前述されたように、本説明は、着用型自動除細動器(WCD)システム、命令を記憶する媒体、および方法に関する。ここで、実施形態がより詳細に説明される。
実施形態に従って作製された着用型自動除細動器(WCD)システムは、複数の構成要素を有する。これらの構成要素は、相互接続され得るモジュールとして、または他の構成要素等と組み合わされ得るモジュールとして、別個に提供され得る。
図1は、患者82を図示する。患者82は、この患者がWCDシステムの構成要素を着用しているので、人物および/または着用者とも称されてもよい。患者82は歩行可能であり、これは、患者82が歩き回ることができ、必ずしも寝たきりとは限らないことを意味する。
図1は、実施形態に従って作製されたWCDシステムの構成要素も図示する。1つのそのような構成要素は、患者82によって着用型自動支持構造170である。支持構造170は、図1において一般的に示されているに過ぎないこと、および、実際に、部分的に概念的に示されていることが理解されるであろう。図1は、単に支持構造170に関する概念を例示するために提供されており、どのように支持構造170が実装されるか、または、どのように支持構造170が着用されるかを限定するものとして解釈されるべきではない。
支持構造170は、多くの異なる手法で実装され得る。例えば、支持構造170は、単一の構成要素または複数の構成要素の組み合わせにおいて実装され得る。実施形態において、支持構造170は、ベスト、ハーフ・ベスト、衣服等を含んでもよい。そのような実施形態において、そのようなアイテムは、衣類と同等の物と同様に着用され得る。実施形態において、支持構造170は、ハーネス、1つまたは複数のベルトまたはストラップ等を含んでもよい。そのような実施形態において、そのようなアイテムは、患者によって、胴の周り、腰、肩の上等で着用され得る。実施形態において、支持構造170は、容器または筐体を含むことができ、それは防水とすることさえできる。そのような実施形態において、支持構造は、例えば、米国特許第8,024,037号において示されるように、接着材料によって患者へ取り付けられることによって着用され得る。支持構造170は、米国特許出願公開第2017/0056682号の支持構造について説明されているように実装されることさえ可能であり、この米国特許出願は、参照によって本明細書に組み込まれる。当然ながら、そのような実施形態において、当業者は、例えば、米国特許出願公開第2017/0056682号の文書において説明されるように、WCDシステムの付加的な構成要素が、支持構造へ外部的に取り付けられている代わりに、支持構造の筐体内に存在してもよいことを認識するであろう。他の例が存在してもよい。
実施形態に係るWCDシステムは、1つまたは複数のパルスで伝えられる電気ショックの形式で電荷を患者の身体に伝えることにより、WCDシステムを着用している患者を除細動するように構成される。図1は、サンプル体外除細動器100と、サンプル除細動電極104、108とを示し、サンプル除細動電極104、108は、電極リード105を介して体外除細動器100に結合される。除細動器100および除細動電極104、108は、支持構造170に結合され得る。したがって、このように、除細動器100の構成要素のうちの多くが、支持構造170に結合されてもよい。除細動電極104、108が、患者82の身体と良好に電気接触を行う場合、除細動器100は、電極104、108を介して、身体全体に短く強い電気パルス111を与えることができる。パルス111は、ショック、除細動ショック、治療および治療ショックとしても知られている。パルス111は、患者82の命を救うために、心臓85を通過し、心臓85を再始動させることを意図される。パルス111は、1つまたは複数のペーシングパルスなどをさらに含むことができる。
先行技術の除細動器は、典型的には、患者のECG信号に基づいて、除細動するべきか否かを決定する。しかしながら、体外除細動器100は、多種多様な入力に基づいて除細動を開始する(または除細動を控える)ことができ、ECGは、それらのうちの1つに過ぎない。
したがって、生理的データを含有する生理的信号などの信号は、患者82から取得され得ることが認識されるであろう。患者は、WCDシステムの「ユーザ」としても考慮され得るが、これは必須要件ではない。つまり、例えば、着用型自動除細動器(WCD)のユーザは、臨床医、例えば医師、看護士、救急救命士(EMT:emergency medical technician)、または他の同様の立場の個人(もしくは個人のグループ)を含んでもよい。この説明内でのこれら用語および他の関連する用語の特定の文脈は、適宜解釈されるべきである。
WCDシステムは、外部監視デバイス180を任意で含んでもよい。デバイス180は、例えば、除細動器100の筐体内ではない、スタンドアロンのデバイスとして提供され得ることが理由で、「外部」デバイスと呼ばれる。デバイス180は、少なくとも1つのローカル・パラメータを感知し、または監視するように構成されることができる。ローカル・パラメータは、この文書において後述されるように、患者82のパラメータ、またはWCDシステムのパラメータ、または環境のパラメータとすることができる。デバイス180は、それらが感知する1つまたは複数の患者パラメータからの1つまたは複数の生理的入力または信号をレンダリングするように構成される、1つまたは複数のトランスデューサまたはセンサを含んでもよい。
任意で、デバイス180は、支持構造170に対して物理的に結合される。また、デバイス180は、他の構成要素と通信可能に結合されることができ、他の構成要素は、支持構造170に対して結合される。そのような通信は、この説明を考慮して当業者によって適用可能であると考えられるように、通信モジュールによって実装されることができる。
図2は、実施形態に従って作製された体外除細動器200の構成要素を示す図である。これらの構成要素は、例えば、図1の体外除細動器100に含まれることができる。図2に示される構成要素は、筐体201において提供されることができ、筐体201は、ケーシング201とも称され得る。
体外除細動器200は、図1の患者82などの、体外除細動器200を着用しているであろう患者を対象とする。除細動器200は、ユーザ282のためのユーザ・インターフェース280をさらに含み得る。ユーザ282は、着用者82としても知られている患者82とすることができる。または、ユーザ282は、現場における近くの救助者、例えば、援助を申し出る可能性がある居合わせた人など、または訓練された人物とすることができる。または、ユーザ282は、WCDシステムと通信する遠隔に位置する訓練された介護者であってもよい。
ユーザ・インターフェース280は、多くの手法で作製されることができる。ユーザ・インターフェース280は、画像、音声または振動を出力することによってユーザと通信するための出力デバイスを含むことができ、出力デバイスは、視覚式、可聴式、または触覚式とすることができる。画像、音声、振動、およびユーザ282によって知覚されることができるいかなるものも、人間が知覚可能な標識と呼ばれ得る。出力デバイスの多くの例が存在する。例えば、出力デバイスは、光とすることができ、または感知され、検出され、および/もしくは測定されたものを表示する画面とすることができ、救助者282に対して彼らの蘇生の試みのための視覚的フィードバックなどを提供することができる。別の出力デバイスは、スピーカとすることができ、スピーカは、居合わせた人等に警告するための音声プロンプト、ビープ音、大きなアラーム音声および/または言葉を出すように構成されることができる。
ユーザ・インターフェース280は、ユーザからの入力を受け取るための入力デバイスをさらに含んでもよい。そのような入力デバイスは、様々な制御部、例えば、プッシュボタン、キーボード、タッチスクリーン、1つまたは複数のマイクロフォン等などを付加的に含んでもよい。入力デバイスは、キャンセル・スイッチとすることができ、キャンセル・スイッチは、「私は生きています」スイッチまたは「生存者」スイッチと呼ばれることもある。いくつかの実施形態において、キャンセル・スイッチを作動させることは、ショックの切迫した伝達を防止することができる。
除細動器200は、内部監視デバイス281を含み得る。デバイス281は、筐体201内に組み込まれるので、「内部」デバイスと呼ばれる。監視デバイス281は、患者パラメータ、例えば、患者の生理的パラメータ、システム・パラメータおよび/または環境パラメータなどを感知し、または監視することができ、これらのすべてが、患者データと呼ばれ得る。言い換えれば、内部監視デバイス281は、図1の外部監視デバイス180を補完し、またはその代わりになり得る。パラメータのうちのどれが、どの監視デバイス180、281によって監視されるべきかを割り当てることは、設計上の検討事項に従って行われることができる。デバイス281は、デバイス281が感知する1つまたは複数の患者パラメータからの1つまたは複数の生理的入力をレンダリングするように構成される、1つまたは複数のトランスデューサまたはセンサを含んでもよい。
患者パラメータは、患者の生理的パラメータを含んでもよい。患者の生理的パラメータは、例えば、着用型自動除細動システムによって、患者がショックを必要としているかどうかと、加えて、任意で、患者の病歴および/またはイベント履歴とを検出する際に助けとなり得るような生理的パラメータを含んでもよく、これらに限定されない。そのようなパラメータの例は、患者のECG、血液酸素レベル、血流、血圧、血液灌流、灌流組織の光透過特性または光反射特性における脈動変化、心音、心臓壁運動、呼吸音および脈拍を含む。したがって、監視デバイス180、281は、患者の生理的信号を獲得するように構成された、1つまたは複数のセンサを含んでもよい。そのようなセンサまたはトランスデューサの例は、ECGデータを検出するための電極、灌流センサ、パルスオキシメータ、血流を検出するためのデバイス(例えば、ドップラー・デバイス)、血圧を検出するためのセンサ(例えば、カフ)、光センサ、組織における色変化を検出するためにおそらく光源と共に作動する照明検出器およびセンサ、運動センサ、心臓壁の動きを検出することができるデバイス、音センサ、マイクロフォンを有するデバイス、SpO2センサ等を含む。本開示を考慮すれば、そのようなセンサは、患者の脈拍を検出するのに役立つことができ、したがって、脈拍検出センサ、パルスセンサ、および脈拍数センサとも呼ばれ得ることが認識されるであろう。脈拍検出は、少なくともPhysio−Controlの米国特許第8,135,462号においても教示されており、この米国特許は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。また、当業者は、脈拍検出を行う他の手法を実装してもよい。そのような場合には、トランスデューサが適当なセンサを含み、生理的入力は、その患者パラメータのセンサによる測定値である。例えば、心音用の適当なセンサは、マイクロフォン等を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、ローカル・パラメータは、患者282の監視された生理的パラメータにおいて検出されることができる傾向である。傾向は、異なる時におけるパラメータの値を比較することによって検出されることができる。その検出された傾向が心臓リハビリテーション・プログラムに特に役立つパラメータは、a)心臓機能(例えば、駆出率、1回拍出量、心拍出量等)、b)休息時または運動中の心拍変動、c)加速度計信号のプロフィールから得られ、適応レート・ペースメーカ技術から通知されるような、運動中の心拍数プロフィールおよび活動の激しさの測定値、d)心拍数の傾向、e)SpO2またはCO2などからの灌流、f)呼吸機能、呼吸数等、g)運動、活動水準等を含む。いったん傾向が検出されると、その傾向は、記憶され、および/または、おそらくは警告と共に、通信リンクを介して報告されることができる。この報告から、患者282の経過を監視している医師は、改善していない状態または悪化している状態について知るであろう。
患者状態パラメータは、患者282の記録された態様、例えば、運動、姿勢、患者が最近話したかどうか、加えて、おそらくは、患者が何を言ったか等も、加えて、任意で、これらのパラメータの履歴などを含む。または、これらの監視デバイスのうちの1つは、位置センサ、例えば、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)位置センサなどを含んでもよい。そのようなセンサは、位置を検出することができ、加えて、速度が、経時的な位置の変化率として検出されることができる。多くの運動検出器は、検出器の運動、したがって、患者の身体の運動を示す運動信号を出力する。患者状態パラメータは、SCAが実際に起きているかどうかの決定を絞り込む際に非常に役立ち得る。
実施形態に従って作製されたWCDシステムは、運動検出器を含んでもよい。実施形態において、運動検出器は、監視デバイス180内または監視デバイス281内に実装されることができる。そのような運動検出器は、本技術において知られているように多くの手法で作製されることができ、例えば、加速度計を使用することによって作製されることができる。この例において、運動検出器287は、監視デバイス281内に実装される。
実施形態に係るWCDシステムの運動検出器は、運動イベントを検出するように構成され得る。これに応じて、運動検出器は、検出された運動イベントまたは運動から、後続のデバイスまたは機能性によって受け取られ得る運動検出入力をレンダリングし、または生成してもよい。運動イベントは、都合よく定義されることができ、例えば、基準運動または休息からの運動における変化等として定義されることができる。そのような場合には、感知される患者パラメータは運動である。
WCDシステムのシステム・パラメータは、システム識別、バッテリ・ステータス、システム日付および時刻、セルフテストの報告、入力されたデータの記録、発症の記録および治療介入等を含むことができる。
環境パラメータは、周囲温度と圧力とを含むことができる。さらに、湿度センサは、雨が降りそうかどうかに関する情報を提供し得る。推定された患者位置も、環境パラメータと考慮されてもよい。監視デバイス180または281が、上記のようなGPS位置センサを含み、かつ、患者がWCDシステムを着用していると推定される場合、患者位置が推定され得る。
除細動器200は、典型的には、除細動ポート210、例えば、筐体201内のソケットなどを含む。除細動ポート210は、電気ノード214、218を含む。除細動電極204、208のリード、例えば、図1のリード105などは、ノード214、218とそれぞれ電気接触を行うように除細動ポート210へ差し込まれることができる。代わりに、除細動電極204、208が、除細動ポート210へ連続的に接続されることも可能である。いずれにしても、除細動ポート210は、この文書において後でより完全に説明されるエネルギー蓄積モジュール250に蓄積された電荷を、電極を介して、着用者へ案内するために使用されることができる。電荷は、除細動、ペーシング等のためのショックとなるであろう。
除細動器200は、任意で、センサ・ポート219も筐体201において有してもよく、センサ・ポート219は、ECGポートとしても知られていることがある。センサ・ポート219は、感知電極209を差し込むために適合されることができ、感知電極209は、ECG電極およびECGリードとしても知られている。代わりに、感知電極209がセンサ・ポート219へ連続的に接続され得ることも可能である。感知電極209は、特に、感知電極209が患者の身体と、具体的には患者の皮膚と良好な電気接触を行う場合に、ECG信号、例えば12リード信号、または異なる数のリードからの信号を感知するのに役立つことができるタイプのトランスデューサである。感知電極209は、除細動電極204、208と同様に、患者と良好な電気接触を行うために支持構造170の内部へ取り付けられることができる。
任意で、実施形態に係るWCDシステムは、電極と患者の皮膚との間にWCDシステムが自動的に配置することができる流体も含む。この流体は、電極と皮膚との間のより良好な電気接触を確立するために、電解質を含むことなどによって、導電性とすることができる。電気的な観点からは、流体が配置された場合、電極と皮膚との間の電気インピーダンスが低減される。機械的な観点からは、流体は、この流体が配置された後に流体が電極から流出しないように、低粘度ゲルの形態であってもよい。流体は、除細動電極204、208と感知電極209との両方に対して使用されることができる。
流体は、図2に図示されない流体容器に最初に蓄積されてもよく、流体容器は、支持構造に対して結合されることができる。また、実施形態に係るWCDシステムは、流体配置機構274をさらに含む。流体配置機構274は、流体の少なくとも一部が容器から放出され、電極が患者に対して取り付けられるように構成される、患者の位置の一方または両方の近くに配置されるように構成されることができる。いくつかの実施形態において、流体配置機構274は、この文書において後でより完全に説明されるプロセッサ230からの起動信号ASを受け取ることに応じた放電に先立って、起動される。
WCDシステムの意図は、必要なときにショックを与え、必要でないときにはショックを与えないことである。ECG信号は、ショック/非ショックの決定を行うための十分なデータを提供し得る。問題は、任意の所与の時点において、これらのECG信号のうちのいくつかが雑音を含み得る一方で、他のものは雑音を含まないことである。雑音は、患者の動き、電極が皮膚とどのくらい十分に接触するかなどに起因し得る。発明者は、WCDシステムのいくつかのタイプのECG雑音が高周波(H−F:High−Frequency)雑音として分類され得る一方で、他のタイプのそのようなECG雑音が高振幅(H−A:High−Amplitude)雑音として分類され得ることを識別した。WCDについての雑音問題は、乾燥した、非接着性の監視電極を使用したいという望みによってさらに悪化することがある。乾燥した、非接着性の電極は、患者が長期にわたり着用するのにより快適であると考えられるが、電極を適所に保持するための接着剤と、電極/皮膚インターフェースのインピーダンスを低減するための電解質ゲルとを含む従来のECG監視電極よりも、多くの雑音を生み出し得る。
除細動器200は、そのセンサまたはトランスデューサの1つまたは複数として、測定回路220も含む。測定回路220は、もし提供される場合には、センサ・ポート219から患者の1つまたは複数の電気生理的信号を感知する。たとえ除細動器200がセンサ・ポート219を欠くとしても、除細動電極204、208が患者に対して取り付けられている場合、測定回路220は、任意で、代わりにノード214、218を通じて生理的信号を取得し得る。これらのケースにおいて、生理的入力は、ECG測定値を反映する。患者パラメータはECGであってもよく、ECGは、電極204と電極208と間の電圧差として感知され得る。また、患者パラメータはインピーダンスであってもよく、インピーダンスは、電極204と電極208との間および/またはセンサ・ポート219の接続部間で感知され得る。インピーダンスを感知することは、とりわけ、これらの電極204、208および/または感知電極209が患者の身体と良好な電気接触を行っているかどうかを検出するために有益となり得る。これらの患者の生理的信号は、利用可能な場合には、感知され得る。次いで、測定回路220は、生理的信号についての情報を生理的入力、データ、他の信号等としてレンダリングし、または生成することができる。より厳密に言えば、測定回路220によってレンダリングされた情報は、測定回路220から出力されるが、この情報は、後続のデバイスまたは機能性によって入力として受け取られるので、入力と呼ばれ得る。
除細動器200は、プロセッサ230も含む。プロセッサ230は、多くの手法で実装され得る。そのような手法は、限定ではなく、例として、デジタル・プロセッサおよび/またはアナログ・プロセッサ、例えば、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサ(DSP)など、コントローラ、例えば、マイクロコントローラなど、マシンにおいて実行されるソフトウェア、プログラマブル回路、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、フィールド・プログラマブル・アナログ・アレイ(FPAA)、プログラマブル論理デバイス(PLD:Programmable Logic Device)など、特定用途向け集積回路(ASIC)、これらのうちの1つまたは複数の任意の組み合わせ等を含む。
プロセッサ230は、この文書において後でより完全に説明されるメモリ238などの非一時的な記憶媒体を含んでもよく、または非一時的な記憶媒体にアクセスすることができてもよい。そのようなメモリは、機械読取可能な命令および機械実行可能な命令の記憶のための不揮発性構成要素を有することができる。そのような命令のセットも、プログラムと呼ばれ得る。「ソフトウェア」とも称される命令は、一般に、本明細書において開示され得るような方法、または開示される実施形態を考慮して当業者によって理解され得るような方法を行うことによって、機能性を提供する。いくつかの実施形態において、および本明細書において使用される慣例事項として、ソフトウェアのインスタンスは、「モジュール」および他の同様の用語で称されることがある。一般に、モジュールは、特定の機能性を提示し、または実現するように、命令のセットを含む。モジュールおよび供給される機能性の実施形態は、この文書において説明される実施形態によって限定されない。プロセッサ230は、機能のうちでも特に、フラグを設定し、フラグを解除等し得る。
プロセッサ230は、多くのモジュールを有すると考慮されることができる。1つのそのようなモジュールは、検出モジュール232とすることができる。検出モジュール232は、心室細動(VF:Ventricular Fibrillation)検出器を含むことができる。生理的入力、データ、または他の信号として利用可能となり得る、測定回路220からの患者の感知されたECGは、患者がVFを起こしているかどうかを決定するためにVF検出器によって使用され得る。VFは、典型的には、SCAをもたらすので、VFを検出することは有益である。検出モジュール232は、心室性頻脈(VT)検出器等も含むことができる。
プロセッサ230内の別のそのようなモジュールは、助言モジュール234であってもよく、助言モジュール234は、何を行うべきかについての助言を生成する。助言は、検出モジュール232の出力に基づき得る。実施形態に係る、多くのタイプの助言が存在し得る。いくつかの実施形態において、助言は、例えば、助言モジュール234を介してプロセッサ230が行うことができるショック/非ショックの決定である。ショック/非ショックの決定は、記憶されたショック勧告アルゴリズムを実行することによって行われることができる。ショック勧告アルゴリズムは、実施形態に従ってキャプチャされる1つまたは複数のECG信号からショック/非ショックの決定を行い、ショック基準が満たされたかどうかを決定することができる。この決定は、キャプチャされたECG信号のリズム分析またはその他のものから行われることができる。
いくつかの実施形態において、決定がショックを与えることである場合、電荷が患者へ伝えられる。電荷を伝えることは、放電としても知られている。ショックを与えることは、除細動、ペーシング等のためであり得る。
プロセッサ230は、他の機能のための追加モジュール、例えば、他のモジュール236などを含むことができる。また、内部監視デバイス281が実際に提供される場合、内部監視デバイス281は、プロセッサ230等によって部分的に動作させられ得る。
除細動器200は、任意で、メモリ238をさらに含み、メモリ238は、プロセッサ230と共に機能することができる。メモリ238は、多くの手法で実装され得る。そのような手法は、限定ではなく、例として、揮発性メモリ、不揮発性メモリ(NVM:Nonvolatile Memory)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、スマート・カード、フラッシュ・メモリ・デバイス、これらの任意の組み合わせ等を含む。したがって、メモリ238は、非一時的な記憶媒体である。メモリ238は、もし提供される場合には、プロセッサ230が読み出し、実行することが可能であり得る、プロセッサ230のためのプログラムを含むことができる。より詳細には、プログラムは、プロセッサ230が読み出した際に実行することが可能であり得るコードの形態で、命令のセットを含むことができる。実行は、物理量の物理的な操作によって行われ、機能、動作、プロセス、アクションおよび/もしくは方法が行われることをもたらし、ならびに/またはプロセッサが他のデバイスもしくは構成要素もしくはブロックに、そのような機能、動作、プロセス、アクション、および/もしくは方法を実行させることをもたらし得る。プログラムは、プロセッサ230の固有の必要のために動作可能であってもよく、助言モジュール234によって決定が行われ得るプロトコルおよび手法も含むことができる。また、ユーザが近くの救助者である場合、メモリ238は、このユーザ282のためのプロンプトを記憶することができる。さらに、メモリ238は、データを記憶することができる。このデータは、例えば、内部監視デバイス281および外部監視デバイス180によって学習されるような、患者データ、システム・データおよび環境データを含むことができる。データは、除細動器200から送信される前にメモリ238に記憶されることができ、または除細動器200によって受け取られた後に除細動器200に記憶されることができる。
除細動器200は、電源240も含み得る。除細動器200の可搬性を可能にするために、電源240は、典型的には、バッテリを含む。そのようなバッテリは、典型的には、バッテリ・パックとして実装され、バッテリ・パックは、再充電可能であっても、または再充電可能でなくてもよい。再充電可能なバッテリ・パックと再充電不可能なバッテリ・パックとの組み合わせが使用されることもある。電源240の他の実施形態は、AC電力が利用可能である場合にはAC電力オーバーライド、エネルギー蓄積コンデンサ等を含むことができる。いくつかの実施形態において、電源240は、プロセッサ230によって制御される。電源240の充電または置換を提供するために、適当な構成要素が含まれてもよい。
除細動器200は、エネルギー蓄積モジュール250を付加的に含んでもよい。エネルギー蓄積モジュール250は、WCDシステムの支持構造に対して、例えば、直接結合され、または電極およびそれらのリードを介して結合されることができる。モジュール250は、ショックを与えるための電荷の放電に向けて準備する場合に、いくらかの電気エネルギーが電荷の形態で一時的に蓄積され得る場所である。実施形態において、モジュール250は、プロセッサ230によって制御されながら、電源240から所望量のエネルギーまで充電されることができる。典型的な実装例において、モジュール250は、コンデンサ252を含み、コンデンサ252は、単一のコンデンサであっても、またはコンデンサのシステム等であってもよい。いくつかの実施形態において、エネルギー蓄積モジュール250は、ウルトラコンデンサなどの、高出力密度を示すデバイスを含む。上記で説明したように、コンデンサ252は、患者へ伝えるためのエネルギーを電荷の形態で蓄積することができる。
除細動器200は、放電回路255をさらに含む。決定がショックを与えることである場合、プロセッサ230は、エネルギー蓄積モジュール250に蓄積された電荷を患者を通じて放電するように放電回路255を制御するように構成されることができる。そのように制御される場合、回路255は、モジュール250に蓄積されたエネルギーがノード214、218へ、およびそこから除細動電極204、208へ放電されることを許容して、患者へ伝えられるべきショックを発生させることができる。回路255は、1つまたは複数のスイッチ257を含むことができる。スイッチ257は、多くの手法で、例えばHブリッジ等などによって、作製されることができる。回路255は、ユーザ・インターフェース280を介して制御されることもできる。
除細動器200は、任意で、他のエンティティ、例えば、遠隔支援センター、救急医療サービス(EMS:Emergency Medical Service)等の他のデバイスとの1つまたは複数の有線通信リンクまたは無線通信リンクを確立するための通信モジュール290を含むことができる。データは、患者データ、イベント情報、試みられた治療、CPRの実行、システム・データ、環境データ等を含むことができる。例えば、米国特許出願公開第2014/0043149号において説明されているように、例えば、通信モジュール290は、例えば日常的に、心拍数、呼吸数、および他の生命徴候データを、インターネット上でアクセス可能なサーバへ無線で送信してもよい。このデータは、患者の医師によって直接分析されることができ、進行中の病気を検出し、次いで、テキスト、電子メール、電話等を介して医療関係者に通知するように設計されたアルゴリズムによって自動的に分析されることもできる。モジュール290は、当業者によって必要であると考えられ得るようなそのような相互接続されたサブ構成要素、例えば、アンテナ、プロセッサの一部、サポート電子機器、電話用アウトレットまたはネットワーク・ケーブル等も含んでもよい。このようにして、データ、コマンド等が通信されることができる。
除細動器200は、任意で、他の構成要素を含むことができる。
ここで、実施形態に係る動作が、より詳細に説明される。図3は、WCDシステムの電極が患者のECG信号をどのように感知し、またはキャプチャし得るか、および、患者の心拍数および他の情報を得るために、これらの感知されたECG信号が、実施形態に従ってどのように使用され得るかを示す概念図である。2つの電極304および308は、図示されない患者の胴に取り付けられる。この時点で、電気雑音がECG信号へ導入され得ることが認識されるであろう。電極304および308の各々は、リード線305を有する。電極304および308は共に、単一のベクトルに沿って患者のECG信号を感知する。付加的なECG信号が、付加的なベクトルに沿って感知されてもよい。
図3は、測定回路320およびプロセッサ330も示しており、これらは、測定回路220およびプロセッサ230について説明されたように構成され得る。フィルタ325は、測定回路320および/またはプロセッサ330において任意で実装される。フィルタ325は、アナログ・フィルタ、デジタル・フィルタ等として実装されてもよい。フィルタ325は、いくつかのタイプのECG雑音を、そのECG雑音を抑制すること、この雑音を検出しやすくすること等によって、克服するのに役立ち得る。
プロセッサ330は、完全なECGリズム分析335を実行し得る。そのような分析335の結果、ショック/非ショックの決定等に達し得る。時には、分析335の先行として、プロセッサ330は、実施形態に従って心拍数333を計算してもよい。先行する計算の結果が、信頼基準を満たさない場合には、心拍数333の計算が繰り返され得る。したがって、心拍数333の計算は、例えば、ECG信号における雑音に対処するなどの付加的な予防措置と共に、同じ手法で、または異なる手法で繰り返され得る。さらに、完全なECGリズム分析335のために、QRS幅等などのさらに付加的なパラメータが計算されてもよい。
計算された心拍数333および分析335の結果は、付加的な手法においてさらに使用され得る。例えば、それらは、メモリ238に記憶され、後でメモリ238からダウンロードされ、通信モジュール290を介して無線で送信され、ユーザ・インターフェース280の画面によって表示され得る。
この文書において言及されたデバイスおよび/またはシステムは、機能、プロセスおよび/または方法を実行する。これらの機能、プロセスおよび/または方法は、論理回路を含む1つまたは複数のデバイスによって実装されてもよい。そのようなデバイスは、コンピュータなどと代替的に呼ばれ得る。それは、スタンド・アロンのデバイスもしくはコンピュータ、例えば、汎用コンピュータなど、または1つもしくは複数の付加的な機能を有するデバイスの一部であってもよい。論理回路は、この文書内のどこかで説明されたタイプの、プロセッサおよび非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体、例えばメモリなどを含んでもよい。多くの場合、便宜のためにのみ、プログラムを様々な相互接続された別個のソフトウェア・モジュールまたは特徴として実装し、説明することが好ましい。これらは、データと共に、個々におよび集合的にもソフトウェアとして知られている。いくつかの実例において、ソフトウェアは、ファームウェアと呼ばれる混合物において、ハードウェアと組み合わされる。
さらに、方法およびアルゴリズムが、下記に説明される。これらの方法およびアルゴリズムは、必ずしも任意の特定の論理デバイスまたは他の装置と本質的に関連付けられるとは限らない。むしろ、それらは、計算機械、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、この文書内のどこかで説明されたようなプロセッサなどによる使用のためにプログラムによって有利に実装される。
この詳細な説明は、少なくとも1つのコンピュータ読取可能な媒体内のプログラム動作のフローチャート、表示画像、アルゴリズムおよび象徴的表象を含む。プログラムと方法との両方を説明するために、単一のセットのフローチャートが使用されるという点において、簡潔さが達成される。したがって、フローチャートは、ボックスの観点から方法を説明したが、それらは、プログラムも同時に説明する。
ここで、方法が説明される。
図4は、実施形態に係る方法を説明するためのフローチャート400を示す。フローチャート400の動作は、第1のグループ401と第2のグループ402とに大きく分割され得る。第1のグループ401は、フラグ414の現在の状態に従って第2のグループ402から区別され、フラグ414は、雑音検出フラグ414とも呼ばれる。楕円内註釈415によれば、第1のグループ401における動作の場合、フラグ414は解除され、下げられた状態で示される。楕円内註釈465によれば、第2のグループ402における動作の場合、フラグ414は設定され、上げられた状態で示される。
フラグ414の現在値、すなわち、フラグ414の現在の状態が設定されているか又は解除されているかは、ソフトウェアにおいて維持されるパラメータの値、またはプロセッサ230の状態機械および/もしくは関連する構成要素によって表現されるパラメータの値等であり得る。フローチャート400の動作の実行が、グループ401と402との間で交互になるにつれて、フラグ414の現在値は、設定された状態と解除された状態との間で交互になり得ることが認識されるであろう。
ここで、フローチャート400の個々の動作が説明される。
WCDシステムは、その動作を動作410から開始し得る。動作410に従って、雑音検出フラグ414が解除されることができ、結果として楕円内註釈415の向きになる。フラグ414は、複数の理由で解除されてもよく、例えば、後で動作490から分かるように、感知されたECG信号が高振幅(H−A)静音基準を満たすことに応じて解除されてもよい。または、フラグ414は、例えば、動作480のように、フラグ414が設定されてから許容時間が経過した後に解除されてもよい。そのような適切な許容時間は、後で動作470および動作480の説明から分かるように、0.5分間、1分間、5分間、10分間、20分間等とすることができる。または、フラグ414は、後で動作495から分かるように、患者82に対して警報を出力することに応じて解除されてもよい。
別の動作425に従って、次のECG部分は、処理が行われている場所、例えば、プロセッサ230などにおいて受け取られ得る。サンプルECG部分519は、図5に示される。
図5は、時間軸558に対する、実施形態に係る複数の量のサンプル時間展開を示す。サンプルECG部分519は、ECG部分軸517に関して示される。それらのうち、2つのサンプルECG部分515、516が、後続の解説のために識別される。具体的には、電極によって連続的に感知され得るECG信号から開始して、感知されたECG信号のECG部分が定義され得る。そのようなECG部分は、複数の手法で定義され得る。例えば、各ECG部分は、プロセッサ230が一度に処理する、感知されたECG信号の一部とすることができる。1つのECG部分は、完全なECGリズム分析335を実行するのに十分なほど長くし得る。そのため、1つのECG部分は、いくつかのQRS複合を含み得る。または、1つのECG部分は、より短くてもよい。実際に、いくつかの実施形態において、ECG部分は、単純にECG信号において識別されたピークとすることができ、これは、QRS複合のRピークであり得る。ECG部分は、後の分析、繰り返し分析、差分分析等のためにメモリ238に記憶され得る。
ECG部分519の各々は、図5において一般的に描かれるように意図されているが、実際には、それらは、図5に示される波形と異なる波形を有し得る。より具体的な例は、この文書において後で示されるであろう。ECG信号が、図5において見られるまさにその外観を実際に有する実例では、そのECG信号がVT、またはVFすら示し得るが、それは図5について当てはまる必要がないことが認識されるであろう。また、ECG部分519は、図5において収縮された状態で描かれているが、もう少し拡張されたバージョンが図6において見られる。
図4に戻ると、別の動作430に従って、感知されたECG信号が高振幅(H−A)雑音基準を満たすか否かが決定され得る。これは複数の手法で実行されてもよい。いくつかの実施形態において、H−A雑音基準は、雑音条件を満たす最新のECG部分519のグループに応じて満たされる。そのようなグループは、任意の適切な数のECG部分519、例えば、グループ当たり1個から10個のECG部分519を有することができる。良い数は、1つのグループにつき5個のECG部分519を有することである。ECG部分519のそのようなサンプル・グループ化580は、図5に示される。
図4に再び戻ると、動作430において答えが「いいえ」である場合、別の動作435に従って、ショック基準が満たされるか否かが決定され得る。決定は、例えば動作335について説明されたように、感知されたECG信号から行われ得る。さらに、後でより詳細に説明されるように、いくつかの実施形態において、動作430のH−A雑音基準は、ECGセグメントが雑音条件を満たすか否かについてECGセグメントを分析することよって満たされてもよい。そのような実施形態において、H−A雑音基準が満たされない場合には、雑音条件を満たさないECG部分のみから、動作435についてショック基準が満たされるか否かが決定され得る。
動作435において答えが「いいえ」である場合、実行は、動作425などの、より初期の動作に戻り得る。動作430のH−A雑音基準が満たされておらず、かつ、患者が健康である限り、実行は、動作425、430、435を無限にループし続け得る。
動作435において答えが「はい」である場合、ショック動作411に従って、ショック111が患者82に与えられ得る。ショック動作411については、プロセッサ230は、ショック基準が満たされ、かつ、雑音検出フラグ414が解除されていることに応じて、患者82にショック111を伝えるように、支持構造170が患者82によって着用されている間に、エネルギー蓄積モジュール250に蓄積されている電荷を患者82を通じて放電するように放電回路255を制御し得る。当然ながら、ショック動作411が実行される前に、患者が予備警報によって警告され、患者が生きていることを実証するように促される等の別のプロセスが保証されてもよい。
動作430において答えが「はい」である場合、別の動作460に従って、雑音検出フラグ414が設定され得る。したがって、実施形態においては、動作430において、感知されたECG信号がH−A雑音基準を満たすことに応じて、雑音検出フラグが設定される。
読者は、動作460から開始して、実行が今や動作の第1のグループ401から動作の第2のグループ402へ移行したことを観察するであろう。楕円内註釈465によれば、フラグ414は設定されたものとして示されている。フラグ414が設定されている間に、複数の態様は異なり得る。
第1に、いくつかの実施形態において、雑音検出フラグ414が楕円内註釈465のように設定されている場合、放電回路は放電しないように制御される。これは、図4に示されない別の動作によってショック基準が満たされると決定されたとしても、当てはまり得る。図4の例において、ショック動作411と同様のショック動作は、動作の第2のグループ402の中に存在しない。また、上述したように、このショック動作411は、まず、患者に予備警報等を与える。したがって、雑音検出フラグ414が設定されている場合には放電回路が放電しないように制御される、これらの実施形態において、患者82は、そのような予備警報を受け取らない。
第2に、いくつかの実施形態において、雑音検出フラグが設定されている場合には、ショック基準が満たされるか否かすら決定されない。図4の例において、動作435と同様の動作は、動作の第2のグループ402の中に存在しない。そのため、フラグ414が設定されている間、患者のECGは監視されなくてもよい。(しかしながら、同時に、患者は、監視デバイス、患者が特定の活動に従事していることをその信号が示唆し得る運動センサ等によって監視され続け得る。)しかし、その反面、監視されないECGは、信頼できる答えを与えるには、動作430おいて検出される、あまりにも多くの高振幅雑音を含むことがある。実際に、高振幅雑音は、ECG信号を不明瞭にする傾向がある。高振幅雑音期間中のリズム分析335は、ECG信号よりも雑音に依存するので、予測不能な結果を生成し得る。
ECG信号中の雑音を生じさせる活動を患者82は停止すべきであると患者82に警告することは望ましいが、患者82を不必要に困惑させないように、あまりに迅速に患者82に警告することは良い考えではない。いずれにしても、十分な時間を与えられれば、高振幅雑音は、患者に警告する干渉なしに軽減されることが多い。
当然ながら、大振幅雑音が長期間にわたって持続する場合には、患者は、その状況を修正するように警告されなければならない。雑音は、患者の側の活動の結果であることもあれば、体に合っていないなどの衣服に関する問題、またはあまりにも乾燥している電極に起因することもある。したがって、この文書の目的のための許容時間は、実施形態に係るWCDシステムが患者を分析することも、または患者に警告することも許容しない時間である。その時間が経過した後、WCDシステムは、患者に警告し、および/またはフラグ414を解除し得る。いくつかの許容時間は、この文書において前述されており、これらは、運動センサなどの他のセンサによって示唆されるものによって調整すらされ得る。
許容時間を実装するために、別の任意の動作470に従って、許容時間カウントダウンが開始され得る。これは、カウントアップまたはカウントダウンする、クロックまたはタイマ等によってもよい。
別の動作475に従って、動作425について説明されたことと同様に、次のECG部分が受け取られ得る。別の任意の動作480に従って、動作480のカウントダウンが完了したか否かが決定され得る。
動作480において答えが「いいえ」である場合、別の任意の動作490に従って、ECG信号中の雑音が軽減されたと決定するために、H−A静音基準が満たされたか否かが決定され得る。これは複数の手法において達成され得る。
第1に、H−A雑音基準がもはや満たされなくなることに応じて、H−A静音基準が満たされ得る。例えば、後で受け取られる、最新のECG部分の別のグループが考慮されてもよい。例えば、他のグループの少なくとも1つのECG部分は、最初にH−A雑音基準が満たされたと決定するために使用されたグループの少なくとも1つのECG部分の後に発生し得る。また、最新のECG部分のこの他のグループがH−A雑音基準を満たさないことに応じて、H−A静音条件が満たされ得る。
第2に、H−A雑音基準と異なる条件に応じて、H−A静音基準が満たされ得る。例えば、最新のECG部分の他のより遅いグループが、雑音条件と同じまたは逆ではない、静音条件を満たすことに応じて、H−A静音基準が満たされ得る。
さらに、H−A雑音基準が満たされるか否かを決定するために説明された他のすべてのものは、H−A静音基準が満たされるか否かを決定するために同じように使用され得る。これは、雑音性基準、疑似性基準等について下記に説明されるものを含む。
動作490において答えが「いいえ」である場合、実行は、グループ402からの別の動作、例えば動作475などに戻り得る。しかしながら、動作490において答えが「はい」である場合、実行は、動作410に戻り、雑音検出フラグ414を解除等し得る。
動作480において答えが「はい」である場合、別の任意の動作495に従って、警報が患者に対して出力され得る。そのため、ユーザ・インターフェース280は、雑音検出フラグ414が設定されることに応じて、警報を出力するように構成されることができる。警報は、雑音状況を修正することに関するものとすることができる。警報は、雑音検出フラグが許容時間にわたって設定されていたことにさらに応じて、出力されることができる。また、警告するため、およびグループ402から退出するために、異なる許容時間が使用されてもよい。例えば、動作495を通じて警告等する前に、グループ402から1回よりも多くの回数退出してもよい。動作495の後、実行は、動作410に戻り、雑音検出フラグ414を解除等し得る。
上述したように、WCDシステム実施形態のアルゴリズムは、例えば、特定の条件および/または基準が満たされるか否かを決定することによって、雑音が検出されるか否かに関する決定を行うことができる。2つのそのような基準、すなわち、動作430の高振幅(H−A)雑音基準と動作490のH−A静音基準とが、既に述べられてきた。より多くのそのような基準および条件が存在する。なぜなら、実施形態に係るアルゴリズムは、感知されたECG信号の部分を検査することから始まり、これらのECG部分におけるピークを識別し、これらのピークが、QRS複合のRピークであるのか、または大振幅雑音としても知られている高振幅雑音に起因するスパイクであるのかを決定しようと試みる、さらに詳細な検査に続くからである。
既に上述されたように、いくつかの実施形態において、動作430のH−A雑音基準は、最新のECG部分のグループが雑音条件を満たすことに応じて、満たされる。また、動作490のH−A静音基準は、最新のECG部分の別のグループが雑音条件を満たさなくなること、または異なる静音条件を満たすこと等に応じて、満たされる。
いくつかの実施形態において、グループのECG部分は、雑音性基準を満たすことに応じてマークされ、その例は、この文書において後で与えられる。次いで、比が計算されることができる。比は、グループのECG部分の総数に対するグループのマークされたECG部分の数とすることができる。動作430のH−A雑音基準を満たす場合、比は、いわゆる雑音比とすることができ、雑音条件は、雑音比が閾値雑音比を越えることに応じて、満たされることができる。他方では、動作490のH−A静音基準を満たす場合、比は、雑音比、またはいわゆる静音比とすることができる。後者のケースにおいて、静音条件は、静音比が閾値静音比未満であることに応じて満たされることができる。ここで、例が説明される。
図5に戻ると、ECG部分519は、2つの連続するサンプルECG部分515、516を含む。グループ化580は、一度に5個のECG部分から成るグループについて示唆されており、これはグループ・サイズについての良い数である。いくつかの実施形態において、グループ化は、例えばグループ化580によって示唆されるように、固定されることができる。いずれの時点においても、グループ間で重複することなく、5個のECG部分は単一のグループとみなされ、次いで、次の5個は別のグループとみなされるなどである。例えば、最も初期のグループは、ECG部分515を含むが、ECG部分516を含まない、左端の5個のECG部分から構成される。他の実施形態において、グループ化は可変とすることができ、例えば、グループ間で重複した状態で、いずれの時点においても最新の5個のECG部分のみを数える。しかしながら、図5の残りの部分は、グループ化580を続行する。なぜならば、グループ化580は、重複しないことに起因して、視覚的に追跡することがより簡単であるからである。そのため、図5の例においては、各ECG部分が単一のグループに属する。
図5において、グループ化580の下に、ECG部分589は、垂直軸587の隣にECG部分519を繰り返す。また、ECG部分589のうちのいくつかは、影586によりマークされて示される。例えば、ECG部分516は、影586によりマークされているが、ECG部分515はマークされていない。上述したように、そのようなマーキングは、ECG部分589のうち、雑音性基準を満たすものについてのものとすることができる。マークされたECG部分に関する簡単な考え方は、それらが「雑音を含む」ということである。
ここで、前述した比が、より詳細に説明され得る。ダイアグラム579は、2つの垂直な横軸、すなわち、雑音比軸503と、軸503に続く、別の静音比軸504とを使用して、サンプル比の時間展開を示す。そのような比は、0から1の間の値を有するように好都合に定義されることができる。
ダイアグラム579において、グループ化580の各々は、雑音比について異なる値を生じさせる。一般に、時間軸558の中央の近くにより多くの、雑音を含むことに起因して影586によりマークされているECG部分589が存在することが観察される。グループ化580において考慮すると、これらの雑音を含むECG部分589は、後続のグループ化580の期間中に、0.4、0.6という、より高い値を有する雑音比をもたらす。さらに、雑音比は、時間軸558の始まりおよび終わりにおいてゼロの値を有する。
したがって、上述したように、雑音条件は、雑音比が閾値雑音比を越えることに応じて、満たされ得る。5個のECG部分から成るグループにおいて、2つ以上がマークされる場合、雑音フラグを設定することが望ましい。したがって、閾値雑音比は、0.2から0.4の間の値、例えば0.3に設定されることができる。閾値雑音比についての0.3という値は、点線581、および軸503上の時間切片TNFによって示される。
雑音比のプロット579が時間T1において点線581と交差することが観察されるであろう。実際に、このようにして時間T1が定義される。そのため、動作430のH−A雑音基準は、時間T1において初めて「はい」と答えられる。
時間T1の後、重要となる次の基準は、動作490のH−A静音基準である。これは、図5において、静音比についての軸504によって示される。図5の例において、静音比は、雑音比と同じ手法で計算される。
さらに上述したように、静音条件は、静音比が閾値静音比未満であることに応じて、満たされ得る。いくつかの実施形態において、閾値静音比は、雑音が軽減されたことを確認するために、閾値雑音比未満に設定されることができる。例えば、閾値静音比は0.1に設定されることができる。そのため、5つの連続するECG部分589から成るグループにおいて、ECG部分がマークされない場合、静音条件が満たされ得る。0.1という閾値静音比の値は、点線582、および軸504上の時間切片TQFによって示される。
雑音比のプロット579が時間T2において点線582と交差することが観察されるであろう。実際に、このようにして時間T2が定義される。そのため、動作490のH−A静音基準は、時間T2において初めて「はい」と答えられる。当然ながら、グループ化が可変である場合には、時間T2は、ECG部分1つ分だけ早く発生していたであろう。時間T1においては、動作470に従って、カウントダウンが許容時間について開始されていてもよいことがさらに認識されるであろう。図5の例においては、そのようなカウントダウンが動作480において完了する前に、時間T2に到達した。
したがって、ダイアグラム579は、時間T1および時間T2の答えを提供している。図4に戻ると、時間T1において、実行は、動作グループ401から動作グループ402へ移行する。また、時間T2において、実行は、動作グループ402から元の動作グループ401へ移行する。そのため、楕円内註釈465のように、フラグ414は、時間T1と時間T2との間で設定され、または上げられる。また、楕円内註釈415のように、フラグ414は、時間軸558の他のすべての時間については解除され、または下げられる。
図5は、様々な時間におけるフラグ414の状態も示す。フラグ414が、時間T1と時間T2との間では上げられた状態で示され、時間軸558の他のすべての時間については下げられた状態で示されていることが観察されるであろう。
さらに、上述したように、いくつかの実施形態において、動作335は、フラグ414が設定され、または上げられている間には行われない。これも、図5の例において図式化して描かれている。そのため、時間T1と時間T2との間では、ショックを与えるべき誤った決定に起因する、患者に対する誤った予備警報は存在し得ない。
ここで、ECG部分589のうちのどれをマークすべきかがどのように決定され得るかについての例が説明され、これは、あるECG部分が雑音性基準を満たすか否かを決定することを意味する。図6は、ECG部分619を示しており、ECG部分619は、図5のECG部分515、516を繰り返す。図6において、ECG部分515、516は、より完全に示されているが、それでもなお若干理想化されている(例えば、ベースライン・レベルが変化していない等)。
いくつかの実施形態において、QRS複合の潜在的なRピーク659は、特定のECG部分、例えばECG部分515、516において識別される。図6から分かるように、これらの潜在的なRピーク659は、例えば、それらの隣接するピークよりもはるかに高い振幅を有するピークであり得る。それらのうちで、2つのサンプル・ピークは653、654である。
さらに、ECG部分515、516における識別された潜在的なRピーク659のうちのいくつかは、それらがこの文書において後で説明される疑似性基準を満たす場合、無効とみなされ得る。図6の例において、無効とみなされる識別された潜在的なRピーク659は各々、影656を用いてさらに示される。潜在的なRピーク653は、容認可能であり、疑似性基準を満たさず、影によりマークされない。しかしながら、潜在的なRピーク654は、疑似性基準を満たし、したがって、無効とみなされ、影656によりマークされる。
次いで、有効性関連割合が、ECG部分515、516について定義されることができる。各ケースにおいて、有効性関連割合は、ECG部分における識別された潜在的なRピークの総数に対する、無効とみなされる、ECG部分における潜在的なRピークの数とすることができる。そのため、有効性関連割合は、0から1の間の値を有するであろう。
そのような実施形態において、特定のECG部分は、有効性関連割合が閾値有効性関連割合を越えることに応じて、雑音性基準を満たし得る。良好な閾値有効性関連割合は約1/4であり得る。したがって、実際的な目的のために、閾値有効性関連割合は0.24に設定され得る。
例えば、楕円内註釈695のように、ECG部分515については、有効性関連割合は1/5=0.2であり、これは0.24未満である。そのため、ECG部分515は容認可能であり、ECG部分515は無効とみなされない。したがって、ECG部分515は、図5と同様に、影によってマークされずに、ECG部分689として繰り返される。
別の例の場合、楕円内註釈696のように、ECG部分516について、有効性関連割合は3/7=0.43であり、これは0.24よりも大きい。そのため、ECG部分516は容認可能ではなく、無効とみなされる。したがって、ECG部分516は、ECG部分689として繰り返され、ECG部分689において、ECG部分516は、図5と同様に、影586によってマークもされる。
ECG部分515、516における識別された潜在的なRピーク659が疑似性基準を満たすか否かの決定は、複数の手法で行われることができる。ここで、例が説明される。
図7は、第1の疑似性基準を示すための時間ダイアグラム715を有する。ダイアグラム715は、Rピーク振幅軸717と、時間軸758とを有する。ダイアグラム715は、サンプルの識別された潜在的なRピーク753、754を示し、これらは、ピーク653、654と同様であり得る。
いくつかの実施形態において、識別された潜在的なRピーク753、754は、閾値振幅799よりも大きい振幅を有することに応じて、疑似性基準を満たす。閾値振幅についての適切な値は3mVである。したがって、閾値振幅799未満の振幅を有する、識別された潜在的なRピークは、疑似性基準を満たさない。
図7は、Rピーク659と同様の結果を示すために、別の時間ダイアグラム759も有する。ダイアグラム759は、Rピーク振幅軸757と、ダイアグラム715から繰り返される時間軸758も有する。
図から分かるように、識別された潜在的なRピーク753は、閾値振幅799未満の振幅を有し、したがって、疑似性基準は満たされない。したがって、識別された潜在的なRピーク753は、図6と同様に、影によってマークされずに、ダイアグラム759において繰り返される。しかしながら、識別された潜在的なRピーク754は、閾値振幅799よりも大きい振幅を有し、したがって、疑似性基準が満たされる。したがって、識別された潜在的なRピーク754は、ダイアグラム759において繰り返され、ダイアグラム759において、識別された潜在的なRピーク754は、図6と同様に影756によってさらにマークされる。
いくつかの実施形態において、感知されたECG信号はフィルタリングされ、したがって、フィルタリングされたECG部分も同様にフィルタリングされ得る。フィルタリングは、例えば、フィルタ325によって行われ得る。フィルタ325は、2.75Hzから20Hzの間の周波数を通過させるバンドパス・フィルタであってもよい。そのような実施形態において、上記に記述されもののすべては、フィルタリングされたECG信号に適用され得る。特に、特定のフィルタリングされたECG部分における識別された潜在的なRピークは、閾値振幅よりも大きい振幅を有することに応じて、疑似性基準を満たし得る。
図8は、第2の疑似性基準を示すための時間ダイアグラム815を有する。ダイアグラム815は、ECG振幅軸817と、時間軸858とを有する。ダイアグラム815は、サンプルの識別された潜在的なRピーク853、854を示し、これらは、ピーク653、654と同様であり得る。
いくつかの実施形態において、ECGセグメント830、840は、それぞれの識別された潜在的なRピーク853、854を含む継続時間893、894を有するように定義される。いくつかの実施形態において、識別された潜在的なRピーク(853、854)は、ECGセグメントの始まりにおける開始振幅とECGセグメントの終わりにおける終了振幅との相違が閾値ベースライン・シフト899よりも大きくなることに応じて、疑似性基準を満たす。
図8は、Rピーク659と同様の結果を示すために、別の時間ダイアグラム859も有する。ダイアグラム859は、ECG振幅軸857と、ダイアグラム815から繰り返される時間軸858も有する。
図から分かるように、識別された潜在的なRピーク853について、ECGセグメント830の始点831における開始振幅とECGセグメント830の終点832における終了振幅との相違が閾値ベースライン・シフト899よりも大きくなる場合、疑似性基準は満たされるであろう。始点831および終点832は、垂直軸817上へ投影されてさらに示されており、垂直軸817から、それらの差が閾値ベースライン・シフト899よりも小さいことが明らかになる。そのため、識別された潜在的なRピーク853について、疑似性基準は満たされない。したがって、識別された潜在的なRピーク853は、図6と同様に、影によってマークされずにダイアグラム859において繰り返される。
図からさらに分かるように、識別された潜在的なRピーク854について、ECGセグメント840の始点841における開始振幅とECGセグメント840の終点842における終了振幅との相違が閾値ベースライン・シフト899よりも大きくなる場合、疑似性基準が満たされるであろう。始点841および終点842は、垂直軸817上へ投影されてさらに示されており、垂直軸817から、それらの差が閾値ベースライン・シフト899よりも大きいことが明らかになる。そのため、識別された潜在的なRピーク854について、疑似性基準が満たされる。したがって、識別された潜在的なRピーク854は、ダイアグラム859において繰り返され、ダイアグラム859において、識別された潜在的なRピーク854は、図6と同様に影856によってさらにマークされる。
いくつかの実施形態において、ECGセグメント830、840の継続時間893、894に対する閾値ベースライン・シフト899の割合は、少なくとも5mV/200msである。実際的には、継続時間893は、識別された潜在的なRピーク853に100ミリ秒(ms)先立って開始し、識別された潜在的なRピーク853の100ms後に終了するように選ばれ得る。そのため、継続時間893は200msとなり、閾値ベースライン・シフト899は5mVとすることができる。
上述したように、いくつかの実施形態において、ECG部分は、感知されたECG信号内の識別された潜在的なRピークとして定義される。そのような実施形態において、識別された潜在的なRピークは、疑似性基準を満たすことに応じて、マークされる。疑似性基準は、上述され、図6〜図8を参照して説明された通りとすることができる。次いで、グループの識別された潜在的なRピークの総数に対するグループの識別された潜在的なRピークの数の雑音比が計算され得る。次いで、上記のように、雑音比が閾値雑音比を越えることに応じて、雑音条件が満たされることができ、静音比についても同様である。
図9は、時間軸958に対する、実施形態に係る複数の量のサンプル時間展開を示す。サンプルECG部分919は、ECG部分軸917に関して示される。ECG部分919が単一のピークとして描かれていることが観察されるであろう。2つのサンプルのそのようなピーク953、954が識別され、これらは、ピーク653、654について図6に示されるようなECG信号から識別され得る。また、グループ化980が示されており、グループ化580に関して上記に記述されているものも適用される。そのため、この実例における単一のグループは、それぞれのQRS複合のRピークであり得る、感知されたECG信号において検出されたピークの集合とすることができる。
グループ化980の下で、ECG部分989は、垂直軸987の隣にECG部分919を繰り返す。また、ECG部分989のうちのいくつかは、影956によりマークされて示されている。例えば、ECG部分954は、影956によりマークされているが、ECG部分953は、マークされていない。そのようなマーキングは、ECG部分989のうちの、疑似性基準を満たすものについてのものであり得る。
さらに、ダイアグラム979は、2つの垂直な横軸、すなわち、雑音比軸903と、軸903に続く、別の静音比軸904とを使用して、サンプル比の時間展開を示す。閾値雑音比についての0.3という値は、点線981、および軸903上の時間切片TNFによって示される。雑音比のプロット979は、時間T3において点線981と交差する。0.1という閾値静音比の値は、点線982、および軸904上の時間切片TQFによって示される。雑音比のプロット979は、時間T4において点線982と交差する。図9の残りの部分は、図5を参照して上述したものと同様である。
上述した方法において、各動作は、発生し得ると記載されているものを行う、または起こさせる、肯定的な行為または動作として実行され得る。そのように行うこと、または起こさせることは、システム全体もしくはデバイス全体、またはその1つもしくは複数の構成要素だけによるものであってもよい。方法および動作は、上述したシステム、デバイスおよび実装例を含む複数の手法で実装されてもよいことが認識されるであろう。また、動作の順序は、図示されたものに制約されず、異なる実施形態に従って、異なる順序が可能となり得る。そのような代替的な順序付けの例は、特に文脈が指示しない限り、重複すること、インターリーブされること、中断されること、並べ替えられること、徐々に発生すること、予備的であること、補完的であること、同時、反転、または他の変形の順序付けを含んでもよい。さらに、一定の実施形態においては、新しい動作が追加されてもよく、または個々の動作が変形され、もしくは削除されてもよい。追加される動作は、例えば、異なるシステム、装置、デバイスまたは方法を主に説明する間に言及されたものからのものであってもよい。
当業者は、全体として把握されるべきである、この説明を考慮して、本発明を実施することができるであろう。詳細は、完全な理解を提供するように含まれている。他の例において、周知の態様は、この説明を不必要に曖昧にしないように、説明されていない。
この文書において説明される、いくつかの技術または技法は知られていることがある。しかしながら、たとえそうであっても、必ずしもそのような技術または技法をこの文書において説明されるように適用すること、またはこの文書において説明される目的のために適用することが知られていることになるとは限らない。
この説明は、1つまたは複数の例を含んでいるが、この事実は、本発明がどのように実施され得るかを限定しない。実際には、本発明の例、実例、バージョンまたは実施形態は、説明された内容に従って実施されても、または異なる方法でも実施されてもよく、さらに、他の現存のまたは将来の技術と共に実施されてもよい。他のそのような実施形態は、例えば、下記、すなわち、説明された実施形態とは異なる順序で特徴を提供し、もしくは適用すること、1つの実施形態から個々の特徴を抽出し、そのような特徴を別の実施形態に挿入すること、実施形態から1つもしくは複数の特徴を除去すること、または、そのような組み合わせおよびサブ組み合わせに組み込まれた特徴を提供しつつ、ある実施形態からの特徴を除去することと、別の実施形態から抽出された特徴を追加することとの両方、と均等である実施形態を含めて、本明細書において説明される特徴の組み合わせおよびサブ組み合わせを含む。
一般に、本開示は、本発明の好ましい実施形態を反映している。しかしながら、注意深い読者は、開示された実施形態のいくつかの態様が特許請求の範囲の範囲外へ及ぶことに気付くであろう。開示された実施形態が特許請求の範囲の範囲外へ実際に及ぶ点では、開示された実施形態は、補完的な背景情報と考慮されるべきであり、特許請求された発明の定義を構成しない。
この文書において、「するように構築された」および/または「するように構成された」という句は、これらの句に先行する要素または特徴の物理的特性に基本的に結び付けられた構造および/または構成の1つまたは複数の実際の状態を表しており、そのため、意図された用途を単に説明することをはるかに越えたところまで及ぶ。任意のそのような要素または特徴は、本開示を検討した後に当業者には明らかになるように、この文書において示される任意の例を越えて、多くの手法で実装されることができる。
この文書において言及されているか、またはこの特許出願のアプリケーション・データ・シート(「ADS」)において言及されているかにかかわらず、ありとあらゆる親特許出願、祖父特許出願、曾祖父特許出願等は、上記の主題が本出願と矛盾しない範囲で、それらの出願および参照によって組み込まれている任意の資料において行われている任意の優先権主張を含めて、当初開示されたように、参照によって本明細書に組み込まれている。
この説明において、単一の参照符号は、単一のアイテム、態様、構成要素、またはプロセスを表すために一貫して使用され得る。さらに、この説明の起案時には、同一の、または少なくとも類似する、もしくは関連するアイテム、態様、構成要素またはプロセスの他のバージョンまたは実施形態を表すために、同一ではなくとも類似した参照符号を使用するように、さらなる努力が行われていることがある。努力が行われている場合、そのようなさらなる努力は、必要とはされていなかったが、それにもかかわらず、読者による理解を促進するように善意で行われた。たとえこの文書において努力が行われていたとしても、そのようなさらなる努力は、この説明によって可能になるバージョンまたは実施形態のすべてについて完全に一貫して行われていないことがある。したがって、説明は、その参照符号よりもむしろ、アイテム、態様、構成要素またはプロセスの定義を制御する。参照符号におけるいかなる類似性も、テキストにおける類似性を推論するために使用されることがあり、ただし、特段のテキストまたは他の文脈が指示する場合には、態様を混同すべきではない。
この文書の特許請求の範囲は、要素、特徴および行為または動作の特定の組み合わせおよびサブ組み合わせを定義しており、これらは、新規かつ非自明とみなされる。他のそのような組み合わせおよびサブ組み合わせについての付加的な請求項は、この文書または関連する文書において提示され得る。これらの請求項は、それらの範囲内に、本明細書において説明される主題の真の趣旨および範囲内にある、あらゆる変化および変更を包含するように意図される。特許請求の範囲を含めて、本明細書において使用される用語は、一般に、「オープンな」用語として意図されている。例えば、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」等と解釈されるべきである。請求項の記載に特定の数が属する場合、この数は最小のものであるが、特に明記しない限り、最大のものではない。例えば、請求項が、「1つの」構成要素または「1つの」アイテムと記載する場合、それは、この請求項が1つまたは複数のこの構成要素またはアイテムを有することができることを意味する。
この文書の特許請求の範囲を解釈する際に、本発明者(ら)は、特許請求の範囲において「ための手段(means for)」または「ためのステップ(steps for)」という用語が明示的に使用される場合にのみ、米国特許法第112条(f)を行使する。したがって、これらの用語が請求項において使用されない場合、その請求項は、米国特許法第112条(f)に従って本発明者(ら)によって解釈されることを意図されていない。