JP2020008255A - 冷蔵庫 - Google Patents

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亜有子 宮坂
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Abstract

【課題】冷蔵温度帯で食材や調理後の鍋等の急速冷却と、その後の冷蔵温度保存を可能とした冷蔵庫の提供。【解決手段】冷蔵室14に冷蔵室で凍る蓄冷材65を搭載した蓄冷ユニット60を設け、温度の高い鍋やヤカンの対象物70に対して、蓄冷材65の効果を利用した急速冷却を可能とし、急速冷却終了後の冷蔵室14温度となった後は、冷蔵室温度帯での保存が可能となり使い勝手が大きく向上する。【選択図】図4

Description

本発明は冷蔵庫に関し、特にその冷蔵室構成に関するものである。
一般に冷蔵庫は複数の温度帯貯蔵室を持ち、冷凍温度帯貯蔵室において、冷凍温度で凍る蓄冷材を利用した急速冷却の機能を備えているものがある。(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−017968号公報
上記特許文献1記載の冷蔵庫は、蓄冷材を利用した急速冷却機能を冷凍温度帯貯蔵室に設けており、対象食品を冷蔵温度で急速冷却による温度を留めたい場合でも、所定温度に達した急速冷却後に取り出さなければ、凍結の可能性がある。また、冷凍温度帯貯蔵室には、鍋等のサイズの大きなものを置くための十分な空間確保が困難である。
本発明は、上記目的を達成するため、本発明の冷蔵庫は冷蔵温度帯貯蔵室に、冷蔵温度で凝固する蓄冷材を利用した急速冷却の機能を設けたものである。
これにより、対象食品を急速冷却実施後に放置したままでも冷蔵温度帯で保持されるため、食品が凍結する心配なく保存できる。また、冷蔵温度帯貯蔵室は比較的大きな空間を確保できるため、鍋等のサイズの大きなものを置くこともできる。
本発明は、上記構成により、菌の発生し易い温度領域の時間を短縮し、食材を最適状態もしくは、より最適な状態で冷却保存でき、生活習慣の多様化に対応した使い勝手の良い冷蔵庫とすることができる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図 同冷蔵庫の内部を示す正面図 同冷蔵庫の断面図 同冷蔵庫の冷蔵室内を示す正面図 同冷蔵庫の冷蔵室内を示す断面図 同冷蔵庫の冷蔵室内を示す断面斜視図 同冷蔵庫の蓄冷ユニットの斜視図 同冷蔵庫の蓄冷ユニットの断面図 同冷蔵庫の蓄冷材温度と鍋温度の経時変化を示した図 別の蓄冷ユニットの溶着部分での断面図 その他の蓄冷材ユニットの断面図
第1の発明は、冷蔵庫であって、冷蔵室で凝固する蓄冷材と、前記蓄冷材の外郭を構成する外郭部材とで構成された蓄冷ユニットが、前記外郭部材内に熱伝導促進手段を有した状態で、前記冷蔵庫の貯蔵棚に配置されている構成としてある。
これにより、調理後の食材が入った高温の鍋等を、冷蔵温度貯蔵室の蓄冷ユニットが搭載された貯蔵棚に置くと、鍋等および鍋等の中にある食材が蓄冷材の潜熱を利用し短時間で冷却され、鍋等内食材の菌の繁殖を抑えるとともに、周辺食材の温度影響を抑制し、周辺食材の鮮度低下を防止することもできる。この時、蓄冷ユニットは熱伝導促進手段有しているため、鍋等の熱源から離れた部分の蓄冷材の相変化に伴う吸熱効果も効率よく鍋等に伝えることが可能となるため、より冷却速度を向上することができる。
第2の発明は、前記蓄冷ユニットは前記外郭部材または前記外郭部材の一部に金属材料等の高熱伝導材料を使用した熱伝導部材を有する蓄冷ユニットである。
これにより、蓄冷ユニット内の蓄冷材と外郭部材及び、外郭部材と鍋等との熱交換効率を向上させることができ、調理後の食材が入った高温の鍋等を冷蔵温度貯蔵室の蓄冷ユニットが搭載された貯蔵棚に置いたときの急速冷却効果を向上させ、より短時間で温度を下げることができ、鍋等内食材の菌繁殖抑制と、周辺食材の温度影響抑制による鮮度低下防止の効果をさらに向上させることができる。
第3の発明は、熱伝導促進手段は、蓄冷材内に浸漬した構成としてある。
これにより、蓄冷材内部の相変化に伴う吸熱効果を効率よく鍋等に伝えることが可能となるため、より冷却速度を向上することができる。また、浸漬することで、蓄冷材と熱伝導促進手段との接触面積が大きくなり伝熱効率を高めることができるため、より冷却速度を向上することができる。
第4の発明は、熱伝導促進手段は熱伝導部材と接触して構成されたものである。
これにより、熱伝導促進手段と熱伝導部材との間の熱抵抗を最小にすることができるため、より効率よく鍋等の熱を蓄冷材に伝えることができ、更に冷却速度を向上することができる。
第5の発明は、熱伝導促進手段は金属材料等の袋状フィルムとした構成としてある。
これにより、熱伝導促進手段である金属材料等が、蓄冷材と反応する物質であったとしても、フィルムとすることで、蓄冷材と反応させることなく安全に使うことができる。また、蓄冷ユニットは、液状の蓄冷材を袋状フィルムに袋詰めにした状態で外郭部材に組み込むことが可能となり、蓄冷ユニットを簡易に形成するとともに、液状の蓄冷材が外郭部材の隙間から漏れ出すこともなく信頼性を確保した冷蔵庫を提供できる。また、蓄冷材の相変化に伴う体積変化を袋と外郭部材の間で吸収することができ、蓄冷ユニット自体の形状変化を抑制できるため、蓄冷ユニット上面の平面度を確保し鍋等の食品との接触面積を増やすことで、蓄冷ユニットと鍋等との熱交換効率を向上することができる。さらに、熱伝導促進手段が袋状であることから、蓄冷材の鍋等と反対側面まで素早く鍋等の熱を伝えることができ、蓄冷材全体の潜熱を有効に活用することができる。
第6の発明は、熱伝導促進手段を金属加工物とした構成としてある。
これにより、熱伝導促進手段の表面積を最大限大きくすることが可能となり、蓄冷材と熱伝導促進手段との接触面積が大きくなり伝熱効率を高め、より冷却速度を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図6は冷蔵庫の全体及び各部構成を説明する図、図7〜8は冷蔵室に付設した蓄冷ユニットを説明する図である。
(1.冷蔵庫の全体構成)
まず図1〜図3を用いて冷蔵庫の全体構成を説明する。
図1〜図3において、本実施の形態に係る冷蔵庫は、前方を開口した冷蔵庫本体1を備え、この冷蔵庫本体1は金属製の外箱2と、硬質樹脂製の内箱3と、前記外箱2および内箱3の間に発泡充填された発泡断熱材4とで構成してあり、仕切板5、6等によって複数の貯蔵室が仕切形成してある。
また、前記冷蔵庫本体1の各貯蔵室は冷蔵庫本体1と同様の断熱構成を採用した回動式の扉7或いは引出し式の扉8、9、10、11で開閉自在としてある。
冷蔵庫本体1内に形成した貯蔵室は、最上部の冷蔵室14と、冷蔵室14の下に設けた温度帯切り替え可能な切替室15及びその横に設けた製氷室16と、切替室15及び製氷室16と最下部の野菜室17との間に設けた冷凍室18で構成している。
冷蔵室14の温度は通常約3℃で、冷蔵保存のために凍らず、また食品の菌の発生を抑制するため1℃〜10℃としている。野菜室17は、冷蔵室14の温度より若干高い約7℃を通常の設定としている。また冷凍室18は通常約−20℃で設定されているが、冷凍保存状態向上のために約−30℃とする場合もある。製氷室16は、冷凍室18と近い温度設定であり、また切替室15は、冷蔵室14と同等の温度から冷凍室18と同等の温度まで温度の設定を変化させることができる。
また、冷蔵庫本体1の冷凍室18背面には冷却室23が設けてあり、この冷却室23には冷気を生成する冷却器24と、冷気を前記各室に供給する冷却ファン25とが設置してある。
冷却器24は、圧縮機27と、コンデンサ(図示せず)と、放熱用の放熱パイプ(図示せず)と、キャピラリーチューブ(図示せず)とを環状に接続して冷凍サイクルを構成しており、圧縮機27によって圧縮された冷媒の循環によって冷却を行う。
また、冷却ファン25は冷却器24の上方に設けてあり、その下流側に連なる冷蔵室ダクト28、冷凍室ダクト29、を介して冷蔵室14、冷凍室18、野菜室17等に冷気を供給し、これら各室を冷却するようになっている。
(2.冷蔵室構成)
次に図3〜図6を用いて冷蔵室構成を説明する。
冷蔵室14は、冷蔵庫本体1の最上部に位置していて、透光性の材料で形成した複数の棚板20を着脱自在に設けて冷蔵室内空間を上下複数の空間に仕切るとともに、下部に低温貯蔵室21が設けてある。
冷蔵室14の背面には前記した冷蔵室ダクト28が設けてある。この冷蔵室ダクト28は発泡スチロールからなる断熱部材と冷蔵室側表面の樹脂製カバー部材で覆って構成してあり、冷蔵室14と冷凍室18との間を仕切る仕切板5の冷気供給口を覆う如く冷蔵室背面に装着して冷却室23と連通させてある。
上記冷気供給口には冷蔵室ダンパが組み込んであり、この冷蔵室ダンパ37の開閉によって冷却室23から冷蔵室14への冷気の供給量を制御するようになっている。
低温貯蔵室21はその冷却温度帯が、微凍結保存に適した−5〜3℃の低め温度であるパーシャル温度、または、冷蔵室14よりも低いがパーシャル室よりは高い1℃前後の高め温度のチルド温度に冷却可能な構成としてある。
冷蔵室14内を上下空間に区画する複数の棚板20の下方で冷蔵室14と低温貯蔵室21とを断熱区画する冷蔵室14の貯蔵棚50であり、上記低温貯蔵室21の天面となる天面板部材(以下、天面板部材50)には発泡スチロール等からなる断熱材53が組み込んである。冷蔵室14の温度帯の貯蔵棚でもある天面板部材50の上面部50aには凹部54が設けられている。凹部54に対応する断熱材53の形状も同様の凹み形状を構成している。
蓄冷ユニット60は、天面板部材50に設けられた凹部54に着脱可能に収納配置されている。収納された蓄冷ユニット60の上面部は、天面板部材50の上面部50aと同面になるよう配置されている。
(3.蓄冷ユニット構成)
次に図7〜図8を用いて蓄冷ユニット構成を説明する。
蓄冷ユニット60は、上下に分割された外郭構成部材で構成してある。樹脂材料系で成型された枠体形状をした上外郭部材61と、上外郭部材61の裏側から組み込まれる金属材料等の高熱伝導部材で形成された冷却板62と、上外郭部材61と嵌合組立てを行う樹脂材料系で成型された下外郭部材63とで構成される外郭の内側に、金属フィルム等の袋状フィルム64に蓄冷材65を封入し、構成してある。袋状フィルム64は、具体的にはアルミ箔を積層加工したフィルムで形成されている。
冷却板62は中央が高く周囲が低い絞り加工を施すことで、上外郭部材61の上表面と同一平面になるように構成されており、蓄冷ユニット60の上面部を形成している。
具体的には、冷却板62の外周部には段差部62aを備え、段差部62aの上面に上外郭部材61が重なって配置し、冷却板62の上面部と上外郭部材61とが略同一面となるように構成されている。段差部62aを備えたことで冷却板62の剛性が高くなり、蓄冷材65が相変化に伴って体積変化したときに冷却板62が変形するのを抑制できる。
また段差部62aを形成したことで、蓄冷ユニット60の上面部を形成する冷却板62と上外郭部材61の上面部とが略同一面となるので、蓄冷ユニット60を天面板部材50に収納した時に天面板部材50の上面と略同一面でフラットにして収納できるので、冷却板62からはみ出して鍋等の容器を置いた場合でも安定して置くことができる。
また、天面板部材50の一部分に手の指を挿入できる凹部(図示しない)を設けることで、蓄冷ユニット60を天面板部材50から取り外しやすくできる。
蓄冷材65を封入した袋状フィルム64は蓄冷ユニット60の内部で冷却板62のみと接着剤や両面テープなどの接着材で接着されている。また、液体状態の蓄冷材65と上外郭部材61や下外郭部材63との間には空間部71が形成されるように構成されている。蓄冷材65が相変化して凝固した状態でも、蓄冷ユニット60内で冷却板62への熱伝導は維持しながら、上外郭部材61や下外郭部材63への接触による変形を抑制し、冷却板62の対向面となる下外郭部材63に対して袋状フィルム64を接着しないので袋状フィルム64の破損を防止することができる。
蓄冷材65は、冷蔵室の冷蔵温度で凝固する材料を用いており、例えば特開2017-003182号公報等の材料を使用している。具体的には、第四級アンモニウム塩のクラスレートハイドレートのように冷却によりクラスレートハイドレートを形成する材料の中には、0℃より高い融点(クラスレートハイドレートの分解が始まる温度)を有する材料がある。例えば、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)のクラスレートハイドレートは約5〜12℃の融点を有するものがある
袋状フィルム64に封入されている蓄冷材65の内部には、金属加工物66が浸漬した構成とし、前記金属加工物66は袋状フィルム64と少なくとも一箇所以上の接触部を有した状態としてある。
また、蓄冷ユニット60には食品の最適な設置場所を示す設置位置指示部67を設けている。
また蓄冷ユニット60の上面部となる冷却板62は天面板部材50とは異なる色で形成されているので、急速冷却したい対象食品を天面板部材50のどの位置に置けばよいかを示すことができる。
以上のように構成した冷蔵庫について、以下、その動作と作用効果を説明する。
冷蔵庫は、冷蔵室14の温度が設定温度より高くなると、圧縮機27と冷却ファン25を駆動し、冷却器24で生成された冷気を、冷却ファン25の下流側に供給する。
冷却ファン25の下流側に供給された冷気は、冷蔵室ダクト28等を介して、冷蔵室14、野菜室17、冷凍室18、低温貯蔵室21に供給され、各室を冷却する。そして、前記各室への冷気供給はダンパ(図示せず)の開閉によってそれぞれ制御され、冷蔵室14、野菜室17、冷凍室18、低温貯蔵室21をそれぞれの設定温度に冷却する。
冷却室23から冷蔵室ダクト28に供給された冷気は、冷蔵室14内を循環し、また冷却室23に戻っていく。この間の庫内温度変化状況については、冷蔵室温度センサ(図示せず)からの出力に基づき、ダンパ開閉によってよって冷気供給量を制御し温度制御が行われる。
次に、図9で、冷蔵室14内での蓄冷ユニット60の状態について説明する。
天面板部材50に収納配置された蓄冷ユニット60は、通常、冷蔵室14内の温度と同じ温度で維持されている。蓄冷ユニット60の上表面は天面板部材50の表面と同面であるため、蓄冷ユニット60の大きさを超えるサイズの食品であっても、蓄冷ユニット60が使用制限を与えることなく自由に使用することができる。
また、冷却板62に段差部62aの絞り加工を形成することで、冷却板62の強度が高くなり、蓄冷材65が相変化に伴って体積変化したときに蓄冷ユニット60の上表面が変形するのを抑制できる。これにより、鍋等との接触面積を増やし蓄冷ユニットと鍋等との熱交換効率を向上することができ、より急速冷却効果を向上できる。
これは、蓄冷材65が袋状フィルム64に封入されていることによる、袋と外郭部材間での体積変化の吸収効果と合わせることで、より効果を高めることができる。
蓄冷ユニット60の組立てについて説明する。
蓄冷ユニット60の製作においては、液状の蓄冷材65を袋状フィルム64に袋詰めにした状態で外郭部材に組み込むことが可能となり、蓄冷ユニット60の製作を簡易とするとともに、液状の蓄冷材65が外郭部材の隙間から漏れ出すこともなく信頼性を確保した冷蔵庫を提供できる。
また、袋状フィルム64に使用する金属材料等が、蓄冷材と反応する物質であったとしても、フィルムとすることで蓄冷材65と反応させることなく安全に使うことができる。同様の理由から、冷却板62に使用する材料も蓄冷材65との反応性を考慮する必要がなく、熱伝導率や加工性、材料費など他の性能を重視することができる。
なお、金属材料等が蓄冷材65と反応しない場合は、金属材料等の薄膜のみを袋状にしたものに蓄冷材65を封入し外郭部材に組み込むことも可能であり、その方が伝熱ロスを低減することができ、より冷却速度を向上することができる。
蓄冷材65は脱気してから袋状フィルム64に封入し、封入時も気体の混入を低減することで対象物70の冷却速度を向上することができる。蓄冷材65が凝固した際に蓄冷材65の上方に気泡ができ、蓄冷材65と袋状フィルム64との熱交換効率の低下を抑制することができるためである。
次に、蓄冷ユニットによる急速冷却について説明する。
調理後の残った食材を次の食事までの間までおいしさと安全性を保持したままで保存したいというニーズは多い。例えば、鍋等の温度の高い食材を夏場の朝に調理し、その後すぐに外出する状況において、そのまま放置してしまうと食品に菌が発生し、夜帰宅したときには食品が傷み食べられなくなる状況などがある。このとき、朝の調理後に急速冷却できればそのような状況の発生を防止することができる。
一般的に食材温度が約20℃〜50℃の温度帯のときに食中毒菌が発育し易い温度帯と言われている。この温度帯を早く通過させることで菌の発生を抑制し安全性を確保することができる。
食材調理し料理が残った状態の鍋や、冷め切っていない沸かしたお茶が入ったヤカン、作り立てのお弁当等、温度の高い状態の対象物70(約40℃〜90℃)を、蓄冷ユニット60の冷却板62の上面に置く。対象物は、冷却板62と袋状フィルム64と金属加工物66を介して、蓄冷材65と熱交換を行うことで対象物70を急速冷却することができる。蓄冷材は潜熱100J /g以上、過冷却深度を加味し0℃以上で凝固し、融点10℃以下の材料を用いることで冷蔵室14内での急速冷却の効果を確保する。
図9は、常温の蓄冷材65を冷蔵室14内の所定位置に収納した時点からの温度変化を示す。蓄冷材65は、前述の材料で、凝固点が例えば5℃、融点は例えば7℃の材料を用いている。冷蔵室温度が約3℃の場合、蓄冷材65は冷蔵室温度近傍まで過冷却深度となって過冷却し、過冷却解除後に凝固し始め、凝固点の5℃まで上昇した後、蓄冷材65は冷蔵室温度で固体となった状態で維持している。
対象物70の鍋を凝固した蓄冷ユニットに設置した後、蓄冷材65の温度が上がるが、対象物70の温度が約20℃〜50℃の温度帯を通過する時に蓄冷材の潜熱を使うので、この温度帯を早く通過することができ、蓄冷材の潜熱効果により融解温度(7℃)付近で一旦温度が安定する。その後、潜熱を使った後、再び温度が上昇し融解する。この融解までの過程によって、対象物の温度を急速に冷蔵室温度まで冷却することができる。
温度の高い対象物70を蓄冷ユニット60の冷却板62に置かれると、対象物70の熱は高熱伝導部材である冷却板62全体にたちまち伝わる。この時、蓄冷材65を封入した袋状フィルム64は接着材料等を用いて冷却板62と密着された金属等の高熱伝導部材であるため、冷却板62に伝わった対象物70の熱を効率よく受け取り袋状フィルム64全体に広げる。袋状フィルム64は蓄冷材65を封入しているため、凍結した蓄冷材65の全周囲に密着していることから、袋状フィルム64から蓄冷材65へはロスなく熱が伝わる。
また、蓄冷材65は対象物70が載置された蓄冷材65の上方からだけでなく、蓄冷材65の全周囲から熱を受け取るため、蓄冷材65全体の潜熱を有効に利用することができ、対象物70の冷却速度を大きくすることができる。
なお、袋状フィルム64に封入した蓄冷材65は本実施の形態のように外郭部材内に1つでなくてもよく、蓄冷材65を袋状フィルム64に入れたものを複数個接触させて組み込むことも可能である。これにより、袋状フィルム64と蓄冷材65との接触面積が増えるため、伝熱効率を高め、冷却速度を向上することができる。
また、図10は別の蓄冷ユニット60の溶着部分での断面図で、袋状フィルム64は冷却板62と接触する側と下外郭部材63と接触する側とを部分的に熱溶着して溶着部72を形成している。溶着部72を設けることで、袋状フィルム64と蓄冷材65との接触面積が増えるので、対象物70が袋状フィルム64を介して、対象物70から離れた位置にある蓄冷材65との熱交換を促進することができ、対象物70を急速冷却することができる。また蓄冷ユニット60内に蓄冷材の設置する作業を効率よく行うことができる。
段差部62aは対象物70が置かれる中央部よりも低い位置に設けられているため、袋状フィルム64の側方に接する形状となっている。これにより、冷却板62は高熱伝導部材で形成されているため、袋状フィルム64の側方まで効率よく対象物70の熱を輸送することができる。
また図11のように、1つの蓄冷ユニット60は、蓄冷材65を内部に有する袋状フィルム64を複数個備え、お互いに接触しないように配置している。お互いに接触しないように袋状フィルム64の間にスペースが形成されるので、蓄冷ユニット60内の空気と接する表面積が大きくなり、また対象物の熱が袋状フィルム64を伝って、早く蓄冷材65の下の方まで届くので、対象物70を急速冷却することができる。
なお、段差部62aだけでなく、ヒートシンクのように冷却板62の下面全体に突起を立てたり、フィンを接合したりすることで熱伝導促進手段をさらに増やすこともできる。
この場合は、外郭部材および冷却板62を溶着などにより液漏れの無いように接着し、外郭部材内に直接蓄冷材65を封入することで、冷却板62と蓄冷材65との熱交換効率をさらに向上させることができる。蓄冷材65を外郭部材に直接封入する際は、外郭部材内の空気が対象物70を載置する蓄冷ユニット60の上方中央付近に溜まることを排除するため、蓄冷ユニット60の上面外周に空気溜まり部として中央よりも高い空間を設けることが望ましい。これにより、冷却板62と蓄冷材との間に溜まる空気を最小限に抑え、冷却速度の低下を抑制できる。
冷却板62を上外郭部材61および下外郭部材63と一体で構成することも可能である。これにより、蓄冷ユニット60下面までの伝熱効率を飛躍的に向上させるだけでなく、蓄冷ユニット60の外表面全体の温度を上昇させ、冷蔵室14の冷却効果を利用し、さらに冷却速度を向上することができる。
逆に、冷却板62を有さず、上外郭部材61および下外郭部材63のみで蓄冷ユニット60の外郭部材を構成することもできる。上外郭部材61と下外郭部材63を溶着などにより接合したり、ブロー成型等により一体で構成したりして外郭部材を構成し、内部に直接蓄冷材65を封入することで、部品点数を削減し、低コストで簡便に蓄冷ユニット60を構成することが可能になる。この時、上外郭部材61の下面にリブ等を立てることで、上外郭部材61と蓄冷材65との接触面積を増大させ熱交換効率を向上させることができる。
本実施の形態では、蓄冷材65の内部には金属加工物66が浸漬しているため、周囲から受け取った熱を素早く蓄冷材65の内部まで運ぶことができる。金属加工物66は、金属をウール形状や折り曲げ板形状等にすることで、金属の表面積を最大限大きくすることが可能となり、蓄冷材65と金属加工物66との接触面積が大きくなり伝熱効率を高め、より対象物70の冷却速度を向上することができる。
なお、金属加工物66は、表面を酸化させたり、ガルバリウムメッキやはんだメッキを施したりすることで化学反応性を低減させた材料を使うこともできる。これにより、蓄冷材65との反応を低減し、蓄冷材65および金属加工物66の長期信頼性を高めることができる。金属加工物66の表面処理手段は可能な限り金属加工物66全体の熱伝導率を低減させず、または向上させる方法を用いる。
また、下外郭部材63の中央を高くした形状にすることで、金属加工物66の中央部が袋状フィルム64の上部中央に接触しやすくなり、袋状フィルム64と金属加工物66の伝熱効率を高めることができる。
温度の高い対象物70が冷蔵室14に投入されると、冷蔵室温度センサ(図示しない)が冷蔵室14内温度が上昇したことを感知し、ダンパ開閉の制御を行い冷蔵室ダクト28から吐出される冷気の供給を増やすことで、蓄冷ユニット60と相乗的な効果を得ることができ、冷却速度をより速くすることができる。
対象物70と熱交換をした後の蓄冷材65は、融解した状態となっており冷蔵室14の温度よりも高い状態となっている。これによる周辺食材、特に蓄冷ユニット60が設置される下側の低温貯蔵室21への温度影響を抑制するために、蓄冷ユニット60が埋設する天面板部材50に設けられた凹部54の下側を、通常から低い温度帯にするとともに、発泡スチロール等からなる断熱材53を組み込むことで、その温度影響を抑制することができる。
また蓄冷材65の凝固点が5℃なので、冷蔵室温度(約3℃)より高く冷蔵室14内に入れた状態で凝固するので、蓄冷ユニット60は取り出すことなく、冷蔵室14内に入れたままで使うことができる。
また、蓄冷材65の融点を10℃以下にすることで、周辺食材の温度上昇も10℃以下に抑えることが可能となる。これにより急速冷却の対象食品だけでなく周辺食材においても、菌の繁殖を抑制する理想的な保存温度10℃以下を実現できる。
また、温度の高い対象物70は、急速冷却効果を得るためには、冷蔵室14の冷却板62の上面に置く必要があり、蓄冷ユニット60に設置場所を示す刻印やシールなど設置位置指示部67設けている。例えば冷却板62に小さな凹で円形状のマークや文字刻印、ロゴ等を設けたり、上外郭部材61に刻印やシール等で機能を説明したりするなどの表示を設けている。冷却板62に小さな凹を刻印することにより、鍋等との接触面積の減少を最小限に抑えることができるだけでなく、冷却板62の強度をさらに高め平面度を向上させ熱交換効率を向上させる効果も得られる。
以上、本発明に係る冷蔵庫について、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。つまり、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、冷蔵温度帯で低温保存したい多様な食材を最適状態もしくはより最適な状態で冷却保存でき、食材の多様化に対応した使い勝手の良い冷蔵庫とすることができる。よって、家庭用および業務用など様々な種類および大きさの冷蔵庫に適用することができる。
1 冷蔵庫本体
2 外箱
3 内箱
4 発泡断熱材
5、6 仕切板
7、8、9、10、11 扉
14 冷蔵室
20 棚板
21 低温貯蔵室
23 冷却室
24 冷却器
25 冷却ファン
28 冷蔵室ダクト
50 天面板部材
53 断熱材
54 凹部
60 蓄冷ユニット
61 上外郭部材
62 冷却板(熱伝導部材)
62a 段差部(熱伝導促進手段)
63 下外郭部材
64 袋状フィルム
65 蓄冷材
66 金属加工物(熱伝導促進手段)
70 対象物
71 空間部
72 溶着部

Claims (6)

  1. 冷蔵庫であって、冷蔵室で凝固する蓄冷材と、前記蓄冷材の外郭を構成する外郭部材とで構成された蓄冷ユニットは、前記外郭部材内に熱伝導促進手段を有した状態で、前記冷蔵庫の貯蔵棚に配置されていることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記蓄冷ユニットは前記外郭部材または前記外郭部材の一部に金属材料等の高熱伝導材料を使用した熱伝導部材を有することを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記熱伝導促進手段は、前記蓄冷材内に浸漬したことを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫。
  4. 前記熱伝導促進手段は前記熱伝導部材と接触して構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の冷蔵庫。
  5. 前記熱伝導促進手段は金属材料等の袋状フィルムとしたことを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか1項記載の冷蔵庫。
  6. 前記熱伝導促進手段は金属加工物であることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか1項記載の冷蔵庫。
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