JP2020013761A - Electromagnetic wave heating device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電磁波を利用して加熱対象物を誘電加熱する電磁波加熱装置に関する。 The present invention relates to an electromagnetic wave heating device that performs dielectric heating of an object to be heated using electromagnetic waves.
従来から、電子レンジなどの電磁波加熱装置において、加熱対象物に対する加熱効率を向上させるために様々な開発が行われている。 2. Description of the Related Art Conventionally, various developments have been made in an electromagnetic wave heating device such as a microwave oven in order to improve the heating efficiency of a heating object.
特許文献1には、加熱室の壁面に配備された平面アンテナを備えた電磁波加熱装置が記載されている。この装置では、平面アンテナが、アレイ状に配置された複数の小アンテナからなる。制御装置は、複数の小アンテナから電磁波を放射した際に発生する反射電力に基づいて、被加熱物の形状又は温度分布を検出し、その検出結果に基づいて、複数の小アンテナのそれぞれに給電するマイクロ波の大きさを決定する。 Patent Literature 1 describes an electromagnetic wave heating device provided with a planar antenna provided on a wall surface of a heating chamber. In this device, the planar antenna includes a plurality of small antennas arranged in an array. The control device detects the shape or temperature distribution of the object to be heated based on the reflected power generated when radiating electromagnetic waves from the plurality of small antennas, and feeds each of the plurality of small antennas based on the detection result. Determine the size of the microwave to be applied.
ところで、従来の電磁波加熱装置では、互いに対向するアンテナ間で、互いの電磁波が干渉し合う虞がある。すなわち、互いに対向する一方のアンテナから放射された電磁波のエネルギーが、他方のアンテナに受信されてそのアンテナの伝送線路で消費されやすくなる。そのため、電磁波による加熱効率が低下する虞がある。 By the way, in the conventional electromagnetic wave heating device, there is a possibility that mutual electromagnetic waves may interfere with each other between the antennas facing each other. That is, the energy of the electromagnetic wave radiated from one of the antennas facing each other is easily received by the other antenna and consumed by the transmission line of that antenna. Therefore, there is a possibility that the heating efficiency due to the electromagnetic wave is reduced.
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電磁波を利用して加熱対象物を誘電加熱する電磁波加熱装置において、電磁波による加熱効率を向上させることを目的とする。 The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to improve the efficiency of heating by electromagnetic waves in an electromagnetic wave heating device that dielectrically heats an object to be heated using electromagnetic waves.
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、電磁波を利用して加熱対象物を加熱する電磁波加熱装置であって、加熱対象物が配置される加熱室と、加熱室における第1内側面に配置された第1側面アンテナと、加熱室において第1内側面に対向する第2内側面に配置された第2側面アンテナと、第1側面アンテナ及び第2側面アンテナの各々に対し、加熱室に放射する電磁波を発振する発振装置とを備え、当該電磁波加熱装置は、第1側面アンテナが加熱室の底面側に指向性を有するように構成されている。 In order to solve the above-mentioned problems, a first invention is an electromagnetic wave heating device that heats an object to be heated by using an electromagnetic wave, wherein a heating chamber in which the object to be heated is arranged, and a first inner surface in the heating chamber A first side surface antenna disposed on the second side surface antenna disposed on the second inner side surface facing the first inner side surface in the heating chamber, and a heating chamber for each of the first side surface antenna and the second side surface antenna. And an oscillating device that oscillates electromagnetic waves radiated to the heating chamber. The electromagnetic wave heating apparatus is configured such that the first side antenna has directivity on the bottom side of the heating chamber.
第2の発明は、第1の発明において、第2側面アンテナの指向性は、第1側面アンテナに比べて低い。また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、第1側面アンテナは、板状に形成され、第1側面アンテナは、加熱室における第1内側面の凹部内に配置され、第1側面アンテナに供給される電磁波の波長をλとした場合に、第1側面アンテナの正面視において、第1側面アンテナの外周における下部は、凹部の外周における下側縁部までの距離がλ/10以上λ/4以下である。また、第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、第1側面アンテナでは、電磁波の入力端子が下部に配置され、入力端子の上側に共振器を構成する孔部が形成されている。また、第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、第1側面アンテナの外周は、下側の直線部と、直線部から上側に円弧状に延びる円弧部とを有する。 In a second aspect based on the first aspect, the directivity of the second side antenna is lower than that of the first side antenna. In a third aspect based on the first or second aspect, the first side surface antenna is formed in a plate shape, and the first side surface antenna is disposed in a concave portion of the first inner side surface in the heating chamber. Assuming that the wavelength of the electromagnetic wave supplied to the one-side antenna is λ, when viewed from the front of the first-side antenna, the lower portion of the outer periphery of the first-side antenna has a distance of λ / It is 10 or more and λ / 4 or less. In a fourth aspect based on any one of the first to third aspects, in the first side surface antenna, an input terminal of an electromagnetic wave is disposed at a lower portion, and a hole constituting a resonator is provided above the input terminal. Is formed. In a fifth aspect based on any one of the first to fourth aspects, the outer periphery of the first side surface antenna has a lower straight portion and an arc portion extending upward from the straight portion in an arc shape. .
本発明にでは、互いに対向する第1内側面と第2内側面とに、第1側面アンテナ及び第2側面アンテナが配置されている。そして、第1側面アンテナが加熱室の底面側に指向性を有するように、電磁波加熱装置が構成されている。そのため、第1側面アンテナから放射された電磁波が第2側面アンテナに受信されにくくなり、電磁波による加熱効率を向上させることができる。 In the present invention, the first side surface antenna and the second side surface antenna are disposed on the first inner surface and the second inner surface facing each other. The electromagnetic wave heating device is configured such that the first side antenna has directivity on the bottom side of the heating chamber. Therefore, the electromagnetic wave radiated from the first side antenna is less likely to be received by the second side antenna, and the heating efficiency by the electromagnetic wave can be improved.
以下、図1−図7を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。 Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to FIGS. The following embodiment is an example of the present invention, and is not intended to limit the scope of the present invention, its application, or its use.
[電磁波加熱装置の概略構成]
本実施形態に係る電磁波加熱装置10は、例えば食品などの加熱対象物1を誘電加熱する電子レンジである。電磁波加熱装置10は、図1に示すように、加熱対象物1が配置される加熱室12を形成する箱状部材14と、マイクロ波を発振する複数の発振器16a〜16cと、発振器16a〜16c毎に設けられて発振器16a〜16cから発振されたマイクロ波を加熱室12に放射する複数のアンテナ21〜23と、発振器16a〜16c毎に設けられて発振器16a〜16cからアンテナ21〜23へマイクロ波を伝送する複数の伝送線路18a〜18cとを備えている。各アンテナ21〜23は、導電性の金属板により構成され、加熱室12に面する位置に配置されている。
[Schematic configuration of electromagnetic wave heating device]
The electromagnetic
なお、本実施形態では、電磁波加熱装置10が、第1発振器16aと第2発振器16bと第3発振器16cの3つのマイクロ波発振器を備えている。そして、第1発振器16aに対し第1アンテナ21と第1伝送線路18aが設けられ、第2発振器16bに対し第2アンテナ22と第2伝送線路18bが設けられ、第3発振器16cに対し第3アンテナ23と第3伝送線路18cが設けられている。
In this embodiment, the electromagnetic
箱状部材14は、前側が開放された略直方体の箱体である。箱状部材14の前側は、後述するハウジングに取り付けられた開閉扉30(図2など参照)により塞がれる。箱状部材14では、底面及び左右の各側面に、アンテナ21〜23の収容室となる凹部14a〜14cが形成されている。底面の凹部14aは、第1アンテナ21の収容室となっている。右側面の凹部14bは、第2アンテナ22の収容室となっている。左側面の凹部14cは、第3アンテナ23の収容室となっている。なお、電磁波加熱装置10における左右は、前側から見た向きを言う。
The box-
各凹部14a〜14cは、加熱室12側から各アンテナ21〜23が見えないように、マイクロ波を透過する絶縁体(例えばセラミックス等の耐熱性を有する絶縁体)の遮蔽板15a〜15cにより塞がれている。加熱室12は、箱状部材14内において各凹部14a〜14cを塞ぐ遮蔽板15a〜15cの内側に形成された、略直方体の空間である。加熱室12の底面(遮蔽板15aの上面)は、加熱対象物1を載せる載置台13となる。
The
箱状部材14は、マイクロ波を反射する材料(金属等)で構成されている。箱状部材14は、電磁波加熱装置10の外装となるハウジング(図示省略)内に設けられている。ハウジングの前面には、加熱室12に加熱対象物1を出し入れするための開閉扉30が設けられている。開閉扉30の内面は、マイクロ波を反射するように加工が施されている。加熱室12は、マイクロ波を反射する6面で区画されている。加熱室12では、マイクロ波の反射等により固有の電磁界分布が発生する。
The box-
箱状部材14の各側面の凹部14b,14cは、正面視において略矩形状に形成されている(図3及び図4参照)。各凹部14b,14cは、四角錐台状の窪みであり、図1における縦断面視において加熱室12側に向かって広がっている。なお、各凹部14b,14cは、底面の一辺が1波長以上で、深さ(四角錐台の高さに相当)が4分の1波長から16分の1波長までの範囲内の長さに設計されている。ここでの波長は各凹部14b,14cに設けられたアンテナ22,23での電気長とする。
The
第1アンテナ21は、加熱室12における底面に配置された底面アンテナに相当する。第1アンテナ21は、箱状部材14の凹部14a内において、加熱室12の底面における載置台13(加熱対象物の載置エリア)の裏側に配置されている。第1アンテナ21は、遮蔽板15aに略平行に設けられている。第1アンテナ21の外周形状は、図2に示すように、略円形である。第1アンテナ21の中心部には、入力端子51が取り付けられている。第1アンテナ21についての詳細は後述する。なお、第1アンテナ21の外周形状は略円形以外であってもよい。
The
第2アンテナ22は、加熱室12における第1内側面(右側面)に配置された第1側面アンテナに相当する。第2アンテナ22は、箱状部材14の凹部14b内において、遮蔽板15bの裏側に配置されている。第2アンテナ22は、遮蔽板15bに略平行に設けられている。第2アンテナ22は、図3に示すように、略扇形の板状(具体的に略半円板状)に形成されている。第2アンテナ22の下部には、入力端子52が取り付けられている。第2アンテナ22についての詳細は後述する。なお、第2アンテナ22は略扇形の板状以外の形状であってもよい。
The
第3アンテナ23は、加熱室において第1内側面に対向する第2内側面(左側面)に配置された第2側面アンテナに相当する。第3アンテナ23は、箱状部材14の凹部14c内において、遮蔽板15cの裏側に配置されている。第3アンテナ23は、遮蔽板15cに略平行に設けられている。第3アンテナ23は、図4に示すように、横長の略矩形状に形成されている。第3アンテナ23の下部には、入力端子53が取り付けられている。第3アンテナ23についての詳細は後述する。なお、第3アンテナ23は横長の略矩形状以外の形状であってもよい。
The
各発振器16a〜16cは、マイクロ波の発振源としてパワー半導体デバイス(図示省略)を用いた、周波数可変型の半導体発振器である。各発振器16a〜16cは、所定の周波数帯域(以下、「掃引可能範囲」という。)において、高速で発振周波数を繰り返し掃引しながら、マイクロ波を発振することが可能である。例えば、3つの発振器16a〜16cでは、マイクロ波の発振周波数の掃引可能範囲が同じである。掃引可能範囲は、例えば2.35GHzから2.55GHzまでの範囲である。なお、第1発振器16aは底面用発振器を構成する。第2発振器16bは第1側面用発振器を構成する。第3発振器16cは第2側面用発振器を構成する。
Each of the
各伝送線路18a〜18cは、マイクロ波を伝送可能な同軸ケーブルにより構成されている。第1伝送線路18aは、一端が第1発振器16aの出力端子に接続され他端が第1アンテナ21の入力端子51に接続されている。第2伝送線路18bは、一端が第2発振器16bの出力端子に接続され他端が第2アンテナ22の入力端子52に接続されている。第3伝送線路18cは、一端が第3発振器16cの出力端子に接続され他端が第3アンテナ23の入力端子53に接続されている。
Each of the
[第1アンテナについて]
第1アンテナ21は、略円板状に形成されている。第1アンテナ21は、第1発振器16aからのマイクロ波が入力される入力端子51を有する。図2に示すように、入力端子51は、第1アンテナ21の中心位置に配置されている。第1アンテナ21では、共振周波数が互いに異なる複数の主孔部32(本実施形態では、4つの主孔部32)が、入力端子51の周囲に形成されている。複数の主孔部32は、入力端子51を中心に点対称に形成されている。各主孔部32は、電圧位相と電流位相との関係性を示す容量性リアクタンスを調節するためのものである。
[About the first antenna]
The
第1アンテナ21では、複数の主孔部32が形成された領域の外側を囲うように、第1アンテナ21の外周側へのマイクロ波の伝達を妨げる複数の外側孔部31(本実施形態では、8つの外側孔部31)が形成されている。複数の外側孔部31は、周方向に沿って等角度間隔で形成されている。複数の外側孔部31は、第1アンテナ21の中心からの距離が互いに略等しい。各外側孔部31の形状は、内側部分を取り除いた略扇形状(ドーナツ状の扇形)に形成されている。周方向に隣り合う外側孔部31間の距離は、電気的な導電性が高く構造強度を保つ距離であり、板厚の3〜5倍(例えば3〜5mm)とすることができる。
In the
本実施形態では、入力端子51からマイクロ波が入力された場合に、第1アンテナ21における複数の外側孔部31の内側に、加熱室12の底面に向かってマイクロ波を放射する主放射領域21aが形成される。主放射領域21aでは、主放射領域21aの半径における真ん中付近(中心と主放射領域21aの外周との真ん中付近)が、周方向に亘って強電界領域となる。主放射領域21aでは、この強電界領域に複数の主孔部32が周方向に沿って形成されている。
In the present embodiment, when a microwave is input from the
また、主放射領域21aでは、中心から放射状に径方向に沿って複数の副孔部33(本実施形態では、4つの副孔部33)が形成されている。主放射領域21aでは、周方向に隣り合う複数の主孔部32の間に、副孔部33が1つずつ形成されている。各副孔部33は、第1アンテナ21においてマイクロ波をインピーダンス整合させるために形成されている。各副孔部33の形状は、四隅が丸みを帯びた略矩形状又は略長円状である。各副孔部33は、第1アンテナ21の径方向に沿って延びている。各副孔部33は、内端が主孔部32の内周部32a(後述)より内側に位置し、外端が主孔部32の外周部32b(後述)より外側に位置している。
In the
なお、第1アンテナ21の半径r1は、第1アンテナ21におけるマイクロ波の電気長をλとした場合に、α×λ(α=1/2〜3/4の範囲の値)により表される。第1アンテナ21の半径r1は、幾何学的な寸法ではなく電磁界分布を考慮した電気長に基づく。例えば、掃引可能範囲の中央値が2.45GHzである場合、λは約120mmであり、第1アンテナ21の半径r1は60mm〜90mmの範囲の値となる。なお、半径r1は、この長さに限定されない。
The radius r 1 of the
主孔部32の形状や機能等について説明する。図2の左下の波線内には、主孔部32の拡大図を示す。各主孔部32の形状は、後述する凸部35がなければ、内側部分を取り除いた略扇形状である。各主孔部32の中心角は、略90度である。各主孔部32の外周は、内周部32aと、内周部32aに対向する外周部32bと、2箇所の接続径部32cとを有する。各主孔部32では、外周部32bから略矩形の凸部35が内向きに突出している。第1アンテナ21の正面視において各主孔部32には、主孔部32の外周が入力端子51に向かって内側に突出するように曲がった凸部35が形成されている、各主孔部32では、凸部35が共振周波数を同調させる機能を果たす。
The shape and function of the
第1アンテナ21では、複数の主孔部32について互いに共振周波数が異なるように形成されている。各主孔部32では、主に凸部35先端の容量成分と主孔部32の外周で得られる誘導電流とにより共振周波数が決定される。例えば、複数の主孔部32は、互いに同じ形状ではあるが、大きさが互いに異なり、周長が互いに異なる。また、複数の主孔部32では、凸部35の長さ及び幅が互いに異なる。各凸部35は、箱状部材14が持つ固有モード(定在波)と各主孔部32が持つ共振周波数を一致させる。主孔部32の寸法について、例えば、主孔部32の外周はλ/2(40〜60mm)、凸部35の幅Sは外周部32bの長さWの1/3程度の寸法、凸部35の長さ(突出長)はλ/8(10〜15mm)とすることができる。なお、λは第1アンテナ21におけるマイクロ波の電気長である。
In the
第1アンテナ21では、各主孔部32の外周がマイクロ波の伝送線路となる。各主孔部32は、箱状部材14に固有のモード(定在波)が多数存在する中において、印加されるマイクロ波の周波数の変化に応じて固有のモード(定在波)を励振できる。入力端子51から入力されるマイクロ波の周波数が変化する場合、各主孔部32は、外周を流れるマイクロ波(電流)の電気長λが、主孔部32の外周長に対しλ/2の整数倍となるタイミングで共振する。加熱室12では、マイクロ波に共振する主孔部32を起点として電界が効果的に立ち上がるため、マイクロ波に共振する主孔部32の変化に応じて強電界領域の位置が変化する。このように、本実施形態では、第1アンテナ21を回転させなくても、加熱室12の載置台13上では強電界領域が変化する。これにより、加熱対象物1における加熱分布の均一化を図ることができる。
In the
[第2アンテナについて]
第2アンテナ22は、図3に示すように、略扇形状(具体的に略半円状)に形成されている。具体的に、第2アンテナ22は、扇状(半円状)に形成された本体部22aと、本体部22aの下側に連続する長板状の下部22bにより構成されている。第2アンテナ22は、略半円状であるが、正確には半円の本体部22aに、高さが低い下部22bが付加された形状をしている。図3では、本体部22aと下部22bとの境界を点線で示す。また、第2アンテナ22は、第2発振器16bからのマイクロ波が入力される入力端子52を有する。入力端子52は、本体部22aの中心位置に配置されている。
[About the second antenna]
As shown in FIG. 3, the
第2アンテナ22は、平面形状が略扇形状である点に加え、外側孔部32が形成されていない点において第1アンテナ21とは異なる。入力端子52からマイクロ波が入力された場合に、第2アンテナ22の半径における真ん中付近(中心と外周との真ん中付近)が、周方向に亘って強電界領域となる。第2アンテナ22では、この強電界領域に、周方向に沿って複数の主孔部42(本実施形態では、2つの主孔部42)が形成されている。
The
また、第2アンテナ22では、中心から放射状に径方向に沿って複数の副孔部43(本実施形態では、3つの副孔部43)が形成されている。本実施形態では、2つの主孔部42の間と各主孔部42の下側に、1つずつ副孔部43が形成されている。各副孔部43は、第2アンテナ22においてマイクロ波をインピーダンス整合させるために形成されている。各副孔部43の形状は、四隅が丸みを帯びた略矩形状又は略長円状である。各副孔部43は、本体部22aの径方向に沿って延びている。各副孔部43は、内端が主孔部42の内周部42a(後述)より内側に位置し、外端が主孔部42の外周部42b(後述)より外側に位置している。
In the
なお、第2アンテナ22における本体部22aの半径r2は、第2アンテナ22におけるマイクロ波の電気長をλとした場合に、α×λ(α=1/2〜3/4の範囲の値)により表される。第2アンテナ22の半径r2は、幾何学的な寸法ではなく電磁界分布を考慮した電気長に基づく。例えば、掃引可能範囲の中央値が2.45GHzである場合、λは120mmであり、本体部22aの半径r2は60mm〜90mmの範囲の値となる。なお、半径r2は、この長さに限定されない。
The radius r 2 of the
主孔部42の形状や機能等について説明する。図3の左下の波線内には、主孔部42の拡大図を示す。各主孔部42の形状は、主孔部32と同様に、後述する凸部36がなければ、内側部分を取り除いた略扇形状である。各主孔部42の中心角は、略90度である。各主孔部42の外周は、内周部42aと、内周部42aに対向する外周部42bと、2箇所の接続径部42cとを有する。各主孔部42では、外周部42bから略矩形の凸部36が内向きに突出している。第2アンテナ22の正面視において各主孔部42には、主孔部42の外周が入力端子52に向かって内側に突出するように曲がった凸部36が形成されている。各主孔部42では、凸部36が共振周波数を同調させる機能を果たす。凸部36の長さは、例えば、内周部42aと外周部42bとの距離の略半分である。
The shape and function of the
第2アンテナ22では、複数の主孔部42について互いに共振周波数が等しくなるように形成されている。複数の主孔部42は、互いに同じ形状で同じ大きさである。また、複数の主孔部42では、凸部36の長さ及び幅が互いに同じである。各主孔部42は、箱状部材14に固有のモード(定在波)が多数存在する中において、印加されるマイクロ波の周波数の変化に応じて固有のモード(定在波)を励振できる。また、各凸部36は、箱状部材14が持つ固有モード(定在波)と各主孔部42が持つ共振周波数を一致させる。
The
[第3アンテナについて]
第3アンテナ23は、図4に示すように、電磁波加熱装置10の前後方向に延びる略帯板状に形成されている。具体的に、第3アンテナ23は、略矩形状の本体部23aと、本体部23aの上辺における前寄りの位置と後ろ寄りの位置との各々から上側に突出する2つの凸部23bとを備えている。また、第3アンテナ23は、第3発振器16cからのマイクロ波が入力される入力端子53を有する。入力端子53は、本体部23aの下部において前後方向の中心部に配置されている。
[About the third antenna]
As shown in FIG. 4, the
[側面アンテナの指向性について]
電磁波加熱装置10は、第2アンテナ(第1側面アンテナ)22が加熱室12の底面側(斜め下方向)に指向性を有するように構成されている。また、第3アンテナ(第2側面アンテナ)は高い指向性を有していない。第3アンテナ23の指向性は、第2アンテナ22に比べて低い。以下では、第2アンテナ22が底面側に指向性を有するようにした構成について説明する。
[Directivity of side antenna]
The electromagnetic
第2アンテナ22の外周は、下側の直線部22cと、直線部22cから上側に円弧状に延びる円弧部22dとを有する。直線部22cは、加熱室12の底面に略平行に前後方向に延びている。直線部22cは、凹部14bの外周の下辺(下側縁部)114aに略平行である。第2アンテナ22に供給されるマイクロ波の波長をλとした場合に、図2に示す第2アンテナ22の正面視において、第2アンテナ22の外周における直線部22c(下部)から凹部14bの下側縁部114aまでの距離X1は、λ/10以上λ/4以下であり、例えば30mmである。そのため、第2アンテナ22の下側の電界が強くなる。
The outer periphery of the
また、円弧部22dの頂点から凹部14bの外周における上側縁部114bまでの距離X2は、λ/2より少し大きく、例えば70mmである。第2アンテナ22の上側は円弧状であるため、円弧部22dから凹部14bの上側縁部114bまでの平均距離は大きい。第2アンテナ22の円弧部22dと凹部14bの上側縁部114bとは、共に電界が略ゼロとなり、これらの間で共振は生じない。また、第2アンテナ22では、共振器を構成する主孔部42が入力端子52の上側に形成されており、マイクロ波のエネルギーが円弧部22d側に伝わりにくい。以上の構成により、第2アンテナ22は底面側に指向性を持ち、入力端子52から入力されたマイクロ波のエネルギーは載置台13上の加熱対象物1に効率的に供給される。
The distance X2 from the top of the
[発振器の制御について]
電磁波加熱装置10は、図5に示すように、各発振器16a〜16cを制御する制御装置40をさらに備えている。制御装置40は、MCU(マイクロ波コントロールユニット)により構成されている。
[Oscillator control]
As shown in FIG. 5, the electromagnetic
なお、各伝送線路18a〜18cでは、発振器16a〜16cとアンテナ21〜23との間に方向性結合器19a〜19c(第1方向性結合器19a、第2方向性結合器19b、第3方向性結合器19c)が設けられている。各方向性結合器19a〜19cから取り出された進行波及び反射波の各々は、電力計25に入力されて電力が計測される。電力計25及び3つの方向性結合器19a〜19cは、加熱室12側で反射して各発振器16a〜16cに戻るマイクロ波の反射波強度を計測する反射波計測部を構成している。
In each of the
また、各発振器16a〜16cは、IQ変調器(直交変調器)を有し、位相変調が可能に構成されている。また、各方向性結合器19a〜19cと電力計25とを結ぶ各配線には、IQ復調器(直交復調器)により構成された復調部20a〜20c(第1復調部20a、第2復調部20b、第3復調部20c)が設けられている。各復調部20a〜20cは、各方向性結合器19a〜19cから取り出された進行波及び反射波の各々を復調し、復調した信号が電力計25に入力される。
Each of the
加熱運転の開始時に、制御装置40はまずモニタリング動作を行う。モニタリング動作は、各アンテナ21〜23の共振周波数を検出する動作である。
At the start of the heating operation, the
具体的に、モニタリング動作では、制御装置40が、各発振器16a〜16cに対し、上述の掃引可能範囲(例えば、2.35GHz〜2.55GHz)で発振周波数を繰り返し掃引しながらマイクロ波を発振する掃引動作を実行させる。掃引動作の期間(マイクロ波の発振期間)に、制御装置40は、電力計25の出力信号のうち各方向性結合器19a〜19cから取り出された反射波の電力測定情報に基づいて、各アンテナ21〜23における反射波強度(リターン・ロス(S11))の情報として、図6に示すような反射波強度の周波数特性の情報を取得する。そして、制御装置40は、各アンテナ21〜23について、反射波強度のディップが生じる周波数を共振周波数として検出する。
Specifically, in the monitoring operation, the
図6に示す反射波強度の周波数特性が取得された場合、第1アンテナ21の共振周波数は2.45GHzと2.51GHzであり、第2アンテナ22の共振周波数は2.405GHzと2.475GHzであり、第3アンテナ23の共振周波数は2.415GHzと2.455GHzと2.46GHzと2.495GHzと2.54GHzである。なお、以下では、モニタリング動作により検出された共振周波数を「検出周波数」という。
When the frequency characteristics of the reflected wave intensity shown in FIG. 6 are obtained, the resonance frequencies of the
加熱運転中にモニタリング動作が終了すると、制御装置40は周波数設定動作を行う。周波数設定動作は、各発振器16a〜16cに対し発振周波数を設定する動作である。周波数設定動作により、各発振器16a〜16cは、掃引動作から、1つ周波数に発振周蓮を固定してマイクロ波を発振する動作、又は、複数の周波数の間で発振周波数を切り替えながらマイクロ波を発振する動作に切り替えられる。
When the monitoring operation is completed during the heating operation, the
具体的に、周波数設定動作では、制御装置40は、第1発振器16aについては、対応する第1アンテナ21の検出周波数から1つ又は複数の値を発振周波数として選択して設定し、第2発振器16b及び第3発振器16cについては、対応する第2アンテナ22及び第3アンテナ23の検出周波数から1つの値を発振周波数として選択して設定する。そして、制御装置40は、各発振器16a〜16cに対し、設定した発振周波数でのマイクロ波の発振を指示する。第1発振器16aは、複数の値が発振周波数として設定された場合、複数の値の間で発振周波数を高速で切り替えながらマイクロ波を発振する。
Specifically, in the frequency setting operation, for the
検出周波数の選択について説明する。制御装置40は、第1発振器16aの発振周波数について、第1アンテナ21の検出周波数が1つの場合、その検出周波数を選択し、第1アンテナ21の検出周波数が複数の場合、反射波強度が最も低い検出周波数(「低ロス周波数」という。)を選択すると共に、低ロス周波数と反射波強度の差が第1判定値以下(例えば、第1判定値=5dB)の検出周波数が存在する場合、その検出周波数も選択する。また、制御装置40は、第2発振器16b及び第3発振器16cの各発振周波数について、対応するアンテナ22,23の検出周波数が1つの場合、その検出周波数を発振周波数として選択し、対応するアンテナ22,23の検出周波数が複数の場合、低ロス周波数を発振周波数として選択する。第2アンテナ22及び第3アンテナ23では、検出周波数の数が1つでも複数でも、選択される検出周波数は1つである。なお、第2発振器16b又は第3発振器16cについても、第1発振器16aと同様手法などで、複数の周波数を発振周波数として設定してもよい。この場合、各発振器16b,16cは、複数の周波数の間で発振周波数を高速で切り替えながらマイクロ波を発振する。
The selection of the detection frequency will be described. The
図6を例にして説明すると、2つの検出周波数が存在する第1アンテナ21について、低ロス周波数は2.45GHzであり、この低ロス周波数と反射波強度の差が第1判定値(5dB)以下の検出周波数(2.51GHz)が存在する。2つの検出周波数の両方(2.45GHzと2.51GHz)が選択されて、これらの値が第1発振器16aの発振周波数に設定される。その結果、第1発振器16aは、2つの値(2.45GHzと2.51GHz)の間で発振周波数を高速で切り替えながらマイクロ波を発振する。このマイクロ波の発振期間に、第1アンテナ21ではマイクロ波に共振する主孔部32が変化し、その変化に応じて加熱室12では強電界領域の位置が変化する。
Referring to FIG. 6 as an example, for the
また、2つの検出周波数が存在する第2アンテナ22について、低ロス周波数は2.405GHzである。2つの検出周波数の中から低ロス周波数(2.405GHz)のみが選択されて、この低ロス周波数が第2発振器16bの発振周波数に設定される。その結果、第2発振器16bは、1つの値(2.405GHz)に発振周波数を固定してマイクロ波を発振する。
Further, for the
また、5つの検出周波数が存在する第3アンテナ23について、低ロス周波数は2.415GHzである。5つの検出周波数の中から低ロス周波数(2.415GHz)のみが選択されて、この低ロス周波数が第3発振器16cの発振周波数に設定される。その結果、第3発振器16cは、1つの値(2.415GHz)に発振周波数を固定してマイクロ波を発振する。図6の場合、発振器16a〜16c同士で選択される検出周波数に重複はなく、第1発振器16aと第2発振器16bと第3発振器16cとが、互いに異なる値に発振周波数を設定される。
The low loss frequency of the
また、図7に示す反射波強度の周波数特性が取得された場合、第1アンテナ21の共振周波数は、2.45GHzと2.51GHzであり、2.45GHzが低ロス周波数となる。第2アンテナ22の共振周波数は2.41GHzと2.48GHzであり、そのうち低ロス周波数は2.41GHzである。第3アンテナ23の共振周波数は2.41GHzと2.45GHzと2.495GHzと2.54GHzであり、そのうち低ロス周波数は2.41GHzである。
When the frequency characteristics of the reflected wave intensity shown in FIG. 7 are obtained, the resonance frequencies of the
ここで、図7の場合、発振器16a〜16c同士で選択される検出周波数に重複が生じる。この場合、制御装置40は、予め定められた所定ルールに従って、第2発振器16bと第3発振器16cで互いに異なる値に発振周波数を設定する。所定ルールとしては、検出周波数が1つのアンテナ22,23が存在するという第1条件が成立する場合、そのアンテナ22,23に対応する発振器16b,16cを優先し、低ロス周波数を発振周波数として設定するという第1ルールが設けられている。また、別の所定ルールとしては、第1条件が成立しない場合、低ロス周波数の次に反射波強度が小さい検出周波数と低ロス周波数との差が大きい方のアンテナ22,23に対応する発振器16b,16cを優先し、低ロス周波数を発振周波数として設定するという第2ルールが設けられている。なお、所定のルールは、一例にすぎず、本段落に記載の内容に限定されない。
Here, in the case of FIG. 7, the detection frequencies selected by the
図7の場合、第2アンテナ22及び第3アンテナ23はともに検出周波数が1つではなく第1条件は成立しない。また、第2アンテナ22及び第3アンテナ23では、低ロス周波数の次に反射波強度が小さい検出周波数と低ロス周波数との差が大きいのは第2アンテナ22である。制御装置40は、第2ルールに従って、第2アンテナ22に対応する第2発振器16bを優先し、その第2発振器16bの発振周波数として第2アンテナ22の低ロス周波数(2.41GHz)を設定する。一方、第3発振器16cの発振周波数として、低ロス周波数以外の検出周波数(2.45GHz、2.495GHz、2.54GHz)の中から反射波強度が最小の検出周波数(2.45GHz)を設定する。第3発振器16cの発振周波数は、第1発振器16aの発振周波数と同じになる。
In the case of FIG. 7, the detection frequency of both the
但し、制御装置40は、例えば所定のルールなどを用いて、第1発振器16aと第2発振器16bと第3発振器16cで、互いに異なる値に発振周波数を設定してもよい。この場合、第1アンテナ21及び第3アンテナ23では、低ロス周波数の次に反射波強度が小さい検出周波数と低ロス周波数との差が大きいのは第1アンテナ21であり、制御装置40は、第1発振器16aの発振周波数として、第1アンテナ21の低ロス周波数(2.45GHz)を設定する。そして、第3発振器16cの発振周波数として、残りの検出周波数(2.495GHz、2.54GHz)の中から反射波強度が最小の検出周波数(2.54GHz)を設定する。
However, the
[実施形態の効果等]
本実施形態では、第2アンテナ22が加熱室12の底面側に指向性を有するように、電磁波加熱装置10が構成されている。そのため、第2アンテナ22から放射された電磁波が第3アンテナ23に受信されにくくなり、マイクロ波による加熱効率をさらに向上させることができる。
[Effects of Embodiment]
In the present embodiment, the electromagnetic
また、本実施形態では、加熱運転において、第2アンテナ(第1側面アンテナ)22のための第2発振器(第1側面用発振器)16bと、第3アンテナ(第2側面アンテナ)23のための第3発振器(第2側面用発振器)16cとでは、発振周波数が互いに異なる値に設定される。また、第1アンテナ(底面アンテナ)21も発振周波数が異なる値に設定される。そのため、3つのアンテナ21〜23間でマイクロ波の干渉が生じにくく、マイクロ波による加熱効率を向上させることができる。また、各アンテナ21〜23は、他のアンテナ21〜23から放射されたマイクロ波のエネルギーが流れにくいため、アイソレータを省略することができる。
In the present embodiment, in the heating operation, a second oscillator (first side oscillator) 16 b for the second antenna (first side antenna) 22 and a third oscillator (second side antenna) 23 for the third antenna (second side antenna) 23 are provided. The oscillating frequencies of the third oscillator (second side oscillator) 16c are set to values different from each other. Also, the first antenna (bottom antenna) 21 is set to have a different oscillation frequency. Therefore, microwave interference hardly occurs between the three
また、本実施形態では、第1発振器16aから発振されたマイクロ波を放射する第1アンテナ21に、共振周波数が互いに異なる複数の主孔部32が形成されている。第1発振器16aは、第1アンテナ21について複数の共振周波数が検出された場合に、これらの複数の共振周波数の間で発振周波数を切り替えながらマイクロ波を発振する。そのため、第1アンテナ21ではマイクロ波に共振する主孔部32が切り替わり、その切り替わりに応じて加熱室12では強電界領域が変化する。そのため、導波管やアンテナなどの構造体を回転させる必要がなく、簡素な構成で加熱対象物1に対する加熱の均一性を向上させることができる。
In the present embodiment, a plurality of
また、本実施形態では、共振周波数が互いに異なる複数の主孔部32が形成された第1アンテナ21が、加熱室12の底面における加熱対象物1の載置エリアの裏側に配置されているため、加熱対象物1の載置エリアにおいて強電界領域を効果的に変化させることができる。
Further, in the present embodiment, the
また、本実施形態では、複数の主孔部32が形成された領域の外側を囲うように、第1アンテナ21では、その外周側へのマイクロ波の伝達を妨げる複数の外側孔部31が形成されている。そのため、加熱対象物1に近い第1アンテナ21に供給されるマイクロ波のエネルギーを効果的に加熱対象物1に供給することができる。
In the present embodiment, the
また、本実施形態では、各発振器16a〜16cから発振されたマイクロ波が加熱対象物1に効率良く吸収されるよう、負荷である各アンテナ21〜23におけるインピーダンスマッチングが行われる。但し、各発振器16a〜16cに対し個別に発振周波数に設定するため、複数のアンテナ21〜23間におけるインピーダンスマッチングは行っていない。
In the present embodiment, impedance matching is performed on the
[実施形態の変形例]
本変形例では、第2アンテナ22及び第3アンテナ23の各々について発振周波数の候補が複数存在する場合に、制御装置40は、モニタリング動作の結果に加えて、後述する位相変調動作の結果も補完的に利用して、各発振器16a〜16cの発振周波数を絞り込む。以下では、第2アンテナ22を例に説明を行うが、第3アンテナ23についても同じ制御が行われる。第3アンテナ23の制御については記載を省略する。
[Modification of Embodiment]
In the present modification, when there are a plurality of oscillation frequency candidates for each of the
具体的に、上述の実施形態では、第2アンテナ22について、複数の検出周波数が存在する場合、低ロス周波数を発振周波数として選択していたが、本変形例では、発振周波数の決定に先立ち発振周波数の候補(以下、「候補周波数」という。)を選択する。制御装置40は、低ロス周波数に加え、低ロス周波数と反射波強度の差が第2判定値以下(例えば、第2判定値=5dB)の検出周波数を、候補周波数として選定する。
Specifically, in the above-described embodiment, when the
そして、制御装置40は、複数の候補周波数が存在する場合に、モニタリング動作の直後に位相変調動作を行い、その位相変調動作により得られた位相変化率pに基づいて発振周波数を設定する。すなわち、制御装置40は、複数の候補周波数が存在する場合に、反射波強度だけにより発振周波数を設定できない条件が成立すると判断し、位相変調動作の結果も補完的に利用する。
Then, when a plurality of candidate frequencies exist, the
位相変調動作では、制御装置40が、第2発振器16bに対し、複数の候補周波数を順番に発振周波数に設定する。また、制御装置40は、各候補周波数を発振周波数に設定する期間に、振幅を一定値に保ちながら第2発振器16bのIQ変調器により位相を所定の位相変調量(例えば30度の角度)だけ変調させる。また、第2復調部20bは、第2方向性結合器19bから取り出された進行波及び反射波をそれぞれ復調する。
In the phase modulation operation, the
そして、制御装置40は、第2復調部20bを通って電力計25にそれぞれ入力される進行波の波形と反射波の波形とを同期させて、第2発振器16bについて、進行波における位相変調量Δφと、発振するマイクロ波の位相を変調させた時に生じる反射波の位相変化量ΔΦとを検出する。制御装置40は、検出結果から式1を用いて、位相変化率pを算出する。なお、制御装置40は、候補周波数ごとに位相変化率pを算出する。
式1:p=ΔΦ/Δφ
Then, the
Equation 1: p = ΔΦ / Δφ
位相変化率p=1であれば定在波であることを示し、加熱対象物1等の負荷がない状態を示す。また、p>1であれば、位相変化率の大きいことを示し、p<1であれば、位相変化率が小さいことを示す。また、位相変化率pには、第2アンテナ22から加熱対象物1までの往復距離が反映される。
If the phase change rate p = 1, it indicates a standing wave, and indicates a state where there is no load on the object to be heated 1 or the like. Further, if p> 1, it indicates that the phase change rate is large, and if p <1, it indicates that the phase change rate is small. The reciprocating distance from the
制御装置40は、位相変調動作の結果として候補周波数毎に位相変化率pを算出すると、周波数設定動作を行う。周波数設定動作では、制御装置40が、複数の候補周波数の中から、位相変化率pが最小の候補周波数を発振周波数として設定する。すなわち、第2アンテナ22から加熱対象物1までのマイクロ波の往復距離が最短の候補周波数が発振周波数として選定される。
When calculating the phase change rate p for each candidate frequency as a result of the phase modulation operation, the
ここで、反射波強度が最小の共振周波数(低ロス周波数)を探し当てたとしても、その共振周波数の時に加熱対象物1におけるマイクロ波の吸収率が最高とはならない場合がある。すなわち、加熱対象物1の種類又は大きさによっては、定在波に対する位相変化が様々に生じ、位相変化に対応できずにマイクロ波が効率良く加熱対象物1に吸収されない場合がある。本変形例では、共振周波数における反射波強度の大小に加え、位相変化率pの大小も考慮するため、最適な発振周波数を精度良く選択することができる。 Here, even if a resonance frequency (low loss frequency) having the minimum reflected wave intensity is found, the microwave absorption rate of the heating target 1 may not be the highest at the resonance frequency. In other words, depending on the type or size of the heating target 1, various phase changes occur with respect to the standing wave, and the microwave may not be efficiently absorbed by the heating target 1 without being able to cope with the phase change. In this modification, the optimum oscillation frequency can be selected with high accuracy because the magnitude of the phase change rate p is considered in addition to the magnitude of the reflected wave intensity at the resonance frequency.
なお、加熱対象物1自体が小さく総面積が小さい場合は、位相変化率pは大きくなり、加熱対象物1自体が大きく総面積が大きい場合には、位相変化率pが小さくなる傾向にある。制御装置40は、式1を用いて位相変化率pを測定し、その大小に応じて加熱対象物1の総面積を検知することで、加熱対象物1の種類及び大きさを判断する。そして、加熱対象物1の面積から、どの程度の割合の領域を局所加熱すべきかについても制御装置40が判断することもできる。例えば、加熱対象物1の全体領域のうち30%は局所加熱を行い、70%は全体均一加熱を行うよう制御装置40を制御することもできる。
When the heating object 1 itself is small and the total area is small, the phase change rate p tends to be large, and when the heating object 1 itself is large and the total area is large, the phase change rate p tends to be small. The
また、位相変化率pが大きくなる場合、加熱対象物1が局所的に加熱される傾向を示し、位相変化率pが小さくなる場合、加熱対象物1が均一に加熱される傾向を示す。加熱運転において、制御装置40は、位相変化率pの大小に応じて、同一の加熱対象物1内における局所加熱すべきポイントを特定する、あるいは、位相変化率pの大小に応じて、ポイントを捉え全体的均一加熱処理を行うように、各発振器16a〜16cの周波数制御を行うことができる。
Also, when the phase change rate p increases, the heating target 1 tends to be locally heated, and when the phase change rate p decreases, the heating target 1 tends to be uniformly heated. In the heating operation, the
[その他の変形例]
上述の実施形態では、リターン・ロス(S11)が最小値となる共振周波数の検出手法について述べたが、別のアンテナを受信アンテナとして検出されるインサーション・ロス(S21)が最小値となる共振周波数を検出するようにしてもよい。ここで、リターン・ロス(S11)が最小値となる共振周波数を検出する場合、各アンテナ21〜23で反射する成分と加熱対象物1で反射する成分とが混在するため、正確な加熱対象物1の吸収比率を算出できない場合がある。それに対し、インサーション・ロス(S21)は、加熱対象物1の吸収量を示すが、リターン・ロス(S11)と比較した場合、壁等の障害物が存在しない。従って、加熱対象物1の吸収比率をより正確に算出することができる。
[Other Modifications]
In the above-described embodiment, the method of detecting the resonance frequency at which the return loss (S11) has the minimum value has been described. However, the resonance loss at which the insertion loss (S21) detected using another antenna as the reception antenna has the minimum value has been described. The frequency may be detected. Here, when detecting the resonance frequency at which the return loss (S11) has the minimum value, the component reflected by each of the
上述の実施形態について、第2アンテナ22についても第1アンテナ21と同様に、複数の主孔部42の間で共振周波数を互いに異ならせてもよい。
In the above-described embodiment, the resonance frequency of the plurality of
上述の実施形態について、第3アンテナ23についても第2アンテナ22と同様に、底面側に指向性を有していてもよい。
In the above-described embodiment, the
本発明は、電磁波を利用して加熱対象物を誘電加熱する電磁波加熱装置等に適用可能である。 INDUSTRIAL APPLICATION This invention is applicable to the electromagnetic wave heating apparatus etc. which heat an object to be heated dielectrically using an electromagnetic wave.
10 電磁波加熱装置
12 加熱室
16a 第1発振器
16b 第2発振器(発振装置)
16c 第3発振器(発振装置)
21 第1アンテナ
22 第2アンテナ(第1側面アンテナ)
23 第3アンテナ(第2側面アンテナ)
16c Third oscillator (oscillator)
21
23 3rd antenna (2nd side antenna)
Claims (5)
前記加熱対象物が配置される加熱室と、
前記加熱室における第1内側面に配置された第1側面アンテナと、
前記加熱室において前記第1内側面に対向する第2内側面に配置された第2側面アンテナと、
前記第1側面アンテナ及び前記第2側面アンテナの各々に対し、前記加熱室に放射する電磁波を発振する発振装置とを備え、
当該電磁波加熱装置は、前記第1側面アンテナが前記加熱室の底面側に指向性を有するように構成されている、電磁波加熱装置。 An electromagnetic wave heating device that heats an object to be heated using electromagnetic waves,
A heating chamber in which the object to be heated is arranged,
A first side antenna disposed on a first inner side surface of the heating chamber;
A second side surface antenna disposed on a second inner side surface facing the first inner side surface in the heating chamber;
An oscillation device that oscillates an electromagnetic wave radiated to the heating chamber for each of the first side antenna and the second side antenna;
The electromagnetic wave heating device, wherein the first side surface antenna is configured to have directivity on a bottom surface side of the heating chamber.
前記第1側面アンテナは、前記加熱室における前記第1内側面の凹部内に配置され、
前記第1側面アンテナに供給される電磁波の波長をλとした場合に、前記第1側面アンテナの正面視において、前記第1側面アンテナの外周における下部は、前記凹部の外周における下側縁部までの距離がλ/10以上λ/4以下である、請求項1又は2に記載の電磁波加熱装置。 The first side antenna is formed in a plate shape,
The first side surface antenna is disposed in a recess of the first inner side surface in the heating chamber,
When the wavelength of the electromagnetic wave supplied to the first side antenna is λ, the lower part of the outer periphery of the first side antenna extends to the lower edge of the outer periphery of the recess in a front view of the first side antenna. 3. The electromagnetic wave heating device according to claim 1, wherein a distance of the electromagnetic wave heater is λ / 10 or more and λ / 4 or less.
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Cited By (1)
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WO2024177159A1 (en) * | 2023-02-24 | 2024-08-29 | マイクロ波化学株式会社 | Cavity, and frame and attachment member therefor |
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- 2018-07-20 JP JP2018137068A patent/JP2020013761A/en active Pending
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WO2024177159A1 (en) * | 2023-02-24 | 2024-08-29 | マイクロ波化学株式会社 | Cavity, and frame and attachment member therefor |
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