JP2020014497A - 補助人工心臓及び補助人工心臓のケーシング製造方法 - Google Patents

補助人工心臓及び補助人工心臓のケーシング製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より小型化、軽量化が可能な補助人工心臓を提供することを目的とする。【解決手段】羽根車2と、羽根車2を回転させるモーター3と、モーター3が固定されるケーシング7と、を備え、羽根車2は羽根21に連結される軸4を有し、モーター3は、羽根車2を回転させるローター5とステーター6を有し、ケーシング7は、モーター3のステーター6が固定されるとともに、羽根21を囲んだ内部空間に人工心室8が形成され、ケーシング7の内部にモーター3からの発熱を冷却する液体202が流通する液体流路9が形成された、補助人工心臓1(11)であって、ケーシング7には、モーター3の配置部から液体流路9の一部に至る金属の結合が密の領域71と、金属の結合が密の領域71と人工心室8との間に設けられた金属の結合が粗の領域72と、が形成されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は補助人工心臓及び補助人工心臓のケーシング製造方法に関する。
補助人工心臓、特に植込み型補助人工心臓は、心不全等で十分に血液を送り出せなくなった心臓を補助するために使用される。体内に埋め込む等して、モーターの力を使って本来の心臓が血液を全身に送るのを補助する。
補助人工心臓は、近年、技術開発が進み、実用化に至り、多くの患者に供すことが可能となってきている(例えば、WO2016/125313号公報参照)。
上記文献には、補助人工心臓ステム300が開示されている。このシステム300で使用する血液ポンプ(補助人工心臓)110は、回転モーターを備えた回転駆動装置30が内蔵されており、この回転駆動装置により血液ポンプ室32に設けられたインペラ26に駆動力が与えられる。血液ポンプ110内には、更に、パージ液循環経路40が設けられ、血液ポンプ110を冷却する。
この文献に開示された血液ポンプ110は、血液を体内に送り出す心臓(患者の本来の心臓)を補助する小型の補助人工心臓として優れている。回転駆動装置30のモーターからの発熱も、パージ液によって吸収され、血液が熱せられることによる血栓等の発生も抑制できる。
WO2016/125313号公報
しかし、補助人工心臓は、一般的に、使用者(患者)の体内に埋め込まれて使用されるため、更なる小型化、軽量化が要請されている。
本発明は、特許文献1に開示されるような補助人工心臓を改良し、より小型化、軽量化が可能な補助人工心臓を提供することを目的とする。また、このような補助人工心臓の血液ポンプ室やモーターを囲むケーシングを容易に製造することを目的とする。
[1]本発明の補助人工心臓は、
羽根車と、前記羽根車を回転させるモーターと、前記モーターが固定されるケーシングと、を備え、
前記羽根車は、羽根及び前記羽根に連結される軸を有し、
前記モーターは、前記軸に連結された永久磁石が円周方向に沿って配列され前記軸が回転することにより前記羽根車を回転させるローター、並びに、前記ローターが回転する外周に沿って前記永久磁石に対向するように配列された鉄心及び前記鉄心に巻回されたコイルを有するステーターを有し、
前記ケーシングは、前記モーターの前記ステーターが固定されるとともに、前記羽根を囲んだ内部空間に人工心室が形成され、前記ケーシングの内部に前記モーターからの発熱を冷却する液体が流通する液体流路が形成された、補助人工心臓であって、
前記ケーシングは、金属で構成され、
前記ケーシングには、前記モーターの配置部から前記液体流路の一部に至る金属の結合が密の領域と、前記金属の結合が密の領域と前記人工心室との間に設けられた金属の結合が粗の領域と、が形成されていることを特徴とする。
本発明の補助人工心臓によれば、ケーシングは金属で構成され、モーターの配置部から液体流路の一部に至る金属の結合が密の領域が形成されているため、モーターの発熱は、モーターの配置部から液体流路に伝わり易く、伝わった熱は液体流路を流れる液体で冷却される。
その一方、上記の金属の結合が密の領域と、人工心室との間には、金属の結合が粗の領域が形成されているため、モーターの発熱は人工心室へは伝わり難く、血液が熱せられることによる血栓等のリスクを抑制できる。
一般に、モーターを小型化した場合、小型化する前と同じ出力を得ようとすると、モーターの発熱量は大きくなるが、本発明の補助人工心臓は、モーターの発熱量が大きくなってもその冷却効果が大きく、また、人工心室へも熱が伝わり難いので、補助人工心臓を小型化できる。
また、補助人工心臓に内蔵させるモーターを小型化できるのに加え、ケーシングが金属の結合が粗の領域を有するため、補助人工心臓の一層の軽量化が可能となる。
[2]本発明の補助人工心臓においては、前記ケーシングの前記人工心室が形成された面においては、金属の結合が密に形成されていることが好ましい。
ケーシングの人工心室が形成される面において、金属の結合が密に形成されていると、人工心室の表面(内面)の凹凸が小さく、血液が1箇所に滞ることによる血栓等が生じるリスクを低減できる。
[3]本発明の補助人工心臓においては、前記ケーシングは、少なくも、それぞれ独立した部品である、前記人工心室の一部を形成する人工心室形成ケーシング部と、前記モーターの前記ステーターが固定されるステーター固定ケーシング部と、を有し、それらが一体化されて構成されていることが好ましい。
このようにすると、別々に作られた人工心室形成ケーシング部と、ステーター固定ケーシング部と、を一体化すればよいため、モーター等を内部に配置するのが容易である。また、精度等がよいもの同士を選別して一体化することができ、製造しやすい。
[4]本発明の補助人工心臓においては、前記前記液体流路は、前記補助人工心臓への液体流入用流路と、前記補助人工心臓からの液体流出用流路と、を含み、前記ケーシングは、前記液体流入用流路と前記液体流出用流路との間に金属の結合が粗である領域が形成されていることが好ましい。
このようにすると、液体流出用流路内の液体は、モーターからの発熱を吸収して温まっているが、金属の結合が粗の領域により、その熱が液体流入用流路内の液体に伝わり難く、液体流路内の液体が冷却された状態でモーターの発熱を吸収することができる。
[5]本発明の補助人工心臓のケーシング製造方法は、上記の補助人工心臓のケーシングの製造方法であって、金属粒子にレーザーを照射して前記金属粒子を燒結させることにより、前記ケーシングを構成する金属の結合を粗及び密に形成することが好ましい。
このようにすると、金属粒子がレーザー照射によって燒結し、補助人工心臓のケーシングを構成する金属の結合を粗及び密に形成することが容易である。
[6]本発明の補助人工心臓のケーシング製造方法は、上記の補助人工心臓のケーシングの製造方法であって、金属粒子に電子ビームを照射して前記金属粒子を溶融させることにより、前記ケーシングを構成する金属の結合を粗及び密に形成することが好ましい。
このようにすると、金属粒子が電子ビーム照射によって溶融し、補助人工心臓のケーシングを構成する金属の結合を粗及び密に形成することが容易である。また、いわゆる髭等も生じ難い。
実施形態1に係る補助人工心臓1を用いた補助人工心臓システムの例を説明するための図である。 実施形態1に係る補助人工心臓1の概要を説明するための図である。 実施形態1のモーターを説明するための図である。 実施形態1のモーターを説明するための図である。 実施形態1に係る補助人工心臓のモーターと羽根車等との関係を説明するための図である。 実施形態1のケーシングの製造方法を説明するための図である。 実施形態1のケーシングを構成する金属粒子の焼結を説明するための図である。 実施形態1の粒径の小さな金属粒子が燒結したケーシングの一部を説明するための図である。 実施形態1の粒径の大きな金属粒子が燒結したケーシングの一部を説明するための図である。 実施形態1のケーシングを製造する際、金属粒子と樹脂粒子とを混合して使用し燒結する場合の説明をするための図である。 実施形態2に係る補助人工心臓11の概要を説明するための図である。 変形例を説明するための図である。
以下、本発明の補助人工心臓について、図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、各図面は模式図であり、必ずしも実際の構造、外観等を厳密に反映したものではない。
[実施形態1]
補助人工心臓を用いたシステムの例
図1は、実施形態1に係る補助人工心臓1を用いた補助人工心臓システムの例を説明するための図である。
実施形態1に係る補助人工心臓1の理解を容易にするため、実施形態1に係る補助人工心臓自体を説明する前に、当該補助人工心臓がどのように用いられるか、当該補助人工心臓を用いた補助人工心臓システムの例を説明する。
実施形態1に係る補助人工心臓1は使用者(患者)1000の体内に埋め込まれ、血液を流して補助人工心臓として働く。補助人工心臓1は、血液ポンプとも呼ばれる。補助人工心臓1は使用者1000の心臓(本来の心臓)1001の左心室と人工血管(カニューレ)1002を介して接続される。左心室の血液は人工血管1002を通って補助人工心臓1に送られる。補助人工心臓1は、そのポンプ作用により(モーターにより)、送り込まれた血液を、人工血管(カニューレ)1003を介して上行大動脈に送る。
使用者1000の体外には、制御装置1005が設けられている。制御装置1005は補助人工心臓1を駆動制御する。また、補助人工心臓1には、チューブ1004を介して液体202が送り込まれ、補助人工心臓1を冷却する。モーター3は羽根車2を回転駆動する際に発熱するが、その熱が高温のまま補助人工心臓1内部の血液201に伝わるのを要請することで血栓等が発生しないようにする(図2も併せて参照)。
なお、制御装置1005と補助人工心臓1(のモーター3)は、モーター3を駆動するための配線がされている。アルミニウム、鉄、ステンレス、銅等の金属線に、絶縁樹脂が被覆され、ケーブルとなっている。ケーブルは、ケーシングを通って、補助人工心臓1内のモーター3と体外の制御装置1005とを結ぶが、細い線であり、また熱にはあまり影響がないため、図示や以降の説明を省略する。
補助人工心臓
図2は、実施形態1に係る補助人工心臓1の概要を説明するための図である。
補助人工心臓1は、羽根車(インペラー)2と、モーター3と、を有する。
羽根車2は、羽根21と、羽根21と連結された軸(シャフト)4と、を有する。軸4が回転することにより、羽根21が回転し、人工心室8内の血液201を動かす。
モーター3は、回転するローター5と、回転しないステーター6と、を有する。図2の実施形態では、ローター5はモーター3の中央部に配置され、その外側にステーター6が配置されている。ローター5は、円筒の周囲に配置された複数の永久磁石51を有する。ステーター6はコイル62と鉄心61とを有する。ステーター6はケーシング7に固定されている。ローター5には軸4が連結され、羽根車2に回転駆動力を与える。
補助人工心臓1は、更に、ケーシング7を有する。
ケーシング7には、モーター3のステーター6が固定される。また、ケーシング7には、羽根車2の羽根21を囲んだ内部空間に人工心室8が形成される。また、ケーシング7の内部にはモーター3からの発熱を冷却する液体202が流通する液体流路9が形成される。
使用者1000の本来の心臓1001の左心室から、人工血管1002を経て補助人工心臓1の血液流入口81を介し人工心室8に流入した血液201は、羽根車2の羽根21が回転することにより血液流出口82から人工血管1003を経て上行大動脈に送り出される(図1も併せて参照)。
実施形態1のモーター3は直流モーターである。内側にローター5、外側にステーター6を配置し、内側のローターが回転するインナーローター型である。実施形態1の補助人工心臓1で使用するインナーローター型は、アウターローター型に比べ、一般的に比較的安定した回転が可能である。
ローター5が回転すると、軸4を介して回転駆動力が羽根21に伝わり、羽根車2が回転する。モーター3が駆動されると、モーター3は発熱する。特に、コイル61が発熱する。
羽根車2や、モーター3は、ケーシング7で覆われ、あるいは支持等されている。羽根車2の周りの人工心室8や、モーター3をケーシング7で覆うことにより、人工心室8中に人体に害のあるものが入り込んだり、モーターから人体に影響のあるものが入り込むことを抑制する。
ケーシング7を構成する材料は金属である。人体に対し、有害でない、あるいは害が小さい金属である。例えば、チタン、白金、タングステン、ステンレス、あるいはこれらの合金等である。ステンレスは、SUS304等、いわゆる18−8ステンレスがよい。
ケーシング7は1つの独立したものでなく、複数の独立した部材で構成されていてもよい。複数の部材で構成される場合、例えば、羽根車2のモーター3と反対側を覆うハウジング(人工心室8の帽子形状部分)と、人工心室8の底辺部(図上で羽根21の下の人工心室8下面を構成する部分、羽根車2とモーター3との間の部分)と、モーター3を囲む部分と、独立した部材(部品)で構成し、それらが組み立てられ一体化して構成されていてもよい。複数の部材の接合は、凹凸のはめ合せ(一方に凹部、対応する他方に凸部を設けてはめ合わせる)、溶接、ねじ、ボルトとナットによる固着等により行うことができる。複数の部材が一体化されても、羽根車2やモーター3を囲んだり支持等することは変わりない。図2はケーシング7が複数部材から構成されている場合を含め包括的に図示している(他の図面も同様である)。
ケーシング7内には液体202の流路9が形成されている。液体202は、ケーシング7の液体202の流入口93から流入し、液体流入用流路93を介してケーシング7内部のモーター3配置部を通って形成された液体流路9を流れる。軸4やローター5の周囲に形成された液体流路9を流れる。実施態様1では、更に、ローター5とステーター3との間にも液体流路9が形成されている。これにより、液体202によるモーター3の冷却効果を高めることができる。
なお、ローター5とステーター3との間は密封した空間として液体流路9を形成せず、その間に液体202が入り込まないようにしてもよい。これによりローター5が回転しやすくなる。
モーター3からの発熱を吸収した液体202は、液体流入口93を経て、液体流出口94から流出される。
液体202は、例えば、オイル、水、生理食塩水、アルコール、アルコールを含有した水等である。水の場合は殺菌した水が好ましい。血液も液体であるが、血液以外の液体が好ましい。
ケーシング7について説明する。
図2で、ケーシング7を構成する金属の結合が密の箇所を符号Mで示し、金属の結合が粗の箇所を符号Nで示す(図11でも同様)。
図2に示すように、モーター2のステーター6(鉄心61及びコイル62)を囲むように、金属の結合が密(M)の領域71が形成されている。特にコイル62を囲むように形成するとよい。主としてコイル62が発熱するからである。
金属の結合が密(M)の領域71は、液体流路9の一部に達している。ステーター6の発熱が速やかに収集され、速やかに液体流路9に伝わり、液体流路9中の液体202で冷却される。
一方、上記のモーター3配置部から液体流路9の一部に至る金属の結合が密(M)の領域71と、人工心室8との間には、金属の結合が粗(N)の領域72が形成されている。そのため、モーター3の発熱は人工心室8に伝わりにくく、人工心室8内の血液201が熱せられて血栓等を引き起こすリスクを低減できる。
モーター3の発熱が効率的に吸収・冷却されるため、人工心室8を小型化、軽量化することが可能となるが、ケーシング7は金属の結合が粗(N)の領域を有するため、更に軽量化できる。そして、血栓等のリスクを抑制しながら患者への負担を軽減できる。
ここで、金属の結合が「密」とは、ケーシング7を形成する金属間の隙間がないか、隙間があっても小さいことをいう。
金属の結合が「粗」とは、ケーシング7を形成する金属の間の隙間が、金属の結合が「密」の場合に比べて大きいことをいう。隙間が均等に形成されている場合には、同じ大きさ(体積)の金属の塊で比較すると、金属の結合が「密」の塊の中の隙間の合計体積は、金属の結合が「粗」の塊の中の隙間の合計体積より小さい。隙間が全くない金属では「密」、多少でも隙間がある場合は「粗」となる。
金属の結合が「密」、「粗」となるようにケーシング7を構成することは、いわゆる3Dプリンター等で行うことができる。
なお、実施形態1の補助人工心臓においては、ケーシング7は、人工心室8が形成される面(図2で、人工心室8を形成するケーシング7の面)は金属の結合が密(M)であることが好ましい。
人工心室8の内面を形成するケーシング7の表面部分の金属を密(M)にすることにより、表面の凹凸が小さく、血栓等が生じるリスクを低減できるからである。
人工心室8の内面を形成するケーシング7の表面部分の金属を密(M)であると、熱が伝わりやすくなるが、金属の結合が粗の領域72でモーター3からの発熱の伝達は抑制される。
また、人工心室8の表面を金属の結合が密(M)にし、表面から入った内部を金属の結合が粗(N)にすると、ケーシング7を軽量化できる。
また、人工心室8の表面を、細胞膜と同様な人工的被膜で覆ってもよい。このような被膜としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーを使用した被膜がある。このようにすると更に血栓等の発生を抑制できる。
人工心室8の表面の金属の結合を粗とし、その上に上記被膜を設ける、あるいは、人工心室8の表面の金属の結合を密としその上に上記被膜を設ける。表面から入った内部は、金属の結合を粗とする。といった構成とする。
図2では、補助人工心臓1の外表面も金属の結合が密(M)になっている。補助人工心臓1は体内埋め込まれるため、外表面の金属の結合が密(M)になっていると、体内の体液が補助人工心臓1に入り込んだり、逆に補助人工心臓1内の血液201、冷却用の液体201等が体内に浸入しにくい。
ケーシング7の流路9の表面を構成する部分を、金属の結合が密(M)で形成してもよい。流路9中の冷却用の液体202がケーシング7の表面に留まり、液体202が腐敗する要因となること等を抑制できる。
このようにしても、モーター3配置部から液体流路9の一部に至る金属の結合が密(M)の領域71と、人工心室8との間に設けられた金属の結合が粗(N)の領域72の、モーター3から出た熱の伝達を抑制する機能、働きの大きな阻害とはならない。
また、図2では、液体流入用流路91と、液体流出用流路92が並んでいる箇所が大きく描かれているが、図2で軸4に垂直な方向から見ると、流路91、92が360度の円周方向の一部に過ぎない。そのため、流路91、92周辺のケーシングの金属の結合が密であっても粗であっても、その領域は狭く、軸4に垂直な方向からみたときに360度の円周方向の大部分を占める金属の結合が粗(N)の領域72の、モーター3から出た熱の伝達を抑制する機能、働きの大きな阻害とはならない。もっとも、流路91、92のケーシングの金属の結合の密、粗を工夫することで熱の伝達の抑制等を更に向上させることができる。
上述したように、ケーシング7は複数の部材から構成してもよい。羽根車2を覆い、人工心室8の少なくとも一部を形成するケーシング部と、モーター3のステーター6が固定されるケーシング部を別体の部材とし、それらを溶接、凹凸のはめ合せ等で一体化されるようにケーシング7を構成してもよい。
このようにすると、補助人工心臓1の組み立て、製造が容易である。
液体202は、液体流入口93から流入され、液体流出口94から流出される。
液体流入用流路91と、液体流出用流路92とが、ケーシング7内に隣接して形成されると、これらを一緒に取り扱うことができる。また、これらに接続されるチューブ1004との接続も容易である。
このような場合、ケーシング7内に、隣接して形成された液体流入用流路91と液体流出用流路92との間に、金属の結合が粗である領域73と、を有するようにすると、液体流出用流路92内の液体の熱が、液体流入用流路91内の液体に熱が伝わるのが抑制される。
モーターの断面
図3は、実施形態1のモーターを説明するための図である。図3は、モーター3を軸4の回転中心に垂直な方向で切った断面図である。鉄心61にコイル62が巻かれ、ステーター6を構成している。ステーター6はケーシング7に固定されている。
ローター5は、軸4の円周方向にN極、S極の永久磁石51を有し、ステーター6の磁界と吸引、反発を繰り返すことで軸4を中心とした円周方向に沿って回転する。磁極の数は一般的に2の倍数で任意とする。
ローター5と、ステーター6との間隙には液体の流路9が設けられ、液体202が流れる(図2も併せて参照)。
図3のモーター3は、ローター5のローター6と向き合う永久磁石51の上に無機材料、樹脂、プラスチックフィルム、プラスチック板等のローター保護層52が形成されている。
ステーター6のローター5と向き合う面にも無機材料、樹脂、プラスチックフィルム、プラスチック板等のステーター保護層63が形成されている。
ローター保護層52やステーター保護層63が形成されていると、ローター5やステーター6が液体202から、より隔離され、短絡事故等をより抑制できる。
図4は、実施形態1のモーターを説明するための図である。実施形態1のモーター3の他の例(他の例の断面図)である。
図3に示したモーター3と同様に、ローター5と、ステーター6との間隙には液体の流路9が設けられ、液体202が流れるが、図4のモーター3は、ローター5のローター6と向き合う永久磁石51の上に図3のローター保護層52が形成されていない。また、ステーター6のローター5と向き合う面にも図3のステーター保護層63が形成されていない。
ローター5やステーター6に保護層がないと、その分、両者の間隙を狭くすることができ、モーター5の駆動効率がより向上する(図2も併せて参照)。
図5は、実施形態1に係る補助人工心臓のモーターと羽根車等との関係を説明するための図である。
この図面では、ケーシング7は、羽根車2を覆うケーシング7(図面上部)と、モーター3を覆うケーシング7(図面下部)とで構成されている。ステーター6は鉄心6を、図上、上下方向に旋回するように巻かれている。
なお、鉄心61は、独立した鉄心61が円周状(円筒の周り)に配置されていてもよいが、一体となった鉄心61で円周の内側(円筒の内側)に突起状に配置され、その突起部分にコイル61が巻かれでいてもよい。図5でステータ6部分に点線で示したものは、後者を説明するものである。点線部分は鉄心61が相互につながっていることを示している。
概円筒状のステーター6の中央に、永久磁石51を円柱の周囲に形成した概円柱状のローター5が配置されている。
羽根車2は、軸4がローター5と結合されている。ローター5が回転すると、羽根車2の羽根21もローター5の回転に沿って回転する軸に合わせて回転し、血液を流動させる。
ケーシングの製造方法(レーザー燒結による製造方法)
図6は、実施形態1のケーシングの製造方法を説明するための図である。レーザー燒結法で、金属の粉末(金属粒子)を燒結することにより、金属が「密」「粗」の領域を有するケーシング7を製造する方法を説明するための図である。
図6(a)は層S1の形成方法を説明するための図、図6(b)は層S2の形成方法を説明するための図、図6(c)は層S3の形成方法を説明するための図、図6(d)は層S1〜S3が積層されて出来上がった金属造形物を説明するための図である。
3Dプリンターにおける粉末焼結積層造形法を用いて、ケーシング7の金属を「密」「粗」とする。3Dプリンターにおける粉末焼結積層造形法を使用することにより、金属粒子(粉末)、あるいは金属粒子と熱可塑性等の樹脂粒子(粉末)とを混合したものを選択的にレーザー(光)や放電等で燒結することによって立体形状の金属造形物を作成することができる。高融点の金属材料であっても使用できる。高出力のレーザーを照射して焼結させ成形物を作成する。あるいは放電により燒結させ作成する。
金属粒子の材料は、例えば、チタン、白金、タングステン、ステンレス、これらの合金等である。ステンレスは、SUS304等、いわゆる18−8ステンレスがよい。チタンは人体に対する悪影響が少なく優れている。
層S1の「密」形成工程
図6(a)のようにテーブル昇降体112で昇降可能なテーブル111上に金属粒子101(ここでは粒径の小さな金属粒子101S)を薄く敷き層S1とする。この層S1上にレーザー(赤外線レーザービームや、紫外線レーザービームを含む)121を選択的に照射する(走査方向131に走査する)。このレーザー121照射により、未燒結の金属粒子101(粒径の小さな金属粒子101S)を燒結させ、燒結して相互に結合した燒結した金属粒子102(燒結した粒径の小さい金属粒子102S)とし、層S1全体で薄い固化層を形成する。
図6(a)では、レーザー121は左から右に走査され、選択的に粒径の小さな金属粒子101Sを照射する。レーザー121は、左端から図6(a)に示す右の箇所まで走査されている。レーザー121が走査された範囲で、左端から少し右の箇所までの範囲ではレーザー121は照射されておらず、粒径の小さな金属粒子101Sは未焼結のままである。レーザー121の走査位置を示す矢印の箇所から右端までは、レーザー121はまだ走査されておらず、粒径の小さな金属粒子101Sは散布された状態のまま、即ち、未焼結の状態のままである。
層S2の「密」「粗」形成工程
次の工程は図6(b)に示す工程である。この工程では、1層(層S1)の厚さ分だけテーブル111を下降させ、図6(a)で層S1を形成する前の状態にして層S1の上に層S2を形成する。層S2にレーザー121を照射するテーブル111高さを図6(a)と同じにしてレーザー121の焦点(照射強度)を同じにするためである。テーブル111の高さを固定しレーザー121を照射するレーザー発射口(図示なし)を層S1の厚さ分、高い位置に移動させてもよい。レーザー121の発射口とレーザー121が照射される層S(S1等)との相対距離を一定にする趣旨である。後述する図6(c)で説明する層S3形成工程も同様である。
まず、層S1の上に粒径の小さな金属粒子101Sを薄く敷いた領域と、金属粒子101Sに比べて粒径の大きな金属粒子101Lを薄く敷いた領域とを形成する。
例えば、粒径の小さな金属粒子101Sを敷く領域と同じ大きさの穴の開いたマスクを、層S1上に敷いて、その上から粒径の小さな金属粒子101Sを撒き、穴から層S1上に落下させる。次に、粒径の大きな金属粒子101Lを敷く領域と同じ大きさの穴の開いたマスクを、層S1上に敷いて、その上から粒径の大きな金属粒子101Lを撒き、穴から層S1上に落下させる。両者の穴の位置は異なる。このようにすると、層S1上に、粒径の小さな金属粒子101Sが敷かれた領域と、粒径の大きな金属粒子101Lが敷かれた領域とを形成することができる。
なお、穴を、孔の大きさを一定にした多数の孔の集合で形成すると、孔の大きさを超える粒径の金属粒子は孔を通過できず、孔の大きさ以下の粒径の金属粒子だけ孔を通過できるため、孔を通って落下する金属粒子を選別することが可能となる。
層S2上にレーザー121を走査方向131に走査しながら選択的にレーザー121を照射する。すると、粒径の小さな金属粒子101Sが層S2上で選択的に燒結され、レーザー121が照射された箇所の粒径の小さな金属粒子101Sは燒結されて、燒結された粒径の小さな金属粒子102Sとなる。レーザー121が照射されない箇所は粒径の小さな金属粒子101S(未燒結)のままである。
層S2上の別の領域に散布された粒径の大きな金属粒子101Lも選択的に燒結される。レーザー121が照射された箇所の粒径の大きな金属粒子101Lは燒結されて、燒結された粒径の大きな金属粒子102Lとなる。レーザー121が照射されない箇所は粒径の大きな金属粒子101L(未燒結)のままである。
層S2上の金属粒子101S、101Lの燒結に際しては、層S2上の金属粒子101S、101Lと、層S1で既に燒結された金属粒子102Sとの燒結による接合も行われる。換言すれば、層S2と層S1との燒結による接合も行われる。
図を参照しながら説明すると、図6(b)の工程では、図6(a)の工程により、燒結された粒径の小さな金属粒子102Sで左右全範囲が形成されている層S1の上に層S2を形成する。未燒結の粒径の小さな金属粒子101Sや粒径の大きな金属粒子101Lが散布された層S2上にレーザー121が左から右に走査される。レーザー121は左端から矢印の位置まで走査されている。
まず、レーザー121が走査された範囲について説明する。層S2の左端から少し右の箇所までは、レーザー121は走査されたが、レーザー121の照射はされず、粒径の小さな金属粒子101Sは未燒結のままである。その右の箇所は、粒径の小さな金属粒子101Sにレーザー121が照射され、未焼結の金属粒子101Sは、燒結された粒径の小さな金属粒子102Sとなっている。
次にレーザー121がまだ走査されていない領域、即ち、レーザー121の走査位置を示す矢印の右の領域について説明する。この領域には、粒径の小さい金属粒子101Sの散布領域、粒径の大きい金属粒子101Lの散布領域、及び、粒径の大きい金属粒子101Lの散布領域があるが、いずれもレーザー121が走査される前の状態であり、これらの金属粒子101S、101L、101Sは未燒結である(散布された状態のままである)。
なお、粒径の小さな金属粒子101S(未燒結)は、燒結により、燒結された粒径の小さな金属粒子102S(粒径の小さな金属粒子101Sが燒結された状態)となるが、粒径が小さな分、金属粒子相互間の隙間(間隔)も小さく、粒径が大きな場合に比べて、燒結により形成される金属の結合が「密」となる。
層S3の「密」形成工程
次の工程は図6(c)に示す工程である。
図6(c)に示す工程では、1層(層S2)の厚さ分だけテーブル111を下降させ、層S2の上に層S3を形成する。
図6(c)で層S3を形成する土台(基礎)となる層S2は、既にレーザー121の走査、選択的照射が終了している図6(b)の工程で形成されている。図6(b)の工程により、層S2には、燒結した粒径の小さい金属粒子102Sによる金属の結合が「密」の領域と、燒結した粒径の大きい金属粒子102Lによる金属の結合が「密」の領域と、が形成されていることが分かる。粒径の大きな金属粒子101L(未燒結)は、燒結により、燒結後の粒径の大きな金属粒子102L(粒径の大きな金属粒子101Lが燒結された状態)となるが、粒径が大きな分、金属粒子相互間の隙間(間隔)も大きく、粒径が小さな場合に比べて、燒結により形成される金属の結合が「粗」となっている。
図6(c)に示す工程では、まず、1層(層S2)の厚さ分だけテーブル111を下降させる。
そして、既にレーザー121の走査、選択的照射がされ選択的燒結が終わっている層S2の上に粒径の小さな金属粒子101S(未燒結)を薄く敷く。
次に、レーザー121を走査方向131に走査しながら選択的に層S3上を照射する。すると、層S3上に散布された粒径の小さな金属粒子101Sが選択的に燒結される。
層S3上の金属粒子101Sの燒結に際しては、層S3の金属粒子101Sと、層S2の既に燒結されている金属粒子102S、102Lとの燒結による接合も行われる。換言すれば層S2とS3との燒結による接合も行われる。
図を参照しながら説明すると、図6(c)の工程では、図6(b)の工程により、燒結された粒径の小さな金属粒子102Sや粒径の大きな金属粒子102Lが、左右方向に選択的に形成されていると共に、レーザー121は走査されたがレーザー121が照射されず粒径の小さな金属粒子101Sが未焼結のまま残されている、層S2の上に層S3を形成する。
未燒結の粒径の小さな金属粒子101Sが左右全範囲に散布された層S3上に、レーザー121が左から右に走査される。レーザー121は左端から矢印の位置まで走査されている。
まず、レーザー121が走査された範囲について説明する。層S3の左端から少し右の箇所までは、レーザー121は走査されたが、レーザー121の照射はされず、粒径の小さな金属粒子101Sは未燒結のままである。その右の箇所は、粒径の小さな金属粒子101Sにレーザー121が照射され、未焼結の金属粒子101Sは、燒結された粒径の小さな金属粒子102Sとなっている。未焼結の金属粒子101Sと焼結された金属粒子102Sとの境界の位置(左端からの距離)は、図6(b)で説明した層S2での未焼結の金属粒子101Sと焼結された金属粒子102Sとの境界の位置(左端からの距離)と異なっている。
次にレーザー121がまだ走査されていない領域、即ち、レーザー121の走査位置を示す矢印の右の領域について説明する。この領域には、粒径の小さい金属粒子101Sが散布されている。レーザー121が走査される前の状態であり、金属粒子101Sは未燒結である(散布された状態のままである)。
燒結後の層S1〜S3の状態
実際にはケーシング7は、図6(a)〜(c)のように層S1〜S3のような少ない数の層で形成することは少なく、数十あるいは数百あるいはもっと多数の層を重ねて形成される。その場合は、図6(a)、図6(b)、図6(c)といった各層形成工程を繰り返すことで多数の層が重なったケーシング7を形成する。
また、各層の厚さは薄い。各層の厚さは、例えば、5μm〜300μmである。仮に、層厚を50μmとすると、燒結させるためのレーザー(又は電子ビーム)は、それより大きな層厚100μmを燒結させる強度のレーザー(または電子ビーム)であればよい。
ここでは説明を簡略化するため、図6(a)〜(c)の工程だけ(層S1、層S2、層S3の3層だけ)で燒結が完了するものとする。図6(a)〜(c)の工程で燒結が行われると、全体としては燒結されているが、レーザー121照射による燒結がされず、未燒結のまま残存している金属粒子(101S、101L)が残っている。そこで、燒結していない金属粒子101(101S、101L)をふるい落とす。あるいは、水や洗剤、揮発剤等を用いた洗浄をする。更に超音波をかけて洗浄すると、燒結していない金属粒子101(101S、101L)を効果的に除去できる。すると、図6(d)に示すように、燒結された金属粒子102(102S、102L)だけが残る。
図6(d)に示されるように、層S1〜層S3全ての層でレーザー121による選択的照射による燒結が完了した燒結体では、層S1は全面が燒結した粒径の小さい金属粒子102Sで形成されている。層S3も全面が燒結した粒径の小さい金属粒子102Sで形成されているが、その面積は層S1の面積より小さい。層S1と層S3に挟まれた層S2は、左側と右側が燒結した粒径の小さい金属粒子102Sで形成され、中央部が燒結した粒径の大きい金属粒子102Lで形成されている。
層S1を形成する金属粒子(102S)と、層S2を形成する金属粒子(102S、102L)とは燒結により接合されている。また、層S2を形成する金属粒子(102S、102L)と、層S3を形成する金属粒子(102S)も燒結により接合されている。
図6(d)に図示されるように、燒結した粒径の小さな金属粒子102Sにより形成された箇所では粒子間の間隙(隙間)が小さく、燒結した粒径の大きな金属粒子102Lにより形成された箇所では粒子間の間隙(隙間)が大きい。従って、燒結した粒径の小さな金属粒子102Sにより形成された箇所では金属の結合は「密」、燒結した粒径の大きな金属粒子102Lにより形成された箇所では金属の結合は「粗」(「密」「粗」は相対的な概念である)となっている。
以上説明した方法により、ケーシング7は、金属の結合が「密」の領域(箇所、部分)と、金属の結合が「粗」の領域(箇所、部分)とを有するように形成できる。
図1等では、図6に例示される方法で形成された金属の結合が「密」の部分を符号M、金属の結合が「粗」の部分を符号Nで示している。
金属粒子の大きさによる燒結の違い
図7は、実施形態1のケーシングを構成する金属粒子の焼結を説明するための図で、図7(a)は焼結前の状態を説明するための図で、図7(b)は燒結後の状態を説明するための図である。
図7(a)に示すように、金属粒子101(未燒結)は、テーブル111上に撒かれ、あるいはスキージのようなもので印刷される等して層Sを形成している。
図7(b)に示すように、レーザー121が照射され、未燒結の金属粒子101は、燒結した後では、燒結した金属粒子102がテーブル111上で相互に結合している(符号102は燒結後の金属粒子を示す)。間に隙間103が形成されている。
図8は、実施形態1の粒径の小さな金属粒子が燒結したケーシングの一部を説明するための図で、図8(a)は燒結前の状態を説明するための図、図8(b)は燒結後の状態を説明するための図である。粒径の小さな金属粒子101S(未燒結)を燒結する場合の説明図である。
粒径の小さな金属粒子101S(未燒結)は、まず、図8(a)に示すように、テーブル111上に撒かれる等してテーブル111上に層Sを形成する。
次に、図8(b)に示すように、レーザー121が層Sに照射され、燒結前の粒径の小さな金属粒子101S(未燒結)は燒結されて、相互に結合した金属粒子102Sとなる。燒結後の金属粒子102S相互間の隙間103Sは小さく、金属相互の結合は「密」となっている。
図9は、実施形態1の粒径の大きな金属粒子が燒結したケーシングの一部を説明するための図である。図9(a)は燒結前の状態を説明するための図、図9(b)は燒結後の状態を説明するための図である。
粒径の大きな金属粒子101L(未燒結)は、まず、図9(a)に示すように、テーブル111上に撒かれる等してテーブル111上に層Sを形成する。
次に、図9(b)に示すように、レーザー121が層Sに照射され、燒結前の粒径の大きな金属粒子101Lは燒結されて、相互に結合した金属粒子102L(燒結した金属粒子)となる。燒結後の金属粒子102L相互間の隙間103Lは大きく、金属相互の結合は「粗」となっている。
金属粒子と樹脂粒子とを混合させて燒結する場合
図10は、実施形態1のケーシングを製造する際、金属粒子と樹脂粒子とを混合して使用し燒結する場合の説明をするための図である。図10(a)は燒結前の状態を説明するための図、図10(b)は燒結後の状態を説明するための図である。
実施形態1のケーシング7を製造する際、金属粒子101(未燒結)と樹脂粒子104とを混合して使用し燒結する場合について説明するための図である。
金属粒子101(未燒結)の材料は、図6の場合と同様、例えば、チタン、白金、タングステン、ステンレス、これらの合金等である。ステンレスは、SUS304等、いわゆる18−8ステンレスがよい。
樹脂粒子104の材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル等の熱可塑性樹脂である。
図10(a)に示すように、金属粒子101(未燒結)と樹脂粒子104とは混合された状態で、テーブル111上に撒かれ、あるいはスキージのようなもので印刷される等して薄い層Sを形成する。
図10(b)に示すように、レーザー121が131の方向に走査され、選択的に照射されると、レーザー121が照射された箇所の焼結前の金属粒子101(未燒結)は、燒結後に相互に結合した金属粒子102(燒結した金属粒子)となる。一方、レーザー121が照射された箇所の樹脂粒子104は、収縮、あるいは消滅する。そして、燒結後の金属粒子102間に隙間103が生ずる。
樹脂粒子104の大きさを変えたり、樹脂粒子104の混合割合を変更することで、燒結後の金属(粒子)102間の隙間(間)103の大きさや密度を変えることができる。これにより、金属の結合が「密」あるいは「粗」の領域を形成することができる。
ケーシングの製造方法(電子ビームによる製造方法)
これまで、図6〜図10を用いてレーザー燒結により補助人工心臓のケーシング(金属が密、粗であるケーシング)を製造する方法を説明した。レーザー燒結の場合、真空中でレーザーを照射させてもよいが、大気中でレーザーを金属粒子に照射して金属粒子を燒結させてもよい。レーザー燒結の場合は設備の準備が容易である。
これに対し、金属粒子に電子ビームを照射して金属粒子を溶融(溶融及び凝固、燒結)させてもよい。大気中で行ってもよいが、真空(完全な真空でなくてもよい)で行うと、いわゆる髭が発生しにくく、金属溶融品の表面の凹凸を小さく滑らかに仕上げることが容易である。
このような電子ビーム溶解法は、これまで説明したレーザー焼結法と同様、金属粒子(金属粉末)に電子ビームを照射して溶融させる。例えば、真空中でフィラメントを加熱し放出された電子を電磁コイルでコントロールし金属粒子に照射する。一般に、レーザー(ビーム、光)に比べて高出力、高速である。
電子ビーム溶融法では、金属粉末全体を一定温度まで加熱した後に、造形部分に高融点の電子ビームを照射することから、レーザー焼結法などで懸念される残留応力による形状変化は起きないとされている。例えば、真空化における造形温度は1000℃の高温に達し、高精度に溶融される。対応している金属粉末はチタンやコバルト・クロム、インコネルといった材料である。粉末原料はあらかじめ合金化しておくこともでき、あらかじめ合金化しておくことで早く造形することも可能である。
電子ビーム溶融法でケーシングを製造するやり方の例は、図6〜図10を用いて説明したレーザー燒結法でのやり方とほぼ同様である。異なるのは、電子ビームを照射する金属粒子を加熱しておくことや、真空中で電子ビームを照射する点である。金属層を積層する点等は図6〜図10と同様である。従って、図6〜図10での工程が真空中で行われる、レーザーの代わりに電子ビームを用いる、電子ビームを照射する金属粒子を電子ビーム照射前(あるいは照射時)に加熱しておくことを除き、他の説明はレーザー燒結の場合と同様である。図6〜図10を用いてレーザーによる焼結について説明した文章中で、走査や焼結については、「レーザー」(の走査、による焼結)を、「電子ビーム」(の走査、による焼結)に置き換えればよい。
[実施形態2]
図11は、実施形態2に係る補助人工心臓11の概要を説明するための図である。
図11に示す実施形態2に係る補助人工心臓11は、基本的には図2に示す実施形態1に係る補助人工心臓1と同様であり、図2に示す実施形態1に係る補助人工心臓1と同じ符号は同じ意味を有する。実施形態1が有する効果のうち、実施形態2に係る補助人工心臓11に該当する効果については同様の効果を有する。
図11の実施形態2に係る補助人工心臓11では、軸4中に液体202の流路9が形成されていること、それに伴いメカニカルシール303が形成されていること等が異なる。
液体202は、液体流入口93から液体流入用流路91を通って、ケーシング7に流入する。液体202は、モーター3のローター5やステーター6の周辺を通って、モーター3の発熱を吸収する。その後、軸4中の、上下に形成された流路9を通り、軸4から抜ける穴95を通り、液体流出用流路92を経由して、液体流出口94から流出する。
軸4は軸受41で保持されている。
羽根車2とケーシング7との間には、羽根車2側にロータリー側摺動部材301と、ケーシング7側の固定側摺動部材302との間で、いわゆるメカニカルシール303が形成されている。メカニカルシール303により、液体202は人工心室8側に行くことがなく、一方、人工心室8の血液201は液体202の流路9側に行くことがない。
符号304で示すのはクッションリングである。羽根車2に急激な重力等が加わった場合でも円滑な回転を可能とする。
図11に示すように、ケーシング7のコイル62や鉄心61のステーター6が配置された箇所には、金属の結合が密の領域71が設けられている。この金属の結合が密の領域71はステーター6配置部から、液体の流路9に至るまで設けられている。
ケーシング7の人工心室8を形成する表面部は、金属の結合が密で形成されているが、その下の部分(人工心室8とモーター3との間)には金属の結合が粗の領域が設けられている。
モーター3で発生した熱はステーター6周辺の金属の結合が密の領域で吸収され、流路9の液体202で冷却される。
液体流入用流路91の表面部、液体流出用流路92の表面部、及び液体流入用流路91と液体流出用流路92の間の領域は、ケーシング7を構成する金属の結合が密になっている。液体流入用流路91の表面部や液体流出用流路92の表面部で金属の結合が密になっていると、流路91、92内の液体202が流路91、92内に保たれ、流出することがない。液体が使用者1000の体内に漏れるリスクを抑制できる。
なお、ローター5と軸4とは図2のようにローター5の中央部で軸4と結合(連結)されていてもよいが、図11のように、ローター5の端部と結合(連結)されていてもよい。
また、図11のように、ステーター6とステーター7との間には、ステーター保護層63を設けても良い。ステーター保護層63の箇所は、保護層と空間とで構成してもよい。あるいは、空間としてもよい。
[変形例]
液体流入用流路と液体流出用流路周辺のケーシングの変形
図12は、変形例を説明するための図である。図12(a)〜(c)は、人工補助心臓(1、11)で、それぞれ液体202の流入用流路91と流出用流路92が隣接して設けられたケーシングを説明ための図である。流入用流路91は液体流入口93に繋がり、流出用流路92は液体流出口94に繋がっている。
図12(a)では、ケーシング7の、液体202の流入用流路91の表面(流路壁面)と、流出用流路92の表面(流路壁面)と、流入用流路91と流出用流路92の間の領域で、金属の結合が密になっている。流入用流路91から離れた下部(モーター3側)の領域(箇)や、流出用流路92から離れた上部(人工心室8)の領域(箇所)では、金属の結合が粗になっている。
このようにすると、液体202が流路91、92からケーシング7内に入ることが抑制され、使用者1000の人体に入り込むリスクが抑制される。
図12(b)では、ケーシング7の、液体202の流入用流路91の表面(流路壁面)と、流出用流路92の表面(流路壁面)の領域(部分)で、金属の結合が密になっている。流入用流路91と流出用流路92の間の両者の表面から離れた領域(部分)での金属の結合が粗になっている。このようにすると、流入用流路91や流出用流路92中に液体は閉じ込められ、また、両者間の熱の伝導は抑制される。流出用流路92を流れる熱を吸収した液体202の熱は、流入用流路91を流れる液体202に伝わりにくくなる。
図12(c)では、ケーシング7の、液体202の流入用流路91の表面(流路壁面)、流出用流路92の表面(流路壁面)、及び流入用流路91と流出用流路92の間の領域(部)で、金属の結合が粗になっている。このようにすると、流出用流路92等を流れる液体は粗のケーシング7部分に入り、熱がある程度冷却される。また、ケーシング7の金属の結合が粗になった分、ケーシング7、ひいては人工心臓7の重さが軽くなる。
なお、以上の実施形態で、金属の結合が密の領域、金属の結合が粗の領域は、相対的なものである。金属の結合が密の領域と粗の領域の境では、金属の結合が急激に変化するようにしてもよいが、徐々に変化するように形成してもよい。金属の結合が密の領域、粗の領域では、その領域での金属の結合が一様であってもよいが、不均一であってもよい。不均一な場合には同じ体積の金属の塊で比較する。その中の空隙の体積の合計体積の大小で相対的に密であるか、粗であるかを決める。
また、モーター3は、ブラシを有する直流モーター、ブラシのない直流モーターのいずれであってもよいが、生体に埋め込むには、ブラシの接触がないブラシのない直流モーター(ブラシレス直流モーター)が好ましい。
また、ホール素子等のセンサーを内蔵したモーター、センサーのないモーターのいずれであってもよい。センサーの万一の故障を考えると、センサーがないモーターを使用するのが好ましい。
また、一部繰り返しになるが、ケーシング7の人工心室8が形成される表面が、金属の結合が密で形成されるようにしてもよい。このようにすると、血液201が人工心室8の表面に滞留することによる血栓等の発生リスクを抑制できる。
ケーシング7の、液体流入用流路91や、液体流出用流路92、あるいはこれらを含む液体流路9が形成される空間の表面が金属の結合が密で形成されるようにしてもよい。このようにすると、液体202が液体流路9の表面に滞留することによる汚れ等のリスクを抑制できる。
ケーシング7の外側の表面は、金属の結合が密で形成されるようにしてもよい。このようにすると、補助人工心臓1(11)が使用者1000の体内に埋め込まれても、補助人工心臓1(11)の外側から人体の体液が、人工心室8やn液体流路に入り込むリスクを抑制できる。その逆に、人工心室8内の血液201や、液体流路9を流れる液体202が体内に入り込むリスクも抑制できる。
以上のようにケーシング7の表面が、金属の結合が密で形成されてもモーター3の熱の伝達に与える影響は小さく、無視できる。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能である。
1、11…補助人工心臓、2…羽根車、21…羽根、3…モーター、4…軸、5…ローター、51…永久磁石、52…ステーター保護層、6…ステーター、61…鉄心、62…コイル、63…ローター保護層、7…ケーシング、71…モーター配置部の金属の結合が密の領域、72…モーター配置部と人工心室との間の金属の結合が粗の領域、73…液体流入用流路と液体入出用流路との間の金属の結合が粗の領域、8…人工心室、81…血液流入口、82…血液流出口、9…液体流路、91…液体流入用流路、92…液体流出用流路、93…液体流入口、94…液体流出口、95…液体用穴、101…金属粒子(未燒結)、101S…粒径の小さな金属粒子(未燒結)、101L…粒径の大きな金属粒子(未燒結)、102…(燒結後の)焼結した金属粒子、102S…(燒結後の)焼結した粒径の小さな金属粒子、102L…(燒結後の)焼結した粒径の大きな金属粒子、103…隙間、104…樹脂粒子、111…テーブル、112…テーブル昇降体、121…レーザー、201…血液、202…液体、301…ロータリー側摺動部材、302…固定側摺動部材、303…メカニカルシール、304…クッションリング、1000…使用者、1001…心臓、1002、1003…人工血管、1004…チューブ、1005…制御装置、M…金属の結合が密の部分、N…金属の結合が粗の部分、S1、S2、S3…層

Claims (6)

  1. 羽根車と、前記羽根車を回転させるモーターと、前記モーターが固定されるケーシングと、を備え、
    前記羽根車は、羽根、及び前記羽根に連結される軸を有し、
    前記モーターは、前記軸に連結された永久磁石が円周方向に沿って配列され前記軸が回転することにより前記羽根車を回転させるローター、並びに、前記ローターが回転する外周に沿って前記永久磁石に対向するように配列された鉄心及び前記鉄心に巻回されたコイルを有するステーターを有し、
    前記ケーシングは、前記モーターの前記ステーターが固定されるとともに、前記羽根を囲んだ内部空間に人工心室が形成され、前記ケーシングの内部に前記モーターからの発熱を冷却する液体が流通する液体流路が形成された、補助人工心臓であって、
    前記ケーシングは、金属で構成され、
    前記ケーシングには、前記モーターの配置部から前記液体流路の一部に至る金属の結合が密の領域と、前記金属の結合が密の領域と前記人工心室との間に設けられた金属の結合が粗の領域と、が形成されていることを特徴とする補助人工心臓。
  2. 前記ケーシングの前記人工心室が形成された面においては金属の結合が密に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の補助人工心臓。
  3. 前記ケーシングは、少なくも、それぞれ独立した部品である、前記人工心室の一部を形成する人工心室形成ケーシング部と、前記モーターの前記ステーターが固定されるステーター固定ケーシング部と、を有し、それらが一体化されて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の補助人工心臓。
  4. 前記前記液体流路は、前記補助人工心臓への液体流入用流路と、前記補助人工心臓からの液体流出用流路と、を含み、前記ケーシングは、前記液体流入用流路と前記液体流出用流路との間に金属の結合が粗である領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の補助人工心臓。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項の補助人工心臓のケーシング製造方法であって、
    金属粒子にレーザーを照射して前記金属粒子を燒結させることにより、前記ケーシングを構成する金属の結合を粗及び密に形成することを特徴とする補助人工心臓のケーシング製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項の補助人工心臓のケーシング製造方法であって、
    金属粒子に電子ビームを照射して前記金属粒子を溶融させることにより、前記ケーシングを構成する金属の結合を粗及び密に形成することを特徴とする補助人工心臓のケーシング製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021153709A1 (ja) 2020-01-31 2021-08-05 積水メディカル株式会社 核酸の検出又は定量方法

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