JP2020001302A - 造形予測システム、造形予測表示システム、情報処理装置およびプログラム - Google Patents

造形予測システム、造形予測表示システム、情報処理装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 造形予測システムを提供すること。【解決手段】 本造形予測システムは、与えられた予測ジョブ512に基づいて、造形物の予測形状を予測621する予測手段62と、予測手段62により予測された造形物の予測形状622に基づいて、予測される造形品質の評価判定631を行う評価判定手段63と、評価判定手段63による評価判定の結果が否定的である場合に、提案する補正情報642を計算641する計算手段64と、提案する補正情報に基づく造形を評価するための提案予測ジョブ652を生成651する生成手段65とを含む。【選択図】図5

Description

本開示は、造形予測技術に関し、より詳細には、造形予測システム、造形予測表示システム、情報処理装置およびプログラムに関する。
近年、付加製造(Additive Manufacturing)装置(いわゆる3D(3-Dimensional)プリンタ)の普及に伴い、試作品や小ロットの部品を低コスト、かつ、短納期で製作することが可能になってきている。付加製造装置としては種々の造形方式が知られているが、例えば熱溶解積層法(FFF)のような、材料を溶融させる造形方式では、材料が冷却固化する過程で造形物にそりや収縮などの変形が発生し得る。そのため、どのような変形が発生するかという情報を、実際の造形物を形状測定したり、変形のシミュレーションを計算したりすることにより取得する技術が検討されている。
例えば、上記造形物の品質評価に関連し、特開2018−008403号公報(特許文献1)が知られている。特許文献1の従来技術は、3Dプリンタによる製造物の品質評価をより適切に行うことを目的とした技術を開示する。特許文献1によれば、3次元形状データに基づいて立体物を造形する立体造形手段と、造形されている立体物の形状を取得する形状取得手段と、形状を表すデータと3次元形状データとを対応付けることにより、立体物の品質を示す品質情報を生成する品質情報生成手段とを備える立体物製造装置が提供される。
しかしながら、上記特許文献1を含む従来技術においては、造形品質を向上させるための補正情報が算出されたとしても、その補正情報ついては評価が行われない。このため、ユーザにとって、算出された補正情報が造形物の品質を保つ上で最適な条件であるのかの判断が難しかった。
本開示は、上記点に鑑みてなされたものであり、本開示は、算出された補正情報に基づく造形処理の品質の評価を行うことが可能な造形予測システムを提供することを目的とする。
本開示によれば、下記特徴を有する造形予測システムを提供する。本造形予測システムは、与えられた予測ジョブに基づいて、造形物の予測形状を予測する予測手段を含む。造形予測システムは、また、予測手段により予測された造形物の予測形状に基づいて、予測される造形品質の評価判定を行う評価判定手段を含む。造形予測システムは、さらに、評価判定手段による評価判定の結果が否定的である場合に、提案する補正情報を計算する計算手段を含む。造形予測システムは、またさらに、提案する補正情報に基づく造形を評価するための提案予測ジョブを生成する生成手段を含む。
上記構成により、本開示は、算出された補正情報に基づく造形処理の品質の評価を行うことが可能となる。
造形システムの構成例を示した図。 情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図。 造形装置のハードウェア構成の一例を示した図。 情報処理装置、造形装置および造形予測サーバ装置の機能構成の一例を示したブロック図。 本造形システムにおいて、予測ジョブの作成から、提案予測ジョブの生成、造形ジョブの発行、造形ジョブの実行までの処理を示すアクティビティ図。 本造形システムにおいて用いられる各種ジョブのデータ構造を示す図(1/2)。 本造形システムにおいて用いられる各種ジョブのデータ構造を示す図(2/2)。 形状変化の時系列の計算から補正データの計算までの処理を説明する図(1/2)。 形状変化の時系列の計算から補正データの計算までの処理を説明する図(2/2)。 好適な実施形態において立体造形物の予測形状を表示する評価判定結果表示画面を例示する図。 好適な実施形態において立体造形物の予測形状を表示する他の評価判定結果表示画面を例示する図。
以下、本発明の実施形態をもって説明するが、実施形態は、後述する実施形態に限定されるものではない。
図1は、立体物を造形する造形システムの構成例を示した図である。図1に示す造形システムは、情報処理装置10と、立体物を造形する造形装置20と、造形予測を行う造形予測サーバ装置30とを含む。情報処理装置10と、造形装置20と、造形予測サーバ装置30とは、ケーブル等を使用して有線により、または無線LAN(Local Area Network)等を使用して無線により接続される。なお、情報処理装置10と、造形装置20と、造形予測サーバ装置30とは、ネットワークを介して接続されていてもよい。
この例では、造形システムは、3つの装置から構成されているが、1つ、2つまたは4つ以上の装置から構成されていてもよい。例えば、造形システムは、1つの筐体内に、情報処理装置10が備える機能と、造形予測サーバ装置30が備える機能と、造形装置20の立体物を造形する造形手段とが収納されたものであってもよい。あるいは、造形システムは、情報処理装置10が備える機能と造形装置20の造形手段とが1つの筐体内に収納された装置と、造形予測サーバ装置30とを含み構成されてもよい。あるいは、造形予測サーバ装置30が備える機能を2以上の装置に分散して構成されていてもよい。
情報処理装置10は、CAD(Computer Aided Design)等のプログラムを使用して作成されたCADデータ等の立体物の三次元形状を表す三次元形状情報(3Dデータ)に基づき、造形物を造形するためのジョブを生成し、造形装置20に送信する。造形装置20は、情報処理装置10から受信したジョブに基づいて、造形予測サーバ装置30と連携して、ジョブにかかる立体物を造形する。造形予測サーバ装置30は、ジョブにかかる造形物の予測形状をシミュレートし、必要に応じて、補正情報を算出し、造形装置20に提供する。
造形装置20は、造形ヘッドを移動させ、造形ヘッドから材料を供給して1層ずつ積み重ねるように形成して行き、目的の立体物を造形する。造形は、造形ヘッドを移動させつつ、造形ヘッドから材料を線状に吐出することにより行われる。ちなみに、線の幅は、造形ヘッドの吐出ノズルの口径、吐出量、造形ヘッドの移動速度により変化する。
造形装置20は、造形ヘッドを二次元方向(x軸方向、y軸方向)に移動させ、立体物を載せるステージを鉛直方向(z軸方向)に移動させることにより材料の層を積層して立体物を造形する。具体的には、造形ヘッドを二次元方向に移動させ、1つの層を造形した後、ステージを1段階下げることで、造形した層上に次の層を造形する。なお、造形装置20は、これに限らず、xy軸方向への移動をステージの移動により行い、z軸方向への移動を造形ヘッドの移動により行ってもよい。
材料として樹脂を使用した造形では、熱によって溶融した状態で形状を付与し、冷却とともに固化させる。この冷却の過程で、造形された立体物は収縮する。この収縮では、特に、樹脂が結晶性樹脂の場合、どのような温度変化があったか、あるいはどの程度の応力がかかるかによって結晶化度が変化し、収縮の割合が異なる。以下、造形される形状の変形を予測し、予測結果に基づいて補正情報を提案し、造形精度の向上を図る技術について説明する。
はじめに、図2を参照して、情報処理装置10のハードウェア構成について説明する。情報処理装置10は、一般的なパーソナル・コンピュータと同様の構成を有する。このため、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、I/F15と、LCD(Liquid Crystal Display)16と、操作部17とを含む。なお、CPU11とROM12とRAM13とHDD14とI/F15とは、バス18を介して互いに接続されている。また、HDD14は、不揮発性の記憶装置であれば、SSD(Solid State Drive)等のいかなる記憶装置であってもよい。
CPU11は、演算手段であり、情報処理装置10全体の動作を制御する。ROM12は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体で、ブートプログラムやハードウェアを制御するためのファームウェア等のプログラムを格納する。RAM13は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性記憶媒体で、CPU11が情報を処理する際の作業領域として使用される。HDD14は、情報の読み書きが可能な不揮発性記憶媒体で、OS(Operating System)や各種のプログラム、各種のデータ等を格納する。
I/F15は、バス18と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し、情報の入出力や送受信等を制御する。I/F15は、情報処理装置10がネットワークを介して他の機器と通信するためのネットワークI/Fを含むことができる。ネットワークI/Fとしては、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェース等を用いることができる。LCD16は、ユーザが情報処理装置10の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースで、操作部17は、キーボードやマウス等のユーザが情報処理装置10に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
情報処理装置10は、ROM12に格納されたプログラムや、HDD14や図示しない光学ディスク等の記憶媒体からRAM13に読み出されたプログラムに従ってCPU11が演算を行う。これにより後述する情報処理装置10の各種の機能を実現する各機能部が構成される。なお、機能部は、全部がプログラムの実行により実現されてもよいし、一部がプログラムの実行により実現され、その他が回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、全部がハードウェアにより実現されてもよい。なお、図2に示した構成は、一例であり、一部のコンポーネントが無い態様や、追加のコンポーネントがある態様も想定されることが言うまでもない。
なお、図2を参照して、情報処理装置10のハードウェア構成を説明したが、造形予測サーバ装置30についても、図2を参照して説明したものと同様の構成とすることができる。すなわち、造形予測サーバ装置30は、ROMに格納されたプログラムや、HDDや光学ディスク等の記憶媒体からRAMに読み出されたプログラムに従ってCPUが演算を行う。これにより、後述する造形予測サーバ装置30の各種の機能を実現する各機能部が構成される。同様に、造形予測サーバ装置30の機能部は、全部がプログラムの実行により実現されてもよいし、一部がプログラムの実行により実現され、その他が回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、全部がハードウェアにより実現されてもよい。図2に示す一部のコンポーネントが無い態様や、追加のコンポーネントがある態様も想定されることが言うまでもない。
次に、図3を参照して、造形装置20のハードウェア構成について説明する。造形装置20も、CPU21と、ROM22と、RAM23と、HDD24と、I/F25とを含み、さらに、造形ユニット26と、センサ27とを備える。なお、CPU21とROM22とRAM23とHDD24とI/F25と造形ユニット26とセンサ27とは、バス28を介して互いに接続されている。また、HDD24は、不揮発性の記憶装置であれば、SSD等のいかなる記憶装置であってもよい。
CPU21は、演算手段であり、造形装置20の動作を制御し、所定の処理を実行する。ROM22は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体で、ブートプログラムやハードウェアを制御するためのファームウェア等のプログラムを格納する。RAM23は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性記憶媒体で、CPU21が情報を処理する際の作業領域として使用される。HDD24は、情報の読み書きが可能な不揮発性記憶媒体で、OSやアプリケーション・プログラム、設定情報等を格納する。
I/F25は、バス28と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し、情報の入出力や送受信等を制御する。I/F25は、造形装置20がネットワークを介して他の機器と通信するためのネットワークI/Fを含むことができる。ネットワークI/Fとしては、Ethernet(登録商標)やUSBインタフェース等を用いることができる。
造形ユニット26は、造形材を供給して目的の立体物を造形する装置で、造形材を供給する造形ヘッドや、造形材が供給されて立体物が造形されるステージ等を備える。造形方式として熱溶融積層(Fused Filament Fabrication,FFF)方式を採用する場合、造形材を溶融する加熱機構等を備える。造形方式は、説明する実施形態では、好適に適用できるFFF方式を中心に説明するが、特に限定されるものではなく、FFF方式の他、粉末焼結積層造形(Selective Laser Sintering,SLS)方式、マテリアルジェッティング(Material Jetting,MJ)方式、電子ビーム溶解法(Electron Beam Melting,EBM)、光造形法(Stereolithography Apparatus,SLA)などであってもよい。造形方式としてSLS方式を採用する場合、造形ユニット26は、レーザ光源等を備える。
センサ27は、造形される立体物の形状を測定するセンサや、立体物の特性、例えば温度等を測定するセンサとされる。立体物の形状を測定するセンサは、立体物の水平方向(x軸方向、y軸方向)と鉛直方向(z軸方向)の寸法等を測定する。形状を測定するセンサとしては、赤外線センサ、カメラ、3Dスキャナ等を用いることができる。温度センサとしては、サーモグラフィ等を用いることができる。
センサ27は、造形ヘッドによる造形動作に連動して、造形する層の形状や特性を測定することができる。なお、この測定は、1つの層が造形されるごとに行うことができ、測定タイミングやその範囲は、1つの層毎に造形層の形状や特性を測定することができれば、いかなるタイミングや範囲であってもよい。センサ27は、形状を測定するセンサのみであってもよいし、特性を測定するセンサのみであってもよいし、その両方のセンサを用いてもよい。特性を測定するセンサは、材料の収縮に影響を与える特性であれば温度に限定されるものではなく、温度以外の特性を測定するセンサであってもよい。
造形装置20は、ROM22に格納されたプログラムや、HDD24や図示しないSDカード等の記憶媒体からRAM23に読み出されたプログラムに従ってCPU21が演算を行う。これにより、造形装置20の各種の機能を実現する各機能部が構成される。なお、機能部は、全部がプログラムの実行により実現されてもよいし、一部がプログラムの実行により実現され、その他が回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、全部がハードウェアにより実現されてもよい。なお、図3に示した構成は、一例であり、一部のコンポーネントが無い態様や、追加のコンポーネントがある態様も想定されることは言うまでもない。
図4は、造形システムを構成する情報処理装置10、造形装置20および造形予測サーバ装置30の機能構成の一例を示したブロック図である。情報処理装置10は、機能部として、予測ジョブ生成部41を備える。造形装置20は、機能部として、造形データ生成部51と、造形部52と、測定部53と、好ましくは造形データ補正部54とを備える。造形予測サーバ装置30は、機能部として、予測入力データ生成部61と、予測部62と、評価判定部63と、補正情報生成部64と、提案ジョブ生成部65と、評価通知部66とを備える。
情報処理装置10の予測ジョブ生成部41は、所望の立体物について、造形による変形量を予測するジョブ(以下、予測ジョブと参照する。)を生成するよう構成されている。
造形予測サーバ装置30の予測入力データ生成部61は、予測を行うために必要な入力データを生成するよう構成されている。予測部62は、所望の立体物について、シミュレーションにより、造形による変形量を予測するよう構成されている。評価判定部63は、予測される造形物の品質を評価判定するよう構成されている。補正情報生成部64は、必要に応じて、造形物の品質を向上させるための補正情報を生成するよう構成されている。提案ジョブ生成部65は、提案する補正情報に基づく造形を評価するためのジョブを生成するよう構成されている。評価通知部66は、造形物の品質を評価判定した結果をユーザに通知するよう構成されている。
造形装置20の造形データ生成部51は、所望の立体物について、造形するための入力となる造形データを生成するよう構成されている。造形部52は、生成した造形データに基づいて層毎に造形処理を行うよう構成されている。測定部53は、造形される出力物の形状を、層を形成する毎に測定するよう構成されている。造形データ補正部54は、得られた補正情報および測定部53による測定結果に基づいて造形データを補正するよう構成されている。
なお、図4に示す実装形態は、一例であり、図4に示す特定の実施形態に限定されるものではない。情報処理装置10、造形装置20および造形予測サーバ装置30の機能ブロックの一部または全部を、他の情報処理装置や造形装置に移動させてもよい。また、図4に示す一部の機能部を省略した態様や、図4に示す以外の機能部を有する態様も想定される。
図5は、本造形システムにおいて、予測ジョブの作成から、提案予測ジョブの生成、造形ジョブの発行、造形ジョブの実行までの処理を示すアクティビティ図である。図6および図7は、本造形システムにおいて用いられる各種ジョブのデータ構造を示す図である。以下、図5〜図7を併せて参照しながら、図4に示した各機能部で行われる各処理についてより詳細に説明する。
図5に示すように、全体フローは、予測ジョブ生成部41から開始される。予測ジョブ生成部41は、処理413で、ユーザ入力された立体形状(3D)モデルデータ(以下、単にモデルデータという。)411と、造形条件設定412とに基づいて、予測ジョブ(以下、予測ジョブ(A)と参照する。)414を生成する。ここで、モデルデータ411は、例えばユーザがCADソフトなどを用いて作成したものである。造形条件設定412は、例えばユーザが設定されたものであり、造形部52の造形方式に応じたものとなる。
図6(A)は、本実施形態において、予測ジョブ生成部41により生成される予測ジョブ(A)414のデータ構造を示す。予測ジョブのファイルは、コンテナフォーマットであり、複数の種類のデータをまとめて保持することができるように構成されている。予測ジョブ生成部41により生成される予測ジョブ(A)414は、ユーザ入力値としてのモデルデータ414aおよび造形条件設定414bを含む。
モデルデータ414aは、上述したモデルデータ411と同一のものであり、例えば3次元形状を小さな三角形などの図形単位の集合体として表現したデータとすることができるが、特に限定されるものではない。例えば、モデルデータ414aとしては、STL(Standard Triangulated Language)ファイルといった、CAD(Computer Aided Design)/CAM(Computer Aided Manufacturing)で用いられている種々の形式のファイルを挙げることができる。
造形条件設定414bは、予測ジョブ生成部41が保持する造形条件設定412と同じデータである。造形条件設定414bに含まれる情報としては、例えば、材料温度や環境温度などの温度条件や、造形速度条件、材料の溶融温度などの物性などの情報を挙げることができる。
再び図5に戻る。生成された予測ジョブ(A)414は、情報処理装置10から造形装置20に送信される。造形装置20においては、造形データ生成部51は、処理511で、受信した予測ジョブ(A)414内の造形条件設定414bに基づいて、予測ジョブ(A)414内のモデルデータ414aをレンダリングし、造形データを生成する。このとき、造形データ生成部51は、3Dデータから、立体物を所定の間隔で切断(輪切り)して得られる断面形状を表す複数の断面情報を生成する。そして、造形データ生成部51は、複数の断面情報に基づき、造形材を供給する複数の経路を決定し、決定した複数の経路の経路データに基づき、造形データを生成する。
造形データ生成部51は、予測ジョブ(A)414に、生成した造形データを含めて、予測ジョブ(以下、予測ジョブ(B)と参照する)512を生成する。
図6(B)は、本実施形態において、造形データ生成部51により生成される予測ジョブ(B)512のデータ構造を示す。予測ジョブ(B)512は、モデルデータ512aと、造形条件設定512bと、生成された造形データ512cとを含む。
ここで、造形データ512cは、上述したように、モデルデータ414aにより規定される3次元形状を輪切りにして構成された、複数の層にわたる層毎のデータを含む。造形データ512cには、どこからどこへ造形材(材料)としての樹脂を供給するかという情報のほか、樹脂を溶融させる温度や吐出手段としての造形ヘッドの移動速度等の造形に必要なパラメータが含まれる。なお、材料を供給できれば、吐出手段は造形ヘッドに限定されるものではない。造形データ512cは例えば、FFF方式であれば、GCodeなどのフォーマットのデータを挙げることができる。
図5に示すように、造形データ生成部51により生成された予測ジョブ(B)512は、実際の造形を開始する前に、造形予測サーバ装置30に送信される。
造形予測サーバ装置30においては、予測入力データ生成部61は、予測ジョブ(B)512を取得し、処理612で、予測ジョブ(B)512内の造形条件設定512bおよび造形データ512c、並びに自身が保持する予測条件設定611に基づいて、予測部62が処理可能な入力ファイル(以下、予測入力データ)613を作成する。ここで、予測条件設定611は、予測計算のための拘束点情報、温度条件設定や、シミュレーションで並列計算を行うか否か、並列計算を行う場合にはさらに使用するCPUコアやスレッドの数などシミュレーションに関する情報を含む。予測条件設定611は、プログラム内部で定義されていてもよいし、外部から設定させることとしてもよい。
予測入力データ613は、コンテナフォーマットであり、モデルデータ、造形条件設定、造形データおよび予測条件設定を含む。生成された予測入力データ613は、予測部62に渡される。
造形部52の造形方式としては、上述したように、FFF、SLS、MJ、EBM、SLAなど種々の造形方式が存在する。特定の実施形態において、予測入力データ613は、それぞれが対応する造形方式に従った複数のシミュレーション方式の入力データとして成立し得る、共通するフォーマットを有するものとすることができる。
予測部62は、造形プロセスにおいて吐出された材料の温度変化とそれに伴う収縮、内部応力の発生、構造の変形等をモデル化している。予測部62は、所定の造形方式にて、設定されている造形条件によってモデルデータを造形した場合に、如何なる形状の立体造形物が造形されるか、その形状が時間の経過とともにどのように変形して行くのかを予測する手段である。
予測部62は、処理621で、予測入力データ613(モデルデータ、造形条件設定、予測条件設定および造形データを含む)に基づいて、モデルデータに応じた造形物の予測形状(変形量)を計算し、形状予測データ622を生成する。形状予測データ622には、造形物の造形を開始してからの造形中および造形後の変形の時系列が含まれ得る。生成された形状予測データ622は、評価判定部63に渡される。
特定の実施形態において、予測部62は、複数のシミュレーション方式を備えることができる。上述したように種々の造形方式が存在するところ、それぞれ異なる造形方式毎にシミュレーション方式が準備されている。また、同一の造形方式に対して複数の解析計算方式がある場合もあるので、造形方式および解析計算方式の組み合わせ毎にシミュレーション方式が準備されてもよい。特定の実施形態による予測部62は、複数のシミュレーション方式のうちの所定の造形方式に対応するシミュレーション方式を選択し、予測入力データ613を入力として、形状予測データ622を取得する。ここで、対応するシミュレーション方式としては、造形装置20の造形方式に対応するものが選択され、複数の解析計算方式がある場合には、さらに、指定された解析計算方式に応じたものが選択される。
なお、説明する実施形態では、予測部62が、複数のシミュレーション方式を備えるものとして説明するが、これに限定されるものではない。造形部52の造形方式が特定の方式(造形方式および解析計算方式)に固定されている場合は、予測部62は、対応する方式に応じた単一または複数(解析計算方式の種類に応じたもの)のシミュレーション方式を備えていればよい。予測部62は、本実施形態による予測手段を構成する。
なお、予測部62によるシミュレーションは、造形予測サーバ装置30上で動作するものとして示されているが、この実施形態に限定されるものではない。他の実施形態では、シミュレーションの演算の一部または全部が、他のコンピュータ・システム上で実行され、予測部62は、他のコンピュータ・システム上のシミュレーション部に予測入力データ613を送信し、シミュレーション結果である形状予測データ622を受信する態様としてもよく、このような態様も、造形物の予測形状を予測するものである。また、シミュレーションにおいては、形状に加えて、残留応力量などの特性値が計算されてもよい。なお、予測部62による造形中および造形後の変形の時系列の予測については、詳細を後述する。
評価判定部63は、処理631で、予測部62から受け取った形状予測データ622に基づいて、予測される造形品質の評価判定を行う。まず、評価判定部63は、形状予測データ622に含まれる変形の時系列のうちの、造形後(充分に収束した後)の形状情報を三次元形状データに変換する。評価判定部63は、予測ジョブ(B)512に含まれるモデルデータ512aに応じた基準形状と、変換された三次元形状データに基づく予測形状とを比較し、1または複数の評価情報を算出する。評価判定部63は、算出された1または複数の評価情報に基づいて、さらに、所定の基準を満たすか否かを判定する。
1または複数の評価情報としては、造形物全体またはその一部区間についての幅、奥行き、高さの寸法の差分、そり量などを挙げることができる。所定の基準としては、例えば、幅(X)、奥行き(Y)、高さ(Z)の方向の寸法公差、そり量に対する許容範囲などを挙げることができる。所定基準として、例えば、JIS精級、中級、粗級、極粗級、あるいは、ユーザの判断基準をシステムに反映できるようにユーザ定義の基準などを設定することができる。評価判定部63は、本実施形態における評価判定手段を構成する。
1または複数の評価情報が所定の基準を満たす場合(例えば、すべての寸法について差が閾値よりも小さい)には、評価判定部63は、造形が成功する(OK)と判定する。また、モデルデータ512aに応じた基準形状と、変換された三次元形状データに基づく予測形状との差分が大きく、評価情報が所定の基準を満たさない場合(例えばいずれかの寸法について差が閾値よりも大きい)には、評価判定部63は、造形が失敗(NG)すると判定する。評価判定部63は、造形が成功する(OK)と判定したか、造形が失敗(NG)すると判定したかに応じて処理を分岐させる。
評価判定部63により造形が成功する(OK)と判定された場合は、制御が分岐し、評価判定部63は、造形ジョブ633を生成し、造形装置20に送信する。造形ジョブ633の詳細については後述する。その場合に、制御が、評価通知部66に渡される。評価通知部66は、処理661で、造形が成功する旨の評価判定結果662をユーザに通知することができる。評価判定結果662には、造形が成功すると判定した根拠となる1または複数の評価情報が含まれてもよい。なお、評価判定結果662は、好ましい実施形態は、当該造形予測サーバ装置30が提供するユーザインタフェース(例えばWebページ)を介してユーザに通知されるが、他の実施形態では、電子メールなどによってユーザに通知されてもよい。
一方で、評価判定部63により造形が失敗する(失敗)と判定された場合は、成功するように補正を試みる。補正の試行を繰り返し実行しても、成功する条件が発見できず、処理が収束しないことを防ぐため、評価判定の回数に上限を設けることが好ましい。すなわち、評価判定部63により造形が失敗する(失敗)と判定された場合は、さらに、これまでの造形の失敗(NG)の回数が所定数以上となったか否かに応じて処理を分岐させることができる。
評価判定部63により造形が失敗する(失敗)と判定された場合であって、造形の失敗(NG)が所定回数以上となった場合は、制御が、評価通知部66に渡される。この場合、評価通知部66は、処理661で、補正を繰り返しても造形が成功する見込みがない旨の評価判定結果662をユーザに通知することができる。評価判定結果662には、最後の試行で造形が失敗すると判定した根拠となった1または複数の評価情報が含まれてもよい。
一方で、評価判定部63により造形が失敗する(失敗)と判定された場合であって、造形の失敗(NG)が所定回数未満である場合は、制御が補正情報生成部64へ渡される。
補正情報生成部64は、処理641で、形状予測データ622に基づいて、造形物の品質を向上させるための補正情報642を生成する。補正情報生成部64は、好ましくは、予測部62にり予測された変形の時系列に基づき、補正情報642として、層毎の造形データに対応する層毎の補正データを計算することができる。ここで、層毎の補正データは、造形部52による材料の吐出を制御する情報とすることができる。
また、シミュレーションの結果、造形条件設定を変更することにより造形物の変形が抑制できることが判明する場合もある。補正情報生成部64は、好ましくは、層毎の補正データの計算とともに、または、層毎の補正データの計算に代えて、補正された造形条件設定を補正情報642として計算することができる。補正情報生成部64は、本実施形態における計算手段を構成する。なお、補正情報生成部64による造形中および造形後の変形の時系列に基づく補正情報の生成については、詳細を後述する。
生成された補正情報642は、提案ジョブ生成部65に渡される。提案ジョブ生成部65は、受け取った補正情報642に基づいて、提案する補正情報642に基づく造形を評価するための予測ジョブ(以下、提案予測ジョブ(A)と参照する。)652を生成する。提案ジョブ生成部65は、本実施形態における生成手段を構成する。
図6(C)は、本実施形態において、提案ジョブ生成部65により生成される提案予測ジョブ(A)652のデータ構造を示す。提案予測ジョブ(A)652は、モデルデータ652aと、造形条件設定652bと、補正モデルデータ652cと、補正造形条件設定652dと、層毎の補正データ652e〜652zを含む。
ここで、モデルデータ652aおよび造形条件設定652bは、予測ジョブ(B)512に含まれるものと同じものがセットされる。補正モデルデータ652cは、上述した補正情報としての補正データに基づいて3次元形状データに変換したものがセットされる。補正造形条件設定652dは、上述した補正情報として算出された造形条件設定がセットされる。層毎の補正データ652e〜652zには、上記補正情報として算出された層毎の補正データがセットされる。
再び図5を参照する。生成された提案予測ジョブ(A)652は、造形予測サーバ装置30から造形装置20に送信される。造形装置20においては、造形データ生成部51は、処理513で、受信した提案予測ジョブ(A)652に基づいて、層毎の造形データを再生成する。このとき、造形データ生成部51では、提案予測ジョブ(A)652に含まれる補正モデルデータ652cおよび補正造形条件設定652dに基づいて、造形データの再生成が行われる。造形データ生成部51は、提案予測ジョブ(A)652に、再生成した層毎の造形データを含めて、提案予測ジョブ(以下、提案予測ジョブ(B)と参照する)514を生成する。
図7(A)は、本実施形態において、造形データ生成部51により再生成される提案予測ジョブ(B)514のデータ構造を示す。提案予測ジョブ(B)514は、モデルデータ514aと、造形条件設定514bと、補正モデルデータ514cと、補正造形条件設定514dと、再生成された造形データ514eとを含む。
図5で示すように、造形データ生成部51により再生成された提案予測ジョブ(B)514は、造形予測サーバ装置30に送信される。
提案予測ジョブ(B)514には、補正された造形条件設定および再生成された造形データが含まれる。このため、予測入力データ生成部61は、補正された造形条件設定、造形データおよび予測条件データから、再び予測入力データ613を生成する。すなわち、評価判定部63により一度造形失敗と評価された条件を補正し、補正された条件にて再び予測することが可能となる。これらを繰り返すことで、評価判定部63により造形成功となる条件を探索することができる。すなわち、予測部62および評価判定部63は、肯定的な評価判定結果が得られるまで、あるいは、試行回数の上限に達して打ち切られるまで、それぞれ、提案予測ジョブ(B)514に基づく予測形状の予測および予測される造形品質の評価判定を繰り返して行う。補正情報生成部64および提案ジョブ生成部65は、評価判定部63による評価判定結果が否定的である間、それぞれ、補正情報の計算および提案予測ジョブの生成を1回以上繰り返すことになる。
最終的に評価判定部63による評価判定の結果が肯定的となった場合は、制御が分岐し、評価判定部63は、造形ジョブ633を生成し、造形装置20に発行する。
図7(B)は、本実施形態において、評価判定部63により生成される造形ジョブ633のデータ構造を示す。造形ジョブ633は、モデルデータ633aと、造形条件設定633bと、補正モデルデータ633cと、補正造形条件設定633dと、造形データ633eと、層毎の補正データ633f〜633zを含む。
モデルデータ633aおよび造形条件設定633bは、予測ジョブ(B)512に含まれたものと同じものがセットされる。
補正モデルデータ633cおよび補正造形条件設定633dは、提案予測ジョブを生成していない(つまり、補正情報の生成を一度も行っていない)場合は、予測ジョブ(B)512に含まれたものと同じものがセットされる。つまり、この場合は、補正の必要はなく、ユーザ入力されたものをそのまま用いて問題ないということになる。一方、提案予測ジョブが生成された場合は、提案予測ジョブ(B)514に含まれたものと同じものがセットされる。
造形データ633eは、提案予測ジョブを生成していない場合は、予測ジョブ(B)512に含まれたものと同じものがセットされる。一方、提案予測ジョブが生成された場合は、提案予測ジョブ(B)514に含まれたものと同じもの(つまり再生成された造形データ)がセットされる。
層毎の補正データ633f〜633zは、提案予測ジョブを生成していない場合は、モデルデータに基づく理想的な基準形状を表すデータがセットされる。提案予測ジョブが生成された場合は、補正モデルデータ633cに基づく補正後の形状を表すデータがセットされる。層毎の補正データ633f〜633zの詳細は、後述する。
最終的に評価判定部63により造形が成功する(OK)と判定することができた場合、造形ジョブ633が発行されるととともに、制御が、評価通知部66に渡される。評価通知部66は、処理661で、補正により造形が成功する旨の評価判定結果662をユーザに通知することができる。評価判定結果662には、ユーザから入力されたモデルデータの基準形状、予測される造形後の収束した形状、これらを比較して得られた、造形が成功すると判定した根拠となる1または複数の評価情報が含まれてもよい。さらに、評価判定結果662には、補正の内容を表す情報が含まれてもよい。評価通知部66は、本実施形態における通知手段、発行手段および表示制御手段を構成する。
評価通知部66により、元のモデルデータに基づく予測される造形品質の評価判定が否定的であった場合に、補正情報に基づき造形をした場合の造形物の予測される造形品質の評価判定が表示されるよう制御される。
なお、評価判定結果662は、上述したように、好適な実施形態では、当該造形予測サーバ装置30が提供するユーザインタフェース(例えばWebページ)を介してユーザに通知されてもよいが、これに限定されるものではない。電子メールなどによってユーザに通知される態様を排除するものではない。
さらに、説明する実施形態では、最終的に評価判定部63により造形が成功する(OK)と判定することができた場合は、造形ジョブ633が直ちに造形装置20に送信されるものとして説明した。しかしながら、このような実施形態に限定されるものではない。他の実施形態では、評価通知部66が、ユーザインタフェースを介して、補正により最終的に造形が成功する旨の評価判定結果662をユーザに通知した後、ユーザインタフェースを介してユーザからの造形開始要求を受けた場合に、造形ジョブの発行へ進めるよう構成してもよい。この場合は、ユーザは、造形品質を確認した上で造形を指示することが可能となり、無駄な造形処理を防止することができるという利点がある。
さらに、説明する実施形態では、造形の失敗(NG)が所定回数以上となった場合に、補正を繰り返しても造形が成功する見込みがない旨の評価判定結果662をユーザに通知するものとした。その際に、以降の造形を禁止することもできるが、ユーザインタフェースを介して、造形が成功する見込みがない旨の評価判定結果662をユーザに通知した後、ユーザインタフェースを介してユーザからの強制造形開始要求を受けた場合に、最善の提案内容での造形ジョブの発行へ進めるよう構成してもよい。
造形開始要求や強制造形開始要求を受け付ける手段は、造形予測サーバ装置30が提供するウェブページなどであってもよく、特に限定されるものではなく、本システムへ要求を入力できる手段であれば如何なる手段であってよい。
以下、図8および図9を併せて参照しながら、図4に示した予測入力データ生成部61で行われる形状変化の時系列の予測および補正情報生成部64で行われる予測された形状変形の時系列に基づく補正データの算出方法について、より詳細について説明する。図8および図9は、形状変化の時系列の計算から補正データの計算までの処理を説明する図である。
ここで、図8(A)に示すような、直方体Oのモデルデータを造形することを考える。予測部62は、まず、図8(A)に示す直方体Oのモデルデータを図8(B)に示すような6面体メッシュの集合Mの形に変換し、造形されるべき造形物の理想の形状である基準形状を生成する。ここで、基準形状は、略均一な大きさの直方体の集合で表され、6面体メッシュの高さは、典型的には、積層厚に対応する。そして、造形中および造形後変形の時系列は、造形物の造形中および造形後の複数時点での、各6面体メッシュの各頂点の基準形状からの位置座標の変位として計算することができる。
ここで、形状予測データ622は、図8(B)に示すような、モデルデータを6面体メッシュに変換したデータおよびその時系列として表現することができる。このため、例えば3次元形状を小さな三角形などの図形単位を集合体として造形物の面を表現したデータであるモデルデータとは異なり、形状予測データ622は、モデルデータの内部の変形の情報も保持している。変形の時系列としては、造形中については、例えば、各層の形成完了(予定)時点毎の形成済み(予定)の層各々の変形の時系列が保持される。造形後については、造形後の任意の時点毎の造形物全体を構成する層各々の変形の時系列が保持される。
図8(C)および図8(D)は、それぞれ、図8(A)に示す直方体Oのモデルデータの基準形状およびそれを変換した図8(B)に示す6面体メッシュの集合Mをy軸方向から観察した場合のzx平面の図である。
図9(A)は、造形完了してからt時間経過後の予測形状M’を示し、実線は、形成済みの予測形状を表し、点線は、基準形状を表す。図9(A)に示す6面体メッシュの集合の造形後(変形が収束した後の)予測形状と、図8(A)および図8(C)に示される直方体Oのモデルデータの基準形状とを比較し、寸法の差分が充分に小さく評価判定が肯定的であった場合、図7に示す造形ジョブ633の層毎の補正データ633f〜633zとして、図8(B)および図8(D)に示すモデルデータに基づく理想的な基準形状を表す六面体メッシュMがセットされる。
予測形状と、基準形状とを比較し、寸法の差分が大きく評価判定が否定的であった場合、補正データの生成が試みられる。この場合、図8(A)に点線で示す基準形状と、実線で示すt時間経過後の変形形状との差異を考慮し、逆の変形を元の基準形状に適用して、図9(B)のような形状となるように造形の制御を行うと、収束状態において最終的に理想的な基準形状の造形物を得ることができるということになる。
そこで、補正情報生成部64は、図9(B)で示す造形を実現するような材料の吐出を制御するデータを生成する。図9(B)のように算出される六面体メッシュNを補正メッシュと参照する。
図9(C)は、図9(B)に示す補正メッシュNを、再び3次元形状データQに変換したものを示す。図9(D)は、図9(C)に示す補正メッシュNに対応した3次元形状データQを、さらに6面体メッシュの集合Lの形に変換したものである。図9(E)は、図9(D)に示す6面体メッシュLに基づいて予測される、造形完了してからt時間経過後の予測形状L’を表す。ここで、図9(E)に示す6面体メッシュの集合の造形後(変形が収束した後の)予測形状L’と、図8(A)および図8(C)に示される直方体Oのモデルデータの基準形状とを比較し、寸法の差分が充分に小さく評価判定が肯定的であった場合、補正されたモデルデータを含む造形ジョブが生成されることになる。この場合、図7に示す造形ジョブ633の層毎の補正データ633f〜633zとして、図9(D)に示すような、補正モデルデータに基づく補正後の形状を表す六面体メッシュLがセットされる。
ここで、再び図5を参照し、造形ジョブ633が生成された以降の処理について説明する。造形予測サーバ装置30により発行された造形ジョブ633は、造形装置20の造形部52に渡される。造形部52は、造形ジョブ633を取得し、造形ジョブ633内の補正造形条件設定633d、造形データ633eおよび層毎の補正データ633f〜633zに基づいて、所定の造形方式に従って造形動作を実行し、ステージ上に造形材を供給して、造形物524を層毎に造形する処理を実行する。
この際に、補正データに基づいて、造形データに応じた各層の造形を制御することができる。ここで、補正データに基づく造形を制御は、造形部52が実行する造形の動作が変更されるように行われる。造形の動作を変更するとは、造形データに含まれるパラメータやアルゴリズムを変更することをいい、一例として、造形される立体物の形状、造形層ごとの寸法や高さ、造形データに基づく造形量、造形材の溶融温度、造形速度、積層ピッチ等が挙げられる。
補正データを用いて造形データに基づく造形を制御することにより、実際に造形するときの各層の描き方(材料の吐出圧や描画速度など)を最適化することが可能となる。例えば、図9(B)に示すような造形が行われるように造形データに基づく造形を制御することにより、収束状態において最終的に理想的な形状となる造形物を得ることができる。
特定の実施形態においては、造形装置20は、造形部52に加えて、さらに、測定部53と、造形データ補正部54とを含んで構成することができる。造形部52は、処理522で、一層分の造形を行い、出力物(造形物のうちの形成された部分をいう。)542が造形される。造形が完了しない間、測定部53は、処理531で、造形部52により造形された各層形成時の出力物524の形状を測定し、N層測定データ532を生成する。造形データ補正部54は、処理541で、N層測定データ532に基づいて、次層以降の造形データを補正する。このとき、造形データ補正部54は、次層以降の造形データの補正を、造形ジョブ633内の層毎の補正データに基づいて行うことができる。
より具体的には、造形データ補正部43は、造形データおよび補正データから予測される予測形状に基づいて、造形データを補正することができる。造形データ補正部43は、また、造形データおよび補正データに基づき造形された出力物の測定部42による測定形状と、造形データおよび補正データに基づき予測される予測形状とを比較し、測定形状と造形予測との差を示す予測誤差を算出することができる。ここでの予測は、上述した造形予測部32による予測と同じものであり、造形予測部32に問い合わせて各形成時点の変形の予測結果を取得する形とすることができる。そして、計算される予測誤差は、予測に対し、測定結果がどの程度異なっているかを示す量である。造形データ補正部43は、形状等の予測誤差が解消されるように、上述したシミュレーションのモデルを更新させることができ、その場合、更新されたモデルに基づいて次の層の予測が行われる。このように、測定部42による各層形成時の測定結果を、次層以降の造形データの補正に反映させることにより、より精度の高い造形が可能となる。造形データ補正部54は、本実施形態における造形データ補正手段を構成する。
以下、図10および図11を参照しながら、評価通知部66がユーザインタフェースを介して提供する評価判定結果662を示す画面表示を説明する。
図10は、好適な実施形態において立体造形物の予測形状を表示する評価判定結果表示画面750を例示する図である。なお、図10に示す結果表示画面750は、複数回の試行の末に、適切な補正情報を算出することができなかった場合の結果を表示するものである。
図10に示す結果表示画面750は、造形予測処理の開始や終了の日時を示す日時表示751,751と、造形予測処理の進捗状態を示す進捗状況表示753と、造形予測処理のステータスを示すステータ表示754とを含み構成される。
図10に示す結果表示画面750は、さらに、モデルデータに応じた基準形状756を示す基準形状表示755と、形状予測データに基づく造形後の造形物の予測形状759を示す予測形状表示758とを含み構成される。図10に示す結果表示画面750は、さらに、必ずしも最適ではないが最善の補正情報を反映した補正形状781を示す補正形状表示780を含み構成される。
本実施形態において、基準形状表示755、補正形状表示780および予測形状表示758は、結果表示画面750上でのマウス操作やフリックやピンチなどのタッチパネル操作に基づいて、形状表示する際の位置、スケールおよび姿勢のいずれかの変更を受け付ける機能を有する。好適には、基準形状表示755、補正形状表示780および予測形状表示758を連動して、受け付けた変更が反映された構図で、基準形状756、補正形状781および造形物の予測形状759を表示するように制御される。基準形状表示755および予測形状表示758には、さらに、それぞれ、基準形状756および予測形状759の幅(X)、奥行き(Y)、高さ(Z)の方向の寸法表示757,760が付属されている。
基準形状表示755、補正形状表示780および予測形状表示758には、さらに、各種コントロール761〜764が設けられている。コントロール761は、基準形状756、補正形状781および予測形状759の位置、スケールおよび姿勢を、既定のホームポジションに戻す指示を受け付けるコントロールである。コントロール762は、基準形状756、補正形状781および予測形状759に、三次元軸を表示するか否かを制御するコントロールである。コントロール763は、基準形状756、補正形状781および予測形状759を、ワイヤーフレームで表示するか、ソリッドあるいはサーフェスで表示するかを制御するコントロールである。コントロール764は、基準形状756、補正形状781および予測形状759を、事前定義されたパターンで回転しているように再生表示するためのコントロールである。
図10に示す結果表示画面750は、さらに、最終的にJIS粗級などの所定の基準を満たすことができたか否かを示す判定表示768と、最終的にその判定結果となった理由を説明する判定理由表示769と、その判定の基礎となる評価情報を表示する評価マトリックス表示765とを含み構成される。
図10に示す評価マトリックス表示765では、各軸毎に、基準形状の寸法、基準寸法の区分、基準形状に対する予測形状の寸法公差および基準形状の寸法と、予測形状の寸法との差が示されている。図10に示すように、判定表示768が、所定の基準とともに基準形状756および造形物の予測形状759に関連して表示するよう構成されている。
また、評価マトリックス表示765においては、所定の基準から外れた評価情報が識別可能に表示されており、図10に示す例では、y軸およびz軸の寸法差766,767が、許容範囲外であることが識別可能に表示されている。
図10に示す結果表示画面750は、またさらに、最善の補正された造形条件設定を示す補正造形条件表示782を含み構成される。図10に示す補正造形条件表示782では、各設定項目毎に、補正前と補正後の設定値が示されている。
図10に示す結果表示画面750は、またさらに、強制造形実行ボタン770と、キャンセルボタン771を含み構成される。強制造形実行ボタン770がクリックまたはタップされると、造形部52に対し、最善の補正条件を含む造形ジョブとともに造形開始の指令が発行される。このように、所定の基準は満たさないが、ユーザが望めば最善の状態で出力を行うことができるようにすることができる。キャンセルボタン771がクリックまたはタップされると、予測ジョブについての結果の表示が終了する。
図11は、好適な実施形態において立体造形物の予測形状を表示する他の評価判定結果表示画面850を例示する図である。なお、図11に示す結果表示画面850は、試行により適切な補正情報を算出することができた場合の結果を表示するものである。なお、図10に示したものと同様の働きをするものについては特に説明しない場合がある。
図11に示す結果表示画面850は、モデルデータに応じた基準形状856を示す基準形状表示855と、補正されたモデルデータに応じた補正形状881を示す補正形状表示880と、補正情報に基づく形状予測データ応じた造形後の補正された造形物の予測形状859を示す予測形状表示858とを含み構成される。
図11に示す結果表示画面850は、さらに、最終的にJIS粗級などの所定の基準を満たすことができたことを示す判定表示868と、補正を行ったこと示す表示869と、その補正を行った場合の評価情報を表示する評価マトリックス表示865とを含み構成される。
図11に示す結果表示画面850は、またさらに、適切な補正情報に含まれる造形条件設定を示す補正造形条件表示882を含み構成される。図11に示す補正造形条件表示882では、各設定項目毎に、補正前と補正後の設定値が示されている。
図11に示す結果表示画面850は、またさらに、造形実行ボタン870とキャンセルボタン871とを含み構成される。造形実行ボタン870がクリックまたはタップされると、造形部52に対し造形ジョブとともに造形開始の指令が発行される。キャンセルボタン871がクリックまたはタップされると、予測ジョブについての結果の表示が終了する。
以上、説明した本発明の実施形態によれば、算出された補正情報に基づく造形処理の品質の評価を行うことが可能な造形予測システム、造形予測表示システム、情報処理装置、プログラムを提供することができる。
上述した実施形態によれば、シミュレーションにより造形による変形量が予測されて、造形物の品質が保たれているかの評価判定がなされる。この評価判定が否定的な場合、造形物の品質を向上させるための補正情報が生成され、それを評価する提案予測ジョブが生成される。この提案予測ジョブに基づき再び予測および評価判定を行い、これらを繰り返すことで、評価判定が肯定的となる条件が探索される。そのため、ユーザにとって、算出された補正情報が造形物の品質を保つ上で最適な条件であるのかの判断が容易となる。
なお、上述した本発明の実施形態の各機能は、C、C++、C#、Java(登録商標)等で記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、本実施形態のプログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、DVD、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROM等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…情報処理装置10、20…造形装置20、30…造形予測サーバ装置、41…予測ジョブ生成部、51…造形データ生成部、52…造形部、53…測定部、54…造形データ補正部、61…予測入力データ生成部、62…予測部、63…評価判定部、64…補正情報生成部、65…提案ジョブ生成部、66…評価通知部、411…モデルデータ、412…造形条件設定、414…予測ジョブ(A)、512…予測ジョブ(B)、514…提案予測ジョブ(B)、524…造形物、532…N層測定データ、542…補正造形データ、611…予測条件設定、613…予測入力データ、622…形状予測データ、633…造形ジョブ、642…補正情報、652…提案予測ジョブ(A)、662…評価判定結果
特開2018−008403号公報

Claims (10)

  1. 造形予測システムであって、
    与えられた予測ジョブに基づいて、造形物の予測形状を予測する予測手段と、
    前記予測手段により予測された前記造形物の前記予測形状に基づいて、予測される造形品質の評価判定を行う評価判定手段と、
    前記評価判定手段による前記評価判定の結果が否定的である場合に、提案する補正情報を計算する計算手段と、
    提案する前記補正情報に基づく造形を評価するための提案予測ジョブを生成する生成手段と
    を含む、造形予測システム。
  2. 前記予測手段および前記評価判定手段は、それぞれ、前記提案予測ジョブに基づいて、予測形状の予測および予測される造形品質の評価判定をさらに行うことを特徴とし、前記計算手段および前記生成手段は、それぞれ、前記評価判定手段による前記評価判定の結果が否定的である間、補正情報の計算および提案予測ジョブの生成を1回以上繰り返すことを特徴とする、請求項1に記載の造形予測システム。
  3. 前記補正情報の計算および前記提案予測ジョブの生成を行った回数が閾値を超えた場合に、前記補正情報の計算および前記提案予測ジョブの生成を繰り返す処理を打ち切ることを特徴とする、請求項2に記載の造形予測システム。
  4. 前記評価判定手段による前記評価判定の結果が肯定的となった場合に、提案する前記補正情報に基づいて造形された場合に予測される造形品質の評価結果を通知する通知手段
    をさらに含む、請求項2または3に記載の造形予測システム。
  5. 前記予測ジョブは、前記造形物のモデルデータと、造形条件設定とを含み、前記造形予測システムは、
    前記モデルデータおよび前記造形条件設定に基づいて、前記造形物を造形するための層毎の造形データを生成する手段
    をさらに含み、
    前記予測手段は、前記与えられた予測ジョブに基づく予測処理において、生成された前記層毎の造形データと、前記与えられた造形条件設定とに基づいて、前記造形物の造形を開始してからの変形の時系列を予測することを特徴とし、前記計算手段は、前記変形の時系列に基づき、前記補正情報として、層毎の補正データおよび補正された造形条件設定の一方または両方を計算することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の造形予測システム。
  6. 前記評価判定手段による前記評価判定の結果が肯定的となった場合に、層毎の造形データを含む造形ジョブを発行する発行手段と、
    前記造形ジョブに含まれる層毎の造形データに基づき造形処理を行う造形手段と
    をさらに含む、請求項5に記載の造形予測システム。
  7. 前記造形手段により造形された各層形成時の出力物の形状を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された各層形成時の出力物の形状に基づいて、次層以降の造形データを補正する造形データ補正手段と
    をさらに含み、前記造形データ補正手段は、前記次層以降の造形データの補正を前記補正情報に基づいて行うことを特徴とする、請求項6に記載の造形予測システム。
  8. 造形予測表示システムであって、
    造形物の予測形状を予測する予測手段と、
    前記予測手段により予測された造形物の予測形状に基づく予測される造形品質の評価判定を表示する表示制御手段と
    を含み、前記表示制御手段は、元のモデルデータに基づき予測される造形品質の評価判定が否定的であった場合に、計算された補正情報に基づき造形をした場合の造形物の予測される造形品質の評価判定を表示することを特徴とする、造形予測表示システム。
  9. 情報処理装置であって、
    与えられた予測ジョブに基づいて、造形物の予測形状を予測する予測手段と、
    前記予測手段により予測された前記造形物の前記予測形状に基づいて、予測される造形品質の評価判定を行う評価判定手段と、
    前記評価判定手段による前記評価判定の結果が否定的である場合に、提案する補正情報を計算する計算手段と、
    提案する前記補正情報に基づく造形を評価するための提案予測ジョブを生成する生成手段と
    を含む、情報処理装置。
  10. コンピュータを、
    与えられた予測ジョブに基づいて、造形物の予測形状を予測する予測手段、
    前記予測手段により予測された前記造形物の前記予測形状に基づいて、予測される造形品質の評価判定を行う評価判定手段、
    前記評価判定手段による前記評価判定の結果が否定的である場合に、提案する補正情報を計算する計算手段、および
    提案する前記補正情報に基づく造形を評価するための提案予測ジョブを生成する生成手段
    として機能させるためのプログラム。
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