JP2019535791A - 血糖コントロールの改善並びに急性及び長期糖尿病合併症の低減のためのインスリンデグルデク - Google Patents

血糖コントロールの改善並びに急性及び長期糖尿病合併症の低減のためのインスリンデグルデク Download PDF

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Abstract

本発明は、医薬における使用のためのインスリンデグルデクに関する。

Description

本発明は、糖尿病を有する対象における血糖コントロールの改善並びに急性及び長期糖尿病合併症の低減のための基礎インスリンの使用に関する。
糖尿病は、高血糖により特徴付けられる代謝障害であり、高血糖、並びに心血管及び微小血管合併症、他の重篤な健康関連の結果及び早期死の高リスクを含む、急性及び長期糖尿病合併症と関連付けられる。糖尿病を有する人は、血圧等の他の心血管リスク因子の管理後でさえも、糖尿病歴を有しない人より心血管原因で死亡する可能性が2〜3倍高い。また、彼らは、重篤な微小血管合併症を発症するリスクが非常に高く、またそれらは最終的には、早世:腎症及び腎不全、網膜疾患及び失明、自律神経障害及び末梢神経障害並びに血管系に関連する他の状態、例えば高血圧、下肢切断、認知機能低下及び勃起不全を引き起こす。
糖尿病を有する人の大部分(90〜95%)は、2型糖尿病を有し、これはインスリン抵抗性及び最終的にはインスリン分泌障害により特徴付けられる。1型糖尿病は、自己免疫的なb細胞破壊のために発症し、通常、絶対的なインスリン欠乏を引き起こす。長期合併症のリスクは、不十分な血糖コントロールにより増大するので、最適血糖コントロールは、糖尿病を有する対象における治療目標である。いくつかの経口及び注射用抗糖尿病薬が利用可能であるにもかかわらず、顕著な割合の糖尿病を有する対象が、推奨される標的レベルを達成しない。増大する糖尿病発生率及び有病率のために、改善した有効性、安全性及び利便性を伴う治療代替策について未だ対処されていない医療的要求が存在している。糖尿病の治療のためのいくつかの基礎インスリンが利用可能であることにより、糖尿病を有する個々の人が、治療有効性を最大限にし、公知の急性(治療関連低血糖リスクを含む)及び長期糖尿病合併症を最小限にする治療を受容するような、治療スキームについて要求が存在している。
現在の治療ガイドラインは、低血糖等の治療関連の可能性のある合併症を念頭に、血液中の平均グルコースレベルの代用測定値であるHbA1c値により定義される、ある特定の治療目標を達成することを目的として患者を治療することを推奨している。1つの権威あるガイドは、American Diabetes Association: Standards of Medical Care in Diabetes 2017(Diabetes Care、2017年1月、40巻、補遺1)であり、7%(53mmol/mol)未満のHbA1cの標的を推奨している。しかしながら、急性及び長期合併症の高リスクにある、ある特定の群については、この標的は、より高くある(すなわち、より意欲的でない)べきであり、8%のHbA1cを目的とすることが示唆されている:「より厳格でないA1C目標(例えば8%[64mmol/mol]未満)は、重度の低血糖歴、限られた平均余命、進行した微小血管若しくは大血管合併症、広範な併存症状態、又は糖尿病自己管理教育、適切なグルコースモニタリング及びインスリンを含む有効用量の多数のグルコース低下剤があるにもかかわらず目標を達成することが困難な長年の糖尿病を有する患者については適切であり得る」。インスリン治療患者の主要な臨床試験は、糖尿病合併症に対する徹底的な血糖コントロールの利益を示す多因子介入の一部として、自己測定血漿グルコース(SMPG:self-measured plasma glucose)を含んだ。このように、SMPGは、有効療法の不可欠な成分である。SMPGにより、患者は、彼らの毎日の療法への個々の応答を評価し、血糖標的が達成されているかどうかを査定することが可能になる。SMPG結果を糖尿病管理に統合することは、医学的栄養療法及び身体活動をガイドし、低血糖を防ぎ、薬物治療を調節するための有用なツールであり得る。1型糖尿病を有する患者では、より大きなSMPG頻度とより低いHbA1cとの間の相関がある。患者の特異的要求及び目標は、SMPG頻度及びタイミングを規定すべきである。経口剤又は基礎インスリンを使用している2型糖尿病患者等の徹底的なインスリンレジメンを使用しない患者については、SMPGをいつ処方するか、及び試験がどのくらいの頻度で必要であるかについての証拠が、不十分である。基礎インスリンを使用する患者について、HbA1cの低下は、標的化範囲内のSMPGにより決定される空腹時グルコースを得るように用量を調節する患者について示されている。
WO2005/012347 WO98/08871
American Diabetes Association: Standards of Medical Care in Diabetes 2017(Diabetes Care、2017年1月、40巻、補遺1) Thygesen Kら、「Universal Definition of Myocardial Infarction」、J Am Coll Cardiol、2007年11月27日、50巻(22号):2173〜95頁 New Engl J Med、1993年;329巻:977〜986頁 The Criteria Committee of the New York Heart Association.、Nomenclature and Criteria for Diagnosis of Diseases of the Heart and Great Vessels.、第9版、Boston、Mass:Little、Brown & Co社;1994年:253〜256頁 Remington:The Science and Practice of Pharmacy(例えば第19版(1995年)及び任意の後の版) American Diabetes Association. Standards of medical care in diabetes、Diabetes Care、2014年;37巻(補遺1):S14〜S80 Nathanら、Management of Hyperglycemia in type 2 diabetes: A consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy - Update regarding thiazolidinediones: A consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes、Diabetes Care、2008年;31巻(1号):173〜5頁 Nathanら、Translating the A1C assay into estimated average glucose values.、Diabetes Care、2008年;31巻(8号):1473〜8頁 Goffら、2013 ACC/AHA Guideline on the Assessment of Cardiovascular Risk A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines、Circulation、2014年;129巻[補遺2]:S49〜S73
一部の実施形態では、本発明は、必要のある対象への治療有効量の血糖コントロールの改善を与える基礎インスリンの投与を含む、糖尿病を治療するための方法であって、上記対象が、心血管疾患を有するか、若しくは心血管疾患を発症するリスクを有するか、又は低血糖のリスクを有するか、又は早世のリスクを有し、
上記基礎インスリンが、インスリンデグルデクであり、
上記方法が、
- 重度の低血糖のリスクを低減させるか;又は
- 重度の低血糖の回数を低減させるか;又は
- 主要な有害心血管事象(MACE:major adverse cardiovascular event)を遅延させるか;又は
- MACEの回数及び/若しくは重症度を低減させる、
- 死亡リスクを低減させる、
方法に関する。
一部の実施形態では、対象は、
- 心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び慢性心不全からなる群から選択される1つ若しくは複数の血管疾患、並びに/又は
- 微量アルブミン尿、タンパク尿、高血圧、左室肥大、左室収縮不全、左室拡張不全及び0.9未満の足関節/上腕血圧指数からなる群から選択される血管疾患の1つ若しくは複数のリスク因子、並びに/又は
- 高い血液グルコース変動性、無自覚性低血糖及び慢性腎不全から選択される低血糖の1つ若しくは複数のリスク因子
を有する。
一部の実施形態では、本発明は、
- インスリンデグルデク、
- 包装材料及び
- インスリンデグルデクでの治療を受容する対象が、本発明による方法により治療され得ることを示す、包装材料内に含有されるラベル又は添付文書
を含む、キットオブパーツに関する。
本文脈では、関連する1つの患者群は、長期進行微小血管又は大血管合併症を患う患者及び低血糖の高リスクを有する患者である。これらの患者群では、インスリンデグルデクを使用する場合、厳格なSMPG標的との組合せのHbA1c=7%のより厳格な治療標的を使用する場合でさえも、医師の実施に反して、広範な高リスク糖尿病集団にわたり、改善した健康の転帰の驚くべき発見が確認されている。加えて、データは、インスリンデグルデクを使用する対象における血糖コントロールの日毎の変動性の低減を示しており、これは、この治療セグメントにおける急性及び長期合併症の低減と関連していた。
図1は、四分位値でのCVリスクスコアによるハザード比の見積もりである。
一部の実施形態では、本発明は、必要のある対象への治療有効量の血糖コントロールの改善を与える基礎インスリンの投与を含む、糖尿病を治療するための方法であって、上記対象が、心血管疾患を有するか、若しくは心血管疾患を発症するリスクを有するか、又は低血糖のリスクを有するか、又は早世のリスクを有し、
上記基礎インスリンが、インスリンデグルデクであり、
上記方法が、
- 重度の低血糖のリスクを低減させるか;又は
- 重度の低血糖の回数を低減させるか;又は
- 高血糖のリスクを低減させるか;又は
- 主要な有害心血管事象(MACE)を遅延させるか;又は
- MACEの回数及び/若しくは重症度を低減させるか;又は
- 死亡リスクを低減させる、
方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、必要のある対象への治療有効量の血糖コントロールの改善を与える基礎インスリンの投与を含む、糖尿病を治療するための方法であって、上記対象が、心血管疾患を有するか、又は心血管疾患を発症するリスクを有し、
上記基礎インスリンが、インスリンデグルデクであり、
上記方法が、
- 重度の低血糖のリスクを低減させるか;又は
- 重度の低血糖の回数を低減させるか;又は
- 主要な有害心血管事象(MACE)を遅延させるか;又は
- MACEの回数及び/若しくは重症度を低減させる、
方法に関する。
一部の実施形態では、対象は、
- 心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び慢性心不全からなる群から選択される1つ若しくは複数の血管疾患、並びに/又は
- 微量アルブミン尿、タンパク尿、高血圧、左室肥大、左室収縮不全、左室拡張不全及び0.9未満の足関節/上腕血圧指数からなる群から選択される血管疾患の1つ若しくは複数のリスク因子
を有する。
一部の実施形態では、対象は、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び慢性心不全からなる群から選択される1つ又は複数の血管疾患を有する。
一部の実施形態では、対象は、微量アルブミン尿、タンパク尿、高血圧、左室肥大、左室収縮不全、左室拡張不全及び0.9未満の足関節/上腕血圧指数からなる群から選択される血管疾患の1つ又は複数のリスク因子を有する。
一部の実施形態では、本発明は、
- 2型糖尿病並びに
- 7.0%以上のHbA1c
又は
7.0%未満のHbA1c及び20ユニット以上/日の基礎インスリンに対応する現行のインスリン治療並びに
- 1つ又は複数の経口又は注射用抗糖尿病剤での継続中の治療並びに
- スクリーニング時に50歳以上の年齢及び以下の状態の少なくとも1つ:
〇以前の心筋梗塞
〇以前の卒中若しくは以前の一過性脳虚血発作(TIA:transient ischaemic attack)
〇以前の冠状動脈、頸動脈若しくは末梢動脈血行再建
〇冠状動脈、頸動脈若しくは下肢動脈の血管造影若しくは他の画像上の50%を超える狭窄
〇積極的運動ストレス試験若しくは任意の心臓画像により実証される症候性冠状動脈心疾患の病歴若しくはECG変化での不安定狭心症
〇ポジティブ核画像試験若しくは運動試験若しくはドブタミンストレスエコーにより実証される無症候性心虚血
〇慢性心不全NYHAクラスII〜III
〇30〜59mL/分/1.73m2/CKD-EPIの糸球体濾過率に対応する慢性腎疾患
又は
スクリーニング時に60歳以上の年齢及び以下のリスク因子の少なくとも1つ:
〇微量アルブミン尿若しくはタンパク尿
〇高血圧及びECG若しくは画像による左室肥大
〇画像による左室収縮及び拡張不全
〇0.9未満の足関節/上腕血圧指数
を有する対象の治療に関する。
一部の実施形態では、本発明は、2型糖尿病を有する対象の治療に関する。一部の実施形態では、本発明は、1型糖尿病を有する対象の治療に関する。
「重度の低血糖」という用語は、本明細書で使用されるとき、ADA 2013により定義される低血糖、すなわち、状態を自己処理できない対象を指す。
「MACE」という用語は、本明細書で使用されるとき、主要な有害心血管事象を指す。一部の実施形態では、MACEは、心血管(CV:cardiovascular)死、非致死性MI、非致死性卒中、冠状動脈血行再建、不安定狭心症のための入院及び慢性心不全のための入院からなる群から選択される事象である。一部の実施形態では、MACEは、心血管死、非致死性MI又は非致死性卒中である。一部の実施形態では、MACEは、心血管死である。一部の実施形態では、MACEは、非致死性MIである。一部の実施形態では、MACEは、非致死性卒中である。「非致死性MI」という用語は、本明細書で使用されるとき、非致死性心筋梗塞を指す。一部の実施形態では、MACEは、心血管死、非致死性MI及び非致死性卒中からなる群から選択される事象である。一部の実施形態では、MACEは、冠状動脈血行再建である。一部の実施形態では、MACEは、不安定狭心症のための入院である。一部の実施形態では、MACEは、慢性心不全のための入院である。
一部の実施形態では、本方法は、主要な有害心血管事象(MACE)を低減又は遅延させる。一部の実施形態では、本方法は、主要な有害心血管事象(MACE)を発症する上記対象のリスクを低減させる。一部の実施形態では、本方法は、第1のMACEを発症する上記対象のリスクを低減させる。「第1のMACE」という用語は、本明細書で使用されるとき、インスリンデグルデク投与の開始後の対象の第1のMACE事象を指す。
一部の実施形態では、血管疾患の1つ又は複数のリスク因子は、a)微量アルブミン尿又はタンパク尿;b)高血圧及び/又はECG若しくは画像による左室肥大;c)画像による左室収縮又は拡張不全;並びにd) 0.9未満の足関節/上腕血圧指数からなる群から選択される。一部の実施形態では、血管疾患のリスク因子は、微量アルブミン尿である。一部の実施形態では、血管疾患のリスク因子は、タンパク尿である。一部の実施形態では、血管疾患のリスク因子は、高血圧及び左室肥大である。一部の実施形態では、血管疾患のリスク因子は、左室収縮不全である。一部の実施形態では、血管疾患のリスク因子は、左室拡張不全である。一部の実施形態では、血管疾患のリスク因子は、0.9未満の足関節/上腕血圧指数である。
一部の実施形態では、MACEは、CV死、非致死性MI、非致死性卒中、冠状動脈血行再建、心不全のための入院及び不安定狭心症のための入院からなる群から選択される。
一部の実施形態では、MACEは、CV死、非致死性MI、非致死性卒中、冠状動脈血行再建及び心不全のための入院からなる群から選択される。一部の実施形態では、MACEは、CV死、非致死性MI及び非致死性卒中からなる群から選択される。一部の実施形態では、MACEは、心血管死である。一部の実施形態では、MACEは、非致死性MIである。一部の実施形態では、MACEは、非致死性卒中である。一部の実施形態では、MACEは、プラセボと比較して少なくとも10%低減又は遅延される。一部の実施形態では、MACEは、プラセボと比較して約5%〜約15%低減又は遅延される。一部の実施形態では、MACEは、プラセボと比較して約5%〜約10%低減又は遅延される。一部の実施形態では、MACEは、心血管死、非致死性MI及び非致死性卒中から選択され、上記MACEは、プラセボと比較して少なくとも10%、プラセボと比較して少なくとも20%又はプラセボと比較して少なくとも30%低減される。
一部の実施形態では、上記インスリンデグルデクは、長期的な治療として少なくとも12ヶ月間投与される。一部の実施形態では、上記インスリンデグルデクは、長期的な治療として少なくとも15ヶ月間投与される。一部の実施形態では、上記インスリンデグルデクは、長期的な治療として少なくとも18ヶ月間投与される。一部の実施形態では、上記インスリンデグルデクは、長期的な治療として少なくとも21ヶ月間投与される。一部の実施形態では、上記インスリンデグルデクは、長期的な治療として少なくとも24ヶ月間投与される。一部の実施形態では、上記インスリンデグルデクは、長期的な治療として少なくとも30ヶ月間投与される。一部の実施形態では、上記インスリンデグルデクは、長期的な治療として少なくとも36ヶ月間投与される。
一部の実施形態では、上記心血管疾患又は心血管疾患の上記リスクは、インスリンデグルデクの投与開始前に存在していた。
一部の実施形態では、MACEを発症する上記対象のリスクは、プラセボと比較して少なくとも10%低減される。一部の実施形態では、MACEを発症する上記対象のリスクは、プラセボと比較して約10%〜約15%低減される。一部の実施形態では、第1のMACEを発症する対象は、プラセボと比較して少なくとも10%低減又は遅延される。一部の実施形態では、MACEは、プラセボと比較して約10%〜約15%低減又は遅延される。
一部の実施形態では、本方法は更に、上記対象の死亡リスクを低減させ、上記死亡の原因は、任意の原因である。一部の実施形態では、上記対象の死亡リスクは、プラセボと比較して少なくとも10%低減される。一部の実施形態では、上記対象の死亡リスクは、プラセボと比較して約10%〜約20%低減される。一部の実施形態では、上記対象の死亡リスクは、プラセボと比較して約15%低減される。
一部の実施形態では、対象は、少なくとも30kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、30〜50kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも7%、例えば少なくとも7.5%又は少なくとも8.0%のHbA1cを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも7.0%のHbA1cを有するか、又は少なくとも20ユニット/日の基礎インスリンに対応するインスリン治療下にあることと組み合わせて7.0%未満のHbA1cを有する。
「基礎インスリン」という用語は、本明細書で使用されるとき、遅延性作用様式を有する、すなわち、作用時間がヒトインスリンの作用時間より実質的に長い、インスリンを意味すると意図される。基礎インスリンの非限定的な例は、例えばWO2005/012347に見ることができる。市販で入手可能な基礎インスリンとして、インスリンデテミル、インスリングラルギン及びインスリンデグルデクが挙げられる。
一部の実施形態では、対象は、インスリンデグルデクの投与開始前10年以下の期間内に2型糖尿病と診断されている。一部の実施形態では、対象は、少なくとも50歳であり、CV疾患を有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも60歳であり、CV疾患を有する。一部の実施形態では、対象は、慢性心不全を有しない。一部の実施形態では、対象は、1つの経口抗糖尿病薬(OAD:oral antidiabetic drug)からなる併用薬物治療を受容する。一部の実施形態では、対象は、抗糖尿病療法を以前に受容していない。一部の実施形態では、対象は、追加の抗糖尿病療法を受容しない。一部の実施形態では、対象は既に、1つ又は複数の注射用抗糖尿病剤での治療を受容している。一部の実施形態では、上記1つ又は複数の注射用抗糖尿病剤は、インスリングラルギンを含む。
一部の実施形態では、対象は、中程度及び/又は重度の腎機能障害を有する。一部の実施形態では、対象は、中程度の腎機能障害を有する。一部の実施形態では、対象は、60mL未満/分/1.73m2、例えば40mL未満/分/1.73m2又は30mL未満/分/1.73m2のeGFRを有し、上記eGFRは、MDRDにより決定され得る。一部の実施形態では、対象は、30〜59mL/分/1.73m2の範囲のeGFRを有し、上記eGFRは、MDRDにより決定され得る。一部の実施形態では、対象は、40mL超〜50mL未満/分/1.73m2の範囲のeGFRを有し、上記eGFRは、MDRDにより決定され得る。
一部の実施形態では、上記インスリンデグルデクは、1日1回投与される。一部の実施形態では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも9ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも12ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも15ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも18ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも21ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも24ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも27ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも30ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも33ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも36ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非
致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクの上記投与は、インスリンデグルデクが少なくとも42ヶ月間投与され、上記方法が心血管死、非致死性心筋梗塞(MI)又は非致死性卒中を低減又は遅延させる長期的な治療である。
一部の実施形態では、「心血管死」又は「CV死」という用語は、死亡原因が、心血管疾患からなる群から選択されるか、又は未知である、死亡を説明するために本明細書で互換的に使用される。一部の実施形態では、CV死は、心血管原因による死亡及び明らかに実証された非血管原因がなかった死亡からなる群から選択される。心血管原因による死亡は、心臓性突然死、急性心筋梗塞のための死亡、心不全のための死亡及び卒中のための死亡を含み得る。
一部の実施形態では、「心血管死」又は「CV死」という用語は、「未知の原因による死亡を除外するCV死」とも本明細書で呼ばれる、死亡原因が心血管疾患からなる群から選択される死亡を説明するために本明細書で互換的に使用される。
一部の実施形態では、非致死性MIは、対象の死亡を伴わない心筋虚血と一致する心筋壊死である。一部の実施形態では、MIは、Thygesen Kら、「Universal Definition of Myocardial Infarction」、J Am Coll Cardiol、2007年11月27日、50巻(22号):2173〜95頁で説明する通り、ESC(欧州心臓学会:European Society of Cardiology)/ACCF(米国心臓財団:American College of Cardiology Foundation)/AHA(米国心臓協会:American Heart Association)/WHF(世界心臓連合:World Heart Federation)専門調査団により示唆される再定義に基づいて診断される。
一部の実施形態では、冠状動脈血行再建は、閉塞若しくは破壊血管をブロック解除することにより、又は置換物を外科的に埋め込むことにより達成されるような、心臓における血液循環の回復である。
一部の実施形態では、不安定狭心症(UAP:unstable angina pectoris)のための入院は、急性冠状動脈症候群を暗示する虚血症状により引き起こされ、トロポニンの上昇を伴わないことを含む心臓バイオマーカーの上昇を伴わない、心臓バイオマーカーが心筋壊死について陰性である、計画外の入院である。トロポニンの上昇は、例えば心臓トロポニンI又は心臓トロポニンTとして決定される、参照上限の99パーセントより少なくとも1の値分、上であり得る。トロポニンの上昇は、0.04ng/mLを超える心臓トロポニンI(cTnI)(例えばADVIA Centaur XP免疫分析器でのTnI-Ultraアッセイにより決定される、共にSiemens Healthcare Diagnostics社)であり得る。一部の実施形態では、STEMI又はNSTEMIが存在する場合、UAPは存在しない(STEMIの基準:新しいSTセグメント上昇が、12リードECGの2又はそれよりも多い隣接リードに存在する;NSTEMIの基準:STセグメント上昇が、12リードECGの2又はそれよりも多い隣接リードにおいて非存在である;上記ECGは、急性心筋虚血の徴候を示し、1) ST上昇、カットオフ点:リードV2〜V3において男性で0.2mV以上若しくは女性で0.15mV以上及び/若しくは他のリードにおいて0.1mV以上での、2つの隣接リードにおけるJ点での新しいST上昇;並びに/又は2)ST低下及びT波変化、2つの隣接リードにおける新しい水平若しくは0.05mV以上の下降傾斜ST低下;並びに/又は顕著なR波若しくは1より大きいR/S比を伴う、2つの隣接リードにおける0.1mV以上のT反転を含み得る)。急性冠状動脈症候群は、ECGでの新しい又は悪化しているST又はT波変化(上記ECG変化は、(左室肥大及び左脚ブロックの非存在下で)急性心筋虚血の以下の基準の少なくとも1つを満たす:ST上昇;カットオフ点:リードV2〜V3において男性で0.2mV以上若しくは女性で0.15mV以上及び/若しくは他のリードにおいて0.1mV以上での、2つの隣接リードにおけるJ点での新しい一過性の(20分未満であることが知られる)ST上昇、ST低下及びT波変化、2つの隣接リードにおける新しい水平若しくは0.05mV以上の下降傾斜ST低下;並びに/又は顕著なR波若しくは1より大きいR/S比を伴う、2つの隣接リードにおける0.1mV以上のT反転);心臓画像を伴うストレス試験での虚血の証拠;心臓画像を伴わないが、心外膜冠状動脈における70%以上の病変及び/若しくは血栓の血管造影証拠又は抗狭心症療法の開始/投薬増大を伴うストレス試験での虚血の証拠;並びに心外膜冠状動脈における70%以上の病変及び/又は血栓の血管造影証拠からなる群から選択される少なくとも1つの基準を含み得る。
一部の実施形態では、非致死性卒中は、対象の死亡を伴わない卒中であり、卒中は、一過性脳虚血発作、虚血卒中及び出血性卒中を含む。一部の実施形態では、一過性脳虚血発作(TIA)は、急性梗塞を伴わない、限局性脳、脊髄又は網膜虚血により引き起こされる神経機能障害の一過性エピソードとして定義される。一部の実施形態では、虚血卒中は、中枢神経系灌流を損なう血栓又は塞栓から生ずる(出血のためではなく)中枢神経系組織の梗塞により引き起こされる限局性大脳、脊髄又は網膜機能障害の急性エピソードとして定義され、画像により実証され;加えて、また、検死から得た虚血卒中の証拠は、診断を確認することができ、且つ/又は腰椎穿刺での発見は、診断を支持し得る。一部の実施形態では、出血性卒中は、画像での大脳出血の実証(例えばCT又はMRIスキャン)を伴う、非外傷性実質内、脳室内又はクモ膜下出血により引き起こされる限局性又は全体的大脳、脊髄又は網膜機能障害の急性エピソードとして定義される、すなわち、実質内、脳室への貫通を伴う実質内、脳室内又はクモ膜下出血;硬膜下及び硬膜外出血は含まれない;加えて、また、検死から得た出血性卒中の証拠は、診断を確認することができ、且つ/又は腰椎穿刺での発見は、診断を支持し得る。
一部の実施形態では、心不全のための入院は、少なくとも12時間の滞在をもたらす入院患者ユニットへの入院又は救急部門への来院として定義される入院であり、以下の心不全の臨床徴候の少なくとも1つが存在する:新たな若しくは悪化している呼吸困難、新たな若しくは悪化している起座呼吸、新たな若しくは悪化している発作性夜間呼吸困難、新たな若しくは悪化している浮腫、新たな若しくは悪化している肺基底呼吸音、新たな若しくは悪化している頸静脈膨満、新たな若しくは悪化している第3心音若しくは奔馬調律又は悪化している心不全の放射線証拠。また、心不全のための入院は、(i)a)静脈内利尿剤、変力物質若しくは血管拡張薬療法の開始;b)既に治療中の場合、静脈内療法の点滴増量;c)機械的若しくは外科的介入(機械的循環支持の開始;d)心機能を改善するための心臓移植若しくは心室ペーシング)若しくは心不全の治療を特に対象とする限外濾過、血液濾過若しくは透析の使用を含む、追加及び/若しくは増大させた療法を含んでもよく;且つ/又は(ii)うっ血性心不全と一致するバイオマーカー結果(例えば脳性ナトリウム利尿ペプチド)は、この診断を支持する。
一部の実施形態では、本発明の方法は、事象の発生を低減させる。一部の実施形態では、「低減又は遅延させる」は、本発明の方法について本明細書で使用されるとき、「〜のリスクを低減させる」である。
対象及び部分集団
本発明に従ってインスリンデグルデクを投与される対象は、ヒト、例えばヒト成人であり得る。本発明の方法に従ってインスリンデグルデク投与を受容する対象は、2型糖尿病を有してもよく、(i)心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/若しくは慢性心不全からなる群から選択される1つ若しくは複数の血管疾患、並びに/又は(ii)血管疾患の1つ若しくは複数のリスク因子を有する。一部の実施形態では、対象は、2型糖尿病並びに心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全を有する。対象は、2型糖尿病及び心血管疾患を有し得る。対象は、2型糖尿病及び脳血管疾患を有し得る。対象は、2型糖尿病及び末梢血管疾患を有し得る。対象は、2型糖尿病及び慢性腎不全を有し得る。対象は、2型糖尿病及び慢性心不全を有し得る。一部の実施形態では、対象は、2型糖尿病及び血管疾患の1つ又は複数のリスク因子を有する。これらの血管疾患は、随伴性と呼ばれ得る、すなわち、1つ又は複数の血管疾患は、2型糖尿病と同時に対象において存在する。
一部の実施形態では、対象は、少なくとも50歳、例えば少なくとも60歳である。
一部の実施形態では、対象は、例えばインスリンデグルデク投与受容前に、少なくとも7.0%のHbA1cを有する。一部の実施形態では、対象は、例えばインスリンデグルデク投与受容前に、8.3%を超えるHbA1cを有する。一部の実施形態では、対象は、例えばインスリンデグルデク投与受容前に、少なくとも8.4%のHbA1cを有する。一部の実施形態では、対象は、例えばインスリンデグルデク投与受容前に、少なくとも9.0%のHbA1cを有する。HbA1cは、本分野で公知の方法に従って、例えば糖尿病コントロール及び合併症試験(DCCT:Diabetes Control and Complications Trial)により定義される方法に従って決定される割合として、決定することができ、New Engl J Med、1993年;329巻:977〜986頁を参照されたい。
一部の実施形態では、対象は、インスリンデグルデクを除いては、抗糖尿病薬ナイーブであるか、又は1つ若しくは複数の経口抗糖尿病薬(OAD:oral anti-diabetic drug)で治療されているか、又は単独若しくはOADとの組合せのヒトNPHインスリン若しくは長期作用インスリンアナログ若しくは事前混合インスリンで治療されている。対象は、抗糖尿病薬ナイーブであり得る。対象は、1つ又は複数の経口抗糖尿病薬(OAD)で治療され得る。対象は、単独又はOADとの組合せの、ヒトNPHインスリン又は長期作用インスリンアナログ又は事前混合インスリンで治療され得る。一部の実施形態では、OADは、スルホニル尿素、インスリン分泌促進薬、チアゾリジンジオン、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤、ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害剤及びこれらの組合せからなる群から選択され得る。一部の実施形態では、OADは、スルホニル尿素(例えばグリメピリド、グリピジド、グリブリド)である。一部の実施形態では、OADは、インスリン分泌促進薬(例えばビグアナイド、例えばメトホルミン又はメグリチニド、例えばナテグリニド)である。一部の実施形態では、OADは、チアゾリジンジオン(例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン)である。一部の実施形態では、OADは、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤(例えばアカルボース、ミグリトール、ボグリボース)である。一部の実施形態では、OADは、ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害剤(例えばダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジン)である。一部の実施形態では、OADは、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤(例えばシタグリプチン)である。一部の実施形態では、OADは、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤ではない。
一部の実施形態では、対象は、(i)少なくとも50歳であり、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/若しくは慢性心不全を有するか、又は(ii)少なくとも60歳であり、血管疾患の1つ若しくは複数のリスク因子を有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも60歳であり、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全を有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも60歳であり、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全を有する。
一部の実施形態では、対象は、a)(i)少なくとも50歳であり、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/若しくは慢性心不全からなる群から選択される1つ若しくは複数の血管疾患を有するか、又は(ii)少なくとも60歳であり、血管疾患のリスク因子を有し;b)例えばインスリンデグルデク投与受容前のときに、少なくとも7.0%のHbA1cを有し;c)抗糖尿病薬ナイーブであるか、又は1つ若しくは複数の経口抗糖尿病薬(OAD)で治療されているか、又は単独若しくはOADとの組合せのヒトNPHインスリン若しくは長期作用インスリンアナログ若しくは事前混合インスリンで治療されている。
一部の実施形態では、対象は、腎機能障害を有する。一部の実施形態では、対象は、中程度の腎機能障害(すなわち、eGFR 30〜59/MDRD)を有する。一部の実施形態では、対象は、重度の腎機能障害(すなわち、eGFR<30/MDRD)を有する。一部の実施形態では、対象は、腎機能障害を有し、糸球体濾過率の見積もり(eGFR:estimated glomerular filtration rate)は、60未満、例えば60mL未満/分/1.73m2/腎疾患の食事の改良(MDRD:Modification of Diet in Renal Disease)である。一部の実施形態では、対象は、60mL未満/分/1.73m2/MDRDのeGFRを有する。一部の実施形態では、対象は、50mL未満/分/1.73m2/MDRDのeGFRを有する。一部の実施形態では、対象は、40mL未満/分/1.73m2/MDRDのeGFRを有する。一部の実施形態では、対象は、30mL未満/分/1.73m2/MDRDのeGFRを有する。一部の実施形態では、対象は、10mL以上/分/1.73m2/MDRDのeGFRを有する。一部の実施形態では、糸球体濾過率の見積もり(eGFR)は、血清クレアチニン濃度、続いて腎疾患の食事の改良(MDRD)又は慢性腎疾患疫学共同研究(CKD-EPI 2012)のいずれかの式に基づいて計算され、両方とも、対象の年齢、性別及び人種についての変数を含む。MDRDにより決定されたeGFRは、eGFR-MDRDと呼ばれ得る。CKD-EPIにより決定されたeGFRは、eGFR-CKD-EPIと呼ばれ得る。eGFR-MDRD式は、式Vで定義する通りであり得る:eGFR(mL/分/1.73m2)=175×(Scr)-1.154×(年齢)-0.203×(女性の場合0.742)×(アフリカ系米国人の場合1.212)[V]。CKD-EPI式は、式VIで定義する通りであり得る:eGFR=141×最小値α×最大値-1.209×0.993年齢×(女性の場合1.018)×(黒人の場合1.159)[VI]、式中、「最小値」は、Scr/κの最小値又は1を示し、「最大値」は、Scr/κの最大値又は1を示し、Scrは、血清クレアチニン(mg/dL)であり、κは、女性について0.7及び男性について0.9であり、αは、女性について-0.329又は男性について-0.411である。
一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、心筋梗塞、卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、冠状動脈血行再建、頸動脈血行再建、末梢動脈血行再建、冠状動脈の50%を超える狭窄、頸動脈の50%を超える狭窄、下肢動脈の50%を超える狭窄、症候性冠状動脈心疾患の病歴(例えば積極的運動ストレス試験又は任意の心臓画像により実証される)、不安定狭心症(例えばECG(心電図:electrocardiogram)変化での)、無症候性心虚血(例えばポジティブ核画像試験又は運動試験又はドブタミンストレスエコーにより実証される)、慢性心不全NYHAクラスII〜III及び中程度〜重度の慢性腎不全(例えば60mL未満/分/1.73m2/腎疾患の食事の改良(MDRD)又は60mL未満/分/コッククロフト・ゴールト式の糸球体濾過率に対応する段階に臨床的に達している)からなる群から選択される。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、心筋梗塞、卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、冠状動脈血行再建、頸動脈血行再建、末梢動脈血行再建からなる群から選択され、事象は、インスリンデグルデク投与開始前に起こった。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、a)心筋梗塞;b)卒中又は以前の一過性脳虚血発作(TIA);c)冠状動脈血行再建、頸動脈血行再建又は末梢動脈血行再建;d)冠状動脈、頸動脈又は下肢動脈の血管造影又は他の画像上の50%を超える狭窄;e)積極的運動ストレス試験若しくは任意の心臓画像により実証される症候性冠状動脈心疾患の病歴又はECG(心電図)変化での不安定狭心症;f)ポジティブ核画像試験又は運動試験又はドブタミンストレスエコーにより実証される無症候性心虚血;g)慢性心不全NYHAクラスII〜III;及びh)60mL未満/分/1.73m2/腎疾患の食事の改良(MDRD)又は60mL未満/分/コッククロフト・ゴールト式の糸球体濾過率に対応する段階に臨床的に達している慢性腎不全からなる群から選択され得る。一部の実施形態では、対象は、インスリンデグルデク投与時前の事前事象として、a)心筋梗塞;b)卒中若しくは一過性脳虚血発作(TIA);又はc)冠状動脈、頸動脈若しくは末梢動脈血行再建を経験した。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、以前の心筋梗塞、以前の卒中及び以前の一過性脳虚血発作(TIA)からなる群から選択される。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、以前の冠状動脈血行再建、以前の頸動脈血行再建及び以前の末梢動脈血行再建からなる群から選択される。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、冠状動脈の50%を超える狭窄、頸動脈の50%を超える狭窄及び下肢動脈の50%を超える狭窄からなる群から選択される。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、症候性冠状動脈心疾患の病歴(例えば積極的運動ストレス試験又は任意の心臓画像により実証される)及び不安定狭心症(例えばECG(心電図)変化での)からなる群から選択される。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、無症候性心虚血(例えばポジティブ核画像試験又は運動試験又はドブタミンストレスエコーにより実証される)からなる群から選択される。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、慢性心不全NYHAクラスII〜IIIからなる群から選択される。一部の実施形態では、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全は、中程度〜重度の慢性腎不全(例えば60mL未満/分/1.73m2/腎疾患の食事の改良(MDRD)又は60mL未満/分/コッククロフト・ゴールト式の糸球体濾過率に対応する段階に臨床的に達している)からなる群から選択される。一部の実施形態では、「前(prior)」は、本明細書で使用されるとき、インスリンデグルデク投与前を指す。
糸球体濾過率は或いは、「コッククロフト・ゴールト式」により決定することができ、「コッククロフト・ゴールト式」は、式IIIにより定義される通りであり得る:CrCl(mL/分)=(Nx[140-年齢(歳)]x体重*(kg))/血清クレアチニン(μM)[III]、式中、CrClは、コッククロフト・ゴールトクレアチニンクリアランスであり、Nは、男性について1.23及び女性について1.04であり、実際の体重が120%IBWより大きい場合、体重は式IIIaで定義される理想体重(IBW:ideal body weight)である:IBW(kg)=(5ftを超えるインチ数x2.3)+M[IIIa]、式中、Mは、男性について50及び女性について45.5である。
心不全は、様々な程度の重症度で存在する。最もよく使用される心不全の分類システムは、ニューヨーク心臓協会機能分類(「NYHA」とも呼ばれる)である。NYHAは、対象の身体活動中の限定度に基づいて、4つのクラスI〜IV(Table A(表1))のうちの1つに対象をカテゴリー分けし、任意選択で、客観的評価に基づいて追加のサブグループA〜Dにカテゴリー分けする。更なる詳細については、The Criteria Committee of the New York Heart Association.、Nomenclature and Criteria for Diagnosis of Diseases of the Heart and Great Vessels.、第9版、Boston、Mass:Little、Brown & Co社;1994年:253〜256頁を参照されたい。一部の実施形態では、対象は、心不全NYHAクラスI〜III、例えばクラスI、クラスII又はクラスIIIを有する。
「心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全」は、心筋梗塞であり得る。「心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全」は、卒中又は以前の一過性脳虚血発作(TIA)であり得る。「心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全」は、冠状動脈、頸動脈又は末梢動脈血行再建であり得る。「心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全」は、冠状動脈、頸動脈又は下肢動脈の血管造影又は他の画像上の50%を超える狭窄であり得る。「心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全」は、積極的運動ストレス試験若しくは任意の心臓画像により実証される症候性冠状動脈心疾患の病歴又はECG変化での不安定狭心症であり得る。「心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全」は、ポジティブ核画像試験又は運動試験又はドブタミンストレスエコーにより実証される無症候性心虚血であり得る。「心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全」は、慢性心不全NYHAクラスII〜IIIであり得る。「心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び/又は慢性心不全」は、60mL未満/分/1.73m2/腎疾患の食事の改良(MDRD)又は60mL未満/分/コッククロフト・ゴールト式の糸球体濾過率に対応する段階に臨床的に達している慢性腎不全であり得る。
一部の実施形態では、対象は、少なくとも30kg/m2のBMIを有する。BMI(肥満度指数:body mass index)は、身長及び体重に基づく体脂肪の測定値である。計算式は、BMI=(体重(キログラム))/(身長(メートル))2である。一部の実施形態では、対象は、30〜50kg/m2の範囲のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも33kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも35kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも37kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも40kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、最高45kg/m2のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、最高40kg/m2のBMIを有する。
一部の実施形態では、対象は、1型糖尿病を有しない。一部の実施形態では、対象は既に、本発明に従うインスリンデグルデクの投与開始前に、基礎インスリンの投与を受容している。一部の実施形態では、対象は既に、本発明に従うインスリンデグルデクの投与開始前に、インスリンデグルデクではない基礎インスリンの投与を受容している。一部の実施形態では、対象は、以前の14日間において急性冠状動脈又は脳血管事象を有しない。一部の実施形態では、対象は、連続腎置換療法を受容しない。一部の実施形態では、対象は、末期肝疾患を有しない。一部の実施形態では、対象は、慢性心不全NYHA IVを有しない。一部の実施形態では、対象は、以前の臓器移植を有しないか、又は臓器移植を待っていない。
インスリンデグルデク
インスリンデグルデクは、化合物NεB29-(Nα-(HOOC(CH2)14CO)-γ-Glu)desB30ヒトインスリンである。インスリンデグルデクは、WO2005/012347で説明される通りに調製することができる。
医薬組成物
インスリンデグルデクは、医薬組成物の形態で投与され得る。医薬組成物は、300〜1800nmol/mLの濃度のインスリンデグルデクを含み得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、300〜1800nmol/mL、500〜1300nmol/mL、約600nmol/mL又は約1200nmol/mLのインスリンデグルデクを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、600〜1200nmol/mLのインスリンデグルデクを含む。
本明細書で説明する医薬組成物は更に、例えば緩衝系、保存剤、等張化剤、キレート剤、安定化剤及び界面活性剤からなる群から選択される1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含み得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤、例えば緩衝液、等張剤及び保存剤からなる群から選択される1つ又は複数を含む。薬学的に活性な成分と様々な賦形剤との調合は、本分野において公知であり、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy(例えば第19版(1995年)及び任意の後の版)を参照されたい。「賦形剤」という用語は、活性療法用成分、例えばインスリンデグルデク以外の任意の成分を広く指す。賦形剤は、不活性物質、非活性物質及び/又は医薬的に活性でない物質であり得る。
一部の実施形態では、医薬組成物は、リン酸緩衝液、例えばリン酸ナトリウム緩衝液、例えばリン酸二ナトリウムを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、等張剤、例えばグリセロールを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、保存剤、例えばフェノール又はフェノール及びm-クレゾールの混合物を含む。
医薬組成物は、溶液又は懸濁液の形態であり得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、水性組成物、例えば水溶液又は水性懸濁液である。「水性組成物」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含む組成物として定義される。同様に、「水溶液」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含む溶液として定義され、「水性懸濁液」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含む懸濁液として定義される。水性組成物は、少なくとも50%w/wの水又は少なくとも60%、70%、80%若しくは更には少なくとも90%w/wの水を含み得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、7.0〜8.0の範囲のpHを有する。
一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、約600〜1200nmol/mLのインスリンデグルデク及び約20〜約80μg/mLの亜鉛を含む医薬組成物の形態で投与される。一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、約600nmol/mLのインスリンデグルデク、約1.50mg/mLのフェノール、約1.72mg/mLのメタクレゾール、約19.6mg/mLのグリセロール、約32.7μg/mLの亜鉛を含む医薬組成物の形態で投与され、pHは、約7.6である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、600nmol/mLのインスリンデグルデク、1.50mg/mLのフェノール、1.72mg/mLのメタクレゾール、19.6mg/mLのグリセロール、32.7μg/mLの亜鉛を含む医薬組成物の形態で投与され、pHは、7.6である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、約1200nmol/mLのインスリンデグルデク、約1.50mg/mLのフェノール、約1.72mg/mLのメタクレゾール、約19.6mg/mLのグリセロール、約71.9μg/mLの亜鉛を含む医薬組成物の形態で投与され、pHは、約7.6である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、1200nmol/mLのインスリンデグルデク、1.50mg/mLのフェノール、1.72mg/mLのメタクレゾール、19.6mg/mLのグリセロール、71.9μg/mLの亜鉛を含む医薬組成物の形態で投与され、pHは、7.6である。
一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、リラグルチドと共に、例えばインスリンデグルデク及びリラグルチドを含む組合せ製剤の形態で、投与される。リラグルチドは、GLP-1受容体アゴニストArg34,Lys26-(N-イプシロン-(ガンマ-L-グルタミル(N-アルファ-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7〜37)である。リラグルチドは、WO98/08871の実施例37で説明される通りに調製することができる。一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、約600nmol/mLのインスリンデグルデク、約3.6mg/mLのリラグルチド、約5.70mg/mLのフェノール、約19.7mg/mLのグリセロール、約55μg/mLの亜鉛(酢酸亜鉛として)を含む医薬組成物の形態で投与され、pHは、8.15である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、600nmol/mLのインスリンデグルデク、3.6mg/mLのリラグルチド、5.70mg/mLのフェノール、19.7mg/mLのグリセロール、55μg/mLの亜鉛(酢酸亜鉛として)を含む医薬組成物の形態で投与され、pHは、8.15である。
投与レジメン
インスリンデグルデクは、治療有効量、例えば糖尿病、例えば2型糖尿病を治療するのに治療的に有効な量で投与され得る。インスリンデグルデクの治療有効量は、短期(例えばSMPG測定を含む、空腹時及び食後血漿グルコース値)及び長期代謝測定(例えば(2〜3ヶ月間にわたる平均血液グルコースレベルを査定するために使用される)HbA1c並びに短期及び長期合併症に関連する病歴)の両方を使用して医師により査定され得る。インスリンデグルデクの投与量は、1〜100ユニット(U)、例えば20〜100Uの範囲であり得る。
インスリンデグルデクは、1日1回投与され得る。一部の実施形態では、インスリンデグルデクは、日中の任意の時間に1日1回投与される。一部の実施形態では、インスリンデグルデクの毎日の投与量は、20〜100Uの範囲、例えば40〜80Uの範囲である。一部の実施形態では、インスリンデグルデクの毎日の投与量は、80Uより大きく、例えば100Uより大きくてもよい。
一部の実施形態では、「長期的な治療」という用語は、インスリンデグルデクについて本明細書で使用されるとき、治療効果を提供する量及び頻度での皮下投与を意味する。一部の実施形態では、「長期的な治療」という用語は、インスリンデグルデクについて本明細書で使用されるとき、0〜100U、例えば20〜100Uのインスリンデグルデクの1日1回の皮下投与を意味する。
インスリンデグルデクは、非経口投与、例えば皮下注射により投与され得る。インスリンデグルデクは、ペン型注射器、例えば3ml使い捨てペン型注射器を使用して、又はバイアル及びシリンジを使用して投与することができる。
別に示さない限り、本明細書における範囲は、それらの終点を含む。一部の実施形態では、「a」は「1つ又は複数」を意味する。一部の実施形態では、本明細書で別に示さない限り、単数形で示される用語はまた、複数の状況を含む。本明細書で、「約」という用語は、参照される値の±10%を意味し、その値を含む。
本発明の非限定的な実施形態
本発明の非限定的な実施形態は、以下のものを含む:
1.必要のある対象への治療有効量の血糖コントロールの改善を与える基礎インスリンの投与を含む、糖尿病を治療するための方法であって、上記対象が、心血管疾患を有するか、若しくは心血管疾患を発症するリスクを有するか、又は低血糖のリスクを有するか、又は早世のリスクを有し、
上記基礎インスリンが、インスリンデグルデクであり、
上記方法が、
- 重度の低血糖のリスクを低減させるか;又は
- 重度の低血糖の回数を低減させるか;又は
- 低血糖のリスクを低減させるか;又は
- 主要な有害心血管事象(MACE)を遅延させるか;又は
- MACEの回数及び/若しくは重症度を低減させるか;又は
- 死亡リスクを低減させる、
方法。
2.必要のある対象への治療有効量の血糖コントロールの改善を与える基礎インスリンの投与を含む、糖尿病を治療するための方法であって、上記対象が、心血管疾患を有するか、又は心血管疾患を発症するリスクを有し、
上記基礎インスリンが、インスリンデグルデクであり、
上記方法が、
- 重度の低血糖のリスクを低減させるか;又は
- 重度の低血糖の回数を低減させるか;又は
- 主要な有害心血管事象(MACE)を遅延させるか;又は
- MACEの回数及び/若しくは重症度を低減させる、
方法。
3.必要のある対象への治療有効量の血糖コントロールの改善を与える基礎インスリンの投与を含む、糖尿病を治療するための方法であって、上記対象が、心血管疾患を有するか、若しくは心血管疾患を発症するリスクを有するか、又は低血糖のリスクを有するか、又は早世のリスクを有し、
上記基礎インスリンが、インスリンデグルデクであり、
上記方法が、
- 重度の低血糖のリスクを低減させるか;又は
- 重度の低血糖の回数を低減させるか;又は
- 主要な有害心血管事象(MACE)を遅延させるか;又は
- MACEの回数及び/若しくは重症度を低減させるか;又は
- 死亡リスクを低減させる、
方法。
4.上記対象が、
- 心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び慢性心不全からなる群から選択される1つ若しくは複数の血管疾患、並びに/又は
- 微量アルブミン尿、タンパク尿、高血圧、左室肥大、左室収縮不全、左室拡張不全及び0.9未満の足関節/上腕血圧指数からなる群から選択される血管疾患の1つ若しくは複数のリスク因子並びに/又は
- 血液グルコース変動性、無自覚性低血糖及び慢性腎不全から選択される低血糖の1つ若しくは複数のリスク因子
を有する、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
5.上記基礎インスリンが、7.0%未満のHbA1cの血糖標的を達成するための治療レジメンで使用される、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
6.上記対象が、
- 心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び慢性心不全からなる群から選択される1つ若しくは複数の血管疾患、並びに/又は
- 微量アルブミン尿、タンパク尿、高血圧、左室肥大、左室収縮不全、左室拡張不全及び0.9未満の足関節/上腕血圧指数からなる群から選択される血管疾患の1つ若しくは複数のリスク因子
を有する、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
7.上記インスリンデグルデクが、7.0%未満のHbA1cの血糖標的を達成するために使用される、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
8.上記対象が、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び慢性心不全からなる群から選択される1つ又は複数の血管疾患を有する、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
9.上記対象が、微量アルブミン尿、タンパク尿、高血圧、左室肥大、左室収縮不全、左室拡張不全及び0.9未満の足関節/上腕血圧指数からなる群から選択される血管疾患の1つ又は複数のリスク因子を有する、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
10.上記対象が、
- 2型糖尿病並びに
- 7.0%以上のHbA1c
又は
7.0%未満のHbA1c及び20ユニット以上/日の基礎インスリンに対応する現行のインスリン治療並びに
- 1つ又は複数の経口又は注射用抗糖尿病剤での継続中の治療並びに
- スクリーニング時に50歳以上の年齢及び以下の状態の少なくとも1つ:
〇以前の心筋梗塞
〇以前の卒中若しくは以前の一過性脳虚血発作(TIA)
〇以前の冠状動脈、頸動脈若しくは末梢動脈血行再建
〇冠状動脈、頸動脈若しくは下肢動脈の血管造影若しくは他の画像上の50%を超える狭窄
〇積極的運動ストレス試験若しくは任意の心臓画像により実証される症候性冠状動脈心疾患の病歴若しくはECG変化での不安定狭心症
〇ポジティブ核画像試験若しくは運動試験若しくはドブタミンストレスエコーにより実証される無症候性心虚血
〇慢性心不全NYHAクラスII〜III
〇30〜59mL/分/1.73m2/CKD-EPIの糸球体濾過率に対応する慢性腎疾患
又は
スクリーニング時に60歳以上の年齢及び以下のリスク因子の少なくとも1つ:
〇微量アルブミン尿若しくはタンパク尿
〇高血圧及びECG若しくは画像による左室肥大
〇画像による左室収縮及び拡張不全
〇0.9未満の足関節/上腕血圧指数
を有する、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
11.上記糖尿病が、2型糖尿病である、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
12.上記糖尿病が、1型糖尿病である、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
13.上記血糖コントロールの改善が、自己モニター血漿グルコース(SMPG)の変動性の低下として反映される、実施形態1から12のいずれか1つに記載の方法。
14.自己モニター血漿グルコース(SMPG)の上記変動性が、日内の変動性である、実施形態8に記載の方法。
15.自己モニター血漿グルコース(SMPG)の上記変動性が、日間の変動性である、実施形態8又は9に記載の方法。
16.上記MACEが、心血管死、非致死性MI、非致死性卒中、冠状動脈血行再建及び心不全のための入院から選択される、実施形態1から15のいずれか1つに記載の方法。
17.上記MACEが、心血管死、非致死性MI及び非致死性卒中から選択される、実施形態1から16のいずれか1つに記載の方法。
18.上記MACEが、心血管死である、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
19.上記MACEが、非致死性MIである、実施形態1から12のいずれか1つに記載の方法。
20.上記MACEが、非致死性卒中である、実施形態1から12のいずれか1つに記載の方法。
21.上記方法が、MACEを遅延させる、実施形態1から20のいずれか1つに記載の方法。
22.インスリンデグルデクが、皮下投与される、実施形態1から21のいずれか1つに記載の方法。
23.インスリンデグルデクが、長期的な治療として少なくとも12ヶ月間投与される、実施形態1から22のいずれか1つに記載の方法。
24.インスリンデグルデクが、長期的な治療として少なくとも15ヶ月間投与される、実施形態1から23のいずれか1つに記載の方法。
25.インスリンデグルデクが、長期的な治療として少なくとも18ヶ月間投与される、実施形態1から24のいずれか1つに記載の方法。
26.インスリンデグルデクが、長期的な治療として少なくとも21ヶ月間投与される、実施形態1から25のいずれか1つに記載の方法。
27.インスリンデグルデクが、長期的な治療として少なくとも24ヶ月間投与される、実施形態1から26のいずれか1つに記載の方法。
28.インスリンデグルデクが、長期的な治療として少なくとも30ヶ月間投与される、実施形態1から27のいずれか1つに記載の方法。
29.インスリンデグルデクが、長期的な治療として少なくとも36ヶ月間投与される、実施形態1から28のいずれか1つに記載の方法。
30.上記心血管疾患又は心血管疾患の上記リスクが、インスリンデグルデクの投与開始前に存在していた、実施形態1から29のいずれか1つに記載の方法。
31.上記対象が、少なくとも30kg/m2のBMIを有する、実施形態1から30のいずれか1つに記載の方法。
32.上記対象が、少なくとも7%、例えば少なくとも7.5%又は少なくとも8.0%のHbA1cを有する、実施形態1から31のいずれか1つに記載の方法。
33.上記対象が、少なくとも7.0%のHbA1cを有するか、又は少なくとも20ユニット/日の基礎インスリンに対応するインスリン治療下にあることと組み合わせて7.0%未満のHbA1cを有する、実施形態1から32のいずれか1つに記載の方法。
34.上記対象が既に、1つ又は複数の経口抗糖尿病剤での治療を受容している、実施形態1から33のいずれか1つに記載の方法。
35.上記対象が既に、1つ又は複数の注射用抗糖尿病剤での治療を受容している、実施形態1から34のいずれか1つに記載の方法。
36.上記1つ又は複数の注射用抗糖尿病剤が、インスリングラルギンを含む、実施形態29に記載の方法。
37.上記対象が、少なくとも50歳である、実施形態1から36のいずれか1つに記載の方法。
38.上記対象が、少なくとも60歳である、実施形態1から37のいずれか1つに記載の方法。
39.上記対象が、中程度及び/又は重度の腎機能障害を有する、実施形態1から38のいずれか1つに記載の方法。
40.上記対象が、中程度の腎機能障害を有する、実施形態1から39のいずれか1つに記載の方法。
41.上記対象が、60mL未満/分/1.73m2、例えば40mL未満/分/1.73m2又は30mL未満/分/1.73m2のeGFRを有し、上記eGFRが、MDRDにより決定され得る、実施形態1から40のいずれか1つに記載の方法。
42.上記対象が、30〜59mL/分/1.73m2の範囲のeGFRを有し、上記eGFRが、MDRDにより決定され得る、実施形態1から41のいずれか1つに記載の方法。
43.上記インスリンデグルデクが、1日1回投与される、実施形態1から42のいずれか1つに記載の方法。
44.上記インスリンデグルデクが、0〜100U/日、例えば20〜100U/日の範囲の量で1日1回投与される、実施形態1から43のいずれか1つに記載の方法。
45.上記インスリンデグルデクが、10〜100U/日、例えば20〜100U/日の範囲の量で1日1回投与される、実施形態1から44のいずれか1つに記載の方法。
46.上記インスリンデグルデクが、1〜100U/日、例えば20〜100U/日の範囲の量で1日1回投与される、実施形態1から45のいずれか1つに記載の方法。
47.上記対象が、GLP-1アゴニスト、例えばリラグルチドでの併用治療を受容する、実施形態1から46のいずれか1つに記載の方法。
48.上記対象が、インスリンデグルデク及びリラグルチドを含む組合せ製品の注射による、リラグルチドでの併用治療を受容する、実施形態1から47のいずれか1つに記載の方法。
49.- インスリンデグルデク、
- 包装材料及び
- インスリンデグルデクでの治療を受容する対象が、実施形態1〜48のいずれか1つに記載の方法により治療され得ることを示す、包装材料内に含有されるラベル又は添付文書
を含む、キットオブパーツ。
50.- インスリンデグルデク、
- 包装材料及び
- インスリンデグルデクでの治療を受容する対象が、実施形態1〜48のいずれか1つに記載の方法により治療され得、そのような治療において、
〇重度の低血糖のリスクが低減されるか;又は
〇重度の低血糖のリスクが低減されるか;又は
〇低血糖のリスクが低減されるか;又は
〇主要な有害心血管事象(MACE)が遅延されるか;又は
〇MACEの回数及び/若しくは重症度が低減されるか;又は
〇死亡リスクが低減されることを示す、
包装材料内に含有されるラベル又は添付文書
を含む、キットオブパーツ。
略語のリスト
MACE:主要な有害心血管事象
HbA1c:糖化ヘモグロビン
BMI:肥満度指数
N:対象の数
CV:心血管
OAD:経口抗糖尿病薬
TIA:一過性脳虚血発作
CI:信頼区間
HR:ハザード比
CKD-EPI:慢性腎疾患疫学共同研究
MDRD:腎疾患における食事療法の改変
eGFR:糸球体濾過率の見積もり
CVD:心血管疾患
CKD:慢性腎疾患
NYHA:ニューヨーク心臓協会
SGLT2:ナトリウム依存性グルコース輸送体2型
SMPG:自己モニター血漿グルコース
MI:心筋梗塞
UAP:不安定狭心症
ACE:アンギオテンシン変換酵素
ASA:アセチルサリチル酸又はアセチルサリチル酸リジン
NS:有意でない
SBP:収縮期血圧
AACE:米国内分泌学会
ADA:米国糖尿病学会
EASD:欧州糖尿病学協会
ETD:治療差の見積もり
FPG:空腹時血漿グルコース
LDL:低密度リポタンパク質
HDL:高密度リポタンパク質
VLDL:超低密度リポタンパク質
IDeg:製品Tresiba(登録商標)としてのインスリンデグルデク
IDegLira:活性物質としてインスリンデグルデク及びリラグルチドを含有する組合せ製品(製品Xultophy(登録商標)として投与される)
IGlar:インスリングラルギン(Lantus(登録商標))
(実施例1)
臨床試験:材料及び方法
7637人のヒト対象を含む、長期多施設多国間ランダム化二重盲検並行群活性コンパレータ対照試験を、少なくとも633例の陽性判定主要心血管事象が発生するまで継続し得る治療により行った。この試験は、現存の心血管疾患を有する対象を含む、心血管事象の高リスクを有する、2型糖尿病を有するヒト成人対象における心血管事象の発生に関連した。この試験の主要な目的は、インスリングラルギンの心血管安全性と比較した、インスリンデグルデクの心血管安全性を確認することであった。第2の目的は、心血管事象の高リスクを有する2型糖尿病を有する対象における、血糖コントロールのマーカーに対するインスリンデグルデクの有効性を査定すること、及び他のパラメータに対する安全性を査定することであった。試験の全期間全体を通して、全ての試験評価項目を収集し、査定した。対象選択基準及び除外基準は、Table 1(表2)に示す通りであった。
ベースラインでのランダム化対象の、対象の特徴、心血管リスクプロファイル、心血管薬物治療及び抗糖尿病治療レジメンは、Table 2(表3)〜Table 5(表6)で示す通りであった。
18ヶ月の募集期間を計画した。各対象について、試験期間は、最長60.5ヶ月間と見積もった:スクリーニング最長2週間、ランダム化治療最長59ヶ月間(MACEの発生率に依存して)及び30日間の治療後フォローアップ期間。
対象を、二重盲検様式で1:1にランダム化して、盲検インスリンデグルデク又は盲検インスリングラルギンを、各々標準治療に付加して、受容させた。対象は、基礎インスリン成分(ある場合)を除いては、現行の抗糖尿病療法を継続し、基礎インスリン成分は治験製品で置換した。ボーラスインスリンでの治療は許容した。現行でインスリンを受容していなかった対象は、夕食と就寝との間に与えられる10ユニットODの用量での基礎インスリンを開始する予定であった。基礎インスリンODを受容していた対象は、以前の基礎インスリン用量からユニット毎に移行する予定であった。1日2回の(又はそれよりも多い)基礎インスリンを受容していた対象は、ODレジメンに移行し、試験前総基礎インスリン用量は、インスリングラルギンのラベルに従って20〜30%低減させた。事前混合/二相インスリンODを受容していた対象については、基礎成分を計算し、治験製品ODにユニット毎に移行させた。ボーラスインスリン成分を計算し、ボーラスインスリンにユニット毎に移行し、調査者の裁量で最も適切な食事時に与えた。事前混合/二相インスリンを1日2回(又はそれよりも多く)受容していた対象については、総基礎成分を計算し、20〜30%低減させ、治験製品ODに移行させた;ボーラス成分を計算し、インスリンアスパルトに移行させ、調査者の裁量で最も適切な食事と共に投薬する予定であった。現行のインスリンレジメンの一部としてボーラスインスリンで治療されていた対象は、調査者の裁量で、以前のボーラスインスリン用量からユニット毎にインスリンアスパルトに移行され得る。
インスリン療法の目標は、低率の低血糖エピソード及び可能な限り少ない体重増加で、正常血糖値付近を達成すること、すなわち、事前に定義したHbA1cレベルに達することである。ADA及びEASDにより推奨される治療目標は、7%(53mmol/mol)未満のHbA1cを目的とすることである。American Diabetes Association. Standards of medical care in diabetes、Diabetes Care、2014年;37巻(補遺1):S14〜S80及びNathanら、Management of Hyperglycemia in type 2 diabetes: A consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy - Update regarding thiazolidinediones: A consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes、Diabetes Care、2008年;31巻(1号):173〜5頁を参照されたい。試験対象が最適治療を受容することを確実にするため、及び臨床試験の施設間での治療均一性を確実にするため、様々な血漿グルコースレベルでの推奨される用量調節を特定する、滴定アルゴリズムを開発した。血漿グルコースレベルとHbA1cとの間の密接な相関が確立された。Nathanら、Translating the A1C assay into estimated average glucose values.、Diabetes Care、2008年;31巻(8号):1473〜8頁を参照されたい。
対象は、Table 6(表7)のアルゴリズムを使用することにより、71〜90mg/dL(4.0〜5.0mmol/L)の朝食前(空腹時)SMPG値を目的として、基礎インスリン用量を毎週調節した。好ましくは用量調節の2日前及び用量調節の日に測定した、3回の朝食前SMPG値の最低値に基づいて、基礎用量を調節した。最大用量は特定しなかった。調査者は、クリニック来院時及び電話連絡でインスリンを調節することにおいて対象をガイドする予定であった。調査者及び対象は、基礎インスリン滴定アルゴリズムに従うことが推奨された。しかしながら、重要なことに、インスリン用量調節の決定は、プロトコールについて必要なもの以外の、低血糖及び高血糖の症状、用量調節への以前の応答並びにSMPG値等の、全ての入手可能な情報に基づく予定であった。
試験の過程中、ボーラスインスリン及び他の抗糖尿病治療での増強は、許容された。ボーラスインスリンの開始用量は、関連食事当たり4ユニットであった。Table 7(表8)のアルゴリズムを使用することにより、71〜126mg/dL(4.0〜7.0mmol/L)の食前又は就寝時SMPG値を目的として、ボーラス用量調節3日前に測定した食前又は就寝時SMPG値に基づいて、ボーラス用量を毎週調節した。また、ボーラスインスリンの滴定は、炭水化物カウントに基づいて行われ得る。これは、調査者の裁量で行われる予定であった。
対象は、対象の標準治療に加えて、1日1回皮下投与により、インスリンデグルデク又はインスリングラルギンを受容した。基礎インスリンを、大腿、上腕(三角筋領域)又は腹壁に注射した。製剤を、同一の100ユニット/mL、10mLバイアル及び1mLシリンジを使用して、インスリンデグルデク又はインスリングラルギンを含む水溶液の形態で投与した。インスリンデグルデクの水溶液は、600nmol/mLのインスリンデグルデク、1.50mg/mLのフェノール、1.72mg/mLのメタクレゾール、19.6mg/mLのグリセロール、32.7μg/mLの亜鉛を含有し、pH7.6を有した。インスリンデグルデクは、WO2005/012347に説明される通りに調製され得る。
この試験の結果は、事象を経験した対象の人数又は比率として、本明細書で示され得る。或いは、この試験の結果は、事象までの時間を見積もるために使用される標準統計モデルである、Cox比例ハザードモデルで見積もられるハザード比で示され得る。「ハザード比」という用語(「HR」とも呼ばれる)は、本明細書で使用されるとき、この試験における2つの治療である、インスリングラルギンと比較してインスリンデグルデクを投与されたときに事象を経験する即時的リスク比を意味する。1.00未満のHRについての95%信頼区間(CI)の上限は、問題の事象についてのインスリンデグルデクとインスリングラルギンとの間の治療比の見積もりが、5%有意性レベルでインスリンデグルデクに有利であることが統計的に有意であることを意味する。5%有意性レベルは、臨床試験における有意性を調査するための標準レベルである。
日内SMPG変動性は、各ベースライン後8点プロファイル(8PP)の相対的ゆらぎ(平均値で割ったゆらぎ)として定義される。
日間SMPGについて、1つの変動は、対象及び来院の各組合せについて計算され、残りの変動は、全てのベースライン後測定に基づいて、対象についてのみ計算される。
ログ変換変動は、変動の計算において使用される測定回数に基づいてバイアス修正される。
ゆらぎ及び変動の両方は、治療を因子とした分散分析モデルにおいてログスケールで分析される。
(実施例2)
臨床試験:材料及び方法
各々32週間の2つの治療期間からなる、501人のヒト対象を含む、ランダム化二重盲検交差活性コンパレータ対照試験。各治療期間は、16週間の滴定期間、続いて16週間の維持期間を含んだ。試験は、低血糖を発症するリスクの増大と関連付けられる1つ又は複数の因子を有する1型糖尿病を有するヒト成人対象における、低血糖エピソードの率及び発生に関連した。
この試験の主要な目的は、重度の、又はBG確認低血糖の点での、インスリングラルギン1日1回(OD)+インスリンアスパルトと比較したインスリンデグルデクOD+インスリンアスパルトの非劣性を確認することであった。これは、率比の95%信頼区間の上限が1.10の非劣性の限度より低いか、又はそれに等しく、確認された場合、1.00の優位性限界より低いか、又はそれに等しいことを示すことにより行われた。
第2の目的は、以下のものであった:
・重度の、又はBG確認症候性夜間低血糖の点での、インスリングラルギンOD+インスリンアスパルトと比較したインスリンデグルデクOD+インスリンアスパルトの非劣性を確認すること。これは、率比の95%信頼区間の上限が1.10の非劣性の限度より低いか、又はそれに等しく、確認された場合、1.00の優位性限界より低いか、又はそれに等しいことを示すことにより行われた。
・重度の低血糖エピソードを有する対象の割合の点での、インスリングラルギンOD+インスリンアスパルトと比較したインスリンデグルデクOD+インスリンアスパルトの優位性を確認すること。
・32週間の治療後のHbA1cのベースラインからの変化についての血糖コントロールにおける、インスリンデグルデクOD+インスリンアスパルトの有効性を比較すること。これは、インスリンデグルデクOD+インスリンアスパルトとインスリングラルギンOD+インスリンアスパルトとの間の、32週間の治療後のHbA1cのベースラインから0.4%の非劣性限界までの変化の差を比較することにより行われる。
・安全性、血糖コントロールの他のパラメータ及び患者報告転帰(PRO:patient-reported outcome)の点で、インスリンデグルデクOD+インスリンアスパルトとインスリングラルギンOD+インスリンアスパルトとを比較すること。
試験の全期間全体を通して、全ての試験評価項目を収集し、32週間の治療期間の最後の16週間(維持期間として定義される)について、及びまた全32週間の治療期間(全治療期間として定義される)について査定した。対象選択基準及び除外基準は、Table 11(表12)で説明する通りであった。
適格な対象を、2つの治療順序(treatment sequence)のうちの1つに1:1にてランダム化した:インスリンデグルデク、続いてインスリングラルギン(IDeg/IGlar治療順序)、又はインスリングラルギン、続いてインスリンデグルデク(IGlar IDeg治療順序)。
治療順序による対象のベースライン特徴、ベースライン低血糖リスクプロファイル及びベースラインのインスリン治療レジメンは、Table 12(表13)、Table 13(表14)及びTable 14(表15)で示す通りであった。
20週間の募集期間を計画した。各個々の対象についての試験期間は、スクリーニング及びフォローアップ来院を含む、67週間であった。治療期間は、各対象について64週間であるように計画した:32週間のインスリンデグルデク、続いて32週間のインスリングラルギン、又は32週間のインスリングラルギン、続いて32週間のインスリンデグルデク。対象を、盲検様式で、2つの治療順序(IDeg/IGlar又はIGlar/IDeg)のうちの1つに1:1にてランダム化した。各治療順序内で、対象を、朝又は夕投薬に1:1にてランダム化した。
試験は、二重盲検式であり、インスリンデグルデク及びインスリングラルギンは、インスリン溶液の外観及びバイアルについて視覚的に同一であった。インスリンデグルデク及びインスリングラルギンは両方とも、ボーラスインスリンとしてインスリンアスパルトを伴う基礎ボーラスレジメンで1日1回投薬された。
プロトコールは、ランダム化(治療期間1の開始)時及び治療期間2の開始時の治療切替(交差)の時の、毎日の基礎及びボーラス用量の20%低減を推奨した。
インスリン療法の目標は、低率の低血糖エピソード及び可能な限り少ない体重増加で、正常血糖値付近を達成すること、すなわち、事前に定義したHbA1cレベルに達することである。ADA及びEASDにより推奨される治療目標は、7%(53mmol/mol)未満のHbA1cを目的とすることである。American Diabetes Association. Standards of medical care in diabetes、Diabetes Care、2014年;37巻(補遺1):S14〜S80及びNathanら、Management of Hyperglycemia in type 2 diabetes: A consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy - Update regarding thiazolidinediones: A consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes、Diabetes Care、2008年;31巻(1号):173〜5頁を参照されたい。試験対象が最適治療を受容することを確実にするため、及び臨床試験の施設間での治療均一性を確実にするため、様々な血漿グルコースレベルでの推奨される用量調節を特定する、滴定アルゴリズムを開発した。血漿グルコースレベルとHbA1cとの間の密接な相関が確立された。Nathanら、Translating the A1C assay into estimated average glucose values.、Diabetes Care、2008年;31巻(8号):1473〜8頁を参照されたい。
対象は、Table 15(表16)のアルゴリズムを使用することにより、71〜90mg/dL(4.0〜5.0mmol/L)の朝食前(空腹時)自己測定血漿グルコース(SMPG)値を目的として、基礎インスリン用量を毎週調節した。調節の3日前に測定された、3回の朝食前SMPG値の最低値に基づいて、基礎用量を調節した。最大用量は特定しなかった。調査者は、クリニック来院時及び電話連絡でインスリンを調節することにおいて対象をガイドする予定であった。調査者及び対象は、基礎インスリン滴定アルゴリズムに従うことが推奨された。しかしながら、重要なことに、インスリン用量調節の決定は、プロトコールについて必要なもの以外の、低血糖及び高血糖の症状、用量調節への以前の応答並びにSMPG値等の、全ての入手可能な情報に基づく予定であった。
Table 16(表17)のアルゴリズムを使用することにより、4.0〜6.0mmol/L(71〜108mg/dL)の食前又は就寝時SMPG値を目的として、ボーラス用量調節3日前に測定した食前又は就寝時SMPG値に基づいて、ボーラス用量を毎週調節した。また、ボーラスインスリンの滴定は、炭水化物カウントに基づいて行われ得る。これは、調査者の裁量で行われる予定であり、この方法での経験を有する対象にのみ適用可能であった。
基礎インスリンを、大腿、上腕(三角筋領域)又は腹壁に注射した。製剤を、同一の100ユニット/mL、10mLバイアル及び1mLシリンジを使用して、インスリンデグルデク又はインスリングラルギンを含む水溶液の形態で投与した。インスリンデグルデクの水溶液は、600nmol/mLのインスリンデグルデク、1.50mg/mLのフェノール、1.72mg/mLのメタクレゾール、19.6mg/mLのグリセロール、32.7μg/mLの亜鉛を含有し、pH7.6を有した。
(実施例3)
臨床試験:材料及び方法
交差設計の、各々32週間の2つの治療期間からなる、720人のヒト対象を含む、ランダム化二重盲検交差活性コンパレータ対照試験。各治療期間は、16週間の滴定期間、続いて16週間の維持期間を含んだ。試験は、低血糖を発症するリスクの増大と関連付けられる1つ又は複数の因子を有する2型糖尿病を有するヒト成人対象における、低血糖エピソードの発生に関連した。
この試験の主要な目的は、インスリンデグルデク1日1回(OD)での治療が、インスリングラルギンODと比較して、重度の、又は血液グルコース(BG)確認症候性低血糖の低率と関連付けられることを示すことであった。これは、率比(インスリンデグルデクOD/インスリングラルギンOD)の95%信頼区間の上限が完全に1未満であることを示すことにより行われた。
第2の目的は、以下のものであった:
・重度の、又はBG確認症候性夜間低血糖の点での、インスリングラルギンODと比較したインスリンデグルデクODの優位性を確認すること。
・重度の低血糖エピソードを有する対象の割合の点での、インスリングラルギンODと比較したインスリンデグルデクODの優位性を確認すること。
・32週間の治療後のHbA1cのベースラインからの変化についての血糖コントロールにおける、インスリングラルギンODに対するインスリンデグルデクODの有効性を比較すること。これは、インスリンデグルデクODとインスリングラルギンODとの間の、32週間の治療後のHbA1cのベースラインから0.4%の非劣性限界までの変化の差を比較することにより行われる。
・安全性、血糖コントロールの他のパラメータ及び患者報告転帰(PRO)の点で、インスリンデグルデクOD及びインスリングラルギンODを比較すること。
試験の全期間全体を通して、全ての試験評価項目を収集し、32週間の治療期間の最後の16週間(維持期間として定義される)について、及びまた全32週間の治療期間(全治療期間として定義される)について査定した。対象選択基準及び除外基準は、Table 17(表18)で説明する通りであった。
適格な対象を、2つの治療順序のうちの1つに1:1にてランダム化した:インスリンデグルデク、続いてインスリングラルギン(IDeg/IGlar治療順序)、又はインスリングラルギン、続いてインスリンデグルデク(IGlar/IDeg治療順序)。
対象のベースライン特徴及びベースライン低血糖リスクプロファイルは、Table 18(表19)及びTable 19(表20)で示す通りであった。ベースライン抗糖尿病治療レジメンは、Table 20(表21)及びTable 21(表22)に要約する。
ベースラインは、スクリーニング時に行われたeGFRを除いては、0週目を指す。糖尿病期間は、診断の日からランダム化の日までの時間として計算される。eGFRは、2009年慢性腎疾患疫学共同研究(CKD-EPI)クレアチニン式を使用して計算した。
20週間の募集期間を計画した。各個々の対象についての試験期間は、スクリーニング及びフォローアップ来院を含む、67週間であった。治療期間は、各対象について64週間であるように計画した:32週間のインスリンデグルデク、続いて32週間のインスリングラルギン、又は32週間のインスリングラルギン、続いて32週間のインスリンデグルデク。
対象を、盲検様式で、2つの治療順序(IDeg/IGlar又はIGlar/IDeg)のうちの1つに1:1にてランダム化した。各治療順序内で、対象を、朝又は夕投薬に1:1にてランダム化した。
試験は、二重盲検式であり、インスリンデグルデク及びインスリングラルギンは、インスリン溶液の外観及びバイアルについて視覚的に同一であった。インスリンデグルデク及びインスリングラルギンを、両方とも1日1回投薬した。対象は、基礎インスリン成分を除いては、現行の抗糖尿病療法を継続し、基礎インスリン成分は治験製品で置換した。1日2回の基礎インスリンを受容していた対象は、ODレジメンに移行し、ランダム化(治療期間1の開始)時に試験前総基礎インスリン用量の20%低減が推奨された。
インスリン療法の目標は、低率の低血糖エピソード及び可能な限り少ない体重増加で、正常血糖値付近を達成すること、すなわち、事前に定義したHbA1cレベルに達することである。ADA及びEASDにより推奨される治療目標は、7%(53mmol/mol)未満のHbA1cを目的とすることである。American Diabetes Association. Standards of medical care in diabetes、Diabetes Care、2014年;37巻(補遺1):S14〜S80及びNathanら、Management of Hyperglycemia in type 2 diabetes: A consensus algorithm for the initiation and adjustment of therapy - Update regarding thiazolidinediones: A consensus statement from the American Diabetes Association and the European Association for the Study of Diabetes、Diabetes Care、2008年;31巻(1号):173〜5頁を参照されたい。試験対象が最適治療を受容することを確実にするため、及び臨床試験の施設間での治療均一性を確実にするため、様々な血漿グルコースレベルでの推奨される用量調節を特定する、滴定アルゴリズムを開発した。血漿グルコースレベルとHbA1cとの間の密接な相関が確立された。Nathanら、Translating the A1C assay into estimated average glucose values.、Diabetes Care、2008年;31巻(8号):1473〜8頁を参照されたい。
対象は、Table 22(表23)のアルゴリズムを使用することにより、71〜90mg/dL(4.0〜5.0mmol/L)の朝食前(空腹時)SMPG値を目的として、基礎インスリン用量を毎週調節した。調節の3日前に測定した、3回の朝食前SMPG値の平均値に基づいて、基礎インスリン用量を調節した。最大用量は特定しなかった。調査者は、クリニック来院時及び電話連絡でインスリンを調節することにおいて対象をガイドする予定であった。調査者及び対象は、基礎インスリン滴定アルゴリズムに従うことが推奨された。しかしながら、重要なことに、インスリン用量調節の決定は、プロトコールについて必要なもの以外の、低血糖及び高血糖の症状、用量調節への以前の応答並びにSMPG値等の、全ての入手可能な情報に基づく予定であった。
対象は、現行のOAD治療に加えて、1日1回皮下投与により、インスリンデグルデク又はインスリングラルギンを受容した。基礎インスリンを、大腿、上腕(三角筋領域)又は腹壁に注射した。製剤を、同一の100ユニット/mL、10mLバイアル及び1mLシリンジを使用して、インスリンデグルデク又はインスリングラルギンを含む水溶液の形態で投与した。インスリンデグルデクの水溶液は、600nmol/mLのインスリンデグルデク、1.50mg/mLのフェノール、1.72mg/mLのメタクレゾール、19.6mg/mLのグリセロール、32.7μg/mLの亜鉛を含有し、pH7.6を有した。
CVリスクモデル
心血管疾患を有することが知られていない個体について、心血管疾患を発症するリスクは、例えばフレーミンハム心疾患研究からのデータに基づいて開発されたフレーミンハムジェネラルリスクスコア(Framingham General Risk Score)を使用することにより、決定することができる(Goffら、2013 ACC/AHA Guideline on the Assessment of Cardiovascular Risk A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines、Circulation、2014年;129巻[補遺2]:S49〜S73を参照されたい)。例えば年齢、性別、喫煙状況、コレステロール及び血圧に基づく高スコアは、CV疾患をこれから10年以内に発症する高リスクがあることを意味する。
DEVOTE試験に基づいて、確立された心血管リスクを有する個体についての心血管(CV)リスクスコアが、開発されている。このリスクスコアは、入手可能な病歴、ベースライン情報及び試験中に発生した心血管事象を使用して開発された。CVリスクスコアは、ベースライン情報及び病歴に基づき、心血管事象を有意に予測した(Table 23(表24))。変数を、ここでは心血管死、非致死性心筋梗塞又は非致死性卒中からなる、主要な有害心血管事象(MACE)の全リスクに対するそれらの影響に従って降順で列挙する。これらの変数の組合せは、将来のMACEのリスクを決定するために、及びIGlarと比較してIDegで治療する利益を決定するために使用され得るアルゴリズムを産する。
CVリスクスコア、及び事象の回数に基づく四分位値によるCVリスクスコアについてのMACEハザード比の見積もりを、図1に示す。このモデルは、高CVリスクスコアを有する患者について、IGlarと比較してIDegで、MACEのより低いリスクの点で利益がある(すなわち、1未満のハザード比IDeg/IGlar)ことを示す(Table 24(表25))。この利益は、個々の予測変数のどれが高スコアに寄与するかにかかわらず、見られる。
例えば、以前の心筋梗塞及び高LDL/HDL比を有する患者は、IGlarと比較してIDegで治療した場合、CVリスクの低減の点でより大きな利益を有すると予想され得る。同様に、また、高HbA1cを有する基礎ボーラスインスリンで治療した患者は、IDegで治療した場合、利益を有し得る。
CVリスクスコアに加えて、DEVOTE試験のいくつかのサブグループは、IGlarと比較してIDegで、MACEのより低いリスクを有することが示された。例えば、30kg/m2以上のBMI及び80mmHg以上の拡張期血圧を有する対象、並びにスタチンで治療された80mmHg以上の拡張期血圧を有する対象は、MACEのリスクの点で、IGlarと比較してIDegで、利益を有し得る(Table 25(表26))。
本発明のある特定の特徴を、本明細書で例示及び説明してきたが、ここで、多くの改変、置換、変化及び均等物が当業者に想起される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨に入る全てのそのような改変及び変化を包含すると意図されることが理解されるべきである。
(実施例4)
臨床試験:材料及び方法
SU又はグリニドを伴う、又は伴わない、基礎インスリン及びメトホルミンでの管理が不十分な、2型糖尿病を有する413人のヒト対象における、26週ランダム化並行2アーム二重盲検多施設多国間治療対標的試験を、1日1回のインスリンデグルデク+リラグルチド(Xultophy(登録商標)、IDegLira)の有効性及び安全性を1日1回のインスリンデグルデク(Tresiba(登録商標)、IDeg)と比較して、共にメトホルミンに付加して、行った。主要な目的は、2型糖尿病を有するヒト対象での血糖コントロールにおけるIDegに対するIDegLiraの優位性を確認することであった。第2の目的は、26週間の治療後のIDegLira及びIDegの全体的な有効性及び安全性パラメータを比較することであった。試験の全期間全体を通して、全ての試験評価項目を収集し、査定した。対象選択基準及び除外基準は、Table 26(表27)に説明する通りであった。
ベースラインでの対象の特徴は、Table 27(表28)に示す通りであった。
適格な対象を、1日1回のIDegLira又は1日1回のIDegのいずれかに、両方ともメトホルミンとの組合せで、1:1にてランダム化した。開始用量は、IDegLiraについて16用量ステップ、及びIDegについて16ユニットであり、Table 28(表29)で見られるFPGレベルに基づく、事前に定義した滴定アルゴリズムに従って毎週2回滴定した。各対象について、試験期間は、約29週間である予定であった:スクリーニングと第1の治療との間の最長2週間、26週間の治療及び試験終了時の少なくとも1週間のウォッシュアウト。試験薬治療期間後、全ての対象を、調査者の裁量で、代替の抗糖尿病療法に移行させた。
IDegLira投薬ユニットは、用量ステップとして定義される。1IDegLira用量ステップは、1ユニットのインスリンデグルデク及び0.036mgのリラグルチドからなる。IDegLiraでの治療を、16ユニットのインスリンデグルデク及び0.6mgのリラグルチドを含有する16用量ステップで開始した。IDegLira用量の調節を、連続3日についての先行する3回の1日の空腹時SMPG値の平均値に基づいて、毎週2回行った。4.0〜5.0mmol/L(72〜90mg/dL)の空腹時血糖標的を目的として、調節を2用量ステップで行った。最大許容用量は、50用量ステップ(50ユニットIDeg/1.8mgリラグルチド)であった。IDeg治療を16ユニットで開始し、IDegLiraについて説明する通り、先行する3回の測定からの平均空腹時SMPGに基づいて4.0〜5.0mmol/L(72〜90mg/dL)の空腹時血糖標的に、毎週2回滴定した。最大許容用量は、50ユニットであった。
対象は、メトホルミンに加えてIDegLira又はIDegを皮下投与により受容した。IDegLira又はIDegを、大腿、上腕(三角筋領域)又は腹部に1日1回、好ましくは毎日同じ時に、皮下注射した。選択した注射領域は、試験全体を通して変えない予定であったが、領域内での交替は推奨された。
主要評価項目、HbA1cの変化の結果は、IDegに対するIDegLiraの優位性を示し、同等の実際のインスリン用量(IDegLiraについて45用量ステップ/IDegについて45ユニット)で確認され、リラグルチド成分の、全体的な血糖コントロールへの顕著な寄与を支持した。IDegLiraでの治療は、IDegと比較した場合、FPG、SMPG(9点平均SMPGプロファイル及び9点平均食後増大)及び体重に対して、統計的に有意な好ましい効果を有し、リラグルチド成分の寄与を支持した。IDegの有害事象及び忍容性プロファイルは、以前の発見と一致した。
CVマーカー
IDegLiraで収縮期血圧のより大きな減少があり(Table 29(表30))、小さいが、統計的に有意な平均心拍数の増大が、IDegに対してIDegLiraで観察された(共にp<0.001)。IDegでの体重増加に対して、IDegLiraは体重減少と関連付けられた(治療差の見積もり[ETD]-2.5kg[-3.2;-1.8]95%CI p<0.0001)。IDegLiraで脂質プロファイルが改善した;総コレステロール及び低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールは、IDegに対して有意に低かった(Table 30(表31))。加えて、アポリポタンパク質B(Apo-B)及び脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP:brain natriuretic peptide)は、IDegに対してIDegLiraで有意に低かった(治療比の見積もり[ETR:estimated treatment ratio]、それぞれ、0.92[0.88;0.95]95%CI p<0.0001及び0.66[0.55;0.79]95%CI p<0.0001)が、高感度C反応性タンパク質(hsCRP:high-sensitivity C-reactive protein)は、治療の26週間後に同様であった(ETR 0.90[0.78;1.04]95%CI p=有意でない)。
結論として、IDegLiraで治療した人は、有意により低い収縮期血圧、より低い総コレステロール及びより低い低密度リポタンパク質コレステロール(いわゆる、「悪玉コレステロール」)を有し、IDegで治療した人と比較して、IDegLiraの為に有意な体重変化があった。また、小さいが、統計的に有意な心拍数の増大が、IDegLiraで観察された。
(実施例5)
臨床試験:材料及び方法
メトホルミンとの組合せの20ユニット以上50ユニット以下の1日用量のインスリングラルギン(IGlar、Lantus(登録商標))での管理が不十分なT2DMを有する557人のヒト対象における、26週多国間多施設非盲検2アーム並行ランダム化、治療対標的試験を行った。主要な目的は、IGlarで以前に治療したT2DMを有するヒト対象での血糖コントロールにおけるIDegLiraの有効性を確認することであった。第2の目的は、26週間の治療後のIGlarに対するIDegLiraの安全性を比較すること、及び以下のもののうちの1つ又は複数についての26週間の治療後のIGlarに対するIDegLiraの優位性を確認することであった:HbA1cのベースラインからの変化、確認された低血糖、体重のベースラインからの変化。試験の全期間全体を通して、全ての試験評価項目を収集し、査定した。対象選択基準及び除外基準は、Table 31(表32)に示す通りであった。
ベースラインでの対象の特徴は、Table 32(表33)で示す通りであった。
適格な対象を、1日1回のIDegLira又は1日1回のIGlarのいずれかに、両方ともメトホルミンとの組合せで、1:1にてランダム化した。IDegLiraの開始用量は、16用量ステップ(16ユニットのインスリンデグルデク/0.6mgのリラグルチド)であり、事前に定義した滴定アルゴリズムに従って滴定し、Table 19(表20)で分かる通り、最大用量は50用量ステップ(50ユニットのインスリンデグルデク/1.8mgのリラグルチド)であった。IGlarは、試験前のIGlarの1日用量と等しい開始用量で与えられ(用量毎の交替)、最大用量を伴わずに、事前に定義した滴定アルゴリズムに従って滴定した。
各対象について、試験期間は、2週間のスクリーニング期間、26週間の治療期間及び治療終了後のフォローアップ来院1週間からなる、約29週間である予定であった。試験は、対象の適格性を査定するためのスクリーニング来院及び26週間の治療期間中の毎週の来院/電話連絡を含んだ。
IDegLiraでの治療にランダム化された対象は、16ユニットのインスリンデグルデク及び0.6mgのリラグルチドと同等の16用量ステップの開始用量でのIDegLira治療を開始する前に、試験前IGlar治療を中止した。最大許容用量は、50用量ステップ(50ユニットのインスリンデグルデク/1.8mgのリラグルチド)であった。IGlarでの治療にランダム化された対象は、試験前の1日用量(用量毎の交替)と等しいIGlarの開始用量でのIGlar治療を開始する前に、試験前安定IGlar治療を中止した。IGlar治療については、事前に定義した最大用量を特定しなかった。
IDegLira及びIGlarの用量調節は、連続3日についての先行する3回の1日の空腹時SMPG値の平均値に基づいて、毎週2回行う予定であった。4.0〜5.0mmol/L(71〜90mg/dL)の空腹時血糖標的を目的として、2用量ステップの増大又は減少において調節を行う予定であった。Table 33(表34)を参照のこと。
対象は、メトホルミンに加えてIDegLira又はIGlarを1日1回皮下投与により受容した。IDegLiraを、大腿、上腕(三角筋領域)又は腹部に1日1回、毎日およそ同じ時に、皮下注射する予定であった。選択した注射領域は、試験全体を通して変えない予定であったが、領域内での交替は推奨された。IGlarを、承認ラベルに従って、試験全体を通して試験前投薬時間及び注射部位を使用して注射する予定であった。
主要評価項目の結果は、IGlarに対してIDegLiraが優位性を示すことを確認し、強化の必要がある場合にIGlarからIDegLira治療へ移行する血糖利益を示した。加えて、IDegLiraの血糖利益は更に、治療の26週間後に、事前に定義したHbA1c標的に達した対象の割合によって示された。IGlar群と比較してIDegLira群で統計的に有意により多い対象が、7%未満のHbA1cのADA及びEASD標的並びに6.5%以下のHbA1cのAACE標的に達した。平均体重は、IDegLira群で1.4kg減少し、IGlar群で1.8kg増大し、-3.20kgの平均治療差の見積もりにより、優位性を確認した。試験中に確認された低血糖エピソードを経験した対象の割合は、IGlar群(49.1%)と比較してIDegLira群(28.4%)で統計的に有意により低く、0.43の治療比の見積もりにより、優位性を確認した。
CVマーカー
IDegLiraで収縮期血圧のより大きな減少があり(Table 34(表35))、平均心拍数の小さいが、統計的に有意な増大が、IGlarに対してIDegLiraで観察された(共にp<0.001)。IGlarでの体重増加に対して、IDegLiraは体重減少と関連付けられた(治療差の見積もり[ETD]-3.2kg[-3.8;-2.6]95%CI p<0.005)。IDegLiraで脂質プロファイルが改善した;総コレステロール及び低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールは、IGlarに対して有意に低かった(Table 35(表36))。
結論として、IDegLiraで治療した人は、有意により低い収縮期血圧、より低い総コレステロール及びより低い低密度リポタンパク質コレステロール(いわゆる、「悪玉コレステロール」)を有し、IGlarで治療した人と比較して、IDegLiraの為に有意な体重変化があった。また、心拍数の小さいが、統計的に有意な増大が、IDegLiraで観察された。

Claims (15)

  1. 必要のある対象への治療有効量の血糖コントロールの改善を与える基礎インスリンの投与を含む、糖尿病を治療するための方法であって、前記対象が、心血管疾患を有するか、若しくは心血管疾患を発症するリスクを有するか、又は低血糖のリスクを有するか、又は早世のリスクを有し、
    前記基礎インスリンが、インスリンデグルデクであり、
    前記方法が、
    - 重度の低血糖のリスクを低減させるか;又は
    - 重度の低血糖の回数を低減させるか;又は
    - 主要な有害心血管事象(MACE)を遅延させるか;又は
    - MACEの回数及び/若しくは重症度を低減させるか;又は
    - 死亡リスクを低減させる、
    方法。
  2. 前記基礎インスリンが、自己モニター血漿グルコース(SMPG)の変動性を低減させることにより血糖コントロールの改善を与え、前記対象が、心血管疾患を有するか、又は心血管疾患を発症するリスクを有し、
    前記方法が、
    - 重度の低血糖のリスクを低減させるか;又は
    - 重度の低血糖の回数を低減させるか;又は
    - 主要な有害心血管事象(MACE)を遅延させるか;又は
    - MACEの回数及び/若しくは重症度を低減させる、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が、
    - 心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全及び慢性心不全からなる群から選択される1つ若しくは複数の血管疾患、並びに/又は
    - 微量アルブミン尿、タンパク尿、高血圧、左室肥大、左室収縮不全、左室拡張不全及び0.9未満の足関節/上腕血圧指数からなる群から選択される血管疾患の1つ若しくは複数のリスク因子
    を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記糖尿病が、2型糖尿病である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 自己モニター血漿グルコース(SMPG)の変動性が、日内の変動性である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 自己モニター血漿グルコース(SMPG)の変動性が、日間の変動性である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  7. インスリンデグルデクが、長期的な治療として少なくとも12ヶ月間投与される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対象が、少なくとも30kg/m2のBMIを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記対象が、少なくとも7%、例えば少なくとも7.5%又は少なくとも8.0%のHbA1cを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対象が、少なくとも7.0%のHbA1cを有するか、又は少なくとも20ユニット/日の基礎インスリンに対応するインスリン治療下にあることと組み合わせて7.0%未満のHbA1cを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記対象が既に、1つ又は複数の経口抗糖尿病剤での治療を受容している、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記対象が既に、1つ又は複数の注射用抗糖尿病剤での治療を受容している、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記インスリンデグルデクが、1〜100U/日、例えば20〜100U/日の範囲の量で1日1回投与される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対象が、GLP-1アゴニスト、例えばリラグルチドでの併用治療を受容する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. - インスリンデグルデク、
    - 包装材料及び
    - インスリンデグルデクでの治療を受容する対象が、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法により治療され得ることを示す、前記包装材料内に含有されるラベル又は添付文書
    を含む、キットオブパーツ。
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