dgをオフにすることで小当たりの終了を設定する(S3308)。次に、V通過フラグ203pbがオンであるか否かを判別し(S3309)、V通過フラグ203pbがオンであると判別した場合は(S3309:Yes)、今回の小当たりにおいてV入賞を検出済みであることを意味するため、時短カウンタ203hの値を0にリセットし(S3310)、大当たり種別格納エリア203paに格納されているデータに対応する種別の大当たりの開始を設定し(S3311)、V通過フラグ203pbをオフに設定して(S3312)、本処理を終了する。一方、S3309の処理において、V通過フラグ203pbがオフであると判別した場合は(S3309:No)、V入賞が検出されていないことを意味するため、V入賞に基づく大当たり遊技を設定するためのS3310〜S3312の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S3306の処理において、小当たりの終了タイミングでないと判別した場合は(S3306:No)、V入賞口3750f1への入球を監視して、入球を検出した場合に、V入賞の発生を記憶しておくためのV通過検出処理を実行して(S3307)、本処理を終了する。この小当たり制御処理(図324参照)を実行することにより、小当たり遊技の実行中にV入賞を検出した場合にのみ、大当たり遊技を開始させることができる。
次に、図325を参照して、小当たり制御処理(図324,S1842)内の一処理であるV通過検出処理(S3307)の内容について説明をする。このV通過検出処理(S3307)は、上述した通り、V入賞口3750f1への入球を監視して、入球を検出した場合に、V入賞の発生を記憶しておくための処理である。
図325に示した通り、V通過検出処理(S3307)では、まず、V通過フラグ203pbがオンであるか否かを判別し(S3401)、V通過フラグ203pbがオンであると判別した場合は(S3401:Yes)、既にV入賞口への入球(通過)を検出済みであり、V入賞口3750f1に対する入球の監視が必要ないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
これに対して、V通過フラグ203pbがオフであると判別した場合は(S3401:No)、V入賞口3750f1に対する入球(通過)を検出したか否かを判別して(S3402)、V入賞口3750f1に対する入球(通過)を検出していないと判別した場合は(S3402:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3402の処理において、V入賞口3750f1に対する入球を検出したと判別した場合は(S3402:Yes)、次いで、V入賞の有効期間中であるか否かを判別し(S3403)、有効期間外である場合は(S3403:No)、不正行為等により遊技球がV入賞口3750f1へと入球した(通過した)可能性があるため、エラーコマンドを設定して(S3404)、本処理を終了する。
これに対し、S3403の処理において、V有効期間内であると判別した場合は(S3403:Yes)、V通過コマンドを設定し(S3405)、次いで、V通過フラグ203pbをオンに設定して(S3406)、本処理を終了する。
このV通過検出処理により、V入賞が発生した場合に、V通過フラグ203pbがオンに設定されることでV入賞の発生を記憶することができるので、V入賞の有無に応じて大当たり遊技の実効可否を正確に判別することができる。
<第13実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図326および図327を参照して、第13実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明をする。まず、図326を参照して、本第13実施形態における変動表示設定処理13(S4161)の内容について説明をする。この変動表示設定処理13(S4161)は、上述した第12実施形態(および第11実施形態)における変動表示設定処理11(図295,S4132)に代えて実行される処理である。
この変動表示設定処理13(S4161)のうち、S5231の処理は、第12実施形態(および第11実施形態)における変動表示設定処理11(図295,S4132)のS5231の処理と同一の処理が実行される。
また、図326に示した通り、本第13実施形態における変動表示設定処理13(S4161)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンに設定されているか判別する(S5281)。そして、変動開始フラグ223dはオフであると判別した場合には(S5281:No)、主制御装置110より特図変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5285の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別した場合には(S5281:Yes)、変動回数カウンタ223fcの値に1を加算し(S5231)、変動開始フラグ223dをオフに設定し(S5282)、次いで、変動パターンコマンドにより通知された変動パターン種別に応じた演出態様を設定するための演出態様設定処理13を実行し(S5283)、入賞情報格納エリア223bのデータをシフトして(S5284)、S5285の処理へ移行する。演出態様設定処理13(S5283)の詳細については図327を参照して後述する。
S5285の処理では、停止種別選択フラグ223eがオンに設定されているかを判別し(S5285)、オンに設定されていないと判別した場合は(S5285:No)、そのまま本処理を終了する。一方、オンに設定されていると判別した場合は(S5285:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフに設定し(S5286)、コマンドから抽出した停止種別に基づいて表示用停止種別コマンドを設定し(S5287)、本処理を終了する。
次に、図327を参照して、演出態様設定処理13(S5283)の内容について説明をする。この演出態様設定処理13(S5283)は、上述した第12実施形態における演出態様設定処理12(図304参照)に代えて実行される処理である。
この演出態様設定処理13(S5283)のうち、S8201,S8207,S8208、およびS8281の各処理では、それぞれ第12実施形態における演出態様設定処理12(図304参照)のS8201,S8207,S8208、およびS8281の各処理と同一の処理が実行される。
また、図327に示した通り、本第13実施形態における演出態様設定処理13(S5283)では、S8201の処理において現在が通常状態ではないと判別した場合に(S8201:No)、次いで、今回の変動パターンが外れロング変動であるか否かを判別する(S18201)。S18201の処理において、今回の変動パターンが外れロング変動ではないと判別した場合は(S18201:No)、S8207の処理へ移行する。一方、S18201の処理において、今回の変動パターンが外れロング変動であると判別した場合は(S18201:Yes)、チャージ演出(図313参照)に対応する演出態様を決定し(S18202)、S8208の処理へ移行する。チャージ演出を実行することにより、チャンスゾーン(チャージタイム)中において右打ちにより第2特別図柄の保留球を増加させることを目指して遊技を行えば良いということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
以上説明した通り、本第13実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態よりも有利な(第2特別図柄の抽選が実行され易い)時短状態において第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、1/6の割合でV入賞が発生するように構成した。V入賞が発生すると、小当たり終了後に大当たりが開始される上に、大当たり終了後の遊技状態が再度有利な時短状態となるため、小当たり遊技においてV入賞が発生するか否かに注目して遊技を行わせることができる。加えて、本第13実施形態では、時短状態において外れに当選すると、第2特別図柄の保留球を上限個数まで貯めることが可能なチャンスゾーンを形成するように構成した。チャンスゾーンにおいて継続的に右打ちを実行して保留球を最大まで貯めることにより、通常よりもV入賞率が高い小当たり遊技が実行されるので、時短状態において外れとなることをより強く願う特殊な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、本第13実施形態では、設定が高くなる(大当たり確率が高くなる)ほど、外れ確率が低くなるように構成しているため、時短状態に移行した場合、低設定の方がチャンスゾーンに移行する可能性が高くなる。言い換えれば、設定が低い程、時短状態における有利度合いが高くなるので、時短状態に移行した場合に、より低い設定であることを願わせるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第13実施形態では、時短状態中に第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に、変動時間が長い(5分間の)外れロング変動が設定され、その外れロング変動の間のみ第2特別図柄の保留球を貯めることが可能に構成していたが、第2特別図柄の保留球を貯めることが可能な期間(即ち、振分装置6750によって遊技球がV入賞口6750f1に振り分けられ易くなるように制御する期間)は、これに限られるものではない。例えば、大当たり遊技の実行中においても、第2特別図柄の保留球が貯まり易くなるように構成してもよい。このように構成することで、大当たり終了直後にV入賞口6750f1に振り分けられ易い状況が発生し易くなるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、時短状態において直当たりに当選した場合に、当該直当たりの変動時間を長くする(例えば、5分間にする)ことで、直当たりの終了後にV入賞が発生し易い状態を形成してもよい。この場合、直当たりに当選し易い高設定の方が有利度合いが高くなるので、より高い設定のパチンコ機10で遊技を行いたいと遊技者に思わせることができる。
本第13実施形態では、第2特別図柄の保留球が1個以上存在している状況において、小当たり遊技が実行される毎に前回の小当たりにおいて遊技球が入球した(振分回転体6750fによって振り分けられた)入球口に対して回転方向に隣接する入球口へと遊技球が入球し易くなるように、第2特別図柄の変動時間を設定する(1秒に設定する)構成としていたが、必ずしも回転方向に隣接する入球口に入球し易くなる変動時間を設定する必要はない。保留球が貯まっている状況において連続して小当たり遊技が実行された場合の挙動は、保留が無い状態で小当たり遊技が同一の回数実行された場合よりも有利となる範囲で任意に定めることができ、例えば、前回の小当たりにおいて入球した入球口に対して回転方向に2つ隣の入球口に入球し易くなる変動時間(例えば、7/6秒)を設定してもよい。
本第13実施形態では、入球した遊技球によって大当たりとするか否かの抽選を行う抽選装置3750において、V入賞が発生する可能性を設定が低くなる程高くする構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり終了後の遊技状態(特別図柄の低確率状態とするか、確変状態とするか)を大当たり遊技中に抽選する確変抽選装置が設けられている仕様のパチンコ機10に適用してもよい。具体的には、大当たり遊技の実行中に遊技球が入球可能となる確変抽選装置に入球した少なくとも1の遊技球がV入賞口に入球した場合は、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の確変状態に設定される一方で、大当たり遊技中にV入賞が発生しなかった場合は特別図柄の低確率状態に設定されるように構成してもよい。そして、設定が低い方が、大当たり確率は低くなるが、V入賞が発生し易い作動パターンで確変抽選装置が作動される大当たり種別の割合が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第14実施形態では、時短状態において外れとなった場合に、小当たり遊技においてV入賞が発生し易い状況(保留球が上限値まで貯まった状態)を形成し易くなるチャンスゾーン(ロング変動)を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常状態において、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選よりも低確率(例えば、1/100の確率)で小当たりに当選し得るように構成した上で、所定条件の成立に基づいて、チャンスゾーンを形成するように構成してもよい。具体的には、例えば、第1特別図柄の抽選で2連続で小当たりに当選した場合に、変動時間が極めて長くなるように構成し、その間に右打ちを行うことで、時短状態の間に設定されるチャンスゾーンのように第2特別図柄の保留球を貯め得るように構成してもよい。このように構成することで、第1特別図柄の小当たり遊技においてV入賞が発生しなくても、当該小当たり遊技の終了後、1回目の特別図柄の抽選で小当たりになればV入賞が発生し易くなるチャンスを得ることができるため、小当たり終了後1回目の特別図柄の抽選結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第14実施形態>
次に、図328から図363を参照して、第14実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第13実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の大当たり抽選と、当該大当たり抽選の結果を示すための変動パターンを決定するための抽選とを、それぞれ別個の乱数値を参照して実行するように構成していた。即ち、大当たり抽選は、第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり種別選択13テーブル202paとを比較することで実行し、変動パターンを決定するための抽選は、変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択13テーブル202peとを比較することで実行するように構成していた。
これに対して本第14実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の大当たり抽選と、変動パターンを決定するための抽選とを、同一の乱数値に基づいて実行するように構成した。そして、一部の設定値において当たりとなり、一部の設定値において外れとなる乱数値に対応する外れの変動パターンとして、特別な外れ変動パターンが選択されるように構成した。つまり、一部の設定値でしか選択されない外れ変動パターンが実行された場合に、設定値を推測する(絞り込む)ことが可能に構成した。このように構成することで、外れ時に実行される変動パターンの種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第14実施形態では、遊技者にとって不利な状況になるほど、設定を示唆することが可能な特定の演出(当選率示唆演出)の実行割合が高くなるように構成した。即ち、大当たり終了後に有利な遊技状態(次の大当たりまで継続する確変状態、若しくは時短回数が100回の時短状態)へと移行できなかった回数が連続する程、当選率示唆演出の実行割合が高くなるように構成した。これにより、不利な状況が長く続いているパチンコ機10において遊技を開始しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、詳細については後述するが、本第14実施形態では、通常状態、時短状態、確変状態、潜確状態の4種類の遊技状態が設けられており、通常状態、および潜確状態を不利な遊技状態として構成している。即ち、通常状態、および潜確状態を、電動役物6400aが開放され難く右打ちしても第2特別図柄の抽選が実行され難い(左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることによって遊技を進行させる必要がある)不利な遊技状態として構成している。また、不利な遊技状態においては、確変大当たりに当選したとしても、少ない時短回数(例えば、8回)が設定される割合が高く、当該少ない時短回数の間に大当たりに再度当選しなければ、次の大当たりまで継続する有利な確変状態に移行され難くなるように構成している。このように構成することで、少ない時短回数(8回)の間に大当たりに当選することを強く願って遊技を行う斬新な遊技性を実現することができる。更に、本第14実施形態では、大当たりに当選した場合に高い割合(90%の割合)で、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(潜確状態、または確変状態)が設定される構成とする代わりに、特別図柄の高確率状態の連続回数(確変リミット回数)に上限回数(例えば、11回)を設ける構成とした。つまり、確変リミット回数に到達した場合は、確変大当たりに当選したとしても、強制的に、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定されるように構成した。これにより、大当たり終了後の遊技状態を予測し難くすることができるので、奥深い遊技性を実現することができる。
この第14実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第13実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202及びRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222及びRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第13実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第13実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図328を参照して、本第14実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図328は、本第14実施形態における遊技盤13の盤面構成を示した図である。図328に示した通り、本第14実施形態における遊技盤13は、上述した第13実施形態における遊技盤13の盤面構成(図307参照)に対して、抽選装置6750が削除されている点、および遊技盤13の各部に対して、所定の演出動作を実行可能な各種の可動部材(役物)が設けられている点で相違している。
次いで、図329および図330を参照して、各種の可動部材が設けられている動作ユニット300について説明する。図329は、動作ユニット300の正面斜視図であり、図330は、分解した動作ユニット300を正面視した動作ユニット300の分解正面斜視図である。図329および図330に示すように、動作ユニット300は、底壁部311と、その底壁部311の外縁から立設される外壁部312とから一面側(図330紙面手前側)が開放された箱状に形成される背面ケース310を備える。背面ケース310は、その底壁部311の中央に矩形状の開口311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口311aは、第3図柄表示装置81(図328参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
動作ユニット300は、背面ケース310の内部空間に、揺動動作ユニット400、第1スライド動作ユニット500、箱形ユニット600、装飾役物ユニット700及び第2スライド動作ユニット800がそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。具体的には、第2スライド動作ユニット800は、背面ケース310の外壁部312の内側面が形成する形状よりも若干小さな外形で形成され、外壁部312の内側面に当接しながら、外壁部312に囲われる態様で底壁部311に配設される。第2スライド動作ユニット800は、組立状態(図329参照)において、正面視で背面ケース310の開口311aと一致する位置に矩形状の開口が形成される。
揺動動作ユニット400、第1スライド動作ユニット500、箱形ユニット600及び装飾役物ユニット700は、第2スライド動作ユニット800の正面側に、それぞれ重ね合わされた積層状態で配設され、背面ケース310に収容される(図329参照)。このように、本実施形態では、所定の動作ユニット(例えば、第2スライド動作ユニット800)に対し、他の動作ユニット(例えば、第1スライド動作ユニット500)が正面側に重ね合わされた積層状態で配設されるので、正面視において、所定の動作ユニットを、他の動作ユニットによって遮蔽することができる。言い換えれば、遊技盤13(図328参照)が光透過性材料から形成され、その遊技盤13の背面側に配設される動作ユニットを遊技者が視認可能とされる場合に、所定の動作ユニットの必要な部分のみを遊技者に視認させ、他の部分を他の動作ユニットにより遊技者から遮蔽することができる。これにより、他の動作ユニットによって遮蔽される所定の演出部材については、その全体が遊技者から視認されることを前提として設計する必要がないので、その設計の自由度の向上を図ることができる。
次いで、図331および図332を参照して、起立役物400、および第1スライド動作ユニット500の動作態様の概略について説明する。なお、図331および図332の説明においては、図329および図330を適宜参照する。
図331および図332は、動作ユニット300の正面図である。なお、図331では揺動動作ユニット400の起立役物410及びアーム部材420が張出位置に配置された状態が、図332では第1スライド動作ユニット500の傾倒役物510が張出位置に配置された状態が、それぞれ図示される。図331に示すように、揺動動作ユニット400は、基端側が揺動可能に軸支されるアーム部材420と、そのアーム部材420の基端側の反対側である揺動端側に揺動可能に軸支される起立役物410とを備えると共に、これらのアーム部材420及び起立役物410を、図329に示す退避位置(原点位置)と図331に示す張出位置との間で動作させる。図329に示す退避位置(原点位置)では、起立役物410、及びアーム部材420は、背面ケース310の開口311aの下方に退避され、遊技者から視認不能とされる(図328参照)。一方、図331に示す張出位置では、アーム部材420が持ち上げられ、起立部材410が背面ケース310の開口311aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面)に配置される。
図332に示すように、第1スライド動作ユニット500は、斜め下方にスライド移動される傾倒役物510と、回動軸520aを回転軸として時計回り、及び反時計回りに回動可能な回動役物520とを備えている。傾倒役物510は、図329に示す退避位置(原点位置)と図332に示す張出位置との間で動作する。図329に示す退避位置(原点位置)では、傾倒役物510は、背面ケース310の開口311aの右方に退避される(図328参照)。一方、図332に示す張出位置では、傾倒役物510が背面ケース310の開口311aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面)に配置される。
このように、本第14実施形態における遊技盤13には、可動可能な複数の可動部材(起立役物410、傾倒役物510等の各種役物)が設けられており、多様な演出動作を実行可能に構成されている。これにより、演出効果を高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図333を参照して、本第14実施形態における特徴的な演出態様について説明する。本第14実施形態では、比較的遊技者に不利な通常状態、および潜確状態において、変動表示演出の一種として、100回以内の特別図柄の抽選で大当たりに当選する期待度(当選率)を遊技者に対して報知(示唆)する当選率示唆演出を実行可能に構成している。ここで、本第14実施形態では、上述した通り、通常状態、および潜確状態を、共に、右打ちを行っても特別図柄の抽選が極めて実行され難い(左打ちによって遊技を進行する必要がある)不利な遊技状態として構成している。即ち、通常状態と、潜確状態とでは、大当たり確率以外のパチンコ機10の挙動(パチンコ機10の動作)が共通となるため、基本的に、通常状態であるか、潜確状態であるかを見分けることが困難になる。しかしながら、通常状態であるか、潜確状態であるかが全く分からない仕様とした場合、特別図柄の抽選で連続して外れになった場合、大当たり確率の低い通常状態が設定されているのではないか、といった不安感を遊技者に抱かせてしまい、通常状態に比較して大当たり確率が高い分若干有利度合いが高い潜確状態が設定されているにもかかわらず、遊技者が遊技に対するモチベーションを失ってしまい、遊技を辞めてしまう虞がある。即ち、パチンコ機10の稼働率を低下させてしまう可能性がある。そこで、本第14実施形態では、当選率示唆演出を実行することにより、その演出内容によって、通常状態であるか潜確状態であるかを識別し得るように構成した。これにより、当選率示唆演出が実行されるまで遊技を続行しようと遊技者に思わせることができる上に、潜確状態の可能性が高い演出内容となった場合に、遊技に対するモチベーションを向上させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、本第14実施形態では、通常状態において大当たりに当選すると、潜確状態において大当たりに当選した場合よりも、時短回数が0回に設定される割合が低くなるように構成している。これにより、通常状態が潜確状態に比較して過剰に不利となり過ぎることを抑制できるので、通常状態における稼働率の低下を抑制することができる。
図333(a)は、当選率示唆演出の開始時における演出態様を示した図である。通常状態、若しくは潜確状態において当選率示唆演出の実行が設定されると、全ての第3図柄が高速で変動表示されている間に、小領域Ds2に表示されるハチマキを付けた少年を模したキャラクタ710が、「100ゲーム以内の当選率は・・・」という台詞を発する演出が実行される。この台詞の後でキャラクタ710によって発せられる台詞によって、100ゲーム(即ち、特別図柄の抽選が100回終了するまで)の間に大当たりに当選する確率(当選率)が示唆される。なお、通常状態よりも、潜確状態の方が大当たりとなる確率が高いため、潜確状態の方が高い当選率が示唆され易くなる。
図333(b)は、当選率示唆演出において、キャラクタ710によって当選率が示唆された場合の表示態様を示した図である。図333(b)に示した通り、当選率示唆演出では、キャラクタ710が台詞によって当選率を数値で遊技者に示唆する演出が実行される。図333(b)では、当選率が少なくとも30%以上であることを示唆する台詞「30%over」が発せられた状況を例示している。詳細については後述するが、この「30%over」という台詞が発せられる演出態様は、通常状態よりも、潜確状態において選択される可能性が高くなるように構成されている。よって、遊技者に対して潜確状態である期待度が高いと思わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。なお、本第14実施形態では、特別図柄の低確率状態、および高確率状態における設定1の大当たり確率が、1/200、および1/55.6に設定されている。特別図柄の低確率状態において100回の特別図柄の抽選が実行されるまでに1/200の大当たりに当選する割合(当選率)は約39.4%であるため、「30%over」という当選率は、設定1の通常状態でも当てはまる数値である。これにより、たとえ大当たり確率が低い通常状態において「30%over」という当選率が示唆されたとしても、実際に、30%を上回る割合で大当たりに当選する挙動を実現することができるので、遊技者に対して不信感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
次に、図334(a)を参照して、本第14実施形態における当選率示唆演出の別態様について説明する。ここで、本第14実施形態における当選率示唆演出では、100回の特別図柄の抽選が実行されるまでの間に大当たりに当選する割合(100ゲーム以内の当選率)の理論値を上回らないように、当選率が示唆される。この100ゲーム以内の当選率は、設定に応じて変わってくる。より具体的には、本第14実施形態では、特別図柄の低確率状態において、設定1の大当たり確率が1/200に設定されている一方で、設定6の大当たり確率が1/90に設定されている。このため、設定1の100ゲーム以内の当選率は約39.4%となる一方で、設定6の100ゲーム以内の当選率は約67.3%となる。このため、例えば、通常状態で「40%over」という当選率が報知された場合には、設定1を否定することとなる。逆に言えば、設定1において「40%over」という当選率が報知された場合には、通常状態が否定される(潜確状態が確定する)こととなる。このように、本第14実施形態では、設定毎および遊技状態語との大当たり当選率の違いを加味して、当選率示唆演出において特定の演出態様(特定の設定若しくは通所状態における100ゲーム以内の当選率を上回る当選率を報知する態様)が実行された場合に、一部の状況(一部の設定、若しくは通常状態)が否定されるように構成した。これにより、当選率示唆演出において、通常状態であるか、潜確状態であるかを遊技者に示唆できることに加え、設定値も示唆することが可能となるので、より興趣性の高い演出態様を実現することができる。
図334(a)は、設定6が確定する当選率示唆演出の演出態様を示した図である。図334(a)に示した通り、設定6においては、当選率示唆演出として、「66.6%over」という当選率が報知され得るように構成されている。当選率を示す値の全ての位(十の位、一の位、および小数点以下一位)が「6」に設定されることにより、設定6であることを遊技者に示唆することができる。よって、より分かり易い演出態様を実現することができる。なお、この「66.6%over」という演出態様は、設定6における通常状態でのみ実行され得るように構成されている。通常状態では、設定5(大当たり確率1/120)の100ゲーム当選率が約56.7%であり、設定6(大当たり確率1/90)の100ゲーム当選率が約67.3%であるので、設定6の通常状態において「66.6%over」が報知された場合に、実際に、66.6%を上回る割合で大当たりに当選する挙動を実現することができる。よって、遊技者に対して不信感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
なお、本第14実施形態では、遊技者に取って不利な状況になるほど(有利な遊技状態(次の大当たりまで継続する確変状態、または時短回数が100回の時短状態のどちらか)へと移行できなかった連続回数(スルー回数)が多くなるほど)、当選率示唆演出が実行される確率を高くするように構成している。つまり、設定が示唆される割合が高くなるように構成されている。これにより、遊技者にとって不利な状況において遊技を継続しようと思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、本第14実施形態における設定示唆演出について説明する。本第14実施形態では、主制御装置110側において、一部の設定値でのみ選択され得る(若しくは選択され易くなる)外れの変動パターン(変動種別)が設けられている。より具体的には、設定2以上でしか選択されない外れ変動(設定1否定スーパーリーチ)や、設定4以上でしか選択されない外れ変動(高設定確定スーパーリーチ)や、設定6でしか選択されない外れ変動(設定6確定スーパーリーチ)等が設けられている。また、奇数設定よりも偶数設定の方が選択され易い外れ変動(偶数示唆スーパーリーチ)や、偶数設定よりも奇数設定の方が選択され易い外れ変動(基数詞査スーパーリーチ)も設けられている。音声ランプ制御装置113側では、これらの変動種別が通知された場合に、変動パターン演出として、第11実施形態と同様に、リーチが発生した際の左右の第3図柄に付された数字によって、変動パターン種別(即ち、設定値)を示唆する(設定示唆演出を実行する)ように構成されている。
図334(b)は、高設定確定スーパーリーチの変動種別(変動パターン)が主制御装置110から通知された場合における変動パターン演出(演出態様)の一例を示した図である。図334(b)に示した通り、高設定確定スーパーリーチが実行されると、右図柄列に対して、「4」の数字が付された第3図柄と、「5」の数字が付された第3図柄と、「6」の数字が付された第3図柄と、が縦一列に停止される一方で、左図柄列に対して、「6」の数字が付された第3図柄と、「5」の数字が付された第3図柄と、「4」の数字が付された第3図柄と、が縦一列に停止されるリーチ演出が実行される。つまり、右下がり方向に「4」の数字が付された第3図柄のリーチが発生し、水平方向に「5」の数字が付された第3図柄のリーチが発生し、右上がりに「6」の数字が付された第3図柄のリーチが発生するリーチ演出(所謂、トリプルリーチ演出)が実行され、最終的に外れ図柄が停止表示される。設定示唆演出では、リーチがかかっている図柄に付された数字によって設定を示唆する構成としているので、高設定確定スーパーリーチの実行中に第3図柄を確認するだけで、設定4,5,6のいずれかであることを示唆しているということを容易に理解させることができる。
なお、設定示唆演出において「1」〜「6」のいずれかの数字が付された第3図柄でリーチが発生する演出を実行するため、通常の外れスーパーリーチ(即ち、設定によらず選択され得るスーパーリーチ)が変動種別として通知された場合には、「1」〜「6」以外(即ち、「7」〜「9」のいずれか)が付された第3図柄でリーチが発生する演出を実行するように構成されている。これにより、外れのスーパーリーチ演出が実行された場合に、設定示唆演出であるか、通常のスーパーリーチ演出であるかを第3図柄に付された数字を確認するだけで遊技者に容易に理解させることができる。よって、より分かり易い演出態様を実現することができる。
<第14実施形態における電気的構成>
次に、図335を参照して、本第14実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図335(a)は、本第14実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図335(a)に示した通り、本第14実施形態におけるROM202の構成は、上述した第13実施形態におけるROM202の構成(図314(a)参照)に対して、第1当たり乱数13テーブル202paに代えて第1当たり乱数14テーブル202qaが設けられている点、大当たり種別選択13テーブル202pdに代えて大当たり種別選択14テーブル202qdが設けられている点、変動パターン選択13テーブルpeに代えて変動パターン選択14テーブル202qeが設けられている点、時短付与テーブル202qfが追加されている点、小当たりの抽選結果を廃止したことに伴って小当たり乱数13テーブル202pbが削除されている点で相違している。その他の構成については、上述した第13実施形態と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図336(a)を参照して、本第14実施形態における第1当たり乱数14テーブル202qaの詳細について説明する。図336(a)は、この第1当たり乱数14テーブル202qaの規定内容を示した図である。図336(a)に示した通り、本第14実施形態における第1当たり乱数14テーブル202qaは、特別図柄の状態と設定値とに対応付けて、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。より具体的には、図336(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において、設定1に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜89,200〜437」の328個のカウンタ値(乱数値)が対応付けて規定され、設定2に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「100〜189,230〜503」の364個のカウンタ値(乱数値)が対応付けて規定され、設定3に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜89,230〜549」の410個のカウンタ値(乱数値)が対応付けて規定され、設定4に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「100〜189,280〜657」の468個のカウンタ値(乱数値)が対応付けて規定され、設定5に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜89,280〜735」の546個のカウンタ値(乱数値)が対応付けて規定され、設定6に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「100〜189,300〜937」の728個のカウンタ値(乱数値)が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の低確率状態における設定1の大当たり確率は1/200(328/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/180(364/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/160(410/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/140(468/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/120(546/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/90(728/65536)である。
一方、図336(a)に示した通り、特別図柄の高確率状態において、設定1に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜1179」が対応付けて規定され、設定2に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜1310」が対応付けて規定され、設定3に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜1474」が対応付けて規定され、設定4に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜1684」が対応付けて規定され、設定5に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜1965」が対応付けて規定され、設定値6に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0〜2620」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の高確率状態における設定1の大当たり確率は1/55.6(1180/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/50(1311/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/44.4(1475/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/38.9(1685/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/33.3(1966/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/25(2621/65536)である。なお、第11実施形態や第12実施形態と同様に、低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率との比率は共通となっている。
ここで、他の実施形態と異なって特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の値が連続していない(値が一部飛んでいる)のは、特別図柄の大当たりと判定されない(即ち、外れと判定される)乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、偶数設定よりも奇数設定の方が選択され易い範囲や、奇数設定よりも偶数設定の方が選択され易い範囲、設定1では選択され得ない範囲や、高設定(設定4〜6)でのみ選択され得る範囲、設定6でのみ選択され得る範囲等を設けるためである。詳細については図339等を参照して後述するが、本第14実施形態における変動パターン選択14テーブルでは、外れ時の変動パターンと、第1当たり乱数カウンタC1の値とが対応付けて規定されている。即ち、大当たりの抽選と変動パターンの抽選とを共通のカウンタ(第1当たり乱数カウンタC1)を参照して決定する構成としている。そして、一部の設定値では大当たりと判定される乱数値の範囲に対して、特殊な外れ変動パターンの種別を対応付けて規定するように構成している。このように構成することで、当該特殊な外れ変動パターンが実行された場合に、設定値を推測する(絞り込む)ことが可能となる。よって、外れ時に実行される変動パターンの種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図336(b)を参照して、本第14実施形態における大当たり種別選択14テーブル202qdの詳細について説明する。図336(b)は、本第14実施形態における大当たり種別選択14テーブル202qdの構成を示したブロック図である。図336(b)に示した通り、本第10実施形態における第1当たり種別選択14テーブル202qbには、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に大当たり種別を決定(選択)するための特1当たり用テーブル202qd1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に大当たり種別を決定(選択)するための特2当たり用テーブル202qd2と、が少なくとも規定されている。まず、図337(a)を参照して、特1当たり用テーブル202qd1の詳細について説明する。
図337(a)は、本第14実施形態における特1当たり用テーブル202qd1の規定内容を示した図である。図337(a)に示した通り、本第14実施形態における特1当たり用テーブル202qd1には、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA14」〜「大当たりH14」の8種類の大当たり種別が規定されている。「大当たりA14」〜「大当たりC14」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりD14」〜「大当たりF14」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりG14」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される大当たり種別である。更に、「大当たりH14」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される大当たり種別である。なお、普通図柄の時短状態が付与されるか否かについては、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別とに応じて異なるように構成されている。
図337(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜5」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりA14」(9ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0〜5」の6個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA14」が決定(選択)される割合は6%(6/100)である。
また、図337(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「6〜46」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりB14」(9ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「6〜46」の41個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりB14」が決定(選択)される割合は41%(41/100)である。
また、図337(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「47〜66」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりC14」(9ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「47〜66」の20個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC14」が決定(選択)される割合は20%(20/100)である。
また、図337(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「67」に対しては、大当たり種別として「大当たりD14」(3ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が1個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりD14」が決定(選択)される割合は1%(1/100)である。
また、図337(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「68,69」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりE14」(3ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が2個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりE14」が決定(選択)される割合は2%(2/100)である。
また、図337(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜89」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりF14」(3ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「70〜89」の20個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりF14」が決定(選択)される割合は20%(20/100)である。
また、図337(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜92」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりG14」(9ラウンド通常大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が3個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりG14」が決定(選択)される割合は3%(3/100)である。
また、図337(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「93〜99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりH14」(3ラウンド通常大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が7個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりH14」が決定(選択)される割合は7%(7/100)である。
このように、本第14実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、90%の割合(「大当たりA14」〜「大当たりF14」の何れかとなった場合)で確変大当たりとなり、10%の割合(「大当たりG14」、「大当たりH14」の何れかとなった場合)で通常大当たりに当選する構成としている。また、70%の割合でラウンド数が9ラウンドの大当たりが決定され、30%の割合でラウンド数が3ラウンドの大当たりが決定されるように構成している。
次に、図337(b)を参照して、特2当たり用テーブル202qd2の詳細について説明する。この特2当たり用テーブル202qd2は、上述した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、当たり種別を決定するためのデータテーブルである。図337(b)に示した通り、本第14実施形態では、第2特別図柄の当たり種別として、「大当たりI14」〜「大当たりL14」の4個の大当たり種別が設けられている。「大当たりA14」〜「大当たりC14」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりD14」〜「大当たりF14」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。「大当たりI14」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりJ14」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の高確率状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりK14」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される大当たり種別である。更に、「大当たりL14」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の特別図柄の状態が特別図柄の低確率状態に設定される大当たり種別である。
図337(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜66」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりI14」(9ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりI14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0〜66」の67個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりI14」が決定(選択)される割合は67%(67/100)である。
また、図337(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「67〜89」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりJ14」(3ラウンド確変大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりJ14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「67〜89」の23個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりJ14」が決定(選択)される割合は23%(23/100)である。
また、図337(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜92」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりK14」(9ラウンド通常大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりK14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「90〜92」の3個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりK14」が決定(選択)される割合は3%(3/100)である。
更に、図337(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「93〜99」の範囲に対しては、大当たり種別として「大当たりL14」(3ラウンド通常大当たり)が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりL14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「93〜99」の7個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりL14」が決定(選択)される割合は7%(7/100)である。
このように、本第14実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同様に、90%の割合(「大当たりI14」、「大当たりJ14」の何れかとなった場合)で確変大当たりとなり、10%の割合(「大当たりK14」、「大当たりL14」の何れかとなった場合)で通常大当たりに当選する構成としている。また、70%の割合でラウンド数が9ラウンドの大当たりが決定され、30%の割合でラウンド数が3ラウンドの大当たりが決定されるように構成している。つまり、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合とラウンド数の振り分けが同等となるように構成している。
次に、図338(a)を参照して、本第14実施形態における変動パターン選択14テーブル202qeの詳細について説明する。なお、本第14実施形態における変動パターン選択14テーブル202qeは、他の実施形態とは異なり、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)に応じて、変動パターン(変動時間)を決定するためのデータが規定されている。図338(a)は、本第14実施形態における変動パターン選択14テーブル202qeの構成を示したブロック図である。
図338(a)に示した通り、本第14実施形態における変動パターン選択14テーブル202qeは、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(即ち、左打ちにより遊技を進行すべき通常状態、潜確状態)において変動パターン(変動時間)を決定(選択)するための左打ち状態用テーブル202qe1と、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(即ち、右打ちにより遊技を進行すべき時短状態、確変状態)において変動パターン(変動時間)を決定(選択)するための右打ち状態用テーブル202qe2と、で少なくとも構成されている。まず、図338(b)を参照して、左打ち状態用テーブル202qe1の詳細について説明する。
図338(b)は、左打ち状態用テーブル202qe1の規定内容を示した図である。図338(b)に示した通り、本第14実施形態における左打ち状態用テーブル202qe1には、図柄種別、抽選結果、および第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。より具体的には、図338(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」である場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が4の倍数の値に対して、変動時間が20000msの「当たりノーマルリーチ」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が4の倍数以外の値に対して、変動時間が30000msの「当たりスーパーリーチ」が対応付けて規定されている。よって、通常状態、および潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、約1/4の割合で変動時間が20秒に設定され、約3/4の割合で変動時間が30秒に設定される。
また、図338(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」である場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜99」の範囲に対して、変動時間が30000msの「偶数示唆スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。ここで、図336(a)を参照して上述した通り、奇数設定では、偶数示唆スーパーリーチに対応する乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の範囲のうち、「0〜89」の範囲が大当たりと判定される乱数値に設定されている一方、偶数設定では、偶数示唆スーパーリーチに対応する乱数値の範囲と大当たりと判定される乱数値の範囲とが重複しないように当たり乱数値が設定されている。よって、奇数設定では、偶数示唆スーパーリーチに対応する乱数値で特別図柄の抽選が実行されたとしても9割方大当たりとなる(外れ変動が実行されない)ため、偶数示唆スーパーリーチが実行される割合は実質的に1/10となる。つまり、偶数示唆スーパーリーチは、偶数設定の方が10倍実行され易くなるため、偶数示唆スーパーリーチが実行された場合に偶数設定である可能性が高いと遊技者に思わせることができる。
また、図338(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「100〜199」の範囲に対して、変動時間が30000msの「奇数示唆スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。ここで、図336(a)を参照して上述した通り、偶数設定では、奇数示唆スーパーリーチに対応する乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の範囲のうち、「100〜189」の範囲が大当たりと判定される乱数値に設定されている一方、奇数設定では、奇数示唆スーパーリーチに対応する乱数値の範囲と大当たりと判定される乱数値の範囲とが重複しないように当たり乱数値が設定されている。よって、偶数設定では、奇数示唆スーパーリーチに対応する乱数値で特別図柄の抽選が実行されたとしても9割方大当たりとなる(外れ変動が実行されない)ため、奇数示唆スーパーリーチが実行される割合は実質的に1/10となる。つまり、奇数示唆スーパーリーチは、奇数設定の方が10倍実行され易くなるため、奇数示唆スーパーリーチが実行された場合に奇数設定である可能性が高いと遊技者に思わせることができる。
また、図338(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「200〜229」の範囲に対して、変動時間が30000msの「設定1否定スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。ここで、図336(a)を参照して上述した通り、設定1では、設定1否定スーパーリーチに対応する乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の範囲の全範囲が、大当たりと判定される乱数値に設定されている一方、その他の設定では、設定1否定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲と大当たりと判定される乱数値の範囲とが重複しないように当たり乱数値が設定されている。よって、設定1では、設定1否定スーパーリーチに対応する乱数値で特別図柄の抽選が実行されたとしても大当たりとなる(外れ変動が実行されない)ため、設定1否定スーパーリーチが実行される可能性は0となる。つまり、設定1否定スーパーリーチは、設定2以上でしか実行されないため、実行された場合に少なくとも最低設定ではないという安心感を遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
また、図338(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「200〜229」の範囲に対して、変動時間が30000msの「設定1否定スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。ここで、図336(a)を参照して上述した通り、設定1では、設定1否定スーパーリーチに対応する乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の範囲の全範囲が、大当たりと判定される乱数値に設定されている一方、その他の設定では、設定1否定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲と大当たりと判定される乱数値の範囲とが重複しないように当たり乱数値が設定されている。よって、設定1では、設定1否定スーパーリーチに対応する乱数値で特別図柄の抽選が実行されたとしても大当たりとなる(外れ変動が実行されない)ため、設定1否定スーパーリーチが実行される可能性は0となる。つまり、設定1否定スーパーリーチは、設定2以上でしか実行されないため、実行された場合に少なくとも最低設定ではないという安心感を遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
また、図338(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「230〜279」の範囲に対して、変動時間が30000msの「高設定確定スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。ここで、図336(a)を参照して上述した通り、設定1〜3(低設定)では、高設定確定スーパーリーチに対応する乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の範囲の全範囲が、大当たりと判定される乱数値に設定されている一方、設定4〜6(高設定)では、高設定確定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲と大当たりと判定される乱数値の範囲とが重複しないように当たり乱数値が設定されている。よって、設定1〜3では、高設定確定スーパーリーチに対応する乱数値で特別図柄の抽選が実行されたとしても大当たりとなる(外れ変動が実行されない)ため、高設定確定スーパーリーチが実行される可能性は0となる。つまり、高設定確定スーパーリーチは、設定4以上(高設定)でしか実行されないため、実行された場合に高設定である(大当たり確率が比較的高く設定されている)という大きな安心感を遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
また、図338(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「280〜299」の範囲に対して、変動時間が30000msの「設定6確定スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。ここで、図336(a)を参照して上述した通り、設定1〜5(設定6以外の設定)では、設定6確定スーパーリーチに対応する乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の範囲の全範囲が、大当たりと判定される乱数値に設定されている一方、設定6では、設定6確定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲と大当たりと判定される乱数値の範囲とが重複しないように当たり乱数値が設定されている。よって、設定1〜5では、設定6確定スーパーリーチに対応する乱数値で特別図柄の抽選が実行されたとしても大当たりとなる(外れ変動が実行されない)ため、設定6確定スーパーリーチが実行される可能性は0となる。つまり、設定6確定スーパーリーチは、設定6(高設定)でのみ実行され得るため、実行された場合に最高設定である(大当たり確率が最も高く設定されている)という極めて大きな安心感と満足感とを遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションをより向上させることができる。
また、図338(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「300」以上の範囲に対しては、通常の(即ち、設定によらずに選択される)外れ変動パターンが対応付けられている。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「300〜10084」の範囲に対して、変動時間が30000msの「外れスーパーリーチ」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が「1085〜33465」の範囲に対して、変動時間が8000msの「短外れ」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が「33466〜53224」の範囲に対して、変動時間が12000msの「長外れ」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が「53225〜65535」の範囲に対して、変動時間が20000msの「外れノーマルリーチ」が対応付けて規定されている。
これに対して、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「大当たり」である場合は、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値の全範囲に対して、変動時間が120000msの「当たりロング変動」が対応付けて規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値の全範囲に対して、変動時間が120000msの「外れロング変動」が対応付けて規定されている。このため、左打ちにより遊技を進行すべき状態(通常状態、潜確状態)において右打ちを行う変則的な遊技方法を実践した場合、電動役物6400aがほとんど開放されないために第2特別図柄の抽選が実行され難くなる上に、第2特別図柄の抽選を実行させることができたとしても、第1特別図柄の変動時間に比較して長い変動時間が設定されるため、遊技効率を極めて悪化させることができる。よって、左打ちにより遊技を進行すべき遊技状態(通常状態、潜確状態)において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図339を参照して、本第14実施形態において、外れに対応する各種の変動パターンに対応付けられている乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)と、の対応関係の概要について、設定1および設定4を例にとって具体的に説明する。
図339の中段に示した通り、設定1において当たりと判定される乱数値は、偶数示唆スーパーリーチに対応する乱数値の範囲(第1当たり乱数カウンタC1が「0〜99」の範囲)のうち、9割を占める「0〜89」の範囲と、設定1否定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲(第1当たり乱数カウンタC1が「200〜229」の範囲)の全範囲と、高設定確定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲(第1当たり乱数カウンタC1が「230〜279」の範囲)の全範囲と、設定6確定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲(第1当たり乱数カウンタC1が「280〜299」の範囲)の全範囲と、外れスーパーリーチに対応する乱数値の範囲(第1当たり乱数カウンタC1が「300〜10084」の範囲)の一部である「300〜437」の範囲と、に設定されている。このため、設定1において始動入賞時に取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が偶数示唆スーパーリーチに対応する乱数値の範囲内(「0〜99」の範囲内)である場合、9割(「0〜89」の範囲内)が大当たりと判定されて当たりノーマル変動、若しくは当たりスーパー変動が実行される。言い換えれば、奇数設定である設定1では、偶数示唆スーパーリーチに対応する乱数値を取得していたとしても、実際に偶数示唆スーパーリーチが実行される割合は1割しかないため、偶数示唆スーパーリーチが実行され難くなる。
また、設定1において始動入賞時に取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が設定1否定スーパーリーチ、高設定確定スーパーリーチ、設定6確定スーパーリーチのいずれかに対応する乱数値の範囲内(「200〜299」の範囲内)である場合、必ず大当たりと判定されて当たりノーマル変動、若しくは当たりスーパー変動が実行される。言い換えれば、設定1においては、設定1否定スーパーリーチ、高設定確定スーパーリーチ、設定6確定スーパーリーチが実行される可能性が0となるように構成されている。
また、図339の下部に示した通り、設定4において当たりと判定される乱数値は、奇数示唆スーパーリーチに対応する乱数値の範囲(第1当たり乱数カウンタC1が「100〜199」の範囲)のうち、9割を占める「100〜189」の範囲と、設定6確定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲(第1当たり乱数カウンタC1が「280〜299」の範囲)の全範囲と、外れスーパーリーチに対応する乱数値の範囲(第1当たり乱数カウンタC1が「300〜10084」の範囲)の一部である「300〜657」の範囲と、に設定されている。このため、設定4において始動入賞時に取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が奇数示唆スーパーリーチに対応する乱数値の範囲内(「100〜199」の範囲内)である場合、9割(「100〜189」の範囲内)が大当たりと判定されて当たりノーマル変動、若しくは当たりスーパー変動が実行される。言い換えれば、偶数設定である設定4では、奇数示唆スーパーリーチに対応する乱数値を取得していたとしても、実際奇数数示唆スーパーリーチが実行される割合は1割しかないため、奇数示唆スーパーリーチが実行され難くなる。
また、設定4において始動入賞時に取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が設定6確定スーパーリーチに対応する乱数値の範囲内(「280〜299」の範囲内)である場合、必ず大当たりと判定されて当たりノーマル変動、若しくは当たりスーパー変動が実行される。言い換えれば、設定4においては、設定6確定スーパーリーチが実行される可能性が0となるように構成されている。
図示については省略したが、他の設定についても同様であり、設定2では、奇数示唆スーパーリーチ(乱数値「100〜199」の範囲)が実行され難くなり、高設定確定スーパーリーチ、および設定6確定スーパーリーチ(乱数値「230〜299」の範囲)が実行される可能性が0となるように大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が設定(分布)されている。また、設定3では、偶数示唆スーパーリーチ(乱数値「0〜99」の範囲)が実行され難くなり、高設定確定スーパーリーチ、および設定6確定スーパーリーチ(乱数値「230〜299」の範囲)が実行される可能性が0となるように大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が設定(分布)されている。また、設定5では、偶数示唆スーパーリーチ(乱数値「0〜99」の範囲)が実行され難くなり、設定6確定スーパーリーチ(乱数値「280〜299」の範囲)が実行される可能性が0となるように大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が設定(分布)されている。そして、設定6では、奇数示唆スーパーリーチ(乱数値「100〜199」の範囲)が実行され難くなり、その他の変動種別については制限無く実行されるように大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が設定(分布)されている。
このように構成することで、設定毎に実行され難い外れ変動種別、実行される可能性が無い外れ変動種別を設けることができるので、外れ変動の実行状況から、パチンコ機10の設定値を推測する遊技性を実現することができる。例えば、設定1否定スーパーリーチと、奇数示唆スーパーリーチとが確認された場合には、設定3若しくは設定5の可能性が高いと遊技者に推測させることができる。また、高設定確定スーパーリーチと、偶数示唆スーパーリーチとが確認された場合には、設定4若しくは設定6の可能性が高いと遊技者に推測させることができる。更に、設定6確定スーパーリーチが実行された場合には、設定6であると遊技者に確信させることができる。このように、本第14実施形態では、特定の種別の外れ変動パターンの実行状況から、設定を推測していく(絞り込んでいく)という斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、主制御装置110において抽選される変動種別によって設定を示唆することができるので、音声ランプ制御装置113側では、単に特別図柄の抽選が実行される毎に出力される変動パターンコマンドを解析して、その解析結果に応じた変動パターン演出を実行するだけでよく、音声ランプ制御装置113の処理負荷を低減することができる。また、音声ランプ制御装置113側では、変動種別と変動パターン演出の演出態様との対応関係のみを規定しておけばよく、設定値そのものを把握しておかなくても良い(即ち、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して設定値を通知しなくてもよい)ため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができると共に、不正に設定値を取得されてしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図340を参照して、上述した変動パターン選択14テーブル202qeを構成する右打ち状態用テーブル202qe2の詳細について説明する。図340は、右打ち状態用テーブル202qe2の規定内容を示した図である。図340に示した通り、抽選結果が「大当たり」である場合は、特別図柄の種別によらず、第1当たり乱数カウンタC1の値が4の倍数の値に対して、変動時間が10000msの「当たりノーマルリーチ」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が4の倍数以外の値に対して、変動時間が15000msの「当たりスーパーリーチ」が対応付けて規定されている。よって、時短状態、および確変状態において特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、約1/4の割合で変動時間が10秒に設定され、約3/4の割合で変動時間が15秒に設定される。即ち、左打ちにより遊技を進行する必要がある状態に比較して短い変動パターンが設定され易くなる。
また、図340に示した通り、抽選結果が「外れ」である場合は、特別図柄の種別によらず、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜4999」の範囲に対して、変動時間が15000msの「外れスーパーリーチ」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が「5000〜44999」の範囲に対して、変動時間が5000msの「短外れ」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が「45000〜54999」の範囲に対して、変動時間が7000msの「長外れ」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値が「55000〜65535」の範囲に対して、変動時間が10000msの「外れノーマルリーチ」が対応付けて規定されている。即ち、時短状態や確変状態では、外れとなった場合も、通常状態や潜確状態に比較して短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成されている。これにより、有利な状態における遊技効率を高めることができるので、有利な状態における遊技者の興趣をより向上させることができる。
次に、図341を参照して、本第14実施形態における時短付与テーブル202qfの詳細について説明する。この時短付与テーブル202qfは、大当たり終了後の時短回数を、大当たり種別や大当たり当選時の遊技状態に応じて設定するために参照されるデータテーブルである。図341は、時短付与テーブル202qfの規定内容を示した図である。
図341に示した通り、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において当選した大当たりA14(9ラウンド確変大当たり)、大当たりD14(3ラウンド確変大当たり)に対しては、当該確変大当たりが確変リミット到達前の当たりであれば実質的に次回の大当たりまで継続する時短回数(65536回)が付与される一方で、当該大当たりにより確変リミット回数(11回)に到達した場合は、8回の時短回数が設定される。よって、確変リミット回数の到達よりも前に大当たりA14又は大当たりD14に当選すれば、次回の大当たりまで継続する確変状態(最も有利な遊技状態)が設定される一方で、確変リミット回数に到達した場合には、特別図柄の低確率状態、且つ、8回の時短状態が設定されるのみであるため、確変リミット回数に到達しているか否かに応じて、遊技者の有利度合いが大きく可変する。
また、図341に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりA14(9ラウンド確変大当たり)、大当たりD14(3ラウンド確変大当たり)に対しては、当該確変大当たりが確変リミット到達前の当たりであれば実質的に次回の大当たりまで継続する時短回数(65536回)が付与される一方で、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、100回の時短回数が設定される。よって、確変リミット回数に到達していた場合でも、持ち球を減らさずに特別図柄の抽選を100回実行させることができるので、大当たりを引き戻すことに対する期待感を抱かせることができる。なお、本第14実施形態では、リミット回数に到達したか否か(確変状態であるか時短状態であるか)を遊技者に明確に報知しないように構成している。このため、実際には確変リミット回数に到達して時短状態が設定されていたとしても、遊技者に対して確変状態を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図341に示した通り、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において当選した大当たりB14(9ラウンド確変大当たり)、大当たりE14(3ラウンド確変大当たり)、および大当たりI14(9ラウンド確変大当たり)に対しては、確変リミット到達前の当たりであっても、確変リミット回数に到達していても、8回の時短回数が付与される。つまり、リミット到達前であれば、大当たり終了後8回の特別図柄の抽選が終了するまでの間確変状態となり、9回目以降は潜確状態となる。一方、リミット回数に到達していれば、大当たり終了後8回の特別図柄の抽選が終了するまでの間時短状態となり、9回目以降は通常状態となる。一方、図341に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりB14(9ラウンド確変大当たり)、大当たりE14(3ラウンド確変大当たり)、および大当たりI14(9ラウンド確変大当たり)に対しては、大当たりA14や大当たりD14と同一の時短付与回数が対応付けられている。つまり、確変リミット回数到達前の当たりに対して、実質的に次回の大当たりまで継続する時短回数(65536回)が対応付けて規定され、確変リミット回数到達後の当たりに対して、100回の時短回数が対応付けて規定されている。よって、大当たりB14,E14,I14は、通常状態、若しくは潜確状態において確変リミット回数に未到達の状態で当選した場合に、大当たり終了後の遊技状態の面で大当たりA14,D14よりも不利となり、その他の状況で当選した場合(確変状態、時短状態で当選した場合、確変リミット回数に到達した場合)には、大当たりA14,D14と同一の遊技状態が設定される。
また、図341に示した通り、通常状態において当選した大当たりC14(9ラウンド確変大当たり)、および大当たりF14(3ラウンド確変大当たり)に対しては、時短回数として8回が対応付けて規定されている。なお、通常状態で確変大当たりに当選した場合は必ず確変リミット回数に未到達となるため、確変リミット回数到達時の時短付与回数は規定されていない(確変リミット回数に到達し得ないため、規定する必要がない)。また、潜確状態において当選した大当たりC14,F14に対しては、確変リミット到達前の当たりであっても、確変リミット回数に到達していても、時短回数として0回が対応付けて規定されている。つまり、潜確状態において大当たりC14,F14に当選した場合、普通図柄の時短状態が1回も付与されないため、遊技者にとって極めて不利となる。一方、図341に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりC14(9ラウンド確変大当たり)、および大当たりF14(3ラウンド確変大当たり)に対しては、大当たりA14,B14,D14,E14,I14と同一の時短付与回数が対応付けられている。つまり、確変リミット回数到達前の当たりに対して、次回の大当たりまで継続する時短回数が対応付けて規定され、確変リミット回数到達後の当たりに対して、100回の時短回数が対応付けて規定されている。
また、図341に示した通り、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において当選した大当たりG14(9ラウンド通常大当たり)、大当たりH14(3ラウンド通常大当たり)、大当たりK14(9ラウンド通常大当たり)、および大当たりL14(3ラウンド通常大当たり)に対しては、時短回数として8回が対応付けて規定されている。なお、通常大当たりに当選した場合は確変リミット回数に到達し得ないため、確変リミット回数到達時の時短付与回数は規定されていない(規定する必要がない)。一方、図341に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりG14,H14,K14,L14に対しては、時短付与回数として100回が対応付けられている。つまり、大当たりG14,H14,K14,L14に当選した場合、次回の大当たりまで継続する時短付与回数が設定され得ない分、大当たりA14〜F14,H14〜J14よりも不利となる。
また、図341に示した通り、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態(通常状態、潜確状態)において当選した大当たりJ14(3ラウンド確変大当たり)に対しては、確変リミット回数に到達したか否かによらず、時短回数として0回が対応付けて規定されている。よって、大当たりJ14は、ラウンド数が少ない上に、時短状態も付与されないため、通常状態や潜確状態において当選した場合に、遊技者にとって不利な大当たり種別となる。一方、図341に示した通り、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、確変状態)において当選した大当たりJ14に対しては、当該確変大当たりが確変リミット到達前の当たりであれば実質的に次回の大当たりまで継続する時短状態(65536回)が付与される一方で、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、100回の時短回数が設定される。
このように、本第14実施形態では、大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態と、確変リミット回数に到達したか否かと、に応じて、大当たり終了後に付与される時短回数を異ならせて構成している。これにより、大当たり終了後の遊技状態を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図335(b)を参照して、本第14実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図335(b)は、本第14実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図335(b)に示した通り、本第14実施形態におけるRAM203の構成は、上述した第13実施形態におけるRAM203の構成(図314(b)参照)に対して、確変フラグ203faと、リミットカウンタ203qaと、リミット到達フラグ203qbと、が追加されている点で相違している。また、小当たりフラグ203dgと、大当たり種別格納エリア203paと、V通過フラグ203pbと、が削除されている点で相違している。これらの構成の削除は、本第14実施形態にV入賞に基づく大当たり(V当たり)が設けられていないことにより、V当たりを実現するための構成を削除する趣旨である。
確変フラグ203faは、遊技状態が確変状態となったことを示すためのフラグであって、確変状態が設定されると判別した場合にオンに設定される。そして、確変状態の終了条件が成立した場合にオフに設定される。
リミットカウンタ203qaは、確変リミット回数をカウントするためのカウンタである。確変大当たりの終了時に、このリミットカウンタ203qaの値が11未満であれば、確変リミット回数に未到達であることを示すため、大当たり終了後の状態が特別図柄の高確率状態に設定される。一方、確変大当たりの終了時に、このリミットカウンタ203qaの値が11であれば、確変リミット回数に到達したことを示すため、大当たり終了後の状態が特別図柄の低確率状態に設定される。このリミットカウンタ203qaは、初期値が0に設定されており、確変大当たりに当選する毎に、当該確変大当たりの終了時に値が1ずつ加算されて更新される(図352のS3504参照)。また、このリミットカウンタ203qaは、確変大当たりの終了時に確変リミットに到達した(カウンタ値が11に更新された)と判別された場合、および通常大当たりの終了時に値が0にリセットされる(図352のS3502参照)。
リミット到達フラグ203qbは、確変リミット回数に到達したか否かを示すフラグである。このリミット到達フラグ203qbがオンであれば、確変リミット回数に到達した(11回連続で確変大当たりに当選した)ことを意味し、オフであれば、確変リミット回数に未到達であることを意味する。このリミット到達フラグ203qbは、初期状態がオフに設定されており、大当たり終了時にリミットカウンタ203qaのカウンタ値が確変リミット回数である11に更新されたことに基づいてオンに設定される(図352のS3507参照)。また、このリミット到達フラグ203qbは、大当たりの開始時にオフに設定される(図347のS10233参照)。
次に、図342を参照して、本第14実施形態における状態の移行方法について説明する。ここで、本第14実施形態では、上述した通り、有利者に不利な通常状態および潜確状態、遊技者に有利な時短状態および確変状態の4つの遊技状態が設けられている。更に、本第14実施形態では、確変状態として、時短回数が8回の確変状態と、次の大当たり当選まで継続する確変状態と、の2種類が設けられている。また、時短状態として、時短回数が8回の時短状態と、時短回数が100回の時短状態と、の2種類が設けられている。以降の説明では、簡略化のため、遊技者に不利な通常状態、および潜確状態をそれぞれ通常モードA、および通常モードBと称し、時短回数が少ない(8回の)時短状態、および確変状態をそれぞれチャンスモードA、およびチャンスモードBと称し、時短回数が多い(100回の)時短状態を引き戻しモードと称し、実質的に次に大当たりとなるまで継続する確変状態(実質的に連荘が確定する状態)を連荘モードと称する。まず、図342の上部左側を参照して、通常モードAにおけるモード移行方法について説明する。
図342の上部左側に示した通り、通常モードAにおいては、大当たりに当選した場合にのみ、他のモードへと移行する可能性がある。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に7%の割合で決定される大当たりA14,D14のどちらかに当選した場合に、大当たり終了後のモードが遊技者に有利な連荘モードに設定される。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に83%の割合で決定される大当たりB14,C14,E14,F14の何れかに当選した場合に、大当たり終了後のモードがチャンスモードBに設定される。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりG14,H14のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードAに設定される。このように、通常モードAにおいて大当たりに当選した場合、必ず普通図柄の時短状態が少なくとも8回付与されるので、当該時短回数内に再度大当たりに当選させることにより、連荘モードへと移行させることを期待させることができる。また、通常モードAにおいて大当たりになると、主として(83%という高い割合で)大当たりB14,C14,E14,F14の何れかに当選し、チャンスモードBへと移行する。つまり、特別図柄の高確率状態で8回の抽選を受けることができる場合がほとんどであるので、連荘モードへの移行をより強く期待させることができる。
次に、図342の上部右側を参照して、通常モードBにおけるモード移行の方法について説明する。図342の上部右側に示した通り、通常モードにおいては、大当たりに当選した場合にのみ、他のモードへと移行する可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に7%の割合で決定される大当たりA14,D14のどちらかに当選した場合に、大当たり終了後のモードが遊技者に有利な連荘モードに設定される。なお、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードAに設定される。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に43%の割合で決定される大当たりB14,E14のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードBに設定される。なお、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードAに設定される。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりG14,H14のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後のモードがチャンスモードAに設定される。一方で、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に40%の割合で決定される大当たりC14,F14のどちらかに当選した場合は、大当たり終了後のモードが、再度、通常モードBに設定される。即ち、普通図柄の時短状態が付与されない不利な状態が設定される。なお、当該大当たりにより確変リミット回数に到達した場合は、大当たり終了後のモードが通常モードAに設定される。つまり、確変リミット回数に到達した場合も、しなかった場合も、時短状態が付与されることはない。このように、通常モードBにおいて大当たりに当選した場合、60%の割合でしか普通図柄の時短状態が付与されないため、大当たり終了後の遊技状態の面では、通常モードAよりも通常モードBの方が不利となる。しかしながら、通常モードBにおいては、大当たり確率が3倍以上にアップしているため、大当たり確率の面では通常モードBの方が有利となる。
次に、図342の中央左側を参照して、チャンスモードAにおけるモード移行方法について説明する。図342の中央左側に示した通り、チャンスモードAにおいては、大当たりに当選した場合の他、時短回数が終了した場合にも、他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、図342の中央左側に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA14〜F14,I14,J14)に当選すると、大当たり終了後のモードが遊技者に最も有利な連荘モードに設定される。一方、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG14,H14,K14,L14)に当選すると、大当たり終了後のモードが引き戻しモードに設定される。これらに対し、チャンスモードAにおいて時短回数が経過する(特別図柄の抽選が8回連続して外れになる)と、遊技者に不利な通常モードAへと移行する。このため、チャンスモードAにおいては、時短回数8回の間に大当たりに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。
次に、図342の中央右側を参照して、チャンスモードBにおけるモード移行方法について説明する。図342の中央左側に示した通り、チャンスモードBにおいては、チャンスモードAと同様に、大当たりに当選した場合、および時短回数が終了した場合に他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、図342の中央右側に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA14〜F14,I14,J14)に当選すると、大当たり終了後のモードが遊技者に最も有利な連荘モードに設定される。なお、当該大当たりで確変リミット回数に到達した場合は、大当たり終了後のモードが引き戻しモードに設定される。一方、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG14,H14,K14,L14)に当選すると、大当たり終了後のモードが引き戻しモードに設定される。これらに対し、チャンスモードBにおいて時短回数が経過する(特別図柄の抽選が8回連続して外れになる)と、遊技者に不利な通常モードBへと移行する。このため、チャンスモードBにおいても、チャンスモードAと同様に、時短回数8回の間に大当たりに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。
次に、図342の下部左側を参照して、引き戻しモードにおけるモード移行方法について説明する。図342の下部左側に示した通り、引き戻しモードにおいては、チャンスモードA,Bと同様に、大当たりに当選した場合、および時短回数が終了した場合に他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、図342の下部左側に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA14〜F14,I14,J14)に当選すると、大当たり終了後のモードが遊技者に最も有利な連荘モードに設定される。一方、引き戻しモードにおいて時短回数が経過する(特別図柄の抽選が100回連続して外れになる)と、遊技者に不利な通常モードAへと移行する。これらに対して、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG14,H14,K14,L14)に当選すると、大当たり終了後のモードが再度引き戻しモードに設定される(引き戻しモードをループする)。
次に、図342の下部右側を参照して、連荘モードにおけるモード移行方法について説明する。図342の下部右側に示した通り、連荘モードにおいては、大当たりに当選した場合にのみ、他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、図342の下部右側に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG14,H14,K14,L14)に当選すると、大当たり終了後のモードが引き戻しモードに設定される。これに対して、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に90%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA14〜F14,I14,J14)に当選すると、大当たり終了後のモードが再度、遊技者に最も有利な連荘モードに設定される(連荘モードをループする)。なお、確変大当たりに当選して、確変リミット回数に到達した場合には、大当たり終了後に引き戻しモードが設定される。
このように、本第14実施形態では、遊技者にとって有利な連荘モードへと移行させるためには、基本的に、8回の時短回数が設定されるチャンスモードA,Bに移行させた上で、8回という比較的少ない時短回数の範囲内で大当たりに当選させる必要がある。しかしながら、一旦連荘モードへと移行してしまえば、90%という高い割合で連荘モードと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成するので、連荘モードへと移行した場合に、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
次に、図343(a)を参照して、本第14実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM222の詳細について説明する。図343(a)は、本第14実施形態におけるRAM222の構成を示したブロック図である。図343(a)に示した通り、本第14実施形態におけるRAM222の構成は、上述した第13実施形態(および第11実施形態)におけるRAM222の構成(図274参照)に対して、当選率示唆演出抽選テーブル222qaと、演出種別選択テーブル222qbと、電源復帰動作テーブル222qcと、役物動作設定テーブル222qdと、が追加されている点で相違している。
まず、図344(a)を参照して、本第14実施形態における当選率示唆演出抽選テーブル222qaの詳細について説明する。この当選率示唆演出抽選テーブル222qaは、当選率示唆演出(図333参照)が変動パターン演出として決定される割合を、遊技の状況毎に規定したデータテーブルである。ここで、上述した通り、本第14実施形態では、遊技者にとって不利な状況が続くほど(連荘モード若しくは引き戻しモードへと移行させることができなかった回数が多くなる程)、当選率示唆演出の実行確率が高くなるように構成している。
具体的には、図344(a)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態(通常モードA)で、大当たり後に有利な状態へと移行させることができなかった(スルーした)連続回数が3回以下という状況に対しては、当選率示唆演出の抽選確率として1/100の確率が対応付けて規定されている。また、現在の遊技状態が通常状態(通常モードA)で、大当たり後に有利な状態へと移行させることができなかった(スルーした)連続回数が4回以上、且つ、6回以下という状況に対しては、当選率示唆演出の抽選確率として1/90の確率が対応付けて規定されている。また、現在の遊技状態が通常状態(通常モードA)で、大当たり後に有利な状態へと移行させることができなかった(スルーした)連続回数が7回以上、且つ、9回以下という状況に対しては、当選率示唆演出の抽選確率として1/80の確率が対応付けて規定されている。更に、現在の遊技状態が通常状態(通常モードA)で、大当たり後に有利な状態へと移行させることができなかった(スルーした)連続回数が10回以上という状況に対しては、当選率示唆演出の抽選確率として1/50の確率が対応付けて規定されている。
これに対し、現在の遊技状態が潜確状態(通常モードB)である場合は、スルー回数によらず、当選率示唆演出の抽選確率として1/50の確率が対応付けて規定されている。このように、本第14実施形態では、遊技者にとって不利な状況になる程(喜ばしくない状況が連続する程)、当選率示唆演出の実行確率を高くする構成としている。このように構成することで、不利な状況が続いている程、当選率示唆演出において設定が示唆される可能性も高まるため、不利な状況が続いたとしても、遊技に対するモチベーションを維持させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第14実施形態では、比較的有利な潜確状態(通常モードB)において当選率示唆演出が実行される確率を状況によらず一定としていたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態においても、遊技者にとって不利な状況が連続する程、当選率示唆演出の実行確率を上げるように構成してもよい。このように構成することで、不利な状況が続いた場合における遊技者の遊技に対するモチベーションをより低下し難くすることができる。
次いで、演出種別選択テーブル222qbの詳細について説明を行う。この演出種別選択テーブル222qbは、当選率示唆演出(図333参照)の実行が決定された場合に、その演出態様を決定するために参照されるデータテーブルである。なお、説明を分かり易くするために、まず、図344(b)を参照して、本第14実施形態における大当たり確率と、100ゲーム以内の当選率との対応関係を説明した上で、図345を参照して演出種別選択テーブル222qbの詳細について説明する。
図344(b)は、特別図柄の低確率状態、および確変状態における大当たり確率と、100ゲーム以内の当選率との対応関係を、設定値毎に示した図である。図344(b)に示した通り、特別図柄の低確率状態では、設定1の大当たり確率が1/200であり、100ゲーム以内の当選率が約39.4%(100回の特別図柄の抽選において連続で199/200の外れとなる確率が約60.6%)となる。また、設定2の大当たり確率が1/180であり、100ゲーム以内の当選率が約42.7%(100回の特別図柄の抽選において連続で179/180の外れとなる確率が約57.3%)である。また、設定3の大当たり確率が1/160であり、100ゲーム以内の当選率が約46.6%(100回の特別図柄の抽選において連続で159/160の外れとなる確率が約53.4%)である。また、設定4の大当たり確率が1/140であり、100ゲーム以内の当選率が約51.2%(100回の特別図柄の抽選において連続で139/140の外れとなる確率が約48.8%)である。また、設定5の大当たり確率が1/120であり、100ゲーム以内の当選率が約56.7%(100回の特別図柄の抽選において連続で119/120の外れとなる確率が約43.3%)である。更に、設定6の大当たり確率が1/90であり、100ゲーム以内の当選率が約67.3%(100回の特別図柄の抽選において連続で89/90の外れとなる確率が約32.7%)である。
これに対して、特別図柄の確変状態では、設定1の大当たり確率が1/55.6であり、100ゲーム以内の当選率が約83.7%(100回の特別図柄の抽選において連続で54.6/55.6の外れとなる確率が約16.3%)となる。また、設定2の大当たり確率が1/50であり、100ゲーム以内の当選率が約86.7%(100回の特別図柄の抽選において連続で49/50の外れとなる確率が約13.3%)である。また、設定3の大当たり確率が1/44.4であり、100ゲーム以内の当選率が約89.7%(100回の特別図柄の抽選において連続で43.4/44.4の外れとなる確率が約10.3%)である。また、設定4の大当たり確率が1/38.9であり、100ゲーム以内の当選率が約92.6%(100回の特別図柄の抽選において連続で37.9/38.9の外れとなる確率が約7.4%)である。また、設定5の大当たり確率が1/33.3であり、100ゲーム以内の当選率が約95.2%(100回の特別図柄の抽選において連続で32.3/33.3の外れとなる確率が約4.8%)である。更に、設定6の大当たり確率が1/25であり、100ゲーム以内の当選率が約98.3%(100回の特別図柄の抽選において連続で24/25の外れとなる確率が約1.7%)である。
本第14実施形態における当選率示唆演出では大当たり確率から算出される実際の100ゲーム以内の当選率に対して矛盾しないような演出態様を選択するように構成されている(演出種別選択テーブル222qbのデータが規定されている)。これにより、当選率示唆演出の演出内容と、実際の挙動(大当たり当選率)とを一致させることができるので、遊技者がパチンコ機10やホールに対して不信感を抱いてしまうことを抑制できる。
次に、図345を参照して、本第14実施形態における演出種別選択テーブル222qbの詳細について説明する。図345は、この演出種別選択テーブル222qbの規定内容を示した図である。図345に示した通り、本第14実施形態における演出種別選択テーブル222qbには、演出態様と、遊技状態と、設定値と、に対して、演出カウンタ223fの値の範囲が対応付けて規定されている。具体的には、図345に示した通り、通常状態、且つ、設定1に対しては、演出カウンタ203fの値が「0〜84」の範囲に対して、奇数設定示唆演出(100ゲーム以内の当選率として13.5%が示唆される演出態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「85〜94」の範囲に対しては、偶数設定示唆演出(100ゲーム以内の当選率として24.6%が示唆される演出態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「95〜99」の範囲に対しては、潜確示唆演出(100ゲーム以内の当選率として30%が示唆される演出態様)が対応付けて規定されている。よって、設定1の場合、通常状態において当選率示唆演出の実行が決定されると、85%の割合で奇数設定示唆演出(設定1or3or5を暗示する13.5%overが報知される態様)が実行され、10%の割合で偶数設定示唆演出(設定2or4or6を暗示する24.6%overが報知される態様)が実行され、5%の割合で潜確示唆演出(潜確状態の可能性が高いことを示す30%overが報知される態様)が実行される。つまり、ほとんどが奇数設定示唆演出となる。なお、上述した通り、設定1の通常状態における100ゲーム以内の当選率は約39.4%であるため、上記3つの演出により報知される当選率よりも高く、実際の挙動と矛盾することがない。
また、図345に示した通り、通常状態、且つ、設定2に対しては、演出カウンタ203fの値が「0〜9」の範囲に対して、奇数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「10〜91」の範囲に対しては、偶数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「92〜96」の範囲に対しては、潜確示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「97〜99」の範囲に対しては、潜確or2以上確定演出(100ゲーム以内の当選率として40%が示唆される演出態様)が対応付けて規定されている。よって、設定2の場合、通常状態において当選率示唆演出の実行が決定されると、10%の割合で奇数設定示唆演出(設定1or3or5を暗示する13.5%overが報知される態様)が実行され、82%の割合で偶数設定示唆演出(設定2or4or6を暗示する24.6%overが報知される態様)が実行され、5%の割合で潜確示唆演出(潜確状態の可能性が高いことを示す30%overが報知される態様)が実行され、3%の割合で、(設定1の通常状態における大当たり当選率である39.4%よりも高い40%overが報知される態様)が実行される。つまり、ほとんどが偶数設定示唆演出となるが、低い確率で潜確or2以上確定演出も実行される。よって、遊技者が通常状態であることに対する確信を得ている状況下(例えば、大当たり間で大ハマりが発生した状況下)で潜確or2以上確定演出が出現した場合には、設定2以上であると推測させることができるので、設定を推測する楽しみを遊技者に抱かせることができる。
また、図345に示した通り、通常状態、且つ、設定3に対しては、演出カウンタ203fの値が「0〜80」の範囲に対して、奇数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「81〜90」の範囲に対しては、偶数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「91〜95」の範囲に対しては、潜確示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「96〜98」の範囲に対しては、潜確or2以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「99」に対しては、設定3以上確定演出(100ゲーム以内の当選率として45.6%overが示唆される演出態様)が対応付けて規定されている。よって、設定3の場合、通常状態において当選率示唆演出の実行が決定されると、81%の割合で奇数設定示唆演出(設定1or3or5を暗示する13.5%overが報知される態様)が実行され、10%の割合で偶数設定示唆演出(設定2or4or6を暗示する24.6%overが報知される態様)が実行され、5%の割合で潜確示唆演出(潜確状態の可能性が高いことを示す30%overが報知される態様)が実行され、3%の割合で潜確or2以上確定演出(設定1の通常状態における大当たり当選率である39.4%よりも高い40%overが報知される態様)が実行され、1%の割合で設定3以上確定演出(設定が高いことを暗示する45.6%overが報知される態様)が実行される。つまり、ほとんどが奇数設定示唆演出となるが、低い確率で潜確or2以上確定演出や設定3以上確定演出も実行される。よって、これらの演出態様が実行された場合には設定を推測させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、図345に示した通り、通常状態、且つ、設定4に対しては、演出カウンタ203fの値が「0〜9」の範囲に対して、奇数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「10〜89」の範囲に対しては、偶数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「90〜94」の範囲に対しては、潜確示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「95〜97」の範囲に対しては、潜確or2以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「98」に対しては、設定3以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「99」に対しては、潜確or4以上確定演出(100ゲーム以内の当選率として50%overが示唆される演出態様)が対応付けて規定されている。よって、設定4の場合、通常状態において当選率示唆演出の実行が決定されると、10%の割合で奇数設定示唆演出が実行され、80%の割合で偶数設定示唆演出が実行され、5%の割合で潜確示唆演出が実行され、3%の割合で潜確or2以上確定演出(が実行され、1%の割合で設定3以上確定演出が実行され、1%の割合で潜確or4以上確定演出(設定3の通常状態における大当たり当選率である46.6%よりも高い50%overが報知される態様)が実行される。つまり、ほとんどが偶数設定示唆演出となるが、低い確率で潜確or2以上確定演出や設定3以上確定演出や、潜確or4以上確定演出も実行される。
また、図345に示した通り、通常状態、且つ、設定5に対しては、演出カウンタ203fの値が「0〜77」の範囲に対して、奇数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「78〜87」の範囲に対しては、偶数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「88〜92」の範囲に対しては、潜確示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「93〜95」の範囲に対しては、潜確or2以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「96,97」に対しては、設定3以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「98」に対しては、潜確or4以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「99」に対しては、設定5以上確定演出(100ゲーム以内の当選率として56%overが示唆される演出態様)が対応付けて規定されている。よって、設定5の場合、通常状態において当選率示唆演出の実行が決定されると、78%の割合で奇数設定示唆演出が実行され、10%の割合で偶数設定示唆演出が実行され、5%の割合で潜確示唆演出が実行され、3%の割合で潜確or2以上確定演出が実行され、2%の割合で設定3以上確定演出が実行され、1%の割合で潜確or4以上確定演出が実行され、1%の割合で設定5以上確定演出(設定5or6を暗示する56%overが報知される態様)が実行される。
また、図345に示した通り、通常状態、且つ、設定6に対しては、演出カウンタ203fの値が「0〜9」の範囲に対して、奇数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「10〜84」の範囲に対しては、偶数設定示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「85〜89」の範囲に対しては、潜確示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「90〜92」の範囲に対しては、潜確or2以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「93,94」に対しては、設定3以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「95」に対しては、潜確or4以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「96,97」に対しては、設定5以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「98」に対しては、潜確or6確定演出(100ゲーム以内の当選率として60%overが示唆される演出態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「99」に対しては、設定6確定演出(100ゲーム以内の当選率として66.6%overが示唆される演出態様)が対応付けて規定されている。よって、設定6の場合、通常状態において当選率示唆演出の実行が決定されると、10%の割合で奇数設定示唆演出が実行され、75%の割合で偶数設定示唆演出が実行され、5%の割合で潜確示唆演出が実行され、3%の割合で潜確or2以上確定演出が実行され、2%の割合で設定3以上確定演出が実行され、1%の割合で潜確or4以上確定演出が実行され、2%の割合で設定5以上確定演出が実行され、1%の割合で潜確or6確定演出(設定5の通常状態における大当たり当選率である56.7%よりも高い60%overが報知される態様)が実行され、1%の割合で設定6確定演出(設定6を暗示する66.6%overが報知される態様)が実行される。よって、設定6確定演出が実行された場合や、通常状態を確信している状況下で潜確or6確定演出が実行された場合には、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
一方、図345に示した通り、潜確状態においては、設定によらず各演出態様の選択割合が共通となっている。具体的には、図345に示した通り、演出カウンタ203fの値が「0〜59」の範囲に対して、潜確示唆演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「60〜83」の範囲に対して、潜確or2以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「84〜88」の範囲に対して、潜確or4以上確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値「89」に対して、潜確or6確定演出が対応付けて規定され、演出カウンタ203fの値が「90〜99」に対して、潜確確定演出(100ゲーム以内の当選率として低確率状態における設定6の当選率である67.3%よりも高い80%overが報知される態様)が対応付けて規定されている。よって、潜確状態の場合、60%の割合で潜確示唆演出が実行され、24%の割合で潜確or2以上確定演出が実行され、5%の割合で潜確or4以上確定演出が実行され、1%の割合で潜確or6確定演出が実行され、10%の割合で潜確確定演出が実行される。
このように、本第14実施形態では、遊技状態と、設定値と、に応じて当選率示唆演出の演出態様の振り分けを異ならせる構成とすることで、演出内容から設定値および遊技状態を推測させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図346を参照して、電源復帰動作テーブル222qcの詳細について説明する。この電源復帰動作テーブル222qcは、電源投入時において各役物を正常に可変させることができるか否かを確認するための電源復帰動作を実行する際に参照されるデータテーブルである。電源復帰動作は、電源が投入される度に(RAM消去スイッチ122が押下されたか否かに関わらず)実行される。この電源復帰動作テーブル222qcには、復帰ポインタ223qeの値に対応付けて、役物の種別毎の復帰動作が規定されている。復帰動作によっていずれかの役物の動作に異常が生じていると判別された場合は、エラーコマンドが設定される(図357のS9003参照)。このエラーコマンドには、異常の種別や、異常発生個所を示す情報が含まれる。このエラーコマンドを受信した表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に対して、異常の種別や異常個所を示す表示を行う。このように、電源投入に基づいて復帰動作を行うことにより、各役物に異常が発生しているか否かを、迅速に把握することができる。よって、ホールの店員がパチンコ機10の役物に異常が発生していることに気付かないまま、遊技者に対して遊技を開始させてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、電源復帰動作テーブル222qcに基づいて電源復帰動作を実行する前に、全ての役物を原点位置に復帰(原点復帰)させるように構成されている。つまり、役物の可変途中で電源が遮断された場合には、電源投入に基づいて原点復帰を行った後に電源復帰動作を実行するように構成されている。これにより、電源復帰動作は原点位置を起点として開始される動作の1通りのみを用意しておけばよい(電源投入時の役物の配置に応じて異なるパターンの電源復帰動作を規定する必要がない)ので、電源復帰動作テーブル222qcのデータ量を削減することができる。
なお、役物の可変途中に電源が遮断され、電源が再度投入された場合に、役物の動作の続きから実行させないのは、音声ランプ制御装置113のRAM223がバックアップされていないからである。即ち、一旦電源が遮断されると、それまでに行われていた演出の進行具合を把握不可能になってしまうからである。よって、RAM消去スイッチ122が押下されたか否かに関わらず、電源が投入された場合は、原点復帰動作を実行した上で、電源復帰動作を行うように構成されている。
本実施形態では、RAM223の記憶内容がバックアップされていないが、バックアップ電力を供給し、電源が遮断された後もRAM223に記憶された情報を保持可能に構成してもよい。これにより、演出途中で電源が遮断された場合は、電源投入後に電源断時点の演出の進行具合を判別して、演出を続きから実行させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図346(a)は、電源復帰動作テーブル222qcの一例を示す図である。図346(a)に示した通り、電源復帰動作テーブル222qcには、復帰ポインタ223qeの値毎に、役物の動作内容が規定されている。なお、詳細については後述するが、復帰ポインタ223qeは、復帰動作が終了するまで、音声ランプ制御装置113のメイン処理14(図355参照)が実行される毎に、初期動作処理(図357参照)の中で1ずつ更新される。
図346(a)に示した通り、本実施形態の電源復帰動作テーブル222qcは、復帰ポインタ223qeの更新に従って、傾倒役物510→起立役物410の順番に復帰動作が実行されるように構成されている。また、復帰動作では、各役物を原点位置から張出位置まで可変させた後、原点位置まで戻すように可変させるように構成されている。即ち、通常遊技中に役物が可変する可能性のある全動作範囲を、復帰動作により網羅的に動作させる。これにより、いずれかの役物に異常が発生している場合に、確実にその異常を検出することができる。
また、本実施形態の電源復帰動作テーブル222qcでは、各役物を張出位置まで可変させてから、所定期間(2000ms)だけ動作停止させるように構成されている。これにより、張出位置までの動作、および張出位置から原点位置までの動作の中で異常が発生するか否かを検出できることに加えて、動作停止中に異常が発生するか否かを検出することができる。なお、動作停止中の異常とは、例えば、動作停止を設定したにも関わらず、動作が停止しなかった場合や、動作停止期間として指定された所定期間(2000ms)が経過する前に、原点位置へ戻ってしまう場合、動作停止期間が経過しても原点位置への戻り動作が開始されない場合等である。
更に、本実施形態の電源復帰動作テーブル222qcでは、全ての役物の復帰動作が終了した後で、所定期間(2000ms)の動作停止期間を設定するように構成されている。この停止期間は、出荷検査等で、音声ランプ制御装置113等のサブ側の制御装置が正常に立ち上がるか否かを確認する場合に、確認を終了してパチンコ機10の電源を遮断するタイミングとして設けられている。即ち、復帰動作の終了後に役物が即座に動作してしまうと、パチンコ機10の検査者は、その動作した役物が原点に復帰するまで待ってから電源を遮断するか、役物の動作中に電源を遮断し、電源の遮断後に役物を手動で原点位置まで戻さなければならず、検査効率が悪化してしまう虞がある。これに対して、本実施形態のように、復帰動作終了後に動作停止期間を設けることにより、動作停止期間中に電源を遮断すれば、全ての役物が原点位置にある状態で電源が遮断された状態とすることができる。よって、原点位置へ復帰するまで待機したり、電源の遮断後に手動で役物を原点位置へと復帰させたりする必要がないので、出荷検査等の検査効率を向上させることができる。
なお、本第14実施形態では、電源投入時において設定変更状態である場合は、電源復帰動作(および原点復帰動作)を設定変更が終了するまで遅延させるように構成している。このように構成することで、各役物の動作に邪魔をされて設定変更操作が行い難くなってしまうことを抑制することができるので、設定変更操作時における利便性を向上させることができる。また、設定変更状態においては、パチンコ機10の背面側に設けられている設定キー110bや設定スイッチ110cを操作するために内枠12および正面枠14を開放する必要があるが、これらが開放した状態においては、内枠12および外枠14が開閉軸のみによって支持された比較的不安定な状態となるため、役物の復帰動作を実行させてしまうと異常な負荷が生じてしまい、開閉軸等の破損を招来してしまう可能性がある。これに対して、設定変更状態において役物の復帰動作を遅延させる構成とすることにより、内枠12および正面枠14が開放されている不安定な状態において役物が動作することを抑制できるので、開閉軸等の破損を防止することができる。更に、本第14実施形態では、電源投入時において設定確認状態である場合は、電源復帰動作(および原点復帰動作)を回避するように構成している。電源投入時に設定確認状態である場合は、パチンコ機10の状況が変化する可能性が低いためである。このように構成することで、設定確認状態の終了後に早期に役物が通常通り可動可能な状態に復帰させることができる。
次に、図346(b)を参照して、本第14実施形態における役物動作設定テーブル222qdの詳細について説明する。この役物動作設定テーブル222qdは、パチンコ機10の各種演出において、動作させる役物の種別(グループ)と、動作タイミングとを規定したデータテーブルである。本実施形態では、この役物動作設定テーブル222qdに基づいて、役物の動作が設定される。図346(b)は、役物動作設定テーブル222qdの規定内容を示した図である。図346に示した通り、役物動作設定テーブル222qdには、対応する演出毎に、役物を動作させるタイミングと、その動作タイミングにおいて動作させる役物のグループとが規定されている。
具体的には、演出時間が30秒間の外れスーパーリーチ演出では、演出開始から20秒が経過したタイミングで、傾倒役物510が張出位置に可動した後、原点位置に可動する一連の動作を実行する旨が規定されている。また、演出時間が20秒間の当たりノーマルリーチ演出では、演出開始から19秒が経過したタイミングで、起立役物410が張出位置に可動した後、原点位置に可動する一連の動作を実行する旨が規定されている。更に、演出時間が30秒間の当たりスーパーリーチ演出では、演出開始から20秒が経過したタイミングで、傾倒役物510が張出位置に可動した後、原点位置に可動する一連の動作を実行する旨が規定されている。加えて、演出開始から29秒が経過したタイミングで、起立役物410が張出位置に可動した後、原点位置に可動する一連の動作を実行する旨が規定されている。
このように、本実施形態では、役物動作設定テーブル222qdに役物の動作タイミングと、動作させる役物のグループとが規定されているので、この役物動作設定テーブル222qdに基づいて各グループに対してあらかじめ定められている動作を実行するだけで、多種多様な役物の動作を実現することができる。
また、本実施形態では、全ての変動演出において役物の動作を行わせるのでなく、比較的変動時間の長い一部の変動演出でのみ役物の動作が設定されるように構成されている。比較的変動時間の長い変動演出は、外れを報知するための演出として選択される確率が低く、且つ、大当たりを報知するための演出として選択されやすいので、変動演出において役物が動作した段階で、遊技者に対して大当たりに対する高い期待感を抱かせることができる。よって、役物が動作するか否かについて、遊技者に対してより注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、一部の変動パターン演出でのみ、役物を動作させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりのオープニング演出や、エンディング演出や、ラウンド演出等のその他の演出においても役物を動作させるように構成してもよい。また、役物を動作させる変動演出の種別を増やし、例えば、外れノーマルリーチ等においても役物を動作させるように構成してもよい。これにより、演出をより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図343(b)を参照して、本第14実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の詳細について説明する。図343(b)は、本第14実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図343(b)に示した通り、本第14実施形態におけるRAM223の構成は、上述した第13実施形態(および第12実施形態)におけるRAM223の構成(図302参照)に対して、従設定値格納エリア223qaと、スルー回数カウンタ223qbと、初期化フラグ223qcと、投入動作フラグ223qdと、復帰ポインタ223qeと、役物動作フラグ223qfと、復帰遅延フラグ223qgと、復帰待機フラグ223qhと、が追加されている点で相違している。また、中断フラグ223mと、特図2変動開始フラグ223faと、特図2停止種別選択フラグ223fbと、準備状態中フラグ223fdと、特図1変動時間カウンタ223feと、特図2変動時間カウンタ203ffと、RUSH中フラグ223fgと、天井演出実行中フラグ223fhと、スーパーRUSH中フラグ223fiと、連続外れ演出カウンタ223naと、が削除されている点で相違している。これらの削除は、主として、本第14実施形態において実行されない各種演出の管理を行うためのフラグやカウンタを排除する趣旨である。
従設定値格納エリア223qaは、パチンコ機10の設定値を示すデータを格納しておくための記憶領域である。この従設定値格納エリア223qaには、設定変更状態において設定された設定値を示すデータが主制御装置110より設定値コマンドとして通知された場合に、当該コマンドにより通知された設定値に応じたデータが格納される(図358のS14204参照)。
スルー回数カウンタ223qbは、有利な遊技状態に移行させることができなかった連続回数(スルー回数)をカウントするためのカウンタである。変動パターン演出の演出態様を設定する際には、このスルー回数カウンタ223qbの値によって示されるスルー回数と、当選率示唆演出抽選テーブル222qaの規定内容とが参照されて、当選率示唆演出の実行可否の抽選確率が決定される(図363のS18215参照)。
初期化フラグ223qcは、電源投入に基づいて実行される役物の復帰動作を実行する期間であるか否かを示すフラグである。この初期化フラグ223qcがオンである間は、役物の復帰動作を設定するための処理である初期動作処理(図357参照)が実行される。一方、初期化フラグ223qcがオフであれば、役物の復帰動作が既に終了していることを示すので、初期動作処理(図357参照)がスキップされる(図356のS8901:No参照)。この初期化フラグ223qcは、立ち上げ処理14(図353参照)の原点復帰処理(S4021参照)においてオンに設定される(図354のS8807参照)。一方、初期動作処理において、役物の復帰動作が終了したと判別された場合(即ち、電源復帰動作テーブル222qcからEND情報が読み出された場合)にオフに設定される(図357のS9104参照)。
投入時動作フラグ223qdは、電源復帰動作の前に実行される役物の原点復帰が完了したか否かを示すフラグである。この投入動作フラグ223qdがオンであれば、役物の原点復帰が完了していることを示し、オフであれば、原点復帰が未完了であることを示す。この投入動作フラグ223qdは、原点復帰動作が終了したと判別された場合にオンに設定される(図357のS9008参照)。また、上述した通り、RAM223はバックアップされていないため、パチンコ機10の電源が遮断されることにより、投入時動作フラグ223qdもクリアされる(即ち、オフされる)。
復帰ポインタ223qeは、電源投入に基づいて実行される役物の復帰動作の動作内容を規定した電源復帰動作テーブル222qc(図346(a)参照)から、役物の動作データを選択するために用いられる。より具体的には、1ms間隔で実行される初期動作処理(図357参照)が実行される度に、復帰ポインタ223qeが更新され(復帰ポインタ223qeの値に1が加算され)、その更新された値が示す役物の動作が設定される。なお、RAM223はバックアップされていないため、復帰ポインタ223qeは、電源が遮断されることに基づいてゼロクリアされる(値が0000Hになる)。このため、電源が投入される度に、電源復帰動作テーブル222qcの最初から役物の復帰動作を実行させることができる。
役物動作フラグ223qfは、各役物が可変中であるか否かを示すフラグである。この役物動作フラグ223qfは、2バイトで構成され、それぞれのビットに各役物が対応付けられている。役物動作フラグ223qfの各ビットは、値が1であれば、対応する役物が可変中であることを示し、0であれば、対応する役物が停止中であることを示している。また、空きビットは値が0に固定される。この役物動作フラグ223qfの各ビットの状態に基づいて、動作中の役物の種別を特定することができる。
復帰遅延フラグ223qgは、電源復帰時に設定確認状態が設定されていることにより、当該設定確認状態が終了されるまで役物の復帰動作(原点復帰動作、電源復帰動作)が遅延されていることを示すためのフラグである。
復帰待機フラグ223qhは、電源復帰時に設定されていた設定確認状態が終了され、役物の復帰動作(原点復帰動作、電源復帰動作)を開始させることが可能となったことを示すためのフラグである。
<第14実施形態における主制御処理について>
次に、図347から図352を参照して、本第14実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明をする。まず、図347を参照して、本第14実施形態における特別図柄変動処理14(S181)の詳細について説明をする。この特別図柄変動処理14(S181)は、上述した第13実施形態における特別図柄変動処理13(図318,S141)に代えて実行される処理である。
この特別図柄変動処理14(S181)のうち、S10201〜S10211,S10213〜S10222およびS10225の各処理では、それぞれ第13実施形態における特別図柄変動処理13(図318,S141)のS10201〜S10211,S10213〜S10222およびS10225の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第14実施形態における特別図柄変動処理14(S181)では、まず、現在が大当たり中であるか否かを判別する(S10231)現在が大当たり中であると判別した場合には(S10231:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S10231の処理において、現在が大当たり中ではないと判別した場合には(S10231:No)、処理をS10201へと移行する。
また、本第14実施形態における特別図柄変動処理14(図347参照)では、第1特別図柄の抽選に関するS10202〜S10206の各処理と、第2特別図柄の抽選に関するS10208〜S10211の各処理との処理順が入れ替えられている。即ち、本第14実施形態では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が優先的に実行されるように構成されている。
また、本第14実施形態における特別図柄変動処理14(図347参照)では、S10206、またはS10211の処理後に、特別図柄変動開始処理13(図319参照)に代えて、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理14を実行し(S10232)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理14(S10232)の詳細については、図348を参照して後述する。
また、本第14実施形態における特別図柄変動処理14(図347参照)では、S10219の処理が終了すると、次いで、リミット到達フラグ203gbをオフに設定して、処理をS10220へと移行する。また、本第14実施形態における特別図柄変動処理14(S181)では、S10222の処理を実行後、そのままS10225の処理へ移行する。これは、本第14実施形態では、特別図柄の抽選結果として外れが設けられていないためである。
次に、図319を参照して、上述した特別図柄変動開始処理14(S10232)の詳細について説明をする。この特別図柄変動開始処理14(S10232)は、上述した第13実施形態における特別図柄変動開始処理13(図319,S10212)に代えて実行する処理である。
この特別図柄変動開始処理14(S10232)のうち、S321,S323〜S326およびS330〜S334の各処理では、それぞれ上述した第13実施形態における特別図柄変動開始処理13(図319,S10212)のS321,S323〜S326およびS330〜S334の各処理と同一の処理が実行される。
また、図348に示した通り、本第14実施形態における特別図柄変動開始処理14(S10232)では、まず、S321の処理を実行後、確変フラグ203faがオンであるか否か、即ち、現在が確変状態であるか否かを判別し(S341)、確変フラグ203faがオンに設定されていると判別した場合は(S341:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数14テーブル202pa(図335(a)参照)のうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値を読み出し(S342)、S344の処理へ移行する。一方、S341の処理において、確変フラグ203faがオフであると判別した場合は(S341:No)、低確率時用の第1当たり乱数14テーブル202pa(図335(a)参照)のうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値を読み出して(S343)、S344の処理へ移行する。
S344の処理では、S342またはS343の処理で読み出した当たり乱数値と、実行エリアのデータとに基づいて抽選結果を取得し(S344)、S323の処理へ移行する。
これらのS3341〜S344の処理は、上述した第13実施形態では確変機能を有していなかったのに対し、本第14実施形態では確変機能を有していることによる変更である。
次に、図349を参照して、本第14実施形態における設定値制御処理14(S1731)の詳細について説明をする。この設定値制御処理14(S1731)は、上述した第13実施形態における設定値制御処理(図291,S1722)に代えて実行される処理であり、設定変更状態、および設定確認状態における制御を実行するための処理である。
この設定値制御処理14(S1731)のうち、S3101〜S3113の各処理では、それぞれ第13実施形態における設定値制御処理(図291,S1722)のS3101〜S3113の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第14実施形態における設定値制御処理14(S1731)では、S3108の処理において、設定キーがオフ位置であると判別した場合に(S3108:Yes)、設定値格納エリア203maのデータを示す設定値コマンドを設定し(S3121)、本処理を終了する。このS3121の処理を実行することにより、設定変更状態が終了した時点で、即座に音声ランプ制御装置113に対して設定値を通知することができる。
次に、図350を参照して、本第14実施形態における主制御装置110のメイン処理14の詳細について説明する。このメイン処理14(図350参照)は、上述した第13実施形態におけるメイン処理13(図321)に代えて実行する処理である。
このメイン処理14のうち、S1801〜S1803およびS1806〜1816の各処理では、それぞれ第13実施形態におけるメイン処理13(図321)のS1801〜S1803およびS1806〜1816の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第14実施形態におけるメイン処理14(図350参照)では、S1803の処理を実行後、第13実施形態における大当たり制御処理13(図323参照)に代えて、大当たり制御処理14を実行し(S1851)、S1806の処理へ移行する。この大当たり制御処理14(S1851)の詳細について、図351を参照して説明する。
この大当たり制御処理14(S1851)のうち、S1901〜S1912、および1918の各処理では、それぞれ第13実施形態における大当たり制御処理13(図322,S1841)のS1901〜S1912、および1918の各処理と同一の処理が実行される。
また、図351に示した通り、本第14実施形態における大当たり制御処理14(S1851)では、S1912の処理において、現在が大当たり終了のタイミングであると判別した場合に(S1912:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理14を実行し(S11911)、本処理を終了する。この大当たり終了処理14(S11911)の詳細について、図352を参照して説明する。
図352に示した通り、大当たり終了処理14(S11911)では、まず、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判別する(S3501)。S3501の処理において、今回の大当たりが確変大当たりではない(即ち、通常大当たりである)と判別した場合は(S3501:No)、リミットカウンタ203gaの値を0に設定し(S3502)、確変フラグ203faをオフに設定して(S3503)、S3508の処理へ移行する。
一方、S3501の処理において、今回の大当たりが確変大当たりであると判別した場合は(S3501:Yes)、リミットカウンタ203gaの値に1を加算し(S3504)、次いで、加算後のリミットカウンタ203gaの値が11になったか否かを判別する(S3505)。S3505の処理において、加算後のリミットカウンタの値が11になったと判別した場合は(S3505:Yes)、リミット到達フラグ203gbをオンに設定し(S3507)、S3502およびS3503の処理を実行後、S3508の処理へ移行する。一方、S3505の処理において、加算後のリミットカウンタ203gaの値が11ではないと判別した場合は(S3505:No)、確変フラグ203faをオンに設定し(S3506)、S3508の処理へ移行する。
S3508の処理では、実行中の大当たり種別と、当選時状態格納エリア203mbのデータと、リミット到達フラグの状態と、に対応する時短回数を時短付与テーブル202qf(図341参照)から読み出して(S3508)、その読み出した時短回数を時短カウンタ203hのカウンタ値に設定する(S3509)。次いで、設定した時短回数を通知するための時短設定状態コマンドを設定し(S3510)、大当たり終了後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S3511)、実行中の大当たり種別と、当選時状態格納エリア203mbのデータと、リミット到達フラグの状態と、に対応する変動パターンシナリオを特定する(S3512)。そして、S3512の処理で特定したシナリオを示すデータを変動パターンシナリオ格納エリアに格納し(S3513)、大当たりの終了を設定して(S3514)、本処理を終了する。この大当たり終了処理14(図352参照)を実行することにより、確変リミット回数を加味して、正確に大当たり終了後の遊技状態を設定することができる。
<第14実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図353から図363を参照して、本第14実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図353を参照して、本第14実施形態における音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理14の詳細について説明をする。この立ち上げ処理14は、上述した第13実施形態(および第1実施形態)における立ち上げ処理(図59)に代えて実行される処理であり、パチンコ機10に対する電源投入に基づいて実行される処理である。
この立ち上げ処理14のうち、S4001〜S4011の各処理では、それぞれ第13実施形態(および第1実施形態)における立ち上げ処理(図59)のS4001〜S4011の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第14実施形態における立ち上げ処理14では、S4001の処理が終了すると、次に、各役物の電源投入時における配置を判別して、原点からずれている役物がある場合に原点位置に戻すための原点復帰処理を実行し(S4021)、S4002の処理へ移行する。この原点復帰処理(S4021)の詳細について、図354を参照して説明する。
図354に示した通り、原点復帰処理(S4021)では、まず、設定変更状態を示す状態コマンドを受信したか否かを判別する(S8801)。S8801の処理において、設定変更状態を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S8801:Yes)、役物の原点復帰動作、および電源復帰動作の開始を遅延させるために復帰遅延フラグ223qgをオンに設定し(S8802)、本処理を終了する。これにより、設定変更状態が終了されるまで役物の復帰動作を遅延させることができるので、設定変更状態において役物が動作してしまい、設定変更操作が行い難くなってしまうことを抑制することができる。また、設定変更状態においては、パチンコ機10の背面側に設けられている設定キー110bや設定スイッチ110cを操作するために内枠12および正面枠14を開放する必要があるが、これらが開放した状態においては、内枠12および外枠14が開閉軸のみによって支持された比較的不安定な状態となるため、役物の復帰動作を実行させてしまうと異常な負荷が生じてしまい、開閉軸等の破損を招来してしまう可能性がある。これに対して、設定変更状態において役物の復帰動作を遅延させる構成とすることにより、内枠12および正面枠14が開放されている不安定な状態において役物が動作することを抑制できるので、開閉軸等の破損を防止することができる。
一方、S8801の処理において、設定変更状態を示す状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S8801:No)、次に、設定確認状態を示す状態コマンドを受信したか否かを判別する(S8803)。設定確認状態を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S8803:Yes)、初期化フラグ223qcおよび投入時動作フラグ223qdをオフに設定し(S8804)、本処理を終了する。即ち、役物の復帰動作(原点復帰動作、電源復帰動作)を行わない(回避する)ように設定する。これは、設定確認状態は、多くの場合、遊技可能状態において問題無くパチンコ機10が可動している状況において操作者(例えば、ホールの店員等)の操作によって移行される状態であるため、役物に異常が発生している可能性が極めて低いためである。設定確認状態において役物の復帰動作を回避する構成とすることにより、設定確認状態が終了してから役物の動作も含めて通常通り遊技が可能となる状態へと移行するまでの時間を短縮することができる。
一方、S8803の処理において、設定確認状態を示す状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S8803:No)、次に、原点からずれている役物が有るか否かを判別する(S8805)。S8805の処理において、原点からずれている役物が有ると判別した場合は(S8805:Yes)、原点からずれている役物に対して原点位置方向への動作を設定し(S8806)、S8807の処理へ移行する。一方、原点からずれている役物が無いと判別した場合は(S8805:No)、S8806の処理をスキップし、S8807の処理へ移行する。S8807の処理では、初期化フラグ223qcをオンに設定し(S8807)、本処理を終了する。
次に、図355を参照して、本第14実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理14の詳細について説明する。このメイン処理14は、上述した第13実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図60)に代えて実行される処理である。
このメイン処理14のうち、S4101〜S4111、およびS4114〜S4118の各処理では、それぞれ第13実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図60)のS4101〜S4111、およびS4114〜S4118の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第14実施形態におけるメイン処理14では、S4111の処理が終了すると、次いで、各種役物の動作を制御するための役物制御処理を実行する(S4141)。この役物制御処理(S4141)の詳細については図356および図357を参照して後述する。S4141の処理が終了すると、次いで、コマンド判定処理14を実行する(S4142)。このコマンド判定処理14(S4142)の詳細については図358から図361を参照して後述する。S4142の処理を実行後は、変動表示設定処理14を実行し(S4143)、S4114の処理へ移行する。この変動表示設定処理14(S4143)の詳細については図362および図363を参照して後述する。
次に、図356を参照して、メイン処理14(図355)内の一処理である役物制御処理(S4141)の内容について説明をする。
図356に示した通り、本第14実施形態における役物制御処理(S4141)では、まず、初期化フラグ223qcがオンであるか否かを判別する(S8901)。S8901の処理において、初期化フラグ223qcがオンであると判別した場合は(S8901:Yes)、役物の復帰動作(初期動作)を設定するための初期動作処理を実行し(S8902)、本処理を終了する。この初期動作処理(S8902)の詳細については図357を参照して後述する。
一方、S8901の処理において、初期化フラグ223qcがオフであると判別した場合は(S8901:No)、次に、動作停止する役物が有るか否かを判別する(S8903)。動作停止する役物が有ると判別した場合は(S8903:Yes)、当該役物の動作停止を設定し、役物動作フラグ223qfの対応するビットに0を設定して(S8904)、S8905の処理へ移行する。これに対し、S8903の処理において、動作停止する役物が無いと判別した場合は(S8903:No)、S8904の処理をスキップし、S8905の処理へ移行する。
S8905の処理では、動作開始する役物が有るか否かを判別する(S8905)。S8905の処理において、動作開始する役物が有ると判別した場合は(S8905:Yes)、動作開始を設定し、役物動作フラグ223qfの対応するビットに1を設定し(S8906)、S8907の処理へ移行する。一方、S8905の処理において、動作開始する役物が無いと判別した場合は(S8905:No)、S8906の処理をスキップし、S8907の処理へ移行する。
S8907の処理では、復帰待機フラグ223qhがオンであるか否かを判別する(S8907)。復帰待機フラグ223qhがオンであると判別した場合は(S8907:Yes)、役物の復帰動作が遅延されており、且つ、当該遅延が解除された(復帰動作が実行可能な状態となった)ことを意味するため、復帰待機フラグ223qhをオフに設定し(8908)、S8909の処理へ移行する。復帰待機フラグがオフであると判別した場合は(S8907:No)、そのまま本処理を終了する。
S8909の処理では、原点からずれている役物が有るか否かを判別する(S8909)。原点からずれている役物が有ると判別した場合は(S8909:Yes)、原点からずれている役物に対して原点位置方向への動作を設定し(S8910)、初期化フラグ223qcをオンに設定し(S8911)て、本処理を終了する。一方、原点からずれている役物が無いと判別した場合は(S8909:No)、S8910の処理をスキップして、S8911の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図357を参照して、役物制御処理(図356,S4141)内の一処理である初期動作処理(S8902)の詳細について説明をする。
図357に示した通り、本第14実施形態における初期動作処理(S8902)では、まず、役物の異常動作を検出したか否かを判別する(S9001)。S9001の処理において、異常動作を検出したと判別した場合は(S9001:Yes)、異常を検出した役物に応じた報知動作を設定し(S9002)、エラーコマンドを設定して(S9003)、S9004の処理へ移行する。一方、S9001の処理において、異常動作を検出していないと判別した場合は(S9001:No)、S9002およびS9003の処理をスキップし、S9004の処理へ移行する。
S9004の処理では、投入時動作フラグ223qdがオンであるか否かを判別する(S9004)。投入時動作フラグ223qdがオフであると判別した場合は(S9004:No)、次いで、原点復帰中の役物が有るか否かを判別する(S9005)。S9005の処理において、原点復帰中の役物が有ると判別した場合は(S9005:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S9005の処理において、原点復帰中の役物が無いと判別した場合は(S9005:No)、すべての役物用モータの駆動ステップ数を0に設定し(S9006)、1秒間の動作停止期間を設定し(S9007)、投入時動作フラグ223qdをオンに設定して(S9008)、本処理を終了する。
一方、S9004の処理において、投入時動作フラグ223qdがオンであると判別した場合は(S9004:Yes)、次いで、動作停止期間(1秒間)が経過したか否かを判別する(S9009)。動作停止期間が経過していないと判別した場合は(S9009:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S9009の処理において、動作停止期間が経過したと判別した場合は(S9009:Yes)、復帰ポインタ223qeを更新し(S9010)、電源復帰動作テーブル222qc(図346,(a)参照)から復帰ポインタ223qeにより指定されるデータを読み出し(S9011)、次いで、END情報を読み出したか否かを判別する(S9012)。S9012の処理において、END情報を読み出したと判別した場合は(S9012:Yes)、電源復帰動作が終了したことを意味するので、初期化フラグ223qcおよび投入時動作フラグ223qdをオフに設定して(S9014)、本処理を終了する。一方、S9012の処理において、電源復帰動作テーブル222qcから読み出したデータがEND情報ではないと判別した場合は(S9012:No)、読み出したデータに対応する役物の動作を設定し(S9013)、本処理を終了する。
次に、図358を参照して、本第14実施形態におけるコマンド判定処理14(S4142)の詳細について説明をする。このコマンド判定処理14(S4142)は、上述した第13実施形態(および第11実施形態)におけるコマンド判定処理11(図293,S4131)に代えて実行される処理である。
このコマンド判定処理14(S4142)のうち、S4203,S4205,S4207〜S4211、S4214,S4216〜S4218,S4220,S4231,S4233〜S4235およびS4242の各処理では、それぞれ第13実施形態(および第11実施形態)におけるコマンド判定処理11(図293,S4131)のS4203,S4205,S4207〜S4211、S4214,S4216〜S4218,S4220,S4231,S4233〜S4235およびS4242の各処理と同一の処理が実行される。
また、図358に示した通り、本第14実施形態におけるコマンド判定処理14(S4142)では、S4231の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合に(S4231:Yes)、第13実施形態(および第11実施形態)における状態コマンド受信処理11(図294参照)に代えて、状態コマンド受信処理14を実行し(S14201)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理14(S14201)の詳細については図359および図360を参照して後述する。
また、S4218の処理において、当たり関連コマンドを受信したと判別した場合に(S4218:Yes)、大当たりに関連するコマンドの種別に応じた制御を実行するための大当たり関連処理14を実行し(S14202)、本処理を終了する。この大当たり関連処理14(S14202)の詳細については図361を参照して後述する。
一方、S4218の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4218:No)、次いで、設定値コマンドを受信したか否かを判別する(S14203)。設定値コマンドを受信したと判別した場合は(S14203:Yes)、コマンドが示す設定値に応じて従設定値格納エリア223qaを更新し(S14204)、本処理を終了する。これに対し、S14203の処理において、設定値コマンドを受信していないと判別した場合は(S14203:No)、S4220の処理へ移行する。
次に、図359を参照して、コマンド判定処理14(図358,S4142)内の一処理である状態コマンド受信処理14(S14201)の内容について説明をする。この状態コマンド受信処理14(S14201)は、上述した第13実施形態(および第11実施形態)における状態コマンド受信処理11(図294,S4241)に代えて実行される処理である。
この状態コマンド受信処理14(S14201)のうち、S4509、およびS4511〜S4514の各処理では、それぞれ第13実施形態の状態コマンド受信処理11(図294,S4241)のS4509、およびS4511〜S4514各処理と同一の処理が実行される。
また、図359に示した通り、本第14実施形態における状態コマンド受信処理14(S14201)では、S4513の処理において、受信したコマンドが設定確認状態を示すコマンドではないと判別した場合に(S4513:No)、通常の遊技が可能な状態において受信した状態コマンドの種別に応じた制御を実行するための通常時状態設定処理を実行し(S4521)を実行し、S4509の処理へ移行する。この通常時状態設定処理(S4521)の詳細について、図360を参照して説明する。
この通常時状態設定処理(S4521)では、まず、復帰遅延フラグ203qgがオンであるか否かを判別する(S9101)。復帰遅延フラグ203gがオンであると判別した場合は(S9102:Yes)、設定確認状態において通常の遊技状態を示す状態コマンドが通知されたことを意味し、設定確認状態が終了されて復帰動作が可能になったことを意味するので、復帰遅延フラグ203qgをオフに設定し、復帰待機フラグ203qhをオンに設定して(S9102)、S9105の処理へ移行する。一方、S9101の処理において、復帰遅延フラグ203qgがオフであると判別した場合は(S9101:No)、次いで、受信したコマンドが通常状態または潜確状態のどちらかを示すコマンドであるか否かを判別する(S9103)。S9103の処理において、受信したコマンドが通常状態または潜確状態のどちらかを示すコマンドであると判別した場合は(S9103:Yes)、スルー回数カウンタ223qbの値に1を加算して更新し(S9104)、S9105の処理へ移行する。一方、S9103の処理において、受信したコマンドが通常状態または潜確状態を示すコマンドではないと判別した場合は(S9103:No)、S9104の処理をスキップして、S9105の処理へ移行する。
S9105の処理では、遊技状態に変更があるか否かを判別する(S9105)。S9105の処理において、遊技状態に変更があると判別した場合は(S9105:Yes)、変更後の遊技状態に対応する表示用コマンドを設定し(S9106)、本処理を終了する。一方、S9105の処理において、遊技状態に変更はないと判別した場合は(S9105:No)、S9106の処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図361を参照して、コマンド判定処理14(図358,S4142)内の一処理である大当たり関連処理14(S14202)の内容について説明をする。この大当たり関連処理14(S14202)は、上述した第13実施形態(および第1実施形態)における大当たり関連処理(図68,S4802)に代えて実行される処理である。
この大当たり関連処理14(S14202)のうち、S4901,S4902,およびS4913〜S4916の各処理では、それぞれ第13実施形態(および第1実施形態)における大当たり関連処理(図68,S4802)のS4901,S4902,およびS4913〜S4916の各処理と同一の処理が実行される。
また、図361に示した通り、本第14実施形態における大当たり関連処理14(S14202)では、S4901の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4901:No)、S4913の処理へ移行する。
また、図361に示した通り、本第14実施形態における大当たり関連処理14(図361参照)では、S4902の処理を実行後、普通図柄の時短状態の間の当たりか否かを判別する(S4921)。普通図柄の時短状態の間の当たりではないと判別した場合は(S4921:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4921の処理において、普通図柄の時短状態の間の当たりであると判別した場合は(S4921:Yes)スルー回数カウンタ223qbの値を0にリセットし(S4922)、本処理を終了する。この大当たり関連処理14(図361参照)を実行することにより、連荘モード、若しくは引き戻しモードへと移行した場合に、スルー回数をリセットすることができる。よって、遊技者にとって不利な状況がどれだけ続いているのかを正確に把握することができる。
次に、図362を参照して、本第14実施形態における変動表示設定処理14(S4143)の詳細について説明をする。この変動表示設定処理14(S4143)は、上述した第13実施形態における変動表示設定処理13(図325,S4161)に代えて実行される処理である。
この変動表示設定処理14(S4143)のうち、S5231,S5281,S5282,およびS5284〜S5287の各処理では、それぞれ第13実施形態における変動表示設定処理13(図325,S4161)のS5231,S5281,S5282,およびS5284〜S5287の各処理と同一の処理が実行される。
また、図362に示した通り、本第14実施形態における変動表示設定処理14(S4143)では、S5282の処理を実行後、第13実施形態における演出態様設定処理13(図327参照)に代えて、演出態様設定処理14を実行し(S5291)、S5284の処理へ移行する。この演出態様設定処理14(S5291)の詳細について、図363を参照して説明する。
この演出態様設定処理14(S5291)のうち、S8207およびS8208の各処理では、それぞれ第13実施形態における演出態様設定処理13(図326,S5283)のS8207およびS8208の各処理と同一の処理が実行される。
また、図363に示した通り、本第14実施形態における演出態様設定処理14(S5291)では、まず、設定示唆用の変動パターンが通知されたか否かを判別する(S18211)。設定示唆用の変動パターンが通知されたと判別した場合は(S18211:Yes)、変動パターンの種別に対応する設定示唆演出態様を決定し(S18212)、S8208の処理へ移行する。具体的には、偶数示唆スーパーリーチの変動パターンが通知された場合は、「2」,「4」,「6」の3つの数字が付された第3図柄でそれぞれリーチが発生する(トリプルリーチが発生する)態様の設定示唆演出が設定され、奇数示唆スーパーリーチの変動パターンが通知された場合は、「1」,「3」,「5」の3つの数字が付された第3図柄でそれぞれリーチが発生する(トリプルリーチが発生する)態様の設定示唆演出が設定され、設定1否定スーパーリーチの変動パターンが通知された場合は、「2」,「6」の2つの数字が付された第3図柄でそれぞれリーチが発生する(ダブルリーチが発生する)態様の設定示唆演出が設定され、高設定確定スーパーリーチの変動パターンが通知された場合は、「4」,「5」,「6」の3つの数字が付された第3図柄でそれぞれリーチが発生する(トリプルリーチが発生する)態様の設定示唆演出が設定され、設定6確定スーパーリーチの変動パターンが通知された場合は、「6」の数字が付された第3図柄でリーチが発生する態様の設定示唆演出が設定される。これにより、リーチが発生した場合に、リーチの図柄に付された数字を確認するだけで、容易に設定示唆演出によって示唆されている設定値を把握することができるので、遊技者にとって分かり易い演出態様を実現することができる。
なお、本第14実施形態では、設定示唆用の変動パターン以外でリーチを発生させる場合は、設定示唆に用いられる「1」〜「6」の数字が付された第3図柄以外の第3図柄(「7」〜「9」の数字が付された第3図柄)でリーチを発生させるように構成している。これにより、設定示唆用の変動パターンであるか否かをリーチが発生した図柄に付された数字を確認するだけで容易に理解させることができる。よって、遊技者にとって分かり易い演出態様を実現することができる。
一方、S18211の処理において、設定示唆用の変動パターンが通知されていないと判別した場合は(S18211:No)、次いで、今回の変動が外れに対応する変動パターンであるか否かを判別する(S18213)。今回の変動が外れに対応する変動パターンであると判別した場合は(S18213:Yes)、次に、現在が通常状態又は潜確状態であるか否かを判別する(S18214)。S18214の処理において、現在が通常状態又は潜確状態であると判別した場合は(S18214:Yes)、スルー回数カウンタ223qbの値に対応する抽選確率で状態示唆演出の実行可否を抽選し(S18215)、当該実行可否の抽選に当選したか否かを判別する(S18216)。S18216の処理において、実行可否の抽選に当選したと判別した場合は(S18216:Yes)、演出種別選択テーブル222qb(図345参照)を参照して、設定値と演出カウンタ223fの値とに対応する演出態様を決定し(S18217)、S8208の処理へ移行する。
一方、S18213の処理において、今回の変動が外れに対応する変動パターンではないと判別した場合と(S18213:No)、S18214の処理において、現在が通常状態又は潜確状態のどちらでもないと判別した場合と(S18214:No)、S18216の処理において、状態示唆演出の実行可否の抽選において非当選になったと判別した場合には(S18216:No)、S8207の処理へ移行する。
この演出態様設定処理14(図363参照)を実行することにより、設定示唆用の変動パターンが主制御装置110から通知された場合に、変動種別に応じた設定値を示唆する演出を実行することができる上に、設定示唆用の変動パターンが通知されなかった場合でも、遊技者に不利な状況が連続しているほど、設定示唆演出の実行割合を高めることができる。よって、遊技者に対して設定を示唆し得る変動表示演出のバリエーションを豊富にすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、本第14実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の大当たり抽選と、変動パターンを決定するための抽選とを、同一の乱数値に基づいて実行するように構成した。そして、一部の設定値において当たりとなり、一部の設定値において外れとなる乱数値に対応する外れの変動パターンとして、特別な外れ変動パターンが選択されるように構成した。つまり、一部の設定値でしか選択されない外れ変動パターンが実行された場合に、設定値を推測する(絞り込む)ことが可能に構成した。このように構成することで、外れ時に実行される変動パターンの種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、主制御装置110において抽選される変動種別によって設定を示唆することができるので、音声ランプ制御装置113側では、単に特別図柄の抽選が実行される毎に出力される変動パターンコマンドを解析して、その解析結果に応じた変動パターン演出を実行するだけでよく、音声ランプ制御装置113の処理負荷を低減することができる。また、音声ランプ制御装置113側では、変動種別と変動パターン演出の演出態様との対応関係のみを規定しておけばよく、設定値そのものを把握しておかなくても良い(即ち、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して設定値を通知しなくてもよい)ため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができると共に、不正に設定値を取得されてしまうことを防止(抑制)することができる。
また、本第14実施形態では、遊技者にとって不利な状況になるほど、設定を示唆することが可能な特定の演出(当選率示唆演出)の実行割合が高くなるように構成した。即ち、大当たり終了後に有利な遊技状態(次の大当たりまで継続する確変状態、若しくは時短回数が100回の時短状態)へと移行できなかった回数が連続する程(スルー回数が多くなるほど)、当選率示唆演出の実行割合が高くなるように構成した。これにより、不利な状況が長く続いているパチンコ機10において遊技を開始しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
更に、本第14実施形態では、電源投入時において設定変更状態である場合に、電源復帰動作(および原点復帰動作)を設定変更が終了するまで遅延させるように構成している。このように構成することで、各役物の動作に邪魔をされて設定変更操作が行い難くなってしまうことを抑制することができるので、設定変更操作時における利便性を向上させることができる。また、設定変更状態においては、パチンコ機10の背面側に設けられている設定キー110bや設定スイッチ110cを操作するために内枠12および正面枠14を開放する必要があるが、これらが開放した状態においては、内枠12および外枠14が開閉軸のみによって支持された比較的不安定な状態となるため、役物の復帰動作を実行させてしまうと異常な負荷が生じてしまい、開閉軸等の破損を招来してしまう可能性がある。これに対して、設定変更状態において役物の復帰動作を遅延させる構成とすることにより、内枠12および正面枠14が開放されている不安定な状態において役物が動作することを抑制できるので、開閉軸等の破損を防止することができる。
また、本第14実施形態では、電源投入時において設定確認状態である場合は、電源復帰動作(および原点復帰動作)を回避するように構成している。電源投入時に設定確認状態である場合は、パチンコ機10の状況が変化する可能性が低いためである。このように構成することで、設定確認状態の終了後に早期に役物が通常通り可動可能な状態に復帰させることができる。
なお、本第14実施形態では、大当たり終了後に有利な連荘モード、若しくは引き戻しモードのどちらにも移行できなかった連続回数(スルー回数)が多くなるほど、通常状態において当選率示唆演出が実行される確率が高くし、結果的に設定値が示唆される可能性を高くするように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、通常大当たりに連続して当選する程、大当たり終了後に通常状態に移行した場合に、当選率示唆演出の実行確率を高くするように構成してもよい。このように構成することで、不利な通常大当たりに当選した場合でも、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
本第14実施形態では、大当たり終了後に有利な連荘モード、若しくは引き戻しモードのどちらにも移行できなかった連続回数(スルー回数)が多くなるほど、通常状態において当選率示唆演出が実行される確率が高くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、上述した第12実施形態と組み合わせて、有利な連荘モードB(潜確状態)において第1特別図柄の抽選で外れが連続するほど当選率示唆演出が実行され易くなるように構成してもよい。また、例えば、連荘モードBにおいて賞球をほぼ得ることができない第1特別図柄の小当たりによって、有利な第2特別図柄の小当たり変動が外れ図柄で強制停止されてしまうという不利な状況が発生するほど、当選率示唆演出が発生しやすくなるように構成してもよい。このように構成することで、不利な状況が発生した場合における遊技者のストレスを軽減することができる。また、例えば、確変状態において、特別図柄の抽選が実行される毎に特別図柄の低確率状態へと移行(転落)させるか否かの抽選を実行するタイプのパチンコ機10において、確変状態に設定されてから転落抽選に当選するまでの特別図柄の抽選回数が少ないほど、当選率示唆演出により設定値が示唆され易くなるように構成してもよい。このように構成することで、少ない抽選回数で不利な特別図柄の低確率状態に転落してしまった場合にも、遊技者の失望感を軽減させることができる。
本第14実施形態では、設定に応じて大当たり判定値(乱数値)の分布を異ならせ、一部の設定値で外れとなり、且つ、一部の設定値で大当たりとなる乱数値で外れとなった場合に特別な変動パターンが決定されるように構成することにより、当該特別な変動パターンによって設定値を示唆することが可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、単に設定に応じて異なるデータが規定された変動パターン選択テーブルを参照する構成とし、一部の設定値で選択され易くなる変動パターンや、一部の設定値でしか選択されない変動パターンを設けてもよい。このように構成することで、大当たり判定値を離散的な値とする必要がなくなるため、大当たり判定値を設定する際の開発者の手間を軽減することができる。
本第14実施形態では、設定キー110bがオンの状態で、且つ、RAMクリア操作を伴って電源が投入された場合に、役物の復帰動作を遅延させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、RAMクリア操作を伴って電源が投入された場合には、無条件に役物の復帰動作を実行させるように構成してもよい。このように構成することで、設定変更状態が終了後、役物も含めて通常の遊技が可能な状態に移行するまでの期間を短縮することができる。
本第14実施形態では、特別図柄の高確率状態、および特別図柄の低確率状態における大当たり確率のみを、設定に応じて異ならせる構成としていたが、設定に応じて異ならせることができる対象はこれに限られるものではない。設定値に応じて遊技者の有利度合いが異なっていればよく、例えば、確変リミット回数を設定が高くなる程多くしてもよい。このように構成することで、連荘モードへと移行した場合に、設定が高い程より多くの回数、連荘モードがループし易くなるので、遊技者に対して、より高い設定値のパチンコ機10で遊技を行いたいと強く願わせることができる。よって、設定示唆演出や当選率示唆演出の内容により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第14実施形態では、電源投入時に設定変更状態であった場合(即ち、パチンコ機10の背面側の設定キー110bや設定スイッチ110cを操作するために内枠12や正面枠14が開放されている場合)は、当該設定変更状態が終了するまでの間、役物の復帰動作(原点復帰動作、電源復帰動作)の開始を遅延させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、設定変更状態が終了したとしても、内枠12および正面枠14のうち少なくとも一方が開放されている間は、役物の復帰動作の開始が遅延されるように構成してもよい。このように構成することで、内枠12や正面枠14が開放されている状態で役物が動作してしまい、内枠12の開閉軸や正面枠14に対して通常遊技中とは異なる負荷がかかってしまうことを抑制することができる。よって、ヒンジ18やヒンジ19等に通常よりも大きな負荷が生じる結果、破損してしまうことを抑制することができる。
本第14実施形態では、電源投入時が設定変更状態であった場合、役物の復帰動作の開始を遅延させるように構成していたが、これに限られるものではない。一部または全部の役物について、復帰動作を遅延させずに電源投入に基づいて実行させてもよい。この場合、設定変更状態であるか否かによらず電源投入直後に復帰動作を開始させる役物としては、設定変更動作の妨げにならず、且つ、内枠12や正面枠14が開いている状態において役物動作に基づく重心位置の移動量が所定量(例えば、5cm)以内に収まるものに設定すればよい。内枠12や正面枠14が開放されている状態においては、これらが開閉軸のみによって支えられているため、重心位置が大きくズレ得る役物(重量が重い役物や、移動速度が速い役物、移動距離が長い役物等)を可動させてしまうと、開閉軸に対して過剰な負荷が生じてしまう虞がある。よって、可動によって内枠12や正面枠14の重心位置への影響がほとんどない役物の復帰動作のみを電源投入直後に開始させる構成とすることで、内枠12や正面枠14の開閉軸等が破損してしまうことを抑制することができる。
本第14実施形態では、大当たりを報知するための第3図柄に関しては、何ら制限無く選択する構成としていた。つまり、「6」が付された第3図柄でリーチが発生したとしても、同一の第3図柄が3つ揃って大当たりが報知されてしまうと、外れ変動の一種である設定6確定スーパーリーチではないことも確定してしまうように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、「1」〜「6」の数字が付された第3図柄でリーチが発生した場合(つまり、設定示唆の変動パターンで選択され得る第3図柄でリーチが発生した場合)は、当たりになっても外れになってもリーチが発生した第3図柄に付された数字で設定を示唆する(同一の第3図柄が揃ったか否かとは無関係に設定を示唆する)ように構成してもよい。このように構成することで、良い設定が示唆されたと思ったにもかかわらず大当たりが報知されてしまい、遊技者にぬか喜びしてしまったと思わせてしまうことを抑制することができる。
<第14実施形態の変形例>
次に、図368を参照して、上述した第14実施形態の変形例について説明する。上述した第14実施形態では、第3図柄表示装置81においてリーチが発生した場合に、そのリーチが発生している図柄に付された数字によって、変動パターンの種別を遊技者に示唆するように構成していた。より具体的には、「2」,「4」,「6」の3つの数字が付された第3図柄で同時にリーチが発生することで、偶数設定の可能性が高いことを示唆し、「1」,「3」,「5」の3つの数字が付された第3図柄で同時にリーチが発生することで、奇数設定の可能性が高いことを示唆し、「2」,「6」の2つの数字が付された第3図柄でそれぞれリーチが発生することで、設定1の可能性が無いことを示唆し、「4」,「5」,「6」の3つの数字が付された第3図柄で同時にリーチが発生することで、高設定である(設定4〜6のいずれかである)ことを示唆し、「6」の数字が付された第3図柄でリーチが発生することで、設定6であることを示唆するように構成していた。
これに加えて、本変形例では、リーチが発生する前に、演出態様によって設定示唆演出が発生する可能性があることを示唆する各種の演出例について説明する。
まず、図368(a)は、リーチ図柄の種別を遊技者に選択させるリーチ図柄選択演出が実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。このリーチ図柄選択演出は、リーチが発生するタイミング(例えば、変動開始後11秒経過時点)よりも前の所定期間(例えば、変動開始後5秒〜10秒経過時)の期間で実行される可能性がある演出である。図368(a)に示した通り、リーチ図柄示唆演出が実行されると、副表示領域Dsにおける小領域Ds3に対して、吹き出しを模した表示領域が形成されると共に、その表示領域の内部に「PUSHでリーチ図柄を選べ!!」という文字が表示される。また、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmには、その中央に、横長略長方形形状で「選べ!」という文字が表示された表示領域が形成されると共に、主表示領域Dmの右上側に、「4」,「5」,「6」の数字が付された3つの第3図柄が表示され、右下側に、「6」の数字が付された第3図柄が表示された表示領域が形成され、左上側に、「7」の数字が付された第3図柄が表示された表示領域が形成され、左下側に、「2」,「4」,「6」の数字が付された3つの第3図柄が表示される。このリーチ図柄選択演出の実行中は、異なる第3図柄の組み合わせが表示された4つの表示領域のうち1の表示領域が点灯(発光)した見た目に設定され、残りの表示領域が消灯した見た目に設定される。遊技者が枠ボタン(PUSHボタン)22を押下した時点で点灯した見た目に設定されている表示領域に示された第3図柄が、当該変動表示演出におけるリーチ図柄として設定される。これにより、遊技者に対して、リーチ図柄を選択させる楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、「6」の数字が付された第3図柄でのリーチを選択して、当該リーチが外れた場合、設定6確定スーパーリーチであることが確定するので、当たりになったとしても、外れになったとしても遊技者を喜ばせることができる。言い換えれば、リーチ図柄選択演出において選択肢の中に高設定示唆スーパーリーチや設定6確定スーパーリーチ等の、外れた場合に比較的遊技者に有利な設定が確定する図柄の組み合わせが含まれている場合に、高設定を望む遊技者に対しては、設定示唆用の図柄の組み合わせを選択した上で、当該変動表示が外れとなることを期待させることができる。また、逆に、大当たりを期待する遊技者に対しては、大当たりが報知されることを期待して遊技を行わせることができる。このように、リーチ図柄選択演出を実行することにより、高設定を望む遊技者であるか、大当たりを望む遊技者であるかに応じて、選択するリーチ図柄、および期待する変動表示の結果を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、高設定を望む遊技者の場合、特に、当該変動に対する予告(例えば、所謂、保留予告演出やコメント予告演出等)の期待度が低い場合(大当たりとなる可能性が低いことに対応する内容の場合)に、リーチ図柄選択演出において高設定の示唆に対応する組み合わせの選択肢(表示領域)が表示された時点で、高設定が示唆される期待感を高めることができる。つまり、他の演出との兼ね合いで、リーチ図柄選択演出が実行された場合に、設定が示唆される(外れとなる)可能性が高いのか、大当たりが報知される可能性が高いのかを水素くさっせる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図368(b)を参照して、本変形例におけるリーチ図柄先読み演出について説明する。図368(b)は、リーチ図柄先読み演出の表示態様を示した図である。図368(b)に示した通り、リーチ図柄先読み演出が実行されると、小領域Ds3において、「保留内に6リーチ有り」という文字が表示される。つまり、いずれかの保留球に基づく変動表示において、「6」図柄でリーチが発生する演出態様のリーチ演出が実行されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、この場合も。高設定を望む遊技者に対して、「6」の図柄でリーチが発生した場合に外れることを期待させることができる。また、一部の保留図柄の表示態様が変更される予告演出(所謂保留予告演出)が生じている場合には、当該保留予告演出が生じている保留球(即ち、表示態様が変更されていない保留球に比較して大当たり期待度が高い保留球)で「6」の図柄のリーチが発生しないことをより強く期待させることができるという、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、リーチ図柄先読み演出には、設定示唆用の他の第3図柄を報知するパターンについても設けられているし、他の図柄(例えば、大当たり期待度が高い「7」図柄等)を報知する態様も設けられている。これにより、リーチ図柄先読み演出が実行された際に、報知された図柄の種別から、大当たり期待度や設定示唆が行われる期待度等を推測する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第14実施形態では、設定変更状態や設定確認状態において、設定値を設定値表示装置110aに表示させるように構成していたが、これに代えて、又は加えて、第3図柄表示装置81に対しても表示させるように構成してもよい。この場合、設定変更状態や設定確認状態において、役物の復帰動作を遅延若しくは回避させることにより、役物の可動によって第3図柄表示装置81に表示される設定値が役物の背後に隠れてしまうことを抑制できるので、設定変更状態や設定確認状態における役物の動作をより好適に制御することができる。
本第14実施形態では、設定変更状態の間、役物の復帰動作の開始を抑制(遅延)させるように構成していたが、設定変更状態であっても復帰動作を開始させてもよい。この場合、設定変更状態では内枠12や正面枠14が開放されて、ホールの店員によってパチンコ機10の背面側に対する操作が行われている場合がほとんどとなるので、役物の復帰動作の状況を確認し難くなる。よって、設定変更状態の間に役物の動作に異常が生じた場合は、設定変更状態以外の状態で役物の動作に異常が生じた場合よりも目立つ態様(パチンコ機10の背面側に注目していたとしても容易に気付くことが可能な態様)で異常を報知するように構成してもよい。このように構成することで、役物の一部または全部に異常が生じていた場合に、ホールの店員に対して容易に当該異常に気付かせることができる。
<第15実施形態>
次に、図364から図367を参照して、第15実施形態におけるパチンコ機10について説明を行う。上述した第11〜第14実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110において第1当たり乱数カウンタC1の値を常時更新し続けると共に、始動入賞時に取得された第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が当たり乱数に一致するか否かを判別することで、特別図柄の大当たりか否かの抽選(大当たり抽選)を実行する構成としていた。また、設定値毎に異なる当たり乱数値を対応付けて規定した第1当たり乱数テーブルを用いて大当たり抽選を実行する構成としていた。
これに対して第15実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110とは別に、当たり乱数(第1当たり乱数カウンタR1)を生成可能な乱数生成用IC900を設ける構成とし、始動入賞時にこの乱数生成用IC900によって生成された乱数値(第1当たり乱数カウンタR1のカウンタ値)を取得して、大当たり抽選に用いる構成とした。また、この乱数生成用IC900は、乱数の更新範囲を指定することが可能に構成されており、設定値に応じて異なる乱数更新範囲を設定することにより、共通の当たり判定値を用いて大当たり抽選確率を可変させることが可能に構成した。例えば、第1の設定の乱数更新範囲に対して、第2の設定の乱数更新範囲を半分にすれば、第2の設定における大当たり確率の確率分母が第1の設定の半分になるため、第2の設定における大当たり確率を第1の設定における大当たり確率の半分にすることができる。このように構成することで、主制御装置110側では、単に設定変更時に乱数生成用ICに対して設定値に応じた乱数更新範囲を設定しておき、特別図柄の抽選を実行する際には共通の当たり乱数値と乱数生成用ICから取得した第1当たり乱数カウンタR1のカウンタ値とを比較するだけでよくなる。つまり、主制御装置110において、設定値毎の異なる当たり判定値を記憶しておく必要がなく、設定によらない共通の1の当たり判定値のみを記憶しておけば良いため、設定値に応じた当たり判定値を選択するという処理を削除できる分だけ特別図柄の抽選時における処理負荷を軽減することができる。また、第1当たり乱数テーブルの容量を削減することができる。
この第15実施形態におけるパチンコ機10が、第11実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110の入出力ポート205に対して乱数生成用IC900が電気的に接続されている点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第11実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第11実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図364を参照して、第15実施形態における電気的構成について説明する。図364は、本第15実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図364に示した通り、本第15実施形態では、上述した第11実施形態におけるパチンコ機10の構成に加え、主制御装置110の入出力ポート205に対して乱数生成用IC900が電気的に接続されている点で相違している。乱数生成用IC900は、始動入賞に基づいて取得される当たり乱数(第1当たり乱数カウンタR1)を生成するために用いられる。即ち、第11実施形態においてRAM203に格納されていた第1当たり乱数カウンタC1に代えて、主制御装置110において実行される大当たり抽選(判定)に用いるカウンタ値(乱数値)を外部のICより取得するように構成されている。このように構成することで、RAM203において各種カウンタ値を格納しておく記憶領域を削減できるので、RAM203の容量を節約することができる。また、各種カウンタ値を更新する処理を省略することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。この乱数生成用IC900は、最大で16ビット(0〜65535)の数値を第1当たり乱数カウンタR1の値としてランダムに生成することができる。この乱数生成用IC900は、例えば、内部に250kHzのクロック周波数を生成可能なクロック生成回路を有して構成され、このクロック生成回路によってクロック信号が生成される毎に、このクロック信号に同期して設定されている乱数更新範囲内の乱数値(第1当たり乱数カウンタR1の値)をランダムに生成することができる。即ち、0.004ミリ秒毎にランダムに乱数値を生成することが可能に構成されているため、タイマ割込処理(図39参照)の実行間隔よりも短い間隔で乱数値を生成することができる。よって、複数回のタイマ割込処理に渡って乱数値が更新されないという事態が生じてしまうことを確実に防止できるので、大当たり抽選におけるランダム性を担保することができる。
なお、本第15実施形態では、第1当たり乱数カウンタR1のみを乱数生成用IC900によって生成する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第1当たり種別カウンタC2や、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4や、普図変動種別カウンタCS2等の、各種カウンタ値の一部または全部について、乱数生成用IC900によって生成される乱数値に置き換えてもよい。このように構成することで、RAM203において各種カウンタ値を格納しておく記憶領域を削減できるので、RAM203の容量を節約することができる。また、各種カウンタ値を更新する処理を省略することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。
次に、図365を参照して、本第15実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図示については省略したが、本第15実施形態におけるROM202は、第11実施形態におけるROM202の構成(図268(a)参照)に対して、第1当たり乱数11テーブル202maに代えて第1当たり乱数15テーブル202raが設けられている点、および乱数生成用IC900の乱数更新範囲を設定値毎に規定した乱数範囲設定テーブル202rbが追加されている点でのみ相違する。
まず、図365(a)を参照して、本第15実施形態における第1当たり乱数15テーブル202raの詳細について説明する。図365(a)は、本第15実施形態における第1当たり乱数15テーブル202raの規定内容を示した図である。図365(a)に示した通り、本第15実施形態における第1当たり乱数15テーブル202raには、特別図柄の低確率状態における大当たり判定値として「0〜204」が規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり判定値として「0〜643」が規定されている。つまり、第11実施形態における設定1の大当たり判定値(図269(a)参照)のみが規定されている。本第15実施形態では、第1当たり乱数15テーブル202raに規定されている乱数値(当たり判定値)を共通とする代わりに、乱数生成用IC900により生成される乱数値の範囲を設定に応じて可変させることにより、設定毎の大当たり確率が第11実施形態と同一となるように構成した。
次に、図365(b)を参照して、本第15実施形態における乱数範囲設定テーブル202rbの詳細について説明する。この乱数範囲設定テーブル202rbは、乱数生成用IC900に対して、設定値に応じた乱数生成範囲(乱数更新範囲)を設定する際に参照されるデータテーブルである。設定変更状態の終了時には、この乱数範囲設定テーブル220rbが参照されて設定された設定値に応じた乱数生成範囲が特定され、当該特定された乱数生成範囲が乱数生成用IC900に対して設定される。乱数生成範囲を異ならせることで、設定毎に大当たり抽選における確率分母を異ならせることができるので、実質的に大当たり確率を設定に応じて異ならせることができる。
図365(b)に示した通り、本第15実施形態における乱数範囲設定テーブル202rbには、設定1に対応する乱数生成範囲として、「0〜65535」が対応付けて規定され、設定2に対応する乱数生成範囲として、「0〜61499」が対応付けて規定され、設定3に対応する乱数生成範囲として、「0〜57399」が対応付けて規定され、設定4に対応する乱数生成範囲として、「0〜53299」が対応付けて規定され、設定5に対応する乱数生成範囲として、「0〜49199」が対応付けて規定され、設定6に対応する乱数生成範囲として、「0〜45099」が対応付けて規定されている。
よって、設定1では、第1当たり乱数カウンタR1の値が「0〜65535」の65536個の値を取り得るため、設定1における特別図柄の低確率状態、および高確率状態の大当たり確率はそれぞれ1/320(205/65536)、および1/101.8(644/65536)である。また、設定2では、第1当たり乱数カウンタR1の値が「0〜61499」の61500個の値を取り得るため、設定2における特別図柄の低確率状態、および高確率状態の大当たり確率はそれぞれ1/300(205/61500)、および1/95.5(644/61500)である。また、設定3では、第1当たり乱数カウンタR1の値が「0〜57399」の57400個の値を取り得るため、設定3における特別図柄の低確率状態、および高確率状態の大当たり確率はそれぞれ1/280(205/57400)、および1/89.1(644/57400)である。また、設定4では、第1当たり乱数カウンタR1の値が「0〜53299」の53300個の値を取り得るため、設定4における特別図柄の低確率状態、および高確率状態の大当たり確率はそれぞれ1/260(205/53300)、および1/82.8(644/53300)である。また、設定5では、第1当たり乱数カウンタR1の値が「0〜49199」の49200個の値を取り得るため、設定5における特別図柄の低確率状態、および高確率状態の大当たり確率はそれぞれ1/240(205/49200)、および1/76.4(644/49200)である。また、設定6では、第1当たり乱数カウンタR1の値が「0〜45099」の45100個の値を取り得るため、設定6における特別図柄の低確率状態、および高確率状態の大当たり確率はそれぞれ1/220(205/45100)、および1/70(644/45100)である。
このように、本第15実施形態では、第1当たり乱数15テーブル202raに対して設定値によらない共通の当たり判定値の範囲のみを規定しておき、乱数生成用IC900において乱数値を生成する範囲を設定値に応じて異ならせることで、設定毎の大当たり確率を可変させる構成としている。このように構成することで、第1当たり乱数15テーブル202raのデータ量を削減することができると共に、大当たり抽選を実行する際に、設定値に応じた大当たり判定値を読み出す処理が不要となるため、大当たり抽選時の処理負荷を軽減することができる。
<第15実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図366、および図367を参照して、本第15実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図366を参照して、本第15実施形態における始動入賞処理15(S1751)の詳細について説明する。この始動入賞処理15(S1751)は、第11実施形態(および第4実施形態)における始動入賞処理4(図134参照)に代えて実行される処理であり、始動入賞に基づいて各種乱数値(カウンタ値)を取得するための処理である。
この第15実施形態における始動入賞処理15(図366参照)のうち、S1751〜S1755,S1757〜S1762、およびS1764の各処理では、それぞれ第11実施形態(および第4実施形態)における始動入賞処理4(図134参照)のS1751〜S1755,S1757〜S1762、およびS1764の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第15実施形態における始動入賞処理15(図366参照)では、S1755の処理が終了すると、次に、第1当たり乱数カウンタR1の値を乱数生成用IC900から取得して(S1771)、更に、第1当たり種別カウンタC2、および変動種別カウンタCS1の各値を取得して、これらの取得したカウンタ値(乱数値)を第1特別図柄保留球格納エリア203daに格納し(S1772)、処理をS1757へと移行する。
また、本第15実施形態における始動入賞処理15(図366参照)では、S1762の処理が終了すると、次に、第1当たり乱数カウンタR1の値を乱数生成用IC900から取得して(S1773)、更に、第1当たり種別カウンタC2、および変動種別カウンタCS1の各値を取得して、これらの取得したカウンタ値(乱数値)を第2特別図柄保留球格納エリア203dbに格納し(S1774)、処理をS1764へと移行する。
この始動入賞処理15(図366参照)を実行することにより始動入賞を検出する毎に、乱数生成用IC900によってランダムに生成される第1当たり乱数カウンタR1の値を取得することができる。
次に、図367を参照して、本第15実施形態における設定値制御処理15(S1741)の詳細について説明する。この設定値制御処理15(S1741)は、第11実施形態における設定値制御処理(図291参照)に代えて実行され、設定変更状態、および設定確認状態における制御を行うための処理である。
この設定値制御処理15(図367参照)のうち、S3101〜S3113の各処理では、それぞれ第11実施形態における設定値制御処理(図291参照)のS3101〜S3113の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第15実施形態における設定値制御処理15(図367参照)では、S3108の処理において設定キー110bがオフ位置に配置されたと判別した場合に、設定値に対応する乱数生成範囲を乱数範囲設定テーブル202rb(図365(b)参照)から読み出して、その読み出した乱数生成範囲を乱数生成用IC900に設定し(S3131)、本処理を終了する。
この設定値制御処理15(図367参照)を実行することにより、設定値に応じた乱数生成範囲を設定することができるので、設定値に応じて確率分母を異ならせ、結果的に設定値に応じて大当たり確率を異ならせることができる。
以上説明した通り、本第15実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110において実行される大当たり抽選(判定)に用いるカウンタ値(乱数値)を外部のICより取得するように構成されている。このように構成することで、RAM203において各種カウンタ値を格納しておく記憶領域を削減できるので、RAM203の容量を節約することができる。また、各種カウンタ値を更新する処理を省略することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。また、本第15実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりと判定される判定値が規定されている第1当たり乱数15テーブル202raに対して、設定値によらない共通の当たり判定値の範囲のみを規定しておき、乱数生成用IC900において乱数値を生成する範囲を設定値に応じて異ならせることで、設定毎の大当たり確率を可変させる構成としている。このように構成することで、第1当たり乱数15テーブル202raのデータ量を削減することができると共に、大当たり抽選を実行する際に、設定値に応じた大当たり判定値を読み出す処理が不要となるため、大当たり抽選時の処理負荷を軽減することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(時短回数の更新タイミングと、時短終了の判別タイミングとを異ならせる)
判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報が、特定の前記判別結果を示すための特定識別情報で停止表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による前記判別に関わる第1情報を更新可能な更新手段と、その更新手段により更新された前記第1情報が終了条件を満たしているかを判別することが可能な終了判別手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記終了判別手段により前記終了条件を満たしていると判別された場合に、前記第2遊技状態を設定するものであり、前記遊技機は、前記更新手段による前記第1情報の更新タイミングを、前記終了判別手段により前記終了条件を満たしているかを判別する終了判別タイミングと異ならせて実行するものであることを特徴とする遊技機A1。
近年、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動期間を経た後に停止表示される抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、複数の遊技状態を設定可能に構成し、特定の遊技状態が設定された場合に、始動口に遊技球が入球し易い有利状態を、抽選回数が特定回数に到達するまで設定するように構成した遊技機がある(例えば、特開2001−033569号公報)。このような遊技機では、遊技者に対して、第1遊技状態が設定されることを期待しながら遊技を行わせることができ遊技者の遊技意欲を高めることができるものであった。さらに、上述した遊技機では、有利状態中における抽選回数の計測(減算)処理と、抽選回数が特定回数に到達したことに基づいて実行される有利状態の終了処理とを、抽選結果が停止表示されるタイミングに実行するように構成し、設定された有利状態を遊技者により長い期間提供するように構成していた。しかしながら、上述した遊技機では、有利状態中における抽選回数の計測(減算)処理と、抽選回数が特定回数に到達したことに基づいて実行される有利状態の終了処理と、を抽選結果が停止表示されたことを契機に実行するように構成しているため、所定タイミング(抽選結果の停止表示タイミング)において実行される処理が増大してしまうという問題があった。上記した遊技機において、同一タイミングで実行される処理量を減らすことで、処理負荷の軽減を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
また、近年におけるパチンコ機等の遊技機において、特典遊技を実行させるための遊技を重複して実行可能(重複遊技可能)に構成し、一方の遊技の遊技結果に応じて、他方の遊技における抽選結果を示すための変動期間の減算を中断させるように構成した遊技機がある(例えば、特開2015−12907号公報)。このような遊技では、複数の遊技を重複して実行することができるため特典遊技が実行されることを目指す遊技を効率良く行うことができるものであった。さらに、一方の遊技の遊技結果に応じて、他方の遊技を一時的に中断させることができるため、重複して実行される複数の遊技によって重複して特典遊技が実行されてしまい、遊技者に対して分かり難い特典遊技が実行されてしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、重複遊技を実行可能な遊技機に、上述した有利状態を設定可能な構成を用いた場合、有利状態中における抽選回数の計測(減算)処理と、抽選回数が特定回数に到達したことに基づいて実行される有利状態の終了処理とが、抽選結果が停止表示されるタイミングで実行されてしまうため、例えば、一方の遊技によって特典遊技が付与されることに基づいて他方の遊技における抽選結果を示すための変動時間の減算が中断されている場合であって、付与された特典遊技によって有利状態が設定される場合には、中断されていた変動時間の減算が再開され抽選結果が停止表示された場合に抽選回数の計測(減算)処理が実行されてしまうという問題があった。即ち、有利状態以外で実行された抽選結果が停止表示されたことに基づいて有利状態中における抽選回数の計測(減算)処理が実行されてしまうため、遊技者に対して有利状態中の遊技を好適に実行させることができないとい問題があった。上記した遊技機において、有利状態中の遊技を遊技者に対して好適に実行させることにより遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、更新手段による第1情報の更新と、終了判別手段による終了の判別と、を異なるタイミングで実行することができる。よって、第1情報が更新されることにより終了条件を満たす場合において、同一タイミングで実行される処理量を減らすことができ、処理負荷の軽減を図ることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記更新タイミングは、前記判別手段により前記判別が実行されるタイミングであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、判別手段の判別に関わる第1情報の更新タイミングを判別手段により判別が実行されるタイミングとしているため、判別内容に対応させた第1情報の更新を確実に行うことができるという効果がある。また、判別手段により判別が実行されることで更新手段により前記第1情報が更新し得るため、遊技者に対して、判別手段の判別と、設定される遊技状態との両方に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。さらに、判別手段による判別が実行された場合に、更新手段により第1情報が更新されるため、無駄に更新処理が実行されてしまうことを抑制し、処理負荷の軽減を図ることができるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、前記終了判別タイミングは、前記識別情報が停止表示された後であることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、識別情報が動的表示されていない期間に終了条件の判別を実行するため、遊技者が判別手段の判別結果を把握するために識別情報の動的表示を注視している間に遊技状態が変わってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機A3において、前記判別手段は、前記遊技状態設定手段により設定されている前記遊技状態に対応した判別を実行するものであり、前記終了判別タイミングは、前記識別情報が停止表示されてから、次に前記判別手段による前記判別が実行されるまでの間であることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、更新手段により、第1情報を終了条件が成立し得る第1情報へと更新したにも関わらず、第2遊技状態が設定されるよりも前に判別手段による判別が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、第1情報の更新タイミングと、終了判別タイミングと、を異ならせたとしても、判別手段により実行される判別を適正に実行することができるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記第1情報は、前記判別手段により実行される前記判別の回数に基づいて前記更新手段により更新されるものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、判別手段が判別を実行する毎に第1情報が更新されるため、遊技者に対して第1情報の更新状況を分かりやすくすることができる。よって、第1遊技状態が急に第2遊技状態へと移行してしまい、遊技者が困惑してしまう事態が生じることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A5において、前記更新手段は、前記判別手段による前記判別が実行されてから、その判別の判別結果を示すための動的表示が実行されるまでの間に、前記第1情報を更新するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、識別情報を動的表示している期間中に第1情報が更新されないため、処理負荷の軽減を図ることができるという効果がある。
遊技機A1からA6において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている状態で中断条件が成立した場合に、前記動的表示を中断させる中断手段と、その中断手段により中断されている前記動的表示を、再開条件が成立した場合に再開させる再開手段と、前記中断手段により前記動的表示を中断させた場合に、前記更新手段により更新された前記第1情報を可変可能な情報可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示を中断した場合に、情報可変手段により第1情報が可変される場合がある。よって、遊技者に対して、識別情報の動的表示中に、判別手段の判別結果に加えて、中断の有無についても楽しませることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記情報可変手段は、前記第1情報を、その第1情報よりも前記終了条件が成立し難い可変第1情報へと可変するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示中に、中断手段により動的表示が中断されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A7またはA8において、前記特典遊技実行手段は、前記判別手段により実行される前記判別の結果に基づいて成立し得る第1条件とは異なる第2条件が成立した場合にも前記特典遊技を実行可能なものであり、前記中断条件は、前記第2条件が成立したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A7またはA8の奏する効果に加え、判別手段による判別を用いること無く特典遊技を実行させることができる第2条件が成立した場合に中断条件を成立させることができるため、判別手段の判別とは別の遊技を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A9において、遊技球が入球可能な入球手段を有し、前記第2条件は、前記入球手段に遊技球が入球した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、判別手段による判別とは別の遊技として、遊技球を入球手段に入球させる遊技を行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A10において、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変可能な可変部材と、その可変部材を実行条件の成立に基づいて所定期間第1状態へと可変させる可変動作を実行可能な可変制御手段と、を有し、前記可変制御手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態のほうが、前記第2遊技状態が設定されている場合よりも前記可変動作を実行し易いものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、第2遊技状態よりも第2条件が成立し易い第1遊技状態が継続する期間を、第2条件の成立に基づいて可変させることができるため、遊技者対して第2条件を成立させるための遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
<特徴B群>(設定条件によって、入賞球により特典が付与される割合を異ならせる)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変可能な可変入球手段と、実行条件の成立に基づいて前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変させる可変制御手段と、前記可変入球手段に入球した遊技球が通過し得る特定領域と、その特定領域に遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記可変制御手段により前記可変入球手段が可変制御される場合の設定情報を判別可能な設定情報判別手段と、その設定情報判別手段により判別された前記設定情報に応じて、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記特定領域を通過し易い第1状態と、その第1状態よりも通過し難い第2状態と、に切り替え可能な切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
近年、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動期間を経た後に停止表示される抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、始動口として、遊技球の入球を許容する第1状態と、規制する第2状態とに可変可能な可変部材を始動口に付設した可変入球手段を設け、その可変入球手段が第1状態へと可変し易い有利状態と、その第1遊技状態よりも第1状態へと可変し難い不利状態と、を設定可能に構成した遊技機がある(例えば、特開2001−033569号公報)。このような遊技機では、可変入球手段への遊技球の入球のし易さを異ならせることで遊技者に対して有利状態が設定されることを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができるものであったが、不利状態が設定されている場合であっても、遊技球を可変入球手段へと入球させてしまえば抽選が実行されるため、不利状態において可変入球手段が第1状態となるタイミングを図って遊技が行われてしまう虞があり、有利状態が設定させようとする遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、不利状態が設定されている状態において、可変入球手段への遊技球の入球に基づく抽選の実行が行われ難くすることで、遊技者の遊技意欲を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、設定情報に応じて第1状態と第2状態とに切り替えることができるため、遊技者に対して、可変入球手段に遊技球が入球した時点における設定情報について興味を持たせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記切替手段を動作制御する動作制御手段を有し、前記切替手段は、前記可変入球手段に入球した遊技球が、第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路とを含む複数の流路のうち、何れか一の流路を流下するように前記複数の流路を切り替え可能なものであり、前記動作制御手段は、前記可変制御手段による制御の開始に基づいて前記切替手段への動作制御を開始するものであり、前記切替手段により前記第1流路を流下した遊技球が前記特定領域を通過し得るものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御手段による制御の開始に基づいて動作制御手段により切替手段が動作制御され、可変入球手段に入球した遊技球が切替手段により第1流路を流下した場合に特定領域を通過し得るものである。これにより、可変入球手段に遊技球を入球させ易くするための可変制御と、切替手段の動作制御と、を連動させることができるため、可変入球手段に入球した遊技球が特定領域を通過するか否かを適正に制御することができるという効果がある。
遊技機B2において、前記切替手段により前記第2流路へと流下した遊技球は、前記第1流路へと流下した遊技球よりも前記特定領域を通過し難いものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、第2流路を流下した遊技球が第1流路を流下した遊技球よりも特定領域を通過し難くすることができるため、動作制御手段によって切替手段を動作制御するだけで可変入球手段に入球した遊技球の特定領域への通過割合を設定することができるという効果がある。
遊技機B2またはB3において、前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な通常領域を有し、前記通常領域は、前記可変入球手段に入球した遊技球のうち、前記特定領域を通過しなかった遊技球が通過するように形成されるものであり、前記特典付与手段は、前記通常領域を遊技球が通過した場合には前記特典を付与しないものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段に入球した遊技球が通常領域を通過した場合には、特典が付与されることが無い。よって、可変入球手段に遊技球が過剰に入球したとしても、遊技者に過剰に特典が付与されてしまうことを抑制することができるという効果がある。また、可変入球手段内に通常領域を設けることにより、遊技球が可変入球手段に入球することを抑制するための機構を可変入球手段の外部に設け無くとも遊技者に過剰に特典が付与されてしまうことを抑制することができるため、可変入球手段の外部の領域をその他の目的に利用し易くすることができるという効果がある。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記第1流路を流下した遊技球を、前記第2流路とは異なる第3流路と、前記第2流路および前記第3流路とは異なる第4流路と、に振り分け可能な振分手段を有し、前記遊技機は、前記特定領域として、前記振分手段によって前記第3流路に振り分けられた遊技球が入球可能な第1特定領域と、前記振分手段によって前記第4流路に振り分けられた遊技球が入球可能な前記第1特定領域とは異なる第2特定領域と、を少なくとも有するものであり、前記特典付与手段は、前記第1特定領域に遊技球が入球した場合と、前記第2特定領域に遊技球が入球した場合とで前記特典の付与内容を異ならせるものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、切替手段により第1流路へと流下した遊技球が振分手段により第3流路へと振り分けられた場合は第1特定領域を通過し、第4流路へと振り分けられた場合は第2特定流路を通過する。これにより、設定条件の成立状況に応じて、可変入球手段に遊技球が入球した場合に、特典付与手段による特典の付与のされ易さを可変し、さらに、振分手段によって付与される特典の内容を異ならせることができる。よって、特典が付与されるか否かと、付与される特典の内容と、が段階的に決定されるため、特典の有無と特典内容とを一度に決定する場合に比べて、遊技者に対して遊技を楽しませる期間を長くすることができるという効果がある。また、このような構成を用いる場合には、可変入球手段内の遊技球の流下状況を示すための情報を報知する機能を用いると良い。これにより、可変入球手段に入球した遊技球の流下状況を遊技者に把握させ易くすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。加えて、設定条件が成立していることを示すための情報を報知する機能を用いると良い。これにより、可変入球手段へと遊技球を入球させることで何かしらの特典が付与され易い状況であることを、可変入球手段へと遊技球を入球させる前の時点で遊技者に把握させることができるため、遊技者に対して、期待を持ちながら遊技を行わせることが出来る。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記切替手段は、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている場合のほうが、前記第2遊技状態が設定されている場合よりも前記第1状態に切り替え易いものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、設定されている遊技状態に応じて第1状態への切り替え易さを異ならせることができるため、遊技者に対して現在設定されている遊技状態に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記可変制御手段は、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも遊技球が入球し難い第2可変パターンと、で前記可変入球手段を可変制御可能なものであり、前記切替手段は、前記可変制御手段が前記第1可変パターンで前記可変入球手段を可変制御する場合に少なくとも前記第1状態へと切替可能なものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御手段により、第1可変パターンで可変制御されている場合よりも第2可変パターンが設定されている場合のほうが、遊技球が可変入球手段へと入球し難くすることができる。そして、切替手段は、第1可変パターンで可変制御される場合に第1状態へと切替可能となる。よって、特定領域を通過し得ない遊技球が大量に発生してしまう事態を抑制することができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記特典付与手段は、前記特定領域に遊技球が入球したことに基づいて特定遊技を実行するものであり、前記遊技機は、前記特典付与手段により実行された前記特定遊技の結果が所定の結果である場合に、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかの奏する効果に加え、特定領域を遊技球が通過した場合に実行される特定遊技の結果が所定の結果である場合に、特典遊技が実行されるため、遊技者に対して特定領域へと遊技球を通過させるための遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
<特徴C群>(複数の遊技を重複して実行可能な遊技機において、一方の変動時間に応じて他方遊技に関する演出の態様を設定)
判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間を、選択情報に基づいて決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報が特定の前記判別結果を示すための特定識別情報で停止表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が動的表示されている期間に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技に関する特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様を、少なくとも前記選択情報に対応した情報に基づいて設定する演出態様設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
近年、パチンコ機等の遊技機において、特典遊技を実行させるための遊技を重複して実行可能(重複遊技可能)に構成し、重複して実行されるそれぞれの遊技に対して遊技結果を示すための演出表示を実行する遊技機がある(例えば、特開2011−45518号公報)。このような遊技では、複数の遊技が重複して実行される場合において、重複して実行される各演出表示を見ることでそれぞれの遊技を分かり易く把握することができるものであったが、実行される演出表示の演出態様が対応する遊技の内容にのみ基づいて決定されており、重複して実行される複数の遊技に関連させた演出を実行することができないため、実行されている演出表示から重複して実行されている遊技全体を把握し難く演出効果が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、重複して実行される複数の遊技の内容を把握し易い演出を実行することにより、演出効果を高め、遊技者が意欲的に遊技を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、特定演出の演出態様を選択情報に基づいて決定することができるため、重複して実行される識別情報の動的表示と、特定遊技と、を関連付けた演出を実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。また、特定演出の演出態様を選択情報に基づいて決定することができるため、様々な演出態様を見るために遊技者に対して複数の遊技を重複させるために意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報の残期間を判別可能な残期間判別手段を有し、前記演出態様設定手段は、前記残期間判別手段により判別された前記残期間に基づいて前記演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、特定演出の演出態様が、識別情報の残期間に基づいて設定されるため、判別手段の判別タイミングと、特定遊技の実行タイミングとに応じて特定演出の演出態様を異ならせることができる。よって、様々な演出態様を見るために遊技者に対して複数の遊技を重複させるために様々なタイミングで意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C2において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている状態で中断条件が成立した場合に、前記動的表示を中断させる中断手段と、その中断手段により中断されている前記動的表示を、前記特典遊技の終了に基づいて再開させる再開手段と、を有し、前記中断条件は、前記特定遊技実行手段により実行される前記特定遊技の遊技結果が所定の遊技結果となる場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示手段により実行される識別情報の動的表示を中断手段により中断させることができる。よって、実行される演出だけでは無く、実際の遊技においても判別手段による判別と、特定遊技とに関連性を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C3において、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な遊技が実行される第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてから特定期間が経過した場合に前記第1遊技状態を設定するものであり、前記再開手段は、前記特典遊技の終了後に前記第2遊技状態が設定される場合に、前記中断されている動的表示を前記第2遊技状態中の動的表示として再開するものであり、前記特定期間は、前記再開手段により再開される前記識別情報の残期間に応じて可変するものであり、前記演出態様設定手段は、前記中断手段により前記動的表示を中断させた場合における前記残期間に基づいて前記演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に有利な遊技が実行される第2遊技状態が設定される特定期間の長さが中断手段により中断された動的表示の残期間に応じて可変される。そして、特定演出の演出態様が中断手段により中断させた場合における動的表示の残期間の長さに基づいて設定される。よって、特定演出の演出態様によって、後に実行される遊技の有利度合いを把握することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報の残期間を判別可能な残期間判別手段と、その残期間判別手段により判別された前記残期間が有利条件を満たしているかを判別する有利条件判別手段と、を有し、前記演出態様設定手段は、前記有利条件判別手段の判別結果に基づいて前記演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利条件判別手段により残期間が有利条件を満たしているかが判別され、その判別結果に基づいて特定演出の演出態様が設定されるため、実行される特定演出によって遊技者に有利な状態であるかを遊技者に分かり易く報知することができるという効果がある。
遊技機C5において、前記有利条件判別手段は、前記残期間が第1期間よりも長い場合に前記有利条件を満たしていると判別するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、動的表示中の識別情報の残期間が第1期間よりも長い場合に有利条件を満たしていると判別されるため、実行される特定演出に基づいて特定遊技を実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C4またはC5において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、を有し、前記判別手段は、前記判別条件が成立した場合に前記記憶手段に記憶されている前記取得情報に基づいて判別を実行するものであり、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報を、その取得情報に基づく判別が前記判別手段により実行されるよりも前に事前判別可能な事前判別手段を有し、前記事前判別手段は、少なくとも前記取得情報に基づく前記判別手段による判別の結果を示すための前記識別情報の動的表示期間を事前に判別するものであり、前記有利条件判別手段は、前記残期間が前記事前判別手段により判別された前記動的表示期間よりも長い場合に前記有利条件を満たしていると判別するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4またはC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段により判別される取得情報が所定数を上限に記憶手段に記憶され、その記憶手段に記憶されている取得情報に対応する動的表示期間が事前判別される。そして、実行中の動的表示の残期間のほうが事前判別された動的表示期間よりも長いと判別された場合に有利条件を満たしていると判別される。よって、実行される特定演出に基づいて遊技者に有利となる動的表示の中断タイミングを予測しながら遊技を行わせることができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機C6において、前記有利条件判別手段は、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報のうち、次に前記判別手段により判別される前記取得情報に対応する前記事前判別手段の判別結果を対象に前記有利条件を満たしているかを判別するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、次に判別手段により判別が実行される取得情報に対応する動的表示期間よりも残期間のほうが長い場合に有利条件が成立するため、実行される特定演出に基づいて、実行中の動的表示を中断させるか、次に実行される動的表示を中断させるかを遊技者に判別させることができる。よって、遊技者に遊技を選択させることができ、遊技の参加意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記特定期間として、前記第1遊技状態が設定されている状態で、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報が予め定められた少なくとも2回以上の特定回数停止表示されるまでの期間が経過した場合に前記第1遊技状態を設定するものであり、前記特定期間を算出可能な期間算出手段を有し、前記期間算出手段は、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を、前記特定回数を上限に合算することで前記特定期間を算出するものであり、前記期間算出手段により算出された前記特定期間を示すための期間態様を表示可能な期間態様表示手段を有するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、期間態様表示手段により表示された期間態様を見ることで特定期間の長さを把握しながら、特定演出の演出態様に基づいて第2遊技状態における遊技状況を把握することができる。よって、遊技者に対して実行される様々な演出を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴D群>(当たり遊技の終了条件を操作手段への操作に応じて異ならせる)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに、可変可能な可変入球手段と、第1条件が成立した場合に前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変させる特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技実行手段により実行される前記特定遊技を、前記可変入球手段に所定数の遊技球が入球した場合に成立する第1終了条件と、前記可変入球手段が前記第1状態へと可変された期間が前記所定期間を経過した場合に成立する第2終了条件とを含む複数の終了条件のうち、一の終了条件が成立した場合に終了させる終了手段と、第1操作と、その第1操作とは異なる第2操作と、を実行可能な操作手段と、を有し、前記操作手段により前記第1操作が実行された場合のほうが、前記第2操作が実行された場合よりも、前記第1終了条件が成立し易くするものであることを特徴とする遊技機D1。
近年、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動期間を経た後に停止表示される抽選結果が当たりであった場合には、アタッカー(特定入賞口)に遊技球を入球させることが可能となる特典遊技が実行され、その特典遊技を終了させるための条件が複数設定されるように構成した遊技機がある(例えば、特開2011−45518号公報)。このような遊技機では、一般的に、特典遊技が実行されてからの経過時間に基づいて特典遊技を終了させる時間終了条件と、特典遊技中にアタッカーに入球した遊技球の個数に基づいて特典遊技を終了させる入賞終了条件と、が設定され、何れかの終了条件が成立した場合に特典遊技を終了させる制御が実行されるものであった。
しかしながら、特典遊技中は毎回同様の遊技が行われることから、複数の終了条件を設定した場合であっても、基本的には何れか一方の終了条件のみが成立し易くなる。つまり、特典遊技中にアタッカーへと遊技球を入賞させ易いように構成している遊技機では、時間終了条件が成立するよりも前に入賞終了条件が成立し易くなり、特典遊技中にアタッカーへと遊技球を入賞させ難いように構成している遊技機では、入賞終了条件が成立するよりも前に時間終了条件が成立し易くなる。
このように、特典遊技の終了条件が複数設定されていたとしても、成立し得る終了条件が殆ど特定の終了条件になってしまうと、複数の終了条件を設定する利点、即ち、どの終了条件の成立に基づいて特典遊技が終了するのかを分かり難くすることで特典遊技中における遊技に対して遊技者に興味を持たせることができるという効果を奏し難くなるという問題があった。上記した遊技機において、特典遊技を終了させるための複数の終了条件のうち、成立する終了条件が特定の終了条件に偏ることを抑制することで特典遊技中における遊技を遊技者が意欲的に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、実行中の特定遊技を終了させるための終了条件を操作手段が実行する操作内容に応じて異ならせることが可能となるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記操作手段に対して前記第1操作或いは前記第2操作を実行させるかを遊技者に選択させるための選択演出を実行可能な選択演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、終了条件を選択演出実行手段により実行される選択演出に基づいて選択することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機D2において、前記選択演出実行手段により実行される前記選択演出の演出態様を設定可能な演出態様設定手段を有し、前記演出態様設定手段は、前記第1終了条件が成立した場合と、前記第2終了条件が成立した場合とで、前記特定遊技の終了後に付与される特典が異なる場合に前記演出態様を異ならせて設定するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定遊技の終了後に付与される特典に応じて選択演出の演出態様を異ならせることができるため、実行される選択演出に遊技者が注目することになる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機D3において、前記第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報が、特定の前記判別結果を示すための特定識別情報で停止表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて前記特典遊技実行手段が実行されるまでの期間を判別可能な期間判別手段と、を有し、前記演出態様設定手段は、前記特定遊技が実行されるタイミングと、前記期間判別手段の判別結果と、に基づいて前記選択演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定遊技の実行タイミングと、特典遊技が実行されるタイミングとに基づいて選択演出の演出態様が設定されるため、実行される選択演出に基づいて、実行中の特定遊技に対して何れの終了条件を成立させたほうが、特定遊技が終了してから特典遊技が実行されるまでの期間を短くすることができるのかを予測しながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機D4において、遊技球が入球可能な第3状態と、その第3状態よりも遊技球が入球し難い第4状態とに、可変可能な第2可変入球手段を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記第2可変入球手段を所定の可変パターンで前記第3状態と、前記第4状態へと所定期間可変させるものであり、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典種別と、その第1特典種別よりも前記特典遊技中に前記第2可変入球手段が前記第4状態となる期間が長い第2特典種別と、を少なくとも含む複数の特典種別のうち、一の特典種別を設定する種別設定手段を有し、前記演出態様設定手段は、前記特定遊技の開始タイミングに基づいて、前記特定遊技の終了タイミングにおいて実行され得る前記特典遊技の種別が前記第1特典種別である場合と、前記第2特典種別である場合とで、演出態様を異ならせるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定遊技の終了タイミングにおいて、特典遊技が実行され得る場合には、その特典遊技の種別に応じて選択演出の演出態様が設定されるため、実行される選択演出に基づいて、実行中の特定遊技に対して何れの終了条件を成立させたほうが、遊技者に有利な状況で特定遊技を終了させることができるかを予測しながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機D5において、前記特定遊技の終了タイミングが、前記動的表示手段により前記識別情報の動的表示が実行されている第1状況であるか、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている第2状況であるかを判別する状況判別手段を有し、前記演出態様設定手段は、前記第1状況である場合と、前記第2状況である場合とで演出態様を可変させるものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、特定遊技が終了され得るタイミングが、識別情報の動的表示中であるか、特典遊技の実行中であるか、によって選択演出の演出態様を異ならせることができるため、実行される選択演出に基づいて、実行中の特定遊技に対して何れの終了条件を成立させたほうが、遊技者に有利な状況で特定遊技を終了させることができるかを予測しながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機D6において、前記状況判別手段により前記第1状況であると判別された場合に、前記特定遊技の終了タイミングにおける前記動的表示の残期間を判別する残期間判別手段を有し、前記演出態様設定手段は、前記残期間判別手段により前記残期間が所定期間以上である場合には、前記残期間が前記所定期間未満である場合とは異なる演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、特定遊技が終了され得るタイミングにおいて動的表示されている前記識別情報の残期間の長さに応じて選択演出の演出態様が異ならせて設定されるため、実行される選択演出に基づいて、実行中の特定遊技に対して何れの終了条件を成立させたほうが、特定遊技が終了してから特典遊技が実行されるまでの期間を短くすることができるのかを予測しながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機D4からD7のいずれかにおいて、実行条件が成立した場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている状態で前記特定遊技が開始される場合に前記動的表示を中断させる中断手段と、その中断手段により中断されている前記動的表示を、前記特定遊技が終了した場合に再開させる再開手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D4からD7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定遊技が実行されている間は、動的表示を中断させることができるため、特定遊技を終了させる終了条件を異ならせることにより動的表示の中断期間の長さを可変させることができる。よって、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D8において、前記可変入球手段に入球した遊技球が通過し得る特定領域を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域を遊技球が通過した場合にも前記特典遊技を実行可能なものであることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D8の奏する効果に加え、可変入球手段に入球した遊技球が特定領域を通過した場合にも特典遊技を実行させることができるため、遊技者に対して、特定遊技に対して第2終了条件を成立させるための遊技を行うか、第1終了条件を成立させるための遊技を行うかを選択させる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D8またはD9において、遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な遊技が実行される第2遊技状態と、を少なくとも設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報が特定回数停止表示された場合に前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D8またはD9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に有利な遊技が実行される第2遊技状態が、動的表示手段による識別情報の動的表示回数に基づいて終了するため、第2遊技状態中に動的表示を中断させることは第2遊技状態の継続期間を長くする場合に有効となる。よって、遊技者に対して、特定遊技に対して第2終了条件を成立させるための遊技を行うか、第1終了条件を成立させるための遊技を行うかを選択させる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴E群>(当たり遊技の狙う場所ナビ表示)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変可能な可変入球手段と、判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報が前記判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを示す特定識別情報で停止表示された場合に、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変させる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技が実行される場合に、前記可変入球手段を示す表示画像を表示手段に表示させる表示制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
近年、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動期間を経た後に停止表示される抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技として通常では遊技球が入球し難い入球手段を開放させる遊技が実行されていた。また、始動口の配置位置と、特典遊技中に開放される入球手段の配置位置と、を異ならせた遊技機がある(例えば、特開2011−45518号公報)。このような遊技では、始動口を狙う遊技を行う場合と、特典遊技を行う場合とで、遊技者に対して遊技球を発射させる位置を可変させることになるため、遊技者に対して、飽きの来ない遊技を提供することができるものであった。
しかしながら、特典遊技が実行された場合に、始動口を狙う遊技を継続して実行してしまうと、特典遊技中に入球手段へと球を入球させることができず、遊技者が損をする事態が発生する虞があった。
また、近年の遊技機では、遊技の興趣を向上させるために、限られた遊技領域内に複数の装置(遊技内容に応じて球が入球し難い状態から入球し易い状態へと可変する装置)を密集して配設するものがある。このような遊技機では、どの装置に向けて遊技球を発射すれば良いのかを遊技者が理解し難く、不適切な遊技を行ってしまい遊技者が損をする事態が発生するという問題があった。上記した遊技機において、遊技者に分かり易い遊技を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、表示制御手段により可変入球手段を示す表示画像が表示手段に表示されるため、特典遊技が実行される場合にどこと狙って遊技球を発射すれば良いのかを遊技者に分かり易く報知することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機E1において、前記表示制御手段は、少なくとも前記特定識別情報が停止表示されてから前記可変入球手段が前記第1状態へと可変されるまでの期間に、前記表示画像を前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、可変入球手段が第1状態へと可変されるまでに表示画像が表示されるため、表示画像を見てから遊技球を発射した場合に、可変入球手段へと遊技球を入球させることができる。よって、遊技者により分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、複数の特典遊技種別から一の特典遊技種別を選択可能な特典遊技種別選択手段と、前記表示制御手段により前記表示手段に表示させる前記表示画像の表示態様を設定可能な表示態様設定手段を有し、前記表示態様設定手段は、前記特典遊技種別選択手段により選択された前記特典遊技種別に応じて異なる表示態様を設定可能なものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、表示画像の表示態様を大当たり種別に基づいて可変させることができるため、特典遊技を分かり易く実行させることができると共に、特典遊技の遊技内容を遊技者に示唆することができる。よって遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E3において、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技種別選択手段により選択された前記特典遊技種別に応じて価値の異なる前記特典遊技を実行可能なものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、特典遊技種別に応じて価値の異なる特典遊技が実行されるため、表示手段に表示される表示画像の表示態様に遊技者を注視させることができる。よって、演出効果を高めることが出来るという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記可変入球手段に遊技球が入球したことを検知可能な入球検知手段を有し、前記表示態様設定手段は、前記表示制御手段により前記表示手段に表示された前記表示画像の表示態様を、前記入球検知手段により前記入球が検知されたことに基づいて可変設定するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、入球検知手段により可変入球手段へと遊技球が入球した場合に、表示画像の表示態様を可変させることができるため、遊技者に特典遊技の進行具合を分かり易く報知することができる。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して実行された操作内容を判別可能な操作判別手段と、を有し、前記表示態様設定手段は、前記操作判別手段の判別結果に基づいて前記表示態様を可変設定するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作することで、表示画像の表示態様を可変させることができる。よって、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機E6において、前記表示態様設定手段は、前記操作判別手段の判別結果に基づいて、前記表示画像を拡大、または縮小させた表示態様を設定可能なものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、操作手段への操作に基づいて表示画像を拡大または縮小させることができる。これにより、特典遊技が実行される場合に表示画像の表示を必要としない遊技者は、表示画像を小さく表示することができるため、表示手段に形成される表示領域を別の演出表示に用いることが可能となる。よって、遊技者に好適な表示を実行させることができるという効果がある。
遊技機E6またはE7において、前記表示態様設定手段は、前記操作判別手段の判別結果に基づいて、前記表示画像を第1位置から第2位置へと回転させた回転表示態様を設定可能なものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E6またはE7の奏する効果に加え、操作手段への操作に基づいて表示画像を回転させることができるため、可変入球手段の詳細な構成を遊技者に視認させることができるという効果がある。
<特徴F群>(時短終了タイミングを条件に応じて切り替える)
判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報が、特定の前記判別結果を示すための特定識別情報で停止表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、所定情報を更新可能な更新手段と、その更新手段により更新された前記所定情報が終了条件を満たしているかを判別することが可能な終了判別手段と、を有し、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記終了判別手段により前記終了条件を満たしていると判別された場合に前記第2遊技状態を設定可能な遊技機において、切替条件の成立に基づいて、前記終了条件判別手段の実行タイミングを切替可能な切替手段を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
近年、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動期間を経た後に停止表示される抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、複数の遊技状態を設定可能に構成し、特定の遊技状態が設定された場合に、始動口に遊技球が入球し易い有利状態を、抽選回数が特定回数に到達するまで設定するように構成した遊技機がある(例えば、特開2001−033569号公報)。このような遊技機では、遊技者に対して、第1遊技状態が設定されることを期待しながら遊技を行わせることができ遊技者の遊技意欲を高めることができるものであった。さらに、上述した遊技機では、有利状態中における抽選回数の計測(減算)処理と、抽選回数が特定回数に到達したことに基づいて実行される有利状態の終了処理とを、抽選結果が停止表示されるタイミングに実行するように構成し、設定された有利状態を遊技者により長い期間提供するように構成していた。しかしながら、上述した遊技機では、有利状態中における抽選回数の計測(減算)処理と、抽選回数が特定回数に到達したことに基づいて実行される有利状態の終了処理と、を抽選結果が停止表示されたことを契機に実行するように構成しているため、所定タイミング(抽選結果の停止表示タイミング)において実行される処理が増大してしまうという問題があった。上記した遊技機において、同一タイミングで実行される処理量を減らすことで、処理負荷の軽減を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
また、近年におけるパチンコ機等の遊技機において、特典遊技を実行させるための遊技を重複して実行可能(重複遊技可能)に構成し、一方の遊技の遊技結果に応じて、他方の遊技における抽選結果を示すための変動期間の減算を中断させるように構成した遊技機がある(例えば、特開2015−12907号公報)。このような遊技では、複数の遊技を重複して実行することができるため特典遊技が実行されることを目指す遊技を効率良く行うことができるものであった。さらに、一方の遊技の遊技結果に応じて、他方の遊技を一時的に中断させることができるため、重複して実行される複数の遊技によって重複して特典遊技が実行されてしまい、遊技者に対して分かり難い特典遊技が実行されてしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、重複遊技を実行可能な遊技機に、上述した有利状態を設定可能な構成を用いた場合、有利状態中における抽選回数の計測(減算)処理と、抽選回数が特定回数に到達したことに基づいて実行される有利状態の終了処理とが、抽選結果が停止表示されるタイミングで実行されてしまうため、例えば、一方の遊技によって特典遊技が付与されることに基づいて他方の遊技における抽選結果を示すための変動時間の減算が中断されている場合であって、付与された特典遊技によって有利状態が設定される場合には、中断されていた変動時間の減算が再開され抽選結果が停止表示された場合に抽選回数の計測(減算)処理が実行されてしまうという問題があった。即ち、有利状態以外で実行された抽選結果が停止表示されたことに基づいて有利状態中における抽選回数の計測(減算)処理が実行されてしまうため、遊技者に対して有利状態中の遊技を好適に実行させることができないとい問題があった。上記した遊技機において、有利状態中の遊技を遊技者に対して好適に実行させることにより遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機F1によれば、終了条件判別手段の実行タイミングを切替条件の成立に基づいて切り替えることができるため、どのタイミングで第1遊技状態が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記更新手段は、前記所定情報として、少なくとも前記判別手段により前記判別が実行された回数に基づく第1情報を更新可能なものであり、前記切替条件は、前記更新手段により更新された前記第1情報が前記終了条件を満たす場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、判別手段の判別回数が終了条件を満たす場合に、切替条件が成立し得るように構成しているため、終了条件を満たす回数分、判別手段の判別を実行した遊技者に対して、第1遊技状態が終了するか否かをドキドキさせながら遊技を行わせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F2において、第2判別条件が成立した場合に第2判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段による前記第2判別の結果を示すための第2識別情報を所定期間動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示された前記第2識別情報が、特定の前記第2判別結果を示すための第2特定識別情報で停止表示された場合に第2特典遊技を実行可能な第2特典遊技実行手段と、を有し、前記切替条件は、前記第2判別手段による前記第2判別の結果が前記第2判別結果である場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、判別手段とは異なる第2判別手段により実行される第2判別に基づいて切替条件が成立し得るように構成しているため、終了条件を満たすまで判別手段の判別を実行した場合に、切替条件が成立しているか否かを遊技者に分かり難くすることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記終了条件判別手段の実行タイミングを特定期間遅らせるものであり、前記判別手段は、前記特定期間中に実行される前記判別として前記第1遊技状態に対応させた判別を実行するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、切替手段により終了条件判別手段の実行タイミングを遅らせている特定期間中に実行される判別手段の判別を第1遊技状態中の判別として実行することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段により設定されている遊技状態を示すための表示態様を表示手段に表示可能な遊技状態表示手段を有し、前記遊技状態表示手段は、前記第1遊技状態が設定されていることを示すための表示態様として、第1表示態様と、その第1表示態様とは異なる第2表示態様とを表示可能なものであり、前記第2表示態様は、前記切替手段により前記終了条件判別手段の実行タイミングを切り替えた場合に表示されるものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF5のいずれかの奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されている状態を示す表示態様として、切替手段により終了条件判別手段の実行タイミングを切り替えた場合に表示される第2表示態様を表示可能に構成しているため、遊技者に現在の遊技状態を分かり易く報知することができるという効果がある。
<特徴G群>(当たり遊技の対象装置ナビ表示を、遊技の進行に合わせて可変させる)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態とに可変可能な第1可変入球手段と、第1実行条件が成立した場合に、前記第1可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変させる第1特典遊技を実行可能な第1特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、遊技球が入球可能な第3状態と、その第3状態よりも遊技球が入球し難い第4状態とに可変可能な第2可変入球手段と、前記第1特典遊技実行手段により実行される前記第1特典遊技の遊技結果が所定の遊技結果である場合に、前記第2可変入球手段を前記第4状態から前記第3状態へと所定期間可変させる第2特典遊技を実行可能な第2特典遊技実行手段と、前記第1特典遊技が実行される場合に、前記第1可変入球手段を示す第1表示画像を表示手段に表示させ、前記第2特典遊技が実行される場合に、前記第2可変入球手段を示す第2表示画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
近年、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動期間を経た後に停止表示される抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技として通常では遊技球が入球し難い入球手段を開放させる遊技が実行されていた。また、始動口の配置位置と、特典遊技中に開放される入球手段の配置位置と、を異ならせた遊技機がある(例えば、特開2011−45518号公報)。このような遊技では、始動口を狙う遊技を行う場合と、特典遊技を行う場合とで、遊技者に対して遊技球を発射させる位置を可変させることになるため、遊技者に対して、飽きの来ない遊技を提供することができるものであった。
しかしながら、特典遊技が実行された場合に、始動口を狙う遊技を継続して実行してしまうと、特典遊技中に入球手段へと球を入球させることができず、遊技者が損をする事態が発生する虞があった。
また、近年の遊技機では、遊技の興趣を向上させるために、限られた遊技領域内に複数の装置(遊技内容に応じて球が入球し難い状態から入球し易い状態へと可変する装置)を密集して配設するものがある。このような遊技機では、どの装置に向けて遊技球を発射すれば良いのかを遊技者が理解し難く、不適切な遊技を行ってしまい遊技者が損をする事態が発生するという問題があった。上記した遊技機において、遊技者に分かり易い遊技を提供することを目的とする。
遊技機G1によれば、表示制御手段により実行される特典遊技に対応する可変入球手段を示す表示画像が表示手段に表示されるため、特典遊技が実行される場合にどこと狙って遊技球を発射すれば良いのかを遊技者に分かり易く報知することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G1において、前記表示制御手段は、前記第1実行条件が成立してから前記第1可変入球手段が前記第1状態へと可変されるまでの期間に、前記第1表示画像を前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第1可変入球手段が第1状態へと可変されるまでに表示画像が表示されるため、表示画像を見てから遊技球を発射した場合に、第1可変入球手段へと遊技球を入球させることができる。よって、遊技者により分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G2において、前記表示制御手段は、前記第1特典遊技実行手段により前記第1特典遊技が実行されている場合に、前記第2表示画像の少なくとも一部を前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、第1特典遊技の実行中に、次に実行され得る第2特典遊技に対応した第2可変入球手段を示す第2表示画像の少なくとも一部が表示される。よって、第1特典遊技が終了した後の遊技方法を事前に把握することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G2またはG3において、前記表示制御手段は、前記第2特典遊技実行手段により前記第2特典遊技が実行されている場合に、前記第1表示画像の少なくとも一部を前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G2またはG3の奏する効果に加え、第2特典遊技の実行中に、既に実行済みの第1特典遊技に対応した第1可変入球手段を示す第1表示画像の少なくとも一部が表示される。よって、過去に実行した特典遊技の内容を遊技者が視覚的に認識することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記表示制御手段は、前記第1実行条件が成立したことに基づいて、前記第1特典遊技が実行されるよりも前に、前記第1表示画像と前記第2画像とを順に表示させるものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、第1実行条件が成立した場合に、今後実行され得る複数の特典遊技の流れを遊技者に報知することができるため、遊技者に一連の遊技方法を予め把握させることができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
<特徴H群>(有利遊技が実行され得る保留数になり易い遊技となり難い遊技とを実行)
取得条件の成立に基づいて情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報を、当該情報に対する判別条件が成立するまで、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、前記判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示された前記識別情報が、特定の前記判別結果を示すための特定識別情報で停止表示した場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が所定条件を満たしている場合のほうが、前記所定条件を満たしていない場合よりも遊技者に有利となる有利遊技を実行し易いものであることを特徴とする遊技機H1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。また、始動口に遊技球が入球した場合に、遊技の当否抽選を実行するための抽選権利を所定数を上限に保留記憶させることが可能となるように構成されているものがあった。ところで、上記した遊技機では、保留記憶されている抽選権利の数に関わらず同一の有利度合いの遊技が実行されるため、遊技が単調となりやすいという不具合があった。そこで、上記した遊技機において、遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機H1によれば、記憶手段に記憶されている情報の数に応じて有利遊技の実行のし易さを異ならせることができる。よって、遊技者に対して記憶手段に記憶されている情報の数に対しても興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1において、前記遊技機は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が前記所定条件を満たし易い第1遊技と、その第1遊技よりも前記所定条件を満たし難い第2遊技と、を実行可能なものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第1遊技のほうが第2遊技よりも記憶手段に記憶されている情報の数が所定条件を満たし易くすることができる。よって、遊技者に対して第1遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H2において、前記所定条件は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が前記所定数よりも少ない特定数である場合に成立し得るものであり、前記第1遊技は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が前記特定数よりも多い場合に、前記情報の数を前記第2遊技よりも減少させ易くするものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、情報の数が特定数よりも多い場合に第1遊技が実行されると第2遊技が実行されるよりも情報の数を減少させ易くすることができるため、情報の数を特定数にさせ易くすることができる。よって、情報の数が特定数よりも多い状態で遊技を行っている遊技者に対して第1遊技が実行させることを期待させながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H2またはH3において、前記第1遊技は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が前記特定数よりも少ない場合に、前記情報の数を前記第2遊技よりも増加させ易くするものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H2またはH3の奏する効果に加え、情報の数が特定数よりも少ない場合に第1遊技が実行されると第2遊技が実行されるよりも情報の数を増加させ易くすることができるため、情報の数を特定数にさせ易くすることができる。よって、情報の数が特定数よりも少ない状態で遊技を行っている遊技者に対して第1遊技が実行させることを期待させながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H2からH4のいずれかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている状態で第1条件が成立した場合において、予め定められている前記識別情報の動的表示期間が経過するまでに前記識別情報の動的表示を強制停止させる強制停止手段を有し、前記第1遊技は、前記強制停止手段により前記識別情報の動的表示を強制停止させることが可能なものであり、前記第2遊技は、前記第1遊技よりも前記強制停止手段により前記識別情報の動的表示を強制停止させ難いものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H2からH4のいずれかの奏する効果に加え、強制停止手段により実行中の識別情報の動的表示を強制停止させることができる。これにより、実行中の識別情報が所定期間動的表示されるのを待つこと無く、識別情報の動的表示を終了させることができる。よって、判別手段による次の判別を実行させ易くすることができ、遊技効率を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H5において、前記判別条件とは異なる第2判別条件が成立した場合に、前記判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段を有し、前記第1条件は、少なくとも前記第2判別手段による前記第2判別の結果が特定の第2判別結果である場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、第2判別手段による第2判別の結果が特定の第2判別結果である場合に第1条件を成立し易くすることができる。よって、判別手段の判別結果を示すための識別情報の動的表示を強制停止させるために第2判別手段による第2判別を実行させるという斬新な遊技性を提供することで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴I群>(時短期間中に時短回数が更新される変動表示と、更新されない変動表示とを設ける)
判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示された前記識別情報が、特定の前記判別結果を示すための特定識別情報で停止表示した場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを含む複数の遊技状態の中から一の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第2遊技状態が設定されている状態で実行される前記識別情報の動的表示に基づいて第1情報を更新可能な更新手段と、その更新手段による前記第1情報の更新を制限する制限手段を有するものであることを特徴とする遊技機I1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機では、時短遊技中に実行される抽選回数が予め定められた回数に到達すると時短遊技が終了してしまうため、遊技者に対して時短遊技の残期間を容易に予測されてしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。そこで、上記した遊技機において、遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機I1によれば、第2遊技状態が設定されている状態で識別情報の動的表示が実行されたとしても、第1条件が成立した場合には制限手段により第1情報の更新を制限することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I1において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で前記第1情報に基づく終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、制限手段により第1情報の更新をを制限することにより、第2遊技状態を終了させ難くすることができる。よって、第2遊技状態の終了条件がどのタイミングで成立するのかを遊技者に分かり難くすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I2において、前記判別手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で前記判別を実行したほうが、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記判別を実行するよりも遊技者に有利な判別を実行するものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、第2遊技状態が第1遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるため、第2遊技状態が設定されている期間中に実行される動的表示回数が多くなるように期待しながら遊技者に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I3において、前記更新手段は、前記第1情報として、前記第2遊技状態が設定されている状態で実行される前記識別情報の動的表示回数を更新可能なものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、更新手段により識別情報の動的表示回数が第1情報として更新されるため、第2遊技状態が設定されている状態で実行される識別情報の動的表示回数に基づいて第2遊技状態が終了することになる。よって、成立する条件に応じて識別情報の動的表示が実行されたにも関わらず、第1情報が更新されない場合を設けることができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機I2からI4のいずれかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている状態で特殊条件が成立した場合に、予め定められている前記識別情報の動的表示期間が経過するまでに前記識別情報の動的表示を強制停止させる強制停止手段を有し、前記第1条件は、前記強制停止手段により前記識別情報の動的表示を強制停止させる場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I2からI4のいずれかの奏する効果に加え、強制停止手段により識別情報の動的表示が強制停止された場合に、第1条件が成立し、制限手段によって更新手段による第1情報の更新が制限される。これにより、正常に動的表示させることができなかった識別情報の動的表示によって第1情報が更新されることを抑制することができるため、第2遊技状態が設定されている状態で識別情報を正常に動的表示させることができないまま第2遊技状態が終了してしまい遊技者に不快な思いをさせてしまうことを抑制することが出来るという効果がある。
遊技機I5において、前記強制停止手段は、前記識別情報に対応する前記判別手段の判別結果に関わらず、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果以外であることを示す識別情報で強制停止させるものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、識別情報が強制停止された場合には、特定遊技が実行されることが無い。よって、第2遊技状態が設定されている状態で識別情報を正常に動的表示させることができないまま第2遊技状態が終了してしまい遊技者に不快な思いをさせてしまうことを抑制することが出来るという効果がある。
遊技機I6において、前記判別条件とは異なる第2判別条件が成立した場合に、前記判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段を有し、前記特定遊技実行手段は、前記第2判別手段による前記第2判別の結果が特定の第2判別結果である場合にも前記特定遊技を実行するものであり、前記特殊条件は、少なくとも前記第2判別手段による前記第2判別の結果が前記特定の第2判別結果とは異なる所定の第2判別結果である場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、特定遊技が実行され得る第2判別手段の第2判別結果が所定の第2判別結果である場合に特殊条件が成立し、強制停止手段により識別情報の動的表示が強制停止表示される。これにより、特定遊技を実行させるために第2判別手段による第2判別を実行した場合において、特定の第2判別の結果よりも先に所定の第2判別の結果となったとしても、特定識別情報の動的表示が強制停止されると共に、第1情報が更新されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機I7において、前記特定遊技実行手段により実行される前記特定遊技の種別として、第1特定遊技種別とその第1特定遊技種別よりも遊技者に有利となる特定遊技を実行可能な第2特定遊技種別とを含む複数の特定遊技種別の中から一の特定遊技種別を決定する遊技種別決定手段を有し、前記遊技種別決定手段は、前記第2判別手段により前記特定の第2判別結果となったほうが、前記判別手段により前記特定の判別結果となった場合よりも、前記第2特定遊技種別を決定し易いものであることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I7の奏する効果に加え、判別手段よりも第2判別手段のほうが遊技者に有利な判別結果となり易いため、遊技者に対して積極的に第2判別を実行させることができる。よって、制限手段による制限効果をより高めることができるという効果がある。
遊技機I7またはI8において、前記第2判別手段は、前記第1遊技状態が設定されている場合よりも前記第2遊技状態が設定されている場合のほうが前記第2判別を実行し易いものであることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I7またはI8の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定されている場合のほうが第1遊技状態が設定されている場合よりも第2判別手段による第2判別を実行し易いため、第2遊技状態が設定されている状態において、遊技者に対して積極的に第2判別を実行させることができる。よって、制限手段による制限効果をより高めることができるという効果がある。
<特徴J群>(実行中の変動表示を途中で停止表示させる条件が成立した場合に、実行中の変動表示の内容に基づいて停止制御内容を切り替える)
判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報が、特定の前記判別結果を示すための特定識別情報で停止表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている状態で切替条件が成立した場合に、前記動的表示手段による前記識別情報の動的表示が満たしている条件に応じて前記動的表示態様を、特定動的表示態様に切り替えるための特定制御を実行可能な特定制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、複数の特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)を同時に変動させることが可能な遊技機が提案されていた(例えば、特開2015−12907号公報)。また、上述した構成を有する遊技機において、一方の抽選で当たり当選した場合に、他方の抽選結果を強制的に破棄するものがあった。この場合、他方の抽選結果の内容に関わらず他方の抽選結果が強制的に破棄されてしまうため、場合によっては遊技者に対して不利となる場合があり、遊技者に不信感を与えてしまうという問題があった。そこで、上記した遊技機において、遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。なお、上述した従来の課題は、第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)を同時に(並行して)実行する遊技機(所謂、同時変動機)における課題を記載したものであるが、本特徴群の技術思想によって解決される課題は、同時変動機に限られるものでは無く、同時変動機以外の遊技機(例えば、入賞順に応じて第1特別図柄の抽選(変動)と第2特別図柄の抽選(変動)とを実行する遊技機)に適用しても勿論良い。
遊技機J1によれば、識別情報が動的表示されている状態で切替条件が成立した場合に、実行中の識別情報の動的表示が満たしている条件に応じて動的表示態様を特定動的表示態様へと切り替えることができる。これにより、実行中の識別情報の動的表示に対応させた特定動的表示態様へと動的表示態様を切り替えることができる。よって、動的表示態様を切り替える場合において遊技者に不信感を与えることを抑制することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1において、前記特定制御手段は、前記特定制御を実行する場合において、前記動的表示手段による前記識別情報の動的表示が満たしている条件に応じて複数の前記特定動的表示態様のうち何れかの特定動的表示態様に切り替えるものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、特定制御が実行される場合に、識別情報の動的表示が満たしている条件に応じて特定動的表示態様を異ならせることができる。これにより、識別情報動的表示に対応させた特定制御を決定することができるため、識別情報の動的表示に対して特定制御を実行する際に、遊技者に分かり難い遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1またはJ2において、前記判別条件とは異なる第2判別条件が成立した場合に前記判別とは異なる第2判別を実行する第2判別手段を有し、前記切替条件は、前記第2判別手段による前記第2判別の結果が所定の第2判別結果である場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、第2判別手段による第2判別の結果が所定の第2判別結果である場合に切替条件が成立し、特定制御が実行されることなる。よって、特定制御の制御内容が、判別手段による判別結果と、第2判別手段による第2判別の結果との両方に関連付いたものとなり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J3において、前記特定遊技実行手段は、前記第2判別手段による前記第2判別の結果が前記所定の第2判別結果とは異なる特定の第2判別結果である場合にも前記特定遊技を実行可能なものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、第2判別手段による第2判別に基づいても特定遊技が実行させることができるため、遊技者に対して判別手段の判別と第2判別手段の第2判別との両方を意欲的に行わせることができる。よって、特定制御が実行される頻度を高めることができるという効果がある。
遊技機J1からJ4の何れかにおいて、前記動的表示態様決定手段は、前記識別情報の動的表示期間を少なくとも決定するものであり、前記切替条件は、前記動的表示期間が長いほうが短い場合よりも成立し易いものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4の何れかの奏する効果に加え、動的表示期間が長いほうが切替条件が成立し易くすることができるため、動的表示手段により動的表示される識別情報の動的表示期間の長さに対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1からJ5の何れかにおいて、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報の残動的表示期間を判別可能な残期間判別手段を有し、前記切替条件は、前記残期間判別手段により判別された前記残動的表示期間の長さに応じて成立のし易さを異ならせたものであることを特徴とする遊技J6。
遊技機J6によれば、遊技機J1からJ5の何れかの奏する効果に加え、残動的表示期間の長さに応じて切替条件の成立のし易さを異ならせることができるため、遊技者に対して識別情報の残動的表示期間の長さにも興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴K群>(先読み結果に基づいて表示される特定図柄の個数を、保留数と同期させずに増減させる)
取得条件の成立に基づいて情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報を、少なくとも当該情報に対する判別条件が成立するまで、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、前記判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示された前記識別情報が、特定の前記判別結果を示すための特定識別情報で停止表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づく前記判別が実行されるまでに、当該情報に基づく事前判別を実行する事前判別手段と、その事前判別手段による前記事前判別の結果に基づいて所定数の特定図柄を前記表示手段に表示させる特定図柄表示手段と、その特定図柄表示手段により表示される前記特定図柄の表示数を、前記情報の数に関わらず可変表示させることが可能な図柄数可変表示手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機K1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される遊技機が提案されていた。また、始動口に遊技球が入球した場合に、遊技の当否抽選を実行するための抽選権利を所定数を上限に保留記憶させることが可能となるように構成し、保留記憶されている抽選権利の個数を図柄で表示し、その図柄の表示態様を保留記憶されている抽選権利に対応する抽選結果を事前に判別した事前判別結果に基づいて可変させるものが提案されている(例えば、特開2013−223613号公報)。ところで、上記した遊技機では、表示されている図柄を用いて事前判別の結果を遊技者に示唆することができるものであったが、保留記憶されている抽選権利の数が少ない場合は、表示される図柄の数も少なくなり、演出効果が低下してしまい、遊技が単調となりやすいという不具合があった。そこで、上記した遊技機において、遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機K1によれば、事前判別手段による事前判別の結果に基づいて表示される特定図柄の表示数を、記憶手段に記憶されている情報の数に関わらず可変させることができる。よって、記憶手段に記憶されている情報の数が少ない場合であっても、特定図柄の表示数を可変表示することができ、遊技者に対して、事前判別の結果を示唆する演出に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機K1において、前記特定図柄表示手段は、前記記憶手段に記憶可能な前記情報の数を上限に前記特定図柄を表示可能なものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、特定図柄の上限表示数を記憶手段に記憶可能な情報の上限数としているため、遊技者に対して特定図柄が記憶手段に記憶されている情報の数を示していると思わせることができる。
遊技機K1またはK2の何れかにおいて、前記図柄数可変手段は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が1以上である場合には、前記特定図柄の数として1以上の範囲で前記特定図柄の表示数を可変するものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、記憶手段に情報が記憶されている間は、特定図柄を継続して表示させることができるため、遊技者に対して特定図柄が記憶手段に記憶されている情報の数を示していると思わせることができる。
遊技機K1からK3の何れかにおいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうち、一の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、少なくとも前記第2遊技状態が設定されている状態で終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態を設定可能なものであり、前記特定図柄表示手段は、前記第2遊技状態が設定されている間、前記特定図柄を前記表示手段に表示可能なものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3の何れかの奏する効果に加え、特定図柄が表示手段に表示されている間は、遊技者に有利な第2遊技状態が設定されていることになるため、特定図柄の表示数が可変する毎に第2遊技状態が終了するか否かを遊技者に報知することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機K4において、前記図柄数可変手段は、前記表示手段に表示されている前記特定図柄の表示数を2以上可変させることが可能なものであることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、特定図柄の表示数を一度に大きく可変させることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機K5において、前記図柄数可変手段は、前記事前判別手段による前記事前判別の結果として、前記記憶手段に記憶されている前記情報に前記特定の判別結果に対応する前記情報が含まれている場合のほうが、前記特定の判別結果に対応する前記情報が含まれていない場合よりも、前記特定図柄の表示数を増加させるように可変し易いものであることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、特定の判別結果に対応する情報が含まれていると事前判別されたほうが特定図柄の表示数を増加させ易くすることができるため、特定図柄の可変状況に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K6において、前記図柄数可変手段は、前記事前判別手段による前記事前判別の結果として、前記記憶手段に記憶されている前記情報に前記特定の判別結果に対応する前記情報が含まれている場合のほうが、前記特定の判別結果に対応する前記情報が含まれていない場合よりも、一度に増加させる前記特定図柄の表示数が多くなり易いものであることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、一度に増加する特定図柄の表示数が多いほど、特定の判別結果に対応する情報が含まれている可能性が高くなるため、遊技者に対して、特定図柄の表示数がどのように増加するのか興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K7において、前記図柄数可変手段は、前記特定図柄の表示数を特定数まで増加させる前に、前記特定図柄の表示数を減少させる準備可変表示を実行可能なものであることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、準備可変表示により特定図柄の表示数を減少させることができるため、現状の特定図柄の表示数に関わらず、特定数の増加可変表示を実行することができる。よって、図柄数可変手段による特定図柄の表示数を可変表示させる演出の自由度を高めることができるという効果がある。
<特徴L群>(上流側の電チュー入賞率を可変させることで、下流側の始動口への入球率を可変させる)
第1判別条件が成立した場合に第1判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件が成立した場合に前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1判別手段による前記第1判別の結果が特定の第1判別結果である場合、或いは、前記第2判別手段による前記第2判別の結果が特定の第2判別結果である場合に、対応する特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下する遊技球が入球可能であり、遊技球が入球した場合に前記第1判別条件が成立し得る第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも入球困難な第2状態とに可変可能な可変手段と、実行条件が成立した場合に、前記可変手段を所定の可変パターンで可変制御可能な可変制御手段と、遊技球が入球可能であり、遊技球が入球した場合に前記第2判別条件が成立し得る第2入球手段と、を有し、前記第2入球手段は、前記第1流路を流下する遊技球のうち、前記第1入球手段に入球し得なかった遊技球が入球し得る位置に設けられるものであることを特徴とする遊技機L1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、特典遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行される遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。また、複数の始動口を設け、そのうち一の始動口に時短遊技中に遊技球を入球させ易くするための可変部材を設けることで、時短遊技中に抽選を実行させ易くするものがある。ところで、上記した遊技機では、可変部材が設けられた始動口に向けて遊技球を発射した際に、始動口に入球しなかった遊技球は無駄となり、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。そこで、上記した遊技機において、遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機L1によれば、可変制御手段により可変手段が第1状態へと可変される期間の長さによって、第1流路を流下する遊技球に基づいて第1判別を実行させ易い状態と、第2判別を実行させ易い状態とを切り替えることができる。これにより、第1流路を遊技球が流下する場合に、遊技者に対して何れの判別が実行されるかを予測させる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L1において、前記可変制御手段により可変制御される前記可変手段の前記可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記可変手段が前記第2状態となる期間が長い第2可変パターンと、を少なくとも含む複数の可変パターンの中から一の可変パターンを決定する可変パターン決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、可変パターン決定手段により決定された可変パターンに応じて可変制御手段により可変手段が可変制御されるので、可変手段の可変状況に応じて第1流路を流下する遊技球に基づいて第1判別を実行させ易い状態と、第2判別を実行させ易い状態とを切り替えることができる。よって、遊技者に対して、可変手段の可変状況に興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L2において、判定条件が成立した場合に所定の判定を実行する判定手段を有し、前記可変制御手段は、前記判別手段による前記判定の結果が特定の判定結果である場合に、前記可変手段を可変制御するものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、判定手段の判定結果に基づいて可変手段が可変制御されるため、遊技者に対して判定手段の判定内容に興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L3において、前記判定手段による前記判定の結果を示すための識別情報を動的表示可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間として、異なる長さの複数の動的表示期間の中から一の動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて前記動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、判定手段の判定結果が停止表示されるまでの動的表示期間の長さを異ならせることができるため、可変制御手段による可変制御が実行されることの無い期間を遊技者に付与することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L1からL4の何れかにおいて、前記第1判別手段よりも前記第2判別手段のほうが遊技者に有利な判別を実行するものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L1からL4の奏する効果に加え、第1判別手段よりも第2判別手段のほうが遊技者に有利な判別が実行されるため、第2入球手段へと遊技球が到達することを期待させながら、第1流路を流下する遊技球の挙動に興味を持たせながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L5において、前記第1流路を流下する遊技球を検知可能な検知手段と、その検知手段による検知結果に基づいて所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を有し、前記検知手段は、少なくとも、前記第1流路に流入した遊技球を検知可能な第1検知手段と、前記第1流路を流下する遊技球のうち、前記第1入球手段に入球しなかった遊技球を検知可能な第2検知手段と、から構成されるものであり、前記演出実行手段により実行される前記演出は、前記第1流路を流下する球が前記第2入球手段へと到達する期待度を遊技者に示すためのものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L5の奏する効果に加え、第1流路を流下する遊技球の流下状況を遊技者に分かり易く報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴AA群>
第1情報取得条件の成立に基づいて第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を決定することが可能な第1動的表示態様決定手段と、第2情報取得条件の成立に基づいて第2情報を取得可能な第2情報取得手段と、その第2情報取得手段により取得された前記第2情報が記憶される第2情報記憶手段と、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される前記第2識別情報の第2動的表示態様を決定することが可能な第2動的表示態様決定手段と、特定の前記第1判別結果を示すための第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示すための第2識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第2識別情報の動的表示期間中に演出態様を実行可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行される演出態様を選択可能な演出態様選択手段と、を有し、前記演出態様選択手段は、前記第2情報記憶手段に記憶されている少なくとも前記第2情報の数に基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機AA1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AA1によれば、第2識別情報の動的表示期間中に実行される演出態様が記憶されている第2情報の数によって可変されるので、その後に実行されることが可能となっている第2識別情報の動的表示の回数に対応させた演出の実行が可能となり、特定の第2判定結果を示すための第2識別情報が表示されない場合にも、その後の遊技に対して継続して興味を持たせることで遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機AA1において、前記第2識別情報の動的表示は、前記第1識別情報の動的表示よりも優先して実行されるものであり、前記演出態様実行手段は、特定の前記第2動的表示態様が実行されている場合に前記演出態様を実行するものであることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、特定の第2動的表示態様が実行されることで、第2情報が記憶されることに意欲を抱かせることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機AA1またはAA2において、前記演出態様は、前記第2情報が記憶されている数に対応して前記実行されている前記第2動的表示態様の期間が終了した後に連続して実行される次の前記第2識別情報の動的表示に跨がった期間で設定されているものであることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA1またはAA2の奏する効果に加え、演出態様は複数回連続して実行される第2識別情報の動的表示期間に跨がって実行可能に構成されているので、複数回の第2動的表示態様を1の動的表示のように見せて興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA1からAA3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、前記可変部材を特定条件の成立に基づいて前記第2状態から第1状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、前記特定条件の成立前に、前記特定条件の成立を事前に判別可能な事前判別手段と、を有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記事前判別手段の結果に基づいて特定の演出態様を選択することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA1からAA3の奏する効果に加え、第2情報が取得され易くなる契機となる特定条件の成立を事前に判別した結果に基づいて特定の演出態様が選択されるので、第2情報の取得に対して期待を持たせることができるという効果がある。
<特徴AB群>(変動パターンの実行中の途中で特図2保留数によって、演出可変)
第1情報取得条件の成立に基づいて第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を決定することが可能な第1動的表示態様決定手段と、第2情報取得条件の成立に基づいて第2情報を取得可能な第2情報取得手段と、その第2情報取得手段により取得された前記第2情報が記憶される第2情報記憶手段と、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される前記第2識別情報の第2動的表示態様を決定することが可能な第2動的表示態様決定手段と、特定の前記第1判別結果を示すための第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示すための第2識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1識別情報の動的表示期間中に演出態様を実行可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行される演出態様を選択可能な演出態様選択手段と、を有し、前記演出態様選択手段は、前記第2情報記憶手段に記憶されている少なくとも前記第2情報の数に基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機AB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AB1によれば、第1識別情報が動的表示の開始時に決定された第1動的表示態様で動的表示されている期間に実行される演出態様が第2情報の記憶されている数に基づいて決定されるので、第1判別の結果だけでなく、第2判別が実行されることが可能であることに関する情報も演出態様から判別することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機AB1において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記第2情報の数と動的表示されている前記第1識別情報の動的表示態様とに基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、実行されている第1動的表示態様とその実行中における第2情報が記憶されている数により演出態様が選択されるので、多様な演出態様を実行できるという効果がある。
遊技機AB1またはAB2において、前記第2識別情報の動的表示は、前記第1識別情報の動的表示よりも優先して実行されるように構成され、前記演出態様は、その後に実行される前記第2識別情報の動的表示態様に関連する演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB1またはAB2の奏する効果に加え、第2情報が記憶されている場合には、実行されている第1識別情報が終了した後には、第2識別情報の動的表示が開始されることになり、その第2動的表示態様と関連する演出態様を第2識別情報の動的表示の開始前に実行することができるので、優先して実行される第2識別情報の動的表示が開始されることを早期に遊技者に認識させることができるという効果がある。
遊技機AB1からAB3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、前記可変部材を特定条件の成立に基づいて前記第2状態から第1状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、前記特定条件の成立前に、前記特定条件の成立を事前に判別可能な事前判別手段と、を有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記事前判別手段の結果に基づいて特定の演出態様を選択することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB1からAB3の奏する効果に加え、第2情報が取得され易くなる契機となる特定条件の成立を事前に判別した結果に基づいて特定の演出態様が選択されるので、第2情報の取得に対して期待を持たせることができるという効果がある。
<特徴AC群>(特図2変動の疑似演出として、特図1変動演出を用いる)
第1の判別条件の成立に基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な第1特典遊技を実行する第1特典遊技実行手段と、前記第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な第1特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、前記第1判別が実行されたことに基づいて、当該第1判別の判別結果を示すための第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2判別が実行されたことに基づいて、当該第2判別の判別結果を示すための演出として前記第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備え、前記第2演出実行手段は、少なくとも予め定められた特定条件が成立している場合に、前記第1演出の演出期間において実行され易い特定の演出態様を少なくとも含む演出態様の前記第2演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機AC1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AC1によれば、第2判別の判別結果を示すための演出として第1演出を実行可能とすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AC1において、前記第2演出実行手段は、前記第1演出の演出態様として、前記第1判別の結果を示す表示態様を少なくとも含む演出態様の前記第2演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機AC2。
遊技機AC2によれば、遊技機AC1の奏する効果に加え、第1判別の判別結果を示す表示態様を用いた第2演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AC2において、前記第2演出実行手段は、第2判別の判別結果を示す1の演出内で前記第2判別の判別結果を示すための第2演出態様と、前記演出態様とを実行するものであることを特徴とする遊技機AC3。
遊技機AC3によれば、遊技機AC2の奏する効果に加え、より意外性のある演出を実行することができるという効果がある。
<特徴AD群>(通常当たりでも確変含むダブル表示)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、所定の動的表示態様で複数の第1識別図柄を表示手段に動的表示させた後に、前記第1判別手段による第1判別結果を示すための組み合わせで停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、所定の動的表示態様で複数の第2識別図柄を表示手段に動的表示させた後に、前記第2判別手段による第2判別結果を示すための組み合わせで停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記第1判別結果を示すための特定の組み合わせで前記第1識別図柄が停止表示された場合または前記表示手段に特定の前記第2判別結果を示すための特定の組み合わせで前記第2識別図柄が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典付与手段は、前記特定の組み合わせのうち、第1特定組み合わせに対応する識別図柄の組み合わせで停止表示された場合に前記特典として第1特典を付与可能であり、前記第1特定組み合わせとは異なる第2特定組み合わせに対応する識別図柄の組み合わせで停止表示された場合に前記第1特典よりも遊技者に有利な第2特典を付与可能に構成され、前記遊技機は、前記特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定可能な決定手段を有し、前記第1動的表示手段は、特定期間が設定されている場合には、1の第1識別図柄を動的表示させた状態で残りの識別図柄を前記第1特定組み合わせと前記第2特定組み合わせのうちいずれかの組み合わせとなることが可能な組み合わせで停止表示させる複数リーチ表示態様を表示させた後に、前記第1識別図柄を前記特定の組み合わせで表示させるものであることを特徴とする遊技機AD1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を複数の図柄の組み合わせで報知する場合に、表示された図柄の種類によりその後に付与される特典が異なるように構成することで、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者が望む特典よりも低い特典が付与されない組み合わせを構成する一部の図柄が停止表示されることで、結果が報知されるよりも前に遊技に対する興趣が低下してしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AD1によれば、特定期間に識別図柄が特定の組み合わせで表示される場合に複数リーチ表示態様を経て特定の組み合わせが表示されるので、第1特典に対応した組み合わせと第2特典に対応した組み合わせの双方が表示される期待を長く持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機AD1において、前記決定手段は、前記特定期間において前記特定の第1判別結果である場合に前記第1特典を決定するものであることを特徴とする遊技機AD2。
遊技機AD2によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、決定手段により第1特典が決定される特定期間であっても、複数リーチ表示態様を経て特定の組み合わせが表示されるので、特定期間に第1判別が実行された場合にも第2特典が付与されることへの期待感を持ちやすくすることができるという効果がある。
遊技機AD2において、前記決定手段は、前記特定期間において前記特定の第2判別結果である場合に前記第2特典を決定するものであり、前記第2動的表示手段は、特定期間が設定されている場合には、1の第2識別図柄を動的表示させた状態で残りの識別図柄を2以上の異なる前記第2特定組み合わせのうちいずれかの組み合わせとなることが可能な組み合わせで停止表示させる特別複数リーチ表示態様を表示させた後に、前記第2識別図柄を前記特定の組み合わせで表示させるものであることを特徴とする遊技機AD3。
遊技機AD3によれば、遊技機AD2の奏する効果に加え、特定期間では、遊技者に有利な第2特典が特定の第2判定結果である場合に必ず付与されることを早期に認識させることができるという効果がある。
<特徴AE群>(確変当たり時のパンクED制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別を複数の種別から決定可能な特典遊技種別決定手段と、特定の前記特典遊技が実行される場合に、遊技球が通過可能となる特定領域と、その特定領域を遊技球が通過した場合に前記特典遊技の実行後に設定される遊技状態として通常遊技状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、前記特典遊技が終了する場合に、該特典遊技の実行後に設定される前記遊技状態を示唆可能な示唆態様を実行する示唆態様実行手段と、を有した遊技機において、前記示唆態様は、第1示唆態様と第2示唆態様とが組み合わされて構成されており、前記通常遊技状態を示唆するための第2示唆態様と前記有利遊技状態を示唆するための第2示唆態様とは同一の期間で構成された示唆態様で構成されているものであることを特徴とする遊技機AE1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりとなり、その当たり種別によって異なる当たり遊技を実行して、特定の種別の当たり遊技中には、遊技球が入球可能な状態と困難な状態とに可変される可変入球領域が入球可能な状態に可変され、遊技球が入球することで当たり遊技後の遊技状態を遊技者に有利な遊技状態とすることで遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、特定の種別の当たり遊技が実行されても、可変入球領域に遊技球が入球しない場合が発生することで、その場合の報知制御における制御負荷が増大してしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、制御負荷を軽減できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AE1によれば、第2示唆態様を同一の期間としたことで、示唆態様を表示させる期間が可変することを抑制しながら特定領域への入球状態によって示唆する態様を設定することで特典遊技の終了時における示唆態様の報知制御を容易にして制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機AE1において、前記特典遊技が実行される場合に、実行される特典遊技の種別に対応して前記示唆態様実行手段により実行される前記示唆態様を設定する示唆態様設定手段と、前記特定の特典遊技中に前記特定領域に遊技球が入球しなかった場合に設定されている前記示唆態様のうち、前記第2示唆態様を前記特定の特典遊技以外に対応した第2示唆態様に切替えることが可能な切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機AE2。
遊技機AE2によれば、遊技機AE1の奏する効果に加え、特典遊技の終了時における制御負荷が集中することを抑制するように開始時に示唆態様を設定する構成であっても、示唆態様を表示するための期間を変動させることなく通常遊技状態に対応した示唆態様に切替えて示唆することができるので、制御負荷を抑制して正しい示唆を実行することができるという効果がある。
<特徴AF群>(大当たり種別に応じて異なる長さのED期間を設ける)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別を複数の種別から決定可能な特典遊技種別決定手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技の終了を示すための期間として、実行中の前記特典遊技の種別に応じた長さの期間を設定する期間設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機AF1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AF1によれば、特典遊技の種別に応じて異なる期間を設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AF1において、前記期間設定手段により設定された前記期間を用いて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機AF2。
遊技機AF2によれば、遊技機AF1の奏する効果に加え、特典遊技の種別に応じて設定される異なる期間にて特定演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AF1またはAF2において、前記特典遊技の実行中に可変条件が成立した場合に、前記期間設定手段により設定された前記期間の長さを異なる長さに切替可能な期間切替手段を備えることを特徴とする遊技機AF3。
遊技機AF3によれば、遊技機AF1またはAF2の奏する効果に加え、特典遊技の実行中に可変条件が成立した場合にも期間の長さを異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴AG群>(ED期間をV入賞の有無で可変させる)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行中に遊技球が通過可能となる特定領域と、前記特典遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利となる有利遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技の終了を示すための特定期間を設定する特定期間設定手段と、を備え、前記特定期間設定手段は、前記特典遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過した場合と通過しなかった場合とで、異なる長さの前記特定期間を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機AG1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機AG1によれば、特典遊技の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合と通過しなかった場合とで、異なる長さの特定期間を設定可能にしているため、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機AG1において、前記特定期間中に特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機AG2。
遊技機AG2によれば、遊技機AG1の奏する効果に加え、特定期間内に特定演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AG2において、前記特定演出は、前記特典遊技中における前記特定領域への遊技球の通過状況を報知するための報知態様を少なくとも含むものであることを特徴とする遊技機AG3。
遊技機AG3によれば、特定演出に報知態様が含まれるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することが出来るという効果がある。
<特徴BA群>(設定に応じて遊技性を異ならせる)
遊技者の有利度合いに関する特定要素の状態を、第1の有利度合いに対応する第1状態と、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに対応する第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態に設定することが可能な特定要素設定手段と、所定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第2遊技状態は、前記特定要素が前記第2状態に設定されている場合よりも、前記第1状態に設定されている場合の方が遊技者に有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機BA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
また、上述した従来型の遊技機の中には、当たり種別に応じて当たり状態が終了した後における遊技状態も異ならせることが可能に構成しているものも存在し、当たり状態が終了した後における興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、各遊技状態の有利度合いが固定化されているため、遊技が単調となってしまう虞があるという問題点があった。
これに対して遊技機BA1によれば、有利な第2遊技状態においては、特定要素が有利度合いの低い第1状態に設定されている方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも前記特定の判別結果となる確率が低い状態で構成されていることを特徴とする遊技機BA2。
遊技機BA2によれば、遊技機BA1の奏する効果に加え、有利な第2遊技状態においては、特定の判別結果となる確率が低い方が有利になるという極めて斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BA2において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球し易い第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球し難い第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2判別結果になったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記特典付与手段によって前記所定の特典が付与され易く構成されていることを特徴とする遊技機BA3。
遊技機BA3によれば、遊技機BA2の奏する効果に加え、第2遊技状態においては所定の特典が付与され易くなるので、第2遊技状態が設定された場合に遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA2又はBA3において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BA4。
遊技機BA4によれば、遊技機BA2又はBA3の奏する効果に加え、第2遊技状態において特定の判別結果になると第2遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態が設定されてしまう可能性があるので、第2遊技状態においては、特定の判別結果になるよりも第2判別結果となって特典が付与され続けて欲しいと思わせることができる。よって、特定の判別結果にならないことを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA2からBA4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態は、前記特定の判別結果となるまで維持され得るように構成されていることを特徴とする遊技機BA5。
遊技機BA5によれば、遊技機BA2からBA5のいずれかが奏する効果に加え、第2遊技状態が特定の判別結果となるまで維持されるので、特定の判別結果となる確率が低い第1状態の方がより長く第2遊技状態が継続し易くなる。つまり、より多くの回数第2判別結果になり易くなるため所定の特典の付与回数も多くなり易くなる。よって、第2遊技状態以外の状態では第2状態であることを期待させることができる一方で、第2遊技状態では不利な第1状態を期待させることができるという極めて斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA2において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも有利度合いが高い第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態に設定可能に構成されているものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の判別に渡って前記特定の判別結果以外の判別結果になったことに基づいて、前記第3遊技状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BA6。
遊技機BA6によれば、遊技機BA1又はBA2の奏する効果に加え、特定の判別結果となる確率が低い第1状態の方が第2遊技状態において特定の判別結果以外の判別結果になり易いので、有利な第3遊技状態になり易くなる。よって、第2遊技状態においては不利な第1状態が設定されていることをより強く期待させるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA2からBA6のいずれかにおいて、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて少なくとも賞球を払い出す払出手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第1入球手段へと遊技球が入球し易くなる発射方向へと遊技球が発射され続けた場合に、前記払出手段によって払い出される賞球の個数よりも、発射される遊技球の個数の方が多くなり易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BA7。
遊技機BA7によれば、遊技機BA2からBA6のいずれかにおいて、第1遊技状態では、遊技球を発射するほど持ち球が減っていき易いため、早期に特定の判別結果となり易い第2状態が設定されていることを強く期待させることができる。よって、第1遊技状態においては第2状態を期待させる一方で、第2遊技状態においては第1状態を期待させるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA7において、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記払出手段によって払い出される賞球の個数が、発射される遊技球の個数に近い個数になり易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BA8。
遊技機BA8によれば、遊技機BA7の奏する効果に加え、第2遊技状態における有利度合いをより高くすることができるので、第2遊技状態に移行することをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴BB群>(当たりに当選し易くなるほど有利度合いが低くなる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記判別手段の判別で第1の確率で前記特定の判別結果になる第1確率状態と、前記第1の確率とは異なる第2の確率で前記特定の判別結果になる第2確率状態と、を少なくとも含む複数の中から1の状態を設定する状態設定手段と、を備え、前記第1確率状態は、少なくとも予め定められた特定条件が成立している間において、前記第2確率状態よりも遊技者にとっての有利度合いが高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
また、上述した従来型の遊技機の中には、当たり種別に応じて当たり状態が終了した後における当たりの抽選確率を異ならせることが可能に構成しているものも存在し、当たり状態が終了した後における興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり確率が低いと、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機BB1によれば、少なくとも特定条件が成立している間において、第1確率状態を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BB1において、前記第1の確率は、前記第2の確率よりも低い確率で構成されていることを特徴とする遊技機BB2。
遊技機BB2によれば、遊技機BB1の奏する効果に加え、特定条件が成立している間において、特定の判別結果となる確率が低い方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BB1又はBB2において、前記特定条件が成立した状態は、少なくとも前記特定の判別結果になったことに基づいて終了され得るように構成されているものであることを特徴とする遊技機BB3。
遊技機BB3によれば、遊技機BB1又はBB2の奏する効果に加え、特定条件が成立している間、特定の判別結果とならないことを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BB1からBB3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球し易い第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球し難い第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記特定条件が成立している状態は、前記特定条件が成立していない状態よりも、前記特典付与手段によって前記所定の特典が付与され易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BB4。
遊技機BB4によれば、遊技機BB1からBB3の奏する効果に加え、特定条件が成立している間は所定の特典が付与され易くなるので、特定条件が成立することを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BB4において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2判別手段は、前記第1判別手段よりも前記第2の判別結果となる割合が高くなるように構成されているものであり、前記特定条件が成立している状態は、前記特定条件が成立していない状態よりも、前記第2の判別条件が成立し易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BB5。
遊技機BB5によれば、遊技機BB4の奏する効果に加え、特定条件が成立している間は第2の判別結果となり易い第2判別手段の判別が実行され易くなるので、特定条件が成立することを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BB5において、前記特定条件が成立している間に前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になった場合よりも、前記特定条件が成立している間に前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果になった場合の方が、前記特典遊技の終了後において前記特定条件が成立した状態となり易く構成されていることを特徴とする遊技機BB6。
遊技機BB6によれば、遊技機BB5の奏する効果に加え、特定条件が成立した状態において実行され易い第2判別手段の判別で特定の判別結果になると、特定条件が成立した状態が終了されてしまう可能性が高くなるので、特定条件が成立している間、特定の判別結果とならないことを期待させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BB5又はBB6において、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって第1方向に発射された遊技球が入球し易くなる位置に設けられている第1入球手段と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球し易くなる位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第3位置と、前記第2入球手段へと遊技球が入球困難になる第3位置と、に可変可能な第2可変手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るように構成されているものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るように構成されているものであり、前記特定条件が成立している状態は、前記特定条件が成立していない状態よりも、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態となり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機BB7。
遊技機BB7によれば、遊技機BB5又はBB6の奏する効果に加え、特定条件が成立しているか否かに応じて遊技球の発射方向を異ならせる楽しみを遊技者に与えることができるという効果がある。
<特徴BC群>(設定変更後の通常状態と、当たり終了後の通常状態とで、特定の示唆の発生率を可変させる)
所定の演出を実行可能な演出実行手段を備えた遊技機において、第1の設定条件の成立に基づいて予め定められた特定の遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1の設定条件とは異なる第2の設定条件の成立に基づいて、前記特定の遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記第1遊技状態設定手段によって前記特定の遊技状態が設定された場合と、前記第2遊技状態設定手段によって前記特定の遊技状態が設定された場合とで、予め定められた特定演出の実行し易さが異なって構成されていることを特徴とする遊技機BC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
また、上述した従来型の遊技機の中には、当たり種別に応じて当たり状態が終了した後における遊技状態も異ならせることが可能に構成しているものも存在し、当たり状態が終了した後における興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、同一の遊技状態が長く続いた場合に、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機BC1によれば、同じ特定の遊技状態であっても、第1遊技状態設定手段により設定されたか、第2遊技状態設定手段により設定されたかに応じて特定演出の実行し易さを可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1遊技状態設定手段は、前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定の遊技状態を設定することが可能に構成されているものであり、前記第2遊技状態設定手段は、前記遊技機の設定が初期化されたことに基づいて前記特定の遊技状態を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BC2。
遊技機BC2によれば、遊技機BC1の奏する効果に加え、初期化された際に設定される遊技状態において特定演出の実行し易さを可変させることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機BC1又はBC2において、前記演出実行手段は、前記特定の遊技状態が設定されてから、予め定められた特定回数の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になったことに基づいて、前記特定演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機BC3。
遊技機BC3によれば、遊技機BC1又はBC2の奏する効果に加え、外れ判別結果が連続することを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機BC3において、前記演出実行手段は、前記特定の遊技状態が設定された後における前記外れ判別結果の連続回数が前記特定回数の倍数になったことに基づいて、前記特定演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機BC4。
遊技機BC4によれば、遊技機BC3の奏する効果に加え、外れ判別結果の連続回数が特定回数の倍数になる毎に特定演出が実行されるので、特定回数の倍数になるまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC1からBC3のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記第1遊技状態設定手段によって前記特定の遊技状態が設定された場合よりも、前記第2遊技状態設定手段によって前記特定の遊技状態が設定された場合の方が、前記特定演出を実行し易く構成されていることを特徴とする遊技機BC4。
遊技機BC4によれば、遊技機BC1からBC3の奏する効果に加え、第2遊技状態設定手段によって設定された特定の遊技状態における稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC1からBC4のいずれかにおいて、遊技者の有利度合いに関する特定要素を、第1の有利度合いに対応する第1状態と、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに対応する第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態に設定することが可能な特定要素設定手段と、前記特定演出の種別として、前記第2状態よりも前記第1状態の方が実行される割合が高くなる第1特定演出と、前記第1状態よりも前記第2状態の方が実行される割合が高くなる第2特定演出と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する種別決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BC5。
遊技機BC5によれば、遊技機BC1からBC4のいずれかが奏する効果に加え、特定演出の種別によって特定要素の状態を示唆することができるので、特定要素の状態を予測したいと考える遊技者に対して、特定の遊技状態において特定演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC1からBC5のいずれかにおいて、遊技に関する主な制御を行う主制御手段と、前記演出実行手段を少なくとも有して構成され、前記主制御手段から出力されるコマンドに応じた制御を行う従制御手段と、識別情報を表示可能な表示手段と、を備え、前記主制御手段は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示種別を決定する種別決定手段と、その種別決定手段によって決定された動的表示種別を示すための種別コマンドを前記従制御手段へと出力するコマンド出力手段と、を備え、前記従制御手段は、前記種別コマンドを少なくとも受信することが可能なコマンド受信手段を備え、前記演出実行手段は、前記コマンド受信手段により前記種別コマンドが受信されたことに基づいて、当該受信された前記種別コマンドに応じた演出を実行可能に構成されているものであり、前記特定演出は、予め定められた特定の動的表示種別に応じた演出として前記演出実行手段により実行され得る演出で構成されているものであることを特徴とする遊技機BC6。
遊技機BC6によれば、遊技機BC1からBC5のいずれかが奏する効果に加え、従制御手段においては、特定の動的表示種別に対応する種別コマンドを受信した場合に特定演出の種別を決定するのみでよいので、従制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機BC6において、前記主制御手段は、前記動的表示種別を決定する際に参照される情報が予め規定されている規定情報として、前記第1遊技状態設定手段によって設定された前記特定の遊技状態において前記動的表示種別を決定する際に参照される第1規定情報と、前記第2遊技状態設定手段によって設定された前記特定の遊技状態において前記動的表示種別を決定する際に参照される第2規定情報と、を少なくとも含む複数の前記規定情報を記憶している規定情報記憶手段と、前記判別条件が成立したことに基づいて、前記動的表示種別を決定するために参照する1の規定情報を前記規定情報記憶手段から特定する規定情報特定手段と、を備え、前記第2規定情報は、前記第2規定情報よりも、前記特定の動的表示種別が決定され易くなるように情報が規定されているものであることを特徴とする遊技機BC7。
遊技機BC7によれば、遊技機BC6の奏する効果に加え、参照する規定情報を異ならせるだけで特定の動的表示種別の決定され易さを異ならせることができるという効果がある。
遊技機BC7において、前記第2規定情報は、前記判別条件の成立時点で予め定められた特定条件が成立している場合に、前記第2規定情報よりも、前記特定の動的表示種別が決定され易くなり、前記特定条件が成立していなければ、前記特定の動的表示種別の決定割合が前記第2規定情報と共通になるように情報が規定されているものであることを特徴とする遊技機BC8。
遊技機BC8によれば、遊技機BC7の奏する効果に加え、特定条件の成立有無に応じて特定の動的表示種別の決定割合を可変させることができるので、特定演出の実行割合モカ偏させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴BD群>(遊技者に不利な状況の方が特定の示唆が発生し易くなる)
特定の実行条件の成立に基づいて、予め定められた特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、遊技者の有利度合いに関する特定要素の状態を遊技者に示唆可能な第1特定演出と、前記特定要素の状態が示唆され難い第2特定演出と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する特定演出種別決定手段と、所定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記特定演出種別決定手段により前記第1特定演出が決定され易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、所定の遊技状態において、遊技者にとっての有利度合いを示唆する演出態様を実行可能なものも存在する。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
これに対して遊技機BD1によれば、特定要素の状態を知りたいと希望する遊技者に対して、第1遊技状態において積極的に遊技を行わせることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD1において、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機BD2。
遊技機BD2によれば、遊技機BD1の奏する効果に加え、不利な第1遊技状態における稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD1又はBD2において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態および前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されているものであり、前記特定演出種別決定手段は、前記特典遊技が終了した後の遊技状態が前記第3遊技状態以外の遊技状態に設定された連続回数が予め定められた特定回数未満の状況で設定された前記第1遊技状態よりも、前記特定回数以上の状況で設定された前記第1遊技状態の方が、前記第1特定演出を決定し易く構成されていることを特徴とする遊技機BD3。
遊技機BD3によれば、遊技機BD1又はBD2の奏する効果に加え、有利な第3遊技状態が設定されないという不利な状況が続く程、特定演出が実行され易くなるので、不利な状況が続いた場合でも遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させ難くすることができるという効果がある。
遊技機BD1からBD3のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特定要素として、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果になる確率を予め定められた第1確率と、前記第1確率よりも高い第2確率と、を少なくとも含む複数のうち1の確率に設定する特定要素設定手段と、を備え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記特定の判別結果になる確率が高い遊技状態で構成されているものであることを特徴とする遊技機BD4。
遊技機BD4によれば、遊技機BD1からBD3の何れかが奏する効果に加え、特定演出において、第2確率が示唆されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD4において、前記第2遊技状態は、前記第2確率よりも高い第3確率以上の確率で前記特定の判別結果になるように構成されているものであり、前記第1特定演出は、前記第2確率よりも前記第1確率に設定されている場合に実行され易い第1演出態様と、前記第1確率よりも前記第2確率に設定されている場合に実行され易い第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうちいずれかが実行されるものであり、前記特定演出は、特定の判別結果となる確率に応じた情報を示唆する演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機BD5。
遊技機BD5によれば、遊技機BD4の奏する効果に加え、特定演出が実行された場合に第2演出態様が実行されることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD5において、前記特定要素設定手段は、所定の設定先に予め定められた第1の設定値を設定することにより前記特定の判別結果になる確率を前記第1の確率に設定し、前記所定の設定先に前記第1の設定値とは異なる第2の設定値を設定することにより前記特定の判別結果になる確率を前記第2の確率に設定するものであり、前記第1演出態様は、前記第1確率以下の確率を示唆する数値であり、且つ、前記第1の設定値を示唆する数値を報知する演出態様で構成されているものであり、前記第2演出態様は、前記第1確率以下の確率を示唆する数値であり、且つ、前記第2の設定値を示唆する数値を報知する演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機BD6。
遊技機BD6によれば、遊技機BD5の奏する効果に加え、第1特定演出において設定値を数値で示唆することができるので、遊技者にとって理解し易い演出を実現できるという効果がある。
遊技機BD5又はBD6において、前記第2特定演出は、前記特定の判別結果となる確率が前記第2確率以上、且つ、前記第3確率以下である確率を示唆する数値を報知する演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機BD7。
遊技機BD7によれば、遊技機BD5又はBD6の奏する効果に加え、第2特定演出によって示唆される確率を、実際の確率以下にすることができるので、遊技機の実際の挙動を第2特定手段によって示唆された確率以上とすることができる。よって、遊技機の挙動が特定演出の内容と矛盾してしまうことを抑制できるので、より好適な演出態様を実現できるという効果がある。
遊技機BD5からBD7のいずれかにおいて、特定演出種別決定手段は、前記第1特定演出と、前記第2特定演出と、前記第2確率に設定されている前記第1遊技状態、若しくは前記第2遊技状態のどちらかを示唆する内容の第3特定演出と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BD8。
遊技機BD8によれば、遊技機BD5からBD7のいずれかが奏する効果に加え、第3特定演出が実行された場合に、第1遊技状態であることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD8において、前記第3特定演出は、前記特定の判別結果となる確率が前記第1確率よりも高く、且つ、前記第2確率以下である確率を示唆する数値を報知する演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機BD9。
遊技機BD9によれば、遊技機BD8の奏する効果に加え、特定演出によって報知される数値により注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴BE群>(設定に応じてチャンスゾーンの出現率を可変させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別で第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも特定の遊技状態において、前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、予め定められた特定条件が成立するまでの間、遊技者に有利となり易い特別状態を設定可能に構成された特別状態設定手段と、遊技者の有利度合いに関する特定要素を、第1の有利度合いに対応する第1状態と、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに対応する第2状態と、を少なくとも含む複数の状態のうち1の状態に設定することが可能な状態設定手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記特定の遊技状態において前記第2の判別結果となり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機BE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
また、上述した従来型の遊技機の中には、当たり種別に応じて当たり状態が終了した後における遊技状態も異ならせることが可能に構成しているものも存在し、当たり状態が終了した後における興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、各遊技状態の有利度合いが固定化されているため、遊技が単調となってしまう虞があるという問題点があった。
遊技機BE1によれば、有利度合いが低い第1状態の方が特定の遊技状態において特別状態に設定され易いので、特定の遊技状態において有利度合いが低い第1状態であることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BE1において、前記状態設定手段は、前記特定要素として、少なくとも前記特定の遊技状態において前記第1の判別結果となる確率を設定するものであり、前記第1状態は、予め定められた第1の確率で前記第1の判別結果となるように構成され、前記第2状態は、前記第1の確率よりも高い第2の確率で前記第1の判別結果となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BE2。
遊技機BE2によれば、遊技機BE1の奏する効果に加え、特定の遊技状態において、第1の判別結果となる確率が低い状態を期待させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BE1又はBE2において、前記特定の遊技状態において前記特別状態が設定された場合に、少なくとも前記特別状態が終了するまで前記特定の遊技状態が維持されるように構成されていることを特徴とする遊技機BE3。
遊技機BE3によれば、遊技機BE1又はBE2の奏する効果に加え、特定の遊技状態において、遊技状態を変えずに有利度合いを可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BE1からBE3のいずれかにおいて、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、少なくとも前記特定の遊技状態において、前記第1判別手段の判別よりも、前記第2判別手段の判別の方が遊技者に有利となり易く構成されているものであり、前記特別状態は、前記特別状態が設定されていない状態よりも前記第2判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機BE4。
遊技機BE4によれば、遊技機BE1からBE3の奏する効果に加え、特別状態になると、有利な第2判別手段の判別が実行され易いので、特別状態になることを期待して特定の遊技場チアにおける遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BE4において、前記特別状態設定手段は、前記第1判別手段の判別で前記第2の判別結果となったことに基づいて前記特別状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BE5。
遊技機BE5によれば、遊技機BE4の奏する効果に加え、有利度合いの低い第1判別手段の判別で第2の判別結果となった場合に有利な特別状態が設定されるという斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機BE4又はBE5において、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、を備え、前記第1識別情報の動的表示と、前記第2識別情報の動的表示とは重複して実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機BE6。
遊技機BE6によれば、遊技機BE4又はBE5の奏する効果に加え、判別手段の判別を効率的に行わせることができるという効果がある。
遊技機BE6において、前記特別状態は、前記第1動的表示手段により前記第2の判別結果を示すための前記第1識別情報が動的表示されている間の状態で少なくとも構成されているものであることを特徴とする遊技機BE7。
遊技機BE7によれば、遊技機BE6の奏する効果に加え、特別状態の間は有利な第2判別手段の判別のみを実行させることができるので、特別状態となることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機BE6又はBE7において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別で前記第1の判別結果および前記第2の判別結果とは異なる第3の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備えることを特徴とする遊技機BE8。
遊技機BE8によれば、遊技機BE6又はBE7の奏する効果に加え、可変遊技が実行されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BE1からBE8のいずれかにおいて、前記特別状態設定手段は、前記特定の遊技状態において予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記第2の判別結果となった場合に、前記第2の判別結果の連続回数が前記特定回数未満の場合よりも高い割合で前記特別状態を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BE9。
遊技機BE9によれば、遊技機BE1からBE8のいずれかが奏する効果に加え、第2の判別結果が特定回数以上連続することを期待させる斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機BE9において、前記特別状態設定手段は、前記第2の判別結果の連続回数が前記特定回数以上となった場合に予め定められた第1の割合で前記特別状態を設定し、前記第2の判別結果の連続回数が前記特定回数よりも多い第2回数以上となった場合に前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記特別状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BE10。
遊技機BE10によれば、遊技機BE9の奏する効果に加え、第2の判別結果が連続するほど特別状態が設定され易くなるので、第2の判別結果が連続するほど遊技者の興趣を高めることができるという効果がある。
<特徴BF群>(抽選結果が純粋な外れとなったことに基づいて遊技状態を変えずにチャンスゾーンを形成する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者の有利度合いが第1の有利度合いとなる第1遊技状態を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になったことに基づいて、予め定められた特定条件が成立するまでの間、前記第1遊技状態を維持したまま有利度合いを前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに設定可能な有利度合い設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
また、上述した従来型の遊技機の中には、当たり種別に応じて当たり状態が終了した後における遊技状態も異ならせることが可能に構成しているものも存在し、当たり状態が終了した後における興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、抽選結果が当たりにならなければ遊技状態が変わらないため、抽選結果が外れになる度に、遊技者を落胆させてしまうという問題点があった。
遊技機BF1によれば、外れ判別結果になった場合に有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1において、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示する動的表示手段を備え、前記有利度合い設定手段は、前記動的表示手段により前記外れ判別結果を示すための前記識別情報が動的表示されている間における有利度合いを前記第2の有利度合いに設定するものであることを特徴とする遊技機BF2。
遊技機BF2によれば、遊技機BF1の奏する効果に加え、外れ判別結果を示すための識別情報が動的表示されている間に有利になるという極めて斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1又はBF2において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも遊技者に有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機BF3。
遊技機BF3によれば、遊技機BF1又はBF2の奏する効果に加え、第2判別手段の判別が実行されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BF3において、前記有利度合い設定手段は、前記第1判別手段の判別で前記外れ判別結果となったことに基づいて、前記第2の有利度合いに設定するものであることを特徴とする遊技機BF4。
遊技機BF4によれば、遊技機BF3の奏する効果に加え、有利度合いが低い第1判別手段の判別で不利な判別結果となった場合に有利度合いが高くなるという極めて斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機BF4において、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示する動的表示手段を備え、前記有利度合い設定手段は、前記第1判別手段の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間の長さを可変させることが可能に構成されているものであり、前記有利度合い設定手段は、前記第1遊技状態において前記第1判別手段の判別で前記外れ判別結果となるまでの間、前記第1判別手段の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間を予め定められた第1期間以下の長さに設定し、前記第1判別手段の判別で前記外れ判別結果となったことに基づいて、前記第1判別手段の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間を前記第1期間よりも長い第2期間に設定することが可能に構成されているものであり、前記動的表示手段は、少なくとも前記第1遊技状態において、前記第2判別手段の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示として、前記第1期間以下の長さの動的表示期間で前記識別情報を動的表示するように構成されていることを特徴とする遊技機BF5。
遊技機BF5によれば、遊技機BF3の奏する効果に加え、第1判別手段の判別で外れ判別結果となった場合に第2期間の動的表示期間を設定することができるので、その第2期間の間に第2判別手段の判別のみを実行させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1からBF5のいずれかにおいて、前記有利度合い設定手段は、前記第1遊技状態において前記判別手段の判別で予め定められた第1回数の判別に渡って連続して前記外れ判別結果となった場合に、前記外れ判別結果の連続回数が前記第1回数未満の場合よりも高い割合で前記第2の有利度合いを設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BF6。
遊技機BF6によれば、遊技機BF1からBF5の何れかが奏する効果に加え、第1回数の判別に渡って連続して外れ判別結果となることを期待させる斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機BF6において、前記有利度合い設定手段は、前記外れ判別結果の連続回数が前記第1回数以上の場合に第1の割合で前記第2の有利度合いを設定し、前記外れ判別結果の連続回数が前記第1回数よりも多い第2回数以上の場合に前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2の有利度合いを設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BF7。
遊技機BF7によれば、遊技機BF6の奏する効果に加え、外れ判別結果が連続するほど第2の有利度合いに設定される期待度が向上するという斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
<特徴BG群>(1種2種で低設定の方が役物で当たり易くなる)
遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段へと入球した遊技球が流入可能な位置に設けられている第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域と、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第1領域と、前記第2領域と、のどちらかへと振り分ける振分手段と、前記第1領域へと遊技球が入球したことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者の有利度合いに関する特定要素を、第1の有利度合いに対応する第1状態と、前記第1の有利度合いとは異なる第2の有利度合いに対応する第2状態と、を少なくとも含む複数の状態のうちいずれかの状態に設定する状態設定手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第1領域に振り分けられ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011−010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、特定の遊技中に特定領域を通過した場合に付与される特典遊技が有利な種別であるか否かの期待度を示唆する演出を実行することが可能に構成されたものも存在する。係る従来型の遊技機では、有利な種別の特典遊技である期待度が高いことが示唆された場合に、特定領域を通過することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定の遊技が実行された場合に遊技球が特定領域を通過する割合自体は共通であるため、有利な種別である期待度が高いことが示唆されたとしても、遊技者の興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機BG1によれば、第1状態であるか、第2状態であるかに応じて第1領域への振り分けられ易さを異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BG1において、前記第1の有利度合いは、前記第2の有利度合いよりも低い有利度合いであることを特徴とする遊技機BG2。
遊技機BG2によれば、遊技機BG1の奏する効果に加え、有利度合いが低い方が振分手段によって第1領域に振り分けられ易くなるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機BG1又はBG2において、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、取得条件の成立に基づいて所定の判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後における遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を少なくとも含む複数の遊技状態のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第1遊技状態が設定されてから当該第1遊技状態の間に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間において前記入球手段へと入球した遊技球が前記第1領域に振り分けられ易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BG3。
遊技機BG3によれば、遊技機BG1又はBG2の奏する効果に加え、第1状態が設定されている方が、有利な第1遊技状態において遊技球が第1領域に振り分けられ易くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BG3において、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段を備え、前記第1遊技状態は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とも前記第2の判別結果とも異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第1領域に振り分けられ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BG4。
遊技機BG4によれば、遊技機BG3の奏する効果に加え、第1遊技状態において外れ判別結果となった場合に、第1領域に振り分けられ易くなるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機BG4において、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2の判別結果となる確率が低く、且つ、前記第3の判別結果となる確率が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機BG5。
遊技機BG5によれば、遊技機BG4の奏する効果に加え、第2の判別結果となる確率が低い第1状態が設定されている方が、有利な第1遊技状態がより有利になるという斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BG4又はBG5において、前記取得手段により取得された前記判別情報を、予め定められた特定の情報数を上限として、前記判別手段による判別に用いられるまで記憶可能な記憶手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記振分手段は、予め定められた第1期間周期で遊技球が到達した場合に、前記第1領域へと遊技球を振り分け易くなるように構成されているものであり、前記動的表示期間設定手段は、前記第1遊技状態において、前記記憶手段に対して1以上の前記判別情報が記憶された状態において前記特定の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する場合に、前記可変遊技が前記第1期間周期で実行され易くなる動的表示期間を設定可能に構成されているものであり、前記動的表示期間設定手段は、前記第1遊技状態において、前記外れ判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する場合に、前記特定の情報数の前記判別情報を取得することが可能な長さの動的表示期間を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BG6。
遊技機BG6によれば、遊技機BG4又はBG5の奏する効果に加え、外れ判別結果を示すための識別情報の動的表示の間に特定の情報数の判別情報を取得することができるので、外れ判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BG6において、前記動的表示期間設定手段は、前記第1遊技状態において、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する場合に、前記識別情報の動的表示が開始されてから当該識別情報の動的表示の終了後に実行される前記可変遊技が終了するまでの間に前記判別情報を取得することが困難となる長さの動的表示期間を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BG7。
遊技機BG7によれば、遊技機BG6の奏する効果に加え、外れ判別結果を示すための識別情報の動的表示の間でなければ判別情報を取得することが困難になるので、外れ判別結果となることを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴BH群>(設定確認時に役物の初期動作を回避する)
可変可能な可変部材と、その可変部材を可変させる可変手段と、遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記可変部材が予め定められた動作である投入動作を行うように前記可変手段を制御することが可能な投入時制御手段と、遊技機に対して電源が投入された時点において、予め定められた特定条件が成立している場合に、前記投入動作が実行されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機BH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、モータ等で動作する可変部材を構成に含むものがある。かかる遊技機の中には、複数の可変部材を動作させることによって、多種多様な演出動作を実行することができるものがある(例えば、特許文献1:特開2008−012194号公報)。
かかる従来型の遊技機の中には、遊技機に対する電源投入の際に、可変部材に対して所定の投入動作を行わせることにより、可変部材が正常に動作可能であるか否かを判別することが可能に構成されたものも存在する。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、投入動作を行うべきではない状況下においても投入動作を行ってしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機BH1によれば、電源投入時において好適に可変部材を動作させることができるという効果がある。
遊技機BH1において、前記抑制手段は、遊技機に対して電源が投入された時点において前記特定条件が成立している場合に、少なくとも前記特定条件が成立していない状態となるまでの間、前記投入動作が実行されることを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機BH2。
遊技機BH2によれば、遊技機BH1の奏する効果に加え、投入動作の開始タイミングを好適に設定することができるという効果がある。
遊技機BH1又はBH2において、遊技機に対して電源が投入された時点において前記特定条件と、前記特定条件とは異なる第2特定条件と、が成立している場合に、前記特定条件が成立していない状態になったことを条件として前記投入動作を行うように前記可変手段を制御する第2制御手段を備えることを特徴とする遊技機BH3。
遊技機BH3によれば、遊技機BH1又はBH2の奏する効果に加え、確実に特定条件が成立していない状態で投入動作を行わせることができるので、投入動作をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機BH3において、前記抑制手段は、遊技機に対して電源が投入された時点において前記特定条件が成立し、且つ、前記第2特定条件が成立していない場合に、前記特定条件が成立していない状態となった後も前記投入動作が実行されることを抑制するものであることを特徴とする遊技機BH4。
遊技機BH3によれば、遊技機BH4の奏する効果に加え、第2特定条件が成立している場合に投入動作が実行されることを抑制できるので、可変部材を好適に動作させることができるという効果がある。
遊技機BH1からBH4のいずれかにおいて、操作者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して第1の操作内容の操作が行われた状態で遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、遊技者の有利度合いに関する特定要素の状態を、第1の有利度合いに対応する第1状態と、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに対応する第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態に設定することが可能な特別状態を設定する特別状態設定手段と、を備え、前記抑制手段は、前記特別状態が設定されている間、前記投入動作が実行されることを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機BH5。
遊技機BH5によれば、遊技機BH1からBH4のいずれかが奏する効果に加え、特別状態が設定されている間に投入動作が実行されてしまい、特定要素の状態を変更し難くなってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機BH5において、前記特定要素の状態を示す情報を表示可能な表示手段と、前記操作手段に対して前記第2の操作内容の操作とは異なる第2の操作内容の操作が行われた状態で遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記特定要素の状態が前記表示手段に表示される第2特別状態を設定する第2特別状態設定手段を備え、前記抑制手段は、遊技機に対して電源が投入された時点において前記第2特別状態が設定されていた場合に、当該第2特別状態が終了された後も前記投入動作が実行されることを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機BH6。
遊技機BH6によれば、遊技機BH5の奏する効果に加え、単に特定要素の状態を確認するために遊技機の電源が再投入され、投入動作が不要である可能性が高いにもかかわらず投入動作が実行されてしまうことを抑制できるので、電源投入時における可変部材の動作を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機BH6において、前記操作手段は、第1操作手段と、その第1操作手段とは異なる第2操作手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1の操作内容の操作は、前記第1操作手段と前記第2操作手段との両方を操作する操作内容で構成され、前記第2の操作内容の操作は、前記第1操作手段のみを操作する操作内容で構成されることを特徴とする遊技機BH7。
遊技機BH7によれば、遊技機BH6の奏する効果に加え、操作者が第1の操作内容の操作と第2の操作内容の操作とを容易に使い分けることができるので、操作者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機BH7において、前記特別状態、および前記第2特別状態において前記第1操作手段が非操作の状態になったことに基づいて、通常遊技が可能な遊技可能状態に設定する遊技可能状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機BH8。
遊技機BH8によれば、遊技機BH7の奏する効果に加え、遊技可能状態を容易に設定することができるので、操作者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴BI群>(一部の設定では当たりとなり、他の一部の設定では外れとなる当たり乱数に基づいて抽選が実行された場合に決定され易くなる変動パターンを設ける)
所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別情報として予め定められた特定の判別情報を用いた判別が実行された場合に前記特定の判別結果になる第1判別状態と、前記特定の判別情報を用いた判別が実行された場合に前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になる第2判別状態と、を少なくとも含む複数の中から1の判別状態を設定する判別状態設定手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、前記外れ判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示種別として、前記特定の判別情報が判別に用いられて前記外れ判別結果となった場合に実行され易い第1動的表示種別と、前記特定の判別情報とは異なる判別情報が判別に用いられて前記外れ判別結果となった場合に実行され易い第2動的表示種別と、を少なくとも含む複数のうち1の動的表示種別を決定する動的表示種別決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BI1。
パチンコ機等の遊技機には、表示手段において図柄を変動表示させることによって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を報知するものがある。かかる遊技機では、予め定められた特定の図柄で停止表示された場合に、遊技者にとって有利ないわゆる当たり状態へと移行する。この図柄変動には、変動時間が異なる複数のパターンが設けられており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られている(例えば、特許文献1:特開2003−230714号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められている。
これに対して遊技機BI1によれば、動的表示種別に応じて第1判別状態であるか、第2判別状態であるかを予測させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI1において、前記動的表示手段によって前記識別情報が動的表示されている間に特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出の演出態様として、前記第2動的表示種別の前記識別情報の動的表示よりも前記第1動的表示種別の前記識別情報の動的表示において実行され易い第1演出態様と、前記第1動的表示種別の前記識別情報の動的表示よりも前記第2動的表示種別の前記識別情報の動的表示において実行され易い第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定する演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BI2。
遊技機BI2によれば、遊技機BI1の奏する効果に加え、演出態様によって第1動的表示種別の識別情報の動的表示が実行されたのか、第2動的表示種別の識別情報の動的表示が実行されたのかがより分かり易くなるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI2において、前記第1特定演出は、前記第1判別状態であることを示唆する演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機BI3。
遊技機BI3によれば、遊技機BI2の奏する効果に加え、第1特定演出が実行された場合に、第1判別状態であることを遊技者に確信させることができるという効果がある。
遊技機BI1からBI3のいずれかにおいて、前記第1判別状態は、予め定められた第1の確率で前記特定の判別結果となるように構成されているものであり、前記第2判別状態は、前記第1の確率よりも低い第2の確率で前記特定の判別結果となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BI4。
遊技機BI4によれば、遊技機BI1からBI3のいずれかが奏する効果に加え、第1判別状態において実行され易い第1動的表示種別が決定されると、特定の判別結果となる確率が高い判別状態である可能性が高まるため、第1動的表示種別が決定されることを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI4において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記特定の判別結果となる確率が高くなる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1判別状態は、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果となる確率が前記第1の確率に設定される状態で構成され、前記第2判別状態は、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果となる確率が前記第2の確率に設定される状態で構成されることを特徴とする遊技機BI5。
遊技機BI5によれば、遊技機BI4の奏する効果に加え、第1判別状態が設定されていると、第2判別状態が設定されている場合よりも、有利度合いが低い第1遊技状態において特定の判別結果となり易くなるので、第1判別状態が設定されていることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BI5において、前記第1判別状態は、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果となる確率が前記第1の確率よりも高い第3の確率に設定される状態で構成され、前記第2判別状態は、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果となる確率が前記第2の確率よりも高く、且つ、前記第3の確率よりも低い第4の確率に設定される状態で構成されることを特徴とする遊技機BI6。
遊技機BI6によれば、遊技機BI5の奏する効果に加え、第1判別状態では、第1遊技状態においても、第2遊技状態においても特定の判別結果となる確率が高くなるので、第1判別状態における優位性をより高めることができる。よって、第1判別状態に設定されていることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BI1からBI6のいずれかにおいて、前記判別状態設定手段によって設定された判別状態は、遊技機の電源が遮断されるまで維持可能に構成されていることを特徴とする遊技機BI7。
遊技機BI7によれば、遊技機BI1からBI6のいずれかが奏する効果に加え、判別状態はホールの営業中に可変されないので、有利な判別状態が設定されていることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BI1からBI7のいずれかにおいて、操作者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を有効として扱う操作有効期間を設定する操作有効期間設定手段と、を備え、前記判別状態設定手段は、前記操作有効期間の間に前記操作手段に対して第1の操作内容の操作が行われたことに基づいて前記第1判別状態を設定し、第2の操作内容の操作が行われたことに基づいて前記第2判別状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BI8。
遊技機BI8によれば、遊技機BI1からBI7のいずれかが奏する効果に加え、操作手段を操作することで判別状態を設定することができるので、好みの判別状態を容易に設定することができる。よって、操作者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴BJ群>(チャンスゾーンの出現率を条件に応じて異ならせる)
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利となり易い特別状態を設定可能に構成された特別状態設定手段と、遊技者の有利度合いに関する特定要素を、第1の有利度合いに対応する第1状態と、前記第1の有利度合いとは異なる第2の有利度合いに対応する第2状態と、を少なくとも含む複数の状態のうち1の状態に設定することが可能な状態設定手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記特定条件が成立し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機BJ1。
遊技機BJ1によれば、状態に応じて特定条件の成立し易さが可変するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BJ1において、前記特別状態設定手段は、予め定められた特定の遊技状態において前記特定条件が成立したことに基づいて、前記特別状態を設定するものであることを特徴とする遊技機BJ2。
遊技機BJ2によれば、特定の遊技状態において特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BJ1又はBJ2において、前記特別状態が設定されてから終了するまでの間は、前記特定条件が成立した時点における遊技状態が維持されるように構成されていることを特徴とする遊技機BJ3。
遊技機BJ3によれば、遊技状態を変えずに有利度合いを異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BJ3において、前記特別状態が終了した後も、前記特定条件が成立した時点における遊技状態が維持されるように構成されていることを特徴とする遊技機BJ4。
遊技機BJ4によれば、特別状態の前後で遊技状態を変えずに有利度合いを異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BJ1からBJ4のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記特別状態設定手段は、前記特定条件として、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記特別状態を設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BJ5。
遊技機BJ5によれば、遊技機BJ1からBJ4のいずれかが奏する効果に加え、一般的に不利な外れ判別結果となったことに基づいて有利な特別状態が設定されるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴BK群>(外れとなった場合に有利度合いを可変させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、遊技者の有利度合いが第1の有利度合いとなる第1遊技状態を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは第2の判別結果になったことに基づいて、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに設定可能な有利度合い設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BK1。
遊技機BK1によれば、特典遊技が実行されずに有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BK1において、前記有利度合い設定手段は、遊技状態を前記第1遊技状態に維持したまま前記第2の有利度合いに設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機BK2。
遊技機BK2によれば、遊技機BK1の奏する効果に加え、遊技状態を変えずに有利度合いを異ならせることができるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BK1又はBK2において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、遊技者の有利度合いが前記第1の有利度合いよりも低い第3の有利度合いとなる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BK3。
遊技機BK3によれば、遊技機BK1又はBK2の奏する効果に加え、比較的有利な第1遊技状態において第2の判別結果となることで更に有利度合いが向上するので、第1遊技状態において第2の判別結果となった場合における遊技者の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BK1からBK3のいずれかにおいて、前記判別手段の判別で前記第1の判別結果とも前記第2の判別結果とも異なる第3の判別結果となったことに基づいて、前記特典遊技よりも有利度合いが低い特定遊技を実行する特定遊技実行手段を備えることを特徴とする遊技機BK4。
遊技機BK4によれば、遊技機BK1からBK3の奏する効果に加え、判別結果の中で最も有利度合いが低い第2の判別結果となったことに基づいて有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BK1からBK4のいずれかにおいて、前記判別手段は、第1判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で構成されているものであり、前記第2判別手段は、前記第1判別手段よりも、前記特定の判別結果となった場合に遊技者にとっての有利度合いが高い種別の前記特典遊技が実行され易くなるように構成されているものであり、前記有利度合い設定手段は、前記第1遊技状態において前記第1判別手段の判別で前記第2の判別結果となったことに基づいて、前記第2の有利度合いに設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BK5。
遊技機BK5によれば、遊技機BK1からBK4の奏する効果に加え、有利度合いが低い第1判別手段の判別で有利度合いが低い第2の判別結果となった場合に、有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。