<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図47を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の背面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,65a,77a,78a等を有する遊技盤13(図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図7参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、遊技盤13の詳細については、図3において後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図7参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
また、変動演出とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(例えば、後述の左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a。図3及び図4参照。)へ入賞したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
さらに、ステージとは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
また、「リーチ表示」とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図6参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(図6参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
本実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「演出要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の演出要素から発展して実行され、該「ノーマルリーチ」の演出要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の演出要素と、同じく「ノーマルリーチ」の演出要素から発展して実行され、「スーパーリーチ」の演出要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の演出要素と、後述する「疑似変動」の演出要素又は「発展可否演出」の演出要素から発展して実行される「どっちだリーチ」の演出要素とが用意されている。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間(即ち、デモ表示中)や、変動演出において第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の演出要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われる。そして、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
また、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の演出要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の演出要素から「スーパーリーチ」の演出要素又は「スペシャルリーチ」の演出要素に発展するときは、「ノーマルリーチ」の演出要素中に「スーパーリーチ」の演出要素又は「スペシャルリーチ」の演出要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の演出要素又は「スペシャルリーチ」の演出要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の演出要素又は「スペシャルリーチ」の演出要素へ発展するときに選択されていた演出候補に基づいて、「スーパーリーチ」の演出要素又は「スペシャルリーチ」の演出要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の演出要素は「スペシャルリーチ」の演出要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の演出要素又は「スペシャルリーチ」の演出要素が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図7参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
次に、図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図7参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図3乃至図5を参照して遊技盤13の具体的構成、並びに、交互振分ユニット71及び保留装置73の詳細な構成について説明する。まず、図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、球が入賞することで所定の賞球を得ることができる一般入賞口63、第3図柄の大当たりが発生した場合に開放される可変入賞装置65、第3図柄の抽選契機となる左側特図入賞口77a及び右側特図入賞口78aと後述する保留装置73(図4及び図5参照)とを有した交互振分ユニット71、第2図柄の抽選契機となる第2入球口67、第3図柄表示装置81及び第2図柄表示装置83等を有した可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、可変入賞装置65、交互振分ユニット71、第2入球口67、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図3を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図7参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球を再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図3の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される(以下、返しゴム69に当たる勢い等で球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為を「右打ち」と称する一方、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為を「左打ち」と称する)。第1実施形態では、左打ちの遊技において、交互振分ユニット71へ球が入球し得る一方、第2入球口67および可変入賞装置65に球が入球し難いように構成されている。また、右打ちの遊技において、第2入球口67及び可変入賞装置65へ球が入球し得る一方、交互振分ユニット71に球が入球し難いように構成されている。この交互振分ユニット71の具体的な構成については後述する。
また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図3の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図7参照)で行われる各制御に応じた第1図柄の変動表示(以下、第1図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、後述する左側特図入賞口77a、右側特図入賞口78aに入賞(入球)した球のうち、動的表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応するLED37aの点灯状態により示される。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成され、第1図柄の判定結果を示す動的表示が実行される。具体的には、2つの7セグメントLEDには、後述する交互振分ユニット71に設けられた左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、7セグメントLEDの中央の1セグメントが交互に点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。そして、判定結果がハズレである場合には、中央の1セグメントのみがそれぞれ点灯表示する「−」図柄が表示され、判定結果が大当たりである場合には、大当たりに対応した「3」、「7」などの図柄が表示される。
なお、本パチンコ機10では、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、「15R確変大当たり」、「15R通常大当たり」又は「2R確変大当たり」が用意されている。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する確変大当たりのことである。第1実施形態では、「15R確変大当たり」に当選した場合には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1〜Z3(図6参照)において、それぞれ同一の奇数図柄が停止表示される。
「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する確変大当たりのことである。第1実施形態では、「2R確変大当たり」に当選した場合には、第3図柄表示装置81において所定の第3図柄の組み合わせ(例えば、「341」)が停止表示される。
「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、「時間短縮状態」へ移行して所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は「時間短縮状態」となる大当たりのことである。第1実施形態では、「15R通常大当たり」に当選した場合には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1〜Z3(図6参照)において、それぞれ同一の偶数図柄が停止表示される。
また、「確率変動状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした高確率状態、いわゆる確変中の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。第1実施形態における高確率状態(確変中、確変状態)は、後述する第2図柄の変動表示(以下、第2図柄の変動表示を「可変表示」という)の当たり確率がアップして、後述する交互振分ユニット71の右側側方に設けられた電動役物79が開放状態となり易くなり、その結果、交互振分ユニット71内の右側特図入賞口78aへ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない低確率状態の時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、「確率変動状態」の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「時間短縮状態(所謂、時短状態)」とは、大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態であると共に、第2図柄の可変表示の当たり確率のみがアップして、「確率変動状態」と同様、後述する電動役物79が開放状態となって右側特図入賞口78aへ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の可変表示の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、右側特図入賞口78aに付随する電動役物79が開放する時間や、1回の当たりで電動役物79が開放する回数を変更するものとしても良い。具体的には、「時間短縮状態」において、右側特図入賞口78aに付随する電動役物79が開放する時間を「時間短縮状態」以外の場合よりも長くしたり、1回の当たりで電動役物79が開放する回数を「時間短縮状態」以外の場合よりも多くしたりしてもよい。また、「時間短縮状態」において、第2図柄の可変表示の当たり確率のアップと、電動役物79の開放時間の長時間化と、電動役物79の開放回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
遊技領域の中央下部には、遊技領域を流下する球が入球し得る交互振分ユニット71が配設されている。この交互振分ユニット71は、主に、遊技領域における可変表示装置ユニット80の正面視左側を流下する球(即ち、左打ち遊技での球)が入球可能な振分入球口72と、該振分入球口72(図4参照)に入球した球が入球して保留される保留装置73(図4参照)と、該保留装置73で保留された球が排出される盤面戻し口74と、該盤面戻し口74から排出された球が流入可能なダミー入賞口75と、振分入球口72に入球して上記保留装置73に入球しなかった球を交互振分ユニット71内の左側経路77又は右側経路78(ともに図4参照)に交互に振り分ける振分装置76(図4参照)と、該振分装置76によって左側経路77に振り分けられた球が入球可能な左側特図入賞口77aと、振分装置76によって右側経路78に振り分けられた球が入球可能な右側特図入賞口78aと、上述した電動役物79と、により構成されている。
この交互振分ユニット71に設けられた左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる特図入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その特図入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図7参照)で第1図柄の大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の動的表示が第1図柄表示装置37の7セグメント表示器37bで示されると共に、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出が実行される。なお、左側特図入賞口77a及び右側特図入賞口78aは、それぞれ、球が入賞すると3個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
ここで、図4を参照して、第1実施形態の交互振分ユニット71と保留装置73との構成について具体的に説明する。図4は、交互振分ユニット71および保留装置73の正面視における模式的断面図である。なお、図4において、説明の便宜上、交互振分ユニット71及び保留装置73の正面視手前側の部品を除外した構図であって、交互振分ユニット71及び保留装置73の内部構造を表した模式的断面図で該交互振分ユニット71及び保留装置73を表現し、これらを構成する各部材(部位)についてそれぞれ説明する。
上述したように、交互振分ユニット71には、振分入球口72に入球した球を保留する保留装置73と、該保留装置73に保留されずに流下した球を振り分け可能な振分装置76とが設けられている。保留装置73に保留された球は、ダミー入賞口75へ入球可能に構成され、振分装置76で振り分けられる球は、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへ入球可能に構成されている。
交互振分ユニット71の振分入球口72は、左打ちで発射されて遊技領域を流下した球が交互振分ユニット71内に流入する際に通過し得る経路であり、該振分入球口72に流入した球は、下流側(交互振分ユニット71の下部方向)に設けられた保留装置73又は振分装置76へ案内されるように構成されている。なお、上記振分入球口72には、右打ちで発射されて遊技領域を通過した球が流入しないように構成されている。
保留装置73は、振分入球口72に流入した球を1球のみ保留(貯留)するための装置であり、振分入球口72の下流側であって、振分装置76の上流側に位置している。振分入球口72に流入した球は、保留装置73に球が保留されていない場合は、振分装置76に到達する前に該保留装置73によって保留されるように構成されている一方、保留装置73に球が保留されている場合は、保留装置73の前面側を通過して、振分装置76まで流下し、該振分装置76によって流下方向が振り分けられる。この保留装置73に保留された球は、所定条件が成立(第1実施形態では、「スランプ演出」の実行時)した場合に、この保留装置73から排出され、盤面戻し口74から流出すると共に、盤面戻し口74の直下に設けられたダミー入賞口75へ流入(入賞)するように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81で第3図柄の変動演出が実行されない状況(以下、「スランプ」と称する)に極力陥らないように、第3図柄表示装置81における変動演出が行われていない状況(第1実施形態では、変動演出の停止後「5秒」以上経過後。以下、該状況を「スランプ状態」と称する。)から初めて左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入賞に基づいて第3図柄の変動演出が実行される場合に、取得された変動演出の実行時間よりも長い時間(期間)の演出、かつ、取得された変動演出の実行回数よりも多い実行回数の演出要素(以下、「スランプ演出」と称する)を第3図柄表示装置81で実行するように構成されている。このように構成することで、第3図柄表示装置81で行われる演出時間を長くしつつ、演出回数を多くすることで、第3図柄表示装置81で演出が行われていない状況を少なくし、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
この場合に、取得された始動入賞に対応する変動演出の実行回数よりも多くの演出回数(以下、「スランプ演出」を構成する演出であって、第3図柄の変動開始から変動停止(疑似停止を含む)までにおける複数の演出要素の組み合わせで構成された演出の単位を「演出単位」と称する場合がある)の「スランプ演出」を実行するため、その「スランプ演出」の演出単位の回数分、後述するコクピット表示領域Db(図6参照)にダミー保留表示を表示させて、あたかも変動演出が実行されていると遊技者に錯覚させる必要がある。そこで、上記状況を創り出すために、「スランプ演出」の実行前のタイミングで保留装置73に保留されていた球を、左側特図入賞口77aと右側特図入賞口78aとを有する交互振分ユニット71内に設けられたダミー入賞口75に入賞させ、該入賞に基づいてダミー保留表示を実際の変動演出の保留表示(以下、実際の変動演出の保留表示を「本保留表示」と称する場合がある)と同一表示でコクピット表示領域Dbに表示する。そして、追加的に実行される「スランプ演出」の実行時にダミー保留表示を消化させることで、あたかも変動演出が実行されているかのように遊技者に錯覚させることができる。
なお、後述する「疑似変動」の演出要素のように、1の本保留表示に対応する変動演出において複数の演出を実行する方法も考えられるが、その場合、遊技に慣れた遊技者からは、本保留表示が少ない場合に実行される「疑似変動」の演出要素を見たとき、「無理やり変動演出の時間を長くしているだけ」と推察してしまい、むしろ遊技に興醒めしてしまう要因となっている。そこで、第1実施形態のようにダミー保留表示の現出及び消化を伴って「スランプ演出」を実行することで、あたかも変動演出が実行されているかのような演出を実行することで、単に変動演出の時間を上長させていることを推察され難くし、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
ここで、図5を参照して、保留装置73に球が流入、保留(貯留)および排出される場合の該保留装置73の動作態様及び球の挙動について説明する。図5は、図4のA−A線の交互振分ユニット71及び保留装置73の側面視における模式的断面図であり、図5(a)は、保留装置73内に球が保留されている状態を示した図であり、図5(b)は、図5(a)の状態から保留装置ソレノイド73fが励磁状態となることで保留装置73内で保留されていた球が盤面戻し口74から排出されてダミー入賞口75へ流下する状態を示した図であり、図5(c)は、図5(b)の状態から保留装置開閉板73aの先端部分が振分入球口72の通路側(パチンコ機10の前面側)へ傾倒して保留装置73内へ球を受け入れ可能な状態を示した図であり、図5(d)は、図5(c)の状態から振分入球口72に流入した球が保留装置開閉板73aによって保留装置73内へ案内される状態を示した図である。なお、図5(d)の状態となった場合、再び、図5(a)の状態に移行するので、図5(a)〜図5(d)の状態がループするように構成されている。
まず、図5(a)で示すように、保留装置73は、主に、保留装置開閉板73aと、保留球保持部73bと、回転軸部73cと、後方壁73dと、ロック片73eと、保留装置ソレノイド73fと、保留球検知スイッチ73gと、で構成されている。以下、上記各構成について、図5(a)〜図5(d)で示す各構成の動きを参照しながら説明する。
保留装置開閉板73a、保留球保持部73b及び回転軸部73cは、これらが一体的に形成されており、保留装置開閉板73a及び保留球保持部73bがL字状に互いに直角となるように形成されていると共に、保留装置開閉板73aと保留球保持部73bとの接続部(L字の角位置)に、回転軸部73cが配置されている。そして、この回転軸部73cによって、保留装置開閉板73a及び保留球保持部73bがパチンコ機10の前後方向に回動可能に構成されている。
図5(a)では、保留装置73内に球が1球保留されている状態を示している。この状態では、保留装置ソレノイド73fが非励磁状態(即ち、オフ)であり、保留装置ソレノイド73fと連結しているロック片73eに設けられた保持部ロック部73e1及び開閉板押出部73e2が共に後方壁73dから突出した状態(以下、ロック片73e(保持部ロック部73e1及び開閉板押出部73e2)が後方壁73dから突出した状態を、「初期位置」という)となっている。なお、ロック片73eが初期位置である状態では、該ロック片73eの移動が保留装置ソレノイド73fによって規制されるように構成されている。
保留球保持部73bは、保留装置73内に球が流入した場合に、該球を保留装置73内に貯留しておくための部位である。保留装置開閉板73aの先端側が振分入球口72の通路側に傾倒している状態(即ち、保留装置73が開放されている状態)で保留装置73内に球が流入した場合に、保留装置ソレノイド73fが非駆動状態であって保持部ロック部73e1が初期位置であるとき、該保留球保持部73bの上面に球が保留され、その保留状態が保留装置ソレノイド73fによって維持される。
具体的には、保留球保持部73bに球が載った場合に、球の自重により該保留球保持部73bが回動し、その後、保留球保持部73bの下面がロック片73eの保持部ロック部73e1の上面と当接し、該保持部ロック部73e1によって保留球保持部73bの下方側への回動が制限されている。即ち、保留球保持部73bは、保持部ロック部73e1によって下方側への回動が制限された状態で、保留球保持部73bの上面に載った球の自重によって下方へ押圧されることで、該保留球保持部73bが水平状態となることを維持すると共に、保留球保持部73bと一体的に形成された保留装置開閉板73aの起立状態が維持される。その結果、保留装置開閉板73aと、保留球保持部73bの上面と、後方壁73dと、ロック片73eの開閉板押出部73e2とで形成される空間に球が収納された状態が維持されていると共に、保留装置開閉板73aの起立状態が維持され、振分入球口72に流入した球が、下流側に設けられた振分装置76側へと流入する。
このとき、保留装置73内に配設された保留球検知スイッチ73gによって、保留装置73内に球が保留されていることが検知される。この保留球検知スイッチ73gは、発光素子及び受光素子(共に図示せず)間が球によって遮断されることで、該受光素子及び発光素子間に球が存在することを検知する一方、発光素子及び受光素子間が遮断されないことで、該受光素子及び発光素子間に球が存在しないことを検知する光学式検出スイッチで構成され、この保留球検知スイッチ73gと電気的に接続された後述する主制御装置110に対して保留球検知スイッチ73gの検出情報が出力される。なお、保留球検知スイッチ73gは、光学式に限定されることはなく、マイクロスイッチなどの他の周知のセンサを用いることが可能である。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、該パチンコ機10の製造段階で1個の球を保留させた状態で工場から出荷される。ロック片73eは、保留装置ソレノイド73fが非励磁状態(即ち、オフ)の場合に、保留球保持部73bの下方への回動を制限する位置に保持部ロック部73e1が位置するように構成されている。また、パチンコ機10が横向きや上下反転した場合であっても、ロック片73eによって球が保留球保持部73bに保持された状態を維持するように構成されている。このように構成することで、工場出荷時からホール設置時まで、パチンコ機10の搬送時においてパチンコ機10が如何様な向きになったとしても、保留装置73内に球を保留した状態を維持することができる。そして、パチンコ機10をホールに設置した場合において、交互振分ユニット71に入球した最初の球を保留装置73に保留させずに、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aに入賞させることができる。よって、パチンコ機10で初めて遊技を行う場合において、交互振分ユニット71に球を流入させたときに、遊技者に第3図柄(第1図柄)の抽選を確実に受けさせることが可能となる。
次いで、図5(b)で示すように、所定の条件(第1実施形態では、「スランプ演出」における最初の演出単位(以下、「第1演出」と称する)が実行されてから6秒が経過したとき)に、保留装置ソレノイド73fが所定時間(第1実施形態では、「2000ms」)励磁(即ち、オン)され、ロック片73eが保留装置ソレノイド73f側に移動して、保持部ロック部73e1及び開閉板押出部73e2が共に後方壁73d内に没入している。このように、保留装置ソレノイド73fが励磁されると、それまで保留球保持部73bの下方への回動を制限していた保持部ロック部73e1が後方壁73d内に没入することで、保留球保持部73bが球の自重により下方側へ回動する。そして、保留球保持部73bに保留されていた球が下方へ流下し、盤面戻し口74から遊技盤13前面側へ排出されて、そのままダミー入賞口75へ流入する。即ち、保留装置73内に保留されていた球が、保留装置ソレノイド73fが励磁(駆動)されることによって、ダミー入賞口75へ入賞するように構成されている。
このように構成することで、保留装置73に保留されていた球をダミー入賞口75へ確実に入賞させることができ、ダミー入賞口75の詳細を理解していない遊技者に、左側特図入賞口77a及び右側特図入賞口78aの間に配置されているダミー入賞口75へ球が入賞したことによって、あたかも第3図柄(第1図柄)の始動入賞を獲得したと錯覚させることができる。
次いで、図5(c)で示すように、保留装置ソレノイド73fが励磁状態から非励磁状態に変化した場合に、ロック片73eの保持部ロック部73e1及び開閉板押出部73e2が共に後方壁73dから再び突出する状態となる。このとき、ロック片73eの開閉板押出部73e2が保留装置開閉板73aの先端部分と衝突し、その衝突の勢いで保留装置開閉板73aが振分入球口72の前側通路壁72a側へと回動される。
次いで、図5(d)で示すように、図5(c)の状態において開閉板押出部73e2と衝突した保留装置開閉板73aは、衝突の勢いで回動して、振分入球口72の前側通路壁72aと保留装置開閉板73aの先端部分(先端の傾斜面)と衝突する。そして、保留装置開閉板73aは、該保留装置開閉板73aが保留球保持部73bより重く構成されているため、該保留装置開閉板73aの自重により、パチンコ機10の前側(即ち、振分入球口72の前側通路壁72a側)に傾倒した状態が維持される。よって、保留球保持部73bに球が載っていない状態では、保留装置開閉板73aの傾倒状態が維持され、振分入球口72内に流入した球を保留装置73内に受け入れることが可能な状態(以下、「受け入れ可能状態」と称する場合がある)となる。
ここで、保留装置開閉板73aの先端部分は、尖鋭形状に傾斜面を有するように形成されており、該保留装置開閉板73aが前側通路壁72a側に傾倒した場合に、該傾斜面が振分入球口72の前側通路壁72aと面接触するように構成されている。このように構成することで、保留装置開閉板73aの傾倒時に、該保留装置開閉板73aをより振分入球口72の前側通路壁72a側へ傾倒させることができ、振分入球口72に流入した球を確実に保留装置73内へ案内することができる。
また、振分入球口72に流入した球が保留装置開閉板73aの先端部分の上面側(振分入球口72の壁面と当接する部分)と衝突し難くして、保留装置開閉板73aのパチンコ機10後方側の傾斜面(即ち、傾倒した保留装置開閉板73aの右側上方の面)と衝突するように構成することで、球の自重による衝撃を傾斜面によって受け流すことが可能となり、球が保留装置開閉板73aと衝突する際の衝撃を緩和させて、保留装置開閉板73aが破損してしまうことを防止することができる。
そして、保留装置開閉板73aが受け入れ可能状態である状況で、振分入球口72に球が流入した場合、該球は、保留装置開閉板73aと衝突し、保留装置73側へと流下する。そして、その球は、保留球保持部73bの上面と衝突し、球の自重によって保留球保持部73bが回転軸部73cを中心に下方に回動される。このとき、保留装置ソレノイド73fは非励磁状態であり、ロック片73eが初期位置であるため、保留球保持部73bの下面と保持部ロック部73e1の上面とが当接し、該保持部ロック部73e1によって保留球保持部73bの下方への回動が制限される。そして、保留球保持部73bの上面に載った球の自重によって下方へ押圧されることで、該保留球保持部73bが水平状態に維持されると共に、保留球保持部73bと一体的に形成された保留装置開閉板73aの起立状態も維持される。その結果、保留球保持部73bの上面と、後方壁73dと、ロック片73eの開閉板押出部73e2とで形成される空間に球が収納された状態が維持されている(図5(a)参照)。
このように、保留装置73によって、振分入球口72に流入した球を1球のみ保留しておき、所定条件が成立(第1実施形態では、「スランプ演出」の実行時)した場合に、この保留装置73から保留されている球を排出し、ダミー入賞口75へ入賞させる。そして、該入賞に基づいてダミー保留表示を本保留表示と同一表示で表示し、追加的に実行される「スランプ演出」における2回目の演出単位(以下、「スランプ演出」においてn(nは自然数)番目に行われる演出単位を、「第n演出」と称する)の実行時(1の演出要素の実行開始時。ただし、「疑似連」演出及び「発展可否」演出は除く。)にダミー保留表示を消化させることで、あたかも変動演出が実行されているかのように遊技者に錯覚させることができる。
なお、保留装置開閉板73aが傾倒している状態(即ち、受け入れ可能状態)において、複数の球が連続して振分入球口72へ流入し、保留装置73内に流入した場合に、最初の1の球のみを保留し、それ以降の球を排出する排出路を設けてもよい。このように構成することで、保留装置73内に必ず1個のみの球を保留することができ、「スランプ演出」時にダミー入賞口75へ流入させる球を1つとすることができ、演出内容の齟齬が生じないようにすることができる。
また、交互振分ユニット71を構成する部材を透明又は半透明の素材(例えば、ポリカーボネート樹脂等)で形成すると共に、保留装置73を構成する部材も透明又は半透明の素材によって形成してもよい。このように構成することで、交互振分ユニット71に流入した球の流下態様を遊技者が視認して、流入する入賞口77a,78aを把握することができると共に、保留装置73に球が保留されているか否かを視認することができる。
さらに、保留装置73を、交互振分ユニット71における左側特図入賞口77a及び右側特図入賞口78aより上流側(即ち、振分入球口72と振分装置76との間)に配置しているが、これに代えて、左側特図入賞口77a及び右側特図入賞口78aの下流側に配置してもよい。そして、左側特図入賞口77a及び右側特図入賞口78aに入賞した球を保留装置73に保留させることで、交互振分ユニット71に入球した球をいずれかの特図入賞口77a,78aに入賞させ、第1図柄の抽選契機を必ず取得させつつ、保留装置73にも球を保留させることが可能となる。このように構成することで、交互振分ユニット71に球が入球したにも関わらず第1図柄の抽選を受けることができないといった事象が発生してしまうことを防止することができる。なお、この場合に、保留装置73に保留される球は所謂アウト球であるので、保留装置73から流下した球がダミー入賞口75に入賞しても、賞球等を払い出さないように構成すると好適である。
図4に戻って、説明を続ける。交互振分ユニット71の振分装置76は、上述したように、振分入球口72から流下して保留装置73に流入しなかった球を、左側経路77又は右側経路78に交互に振り分けるための装置であり、回転軸部76aと、該回転軸部76aの外周から上方に向けて延設される中央板部76bと、回転軸部76aの外周から左右に向けて延設される左側受板76c及び右側受板76dと、中央板部76bに内蔵された振分側磁石(図示せず)と、により構成されている。また、交互振分ユニット71の遊技盤13背面側の壁部には、上記振分側磁石と反発(例えば、振分側磁石がN極であった場合は、S極)するユニット側磁石(図示せず)が内蔵されている。
この振分装置76は、回転軸部76aを回転中心として左右回りに30度ずつ回動可能に構成されており、図4の状態では、左側受板76cの先端側が交互振分ユニット71の壁部に当接して該左側受板76c全体が回転軸部76aより下方側であって右側受板76dが回転軸部76aより上方側となる右側案内位置となって、振分入球口72から流下された球を右側経路78へ案内する状態となっている。そして、振分側磁石とユニット側磁石との反発作用によって、上記右側案内位置が維持されるように構成されている。
ここで、交互振分ユニット71に入球した球が、振分装置76によって左側経路77又は右側経路78に交互に振り分けられる態様について説明する。まず、図4の状態のように、左側受板76cの先端側が交互振分ユニット71の壁部に当接して該左側受板76c全体が回転軸部76aより下方側であって右側受板76dが回転軸部76aより上方側となる位置の場合、交互振分ユニット71に入球して振分入球口72から流下した球は、振分装置76の中央板部76b及び右側受板76dによって形成された空間に収まる。そして、球の自重により右側受板76dを押し下げることで振分装置76全体が回動し、右側受板76dの先端側が交互振分ユニット71の壁部に当接して該右側受板76d全体が回転軸部76aより下方側であって左側受板76cが回転軸部76aより上方側の状態となる。従って、振分装置76が球を右側経路78側へ流下可能な状態となり、その状態において球が右側受板76dの上面を転動することで右側経路78へと案内される。
このとき、振分側磁石(図示せず)とユニット側磁石(図示せず)との反発力よりも、球の自重によって右側受板76dを押し下げる(振分装置76全体を回動させる)力の方が大きいことで、上記磁石の反発力に抗って振分装置76が回動される。そして、再び、上記磁石の反発力によって、左側受板76cが回転軸部76aより上方側であって右側受板76dが回転軸部76aより下方側となる状態、即ち、左側案内位置の状態が維持される。
そして、次に交互振分ユニット71に入球して振分入球口72から流下した球は、振分装置76の中央板部76b及び左側受板76cによって形成された空間に収まる。そして、球の自重により左側受板76cを押し下げることで振分装置76が回動し、左側受板76cの先端側が交互振分ユニット71の壁部に当接して該左側受板76c全体が回転軸部76aより下方側であって右側受板76dが回転軸部76aより上方側の状態となる。従って、振分装置76が球を左側経路77側へ流下可能な状態となり、その状態において球が左側受板76cの上面を転動することで左側経路77へと案内される。
このときも、振分側磁石(図示せず)とユニット側磁石(図示せず)との反発力よりも、球の自重によって左側受板76cを押し下げる(振分装置76全体を回動させる)力の方が大きいことで、上記磁石の反発力に抗って振分装置76が回動される。そして、再び、上記磁石の反発力によって、左側受板76cが回転軸部76aより下方側であって右側受板76dが回転軸部76aより上方側となる状態、即ち、右側案内位置の状態が維持される。これらの動きを交互に繰り返すことにより、交互振分ユニット71に入球した球が左側経路77と右側経路78とに交互に振り分けられる。
交互振分ユニット71の左側経路77は、上記振分装置76によって交互振分ユニット71内の左側に案内された球が流下する経路である。この左側経路77の左側下方には、該左側経路77を流下する球が流出する左側出口が設けられ、該左側出口の下方位置には、左側特図入賞口77aが配設されている。よって、左側経路77に案内された球は、左側経路77内を流下した後、左側出口から排出され、左側特図入賞口77aへ入賞するように構成されている。
交互振分ユニット71の右側経路78は、上記振分装置76によって交互振分ユニット71内の右側に案内された球が流下する経路である。この右側経路78の右側下方には、該右側経路78を流下する球が流出する右側出口が設けられ、該右側出口の下方位置には、右側特図入賞口78aが配設されている。よって、右側経路78に案内された球は、右側経路78内を流下した後、右側出口から排出され、右側特図入賞口78aへ入賞するように構成されている。
このように交互振分ユニット71を構成することで、交互振分ユニット71内に入球した球を交互に左側特図入賞口77aと右側特図入賞口78aとに振り分けることができ、1の入賞口に固定的に入賞し続ける状態を回避し、入賞口77a,78aの入球パターンを多様化することができる。
図3に戻って、説明を続ける。交互振分ユニット71の正面視右上側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の大入賞口65aが設けられている。第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図7参照)での第1図柄の抽選が大当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように第1図柄表示装置37の7セグメント表示器37bを点灯表示させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、可変入賞装置65に設けられた開閉板(図示せず)が開放されて球が大入賞口65a内に入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている大入賞口65aが、所定時間(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この大入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大入賞口65aが所定時間開放される。この大入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65の正面視上方であって、後述する可変表示装置ユニット80の正面視右側には、第2入球口67が設けられている。この第2入球口67は、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。この第2入球口67を球が通過すると、貫通孔に設けられた第2図柄スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で第2図柄の可変表示の当たり抽選が行われる。なお、この第2入球口67は、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。
可変入賞装置65の下流側であって、交互振分ユニット71の右側側方には、電動役物79が配設されている。この電動役物79は、主に、回動板と、該回動板を開閉駆動する回動ソレノイド(図示せず)と、により構成されている。
第1実施形態の主制御装置110は、通常時、電動役物79の回動板を直立状態に維持して右側特図入賞口78aを閉鎖状態しているが、第2図柄の可変表示で当たりに当選した場合に、上記回動用ソレノイド(図示せず)を所定時間駆動し、電動役物79の回動板を上記所定時間の間、回動板を直立状態から右側に所定角度(例えば、45度)傾倒した開放状態(傾倒状態)に駆動させて、右側特図入賞口78aを開放状態にして、球が右側特図入賞口78aへ入賞し易い状態となるように構成されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて、第2図柄の可変表示での当たりに当選する確率が変化するように構成されている。具体的には、「通常遊技状態」では、第2図柄の当選確率を低確率状態(例えば、1/10)とし、第2図柄の可変表示において当たりに当選し難くすることで、電動役物79の回動板を開放状態(傾倒状態)とし難くして、右側特図入賞口78aへ入賞し難いように構成する。一方、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、第2図柄の当選確率を高確率状態(例えば、9/10)とし、第2図柄の可変表示において当たりに当選し易くすることで、電動役物79の回動板を開放状態(傾倒状態)とし易くし、右側特図入賞口78aへ容易に入賞し得るように構成する。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、上述したように、遊技領域の中央部分から右側領域にかけて、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を可変表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図7参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列Z1〜Z3(図6参照)が表示される。
各図柄列Z1〜Z3(図6参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1〜Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を第3図柄表示装置81の第3図柄を用いて行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図6を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図6は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図6(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」,「2」,「4」,「6」,「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図7参照)による第1図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に「確率変動状態(確変状態)」に移行すると共に最大15ラウンドの大当たりが付与される場合は、奇数番号が付加された主図柄(「確変図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に「時間短縮状態」に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「時短図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下方向に3分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dmと保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbとで構成され、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順(または降順)に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。なお、各図柄列Z1〜Z3において、数字の配列をそれぞれ異ならせるように構成してもよい。例えば、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列する一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列してもよい。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ。以下、「大当たり表示」という。)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて第3図柄(第1図柄)の変動演出(動的表示)又は「スランプ演出」が行われている間に、球が左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大で4回まで表示される。また、同じく第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出又は「スランプ演出」が行われている間に、球がダミー入賞口75へ入球した場合、その入球回数(ダミー保留球数)は最大で1回まで表示される。即ち、第3図柄の変動演出又は「スランプ演出」が行われている間に球が左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a、又は、ダミー入賞口75へ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大5個まで本保留表示及びダミー保留表示として表示される。なお、この場合、遊技者にダミー保留表示が存在していることが認識可能となる。
第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1図柄)の抽選契機となる左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへ入球した入球回数が、コクピット表示領域Dbに本保留表示として表示されると共に、その本保留表示と併せて又は単独で、ダミー入賞口75へ入球した入球回数がダミー保留表示としてコクピット表示領域Dbに表示されるように構成されている。また、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入球に基づく本保留表示と、ダミー入賞口75への入球に基づくダミー保留表示とを同一の態様で表示することで、それぞれ峻別できないように構成されている。そして、コクピット表示領域Dbに表示された本保留表示およびダミー保留表示に基づいて、第3図柄表示装置81において、従来通りの変動演出か、変動演出が途切れた場合に実行される「スランプ演出」か、のいずれかが実行されるように構成されている。
従来、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aに、長時間、球が入賞しないことによって、第3図柄表示装置81において変動演出が実行されない「スランプ状態」が発生してしまうと、遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われないことで、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまい、パチンコ機10の稼働が低下してしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、一旦、「スランプ状態」に陥った場合に、その後に左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aに球が入賞して変動演出が初めて実行されるとき、第3図柄表示装置81において、正規の変動演出の代わりに、取得された変動演出の実行時間より長い時間実行される「スランプ演出」を行い、第3図柄表示装置81で行わる演出時間が正規の変動演出の実行時間より長くなるように構成されている。また、「スランプ演出」が実行されることに伴って、ダミー入賞口75への入賞に基づいてダミー保留表示を実際の本保留表示と同一態様で表示するとともに、「スランプ演出」の1の演出単位が実行される場合に、該ダミー保留表示を消化(消去)する。
このように構成することで、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入球により、第3図柄表示装置81で実行されている演出が、正規の変動演出であるのか「スランプ演出」であるのかを識別困難にしつつ、第3図柄表示装置81で実行される「スランプ演出」によって、第3図柄表示装置81において行われる演出時間を実際の変動演出の時間より長く行うことができる。よって、第3図柄表示装置81における演出の演出時間を長くし、遊技者に興醒めさせず、遊技の興趣を向上することができる。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1図柄)の変動演出の保留球数は、第1図柄表示装置37により正確に示される一方、第3図柄の変動演出と「スランプ演出」との保留球数は、コクピット表示領域Dbに設けられた第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5おいて示される。第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5には、保留球1球(保留球数1回)につき1つの本保留表示及びダミー保留表示(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄)。以下、本保留表示とダミー保留表示とをまとめて「保留図柄」と称する場合がある。)がそれぞれ表示され、第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5に表示された保留図柄の表示数に応じて、変動演出及び「スランプ演出」の保留球数が表示される。
即ち、第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5において、第1保留図柄表示領域Db1に1つの保留図柄が表示されている場合は、変動演出及び「スランプ演出」の保留球数が1回であることを示し、第1・第2保留図柄表示領域Db1,Db2にそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、変動演出及び「スランプ演出」の保留球数が2回であることを示し、第1〜第3保留図柄表示領域Db1〜Db3にそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、変動演出及び「スランプ演出」の保留球数が3回であることを示し、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、変動演出及び「スランプ演出」の保留球数が4回であることを示し、第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5にそれぞれ1つずつ計5つの保留図柄が表示されている場合は、変動演出及び「スランプ演出」の保留球数が5回であることを示す。また、第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5に保留図柄が表示されていない場合は、変動演出及び「スランプ演出」の保留球数が0回であって保留されている変動演出及び「スランプ演出」が存在しないことを示す。
また、コクピット表示領域Dbの左側部分には、主表示領域Dmで変動演出又は「スランプ演出」が実行されていることを示す図柄(以下、「実行図柄」と称する)が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、第1保留図柄表示領域Db1の左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1〜Db5より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が移動(シフト。以下、保留図柄が移動表示することを、「シフト表示」と称する場合がある)して実行図柄として表示される。
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、第2保留図柄表示領域Db2に表示されていた保留図柄が、第1保留図柄表示領域Db1における保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、第3保留図柄表示領域Db3に表示されていた保留図柄が、第2保留図柄表示領域Db2における保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、第4保留図柄表示領域Db4に表示されていた保留図柄が、第3保留図柄表示領域Db3における保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、第5保留図柄表示領域Db5に表示されていた保留図柄が、第4保留図柄表示領域Db4における保留図柄として移動(シフト)して表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主表示領域Dmにおいて変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位が実行されている間、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を表示し続ける(「スーパーリーチ」の演出要素中、「スペシャルリーチ」の演出要素又は「どっちだリーチ」の演出要素中を除く)。一方、該変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位が終了した場合、又は、「スーパーリーチ」の演出要素、「スペシャルリーチ」の演出要素若しくは「どっちだリーチ」の演出要素の実行中の場合には、実行図柄が消去されるように構成されている。即ち、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されている場合は、主表示領域Dmで変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位が実行されている(継続している)ことを示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていない場合は、主表示領域Dmで変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位が実行されていない(継続されていない)か、「スーパーリーチ」の演出要素、「スペシャルリーチ」の演出要素又は「どっちだリーチ」の演出要素が実行されていることを示す。
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出、又は、「スランプ演出」の1の演出単位の大当たり期待度を、該変動演出、又は、「スランプ演出」の1の演出単位の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である「白色」から、青色の表示態様の「青色」、緑色の表示態様の「緑色」、又は、赤色の表示態様の「赤色」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出、又は、「スランプ演出」の1の演出単位において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(「白色」)から別の表示態様(例えば、「青色」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出、又は、「スランプ演出」の1の演出単位において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
具体的には、「保留変化予告」において、保留図柄及び実行図柄が、通常の表示態様(「白色」)より「青色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出、又は、「スランプ演出」の1の演出単位において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。また、保留図柄及び実行図柄が、「青色」より「緑色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出又は「スランプ演出」において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。さらに、保留図柄及び実行図柄が、「緑色」より「赤色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「緑色」又は「赤色」である場合には、その「緑色」又は「赤色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出又は「スランプ演出」において「ノーマルリーチ」を主とする演出の態様(主とする演出の態様を「演出態様」という)、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様の実行が確定するように設定されている。
なお、この「保留変化予告」により、保留図柄の表示態様が変化した状態において、変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位の実行(消化)に伴って保留図柄がシフトする場合に、その変化した保留図柄の表示態様が、シフト先の保留図柄又は実行図柄に対しても引き継がれて(受け継いで)反映されるように構成されている。即ち、保留図柄の表示態様が変化した場合、その変化した保留図柄が変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位の実行に伴って他の保留図柄表示領域Db1〜Db4又は実行図柄表示領域Db0へシフトしたときも、シフト前の表示態様がシフト後の保留図柄又は実行図柄の表示態様としてそのまま維持されるように構成されている。
従って、例えば、第5保留図柄表示領域Db5において保留図柄の表示色が「赤色」に変化した場合、該保留図柄が第4保留図柄表示領域Db4→第3保留図柄表示領域Db3→第2保留図柄表示領域Db2→第1保留図柄表示領域Db1→実行図柄表示領域Db0とそれぞれシフトしていくときに、「赤色」の保留図柄又は実行図柄が継続して表示され続けるように構成される。
なお、第1実施形態においては、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入球に基づく変動演出の保留球数は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、ダミー入賞口75への入球に基づく「スランプ演出」の1の演出単位に対応する保留球数は、最大1回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は1回に限定されるものでなく、2回以上の回数(例えば、4回)に設定しても良い。さらに、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、5つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。なお、第3図柄表示装置81に保留球数に関する情報(保留図柄等)を表示させない場合は、保留図柄による「保留変化予告」を実行することができないため、他のキャラクタ図柄等を追加的に現出させることによって「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行させるように構成してもよい。
さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを変動演出及び「スランプ演出」の最大保留数分の5つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。また、実行図柄または保留図柄の一方を第3図柄表示装置81において表示し、実行図柄又は保留図柄の他方を第3図柄表示装置81以外の保留ランプで表示するように構成してもよい。なお、保留ランプによって保留球数を表示するように構成した場合、保留ランプの表示色を複数種類設けることによって、第1実施形態の「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行することは当然に可能である。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。
コクピット表示領域Dbは、上述したように左側特図入賞口77a若しくは右側特図入賞口78a、又は、ダミー入賞口75に入球された球のうち変動演出及び「スランプ演出」の1の演出単位が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位に関する実行図柄とを表示する領域である。
実際の表示画面では、図6(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個表示される。副表示領域Dsにおいては、左小領域Ds1では、予告図柄が現出する等の動画が表示され、主表示領域Dmにおいて行われている変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位が通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。
また、副表示領域Dsにおいて、中央小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(第1実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、主表示領域Dmで行われている変動演出又は「スランプ演出」に基づいて所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
さらに、副表示領域Dsにおいて、右小領域Ds3では、主表示領域Dmで行われている変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位において大当たりが発生するか否かを段階的に示唆するレベルメータ(図示せず)が現出して表示される。このレベルメータは、変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位において、予告図柄等が現出することに基づいて実行中の変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位における「リーチ表示」の発生期待度や大当たり期待度が増す毎に増加(加算)していき、該レベルメータの表示限度(MAX表示)まで到達した場合に大当たりが確定することを示唆するように構成されている。従って、副表示領域Dsは、主表示領域Dmにおける「リーチ表示」の発生を示唆する機能を担っている。
図3に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(普通図柄))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、電動役物79が遊技状態に応じた時間だけ作動状態となる(回動板が回動(傾倒)される)よう構成されている。
第2入球口67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数がセンターフレーム86に設けられた第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に配設されている。そして、第2図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、第2図柄の可変表示は、第1実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aと同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数を示す場合は、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
交互振分ユニット71の正面視右側(第2入球口67の正面視下方)には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の大入賞口(大開放口)65aが設けられている。
第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図6参照)での第1図柄(第3図柄)の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように第1図柄表示装置37の7セグメント表示器37bを点灯表示させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、第1図柄における抽選結果として大当たりが発生した場合には、通常時には閉鎖されている大入賞口65aが、所定時間(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この大入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大入賞口65aが所定時間開放される。この大入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、大入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド(図示せず)とを備えている。大入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。そして、第1図柄の抽選遊技に基づく大当たりの際には大入賞口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、右打ちで発射された球が大入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
即ち、「確率変動状態」における右打ち時、又は、「時間短縮状態」における右打ち時において、電動役物79によって入球し易くなっている右側特図入賞口78aへ入球し、該入球に基づく第1図柄の抽選遊技で大当たりに当選した場合、この大入賞口65aが開閉制御され、その後、再び「確率変動状態」又は「時間短縮状態」に突入するため、遊技者は、右打ちの遊技を継続した状態で以降の遊技を行うことができるように構成されている。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。大入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応した7セグメント表示器37bが点灯した場合に、大入賞口65aが所定時間開放され、その大入賞口65aの開放中に、球が大入賞口65a内へ入賞することを契機として大入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,65a,75,77a,78aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図7を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出又は「スランプ演出」の設定、第2図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203bが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37の動的表示の設定、および第3図柄表示装置81の変動演出又は「スランプ演出」の設定、第2図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図9乃至図15を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、第1図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出又は「スランプ演出」の設定には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出又は「スランプ演出」の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、第2図柄表示装置83の抽選には、当たり乱数カウンタC4が用いられ、当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図26参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図34参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203bに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1図柄に関する4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a(以下、左側特図入賞口77a及び右側特図入賞口78aを総称して、「特図入賞口77a,78a」と称する場合がある)への入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図26参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図34参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図26参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図入賞口77a,78aに入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203c1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203c1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図9(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図9(a)は、ROM202に記憶される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である第1図柄の低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い第1図柄の高確率状態である「確率変動状態(確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)における第1図柄の大当たり確率は、3/900=1/300となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は9個で、その値「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」)における第1図柄の大当たり確率は、9/900=1/100となるように設定されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図8に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。
大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図26参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図入賞口77a,78aに入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアと同じ保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203c2に格納される。
ここで、例えば、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
ここで、図9(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図9(b)は、ROM202に記憶される第1図柄に対応する大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図9(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と大当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に大当たり確率が高確率状態となる「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に大当たり確率が低確率状態となると共に、100変動回数の間は「時間短縮状態」へ移行する「15R通常大当たり」、及び、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する「2R確変大当たり」がある。なお、以降の説明において、「15R確変大当たり」と「15R通常大当たり」との15ラウンドの大当たりについて「15R大当たり共通」と説明する場合がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図9(b)の例では、「15R確変大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、「2R確変大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「40〜59」が対応付けられ、「15R通常大当たり」に対して大当たり種別カウンタC2の値「60〜99」が対応付けられている。
大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「50」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定される。
このように、第1実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で「15R確変大当たり」が選択され、20%の確率で「2R確変大当たり」が選択され、40%の確率で「15R通常大当たり」が選択される。
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図8に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ミドル)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の演出要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の演出要素から発展して「スーパーリーチ」の演出要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の演出要素から発展して「スペシャルリーチ」の演出要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様と、「2R確変大当たり」専用の「ムービー」の演出要素が実行される「特殊変動」演出態様との7つの演出態様が選択される。
演出態様の中で、「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ミドル)」演出態様、及び、「非リーチ(ショート)」演出態様(以下、「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ミドル)」演出態様および「非リーチ(ショート)」演出態様とを総称して、単に「「非リーチ」演出態様」と称する場合がある)とは、主表示領域Dmの各表示領域Dm1〜Dm3(図6(a)参照)にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、「非リーチ(ショート)」演出態様を除き、「低速変動」の演出要素又は「疑似変動」の演出要素を行い、該左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生させない演出態様である。なお、「高速変動」の演出要素、「低速変動」の演出要素、及び、「疑似変動」の演出要素の詳細については、後述する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)の変動演出において、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の演出要素が実行され、他の「リーチ表示」(即ち、「スーパーリーチ」の演出要素や「スペシャルリーチ」の演出要素)に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。なお、「ノーマルリーチ」の演出要素、「スーパーリーチ」の演出要素、及び、「スペシャルリーチ」の演出要素の詳細については、後述する。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の演出要素から発展して「スーパーリーチ」の演出要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の演出要素から発展して「スペシャルリーチ」の演出要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
演出態様の中で、「特殊変動」演出態様とは、「2R確変大当たり」に当選した場合にもれなく実行される演出態様であって、「ムービー」の演出要素が実行される演出態様である。なお、「ムービー」の演出要素の詳細については後述する。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図26参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図入賞口77a,78aに入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3に格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
具体的には、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、停止パターン、即ち、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様(「2R確変大当たり」に当選した場合にもれなく選択される「特殊変動」演出態様を除く)の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。
具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の大まかな内容である演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。
これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様(停止パターン)ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第3図柄の変動演出(第1図柄の動的表示。以下同様。)の待機回数が上限に達している状態における特図入賞口77a,78aへの入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。
具体的に説明すると、第3図柄の変動演出の待機回数は最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」における右側特図入賞口78aへ球が入球し易い遊技状態では、第3図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第3図柄の最大保留球数に到達した状態での右側特図入賞口78aへの入球が頻発し、折角、右側特図入賞口78aへ入球したにもかかわらず、第3図柄の抽選契機を取得できない。
また、「通常遊技状態」においても、第3図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第3図柄の保留球数が消化されないため、その間に特図入賞口77a,78aへの入球が発生しても、第3図柄の抽選契機を取得できない。
上述したような状態になると、遊技者は、特図入賞口77a,78aへ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。その結果、遊技が中断されることで、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄の最大保留球数に到達している状態での左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入球を防止することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。
具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに特図入賞口77a,78aのいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、特図入賞口77a,78aへ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
ここで、図10を参照して、保留数テーブル202cの詳細について説明する。図10は、保留数テーブル202cを模式的に示した図である。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、特図入賞口77a,78aに球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における変動演出の保留数とに基づいて保留数テーブル202cを参照し、いずれかの停止パターンテーブル202d1〜202d5を選択するように構成されている。そして、選択された停止パターンテーブル202d1〜202d5のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様が決定される。
具体的には、図10の保留数テーブル202cで示すように、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「1個」には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(図11(a)参照)が選択される。
また、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「2個or3個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(図11(b)参照)が選択される。
さらに、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「4個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「2個〜4個」の場合には、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(図11(c)参照)が選択される。
また、「15R大当たり(「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」)」の抽出時には、いずれの遊技状態又は保留球数であっても、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4(図12(a)参照)が選択される。
さらに、「2R確変大当たり」の抽出時にも、いずれの遊技状態又は保留球数であっても、停止パターンテーブル202dのEテーブル202d5(図12(b)参照)が選択される。
即ち、いずれかの大当たりに当選した場合は、その時点での保留球数や遊技状態に関係なく、大当たりの種別のみに基づいて停止パターンテーブル202d(Dテーブル202d4又はEテーブル202d5)が選択され、大当たりに当選しなかった場合(即ち、ハズレ時)にのみ、その時点での保留球数や遊技状態に基づいて停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1、Bテーブル202d2又はCテーブル202d3)が選択される。
なお、大当たりに当選した場合においても、保留球数に応じて停止パターンテーブル202dが異なるように構成してもよい。例えば、大当たりに当選した場合に保留球数が多いとき、比較的短い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、「高速変動」の演出要素が5秒間の「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様等)を選択し得るように構成してもよい。
この場合、「リーチ表示」が実行される各演出態様において、「高速変動」の演出要素の部分の時間のみが10秒間から5秒間のみに変更された演出態様を選択するように構成する。このように構成することで、例えば、保留球数が4回ある状態で変動演出を開始する場合に、「高速変動」の演出要素が5秒間で行われたとしても、該5秒間の「高速変動」の演出要素が終了した時点(5秒間の「高速変動」の演出要素と認識した時点)では、その変動演出において、「低速変動」の演出要素後に「ハズレ表示」が現出するか、「リーチ表示」に発展するかが認識不能となる。そのため、5秒間の「高速変動」の演出要素が行われた場合であっても、「非リーチ(ミドル)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様ではないいずれかの「リーチ表示」が実行される演出態様が実行され得るように構成することで、5秒間の「高速変動」の演出要素の実行時点では該変動演出が大当たりとなるかハズレとなるか分からなくすることができる。
また、「確率変動状態」や「時間短縮状態」において、大当たりに当選していない場合に、保留球数が少ないときは、比較的長い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、Aテーブル202d1)を選択するように構成してもよい。このように構成することで、「確率変動状態」や「時間短縮状態」においても、第3図柄表示装置81で変動演出が実行されている状態を維持し易くでき、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
次に、図11及び図12を参照して、各停止パターンテーブル202dについて説明する。図11は、ハズレ時に選択され得る停止パターンテーブル202dの示した図であり、図11(a)は、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1の一例を模式的に示した図であり、図11(b)は、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2の一例を模式的に示した図であり、図11(c)は、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3の一例を模式的に示した図である。また、図12は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dを模式的に示した図であり、図12(a)は、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4の一例を模式的に示した図であり、図12(b)は、停止パターンテーブル202dのEテーブル202d5の一例を模式的に示した図である。
図11(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様別に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。なお、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ミドル)」演出態様および「非リーチ(ショート)」に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ミドル)」演出態様および「非リーチ(ショート)」演出態様は選択されないように設定されている。
次に、図11(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2では、「非リーチ(ミドル)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。なお、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様および「非リーチ(ショート)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ロング)」演出態様および「非リーチ(ショート)」演出態様は選択されないように設定されている。
次に、図11(c)で示すように、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3では、「非リーチ(ショート)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、「非リーチ(ミドル)」演出態様および「非リーチ(ショート)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(ミドル)」演出態様および「非リーチ(ショート)」演出態様は選択されないように設定されている。
即ち、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ミドル)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。さらに、Cテーブル202d3では、「非リーチ(ショート)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。
よって、Aテーブル202d1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「非リーチ(ロング)」演出態様の代わりに「非リーチ(ミドル)」演出態様が選択されるように構成され、Cテーブル202d3では、「非リーチ(ロング)」演出態様および「非リーチ(ミドル)」演出態様の代わりに「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるように構成されている。
従って、Aテーブル202d1は、Bテーブル202d2又はCテーブル202d3と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言え、また、Bテーブル202d2は、Cテーブル202d3と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言える。換言すれば、Bテーブル202d2は、Aテーブル202d1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易く、Cテーブル202d3は、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
なお、Aテーブル202d1、Bテーブル202d2及びCテーブル202d3との「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様の選択割合は同等に設定されている。
このように、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「非リーチ(ショート)」演出態様又は「非リーチ(ミドル)」演出態様を選択し易くする。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、特図入賞口77a,78aへの球の入球時間を確保するために、「非リーチ(ショート)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(ロング)」演出態様又は「非リーチ(ミドル)」演出態様を選択し易くする。これにより、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(ロング)」演出態様又は「非リーチ(ミドル)」演出態様を行うことができるので、特図入賞口77a,78aへの球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」において始動入賞により取得された変動演出の演出態様が「非リーチ」演出態様であった場合、取得された変動演出の変動時間に対して追加的に演出を行うための演出延長時間(以下、単に「延長時間」と称する場合がある)が抽選により取得され、取得された変動時間および延長時間の合計時間の間、一連の「スランプ演出」が実行されるように構成されている。このように構成することで、取得された変動演出の変動時間以上に第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の動的な演出時間を長くし、第3図柄表示装置81で第3図柄の動的な演出が行われていない状況を少なくすることで、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
次に、図12(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「4」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」〜「39」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」〜「99」に設定されている。なお、Dテーブル202d4では、「特殊変動」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「特殊変動」演出態様は選択されないように設定されている。また、Dテーブル202d4は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、「非リーチ」演出態様は選択されない。
次に、図12(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのEテーブル202d5では、「特殊変動」演出態様のみに停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られ(「0」〜「99」)、他の「リーチ表示」が実行される演出態様には停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られていない。従って、「2R確変大当たり」に当選した場合に選択される停止種別は必ず「特殊変動」演出態様となるように設定されている。なお、Eテーブル202d5は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであるので、「非リーチ」演出態様は選択されない。
即ち、Dテーブル202d4では、「ノーマルリーチ」演出態様が5%、「スーパーリーチ」演出態様が35%、「スペシャルリーチ」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。また、Eテーブル202d5では、「特殊変動」演出態様が100%の選択割合となるように設定されている。
よって、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順で選択割合が高く、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者が実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
なお、第1実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様に選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、特図入賞口77a,78aへの球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。具体的には、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202d1、Bテーブル202d2又はCテーブル202d3のいずれかが選択されるように構成されているが、Aテーブル202d1とBテーブル202d2とCテーブル202d3とでは、「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ミドル)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値が同一であり、また、他の演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値もそれぞれ同一に設定されている。
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択されるか、「非リーチ(ミドル)」演出態様が選択されるか、「非リーチ(ショート)」演出態様が選択されるかが異なるのみであるので、「リーチ表示」の演出態様は保留球数に関係なく同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、保留球数が増加)した場合であっても、実質的に同一の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて「保留変化予告」等の先読み予告を行った場合であっても、該先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
以上より、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
なお、変動演出の保留球数が多い場合(例えば、「4」個)に、「リーチ表示」が選択されたとき、各「リーチ表示」の「高速変動」の演出要素が短縮された停止パターンテーブル202dを設けてもよい。また、変動演出の保留球数が多い場合に、各演出態様において「低速変動」の演出要素を省略した停止パターンテーブル202dを設けてもよい。さらに、変動演出の保留球数に応じて、各演出態様の選択率が全く異なる停止パターンテーブル202dを設けてもよい。ただし、変動演出の保留球数に応じて各演出態様の選択率が異なるような場合は、「保留変化予告」等の先読み予告を行う上で、先読み予告実行決定時における保留球数と、該先読み予告の対象となった変動演出の実行時における保留球数とが異なる場合がある。このような場合、先読み予告の内容と変動演出の内容との整合性を保つ処理が必要となるため、処理が煩雑となる。
図8に戻って、説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜9」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図26参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図34参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が特図入賞口77a,78aに入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203c4に格納される。
この変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
特に、第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113で一連の「スランプ演出」の実行可否を決定し、該「スランプ演出」では、変動演出の変動パターンとして「疑似連」演出の回数が1回の変動パターンのみを設けていた場合であっても、「スランプ演出」として複数回の「疑似連」演出の変動パターンを実行することができる。よって、ROM容量を削減しつつ、演出のバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
ここで、図13及び図14を参照して、変動パターンテーブル202eの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202eとして、ハズレ時に用いられるハズレ用変動パターンテーブル202e1と、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202e2とが用意されている。図13は、ROM202に記憶されるハズレ用変動パターンテーブル202e1の一例を模式的に示した図である。図13に示すように、ハズレ用変動パターンテーブル202e1は、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、演出態様として、「非リーチ(ロング)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(ロング)」用と、「非リーチ(ミドル)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(ミドル)」用と、「非リーチ(ショート)」演出態様が決定された場合に参照される「E2:非リーチ(ショート)」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
第1実施形態では、ある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、ハズレとなる値であった場合に、保留数テーブル202cを参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいてハズレ用変動パターンテーブル202e1の中で参照するグループ(群)を決定する。そのハズレ用変動パターンテーブル202e1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E0:非リーチ(ロング)」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(長)」の演出要素+「低速変動」の演出要素』の1つの変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が用意されている。
図13で示す例では、「E0:非リーチ(ロング)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の演出要素+「低速変動」の演出要素』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(長)」の演出要素+「低速変動」の演出態様』だけを選択可能に設定されている。
即ち、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(長)」の演出要素+「低速変動」の演出態様』が対応付けられている。つまり、「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の演出態様+「低速変動」の演出態様』のみが選択される。
なお、図13で示すように、第1実施形態のパチンコ機10において、「低速変動」の演出態様は、「疑似連」の演出要素の前半部分であって、チャンス目発展図柄が現出して、さらにチャンス目図柄が現出するか否かを示す「疑似変動」の演出態様の変動時間と同一に構成されており、音声ランプ制御装置113側で「低速変動」の演出態様を「疑似変動」の演出態様に置き換えることが可能に構成されている。
具体的には、例えば、主制御装置110において、『「高速変動(長)」の演出態様+「低速変動」の演出態様』が選択され、その旨が音声ランプ制御装置113に伝達された場合に、音声ランプ制御装置113は、第3図柄表示装置81の変動演出において、伝達された通りに『「高速変動(長)」の演出態様+「低速変動」の演出態様』か、『「高速変動(長)」の演出態様+「疑似変動」の演出態様』を選択して実行することが可能に構成されている。このように構成することで、主制御装置110が選択する変動時間の種類以上の演出を実行することが可能となり、演出のバリエーションを豊富にしつつ、主制御装置110で記憶する変動時間数を少なくし、ROM202の記憶容量の削減を実現できる。
ここで、図15及び図16を参照して、各演出態様を構成する各演出要素に言及しながら、各演出態様について詳細に説明する。図15は、各遊技状況において実行される変動演出又は「スランプ演出」の各演出単位の演出時間の一例を示した図である。また、図16は、変動時間および延長時間と「スランプ演出」との関係性の一例を示したタイミングチャートであって、図16(a)は、ハズレ時の「スランプ演出」を例示したものであり、図16(b)は、リーチ時の「スランプ演出」を例示したものである。
第1実施形態のパチンコ機10では、上述したように、第3図柄表示装置81で第3図柄の変動演出が実行されないスランプ状況に極力陥らないように、「スランプ演出」が発生し得る状態中(即ち、「スランプ状態」)における特図入賞口77a,78aへの入賞に基づいて第3図柄の変動演出が実行される場合に、一連の「スランプ演出」を第3図柄表示装置81で実行する一方、「スランプ状態」以外の状況(即ち、「通常状態」)では、所定の演出要素で構成された変動演出を行うように構成されている。このように構成することで、第3図柄表示装置81で行われる演出時間を長くし、一連の「スランプ演出」の実行中に次の始動入賞が発生する可能性を高くし、第3図柄表示装置81で演出が行われていない状況を少なくさせることで、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
まず、「通常状態」の演出として、「10秒間」行われる「高速変動(長)」の演出要素と、「5秒間」行われる「高速変動(短)」の演出要素と、「5秒間」行われる「低速変動」の演出要素と、「5秒間」行われる「疑似変動」の演出要素と、「5秒間」行われる「ノーマルリーチ」の演出要素と、「15秒間」行われる「スーパーリーチ」の演出要素と、「25秒間」行われる「スペシャルリーチ」の演出要素と、「5秒間」行われる「再変動」の演出要素と、「50秒間」行われる「ムービー」の演出要素と、が用意されている。また、「スランプ状態」の「スランプ演出」として、「5秒間」行われる「高速変動(短)」の演出要素と、「5秒間」行われる「疑似変動」の演出要素と、「0秒間」より長く「10秒間」より短い期間行われる「発展可否演出」の演出要素と、「10秒間」行われる「どっちだリーチ」の演出要素と、が用意されている。なお、「通常状態」および「スランプ状態」で行われる「高速変動(短)」の演出要素と、「疑似変動」の演出要素は同等の演出要素である。
「高速変動(長)」又は「高速変動(短)」(以下、「高速変動(長)」の演出要素と「高速変動(短)」の演出要素とを総称して、単に「高速変動」と称する場合がある)の演出要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図6参照)で行われる変動演出又は「スランプ演出」において、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている演出要素をいう。
この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出又は「スランプ演出」の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。第1実施形態では、「高速変動(長)」の演出要素と「高速変動(短)」の演出要素との違いは、高速でシャッフルする演出時間の長短(「10秒」と「5秒」)のみである(図15参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動(長)」の演出要素又は「高速変動(短)」の演出要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(ショート)」演出態様又は「特殊変動」演出態様)を除いて「低速変動」の演出要素又は「疑似変動」の演出要素が行われるように構成されている。
「低速変動」の演出要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図6(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の演出要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている演出要素をいう。この「低速変動」の演出要素は、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の演出態様であって、後述する「疑似変動」が実行される場合を除き、「高速変動」の演出要素後に「5秒間」行われる(図15参照)。
この「低速変動」の演出要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図6(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は、「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の演出要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合(後述するチャンス目発展図柄を除く)は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。なお、この「低速変動」の演出要素において、「リーチ表示」が成立して中図柄列Z2が数コマ変動する時間と、「リーチ表示」が成立せずに、中図柄列Z2が停止する時間とは、同一の時間となるように構成される。
従って、「非リーチ(ロング)」演出態様では変動演出の冒頭に「高速変動(長)」の演出要素が「10秒」行われた後、「低速変動」の演出要素が「5秒」行われる。また、「非リーチ(ミドル)」演出態様では変動演出の冒頭に「高速変動(短)」の演出要素が「5秒」行われた後、「低速変動」の演出要素が「5秒」行われる。そして、「低速変動」の演出要素において、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、「ハズレ表示」が現出して1の変動演出が終了する。
一方、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動(短)」が「5秒」行われた後に「低速変動」の演出要素が行われず、該「高速変動(短)」の演出要素の終了後、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)が同時に停止し、「ハズレ表示」が現出して1の変動演出が終了する。即ち、「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動(短)」の演出要素が行われた後、各図柄列Z1〜Z3が「低速変動」の演出要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。
なお、「低速変動」の演出要素において、「ハズレ表示」が停止表示された場合、該変動演出は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される。
「疑似変動」の演出要素とは、まず、右図柄列Z3の停止時において、左図柄列Z1(図6(a)参照)に停止表示された第3図柄より「+1」大きい数字の第3図柄が停止表示(例えば、左図柄列Z1に「7」の第3図柄が停止表示し、右図柄列Z3(図6(a)参照)に「8」の第3図柄が停止表示する場合(即ち、「7○8(○は変動中)」)が該当する。以下、該組み合わせを「チャンス目発展図柄」という。)するか否かの演出を行い、その後、上記チャンス目発展図柄が現出した場合には、中図柄列Z2(図6(a)参照)の停止時において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄と同一の第3図柄が停止表示(例えば、左図柄列Z1及び中図柄列Z2に「7」の第3図柄が停止表示し、右図柄列Z3に「8」の第3図柄が停止表示する場合(即ち、「778」)が該当する。以下、該組み合わせを「チャンス目図柄」という。)するか、中図柄列Z2において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄より「+1」大きい数字の第3図柄が停止表示(例えば、左図柄列Z1に「7」の第3図柄が停止表示し、中図柄列Z2および右図柄列Z3に「8」の第3図柄が停止表示する場合(即ち、「788」)が該当する。以下、該組み合わせを「ガセチャンス目図柄」という。)するか否かの演出が行われる演出要素をいう。
第1実施形態のパチンコ機10では、「疑似変動」の演出要素において、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)において上記チャンス目図柄が現出した場合には、再び「高速変動(短)」の演出要素が実行される一方、上記ガセチャンス目図柄が現出した場合には、そのまま該変動演出が終了する。
この「疑似変動」の演出要素は、「高速変動」の演出要素後に、「低速変動」の演出要素の代わりに「5秒間」行われる場合がある(図15参照)。また、「疑似変動」の演出要素において、右図柄列Z3(図6(a)参照)の停止時に、左図柄列Z1(図6(a)参照)に停止表示された第3図柄と同一の第3図柄(即ち、リーチ形成図柄)が停止表示された場合は、そのまま「リーチ表示」(「ノーマルリーチ」の演出要素又は「どっちだリーチ」の演出要素)に発展するように構成されている。
従って、この「疑似変動」の演出要素において、チャンス目図柄が停止表示することで、そのチャンス目図柄から再び「高速変動(短)」の演出要素及び「疑似変動」の演出要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出(所謂、「疑似連」。以下、「高速変動(短)」の演出要素と「疑似変動」の演出要素との組み合わせを、該「疑似連」演出と称する場合がある。)が実行される。
第1実施形態では、「通常状態」の変動演出では最大1回の「疑似連」演出が実行され(選択され)、一連の「スランプ演出」では最大5回の「疑似連」演出が実行可能に構成されている(選択され得る)。
具体的には、例えば、「通常状態」において1回の「疑似連」演出を実行する場合は、「高速変動(長)」の演出要素又は「高速変動(短)」の演出要素の実行後に「疑似変動」の演出要素が実行されてチャンス目図柄が疑似的に停止表示(以下、「疑似停止」という)し、再び「高速変動(短)」の演出要素および「疑似変動」の演出要素が実行されて、該「疑似変動」の演出要素においてリーチ形成図柄が現出し、後述する「ノーマルリーチ」の演出要素へと発展する。
一方、「スランプ演出」において5回の「疑似連」演出を実行する場合は、「高速変動(短)」の演出要素の実行後に「疑似変動」の演出要素が実行されてチャンス目図柄が疑似停止し、再び2回目の「高速変動(短)」の演出要素および「疑似変動」の演出要素が実行されてチャンス目図柄が疑似停止し、次いで3回目の「高速変動(短)」の演出要素および「疑似変動」の演出要素が実行されてチャンス目図柄が疑似停止し、さらに4回目の「高速変動(短)」の演出要素および「疑似変動」の演出要素が実行されてチャンス目図柄が疑似停止し、そして5回目の「高速変動(短)」の演出要素および「疑似変動」の演出要素が実行されて、該「疑似変動」の演出要素においてリーチ形成図柄が現出し、その後、後述する「どっちだリーチ」の演出要素へと発展する。
また、「スランプ演出」において3回の「ガセ疑似連」演出を実行する場合は、「高速変動(短)」の演出要素の実行後に「疑似変動」の演出要素が実行されてチャンス目図柄が停止せずにガセチャンス目図柄が現出し、再び2回目の「高速変動(短)」の演出要素および「疑似変動」の演出要素が実行されてチャンス目図柄が停止せずにガセチャンス目図柄が現出し、次いで3回目の「高速変動(短)」の演出要素および「疑似変動」の演出要素においてもチャンス目図柄が停止せず、該「疑似変動」の演出要素においてガセチャンス目図柄が現出し、その後、一連の「スランプ演出」が終了する。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110で管理する変動パターンとして、「疑似連」演出の回数が1回のみ実行される変動パターンしか用意していない場合であっても、「スランプ状態」における「スランプ演出」において2回以上(5回以下)の「疑似連」演出を行うことができる。よって、主制御装置110で記憶する「疑似連」演出に関する変動パターンを少なくした場合であっても、複数パターンの「疑似連」演出を実行することができるので、ROM202の記憶容量を削減しつつ、演出のバリエーションを豊富にすることができる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「通常状態」および「スランプ状態」において、この「疑似連」演出にてチャンス目図柄が現出した場合は、少なくとも何らかの「リーチ表示」(「通常状態」では後述する「ノーマルリーチ」の演出要素、「スランプ状態」では後述する「どっちだリーチ」の演出要素)に必ず発展するように構成されている。
よって、「疑似変動」の演出要素では、該「疑似変動」の演出要素の終了後、リーチ形成図柄が現出(中図柄列Z2は変動中)して「ノーマルリーチ」の演出要素に発展するか、チャンス目図柄が現出して再び「疑似連」演出に発展するか、或いは、ガセチャンス目図柄が現出してそのまま変動演出が終了するかの遊技性を付与することができる。
なお、「疑似変動」の演出要素において、ガセチャンス目図柄が停止表示された場合、該変動演出又は「スランプ演出」は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される(以下、ガセチャンス目図柄が停止して変動演出又は「スランプ演出」が終了する場合を、「ガセ疑似連」演出という)。一方、チャンス目図柄又はリーチ形成図柄(中図柄列Z2は変動中)が停止表示された場合は、該変動演出又は「スランプ演出」は継続するので、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄も該変動演出又は「スランプ演出」が終了するまで継続的に表示される。
また、第1実施形態では、「通常状態」における「疑似連」演出において、疑似停止の回数を最大1回としたが、疑似停止の回数が2回以上行われる「疑似連」演出を実行するように構成してもよい。さらに、「スランプ演出」における「疑似連」演出において、疑似停止の回数を最大5回としたが、疑似停止の回数が6回以上行われる「疑似連」演出を実行するように構成してもよい。
「ノーマルリーチ」の演出要素は、「低速変動」の演出要素または「疑似変動」の演出要素において、左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図6(a)参照)にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列Z2(図6(a)参照)の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる演出要素である。この「ノーマルリーチ」の演出要素は、「低速変動」の演出要素または「疑似変動」の演出要素後に「5秒間」行われる(図15参照)。
この「ノーマルリーチ」の演出要素では、主表示領域Dmの左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図6(a)参照)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される(図示せず)。また、中図柄列Z2(図6(a)参照)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中図柄列Z2の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の演出要素では、主表示領域Dm(図6(a)参照)の拡大表示に伴って、副表示領域Ds(図6(a)参照)が消去される(図示せず)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の演出要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の演出要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の演出要素に発展するパターンと、一旦「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の演出要素を実行するパターンとが用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の演出要素において、「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が停止表示された場合、該変動演出は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される。
「スーパーリーチ」の演出要素は、「ノーマルリーチ」の演出要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2(図6(a)参照)の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dm(図6(a)参照)において「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる演出要素である。この「スーパーリーチ」の演出要素は、「ノーマルリーチ」の演出要素の実行後に「15秒間」行われる(図15参照)。
この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の演出要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の演出要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図6(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の演出要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の演出要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の演出要素を実行するパターンとが用意されている。
なお、「スーパーリーチ」の演出要素において、「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が停止表示された場合、該変動演出は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される。
「スペシャルリーチ」の演出要素は、「ノーマルリーチ」の演出要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2(図6(a)参照)の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dm(図6(a)参照)において「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる演出要素である。この「スペシャルリーチ」の演出要素は、「ノーマルリーチ」の演出要素の実行後に「25秒間」行われる(図15参照)。
この「スペシャルリーチ」の演出要素において、「スペシャルリーチ」の演出要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の演出要素と同様、「ノーマルリーチ」の演出要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図6(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の演出要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の演出要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆する一方、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の演出要素の実行後は、「スーパーリーチ」の演出要素と同様、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の演出要素を実行するパターンとが用意されている。
なお、「スペシャルリーチ」の演出要素において、「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が停止表示された場合、該変動演出は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される。
また、「ノーマルリーチ」の演出要素の実行後に「スーパーリーチ」の演出要素又は「スペシャルリーチ」の演出要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」の演出要素後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の演出要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の演出要素や「スペシャルリーチ」の演出要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の演出要素の実行後に「スペシャルリーチ」の演出要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の演出要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する演出要素である。この「再変動」の演出要素は、いずれかの「リーチ表示」の実行後に「5秒間」行われる(図15参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の演出要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンのみが用意されている。即ち、「再変動」の演出要素が実行された場合は、その後に必ず「大当たり表示」が現出するように構成されている。換言すれば、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の演出要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の演出要素は、暫定的に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する演出要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の演出要素は、大当たり用変動パターンテーブル202e2でのみ選定され、ハズレ用変動パターンテーブル202e1では選定されないように構成されている。
なお、「再変動」の演出要素において、「大当たり表示」が停止表示された場合、該変動演出は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される。
「ムービー」の演出要素は、「2R確変大当たり」に当選している場合に実行され、「2R確変大当たり」に対応する「大当たり表示」を現出させる演出要素である。この「ムービー」の演出要素は、全体として「50秒間」行われ(図15参照)、変動演出の開始時から主表示領域Dm(図6(a)参照)全体において特定のキャラクタ図柄(例えば、プレミアキャラ)が所定のメッセージを語るような演出が実行される(図示せず)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ムービー」の演出要素の実行後は、「2R確変大当たり」に対応する「大当たり表示」が現出するパターンのみが用意されている。即ち、「ムービー」の演出要素が実行された場合は、その後に必ず「2R確変大当たり」の「大当たり表示」が現出するように構成されている。なお、第1実施形態では、「ムービー」の演出要素は、「通常状態」のみならず、「スランプ状態」でも実行(選択)されるように構成されている。
なお、「ムービー」の演出要素において、「大当たり表示」が停止表示された場合、該変動演出は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される。
次いで、「スランプ状態」の演出について説明する。「スランプ状態」において、特図入賞口77a,78aに球が入賞(始動入賞)した場合、第3図柄表示装置81において「高速変動(短)」の演出要素と「疑似変動」の演出要素とで構成される「疑似連」演出(「ガセ疑似連」演出を含む。以下同様。)が少なくとも2回以上実行されるように構成されている。
従来、変動演出の保留球数が無い場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに特図入賞口77a,78aのいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等が表示されることとなる。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、特図入賞口77a,78aへ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」中に特図入賞口77a,78aに球が始動入賞した場合、「スランプ演出」を実行して、取得された変動演出の変動時間より第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の動的な演出を長く行い得るように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において第3図柄の動的な演出(変動演出及び「スランプ演出」)が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における第3図柄の動的な演出の実行状態を長く維持することができる。
特に、上記始動入賞により取得された変動演出が「非リーチ」演出態様であった場合、取得された該変動演出の変動時間より長い時間、「スランプ演出」である「ガセ疑似連」演出が複数回実行されるように構成されている。このように構成することで、取得された変動演出の変動時間以上に第3図柄表示装置81における第3図柄の動的な演出時間を長くし、第3図柄表示装置81で第3図柄の動的な演出が行われていない状況を少なくすることで、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」において始動入賞により取得された変動演出の演出態様が「非リーチ」演出態様(即ち、保留球数が0個の状態なので、「15秒」の「非リーチ(ロング)」演出態様)であった場合、取得された変動演出の変動時間に対して追加的に演出を行うための時間(以下、「延長時間」と称する)が抽選により取得され、取得された変動時間および延長時間の合計時間の間、「スランプ演出」が実行されるように構成されている。具体的には、「5秒」の延長時間が取得された場合は、「スランプ演出」として、2回の「ガセ疑似連」演出が実行され、「10秒」の延長時間が取得された場合は、「スランプ演出」として、2回の「ガセ疑似連」演出に加えて、後述する「発展可否演出」の演出態様が「5秒間」実行される。
また、「スランプ状態」において始動入賞により取得された変動演出の演出態様が「リーチ表示」を実行する演出態様(即ち、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様)であった場合、延長時間は抽選されず、取得された変動時間に応じて1又は複数の「疑似連」演出が実行されると共に、後述する「どっちだリーチ」の演出要素が実行される。なお、「スランプ演出」で行われる各種演出の詳細な内容については後述する。
さらに、「スランプ演出」中における始動入賞により取得された変動演出の演出態様が「非リーチ(ロング)」演出態様であった場合、延長時間は抽選されず、取得された変動時間に応じて「スランプ演出」が追加的に設定されるように構成されている。これは、既に実行されている「スランプ演出」では、既に延長時間が取得されており、その状態において追加的に延長時間を取得してしまうと、「スランプ演出」の演出時間が必要以上に長くなってしまうと共に、該演出時間の管理が煩雑になってしまう。そこで、「スランプ演出」中に変動演出(「非リーチ」演出態様および「リーチ表示」の演出態様のすべての変動演出)が取得された場合は、追加的な延長時間の抽出を行わないように構成することで、延長時間の抽出に関する処理負担を軽減すると共に、「スランプ演出」の演出時間の管理が容易となる。
特に、「スランプ演出」中に新たな始動入賞が発生した場合、実行中の「スランプ演出」が延長時間に基づく「スランプ演出」の1の演出単位の実行中でない場合、即ち、延長時間に基づく演出要素の前段階の演出要素の実行中であった場合、上記始動入賞に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、一連の「スランプ演出」の整合を取るために、追加的な演出を行うために、当初設定された延長時間を一旦リセット(即ち、0クリア)し、新たに一連の「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。これは、延長時間中の演出要素以外の演出要素、即ち、延長時間に基づく演出要素の前段階の演出要素の実行中であれば、取得された延長時間に該当する部分の演出要素が実行されておらず、延長時間を一旦リセットして改めて一連の「スランプ演出」の演出内容の設定した場合でも、演出内容に齟齬が生じないからである。
なお、「スランプ状態」における「疑似連」演出において、ガセチャンス目図柄が停止表示された場合、即ち、「ガセ疑似連」演出が行われた場合、一連の「スランプ演出」のうちの1の演出単位は終了し、それに併せてコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄(本保留表示又はダミー保留表示)が消去される。従って、「スランプ演出」の1の演出単位として「通常状態」の変動演出と同等の「疑似連」演出が行われて、その表示結果としてガセチャンス目図柄を停止表示すると共に、実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄を消去することで、遊技者に1の変動演出が終了したかのように錯覚させることができる。
「発展可否演出」の演出要素は、「スランプ状態」時の「スランプ演出」の中で実行される演出要素の1つであって、第3図柄表示装置81で(疑似的に)停止表示されているガセチャンス目図柄が変更されるか否かの演出である。また、「発展可否演出」の演出要素は、「スランプ演出」専用の演出要素である。この「発展可否演出」の演出要素では、第3図柄表示装置81の液晶画面に疑似的にヒビが入って、液晶画面が割れるかのような演出が実行される(図45参照)。
この「発展可否演出」の演出要素において、第3図柄表示装置81の液晶画面に疑似的なヒビが入って、その結果、液晶画面が割れる演出が行われた場合は、ガセチャンス目図柄がチャンス目図柄に差し替わって、次の「疑似連」演出が行われるか、ガセチャンス目図柄がリーチ形成図柄に差し替わって「どっちだリーチ」の演出要素が実行される。一方、「発展可否演出」の演出要素において、第3図柄表示装置81の液晶画面に疑似的なヒビは入ったが、液晶画面が疑似的に割れる演出が行われなかった場合は、そのガセチャンス目図柄のまま、一連の「スランプ演出」が終了するように構成されている。
この「発展可否演出」の演出要素は、「スランプ演出」中において、「疑似変動」の演出要素の実行後に「0秒」より長く、「10秒」より短い期間、実行され(図15参照)、実行される秒数が長くなればなるほど、液晶画面に疑似的に入るヒビの量が漸次増加するように構成されている。具体的には、「0秒」から「3秒」までは、ヒビの量が少ない「第1発展可否演出」が実行され、「3秒」から「7秒」までは、「第1発展可否演出」よりヒビの量が多い「第2発展可否演出」が実行され、「7秒」から「10秒」までは、「第2発展可否演出」よりヒビの量が多い「第3発展可否演出」が実行される。「発展可否演出」の詳細な内容については後述する。
なお、「スランプ演出」における「発展可否演出」の演出要素において、疑似的に表示画面が割れる演出が実行されなかった場合、即ち、「発展可否演出」の演出要素から発展しなかった場合は、「スランプ演出」の1の演出単位は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄(本保留表示又はダミー保留表示)が消去される。従って、「スランプ演出」として「発展可否演出」が行われて、その表示結果としてガセチャンス目図柄を停止表示すると共に、実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄を消去することで、遊技者に1の変動演出が終了したかのように錯覚させることができる。
「どっちだリーチ」の演出要素は、「スランプ演出」の中で実行される演出の1つであって、「大当たり表示」が現出するか否かの一歩手前の「リーチ表示」である。また、「どっちだリーチ」の演出要素は、「スランプ演出」専用の演出要素である。この「どっちだリーチ」の演出要素では、第3図柄表示装置81においてリーチ形成図柄と同一の第3図柄と、該第3図柄と異なる第3図柄とが第3図柄表示装置81の中央部分に表示されるか否かを競る演出(以下、「どっちだ演出」という)が実行される(図47(e)参照)。
この「どっちだリーチ」の演出要素は、「スランプ演出」中において、「疑似変動」の演出要素または「発展可否演出」の演出要素の実行後に「10秒間」行われる(図15参照)。
この「どっちだリーチ」の演出要素において、「どっちだリーチ」の演出要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の演出要素等と同様、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図6(a)参照)の背景表示が「どっちだリーチ」の演出要素専用の背景表示に変化すると共に、上記「どっちだ演出」を行う(図47(e)参照)。
第1実施形態では、その「どっちだ演出」の結果(勝敗)に基づいて、「スランプ演出」(変動演出)の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「どっちだ演出」において、リーチ形成図柄と同一の第3図柄が第3図柄表示装置81の表示領域中央部分(即ち、中図柄列Z2の位置)に停止表示した場合には、その「スランプ演出」が「大当たり表示」となることを示唆する一方、リーチ形成図柄と異なる第3図柄が第3図柄表示装置81の表示領域中央部分に停止表示した場合には、その「スランプ演出」が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、「どっちだリーチ」の演出要素の実行後は、「スーパーリーチ」の演出要素等と同様、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の演出要素を実行するパターンとが用意されている。
なお、「どっちだリーチ」の演出要素において、「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が停止表示された場合、一連の「スランプ演出」は終了し、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0(図6(b)参照)に表示されている実行図柄が消去される。
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常状態」で実行され得る変動演出のすべての演出要素の演出時間(変動時間)が「5秒」単位の演出時間の整数倍(即ち、「5秒」、「10秒」、「15秒」、「20秒」、「25秒」又は「50秒」)で構成されている。また、「スランプ状態」において、「発展可否演出」の演出要素を除くすべての演出要素の演出時間も「5秒」単位の演出時間の整数倍で構成されている。そして、「スランプ状態」で選択される延長時間も「5秒」単位の演出時間の整数倍で構成されている。このように構成することで、取得された1の変動演出に関連して複数の演出要素が実行される一連の「スランプ演出」を行う場合に、変動演出の変動時間(および延長時間)と「スランプ演出」の演出時間との整合を取り易くすることができる。
ここで、図16を参照して、変動演出(動的表示)の実行時間と、「スランプ演出」時に取得される延長時間と、実行される「スランプ演出」の演出時間との関係性について説明する。
図16(a)で示すように、「スランプ状態」において、「非リーチ(ロング)」演出態様が選定され、かつ、延長時間として「5秒」が選定された場合、その演出合計時間は「20秒」となり、「スランプ演出」として、「第1演出」に1回目の「ガセ疑似連」演出(以下、1回目の「ガセ疑似連」演出を、「ガセ疑似連1」、2回目の「ガセ疑似連」演出を、「ガセ疑似連2」、・・・、n回目(nは自然数)の「ガセ疑似連」演出を、「ガセ疑似連n」と称する)が設定され、「第2演出」に「ガセ疑似連2」が設定される。
また、図16(a)で示すように、「スランプ状態」において、「非リーチ(ロング)」演出態様が選定され、かつ、延長時間として「10秒」が選定された場合、その演出合計時間は「25秒」となり、「スランプ演出」として、「第1演出」に「ガセ疑似連1」が設定され、「第2演出」に「ガセ疑似連2」が設定され、「第3演出」に残りの「スランプ演出」の演出時間(即ち、「5秒」)に対応する「発展可否演出」が設定される。
そして、上記各「スランプ演出」が行われ、取得された変動演出の停止図柄(「非リーチ(ロング)」演出態様であるので、「ハズレ表示」)に対応する図柄であるガセチャンス目図柄の停止図柄が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する。この「スランプ演出」が行われている間に、特図入賞口77a,78aへ新たな始動入賞が発生した場合には、「通常状態」へと遷移する一方、新たな始動入賞が発生しなかった場合は、再び「スランプ状態」となる。
次いで、図16(b)で示すように、「スランプ状態」において、「ノーマルリーチ」演出態様が選定された場合、その演出合計時間は「20秒」となり、「スランプ演出」として、「第1演出」に1回目の「疑似連」演出(以下、1回目の「疑似連」演出を、「疑似連1」、2回目の「疑似連」演出を、「疑似連2」、・・・、n回目(nは自然数)の「疑似連」演出を、「疑似連n」と称する)が設定され、「第2演出」に「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
また、図16(b)で示すように、「スランプ状態」において、「スーパーリーチ」演出態様が選定された場合、その演出合計時間は「30秒」となり、「スランプ演出」として、「第1演出」に「疑似連1」が設定され、「第2演出」に「疑似連2」が設定され、「第3演出」に「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
さらに、図16(b)で示すように、「スランプ状態」において、「スペシャルリーチ」演出態様が選定された場合、その演出合計時間は「40秒」となり、「スランプ演出」として、「第1演出」に「疑似連1」が設定され、「第2演出」に「疑似連2」が設定され、「第3演出」に「疑似連3」が設定され、「第4演出」に「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
そして、上記各「スランプ演出」が行われ、取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する。
このように構成することで、取得された変動演出の変動時間より長く「スランプ演出」を行って、第3図柄表示装置81で行われる演出時間を長くし、第3図柄表示装置81で演出が行われていない状況を少なくし、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
図13に戻って説明を続ける。ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E1:非リーチ(ミドル)」には、全体の変動時間が「10秒」の『「高速変動(短)」の演出要素+「低速変動」の演出要素』の1つの変動パターンが用意されている。なお、以下、図13および図14の変動パターンに関する各演出要素の説明において、説明の便宜上、「の演出要素」という言葉を省略して説明する。
図13で示す例では、「E1:非リーチ(ミドル)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」+「低速変動」』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」+「低速変動」』だけを選択可能に設定されている。
即ち、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ミドル)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」+「低速変動」』が対応付けられている。つまり、「非リーチ(ミドル)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」+「低速変動」』のみが選択される。
ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E2:非リーチ(ショート)」には、全体の変動時間が5秒の『「高速変動(短)」のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
図13で示す例では、「E2:非リーチ(ショート)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」のみ』に対して「0〜9」となっており、『「高速変動(短)」のみ』だけを選択可能に設定されている。
即ち、ハズレ用変動パターンテーブル202e1において「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜9」)に対して『「高速変動(短)」のみ』が対応付けられている。つまり、「非リーチ(ショート)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」のみ』が選択される。
ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E3:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E3:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「0〜6」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「7〜9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが70%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「ノーマルリーチ」の演出要素を含む変動演出では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが選択され易く(70%)なっている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E4:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E4:スーパーリーチ」演出態様における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「0〜7」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』に対して「8,9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが80%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが選択され易くなっている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e1において、「E5:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E5:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「0〜8」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「9」、となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが90%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが選択され易くなっている。
なお、ハズレ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
次に、図14を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202e2について説明する。図14は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202e2の一例を模式的に示した図である。
大当たり用変動パターンテーブル202e2は、選択された演出態様に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E8:スペシャルリーチ」用と、「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E9:特殊変動」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)であった場合に、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別と、その始動入賞時点での遊技状態と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、その演出態様に基づいて大当たり用変動パターンテーブル202e2の中で参照するグループ(群)を決定する。その大当たり用変動パターンテーブル202e2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E6:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「25秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14で示す例では、「E6:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「0」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』に対して「1,2」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』に対して「3〜5」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』に対して「6〜9」、となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが10%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが40%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが選択され易く(全体の40%)なっている。ただし、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』や、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E7:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「35秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14で示す例では、「E7:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』に対して「0,1」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』に対して「2〜4」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』に対して「5,6」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』に対して「7〜9」、となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の演出要素を含む変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』や、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』)が選択され易く(全体の60%)なっている。ただし、「再変動」の演出要素を含まない変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』や『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』)も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E8:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「45秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』と、全体の変動時間が「55秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図14で示す例では、「E8:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「0〜2」、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』に対して「3,4」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』に対して「5〜7」、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』に対して「8,9」、となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の演出要素を含まない変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』や、『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』)が選択され易く(全体の60%)なっている。ただし、「再変動」の演出要素を含む変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』や『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』)も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「E9:特殊変動」には、全体の変動時間が「50秒」の「ムービー」の1つのみの変動パターンが用意されている。図14で示す例では、「E9:特殊変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「ムービー」に対して「0〜9」となっており、「ムービー」のみが選択可能に設定されている。つまり、大当たりの停止種別が「2R確変大当たり」となる場合は、変動パターンとして必ず「ムービー」が選択される。
主制御装置110にて「ムービー」が選択されると、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて「ムービー」に対応する詳細な変動パターンが決定される。本パチンコ機10では、「ムービー」に対応する詳細な変動パターンとして、例えば、第3図柄表示装置81の小領域Ds1,Ds3(図6(a)参照)に「ニワトリ」又は「女の子」等のキャラクタを表示しつつ、最終的に第3図柄が特定の図柄(例えば、「341」)で停止する変動パターンや、特定のランプの点灯や点滅等に伴って、最終的に第3図柄が特定の図柄で停止する変動パターン等が含まれる。
このように、大当たりに当選している場合には、比較的長い変動パターンが選択され易いように構成することで、大当たりが発生する変動演出の演出内容を充実させることで遊技の興趣を向上することができる。また、大当たりに当選していない場合、即ち、ハズレの場合には、比較的短い変動パターンが選択され易いように構成することで、ハズレ時の変動演出の演出内容を短くして、変動演出を効率よく消化することができる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりや「リーチ表示」の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第3図柄を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後ハズレ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されてもよい。
また、大当たり用変動パターンテーブル202e2において、「2R確変大当たり」専用のグループを設けたが、「2R確変大当たり」専用のグループを設けず、大当たり用変動パターンテーブル202e2で「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」となった場合の変動種別カウンタCS1と変動パターンとの対応付けのみが規定されてもよい。この場合、大当たり種別として「2R確変大当たり」となった場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e2を参照せず、変動パターンとして「ムービー」を決定するようにしてもよい。
さらに、本パチンコ機10では、「2R確変大当たり」となった場合に「ムービー」のみが選択されるが、「2R確変大当たり」となった場合に複数の変動パターンの中から1つ変動パターンが選択されるようにしてもよい。この場合は、「15R大当たり共通」のグループのように、「2R確変大当たり」専用のグループにおいても、「2R確変大当たり」となった場合に選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1を対応付け、ある保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定されてもよい。
また、主制御装置110で選択される演出態様の中で、疑似停止回数(チャンス目図柄停止回数)が2回以上行われる「疑似変動」の演出要素が実行される演出態様を設けてもよい。また、「疑似変動」の演出要素を実行せず、「低速変動」の演出要素においてチャンス目図柄を現出させて、「疑似連」演出に発展させるように構成してもよい。
図8に戻って説明を続ける。当たり乱数カウンタC4は、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜99」)、タイマ割込処理(図26参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図34参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
当たり乱数カウンタC4の値は、第1実施形態ではタイマ割込処理(図26参照)毎に更新され、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は50個あり、その範囲は「5〜54」となっている。即ち、取得された当たり乱数カウンタC4の値が「5〜54」の範囲にある場合に当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、右側特図入賞口78aの電動役物79が作動し、右側特図入賞口78aが所定時間だけ開放される。
一方、取得された当たりカウンタC4の値が、「5〜54」の範囲にない場合、即ち、「0〜4」又は「55〜99」の範囲にある場合は、ハズレと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されて、電動役物79は作動しない。
このように、主制御装置110のRAM203には種々のカウンタ等が設けられていると共に、主制御装置110のROM202には各種テーブルが設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値と上述した各テーブル202a〜202eとに応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37における動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81における変動演出の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203は、図8に図示したカウンタ用バッファ203bのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図34参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図33参照)において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non−Maskable Interrupt。以下、「NMI」と略す。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図32参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、保留球数カウンタ203a、保留球格納エリア203c、保留球実行エリア203d、主スランプカウンタ203e、保留装置駆動フラグ203f、保留装置駆動タイマ203gを少なくとも有している。
保留球数カウンタ203aは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図26参照)の中で検出される特図入賞口77a,78aへの入球(以下、特図入賞口77a,78aへの球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる第1図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図33のS813)によって、初期値として「0」が設定される。そして、いずれかの特図入賞口77a,78aへの始動入賞が検出されて第1図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図27のS204参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1図柄の動的表示(第3図柄の変動演出)が実行される毎に1減算される(図28のS305参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図27のS206参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1図柄動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく第1図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される第1図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された保留球数カウンタ203aの値だけでなく、その保留球数カウンタ203aの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203b(図8参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203bより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、特図入賞口77a,78aへの球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
保留球格納エリア203cは、上述したように、いずれかの特図入賞口77a,78aへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203bより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図26参照)の中で、球が特図入賞口77a,78aのいずれかへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203bから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、保留球格納エリア203cに格納する。保留球格納エリア203cは、第1図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)を有している(図8参照)。
保留球実行エリア203dは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1図柄の大当たり抽選や、第1図柄表示装置37の動的表示の設定、第3図柄表示装置81の変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37の動的表示の設定、第3図柄表示装置81の変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した保留球格納エリア203cに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203dへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図8を参照して、保留球格納エリア203cおよび保留球実行エリア203dの詳細について説明する。保留球格納エリア203cおよび保留球実行エリア203dは、第1図柄の大当たり抽選や第1図柄表示装置37の動的表示の設定、第3図柄表示装置81の変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1図柄の大当たり抽選や第1図柄表示装置37の動的表示の設定、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。保留球格納エリア203cは、球が特図入賞口77a,78aへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203bから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶する。
保留球格納エリア203cは、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203c4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3と、変動種別カウンタ格納エリア203c4とを1つの保留球格納エリア203cの中にまとめて設けているが、各カウンタC1〜C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、保留球格納エリア203cには、球がいずれかの特図入賞口77a,78aへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い特図入賞口77a,78aへの始動入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い特図入賞口77a,78aへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203dは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203dには、保留球格納エリア203cと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)を、この保留球実行エリア203dの各エリア203d1〜203d4にそれぞれシフトする。そして、保留球実行エリア203dにシフトされたデータを、変動開始処理(図29参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203c1の乱数値を、保留球実行エリア203dの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1へシフトする。同様に、大当たり種別カウンタ格納エリア203c2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2へシフトし、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3へシフトし、変動種別カウンタ格納エリア203c4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203d4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203dへのデータのシフトが終了すると、保留第1エリアが空き状態となるため、保留球格納エリア203cの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、保留球格納エリア203cにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球格納エリア203c内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、保留球格納エリア203cの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203dへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、保留第2エリアのデータを、保留第1エリアへシフトし、保留第3エリアのデータを、保留第2エリアへシフトし、保留第4エリアのデータを、保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、保留第2エリアのデータのみを、保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図7に戻り、説明を続ける。主スランプカウンタ203eは、所定範囲(第1実施形態では、「0〜2」)内に更新可能に構成され、MPU201において「スランプ状態」か否かを判別するために参照されるカウンタである。即ち、主制御装置110のMPU201は、この主スランプカウンタ203eの値が「0」より大きい場合に、「スランプ演出」を実行する「スランプ状態」と認識し、特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて第3図柄表示装置81において「スランプ演出」を実行する。
第1実施形態では、第3図柄表示装置81で変動演出又は「スランプ演出」が行われていないデモ演出中であって、デモ演出が開始されてから所定時間(延長時間と同等の時間。第1実施形態では、「10秒」)経過した後に、主スランプカウンタ203eの値を所定値(即ち、「2」)に設定して、上述した「スランプ状態」に突入する。そして、該「スランプ状態」において、特図入賞口77a,78aに球が始動入賞した場合に、該始動入賞に基づいて、変動演出の代わりに第3図柄表示装置81において「スランプ演出」を実行するように構成されている。
この主スランプカウンタ203eの値は、パチンコ機10の電源投入時に初期値として「0」が設定される。そして、「スランプ状態」に突入した場合に、主スランプカウンタ203eの値に「2」が設定される。一方、主スランプカウンタ203eの値は、「スランプ状態」中(即ち、主スランプカウンタ203eの値が「0」より大きい場合)において、特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて1ずつ減算される。即ち、MPU201は、主スランプカウンタ203eに「0」より大きい値が設定されていた場合に、特図入賞口77a,78aへの球の始動入賞に基づいて、主スランプカウンタ203eの値分(即ち、2の始動入賞分)、第3図柄表示装置81において「スランプ演出」が実行されるように構成されている。
なお、MPU201は、「スランプ状態」において、取得された変動演出の変動パターンとして「リーチ表示」が行われる演出態様である場合、主スランプカウンタ203eの値を「0」クリアし、一旦「スランプ状態」を解消して、以降の始動入賞に基づいて「スランプ演出」が行われないように構成されている。これは、「リーチ表示」が含まれる変動パターンは、比較的長い変動時間行わるため、その変動時間の間に新たな入賞が発生する可能性がある。よって、このような場合まで以降の特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて「スランプ演出」を継続的に行う必要性が乏しいので、「リーチ表示」が含まれる変動パターンが実行される場合、第3図柄表示装置81の演出が終了して再び「スランプ状態」に突入するまでは、「スランプ状態」ではなく「通常状態」として以降の演出を行う。
ここで、追加的な「スランプ演出」を設定した後、該「スランプ演出」の実行中に新たな始動入賞が発生した場合に、さらに追加的な「スランプ演出」を設定しようとすると、「スランプ演出」の実行時間の把握や演出の整合性を取るために煩雑な処理が必要となり、処理負担が増大してしまうおそれがある。また、変動演出の保留数が「2」以上存在する場合は、第3図柄表示装置81において演出が継続的に実行され得る状況であるので、取得された変動演出の演出時間より長い「スランプ演出」を実行する効果が薄れてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ演出」の実行中に追加的な始動入賞が発生して、保留されている変動演出の数が「2」以上となった場合、以降の演出において「スランプ演出」を実行せずに、変動演出を実行するように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」を実行する効果に乏しい状況(即ち、変動演出の保留数が一定程度溜まっている状態)において「スランプ演出」を実行せずに変動演出を実行し、「スランプ演出」の整合性を保つための煩雑な処理を行う必要がないので、プログラムの簡易化できると共に、処理負担を軽減することができる。
保留装置駆動フラグ203fは、オン状態で保留装置73の保留装置ソレノイド73fを駆動させることを示すフラグである。第1実施形態では、保留装置73に保留されている球を解放させてダミー入賞口75へ入賞させる条件が成立した場合に、この保留装置駆動フラグ203fがオンに設定され、後述する保留装置駆動タイマ203gの値が設定(第1実施形態では、「1250」)される。その後、主制御装置110のタイマ割込処理(図26参照)が行われる毎に該保留装置駆動タイマ203gの値を減算し、その値が所定値(即ち、「0」)になったとき、保留装置ソレノイド73fが所定時間(第1実施形態では、「2000ミリ秒」)オンされる。保留装置ソレノイド73fがオンされた場合、保留装置73に保留されていた球が解放され、下流側に設けられたダミー入賞口75へと流入するように構成されている。
この保留装置駆動フラグ203fは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。第1実施形態では、「スランプ状態」に突入し、主スランプカウンタ203eの値が「0」より大きい値(例えば、「2」)であって、保留球検知スイッチ73gによって保留装置73内に球が保留されていると検知された状態において、特図入賞口77a,78aへ球が始動入賞した場合に、該始動入賞に基づく変動演出の演出態様が「リーチ表示」を発生しなければ、「スランプ演出」において本保留表示又はダミー保留表示が消化される複数の演出要素(例えば、「ガセ疑似連」演出)が実行される。このため、該演出内容と本保留表示又はダミー保留表示との整合をとるべく、保留装置73に保留されている球をダミー入賞口75へ入賞させるために、この保留装置駆動フラグ203fがオンに設定される(図27のS211参照)。
なお、第1実施形態では、「スランプ状態」において保留球検知スイッチ73gによって球が検知されず、保留装置73に球が保留されていない状態では、ダミー入賞口75に入賞させる球が存在していない。よって、「スランプ状態」において特図入賞口77a,78aに球が入賞した場合であっても、保留装置73に球が保留されていないときは、保留装置ソレノイド73fを駆動させないように、保留装置駆動フラグ203fをオフ設定のままにする。
また、第1実施形態では、「スランプ状態」中において特図入賞口77a,78aへの球の始動入賞に基づいて取得された変動演出が「リーチ表示」である場合、「スランプ演出」は実行するものの、実行図柄を1つ消去させる「ガセ疑似連」演出を実行せず、実行図柄を消去しない「疑似連」演出を実行するように構成されていることから、そもそもダミー保留表示である保留図柄を表示させる必要がない。よって、「スランプ状態」において特図入賞口77a,78aへ球が始動入賞した場合であっても、取得された変動演出の変動パターンに「リーチ表示」が含まれるときは、保留装置ソレノイド73fを駆動させないように、保留装置駆動フラグ203fをオフ設定のままにする。
第1実施形態のパチンコ機10では、保留装置駆動フラグ203fをオンした場合に、後述する保留装置駆動タイマ203gに値(第1実施形態では、「1250」)を設定する。そして、4ミリ秒ごとに実行される主制御装置110のタイマ割込処理(図26参照)内で実行される保留装置制御処理(図30参照)において、この保留装置駆動フラグ203fがオンされている場合に、後述する保留装置駆動タイマ203gの値を減算する。そして、該保留装置駆動タイマ203gの値が「0」になったタイミングで、保留装置ソレノイド73fを所定期間(第1実施形態では、「2000ミリ秒」)オンして(図30のS504参照)、該所定期間のオンによって保留装置73に保留されている球を確実に解放して、該球をダミー入賞口75へ流入させると共に、保留装置駆動フラグ203fがオフに設定されるように構成されている(図30のS505参照)。
保留装置駆動タイマ203gは、上記保留装置駆動フラグ203fがオンされてから保留装置ソレノイド73fをオンするまでの時間を計測するためのタイマである。MPU201は、保留装置駆動フラグ203fがオンされている状態において、この保留装置駆動タイマ203gの値が「0」となった場合、保留装置73に保留されている球の開放タイミングになったと判断して、保留装置ソレノイド73fを所定時間駆動(即ち、オン)するように構成されている。
この保留装置駆動タイマ203gは、パチンコ機10の電源投入時に初期値として「0」が設定される。そして、「スランプ状態」に突入し、保留装置73内に球が保留された状態において特図入賞口77a,78aへ球が始動入賞した場合に、該始動入賞に基づく変動演出の演出態様が「リーチ表示」を発生する変動パターンでなければ、保留されている球をダミー入賞口75へ入賞させるべく、上述した保留装置駆動フラグ203fがオンに設定されつつ(図27のS211参照)、この保留装置駆動タイマ203gに「1250」が設定される。
その後、4ミリ秒ごとに実行される主制御装置110のタイマ割込処理(図26参照)内で実行される保留装置制御処理(図30参照)において、保留装置駆動フラグ203fがオンされている場合に、この保留装置駆動タイマ203gの値を「1」ずつ減算する。そして、この保留装置駆動タイマ203gの値が「0」になったタイミング(即ち、「スランプ演出」の開始から「5秒」後)で、保留装置ソレノイド73fを所定期間(第1実施形態では、「2000ミリ秒」)オンして(図30のS504参照)、保留装置73に保留されている球を解放し、そこから約「1秒」後、即ち、「スランプ演出」における「第1演出」の開始から「6秒後」に、保留装置73から解放された球をダミー入賞口75へ流入させる。
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、一連の「スランプ演出」を行う場合に、表示されている実行図柄および保留図柄と、複数の演出要素が実行される「スランプ演出」の実行回数との整合を取るべく、特図入賞口77a,78aへ球が始動入賞して「スランプ演出」が開始されてから所定時間(第1実施形態では、「6秒」)経過したときに、保留装置73に保留されていた球をダミー入賞口75に入賞させて、ダミー保留表示としての保留図柄を表示する。そして、一連の「スランプ演出」のうちの1の演出単位(「ガセ疑似連」演出)が終了する毎に実行図柄を消去して、ダミー保留表示である保留図柄を実行図柄に移動させ、移動した該実行図柄に基づいて次の「スランプ演出」における1の演出単位を開始することで、「スランプ演出」における1の演出単位が完結することであたかも変動演出が1回完結したかのような演出を実行する。このように構成することで、取得された変動演出の変動時間以上に第3図柄表示装置81における第3図柄の動的な演出時間を長くし、第3図柄表示装置81で第3図柄の動的な演出が行われていない状況を少なくすることで、遊技者が興醒めしないようにし、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、特図入賞口77a,78aとダミー入賞口75との賞球数が同じ3個となるように構成されている。このように構成することで、遊技者は、払い出された賞球数のみでは、特図入賞口77a,78aへ入賞したのかダミー入賞口75へ入賞したのかを判別できない。よって、遊技者は、払い出された賞球数のみでは、第3図柄表示装置81で行われている演出が、「通常状態」における変動演出中であるのか、「スランプ状態」における「スランプ演出」であるのかを判別することができないので、実際の変動演出の変動時間より長く行われる「スランプ演出」を行った場合であっても、遊技者が違和感を感じて遊技に興醒めすることを防止することができる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、大入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイドや、電動役物79を駆動するための電動役物用ソレノイドなどからなるソレノイド209、上述した保留装置73に設けられた保留装置ソレノイド73fが接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
保留装置73内に設けられた保留装置ソレノイド73fは、上述したように、オフ状態においてロック片73eを後方壁73d(図5参照)から保留装置73の通路内(パチンコ機10の前方側)へ突出させた状態にする一方、オン状態においてロック片73eを後方壁73dに没入させた状態にするための駆動機構である。
この保留装置ソレノイド73fによって駆動されるロック片73eが後方壁73dから突出している場合(即ち、保留装置ソレノイド73fがオフの場合)に、ロック片73eの保持部ロック部73e1によって保留球保持部73b(図5参照)の下方側への回動が阻止され、保留装置73内に球が保留された状態が維持される。一方、保留装置ソレノイド73fによって駆動されるロック片73eが後方壁73dに没入された場合(即ち、保留装置ソレノイド73fがオンの場合)に、ロック片73eの保持部ロック部73e1による保留球保持部73bの下方の支えがなくなるため、該保留球保持部73bの下方側への回動が許容され、該保留球保持部73bに保留されていた球が、保留装置73の下流側へと流下し、ダミー入賞口75へと流入する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253、保留装置73に設けられた保留球検知スイッチ73gが接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
保留球検知スイッチ73gは、上述したように受光素子と発光素子との間に球が存在するか否かを検知する光学式検出スイッチであり、受光素子及び発光素子間に球が存在していることを検知した場合に、MPU201に対してオン信号を出力する。一方、受光素子及び発光素子間に球が存在していないことを検知した場合は、MPU201に対してオフ信号を出力する。従って、MPU201は、保留球検知スイッチ73gの検出出力に基づいて、保留装置73内に球が保留されているか否かを認識することができる。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図32参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるように球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や「スランプ演出」、連続予告演出を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図2参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図32参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図2参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
ここで、図17を参照して、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の詳細な電気的構成について説明する。図17は、主に音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222d、保留変化テーブル222e、スランプ演出テーブル222fが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a〜222fのうち、テーブル222a〜222dは、いずれも主制御装置110のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eと同じものである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203bより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて、先読み処理である保留表示設定処理(図38参照)を実行する。また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110においてダミー入賞口75への球の入賞に伴って送信されたダミー保留コマンドに基づいて、同じく先読み処理である保留表示設定処理を実行する。
そして、この保留表示設定処理(図38参照)によって、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出又は「スランプ演出」が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、「リーチ表示」となるか否か等)をその変動演出又は「スランプ演出」の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、保留変化テーブル222eを参照して「保留変化予告」の演出内容(及び実行時期(タイミング))を決定したりする制御を実行する。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から「スランプ状態」が開始されたことを示す後述するスランプコマンドを受信した場合に、それ以降に変動パターンコマンドを受信したとき、スランプ演出テーブル222fを参照して、「スランプ演出」に関する制御を実行する。
なお、保留変化テーブル222eおよびスランプ演出テーブル222fの詳細については後述する。
RAM223には、変動開始フラグ223a、サブ保留球数カウンタ223b、ダミー保留球数カウンタ223c、保留変化カウンタ223d、保留表示情報格納エリア223e、サブスランプフラグ223f、スランプ演出タイマ223g、スランプ演出格納エリア223h、保留情報格納エリア223i、実行情報格納エリア223jが少なくとも設けられている。
変動開始フラグ223aは、オン状態で変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この変動開始フラグ223aは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図40のS1507参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動演出又は「スランプ演出」の設定がなされるときにオフされる(図42のS1602参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、この変動開始フラグ223aがオンされたことを契機として、待機中の変動演出又は「スランプ演出」が存在する場合に、該待機中の変動演出又は「スランプ演出」を実行させるための変動演出処理(図42参照)を行う。
サブ保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)で行われる変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、このサブ保留球数カウンタ223bは、実際に行われる変動演出の保留回数のみを計数し、「スランプ演出」1の演出単位の実行回数を計数しないように構成されている。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数を格納・更新し、サブ保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、特図入賞口77a,78aへの入球によって変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)をサブ保留球数カウンタ223bに格納する(図37のS1210参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第3図柄表示装置81における変動演出の態様を設定すると、サブ保留球数カウンタ223bの値を1減算する(図42のS1613参照)。このように、保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、サブ保留球数カウンタ223bの値を更新することができる。
サブ保留球数カウンタ223bの値は、後述するダミー保留球数カウンタ223cの値と共に、第3図柄表示装置81における保留図柄及び実行図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数をサブ保留球数カウンタ223bに格納したり(図37のS1210参照)、ダミー保留コマンドの受信や後述するスランプ演出タイマ223gの値に基づいてダミー保留球数カウンタ223cの値を更新したり(図37のS1207又は図36のS1113参照)、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドの受信に応じてサブ保留球数カウンタ223bの値を更新したりするタイミングで(図42のS1613参照)、格納後もしくは更新後のサブ保留球数カウンタ223bの値と後述するダミー保留球数カウンタ223cの値とを表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する(図38のS1304又は図42のS1615参照)。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223b及びダミー保留球数カウンタ223cの値分の保留図柄と、実行中の変動演出又は「スランプ演出」の1の演出単位を示す実行図柄とを第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。
上述したように、サブ保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、「スランプ状態」以外の遊技状態、即ち、「通常状態」では、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
ダミー保留球数カウンタ223cは、「スランプ状態」においてダミー入賞口75へ球が入賞した回数を計数するためのカウンタである。即ち、このダミー保留球数カウンタ223cは、「スランプ演出」の1の演出単位の保留球数のみを計数し、変動演出の保留球数を計数しないように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、このダミー保留球数カウンタ223cの値と、上記サブ保留球数カウンタ223bの値との合計値に基づいて、コクピット表示領域Db(図6(b)参照)において保留図柄及び実行図柄を表示し、「スランプ状態」ではない場合には変動演出の実行及び残り実行回数が示される一方、「スランプ状態」における「スランプ演出」が実行される場合には一連の「スランプ演出」における複数の演出単位の実行及び残り実行回数を示すように構成されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信されるダミー保留コマンドを受信すると、ダミー保留球数カウンタ223cの値を1加算する(図37のS1207参照)。また、音声ランプ制御装置113は、「スランプ演出」の最初の演出単位である「第1演出」(即ち、「高速変動(短)」の演出要素+「疑似変動」の演出要素)が終了するタイミングであって、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きい値である場合に、このダミー保留球数カウンタ223cの値を1減算する(図36のS1113参照)。
即ち、「スランプ状態」において特図入賞口77a,78aへの球の始動入賞に基づいて「スランプ演出」が開始される場合に、該「スランプ演出」における「第1演出」の開始から「6秒」後に保留装置73に保留されていた球がダミー入賞口75へ向けて解放されて該ダミー入賞口75へ入賞する。そして、主制御装置110は、ダミー入賞口75への球の入賞を検知した場合に、ダミー保留コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、「スランプ演出」における「第1演出」の開始から約「6秒」経過した段階で主制御装置110からダミー保留コマンドを受信し、該受信に基づいてダミー保留球数カウンタ223cの値を1加算する。そして、音声ランプ制御装置113は、加算されたダミー保留球数カウンタ223cの値とサブ保留球数カウンタ223bの値との合計値に基づいて表示用保留球数コマンドを生成して表示制御装置114へ送信する。
また、音声ランプ制御装置113は、「スランプ演出」の開始から1の演出単位が終了するタイミング、即ち、1の「ガセ疑似連」演出が終了するタイミングを後述するスランプ演出タイマ223gで計測し、1の「ガセ疑似連」演出が終了するタイミングで(後述するスランプ演出タイマ223gの値に応じて)、ダミー保留球数カウンタ223cの値を1減算する。そして、音声ランプ制御装置113は、減算されたダミー保留球数カウンタ223cの値とサブ保留球数カウンタ223bの値との合計値に基づいて表示用保留球数コマンドを生成して表示制御装置114へ送信する。
表示制御装置114は、上述したように、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223b及びダミー保留球数カウンタ223cの値分の保留図柄と、実行中の変動演出又は「スランプ演出」を示す実行図柄とを第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。
このように構成することで、実際の変動演出の保留球数より多い数の保留図柄をコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示させることができると共に、実際の変動演出の実行するより多い回数の「スランプ演出」を行った場合であっても「スランプ演出」の各演出単位と保留図柄との整合性を取ることができる。その結果、演出の齟齬が生ずることなく当否抽選が行われる演出が実際の変動演出の回数より多く行われたかのように遊技者に錯覚させることができる。
なお、ダミー保留球数カウンタ223cの値は、一連の「スランプ演出」において、1のみ加算されるように構成され、該「スランプ演出」における1の演出単位の実行に伴って1減算されるように構成されている。即ち、一連の「スランプ演出」に伴ってダミー保留球数カウンタ223cの値は最大でも「1」となり、「2」以上の値となることはないように構成されている。
保留変化カウンタ223dは、コクピット表示領域Dbの保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を実行するか否かを抽選するカウンタである。第1実施形態では、上述したように、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である白色から、青色の表示態様の「青」、緑色の表示態様の「緑」、又は、赤色の表示態様の「赤」に変化可能に構成されている。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した保留球数コマンドによって大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて先読み処理を実行可能である。保留球数コマンドに基づく先読み処理において、該保留球数コマンドに対応する変動演出の演出態様を把握し、その演出態様に基づいて保留変化カウンタ223d及び保留変化テーブル222eによって「保留変化予告」を行うか否かが抽選される。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信したダミー保留コマンドに基づいて、保留球数コマンドを受信した場合と同様、先読み処理を実行可能である。ダミー保留コマンドに基づく先読み処理では、実行される「スランプ演出」の当否を把握し、その当否に基づいて保留変化カウンタ223d及び保留変化テーブル222eを参照して「保留変化予告」を行うか否かが抽選される。このように構成することで、「スランプ演出」に関する保留図柄においても「保留変化予告」を実行し、演出のバリエーションを豊富にすることができる。
この保留変化カウンタ223dは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図36のS1118参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。保留変化カウンタ223dの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図36のS1117参照)更新(例えば、1加算)される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から保留球数コマンド又はダミー保留コマンドを受信した場合に、後述する保留表示設定処理(図38参照)を実行し、その保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様、又は、ダミー保留コマンドが示す「スランプ演出」の当否を把握して、その把握した内容に基づいて保留変化カウンタ223dの値と保留変化テーブル222eとを参照し、「保留変化予告」の実行可否および表示態様が決定される。そして、決定された「保留変化予告」の実行可否および表示態様が、サブ保留球数カウンタ223bの値及びダミー保留球数カウンタ223cの値の合計値によって示される保留表示情報格納エリア223eに格納される。なお、保留表示情報格納エリア223eの詳細については後述する。
ここで、図18を参照して、保留変化テーブル222eについて説明する。図18は、保留変化テーブル222eの一例を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から保留球数コマンド又はダミー保留コマンドを受信した場合に、その時点での保留変化カウンタ223dの値に基づいて保留変化テーブル222eを参照し、「保留変化予告」を行うか否か、および、「保留変化予告」の変化色(表示態様)が決定される。図18で示すように、保留変化テーブル222eは、実行される演出の当否と、選択された演出態様とに基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時における「スランプ演出」用と、ハズレ時における「非リーチ」演出態様用と、ハズレ時における「ノーマルリーチ」演出態様用と、ハズレ時における「スーパーリーチ」演出態様用と、ハズレ時における「スペシャルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「スランプ演出」用と、大当たり時における「ノーマルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「スーパーリーチ」演出態様用と、大当たり時における「スペシャルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「特殊変動」演出態様用とに区分けされている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ保留変化カウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」の「緑」の表示態様は、いずれかの「リーチ表示」を含む演出態様(即ち、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様、又は、「スランプ演出」としての「どっちだリーチ」の演出要素)か、「大当たり表示」が発生する演出態様(例えば、「特殊変動」演出態様)の場合に選択されるように構成されている。換言すれば、「保留変化予告」として、「緑」の表示態様の保留図柄又は実行図柄が表示された場合、該保留図柄又は実行図柄に対応する変動演出又は「スランプ演出」では、少なくともいずれかの「リーチ表示」を含む演出態様が実行されることが確定するように構成されている。このように構成することで、「保留変化予告」として「緑」の表示態様の保留図柄が現出した場合、遊技者は、少なくとも大当たりが起こり得る「リーチ表示」が実行されることを確信し、該保留図柄に対応する変動演出又は「スランプ演出」が開始されるまでの間、その期待感に基づいて遊技者の気分を高揚させることができるので、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」の「赤」の表示態様は、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様または「特殊変動」演出態様の場合にのみ選択されるように構成されている。換言すれば、「保留変化予告」として、「赤」の表示態様の保留図柄又は実行図柄が表示された場合、該保留図柄又は実行図柄に対応する変動演出又は「スランプ演出」では、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様または「特殊変動」演出態様が実行されることが確定するように構成されている。このように構成することで、「保留変化予告」として「赤」の表示態様の保留図柄が現出した場合、遊技者は、大当たりが発生し易い演出態様が実行されることを確信し、該保留図柄に対応する変動演出又は「スランプ演出」が開始されるまでの間、その期待感に基づいて遊技者の気分を高揚させることができるので、遊技の興趣を向上することができる。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「スランプ演出」用には、「保留変化予告」としての保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」の1つのみの表示態様が選択可能に用意され、該表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。即ち、ハズレ時の「スランプ演出」の場合に、「無し」の表示態様が漏れなく選択されるように構成されている。第1実施形態では、保留図柄又は実行図柄の色が変化しない「無し」が選択された場合、保留図柄又は実行図柄の表示態様は「白」のままとなり、該保留図柄又は実行図柄で「保留変化予告」が実行されない。
即ち、ハズレ時の「スランプ演出」には、保留図柄又は実行図柄の色が、青色に変化する「青」と、緑色に変化する「緑」と、赤色に変化する「赤」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223dの値が対応付けられていない。
これは、第1の理由として、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」において、保留図柄又は実行図柄の色が「緑」又は「赤」であった場合は、その保留図柄又は実行図柄が示す変動演出においていずれかの「リーチ表示」が実行されることが確定する仕様である。このため、必ずしも「リーチ表示」が実行される訳ではないハズレ時の「スランプ演出」において、「緑」又は「赤」の表示態様の保留図柄又は実行図柄を表示させたにも関わらず、該保留図柄又は実行図柄に対応する「スランプ演出」において「リーチ表示」が実行されない場合は、演出内容の齟齬が生じてしまい、遊技者を混乱させてしまうおそれがある。
よって、ハズレ時の「スランプ演出」に対応する保留図柄又は実行図柄では、「リーチ表示」が実行されなくても齟齬が生じない「無し(白)」の表示態様の保留図柄又は実行図柄を表示させることで、遊技者に無用な混乱を生じさせず、理解し易い演出を提供することができる。
また、第2の理由として、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの球の始動入賞に基づいて取得された変動演出が「リーチ表示」を含む演出態様であった場合、保留装置73に保留された球をダミー入賞口75へは流入させないことから、ダミー保留表示としての保留図柄又は実行図柄を表示せず、その代わりに(ダミー入賞口75に球が入球するであろうタイミングにおいて)「保留変化予告」の表示態様を1ランクアップ(例えば、「無し」の表示態様から「青」の表示態様へ変化)させるように構成されている。従って、仮に、保留図柄又は実行図柄の表示態様として最上位の表示態様(即ち、「赤」の表示態様)が選択されている状態では、該表示態様を1ランクアップさせることができず、演出内容に齟齬が生じるおそれがある。また、「青」の表示態様から「緑」の表示態様に変化した場合、若しくは、「緑」の表示態様から「赤」の表示態様に変化した場合は、該保留図柄又は実行図柄の大当たり期待度が高くなってしまい、ハズレの「リーチ表示」であるにもかかわらず、遊技者に対して大当たりを過度に期待させてしまうおそれがある。
よって、ハズレ時の「スランプ演出」に対応する保留図柄又は実行図柄では、たとえ表示態様が1ランクアップしても、「青」の表示態様は「リーチ表示」が確定するわけでもなく、また、過度に大当たりへの期待感を煽るものではない。このため、演出内容に齟齬が生じない「無し(白)」の表示態様の保留図柄又は実行図柄を表示させることで、遊技者に無用な混乱を生じさせず、理解し易い演出を提供することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ演出」において複数の演出単位が実行されるが、該「スランプ演出」の「保留変化予告」は、複数の演出単位に対応する保留図柄又は実行図柄の表示態様を一括して決定するように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」の演出単位毎に「保留変化予告」の抽選を行わずに済み、「スランプ演出」時の「保留変化予告」に関する制御を簡易なものとすることができ、プログラムの作成が容易となると共に、処理負担を軽減することができる。
図18の示す例では、ハズレ時の「スランプ演出」における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜99」となっている。なお、「青」、「緑」及び「赤」の表示態様に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「スランプ演出」が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が100%、「青」、「緑」及び「赤」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スランプ演出」時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様のみが選択され、保留図柄又は実行図柄の表示態様を1ランクアップさせる場合にのみ「保留変化予告」が発生し、「保留変化予告」自体が発生し難い設定となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「非リーチ」演出態様には、「保留変化予告」としての保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。
なお、ハズレ時の「非リーチ」演出態様には、「緑」及び「赤」の表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223dの値が対応付けられていない。これは、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」において、保留図柄又は実行図柄の色が「緑」又は「赤」であった場合は、その保留図柄又は実行図柄が示す変動演出においていずれかの「リーチ表示」を含む演出態様が実行されることが確定する仕様であるためである。よって、いずれの「リーチ表示」も実行されない「非リーチ」演出態様では、「保留変化予告」の「緑」又は「赤」の表示態様が選択されないように設定されている。
図18の示す例では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜98」、「青」の表示態様に対して「99」、となっている。なお、「緑」及び「赤」の表示態様に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「非リーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が99%、「青」の表示態様が1%、「緑」及び「赤」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「非リーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(99%)なっており、「保留変化予告」自体が発生し難い設定となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様には、「保留変化予告」の「無し」と「青」と「緑」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。なお、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が現出しない。このため、「赤」の表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223dの値が対応付けられていない。
図18の示す例では、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜79」、「青」の表示態様に対して「80〜89」、「緑」の表示態様に対して「90〜99」、となっている。なお、「赤」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が80%、「青」の表示態様が10%、「緑」の表示態様が「10%」、「赤」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易い(80%)が、ハズレ時の「非リーチ」演出態様よりも「青」の表示態様が選択され易い設定(1%→20%)となっている。また、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様では選択されない「緑」の表示態様が選択される設定となっている。よって、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様が行われる場合、ハズレ時の「非リーチ」演出態様が行われる場合と比べて、「保留変化予告」が実行され易い構成であるといえる。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様には、「保留変化予告」の「無し」と「青」と「緑」と「赤」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。
図18の示す例では、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜19」、「青」の表示態様に対して「20〜79」、「緑」の表示態様に対して「80〜89」、「赤」の表示態様に対して「90〜99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が20%、「青」の表示態様が60%、「緑」の表示態様が10%、「赤」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様よりも「青」の表示態様が選択され易い設定(20%→60%)となっている。また、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様及び「ノーマルリーチ」演出態様では選択されない「赤」の表示態様が選択される設定となっている。一方、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様又はハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様よりも「無し」の表示態様が選択され難い設定(99%又は80%→20%)となっている。よって、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が行われる場合、ハズレ時の「非リーチ」演出態様又は「ノーマルリーチ」演出態様が行われる場合と比べて、「保留変化予告」が実行され易い構成であるといえる。
また、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様が行われる場合と比べて、「緑」又は「赤」の表示態様が選択され易く構成されている。上述したように、「スーパーリーチ」演出態様は、「ノーマルリーチ」演出態様より「大当たり表示」が現出する可能性が高い演出態様であるため、「保留変化予告」として「緑」又は「赤」の表示態様が現出した段階で、「大当たり表示」が期待できる「スーパーリーチ」演出態様が発生することを予見させ、「大当たり表示」への期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様には、「保留変化予告」の「無し」と「青」と「緑」と「赤」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。
図18の示す例では、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜9」、「青」の表示態様に対して「10〜59」、「緑」の表示態様に対して「60〜79」、「赤」の表示態様に対して「80〜99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が50%、「緑」の表示態様が20%、「赤」の表示態様が20%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様よりも「緑」又は「赤」の表示態様が選択され易い設定(それぞれ10%→20%)となっている。また、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「スーパーリーチ」演出態様と同様、ハズレ時の「非リーチ」演出態様及び「ノーマルリーチ」演出態様では選択されない「赤」の表示態様が選択される設定となっている。一方、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様又は「スーパーリーチ」演出態様よりも「無し」の表示態様が選択され難い設定(99%、80%又は20%→10%)となっている。よって、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が行われる場合、ハズレ時の「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様又は「スーパーリーチ」演出態様が行われる場合と比べて、「保留変化予告」が実行され易い構成であるといえる。
また、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様が行われる場合と比べて、「緑」又は「赤」の表示態様が選択され易く構成されている。上述したように、「スペシャルリーチ」演出態様は、「ノーマルリーチ」演出態様や「スーパーリーチ」演出態様より「大当たり表示」が現出する可能性が高い演出態様であるため、「保留変化予告」として「緑」又は「赤」の表示態様が現出した段階で、最も「大当たり表示」が期待できる「リーチ表示」である「スペシャルリーチ」演出態様が発生することを予見させ、「大当たり表示」への期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「スランプ演出」には、「保留変化予告」の「無し」と「青」と「緑」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。なお、「赤」の表示態様に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、大当たり時の「スランプ演出」が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が80%、「緑」の表示態様が10%、「赤」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されており、「赤」の表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223dの値が対応付けられていない。
これは、ハズレ時の「スランプ演出」が選択された場合と同様、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの球の始動入賞に基づいて取得された変動演出が「リーチ表示」を含む演出態様であった場合、保留装置73に保留された球をダミー入賞口75へは流入させないことから、ダミー保留表示としての保留図柄又は実行図柄を表示せず、その代わりに「保留変化予告」の表示態様を1ランクアップ(例えば、「無し」の表示態様から「青」の表示態様へ変化)させるように構成されている。従って、仮に、保留図柄又は実行図柄の表示態様として最上位の表示態様(即ち、「赤」の表示態様)が選択されている状態では、該表示態様を1ランクアップさせることができず、演出内容に齟齬が生じるおそれがある。よって、ハズレ時の「スランプ演出」に対応する保留図柄又は実行図柄では、たとえ表示態様が1ランクアップしても演出内容に齟齬が生じない最上位以外の表示態様(即ち、「無し(白)」、「青」又は「緑」の表示態様)の保留図柄又は実行図柄を表示させることで、遊技者に無用な混乱を生じさせないように構成されている。
図18の示す例では、大当たり時の「スランプ演出」における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜9」、「青」の表示態様に対して「10〜89」、「緑」の表示態様に対して「90〜99」、となっている。なお、「赤」の表示態様に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、大当たり時の「スランプ演出」が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が80%、「緑」の表示態様が10%、「赤」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スランプ演出」時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「スランプ演出」では選択されない「青」又は「緑」の表示態様が選択される設定となっている。一方、大当たり時の「スランプ演出」時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「スランプ演出」よりも「無し」の表示態様が選択され難い設定(100%→10%)となっている。よって、大当たり時の「スランプ演出」が行われる場合、ハズレ時の「スランプ演出」が行われる場合と比べて、「保留変化予告」が実行され易い構成であるといえる。
また、大当たり時の「スランプ演出」時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「スランプ演出」では選択されない「青」又は「緑」の表示態様が選択されるように構成されている。従って、「保留変化予告」として「青」又は「緑」の表示態様が現出した後に「スランプ演出」が実行されることで、「大当たり表示」が発生することを予見させ、「大当たり表示」への期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、上述したように、「スランプ演出」の「保留変化予告」は、複数の演出単位にそれぞれ対応する保留図柄又は実行図柄の表示態様を一括して決定するように構成されている。このように構成することで、一連の「スランプ演出」における複数の演出単位毎に「保留変化予告」の抽選を行わずに済み、「スランプ演出」時の「保留変化予告」に関する制御を簡易なものとすることができ、プログラムの作成が容易となると共に、処理負担を軽減することができる。また、大当たりの「スランプ演出」が行われる場合、「保留変化予告」の実行抽選に当選した場合、複数の保留図柄又は実行図柄において「保留変化予告」が連続的に発生する場合がある。よって、複数の保留図柄又は実行図柄において「保留変化予告」が発生することで、先の保留図柄に対応する演出要素において「リーチ表示」等が発生しなかった場合、次の演出要素において「大当たり表示」への期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様には、「無し」と「青」と「緑」と「赤」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。
図18の示す例では、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜9」、「青」の表示態様に対して「10〜19」、「緑」の表示態様に対して「20〜49」、「赤」の表示態様に対して「50〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が10%、「緑」の表示態様が30%、「赤」の表示態様が50%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では選択されない「赤」の表示態様が選択される設定となっている。一方、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様よりも「無し」の表示態様が選択され難い設定(80%→10%)となっている。よって、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様が行われる場合、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様が行われる場合と比べて、「保留変化予告」が実行され易い構成であるといえる。
また、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様が行われる場合と比べて、「緑」又は「赤」の表示態様が選択され易く構成され、特に、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では選択されない「赤」の表示態様が選択される設定となっている。よって、「保留変化予告」として「赤」の表示態様が現出した後に、その対象となる変動演出において「スーパーリーチ」演出態様に発展せず、「ノーマルリーチ」演出態様のみで変動演出が終了する場合、その時点で「大当たり表示」が確定する。「保留変化予告」の「赤」の表示態様は、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様で選択され易い構成であるため、遊技者は、「保留変化予告」の「赤」の表示態様を認識した場合に、「ノーマルリーチ」の演出要素が行われた後に「スーパーリーチ」の演出要素が発生する「スーパーリーチ」演出態様等の発生を予見する。しかしながら、その予見に反し、「ノーマルリーチ」の演出要素において「大当たり表示」を現出させることで、意外性のある演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上することができる。また、「赤」の表示態様が現出している状態で「ノーマルリーチ」の演出要素が実行されている場合、該「ノーマルリーチ」の演出要素で変動演出が終了することで「大当たり表示」となることから、遊技者は、「ノーマルリーチ」の演出要素の実行中において、「スーパーリーチ」の演出要素等に発展せずに、このまま変動演出が終了するか否か、との遊技性を生じさせ、遊技の興趣を向上することができる。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様には、「無し」と「青」と「緑」と「赤」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。
図18の示す例では、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜9」、「青」の表示態様に対して「10〜19」、「緑」の表示態様に対して「20〜59」、「赤」の表示態様に対して「60〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が10%、「緑」の表示態様が40%、「赤」の表示態様が40%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様よりも「緑」又は「赤」の表示態様が選択され易い設定(それぞれ10%→40%)となっている。即ち、同じ「スーパーリーチ」演出態様であっても、ハズレ時と大当たり時とで「保留変化予告」の選択率を変更し、特に、大当たり時に「緑」又は「赤」の表示態様をハズレ時より選択し易く構成する。そして、該「緑」又は「赤」の表示態様を表示した上で、「ノーマルリーチ」演出態様より「大当たり表示」が期待できる「スーパーリーチ」演出態様を実行することで、「保留変化予告」の表示内容と相俟って「大当たり表示」への期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様には、「無し」と「青」と「緑」と「赤」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。
図18の示す例では、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜9」、「青」の表示態様に対して「10〜29」、「緑」の表示態様に対して「30〜69」、「赤」の表示態様に対して「70〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が20%、「緑」の表示態様が40%、「赤」の表示態様が30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様よりも「緑」又は「赤」の表示態様が選択され易い設定(それぞれ20%→40%又は30%)となっている。即ち、同じ「スペシャルリーチ」演出態様であっても、ハズレ時と大当たり時とで「保留変化予告」の選択率を変更し、特に、大当たり時に「緑」又は「赤」の表示態様をハズレ時より選択し易く構成する。そして、該「緑」又は「赤」の表示態様を表示した上で、「ノーマルリーチ」演出態様又は「スーパーリーチ」演出態様より「大当たり表示」が期待できる「スペシャルリーチ」演出態様を実行することで、「保留変化予告」の表示内容と相俟って「大当たり表示」への期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「特殊変動」演出態様には、「無し」と「青」と「緑」と「赤」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223dの値が対応付けられている。
図18の示す例では、大当たり時の「特殊変動」演出態様における保留変化カウンタ223dの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」の表示態様に対して「0〜69」、「青」の表示態様に対して「70〜79」、「緑」の表示態様に対して「80〜89」、「赤」の表示態様に対して「90〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「特殊変動」演出態様が選択された場合(「2R確変大当たり」に当選した場合)は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が70%、「青」の表示態様が10%、「緑」の表示態様が10%、「赤」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「特殊変動」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(70%)、また、「青」、「緑」又は「赤」の表示態様もそれぞれ均等(10%)に選択される設定となっているため、「保留変化予告」が発生し難いが、発生する場合にはほぼ均等に選択されるように設定されている。
このように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からの保留球数コマンドの受信時に、該保留球数コマンドが示す変動演出の当否および演出態様を把握し、その当否および演出態様に基づいて、本保留表示である保留図柄に対して「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定するように構成されている。このように構成することで、変動演出の実行前に該変動演出の結果を保留図柄によって遊技者に示唆し、その変動演出が実行されるまでの間、遊技者に保留されている変動演出が大当たりとなるか否かを予測させることで、遊技の興趣を高めることができる。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのダミー保留コマンドの受信時に、ダミー保留表示である保留図柄に対して、保留球数コマンドを受信した場合と同様の先読み処理を行い、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定するように構成されている。このように構成することで、一連の「スランプ演出」においてダミー保留表示に対応する演出要素の実行前に、該演出要素の結果を保留図柄によって遊技者に示唆し、その演出要素が実行されるまでの間、遊技者に保留されている「スランプ演出」の1の演出単位が大当たりとなるか否かを予測させることで、遊技の興趣を高めることができる。
さらに、変動演出と「スランプ演出」とで、同等の「保留変化予告」を実行することで、変動演出と「スランプ演出」との識別を困難にさせ、「スランプ演出」を実行して取得された変動演出の変動時間以上に第3図柄表示装置81における第3図柄の動的な演出時間を長くした場合であっても、遊技者に変動演出と「スランプ演出」とを識別困難にすることで、「スランプ演出」を実行することによる効果を維持することができる。
図17に戻って説明を続ける。保留表示情報格納エリア223eは、コクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示される保留図柄及び実行図柄の「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報を格納するためのエリアである。
ここで、図19を参照して、保留表示情報格納エリア223eの詳細について説明する。図19は、保留表示情報格納エリア223eの構成を模式的に示す模式図である。図19で示すように、保留表示情報格納エリア223eは、実行保留表示エリア223e0と、第1〜第5保留表示エリア223e1〜223e5との6つのエリアを有している。実行保留表示エリア223e0及び第1〜第5保留表示エリア223e1〜223e5(以下、実行保留表示エリア223e0及び第1〜第5保留表示エリア223e1〜223e5を、「各保留表示エリア223e0〜223e5」と称する場合がある)は、変動演出又は「スランプ演出」の有無と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報とが格納される。
実行保留表示エリア223e0は、現在実行中の変動演出又は「スランプ演出」に対応する保留変化情報を格納するエリアである。また、第1〜第5保留表示エリア223e1〜223e5は、それぞれ、保留された最大5つ分の変動演出及び「スランプ演出」に対応する保留変化情報を格納するエリアである。
具体的には、実行保留表示エリア223e0が、現在実行中の変動演出又は「スランプ演出」に対応するエリアである。また、第1保留表示エリア223e1が、保留された変動演出又は「スランプ演出」のうち、時間的に1番目に保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応するエリアである。さらに、第2保留表示エリア223e2が、保留された変動演出又は「スランプ演出」のうち、時間的に2番目に古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応するエリアである。また、第3保留表示エリア223e3が、保留された変動演出又は「スランプ演出」のうち、時間的に3番目に古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応するエリアである。さらに、第4保留表示エリア223e4が、保留された変動演出又は「スランプ演出」のうち、時間的に4番目に古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応するエリアである。また、第5保留表示エリア223e5が、保留された変動演出又は「スランプ演出」のうち、時間的に5番目に古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応するエリアである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からの保留球数コマンドの受信時に、該保留球数コマンドが示す変動演出の当否および演出態様を把握し、その当否および演出態様に基づいて、本保留表示である保留図柄に対して「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定して記憶するように構成されている。また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのダミー保留コマンドの受信時に、ダミー保留表示である保留図柄に対して、保留球数コマンドを受信した場合と同様の先読み処理を行い、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定して記憶するように構成されている。
具体的には、保留球数コマンドの受信時には、該保留球数コマンドに含まれる保留球数に基づいてサブ保留球数カウンタ223bの値を更新し、ダミー保留コマンドの受信時には、ダミー保留球数カウンタ223cの値を更新する。そして、保留変化テーブル222eと保留変化カウンタ223dの値とに基づいて保留変化情報を抽出して「保留変化予告」の表示態様を決定し、抽出された保留変化情報は、更新済みのサブ保留球数カウンタ223bの値とダミー保留球数カウンタ223cの値との合計値に対応する第1〜第5保留表示エリア223e1〜223e5のいずれかに格納される。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信した場合、又は、「スランプ演出」の開始タイミングであることを認識すると、各保留表示エリア223e0〜223e5においてシフト処理を実行する。
つまり、保留された変動演出又は「スランプ演出」の演出単位が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出又は「スランプ演出」の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応する第1保留表示エリア223e1に格納された保留変化情報を、実行中の(実行を開始する)変動演出又は「スランプ演出」に対応する実行保留表示エリア223e0に移動させる。
また、第2保留表示エリア223e2に格納された保留変化情報を、第1保留表示エリア223e1に移動させ、第3保留表示エリア223e3に格納された保留変化情報を、第2保留表示エリア223e2に移動させ、第4保留表示エリア223e4に格納された保留変化情報を、第3保留表示エリア223e3に移動させ、第5保留表示エリア223e5に格納された保留変化情報を、第4保留表示エリア223e4に移動させる。
これにより、実行保留表示エリア223e0には、実行中の(実行される)変動演出又は「スランプ演出」に関する保留変化情報が格納されることとなり、第1保留表示エリア223e1には、時間的に最も古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応する保留変化情報が格納され、第2保留表示エリア223e2には、時間的に2番目に古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応する保留変化情報が格納され、第3保留表示エリア223e3には、時間的に3番目に古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応する保留変化情報が格納され、第4保留表示エリア223e4には、時間的に4番目に古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応する保留変化情報が格納され、第5保留表示エリア223e5には、時間的に5番目に古く保留された変動演出又は「スランプ演出」に対応する保留変化情報が格納される。
よって、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」において、取得した変動演出の実行回数より多くの演出単位を行う「スランプ演出」を実行するため、変動演出の実行保留(即ち、「1」)と最大保留数(即ち、「4」)との合計数(即ち、「5」)より多い数(即ち、一連の「スランプ演出」における各演出単位の最大実行回数である「6」)の各保留表示エリア223e0〜223e5を設け、保留図柄及び実行図柄の表示態様に関する情報(即ち、保留変化情報)のみを該各保留表示エリア223e0〜223e5に格納する。そして、各保留表示エリア223e0〜223e5に格納された情報に基づいて、コクピット表示領域Db(図6(b)参照)にて実行図柄および保留図柄の表示を行うように構成されている。このように構成することで、実際に取得された変動演出より多い数の演出を実行して、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に錯覚させることで、遊技の興趣を向上することができる。また、その演出数に対して実行図柄および保留図柄の整合を取りつつ表示させることができるので、第3図柄表示装置81での動的な演出状態を長くしつつ、遊技者に違和感を感じさせない演出を提供することができる。
図17に戻って説明を続ける。サブスランプフラグ223fは、音声ランプ制御装置113において、「スランプ状態」中か否かを判別するためのフラグである。このサブスランプフラグ223fがオンされていることにより、音声ランプ制御装置113のMPU221は、「スランプ状態」であることを判別可能となる。そして、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信される変動演出に関するコマンドを受信した場合に、該サブスランプフラグ223fの設定状況を判別して、第3図柄表示装置81において、変動演出を実行するか、「スランプ演出」を実行するかを識別する。
このサブスランプフラグ223fは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、音声ランプ制御装置113のMPU221は、主制御装置110から後述するスランプコマンドを受信した場合に、サブスランプフラグ223fをオンに設定する(図37のS1202参照)。一方、MPU221は、「スランプ状態」において「スランプ演出」(変動演出)が初めて実行される場合、即ち、サブスランプフラグ223fがオンの状態で主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、該サブスランプフラグ223fをオフに設定する(図39のS1405参照)。
このように、サブスランプフラグ223fを用いて、音声ランプ制御装置113のMPU221において「スランプ状態」を把握する。そして、MPU221は、主制御装置110から送信された変動演出に関するコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81において、変動演出を実行するか、「スランプ演出」を実行するかを判別し、その判別結果に基づいて実行すべき演出制御を行うことができる。
スランプ演出タイマ223gは、「スランプ演出」が開始されてからの演出時間を計測するためのタイマである。音声ランプ制御装置113のMPU221は、このスランプ演出タイマ223gの値を参照することで、一連の「スランプ演出」全体の演出時間を把握すると共に、「スランプ演出」が開始されてから最初の演出単位(即ち、「第1演出」。以下、該「第1演出」の次に行われる「スランプ演出」の演出単位を、「第2演出」と称し、以降、n番目(nは自然数)に行われる「スランプ演出」の演出単位を、「第n演出」と称する)の終了タイミングを把握可能に構成されている。
このスランプ演出タイマ223gは、パチンコ機10の電源投入時に初期値として「0」が設定される。そして、「スランプ演出」の開始時、即ち、「スランプ状態」において主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、その変動パターンに応じた値がスランプ演出タイマ223gに設定される。
具体的には、MPU221は、「スランプ状態」、即ち、サブスランプフラグ223fがオンされている状況において、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドが示す変動パターンが「リーチ表示」を含む変動パターンか否かを判別する。「リーチ表示」を含まない変動パターンの場合は、「スランプ演出」として追加的に行う演出時間を設定するため、延長時間を抽選する。そして、抽選により取得された延長時間に対応する値をスランプ演出タイマ223gに設定する(図39のS1408参照)。一方、「リーチ表示」を含む変動パターンの場合は、「リーチ表示」を含む比較的長い変動パターンであるので、追加的な演出を行う必要性がないので、該変動パターンに応じて「スランプ演出」を行うため、延長時間を抽選せず、スランプ演出タイマ223gにも値を設定しない(図39のS1406:Yes参照)。
次いで、MPU221は、「リーチ表示」の有無を問わず、取得した変動パターンの変動時間をスランプ演出タイマ223gの値に加算する(図39のS1410参照)。そして、延長時間と変動時間とで設定されたスランプ演出タイマ223gの値に基づいて、後述するスランプ演出テーブル222fを参照し、「スランプ演出」における「疑似連」演出若しくは「ガセ疑似連」演出および/または「発展可否演出」を選択する。選択された「スランプ演出」は、後述するスランプ演出格納エリア223hに格納される。なお、詳細については後述する。
また、MPU221は、「スランプ演出」中、即ち、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きい場合において、特図入賞口77a,78aに新たな始動入賞があったとき、「スランプ演出」の経過状況を判別して、「スランプ演出」における延長時間中以外の演出中であれば、該延長時間分の値をスランプ演出タイマ223gの値から減算する(図39のS1421参照)。
上記制御を行う理由は、一連の「スランプ演出」中に新たな始動入賞が発生した場合、実行中の「スランプ演出」の演出単位に対して追加的な「スランプ演出」の演出単位を行う上で、各演出要素の整合を取るために、追加的な演出要素を行うために設定された延長時間を一旦リセットし、新たに演出要素の演出内容を設定し直すためである。また、上記制御を行う上で、延長時間中の演出以外の演出の実行中に限った理由は、延長時間中の演出以外の演出、即ち、延長時間に基づく演出の前段階の演出中であれば、取得された延長時間に該当する部分の演出が実行されておらず、延長時間を一旦リセットして改めて「スランプ演出」の演出内容の設定した場合でも、演出内容に齟齬が生じないからである。
また、スランプ演出タイマ223gの値は、「スランプ状態」において取得された変動パターンに「リーチ表示」が含まれる場合、設定されたスランプ演出タイマ223gの値に基づいて「スランプ演出」を設定した後、「0」クリアされるように構成されている(図39のS1413参照)。これは、「リーチ表示」が含まれる変動パターンは、比較的長い変動時間行わるため、その変動時間の間に新たな入賞が発生する可能性がある。よって、このような場合まで以降の特図入賞口77a,78aへの入賞に基づいて「スランプ演出」を継続的に行う必要性が乏しいので、「リーチ表示」が含まれる変動パターンが実行される場合、「リーチ表示」を含む変動パターンに基づく「スランプ演出」を設定した後、スランプ演出タイマ223gの値を初期化して、再び「スランプ状態」に突入するまでは、「スランプ状態」ではなく「通常状態」として以降の演出を行う。また、この段階でスランプ演出タイマ223gの値を初期化することで、「スランプ演出」の経過状況を把握する必要性がなくなり、ダミー保留表示を含む保留図柄のシフト制御を行う必要性がなくなり、MPU221の制御負担を軽減することができる。なお、第1実施形態では、「リーチ表示」を含まない変動パターンは、最大でも15秒の実行時間しかなく、比較的短い時間で終わってしまうため、その間に新たな始動入賞が発生する可能性が低いので、「スランプ状態」において最初に始動入賞した変動演出の変動パターンが「リーチ表示」を含まない「非リーチ」態様であった場合、引き続き「スランプ状態」を維持して、追加的な始動入賞が発生した場合であっても、一連の「スランプ演出」に合わせた演出(即ち、追加的な「スランプ演出」)を実行するように構成されている。
一方、スランプ演出タイマ223gに値が設定されている場合、即ち、該スランプ演出タイマ223gが「0」より大きい値である場合に、該スランプ演出タイマ223gの値は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ミリ秒が経過した毎に(図36のS1101:Yes参照)、1ずつ減算される(図36のS1110)。
そして、第1実施形態のパチンコ機10では、減算されたスランプ演出タイマ223gの値が所定値(第1実施形態では、設定された値から「10000」減算された値)になった場合に、ダミー保留表示である保留図柄を表示しているとき、即ち、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きいときに、一連の「スランプ演出」における1の演出単位(即ち、「ガセ疑似連」演出)の終了タイミングとみなして、ダミー保留球数カウンタ223cの値を1減算すると共に、保留表示情報格納エリア223eにおいてシフト処理を実行するように構成されている。このように構成することで、一連の「スランプ演出」における1の演出単位の開始及び終了と、保留図柄および実行図柄のシフト表示とを整合させながら表示することで、あたかも変動演出が1回完結したかのような演出を実行し、実際の変動演出の回数より多い回数の演出要素で構成される「スランプ演出」を違和感なく実行することができる。
スランプ演出格納エリア223hは、一連の「スランプ演出」全体を構成する各演出単位(演出要素)毎に、その演出内容に関する演出情報と、停止図柄に関する停止図柄情報とをそれぞれ格納するためのエリアである。MPU221は、「スランプ状態」中に特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて、一連の「スランプ演出」における各演出単位の演出内容と、該演出単位ごとの停止図柄(仮停止図柄を含む)とを決定し、その決定された内容に関する情報(即ち、演出情報および停止図柄情報)がこのスランプ演出格納エリア223hにそれぞれ格納される。なお、「スランプ演出」における演出単位とは、第3図柄表示装置81の全図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)に表示される各第3図柄が停止表示(仮停止表示を含む。以下同様。)した状態から変動を開始し、その後、変動が停止して再び全図柄列Z1〜Z3に第3図柄が停止表示するまでの演出の単位をいう。
ここで、図20を参照して、スランプ演出格納エリア223hの詳細について説明する。図20は、スランプ演出格納エリア223hの構成を模式的に示す模式図である。図20で示すように、スランプ演出格納エリア223hは、第1演出エリア223h1から第7演出エリア223h7の7つの記憶エリアを有している。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」から特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて「スランプ演出」を実行可能に構成されているが、「スランプ状態」における最初の始動入賞に基づく変動演出がハズレの「非リーチ(ロング)」演出態様であって、『「高速変動(長)」の演出要素+「低速変動」の演出要素』の変動時間である「15秒」と、「スランプ演出」中における次の始動入賞に基づく変動演出が大当たりの「スペシャルリーチ」演出態様であって、『「高速変動(長)」の演出要素+「疑似変動」の演出要素+「高速変動(短)」の演出要素+「疑似変動」の演出要素+「スペシャルリーチ」の演出要素+「再変動」の演出要素』の変動時間である「55秒」との合計時間が、「スランプ演出」の最大演出可能時間となる。また、第1実施形態において、「スランプ演出」を実行する場合、各演出単位が「10秒」以内に収まるように構成されている。従って、一連の「スランプ演出」として最大で「70秒間」の演出を実行可能に構成するために、スランプ演出格納エリア223hは、一連の「スランプ演出」全体(即ち、第1演出から第7演出)を構成する7つの演出単位の演出情報と各停止図柄情報とをそれぞれ格納するために、第1〜第7演出エリア223h1〜223h7が設けられている。
具体的には、第1演出エリア223h1が、「スランプ演出」において最初に実行される「第1演出」に対応するエリアであり、該第1演出の演出内容(「ガセ疑似連」演出、「疑似連演出」、「発展可否演出」又は「どっちだリーチ」のいずれか。以下、同様。)に関する演出情報と、該演出内容における停止図柄(ガセチャンス目図柄、チャンス目図柄、ハズレ図柄、大当たり図柄のいずれか。以下、同様。)に関する停止図柄情報とを記憶する。また、第2演出エリア223h2は、「第1演出」の次に行われる「第2演出」に対応するエリアであり、該「第2演出」の演出内容に関する演出情報と、該演出内容における停止図柄に関する停止図柄情報とを記憶する。さらに、第3演出エリア223h3は、「第2演出」の次に行われる「第3演出」に対応するエリアであり、該「第3演出」の演出内容に関する演出情報と、該演出内容における停止図柄に関する停止図柄情報とを記憶する。また、第4演出エリア223h4は、「第3演出」の次に行われる「第4演出」に対応するエリアであり、該第4演出の演出内容に関する演出情報と、該演出内容における停止図柄に関する停止図柄情報とを記憶する。さらに、第5演出エリア223h5は、「第4演出」の次に行われる「第5演出」に対応するエリアであり、該「第5演出」の演出内容に関する演出情報と、該演出内容における停止図柄に関する停止図柄情報とを記憶する。また、第6演出エリア223h6は、「第5演出」の次に行われる「第6演出」に対応するエリアであり、該「第6演出」の演出内容に関する演出情報と、該演出内容における停止図柄に関する停止図柄情報とを記憶する。さらに、第7演出エリア223h7は、「第6演出」の次に行われる「第7演出」に対応するエリアであり、該「第7演出」の演出内容に関する演出情報と、該演出内容における停止図柄に関する停止図柄情報とを記憶する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、「スランプ状態」中に主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合、スランプ演出タイマ223gの値を設定すると共に、設定された該スランプ演出タイマ223gの値とスランプ演出テーブル222fとを参照して、始動入賞に基づく変動パターンコマンド受信時の演出状況(例えば、既に「スランプ演出」を実行中か、「スランプ演出」における延長時間部分か否か等)と、該変動パターンコマンドに基づく変動パターン(即ち、変動時間と「リーチ表示」を含むか否か)とに応じて、「スランプ演出」の演出内容と停止図柄とを決定し、決定した検出内容及び停止図柄に関する情報(即ち、演出情報および停止図柄情報)を、演出の実行順にこのスランプ演出格納エリア223hの第1〜第7演出エリア223h1〜223h7に格納するように構成されている。
ここで、図21から図24を参照して、スランプ演出テーブル222fと、該スランプ演出テーブル222fに基づいて選定される「スランプ演出」について説明する。
図21は、スランプ演出テーブル222fの一例を模式的に示した図である。
また、図22は、「スランプ状態」において変動パターンコマンドを受信した場合の変動演出と「スランプ演出」との対応関係を示した図であり、図22(a)は、「スランプ状態」における始動入賞に基づいて「非リーチ(ロング)」演出態様の変動演出が取得された場合の該変動演出の変動時間と「スランプ演出」の演出時間とを示したタイミングチャートであり、図22(b)は、「スランプ状態」における始動入賞に基づいて各種リーチの変動演出が取得された場合の該変動演出の変動時間と「スランプ演出」の演出時間とを示したタイミングチャートである。
また、図23は、「スランプ演出」の実行中であって、該「スランプ演出」が延長時間に基づく演出以外の演出実行中のタイミングに変動パターンコマンドを受信した場合の変動演出と「スランプ演出」との対応関係を示した図であり、図23(a)は、延長時間以外の「スランプ演出」中における始動入賞に基づいて「非リーチ(ロング)」演出態様の変動演出が取得された場合の該変動演出の変動時間と「スランプ演出」の演出時間とを示したタイミングチャートであり、図23(b)は、延長時間以外の「スランプ演出」中における始動入賞に基づいて各種リーチの変動演出が取得された場合の該変動演出の変動時間と「スランプ演出」の演出時間とを示したタイミングチャートである。
また、図24は、「スランプ演出」の実行中であって、該「スランプ演出」が延長時間に基づく演出が実行されているタイミングに変動パターンコマンドを受信した場合の変動演出と「スランプ演出」との対応関係を示した図であり、図24(a)は、延長時間に基づく「スランプ演出」中における始動入賞に基づいて「非リーチ(ロング)」演出態様の変動演出が取得された場合の該変動演出の変動時間と「スランプ演出」の演出時間とを示したタイミングチャートであり、図24(b)は、延長時間に基づく「スランプ演出」中における始動入賞に基づいて各種リーチの変動演出が取得された場合の該変動演出の変動時間と「スランプ演出」の演出時間とを示したタイミングチャートである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、「スランプ状態」中又は「スランプ演出」中に主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合、該変動パターンコマンドに基づいてスランプ演出タイマ223gの値を設定(更新)し、そのスランプ演出タイマ223gの値とスランプ演出テーブル222fとを参照して、「スランプ演出」の演出内容と停止図柄とを決定する。図21で示すように、スランプ演出テーブル222fは、変動パターンコマンド受信時の演出状況に基づいてグループ分けされていると共に、該グループごとに変動パターンコマンドに基づく変動パターン(変動時間)に基づいて「スランプ演出」全体の演出内容が対応付けられている。
具体的には、変動パターンコマンド受信時の演出状況として、「スランプ状態」中である「スランプ状態」用と、「スランプ演出」の実行中であって延長時間以外の演出の実行中である「スランプ演出中(延長時間以外)」用と、「スランプ演出」中であって延長時間に基づく演出の実行中である「スランプ演出中(延長時間中)」用とに区分けされている。そして、区分けされたそれぞれのグループに対して、受信した変動パターンコマンドに基づく演出態様(「非リーチ(ロング)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、又は、「スペシャルリーチ」演出態様)ごとに、「スランプ演出」の一連の演出内容が対応付けられている。
なお、第1実施形態では、受信した変動パターンコマンドが「特殊変動」演出態様を示すものであった場合、「スランプ演出」を実行しないように構成されているため、スランプ演出テーブル222fにおいて「特殊変動」演出態様に対応する「スランプ演出」の項目が設けられていない。また、第1実施形態では、「スランプ状態」中や、「スランプ演出」の実行中に取得される「非リーチ」演出態様は、変動演出の保留球数が「0」又は「1」であるため、必ず「非リーチ(ロング)」演出態様になるように構成されている。さらに、図21で示す例では、「疑似連」演出および「再変動」の演出態様を含む変動パターンにおける「スランプ演出」は演出要素の数が増えるのみであるあめ、説明の便宜上、「疑似連」演出および「再変動」の演出態様を除外した変動パターンに対応する「スランプ演出」について説明する。
まず、図21及び図22を参照して、「スランプ状態」中に変動パターンコマンドを受信した場合の「スランプ演出」の設定内容について説明する。
図21および図22(a)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ状態」用において、「非リーチ(ロング)」演出態様が選定され、かつ、延長時間として「5秒」が選定された場合、その演出合計時間は「20秒」となり、スランプ演出タイマ223gの値に「20000」が設定される。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する「スランプ演出」として、「第1演出」に1回目の「ガセ疑似連1」が設定され、「第2演出」に「ガセ疑似連2」が設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1には、「ガセ疑似連1」(即ち、「高速変動(短)」の演出要素+「疑似変動」の演出要素。以下、同様。)に関する演出情報と、ガセチャンス目図柄(例えば、「788」。以下、同様。)に関する停止図柄情報とが格納される。また、第2演出エリア223h2には、「ガセ疑似連2」に関する演出情報と、ガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第2演出エリア223h1,223h2に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が行われ(図43(a)参照)、取得された変動演出の停止図柄(「非リーチ(ロング)」演出態様であるので、「ハズレ表示」)に対応する図柄であるガセチャンス目図柄の停止図柄が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する(図43(f)参照)。この「スランプ演出」が行われている間に、特図入賞口77a,78aへ新たな始動入賞が発生した場合には、「通常状態」へと遷移する一方、新たな始動入賞が発生しなかった場合は、再び「スランプ状態」となる。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ演出」の「ガセ疑似連1」が実行されてから約「6秒」経過した段階(即ち、「ガセ疑似連2」の実行前の段階)で、上述した保留装置73に保留されていた球がダミー入賞口75へ入賞するように構成され、該入賞に伴ってダミー保留表示である保留図柄をコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示するように構成されている(図43(a)参照)。このように構成することで、取得した変動演出の実行回数より多い数の保留図柄をコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示させることができると共に、取得した変動演出の実行回数より多い演出単位の実行回数の「スランプ演出」を行った場合であっても「スランプ演出」における演出単位と保留図柄との整合性を取ることができる。その結果、演出の齟齬が生ずることなく当否抽選が行われる演出単位が、取得した変動演出の回数より多く行われたかのように遊技者に錯覚させることができる。なお、以下、「スランプ演出」における「ガセ疑似連1」が実行される場合、上述した「ガセ疑似連1」と同様の演出および制御が実行されるため、その説明については省略する。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、一連の「スランプ演出」の各演出単位は、「10秒」単位で構成され、その中でも「5秒」の「高速変動(短)」の演出要素と「疑似変動」の演出要素とで構成されている。よって、取得された変動演出の変動時間が終了するタイミング(即ち、入賞1から「15秒」経過時)において、「スランプ演出」における「ガセ疑似連2」の「高速変動(短)」の演出要素が終了して、左図柄列Z1の第3図柄の変動が停止(以下、「第1停止」という)するように構成されている。即ち、変動演出の終了タイミングと「ガセ疑似連2」の第1停止のタイミングとが同期するように構成されている。よって、第3図柄表示装置81で行われる「スランプ演出」のいずれかの第3図柄(即ち、左図柄列Z1の第3図柄)の停止タイミングと、第1図柄表示装置37の動的表示の停止タイミングとを同期させることができる。即ち、「通常状態」では、第3図柄表示装置81の全図柄列Z1〜Z3の停止タイミングと、第1図柄表示装置37の動的表示の停止タイミングとが同期して関連性を有するように構成されている。よって、「通常状態」における変動演出および動的表示が同期するのと同様、「スランプ状態」においても第3図柄表示装置81の「スランプ演出」と第1図柄表示装置37の動的表示とに関連性を持たせる(同期させる)ことができ、遊技者に「スランプ演出」の実行中であっても変動演出の終了を認識させ得ることが可能となる。なお、以下、「スランプ演出」における「ガセ疑似連2」の第1停止のタイミングが、変動演出の終了タイミングと同期するように演出および制御が実行されるが、その説明については省略する。
次いで、図21および図22(a)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ状態」用において、「非リーチ(ロング)」演出態様が選定され、かつ、延長時間として「10秒」が選定された場合、その演出合計時間は「25秒」となり、スランプ演出タイマ223gの値に「25000」が設定される。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する「スランプ演出」として、「第1演出」に「ガセ疑似連1」が設定され、「第2演出」に「ガセ疑似連2」が設定され、「第3演出」に残りの「スランプ演出」の演出時間(即ち、「5秒」)に対応する「発展可否演出」が設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1には、「ガセ疑似連1」に関する演出情報と、ガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。また、第2演出エリア223h2には、「ガセ疑似連2」に関する演出情報と、ガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。さらに、第3演出エリア223h3には、「発展可否演出」の演出要素であって、次の演出への発展が失敗する演出(以下、「発展失敗」と称する)に関する演出情報と、ガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第3演出エリア223h1〜223h3に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が行われ(図46(a)〜(e)参照)、取得された変動演出の停止図柄(「非リーチ(ロング)」演出態様であるので、「ハズレ表示」)に対応する図柄であるガセチャンス目図柄の停止図柄が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する。
なお、「第3演出」としての上記発展失敗の「発展可否演出」の演出要素の演出時間は、「5秒間」であるため、「第2発展可否演出」が行われる。そして、該発展失敗の「第2発展可否演出」の終了タイミングで、第3図柄表示装置81の液晶画面に疑似的に割れず、「第2演出」である「ガセ疑似連2」で停止表示されたガセチャンス目図柄のまま停止表示された第3図柄が確定表示される。
次いで、図21および図22(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ状態」用において、「ノーマルリーチ」演出態様が選定された場合、その演出合計時間は「20秒」となり、スランプ演出タイマ223gの値に「20000」が設定される。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する「スランプ演出」として、「第1演出」に1回目の「疑似連1」が設定され、「第2演出」に「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1には、「疑似連1」(即ち、「高速変動(短)」の演出要素+「疑似変動」の演出要素。以下、同様。)に関する演出情報と、チャンス目図柄(例えば、「778」。以下、同様。)に関する停止図柄情報とが格納される。また、第2演出エリア223h2には、「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報(「ハズレ表示」に対応する停止図柄または「大当たり表示」に対応する停止図柄。以下、同様。)とが格納される。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第2演出エリア223h1,223h2に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が行われ、取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの球の始動入賞に基づいて取得された変動演出が「リーチ表示」を含む演出態様であった場合、保留装置73に保留された球をダミー入賞口75へは流入させないように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」において、保留図柄を消費する「ガセ疑似連」演出ではなく保留図柄を消費しない「疑似連」演出を行う場合であって、実際の変動演出の実行と同一回数の「スランプ演出」を行ったときでも、「スランプ演出」の演出回数と保留図柄の数との整合性を取ることができる。その結果、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。
なお、第1実施形態では、「スランプ演出」において「大当たり表示」に当選した場合であっても、「リーチ表示」を含む変動演出の場合、延長時間は取得されず、「スランプ演出」の一連の演出時間は取得した変動演出の変動時間と同一となる。即ち、変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」の終了タイミングとが同期する。よって、大当たりに関する演出(即ち、オープニング演出)等に関するコマンド(即ち、オープニングコマンド)が第1図柄表示装置37の動的表示の終了タイミングで主制御装置110から送信された場合であっても、第3図柄表示装置81において「スランプ演出」の終了と、大当たり演出の開始との整合を取ることが可能となり、「スランプ演出」の終了から大当たり演出の開始において違和感のない演出を提供することができる。
次いで、図21および図22(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ状態」用において、「スーパーリーチ」演出態様が選定された場合、その演出合計時間は「30秒」となり、スランプ演出タイマ223gの値に「30000」が設定される。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する「スランプ演出」として、「第1演出」に「疑似連1」が設定され、「第2演出」に「疑似連2」が設定され、「第3演出」に「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1には、「疑似連1」に関する演出情報と、チャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。また、第2演出エリア223h2には、「疑似連2」に関する演出情報と、チャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。さらに、第3演出エリア223h3には、「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報とが格納される。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第3演出エリア223h1〜223h3に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が行われ、取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する。
次いで、図21および図22(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ状態」用において、「スペシャルリーチ」演出態様が選定された場合、その演出合計時間は「40秒」となり、スランプ演出タイマ223gの値に「40000」が設定される。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する「スランプ演出」として、「第1演出」に「疑似連1」が設定され、「第2演出」に「疑似連2」が設定され、「第3演出」に「疑似連3」が設定され、「第4演出」に「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1には、「疑似連1」に関する演出情報と、チャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。また、第2演出エリア223h2には、「疑似連2」に関する演出情報と、チャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。さらに、第3演出エリア223h3には、「疑似連3」に関する演出情報と、チャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。また、第4演出エリア223h4には、「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報とが格納される。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第4演出エリア223h1〜223h4に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が行われ(図44(a)参照)、取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する(図44(f)参照)。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、「スランプ状態」中において変動パターンコマンドを受信した場合、該変動パターンコマンドに基づいて延長時間を抽出(有無も含む)すると共に、該延長時間と変動パターンコマンドに基づく変動時間とに基づいて、「スランプ演出」全体の演出時間を設定する。そして、「スランプ演出」全体の演出時間に基づいて、「スランプ演出」の詳細な演出内容と各停止図柄とを設定し、該設定内容に基づいて「スランプ演出」を実行するように構成されている。このように構成することで、取得された変動演出の変動時間より長く「スランプ演出」を行って、第3図柄表示装置81で行われる演出時間を長くし、第3図柄表示装置81で演出が行われていない状況を少なくし、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
次に、図21及び図23を参照して、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの始動入賞(以下、「入賞1」と称する)に基づいて実行される「非リーチ(ロング)」演出態様(いか、入賞1に基づいて実行される「非リーチ(ロング)」演出態様を、『「非リーチ(ロング)1」』と称する)及び延長時間「5秒」が選択された場合に実行される「スランプ演出」(即ち、「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」)の実行中であって、該「スランプ演出」が延長時間に基づく演出以外の演出実行中のタイミング(即ち、「ガセ疑似連1」、又は、「ガセ疑似連2」の前半部分)で新たな変動パターンコマンドを受信した場合の「スランプ演出」の設定内容について説明する。
図21および図23(a)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ演出中(延長時間以外)」用において、入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」の延長時間以外の演出の実行中(図23(a)の例では、「ガセ疑似連2」中)に特図入賞口77a,78aへの新たな始動入賞(以下、「入賞2」と称する)に基づいて「非リーチ(ロング)」演出態様(以下、「非リーチ(ロング)2」と称する)の変動演出が取得された場合、該入賞2に基づいて追加的に取得される「非リーチ(ロング)2」の演出時間は「15秒」であり、スランプ演出タイマ223gの値に「15000」が加算される(図39のS1410参照)。
この場合、入賞1に基づく「20秒」の「スランプ演出」において、延長時間以外の「スランプ演出」の実行中であるため、入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の演出時間と取得された変動演出の変動時間との整合を取るために、入賞1に基づいて設定された延長時間を一旦リセットし、延長時間に基づく「スランプ演出」に基づく演出要素を実行せず、入賞1と入賞2とに基づいて取得された変動演出の変動時間に対して以降の「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、MPU221は、この段階において、入賞1に基づいて設定した延長時間分の値(即ち、「5000」又は「10000」)をスランプ演出タイマ223gの値から減算する(図39のS1421参照)。また、MPU221は、入賞2に基づいて取得された変動時間分の値(即ち、「15000」)をスランプ演出タイマ223gの値に加算する(図39のS1410参照)。
ここで、図23(a)で示す例では、「スランプ演出」の最初の演出要素の開始時から換算した該「スランプ演出」全体の演出合計時間は「30秒」となり、「スランプ演出」の開始時から換算したスランプ演出タイマ223gの合計設定値は「30000」となる。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する一連の「スランプ演出」の演出単位として、「第3演出」に「ガセ疑似連3」が追加的に設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1および第2演出エリア223h2には、既に「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」の演出情報とガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とがそれぞれ格納されているので、この段階では、第3演出エリア223h3に、「ガセ疑似連3」に関する演出情報と、ガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。また、「ガセ疑似連3」の演出要素に対応する保留図柄は、入賞2が発生したタイミングでコクピット表示領域Dbに表示される。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第3演出エリア223h1〜223h3に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が引き続き行われ、追加的に取得された変動演出の停止図柄(「非リーチ(ロング)2」であるので、「ハズレ表示」)に対応する図柄であるガセチャンス目図柄の停止図柄が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する。
次いで、図21および図23(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ演出中(延長時間以外)」用において、「スランプ状態」における入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」の延長時間以外の演出の実行中に入賞2に基づいて「ノーマルリーチ」演出態様の変動演出が取得された場合、該入賞2に基づいて追加的に取得される演出時間は「20秒」であり、スランプ演出タイマ223gの値に「20000」が加算される(図39のS1410参照)。
この場合、入賞1に基づく「20秒」の「スランプ演出」において、延長時間以外の「スランプ演出」の実行中(第1実施形態では、「ガセ疑似連2」の実行中)であるため、その状態から入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るために、「非リーチ(ロング)」演出態様が取得された場合(図23(a)参照)と同様、入賞1に基づいて設定された延長時間を一旦リセットし、入賞1と入賞2とに基づいて以降の「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、MPU221は、この段階において、入賞1に基づいて設定された延長時間分の値(即ち、「5000」又は「10000」)をスランプ演出タイマ223gの値から減算する(図39のS1421参照)。また、MPU221は、入賞2に基づいて取得された変動時間分の値(即ち、「20000」)をスランプ演出タイマ223gの値に加算する(図39のS1410参照)。
ここで、図23(b)で示す例では、「スランプ演出」の開始時から換算した該「スランプ演出」全体の演出合計時間は「35秒」となり、「スランプ演出」の開始時から換算したスランプ演出タイマ223gの合計設定値は「35000」となる。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する「スランプ演出」として、「第1演出」及び「第2演出」(即ち、既に行われた「ガセ疑似連1」及び実行中の「ガセ疑似連2」)に追加して、「第3演出」として「発展可否演出」が設定され、また、「第4演出」として「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1および第2演出エリア223h2には、既に「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」の演出情報とガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とがそれぞれ格納されているので、この段階では、「20秒間」の演出が既に設定されている。このため、残りの「スランプ演出」の演出時間が「15秒」となる。従って、まず、最終的に停止図柄が表示される第4演出エリア223h4には、「10秒間」行われる「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報とが格納される。そして、残りの「5秒間」の演出として、第3演出エリア223h3に、「発展可否演出」の演出要素であって、次の演出(即ち、「どっちだリーチ」の演出要素)への発展が成功する演出(以下、「発展成功」と称する)に関する演出情報と、次の演出に発展することを示唆するリーチ形成図柄に関する停止図柄情報とが格納される。
なお、「第3演出」としての上記発展成功の「発展可否演出」の演出要素は、「5秒間」行われるため、「第2発展可否演出」が行われる。そして、該発展成功の「第2発展可否演出」の終了タイミングで、第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れて、「第2演出」である「ガセ疑似連2」で停止表示されたガセチャンス目図柄がリーチ形成図柄に差し替わり(例えば、「788」→「7○7(○は変動中)」)、「第4演出」である「どっちだリーチ」の演出要素へと発展する。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第4演出エリア223h1〜223h4に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が引き続き行われ、追加的に取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する。
次いで、図21および図23(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ演出中(延長時間以外)」用において、「スランプ状態」における入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」の延長時間以外の演出の実行中に入賞2に基づいて「スーパーリーチ」演出態様の変動演出が取得された場合、該入賞2に基づいて追加的に取得される演出時間は「30秒」であり、スランプ演出タイマ223gの値に「30000」が加算される(図39のS1410参照)。
この場合、入賞1に基づく「20秒」の「スランプ演出」において、延長時間以外の「スランプ演出」の実行中(第1実施形態では、「ガセ疑似連2」の実行中)であるため、その状態から入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るために、「非リーチ(ロング)」演出態様または「ノーマルリーチ」演出態様が取得された場合(図23(a)又は図23(b)参照)と同様、入賞1に基づいて設定された延長時間を一旦リセットし、入賞1と入賞2とに基づいて以降の「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、MPU221は、この段階において、入賞1に基づいて設定された延長時間分の値(即ち、「5000」又は「10000」)をスランプ演出タイマ223gの値から減算する(図39のS1421参照)。また、MPU221は、入賞2に基づいて取得された変動時間分の値(即ち、「30000」)をスランプ演出タイマ223gの値に加算する(図39のS1410参照)。
ここで、図23(b)で示す例では、「スランプ演出」の開始時から換算した該「スランプ演出」全体の演出合計時間は「45秒」となり、「スランプ演出」の開始時から換算したスランプ演出タイマ223gの合計設定値は「45000」となる。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する「スランプ演出」として、「第1演出」及び「第2演出」(即ち、既に行われた「ガセ疑似連1」及び実行中の「ガセ疑似連2」)に追加して、「第3演出」として「発展可否演出」が設定され、また、「第4演出」として「疑似連1」が設定され、さらに、「第5演出」として「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1および第2演出エリア223h2には、既に「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」の演出情報とガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とがそれぞれ格納されているので、この段階では、「20秒間」の演出が既に設定されている。このため、残りの「スランプ演出」の演出時間が「25秒」となる。従って、まず、最終的に停止図柄が表示される第5演出エリア223h5には、「10秒間」行われる「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報とが格納される。次いで、残りの「15秒間」の演出として、第4演出エリア223h4には、「10秒間」行われる「疑似連1」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「どっちだリーチ」の演出要素)に発展することを示唆するリーチ形成図柄に関する停止図柄情報とが格納される。そして、残りの「5秒間」の演出として、第3演出エリア223h3に、発展成功の「発展可否演出」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「疑似連1」)に発展することを示唆するチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。
なお、「第3演出」としての上記発展成功の「発展可否演出」の演出要素は、「5秒間」行われるため、「第2発展可否演出」が行われる。そして、該発展成功の「第2発展可否演出」の終了タイミングで、第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れて、「第2演出」である「ガセ疑似連2」で停止表示されたガセチャンス目図柄がチャンス目図柄に差し替わり(例えば、「788」→「778」。図46(e)及び(f)参照。)、「第4演出」である「疑似連1」へと発展する(図47(c)参照)。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第5演出エリア223h1〜223h5に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が引き続き行われ、追加的に取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する(図46及び図47参照)。
次いで、図21および図23(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ演出中(延長時間以外)」用において、「スランプ状態」における入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」の延長時間以外の演出の実行中に入賞2に基づいて「スペシャルリーチ」演出態様の変動演出が取得された場合、該入賞2に基づいて追加的に取得される演出時間は「40秒」であり、スランプ演出タイマ223gの値に「40000」が加算される(図39のS1410参照)。
この場合、入賞1に基づく「20秒」の「スランプ演出」において、延長時間以外の「スランプ演出」の実行中(第1実施形態では、「ガセ疑似連2」の実行中)であるため、その状態から入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るために、「非リーチ(ロング)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様または「スーパーリーチ」演出態様が取得された場合(図23(a)又は図23(b)参照)と同様、入賞1に基づいて設定された延長時間を一旦リセットし、入賞1と入賞2とに基づいて以降の「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、この段階において、入賞1に基づいて設定された延長時間分の値(即ち、「5000」又は「10000」)をスランプ演出タイマ223gの値から減算する(図39のS1421参照)。
ここで、図23(b)で示す例では、「スランプ演出」の開始時から換算した該「スランプ演出」全体の演出合計時間は「55秒」となり、「スランプ演出」の開始時から換算したスランプ演出タイマ223gの合計設定値は「55000」となる。そして、該スランプ演出タイマ223gの値に対応する「スランプ演出」として、「第1演出」及び「第2演出」(即ち、既に行われた「ガセ疑似連1」及び実行中の「ガセ疑似連2」)に追加して、「第3演出」として「発展可否演出」が設定され、また、「第4演出」として「疑似連1」が設定され、さらに、「第5演出」として「疑似連2」が設定され、また、「第6演出」として「どっちだリーチ」の演出要素が設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1および第2演出エリア223h2には、既に「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」の演出情報とガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とがそれぞれ格納されているので、この段階では、「20秒間」の演出が既に設定されている。このため、残りの「スランプ演出」の演出時間が「35秒」となる。従って、まず、最終的に停止図柄が表示される第6演出エリア223h6には、「10秒間」行われる「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報とが格納される。次いで、残りの「25秒間」の演出として、第5演出エリア223h5には、「10秒間」行われる「疑似連2」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「どっちだリーチ」の演出要素)に発展することを示唆するリーチ形成図柄に関する停止図柄情報とが格納される。次いで、残りの「15秒間」の演出として、第4演出エリア223h4には、「10秒間」行われる「疑似連1」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「疑似連2」)に発展することを示唆するチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。そして、残りの「5秒間」の演出として、第3演出エリア223h3に、発展成功の「発展可否演出」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「疑似連1」)に発展することを示唆するチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。
なお、「第3演出」としての上記発展成功の「発展可否演出」の演出要素は、「5秒間」行われるため、「第2発展可否演出」が行われる。そして、該発展成功の「第2発展可否演出」の終了タイミングで、第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れて、「第2演出」である「ガセ疑似連2」で停止表示されたガセチャンス目図柄がチャンス目図柄に差し替わり(例えば、「788」→「778」。図46(e)及び(f)参照。)、「第4演出」である「疑似連1」へと発展する(図47(c)参照)。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第6演出エリア223h1〜223h6に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が引き続き行われ、追加的に取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する(図46及び図47参照)。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」において、該「スランプ演出」の延長時間以外の演出の実行中に特図入賞口77a,78aへの新たな入賞2に基づいて変動演出が取得された場合、入賞1に基づく延長時間以外の「スランプ演出」の実行中である。このため、入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るために、入賞1に基づいて設定された延長時間を一旦リセットし、入賞1と入賞2とに基づいて以降の「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、「スランプ演出」の途中に新たな始動入賞によって変動演出が追加される場合であっても、取得された変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」全体の終了タイミングとを同期させることができ、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。その結果、「スランプ状態」における始動入賞に基づいて「スランプ演出」を実行する場合に、一連の「スランプ演出」の終了タイミングと、取得した変動演出の終了タイミングとにズレが生じるが、「スランプ演出」中における新たな始動入賞が発生した場合でも演出内容の整合を取ることが可能に構成されているため、取得された変動演出の変動時間より長く「スランプ演出」を実行した場合でも、演出内容の齟齬が生じないように構成しつつ、取得された変動演出の変動時間より長い演出を実行することが可能となる。
また、追加的な「スランプ演出」を設定する場合、「スランプ演出」全体における最後の演出から固定的な時間行われる演出単位をそれぞれ設定し直すように構成し、さらに、設定し直した際に1の演出要素の実行時間未満(即ち、「10秒」未満)の余った残り時間を、演出が途中で途切れた場合であっても違和感が生じない演出であって、演出時間に融通が利く(幅がある)「発展可否演出」で補うように設定する。このように構成することで、「スランプ演出」の途中に新たな始動入賞によって変動演出が追加される場合であっても、取得された変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」全体の終了タイミングとを同期させることができ、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。
次に、図21及び図24を参照して、入賞1に基づいて「非リーチ(ロング)1」及び延長時間「5秒」が選択された場合に実行される「スランプ演出」(即ち、「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」)の実行中であって、該「スランプ演出」が延長時間に基づく演出の実行中のタイミング(即ち、「ガセ疑似連2」の後半部分)で新たな変動パターンコマンドを受信した場合の「スランプ演出」の設定内容について説明する。
図21および図24(a)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ演出中(延長時間中)」用において、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」の延長時間に基づく演出の実行中(図24(a)の示す例では、「ガセ疑似連2」中であって延長時間の「4秒」経過時)に特図入賞口77a,78aへの新たな入賞2に基づいて「非リーチ(ロング)2」の変動演出が取得された場合、該入賞2に基づいて追加的に取得される「非リーチ(ロング)2」の演出時間は「15秒」であり、スランプ演出タイマ223gの値「15000」が加算される(図39のS1410参照)。
この場合、入賞1に基づく「20秒」の「スランプ演出」において、延長時間における「スランプ演出」の実行中であるため、既に延長時間に基づく演出を行っており、その状態から入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るため、一旦、入賞1に基づいて取得された延長時間の残存分を記憶し(図39のS1422参照)、その後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする(図39のS1423)。そして、入賞2に基づいて取得された変動時間に基づいて、「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、MPU221は、この段階において、入賞2に基づいて取得された変動時間分の値(即ち、「15000」)をスランプ演出タイマ223gの値に加算(設定)する(図39のS1410参照)。
ここで、図24(a)で示す例では、「スランプ演出」の開始時間から入賞2までに行われた「スランプ演出」は、「19秒」となり、入賞2の時点で残りの「スランプ演出」の残存時間は「1秒」であって、スランプ演出タイマ223gの値は「1000」となっている。そして、スランプ演出タイマ223gの値をRAM223の記憶領域に保持した後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする。次いで、入賞2に基づいて取得された変動演出の変動時間は「15秒」であるので、この時点でスランプ演出タイマ223gの値に「15000」を加算(設定)する。そして、該スランプ演出タイマ223gの値と残存値(即ち、「1000」)とに対応する「スランプ演出」として、「第3演出」に「発展可否演出」と、「第4演出」に「ガセ疑似連3」とが追加的に設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1および第2演出エリア223h2には、既に「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」の演出情報とガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とがそれぞれ格納されているので、この段階では、「20秒間」の演出が既に設定されている。このため、入賞2の時点から実行中の「ガセ疑似連2」が終了するまでが上記残存値と同様であることから、「ガセ疑似連2」が終了した時点で残りの「スランプ演出」の値は「15000」から「1000」を差し引いた「14000」となると判定される。従って、MPU221は、上記判定結果のもと、「第3演出」以降に行われる「スランプ演出」として、まず、最終的に停止図柄が表示される第4演出エリア223h4には、「10秒間」行われる「ガセ疑似連3」の演出情報と、ガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。そして、残りの「4秒間」の演出として、第3演出エリア223h3に、「発展可否演出」の演出要素であって、次の演出(即ち、「ガセ疑似連3」)への発展が失敗する発展失敗に関する演出情報と、次の演出に発展しないことを示唆するガセチャンス目図柄とが格納される。
なお、「第3演出」としての上記発展失敗の「発展可否演出」の演出要素は、「4秒間」行われるため、「第2発展可否演出」が行われる。そして、該発展失敗の「第2発展可否演出」の終了タイミングで、第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れず、「第2演出」である「ガセ疑似連2」で停止表示されたガセチャンス目図柄がそのまま表示され続ける。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第4演出エリア223h1〜223h4に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が引き続き行われ、追加的に取得された変動演出の停止図柄(「非リーチ(ロング)2」であるので、「ハズレ表示」)に対応する図柄であるガセチャンス目図柄の停止図柄が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する。
このように構成することで、「スランプ演出」の途中に新たな始動入賞によって変動演出が追加される場合であっても、取得された変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」全体の終了タイミングとを同期させることができ、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。
次いで、図21および図24(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ演出中(延長時間中)」用において、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」の延長時間に基づく演出の実行中(第1実施形態では、「ガセ疑似連2」中)に特図入賞口77a,78aへの新たな入賞2に基づいて「ノーマルリーチ」演出態様の変動演出が取得された場合、該入賞2に基づいて追加的に取得される演出時間は「20秒」であり、スランプ演出タイマ223gの値「20000」が加算される(図39のS1410参照)。
この場合、入賞1に基づく「20秒」の「スランプ演出」において、延長時間における「スランプ演出」の実行中であるため、既に延長時間に基づく演出を行っており、その状態から入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るため、一旦、入賞1に基づいて取得された延長時間の残存分を記憶し(図39のS1422参照)、その後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする(図39のS1423)。そして、入賞2に基づいて取得された変動時間に基づいて、「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、MPU221は、この段階において、入賞2に基づいて取得された変動時間分の値(即ち、「20000」)をスランプ演出タイマ223gの値に加算(設定)する(図39のS1410参照)。
ここで、図24(b)で示す例では、「スランプ演出」の開始時間から入賞2までに行われた「スランプ演出」は、「19秒」となり、入賞2の時点で残りの「スランプ演出」の残存時間は「1秒」であって、スランプ演出タイマ223gの値は「1000」となっている。そして、スランプ演出タイマ223gの値をRAM223の記憶領域に保持した後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする。次いで、入賞2に基づいて取得された変動演出の変動時間は「20秒」であるので、この時点でスランプ演出タイマ223gの値に「20000」を加算(設定)する。そして、該スランプ演出タイマ223gの値と残存値(即ち、「1000」)とに対応する「スランプ演出」として、「第3演出」に「発展可否演出」と、「第4演出」に「どっちだリーチ」の演出要素とが追加的に設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1および第2演出エリア223h2には、既に「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」の演出情報とガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とがそれぞれ格納されているので、この段階では、「20秒間」の演出が既に設定されている。このため、入賞2の時点から実行中の「ガセ疑似連2」が終了するまでが上記残存値と同様であることから、「ガセ疑似連2」が終了した時点で残りの「スランプ演出」の値は「20000」から「1000」を差し引いた「19000」となると判定される。従って、MPU221は、上記判定結果のもと、「第2演出」以降に行われる「スランプ演出」として、まず、最終的に停止図柄が表示される第4演出エリア223h4には、「10秒間」行われる「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報とが格納される。そして、残りの「9秒間」の演出として、第3演出エリア223h3に、発展成功の「発展可否演出」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「どっちだリーチ」の演出要素)に発展することを示唆するリーチ形成図柄に関する停止図柄情報とが格納される。
なお、「第3演出」としての上記発展成功の「発展可否演出」の演出要素は、「9秒間」行われるため、「第3発展可否演出」が行われる。そして、該発展成功の「第3発展可否演出」の終了タイミングで、第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れて、「第2演出」である「ガセ疑似連2」で停止表示されたガセチャンス目図柄がリーチ形成図柄に差し替わり(例えば、「788」→「7○7(○は変動中)」。図46(d)〜(f)参照。)、「第4演出」である「どっちだリーチ」の演出要素へと発展する(図47(e)参照)。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第4演出エリア223h1〜223h4に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が引き続き行われ、追加的に取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する(図46及び図47参照)。
次いで、図21および図24(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ演出中(延長時間中)」用において、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」の延長時間に基づく演出の実行中(第1実施形態では、「ガセ疑似連2」中)に特図入賞口77a,78aへの新たな入賞2に基づいて「スーパーリーチ」演出態様の変動演出が取得された場合、該入賞2に基づいて追加的に取得される演出時間は「30秒」であり、スランプ演出タイマ223gの値「30000」が加算される(図39のS1410参照)。
この場合、入賞1に基づく「20秒」の「スランプ演出」において、延長時間における「スランプ演出」の実行中であるため、既に延長時間に基づく演出を行っており、その状態から入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るため、一旦、入賞1に基づいて取得された延長時間の残存分を記憶し(図39のS1422参照)、その後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする(図39のS1423)。そして、入賞2に基づいて取得された変動時間に基づいて、「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、MPU221は、この段階において、入賞2に基づいて取得された変動時間分の値(即ち、「30000」)をスランプ演出タイマ223gの値に加算(設定)する(図39のS1410参照)。
ここで、図24(b)で示す例では、「スランプ演出」の開始時間から入賞2までに行われた「スランプ演出」は、「19秒」となり、入賞2の時点で残りの「スランプ演出」の残存時間は「1秒」であって、スランプ演出タイマ223gの値は「1000」となっている。そして、スランプ演出タイマ223gの値をRAM223の記憶領域に保持した後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする。次いで、入賞2に基づいて取得された変動演出の変動時間は「30秒」であるので、この時点でスランプ演出タイマ223gの値に「30000」を加算(設定)する。そして、該スランプ演出タイマ223gの値と残存値(即ち、「1000」)とに対応する「スランプ演出」として、「第3演出」に「発展可否演出」と、「第4演出」に「疑似連1」と、「第5演出」に「どっちだリーチ」の演出要素とが追加的に設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1および第2演出エリア223h2には、既に「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」の演出情報とガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とがそれぞれ格納されているので、この段階では、「20秒間」の演出が既に設定されている。このため、入賞2の時点から実行中の「ガセ疑似連2」が終了するまでが上記残存値と同様であることから、「ガセ疑似連2」が終了した時点で残りの「スランプ演出」の値は「30000」から「1000」を差し引いた「29000」となると判定される。従って、MPU221は、上記判定結果のもと、「第2演出」以降に行われる「スランプ演出」として、まず、最終的に停止図柄が表示される第5演出エリア223h5には、「10秒間」行われる「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報とが格納される。次いで、残りの「19秒間」の演出として、第4演出エリア223h4には、「10秒間」行われる「疑似連1」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「どっちだリーチ」の演出要素)に発展することを示唆するリーチ形成図柄に関する停止図柄情報とが格納される。そして、残りの「9秒間」の演出として、第3演出エリア223h3に、発展成功の「発展可否演出」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「疑似連1」)に発展することを示唆するチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。
なお、「第3演出」としての上記発展成功の「発展可否演出」の演出要素は、「9秒間」行われるため、「第3発展可否演出」が行われる。そして、該発展成功の「第3発展可否演出」の終了タイミングで、第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れて、「第2演出」である「ガセ疑似連2」で停止表示されたガセチャンス目図柄がチャンス目図柄に差し替わり(例えば、「788」→「778」。図46(d)〜(f)参照。)、「第4演出」である「疑似連1」へと発展する(図47(c)参照)。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第5演出エリア223h1〜223h5に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が引き続き行われ、追加的に取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する(図46及び図47参照)。
次いで、図21および図24(b)で示すように、スランプ演出テーブル222fにおける「スランプ演出中(延長時間中)」用において、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」の延長時間に基づく演出の実行中(第1実施形態では、「ガセ疑似連2」中)に特図入賞口77a,78aへの新たな入賞2に基づいて「スペシャルリーチ」演出態様の変動演出が取得された場合、該入賞2に基づいて追加的に取得される演出時間は「40秒」であり、スランプ演出タイマ223gの値「40000」が加算される(図39のS1410参照)。
この場合、入賞1に基づく「20秒」の「スランプ演出」において、延長時間における「スランプ演出」の実行中であるため、既に延長時間に基づく演出を行っており、その状態から入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るため、一旦、入賞1に基づいて取得された延長時間の残存分を記憶し(図39のS1422参照)、その後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする(図39のS1423)。そして、入賞2に基づいて取得された変動時間に基づいて、「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、MPU221は、この段階において、入賞2に基づいて取得された変動時間分の値(即ち、「40000」)をスランプ演出タイマ223gの値に加算(設定)する(図39のS1410参照)。
ここで、図24(b)で示す例では、「スランプ演出」の開始時間から入賞2までに行われた「スランプ演出」は、「19秒」となり、入賞2の時点で残りの「スランプ演出」の残存時間は「1秒」であって、スランプ演出タイマ223gの値は「1000」となっている。そして、スランプ演出タイマ223gの値をRAM223の記憶領域に保持した後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする。次いで、入賞2に基づいて取得された変動演出の変動時間は「40秒」であるので、この時点でスランプ演出タイマ223gの値に「40000」を加算(設定)する。そして、該スランプ演出タイマ223gの値と残存値(即ち、「1000」)とに対応する「スランプ演出」として、「第3演出」に「発展可否演出」と、「第4演出」に「疑似連1」と、「第5演出」に「疑似連2」と、「第6演出」に「どっちだリーチ」の演出要素とが追加的に設定される。
具体的には、スランプ演出格納エリア223hの第1演出エリア223h1および第2演出エリア223h2には、既に「ガセ疑似連1」及び「ガセ疑似連2」の演出情報とガセチャンス目図柄に関する停止図柄情報とがそれぞれ格納されているので、この段階では、「20秒間」の演出が既に設定されている。このため、入賞2の時点から実行中の「ガセ疑似連2」が終了するまでが上記残存値と同様であることから、「ガセ疑似連2」が終了した時点で残りの「スランプ演出」の値は「40000」から「1000」を差し引いた「39000」となると判定される。従って、MPU221は、上記判定結果のもと、「第2演出」以降に行われる「スランプ演出」として、まず、最終的に停止図柄が表示される第6演出エリア223h6には、「10秒間」行われる「どっちだリーチ」の演出要素に関する演出情報と、取得された変動演出に対応する停止図柄情報とが格納される。次いで、残りの「29秒間」の演出として、第5演出エリア223h5には、「10秒間」行われる「疑似連2」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「どっちだリーチ」の演出要素)に発展することを示唆するリーチ形成図柄に関する停止図柄情報とが格納される。そして、残りの「19秒間」の演出として、第4演出エリア223h4に、「10秒間」行われる「疑似連1」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「疑似連2」)に発展することを示唆するチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。次いで、残りの「9秒間」の演出として、第3演出エリア223h3に、発展成功の「発展可否演出」に関する演出情報と、次の演出(即ち、「疑似連1」)に発展することを示唆するチャンス目図柄に関する停止図柄情報とが格納される。
なお、「第3演出」としての上記発展成功の「発展可否演出」の演出要素は、「9秒間」行われるため、「第3発展可否演出」が行われる。そして、該発展成功の「第3発展可否演出」の終了タイミングで、第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れて、「第2演出」である「ガセ疑似連2」で停止表示されたガセチャンス目図柄がチャンス目図柄に差し替わり(例えば、「788」→「778」。図46(d)〜(f)参照。)、「第4演出」である「疑似連1」へと発展する(図47(c)参照)。
そして、スランプ演出格納エリア223hの第1〜第6演出エリア223h1〜223h6に格納された演出情報と停止図柄情報とに基づいて「スランプ演出」が引き続き行われ、追加的に取得された変動演出の停止図柄に対応する「ハズレ表示」又は「大当たり表示」が最終的に停止表示され、一連の「スランプ演出」が終了する(図46及び図47参照)。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの入賞1に基づいて実行されている「スランプ演出」において、該「スランプ演出」の延長時間に基づく演出の実行中に特図入賞口77a,78aへの新たな入賞2に基づいて変動演出が取得された場合、入賞1に基づく延長時間の「スランプ演出」の実行中である。このため、入賞2に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るために、一旦、入賞1に基づいて取得された延長時間の残存分を記憶し(図39のS1422参照)、その後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする(図39のS1423)。そして、入賞2に基づいて取得された変動時間に基づいて、「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、「スランプ演出」の途中に新たな始動入賞によって変動演出が追加される場合であっても、取得された変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」全体の終了タイミングとを同期させることができ、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。
また、追加的な「スランプ演出」を設定する場合、「スランプ演出」全体における最後の演出から固定的な時間行われる演出単位をそれぞれ設定し直すように構成し、さらに、設定し直した際に1の演出単位未満の余った残り時間を、演出が途中で途切れた場合であっても違和感が生じない演出であって、演出時間に融通が利く(幅がある)「発展可否演出」で補うように設定する。また、この「発展可否演出」の最大演出時間を、取得可能な延長時間と同等となるように構成する。このように構成することで、取得された変動演出より長い「スランプ演出」を実行している状況、即ち、延長時間に基づく「スランプ演出」の実行中において、「スランプ演出」の途中に新たな始動入賞によって変動演出が追加される場合であっても、延長時間と同等未満の幅で実行可能な「発展可否演出」によって、演出時間の整合性を取ることができ、取得された変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」全体の終了タイミングとを同期させることができるので、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。
図17に戻って説明を続ける。保留情報格納エリア223iは、先読み処理を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203bより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、保留情報格納エリア223iに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、先読み処理(保留表示設定処理(図38参照))を実行する。
実行情報格納エリア223jは、第3図柄表示装置81で変動演出を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203bより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、変動演出の設定等を実行するために、上述した保留情報格納エリア223iの保留情報格納第1エリア(図25参照)に記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を、この実行情報格納エリア223jへシフトする。
ここで、図25を参照して、保留情報格納エリア223i及び実行情報格納エリア223jの詳細について説明する。図25は、保留情報格納エリア223i及び実行情報格納エリア223jの構成を模式的に示す模式図である。
実行情報格納エリア223jは、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223j1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223j2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223j3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223j4とが少なくとも設けられている。
また、保留情報格納エリア223iは、保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有し、各保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、実行情報格納エリア223jと同様、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223i1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223i2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223i3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223i4とが少なくとも設けられている。
具体的には、実行情報格納エリア223jが、現在実行中の変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第1エリアが、保留された変動演出のうち時間的に1番目に保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第2エリアが、保留された変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第3エリアが、保留された変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第4エリアが、保留された変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された変動演出に対応するエリアである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ、保留情報格納第1〜第4エリアのうち該保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223i1、大当たり種別カウンタ格納エリア223i2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223i3、変動種別カウンタ格納エリア223i4に格納する。
具体的には、保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦X≦4)であれば、その時点で保留されている変動演出の数はXであり、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、保留された変動演出のうち時間的にX番目に保留された変動演出に対応したものとなるので、保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223i1〜223i4に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、保留球数コマンドに含めた各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203cの保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の保留第Xエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が、保留情報格納第Xエリアに格納されることになる。
また、第1実施形態では、音声ランプ制御装置113は、保留情報格納Xエリアの各カウンタ格納エリア223i1〜223i4に格納された各値に基づいて、先読み処理(保留表示設定処理(図38参照))を行い、この先読み処理の結果に基づいて生成された保留変化情報を、上述した保留表示情報格納エリア223e(図19参照)に格納する。即ち、変動演出に関する情報は保留情報格納エリア223i及び実行情報格納エリア223jに記憶され、「スランプ演出」の演出情報及び停止図柄情報が上述したスランプ演出格納エリア223hに記憶され、変動演出又は「スランプ演出」の保留数と保留変化情報とが、保留表示情報格納エリア223eに記憶される。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、保留情報格納エリア223iおよび実行情報格納エリア223jにおいてシフト処理を実行する。つまり、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報格納第1エリアの各格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223jの各格納エリア223j1〜223j4に移動させる。
また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223i1〜223i4に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223i1〜223i4に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223i1〜223i4に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223jには、主制御装置110の保留球実行エリア203dに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、実行情報格納エリア223jおよび保留情報格納エリア223iに格納される。
音声ランプ制御装置113では、先読み処理(保留表示設定処理(図38参照))を行う場合に、サブ保留球数カウンタ223bから保留されている変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、保留情報格納第1〜第4エリアのうち、変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、その変動演出、又は、「スランプ演出」における1の演出単位(即ち、最後に実行される演出要素)において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。例えば、サブ保留球数カウンタ223bの値が「1」であれば、変動演出の保留球数が1回であるので、保留情報格納第1エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、サブ保留球数カウンタ223bの値が「4」であれば、変動演出の保留球数が4回であるので、保留情報格納第4エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。
パチンコ機10は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、保留情報格納エリア223iを設けて、主制御装置110にて保留された変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この保留情報格納エリア223iに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。
即ち、保留された変動演出又は「スランプ演出」が実行された場合にその変動演出又は「スランプ演出」の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出又は「スランプ演出」の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定に関する制御を音声ランプ制御装置113にて実行することができる。
なお、保留情報格納エリア223iおよび実行情報格納エリア223jにおける上述のシフト処理は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの保留球数(変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドの受信に基づく更新が行われる前のサブ保留球数カウンタ223bの値)に基づいて、保留情報格納第1〜第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
例えば、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ保留球数カウンタ223bの値が「4」であり、保留情報格納エリア223iの全エリア(保留情報格納第1〜第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223jへシフトし、保留情報格納第2エリアのデータを保留情報格納第1エリアへシフトし、保留情報格納第3エリアのデータを保留情報格納第2エリアへシフトし、保留情報格納第4エリアのデータを保留情報格納第3エリアへシフトする。
一方、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ保留球数カウンタ223bの値が「2」であれば、保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223jへシフトし、保留情報格納第2エリアのデータを保留情報格納第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施の形態では、変動演出が保留されていない保留情報格納第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留情報格納第1〜第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(実行情報格納エリア223j又は保留情報格納第1〜第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留情報格納第1〜第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図17に戻って説明を続ける。演出変換フラグ223kは、オン状態で「スランプ演出」における1の「ガセ疑似連」演出を「発展可否演出」の演出要素に変更するためのフラグである。第1実施形態では、一連の「スランプ演出」を行う場合に、保留装置73に球が保留されていないとき、ダミー入賞口75へ球を入賞させず、ダミー保留表示である保留図柄を表示しない。このため、そのまま1の保留図柄を消化する「ガセ疑似連」演出を含む「スランプ演出」を実行してしまうと、「スランプ演出」における演出数と保留図柄の数との整合が取れなくなってしまう。そこで、保留装置73に球が保留されていないことに基づいてダミー入賞口75に球を入賞させない場合に、保留図柄を1つ消化する「スランプ演出」である「ガセ疑似連」演出を、保留図柄を消化しない「発展可否演出」の演出要素に変換して、一連の「スランプ演出」を実行するように構成されている。
この演出変換フラグ223kは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、主制御装置110から保留図柄又は実行図柄の表示態様を1ランクアップさせる保留ランクアップコマンドを受信した場合、即ち、「スランプ状態」における始動入賞(先の始動入賞(入賞1)、及び、後の始動入賞(入賞2)のいずれも含む)であって、該始動入賞に基づく変動演出の変動パターンに「リーチ表示」が含まれる場合や、保留装置73に球が保留されていない場合に、この演出変換フラグ223kがオンに設定される(図37のS1205参照)。
一方、演出変換フラグ223kは、変動設定処理(図39参照)において、「スランプ演出」における演出内容を設定した後、オフに設定されるように構成されている(図39のS1418参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」における始動入賞に基づいて「スランプ演出」の演出内容を設定する場合に、この演出変換フラグ223kがオンに設定されている状況において、該始動入賞に基づいて取得された変動演出の変動パターンが「リーチ表示」を含むものでないときに、スランプ演出格納エリア223hに設定されている1の「ガセ疑似連」演出の演出情報を、「発展可否演出」の演出要素の演出情報に変換するように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」の演出数(演出単位数)と保留図柄の数とで整合性を取ることができ、遊技者が違和感を感じることがない演出を提供することができる。
なお、この演出変換フラグ223kは、保留装置73に球が保留されていない場合にオンされるほか、取得された変動演出の変動パターンに「リーチ表示」が含まれる場合に出力される保留ランクアップコマンドを受信した場合にもオンに設定されるため(図37のS1205参照)、「リーチ表示」を含むか否かを問わず、「スランプ演出」の演出内容が設定される毎に初期化(即ち、オフ)されるように構成されている。具体的には、変動設定処理(図39参照)において、取得された変動演出の変動パターンに「リーチ表示」が含まれる場合であって、「ガセ疑似連」演出が実行されない「スランプ演出」であっても、或いは、取得された変動演出の変動パターンに「リーチ表示」が含まれない場合であって、「ガセ疑似連」演出が実行される「スランプ演出」であっても、「スランプ演出」の演出内容の設定後にオフに設定されるように構成されている(図39の1418参照)。このように構成することで、「スランプ演出」の実行中に新たな始動入賞(即ち、入賞2)が発生して、「スランプ演出」の内容を追加的に変更(更新)する場合にも、そのタイミングにおいて演出変換フラグ223kの設定内容が初期化されているため、新たな始動入賞(即ち、入賞2)に基づく演出内容を再設定するときに、前回の始動入賞(即ち、入賞1)に基づく「スランプ演出」の設定内容に影響されず、整合性のある演出設定が可能となる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図37参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理(例えば、表示制御装置114に向けてのコマンドの設定等)が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄に関する変動演出や「スランプ演出」、或いは、保留図柄および実行図柄における「保留変化予告」等を制御するものである。
この表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238には音声ランプ制御装置113が接続されており、表示制御装置114は、該入力ポート238を介して音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信する。入力ポート238には、また、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
キャラクタROM234は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データが記憶されたキャラクタ記憶エリア(図示せず)を備えている。キャラクタ記憶エリアには、記憶するデータ量を少なくするために、上記の画像データが圧縮形式のデータで記憶されている。第1実施形態では、圧縮前の画像データは約1024メガバイトで構成されており、その約1024メガバイトの画像データが、約768メガバイトに圧縮されて、キャラクタ記憶エリアに記憶されている。
ビデオRAM236は、第3図柄表示装置81に表示される1フレーム分の画像を記憶するフレームバッファ領域を2フレーム分有するメモリである。
画像コントローラ237は、描画リストに従って、1フレーム分の画像データを生成して、ビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込むと共に、ビデオRAM236の他方のフレームバッファ領域に書き込まれた1フレーム分の画像データを読み出して、読み出した画像データを、出力ポート239を介して第3図柄表示装置81へ出力することで、複数のフレーム画像を連続して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
画像コントローラ237は、描画リストに記述された順番に従って、その描画リストで規定されたスプライトの画像データ(圧縮形式の画像データ)をキャラクタ記憶エリア(図示せず)から読み出し、その画像データを解凍(展開)した上で、描画リストにて規定された描画情報に従って加工処理を行い、描画リストで指定された表示位置座標に、そのスプライトの画像データをビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込む。描画リストに規定された全てのスプライトについて、画像データの解凍・加工・書き込みを行うことで、1フレームで表示させる画像データが生成される。
この一方のフレームバッファ領域への1フレーム分の画像データの書き込みと、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しは、並行して行われ、いずれも「20ミリ秒」で完了する。そして、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しが完了すると、続いて、一方のフレームバッファ領域から先に書き込まれた1フレーム分の画像データの読み出しが行われ、その間、他方のフレームバッファ領域に対して、次の1フレーム分の画像データの書き込みが行われる。
このように、一方のフレームバッファ領域と他方のフレームバッファ領域とを、交互に、画像データの書き込みおよび画像データの読み出しを行うことによって、連続して複数のフレーム画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
次に、図26から図34のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図33参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図34参照)と、定期的(第1実施形態では、4ミリ秒周期)に起動されるタイマ割込処理(図26参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図32参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図26は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば4ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図27参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、変動処理(図28参照)や該変動処理の一処理である変動開始処理(図29)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述の発射制御処理(図26のS110参照)において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、第1図柄(第3図柄)の大当たり時における処理を実行する大当たり処理を実行する(S103)。
次いで、第2図柄の可変表示や電動役物79の駆動制御に関する処理を実行する第2図柄制御処理を実行する(S104)。簡単に説明すると、球が第2入球口67を通過したことを条件に第2図柄表示装置83にて第2図柄の可変表示が実施され、第2図柄の可変表示の結果、第2図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態になると、電動役物79を所定時間開放駆動する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S105)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208,73gの状態を読み込むと共に、当該スイッチ208,73gの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。また、保留球検知スイッチ73gの検知情報に基づいて、保留装置73内に球が保留されているか否かを認識した上で、後述する始動入賞処理(S108)および保留装置制御処理(S111)を実行する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S106)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203b領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203b領域に格納する。
さらに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S107)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「899」,「99」,「99」,「199」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203b領域に格納する。
次に、特図入賞口77a,78aへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S108)。なお、始動入賞処理の詳細は、図27を参照して後述する。
始動入賞処理(S108)を実行した後は、上記始動入賞処理(S108)の処理内容に基づいて第1図柄表示装置37による第1図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動演出又は「スランプ演出」の変動パターン(演出パターン)などを設定する変動処理を実行する(S109)。なお、変動処理(S109)の詳細は図28を参照して後述する。
変動処理(S109)を実行した後は、発射制御処理を実行する(S110)。この発射制御処理(S110)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
発射制御処理(S110)を実行した後は、保留装置制御処理を実行する(S111)。保留装置制御処理では、保留装置駆動フラグ203fの設定内容、及び、保留装置駆動タイマ203gの値に基づき、保留装置73内に保留されている球を解放(放出)するか否かの処理が行われる。なお、保留装置制御処理(S111)の詳細は図30を参照して後述する。
保留装置制御処理(S111)を実行した後は、ダミー入賞処理を実行する(S112)。ダミー入賞処理では、ダミー入賞口75に球が入賞したか否かに応じて、払出制御装置111に対する賞球コマンドを設定すると共に、音声ランプ制御装置113に対するダミー保留コマンドを設定する。なお、ダミー入賞処理(S112)の詳細は図31を参照して後述する。
ダミー入賞処理(S112)を実行した後は、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S113)、タイマ割込処理を終了する。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図26参照)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図27は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、特図入賞口77a,78aへの球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203cに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S108)では、まず、球が特図入賞口77a,78aに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、タイマ割込処理のスイッチ読み込み処理(図26のS105参照)において読み込んだ、特図入賞口77a,78aへの入球(入賞)を検出する特図入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、特図入賞口77a,78aへの入球を3回のタイマ割込処理(図26参照)にわたって検出する。
球が特図入賞口77a,78aに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、賞球を3個払い出すことを払出制御装置111に指示する3個賞球コマンドを設定して(S202)、処理をS203へ移行する。S202の処理で設定された3個賞球コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図26のS101参照)の中で、払出制御装置111に向けて送信される。
第1実施形態のパチンコ機10では、特図入賞口77a,78aとダミー入賞口75との賞球数が同じ3個となるように構成されている。このように構成することで、遊技者は、払い出された賞球数のみでは、特図入賞口77a,78aへ入賞したのかダミー入賞口75へ入賞したのかを判別できない。よって、遊技者は、払い出された賞球数のみでは、第3図柄表示装置81で行われている演出が、「通常状態」における変動演出中であるのか、「スランプ状態」における「スランプ演出」であるのかを判別することができないので、実際の変動演出の変動時間より長く行われる「スランプ演出」を行った場合であっても、遊技者が違和感を感じて遊技に興醒めすることを防止することができる。
S203の処理では、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1図柄の動的表示(第3図柄の変動演出)の作動保留球数N)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S203)。そして、特図入賞口77a,78aへの入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S203:No)、この始動入賞処理(S108)を終了し、タイマ割込処理(図26参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N<4であれば(S203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N)を1加算する(S204)。そして、処理をS205へ移行する。
S205の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203b(図8参照)から読み出し、保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうち、保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、大当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3及び変動種別カウンタ格納エリア203c4に各々保留(格納)する(S205)。
具体的には、例えば、特図入賞口77a,78aへの入賞に基づいてS204の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、保留第1エリアの各格納エリア203c1〜203c4にそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば保留第2エリアの各格納エリア203c1〜203c4に、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば保留第3エリアの各格納エリア203c1〜203c4に、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば保留第4エリアの各格納エリア203c1〜203c4に、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S204の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N)と、S205の処理により保留球格納エリア203cに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S206)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図26参照)のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。
なお、S206の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S205の処理によりカウンタ用バッファ203bから読み出した値そのものを用いてもよいし、S205の処理において保留球格納エリア203cに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
S206の処理の実行後は、当該始動入賞が、「スランプ状態」中における始動入賞か否か、即ち、主スランプカウンタ203eの値が「0」より大きいか否かを判別する(S207)。判別の結果、主スランプカウンタ203eの値が「0」より大きい値ではないと判別された場合(S207:No)、即ち、主スランプカウンタ203eの値が「0」である場合は、当該始動入賞は「スランプ状態」中の始動入賞ではなく、「通常状態」における始動入賞である。よって、当該始動入賞に基づいて「スランプ演出」に関連する制御を行う必要がないので、この始動入賞処理(S108)を終了して、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。
一方、S207の処理において、主スランプカウンタ203eの値が「0」より大きい値と判別された場合は(S207:Yes)、当該始動入賞が「スランプ状態」中における始動入賞であるので、「スランプ演出」に関連する制御を行うべく、処理をS208へ移行する。
S208の処理では、まず、主スランプカウンタ203eの値から1減算し(S208)、次いで、保留球検知スイッチ73gがオンされているか否かを判別する(S209)。判別の結果、保留球検知スイッチ73gがオンされていれば(S209:Yes)、保留装置73内に球が保留されているため、次いで、「スランプ演出」と整合性がある保留図柄を表示するべく、該保留されている球をダミー入賞口75へ入賞させる変動パターンか否かを判別するために、処理をS210へ移行する。
S210の処理では、該始動入賞に基づいて取得された変動演出の変動パターンに「リーチ表示」が含まれるか否か、即ち、今回取得された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターンカウンタC3及び変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択された変動演出が「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様又は「特殊変動」演出態様であるか否かを判別する(S210)。
判別の結果、「リーチ表示」を含む変動パターンでない場合は(S210:No)、これから実行する一連の「スランプ演出」の各演出単位が、取得した変動演出の実行回数(保留図柄の数)より1多い回数(即ち、2回)の「ガセ疑似連」演出が実行されることから、保留図柄の表示に整合性をとるべく、保留装置駆動フラグ203fをオンに設定すると共に(S211)、保留装置駆動タイマ203gの値に「1500」をセットし(S212)、この始動入賞処理(S108)を終了する。このように構成することで、ダミー入賞口75に保留装置73に保留されている球を流入させ、ダミー保留表示である保留図柄を表示することができ、一連の「スランプ演出」における演出単位の演出回数と、保留図柄の数との整合性を取ることができる。なお、始動入賞処理の終了後は、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。
なお、S209の処理において、保留球検知スイッチ73gがオンされていなければ(S209:No)、保留装置73内に球が保留されていないため、ダミー入賞口75に流入させる球が存在しないので、S210〜S212の処理を行わず、保留ランクアップコマンドを設定して(S213)、この始動入賞処理(S108)を終了する。
また、S210の処理において、「リーチ表示」を含む変動パターンである場合は(S210:Yes)、「スランプ演出」において保留図柄を消化しない「疑似連」が行われると共に、「どっちだリーチ」の演出要素が実行されるため、この場合も、S211及びS212の処理を行わず、まず、以降の遊技状態を「通常状態」に戻して追加的な始動入賞に基づいて「スランプ演出」の設定を行わないように、主スランプカウンタ203eの値を「0」クリアする(S214)。そして、保留装置73に球が保留されていない場合と同様、保留ランクアップコマンドを設定して(S213)、この始動入賞処理(S108)を終了する。
第1実施形態のパチンコ機10では、保留ランクアップコマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、「リーチ表示」を含む変動パターンであれば、「スランプ演出」の演出数と保留図柄の表示数とが一致するため、当初設定された演出内容のまま「スランプ演出」を実行する。一方、「リーチ表示」を含まない変動パターンであれば、「スランプ演出」の演出数と保留図柄の表示数とが一致しないため、当初設定された演出内容において、1の保留図柄を消化する「ガセ疑似連」演出を、1の保留図柄を消化しない「発展可否演出」の演出要素へと変更して、一連の「スランプ演出」を実行するように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」の演出回数と保留図柄の表示数とを一致させることができ、実際の変動時間より長い「スランプ演出」を行った場合でも、遊技者に違和感のない演出を提供することができる。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図26参照)の一処理である変動処理(S109)について説明する。図28は、この変動処理を示すフローチャートである。この変動処理は、第1図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うと共に、第3図柄表示装置81で変動演出が行われていない場合において、デモ表示の設定、及び、「スランプ状態」の設定を行うものである。
MPU201は、この変動処理(S109)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま変動処理を終了し、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、第1図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図26参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、保留球数カウンタ203aの値が「0」でなければ(S304:Yes)、第1図柄の動的表示(第3図柄の変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、保留球数カウンタ203aの値を1減算する(S305)。これは、後述する変動開始処理(S307)によって、保留されていた第1図柄の動的表示(第3図柄の変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第1図柄の動的表示の保留球数が1つ減少するためである。
次いで、保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203dへ向けて順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→保留球実行エリア203d、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203dに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S307)、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。なお、変動開始処理(S307)については、図29を参照して後述する。
S304の処理において、保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N)が「0」であると判別されると(S304:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S308)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N)が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S308:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S309)、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。
S309の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図26のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S308の処理においてデモ中ではない(S308:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS309の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
一方、S308の処理において、デモ中であると判別された場合は(S308:Yes)、次いで、デモ中になった後、「スランプ演出」において選択される延長時間の内、最大延長時間(即ち、デモ期間突入後「10秒」)経過したか否かを判別する(S310)。判別の結果、最大延長時間を経過していれば(S310:Yes)、遊技状態を「通常状態」から「スランプ状態」に設定するために、主スランプカウンタ203eの値に「2」を設定する(S311)。ここで、主スランプカウンタ203eの値に「2」を設定することで、以降の始動入賞のタイミングにおいて「スランプ状態」か否かを認識可能となる。そして、音声ランプ制御装置113に「スランプ状態」に突入したことを通知すべく、音声ランプ制御装置113へ送信すべきスランプコマンドを設定して(S312)、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。なお、音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信することで、「スランプ状態」の発生を認識可能であるので、スランプコマンド自体を設定しないように構成してもよい。
S312の処理で設定されたスランプコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図26のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、スランプコマンドを受信すると、サブスランプフラグ223fをオンに設定し、該サブスランプフラグ223fがオンに設定されている間、音声ランプ制御装置113側でも「スランプ状態」に応じた処理が可能となる。
一方、S310の処理において、判別の結果、デモ突入後、最大延長時間経過していないと判別された場合は(S310:No)、S311及びS312の処理をスキップして、「スランプ状態」の設定をすることなく、この変動処理(S109)を終了する。
これは、第1実施形態のパチンコ機10では、一連の「スランプ演出」は、「スランプ演出」の実行契機となった変動出終了後におけるデモ期間突入後、取得される最大延長時間の間(即ち、最大で「10秒」の間)、実行されるように構成されている。よって、一連の「スランプ演出」のうち、延長時間に基づく「スランプ演出」の実行中、即ち、デモ期間中に、新たな始動入賞が発生したタイミングにおいて、「スランプ状態」として新たな「スランプ演出」の設定処理を行った場合、実行中の「スランプ演出」との整合性を取る設定処理が必要となり、該整合性を取るための設定処理が煩雑となるおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、一旦、「スランプ演出」が開始された場合、該「スランプ演出」における延長時間が終了するまでは、主制御装置110側で改めて「スランプ状態」の設定をすることなく、一連の「スランプ演出」が完結した段階で「スランプ状態」へ変更する。即ち、一連の「スランプ演出」が実行されている間は、変動演出の変動時間が経過した場合であり、内部的にデモ演出の状態となっていても、暫くは「スランプ状態」への変更が待機される。よって、主制御装置110において、一連の「スランプ演出」を完結させて、その後、「スランプ状態」にして改めて「スランプ演出」を設定するように構成されているので、「スランプ状態」と「スランプ演出」との整合性に関して煩雑な制御を実行する必要がなくなり、「スランプ演出」を行う場合でも主制御装置110の処理負担を軽減することができる。
次いで、S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S313)。第1図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S313:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S314)、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。
第1実施形態では、第1図柄表示装置37の7セグメント表示器37bにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、7セグメント表示器37bの中央のセグメントが点滅表示する表示態様が設定される。
一方、第1図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S313:Yes)、第1図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S315)。停止図柄は、図29を参照して後述する変動開始処理(S307)によって予め設定される。変動開始処理では、S306の処理によって保留球実行エリア203dに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり後に「15R確変大当たり」となる図柄か、「15R通常大当たり」となる図柄か、「2R確変大当たり」となる図柄かが決定される。
第1実施形態では、大当たり後に「15R確変大当たり」になる場合には、7セグメント表示器37bにおいて「7」の図柄を表示させ、「15R通常大当たり」になる場合には、7セグメント表示器37bにおいて「3」の図柄を表示させ、「2R確変大当たり」になる場合は、7セグメント表示器37bにおいて「5」の図柄を表示させる。また、ハズレである場合には、7セグメント表示器37bの中央のセグメントのみを表示(即ち、「−」)させる。
S315の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、第1図柄表示装置37における7セグメント表示器37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S316)、この変動処理(S109)を終了する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、「通常状態」又は「スランプ演出」の終了タイミングであれば表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信し、「スランプ演出」の実行途中のタイミング(即ち、「ガセ疑似連2」の実行中)であれば表示制御装置114に対して表示用第1停止コマンドを送信する。
表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。一方、表示用第1停止コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の「スランプ演出」の左図柄列Z1を停止して、該停止を以って「スランプ演出」中における変動演出の終了を示唆するように構成されている。このように、変動演出の終了と「スランプ演出」の演出内容とに関連性を持たせることで、遊技者に「スランプ演出」の実行中であっても変動演出の終了を認識させることが可能となる。
次に、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S109)の一処理である変動開始処理(S307)について説明する。図29は、変動開始処理(S307)を示したフローチャートである。
この変動開始処理(S307)は、保留球実行エリア203dに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37で行われる動的表示の動的パターン及び停止種別、並びに、第3図柄表示装置81で行われる変動演出の変動パターン及び停止種別等を決定する。
MPU201は、この変動開始処理(S307)では、まず、保留球実行エリア203dに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と大当たり乱数テーブル202a(図9(a)参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S401)。
大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」)にある場合には「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が大当たり乱数値として規定される。
S401の処理では、保留球実行エリア203dに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S401の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球実行エリア203dに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別テーブル202b(図9(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様(大当たりの種別)を設定する(S402)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203dに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」か、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する「15R通常大当たり」か、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「2R確変大当たり」かが判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、第1図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(発光ダイオード37aの点灯状態)が設定される。
また、第3図柄表示装置81において、変動演出又は「スランプ演出」の表示結果として、大当たり種別に対応した各種大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「15R通常大当たり」)をそのまま停止種別として設定することにより、第3図柄表示装置81における大当たり時の表示態様を設定する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S403)、S406の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様(停止種別)と、保留球実行エリア203dに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動演出の変動時間が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202d(図11又は図12参照)を選択する。
そして、S402の処理において大当たり種別として「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」が設定された場合は、選択した停止パターンテーブル202d(Dテーブル202d4)において、保留球実行エリア203dに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。即ち、この場合、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様のうちいずれかの演出態様が選択される(図12(a)参照)。
具体的には、演出態様として「ノーマルリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e2(図14参照)の「E6:ノーマルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「20秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』、「25秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』、「30秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』、又は、「35秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが選択される(図14参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図14参照)。
また、演出態様として「スーパーリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e2(図14参照)の「E7:スーパーリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「30秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』、「35秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』、「40秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」』、又は、「45秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スーパーリーチ」+「再変動」』の変動パターンが選択される(図14参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図14参照)。
また、演出態様として「スペシャルリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e2(図14参照)の「E8:スペシャルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「40秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』、「45秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』、「50秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』、又は、「55秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」+「再変動」』の変動パターンが選択される(図14参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図14参照)。
また、S402の処理において大当たり種別として「2R確変大当たり」が設定された場合は、選択した停止パターンテーブル202d(Eテーブル202d5)において、保留球実行エリア203dに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。即ち、「2R確変大当たり」に当選した場合、「特殊変動」演出態様がもれなく選択される。そして、選択された演出態様と大当たり用変動パターンテーブル202e2とを参照し、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。第1実施形態では、この場合、「ムービー」のみが選択される(図14参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図14参照)。
一方、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203dに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と保留球数カウンタ203aの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ミドル)」演出態様、「非リーチ(ショート)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、又は「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、上述したように、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1、Bテーブル202d2又はCテーブル202d3)が設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S405)、S406の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。このとき、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」にある場合は、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に対応した停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1、Bテーブル202d2又はCテーブル202d3(図11(a)〜図11(c)参照)のいずれかが選択される。また、パチンコ機10の遊技状態が「時間短縮状態」または「確率変動状態」にある場合は、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に対応した停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2又はCテーブル202d3(図11(b)又は図11(c)参照)のいずれかが選択される。
そして、S404の処理において演出態様として「非リーチ(ロング)」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e1の「E0:非リーチ(ロング)」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「15秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」』のみが選択され、他の変動パターンは選択されない(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S404の処理において演出態様として「非リーチ(ミドル)」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e1の「E1:非リーチ(ミドル)」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「10秒」の『「高速変動(短)」+「低速変動」』のみが選択され、他の変動パターンは選択されない(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S404の処理において演出態様として「非リーチ(ショート)」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e1の「E2:非リーチ(ショート)」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「5秒」の『「高速変動(短)」』のみが選択され、他の変動パターンは選択されない(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
演出態様として「ノーマルリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e1(図13参照)の「E3:ノーマルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「20秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「ノーマルリーチ」』、又は、「30秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「ノーマルリーチ」』の変動パターンが選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
演出態様として「スーパーリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e1(図13参照)の「E4:スーパーリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「30秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』、又は、「40秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「スーパーリーチ」』の変動パターンが選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
演出態様として「スペシャルリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e1(図13参照)の「E5:スペシャルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203dに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「40秒」の『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スペシャルリーチ」』、又は、「50秒」の『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「スペシャルリーチ」』の変動パターンが選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
次いで、S406の処理では、S403及びS405の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、その変動パターンに応じた変動時間を音声ランプ制御装置113へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S406)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「15R確変大当たり」であって、さらに、「30秒」の「スーパーリーチ」演出態様の変動パターン(即ち、『「高速変動(長)」+「低速変動」+「スーパーリーチ」』)が選択されていた場合は、大当たり・「15R確変大当たり」・「30秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「30秒」の「スーパーリーチ」演出態様の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「30秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。
このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出又は「スランプ演出」の変動パターンを決定することができる。
また、S402又はS404の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S407)、変動処理(図28参照)へ戻る。
具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15R確変大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「15R確変大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15R通常大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「4」図柄等)は特定せずに、「15R通常大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様(所謂、前後ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様(所謂、前後以外ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様(所謂、完全ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出又は「スランプ演出」の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図26のS101参照)の中で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンド及び表示種別コマンド、又は、表示用スランプ変動コマンド及び表示用スランプ図柄コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図26参照)の一処理である保留装置制御処理(S111)について説明する。図30は、保留装置制御処理を示したフローチャートである。
この保留装置制御処理(S111)では、上述したように、「スランプ演出」中において、保留装置73内に保留(貯留)されている球を解放(流下)させるタイミングを計数し、該タイミングに到達した場合に保留装置ソレノイド73fを駆動して、保留装置73内に保留されている球を解放し、該球をダミー入賞口75へ流入させる。
MPU201は、この保留装置制御処理(S111)では、まず、保留装置駆動フラグ203fがオンされているか否かを判別する(S501)。判別の結果、保留装置駆動フラグ203fがオンされていないと判別された場合(S501:No)、保留装置73内に保留されている球を解放する条件が成立していないので、この保留装置制御処理を終了し、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。
一方、S501の処理において、保留装置駆動フラグ203fがオンされていると判別された場合は(S501:Yes)、保留装置駆動タイマ203gの値から1減算し(S502)、次いで、減算した保留装置駆動タイマ203gの値が「0」となったか否かを判別する(S503)。これらの処理を実行することで、保留装置73内に保留されている球の解放する条件(即ち、「スランプ演出」の開始、保留装置73内に球が保留、及び、取得された変動演出の変動パターンが「リーチ表示」を含まない)が成立した場合に、保留装置73内に保留されている球をダミー入賞口75に流入させるタイミングを計数できる。
S503の処理において、保留装置駆動タイマ203gの値が「0」でないと判別された場合は(S503:No)、未だ保留装置73内に保留されている球の解放タイミングに到達していないので、引き続き解放タイミングを計数すべく、S504及びS505の処理をスキップして、この保留装置制御処理(S111)を終了して、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。
一方、S503の処理において、保留装置駆動タイマ203gの値が「0」であると判別された場合は(S503:Yes)、保留装置73内に保留されている球の解放タイミングとなったので、保留装置ソレノイド73fを「2000ミリ秒」の間、オン駆動するように設定し(S504)、保留装置駆動フラグ203fをオフに設定して(S505)、この保留装置制御処理(S111)を終了する。
このように、保留装置駆動フラグ203fおよび保留装置駆動タイマ203gに基づいて、保留装置73内に保留されている球の解放タイミングを制御することで、「スランプ演出」の実行中であって、対応する演出要素(即ち、「ガセ疑似連2」)の実行前にダミー入賞口75へ球を流入させ、対応する演出要素の実行前に、該演出要素に対応するダミー保留表示である保留図柄を表示することができる。
次に、図31を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図26参照)の一処理であるダミー入賞処理(S112)について説明する。図31は、ダミー入賞処理を示したフローチャートである。
このダミー入賞処理(S112)では、ダミー入賞口75に球が流入(入賞)したか否かを判別し、該ダミー入賞口75に球が入賞した場合には、払出制御装置111に向けて送信する賞球コマンドを設定すると共に、音声ランプ制御装置113に向けて送信するダミー保留コマンドを設定する。
MPU201は、このダミー入賞処理(S112)では、まず、ダミー入賞口75へ球が入賞したか否かを判別する(S601)。ここでは、タイマ割込処理のスイッチ読み込み処理(図26のS105参照)において読み込んだ、ダミー入賞口75への入球(入賞)を検出するダミー入賞口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、ダミー入賞口75への入球を3回のタイマ割込処理(図26参照)にわたって検出する。判別の結果、ダミー入賞口75に球が入賞していないと判別された場合は(S601:No)、このダミー入賞処理を終了して、タイマ割込処理に戻る。
一方、S601の処理において、ダミー入賞口75に球が入賞したと判別された場合は(S601:Yes)、ダミー入賞口75への入賞に基づいて、特図入賞口77a,78aと同等の賞球を払い出すべく、賞球を3個払い出すことを払出制御装置111に指示する3個賞球コマンドを設定し(S602)、処理をS603へ移行する。S602の処理で設定された3個賞球コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図26のS101参照)の中で、払出制御装置111に向けて送信される。
このように構成することで、遊技者は、払い出された賞球数のみでは、特図入賞口77a,78aへ入賞したのかダミー入賞口75へ入賞したのかを判別できない。また、遊技者は、遊技を行う上で、特図入賞口77a,78a及びダミー入賞口75より、第3図柄表示装置81で行われている演出(変動演出や「スランプ演出」、或いは、保留図柄等)の方に着目し、特図入賞口77a,78a及びダミー入賞口75への球の入賞態様にそれほど注視していない。よって、遊技者は、払い出された賞球数のみでは、該賞球に対応する演出(保留図柄)が、「通常状態」における変動演出に対応するものであるのか、「スランプ状態」における「スランプ演出」の演出単位に対応するものであるのかを判別することができない。その結果、取得された変動演出の変動時間より長く、かつ、取得された変動演出の回数より多くの演出要素が行われる「スランプ演出」を行った場合であっても、遊技者が違和感を感じることなく遊技に興醒めすることを防止することができる。
S603の処理では、ダミー保留表示に対応する保留図柄を表示させることを音声ランプ制御装置113に指示するダミー保留コマンドを設定し(S603)、このダミー入賞処理(S112)を終了して、タイマ割込処理(図26参照)に戻る。S603の処理で設定されたダミー保留コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図26のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、ダミー保留コマンドを受信すると、ダミー保留球数カウンタ223cの値に1加算し、加算後のダミー保留球数カウンタ223cの値と、サブ保留球数カウンタ223bの値との合計値に基づいて、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)において保留図柄(および実行図柄)の表示を表示するように制御を行う。
このように構成することで、実際の変動演出の保留球数より1多い数の保留図柄をコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示させることができると共に、実際の変動演出の実行回数より多い回数の「スランプ演出」を行った場合であっても「スランプ演出」における演出単位数と保留図柄との整合性を取ることができる。その結果、演出の齟齬が生ずることなく当否抽選が行われる演出が実際の変動演出の回数より多く行われたかのように遊技者に錯覚させることができる。
次いで、図32を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図32は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図33を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図33は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
MPU201は、立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。また、保留装置ソレノイド73f等の電子部品が正常に作動するか否かの初期動作を行う。なお、保留装置ソレノイド73fが初期動作を行った場合であっても、保留装置73の保留球保持部73bに球が保留された状態を維持するような態様で、上記初期動作が行われるように構成されている。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では、「1秒」)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図2参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS811へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS811へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。
なお、図34のS906でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S811の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S811)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S812,S813)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S812,S813)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S812,S813)を実行する。RAM203の初期化処理(S812,S813)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S812)、その後、RAM203に初期値を設定する(S813)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、割込みを許可する(S810)。そして、後述するメイン処理(図34参照)に移行する。
次に、図34を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図34は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
MPU201は、メイン処理では、まず、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S901)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S901:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S902,S903)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S902)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203b領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S107(図26参照)の処理と同一の方法によって実行し(S903)、S901の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図26を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では、「4ミリ秒」)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、大入賞口65aの開閉を制御する実行が行われ、第2入球口67への球の通過があれば、第2図柄表示装置83による第2図柄の可変表示に関する表示制御が行われる。また、第1図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS902,S903の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び当たり乱数カウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S901の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S901:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図32のNMI割込処理が実行されたということなので、S904以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S904)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S905)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S906)、RAM203のアクセスを禁止して(S907)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S901の処理は、タイマ割込処理(図26参照)の残余時間内に行われるS902とS903の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図33参照)の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図26参照)で実行し、メイン処理(図34参照)において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理の中で所定時間(例えば、4ミリ秒)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大当たり処理(S103)、第2図柄制御処理(S104)及びスイッチ読み込み処理(S105)、始動入賞処理(S108)、変動処理(S109)、発射制御処理(S110)、保留装置制御処理(S111)、ダミー入賞処理(S112)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で4ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理(図34参照)の中で所定時間(4ミリ秒)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図35から図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図35参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図36参照)とがある。
まず、図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図35は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
MPU221は、立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1122の電源断処理(図36参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図36を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図36のS1119参照)、S1122の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1122の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1122の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1122の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1122の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1122の電源断処理の実行時にオンされる(図36のS1121参照)。つまり、電源断フラグは、S1122の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1122の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理(図36参照)へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理(図36参照)へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図36は、このメイン処理を示したフローチャートである。
MPU221は、メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1115の処理を行わずにS1116の処理へ移行する。S1101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1115が短い周期(1ミリ秒以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1116のコマンド判定処理やS1117の変動演出処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S1116の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1117の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。また、1ミリ秒ごとにS1102〜S1115の処理を実行することで、各種制御タイミングを的確に計数することが可能となる。
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、図35に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
S1102の処理では、S1103〜S1117の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1106の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1105の処理へ移行する。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1105)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出及び「スランプ演出」が未実行の期間や、「高速変動」の演出要素の期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。
また、変動演出又は「スランプ演出」の開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、「リーチ表示」中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を画面上に提示された複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1105の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1105)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1106)、その後音編集・出力処理を実行する(S1107)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示(即ち、変動演出又は「スランプ演出」)に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1107の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1108)、S1109の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出又は「スランプ演出」に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1106のランプ編集処理が実行され、また、S1107の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出又は「スランプ演出」に要する時間と同期した時間で実行される。
S1109の処理では、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きいか否かを判別する(S1109)。この判別は、「スランプ演出」の経過状況を把握し、該「スランプ演出」の1の演出単位が終了したタイミングで、次の演出単位の開始に合わせて保留図柄のシフト処理を行うためである。
S1109の処理において、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きい値でないと判別された場合(S1109:No)、即ち、スランプ演出タイマ223gの値が「0」である場合は、「スランプ演出」中ではないため、S1110〜S1115の処理をスキップして、処理をS1116へ移行する。
一方、S1109の処理において、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S1109:Yes)、「スランプ演出」中であるので、スランプ演出タイマ223gの値を1減算し(S1110)、該スランプ演出タイマ223gの値を判別して、「スランプ演出」が開始されてから「10秒」経過したか否かを判別する(S1111)。
第1実施形態のパチンコ機10において、「スランプ演出」は、第3図柄の変動演出の保留がない状態、かつ、第3図柄表示装置81において変動演出が実行されていない場合に発生し得るものである。従って、「スランプ状態」中における始動入賞に基づいて「リーチ表示」を含まない「非リーチ」演出態様の変動演出が取得された場合、該変動演出の演出態様はもれなく「15秒」の「非リーチ(ロング)」演出態様が選択される。
ここで、「スランプ状態」における始動入賞に基づいて「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、少なくとも「ガセ疑似連1」と「ガセ疑似連2」との2の演出要素の「スランプ演出」が実行される。また、「スランプ演出」における各演出単位は「10秒」を基準に行われる構成であるため、「スランプ演出」における最初の演出単位(即ち、「ガセ疑似連1」)の開始から「10秒」経過した時点で、該最初の演出単位が終了し、「スランプ演出」における次の演出単位(即ち、「ガセ疑似連2」)の実行が開始される。
よって、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合は、「スランプ演出」における最初の演出単位の終了、および、次の演出単位の開始を示唆すると共に、各演出単位の実行状況と保留図柄および実行図柄の表示内容との整合性をとるべく、上記演出単位の実行状況に伴って第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示されている実行図柄を消去すると共に保留図柄の表示をシフト移動(以下、表示されている実行図柄を消去すると共に保留図柄の表示をシフト移動することを、単に「シフト表示」と称する)する必要がある。従って、S1111の処理によって、「スランプ演出」における最初の演出単位の終了タイミングを計測し、該終了タイミングに到達した段階で、S1114の処理によって、保留図柄および実行図柄の表示内容を変更する。
また、「スランプ状態」における始動入賞に基づいて「リーチ表示」を含む演出態様が選択された場合、当該「リーチ表示」を含む演出態様に対応する「スランプ演出」として、保留図柄および実行図柄を消費しない「疑似連」演出が実行される。
よって、「リーチ表示」を含む演出態様が選択された場合は、「スランプ演出」における演出単位では保留図柄および実行図柄が消費されないため、各演出単位の実行状況と保留図柄および実行図柄の表示内容との整合性をとるべく、上記演出単位の実行状況に伴って第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示されている実行図柄と保留図柄とをそのまま表示し続ける。
このように構成することで、「スランプ演出」における各演出単位の実行状況と、保留図柄および実行図柄の表示内容との整合性をとることができる。その結果、実際の変動演出より長い時間行われる一連の「スランプ演出」を実行した場合であっても、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。
なお、S1111の処理において、「スランプ演出」が開始されてから「10秒」経過したか否かは、スランプ演出タイマ223gの値と、取得された延長時間とに基づいて判別するように構成されている。具体的には、取得された変動演出が「15秒」の「非リーチ(ロング)」演出態様であって、かつ、取得された延長時間が「5秒」である場合は、スランプ演出タイマ223gの値が残り「10000」となった段階、即ち、「20000」と設定されたスランプ演出タイマ223gから10000減算されたタイミングで、「スランプ演出」の開始から「10秒」が経過したものと判別するように構成されている。また、取得された変動演出が「15秒」の「非リーチ(ロング)」演出態様であって、かつ、取得された延長時間が「10秒」である場合は、スランプ演出タイマ223gの値が残り「15000」となった段階、即ち、「25000」と設定されたスランプ演出タイマ223gから10000減算されたタイミングで、「スランプ演出」の開始から「10秒」が経過したものと判別するように構成されている。
従って、S1111の処理において、「スランプ演出」の開始から「10秒」経過していないと判別された場合は(S1111:No)、未だ保留図柄のシフトタイミング(即ち、「ガセ疑似連1」の終了タイミング)が到来していないので、S1112〜S1115の処理をスキップして、処理をS1116へ移行する。
一方、S1111の処理において、「スランプ演出」の開始から「10秒」経過したと判別された場合は(S1111:Yes)、次いで、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きい値か否か、即ち、ダミー保留表示である保留図柄を表示中か否かを判別する(S1112)。これは、「リーチ表示」を含む変動パターンや保留装置73内に球が保留されていない場合は、主制御装置110からダミー保留コマンドを受信しておらず、ダミー保留表示である保留図柄を表示していないため、このような場合には保留図柄および実行図柄のシフト表示を行わないようにするためである。
S1112の処理において、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きくないと判別された場合(S1112:No)、即ち、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」であって、ダミー保留表示である保留図柄を表示していないときは、S1113〜S1115の処理をスキップして、処理をS1116へ移行する。
一方、S1112の処理において、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S1112:Yes)、ダミー保留表示である保留図柄を表示しており、該保留図柄のシフト表示タイミングであるため、まず、ダミー保留球数カウンタ223cの値から1減算し(S1113)、保留表示情報格納エリア223eに格納されたデータをシフト処理する(S1114)。
このデータシフト処理は、第1〜第5保留表示エリア223e1〜223e5に格納されているデータを実行保留表示エリア223e0へ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留表示エリア223e1→実行保留表示エリア223e0、第2保留表示エリア223e2→第1保留表示エリア223e1、第3保留表示エリア223e3→第2保留表示エリア223e2、第4保留表示エリア223e4→第3保留表示エリア223e3、第5保留表示エリア223e5→第4保留表示エリア223e4といった具合に、各エリア223e0〜223e5内のデータがシフトされる。
S1114のデータシフト処理の後は、サブ保留球数カウンタ223bの値と、上記データシフト処理により保留表示情報格納エリア223eに格納されている保留変化情報とに基づいて表示用保留球数コマンドを設定し(S1115)、処理をS1116へ移行する。S1115の処理で設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるコマンド出力処理(S1102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。
表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)において、該表示用保留球数コマンドが示す数の保留図柄および実行図柄を表示すると共に、該表示用保留球数コマンドに含まれる保留変化情報に基づいて該当する保留図柄又は実行図柄の表示態様(表示色)の制御を行う。
S1116の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1116)、S1117の処理へ移行する。このコマンド判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。
S1117の処理では、コマンド判定処理(S1116)の処理の後、第3図柄表示装置81において変動演出又は「スランプ演出」を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出又は「スランプ演出」を開始するための処理である変動演出処理を実行する。この変動演出処理の詳細については、図42を参照して後述する。
次いで、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた保留変化カウンタ223d等の各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行し(S1118)、処理をS1119へ移行する。このカウンタ更新処理では、具体的には、例えば、保留変化カウンタ223dを1加算すると共に、該カウンタ値が最大値(第1実施形態ではともに「99」)に達した際に「0」クリアする。このように更新された保留変化カウンタ223dは、「保留変化予告」の実行および表示態様の選定に使用される。
S1119の処理では、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1119)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1119の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1119:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1121)、電源断処理を実行する(S1122)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1123)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1119の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1119:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1120)、RAM223が破壊されていなければ(S1120:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1120:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1116)について説明する。図37は、コマンド判定処理を示したフローチャートである。このコマンド判定処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図36参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
MPU221は、コマンド判定処理(S1116)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110よりスランプコマンドを受信したか否かを判別する(S1201)。そして、スランプコマンドを受信したと判別された場合(S1201:Yes)、サブスランプフラグ223fをオンに設定し(S1202)、このコマンド判定処理を終了して、メイン処理(図36参照)に戻る。MPU221は、スランプコマンドの受信に基づいてサブスランプフラグ223fをオンに設定することで、音声ランプ制御装置113側で「スランプ状態」であることが認識可能となる。
一方、S1201の処理において、スランプコマンドを受信していないと判別された場合(S1201:No)、次いで、主制御装置110より保留ランクアップコマンドを受信したか否かを判別する(S1203)。そして、保留ランクアップコマンドを受信したと判別された場合(S1203:Yes)、サブ保留球数カウンタ223bとダミー保留球数カウンタ223cとの合計値が示す保留表示情報格納エリア223eの保留変化情報を1ランクアップさせる(S1204)。
S1204の処理では、具体的には、例えば、サブ保留球数カウンタ223bとダミー保留球数カウンタ223cとの合計値が示す保留表示情報格納エリア223eに「無し(白)」に対応する保留変化情報が格納されていた場合は、該保留変化情報を「青」に対応する保留変化情報に更新する。また、サブ保留球数カウンタ223bとダミー保留球数カウンタ223cとの合計値が示す保留表示情報格納エリア223eに「青」に対応する保留変化情報が格納されていた場合は、該保留変化情報を「緑」に対応する保留変化情報に更新する。また、サブ保留球数カウンタ223bとダミー保留球数カウンタ223cとの合計値が示す保留表示情報格納エリア223eに「緑」に対応する保留変化情報が格納されていた場合は、該保留変化情報を「赤」に対応する保留変化情報に更新する。
このように構成することで、「スランプ演出」の各演出単位に対応する保留図柄および実行図柄の表示態様を1ランクアップさせることができ、「スランプ演出」の演出数と保留図柄および実行図柄の表示数との整合性を取りつつ、演出内容のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣を向上することができる。
S1204の処理の後は、演出変換フラグ223kをオンに設定し(S1205)、このコマンド判定処理(S1116)を終了して、メイン処理(図36参照)に戻る。保留ランクアップコマンドの受信に基づいて演出変換フラグ223kをオンに設定することで、音声ランプ制御装置113側で「スランプ演出」において、保留図柄を消化し得る「ガセ疑似連」演出が実行される場合に、保留図柄を消化しない「発展可否演出」の演出要素に変換させることを認識することができる。このように構成することで、「スランプ演出」における演出単位の内容と、保留図柄および実行図柄の消費状況との整合性を取ることができ、演出内容の齟齬が発生しないようにすることができる。
S1203の処理において、保留ランクアップコマンドを受信していないと判別された場合は(S1203:No)、次いで、ダミー保留コマンドを受信したか否かを判別する(S1206)。判別の結果、ダミー保留コマンドを受信していれば(S1206:Yes)、ダミー保留球数カウンタ223cの値に1加算し(S1207)、次いで、保留図柄の表示態様を設定すべく、保留表示設定処理を行い(S1208)、メイン処理(図36参照)に戻る。この保留表示設定処理では、S1206で更新したダミー保留球数カウンタ223cの値と、その時点でのサブ保留球数カウンタ223bの値とに基づいて、「保留変化予告」に関する制御を行う。この保留表示設定処理の詳細については、図38を参照して後述する。
S1206の処理において、ダミー保留コマンドを受信していないと判別された場合(S1206:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1209)。判別の結果、保留球数コマンドを受信していれば(S1209:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bに格納する(S1210)。
ここで、保留球数コマンドは、球が特図入賞口77a,78aに入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1210の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
S1210の処理の後は、受信した保留球数コマンドに含まれる大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を抽出し、保留情報格納エリア223iの保留情報格納第1〜第4エリア(図25参照)のうち、S1210の処理により更新されたサブ保留球数カウンタ223bの値に対応する保留情報格納第1〜第4エリアに格納する(S1211)。
即ち、サブ保留球数カウンタ223bの値(保留球数)がX(1≦X≦4)である場合に、抽出された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ、保留情報格納第Xエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223i1、大当たり種別カウンタ格納エリア223i2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223i3、変動種別カウンタ格納エリア223i4に格納される。
保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、球が特図入賞口77a,78aに入賞(始動入賞)したときに主制御装置110においてカウンタ用バッファ203bより取得されたものであり、該保留球数コマンドに含まれる保留球数がXである場合、主制御装置110の保留球格納エリア203cの保留第Xエリアに格納された値である。つまり、音声ランプ制御装置113の保留情報格納エリア223iには、主制御装置110の保留球格納エリア203cと同じ情報(各カウンタC1〜C3,CS1の値)が格納されることになる。
音声ランプ制御装置113は、この保留情報格納エリア223iに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、後述する保留表示設定処理(図38参照)において先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出又は「スランプ演出」が実行された場合に、その変動演出又は「スランプ演出」の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出又は「スランプ演出」の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定したりする制御を音声ランプ制御装置113にて実行することができる。
S1211の処理の後は、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて保留図柄の表示態様を決定すべく、ダミー保留コマンドを受信した場合と同様、保留表示設定処理(S1208)を行い、メイン処理(図36参照)に戻る。
S1209の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合は(S1209:No)、次いで、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1212)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合は(S1212:Yes)、該変動パターンコマンドに基づく変動演出又は「スランプ演出」の設定を行うべく、変動設定処理を行い(S1213)、メイン処理(図36参照)に戻る。この変動設定処理では、受信した変動パターンコマンドから変動パターン(変動時間)を抽出し、該変動パターンに基づいて変動演出又は「スランプ演出」の詳細な演出内容の設定を行う。この変動設定処理については、図39を参照して後述する。
S1212の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合は(S1212:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1214)。判別の結果、停止種別コマンドを受信していれば(S1214:Yes)、該停止種別コマンドに基づく変動演出又は「スランプ演出」の停止図柄の設定を行うべく、図柄設定処理を行い(S1215)、メイン処理(図36参照)に戻る。この図柄設定処理では、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出し、該停止種別に基づいて変動演出又は「スランプ演出」の詳細な停止図柄の設定を行う。この図柄設定処理については、図40を参照して後述する。
S1214の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合は(S1214:No)、次いで、主制御装置110より確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1216)。判別の結果、確定コマンドを受信していれば(S1216:Yes)、該確定コマンドに基づく変動演出又は「スランプ演出」の表示処理を行うべく、確定設定処理を行い(S1217)、メイン処理(図36参照)に戻る。この確定設定処理では、受信した確定コマンドに基づいて、変動演出の実行中であれば該変動演出の確定表示を行い、「スランプ演出」の実行中であれば該「スランプ演出」において左図柄列Z1の停止表示を行う。この確定設定処理については、図41を参照して後述する。
S1216の処理において、確定コマンドを受信していないと判別された場合は(S1216:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1218)、メイン処理(図36参照)に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1218の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納された後、メイン処理のコマンド出力処理(図36のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される保留表示設定処理(S1208)について説明する。図38は、保留表示設定処理を示したフローチャートである。上述したように、この保留表示設定処理は、主制御装置110から保留球数コマンドまたはダミー保留コマンドを受信した場合に実行され、保留図柄において「保留変化予告」を実行するか否かを決定すると共に、その決定内容に応じて表示用保留球数コマンドを設定する。
MPU221は、この保留表示設定処理(S1208)では、まず、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて、又は、今回受信したダミー保留コマンドを受信したタイミングで実行されている「スランプ演出」の演出単位の次の演出単位の当否に基づいて、「保留変化予告」の実行抽選に当選したか否かを判別する(S1301)。「保留変化予告」の実行抽選は、上述したように、「通常状態」であればサブ保留球数カウンタ223bの値がX(1≦X≦4)に対応する保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、その当否および演出態様を抽出する。そして、その抽出された当否および演出態様に基づいて、その時点での保留変化カウンタ223dの値と保留変化テーブル222e(図18参照)とを参照して、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定する。
また、1の始動入賞(即ち、入賞1)のみに基づく「スランプ演出」中であれば、実行中の「スランプ演出」の当否を、実行情報格納エリア223jの各カウンタ格納エリア223j1〜223j4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて抽出する。また、1の始動入賞(即ち、入賞1)のあとに追加的な始動入賞(即ち、入賞2)に基づく「スランプ演出」の実行中であれば、実行中の「スランプ演出」の当否を、保留情報格納第1エリアの各カウンタ格納エリア223j1〜223j4,223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて抽出する。そして、その抽出された当否に基づいて、その時点での保留変化カウンタ223dの値と保留変化テーブル222eとを参照して、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定する。
S1301の処理の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していれば(S1301:Yes)、該「保留変化予告」の実行抽選結果である表示態様(例えば、「青」)を示す保留変化情報を、サブ保留球数カウンタ223bの値とダミー保留球数カウンタ223cの値との合計値が示す保留表示情報格納エリア223eに格納し(S1302)、処理をS1304へ移行する。一方、S1301の処理の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していなければ(S1301:No)、「保留変化予告」が実行されないことを示す保留変化情報(即ち、Nullデータ)を、サブ保留球数カウンタ223bの値とダミー保留球数カウンタ223cの値との合計値が示す保留表示情報格納エリア223eに格納し(S1303)、処理をS1304へ移行する。これにより、「通常状態」の変動演出および「スランプ演出」の各演出単位毎に「保留変化予告」を実行するか否かを保留表示情報格納エリア223eに記憶させることができる。
なお、S1303の処理において、対応する保留表示情報格納エリア223eにNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留表示情報格納エリア223eに記憶されていた「保留変化予告」に関する情報の重複使用を防止することができ、演出の齟齬(例えば、「非リーチ」演出態様の変動演出であるにもかかわらず「保留変化予告」が「赤」)が発生してしまうことを未然に防止することができる。
次いで、S1304の処理では、サブ保留球数カウンタ223bの値とダミー保留球数カウンタ223cの値との合計値と、保留表示情報格納エリア223eに格納されている保留変化情報とを表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1304)、この保留表示設定処理(S1208)を終了して、コマンド判定処理(図37参照)に戻る。
S1304の処理で設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図36のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用保留球数コマンドを受信した表示制御装置114は、該表示用保留球数コマンドが示す保留球数および保留変化情報に応じた保留図柄を、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示させる処理を実行する。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動設定処理(S1213)について説明する。図39は、変動設定処理を示したフローチャートである。この変動設定処理は、上述したように、コマンド判定処理(図37参照)において、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、該変動パターンコマンドが示す変動パターンとその時の遊技状態(即ち、「通常状態」か「スランプ状態」か)とに基づいて、変動演出又は「スランプ演出」の演出内容の設定を行う。
MPU221は、この変動設定処理(S1213)では、まず、変動パターンコマンドから変動パターン(変動時間)を抽出し(S1401)、処理をS1402へ移行する。S1401の処理で抽出された変動パターンは、RAM223に記憶され、その変動パターンに基づいて、S1402〜S1418の処理が行われる。
S1402の処理では、S1401で抽出した変動パターンが「2R確変大当たり」を示す変動パターン、即ち、「特殊変動」演出態様か否かを判別する(S1402)。判別の結果、変動パターンが「2R確変大当たり」を示すものであれば(S1402:Yes)、いずれの遊技状態であっても該変動パターンのまま変動演出を実行させるため、S1404〜S1423の処理を行わず、サブスランプフラグ223fをオフに設定(初期化)して(S1403)、この変動設定処理(S1213)を終了する。変動設定処理の終了後は、コマンド判定処理(図37参照)に戻る。
一方、S1402の処理において、「2R確変大当たり」を示す変動パターンでなければ(S1402:No)、次いで、サブスランプフラグ223fがオンされているか否かを判別する(S1404)。判別の結果、サブスランプフラグ223fがオンされていれば(S1404:Yes)、「スランプ状態」中における変動パターンコマンドの受信であるので、まず、サブスランプフラグ223fをオフに設定し(S1405)、次いで、S1401で抽出した変動パターンが「リーチ表示」を含むものか否かを判別する(S1406)。
S1406の処理において、「リーチ表示」を含む変動パターンでないと判別された場合(S1406:No)、即ち、「非リーチ(ロング)」演出態様であると判別された場合は、「スランプ演出」における延長時間を抽選し(S1407)、該抽出された延長時間をスランプ演出タイマ223gの値に加算すると共に(S1408)、抽出された延長時間をRAM223に記憶し(S1409)、処理をS1410へ移行する。一方、S1406の処理において、「リーチ表示」を含む変動パターンであると判別された場合(S1406:Yes)、延長時間を取得せずに「スランプ演出」を行うため、S1407〜S1409の処理をスキップして、処理をS1410へ移行する。このように構成することで、「リーチ表示」を含まない変動パターンにおける「スランプ演出」に関して延長時間を取得し、実際の変動演出の変動時間よりも長い第3図柄の動的な演出を実行することができる。
S1410の処理では、S1401の処理において抽出された変動パターンに基づいてスランプ演出タイマ223gの値に変動時間を加算して(S1410)、処理をS1411へ移行する。具体的には、例えば、変動パターンが『「高速変動(長)」+「低速変動」』の「15秒」の変動時間であった場合、「15000」がスランプ演出タイマ223gの値に加算され、変動パターンが『「高速変動(長)」+「疑似変動」+「高速変動(短)」+「疑似変動」+「スペシャルリーチ」』の「50秒」の変動時間であった場合は、「50000」がスランプ演出タイマ223gの値に加算される。第1実施形態では、上記S1408においてスランプ演出タイマ223gに設定された値と、このS1410においてスランプ演出タイマ223gに加算された値とに基づいて、一連の「スランプ演出」が実行される。
S1411の処理では、再び、S1401で抽出された変動パターンに「リーチ表示」が含まれるか否かが判別される(S1411)。判別の結果、「リーチ表示」を含む変動パターンである場合は(S1411:Yes)、今回新たに設定する、又は、追加的に設定する「スランプ演出」において、「疑似連」演出から発展させて「リーチ表示」を実行させるべく、入賞時(変動パターンコマンド受信時)の状況(即ち、「スランプ状態」中か、延長時間以外に基づく「スランプ演出」の実行中か、延長時間に基づく「スランプ演出」の実行中か否か。以下、同様。)と、S1408及び/又はS1410の処理において設定(加算)したスランプ演出タイマ223gの値と、後述するS1422において「スランプ演出(延長時間)」の実行中における変動パターンコマンドである場合にのみRAM223に記憶された延長時間の残存値とに基づいて、「疑似連」演出及び/又は「発展可否演出」の演出要素と、「どっちだリーチ」の演出要素との各演出単位をスランプ演出格納エリア223hの第1〜第7演出エリア223h1〜223h7にそれぞれ設定して(S1412)、処理をS1413へ移行する。なお、S1412の処理において、入賞時の状況が、「スランプ状態」中、又は、延長時間以外に基づく「スランプ演出」の実行中である場合は、残存値が設定されていないため、入賞時の状況とスランプ演出タイマ223gの値とに基づいて「スランプ演出」の内容が設定される。
次いで、S1413の処理では、「リーチ表示」が行われる「スランプ演出」であるので、該「スランプ演出」の実行中における新たな変動パターンコマンドの受信に基づいて追加的な「スランプ演出」を設定しないようにするため、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアし(S1413)、処理をS1417へ移行する。
一方、S1411の処理において、「リーチ表示」を含まない変動パターンであると判別された場合は(S1411:No)、今回新たに設定する、又は、追加的に設定する「スランプ演出」において、入賞時(変動パターンコマンド受信時)の状況と、S1408及び/又はS1410の処理において設定(加算)したスランプ演出タイマ223gの値と、後述するS1422において「スランプ演出(延長時間)」の実行中における変動パターンコマンドである場合にのみRAM223に記憶された延長時間の残存値とに基づいて、「ガセ疑似連」演出及び/又は「発展可否演出」の演出要素の各演出単位をスランプ演出格納エリア223hの第1〜第7演出エリア223h1〜223h7にそれぞれ設定して(S1414)、処理をS1415へ移行する。なお、S1414の処理において、入賞時の状況が、「スランプ状態」中、又は、延長時間以外に基づく「スランプ演出」の実行中である場合は、残存値が設定されていないため、入賞時の状況とスランプ演出タイマ223gの値とに基づいて「スランプ演出」の内容が設定される。
次いで、S1415の処理では、演出変換フラグ223kがオンされているか否かを判別する(S1415)。判別の結果、演出変換フラグ223kがオンされていれば(S1415:Yes)、今回設定された「スランプ演出」において、保留図柄(実行図柄)を消費する1の「ガセ疑似連」演出を、保留図柄(実行図柄)を消費しない「発展可否演出」の演出要素に変換してスランプ演出格納エリア223hを更新し(S1416)、処理をS1417へ移行する。一方、演出変換フラグ223kがオンされていなければ(S1415:No)、設定された「スランプ演出」を変換することなく、S1416の処理をスキップして、処理をS1417へ移行する。このように構成することで、「スランプ演出」における演出単位の実行数と保留図柄の表示数とを一致させ、整合性ある演出を提供することで、遊技者が違和感を感じることがない快適な遊技を実行することができる。
S1417の処理では、後述するS1422において「スランプ演出(延長時間)」の実行中における変動パターンコマンドである場合にのみRAM223に記憶された延長時間の残存値を「0」クリアし(S1417)、次いで、演出変換フラグ223kをオフに設定して(S1418)、この変動設定処理(S1213)を終了する。変動設定処理の終了後は、コマンド判定処理(図37参照)に戻る。このように、1の変動パターンコマンドを受信した場合に、該変動パターンコマンドの受信に基づいて取得(設定)された残存値や演出変換フラグ223kを初期化することで、受信した変動パターンコマンド毎に的確な変動演出又は「スランプ演出」の設定処理を実行することができる。
一方、S1404の処理において、サブスランプフラグ223fがオンされていないと判別された場合は(S1404:No)、次いで、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きいか否かを判別する(S1419)。判別の結果、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きいと判別された場合は(S1419:Yes)、「スランプ演出」の実行中における変動パターンコマンドの受信であるので、次に、該変動パターンコマンドの要因となった始動入賞(即ち、入賞2)が、「スランプ演出」における先の変動パーターンコマンド(即ち、入賞1)に基づく変動演出の変動時間中(確定表示中も含む。以下同様。)の始動入賞か否かを判別する(S1420)。この判別は、今回受信した変動パターンコマンドのタイミングにおいて、スランプ演出タイマ223gの値が、S1409でRAM223に記憶された延長時間に対応する値より小さい値であった場合、「スランプ演出」における先の変動パターンコマンドに基づく変動演出の変動時間中ではないと判別される。一方、今回受信した変動パターンコマンドのタイミングにおいて、スランプ演出タイマ223gの値が、延長時間に対応する値より大きい値であった場合は、「スランプ演出」における先の変動パターンコマンドに基づく変動演出の変動時間中であると判別される。
S1420での判別の結果、今回受信した変動パターンコマンドの受信タイミングが、先の変動パターンコマンドに基づく変動演出の変動時間中であったと判別された場合は(S1420:Yes)、延長時間以外に基づく「スランプ演出」の実行中の状況での変動パターンコマンドの受信であるので、受信した変動パターンコマンドに基づいて追加的な「スランプ演出」を設定するために、S1409で記憶された延長時間に対応する値(即ち、「5000」又は「10000」)をスランプ演出タイマ223gの値から減算して(S1421)、処理をS1410へ移行する。
一方、S1420の処理において、今回受信した変動パターンコマンドの受信タイミングが、先の変動パターンコマンドに基づく変動演出の変動時間中でないと判別された場合(S1420:No)、即ち、延長時間に基づく「スランプ演出」の実行中の状況での変動パターンコマンドの受信であるので、受信した変動パターンコマンドに基づいて追加的に「スランプ演出」を実行するために、一旦、スランプ演出タイマ223gの値である「スランプ演出」の残存値をRAM223に記憶し(S1422)、そして、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアし(S1423)、処理をS1410へ移行する。
そして、S1410以降の処理では、まず、S1410において、S1421又はS1423で設定し直されたスランプ演出タイマ223gの値に対して変動パターンの応じた値を改めて加算し(S1410)、S1412又はS1414等において、該S1410で加算されたスランプ演出タイマ223gの値と、S1422でRAM223に記憶された「スランプ演出」の残存値とに基づいて、追加的な「スランプ演出」が設定される。
なお、S1419の処理において、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きい値でないと判別された場合(S1419:No)、即ち、スランプ演出タイマ223gの値が「0」であることによって、「スランプ状態」及び「スランプ演出」の実行中でもなく、「通常状態」であるので、該変動パターンコマンドの受信に基づいて変動演出を実行すべく、この変動設定処理(S1213)を終了して、コマンド判定処理(図37参照)に戻る。
このように、入賞時(変動パターンコマンド受信時)の状況毎に、スランプ演出タイマ223gの値や延長時間又は延長時間の残存値を設定し、それらの設定値に基づいて共通の処理で「スランプ演出」を設定することができ、ROM222に記憶されるプログラム容量を削減することができる。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される図柄設定処理(S1215)について説明する。図40は、図柄設定処理を示したフローチャートである。この図柄設定処理では、上述したように、コマンド判定処理(図37参照)において、主制御装置110から停止種別コマンドを受信した場合に、該停止種別コマンドから停止種別を抽出すると共に、該停止種別コマンドに対応する変動パターンコマンドが示す変動パターンと、スランプ演出格納エリア223hの設定状況とに基づいて、変動演出又は「スランプ演出」における停止図柄が設定される。
この図柄設定処理(S1215)では、まず、停止種別コマンドから停止種別(演出態様)を抽出し(S1501)、処理をS1502へ移行する。S1501の処理で抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、その停止種別に基づいて、S1502〜S1506の処理が行われる。
S1502の処理では、S1501で抽出した停止種別が「2R確変大当たり」を示す停止種別、即ち、「特殊変動」演出態様か否かを判別する(S1502)。判別の結果、停止種別が「2R確変大当たり」を示すものであれば(S1502:Yes)、いずれの状況であっても該停止種別のまま変動演出を実行させるため、S1503〜S1506の処理を行わず、処理をS1507へ移行する。
一方、S1502の処理において、「2R確変大当たり」を示す停止種別でなければ(S1502:No)、次いで、スランプ演出格納エリア223hに「スランプ演出」に関するデータが格納されているか否かを判別する(S1503)。判別の結果、スランプ演出格納エリア223hに「スランプ演出」に関するデータが格納されていなければ(S1503:No)、「通常状態」における停止種別コマンドの受信であるので、「スランプ演出」に関する処理であるS1504〜S1506の処理を行わず、処理をS1507へ移行する。
一方、S1503の処理において、スランプ演出格納エリア223hに「スランプ演出」に関するデータが記憶されていれば(S1503:Yes)、「スランプ演出」における各演出単位の停止図柄を設定すべく、変動設定処理(図39参照)におけるS1401においてRAM223に記憶された変動パターンが、「リーチ表示」を含むものであるか否かを判別する(S1504)。
S1504の判別の結果、「リーチ表示」を含む変動パターンであると判別された場合は(S1504:Yes)、「スランプ演出」における「疑似連」演出の回数に応じたチャンス目図柄をスランプ演出格納エリア223hに設定すると共に、S1501で抽出した停止種別に応じて「どっちだリーチ」の演出要素における停止図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)をスランプ演出格納エリア223hに設定し(S1505)、処理をS1507へ移行する。
一方、S1504の判別の結果、「リーチ表示」を含む変動パターンではないと判別された場合(S1504:No)、即ち、「ハズレ表示」の変動パターンである場合は、「ガセ疑似連」演出の回数に応じたガセチャンス目図柄をスランプ演出格納エリア223hに設定し(S1506)、処理をS1507へ移行する。このように構成することで、「スランプ演出」の各演出単位毎に停止図柄を表示することができると共に、「スランプ演出」を行った場合であっても、停止種別コマンドに応じた停止図柄を表示することができる。
S1507の処理では、後述する変動演出処理(図42参照)において、上述した変動設定処理(図39参照)及び図柄設定処理(S1215)における各設定内容に基づいて、第3図柄表示装置81における変動演出又は「スランプ演出」を開始すべく、変動開始フラグ223aをオンに設定して(S1507)、この図柄設定処理を終了する。図柄設定処理の終了後は、コマンド判定処理(図37参照)に戻る。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される確定設定処理(S1217)について説明する。図41は、確定設定処理を示したフローチャートである。この確定設定処理は、上述したように、コマンド判定処理(図37参照)において、主制御装置110から確定コマンドを受信した場合に、該確定コマンドを受信したときの第3図柄表示装置81における演出状況(即ち、変動演出中か、「スランプ演出」中か)に基づいて、停止表示すべき第3図柄の設定を行う。
この確定設定処理(S1217)では、まず、「スランプ演出」の実行中か否かを判別する(S1601)。この判別は、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きいか否かによって行う。判別の結果、「スランプ演出」の実行中でなければ(S1601:No)、変動演出の実行時における確定コマンドの受信であるので、表示制御装置114に対して変動演出の確定表示を指示するための表示用確定コマンドを設定して(S1602)、この確定設定処理を終了し、コマンド判定処理(図37参照)に戻る。
ここで設定された表示用確定コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図36のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、表示用確定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を停止させ、後述する表示用停止種別コマンドにて示された停止種別に対応する第3図柄を停止表示することで、変動演出における第3図柄を確定表示させる。
一方、S1601の処理において、「スランプ演出」の実行中であると判別された場合は(S1601:Yes)、「スランプ演出」の実行中であって、「ガセ疑似連2」の第1停止タイミングにおける確定コマンドの受信であるので、表示制御装置114に対してい「スランプ演出」の「ガセ疑似連2」の第1停止(即ち、左図柄列Z1の停止)を指示するための表示用第1停止コマンドを設定して(S1603)、この確定設定処理を終了し、コマンド判定処理(図37参照)に戻る。
ここで設定された表示用第1停止コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図36のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、表示用第1停止コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にて実行中の「スランプ演出」の「ガセ疑似連2」における左図柄列Z1で変動中の第3図柄を停止させる。その後、スランプ演出格納エリア223hに格納される演出情報と停止図柄とに応じて、所定時間「スランプ演出」が行われた後、右図柄列Z3→中図柄列Z2と第3図柄を停止表示することで、「スランプ演出」における第3図柄を確定表示させる。
このように、主制御装置110から確定コマンドを受信した場合に、変動演出の実行時か、「スランプ演出」の実行中かに応じて、第3図柄表示装置81で行われている演出に対応したコマンドを表示制御装置114に送信することができ、演出内容に齟齬が生じない違和感のない演出を提供することができる。
次に、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1117)について説明する。図42は、変動演出処理を示したフローチャートである。この変動演出処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図36参照)の中で実行され、上述した変動設定処理(図39参照)と図柄設定処理(図40参照)とで設定された変動演出又は「スランプ演出」を開始させる処理を実行する。
MPU221は、変動演出処理(S1117)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1710:No)、主制御装置110より、少なくとも停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図36参照)に戻る。
一方、S1701の処理において、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドをともに受信しているので、変動演出又は「スランプ演出」のいずれかを開始すべく、まず、変動開始フラグ223aをオフして(S1702)、次いで、保留情報格納エリア223iに設けられた保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223jへシフトし(S1703)、さらに、保留情報格納エリア223iに設けられた保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータをそれぞれ保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S1704)、処理をS1705へ移行する。
つまり、この場合は、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出に関する情報に基づいて変動演出又は「スランプ演出」の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報第1エリアの各格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223jの各格納エリア223j1〜223j4に移動させる。また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223i1〜223i4に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223i1〜223i4に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223i1〜223i4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223i1〜223i4に移動させる。
これにより、音声ランプ制御装置113の実行情報格納エリア223jには、主制御装置110の保留球実行エリア203dに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、音声ランプ制御装置113の保留情報格納エリア223iに設けられた保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
S1705の処理では、スランプ演出格納エリア223hにデータが記憶されているか否かを判別し(S1705)、スランプ演出格納エリア223hにデータが記憶されている場合は(S1705:Yes)、「スランプ演出」を設定するべく、処理をS1708へ移行し、スランプ演出格納エリア223hにデータが記憶されていない場合は(S1705:No)、変動演出を設定するべく、処理をS1706へ移行する。
S1706からの処理では、「通常状態」における変動演出を実行するために、実行情報格納エリア223jに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づく変動演出の変動パターンを表示制御装置114に通知するべく、表示用変動パターンコマンドを設定する(S1706)。そして、同じく、実行情報格納エリア223jに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づく変動演出の停止種別を表示制御装置114に通知すべく、表示用停止種別コマンドを設定し(S1707)、処理をS1711へ移行する。
S1706の処理で設定された表示用変動パターンコマンド、及び、S1707の処理で設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図36のS1102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。
表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、該表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドが示す変動パターン及び停止図柄に基づいて第3図柄の変動演出に関する制御を行う。
なお、変動演出の実行に関し、表示用変動パターンコマンドと表示用停止種別コマンドは、必ず一対(ペア)となって所定時間(例えば、20ミリ秒)以内に生成および送信されるものである。このため、表示制御装置114では、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドのいずれか一方しか受信しない場合は、変動演出の実行に際し、ノイズや断線等によってコマンドが正常に生成又は送信されていないことから、何らかの異常が発生したことを認識し、第3図柄表示装置81における演出を変動演出ではなく上記異常に対応したエラー表示(例えば、デフォルト変動)に切り替え、そのエラー表示の表示制御を開始する。
ここで、デフォルト変動とは、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させ、確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄としてハズレを示す固定的な特殊停止図柄(例えば、左列から順に「9」「8」「7」と表示される図柄)を確定させる変動演出である。
一方、S1708からの処理では、「スランプ演出」を実行するために、スランプ演出格納エリア223hに記憶される各演出情報に基づく「スランプ演出」の各演出単位を表示制御装置114に通知するべく、表示用スランプ変動パターンコマンドを設定する(S1708)。そして、同じくスランプ演出格納エリア223hに記憶される各停止図柄情報に基づく「スランプ演出」の各停止図柄を表示制御装置114に通知するべく、表示用スランプ図柄コマンドを設定し(S1709)、スランプ演出格納エリア223hを0クリア(初期化)して(S1710)、処理をS1711へ移行する。
S1708の処理で設定された表示用スランプ変動パターンコマンド、及び、S1709の処理で設定された表示用スランプ図柄コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図36のS1102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。
表示制御装置114は、表示用スランプ変動パターンコマンド及び表示用スランプ図柄コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81において「スランプ演出」が開始されていないときは、該表示用スランプ変動パターンコマンド及び表示用スランプ図柄コマンドが示す演出パターン及び停止図柄に基づいて第3図柄の「スランプ演出」に関する制御を行う。一方、表示制御装置114は、表示用スランプ変動パターンコマンド及び表示用スランプ図柄コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81において既に「スランプ演出」が開始されているときは、実行中の「スランプ演出」の内容と受信した該表示用スランプ変動パターンコマンド及び表示用スランプ図柄コマンドが示す演出パターン及び停止図柄との整合性を取りつつ、第3図柄の「スランプ演出」に関する制御を行う。具体的には、「スランプ演出」における実行中の1の演出単位を先の表示用スランプ変動パターンコマンド及び表示用スランプ図柄コマンドに基づいて行いつつ、実行中の演出単位の次からの演出単位移行を、後の表示用スランプ変動パターンコマンド及び表示用スランプ図柄コマンドに基づいて行うように構成されている。
なお、「スランプ演出」の実行に関し、表示用スランプ変動パターンコマンドと表示用スランプ図柄コマンドは、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドと同様、必ず一対(ペア)となって所定時間(例えば、20ミリ秒)以内に生成および送信されるものである。このため、表示制御装置114では、表示用スランプ変動パターンコマンド及び表示用スランプ図柄コマンドのいずれか一方しか受信しない場合は、「スランプ演出」の実行に際し、ノイズや断線等によってコマンドが正常に生成又は送信されていないことから、何らかの異常が発生したことを認識し、第3図柄表示装置81における演出を「スランプ演出」ではなく上記異常に対応したエラー表示(例えば、デフォルト変動)に切り替え、そのエラー表示の表示制御を開始する。
次いで、S1711の処理では、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きいか否かを判別する(S1711)。この判別は、変動演出又は「スランプ演出」の開始タイミングであって、該開始に伴い、保留図柄(実行図柄)が消費される(即ち、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄に対応する変動演出又は「スランプ演出」の設定が行われた)のに合わせて保留図柄をシフト表示するタイミングか、「スランプ演出」の実行中であって、ダミー保留表示である保留図柄を表示していて、現段階では保留図柄をシフト表示するタイミングではないかを判別する。
S1711の処理の結果、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きくないと判別された場合は(S1713:No)、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」であって、「スランプ演出」を実行しておらず、ダミー保留表示である保留図柄も表示されていないので、現段階で保留図柄をシフト表示すべく、まず、サブ保留球数カウンタ223bの値を1減算する(S1714)。そして、保留表示情報格納エリア223eに格納されたデータをシフト処理する(S1715)。
このデータシフト処理は、メイン処理のシフト処理(図36のS1114参照)と同様、第1〜第5保留表示エリア223e1〜223e5に格納されているデータを実行保留表示エリア223e0へ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留表示エリア223e1→実行保留表示エリア223e0、第2保留表示エリア223e2→第1保留表示エリア223e1、第3保留表示エリア223e3→第2保留表示エリア223e2、第4保留表示エリア223e4→第3保留表示エリア223e3、第5保留表示エリア223e5→第4保留表示エリア223e4といった具合に、各エリア223e0〜223e5内のデータがシフトされる。
S1715のデータシフト処理の後は、サブ保留球数カウンタ223bの値と、上記データシフト処理により保留表示情報格納エリア223eに格納されている保留変化情報とに基づいて表示用保留球数コマンドを設定し(S1716)、この変動演出処理(S1117)を終了して、メイン処理(図36参照)に戻る。S1716の処理で設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図36のS1102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。
表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(図6(b)参照)において、該表示用保留球数コマンドが示す数の保留図柄および実行図柄を表示すると共に、該表示用保留球数コマンドに含まれる保留変化情報に基づいて該当する保留図柄又は実行図柄の表示態様(表示色)の制御を行う。
一方、S1713の処理の結果、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きいと判別された場合は(S1713:No)、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「1」であって、「スランプ演出」を実行していると共に、ダミー保留表示である保留図柄を表示しているので、現段階での保留図柄のシフト表示を行わないようにするために、S1714〜S1716の処理をスキップして、この変動演出処理(S1117)を終了して、メイン処理(図36参照)に戻る。
このように、音声ランプ制御装置113において変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81で実行すべき演出を判別し、変動演出又は「スランプ演出」を行う場合であっても、それぞれ演出内容と保留図柄との整合性がある演出を提供することができる。
次に、図43から図47を参照して、第1実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81における変動演出又は「スランプ演出」の各種演出の実行例について説明する。
まず、図43を参照して、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」の各演出単位について説明する(タイムチャートとしては、図23(a)参照)。図43(a)は、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」において「高速変動」の演出要素が実行されている状態であって、チャンス目発展図柄が現出される間際の状態を示した図であり、図43(b)は、図43(a)の状態から「ガセ疑似連1」における「疑似変動」の演出要素においてガセチャンス目図柄が停止した状態を示した図であり、図43(c)は、図43(b)の状態から保留図柄がシフトして「ガセ疑似連2」である「高速変動」の演出要素が実行された状態を示した図であり、図43(d)は、図43(c)の状態から「ガセ疑似連2」における「疑似変動」の演出要素においてガセチャンス目図柄が停止した状態を示した図であり、図43(e)は、図43(d)の状態から保留図柄がシフトして「ガセ疑似連3」である「高速変動」の演出要素が実行された状態を示した図であり、図43(f)は、図43(e)の状態から「ガセ疑似連3」における「疑似変動」の演出要素においてガセチャンス目図柄が停止して、一連の「スランプ演出」が終了した状態を示した図である。なお、図43(a)〜図43(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している(以下、図44〜図47における説明についても同様)。
図43の遊技状態としては、「スランプ状態」において先の始動入賞(即ち、入賞1)が発生し、該入賞1において「非リーチ(ロング)」演出態様が抽出され、該入賞1に基づいて「スランプ演出」の最初の演出単位である「ガセ疑似連1」が実行されている途中で、新たな始動入賞(即ち、入賞2)が発生し、該入賞2においても「非リーチ(ロング)」演出態様が抽出され、該入賞2と先の入賞1とに基づいて追加的な「スランプ演出」が設定され、実行されている状況である(図23(a)参照)。
具体的には、図43(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1(左図柄列Z1。以下、同様。)において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3(右図柄列Z3。以下、同様。)において、「8」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2(中図柄列Z2。以下、同様。)において、未だ第3図柄が視認不能に高速に変動されている状態を示している。即ち、「高速変動(長)」の演出要素または「高速変動(短)」の演出要素(以下、「高速変動(長)」の演出要素と「高速変動(短)」の演出要素とを総称して、単に『「高速変動」の演出要素』と称する場合がある)の実行中であって、所謂、「7」図柄及び「8」図柄によるチャンス目発展図柄が現出する間際(直前)の状態を示している。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、変動演出または「スランプ演出」が実行されている状況であって、チャンス目発展図柄が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
ここで、チャンス目発展図柄が停止した場合は、「疑似変動」の演出要素が開始され、 該「疑似変動」の演出要素では、中表示領域Dm2において、左表示領域Dm1と同一の図柄である「7」図柄が停止してチャンス目図柄が現出するか、左表示領域Dm1と異なる図柄(例えば、「8」図柄)が停止してガセチャンス目図柄が現出するかの演出が行われる。
コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第2保留図柄表示領域Db1〜Db2において、保留図柄が表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出または「スランプ演出」の1の演出単位が実行されていることを示すと共に、2の保留図柄によって、「スランプ演出」の各演出単位の保留球数が2回であることを示している。
ここで、実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄と、第2保留図柄表示領域Db2に表示されている保留図柄は、入賞口77a,78aに球が入賞したタイミングで表示される本保留表示である一方、第1保留図柄表示領域Db1に表示されている保留図柄は、ダミー入賞口75に球が入賞したタイミングで表示されるダミー保留表示である。この状況を遊技者が認識した場合、第3図柄表示装置81で行われる演出単位が、実行中の演出単位も含めて3回存在していることを把握する。
次いで、図43(b)の状態では、図43(a)の状態から、主表示領域Dmの中表示領域Dm2において、「8」図柄の第3図柄が疑似的に停止表示されて、左表示領域Dm1の「7」図柄と、中表示領域Dm2および右表示領域Dm3の「8」図柄とによるガセチャンス目図柄が疑似的に表示され、該ガセチャンス目図柄の現出により本「スランプ演出」の1の演出単位が「ハズレ表示」のまま終了するかのような状態を示唆している。よって、遊技者は、図43(b)の状態を視認した場合に、主表示領域Dmにおいて「疑似変動」の演出要素が終了してしまい、該「スランプ演出」の1の演出単位が終了しまうのではと推測する。
次いで、図43(c)の状態では、図43(b)の状態から、主表示領域Dmに停止表示されていた「788」のガセチャンス目図柄から再び新たな変動(演出単位)が開始され、全表示領域Dm1〜Dm3が視認不能に高速に変動されている状態を示している。
このとき、副表示領域Dsでは、図43(b)と同様の表示態様が表示されている一方、コクピット表示領域Dbでは、新たな演出単位が開始されたことによって、図43(b)の状態から実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去され、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0にシフトして実行図柄として表示され、第2保留図柄表示領域Db2に表示されていた保留図柄が、第1保留図柄表示領域Db1にシフトして保留図柄として表示されている。なお、第2保留図柄表示領域Db2に表示されていた保留図柄が第1保留図柄表示領域Db1にシフト表示されたことにより、第2保留図柄表示領域Db2には保留図柄が表示されていない。
即ち、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄は、ダミー保留表示であり、主表示領域Dmでは、該ダミー保留表示に基づく演出単位が実行されている状態である。
次いで、図43(d)の状態では、図43(c)の状態から、主表示領域Dmの中表示領域Dm2において、「8」図柄の第3図柄が疑似的に停止表示されて、左表示領域Dm1の「7」図柄と、中表示領域Dm2および右表示領域Dm3の「8」図柄とによるガセチャンス目図柄が疑似的に表示され、該ガセチャンス目図柄の現出により本「スランプ演出」の1の演出単位が「ハズレ表示」のまま終了するかのような状態を示唆している。よって、遊技者は、図43(d)の状態を視認した場合に、主表示領域Dmにおいて「疑似変動」の演出要素が終了してしまい、該「スランプ演出」の1の演出単位が終了しまうのではと推測する。
次いで、図43(e)の状態では、図43(d)の状態から、主表示領域Dmに停止表示されていた「788」のガセチャンス目図柄から再び新たな変動(演出単位)が開始され、全表示領域Dm1〜Dm3が視認不能に高速に変動されている状態を示している。
このとき、副表示領域Dsでは、図43(d)と同様の表示態様が表示されている一方、コクピット表示領域Dbでは、新たな演出単位が開始されたことによって、図43(d)の状態から実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去され、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0にシフトして実行図柄として表示されている。なお、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が実行図柄表示領域Db0にシフト表示されたことにより、第1保留図柄表示領域Db1には保留図柄が表示されていない。
即ち、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄は、本保留表示であり、主表示領域Dmでは、該本保留表示に基づく演出単位が実行されている状態である。
次いで、図43(f)の状態では、図43(e)の状態から、主表示領域Dmの中表示領域Dm2において、「8」図柄の第3図柄が疑似的に停止表示されて、左表示領域Dm1の「7」図柄と、中表示領域Dm2および右表示領域Dm3の「8」図柄とによるガセチャンス目図柄が疑似的に表示され、該ガセチャンス目図柄の現出により本「スランプ演出」の1の演出単位が「ハズレ表示」のまま終了するかのような状態を示唆している。よって、遊技者は、図43(f)の状態を視認した場合に、主表示領域Dmにおいて「疑似変動」の演出要素が終了してしまい、該「スランプ演出」の1の演出単位が終了しまうのではと推測する。
ここで、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄は、上記演出単位の終了後に消去され、一連の「スランプ演出」が終了することとなる。
次に、図44を参照して、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」において行われる複数回の「疑似連」演出について説明する(タイムチャートとしては、図22(b)の「スペシャルリーチ」に対応する部分を参照)。図44(a)は、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」において「高速変動(長)」の演出要素または「高速変動(短)」の演出要素が実行されている状態であって、チャンス目発展図柄が現出される間際の状態を示した図であり、図44(b)は、図44(a)の状態から「疑似変動」の演出要素において1回目のチャンス目図柄が現出した状態を示した図であり、図44(c)は、図44(b)の状態から再び全図柄が変動する「高速変動(短)」の演出要素が実行されている状態を示した図であり、図44(d)は、図44(c)の状態から「疑似変動」の演出要素が実行された後に2回目のチャンス目図柄が現出した状態を示した図であり、図44(e)は、図44(d)の状態から再び全図柄が変動する「高速変動(短)」の演出要素が実行されている状態を示した図であり、図44(f)は、図44(e)の状態から「疑似変動」の演出要素においてリーチ形成図柄が現出される間際の状態を示した図である。
具体的には、図44(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「8」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に高速に変動されている状態を示している。即ち、「高速変動」の演出要素の実行中であって、所謂、「7」図柄及び「8」図柄によるチャンス目発展図柄が現出する間際(直前)の状態を示している。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、変動演出または「スランプ演出」が実行されている状況であって、チャンス目発展図柄が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示されている一方、第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5において、保留図柄が表示されていない。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出または「スランプ演出」の1の演出単位が実行されていることを示すと共に、保留図柄が存在しないことによって、変動演出および「スランプ演出」の各演出単位の保留球数が0回であることを示している。
次いで、図44(b)の状態では、図44(a)の状態から、主表示領域Dmの中表示領域Dm2において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて、左表示領域Dm1および中表示領域Dm2の「7」図柄と、右表示領域Dm3の「8」図柄とによるチャンス目図柄が確定し、該チャンス目図柄の現出により本「スランプ演出」が発展(継続)することを示唆している。よって、遊技者は、図44(b)の状態を視認した場合に、主表示領域Dmにおいて「疑似連」が終了せず、該「スランプ演出」が継続的に実行されることを認識する。なお、副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、「疑似連」が継続していることから、実行図柄は消去されず、図44(a)の状態と同様である。
次いで、図44(c)の状態では、図44(b)の状態から、主表示領域Dmに停止表示されていた「778」のチャンス目図柄が再び変動を開始し、全表示領域Dm1〜Dm3が視認不能に高速に変動されている状態を示している。
また、副表示領域Dsでは、右小領域Ds3において、チャンス目図柄が現出したことによって2回目の「疑似連」演出に発展したことを示す「×2」図柄が表示されている。第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ演出」において最大5回の「疑似連」演出が実行可能に構成されていると共に、「疑似連」演出の実行回数が多ければ多いほど大当たり時に選定され易いように構成されているため、右小領域Ds3において該「疑似連」演出の実行回数を明確に表示することで、遊技者に実行中の演出における大当たりの期待度を常時認識させることができる。なお、その他の副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、「疑似連」が継続していることから、実行図柄は消去されず、図44(b)の状態と同様である。
次いで、図44(d)の状態では、図44(c)の状態から、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において「7」図柄の第3図柄が停止表示され、そして、右表示領域Dm3において「8」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において「7」図柄の第3図柄が停止表示されて、左表示領域Dm1および中表示領域Dm2の「7」図柄と、右表示領域Dm3の「8」図柄とによるチャンス目図柄が再び確定し、該チャンス目図柄の現出により本「スランプ演出」が発展(継続)することを示唆している。よって、遊技者は、図44(d)の状態を視認した場合に、主表示領域Dmにおいて「疑似連」が終了せず、該「スランプ演出」が継続的に実行されることを認識する。なお、副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、「疑似連」が継続していることから、実行図柄は消去されず、図44(c)の状態と同様である。
次いで、図44(e)の状態では、図44(d)の状態から、主表示領域Dmに停止表示されていた「778」のチャンス目図柄が再び変動を開始し、全表示領域Dm1〜Dm3が視認不能に高速に変動されている状態を示している。
また、副表示領域Dsでは、右小領域Ds3において、チャンス目図柄が現出したことによって3回目の「疑似連」演出に発展したことを示す「×3」図柄が表示されている。なお、その他の副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、「疑似連」が継続していることから、実行図柄は消去されず、図44(d)の状態と同様である。
次いで、図44(f)の状態では、図44(e)の状態から、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に高速変動されている状態を示している。即ち、「疑似変動」の演出要素の実行中に「7」図柄によるリーチ形成図柄が現出し、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態を示している。なお、副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、図44(e)の状態と同様である。
よって、遊技者は、図44(f)の状態を視認した場合に、3回目の「疑似連」演出において「リーチ表示」が現出したことにより、複数の「疑似連」演出が行われた上で何らかの「リーチ表示」が実行されることで、大当たりへの期待度が高まった状態で以降の演出(即ち、「リーチ表示」)に注目させることができるので、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図45を参照して、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」において行われる「発展可否演出」の演出要素について説明する。図45(a)は、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」において「第1発展可否演出」が実行されている状態を示した図であり、図45(b)は、図45(a)の状態から「第2発展可否演出」が実行されている状態を示した図であり、図45(c)は、図45(b)の状態から「第3発展可否演出」が実行されている状態を示した図である。
具体的には、図45(a)では、まず、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において「7」図柄の第3図柄が停止表示され、そして、右表示領域Dm3において「8」図柄の第3図柄が停止表示され、さらに、中表示領域Dm2において「8」図柄の第3図柄が停止表示されて、左表示領域Dm1の「7」図柄と、中表示領域Dm2および右表示領域Dm3の「8」図柄とによるガセチャンス目図柄が疑似的に現出し、該ガセチャンス目図柄の現出により本変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆している。
また、各表示領域Dm1〜Dm3で停止表示されている第3図柄の手前側において、第3図柄表示装置81の中央部分(主に中表示領域Dm2)の液晶画面に疑似的にヒビが入って、液晶画面が割れるかのような「第1発展可否演出」の演出要素が実行されている状態を示している。
第1実施形態のパチンコ機10では、この「第1発展可否演出」の演出要素から、液晶画面の疑似的なヒビがさらに広がって後述する「第2発展可否演出」の演出要素に発展(成功)するか、該「第1発展可否演出」の演出要素の状態から画面が疑似的に割れて、「疑似連」演出または「どっちだリーチ」の演出要素に発展(成功)するか、「第1発展可否演出」の演出要素のまま演出(即ち、「スランプ演出」)が終了(発展失敗)するかの、4つの演出パターンが用意されている。
よって、遊技者は、図45(a)の状態を視認した場合に、該ガセチャンス目図柄のまま確定せずに、実行中の演出(即ち、「スランプ演出」)が、「第2発展可否演出」の演出要素や「疑似連」演出、或いは、「どっちだリーチ」の演出要素に発展するのでは、と推測し、遊技者に演出が継続することによる大当たりへの期待感を維持させることができる。なお、この「第1発展可否演出」は、「発展可否演出」の最初(即ち、「0秒」)から「3秒」までの期間の幅で行われ得るように構成される。
次いで、図45(b)の状態では、図45(a)の「第1発展可否演出」の演出要素から、疑似的なヒビの表示領域が左表示領域Dm1および右表示領域Dm3並びに副表示領域Dsにまで拡大した「第2発展可否演出」の演出要素が実行されている状態を示している。
第1実施形態のパチンコ機10では、この「第2発展可否演出」の演出要素から、液晶画面の疑似的なヒビがさらに広がって後述する「第3発展可否演出」の演出要素に発展(成功)するか、該「第2発展可否演出」の演出要素の状態から画面が疑似的に割れて、「疑似連」演出または「どっちだリーチ」の演出要素に発展(成功)するか、「第2発展可否演出」の演出要素のまま演出(即ち、「スランプ演出」)が終了(発展失敗)するかの、4つの演出パターンが用意されている。
よって、遊技者は、図45(b)の状態を視認した場合に、該ガセチャンス目図柄のまま確定せずに、実行中の演出(即ち、「スランプ演出」)が、「第3発展可否演出」の演出要素や「疑似連」演出、或いは、「どっちだリーチ」の演出要素に発展するのでは、と推測し、遊技者に演出が継続することによる大当たりへの期待感を維持させることができる。なお、この「第2発展可否演出」は、「発展可否演出」において「3秒」から「7秒」までの期間の幅で行われ得るように構成される。
次いで、図45(c)の状態では、図45(b)の「第2発展可否演出」の演出要素から、疑似的なヒビの表示領域がさらに拡大した「第3発展可否演出」の演出要素が実行されている状態を示している。
第1実施形態のパチンコ機10では、この「第3発展可否演出」の演出要素から、該「第3発展可否演出」の演出要素の状態から液晶画面が疑似的に割れて、「疑似連」演出または「どっちだリーチ」の演出要素に発展(成功)するか、「第3発展可否演出」の演出要素のまま演出(即ち、「スランプ演出」)が終了(発展失敗)するかの、3つの演出パターンが用意されている。
よって、遊技者は、図45(c)の状態を視認した場合に、該ガセチャンス目図柄のまま確定せずに、実行中の演出(即ち、「スランプ演出」)が、「疑似連」演出、或いは、「どっちだリーチ」の演出要素に発展するのでは、と推測し、遊技者に演出が継続することによる大当たりへの期待感を維持させることができる。なお、この「第3発展可否演出」は、「発展可否演出」において「7秒」から「10秒」までの期間の幅で行われ得るように構成される。
なお、第1実施形態における各「発展可否演出」の演出要素では、主表示領域Dmおよび副表示領域Dsに対して疑似的に液晶画面が割れるかのようなヒビを表示するように構成されている一方、コクピット表示領域Dbに対しては上記ヒビが入らない(届かない又は背面側に表示)されるように構成している。これは、「発展可否演出」の演出要素は、実行中の「スランプ演出」の停止結果が変化するか否かの演出であって、保留されている演出(変動演出又は「スランプ演出」)が変更することを意味するものではない。このため、この「発展可否演出」によって変更され得ないコクピット表示領域Dbの表示態様は、たとえ「発展可否演出」の演出要素が発展成功した場合であっても、そのまま維持すべきであるため、コクピット表示領域Dbまでヒビ表示を入れず、変更されないことを示している。
次に、図46を参照して、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」で行われる「疑似変動」の演出要素および「発展可否演出」の演出要素について説明する(タイムチャートとしては、図23(b)又は図24(b)参照)。図46(a)は、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」において「高速変動」の演出要素が実行されている状態であって、チャンス目発展図柄が現出される間際の状態を示した図であり、図46(b)は、図46(a)の状態から「疑似変動」の演出要素においてチャンス目図柄が停止するか否かの状態を示した図であり、図46(c)は、図46(b)の状態から「疑似変動」の演出要素においてガセチャンス目図柄が現出した状態を示した図であり、図46(d)は、図46(c)の状態から「疑似変動」の演出要素が終了して、ガセチャンス目図柄が現出したことで変動演出が終了すること示唆した状態を示した図であり、図46(e)は、図46(d)の状態から「第3発展可否演出」が実行されている状態を示した図であり、図46(f)は、図46(e)の状態から「第3発展可否演出」が発展成功してチャンス目図柄が現出した状態を示した図である。
具体的には、図46(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「8」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に高速に変動されている状態を示している。即ち、「高速変動」の演出要素の実行中であって、所謂、「7」図柄及び「8」図柄によるチャンス目発展図柄が現出する間際(直前)の状態を示している。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「スランプ演出」が実行されている状況であって、チャンス目発展図柄が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示されている一方、第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5において、保留図柄が表示されていない。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出または「スランプ演出」の1の演出単位が実行されていることを示すと共に、保留図柄が存在しないことによって、変動演出および「スランプ演出」の各演出単位の保留球数が0回であることを示している。
次いで、図46(b)では、図46(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「8」図柄の第3図柄が停止表示されて、左表示領域Dm1の「7」図柄と右表示領域Dm3の「8」図柄とによるチャンス目発展図柄が確定し、主表示領域Dmにおいて「疑似変動」の演出要素が実行されている状態を示している。
この「疑似変動」の演出要素では、中表示領域Dm2において、左表示領域Dm1と同一の図柄である「7」図柄が停止してチャンス目図柄が現出するか、左表示領域Dm1と異なる図柄(例えば、「8」図柄)が停止してガセチャンス目図柄が現出するかの演出が行われる。なお、副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、図46(a)の状態と同様である。
次いで、図46(c)の状態では、図46(b)の状態から、主表示領域Dmの中表示領域Dm2において、「8」図柄の第3図柄が停止表示される直前の状態を示している。即ち、「疑似変動」の実行中ではあるが、左表示領域Dm1の「7」図柄と、中表示領域Dm2および右表示領域Dm3の「8」図柄とで、所謂、ガセチャンス目図柄が現出する間際(直前)の状態を示している。なお、副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、図46(b)の状態と同様である。
次いで、図46(d)の状態では、図46(c)の状態から、主表示領域Dmの中表示領域Dm2において、「8」図柄の第3図柄が疑似的に停止表示されて、左表示領域Dm1の「7」図柄と、中表示領域Dm2および右表示領域Dm3の「8」図柄とによるガセチャンス目図柄が疑似的に表示され、該ガセチャンス目図柄の現出により本「スランプ演出」が「ハズレ表示」のまま終了するかのような状態を示唆している。よって、遊技者は、図46(d)の状態を視認した場合に、主表示領域Dmにおいて「疑似変動」の演出要素が終了してしまい、該「スランプ演出」が終了しまうのではと推測する。
また、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「スランプ演出」において「ハズレ表示」が疑似的に現出したことによって、失望した態様で表示されている。なお、その他の副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、図46(c)の状態と同様である。
次いで、図46(e)の状態では、図46(d)の状態から、「第3発展可否演出」の演出要素が実行された状態を示している。
よって、遊技者は、図46(e)の状態を視認した場合に、該ガセチャンス目図柄のまま確定せずに、実行中の演出(即ち、「スランプ演出」)が、「疑似連」演出、或いは、「どっちだリーチ」の演出要素に発展するのでは、と推測し、遊技者に演出が継続することによる大当たりへの期待感を維持させることができる。なお、副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、「発展可否演出」が継続していることから、実行図柄は消去されず、図46(d)の状態と同様である。
次いで、図46(f)の状態では、図46(e)の状態から、「第3発展可否演出」の演出要素において第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れて、割れた拍子に図46(e)で主表示領域Dmに表示されていたガセチャンス目図柄(即ち、「788」)が、チャンス目図柄(即ち、「778」)に差し替わっている状態を示している。
よって、遊技者は、図46(f)の状態を視認した場合に、図46(e)の状態で推測した内容が的中したことによる幸福感を感じると共に、遊技者に演出が継続することによる大当たりへの期待感を維持させることができる。
次に、図47を参照して、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」で行われる「疑似変動」の演出要素および「どっちだリーチ」の演出要素について説明する(タイムチャートとしては、図23(b)又は図24(b)参照)。図47(a)は、第3図柄表示装置81における「スランプ演出」において「高速変動」の演出要素が実行されている状態であって、主表示領域Dmにおいてチャンス目発展図柄が停止する直前の状態を示した図であり、図47(b)は、図47(a)の状態から「疑似変動」の演出要素においてチャンス目図柄が現出した状態を示した図であり、図47(c)は、図47(b)の状態から再び全図柄が変動した後に「疑似変動」の演出要素が実行されている状態であって、リーチ形成図柄が現出される間際の状態を示した図であり、図47(d)は、図47(c)の状態からリーチ形成図柄が現出し、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbが消去されてリーチ形成図柄が拡大した状態を示した図であり、図47(e)は、図47(d)の状態から主表示領域Dmにおいて「どっちだリーチ」の演出要素が実行されている状態を示した図であり、図47(f)は、図47(e)の状態から大当たり図柄が現出した状態を示した図である。
具体的には、図47(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「8」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に高速に変動されている状態を示している。即ち、「高速変動」の演出要素の実行中であって、所謂、「7」図柄及び「8」図柄によるチャンス目発展図柄が現出する間際(直前)の状態を示している。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、変動演出または「スランプ演出」が実行されている状況であって、チャンス目発展図柄が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示されている一方、第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5において、保留図柄が表示されていない。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出または「スランプ演出」の1の演出単位が実行されていることを示すと共に、保留図柄が存在しないことによって、変動演出および「スランプ演出」の各演出単位の保留球数が0回であることを示している。
次いで、図47(b)の状態では、図47(a)の状態から、主表示領域Dmの中表示領域Dm2において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて、左表示領域Dm1および中表示領域Dm2の「7」図柄と、右表示領域Dm3の「8」図柄とによるチャンス目図柄が確定し、該チャンス目図柄の現出により本「スランプ演出」が発展(継続)することを示唆している。よって、遊技者は、図47(b)の状態を視認した場合に、主表示領域Dmにおいて「疑似変動」の演出要素が終了せず、該「スランプ演出」が継続的に実行されることを認識する。なお、副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、「疑似連」が継続していることから、実行図柄は消去されず、図47(a)の状態と同様である。
次いで、図47(c)の状態では、図47(b)の状態から、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に高速変動されている状態を示している。即ち、「疑似変動」の演出要素の実行中に「7」図柄によるリーチ形成図柄が現出し、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態を示している。
ただし、副表示領域Dsでは、右小領域Ds3において、チャンス目図柄が現出したことによって2回目の「疑似連」演出に発展したことを示す「×2」図柄が表示されている。なお、その他の副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbの表示態様は、図47(b)の状態と同様である。
次いで、図47(d)の状態では、図47(c)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「どっちだリーチ」の演出要素が実行されている状態を示している。この「どっちだリーチ」の演出要素では、まず、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「6」図柄から「7」図柄に低速スクロール)される。
一方、副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbは、「どっちだリーチ」の演出要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsおよびコクピット表示領域Dbが視認不能な状態となっている。
これは、副表示領域Dsは、主として主表示領域Dmにおける変動演出又は「スランプ演出」で「リーチ表示」が発生するか否かを示唆する機能を担っており、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、副表示領域Dsの存在意義が薄れるからである。また、遊技者は、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合に、該「リーチ表示」の結果が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるか否かに着目するものであり、「リーチ表示」の発生を示唆する副表示領域Dsの表示内容への注目は薄れてしまう。従って、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、遊技者が着目する「リーチ表示」の内容を遊技者に認識し易くするために、主表示領域Dmの表示内容を拡大して表示すると共に、その拡大に伴って副表示領域Dsを消去するように構成されている。
なお、この図47(d)の状態において、副表示領域Dsの右小領域Ds3に該当する部分には、図47(c)の表示状態と同様、「×2」図柄が表示されている。従って、図47(c)と同様、2回目の「疑似連」演出に発展していることを示している。
これは、「×2」図柄は、実行中の変動演出又は「スランプ演出」における大当たり期待度を遊技者に示唆するものであり、変動演出中又は「スランプ演出」中に「×2」図柄を確認させることで、実行中の変動演出又は「スランプ演出」が大当たりするか否かを遊技者に予測可能に構成し、該予測に基づく興趣を付与している。
また、コクピット表示領域Dbは、変動演出又は「スランプ演出」の保留数がいくつあるかを示唆する表示であり、実行中の変動演出又は「スランプ演出」において、大当たりが期待できる「リーチ表示」が発生した場合、遊技者は、保留(待機)中の変動演出又は「スランプ演出」がいくつあるかよりも、実行中の変動演出又は「スランプ演出」が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかに着目している。
このため、遊技者は、変動演出又は「スランプ演出」の保留球数を示す保留図柄および実行図柄に着目しておらず、「リーチ表示」の実行中においてコクピット表示領域Dbによって保留図柄および実行図柄を表示してしまうと、遊技者が「リーチ表示」の演出に集中することができず、遊技者は保留図柄および実行図柄の表示に対して煩わしさを感じてしまう場合がある。
また、コクピット表示領域Dbの第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5に表示される保留図柄は、実行中の変動演出又は「スランプ演出」には直接的な関係を有さないものである。さらに、第1〜第5保留図柄表示領域Db1〜Db5に表示される保留図柄は、実行中の変動演出又は「スランプ演出」の表示制御(即ち、変動演出処理(図42参照))とは別系統の処理(音声ランプ制御装置113では、保留表示設定処理(図38参照))によって表示制御されるものである。「リーチ表示」の実行中は、様々なキャラクタ図柄を現出させたり、各キャラクタ図柄等に多くのエフェクト表示を行うことよって、多くのスプライトに対して多くの付加的演出を実行しており、表示制御の処理負担が増加している状況である。このような状況において、実行中の変動演出又は「スランプ演出」とは直接的に関係がない複数の保留図柄の表示制御を行うと、各保留図柄のスプライトの数分、第3図柄表示装置81全体の表示制御に関する処理負担が増加してしまい、所謂コマ落ち等の表示異常が発生してしまうおそれがある。
さらに、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継いで(受け継いで)表示し、その表示態様で実行中の変動演出の大当たり期待度を示すため、実行中の変動演出又は「スランプ演出」と直接的な関係を有するものである。しかし、該「保留変化予告」は、「大当たり表示」の現出期待度を示唆すると共に、「リーチ表示」の現出期待度を示唆するものである。このため、「リーチ表示」が現出した場合には、「保留変化予告」としての「リーチ表示」の現出期待度の示唆を全うしている状態である。また、「リーチ表示」が現出した場合には、「大当たり表示」の現出期待度の示唆を一定程度(例えば、半分)満たしている状態である。さらに、上述したように、「リーチ表示」が現出した場合、遊技者は、「リーチ表示」の演出内容に着目しており、実行図柄における「保留変化予告」の表示態様に対する関心は薄れている。
そこで、「リーチ表示」の実行中において、遊技者の注目度が低い保留図柄及び実行図柄を消去し、表示画面において主として「リーチ表示」の演出を実行することで、遊技者を「リーチ表示」の演出に注目(集中)させることができる。また、遊技者の注目度が低い保留図柄及び実行図柄を消去することで、その表示制御にかかる負担を予め除いておくことで、遊技者に遊技に関する違和感を感じさせることなく、コマ落ち等の表示異常が発生することを防止することができる。
次いで、図47(e)では、図47(d)の状態から、主表示領域Dmにおいて「どっちだ演出」において「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかの際演出が実行されている状態を示している。
この「どっちだ演出」の際演出では、「大当たり表示」を構成する「7」図柄と、「ハズレ表示」を構成する「8」図柄が互いに相手側を表示領域の外側に押し出す演出が実行される。そして、該「どっちだ演出」の際演出において、「大当たり表示」を構成する「7」図柄が「8」図柄を表示領域から押し出して、該「7」図柄が表示領域中央に表示されれば大当たりとなり、表示結果として「大当たり表示」が現出するように設定されている。一方、「ハズレ表示」を構成する「8」図柄が「7」図柄を表示領域から押し出して、該「8」図柄が表示領域中央に表示された場合はハズレとなり、表示結果として「ハズレ表示」が現出するように設定されている。
なお、この図47(e)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「どっちだリーチ」の演出要素の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。「どっちだ演出」は、実行中の「スランプ演出」が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかを示すものであるが、所定時間(例えば、10秒)行われるため、仮にリーチ形成図柄が全く表示されていない状態で「どっちだリーチ」を行った場合、いずれの第3図柄によって「リーチ表示」が発生したか遊技者が忘れてしまう場合がある。一方、「どっちだリーチ」の実行中にリーチ形成図柄を大きく表示してしまうと、「どっちだ演出」が見難くなってしまい、第3図柄によって「どっちだ演出」の演出自体を阻害してしまうおそれがある。
そこで、「どっちだ演出」の実行中において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、「どっちだリーチ」の発生要因となった第3図柄のリーチ形成図柄を小さく表示するように構成する。このように構成することで、「どっちだ演出」を阻害することなく「リーチ表示」が発生していることを遊技者に示唆すると共に、「リーチ表示」を発生した第3図柄の種類を遊技者に明確に示唆させることができる。
また、この図47(e)の状態において、副表示領域Dsの右小領域Ds3に該当する部分には、図47(c)および図47(d)の表示状態と同様、「×2」図柄が表示されている。
次いで、図47(f)では、図47(e)の状態から、「どっちだリーチ」において、リーチ形成図柄と同一図柄である「7」図柄が表示され、主表示領域Dmにおいて「7」図柄による「大当たり表示」が現出している状態を示している。よって、遊技者は、「スランプ演出」が行われた結果、「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、第3図柄表示装置81で第3図柄の変動演出が実行されない状況に極力陥らないように、第3図柄表示装置81における変動演出が行われていないスランプ状態から初めて左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入賞に基づいて第3図柄の変動演出が実行される場合に、実際の変動演出の時間よりも長い「スランプ演出」を第3図柄表示装置81で実行するように構成されている。このように構成することで、第3図柄表示装置81で行われる演出時間を長くし、第3図柄表示装置81で演出が行われていない状況を少なくし、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
また、ダミー入賞口75への入賞に基づいてダミー保留表示を実際の本保留表示と同一態様で表示するとともに、「スランプ演出」が実行される場合に、該ダミー保留表示を消化(消去)する。このように構成することで、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの入球により実際に第1図柄(第3図柄)の抽選が行われている状況か、ダミー入賞口75への入球により実際には第1図柄(第3図柄)の抽選が行われてない状況かを識別困難にしつつ、第3図柄表示装置81で実行される「スランプ演出」によって、第3図柄表示装置81において行われる演出時間を実際の変動演出の時間より長く行うことができる。よって、実際に取得された変動演出より多い数の演出を実行して、その演出数によって遊技の興趣を向上することができる。また、実行される演出数に対して実行図柄および保留図柄の数の整合を取りつつ表示させることができるので、第3図柄表示装置81での動的な演出状態を長くしつつ、遊技者に違和感を感じさせない演出を提供することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ演出」を行う場合に、表示されている実行図柄および保留図柄と「スランプ演出」の演出単位の実行回数との整合を取るべく、特図入賞口77a,78aへ球が始動入賞して「スランプ演出」が開始されてから所定時間経過したときに、保留装置73に保留されていた球をダミー入賞口75に入賞させて、ダミー保留表示としての保留図柄を表示する。そして、1の「スランプ演出」の演出単位が終了する毎に実行図柄を消去して、ダミー保留表示である保留図柄を実行図柄に移動させ、移動した該実行図柄に基づいて次の「スランプ演出」の演出単位を開始することで、あたかも変動演出が1回完結したかのような演出を実行する。このように構成することで、取得された変動演出の実行回数以上の演出単位を実行しつつ、取得された変動演出の変動時間以上に第3図柄表示装置81における第3図柄の動的な演出時間を長くし、第3図柄表示装置81で第3図柄の動的な演出が行われていない状況を少なくすることで、遊技者が興醒めしないようにし、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」において始動入賞により取得された変動演出の演出態様が「非リーチ」演出態様であった場合、取得された変動演出の変動時間に対して追加的に演出を行うための延長時間が抽選により取得され、取得された変動時間および延長時間の合計時間の間、「スランプ演出」が実行されるように構成されている。このように構成することで、大当たりが付与されない変動演出であったとしても、取得された変動演出の変動時間以上に第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の動的な演出時間を長くし、第3図柄表示装置81で第3図柄の動的な演出が行われていない状況を少なくすることで、遊技者が興醒めしないようにすることができる。
さらに、「スランプ状態」において始動入賞により取得された変動演出の演出態様が「リーチ表示」を実行する演出態様(即ち、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様)であった場合、延長時間は抽選されず、取得された変動時間に応じて1又は複数の「疑似連」演出が実行されると共に、「どっちだリーチ」の演出要素が実行される。これにより、演出時間を延長する必要性に乏しい「リーチ表示」が取得された場合に、延長時間の抽選および取得を行わないように構成することで、延長時間の抽出に関する処理負担を軽減すると共に、「スランプ演出」の演出時間の管理が容易となる。
また、「スランプ演出」中における始動入賞により取得された変動演出の演出態様が「非リーチ(ロング)」演出態様であった場合、延長時間は抽選されず、取得された変動時間に応じて「スランプ演出」の演出時間が追加されるように構成されている。これは、既に実行されている「スランプ演出」では、既に延長時間が取得されており、その状態において追加的に延長時間を取得してしまうと、「スランプ演出」の演出時間が必要以上に長くなってしまうと共に、該演出時間の管理が煩雑になってしまう。そこで、「スランプ演出」中に変動演出が取得された場合は、追加的な延長時間の抽出を行わないように構成することで、延長時間の抽出に関する処理負担を軽減すると共に、「スランプ演出」の演出時間の管理が容易となる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常状態」で実行され得る変動演出のすべての演出要素の演出時間(変動時間)が「5秒」単位の演出時間の整数倍(即ち、「5秒」、「10秒」、「15秒」、「20秒」、「25秒」又は「50秒」)で構成されている。また、「スランプ状態」において、「発展可否演出」の演出要素を除くすべての演出要素の演出時間も「5秒」単位の演出時間の整数倍で構成されている。そして、「スランプ状態」で選択される延長時間も「5秒」単位の演出時間の整数倍で構成されている。このように構成することで、取得された1の変動演出に関連して複数の演出単位で構成される「スランプ演出」を行う場合に、変動演出の変動時間(および延長時間)と「スランプ演出」の演出時間との整合を取り易くすることができ、1の変動演出(および延長時間)に関連して複数の「スランプ演出」を実行した場合であっても、変動時間(および延長時間)と演出時間との整合を取ることができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110において「疑似連」演出の変動パターン数のバリエーションを設けず、「疑似連」演出の回数が1回の変動パターンのみを設けていた場合であっても、「スランプ演出」として複数回の「疑似連」演出の変動パターンを実行することができるので、ROM容量を削減しつつ、演出のバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、「スランプ演出」の実行中に、所定条件の成立に応じて保留装置73に保留されていた球をダミー入賞口75に入賞させ、該入賞に基づいて、ダミー保留表示である保留図柄をコクピット表示領域Dbに表示させることで、取得した変動演出の保留球数より1多い数の保留図柄をコクピット表示領域Dbに表示させることができる。また、取得した変動演出の実行回数より多い回数の「スランプ演出」の演出単位を行った場合であっても「スランプ演出」の演出単位の回数と保留図柄との整合性を取ることができる。その結果、演出の齟齬が生ずることなく当否抽選が行われる演出が実際の変動演出の回数より多く行われたかのように遊技者に錯覚させることができる。
さらに、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信したダミー保留コマンドに基づいて、保留球数コマンドを受信した場合と同様、先読み処理を実行可能である。ダミー保留コマンドに基づく先読み処理では、実行される「スランプ演出」の当否を把握し、その当否に基づいて保留変化カウンタ223d及び保留変化テーブル222eを参照して「保留変化予告」を行うか否かが抽選される。このように構成することで、「スランプ演出」に関する保留図柄においても「保留変化予告」を実行し、演出のバリエーションを豊富にすることができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ演出」において複数の演出単位が実行されるが、該「スランプ演出」の「保留変化予告」は、複数の演出単位を一括して決定するように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」の演出単位毎に「保留変化予告」の抽選を行わずに済み、「スランプ演出」時の「保留変化予告」に関する制御を簡易なものとすることができ、プログラムの作成が容易となると共に、処理負担を軽減することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの球の始動入賞に基づいて取得された変動演出が「リーチ表示」を含む演出態様であった場合、保留図柄を消費する「ガセ疑似連」演出ではなく、保留図柄を消費しない「疑似連」演出を行うため、追加的な保留図柄を表示する必要性がないので、保留装置73に保留された球をダミー入賞口75へは流入させないように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」において保留図柄を消費しない「疑似連」演出を行い、実際の演出単位(変動演出)の実行と同一回数の「スランプ演出」の演出単位を行った場合でも、「スランプ演出」の演出単位の演出回数と保留図柄の数との整合性を取ることができる。その結果、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。
また、第1実施形態では、「スランプ演出」において「大当たり表示」に当選した場合であっても、「リーチ表示」を含む変動演出の場合、延長時間は取得されず、「スランプ演出」の一連の演出時間は取得した変動演出の変動時間と同一となる。即ち、変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」の終了タイミングとが同期する。よって、大当たりに関する演出(即ち、オープニング演出)等に関するコマンドが主制御装置110から送信された場合であっても、演出内容の整合を取ることが可能となり、「スランプ演出」の終了から大当たり演出の開始において違和感のない演出を提供することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの球の始動入賞に基づいて取得された変動演出が「リーチ表示」を含む演出態様であった場合、保留装置73に保留された球をダミー入賞口75へは流入させないように構成され、ダミー保留表示としての保留図柄又は実行図柄を表示せず、その代わりに「保留変化予告」の表示態様を1ランクアップ(例えば、「無し」の表示態様から「青」の表示態様へ変化)させるように構成されている。ここで、仮に、保留図柄又は実行図柄の表示態様を1ランクアップした場合に、「リーチ表示」等が確定することを示す表示態様(即ち、「緑」又は「赤」の表示態様)となるとき、「リーチ表示」が現出しない演出態様に対応する保留図柄を1ランクアップさせてしまうと、演出内容に齟齬が生じるおそれがある。よって、ハズレ時の「スランプ演出」に対応する保留図柄又は実行図柄では、たとえ表示態様が1ランクアップしても演出内容に齟齬が生じない最下位の表示態様(即ち、「無し(白)」の表示態様)の保留図柄又は実行図柄を表示させることで、遊技者に無用な混乱を生じさせないように構成されている。
また、第1実施形態のMPU221は、「スランプ演出」中、即ち、スランプ演出タイマ223gの値が「0」より大きい場合において、特図入賞口77a,78aに新たな始動入賞があったとき、「スランプ演出」の経過状況を判別して、「スランプ演出」における延長時間中以外の演出中であれば、該延長時間分の値をスランプ演出タイマ223gの値から減算するように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」中に新たな始動入賞が発生した場合、実行中の「スランプ演出」に対して追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るために、追加的な演出を行うために設定された延長時間を一旦リセットし、新たに「スランプ演出」の演出内容を設定し直すことができる。これは、延長時間中の演出要素以外の演出要素、即ち、延長時間に基づく演出要素の前段階の演出要素の実行中であれば、取得された延長時間に該当する部分の演出要素が実行されておらず、延長時間を一旦リセットして改めて一連の「スランプ演出」の演出内容の設定した場合でも、演出内容に齟齬が生じないからである。
さらに、スランプ演出タイマ223gの値は、「スランプ状態」において取得された変動パターンに「リーチ表示」が含まれる場合、設定されたスランプ演出タイマ223gの値に基づいて「スランプ演出」を設定した後、「0」クリアされるように構成されている。これは、「リーチ表示」が含まれる変動パターンは、比較的長い変動時間行わるため、その変動時間の間に新たな入賞が発生する可能性がある。よって、このような場合まで以降の特図入賞口77a,78aへの入賞に基づいて「スランプ演出」を継続的に行う必要性が乏しいので、「リーチ表示」が含まれる変動パターンが実行される場合、「リーチ表示」を含む変動パターンに基づく「スランプ演出」を設定した後、スランプ演出タイマ223gの値を初期化して、再び「スランプ状態」に突入するまでは、「スランプ状態」ではなく「通常状態」として以降の演出を行う。また、この段階でスランプ演出タイマ223gの値を初期化することで、「スランプ演出」の経過状況を把握する必要性がなくなり、ダミー保留表示を含む保留図柄のシフト制御を行う必要性がなくなり、MPU221の制御負担を軽減することができる。なお、「スランプ状態」における始動入賞に基づいて、比較的長い変動時間が取得された場合に、以降の始動入賞に基づいて追加的な「スランプ演出」を実行しない方法は、上記制御内容に限らず、追加的な「スランプ演出」が実行されない制御内容であれば、如何様な制御内容であってもよい。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ演出」の開始から「10秒」が経過した場合に、ダミー保留表示である保留図柄を表示しているとき、即ち、ダミー保留球数カウンタ223cの値が「0」より大きいときに、「スランプ演出(即ち、「ガセ疑似連」演出)」における1の演出単位の終了タイミングとみなして、ダミー保留球数カウンタ223cの値を1減算すると共に、保留表示情報格納エリア223eにおいてシフト処理を実行するように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」の開始及び終了と、保留図柄および実行図柄のシフト表示とを整合させながら表示することで、あたかも変動演出が1回完結したかのような演出を実行し、実際の変動演出の回数より多い回数の「スランプ演出」を違和感なく実行することができる。
また、第1実施形態の音声ランプ制御装置113は、「スランプ状態」における特図入賞口77a,78aへの先の始動入賞に基づいて実行されている「スランプ演出」において、該「スランプ演出」の延長時間に基づく演出の実行中に特図入賞口77a,78aへの新たな始動入賞に基づいて変動演出が取得された場合、先の始動入賞に基づく延長時間の「スランプ演出」の実行中である。このため、新たな始動入賞に基づく追加的な「スランプ演出」を行う上で、各「スランプ演出」の整合を取るために、一旦、先の始動入賞に基づいて取得された延長時間の残存分を記憶し(図39のS1422参照)、その後、スランプ演出タイマ223gの値を「0」クリアする(図39のS1423)。そして、新たな始動入賞に基づいて取得された変動時間に基づいて、「スランプ演出」の演出内容を設定し直すように構成されている。よって、「スランプ演出」の途中に新たな始動入賞によって変動演出が追加される場合であっても、取得された変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」全体の終了タイミングとを同期させることができ、複雑な制御を行うことなく、変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」の終了タイミングとを同期させることができる。
さらに、追加的な「スランプ演出」を設定する場合、「スランプ演出」全体における最後の演出から固定的な時間行われる演出単位をそれぞれ設定し直すように構成し、さらに、設定し直した際に1の演出単位未満の余った残り時間を、演出が途中で途切れた場合であっても違和感が生じない演出であって、演出時間に融通が利く(幅がある)「発展可否演出」で補うように設定する。また、この「発展可否演出」の最大演出時間を、取得可能な延長時間と同等となるように構成する。このように構成することで、取得された変動演出より長い「スランプ演出」を実行している状況、即ち、延長時間に基づく「スランプ演出」の実行中において、「スランプ演出」の途中に新たな始動入賞によって変動演出が追加される場合であっても、延長時間と同等未満の幅で実行可能な「発展可否演出」によって、演出時間の整合性を取ることができ、取得された変動演出の終了タイミングと「スランプ演出」全体の終了タイミングとを同期させることができるので、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、特図入賞口77a,78aとダミー入賞口75との賞球数が同じ3個となるように構成されている。このように構成することで、遊技者は、払い出された賞球数のみでは、特図入賞口77a,78aへ入賞したのかダミー入賞口75へ入賞したのかを判別できない。よって、遊技者は、払い出された賞球数のみでは、第3図柄表示装置81で行われている演出が、「通常状態」における変動演出中であるのか、「スランプ状態」における「スランプ演出」であるのかを判別することができないので、実際の変動演出の変動時間より長く行われる「スランプ演出」を行った場合であっても、遊技者が違和感を感じて遊技に興醒めすることを防止することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、一旦、「スランプ演出」が開始された場合、該「スランプ演出」における延長時間が終了するまでは、主制御装置110側で改めて「スランプ状態」の設定をすることなく、一連の「スランプ演出」が完結した段階で「スランプ状態」へ変更する。即ち、一連の「スランプ演出」が実行されている間は、変動演出の変動時間が経過した場合であり、内部的にデモ演出の状態となっていても、暫くは「スランプ状態」への変更が待機される。よって、主制御装置110において、一連の「スランプ演出」を完結させて、その後、「スランプ状態」にして改めて「スランプ演出」を設定するように構成されているので、「スランプ状態」と「スランプ演出」との整合性に関して煩雑な制御を実行する必要がなくなり、「スランプ演出」を行う場合でも主制御装置110の処理負担を軽減することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から確定コマンドを受信した場合に、該確定コマンドを受信したときの第3図柄表示装置81における演出状況(即ち、変動演出中か、「スランプ演出」中か)に基づいて、停止表示すべき第3図柄の設定を行う。具体的には、確定コマンドの受信時に「スランプ演出」の実行中でなければ、変動演出の実行時における確定コマンドの受信であるので、表示制御装置114に対して変動演出の確定表示を指示するための表示用確定コマンドを設定する。一方、確定コマンドの受信時に「スランプ演出」の実行中であると判別された場合は、「スランプ演出」の実行中であって、「ガセ疑似連2」の第1停止タイミングにおける確定コマンドの受信であるので、表示制御装置114に対して「スランプ演出」の「ガセ疑似連2」の第1停止(即ち、左図柄列Z1の停止)を指示するための表示用第1停止コマンドを設定する。このように、主制御装置110から確定コマンドを受信した場合に、変動演出の実行時か、「スランプ演出」の実行中かに応じて、第3図柄表示装置81で行われている演出に対応したコマンドを表示制御装置114に送信することができ、演出内容に齟齬が生じない違和感のない演出を提供することができる。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「スランプ演出」の実行中に追加的な始動入賞が発生して、保留されている変動演出の数が「2」以上となった場合、「スランプ演出」を実行せずに、変動演出を実行するように構成されている。このように構成することで、「スランプ演出」を実行する効果に乏しい状況(即ち、変動演出の保留数が一定程度溜まっている状態)において「スランプ演出」を実行せずに変動演出を実行し、「スランプ演出」の整合性を保つための煩雑な処理を行う必要がないので、プログラムの簡易化できると共に、処理負担を軽減することができる。
また、第1実施形態の保留装置開閉板73aの先端部分は、尖鋭形状に傾斜面を有するように形成されており、該保留装置開閉板73aが前側通路壁72a側に傾倒した場合に、該傾斜面が振分入球口72の前側通路壁72aと面接触するように構成されている。このように構成することで、保留装置開閉板73aの傾倒時に、該保留装置開閉板73aをより振分入球口72の前側通路壁72a側へ傾倒させることができ、振分入球口72に流入した球を確実に保留装置73内へ案内することができる。
さらに、第1実施形態では、振分入球口72に流入した球が保留装置開閉板73aの先端部分の上面側と衝突し難くして、保留装置開閉板73aのパチンコ機10後方側の傾斜面(即ち、傾倒した保留装置開閉板73aの右側上方の面。図5(c)参照)と衝突するように構成することで、球が保留装置開閉板73aと衝突する際の衝撃を緩和させて、保留装置開閉板73aが破損してしまうことを防止することができる。
また、第1実施形態では、保留装置73に1の球を保留させるように構成し、該1の球をダミー入賞口75に入賞させて所定の遊技価値を付与しつつ、「スランプ演出」における演出(ダミー保留表示である保留図柄の表示)に絡めることで、単純に遊技価値を付与するのみでなく、該ダミー入賞口75への入賞が演出と関連することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。また、保留装置73に1の球を保留する構成で、上記興趣を達成できることから、複数の保留球を保留しなければいけない従来の保留装置と比べ、保留装置73の構成をコンパクト化することができる。よって、遊技領域における保留装置73の設置領域を小さくし、遊技領域における盤面設計の自由度を高めることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、上記実施形態の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。さらに、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、他の1又は複数の変形例の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。以下、第1実施形態における説明で使用した部品の符番を基に説明するが、他の実施形態における同種類又は近似した部品の符番に置き換えることは当然に可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、交互振分ユニット71に関し、振分入球口72、保留装置73、盤面戻し口74、ダミー入賞口75、振分装置76、左側経路77、右側経路78、左側特図入賞口77aおよび右側特図入賞口78a等を1の交互振分ユニット71にユニット化して構成していた。これに対し、上記各部材72〜78aをそれぞれ別々の部材で構成したり、或いは、交互振分ユニット71とは異なるように各部材72〜78a同士をユニット化して構成してもよい。このように構成することで、部品点数は増加するが、各部材72〜78aの故障時における交換が容易となり、パチンコ機10のメンテナンス作業の効率を向上することができる。
<変形例2>
上記実施形態では、保留装置73内に1の球を保留可能に構成していた。これに対し、2以上の球を保留可能に構成してもよい。この場合に、保留されている球の解放条件が成立(例えば、「スランプ演出」の開始から所定秒数経過等)したとき、保留されていた複数の球を1度にすべて解放するように構成してもよいし、保留されていた複数の球を1つずつ解放するように構成してもよい。この場合、「スランプ演出」において複数のダミー保留表示である保留図柄を表示することが可能となり、「スランプ演出」において実行可能な演出単位を増加させ、演出のバリエーションを豊富にすることができる。
<変形例3>
上記実施形態では、「スランプ状態」において、特図入賞口77a,78aに球が始動入賞した場合、該始動入賞に基づく変動演出の当否を問わず、「スランプ演出」を実行するように構成していた。これに対し、取得された変動演出が大当たりである場合には「スランプ演出」を行わず、ハズレである場合にのみ「スランプ演出」を行うように構成してもよい。大当たりの変動パターンは、「再変動」の演出要素等、ハズレの変動パターンにはない演出要素が存在する。従って、大当たりの変動パターンと整合をとるように「スランプ演出」を行う場合、処理が煩雑となり、制御負担が増加するおそれがある。そこで、取得された変動演出がハズレの変動パターンである場合にのみ「スランプ演出」を行うように構成することで、大当たりの変動パターンとの整合を取る必要がなくなるので、処理が簡易となり、制御負担を軽減することができる。上記制御を実現するためには、「スランプ状態」において特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて取得された変動演出が大当たりであった場合は、主スランプカウンタ203eの値を「0」クリアすると共に、「スランプ演出」を行わず、変動演出を行うように構成すればよい。
<変形例4>
上記実施形態では、「スランプ状態」において、特図入賞口77a,78aに球が始動入賞した場合、該始動入賞に基づく変動演出の当否を問わず、また、「リーチ表示」である場合であっても「スランプ演出」を実行するように構成していた。これに対し、取得された変動演出が「リーチ表示」を実行する演出態様である場合には「スランプ演出」を行わず、「非リーチ」演出態様である場合にのみ「スランプ演出」を行うように構成してもよい。「リーチ表示」を含む変動パターンは、各種「リーチ表示」の演出要素が存在し、変動パターンが多岐にわたる。従って、「リーチ表示」を含む変動パターンと整合をとるように「スランプ演出」を行う場合、処理が煩雑となり、制御負担が増加するおそれがある。そこで、取得された変動演出が「非リーチ」演出態様の変動パターンである場合にのみ「スランプ演出」を行うように構成することで、「リーチ表示」を実行する演出態様の変動パターンとの整合を取る必要がなくなるので、処理が簡易となり、制御負担を軽減することができる。上記制御を実現するためには、「スランプ状態」において特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて取得された変動演出が「リーチ表示」を含む演出態様であった場合は、主スランプカウンタ203eの値を「0」クリアすると共に、「スランプ演出」を行わず、変動演出を行うように構成すればよい。
<変形例5>
上記実施形態では、ダミー入賞口75に球が入賞した場合に、ダミー保留表示として保留図柄をコクピット表示領域Db(図6(b)参照)に表示するように構成していた。これに対し、他の入賞口(例えば、一般入賞口63)への入賞や、アウト口66への流入、第2入球口67への球の通過等を条件として、ダミー保留表示として保留図柄をコクピット表示領域Dbへ表示するように構成してもよい。また、球の入賞(流入)以外に、「スランプ演出」の開始から所定時間経過した場合や、「スランプ演出」で所定の演出(例えば、保留図柄を分割して複数にする演出等)を行うことで、ダミー保留表示として保留図柄を表示するように構成してもよい。このように構成することで、保留装置73やダミー入賞口75が不要となるので、部品点数を少なくし、パチンコ機10の製造コストを削減することができる。
<変形例6>
上記実施形態では、「疑似連」演出や「再変動」の演出要素を含む変動パターンについて「スランプ演出」について言及しなかったが、「疑似連」演出や「再変動」の演出要素を含む変動パターンにおいて「スランプ演出」を実行するように構成してもよい。
<変形例7>
上記実施形態では、「発展可否演出」の演出要素において、必ず「第1発展可否演出」から開始するように構成していた。これに対し、「発展可否演出」の演出要素の開始を「第2発展可否演出」や「第3発展可否演出」から開始するように構成してもよい。このように構成することで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例8>
上記実施形態では、「発展可否演出」の演出要素において、時間経過と比例するように「第1発展可否演出」→「第2発展可否演出」→「第3発展可否演出」へと発展的に変化するように構成されていた。これに対し、時間経過と比例しない変化態様となるように構成してもよい。具体的には、例えば、全ての時間で「第1発展可否演出」のままの状態を維持するパターンや、「第2発展可否演出」に変化した後に「第1発展可否演出」に変化するパターン、「第1発展可否演出」からいきなり「第3発展可否演出」に変化するパターン、或いは、「第1発展可否演出」から「第2発展可否演出」は「2秒」で変化した後、「第2発展可否演出」から「第3発展可否演出」は「1秒」で変化するパターン等が例示される。このように構成することで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例9>
上記実施形態では、「スランプ演出」の残り時間に応じて「発展可否演出」の発展度合い(内容)を設定するように構成していた。これに対し、大当たり期待度に応じて「発展可否演出」の発展度合いや変化パターンを選定するように構成してもよい。このように構成することで、演出のバリエーションを豊富にすると共に、「発展可否演出」の発展内容に応じて大当たり期待度を変化させることができるので、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例10>
上記実施形態では、「スランプ演出」における時間調整機能を有する「発展可否演出」として、第3図柄表示装置81の液晶画面が疑似的に割れる演出を行うように構成していた。これに対し、演出の実行時間が可変的に変化しても遊技者が違和感を感じない演出を、「スランプ演出」における時間調整用の演出として採用してもよい。具体的には、例えば、液晶画面が暗転するブラックアウト演出や、液晶画面が同一画面で固まったまま動かなくなるフリーズ演出等、第3図柄表示装置81が壊れたかのような演出によって「発展可否演出」を行うように構成してもよい。また、変動していた図柄が仮停止して本停止までその場で揺動し続ける演出や、往復運動を繰り返し行う演出等、特定の演出が繰り返し実行されることを遊技者が予測可能な演出によって「発展可否演出」を行うように構成してもよい。このように構成することで、「発展可否演出」がいきなり始まったり中断されて他の演出に差し替わった場合であっても、遊技者が違和感を感じないようにしながら「スランプ演出」における時間を調整するように構成してもよい。
<変形例11>
上記実施形態では、「発展可否演出」や「どっちだリーチ」を「スランプ演出」専用の演出要素として構成していた。これに対し、「発展可否演出」や「どっちだリーチ」を「通常状態」の変動演出でも選択され得るように構成してもよい。このように構成することで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例12>
上記実施形態では、一旦「スランプ状態」となった後に、始動入賞することで「スランプ状態」から「通常状態」に変化するように構成されていた。これに対し、一旦「スランプ状態」となった場合に、所定期間(例えば、所定秒数や次回大当たりまで)の間、「スランプ状態」を維持するように構成してもよい。
<変形例13>
上記各実施形態において、特別図柄の抽選において、「15R確変大当たり」、「15R通常大当たり」または「2R確変大当たり」のいずれかの大当たりのみが付与されるように構成されていた。これに対し、上記大当たりとは異なる大当たり(例えば、「非確変大当たり」や、「潜伏確変大当たり」、所謂「突然確変大当たり(2R確変大当たり)」)や、大当たりとは異なる「小当たり」の抽選を行うように構成してもよい。このように構成することで、大当たりに当選した場合に、遊技者に付与される遊技価値を異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
特に、特別図柄の抽選において「小当たり」を設けた場合、小当たりに当選したときには、「潜伏確率変動状態」が付与される大当たりと同様又は近似した大入賞口65a等の開閉態様とすることで、遊技者に「通常遊技状態」か「潜伏確率変動状態」かを識別困難とする。このように構成することで、いずれの遊技状態かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、「小当たり」とは、大入賞口65a等の開閉が実行されるが、「15R確変大当たり」や「2R確変大当たり」と異なり、遊技状態の移行が実行されない抽選結果である。
<変形例14>
上記各実施形態では、特図入賞口77a,78aに球が入賞した場合に、その入賞タイミングに基づいて大当たり乱数カウンタC1等の値を取得して大当たり抽選を行うように構成していた。これに対し、特図入賞口77a,78aに代えて、所定の入賞領域を複数設け、球が該入賞領域に流入した場合に、該入賞領域に応じた遊技価値を付与するように構成してもよい。具体的には、例えば、球が流入することで第1の遊技価値(例えば、「7R時短大当たり」)が付与される第1入賞領域と、球が流入することで第1の遊技価値より高い第2の遊技価値(例えば、「15R確変大当たり」)が付与される第2入賞領域とを設ける。そして、遊技状態に応じて電動役物等の駆動役物の駆動態様を変更して、各入賞領域へ球が流下するか否かを異ならせるように構成してもよい。なお、特図入賞口77a,78aと上記入賞領域とをそれぞれ併用して構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上に貢献することができる。
<変形例15>
上記各実施形態では、「15R確変大当たり」又は「2R確変大当たり」に当選した場合にのみ、次回の大当たりが発生するまで「確率変動状態」を維持する所謂ループタイプの遊技仕様で構成していた。これに対し、大当たり終了後に、いずれの大当たりに当選した場合でも、該大当たり終了後にもれなく所定回数の「確率変動状態」が付与される所謂STタイプの遊技仕様で構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上に貢献することができる。
<変形例16>
上記各実施形態では、第2入球口67への球の通過に基づいて第2図柄の可変表示を行い、該可変表示で当たり結果が導出された場合に電動役物79を所定時間、開放状態とするように構成されていた。これに対し、所定の入球手段への入球に基づいて電動役物79を開放状態に変位するように構成してもよい。このように構成することで、電動役物79を開放状態とするために如何にして入球手段へ球を入球させるか、という遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例17>
上記実施形態では、「スランプ演出」における「ガセ疑似連2」の左図柄列Z1の停止表示と変動演出の確定タイミングとが同期するように構成していた。これに対し、何らかの図柄の変動の停止(例えば、中図柄列Z2や右図柄列Z3の停止タイミング、「リーチ表示」における玉突き演出のような疑似的な停止)が変動演出の確定タイミングと同期するように構成してもよい。
<変形例18>
上記実施形態では、「スランプ演出」と、取得された変動演出とが、「スランプ演出」における「ガセ疑似連2」の左図柄列Z1の停止表示と変動演出の確定タイミングとが同期するのみで関連し、最終停止図柄が現出するまで、「スランプ演出」において変動演出の内容を示唆していなかった。これに対し、「スランプ演出」における「ガセ疑似連2」の左図柄列Z1の停止表示時に、変動演出の結果等を示唆する結果示唆表示を行うように構成してもよい。具体的には、変動演出の結果が「リーチ表示」や「大当たり表示」になる場合に、「ガセ疑似連2」の左図柄列Z1の停止時に、図柄が特異な停止アクション(例えば、バウンド停止等)を行うように構成してもよい。
<変形例19>
上記実施形態では、第1図柄表示装置37において第1図柄の動的表示を行い、第3図柄表示装置81において、第1図柄表示装置37で行われる動的表示の装飾的な演出である第3図柄の変動演出または「スランプ演出」を実行するように構成していた。これに対し、第1図柄表示装置37と異なる第4図柄を第3図柄表示装置81に表示し、該第4図柄を動的表示および変動演出の変動と同期させることで、第1図柄表示装置37と同様の機能を有するように構成してもよい。このように構成することで、一連の図柄の演出を1の表示装置(第3図柄表示装置81)のみで行うことができ、部品点数を削減することができる。また、この第4図柄は、第1図柄表示装置37における各特別図柄の動的表示、及び、第3図柄表示装置81における各特別図柄の変動表示の変動と同期されるので、遊技者は、例えば、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動が仮停止やブラックアウト、フリーズしている状態であっても、この第4図柄の実行態様を確認することで、変動演出(動的表示)の実行中か否かを把握することが可能となる。また、「スランプ演出」の実行中であっても、第4図柄の変動が動的表示と同期していることで、「スランプ演出」の実行中であっても第4図柄を確認することで、動的表示の開始および終了を認識することが可能となる。さらに、第4図柄として、第3図柄の保留球数を表示することで、始動入賞により取得された変動演出の保留球数を正確に把握することが可能となる。
<変形例20>
上記実施形態では、ダミー入賞口75への球の入球に基づいて漏れなくダミー保留表示である保留図柄を追加して表示するように構成していた。これに対し、所定条件が成立している場合にのみ、ダミー保留表示である保留図柄を追加的に表示するように構成してもよい。具体的には、例えば、継続的に球が発射され続けている場合にのみダミー入賞口75への球の入球に基づいてダミー保留表示である保留図柄を表示したり、所定の予告演出の実行抽選に当選している場合に、該予告演出の現出と同時にダミー保留表示である保留図柄を表示するように構成してもよい。このように構成することで、ダミー保留表示である保留図柄の現出パターン等の演出態様のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例21>
上記実施形態では、「スランプ演出」を実行する場合に、「スランプ演出」の「第1演出」が開始されてから「6秒」経過したタイミングで、保留装置73に保留されていた球を解放して、該球をダミー入賞口75へ入賞させて、ダミー保留表示である保留図柄を表示するように構成していた。これに対し、ダミー入賞口75へ入賞させるタイミングを、上記タイミングより遅らせつつ、「スランプ演出」の「第2演出」が開始される前までのタイミングとするように構成してもよい。ダミー保留表示である保留図柄を早期に表示してしまうと、保留図柄が表示されたことにより、遊技者が球の発射を停止(所謂、止め打ち)して、パチンコ機10の稼働率が低下してしまうおそれがある。そこで、ダミー保留表示である保留図柄を表示する場合に、該保留図柄に対応する第2演出が実行される間際に表示させることで、遊技者の止め打ちを防止して、パチンコ機10の稼働低下を防止することができる。
<変形例22>
上記実施形態では、第3図柄表示装置81において変動演出が実行されていない場合に「スランプ状態」に移行し、該「スランプ状態」中に特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて「スランプ演出」を実行するように構成されていた。これに対し、上記条件とは異なる特殊条件が成立した状況において「スランプ状態」へ移行し、特図入賞口77a,78aへの始動入賞に基づいて「スランプ演出」を実行するように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技の開始から所定時間経過毎に「スランプ状態」に移行したり、遊技状態が変更された場合に該遊技状態の変更と共に「スランプ状態」に移行したり、所定の入賞口への入賞を契機に「スランプ状態」に移行するように構成してもよい。このように構成することで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例23>
上記実施形態では、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78aへの遊技球の入賞に起因して、1の特別図柄である第1図柄(第3図柄)の抽選情報を取得し、該抽選情報に基づいて、第1図柄表示装置37(第3図柄表示装置81)において、第1図柄(第3図柄)の抽選結果を表示するように構成していた。これに対し、複数の特別図柄の動的表示(変動演出)を実行可能に構成し、左側特図入賞口77aへの入賞に起因して第1特別図柄の抽選情報を取得し、右側特図入賞口78aへの入賞に起因して第1特別図柄と異なる第2特別図柄の抽選情報を取得し、それぞれにおいて抽選を行うように構成してもよい。また、複数の特別図柄の抽選方法として、いずれか一方の特別図柄の抽選を優先的に実行する抽選方法(所謂、優先変動)や、取得された特別図柄の順に抽選を実行する抽選方法(所謂、入賞順変動)、或いは、取得された各特別図柄を同時かつ並行的に抽選を行う抽選方法(所謂、同時変動)を行うように構成してもよい。
<変形例24>
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、「スランプ演出」の実行中において主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、追加的な「スランプ演出」の再設定を行うように構成していた。これに対し、「スランプ演出」の実行中において主制御装置110から新たな始動入賞時に出力される保留球数コマンドを受信した段階で、追加的な「スランプ演出」の再設定を行うように構成してもよい。具体的には、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した段階(即ち、先読み処理)で、該保留球数コマンドに含まれて保留情報格納エリア223iに格納された大当たり乱数カウンタC1等に基づいて、変動設定処理(図39参照)におけるS1418〜S1423と同等の制御を行い、追加的な「スランプ演出」の内容を設定する。このように構成することで、「スランプ演出」中における新たな始動入賞(即ち、入賞2)が発生した時点で一連の「スランプ演出」の内容を再設定することができ、変動パターンコマンド受信時における制御負担を軽減することができる。
<変形例25>
上記実施形態では、変動演出における確定表示時間を考慮せずに(即ち、変動演出の確定表示時間が「0」として)、「スランプ演出」の設定を行うように構成していた。これに対し、変動演出の確定表示時間を所定時間(例えば、「1秒」)として、該確定表示時間を踏まえて「スランプ演出」の設定を行うように構成してもよい。この場合、変動演出の実行において確定表示時間を考慮することで、変動演出の演出要素の実行時間および延長時間と、「スランプ演出」の演出単位の実行時間との調整が困難となり得るが、「発展可否演出」を残余時間の調整用に実行することで、確定表示時間を含む変動演出の変動時間および延長時間と「スランプ演出」の演出単位の実行時間との調整が可能となる。よって、「スランプ演出」の実行時に演出内容が途切れる(フリーズする)といった不具合の発生を防止することができる。ここで、「スランプ演出」における演出単位の確定表示時間と、通常の変動演出における確定表示時間とを同一又は近似(例えば、人間が差を認知し難い±0.5秒以内)の時間とすることで、「スランプ演出」の演出単位を1の変動演出の実行と認識させ易くなる。この場合に、変動演出における確定表示時間において複数のバリエーション(例えば、確定表示時間として、0.5秒、1秒、1.5秒、2秒)を設けるように構成してもよい。
<変形例26>
上記実施形態では、取得した変動演出の変動時間に対して延長時間を加算し、該変動時間と延長時間との合計時間の間、第3図柄表示装置81において変動演出の代わりに「スランプ演出」を実行するように構成していた。これに対し、実行され得る演出(例えば、大当たり演出や普通図柄の可変表示や小当たりによる演出等)に対して延長時間を取得し、演出時間と延長時間との合計時間の間、上記演出と異なる代替演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の可変表示や、大当たり演出や小当たりによる演出においても、取得された実行時間より長い時間の演出を実行することができ、第3図柄表示装置81において動的な演出が実行されている期間を長く構成し、遊技の興趣を向上することができる。この場合に、大当たり演出、小当たり演出、普通図柄の可変表示時間において複数のバリエーションを設けるように構成してもよい。
<変形例27>
上記実施形態では、本保留表示およびダミー保留表示を実行図柄および保留図柄で表示して、図柄の数によって本保留表示およびダミー保留表示の個数を遊技者に示唆していた。これに対し、数字によって本保留表示およびダミー保留表示の個数を遊技者に示唆するように構成してもよい。このように構成することで、本保留表示およびダミー保留表示の個数を示唆するための図柄を表示する表示領域を確保する必要性がなくなり、第3図柄表示装置81における画面構図の設計自由度を向上することができる。
<変形例28>
上記実施形態では、複数の変動演出に跨って「スランプ演出」を行うように構成していた。これに対し、1の変動演出と他の演出とに跨って「スランプ演出」のような一連の演出を行うように構成してもよい。具体的には、例えば、変動演出と大当たり演出とに跨って一連の演出を行ってもよいし、変動演出とデモ演出とに跨って一連の演出を行ってもよいし、変動演出と小当たり演出とに跨って一連の演出を行ってもよい。この場合に、大当たり演出又は小当たり演出において、オープニング時間のバリエーションをそれぞれ複数設け、そのオープニング時間に応じて一連の演出時間を変更するように構成することで、一連の演出にバリエーションを設け、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例29>
上記実施形態では、主制御装置110で保留装置73の駆動タイミングを管理し、該主制御装置110の制御に基づいて保留装置73に貯留されている保留球を解放してダミー入賞口75に入賞させていた。これに対し、音声ランプ制御装置113で保留装置73の駆動タイミングを管理し、該音声ランプ制御装置113の制御に基づいて保留装置73に貯留されている保留球を解放するように構成してもよい。この場合、例えば、アウト球を保留装置73で貯留し、賞球を発生する入賞口以外の入球口に入球させるように構成する。このように構成することで、主制御装置110より制約が少ない音声ランプ制御装置113によって貯留されている保留球を用いた演出が可能となり、演出の自由度を向上して、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例30>
上記実施形態では、保留装置73の駆動タイミングとして、「スランプ状態」において始動入賞が発生した場合に、所定期間経過したタイミング(始動入賞から6秒経過後)で保留装置73に貯留されている球を解放して、ダミー入賞口75に入賞させるように構成していた。これに対し、保留装置73の駆動タイミングとして、始動入賞が発生したタイミング又は発生した直後のタイミングで保留装置73に貯留されている球を解放したり、所定の演出が発生したタイミング(例えば、特定予告や「リーチ表示」等)が発生したタイミングで保留装置73に貯留されている球を解放するように構成してもよい。
<変形例31>
上記実施形態では、「発展可否演出」の実行可能時間を「疑似連」演出や「ガセ疑似連」演出の実行時間(即ち、10秒)より短い時間(0秒より長く、10秒より短い時間)で行っていた。これに対し、「発展可否演出」の実行可能時間を、「疑似連」演出や「ガセ疑似連」演出と同様又はそれ以上の時間、実行可能に構成してもよい。このように構成することで、「疑似連」演出若しくは「ガセ疑似連」演出を「発展可否演出」に置き換えたり、或いは、「発展可否演出」を「疑似連」演出若しくは「ガセ疑似連」演出に置き換える(変更する)ことが可能となり、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。また、「疑似連」演出や「ガセ疑似連」演出の実行に基づくルール(制約)、例えば、「疑似連」演出が2回以上行われた場合は必ず「リーチ表示」が実行されるというルールや、「疑似連」演出が3回以上行われた場合は必ず「スーパーリーチ」以上の演出が実行されるというルールや、「ガセ疑似連」演出は連続して3回以上行われることがないというルール等が存在する場合、「疑似連」演出又は「ガセ疑似連」演出を「発展可否演出」に置き換えることで、演出上のルールを反故することなく、整合のとれた演出を実行することができる。
<変形例32>
上記実施形態では、「スランプ状態」の発生条件として、デモ演出突入後に変動演出が実行されない期間が10秒経過した場合に設定していた。これに対し、「スランプ状態」の突入条件として、デモ演出に突入した直後に発生したり、遊技者による枠ボタン22が操作されることを条件に発生するように構成してもよい。この場合、パチンコ機10の音量変更、光量変更、輝度変動、キャラ選択、背景選択等、現状の演出状態に飽きて枠ボタン22を操作したことを条件に「スランプ状態」とすることで、現状の演出状態に飽きた遊技者に対して、通常とは異なる演出を実行することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変形例33>
上記実施形態では、主制御装置110による保留装置73の駆動と、音声ランプ制御装置113による第3図柄表示装置81における「スランプ演出」とを同期させるために、主制御装置110からのコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113が「スランプ演出」を実行するように構成していた。これに対し、コマンド送信エラー等の異常が発生した場合において、主制御装置110からの「スランプ演出」に関するコマンドをすべて正確に受信できない状況であって、断片的にしか「スランプ演出」に関するコマンドを受信していない状況(例えば、スランプコマンドのみ)においても、音声ランプ制御装置113において「スランプ演出」に関する制御を実行するように構成してもよい。この場合に、例えば、ダミー保留コマンドを受信していない場合であっても、ダミー保留表示に関する表示制御を行う場合があったり、逆に、ダミー保留コマンドを受信していない場合には、保留表示を1つ消化する「疑似連」演出を、保留表示を消化しない「発展可否演出」に差し替えて実行する等、音声ランプ制御装置113側で「スランプ演出」の内容を調整および変更するように構成してもよい。このように構成することで、演出内容に齟齬が生じず、演出内容の齟齬による所謂法則崩れのような演出を発生させず、遊技者に勘違いを起こさせないようにすることができる。
<変形例34>
上記実施形態では、「スランプ演出」を行う場合、該「スランプ演出」における最後の演出要素を決定してから、順に残りの演出要素を決定するように構成していた。これに対し、演出要素の重要度が高い順に「スランプ演出」の内容を決定するように構成してもよい。
<変形例35>
上記実施形態では、本保留表示およびダミー保留表示とを、1の個別の保留表示でそれぞれ表示していた。これに対し、本保留表示を1のキャラクタ図柄の主要表示で構成し、ダミー保留表示を該1のキャラクタ図柄の副(補助)表示で構成し、本保留表示とダミー保留表示とで1のキャラクタ図柄を形成するようにして保留表示を表示してもよい。また、本保留表示に対して関連する装飾表示によってダミー保留表示を表示するように構成してもよい。本保留表示に対して関連する装飾表示とは、例えば、1のキャラクタ図柄を連想する図柄であったり、1のキャラクタ図柄に付属する図柄であったり、1のキャラクタを想起することができる図柄であれば如何様な態様でもよい。
<変形例36>
上記実施形態では、「スランプ演出」においてダミー保留表示が消化されることで、実際の変動演出の保留シフトタイミングとは異なるタイミングで保留表示がシフトされるように構成されていた。これに対し、「スランプ演出」以外のタイミングでも実際の変動演出の保留シフトタイミングとは異なるタイミングで保留表示が行われるように構成してもよい。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
上記実施形態では、特図入賞口77a,78aへの入球(始動入賞)を契機として保留され実行される第3図柄(特別図柄)の変動演出中又は「スランプ演出」中に大当たりとなる変動演出又は「スランプ演出」があるか否かを、実行図柄及び保留図柄において「保留変化予告」を行う場合について説明した。これに対し、第2入球口67を球が通過したこと(始動入賞)を契機として保留され実行される第2図柄の可変表示の中に当たり(「○」の図柄で停止)となるものがあるか否かを、第2図柄保留ランプ84や第3図柄表示装置81等を用いて、第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出または「スランプ演出」があるか否かとあわせて、又は、その代わりに、遊技者に報知してもよい。これにより、保留中の第2図柄の可変表示の中に、又は、実行中および保留中の第2図柄の可変表示の中に、当たりとなる可変表示があるか否かを遊技者が把握できる。よって、第2図柄の可変表示の実行前に第2図柄が当たりとなるか否かを推測できる。遊技機の中には、第2図柄の当たりの有無にて遊技性を高めているものがあり、そのような遊技機において特に有効である。
上記実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動演出で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出の1形態である「保留変化予告」を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出又は「スランプ演出」と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、「保留変化予告」又は「保留変化予告」とは異なって複数の変動演出又は「スランプ演出」に跨って実行される連続予告演出(以下、「保留変化予告」を含めて「連続予告演出」という)を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する各可動役物とは異なる役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出又は「スランプ演出」と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出又は「スランプ演出」と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および第1図柄表示装置37)において変動演出又は「スランプ演出」(動的表示)が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出又は「スランプ演出」が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるので、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出又は「スランプ演出」を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
なお、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(「15R確変大当たり」、「15R通常大当たり」、「2R確変大当たり」、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
上記実施形態において、主制御装置110は、特図入賞口77a,78aへの入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203bより取得された各カウンタC1〜C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する保留情報第1〜第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態においては、特図入賞口77a,78aへの入賞、並びに、第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、特図入賞口77a,78aへの入賞に基づく変動演出又は「スランプ演出」の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、第3図柄の変動表示である変動演出又は「スランプ演出」は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、図柄の変動表示としては、図柄の変動演出に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出又は「スランプ演出」を実行する場合に、全図柄列Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:設定された変動時間以上に動的な演出を実行>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入球手段に入球すると、所定の数を上限として、その入球に係る動的表示が保留されるものがある。そして、実行中の動的表示が終了すると、保留された未実行の動的表示の実行が開始される。
この動的表示では、遊技の興趣の一環として、大当たりを発生し得る特定表示結果以外の特殊結果が現出した場合に、当該動的表示において再び図柄を変動させ、再度、動的表示が実行されたかのような疑似的な演出(所謂、「疑似連」演出)を実行しつつ、改めて特定表示結果が現出するか否かの演出を実行するものがある(例えば、特許文献1(特開2015−134027号公報))。
しかしながら、従来の遊技機では、動的表示の内容が単調となり演出内容に意外性を生み出せていなかった。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)の実行時間を選定する選定手段(例えば、変動種別カウンタCS1)と、
該選定手段によって選定された実行時間に基づいて、前記表示手段において前記動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記動的表示実行手段による前記動的表示が実行されているか否かを判別可能な実行判別手段(例えば、主スランプカウンタ203e又はデモコマンド)と、
前記取得手段によって前記抽選情報が取得された場合に、前記実行判別手段によって前記動的表示が実行されていないと判別されるとき、前記表示手段において、前記選定手段によって選定された実行時間より長い時間、前記動的表示の代わりに特定演出(例えば、「スランプ演出」)を実行する特定演出実行手段(例えば、スランプ演出格納エリア223h)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、取得手段により、所定の始動条件の成立を契機として抽選情報が取得され、判定手段により、取得手段によって取得された抽選情報に基づいて判定が行われる。そして、判定手段よる判定結果に基づいて、選定手段により、表示手段において行われる識別情報の動的表示の実行時間が選定され、選定手段によって選定された実行時間に基づいて、動的表示実行手段により、表示手段において動的表示が実行される。そして、動的表示実行手段により実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、実行判別手段により、動的表示実行手段による動的表示が実行されているか否かが判別可能に構成される。そして、取得手段によって抽選情報が取得された場合に、実行判別手段によって動的表示が実行されていないと判別されるとき、特定演出実行手段により、表示手段において、選定手段によって選定された実行時間より長い時間、動的表示の代わりに特定演出が実行される。これにより、表示手段における演出の実行時間を増やすことで、表示手段において演出が行われていない状況を少なくし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、特定演出としては、例えば、動的表示と同一、略同一又は関連する演出であったり、デモ演出と同一、略同一又は関連する演出であったり、大当たり演出若しくは小当たり演出と同一、略同一又は関連する演出であったり、動的表示とは全く異なる又は関連しない演出等が例示される。
遊技機A0において、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を実行する場合に、所定の延長時間(例えば、延長時間)を選定する延長時間選定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1406)と、
該延長時間選定手段により選定された前記延長時間と、前記選定手段によって選定された前記実行時間との合計時間の間、前記特定演出を実行する合計時間実行手段(例えば、スランプ演出タイマ223g)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられた延長時間選定手段により、特定演出を実行する場合に、所定の延長時間が選定される。そして、同じく特定演出実行手段に設けられた合計時間実行手段により、延長時間選定手段により選定された延長時間と、選定手段によって選定された実行時間との合計時間の間、特定演出が実行される。これにより、選定された動的表示の実行時間以上、特定演出を実行することができ、表示手段における演出の実行時間を増やすことで、表示手段において演出が行われていない状況を少なくし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0又はA1において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報が現出するか、該特定識別情報と異なる非特定識別情報(例えば、「ハズレ表示」やガセチャンス目図柄等)が現出するか否かの判定演出(例えば、「低速変動」の演出要素、「疑似連」演出、「ガセ疑似連」演出又は「ノーマルリーチ」の演出要素等の全図柄停止時)を実行する判定演出実行手段、を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出において、前記取得手段により取得された前記抽選情報の数より多い数の前記判定演出を実行する複数回数実行手段(例えば、「スランプ演出」における第1演出および第2演出)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A0又はA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特定識別情報が現出するか、その特定識別情報と異なる非特定識別情報が現出するか否かの判定演出が実行される。そして、特定演出実行手段に設けられた複数回数実行手段により、特定演出において、取得手段により取得された抽選情報の数より多い数の判定演出が実行される。これにより、特定演出において、実際に取得された動的表示の数より多い数の判定演出を実行して、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に錯覚させることで、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A2において、
前記複数回数実行手段は、
1の前記判定演出が含まれる第1演出(例えば、「ガセ疑似連1」)を実行する第1演出実行手段と、
該第1演出実行手段による前記第1演出が行われた後に、再度、1の前記判定演出が含まれる第2演出(例えば、「ガセ疑似連2」)を実行する第2演出実行手段と、を備え、
前記第1演出実行手段は、
前記選定手段により選定された前記動的表示の実行時間内に前記第1演出を終了し、
前記第2演出実行手段は、
前記選定手段により選定された前記実行時間と、前記延長時間選定手段により選定された前記延長時間との合計時間の経過時に、前記第2演出を終了する
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数回数実行手段に設けられた第1演出実行手段により、1の判定演出が含まれる第1演出が実行され、同じく複数回数実行手段に設けられた第2演出実行手段により、第1演出実行手段による第1演出が行われた後に、再度、1の判定演出が含まれる第2演出が実行される。ここで、第1演出実行手段により、選定手段により選定された動的表示の実行時間内に第1演出が終了するように行われ、第2演出実行手段により、選定手段により選定された実行時間と、延長時間選定手段により選定された延長時間との合計時間の経過時に、第2演出が終了するように行われる。これにより、1の動的表示の実行条件の成立に基づいて、特定演出においてそれぞれ判定演出が含まれる第1演出と第2演出とを実行し、実際に取得された動的表示の数より多い数の判定演出を行うことができる。よって、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に錯覚させることで、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A2又はA3において、
前記動的表示実行手段は、
前記選定手段により選定された前記実行時間に基づいて、所定の演出要素(例えば、「高速変動」+「低速変動」、「ガセ疑似連」演出、「疑似連」演出または「ノーマルリーチ」の演出要素等)の中から少なくとも1の演出要素を選定する演出要素選定手段(例えば、変動演出処理(S1117)のS1708)、を備え、
前記複数回数実行手段は、
前記特定演出において、前記演出要素選定手段によって選定され得る前記演出要素と同一又は類似の演出要素を実行する
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた演出要素選定手段により、選定手段により選定された実行時間に基づいて、所定の演出要素の中から少なくとも1の演出要素が選定される。そして、複数回数実行手段により、特定演出において、演出要素選定手段によって選定され得る演出要素と同一又は類似の演出要素が実行される。これにより、遊技者に、実際の動的表示の実行回数より多い回数(長い実行時間)の動的表示が行われたかのように錯覚させることができ、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に思わせることで、遊技の興趣を向上することができる。
なお、「同一又は類似」とは、時間および内容がすべて同一のものや、時間が同一で内容が若干(色合いや構図、大きさ等が少し)異なるものや、内容が同一で時間が若干(数秒程度)ことなるもの等が例示され、基準となる演出要素を連想できる内容及び時間の演出要素であれば、上記「同一又は類似」の範疇に入る。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段および前記特定演出実行手段は、
前記表示手段の複数の表示領域のそれぞれにおいて、前記識別情報を変動および停止する個別領域変動手段(例えば、左図柄列Z1、中図柄列Z2および右図柄列Z3)、を備え、
前記複数回数実行手段は、
前記選定手段により選定された前記動的表示の実行時間の終了タイミングと、前記特定演出におけるいずれかの前記表示領域の前記識別情報の停止タイミングとを同期させるタイミング同期手段(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様の確定タイミングと、「ガセ疑似連2」の左図柄列Z1の停止タイミングとを同期)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段および特定演出実行手段に設けられた個別領域変動手段により、表示手段の複数の表示領域のそれぞれにおいて、識別情報が変動又は停止される。そして、複数回数実行手段に設けられたタイミング同期手段により、選定手段により選定された動的表示の実行時間の終了タイミングと、特定演出におけるいずれかの表示領域の識別情報の停止タイミングとが同期される。これにより、動的表示の代わりに実行される特定演出に該動的表示との関連性を持たせ、特定演出の実行中であっても動的表示の終了タイミングを認識することが可能となり、特定演出と動的表示との関連性を遊技者に示唆することができる、という効果がある。
遊技機A5において、
前記タイミング同期手段は、
前記第2演出実行手段による前記第2演出において、該第2演出の終了時に識別情報を停止する前記表示領域(例えば、中図柄列Z2)以外の前記表示領域における前記識別情報(例えば、左図柄列Z1)の停止タイミングを、前記動的表示の実行時間の終了タイミングと同期させる
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、タイミング同期手段により、第2演出実行手段による第2演出において、該第2演出の終了時に識別情報を停止する表示領域以外の表示領域における識別情報の停止タイミングが、動的表示の実行時間の終了タイミングと同期される。これにより、特定演出の終了タイミング以外で停止される表示領域の識別情報の停止タイミングを動的表示の停止タイミングと関連させ、特定演出の実行中であっても動的表示の終了タイミングを認識することが可能となり、特定演出と動的表示との関連性を遊技者に示唆することができる、という効果がある。
遊技機A0からA6のいずれかにおいて、
前記特定演出実行手段は、
前記判定手段によって前記特定識別情報を現出しないと判定された場合に、前記特定演出を実行するハズレ時実行手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1405)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A0からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられたハズレ時実行手段により、判定手段によって特定識別情報を現出しないと判定された場合に、前記特定演出が実行される。これにより、動的表示において特定識別情報が現出しないことによって遊技価値が付与されない場合であったとしても、取得された動的時間より長く表示手段において特定演出を行い、表示手段において動的な演出が行われていない状況を少なくすることで、遊技者が興醒めしないようにすることができる、という効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、
前記延長時間選定手段は、
前記特定識別情報が現出する場合に、前記延長時間を非取得とする延長非取得手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1405:Yes)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、延長時間選定手段に設けられた延長非取得手段により、特定識別情報が現出する場合に、延長時間が非取得とされるように構成される。動的表示において特定識別情報が現出した場合、該動的表示の終了後に直ちに所定の遊技価値が付与される特別遊技状態(例えば、大当たり)に移行し、該特別遊技状態に応じた報知を行わなければならない。従って、特定識別情報が現出する動的表示においても延長時間を取得して、該延長時間に基づく特定演出を実行してしまうと、特別遊技状態の開始に伴って特定演出が途中で打ち切られてしまい、演出内容に遊技者が違和感を感じてしまうおそれがある。そこで、遊技機A8によれば、特定識別情報が現出する動的表示である場合には、延長時間を非取得とするように構成される。このように構成することで、特定演出を行った場合であっても、取得された動的時間の終了タイミングと特定演出の終了タイミングとを同期させることができるので、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる、という効果がある。
遊技機A8において、
前記選定手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報の一部分を構成する前記識別情報の組み合わせである前段階識別情報(例えば、「リーチ表示」)を現出するか否かを選定する前段階選定手段(例えば、停止パターン選択カウンタC3)、を備え、
前記延長非取得手段は、
前記前段階選定手段によって前記動的表示において前記前段階識別情報を現出させる場合に、前記延長時間を非取得とする
ことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選定手段に設けられた前段階選定手段により、動的表示において、特定識別情報の一部分を構成する識別情報の組み合わせである前段階識別情報を現出するか否かが選定される。そして、前段階選定手段によって動的表示において前段階識別情報を現出させる場合に、延長非取得手段により、延長時間が非取得とされるように構成されている。前段階識別情報を含む動的表示では、特定識別情報が現出するか非特定識別情報が現出するかの判定演出が行われるのが一般的であるため、該判定演出を実行するために比較的長い動的表示の実行時間が選定される。このような場合、該動的時間の間に新たに取得手段によって抽選情報が取得される可能性がある。よって、このような場合まで取得された動的時間より長い時間行われる特定演出を行う必要性が乏しい。そこで、遊技機A9では、前段階識別情報を現出させる動的表示の実行時間が選定された場合には、延長時間を非取得とするように構成する。このように構成することで、必要以上に表示手段における演出時間を長くせず、遊技者が遊技に興醒めしないようにすることができる、という効果がある。
<B群:ハズレの変動演出をチャンスアップ演出に変換>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入球手段に入球すると、所定の数を上限として、その入球に係る動的表示が保留されるものがある。そして、実行中の動的表示が終了すると、保留された未実行の動的表示の実行が開始される。
この動的表示では、遊技の興趣の一環として、大当たりを発生し得る特定表示結果以外の特殊結果が現出した場合に、当該動的表示において再び図柄を変動させ、再度、動的表示が実行されたかのような疑似的な演出(所謂、「疑似連」演出)を行い、複数回の動的表示における判定が行われたかのような特殊演出を実行することで、大当たりへの期待感を増幅させるものがある(例えば、特許文献1(特開2015−134027号公報))。
しかしながら、従来の遊技機では、所定の演出抽選に当選しない場合には、上記「疑似連」演出等の特殊演出すら実行されず、動的表示の内容が単調となり演出内容に意外性を生み出せていなかった。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)の演出パターンを選定する選定手段(例えば、変動種別カウンタCS1)と、
該選定手段によって選定された演出パターンに基づいて、前記表示手段において前記動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記特定識別情報が現出する場合に、前記動的表示において所定のイベント演出(例えば、「ガセ疑似連」演出、「疑似連」演出、または、「リーチ表示」を含む演出要素等)を実行可能なイベント演出実行手段と、
前記動的表示実行手段による前記動的表示が実行されているか否かを判別可能な実行判別手段(例えば、主スランプカウンタ203e又はデモコマンド)と、
前記実行判別手段によって前記動的表示が実行されていないと判別されている場合に、前記取得手段により取得された前記抽選情報が前記特定識別情報を現出しない場合、前記表示手段において、前記動的表示に代わる特定演出(例えば、「スランプ演出」)として前記イベント演出を実行する特定演出実行手段(例えば、スランプ演出格納エリア223h)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、取得手段により、所定の始動条件の成立を契機として抽選情報が取得され、判定手段により、取得手段によって取得された抽選情報に基づいて判定が行われる。そして、判定手段による判定結果に基づいて、選定手段により、表示手段において行われる識別情報の動的表示の演出パターンが選定され、選定手段によって選定された演出パターンに基づいて、動的表示実行手段により、表示手段において動的表示が実行される。そして、動的表示実行手段により実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、イベント演出実行手段により、特定識別情報が現出する場合に、動的表示において所定のイベント演出が実行可能に構成され、実行判別手段により、動的表示実行手段による動的表示が実行されているか否かが判別可能に構成される。そして、実行判別手段によって動的表示が実行されていないと判別されている場合に、取得手段により取得された抽選情報が特定識別情報を現出しない場合、特定演出実行手段により、表示手段において、動的表示に代わる特定演出としてイベント演出が実行される。これにより、例えば、特定識別情報が現出せずに遊技価値の付与が期待できない場合であって、イベント演出の実行抽選に漏れていた場合であっても、動的表示が実行されていないと判別されている場合には特定演出としてイベント演出を実行することができ、該イベント演出の現出によって遊技者に特定識別情報の現出を期待させ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「イベント演出」とは、「ガセ疑似連」演出、「疑似連」演出または「リーチ表示」を含む演出要素等の動的表示において実行され得る演出単位の他に、例えば、識別情報と異なる示唆図柄(予告図柄)を現出する演出や、表示手段において表示されている背景図柄を変化させる演出であってもよい。
遊技機B0において、
前記イベント演出実行手段は、
前記イベント演出として、前記動的表示が継続的に実行されることを示唆する発展示唆図柄(例えば、チャンス目図柄の停止)が現出するか否かの発展示唆演出(例えば、「ガセ疑似連」演出又は「疑似連」演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、イベント演出実行手段により、イベント演出として、動的表示が継続的に実行されることを示唆する発展示唆図柄が現出するか否かの発展示唆演出が実行される。これにより、特定識別情報が現出せずに遊技価値の付与が期待できない場合であっても、特定演出として動的表示が継続されるか否かの発展示唆演出を実行することができ、該発展示唆演出の現出によって遊技者に動的表示が継続することと特定識別情報の現出とを期待させ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0又はB1において、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出として、前記イベント演出を少なくとも2回以上実行する複数回実行手段(例えば、「スランプ演出」における「ガセ疑似連1」および「ガセ疑似連2」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B0又はB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられた複数回実行手段により、特定演出としてイベント演出が2回以上実行される。これにより、複数回のイベント演出を実行することで、各イベント演出の現出によって遊技者にそれぞれ特定識別情報が現出するか否かを期待させ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B2において、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記動的表示の実行時間を選定する時間選定手段(例えば、変動種別カウンタCS1)、を備え、
前記複数回実行手段は、
前記時間選定手段によって選定された前記動的表示の実行時間内に先の前記イベント演出を実行する先実行手段(例えば、「ガセ疑似連1」の実行)と、
該先実行手段による前記イベント演出の後であって、前記時間選定手段によって選定された前記動的表示の実行時間を超えて後の前記イベント演出を実行する後実行手段(例えば、「ガセ疑似連2」の実行)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間選定手段により、判定手段による判定結果に基づいて、動的表示の実行時間が選定される。そして、複数回実行手段に設けられた先実行手段により、時間選定手段によって選定された動的表示の実行時間内に先のイベント演出が実行され、同じく複数回実行手段に設けられた後実行手段により、時間選定手段によって選定された動的表示の実行時間を超えて後のイベント演出が実行される。これにより、動的表示において特定識別情報が現出しないことによって遊技価値が付与されない場合であったとしても、複数回のイベント演出を行うと共に、取得された動的時間より長く表示手段において演出を行い、表示手段において動的な演出が行われていない状況を少なくすることで、遊技者が興醒めしないようにすることができる、という効果がある。
遊技機B3において、
前記複数回実行手段は、
前記後実行手段により後の前記イベント演出を実行する場合に、所定の延長時間(例えば、延長時間)を選定する延長時間選定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1406)と、
該延長時間選定手段により選定された前記延長時間と、前記時間選定時間によって選定された前記実行時間との合計時間に基づいて、複数回の前記イベント演出を実行する合計時間実行手段(例えば、スランプ演出タイマ223g)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数回実行手段に設けられた延長時間選定手段により、後実行手段により後のイベント演出を実行する場合に、所定の延長時間が取得される。そして、その延長時間選定手段により選定された延長時間と、時間選定手段によって選定された実行時間との合計時間に基づいて、合計時間実行手段により、複数回のイベント演出が実行される。これにより、選定された動的表示の実行時間以上、および、実行回数以上のイベント演出を実行することができ、表示手段における演出の実行時間と実行回数とを増やすことで、表示手段において演出が行われていない状況を少なくすると共に、複数のイベント演出の実行によって遊技者の大当たりへの期待感を増幅し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B3又はB4において、
前記動的表示実行手段は、
前記時間選定手段により選定された前記実行時間に基づいて、所定の演出要素(例えば、「高速変動」+「低速変動」、「ガセ疑似連」演出、「疑似連」演出または「ノーマルリーチ」の演出要素等)の中から少なくとも1の演出要素を選定する演出要素選定手段(例えば、変動演出処理(S1117)のS1708)、を備え、
前記複数回実行手段は、
前記演出要素選定手段によって選定され得る前記演出要素と同一又は類似の演出要素を実行する
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた演出要素選定手段により、時間選定手段により選定された実行時間に基づいて、所定の演出要素の中から少なくとも1の演出要素が選定される。そして、複数回数実行手段により、演出要素選定手段によって選定され得る演出要素と同一又は類似の演出要素が実行される。これにより、遊技者に、実際の動的表示の実行回数より多い回数(長い実行時間)の動的表示が行われたかのように錯覚させることができ、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に思わせることで、遊技の興趣を向上することができる。
なお、「同一又は類似」とは、時間および内容がすべて同一のものや、時間が同一で内容が若干(色合いや構図、大きさ等が少し)異なるものや、内容が同一で時間が若干(数秒程度)ことなるもの等が例示され、基準となる演出要素を連想できる内容及び時間の演出要素であれば、上記「同一又は類似」の範疇に入る。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段および特定演出実行手段は、
前記表示手段の複数の表示領域のそれぞれにおいて、前記識別情報を変動および停止する個別領域変動手段(例えば、左図柄列Z1、中図柄列Z2および右図柄列Z3)、を備え、
前記複数回数実行手段は、
前記時間選定手段により選定された前記動的表示の実行時間の終了タイミングと、該複数回実行手段による前記イベント演出におけるいずれかの前記識別情報の停止タイミングとを同期させるタイミング同期手段(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様の確定タイミングと、「ガセ疑似連2」の左図柄列Z1の停止タイミングとを同期)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B3からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段および特定演出実行手段に設けられた個別領域変動手段により、表示手段の複数の表示領域のそれぞれにおいて、識別情報が変動又は停止される。そして、複数回数実行手段に設けられたタイミング同期手段により、時間選定手段により選定された動的表示の実行時間の終了タイミングと、複数回実行手段によるイベント演出におけるいずれかの識別情報の停止タイミングとが同期される。これにより、動的表示と複数回実行手段によるイベント演出とに関連性を持たせ、複数回実行手段によるイベント演出の実行中であっても動的表示の終了タイミングを認識することが可能となり、複数回実行手段によるイベント演出と動的表示との関連性を遊技者に示唆することができる、という効果がある。
遊技機B6において、
前記タイミング同期手段は、
前記後演出実行手段による後の前記イベント演出において、該イベント演出の終了時に停止する識別情報(例えば、中図柄列Z2)以外の前記識別情報(例えば、左図柄列Z1)の停止タイミングを、前記動的表示の実行時間の終了タイミングと同期させる
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、タイミング同期手段により、後演出実行手段による後のイベント演出において、該イベント演出の終了時に停止する識別情報以外の識別情報の停止タイミングが、動的表示の実行時間の終了タイミングと同期される。これにより、複数回実行手段によるイベント演出の終了タイミング以外の識別情報の停止タイミングを動的表示の停止タイミングと関連させ、複数回実行手段によるイベント演出の実行中であっても動的表示の終了タイミングを認識することが可能となり、複数回実行手段によるイベント演出と動的表示との関連性を遊技者に示唆することができる、という効果がある。
遊技機B0からB7のいずれかにおいて、
前記特定演出実行手段は、
前記選定手段によって選定された前記演出パターンを、前記イベント演出に変更する演出変更手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B0からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられた演出変更手段により、選定手段によって選定された演出パターンが、イベント演出に変更される。これにより、例えば、当初、イベント演出が実行されない演出パターンであっても、イベント演出を実行することができ、該イベント演出の現出によって遊技者に特定識別情報の現出を期待させ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B4からB8のいずれかにおいて、
前記延長時間選定手段は、
前記特定識別情報が現出する場合に、前記延長時間を非取得とする延長非取得手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1405:Yes)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B4からB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、延長時間選定手段に設けられた延長非取得手段により、特定識別情報が現出する場合に、延長時間が非取得とされるように構成される。動的表示において特定識別情報が現出した場合、該動的表示の終了後に直ちに所定の遊技価値が付与される特別遊技状態(例えば、大当たり)に移行し、該特別遊技状態に応じた報知を行わなければならない。従って、特定識別情報が現出する動的表示においても延長時間を取得して、該延長時間に基づくイベント演出を実行してしまうと、特別遊技状態の開始に伴ってイベント演出が途中で打ち切られてしまい、演出内容に遊技者が違和感を感じてしまうおそれがある。そこで、遊技機B9によれば、特定識別情報が現出する動的表示である場合には、延長時間を非取得とするように構成される。このように構成することで、特定演出を行った場合であっても、取得された動的時間の終了タイミングと複数回実行手段によるイベント演出の終了タイミングとを同期させることができるので、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる、という効果がある。
遊技機B9において、
前記選定手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報の一部分を構成する前記識別情報の組み合わせである前段階識別情報(例えば、「リーチ表示」)を現出するか否かを選定する前段階選定手段(例えば、停止パターン選択カウンタC3)、を備え、
前記延長未取得手段は、
前記前段階選定手段によって前記動的表示において前記前段階識別情報を現出させる場合に、前記延長時間を非取得とする
ことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選定手段に設けられた前段階選定手段により、動的表示において、特定識別情報の一部分を構成する識別情報の組み合わせである前段階識別情報を現出するか否かが選定される。そして、延長未取得手段により、前段階選定手段によって動的表示において前段階識別情報を現出させる場合に、延長時間が非取得とされるように構成されている。前段階識別情報を含む動的表示では、特定識別情報が現出するか否かの判定演出が行われるのが一般的であるため、該判定演出を実行するために比較的長い動的表示の実行時間が選定される。このような場合、該動的時間の間に新たに取得手段によって抽選情報が取得される可能性がある。よって、このような場合まで取得された動的時間より長い時間行われる複数回実行手段によるイベント演出を行う必要性が乏しい。そこで、遊技機B10では、前段階識別情報を現出させる動的表示の実行時間が選定された場合には、延長時間を非取得とするように構成する。このように構成することで、必要以上に表示手段における演出時間を長くせず、遊技者が遊技に興醒めしないようにすることができる、という効果がある。
<C群:取得した演出時間において、後の演出要素から演出内容を決める>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、所定の始動入球手段に球等の遊技媒体が入球した場合に、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動表示)を行い、その表示結果が大当たりを示すものであったとき、大当たり遊技が実行される遊技機が知られている。
このような遊技機において、動的表示の変動パターンは、予め複数種類設けられている。そして、上記始動入賞口への球の入賞タイミングに応じて、複数種類の変動パターンの中から1の変動パターンが選択され、該変動パターンに基づく動的表示が表示手段において実行される。
この変動パターンは、まず、遊技の主な制御を行う主制御手段において上記始動入賞口への球の入球に起因して動的表示の実行時間が選定され、該実行時間に基づく制御信号を副制御手段に対して通知し、該副制御手段において上記実行時間に基づいて詳細な変動パターンが決定される(例えば、特許文献1(特開2015−134027号公報))。
しかしながら、従来の遊技機では、主制御手段において多種多様な遊技の設定を行わなければならず、主制御手段における制御負荷を如何にして軽減するかが求められており、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、主制御手段の制御負荷を軽減できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技の制御を実行する主制御手段(例えば、主制御装置110)と、
該主制御手段からの制御信号に基づいて遊技の制御を実行する副制御手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、
該副制御手段によって表示制御される表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、を有し、
前記主制御手段は、
所定の始動条件の成立を契機として抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、前記表示手段において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)の実行時間を選定する時間選定手段(例えば、変動種別カウンタCS1)と、
該選定手段によって選定された前記実行時間に基づく前記制御信号を、前記副制御手段へ通知する通知手段(例えば、タイマ割込処理の外部出力処理(S101))と、を備え、
前記副制御手段は、
前記通知手段から通知された前記制御信号に基づいて、少なくとも1の演出要素を実行する複数の演出パターンの中から1の演出パターンを選定するパターン選定手段(例えば、変動設定処理(S1213))と、
該パターン選定手段によって選定された前記演出パターンに基づいて、前記表示手段において前記動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、変動演出処理(S1117))と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記パターン選定手段は、
前記通知手段によって前記制御信号が通知された場合に、該制御信号に基づく前記動的表示の後半部分に実行される前記演出要素から先に選定する後半側選定手段(例えば、「スランプ演出」において「どっちだリーチ」からスランプ演出格納エリア223hに格納)と、
該後半側選定手段によって選定された前記演出要素に基づく演出時間を前記実行時間から差し引いた残余時間に基づいて、残りの前記演出要素を選定する残余選定手段(例えば、「スランプ演出」において「どっちだリーチ」をスランプ演出格納エリア223hに格納した後に、「発展示唆演出」をスランプ演出格納エリア223hに格納)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、主制御手段により、遊技の制御が実行され、副制御手段により、主制御手段からの制御信号に基づいて遊技の制御が実行され、その副制御手段によって表示手段が表示制御される。そして、主制御手段に設けられた取得手段により、所定の始動条件の成立を契機として抽選情報が取得され、同じく主制御手段に設けられた判定手段により、取得手段によって取得された抽選情報に基づいて判定が行われる。また、同じく主制御手段に設けられた時間選定手段により、判定手段よる判定結果に基づいて、表示手段において行われる識別情報の動的表示の実行時間が選定され、同じく主制御手段に設けられた通知手段により、選定手段によって選定された実行時間に基づく制御信号が、副制御手段へ通知される。そして、副制御手段に設けられたパターン選定手段により、通知手段から通知された制御信号に基づいて、少なくとも1の演出要素を実行する複数の演出パターンの中から1の演出パターンが選定され、同じく副制御手段に設けられた動的表示実行手段により、パターン選定手段によって選定された演出パターンに基づいて、表示手段において動的表示が実行される。そして、動的表示実行手段による実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、パターン選定手段に設けられた後半側選定手段により、通知手段によって制御信号が通知された場合に、制御信号に基づく動的表示の後半部分に実行される演出要素が先に選定される。そして、同じくパターン選定手段に設けられた残余選定手段により、後半側選定手段によって選定された演出要素に基づく演出時間を実行時間から差し引いた残余時間に基づいて、残りの演出要素が実行される。これにより、主制御手段では動的表示の実行時間を選択して副制御手段に該実行時間を通知するのみでよく、副制御手段において上記実行時間に基づいて、動的表示の後半部分に実行される演出要素から先に演出パターンを選定し、その後、残りの残余時間に基づいて演出要素を決定して、一連の動的表示の整合性を取りつつ、動的表示の内容を決定することができる。よって、副制御手段において動的表示の演出パターンの選定という主要な制御を実行させることで、主制御手段の制御負荷を軽減できる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記演出要素は、
所定の固定時間(例えば、「10秒」)で構成される固定時間演出要素(例えば、「ガセ疑似連」演出、「疑似連」演出又は「どっちだリーチ」の演出要素)、を含み、
前記時間選定手段において選定される前記動的表示の実行時間は、
前記固定演出の演出時間の整数倍の時間を含む
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出要素として所定の固定時間で構成される固定時間演出要素が含まれ、時間選定手段において選定される動的表示の実行時間として、固定演出の整数倍の時間が含まれる。これにより、副制御手段において、通知された実行時間に基づいて動的表示の演出パターンを選定する場合に、固定演出要素の演出時間の整数倍の実行時間が選択されたとき、固定時間演出要素を組み合わせて動的表示を実行する演出パターンを選定することができ、実行時間と整合がとれた演出を実行することができる、という効果がある。
遊技機C1において、
前記演出要素は、
経時的な変化がない又は少ない静的演出要素(例えば、「発展可否演出」の演出要素、フリーズ演出またはブラックアウト演出)、を含み、
前記残余選定手段は、
前記静的演出要素を選択可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出要素として、経時的な変化がない又は少ない静的演出要素が含まれる。そして、残余選定手段により、静的演出要素が選択可能に構成される。これにより、例えば、残余時間が1の固定時間演出要素未満であった場合であっても、残余時間の演出要素として静的演出要素を選定することで、経時的な変化がない又は少ない固定的演出要素を途中で打ち切って次の演出要素を実行した場合であっても、遊技者に違和感を感じない演出を提供することができる、という効果がある。
なお、「経時的な変化がない又は少ない」とは、例えば、数秒間の間、全く変化がない状態や、変化がある場合であっても主要な内容(例えば、背景全体や画面構図全体、キャラクタ図柄等)が変化せずに補助的な内容(例えば、背景の一部分や画面構図の一部分等)のみの変化に留まる場合等が例示される。
遊技機C0からC2のいずれかにおいて、
前記副制御手段は、
前記動的表示実行手段による前記動的表示が実行されているか否かを判別可能な実行判別手段(例えば、サブスランプフラグ223f)と、
前記通知手段によって前記制御信号が通知された場合に、前記実行判別手段によって前記動的表示が実行されていないと判別されるとき、前記通知手段によって通知された前記制御信号に基づく前記動的表示の実行時間より長い時間、前記表示手段において、前記動的表示の代わりに特定演出(例えば、「スランプ演出」)を実行する特定演出実行手段(例えば、スランプ演出格納エリア223h)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C0からC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段に設けられた実行判別手段により、動的表示実行手段による動的表示が実行されているか否かが判別可能に構成される。そして、通知手段によって制御信号が通知された場合に、実行判別手段によって動的表示が実行されていないと判別されるとき、特定演出実行手段により、通知手段によって通知された制御信号に基づく動的表示の実行時間より長い時間、表示手段において、動的表示の代わりに特定演出が実行される。これにより、表示手段における演出の実行時間を増やすことで、表示手段において演出が行われていない状況を少なくし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C3において、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を実行する場合に、所定の付加時間(例えば、延長時間)を選定する付加時間選定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1406)と、
該付加時間選定手段により選定された前記付加時間と、前記時間選定手段によって選定された前記実行時間との合計時間の間、前記特定演出を実行する合計時間実行手段(例えば、スランプ演出タイマ223g)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられた付加時間選定手段により、特定演出を実行する場合に、所定の付加時間が選定される。そして、同じく特定演出実行手段に設けられた合計時間実行手段により、付加時間選定手段により選定された付加時間と、選定手段によって選定された実行時間との合計時間の間、特定演出が実行される。これにより、選定された動的表示の実行時間以上、特定演出を実行することができ、表示手段における演出の実行時間を増やすことで、表示手段において演出が行われていない状況を少なくし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C4において、
前記付加時間選定手段において選定される前記付加時間は、
前記固定演出の演出時間の整数倍の時間を含む
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、付加時間選定手段において選定される付加時間として、固定演出の整数倍の時間が含まれる。これにより、副制御手段において、通知された実行時間と付加された付加時間との合計時間に基づいて動的表示の演出パターンを選定する場合に、固定時間演出要素を組み合わせて動的表示を実行する演出パターンを選定することができ、実行時間と整合がとれた特定演出を実行することができる、という効果がある。
遊技機C0からC5のいずれかにおいて、
前記後半側選定手段は、
前記特定識別情報が現出するか該特定識別情報と異なる非特定識別情報が現出するか否かの判定演出(例えば、「どっちだリーチ」の演出要素)を選定する判定演出選定手段、を備え、
前記残余選定手段は、
前記判定演出に移行するか否かの判定移行演出(例えば、チャンス目図柄又はガセチャンス目図柄が現出する「疑似連」演出)を選定する判定移行演出選定手段と、
前記判定移行演出又は前記判定演出に移行するか否かの発展演出(例えば、チャンス発展図柄又はリーチ形成図柄が現出する「疑似変動」の演出要素)を選定する発展選定手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C0からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、後半側選定手段に設けられた判定演出選定手段により、特定識別情報が現出するかその特定識別情報と異なる非特定識別情報が現出するか否かの判定演出が選定される。また、残余選定手段に設けられた判定移行演出選定手段により、判定演出に移行するか否かの判定移行演出が選定され、同じく残余選定手段に設けられた発展選定手段により、判定移行演出又は判定演出に移行するか否かの発展演出が選定される。これにより、副制御手段において上記実行時間に基づいて、動的表示の後半部分に実行される演出要素から先に演出パターンを選定し、その後、残りの残余時間に基づいて演出要素を決定して、一連の動的表示の整合性を取りつつ、動的表示の内容を決定することができる、という効果がある。
遊技機C6において、
前記時間選定手段は、
前記特定識別情報が現出する場合に、長い実行時間を選定し易いように構成されている
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間選定手段により、特定識別情報が現出する場合に、長い実行時間が選定され易いように構成されている。これにより、選定された動的表示の実行時間が、多くの演出を実行し易い長い実行時間である場合に、特定識別情報の現出期待度が高い判定移行演出や発展演出を実行し、該判定移行演出や発展演出の実行により特定識別情報の現出期待度が変化するため、いずれの演出に移行するか否かの興趣が生まれ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C6又はC7において、
前記判定移行演出および前記発展演出は、
同一又は類似の演出要素を実行する
ことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C6又はC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定移行演出と発展演出とは、同一又は類似の演出要素が実行される。これにより、遊技者に、判定移行演出が行われているのか発展演出が行われているのかを識別困難に構成し、実際の動的表示の実行回数より多い回数(長い実行時間)の動的表示が行われたかのように錯覚させることができ、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に思わせることで、遊技の興趣を向上することができる。
なお、「同一又は類似」とは、時間および内容がすべて同一のものや、時間が同一で内容が若干(色合いや構図、大きさ等が少し)異なるものや、内容が同一で時間が若干(数秒程度)ことなるもの等が例示され、基準となる演出要素を連想できる内容及び時間の演出要素であれば、上記「同一又は類似」の範疇に入る。
遊技機C3からC8のいずれかにおいて、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出の実行中に前記取得手段によって新たな前記抽選情報が取得された場合に、該抽選情報に基づいて新たな前記動的表示の実行時間を取得する時間取得手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1401)と、
該時間取得手段によって取得された実行時間と、実行中の前記特定演出の残り時間とを合算する残余合算手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1409)と、
該残余合算手段によって合算された合算時間に基づいて、前記特定演出を改めて設定する合算設定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1411又はS1413)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C3からC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられた時間取得手段により、特定演出の実行中に取得手段によって新たな抽選情報が取得された場合に、該抽選情報に基づいて新たな動的表示の実行時間が取得され、同じく特定演出実行手段に設けられた残余合算手段により、時間取得手段によって取得された実行時間と、実行中の特定演出の残り時間とが合算される。そして、同じく特定演出実行手段に設けられた合算設定手段により、残余合算手段によって合算された合算時間に基づいて、特定演出が設定される。これにより、特定演出の実行中に新たな動的表示の実行時間が取得された場合であっても、改めて特定演出の内容を設定することで、実行中の特定演出と実行時間との整合性を取りつつ、特定演出の内容を設定することができる、という効果がある。
遊技機C9において、
前記合算設定手段は、
前記後半側選定手段によって、前記合算時間に基づく前記特定演出の後半部分に実行される前記演出要素から先に選定する
ことを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合算設定手段において、後半側選定手段により、合算時間に基づく特定演出の後半部分に実行される演出要素から先に選定される。これにより、特定演出の実行中に新たな動的表示の実行時間が取得された場合であっても、合算時間に基づく特定演出の後半部分に実行される演出要素から先に演出パターンを選定し、その後、残りの残余時間に基づいて演出要素を改めて設定して、一連の動的表示の整合性を取りつつ、独亭演出の内容を決定することができる、という効果がある。
<D群:ダミー保留表示>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入球手段に入球すると、所定の数を上限として、その入球に係る動的表示が保留されるものがある。そして、実行中の動的表示が終了すると、保留された未実行の動的表示の実行が開始される。
この動的表示では、遊技の興趣の一環として、大当たりを発生し得る特定表示結果以外の特殊結果が現出した場合に、当該動的表示において再び図柄を変動させ、再度、動的表示が実行されたかのような疑似的な演出(所謂、「疑似連」演出)を実行しつつ、改めて特定表示結果が現出するか否かの演出を実行するものがある(例えば、特許文献1(特開2015−134027号公報))。
しかしながら、従来の遊技機では、上記疑似連演出が単調となり演出内容に意外性を生み出せていなかった。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、第1表示手段(例えば、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm)において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される前記抽選情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203c)と、
該記憶手段に記憶された前記抽選情報の数に対応する演出数情報を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Db)と、
所定条件が成立した場合に、前記第2表示手段において疑似的な疑似演出数情報を表示する疑似表示手段(例えば、ダミー保留表示である保留図柄)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報が現出するか、該特定識別情報と異なる非特定識別情報(例えば、「ハズレ表示」やガセチャンス目図柄等)が現出するか否かの判定演出(例えば、「低速変動」の演出要素、「疑似連」演出、「ガセ疑似連」演出又は「ノーマルリーチ」の演出要素等の全図柄停止時)を実行する判定演出実行手段と、
前記演出数情報および前記疑似演出数情報の合計数に対応する数の前記判定演出を実行する合計演出数実行手段(例えば、スランプ演出格納エリア223hおよび保留情報格納エリア223i)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、取得手段により、所定の始動条件の成立を契機として抽選情報が取得され、判定手段により、取得手段によって取得された抽選情報に基づいて判定が行われる。そして、判定手段よる判定結果に基づいて、動的表示実行手段により、第1表示手段において識別情報の動的表示が実行される。そして、動的表示実行手段により実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、記憶手段により、所定の数を上限として、取得手段により取得される抽選情報が記憶され、その記憶手段に記憶された抽選情報の数に対応する演出数情報が、第2表示手段により表示される。そして、疑似表示手段により、所定条件が成立した場合に、第2表示手段において疑似的な疑似演出数情報が表示される。ここで、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特定識別情報が現出するか、その特定識別情報と異なる非特定識別情報が現出するか否かの判定演出が実行される。また、動的表示実行手段に設けられた合計演出数実行手段により、演出数情報および疑似演出数情報の合計数に対応する数の判定演出が実行される。これにより、特定識別情報又は非特定識別情報が現出する判定演出と連動するように疑似演出数情報を表示又は消去し、疑似演出数情報であっても判定演出が実行されることで、実際の動的表示が実行されているかのような臨場感を醸し出すことが可能となる。よって、意外性のある演出を実行して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記合計演出数実行手段は、
前記疑似表示手段によって前記疑似演出数情報を表示する場合に、追加的に実行する追加演出(例えば、「スランプ演出」における「ガセ疑似連2」)を選定する追加演出選定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1413)、を備え、
前記疑似表示手段は、
前記追加演出選定手段により選定された前記追加演出を実行する前に、前記疑似演出数情報を表示する実行前表示手段(例えば、「ガセ疑似連2」の実行前にダミー入賞口75へ球を入球させてダミー保留表示である保留図柄を表示)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合計演出数実行手段に設けられた追加演出選定手段により、疑似表示手段によって疑似演出数情報を表示する場合に、追加的に実行する追加演出が選定される。そして、疑似表示手段に設けられた実行前表示手段により、追加演出選定手段により選定された追加演出を実行する前に、疑似演出数情報が表示される。これにより、追加的に実行される追加演出が実行される前に疑似演出数情報を表示することができるので、例えば、疑似演出数情報も演出数情報も表示されていないにもかかわらず追加演出が実行されるような状況を未然に防ぐことができる。よって、整合性のとれた演出を提供しつつ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0又はD1において、
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、を備え、
前記取得手段は、
前記第1入球手段への遊技球の入球に起因して前記抽選情報を取得し、
前記疑似表示手段は、
前記第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球の入球に起因して前記疑似演出数情報を表示する
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D0又はD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が発射され、その発射手段により発射された球が、第1入球手段に入球可能に構成される。そして、取得手段により、第1入球手段への入球に起因して抽選情報が取得される。ここで、疑似表示手段により、第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球への入球に起因して疑似演出数情報が表示される。これにより、第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球の入球に起因して、第1表示手段で行われる演出数である疑似演出数情報を表示することができ、あたかも第1入球手段に入球したことで演出数情報が表示されたかのように遊技者に錯覚させることが可能となる。その結果、第2入球手段への入球に基づいて疑似演出数情報を表示しつつ、該疑似演出数情報に基づいて疑似的な演出を行った場合でも、実際の動的表示が実行されているかのような臨場感を醸し出すことが可能となる。よって、意外性のある演出を実行して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D2において、
前記第2入球手段は、
前記第1入球手段の近傍に配置される
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段が、第1入球手段の近傍に配置される。これにより、第1入球手段の近傍に流下した遊技球が、第1入球手段に入ったのか第2入球手段に入ったのかを認識し難くすることで、第2入球手段への入球に基づいて疑似演出数情報を表示した場合でも、あたかも第1入球手段に入球したことで演出数情報が表示されたかのように遊技者に錯覚させることが可能となる。その結果、第2入球手段への入球に基づいて疑似演出数情報を表示しつつ、該疑似演出数情報に基づいて疑似的な演出を行った場合でも、実際の動的表示が実行されているかのような臨場感を醸し出すことが可能となる。よって、意外性のある演出を実行して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「第1入球手段の近傍」とは、例えば、第1入球手段の隣接する領域や、複数の第1入球手段を有する場合には、各第1入球手段の間の領域、或いは、第1入球手段と第2入球手段との両方をそれぞれ同時に視認可能な位置等が例示される。
遊技機D2又はD3において、
前記発射手段により発射された遊技球を保留する保留状態と、所定の解放条件の成立に基づいて保留された遊技球を解放する解放状態とに変化可能な保留手段(例えば、保留装置73)、を備え、
前記第2入球手段は、
前記保留手段から解放された遊技球が入球可能な位置に配置される
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2又はD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により発射された遊技球を保留する保留状態と、所定の解放条件の成立に基づいて保留された遊技球を解放する解放状態とに変化可能に保留手段が構成され、その保留手段から解放された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が配置される。これにより、保留手段で保留された遊技球を、所定の解放条件の成立に基づいて第2入球手段に入球させて、疑似演出数情報を表示させることが可能となる。その結果、保留されている遊技球を直ちに第2入球手段へ入球可能となるとともに、第2入球手段への入球に基づいて疑似演出数情報を表示しつつ、該疑似演出数情報に基づいて疑似的な演出を行った場合でも、実際の動的表示が実行されているかのような臨場感を醸し出すことが可能となる。よって、意外性のある演出を実行して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D4において、
前記合計演出数実行手段は、
前記追加演出選定手段によって前記追加演出が選定された場合に、該追加演出に対応する前記疑似演出数情報を表示するタイミングとなるか否かを計数する計数手段(例えば、保留装置駆動タイマ203g)、を備え、
前記保留手段は、
前記計数手段による計数結果により、前記疑似演出数情報を表示するタイミングとなった場合に、前記保留手段によって保留されていた遊技球を解放する解放手段(例えば、保留装置ソレノイド73f)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合計演出数実行手段に設けられた計数手段により、追加演出選定手段によって追加演出が選定された場合に、該追加演出に対応する疑似演出数情報を表示するタイミングとなるか否かが計数される。そして、保留手段に設けられた解放手段により、計数手段による計数結果により疑似演出数情報を表示するタイミングとなった場合に、保留手段によって保留されていた遊技球が解放される。これにより、第2入球手段に遊技球を入球させるタイミングと追加演出に対応する疑似演出数情報を表示させるタイミングとを関連付けることができる。その結果、第2入球手段への入球に基づいて疑似演出数情報を表示しつつ、該疑似演出数情報に基づいて疑似的な演出を行った場合でも、実際の動的表示が実行されているかのような臨場感を醸し出すことが可能となる。よって、意外性のある演出を実行して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D5において、
前記合計演出数実行手段は、
前記保留手段に遊技球が保留されているか否かを判別する保留判別手段(例えば、保留球検知スイッチ73g)と、
前記計数手段による計数結果により、前記疑似演出数情報を表示するタイミングとなった場合に、前記保留判別手段によって前記保留手段に遊技球が保留されていないと判別されたとき、前記追加演出を、前記演出数情報又は前記疑似演出数情報を消化しない非消化演出に変更する演出変更手段(例えば、演出変換フラグ223k)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合計演出数実行手段に設けられた保留判別手段により、保留手段に遊技球が保留されているか否かが判別される。そして、同じく合計演出数実行手段に設けられた演出変更手段により、計数手段による計数結果により、疑似演出数情報を表示するタイミングとなった場合に、保留判別手段によって保留手段に遊技球が保留されていないと判別されたとき、追加演出が、演出数情報又は疑似演出数情報を消化しない非消化演出に変更される。これにより、第2入球手段に入球させる遊技球が保留手段に保留されていない場合に、疑似演出数情報を表示することがなく、第1表示手段で実行される演出数と、第2入球手段で表示される演出数情報および疑似演出数情報との整合性を保つことができる。よって、遊技者に違和感のない演出を提供し、遊技者が遊技の興醒めしてしまうことを防止できる、という効果がある。
遊技機D6において、
前記記憶手段に記憶される前記抽選情報の中に前記特定識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判別する記憶判別手段(例えば、保留表示設定処理(S1208))と、
該記憶判別手段による判別結果に基づいて、前記演出数情報および前記疑似演出数情報の表示態様を変化させる表示変化手段(例えば、保留変化カウンタ223d)と、を備え、
前記演出変更手段は、
前記追加演出を前記非消化演出に変更する場合に、前記表示変化手段によって前記演出数情報の表示態様を変化させる変更時変化手段(例えば、保留ランクアップコマンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶判別手段により、記憶手段に記憶される抽選情報の中に特定識別情報を現出する動的表示があるか否かが判別され、表示変化手段により、記憶判別手段による判別結果に基づいて、演出数情報および疑似演出数情報の表示態様が変化される。ここで、演出変更手段に設けられた変更時変化手段により、追加演出を非消化演出に変更する場合に、表示変化手段によって演出数情報の表示態様が変化される。これにより、保留手段に遊技球が保留されていないことによって追加演出を非消化演出に変更する場合であっても、演出数情報の表示態様を変化させて遊技者の特定識別情報への期待感を増幅させることで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる、という効果がある。
<E群:変動時間経過前に保留シフト>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入球手段に入球すると、所定の数を上限として、その入球に係る動的表示が保留されるものがある。そして、実行中の動的表示が終了すると、保留された未実行の動的表示の実行が開始される。
この動的表示の保留数は、所定の保留図柄によって表示され、実行中の動的表示が終了した場合に、未実行の動的表示に対応する保留図柄が移行(シフト)表示するように構成されている。このように構成することで、実行していた動的表示の終了と新たな動的表示の開始とが遊技者に示唆されると共に、残りの動的表示の保留数が遊技者に示唆される(例えば、特許文献1(特開2003−340046号公報))。
しかしながら、従来の遊技機では、保留図柄の移行(シフト)表示が単調であり、演出内容に意外性を生み出せていなかった。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、意外性のある演出を実行して、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、第1表示手段(例えば、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm)において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記第1表示手段で実行される演出数に対応する演出数情報を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Db)と、
前記取得手段による前記抽選情報の取得に基づいて、前記演出数情報を増加(追加)して表示する第1増加手段(例えば、左側特図入賞口77aへの入賞に基づいて保留図柄を追加して表示)と、
前記動的表示実行手段による前記動的表示の終了に基づいて、前記演出数情報を減少(消去)させる第1減少手段(例えば、変動演出の終了に基づいて実行図柄を消去)と、
前記取得手段による前記抽選情報の取得と異なる所定の第1条件の成立に基づいて、前記演出数情報を増加して表示する第2増加手段(例えば、ダミー入賞口75への入賞に基づいて保留図柄を追加して表示)と、
前記動的表示実行手段による前記動的表示の終了と異なる所定の第2条件の成立に基づいて、前記演出数情報を減少させる第2減少手段(例えば、「スランプ演出」における「ガセ疑似連1」の終了に基づいて実行図柄を消去)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、所定の始動条件の成立を契機として抽選情報が取得され、判定手段により、取得手段によって取得された抽選情報に基づいて判定が行われる。そして、判定手段よる判定結果に基づいて、動的表示実行手段により、第1表示手段において識別情報の動的表示が実行される。そして、動的表示実行手段により実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、第2表示手段により、第1表示手段で実行される演出数に対応する演出数情報が表示可能に構成される。そして、第1増加手段により、取得手段による抽選情報の取得に基づいて、演出数情報が増加して表示され、第1減少手段により、動的表示実行手段による動的表示の終了に基づいて、演出数情報が減少される。また、第2増加手段により、取得手段による抽選情報の取得と異なる所定の第1条件の成立に基づいて、演出数情報が増加して表示され、第2減少手段により、動的表示実行手段による動的表示の終了と異なる所定の第2条件の成立に基づいて、演出数情報が減少される。これにより、演出数情報の増加および減少を、動的表示の開始又は終了とは異なる条件で行うことができる。よって、演出数情報の増加表示および減少についてバリエーションを設け、意外性のある演出を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0において、
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、を備え、
前記取得手段は、
前記第1入球手段への遊技球の入球に起因して前記抽選情報を取得し、
前記第1条件は、
前記第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球の入球である
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が発射され、その発射手段により発射された遊技球が、第1入球手段に入球可能に構成される。そして、取得手段により、第1入球手段への遊技球の入球に起因して抽選情報が取得される。ここで、第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球の入球が第1条件とされる。即ち、第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球の入球に基づいて演出数情報が増加して表示される。これにより、演出数情報の増加表示についてバリエーションを設け、意外性のある演出を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0又はE1において、
前記動的表示実行手段による前記動的表示が実行されているか否かを判別可能な実行判別手段(例えば、主スランプカウンタ203e又はデモコマンド)と、
前記取得手段によって前記抽選情報が取得された場合に、前記実行判別手段によって前記動的表示が実行されていないと判別されるとき、前記第1表示手段において複数回の特定演出(例えば、「スランプ演出」の各演出単位)を実行する特定演出実行手段(例えば、スランプ演出格納エリア223h)と、を備え、
前記第2条件は、
1の前記特定演出の終了である
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0又はE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行判別手段により、動的表示実行手段による動的表示が実行されているか否かが判別可能に構成され、取得手段によって抽選情報が取得された場合に、実行判別手段によって動的表示が実行されていないと判別されたとき、特定演出実行手段により、第1表示手段において複数回の特定演出が実行される。ここで、1の特定演出の終了が第2条件とされる。即ち、動的表示の終了と異なる1の特定演出の終了に基づいて演出数情報が減少される。演出数情報の減少についてバリエーションを設け、意外性のある演出を提供して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E2において、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記動的表示の実行時間を選定する時間選定手段(例えば、変動種別カウンタCS1)、を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記時間選定手段によって選定された前記実行時間より長い期間、複数回の前記特定演出を実行する長時間実行手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間選定手段により、判定手段による判定結果に基づいて、動的表示の実行時間が選定される。そして、特定演出実行手段に設けられた長時間実行手段により、時間選定手段によって選定された実行時間より長い期間、複数回の特定演出が実行される。即ち、取得された動的表示の実行時間より長く、複数回の特定演出が実行される。これにより、第1表示手段における演出の実行時間を増やすことで、第1表示手段において演出が行われていない状況を少なくし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。また、第1表示手段における演出の実行と、第2表示手段で表示される演出数情報の増加および減少との整合性を保ち、違和感のない演出を提供して、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる、という効果がある。
遊技機E3において、
前記長時間実行手段は、
前記特定演出を実行する場合に、所定の延長時間(例えば、延長時間)を選定する延長時間選定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1406)と、
該延長時間選定手段により選定された前記延長時間と、前記時間選定手段によって選定された前記実行時間との合計時間の間、前記特定演出を実行する合計時間実行手段(例えば、スランプ演出タイマ223g)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、長時間実行手段に設けられた延長時間選定手段により、特定演出を実行する場合に、所定の延長時間が選定され、同じく長時間実行手段に設けられた合計時間実行手段により、延長時間選定手段により選定された延長時間と、時間選定手段により選定された実行時間との合計時間の間、特定演出が実行される。これにより、選定された動的表示の実行時間以上、特定演出を実行することができ、第1表示手段における演出の実行時間を増やすことで、表示手段において演出が行われていない状況を少なくし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E3又はE4において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報が現出するか否かの判定演出(例えば、「低速変動」の演出要素、「疑似連」演出、「ガセ疑似連」演出又は「ノーマルリーチ」の演出要素等の全図柄停止時)を実行する判定演出実行手段、を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出毎に前記判定演出を実行する特定毎判定実行手段(例えば、「スランプ演出」における第1演出および第2演出)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3又はE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特定識別情報が現出するか否かの判定演出が実行される。そして、特定演出実行手段に設けられた特定毎判定実行手段により、特定演出毎に判定演出が実行される。これにより、特定演出毎に、実際に取得された動的表示の数より多い数の判定演出を実行して、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に錯覚させることで、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E5において、
前記特定演出実行手段は、
1の前記判定演出を行う第1演出(例えば、「ガセ疑似連1」)を実行する第1演出実行手段と、
該第1演出実行手段による前記第1演出が行われた後に、再度、前記判定演出を行う第2演出(例えば、「ガセ疑似連2」)を実行する第2演出実行手段と、を備え、
前記第2減少手段は、
前記第1演出実行手段による前記第1演出の終了に基づいて、前記演出数情報を減少させ、前記第2演出実行手段による前記第2演出の終了に基づいて、前記演出数情報を減少させる
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられた第1演出実行手段により、1の判定演出を行う第1演出が実行され、同じく特定演出実行手段に設けられた第2演出実行手段により、第1演出実行手段による第1演出が行われた後に、再度、判定演出を行う第2演出が実行される。ここで、第2減少手段により、第1演出実行手段による第1演出の終了に基づいて、演出数情報が減少されると共に、第2演出実行手段による第2演出の終了に基づいて、演出数情報が減少される。これにより、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に錯覚させつつ、第1表示手段における判定演出の演出回数と、第2表示手段で表示される演出数情報との整合性を保ち、違和感のない演出を提供して、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる、という効果がある。
遊技機E2からE6のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記時間選定手段により選定された前記実行時間に基づいて、所定の演出要素(例えば、「高速変動」+「低速変動」、「ガセ疑似連」演出、「疑似連」演出または「ノーマルリーチ」の演出要素等)の中から少なくとも1の演出要素を選定する演出要素選定手段(例えば、変動演出処理(S1117)のS1708)、を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出において、前記演出要素選定手段によって選定され得る前記演出要素と同一又は類似の演出要素を実行する
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E2からE6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた演出要素選定手段により、時間選定手段により選定された実行時間に基づいて、所定の演出要素の中から少なくとも1の演出要素が選定される。そして、特定演出実行手段により、特定演出において、演出要素選定手段によって選定され得る演出要素と同一又は類似の演出要素が実行される。これにより、遊技者に、実際の動的表示の実行回数より多い回数(長い実行時間)の動的表示が行われたかのように錯覚させることができ、多くの抽選機会を得られているかのように遊技者に思わせることで、遊技の興趣を向上することができる。
なお、「同一又は類似」とは、時間および内容がすべて同一のものや、時間が同一で内容が若干(色合いや構図、大きさ等が少し)異なるものや、内容が同一で時間が若干(数秒程度)ことなるもの等が例示され、基準となる演出要素を連想できる内容及び時間の演出要素であれば、上記「同一又は類似」の範疇に入る。
遊技機E2からE7のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段および前記特定演出実行手段は、
前記第1表示手段の複数の表示領域のそれぞれにおいて、前記識別情報を変動および停止する個別領域変動手段(例えば、左図柄列Z1、中図柄列Z2および右図柄列Z3)、を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記時間選定手段により選定された前記動的表示の実行時間の終了タイミングと、前記特定演出におけるいずれかの前記表示領域の前記識別情報の停止タイミングとを同期させるタイミング同期手段(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様の確定タイミングと、「ガセ疑似連2」の左図柄列Z1の停止タイミングとを同期)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E2からE7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段および特定演出実行手段に設けられた個別領域変動手段により、第1表示手段の複数の表示領域のそれぞれにおいて、識別情報が変動又は停止される。そして、特定演出実行手段に設けられたタイミング同期手段により、時間選定手段により選定された動的表示の実行時間の終了タイミングと、特定演出におけるいずれかの表示領域の識別情報の停止タイミングとが同期される。これにより、動的表示の代わりに実行される特定演出に該動的表示との関連性を持たせ、特定演出の実行中であっても動的表示の終了タイミングを認識することが可能となり、特定演出と動的表示との関連性を遊技者に示唆することができる、という効果がある。
遊技機E8において、
前記タイミング同期手段は、
前記第2演出実行手段による前記第2演出において、該第2演出の終了時に識別情報を停止する表示領域(例えば、中図柄列Z2)以外の表示領域における前記識別情報(例えば、左図柄列Z1)の停止タイミングを、前記動的表示の実行時間の終了タイミングと同期させる
ことを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、タイミング同期手段により、第2演出実行手段による第2演出において、該第2演出の終了時に識別情報を停止する表示領域以外の表示領域における識別情報の停止タイミングが、動的表示の実行時間の終了タイミングと同期される。これにより、特定演出の終了タイミング以外の識別情報の停止タイミングを動的表示の停止タイミングと関連させ、動的表示の代わりに実行される特定演出の実行中であっても動的表示の終了タイミングを認識することが可能となり、特定演出と動的表示との関連性を遊技者に示唆することができる、という効果がある。
<F群:スランプ演出と保留装置の関係>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入球手段に入球すると、所定の数を上限として、その入球に係る動的表示が保留されるものがある。そして、実行中の動的表示が終了すると、保留された未実行の動的表示の実行が開始される。
また、この種の遊技機として、遊技領域に発射された球を保留する保留手段が設けられたパチンコ機が存在する。このパチンコ機では、保留手段に球を保留させ、所定条件の成立(例えば、遊技者による解除ボタンの押下操作)に基づいて、保留手段に保留された球を解放し、該球が下流側に設けられた入球口に入球するように構成され、遊技者に所定の遊技価値を付与するように構成されている(例えば、特許文献1(特開2006−95235号公報))。
しかしながら、従来の遊技機では、上記保留手段から解放された球の入球口への入球と、始動入球手段への入球に基づく動的表示とが関連しておらず、遊技が単調となり演出内容に意外性を生み出せていなかった。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、保留手段に保留された球を用いた遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該第1入球手段への遊技球の入球に起因して抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、特図入賞口スイッチ)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、第1表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を選定する選定手段(例えば、変動種別カウンタCS1)と、
該選定手段によって選定された前記動的表示を、前記第1表示手段において実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、ダミー入賞口75)と、
該第2入球手段の前記遊技領域の上方側に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球を保留可能な保留手段(例えば、保留装置73)と、
該保留手段に保留された遊技球を、前記動的表示に関する所定の第1条件の成立(例えば、「スランプ演出」の開始から「6秒」経過)に基づいて解放する解放手段(例えば、保留装置ソレノイド73f)と、
該解放手段によって解放された遊技球が前記第2入球手段に入球した場合に、前記動的表示に関連する関連表示(例えば、ダミー保留表示としての保留図柄)を現出する関連現出手段(例えば、ダミー保留球数カウンタ223c)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、発射手段により、遊技領域に向けて遊技球が発射され、その発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成される。そして、その第1入球手段への遊技球の入球に起因して、取得手段により、抽選情報が取得され、その取得手段により取得された抽選情報に基づいて、判定手段により、判定が行われる。そして、判定手段による判定結果に基づいて、選定手段により、第1表示手段において行われる識別情報の動的表示が選定され、その選定手段によって選定された動的表示が、動的表示実行手段により、第1表示手段において実行される。そして、動的表示実行手段により実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、第1入球手段と異なる第2入球手段に発射手段により発射された遊技球が入球可能に構成され、その第2入球手段の遊技領域の上方側に設けられた保留手段により、遊技領域を流下する遊技球が保留可能に構成される。そして、動的表示に関する所定の第1条件の成立に基づいて、解放手段により、保留手段に保留された遊技球が解放される。そして、解放手段によって解放された遊技球が第2入球手段に入球した場合に、関連現出手段により、動的表示に関連する関連表示が現出される。これにより、保留手段に保留された遊技球が動的表示における第1条件の成立に基づいて解放されると共に、開放された遊技球が第2入球手段に入球することで動的表示と関連性がある関連表示を行うことができる。よって、動的表示における演出と保留手段に保留された遊技球を用いた演出とにより、演出のバリエーションを豊富にすることができ、保留手段に保留された遊技球を用いた遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0において、
前記第1条件は、
前記動的表示の実行が開始されてから所定秒数経過した場合である
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示の実行が開始されてから所定秒数経過した場合が第1条件とされる。即ち、動的表示の実行が開始されてから所定秒数経過した場合に、保留手段に保留されていた遊技球を解放して、第2入球手段に入球させることができる。これにより、保留手段に保留された遊技球の入球に基づいて動的表示と関連性がある演出を行うことが可能となる。よって、動的表示における演出と保留手段に保留された遊技球を用いた演出とにより、演出のバリエーションを豊富にすることができ、保留手段に保留された遊技球を用いた遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0又はF1において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される前記抽選情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203c)と、
該記憶手段に記憶された前記抽選情報の数に対応する前記動的表示の演出数情報を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Db)と、を備え、
前記関連現出手段は、
前記関連表示として、前記演出数情報を増加して表示する演出数情報増加手段(例えば、ダミー保留表示として保留図柄を追加)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F0又はF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段により、所定の数を上限として、取得手段により取得される抽選情報が記憶され、その記憶手段に記憶された抽選情報の数に対応する動的表示の演出数情報が、第2表示手段に表示可能に構成される。ここで、関連現出手段に設けられた演出数情報増加手段により、関連表示として演出数情報が増加して表示される。即ち、保留手段によって保留されていた遊技球が第2入球手段に入球した場合に、動的表示の演出数である演出数情報が増加して表示される。これにより、保留手段に保留された遊技球の入球に基づいて動的表示の演出数が増加されたかのような演出を行うことが可能となる。よって、実際に取得された動的表示の演出数より多い数の演出数情報を表示して、多くの抽選機会を得られるかのように遊技者に錯覚させることで、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F2において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報が現出するか、該特定識別情報と異なる非特定識別情報が現出するか否かの判定演出(例えば、「低速変動」の演出要素、「疑似連」演出、「ガセ疑似連」演出又は「ノーマルリーチ」の演出要素等の全図柄停止時)を実行する判定演出実行手段、を備え、
前記関連現出手段は、
前記演出数情報増加手段により前記演出数情報を増加して表示する場合に、前記判定演出の実行回数を1回増加する判定演出増加手段(例えば、「スランプ演出」における「ガセ疑似連1」および「ガセ疑似連2」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特定識別情報が現出するか、その特定識別情報と異なる非特定識別情報が現出するか否かの判定演出が実行される。そして、関連現出手段に設けられた判定演出増加手段により、演出数情報増加手段により演出数情報を増加して表示する場合に、判定演出の実行回数が1回増加される。これにより、保留手段に保留された遊技球の入球に基づいて動的表示における判定演出が増加され、実際に取得された動的表示の判定演出数より多い数の判定演出を実行して、多くの抽選機会を得られるかのように遊技者に錯覚させることで、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F3において
前記関連現出手段は、
前記判定演出増加手段によって前記判定演出の実行回数が増加された場合、該判定演出の終了時に前記演出数情報を1つ減少させる増加時減少手段(例えば、「ガセ疑似連1」の終了時に実行図柄を消去)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、関連現出手段に設けられた増加時減少手段により、判定演出増加手段によって判定演出の実行回数が増加された場合、その判定演出の終了時に演出数情報が1つ減少される。これにより、判定演出を増加した場合に、判定演出の増加に伴い演出数情報を1つ増加すると共に、該判定演出の終了に伴って演出数情報を1つ減少することで、実際の判定演出が増加されているかのような臨場感を醸し出すことが可能となる。よって、意外性のある演出を実行して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0からF4のいずれかにおいて、
前記発射手段により発射された遊技球を前記第1入球手段へ流下させる第1流路(例えば、振分入球口72)、を備え、
前記保留手段は、
前記第1流路に設けられる
ことを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F0からF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路により、発射手段により発射された遊技球が第1入球手段へ流下される。そして、保留手段が第1流路に設けられる。これにより、第1入球手段へ入球し得る遊技球を保留手段で保留することが可能となり、第1入球手段へ遊技球が流入し得る場合には、先に保留手段で遊技球が保留された状態にすることができる。よって、保留手段に保留された遊技球の入球に基づいて動的表示と関連性がある演出を行う場合に、保留手段に遊技球が保留された状態を維持することができる。よって、動的表示における演出と保留手段に保留された遊技球を用いた演出とにより、演出のバリエーションを豊富にすることができ、保留手段に保留された遊技球を用いた遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F5において、
前記保留手段は、
遊技球を貯留可能な貯留部(例えば、保留球保持部73b)と、
該貯留部に遊技球が貯留されていない場合に、前記第1流路を流下する遊技球を前記貯留部へ案内する案内部(例えば、保留装置開閉板73a)と、を備え、
前記案内部は、
前記貯留部に遊技球が貯留されている場合に、前記第1流路を流下する遊技球を、前記第1入球手段側へ流下させる
ことを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留手段に設けられた貯留部により、遊技球が貯留可能に構成され、その貯留部に遊技球が貯留されていない場合に、同じく保留手段に設けられた案内部により、第1流路を流下する遊技球が貯留部へ案内される。そして、案内部により、貯留部に遊技球が貯留されている場合に、第1流路を流下する遊技球が、第1入球手段側へ流下される。これにより、貯留部に遊技球が貯留されていない場合に、第1入球手段へ入球し得る遊技球を保留手段で保留することが可能となる一方、貯留部に遊技球が貯留されている場合は、第1入球手段へ入球し得る遊技球を第1入球手段側へ流下させることができる。よって、第1入球手段へ遊技球が入球し得る場合には、先に保留手段で遊技球が保留された状態にすることができる。従って、保留手段に保留された遊技球の入球に基づいて動的表示と関連性がある演出を行う場合に、保留手段に遊技球が必ず保留された状態とすることができる。その結果、動的表示における演出と保留手段に保留された遊技球を用いた演出とにより、演出のバリエーションを豊富にすることができ、保留手段に保留された遊技球を用いた遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F6において、
前記第1流路は、
遊技球を流下させる通路壁(例えば、振分入球口72のパチンコ機10前方側の側壁)、を有し、
前記案内部は、
前記貯留部へ遊技球を案内する状態である場合に、該案内部の先端部分が前記通路壁と面接触する形状である
ことを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路の通路壁により、遊技球が流下される。そして、案内部が貯留部へ遊技球を案内する状態である場合に、案内部の先端部分が通路壁と面接触する形状に構成される。即ち、案内部の先端部分が通路壁と面接触することで、上記先端部分の上面部以外の部分に遊技球が衝突することとなる。よって、第1流路に流入した遊技球が案内部の先端部分の上面部と衝突し難くすることで、案内部が破損してしまうことを防止することができる、という効果がある。
遊技機F5からF7のいずれかにおいて、
前記第1入球手段は、
所定の所定第1入球手段(例えば、左側特図入賞口77a)と、
該所定第1入球手段と異なる特定第1入球手段(例えば、右側特図入賞口78a)と、の複数設けられ、
前記第1流路は、
該第1流路を流下する遊技球を、前記所定第1入球手段又は前記特定第1入球手段に交互に振り分ける振分手段(例えば、振分装置76)、を備え、
前記第2入球手段は、
前記所定第1入球手段と前記特定第1入球手段の間の領域に配置される
ことを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F5からF7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段として、所定の所定第1入球手段と、その所定第1入球手段と異なる特定第2入球手段とが複数設けられ、第1流路に設けられた振分手段により、第1流路を流下する遊技球が、所定第1入球手段または特定第1入球手段に交互に振り分けられる。そして、第2入球手段が、所定第1入球手段と特定第2入球手段との間の領域に配置される。これにより、第1流路を流下する遊技球が、第1入球手段に入ったのか第2入球手段に入ったのかを認識し難くすることで、第2入球手段への入球に基づいて演出数情報を表示した場合でも、あたかも第1入球手段に入球したことで演出数情報が表示されたかのように遊技者に錯覚させることが可能となる。その結果、第2入球手段への入球に基づいて演出数情報を表示しつつ、該演出数情報に基づいて判定演出を行った場合でも、実際の判定演出が複数回実行されているかのような臨場感を醸し出すことが可能となる。よって、意外性のある演出を実行して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F8において、
前記保留手段は、
前記遊技領域において、前記振分手段の上流側に配置される
ことを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、保留手段が、遊技領域において、振分手段の上流側に配置される。これにより、所定第1入球手段または特定第1入球手段へ入球し得る遊技球を、振分手段によって振り分けられる前に保留手段で保留することが可能となる。よって、所定第1入球手段又は特定第1入球手段のいずれかへ遊技球が入球し得る場合、いずれの場合でも先に保留手段で遊技球が保留された状態にすることができる。従って、保留手段に保留された遊技球の入球に基づいて動的表示と関連性がある演出を行う場合に、保留手段に遊技球が保留された状態を維持することができる。その結果、動的表示における演出と保留手段に保留された遊技球を用いた演出とにより、演出のバリエーションを豊富にすることができ、保留手段に保留された遊技球を用いた遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
遊技機F0からF4のいずれかにおいて、
前記第1入球手段へ入球した遊技球を流下する第2流路(例えば、アウト口66)、を備え、
前記保留手段は、
前記第2流路に設けられる
ことを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F0からF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流路により、第1入球手段へ入球した遊技球が流下され、保留手段が第2流路に設けれる。第1入球手段に入球し得る遊技球を保留してしまった場合、遊技者は、特定識別情報が現出する可能性がある抽選情報が取得されないことによる喪失感を感じてしまい、遊技に興醒めしてしまうおそれがある。これに対し、遊技機F10によれば、第1入球手段に入球し、以後の遊技に使用しない遊技球を保留手段により保留することができる。よって、第1入球手段等へ入球し得て遊技に使用される遊技球ではなく、遊技に使用しない遊技球を第2入球手段に入球させ、動的表示における演出と保留手段に保留された遊技球を用いた演出とにより、演出のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者を興醒めさせず、保留手段に保留された遊技球を用いた遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
<G群:複数の変動演出を跨いだ演出を実行、入賞タイミングに応じて演出時間変更>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入球手段に入球すると、所定の数を上限として、その入球に係る動的表示が保留されるものがある。そして、実行中の動的表示が終了すると、保留された未実行の動的表示の実行が開始される。
この動的表示では、遊技の興趣の一環として、大当たりを発生し得る特定表示結果以外の特殊結果が現出した場合に、当該動的表示において再び図柄を変動させ、再度、動的表示が実行されたかのような疑似的な演出(所謂、「疑似連」演出)を実行しつつ、改めて特定表示結果が現出するか否かの演出を実行するものがある(例えば、特許文献1(特開2015−134027号公報))。
しかしながら、従来の遊技機では、動的表示の内容が単調となり演出内容に意外性を生み出せていなかった。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
G群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)の基準時間を選定する基準選定手段(例えば、変動種別カウンタCS1)と、
該基準選定手段によって選定された基準時間に基づいて、前記表示手段において前記動的表示を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
少なくとも複数の前記動的表示のそれぞれの一部分に跨って行われる特定演出(例えば、「スランプ演出」の「ガセ疑似連2」)を実行する特定演出実行手段(例えば、スランプ演出格納エリア223h)と、
該特定演出実行手段による前記特定演出の実行中に、前記取得手段によって新たな前記抽選情報が取得された場合に、該抽選情報の取得タイミングを判別するタイミング判別手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1419)と、
該タイミング判別手段の判別結果に基づいて、前記特定演出以降に行われる所定の特殊演出(例えば、「ガセ疑似連3」又は「発展可否演出」)の演出時間を設定する特殊演出設定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1420〜S1422)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、取得手段により、所定の始動条件の成立を契機として抽選情報が取得され、判定手段により、取得手段によって取得された抽選情報に基づいて判定が行われる。そして、判定手段よる判定結果に基づいて、基準選定手段により、表示手段において行われる識別情報の動的表示の基準時間が選定され、基準選定手段によって選定された基準時間に基づいて、動的表示実行手段により、表示手段において動的表示が実行される。そして、動的表示実行手段により実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、特定演出実行手段により、少なくとも複数の動的表示のそれぞれの一部分に跨って行われる特定演出が実行され、その特定演出実行手段による特定演出の実行中に、取得手段によって新たな抽選情報が取得された場合に、タイミング判別手段により、抽選情報の取得タイミングが判別される。そして、そのタイミング判別手段の判別結果に基づいて、特殊演出設定手段により、特定演出以降に行われる所定の特殊演出の演出時間が設定される。これにより、少なくとも複数の動的表示のそれぞれの一部分に跨って行われている特定演出の実行中における抽選情報の取得タイミングに応じて、以降の特殊演出の演出時間にバリエーションを設けることで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0において、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を実行する場合に、所定の加算時間(例えば、延長時間)を選定する加算時間選定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1406)と、
該加算時間選定手段により選定された前記加算時間と、前記基準時間選定手段によって選定された前記基準時間との合計時間の間、前記特定演出を実行する合計時間実行手段(例えば、スランプ演出タイマ223g)と、を備え、
前記タイミング判別手段は、
前記加算時間選定手段によって選定された前記加算時間に基づく前記特定演出を実行しているタイミングか否かを判別する
ことを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられた加算時間選定手段により、特定演出を実行する場合に、所定の加算時間が選定される。そして、同じく特定演出実行手段に設けられた合計時間実行手段により、加算時間選定手段によって選定された加算時間と、基準時間選定手段によって選定された基準時間との合計時間の間、特定演出が実行される。ここで、タイミング判別手段により、加算時間選定手段によって選定された加算時間に基づく特定演出を実行しているタイミングか否かが判別される。即ち、基準時間と加算時間とによって実行されている特定演出が、加算時間に基づいて行われている部分の実行中であるときに、抽選情報が取得されたか否かに応じて、以降の特殊演出の演出時間が設定される。よって、加算時間を考慮した上で特殊演出の演出時間を設定することができるので、加算時間に基づく特定演出を実行していた場合であっても、特定演出と特殊演出との演出内容の整合性を保つことができ、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる、という効果がある。
遊技機G1において、
前記特定演出実行手段は、
前記加算時間に基づく前記特定演出の経過時間を計数する経過時間計数手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1421)、を備え、
前記特殊演出設定手段は、
前記タイミング判別手段によって、前記加算時間に基づく前記特定演出の実行中であると判別された場合に、先の前記抽選情報に基づく前記基準時間と前記経過時間計数手段によって計数された前記特定演出の前記経過時間とに基づいて、前記特殊演出を設定する経過時間分設定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1411又はS1413)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられた経過時間計数手段により、加算時間に基づく特定演出の経過時間が計数される。そして、特殊演出設定手段に設けられた経過時間分設定手段により、タイミング判別手段によって、加算時間に基づく特定演出の実行中であると判別された場合に、先の抽選情報に基づく基準時間と経過時間計数手段によって計数された特定演出の経過時間とに基づいて、特殊演出が設定される。即ち、特定演出の経過時間に基づいて、特殊演出の演出時間が変化する。これにより、少なくとも複数の動的表示のそれぞれの一部分に跨って行われている特定演出の実行中における抽選情報の取得タイミングに応じて、以降の特殊演出の演出時間にバリエーションを設けることで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G1又はG2において、
前記特殊演出設定手段は、
前記タイミング判別手段によって、前記取得手段によって新たな前記抽選情報が取得されたタイミング、前記加算時間に基づく前記特定演出の実行中ではないと判別された場合に、取得済みの前記加算時間を差し引いた上で、先の前記抽選情報に基づく前記基準時間と後の前記抽選情報に基づく前記基準時間とに基づいて、前記特殊演出を設定する加算差引設定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1420)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特殊演出設定手段に設けられた加算差引設定手段により、タイミング判別手段によって、取得手段によって新たな抽選情報が取得されたタイミングが、加算時間に基づく特定演出の実行中ではないと判別された場合に、取得済みの加算時間を差し引いた上で、先の抽選情報に基づく基準時間と後の抽選情報に基づく基準時間とに基づいて、特殊演出が設定される。即ち、加算時間に基づく特定演出が実行されていない状況であれば、以降の特殊演出について加算時間分を差し引いても演出内容と演出時間との齟齬が生じないと共に、演出時間の管理が容易となる。これにより、演出上の整合性と演出設定の管理の容易化を図りつつ、少なくとも複数の動的表示のそれぞれの一部分に跨って行われている特定演出の実行中における抽選情報の取得タイミングに応じて、以降の特殊演出の演出時間にバリエーションを設けることで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0からG3のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報が現出するか否かの判定演出(例えば、「低速変動」の演出要素、「疑似連」演出、「ガセ疑似連」演出又は「ノーマルリーチ」の演出要素等の全図柄停止時)を実行する判定演出実行手段、を備え、
前記特定演出実行手段および前記特殊演出設定手段は、
前記特定演出および前記特殊演出において、前記判定演出を実行する
ことを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G0からG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特定識別情報が現出するか否かの判定演出が実行される。そして、特定演出実行手段および特殊演出設定手段により、特定演出及び特殊演出において判定演出が実行される。これにより、特定演出および特殊演出においても判定演出が実行されることで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段による前記動的表示が実行されているか否かを判別可能な実行判別手段(例えば、主スランプカウンタ203e又はデモコマンド)、を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記取得手段によって前記抽選情報が取得された場合に、前記実行判別手段によって前記動的表示が実行されていないと判別されるとき、前記基準選定手段によって選定された前記基準時間と、前記加算時間選定手段によって選定された前記加算時間とを合計した合計時間が経過するまで、前記特定演出を実行する
ことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行判別手段により、動的表示実行手段による動的表示が実行されているか否かが判別可能に構成される。そして、特定演出実行手段により、取得手段によって抽選情報が取得された場合に、実行判別手段によって動的表示が実行されていないと判別されるとき、基準選定手段によって選定された基準時間と、加算時間選定手段によって選定された加算時間とを合計した合計時間が経過するまで、特定演出が実行される。これにより、選定された動的表示の基準時間が経過した後も、加算時間が経過するまで特定演出を実行することができ、表示手段における演出の実行時間を増やすことで、表示手段において演出が行われていない状況を少なくし、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、
前記特定演出実行手段は、
前記判定手段によって前記特定識別情報を現出しないと判定された場合に、前記加算時間選定手段により前記加算時間を選定し、該加算時間に基づいて特定演出を実行するハズレ時実行手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1405)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段に設けられたハズレ時実行手段により、判定手段によって特定識別情報を現出しないと判定された場合に、加算時間選定手段により加算時間を選定し、該加算時間に基づいて特定演出が実行される。これにより、動的表示において特定識別情報が現出しないことによって遊技価値が付与されない場合であったとしても、取得された基準時間より長く表示手段において特定演出を行い、表示手段において動的な演出が行われていない状況を少なくすることで、遊技者が興醒めしないようにすることができる、という効果がある。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、
前記加算時間選定手段は、
前記特定識別情報が現出する場合に、前記加算時間を非取得とする加算非取得手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1405:Yes)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、加算時間選定手段に設けられた加算非取得手段により、特定識別情報が現出する場合に、加算時間が非取得とされるように構成される。動的表示において特定識別情報が現出した場合、該動的表示の終了後に直ちに所定の遊技価値が付与される特別遊技状態(例えば、大当たり)に移行し、該特別遊技状態に応じた報知を行わなければならない。従って、特定識別情報が現出する動的表示においても加算時間を取得して、該加算時間に基づく特定演出を実行してしまうと、特別遊技状態の開始に伴って特定演出が途中で打ち切られてしまい、演出内容に遊技者が違和感を感じてしまうおそれがある。そこで、遊技機G7によれば、特定識別情報が現出する動的表示である場合には、加算時間を非取得とするように構成される。このように構成することで、取得された動的時間の終了タイミングと特定識別情報に基づく特別遊技状態の開始タイミングとを同期させることができるので、演出の齟齬が生ずることなく、遊技者が違和感を感じない演出を提供することができる、という効果がある。
遊技機G7において、
前記選定手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報の一部分を構成する前記識別情報の組み合わせである前段階識別情報(例えば、「リーチ表示」)を現出するか否かを選定する前段階選定手段(例えば、停止パターン選択カウンタC3)、を備え、
前記加算未取得手段は、
前記前段階選定手段によって前記動的表示において前記前段階識別情報を現出させる場合に、前記加算時間を非取得とする
ことを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8よれば、遊技機G7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選定手段に設けられた前段階選定手段により、動的表示において、特定識別情報の一部分を構成する識別情報の組み合わせである前段階識別情報を現出するか否かが選定される。そして、加算未取得手段により、前段階選定手段によって動的表示において前段階識別情報を現出させる場合に、加算時間が非取得とされるように構成されている。前段階識別情報を含む動的表示では、特定識別情報が現出するか否かの判定演出が行われるのが一般的であるため、該判定演出を実行するために比較的長い動的表示の実行時間が選定される。このような場合、該動的時間の間に新たに取得手段によって抽選情報が取得される可能性がある。よって、このような場合まで取得された動的時間より長い時間行われる特定演出を行う必要性が乏しい。そこで、遊技機G8では、前段階識別情報を現出させる動的表示の実行時間が選定された場合には、加算時間を非取得とするように構成する。このように構成することで、必要以上に表示手段における演出時間を長くせず、遊技者が遊技に興醒めしないようにすることができる、という効果がある。
<H群:保留装置の構成>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入球手段に入球すると、所定の数を上限として、その入球に係る動的表示が保留されるものがある。そして、実行中の動的表示が終了すると、保留された未実行の動的表示の実行が開始される。
また、この種の遊技機として、遊技領域に発射された球を保留する保留手段が設けられたパチンコ機が存在する。このパチンコ機では、保留手段に球を保留させ、所定条件の成立(例えば、遊技者による解除ボタンの押下操作)に基づいて、保留手段に保留された球を解放し、該球が下流側に設けられた入球口に入球するように構成され、遊技者に所定の遊技価値を付与するように構成されている(例えば、特許文献1(特開2006−95235号公報))。
しかしながら、従来の遊技機では、所定条件の成立に基づいて保留手段に保留された遊技球を入賞口に入賞させる直接的な遊技価値の付与による興趣向上を目的としており、該遊技価値を付与するために多くの遊技球を保留しなければならず、その結果、遊技領域における保留手段の設置領域が大きくなり、遊技領域の盤面設計の自由度が低下していた。よって、従来の遊技機から設計自由度の向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
H群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、保留手段に保留された球を用いて遊技の興趣向上を図りつつ、遊技機の設計自由度の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該第1入球手段への遊技球の入球に起因して抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、特図入賞口スイッチ)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を選定する選定手段(例えば、変動種別カウンタCS1)と、
該選定手段によって選定された前記動的表示を、前記表示手段において実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報(例えば、「大当たり表示」)が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記発射手段により発射された遊技球が入球した場合に所定の遊技価値を付与するものであって、前記第1入球手段と異なる第2入球手段(例えば、ダミー入賞口75)と、
該第2入球手段の前記遊技領域の上方側に設けられた第1流路を流下する遊技球を保留可能な保留手段(例えば、保留装置73)と、
を備え、
該保留手段は、
1の遊技球を貯留可能な貯留部(例えば、保留球保持部73b)と、
該貯留部と連結し、該貯留部に遊技球が貯留されていない案内状態の場合に、前記第1流路を流下する遊技球を前記貯留部側に案内する案内部(例えば、保留装置開閉板73a)と、
前記貯留部に遊技球が貯留された場合に、前記案内部を、前記案内状態から遊技球を前記貯留部に案内しない非案内状態に変化させる変化手段(例えば、回転軸部73c)と、
前記貯留部に遊技球が貯留された場合に、該貯留部における遊技球を貯留する貯留状態と、該貯留状態を解除する解除状態とに変化可能な可動手段(例えば、保持部ロック部73e1)と、
該可動手段を前記貯留状態と前記解除状態とに駆動する駆動手段(例えば、保留装置ソレノイド73f)と、
所定の第1条件が成立した場合に、前記駆動手段によって前記可動手段を前記貯留状態から前記解除状態に変化させる解除手段(例えば、保留装置駆動フラグ203f)と、
該解除手段によって貯留状態が解除された遊技球を、前記第2入球手段側へ流下させる第2流路(例えば、盤面戻し口74)と、
該第2流路を流下した遊技球が前記第2入球手段に入球した場合に、前記動的表示に関する所定の演出を実行する所定演出実行手段(例えば、ダミー保留表示である保留図柄の表示)と、
前記可動手段を前記解除状態から前記貯留状態に変化させた場合に、前記案内手段を前記案内状態に変化させる再案内手段(例えば、開閉板押出部73e2)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H0。
遊技機H0によれば、発射手段により遊技球が遊技領域に向けて発射され、その発射手段により発射された遊技球が第1入球手段に入球可能に構成される。そして、第1入球手段への遊技球の入球に起因して抽選情報が取得され、その取得手段によって取得された抽選情報に基づいて、判定手段により判定が行われる。また、判定手段による判定結果に基づいて、選定手段により、表示手段において行われる識別情報の動的表示が選定され、その選定手段によって選定された動的表示が、動的表示実行手段により、表示手段において実行される。そして、動的表示実行手段により実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、第1入球手段と異なる第2入球手段に、発射手段により発射された遊技球が入球した場合に所定の遊技価値が付与されるように構成され、その第2入球手段の遊技領域の上方側に設けられた第1流路を流下する遊技球が、保留手段により保留可能に構成される。また、保留手段に設けられた貯留部により、1の遊技球が貯留可能に構成され、その貯留部と連結し、該貯留部に遊技球が貯留されていない案内状態の場合に、案内部により、第1流路を流下する遊技球が貯留部側に案内される。そして、貯留部に遊技球が貯留された場合に、可動手段により、貯留部における遊技球を貯留する貯留状態と、その貯留状態と解除する解除状態とに変化可能に構成される。また、駆動手段により、可動手段が貯留状態と解除状態とに駆動され、所定の第1条件が成立した場合に、解除手段により、駆動手段によって可動手段を貯留状態から解除状態に変化させ、その解除手段によって貯留状態が解除された遊技球が、第2流路により、第2入球手段側へ流下される。そして、第2流路を流下した遊技球が第2入球手段に入球した場合に、所定演出実行手段により、動的表示に関する所定の演出が実行される。さらに、再案内手段により、可動手段を解除状態から貯留状態に変化させた場合に、案内手段が案内状態に変化される。即ち、保留手段に貯留された1の遊技球が第2入球手段に入球した場合に、所定の遊技価値が付与されると共に、動的表示において所定の演出が実行され、さらに、保留手段に貯留された遊技球を解除した後、再び遊技球を貯留可能な状態にする際に、貯留部に遊技球が案内される状態とすることができる。これにより、効率よく保留手段に貯留された遊技球を用いた演出により、演出のバリエーションを豊富にすることができ、保留手段に貯留された遊技球を用いた遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。また、保留手段に多量の遊技球を貯留して多量の遊技価値を付与する構成でなくても遊技者に興趣を付与することができるので、保留手段によって興趣向上を図りつつ、保留手段の設置領域を小さくすることができ、遊技領域における盤面設計の自由度を高めることができる、という効果がある。
<I群:本保留表示と装飾保留表示>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の動的表示(変動演出)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入球手段に入球すると、所定の数を上限として、その入球に係る動的表示が保留されるものがある。そして、実行中の動的表示が終了すると、保留された未実行の動的表示の実行が開始される。
この動的表示では、遊技の興趣の一環として、大当たりを発生し得る特定表示結果以外の特殊結果が現出した場合に、様々な演出を実行するものがある(例えば、特許文献1(特開2015−134027号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
I群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として抽選情報(例えば、大当たり乱数カウンタC1)を取得する取得手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、
該取得手段によって取得された前記抽選情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、変動開始処理(S307)のS401)と、
該判定手段による判定結果に基づいて、第1表示手段(例えば、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm)において行われる識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行する動的表示実行手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される前記抽選情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203c)と、
該記憶手段に記憶された前記抽選情報の数に対応する基本演出数情報(例えば、本保留表示)を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Db)と、
前記第2表示手段において前記基本演出数情報を装飾(又は補助的に表示。以下、同様。)する装飾(又は補助。以下、同様。)演出数情報(例えば、ダミー保留表示)を表示する装飾表示手段(例えば、ダミー保留表示である保留図柄)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記特定識別情報が現出するか、該特定識別情報と異なる非特定識別情報(例えば、「ハズレ表示」やガセチャンス目図柄等)が現出するか否かの判定演出(例えば、「低速変動」の演出要素、「疑似連」演出、「ガセ疑似連」演出又は「ノーマルリーチ」の演出要素等の全図柄停止時)を実行する判定演出実行手段と、
前記基本演出数情報と前記装飾演出数情報とに対応する前記判定演出を実行する演出実行手段(例えば、スランプ演出格納エリア223hおよび保留情報格納エリア223i)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I0。
遊技機I0によれば、取得手段により、所定の始動条件の成立を契機として抽選情報が取得され、判定手段により、取得手段によって取得された抽選情報に基づいて判定が行われる。そして、判定手段よる判定結果に基づいて、動的表示実行手段により、第1表示手段において識別情報の動的表示が実行される。そして、動的表示実行手段により実行される動的表示において特定識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、記憶手段により、所定の数を上限として、取得手段により取得される抽選情報が記憶され、その記憶手段に記憶された抽選情報の数に対応する基本演出数情報が、第2表示手段により表示される。そして、装飾表示手段により、第2表示手段において基本演出数情報を装飾する装飾演出数情報が表示される。ここで、動的表示実行手段に設けられた判定演出実行手段により、動的表示において、特定識別情報が現出するか、その特定識別情報と異なる非特定識別情報が現出するか否かの判定演出が実行される。また、動的表示実行手段に設けられた演出実行手段により、基本演出数情報と装飾演出数情報とに対応する判定演出が実行される。これにより、特定識別情報又は非特定識別情報が現出する判定演出と連動するように基本演出数情報と装飾演出数情報とを表示又は消去し、基本演出数情報と装飾演出数情報と対応する判定演出が実行されることで、遊技者に違和感のない演出を提供し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I0において、
前記演出実行手段は、
前記装飾表示手段によって前記装飾演出数情報を表示する場合に、追加的に実行する追加演出(例えば、「スランプ演出」における「ガセ疑似連2」)を選定する追加演出選定手段(例えば、変動設定処理(S1213)のS1413)、を備え、
前記装飾表示手段は、
前記追加演出選定手段により選定された前記追加演出を実行する前に、前記装飾演出数情報を表示する実行前表示手段(例えば、「ガセ疑似連2」の実行前にダミー入賞口75へ球を入球させてダミー保留表示である保留図柄を表示)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段に設けられた追加演出選定手段により、装飾表示手段によって装飾演出数情報を表示する場合に、追加的に実行する追加演出が選定される。そして、装飾表示手段に設けられた実行前表示手段により、追加演出選定手段により選定された追加演出を実行する前に、装飾演出数情報が表示される。これにより、追加的に実行される追加演出が実行される前に装飾演出数情報を表示することができるので、例えば、装飾演出数情報も基本演出数情報も表示されていないにもかかわらず追加演出が実行されるような状況を未然に防ぐことができる。よって、整合性のとれた演出を提供しつつ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I0又はI1において、
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球手段(例えば、左側特図入賞口77a又は右側特図入賞口78a)と、を備え、
前記取得手段は、
前記第1入球手段への遊技球の入球に起因して前記抽選情報を取得し、
前記疑似表示手段は、
前記第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球の入球に起因して前記装飾演出数情報を表示する
ことを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I0又はI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により、遊技球が発射され、その発射手段により発射された球が、第1入球手段に入球可能に構成される。そして、取得手段により、第1入球手段への入球に起因して抽選情報が取得される。ここで、装飾表示手段により、第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球への入球に起因して装飾演出数情報が表示される。これにより、第1入球手段と異なる第2入球手段への遊技球の入球に起因して、第1表示手段で行われる判定演出に関係する装飾演出数情報を表示することができ、あたかも第1入球手段に入球したことで演出数情報が表示されたかのように遊技者に錯覚させることが可能となる。その結果、第2入球手段への入球に基づいて装飾演出数情報を表示しつつ、該装飾演出数情報に基づいて演出を行った場合でも、遊技者に違和感のない演出を提供し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I2において、
前記第2入球手段は、
前記第1入球手段の近傍に配置される
ことを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段が、第1入球手段の近傍に配置される。これにより、第1入球手段の近傍に流下した遊技球が、第1入球手段に入ったのか第2入球手段に入ったのかを認識し難くすることで、第2入球手段への入球に基づいて装飾演出数情報を表示した場合でも、あたかも第1入球手段に入球したことで演出数情報が表示されたかのように遊技者に錯覚させることが可能となる。その結果、第2入球手段への入球に基づいて装飾演出数情報を表示しつつ、該装飾演出数情報に基づいて疑似的な演出を行った場合でも、遊技者に違和感のない演出を提供し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「第1入球手段の近傍」とは、例えば、第1入球手段の隣接する領域や、複数の第1入球手段を有する場合には、各第1入球手段の間の領域、或いは、第1入球手段と第2入球手段との両方をそれぞれ同時に視認可能な位置等が例示される。
遊技機I2又はI3において、
前記発射手段により発射された遊技球を保留する保留状態と、所定の解放条件の成立に基づいて保留された遊技球を解放する解放状態とに変化可能な保留手段(例えば、保留装置73)、を備え、
前記第2入球手段は、
前記保留手段から解放された遊技球が入球可能な位置に配置される
ことを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I2又はI3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により発射された遊技球を保留する保留状態と、所定の解放条件の成立に基づいて保留された遊技球を解放する解放状態とに変化可能に保留手段が構成され、その保留手段から解放された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が配置される。これにより、保留手段で保留された遊技球を、所定の解放条件の成立に基づいて第2入球手段に入球させて、装飾演出数情報を表示させることが可能となる。その結果、保留されている遊技球を直ちに第2入球手段へ入球可能となるとともに、第2入球手段への入球に基づいて装飾演出数情報を表示しつつ、該装飾演出数情報に基づいて演出を行った場合でも、遊技者に違和感のない演出を提供し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I4において、
前記演出実行手段は、
前記追加演出選定手段によって前記追加演出が選定された場合に、該追加演出に対応する前記装飾演出数情報を表示するタイミングとなるか否かを計数する計数手段(例えば、保留装置駆動タイマ203g)、を備え、
前記保留手段は、
前記計数手段による計数結果により、前記装飾演出数情報を表示するタイミングとなった場合に、前記保留手段によって保留されていた遊技球を解放する解放手段(例えば、保留装置ソレノイド73f)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段に設けられた計数手段により、追加演出選定手段によって追加演出が選定された場合に、該追加演出に対応する装飾演出数情報を表示するタイミングとなるか否かが計数される。そして、保留手段に設けられた解放手段により、計数手段による計数結果により装飾演出数情報を表示するタイミングとなった場合に、保留手段によって保留されていた遊技球が解放される。これにより、第2入球手段に遊技球を入球させるタイミングと追加演出に対応する装飾演出数情報を表示させるタイミングとを関連付けることができる。その結果、第2入球手段への入球に基づいて装飾演出数情報を表示しつつ、該装飾演出数情報に基づいて演出を行った場合でも、遊技者に違和感のない演出を提供し、、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I5において、
前記演出実行手段は、
前記保留手段に遊技球が保留されているか否かを判別する保留判別手段(例えば、保留球検知スイッチ73g)と、
前記計数手段による計数結果により、前記装飾演出数情報を表示するタイミングとなった場合に、前記保留判別手段によって前記保留手段に遊技球が保留されていないと判別されたとき、前記追加演出を、前記基本演出数情報又は前記装飾演出数情報を消化しない非消化演出に変更する演出変更手段(例えば、演出変換フラグ223k)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段に設けられた保留判別手段により、保留手段に遊技球が保留されているか否かが判別される。そして、同じく演出実行手段に設けられた演出変更手段により、計数手段による計数結果により、装飾演出数情報を表示するタイミングとなった場合に、保留判別手段によって保留手段に遊技球が保留されていないと判別されたとき、追加演出が、基本演出数情報又は装飾演出数情報を消化しない非消化演出に変更される。これにより、第2入球手段に入球させる遊技球が保留手段に保留されていない場合に、装飾演出数情報を表示することがなく、第1表示手段で実行される演出数と、第2入球手段で表示される基本演出数情報および装飾演出数情報との整合性を保つことができる。よって、遊技者に違和感のない演出を提供し、遊技者が遊技の興醒めしてしまうことを防止できる、という効果がある。
遊技機I6において、
前記記憶手段に記憶される前記抽選情報の中に前記特定識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判別する記憶判別手段(例えば、保留表示設定処理(S1208))と、
該記憶判別手段による判別結果に基づいて、前記基本演出数情報及び/又は前記装飾演出数情報の表示態様を変化させる表示変化手段(例えば、保留変化カウンタ223d)と、を備え、
前記演出変更手段は、
前記追加演出を前記非消化演出に変更する場合に、前記表示変化手段によって前記基本演出数情報又は/及び前記装飾演出数情報の表示態様を変化させる変更時変化手段(例えば、保留ランクアップコマンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶判別手段により、記憶手段に記憶される抽選情報の中に特定識別情報を現出する動的表示があるか否かが判別され、表示変化手段により、記憶判別手段による判別結果に基づいて、基本演出数情報及び/又は装飾演出数情報の表示態様が変化される。ここで、演出変更手段に設けられた変更時変化手段により、追加演出を非消化演出に変更する場合に、表示変化手段によって基本演出数情報及び/又は装飾演出数情報の表示態様が変化される。これにより、保留手段に遊技球が保留されていないことによって追加演出を非消化演出に変更する場合であっても、基本演出数情報及び/又は装飾演出数情報の表示態様を変化させて遊技者の特定識別情報への期待感を増幅させることで、演出のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上できる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0〜A9のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B10,C0〜C10,D0〜D7,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G8,H0,I0〜I7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機B0〜B10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A9,C0〜C10,D0〜D7,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G8,H0,I0〜I7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機C0〜C10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A9,B0〜B10,D0〜D7,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G8,H0,I0〜I7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機D0〜D7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A9,B0〜B10,C0〜C10,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G8,H0,I0〜I7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機E0〜E9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A9,B0〜B10,C0〜C10,D0〜D7,F0〜F10,G0〜G8,H0,I0〜I7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機F0〜F10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A9,B0〜B10,C0〜C10,D0〜D7,E0〜E9,G0〜G8,H0,I0〜I7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機G0〜G8のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A9,B0〜B10,C0〜C10,D0〜D7,E0〜E9,F0〜F10,H0,I0〜I7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機H0の構成に対して、上記遊技機A0〜A9,B0〜B10,C0〜C10,D0〜D7,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G8,I0〜I7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機I0〜I7の構成に対して、上記遊技機A0〜A9,B0〜B10,C0〜C10,D0〜D7,E0〜E9,F0〜F10,G0〜G8,H0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA9,B0からB10,C0からC10、D0からD7、E0からE9、F0からF10、G0からG8、H0、I0からI7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA9,B0からB10,C0からC10、D0からD7、E0からE9、F0からF10、G0からG8、H0、I0からI7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA9,B0からB10,C0からC10、D0からD7、E0からE9、F0からF10、G0からG8、H0、I0からI7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、上記実施形態に記載の「特図入賞口77a,78a」への「入球」が特許請求の範囲の「所定の始動条件」に対応し、上記実施形態に記載の「カウンタC1〜C3,CS1の値」が特許請求の範囲の「取得手段」により取得される「抽選情報」に対応し、上記実施形態に記載の「第3図柄」が特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動演出」が特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり表示」が特許請求の範囲に記載の「特定識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲に記載の「所定の遊技価値」に対応する。