JP2019528678A - 試料分析のための装置および方法 - Google Patents

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    • C12Q1/6853Nucleic acid amplification reactions using modified primers or templates

Abstract

検出要素と一体化された試料調製要素を含む一体型装置を開示する。試料調製要素は、デジタルマイクロ流体モジュールまたは表面音響波モジュールであり得、これらのモジュールは、試料液滴を試薬液滴と合わせるために、かつ試料中の対象となる分析物の存在または不在を示す、ビーズ/粒子/標識を含有する液滴をもたらすさらなる試料調製工程を行うために使用される。ビーズ/粒子/標識は、液滴を装置の検出要素に移動させることによって検出され得、この検出要素は、ウェルのアレイを含む。本明細書に開示される検出モジュールは、対象となる分析物を検出するために使用することができ、これらの分析物は、増幅、単離、または他の技術によって強化されていてもよい。【選択図】図1A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月15日に出願された、米国仮特許出願第62/395,255号の利益を主張する。
検体の分析は、通常、手動でまたは複雑なロボット工学を使用してのいずれかで行われる試料調製工程を実施することによって行われる。試料の調製後、調製された試料中の分析物のアッセイは、調製された試料を機械に輸送し、次に調製された試料中の分析物の分析を行うための高価で複雑なシステムの使用をさらに伴う。
試料を調製し、かつ調製された試料をアッセイするために使用することができる一体型装置は、検体分析の分野において非常に望ましい。このような一体型装置は、低コストの選択肢を提供し、特にポイントオブケア用途などの臨床用途において、検体分析を行う容易さを有意に高めるだろう。
このように、試料分析を行うための一体型装置への関心がある。
試料中の標的核酸の存在を検出するための方法を提供する。特定の実施形態では、方法は、増幅によって試料中の標的核酸を増幅させて、増幅産物を生成することであって、増幅によって、タグを増幅産物に組み込み、増幅が、15サイクル未満の増幅を含む、増幅産物を生成することと、タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することと、複合体中の増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、捕捉物を、複数のウェルであって、1ウェル当たり1つ以下の捕捉物を含有するようにサイズ決めされる、ウェルに空間的に分離することと、複数のウェル中の検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む。
特定の実施形態では、増幅は、14サイクル未満、13サイクル未満、11サイクル未満、または10サイクル未満の増幅を含む。特定の実施形態では、増幅は、5〜15サイクル、5〜13サイクル、6〜15サイクル、6〜10サイクル、8〜15サイクル、8〜13サイクル、8〜10サイクル、2〜10サイクル、3〜10サイクル、4〜10サイクル、5〜10サイクル、または3〜5サイクルの増幅を含む。各増幅サイクルは、増幅サイクルの始めに存在する標的核酸の数を2倍にする。特定の場合には、増幅は、約6000個の標的核酸分子を生成し、それらは次に検出される。特定の場合には、増幅サイクルによって生成され、かつ本明細書に記載される方法によって検出可能な標的核酸分子の数は、10,000〜100、8000〜3000、7000〜5000、または6500〜5500個などの、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、1000個など、10000個未満である。本方法を使用して、増幅前に、試料中に存在する100、50、30、10、または5個程度の少ない標的核酸を検出し得る。特定の実施形態では、本方法は、わずか15回以下の増幅ラウンド後の、試料中の5〜100または5〜50分子などの試料中の少数の標的核酸分子の検出に好適である。
特定の実施形態では、試料中の標的核酸の存在を検出するための方法は、試料中の標的核酸を増幅によって増幅させて、増幅産物を生成することであって、増幅によって、タグを増幅産物に組み込み、増幅が、30分未満または10分未満の間行われる、増幅産物を生成することと、タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することと、複合体中の増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、捕捉物を、複数のウェルであって、1ウェル当たり1つ以下の捕捉物を含有するようにサイズ決めされる、ウェルに空間的に分離することと、複数のウェル中の検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む。
特定の実施形態では、増幅は、9分未満、8分未満、7分未満、6分未満、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、1分未満、または30秒未満の間行われる。
特定の実施形態では、試料中の標的核酸の存在を検出するための方法は、試料中の標的核酸を増幅によって増幅させて、1000分子程度の少ない数の増幅産物分子を生成することであって、増幅させることにより、タグを増幅産物分子に組み込む、増幅産物を生成することと、タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することと、複合体中の増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、捕捉物を、複数のウェルであって、1ウェル当たり1つ以下の捕捉物を含有するようにサイズ決めされる、ウェルに空間的に分離することと、複数のウェル中の検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む。
特定の実施形態では、増幅は、1500分子程度の少ない、2000分子程度の少ない、3000分子程度の少ない、4000分子程度の少ない、5000分子程度の少ない、または6000分子程度の少ない、7000分子程度の少ない、8000分子程度の少ない、10,000分子程度の少ない数の増幅産物分子を生成する。
特定の実施形態では、試料中の標的核酸の存在を検出するための方法は、試料中の標的核酸を増幅によって増幅させて、10aM程度の低い濃度である増幅産物分子を生成することであって、増幅によって、タグを増幅産物分子に組み込む、増幅産物を生成することと、タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することと、複合体中の増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、捕捉物を、複数のウェルであって、1ウェル当たり1つ以下の捕捉物を含有するようにサイズ決めされる、ウェルに空間的に分離することと、複数のウェル中の検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む。
特定の実施形態では、増幅産物は、20aM〜30aM程度の低い、30aM〜100aM程度の低い、100aM〜1fM程度の低い、1fM〜10fM程度の低い、10fM〜100fM程度の低い、または100fM〜1pM程度の低い、1pM〜10pM程度の低い、10pM〜100pM程度の低い、または100pM程度の低い、20aM程度の低い、30aM程度の低い、100aM程度の低い、1fM程度の低い、10fM程度の低い、または100fM程度の低い、1pM程度の低い、10pM程度の低い濃度を有する。
特定の実施形態では、方法は、検出可能に標識された複合体を含有するウェルの割合を決定することをさらに含み、ウェルの割合は、流体試料中の標的核酸の濃度を決定するために使用される。
他の実施形態では、方法は、ウェル中の検出可能に標識された複合体の信号の測定された強度レベルに少なくとも部分的に基づいて、流体試料中の標的核酸の濃度の測定値を決定することをさらに含む。
特定の実施形態では、方法は、増幅産物の複数の捕捉物上での捕捉の前に、増幅産物を変性させて、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を生成することであって、第1の核酸鎖が、タグを含み、タグが、第1のタグである、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を生成することと、第1の核酸鎖のセグメントに相補的であり、かつ第1のタグとは異なる第2のタグを含む、プローブを第1の核酸鎖にアニールすることと、第1のタグに特異的に結合する第1の結合メンバーである、結合メンバーを含む複数の捕捉物上で、第1のタグを含む第1の核酸鎖を捕捉して、捕捉物−第1の核酸複合体を生成することと、捕捉物−第1の核酸複合体をプローブ中の第2のタグに特異的に結合する第2の結合メンバーであって、検出可能に標識される、第2の結合メンバーと接触させ、それによって検出可能に標識された複合体を生成することと、を含む。
特定の実施形態では、増幅産物は、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を含み、増幅によって、第1のタグを第1の核酸鎖に、そして第2のタグを第2の核酸鎖に組み込み、増幅産物を捕捉することは、(a)第1のタグに特異的に結合する第1の結合メンバーを含む複数の捕捉物上で第1の核酸鎖を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することであって、複合体中の増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することが、複合体を、第2のタグに特異的に結合する第2の結合メンバーであって、検出可能に標識される、第2の結合メンバーと接触させ、それによって検出可能に標識された複合体を生成することを含む、捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成すること、または(b)第2のタグに特異的に結合する第2の結合メンバーを含む複数の捕捉物上で第2の核酸鎖を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することであって、複合体中の増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することが、複合体を、第1のタグに特異的に結合する第1の結合メンバーであって、検出可能に標識される、第1の結合メンバーと接触させ、それによって検出可能に標識された複合体を生成することを含む、捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成すること、を含む。
別の実施形態では、増幅産物中の第1の核酸鎖は、第1のタグを含み、複数の捕捉物は、第1のタグに特異的に結合する第1の結合メンバーを含み、第1の核酸鎖は、第2のタグを含む複数のヌクレオチドを含み、増幅産物を捕捉することは、増幅産物を、第1の結合メンバーを含む複数の捕捉物と接触させて、捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することを含み、複合体中の増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することは、複合体を、第2のタグに特異的に結合する第2の結合メンバーであって、検出可能に標識される、第2の結合メンバーと接触させ、それによって検出可能に標識された複合体を生成することを含む。
いくつかの実施形態では、検出可能に標識された複合体は、検出可能な信号を生成する信号伝達部分を含む。いくつかの実施形態では、信号伝達部分は、基板に作用して検出可能な信号を生成する酵素である。
一体型マイクロ流体および分析物検出装置も開示する。一体型マイクロ流体および分析物検出装置ならびに関連するシステムを使用するための例示的な方法も、本明細書に提供する。
特定の実施形態では、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置は、第1の基板および第2の基板であって、第2の基板が、第1の基板上に位置付けられ、かつ間隙によって第1の基板から分離され、第1の基板が、第1の基板の上面上に位置付けられた一連の電極と、第1基板の上面上に配設され、かつ一連の電極を覆う、第1の層であって、第1の基板が、液滴が導入される近位部分および液滴が移動される遠位部分を備え、一連の電極および第1の層が、近位部分から遠位部分まで延在する、第1の層と、第1の基板の遠位部分に位置付けられたウェルのアレイであって、遠位部分に位置付けられ、かつ装置の近位部分までは延在していない、ウェルのアレイと、を備える、第1の基板および第2の基板を含み得る。
特定の場合には、第2の基板は、近位部分および遠位部分であって、近位部分が、第1の基板の近位部分に重なり合い、遠位部分が、ウェルのアレイに重なり合い、第2の基板の遠位部分が、ウェルのアレイの光学的インタロゲーションを容易にするために、略透明である、近位部分および遠位部分を含む。特定の場合には、第2の層は、第1の層の上面上に配設される。第2の層は、第1の基板の近位部分および遠位部分上に延在し得る。
第1の層は、誘電性かつ疎水性の材料から作製され得る。ウェルのアレイは、第1の層に位置付けられ得る。他の場合には、第1の層は、誘電体層から作製され得、第2の層は、疎水性層であり得る。ウェルのアレイは、第2の層に位置付けられ得る。特定の場合には、ウェルのアレイは、親水性表面を有し得る。
特定の場合には、ウェルのアレイは、ウェルアレイ上に移動される液滴中に存在するビーズまたは粒子または標識または他の分子の受け取りおよび保持を容易にするように配向される側壁を含み得る。ウェルは、第2の側壁とは反対側の第1の側壁であって、第1の側壁が、ウェルの底部に対して鈍角に配向され、第2の側壁が、ウェルの底部に対して鋭角に配向され、液滴の移動が、ウェルの底部に平行で、かつ第1の側壁から第2の側壁への方向にある、第1の側壁を備え得る。ウェルは、円錐台形状を有し得、円錐台形状のより狭い部分は、ウェルの開口を提供する。
特定の場合には、ウェルは、第2の側壁とは反対側の第1の側壁であって、第1の側壁の上部分が、ウェルの底部に対して鈍角に配向され、側壁の底部分が、ウェルの底部に垂直に配向され、第2の側壁が、ウェルの底部に対して垂直に配向され、液滴の移動が、ウェルの底部に平行で、かつ第1の側壁から第2の側壁への方向にあり、第1の側壁の上部分が、ウェルの開口にある、第1の側壁を備える。
特定の実施形態では、第1の基板および第2の基板であって、第2の基板が、第1の基板上に位置付けられ、かつ間隙によって第1の基板から分離され、第1の基板が、第1の基板上に液滴が配置される近位部分と、液滴が移動される遠位部分と、第1の基板の近位部分で第1の基板の上面上に位置付けられた一連の電極であって、第1の基板の遠位部分に位置付けられない、一連の電極と、電極アレイの上面上に配設され、かつ一連の電極を覆う、第1の層と、第1の基板の遠位部分に位置付けられたウェルのアレイと、を備える、第1の基板および第2の基板を含む、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置を提供する。
特定の場合には、第2の基板は、近位部分および遠位部分を含み、近位部分は、第1の基板の近位部分に重なり合い、遠位部分は、ウェルのアレイに重なり合い、第2の基板の遠位部分は、ウェルのアレイの光学的インタロゲーションを容易にするために、略透明であり、一連の電極は、間隙内に配置された液滴を、装置の遠位部分に向かって移動させるように構成され、装置は、近位部分を遠位部分に流体的に接続する毛細管部分を備え、毛細管は、電気力がない状態での毛細管部分を介した近位部分から遠位部分への液滴の移動を容易にするために、親水性材料を含む。特定の場合には、第2の層は、第1の層の上面上に配設される。特定の場合には、第2の層は、第1の基板の近位部分および遠位部分上に延在する。
一体型表面音響波マイクロ流体および分析物検出装置であって、第1の基板および第2の基板を備え、第2の基板が、第1の基板上に位置付けられ、かつ間隙によって第1の基板から分離され、第1の基板が、近位部分および遠位部分を備え、近位部分が、試料注入口要素に隣接し、遠位部分が、近位部分から下流にあり、近位部分が、表面音響波生成構成要素に連結されたスーパーストレートを備え、遠位部分が、第1の基板の上面上に位置付けられたウェルのアレイを備える、一体型表面音響波マイクロ流体および分析物検出装置も、本明細書に開示する。
特定の実施形態では、スーパーストレートは、スーパーストレートの上面上にフォノニック構造を含む。特定の実施形態では、スーパーストレートは、圧電結晶層に重なり合う。特定の実施形態では、第2の基板は、略透明である。
別の実施形態では、一体型表面音響波マイクロ流体および分析物検出装置であって、第2の基板から離間する第1の基板を含み、第1の基板が、ウェルのアレイを備え、第2の基板が、フォノニック構造を備え、ウェルのアレイおよびフォノニック構造が、互いに向かい合って設置され、第2の基板が、スーパーストレートであるか、またはスーパーストレートが、第2の基板上に配設され、フォノニック構造が、スーパーストレート上に設置される、一体型表面音響波マイクロ流体および分析物検出装置を提供する。
一実施形態による、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置の側面図を例示する。 別の実施形態による、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置の側面図を例示する。 一実施形態による、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置の側面図を例示する。 別の実施形態による、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置の側面図を例示する。 液滴が装置内で移動している状態の図2Aの装置の側面図を例示する。 液滴が装置内を移動している状態の図2Bの装置の側面図を例示する。 ナノ粒子/ナノビーズを含有する液滴がウェルのアレイ上に移動される状態の図2Aの装置の側面図を例示する。 ナノ粒子/ナノビーズを含有する液滴が不混和性流体の液滴と共にウェルのアレイ上に移動される状態の図2Bの装置の側面図を例示する。 装置50の親水性毛細管区域を使用して、ウェルのアレイ上に移動される水滴を例示する。 ウェルのアレイ上に移動される水滴を例示する。 ウェルの側壁の様々な例示的な配向を例示する。 同上。 デジタルマイクロ流体および分析物検出装置の底部基板を製作する一例を例示する。 デジタルマイクロ流体および分析物検出装置の上部基板を製作する一例を例示する。 複数のデジタルマイクロ流体および分析物検出装置を製造するために、上部基板および底部基板を組み立てる一例を例示する。 本開示の例示的なデジタルマイクロ流体および分析物検出装置の底部基板の上部からの図を示す。 同上。 一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置へとウェルのアレイを製作する例を例示する。 同上。 同上。 同上。 一体型マイクロ流体および分析物装置ならびにウェルのアレイの表面音響構成要素の一実施形態の側面図を例示する。 一体型マイクロ流体および分析物装置ならびにウェルのアレイの表面音響構成要素の別の実施形態の側面図を例示する。 試料調製要素およびウェルアレイ構成要素を製作する一例を例示する。 同上。 本開示の例示的な方法を図示する。 図示されている装置のウェル中に位置していないビーズを除去するための例示的な方法を例示する。 図示されている装置のウェル中に位置していないビーズを除去するための別の例示的な方法を例示する。 核酸試験(NAT)のための例示的な方法を図示する。 同上。 NAT用モジュールの一体化の実施形態を図示する。 核酸のデジタル検出のための例示的な標識方法を図示する。 同上。 同上。 NAT用のデジタル検出対アナログ検出のために必要とされる増幅レベルの比較を図示する。 ストレプトアビジン被覆ビーズ、ならびにビオチンおよびジゴキシゲニン(DIG)で二重標識されたDNA(DL−DNA)を図示する。 DL−DNAに結合しているビーズの割合として表される、測定され、かつ予測される信号を提供する。 DL−DNAの濃度を増加させる機能としての能動的なビーズ(陽性ビーズ)のパーセントのグラフを示す。
一体型マイクロ流体および分析物検出装置を開示する。一体型マイクロ流体および分析物検出装置ならびに関連するシステムを使用するための例示的な方法も、本明細書に提供する。
本発明をより詳細に記載する前に、本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、当然のことながら、変化し得ることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定されるため、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を記載するためのものに過ぎず、限定的であることを意図するものではないことも理解されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことが留意されなければならない。したがって、例えば、「1つの電極」を参照することは、複数のそのような電極を含み、「そのウェル」を参照することは、1つ以上のウェルおよび当業者に知られているそれらの等価物を参照することなどを含む。
本明細書で言及される全ての刊行物は、刊行物が引用されるものとの関連で方法および/または材料を開示および記載するために、参照によって本明細書に組み込まれる。本開示は、本開示と参照により組み込まれる刊行物との間に矛盾がある範囲まで制御している。
一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置
一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置に関するシステム、装置、および方法を、本明細書に記載する。
特定の実施形態では、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置は、2つのモジュール、すなわち、試料調製モジュールおよび分析物検出モジュールを有し得る。試料調製モジュールは、試料の液滴および試薬を移動、融合、希釈、混合、分離するための一連の電極を含み得る。分析物検出モジュールは、分析物関連信号が検出されるウェルのアレイを含み得る。特定の場合には、検出モジュールはまた、調製された試料の液滴をウェルのアレイに移動させるための一連の電極を含み得る。他の実施形態では、一連の電極を、試料調製モジュールに限定してもよく、他の手段を使用して、調製された試料の液滴(および/または不混和性流体の液滴)を検出モジュールに移動させることができる。
特定の実施形態では、試料調製モジュールは、イムノアッセイの工程を行うために使用され得る。任意のイムノアッセイ様式を使用して、検出可能な信号を生成することができ、この信号は、試料中の対象となる分析物の存在を示し、かつ試料中の分析物の量に比例する。例示的なイムノアッセイは、本明細書に記載される。
特定の場合には、検出モジュールは、試料中に存在する分析物の量に関連する信号を測定するために、光学的にインタロゲーションされるウェルのアレイを含む。ウェルのアレイは、サブフェムトリットル体積、フェムトリットル体積、サブナノリットル体積、ナノリットル体積、サブマイクロリットル体積、またはマイクロリットル体積を有し得る。例えば、ウェルのアレイは、フェムトリットルウェルのアレイ、ナノリットルウェルのアレイ、またはマイクロリットルウェルのアレイであり得る。特定の実施形態では、アレイ内のウェルは全て、略同じ体積を有し得る。ウェルのアレイは、最大100μl、例えば、約0.1フェムトリットル、1フェムトリットル、10フェムトリットル、25フェムトリットル、50フェムトリットル、100フェムトリットル、0.1pL、1pL、10pL、25pL、50pL、100pL、0.1nL、1nL、10nL、25nL、50nL、100nL、0.1マイクロリットル、1マイクロリットル、10マイクロリットル、25マイクロリットル、50マイクロリットル、または100マイクロリットルの体積を有し得る。
特定の実施形態では、試料調製モジュールおよび検出モジュールは両方とも、単一のベース基板上に存在し得、試料調製モジュールおよび検出モジュールの両方が、液滴を移動させるための一連の電極を含み得る。特定の実施形態では、そのような装置は、第1の基板および第2の基板を含み得、第2の基板は、第1の基板上に位置付けられ、かつ間隙によって第1の基板から分離される。第1の基板は、試料調製モジュールが設置される近位部分であって、液滴が装置に導入される近位部分と、液滴が移動する遠位部分であって、検出モジュールが設置される遠位部分と、を含み得る。第1の基板は、第1の基板の上面上に重ね合わされ、かつ近位部分から遠位部分まで延在する、一連の電極を含み得る。第1の基板は、第1の基板の上面上に配設され、一連の電極を覆い、かつ近位部分から遠位部分まで延在する、層を含み得る。第1の層は、誘電性かつ疎水性の材料である材料から作製され得る。誘電性かつ疎水性である材料の例には、ポリテトラフルオロエチレン材料(例えば、テフロン(登録商標))またはフッ素系界面活性剤(例えば、FluoroPel(商標))が含まれる。第1の層は、略平面状の表面を提供するような方法で堆積され得る。ウェルのアレイは、第1の基板の遠位部分に、かつ一連の電極の一部分に重なり合って、位置付けられ得、かつ検出モジュールを形成し得る。ウェルのアレイは、第1の層に位置付けられ得る。特定の実施形態では、第1の層でのウェルのアレイを製作の前または後に、親水性表面を有するウェルのアレイを提供するために、親水性層は、第1の基板の遠位部分の第1の層上に配設され得る。第1の基板と第2の基板との間の空間/間隙は、空気または不混和性流体で充填され得る。特定の実施形態では、第1の基板と第2の基板との間の空間/間隙は、空気で充填され得る。
特定の実施形態では、試料調製モジュールおよび検出モジュールは両方とも、単一のベース基板を使用して製作され得るが、液滴を移動させるための一連の電極は、試料調製モジュール内にのみ存在し得るに過ぎない。そのような実施形態では、第1の基板は、第1の基板の近位部分で第1の基板の上面上に重ね合わされる一連の電極を含み得、一連の電極は、第1の基板の遠位部分までは延在しない。上記に記載されるように、誘電性/疎水性材料(例えば、テフロン(登録商標))の第1の層は、第1の基板の上面上に配設され得、かつ一連の電極を覆い得る。特定の実施形態では、第1の層は、第1の基板の近位部分上にのみ配設され得る。他の実施形態では、第1の層は、近位部分ならびに遠位部分上の第1の基板の上面上に配設され得る。ウェルのアレイは、第1の基板の遠位部分の第1の層に位置付けられ得、ウェルのアレイ下に存在する一連の電極を含まない検出モジュールを形成し得る。
特定の場合には、第1の層は、誘電体層であり得、疎水性材料の第2の層は、誘電体層上に配設され得る。ウェルのアレイは、疎水性層に位置付けられ得る。疎水性層でのウェルのアレイの製作の前または後に、親水性層は、第1の基板の遠位部分の疎水性層上に配設され得る。
特定の実施形態では、第2の基板は、第1の基板の近位部分および遠位部分上に延在し得る。そのような実施形態では、第2の基板は、少なくともウェルのアレイに重なり合う区域において、略透明であり得る。他の場合には、第2の基板は、第1の基板の近位部分上に離間して配設され得、かつ第1の基板の遠位部分上には配設されない場合がある。したがって、特定の実施形態では、第2の基板は、試料調製モジュール中に存在し得るが、検出モジュール中には存在しない場合がある。
特定の場合には、第2の基板は、電極を形成する導電性層を含み得る。導電性層は、第2の基板の下面上に配設され得る。導電性層は、上記に記載されるように、誘電性/疎水性材料から作製される第1の層によって覆われ得る。特定の場合には、導電性層は、誘電体層によって覆われ得る。誘電体層は、疎水性層によって覆われ得る。導電性層およびそれを覆う任意の層(複数可)は、第2の基板の下面にわたって配設され得るか、または第2の基板の近位部分上にのみ存在し得る。特定の実施形態では、第2の基板は、第1の基板の近位部分および遠位部分上に延在し得る。そのような実施形態では、第2の基板およびその上に配置される任意の層(例えば、導電性層、誘電体層など)は、少なくともウェルのアレイに重なり合う区域において、略透明であり得る。
他の場合には、第1の基板上の電極のアレイは、同一平面上の電極として構成され得、第2の基板は、電極を含まない場合がある。
特定の場合には、第1の層および/または第2の層に存在する電極は、インジウム酸化錫、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、ドープ酸化亜鉛などの略透明な材料から製作され得る。
いくつかの実施形態では、試料調製モジュールおよび検出モジュールは、単一のベース基板上に製作され得る。他の実施形態では、試料調製モジュールおよび検出モジュールは、別々の基板上に製作され得、これらの基板は、続いて結合されて、一体型マイクロ流体および分析物検出装置を形成し得る。特定の実施形態では、第1および第2の基板は、基板間に位置付けられ得るスペーサを使用して、離間され得る。
本明細書に記載される装置は、平面状であり得、かつ長方形または正方形、丸い角を有する長方形または正方形などの任意の形状を有し得る。
液滴ベースのマイクロ流体は、能動的または受動的な力を介して液滴を生成および作動(移動、融合、分割など)させることを指す。能動的な力の例としては、電界が挙げられるが、これに限定されない。例示的な能動的な力の技術には、エレクトロウェッティング、誘電泳動、オプトエレクトロウェッティング、電極媒介、電界媒介、静電作動など、またはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの例では、装置は、エレクトロウェッティングなどの液滴ベースのマイクロ流体、またはエレクトロウェッティングと液滴の連続的な流体流との組み合わせを介して、間隙内の第1の層の上面(または存在する場合、第2の層の上面)にわたって液滴を作動させ得る。他の例では、装置は、試料調製モジュールから検出モジュールに液滴を送達するためのマイクロチャネルを含み得る。他の例では、装置は、液滴ベースのマイクロ流体を介した間隙内の疎水性層の表面にわたる液滴の作動に依存し得る。エレクトロウェッティングは、表面に電界を印加すること、および表面上に存在する液滴と表面との間の表面張力に影響を及ぼすことによって、表面の湿潤特性を変化させることを伴い得る。連続的な流体流を使用して、外部の機械的ポンプまたは一体型機械的マイクロポンプなどの外部圧力源、あるいは毛細管力と界面動電機構との組み合わせを介して、液滴を移動させることができる。受動的な力の例としては、T字型接合および流れ集束方法が挙げられるが、これらに限定されない。受動的な力の他の例には、第1の基板の表面上の液滴に連結され得、かつ表面にわたって液滴を変位させ得る、重油流体などのより高密度の不混和性液体の使用が含まれる。より高密度の不混和性液体は、水よりも密度が高く、かなりの程度まで水と混合しない、任意の液体であり得る。例えば、不混和性液体は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、極性油、非極性油、フッ素化油、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1−ヘキサノールなどであり得る。
第1の基板と第2の基板との間の空間は、高さが最大1mm、例えば、0.1μm、0.5μm、1μm、5μm、10μm、20μm、50μm、100μm、140μm、200μm、300μm、400μm、500μm、1μm〜500μm、100μm〜200μmなどであり得る。本明細書に記載される装置内で生成され移動される液滴の体積は、10μl〜1ピコモル、7.5μl〜10ピコモル、5μl〜1nL、2.5μl〜10nL、または1μl〜100nL、800〜200nL、10nL〜0.5μl、例えば、10μl、1μl、800nL、100nL、10nL、1nL、0.5nL、10ピコモル以下など、約10μl〜約5ピコモルの範囲であり得る。
図1Aは、例示的な一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置10を例示する。装置10は、第1の基板11および第2の基板12を含み、第2の基板12は、第1の基板11上に位置付けられ、かつ間隙13によって第1の基板から分離されている。図1Aに例示されるように、第2の基板12は、第1の基板11と同じ長さである。しかしながら、他の例示的な装置では、第1の基板と第2の基板とは、異なる長さであり得る。第2の基板は、電極を含んでも含まなくてもよい。第1の基板11は、試料液滴、試薬液滴などの液滴が第1の基板11上に導入される、近位部分15を含む。第1の基板11は、遠位部分16を含み、遠位部分16に向かって液滴が移動される。近位部分はまた、試料調製モジュールとも称され得、遠位部分は、分析物検出モジュールとも称され得る。第1の基板11は、第1の基板の上面上に位置付けられた一連の電極17を含む。誘電性/疎水性材料(例えば、誘電性および疎水性の両方であるテフロン(登録商標))の層18は、第1の基板の上面上に配設され、かつ一連の電極17を覆う。ウェルのアレイ19は、第1の基板16の遠位部分上の誘電体層18に位置付けられる。
図1Bは、第1の基板21および第2の基板22であって、第2の基板22が、第1の基板20上に位置付けられ、かつ間隙23によって第1の基板の上面から分離されている、第1の基板21および第2の基板22を含む、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置20の別の例を例示する。第1の基板21は、液体が第1の基板21上に導入される近位部分25と、液体が分析物関連信号の検出のために配向される遠位部分26と、を含む。第1の基板21は、第1の基板の上面上に位置付けられた一連の電極27を含む。誘電性材料の層28は、第1の基板21の上面上に位置付けられ、かつ一連の電極27を覆っている。この例示的な装置では、一連の電極27は、第1の基板21の近位部分上のみに位置付けられている。第2の基板は、電極を含んでも含まなくてもよい。
図2Aは、別の例示的な一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置30を例示する。装置30は、第1の基板31および第2の基板32を含み、第2の基板32は、第1の基板31上に位置付けられ、かつ間隙33によって第1の基板の上面から分離されている。第1の基板31は、試料液滴、試薬液滴などの液滴が第1の基板31上に導入される、近位部分35を含む。第1の基板31は、液滴が移動される、遠位部分36を含む。近位部分はまた、試料調製モジュールとも称され得、遠位部分は、検出モジュールとも称され得る。第1の基板31は、第1の基板の上面上に位置付けられた一連の電極37を含む。誘電性材料の層38は、第1の基板の上面上に配設され、かつ一連の電極37を覆っている。疎水性材料の層34は、誘電体層38上に重ね合わされている。ウェルのアレイ39は、第1の基板31の遠位部分上の疎水性層34に位置付けられる。ウェルのアレイは、親水性表面または疎水性表面を有し得る。
図2Bは、第1の基板41および第2の基板42であって、第2の基板42が、第1の基板40上に位置付けられ、かつ間隙43によって第1の基板の上面から分離されている、第1の基板41および第2の基板42を含む、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置40の別の例を例示する。第1の基板は、液体が第1の基板41上に導入される近位部分45と、液体が分析物関連信号の検出のために配向される遠位部分46と、を含む。第1の基板41は、第1の基板の上面上に位置付けられた一連の電極47を含む。誘電性材料の層48は、第1の基板41の上面上に位置付けられ、かつ一連の電極47を覆っている。この例示的な装置では、一連の電極47は、第1の基板41の近位部分45上のみに位置付けられる。誘電体層48は、第1の基板41の上面全体を覆い、疎水性層44は、誘電体層の上面全体を覆う。ウェルのアレイ49は、疎水性層44に位置付けられ、ウェルのアレイ49は、第1の基板41の遠位部分46に重なり合う疎水性層の一部分のみに位置付けられる。この例では、誘電体層48は、第1の基板41の上面全体上に延在するものとして示される。他の例では、誘電体層および疎水性層は、近位部分に限定され得、ウェルは、第1の基板の遠位部分上に位置付けられた親水性層に位置付けられ得る。
いくつかの例では、液体は、液滴アクチュエータ(図示せず)を介して間隙に導入され得る。他の例では、液体は、流体注入口、ポート、またはチャネルを介して間隙内にあり得る。装置のさらなる関連付けられる構成要素は、図には例示されていない。そのような図は、試料を保持するためのチャンバ、洗浄緩衝液、結合メンバー、酵素基質、廃液などを含み得る。アッセイ試薬は、一体型装置の一部として外部リザーバ内に含有される場合があり、所定の体積が、特定のアッセイ工程のために必要とされる場合に、リザーバから装置表面に移動され得る。さらに、アッセイ試薬は、乾燥試薬、印刷試薬、または凍結乾燥試薬の形態で装置に堆積させることができ、それらは、活性を失うことなく長時間保存することができる。そのような乾燥試薬、印刷試薬、または凍結乾燥試薬は、分析物の分析前または分析中に再水和され得る。
いくつかの例では、第1の基板は、紙(インクジェット印刷電極を有する)、ポリマーなどの可撓性材料から作製され得る。他の例では、第1の基板は、例えば、印刷回路基板、プラスチックまたはガラスまたはシリコンなどの非可撓性材料から作製され得る。いくつかの例では、第1の基板は、単一のシートから作製され、次にそれは、一連の電極を形成するためにその後の処理を受ける場合がある。いくつかの例では、複数の一連の電極は、切断されて、一連の電極と重ね合わされる複数の第1の基板を形成し得る、第1の基板上に製作され得る。いくつかの例では、電極は、一般的な接着剤またははんだを介して導電性層の表面に接合され得る。第2の基板は、紙(インクジェット印刷電極を有するか、または有しない)、ポリマー、印刷回路基板などの可撓性材料を含むが限定されない任意の好適な材料から作製され得る。
いくつかの例では、電極は、金属、金属混合物もしくは合金、金属−半導体混合物もしくは合金、または導電性ポリマーから構成される。金属電極のいくつかの例には、銅、金、インジウム、錫、インジウム酸化錫、およびアルミニウムが含まれる。いくつかの例では、誘電体層は、低い導電率を有するかまたは静電界を維持することができる、絶縁材料を含む。いくつかの例では、誘電体層は、磁器(例えば、セラミック)、ポリマー、またはプラスチックから作製され得る。いくつかの例では、疎水性層は、例えばテフロン(登録商標)、ポリ(p−キシリレン)ポリマー、および汎用フルオロカーボンなどの疎水性特性を有する材料から作製され得る。別の例では、疎水性材料は、フッ素系界面活性剤(例えば、FluoroPel)であり得る。誘電体層上に堆積された親水性層を含む実施形態では、それは、ガラス、石英、シリカ、金属水酸化物、または雲母の層であり得る。
当業者であれば、一連の電極が、第1の基板の単位面積当たり特定数の電極を含むことができ、その数が、電極のサイズおよび交差指型電極の存在もしくは不在に基づいて、増加または低減することができることを理解するだろう。電極は、フォトリソグラフィ、原子層堆積、レーザスクライビングまたはエッチング、レーザアブレーション、および電極のインクジェット印刷を含む、様々なプロセスを使用して製作され得る。
いくつかの例では、第1の基板の上面上に配設された導電性層に、特殊なマスクパターンを適用し得、その後、露出した導電性層をレーザアブレーションして、第1の基板上に一連の電極を生成することができる。
いくつかの例では、一連の電極によって生成された電位は、一連の電極を覆う第1の層(または存在する場合、第2の層)の上面上に形成された液滴を、ウェルのアレイによって受け取られるように、デジタルマイクロ流体装置の表面にわたって転移させる。各電極は、デジタルマイクロ流体装置の表面にわたって液滴を独立して移動させることが可能であり得る。
図3Aは、液滴が間隙170内を移動している状態の例示的な一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置100の側面図を例示する。図3Aに例示されるように、液滴は、近位部分115から、ウェル160のアレイを含有する遠位部分130まで作動されるものとして例示されている。複数のナノビーズまたはナノ粒子190を含有する液滴180は、一連の電極145を使用した能動的な方向の移動を介して、近位部分115にわたって遠位部分130上に移動されている。矢印は、液滴の移動の方向を示す。本明細書には示されていないが、分極性油を使用して、液滴を移動させ、かつウェルを密封することができる。ナノビーズ/ナノ粒子が本明細書に例示されているが、液滴は、ナノビーズ/ナノ粒子の代わりにまたはそれらに加えて分析物分子を含み得る。
図3Bは、液滴180が間隙170内を近位部分115からウェル160のアレイを含む遠位部分130まで移動される状態の、例示的な一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置101の側面図を例示する。装置の近位部分の表面をわたる移動は、電極145を介して行われ、次に、液滴180は、191および192によって形成された毛細管要素を通る毛細管移動などの受動的な流体力を使用して、遠位部分まで移動される。いくつかの例では、毛細管要素は、一連の電極によって生成された印加電界がない場合に、近位部分から遠位部分への水滴の移動を容易にするための親水性材料を含み得る。いくつかの例では、疎水性材料のストライピングは、親水性毛細管空間の隣に配設することができる。疎水性材料のストライピングは、デジタルマイクロ流体電極がない場合に、不混和性流体の液滴をウェルのアレイ上に移動させるために使用され得る。疎水性毛細管要素を通って流れることができる液体のいくつかの例は、フッ素化油などの重油流体を含み、ウェルのアレイ上の液滴の移動を容易にするために使用することができる。他の例では、油滴を利用して、余分な液滴を除去することもできる。
水系流体を移動させることに加えて、有機系不混和性流体も、電気媒介作動によって移動させることができる。液滴の作動は、相互に関連する双極子モーメントおよび誘電率、ならびに導電率と相関することが理解される。特定の実施形態では、不混和性液体は、約0.9Dよりも大きい分子双極子モーメント、約3よりも大きい誘電率、および/または約10−9Sm−1よりも大きい導電率を有し得る。移動可能な不混和性液体およびそれらの特徴の例は、Chatterjeeら、Lab on Chip、6、199−206(2006)に考察されている。本明細書に開示される分析物分析アッセイにおける不混和性液体の使用の例は、水滴の移動を助けること、ナノウェルの上に位置付けられる水性流体を変位させること、ウェルの光学的調査、ウェルの密封などの前に、ウェルからの未堆積ビーズ/粒子/分析物分子を変位させることなどを含む。本明細書に開示される装置内で移動可能な有機系不混和性流体のいくつかの例には、1−ヘキサノール、ジクロロメタン、ジブロモメタン、THF、およびクロロホルムが含まれる。上述の基準を満たす有機系油もまた、同様の条件下で移動可能であると予測されるだろう。不混和性流体液滴を使用する実施形態では、装置内の間隙/空間は、空気で充填され得る。
図4Aは、一体型装置の遠位部分に移動され、かつウェル160のアレイ上に位置付けられた、ナノビーズまたはナノ粒子190を含有する液滴180を例示する。液滴は、ウェルのアレイ上で連続的に移動され得るか、またはウェルのアレイ上で移動が一時停止され得る。液滴の移動および/またはウェルのアレイ上での液滴の一時停止は、ナノ粒子またはナノビーズ190のウェル160のアレイへの堆積を容易にする。ウェルは、1つのナノビーズ/ナノ粒子を含むように寸法決めされている。図4Aに例示される装置では、液滴は、一連の電極145を使用して、ウェルのアレイ上に移動される。ナノビーズ/ナノ粒子が本明細書で図示されているが、分析物分子を含有する液滴も、同様にして、かつ不混和性流体がウェルを密封する前に、分析物分子がウェル中に拡散することを可能にするのに十分な時間、ウェルの上で分析物分子を含有する液滴を一時停止させることによって、移動され得る。ウェルは、1つのナノビーズ/ナノ粒子を含むように寸法決めされている。ウェルはまた、1ウェル当たり1つの分析物分子を含むように寸法決めすることができる。
図4Bは、一体型装置の遠位部分に移動され、かつ一連の電極を使用せずにウェルのアレイ上に位置付けられる、ナノビーズまたはナノ粒子190を含有する液滴185を例示する。図4Bでは、疎水性液体195の液滴を使用して、液滴をナノウェルアレイ上に移動させ、ナノビーズ/ナノ粒子190のウェル160内への堆積を容易にする。矢印の方向は、液滴185が移動されている方向を示す。
図5は、電極57のアレイを使用して近位部分55上に移動される、疎水性流体液滴62(例えば、分極性油)を示す。毛細管要素60は、第1の基板51および第2の基板52上に疎水性材料の2つの縞を堆積させることによって形成される。疎水性毛細管は、遠位部分56内に電極のアレイがない場合に、ウェルのアレイ59への分極性油滴62の移動を容易にする。他の実施形態では、毛細管要素は、第1の基板51および第2の基板52上に疎水性材料の2つの縞を堆積させることによって形成され得る。疎水性材料は、遠位部分56内に電極のアレイがない場合に、ウェルのアレイ59への水滴の移動を容易にする。特定の実施形態では、毛細管要素は、一対の疎水性材料の縞と交互に配置された一対の親水性材料の縞を含み得る。水滴は、一対の親水性縞が位置付けられている区域に向けられ得、不混和性流体の液滴は、一対の疎水性縞が位置付けられている区域に配向され得る。
図6は、一体型デジタルマイクロ流体および検出モジュールの別の実施形態を図示する。装置600は、その上に電極607のアレイが形成される、底部層601を含む。電極のアレイは、誘電体層608によって覆われている。疎水性層609は、底部基板の近位部分605にのみ配設されている。親水性層610は、底部基板601の近位部分606上にのみ配設されている。ウェルのアレイは、親水性層610内の遠位部分に設置されている。間隙/空間603によって底部基板から分離された上部基板602も、図示されている。上部基板602は、底部基板の近位部分上の上部基板の底面上に配設された誘電体層608を含む。上部基板は、底部基板の近位部分にわたって上部基板の底面上に配設された親水性層610を含む。水滴611は、疎水性層を湿潤させず、親水性の遠位部分に到達すると、水滴611は、ウェル619のアレイ上に拡散し、それによって受動的毛細管力を介した水相の移動を容易にする。同様に、上記の概念を逆にして、有機系不混和性流体のウェル上での湿潤および拡散を容易にすることができる。この場合、遠位部分の上部基板および底部基板は、疎水性材料/塗料で被覆することができ、それによって有機系不混和性流体が受動的毛細管力を介してウェル上を流れることが可能になる。
本明細書で使用される場合、デジタルマイクロ流体は、マイクロ流体装置内の液滴を操作する、例えば、小空間内で液滴を移動させる、液滴を分割する、液滴を融合させるなどのための電極のアレイの使用を指す。本明細書で使用される場合、「液滴(複数可)」および「流体液滴(複数可)」という用語は、形状が略球形であり、マイクロ流体装置の壁または基板によって少なくとも片側上で境界付けられる、目立たない体積の液体を指すために互換的に使用される。液滴との関連で略球形とは、球形、部分的に平らな球形、例えば、円板形、スラグ形、切頭球形、楕円形、半球形、または卵形などの形状を指す。本明細書に開示される装置内の液滴の体積は、10μl〜1pL、7.5μl〜10pL、5μl〜1nL、2.5μl〜10nL、または1μl〜100nL、例えば、10μl、5μl、1μl、800nL、500nL以下など、約10μl〜約5pLの範囲であり得る。
いくつかの例では、ウェルのアレイは、複数の個々のウェルを含む。ウェルのアレイは、1mm当たり10〜10の数の範囲であり得る、複数のウェルを含み得る。特定の場合には、およそ12mmの面積を覆う、約100,000〜500,000ウェル(例えば、フェムトリットルウェル)のアレイを製作することができる。各ウェルは、幅約4.2μm×深さ3.2μm(体積およそ50フェムトリットル)を測定し得、かつ単一のビーズ/粒子(直径約3μm)を保持することができ得る。この密度では、フェムトリットルウェルは、互いにおよそ7.4μmの距離で離間している。いくつかの例では、ナノウェルアレイは、10nm〜10,000nmの直径を有する、個々のウェルを有するように製作され得る。
ウェル中に単一のナノビーズ/ナノ粒子/分析物分子を配置することにより、デジタル読み出しまたはアナログ読み出しのいずれかが可能になる。例えば、少数の陽性ウェル(<約70%陽性)については、ポアソン統計を使用して、デジタル様式で分析物濃度を定量化することができ、いくつかの陽性ウェル(>約70%)については、信号担持ウェルの相対強度を、それぞれ、単一のナノビーズ/ナノ粒子/分析物分子から生成される信号強度と比較し、かつアナログ信号を生成するために使用する。デジタル信号は、より低い分析物濃度に対して使用され得、一方、アナログ信号は、より高い分析物濃度に対して使用され得る。デジタル定量化とアナログ定量化との組み合わせを使用してもよく、それは、線形ダイナミックレンジを拡大することができる。本明細書で使用される場合、「陽性ウェル」とは、ナノビーズ/ナノ粒子/分析物分子の存在に関連する信号を有するウェルを指し、この信号は、閾値を上回る。本明細書で使用される場合、「陰性ウェル」とは、ナノビーズ/ナノ粒子/分析物分子の存在に関連する信号を有しない可能性があるウェルを指す。特定の実施形態では、陰性ウェルからの信号は、バックグラウンドレベル、すなわち、閾値未満であり得る。
ウェルは、平坦な底面を有する円筒形、丸い底面を有する円筒形、立方体形、直方体形、円錐台形、逆円錐台形、または円錐形など、様々な形状のうちのいずれかであり得る。特定の場合には、ウェルは、ウェルアレイ上に移動されるナノビーズまたはナノ粒子存在液滴の受け取りおよび保持を容易にするように配向され得る、側壁を含み得る。いくつかの例では、ウェルは、第1の側壁および第2の側壁を含み得、第1の側壁は、第2の側壁の反対側にあり得る。いくつかの例では、第1の側壁は、ウェルの底部に対して鈍角に配向され、第2の側壁は、ウェルの底部に対して鋭角に配向されている。液滴の移動は、ウェルの底部に対して平行な方向に、かつ第1の側壁から第2の側壁への方向であり得る。
いくつかの例では、ウェルのアレイは、成形、圧力、熱、もしくはレーザ、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を通して製作され得る。いくつかの例では、ウェルのアレイは、ナノインプリント/ナノスフェアリソグラフィを使用して製作され得る。
図7A〜図7Bは、ウェルのいくつかの例示的な側壁の配向を例示する。図7A〜Bに例示されるように、ウェルは、第2の側壁と反対側の第1の側壁を備える。図7Aは、ウェルのアレイ内の個々のウェル460を示す、垂直断面図を例示する。図7Aは、第1の側壁401および第2の側壁402を例示する。第1の側壁は、ウェルの底面143に対して鈍角であり、第2の側壁は、ウェルの底面143に対して鋭角である。矢印は、液滴がアレイにわたって移動する方向を例示している。ウェルの側壁のこの配向は、ナノビーズ/ナノ粒子/分析物分子490の受け取りおよび保持を容易にする。
図7Bでは、第1の側壁410の上部分415は、ウェルの底部412に対して鈍角に配向され、第1の側壁410の底部分416は、ウェルの底部412に対して垂直に配向され、第2の側壁411は、ウェルの底部412に対して垂直に配向され、液滴の移動は、ウェルの底部に対して平行な方向であり、かつ第1の側壁から第2の側壁への方向であり、第1の側壁の上部分は、ウェルの開口にある。
本明細書に記載される一体型装置は、いくつかの方法によって製作され得る。特定の場合には、方法は、第1の基板、一連の電極、誘電体層、および疎水性層を構築するための、レーザアブレーション、スプレー被覆、ロールツーロール、およびナノインプリントリソグラフィ(NIL)の組み合わせを伴い得る。
いくつかの例では、複数のローラが、第1のロールを巻き戻して、第1の基板を第1の位置に駆動し得る。次に、導電性材料を第1の基板に塗布することができる。導電性材料は、一連の電極にパターン化されてもよい。いくつかの例では、疎水性材料または誘電性材料のうちの少なくとも1つを、第1の基板上の少なくとも1つの電極パターンに塗布するための1つ以上の被覆ローラを備える、プリンタ装置。いくつかの例では、被覆ローラは、防汚材料を第1の基板に塗布するためのものである。
いくつかの例では、システムは、第1の基板を第2の基板と整列させるための融合をさらに含む。いくつかの例では、融合は、2つのローラを含む。また、開示される例のうちのいくつかは、疎水性材料または誘電性材料を硬化させるための硬化ステーションを含む。開示される例のうちのいくつかはまた、第1の基板の少なくとも第1の部分を、第2の基板の少なくとも第1の部分と接合するための接合ステーションを含む。接合部分は、電極パターンを含む。方法はまた、第1の基板および第2の基板を離間した距離で関連付けることを含む。第1の基板と第2の基板との間の空間は、高さが約0.01mm〜1mm、例えば、1μm、5μm、10μm、20μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、1μm〜500μm、100μm〜200μmなどであり得る。
いくつかの例では、方法は、第1の基板をエンボス加工して、第1の基板上に1つ以上の突起を形成することを含む。そのような例では、突起は、第1の基板および第2の基板を離間した距離で分離するためにある。
本開示の装置は、手動または自動または半自動で動作され得る。特定の場合には、装置は、分析物関連信号を生成し、かつ信号を検出するために必要とされる工程を実施するためのプログラムを実行するプロセッサによって動作され得る。本明細書で使用される場合、「分析物関連信号」または「分析物に関連付けられる信号」という語句は、分析物の存在を示し、かつ試料中の分析物の量に比例する、信号を指す。信号は、蛍光、化学発光、比色分析、比濁分析などであり得る。特定の場合には、読み出しは、デジタルであり得、例えば、陽性カウント(例えば、ウェル)の数を陰性カウント(例えば、ウェル)の数と比較して、デジタルカウントを取得する。
図8は、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置のベース基板を形成するための第1の例示的なシステムまたはアセンブリ500の図である。第1の例示的なアセンブリ500は、第1の例示的なアセンブリ500を通してベース基板508を駆動させるように同期回転で動作する、第1のローラ502、第2のローラ504、および第3のローラ506を含む、一連のまたは複数のローラを含む。第1の例示的なアセンブリ500は、ロールツーロール技術を使用して、アセンブリを通してベース基板508を移動させるために、第1〜第3のローラ502、504、506に加えて、ローラを含み得る。他の例では、コンベヤ、プーリ、および/または任意の他の好適な輸送機構(複数可)を使用し得る。
第1の例示的なアセンブリ500では、第1のローラ502が回転して、いくつかの例では、ロール構成の単一シートである、ベース基板508を巻き戻す。ベース基板508は、第1の層510および第2の層512を含む。この例では、第1の層510は、例えばプラスチックなどの非導電性可撓性基板またはウェブを含み、第2の層512は、導電性材料を含む。第2の層512の導電性材料は、例えば、金、銀、または銅などの金属、または導電性ポリマーなどの非金属導体であり得る。他の例では、異なる金属(複数可)または金属(複数可)および/もしくは導電性ポリマー(複数可)の組み合わせを使用してもよい。いくつかの例では、ベース基板508は、非導電性の第1の層510と導電性の第2の層512との間に配設された接着剤層513を含む。一例として、接着剤層513は、クロムを含むことができ、クロムの接着剤層513の上部上に金の層が配設されて、導電性の第2の層512を形成する。したがって、図5のベース基板108では、非導電性の第1の層510および導電性の第2の層512を予め接着させて、第1のローラ502によって巻き戻される前に、ベース基板508を形成する。
図8の例示的なベース基板508では、非導電性の第1の層510は、約500nm未満の厚さを有する。以下に記載されるように、そのような厚さは、ベース基板508が複数のローラを介して例示的な第1のアセンブリ500を通して移動することを可能にする。また、いくつかの例では、非導電性の第1の層510の厚さは、導電性の第2の層512の厚さよりも大きい。一例として、導電性の第2の層512の厚さは、およそ30nmであり得る。他の例では、導電性の第2の層512の厚さは、約500nm未満である。いくつかの例では、非導電性の第1の層510および/もしくは導電性の第2の層512の厚さは、例えば、第1および/もしくは第2の層510、512の材料、および/またはベース基板508から形成された液滴アクチュエータが使用されるべき動作目的に基づいて、選択される。
第1のローラ502は、ベース基板508をレーザアブレーションステーション514に駆動させる。レーザアブレーションステーション514は、ベース基板108の導電性の第2の層512上に投影されるべきマスターパターン518を含有するマスク516を含む。マスク516に関連付けられたマスターパターン518は、解像度(例えば、除去されるべきベース基板508の面積当たりの電極数)、電極サイズ、電極パターンを画定する線の構成、電極の相互嵌合、電極間の間隙または間隔、および/または電極を電源などの機器に接続するための電気トレースなどの特徴に基づいて、予め定義され得る。いくつかの例では、マスターパターン518の特徴は、ベース基板508が関連付けられるべき(例えば、生物学的アッセイおよび/または化学的アッセイと共に使用するために)液滴アクチュエータのうちの1つ以上の動作上の使用に基づいて、選択される。また、いくつかの例では、マスターパターン518は、レーザアブレーションステーション514がベース基板508上に異なるパターンを形成することを可能にするように構成可能または再構成可能である。追加的または代替的に、いくつかの例では、マスク516は、1つ以上の代替的なマスクと置換可能である。
レーザアブレーションステーション514は、レンズ520を含む。ローラ(例えば、第1のローラ502)の回転の結果として、ベース基板508がレーザアブレーションステーション514に遭遇すると、ベース基板508の一部分522が、レンズ520の下またはそれを越えて通過する。一部分522は、例えば、ベース基板508の面積よりも小さい面積を有し、かつ導電性の第2の層512を含む、ベース基板508の長方形または正方形の断面であり得る。レンズ520は、マスターパターン518の少なくとも一部分を、一部分522に関連付けられた導電性の第2の層512上に画像化または投影する。レーザビーム524は、レーザビーム524が投影されたマスターパターン518に基づいて、導電性の第2の層512を選択的に貫通するように、マスク516およびレンズ520を介して一部分522上に配向される。いくつかの例では、非導電性の第1の層500または一部分(例えば、非導電性の第1の層510の厚さの画分)がまた、投影されたマスターパターン518に基づいて、レーザビーム524によって貫通され得る。マスク516の固体部分は、レーザビーム524を遮断し、マスク516の開口部分は、レーザビーム524がマスク516を通過して、ベース基板508と接触することを可能にする。レーザビーム524は、例えば、エキシマレーザと関連付けられ得る。
レーザビーム524への曝露の結果として、一部分522の照射された非導電性の第1の層510は、レーザビーム524に関連付けられたエネルギーを吸収する。照射された非導電性の第1の層510は、光化学的解離を受け、その結果、非導電性の第1の層510の構造的接合の選択的な分解、ならびにマスターパターン518に従って照射された非導電性の第1の層510に重なり合う、非導電性の第1の層510の画分および導電性の第2の層512の部分の投影を生じる。いくつかの例では、レーザビーム524がベース基板508を貫通する深さ(例えば、放射強度)は、非導電性の第1の層510および/または導電性の第2の層512の深さ(例えば、厚さ)に基づいて、予め画定される。いくつかの例では、レーザビーム524の浸透深さは、下にある非導電性の第1の層510の断片化の結果として、レーザビーム524が導電性の第2の層512を除去する深さを変更するために調節可能である。いくつかの例では、この調節は、例示的なシステム500が動作するときに動的である。また、いくつかの例では、ベース基板508は、粒子および/または表面汚染物質を除去するために、レーザビーム524に曝露された後に、洗浄を受ける。
図8に例示されるように、レーザアブレーションステーション514に曝露された後、ベース基板508の一部分522は、電極アレイ526を含む。電極アレイ526は、導電性の第2の層512に形成された複数の電極から構成される。レーザビーム524への曝露および非導電性の第1の層510の断片化の結果として、導電性の第2の層512の部分が、ベース基板508から除去される。電極アレイ526に関連付けられる除去された部分は、マスターパターン518に基づいている。いくつかの例では、除去された部分は、マスク516の開口部分と一致する。
図8に戻ると、一部分522がレーザアブレーションステーション514でレーザアブレーションを受けて、電極アレイ526を形成した後、一部分522は、第1〜第3のローラ502、504、506の回転を介してプリンタ528に移動される。第1の例示的なアセンブリ500では、プリンタ528は、疎水性および/または誘電性特性を有する、材料530の少なくとも1層を電極アレイ526に塗布することができる、装置または機器を含む。第1の例示的なアセンブリ500では、プリンタ528は、ウェブベースの被覆(例えば、プリンタ528に関連付けられたローラを介する)、スロットダイ被覆、スピン被覆、化学蒸着、物理蒸着、および/または原子層堆積を含むがこれらに限定されない堆積技術を介して、疎水性および/または誘電性材料530を堆積させることができる。プリンタ528はまた、疎水性および/または誘電性材料530に加えて、他の材料(例えば、防汚塗料、抗凝固剤)を塗布することができる。また、プリンタ528は、異なる厚さを有する、かつ/またはベース基板508の異なる部分を覆う、材料(複数可)のうちの1つ以上の層を塗布することができる。
上記に記載されるように、第1の例示的なアセンブリ500では、第1〜第3のローラ502、504、506のうちの少なくとも1つは、疎水性および/または誘電性材料530を電極アレイ526に塗布するために、ベース基板508をプリンタ528に前進させる。いくつかの例では、プリンタ528は、疎水性および/または誘電性材料530を、例えば、ローラ被覆方法を介して塗布する際のプリンタ528の動作の一部として、ベース基板508の送りおよび位置合わせの精度を高めるための複数の位置合わせローラ531を含む。
第1の例示的なアセンブリ500では、疎水性および/または誘電性材料530が、電極アレイ526に塗布されて、電極アレイ526を完全にまたは略完全に絶縁する。
いくつかの例では、疎水性および/または誘電性材料530は、プリンタ528を介して実質的に液体の形態で堆積される。液滴を支持するためにベース基板508上に構造層または処理層532を形成するために、一部分522は、硬化ステーション534を通してローラ(例えば、第1〜第3のローラ502、504、506)を介して移動される。硬化ステーション534において、疎水性および/もしくは誘電性材料は、処理および/または改変されて、第1の処理層532を形成する。疎水性および/または誘電性材料を処理および/または改変することは、材料を硬化させることを含み得る。例えば、硬化ステーション534において、熱を加えて、疎水性および/または誘電性材料530の硬化を容易にする。いくつかの例では、一部分522は、紫外線に曝露されて、疎水性および/または誘電性材料530を硬化させ、かつ電極アレイ526を絶縁するための処理層532を形成する。他の例では、疎水性および/もしくは誘電性材料の硬化および/または改変は、熱および/もしくは光子源なしで達成される。いくつかの例では、電界を印加して(例えば、電極アレイ526に接続して)液滴を操作すると、処理層532は、液滴を支持する。例えば、エレクトロウェッティングプロセス中、処理層532に対する液滴の接触角は、印加された電圧の結果として変化し、これが、処理表面532上の液滴の表面張力に影響を与える。エレクトロウェッティングは、単なる例示であり、液滴は、他の力を使用しても同様に移動させることができる。
硬化ステーション534を通過した後、一部分522は、液滴アクチュエータの底部基板として、かつ/またはデジタルマイクロ流体チップとして、機能するように準備される。ベース基板508は、上記に開示されるように、導電性の第2の層512と接合された非導電性の第1の層510を含むため、例えば、非導電性の第1の層510への電極アレイ526のさらなる接着は、必要とされない。このような構成は、処理工程を低減することによって、液滴アクチュエータ用のベース基板508の準備の効率を高める。また、上記に記載されるように、一部分522がレーザアブレーションステーション514、プリンタ528、または硬化ステーション534のうちのいずれか1つにあるとき、ベース基板508の他の部分は、第1の例示的なアセンブリ500のそれぞれのステーション514、528、534の他の部分を通して同時に移動している。例えば、一部分522が硬化ステーション534にあるとき、第1〜第3のローラ502、504、506は、例えば、レーザアブレーションステーション514および/またはプリンタ528を通して、ベース基板508のうちの1つ以上の他の部分nを連続的に、周期的に、または非周期的に前進させる。このようにして、略連続的で高速の自動プロセスを介して、液滴アクチュエータ用のベース基板508の準備が達成される。
硬化工程の後、パターンローラは、ベース基板の遠位部分上で巻き取られて、ウェル540のアレイを形成する。アレイウェル540は、続いて、親水性材料(図示せず)で被覆され得る。
ベース基板508は、連続部分を含むものと考えられ得るが、第1の例示的なアセンブリ500のいくつかの例示的な動作中、ベース基板508は、連続部分が電極アレイ526を形成するための処理を受け(例えば、電極パターンを介して)、かつ疎水性および/または誘電性材料530の被覆を受けるときに、単一シートのままである。したがって、処理済みのベース基板508を使用して1つ以上の液滴アクチュエータを形成するために、いくつかの例では、以下にさらに開示されるように、ベース基板508を切断(例えば、ダイシング)して、電極アレイ526を含む個々のユニットを形成する。いくつかの例では、ダイシングの前に、一部分522を含むベース基板508は、第1のローラ502によって巻き戻される前に、ベース基板508の最初の巻き取り構成と同様の巻き取り構成に巻き戻される。そのような巻き戻しは、ロールツーロール処理の一部として1つ以上のローラを介して達成され得る。そのような例では、ベース基板508は、後でダイシングされ得るか、または別様に分離され得る。他の例では、ローラ(例えば、第2および第3のローラ504、506)は、上部基板と融合するように、ベース基板508を前進させる。
図9は、単一の電極を有する液滴アクチュエータの例示的な上部基板を形成するための第2の例示的なアセンブリ600を例示する。第2の例示的なアセンブリ600は、第1のローラ602、第2のローラ604、および第3のローラ606を含む、一連のまたは複数のローラを含み、これらは、同期回転で動作して、第2の例示的なアセンブリ600を通して上部基板608を駆動させる。第2の例示的なアセンブリ600は、アセンブリ600を通して上部基板608を移動させるために、第1〜第3のローラ602、604、606に加えて、ローラを含み得る。
第2の例示的なアセンブリ600では、第1のローラ602が回転して、いくつかの例では、巻き取り構成のシートである、上部基板608を巻き戻す。図9の例示的な上部基板608は、第1の層610および第2の層612を含む。例示的なベース基板508と同様に、この例では、上部基板608の例示的な第1の層610は、例えば、プラスチックなどの非導電性材料を含み、例示的な第2の層612は、例えば、金、クロム、銀、インジウム酸化錫、もしくは銅のうちの1つ以上を含む金属および/または他の任意の好適な金属(複数可)、導電性ポリマー(複数可)、または金属(複数可)の組み合わせ(複数可)および/または導電性ポリマー(複数可)などの導電性材料を含む。いくつかの例では、導電性の第2の層612は、接着剤層(例えば、クロム)を介して非導電性の第1の層に接着される。
第2の例示的なアセンブリ600では、第1〜第3のローラ602、604、606が回転して、上部基板612をプリンタ614に前進させる。プリンタ614は、導電性の第2の層612を、疎水性および/または誘電性材料616(例えば、テフロン(登録商標)またはパリレンC、またはセラミックなどの誘電体)で被覆する。プリンタ614は、図8の第1の例示的なアセンブリ500のプリンタ528と略同様である。例えば、プリンタ614は、ウェブベースの被覆、スロットダイ被覆、スピン被覆、化学蒸着、物理蒸着、原子層堆積、および/または他の堆積技術を介して、疎水性および/もしくは誘電性材料616を上部基板608に塗布し得る。プリンタ614は、疎水性および/もしくは誘電性材料616および/または他の被覆材料の塗布中に、プリンタ614に対する上部基板608の整列を容易にするための位置合わせローラ617を含み得る。
疎水性および/または誘電性材料616の被覆を受けた後、第2のローラ504および第3のローラ506は、一部分618を硬化ステーション620に前進させる。図8の硬化ステーション534に関連して開示されているように、第2の例示的なアセンブリ600の硬化ステーション620は、熱を介した疎水性材料の改変(例えば、硬化)を容易にして、処理層622を形成する。処理層622は、導電性の第2の層612を完全にまたは略完全に覆うことによって、上部基板608の単一の電極として機能する、導電性の第2の層612を絶縁する。したがって、一部分618の第2の層612を被覆する際に、上部基板608の電位導電性部分は、一部分618を含む液滴アクチュエータに印加され得る液滴から絶縁される。
硬化ステーション620を通過した後、一部分618は、液滴アクチュエータの上部基板として機能するように準備される。上部基板608は、導電性の第2の層612に予め接着された非導電性の第1の層610を含むため、例えば、非導電性の第1の層610への電極のさらなる接着は、必要とされず、それによって液滴アクチュエータ用の上部基板608の準備の効率を高める。
第2の例示的なアセンブリ600では、第1〜第3のローラ602、604、606が回転して、上部基板608を前進させ、そのため、上部基板の部分が、第2の例示的なアセンブリ60のロールツーロール動作の一部として、略連続的、周期的、および/または非周期的な連続で、プリンタ614または硬化ステーション620の一方を通過するようになっている。したがって、第2の例示的なアセンブリ600は、一部分618に関連して記載されるが、上部基板608の連続部分は、第1〜第3のローラ602、604、606の回転の結果として、一部分618と略同じ方法で準備されることが理解されるべきである。このようにして、上部基板308には、上部基板608の長さに沿って、処理層622が提供される。
例示的な上部基板608では、導電性の第2の層612は、電極として機能する。しかしながら、いくつかの例では、導電性の第2の層612は、レーザアブレーションを受けて、1つ以上の電極アレイを形成する。そのような例では、第2の例示的なアセンブリ600は、レーザアブレーションステーションを含む。したがって、疎水性材料616を受け取る前に、上部基板608は、レーザビームに曝露され、それによって、照射された導電性の第2の層612内に電極パターンが形成される。また、いくつかの例では、電極アレイは、ベース基板の上/中には形成されず、上部基板608の上/中にのみ形成される。
第2の例示的なアセンブリ600の動作中、上部基板608の連続部分が疎水性材料616で被覆されているので、上部基板は、単一シートのままである。1つ以上の液滴アクチュエータの製作の一部として、上部基板608は、ベース基板と整列される。いくつかの例では、硬化ステーション620を通過した後、上部基板は、1つ以上のローラを介して巻き取り構成に巻き戻される。そのような例では、完成したロールは、離間した距離で整列され、かつベース基板の個々のダイシングされたユニットと接合される個々のユニットに、ダイシングまたは別様に切断および/または分離されて、液滴アクチュエータを形成し得る。
他の例では、硬化ステーション620を通過した後、ローラ(例えば、第1〜第3のローラ602、604、606)は、上部基板608を前進させ続けて、自動ロールツーロール処理を介して、上部基板608をベース基板と融合させる。そのような例では、ベース基板508と整列させるために上部基板608を準備するために、第1〜第3のローラ602、604、606は、ベース基板に対する上部基板の配向を逆にするように回転し、そのため、ベース基板508および上部基板608とが平行な構成で整列されているとき、ベース基板の処理層が、上部基板608の処理層622に面するようになっている。
図10に示されるように、第3の例示的なアセンブリ650は、ベース基板508および上部基板608が、第3の例示的なアセンブリ650のそれぞれの第1のローラ652および第2のローラ654を介して供給される、一対の融合ローラを形成する、第3のローラ656および第4のローラ608を含む。融合ローラ656、658の各々が回転すると、ベース基板658および上部基板658は、所定の離間された距離または間隙をおいて平行な構成で整列される。
例示的な第3のアセンブリ650は、接合ステーション664を含む。接合ステーション664は、液滴アクチュエータを製作する一部として、ベース基板508と上部基板608とを結合または接合する。例えば、接合ステーション664において、1つ以上の接着剤が、ベース基板508および/または上部基板608の予め画定された部分(例えば、結果として生じる液滴アクチュエータの周辺を画定するベース基板508および/または上部基板608の一部分)に選択的に塗布されて、間隙662を保持しながら、ベース基板508と上部基板608との間に接合部を形成し得る。いくつかの例では、間隙662を形成する(例えば、接着剤を塗布する前に)ことを含む、接合ステーション664で基板508、608を接合すること。
接合ステーション664で使用され得る接着剤(複数可)の例には、エポキシ、ホイル、テープ、および/または紫外線硬化性接着剤が含まれる。いくつかの例では、SU−8および/またはポリジメチルシロキサン(PDMS)などのポリマーの層が、ベース基板508および/または上部基板608に塗布されて、基板を接合する。また、いくつかの例では、接合ステーション664は、例えば、紫外線を介した接着剤(複数可)の硬化をもたらす。接合ステーション664は、例えば、熱(例えば、熱接合)、圧力、硬化などを伴う、もう1つの方法を適用して、ベース基板658と上部基板608とを接合することができる。
例示的な第3のアセンブリ650では、図10に融合部分660によって実質的に表されているように、融合部分660を選択的に切断、ダイシング、または別様に分離して、1つ以上の液滴アクチュエータを形成することができる。例示的な第3のアセンブリ650は、ダイシングステーション666を含む。ダイシングステーション666は、例えば、切断装置、スプリッタ、またはより一般的には、連続的な融合部分660を個々の液滴アクチュエータに対応する個別のユニットに分割するための機器であり得る。融合部分660は、例えば、各液滴アクチュエータが、電極アレイのフットプリントと、電極パターンを介して形成される他の電極と、を含むように、電極パターンに基づいて個々の液滴アクチュエータに切断され得る。
図11Aは、その上に電極のアレイが近位部分73および遠位部分74に存在する、底部基板70の平面図を図示する。遠位部分上でのウェルのアレイの製作の工程71の後の底部基板72が、示されている。図11Bは、近位部分83にのみ配設された電極のアレイを有する底部基板80の平面図を図示する。底部基板82は、ウェルのアレイが遠位部分84に形成される工程81の後に図示される。
ナノウェルアレイは、誘電体/疎水性層、疎水性層(存在する場合)、または親水性層(存在する場合)の上へ製作され得る。第1の基板の疎水性層上にナノウェルアレイを製作するための1つの例示的な方法は、熱または紫外線ナノインプリントリソグラフィを使用する。図12Aは、ナノウェルアレイ760のパターンを形成するために、平坦なナノインプリント金型770を利用して、第1の基板710の遠位部分で疎水性層750に十分な圧力を加えることによって、ナノウェルアレイを製作するための1つの例示的な方法を例示する。この例では、ナノインプリントスタンパは、そのスタンピング輪郭が第2の層の上面に対応する、平坦なスタンピング要素であり得る。
図12Bは、ナノインプリントローラ775を利用して、ナノウェルアレイのパターンを、第1の基板の遠位部分の疎水性層に塗布することができる、別の例示的な方法を例示する。ナノインプリントローラは、ローラ775を一方向に前進させることによって、第1の基板710の疎水性層750上にパターンをインプリントすることができる。ローラが一方向に前進するにつれて、ローラは、ローラ上のインプリントパターンに対応するナノウェルアレイ760のパターンのインプリントを残す。一例では、ローラ775が第1の基板710の疎水性層750上にパターンをインプリントするとき、ローラ775は、反時計回りの方向に回転する。ローラまたはスタンパを変更して、好適な体積のウェルを形成することができ、例えば、フェムトリットルローラまたはスタンパが、フェムトリットルウェルを形成するために使用され得ることが理解される。
図12Cは、第1の基板の遠位部分の疎水性層にナノウェルアレイのパターンを形成する別の例示的な方法を例示する。この例では、レーザを適用して、疎水性層750の上面を切除することができる。レーザアブレーション工程は、第2の層上にナノウェルアレイ760のパターンを生成することができる。第2の層を切除するのに好適なレーザのいくつかの例には、フェムト秒およびピコ秒レーザを用いたパラメータが含まれる。いくつかの例では、レーザアブレーション工程は、必要とされるナノウェルアレイパターンを画定するための特殊なマスクの使用を含む。いくつかの例では、レーザ775は、集束要素777(例えば、レンズ)を利用して、パターンを正確に標的にしかつ切除する。いくつかの例では、レーザアブレーション工程に続いて、ナノウェルアレイを、誘電体層および/または疎水性層で被覆することができる。
図12Dは、第1の基板710の遠位部分の誘電体層740上にナノウェルアレイ760のパターンを形成する、さらに別の例を例示する。図12Dに例示されるように、この方法は、ロールツーロール製作を利用して、マイクロ流体構成要素およびウェルアレイを別々に製作する。一例では、第1のロール725は、第1の基板710を含むマイクロ流体構成要素を含有し、第1の基板は、一連の電極745、および第1の基板の上面上に配設され、かつ一連の電極745を覆う、誘電体層740を備える。第2のロール780は、すでに基板上に含まれているウェルアレイ760のパターンを有する基板750を含有する。いくつかの例では、先に基板750上に含まれているウェルアレイ760のパターンを、熱またはUVナノインプリントリソグラフィを通して塗布することができる。他の例では、ナノウェルアレイのパターンを、レーザアブレーションを通して基板上に先に含ませることができる。図12Dに例示されるように、インプリントされた第2のロール780はまた、ウェルアレイの基板上にインプリントされた疎水性被覆を含み得る。別々のロールが、ローラ705および708を介して巻き戻され、次に、2つのフィルムが、マイクロ流体構成要素基板上にナノウェル基板を重ね合わせることによって一緒に積層されて、ウェルアレイおよびマイクロ流体構成要素の積み重ね構成を形成することができる、積層プロセスに供される。
本明細書に記載されるように、「ロールツーロール」は、「リールツーリール」(R2R)という等価の用語を含み得、例えば、毎秒数メートルの速度を含む高速で、様々な構成要素を通して基板を移動させることによって動作する。ロールツーロールアセンブリは、巻き取り基板の巻き戻し、構成要素を通した基板の前進、および処理済み基板のロールへの巻き戻しを容易にする。
先に述べられたように、第1および第2の基板の遠位部分によって形成された検出モジュールは、分析物関連信号を検出するために使用される。いくつかの例では、対象となる分析物または生物学的試料の検出は、光信号検出を通して起こり得る。例えば、信号強度の結果を測定するために、励起光(例えば、レーザ)を照射すること。他の例では、所望の分析物は、各ウェルチャンバから発する光信号を測定することによって検出され得、その結果を定量化することによって定量化され得る。例えば、陽性カウント(例えば、ウェル)の数は、デジタル分析を介して陰性カウント(例えば、ウェル)の数と比較される。装置のウェルからの様々な信号を検出することができる。例示的な信号としては、蛍光、化学発光、比色、比濁などが挙げられる。
本明細書に記載される装置を使用して、分析物関連信号を生成し得、かつその信号を定量化し得る。例示的な方法は、図15に図示されている。図15の装置は、電極81のアレイを有する上部基板80を含む。上部基板は、装置の遠位部分にウェルのアレイ83を含む底部基板82から離間して位置付けられる。粒子またはビーズまたは分析物分子(図示せず)を含有する液滴84は、電極81を使用してウェル83のアレイに移動することができる。粒子またはビーズまたは分析物分子がウェル中を移動することを可能にするのに十分な時間の後、液滴84は、廃棄物チャンバ/吸収パッドなどに移動され得る。次に、緩衝液85の液滴をウェルのアレイに移動させて、ウェル中に堆積されていないあらゆる粒子またはビーズを除去することができる。いくつかの場合には、緩衝液の液滴は、液滴84を廃棄物チャンバ上に押し上げることができる。不混和性流体86の液滴は、ウェルのアレイ上に移動されて、ウェルを密封し得る。ウェルを光学的に調査する前に、あらゆる余分な液滴86を除去し得る。
図16は、デジタルマイクロ流体電極(例えば、電極145)が、粒子/ビーズまたは分析物分子190を含有する液滴180をウェル160のアレイ上に位置付ける方法を図示する。粒子/ビーズ/分析物分子がウェル中に堆積するのに十分な時間の後、液滴は、不混和性液体195(または本明細書で説明されるような不混和性液体)の液滴によって置換される。不混和性液体の液滴は、ウェル中に堆積されていない任意のビーズ/粒子/分析物分子を有する液滴180をウェルから移動させ、ウェルを覆う機能を果たす。
図17は、ウェルに堆積していないあらゆるビーズを除去するための別の方法を図示する。図17では、ビーズを含有する液滴を除去した後、ウェル上に多くのビーズ190が残っている。これらのビーズは、水滴を使用して洗浄される。185水滴を除去した後、ウェルのアレイは、堆積したビーズを含有する。不混和性流体195は、ウェルのアレイ上に移動されて、ウェルを密封する。
いくつかの力を利用して、ウェルのアレイ上に位置付けられた液滴からウェル中への粒子/ビーズの移動を容易にすることができる。そのような力には、重力、電気力、磁力などが含まれる。永久磁石または電磁石を、磁力源として使用することができる。特定の実施形態では、磁石は、一体型マイクロ流体および検出チップ上に設置されていない。分析物分子は、拡散を介してウェル中に堆積され得る。
イムノアッセイ
本明細書で提供される装置を使用して、試料中の対象となる分析物の量を測定し得る。本明細書で使用される場合、「分析物」、「標的分析物」、「対象となる分析物」という用語は、本明細書に開示される方法および装置において測定される分析物を指す。分析物は、小分子、ペプチド、タンパク質、RNA、DNA、脂質、炭水化物、毒素、または細胞であり得る。試料中に存在する分析物の量を決定するためにアッセイされ得る試料は、例えば、血液、血漿、血清、唾液、汗、尿などの生体液試料を含み得る。
本明細書で使用される場合、「試料」、「試験試料」、「生物学的試料」という用語は、対象となる分析物を含有するかまたは含有することが疑われる流体試料を指す。試料は、任意の好適な供給源に由来し得る。いくつかの場合には、試料は、液体、流動性粒子状固体、または固体粒子の流体懸濁液を含み得る。いくつかの場合には、本明細書に記載される分析の前に、試料を処理してもよい。例えば、試料は、分析前にその供給源から分離または精製することができるが、特定の実施形態では、分析物を含有する未処理試料を直接アッセイすることができる。分析物分子の供給源は、合成(例えば、実験室で生成される)、環境(例えば、空気、土壌など)、動物、例えば、哺乳動物、植物、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。特定の例では、分析物の供給源は、ヒトの身体物質(例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液、汗、痰、精液、粘液、涙液、リンパ液、羊水、肺洗浄液、脳脊髄液、糞便、組織、器官)である。組織としては、骨格筋組織、肝臓組織、肺組織、腎臓組織、心筋組織、脳組織などが挙げられ得るが、これらに限定されない。試料は、液体試料または固体試料の液体抽出物であり得る。特定の場合には、試料の供給源は、組織崩壊/細胞溶解によって可溶化され得る、生検試料などの器官または組織であり得る。試料は、その試料に対してイムノアッセイを行う前に処理され得る。例えば、試料は、濃縮、希釈、精製、増幅などをされ得る。
分析物関連信号を生成するいくつかのイムノアッセイ様式を使用し得る。いくつかの実施形態では、標的分析物を含有する試料液滴は、試料中に存在する標的分析物に特異的に結合する第1の結合メンバーが付着している、磁性ビーズを含有する液滴と融合され得る。融合は、単一の液滴を形成し、これは、試料液滴中に存在する分析物への第1の結合メンバーの結合を可能にするのに十分な時間、インキュベートされ得る。任意選択的に、試料と第1の結合メンバーとの混合を容易にするために、単一の液滴を撹拌し得る。混合は、単一の液滴を前後に移動させること、単一の液滴を複数の電極上で移動させること、液滴を分割し、次に液滴を融合させること、またはSAWを使用することなどによって達成され得る。次に、液滴が廃棄物チャンバまたはパッドに移動され得、かつ第2の結合メンバーを含有する液滴と置換され得る間、単一の液滴は、磁力に供されて、装置内の場所にビーズを保持し得る。第2の結合メンバーは、検出可能に標識され得る。標識は、光学的に検出され得る、任意の標識であり得る。標識は、蛍光標識であり得る。第2の結合メンバーを添加する前に、磁力を使用してビーズが保持されている場所に洗浄緩衝液の液滴を移動させることによって、任意選択的な洗浄工程を行うことができる。ビーズは、洗浄緩衝液中に再懸濁してもしなくてもよく、磁力が、磁性ビーズに印加され、洗浄緩衝液は、廃棄場所に輸送される。第2の結合メンバーが第1の結合メンバーに結合された分析物を結合するのに十分な時間の後、ビーズがその場所に保持されている間に、第2の結合メンバーを含有する液滴は、移動され得る。ビーズは、洗浄緩衝液の液滴を使用して、洗浄され得る。洗浄工程に続いて、磁力が除去され得、第1の結合メンバー、分析物、および第2の結合メンバーの複合体を有する標識されたビーズを含有する液滴が、検出モジュール上に移動され得る。本明細書に説明されているように、イムノアッセイは、試料調製モジュール内で実施され得る。標識されたビーズを、検出モジュール中のウェルのアレイ中に沈降させることができ得る。ビーズは、重力を使用して、または電気力もしくは磁力を印加することによって、沈降し得る。ウェルの内側に位置していないあらゆるビーズを除去するための洗浄工程に続いて、疎水性液体を使用することによって、ウェルを密封することができる。
別の実施形態では、第2の結合メンバーは、切断可能なリンカーを介して、粒子またはビーズに付着され得る。あらゆる未結合の第2の結合メンバーを除去するための洗浄工程に続いて、第2の結合メンバーに付着された粒子またはビーズは、化学的にまたは光切断のいずれかによって切断され得る。切断された粒子/ビーズは、検出モジュールに移動され得、ウェル中に存在する粒子/ビーズは、定量化され得る。
いくつかの場合には、第2の結合メンバーに付着された粒子/ビーズが、標識され得る。例えば、粒子/ビーズは、色分けされるか、または蛍光性であり得る。
別の実施形態では、第2の結合メンバーは、切断可能な標識に付着され得る。あらゆる未結合の第2の結合メンバーを除去するための洗浄工程に続いて、第2の結合メンバーに付着された標識は、化学的にまたは光切断のいずれかによって切断され得る。切断された標識は、検出モジュールに移動され得、そこで標識をウェル中に拡散させることができる。ウェル中に堆積されていないあらゆる標識の除去に続いて、ウェルは、疎水性流体で密封され得、標識は、定量化され得る。
分析物関連信号を生成し得る第2のイムノアッセイ様式もまた、使用され得る。いくつかの実施形態では、標的分析物を含有する試料液滴は、標識された分析物または標識された競合分子を含有する液滴と融合されて、単一の液滴を生成し得る。標識された分析物または標識された競合分子は、第1の結合メンバーと結合するための標的分析物と競合する。標識は、光学的に検出され得る任意の標識であり得る。標識は、蛍光標識であり得る。単一の液滴を撹拌させて、液滴を前後に移動させること、単一の液滴を複数の電極上に移動させること、液滴を分割し、次に液滴を融合させること、またはSAWを使用することなどによって、達成され得る混合を容易にし得る。次に、単一の液滴は、標的分析物と標識された分析物(または標識された競合分子)とを特異的に結合する第1の結合メンバーが付着されている、磁性ビーズを含有する液滴と融合され得る。融合は、液滴中に存在する標的分析物または標識された分析物(または標識された競合分子)のいずれかが、第1の結合メンバーと競合的に結合することを可能にするのに十分な時間インキュベートされ得る、第2の単一の液滴を形成する。任意選択的に、第2の単一の液滴を撹拌させて、標的分析物−標識された分析物混合物と第1の結合メンバーとの混合を容易にし得る。次に、第2の単一の液滴を磁力に供して、ビーズを装置内の場所に保持し得、次にその間に液滴を廃棄物リザーバ/パッドに移動させ得、ビーズを、洗浄緩衝剤を含有する液滴と接触させ得る。蛍光標識が使用される場合、ビーズは、洗浄緩衝液中に再懸濁され得、次にビーズは、検出モジュール上に移動され得る。
使用される標識が酵素である場合、次に磁力を印加して、磁性ビーズを捕捉し、洗浄緩衝液を廃棄場所に輸送する。酵素基質を含有する液滴が、第1の結合メンバー、分析物、および標識された分析物の複合体を有する磁性ビーズと接触され得る。任意選択的な混合が行われ得、その後、ビーズは、検出モジュール上に移動され得る。本明細書に説明されているように、イムノアッセイは、試料調製モジュール内で実施され得る。標識されたビーズを、検出モジュール中のウェルのアレイ中に沈降させることができ得る。ビーズは、重力を使用して、または電気力もしくは磁力を印加することによって、沈降し得る。ウェルの内側に位置していないあらゆるビーズを除去するための洗浄工程に続いて、ウェルは、不混和性液体を使用することによって密封され得る。
当業者によって理解されるように、結合メンバーは、分析されるべき分析物によって決定されるだろう。多種多様な標的分子のための結合メンバーが知られているか、または既知の技術を使用して、容易に発見または開発することができる。例えば、標的分析物がタンパク質である場合、結合メンバーは、タンパク質、特に抗体またはそれらの断片(例えば、抗原結合断片(Fab)、Fab’断片、F(ab’)断片、全長ポリクローナルまたはモノクローナル抗体、抗体様断片など)、レセプタータンパク質、タンパク質A、タンパク質Cなどの他のタンパク質を含み得る。分析物が、ステロイド、ビリン、レチノイド、および脂質などの小分子である場合、第1および/または第2の結合メンバーは、足場タンパク質(例えば、リポカリン)であり得る。いくつかの場合には、タンパク質分析物のための結合メンバーは、ペプチドであり得る。例えば、標的分析物が酵素である場合、好適な結合メンバーは、酵素基質および/またはペプチド、小分子などであり得る酵素阻害剤を含み得る。いくつかの場合には、標的分析物がリン酸化種である場合、結合メンバーは、リン酸結合剤を含み得る。例えば、リン酸結合剤は、米国特許第7,070,921号および米国特許出願第2006/0121544号に記載されるものなどの金属イオン親和性媒体を含み得る。
特定の場合には、結合メンバーのうちの少なくとも1つは、アプタマー、DNA、RNA、オリゴヌクレオチドなどの核酸などであり得る。
特定の実施形態では、結合メンバーは、分析物に特異的に結合する。「特異的に結合する」または「結合特異性」とは、結合メンバーが、分析物分子と試験試料の他の構成要素または汚染物質とを区別するのに十分な特異性で分析物分子に結合することを意味する。例えば、一実施形態によると、結合メンバーは、分析物上のエピトープに特異的に結合する抗体であり得る。
表面音響波装置、システム、および方法
一体型表面音響波試料調製および分析物検出装置に関連するシステム、装置、および方法を本開示によって提供する。
一例では、装置は、試料調製要素、例えば、音響力による操作を介して液体または流体がその表面にわたって伝播することを可能にする表面を有する基板を含む。同じ例では、装置は、伝播した液体を受け取り、受け取った液体に対して分析物検出を行うように構成された分析物検出要素を含む。
本明細書で使用される場合、「表面音響波」という用語およびその文法上の等価物は、概して、表面に沿った方向に音響波を伝播させることを指す。進行「表面音響波」(TSAW)は、表面音響波の液体への連結を可能にする。いくつかの例では、連結は、表面音響波の液体への浸透または漏洩の形態であり得る。いくつかの例では、表面音響波は、ローリー波である。表面音響波の伝播は、表面音響波を、液体を通して流すことによって行われ得る。表面音響波の伝播は、一連の電極などのトランスデューサによって電位を生成することを含む、様々な異なる方法で、かつ異なる材料を使用することによって、行われ得る。
電極は、平面基板上にパターン化されてもよい。いくつかの例では、平面基板は、圧電層であり得る。いくつかの例では、電極は、標準的なリソグラフィおよびリフトオフ/ウェットエッチングプロセスを使用して、圧電層上に製作され得る。電極の構造、電極間の間隔、基板上の電極の数(すなわち、解像度)は、変化し得る。いくつかの例では、交互嵌合(IDT)トランスデューサまたは電極が使用される。いくつかの例では、試料調製要素は、液体を含み得る。いくつかの例では、複数の層があり得る。異なる層は、表面音響波を散乱させるための散乱構造の異なる配置または構成を有し得る。結果として、異なる層にわたる液滴の移動は、存在する様々な散乱構造のために異なり得る。
いくつかの例では、SAWは、単一のトランスデューサまたは電極が作動されたときに伝播される。他の例では、基板表面上に製作された複数(例えば、一対)の電極が、互いに向かって伝播する、2つの進行SAWを生成する場合がある。いくつかの例では、SAW変位は、無線周波数(RF)範囲が電極に印加されたときに作動される。作動されると、電極またはトランスデューサは、基板の表面にわたって電位を放出し、そこで基板は、機械的応力に供される。機械的応力の例は、基板の表面の連続的な収縮および膨張である。基板のこの連続的な変形の結果として、表面音響波が、表面にわたって伝播される。
表面音響波は、振幅および周波数に従って測定され得る。したがって、電極によって生成される電位の周波数および振幅は、SAWの振幅および周波数の原因となる。
SAWの伝播は、線形方向であり得る。いくつかの例では、SAWは、基板表面の長手方向の長さにわたって伝播し得る。他の例では、SAWは、基板表面の幅にわたって伝播し得る。他の例では、SAWの伝播は、線形方向および運動であり得る。流体は、散逸システムであるため、SAWを介した高調波強制に対する反応は、必ずしも高調波ではない場合がある。
進行SAWが液体に接触すると、液体は、SAWのエネルギーの一部を吸収し、それを縦波の形で屈折させ得る。屈折した音響エネルギーの吸収は、基板の表面にわたる流体流または伝播を誘発する。表面音響波が試料調製要素の表面に沿って伝播されると、SAWは、液体と接触する可能性がある。液体がSAWと相互作用する結果として、SAWが液体中に転移されることになる。SAWは、「非接触操作」の手段によって流体を操作し、これは、液体中に漏洩または浸透する音響波によって、液体が検出要素に伝播されることを意味する。結果として、生物学的試料または分析物の外部汚染を最小化する。
いくつかの例では、例示的な流体作用を駆動させることは、ポンプ注入、混合、噴射などを含む。結果として、液体は、試料調製要素の表面に沿って伝播される。
いくつかの例では、液体は、SAW電極の活性化の前に、試料調製要素の表面上に作動されるべき液滴として分配され得る。液滴作動は、液滴を位置付け、かつ液滴を試料調製要素上に分配するために使用され得る。
他の例では、液滴ベースのマイクロ流体の代わりに、SAW駆動ポンプを使用して、液体を開放面上にポンプ注入してもよい。いくつかの例では、流体は、囲まれたチャネルを通してポンプ注入され得る。
液体は、対象となる任意の分析物を含有するかまたは含有することが疑われる任意の試験試料であり得る。本明細書で使用される場合、「分析物」、「標的分析物」、「対象となる分析物」という用語は、本明細書に開示される方法および装置において測定される分析物を指す。液滴はまた、水溶液中の粒子またはビーズを指す場合もある。試料は、例えば、血液、血漿、血清、唾液、汗などの生体液試料を含み得る。
いくつかの例では、液体は、単一の粒子として配設され得る。他の例では、液体は、粒子群(例えば、数千個の粒子)として配設され得る。液滴は、広範囲の長さスケール、サイズ(nm〜mm)、ならびに形状に従って変化し得る。
表面音響波の伝播はまた、試料調製プラットフォームの表面上にパターン化されたフォノニック構造の存在によって影響を受ける可能性がある。これらのフォノニック構造は、音響波の伝播を制御し得る。例えば、フォノニック構造は、SAWの方向、移動、速度を制御することができ、このようにして、強化された機能を提供する。フォノニック構造は、標準的なリソグラフィ、リフトオフ/ウェットエッチングプロセス、エンボス加工/ナノインプリントリソグラフィ、およびマイクロマシニング、圧力、熱、ならびに基板のレーザ改変を使用して基板上に製作されて、これらのフォノニック構造を形成し得る。これらのフォノニック構造は、同様に様々な形状およびサイズを想定し得る。いくつかの例では、フォノニック構造は、基板内に格子を形成する、柱、円錐、または穴であり得る。
表面音響波試料調製要素
本明細書で使用される場合、「試料調製要素」およびその文法上の等価物は、その上に液滴が最初に分散され、本明細書に記載されるようなイムノアッセイの工程が実施され得る、略平面状の表面を指す。いくつかの例では、基板は、高音響反射を有する材料から作製され得る。
いくつかの例では、試料調製要素は、基板に連結されたスーパーストレートを含む。いくつかの例では、スーパーストレートは、基板に取り外し可能に連結される。他の例では、スーパーストレートは、基板に永久的に連結される。いくつかの例は、ポリマーベースの材料または紙材料から基板を作製することを含む。ポリマーベースの基板は、疎水性被覆で処理され得るか、または製作は、基板が水性流体に対して不透過性になるように、ポリマーベースの基板上にもしくは別の基板と共に疎水性層を追加し得る。
いくつかの例では、試料調製要素はまた、スーパーストレート上に含まれるアッセイ試薬も含み得る。試料調製要素は、基板に連結されたスーパーストレートをさらに含む。
さらに別の例では、試料調製要素は、スーパーストレート上に含まれる一連の散乱構造を含み得る。散乱構造の例は、フォノニック構造を含み得、これは、以下により詳細に記載される。
いくつかの例では、基板は、圧電材料であり得る。圧電層は、LiNbOなどの複合層から形成され得る。スーパーストレートは、一連の電極またはトランスデューサをさらに含み得る。いくつかの例では、電極またはIDTによって生成された表面音響波もまた、スーパーストレートに連結され得る。
いくつかの例では、スーパーストレートは、プラスチック(例えば、PET、PCなど)などの様々な材料から作製され得る。
いくつかの例では、スーパーストレートは、比較的高い電気機械連結係数を有する材料から製作され得る。いくつかの例では、電極は、圧電材料上に製作され得る。一例では、SAWマイクロ流体用途において、電極をパターン化するための基板として、単結晶ニオブ酸リチウム(LiNbO)を使用することができる。別の例では、電極をパターン化するための基板材料として、シリコンを使用することができる。SAW生成基板を製作するために適用可能な材料の他の例には、多結晶材料、微結晶材料、ナノ結晶材料、アモルファス材料、または複合材料が含まれる。SAW生成基板を製作するのに適用可能な材料の他の例には、強誘電体材料、焦電材料、圧電材料、または磁歪材料が含まれる。
本明細書に記載されるように、基板は、表面音響波を生成し、かつ音響波を伝播させることができる材料である。
分析されるべき分析物または生物学的試料に加えて、試料調製要素は、緩衝液または洗浄液も含み得る。いくつかの例では、これらの緩衝液または洗浄液は、試料調製要素にわたる、かつ検出要素上への、液体の伝播を容易にし得る。他の例では、これらの流体は、いったんそれらがナノウェルアレイ内に位置付けられると、任意の残存する液体または生物学的試料を洗浄するために使用され得る。そのような流体の例には、空気、不活性ガス、疎水性液体、親水性液体、油、有機系溶媒、および高密度水溶液が含まれる。特定の場合には、装置は、空気、不活性ガス、疎水性液体、親水性液体、油、有機系溶媒、および高密度水溶液であり得る、充填剤流体で充填され得る。
いくつかの例では、SAWによって誘発された流体移動は、小さな染料または粒子を液滴中に導入することによって、可視化することができる。
試料調製面は、液体が表面に沿って伝播され得る表面を有する。試料調製面の表面は、平面状または非平面状の立体配座の任意の好都合な表面であり得る。表面は、表面に沿った液体の移動を容易にするために、疎水性材料で被覆され得る。いくつかの例では、疎水性材料は、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)を含み得る。他の例では、表面は、液体の移動を容易にするために、パターン化され得る。
いくつかの例では、試料調製面の基板は、弾性または可撓性であり得る。表面がその上に形成される基板は、表面にわたる表面音響波の伝播を容易にするように、表面が変形することができるように弾性であり得る。
特定の実施形態では、基板の表面は、流体の伝播を容易にするためのマイクロ流体チャネルを含み得る。他の実施形態では、流体を基板内に伝達するために、基板の内部にマイクロ流体チャネルが含まれる。
いくつかの例では、試料調製要素の基板の上面上に、カバーシールが提供され得る。特定の例では、カバーシールは、表面の液体内容物の汚染を防止することができる。他の例では、カバーシールは、液体不透過層であり得る。他の例では、カバーシールは、プラスチック、シリコン、または他の種類のゴムなどの可撓性材料から作製され得る。他の例では、カバーシールは、ガラスまたは他の非可撓性材料などの非可撓性材料から作製され得る。いくつかの例では、カバーシールは、表面もしくは表面上に存在する液体内容物のいずれかの変形を防止するために、熱、紫外線、もしくは他の電磁放射線を透過しないものであり得る。
いくつかの例では、好適なスペーサが、基板とカバーシールとの間に位置付けられ得る。本明細書で使用される場合、「好適なスペーサ」とは、試料調製要素の基板とカバーシールとの間に位置付けられる要素を指す。いくつかの例では、好適なスペーサは、液滴が表面とカバーシールとの間を移動するのを容易にし得る。他の例では、好適なスペーサは、進行表面音響波と表面との間の連結を低減する場合がある。
第1の例の試料調製要素では、第1の基板は、比較的高い電気機械連結係数を有し、かつ可撓性かつ変形可能な表面を有する、材料を組み込んでいる。例えば、第1の基板は、圧電材料またはシリコンであり得る。
いくつかの例では、電極は、表面上に配置されるか、または圧電層内に埋め込まれる。この文脈で使用される場合、「電極」という用語は、電極、一連の電極(例えば、1つ超)、トランスデューサを含む、電気回路を指す。電極はまた、圧電層にパターン化され得る。いくつかの例では、電極は、標準的なリソグラフィおよびリフトオフ/ウェットエッチングプロセスを使用して、基板上に製作することができる。電極の構造、電極間の間隔、基板上の電極の数(すなわち、解像度)は、変化し得る。いくつかの例では、交互嵌合(IDT)トランスデューサまたは電極が使用される。IDTは、一連の電極と、一連の電極が上に含まれる圧電層との組み合わせとして定義される。いくつかの例では、トランスデューサ電極構造は、圧電層上に形成される。他の例では、トランスデューサ電極構造は、圧電層内に埋め込まれる。
いくつかの例では、単一のトランスデューサまたは電極が作動されたときに、表面音響波が伝播される。他の例では、基板表面上に製作された複数(例えば、一対)の電極は、互いに向かって伝播する2つの進行表面音響波を生成する場合がある。いくつかの例では、表面音響波変位は、無線周波数(RF)範囲が電極に印加されたときに作動される。作動されると、電極またはトランスデューサは、基板の表面にわたって電位を放出し、そこで基板は、機械的応力に供される。機械的応力の例は、基板の表面の連続的な収縮および膨張である。基板のこの連続的な変形の結果として、表面音響波が、表面にわたって伝播される。
いくつかの例では、表面音響波の波長は、トランスデューサのピッチ(IDT)または一連の電極に依存する。
一例では、試料調製要素は、スーパーストレートの表面に含まれる一連のフォノニック構造を含み得る。フォノニック構造は、音響波の伝播を制御し得る。例えば、フォノニック構造は、表面音響波の方向、移動、速度を制御し得る。フォノニック構造は、同様に様々な形状およびサイズを想定し得る。いくつかの例では、フォノニック構造は、基板内に格子を形成する、柱、円錐、または穴であり得る。スーパーストレートの表面上のフォノニック構造のパターンは、解像度(例えば、表面上の面積当たりの電極数)、電極サイズ、電極の相互嵌合、および/または電極間の間隙もしくは間隙などの特徴に基づいて、予め定義され得る。いくつかの例では、パターンの特徴は、SAW試料調製要素が関連付けられることになる(例えば、生物学的アッセイおよび/または化学的アッセイと共に使用するための)液滴アクチュエータの1つ以上の動作上の使用に基づいて選択される。他の構成では、電極のパターンは、異なる用途に適するように、異なるパターンを可能にするように再構成可能であり得る。いくつかの例では、一連の電極または各個々の電極のサイズまたは寸法を増加させることによって、隣接する電極間に塗布される疎水性材料の量を低減することもできる。したがって、電極パターンの特徴は、SAWプラットフォームの表面積を最大にし得る。さらに、一連の電極/トランスデューサの相互嵌合を増加させると、それらの電位の操作を介して、液体が表面にわたって伝播するのが容易になる。
第1の例示的な試料調製要素では、疎水性材料を、一連の電極および基板の表面に塗布して、スーパーストレートを水溶液に不透過性にすることができる。疎水性材料の結果として、液滴または流体ポンプを通して作動される液体は、ビーズ状構成であり、基板の表面の疎水性層と接触角を形成する。動作中、SAW音響波は、例えば液体に浸透するかまたは漏洩することによって、液体に連結する表面にわたって伝播する。SAW音響波の振幅または周波数は、結果として生じる移動液体の周波数および運動を制御することができる。
特定の実施形態では、表面音響波は、基板の表面に沿って伝播し、次にスーパーストレートに連結される。その後、表面音響波は、伝播し続け、スーパーストレート内に形成され得るフォノニック構造によって誘導される。
いくつかの例では、SAW音響波が2つ以上の電極によって生成される場合、結果として生じる表面音響波に連結される液体の方向の制御をもたらし得る。伝播する液体の方向は、線形方向または非線形方向であり得る。いくつかの例では、液滴の伝播は、転がり運動であり得る。他の例では、液滴の伝播は、表面にわたる摺動運動であり得る。いくつかの例では、表面上にフォノニック構造が欠如している場合、SAWの伝播および結果として生じる液滴の伝播は、同じ方向にある。他の例では、表面上にフォノニック構造が存在している場合、SAWの伝播および結果として生じる液滴の伝播は、反対の方向または異なる方向にある。
いくつかの例では、疎水性材料は、スーパーストレートの表面に塗布されたポリテトラフルオロエチレン材料(例えば、テフロン(登録商標))またはフッ素系界面活性剤(例えば、FluoroPel(商標))である。
分析物検出要素
いくつかの実施形態では、分析物検出要素は、分子、粒子、ビーズ、もしくは細胞が、分析物もしくは生物学的試料の検出目的のために単離され得る、ウェルのアレイを含み得る。TSAW(進行表面音響波)は、流体チャネルにわたって表面上に音響流を生成して、流体(液滴または細胞のいずれか)をウェルアレイに向かって押す。
ウェルの形状および幾何学的形状は、必要とされる処置の種類または用途に応じて変化し得る。いくつかの例では、ウェルは、深いチャンバから浅いチャンバまで変化し得る。ウェルは、平坦な底面を有する円筒形、丸い底面を有する円筒形、立方体形、直方体形、円錐台形、逆円錐台形、または円錐形など、様々な形状のうちのいずれかであり得る。特定の場合には、ウェルは、ウェルアレイ上に移動されているナノビーズまたはナノ粒子存在液滴の受け取りおよび保持を容易にするように配向され得る、側壁を含み得る。いくつかの例では、ウェルは、第1の側壁および第2の側壁を含み得、第1の側壁は、第2の側壁の反対側にあり得る。いくつかの例では、第1の側壁は、ウェルの底部に対して鈍角に配向され、第2の側壁は、ウェルの底部に対して鋭角に配向されている。液滴の移動は、ウェルの底部に対して平行な方向に、かつ第1の側壁から第2の側壁への方向であり得る。ウェルのアレイは、サブフェムトリットル体積、フェムトリットル体積、サブナノリットル体積、ナノリットル体積、サブマイクロリットル体積、またはマイクロリットル体積を有し得る。例えば、ウェルのアレイは、フェムトリットルウェルのアレイ、ナノリットルウェルのアレイ、またはマイクロリットルウェルのアレイであり得る。特定の実施形態では、アレイ内のウェルは全て、略同じ体積を有し得る。ウェルのアレイは、最大100μl、例えば、約0.1フェムトリットル、1フェムトリットル、10フェムトリットル、25フェムトリットル、50フェムトリットル、100フェムトリットル、0.1pL、1pL、10pL、25pL、50pL、100pL、0.1nL、1nL、10nL、25nL、50nL、100nL、0.1マイクロリットル、1マイクロリットル、10マイクロリットル、25マイクロリットル、50マイクロリットル、または100マイクロリットルの体積を有し得る。
特定の場合には、試料調製要素および分析物検出要素は、例えば、連続的なウェブ供給製造プロセスを使用して、単一の略平面状の表面から製作され得る。そのような例では、試料調製要素およびデジタル分析物検出要素は、互いに隣接して位置付けられ得る。
いくつかの例では、試料調製要素は、試料注入口を含み得る。本明細書で使用される場合、「試料注入口」とは、試料調製要素に液体を導入するための管状メンバー、チャネル、または管を指す。例えば、試料注入口は、生物学的試料を基板の表面上に導入することができる。他の例では、試料注入口は、生物学的試料を基板内の内部に導入することができる。
他の例では、試料調製要素およびデジタル分析物検出要素は、液滴操作のための空間によって分離された積み重ね構成で、互いの上に位置付けられ得る。積み重ね構成で分析物検出要素の上に位置付けられる試料調製要素またはその逆(試料調製要素の上に位置付けられる分析物検出要素)の例では、注入口またはチャネルは、2つの構成要素間に位置付けられ得る。注入口またはチャネルは、2つの構成要素の間に試料または分析物を配向し得る。
フォノニック構造は、試料調製要素のスーパーストレート上に製作されるかまたは含まれ得る。特定の場合には、フォノニック構造は、スーパーストレート上にインプリントまたはエンボス加工される。そのような例では、フォノニック構造のエンボス加工またはインプリントは、単一工程にある。他の例では、それは、複数の工程であり得る。フォノニック構造のインプリントまたはエンボス加工は、金型、マスク、もしくはパターンの存在下での圧力、熱、もしくは紫外線の適用の組み合わせを通して行われ得る。一例では、金型からスーパーストレート上に誘発された圧力は、スーパーストレートの表面の変形を誘発する場合がある。
フォノニック構造がスーパーストレート上に含まれた後、フォノニック構造の硬化または変形を可能にするのに十分な時間硬化され得る。加えて、フォノニック構造は、フォノニック構造の物理的特性を改変する試薬に供され得る。
いくつかの例では、分析物検出用の試薬は、一体型試料調製および分析物検出装置の製作中に脱水形態で印刷され得る。試薬の再水和は、試料または緩衝液の使用を通して生じる。
いくつかの例では、ウェルのアレイは、個々のウェルチャンバを含み、各ウェルチャンバは、第1の端および第2の端を有する。一例では、ウェルの第1の端は、開放している場合があり、ウェルの第2の端は、閉鎖されている。他の例では、ウェルの第1端およびウェルチャンバの第2端の両方が、閉鎖されている。ウェルチャンバの第1の端の閉鎖は、永久的な閉鎖機構および一時的な閉鎖機構の両方によるものであり得る。本明細書で使用される場合、「永久的な」とは、閉鎖機構がナノウェルのチャンバの固定を維持することを意図することを意味する。本明細書で使用される場合、「一時的な」とは、閉鎖機構の構造、完全性、または剛性に影響を与えることなく、閉鎖機構を取り外すことができることを意味する。いくつかの態様では、ウェルチャンバの第1の端の閉鎖は、永久的な閉鎖機構と一時的な閉鎖機構との組み合わせによるものであり得る。一例では、一時的な閉鎖機構は、ウェルチャンバの第1の端を充填することができる、油性流体などの液体であり得る。特定の例では、分析物、生物学的試料、または分析物関連の検出可能な標識が、先にウェル中に堆積された後に、油滴が第1のウェル端を充填し得る。他の例では、油滴は、ウェル内の分析物または生物学的試料の存在にかかわらず、ウェルの第1の端の閉鎖であり得る。
ウェルのアレイは、複数の標識、ビーズ、標識されたビーズ、タグなどを受け取るのに好適なウェルチャンバのパターン(例えば、アレイ中のウェルの形成)を有する。ウェルのアレイのパターンは、解像度およびウェルチャンバ間の間隔に従って変化し得る。
いくつかの例では、ウェルアレイのパターンは、ナノインプリントリソグラフィを使用して製作することができる。他の例では、ナノウェルアレイのパターンは、成形、圧力、熱、またはレーザのうちのいずれかの組み合わせによって製作することができる。
ウェルアレイのサイズは、変化し得る。いくつかの例では、ナノウェルアレイは、直径100nmおよび周期500nmを有する、個々のナノウェルチャンバを有するように製作され得る。
いくつかの例では、ウェルアレイは、実質的に、デジタルマイクロ流体および検出モジュールに関する節に記載される通りであり得る。
いくつかの例では、対象となる分析物または生物学的試料の検出は、光信号検出を通して起こり得る。例えば、信号強度の結果を測定するために、励起光(例えば、レーザ)を照射すること。他の例では、所望の分析物は、各ウェルチャンバから発する光信号を測定することによって検出され得、その結果を定量化することによって定量化され得る。例えば、陽性カウント(例えば、ウェル)の数を陰性カウント(例えば、ウェル)の数と比較して、デジタルカウントを取得する。代替的にまたは加えて、分析物濃度に相関する信号を測定し得る(アナログ定量化)。装置のウェルからの様々な信号を検出することができる。例示的な信号としては、蛍光、化学発光、比色、比濁などが挙げられる。
試料調製および分析物検出装置の隣接する構成
いくつかの実施形態では、ウェルのアレイは、試料調製要素と同じスーパーストレート上に位置付けられる。いくつかの例では、スーパーストレートおよびウェルのアレイは、第1の基板上に位置付けられ得る。第1の基板は、分析されるべき液滴が最初に配設される近位部分と、液滴が分析物検出のためにそれに向かって移動される遠位部分と、に分割され得る。スーパーストレートは、第1の基板の近位部分上に存在し得、ウェルのアレイは、第1の基板の遠位部分上に位置付けられ得る。このように、試料調製要素を形成するスーパーストレートと、分析物検出要素を形成するウェルのアレイとは、直接隣接し得る。本明細書で使用される場合、「直接隣接する」という用語は、試料調製要素と、ウェルのアレイと、を分離または分割する目的物がないことを指す。試料調製要素およびウェルのアレイが互いに直接隣接している例では、試料調製要素の表面にわたる液滴の伝播は、ウェルのアレイの表面上にシームレスに移行される。他の例では、ウェルのアレイは、試料調製要素に間接的に隣接して位置付けられる。本明細書で使用される場合、「間接的に隣接する」という用語は、試料調製要素を分離または分割する目的物もしくは要素があることを指す。
いくつかの例では、液体の移動を容易にし、かつ個々のウェルチャンバへの液滴の位置精度を向上させるために、試料調製要素の基板表面は、親水性材料でパターン化または被覆され得る。他の例では、油および乳剤などの試薬を使用して、ウェルアレイを密封し得る。
図13Aは、分析物検出要素に隣接して位置付けられた試料調製要素の側面図を例示する。図13Aに示されるように、試料調製要素は、スーパーストレート810を含む。スーパーストレート810は、一連のフォノニック構造830を含む。フォノニック構造のサイズ、形状、および寸法は、変化し得る。図13Aに示されるように、試料調製要素は、ウェル860のアレイを含む分析物検出要素に直接隣接して位置付けられる。これらの構成要素が互いに隣接して位置付けられている場合、スーパーストレート810の表面にわたって伝播した液体は、ウェルアレイ860上の個々のウェルチャンバに収集され得る。この特定の例では、試料注入口チャネル840は、スーパーストレート810とカバー870との間に位置付けられる。スーパーストレート810およびカバー870は、液滴が操作される(例えば、融合、分割、撹拌など)空間を画定する、空間/間隙850によって分離されている。しかしながら、他の例では、試料注入口チャネルは含まれていない。試料注入口チャネルのサイズ、寸法、および変形は、変化し得る。例えば、試料注入口チャネルは、流体を基板810の表面上に導入することができる。他の例では、試料注入口チャネルは、流体を基板810内の内部に導入することができる。
いくつかの例では、カバーシールが、試料調製要素の表面上に提供され得る。特定の例では、カバーシールは、表面の液体内容物の汚染を防止し得る。他の例では、カバーシールは、液体不透過層である。他の例では、カバーシールは、プラスチック、シリコン、または他の種類のゴムなどの可撓性材料から作製される。他の例では、カバーシールは、ガラスまたは他の非可撓性材料などの非可撓性材料から作製される。いくつかの例では、カバーシールは、試料調製要素の表面上に存在する表面または液体内容物のいずれかの変形を防止するために、熱、紫外線、または他の電磁放射線を透過しないものであり得る。
いくつかの例では、基板の表面にわたる表面音響波の生成によって生成された熱を散逸させるために、ヒートシンクを提供し得る。
試料調製および分析物検出装置の積み重ね構成
いくつかの実施形態では、ウェルのアレイ(検出要素)は、液滴が操作される空間によって分離された試料調製要素上に位置付けられる。いくつかの例では、注入口またはチャネルは、2つの構成要素間に位置付けられ得る。注入口またはチャネルは、2つの構成要素の間に試料または分析物を配向し得る。
いくつかの例では、ウェルアレイは、第1の基板上にインプリントまたはエンボス加工され得、フォノニック構造は、第1の基板から離間して位置付けられたスーパーストレート上に存在し得る。スーパーストレートは、第2の基板によって支持され得る。
いくつかの例では、ウェルのアレイを含む第1の基板をスーパーストレートと連結させる工程は、接合剤、接着剤、テープ、糊、はんだ付け、またはウェルのアレイをスーパーストレートに連結させることができる他の固定剤を使用して容易にすることができる。他の例では、ウェルのアレイを試料調製要素のフォノニック構造上に連結させる工程は、機械的締結具、固定具、ボルト、およびラッチなどの他の機械的構成要素を使用することによって達成され得る。他の例では、ウェルのアレイを試料調製要素のフォノニック構造上に連結させる工程は、試料調製要素のフォノニック構造上にウェルのアレイを設定および位置付けることによって行われ得る。いくつかの例では、基板のフォノニック構造は、ウェルアレイ構成要素に平行な配向であり得る。
スーパーストレートのフォノニック構造とウェルアレイとの間の間隔は、行われるべき塗布の種類、基板の表面上で作動される液滴のサイズ、フォノニック構造のサイズ、形状、および配置、試料チャネル/注入口のサイズ、ならびに表面にわたって伝播する表面音響波の振幅に従って変化し得る。
図13Bは、スーパーストレートおよびウェルアレイ構成要素の積み重ね構成の側面図を例示する。図13Bに示されるように、スーパーストレート810は、一連のフォノニック構造830を含む。フォノニック構造830は、反復構造要素のアレイに配置されている。フォノニック構造のサイズ、形状、および寸法は、変化し得る。この例では、ウェルのアレイ860も存在する。この例では、ウェルのアレイ860は、スーパーストレートのすぐ上に位置付けられる。図13Bに例示されるように、ウェルの開口は、フォノニック構造の正反対にあり得る。この特定の例では、試料注入口チャネル840は、ウェルアレイとスーパーストレートとの間に位置付けられる。しかしながら、他の例では、試料注入口チャネルは、含まれていない。試料注入口チャネルのサイズ、寸法、および変形は、変化し得る。例えば、試料注入口チャネルは、スーパーストレート810の表面上に流体を導入することができる。他の例では、試料注入口チャネルは、流体をスーパーストレート810内の内部に導入することができる。ウェルのアレイ860を含む基板820は、スーパーストレート810から離間して位置付けられ、かつ間隙/空間850によってスーパーストレート810から分離されている。
図13A〜図13Bに示されるようなウェルのアレイは、サイズおよび/または形状が変化し得る。例えば、ウェルアレイは、実質的に浅いまたは深いものであり得る。ウェルアレイの解像度は、各ウェルチャンバ間の間隔によって影響を受ける。例えば、ウェルチャンバ間の最小間隔は、より多くの数のウェルが、より多くの数の分析物または生物学的試料を収集することを可能にする。いくつかの例では、基板を切除することによって、ウェルアレイを形成することができる。ウェルアレイのパターンは、特殊なパターンまたは特殊なマスクを使用し、かつそのマスクをレーザアブレーションに供することによって、形成することができる。
表面音響波試料調製および検出装置の製作
図14A〜図14Bは、前述の節に開示されているSAW装置を別々に製作するための例示的な方法を例示する。図14Aは、単一のベース基板上にフォノニック構造およびウェルのアレイを製作することによって、試料調製要素およびナノウェルアレイ構成要素が互いに隣接して位置付けられることを例示する。スーパーストレート(820を参照のこと)が、組み立てライン900上に配置される。組み立てライン900に沿ったスーパーストレート(820を参照のこと)の伝播は、一連のローラを利用するコンベヤベルト状機構によって容易にされる。スーパーストレートのロールは、スプールされず、かつエンボス加工ユニット910に供され、エンボス加工ユニット910は、スーパーストレート上にフォノニック構造を形成するため、または金型を使用してスーパーストレート内に埋め込むために、材料を強い熱、圧力、または紫外線に供する。その後、スーパーストレートは、複数のローラを通過して表面処理構成要素920に進行し、これが、スーパーストレートの特性を改変する。その後、スーパーストレートは、スーパーストレート上にアッセイ試薬を堆積させる、インクジェットプリンタ930を通過する。ウェルのアレイは、レーザアブレーション924を使用して形成される。いくつかの例では、結果として生じる構造は、硬化工程に供され得る。他の例では、結果として生じる構造は、それらの物理的特性を改変するために表面処理、例えば、アッセイプロトコルに必要な官能化試薬を組み込むことに供され得る。カバーは、スーパーストレート上に積層されるそれらである940。カバーをスーパーストレート上に配置する前に、好適なスペーサを、スーパーストレートとカバーとの間に配置して、液滴が2つの表面間を移動できるようにする。組み立てられた構造は、ダイシングされて、個々の装置を生成し得る950。
図14Bは、図13Bに図示された装置を製作するための例示的な方法を例示する。スーパーストレートは、金型の存在下でフォノニック構造の繰り返しの構造要素を形成するために、スーパーストレートを強い熱、圧力、または紫外線に供する、エンボス加工ユニット910を使用する製作プロセスに供される。その後、スーパーストレートは、表面処理構成要素920を通過して、スーパーストレート表面の特性を改変する。その後、スーパーストレートは、インクジェットプリンタ930を通過して、原位置にアッセイ試薬を堆積させる。ウェルのアレイを含む検出モジュールを形成するために、第1の基板は、レーザアブレーション924またはエンボス加工ユニット915のいずれかに供される。エンボス加工ユニット950は、第1の基板を強い、熱、圧力、または紫外線に供し、基板上にウェルアレイ構成要素を形成する。積層ユニット940において、スーパーストレートおよびウェルアレイを含有する第1の基板の両方が、一緒に組み合わされ、続いて接合される。結果として、スーパーストレートおよび基板は、積み重ね構成内で垂直に整列される。その後、積み重ねられた基板は、例えば、ダイシング構成要素950に供されて、個々の装置を生成する。
液滴作動を伝播させる、本明細書に記載される装置、システム、および方法はまた、液滴作動に影響を与える様々な他の力を含み得る。例えば、表面にわたる液滴の移動は、電界媒介力、静電作動、エレクトロウェッティング、誘電泳動、電場勾配、または電極媒介力を含み得る。表面音響波とデジタルマイクロアレイ電極との組み合わせが液滴操作のために使用される実施形態では、本明細書に記載されるSAW装置は、一連の電極を含み得る。
本明細書に開示される一体型装置を使用して、対象となる分析物の検出のために、生物学的試料などの様々な試料を調製し得る。特定の場合には、装置は、デジタルイムノアッセイを実施し、かつ分析物の存在または不在に相関するナノ粒子/ナノビーズの存在または不在を検出するために使用され得る。
「ビーズ」および「粒子」という用語は、本明細書では互換的に使用され、かつ第1の結合メンバーが固定化されている、略球状の固体支持体を指す。ビーズ/粒子は、ナノビーズ/ナノ粒子であり得る。磁性ビーズ/粒子は、強磁性、フェリ磁性、常磁性、超常磁性、または磁性流体であり得る。例示的な強磁性材料は、Fe、Co、Ni、Gd、Dy、CrO、MnAs、MnBi、EuO、NiO/Feを含む。フェリ磁性材料の例としては、NiFe、CoFe、Fe(またはFeO・Fe)が挙げられる。
核酸増幅および検出
核酸検査(NAT)は、生物学的試料中の標的核酸の存在を検出することを伴う診断方法において使用されることが多い。生物学的試料中の標的分析物を確実に検出するために必要とされる標的核酸の増幅のレベルのために、NATは、高価で時間がかかるプロセスである。さらに、NATは、熟練した技術者および実験室設定においてのみ利用可能な高価な機器を必要とする。このように、最小限の増幅しか必要とせず、単純化された試料調製および標的分析物検出を使用してポイントオブケア設定で実施することができる、NATへの必要性がある。
試料中の標的分析物を確実に検出するために必要とされる増幅のレベルを低減するために、デジタル検出に基づく高感度検出技術を活用するNATのための方法を本明細書に開示する。標的分析物のデジタル検出の感度の増加は、標的分析物を検出するために必要とされる増幅サイクルの減少を可能にする。対照的に、従来のNAT試験で使用されるようなアナログ検出は、バックグラウンド信号を克服するために、はるかに高いレベルの増幅を必要とする。US8,415,171、US8,236,574、US8,846,415に記載される超高感度デジタル検出技術を、本明細書に記載されるNAT法で使用することができる。これらの検出技術は、分析物分子と関連付けられた捕捉物が空間的に分離されている、ウェルのアレイを利用する。
本明細書に開示される方法は、標識された捕捉物の数が、試料中の標的分析物のレベルに比例する、標識された捕捉物を生成するイムノアッセイにNATを変換することによる、試料中の標的核酸の間接的な検出および/または測定方法を利用する。本出願の実施例の節に記載されるように、開示される方法は、NATの検出限界を、増幅サイクル数の減少を必要とする6000分子程度にまで低下させ、それによって試薬の時間および費用を低減する。約6000分子の標的核酸を生成するための増幅サイクルの数は、標準的なアナログ検出技術を利用する従来のNATに必要とされる25回以上の増幅ラウンドと比較して、15サイクル以下(例えば、5〜15サイクル、5〜10サイクル、5〜8サイクル、10〜15サイクル、5サイクル、7サイクル、または10サイクル)に短縮され得る。したがって、本明細書に記載される方法および装置を使用して検出することができる、増幅された標的核酸を生成するために必要な時間は、40分未満、10分未満、5分未満、例えば、1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、約15〜25分、約15〜20分、約20〜25分、約25〜30分、約5〜10分、または約10〜15分であり得る。
特定の実施形態では、増幅された標的核酸の検出は、前の節に開示されているように、ウェルのアレイ中で実施され得る。ウェルのアレイは、検出前に必要とされる試料調製の少なくとも一部分を実施するために使用される、一体型装置の一部分であり得る。特定の実施形態では、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置は、試料中の標的核酸の検出に使用され得る。例えば、いくつかの場合には、アッセイ処理工程およびデジタル計数は、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置を使用することによって行われ得る。いくつかの実施形態では、アッセイ処理工程は、一体型装置のデジタルマイクロ流体モジュール内で行われ得、デジタル計数は、一体型装置の分析物検出モジュールを使用して行われ得る。
特定の場合には、標的核酸を含有するかまたは含有することが疑われる生物学的試料(例えば、ヒト血液試料)は、本開示のシステムによる検出の前に、調製/処理を受け得る。調製/処理は、以下の工程:i)試料からの標的核酸を含有する全核酸の単離、ii)任意選択的に、標的核酸の濃縮、iii)標的核酸の増幅、およびiv)増幅された標的核酸の処理を含み得る。各工程は、手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせによって行うことができる。
各工程は、その工程を行うように構成された別々のシステムまたはモジュールによって実行され得る。例えば、試料調製/核酸調製モジュールは、試料からの全核酸の放出および任意選択的な精製を行うように構成され得る。標的核酸の標的濃縮は、標的濃縮モジュールによって行われ得る。いくつかの場合には、試料調製/核酸調製および標的濃縮は、モジュールによって行われ得る。標的核酸配列の増幅は、例えば、等温標的増幅、ポリメラーゼ連鎖反応、または標的核酸配列を増幅させるための別の方法を行うように構成されたモジュール(すなわち、増幅モジュール)によって実行され得る。アッセイ処理モジュールは、検出のための分析物(複数可)を調製するために必要な全ての手順を行うように、例えば、標的増幅核酸配列(例えば、捕捉物、例えば、ビーズ上の免疫捕捉標的配列)を捕捉するように構成され得る。検出モジュールは、増幅された標的核酸分子のデジタル計数を行うように構成され得る。
各モジュールは、別々に機能することができ、モジュールが行うように構成されている各工程は、デジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体、従来のマイクロ流体、またはロボット工学によって自動的に行われ得る。代替的に、工程の各々は、手動でまたはロボットで行われ得る。特定の実施形態では、工程のいくつかは、手動でまたはロボットで行われ得、他の工程は、本明細書に開示されるようなモジュールを使用して自動的に行われ得る。各モジュールは、代替的に、一体型システムで機能することができ、各モジュールが行う手順はデジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体、従来のマイクロ流体もしくはロボット工学、またはそれらの組み合わせによって自動的に実施される。このような一体型システムの各モジュールの製品は、自動的に次のモジュールに転移され得る。例えば、試料調製モジュールから溶解した細胞試料または単離された核酸は、自動化を使用して増幅モジュールに転移され得る。このような転移工程は、デジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体、従来のマイクロ流体もしくはロボット工学、またはそれらの組み合わせによって自動的に実施され得る。
いくつかの場合には、1つ、2つ、3つ、または全てのモジュールが、完全一体型システムの一部であり得る。例えば、核酸試験のために、増幅モジュール、アッセイ処理モジュール、および検出モジュールを、1つのシステムに一体化することができ、それによって検出されるべき標的核酸が実質的に汚染物質を含まないようにすることが可能になる。別の例として、試料調製モジュール、増幅モジュール、およびアッセイ処理モジュールを、1つのシステムに一体化することができる。次に、処理された試料は、標的核酸の検出のために検出モジュールに転移され得る。一体型モジュールと非一体型モジュールとの任意の組み合わせが用いられ得る。
本開示のシステムの各モジュールは、使い捨て装置であり得る。試料調製モジュール、増幅モジュール、アッセイ処理モジュール、および検出モジュールは、各々、使い捨て装置であり得る。各モジュールを、同じ使い捨て装置に完全に一体化することもできる。モジュールの任意の組み合わせを、本開示の使い捨て装置に一体化することができる。
試料調製
特定の実施形態では、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置は、所与の試料中の標的核酸の検出に用途を見出すことができる。特定の場合には、標的核酸を含有する所与の試料(例えば、ヒト血液試料)は、本開示の一体型システムによる検出の前に、いくつかの工程を受ける場合がある。そのような工程には、i)試料からの標的核酸を含有する全核酸の単離、ii)標的核酸の濃縮、およびiii)標的核酸の処理が含まれる。標的核酸の処理時に、それは、検出のために本開示の一体型システムに転移され得る。
いくつかの場合には、所与の試料は、全血であり得、核酸検出は、全血の画分(例えば、血清、血漿)に対してのみ行われる。血清は、血液を凝固させることが可能になった後に収集される、全血の液体画分である。概して、凝血塊は、遠心分離によって除去され、血清と呼ばれる、結果として生じる上清が、収集される。血漿は、全血を凝固させることを可能にしない(例えば、抗凝固剤によって処理されている)、全血の液体画分である。血漿および血清の調製方法は、当業者に知られている。所与の試料が全血であり、かつ核酸が全血の特定の画分から検出される場合、そのような画分を分離する工程は、試料から核酸を単離する前に行われる。
当業者に知られている抽出方法を使用して、所与の試料(例えば、全血、血清、血漿、組織など)から、全核酸を取得する。そのような方法には、最初に、溶解、ヌクレアーゼの不活性化、および細胞片からの核酸の分離が含まれ得る。抽出物から核酸を単離するための方法は、抽出/沈殿、クロマトグラフィー、遠心分離、電気泳動、および親和性分離の組み合わせを用いる。核酸を単離するためのさらなる方法は、当業者であれば認識されるだろう。いくつかの場合には、試料の他の構成要素からの全核酸の分離が、行われない場合がある。むしろ、溶解された試料は、標的核酸の増幅のために使用され得る。例えば、試料中の細胞は、Lyse and Go PCR試薬(Thermo Scientific)を使用して、溶解され得る。
いくつかの場合には、抽出/沈殿方法は、核酸から汚染物質を除去するために行われる溶媒抽出(例えば、フェノール−クロロホルム抽出)、高濃度の塩またはタンパク質を沈殿させるためのpHの変化を使用した核酸の選択的沈殿、およびイソプロパノールもしくはエタノールを使用する核酸沈殿を含み得る。
他の場合には、親和性固定化と磁気分離とを組み合わせる方法を使用して、核酸を単離することができる。例えば、ポリ(A)mRNAを、ビオチン標識オリゴ(dT)によってストレプトアビジン被覆磁性粒子に結合させることができ、粒子複合体を、磁石を使用して未結合汚染物質から除去することができる。そのような方法は、いくつかの遠心分離、有機抽出、および相分離工程を、急速磁気分離工程と置換することができる。
いくつかの場合には、核酸を単離するためのクロマトグラフィー法は、ゲル濾過、イオン交換、選択的吸着、または親和性結合を利用し得る。例えば、カオトロピック剤の存在下でのシリカまたはガラス粒子の核酸結合特性に依存する吸着クロマトグラフィーによって、抽出物から核酸を単離することができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,234,809号および同第7,517,969号を参照のこと)。特定の場合には、クロマトグラフィーおよびアフィニティー分離を組み合わせて使用して、任意の所与の試料から核酸を単離する。例えば、シリカまたはガラスで被覆された磁性粒子を、核酸を含有する試料に添加し得る。カオトロピック剤を添加すると、試料中の核酸は、シリカまたはガラス被覆に結合する。次に、核酸を、磁石を使用して未結合の汚染物質から分離する。好適なカオトロピック剤は、タンパク質および核酸などの高分子の構造を破壊し、かつ変性させる物質であり、例えば、ブタノール、エタノール、塩化グアニジニウム、イソチオシアン酸グアニジニウム、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、塩化マグネシウム、フェノール、プロパノール、ドデシル硫酸ナトリウム、チオ尿素、尿素などを含む。
特定の実施形態では、核酸が溶液中に放出されるように最初に試料を溶解させることによって、全核酸を、所与の試料から単離することができる。核酸が磁性粒子の表面上に吸着することを可能にするために、シリカまたはガラスで被覆された磁性粒子を、有効量のカオトロピック剤(例えば、8M塩化グアニジニウム)と共に、溶解された試料に添加する。いくつかの洗浄工程が行われ、核酸結合磁性粒子は、任意選択的に乾燥される(例えば、ヒーターを使用して)。磁性粒子から核酸を放出させるために、剥離剤が添加される。次に、下流の処理(例えば、核酸増幅および検出)に進行する前に、核酸を、最適な緩衝液中に溶出させる。
いくつかの実施形態では、核酸の濾過単離(FINA)として知られる、Jangamらに記載される方法(Jangamら、J.Clin.Microbiol.、47(8)、2363−2368(2009))を使用することによって、全核酸を、所与の試料から単離することができる。概して、白血球DNAからのHIVプロウイルスDNAの全血からの単離のための方法は、吸収パッドと直接接触するように配置された細胞分離膜ディスクの使用を含み、それは、毛細管圧によって流体流を駆動する。全血の試料をディスク上に転移すると、白血球および赤血球は、細胞分離膜内に捕捉され、血漿は、吸収パッド中へと流れる。膜に閉じ込められた細胞は、溶解され、細胞片などは、吸収パッド内に吸い込まれる。放出された核酸は、さらなる溶出および処理のために膜内に捕捉される。
他の場合には、全核酸は、下流の処理(例えば、増幅)の準備ができている単離された核酸をもたらす、市販の核酸単離キットを使用することによって、所与の試料から単離することができる。例えば、市販のLyse−N−Go PCR試薬(Pierce)を、所与の試料に添加することができ、これは、細菌、酵母、いくつかの動物および植物組織、全血、ならびに培養された哺乳動物細胞から直接PCR増幅用のDNAを放出する。
特定の場合には、核酸の抽出および精製は、Surら、J.Mol.Diagn.、2010、12(5):620−628に記載されるように行われ得る。核酸が吸着されている常磁性粒子(PMP)を、不混和性の疎水性液体中に1回通過させると、純粋な核酸が得られる。2つの水溶液のみ:核酸がPMP上に捕捉される溶解緩衝液と、それらが増幅のために放出される溶出緩衝液とが、必要とされる。核酸を含有するPMPは、カートリッジ内の溶解チャンバを溶出チャンバに接続する液体ワックスを含有するチャネルを通して磁気的に輸送される。不混和性相を通してPMPを輸送することで、広範囲の洗浄工程を利用する方法と等価の純度のDNAおよびRNAが得られる。
特定の実施形態では、細胞からの核酸の抽出を、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,017,340号に記載されるように行うことができる。簡単に説明すると、核酸を含有する細胞を含む試料を、溶解試薬と、細胞から放出された核酸を結合して核酸−ビーズ複合体を形成することができる1つ以上のビーズとを含む水性混合物に曝露し、かつ核酸−ビーズ複合体を、不混和性液体層に通過させて水性混合物から核酸を分離させることによって、単離することができ、ここで1つ以上のビーズは、磁性であり、核酸−ビーズ複合体を通過させて、印加された磁場により不混和性液体層から分離する。不混和性液体層は、有機液体またはワックス層であり得る。
特定の実施形態では、一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置は、所与の試料中の標的核酸の検出に用途を見出すことができ、ここで標的核酸は、RNAである。そのような場合、様々なRNAの調製方法が、当業者に知られており、少なくとも概して、有機抽出法、スピンバスケット様式、磁性粒子法、および直接溶解法である。次に、単離されたRNAは、当該技術分野で知られている様々な方法によって、DNA(例えば、cDNA)に逆転写され得、これはさらに、下流の処理および分析において使用され得る。
標的濃縮方法
いくつかの場合には、いったん標的核酸を含有する全核酸が所与の試料から単離されると、試料内の標的核酸の濃度を増加させる(すなわち、非標的汚染材料の濃度を減少させる)ために、標的濃縮工程が行われる。標的核酸は、DNAまたはRNAであり得る。標的濃縮は、当業者に知られている方法を使用して行われる。そのような方法は、捕捉プローブで被覆された磁性粒子が使用されるプローブ捕捉アプローチを伴い得る。核酸を単離するためのさらなる方法は、当業者であれば認識されるだろう。
特定の場合には、標的濃縮は、プローブ捕捉によって達成される。標的核酸を含有する単離された全核酸の所与の試料は、捕捉プローブで被覆された磁性粒子と混合される。本明細書で使用される捕捉プローブは、ハイブリダイゼーションに有利な条件下で、標的核酸とハイブリダイズする。標的核酸結合磁性粒子を洗浄し、標的核酸を放出させて溶出させる。
いくつかの場合には、本開示の標的濃縮方法は、特異的標的濃縮方法である。特異的標的濃縮方法は、標的核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズする配列を含有する捕捉プローブを使用する(例えば、米国特許第6,110,678号、同第6,280,952号、および同第6,534,273号を参照のこと)。一般に、特異的標的濃縮方法は、標的核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズする標的特異的配列、および固定化プローブにハイブリダイズする(例えば、磁性体に結合された)尾部区域から構成される、捕捉プローブを使用し得る。特異的標的捕捉方法は、第1のハイブリダイゼーション条件が捕捉プローブの標的特異的配列の標的配列への液相ハイブリダイゼーションに有利な二段階ハイブリダイゼーションを使用し得、次に、捕捉プローブ:標的核酸の複合体を維持する第2のハイブリダイゼーション条件を使用し得、支持体上の固定化プローブに対する捕捉プローブの尾部区域のハイブリダイゼーションを可能にし、固定化プローブ、捕捉プローブ、および標的核酸から構成される複合体を支持体上に形成する。次に、支持体および付着された複合体が、溶液相中に残存している(例えば、磁石によって)他の試料構成要素から分離され得る。
いくつかの場合には、本開示の標的濃縮方法は、非特異的標的濃縮方法である。本開示の非特異的標的濃縮方法は、(標準的なDNAまたはRNA水素結合と比較して)捕捉プローブの一部分の代替的塩基対形成特性を使用することによって、試料中の標的核酸に非特異的にハイブリダイズする捕捉プローブを利用し得る(例えば、米国特許第9,051,601号を参照のこと)。
特定の実施形態では、所与の試料からの全核酸単離とそれに続く標的濃縮の工程は、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置のうちの1つのモジュールによって実施される。いくつかの場合には、これらの工程は、周囲温度(例えば、室温)において、デジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体、従来のマイクロ流体、および/またはロボット工学を用いるシステムによって実施される。いくつかの場合には、所与の試料からの全核酸単離とそれに続く標的濃縮は、約15分で、例えば、約10分、11分、12分、13分、14分、16分、17分、18分、19分、20分、少なくとも5分、例えば、20分以上、25分以上、30分以上で、達成され得る。
特定の実施形態では、単離された全核酸は、標的濃縮が生じる場所に転移される。これは、手動で、または自動化された方法、例えば、デジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体、従来のマイクロ流体、および/またはロボット工学を通して、行われ得る。
標的増幅方法
標的核酸を含有する核酸は、本明細書に記載されるような一体型装置を使用することによって、または手動で、自動的に(例えば、ロボットによって)、もしくはそれらの組み合わせによって行われ得る、当該技術分野において知られている標準的な核酸単離手順を使用することによって、得られ得る。標的核酸がDNAまたはRNAであり得る標的核酸(単離された核酸調製物中に存在するような)の単離時に、標的増幅を行って、増幅本開示の分析物検出装置(一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置)によって検出可能な濃度まで標的を増幅させることができる。核酸増幅は、様々な様式、例えば、指数関数的増幅、非対称的増幅、連鎖線形増幅、ライゲーションベースの増幅、および転写ベースの増幅によって達成され得る。ポリメラーゼ連鎖反応は、指数関数的核酸増幅の一例である(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,582,788号を参照のこと)。ライゲーションベースの増幅、例えば、ライゲーション増幅反応(LAR)は、Wuら、Genomics、1989.4(4):560−569に記載されている。本明細書に述べられるように、標的増幅はまた、全核酸の精製の不在下で、細胞が溶解されて全核酸を放出した試料に対して実施され得る。全核酸は、ゲノムDNAまたはゲノムRNA(例えば、核DNA、ミトコンドリアDNA、ウイルスDNA、ウイルスRNA)または転写RNAであり得る。「ポリヌクレオチド」は、一本鎖または二本鎖の核酸を意味する。「オリゴヌクレオチド」という用語は、短いポリヌクレオチド、一般に、約50個以下のヌクレオチドを指す。
「プライマー」とは、指定されたポリヌクレオチド鋳型に特異的にハイブリダイズし、かつ相補的ポリヌクレオチドの合成のための開始点を提供することができる、ポリヌクレオチドを指す。このような合成は、合成が誘発される条件下で、すなわち、ヌクレオチド、相補的ポリヌクレオチド鋳型、およびポリメラーゼなどの重合剤の存在下で、ポリヌクレオチドプライマーが配置されるときに生じる。プライマーは、典型的には、一本鎖であるが、二本鎖であってもよい。プライマーは、典型的には、デオキシリボ核酸であるが、多種多様の合成プライマーおよび天然に存在するプライマーが、多くの用途に有用である。プライマーは、ハイブリダイズして合成開始部位として機能するように設計されている鋳型に相補的であるが、鋳型の正確な配列を反映する必要はない。そのような場合、プライマーの鋳型への特異的ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件の厳格性に依存する。本明細書に述べられるように、プライマーは、結合メンバーによって結合され得るタグを含み得る。「プローブ」とは、別のポリヌクレオチドの指定された配列に特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドを指す。プローブは、標的相補的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするが、鋳型の正確な相補的配列を反映する必要はない。そのような場合、標的へのプローブの特異的ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件の厳格性に依存する。
いくつかの場合には、標的増幅は、当業者に知られている様々なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法、複数サイクルの変性、2つのオリゴヌクレオチドプライマーの、各々標的核酸の反対鎖へのハイブリダイゼーション、および標的核酸の複数の二本鎖複製を生成するためのヌクレオチドポリメラーゼによるプライマー伸長に基づく方法によって達成され得る。PCRの多くの変形が記載されており、DNAまたはRNA核酸配列の増幅、配列決定、突然変異分析、およびその他に使用される。単一のプライマーを用いる熱サイクリングに基づく方法も、記載されている。熱サイクリングに依存する他の方法は、リガーゼ連鎖反応(LCR)および関連する修復連鎖反応(RCR)である。熱サイクリングに基づく方法における標的核酸増幅は、様々な温度での複数サイクルのインキュベーションを通して実施される。
特定の実施形態では、等温標的増幅法を使用して、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置による検出のために、標的核酸配列を増幅させる。等温標的増幅法は、熱サイクラーを必要とせず、本開示のシステムおよび装置に容易に適合され、一体化され得る。本明細書で互換的に使用される場合、「等温増幅反応」、「等温標的増幅」、および他の変形は、反応中に温度が有意に変化しない、すなわち、標的増幅反応が実質的に単一の温度で実施される、標的増幅反応を指す。等温増幅反応の温度は、反応の過程にわたって、例えば、10℃、9℃、8℃、7℃、6℃、5℃、4℃、3℃、2℃、1℃を超えて変化しない。
核酸の等温増幅の方法に応じて、増幅反応のために、異なる酵素が必要とされる。核酸の増幅のための知られている等温方法は、例えば、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)(Vincentら、EMBO reports、2004.5(8):795−800)、熱安定性HDA(tHDA)(Anら、J.Biol.Chem、2005.280(32):28952−28958)、鎖置換増幅(SDA)(Walkerら、Nucleic Acids Res、1992.20(7):1691−6)、複数置換増幅(MDA)(Deanら、Proc.Natl.Acad.Sci.、2002.99(8):5261−5266)、ローリングサークル増幅(Liuら、J.Am.Chem.Soc.、1996 118:1587−1594)、単一プライマー等温増幅(SPIA)(Daffornら、Biotechniques、2004.37(5):854−7)、制限支援RCA(Wangら、Genome Res.、2004.14:2357−2366)、転写媒介増幅(TMA)(Vuorinenら、J.Clin.Microbiol.、1995.33:1856−1859)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)(Kievitsら、J.Virol.Methods、1991.35:273−286)、およびニッキング酵素を使用する増幅反応、例えば、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)(米国特許出願第2009/017453号)、組換えタンパク質を使用する増幅反応、例えば、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)(Piepenburgら、PLoS Biol.、2004.4(7):e204)、ならびにループ媒介等温増幅(LAMP)(Notomiら、Nucleic Acids Res.、2000.28(12):e63)であり、ここで、等温条件下で核酸を増幅させるための少なくとも1つの中温性酵素は、ヘリカーゼ、中温性ポリメラーゼ、鎖置換活性を有する中温性ポリメラーゼ、ニッキング酵素、組換えタンパク質、リガーゼ、グリコシラーゼ、およびヌクレアーゼからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置上でのその後の検出のための標的核酸の増幅は、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)によって達成される(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,270,981号、同第7,485,428号、および同第8,460,875号を参照のこと)。RPAは、単管式等温増幅反応である。いくつかの場合には、RNA標的を増幅させるために、逆転写酵素をRPA反応に添加することができる。RPA法は、3つの酵素:リコンビナーゼ、一本鎖DNA結合タンパク質(例えば、E.coli SSB)、および鎖置換ポリメラーゼを用いる。概して、第1に、リコンビナーゼ剤を、第1および第2の核酸プライマーと接触させて、第1および第2の核タンパク質プライマーを形成する。第2に、第1および第2の核タンパク質プライマーを、二本鎖標的核酸配列に接触させて、当該第1の鎖の第1の部分に第1の二本鎖構造を形成し、かつ当該第2の鎖の第2の部分に二本鎖構造を形成し、そのため、当該第1の核酸プライマーおよび当該第2の核酸プライマーの3’末端は、所与の鋳型核酸分子上で互いに向かって配向されている。第3に、当該第1および第2の核タンパク質プライマーの3’末端を、鎖置換ポリメラーゼによって伸長させて、第1および第2の二本鎖核酸、ならびに第1および第2の置換された核酸鎖を生成する。所望の程度の増幅が達成されるまで、第2および第3の工程を繰り返す。当業者であれば、上記に記載されるような一般的なRPA法についての変形を認識および実施することができるだろう。
リコンビナーゼ剤は、一本鎖DNA(ssDNA)を被覆して、次に二本鎖DNA(dsDNA)を配列相同性の区域について走査することができる、フィラメントを形成し得る。相同配列が見つかると、核タンパク質フィラメント(リコンビナーゼ剤を含む)鎖が、dsDNAに侵入して、短いハイブリッドと、Dループとして知られる置換鎖気泡と、を形成する。好適なリコンビナーゼ剤には、E.coli RecAタンパク質、またはあらゆる門由来のあらゆる相同タンパク質またはタンパク質複合体が含まれる。これらのRecA相同体は、一般に、同定されるべきこの群の最初のメンバーにちなんで、Rad51と命名されている。他のリコンビナーゼ剤を、RecAの代わりに、例えば、RecTまたはRecOとして利用してもよい。リコンビナーゼ剤は、一般に、ATP、ATPγS、または他のヌクレオシド三リン酸およびそれらの類似体の存在を必要とする。リコンビナーゼ剤は、標的部位の再生がD−ループ刺激合成のラウンドの直後に起こり得る反応環境において、一般的に使用されている。これは、一方の端から他方の端への片側合成の振動によって引き起こされる、ssDNAの増幅の失速または非効率的な線形増幅を回避するだろう。
いくつかの実施形態では、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置でのその後の検出のための標的核酸の増幅は、ループ媒介等温増幅(LAMP)によって達成される。LAMPは、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,410,278号に記載されている。概して、LAMPは、標的核酸の6〜8個の異なる区域を認識する、4〜6個のプライマーを使用する。鎖置換DNAポリメラーゼは、合成を開始し、プライマーのうちの2つは、ループ構造を形成して、増幅のその後のラウンドを容易にする。当業者であれば、上記に記載されるような一般的なLAMP法の変形を認識および実施することができるだろう。
いくつかの実施形態では、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置でのその後の検出のための標的核酸の増幅は、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)によって達成される。HDAは、DNAヘリカーゼの巻き戻し活性に基づいている。HDAは、標的核酸二本鎖の2本の鎖を分離する(融解する、または巻き戻す)ために、1つ以上のヘリカーゼに依存する。HDAはさらに、一本鎖ヌクレオチド配列にハイブリダイズして、相補的プライマー伸長生成物を形成するプライマーを伸長するために、DNAまたはRNAポリメラーゼを利用する。指数関数的増幅が単一の温度で達成され得るように、このプロセスは、それ自体を繰り返す。当業者であれば、上記に記載されるような一般的なHDA法に対する変形を認識および実施することができるだろう。本明細書で使用される場合、「相補的」は、2つの核酸、例えば、2つのDNA分子間の相補性を指す。両方の分子中のヌクレオチド位置が、通常互いに塩基対を形成することができるヌクレオチドによって占められている場合、核酸は、この位置で互いに相補的であるものと見なされる。したがって、各分子中の相当数(少なくとも50%)の対応する位置が、通常互いに塩基対を形成するヌクレオチド(例えば、A:TおよびG:Cヌクレオチド対)によって占められている場合、2つの核酸は、互いに相補的である。
本明細書で使用される場合、「ヘリカーゼ」は、二本鎖核酸を酵素的に巻き戻すことができる任意の酵素を指す。5’〜3’方向またはその反対側の3’〜5’方向にDNAまたはRNAに沿って転位する任意のヘリカーゼが使用され得る。これには、原核生物、ウイルス、古細菌、および真核生物から得られたヘリカーゼ、または組換え型の天然に存在する酵素、ならびに特定の活性を有する類似体もしくは誘導体が含まれる。KornbergおよびBakerによって、彼らの著書、DNA Replication,W.H.Freeman and Company(2nd ed.(1992))の第11章に記載されている、天然に存在するDNAヘリカーゼの例には、E.coliヘリカーゼ、I,II,III,&IV,Rep,DnaB,PriA,PcrA,T4 Gp41ヘリカーゼ、T4 Ddaヘリカーゼ、T7 Gp4ヘリカーゼ、SV40ラージT抗原、酵母RADが含まれる。HDAにおいて有用であり得るさらなるヘリカーゼとしては、RecQヘリカーゼ(HarmonおよびKowalczykowski、J.Biol.Chem.、2001.276:232−243)、T.tengcongensisおよびT.thermophilus由来の熱安定性UvrDヘリカーゼ(CollinsおよびMcCarthy、Extremophiles.2003、7:35−41)、T.aquaticus由来の熱安定性DnaBヘリカーゼ(KaplanおよびSteitz、J.Biol.Chem.、1999.274:6889−6897)、ならびに古細菌および真核生物由来のMCMヘリカーゼ(Graingeら、Nucleic Acids Res.、2003.31:4888−4898)が挙げられる。
特定の実施形態では、単離された全核酸および/または濃縮された標的核酸は、標的増幅が起こる場所に転移される。これは、手動で、または自動化された方法、例えば、デジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体、従来のマイクロ流体、および/またはロボット工学を通して、行われ得る。
特定の実施形態では、標的核酸配列の標的増幅の工程は、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置のうちの1つのモジュールによって実施される。いくつかの場合には、これらの工程は、標的増幅を可能にする温度で、デジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体、従来のマイクロ流体、および/またはロボット工学を用いる自動システムによって実施される。概して、これらの自動システムは、i)単離および/もしくは濃縮標的核酸の転移、ii)反応管もしくはマイクロ流体チャンバへの酵素および標識プライマーもしくはプローブの添加、iii)標的増幅に必要であれば、活性化剤の添加、iv)反応混合物の加熱、ならびにv)任意選択的に、増幅反応の停止を含む工程を行う。等温標的増幅反応において標的増幅の工程を実施するシステムは、動作する様々な等温増幅反応の最適温度酵素に応じて、実質的に単一温度に保持される。いくつかの場合には、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置によって実施される標的増幅は、RPA法を用いることができ、ここで一体型装置の標的増幅モジュールは、実質的に単一の温度、例えば、約37℃、例えば、35〜37℃、37〜39℃、36〜38℃、35〜39℃、32〜42℃に保持される。他の等温方法では、一体型装置は、実質的に単一の温度、例えば、40℃以上の温度、例えば、60℃〜65℃など、50℃〜70℃に保持される。いくつかの場合には、標的核酸配列の標的増幅は、30分以内に、例えば、約25分、35分、27分、29分、31分、33分で、少なくとも10分で、例えば、15分以上、20分以上、30分以上で実施される。
いくつかの場合には、標的核酸配列の増幅は、30分以内、例えば、5分、10分、15分、20分、または25分、例えば、5分〜30分、5分〜25分、5分〜20分、5分〜25分、5分〜10分、10分〜30分、10分〜25分、10分〜20分、15分〜30分、15分〜25分、または15分〜20分の期間行われる。
いくつかの実施形態では、標的核酸の増幅は、等温増幅、例えば、LAMPによって行われ、ここで増幅は、10分以内、例えば、9分、8分、7分、6分、5分、4分、3分、2分、1分、30秒、15秒以内、例えば、15秒〜10分、30秒〜10分、1分〜10分、1分〜5分、または5分〜10分の間行われる。
特定の実施形態では、本明細書に開示されるNAT法は、1aM程度の低い濃度で存在する標的核酸を検出する。特定の実施形態では、本明細書に開示されるNAT法は、少なくとも1aM以上、例えば、10aM、100aM、1fM、10fM、100fM、1pM、10pM、100pM以上の濃度で存在する標的核酸を検出する。特定の実施形態では、本明細書に開示されるNAT法は、標的核酸から生成された増幅産物を検出し、ここで増幅産物は、25aM〜10fMの濃度で存在する。したがって、本開示の検出方法は、増幅前に、試料中に1aM未満の濃度で存在する標的核酸を検出することができる。ほとんどの場合、検出に十分な量の標的核酸を提供するためには、わずか15倍、10倍、5倍、2倍の増幅の増幅が必要であるか、または全く増幅が必要ではない。
特定の実施形態では、開示される方法は、増幅によって標的核酸の複製数が増加することから生成される増幅生成物を検出することができ、その場合、1000分子程度の少ない増幅生成物が生成される。したがって、特定の実施形態では、流体試料中の標的核酸の存在を検出するための方法は、試料中の標的核酸を増幅によって増幅させて、1000分子程度の少ない増幅産物を生成することであって、増幅により、増幅産物にタグを組み込む、増幅産物を生成することと、タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することと、複合体中の増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、各ウェルが1つ以下の捕捉物を含有するように捕捉物を空間的に複数のウェルに分離することと、複数のウェル中の検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む。
増幅反応のために使用されるプライマーまたはヌクレオチドは、増幅された標的核酸にタグを組み込むためのハプテンなどのタグを含み得る。任意の好適なタグが、利用され得る。例えば、タグは、ハプテンに特異的に結合する結合メンバーが利用可能なハプテンであり得る。例えば、ハプテンは、ハプテンに特異的に結合する抗体が利用可能な小分子であり得る。例示的なハプテンとしては、アビジン、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェニル、ダンシル−X、およびそれらの誘導体が挙げられる。特定の実施形態では、ハプテンは、直接光学的に検出可能ではない場合があり、すなわち、ハプテンはデジタル計数を妨げる可能性があるので、ハプテンは、染料または蛍光分子ではない可能性がある。タグ付き増幅産物を生成するための例示的な増幅様式は、図20A〜20Cに示される。
アッセイ処理および検出
いったん所望の程度の標的核酸配列増幅が達成されると、増幅産物は、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置のアッセイ処理モジュール(上記に記載される)に転移される。様々な様式のアッセイ処理を用いることができる。例えば、イムノアッセイは、増幅された標的核酸に組み込まれたタグを使用して、増幅された標的核酸配列を捕捉するために行われ得る。注目すべきは、本明細書に開示されるNAT法は、捕捉物上で増幅された核酸配列を捕捉するために、核酸配列のハイブリダイゼーションを利用しないことである。言い換えれば、捕捉物(ビーズ、例えば、磁性ビーズなど)は、増幅された標的核酸中の配列に相補的であり、かつ増幅された標的核酸にアニールすることができる、捕捉核酸を含まない。むしろ、捕捉物は、特異的結合対の結合メンバーを含み、かつ結合対のメンバーと結合対の他のメンバーとの相互作用を介して、増幅された標的核酸を捕捉し、ここで結合対の他のメンバーとは、増幅中の増幅された核酸に導入された他のメンバーである。特異的結合対のメンバーは、互いに相補的な核酸を含まない。したがって、捕捉物は、増幅された標的核酸に結合することができる核酸で被覆されていない。
標的核酸関連信号を生成するいくつかのイムノアッセイ様式が、使用され得る。例示的なイムノアッセイ様式は、図20A〜20Cに図示されている。いくつかの実施形態では、標的核酸を含有する試料液滴は、試料中に存在する標的核酸に特異的に結合する第1の結合メンバーが付着している、磁性ビーズを含有する液滴と融合され得る。融合は、試料液滴中に存在する標的核酸への第1の結合メンバーの結合を可能にするのに十分な時間インキュベートされ得る、単一の液滴を形成する。任意選択的に、試料と第1の結合メンバーとの混合を容易にするために、単一の液滴を撹拌し得る。混合は、単一の液滴を前後に移動させること、単一の液滴を複数の電極上で移動させること、液滴を分割し、次に液滴を融合させること、またはSAWを使用することなどによって達成され得る。次に、液滴が廃棄物チャンバまたはパッドに移動され得、かつ第2の結合メンバーを含有する液滴と置換され得る間、単一の液滴は、磁力に供されて、装置内の場所にビーズを保持し得る。第2の結合メンバーは、検出可能に標識され得る。標識は、光学的に検出され得る任意の標識であり得る。標識は、蛍光標識であり得る。第2の結合メンバーを添加する前に、磁力を使用してビーズが保持されている場所に洗浄緩衝液の液滴を移動させることによって、任意選択的な洗浄工程を行うことができる。ビーズは、洗浄緩衝液中に再懸濁してもしなくてもよく、磁力が、磁性ビーズに印加され、洗浄緩衝液は、廃棄場所に輸送される。第2の結合メンバーが第1の結合メンバーに結合された分析物を結合するのに十分な時間の後、ビーズがその場所に保持されている間に、第2の結合メンバーを含有する液滴は、移動され得る。ビーズは、洗浄緩衝液の液滴を使用して、洗浄され得る。洗浄工程に続いて、磁力が除去され得、第1の結合メンバー、分析物、および第2の結合メンバーの複合体を有する標識されたビーズを含有する液滴が、検出モジュール上に移動され得る。本明細書に説明されているように、イムノアッセイは、アッセイ処理モジュール内で実施することができる。特定の場合には、増幅された標的核酸を捕捉し、かつ検出可能に標識するためのアッセイ処理は、本明細書に記載されるような一体化マイクロ流体および分析物検出装置内で実施され得る。例えば、いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸を捕捉し、かつ検出可能に標識するためのアッセイ処理は、図1〜14に図示される一体型装置内で行われ得る。標識されたビーズを、検出モジュール中のウェルのアレイ中に沈降させることができ得る。ビーズは、重力を使用して、または電気力もしくは磁力を印加することによって、沈降し得る。ウェルの内側に位置していない任意のビーズを除去するための洗浄工程に続いて、疎水性液体を使用することによって、ウェルを密封することができる。例えば、標識されたビーズを複数のウェルに分離することができ、それらのウェルは、1ウェル当たり1つ以下のビーズを含有するようにサイズ決めされている。ウェルのアレイを含有する検出モジュールは、図1〜14に例示される分析物検出装置を含み得る。いくつかの実施形態では、アッセイ処理および検出は、本明細書に記載されるような一体型装置内で、かつ図1〜14に図示されている例示的な実施形態を用いて、実施され得る。
別の実施形態では、第2の結合メンバーは、切断可能なリンカーを介して、粒子またはビーズに付着され得る。あらゆる未結合の第2の結合メンバーを除去するための洗浄工程に続いて、第2の結合メンバーに付着された粒子またはビーズは、化学的にまたは光切断のいずれかによって切断され得る。切断された粒子/ビーズは、検出モジュールに移動され得、ウェル中に存在する粒子/ビーズは、定量化され得る。
いくつかの場合には、第2の結合メンバーに付着された粒子/ビーズが、標識され得る。例えば、粒子/ビーズは、色分けされるか、または蛍光性であり得る。
別の実施形態では、第2の結合メンバーは、切断可能な標識に付着され得る。あらゆる未結合の第2の結合メンバーを除去するための洗浄工程に続いて、第2の結合メンバーに付着された標識は、化学的にまたは光切断のいずれかによって切断され得る。切断された標識は、検出モジュールに移動され得、そこで標識をウェル中に拡散させることができる。ウェル中に堆積されていないあらゆる標識の除去に続いて、ウェルは、疎水性流体で密封され得、標識は、定量化され得る。
標的核酸関連信号を生成することができる第2のイムノアッセイ様式もまた、使用され得る。いくつかの実施形態では、標的核酸を含有する試料液滴を、標識された標的核酸または標識された競合分子を含有する液滴と融合させて、単一の液滴を生成することができる。標識された標的核酸または標識された競合分子は、第1の結合メンバーへの結合のために標的核酸と競合する。標識は、光学的に検出され得る任意の標識であり得る。標識は、蛍光標識であり得る。単一の液滴を撹拌させて、液滴を前後に移動させること、単一の液滴を複数の電極上に移動させること、液滴を分割し、次に液滴を融合させること、またはSAWを使用することなどによって、達成され得る混合を容易にし得る。次に、単一の液滴は、標的核酸と標識された標的核酸(または標識された競合分子)とを特異的に結合する第1の結合メンバーが付着している、磁性ビーズを含有する液滴と融合され得る。融合は、液滴中に存在する標的核酸または標識された標的核酸(もしくは標識された競合分子)のいずれかが、第1の結合メンバーと競合的に結合することを可能にするのに十分な時間インキュベートされ得る、第2の単一の液滴を形成する。任意選択的に、第2の単一の液滴を撹拌させて、標的核酸−標識された標的核酸混合物と第1の結合メンバーとの混合を容易にし得る。次に、第2の単一の液滴を磁力に供して、ビーズを装置内の場所に保持し得、次にその間に液滴を廃棄物リザーバ/パッドに移動させ得、ビーズを、洗浄緩衝剤を含有する液滴と接触させ得る。蛍光標識が使用される場合、ビーズは、洗浄緩衝液中に再懸濁され得、次にビーズは、検出モジュール上に移動され得る。
使用される標識が酵素である場合、次に磁力を印加して、磁性ビーズを捕捉し、洗浄緩衝液を廃棄場所に輸送する。酵素基質を含有する液滴は、第1の結合メンバー、分析物、および標識された分析物の複合体を有する磁性ビーズと接触され得る。任意選択的な混合が行われ得、その後、ビーズは、検出モジュール上に移動され得る。本明細書に説明されているように、イムノアッセイは、試料調製モジュール内で実施され得る。標識されたビーズを、検出モジュール中のウェルのアレイ中に沈降させることができ得る。ビーズは、重力を使用して、または電気力もしくは磁力を印加することによって、沈降し得る。ウェルの内側に位置していないビーズを除去するための洗浄工程に続いて、ウェルは、不混和性液体を使用することによって密封され得る。
特定の場合には、結合メンバーのうちの少なくとも1つは、アプタマー、DNA、RNA、オリゴヌクレオチドなどの核酸などであり得る。
特定の実施形態では、結合メンバーは、標的核酸に特異的に結合する。「特異的に結合する」または「結合特異性」とは、特異的結合対のメンバー間の結合を指す。特異的結合対のメンバーは、互いに結合し、他の分子には実質的に結合しない。例えば、ハプテンと抗体との特異的結合対は、ハプテンと試験試料の他の構成要素または汚染物質とを区別するのに十分な特異性でハプテンを結合する抗体である。例えば、抗原に特異的な抗体は、抗原に結合するが、当業者に知られているイムノアッセイ条件下では、他の分子には有意に結合しない。
特定の実施形態では、標的核酸配列のアッセイ処理の工程は、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置のうちの1つのモジュールによって実施される。いくつかの場合には、これらの工程は、標的増幅を可能にする温度で、デジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体、従来のマイクロ流体、および/またはロボット工学を用いる自動システムによって実施される。アッセイ処理の工程を実施するシステムおよび装置は、動作するアッセイ処理に使用される最適温度酵素に応じて、実質的に単一の温度に保持され得る。いくつかの場合には、本開示の一体型デジタルマイクロ流体および分析物検出装置によって実施されるアッセイ処理は、一体型装置のアッセイ処理モジュールが実質的に単一の温度に、例えば、約37℃、例えば、35〜37℃、37〜39℃、36〜38℃、35〜39℃、32〜42℃、60〜65℃に保持される。いくつかの場合には、アッセイ処理は、20分以内に、例えば、約15分、25分、17分、19分、21分、23分で、少なくとも5分で、例えば、10分以上、15分以上、20分以上で実施される。
検出モジュールのウェル中に単一のナノビーズ/ナノ粒子/標的核酸分子を配置することにより、デジタル読み出しまたはアナログ読み出しのいずれかが可能になる。例えば、少数の陽性ウェル(≦約1%の陽性)については、ポアソン統計を使用して、標的核酸濃度をデジタル様式で定量化することができ、多数の陽性ウェル(>約1%)については、信号担持ウェルの相対的な平均強度を、それぞれ、単一のナノビーズ/ナノ粒子/標的核酸分子から生成された信号強度と比較し、アナログ信号を生成するために使用する。デジタル信号は、より低い標的核酸濃度に対して使用され得、アナログ信号は、より高い分析物濃度に対して使用され得る。デジタル定量化とアナログ定量化との組み合わせを使用してもよく、これは、線形ダイナミックレンジを拡大することができる。本明細書で使用される場合、「陽性ウェル」とは、ナノビーズ/ナノ粒子/標的核酸分子の存在に関連する信号を有するウェルを指し、この信号は、閾値を上回る。本明細書で使用される場合、「陰性ウェル」とは、ナノビーズ/ナノ粒子/標的核酸分子の存在に関連する信号を有しない可能性があるウェルを指す。特定の実施形態では、陰性ウェルからの信号は、バックグラウンドレベル、すなわち、閾値未満であり得る。検出モジュールのウェル中への単一のナノビーズ/ナノ粒子/標的核酸分子の配置は、例えば、デジタルマイクロ流体、表面音響波マイクロ流体を用いる自動化を使用して達成することができる。「陽性」または「陰性」ウェルの検出は、当該技術分野で知られている様々な自動画像化システムを使用して行われ得る。
デジタル信号を検出することにより、標的増幅工程における増幅時間を短縮することが可能になる。本開示のデジタル検出モジュールは、少なくとも約6,000分子、例えば、およそ5,000分子超、およそ5,200分子超、およそ5,400分子超、およそ5,600分子超、およそ5,800分子超、およそ6,000分子超の検出限界を有する。上記に記載されるような等温標的増幅法(例えば、LAMP、RPAなど)を使用して、デジタル検出モジュールの検出限界は、約10サイクルの等温増幅で、例えば、開始材料に応じて、約5サイクル、約6サイクル、約7サイクル、約8サイクル、約9サイクル、約11サイクル、約12サイクル、約13サイクル、約14サイクルの等温増幅で、達成され得る。これらのサイクル数は、約10〜30分の等温増幅、例えば、1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、約15〜25分、約15〜20分、約20〜25分、約25〜30分、約5〜10分、約10〜15分の等温増幅で、達成され得る。
等温増幅法とデジタル検出とを連結させることにより、超高感度検出が可能になる。これは、アナログ検出と連結された熱サイクリングを必要とする増幅方法よりも、およそ16,000倍高い感度を可能にする。この強化された感度は、必要とされるおよそ45〜80%少ない増幅時間を可能にする。
NATのための方法および装置の例示的な実施形態は、図18Aおよび18Bに図示されている。図18Aは、標的捕捉工程(濃縮)が含まれていないNATを図示する。図18Bは、標的濃縮工程を利用するNATを図示する。略語は以下の通りである:デジタルマイクロ流体(DMF)、表面音響波(SAW)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存増幅(HDA)、リールツーリール(R2R)。図18Aは、本明細書に記載されるような装置(複数可)において順次に実施される4つの基本プロセスを利用することによって、NAT試験が行われ得ることを例示している。図18Bは、本明細書に記載されるように装置(複数可)内で順次に実施される5つの基本プロセスを利用することによって、NAT試験が行われ得ることを例示している。本明細書で述べられるように、図18Bは、任意選択的な標的濃縮工程を含む。図18Bでは、アッセイ処理後の次の工程は、図18Aに例示される検出工程であることが留意される。標的核酸の増幅のための試料調製の工程1は、任意の好適な方法を使用して実施され得る。例示的な方法は、図18Aおよび18Bに概説されている。Boom化学は、R.Boomら、J.Clin.Microbiol.March 1990 vol.28 no.3 495−503に記載されている。いくつかの場合には、核酸の抽出および精製は、Surら、J.Mol.Diagn.、2010、12(5):620−628に記載されているように行われ得る。いくつかの場合には、他の細胞材料からの核酸の分離は、行われない場合がある。したがって、試料調製工程は、単に、核酸を放出するための細胞溶解を含み得、標的核酸の増幅は、溶解された試料を使用して行われ得る。例えば、試料中の細胞は、Lyse and Go PCR試薬(Thermo Scientific)を使用して溶解され得、標的核酸は、溶解された試料のアリコートを使用して増幅され得る。図18Aおよび18Bに述べられるように、試料調製工程は、自動化され得る。したがって、試料調製は、本明細書に記載されるようなDMFまたはSAWを使用して行われ得る。試料調製はまた、従来のマイクロ流体装置またはロボット工学を使用して実施され得る。
図18Aおよび18Bに図示される次の工程(任意選択的な標的捕捉工程の後)は、標的核酸の増幅である。増幅方法は、当該技術分野で知られているが、例示的な増幅方法が図示されている。標的増幅工程は、自動化することもできる。さらに、図19で説明されているように、いくつかの実施形態では、試料調製および標的核酸増幅は、一体型装置で行われ得る。
標的増幅に続いて、イムノアッセイのためのアッセイ処理が、図18Aの工程3または図18Bの工程4に図示されるように実施され得る。プライマー捕捉様式またはプローブ捕捉様式が、使用され得る。いくつかの例では、イムノアッセイは、図20A〜20Cに記載されるように行われ得る。特定の場合には、標的核酸の増幅およびタグ付けは、米国特許第6,294,326号に記載されるように実施され得る。標的増幅工程は、自動化することもできる。
増幅された標的核酸の検出は、デジタル計数を使用して行われ得る。例えば、捕捉物(例えば、ビーズ、図18Aの工程4を参照のこと)上で捕捉される増幅された標的核酸は、ナノウェルに分配され、かつ検出され得る。図18Aに述べられるように、ナノウェルは、市販されているものでもよい。いくつかの場合には、ナノウェルは、ロールツーロール製造プロセスを使用して製造されたものなど、本明細書に記載されるようなナノウェルであり得る。
図18Bに図示される標的捕捉工程は、任意の好適な技術を使用して行われ得る。例えば、標的捕捉は、米国特許第5,780,224号または同第5,750,338号に記載されている方法を使用することによって行われ得る。
NAT用モジュールの例示的な一体化レベルが、図19に図示されている。5つの例示的な実施形態を図示する。第1の実施形態では、試料調製、標的増幅、アッセイ処理、およびデジタル計数の各々が、別々の装置によって行われ、各装置からの最終生成物は、例えば、ロボットを使用して手動で次の装置に転移される。第2の実施形態では、試料調製および標的増幅は、一体型装置で行われ、アッセイ処理およびデジタル計数は、別の一体型装置で行われる。第3の実施形態では、試料調製、標的増幅、およびアッセイ処理は、一体型装置で行われ、デジタル計数は、別の装置で行われる。第4の実施形態では、試料処理は、第1の装置で実施され、標的増幅およびアッセイ処理は、一体型装置で実施され、デジタル計数は、別の装置で実施される。第5の実施形態では、試料処理は、第1の装置で実施され、標的増幅、アッセイ処理、およびデジタル計数は、単一の一体型装置で行われる。
標的核酸を免疫学的に検出可能な分析物に変換するための例示的な方法が、図20A〜20Cに図示されている。図20Aでは、単離された標的核酸(例えば、試料から抽出された核酸の精製溶液中の)が、プライマー対(P1およびP2)を使用して増幅される。プライマーP1は、5’末端で第1のハプテンに結合しているが、プライマーP2は、標識されていない。増幅は、第1のハプテンに結合されたP1プライマーを組み込み、第1のハプテンで標識された核酸を生成する。標識された核酸は、続いて、第2のハプテンに結合されているプローブに(融解後に)ハイブリダイズされる。標識された核酸は、第1のハプテンに特異的に結合する第1抗体で被覆された磁性微粒子上で捕捉される。任意の未結合核酸を除去した後、捕捉された核酸を、第2の抗体または第2のハプテンに結合する第2の分子と接触させる。例えば、第2のハプテンは、ビオチンであり得、第2の抗体は、ビオチンに結合し得、かつ検出可能な生成物を生成する酵素に結合され得る。別の例では、検出可能な分子は、ビオチンであり得、第2の分子は、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、または別の酵素に結合されたアビジン(例えば、ストレプトアビジン)であり得る。未結合の第2の抗体または第2の分子を除去し、磁性微粒子を酵素のための基板に曝露し、1個以下の微粒子を含有するように構成された複数のウェルに分配し得る。ウェルは、密封され得、蛍光性である酵素生成物は、蛍光検出のために(蛍光反応生成物の検出のために)白色光および励起波長の両方の下で微粒子を可視化することができる光学検出器で可視化され得る。図20Aには図示されていないが、第1および第2のハプテンで標識された核酸は、第2のハプテンに特異的に結合する抗体(または分子)で被覆された微粒子上で捕捉され得ることが理解される。次に、第1のハプテンを、第1のハプテンに特異的に結合し、かつ蛍光分子を生じる反応を触媒する酵素に結合されている、抗体と接触させ得る。
増幅された核酸は、増幅された核酸に結合された微粒子と、増幅された核酸に結合されていない微粒子との比率を決定し、かつポアソン方程式を使用してアレイ上で検出される標的核酸の数を決定することによって、定量化され得る。このようにして、標的核酸をデジタル的に定量化することができる。
図20Bでは、標的核酸は、標的核酸中の配列を増幅させるプライマー対を使用して増幅される。プライマーP1およびP2の各々は、5’末端で、それぞれ、第1および第2のハプテンに結合されている。増幅により、両方のハプテンで標識された核酸が得られる。標識核酸は、第1のハプテンに結合する抗体で被覆された磁性ビーズを使用して捕捉される。あらゆる未結合核酸を除去した後、ビーズに付着された核酸を、第2のハプテンに特異的に結合する第2の抗体と接触させる。第2の抗体は、基板に作用する酵素に結合されて、蛍光信号を生成し得る。その後の工程は、図20Aに関連して説明された通りである。第2のハプテンは、ビーズ上の捕捉のために標的化され得るが、ビーズに付着された核酸は、第1のハプテンに結合する抗体(または他の分子)を使用して検出され得ることが理解される。抗体(または他の分子)は、基板に作用して蛍光反応生成物を生成する酵素に結合される。
図20Cは、NATのための増幅された標的核酸の標識のための代替的な様式を図示する。単離された標的核酸は、両方とも5’末端で第1のハプテンで標識されている2つのプライマーP1およびP2を使用して、増幅に供される。代替的に、プライマーの一方のみを標識してもよい。増幅中、ビオチン−16−アミノアリル−2’−dUTP(Trilink)などの標識されたヌクレオチド三リン酸を反応混合物に含めることができ、ここで標識されたヌクレオチドに対する標識されていないdUTPの比率を、最終増幅産物において望ましい標識のレベルに応じて変化させることができる。増幅後、第1のハプテンで標識された標的核酸は、捕捉抗体/第1のハプテンに特異的に結合する結合メンバーで被覆された磁性微粒子上で捕捉される。特に、この捕捉方法は、増幅された標的核酸とハイブリダイズする核酸で被覆されている捕捉物を利用しない。そのような捕捉物の使用を回避することで、核酸配列のハイブリダイゼーションを利用する捕捉方法から生じ得る偽陽性を回避する。捕捉されていない材料を除去するために数回洗浄した後、ビーズを、酵素標識された結合体分子(すなわち、ストレプトアビジン−ベータ−ガラクトシド(SA−β−gal)、または類似の検出分子)と共にインキュベートする。ビーズを再度数回洗浄して、あらゆる未結合の材料を除去する。酵素基質が添加され、これが、酵素結合体との代謝回転時に蛍光生成物を生成する。次に、ビーズを、フェムトリットルサイズのナノウェルアレイに堆積させ、各ナノウェルは、最大1個のビーズを保持する。ウェルを密封し、蛍光性生成物を、蛍光検出のために白色光および励起波長の両方の下でビーズを可視化することができる、光学検出器で可視化する。
特定の実施形態では、標的核酸を増幅させるために使用されるプライマーは、タグ分子を含み得、かつタグが増幅された核酸の5’末端に組み込まれる、タグ付き増幅産物を生成し得る。対照的に、タグ付きヌクレオチドの組み込みによってタグが増幅産物に導入される場合、タグは、標的核酸の配列およびタグ付きヌクレオチドの濃度レベルに応じて、増幅産物の複数の区域に組み込まれ得る。特定の実施形態では、タグ付きプローブは、捕捉された増幅産物に(例えば、第1の核酸鎖または第2の鎖に)アニールされ得る。プローブは、増幅産物の任意の区域に結合し得る。
本明細書で使用される場合、第1の核酸鎖または第2の核酸鎖は、二本鎖DNAの二本鎖を指す。
本明細書に述べられるように、特に一方のメンバーが捕捉物または固体支持体(例えば、ビーズ)に結合されている、特異的結合対のメンバーは、本明細書に記載されるイムノアッセイに用途を見出す。例示的な特異的結合対には、抗体−抗原、抗体−ハプテン、レセプター−リガンド、タンパク質補因子、酵素補因子、およびタンパク質リガンド(ビオチン−ストレプトアビジンなど)が含まれる。特異的結合対の一方のメンバーは、検出可能な部分、例えば、検出可能な反応生成物を生成する酵素に結合される。
特定の実施形態では、最大で単一の増幅された標的核酸配列(一本鎖または二本鎖であり得る)が単一の捕捉物上で捕捉されるように、捕捉物の数は、増幅された標的核酸配列の数を超え得る。
標的は、陽性/陰性ビーズの比率を決定し、かつポアソン方程式を使用してアレイ上で検出された標的の数を決定することによって、定量化される。このようにして、核酸標的は、デジタル的に定量化される。
対象となるあらゆる標的核酸は、本明細書に開示される方法によって検出および/または定量化され得る。標準的なNATを使用して検出されたあらゆる核酸は、開示される方法によって検出および/または測定され得る。標的核酸は、RNAまたはDNAであり得る。標的核酸は、病原体の核酸であり得る。例えば、標的核酸は、ウイルスRNAもしくはDNA、細菌性RNAもしくはDNA、真菌性RNAもしくはDNAであり得る。特定の実施形態では、ウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)などであり得る。標的DNAもしくはRNAはまた、真核細胞および/もしくは細胞株由来のものであり得る。
実施例1:デジタル検出を使用したリボ核酸試験
この実施例は、デジタル検出により、アナログベースの検出に必要な増幅時間と比較して、増幅時間を短縮することができることを実証する。標識された標的の確率的閉じ込めに基づくデジタル検出技術は、およそ6000分子を検出することができるが、標準的なアナログベースの検出は、最低およそ9000万分子を必要とする。
この例では、1ml当たり50複製のHIVを含有する血液試料が、出発材料として使用される。1mlの試料を、RNA抽出/精製に供する。RNA抽出/精製は、Boom化学(R Boomら、J.Clin.Microbiol.March 1990 vol.28 no.3 495−503)を使用して実施され得る。この例では、精製された全RNAを、cDNA合成の準備として、1mlの逆転写(RT)緩衝液中に再懸濁する。RT緩衝液は、RTプライマー(特異的またはランダムな)、dNTP混合物、塩、および逆転写酵素(AMV RT、MMLV、またはスーパースクリプトなど)を含有する。この反応を、逆転写酵素に応じて、37℃〜55℃の温度範囲で10〜60分間進行させることができる。標的RNAの利用可能な濃度に応じて、全反応体積は、1ml未満であり得ると想定される。cDNA工程中に、あるレベルの増幅が起こり得ることもまた、理解される。逆転写後、新たに形成されたcDNA標的は、標的増幅反応に転移される準備ができている。
増幅緩衝液を構成する構成物質は、増幅方法(すなわち、PCR、等温など)に適しており、かつ増幅プライマー(標識および/または非標識)、デオキシヌクレオチド三リン酸(非標識および/または標識)、塩、およびDNAポリメラーゼ(すなわち、Taqポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、またはクレノウ断片など)を含有する。等温増幅のために、他のタンパク質構成物質もまた、含まれ得る。およそ150mlのこの緩衝液は、およそ8複製以上のcDNA標的を含有するだろう。
この溶液は、標的が検出に必要な最小複製数に到達するまで標的の数が各増幅サイクルで倍増する、指数関数的増幅のその後のラウンドに供される。PCR増幅条件の例には、融解工程(すなわち、約〜94℃、約〜10秒)、プライマーアニール工程(すなわち、約60℃(プライマーのTmより約5℃下)、約20秒)、および伸長工程(すなわち、約72℃、約20秒)が含まれるだろう。等温増幅条件の例は、等温増幅方法に応じて、10〜30分間、30℃〜65℃の範囲の一定の反応温度を含む。増幅後、増幅された標的は、標準的なイムノアッセイ法(すなわち、固体支持体上の免疫捕捉、洗浄工程、結合体添加など)を使用して処理される。
デジタル検出は、各ウェルが1個以下のビーズを含有するように、処理された試料からフェムトリットルサイズのナノウェルのアレイに標識されたビーズを転移させ、続いて蛍光基板を密封し、かつ光学的に検出することによって、達成される。フェムトリットルウェルのアレイをカメラで画像化し、陽性ビーズと陰性ビーズとの比率を使用して、標的を定量化するか(定量アッセイ用)、または標的の存在を検出する(定性アッセイ用)。
比較のために、例えば、標的が閾値サイクルを使用して定量化される場合、アナログ検出は、TaqManアッセイを実行することによって達成される。定性アッセイでは、標的の存在は、最小閾値サイクルを使用することによって(すなわち、定量化なしで)決定される。
デジタル検出では、およそ8複製から始めて、およそ10サイクルの増幅で、最小値(およそ6,000分子)に到達し、アナログベースの検出では、およそ24回の増幅サイクルで、最小値(90,000,000分子)に到達する。14サイクルの差は、アナログベースの検出を超える、およそ16,400の感度向上を表し、30〜45分の時間節約になる。
実施例2:デジタル検出を使用したデオキシリボ核酸試験
この例は、デジタル検出が、アナログベースの検出を使用した検出に必要とされるよりも少ない数の標的DNAの検出を可能にすることを実証する。この例では、1ml当たり50複製のHBVを含有する血液試料を、出発材料として使用する。1mlの試料を、例えば、Boom化学を使用してDNA抽出/精製に供する。この例では、精製された全核酸を、1mlの増幅緩衝液に再懸濁する。増幅緩衝液を構成する構成物質は、増幅方法(すなわち、PCR、等温など)に適しており、かつ増幅プライマー(標識および/または非標識)、デオキシヌクレオチド三リン酸(非標識および/または標識)、塩、およびDNAポリメラーゼ(すなわち、Taqポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、クレノウ断片など)を含有する。等温増幅のために、他のタンパク質構成物質が含まれてもよい。およそ150mlのこの緩衝液は、およそ8複製のDNA標的を含有する。
この溶液は、標的が検出に必要な最小複製数に到達するまで標的の数が各増幅サイクルで倍増する、指数関数的増幅のその後のラウンドに供される。PCR増幅条件の例には、融解工程(すなわち、約94℃、約10秒)、プライマーアニール工程(すなわち、約60℃(プライマーのTmより約5℃下)、約20秒)、および伸長工程(すなわち、約72℃、約20秒)が含まれるだろう。等温増幅条件の例は、等温増幅方法に応じて、10〜30分間、30℃〜65℃の範囲の一定の反応温度を含むだろう。増幅後、増幅された標的は、標準的なイムノアッセイ法(すなわち、固体支持体上の免疫捕捉、洗浄工程、結合体添加など)を使用して処理される。
デジタル検出は、各ウェルが1個以下のビーズを含有するように、処理された試料からフェムトリットルサイズのナノウェルのアレイに標識されたビーズを転移させ、続いて蛍光基板を密封し、かつ光学的に検出することによって、達成される。フェムトリットルウェルのアレイをカメラで画像化し、陽性ビーズと陰性ビーズとの比率を使用して、標的を定量化するか(定量アッセイ用)、または標的の存在を検出する(定性アッセイ用)。
アナログ検出は、例えば、標的が閾値サイクルを使用して定量化される、TaqManアッセイを実行することによって実施される。定性アッセイでは、標的の存在は、最小閾値サイクルを使用することによって(すなわち、定量化なしで)決定される。
デジタル検出では、およそ10サイクルの増幅で、最小値(6,000分子)に到達し、アナログベースの検出では、およそ24回の増幅サイクルで、最小値(90,000,000分子)に到達する。14サイクルの差は、アナログベースの検出を超える、およそ16,400の感度向上を表し、30〜45分の時間節約になる。
核酸(RNAまたはDNA)のデジタル検出対アナログ検出に必要な増幅の差を、図21に図示する。
実施例3:デジタル検出を使用したデオキシリボ核酸試験
ビーズ上の標的核酸の捕捉、および各ウェルが1個以下のビーズを含有するウェルのアレイへのビーズの分離を利用する、デジタル検出方法の検出限界(LOD)を決定するために、標的核酸を、一本鎖DNAとして化学的に合成し、かつ一方の端をビオチンで、反対の端をジゴキシゲニン(DIG)で、二重標識(DL)した。DL一本鎖DNAを、アルカリホスファターゼ(AP)標識抗DIG抗体の結合によって検出された、ストレプトアビジン被覆ビーズ上で捕捉した(図22を参照のこと)。100aM(約6000分子)の濃度で存在するDL一本鎖DNAが、検出可能であった(図23を参照のこと)。方法のLODは、約24.6aM(約1481分子)であった(図24を参照のこと)。
140,000個のビーズを、100μl体積中のDL DNAの捕捉のために使用した。開示される方法を使用して測定されたDL DNAの濃度は、10fM(602,200分子)、5fM(301,100分子)、1fM(60,220分子)、500aM(30,110分子)、100aM(6,022分子)、10aM(602分子)、および0Mであった。ビーズ当たりの平均酵素数(すなわち、AP標識抗DIG抗体)(AEB)は、標的DL DNAの濃度に比例した。図23、Foff=陰性ビーズの画分、Fon=陽性ビーズの画分、予測される信号=陽性ビーズの理論的割合、測定信号=陽性ビーズの実際の割合。

Claims (33)

  1. 流体試料中の標的核酸の存在を検出するための方法であって、
    増幅によって前記試料中の前記標的核酸を増幅させて、増幅産物を生成することであって、
    前記増幅によって、タグを前記増幅産物に組み込み、
    前記増幅が、15サイクル未満の増幅を含む、増幅産物を生成することと、
    前記タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で前記増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することと、
    前記複合体中の前記増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、
    各ウェルが1つ以下の捕捉物を含有するように、前記捕捉物を複数のウェルに空間的に分離することと、
    前記複数のウェル中の前記検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む、方法。
  2. 前記増幅が、14サイクル未満の増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記増幅が、13サイクル未満の増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記増幅が、12サイクル未満の増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記増幅が、11サイクル未満の増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記増幅が、10サイクル未満の増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記増幅が、5〜15サイクルの増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記増幅が、5〜13サイクルの増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記増幅が、6〜15サイクルの増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記増幅が、6〜10サイクルの増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記増幅が、8〜15サイクルの増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記増幅が、8〜13サイクルの増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記増幅が、8〜10サイクルの増幅を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記増幅が、約1000分子の前記増幅産物を生成する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記増幅が、約3000分子の前記増幅産物を生成する、請求項1記載の方法。
  16. 前記増幅が、約6000分子の前記増幅産物を生成する、請求項1に記載の方法。
  17. 流体試料中の標的核酸の存在を検出するための方法であって、
    増幅産物を生成するために、増幅によって前記試料中の前記標的核酸を増幅することであって、
    前記増幅によって、タグを前記増幅産物に組み込み、
    前記増幅が、10分未満の時間行われる、増幅することと、
    前記タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で前記増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することと、
    前記複合体中の前記増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、
    各ウェルが1つ以下の捕捉物を含有するように、前記捕捉物を複数のウェルに空間的に分離することと、
    前記複数のウェル中の前記検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む、方法。
  18. 前記増幅が、1〜5分の間行われる、請求項17に記載の方法。
  19. 流体試料中の標的核酸の存在を検出するための方法であって、
    1000分子程度の少ない増幅産物を生成するために、前記試料中の前記標的核酸を増幅によって増幅することであって、
    前記増幅によって、タグを前記増幅産物に組み込み、
    前記タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で前記増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することと、
    前記複合体中の前記増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、
    各ウェルが1つ以下の捕捉物を含有するように、前記捕捉物を複数のウェルに空間的に分離することと、
    前記複数のウェル中の前記検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む、方法。
  20. 前記方法が、2000分子程度の少ない増幅産物の存在を検出する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記方法が、3000分子程度の少ない増幅産物の存在を検出する、請求項19に記載の方法。
  22. 前記方法が、6000分子程度の少ない増幅産物の存在を検出する、請求項19に記載の方法。
  23. 流体試料中の標的核酸の存在を検出するための方法であって、
    10aM程度の低い濃度の増幅産物を生成するために、前記試料中の前記標的核酸を増幅によって増幅することであって、
    前記増幅によって、タグを前記増幅産物に組み込み、
    前記タグに特異的に結合する結合メンバーを含む複数の捕捉物上で前記増幅産物を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成する、増幅することと、
    前記複合体中の前記増幅産物を検出可能に標識して、検出可能に標識された複合体を生成することと、
    各ウェルが1つ以下の捕捉物を含有するように、前記捕捉物を複数のウェルに空間的に分離することと、
    前記複数のウェル中の前記検出可能に標識された複合体の存在を検出することと、を含む、方法。
  24. 前記増幅産物の濃度が、20aM程度の低さである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記増幅産物の濃度が、30aM程度の低さである、請求項23に記載の方法。
  26. 前記増幅産物の濃度が、100aM程度の低さである、請求項23に記載の方法。
  27. 前記方法が、前記検出可能に標識された複合体を含有するウェルの割合を決定することをさらに含み、前記ウェルの割合が、前記流体試料中の前記標的核酸の濃度を決定するために使用される、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記方法が、前記ウェル中の前記検出可能に標識された複合体の信号の測定された強度レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記流体試料中の前記標的核酸の濃度の測定値を決定することをさらに含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記方法が、前記増幅産物の複数の捕捉物上での前記捕捉の前に、
    第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を生成するために、前記増幅産物を変性することであって、前記第1の核酸鎖が、前記タグを含み、前記タグが、第1のタグである、変性することと、
    前記第1の核酸鎖のセグメントに相補的であるプローブを前記第1の核酸鎖にアニールして、二重タグ付き増幅産物を生成することであって、
    前記プローブが、前記第1のタグとは異なる第2のタグを含む、二重タグ付き増幅産物を生成することと、
    前記第1のタグに特異的に結合する第1の結合メンバーである、前記結合メンバーを含む前記複数の捕捉物上で、前記第1のタグを含む前記第1の核酸鎖を含む前記二重タグ付き増幅産物を捕捉して、捕捉物−第1の核酸複合体を生成することと、
    前記捕捉物−第1の核酸複合体を、前記プローブ中の前記第2のタグに特異的に結合する第2の結合メンバーであって、検出可能に標識される、前記第2の結合メンバーと接触させ、それによって前記検出可能に標識された複合体を生成することと、を含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記増幅産物が、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を含み、前記増幅によって、第1のタグを前記第1の核酸鎖に、そして第2のタグを前記第2の核酸鎖に組み込み、前記増幅産物の前記捕捉が、
    a.前記第1のタグに特異的に結合する第1の結合メンバーを含む複数の捕捉物上で前記第1の核酸鎖を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することであって、
    前記検出可能に標識された複合体を生成するために、前記複合体中の前記増幅産物を検出可能に標識することが、
    前記複合体を、前記第2のタグに特異的に結合する第2の結合メンバーであって、検出可能に標識される、第2の結合メンバーと接触させ、それによって前記検出可能に標識された複合体を生成することを含む、複合体を生成すること、または
    b.前記第2のタグに特異的に結合する第2の結合メンバーを含む複数の捕捉物上で前記第2の核酸鎖を捕捉し、それによって捕捉物−増幅産物を含む複合体を生成することであって、
    前記複合体中の前記増幅産物を検出可能に標識して、前記検出可能に標識された複合体を生成することが、
    前記複合体を、前記第1のタグに特異的に結合する第1の結合メンバーであって、検出可能に標識される、第1の結合メンバーと接触させ、それによって前記検出可能に標識された複合体を生成することを含む、複合体を生成すること、を含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記増幅産物中の第1の核酸鎖が、第1のタグを含み、前記複数の捕捉物が、前記第1のタグに特異的に結合する第1の結合メンバーを含み、前記第1の核酸鎖が、第2のタグを含む複数のヌクレオチドを含み、
    前記増幅産物を捕捉することが、前記増幅産物を、第1の結合メンバーを含む複数の捕捉物と接触させて、前記捕捉物−増幅産物を含む前記複合体を生成することを含み、
    検出可能に標識された複合体を生成するために、前記複合体中の前記増幅産物を前記検出可能に標識することが、
    前記複合体を、前記第2のタグに特異的に結合する第2の結合メンバーであって、検出可能に標識される、第2の結合メンバーと接触させ、それによって前記検出可能に標識された複合体を生成することを含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記検出可能に標識された複合体が、検出可能な信号を生成する信号伝達部分を含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記信号伝達部分が、基板に作用して検出可能な信号を生成する酵素である、請求項32に記載の方法。
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