広い意味では、本発明は、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素、および酵素のための基質を含む組成物を提供する。
広い意味では、本発明は、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素、および酵素のための基質に変換することができる前駆体−基質を含む組成物も提供する。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための精製された基質を含む組成物が提供される。
驚くべきことに、本出願人は、精製された酵素および酵素のための精製された基質を含む組成物が、過酸化水素を発生させることができるハチミツベースの公知の組成物よりも微生物殺滅効果が大きい可能性を見出した。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質を含む組成物も提供される。
本明細書における「酵素」への言及は、1つまたは複数の酵素を意味する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる複数の酵素を含んでよい。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、基質を変換して過酸化水素を放出させることができるただ1つの酵素を含んでよい。
本明細書において用語「精製された酵素」は、酵素が生産された際にもともと存在する不純物の少なくともいくつかから酵素が分離された酵素調製物を含んで用いられる。好ましくは、除去されまたは低減された不純物には、除去されなければ酵素が基質を変換して過酸化水素を放出させる能力を妨害するかもしれない不純物が含まれる。
酵素が基質を変換して過酸化水素を放出させることができれば、精製された酵素が高レベルの純度を有していることは必ずしも必要または望ましいわけではないかもしれない。いくつかの状況では、比較的低純度の酵素調製物を使用することが望ましいこともある。好適な純度レベルの例には、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の純度が含まれる。好ましくは、酵素は少なくとも90%の純度である。さらにより好ましくは、酵素は少なくとも99%の純度である。
酵素は組換えまたは非組換え手段によって産生されたものでよく、組換えまたは非組換え酵素であってよい。酵素は微生物源から、好ましくは遺伝子改変されていない微生物から精製されてよい。
酵素の純度のレベルは組成物の意図された用途に応じて適切に選択してよい。医学用途には、医用グレードまたは医用デバイスグレードの純度を用いるべきである。医薬用途には、医薬グレードの純度を用いるべきである。
本発明の組成物は、特定のレベルまたは濃度で過酸化水素を持続放出させるために十分な酵素および基質(または前駆体基質)を含んでよい。
本発明の組成物は、任意選択で組成物の希釈の後、少なくとも24時間の間、2mmol/l未満のレベルで過酸化水素を持続放出させるために十分な酵素および基質(または前駆体基質)を含んでよい。
本発明の組成物は、少なくとも24時間、より好ましくは48時間の間、少なくとも0.02、0.03、0.04、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1または1.5mmol/lの過酸化水素を持続放出させるために十分な酵素および基質(または前駆体基質)を含んでよい。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも24時間、より好ましくは48時間の間、0.1〜2mmol/lの過酸化水素の持続放出を提供するために十分な酵素および基質(または前駆体基質)を含んでよい。
例えばいくつかの実施形態では、本発明の組成物は少なくとも2ppm、少なくとも5ppm、少なくとも10ppm、少なくとも20ppmまたは少なくとも50ppmの濃度で過酸化水素の持続放出を提供し得る。好ましい実施形態では、レベルは少なくとも2ppmであってよい。いくつかの実施形態では、濃度は最大500ppm、200ppm、100ppm、50ppm、20ppmまたは10ppmであってよい。好ましい実施形態では、レベルは20ppmまたはそれ未満であってよい。さらにより好ましい実施形態では、レベルは10ppmまたはそれ未満であってよい。例えば、濃度は10〜500ppm、20〜200ppmまたは50〜100ppm、2〜50ppm、2〜20ppmまたは5〜10ppmであってよい。酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を組成物が含まない場合(例えば組成物が乾燥したまたは乾燥された組成物である場合)には、組成物が水で希釈され、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水が存在する場合にのみ、過酸化水素の産生が起こり得る。したがって水の添加によって過酸化水素の産生が開始され得る。本発明の組成物は少なくとも1時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも2日、または少なくとも4日、過酸化水素の持続放出を提供し得る。好ましくは、過酸化水素のレベルは少なくとも4日持続する。好ましい実施形態では、過酸化水素のレベルは少なくとも1時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも2日、または少なくとも4日、10〜500ppmで持続する。他の実施形態では、過酸化水素のレベルは少なくとも1時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも2日、または少なくとも4日、50〜100ppmで持続する。他の実施形態では、過酸化水素のレベルは少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも2日、または少なくとも4日、2〜50ppmで持続する。他の実施形態では、過酸化水素のレベルは少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも2日、または少なくとも4日、5〜10ppmで持続する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は少なくとも24時間、2〜500ppmの過酸化水素の持続放出を提供し得る。
本発明の組成物は25〜2000ppmの酵素、例えば50〜1000ppmの酵素を含んでよい。本発明の組成物は750〜2000ppmの酵素を含んでよい。本発明の組成物は500ppmを超える酵素を含んでよい。本発明の組成物は250〜1500ppmの酵素を含んでよい。
酵素活性(例えばグルコースオキシダーゼ活性)は、例えば1〜400IU/mg、または1〜300IU/mg、例えば250〜280IU/mgの範囲であってよい。使用する酵素の量は、組成物の所望の用途、過酸化水素放出の所望のレベル、および過酸化水素放出の所望の期間の長さを含むいくつかの要素による可能性がある。好適な酵素の量は、必要であれば種々の酵素量に対する過酸化水素放出量を決定するウェル拡散アッセイを使用して、当業者によって容易に決定することができる。酵素(グルコースオキシダーゼ等)の好適な量は組成物の0.0001%〜0.5%w/wであってよい。使用する酵素の量は、選択されたフェノール標準(例えば10%、20%、または30%フェノール標準)と等価な抗微生物活性を発生するための組成物を産生するように選択してよい。
本発明の組成物は、組成物1グラムあたり少なくとも1単位で好ましくは1500単位までの酵素を含んでよい。本明細書において「単位」は、pH7.0、25℃で1分あたり1マイクロモルの基質(例えばグルコース)の酸化を引き起こす酵素(例えばグルコースオキシダーゼ)の量として定義される。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、組成物1グラムあたり15単位を超え、例えば少なくとも30単位、少なくとも50単位、または少なくとも100単位で、好適には685単位未満、例えば100〜500単位の酵素(例えばグルコースオキシダーゼ)を含む。
本発明の他の実施形態では、本発明の組成物は、組成物1グラムあたり少なくとも500単位、例えば500〜1000単位、または685〜1000単位の酵素(例えばグルコースオキシダーゼ)を含む。
本明細書における「基質」または「前駆体−基質」への言及は、1つもしくは複数の基質または1つもしくは複数の前駆体−基質を意味する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は複数の基質または前駆体−基質を含んでよい。いくつかの実施形態では、本発明の組成物はただ1つの基質またはただ1つの前駆体−基質を含んでよい。
本明細書において用語「精製された基質」または「精製された前駆体−基質」は、基質または前駆体−基質が得られまたは生産された際にもともと存在する不純物の少なくともいくつかから基質または前駆体−基質が分離された基質または前駆体−基質調製物を含んで用いられる。精製された基質または前駆体−基質は天然源から得られ、または合成により生産され得る。精製された基質は加工され、抽出され、または純化された基質または前駆体−基質(即ち不純物または望ましくない要素が加工によって除去された基質または前駆体−基質)であってよい。
酵素が基質を変換して過酸化水素を放出させることができれば、精製された基質または前駆体−基質が高レベルの純度を有していることは必ずしも必要または望ましいわけではないかもしれない。いくつかの状況では、比較的低純度の基質または前駆体−基質調製物を使用することが望ましいこともある。好適な純度レベルの例には、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%の純度が含まれる。好ましくは、純度レベルは少なくとも90%である。さらにより好ましくは、純度は少なくとも99%である。しかし、いくつかの実施形態では、精製された基質または前駆体−基質は医用グレード、医用デバイスグレード、または医薬グレードの基質であることが望ましいこともある。
特定の実施形態では、精製された基質または前駆体−基質は精製された糖であるか、これを含む。本明細書において用語「糖」は一般式Cm(H2O)nを有する炭水化物を意味するように用いられる。精製された糖は天然源から得られ(例えば加工され、抽出され、または純化された天然の糖)、または合成により生産され得る。精製された糖は少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%の純度であってよい。好ましくは、純度レベルは少なくとも90%である。さらにより好ましくは、純度は少なくとも99%である。精製された糖は医用グレード、医用デバイスグレード、または医薬グレードの糖であってよい。糖は、例えば精製されたD−グルコース、ヘキソース、またはD−ガラクトースを含んでよい。例えば、精製された糖は医用グレード、医用デバイスグレード、または医薬グレードのD−グルコース、ヘキソース、またはD−ガラクトースであってよい。
特定の実施形態では、酵素および基質は精製されており、例えば精製されたグルコースオキシダーゼおよび精製されたD−グルコース、好適には医用グレード、医用デバイスグレード、または医薬グレードのグルコースオキシダーゼおよびD−グルコースである。
好ましくは、本発明の組成物は保存安定性がよい。好ましくは、本発明の組成物は、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない。好ましくは、本発明の組成物は前駆体−基質を基質に変換することを可能にするために十分な自由水を含まない。
代替の実施形態では、本発明の組成物は、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含んでよい。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は前駆体基質を基質に変換することを可能にするために十分な自由水を含んでよい。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための精製された基質を含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体基質を含む組成物であって、前駆体基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本明細書において用語「保存安定」は、組成物の希釈の後、抗微生物活性を発生させる能力を保持しながら、少なくとも数日、好ましくは少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも1または2か月、周囲温度で保存できる組成物を意味するように用いられる。好ましい保存温度は37℃未満、好ましくは20〜25℃である。好ましくは組成物は光への曝露がないように保存される。
過酸化水素は一般に周囲温度では不安定である。本発明の保存安定組成物には十分な自由水が存在しないので、酵素が基質を変換して過酸化水素を放出させることが防止され、それにより周囲温度で長期間、組成物の安定性を維持することが助けられる。酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水が存在しなければ、本発明の保存安定組成物はいくらかの水を含んでよい。好適な水の量は組成物の正確な成分によって変動することになる。しかし、典型的には、本発明の保存安定組成物は、好ましくは20%(重量で)未満の全含水量、例えば10%〜19%の水を含む。
本発明の組成物は12%(重量で)またはそれ未満の水を含んでよい。
本発明の組成物は10%(重量で)またはそれ未満の水を含んでよい。
本発明の組成物は5%(重量で)またはそれ未満の水を含んでよい。
本発明の組成物は3%(重量で)またはそれ未満の水を含んでよい。
酵素が基質を変換することを可能にするか、または前駆体−基質の変換を可能にするために十分な自由水を含有しない本発明の組成物については、水は重量で少なくとも20%、または重量で少なくとも30%の量で存在してよい。
好ましくは、本発明の組成物は実質的に過酸化水素を含まないか、検出可能な過酸化水素を含まない。例えば、過酸化水素は、好ましくはQuantofix(登録商標)パーオキサイドテストスティック(Sigma Aldrich、UK)等の過酸化水素テストストリップを使用して検出できない。例えば、過酸化水素は1ppm未満のレベルまたは0.5ppm未満のレベルで存在してよい。過酸化水素は0.1ppm未満のレベルであってよい。
本発明の組成物は、好ましくは溶質である追加の成分を含んでよい。本明細書における「溶質」への言及は、1つまたは複数の溶質を意味する。例えばいくつかの実施形態では、本発明の組成物は複数の溶質を含んでよい。いくつかの実施形態では、組成物は1つの溶質のみを含んでよい。好ましくは、溶質は水に可溶性である。
溶質は基質もしくは前駆体−基質とは異なってよく、またはいくつかの例では基質もしくは前駆体−基質は溶質と同じであってよい。例えば、組成物はフルクトースおよびフルクトースオキシダーゼを含んでよく、フルクトースは溶質であり、酵素のための基質でもある。別の例では、基質はグルコースであってよく、溶質はフルクトースであってよい。
溶質は、好ましくは精製されており、即ち溶質は、溶質が得られまたは生産された際にもともと存在する不純物の少なくともいくつかから分離されている。精製された溶質は天然源から得られ、または合成により生産され得る。精製された溶質は加工され、抽出され、または純化された基質(即ち不純物または望ましくない要素が加工によって除去された溶質)であってよい。
精製された溶質が高レベルの純度を有していることは必ずしも必要または望ましいわけではないかもしれない。いくつかの状況では、比較的低純度の溶質調製物を使用することが望ましいこともある。好適な純度レベルの例には、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%の純度が含まれる。好ましくは、純度レベルは少なくとも90%である。しかし、いくつかの実施形態では、精製された溶質は医用グレード、医用デバイスグレード、または医薬グレードの溶質であることが望ましいこともある。
溶質は炭水化物であってよい。溶質は多糖であってよい。好ましくは、溶質は糖または糖誘導体である。より好ましくは、溶質は糖である。好適な糖には、オリゴ糖、二糖または単糖が含まれる。好ましくは、糖は二糖または単糖である。特に好ましい実施形態では、糖は単糖である。好適な糖には、フルクトース、グルコース、ガラクトース、シュクロース、マルトースが含まれ得る。特に好ましい実施形態では、糖はフルクトースである。
本明細書において用語「糖誘導体」は、ヒドロキシル基以外の1つまたは複数の置換基の付加によって改変された糖を意味するように用いられる。したがって糖誘導体はアミノ糖、酸性糖、デオキシ糖、糖アルコール、グリコシルアミンおよび糖リン酸塩を包含する。例えば、糖誘導体にはグルコース−6−ホスフェートグルコサミン、グルクロネート(glucoronate)、グルコネート、ガラクトサミン、グルコサミン、シアル酸、デオキシリボースフコース、ラムノースグルクロン酸、ポリオール類(例えばソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マニトール、ラクチトールおよびマルチトール)およびシュクラロースが含まれ得る。
本発明の組成物は本明細書に記載するように2つまたはそれより多い溶質を含んでよい。例えば、本発明の組成物は2つまたはそれより多い糖または糖誘導体を含んでよい。組成物は最大2つの溶質、例えば2つの糖もしくは糖誘導体、または最大3つの溶質、例えば3つの糖もしくは糖誘導体を含んでよい。
例えば、本発明の組成物はグルコース、フルクトースおよびシュクロースを含んでよい。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体基質、および少なくとも1つの糖または糖誘導体を含む組成物であって、前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質、および少なくとも2つの糖または糖誘導体を含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体基質、および少なくとも2つの糖または糖誘導体を含む組成物であって、前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
溶質は、好ましくは高い水溶性、例えばグルコースより高い溶解度を有する。グルコースは20℃、1気圧で90g/100g水の溶解度を有する。好ましい実施形態では、溶質は20℃、1気圧で100g/100g水またはそれより高い溶解度を有し、より好ましい実施形態では、溶質は20℃、1気圧で200g/100g水またはそれより高い溶解度を有し、さらにより好ましい実施形態では、溶質は20℃、1気圧で300g/100g水より高い溶解度を有する。
本発明の組成物が溶液である場合、溶液を高濃度の溶質を含むようにすることが可能であり、それにより高い浸透圧または浸透強度が得られ得るので、溶解度の高い溶質が有利であり得る。高い浸透圧または浸透強度を有する組成物は、微生物が利用できる水の量を低減し、または微生物から水を引き離すことができるので、組成物の抗微生物有効性を補助することができ、創傷治癒および創傷デブリードマンを助けることができる。
フルクトースは20℃、1気圧で約375g/100g水の溶解度を有しているので、特に好ましい溶質である。したがって、溶質はフルクトースであってよい。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質、および20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する溶質を含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質、および20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する溶質を含む組成物であって、前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質、および20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する糖または糖誘導体を含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質、および20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する糖または糖誘導体を含む組成物であって、前駆体基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
他の実施形態では、糖または糖誘導体は20℃、1気圧で少なくとも200g/100g水、または20℃、1気圧で少なくとも300g/100g水の溶解度を有してよい。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質、および精製されたフルクトースを含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本発明によれば、精製されたグルコースオキシダーゼ、精製されたグルコース、および精製されたフルクトースを含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物が提供される。
本発明の組成物は、乾燥形態または固体形態であってよい。例えば、組成物は粉末の形態であってよい。
組成物が乾燥形態である場合には、溶質(例えば糖または糖誘導体)は重量で組成物の少なくとも60%であってよい。基質は重量で組成物の少なくとも30%であってよい。
乾燥した組成物は対象に直接、例えば創傷の部位に適用してよい。したがって、創傷部位、または適用の部位に存在する流体は組成物を希釈し、酵素が基質を変換して過酸化水素の産生を開始するために十分な自由水が提供され得る。あるいは、乾燥した組成物が最初に水に添加されて過酸化水素の産生が開始され、次いで対象に適用され得る。
本発明の組成物は溶液または液体の形態でよい。
液体または溶液である本発明の組成物は、重量で少なくとも70%の基質および溶質(例えば溶質は糖または誘導体である)、より好ましくは重量で少なくとも75%の基質および溶質(例えば溶質は糖または誘導体である)、さらにより好ましくは重量で少なくとも80%の基質および溶質(例えば溶質は糖または誘導体である)を含んでよい。例えば好ましい実施形態では、組成物はグルコースおよびフルクトースを含む。好ましくは、グルコースおよびフルクトースは重量で少なくとも80%の総量で存在する。
いくつかの実施形態では、20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水、20℃、1気圧で少なくとも200g/100g水または20℃、1気圧で少なくとも300g/100g水の溶解度を有する溶質は、精製された基質であってよい。したがって、例えば本発明の組成物はフルクトースおよびフルクトースオキシダーゼを含んでよい。
したがって、本発明の組成物は溶質であり基質であるただ1つの糖または糖誘導体と、基質を変換して過酸化水素を発生させる1つの酵素とを含んでよい。
いくつかの実施形態では、20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水、20℃、1気圧で少なくとも200g/100g水または20℃、1気圧で少なくとも300g/100g水の溶解度を有する溶質は、精製された基質と異なってよい。例えば、本発明の組成物はグルコース、グルコースオキシダーゼおよびフルクトースを含んでよい。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質、および20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する溶質を含む液体または溶液である組成物であって、組成物が、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、基質および溶質が重量で組成物の少なくとも70%、より好ましくは重量で少なくとも75%、または最も好ましくは重量で少なくとも80%を提供する、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質、および20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する溶質を含む液体または溶液である組成物であって、組成物が前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、基質および溶質が重量で組成物の少なくとも70%、より好ましくは重量で少なくとも75%、または最も好ましくは重量で少なくとも80%を提供する、組成物が提供される。
他の実施形態では、溶質は20℃、1気圧で少なくとも200g/100g水、またはより好ましくは20℃、1気圧で少なくとも300g/100g水の溶解度を有する。
本発明の組成物が20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水、20℃、1気圧で200g/100g水または20℃、1気圧で300g/100g水の溶解度を有する溶質(例えばフルクトース)を含む場合には、好ましくはその溶質は少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%の量で存在する。精製された基質(例えばグルコース)は本発明の組成物中に、重量で少なくとも20%、好ましくは重量で少なくとも25%、より好ましくは重量で少なくとも30%の量で存在してよい。したがって、1つの例では、溶質(例えばフルクトース)は重量で40〜60%の量で存在し、基質(例えばグルコース)は重量で20〜40%の量で存在する。別の例では、基質(例えばグルコース)は重量で25〜35%の量で存在し、溶質(例えばフルクトース)は重量で45〜55%の量で存在する。
好ましい実施形態では、精製された基質は糖または糖誘導体(例えばグルコース)であり、溶質は糖または糖誘導体(例えばフルクトース)である。
液体または溶液である本発明の組成物は、重量で少なくとも70%の糖または糖誘導体、より好ましくは重量で少なくとも75%の糖または糖誘導体、さらにより好ましくは重量で少なくとも80%の糖または糖誘導体を含んでよい。例えば、好ましい実施形態では、組成物はグルコースおよびフルクトースを含む。好ましくは、グルコースおよびフルクトースは重量で組成物の少なくとも80%の量で存在する。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質を含む液体または溶液である組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、重量で少なくとも70%の糖もしくは糖誘導体、より好ましくは重量で少なくとも75%の糖もしくは糖誘導体、または最も好ましくは重量で少なくとも80%の糖もしくは糖誘導体を含む、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された前駆体−基質を含む液体または溶液である組成物であって、前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、重量で少なくとも70%の糖もしくは糖誘導体、より好ましくは重量で少なくとも75%の糖もしくは糖誘導体、または最も好ましくは重量で少なくとも80%の糖もしくは糖誘導体を含む、組成物が提供される。
好ましくは、組成物は少なくとも2つの糖または糖誘導体(例えばグルコースおよびフルクトースを含む)を含む。組成物は最大で2つの糖または糖誘導体(例えばグルコースおよびフルクトースのみ)を含んでよい。
溶液または液体である本発明の組成物中、水は重量で20%未満であるが、好ましくは重量で10%を超え、より好ましくは重量で15%を超える量で存在してよい。例えば、水は重量で10〜20%の間の量、または重量で10〜20%の量で存在してよい。
本発明の組成物は緩衝剤を含んでよい。好適な緩衝剤の例は50mMolクエン酸/NaOH緩衝剤等のクエン酸/NaOH緩衝剤である。本発明の組成物は5またはそれ未満、例えば3〜5(pH約4等)のpHで緩衝されてよい。あるいは、本発明の組成物は5を超え、例えば6〜8(pH約7等)のpHで緩衝されてよい。
本発明の組成物は20℃で少なくとも5000mPas、より好ましくは20℃で少なくとも7500の動粘度等の粘度を有してよい。本発明の組成物は20℃で5000〜20000mPas、より好ましくは20℃で7500〜12000mPasの粘度を有してよい。粘稠な溶液または液体は高濃度の糖または糖誘導体によって得られ、同様の粘度をハチミツに提供し得る。高粘度は組成物が創傷との接触を保つことを可能にするために有利であり得る。あるいは、粘稠な溶液または液体は、例えば非水溶媒、ポリマーまたは本明細書に記載するハイドロコロイドゲル化剤の存在によって得ることができる。
本発明の組成物は乾燥重量で合わせて少なくとも90%の基質および溶質(好ましくは糖または糖誘導体)を含んでよい。本発明の組成物は乾燥重量で合わせて少なくとも95%の基質および溶質(好ましくは糖または糖誘導体)を含んでよい。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質、および溶質(好ましくは糖または糖誘導体)を含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、乾燥重量で合わせて少なくとも90%の基質および溶質を含む、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質、および溶質(好ましくは糖または糖誘導体)を含む組成物であって、前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、乾燥重量で合わせて少なくとも90%の基質および溶質を含む、組成物が提供される。
本発明の組成物は乾燥重量で少なくとも90%の糖または糖誘導体を含んでよい。本発明の組成物は乾燥重量で少なくとも95%の糖または糖誘導体を含んでよい。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質を含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、乾燥重量で少なくとも90%(好ましくは少なくとも95%)の糖または糖誘導体を含む、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質を含む組成物であって、前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、乾燥重量で少なくとも90%(好ましくは少なくとも95%)の糖または糖誘導体を含む、組成物が提供される。
本発明の組成物は乾燥重量で少なくとも60%の溶質(例えば糖または糖誘導体)を含んでよい。基質は乾燥重量で組成物の少なくとも30%であってよい。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質、および溶質(好ましくは糖または糖誘導体)を含む組成物であって、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、乾燥重量で少なくとも60%の溶質および/または乾燥重量で少なくとも30%の基質を含む、組成物が提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質、および溶質(好ましくは糖または糖誘導体)を含む組成物であって、前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まず、乾燥重量で少なくとも60%の溶質および/または乾燥重量で少なくとも30%の前駆体−基質を含む、組成物が提供される。
前駆体−基質を含む本発明の組成物については、組成物は、好ましくは前駆体−基質を酵素のための基質に変換するための1つまたは複数の精製された酵素を含む。しかし、いくつかの実施形態では、前駆体−基質は必ずしも酵素によって基質に変換されなくてもよい。例えばいくつかの前駆体基質については、水の添加が変換に十分であることもある。あるいはまたはさらに、本発明の組成物は非酵素触媒を含んでよい。
したがって、前駆体−基質を含む本発明の組成物は、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる第1の酵素、および前駆体−基質を第1の酵素のための基質に変換することができる第2の酵素を含んでよい。
前駆体−基質は、好ましくは多糖、または糖、例えば二糖、または糖誘導体等の炭水化物である。
例えば、前駆体−基質はシュクロースであってよく、第1の酵素はグルコースオキシダーゼであってよく、第2の酵素はインベルターゼであってよい。
別の例では、前駆体−基質はマルトースであってよく、第1の酵素はグルコースオキシダーゼであってよく、第2の酵素はマルターゼであってよい。
前駆体−基質を含む本発明の組成物は、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素(好ましくは精製された酵素)および前駆体−基質を第1の酵素のための基質に変換することができる少なくとも2つの酵素(例えば第2および第3の酵素、好ましくは精製された酵素)を含んでよい。
例えば、前駆体−基質はデンプンであってよく、第1の酵素はグルコースオキシダーゼであってよく、第2および第3の酵素はアミラーゼおよびマルターゼであってよい。
例えば、前駆体−基質はセルロースであってよく、第1の酵素はグルコースオキシダーゼであってよく、第2および第3の酵素はセルロースおよびベータ−グルコシダーゼであってよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、酵素によって変換されて過酸化水素を発生させることができる基質と、基質に変換することができる前駆体−基質の両方を含んでよい。基質と前駆体基質とを合わせた重量は、乾燥重量で組成物の少なくとも30%であってよい。基質と前駆体−基質と溶質とを合わせた乾燥重量は、組成物の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%であってよい。
本発明の組成物は、好ましくは実質的に酸化亜鉛を含有しない。本発明の組成物は、好ましくは本質的に酸化亜鉛を含有しない。
本発明の組成物は、好ましくは実質的にカタラーゼを含有する。本発明の組成物は、好ましくは本質的にカタラーゼを含有する。
本発明の組成物は、好ましくは実質的にペルオキシダーゼを含有しない。本発明の組成物は、好ましくは本質的にペルオキシダーゼを含有しない。
本発明の組成物は液体の粘度を増大させ、その他の特性を実質的に変化させない増粘剤またはゲル化剤を含んでよい。好適なゲル化剤または増粘剤には、ヒドロキシエチルセルロースまたはハイドロコロイドが含まれる。
本発明の組成物は、好ましくは純化されていない物質を含まない。本明細書において用語「純化されていない」は、純粋な形態に加工されていない物質を意味するように用いられる。純化されていない物質には、例えば乾燥または煮沸によって濃縮されていてもよい物質が含まれる。
本発明の組成物は、好ましくは天然源からの1つまたは複数の基質(本明細書で「天然物質」と称する)を含まない。天然物質の例には、樹液、根、花蜜、花、種、果実、葉、または芽からのものを含む植物源からの物質が含まれる。
好ましくは、本発明の組成物は純化されていない天然物質を含まない。例えば、本発明の組成物は、好ましくはハチミツを含まない。
本発明の組成物は少なくとも1つの好適な抗微生物もしくは免疫刺激成分、賦形剤もしくはアジュバント、または抗微生物活性を発生させる能力を提供するために望まれる任意の他の好適な成分を含んでよい。しかし、好ましくは、組成物は抗生物質を何ら含まない。
本発明の組成物は抗生物質を含んでよい。好適な抗生物質はコアモキシクラブであり得る。本発明の組成物をコアモキシクラブ等の抗生物質とともに投与することによって、バイオフィルム、例えばNTHiを含むバイオフィルムの処置等において相乗効果が得られ得る。
本発明によれば、感染(バイオフィルムを含む感染等)の処置における使用のための本明細書で定義した組成物であって、抗生物質とともに投与される、組成物が提供され得る。感染にはHaemophilus influenza(例えば分類不能型haemophilus influenza、NTHi)が含まれ得る。抗生物質はコアモキシクラブであってよいが、他の抗生物質も使用できる。投与は組合せ、同時、または逐次的であってよい。
本発明によれば、本発明の組成物と、別々に抗生物質(例えばコアモキシクラブ)とを含むキットが提供される。
本発明の組成物はポリマーを含んでよい。組成物中のポリマーは、任意の食品医薬品局承認(FDA承認)ポリマー等の任意の医療用に許容されるポリマーであってよい。
いくつかの実施形態では、ポリマーは合成ポリマーであってよい。いくつかの実施形態では、ポリマーは天然ポリマーである。
任意選択で、ポリマーは水溶性である。ポリマーは有機溶媒または非水溶媒に可溶性であってよい。ポリマーは水性溶媒および非水溶媒の混合物に可溶性であってよい。ポリマーは生物分解性または生物侵食性であってよい。ポリマーはコポリマーであってよい。
いくつかの実施形態では、ポリマーはポリエチレンオキシド(またはポリエチレングリコール)、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンから選択される。
他のポリマーにはポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンまたはポリマー性界面活性剤が含まれ得る。別の好適なポリマーはホスフィノカルボン酸(PCA)であり得る。
さらなるポリマーにはセルロース(これにはヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース等の誘導体が含まれる)等の多糖類、アルギネート、ゼラチンまたはシクロデキストリンが含まれ得る。好適なポリマーにはキトサンまたはヒアルロン酸も含まれ得る。
本発明の組成物は重量で50%、25%、10%または5%までのポリマーを含んでよい。例えば、組成物は重量で0.5〜3%のポリマーを含んでよい。任意選択で、ポリマーは重量で組成物の0.5〜50%であってよい。
本発明の組成物は電界紡糸可能であってよい。
本発明によれば、本発明の電界紡糸可能な組成物を電界紡糸するステップを含む、繊維を生産する方法も提供される。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、およびi)酵素のための精製された基質、またはii)酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体基質を含む繊維、好ましくはナノ繊維が提供される。繊維は、好ましくは、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない。繊維は本明細書に記載する1つまたは複数の溶質を含んでよい。
本発明によれば、本発明の1つまたは複数の繊維を含む創傷被覆材またはナノ繊維マットも提供される。
電界紡糸可能な組成物は溶液であってよい。溶液中の溶媒は水であってもよく、水を含んでもよい。溶媒は水性溶媒および/または有機溶媒等の非水溶媒を含んでよい。
電界紡糸可能な組成物は1つまたは複数の電界紡糸可能な成分を含んでよい。本発明の繊維または被覆材の形成を促進する任意の電界紡糸可能な成分が好適であり得る。好ましくは、1つまたは複数の電界紡糸可能な成分は電界紡糸可能なポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリマーは合成ポリマーであってよい。いくつかの実施形態では、ポリマーは天然ポリマーである。いくつかの実施形態では、電界紡糸可能なポリマーはポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンから選択される。他のポリマーにはポリカプロラクトンまたはホスフィノカルボン酸(PCA)が含まれ得る。
電界紡糸可能な成分は、好ましくは生体親和性である。任意選択で、電界紡糸可能な成分は水溶性である。電界紡糸可能な成分は有機溶媒または非水溶媒に可溶性であってよい。電界紡糸可能な成分は水性溶媒および非水溶媒の混合物に可溶性であってよい。好適な非水溶媒はグリセロール、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールまたはプロピレングリコールであってよく、これらを含んでもよい。
電界紡糸可能な組成物は電界紡糸可能な成分を重量で50%、25%、10%または5%まで含んでよい。任意選択で、電界紡糸可能な成分は重量で組成物の1〜50%であってよい。電界紡糸可能な成分は純化されていない天然物質を重量で30%、20%または10%まで含んでよい。
電界紡糸可能な成分と溶媒の相対量は、繊維の特性を変化させるために変動してもよいことが認識されよう。
電界紡糸可能な成分から形成された繊維は、純化されていない天然物質を重量で80%まで含んでよい。繊維は電界紡糸可能な成分を重量で20%またはそれより多く含んでよい。
本発明の組成物は塩を含んでよい。あるいは、塩を組成物の残りの成分と分離してキットの中に提供してもよい。したがって、本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素および酵素のための基質を含む物質を含む抗微生物活性を発生させるための組成物と、別々に塩とを含むキットも提供される。キットは例えばキットの成分の混合、ならびに微生物感染を処置するためのそれらの使用のための使用説明書をさらに含んでよい。
塩は乾燥形態または水溶液で提供してよい。塩は塩化ナトリウムを含んでよい。
乾燥形態の組成物は、例えば1:2〜5:1、または2:3〜3:2の、抗微生物活性を発生させるための組成物の塩に対する比を含んでよい。
組成物は、重量で例えば1〜99%、1〜80%、1〜70%、1〜60%、1〜50%、1〜40%、1〜30%、1〜20%、または1〜10%の抗微生物活性を発生させるための組成物を含んでよい。
組成物は、重量で例えば1〜99%、1〜80%、1〜70%、1〜60%、1〜50%、1〜40%、1〜30%、1〜20%、または1〜10%の塩を含んでよい。
組成物は水性混合物として提供してよい。水性混合物は等張または高張混合物であってよい。水性混合物は、例えば0.1〜20%w/vの塩、好適には0.25〜10%、0.25〜10%、0.25〜5%、0.25〜3%、0.5〜10%、0.5〜5%、または0.5〜3%、例えば0.9%w/vの塩を含んでよい。水性混合物は、例えば1〜300%、1〜250%、1〜200%、1〜150%、1〜100%、1〜50%、1〜40%、1〜30%、1〜20%、または1〜10%w/vの抗微生物活性を発生させるための組成物を含んでよい。水性混合物は、例えば10〜300%、10〜250%、10〜200%、10〜150%、10〜100%、10〜50%、10〜40%、10〜30%、または10〜20%w/vの抗微生物活性を発生させるための組成物を含んでよい。水性混合物は、例えば50〜300%、50〜250%、50〜200%、50〜150%、または50〜100%w/vの抗微生物活性を発生させるための組成物を含んでよい。水性混合物は、例えば0.1〜20%、0.1〜10%、0.1〜5%、0.1〜1%w/vの重炭酸ナトリウムを含んでよい。
本発明の組成物、例えば塩を含む組成物は、例えば鼻の微生物感染、副鼻腔炎、鼻炎、CRS、鼻アレルギー、風邪もしくはインフルエンザ症状、鼻詰まり、または乾燥を予防しまたは処置するための鼻洗剤として使用され得る。本発明の組成物は微生物感染、例えばバイオフィルム、またはバイオフィルムを形成することができる微生物を含む微生物感染を予防しまたは処置するために使用され得る。バイオフィルムを含む微生物感染は鼻の微生物感染であってよく、またはバイオフィルムを形成することができる微生物は鼻の微生物感染の部分であってよい。
本発明の組成物または混合物を鼻洗剤として使用するためには、重力を助けとしてこれを一方の鼻孔に滴下して他方から流出させることができ、その間、呼吸のために口を開けたままにしておく。あるいは、洗浄を促進するためにある形態の陽圧を適用してもよい。例えば、任意選択で鼻孔に適合する特別のチップを有する可撓性のプラスチック製ボトルを絞って鼻腔を流れる混合物に陽圧をかけることができ、その間、呼吸しつつ液体が喉を流下することを防ぐために口を常に開けたままにしておく。電動モーターで駆動されるポンプを利用する潅流器も使用可能である。圧力を適用するいくつかの鼻潅流システムは、使用済みの塩水溶液が鼻腔に逆流することを防止するための逆止弁を有している。
本発明の組成物または混合物は、ネチポット、即ち鼻洗剤を投与するために使用される容器で提供され得る。ネチポットは典型的には金属、ガラス、セラミックまたはプラスチックで作られている。これらは外鼻腔を洗浄するため、ヘッドの位置決めおよび繰り返し実施とともに重力に頼っている。典型的にはこれらは底の付近にスパウトが取り付けられており、時には反対側にハンドルがある。
本発明の組成物は非水溶媒を含んでよい。非水溶媒を含む本発明の組成物において、非水溶媒にはエタノール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、エチレングリコールまたはプロピレングリコールが含まれ得る。好ましくは、非水溶媒はグリセロールであるか、グリセロールを含む。グリセロールは保湿剤として作用することができ、したがってグリセロールを含む組成物は乾燥した皮膚を軟化しまたは湿潤化することを助けることができる。
種々の非水溶媒の溶解度パラメーターおよび粘度パラメーターを以下の表に示す。
好ましい実施形態では、非水溶媒は以下の表に例示する非水溶媒の範囲内の溶解度パラメーターを有するように選択してよい。例えば、δt/MPa1/2は26〜50、例えば26.5〜47.8であってよい。δd/MPa1/2は15〜19、例えば15.6〜18.1であってよい。δp/MPa1/2は8〜16、例えば8.8〜16であってよい。δh/MPa1/2は10〜45、例えば10.2〜42.3であってよい。
非水溶媒は所望の粘度によって選択してよい。例えば、大きな粘度が望ましい場合には、グリセロールが好ましいことがある。
非水溶媒を含む組成物の好ましい実施形態では、組成物は重量で少なくとも10%の非水溶媒を含んでよい。他の実施形態では、組成物は重量で少なくとも20%の非水溶媒を含んでよい。他の実施形態では、組成物は重量で少なくとも25%の非水溶媒を含んでよい。他の実施形態では、組成物は重量で少なくとも50%の非水溶媒を含んでよい。いくつかの実施形態では、組成物は重量で少なくとも75%の非水溶媒を含んでよい。水性溶媒の量は組成物の意図された用途によって変動し得る。例えば、スプレー可能な組成物、または抗菌ワイプとともに使用するための組成物は、組成物がより低い粘度を有するように、より高レベルの非水溶媒を含んでよい。いくつかの実施形態では、組成物中の非水溶媒の量は重量で50〜90%であってよい。
いくつかの適用のためには、創傷被覆材の形成における使用のための組成物等、非水溶媒の量が少ない組成物を有することが望ましい場合がある。したがって、いくつかの組成物は最大量の非水溶媒を含んでよい。組成物中の非水溶媒の最大量は重量で50%またはそれ未満であってよい。いくつかの実施形態では、組成物中の非水溶媒の量は重量で1〜50、5〜50または10〜50%であってよい。
本発明の組成物が布帛等の基質を被覆するために使用される場合には、組成物の重量は、好ましくは基質1平方mあたり少なくとも100gである。他の実施形態では、組成物の重量は基質1平方mあたり少なくとも200gであってよい。他の実施形態では、組成物の重量は基質1平方mあたり少なくとも300gであってよい。
本発明の組成物は、典型的には酵素が基質を変換すること、または前駆体−基質を基質に変換することを可能にすることが期待され得る量の水を含んでよい。例えば、本発明の組成物は重量で20%より多い水、または重量で30%より多い水を含んでよい。しかし、いくつかの実施形態では、この水は、非水溶媒が水に結合するか、閉じ込め得るので、酵素が基質を変換することを可能にするためには使用できないか、自由にはできない場合がある。したがって非水溶媒は保湿剤として作用することができる。非水溶媒または保湿剤は組成物の水の活量(aw)を低下させ得る。
したがって、本発明の組成物は保湿剤を含んでよい。いくつかの実施形態では、保湿剤は非水溶媒ではない。しかし、好ましい実施形態では、保湿剤は非水溶媒である。
粘稠な組成物はその適用範囲を限定することがある。組成物中の非水溶媒または保湿剤の含有によって組成物の粘度が低下することがあり、例えば組成物が容易にスプレー可能であるべき場合には低粘度の組成物の方が有利であり得る。本発明の組成物に好適な粘度は、20℃で100mPa.sまたはそれ未満であってよい。いくつかの実施形態では、好適な粘度は20℃で75mPa.sまたはそれ未満であってよい。いくつかの実施形態では、好適な粘度は20℃で50mPa.sまたはそれ未満であってよい。
本発明の組成物中の保湿剤または非水溶媒、および追加の水の相対量は、組成物が、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まないように選択してよい。そのような組成物がさらなる水と接触すると、例えば組成物が希釈された場合、または組成物が創傷からの流体と接触した場合、酵素が基質を変換して過酸化水素を産生させるために十分な自由水が存在することがある。
本発明の組成物中、水の活量(aw)は0.6未満、好ましくは0.5未満であってよい。
保湿剤または非水溶媒を含む本発明の組成物中、保湿剤または非水溶媒の量は重量で少なくとも30%であってよい。他の実施形態では、保湿剤または非水溶媒の量は重量で少なくとも40%であってよい。いくつかの実施形態では、保湿剤または非水溶媒の量は重量で少なくとも50%であってよい。保湿剤または非水溶媒の量は重量で75%またはそれ未満であってよい。保湿剤または非水溶媒の量は重量で60%またはそれ未満であってよい。いくつかの実施形態では、保湿剤または非水溶媒の量は重量で30〜75%または40〜60%であってよい。
本発明の組成物は止血剤または血液凝固剤を含んでよい。例えば、本発明の組成物はフィブリノーゲンまたはトロンビン等の1つまたは複数の血液凝固因子を含んでよい。本発明の組成物はキチン等の他の天然産生止血剤を含んでよい。
あるいは、またはさらに、本発明の組成物はそれぞれに複数のフィブリノーゲン結合ペプチドが固定化された担体を含む薬剤等の合成止血剤を含んでよい。そのような薬剤にはWO2008/065388およびWO2015/104544に記載されたものが含まれ得、これらはトロンビンの非存在下でフィブリノーゲンと接触してバイオゲルを形成することができる。
本発明の組成物は親油性相および水相を含んでよい。
本発明の組成物はコロイドまたは懸濁液の形態であってよい。
本明細書において用語「コロイド」は、第2の物質にわたって分散した1つの物質の大分子または超顕微鏡粒子からなる均一な非結晶性物質を意味するように用いられる。コロイドにはゲル、ゾル、およびエマルジョンが含まれる。粒子は沈降せず、懸濁液中の粒子のように通常の濾過または遠心分離によって分離することはできない。
本明細書において用語「懸濁液」は、物質の小粒子が液体中にわたって分散した混合物を意味するように用いられる。懸濁液を静置しておくと、粒子は底に沈降しやすくなる。懸濁液中の粒子はコロイドまたは溶液中の粒子より大きい。
本発明の組成物はエマルジョンの形態であってよい。本明細書において用語「エマルジョン」は、溶解または混和しない別の液体中の1つの液体の小滴の微細な分散液を意味するように用いられる。本発明のエマルジョンは油と水のエマルジョン、特に水中油エマルジョン、または油中水エマルジョンであってよい。組成物はマイクロエマルジョンであってよい。
本発明によれば、第1相(または第1の液体、もしくは第1の成分)および第2相(または第2の液体、もしくは第2の成分)、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、ならびに酵素のための精製された基質を含む組成物が提供される。
本発明によれば、第1相(または第1の液体、もしくは第1の成分)および第2相(または第2の液体、もしくは第2の成分)、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、ならびに酵素のための基質に変換することができる前駆体−基質を含む組成物が提供される。
第1相と第2相は非混和性でよい。例えば、第1相は第2相より低極性でよい。第1相は親油性相または疎水性相、例えば油等の非極性相であってよい。第2相は水相等の極性相であってよい。第2相は非水溶媒を含んでよい。第2相の液滴またはミセルは第1相の中に分散していてよい。
好ましくは、第1相および第2相を含む組成物は、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない。
本発明によれば、親油性相、水相、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための精製された基質を含む組成物が提供される。
本発明によれば、親油性相、水相、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質を含む組成物が提供される。
本発明によれば、油、エマルシファイヤー、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素、および酵素のための精製された基質を含む組成物が提供される。
本発明によれば、油、エマルシファイヤー、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素、および酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質を含む組成物が提供される。
第2相は水および/または非水溶媒を含んでよい。組成物の酵素および物質は水および/または非水溶媒に溶解してよい。
いくつかの実施形態では、第2相は水を含んでいなくてもよく、または実質的に水を含んでいなくてもよいことが考えられる。そのような状況では、第2相は非水と記述してもよい。例えば、酵素および酵素のための基質を含む物質を非水溶媒に溶解させてもよい。非水溶媒は第1相、例えば親油性相に対して非混和性であってよい。
いくつかの実施形態では、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素および酵素のための基質を含む物質は、第1相、例えば親油性相の中に分散したミセルの中に含有されていてよい。
いくつかの組成物では、組成物は二重エマルジョンの形態であってよい。例えば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素および酵素のための基質を含む物質を含有する液滴は親油性相の小球(例えば油の小球)の中に分散していてよく、小球は水相の中に分散していてよい。そのような二重エマルジョンは水中油中水型(W/O/W)エマルジョンと称し得る。
本発明の組成物は乳化剤(またはエマルシファイヤー)をさらに含んでよい。エマルジョンは、エマルジョン界面における表面活性剤(乳化剤)の吸着によって安定化され得る。乳化剤は界面張力を低下させ、液滴を分散状態に保つ。乳化剤は親水性部分と親油性部分とを有する。水と組み合わせた特定の製剤について物理的に最も安定なエマルジョンを産生するために必要な乳化剤の相対量を計算することが可能である。このアプローチは親水性−親油性バランス(HLB)方法と呼ばれる(「The HLB SYSTEM a time-saving guide to emulsifier selection」、ICI Americas Inc.、Wlimington、Delaware 19897、1976年、1980年改訂)。それぞれの乳化剤には分子の親油性部分と親水性部分の相対的特性を表すHLB数が割り当てられる。大きな数(理論値である20まで)は主として親水性または極性を示す乳化剤を示し、小さな数は親油性または非極性の特徴を表す。HLBシステムによれば、全ての油脂は必要なHLBを有する。最適の性能を有するエマルジョンはHLBの要求を乳化剤のHLB値と一致させることによって得ることができる。水中油エマルジョンについては、油相がより極性になれば乳化剤はより極性でなければならない。例えば、HLBシステムによって要求されるHLBが7である大豆油を乳化するには、HLBが7±1の乳化剤または乳化剤のブレンドを使用する必要がある。乳化剤のHLBは試行錯誤によって計算しまたは決定することができる。
したがって、安定な製品を保証するために、本発明の組成物の親油性相は特定のHLB数を有する乳化剤を必要とし得る。本発明の組成物の親油性相は油またはワックスを含んでよい。本発明の組成物の親油性相における使用のための油およびワックスの例(化粧品成分国際命名法、INCIの名称で)(それぞれの要求されるHLBとともに)には以下が含まれる。
Aleurites Moluccana種油[7]
アーモンド油NF[6]
無水ラノリンUSP[10]
アプリコット仁油[7]
アボカド(Persea Gratissima)油[7]
ババス油[8]
ビーズワックス[12]
ルリヂサ(Borago Officinalis)種油[7]
ブラジルナッツ油[8]
C12〜15アルキルベンゾエート[13]
Cannabis Sativa種油[7]
キャノーラ油[7]
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド[5]
ニンジン(Daucus Carota Sativa)種油[6]
ヒマ(Ricinus Communis)油[14]
セレシン[8]
セテアリルアルコール[15.5]
セチルアルコール[15.5]
セチルエステル類[10]
セチルパルミテート[10]
ココナツ油[8]
Daucus Carota Sativa(ニンジン)根抽出物[6]
ジイソプロピルアジペート[9]
ジメチコン[5]
ドッグローズ(Rosa Canina)ヒップス油[7]
エミュー油[8]
月見草油[7]
ブドウ(Vitis Vinifera)種油[7]
ハイブリッドサフラワー(Carthamus Tinctorius)油[9]
イソプロピルミリステート[11.5]
イソプロピルパルミテート[11.5]
ホホバ(Buxus Chinensis)油[6.5]
ラノリン[10]
マカデミア(Ternifolia)ナッツ油[7]
Mangifera Indica(マンゴ)種バター[8]
鉱物油[10.5]
ミリスチルミリステート[8.5]
オリーブ(Olea Europaea)油[7]
Oryza Sativa(コメぬか)油[7]
ピーナツ油NF[6]
ペトロラタム[7]
PPG−15ステアリルエーテル[7]
レチニルパルミテート[6]
サフラワー(Carthamus Tinctorius)油[8]
ゴマ(Sesamum Indicum)油[7]
シアバター(Butyrospermum Parkii)[8]
大豆(Glycine Soja)油[7]
ステアリン酸[15]
ステアリルアルコール[15.5]
ヒマワリ(Helianthus Annus)油[7]
スイートアーモンド(Prunus Amygdalus Dulcis)油[7]
Theobroma Cacao(ココア)種バター[6]
トコフェロール[6]
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の親油性相はビーズワックスを含む。
いくつかの実施形態では、親油性相は油である。いくつかの実施形態では、油はオリーブ油、コーン油、植物油、ヒマワリ油またはパラフィン油から選択される。好ましい実施形態では、油はオリーブ油であってよい。別の好ましい実施形態では、油はパラフィン油であってよい。
本発明の組成物における使用のための油中水乳化剤は3〜6の範囲のHLB値を有してよい。本発明の組成物における使用のための水中油乳化剤は8〜18の範囲のHLB値を有してよい。本発明の組成物における使用のための乳化剤の例(INCIの名称で)(そのHLB数とともに)には以下が含まれる。
カルシウムステアロイルラクチレート[HLB=5.1±1]
Ceteareth−20[HLB=15.2±1]
セテアリルグルコシド[HLB=11±1]
Ceteth−10[HLB=12.9±1]
Ceteth−2[HLB=5.3±1]
Ceteth−20[HLB=15.7±1]
コカミドMEA[HLB=13.5±1]
グリセリルラウレート[HLB=5.2±1]
グリセリルステアレート[HLB=3.8±1]
グリセリルステアレート(および)PEG−100ステアレート[HLB=11±1]
グリセリルステアレートSE[HLB=5.8±1]
グリコールジステアレート[HLB=1±1]
グリコールステアレート[HLB=2.9±1]
Isoceteth−20[HLB=15.7±1]
Isosteareth−20[HLB=15±1]
ラウラミドDEA[HLB=15±1]
Laureth−23[HLB=16.9±1]
Laureth−4[HLB=9.7±1]
レシチン[HLB=4±1]
レシチン[HLB=9.7±1]
リノレアミドDEA[HLB=10±1]
メチルグルコースセスキステアレート[HLB=6.6±1]
Oleth−10[HLB=12.4±1]
Oleth−10/ポリオキシル10オレイルエーテルNF[HLB=12.4±1]
Oleth−2[HLB=4.9±1]
Oleth−20[HLB=12.4±1]
Oleth−20[HLB=15.3±1]
PEG−100ステアレート[HLB=18.8±1]
PEG−20アーモンドグリセリド[HLB=10±1]
PEG−20メチルグルコースセスキステアレート[HLB=15±1]
PEG−25水素化ヒマ油[HLB=10.8±1]
PEG−30ジポリヒドロキシステアレート[HLB=5.5±1]
PEG−4ジラウレート[HLB=6±1]
PEG−40ソルビタンペルオレエート[HLB=9±1]
PEG−60アーモンドグリセリド[HLB=15±1]
PEG−8ラウレート[HLB=13±1]
PEG−80ソルビタンラウレート[HLB=19.1±1]
ポリソルベート20[HLB=16.7±1]
ポリソルベート60[HLB=14.9±1]
ポリソルベート80[HLB=15±1]
ポリソルベート85[HLB=11±1]
ステアロイル乳酸ナトリウム[HLB=8.3±1]
ソルビタンイソステアレート[HLB=4.7±1]
ソルビタンラウレート[HLB=8.6±1]
ソルビタンオレエート[HLB=4.3±1]
ソルビタンセスキオレエート[HLB=3.7±1]
ソルビタンステアレート[HLB=4.7±1]
ソルビタンステアレート(および)シュクロースココエート[HLB=6±1]
ソルビタントリオレエート[HLB=1.8±1]
ステアルアミドMEA[HLB=11±1]
Steareth−2[HLB=4.9±1]
Steareth−21[HLB=15.5±1]
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の乳化剤はレシチンを含む。
乳化剤にはイオン性および非イオン性界面活性剤、ならびに親油性脂肪両親媒性化合物(例えば脂肪アルコールまたは脂肪酸)が含まれる。非イオン性界面活性剤はアニオン性またはカチオン性界面活性剤よりも皮膚刺激が少ない可能性があるので好ましい場合がある。
他の好適な乳化剤の例には、界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム、セトリミド、セトマクロゴール1000、PEG1000モノステアレート、トリエタノールアミンステアレート、ステアリン酸ナトリウム、脂肪両親媒性化合物:セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、グリセリルモノステアレート、ステアリン酸、ホスファチジルコリンが含まれる。
市販の乳化ワックスの例には、乳化ワックスBP(セトステアリルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、乳化ワックスUSNF(セチルアルコール、ポリソルベート)、カチオン性乳化ワックスBPC(セトステアリルアルコール、セトリミド)、グリセリルモノステアレートS.E.(グリセリルモノステアレート、ステアリン酸ナトリウム)、セトマクロゴール乳化ワックスBPC(セトステアリルアルコール、セトマクロゴール1000)、Polawax(セチルアルコール、非イオン性界面活性剤)、レシチン(ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸)が含まれる。
本発明の組成物における使用のための界面活性剤には、TWEEN(例えばTWEEN80)、SPAN(例えばSPAN80)、Poloxamer(例えばPoloxamer407)およびポリグリセロールポリリシンオレエート(PGPR)の1つまたは複数が含まれてよい。好ましい界面活性剤はPoloxamer407等のPoloxamerであってよい。別の好ましい界面活性剤はPGPRであってよい。
界面活性剤は界面活性ポリマー、またはコポリマーを含んでよい。例えば、好適な界面活性剤は、中央の疎水性ブロックとその両側の2つの親水性ブロックからなるトリブロックコポリマーであってよい。
本発明の組成物は非水溶媒を含んでよい。非水溶媒は15を超える誘電定数を有する溶媒等の極性溶媒であってよい。非水溶媒は有機溶媒であってよい。例えば、溶媒はグリセロール、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールであるか、これらを含んでよい。非水溶媒は第1相、例えば親油性相(油等)に対して非混和性であってよい。
好ましい実施形態では、非水溶媒はグリセロールであるか、グリセロールを含んでよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物はミセル、好ましくは逆ミセルを含んでよい。それぞれのミセルの中には酵素および物質(これはハチミツ等の純化されていない天然物質を含んでよい)が存在してよく、ミセルの外側には第1相、例えば親油性相(油等)が存在してよい。それぞれの逆ミセルの中には、水および/または非水溶媒も存在してよい。それぞれのミセルの中には、酵素が基質を変換するために十分な水は存在しなくてよい。
本発明の組成物は癒合を低減することを助け得るさらなる成分を含んでよい。癒合は、2つまたはそれより多い液滴またはミセルが合体して単一の液滴またはミセルを形成する状況を説明する。癒合を低減または防止するために、界面フィルム、即ち親油性相と水相との間の界面の強度が強化され得る。これは、例えば両親媒性ポリマーを含む界面活性剤の濃度を高めること、および/または5〜7個の炭素原子を有する脂肪族アルコール等のアルコールを加えることによって達成され得る。
局所的適用のための本発明の組成物は、例えばクリーム、ローション、またはリップバームの形態であってよい。
本明細書において用語「クリーム」は、局所使用のための水中油、または油中水の半固体エマルジョンを意味するように用いられる。水中油(o/w)クリームは連続した水相の中に分散した油の小滴から構成され、油中水(w/o)クリームは連続した油相の中に分散した水の小滴から構成される。水中油クリームはグリース状でなく、水を使用して容易に洗い流せる。油中水クリームは油性のバリアを提供して皮膚の最外層からの水の損失を低減するので、より湿潤化できる。
用語「クリーム」は、第1相の液滴が連続した第2相の中に分散した、または第2相の液滴が連続した第1相の中に分散した半固体エマルジョンも意味する場合がある。例えば、第1相は第2相より極性が低くてよい。第1相は親油性相または疎水性相、例えば油等の非極性相であってよい。第2相は水相等の極性相であってよい。第2相は非水溶媒を含んでよい。第2相は水および/または非水溶媒を含んでよい。いくつかの実施形態では、第2相が水を含まず、または実質的に水を含まない場合があることが考えられる。そのような状況では、第2相は非水と記述され得る。非水溶媒は第1相、例えば親油性相に対して非混和性であってよい。
本明細書において用語「ローション」は、局所的適用のための液体懸濁液またはエマルジョンを意味するように用いられる。ローションは懸濁剤および/もしくは表面活性剤によって懸濁液中に、または1つもしくは複数の表面活性剤によって安定化されたエマルジョン(特に水中油エマルジョン)中に保持された、微細に粉末化された不溶性固体を含んでよい。ローションはクリームよりも低い粘度を有する。
本明細書において用語「リップバーム」は、口唇に局所適用して、ひび割れたまたは乾燥した唇を湿潤化および緩和するワックス様物質を意味するように用いられる。リップバームは、他の成分の中でも例えばビーズワックスまたはカルナウバワックス、樟脳、セチルアルコール、ラノリン、パラフィン、およびペトロラタムを含んでよい。
本発明の組成物中の親油性相の水相に対する比、または第1相の第2相に対する比は、9:1〜1:9、8:1〜1:8、7:1〜1:7、6:1〜1:6、5:1〜1:5、4:1〜1:4、3:1〜1:3、または2:1〜1:2(v/v)、例えば4:1〜1:4であってよい。
本発明の組成物は5〜95%、10〜95%、15〜95%、20〜95%、25〜95%、30〜95%、35〜95%、40〜95%、45〜95%、50〜95%、55〜95%、60〜95%、65〜95%、70〜95%、75〜95%、80〜95%、85〜95%、または90〜95%(v/v)の親油性相、または第1相(存在する任意の乳化剤を含む)を含んでよい。
あるいは、本発明の組成物は5〜95%、5〜90%、5〜85%、5〜80%、5〜75%、5〜70%、5〜65%、5〜60%、5〜55%、5〜50%、5〜45%、5〜40%、5〜35%、5〜30%、5〜25%、5〜20%、5〜15%、または5〜10%(v/v)の親油性相、または第1相(存在する任意の乳化剤を含む)を含んでよい。
本発明の組成物は5〜95%、10〜95%、15〜95%、20〜95%、25〜95%、30〜95%、35〜95%、40〜95%、45〜95%、50〜95%、55〜95%、60〜95%、65〜95%、70〜95%、75〜95%、80〜95%、85〜95%、または90〜95%(v/v)の水相、または第2相を含んでよい。
あるいは、本発明の組成物は5〜95%、5〜90%、5〜85%、5〜80%、5〜75%、5〜70%、5〜65%、5〜60%、5〜55%、5〜50%、5〜45%、5〜40%、5〜35%、5〜30%、5〜25%、5〜20%、5〜15%、または5〜10%(v/v)の水相、または第2相を含んでよい。
本発明の組成物は1〜60%、1〜50%、1〜40%、1〜30%、1〜20%、または1〜10%(w/v)の物質、例えばハチミツを含んでよい。
本発明の組成物は1〜60%、5〜60%、10〜60%、15〜60%、20〜60%、25〜60%、30〜60%、35〜60%、40〜60%、45〜60%、または50〜60%(w/v)の物質、例えばハチミツを含んでよい。
本発明の組成物は、組成物1グラムあたり1〜1500単位、15〜1500単位、30〜1500単位、50〜1500単位、100〜1500単位、1〜685単位未満、15〜685単位未満、30〜685単位未満、50〜685単位未満、100〜685単位未満、500〜1000単位、685〜1000単位、または100〜500単位の酵素、好ましくはグルコースオキシダーゼを含んでよい。
本発明の組成物は85%以下の水、例えば80%、70%、60%、50%、40%、30%、もしくは20%以下の水、または20%未満の水、例えば10〜19%の水を含んでよい。本発明の組成物は20%(w/w)未満の水を含んでよい。本発明の組成物は15%(w/w)未満の水を含んでよい。本発明の組成物は12%(w/w)未満の水を含んでよい。
本発明の組成物は10〜60%(w/w)の非水溶媒を含んでよい。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は20〜50%(w/w)の非水溶媒を含んでよい。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は35〜40%(w/w)の非水溶媒を含んでよい。
本発明の組成物は10〜40%(w/w)の第1相、例えば親油性相(油等)を含んでよい。組成物は20〜30%(w/w)の第1相、例えば親油性相(油等)を含んでよい。
本発明の組成物は1〜10%(w/w)のエマルシファイヤーを含んでよい。組成物は1〜5%(w/w)のエマルシファイヤーを含んでよい。エマルシファイヤーは、好ましくは界面活性剤である。
本発明の組成物は20〜50%(w/w)の非水溶媒、20〜30%(w/w)の第1相、例えば親油性相(油等)、1〜5%(w/w)のエマルシファイヤーおよび20〜40%(w/w)の酵素のための基質を含む物質を含んでよい。
本発明の組成物は10〜60%(w/w)の非水溶媒、10〜40%(w/w)の第1相、例えば親油性相(油等)、1〜10%(w/w)のエマルシファイヤーおよび10〜50%(w/w)の酵素のための基質を含む物質を含んでよい。
本発明の組成物は35〜45%(w/w)の非水溶媒、20〜30%(w/w)の第1相、例えば親油性相(油等)、1〜5%(w/w)のエマルシファイヤーおよび25〜35%(w/w)の酵素のための基質を含む物質を含んでよい。
本発明の組成物は30〜60%(v/v)の溶媒、例えば非水極性溶媒を含んでよい。
本発明の組成物は30〜60%(v/v)の第1相、例えば親油性相(例えば油)を含んでよい。
本発明の組成物は1〜10%(v/v)のエマルシファイヤー、例えば界面活性剤を含んでよい。
本発明の組成物中の第1相の第2相に対する比は1以下:1(v/v)、例えば0.1〜1:1(v/v)であってよい。いくつかの実施形態では、第1相の第2相に対する比は0.6未満:1(v/v)、例えば0.1〜0.6未満:1(v/v)である。いくつかの実施形態では、第1相の第2相に対する比は0.4以下:1(v/v)、例えば0.1〜0.4:1(v/v)である。
本発明の組成物中の第1相は組成物の60%(v/v)未満で存在してよい。いくつかの実施形態では、第1相は組成物の10%〜60%(v/v)未満で存在する。いくつかの実施形態では、第1相は組成物の10%〜50%(v/v)未満で存在する。いくつかの実施形態では、第1相は組成物の10%〜40%(v/v)未満で存在する。いくつかの実施形態では、第1相は組成物の10%〜30%(v/v)未満で存在する。いくつかの実施形態では、第1相は組成物の10%〜25%(v/v)未満で存在する。
本発明の組成物はエマルシファイヤーを含んでよい。いくつかの実施形態では、エマルシファイヤーは組成物の25%(v/v)まで、例えば組成物の1〜25%(v/v)、組成物の5〜25%(v/v)、または組成物の10〜25%(v/v)で存在する。
本発明の組成物はエマルジョンであってよい。特定の実施形態では、本発明の組成物は逆ミセルを含むエマルジョンである。逆ミセルは第2相によって形成されてよい。
本発明の組成物のいくつかの実施形態では、酵素および基質は第2相に溶解している。
本発明の特定の実施形態では、第1相はパラフィン油であるか、パラフィン油を含む。
本発明の特定の実施形態では、第2相はグリセロールであるか、グリセロールを含む。
本発明の特定の実施形態では、エマルシファイヤーはポリグリセロールポリリシンオレエート(PGPR)であるか、ポリグリセロールポリリシンオレエート(PGPR)を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物はクリームである。典型的には、クリームとして使用されるエマルジョンの粘度はスプレーとして使用されるエマルジョンの粘度より高いことになる。クリームは、組成物中に増粘物質またはゲル化剤(例えばハイドロコロイド)等の粘度増加剤を含ませることによって形成され得る。
ハイドロコロイドは、水中に分散した際に粘稠な分散液および/またはゲルを形成する能力によって特徴付けられる親水性の長鎖ポリマー(多糖類またはタンパク質)の不均一な群である(SahaおよびBhattacharya、JFood Sci Technol、2010年、47巻(6号):587〜597頁)。増粘の程度はハイドロコロイドの種類および性質によって異なる。かなり高い濃度で低い粘度を提供するものもあるが、大部分は1%未満の濃度で高い粘度を提供する。ハイドロコロイド分散液の粘度は主として不規則なコンフォメーションを有するポリマー鎖の非特異的な絡み合いに起因する。増粘剤(本明細書ではハイドロコロイド増粘物質と称する)として使用できるハイドロコロイドには、デンプン、改質デンプン、キサンタン、ガラクトマンナン類(グアーガム、ローカストビーンガム、およびタラガム等)、アラビアガムもしくはアカシアガム、カラヤガム、トラガントガム、コンニャクマンナン、ならびにカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体が含まれる。
いくつかのハイドロコロイドは、架橋して液体媒体中に浸漬された相互連結された分子ネットワークを形成するポリマー分子からなるゲルを形成することができる。ゲルのレオロジー的定義は、「損失モジュラス」(G”)より大きな「貯蔵モジュラス」(G’)を有する粘弾性システムである(de Vries、2004年、Gums and stabilizers for thefood industry、12巻、RSC Publ、Oxford、22〜30頁)。ハイドロコロイドは、水素結合、疎水的会合、およびカチオン媒介架橋によるポリマー鎖間の物理的な会合によってゲルを形成する。ゲル化型ハイドロコロイド(またはハイドロコロイドゲル化剤)には、アルギネート、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、ゼラン、寒天、改質デンプン、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。
ハイドロコロイドのゲル化は種々の機構、即ちイオンチャネル型ゲル化、低温固定ゲル化および熱固定ゲル化によって起こり得る(Bureyら、2008年、Crit Rev Food Sci Nutr、48巻:361〜377頁)。イオンチャネル型ゲル化は、ハイドロコロイド鎖のイオンによる架橋、典型的には負電荷を有する多糖類のカチオン媒介ゲル化プロセスによって起こる。イオンチャネル型ゲル化によってゲルを形成し得るハイドロコロイドの例には、アルギネート、カラギーナンおよびペクチンが含まれる。イオンチャネル型ゲル化は拡散固定または内部ゲル化によって実施できる。低温固定ゲル化では、ハイドロコロイド粉末を温/沸騰水に溶解して分散液を形成し、これを冷却してゲルを形成する。寒天およびゼラチンはこの機構によってゲルを形成する。熱固定ゲルではゲル(例えばカードラン、コンニャクグルコマンナン、メチルセルロース、デンプンおよび球状タンパク質)に熱を適用する必要がある。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、増粘物質またはゲル化剤、例えばハイドロコロイド等の粘度増加剤を含む。特定の実施形態では、ハイドロコロイドは多糖またはタンパク質であるか、これらを含む。ハイドロコロイドは、デンプン、改質デンプン、キサンタン、ガラクトマンナン(グアーガム、ローカストビーンガム、およびタラガム等)、アラビアガムもしくはアカシアガム、カラヤガム、トラガントガム、コンニャクマンナン、またはカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体等のハイドロコロイド増粘物質であってよい。
他の実施形態では、ハイドロコロイドは、例えば架橋した多糖、架橋したアルギネート、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、ゼラン、寒天、アガロース、改質デンプン、またはメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体等の架橋したハイドロコロイドであるか、これらを含む。
ハイドロコロイドは、例えば上述のハイドロコロイドのゲル化のための方法、即ちイオンチャネル型ゲル化、低温固定ゲル化および熱固定ゲル化を含む任意の好適な方法で架橋してよい。特定の実施形態では、ハイドロコロイドの分子はハイドロコロイドゲル化剤のイオンチャネル型ゲル化の結果としてカチオン(例えばカルシウムイオン)によって架橋される。本発明の組成物中に存在し得るカチオンによって架橋されたハイドロコロイドの例には、アルギネート、カラギーナンまたはペクチンが含まれる。
特定の実施形態では、本発明の組成物は架橋アルギネート、例えばカルシウムイオンによって架橋されたアルギネートを含む。アルギン酸ナトリウムは冷水に可溶性であるので、アルギネートは事前に加熱することなくゲルを形成することができる。
架橋アルギネートはアルギン酸ナトリウムとカルシウムイオン(例えば塩化カルシウムによって提供される)から形成してよい。いくつかの実施形態では、カルシウムイオンを解離させるための溶媒として水を使用してよい。しかし、これによって酵素と酵素のための基質を含む物質による過酸化水素の産生が活性化され、組成物の安定性が制限される可能性があるので、カルシウムイオンを解離させるためにはエタノールまたは酢酸等の非水溶媒を使用することが好ましい場合がある。
本出願人らは、自由水を結合させるためにグリセロールが使用できることを認識した。この特性により、酵素と酵素のための基質を含む物質から過酸化水素が時期尚早に放出されることを防止するために十分なグリセロールが存在すれば、アルギネートを溶解するために水を使用することができる。
本発明によれば、親油性成分、水性成分、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための精製された基質を混合するステップを含む、本発明の組成物を作製する方法も提供される。
本発明によれば、親油性成分、水性成分、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質を混合するステップを含む、本発明の組成物を作製する方法も提供される。
本発明によれば、第1の成分(または第1相の液体)、第2の成分(または第2相の液体)、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための精製された基質を混合して組成物を形成するステップを含む、本発明の組成物を作製する方法であって、第1の成分(または第1相の液体)と第2の成分(または第2相の液体)が非混和性である、方法も提供される。
本発明によれば、第1の成分(または第1相の液体)、第2の成分(または第2相の液体)、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質を混合して組成物を形成するステップを含む、本発明の組成物を作製する方法であって、第1の成分(または第1相の液体)と第2の成分(または第2相の液体)が非混和性である、方法も提供される。
本発明によれば、油、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための精製された基質を混合して組成物を形成するステップを含む、本発明の組成物を作製する方法も提供される。
本発明によれば、油、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質を混合して組成物を形成するステップを含む、本発明の組成物を作製する方法も提供される。
本発明の方法は極性有機溶媒等の非水溶媒を混合するステップも含んでよい。
本発明の方法は、本発明の組成物を形成するためにレオメーターを利用してよい。レオメーターによってずり速度および温度を制御することができる。
酵素および基質(または前駆体−基質)を非水溶媒に溶解して第1の混合物を形成してもよい。エマルシファイヤーを第1相、親油性相または油に添加して第2の混合物を形成してもよい。次いで、例えばレオメーターまたはミキサーを使用して混合しながら第1の混合物を第2の混合物に滴下して加えてエマルジョンを形成してもよい。
エマルジョンを形成するため、混合は1500s−1〜2500s−1の間、2000s−1等のずり速度で行ってよい。混合は30および50℃、例えば約37℃で行ってよい。
本発明によれば、精製された酵素、酵素のための精製された基質、第2相の液体、第1相の液体、および任意選択でエマルシファイヤーを、エマルジョンを形成するために十分な時間、高いずり速度で混合するステップを含む、本発明の組成物を作製する方法がさらに提供される。
本発明によれば、精製された酵素、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質、第2相の液体、第1相の液体、および任意選択でエマルシファイヤーを、エマルジョンを形成するために十分な時間、高いずり速度で混合するステップを含む、本発明の組成物を作製する方法がさらに提供される。エマルジョンの成分をエマルシファイヤーと接触させる前に予備混合しておけば、より安定なエマルジョンを形成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、酵素、酵素のための基質を含む物質、第2相の液体、および第1相の液体を、予備混合された成分をエマルシファイヤーと接触させる前に高いずり速度で予備混合し、予備混合された成分とエマルシファイヤーを含む混合物を高いずり速度で混合する。
いくつかの実施形態では、酵素および基質(または前駆体−基質)を第2相の液体に溶解して溶液を形成し、その後で溶液を第1相の液体と接触させる。
高いずり速度は1000s−1〜4000s−1であってよい。本出願人らは、本発明の方法を用いて作製したエマルジョンは例えば2000s−1を超え4000s−1まで、2000s−1を超え3500s−1まで、2500s−1を超え4000s−1まで、または2500s−1を超え3500s−1までの高いずり速度を用いて形成した場合により安定であることを見出した。
酵素、酵素のための基質を含む物質、第2相の液体、第1相の液体、およびエマルシファイヤー(存在する場合)を混合するステップは20℃〜40℃、例えば35℃〜40℃の温度で行ってよい。酵素、酵素のための基質を含む物質、第2相の液体、第1相の液体、およびエマルシファイヤー(存在する場合)を混合するステップがより高い温度、例えば37.5℃を超え40℃まで、または38℃〜40℃で行われた場合には、より安定なエマルジョンが形成され得る。
本発明の方法のいくつかの実施形態では、酵素、酵素のための基質を含む物質、第2相の液体、第1相の液体、およびエマルシファイヤー(存在する場合)は、少なくとも5分、例えば5〜30分、高いずり速度で混合される。
本発明の方法は、例えば増粘物質またはゲル化剤、例えばハイドロコロイド等の粘度増加剤を含ませることにより、クリームを形成するために用いることができる。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は粘度増加剤を酵素、酵素のための基質を含む物質、第2相の液体、第1相の液体、およびエマルシファイヤー(存在する場合)と高いずり速度で混合してクリームを形成するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態では、粘度増加剤はハイドロコロイド、例えば多糖であるか、これを含む。
いくつかの実施形態では、ハイドロコロイドはデンプン、改質デンプン、キサンタン、ガラクトマンナン(グアーガム、ローカストビーンガム、およびタラガム等)、アラビアガムもしくはアカシアガム、カラヤガム、トラガントガム、コンニャクマンナン、またはカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体等のハイドロコロイド増粘物質であるか、これらを含む。
いくつかの実施形態では、ハイドロコロイドはアルギネート、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、ゼラン、寒天、アガロース、改質デンプン、またはメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体等のハイドロコロイドゲル化剤であるか、これらを含む。
ハイドロコロイドゲル化剤はカチオンの存在下でイオンチャネル型ゲル化によってゲルを形成することができる場合がある。そのような実施形態では、本発明の方法はカチオンをハイドロコロイドゲル化剤、酵素、酵素のための基質を含む物質、第2相の液体、第1相の液体、およびエマルシファイヤー(存在する場合)と高いずり速度で混合してクリームを形成するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態では、イオンチャネル型ゲル化によってゲルを形成することができるハイドロコロイドゲル化剤、酵素、酵素のための基質(または前駆体−基質)、第2相の液体、第1相の液体、およびエマルシファイヤー(存在する場合)を混合して混合物を形成し、その後にカチオンを混合物と接触させる。
いくつかの実施形態では、イオンチャネル型ゲル化によってゲルを形成することができるハイドロコロイドゲル化剤を、第1相の液体と接触させる前に、第2相の液体、酵素、および酵素のための基質(または前駆体−基質)と接触させる。
いくつかの実施形態では、カチオンはカルシウムイオンであるか、これを含む。
特定の実施形態では、カチオンの存在下にイオンチャネル型ゲル化によってゲルを形成することができるハイドロコロイドゲル化剤は、アルギネート、カラギーナンまたはペクチン、例えばアルギネートであるか、これらを含む。
特定の実施形態では、ハイドロコロイドゲル化剤は水溶液で提供され、第2相はグリセロールであり、グリセロールは組成物中の自由水と結合するために十分な量で存在し、それにより酵素が酵素のための基質からの過酸化水素の放出を触媒することを防止する。
いくつかの実施形態では、イオンチャネル型ゲル化によってゲルを形成することができるハイドロコロイドゲル化剤(例えばアルギネート)は、酵素のための基質(または前駆体−基質)、第2相の液体、および第1相の液体と高いずり速度で予備混合され、その後で予備混合された成分がエマルシファイヤー(存在する場合)およびカチオン(例えばカルシウムイオン)と接触し、予備混合された成分、エマルシファイヤー(存在する場合)およびカチオンを含む混合物が高いずり速度で混合される。
エマルシファイヤー(存在する場合)はカチオン(例えばカルシウムイオン)の前に予備混合された成分と接触してよい。カチオン(例えばカルシウムイオン)は滴下により添加してよい。
カチオン(例えばカルシウムイオン)は水溶液で提供してよい。あるいは、カチオンはエタノールまたは酢酸等の非水溶媒を使用して非水溶液で提供してよい。
特定の実施形態では、塩化カルシウムがエタノール中で提供され、アルギン酸ナトリウムが水溶液で提供され、第2相はグリセロールであり、グリセロールはアルギネート溶液中の自由水と結合するために十分な量で存在し、それにより酵素が酵素のための基質からの過酸化水素の放出を触媒することを防止する。これにより組成物が水と接触するまでの過酸化水素の時期尚早な放出が防止され、そのため安定な組成物が提供される。
上述のように、本発明の方法は本発明の組成物を形成するためにレオメーターを利用してよい。レオメーターによってずり速度および温度を制御することができる。あるいは、高いずり速度は超音波プローブ、またはホモジナイザーの使用によって提供され得る。
本発明の組成物は任意の好適な手段で滅菌してよい。好ましくは、本発明の組成物は、照射によって滅菌されている。本出願人は、組成物がガンマ線照射または電子線照射への曝露による滅菌の後にグルコースオキシダーゼ活性(したがって希釈によって過酸化水素を放出する能力)を保持できることを見出した。ガンマ線照射の好適なレベルは10〜70kGy、好ましくは25〜70kGy、より好ましくは35〜70kGyである。あるいは、本発明の組成物は電子線照射によって滅菌してよい。照射(例えば電子線照射)の好適なレベルまたは線量は10〜100kGy、好ましくは30〜80kGy、より好ましくは50〜80kGyであってよい。線量は35kGyより大きくてよい。線量は80kGy未満、例えば75kGyまたはそれ未満であってよい。1つの実施形態では、本発明の組成物はガンマ線照射ではない照射によって滅菌してもよい。
本発明によれば、組成物を、照射、好ましくはガンマ線照射または電子線照射に曝露するステップを含む、本発明の組成物を滅菌する方法も提供される。
創傷治癒における使用のためのハチミツベースの製品の滅菌のためにオゾンは米国FDAによって認可されていないので、本発明の組成物は、好ましくはオゾン処理によって滅菌されておらず、オゾンまたはオゾン処理による滅菌の対象となった成分を何ら含まない。特に、本発明の組成物はオゾン処理されたハチミツまたはオゾン処理された油を含むべきではない。
本発明による医療用途のための好ましい組成物は無菌の一回使用の組成物である。
光への曝露がないように保存された本発明による使用のための滅菌された組成物は、少なくとも6か月、安定性を保つと予想される。例えば、そのような組成物は高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン(HDPE/LDPE)管またはポリエステル−アルミニウム−ポリエチレン(PET/Al/PE)の小袋に包装してよい。
本発明の組成物は容器または小袋に入れてよい。容器は組成物の無菌性を維持するための助けとなり得る。好ましくは、容器はシールされまたは気密である。容器は除去可能なおよび/または置き換え可能なキャップまたはシールを有してよい。容器は、好ましくは不透明である。
本発明の組成物は、好ましくは医用グレードまたは医用デバイスグレードの組成物である。本発明の組成物は医薬グレードの組成物であってよい。
本発明の組成物は被覆材とともに提供され得る。好適な被覆材にはガーゼ、バンデージ、ティッシュ、フィルム、ゲル、発泡体、ハイドロコロイド、アルギネート、ハイドロゲル、または多糖ペースト、顆粒もしくはビーズが含まれる。組成物はコラーゲンまたはコラーゲン−グリコサミノグリカンマトリックス等の創傷被覆マトリックスとともに存在してよい。被覆材はチュール状の被覆材であってよい。被覆材と組み合わせた組成物は、好ましくは無菌であり、照射、例えばガンマ線照射を使用して滅菌されてもよい。
組成物は固体または半固体調製物の形態であってよい。固体または半固体調製物の例にはカプセル、ペレット、ゲルキャップ、粉末、ハイドロゲル、ピル、丸薬、または小球が含まれる。あるいは、組成物は液体調製物の形態であってよい。液体調製物の例にはシロップ、ペースト、スプレー、ドロップ、軟膏、クリーム、ローション、油、塗布薬、またはゲルが含まれる。典型的なゲルにはイソプロパノール、エタノール、もしくはプロパノールゲル等のアルコール性ゲル、またはハイドロゲルが含まれる。
本発明の組成物はヒトまたは動物対象への投与に好適な形態であってよい。好適な形態には局所または口腔投与に適合した形態が含まれる。局所投与に好適な形態には、局所軟膏、クリーム、ローション、油、塗布薬、液体、ゲル、または可溶性ストリップが含まれる。口腔投与に好適な形態には、カプセル、ペレット、ゲルキャップ、ピル、丸薬、小球、トローチ、デンタルフロス、歯磨き、洗口剤、可溶性フィルムストリップが含まれる。保存安定組成物を使用する場合には、これは投与部位に存在する液体(例えば口腔投与における唾液、または創傷からの浸出液)によって希釈され、投与部位における過酸化水素の放出がもたらされ得る。
本発明の組成物は、過酸化水素によって処置できる任意の微生物感染を処置するために使用することができる。例には、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、抗酸性細菌、ウイルス、酵母、寄生性もしくは病原性微生物または真菌によって引き起こされる感染が含まれる。例えば、以下の微生物:Escherichia coli、Staphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginosa、Candida albicans、Propionibacterium acnes、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus saprophytics、ベータ溶血性StreptococciグループAまたはB、Campylobacter coli、Campylobacter jejuni、メチシリン耐性Staphylococcus Aureus(MRSA)、メチシリン感受性Staphylococcus Aureus(MSSA)、Botrytis cinerea、Mycobacterium tuberculosis、Cryptosporidium、Plasmodium、Streptococcus pyogenes、Streptococcus zooepidemicusおよびToxoplasmaによって引き起こされる感染を処置することができる。
本発明によれば、微生物感染症、例えば、バイオフィルム、またはバイオフィルムを形成できる微生物を含む微生物感染症の予防または処置において使用するための本発明の組成物がさらに提供される。したがって、バイオフィルムまたはバイオフィルムを形成できる微生物を含む微生物感染症の予防または処置において使用するための本発明の組成物が提供され得る。バイオフィルムは、細菌、真菌および/またはウイルスを含み得る。
本発明によれば、微生物感染症、例えば、バイオフィルム、またはバイオフィルムを形成できる微生物を含む微生物感染症の予防または処置のための医薬の製造における本発明の組成物の使用も提供される。
本発明はまた、感染症の部位に有効量の本発明の組成物を投与することを含む、微生物感染症、例えば、バイオフィルム、またはバイオフィルムを形成できる微生物を含む微生物感染症を予防または処置する方法を提供する。
本発明によれば、微生物増殖を予防または阻害するための本発明の組成物または溶液の使用も提供される。
本発明によれば、医薬として使用するための本発明の組成物も提供される。
本発明の組成物は、動物を処置するために使用され得る。本発明の組成物は、ヒトを処置するために使用され得る。
本発明によれば、微生物感染症の予防、処置、または改善のための本発明の組成物がさらに提供される。
本発明はまた、微生物感染症の予防、処置、または改善のための医薬の製造における本発明の組成物または溶液の使用を提供する。
本発明によれば、微生物感染症を予防し、処置しまたは改善する方法であって、本発明の組成物または溶液をそのような予防、処置または改善を必要とする対象に投与することを含む、方法がさらに提供される。対象は、ヒトまたは動物対象であり得る。本発明の組成物は、局所的に投与され得る。
本発明によれば、CRSなどの副鼻腔感染症を予防または処置する方法であって、有効量の本発明の組成物または混合物をそのような予防または処置を必要とする対象に投与することを含む、方法も提供される。
ある特定の状態、例えば、CRSなどの鼻感染症を処置するために、本発明の組成物は、特定の処置濃度となるように希釈され得る。ある特定の処置濃度は、異なる状態のために最適なものであり得る。例えば、1000ppmのグルコースオキシダーゼ、52質量%のフルクトース、31質量%のグルコースおよび17質量%の50mMolのクエン酸/NaOH緩衝剤を含有するpH7.04の本発明の組成物は、71g/lの濃度の水溶液を形成するときに、特に、MRSAおよびMSSAなどの微生物、およびそのような微生物を含むバイオフィルムの処置のために、最適であり得る。したがって、本発明の組成物は、MRSAおよびMSSAに対して特に有効であり得る。
結果として、少なくとも30g/l、例えば30g/l〜150g/lの濃度の溶液を形成するように本発明の組成物を希釈することは有益であり得る。例えば、形成される溶液の濃度は、50〜100g/l、例えば65〜75g/lであり得る。
本発明の組成物によって形成される水溶液中で産生される過酸化水素の濃度は、少なくとも10μM、例えば10〜50μM、例えば、20〜30μMであり得る。濃度は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも10時間、よりいっそう好ましくは少なくとも24時間にわたって維持され得る。
本発明によれば、酵素が基質を変換するのを可能とするために十分な自由水が存在するように本発明の組成物を水溶液中に希釈することを含む、抗菌溶液を形成する方法が提供され得る。方法は、組成物を希釈して、少なくとも30g/lの組成物を含有する溶液を形成することを含み得る。方法は、組成物を希釈して、30g/l〜150g/l、50〜100g/lまたは65〜75g/lの組成物を含有する溶液を形成することを含み得る。本発明によれば、この方法によって得られたまたは得られ得る溶液も提供され得る。溶液中に、過酸化水素は、10〜50μM、好ましくは20〜30μMの濃度で存在し得る。過酸化水素は、少なくとも10μMの濃度で存在し得る。過酸化水素は、100μM未満の濃度で存在し得る。濃度は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも10時間、よりいっそう好ましくは少なくとも24時間にわたって維持され得る。
本発明によれば、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素;酵素のための精製された基質;20℃および1atmの水100gあたり少なくとも100gの溶解度を有する糖または糖誘導体の形態の溶質、および酵素が基質を変換するのを可能とするために十分な自由水を含む組成物であって、過酸化水素が10〜50μM、好ましくは20〜30μMの濃度で存在する、組成物が提供され得る。過酸化水素は、少なくとも10μMの濃度で存在し得る。過酸化水素は、100μM未満の濃度で存在し得る。濃度は、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも10時間、よりいっそう好ましくは少なくとも24時間にわたって維持され得る。
バイオフィルムを含む微生物感染症の処置において使用するための本発明の組成物または溶液が提供され得る。微生物感染症は、Haemophilus influenza、MRSAまたはMSSAを含み得る。組成物または溶液は、慢性鼻副鼻腔炎の処置において使用するためのものであり得る。
本発明の組成物または混合物はまた、肺組織において、微生物感染症、例えば、バイオフィルム、またはバイオフィルムを形成できる微生物を含む微生物感染症を予防または処置するために肺に投与され得る。例えば、本発明の組成物または混合物は、結核を予防または処置するため、または嚢胞性繊維症(CF)に関連する微生物感染症を予防または処置するために肺に投与され得る。Mycobacterium tuberculosisは結核の原因因子である。本発明の組成物または混合物は、呼吸器感染症、例えば、COPD、嚢胞性繊維症、気管支拡張症、または喘息などの呼吸器疾患、またはHIV/AIDS関連呼吸器感染症、または終末期疾患に関連する呼吸器感染症に罹患した対象における呼吸器感染症を予防または処置するために使用され得る。
本発明の組成物は、嚢胞性繊維症を有する患者における微生物感染症、特に、バイオフィルム、またはバイオフィルムを形成できる微生物を含む嚢胞性繊維症を有する患者における微生物感染症を予防または処置するために使用され得る。感染症は肺感染症であり得る。例えば、本発明の組成物は、嚢胞性繊維症を有する対象における肺のPseudomonas aeruginosa感染症を予防または処置するために使用され得る。
本発明の組成物は、有効量の本発明の組成物をそのような予防または処置を必要とする対象に投与することを含む、微生物による肺感染症の処置のために使用され得る。
肺感染気管支拡張症の例。気管支拡張症に関連する気道感染症は、以下の細菌:Staphylococcus aureus、Haemophilus influenzae、Pseudomonas aeruginosa、Streptococcus pneumoniae、非結核性抗酸菌によって引き起こされる感染症を含む。
本発明の組成物は、慢性気管支炎、気腫、または両方を有する人々の総称である慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置するために使用され得る。Enterobacteriaceae、P.aeruginosaおよびStaphylococcus aureusはCOPDの増悪に関係があるとされてきた。様々な微生物病原体がCOPDにおける慢性感染症に関係があるとされてきた。これらは、分類不能型H.influenzaeおよびP.aeruginosaなどの定型細菌、C.pneumoniaeなどの非定型細菌、アデノウイルスおよび潜在的に呼吸器合胞体ウイルスなどのウイルス、および真菌、Pneumocystis jiroveciを含む。
HIV陽性またはAIDS患者に見られる最も一般的な日和見感染性肺疾患の一部は、pneumocystis carinii pneumonia、結核(Mycobacterium tuberculosisによって引き起こされる)、Mycobacterium avium複合体(Mycobacterium avium−M.intracellulare複合体(MAIC))、真菌感染症(カンジダ症またはコクシジオイデス症など)ならびにウイルス性および細菌性肺炎(Haemophilus influenzaeによって引き起こされる細菌性肺炎など)である。
本発明の組成物は、以下の微生物:Pseudomonas aeruginosa;Staphylococcus aureus;Haemophilus influenza;Streptococcus pneumoniae、非結核性抗酸菌;Enterobacteriaceae;C.pneumonia;アデノウイルス;呼吸器合胞体ウイルス;Pneumocystis jiroveci;pneumocystis carinii pneumonia;Mycobacterium tuberculosis;Mycobacterium avium−M.intracellulare複合体(MAIC);candida;Coccidioides immitis;Mycobacterium abscessusのいずれかによって引き起こされる感染症、特に呼吸器感染症の予防または処置のために使用され得る。
本発明の組成物は、より下部の生殖器感染症を処置するために使用され得る。例えば、本発明の組成物は、そのような感染症を処置するために局所的に適用され得る。そのような感染症の例は、細菌性膣症および一般細菌腟分泌物を含む。本発明の組成物は、タンポンなどの挿入デバイスに適用され得る。
本発明の組成物は、カルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)またはカルバペネマーゼ産生腸内細菌科(CPE)細菌を含む感染症を処置するために使用され得る。
本発明の組成物は、尿路感染症を処置するために使用され得る。例えば、本発明の組成物は、カテーテルを使用して投与され得る。本発明の組成物は、カテーテルを使用して投与する前に生理食塩水と混合され得る。組成物は、例えば、少なくとも1週間、場合により約2週間までの期間にわたって連日投与され得る。
本発明の組成物は、気管支粘膜および声帯ヒダの裏打ち、子宮内膜、食道粘膜、胃粘膜、腸粘膜、鼻粘膜、嗅覚粘膜、口腔粘膜、陰茎粘膜、膣粘膜などの他の粘膜の感染症を処置するためにも使用され得る。
本発明の組成物は、スプレーにより、注射により、吸入により、あるいは組成物を患者の鼻腔もしくは副鼻腔、または患者の肛門もしくは直腸に適用することにより投与または適用され得る。組成物は、患者に外用でまたは内服で投与または適用され得る。
本発明の組成物は、例えば膿胸の、胸膜腔などの部位に投与され得る。これは、胸部ドレーン注入を介して達成され得る。
本発明の組成物は、例えば複合感染した腹部内の手術において、腹膜に投与され得る。これは、外科的手順または腹部ドレーンを介して達成され得る。
本発明の組成物は、例えば補綴関節といった整形外科用補綴インプラントなどの補綴デバイスに適用され得る。これは、手術後の感染症の予防を補助し得る。
本発明の組成物は、吸入器、例えば、肺への組成物の送達用の、定量吸入器、乾燥粉末吸入器、ネブライザー、または経鼻吸入器において提供され得る。
本発明の組成物は、スプレー可能または噴霧可能であり得る。例えば、組成物は、スプレーまたは噴霧を許容するレオロジー特性を有し得る。
本発明によれば、本発明の組成物を含む、患者に組成物を送達するためのデバイスも提供される。
デバイスは、ポンプ作用スプレーまたはエアロゾルスプレーなどの、スプレーまたは噴霧デバイスであり得る。デバイスは、吸入器、例えば、肺への組成物の送達用の、定量吸入器、乾燥粉末吸入器、ネブライザーであるか、または経鼻吸入器であり得る。
ネブライザーは、吸入のために好適なエアロゾル小滴に液体を変換するデバイスである。ネブライザーは、酸素、圧縮空気または超音波の力を使用して医薬溶液を分割し、治療用量のエアロゾル粒子を肺に直接的に送達する。多様なネブライザーが利用可能である。ネブライザーは、圧縮ガス(ジェットネブライザー)または超音波振動する結晶(超音波ネブライザー)によって駆動され得る。
5〜10分のうちに溶液から小さい十分な粒子を産生するために、少なくとも6L/分のガス流速が通常必要である。超音波ネブライザーは、迅速に振動する圧電結晶を使用してエアロゾル粒子を産生する。超音波ネブライザー機器は、小さくかつ静かなことが多い。
多くのネブライザーは、処方された薬物用量の10%しか肺に送達されない。薬物の大部分は、装置内部に捕捉されたり、または呼気中に廃棄されたりする。薬物送達の効率は、ネブライザーチャンバーの種類および体積ならびにそれが駆動される流速に依存する。一部のチャンバーは、吸気の間の粒子送達の効率を増加させ、呼気の間の環境への損失を低減させるためにリザーバーおよびバルブシステムを有する。息に補助されたオープンベントシステムは薬物送達を向上させるが、患者が十分な呼気流量を有することに依存する。フェイスマスクまたはマウスピースをエアロゾル粒子の投与のために使用してもよい。
ネブライザーは、多くの呼吸器疾患の処置のために使用される。ネブライザーの使用の適応症は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪および長期処置の管理、嚢胞性繊維症、気管支拡張症、喘息、HIV/AIDSの管理、および緩和ケアにおける症状軽減を含む。
ネブライザー注入される本発明の組成物は、COPD、嚢胞性繊維症、気管支拡張症、もしくは喘息などの呼吸器疾患、またはHIV/AIDS関連呼吸器感染症、または終末期疾患に関連する呼吸器感染症に罹患した対象において、微生物感染症、例えば、バイオフィルム、またはバイオフィルムを形成できる微生物を含む微生物感染症を予防または処置するために使用され得る。
デバイスは、患者の皮膚に組成物を適用するためなどの、外的使用のためのものであり得る。
デバイスは、患者への内的適用のためのものであり得る。例えば、デバイスは、患者の気道に組成物を投与するための吸入器またはネブライザーであり得る。デバイスは、灌注器であり得る。デバイスは、注射器などの、患者に組成物を注射するためのデバイスであり得る。したがって、本発明の組成物は、注射物質であり得る。本発明の方法は、本発明の組成物を患者に注射することを含み得る。
本発明の組成物は、予防的適用のためのものであり得る。
例えば、手術前の皮膚滅菌用の予防スプレーが提供され得る。そのようなスプレーは、低粘度組成物を含み得る。適用されるときに、組成物は粘着性でなくてもよい。スプレーは、皮膚への活性酸素層の送達を可能とし得る。層は、外科的切開の前に皮膚を滅菌し、外科的手順の間および後に予防的保護を提供し得る長期間にわたり活性酸素を送達し続け得る。
吸入用の噴霧スプレーが提供され得る。吸入用の噴霧スプレーは、患者の気道における感染症を処置するために使用され得る。噴霧スプレーは、低い粘度を有する組成物を必要とし得る。
スプレーは、被覆材を適用する前に熱傷または創傷組織に適用するために使用され得る。これは、より高い粘度の組成物を必要とし得る。
スプレーは、臓器感染症および敗血症を予防するために、手術後に、患者に内服で適用され得る。これは、より高い粘度の組成物を必要とし得る。
本発明の組成物は、小袋またはパウチなどの水溶性容器内に含有され得る。
よって、本発明によれば、本発明の組成物を封入または含有する水溶性容器が提供される。
有利なことに、これは、測定された量の水または生理食塩水などの溶媒を加えることによって特定の治療的応用のために精密な量の組成物を送達することを可能とし得る。例えば、水溶性小袋中に含有された本発明の組成物は、鼻灌注溶液、またはネブライザー注入もしくは噴霧される溶液を形成するために使用され得る。結果として、水性溶媒との組成物を含有する可溶性小袋の接触は、本発明の水性混合物の形成を結果としてもたらし得る。水性混合物は、酵素が基質を変換して過酸化水素を産生するのを可能とするために十分な自由水を含有し得る。
水溶性小袋は、好ましくは、医療グレード材料から製造される。小袋は、38℃の水に溶解性であり得る。好ましくは、水溶性小袋は、非毒性、帯電防止性、紫外光による分解に耐性、ならびにガス、油およびグリースによる分解に耐性である。一例では、可溶性小袋は、ポリビニルアルコールなどのポリマーまたはプラスチック材料から製造され得る。
水溶性小袋中に含有された本発明の組成物は、以下の状態の1つまたは複数を処置するために有用であり得る:副鼻腔炎および鼻副鼻腔炎などの鼻の状態;上気道感染症(例えば、扁桃炎、喉頭炎および副鼻腔炎またはより下部の気道感染症(例えば、気管支炎、肺炎、細気管支炎および結核)などの気道感染症;慢性閉塞性肺疾患;および嚢胞性繊維症。
本発明の組成物、および、障壁または層として機能し得る水溶性材料を含む創傷被覆材が提供され得る。水溶性材料は、組成物と接触していてもよく、またはそれに隣接していてもよい。本発明の組成物は、水溶性材料によって封入されていてもよく、またはそれの中に含有されていてもよい。したがって、水溶性材料は、小袋、パウチまたは封入物を形成し得る。組成物は、水溶性材料の層の間に配置され得る。水溶性材料は、医療グレード材料から製造され得る。水溶性材料は、38℃の水に溶解性であり得る。好ましくは、水溶性材料は、非毒性、帯電防止性、紫外光による分解に耐性、ならびにガス、油およびグリースによる分解に耐性である。一例では、水溶性材料は、ポリビニルアルコールなどのポリマーまたはプラスチック材料から製造され得る。使用時に、被覆材を創傷に適用することにより、水溶性材料を創傷滲出液に溶解させて、本発明の組成物を創傷に接触させ、創傷に活性酸素を送達し得る。したがって、有利なことに、測定可能かつ正確な用量の活性酸素が創傷に送達され得る。水溶性材料は、創傷被覆材からの組成物の放出を制御することができる。
水溶性材料および組成物は、従来の無菌の創傷被覆材の表面に取り付けることができる。
高いオスモル濃度(好適には、ハチミツと類似の範囲内、すなわち、0.47〜0.7の水分活性(aw)を有する)を有する本発明の組成物は、組織プロテアーゼの自己分解作用によって創傷のデブリードマンを促進すると考えられる。それらは、それらの強い浸透作用を通じて創傷組織からリンパ液を引き出すことによって湿った創傷環境を作り出し得る。これは、創傷床と重層する壊死組織との境界面にプロテアーゼの一定の供給を提供する。この作用はまた、創傷床の表面をその下から洗浄する。デブリードマン作用はまた、死んだ組織の除去によって創傷の細菌負荷の低下に寄与し得る。死んだ組織は、創傷中に残された場合、細菌増殖用の優れた培地を提供し、感染症のリスクを増加させることが周知である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の組成物は、創傷の処置、または創傷敗血症の処置もしくは管理を含む、創傷ケアの方法において使用され得る。
創傷は、急性創傷、慢性創傷、外科的創傷(例えば、帝王切開創傷)、慢性熱傷、または急性熱傷であり得る。本発明の組成物は、創傷敗血症の予防的防止において使用され得る。貯蔵安定的な本発明の組成物が使用される場合、これは、創傷部位に存在する液体によって希釈され、それによって、希釈された組成物による過酸化水素の放出に繋がり得ることが理解されるであろう。
本発明によれば、本発明の組成物を創傷に投与することを含む、創傷を処置する方法が提供される。
本発明によれば、創傷の処置のための本発明の組成物も提供される。
本発明の組成物は、臨界的定着を呈した創傷を処置するために使用され得る。「臨界的定着を呈した」という用語は、細菌が創傷に負に影響し始め、かつそれらの存在の徴候を誘発し始める臨界点に達した創傷を指すために使用されることが多い。臨界的定着を呈した創傷は、バイオフィルムの存在を指し示し得る。組織1グラムあたり生物105個より大きい細菌負荷は、多くの場合、創傷治癒を妨害するものとして認められる(Siddiqui AR、Bernstein JM(2010年)Chronic wound infection: Facts andcontroversies. Clinics in Dermatology 28巻:519〜26頁;Edmonds,M.およびFoster, A.(2004年).The useof antibiotics in the diabetic foot. Am J Surg, 187巻(5A号)、25S〜28S頁。結果として、本発明の組成物は、組織1グラムあたり生物105個より大きい細菌負荷を有する創傷を処置するために使用され得る。
本発明によれば、創傷を処置するための医薬の製造における本発明の組成物の使用がさらに提供される。
本発明によれば、本発明の組成物を炎症の部位に投与することを含む、炎症を処置する方法も提供される。
本発明によれば、炎症を処置するための本発明の組成物も提供される。
本発明によれば、炎症を処置するための医薬の製造における本発明の組成物の使用がさらに提供される。
本発明によれば、本発明の組成物をそのような刺激を必要とする部位に投与することを含む、組織成長を刺激する方法も提供される。
本発明によれば、組織成長を刺激するための本発明の組成物も提供される。
本発明によれば、組織成長を刺激するための医薬の製造における本発明の組成物の使用がさらに提供される。
本発明によれば、本発明の組成物を、デブリードマンを必要とする創傷に投与することを含む、創傷のデブリードマンを行う方法も提供される。
本発明によれば、創傷のデブリードマンを行うための本発明の組成物も提供される。
本発明によれば、創傷のデブリードマンを行うための医薬の製造における本発明の組成物の使用がさらに提供される。
本発明によれば、本発明の組成物を、脱臭を必要とする創傷に投与することを含む、創傷を脱臭する方法も提供される。
本発明によれば、創傷を脱臭するための本発明の組成物も提供される。
本発明によれば、創傷を脱臭するための医薬の製造における本発明の組成物の使用がさらに提供される。
創傷治癒の応用のために、本発明の組成物は、健康管理の提供者によって決定される適切な頻度で投与され得る。好適には、本発明の組成物は、少なくとも数日毎、例えば毎週投与され得るが、好ましくは、毎日または1日毎に投与され得る。
投与される本発明の組成物の量は、組成物の抗菌特性の強度、および組成物の他の創傷治癒特性、創傷の大きさ、ならびに処置される対象の年齢および状態などの多くの要因に依存する。しかし、多くの応用について、2〜100g、または5〜100g、好ましくは10〜50gの本発明の組成物の投与が好適であることが予期される。
本発明の組成物は、制御または持続放出送達のために好適な形態であり得る。例えば、経口投与形態は、制御または持続放出送達を提供するために腸溶性コーティングを有し得る。
本発明の別の態様によれば、本発明の組成物は、美容組成物として使用するための形態であり得る。本発明の組成物は、少なくとも1つの好適な美容賦形剤またはアジュバントと共に存在し得る。美容応用は、ふけなどの毛の状態の処置、または体臭の処置を含む多くの異なるパーソナルケアの応用をカバーする。
本発明の組成物は、予防用ハンドバリア溶液または手消毒溶液の形態で提供され得る。そのようなハンドバリア溶液は、クリーム、ローション、またはハイドロゲルの形態で提供されてよく、微生物感染症の予防的防止のために有利な特性を有するハンドウォッシュ型製品として使用される。本発明の組成物は、組織または皮膚用のワイプの一部として投与され得る。
微生物感染症は、口腔、目、耳、皮膚、胸部、または爪の感染症であり得る。口腔感染症は、歯肉疾患、口腔潰瘍および/または口腔衛生障害であり得る。口腔衛生障害は、口臭および/または歯肉炎であり得る。あるいは、口腔感染症は、鼻のブドウ球菌感染症を含む、咽頭感染症または鼻感染症であり得る。
本発明の組成物は、細菌、ウイルスまたは真菌などの病原体による感染症の結果でなくてもよい状態を処置するために使用され得る。そのような状態は、口腔状態を含む。
例えば、再発性アフタ性潰瘍などのアフタ性潰瘍は、病原体による感染症の結果でないことがある。アフタ性潰瘍は、さもなければ健常な個体における良性かつ非伝染性の口腔潰瘍(アフタ)の繰返しの形成によって特徴付けられる。アフタ性潰瘍の原因は完全には理解されていないが、様々な要因によって誘発されるT細胞媒介性の免疫応答を伴うと考えられている。誘発因子は、栄養欠乏症、局所的外傷、ストレス、ホルモンの影響、アレルギー、遺伝的素因または他の要因を含み得る。
病原体の感染症の結果でなくてもよい別の口腔状態は、地図状舌である。これは、通常は背側表面上にある、舌の粘膜の炎症性の状態である。
歯科医は通常、そのような状態を処置することが難しい。
本発明によれば、病原体による感染症の結果ではない状態の処置において使用するための本明細書に記載される組成物が提供される。状態は、好ましくは、口腔状態である。
本発明によれば、病原体による感染症の結果ではない状態の処置において使用するための医薬の製造における本明細書に記載される組成物の使用が提供される。状態は、好ましくは、口腔状態である。
本発明によれば、本明細書に記載される組成物をそのような処置を必要とする患者に投与することを含む、病原体による感染症の結果ではない口腔状態を処置する方法が提供される。状態は、好ましくは、口腔状態である。
本発明によれば、アフタ性潰瘍(好ましくは、再発性アフタ性潰瘍)または地図状舌の処置において使用するための本明細書に記載される組成物が提供される。
本発明によれば、アフタ性潰瘍(好ましくは、再発性アフタ性潰瘍)または地図状舌の処置において使用するための医薬の製造における本明細書に記載される組成物の使用が提供される。
本発明によれば、本明細書に記載される組成物をそのような処置を必要とする患者に投与することを含む、アフタ性潰瘍(好ましくは、再発性アフタ性潰瘍)または地図状舌を処置する方法が提供される。
組成物は、局所的に投与され得る。組成物は、対象の口腔内の罹患部位に直接的に投与され得る。
眼感染症は、結膜炎を含み得る。皮膚感染症は、真菌皮膚感染症であり得る。真菌皮膚感染症は、ヒトにおける水虫および/または白癬を含む。獣医学において、真菌性皮膚状態は、腐蹄症、白癬および人獣共通感染性皮膚感染症の制御を含む。爪感染症は、爪真菌症などの真菌爪感染症であり得る。
本発明の組成物は、ざ瘡、湿疹、または乾癬などの皮膚障害の処置のために使用され得る。ざ瘡および湿疹は、該組成物によって処置できる微生物感染症成分を有することがあり、引っ掻きによって引き起こされる乾癬病変の二次的な微生物感染症は、本発明の組成物によって処置され得る。
本発明の組成物は、獣医学において使用され得る。重要な獣医学的応用は、微生物感染症の処置および創傷ケアの処置もしくは管理、または熱傷の処置を含む。具体的な状態は、イヌにおける慢性皮膚感染症(皮下ブドウ球菌感染症)、外耳炎(耳感染症)、動物における口腔ケア、ニワトリにおけるカンピロバクター感染症、コリオーシス(coliosis)、ブタ、家禽およびウシにおける腸微生物感染症、クリプトスポリジウム感染症、人獣共通感染症のクリアランス、創傷被覆材、例えば、角の除去、および膿瘍の処置を含む。本発明は、食物連鎖に抗生物質を導入することなく微生物感染症の処置を可能とする点で、獣医学的用途において特定の利点を有する。
本発明の組成物は、抗菌活性を生成する能力を提供することが所望される任意の他の組成物または製品と共に提供され得る。本発明の組成物は、他の組成物または製品との混合物として、またはそれらとは別々に、例えば、他の組成物または製品とのキットとしてパッケージ化されて、提供され得る。本発明の組成物が他の組成物または製品との混合物として提供される場合、この他の組成物または製品は、酵素が本発明の組成物の基質を変換するのを可能とするために十分な自由水を含まないことが好ましい。
本発明の組成物は、組成物の使用のための使用説明書と共に提供され得る。例えば、本発明の組成物は、使用説明書と共にキットとしてパッケージ化され得る。
本発明によれば、本発明の組成物を製造する方法も提供される。
本発明によれば、本発明の組成物を産生する方法であって、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素を基質と接触させることを含む、方法が提供される。
本発明によれば、本発明の組成物を産生する方法であって、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素を、酵素のための基質に変換されることができる基質前駆体と接触させることを含む、方法が提供される。
好ましくは、酵素および基質(または基質前駆体)は、本明細書に記載されるようにして精製される。
酵素および基質、または酵素および基質前駆体は、乾燥または固体形態で接触または混合され得る。
方法は、本明細書に記載される溶質を混合することを含み得る。
方法は、酵素を加える前に、水などの溶媒中に基質または基質前駆体を溶解することを含み得る。
方法は、基質前駆体を基質に変換できる少なくとも1つの酵素を加えることを含み得る。
一部の実施形態では、本発明の組成物を形成するために、フルクトースおよびグルコースが水中に溶解される。フルクトースは室温で溶解し得る一方、グルコースは、溶解させるために加熱および撹拌を必要とし得る。
本発明によれば、抗菌溶液を形成する方法であって、酵素が基質を変換して過酸化水素を生成できるようにおよび/または基質前駆体が基質に変換されることができるように、本発明の組成物を十分な水と接触させるか、または本発明の組成物を十分な水で希釈することを含む、方法が提供される。
本発明によれば、第1の組成物および第2の組成物を含むキットであって、第1の組成物が、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる酵素を含み、第2の組成物が、酵素のための基質を含み、かつ、第1の組成物および第2の組成物が別々である、キットが提供される。
第1の組成物は酵素のための基質を含まず、かつ、第2の組成物は基質のための酵素を含まない。結果として、過酸化水素の産生は、第1の組成物および第2の組成物が混合されたときにのみ開始され得る。第1の組成物および第2の組成物は、水溶液であり得る。キットは、第1の組成物および第2の組成物が混合されたときに、(本明細書に記載される)望ましいレベルで過酸化水素の産生が進むことができるように予め定められた量の酵素、基質および溶媒を含有し得る。本発明のキットの組成物は、本明細書に記載される発明の組成物のさらなる特徴のいずれかを有し得る。例えば、(本明細書に記載されるように)酵素は、好ましくは精製されており、かつ、基質は、好ましくは精製されている。好ましくは、キットの第1の組成物および第2の組成物は、本明細書に記載されるように、滅菌されている。
本発明によれば、第1の組成物および第2の組成物を含むキットであって、第1の組成物が、基質前駆体を第2の酵素のための基質に変換できる第1の酵素を含み、かつ、第2の組成物が、第1の酵素のための基質前駆体を含み、かつ、第1の組成物および第2の組成物が別々である、キットが提供される。
過酸化水素の産生は、第1の組成物と第2の組成物が混合された際のみに開始され得る。したがって、第1の組成物は前駆体−基質を含まず、第2の組成物は第1の酵素を含まない。第2の酵素は第1の組成物もしくは第2の組成物、または第1の組成物と第2の組成物の両方に存在してよい。第1の組成物および第2の組成物は水溶液でよい。キットは、第1の組成物と第2の組成物が混合された際に所望のレベルで(本明細書に記載したように)過酸化水素の産生が進行するように、酵素、前駆体−基質および溶媒の所定量を含んでよい。本発明のキットの組成物は、本明細書に記載する本発明の組成物のさらなる特徴のいずれを有してもよい。例えば、第1の酵素と第2の酵素は、好ましくは精製されており、前駆体−基質は、好ましくは精製されている(本明細書に記載したように)。好ましくは、キットの第1の組成物および第2の組成物は本明細書に記載したように無菌である。本発明のいくつかの態様を以下の番号付きパラグラフにまとめる。
1.抗微生物活性を発生させるための組成物であって、
基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、
酵素のための精製された基質、
20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する糖または糖誘導体の形態の溶質
を含み、
酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物。
2.溶質が20℃、1気圧で少なくとも200g/100g水の溶解度を有する、番号付きパラグラフ1に記載の組成物。
3.溶質が少なくとも300g/100g水の溶解度を有する、番号付きパラグラフ1または番号付きパラグラフ2に記載の組成物。
4.溶質が二糖または単糖である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
5.溶質が単糖である、番号付きパラグラフ4に記載の組成物。
6.単糖がフルクトースである、番号付きパラグラフ5に記載の組成物。
7.溶質が乾燥重量で組成物の少なくとも60%である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
8.基質が乾燥重量で組成物の少なくとも30%である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
9.基質と溶質とを合わせた乾燥重量が組成物の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
10.組成物中の糖または糖誘導体の全量が乾燥重量で少なくとも90%、好ましくは乾燥重量で少なくとも95%である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
11.乾燥または固体形態である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
12.粉末の形態である、番号付きパラグラフ11に記載の組成物。
13.溶液または液体の形態である、番号付きパラグラフ1から10のいずれかに記載の組成物。
14.重量で20%またはそれ未満の水を含む、番号付きパラグラフ13に記載の組成物。
15.重量で少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%の水を含む、番号付きパラグラフ13または番号付きパラグラフ14に記載の組成物。
16.合わせて重量で少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、またはさらにより好ましくは重量で少なくとも80%の基質および溶質を含む、番号付きパラグラフ13から15のいずれかに記載の組成物。
17.組成物中の糖または糖誘導体の全量が重量で少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、またはさらにより好ましくは重量で少なくとも80%である、番号付きパラグラフ13から15のいずれかに記載の組成物。
18.緩衝剤を含む、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
19.pHが5またはそれ未満である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
20.pHが6〜8である、番号付きパラグラフ1から18のいずれかに記載の組成物。
21.組成物の希釈の後、少なくとも24時間、より好ましくは少なくとも48時間の間、過酸化水素を持続放出する、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
22.組成物の希釈の後、少なくとも24時間の間、2mmol/l未満のレベル、および/または少なくとも0.1mmol/lのレベルで過酸化水素を持続放出する、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
23.酵素が酸化還元酵素である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
24.酸化還元酵素がグルコースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、ピルベートオキシダーゼ、グリコレートオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、またはマンノースオキシダーゼである、番号付きパラグラフ23に記載の組成物。
25.酸化還元酵素のための基質がD−グルコース、ヘキソース、コレステロール、D−ガラクトース、ピラノース、コリン、ピルベート、グリコレートまたはアミノ酸である、番号付きパラグラフ23または番号付きパラグラフ24に記載の組成物。
26.酸化還元酵素がグルコースオキシダーゼであり、酸化還元酵素のための基質がD−グルコースである、番号付きパラグラフ23に記載の組成物。
27.組成物1グラムあたり少なくとも1単位のグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ26に記載の組成物。
28.組成物1グラムあたり1500単位までのグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ26または番号付きパラグラフ27に記載の組成物。
29.組成物1グラムあたり15単位を超えるグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ26から28のいずれかに記載の組成物。
30.組成物1グラムあたり少なくとも100単位、好ましくは100〜500単位のグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ26から29のいずれかに記載の組成物。
31.組成物1グラムあたり少なくとも500単位、好ましくは500〜1000単位のグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ26から29のいずれかに記載の組成物。
32.25〜2000ppmの酵素を含む、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
33.医用グレードまたは医用デバイスグレードの組成物である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
34.無菌である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
35.照射、好ましくはガンマ線照射への曝露によって、より好ましくは10〜70kGyで、より好ましくは25〜70kGyで、最も好ましくは35〜70kGyで滅菌されている、番号付きパラグラフ34に記載の組成物。
36.カタラーゼおよび/またはペルオキシダーゼ活性を有しない、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
37.純化されていない天然物質を何ら含まない、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
38.ハチミツを含まない、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
39.20℃で少なくとも5000mPas、より好ましくは20℃で少なくとも7500mPaの粘度、または20℃で5000〜20000mPasの粘度を有する、番号付きパラグラフ11または番号付きパラグラフ12以外の前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
40.血液凝固剤を含む、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
41.凝固因子、任意選択でフィブリノーゲンおよび/またはトロンビンを含む、番号付きパラグラフ40に記載の組成物。
42.複数の担体を含み、複数のフィブリノーゲン結合ペプチドがそれぞれの担体に固定化されている、番号付きパラグラフ40または番号付きパラグラフ41に記載の組成物。
43.実質的に過酸化水素を含まないか、検出可能な過酸化水素を含まない、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
44.酵素のための基質が溶質である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
45.酵素のための基質が溶質とは異なる、番号付きパラグラフ1から43のいずれかに記載の組成物。
46.非水溶媒を含む、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
47.ポリマーを含む、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
48.塩を含む、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
49.第1相および第2相を含み、第1相と第2相が非混和性である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
50.親油性相および水相を含む、番号付きパラグラフ49に記載の組成物。
51.油およびエマルシファイヤーを含む、番号付きパラグラフ49または50のいずれかに記載の組成物。
52.薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤とともに、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物を含む医薬組成物。
53.無菌である、番号付きパラグラフ52に記載の医薬組成物。
54.医用グレードまたは医用デバイスグレードの医薬組成物である、番号付きパラグラフ52または番号付きパラグラフ53に記載の医薬組成物。
55.対象への局所または口腔投与に適合した、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
56.対象に注射可能であるか、対象への注射に適合した、番号付きパラグラフ1から55のいずれかに記載の組成物。
57.前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物と、組成物を投与するための使用説明書とを含むキット。
58.創傷を被覆するための被覆材料と、番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物とを含む創傷被覆材。
59.前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物、キットまたは被覆材を滅菌する方法であって、組成物、キットまたは被覆材を、照射、好ましくはガンマ線照射または電子線照射に、好ましくは10〜70kGy、より好ましくは25〜70kGy、最も好ましくは35〜70kGyで曝露するステップを含む、方法。
60.抗微生物溶液を形成する方法であって、番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物を、酵素が基質を変換するために十分な水と混合し、接触させ、または水で希釈するステップを含む、方法。
61.抗微生物活性を発生させるための組成物を製造するための方法であって、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素を、酵素のための精製された基質、および少なくとも1つの糖または糖誘導体の形態の溶質と接触させるステップを含み、溶質が20℃、1気圧で100g/100g水を超える溶解度を有し、
組成物が、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、方法。
62.酵素、基質および溶質が、乾燥形態、好ましくは粉末形態で互いに接触する、番号付きパラグラフ61に記載の方法。
63.組成物が、液体または溶液の形態であり、基質、溶質および酵素が、水に溶解している、番号付きパラグラフ61に記載の方法。
64.緩衝剤を添加するステップを含む、番号付きパラグラフ61から63のいずれかに記載の方法。
65.医薬としての使用のための、番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物。
66.微生物感染の予防、処置、または改善における使用のための、番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物。
67.微生物感染の予防、処置、または改善のための医薬の製造における、番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物の使用。
68.微生物感染を予防し、処置し、または改善する方法であって、番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物を、そのような予防、処置、または改善を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
69.組成物または溶液を局所投与するステップを含む、番号付きパラグラフ65から68のいずれかに記載の使用または方法。
70.組成物を注射するステップを含む、番号付きパラグラフ65から68のいずれかに記載の使用または方法。
71.微生物感染がバイオフィルム、またはバイオフィルムを形成することができる微生物を含む、番号付きパラグラフ65から68のいずれかに記載の使用または方法。
72.微生物感染がバイオフィルムを形成することができる細菌、好ましくはグラム陰性細菌を含むか、またはバイオフィルムが以下の細菌種のいずれかを含むか、もしくは微生物が以下の細菌種のいずれかであって、以下の細菌種がPseudomonas aeruginosa、Acinetobacter baumannii、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、もしくはメチシリン感受性Staphylococcus aureus(MSSA)であるか、または微生物感染が慢性副鼻腔炎(CRS)等の鼻洞感染であるか、または微生物感染がMycobacterium tuberculosis感染等の微生物肺感染もしくは嚢胞性線維症を有する対象におけるPseudomonas aeruginosa感染である、番号付きパラグラフ71に記載の使用または方法。
73.番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物を創傷部位に投与するステップを含む、創傷を処置する方法。
74.創傷の処置における使用のための、番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物。
75.創傷の処置のための医薬の製造における、番号付きパラグラフ1から56のいずれかに記載の組成物の使用。
76.基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、および酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質を含む組成物であって、前駆体−基質を酵素のための基質に変換することを可能にするか、または酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、組成物。
77.前駆体−基質が炭水化物である、番号付きパラグラフ76に記載の組成物。
78.炭水化物がデンプン、シュクロース、マルトースおよびセルロースからなる群から選択される、番号付きパラグラフ77に記載の組成物。
79.前駆体−基質を基質に変換するための1つまたは複数の酵素を含む、番号付きパラグラフ76から78のいずれかに記載の組成物。
80.インベルターゼ、マルターゼ、セルラーゼおよびアミラーゼからなる群から選択される1つまたは複数の酵素を含む、番号付きパラグラフ79に記載の組成物。
81.非水溶媒を含む、番号付きパラグラフ76から80のいずれかに記載の組成物。
82.ポリマーを含む、番号付きパラグラフ76から81のいずれかに記載の組成物。
83.塩を含む、番号付きパラグラフ76から82のいずれかに記載の組成物。
84.第1相および第2相を含み、第1相と第2相が非混和性である、番号付きパラグラフ76から83のいずれかに記載の組成物。
85.親油性相および水相を含む、番号付きパラグラフ84に記載の組成物。
86.油およびエマルシファイヤーを含む、番号付きパラグラフ84または番号付きパラグラフ85に記載の組成物。
87.固体形態、例えば粉末である、番号付きパラグラフ76から86のいずれかに記載の組成物。
88.液体形態、例えば溶液である、番号付きパラグラフ76から86のいずれかに記載の組成物。
89.20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する糖または糖誘導体の形態の溶質を含む、番号付きパラグラフ76から88のいずれかに記載の組成物。
90.溶質が20℃、1気圧で少なくとも200g/100g水の溶解度を有する、番号付きパラグラフ89に記載の組成物。
91.溶質が少なくとも300g/100g水の溶解度を有する、番号付きパラグラフ89または番号付きパラグラフ90に記載の組成物。
92.溶質が二糖または単糖である、番号付きパラグラフ89から91のいずれかに記載の組成物。
93.溶質が単糖である、番号付きパラグラフ92に記載の組成物。
94.単糖がフルクトースである、番号付きパラグラフ93に記載の組成物。
95.溶質が乾燥重量で組成物の少なくとも60%である、番号付きパラグラフ90から94のいずれかに記載の組成物。
96.前駆体−基質が乾燥重量で組成物の少なくとも30%である、番号付きパラグラフ89から95のいずれかに記載の組成物。
97.前駆体−基質と溶質とを合わせた乾燥重量が組成物の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%である、番号付きパラグラフ89から96のいずれかに記載の組成物。
98.組成物中の糖または糖誘導体の全量が乾燥重量で少なくとも90%、好ましくは乾燥重量で少なくとも95%である、番号付きパラグラフ76から97のいずれかに記載の組成物。
99.重量で20%またはそれ未満の水を含む、番号付きパラグラフ76から98のいずれかに記載の組成物。
100.重量で少なくとも10%、好ましくは重量で少なくとも15%の水を含む、番号付きパラグラフ87以外の番号付きパラグラフ76から99のいずれかに記載の組成物。
101.合わせて重量で少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、またはさらにより好ましくは重量で少なくとも80%の前駆体−基質および溶質を含む、番号付きパラグラフ89から100のいずれかに記載の組成物。
102.組成物中の糖または糖誘導体の全量が重量で少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、またはさらにより好ましくは重量で少なくとも80%である、番号付きパラグラフ76から101のいずれかに記載の組成物。
103.緩衝剤を含む、番号付きパラグラフ76から102のいずれかに記載の組成物。
104.pHが5またはそれ未満である、番号付きパラグラフ76から103のいずれかに記載の組成物。
105.pHが6〜8である、番号付きパラグラフ76から103のいずれかに記載の組成物。
106.組成物の希釈の後、少なくとも24時間、より好ましくは少なくとも48時間の間、過酸化水素を持続放出する、番号付きパラグラフ76から105のいずれかに記載の組成物。
107.組成物の希釈の後、少なくとも24時間の間、2mmol/l未満のレベル、および/または少なくとも0.1mmol/lのレベルで過酸化水素を持続放出する、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
108.酵素が酸化還元酵素である、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
109.酸化還元酵素がグルコースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、ピルベートオキシダーゼ、グリコレートオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、またはマンノースオキシダーゼである、番号付きパラグラフ108に記載の組成物。
110.酸化還元酵素のための基質がD−グルコース、ヘキソース、コレステロール、D−ガラクトース、ピラノース、コリン、ピルベート、グリコレートまたはアミノ酸である、番号付きパラグラフ108または番号付きパラグラフ109に記載の組成物。
111.酸化還元酵素がグルコースオキシダーゼであり、酸化還元酵素のための基質がD−グルコースである、番号付きパラグラフ109から110のいずれかに記載の組成物。
112.組成物1グラムあたり少なくとも1単位のグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ108から111のいずれかに記載の組成物。
113.組成物1グラムあたり1500単位までのグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ108から112のいずれかに記載の組成物。
114.組成物1グラムあたり15単位を超えるグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ108から113のいずれかに記載の組成物。
115.組成物1グラムあたり少なくとも100単位、好ましくは100〜500単位のグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ108から114のいずれかに記載の組成物。
116.組成物1グラムあたり少なくとも500単位、好ましくは500〜1000単位のグルコースオキシダーゼを含む、番号付きパラグラフ108から115のいずれかに記載の組成物。
117.25〜2000ppmの酵素を含む、番号付きパラグラフ76から116のいずれかに記載の組成物。
118.医用グレードまたは医用デバイスグレードの組成物である、番号付きパラグラフ76から117のいずれかに記載の組成物。
119.無菌である、番号付きパラグラフ76から118のいずれかに記載の組成物。
120.照射、好ましくはガンマ線照射または電子線照射への曝露によって、より好ましくは10〜70kGyで、より好ましくは25〜70kGyで、最も好ましくは35〜70kGyで滅菌されている、番号付きパラグラフ119に記載の組成物。
121.カタラーゼおよび/またはペルオキシダーゼ活性を有しない、番号付きパラグラフ76から120のいずれかに記載の組成物。
122.純化されていない天然物質を何ら含まない、番号付きパラグラフ76から121のいずれかに記載の組成物。
123.ハチミツを含まない、番号付きパラグラフ76から122のいずれかに記載の組成物。
124.20℃で少なくとも5000mPas、より好ましくは20℃で少なくとも7500mPasの粘度、または20℃で5000〜20000mPasの粘度を有する、番号付きパラグラフ87以外の番号付きパラグラフ76から123のいずれかに記載の組成物。
125.血液凝固剤を含む、前記番号付きパラグラフのいずれかに記載の組成物。
126.凝固因子、任意選択でフィブリノーゲンおよび/またはトロンビンを含む、番号付きパラグラフ125に記載の組成物。
127.複数の担体を含み、複数のフィブリノーゲン結合ペプチドがそれぞれの担体に固定化されている、番号付きパラグラフ125または番号付きパラグラフ126に記載の組成物。
128.実質的に過酸化水素を含まないか、検出可能な過酸化水素を含まない、番号付きパラグラフ76から127のいずれかに記載の組成物。
129.前駆体−基質が溶質である、番号付きパラグラフ89から128のいずれかに記載の組成物。
130.前駆体−基質が溶質とは異なる、番号付きパラグラフ89から128のいずれかに記載の組成物。
131.薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤とともに、番号付きパラグラフ76から130のいずれかに記載の組成物を含む医薬組成物。
132.無菌である、番号付きパラグラフ140に記載の医薬組成物。
133.医用グレードまたは医用デバイスグレードの医薬組成物である、番号付きパラグラフ131または番号付きパラグラフ132に記載の医薬組成物。
134.対象への局所または口腔投与に適合した、番号付きパラグラフ76から133のいずれかに記載の組成物。
135.対象に注射可能であるか、対象への注射に適合した、番号付きパラグラフ76から134のいずれかに記載の組成物。
136.番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物と、組成物を投与するための使用説明書とを含むキット。
137.創傷を被覆するための被覆材料と、番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物とを含む創傷被覆材。
138.番号付きパラグラフ76から137のいずれかに記載の組成物、キットまたは被覆材を滅菌する方法であって、組成物、キットまたは被覆材を、照射、好ましくはガンマ線照射または電子線照射に、好ましくは10〜70kGy、より好ましくは25〜70kGy、最も好ましくは35〜70kGyで曝露するステップを含む、方法。
139.抗微生物溶液を形成する方法であって、番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物を、酵素が基質を変換するため、および前駆体−基質を酵素のための基質に変換するために十分な水と混合し、接触させ、または水で希釈するステップを含む、方法。
140.抗微生物活性を発生させるための組成物を製造するための方法であって、基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素を、酵素のための基質に変換することができる精製された前駆体−基質、および少なくとも1つの糖または糖誘導体の形態の溶質と接触させるステップを含み、溶質が20℃、1気圧で100g/100g水を超える溶解度を有し、
組成物が、酵素が基質を変換することを可能にするか、前駆体基質を酵素のための基質に変換することを可能にするために十分な自由水を含まない、方法。
141.酵素、前駆体−基質および溶質が、乾燥形態、好ましくは粉末形態で互いに接触する、番号付きパラグラフ140に記載の方法。
142.組成物が、液体または溶液の形態であり、基質または前駆体−基質および酵素が、水に溶解している、番号付きパラグラフ140に記載の方法。
143.緩衝剤を添加するステップを含む、番号付きパラグラフ140から142のいずれかに記載の方法。
144.医薬としての使用のための、番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物。
145.微生物感染の予防、処置、または改善における使用のための、番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物。
146.微生物感染の予防、処置、または改善のための医薬の製造における、番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物の使用。
147.微生物感染を予防し、処置し、または改善する方法であって、番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物を、そのような予防、処置、または改善を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
148.組成物または溶液を局所投与するステップを含む、番号付きパラグラフ144から147のいずれかに記載の使用または方法。
149.組成物を注射するステップを含む、番号付きパラグラフ144から147のいずれかに記載の使用または方法。
150.微生物感染がバイオフィルム、またはバイオフィルムを形成することができる微生物を含む、番号付きパラグラフ145から149のいずれかに記載の使用または方法。
151.微生物感染がバイオフィルムを形成することができる細菌、好ましくはグラム陰性細菌を含むか、またはバイオフィルムが以下の細菌種のいずれかを含むか、もしくは微生物が以下の細菌種のいずれかであって、以下の細菌種がPseudomonas aeruginosa、Acinetobacter baumannii、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、もしくはメチシリン感受性Staphylococcus aureus(MSSA)であるか、または微生物感染が慢性副鼻腔炎(CRS)等の鼻洞感染であるか、または微生物感染がMycobacterium tuberculosis感染等の微生物肺感染もしくは嚢胞性線維症を有する対象におけるPseudomonas aeruginosa感染である、番号付きパラグラフ150に記載の使用または方法。
152.番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物を創傷部位に投与するステップを含む、創傷を処置する方法。
153.創傷の処置における使用のための、番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物。
154.創傷の処置のための医薬の製造における、番号付きパラグラフ76から135のいずれかに記載の組成物の使用。
155.抗微生物溶液を形成する方法であって、番号付きパラグラフ1から56または76から135のいずれかに記載の組成物を、酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水が存在するように水溶液中で希釈するステップを含む、方法。
156.組成物を希釈して、30g/l〜150g/l、50〜100g/lまたは65〜75g/lの組成物を含有する溶液を形成するステップを含む、番号付きパラグラフ155に記載の方法。
157.番号付きパラグラフ155または156に記載の方法によって得られた、または得られる溶液。
158.過酸化水素が、少なくとも10μM、好ましくは10〜50μM、より好ましくは20〜30μMの濃度で存在する、番号付きパラグラフ157に記載の溶液。
159.過酸化水素の濃度が、溶液の形成後、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも10時間、さらにより好ましくは少なくとも24時間、維持される、番号付きパラグラフ158に記載の溶液。
160.基質を変換して過酸化水素を放出させることができる精製された酵素、酵素のための精製された基質、20℃、1気圧で少なくとも100g/100g水の溶解度を有する糖または糖誘導体の形態の溶質、および酵素が基質を変換することを可能にするために十分な自由水を含む組成物であって、過酸化水素が、少なくとも10μM、好ましくは10〜50μM、より好ましくは20〜30μMの濃度で存在する、組成物。
161.過酸化水素の濃度が、形成後、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも10時間、さらにより好ましくは少なくとも24時間、維持される、番号付きパラグラフ160に記載の組成物。
162.バイオフィルムを含む微生物感染の処置における使用のための、番号付きパラグラフ157から161のいずれかに記載の溶液または組成物であって、任意選択でコアモキシクラブ等の抗生物質とともに投与される、溶液または組成物。
163.微生物感染がHaemophilus influenza、MRSAまたはMSSAを含む、番号付きパラグラフ162に記載の使用のための溶液または組成物。
164.慢性副鼻腔炎の処置における使用のための、番号付きパラグラフ157から161のいずれかに記載の溶液または組成物。
165.抗生物質と組み合わせた、番号付きパラグラフ1から56、76から135、もしくは160から162のいずれかに記載の組成物、または番号付きパラグラフ157から159のいずれかに記載の溶液。
166.抗生物質がコアモキシクラブである、番号付きパラグラフ165に記載の組成物または溶液。
167.番号付きパラグラフ1から56、76から135、157から159、または160から162のいずれかに記載の組成物または溶液と、別々に抗生物質とを含むキット。
一般的なフォーマット「[状態Y]の処置における使用のための[組成物X]」における本明細書の記述および特許請求の範囲は、代替のフォーマット「[状態Y]の処置のための医薬の製造における[組成物X]の使用」、または「処置を必要とする対象に[組成物X]を投与するステップを含む[状態Y]を処置する方法」においても表すことができる。
本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例示のためにこれより説明する。