JP2019533887A - 電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】他の電気コネクタと嵌合することにより電力とデータを伝達する電気コネクタが開示される。電気コネクタは、嵌合部を示す絶縁コネクタハウジングを備え、嵌合部は第1面内に延びる。電気コネクタは、第1面に少なくとも部分的に垂直に延びる複数の電気コンタクトを備えるコンタクト配置をさらに備える。複数のコンタクトは、電力を伝達するように配置された1以上の第1のペアの電気コンタクトを備える。複数のコンタクトは、データを伝達するように配置された1以上の第2のペアの電気コンタクトをさらに備え、1以上の第2のペアのそれぞれは、受信コンタクトと送信コンタクトを備える。1つのペアのそれぞれの電気コンタクトは、第1面に垂直な第2面に関して、そのペアの他の電気コンタクトに対称に配置される。【選択図】図1
Description
本開示は、電気コネクタに関する。より具体的には、排他的ではないが、本開示は、接続プロセスを改善および単純化する効率的な方法で他の電気コネクタと嵌合することによって電力およびデータを伝達する電気コネクタに関する。
電気コネクタは、1つ以上の電気装置を他の装置に接続するための多種多様な目的に広く使用されている。いくつかのシステムでは、2つの電気装置を接続するために電気ケーブルが各装置のポートに差し込まれ、ケーブルは2つの装置間で電流を流す。これは、装置を接続するための確実で信頼できる方法を提供するが、ユーザがケーブルの各端部を各ポートに個別に差し込む必要があるという問題を有し、これは接続される装置の迅速な解放および再編成を妨げる。ユーザが新しい装置の接続を確立するためにケーブルを抜いて別の装置に再度差し込もうとすると、ケーブルは絡まったり邪魔になったりする可能性がある。
他のいくつかのシステムでは、コネクタは装置に直接取り付けられ、装置を近接させて物理的に接触させることによって接続が行われる。これによりケーブルが不要になるが、追加の問題が生じる。たとえば、2つのポートが一緒に接続されず、代わりに2つの装置コネクタ間にプラグとソケットの関係が必要であるため、装置は接続のために単純なポートを使用できなくなる。2つの装置を首尾よく接続するためにはプラグコネクタがソケットコネクタと合わなければならないという追加の要求があるので、これは装置を再配置する能力を制限する。
上記の問題は、モジュール式電気装置を設計するときに特に深刻である。その性質上、モジュール式装置は、モジュール式システム内の様々な他の装置と着脱する必要がある。どの装置が接続可能であるかの制限、または、各装置のどの部分が別の装置の他の部分に接続できるかについての制限は、システムのモジュール性に悪影響を及ぼす。
さらに、モジュール式システムのコネクタがいくつかのコンタクトを含む場合、装置およびそれらのそれぞれの向きを配置する多くの選択肢および方法を有する要望が、コネクタのどのコンタクトが対応するコネクタのそれぞれのコンタクトに接触する必要があるかに関する特定の制限と矛盾する。高いモジュール的汎用性を提供することは、動作しないか、または、コネクタおよびコネクタに取り付けられた電気部品に電気的損傷を引き起こす方法で接続するコネクタに対してどのように保護するかという問題を増大させる。
したがって、上記の欠点のいくつかまたはすべてを克服する電気コネクタを提供することは、既知のシステムを超える実質的な改善となるであろう。
他の電気コネクタと嵌合することにより電力とデータを伝達する電気コネクタが提供される。電気コネクタは、嵌合部(嵌合界面)を示す絶縁コネクタハウジングを備える。嵌合部は第1面内に延びる。電気コネクタは、第1面に少なくとも部分的に垂直に延びる複数の電気コンタクトを備えるコンタクト配置をさらに備える。複数のコンタクトは、電力を伝達するように配置された1以上の第1のペアの電気コンタクトを備える。複数のコンタクトは、データを伝達するように配置された1以上の第2のペアの電気コンタクトをさらに備える。1以上の第2のペアのそれぞれは、受信コンタクトと送信コンタクトを備える。1つのペアのそれぞれの電気コンタクトは、第1面に垂直な第2面に関して、そのペアの他の電気コンタクトに対称に配置される。
電気コンタクトの各ペアは、第1面に少なくとも部分的に垂直に突出する第1の電気コンタクトと、第1面に対して凹んだ第2の電気コンタクトとを備えてもよい。
絶縁コネクタハウジングは、複数の電気コンタクトを所定位置に保持してもよい。絶縁コネクタハウジングは、コンタクト配置における複数の電気コンタクトのそれぞれの位置を規定してもよい。
第2面は、嵌合部の第1領域と第2領域を規定してもよい。突出する第1領域の各位置が、凹む第2領域の対称の対応する位置を有するように、第1領域は第2領域に相補的であってもよい。
嵌合部は第1嵌合部であってもよく、電気コネクタは第1電気コネクタであってもよい。第1嵌合部は、電力とデータを伝達するために第2電気コネクタの第2嵌合部と嵌合するように配置されてもよい。第2電気コネクタは、以上に記載の電気コネクタであってもよい。電気コネクタは、第2電気コネクタと実質的に同じコンタクト配置を有してもよい。第1嵌合部は、第1電気コネクタの第2面が第2電気コネクタの対応する第2面と実質的に同一平面であるとき、第2嵌合部と嵌合するように配置されてもよい。
複数の電気コンタクトは、1以上の第3のペアの電気コンタクトをさらに備えてもよい。1以上の第3のペアは、グランドコンタクトであってもよい。第2面のそれぞれの側の上で、データを伝達するように配置された電気コンタクトは、グランドコンタクトと、電力を伝達するように配置された電気コンタクトとの間に位置してもよい。
電気コネクタは、複数の磁石をさらに備えてもよい。複数の磁石は、第1磁石と第2磁石を備える1以上のペアの中に配置されてもよい。それぞれの第1磁石のN極は、第2面に関して、それぞれの第2磁石のS極に対称に配置されてもよい。
複数の電気コンタクトは、実質的に直線状に配置されてもよい。複数の電気コンタクトは、交互に配置された突出電気コンタクトおよび凹形電気コンタクトを備えてもよい。
コンタクト配置は、実質的に直線状に、かつ、次の順、すなわちグランドコンタクト、データを伝達するように配置されたコンタクト、電力を伝達するように配置されたコンタクト、電力を伝達するように配置されたコンタクト、データを伝達するように配置されたコンタクト、グランドコンタクト、の順に配置された6個の電気コンタクトを備えてもよい。
複数の電気装置を備えるシステムも提供される。複数の電気装置のうち少なくとも2つの電気装置は、それぞれ、以上に記載の少なくとも1つの電気コネクタを備えてもよい。
本開示の例示的な構成を、図面を参照しながら説明する。
電子タッチパッド装置の斜視図である。
図1の電子タッチパッド装置の構成要素を示す。
図1の電子タッチパッド装置の電気コネクタの斜視図である。
図1の電子タッチパッド装置の電気コネクタの磁石の配置を示す。
説明および図面を通して、同様の参照番号は同様の部分を指す。
本開示において、例示的な電気コネクタは、音楽を電子的に生成するための電子タッチパッド装置の一部として提供される。電気コネクタは、第1のタッチパッド装置が同じ種類の電気コネクタを有する1つ以上の他の装置に「ジェンダーレス」方式で接続できるように配置されている。すなわち、1つのタイプのコネクタを第2のタイプに、すなわち第1の「性別(ジェンダー)」から第2の「性別」に接続するオス−メスコネクタ構成ではなく、本開示の電気コネクタは、1つのタイプのみを有し、したがって「ジェンダーレス」として説明される。従来のピンとソケットの関係とは対照的に、電気コネクタは実質的に同様の他の任意のコネクタに接続することができる。
電気コネクタのジェンダーレスの特徴は、音楽を電子的に作成するための装置のシステムにおいて特に有益である。音楽を電子的に作成するための第1の装置の例はタッチパッド装置であり、これはタッチパッドを形成するシリコーン層の下に圧力センサのアレイを有する。ユーザがタッチパッド上の特定の位置に力を加えると、シリコーン層がこの力を下層のセンサに伝達し、それが各センサの圧力値を電気信号の形で記録する。タッチパッド装置はコンピュータに接続され、その信号をコンピュータに送信し、そのコンピュータはソフトウェアを動作させて電気信号を音声信号に変換する。オーディオ信号は、ユーザの入力によって生成される特定の電子信号およびソフトウェアの設定に応じて、ピッチ、トーン、ボリューム、音色などのさまざまな特性を持つであろう。このようにして、ユーザは、広範囲の音を作り出し、これらの音を調整して音楽表現を作成することができる。
機能を追加するための別の装置を用いることで、音楽の作成方法を制御する可能性がさらに高まる。例えば、第2のタッチパッド装置は第1のタッチパッド装置と協働して使用されてもよく、または、複数の従来のユーザ入力ボタンを有する装置のような異なる種類の装置が使用されてもよい。第2の装置は、第1の装置の機能を変更するために使用することができ、かつ、2つの装置が互いに対して配置される方法は、生成される音楽の特性に影響を及ぼし得る。したがって、ユーザは、音楽の録音または演奏の最中に装置の配置および向きを再配置して、装置の機能を変更するか、または、新しい効果を生み出すことができる。本開示のジェンダーレスコネクタは、2つ以上の装置を切断して再接続するための確実な方法を提供することによってこれを可能にする。コネクタがジェンダーレスであるという特徴は、第2の装置の任意の個々のコネクタに接続する第1の装置の任意の個々のコネクタによって、装置が互いに接続できることを意味する。これにより、ユーザによる使いやすさが向上し、また装置が生成できる機能の数も増加する。
コネクタはまた、1つの装置から他の接続装置へ信号を送信することができ、その逆も可能である。したがって、これらの装置は複雑なネットワーク内に構築することができ、各装置によって生成された信号はネットワークを介して通信される。コネクタは装置間で電力を伝送することもできる。データおよび/または電力通信の特徴は、すべての装置を個別に外部電源に接続する必要がなく、または、装置によって生成された信号を処理するコンピュータに接続する必要がないので、装置の汎用性を高める。代わりに、装置がコネクタの1つを介して装置のネットワークに接続されている場合、信号と電力はネットワークの他の部分との間でやり取りできる。
本開示によるコネクタの別の利点は、コネクタまたは装置の内部構成要素を損傷する可能性がある方法での2つのコネクタ間の接続を防止することである。これは、コネクタの一部を構成するコンタクトの特定の配置、コンタクトのそれぞれの機能、および/または、他のコンタクトの機能に関するコンタクトの位置決めによる。
本開示によるコネクタの別の利点は、コネクタを介する2つの装置を接続するプロセスを案内するために、磁石がコネクタの一部として配置されうるか、または、コネクタの周囲に配置されうることである。特に、ジェンダーレスの方法で配置された磁石を有することは、装置の様々な配置を可能にする。また、コネクタがすべての側面に磁石を有するように磁石を含めることによって、2つの装置は、それらが任意の角度から接近して接続するときに、成功した接続に向けて案内されるであろう。これは、迅速で効率的な方法で接続の容易さを増加させる。
音楽作成用装置の概要
ジェンダーレス電気コネクタを含む、音楽を作成するための電子タッチパッド装置の特定の構造は、図1および2を参照して以下に詳細に説明される。
ジェンダーレス電気コネクタを含む、音楽を作成するための電子タッチパッド装置の特定の構造は、図1および2を参照して以下に詳細に説明される。
図1は、本開示による電気コネクタを含む電子タッチパッド装置100を示す。タッチパッド装置100は、タッチパッドの上面に対するユーザによる圧力入力の形でユーザ入力を受け、音楽を作成するために使用することができる信号を生成する。
タッチパッド装置100は、変形可能層125によって分離されたケーシング110およびユーザインタフェース面120を含む。変形可能層125の下には、ユーザによってユーザインタフェース面120に力が加えられたときに信号を生成する圧力センサのアレイ(図示せず)がある。力は、変形可能層125を介してセンサのアレイに伝達される。したがって、センサにおける測定値は、ユーザインタフェース面120上のユーザ入力の位置だけでなく、ユーザ入力の力も検出できる。
ユーザインタフェース面125とケーシング110との間には、ユーザインタフェース面120の特定の領域をユーザに示すために点灯するLEDのアレイ(図示せず)もある。例えば、LEDは、押されたときに特定の音符を生成する領域を示すために、ユーザインタフェース面125の下の異なる位置に異なる色を生成してもよい。LEDによって生成された光は、変形可能層125を通過してユーザインタフェース面125から出て、ユーザに見えるようになる。
図1に示すように、タッチパッド装置は直方体形状であり、長さおよび幅はほぼ同じであり、高さは長さおよび幅よりも小さい。有利な構成では、長さと幅は正確に同じである。例えば、高さは、長さおよび幅の約4分の1であってもよい。これは、倒れること(tumbling)または転がることなくワークトップまたは机の周りを容易に滑ることができる平板形状を作り出す。これにより、タッチパッド装置の上側のユーザインタフェース面125との向きが維持される。タッチパッド装置100の側面には、他の装置、例えば第2のタッチパッド装置の他の同様のコネクタとインタフェースするように配置された1つ以上の電気コネクタ300がある。図1によるタッチパッド装置は8個のコネクタを含み、2個がタッチパッド装置の各側面に配置されている。
図3に示す構成では、コネクタ300はそれぞれ6つの電気コンタクト310を含む。他の構成では、コネクタは異なる数の電気コンタクトを有してもよい。各電気コンタクトが別のコネクタの対応する電気コンタクトに接続されると、コネクタは、データをやり取りし、かつ、電力を互いに伝達する。コネクタ300は、図3においてさらに詳細に説明される。
タッチパッド装置100は、様々な用途を有しうる1つ以上の機能ボタン130,131も含んでもよい。例えば、1つのボタンは、タッチパッド装置をオンまたはオフにするための電源ボタンであり得る。別のボタンは、異なる入力モードおよび/または音楽作成モードの間でタッチパッド装置の動作を切り替えるためのユーザ用のモードトグルボタンであり得る。
図2は、図1の電子タッチパッド装置100の構成要素を示す。タッチパッド装置100は、プロセッサ210、メモリ220、電源230、ユーザ入力インタフェース240、および、通信インタフェース250を含む。プロセッサ210は、データを処理し、かつ、タッチパッド装置の各構成要素を制御するための命令を実行する。プロセッサが実行する命令はメモリ220に格納される。メモリ220は、ユーザ入力に応答してセンサによって感知されたときのユーザ入力インタフェース240からの、または、1つ以上の機能ボタン130,131からのデータも格納する。メモリ220からのデータは、プロセッサ210による、または、外部処理装置からの要求に応じて、取り出すことができる。電源230は、タッチパッド装置100の構成要素に電気エネルギーの形で電力を供給する。電源は、電気エネルギーを蓄える電池でもよく、または、外部電源に接続されてもよい。
ユーザ入力インタフェース240は、タッチパッド装置のセンサによって感知された信号の形態でユーザインタフェース表面125からユーザ入力を受け取る。これらの信号は、プロセッサ210、メモリ220、または、通信インタフェース250に送信されることができる。通信インタフェース250は、タッチパッド装置以外の装置との間で通信することができる。通信は、例えばWiFi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)の無線プロトコルを使用して、1つ以上のアンテナを介して電磁無線を使用することを含みうる。通信は、USBによる、電源ソケットによる、または、1以上のコネクタ300を介してなどの物理的接続を使用することも含みうる。通信インタフェース250は、例えば別のタッチパッド装置100の通信インタフェースを介して、1つ以上のプロセッサ210、メモリ220、または、ユーザ入力インタフェース240から1つ以上の他の装置にデータを通信することができる。通信インタフェース250はまた、電源230との間で電力をやり取りする。通信インタフェース250は、主電源から、または、USBポートを介して別の装置からなどのように、外部電源から電力を受け取ることができる。通信インタフェースはまた、コネクタ300を介して、他の装置、例えば他のタッチパッド装置100に関連する他のコネクタに電力を伝達する。
コネクタ配置
コネクタ300の構造および機能は、図3を参照して以下に説明される。図3は、電子タッチパッド装置100の電気コネクタを示す。
コネクタ300の構造および機能は、図3を参照して以下に説明される。図3は、電子タッチパッド装置100の電気コネクタを示す。
コネクタ300の特定の配置は、コネクタがそれと同一または実質的に同様の他のコネクタと嵌合できるようなものである。このようにして、本開示による複数のコネクタを各側面に有するタッチパッド装置100を回転させ、一致するコネクタを有する他の装置の任意の側面に接続することができる。さらに、これは、各装置のその面を上に向けたままで装置を表面上で動かして水平に回転させることができ、かつ、それでも任意の他の装置の任意の側面に接続できることを意味する。
コネクタ300は、タッチパッド装置100の側壁に配置されている。コネクタは、6つの電気コンタクト1A−3A,1B−3Bを有し、それらのそれぞれはケーシング110の内側上の配線または回路に接続されている。それぞれの電気コンタクトは、機能を有し、かつ、その機能に従ってタッチパッド装置の構成要素に接続される。電気コンタクトは図3に導電ピンとして示されている。6つのピンは、電力を伝送する2つの電源ピン1A,1B、データを転送する2つの信号ピン2A,2B、および、接地された2つのグランドピン3A,3Bを含む。ピンはペアでケーシング上に配置され、各ペアの第1ピンは鏡映対称の平面Pの一方の側に配置され、他方のピンは第1ピンと対称な位置の平面Pの他方の側に配置される。図3では、3ペアのピンがあり、各ペアにAピンとBピンがあることがわかる。AピンとBピンは鏡映対称の平面Pの両側に対称的に配置されている。図3に示す配置では、ピンは実質的に直線状に配置されている。これは製造効率を改善し、かつ、長さおよび幅よりも小さい高さを有する装置に含めるのに特に有利である。この場合の直線状の配置は、実質的に水平であり得る。すなわち、側壁の面を横切って左から右に向かって、ピンは、3A、2A、1A、1B、2B、3Bの順である。ピンのこの直線状の配置は、装置の必要な高さを減少させ、このことは、裏返ることまたは倒れることなく、より簡単に表面を滑ることができるより低い重心を持つ装置を可能にする。
他の構成では、ピンは水平または直線状に配置されていなくてもよく、他の対称的なパターンで配置されてもよい。
各ペアのピンは、そのペアの他のピンと同じ役割をもつ。このようにして、2つの電源ピン1A,1Bは対称の平面Pを挟んで対称に配置され、2つの信号ピン2A,2Bおよび2つのグランドピン3A,3Bに関しても同様である。したがって、上述のようなピンの配置を有する2つのコネクタが互いにピン対ピンで向かい合うとき、第1のコネクタの電源ピン、信号ピンおよびグランドピンは、それぞれ他方のコネクタの電源ピン、信号ピンおよびグランドピンと整列する。ピン間が電気的に接触すると、信号ピンはコネクタを介してデータを伝送し、電源ピンはコネクタを介して電力を伝送し、かつ、2つのコネクタは共通のグランドを共有する。
一般に、コネクタ300に含まれる2つのタイプの電気コンタクトがある。第1のタイプの電気コンタクト(「タイプ1」ピン)は、同じ役割を有する別の電気コンタクトと接触すると正常に接続する。たとえば、電源ピンは別の電源ピンと正常に接続して電力を伝送し、2つの電源ピンの間に役割の違いはない。同様に、各ピンの役割を区別することなく、グランドピンが接触してグランドを共有する。第2のタイプの電気コンタクト(「タイプ2」ピン)は、異なるが相補的な役割を有する別の電気コンタクトと接触すると正常に接続する。例えば、信号ピンは、送信の役割を有する1つのピンおよび受信の役割を有する他の信号ピンと接続できる。送信信号ピンが別の送信信号ピンと接触しても、これは、データがコネクタを介して転送されないというように、まったく影響はないであろう。これは、コネクタ300を介して通信する装置内の特定の回路要件のためであり得る。
図3に示す電気コンタクトの配置では、タイプ1の電気コンタクト、すなわち電源ピン1A,1Bおよびグランドピン3A,3Bは、ペアで配置され、各ペアのうちの1つは対称の平面Pの各側に配置され、両者は同じ役割を持つ。タイプ2の電気コンタクト、すなわち信号ピン2A,2Bは、ペアで配置され、各ペアのうちの1つは対称の平面Pの各側に配置され、1つは第1の役割を有し、他方は第2の相補的な役割を有する。したがって、第1信号ピン2Aは受信の役割を持ち、第2信号ピン2Bは送信の役割を持つ。代替構成では、第1のピン2Aが送信ピンとなり、したがって第2の信号ピン2Bが受信ピンとなりうる。
コネクタが他のコネクタと接続し得る上記の条件に加えて、すなわち電気コンタクトの機能およびそれらのそれぞれの役割に関して、接続するためのさらなる条件が存在し得る。例えば、さらなる条件は、電気コンタクトの物理的形状が一致することであり得る。図3に見られるように、各電気コンタクトは、突出ピン31、または、ピン凹部33内に位置する凹形ピン32のいずれかである。2つのコネクタが出会うと、第1のコネクタの突出ピン31が第2のコネクタの凹形ピン32と接触し、またその逆も同様であるように、コネクタの構造は設計される。これは、各ペアのピンの一方のピンを突出ピン31とし、各ペアの他方のピンを凹形ピンとすることによって達成される。上述のように、各ペアの第1および第2のピンは対称の平面Pを挟んで対称的に配置されている。したがって、同じピン配置を有する第2のコネクタが第1のコネクタにピン対ピンで近づくと、突出ピン31は凹形ピン32と整列し、2つのコネクタは物理的に嵌合できる。図3のコネクタ構成は、6つのピンが凹形ピン3A,1A,2Bと突出ピン2A,1B,3Bとの間で交互に配置されるようなものであり、それによって第2のコネクタとのより確実な係合を生み出す。
2つのコネクタが物理的に嵌合するとき、第1のコネクタからのピンは第2のコネクタの対応するピンと物理的に接触する。2つのコネクタは、図4に関して以下でさらに詳細に説明するように、電気コンタクトを囲む磁石の配置などの固定機構によって一緒に保持されうる。代替の固定機構は、ラッチ機構、ねじ機構、または、全ての電気コンタクトがそれらの対応する電気コンタクトと接触するように2つのコネクタを固定する任意の他の適切な手段を含む。凹形ピン32は、例えば、金属ばねのような弾性部材を各凹形ピンの後ろに含むことによって、ばねを付けられてもよい。第2のコネクタが第1のコネクタと確実に接続された状態になると、第2のコネクタの突出ピン31が第1のコネクタの凹形ピン32に接触して凹形ピンを押し、各凹形ピンの後ろのばねを変形させる。2つのコネクタが定位置に確実に固定されていると、ばねは突出ピンと凹形ピンの間の強固な接触を保つ。同じ機構が、第1のコネクタの突出ピンおよび第2のコネクタの対応する凹形ピンについても存在する。これにより、コネクタ間の接続品質が向上する。代替でまたは追加で、突出ピンは、ばねを付けられてもよい。
いくつかの構成では、突出ピン31、凹形ピン32およびピン凹部33は、すべてケーシング110の凹部115上に配置されている。これにより、コネクタを第2のコネクタにさらに容易に接続することが可能になる。これは、第2のコネクタが第1のコネクタに接近すると、突出ピン31は直接正面を向く以外の角度から接近できるからである。これは、ピンはケーシングの凹部115内に配置されているので、2つのコネクタを制御するユーザは、それらをより簡単で効率的な方法で接続できるからである。突出ピン31およびピン凹部33がケーシングの同一平面上にある代替案では、それらの間にわずかな位置ずれがあるときに突出ピン31がピン凹部33に入るのを妨げられる可能性がより高い。
コンタクトの配置はケーシング110によって定位置に保持され、これはピンを互いに対して固定位置に維持する。ケーシングは、ピンを別々に保持し、かつ、ピン間が導通しないように少なくとも部分的に絶縁材料から作られる。現在説明されている構成では、ケーシング110がこの役割を果たすが、一般に、任意の絶縁コネクタハウジングを使用してもよい。絶縁コネクタハウジングは、タッチパッド装置100のケーシング110の一体部分であってもよく、または、ピンの位置を画定するためにタッチパッド装置に取り付けられる別個の部品であってもよい。本構成のように、絶縁コネクタハウジングは、ピンが装置の内側から通過するための穴を有する単一部品であり得る。これは、他のコネクタに接続するために内部部品を装置の外部に接続する。代替の構成では、絶縁コネクタハウジングは、代わりに、1つ以上のスタンド、クリップまたは他の任意の取り付け手段を用いてピンを定位置に保持してもよい。さらに、絶縁コネクタハウジングという用語が使用されているが、ハウジングは、ピン間に導電経路が存在しない限り、絶縁性である必要があるだけである。したがって、絶縁コネクタハウジングは、ピンを互いに絶縁する条件で、プラスチックのような絶縁材料だけで作製されなくてもよい。
現在説明されている構成におけるケーシング110などの絶縁コネクタハウジングは、嵌合部を示す。嵌合部は、2つのコネクタが接続するときに第2のコネクタの別の嵌合部と嵌合するコネクタ300の領域である。したがって、嵌合部は、コンタクト配置、たとえばピンを含みうる。嵌合部はまた、磁石配置、クリップなどのような、コネクタを他のコネクタに固定するための任意の物理的接続手段を含んでもよい。
一般に、嵌合部は嵌合平面内に延びる。図1の構成では、この平面は、コネクタ300が配置されているタッチパッド装置100の側面と実質的に同一平面上にある。図3のコネクタのピン31,32は、嵌合平面に対して少なくとも部分的に垂直に延びる。例えば、コネクタの各ピン31,32は、ケーシング125の面に対して少なくとも部分的に垂直に延びる。特に、各ピンの嵌合端は、それが嵌合するコネクタのピンと接触できる程度まで垂直である。他のコネクタのピンも同様に、ピンの嵌合端が互いに正面から接触するように、それぞれの嵌合部に対して垂直な嵌合端を有する。ピンは、嵌合平面に対して部分的に垂直であり、かつ、嵌合部から突出してもよい。例えば、ピンが平面の後ろにあるかまたは平面を横切らなくても、嵌合平面に対して垂直な方向に延びている場合、ピンが嵌合平面から凹んでいるが部分的に嵌合平面に対して垂直であることも可能である。それが嵌合平面に垂直な方向に別のピンと嵌合するように依然として配置されているので、ピンの端部が嵌合部と同一平面上にあり、かつ、嵌合平面に対して部分的に垂直に延びることも可能である。
嵌合部が延在する嵌合平面は、対称の平面Pに対して垂直である。これは、嵌合するために2つのコネクタが互いに向き合うとき、すなわち、それらのそれぞれの嵌合平面が実質的に平行または同一平面上にあるとき、それらの対称の平面Pが整列できるようにするためである。上述のように、これにより、2つのコネクタのコンタクト配置が接続することが可能になる。したがって、嵌合部は対称の平面Pによって2つの領域に分割される。
図3により示されるように、嵌合部は実質的に平面であり得る。しかし、いくつかの構成では、嵌合部は、非平面であり、嵌合平面に対して実質的に垂直に突出する位置を有し、かつ、陥没する位置を有してもよい。これらの構成では、対称の平面の一方の側で突出している嵌合部の各部分は、対称の平面の他方の側にある凹部に対応しうる。これにより、嵌合部を同一または類似の構成の別の嵌合部と物理的に嵌合させることができ、各嵌合部の凹部および突出部が整列して嵌合する。平面の反対側の部分を補完するために各部分が突出または陥没する量は、部分的にはピンに依存し、特に、嵌合部を提供するコネクタハウジングに対してピンがどの程度のクリアランスを有するかに依存する。
ケーシング110のような絶縁コネクタハウジングは上面および下面を有してもよく、上面は直方体形状の一部として下面と実質的に平行である。したがって、嵌合部は、上面と下面とに実質的に垂直に上面と下面との間に延びるケーシングの面上にあってもよい。
誤接続を防ぐためのコンタクト配置
電気コンタクトの配置は、誤ったコンタクト接続を防ぐようになっている。特に、それらが異なる機能の電気コンタクトに接続すると損傷を引き起こしうる特定の機能の電気コンタクトがある場合、これが発生する危険性をコンタクトの配置によって最小限にできる。例えば、コネクタが電源ピンとグランドピンの両方を含む場合、これらのピンが接触すると、短絡または極性反転を引き起こし、タッチパッド装置回路内の電気部品を損傷する可能性がある。
電気コンタクトの配置は、誤ったコンタクト接続を防ぐようになっている。特に、それらが異なる機能の電気コンタクトに接続すると損傷を引き起こしうる特定の機能の電気コンタクトがある場合、これが発生する危険性をコンタクトの配置によって最小限にできる。例えば、コネクタが電源ピンとグランドピンの両方を含む場合、これらのピンが接触すると、短絡または極性反転を引き起こし、タッチパッド装置回路内の電気部品を損傷する可能性がある。
本配置は、図3のピン配置と共に説明される。しかしながら、これは決して本開示をこの特定の配置に限定するものではない。これは単なる例示として意味され、もちろん想定されるピンの多くの異なる特定の配置がある。
誤ったコンタクト配置が整列しうる第1の方法は、1つの装置が裏返されたときである。ピンが対称になるようにピンを配置することによって、誤った整列は回避されうる。この場合、タッチパッド装置100が反転されて第2のタッチパッド装置と接触されても、危険な接続は行われないであろう。これは、コネクタを上下逆にしても、同じ機能のピンが整列するピン配置を保つためである。すなわち、反転されたコネクタの電源ピンは、非反転のコネクタの電源ピンと整列し、信号ピンとグランドピンも同様であろう。この向きでは、相補的な役割のペアを構成するタイプ2のピンは整列しないであろう。代わりに、反転されたコネクタの送信信号ピンは、非反転のコネクタの送信信号ピンと整列し、受信信号ピンに関しても同様であろう。したがって、2つのコネクタ間でデータ通信は行われないが、共通のグランドが維持され、依然としてコネクタはコネクタ間で電力を伝送できる。さらに、電源ピンがグランドピンに接触せず、かつ、電源の極性が維持されるため、電気的損傷を引き起こすような接続は行われない。
誤った接続を引き起こしうる別の状況は、2つのコネクタがオフセットのピン整列で一緒に無理に押し込まれるときである。ピンが突出部と凹部とを交互に有する6ピンの線状の配置では、「一回限りの」ピンの位置ずれは、第1のコネクタからの突出ピンが他のコネクタからの異なる機能の突出ピンに接触する原因となるであろう。例えば、図3の構成を参照すると、1つ左にずれたピンの位置ずれで第2のコネクタが第1のコネクタ300に接近すると、第2のコネクタの突出信号ピン2Aは第1のコネクタ300の突出電力ピン1Bと接触するであろう。同様に、第2コネクタの突出電力ピン1Bは突出信号ピン2Aに接触するであろう。例えば、信号ピンは、信号ピンを回路の他の部分に結合し、かつ、したがってより敏感な回路部品に電力を伝導するのではなく電力を消費する抵抗を有しうるので、これは回路への損傷を引き起こさないであろう。あるいは、信号ピンは、高い入力電力が存在するときに電力の伝送を妨げる電気装置に取り付けられてもよい。したがって、図3の構成では、グランドコンタクトへの電力がなく、かつ、電源ピンと信号ピンが接触したときに内部回路が損傷から保護されるので、1つのピンの位置ずれは、電気的損傷の危険を引き起こさない。
コネクタの各半分でグランドピンが電源ピンに隣接するように、図3とは異なるピン配置が選択された場合、1回限りのピンの位置ずれは、電源とグランドの短絡を引き起こし、内部回路を損傷する可能性がある。たとえば、グランドピンの位置が図3のピン2Aおよび2Bの位置にあり、電源ピンが1A,1Bのままであると、偶発的な位置ずれが電気的損傷を引き起こす可能性が高くなるであろう。したがって、信号ピンが電源ピンとグランドピンとの間に位置するようにピンを配置することによって、コネクタは、短絡または極性反転事象の可能性を低減することによって安全性を改善する。これは、コネクタを接触させる前にピンを完全に整列させる必要なしに効果的に行うことができるので、2つのコネクタを接続することの容易さを改善するという有益な効果も有する。
ピンが直線的に配置されていない代替の配置では、電源ピンとグランドピンは、異なる重ならない高さに配置されうる。これにより、ピンの位置ずれによる損傷から保護される。これは、2つのコネクタが平らな面にある場合、どれだけ横方向の位置ずれがあっても、電源ピンとグランドピンが接触することがないためである。
コネクタが誤ったピンの接触を防止することができる別の方法は、磁石を使用して2つのコネクタを磁気吸引力によって一緒に固定し、各コネクタ上の対応するピンを整列させることである。磁気固定機構は、図4に関して以下に説明される。
誤ったコンタクトの整列および/または接続を防止するための上記の構成のいずれも、単独で、または、誤ったコンタクトの整列および/または接続を防止するための他の構成と組み合わせて使用することができる。
磁気固定機構
図4は、本開示による電子タッチパッド装置の電気コネクタの磁石の配置を示す。
図4は、本開示による電子タッチパッド装置の電気コネクタの磁石の配置を示す。
複数の磁石は、ケーシング110の背後に配置され、かつ、同じ磁石の配置を有する第2のコネクタが向かい合って近づくときに磁石が2つのコネクタ間に力を生み出すように配置される。磁力が2つのコネクタを一緒に引き付けるので、それらはそれぞれのピンが互いに接触してしっかりと保持される。磁力はまた、第1のコネクタのピンが第2のコネクタのそれらの対応するピンと直接整列するように2つのコネクタを整列させる。
磁石を有するコネクタをジェンダーレスにするために、第1のコネクタ内の各磁石のN極が第2の導体内の磁石のS極に面するように磁石を配置することができる。これは、コネクタ300の磁石を、鏡映対称の平面Pを挟んで対称に配置されたペアに配置することによって行われる。各ペアの一方の磁石はコネクタから外側に向いたN極を有し、各ペアの他方の磁石はコネクタから外側に向いたS極を有する。図4に示すように、磁石11AのN極は、磁石11BのS極から平面Pを挟んで対称に配置されている。各磁石は、そのペアに対して対称的に、かつ、どの極性がコネクタから外側に向いているかに関して相補的な意味で配置されている。図4では、N極は斜線で塗りつぶされて示され、S極は塗りつぶしパターンなしで示されている。
第1のコネクタと同じ磁石配置を有する第2のコネクタが接近すると、磁石は向かい合う各コネクタに力を加える。コネクタの位置がずれていると、各コネクタの磁石のN極が互いに反発し、同様にS極も反発して、コネクタがそれ以上近づいて接続するのを防ぐ。あるいは、コネクタが概ね整列している場合、第1のコネクタからのN極が第2のコネクタからのS極に向き合い、逆もまた同じであり、各コネクタの磁石は互いに引き付けられ、一緒に引っ張られ、正しいピンの整列で正しい位置に固定される。2つのコネクタを正しいピンの整列で一緒に固定するためにこの磁石の配置を使用することは、電気コンタクトのペアが対称である同じ対称の平面Pが、磁石が対称である対称の平面Pと同じであるために起こる。
図4に示すようにコネクタの磁石を対称の相補的なペアで配置することは、一方のコネクタが反転したときに2つのコネクタがそれらのそれぞれのピンと接触するのを防止するという有利な効果も有する。これは、対称の面Pに直交し、かつ、タッチパッド装置の上面および下面に実質的に平行な面に関して、磁石の配置が対称ではないためである。反対の極が対称に配置された図1に示すタッチパッド装置のユーザインタフェース面125に平行な対称の平面がある場合、1つのコネクタを反転させても2つのコネクタ間の接続引力には影響しないであろう。対照的に、図4に示すように、磁石11Aおよび12Aは、磁石ペア11Bおよび12Bと同じ対称の平面(図示せず)を有する対称の相補的なペアを形成する。磁石13Aおよび14Aはまた、磁石ペア13Bおよび14Bと同じ対称の平面(図示せず)を有する対称の相補的なペアを形成する。しかしながら、ペア11A,12Aおよび11B,12Bの対称の平面は、ペア13A,14Aおよび13B,14Bの対称の平面とは異なる。この相違の結果は、反転した第2のコネクタが第1のコネクタを引き付けないことを意味する。
図4の磁石配置が反転され、かつ、同じレイアウトの非反転の磁石配置と近接して向き合うと、反転したコネクタからのN極13Aおよび14Bは、それぞれ非反転のコネクタのS極14Aおよび13Bと整列して引き寄せられ、そしてその逆も同様であろう。しかしながら、この向きでは、反転したコネクタのS極12Aは、非反転のコネクタのS極12Aと向かい合い、2つの12BのN極についても同様であろう。よって、磁石の異なるペアの間の引力および反発力は相反し、コネクタは嵌合しないであろう。あるいは、反転したコネクタが非反転のコネクタに対して持ち上げられている場合、反転したコネクタのS極12Aおよび11Bは、非反転のコネクタのN極11Aおよび12Bをそれぞれ整列させて引き付け、逆もまた同様である。しかし、この向きでは、反転したコネクタのS極13Bは、非反転のコネクタのS極13Bに面し、2つのコネクタのそれぞれのN極13Aについても同様である。よって、この向きでは、磁石の異なるペアの引力および反発力は相反し、嵌合もしないであろう。水平な平面、すなわち装置が着座する面に平行な対称の平面がないので、コネクタは反転した磁石配置を有する第2のコネクタと嵌合しないであろう。これにより、最小限の試行錯誤で効果的な方法でコネクタ装置間を接続することによって、ユーザによる使いやすさが向上する。
1組のペア13A,14Aおよび13B,14Bの対称の平面が1つ以上の他の磁石を通るという事実によって、反転および非反転の間の嵌合を防止するための上記構成が改善される。図4の例では、この13A,14Aおよび13B,14Bの対称の平面は、磁石12Aおよび12Bを通る。これは、コネクタが反転したとき、磁石12Aおよび12Bは、反転したコネクタと非反転のコネクタとの間で位置を実質的に変えず、したがって、それらが近づいたとき互いに反発することを意味する。同様に、11A,12Aおよび11B,12Bの対称の平面は、磁石13Aおよび13Bを通る。この結果、コネクタが1組のペアに関して対称の平面について反転されて相補的な極が互いに向き合うとき、少なくとも1つの他の磁石は、反転中に位置を変えず、したがって他のコネクタの対応する磁石を反発する。
垂直面Pについての対称性により、磁石の配置は、タッチパッド装置100が実質的に平らな表面上で回転および移動されたときに他の装置の任意の側と接続できることを意味する。一方、水平面についての非対称性は、タッチパッド装置が同じ方向を上にして接続されている場合にのみ接続することを意味する。
磁石の数および位置はまた、ユーザがタッチパッド装置を一緒に接続するのを容易にするのに有益であり得る。これは、磁石が両側に加えて電気コンタクト配置の上下に配置されているためである。これは、磁石配置が2つのコネクタをより広い範囲の角度から一緒に案内するという結果をもたらす。例えば、ユーザがユーザの人差し指と親指との間にタッチパッド装置を保持し、そのタッチパッド装置を第2のタッチパッド装置の隣に置く場合、それは一般に、コネクタが傾斜した側面を有して、第2のタッチパッド装置に近づく。電気コンタクト配置の上方に磁石11Aおよび11Bのような細長い磁石を有することによって、2つのタッチパッド装置の2つのコネクタ間に生じる力は、電気コンタクト配置の側面に位置する他の磁石よりも接続動作の早い段階で係合させるであろう。
上記の説明は特定の装置およびコネクタの配置を提供しているが、ここに開示された原理は様々な他の方法で実施することができる。
ジェンダーレスのコンタクト配置を提供するために、電気コンタクトは対称の平面の両側に対称的に配置されたペアで配置される。しかし、電気コンタクトの数に制限はない。図に関して6つの電気コンタクトが上述されているが、電気コンタクト配置は、より少ないまたはより多いものを含んでもよい。さらに、電気コンタクトは直線的に配置されているように記載されているが、代替的に、コンタクトは、それが対称性の基準を満たすならば、二次元アレイまたは任意の他のパターンで配置されてもよい。どの電気コンタクトが突出し、どの電気コンタクトが凹むかのパターンにも制限はない。したがって、上記の例ではピンが凹形ピンと突出ピンとの間で交互になっているが、代替の構成では異なるパターンがあってもよい。例えば、対称の平面の第1の側の全てのピンは凹形ピンであってもよく、したがって対称の平面の反対側の全ての対応するピンは突出ピンであってもよい。ピン自体は円筒形でなくてもよく、ペアのピンにおける各ピンの各形状がそのペアにおける他のピンの形状と対称であるという条件で、一般に任意の形状にできる。
ここに記載された電気コネクタが接続する、または、そこから接続する装置のサイズ、形状または寸法にも制限はない。
対称的に配置された電気コンタクトの各ペアは、そのペアにおける他方と同じ機能を有する。上述の例は、データの転送、電力の伝送、または、グランドの共有を行うための電気コンタクトである。電気コンタクトの機能は、これらの例に限定されず、警報信号、待機要求、パワーダウン要求などの機能を含み得る。特定の機能では、ペアは送信および受信のような異なる役割を持つ電気コンタクトで構成される。
コネクタ300は、音楽を作成するためのタッチパッド装置の一部であるかまたはタッチパッド装置上に取り付けられるという文脈で上述されているが、同様に、コネクタは音楽を作成するための同じシステムの一部として他の異なる装置上にあってもよい。これらは、スピーカ装置、ユーザ入力面120ではなく入力ボタンを有するコントローラ装置、または、システムの一部であり得る任意の他の機能装置を含んでもよい。さらに、コネクタ300は、音楽制作または音声処理用の装置に限定されず、1つ以上の他の装置との接続を必要とする任意の形態の電気装置に使用することができる。
Claims (14)
- 他の電気コネクタと嵌合することにより電力とデータを伝達する電気コネクタであって、
嵌合部を示す絶縁コネクタハウジングであって、前記嵌合部は第1面内に延びる、絶縁コネクタハウジングと、
前記第1面に少なくとも部分的に垂直に延びる複数の電気コンタクトを備えるコンタクト配置と、を備え、
前記複数のコンタクトは、
電力を伝達するように配置された1以上の第1のペアの電気コンタクトと、
データを伝達するように配置された1以上の第2のペアの電気コンタクトと、を備え、
1以上の第2のペアのそれぞれは、受信コンタクトと送信コンタクトを備え、
1つのペアのそれぞれの電気コンタクトは、前記第1面に垂直な第2面に関して、そのペアの他の電気コンタクトに対称に配置される、電気コネクタ。 - 電気コンタクトの各ペアは、前記第1面に少なくとも部分的に垂直に突出する第1の電気コンタクトと、前記第1面に対して凹んだ第2の電気コンタクトとを備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
- 前記絶縁コネクタハウジングは、前記複数の電気コンタクトを所定位置に保持し、前記絶縁コネクタハウジングは、前記コンタクト配置における前記複数の電気コンタクトのそれぞれの位置を規定する、請求項1または2に記載の電気コネクタ。
- 前記第2面は、前記嵌合部の第1領域と第2領域を規定し、突出する前記第1領域の各位置が、凹む前記第2領域の対称の対応する位置を有するように、前記第1領域は前記第2領域に相補的である、請求項1から3のいずれかに記載の電気コネクタ。
- 前記嵌合部は第1嵌合部であり、前記電気コネクタは第1電気コネクタであり、前記第1嵌合部は、電力とデータを伝達するために第2電気コネクタの第2嵌合部と嵌合するように配置され、前記第2電気コネクタは請求項1から4のいずれかに記載の電気コネクタである、請求項1から4のいずれかに記載の電気コネクタ。
- 前記第1電気コネクタは、前記第2電気コネクタと実質的に同じコンタクト配置を有する、請求項5に記載の電気コネクタ。
- 前記第1嵌合部は、前記第1電気コネクタの前記第2面が前記第2電気コネクタの対応する第2面と実質的に同一平面であるとき、前記第2嵌合部と嵌合するように配置される、請求項5または6に記載の電気コネクタ。
- 前記複数の電気コンタクトは、1以上の第3のペアの電気コンタクトをさらに備え、前記1以上の第3のペアは、グランドコンタクトである、請求項1から7のいずれかに記載の電気コネクタ。
- 前記第2面のそれぞれの側で、データを伝達するように配置された電気コンタクトは、グランドコンタクトと、電力を伝達するように配置された電気コンタクトとの間に位置する、請求項8に記載の電気コネクタ。
- 複数の磁石をさらに備え、前記複数の磁石は、第1磁石と第2磁石を備える1以上のペアに配置され、それぞれの第1磁石のN極は、前記第2面に関して、それぞれの第2磁石のS極に対称に配置される、請求項1から9のいずれかに記載の電気コネクタ。
- 前記複数の電気コンタクトは、実質的に直線状に配置される、請求項1から10のいずれかに記載の電気コネクタ。
- 前記複数の電気コンタクトは、交互に配置された突出電気コンタクトおよび凹形電気コンタクトを備える、請求項11に記載の電気コネクタ。
- 前記コンタクト配置は、実質的に直線状に、かつ、次の順、すなわちグランドコンタクト、データを伝達するように配置されたコンタクト、電力を伝達するように配置されたコンタクト、電力を伝達するように配置されたコンタクト、データを伝達するように配置されたコンタクト、グランドコンタクトの順に配置された6個の電気コンタクトを備える、請求項1から12のいずれかに記載の電気コネクタ。
- 複数の電気装置を備えるシステムであって、前記複数の電気装置のうち少なくとも2つの電気装置は、それぞれ、請求項1から13のいずれかに記載の少なくとも1つの電気コネクタを備える、システム。
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