JP2019509687A - 誘導表面導波プローブ構造 - Google Patents
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Abstract
電磁界を生成するように構成された帯電端子と、損失性導電媒体の上に帯電端子を支持する支持装置と、を含む誘導表面導波プローブであって、帯電端子によって生成された電磁界が、損失性導電媒体の複素ブルースター入射角(9i B)で入射する波面を合成する、誘導表面導波プローブが開示される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年3月9日出願の「Guided Surface Waveguide Probe Structures」と題された同時係属の米国特許仮出願第62/305,895号の優先権及び利益を主張するものであり、その出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2016年3月9日出願の「Guided Surface Waveguide Probe Structures」と題された同時係属の米国特許仮出願第62/305,895号の優先権及び利益を主張するものであり、その出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2014年9月11日に米国特許出願公開第2014/0252886(A1)号として公開された、2013年3月7日に出願された「Excitation and Use of Guided Surface Wave Modes on Lossy Media」と題された同時係属の米国特許非暫定出願第13/789,538号に関連し、その出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願はまた、2014年9月11日に米国特許出願公開第2014/0252865(A1)号として公開された、2013年3月7日に出願された「Excitation and Use of Guided Surface Wave Modes on Lossy Media」と題された同時係属の米国特許非暫定出願第13/789,525号に関連し、その出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は更に、2014年9月10日に出願された「Excitation and Use of Guided Surface Wave Modes on Lossy Media」と題された同時係属の米国特許非暫定出願第14/483,089号に関連し、その出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は更に、2015年6月2日に出願された「Excitation and Use of Guided Surface Waves」と題された同時係属の米国特許非暫定出願第14/728,507号に関連し、その出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は更に、2015年6月2日に出願された「Excitation and Use of Guided Surface Waves」と題された同時係属の米国特許非暫定出願第14/728,492号に関連し、その出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一世紀以上にわたり、電波によって伝送される信号は、従来のアンテナ構造を使用して送出される放射電磁界を伴っていた。無線科学とは対照的に、前世紀の電力分配システムは、導電体に沿って誘導されたエネルギの伝送を伴った。無線周波数(radio frequency)(RF)と送電との間のこの差異の理解は、1900年代初頭から存在していた。
誘導表面導波プローブの各種実施形態が開示される。誘導表面導波プローブは、電磁界を生成するように構成された帯電端子と、損失性導電媒体の上に帯電端子を支持する支持装置とを含むことができる。帯電端子によって生成された電磁界は、損失性導電媒体の複素ブルースター入射角(θ_(i,B))で入射する波面を合成する。
1つの例示的な場合では、誘導表面導波プローブの支持装置は、垂直支持体を含むことができる。垂直支持体は、非導電性垂直柱を含むことができる。垂直柱は、ポリマー材料で製造することができる。別の場合では、支持装置は、垂直柱を補強する非導電性の張力をかけた線を含むことができる。張力をかけた線は、ポリマー材料で製造することができる。
別の場合では、支持装置は、複数の非導電性垂直支持体を含むことができる。垂直支持体は、非導電性垂直柱を含むことができる。垂直柱は、ポリマー材料で製造することができる。支持装置は、柱の間に延びる非導電性横材を更に含むことができ、横材は、ポリマー材料で製造することができる。更に、いくつかの場合では、支持装置は、更に、垂直柱と帯電端子との間に延びる非導電性の張力をかけた線を更に含むことができ、張力をかけた線は、ポリマー材料で製造することができる。支持装置はまた、複数の非導電性の斜め支持体を含むことができ、斜め支持体は、非導電性の斜め柱を含むことができる。斜め柱は、ポリマー材料で製造することができる。
誘導表面導波プローブはまた、帯電端子に電気的に結合された給電ネットワークを含むことができ、給電ネットワークは、誘導表面導波プローブの近傍の複素ブルースター入射角(θ_(i,B))に関連付けられたウェーブチルト角(Ψ)に整合する位相遅延(Φ)を提供する。給電ネットワークは、導電コイル及び導電コイルを支持する支持装置を含むことができる。支持体は、コイル及びコイルと帯電端子との間に延びる非導電性垂直柱を含むことができる。
1つの例示的な場合では、支持装置は、垂直支持体を含むことができる。垂直支持体は、非導電性垂直柱を含むことができる。垂直柱は、ポリマー材料で製造することができる。別の場合では、支持装置は、垂直柱を補強する非導電性の張力をかけた線を含むことができる。張力をかけた線は、ポリマー材料で製造することができる。
別の場合では、支持装置は、複数の非導電性垂直支持体を含むことができる。垂直支持体は、非導電性垂直柱を含むことができる。垂直柱は、ポリマー材料で製造することができる。支持装置は、柱の間に延びる非導電性横材を更に含むことができ、横材は、ポリマー材料で製造することができる。更に、いくつかの場合では、支持装置は、更に、垂直柱と帯電端子との間に延びる非導電性の張力をかけた線を更に含むことができ、張力をかけた線は、ポリマー材料で製造することができる。支持装置はまた、複数の非導電性の斜め支持体を含むことができ、斜め支持体は、非導電性の斜め柱を含むことができる。斜め柱は、ポリマー材料で製造することができる。
他の態様では、導電コイルは、補強材に包まれる。補強材は、コンクリートを含むことができる。誘導表面導波プローブはまた、導電コイルを帯電端子と電気的に結合する給電線コネクタと、導電コイルを損失性導電媒体に電気的に結合する杭とを含むことができる。
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照することにより、より良好に理解することができる。図面内の構成要素は、必ずしも正しい縮尺ではなく、本開示の原理を明確に例示することに重点が置かれている。更に、図面中で、同じ参照数字は、いくつかの図を通して対応する部分を指す。
初めに、以下の概念の説明における明瞭さを提供するために、いくつかの専門用語を規定する。最初に、本明細書で意図されるように、放射電磁界と誘導電磁界との間に形式的区別がなされる。
本明細書で意図されるように、放射電磁界は、導波路に拘束されていない波動の形態で発生源の構造から放出された電磁エネルギを含む。例えば、放射電磁界は、一般的に、アンテナなどの電気的構造を離れて、大気又は他の媒体を介して伝搬する電界であり、なんらの導波路構造に拘束されていない。放射された電磁波は、アンテナなどの電気的構造を離れると、発生源が動作し続けるか否かに関わらず、消散するまで、その発生源と無関係に伝搬の媒体(空気などの)内を伝搬し続ける。電磁波は、放射されると、遮断されない限り回収できず、遮断されない場合、放射された電磁波に固有のエネルギは、永久に失われる。アンテナなどの電気的構造は、放射抵抗と構造損失抵抗の比を最大化することにより、電磁界を放射するように設計される。放射されたエネルギは、空間に広がって、受信器が存在するか否かに関わらず、失われる。放射された電界のエネルギ密度は、幾何学的拡大に起因する距離の関数である。したがって、本明細書で使用するとき、そのすべての形態における「放射する」という用語は、電磁伝搬のこの形態を指す。
誘導電磁界は、異なる電磁特性を有する媒体の間の境界内又はその付近にエネルギが集中した、伝搬する電磁波である。この意味で、誘導電磁界は、導波路に拘束されたものであり、導波路内を流れる電流によって搬送されるとして特徴付けることができる。誘導電磁波内に搬送されたエネルギを受信及び/又は消散する負荷が存在しない場合、エネルギは、誘導媒体の導電率で消散される以外は失われない。別の言い方をすれば、誘導電磁波に対して負荷が存在しない場合、エネルギは消費されない。したがって、誘導電磁界を生成する発生器又は他の発生源は、抵抗負荷が存在しない限り、実際の電力を送出しない。そのため、そのような発生器又は他の発生源は、負荷が提示されるまで、本質的に空転する。これは、電気的負荷が存在しない電力線にわたって伝送される60ヘルツの電磁波を生成するように発生器を動作させることに類似している。誘導電磁界又は誘導電磁波は、「伝送線モード」と呼ばれるものと等価であることに留意されたい。これは、放射波を生成するために常に実際の電力が供給される放射電磁波と対照的である。放射電磁波とは異なり、誘導電磁エネルギは、エネルギ源がオフにされた後で、有限の長さの導波路に沿って伝搬し続けない。したがって、本明細書で使用するとき、そのすべての形態における「誘導する」という用語は、電磁伝搬のこの伝送モードを指す。
ここで図1を参照して、放射電磁界と誘導電磁界との間の差異を更に示すために、対数dBグラフ上のキロメートルでの距離の関数として、1メートル当たりのボルトでの任意指示を上回るデシベル(dB)での電界強度のグラフ100を示す。図1のグラフ100は、距離の関数として誘導電磁界の電界強度を示す誘導電界強度曲線103を示す。この誘導電界強度曲線103は、伝送線モードと本質的に同じである。また、図1のグラフ100は、距離の関数として放射電磁界の電界強度を示す放射電界強度曲線106を示す。
誘導波及び放射伝搬それぞれに対する曲線103及び106の形状が興味深い。放射電界強度曲線106は、幾何級数的に低下(1/d、式中dは距離である)し、これは、両対数目盛上で直線として示されている。一方、誘導電界強度曲線103は、
の特徴的な指数関数的減衰を有し、両対数目盛上で独特の屈曲部109を呈する。誘導電界強度曲線103及び放射電界強度曲線106は、点112で交差し、これは交差距離で発生する。交差点112での交差距離未満の距離で、誘導電磁界の電界強度は、放射電磁界の電界強度より、大部分の位置で著しく大きい。交差距離より大きな距離では、その反対となる。したがって、誘導電界強度曲線及び放射電界強度曲線103及び106は、誘導電磁界と放射電磁界との間の根本的な伝搬の差異を更に示している。誘導電磁界と放射電磁界との間の差異の非公式な説明のために、Milligan,T.のModern Antenna Design(McGraw−Hill,1st Edition,1985,8〜9ページ)が参照され、この文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
上述した放射電磁波と誘導電磁波との間の差異は、公式に容易に表現され、厳密な基準で示されている。そのような2つの異なる解は、1つの同じ線形偏微分方程式から明らかにすることができ、この波動方程式は、問題に課された境界条件に解析的に従う。波動方程式に関するグリーン関数は、それ自体、放射波の性質と誘導波の性質との間の差異を含む。
空の空間において、波動方程式は、固有関数が複素波数平面上で固有値の連続スペクトルを保有する微分演算子である。この横電磁(transverse electro-magnetic)(TEM)界は、放射電磁界と呼ばれ、それらの伝搬電界は、「ヘルツ波」と呼ばれる。しかし、導電境界の存在において、波動方程式に境界条件を加えると、数学的に、連続スペクトルに加えて離散スペクトルの合計からなる波数のスペクトル表現となる。このために、Sommerfeld,A.の「Uber die Ausbreitung der Wellen in der Drahtlosen Telegraphie」(Annalen der Physik,Vol.28,1909,665〜736ページ)を参照する。また、「Partial Differential Equations in Physics−Lectures on Theoretical Physics:Volume VI」(Academic Press,1949,236〜289ページ,295〜296ページ)の第6章として刊行されたSommerfeld,A.の「Problems of Radio」、Collin、R.E.の「Hertzian Dipole Radiating Over a Lossy Earth or Sea:Some Early and Late 20th Century Controversies」(IEEE Antennas and Propagation Magazine,Vol.46,No.2,April 2004,64〜79ページ)、並びにReich,H.J.、Ordnung,P.F、Krauss,H.L.及びSkalnik,J.G.の「Microwave Theory and Techniques」(Van Nostrand,1953,291〜293ページ)を参照されたい。これらの参考文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
「地上波」及び「表面波」という用語は、2つの明確に異なる物理的伝搬現象を識別する。表面波は、別個の極から解析的に発生して、平面波スペクトルにおける離散成分を生じる。例えば、Cullen,A.L.による「The Excitation of Plane Surface Waves」(Proceedings of the IEE(British),Vol.101,Part IV,August 1954,225〜235ページ)を参照されたい。この文脈では、表面波は、誘導表面波であると考えられる。表面波(Zenneck−Sommerfeld誘導波の意味における)は、無線放送から現在とてもよく知られている地上波(Weyl−Norton−FCCの意味における)と物理的かつ数学的に同じではない。これら2つの伝搬機構は、複素平面上の異なる種類の固有値スペクトル(連続又は離散)の励起から発生する。球状に伝搬し、固有値の連続を保有し、図1の曲線106により示すように幾何級数的に低下して、分岐線法積分の結果から得られる古典的な地表波のヘルツ放射とは反対に、誘導表面波の電界強度は、図1の曲線103により示すように距離と共に指数関数的に減衰し(損失性導波路内の伝搬に酷似する)、放射伝送線内の伝搬に似ている。「The Surface Wave in Radio Propagation over Plane Earth」(Proceedings of the IRE,Vol.25,No.2,February,1937,219〜229ページ)及び「The Surface Wave in Radio Transmission」(Bell Laboratories Record,Vol.15,June 1937,321〜324ページ)においてC.R.Burrowsによって実験的に実証されたように、垂直アンテナは、地上波を放射するが、誘導表面波を送出しない。
上記を要約すると、第1に、分岐線法積分に対応する波数固有値スペクトルの連続部分は、放射電磁界を生成し、第2に、離散スペクトル、及び積分の輪郭線により囲まれた極から発生する対応する残りの合計は、結果として、伝搬を横断する方向に指数関数的に減衰した非TEMの進行表面波となる。そのような表面波は、誘導伝送線モードである。更なる説明のために、Friedman,B.の「Principles and Techniques of Applied Mathematics」(Wiley,1956,214,283〜286,290,298〜300ページ)を参照する。
自由空間では、アンテナは、波動方程式の連続固有値を励起し、これは放射電磁界であり、Ez及び同相のHφを有する外向きに伝搬するRFエネルギは、永久に失われる。一方で、導波プローブは、離散固有値を励起し、これは、結果として伝送線伝搬となる。Collin,R.E.の「Field Theory of Guided Waves」(McGraw−Hill,1960,453,474〜477ページ)を参照されたい。そのような理論的解析が、損失性均質媒体の平面又は球面にわたる開表面誘導波を送出する仮定的な可能性を提供してきたが、一世紀を越える間、なんらかの実用的効率を有してこれを実現する工学技術における既知の構造は、存在していない。残念なことに、1900年代初頭に出現したために、上述した理論的解析は、基本的に理論に留まり、損失性均質媒体の平面又は球面にわたる開表面誘導波の送出を実用的に実現する既知の構造は存在していない。
本開示の各種実施形態によれば、損失性導電媒体の表面に沿って誘導表面導波モードに結合する電界を励起するように構成された、様々な誘導表面導波プローブが説明される。そのような誘導電磁界は、損失性導電媒体の表面上の誘導表面波モードに、大きさ及び位相において実質的にモード整合している。そのような誘導表面波モードはまた、Zenneck導波モードと呼ぶことができる。本明細書で説明する誘導表面導波プローブによって励起された結果として生じる電界が、損失性導電媒体の表面上の誘導表面導波モードに実質的にモード整合しているという事実によって、誘導表面波の形態での誘導電磁界が、損失性導電媒体の表面に沿って送出される。一実施形態によれば、損失性導電媒体は、地球などのテレストリアル媒体を含む。
図2を参照して、1907年にJonathan Zenneckによって、彼の論文、Zenneck,J.の「On the Propagation of Plane Electromagnetic Waves Along a Flat Conducting Surface and their Relation to Wireless Telegraphy」(Annalen der Physik,Serial 4,Vol.23,September 20,1907,846〜866ページ)に記載されたように導出されたマクスウェル方程式に対する境界値解の検討のために提供する伝搬境界面を示す。図2は、領域1として示された損失性導電媒体と領域2として示された絶縁体との間の境界面に沿って径方向伝搬する波動に対する円筒座標を示す。領域1は、例えば、任意の損失性導電媒体を含むことができる。一例では、そのような損失性導電媒体は、地球又は他の媒体などのテレストリアル媒体を含むことができる。領域2は、領域1と境界界面を共有する第2の媒体であり、領域1に対して異なる構造パラメータを有する。領域2は、例えば、大気又は他の媒体などの任意の絶縁体を含むことができる。そのような境界界面に対する反射係数は、複素ブルースター角での入射に対してのみゼロとなる。Stratton,J.A.の「Electromagnetic Theory」(McGraw−Hill,1941,516ページ)を参照されたい。
各種実施形態によれば、本開示は、領域1を含む損失性導電媒体の表面上の誘導表面導波モードに実質的にモード整合した電磁界を生成する、様々な誘導表面導波プローブを説明する。各種実施形態によれば、そのような電磁界は、結果としてゼロ反射とすることができる損失性導電媒体の複素ブルースター角で入射する波面を実質的に合成する。
更に説明するために、ejωtの電界変化が仮定され、かつρ≠0及びz≧0(式中、zは領域1の表面に垂直な垂直座標であり、ρは円筒座標における半径寸法である)である領域2において、境界面に沿った境界条件を満たすZenneckのマクスウェル方程式の閉形式厳密解は、以下の電界及び磁界成分によって表現される。
これらの表現において、zは、領域1の表面に垂直な垂直座標であり、ρは、半径座標であり、
は、第2種及びn次の複素引数ハンケル関数であり、u1は、領域1の正の垂直(z)方向の伝搬定数であり、u2は、領域2の垂直(z)方向の伝搬定数であり、σ1は、領域1の導電率であり、ωは、2πf(式中、fは励起の周波数である)に等しく、εoは、自由空間の誘電率であり、ε1は、領域1の誘電率であり、Aは、発生源によって課される発生源定数であり、γは、表面波の放射伝搬定数である。
±z方向の伝搬定数は、領域1と領域2との間の境界面の上及び下に波動方程式を分離して、境界条件を課すことにより決定される。これを実行することにより、領域2では、以下の式が得られ、
領域1では、以下の式が得られる。
放射伝搬定数γは、以下の式により得られ、
これは、複素表現であり、式中、nは、複素屈折率であり、以下の式により得られる。
上記の式のすべてにおいて、
であり、式中、εrは、領域1の比誘電率を含み、σ1は、領域1の導電率であり、εoは、自由空間の誘電率であり、μoは、自由空間の透磁率を含む。したがって、生成された表面波は、境界面に平行に伝搬し、境界面に垂直に指数関数的に減衰する。これは、消散として既知である。
したがって、式(1)〜(3)は、円筒状に対称な径方向伝搬する導波モードであると考えることができる。Barlow,H.M.及びBrown,J.の「Radio Surface Waves」(Oxford University Press,1962,10〜12ページ,29〜33ページ)を参照されたい。本開示は、この「開境界」導波モードを励起する構造を詳述する。具体的には、各種実施形態によれば、誘導表面導波プローブは、電圧及び/又は電流が供給され、領域2と領域1との間の境界界面に対して配置された、適切なサイズの帯電端子を備える。これは、図3を参照することにより、より良好に理解することができる。図3は、損失性導電媒体203によって提示された平面に垂直な垂直軸zに沿って損失性導電媒体203(例えば、地球)の上に持ち上げられた帯電端子T1を含む、誘導表面導波プローブ200aの例を示す。損失性導電媒体203は、領域1を構成し、第2の媒体206は、領域2を構成して、損失性導電媒体203と境界界面を共有する。
一実施形態によれば、損失性導電媒体203は、地球などのテレストリアル媒体を含むことができる。このために、そのようなテレストリアル媒体は、自然であろうと人工であろうと、すべての構造又はその上に含まれる形成物を含む。例えば、そのようなテレストリアル媒体は、岩、土、砂、淡水、海水、木、植物、及び我々の惑星を構成する他のすべての自然要素などの、自然要素を含むことができる。加えて、そのようなテレストリアル媒体は、コンクリート、アスファルト、建築材料、及び他の人工材料などの、人工要素を含むことができる。他の実施形態では、損失性導電媒体203は、自然に存在するものであろうと人工であろうと、地球以外のなんらかの媒体を含むことができる。他の実施形態では、損失性導電媒体203は、人工表面などの他の媒体、及び自動車、航空機、人工材料(合板、プラスチックシート、又は他の材料などの)又は他の媒体などの構造を含むことができる。
損失性導電媒体203がテレストリアル媒体又は地球を含む場合では、第2の媒体206は、地表の上の大気を含むことができる。そのように、大気は、空気及び地球の大気を構成する他の要素を含む「大気媒体」と呼ぶことができる。加えて、第2の媒体206が、損失性導電媒体203に対して他の媒体を含むことができることが可能である。
誘導表面導波プローブ200aは、例えば、垂直給電線導体を介して励起源212を帯電端子T1に結合する給電ネットワーク209を含む。各種実施形態によれば、任意の所与の時点で端子T1に印加される電圧に基づく電界を合成するために、電荷Q1が帯電端子T1に課される。電界(E)の入射角(θi)に依存して、電界を、領域1を含む損失性導電媒体203の表面上の誘導表面導波モードに実質的にモード整合することが可能である。
式(1)〜(6)のZenneck閉形式解を考慮することにより、領域1と領域2との間のLeontovichインピーダンス境界条件は、以下の式のように表すことができる。
式中、
は、正の垂直(+z)方向の単位法線であり、
は、上記の式(1)により表現される領域2の磁界強度である。式(13)は、式(1)〜(3)で示される電界及び磁界が結果として境界界面に沿った放射表面電流密度となることができることを意味し、放射表面電流密度は、以下の式により示すことができる。
式中、Aは、定数である。更に、誘導表面導波プローブ200に近接すると(ρ≪λに対して)、上記の式(14)は、以下のような挙動を有することを留意されたい。
負号は、電源電流(Io)が図3に示すように上向きに垂直に流れるときに、「近接(close−in)」グラウンド電流は径方向内向きに流れることを意味する。「近接」のHφに場を整合することにより、以下の式であることを決定することができる。
式中、式(1)〜(6)及び(14)において、q1=C1V1である。したがって、式(14)の放射表面電流密度は、以下の式のように言い換えることができる。
式(1)〜(6)及び(17)によって表現される電界は、地上波伝搬に関連付けられた放射電磁界ではなく、損失性の境界面に拘束される伝送線モードの性質を有する。Barlow,H.M.及びBrown,J.の「Radio Surface Waves」(Oxford University Press,1962,1〜5ページ)を参照されたい。
この時点では、式(1)〜(6)及び(17)に使用されるハンケル関数の性質のレビューが、波動方程式のこれらの解に対して提供される。第1種及び第2種かつn次のハンケル関数は、第1種及び第2種の標準ベッセル関数の複素の組合せとして定義されることがわかる。
これらの関数は、それぞれ、径方向内向きに
及び外向きに
伝搬する円筒状の波を表す。この定義は、e±jx=cos x±j sin xの関係に類似している。例えば、Harrington,R.F.の「Time−Harmonic Fields」(McGraw−Hill,1961,460〜463ページ)を参照されたい。
その
が外向き波であることは、Jn(x)及びNn(x)の級数定義から直接得られる、その独立変数を大きくした場合に漸近特性から認識することができる。誘導表面導波プローブから遠方では、
これは、ejωtを乗じると、ej(ωt−kρ)の空間的変動を有する
の形態の外向き伝搬円筒波である。一次(n=1)解は、式(20a)から、以下の式のように決定することができる。
誘導表面導波プローブに近接すると(ρ≪λに対して)、一次かつ第2種のハンケル関数は、以下の式のようにふるまう。
これらの漸近表現は、複素量であることを留意されたい。xが実数量であるとき、式(20b)及び(21)は、
だけ位相が異なり、これは、45°又は等価的にλ/8の追加の位相前進又は「位相増加」に対応する。第2種の一次ハンケル関数の近接及び遠方の漸近線は、それらがρ=Rxの距離で等しい大きさである、ハンケル「交差」又は遷移点を有する。
したがって、ハンケル交差点を越えると、「遠方」表現は、ハンケル関数の「近接」表現に対して優位である。ハンケル交差点までの距離(又はハンケル交差距離)は、式(20b)及び(21)を−jγρに対して等しくして、Rxについて解くことにより見出すことができる。x=σ/ωεoで、遠方及び近接のハンケル関数漸近線は、周波数が低下するとハンケル交差点が外側に移動して、周波数依存であることを理解することができる。損失性導電媒体の導電率(σ)が変化すると、ハンケル関数漸近線もまた変化し得ることも留意されたい。例えば、土の導電率は、気象条件の変化と共に変化し得る。
図4を参照して、1850kHzの動作周波数でのσ=0.010mhos/mの導電率及びεr=15の比誘電率の領域1に対する式(20b)及び(21)の一次ハンケル関数の大きさのグラフの例を示す。曲線115は、式(20b)の遠方漸近線の大きさであり、曲線118は、式(21)の近接漸近線の大きさであり、ハンケル交差点121がRx=54フィートの距離で生じている。大きさは等しいが、ハンケル交差点121で、2つの漸近線の間に位相オフセットが存在する。ハンケル交差距離は、動作周波数の波長より相当小さいこともまた理解することができる。
領域2のZenneck閉形式解の式(2)及び(3)により得られる電界成分を考慮して、EzとEρの比は、漸近的に以下の式になる。
式中、nは、式(10)の複素屈折率であり、θiは、電界の入射角である。加えて、式(3)のモード整合した電界の垂直成分は、漸近的に以下の式になる。
これは、端子電圧において上げられた帯電端子の静電容量の絶縁されたコンポーネント上の自由電荷qfree=Cfree×VTに線形比例する。
例えば、図3の持ち上げられた帯電端子T1の高さH1は、帯電端子T1上の自由電荷の量に影響を及ぼす。帯電端子T1が領域1のグラウンド平面付近にある場合、端子上の電荷Q1の大部分は、「拘束」されている。帯電端子T1が上げられるにつれて、拘束電荷は、実質的にすべての絶縁された電荷が開放される高さに帯電端子T1が到達するまで少なくなる。
帯電端子T1に対する容量上昇の増大の利点は、持ち上げられた帯電端子T1上の電荷がグラウンド平面から更に除去されて、結果として自由電荷の量qfreeの増大となり、エネルギを誘導表面導波モードに結合することである。帯電端子T1がグラウンド平面から離れて移動すると、電荷分布は、端子の表面回りにより均一に分布するようになる。自由電荷の量は、帯電端子T1の自己容量に関係する。
例えば、球形端子の静電容量は、グラウンド平面の上の物理的高さの関数として表現することができる。完全なグラウンドの上のhの物理的高さでの球の静電容量は、以下の式により得られる。
式中、球の直径は、2aであり、M=a/2hであって、hは、球形端子の高さである。これで理解することができるように、端子高さhの増大により、帯電端子の静電容量Cは、低減する。直径の約4倍(4D=8a)以上の高さの帯電端子T1の高度に対して、電荷分布は、球形端子回りでほぼ均一であり、これは、誘導表面導波モードへの結合を向上することができることを示すことができる。
十分に絶縁された端子の場合では、導体球の自己容量は、C=4πεoaにより近似することができ、式中、aは、メートルでの球の半径である。円盤の自己容量は、C=8εoaにより近似することができ、式中、aは、メートルでの円盤の半径である。帯電端子T1は、球、円盤、円筒、円錐、トーラス、フード、1つ以上のリング、又は任意の他のランダム化形状若しくは形状の組合せなどの、任意の形状を含むことができる。帯電端子T1の位置に対して、等価な球体直径を決定して使用することができる。
これは、帯電端子T1が損失性導電媒体203の上にhp=H1の物理的高さに持ち上げられた図3の例を参照して更に理解することができる。「拘束」電荷の影響を低減するために、帯電端子T1は、帯電端子T1の球直径(又は等価な球の直径)の少なくとも4倍の物理的高さに配置することができる。
次に図5Aを参照して、図3の帯電端子T1上の持ち上げられた電荷Q1により生成された電界の光線光学の解釈を示す。光学におけるように、入射電界の反射を最小化することにより、損失性導電媒体203の誘導表面導波モードに結合されたエネルギを向上及び/又は最大化することができる。入射面(境界界面ではない)に平行に偏波された電界(E‖)に対して、入射電界の反射の量は、フレネル反射係数を使用して決定することができる。フレネル反射係数は、以下の式のように表現することができる。
式中、θiは、面法線に対して測定した従来の入射角である。
図5Aの例では、光線光学の解釈は、面法線
に対して測定したθiの入射角を有する入射面に平行に偏波された入射電界を示す。Γ‖(θi)=0である場合、入射電界の反射は存在しないことになり、したがって、入射電界は、損失性導電媒体203の表面に沿った誘導表面導波モードに完全に結合されることになる。入射角が以下の式であるとき、式(25)の分子は、ゼロになることを理解することができる。
式中、x=σ/ωεoである。この複素入射角(θi,B)は、ブルースター角と呼ばれる。式(22)に戻って、式(22)及び(26)の両方において同じ複素ブルースター角(θi,B)の関係が存在することを理解することができる。
図5Aに示すように、電界ベクトルEは、入射面に平行に偏波された入射する不均一平面波として示すことができる。電界ベクトルEは、独立した水平及び垂直成分から、以下の式のように生成することができる。
幾何学的に、図5Aの例示は、電界ベクトルEを以下の式により得ることができることを示唆する。
場の比は以下の式であることを意味する。
「ウェーブチルト(wave tilt)」と呼ばれる一般化パラメータWは、本明細書では、以下の式により得られる、水平電界成分と垂直電界成分の比として表される。
これは、複素数であり、大きさ及び位相の両方を有する。領域2内の電磁波に対して、ウェーブチルト角(Ψ)は、領域1との境界界面での波面の法線と境界界面の接線との間の角度に等しい。これは、放射状の円筒状の誘導表面波に関する電磁波の等位相面及びそれらの法線を示す、図5Bでより容易に理解することができる。完全導体との境界界面(z=0)において、波面法線は、境界界面の接線に平行であり、結果としてW=0となる。しかし、損失性誘電体の場合では、波面法線がW=0で境界界面の接線に平行ではないため、ウェーブチルトzは存在する。
式(30b)を誘導表面波に適用することにより、以下の式が得られる。
複素ブルースター角(θi,B)に等しい入射角で、式(25)のフレネル反射係数は、以下の式により示すように、ゼロになる。
式(22)の複素数の場の比を調整することにより、入射電界を、反射が低減又は除去される複素角で入射するように合成することができる。この比を
として確立することにより、結果として複素ブルースター角で入射する合成された電界となり、反射をゼロにする。
電気的実効高の概念は、複素入射角を有する電界を誘導表面導波プローブ200と合成することに更なる洞察を提供することができる。電気的実効高(heff)は、以下の式のように定義されている。
これは、hpの物理的高さ(又は長さ)を有するモノポールに対するものである。この表現は、構造に沿った波源分布の大きさ及び位相に依存するため、実効高(又は長さ)は、一般的に複素数である。構造の分布電流I(z)の積分は、構造の物理的高さ(hp)にわたって実行され、構造の底部(又は入力)を介して上向きに流れるグラウンド電流(I0)に対して正規化される。構造に沿って分布電流は、以下の式により表現することができる。
式中、β0は、構造上を伝搬する電流に対する伝搬係数である。図3の例では、ICは、誘導表面導波プローブ200aの垂直構造に沿って分配される電流である。
例えば、構造の底部の低損失コイル(例えば、ヘリカルコイル)、及びこのコイルと帯電端子T1との間に接続された垂直給電線導体を含む給電ネットワーク209を考えてみる。コイル(又はヘリカル遅延線)に起因する位相遅延は、θc=βplCであり、式中、lCは、物理的長さであり、以下の式は、伝搬係数である。
式中、Vfは、構造上の速度係数であり、λ0は、供給される周波数での波長であり、λpは、速度係数Vfから結果として生じる伝搬波長である。位相遅延は、グラウンド(杭)電流I0に対して測定される。
加えて、垂直給電線導体の長さlwに沿った空間位相遅延は、θy=βwlwにより得ることができ、式中、βwは、垂直給電線導体に対する伝搬位相定数である。いくつかの実装形態では、誘導表面導波プローブ200aの物理的高さhpと垂直給電線導体長さlwとの間の差は、供給される周波数での波長(λ0)より相当小さいため、空間位相遅延は、θy=βwhpにより近似することができる。結果として、コイル及び垂直給電線導体を介した全位相遅延は、Φ=θc+θyであり、物理的構造の底部からコイルの上部に供給される電流は、以下の式である。
合計位相遅延Φは、グラウンド(杭)電流I0に対して測定される。その結果として、誘導表面導波プローブ200の電気的実効高は、以下の式により近似することができる。
この式は、物理的高さhp≪λ0である場合に対するものである。Φの角度(又は位相シフト)でのモノポールの複素実効高heff=hpは、発生源電界を誘導表面導波モードに整合させ、誘導表面波を損失性導電媒体203上に送出させるように、調整することができる。
図5Aの例では、光線光学を使用して、ハンケル交差距離(Rx)121で複素ブルースター入射角(θi,B)を有する入射電界(E)の複素角三角法を例示している。式(26)から、損失性導電媒体に対して、ブルースター角は、複素数であり、以下の式により規定されることを思い出されたい。
電気的に、幾何学的パラメータは、帯電端子T1の電気的実効高(heff)によって、以下の式により関連付けられる。
式中、Ψi,B=(π/2)−θi,Bは、損失性導電媒体の表面から測定されたブルースター角である。誘導表面導波モードに結合するために、ハンケル交差距離での電界のウェーブチルトは、電気的な実効高とハンケル交差距離の比として表現することができる。
物理的高さ(hp)及びハンケル交差距離(Rx)の両方が実数量であるため、ハンケル交差距離(Rx)での所望の誘導表面ウェーブチルトの角度(Ψ)は、複素実効高(heff)の位相(Φ)に等しい。これは、コイルの供給点での位相、すなわち、式(37)の位相シフトを変更することにより、複素実効高の位相Φを、ハンケル交差点121での誘導表面導波モードのウェーブチルトの角度Ψに整合する(Φ=Ψ)ように操作することができることを意味する。
図5Aで、損失性導電媒体表面に沿った長さRxの隣接する辺、及び、Rxでのハンケル交差点121と帯電端子T1の中心との間に延びる光線124と、ハンケル交差点121と帯電端子T1との間の損失性導電媒体表面127との間で測定された複素ブルースター角Ψi,Bを有する、直角三角形が示されている。帯電端子T1を物理的高さhpに配置して、適切な位相遅延Φを有する電荷で励起して、結果として生じる電界は、ハンケル交差距離Rxで、かつブルースター角で、損失性導電媒体の境界界面に入射する。これらの条件下で、反射なしに又は実質的に無視できる反射で、誘導表面導波モードを励起することができる。
実効高(heff)の位相シフトΦを変更することなく帯電端子T1の物理的高さが減少される場合、結果として生じる電界は、誘導表面導波プローブ200から低減された距離においてブルースター角で損失性導電媒体203と交差する。図6は、電界がブルースター角で入射する距離についての帯電端子T1の物理的高さを低減する効果をグラフで示す。高さがh3からh2を経てh1まで低減されると、電界が損失性導電媒体(例えば、地球)とブルースター角で交差する点は、帯電端子位置に近づいて移動する。しかし、式(39)が示すように、帯電端子T1の高さH1(図3)は、ハンケル関数の遠方コンポーネントを励起するために、物理的高さ(hp)以上でなければならない。帯電端子T1を実効高(heff)以上に配置して、損失性導電媒体203を、図5Aに示すように、ハンケル交差距離(Rx)121以上でブルースター入射角(Ψi,B=(π/2)−θi,B)で照射することができる。帯電端子T1上の拘束電荷を低減又は最小化するために、上述したように、高さは、少なくとも帯電端子T1の球直径(又は等価な球体直径)の4倍でなければならない。
誘導表面導波プローブ200は、複素ブルースター角で損失性導電媒体203の表面を照射して、それによって、Rxのハンケル交差点121で(又はその向こうの)誘導表面波モードに実質的にモード整合することにより径方向の表面電流を励起する波動に対応するウェーブチルトを有する電界を確立するように構成することができる。
図7Aを参照して、帯電端子T1を含む誘導表面導波プローブ200bの例の模式図を示す。図7Aに示すように、AC源などの励起源212は、帯電端子T1用の励起源として機能し、これは、例えば、ヘリカルコイルなどのコイル215を含む給電ネットワーク209(図3)を介して誘導表面導波プローブ200bに結合される。他の実装形態では、励起源212は、一次コイルを介してコイル215に誘導結合することができる。いくつかの実施形態では、励起源212のコイル215への結合を向上及び/又は最大化するために、インピーダンス整合ネットワークを含むことができる。
図7Aに示すように、誘導表面導波プローブ200bは、損失性導電媒体203によって提示された平面に実質的に垂直な垂直軸zに沿って配置された上側帯電端子T1(例えば、高さhpにある球)を含むことができる。第2の媒体206は、損失性導電媒体203の上に配置されている。帯電端子T1は、自己容量CTを有する。動作中、任意の所与の時点での端子T1に印加される電圧に依存して、電荷Q1が端子T1に課される。
図7Aの例では、コイル215は、第1の端部でグラウンド杭(又はグラウンドシステム)218に、及び垂直給電線導体221を介して帯電端子T1に結合される。いくつかの実装形態では、帯電端子T1へのコイル接続は、図7Aに示すように、コイル215のタップ224を使用して調整することができる。コイル215は、例えば、コイル215の下側部分でタップ227を介した励起源を含む励起源212によって動作周波数で励振することができる。他の実装形態では、励起源212は、一次コイルを介してコイル215に誘導結合することができる。帯電端子T1は、プローブインピーダンスを調整するために使用することができる垂直給電線導体221から見たその負荷インピーダンスを調整するように構成することができる。
図7Bは、帯電端子T1を含む誘導表面導波プローブ200cの別の例の模式図を示す。図7Aのように、誘導表面導波プローブ200cは、損失性導電媒体203の上に(例えば、高さhpに)配置された上側帯電端子T1を含むことができる。図7Bの例では、位相コイル215は、集中素子タンク回路260を介して第1の端部でグラウンド杭(又はグラウンドシステム)218に、及び垂直給電線導体221を介して第2の端部で帯電端子T1に結合される。位相コイル215は、図7Aに示すように、コイル215の下側部分で例えば、タップ227を介して励起源212によって動作周波数で励振することができる。他の実装形態では、励起源212は、一次コイル269を介して、位相コイル215又はタンク回路260の誘導コイル263に誘導結合することができる。誘導コイル263はまた、集中素子又はインダクタとして動作するため、「集中素子」コイルとも呼ばれることがある。図7Bの例では、位相コイル215は、集中素子タンク回路260の誘導コイル263との誘導結合により励起源212によって励振される。集中素子タンク回路260は、誘導コイル263及びコンデンサ266を含む。誘導コイル263及び/又はコンデンサ266は、タンク回路共振、したがって、プローブインピーダンスの調整を可能にするように、固定又は可変とすることができる。
図7Cは、帯電端子T1を含む誘導表面導波プローブ200dの別の例の模式図を示す。図7Aのように、誘導表面導波プローブ200dは、損失性導電媒体203の上に(例えば、高さhpに)配置された上側帯電端子T1を含むことができる。給電ネットワーク209は、図7A及び図7Bに示されるような単一の位相コイル215の代わりに、複数の位相コイル(例えば、ヘリカルコイル)を含むことができる。複数の位相コイルは、誘導表面波を送出するために適切な位相遅延(例えば、θc=θca+θcb、式中θca及びθcbは、それぞれコイル215a及び215bの位相遅延に対応する)を提供するように、ヘリカルコイルの組合せを含むことができる。図7Cの例では、給電ネットワークは、下側コイル215bを集中素子タンク回路260を介してグラウンド杭(又はグラウンドシステム)218に結合し、上側コイル215aを垂直給電線導体221を介して帯電端子T1に結合して、直列に接続された2つの位相コイル215a及び215bを含む。位相コイル215a及び215bは、例えば、一次コイル269を介して、例えば、上側位相コイル215a、下側位相コイル215b、及び/又はタンク回路260の誘導コイル263との誘導結合により励起源212によって動作周波数で励振することができる。例えば、図7Cに示すように、コイル215は、一次コイル269から下側位相コイル215bへの誘導結合により励起源212によって励振することができる。あるいは、図7Bに示す例のように、コイル215は、一次コイル269から集中素子タンク回路260の誘導コイル263への誘導結合により励起源212によって励振することができる。集中素子タンク回路260の誘導コイル263及び/又はコンデンサ266は、タンク回路共振、したがって、プローブインピーダンスの調整を可能にするように、固定又は可変とすることができる。
この時点で、進行波に関する位相遅延と定在波に関する位相シフトとの間に差異が存在することを指摘しなければならない。進行波に関する位相遅延θ=βlは、例えば、コイル(単数又は複数)215及び垂直給電線導体221などの分布素子波動誘導構造上の伝搬時間遅延に起因する。進行波が集中素子タンク回路260を通過する際に、位相遅延は、生じない。結果として、例えば、誘導表面導波プローブ200c及び200dによる合計進行波位相遅延は、依然Φ=θc+θyである。
しかし、前方及び後方に伝搬する波を含む定在波の位置依存位相シフト、及び負荷依存位相シフトは、線長さ伝搬遅延及び異なる特性インピーダンスの線区間間の遷移の両方に依存する。位相シフトは、集中素子回路では発生しないことに留意されたい。位相シフトはまた、伝送線セグメント間及び線セグメントと負荷との間のインピーダンス不連続点で発生する。これは、インピーダンス不連続点から発生する複素反射係数Γ=|Γ|ejφから生じ、分布素子構造上の定在波(前方及び後方に伝搬する波の波動干渉パターン)をもたらす。結果として、誘導表面導波プローブ200c及び200dの合計定在波位相シフトは、集中素子タンク回路260によって生成された位相シフトを含む。
したがって、進行波に関する位相遅延及び定在波に関する位相シフトの両方を生成するコイルは、本明細書で「位相コイル」と呼ばれることがあることに留意されたい。コイル215は、位相コイルの例である。上述したような集中素子タンク回路260などのタンク回路内のコイルは、集中素子及びインダクタとして機能して、タンク回路は、進行波に関する対応する位相遅延なしに定在波に関する位相シフトを生成することに更に留意されたい。集中素子又はインダクタとして機能するそのようなコイルは、本明細書で「インダクタコイル」又は「集中素子」コイルと呼ばれることがある。誘導コイル263は、そのようなインダクタコイル又は集中素子コイルの例である。そのようなインダクタコイル又は集中素子コイルは、コイル全体にわたって均一電流分布を有すると仮定され、進行波の無視できる遅延を生成するように、誘導表面導波プローブ200の動作の波長に対して電気的に小さい。
誘導表面導波プローブ200の構造及び調整は、伝送周波数、損失性導電媒体の条件(例えば、土の導電率σ及び比誘電率εr)、及び帯電端子T1のサイズなどの、様々な動作条件に基づく。屈折率は、式(10)及び(11)から、以下の式のように計算することができる。
式中、x=σ/ωεoであり、ω=2πfである。導電率σ及び比誘電率εrは、損失性導電媒体203の試験測定値により決定することができる。面法線から測定される複素ブルースター角(θi,B)もまた、式(26)から、以下の式のように決定することができる。
又は、以下の式のように図5Aに示すように表面から測定される。
ハンケル交差距離でのウェーブチルト(WRx)もまた、式(40)を使用して見出すことができる。
ハンケル交差距離もまた、図4により示すように、−jγρに対する式(20b)及び(21)の大きさを等しくして、Rxについて解くことにより、見出すことができる。次に、ハンケル交差距離及び複素ブルースター角を使用して式(39)から、電気的な実効高を、以下の式のように決定することができる。
式(44)から理解することができるように、複素実効高(heff)は、帯電端子T1の物理的高さ(hp)に関連付けられた大きさ、及びハンケル交差距離(Rx)でのウェーブチルトの角度(Ψ)に関連付けられた位相遅延(Φ)を含む。これらの変数及び選択された帯電端子T1の構成を用いて、誘導表面導波プローブ200の構成を決定することが可能である。
帯電端子T1を物理的高さ(hp)に又はその上に配置して、給電ネットワーク209(図3)及び/又は給電ネットワークを帯電端子T1に接続する垂直給電線は、帯電端子T1上の電荷Q1の位相(Φ)をウェーブチルト(W)の角度(Ψ)に整合するように調整することができる。帯電端子T1のサイズは、端子に課される電荷Q1のための十分大きな表面を提供するように選択することができる。一般的に、帯電端子T1を実用的な限り大きくすることが望ましい。帯電端子T1のサイズは、結果として帯電端子周囲の放電又はスパークとなり得る周辺の空気のイオン化を回避するために、十分大きくすべきである。
ヘリカル巻線コイルの位相遅延θcは、Corum,K.L.及びJ.F.Corumの「RF Coils,Helical Resonators and Voltage Magnification by Coherent Spatial Modes」(Microwave Review,Vol.7,No.2、2001年9月、36〜45ページ)によって説明されているように、マクスウェル方程式から決定することができる。その文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。H/D>1のヘリカルコイルに対して、コイルの縦軸に沿った波動の伝搬速度(υ)と光速(c)の比、又は「速度係数」は、以下の式により得られる。
式中、Hは、ソレノイドコイルの軸方向長さであり、Dは、コイル直径であり、Nは、コイルの巻数であり、s=H/Nは、コイルの巻線間隔(又はらせんピッチ)であり、λoは、自由空間の波長である。この関係に基づいて、ヘリカルコイルの電気長又は位相遅延は、以下の式により得られる。
らせんがらせん状に巻かれている、又は短くかつ太い場合、原理は同じであるが、Vf及びθcは、試験的測定により得る方がより容易である。ヘリカル伝送線の特性(波動)インピーダンスに対する表現もまた、以下の式のように導出されている。
構造の空間位相遅延θyは、垂直給電線導体221(図7)の進行波位相遅延を用いて決定することができる。完全グラウンド平面の上の円筒形垂直導体の静電容量は、以下の式のように表現することができる。
式中、hwは、導体の垂直長さ(又は高さ)であり、aは、半径である(mks単位での)。ヘリカルコイルと同様に、垂直給電線導体の進行波の位相遅延は、以下の式により得ることができる。
式中、βwは、垂直給電線導体に対する伝搬位相定数であり、hwは、垂直給電線導体の垂直長さ(又は高さ)であり、Vwは、ワイヤ上の速度係数であり、λ0は、供給される周波数での波長であり、λwは、速度係数Vwから結果として生じる伝搬波長である。均一な円筒形導体に対して、速度係数は、Vw≒0.94又は約0.93〜約0.98の範囲の定数である。支柱が均一な伝送線であると考えられる場合、その平均特性インピーダンスは、以下の式により近似することができる。
式中、均一な円筒形導体に対してVw≒0.94であり、aは、導体の半径である。単線給電線の特性インピーダンスに対するアマチュア無線文献で用いられてきた代替的表現は、以下の式により得ることができる。
式(51)は、単線フィーダに対するZwが周波数と共に変化することを意味する。位相遅延は、静電容量及び特性インピーダンスに基づいて決定することができる。
図3に示すように帯電端子T1を損失性導電媒体203の上方に配置して、給電ネットワーク209は、ハンケル交差距離でのウェーブチルトの角度(Ψ)に等しい複素実効高(heff)の位相シフト(Φ)、又はΦ=Ψで帯電端子T1を励起するように調整することができる。この条件が満たされるとき、帯電端子T1上のQ1を振動させる電荷によって生成される電界は、損失性導電媒体203の表面に沿って進行する誘導表面導波モードに結合される。例えば、ブルースター角(θi,B)、垂直給電線導体221(図7)に関連付けられた位相遅延(θy)、及びコイル215(図7)の構成が既知である場合、タップ224(図7)の位置は、位相Φ=Ψで帯電端子T1上に振動する電荷Q1を課すように、決定して調整することができる。タップ224の位置を調整して、進行表面波の誘導表面導波モードへの結合を最大化することができる。タップ224の位置を越える余分なコイル長さを除去して、容量効果を低減することができる。垂直線の高さ及び/又はヘリカルコイルの幾何学的パラメータもまた、変更することができる。
損失性導電媒体203の表面上の誘導表面導波モードへの結合は、帯電端子T1上の電荷Q1に関連付けられた複素影像平面に関する定在波の共振のために誘導表面導波プローブ200を同調させることにより、向上及び/又は最適化することができる。これを行うことにより、帯電端子T1上の増大した及び/又は最大の電圧(したがって、電荷Q1)に対して、誘導表面導波プローブ200の特性を調整することができる。図3に戻って、領域1の損失性導電媒体203の影響は、影像法の分析を使用して確認することができる。
物理的に、完全導体平面の上方に配置された持ち上げられた電荷Q1は、完全導体平面上の自由電荷を誘引し、この自由電荷は、次に、持ち上げられた電荷Q1の下の領域内に「集積する」。結果として生じる完全導体平面上の「拘束」電気の分布は、ベル型曲線に類似している。持ち上げられた電荷Q1の電位にその下の誘導された「集積」電荷の電位を加えた重ね合わせは、完全導体平面に対するゼロ等電位面を強制する。完全導体平面の上の領域内の電界を説明する境界値問題の解は、持ち上げられた電荷からの電界が完全導体平面の下の対応する「影像」電荷からの電界と重ね合わされる、影像電荷の古典的概念を使用して得ることができる。
この解析はまた、誘導表面導波プローブ200の下の実効影像電荷Q1'の存在を仮定することにより、損失性導電媒体203に対しても使用することができる。実効影像電荷Q1'は、図3に示すように、導電性影像グラウンド平面130回りに帯電端子T1上の電荷Q1と同時に発生する。しかし、影像電荷Q1'は、完全導体の場合になるように、単になんらかの実数の深さに配置され、かつ帯電端子T1上の一次ソース電荷Q1と180°位相がずれているのではない。むしろ、損失性導電媒体203(例えば、テレストリアル媒体)は、位相シフトした影像を提示する。すなわち、影像電荷Q1'は、損失性導電媒体203の表面(又は物理的境界)の下の複素深さにある。複素影像深さの説明のために、Wait,J.R.の「Complex Image Theory−Revisited」(IEEE Antennas and Propagation Magazine,Vol.33,No.4,August 1991,27〜29ページ)を参照し、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
電荷Q1の物理的高さ(H1)に等しい深さにある影像電荷Q1'の代わりに、導電性影像グラウンド平面130(完全導体を表す)が、z=−d/2の複素深さに配置されて、影像電荷Q1'は、−D1=−(d/2+d/2+H1)≠H1により得られる複素深さ(すなわち、「深さ」は大きさ及び位相の両方を有する)に見える。地球の上に垂直に偏波されたソースに対して、
であり、式中、
であり、式(12)に示すようである。次に、影像電荷の複素数の間隔は、境界面が誘電体又は完全導体のいずれかである場合には発生しない追加の位相シフトに、外部電界が遭遇することを意味する。損失性導電媒体では、波面法線は、領域1と領域2との間の境界界面ではなくz=−d/2の導電性影像グラウンド平面130の接線に平行である。
損失性導電媒体203が物理的境界136を有する有限導体の地球133である、図8Aに示す場合を考えてみる。有限導体の地球133は、物理的境界136の下の複素数の深さz1に配置された、図8Bに示すような完全導電性影像グラウンド平面139により置換えることができる。この等価表現は、物理的境界136で境界面を見下ろすとき、同じインピーダンスを有する。図8Bの等価表現は、図8Cに示すような等価伝送線としてモデル化することができる。等価構造の断面は、完全導電性影像平面のインピーダンスを短絡(zs=0)とした(z方向の)端部負荷伝送線として表される。深さz1は、地球で見下ろすTEM波のインピーダンスを図8Cの伝送線路を見て見た像グラウンド平面のインピーダンスzinに等しくすることにより決定することができる。
図8Aの場合では、上部領域(空気)142内の伝搬定数及び波動の特性インピーダンスは、以下の式である。
損失性の地球133では、伝搬定数及び波動の特性インピーダンスは、以下の式である。
法線入射に対して、図8Bの等価表現は、特性インピーダンスが空気のもので(zo)、γoの伝搬定数を有し、長さがz1であるTEM伝送線と等価である。そのようにして、図8Cの短絡した伝送線に対して境界面で見た影像グラウンド平面のインピーダンスZinは、以下の式により得られる。
図8Cの等価モデルに関連付けられた影像グラウンド平面のインピーダンスZinを図8Aの法線入射波のインピーダンスに等しくして、z1について解くことにより、短絡(完全導電性影像グラウンド平面139)までの距離が、以下の式のように得られる。
式中、逆双曲線正接に対する級数展開の第一項のみがこの近似に関して考慮されている。空気領域142内では、伝搬定数は、γo=jβoであるので、Zin=jZotanβoz1(これは実数z1に対する単なる虚数である)であるが、zeは、σ≠0である場合に複素数値である。したがって、Zin=Zeが複素距離である場合のみ、z1である。
図8Bの等価表現が完全導電性影像グラウンド平面139を含むため、地球の表面(物理的境界136)にある電荷又は電流に対する影像深さは、影像グラウンド平面139の反対側の距離z1、又は地球の表面(d=2×z1に配置された)の下のz=0に等しい。したがって、完全導電性影像グラウンド平面139までの距離は、以下の式により近似することができる。
加えて、「影像電荷」は、実電荷に「等しくかつ反対」であることになるので、深さz1=−d/2での完全導電性影像グラウンド平面139の電位は、ゼロであることになる。
電荷Q1が図3に示すように地球の表面の上の距離H1に持ち上げられた場合、影像電荷Q1'は、表面の下のD1=d+H1の複素距離、又は像グラウンド平面130の下のd/2+H1の複素距離にある。図7の誘導表面導波プローブ200bは、図8Bの完全導電性影像グラウンド平面139に基づくことができる等価単線伝送線路の影像平面モデルとしてモデル化することができる。
図9Aは、等価単線伝送線路の影像平面モデルの例を示し、図9Bは、図8Cの短絡した伝送線を含む古典的等価伝送線モデルの例を示す。図9Cは、集中素子タンク回路260を含む等価古典的伝送線路モデルの例を示す。
図9A〜図9Cの等価影像平面モデルでは、Φ=θy+θcは、地球133(又は損失性導電媒体203)を基準とした誘導表面導波プローブ200の進行波位相遅延であり、θc=βpHは、度で表現した物理的長さHのコイル(単数又は複数)215(図7A〜図7C)の電気長であり、θy=βwhwは、度で表現した物理的長さhwの垂直給電線導体221図7A〜図7C)の電気長である。加えて、θd=βod/2は、影像グラウンド平面139と地球133(又は損失性導電媒体203)の物理的境界136との間の位相シフトである。図9A〜図9Cの例では、Zwは、オームでの持ち上げられた垂直給電線導体221の特性インピーダンスであり、Zcは、オームでのコイル(単数又は複数)215の特性インピーダンスであり、ZOは、自由空間の特性インピーダンスである。図9Cの例では、Ztは、オームでの集中素子タンク回路260の特性インピーダンスであり、θtは、動作周波数での対応する位相シフトである。
誘導表面導波プローブ200の底部で、構造を「見上げて」見たインピーダンスは、Z↑=Zbaseである。以下の式の負荷インピーダンスで、
(式中、CTは、帯電端子T1の自己容量である)、垂直給電線導体221(図7A〜図7C)を「見上げて」見たインピーダンスは、以下の式により得られる。
コイル215(図7)を「見上げて」見たインピーダンスは、以下の式により得られる。
給電ネットワーク209は、複数のコイル215(例えば、図7C)を含み、それぞれのコイル215の底部で見たインピーダンスは、式64を用いて逐次決定することができる。例えば、図7Cの上側コイル215aを「見上げて」見たインピーダンスは、以下の式により得られる。
図7Cの下側コイル215bを「見上げて」見たインピーダンスは、以下の式により得ることができる。
式中、Zca及びZcbは、上側及び下側コイルの特性インピーダンスである。これは、必要に応じて追加のコイル215を考慮するように拡張することができる。誘導表面導波プローブ200の底部で、損失性導電媒体203を「見下して」見たインピーダンスは、Z↓=Zinであり、これは以下の式により得られる。
式中、Zs=0である。
損失を無視して、等価影像平面モデルは、物理的境界136でZ↓+Z↑=0である場合、共振に調整することができる。又は、低損失の場合では、物理的境界136でX↓+X↑=0であり、式中、Xは、対応するリアクタンス成分である。したがって、誘導表面導波プローブ200を「見上げた」物理的境界136でのインピーダンスは、損失性導電媒体203を「見下ろした」物理的境界136でのインピーダンスの共役である。損失性導電媒体203(例えば、地球)の表面に沿った誘導表面導波モードへのプローブの電界の結合を向上及び/又は最大化するΦ=Ψであるように、進行波位相遅延Φを媒体のウェーブチルトΨの角度と等しく維持しながら、帯電端子T1の負荷インピーダンスZLによりプローブインピーダンスを調整することにより、図9A及び図9Bの等価影像平面モデルは、影像グラウンド平面139に対して共振に調整することができる。この方法で、等価複素影像平面モデルのインピーダンスは、単に抵抗であり、これにより、端子T1上の電圧及び持ち上げられた電荷を最大化するプローブ構造上の重ね合わせた定在波を維持し、式(1)〜(3)及び(16)により、伝搬する表面波を最大化する。
帯電端子T1の負荷インピーダンスZLを調整して、プローブ200を影像グラウンド平面139に対して定在波共振に調整することができると同時に、いくつかの実施形態では、図9Cに示すように、コイル(単数又は複数)215(図7B及び図7C)とグラウンド杭(又はグラウンドシステム)218との間に配置された集中素子タンク回路260を調整して、プローブ200を影像グラウンド平面139に対して定在波共振に調整することができる。進行波が集中素子タンク回路260を通過する際に、位相遅延は、生じない。結果として、例えば、誘導表面導波プローブ200c及び200dによる合計進行波位相遅延は、依然Φ=θc+θyである。しかし、位相シフトは、集中素子回路では発生しないことに留意されたい。位相シフトはまた、伝送線セグメント間及び線セグメントと負荷との間のインピーダンス不連続点で発生する。したがって、タンク回路260は、「位相シフト回路」とも呼ばれることがある。
集中素子タンク回路260を誘導表面導波プローブ200の底部に結合して、タンク回路260を「見上げて」見たインピーダンスは、Z↑=Ztuningあり、これは、以下の式により得ることができる。
Ztuning=Zbase−Zt
式中、Ztは、タンク回路260の特性インピーダンスであり、Zbaseは、例えば、式(64)又は(64.2)で得られるようなコイル(単数又は複数)を「見上げて」見たインピーダンスである。図9Dは、タンク回路260の共振周波数(fp)に基づく動作周波数(fo)に対する集中素子タンク回路260のインピーダンスの変化を示す。図9Dに示すように、集中素子タンク260のインピーダンスは、タンク回路の同調した自己共振周波数に依存して誘導性又は容量性とすることができる。タンク回路260をその自己共振周波数(fp)を下回る周波数で動作させるとき、その端子点インピーダンスは、誘導性であり、fpを上回る動作に対しては、端子点インピーダンスは、容量性である。タンク回路260のインダクタンス263又は静電容量266のいずれかを調整することにより、fpを変更し、図9Dのインピーダンス曲線をシフトさせ、これにより、所与の動作周波数foで見た端子点インピーダンスに影響を及ぼす。
Ztuning=Zbase−Zt
式中、Ztは、タンク回路260の特性インピーダンスであり、Zbaseは、例えば、式(64)又は(64.2)で得られるようなコイル(単数又は複数)を「見上げて」見たインピーダンスである。図9Dは、タンク回路260の共振周波数(fp)に基づく動作周波数(fo)に対する集中素子タンク回路260のインピーダンスの変化を示す。図9Dに示すように、集中素子タンク260のインピーダンスは、タンク回路の同調した自己共振周波数に依存して誘導性又は容量性とすることができる。タンク回路260をその自己共振周波数(fp)を下回る周波数で動作させるとき、その端子点インピーダンスは、誘導性であり、fpを上回る動作に対しては、端子点インピーダンスは、容量性である。タンク回路260のインダクタンス263又は静電容量266のいずれかを調整することにより、fpを変更し、図9Dのインピーダンス曲線をシフトさせ、これにより、所与の動作周波数foで見た端子点インピーダンスに影響を及ぼす。
損失を無視して、タンク回路260を有する等価影像平面モデルは、物理的境界136でZ↓+Z↑=0である場合、共振に調整することができる。又は、低損失の場合では、物理的境界136でX↓+X↑=0であり、式中、Xは、対応するリアクタンス成分である。したがって、集中素子タンク回路260を「見上げた」物理的境界136でのインピーダンスは、損失性導電媒体203を「見下ろした」物理的境界136でのインピーダンスの共役である。Φ=Ψであるように進行波位相遅延Φを媒体のウェーブチルトΨに等しく維持しながら集中素子タンク回路260を調整することにより、等価影像平面モデルを、影像グラウンド平面139に対して共振に調整することができる。この方法で、等価複素影像平面モデルのインピーダンスは、単に抵抗であり、これにより、端子T1上の電圧及び持ち上げられた電荷を最大化するプローブ構造上の重ね合わせた定在波を維持し、損失性導電媒体203(例えば、地球)の表面に沿った誘導表面導波モードへのプローブの電界の結合を向上及び/又は最大化する。
ハンケル解に従って、誘導表面導波プローブ200によって励起される誘導表面波は、外向きに伝搬する進行波である。誘導表面導波プローブ200(図3及び図7A〜図7C)の帯電端子T1とグラウンド杭(又はグラウンドシステム)218との間の給電ネットワーク209に沿った波源分布は、実際には、進行波に構造上の定在波を加えた重ね合わせからなる。帯電端子T1を物理的高さhp以上に配置して、給電ネットワーク209を通って移動する進行波の位相遅延は、損失性導電媒体203に関連付けられたウェーブチルトの角度に整合される。このモード整合により、進行波を損失性導電媒体203に沿って送出することができる。進行波に対する位相遅延が確立されると、帯電端子T1及び/又は集中素子タンク回路260の負荷インピーダンスZLを調整して、−d/2の複素深さの影像グラウンド平面(図3の130、又は図8の139)に対してプローブ構造を定在波共振に至らせることができる。この場合では、像グラウンド平面から見たインピーダンスは、ゼロのリアクタンスを有し、帯電端子T1上の電荷は、最大化される。
進行波現象と定在波現象との間の差異は、(1)長さdの伝送線の区間(「遅延線」と呼ばれることもある)上の進行波の位相遅延(θ=βd)は、伝搬時間遅延に起因するのに対して、(2)定在波(前方及び後方に伝搬する波からなる)の位置依存性の位相は、線長さの伝搬時間遅延及び異なる特性インピーダンスの線区間の間の境界面でのインピーダンス遷移の両方に依存することである。正弦波定常状態で動作する伝送線の区間の物理的長さに起因して発生する位相遅延に加えて、Zoa/Zobの比に起因するインピーダンス不連続点での追加の反射係数位相が存在する。式中、Zoa及びZobは、例えば、特性インピーダンスZoa=Zc(図9B)のヘリカルコイル区間の区間及び特性インピーダンスZob=Zw(図9B)の垂直給電線導体の直線区間などの、伝送線の2つの区間の特性インピーダンスである。
この現象の結果として、大いに異なる特性インピーダンスの2つの相対的に短い伝送線区間を使用して、非常に大きな位相シフトを提供することができる。例えば、合わせて合計、例えば、0.05λの物理的長さになる伝送線の2つの区間、低インピーダンスの1つ及び高インピーダンスの1つからなるプローブ構造を作製して、0.25λ共振と等価な90°の位相シフトを提供することができる。これは、特性インピーダンスの大きなジャンプに起因する。この方法で、物理的に短いプローブ構造を、2つの物理的長さを組み合わせたより電気的に長くすることができる。これを、インピーダンス比の不連続点が位相の大きなジャンプを提供する図9A及び9Bに示す。区間が一体に接合されたインピーダンスの不連続点は、実質的な位相シフトを提供する。
図10を参照して、損失性導電媒体203(図3)の表面に沿った誘導表面進行波を送出する、損失性導電媒体の表面上の誘導表面導波モードに実質的にモード整合するように、誘導表面導波プローブ200(図3及び図7)を調整する例を示す流れ図150を示す。153で開始して、誘導表面導波プローブ200の帯電端子T1は、損失性導電媒体203の上の定義された高さに配置される。損失性導電媒体203の特性及び誘導表面導波プローブ200の動作周波数を利用して、ハンケル交差距離はまた、図4により示すように−jγρに対する式(20b)及び(21)の大きさを等しくして、Rxについて解くことにより見出すことができる。複素屈折率(n)は、式(41)を使用して決定することができ、次に、複素ブルースター角(θi,B)は、式(42)から決定することができる。次に、帯電端子T1の物理的高さ(hp)は、式(44)から決定することができる。帯電端子T1は、ハンケル関数の遠方成分を励起するために、物理的高さ(hp)以上でなければならない。この高さの関係は、表面波を送出するときに最初に考慮される。帯電端子T1上の拘束電荷を低減又は最小化するために、高さは、少なくとも帯電端子T1の球直径(又は等価な球体直径)の4倍でなければならない。
156で、帯電端子T1上の持ち上げられた電荷Q1の電気的位相遅延Φは、複素ウェーブチルト角Ψに整合される。ヘリカルコイルの位相遅延(θc)及び/又は垂直給電線導体の位相遅延(θy)は、Φをウェーブチルト(W)の角度(Ψ)に等しくするように調整することができる。式(31)に基づいて、ウェーブチルトの角度(Ψ)は、以下の式から決定することができる。
次に、電気的位相Φは、ウェーブチルトの角度に整合することができる。この角度(又は位相)の関係は、表面波を送出するときに次に考慮される。例えば、電気的位相遅延Φ=θc+θyは、コイル215(図7)の幾何学的パラメータ及び/又は垂直給電線導体221(図7)の長さ(又は高さ)を変更することにより調整することができる。Φ=Ψに整合することにより、境界界面で複素ブルースター角を有するハンケル交差距離(Rx)以上で電界を確立して、表面導波モードを励起して損失性導電媒体203に沿って進行波を送出することができる。
次に159で、帯電端子T1の負荷インピーダンスは、誘導表面導波プローブ200の等価影像平面モデルを共振させるように調整される。図9A及び9Bの導電性影像グラウンド平面139(又は図3の130)の深さ(d/2)は、式(52)、(53)及び(54)、並びに測定することができる損失性導電媒体203(例えば、地球)の値を使用して決定することができる。その深さを使用して、像グラウンド平面139と損失性導電媒体203の物理的境界136との間の位相シフト(θd)は、θd=βod/2を使用して決定することができる。次に、損失性導電媒体203を「見下ろして」見たようなインピーダンス(Zin)は、式(65)を使用して決定することができる。この共振関係は、送出される表面波を最大化すると考えることができる。
コイル215の調整されたパラメータ及び垂直給電線導体221の長さに基づいて、式(45)〜(51)を用いて、速度係数、位相遅延、並びにコイル215及び垂直給電線導体221のインピーダンスを決定することができる。加えて、帯電端子T1の自己容量(CT)は、例えば、式(24)を使用して決定することができる。コイル215の伝搬係数(βp)は、式(35)を使用して決定することができ、垂直給電線導体221に対する伝搬位相定数(βw)は、式(49)を使用して決定することができる。コイル215及び垂直給電線導体221の自己容量及び決定された値を用いて、式(62)、(63)及び(64)を使用して、コイル215を「見上げて」見た誘導表面導波プローブ200のインピーダンス(Zbase)を決定することができる。
Zbaseのリアクタンス成分XbaseがZinのリアクタンス成分Xinを相殺する、又はXbase+Xin=0であるように負荷インピーダンスZLを調整することにより、誘導表面導波プローブ200の等価影像平面モデルを共振するよう整調することができる。したがって、誘導表面導波プローブ200を「見上げた」物理的境界136でのインピーダンスは、損失性導電媒体203を「見下ろした」物理的境界136でのインピーダンスの共役である。負荷インピーダンスZLは、帯電端子T1の電気的位相遅延(Φ=θc+θy)を変更することなく帯電端子T1の静電容量CTを変更することにより、調整することができる。反復的手法を採用して、導電性影像グラウンド平面139(又は130)に対する等価影像平面モデルの共振のために負荷インピーダンスZLを整調することができる。この方法で、損失性導電媒体203(例えば、地球)の表面に沿った誘導表面導波モードへの電界の結合を、向上及び/又は最大化することができる。
これは、数値例を有する状況を例示することにより、より良好に理解することができる。帯電端子T1を上部に有する物理的高さhpの上部装荷垂直スタブを含む誘導表面導波プローブ200を考える。帯電端子T1は、1.85MHzの動作周波数(fo)でヘリカルコイル及び垂直給電線導体により励起される。16フィートの高さ(H1)、並びにεr=15の比誘電率及びσ1=0.010mhos/mの導電率を有する損失性導電媒体203(例えば、地球)を用いて、いくつかの表面波伝搬パラメータを、fo=1.850MHzに対して計算することができる。これらの条件下で、ハンケル交差距離は、hp=5.5フィートの物理的高さでRx=54.5フィートであることを見出すことができ、これは、帯電端子T1の実際の高さより相当低い。H1=5.5フィートの帯電端子高さを使用することができたが、より高いプローブ構造は、拘束された静電容量を低減して、帯電端子T1上のより大きな割合の自由電荷を可能にし、より大きな電界強度及び進行波の励起を提供した。
波長は、以下の式のように決定することができる。
式中、cは光速である。複素屈折率は、以下の式である。
これは式(41)から得られ、式中、x=σ1/ωεoであり、ω=2πfoである。複素ブルースター角は、以下の式である。
これは式(42)から得られる。式(66)を使用して、ウェーブチルト値は、以下の式として決定することができる。
したがって、ヘリカルコイルは、Φ=Ψ=40.614°に整合するように調整することができる。
垂直給電線導体(0.27インチの直径を有する均一な円筒状の導体として近似される)の速度係数は、Vw≒0.93として得ることができる。hp≪λoであるため、垂直給電線導体に対する伝搬位相定数は、以下の式のように近似することができる。
式(49)から、垂直給電線導体の位相遅延は、以下の式である。
θc=28.974°=40.614°−11.640°であるようにヘリカルコイルの位相遅延を調整することにより、Φは、Ψに等しいことになり、誘導表面導波モードに整合する。ΦとΨとの間の関係を示すために、図11は、周波数の範囲にわたる両方のグラフを示す。Φ及びΨの両方が周波数依存であるため、それらの対応する曲線が約1.85MHzで互いに交差することがわかる。
0.0881インチの導体直径、30インチのコイル直径(D)、及び4インチの巻きの間の間隔(s)を有するヘリカルコイルに対して、コイルに対する速度係数は、式(45)を使用して、以下の式のように決定することができる。
式(35)からの伝搬係数は、以下の式である。
θc=28.974°で、ソレノイドコイルの軸方向長さ(H)は、式(46)を使用して、以下の式のように決定することができる。
この高さは、垂直給電線導体が接続されるヘリカルコイル上の位置を決定し、結果として、8.818巻(N=H/s)のコイルとなる。
コイル及び垂直給電線導体の進行波位相遅延をウェーブチルト角(Φ=θc+θy=Ψ)に整合するように調整して、帯電端子T1の負荷インピーダンス(ZL)を、誘導表面波プローブ200の等価影像平面モデルの定在波共振に調整することができる。測定された地球の誘電率、導電率、及び透磁率から、放射伝搬定数は、式(57)を使用して決定することができる。
導電性影像グラウンド平面の複素深さは、式(52)から、以下の式のように近似することができる。
導電性影像グラウンド平面と地球の物理的境界との間の対応する位相シフトは、以下の式により得られる。
式(65)を使用して、損失性導電媒体203(すなわち、地球)を「見下ろして」見たインピーダンスは、以下の式のように決定することができる。
損失性導電媒体203を「見下ろして」見たリアクタンス成分(Xin)を誘導表面波プローブ200を「見上げて」見たリアクタンス成分(Xbase)と整合することにより、誘導表面導波モードへの結合を最大化することができる。これは、コイル及び垂直給電線導体の進行波の位相遅延を変更することなく帯電端子T1の静電容量を調整することにより、実現することができる。例えば、帯電端子の静電容量(CT)を61.8126pFに調整することにより、式(62)からの負荷インピーダンスは、以下の式となる。
そして境界でのリアクタンス成分は整合される。
式(51)を使用して、垂直給電線導体(0.27インチの直径(2a)を有する)のインピーダンスは、以下の式のように得られる。
垂直給電線導体を「見上げて」見たインピーダンスは、式(63)により、以下の式のように得られる。
式(47)を使用して、ヘリカルコイルの特性インピーダンスは、以下の式のように得られる。
コイルを「見上げて」見たインピーダンスは、式(64)により、以下の式のように得られる。
式(79)の解と比較すると、リアクタンス成分が反対かつおおよそ等しく、したがって、互いの共役であることを理解することができる。したがって、完全導電性影像グラウンド平面から図9A及び9Bの等価影像平面モデルを「見上げて」見たインピーダンス(Zip)は、抵抗のみ、又はZip=R+j0である。
誘導表面導波プローブ200(図3)によって生成される電界が、給電ネットワークの進行波の位相遅延をウェーブチルト角に整合することにより確立され、かつプローブ構造が複素深さz=−d/2の完全導電性影像グラウンド平面に対して共振されるとき、電界は、損失性導電媒体上の表面上の誘導表面導波モードに実質的にモード整合され、誘導表面進行波が損失性導電媒体の表面に沿って送出される。図1に示すように、誘導電磁界の誘導電界強度曲線103は、
の特徴的な指数関数的減衰を有し、両対数目盛上で独特の屈曲部109を呈する。
要約すれば、解析的に及び実験的にの両方で、誘導表面導波プローブ200の構造上の進行波成分は、表面進行波のウェーブチルトの角度(Ψ)に整合(Φ=Ψ)する、その上部端子での位相遅延(Φ)を有する。この条件下で、表面導波路は、「モード整合」していると考えることができる。更に、誘導表面導波プローブ200の構造上の共振定在波成分は、帯電端子T1でVMAXを有し、損失性導電媒体203の物理的境界136(図8B)での接続部ではなく、Zip=Rip+j0の複素深さでz=−d/2である下の影像平面139(図8B)でVMINを有する。最後に、帯電端子T1は、複素ブルースター角で損失性導電媒体203に入射する電磁波が
の項が優位である距離(≧Rx)で入射するように、図3の十分な高さH1(h≧RxtanΨi,B)である。無線伝送及び/又は電力供給系に役立つように、1つ以上の誘導表面導波プローブと共に、受信回路を用いることができる。
図3に戻って、誘導表面導波プローブ200の動作は、誘導表面導波プローブ200に関連付けられた動作条件の変化に対して調整するように制御することができる。例えば、適応プローブ制御システム230を使用して、誘導表面導波プローブ200の動作を制御するように、給電ネットワーク209及び/又は帯電端子T1を制御することができる。動作条件としては、損失性導電媒体203の特性(例えば、導電率σ及び比誘電率εr)の変化、電界強度の変化、及び/又は誘導表面導波プローブ200の負荷の変化を挙げることができるが、これらに限定されない。式(31)、(41)及び(42)から理解することができるように、屈折率(n)、複素ブルースター角(θi,B)、及びウェーブチルト(|W|ejΨ)は、例えば、気象条件から結果として生じる土の導電率及び誘電率の変化により影響を受けることがある。
例えば、導電率測定プローブ、誘電率センサ、グラウンド・パラメータ計、電界計、電流モニタ、及び/又は負荷受信器などの装置を使用して、動作条件の変化をモニタして、適応プローブ制御システム230に現在の動作条件に関する情報を提供することができる。次に、プローブ制御システム230は、誘導表面導波プローブ200に1つ以上の調整を行って、誘導表面導波プローブ200に対する指定された動作条件を維持することができる。例えば、湿度及び温度が変化すると、土の導電率もまた、変化することになる。導電率測定プローブ及び/又は誘電率センサは、誘導表面導波プローブ200の周囲の複数の位置に配置することができる。一般的に、動作周波数に対するハンケル交差距離Rx又はその付近の導電率及び/又は誘電率をモニタすることが望ましいであろう。導電率測定プローブ及び/又は誘電率センサは、誘導表面導波プローブ200の周囲の複数の位置(例えば、それぞれの象限内の)に配置することができる。
導電率測定プローブ及び/又は誘電率センサは、周期的に導電率及び/又は誘電率を評価して、その情報をプローブ制御システム230に通信するように構成することができる。この情報は、LAN、WLAN、セルラーネットワーク、又は他の適切な有線又は無線通信ネットワークなどだがこれらに限定されない、ネットワークを介してプローブ制御システム230に通信することができる。モニタした導電率及び/又は誘電率に基づいて、プローブ制御システム230は、屈折率(n)、複素ブルースター角(θi,B)、及び/又はウェーブチルト(|W|ejΨ)の変化を評価し、誘導表面導波プローブ200を調整して、ウェーブチルト角(Ψ)に等しい給電ネットワーク209の位相遅延(Φ)を維持する、かつ/又は誘導表面導波プローブ200の等価影像平面モデルの共振を維持することができる。これは、例えば、θy、θc、及び/又はCTを調整することにより、実現することができる。例えば、プローブ制御システム230は、帯電端子T1の自己容量、及び/又は帯電端子T1に適用される位相遅延(θy、θc)を調整して、誘導表面波の電気的送出効率をその最大又は最大付近に維持することができる。例えば、帯電端子T1の自己容量は、端子のサイズを変更することにより、変更することができる。電荷分布もまた、帯電端子T1のサイズを増大させることにより向上することができ、これにより、帯電端子T1からの放電の可能性を低減することができる。他の実施形態では、帯電端子T1は、負荷インピーダンスZLを変更するように調整することができる、可変インダクタンスを含むことができる。コイル215(図7)上のタップ位置を変更することにより、及び/又はコイル215に沿った複数の既定のタップを含んで、送出効率を最大化するように異なる既定のタップ位置の間で切換えることにより、帯電端子T1に適用される位相を調整することができる。
電界計又は電界強度(field strength)(FS)計もまた、誘導表面導波プローブ200回りに分布させて、誘導表面波に関連付けられた電界の電界強度を測定することができる。電界計又はFS計は、電界強度及び/又は電界強度(例えば、電界の強度)の変化を検出して、その情報をプローブ制御システム230に通信するように構成することができる。この情報は、LAN、WLAN、セルラーネットワーク、又は他の適切な通信ネットワークなどだがこれらに限定されない、ネットワークを介してプローブ制御システム230に通信することができる。動作中に負荷及び/又は環境条件が変化する又は異なると、誘導表面導波プローブ200を調整して、FS計の位置での指定された電界強度(単数又は複数)を維持し、供給している受信器及び負荷への適切な送電を確実にすることができる。
例えば、帯電端子T1に適用される位相遅延(Φ=θy+θc)を調整して、ウェーブチルト角(Ψ)に整合することができる。1つ又は両方の位相遅延を調整することにより、誘導表面導波プローブ200を調整して、ウェーブチルトが複素ブルースター角に対応することを確実にすることができる。これは、コイル215(図7)上のタップ位置を調整して帯電端子T1に供給される位相遅延を変更することにより実現することができる。帯電端子T1に供給される電圧レベルもまた、電界強度を調整するために増大又は減少させることができる。これは、励起源212の出力電圧を調整することにより、又は給電ネットワーク209を調整若しくは再構成することにより、実現することができる。例えば、AC源212に対するタップ227(図7)の位置を調整して、帯電端子T1から見た電圧を増大させることができる。電界強度レベルを既定の範囲内に維持することにより、受信器による結合を向上し、グラウンド電流損失を低減して、他の誘導表面導波プローブ200からの伝送との干渉を回避することができる。
プローブ制御システム230は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアによって実行されるソフトウェア、又はそれらの組合せで実装することができる。例えば、プローブ制御システム230は、当業者によって理解され得るように、共に例えば付随する制御/アドレスバスを有するデータバスなどのローカルインターフェースに結合することができるプロセッサ及びメモリを含む、処理回路を含むことができる。プローブ制御のアプリケーションは、モニタされた条件に基づいて誘導表面導波プローブ200の動作を調整するように、プロセッサによって実行することができる。プローブ制御システム230はまた、様々なモニタ装置と通信するための1つ以上のネットワークインターフェースを含むことができる。通信は、LAN、WLAN、セルラーネットワーク、又は他の適切な通信ネットワークなどだがこれらに限定されない、ネットワークを介することができる。プローブ制御システム230は、例えば、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、又は同様な能力を有する他のシステムなどのコンピュータシステムを備えることができる。
図5Aの例に戻って、ハンケル交差距離(Rx)で複素ブルースター角(θi,B)を有する帯電端子T1の入射電界(E)の光線光学の解釈に関する複素角三角法を示す。損失性導電媒体に対して、ブルースター角は、複素数であり、式(38)により規定されることを思い出されたい。電気的に、幾何学的パラメータは、帯電端子T1の電気的実効高(heff)によって、式(39)により関連付けられる。物理的高さ(hp)及びハンケル交差距離(Rx)の両方が実数量であるため、ハンケル交差距離での所望の誘導表面ウェーブチルト(WRx)の角度は、複素実効高(heff)の位相(Φ)に等しい。帯電端子T1を物理的高さhpに配置して、適切な位相Φを有する電荷で励起して、結果として生じる電界は、ハンケル交差距離Rxで、かつブルースター角で、損失性導電媒体の境界界面に入射する。これらの条件下で、反射なしに又は実質的に無視できる反射で、誘導表面導波モードを励起することができる。
しかし、式(39)は、誘導表面導波プローブ200の物理的高さが相対的に低くてよいことを意味する。これが誘導表面導波モードを励起することになるが、これは、結果としてほとんど自由電荷を有さないで過度に大きな拘束電荷となる。補償するために、帯電端子T1を適切な高度に上げて、自由電荷の量を増大することができる。1つの例示的な経験則として、帯電端子T1は、帯電端子T1の実効直径の約4〜5倍(又はそれより大きい)の高度に配置することができる。図6は、図5Aに示す物理的高さ(hp)の上に帯電端子T1を上げることの効果を示す。増大した高度は、ウェーブチルトが損失性導電媒体に入射する距離をハンケル交差点121(図5A)を越えて移動させる。誘導表面導波モードでの結合を向上し、したがって、誘導表面波のより大きな送出効率を提供するために、より小さな補償端子T2を使用して、ハンケル交差距離でのウェーブチルトがブルースター角にあるように、帯電端子T1の全実効高(hTE)を調整することができる。
図12を参照して、損失性導電媒体203によって提示された平面に垂直な垂直軸zに沿って配置された持ち上げられた帯電端子T1及び下側補償端子T2を含む、誘導表面導波プローブ200cの例を示す。これに関して、帯電端子T1は、補償端子T2の真上に配置されているが、2つ以上の帯電端子及び/又は補償端子TNのなんらかの他の配置を使用することができることが可能である。誘導表面導波プローブ200cは、本開示の実施形態に従って、損失性導電媒体203の上に配置される。損失性導電媒体203は、領域1を構成し、領域2を構成する第2の媒体206は、損失性導電媒体203と境界界面を共有する。
誘導表面導波プローブ200cは、励起源212を帯電端子T1及び補償端子T2に結合する給電ネットワーク209を含む。各種実施形態によれば、電荷Q1及びQ2を、任意の所与の時点に端子T1及びT2に印加される電圧に依存して、対応する帯電端子及び補償端子T1及びT2に課すことができる。I1は、端子リードを介して帯電端子T1上の電荷Q1を供給する誘導電流であり、I2は、端子リードを介して補償端子T2上の電荷Q2を供給する誘導電流である。
図12の実施形態によれば、帯電端子T1は、物理的高さH1で損失性導電媒体203の上に配置され、補償端子T2は、物理的高さH2で垂直軸zに沿ってT1の真下に配置され、H2は、H1未満である。伝送構造の高さhは、h=H1−H2として計算することができる。帯電端子T1は、絶縁(又は自己)静電容量C1を有し、補償端子T2は、絶縁(又は自己)静電容量C2を有する。相互静電容量CMもまた、端子T1とT2との間に、その間の距離に依存して存在し得る。動作中、電荷Q1及びQ2が、任意の所与の時点に帯電端子T1及び補償端子T2に印加される電圧に依存して、それぞれ帯電端子T1及び補償端子T2上に課される。
次に図13を参照して、図12の帯電端子T1上の持ち上げられた電荷Q1及び補償端子T2により生成される効果の光線光学の解釈を示す。線163により示すように光線がハンケル交差点121より大きな距離でブルースター角で損失性導電媒体と交差する高さに持ち上げた帯電端子T1と共に、補償端子T2を使用して、増大した高さを補償することにより、hTEを調整することができる。補償端子T2の効果は、線166により示すようにハンケル交差距離でのウェーブチルトがブルースター角にあるように、誘導表面導波プローブの電気的実効高を低減する(又は損失性媒体の境界面を効果的に上げる)ことである。
全実効高は、帯電端子T1に関連付けられた上側実効高(hUE)及び補償端子T2に関連付けられた下側実効高(hLE)の重ね合わせとして、以下の式のように書くことができる。
式中、ΦUは、上側帯電端子T1に適用される位相遅延であり、ΦLは、下側補償端子T2に適用される位相遅延であり、β=2π/λpは、式(35)からの伝搬係数であり、hpは、帯電端子T1の物理的高さであり、hdは、補償端子T2の物理的高さである。追加のリード長さを考慮する場合、それらは、帯電端子リード長さzを帯電端子T1の物理的高さhpに、及び補償端子リード長さyを補償端子T2の物理的高さhdに加えることにより、以下の式に示すように考慮することができる。
より低い実効高を使用して、全実効高(hTE)を調整し、図5Aの複素実効高(heff)に等しくすることができる。
式(85)又は(86)を使用して、ハンケル交差距離での所望のウェーブチルトを得るために、補償端子T2の物理的高さ、及び端子に給電する位相角度を決定することができる。例えば、式(86)は、補償端子高さ(hd)の関数としての帯電端子T1に適用される位相シフトとして書き換えることができ、以下の式が得られる。
補償端子T2の位置を決定するために、上述した関係を利用することができる。最初に、全実効高(hTE)は、式(86)で表現されるように、上側帯電端子T1の複素実効高(hUE)及び下側補償端子T2の複素実効高(hLE)の重ね合わせである。次に、入射角の正接は、幾何学的に以下の式のように表現することができる。
これは、ウェーブチルトWの定義に等しい。最後に、所望のハンケル交差距離Rxであるとして、hTEを調整して、入射光線のウェーブチルトをハンケル交差点121で複素ブルースター角に整合させることができる。これは、hp、ΦU、及び/又はhdを調整することにより、実現することができる。
これらの概念は、誘導表面導波プローブの例の文脈で説明すると、より良好に理解することができる。図14を参照して、損失性導電媒体203によって提示された平面に実質的に垂直な垂直軸zに沿って配置された上側帯電端子T1(例えば、高さhTの球)及び下側補償端子T2(例えば、高さhdの円盤)を含む、誘導表面導波プローブ200dの例の模式図を示す。動作中、電荷Q1及びQ2が、任意の所与の時点に端子T1及びT2に印加される電圧に依存して、それぞれ帯電端子T1及び補償端子T2上に課される。
AC源212は、例えば、ヘリカルコイルなどのコイル215を含む給電ネットワーク209を介して誘導表面導波プローブ200dに結合される帯電端子T1に対する励起源として機能する。AC源212は、図14に示すようにタップ227を介してコイル215の下側部分にわたって接続することができる、又は一次コイルを介してコイル215に誘導結合することができる。コイル215は、第1の端部でグラウンド杭218に、及び第2の端部で帯電端子T1に結合することができる。いくつかの実装形態では、帯電端子T1への接続は、コイル215の第2の端部でタップ224を使用して調整することができる。補償端子T2は、損失性導電媒体203(例えば、グラウンド又は地球)の上に、かつそれに実質的に平行に配置され、コイル215に結合されたタップ233を介して励振される。コイル215とグラウンド杭218との間に配置された電流計236を使用して、誘導表面導波プローブの底部での電流フロー(Io)の大きさのインジケーションを提供することができる。あるいは、電流クランプをグラウンド杭218に結合された導体の周囲に使用して、電流フロー(Io)の大きさのインジケーションを得ることができる。
図14の例では、コイル215は、第1の端部でグラウンド杭218に、及び垂直給電線導体221を介して第2の端部で帯電端子T1に結合される。いくつかの実装形態では、帯電端子T1への接続は、図14に示すように、コイル215の第2の端部でタップ224を使用して調整することができる。コイル215は、コイル215の下側部分のタップ227を介してAC源212によって、動作周波数で励振することができる。他の実装形態では、AC源212は、一次コイルを介してコイル215に誘導結合することができる。補償端子T2は、コイル215に結合されたタップ233を介して励振される。コイル215とグラウンド杭218との間に配置された電流計236を使用して、誘導表面導波プローブ200dの底部での電流フローの大きさのインジケーションを提供することができる。あるいは、電流クランプをグラウンド杭218に結合された導体の周囲に使用して、電流フローの大きさのインジケーションを得ることができる。補償端子T2は、損失性導電媒体203(例えば、グラウンド)の上方に、かつそれに実質的に平行に配置される。
図14の例では、帯電端子T1への接続は、補償端子T2用のタップ233の接続点の上のコイル215上に配置される。そのような調整により、増大した電圧(したがってより高い電荷Q1)を上側帯電端子T1に印加することができる。他の実施形態では、帯電端子T1及び補償端子T2用の接続点は、反転することができる。誘導表面導波プローブ200dの合計実効高(hTE)を調整して、ハンケル交差距離Rxで誘導表面ウェーブチルトを有する電界を励起することが可能である。ハンケル交差距離もまた、図4により示すように、−jγρに対する式(20b)及び(21)の大きさを等しくして、Rxについて解くことにより、見出すことができる。屈折率(n)、複素ブルースター角(θi,B及びΨi,B)、ウェーブチルト(|W|ejΨ)、及び複素実効高(heff=hpejΦ)は、式(41)〜(44)に関して上述したように決定することができる。
選択された帯電端子T1の構成を用いて、球体直径(又は実効球体直径)を決定することができる。例えば、帯電端子T1が球として構成されない場合、端子構成は、実効球体直径を有する球形のキャパシタンスとしてモデル化することができる。帯電端子T1のサイズは、端子に課される電荷Q1のための十分大きな表面を提供するように選択することができる。一般的に、帯電端子T1を実用的な限り大きくすることが望ましい。帯電端子T1のサイズは、結果として帯電端子周囲の放電又はスパークとなり得る周辺の空気のイオン化を回避するために、十分大きくすべきである。帯電端子T1上の拘束電荷の量を低減するために、誘導表面波を送出するために帯電端子T1上に自由電荷を提供するための所望の高度は、少なくとも損失性導電媒体(例えば、地球)の上の実効球体直径の4〜5倍でなければならない。補償端子T2を使用して、誘導表面導波プローブ200dの合計実効高(hTE)を調整し、Rxで誘導表面ウェーブチルトを有する電界を励起することができる。補償端子T2は、hd=hT−hpで帯電端子T1の下に配置することができ、式中、hTは、帯電端子T1の全物理的高さである。補償端子T2の位置を固定し、かつ位相遅延ΦUを上側帯電端子T1に適用して、下側補償端子T2に適用される位相遅延ΦLは、式(86)の関係を使用して、以下の式のように決定することができる。
代替の実施形態では、補償端子T2は、高さhdに配置することができ、ここで、Im{ΦL}=0である。これを、図15Aにグラフで示し、この図は、ΦUの虚部及び実部のグラフ、それぞれ172及び175を示す。補償端子T2は、高さhdに配置され、ここで、グラフ172で図示するようにIm{ΦU}=0である。この固定した高さで、コイルの位相ΦUは、グラフ175で図示するようにRe{ΦU}から決定することができる。
AC源212をコイル215に結合して(例えば、結合を最大化するように50Ω点で)、動作周波数でのコイルの少なくとも一部分との補償端子T2の並列共振のためにタップ233の位置を調整することができる。図15Bは、図14の概略電気接続の回路図を示し、V1は、タップ227を介してAC源212からコイル215の下側部分に印加される電圧であり、V2は、上側帯電端子T1に供給されるタップ224での電圧であり、V3は、タップ233を介して下側補償端子T2に印加される電圧である。抵抗Rp及びRdは、それぞれ帯電端子T1及び補償端子T2のグラウンド帰路抵抗を表す。帯電端子T1及び補償端子T2は、球、円筒、トロイド、リング、フード、又は容量構造の任意の他の組合せとして構成することができる。帯電端子T1及び補償端子T2のサイズは、端子に課される電荷Q1及びQ2のための十分大きな表面を提供するように選択することができる。一般的に、帯電端子T1を実用的な限り大きくすることが望ましい。帯電端子T1のサイズは、結果として帯電端子周囲の放電又はスパークとなり得る周辺の空気のイオン化を回避するために、十分大きくすべきである。帯電及び補償端子T1及びT2それぞれの自己容量Cp及びCdは、例えば、式(24)を使用して決定することができる。
図15Bで理解することができるように、共振回路は、コイル215のインダクタンスの少なくとも一部分、補償端子T2の自己容量Cd、及び補償端子T2に関連付けられたグラウンド帰路抵抗Rdにより形成される。並列共振は、Cdを調整するために、補償端子T2に印加される電圧V3を調整することにより(例えば、コイル215上のタップ233の位置を調整することにより)、又は補償端子T2の高さ及び/又はサイズを調整することにより、確立することができる。コイルタップ233の位置を並列共振のために調整することができ、これにより、グラウンド杭218及び電流計236を通るグラウンド電流が最大点に到達することになる。補償端子T2の並列共振が確立された後で、AC源212用のタップ227に対するタップ227の位置を、コイル215上の50Ω点に調整することができる。
コイル215からの電圧V2を帯電端子T1に印加することができ、全実効高(hTE)の位相(Φ)がハンケル交差距離(Rx)での誘導表面ウェーブチルト(WRx)の角度におおよそ等しいように、タップ224の位置を調整することができる。コイルのタップ224の位置は、この動作点に到達するまで調整することができ、この結果として、電流計236を通るグラウンド電流が最大に増大することになる。この時点で、誘導表面導波プローブ200dによって励起された結果として生じる電界が、損失性導電媒体203の表面上の誘導表面導波モードに実質的にモード整合しており、損失性導電媒体203の表面に沿った誘導表面波の送出をもたらす。これは、誘導表面導波プローブ200から延びる放射に沿って電界強度を測定することにより、検証することができる。
補償端子T2を含む回路の共振は、帯電端子T1の取り付け、及び/又はタップ224を介して帯電端子T1に印加される電圧の調整で変化することがある。共振のために補償端子回路を調整することは、帯電端子の接続のその後の調整を助成するが、ハンケル交差距離(Rx)での誘導表面ウェーブチルト(WRx)を確立することが必要ではない。システムは、更に調整して、AC源212に対するタップ227の位置をコイル215上の50Ω点となるように繰り返して調整し、電流計236を介してグラウンド電流を最大化するようにタップ233の位置を調整することにより、結合を向上することができる。補償端子T2を含む回路の共振は、タップ227及び233の位置が調整されると、又は他の構成要素がコイル215に取り付けられると、ドリフトすることがある。
他の実装形態では、コイル215からの電圧V2を帯電端子T1に印加することができ、全実効高(hTE)の位相(Φ)がRxでの誘導表面ウェーブチルトの角度(Ψ)におおよそ等しいように、タップ233の位置を調整することができる。コイルのタップ224の位置は、動作点に到達するまで調整することができ、結果として、電流計236を通るグラウンド電流が実質的に最大に到達することになる。結果として生じる電界は、損失性導電媒体203の表面上の誘導表面導波モードに実質的にモード整合しており、損失性導電媒体203の表面に沿って誘導表面波が送出される。これは、誘導表面導波プローブ200から延びる径方向に沿って電界強度を測定することにより、検証することができる。システムは、更に調整して、AC源212に対するタップ227の位置をコイル215上の50Ω点となるように繰り返して調整し、電流計236を介してグラウンド電流を最大化するようにタップ224及び/又は233の位置を調整することにより、結合を向上することができる。
図12に戻って、誘導表面導波プローブ200の動作は、誘導表面導波プローブ200に関連付けられた動作条件の変化に対して調整するように制御することができる。例えば、プローブ制御システム230を使用して、誘導表面導波プローブ200の動作を制御するように、給電ネットワーク209及び/又は帯電端子T1及び/又は補償端子T2の位置を制御することができる。動作条件としては、損失性導電媒体203の特性(例えば、導電率σ及び比誘電率εr)の変化、電界強度の変化、及び/又は誘導表面導波プローブ200の負荷の変化を挙げることができるが、これらに限定されない。式(41)〜(44)から理解することができるように、屈折率(n)、複素ブルースター角(θi,B及びΨi,B)、ウェーブチルト(|W|ejΨ)、及び複素実効高(heff=hpejΦ)は、例えば、気象条件から結果として生じる土の導電率及び誘電率の変化により影響を受けることがある。
例えば、導電率測定プローブ、誘電率センサ、グラウンド・パラメータ・メータ、電界計、電流モニタ、及び/又は負荷受信器などの装置を使用して、動作条件の変化をモニタして、プローブ制御システム230に現在の動作条件に関する情報を提供することができる。次に、プローブ制御システム230は、誘導表面導波プローブ200に1つ以上の調整を行って、誘導表面導波プローブ200に対する指定された動作条件を維持することができる。例えば、湿度及び温度が変化すると、土の導電率もまた、変化することになる。導電率測定プローブ及び/又は誘電率センサは、誘導表面導波プローブ200の周囲の複数の位置に配置することができる。一般的に、動作周波数に対するハンケル交差距離Rx又はその付近の導電率及び/又は誘電率をモニタすることが望ましいであろう。導電率測定プローブ及び/又は誘電率センサは、誘導表面導波プローブ200の周囲の複数の位置(例えば、それぞれの象限内の)に配置することができる。
次に図16を参照して、垂直軸zに沿って配置された帯電端子T1及び帯電端子T2を含む誘導表面導波プローブ200eの例を示す。誘導表面導波プローブ200eは、領域1を構成する損失性導電媒体203の上に配置される。加えて、第2の媒体206は、損失性導電媒体203と境界界面を共有し、領域2を構成する。帯電端子T1及びT2は、損失性導電媒体203の上に配置される。帯電端子T1は、物理的高さH1に配置され、帯電端子T2は、高さH2で垂直軸zに沿ってT1の真下に配置され、H2は、H1未満である。誘導表面導波プローブ200eによって提示された伝送構造の高さhは、h=H1−H2である。誘導表面導波プローブ200eは、励起源212を帯電端子T1及びT2に結合する給電ネットワーク209を含む。
帯電端子T1及び/又はT2は、実用的に可能な限り多くの電荷を保持するサイズにすることができる、電荷を保持することができる導体塊を含む。帯電端子T1は、自己容量C1を有し、帯電端子T2は、自己容量C2を有し、これらは、例えば、式(24)を使用して決定することができる。帯電端子T2の真上の帯電端子T1の配置によって、帯電端子T1とT2との間に、相互静電容量CMが生成される。帯電端子T1及びT2は、同一である必要はなく、それぞれが、別個のサイズ及び形状を有することができ、異なる導電材料を含むことができることに留意されたい。最終的に、誘導表面導波プローブ200eによって送出される誘導表面波の電界強度は、端子T1上の電荷の量に正比例する。次に、電荷Q1は、Q1=C1Vであるため、帯電端子T1に関連付けられた自己容量C1に比例し、式中、Vは、帯電端子T1に課される電圧である。
既定の動作周波数で動作するように適切に調整されると、誘導表面導波プローブ200eは、損失性導電媒体203の表面に沿った誘導表面波を生成する。励起源212は、構造を励起するように誘導表面導波プローブ200eに印加される既定の周波数の電気エネルギを生成することができる。誘導表面導波プローブ200eによって生成された電磁界が損失性導電媒体203に実質的にモード整合されると、電磁界は、ほとんど又は全く反射しないことになる複素ブルースター角で入射する波面を実質的に合成する。したがって、表面導波プローブ200eは、放射波を生成しないが、損失性導電媒体203の表面に沿った誘導表面進行波を送出する。励起源212からのエネルギは、Zenneck表面電流として誘導表面導波プローブ200eの実効伝送範囲内に配置された1つ以上の受信器に送信することができる。
損失性導電媒体203の表面上の放射Zenneck表面電流Jρ(ρ)の漸近線を近接でJ1(ρ)かつ遠方でJ2(ρ)となるように、以下の式のように決定することができる。
式中、I1は、第1の帯電端子T1上の電荷Q1を供給する誘導電流であり、I2は、第2の帯電端子T2上の電荷Q2を供給する誘導電流である。上側帯電端子T1上の電荷Q1は、Q1=C1V1により決定され、式中、C1は、帯電端子T1の絶縁静電容量である。Leontovich境界条件に従い、第1の帯電端子上の持ち上げられた振動する電荷Q1の準静的電界により注入された損失性導電媒体203内の放射電流寄与である、J1により得られる上述した
に対する第3の成分が存在することに留意されたい。量Zρ=jωμo/γeは、損失性導電媒体の放射インピーダンスであり、式中、γe=(jωμ1σ1−ω2μ1ε1)1/2である。
式(90)及び(91)によって説明したような近接及び遠方の放射電流を表す漸近線は、複素量である。各種実施形態によれば、物理的表面電流J(ρ)は、大きさ及び位相が電流漸近線に可能な限り近いように整合するように合成される。すなわち、近接で、|J(ρ)|は、|J1|に対して接線となることになり、遠方で、|J(ρ)|は、|J2|に対して接線となることになる。また、各種実施形態によれば、J(ρ)の位相は、近接のJ1の位相から遠方のJ2の位相に遷移しなければならない。
誘導表面波を送出するように伝送の場所で誘導表面波モードに整合するために、遠方の表面電流|J2|の位相は、|J1|に対応する伝搬位相に約45度又は225度の定数を加えただけ、近接の表面電流e−jβ(ρ2−ρ1)の位相とは異ならなければならない。これは、
に対して、π/4付近に1つ及び5π/4付近に1つの、2つの根が存在するためである。適切に調整された合成放射表面電流は、以下の式である。
これは式(17)と一致していることに留意されたい。マクスウェル方程式により、そのようなJ(ρ)の表面電流は、自動的に、以下の式に従う電界を生成する。
したがって、整合されることになる誘導表面波モードに対する遠方の表面電流|J2|と近接の表面電流|J1|との間の位相の差は、式(1)〜(3)と一致する式(93)〜(95)のハンケル関数の特性に起因する。式(1)〜(6)及び(17)並びに式(92)〜(95)によって表現される電界は、地上波の伝搬に関連付けられた放射電磁界ではなく、損失性の境界面に拘束された伝送線モードの性質を有することを認識することは重要である。
所与の位置での誘導表面導波プローブ200eの所与の設計に対して適切な電圧の大きさ及び位相を得るために、反復的手法を使用することができる。具体的には、生成される放射表面電流密度を決定するために、端子T1及びT2への給電電流、帯電端子T1及びT2上の電荷、並びに損失性導電媒体203内のそれらの影像を考慮して、誘導表面導波プローブ200eの所与の励起及び構成の分析を実行することができる。このプロセスは、所望のパラメータに基づいて所与の誘導表面導波プローブ200eに対する最適な構成及び励起が決定されるまで、繰り返して実行することができる。所与の誘導表面導波プローブ200eが最適なレベルで動作しているか否かを判定することを助成するために、誘導表面導波プローブ200eの位置での領域1(σ1)の導電率及び領域1(ε1)の誘電率に関する値に基づいて式(1)〜(12)を使用して、誘導電界強度曲線103(図1)を生成することができる。そのような誘導電界強度曲線103は、測定された電界強度を誘導電界強度曲線103により示される大きさと比較して、最適な伝送が実現されているか否かを判定することができるように、動作に対する基準を提供することができる。
最適化された条件に到達するために、誘導表面導波プローブ200eに関連付けられた様々なパラメータを調整することができる。誘導表面導波プローブ200eを調整するために変更することができる1つのパラメータは、損失性導電媒体203の表面に対する帯電端子T1及び/又はT2のうちの1つ又は両方の高さである。加えて、帯電端子T1とT2との間の距離又は間隔もまた、調整することができる。そのようにすることで、理解することができるように、帯電端子T1及びT2と損失性導電媒体203との間の相互静電容量CM又はなんらかの拘束電荷を最小化する又は別の方法で変更することができる。それぞれの帯電端子T1及び/又はT2のサイズもまた、調整することができる。帯電端子T1及び/又はT2のサイズを変更することにより、理解することができるように、対応する自己容量C1及び/又はC2、並びに相互静電容量CMを変更することになる。
また更に、調整することができる別のパラメータは、誘導表面導波プローブ200eに関連付けられた給電ネットワーク209である。これは、給電ネットワーク209を構成する誘導リアクタンス及び/又は容量リアクタンスのサイズを調整することにより、実現することができる。例えば、そのような誘導リアクタンスがコイルを含む場合、そのようなコイル上の巻数を調整することができる。最終的に、給電ネットワーク209に対する調整を行って、給電ネットワーク209の電気長を変更し、それによって、帯電端子T1及びT2上の電圧の大きさ及び位相に影響を及ぼすことができる。
理解することができるように、様々な調整を行うことにより実行される伝送の反復は、コンピュータモデルを使用することにより、又は物理的構造を調整することにより、実施することができることを留意されたい。上述の調整を行うことにより、上述した式(90)及び(91)で規定される誘導表面波モードの同じ電流J1を近似する、対応する「近接」表面電流J2及び「遠方」表面電流J(ρ)を生成することができる。そうすることにより、結果として生じる電磁界は、損失性導電媒体203の表面上の誘導表面波モードに実質的に又は近似的にモード整合されることになる。
図16の例に示されていないが、誘導表面導波プローブ200eの動作は、誘導表面導波プローブ200に関連付けられた動作条件の変化に対して調整するように制御することができる。例えば、図12に示すプローブ制御システム230を使用して、誘導表面導波プローブ200eの動作を制御するように、給電ネットワーク209並びに/又は帯電端子T1及び/若しくはT2の位置及び/若しくはサイズを制御することができる。動作条件としては、損失性導電媒体203の特性(例えば、導電率σ及び比誘電率εr)の変化、電界強度の変化、及び/又は誘導表面導波プローブ200eの負荷の変化を挙げることができるが、これらに限定されない。
ここで図17を参照して、誘導表面導波プローブ200fと本明細書で表記される、図16の誘導表面導波プローブ200eの例を示す。誘導表面導波プローブ200fは、損失性導電媒体203(例えば、地球)によって提示される平面に実質的に垂直な垂直軸zに沿って配置された帯電端子T1及びT2を含む。第2の媒体206は、損失性導電媒体203の上にある。帯電端子T1は、自己容量C1を有し、帯電端子T2は、自己容量C2を有する。動作中、電荷Q1及びQ2が、任意の所与の時点に帯電端子T1及びT2に印加される電圧に依存して、それぞれ帯電端子T1及びT2上に課される。相互静電容量CMが、帯電端子T1とT2との間に、その間の距離に依存して存在し得る。加えて、拘束された静電容量は、損失性導電媒体203に対するそれぞれの帯電端子T1及びT2の高さに依存して、それぞれの帯電端子T1及びT2と損失性導電媒体203との間に存在し得る。
誘導表面導波プローブ200fは、帯電端子T1及びT2の対応する1つに結合された1対のリードを有するコイルL1aを含む誘導インピーダンスを含む給電ネットワーク209を含む。一実施形態では、コイルL1aは、誘導表面導波プローブ200fの動作周波数での波長の半分(1/2)の電気長を有するように規定される。
コイルL1aの電気長は、動作周波数での波長の約半分(1/2)として規定されるが、コイルL1aは、他の値での電気長で規定することができることが理解される。一実施形態によれば、コイルL1aが動作周波数での波長の約半分の電気長を有するという事実は、帯電端子T1及びT2上に最大電圧差が生成されるという利点を提供する。にもかかわらず、コイルL1aの長さ又は直径は、誘導表面波モードの最適な励起を得るように誘導表面導波プローブ200fを調整するときに、増大又は減少することができる。コイル長さの調整は、コイルの1つ又は両方の端部に配置されたタップにより提供することができる。他の実施形態では、誘導インピーダンスが、誘導表面導波プローブ200fの動作周波数での波長の1/2より著しく小さい又は大きい電気長を有するように規定される場合があり得る。
励起源212は、磁気結合によって給電ネットワーク209に結合することができる。具体的には、励起源212は、コイルL1aに誘導結合されたコイルLPに結合される。これは、理解することができるように、リンク結合、タップ付きコイル、可変リアクタンス、又は他の結合手法により行うことができる。このために、理解することができるように、コイルLPは、一次コイルとして機能し、コイルL1aは、二次コイルとして機能する。
所望の誘導表面波の伝送のために誘導表面導波プローブ200fを調整するために、それぞれの帯電端子T1及びT2の高さを、損失性導電媒体203に対して、及び互いに対して、変更することができる。また、帯電端子T1及びT2のサイズを変更することができる。加えて、巻きを追加若しくは除去することにより、又はコイルL1aのなんらかの他の寸法を変更することにより、コイルL1aのサイズを変更することができる。コイルL1aはまた、図17に示すように、電気長を調整するための1つ以上のタップを含むことができる。帯電端子T1又はT2のいずれかに接続されたタップの位置もまた、調整することができる。
次に図18A、18B、18C、及び図19を参照して、無線電力供給システムに表面誘導波を使用するための、一般化した受信回路の例を示す。図18A及び18B〜18Cは、それぞれ、線形プローブ303及び同調共振器306を含む。図19は、本開示の各種実施形態に係る、磁気コイル309である。各種実施形態によれば、線形プローブ303、同調共振器306、及び磁気コイル309のうちのそれぞれ1つを用いて、各種実施形態による損失性導電媒体203の表面上の誘導表面波の形態で伝送された電力を受信することができる。上述したように、一実施形態では、損失性導電媒体203は、テレストリアル媒体(又は地球)を含む。
具体的に図18Aを参照して、線状プローブ303の出力端子312での開回路端子電圧は、線状プローブ303の実効高に依存する。このために、端子点の電圧は、以下の式のように計算することができる。
式中、Eincは、1メートル当たりのボルトでの線状プローブ303上に誘導された入射電界の強度であり、dlは、線状プローブ303の方向に沿った積分の要素であり、heは、線状プローブ303の実効高である。電気的負荷315は、インピーダンス整合ネットワーク318を介して出力端子312に結合される。
線状プローブ303が上述したように誘導表面波を受けるとき、場合によって、共役インピーダンス整合ネットワーク318を介して電気的負荷315に印加することができる電圧が、出力端子312にわたって生じる。電気的負荷315への電力の流れを促進するために、後述するように、電気的負荷315は、線状プローブ303に実質的にインピーダンス整合されていなければならない。
図18Bを参照して、誘導表面波のウェーブチルトに等しい位相シフトを保有する、グラウンド電流で励起されるコイル306aは、損失性導電媒体203の上に持ち上げられた(又はつり下げられた)帯電端子TRを含む。帯電端子TRは、自己容量CRを有する。加えて、損失性導電媒体203の上の帯電端子TRの高さに依存して、帯電端子TRと損失性導電媒体203との間に、拘束された静電容量(図示せず)もまた存在する。拘束された静電容量は、好ましくは実行可能な限り最小化されなければならないが、これは、すべての場合において全面的に必要でなくてもよい。
同調共振器306aはまた、位相シフトΦを有するコイルLRを含む受信器ネットワークを含む。コイルLRの1つの端部は、帯電端子TRに結合され、コイルLRの他方の端部は、損失性導電媒体203に結合される。受信器ネットワークは、コイルLRを帯電端子TRに結合する垂直供給線導体を含むことができる。このために、コイルLR(同調共振器LR−CRと呼ばれる場合もある)は、帯電端子CR及びコイルLRが直列に配置されるとき、直列調整された共振器を含む。構造の位相ΦがウェーブチルトΨの角度と実質的に等しくなるように、帯電端子TRのサイズ及び/又は高さを変更すること、及び/又はコイルLRのサイズを調整することにより、コイルLRの位相遅延を調整することができる。垂直供給線の位相遅延もまた、例えば、導体の長さを変更することにより、調整することができる。
例えば、自己容量CRにより提示されるリアクタンスは、1/jωCRとして計算される。理解することができるように、構造306aの合計静電容量はまた、帯電端子TRと損失性導電媒体203との間の静電容量を含むことができ、構造306aの合計静電容量は、自己容量CR及び任意の拘束された静電容量の両方から計算することができることに留意されたい。一実施形態によれば、帯電端子TRは、なんらかの拘束された静電容量を実質的に低減又は除去するような高さに上げることができる。拘束された静電容量の存在は、上述したように帯電端子TRと損失性導電媒体203との間の静電容量の測定値から判定することができる。
別個の要素のコイルLRにより提示される誘導リアクタンスは、jωLとして計算することができ、式中、Lは、コイルLRの集中素子インダクタンスである。コイルLRが分布素子である場合、その等価な端子点の誘導リアクタンスは、従来の手法によって決定することができる。構造306aを整調するために、動作周波数での表面導波路に対するモード整合の目的のため位相遅延がウェーブチルトに等しいように、調整することになる。この条件下で、受信構造は、表面導波路に「モード整合」していると考えることができる。電力を負荷に結合するために、プローブと電気的負荷327との間に、構造周囲の変圧器リンク及び/又はインピーダンス整合ネットワーク324を挿入することができる。プローブ端子321と電気的負荷327との間にインピーダンス整合ネットワーク324を挿入することにより、電気的負荷327への最大電力伝送のための共役整合条件に影響を及ぼすことができる。
動作周波数での表面電流の存在下に置かれた場合、電力は、表面誘導波から電気的負荷327に送出されることになる。このために、磁気結合、容量結合、又は導電(直接タップ)結合により、構造306aに電気的負荷327を結合することができる。結合ネットワークの素子は、理解することができるように、集中素子又は分布素子とすることができる。
図18Bに示す実施形態では、磁気結合が用いられており、トランス一次コイルとして機能するコイルLRに対する二次コイルとして、コイルLSが配置されている。理解することができるように、コイルLSは、同じコア構造の周囲に幾何学的に巻いて、結合した磁束を調整することにより、コイルLRにリンク結合することができる。加えて、受信構造306aは直列に同調共振器を含むが、並列に同調共振器、又は適切な位相遅延の分布素子共振器もまた、使用することができる。
電磁界に浸漬された受信構造は、電界からのエネルギを結合することができるが、偏波整合した構造は、結合を最大化することにより、最も良好に機能し、導波モードへのプローブ結合に関する従来の規則を遵守しなければならないことを理解することができる。例えば、TE20(横電気モード)導波プローブは、TE20モードで励起された従来の導波路からエネルギを抽出するために最適にすることができる。同様に、これらの場合では、モード整合及び位相整合した受信構造は、表面誘導波からの電力を結合するために最適化することができる。損失性導電媒体203の表面上の誘導表面導波プローブ200によって励起された誘導表面波は、開放導波路の導波モードと考えることができる。導波路損失を除いて、ソースエネルギは、完全に回収することができる。有用な受信構造は、電界(E−field)結合、磁界(H−field)結合、又は表面電流で励起することができる。
受信構造を調整して、受信構造の近傍の損失性導電媒体203の局所的な特性に基づいて、誘導表面波との結合を増大又は最大化することができる。これを実現するために、受信構造の位相遅延(Φ)を調整して、受信構造での表面進行波のウェーブチルトの角度(Ψ)を整合することができる。適切に構成された場合、受信構造は、次に、複素深さz=−d/2での完全導電性影像グラウンド平面に対する共振のために同調することができる。
例えば、コイルLR及びコイルLRと帯電端子TRとの間に接続された垂直供給線を含む、図18Bの同調共振器306aを含む受信構造を考えてみる。帯電端子TRを損失性導電媒体203の上の定義された高さに配置して、コイルLR及び垂直供給線の合計位相シフトΦは、同調共振器306aの位置でのウェーブチルトの角度(Ψ)に整合することができる。式(22)から、ウェーブチルトは、漸近的に以下の式になることを理解することができる。
式中、εrは、比誘電率を含み、σ1は、受信構造の位置での損失性導電媒体203の導電率であり、εoは、自由空間の誘電率であり、ω=2πfであり、fは、励起の周波数である。したがって、ウェーブチルト角(Ψ)は、式(97)から決定することができる。
同調共振器306aの全位相シフト(Φ=θc+θy)は、コイルLRによる位相遅延(θc)及び垂直供給線の位相遅延(θy)の両方を含む。垂直供給線の長さlwに沿った空間位相遅延は、θy=βwlwにより得ることができ、式中、βwは、垂直供給線導体に対する伝搬位相定数である。コイル(又はヘリカル遅延線)に起因する位相遅延は、θc=βplCであり、式中、lCは、物理的長さであり、以下の式は、伝搬係数である。
式中、Vfは、構造上の速度係数であり、λ0は、供給される周波数での波長であり、λpは、速度係数Vfから結果として生じる伝搬波長である。位相遅延(θc+θy)の1つ又は両方を調整して、位相シフトΦをウェーブチルトの角度(Ψ)に整合することができる。例えば、図18BのコイルLR上のタップ位置を調整して、合計位相シフトをウェーブチルト角に整合する(Φ=Ψ)ようにコイルの位相遅延(θc)を調整することができる。例えば、コイルの一部分を、図18Bに示すようにタップ接続により回避することができる。垂直供給線導体はまた、タップを介してコイルLRに接続することができ、コイル上のその位置を調整して、合計位相シフトをウェーブチルトの角度に整合することができる。
同調共振器306aの位相遅延(Φ)が調整されたら、次に、帯電端子TRのインピーダンスを調整して、複素深さz=−d/2での完全導電性影像グラウンド平面に対して共振するよう同調することができる。これは、コイルLR及び垂直供給線の進行波の位相遅延を変更することなく帯電端子T1の静電容量を調整することにより、実現することができる。この調整は、図9A及び9Bに関して説明したものと同様である。
複素影像平面に対する損失性導電媒体203を「見下ろして」見たインピーダンスは、以下の式により得られる。
式中、
である。地球の上の垂直に偏波したソースに対して、複素影像平面の深さは、以下の式により得られる。
式中、μ1は、損失性導電媒体203の透磁率であり、ε1=εrεoである。
同調共振器306aの底部で、受信構造を「見上げて」見たインピーダンスは、図9Aに示すようにZ↑=Zbaseである。以下の式の端子インピーダンスで、
(式中、CRは、帯電端子TRの自己容量である)、同調共振器306aの垂直供給線導体を「見上げて」見たインピーダンスは、以下の式により得られる。
同調共振器306aのコイルLRを「見上げて」見たインピーダンスは、以下の式により得られる。
損失性導電媒体203を「見下ろして」見たリアクタンス成分(Xin)を同調共振器306aを「見上げて」見たリアクタンス成分(Xbase)と整合することにより、誘導表面導波モードへの結合を最大化することができる。
次に図18Cを参照して、受信構造の上部に帯電端子TRを含まない同調共振器306bの例を示す。この実施形態では、同調共振器306bは、コイルLRと帯電端子TRとの間に結合された垂直供給線を含まない。したがって、同調共振器306bの合計位相シフト(Φ)は、コイルLRを介した位相遅延(θc)のみを含む。図18Bの同調共振器306aと同様に、コイルの位相遅延θcを調整して、式(97)から決定されたウェーブチルトの角度(Ψ)を整合することができ、これにより、結果としてΦ=Ψとなる。表面導波モードに結合された受信構造を用いて電力抽出が可能であるが、受信構造を調整して、帯電端子TRによって提供される可変リアクタンス負荷なしに誘導表面波との結合を最大化することは困難である。
図18Dを参照して、受信構造を調整して、損失性導電媒体203の表面上の誘導表面導波モードに実質的にモード整合する例を示す流れ図180を示す。181で開始して、受信構造が(図18Bの同調共振器306aの)帯電端子TRを含む場合、184で、帯電端子TRは、損失性導電媒体203の上の定義された高さに配置される。誘導表面導波プローブ200によって表面誘導波が確立されたら、帯電端子TRの物理的高さ(hp)は、実効高より低いものとすることができる。物理的高さを選択して、帯電端子TR上の拘束電荷を低減又は最小化することができる(例えば、帯電端子の球直径の4倍)。受信構造が(例えば、図18Cの同調共振器306bの)帯電端子TRを含まない場合、流れは、187に進む。
187で、受信構造の電気的位相遅延Φは、損失性導電媒体203の局所的な特性によって定義された複素ウェーブチルト角Ψに整合される。ヘリカルコイルの位相遅延(θc)及び/又は垂直供給線の位相遅延(θy)は、Φをウェーブチルト(W)の角度(Ψ)に等しくするように調整することができる。ウェーブチルトの角度(Ψ)は、式(86)から決定することができる。次に、電気的位相Φは、ウェーブチルトの角度に整合することができる。例えば、電気的位相遅延Φ=θc+θyは、コイルLRの幾何学的パラメータ及び/又は垂直供給線導体の長さ(又は高さ)を変更することにより調整することができる。
次に190で、帯電端子TRの負荷インピーダンスは、同調共振器306aの等価影像平面モデルを共振させるように同調させることができる。受信構造の下の導電性影像グラウンド平面139(図9A)の深さ(d/2)は、式(100)、及びローカルに測定することができる受信構造での損失性導電媒体203(例えば、地球)の値を使用して決定することができる。その複素深さを使用して、影像グラウンド平面139と損失性導電媒体203の物理的境界136(図9A)との間の位相シフト(θd)は、θd=βod/2を使用して決定することができる。次に、損失性導電媒体203を「見下ろして」見たようなインピーダンス(Zin)は、式(99)を使用して決定することができる。この共振関係は、誘導表面波との結合を最大化すると考えることができる。
コイルLRの調整されたパラメータ及び垂直供給線導体の長さに基づいて、速度係数、位相遅延、並びにコイルLR及び垂直供給線のインピーダンスを決定することができる。加えて、帯電端子TRの自己容量(CR)は、例えば、式(24)を使用して決定することができる。コイルLRの伝搬係数(βp)は、式(98)を使用して決定することができ、垂直供給線に対する伝搬位相定数(βw)は、式(49)を使用して決定することができる。コイルLR及び垂直供給線の自己容量及び決定された値を用いて、式(101)、(102)、及び(103)を使用して、コイルLRを「見上げて」見た同調共振器306のインピーダンス(Zbase)を決定することができる。
図9Aの等価影像平面モデルはまた、図18Bの同調共振器306aにも適用される。同調共振器306aを同調して、ZRのリアクタンス成分XbaseがZbaseのXinのリアクタンス成分を相殺する、又はZinであるように、帯電端子TRの負荷インピーダンスXbase+Xin=0を調整することにより、複素影像平面に対して共振させることができる。したがって、同調共振器306aのコイルを「見上げた」物理的境界136(図9A)でのインピーダンスは、損失性導電媒体203を「見下ろした」物理的境界136でのインピーダンスの共役である。負荷インピーダンスZRは、帯電端子TRから見た電気的位相遅延CRを変更することなく帯電端子TRの静電容量(Φ=θc+θy)を変更することにより、調整することができる。反復的手法を採用して、導電性影像グラウンド平面139に対する等価影像平面モデルの共振のために負荷インピーダンスZRを同調することができる。この方法で、損失性導電媒体203(例えば、地球)の表面に沿った誘導表面導波モードへの電界の結合を、向上及び/又は最大化することができる。
図19を参照して、磁気コイル309は、電気的負荷336にインピーダンス整合ネットワーク333を介して結合された受信回路を含む。誘導表面波からの電力の受信及び/又は抽出を促進するために、磁気コイル309は、誘導表面波の磁束Hφが磁気コイル309を通り、それによって、磁気コイル309内に電流を誘導して、その出力端子330で端子点電圧を生成するように、配置することができる。単一の巻きのコイルに結合された誘導表面波の磁束は、以下の式により表現される。
式中、Fは、結合した磁束であり、μrは、磁気コイル309のコアの実効比透磁率であり、μoは、自由空間の透磁率であり、
は、入射磁界強度ベクトルであり、
は、巻きの断面区間に垂直な単位ベクトルであり、ACSは、それぞれのループによって囲まれた区間である。磁気コイル309の断面区間にわたって均一な入射磁界への最大結合に向けたN巻きの磁気コイル309に対して、磁気コイル309の出力端子330で発生する開回路で誘導された電圧は、以下の式である。
式中、これらの変数は、上記で定義されている。磁気コイル309は、場合によって、分布した共振器として、又はその出力端子330にわたる外部コンデンサを有してのいずれかで、誘導表面波の周波数に同調して、次に、共役インピーダンス整合ネットワーク333を介して外部電気的負荷336にインピーダンス整合することができる。
磁気コイル309によって提示された結果として生じる回路及び電気的負荷336が適切に調整され、インピーダンス整合ネットワーク333を介して共役インピーダンス整合されることを仮定して、次に、磁気コイル309内に誘導された電流を用いて、電気的負荷336に最適に電力を供給することができる。磁気コイル309によって提示された受信回路は、グラウンドに物理的に接続する必要がないという利点を提供する。
図18A、図18B、図18C、及び図19を参照して、線状プローブ303、モード整合した構造306、及び磁気コイル309によって提示される受信回路はそれぞれ、上述した誘導表面導波プローブ200の実施形態のいずれか1つから送信された電力を受信することを促進する。このために、理解することができるように、受信したエネルギを使用して、共役整合ネットワークを介して電気的負荷315/327/336に電力を供給することができる。これは、放射された電磁界の形態で伝送されて受信器に受信することができる信号と対照的である。そのような信号は、非常に低い利用可能な電力を有し、そのような信号の受信器は、送信器に負荷を加えない。
線状プローブ303、モード整合した構造306、及び磁気コイル309によって提示される受信回路が、誘導表面導波プローブ200に適用される励起源212(図3、図12、及び図16)に負荷を加えることになり、それによって、そのような受信回路が受ける誘導表面波を生成することも、上述した誘導表面導波プローブ200を使用して生成される本誘導表面波の特性である。これは、上述した所与の誘導表面導波プローブ200によって生成される誘導表面波が伝送線モードを含むという事実を反映している。対照として、放射電磁波を生成する放射アンテナを駆動する電源は、用いられる受信器の数に関わらず、受信器によって負荷を加えられない。
したがって、1つ以上の誘導表面導波プローブ200、並びに線状プローブ303、同調したモード整合した構造306、及び/又は磁気コイル309の形態の1つ以上の受信回路は、合わせて、無線分配システムを構成することができる。上述したような誘導表面導波プローブ200を使用した誘導表面波の伝送の距離が周波数に依存することを考えると、広いエリアにわたって、かつグローバルにでも、無線電力分配を実現することが可能である。
今日幅広く研究された従来の無線送電/分配系は、放射電磁界からの「環境発電(energy harvesting)」、及び誘導又はリアクタンス性の近接場に結合するセンサをも含む。対照的に、本無線電力系は、遮断されない場合には永久に失われる放射の形態で電力を浪費しない。また、本開示の無線電力系は、従来の相互リアクタンス結合した近接場系と同様の非常に短い範囲に限定されない。本明細書で開示する無線電力系は、新規の表面誘導伝送線モードにプローブ結合し、これは、導波路により負荷に、又は遠方の発電機に直接結線された負荷に、電力を送出することと等価である。60Hzでの従来の高圧電力線における伝送損失に対して、非常に低周波数では小さな、伝送電界強度を維持するのに必要とされる電力に加えて表面導波路内で消散する電力を考慮しないで、発電機の電力のすべては、所望の電気的負荷のみに行く。電気的負荷の需要が終了すると、ソースの発電は、相対的に空いている。
図20〜図28は、誘導表面導波プローブの構築及び/又は支持のための例示的な実施形態を示す。図20〜図28に示す実施形態は、網羅的ではなく、代替の実施形態が可能である。図示した実施形態は、構築することができる誘導表面導波プローブのタイプのインジケーションを提供するために提示される。
最初に図20で、第1の誘導表面導波プローブ400を示す。図に示すように、プローブ400は、概して、細長い垂直支持体404の上端部に搭載された帯電端子402を備える。帯電端子402及びその支持体404の構造並びに寸法は、誘導表面導波プローブ400の動作特性に依存する。それらの動作特性に依存して、帯電端子402は、その直径の数倍の高度に支持することができる。
図20に示す例では、帯電端子402は、球形構造を含む。構造の球形形状に到達するために、帯電端子402は、測地線に従った短い支柱で構築され、三角形又は他の多角形の開いたフレーム構造を形成するジオデシックドームとして形成することができる。フレーム構造は、ガラス繊維、木材、プラスチック、又は本明細書で説明する他の絶縁材料などの、絶縁材料から構築することができ、次に、帯電端子402は、導電材料でカバーして、導電性外面406を形成することができる。導電性外面406を使用して、本明細書で説明するような誘導表面波を送出するための電荷を蓄積することができる。
各種実施形態では、帯電端子402の支持(例えば、内側又は内部)構造は、金属、木材、プラスチック、ガラス繊維、複合材料又は他の材料、及びそれらの組合せなどの、任意の好適な材料から形成することができる。導電性外面406もまた、グラウンドの上に持ち上げられた距離で電荷を保持又は蓄積することができる任意の好適な材料から形成することができる。導電性外面406は、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、鋼などの、導電性金属材料で製造することができる。金属材料が適切であり得るが、任意の好適な導電材料を使用することができる。
帯電端子402は、球形の形状に形成する必要はない。他の帯電端子は、円筒、矩形、立方体、ピラミッド形、トロイド状、若しくは他の形状、又はそれらの組合せに形成することができる。更に、帯電端子は、3つの空間次元すべてにおいて著しい空間を占める必要はない。代わりに、他の帯電端子は、1つの次元に相対的に平坦(すなわち、著しい空間を占めない)だが、他の次元により大きい範囲に延びることができる。これの1つの例は、円盤又はリングであろう。更に、帯電端子は、空間を囲む必要はない。そのような帯電端子の1つの例は、湾曲した縁部を有するパラボラアンテナであろう。その場合では、パラボラアンテナの側面は、丸みをつける又は湾曲させ、鋭い角又は縁部を除去して、特に高電圧でのコロナ放電の可能性を低減することができる。本明細書で説明する他の構造は、同様な理由のため、鋭い縁部又は角の数を低減するように形成することができる。
垂直支持体404は、グラウンドなどの損失性導電媒体410から上に延びる、したがって、損失性導電媒体410の表面412から所望の距離に帯電端子402を支持する、中実又は中空の柱408として具現化することができる。支持体404は、ポリマー材料又は強化ポリマー材料(例えば、ガラス繊維又はポリ塩化ビニル)などの、好適な非導電材料で製造することができる。使用することができる他の材料としては、木材、ガラス、煉瓦、セラミックなどが挙げられる。支持体404(及び本明細書で説明する他の同様な支持体)はまた、舌及び溝の接続又は他の接続を有する相互連結煉瓦などの、相互連結構造を用いて形成することができる。煉瓦は、粘土、泥岩、ガラス、砂、他の絶縁材料、及びそれらの組合せから形成することができる。
図21A及び図21Bは、別の誘導表面導波プローブ420を示す。プローブ420は、図20の帯電端子402と同様な帯電端子422を含む。しかし、単一の細長い垂直支持体によって支持される代わりに、帯電端子422は、細長い複数の垂直支持体424によって支持される。この例では、それぞれ帯電端子422の中心から及び互いに等しく(又は実質的に等しく)間隔を空けた、4つの支持体424が存在する。他の実施形態では、より多くの又はより少ない数の支持体424を使用することができる。支持体424は、図20の支持体404に関して上述した材料と同様な材料から具現化することができる。図21A及び図21Bの実施形態におけるように複数の垂直支持体が存在するとき、X字筋違又はトラスを使用して、支持体を補強する。そのようなX字筋違の例は、更に詳細に後述する。
図22A及び図22Bは、複数の支持体を有する誘導表面導波プローブ460の別の実施形態を示す。この実施形態では、プローブ460は、概してピラミッド形状の支持構造を形成するように、損失性導電媒体468の表面466から帯電端子462に向かって内向きに斜めに延びる細長い複数の斜め支持体464によって支持された帯電端子462を備える。支持体464は、図20の支持体404に関して上述した材料と同様な材料から具現化することができる。そのような4つの支持体464を図22A及び図22Bに示すが、より多くの又はより少ない数の支持体464を使用することができる。
垂直支持体を組み込んだ実施形態と同様に、斜め支持体を有する誘導表面導波プローブの実施形態もまた、X字筋違又はトラスを組み込むことができる。これの例を図23A及び図23Bに示す。これらの図は、損失性導電媒体488の表面486の上に複数の斜め支持体490によって支持された帯電端子482を備える誘導表面導波プローブ480を示す。更に、水平横材492が、支持体490の間に延びて、構造的補強を提供する。支持体490と同様に、横材492は、非導電性であり、例えば、強化ポリマー材料で製造することができる。
図24Aは、別の誘導表面導波プローブ500を示す。プローブ500は、損失性導電媒体510の表面508から上に延びる単一の細長い垂直支持体504によって支持された帯電端子502を含む。しかし、この実施形態では、支持体504は、柱の上部から延びて損失性導電媒体510内に固定された複数の張力をかけた線512で補強される。これらの線512は、「ガイワイヤ」と呼ばれることがあるが、金属ワイヤなどの導電材料でできていない。いくつかの実施形態では、非導電性の線512は、高強度マルチフィラメントケーブル、ナイロン、又は他のそのような材料などの、高強度ポリマー材料でできている。
図24Bは、支持体504が省略された誘導表面導波プローブ500に関する変形を示す。図24Bの場合では、帯電端子502は、軽航空機520によって持ち上げられる。軽航空機520は、熱風、ヘリウム、又は水素などの浮揚用気体で充填して、帯電端子502の重量を支持することができる。図24Bでは、軽航空機520は、線512と同様なワイヤを使用して帯電端子502に機械的に締結されて、帯電端子502を持ち上げる。同時に、線512をつなぎ綱として使用して、帯電端子502を損失性導電媒体510の表面508から離れて上がらないように保持することができる。
上述したように、誘導表面導波プローブは、好適な励起源によって励振することができるコイル(又はコイルの組合せ)を含む。コイルが構造的に頑強である場合では、それを使用して、帯電端子を支持することができる。図25及び図26は、ヘリカルコイルが損失性導電媒体の上の帯電端子用の支持体の一部を形成する誘導表面導波プローブを示す。最初に図25では、誘導表面導波プローブ540は、損失性導電媒体548の表面546の上に細長い垂直支持体544によって支持された帯電端子542を備える。この実施形態では、支持体544は、損失性導電媒体548によって支持された導電ヘリカルコイル550、及び帯電端子542を直接支持するようにコイルの上部から上向きに延びる非導電性柱552を含む。したがって、コイル550は、柱552及び帯電端子542の重量を支持する。
コイル550は、他のサイズの中でも1/4、1/2、又は3/4インチの管などの、任意の好適な直径の導電管として具現化することができる。管は、例えば、銅などの任意の好適な金属材料から形成することができる。後述する他の実施形態では、コイル550は、導電材料のより小さい多数のコイル及び/又はらせんからなることができる。コイル550は、必要な場合、それに空気又は別の流体を通すことにより冷却することができる。更に他の実施形態では、コイル550は、ガラスで形成して、ネオン、アルゴン、ヘリウム、キセノン、又はクリプトンガスなどの希ガス、及び導電要素として使用される気体プラズマで充填することができる。
次に図26を参照して、別の誘導表面導波プローブ580を示す。プローブ580は、損失性導電媒体588の表面586の上に細長い垂直支持体584によって支持された帯電端子582を備える。再度、支持体584は、導電ヘリカルコイル590、及びコイルの上部から帯電端子582に上向きに延びる非導電性柱592を含む。しかし、この実施形態では、コイル590は、例えば、コンクリート又はポリマー材料を含む非導電性補強材594で補強される。いくつかの実施形態では、コイル590は、補強材594に完全に包まれることができる。加えて又は代わりに、コイル590は、酸化を防止するために、コーティングに包まれることができる。
図27に移って、図23Aのプローブ460に関する変形を示す。図27では、コイル区域602、604、及び606を含むセグメント化されたヘリカルコイルを示す。コイル区域602、604、及び606は、例えば、スペーサを使用して間隔を空けられ、水平横材492によって個別に支持される。3つのコイル区域602、604、及び606が図27に示されているが、任意の数のコイル区域を含めることができ、コイル区域は、帯電端子482に至りかつ近接して接近する様々な位置に固定することができる。
各種実施形態では、コイル区域602、604、及び606は、同じサイズとする、又は、互いの間でサイズ若しくは直径が異なることができる。個別のコイルのそれぞれのサイズは、プローブ480の設計詳細に依存して決定することができる。1つの場合では、コイル区域602は、直径が最大とすることができ、コイル区域604は、コイル区域602より直径が小さくすることができ、コイル区域606は、コイル区域604より直径が小さくすることができる。また、コイル区域602、604、及び606のそれぞれは、巻数、材料の組成、管の直径、及び他の要因が異なることができる。加えて、インピーダンス又はインピーダンスバンプを生成する様々な能動及び/又は受動回路要素を、コイル区域602、604、及び606のうちの1つ以上の間に挿入することができる。
図28に移って、図23Aのプローブ460に関する別の変形を示す。図27では、プローブは、少なくとも1つのらせんコイル区域610、及び1つ以上のヘリカルコイル又は同軸コイル区域612を有するコイルを含む。らせんコイル区域610の縁部は、丸めて、アーチ形又はコロナ放電を防止することができる。更に、らせんコイル区域610は、回路基板と同様に基板裏打ち上に形成して、構造的支持を提供することができる。本明細書で説明する他のコイルと同様に、らせんコイル区域610は、好適なコーティングで覆って酸化などを防止することができる。他の実施形態では、プローブ460は、多数のらせんコイルのみ、又はヘリカルコイル若しくは同軸コイルのみを含むことができる。それらのコイルは、プローブ460の任意の好適な高さ、位置、及び/又はレベルに水平横材492を使用して固定することができる。
上述したように、各種実施形態は、決して網羅的ではなく、代替の実施形態が可能である。例えば、帯電端子及び端子を支持するために使用される支持装置は、明示的に例示した実施形態の2つ以上の特徴を組み込む又は組み合わせる混成構造として形成することができる。そのような混成構造のすべては、本開示の範囲内に入ることが意図される。
上述した本開示の実施形態は、本開示の原理の明瞭な理解のために説明した実装形態の可能な例に過ぎないことを強調しなければならない。上述した実施形態(単数又は複数)に対して、本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、多くの変形及び改良を行うことができる。そのような改良及び変形のすべては、本開示の範囲内として本明細書に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることを意図している。加えて、説明した実施形態の任意選択のかつ好ましい特徴及び改良のすべて、並びに従属請求項は、本明細書で教示した本開示のすべての態様に利用可能である。更に、従属請求項の個別の特徴、並びに説明した実施形態の任意選択のかつ好ましい特徴及び改良のすべては、互いに組合せ可能かつ交換可能である。
Claims (27)
- 電磁界を生成するように構成された帯電端子と、
損失性導電媒体の上に前記帯電端子を支持する支持装置と、
を備える誘導表面導波プローブであって、
前記帯電端子によって生成された前記電磁界が、前記損失性導電媒体の複素ブルースター入射角(θi,B)で入射する波面を合成する、誘導表面導波プローブ。 - 前記支持装置が、垂直支持体を含む、請求項1に記載のプローブ。
- 前記垂直支持体が、非導電性垂直柱を含む、請求項2に記載のプローブ。
- 前記垂直柱が、ポリマー材料でできている、請求項3に記載のプローブ。
- 前記支持装置が、前記垂直柱を補強する非導電性の張力をかけた線を更に含む、請求項2に記載のプローブ。
- 前記張力をかけた線が、ポリマー材料でできている、請求項5に記載のプローブ。
- 前記支持装置が、複数の非導電性垂直支持体を含む、請求項1に記載のプローブ。
- 前記垂直支持体が、非導電性垂直柱を含む、請求項7に記載のプローブ。
- 前記垂直柱が、ポリマー材料でできている、請求項8に記載のプローブ。
- 前記支持装置が、前記柱の間に延びる非導電性横材を更に含む、請求項8に記載のプローブ。
- 前記横材が、ポリマー材料でできている、請求項10に記載のプローブ。
- 前記支持装置が、前記垂直柱と前記帯電端子との間に延びる非導電性の張力をかけた線を更に含む、請求項8に記載のプローブ。
- 前記張力をかけた線が、ポリマー材料でできている、請求項13に記載のプローブ。
- 前記支持装置が、複数の非導電性の斜め支持体を含む、請求項1に記載のプローブ。
- 前記斜め支持体が、非導電性の斜め柱を含む、請求項14に記載のプローブ。
- 前記斜め柱が、ポリマー材料でできている、請求項15に記載のプローブ。
- 前記支持装置が、前記柱の間に延びる非導電性横材を更に含む、請求項15に記載のプローブ。
- 前記横材が、ポリマー材料でできている、請求項17に記載のプローブ。
- 前記帯電端子に電気的に結合された給電ネットワークを更に備え、前記給電ネットワークが、前記誘導表面導波プローブの近傍の前記複素ブルースター入射角(θi,B)に関連付けられたウェーブチルト角(Ψ)に整合する位相遅延(φ)を提供する、請求項1に記載のプローブ。
- 前記給電ネットワークが、導電コイルを含み、前記支持装置が、垂直支持体を含み、前記支持体が、前記コイル及び前記コイルと前記帯電端子との間に延びる非導電性垂直柱を含む、請求項19に記載のプローブ。
- 前記垂直柱が、ポリマー材料でできている、請求項20に記載のプローブ。
- 前記垂直支持体を補強する非導電性の張力をかけた線を更に備える、請求項20に記載のプローブ。
- 前記張力をかけた線が、ポリマー材料でできている、請求項22に記載のプローブ。
- 前記導電コイルが、補強材に包まれた、請求項20に記載のプローブ。
- 前記補強材が、コンクリートを含む、請求項24に記載のプローブ。
- 前記導電コイルを前記帯電端子と電気的に結合する給電線コネクタを更に備える、請求項20に記載のプローブ。
- 前記導電コイルを前記損失性導電媒体に電気的に結合する杭を更に備える、請求項26に記載のプローブ。
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