JP2019524383A - 医療廃棄流体容器用ポートコネクター及びその使用方法 - Google Patents

Abstract

本開示の態様は、医療用吸引チューブを医療用流体収集システムの少なくとも２つの異なるタイプの流体ポートに接続するのに適したコネクターを含む。特定の態様において、コネクターは、本体部分の中心縦軸に対して概ね平行に延びる円筒形の外面と、コネクターを通って延びる主導管を画定する内面とを有する概ね円筒形の本体部分を含む。少なくとも１つの横方向閉鎖壁が、本体部分の外面から半径方向外向きに延びる。少なくとも１つの環状スカート壁が、少なくとも１つの横方向閉鎖壁から縦方向に延び、比較的小さい直径を有する第１流体ポートの開口部を受け入れるのに役立つ第１環状スカート壁と、比較的大きい直径を有する第２流体ポートの開口を受け入れるのに役立つ第２環状スカート壁とを含む。

Description

本明細書に開示されているポートコネクターシステム及び方法は、医療流体の収集、廃棄及び他の関連する方法の分野に関するもの、より具体的には、特定の態様は、様々な流体及び液体廃棄物を直接的又は間接的に貯蔵するための剛性又は半剛性キャニスターを利用する医療廃棄流体の収集及び／又は処理システムに関するものであることができ、このようなキャニスターは、キャニスター壁から流体を隔離するための可撓性、半剛性又は剛性のライナーを含むことができる。これらのキャニスター及びライナーは、真空及び／又は廃棄流体をキャニスター又はライナーの内部に及び内部から連通させるための１つ以上の開口部又はポートを備えた剛性又は半剛性の蓋を含むことができる。

関連出願との相互参照
本出願は、２０１７年８月２９日に出願された米国仮特許出願第６２／３８１，０１０号に対する優先権及びその利益を主張し、当該米国仮特許出願の全体は参照により本明細書に含まれるものとする。

手術室、緊急治療室、病室及び他の医療施設を含み得る医療環境は、液体廃棄物を発生させる。液体廃棄物は、血液及び他の体液を含み得る患者の体から除去された分泌物、灌注液、又は懸濁物及び他の様々な他の粒子のような他の流体を含むことができる。関連技術の典型的な廃棄物キャニスターは、負圧（本明細書では区別なく「吸引」又は「真空」とも称する）が連通され、それによってキャニスターの内部に負圧を生じさせてドレナージ部位又は手術部位から又はその近くから流体及び液体廃棄物を吸引又は排出する、貯蔵容器である。蒸気、煙、及び液体又は気体中に浮遊している粒子及び小さい固形物も一般に吸引キャニスターに吸い込まれる。固体を含む気体は通常、濾過されてキャニスターから排出され、他の流体及び液体廃棄物はキャニスター内に集められる。キャニスターシステムは、キャニスター壁から流体及び液体廃棄物を隔離するために可撓性、半剛性又は剛性のライナーを含むことができる。可撓性ライナーはしばしば、広げられた状態又は圧縮された状態で蓋に固定され、蓋とキャニスターとの間に封止が形成されたときにキャニスター壁の内側に収まるように広げられる。気体を含む集められた廃棄流体は、一般に入口ポート又は患者ポートと呼ばれる蓋又はキャニスターにあるポートを通って入ることができる。を通して吸引源は、一般に真空ポートと呼ばれる蓋又はキャニスターにある第２ポートを介してキャニスターの内部と連通することができる。キャニスター内に集められた気体は、集められた流体と吸引源との間の真空路内に配置することができるフィルターを通して吸引することによって吸い出すことができる。キャニスター又は蓋は、追加のキャニスターを直列の配置で接続するためのタンデムポート、及び収集された流体のサンプルを採取するためもしくは凝固剤を添加するための、又は廃棄のためにキャニスターの内容物を排出するためのより大きいポートなどの追加のポートを有することができる。吸引キャニスターシステムで使用されるタイプの流体ポートは、通常、蓋にある特定の開口部を囲みかつ蓋の上面から上方に延びる、円筒形の口を含む。口の内面がポートを通って延びる導管を画定し、導管はキャニスター又はライナーの内部とその外部とを連通する。使用後、キャニスター又は可撓性又は半可撓性のライナーは、例えば様々なポートの口に蓋をするか又は栓をすることによって密封され、所望の方法で廃棄されることができる。キャニスターの外壁から流体及び液体廃棄物を隔離するシステムでは、キャニスターを複数の新しい蓋及び／又はライナー組立体と共に再使用することができる。キャニスターは定期的に取り外して廃棄又は消毒することができる。

上述の流体収集システム及び方法は、流体及び液体廃棄物の容量を増やすために、医療用吸引チューブなどの１つ以上の流体導管を介して直列の配置で接続された複数のキャニスターを含むことができる。直列に接続されたキャニスターを、各キャニスターが独立して吸引源に接続するように、吸引源に並列に接続することができる。代わりに、最終キャニスターが吸引源に直接接続され、吸引が吸引源から最終キャニスターの内部に、そして最終キャニスターの内部と上流キャニスターの内部とを連通する直列接続を介して上流キャニスターに伝達されるように、キャニスターを吸引源に直列に接続することができる。複数の上流キャニスターをこのように接続することができ、最も遠い上流にある第１キャニスターは、供給源から流体を収集しかつ第１キャニスター内に流体を入れるために吸引チューブを有することができる。収集された流体が第１キャニスターを満たすと、第１キャニスター内の流体は、第１キャニスターのタンデム（直列）ポートと第２キャニスターの入口ポートとの間に接続されたタンデムチューブを介して第２キャニスターに入る。

各キャニスターの真空ポートは、流体及び他の破片が真空システムに入って真空システムを汚染するのを防ぐために真空ポートの上流に遮断弁を含むことができる。当初、遮断弁は一般的に、液面が弁の高さに達すると真空ポートを閉じる「浮き球」システムのように機械的なデザインであった。現在、キャニスターシステムは、一般的に、水性液体又はエアロゾルとの接触時にフィルターを遮断し、それによってフィルターの下流の機器又はスペースの汚染の可能性を防ぐのに役立つ多糖類、ポリアクリレート又は特定のタンパク質などの湿気反応性粉末で処理され得る、多孔質プラスチックフィルター／バルブを使用する。このような湿気反応剤は、フィルター／バルブが水性液体又はエアロゾルと接触するまで休眠状態にある。液体がフィルター／バルブ内に浸透し始めるとすぐに、液体は粉末を膨潤させてコロイド状ゲルを形成させる。この凝集性ゲル構造は、バルブを通した真空システムへの流体の流れを遮断するのに役立つ。

１つ以上のキャニスターが満たされるようになる状況では、特定の状況下で、流体が１つ以上のポートから逆流又は流出することがある。例えば、システムから真空が除去されると、キャニスターとライナーとの間の真空によって生じる、一方の大気と他方のキャニスターとライニングとの間の空洞との間の圧力差が除去される。真空を除去すると、ライナーの弾性により、ライナーが多少つぶれ、ライナー内部の流体にかかる内圧が上昇する。この上昇した圧力により、流体が吸引チューブを通って患者に向かって押し出されるか、そうでなければキャニスターから押し出される可能性があり、人々の汚染及び他の危険につながる可能性がある。

複数のキャニスターが直列に接続されている場合、複数のキャニスターを真空システム、流体源に、そして互いに接続するためにかなりの数のチューブが必要となる可能性がある。また、いくつかの異なる吸引キャニスターシステムが様々な製造業者によって販売されている。これらのキャニスターシステムは、一般的に、ポートの種類の数、位置、及び大きさに関して異なり、チューブを様々な種類のポートに適切に接続するには、それぞれ異なる種類のポートコネクターを必要とする場合がある。多数のチューブ及びコネクターの使用、取り付け、及び取り外しは、視覚的に魅力がなく、気を散らし、そして危険であり得る。さらに、多種多様なチューブ及びコネクターの構成は、システムのセットアップ及び取り外しを複雑で分かりにくくし、間違える可能性を高める恐れがある。したがって、医療施設で在庫管理されかつ使用されるチューブ及びコネクターの様々なバリエーションの数を減らすことが望ましい。

本開示の特定の態様は、医療用流体収集システムにおいて医療用吸引チューブを少なくとも２つの異なる種類の流体ポートに接続するのに適したコネクターを含むことができる。特定の態様において、コネクターは、上部、中央部、及び下部を有する概ね円筒形の本体部分を含む。本体部分は、本体部分の中心縦軸に対して概ね平行に延びる円筒形の外面と、コネクターを通って延びる主導管を画定する内面とを含む。少なくとも１つの横方向閉鎖壁が、本体部分から半径方向外向きに延びる。少なくとも１つの環状スカート壁が、少なくとも１つの横方向閉鎖壁から縦方向に延び、比較的小さい直径、例えば、約１５ｍｍの直径を有する第１流体ポートの開口を受け入れるのに役立つ第１環状スカート壁と、比較的大きい直径、例えば、約２５ｍｍの直径を有する第２流体ポートの開口を受け入れるのに役立つ第２環状スカート壁とを含む。

特定の態様において、第１環状スカート壁の内面は、コネクターが第１ポートに固定されることができるように、第１ポートの口（本明細書では区別なくポートコーン又はポートライザーとも呼ばれる）の外面に締まり嵌めで係合するように構成されることができる。同様に、第２環状スカート壁の内面は、第２ポートの口の外面に係合するように構成されることができる。代わりに、第２環状スカート壁の外面は、第２ポートの口の内面に係合するように構成されることができる。様々な他の態様において、第１環状スカート壁の外面は、第１ポートの口の内面に係合するように構成されることができる。コネクターは、任意の数の環状スカート壁で構成されることができ、その各々が特定のポートの口の内面又は外面のいずれかに係合するように構成されることができることが理解されるであろう。様々な他の態様において、コネクターは、１つ以上の環状スカート壁が第１ポートの口の外面と第１ポートの口よりも大きい直径を有する第２ポートの口の内面とに係合するように構成されることができる。他の特定の態様において、１つ以上の環状スカート壁は、内側又は外側又は内側と外側の両方のねじ山、かかり、リング、突起、又は他の任意の類似の把持、連結、封止又は固定機構を含むことができる。

特定の態様において、コネクターの上部は、コネクターの導管への及び／又は導管からの流体及び／又は流体を伝達することができるチューブ又は同様のデバイスを受け入れるための概ね円筒形又は円錐形の立ち上がり（ライザー）部分を含むことができる。立ち上がり部分は、立ち上がり部分と様々な接続された付属品との間の接続強度を向上させるためのかかり、リブ、タブ、又は他の機構を含むことができる。特定の態様において、本体下部は、コネクターのスカート壁よりも大きい距離だけ下方に延び、それによって環状スカート壁よりも低い位置にある主導管の下側開口（すなわち開口部）を画定することができる。様々な態様において、本体下部は、コネクターとポートの確実な係合又はロック係合を提供するためにポートを把持又は係合するための肩部、段部、棚状部、リブ、タブ、又は他の類似の機構を含むことができる。特定の態様において、コネクターの外側部分は、より良好な把持領域をユーザーに提供してコネクターの設置及び取り外しを助けるために、間隔を置いて配置された半径方向の突起、こぶだらけの表面、又は他の類似の機構を含む。

本明細書に開示されているあらゆる特徴、構造、又はステップは、本明細書に開示されている他のあらゆる特徴、構造、又はステップと置き換えられ又は組み合わせられ、或いは省略されることができる。また、本開示を要約する目的で、システム、デバイス、及び方法の特定の態様、利点、及び特徴が本明細書に記載されている。必ずしもこのような利点のいずれか又はすべてが本明細書に開示されている任意の特定の実施形態に従って得られるとは限らないことを理解すべきである。本開示のいかなる個々の態様も、絶対不可欠又は必須ではない。

本開示の実施形態は、本開示のシステム、デバイス及び方法の様々な詳細に目を向けさせる以下の図面によって説明される。本開示の主な特徴及び利点は、以下の説明、特許請求の範囲及び図面によってより良く理解されるであろう。
本開示の特定の態様によるコネクターの断面図である。 図２Ａ〜図２Ｃは、本開示の特定の態様によるコネクターを含むタンデムチューブ組立体の斜視図、上面図、及び側面図である。 一般的な流体収集キャニスターシステムの蓋の斜視図である。 図３の蓋のサンプリングポートの詳細断面図である。 図３の蓋のタンデムポートの詳細断面図である。 図３の蓋のサンプリングポート及びタンデムポートに接続された図１のコネクターの詳細断面図である。 本開示の他の様々な態様によるコネクターの詳細断面図である。

図面は、本開示のシステム及び方法の例示的な実施形態の図式的かつ概略的な表現であり、限定的なものでなく、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。

添付の図面に関連して以下に述べる詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載された概念を実施できる構成のみを表すよう意図されていない。詳細な説明は、さまざまな概念の完全な理解をもたらすために具体的な詳細を含む。しかしながら、当業者には、これらの概念がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることが明らかであろう。

本明細書に開示されているシステム及びデバイスの様々な態様は、互いに接続され、連結され、取り付けられ、結合されかつ／又は接合された構成要素を説明することによって説明されることができる。本明細書で使用されるとき、「接続された」、「結合された」、「取り付けられた」、「接着された」及び／又は「接合された」という用語は、２つの構成要素間の直接的な接続、又は必要に応じて介在する構成要素又は中間の構成要素による互いに間接的な接続のいずれかを示すために交換可能に使用される。また、特に指定がない限り、これらの用語は、１つ以上の自由度が２つの構成要素の間で厳しく拘束されていない接続（例えば、旋回接続、並進接続、旋回及び並進接続、弾性接続、可撓性接続など）、又は２つの構成要素の間ですべての自由度が拘束されているか又は実質的に拘束されている固定された接続又は実質的にされた接続を示すために区別なく使用される。

本明細書では、「下部」又は「下」、「上部」又は「上」、及び「垂直」又は「水平」などの相対的な用語を用いて、図面に示されたある要素の別の要素に対する関係を説明することがある。相対的な用語は、図面に描かれている向きに加えて、システム及びデバイスの異なる向きを含むよう意図されていることが理解されるであろう。例として、図面に示されるようなコネクターの態様をひっくり返した場合、他の要素の「下」側にあると説明された要素は、関連する図面に示されるように他の要素の「上」側に向けられる。したがって、「下」という用語は、図面の特定の向きに応じて、「下」と「上」の両方の向きを含むことができる。

ここで、同様の構造に同様の符号を付した図面を参照する。図面は、本開示のシステム及び方法の例示的な実施形態の図式的かつ概略的な表現であり、限定的なものでなく、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。

本開示の態様によるコネクターの例示的な一実施形態を図１に示す。本実施形態において、コネクター１００は、上部１０４、中央部１０６、及び下部１０８を有する概ね円筒形の本体部分１０２を含む。本体部分１０２は、本体部分の中心縦軸に沿って延びる概ね円筒形の外面１０２ｂと、本体１０２の上部１０４の上側開口部１３２から下部１０８の下側開口部１３４までコネクターを通って延びる主導管１３０を画定する内面１０２ａとを有する。内側横方向閉鎖壁１１０は、本体部分１０２の外面１０２ｂから半径方向外向きに延び、本体を内側環状スカート壁１４２と結合する。内側スカート壁１４２は、内面１４２ａと外面１４２ｂとを有し、下部１４２ｃが、内側閉鎖壁１１０から下縁１４２ｄまで下方に延びる。内側スカート壁１４２の上部１４２ｅが、内側閉鎖壁１１０から上方に延び、外側横方向閉鎖壁１１２で終端する。外側閉鎖壁１１２は、内側スカート壁１４２から半径方向外向きに延びる。外側スカート壁１５０は、外側横方向閉鎖壁１１２から下縁１５０ｃまで縦方向下方に延び、内面１５０ａと外面１５０ｂとを有する。様々な代替的な実施形態において、内側閉鎖壁は内側スカート壁を本体の第１の部分と連結し、外側閉鎖壁は外側スカート壁を本体の第２の異なる部分と連結することができる。

本体１０２の上部１０４は、コネクター１００の主導管１３０との間で流体及び／又は吸引を連絡することができるチューブ又は同様のデバイスと嵌合するように構成されることができる。例えば、図２Ａ〜図２Ｃに示されるように、タンデムチューブ組立体２００は、コネクター１００と、例えば本体１０２の上部１０４にチューブ部分の開口端を滑らせることによって接続された医療用吸引チューブ２０２の部分と、任意選択でチューブ部分２０２の他端に接続された第２コネクター、例えば一般に流体収集システムの典型的な患者ポートにチューブを接続するのに使用される継手２０４などを含むことができる。代わりに、第２コネクターは、コネクター１００などの本開示による別のコネクターであることができる。

コネクター１００は、少なくとも２つの異なる流体収集システムポートに接続するように構成される。例えば、図３に示すように、コネクター１００と共に使用可能な一例の流体収集キャニスターシステムの蓋３００は、剛性吸引キャニスターなどの医療廃棄流体容器の開口端を閉じるように構成される。蓋３００は、キャニスターに吸引を供給するための真空ポート３０１と、廃棄流体入口として機能する患者ポート３１０と、患者ポート３１０よりも比較的大きい直径の開口部を有するサンプリングポート３２０と、複数のキャニスターシステムを直列に接続するために様々な付属品又はタンデムチューブ接続部を別のキャニスターに接続するのに使用することができるタンデムポート３３０とを有する。各ポートは一般的に、概ね円筒形又は円錐形でありかつ蓋の上面から縁まで上方に延びるポートコーン又はポートライザーを有する。例えば、図４に示すように、サンプリングポート３２０は、蓋３００の上面から縁３２３まで上方に延びるポートライザー３２２を含む。ポートライザー３２２は、上側ポート開口部３２６から蓋３００にある開口部まで延びるポート内腔３２５を画定する。いくつかのポートは、例えば図５に示すタンデムポート３３０も、蓋３００の下面から下縁３３９まで下方に延びる下部ポートコーン３３８を含む。このため、タンデムポート内腔３３５は、タンデムポートライザー３３２の縁３３３にある開口部から蓋３００にある開口部を通って下部ポートコーン３３８の下縁３３９にある開口部まで延びる。

図１の実施形態のコネクター１００は、図４に示すようにコネクター１００がサンプリングポート３２０と嵌合すると、外側スカート壁１５０の内面１５０ａがサンプリングポートライザー３２２の外面と係合するように構成される。また、コネクター１００とサンプリングポート３２０とが完全に嵌合すると、サンプリングポートライザー３２２の縁３２３が外側閉鎖壁１１２の下面に当接し、これがコネクター１００を蓋３００に対して所望の高さに配置するための止め具として機能する。コネクター１００はまた、内側スカート壁１４２の内面１４２ａがタンデムポートライザー３３２の外面と係合し、タンデムポートライザー３３２の縁３３３が内側閉鎖壁１１０の下面に当接するように、図５に示すように選択的にタンデムポート３３０と嵌合するように構成される。また、本体１０２の下部１０８は、タンデムポートライザー３３２の内腔３３５を通って下部ポートコーン３３８の下縁３３９より下まで延びる。本体１０２の下部１０８の外面に設けられた棚状部１２２は、ポート内腔３３５の内径よりもわずかに大きい外径を有し、コネクター１００とタンデムポート３３０との確実な係合の触覚的及び／又は可聴的な表示を提供するためかつ／又はコネクター１００をタンデムポート３３０から取り外すのに必要な引っ張り力の量を増加させるために締まり嵌めを提供することができる。

図６に示すように、コネクター１００は、コネクターがサンプリングポート３２０又はタンデムポート３３０と嵌合するかどうかにかかわらず、主導管１３０の下側開口部１３４が蓋３００に対して実質的に同じ垂直高さに維持されるように構成される。医療廃棄流体収集システムでは、キャニスターに収集された流体の水位が高すぎると、流体の逆流、跳ね、流出、及び漏れの危険性が高まる。コネクター１００を使用して２つのキャニスターを直列に接続する場合、第１キャニスターに集められた流体の水位が下側開口部１３４の高さまで上昇すると、第２キャニスターを介して供給される吸引が過剰な流体を主導管１３０に引き込む。したがって、キャニスター内に集められる流体の量は、本体１０２の下部１０８の長さを変えることによって制御することができる。内側及び外側閉鎖壁１１０、１１２の異なる高さは、コネクター１００がサンプリングポート１２０に接続されているかタンデムポート１３０に接続されているかにかかわらず、コネクター１３０の下側開口部１３４の高さ、したがってキャニスター内に集められる流体の最大高さが、同じであることを保証する。様々な態様において、コネクターがポートと完全に嵌合するときのコネクターの高さを制御するためにポートライザーと協働するように、肩部、段部、リブ、刻み目、又は他の同様の機構のような１つ以上の止め具を設けることができる。

本開示によるコネクターの別の実施形態の一例を図７に示す。本実施形態において、コネクター１００と同様に、コネクター４００の内側スカート壁４４２は、タンデムポートライザー３３２の外面と嵌合するように構成されるが、コネクター１００とは異なり、コネクター４００の外側スカート壁４５０は、外側スカート壁４５０の外面４５０ｂがサンプリングポートライザー３２２の内面に係合するように、サンプリングポート３２０と嵌合するように構成される。本実施形態において、サンプリングポート３２０の縁３２３は、外側スカート壁４５０の外面４５０ｂの半径方向遠位に延びる外側閉鎖壁１１２の部分４２１に当接する。コネクター１００の外側閉鎖壁と同様に、外側閉鎖壁４１２のこの部分４２１は、蓋３００に対するコネクター４００の高さを制御するために変えることができることに留意されたい。

当技術分野で知られている様々な特徴が本開示の範囲を逸脱することなく様々な構成で実施され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、いくつかの変形例において、本開示によるコネクターは、内側及び外側スカート壁の両方が２つの異なるポートライザーの内面に係合するように構成されるように構成されることができる。いくつかの変形例において、本体の外面がポートライザーの内面に係合するように構成されるように、本体は内側スカート壁として機能する。他の変形例において、コネクターは、本体の外面と内側スカート壁の内面の両方が同時にポートコーンライザーの反対の内面及び外面に係合するように構成される。

いくつかの変形例において、３つ以上の異なる種類のポートを収容するために、３つ以上のスカート壁を設けることができる。いくつかの代替的な構成において、スカート壁の内面が比較的小さい直径を有するポートライザーの外面に係合するように構成され、かつスカート壁の外面が比較的大きい直径を有するポートライザーの内面に係合するように構成されるように、単一のスカート壁を設けることができる。各ポートライザーに着座したときにコネクターの高さを個々に制御するために、各スカート壁の両側に様々な高さで閉鎖壁又は他の停止機構を設けることができる。様々な実施形態において、１つ以上の環状スカート壁が、内側又は外側又は内側及び外側の両方のねじ山、かかり、リブ、リング、エンボスメント、又は他の任意の類似の把持、連結、封止又は固定機構を含むことができる。

特定の態様において、コネクターの上部は、コネクターの導管への及び／又は導管からの流体及び／又は吸引を伝達することができるチューブ又は同様のデバイスを受け入れるための概ね円筒形又は円錐形の立ち上がり部分を含むことができる。立ち上がり部分は、立ち上がり部分と様々な接続された付属品との間の接続強度を向上させるためのかかり、リブ、タブ、又は他の機構を含むことができる。特定の態様において、本体下部は、コネクターのスカート壁よりも大きい距離だけ下方に延び、それによって環状スカート壁よりも低い位置にある主導管のより下側開口部を画定することができる。様々な態様において、本体下部は、コネクターとポートの確実な係合又はロック係合を提供するためにポートを把持又は係合するための肩部、段部、棚状部、リブ、タブ、又は他の類似の機構を含むことができる。特定の態様において、コネクターの外側部分は、より良好な把持領域をユーザーに提供してコネクターの設置及び取り外しを助けるために、間隔を置いて配置された半径方向の突起、こぶだらけの表面、又は他の類似の機構を含む。様々な実施形態において、コネクターの上部は、中心縦軸と同軸ではない接続部を含む１つ以上のチューブ接続部を収容するために、屈曲部又は曲がり部又は分岐部を含むことができる。例えば、コネクターの上部は、コネクターに取り付けられたチューブが概ね水平に（すなわち、蓋の表面に対して平行に）延びるように直角の屈曲部を含むことができる。別の実施例として、コネクターの上部は、同じコネクターへの複数のチューブ接続に対応するために「Ｙ」又は「Ｔ」字の分岐部を含むことができる。

本体及びスカート壁などの本明細書に開示されているコネクターの部分は、概ね円筒形であるか又は縦軸を中心として放射対称性である（すなわち、円形断面を有する）ものとして図示及び説明されているが、本開示の範囲を逸脱することなく、他の様々な幾何学的形状を実現することができる。例えば、本体及び／又はスカート壁は円錐形であることができ、かつ／又は様々なポート構成に対応して確実な接続を保証するために壁厚が異なることができる。また、コネクターのスカート壁、本体、及び／又は他の特徴及びその一部は、例えば、縦軸と直交する楕円形、正方形、多角形、非対称などの断面を有することができる。さらに、内腔の中心縦軸は、本体及び／又は１つ以上のスカート壁の中心縦軸からずれているか又は中心縦軸に対して斜めであることができる。

前述の説明は、当業者が本明細書に記載された様々な実施例の実施を行うことを可能にするために提供されている。これらの変形に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、他の実施に適用され得る。当業者に知られているか又は後に知られる本開示全体にわたって記載された様々な優れた実施例の要素に対する全ての構造的及び機能的な等価物は、参照により本明細書に明示的に含まれるものとする。

１００ コネクター
１０２ 本体部分
１０２ａ 内面
１０２ｂ 外面
１０４ 本体上部
１０６ 本体中央部
１０８ 本体下部
１１０ 内側閉鎖壁
１１２ 外側閉鎖壁
１２２ 棚状部
１３０ 主導管
１３２ 主導管上側開口部
１３４ 主導管下側開口部
１４２ 内側環状スカート壁
１４２ａ 内側スカート壁内面
１４２ｂ 内側スカート壁外面
１４２ｃ 内側スカート壁下部
１４２ｄ 内側スカート壁下縁
１４２ｅ 内側スカート壁上部
１５０ 外側環状スカート壁
１５０ａ 外側スカート壁内面
１５０ｂ 外側スカート壁外面
１５０ｃ 外側スカート壁下縁
２００ タンデムチューブ組立体
２０２ チューブ部分
２０４ 継手
３００ 蓋
３０１ 真空ポート
３１０ 患者ポート
３２０ サンプリングポート
３２２ サンプリングポートライザー
３２３ サンプリングポート縁
３２５ サンプリングポート内腔
３３０ タンデムポート
３３２ タンデムポートライザー
３３３ タンデムポート縁
３３５ タンデムポート内腔
３３８ 下部ポートコーン
３３９ 下縁
４００ コネクター
４１２ 外側閉鎖壁
４２１ 外側閉鎖壁の部分
４４２ 内側スカート壁
４５０ 外側スカート壁
４５０ｂ 外側スカート壁外面

Claims (20)

1. 少なくとも２つの異なる医療用流体容器ポート形状に接続するように構成されたコネクターであって、
   主軸に沿って延びかつ内腔を画定する本体であって、前記内腔は本体の下部にある下側開口と本体の上部にある上側開口との間に延びる本体と、
   コネクターが第１容器の第１ポートに接続されたときに前記下側開口が前記第１容器の内部に所定の距離だけ延びるように前記第１ポートに係合するように構成された第１嵌合部と、
   コネクターが前記第１ポートよりも大きい第２容器の第２ポートに接続されたときに前記下側開口が前記第２容器の内部に前記所定の距離だけ延びるように前記第２ポートに係合するように構成された第２嵌合部と
   を含むコネクター。
2. 前記コネクターが前記第１ポート及び前記第２ポートのいずれか又はそれぞれに接続されたときに前記主軸に沿った少なくとも一方向への前記コネクターの並進運動を制限するように構成された肩部をさらに含む、請求項１に記載のコネクター。
3. 前記第１嵌合部は、前記主軸に沿った方向に延びる第１嵌合壁を含み、前記第１嵌合壁は、前記コネクターが前記第１ポートに接続されたときに前記第１ポートと封止するように構成される、請求項１に記載のコネクター。
4. 前記本体が前記第１嵌合壁を含む、請求項３に記載のコネクター。
5. 前記主軸を横切る方向に延びかつ前記第１嵌合壁と前記本体とを連結する第１閉鎖壁をさらに含む、請求項３に記載のコネクター。
6. 前記第２嵌合部は、前記主軸に沿った方向に延びる第２嵌合壁を含み、前記第２嵌合壁は、前記コネクターが前記第２ポートに接続されたときに前記第２ポートと封止するように構成される、請求項３に記載のコネクター。
7. 前記主軸を横切る方向に延びかつ前記第１嵌合壁と前記第２嵌合壁とを連結する第２閉鎖壁をさらに含む、請求項６に記載のコネクター。
8. 前記コネクターが前記第１ポートに接続されたときに前記第１嵌合壁の外面が前記第１ポートと封止する、請求項６に記載のコネクター。
9. 前記コネクターが前記第２ポートに接続されたときに前記第２嵌合壁の外面が前記第２ポートと封止する、請求項８に記載のコネクター。
10. 前記コネクターが前記第２ポートに接続されたときに前記第２嵌合壁の内面が前記第２ポートと封止する、請求項８に記載のコネクター。
11. 前記コネクターが前記第１ポートに接続されたときに前記第１嵌合壁の内面が前記第１ポートと封止する、請求項６に記載のコネクター。
12. 前記コネクターが前記第２ポートに接続されたときに前記第２嵌合壁の外面が前記第２ポートと封止する、請求項１１に記載のコネクター。
13. 前記コネクターが前記第２ポートに接続されたときに前記第２嵌合壁の内面が前記第２ポートと封止する、請求項１１に記載のコネクター。
14. 前記コネクターが前記第１ポートに接続されたときに、前記本体の外面と前記第２嵌合壁の内面の両方が前記第１ポートと封止する、請求項３に記載のコネクター。
15. 医療用流体容器を接続するためのコネクターであって、
    導管を画定する本体であって、前記コネクターが容器の第１ポートに接続されたときに前記第１ポートの内面と封止するように構成された外面を含む本体と、
    前記本体に接続され、かつ前記コネクターが容器の第２ポートに接続されたときに前記第２ポートの嵌合面と封止するように構成された面を含む外側スカート壁と
    を含み、
    前記本体は、前記コネクターが前記第１ポートに接続されたとき及び前記コネクターが前記第２ポートに接続されたときに前記容器の内部に延びる導管壁を含む、コネクター。
16. 前記本体に接続され、かつ前記コネクターが前記第１ポートに接続されたときに前記第１ポートの外面と封止するように構成された内面を含む内側スカート壁をさらに含む、請求項１５に記載のコネクター。
17. 前記本体と前記外側スカート壁とを連結する第１閉鎖壁をさらに含む、請求項１５に記載のコネクター。
18. 前記本体と前記内側スカート壁とを連結する第１閉塞壁と、前記内側スカート壁と前記外側スカート壁とを連結する第２閉塞壁とをさらに含む、請求項１６に記載のコネクター。
19. 前記本体と前記内側スカート壁とを連結する第１閉塞壁と、前記本体と前記外側スカート壁とを連結する第２閉塞壁とをさらに含む、請求項１６に記載のコネクター。
20. 前記コネクターが前記第１ポートに接続されたときに前記導管壁が前記容器の内部に指定された距離だけ延び、前記コネクターが前記第２ポートに接続されたときに前記導管壁が前記容器の内部に前記指定された距離だけ延びる、請求項１５に記載のコネクター。

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