JP2020014664A - 脳機能計測システム - Google Patents

脳機能計測システム Download PDF

Info

Publication number
JP2020014664A
JP2020014664A JP2018139482A JP2018139482A JP2020014664A JP 2020014664 A JP2020014664 A JP 2020014664A JP 2018139482 A JP2018139482 A JP 2018139482A JP 2018139482 A JP2018139482 A JP 2018139482A JP 2020014664 A JP2020014664 A JP 2020014664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brain
brain function
magnet
information
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018139482A
Other languages
English (en)
Inventor
治 樋脇
Osamu Hiwaki
治 樋脇
龍成 若林
Tatsunari Wakabayashi
龍成 若林
大輝 玉越
Daiki Tamakoshi
大輝 玉越
真史 山田
Masashi Yamada
真史 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neumo Inc
Original Assignee
Neumo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neumo Inc filed Critical Neumo Inc
Priority to JP2018139482A priority Critical patent/JP2020014664A/ja
Publication of JP2020014664A publication Critical patent/JP2020014664A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

【課題】脳内部の深い位置の脳機能を高精度に計測することができると共に、被験者に不快感を与えることなく、計測作業を容易に行うことができ、角膜への影響も無い脳機能計測システムを提供すること。【解決手段】磁気の発生に用いられる磁気発生部と、前記磁気発生部によって発生された磁気を検知する磁気検知手段を有する情報処理装置とを備えた脳機能計測システムであって、前記磁気検知手段は、前記磁気発生部により発生され、脳内を通過した磁束を示す磁気信号を検知する。また、前記磁気発生部は、ネオジウム磁石である。【選択図】図1

Description

本発明は、脳機能計測システムに関する。
近年、脳機能を計測する方法として、例えば機能的近赤外分光法(NIRS)が提案されている。この方法は、目や耳等の感覚器から取り込んだ視覚や聴覚等の情報を電気信号に変え脳に伝達する際のニューロンの情報伝達機能を脳の毛細血管を流れる酸素化ヘモグロビン(oxyHb)の変化として近赤外光を使用して計測する手法である。
特許文献1及び2はこの方法を使用して大脳皮質における脳活動を計測する脳機能計測装置を開示する。この計測装置は頭皮上に配置した光源から脳に近赤外光を照射し、この照射により生じた反射光及び散乱光を同じく頭皮上に配置した受光器によって受光し、脳の血流変化を計測する発明である。
また、脳を透過した近赤外光の計測による非侵襲的脳機能計測法として、特許文献3に係る発明が開示されている。この発明は、近赤外光の発光源を口腔内に配置し、脳底部から頭皮方向に近赤外光を照射し、頭皮上に配置した受光器によって透過光を受光し、脳の血流変化を計測する発明である。この場合、脳の深い部分を近赤外光が透過する為、より脳活動を反映した脳機能計測が可能である。
特開昭57−115232号公報 特開昭63−275323号公報 特開2010−82370号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示する計測装置では、近赤外光の光源がその反射光及び散乱光を受光する受光器と同じ頭皮上に位置する為、例えば数cm程度の距離となり、空間的な分解能が低く、脳の浅い部分の脳活動しか計測できず、例えば脳内部の深い位置の脳機能を高精度に計測することができない。また、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビン(deoxyHb)の吸光度変化を高々数秒オーダーでしか計測できず、時間的な分解能も低い。
一方、特許文献3に開示する脳機能計測装置では、近赤外光の発光源を口腔内に配置する為、発光源に近赤外光を発光させるための電源を供給しなければならず、例えばリード線や信号線を口腔に引き込んだり、電池を口腔内に置いたりする必要があり、被験者に不快感を与えると共に、計測作業が煩雑になる。また、近赤外光が脳底部に位置する為、脳底部に近い感覚器である、例えば目の角膜に悪影響を与えることも懸念される。更に、受光器が高価であり、また受光器を頭皮に密着させなければならず、例えば髪の毛が頭皮と受光器の間に挟まると感度が低下し、この点からも計測作業が難しくなる。
そこで、本発明は上記課題に鑑み、脳内部の深い位置の脳機能を高精度に計測することができると共に、被験者に不快感を与えることなく、計測作業を容易に行うことができ、角膜への影響も無い脳機能計測システムを提供するものである。また、高価な受光器も必要なく、安価な小型の磁気センサの使用が可能である。
上記課題は本発明によれば、
磁気の発生に用いられる磁気発生部と、
前記磁気発生部によって発生された磁気を検知する磁気検知手段を有する情報処理装置と、
を備えた脳機能計測システムであって、
前記磁気検知手段は、前記磁気発生部により発生され、脳内を通過した磁束を示す磁気信号を検知する、
脳機能計測システムを提供することによって達成できる。
また、上記磁気発生部は、例えばネオジウム磁石等の磁石であり、上記磁気検知手段は、例えば頭皮に複数設けられた1軸磁気センサ、又は三次元磁気センサ等である。
また、上記磁気発生部は、例えば口腔内に設けられ、又は鼻腔内に設けられ、磁気発生部からの磁束によって、上記磁気検知手段は脳活動を反映した磁場信号を検知する。
本発明によれば、脳内部の深い位置の脳機能を高精度に計測することができ、被験者に不快感を与えることなく計測作業を容易に行い、角膜への影響も無く脳活動を計測でき、脳の機能局在の解析も可能である。また、高価な受光器も必要なく、安価な小型の磁気センサの使用も可能となる。
本発明の本実施形態に係る脳機能計測システムの構成の一例を示す図である。 サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。 図1及び図2のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。 サーバの出力部に表示される磁気センサの検出波形を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の脳機能計測システムを説明する図である。同図において、脳機能計測システム1は人の脳底部2に設けられた磁石3A、磁石3B、磁石3Cと、この磁石3A、磁石3B、磁石3Cによる磁気を検知する磁気センサ4、及び磁気センサ4によって検知した情報に基づいて脳機能を計測する制御部5で構成されている。なお、上述の磁石A、磁石3B、磁石3Cの夫々について区別する必要がない場合、これらをまとめて、磁石3と呼ぶ。
ここで、磁石3は、例えば、ネオジウム磁石(Neodymium magnet)であり、人の脳6の脳底部2に設けられている。具体的に例えば、磁石3Aは副鼻腔の奥に、磁石3Bは鼻腔に、そして、マウスピースに取り付けられた磁石3Cは、口腔内に配置することができる。本実施形態では、被検者の脳機能の計測の際、当該マウスピースを嵌めることによって、容易に脳底部2の所定の位置に設置することができる。また、使用する磁石3はネオジウム磁石に限定されるものではなく、磁束密度が高く、小型化が可能な永久磁石あるいは電磁石であれば適用できる。
磁気センサ4は頭皮7上に配置され、同図では単一の磁気センサ4として示しているが、例えば規格化された脳機能計測に必要な複数個所(例えば、19カ所)に配置する。この磁気センサ4の設置は、例えば貼着、覆着等の各種方法によって取り付け可能である。本例ではこの磁気センサ4として、例えばリニア出力磁気センサを使用し、頭皮7上の夫々の設置位置の磁場信号を検知し、検知した磁場信号を電圧信号(電圧値)に変換して制御部5に送る。
制御部5はA/Dコンバータ8及びサーバ9で構成され、A/Dコンバータ8は上記磁気センサ4から出力された電圧信号(電圧値)を対応するデジタル信号に変換し、サーバ9に出力する。サーバ9はA/Dコンバータ8を介して入力するデジタル信号に基づいて対応する頭皮上の位置の磁気センサ4が検知する磁場情報に基づいて被験者の脳機能を計測し、脳機能の解析処理を行う。
図2は、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
サーバ9は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
出力部16は各種液晶ディスプレイ等で構成され、各種情報を出力する。
入力部17は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図1の例ではA/Dコンバータ8)との間で行う通信を制御する。
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
よって、サーバ9では、CPU11は、ROM12に記録されたシステムプログラムに従って処理を行い、例えば、サーバ9に接続された記憶部18に上記磁気センサ4によって検知した頭皮上の複数個所の磁場情報を記憶し、この情報に基づいて被験者の脳機能解析や脳機能局在の解析を行う。
また、サーバ9は、脳機能計測を行う際、被験者に刺激信号を送信する。更に、サーバ9の出力部16には上記信号に基づいて磁気センサ4によって検知した波形情報が表示される。なお、刺激信号については、後述する。
次に、上記構成の脳機能計測システム1を使用して被験者の脳機能の計測処理を説明する。先ず、ユーザは、磁石3を図1に示す脳底部2の所定位置にセットする。この状態で磁石3から、例えば0.1テスラ程度の磁束が発生し、被験者の脳内には脳底部2から放射状に広がる磁場が形成される。なお、0.1テスラ程度の磁場の形成であれば、脳に悪影響を及ぼすことは少ない。
次に、サーバ9から出力部16を介して刺激信号を被験者に送信し、予め設定された刺激を与え、同時に磁気センサ4が検知する磁場信号を受信する。磁石3によって形成される磁束は上記のように磁石3が位置する脳底部2から放射状に広がり、海馬や大脳皮質等の脳内部のあらゆる位置を透過し、その先に位置する磁気センサ4に達する。この間、脳内部のニューロンや毛細血管は受ける刺激によって影響され、磁気センサ4の配設位置によってレベルの異なる磁場信号を検知する。
また、刺激を行なわなくても、定常的な脳活動を計測することも可能であり、精神状態や感覚、運動等に関連する脳活動を計測、解析することができる。
従って、頭皮上に配置された磁気センサ4は、配設された位置によって異なる磁場信号を検知し、サーバ9に当該磁場信号に基づく磁場情報を送信する。サーバ9は、頭皮上に配置された磁気センサ4(例えば、19カ所に設置された磁気センサ4)の全てから磁場情報を取得し、これらの磁場情報に基づいて脳機能の計測を行う。
次に脳機能の計測について、図3を用いて説明する。
図3は、図1及び図2のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、サーバ9のCPU11においては、キャリブレーション部31と、磁場情報取得部32と、解析部33と、アプリケーション部34と、刺激情報制御部35と、送信制御部36と、が機能する。
キャリブレーション部31は、キャリブレーションを実施するための処理を行い、その結果に関する情報を管理する。
キャリブレーションを実施するための処理とは、具体的に例えば、キャリブレーションを実施するタイミング(例えば、数時間ごとに実施するための時間)の管理、キャリブレーションの実施方法(例えば、設置された磁気センサ4の種類、個数、又は設置場所の違いによるキャリブレーションの実施方法)の管理等に関する処理である。
ここで、キャリブレーションとは、上述の脳機能の計測を行う際に、検知した磁場情報と比較するため、磁気センサ4で検知した磁場情報の初期値に関する情報を取得することである。上述の脳機能の計測では、検知した磁場情報と、初期値する情報を比較して、相対的な変化で計測を行うからである。
具体的に例えば、被検者の脳底部2に磁石3を設け、磁気センサ4を頭皮7に配置したときの状態で検知した磁場情報を初期値情報と呼ぶ。
つまり、上述の刺激情報を与えたときに取得された磁場情報と、この初期値情報を比較することで、刺激情報を与えた後の脳機能の計測を行うことができるのである。
なお、上述のキャリブレーションについては、自動的にキャリブレーションを実施してもよいし、ユーザが任意のタイミングで、即ち、手動でキャリブレーションを実施することも可能である。
磁場情報取得部32は、刺激情報を与えられた被検者の磁場に関する情報を、磁場情報として、磁気センサ4を介して取得する。
即ち、磁場情報とは、被験者の所定の状態(例えば、運動している状態)において、磁石3から発生され、被験者の脳内を通過して、磁気センサ4を介して取得された磁場に関する波形等の状態である。上述したキャリブレーションにおいて、取得された被験者の通常時(例えば、静止状態)における初期値情報との比較を行うことで、被験者の状態(例えば、運動している場合)の脳機能を計測することができる。
ここで、磁場情報は、単に1度のみ取得されるのではなく、所定の間隔で継続的に取得されてもよい。具体的に例えば、磁場情報取得部32は、5分間隔ごとに24時間継続的に被験者の磁場情報を取得してもよい。
これにより、後述するアプリケーション部34では、被験者の脳機能を継続的に計測することが可能となる。そのため、例えば、てんかん等のように脳の時系列的な機能の変化が病変と密接に関わるような疾患の予測や診断において、特に有用となる可能性がある。
また、磁気センサ4は、1人の被験者に対して、脳全体に渡って複数個配置してもよい。これにより、脳の異なる部位における磁場を複数取得できるため、より精度良く脳全体の機能を網羅的に計測することができる。
解析部33は、磁場情報取得部32で取得された磁場情報及びキャリブレーション部31でキャリブレーションの実施により取得された初期値情報を比較、解析し、その結果に基づいて計測結果情報を生成する。
ここで、解析部33が各種情報を比較、解析する手法は、既存のいかなる手法でもよく限定されない。具体的に例えば、解析部33は、周波数解析、加算平均法、その他解析方法といった脳機能の計測や磁場の解析に用いられる一般的に用いられる手法を、適宜、利用して解析を行うことができる。
なお、解析部33は、計測結果情報を含む各種情報を時系列的な情報と紐づけて格納してもよい。即ち、解析部33は、このような解析情報DB100に格納されている過去の計測結果情報等を、適宜参照して、解析に利用することで、被験者の脳機能の時系列的な変化等についても解析を行うことが可能となる。
具体的に例えば、てんかん等の突発的に脳機能の変化が起こり得る脳機能障害等においては、発作の前後で患者の脳機能が変化することも想定される。本実施形態の脳機能計測システム1は、被験者の時系列的な脳機能の変化についても計測が可能であり、例えば、てんかんの発作の予兆となるような脳機能の変化についても捕捉することができる可能性がある。
なお、解析部33により生成された計測結果情報は、後述するアプリケーション部34等において、被験者等へのアドバイスに関する情報等を生成する際に利用される。
アプリケーション部34は、解析部33で提示された計測結果情報を基に、被検者の診断、アドバイスに関する情報の生成を行う。
アプリケーション部34について、詳細に説明する。
アプリケーション部34は、診断部51と、アドバイス生成部52と、が機能する。
即ち、アプリケーション部34の実行により、診断部51と、アドバイス生成部52とが実行される。
ここで、診断部51は、上述の計測結果情報から、被検者の脳機能に関する診断結果を生成する。具体的に例えば、診断部51は、診断情報DB110から診断情報を取得して、上述の計測結果情報と比較、検討する。
診断情報とは、例えば、病気や症状に関する磁場情報の波形やデータの特徴点に関する情報である。
具体的に例えば、診断部51は、診断情報と上述の計測結果情報を比較して、上述の計測結果情報の波形やデータの特徴点と、脳梗塞の症状と同一又は類似する波形やデータ(磁場情報)の特徴点があれば、被検者は脳梗塞の疑いある、との診断結果を生成することができる。
また、診断部51は、上述の計測結果情報を基に、現在の被検者の脳機能の状態をも診断することができる。例えば、被検者の脳の後頭葉に関する計測結果情報を基に、後頭葉に何かしら異常があるか否か診断することもできる。更に、他の方法による脳の計測(例えば、MRI検査やMRA検査等)の結果と合わせて、詳細な診断を行うことができる。
続けて、診断部51は、上述の計測結果を基に、時系列ごとに病気や症状の経過を診断することも可能であり、上述の経過を踏まえて被検者の脳機能や病気の症状等の経過や予測も行うこともできる。
また、アドバイス生成部52は、上述の被検者の脳機能に関する診断の結果を基に、アドバイスに関する情報を生成する。
具体的に例えば、アドバイス生成部52は、上述の被検者の脳機能に関する診断の結果と、被検者情報DB120から取得した被検者情報を基に、被検者に対する健康増進、治療方法、薬の処方箋等のアドバイスに関する情報を生成する。
ここで、被検者情報とは、被検者に対するアドバイスを提供するための必要な情報をいう。具体的に例えば、過去の脳機能計測システム1で実施した脳機能の計測した結果のほか、被検者の氏名、年齢等の個人情報、血液検査等の他の検査の情報、既往歴等、被検者に有益なアドバイスを生成するのに必要な情報が含まれる。
また、上述の被検者の脳機能や病気の症状等の予測を踏まえて、アドバイスを提供することもできる。
これにより、脳機能の計測の結果のほか、他の検査の結果を含めたアドバイスに関する情報を生成することができる。
刺激情報制御部35は、被検者に刺激を与えるための情報、即ち、被検者に刺激情報を与えるための指示、制御を行う。
ここで、刺激情報は、被検者に刺激を与えるものであればよく、例えば、人間の五感から刺激を与える情報であればよく、映像や音、電気刺激等が含まれる。
刺激情報制御部35は、被検者に与える刺激情報の種類、刺激を与える時間、与える方法等を決定、制御する。
具体的に例えば、刺激情報制御部35は、被検者に映像による刺激情報を与える場合、どのような映像を、どの時間、どの間隔で被検者にどのように見せるのかを決定して、図示しないモニタ等に上述の映像を表示するよう制御する。
なお、刺激情報制御部35は、例えば、アプリケーション部34の診断部51の診断結果を基に、刺激情報を制御してもよい。即ち、刺激情報制御部35は、診断結果を基に、被検者の脳機能の変化をリアルタイムで確認したいときに、様々な種類の刺激情報を被検者に与えるよう、刺激情報を制御してもよい。また、ユーザが任意で刺激情報を制御することもできる。
これにより、脳機能計測システム1は、様々な状況の被検者の脳機能を計測することができる。
送信制御部36は、診断部51及びアドバイス生成部52で生成した診断結果やアドバイスに関する情報、又は刺激情報制御部35で指示、制御した刺激情報を提示するための制御を行う。
図4は、サーバ9の出力部16に表示される磁気センサ4の磁場信号の波形図である。
図4において、横軸は前述の刺激信号を出力した後の時間経過を示し、縦軸は受信する磁場信号の強度を示す。尚、横軸のStimは刺激信号を出力したタイミングを示す。
図4に示すように、本例の脳機能計測システム1によれば、刺激を与えてから短時間(例えば、45ms)で磁場信号がピークに達し、当該磁気センサ4が設置された脳の部分が刺激を受けていることをリアルタイムで判別することができる。この信号波形は体性感覚誘発電位に相当し、ある位置の磁気センサ4の磁場信号に基づく結果であり、頭皮上の全ての磁気センサ4の検知結果を同様に得ることができる。従って、これらの情報を使用してサーバ9は被験者の脳機能計測をリアルタイムで行うことができる。
尚、図4に示す計測波形は、例えば生体のある部分に一定の時間間隔で、所定幅の信号を所定回与えた場合の結果である。
従って、本例によれば極めて短時間で脳機能の計測を行うことができ、高時間分解能の脳機能計測システムを実現することができる。
また、本例によれば磁石3は脳底部2に配置され脳の深部から大脳皮質に渡って脳機能の計測を行うことができ、より正確な脳活動を高精度に計測することができる。従って、本例によれば磁場信号が大きい磁気センサに最も近い脳の部位を脳活動部位として特定することにより、脳活動の局在を高精度で計測することができ、高空間分解能の脳機能計測システムの実現も可能となる。
また、本例の脳機能計測システム1は近赤外光を使用しないので、近赤外光の発光源を口腔内に配置する為、発光源に近赤外光を発光させる為のリード線や信号線を口内に引き込む必要がなく、被験者に不快感を与えることもない。例えば、被験者は、磁石3Cが取り付けられたマウスピースを口に嵌めるだけでよく、計測作業も容易である。
また、本例の脳機能計測システム1は近赤外光を使用しないので、近赤外光を使用する際の角膜への悪影響を防止することができる。即ち、図1に示すように磁石3を設置する脳底部2の近傍には感覚器(目)も位置し、ここに近赤外光の光源を設置した場合、角膜に悪影響を与える可能性があり、本例によればその心配も回避することができる。
また、本実施形態の脳機能計測システム1によれば、磁気センサ4を頭皮上に制限なく配置できるので、高い感度を有する磁気センサ4を高密度で配置することもでき、透過後の磁束を漏れなく磁気センサ4に検出させることができる。このことによっても、脳6のあらゆる位置で生じた活動を検出でき、より高精度の脳機能計測システムを提供することが可能である。
また、従来例で使用する受光器に比べて、本実施形態において使用する磁石3は安価である。更に、従来例で使用する受光器のように頭皮に密着させる必要はなく、例えば髪の毛が頭皮と磁気センサ4の間に挟まっていても感度が低下することなく、磁場信号を受信でき、計測作業も容易になる。
尚、上記本実施形態の説明では磁石3を口腔内に配置したが、例えば鼻腔内に磁石(例えば、磁石3B)、副鼻腔の奥に磁石(例えば、磁石3A)配置してもよい。このようにしても、脳の深部から大脳皮質に渡って脳機能の計測を行うことができ、正確な脳活動を高精度に計測することができる。
また、上記実施形態の説明では0.1テスラ程度の磁束密度の磁石を使用して説明したが、0.1テスラに限定される訳ではない。また、例えば透磁率の高い珪素系の材料を使用して磁石3を加工することによって、脳方向への磁束密度を高め、より磁力が小さく、小型化した磁石を使用することも可能となる。
更に、磁気センサ4として三次元磁気センサを使用することもでき、更に高精度な脳活動部位の推定を可能とすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
また例えば、上述の実施形態において、磁場情報取得部32は、頭皮上に配置された磁気センサ4の全てから磁場情報を取得する、という説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、磁場情報取得部32は、磁気センサ4から磁場情報を取得できればよく、例えば、以下に示す方法であってもよい。
磁場情報取得部32は、複数の磁気センサ4から取得する磁場情報は、複数の磁気センサ4ごとの磁場情報(例えば、磁気センサが5個であれば、磁場情報は5つ)で取得することも可能である。また、磁場情報取得部32は、複数の磁気センサ4から取得する磁場情報を1つの合成した磁場情報として取得してもよい。
また例えば、上述の実施形態において、磁石3を脳底部2に固定する、という説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、磁石3は、脳機能の計測ができる位置に固定されればよく、例えば、以下に示す方法であってもよい。
(1)磁石3をマウスピースに取り付ける。この場合、被検者は、図1に示すように、磁石3Cを取り付けたマウスピースを口に嵌めるだけでよいので、容易に磁石3を設置することができる。
(2)磁石3をステントにつけて鼻腔の中に入れる。この場合、磁石3の位置が、口腔内よりも鼻腔の方が脳に近いため、精度の高いデータ(磁場情報)を取得することができる。
(3)磁石3をマイクロマシンで副鼻腔の奥に設置する。この場合、磁石3の位置が、鼻腔の場合と同様に、口腔内よりも脳に近いため、精度の高いデータ(磁場情報)を取得することができる。なお、マイクロマシンは、副鼻腔の中を自動的に移動して脳に近い部位で定着するマイクロマシンを採用してもよい。
(4)磁石3を被検者の額につける。この場合、口の中に入れる必要がないので、被検者の負担が少なくて済む。例えば、前頭葉や運動野等の脳機能の計測の場合、精度の高いデータ(磁場情報)を取得することができる。
(5)磁石3をゴーグルや眼鏡等に設置する。この場合、例えば、VR(Virtual Reality)等の機能を有するデバイスと組み合わせて利用される場合に、被検者が違和感なく利用することができる。
(6)磁石3を頭皮上に磁気センサ4と角度をつけて設置する。つまり、磁力線はN極から出てS極に戻るため、弧を描く磁力線を使うことで直線状ではなく曲線で磁場信号を計測することができるため、より精度の高いデータ(磁場情報)を取得することが期待できる。
(7)磁石3を差し歯に埋め込む。この場合、差し歯に埋め込むことで磁石3が頭蓋に固定されるので、被検者がつけ外しを意識せずに使用することができ、普段の生活の中で継続的に脳機能の計測を行うことができる。
また例えば、通常、親知らずを抜いた後には、空間ができるため、この位置に磁石3を入れることもできる。
(8)磁石3をインプラントにする。差し歯と同様、被検者がつけ外しを意識せずに使用することができる。
(9)磁石3を口内絆創膏に設置する。この場合、被検者の上顎に磁石3を固定できるため、安定性が高い。また、磁石3を取り付けたマウスピースと同様、容易に磁石3を設置することができる。
また例えば、入れ歯安定剤を使用して、磁石3を上顎に接着する。
(10)磁石3をヘッドホン、イヤホンに設置する。この場合、被検者が音楽を聞くに際し、耳の中や耳の周辺、ヘッドホンで設置された頭頂部等に、自然に磁石3を設置することができるので、被検者の負担を少なくすることができる。なお、ヘッドホンは運動野や体性感覚に沿っているため、BMI(Brain Machine Interface)に効果的な可能性がある。
(11)磁石3の向きを変えるモータを備える。この場合、マイクロモータを使って磁石の方向を口の中で変えることによって、計測したい脳部位に向けて一番磁力が強くなるように磁石3を向けることができる。これによって計測精度を高めることができる。
(12)磁石3をヘッドレストに設置する。この場合、椅子や運転席のヘッドレストに磁石3を設置することで、口の中に磁石を入れなくても計測ができるようになる。これにより、ドライバーや、映画館等、不特定多数の観客が被検者となるケースにも、口に物を入れなくて済むので衛生的に使うことができる。
(13)粉状にした磁石3を歯ブラシ、歯磨き粉に含有する。この場合、例えば、歯を磨いている間だけ磁化した歯磨き粉が口の中にある状態を作ることができる。磁石3を粉状にすることで、磁石3の面積が大きくなるため、より遠くに設置した磁気センサ4まで磁束を発生させることができる。また、歯ブラシが磁化されている状態でも使うことができる。
(14)磁石3を飴の棒の部分に備える。この場合、子供等、飴をなめているだけで口の中に磁石3を入れた状態にすることができる。
(15)磁石3をたばこ、電子タバコのフィルタ部分等の口でくわえる部分に備える。この場合、被検者が一服をして休憩するときの脳活動を計測することで、リラックス度合い、ストレス度合い、生産性の計測等の健康経営に使える情報を取得することができる。
(16)磁石3を義眼に備える。この場合、被検者の目が義眼の場合、義眼に磁石3を備えることで脳に近い位置に磁石3を固定することができる。
(17)あご紐につける。この場合、キャップ型の磁気センサ4等を使用する場合、あご紐上に磁石3を設置することで、口の中に入れる必要がなく計測ができる。
なお、これらの磁石3を固定する方法は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に際して、磁石3を固定するための方法であれば、いかなる方法であっても本発明の範囲に含まれるものである。
また例えば、上述の実施形態において、脳機能計測システム1は、磁石3の種類として、ネオジウム磁石を使用することができる、という説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、磁石3は、磁束密度が高く、小型化が可能な永久磁石あるいは電磁石であればよく、例えば、以下に示す磁石の種類であってもよい。
(1)磁石3を電磁石にして周波数を使う。この場合、脳機能計測システム1は、磁石3を電磁石にすることで一定周波数の磁力線を発生させることができるので、静磁場と比べて安定したデータ(磁場情報)を取得できる。
(2)複数の磁石3を設置する。この場合、脳機能計測システム1は、磁石3を複数使うことで、三角測量の原理で信号源を推定したり、各磁気センサ4が夫々近い位置の磁石3からの磁場信号を検知することで脳機能の計測の精度を高めることができる。
(3)球形や半球形の形状の磁石3を使う。この場合、脳機能計測システム1は、球形や半球形の磁石3を使うことで、被検者の頭皮上に均一に磁束を発生させることができるので、磁気センサ4は、安定して全頭でのデータ(磁場情報)を検知することができる。
(4)味や香り付き磁石3を使用することができる。この場合、脳機能計測システム1は、被検者の口の中に入れる磁石3に味や香りをつけることで、不快感を軽減することができる。また、被検者が子供の場合でも嫌がらずに容易に磁石3を脳底部2に設けることができる。
(5)地磁気を磁石3による静磁場の代わりとし、高感度センサと磁場信号処理技術を使い、磁石3なしでTME(Transparent Magneto Encephalography)信号を計測することができる。この場合、脳内血管を流れる赤血球は磁性体であり、赤血球の存在による静磁場及び赤血球の流量の変化による静磁場の変化を元に、脳機能計測システム1は、高感度センサと信号処理技術を使い、磁石3なしでTME信号を計測することができる。
なお、これらの磁石3の種類は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に際して、脳機能の計測が実施可能であれば、いかなる磁石3の種類であっても本発明の範囲に含まれるものである。
ここで、TMEについて簡単に説明する。TME(Transparent Magneto Encephalography)とは、本発明の発明者等によって命名された造語である。典型的には、磁石3、磁気センサ4、および制御部等から構成される本発明の脳機能計測システムを指すものである。ただし、以降の説明においては、便宜上、本発明の脳機能計測システムを構成する一部のハードウェア等(例えば、磁石3、磁気センサ4、サーバ9等)のみを指してTMEと表記する場合がある。
また、さらに言えば、本発明の脳機能計測システムに関連する処理を実行するためのプログラム等についても、TMEと表記する場合もある。
以上より、TMEとは、本発明の脳機能計測システムに関連する各種システムやハードウェア等を意味する多義的な単語として利用する。
また例えば、上述の実施形態において、磁気センサ4の固定方法として、貼着、覆着等の各種方法によって取り付けが可能である、という説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、磁気センサ4は、設置位置の磁場信号を検知できればよく、例えば、以下に示す磁気センサ4の固定方法であってもよい。
(1)磁気センサ4を脳波用電極キャップに使用することができる。この場合、脳波用電極キャップに穴や目印で脳のどの位置なのかをわかるようにしておくことで、ユーザは、磁気センサ4の設置位置をすぐに特定することができるようにする。また、ユーザは、クリップ等を使って簡単に磁気センサ4を取り外し可能とし、計測したい部位に磁気センサ4を付け替えることができる。
(2)磁気センサ4をヘアバンドに固定することができる。この場合、ユーザは、磁気センサ4をヘアバンドに固定することで、ヘッドホンやカチューシャのように、頭に被ることで簡単に磁気センサ4設置ができるようにする。また、ユーザは、運動野や体性感覚野に沿って磁気センサ4を配置することができるので、BMIに必要な磁気センサ4を手早く設置することができる。
(3)全頭に磁気センサ4を敷き詰めることができる。この場合、ユーザは、全頭にビデオカメラの画素のように磁気センサ4を敷きつめることで、計測したい位置を狙って磁気センサ4を設置するという手間を省き、誰でも簡単に装着することができるようになる。また、脳機能計測システム1は、磁気センサ4の数が多いとビッグデータでの解析にも適しているため、全頭での脳活動を同時計測して分析することで、今までの計測技術では実現できなかった空間解像度の高いリアルタイム計測が実用化できる。
(4)1箇所に3軸の磁気センサ4を配置することができる。この場合、脳機能計測システム1は、3つの磁気センサ4を直行するように3軸の磁気センサ4にすることで、計測地点のベクトル情報としてデータ(磁場情報)が取得できる。これにより、脳機能計測システム1は、脳活動の向きまで計測することができ、既存技術では得られなかった情報量の多い磁場情報になる。また、脳機能計測システム1は、1箇所だけでなく、複数の箇所に3軸の磁気センサ4を配置することもできる。
(5)かつらやウィッグ状のものに磁気センサ4を付けることができる。この場合、外から見て磁気センサ4を付けているように見えないため、ユーザは、被検者の日常生活で定常的なデータ(磁場情報)を取得し続けることができる。
(6)繊維状の磁気センサ4を帽子のように装着できる。この場合、繊維状の磁気センサ4を使用することで、それを使って帽子等の頭に被れる柔らかい形状にすることができ、被検者が、帽子を被るだけで磁気センサ4の装着が完了する。繊維状の磁気センサ4は、繊維状なので被検者の頭部に突起物が当たる不快感等がなく使える。
(7)磁気センサ4を貼り付け型にすることができる。この場合、ユーザは、磁気センサ4を、計測したい部位にだけ、貼り付けられる絆創膏や湿布のようなシート上に設置する。これにより、ユーザは、容易に磁気センサ4を被検者の頭部を含め、様々な体の箇所に取り付けることができる。
なお、これらの磁気センサ4を固定する方法は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に際して、磁気センサ4を固定するための方法であれば、いかなる方法であっても本発明の範囲に含まれるものである。
また例えば、上述の実施形態において、キャリブレーション部31の機能は、特に限定されない。
例えば、以下に示す機能を有するものであってもよい。
(1)磁気センサ4の初期値を、自動的にキャリブレーションを実行することができる。この場合、脳機能計測システム1は、磁力の相対的な変化で脳活動を計測するため、初期値のキャリブレーションをする必要がある。そのため、磁石3を口の中に入れた状態で磁気センサ4を設置した際に、自動的に初期値を計測してキャリブレーションを実施することができる。
(2)一定時間ごとにキャリブレーションを実施することができる。この場合、脳機能計測システム1は、磁気センサ4が環境による磁場の変化や、被検者の体動によって磁石3と磁気センサ4の位置がズレていく可能性があるため、一定時間(毎分等)ごとに初期値のキャリブレーションを取り直すことができる。
(3)磁石3と磁気センサ4の位置の計測装置としての機能を実行することができる。この場合、固定された立体フレームに複数の磁気センサ4と電磁石を具備した装置の中にTMEを装着した人の頭を入れることで、脳機能計測システム1は、三角測量の原理を使って磁石とセンサの3次元的な位置関係を計測することができる。
(4)脳画像を重ね合わせてマッピングすることができる。この場合、脳機能計測システム1は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)で計測した脳の構造画像のデータ(磁場情報)を、TMEで計測する磁石3と磁気センサ4の位置関係にマッピングすることで、各センサがどの脳部位の計測を行っているのかを把握することができるようにする。これによって、脳機能計測システム1は、TMEのデータ(磁場情報)が脳のどこの活動を計測しているのかを把握することができる。
(5)磁気センサ4の外周にリング状の磁石3や磁性体を配置して磁場信号を容易に検知することができる。この場合、磁力線はN極から出てS極に戻る弧を描くため、脳機能計測システム1は、どのようなカーブを描くのかを考慮して磁気センサ4の傾きを調整する必要がある。そのとき、磁気センサ4の外周にリング状にした磁石3や磁性体を配置することで、磁力線が口腔内の磁石3から磁気センサ4までほぼ直線状に磁力線が届くようになり、脳機能計測システム1は、磁気センサ4の傾きは磁石3に向ければ良くなるのでキャリブレーションを容易に行うことができる。
また、上述のキャリブレーションにおいて、磁石3の設置の場所については、特に限定されない。例えば、磁石3の設置の場所は、脳底部2以外、即ち、被検者の口の中に限られず、額、鼻の中等、自由に設置場所を変更することも可能である。
同様に、上述のキャリブレーションにおいて、磁気センサ4の設置場所についても、特に限定されない。例えば、磁気センサ4の設置場所は、頭皮7上以外、後頭部等、自由に設置場所を変更することも可能である。
なお、これらのキャリブレーションの方法は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に際して、キャリブレーションの実施が可能であれば、いかなる方法であっても本発明の範囲に含まれるものである。
また例えば、上述の実施形態において、発生した磁場信号の受信を行うにあたり、取得する情報にノイズが混入することがある。従って、脳機能計測システム1は、例えば、以下のようなノイズ対策を備えていてもよい。
(1)、脳機能計測システム1は、ヘルメット型の磁気シールドを使用することができる。これにより、脳機能計測システム1は、外部からのノイズを最小化するためにヘルメットのように磁気シールドを使用することで、磁気センサ4や被検者の頭部を覆うことが可能となる。また、脳機能計測システム1は、MEGやMRIのように防磁室は必要無く、場所を選ばず利用できるメリットがある。
(2)脳機能計測システム1は、磁気センサ4の周辺に磁気シールドを付けることができる。これにより、脳機能計測システム1は、外部からのノイズを除去するために、磁気センサ4の1つ1つに対して外周を覆う防磁シールドを貼り付けることが可能である。なお、脳機能計測システム1は、円筒形のようにセンサ方向の磁力は抜ける形のシールドを使用することができる。
(3)脳機能計測システム1は、外部ノイズの除去が可能である。これにより、脳機能計測システム1は、磁気センサ4全体に共通の磁場信号が計測された場合は、外部のノイズと判断して除去をすることが可能となる。
ここで、外部ノイズとは、外部からの影響による磁場信号の不作為な変動である。そして、外部からの影響とは、例えば、スマートフォンや家電等の電子機器等から発せられる電気信号や電磁波等が、磁石3から発せられる磁束の波形に影響を与えることである。
また、外部ノイズの除去の方法は、例えば、ノイズ除去用のフィルタ回路等を設けることで、外部ノイズを除去することができる。
(4)脳機能計測システム1は、商用電源周波数(50Hz又は60Hz)の交流信号の除去が可能である。この場合、商用電源周波数の交流信号が外部ノイズとなり、磁気センサ4で検知されるため、脳機能計測システム1は、商用電源周波数の交流信号を、バンドパスフィルタ等を使って除去することができる。
(5)脳機能計測システム1は、体動の除去が可能である。この場合、脳機能計測システム1は、耳朶や肩等、脳の信号は乗らないが体動は計測できる部位に磁気センサ4を設置することで、体動によるノイズを検知して、除去することが可能となる。
なお、体動とは、被検者の呼吸、脈拍、心拍又は血流、または被験者の体が動いたとき等の脳波以外の被検者から発せられる振動等である。
また例えば、上述の実施形態において、解析部33は、磁場情報及び初期値情報を比較、解析して計測結果情報を生成する、という説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、解析部33は、磁場情報取得部32で取得された磁場情報を、以下に示すデータ形式、情報処理を実施する機能を有する。
具体的に例えば、データ形式として、解析部33は、以下の方法で磁場情報を取り扱うことができる。
(1)解析部33は、磁場情報をベクトル情報として使うことができる。この場合、解析部33は、3軸のセンサのデータ(磁場情報)を扱うため、1点に対してベクトル情報としてデータ(磁場情報)を保持し、解析ができるようになる。
(2)解析部33は、磁場情報をスカラー値に変換することができる。この場合、脳活動の強さ、即ち、被検者の脳機能を把握するために、解析部33は、磁場情報をベクトル情報として、取得したデータ(磁場情報)の絶対値をスカラー値として取得することも可能である。また、取得したスカラー値を初期値情報と比較することで解析することができる。
なお、上述の初期値情報についてもキャリブレーションの実施による初期値をベクトル情報、スカラー値として取得、管理することも、上述の磁場情報と比較、解析することもできる。
これにより、解析部33は、脳の部位ごとの活動を量で把握することができるため、分析がやりやすい。
(3)解析部33は、ブロックチェーン技術を用いたデータの保存を行うことができる。この場合、解析部33は、ブロックチェーン技術を用いて解析情報DB100等に計測結果情報をネットワーク上のデータベースへ保存することで、重要な計測結果情報を信頼性の高い状態で保管・管理することができる。また、解析情報DB100等をネットワーク上のデータベースにすることで、ユーザは、ネットワーク上にある解析情報DB100から計測結果情報等を時間、場所に限られず取得することができる。これにより、ユーザは、以前に計測を行った被検者の計測結果情報等を場所に限られずに取得、管理することも可能である。具体的に例えば、以前は広島の施設にある脳機能計測システム1で計測を行い、今回は東京の施設にある脳機能計測システム1で計測を行う場合、以前に計測した被検者の計測結果情報をネットワーク上のデータベースから取得して、今回の診断に利用することもできる。
なお、これらのデータ形式は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に際して、解析部33において取り扱うデータ形式であれば、いかなるデータ形式であっても本発明の範囲に含まれるものである。
また、具体的に例えば、情報処理として、解析部33は、神経の走行方向を把握することができる。
(1)解析部33は、3次元のベクトル情報(磁場情報)で脳活動を把握することができる。この場合、解析部33は、どの方向に脳神経活動が行われているのかを把握することができる。これにより、新しい病気の診断ツールとして、また従来には無かったデータになるので新しい分析手法や応用が考えられる。
(2)解析部33は、脳溝と脳回の区別がつけることが可能となる。この場合、解析部33は、3次元ベクトルで計測ができるので、脳表面のシワになっている部分のどこで行われている活動を計測しているのかを推定できる。従来のEEG(Electroencephalogram)やMEG(Magnetoencephalography:脳磁図)では一方向の磁場信号しか計測ができないので、画期的に細かい情報が取れることになる。
(3)解析部33は、TME機能画像を連続的に計測し続けることで大量のデータ(磁場情報)を蓄積することができる。この場合、その機能の磁場信号を解析することで個々人の皮質表面及び脳深部の構造を再構成することができる。
本発明の一実施形態に係る脳機能計測システム1は、磁場の情報を用いて脳機能を計測する新たな手法であり、上述の実施形態の例に限らず様々な応用が可能である。具体的に例えば、以下のような応用が想定される。
(1)新しい病気の診断装置としての機能を備えてもよい。これにより、脳機能計測システム1は、脳卒中を始めとした脳の損傷を原因とした病気に対して、本来活動が計測される部位のデータ(磁場情報)が取得できなかった場合に、病気の診断ができるようになる可能性がある。また、脳機能計測システム1の磁気センサ4は、3軸のベクトル情報(磁場情報)として取得できるため、どの向きの神経繊維が損傷しているのか、というところまで把握することができる。
(2)アルツハイマーの診断装置としての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、MRI等と比べて簡便に利用することができるため、毎日の脳活動をデータ(磁場情報)として取得して分析をすることができる。また、3軸ベクトル情報という情報量が多いため、脳機能計測システム1は、アルツハイマーや軽度認知障害の予兆が現れたときに脳活動の変化として計測をすることができる。
(3)うつ病、精神疾患の診断装置としての機能を備えてもよい。この場合、うつ病や精神疾患等、現在の脳活動計測装置では診断ができない病気でも、TMEは情報量が多いので診断に使用することができる。
(4)てんかんの発作検知・予測装置としての機能を備えてもよい。この場合、現状では脳波計やMEGが使われているが、脳機能計測システム1は、被験者の負担が少なく利用ができるのでTMEが置き換えられる可能性がある。また、脳機能計測システム1は、磁石3をインプラントする等定常的に利用することができるため、てんかん発作の検知や予知を常時行うことができるため、従来にはない画期的なてんかん用器具として使える可能性がある。
(5)脳活動を使った個人認証としての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、指紋のように、脳活動のパターンを使って個人認証を行うことができる。脳機能計測システム1は、特定のタスクをさせる、映像を見せる、音を聞かせる、あるいは何もせずぼーっとする(Resting State)、という外部刺激を固定したときの脳活動のパターンを使う方法がある。
(6)スポーツ・運動中の脳活動計測としての機能を備えてもよい。磁石3と磁気センサ4を頭蓋に設置させることで動きに強くなるため、脳機能計測システム1は、スポーツや運動中の脳活動を計測できるようになる。プロや優秀な選手の脳活動と比べたときの脳の使い方をフィードバックしてトレーニングしたり、選手のパフォーマンスや潜在能力を計測することでスカウトや脳力診断を行う等が可能になる。
(7)電気刺激・磁気刺激のための計測装置としての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、脳や神経への刺激(tDCS(Transcranial Direct Current Stimulation:経頭蓋直流電気刺激法)やtACS(Transcranial Alternating Current Stimulation:経頭蓋交流電気刺激)、TENS(Transcutaneou Electrical Nerve Stimulation:経皮的電気神経刺激)等の電気刺激、TMSのような磁気刺激、超音波刺激等)を行うときの効果を計測するための計測装置として利用ができる。あるいはどのタイミングで刺激を行うことで効果を得られるのかを検知するためにも使える。運動能力の向上、感覚の増強、記憶力の増強、睡眠の質向上、治療効果の増強、学習速度の向上、等に使える。
(8)居眠り運転の防止としての機能を備えてもよい。この場合、定常的に使用ができるため、運転中ずっと脳活動を計測することもできる。そのときに、眠気や集中できていない状態を検知してアラートをすることで、居眠り運転や不注意運転の防止につなげることができる。
(9)乗車中の感情の計測としての機能を備えてもよい。この場合、自動運転や快適な運転を実現するために、乗車中の脳活動からどのような運転や車内環境のときに快適に感じているか、あるいは逆にどんな運転(急ブレーキ、急ハンドル等)だと深いに感じるのか、等を計測することで自動運転の加減をコントロールすることに使える。
(10)高齢者ドライバーのテストとしての機能を備えてもよい。この場合、危険が迫ったときにすぐに反応ができるのか、脳活動を計測することで、脳機能計測システム1は、高齢者ドライバーの免許証の更新のテストに使うことができる。
(11)無意識のトレーニングとしての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、無意識の脳活動を検出することで、ニューロフィードバックに利用して脳力を高めることができる。これにより、被検者は、スポーツの反応速度を高める、第六感を高める、意思決定力を高めることができる。
(12)脳力を高めるための機能を備えてもよい。脳機能計測システム1は、ニューロフィードバックに使うことで、集中力を高める、認知機能を高める、ストレス耐性を高める等、脳機能を高めるトレーニングに使える。
(13)性格を改善するための機能を備えてもよい。この場合、望ましい感情を持ったときにニューロフィードバックすることで、脳機能計測システム1は、その人の性格を変えることもできる。
(14)性格を把握するための機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、慎重な人、緻密な人、大胆な人、社交的な人等、その人の性格の傾向を脳の情報から分類して提供する。脳機能計測システム1を、占いのようなエンターテイメントとしての利用から、採用や人事評価のようなエンタープライズサービス、結婚相性診断、マーケティングへの利用に利用することができる。
(15)ニューロフィードバックのインプットに使うための機能を備えてもよい。この場合、現在の臨床や研究のニューロフィードバックで行われているADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)の治療、うつ病の治療、恐怖症の治療、依存症の治療、外国語の習得、音感のトレーニング、鎮痛剤の代替として疼痛の軽減、等をTMEの計測技術を使って行うことで、脳機能計測システム1は、従来よりも簡便に精度高く実現できる。
(16)脳ドックのTME版としての機能を備えてもよい。この場合、現在の脳ドックはMRIを使った構造画像が主になっているが、TMEを使ってコネクティビティやEvent Relatedな情報(例えば、刺激情報を被験者に与えた際の、被験者の反応を磁場情報として取得した情報)を使って脳の健康度合いを計測することで、新しい脳ドックのサービスとして実現ができる。
(17)薬物使用時の脳活動の計測としての機能を備えてもよい。この場合、薬の効果の検証や副作用の診察等、服用した薬や受けた治療の効果を前後の脳活動で比較したり、定期的に計測することで時系列での変化を追うことで検証をすることができる。
(18)マインドアップロードのデバイスとしての機能を備えてもよい。ここで、脳情報を全てデータ化して保存することで、デジタルとして生き続けるというマインドアップロードという概念がある。脳機能計測システム1は、TMEの技術を使って脳情報データ(磁場情報)のマインドアップロードをすることができる。
(19)睡眠状態の計測としての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、睡眠時の脳活動を計測することで、睡眠段階を計測することができる。脳機能計測システム1は、睡眠の質の計測、夢を見ているかどうかの判断、睡眠時無呼吸症候群の検知、明晰夢の分析等を行うことができる。
(20)明晰夢デバイスとしての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、REM睡眠を検知して夢を見ているときに電気刺激や音、光、物理刺激等を使って前頭葉を刺激することで、明晰夢を見られるようにすることができる可能性がある。
(21)瞑想の評価としての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、上手に瞑想ができているのかを計測して、音や映像、振動等を使ってフィードバックすることで、瞑想の質を高めることができる。
(22)脳年齢や脳健康状態の検知するための機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、認知テスト等を実施しているときの脳活動や、継続的に取得した脳活動のデータ(磁場情報)を使い、年代別の平均や健康な人と軽度認知障害の人、痴呆の人、精神疾患の人、IQ(Intelligence Quotient)の高低等、様々な比較を行うことで、その人の脳年齢や脳の健康度合いを算出することができる。
(23)脳震盪の診断としての機能を備えてもよい。ここで、アメリカでは脳震盪は非常に危険視されている。そのため、脳機能計測システム1は、脳震盪をおこしたプレイヤーがスポーツを継続して良いかを診断するための道具としてTMEを使うことができる。
(24)頓服薬の服用タイミングの通知としての機能を備えてもよい。ここで、不安やうつ等の重い気分障害は、服薬のタイミングで症状の緩和(及び副作用の重さ)が変わることがある。そこで、脳機能計測システム1は、扁桃体等のモニタリング(+機械学習等)から、個人にフィットした服薬タイミングを検知することができる。
(25)緊急時の病院へのSOS(救助依頼信号)信号としての機能を備えてもよい。ここで、脳卒中、クモ膜下出血等、発見から分単位で数十%も生存率が変わる脳挫傷がある。これらを検知した際、脳機能計測システム1は、自動でGPS(Global Positioning System)を作用させ救急車の手配を行うことができる。
(26)ポリグラフとしての機能を備えてもよい。いわゆる嘘発見器である。現在は皮膚電位等、脳信号からの副次的な生理反応を使っている。例えば、脳機能計測システム1は、「犯人だけが知っている顔」を見せて、FFA(よく知っている顔等の画像に反応する)の反応を計測する等に使用することができる。
(27)TMEによる脳機能信号解析としての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、TMEによる脳機能信号解析によりあらゆる精神疾患及び定型発達が診断できる。更に、個々人ごとの性格の判定も可能になる。
(28)TMEによる個々人の特性の解析としての機能を備えてもよい。この場合、TMEにより個々人の特性が分かることで適切な個別指導、適正判断、職業選択等のインプットになる。
(29)TMEに胎児期の脳機能の診断機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、胎児期の脳機能をTMEで診断することができる。
(30)TMEニューロフィードバック機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、末期がんの痛みをTMEニューロフィードバックで低減することができる。
また、脳機能計測システム1は、運動パターンを小脳に記憶させるようにニューロフィードバックを行い、達人(柔道、空手、ムエタイや、サッカー、野球、卓球等)の体の動きを身につけることができる。
また、高精度に小脳の活動を計測しつつ、脳機能計測システム1は、高空間分解能・高時間分解能の電気刺激装置・磁気刺激装置を用いて小脳を刺激することで、運動パターンを小脳に記憶させ、被検者に達人の体の動きを身につけることができる。
また、高精度に前頭葉・側頭葉の活動を計測しつつ、脳機能計測システム1は、高空間分解能・高時間分解能の電気刺激装置・磁気刺激装置を用いて前頭葉を動的に刺激することで被検者に見たい夢を見ることができる。
また、脳機能計測システム1を利用して、被検者は、TMEニューロフィードバックにより瞑想の達人になることができる。
また、脳機能計測システム1は、いわゆるその道で活躍している人(一流のプロ野球選手、一流のバイオリニスト等)の脳活動をTMEで計測し、それと同じ脳活動になるようにニューロフィードバックするサービスが可能となる。
また、脳機能計測システム1は、考えていることを可視化する帽子、相手の考えていることが分かるメガネ等に応用することもできる。
(31)疲労度の検知としての機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、眠気、血糖値、脳活動に関する情報から疲労度を検知することができる。
(32)ライブやコンサート等の、観客の盛り上がり具合の検知としての機能を備えてもよい。この場合、劇場等に脳機能計測システム1を設置して、座席で具合が悪くなった観客の検知等、リアルタイム観客情報取得することができる。また、椅子にTMEを設置して、喜び具合を測ることもできる。また、自分の椅子にTME、前の椅子に磁石3等を設置することで可能となる。
(33)車椅子とTMEの組み合わせ機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム車椅子にTMEの機能を備えることで、TMEで車椅子の操作、又はTMEで体調管理をすることができる。
なお、これらの機能は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に関する機能であれば、いかなる機能であっても本発明の範囲に含まれるものである。
以上のように、本発明の一実施形態に係る脳機能計測システム1は、上述の応用例を含む様々な応用が期待される。更に言えば、上述の実施形態におけるアプリケーション部34は、上述の診断部51及びアドバイス生成部52に限らず、これらの応用例に合わせて、様々な機能を備えていてもよい。
また例えば、上述の実施形態において特に言及していないが、脳機能計測システム1は、磁石3や磁気センサ4に対して、電力を供給する電力供給手段を備えていてもよい。
具体的に例えば、脳機能計測システム1は、以下のような電力供給手段を備えていてもよい。
(1)無線給電により電力を供給する。この場合、脳機能計測システム1は、Wi−fi(Wireless Fidelity)(登録商標)電波を使ったり、RFID(Radio Frequency Identifier)を使う等、世の中にある無線給電の技術を使うことで外部から磁石3や磁気センサ4に電力を供給させて継続的に動作するデバイスにすることができる。
(2)太陽電池を用いて磁石3や磁気センサ4等に電力を供給する。この場合、脳機能計測システム1は、太陽電池により、磁石3や磁気センサ4に電力を供給させて継続的に動作するデバイスにすることができる。
(3)体動による発電により磁石3や磁気センサ4等に電力を供給する。この場合、脳機能計測システム1は、エナジーハーベスティングの技術を使い、被検者の体温や体の動きから発電をして、磁石3や磁気センサ4に電力を供給することができる。また、被検者以外から、即ち、光・熱(温度差)・振動・電波等、様々な形態で環境中に存在するエネルギーを電力に変換して、脳機能計測システム1は、磁石3や磁気センサ4に電力を供給することもできる。
なお、これらの電力の供給方法は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に際して、電力を供給する方法であれば、いかなる方法であっても本発明の範囲に含まれるものである。
また例えば、上述の実施形態において、磁石3から磁束を発生させ、磁気センサ4が検知する、という説明を行ったが、特にこれに限定されない。
具体的に例えば、磁石3からの磁束だけでなく、以下のような近赤外光等の光源も使用する計測方法を備えていてもよい。
(1)特願2008−257509に記載されている、OEG(Opto−Encephalography)との組み合わせによる計測方法を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1は、磁石3だけではなく、近赤外光の光源も一緒に使うことで、TMEとOEGの両方の計測を可能とする。これにより、磁石3の位置にかかわらず、LED(Light Emitting Diode)と磁石3を同じ位置に使う方法を使用することができる。
また、OEGの場合は、光で直進するので脳の活動部位を特定がしやすい。TMEの場合は、3軸の情報が取得できるため、OEGとTMEを組み合わせることで、特定した部位の活動を3軸で分析するという方法が可能となる。
なお、これらの磁束の発生、検知の方法は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に際して、磁石3から磁束を発生させ、磁気センサ4が検知する方法であれば、いかなる方法であっても本発明の範囲に含まれるものである。なお、OEGは、口腔内にLEDを入れて頭皮上の光センサで透過光を測定する技術をいう。
また例えば、上述の実施形態において、脳機能計測システム1は、磁石3、磁気センサ4及び制御部5を備えているが、特にこれに限定されない。
具体的に例えば、脳機能計測システム1は、磁石3、磁気センサ4及び制御部5だけでなく、以下のような装置と組み合わせてもよい。
(1)他の装置による計測方法を備えることができる。この場合、例えば、脳機能計測システム1は、1mT(ミリテスラ)等の磁束密度は低いが全頭に均一に磁界をかけられるMRI装置と組み合わせることで、脳機能計測システム1は、MRI構造画像、fMRI機能画像、TME機能画像を同時に計測する。
また、脳機能計測システム1は、ECoG(Electrocorticography)や脳深部神経活動計測電極(DBS(Deep Brain Stimulation)の刺激せず計測する版)とTMEを同時計測し、TMEの信号発生機序を明らかにすることもできる。
なお、これらの他の装置との組み合わせの方法は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に際して、他の装置との組み合わせの方法であれば、いかなる方法であっても本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る脳機能計測システム1は、磁場の情報を用いて脳機能を計測する新たな手法であり、上述の実施形態の例に限らず様々な応用が可能である。具体的に例えば、脳機能計測システム1を利用した他の装置、機能との組み合わせについて、以下のような応用が想定される。
(1)TMEを使ったBMIで、体外の物体をコントロールする仕組みに関する機能を備えてもよい。
(2)アルツハイマーやMCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)の診断機能を備えてもよい。
(3)運動野を強化するニューロフィードバックに関する機能を備えてもよい。
(4)ソフトウェアによるノイズ除去に関する機能を備えてもよい。
(5)ソフトウェアによる3次元解析に関する機能を備えてもよい。
(6)複数人を同時に測る機能に関する機能を備えてもよい。
(7)アルツハイマーやコグニティブ能力を測る際の視覚刺激も合わせた機能に関する機能を備えてもよい。
(8)鼻の中に液体を入れてその中に磁性体(例えば、磁石3)が入っているため、TMEによる計測を行う機能を備えてもよい。
(9)ゲノム解析とTMEと組み合わせることによる精度の高い精神疾患判定が可能となるに関する機能を備えてもよい。
(10)ゲノム解析とTMEと組み合わせることによる、Epigeneticな環境要因の判定ができる精神疾患鑑定に関する機能を備えてもよい。
(11)体重計とTMEの組み合わせによる機能を備えてもよい。
(12)血圧計とTMEの組み合わせによる機能を備えてもよい。
(13)ウェアラブルデバイス等を利用して脳機能の計測機能、及びTMEの組み合わせによる機能を備えてもよい。
(14)TMEとNIRSによる組み合わせによる機能を備えてもよい。
(15)TMEと脳表面温度等に関する機能を備えてもよい。
(16)帽子等に脳機能計測システム1を設置してTME機能を備えてもよい。
(17)寝不足が測れて事故防止になる機能を備えてもよい。
(18)アルツハイマーによる外側嗅内皮質の脳血液量が低下する。その症状をTMEで計測する機能を備えてもよい。
(19)緩和ケア、安らぎが来るTMEニューロフィードバックに関する機能を備えてもよい。
(20)睡眠時間が推定できるTMEアプリケーションに関する機能を備えてもよい。
(21)運動野可視化リハビリに関する機能を備えてもよい。この場合、時間分解能の高さを生かして、運動野そのものをマッピングしてリアルタイムに可視化したものを見ながら行うリハビリに関する機能を備えてもよい。
(22)運動野可視化リハビリに関する機能を備えてもよい。この場合、脳機能計測システム1の時間分解能の高さを生かして、運動野そのものをマッピングしてリアルタイムに可視化したものを見ながら行う、スポーツ選手用の運動トレーニングを行うことができる。
(23)「体性感覚誘発電位検査」としての装置としての機能を備えてもよい。脊髄以外の診断等、脊髄も含めた診断を行うことができる。
(24)脳機能計測システム1をてんかん発作予測器としての機能を備えてもよい。
(25)脳機能計測システム1は、記憶力向上の機能を備えてもよい。
(26)脳機能計測システム1は、創造力向上の機能を備えてもよい。
(27)脳機能計測システム1は、指標作成の機能を備えてもよい。この場合、例えば、BMIのように、大リーグやNBAの選手の能力を測る際にTME指標も語られるようになる。
(28)多数の脳機能計測システム1が設けられた施設の提供(多数の被検者を脳機能計測システム1を用いて脳機能の計測を同時に行うことができる施設の提供)を行ってもよい。
(29)脳機能計測システム1は、猿等の動物用TMEとしての機能を備えてもよい。
(30)脳機能計測システム1は、乳児用TMEとしての機能を備えてもよい。
(31)脳機能計測システム1は、TMEが弱い磁場信号(磁場情報)しか取れないとしても、強い磁場信号(磁場情報)を探して強い磁場信号(磁場情報)でニューロフィードバックすることができる機能を備えてもよい。
(32)脳機能計測システム1は、MMN(Mismatch Negativity)のTME版をMMNと同じタスクで探して、そのシグナルを使ったニューロフィードバックとしての機能を備えてもよい。
なお、これらの機能は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に関する機能であれば、いかなる方法であっても本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る脳機能計測システム1は、磁場の情報を用いて脳機能を計測する新たな手法であり、上述の実施形態の例に限らず様々な応用が可能である。具体的に例えば、脳機能計測システム1の利便性に関して、以下のような応用が想定される。
(1)薄膜型の磁石3を作成し、磁石3を被検者の口蓋に貼りつけることができる。
(2)脳機能計測システム1又は操作端末等の操作により、磁石3から発生する持続密度の大きさをリモート制御することができる。
(3)磁束密度を制御することで、磁束自体に情報を載せることができ、外界から来たノイズとの区別が容易になる。
(4)磁石3含んだナノカプセルを脳脊髄液に入れることで、脳の中に磁石3を設置させることができる。これにより、脳機能計測システム1は、脳全体の磁場情報を読み取りやすくすることができる。
(5)磁界技術として、侵襲的な手法を利用して、例えば、手術等の外科技術を利用して、更にTME技術と組み合わせて脳機能の計測の精度をあげることができる。
(6)光技術として、侵襲的な手法を利用して、例えば、手術等の外科技術を利用して、上述のOEGの技術とTME技術と組み合わせて精度をあげることができる。
(8)脳の中に埋めこんだ磁石3を使用時と不使用時で、磁場の発生をOn/Offにすることができる。
なお、これらの機能は、あくまで例示に過ぎず限定されない。脳機能の計測に関する機能であれば、いかなる方法であっても本発明の範囲に含まれるものである。
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図3に特に限定されず、任意でよい。例えば、デバイスの機能ブロックをコンピュータ等に移譲させてもよい。逆にコンピュータの機能ブロックをデバイス等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システムは、
磁気の発生に用いられる磁気発生部(例えば図1の磁石3)と、
前記磁気発生部によって発生された磁気を検知する磁気検知手段(例えば図1の磁気センサ4)を有する情報処理装置(例えば図1の脳機能計測システム1)と、
を備えた脳機能計測システムであって、
前記磁気検知手段は、前記磁気発生部により発生され、脳内を通過した磁束を示す磁気信号を検知する。
これにより、脳内部の深い位置の脳機能を高精度に計測することができ、被験者に不快感を与えることなく計測作業を容易に行い、角膜への影響も無く脳活動を計測でき、脳の機能局在の解析も可能である。また、高価な受光器も必要なく、安価な小型の磁気センサの使用も可能となる。
また、前記磁気発生部はネオジウム磁石である。
これにより、ネオジウム磁石は、磁束密度が高く、小型化が可能な永久磁石であるため、角膜への影響も無く脳活動を容易に計測できる。
また、前記磁気検知手段は頭部に複数設けられた磁気センサである。
これにより、磁気センサ4は、脳機能計測に必要な個数を用いて脳活動を計測することができる。
また、前記磁気検知装置は前記頭皮に複数設けられた三次元磁気センサである。
これにより、磁気センサ4は、3軸方向の磁界を検出することができ、高精度な脳活動部位の推定が可能となる。
また、前記磁気発生装置は口腔内に設けられている。
これにより、磁石3は、磁気センサ4との距離が短く、脳内部の深い位置の脳機能を高精度に計測することができ、ユーザは、角膜への影響も無く脳活動を容易に計測できる。
また、前記磁気発生部は鼻腔内に設けられている。
これにより、磁石3は、磁気センサ4との距離が短く、脳内部の深い位置の脳機能を高精度に計測することができ、ユーザは、角膜への影響も無く脳活動を容易に計測できる。
1・・・脳機能計測システム、2・・・脳底部、3A、3B、3C・・・磁石、4・・・磁気センサ、5・・・制御部、6・・・脳、7・・・頭皮、8・・・A/Dコンバータ、9・・・サーバ、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、16・・・出力部、31・・・キャリブレーション部、32・・・磁場情報取得部、33・・・解析部、34・・・アプリケーション部、35・・・刺激情報制御部、36・・・送信制御部、51・・・診断部、52・・・アドバイス生成部、100・・・解析情報DB、110・・・診断情報DB、120・・・被検者情報DB

Claims (1)

  1. 磁気の発生に用いられる磁気発生部と、
    前記磁気発生部によって発生された磁気を検知する磁気検知手段を有する情報処理装置と、
    を備えた脳機能計測システムであって、
    前記磁気検知手段は、前記磁気発生部により発生され、脳内を通過した磁束を示す磁気信号を検知する、
    脳機能計測システム。
JP2018139482A 2018-07-25 2018-07-25 脳機能計測システム Pending JP2020014664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018139482A JP2020014664A (ja) 2018-07-25 2018-07-25 脳機能計測システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018139482A JP2020014664A (ja) 2018-07-25 2018-07-25 脳機能計測システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020014664A true JP2020014664A (ja) 2020-01-30

Family

ID=69579643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018139482A Pending JP2020014664A (ja) 2018-07-25 2018-07-25 脳機能計測システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020014664A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240042198A1 (en) Multifunctional closed loop neuro feedback stimulating device and methods thereof
US20220168567A1 (en) Transcranial stimulation device and method based on electrophysiological testing
US8942813B1 (en) Transcranial stimulation device and method based on electrophysiological testing
US10959640B2 (en) Apparatus and method for supporting brain function enhancement
US8380316B2 (en) Transcranial stimulation device and method based on electrophysiological testing
Karunakaran et al. NIRS measures in pain and analgesia: fundamentals, features, and function
US20130281759A1 (en) Transcranial stimulation device and method based on electrophysiological testing
US11543879B2 (en) System for communicating sensory information with an interactive system and methods thereof
JP2016517325A (ja) 多面的生理的刺激を行うシステムおよびシグネチャ、および脳の健康評価
US20230233121A1 (en) A method and system for measuring a level of anxiety
US20230293100A1 (en) A method and system for monitoring a level of pain
WO2022034205A1 (en) A method and system for measurement of a level of anxiety combined with and/or correlated with a level of a modified state of consciousness and/or a level of pain
JP2020014664A (ja) 脳機能計測システム
CA3129651A1 (en) A method and system for monitoring a level of non-pharmacologically-induced modified state of consciousness
Headset Towards Multimodal Neuroimaging
EP3918986A1 (en) A method and system for monitoring a level of modified consciousness and a level of pain
WO2024050650A1 (es) Sistema para diagnóstico y gestión de ansiedad o dolor
Lambrechts Investigating the frontal cortex of the brain of a young and apparently healthy population during human locomotion, with a cognitive load-An EEG study.
Verma EEG Acquisition during the VR Administration of Resting State, Attention, and Image Recognition Tasks: A Feasibility Study Preliminary Technical Report for
Khatua Comparison of Coriolis Time Interval with Slow Phase Velocity of Nystagmus by ENG
Attia et al. Neurological and Vestibular evaluation of dizzy children

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20181212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181212