JP2019520153A - 自己結紮式歯科矯正用ブラケット - Google Patents

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Abstract

本開示は、歯科矯正的に望ましい寸法を有する、高強度の自己結紮装具を提供する。本開示の装具は、本体内のチャネルに摺動可能に係合されたドアを組み込み、このドアは、ドア上の一体的突出部の平衡位置に応じて開閉することができる。本体及びドアの溝及びレールを協働させて、開位置と閉位置との間でドアを誘導し、意図しない離脱を軽減することができる。

Description

歯科矯正は、歯列不正の専門的な管理、指導及び矯正に関連する歯科分野である。歯科矯正治療の利益としては、適正な咬合機能の達成及び維持、顔の審美性の向上、及び歯科衛生の改善が挙げられる。これらの目標を達成するために、歯科矯正専門家は、患者の歯に係合し、穏やかな治療力を加えて歯を適切な位置に向かって移動させる矯正装具を使用することがよくある。
ある一般的な種類の治療では、歯科矯正用ブラケットと呼ばれる、スロットを有する小さな装具が使用され、この装具は、患者の歯の前側又は裏側のいずれかの表面に接着剤により装着される。治療を開始するには、弾性のアーチ形ワイヤ(「アーチワイヤ」)が各ブラケットのスロットに受け入れられる。アーチワイヤの端部は、一般に、患者の大臼歯に接合される、大臼歯チューブと呼ばれる装具内に捕捉される。アーチワイヤは、その元の形状へと緩徐に戻るため、歯の移動を所望の位置に向けて誘導する、軌道としての役割を果たす。これらのブラケット、チューブ、及びアーチワイヤは、まとめて「ブレース」として知られる。
歯科矯正ブラケットにアーチワイヤを係合させて有効にするために使用される手順は、結紮として知られている。従来のブラケットは、互いに対向する一対以上のタイウィング、又はブラケット本体上のクリート状の突起部に補助されてアーチワイヤに結紮される。アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に配置し、一般的に、小さなエラストマー製の「O」リング状結紮具、又は代替的に、金属製結紮ワイヤを、アーチワイヤの上方、及びアーチワイヤスロットの対向する側面上に位置するタイウィングのアンダーカット部分の下方に締め付ける。したがって、結紮によって、各ブラケットのアーチワイヤスロット内にアーチワイヤを固定し、これらの本体間の正確な機械的結合をもたらす。
結紮は多数の欠点を有する。例えば、エラストマー製結紮具は経時的に弾性を喪失する傾向があり、アーチワイヤの摺動機構が不整合になる。これらの結紮具は治療の審美性ために半透明にすることができるが、汚れ易いという傾向もある。一方で、結紮ワイヤを用いた結紮は、極めて煩雑で時間がかかることもある。結紮ワイヤはまた、金属で作製されているため、一般に非審美的とも見なされる。
自己結紮式ブラケットは、上記の問題に対して、解決策を提示する。これらの装具は、スロット内にアーチワイヤを保持するために、一般的には、クリップ、ばね部材、ドア、シャッター、ベイル、又は、ブラケット自体に組み込まれた他の結紮機構を使用することにより、別個の結紮具の使用が不要となる。自己結紮式ブラケットを使用することから、幾つかの利点を導き出すことができる。例えば、これらの装具は、エラストマー製結紮具を使用して結紮されるブラケットと比較して、アーチワイヤとブラケットとの間の摩擦を減少させることができ、治療の初期段階においてより早い歯のレベリング及びアライニングを提供し得る。結紮機構次第で、これらの装具はまた、アーチワイヤの装着及び除去を簡略化し、治療を行う専門家のチェアタイムを大幅に短縮することもできる。最後に、自己結紮式ブラケットはまた、食品及び歯垢が詰まる恐れのある、エラストマー製結紮具及び結紮ワイヤを使用する従来のブラケットよりも、良好な衛生状態を提供することもできる。
審美的自己結紮式ブラケットの実現には、多数の技術的課題及びトレードオフがある。例えば、クリップ、ばね部材、ドア、ベイル、又は他の結紮機構に使用される材料は、典型的には金属であり、歯の自然な色とは非常に対照的なものである。ポリマー材料は審美性があり、かつ、この機能のために構成可能ではあるものの、ポリマーは一般的に軟質であり、摩耗に弱く、かつ、治療過程の間に汚れてしまいやすい。最後に、各種セラミック材料は、程よい強度、汚れに対する耐性、及び優れた審美性を提供するものとして長く知られてきた。しかしながら、これらの材料は脆性であり、機械加工及び組み立てが困難な場合があり、また、ほとんどの結紮機構で必要となる弾力性を有していない。
上記の問題のいくつか又はすべてを改善するセラミックブラケットのための自己結紮式ラッチ設計が存在するものの、このような装具の顔面側−舌側プロファイルは、弾力性の欠如に適応するために過大になる傾向がある。更に、このような設計では、ドア又は他の摺動ラッチ機構を収容するために本体の比較的厚みのない領域が必要となり、応力集中及び装具故障の可能性をもたらす。また、このような設計は、正確なアーチワイヤスロット深さ、及びスロットの底壁と基部との間の距離などの特定の規定寸法に容易に対応することができない。よって、当技術分野では、高強度及びアーチワイヤ制御を備えた、低プロファイルの自己結紮式ブラケットが必要とされている。
本開示は、歯科矯正的に望ましい寸法を有する、高強度の自己結紮装具を提供する。本開示の装具は、本体内のチャネルに摺動可能に係合されたドアを組み込んでおり、このドアは、一体的突出部の平衡位置に応じて開閉することができる。本体及びドアの一方又は両方の溝及びレールが協働することで、開位置と閉位置との間でドアを誘導し、意図しない離脱を軽減することができる。例示的実施形態では、これらの装具はまた、ドア突出部と協調してチャネル内に位置する、保持部材を使用する。任意選択で、チャネルの1つ以上の側壁と組み合わせられた保持部材は、突出部を収容するための複数の領域を提供する。これらの装具は、突出部と保持部材との間の係合に基づいて、別々の、予め定義された開ドア位置及び閉ドア位置を提供することができ、それによって、治療を行う専門家がアーチワイヤを容易に結紮することができる。
また、これらの装具は、顔面側−舌側プロファイルの減少を特徴とし、またアーチワイヤスロットの底部と基部との間の所望の顔面側−舌側高さ、及び規定のアーチワイヤスロット高さを依然として維持する。この有利な特徴は、例えば、レール及び溝を、中央よりもアーチワイヤスロットの近心縁及び遠心縁の底壁に近いドアのアーチワイヤ接触面と組み合わせて協働させることによって実現することができる。この構成によりドアと本体の両方の強度が増加し、組み立てられたブラケットが耐えることができる唇側引張力のレベルが増加する。
一態様において、本開示は歯科矯正装具を提供し、この歯科矯正装具は、結合面を有する基部と、
基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロットを含む本体と、本体に摺動可能に連結されたドアであって、アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であるドアとを備える、歯科矯正装具であって、
ドアは、同一平面上の近心面及び遠心面を含む舌側表面を有し、
底壁は、近心面及び遠心面と鋭角を形成し、
舌側表面は、底壁に対して実質的に平行な平面状接触面を含む前縁部領域を含む、歯科矯正装具である。
別の態様において、本開示は歯科矯正装具を提供し、この歯科矯正装具は、結合面を有する基部と、
基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロットと、スロットに対して略垂直に方向付けられた、本体内のチャネルとを含む、本体と、本体に摺動可能に連結されたドアであって、アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であるドアとを備える、歯科矯正装具であって、
ドアの舌側表面は、
閉状態で底壁に実質的に平行な接触面を有する前縁部領域、及び
チャネルに摺動可能に受け入れられている、舌側表面の近心−遠心中心から延びた支柱を含む、
歯科矯正装具である。
別の態様では、本開示は、アーチワイヤを結紮する方法を提供し、この方法は、
結合面を有する基部と、
基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロットを含む本体と、
本体内のチャネルに摺動可能に連結されたドアであって、アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であるドアとを備える、装具を提供することと、
アーチワイヤスロットの方向にドアを摺動させることとを含み、
アーチワイヤスロットの方向にドアを摺動させることは、チャネルを横切って延びたラッチを舌側方向に撓ませる、方法である。
一実施形態による歯科矯正装具の顔面側、歯肉側、及び近心側の方を見た斜視図である。 図1の装具の顔面側の方を見た平面図である。 図1、図2の装具の歯肉側、顔面側、及び近心側の方を見た分解斜視図である。 図1〜図3の装具の近心側の方を見た側面図である。 図1〜図4の装具の近心側の方を見た側面図である。 アーチワイヤスロットへのアクセスを制限するためにドアが閉じた状態の図1〜5の装具の近心側の方を見た断面図である。 アーチワイヤスロットへのアクセスを可能にするためにドアが開いた状態の図1〜5の装具の近心側の方を見た断面図である。 装具の隠れた特徴を露出させるためにドアが取り外された状態の図1〜5の装具の斜視図である。 図7の装具の顔面側の方を見た平面図である。 図1〜図6の装具のドアの咬合側、顔面側、及び近心側の方を見た斜視図である。 図1〜図6の装具の咬合側の方を見た平面図である。 ドアがスロット閉位置にある状態の、本開示による別の装具の近心側の方を見た側面図である。 ドアがスロット開位置にある状態の、本開示による別の装具の近心側の方を見た側面図である。 ドアがスロット閉位置にある状態の、本開示による別の装具の近心側の方を見た側面図である。 ドアがスロット開位置にある状態の、本開示による別の装具の近心側の方を見た側面図である。 一実施形態による歯科矯正装具の顔面側、歯肉側、及び近心側の方を見た斜視図である。 図13の装具の顔面側の方を見た平面図である。 図1〜図3の装具の近心側の方を見た側面図である。 装具の隠れた特徴を露出させるためにドアが取り外された状態の図1〜5の装具の斜視図である。 図13〜図15の装具のドアの歯肉側、顔面側、及び近心側の方を見た斜視図である。 一実施形態による別の歯科矯正装具の顔面側、咬合側、及び近心側の方を見た斜視図である。
方向の定義
本明細書で使用する場合、
「近心」とは、患者の湾曲した歯列弓の中心に向かう方向を意味する。
「遠心」とは、患者の湾曲した歯列弓の中心から離れる方向を意味する。
「咬合側」とは、患者の歯の外側先端部に向かう方向を意味する。
「歯肉側」とは、患者の歯茎又は歯肉に向かう方向を意味する。
「顔面側」とは、患者の唇又は頬に向かう方向を意味する。
「舌側」とは、患者の舌に向かう方向を意味する。
以下のセクションでは、自己結紮式歯科矯正装置及びそれに関連する方法を目的とする、例示的実施形態を説明する。これらの実施形態は、例示的なものであり、したがって、本発明を過度に制限するものとして解釈されるべきではない。例えば、当業者は、開示される装置及び方法を、歯の唇側表面若しくは舌側表面のいずれかへの取り付けに適合させるか、同じ歯列弓内の異なる歯への取り付けに適合させる(例えば、その歯列弓の近心側半体及び遠心側半体上の対応する装置)か、又は、上歯列弓若しくは下歯列弓のいずれかに位置する歯への取り付けに適合させることができる点を理解されたい。
本明細書で説明される装置及び方法は、任意選択的に、治療を受けている個々の患者に合わせてカスタマイズすることができる。材料及び寸法上の仕様もまた、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されるものから変更することができる。別段の指定がない限り、提供される装置及び構成要素は、当業者には既知の、様々な金属材料、セラミック材料、ポリマー材料、及び複合材料のうちのいずれかで構築することが可能である。更には、別段の指示がない限り、これらの装置及びそれらの構成要素に関連付けられる寸法は、決定的なものではなく、添付図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているものではない。
数字100で指定された一実施形態による歯科矯正装具が、図1及び図2に組み立てられた形状で示される。装具100は、基部102と、基部102から外向きに延びた本体104とを有する。基部102の底部は、装具100が結合されるそれぞれの歯の表面に概ね近似した凹状の三次元表面輪郭を有する結合面106を有する。特定の実施形態では、結合面106は、近心−遠心方向及び咬合側−歯肉側方向の双方で湾曲を有する、複合輪郭を特徴とし得る。
結合面106は、任意選択で、基部102と下に存在する歯との間の接着剤結合を強化するために、メッシュ、孔、隆起部、凹部、アンダーカット、マイクロエッチング表面、ガラスグリット、結合粒子、オルガノシラン処理表面、又は任意の他の既知の機械的若しくは化学的改質を含み得る。あるいは、基部102はまた、バンド状構成を有することも可能であり、この構成では、基部102が歯を完全に取り囲む。他の実装では、基部102は、基部102と歯牙構造との間の間隙を埋めることを支援する、固定式の圧縮性材料を含み得る。好適な圧縮性材料は、米国特許公開第2009/0233252号(Cinader)で説明されている。
この実施形態の歯科矯正装具100、及び他の実施形態の歯科矯正装具は、別段の指示がない限り、本明細書では、上顎又は下顎上の歯の唇側表面に付随する、基準フレームを使用して説明される。したがって、歯科矯正装具100を説明するために使用される、唇側、舌側、近心、遠心、咬合側、及び歯肉側などの用語は、その選択された基準座標に対するものである。しかしながら、歯科矯正装具100は、口腔内部で、他の歯上及び他の向きで使用することができるため、それらの実施形態は、選択された基準座標及び記述用語に限定されるものではない。例えば、歯科矯正装具100は、歯の舌側表面に結合させることもできる。基準座標系に変更がある場合、本明細書で使用される記述用語を直接適用することができない点が、当業者には認識されるであろう。それにもかかわらず、これらの実施形態は、口腔内部での場所及び向きとは無関係であることが意図され、歯科矯正ブラケットの実施形態を説明するために使用される、これらの相対的用語は、図面内の実施形態の明確な説明を単に提供するためのものに過ぎない。
略直線状の形状を有するアーチワイヤスロット108は、本体104の概して顔面側に面した面を略近心−遠心方向に横切って延びている。特に図4の近心図を参照すると、アーチワイヤスロット108は、歯肉側の側壁111及び咬合側の側壁112と共に、底部の舌側壁110を含む。咬合側壁111は、本体104の咬合側のドア支持部114の表面によって、少なくとも部分的に画定される(図3及び図8を参照)。アーチワイヤ(図示せず)は、アーチワイヤスロット108内に受け入れられ、典型的には、アーチワイヤスロット108の壁110、111、112と実質的に一致する、概して矩形の断面を有する。アーチワイヤの寸法とアーチワイヤスロット108の寸法との厳密な一致は、アーチワイヤと装具100との間の正確な結合をもたらし、治療を行う施術者に、歯の移動に対する高度な制御を与えることができる。しかし、スロット壁の寸法に厳密に近似しない、他のアーチワイヤ幾何学形状を使用することができることが理解されるであろう。
装具100は、トルク及びアンギュレーションに関して、予め調節することができる。歯のアンギュレーションは、Dr.Lawrence F.Andrewsの教示に従って、咬合平面に垂直な線に対する、臨床歯冠の顔面軸線(「FACC」)の近心遠心傾斜として定義することができる(例えば、Lawrence F.Andrews著「Straight Wire,The Concept and Appliance」(L.A.Wells Co.,(著作権)1989年)を参照)。ブラケットのアンギュレーションは、歯のアンギュレーションを提供するための、ブラケットの基部に対する、ブラケットのアーチワイヤスロットの特定の角度方向として定義することができる。歯のトルクは、咬合平面に垂直な線から測定される場合の、FACCの頬唇側−舌側傾斜として定義することができる。したがって、ブラケットのトルクは、所望の歯のトルクが得られるような、ブラケットの基部に対するアーチワイヤスロットの向きとして定義することができる。ブラケットのトルクは、典型的には、アーチワイヤスロット若しくはアーチワイヤ通路の指定された角度、すなわち「スロットでのトルク」、又はブラケットの歯装着表面で形成される角度、すなわち「基部でのトルク」を介して提供される。いずれの構成の下でも、装具100には、図4内の文字「T」によって指定される、特定のトルクを提供することができる。このトルク、又は角度Tは、アーチワイヤスロット108の底壁110を含む基準面175と基準線177との間の角度に相当する。基準線177は、咬合側−歯肉側方向に延びており、アーチワイヤスロット108の近心−遠心中心及び咬合側−歯肉側中心の下の、舌側方向に位置する点で、基部104に接する。基準線177は、したがって、装具100のトルク面の範囲内に存在する。
本体104内に摺動可能に受け入れられたドア130は、アーチワイヤスロット108へのアクセスを制御し、図1、図2及び図4では閉位置で示されている。ドア130の一部は、アーチワイヤスロット108の中心部分を横切って延び、これによって、装具108のスロット100に対するアーチワイヤ(ここでは図示せず)の出入りを防止する。図1に示される構成では、アーチワイヤは、患者の口内で実施される、通常の咀嚼及びブラッシング活動の結果としてアーチワイヤが過って脱落するようなことがないように、装具100に確実に結紮されることになる。ドア130は、アーチワイヤスロット108(図3及び図5に図示する)へのアクセスを可能にする開位置と閉位置との間で切り替わるように咬合方向及び歯肉方向の両方に摺動することができる。アーチワイヤは、アーチワイヤスロット108の長さに沿って摺動可能とすることができ、また典型的には摺動可能とするべきであり、これによって、アーチワイヤは、不正咬合歯の移動を誘導する、軌道として機能することが可能となる。そのような摺動は、治療のレベリング段階及びアライニング段階の間、歯がほぐれるため、特に顕著である。
ほとんどの状況下では、ドア130はそのままで、アーチワイヤを装具100に結紮するのに十分である。しかし、所望するならば、治療を行う専門家は、本体104に位置するアンダーカット116及びタイウィング118を用いてアーチワイヤを手動で結紮することを選択することができる。結紮は、例えば、エラストマーOリング又は結紮ワイヤを、アンダーカット116の下、スロット108内に受け入れられたアーチワイヤの上、及びタイウィング118の下に固定することによって、達成することができる。また、所望の場合には、アンダーカット116及びタイウィング118を用いて、パワーチェーンを2つ以上の歯に固定してもよい。
図7及び図8を参照すると、以下に記載されるこの及び他の実施形態において、本体104は、本体104の顔面側表面の咬合部分に一対のガイドレール115を有する。各ガイドレール115は、チャネル120の近心側及び遠心側のうちの一方で、略咬合側−歯肉側方向に沿って延びている。ドア130は、以下に更に説明するように、略咬合側−歯肉側方向でドアに力が加えられるときに、ガイドレール115に沿って摺動する相補的溝138、139(図9及び図10参照)を含む。当業者であれば分かるように、ドア130の摺動を容易にし締め付けを回避するために、ガイドレール115と溝138、139との間に適切な公差が存在してもよい。
複合縦チャネル120は、本体104の歯肉側から咬合側に向かって延びている。チャネル120は、タイウィング118とレール115との間を通っており、本体104を近心側半体及び遠位側半体に本質的に分岐させる。チャネル120は、図示されたように、アーチワイヤスロット108より歯肉側において狭い近位−遠位厚さを含み得る。アーチワイヤスロット108に対して咬合側にある本体104側で、チャネル120は、主チャネル部121、及びその長さの一部に沿ってチャネル120へ延びる対向する凹状凹部123、124を含む。図示された実施形態では、凹状凹部123、124は、チャネル120の底壁122の上方の本体104のドア支持部114に形成され、各凹部と底壁122との間には壁部125、126が残されている。凹部123、124は、凹部として図示されているが、所与のドア130構成を収容するために、別の断面形状(例えば、長方形、台形、正方形など)を含むことができる。しかし、現在の好ましい状況では、凹部は、開位置と閉位置との間でのドア130の摺動を容易にするために凹状である。
凹部123、124は、チャネル120の咬合側端に開放されており、ドア130上の相補的レール141を受け入れるように寸法決めされている。チャネル120及び凹部123、124の双方の開放された咬合側端は、ドア130を略歯肉側方向に本体104内へ摺動させることによって装具100を組み立てることを可能にし、ドア130を略咬合側方向に摺動させることによって装具100を分解することを可能にする。凹部123、124が少なくとも部分的にアーチワイヤスロット108内に開放されているという点で、凹部123、124は、それぞれの歯肉側端に向かって開放されている。特定の実装では、図示されているように、装具アセンブリが、ドア130の本体104に対する望ましくない摺動を制限する、以下に記載したビームなどの別の手段に依拠した状態で、凹部123、124は、それぞれの咬合側端及び歯肉側端の両方で開放することができる。あるいは、凹部123、124は、それぞれの歯肉側端に向かって閉じられ、壁112で終端することができる。この特質をもった閉鎖端凹部123、124は、ドアに対して摺動限界(すなわち、正の停止面)をもたらし、ドア130の一部がアーチワイヤスロット108に着座したアーチワイヤに接触することを防止することができる。
いくつかの実施形態では、チャネル120は、底壁122と結合面106との間に位置する脆弱ウェブを少なくとも部分的に画定し、脆弱ウェブを破砕して装具100の近心側半体及び遠心側半体を互いに向かって枢動させることによって、装具を簡便に圧搾剥離させることができる。更なる選択肢及び利点については、発行済み米国特許第5,366,372号(Hansenら)に記載されている。
ドア130を、別々の位置の間、例えば、開位置と閉位置との間で切り替えるための様々な機構をチャネル130内に実装することができる。ドア130のための局所平衡位置を提供する一時的ラッチ機構は、都合が良いことに、治療を行う専門家がスロット108内にアーチワイヤを配置しているときにドア130が自然に閉じる、又は逆に、ドア130が治療過程で自然に開くのを防ぐことができる。図示された実施形態では、ラッチは、ドア130の摺動方向に略垂直な、チャネル120の一部を横切って近心−遠心方向に延びる撓み可能なビーム160である。ドア130の位置を一時的に拘束するための機構の更なる例は、国際公開第2014/018095号(Laiら)に見ることができる。
撓み可能なビーム160は、チャネル120への咬合側入口から離れており、本体104の近心及び遠心ドア支持部114の少なくとも1つを通って延びる横チャネル162に内に受け入れられる。いくつかの実施形態では、横チャネル162は、近心ドア支持部114及び遠心ドア支持部114の両方を通って延び、それによって当該チャネルを2つのチャネル部(すなわち、近心及び遠心)に分割するが、これは当てはまらない。ビーム160は、各チャネル162部の全部又は一部を通って延びることができる。ある特に有利な実装では、ビームは、近心ドア支持部114及び遠心ドア支持部114の両方における横チャネル162の一部を通って延びている。ビーム160の一端は、接着剤などを用いてチャネル162の近心部又は遠心部に固定し、他端は反対側のチャネル部において自由にしておくことができる。このビーム160の保持構造では、発行済み米国特許第5,366,372号(Hansenら)に記載されているような脆弱ウェブの破砕などによる剥離中、ビーム160の固定端のみが典型的にはチャネル162内に残ることになるので、不注意による分解が防止される。
ドア130の組み立てにおいて、ビーム160は、チャネル120の底壁122に向かって弾性的に撓むことによってラッチとして機能し、ドア130が歯肉側方向においてビーム160に付勢されるときにドア130の通過を可能にする。したがって、ビーム160は、不注意によるドアの咬合側−歯肉側移動、特に、開閉位置間での移動を防止するように作用する。ドア130とビーム160との間の相互作用の更なる態様を以下に詳細に論じる。
図示されたビーム160は略円形の断面を含むが、矩形又は楕円形などの他の断面形状も可能である。更なる適切なビーム幾何学的形状は、例えば、国際公開番号2014/018095号の図20〜図25に関して記載されている。ビーム160は、好ましくは、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム合金などの弾性金属合金(Elgiloy Specialty Metals(Elgin、IL)製のものなど)、又はニッケルとチタンの合金などの形状記憶合金(例えば、ニチノール)から作製される。現在の好ましい実装では、弛緩時のビーム160の形状が治療過程の間に著しく変化しないように、ビーム160は十分に弾性である。
ドア130は、顔面側表面132の反対側に、舌側表面131を含む。ドアは、装具100の近心−遠心全幅と実質的に一致する近心−遠心幅を有する。ドア130は、ドア130が閉位置にあるときに、アーチワイヤスロット108の上に延びる、歯肉側縁部領域133を含む(図2及び図4を参照)。したがって、縁部領域133の下の舌側表面131の一部は、アーチワイヤスロット108内にアーチワイヤが受け入れられている場合、そのアーチワイヤと接触することになる(そのような接触が規定のものである場合)。再び図2を参照して理解することができるように、縁部領域133は、アーチワイヤスロット108の本質的に近心−遠心の全長に延びている。縁部領域133の一部は、ドアが閉位置にあるときにアーチワイヤスロット108の歯肉側壁111に隣接する、本体の壁面113に当接し得る。
歯肉側縁部領域133は、ドアが閉位置にあるときにアーチワイヤスロット108の近心端及び遠心端に配置される、近心及び遠心アーチワイヤ接触面134を含む。各接触面134は、アーチワイヤスロット108(及び平面175)の底壁110に少なくとも実質的に平行な平面(図4に「O」で示される)を画定する。この文脈で使用される場合、平行からのずれが5度以下である場合に、接触面は底壁に対して実質的に平行である。現在の好ましい実施形態では、接触面134は、少なくとも典型的な製造公差内(すなわち、当該表面を画定する面同士の間の角度が2度以下である)で、底壁110と平行である。しかしながら、以下に更に説明するように、接触面134は、咬合側本体102の一部に接触するドア130の滑り面137と平行ではない。更に、接触面134を画定する平面Oは、トルク面(例えば、基準線177)に対して鋭角に方向付けることができる。いくつかの実施形態では、トルク面と接触面平面Oとの間に形成される角度αは、少なくとも約10度、少なくとも約20度、又は少なくとも約30度である。いくつかの実施形態では、トルク面と接触面平面Oとの間に形成される角度αは、最大約60度、最大約50度、又は最大約40度である。
接触面134は、部分的にスロット108長さ内に延び、スロット108の端部で顔面側−舌側スロット高さ109を効果的に制御する。図示された実施形態では、接触面134のせいで、スロット108の近心−遠心中心に隣接する領域におけるスロット高さ109よりも、近心端及び遠心端で有効スロット高さ109がより短くなっている。スロットの近心端及び遠心端で高さ109を減少させることにより、組み立て後の装具は、ブラケット本体102の強度を犠牲にすることなく、所与の装具及びアーチワイヤ規定の一方又は両方をより良く表現することができる。ドア130は、近心−遠心方向に沿って互いに隔置された2つの箇所で、アーチワイヤと係合することができるため、単一の箇所でアーチワイヤと係合することによって達成可能な他の方式よりも、アーチワイヤの角度的溢出を低減して、より優れた回転制御を達成することが可能である。更に、接触面134は、不必要にドア130を開けることなくアーチワイヤが装具100に実質的なトルク(すなわち、ねじり力)を加えることを可能にすることによって、より確実な結紮を提供することができる。当業者によって理解され得るように、ドア130の縁部領域133の近心−遠心幅は、同様にアーチワイヤスロットの長さに及ぶように延び得る。
縁部領域133は、特定の実施形態では、アーチワイヤスロット108内にアーチワイヤを誘導するための、押圧要素としての役割を果たすように、接触面134より歯肉側に少なくとも1つの面取り部又は他の表面形状を含み得る。押圧要素の更なる属性及び形状は、米国特許第8,469,704号(Odaら)に見ることができる。
歯肉側縁部領域133より咬合側にある近心縁部135及び遠心縁部136は、ドアの幅にわたって隔置された略平面状の滑り面137を含む。滑り面137同士の間の幅は、レール115の外縁部同士間の距離に概ね相当する。滑り面137は、ドア130がチャネル120に受け入れられたときに、本体104のドア支持面114から概ねオフセットされており、ドア130が開閉するときに、滑り面137が本体104上を移動するものの、本体104に接触しないようになっている。滑り面137は、本開示の特定の実装では、本装具のトルク面に少なくとも実質的に平行な基準面(図4の「P」)に存在し得る。トルク面に平行又は実質的に平行な滑り面を提供することは、装具100の過度な回転若しくは傾きを防止又は低減すること、規定の位置又はそうでなければ所望の位置にブラケットを確実に着座させること、及び患者の快適性を高めるために装具の顔面側−舌側高さを更に低減することに役立つ。
図示された実施形態では、滑り面137基準面Pは、アーチワイヤスロット108の底壁110及びアーチワイヤ接触面134を含む平面Oに対して鈍角βで方向付けられている。いくつかの実施形態では、滑り面平面Pと接触面平面Oとの間に形成される角度βは、少なくとも約140度、少なくとも約150度、又は少なくとも約160度である。いくつかの実施形態では、平面Oと平面Pの間に形成される角度βは、最大約175度、最大約170度、又は最大約165度である。
ドア130は、支柱140、及び舌側表面138の少なくとも一部に咬合側−歯肉側方向に延びる一対の溝138、139を更に含む。図9及び図10に最も良く図示されるように、一対の溝138、139は、各溝が滑り面137と支柱140との間に配置された状態でドアの舌側表面131に形成される。溝138、139は、寸法及び相対位置が、本体104の顔面側表面のレール115に対応している。上述したように、溝138、139は、一対のレール115に沿って摺動し、したがって、組み立てが容易になるように開放端になっている。レール115及び溝138、139が全体として、ドア130の作動的摺動運動を誘導する。溝138、139は、図示されたようにドア130の咬合側−歯肉側全長に延びることができ、又は歯肉側縁部領域133に隣接して終端してもよい。上述のように、有効スロット高さ109は、ドア130が閉位置にあるときに、溝138、139の両方によって覆われるアーチワイヤスロット108領域で大きくなることになる。
舌側表面131で溝138、139を使用することにより、ドア140、ひいては装具100の顔面側−舌側プロファイルを低減することが可能になる。溝から舌側方向に離されたアーチワイヤ接触面134を組み入れることによって、ドア140又は本体104のいずれかの構造的完全性を犠牲にすることなく、所望のアーチワイヤスロット高さ109を維持することができる。構造的完全性は、高い応力及び故障が生じるまでドアが耐えることができる唇側引張力の量を増加させる。結合、治療、アーチワイヤ交換、及び歯科矯正治療の間に高い力に遭遇することが多い自己結紮ブラケットにとっては、より高い唇側引張力は特に望ましいものである。
拡大した支柱140が、ドア130の舌側表面131から外向きに延びている。組み立て時に、支柱140は、装具本体のドア支持部114同士の間のチャネル120内に受け入れられる(例えば、図4参照)。支柱は、チャネル120の底部122に向かって各々延びている歯肉側前縁部142及び咬合側後縁部143を含む。1本の支柱140が図示されているが、代替的装具構成では、組み立て時にチャネル120内へ延びる2本の支柱を含むこともできる。支柱140は、滑り面137基準面Pに対して略垂直な軸線Sに沿ってドア140の近心−遠心中心領域から舌側方向に延び、ドア130に、図4及び図5のように近心方向に見たときに略「T字形」の外観をもたらし、図10のように咬合側方向から見たときに「E字形」の外観をもたらしている。しかしながら、ドア130の所望の回転によっては、支柱140は、滑り面137基準面Pに対して斜角で延びる軸線Sに沿って突出していてもよい。
支柱140は一対のレール141を含み、これらのレールは、舌側表面131からオフセットされ、対向する近心側面及び遠位側面に沿って延びている。各レール141は、チャネル120内の対応する近心側凹部123及び遠心側凹部124に摺動可能に受け入れられるように寸法決めされている。レール141は、略凸部として図示されているが、所与の凹部123、124形状に適応するために、別の断面形状(例えば、長方形、台形、正方形など)を含むこともできる。現在の好ましい実装は、近心側レール及び遠心側レールの両方を特徴とするが、本開示による他の装具構成は、レール1本又はレール無しを特徴とすることもできる。しかし、好ましい実装では、対向するレール141同士が、ドア構造に強度を加え、着座したアーチワイヤからの顔面側方向の力によるドアの望ましくない回転を防止する。レールと凹部との間の独立した相互作用は、必ずしも必須ではないが、ドア130と本体104との間に存在し得る小さな間隙、及び他の小さな製造上のばらつきに対する公差を高めるのに役立つ。
図6A、図6B及び図9に更に示すように、支柱140の舌側部分は、歯肉側前縁部142と咬合側後縁部143との間にドア140の移動方向に沿って互いに隔置された一対の略凹状の窪み部144、145を含む。突出部146は、窪み部144、145の間に配置され、略舌側方向に外向きに延びている。突出部146と突出壁部142a、143aとが協働して、ビーム160を窪み部144、145内に捕捉して保持し、ドア110が本体104から外れるのを防止する。ドア110が能動的に開閉中でない限り、ビーム160は、ドア110の開閉位置にそれぞれ対応する窪み部144、145によって画定される2つの位置のうちの1つを一般に想定する。ドア140は、図6A及び図6Bに示すように、撓み可能なビーム160の咬合側領域と歯肉側領域との間で突出部146を前後に摺動させることによって、可逆的に開閉することができる。
初期組み立て時、ドア130に略歯肉側方向の十分な力が加えられると、突出縁突起部142aがビーム160を押圧し、ビーム160を下方に(すなわち舌側方向に)撓ませ、支柱140がチャネル140内に更に進行することを可能にする。この位置では、ビーム160は歯肉側凹部144に配置され、突出部146はビーム160の咬合側に配置される(図6A参照)。ここで、ビーム160は、前縁突起部142aと突出部146との間の平衡位置に拘束されている。装具100は、ここで、ドア130が開位置にある状態で、組み立てられた形状になっている。
前縁突起部142aは、正の停止面として作用し、ドア130の咬合側移動及び十分な所望の力なしでの分解を防止する。前縁突起部142aの咬合側表面147は、ビーム160に対して凸状湾曲を含むことができ、特定の好ましい実施形態では、複合凸状湾曲を含む。複合湾曲を有する実装では、凸状咬合側表面147は、連続的に湾曲した表面を呈してもよいし、近心−遠心中心に隣接した平坦地領域を含んでもよい。このような実装において、咬合側表面147の近心縁部及び遠心縁部は、典型的には、咬合側表面147の他の領域に対してより大きい曲率半径を含むことになる。ドア130が開いているとき、咬合側表面147がビーム160の歯肉側表面に直接近接して配置されることになる。この表面147上の湾曲の存在は、ドアが咬合側方向に引っ張られた場合に、縁突起部142a上のビーム160から力を分散させる働きをすることができる。湾曲咬合側表面147をわたって力を伝達することで、前縁突起部142aが破損して、ドアの動作を実質的に妨げ、結果として患者の治療を妨げることを防止することができる。
この構成から、ドア130に歯肉側方向の付加的な力を加え、ドア130を閉じてアーチワイヤスロット108への顔面側アクセスを制限することができる。閾値量の力に達すると、ビーム160は弾性的に撓み、突出部146が第2の位置へ移動することが可能になる。この位置では、ビーム160は咬合側凹部145の下に配置され、突出部146はビーム160の歯肉側に位置する(図6B参照)。ここで、ビーム160を、突出部146と後縁突起部143aとの間の第2の平衡位置に拘束することができる。突出部146がビーム160より歯肉側になると、ドア410は閉じる。ビーム160は、チャネル120内でその元の向きに向かって撓んで戻り、咬合側凹部145と係合し、ドア130が自然に開くのを防止することができる。咬合側後縁突起部143aは、ドア130の更なる歯肉側移動を防止する。
いくつかの実施形態では、突出部146の幾何学形状を適合させることにより、ドア130の開閉に必要とされる力を調整することもできる。例えば、略台形の輪郭(近心方向又は遠心方向から見て)を有し、適切な側壁角度を有する突出部146を使用することによって、開閉力を一般に低減することができる。いくつかの実施形態では、側壁角度は、約45度未満、約35度未満、又は約30度未満である。反対に、約45度超、約55度超、又は約60度超の側壁角度を使用することによって、開閉力を増大させることができる。所望の場合、実質的に異なる側壁角度(すなわち、図6Aのγ及びγ)を有する台形突出部146を使用することによって、非対称の開閉力を実現することができる。例えば、突出部146の前(又は歯肉側に面する)縁は、この突出部の基部に対して、40度の側壁角度γを有することができ、一方、突出部146の後(又は咬合側に面する)縁は、60度の側壁角度γを有することができる。このような形状により、開放力閾値を意図的に増加させることができ、咀嚼中にドア130が誤って開くのを防止する。
繰り返しになるが、ドア130を開閉するプロセスは、ビーム160の弾力性により可逆的とすることができる。治療を行う専門家が、ドア130を開閉するために咬合側の力及び歯肉側の力を加えると、ビーム160はチャネル120の底壁122に向かって撓み可能となり、それによって、突出部146を、ビーム160より歯肉側に存在する及び咬合側に存在する間で切り替えることが可能になる。
ドア開閉力は、特に、ビーム160の材料特性、突出寸法、及び断面寸法によって決定される。現在の好ましい実施形態では、ビーム160は、超弾性ニッケル−チタン合金製のワイヤセグメントである。一つの例示的な実施形態では、ビーム160は、0.18ミリメートル(0.007インチ)の直径を有する円形断面形状を有する。他の実施形態では、少なくとも0.13ミリメートル(0.005インチ)かつ0.38ミリメートル(0.015インチ)以下の直径を有するビームを特徴とすることができる。突出部146は、0.20ミリメートル(0.008インチ)の高さ、及び0.356ミリメートル×0.25ミリメートル(0.014インチ×0.010インチ)の面積を有することができる。装具100が組み立てられた後、過渡期にない場合、ビーム160の頂部と突出部146の底部との間の干渉(例えば、重複)は、典型的には少なくとも0.127ミリメートル(0.0005インチ)であり、典型的には、0.381ミリメートル(0.015インチ)以下であり、この干渉を用いて、ドア130の偶発的又は望ましくない開放に対抗する更なる確実さをもたらす。ドア130の他の表面と本体104との間の隙間は、両体が組み立てられたときに、平均で約19マイクロメートル(0.00075インチ)である。
ドア130が閉位置にあるとき、アーチワイヤスロット108は、4つの実質的に剛性の壁によって取り囲まれている。任意選択で、スロット108は、本体104上に位置する部分咬合側壁111及び支柱140の歯肉側前縁部142に対応する部分底壁面の両方によって集合的に画定された咬合側壁を有する。部分咬合側壁112は、スロット108の近心及び遠心部分に沿って延び、ドアが閉位置にあるときに、スロット108の中央部分に沿って延びる前縁部142によって画定される部分壁面を跨いでいる。この特定の実施形態では、スロット108は、ドア130の接触面134によってのみ画定される顔面側壁、及び本体104によってのみ画定される歯肉側壁111を有する。
上記の構成の1つの利点は、レールとそれぞれの溝との間の境界面が長くなることである。これらの合わせ面が互いに係合するときに沿う咬合側−歯肉側長さを増加させることによって、この構成は、ドアが本体104に沿って摺動して開閉する際の安定性を高め、ぐらつきを低減する。これは、患者の快適性のために装具100をできるだけ小さく作製し、本体104上のスペースが限られている場合に、特に有用である。
例示的な実施形態では、基部102、本体104、及びドア110の一部又は全部は、透光性セラミック材料から作製される。特に好ましいセラミック材料としては、発行済み米国特許第6,648,638号(Castroら)に記載されている微粒子多結晶性アルミナ材料が挙げられる。これらのセラミック材料は、強度が高いことで知られており、また、光線を透過して下にある歯面の色と視覚的に融合することができることから、金属材料と比較して美観にも優れている。他の実施形態では、基部102及び本体104は、例えば、米国特許第4,536,154号(Gartonら)で開示されているようなポリマー材料、あるいは、米国特許第5,078,596号(Carberryら)及び同第5,254,002号(Reherら)で開示されているようなガラス繊維強化ポリマー複合材料などのポリマー−セラミック複合材料から、機械加工又は成型によって、一体的に作製することができる。他の適当な材料としては、例えば、金属材料(ステンレス鋼、チタン、及びコバルトクロム合金など)、プラスチック材料(繊維強化ポリカーボネートなど)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一例として、装具は、セラミック材料から作製された基部102及び本体104、並びにポリマー複合材料から作製されたドア110を含むことができる。その他の材料の繰り返し及び組み合わせも可能である。
図11A及び図11Bは、図1〜図10に示されたものと多くの点で類似する、別の実施形態による装具100aを示す。装具100aは、アーチワイヤスロット108aの底壁110a及びアーチワイヤ接触面134aを含む平面Oに対してより著しい上向き角度(すなわち、顔面側かつ咬合側)角度Ωで方向付けられた滑り面137a基準面Pを含む。いくつかの実施形態では、滑り面平面Pと接触面平面Oとの間に形成される角度Ωは、少なくとも約120度、少なくとも約130度、又は少なくとも約140度である。いくつかの実施形態では、平面Oと平面Pの間に形成される角度Ωは、最大約165度、最大約155度、又は最大約150度である。したがって、装具100aでは、基部102aとアーチワイヤスロット108aの底壁110aとの間の「内−外」寸法170aは減少している。結果として得られた装具は、顔面側−舌側の輪郭が低く、患者の門歯への結合に良く適している。
図12A及び図12Bは、図1〜図10及び図11A、図11Bに示されるものと多くの点で類似した別の実施形態による装具200を示す。装具200は、基部202、基部202から延びる本体204、及び本体204を略近心−遠心方向に横切って延びるアーチワイヤスロット208を有する。フック270は、近心のタイウィング218から外向きに延びている。装具200は、本体204に摺動可能に係合し、スロット208に顔面側方向から到達可能な開位置と到達不可能な閉位置との間で切り替わるドア230を更に含む。
装具100及び100aとは異なり、アーチワイヤスロット208は、アーチワイヤスロット108の底壁110及びアーチワイヤ接触面134aを含む平面Oに対して下向き(すなわち、舌側及び咬合側)角度Ωで方向付けられた滑り面237基準面Pを含む。いくつかの実施形態では、滑り面平面Pと接触面平面Oとの間に形成される角度Ωは、少なくとも約181度、少なくとも約183度、又は少なくとも約185度である。いくつかの実施形態では、平面Oと平面Pとの間に形成される角度Ωは、最大約210度、最大約200度、又は最大約190度である。装具200は、特に、上部小臼歯に結合するのに適している。
装具200の多くの他の態様は、装具100及び100aで説明したものと同様の形態及び機能を有することができ、これらについて繰り返す必要はないことを理解されたい。
図13〜図17は、本開示の更に別の実施形態による、装具300を示す。装具300は、装具100、装具100a、及び装具200と多くの同じ特徴を有しており、基部302、アーチワイヤスロット308を有する本体304、及びチャネル320に摺動可能に受け入れられたドア330を含む。器具100又は200とは異なり、ドア330のワイヤ接触面334及び滑り面337の両方が、アーチワイヤスロット308の底壁310と平行である。
本体304は、凹部323、324を含む、咬合側−歯肉側方向に延びるチャネル320を含む。しかしながら、本体の顔面側表面306はレールがなく、代わりに、近心ガイド面316及び遠心ガイド面317を特徴とする。図15に最も良く示されるように、ガイド面316、317は、アーチワイヤスロット308の底壁310と略平行であり、ドア330の作動的摺動運動により舌側表面331と協働する。対応するドア330には溝がなく、よって略平面状の舌側表面331を含む。更に装具100及び200とは異なる点では、アーチワイヤ接触面334が滑り面337と共面にある。装具300は、装具100、装具100a、及び装具200よりも高い顔面側−舌側高さを示し得るものの、本体304及びドア330の複雑さは減少し、本装具の成型又は他の製造方法は容易になり得る。
装具300の他の多くの態様は、装具100、装具100a、及び装具200で説明したものと同様の形態及び機能を有することができ、これらについて繰り返す必要はないことを理解されたい。
図18を参照すると、本開示の別の実施形態が示されており、この実施形態は、下犬歯及び小臼歯への結合に特に適している。装具400は、装具100、装具100a、装具200、及び装具300と多くの同じ特徴を有しており、基部402、アーチワイヤスロット408を有する本体404、及びチャネル420に摺動可能に受け入れられたドア430を含む。器具200とは異なり、本体404は、アーチワイヤスロット408から歯肉側方向において、ドア支持部414から延びるフック470を含む。フック470は、ガイド面416及びガイドレール415から延びる面によって画定される溝472を含む。溝472により、開状態と閉状態との間の移動中、ドア430がフック470の一部に沿って進むことが可能になる。また溝472により、ドア430を、球状端474及びフック470の本体の上に組み立てることが可能になる。
装具400の他の多くの態様は、装具100、装具100a、装具200、及び装具300で説明したものと同様の形態及び機能を有することができ、これらについて繰り返す必要はないことを理解されたい。
上記で具体化された装具のドアは、好ましくは、治療を行う専門家が、歯科矯正用探針などの一般的な歯科矯正用手用器械を使用してドアを容易に開閉することを可能にする力特性を有する。任意選択で、専用の手用器械を使用してドアの滑り運動を制限することができる。例えば、ドアの前縁部と本体との間の継ぎ目に平坦なプローブを挿入し、捻ってドアを開けることができる。これは偶発的な剥離のリスクを低減するのに役立ち得る。現在の好ましい状況では、ドアを開閉するために必要とされる力は、施術者による容易な操作が可能となるように十分に弱いものであるが、また、咀嚼及び歯磨きなどの、治療の間に実施される通常の患者の活動中に、ドアが自然に解放することがないように、十分に強いものでもある。好ましくは、ドアを開放するために加えられる力の閾値量は、少なくとも約0.45ニュートン(0.1lbf)、少なくとも約0.9ニュートン(0.2lbf)、少なくとも約2.2ニュートン(0.5lbf)、又は少なくとも約4.4ニュートン(1lbf)である。この閾値力は、最大約25.8ニュートン(5.8lbf)、最大約11.6ニュートン(2.5lbf)、又は最大約8.9ニュートン(2lbf)とすることができる。
有限要素解析(FEA)を使用して唇側引張力を受けたときの装具の強度を検査することができ、唇側引張力とは、ドアを破損するまで唇方向に(例えば、スロットの底壁から反対側に)引っ張るのに要する力として定義される。ANSYSエンジニアリングシミュレーションソフトウェア(バージョン15、Canonsburg,PAのANSYS製)を用いて、装具形状について有限要素解析(FEA)を実行することができる。例えば、装具100は、高応力又は故障が生じるまで最大15.4lbの唇側引張力に耐えることが示された。この唇側引張力は、0.021インチ×0.021インチの正方形のステンレス鋼ワイヤセグメントを使用して試験した。
上記装具のキット及びアセンブリもまた本明細書では意図される。例えば、本明細書に記載された1つ以上の装具は、例えば、米国特許第4,978,007号(Jacobsら)、同第5,015,180号(Randklev)、同第5,429,229号(Chesterら)、同第6,183,249号(Brennanら)、及び米国特許公開第2008/0286710号(Cinaderら)に記載されているように、適切な歯科矯正用接着剤で予めコーティングし、1つの容器又は一連の容器に包装することができる。別の選択肢として、米国特許第7,137,812号(Clearyら)に記載されているように、これらの装具はいずれも、患者への間接的結合を可能にする配置装置と組み合わせて使用することもできる。
更なる選択肢として、上記装具はいずれも、国際公開第2013/055529号(Yickら)に記載されているように、トルク強度を高めるためにテーパ状の対向側壁を有するアーチワイヤスロットを含むことができる。
実施形態
1. 結合面を有する基部と、
結合面を有する基部と、基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロットを含む本体と、本体に摺動可能に連結されたドアであって、アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であり、ドアは、共面の近心面及び遠心面を含む舌側表面を有し、底壁は、近心面及び遠心面と鋭角を形成し、舌側表面は、底壁に対して実質的に平行な平面接触面を含む前縁部領域を含む、ドアと、を備える歯科矯正装具。
2. スロットに対して略垂直に方向付けられたチャネルを本体内に更に備え、
ドアは舌側表面から延びた支柱を含み、
支柱はチャネルに摺動可能に受け入れられている、実施形態1の歯科矯正装具。
3. チャネルは、ドアの摺動方向に対して略垂直に方向付けられたラッチを更に備える、実施形態2による歯科矯正装具。
4. ラッチは、チャネルを横切って近心−遠心方向に延び、かつチャネルの底部からオフセットされたビームを備える、実施形態3の歯科矯正装具。
5. ドアが開状態と閉状態との間で移動することを可能にするために、ビームは、チャネルの底部に向かう方向に撓み可能である、実施形態4の歯科矯正装具。
6. 支柱は、脚部の近心側又は遠心側に沿って延びた少なくとも1つのレールを含み、
チャネルは少なくとも1つの凹部を含み、
レールは凹部に摺動可能に係合されている、実施形態3による歯科矯正装具。
7. ドアの舌側表面は、ドアの咬合側−歯肉側高さの少なくとも一部を通って延びた少なくとも1つの溝を含み、閉状態において、溝の一部が底壁の上方に位置する、前述の実施形態のいずれかの歯科矯正装具。
8. 舌側表面は支柱の両側に2つの溝を含む、実施形態7の歯科矯正装具。
9. 本体は、顔面側表面上に1つ以上のガイドレールを更に備える、前述の実施形態のいずれかの歯科矯正装具。
10. 各ガイドレールは、ドアの舌側表面の溝内に受け入れられている、実施形態9の歯科矯正装具。
11. 結合面を有する基部と、
基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロット、及び本体内で前記スロットに対して略垂直に方向付けられたチャネルを含む本体と、本体に摺動可能に連結されたドアであって、アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であり、ドアの舌側表面は、閉状態で底壁に対して実質的に平行な接触面を有する前縁部領域、及び舌側表面の近心−遠心中心から延びており、かつチャネルに摺動可能に受け入れられている支柱を含む、ドアと、を備える歯科矯正装具。
12. 本体は、チャネルの両側に沿って配置された第1のガイドレール及び第2のガイドレールを更に含む、実施形態11の歯科矯正装具。
13. ドアの舌側表面は、ドアの咬合側−歯肉側高さの少なくとも一部を通って延びる第1の溝及び第2の溝を含み、
第1のガイドレールは第1の溝に受け入れられており、第2のガイドレールは第2の溝に受け入れられている、実施形態12の歯科矯正装具。
14. 第1の溝及び第2の溝は、支柱の両側に配置されている、実施形態13の歯科矯正装具。
15. 本体チャネルは、ドアの摺動方向に対して略垂直に方向付けられたラッチを更に備える、前述の実施形態のいずれかの歯科矯正装具。
16. ロックは、アーチワイヤスロットから離れる方向へのドアの移動を妨げる、実施形態15の歯科矯正装具。
17. ラッチは、チャネルを横切って近心−遠心方向に延びたビームを備える、実施形態16の歯科矯正装具。
18. ドアが開状態と閉状態との間で移動することを可能にするために、ビームは、チャネルの底部に向かう方向に撓み可能である、実施形態17の歯科矯正装具。
19. 支柱は、支柱の側面に沿って延びた少なくとも1つのレールを含み、
レールは、本体チャネルに連通した凹部に受け入れられている、実施形態11〜13による歯科矯正装具。
20. 前縁部領域は、ドアが閉じているときにアーチワイヤスロットの両側の近心端及び遠心端に位置する同一平面上にある一対の接触面を含む、前述の実施形態のいずれかの歯科矯正装具。
21. ドアが閉じているときのアーチワイヤスロットの高さは、スロットの近心−遠心中心に隣接する領域と比較して、近心端及び遠心端では減少している、実施形態20の歯科矯正装具。
22. ドアは、第1のチャネルから近心方向に延びた近心滑り領域と、第2のチャネルから遠心方向に延びた遠心滑り領域とを含み、
近心滑り領域及び遠心滑り領域は、本体に沿って摺動し、略同一平面上にある、実施形態20の歯科矯正装具。
23. 滑り領域は、接触面に対して傾斜角度をもって方向付けられている、実施形態22の歯科矯正装具。
24. アーチワイヤを結紮する方法であって、
結合面を有する基部と、
基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロットを含む本体と、
本体内のチャネルに摺動可能に連結されたドアであって、アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であるドアとを備える、装具を提供することと、
アーチワイヤスロットの方向にドアを摺動させることと、を含み、
アーチワイヤスロットの方向にドアを摺動させることは、チャネルを横切って延びたラッチを舌側方向に撓ませる、方法。
25. ドアは、突出部を有する支柱と、支柱の両側の一対の溝とを含み、ドアを摺動させることにより、突出部がラッチの撓みを引き起こす、実施形態24の方法。
上述の特許及び特許出願のすべては、本明細書においてここに明示的に援用されている。上述の発明は、明瞭性及び理解の目的のために、図及び実施例によって、ある程度詳細に説明されている。しかしながら、様々な代替案、修正案、及び等価物を使用することができ、上記の説明は、以下の実施形態及びそれらの等価物によって定義される、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (25)

  1. 結合面を有する基部と、
    前記基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロットを含む本体と、
    前記本体に摺動可能に連結されたドアであって、前記アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であり、前記ドアは、共面の近心面及び遠心面を含む舌側表面を有し、前記底壁は、前記近心面及び前記遠心面と鋭角を形成し、前記舌側表面は、前記底壁に対して実質的に平行な平面接触面を含む前縁部領域を含む、ドアと、を備える歯科矯正装具。
  2. 前記スロットに対して略垂直に方向付けられたチャネルを前記本体内に更に備え、前記ドアは舌側表面から延びた支柱を含み、前記支柱は前記チャネルに摺動可能に受け入れられている、請求項1に記載の歯科矯正装具。
  3. 前記チャネルは、前記ドアの摺動方向に対して略垂直に方向付けられたラッチを更に備える、請求項2に記載の歯科矯正装具。
  4. 前記ラッチは、前記チャネルを横切って近心−遠心方向に延び、かつ前記チャネルの底部からオフセットされたビームを備える、請求項3に記載の歯科矯正装具。
  5. 前記ドアが前記開状態と前記閉状態との間で移動することを可能にするために、前記ビームは、前記チャネルの底部に向かう方向に撓み可能である、請求項4に記載の歯科矯正装具。
  6. 前記支柱は、脚部の近心側又は遠心側に沿って延びた少なくとも1つのレールを含み、
    前記チャネルは少なくとも1つの凹部を含み、
    前記レールは前記凹部に摺動可能に係合されている、請求項3に記載の歯科矯正装具。
  7. 前記ドアの前記舌側表面は、前記ドアの咬合側−歯肉側高さの少なくとも一部を通って延びた少なくとも1つの溝を含み、前記閉状態において、前記溝の一部が前記底壁の上方に位置する、請求項1に記載の歯科矯正装具。
  8. 前記舌側表面は、前記支柱の両側に2つの溝を含む、請求項7に記載の歯科矯正装具。
  9. 前記本体は、顔面側表面上に1つ以上のガイドレールを更に備える、請求項1に記載の歯科矯正装具。
  10. 各ガイドレールは、前記ドアの前記舌側表面の溝内に受け入れられている、請求項9に記載の歯科矯正装具。
  11. 結合面を有する基部と、
    前記基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロット、及び前記本体内で前記スロットに対して略垂直に方向付けられたチャネルを含む本体と、
    前記本体に摺動可能に連結されたドアであって、前記アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であり、前記ドアの舌側表面は、前記閉状態で前記底壁に対して実質的に平行な接触面を有する前縁部領域、及び前記舌側表面の近心−遠心中心から延びており、かつ前記チャネルに摺動可能に受け入れられている支柱を含む、ドアと、を備える歯科矯正装具。
  12. 前記本体は、前記チャネルの両側に沿って配置された第1のガイドレール及び第2のガイドレールを更に含む、請求項11に記載の歯科矯正装具。
  13. 前記ドアの前記舌側表面は、前記ドアの咬合側−歯肉側高さの少なくとも一部を通って延びる第1の溝及び第2の溝を含み、
    前記第1のガイドレールは前記第1の溝に受け入れられており、前記第2のガイドレールは前記第2の溝に受け入れられている、請求項12に記載の歯科矯正装具。
  14. 前記第1の溝及び前記第2の溝は、前記支柱の両側に配置されている、請求項13に記載の歯科矯正装具。
  15. 前記本体チャネルは、前記ドアの摺動方向に対して略垂直に方向付けられたラッチを更に備える、請求項11に記載の歯科矯正装具。
  16. 前記ロックは、前記アーチワイヤスロットから離れる方向への前記ドアの移動を妨げる、請求項15に記載の歯科矯正装具。
  17. 前記ラッチは、前記チャネルを横切って近心−遠心方向に延びたビームを備える、請求項16に記載の歯科矯正装具。
  18. 前記ドアが前記開状態と前記閉状態との間で移動することを可能にするために、前記ビームは、前記チャネルの底部に向かう方向に撓み可能である、請求項17に記載の歯科矯正装具。
  19. 前記支柱は、前記支柱の側面に沿って延びた少なくとも1つのレールを含み、
    前記レールは、前記本体チャネルに連通した凹部に受け入れられている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
  20. 前記前縁部領域は、前記ドアが閉じている時に前記アーチワイヤスロットの両側の近心端及び遠心端に位置する、同一平面上にある一対の接触面を含む、請求項11に記載の歯科矯正装具。
  21. 前記ドアが閉じている時の前記アーチワイヤスロットの高さは、前記スロットの近心−遠心中心に隣接する領域と比較して、前記近心端及び前記遠心端では減少している、請求項20に記載の歯科矯正装具。
  22. 前記ドアは、第1のチャネルから近心方向に延びた近心滑り領域と、第2のチャネルから遠心方向に延びた遠心滑り領域とを含み、
    前記近心滑り領域及び前記遠心滑り領域は、前記本体に沿って摺動し、略同一平面上にある、請求項20に記載の歯科矯正装具。
  23. 前記滑り領域は、前記接触面に対して傾斜角度をもって方向付けられている、請求項22に記載の歯科矯正装具。
  24. アーチワイヤを結紮する方法であって、
    結合面を有する基部と、
    前記基部から外向きに延びた本体であって、底壁を有し、かつ近心−遠心方向に延びたアーチワイヤスロットを含む本体と、
    前記本体内のチャネルに摺動可能に連結されたドアであって、前記アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であるドアと、を備える、装具を提供することと、
    前記アーチワイヤスロットの方向に前記ドアを摺動させることと、を含み、
    前記アーチワイヤスロットの方向に前記ドアを摺動させることは、前記チャネルを横切って延びたラッチを舌側方向に撓ませる、方法。
  25. 前記ドアは、突出部を有する支柱と、前記支柱の両側の一対の溝とを含み、前記ドアを摺動させることにより、前記突出部が前記ラッチの撓みを引き起こす、請求項24に記載の方法。
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