JP2020015926A - 金属間化合物材料、その製造方法、および、それを用いた超伝導体材料 - Google Patents

金属間化合物材料、その製造方法、および、それを用いた超伝導体材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素を含んだ金属間化合物材料、その製造方法、および、それを用いた超伝導体材料を提供すること。【解決手段】 本発明の金属間化合物材料は、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有し、BaIrSi2で示される結晶、または、BaIrSi2で示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を含有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、金属間化合物材料、その製造方法、および、それを用いた超伝導体材料に関し、詳細には、4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素を有する金属間化合物材料、その製造方法、および、それを用いた超伝導体材料に関する。
従来発見され研究されてきた多くの超伝導体は、その結晶構造に空間反転対称性を有している。ここで、空間反転対称性とは、空間座標ベクトルrを−rにする変換の下での対称性をいう。これは超伝導の担い手であるクーパー対にとって、パリティの保存がその性格を特徴づける上で本質的に重要な為である。ここで、クーパー対とは、BCS理論(Bardeen Cooper Schrieffer theory)で示されたもので、超伝導を担うクーパー対は波数kと−kを有する2つの電子の間で形成されることをいう。そして、空間反転対称性を有する超伝導体における電子対の波数空間での構造はパリティで分類でき、クーパー対の波動関数は波数kの関数として、偶パリティ(電子対のスピンS=0のスピン1重項状態)か、もしくは奇パリティ(電子対のスピンS=1のスピン3重項状態)の何れかである。
ところが最近、空間反転対称性のない結晶構造を有する超伝導体が新たに発見された(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。特許文献1は、空間反転対称性を有しないBaNiSn型結晶構造を有するSrAuSiからなる超伝導体を開示する。非特許文献1は、空間反転対称性を有しないCePtSiからなる超伝導体を開示する。空間反転対称性が破れた系で実現するクーパー対はパリティを破っているため、上述のようなパリティによる対状態の分類ができず、伝統的なBCS理論の枠組みから外れた新規物性を生み出す可能性がある。
ところで、2つの電子から成るクーパー対は一般に軌道角運動量を有する。そして、空間反転対称性を有する通常の超伝導体では、この軌道部分の波数依存性(すなわち超伝導ギャップの波数依存性)はパリティで分類され、スピン1重項状態(軌道部分は偶パリティ)ならばs波、d波、g波、・・・、スピン3重項状態(軌道部分は奇パリティ)ならばp波、f波、h波、・・・の対称性を持った対状態が実現する。
他方で、空間反転対称性のない結晶構造を有する超伝導体では、異なるパリティの電子対が混ざるが、その混ざり方には次の事が理論的に予想されている。スピン軌道分裂した異なるバンド間の電子対が無く、対形成は同一バンド内でのみ起こると仮定するならば、次式が成立する。
(スピン3重項成分の軌道部分の角運動量)=(スピン1重項成分の軌道部分の角運動量)+(反対称スピン軌道相互作用による有効磁場ベクトルに対応した角運動量)
そこで、スピン3重項成分の角運動量は混合するスピン1重項成分のそれより必ず大きい。スピン軌道相互作用が波数kについて1次ならば、s波+p波、d波+f波、g波+h波、・・・の組み合わせが実現する。
実際にどの程度スピン1重項とスピン3重項が混ざるかは、スピン軌道相互作用や、スピン1重項とスピン3重項における各チャンネルの引力の強さによる。金属の場合、スピン軌道分裂のサイズは大きい場合でも、せいぜいフェルミエネルギーの10分の1程度なので、一般にはスピン1重項−3重項混合の割合は小さい。しかし、2つのチャンネルの相互作用が共に引力で同じ程度の強さならば、両者は協調的に強く混合することが理論的に予想される。
しかしながら、非特許文献1に記載される空間反転対称性を有しないCePtSiは、0.75K程度の臨界温度Tに対して5テスラに及ぶ巨大な臨界磁場Hc2を示すが、Ceによる重い電子の効果の影響を排除できない。また、特許文献1に記載される空間反転対称性を有しないBaNiSn型結晶構造を有するSrAuSiからなる超伝導体は、Ceを含有しないため、重い電子の効果の影響を受けないが、臨界温度Tは1.6Kと低い。
空間反転対称性を有せず、Ceなどによる重い電子を効果の影響を受けないもので、臨界温度Tcが液体ヘリウムの温度よりも高温、且つ、高い上部臨界磁場Hc2を持つ物質が開発されることが望まれている。
特開2015−020915号公報
E.Bauerら,Phys.Rev.Lett.,Vol.92,No.2,027003(2004)
以上から、本発明の課題は、4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素を含んだ金属間化合物材料、その製造方法、および、それを用いた超伝導体材料を提供することである。
本発明による金属間化合物材料は、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有し、BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を含有し、これにより上記課題を解決する。
前記BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶は、斜方晶の結晶構造を有してもよい。
前記BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶は、空間群C222の対称性を有し、格子定数a、b、およびcは、それぞれ、
a=1.50±0.05(nm)
b=0.80±0.05(nm)
c=0.80±0.05(nm)
の範囲を満たしてもよい。
前記A元素は、Ba、SrおよびCaからなる群から少なくとも1つ選択される元素であってもよい。
前記M元素は、Ir、Rh、Pt、Pd、Os、Ru、AuおよびReからなる群から少なくとも1つ選択される元素であってもよい。
前記X元素は、Si、GeおよびSnからなる群から少なくとも1つ選択される元素であってもよい。
前記記BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を50質量%以上含有してもよい。
組成式A(ただし、a+b+c=1であり、Aは前記A元素を表し、Mは前記M元素を表し、Xは前記X元素を表す)で示され、パラメータa、b、およびcは、
0.2≦a≦0.3
0.2≦b≦0.3
0.4≦c<0.6
を満たしてもよい。
前記パラメータa、bおよびcは、
0.225≦a≦0.275
0.225≦b≦0.275
0.45≦c≦0.55
を満たしてもよい。
本発明による上記金属間化合物を製造する方法は、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有する原料粉末を、1300℃以上1700℃以下の温度範囲で、2GPa以上15GPa以下の圧力範囲で処理する工程を包含し、これにより上記課題を解決する。
前記処理する工程は、ダイヤモンドアンビル装置、マルチアンビル装置およびベルト型高圧装置からなる群から選択される高圧装置を用いた高温高圧処理法または衝撃圧縮法によって行われてもよい。
前記処理する工程は、前記原料粉末を2.5GPa以上7.7GPa以下の圧力範囲で処理してもよい。
前記処理する工程は、前記原料粉末を1550℃以上1650℃以下の温度範囲で処理してもよい。
前記処理する工程は、前記原料粉末を5分以上72時間以下の時間範囲で処理してもよい。
前記原料粉末に含有されるA元素、M元素およびX元素は、0.9〜1.1:0.9〜1.1:1.8〜2.2のモル比を満たしてもよい。
前記原料粉末は、100nm以上500μm以下の粒径を有する粉末であってもよい。
本発明による金属間化合物材料からなる超伝導体材料は、前記金属間化合物材料が上述の金属間化合物材料であり、これにより上記課題を解決する。
臨界温度は5K以上50K以下の範囲であってもよい。
本発明の金属間化合物材料は、上述したように、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有し、BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を含有する。このような結晶は今まで知られておらず、本願発明者が初めて合成に成功した結晶であるが、M元素として4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素を含有するので、反対称スピン軌道相互作用を大きくできる。また、本発明の金属間化合物材料は、BaIrSiで示される結晶、または、これと同一の結晶構造を有する結晶を含有し、これらの結晶は対称中心を有さない。このような金属化合物材料は、空間反転対称性の破れた超伝導効果を発現するため、超伝導体材料に有利である。特に、Ceなどによる重い電子の効果を受けることもないため、臨界温度を高めることができる。また、本発明の金属間化合物材料は対称中心を有さない結晶を含有するため、スピン軌道相互作用が強く働き、高い上部臨界磁場Hc2を持つ超伝導や電磁気効果を期待できる。
本発明の上述の金属間化合物材料の製造方法は、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有する原料粉末を、1300℃以上1700℃以下の温度範囲で、2GPa以上15GPa以下の圧力範囲で処理する工程によって、常圧下では合成できない、上述の金属間化合物材料を安定して製造できる。
BaIrSiで示される結晶の結晶構造を示す図 本発明の金属間化合物材料を製造するフローチャート 本発明の金属間化合物材料の製造に用いる高圧セルの断面を模式的に示す図 本発明の金属間化合物材料の製造に用いるベルト型高圧装置を模式的に示す図 例1〜4の試料のXRDパターンを示す図 例5〜6の試料のXRDパターンを示す図 例3の試料のXRDパターンを示す図 例6の試料のXRDパターンを示す図 例3の試料のリートベルト解析パターンを示す図 例3の試料の電気抵抗の温度依存性を示す図 例6の試料の電気抵抗の温度依存性を示す図 例3の試料の磁化率の温度依存性を示す図 例6の試料の磁化率の温度依存性を示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
本発明の金属間化合物材料およびその製造方法を説明する。
本発明の金属間化合物材料は、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有する。さらに、本発明の金属間化合物材料は、上述の元素からなるBaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を含有する。
本発明の金属間化合物材料は、4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素であるM元素を含有するため、反対称スピン軌道相互作用を大きくできる。さらに、BaIrSiで示される結晶、または、これと同一の結晶構造を有する結晶は対称中心を有さない。このような金属間化合物材料は、空間反転対称性の破れた超伝導効果を発現する。また、Ceのようなランタノイドやアクチノイドを含まないため、重い電子の影響を受けない。この結果、本発明の金属間化合物材料は、空間反転対称性の効果により大きな臨界磁場Hc2を維持しつつ、臨界温度Tを液体ヘリウム温度以上に高めることができる。
ここで、BaIrSiで示される結晶は、本発明者が新たに合成し、結晶構造解析により新規結晶であると確認した、本発明より以前において報告されていない結晶である。
図1は、BaIrSiで示される結晶の結晶構造を示す図である。
本発明者が合成したBaIrSi結晶について行った結晶構造解析によれば、BaIrSi結晶は、斜方晶系に属し、C222空間群(Hermann−Mauguin記号またはInternational Tables for Crystallographyの20番目の空間群)に属し、表1に示す結晶構造パラメータ(原子座標位置)を占める。計算から求めた密度は、約7.92g/cmである。
表1において、格子定数a、b、cは単位格子の軸の長さを示し、α、β、γは単位格子の軸間の角度を示す。原子座標は単位格子中の各原子の位置を、単位格子を単位とした0から1の間の値で示す。この結晶中には、Ba、Ir、Siの各原子が存在し、Baは(Ba1)から(Ba3)の3種類の席、Irは(Ir1)および(Ir2)の2種類の席、Siは(Si1)〜(Si3)の3種類の席に存在する解析結果を得た。表1のデータを使った解析の結果、BaIrSi結晶は図1に示す構造となる。
BaIrSiで示される結晶は、A元素がBaであり、M元素がIrであり、X元素がSiであるBaIrSi結晶そのものである。一方、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶には、AMX結晶がある。ここで、A元素、M元素およびX元素は、上述の元素群から選択されるが、A元素がBaであり、M元素がIrであり、X元素がSiである組み合わせの場合を除く。例えば、A元素がBaであり、M元素がRhであり、X元素がSiであるBaRhSi結晶やA元素がBaであり、M元素がIrおよびRhの組み合わせであり、X元素がSiであるBa(Ir,Rh)Si結晶は、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶の1つである。ここで、Ba(Ir,Rh)Si中(Ir,Rh)は、IrとRhとの合計の原子比が1となる任意の組み合わせを示す。このように、元素が置換したり添加されたりすることによって格子定数は変化するが、結晶構造と、原子が占めるサイトおよびその座標によって与えられる原子位置とは、骨格原子間の化学結合が切れるほどに大きく変わることがないものも、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶である。
すなわち、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶(例えば、BaRhSi結晶やBa(Ir,Rh)Si結晶)は、BaIrSiで示される結晶(BaIrSi結晶)のXRD回折パターンと互いに強度比やBragg回折位置が類似するX線回折パターン、ならびに、図1に示す結晶構造を有するので、BaIrSiで示される結晶のX線回折パターンと比較することで、BaIrSiで示される結晶であるか、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶であるかを容易に判定できる。
本発明では、対象とする物質のX線回折や中性子線回折の結果をC222空間群でリートベルト解析して求めた格子定数と原子座標とから計算されたBa−SiおよびIr−Siの化学結合(近接原子間距離)の長さが、表1に示す結晶の格子定数と原子座標とから計算されたそれと比べた±5%以内の場合は同一の結晶構造と判定できる。化学結合の長さが±5%を超えると、化学結合が切れて別の結晶となり得る。別の簡易的な判定方法として、BaIrSiで示される結晶のX線回折の主要ピーク(例えば、回折強度の強い10本程度)と、対象となる物質のそれとを比較してもよい。
A元素は、アルカリ土類金属元素であれば制限はないが、好ましくは、Ba、SrおよびCaからなる群から少なくとも1つ選択される元素である。これらのアルカリ土類金属元素であれば、上述のBaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶が安定となる。A元素は、さらに好ましくは、Baである。
M元素は、4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素であれば制限はないが、好ましくは、Ir、Rh、Pt、Pd、Os、Ru、AuおよびReからなる群から少なくとも1つ選択される元素である。これらの4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素であれば上述のBaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶が安定となり、反対称スピン軌道相互作用の増大が期待できる。M元素は、さらに好ましくは、Irおよび/またはRhである。
X元素は、炭素元素および鉛元素を除く第14族元素であえば制限はないが、好ましくは、Si、GeおよびSnからなる群から少なくとも1つ選択される元素である。これらの元素であれば、上述のBaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶が安定となる。X元素は、さらに好ましくは、Siである。
さらに、BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶は、空間群C222の対称性を有し、格子定数a、bおよびcは、好ましくは、それぞれ、
a=1.50±0.05(nm)
b=0.80±0.05(nm)
c=0.80±0.05(nm)
を満たす。これにより、結晶が特に安定となり、超伝導効果を生じる。
本発明の金属間化合物材料は、好ましくは、組成式A(ただし、a+b+c=1であり、Aは上述のA元素を表し、Mは上述のM元素を表し、Xは上述のX元素を表す)で示され、パラメータa、b、およびcは、
0.2≦a≦0.3
0.2≦b≦0.3
0.4≦c<0.6
を満たす。この範囲を外れると、上述の結晶構造が不安定となる。
より好ましくは、パラメータa、b、およびcは、
0.225≦a≦0.275
0.225≦b≦0.275
0.45≦c≦0.55
を満たす。この範囲の組成を有せば、上述の結晶構造が特に安定である。
本発明の金属間化合物材料は、上述のBaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を主成分とするが、その主成分とする量は、50質量%以上であればよい。上述の結晶を50質量%以上含有していれば、目的とする超伝導効果を発現する。例えば、本発明の金属間化合物材料は、上述の結晶を主成分として含有し、他の結晶相やアモルファス相を含有してもよい。このような他の結晶相やアモルファス相には、構成元素の酸化物やケイ化物などがある。このような不純物相や副相である非超伝導相を、本主相を含む試料中に分散させ磁束のピニングセンターとすることにより、強い磁化を有する超伝導状態(磁束の混合状態)を実現することができる。これにより、超伝導磁気浮上や懸垂に利用することが可能となる。
本発明の金属間化合物材料は、上述したように超伝導効果を発現するが、その臨界温度Tは、好ましくは、5K以上50K以下、より詳細には、5K以上10K以下である。
本発明の金属間化合物材料は、上述したように超伝導効果を発現するため、超伝導体材料として有効である。さらに、超伝導効果に加えて、本発明の金属間化合物材料は、対称中心を有さない結晶によるスピン軌道相互作用が強く働き、電磁気効果を期待できるため、電磁気材料として機能し得る。
次に、本発明の金属間化合物材料の例示的な製造方法について説明する。
図2は、本発明の金属間化合物材料を製造するフローチャートを示す。
本発明の上述の金属間化合物材料の製造方法は、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有する原料粉末を、1300℃以上1700℃以下の温度範囲で、2GPa以上15GPa以下の圧力範囲で処理する工程(ステップS210)を包含する。本願発明者は、上述の原料粉末を所定の高温高圧下で処理することにより、今まで知られていない上述の金属間化合物材料の製造に成功した。
原料粉末は、上述したA元素、M元素およびX元素を含有する任意の形態のものが使用できる。例えば、A元素の単体、M元素の単体、X元素の単体、あるいは、これらの化合物の金属塊や粉末を使用してもよい。A元素の単体は、空気中で酸化されやすいため、X元素との化合物(例えば、BaSiなど)で用いれば、空気中でも安定に使用できる。
原料粉末は、原料粉末中に含有されるA元素、M元素およびX元素が、0.9〜1.1:0.9〜1.1:1.8〜2.2のモル比を満たすように調整される。この範囲であれば、上述した結晶が得られる。好ましくは、原料粉末は、原料粉末中に含有されるA元素、M元素およびX元素が、1:1:2のモル比を満たすように調整される。
なお、原料粉末は、好ましくは、100nm以上500μm以下の粒径を有する。これにより、反応を促進させることができる。好ましくは、200nm以上200μm以下の粒径を有する。本願明細書において、粒径は、マイクロトラックやレーザ散乱法によって測定される体積基準のメディアン径(d50)とする。
処理する工程は、好ましくは、原料粉末を2.5GPa以上10GPa以下の圧力範囲で処理する。これにより、反応が促進する。
処理する工程は、好ましくは、原料粉末を1550℃以上1650℃以下の温度範囲で処理する。これにより、主相の分解を抑制し、上述のBaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を高純度で製造できる。
処理する工程における処理時間は、原料の量や用いる装置によって異なるが、例示的には5分以上72時間以下の時間である。5分よりも短いと、反応が十分でない場合がある。72時間を超えて反応させても、それ以上反応は進まず、非効率となる。
上述の処理する工程は、例えば、ダイヤモンドアンビルセル装置、マルチアンビル装置およびベルト型高圧装置からなる群から選択される高圧装置を用いた高圧処理法、または、衝撃圧縮法によって行われる。これらの方法であれば、上述の圧力範囲および温度範囲を達成できる。なお、上述の圧力範囲および温度範囲を達成できれば、装置に制限はない。
次に、原料粉末を充填した高圧セルを用い、ベルト型装置により処理する場合を説明する。
図3は、本発明の金属間化合物材料の製造に用いる高圧セルの断面を模式的に示す図である。
高圧セルは、円筒状の圧力媒体1(NaCl+10wt%ZrOなど)をスチールリング2で補強したものの周りにパイロフィライト3を配置したものを用いる。高圧セルの中央部には円筒状のカーボンヒーター4Aが配置され、カーボン円板4Bで上下を蓋できる構造になっている。カーボンヒーターの内部には、圧力媒体5(六方晶窒化ホウ素(hBN)など)に埋め込まれた円柱状の原料粉末成形体6(1個、もしくは2個)が配置される。原料粉末成形体6は、圧力媒体5との反応が極力ない方が好ましい。したがって、原料粉末成形体6は、それとは反応しない物質でできたカプセルで完全に覆われていてもよく、その場合は圧力媒体5には圧力媒体1と同様のものが使われていてもよい。
図4は、本発明の金属間化合物材料の製造に用いるベルト型高圧装置を模式的に示す図である。
ベルト型高圧装置のシリンダー11A、11B、および、アンビル12A、12Bの間の所定の位置に、高圧セル(図3)を配置する。11A、11B、アンビル12A、12Bと高圧セルの間には、パイロフィライト製ガスケット13が配置される。さらに、高圧セルとアンビル12A、12Bの間(上下)には、カレントリング14と金属円板15、16が図の位置に配置される。カレントリング14は周囲がスチール製リング14A、中央部がジルコニア(ZrO)14Bで構成されるものである。また、金属板15は高温高圧下でカーボンヒーターの黒鉛との触媒作用が無いもの(モリブデン(Mo)など)を用い、金属板16にはSUS(ステンレス)などを用いる。
加圧は、アンビル2A、2Bに上下方向の負荷を加えることで行う。昇温は、アンビル12A、12Bおよびカレントリング14Aを通る方向に電流を流すことで、高圧セル内部のカーボンヒーターに通電され、加熱される。この状態で、前述の合成条件を満たすように加熱し、所定時間保持すればよい。
本発明の金属間化合物材料の製造方法として、高温高圧を利用した方法を述べたが、本発明の金属間化合物材料の製造方法はこれに限らない。例えば、上述の原料を溶融させた後、凝固させ、本発明の金属間化合物材料を析出させてもよい。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
[例1〜6]
例1〜4では、A元素としてBa、M元素としてIr、X元素としてSiを選択し、BaSi粉末(株式会社高純度化学研究所製、純度99%)とIr金属粉末(株式会社フルヤ金属製、純度99.9%、100メッシュ以下)とを用い、表2に示すモル比となるように混合し、原料粉末を調製した。
例5〜6では、A元素としてBa、M元素としてRh、X元素としてSiを選択し、BaSi粉末(株式会社高純度化学研究所製、純度99%)とRh金属粉末(株式会社高純度化学研究所製、純度99.9%、100メッシュ(約140μm)以下)とを用い、表2に示すモル比となるように混合し、原料粉末を調製した。
得られた原料粉末に、表2に示す圧力および温度で、図3および図4に示すベルト型高圧装置を用いた高温高圧処理法を実施した。なお、圧力媒体であるhBNにより原料粉末を封止した原料粉末成形体を高圧セルに配置した。
例1〜6で得られた試料について粉末X線回折(測定温度:室温、X線波長:1.540593Å(CuKα))を行い、結晶構造を求めた。リートベルト解析を行い、結晶構造パラメータ(原子座標位置)を求めた。これらの結果を図5〜図9および表3に示し、後述する。例1〜6で得られた試料について電気抵抗の温度依存性および磁化率の温度依存性を調べた。これらの結果を図10〜図13に示し、後述する。
図5は、例1〜4の試料のXRDパターンを示す図である。
図6は、例5〜6の試料のXRDパターンを示す図である。
図7は、例3の試料のXRDパターンを示す図である。
図8は、例6の試料のXRDパターンを示す図である。
図5および図6中、BaIrSi結晶およびBaRhSi結晶のBragg回折位置を縦線で示し、第二相(不純物相)を×印で示す。図5および図6によれば、例1〜例6の試料は、互いに同様のXRDパターンを示し、BaIrSi結晶およびBaRhSi結晶のBragg回折位置に一致するピークを有した。
図7および図8は、それぞれ、例3および例6の試料のXRDパターンを再度示すが、図5および図6と異なり、2θが10°〜70°の範囲を示す。図7および図8中、第二相としてBaSiOを黒丸で示し、不純物相を×印で示す。例3および例6の試料のXRDパターンは、わずかながら第二相を示すものの、それぞれBaIrSi結晶またはBaRhSi結晶のBragg回折位置に良好に一致した。さらに詳細には、例3の試料のXRDパターンは、格子定数a=15.051Å、b=8.031Å、c=8.031Åの斜方晶系(空間群:C222)に良好に指数付けできた。同様に、例6の試料のXRDパターンは、格子定数a=14.977Å、b=8.052Å、c=8.052Åの斜方晶系(空間群:C222)に良好に指数付けできた。このことから、例3の試料は、主相としてBaIrSi結晶を90質量%以上含有する金属間化合物材料であることが分かった。同様に、例6の試料は、主相としてBaRhSi結晶を90質量%以上含有する金属間化合物材料であることが分かった。表3に示すように、他の試料についても主相を特定し、主相の含有量を算出した。
図9は、例3の試料のリートベルト解析パターンを示す図である。
図9によれば、R因子は、RWP=7.51%、R=1.71%、R=0.92%と十分小さく、回折パターンの計算値と測定値とがよく合致した。得られた結晶構造パラメータを表1に示す。表1に基づく結晶構造を図1に示す。結晶構造データからこの結晶は、今まで報告されていない新規の物質であり、対称中心を有しない結晶構造を有することが確認された。なお、例1、例2、例4、例5および例6の試料についても、例3の試料のXRDパターンを示したことから、同様の結晶構造パラメータを有しており、同じ結晶構造を有することが示唆される。
これらの結果から、本発明の金属間化合物材料は、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有し、BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を含有することが示された。また、このような金属間化合物材料は、図2に示す方法によって製造されることが示された。
図10は、例3の試料の電気抵抗の温度依存性を示す図である。
図11は、例6の試料の電気抵抗の温度依存性を示す図である。
図10および図11によれば、いずれの試料も低温において電気抵抗が0になる超伝導転移が観測された。また、例3の試料によれば、BaIrSi結晶を含有する金属間化合物材料は、臨界温度のTc(on set)=6.3Kを有し、例6の試料によれば、BaRhSi結晶を含有する金属間化合物材料は、臨界温度のTc(on set)=5.5Kを有し、いずれも、特許文献1の超伝導体の臨界温度よりも高く、さらに、液体ヘリウム温度よりも高いことが分かった。同様に、例1、例2、例4および例5の試料についても超伝導転移を観測した。
図12は、例3の試料の磁化率の温度依存性を示す図である。
図13は、例6の試料の磁化率の温度依存性を示す図である。
図12によれば、図10で観測されたゼロ電気抵抗を示す温度(6.3K)とほぼ同じ温度で、超伝導転移によるマイスナー反磁性シグナル(ゼロ磁場中冷却過程:ZFC、磁場中冷却過程:FC)が観測された。同様に、図13によれば、図11で観測されたゼロ電気抵抗を示す温度(5.5K)とほぼ同じ温度で、超伝導転移によるマイスナー反磁性シグナルが観測された。また、図12および図13によれば、いずれも、超伝導体体積分率(右y軸)は、ZFCにおいて、測定最低温度(1.8K)でほぼ100%であり、いずれの試料も、全体が超伝導転移していることを確認した。同様に、例1、例2、例4および例5の試料についてもマイスナー反磁性シグナルを観測した。
これらの結果から、少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有し、対称中心を有しない、BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を含有する、本発明の金属間化合物材料は、空間反転対称性の破れた超伝導効果を発現し、超伝導体材料として有効であることが示された。
本発明の金属間化合物材料は、超伝導効果および電磁気効果を示すので、超伝導体材料あるいは電磁気材料として有効であり、それらを用いた用途に適用される。
1 圧力媒体(NaCl+10wt%ZrOなど)
2 スチールリング
3 パイロフィライト
4 カーボンヒーター
5 圧力媒体(六方晶窒化ホウ素(hBN)など)
6 原料粉末成形体
11A、11B シリンダー
12A、 12B アンビル
13 パイロフィライト製ガスケット
14A、14B カレントリング
15 モリブデン円板
16 SUS円板

Claims (18)

  1. 少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有し、
    BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を含有する、金属間化合物材料。
  2. 前記BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶は、斜方晶の結晶構造を有する、請求項1に記載の金属間化合物材料。
  3. 前記BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶は、空間群C222の対称性を有し、格子定数a、b、およびcは、それぞれ、
    a=1.50±0.05(nm)
    b=0.80±0.05(nm)
    c=0.80±0.05(nm)
    の範囲を満たす、請求項1または2に記載の金属間化合物材料。
  4. 前記A元素は、Ba、SrおよびCaからなる群から少なくとも1つ選択される元素である、請求項1〜3のいずれかに記載の金属間化合物材料。
  5. 前記M元素は、Ir、Rh、Pt、Pd、Os、Ru、AuおよびReからなる群から少なくとも1つ選択される元素である、請求項1〜4のいずれかに記載の金属間化合物材料。
  6. 前記X元素は、Si、GeおよびSnからなる群から少なくとも1つ選択される元素である、請求項1〜5のいずれかに記載の金属間化合物材料。
  7. 前記記BaIrSiで示される結晶、または、BaIrSiで示される結晶と同一の結晶構造を有する結晶を50質量%以上含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の金属間化合物材料。
  8. 組成式A(ただし、a+b+c=1であり、Aは前記A元素を表し、Mは前記M元素を表し、Xは前記X元素を表す)で示され、パラメータa、b、およびcは、
    0.2≦a≦0.3
    0.2≦b≦0.3
    0.4≦c<0.6
    を満たす、請求項1〜7のいずれかに記載の金属間化合物材料。
  9. 前記パラメータa、bおよびcは、
    0.225≦a≦0.275
    0.225≦b≦0.275
    0.45≦c≦0.55
    を満たす、請求項8に記載の金属間化合物材料。
  10. 少なくともA元素(Aはアルカリ土類金属元素である)と、M元素(Mは4d遷移金属元素および/または5d遷移金属元素)と、X元素(Xは炭素元素および鉛元素を除く第14族元素である)とを含有する原料粉末を、1300℃以上1700℃以下の温度範囲で、2GPa以上15GPa以下の圧力範囲で処理する工程を包含する、請求項1〜9のいずれかに記載の金属間化合物材料を製造する方法。
  11. 前記処理する工程は、ダイヤモンドアンビル装置、マルチアンビル装置およびベルト型高圧装置からなる群から選択される高圧装置を用いた高温高圧処理法または衝撃圧縮法によって行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記処理する工程は、前記原料粉末を2.5GPa以上7.7GPa以下の圧力範囲で処理する、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記処理する工程は、前記原料粉末を1550℃以上1650℃以下の温度範囲で処理する、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記処理する工程は、前記原料粉末を5分以上72時間以下の時間範囲で処理する、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記原料粉末に含有されるA元素、M元素およびX元素は、0.9〜1.1:0.9〜1.1:1.8〜2.2のモル比を満たす、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記原料粉末は、100nm以上500μm以下の粒径を有する粉末である、請求項10〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 金属間化合物材料からなる超伝導体材料であって、
    前記金属間化合物材料は、請求項1〜9のいずれかに記載の金属間化合物材料である、超伝導体材料。
  18. 臨界温度は5K以上50K以下の範囲である、請求項17に記載の超伝導体材料。
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