簡単かつ明瞭に示すため、図は構造の一般的な態様を示し、周知の特徴及び技術の説明及び詳細は、ゴルフクラブ及びその製造方法を不必要に不明瞭にするのを防止するため、省略することがある。更に、図中の部材は、必ずしも縮尺に合わせて描かれてはいない。例えば、図中のいくつかの部材の寸法は、他の部材に対して誇張し、ゴルフクラブ及びその製造方法の実施形態が向上するのを支援する。異なる図における同じ参照番号は、同じ部材を示す。
明細書及び請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」等の用語は、存在する場合には、同様な部材の間を識別するために使用しており、必ずしも特定の順序または経時的順番を記述するものではない。そのように使用される用語は、本明細書に記載のゴルフクラブ及び製造方法の実施形態が、例えば、本明細書に説明されまたは記載された以外の順序で操作可能であるような適切な状況下において互いに交換可能であることが理解される。更に、「contain」、「include」及び「have」の用語及びその変化は、非排他的な包含を含むことを意図しており、部材のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもこれらの部材に制限されるものではなく、このようなプロセス、方法、物品または装置に明示的に表示されずまたは本来の他の部材を包含してもよい。
明細書及び請求の範囲に「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「側部」、「下」、「上」等の用語がある場合には、説明目的で使用するものであり、必ずしも永久的な相対位置を説明するものではない。このように使用される用語は、本明細書に記載のゴルフクラブ及び製造方法の実施形態が、例えば、本明細書に説明されまたは記載された以外の向きで操作可能であるような適切な状況下において互いに交換可能であることが理解される。本明細書で使用される「連結され」の用語は、物理的、機械的または他の方法で直接的または間接的に接続されることを規定する。
(実施形態の実施例の説明)
段付内側薄肉部を設けたゴルフクラブヘッドの種々の実施形態は、ボディを有するゴルフクラブヘッドを包含する。ボディは、打球面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンと、打球面から少なくともソールまたはクラウンの一方への内径移行領域とを有する。多くの実施形態では、内径移行領域はゴルフクラブヘッドの外側からは見えず、第1段と、第2段と、第1段及び第2段間の段移行領域とを有する。
段付内側薄肉部を設けたゴルフクラブヘッドの他の実施形態は、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブヘッドに連結されるシャフトとを有するゴルフクラブを包含する。ゴルフクラブヘッドは、打球面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンと、打球面から少なくともソールまたはクラウンの一方への内径移行領域とを有する。多くの実施形態では、内径移行領域はゴルフクラブヘッドの外側からは見えず、第1段と、第2段と、第1段及び第2段間の段移行領域とを有する。
段付内側薄肉部を設けたゴルフクラブヘッドの他の実施形態は、ゴルフクラブヘッドの製造方法を包含する。この方法は、ボディを準備することを包含する。ボディは、打球面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンとを有する。この方法は更に、打球面から少なくともソールまたはクラウンの一方への内径移行領域を準備することを包含する。内径移行領域は、ゴルフクラブヘッドの外部から見えず、第1段と、第2段と、第1段及び第2段間の段移行領域とを有する。多くの実施形態では、第1段は第1厚さを有し、第2段は第2厚さを有し、第2厚さは第1厚さよりも薄い。
種々の実施形態は、中空ボディを有するゴルフクラブヘッドを包含する。中空ボディは、打球面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンとを有する。多くの実施形態では、クラウンは、頂部レールを有する上部領域と、下部領域とを備える。いくつかの実施形態では、キャビティが、頂部レールの下に配置され、クラウンの下部領域の上に配置され、少なくとも一部はクラウンの上部領域と下部領域とで画定される。多くの実施形態では、キャビティは、頂部壁と、後壁と、底部傾斜部と、キャビティの頂部壁及び後壁間で測定されるバックキャビティ角度と、少なくとも1つのチャンネルとを有する。
いくつかの実施形態は、中空ボディのゴルフクラブと、中空ボディのゴルフクラブヘッドに連結されるシャフトとを有するゴルフクラブを備える。中空ボディのゴルフクラブヘッドは、打球面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンとを有する。多くの実施形態では、クラウンは、頂部レールを有する上部領域と、下部領域とを備える。いくつかの実施形態では、キャビティが、頂部レールの下に配置され、クラウンの下部領域の上に配置され、少なくとも一部はクラウンの上部領域と下部領域とで画定される。多くの実施形態では、キャビティは、頂部壁と、後壁と、底部傾斜部と、キャビティの頂部壁及び後壁間で測定されるバックキャビティ角度と、少なくとも1つのチャンネルとを有する。
他の実施形態は、ゴルフクラブヘッドを製造する方法を包含する。多くの実施形態では、方法は、ボディを準備することを包含する。ボディは、打球面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンとを有する。クラウンは、頂部レールを有する上部領域と、下部領域とを備える。いくつかの実施形態では、キャビティが、頂部レールの下で、クラウンの下部領域の上に配置され、少なくとも一部がクラウンの上部領域及び下部領域で画定される。多くの実施形態では、キャビティは、頂部壁と、頂部壁に隣接する後壁と、後壁に隣接する底部傾斜部と、キャビティの頂部壁及び後壁間で測定されるバックキャビティ角度と、少なくとも1つのチャンネルとを有する。
他の実施例及び実施形態が、本明細書に更に開示されている。このような実施例及び実施形態は、図面、請求の範囲及び/または本明細書から見出すことができる。
I.カスケードソールを有するゴルフクラブヘッド
図面に移ると、図1はゴルフクラブヘッド100の実施形態を示す。ゴルフクラブヘッド100は、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドとすることができる。例えば、ゴルフクラブヘッド100は、フェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッド、または、ドライバタイプのゴルフクラブヘッド、または、ハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッド、または、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドとすることができる。ゴルフクラブヘッド100は、ボディ101を有する。ボディ101は、打球面112と、ヒール領域102と、トウ領域104と、ソール106と、クラウン108とを有する。図1では、ボディ101は、更に、ソール106とクラウン108との間に延びるスカート110を有する。いくつかの実施形態では、ボディ101は、スカート110またはいずれのスカートも有していない。図18は、実施形態によるゴルフクラブ1800の前部斜視図を示す。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブ1800は、ゴルフクラブヘッド100とシャフト190とを有する。
いくつかの実施形態では、ボディ101は、ステンレス鋼、チタニウム、アルミニウム、合金鋼(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17−4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti7−4、Ti6−4、T−9S)、アルミニウム合金、または、複合材料を有することができる。いくつかの実施形態では、打球面112は、ステンレス鋼、チタニウム、アルミニウム、合金鋼(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17−4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti7−4、Ti6−4、T−9S)、アルミニウム合金、または、複合材料を有することができる。いくつかの実施形態では、ボディ101は、打球面112と同じ材料を有することができる。いくつかの実施形態では、ボディ101は、打球面112と異なる材料を有することができる。
図2は、1つの実施形態による図1の断面線II−IIに沿うゴルフクラブヘッド100の断面を示す。図2は、1つの実施形態による、打球面112からソール106への内径移行部210を示す。内径移行部210は、滑らかな移行部を有することができ、または、内径移行部210は、少なくとも2つの段若しくは厚さの高さを有するカスケードソールを有することができる。例えば、内径移行部210は、2,3,4,5,6または7つの段を有するカスケードソールを備えることができる。いくつかの実施形態では、内径移行部は、打球面112のより大きな曲げを提供することができる。いくつかの実施例では、打球面112の曲げまたは撓みの増大は、打球面112の撓みによりほぼ1%からほぼ3%多くのエネルギを許容することができる。
多くの実施形態では、内径移行部210は、ゴルフクラブヘッド100の外部から見ることができない。図2は、更に、打球面112からクラウン108への頂部内径移行部260を示す。いくつかの実施形態では、頂部内径移行部260は、滑らかな移行部を有することができ、一方、他の実施形態では、頂部内径移行部260は、少なくとも2つの段部または厚さの高さを有することができる。例えば、頂部内径移行部260は、2,3,4,5,6または7つの段または厚さの高さを有することができる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、内側ソール厚さ220を有することができる。内側ソール厚さ220は、内径移行部210の最も薄い厚さよりも厚くすることができる。多くの実施形態では、内側ソール厚さ220も、隣接する段または内径移行部210の最終段よりも厚い。いくつかの実施形態では、内側ソール厚さ220は、内径移行部210の全体よりも厚くすることができる。
いくつかの実施形態では、内径移行部210は、「Golf Club Heads with Weight Redistribution Channels and Related Methods」と題する米国特許第8,579,728号に記載のような、ソール前部分及び/または重量分散チャンネルと同様にすることができ、本特許は参照することにより本明細書に包含される。
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、打球面から、クラウン、ヒール、トウ、ソールまたはスカートの少なくとも1つに延びるカスケード移行領域、段付移行領域または内径移行部を有することができる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドの周囲の周縁を囲む、例えば打球面から、クラウン、トウ領域、ヒール領域及びソール領域のそれぞれに延びる段付移行領域リングである単一の連続した段付移行領域リングを有してもよい。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、クラウン及び/またはソールにのみ段付移行領域を有する。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、トウ領域及び/またはヒール領域にのみ段付移行領域を有する。他の実施例では、段付移行領域は、打球面からスカートにのみ配置される。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、打球面からクラウンのトウ領域、クランのヒール領域、ソールのトウ領域及び/またはソールのヒール領域に、分離または個別の段付移行領域を有する。
図3は、図1のゴルフクラブヘッドと同様な他の実施形態によるゴルフクラブヘッド300の内径移行部310の図を、図1の断面線II−IIと同様な断面線に沿って示す。図4は、図1のゴルフクラブヘッドと同様な他の実施形態によるゴルフクラブヘッド400の内径移行部410の図を、図1の断面線II−IIと同様な断面線に沿って示す。図5は、図1のゴルフクラブヘッドと同様な他の実施形態によるゴルフクラブヘッド500の内径移行部510の図を、図1の断面線II−IIと同様な断面線に沿って示す。
図3に示すように、内径移行部310は、内径移行部210(図2)と同様にすることができ、ゴルフクラブヘッド300はゴルフクラブヘッド100(図1及び2)と同様にすることができる。内径移行部310は、第1厚さを有する第1段315と、第2厚さを有する第2段317とを備える。多くの実施形態では、各段の厚さは、実質的に一定である。例えば、第1段315の第1厚さは、第1実質的一定厚を有し、第2段317の第2厚さは、第2実質的一定厚を有することができる。他の実施形態では、第1段315は、第1勾配を有することができ、第1段315の第1厚さは、打球面312に近接するほど厚く、段移行領域316に近接するほど薄い。段移行領域316は、第1段315の第1勾配よりも急傾斜の段勾配を有することができる。段移行領域316は、90度よりも小さな角度で直線状に傾斜し、第1段315から第2段317に移行することができる。他の実施形態では、段移行領域316は、図5の段移行領域516及び518に示すように、ほぼ90度のステップを有することができる。段移行領域516(図5)及び518(図5)は、段移行領域316(図3)、及び、段移行領域416(図4)及び418(図4)と同様にすることができる。
図4に示すように、いくつかの実施形態では、各段付移行部316,416,418,516,518は、第1弧状面420と第2弧状面422とを有することができる。第1弧状面420は第1曲率半径を有し、第2弧状面422は第2曲率半径を有する。各段付移行部316,416,418,516,518の第1曲率半径と第2曲率半径は同じにすることができ、または、各段付移行部316,416,418,516,518の第1曲率半径と第2曲率半径とを相違させることもできる。例えば、第1弧状面420の第1曲率半径は、第1弧状面420の第2曲率半径と同じにすることができ、第1弧状面420の第1曲率半径は、第1弧状面420の第2曲率半径よりも小さくすることができ、または、第1弧状面420の第1曲率半径は、第1弧状面420の第2曲率半径よりも大きくすることができる。更に、例えば、第2弧状面422の第1曲率半径は、第2弧状面422の第2曲率半径と同じとすることができ、第2弧状面422の第1曲率半径は、第2弧状面422の第2曲率半径よりも小さくすることができ、または、第2弧状面422の第1曲率半径は、第2弧状面422の第2曲率半径よりも大きくすることができる。
更に、各段付移行部316,416,418,516,518は、同じ第1曲率半径または異なる第1曲率半径を有することができ、更に、段付移行部316,416,418,516,518のそれぞれは、同じ第2曲率半径若しくは異なる第2曲率半径を有することができる。例えば、第1弧状面420の第1曲率半径は、第2弧状面422の第1曲率半径と同じにすることができ、第1弧状面420の第1曲率半径は、第2弧状面422の第1曲率半径よりも小さくすることができ、または、第1弧状面420の第1曲率半径は、第2弧状面422の第1曲率半径よりも大きくすることができる。更に、例えば、第1弧状面420の第2曲率半径は、第2弧状面422の第2曲率半径と同じにすることができ、第1弧状面420の第2曲率半径は、第2弧状面422の第2曲率半径よりも小さくすることができ、または、第1弧状面420の第2曲率半径は、第2弧状面422の第2曲率半径よりも大きくすることができる。
内径移行機能(例えば、内側段移行部310、図3)は、ゴルフクラブヘッドの曲げのピークが発生する場所を変更することができる。段付移行領域は、曲げのピークにおいて「塑性ヒンジ」を生成し、ゴルフボールとのインパクトによる変形がより局在化するのを促進することができる。多くの実施形態では、座屈プロセスは、曲げのピーク位置において開始し、ゴルフクラブヘッドは、限界座屈閾値のすぐ下に留まるように最適化される。内側塑性ヒンジは、クラブがクラウン及びソール方向により多く撓むのを可能とする。内側塑性ヒンジは、段付機能を使用することにより、クラウン及びソールの撓む位置及び撓む量を正確に制御することを可能とする。
内径移行部を使用することで、ゴルフクラブヘッドの応力を材料のより多くのボリュームにわたって分配することを可能とし、したがって、局部的なピーク応力を低減する。多くの実施形態では、クラウンからソールへの追加の撓みで、同じ負荷に基づいて面が更に屈曲するのを可能とする。この追加の撓みは、クラブの面により多くの応力及び屈曲を生成し、より多くのばねエネルギを生成することができる。ばねエネルギの増加は、ゴルフボールとのインパクトにより、ゴルフクラブヘッド内に貯えることができる。多くの実施形態では、追加のばねエネルギは、ボールのスピードが増大するのを支援する。いくつかの実施形態では、内径移行部は、ゴルフクラブヘッド内でより全体的な屈曲を形成することが可能であり、これも、ボールのスピードの増大を導くことができる。打球面全体のボールスピードが増大すると、より良好な距離制御が可能である。いくつかの実施形態では、内径移行機能を有するゴルフクラブヘッドは、約4%から約6%のより多くのエネルギを貯蔵することができ、これは、ゴルフボールに戻すことができる。
図3に戻ると、内径移行部310は、ゴルフクラブヘッド300のソールの曲げのピーク350が生じる位置を変更することができる。更に、内径移行部310は、ゴルフボールからのインパクトにおける曲げプロセスで、クラブヘッド300のボディがより多く係合することができる。いくつかの実施形態では、第1段315と第2段317は、打球面312とゴルフボールとのインパクトで生成される応力の一部を各段に蓄積するのを可能とする。この構造は、応力が主にソールの最薄肉部に集まるのを防止し、ゴルフクラブヘッド300の信頼性及び耐久性が増大するのを可能とする。多くの実施形態では、この構造は、内径移行部310の打球面端部に対向する塑性ヒンジを生成し、塑性ヒンジ位置で更に変形が局在化するのを促進する。多くの実施形態では、塑性ヒンジは、例えば曲げのピーク350である曲げのピークに配置することができる。この構造も、例えばクラウン及び/またはソールにより多くの潜在エネルギを貯蔵するのを許容することができる。いくつかの実施形態では、ボディ301は、ソール及びクラウンにおけるクラウンからソールの方向への撓みまたは曲げにおける撓みまたは曲げが約4%から約7%増大するのを経験することができる。ソール及び/またはクラウンにおけるクラウンからソールの方向への追加の撓みは、ゴルフボールによる同じ負荷またはインパクトで、打球面312が更に屈曲するのを許容することができる。したがって、この構造は、打球面312とのインパクト時にボールに伝達することのできるより多くの応力及び曲げをゴルフクラブヘッド300の打球面312に生成することができる。
いくつかの実施形態では、各段は、段を通じてほぼ一定の厚さを有する。多くの実施形態では、第1段315は、第2段317よりも厚い。ドライバタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段315は、約0.030インチ(0.076cm)から約0.060インチ(0.152cm)の厚さ、または、約0.040インチ(0.102cm)から約0.050インチ(0.127cm)の厚さとすることができ、そして、第2段317は、約0.020インチ(0.051cm)から約0.050インチ(0.127cm)の厚さ、または、約0.030インチ(0.076cm)から約0.040インチ(0.102cm)の厚さとすることができる。フェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段315は、約0.035インチ(0.089cm)から約0.065インチ(0.165cm)の厚さ、または、約0.045インチ(0.114cm)から約0.055インチ(0.140cm)の厚さ、そして、第2段317は、約0.025インチ(0.064cm)から約0.055インチ(0.140cm)の厚さ、または、約0.035インチ(0.089cm)から約0.045インチ(0.114cm)の厚さとすることができる。ハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段315は、約0.050インチ(0.127cm)から約0.080インチ(0.203cm)の厚さ、または、約0.060インチ(0.152cm)から約0.070インチ(0.178cm)の厚さ、第2段317は、約0.040インチ(0.102cm)から約0.070インチ(0.178cm)の厚さ、または、約0.050インチ(0.127cm)から約0.060インチ(0.152cm)の厚さとすることができる。アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの多くの実施形態では、第1段315は、約0.055インチ(0.140cm)から約0.085インチ(0.216cm)の厚さ、または、約0.060インチ(0.152cm)から約0.080インチ(0.203cm)第2段317は、約0.045インチ(0.114cm)から約0.075インチ(0.191cm)の厚さ、または、約0.050インチ(0.127cm)から約0.070インチ(0.178cm)の厚さとすることができる。
図4に示すような他の実施形態では、内径移行部410は、2つより多くの段を有することができる。例えば、内径移行部410は、2,3,4,5,6,または、7つの段を有することができる。3段内径移行部410は、内径移行部310(図3)と同様にでき、第1段415と第2段417と第3段419とを有する。第1段415は、図3の第1段315と同様にようにすることができ、第2段417は第2段317と同様にすることができる。多くの実施形態では、曲げのピーク450は、内径移行部により多くの段が付加されるほど、打球面412から更に後方に生じる。
多くの実施形態では、第2段417は第3段419よりも厚い。ドライバタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第3段419は、約0.010インチから約0.040インチ(0.102cm)の厚さ、または、約0.020インチ(0.051cm)から約0.030インチ(0.076cm)の厚さである。フェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第3段419は、約0.015インチ(0.038cm)から約0.045インチ(0.114cm)の厚さ、または、約0.025インチ(0.064cm)から約0.035インチ(0.089cm)の厚さである。ハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第3段419は、約0.030インチ(0.076cm)から約0.060インチ(0.152cm)の厚さ、または、約0.040インチ(0.102cm)から約0.050インチ(0.127cm)の厚さである。アイアンタイプのクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第3段419は、約0.030インチ(0.076cm)から約0.060インチ(0.152cm)、または約0.035インチ(0.089cm)から約0.055インチ(0.140cm)の厚さである。
一方、図5を参照すると、ドライバタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段515は約0.045インチ(0.114cm)の厚さとし、第2段517は、約0.035インチ(0.089cm)の厚さとし、第3段519は、約0.025インチ(0.064cm)の厚さとすることができる。フェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段515は、約0.051インチ(0.130cm)の厚さとし、第2段517は、約0.039インチ(0.099cm)の厚さとし、第3段519は約0.030インチ(0.076cm)の厚さとすることができる。ハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段515は、約0.067インチ(0.170cm)の厚さとすることができ、第2段517は、約0.054インチ(0.137cm)の厚さとし、第3段519は、約0.045インチ(0.114cm)の厚さとすることができる。アイアンタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段515は、約0.067インチ(0.170cm)の厚さとし、第2段は、約0.057インチ(0.145cm)の厚さとし、第3段519は、約0.042インチ(0.107cm)の厚さとすることができる。
いくつかの実施形態では、図3,図4及び図5の第1段315,415,515は、それぞれ、図3,図4及び図5の第2段317,417,517の第2段長とほぼ等しい第1段長を有することができる。いくつかの実施形態では、図3,図4及び図5の第1段315,415,515の第1段長は、それぞれ、第2段317,417,517の第2段長よりも長い。他の実施形態では、図4及び図5の第2段417,517の第2段長は、それぞれ、図4及び図5の第3段419,519の第3段長のそれぞれとほぼ等しくすることができる。いくつかの実施形態では、図4及び図5の第2段417,517の第2段長は、それぞれ、図4及び図5の第3段419,519の第3段長よりもそれぞれ長くすることができる。他の実施形態では、図4及び図5の第2段417,517の第2段長は、それぞれ、図4及び図5の第3段419,519の第3段長よりもそれぞれ短くすることができる。
図3,図4及び図5を参照すると、フェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッドまたはドライバタイプのゴルフクラブヘッドまたはハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段315,415,515は、約0.05インチ(0.127cm)から約0.80インチ(2.03cm)の第1段長を有することができ、第2段317,417,517は、約0.03インチ(0.076cm)から約0.60インチ(1.52cm)の第2段長さを有することができ、第3段419,519は、約0.04インチ(0.102cm)から約0.70インチ(1.78cm)の第3段長を有することができる。アイアンタイプのゴルフクラブヘッドのいくつかの実施形態では、第1段315,415,515は、約0.03インチ(0.076cm)から約0.30インチ(0.762cm)の第1段長さを有することができ、第2段317,417,517は、約0.04インチ(0.102cm)から約0.40インチ(1.02cm)の第2段長さを有することができ、第3段419,519は、約0.05インチ(0.127cm)から約0.50インチ(1.27cm)の第3段長さを有することができる。
図3,図4及び図5に示すように、いくつかの実施形態では、段付移行部316,416,516の第1,第2弧状面は、第1段315,415,515及び第2段317,417,517のそれぞれの第1厚さT1及び第2厚さT2間の差よりも少なくとも2倍大きな第1,第2曲率半径を有することができる。1つの実施形態では段付移行部316,416,516の第1,第2弧状面は、第1段315,415,515及び第2段317,417,517のそれぞれの第1厚さT1及び第2厚さT2間の差よりも約6.5倍大きな第1,第2曲率半径を有する。図4及び図5に示すように、いくつかの実施形態では、段付移行部418,518の第1,第2弧状面は、第2段417,517及び第3段419,519それぞれの第2厚さT2及び第3厚さT3の差よりも少なくとも2倍大きな第1,第2曲率半径を有することができる。1つの実施形態では、段付移行部418,518の第1,第2弧状面は、第2段417,517及び第3段419,519のそれぞれの第2厚さT2及び第3厚さT3間の差よりも約6.5倍大きな第1,第2曲率半径を有する。
図3に示すように、ゴルフクラブヘッド300等のいくつかの実施形態は、ゴルフクラブヘッド300の重心を下げる重りパッド330を有する。重りパッド330は、隣接段の最終段厚さ321よりも大きい重りパッド厚さ331を有する。この実施例では、隣接段は、第2段317である。重りパッド330を有する多くの実施形態では、内側ソール厚さ320は、最終段厚さ321とほぼ等しくすることができる。いくつかの実施形態では、内側ソール厚さ320は、最終段厚さ321よりも厚くすることができる。いくつかの実施形態では、内側ソール厚さ320は、最終段厚さ321よりも薄い。
図4に示すように、ゴルフクラブヘッド400等のいくつかの実施形態は、リブ440を有する。リブ440は、ボディ401に対して内側で、打球面に対してほぼ平行に配置することができる。多くの実施形態では、リブ440は突条またはバーとすることができる。いくつかの実施形態では、リブ440は、第3段厚421、隣接段の厚さ、または、内径移行部410の最終段の厚さよりも厚いリブ厚441を有することができる。リブ440の目的は、ゴルフクラブヘッド400のソールを補強することであり、したがって、ソールの曲げのピークは、段移行領域416及び/または段移行領域418で生じる。
図6に移ると、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド600は、クラウン608においてクラウン内径移行部660を有することができる。クラウン内径移行部660は、クラウン内径移行部660が、ソール移行部に対する打球面の代わりにクラウン移行部に対する打球面に配置されることを除いて、図3の内径移行部310と同様にすることができる。多くの実施形態では、第1段615は、それぞれ図3,図4及び図5の第1段315,415及び/または515と同様にすることができ、第2段617は、それぞれ図3,図4及び図5の第2段317,417及び/または517と同様にすることができ、第3段619は、それぞれ図4及び5の第3段419及び/または519と同様にすることができ、段移行領域616及び/または618は、図3,図4及び図5の段移行領域316,416,516,418及び/または518と同様にすることができる。同様に、クラウン内径移行部660は、複数の内径移行部を有し、2より多くの段を形成することができる。例えば、クラウン内径移行部660は、2,3,4,5,6または7つの段を有することができる。
図7では、ゴルフクラブヘッド700は、図7に示すように、スカート内径移行部780を有することができる。図7は、他の実施形態による、図1の断面線VII−VIIと同様な断面線に沿う、ゴルフクラブヘッド100(図1)と同様なゴルフクラブ700の断面図を示す。スカート内径移行部780は、内径移行部210(図2)と同様にすることができ、第1段715は、それぞれ図3,図4及び図5の第1段315,415及び/または515と同様にすることができ、第2段717は、図3,図4及び図5の第2段317,417及び/または517と同様にすることができ、第3段719は、それぞれ図4及び図5の第3段419及び/または519と同様にすることができ、段移行領域716及び/または718は、図3,4及び5の段移行領域316,416,516,418及び/または518と同様にすることができる。同様に、スカート内径移行部780は、2つより多くの段を有することができる。例えば、スカート内径移行部780は、2,3,4,5,6または7つの段を有することができる。図7に示すように、ゴルフクラブヘッド700は、打球面712の他側部にもスカート内径移行部を有することができる。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド700は、打球面712の片側にスカート内径移行部を有することができる。
図8は、実施形態によるゴルフクラブヘッド400(図4)と同様なゴルフクラブヘッド800の一部の図、及び、標準のゴルフクラブヘッド850の同じ区域の図を示す。標準のゴルフクラブヘッド850は、打球面852からソール856まで均一なソール厚さ855と、均一なソール厚さ855よりも厚い内側ソール重り870と、を有する。ゴルフクラブヘッド800は、内径移行部410(図4)と同様な内径移行部810を有する。内径移行部810は、第1段415(図4)と同様な第1段815と、第2段417(図4)と同様な第2段817と、第3段419(図4)と同様な第3段819と、を有することができる。内径移行部810は、更に、段移行領域416(図4)及び418(図4)と同様な段移行領域816,818と、内側ソール重り870と同様な内側ソール重り820とを有することができる。多くの実施形態では、第1段815、第2段817または第3段819の少なくとも1つは、均一なソール厚さ855よりも薄くすることができる。段の厚さは、クラブヘッドに後に再配分可能な重りを省くことができる。
内径移行領域810を有するソール806のより大きな区域にわたって、カスケードソールの無いソール856よりも、高応力がより分散される。多くの実施形態では、均一ソール厚さ855と同様なソールの全体的な湾曲は、特定領域におけるゴルフボールからのインパクト力のより大きな特定の集中を吸収することができるが、より大きな区域にわたって力を分散するものではない。内径移行部810等のカスケード構造(または、内径移行部に沿って厚さが変化する段)は、しかしながら、波状または段構造が、特定厚さの1つの内径領域から次に、より大きな応力を伝達するため、より大きな区域にわたってゴルフボールからのインパクト力を「パッケージ」にする技術を提供する。多くの実施形態では、内径移行部810またはカスケード薄肉ソールにわたる応力のブリーディング、オーバーフローまたは貯留が存在する。より大きな応力のより大きな分散は、打球面に対するより大きなリコイル力を形成する。内径移行部810に応力を貯留することも、応力の全てが最も薄い段で直接集まるのを防止することができる。多くの実施形態では、段付機能は、ソールに沿って応力が分散し、1つの大きな応力集中が発生するのを阻止するのを支援することができる。代わりに、応力のより均等な分配に対して多数の応力集中がある。応力は、カスケードソールに沿って延設され、ソールがより多くの応力が作用(または、吸収)するのを許可する。しかしながら、応力は、カスケードソールの無いソールの最も厚い部分で減少し、最大レベルの応力を経験し、そして、より小さな跳ね返り力を打球面に作用させる。
カスケードソールを有するゴルフクラブヘッド(例えば、100,300,400,500,600または700)の実施形態を、カスケードソールを持っていない同様な対照クラブヘッドと比較して試験した。カスケードソールを有するクラブヘッドは、対照クラブヘッドに比較して、約0.5〜1.5マイル/時(mph)(0.8〜2.4キロメートル/時(kph))、または、約0.5〜0.9%のボール速度の増加を示した。中心でのインパクトに対するボール速度の増加は、約0.5〜1.0mph(0.8〜1.6kph)、中心をずれたインパクトに対するボール速度の増加は、約1〜1.5mph(1.6〜2.4kph)であった。カスケードソールを有するクラブヘッドは、更に、対照クラブヘッドに比較して、約0.1〜0.3度の打出し角度の増加、約275〜315回転/分(rpm)のスピンの減少、及び、約3〜6ヤード(2.7〜5.5メートル)のキャリー距離の増加を示した。
いくつかの実施形態では、ドライバタイプ、ハイブリッドタイプまたはウッドタイプのカスケードソール(例えば、100,300,400,500,600、または、700)を有するゴルフクラブヘッドは、更に、第1クラウン厚さ(図示しない)と第2クラウン厚さ(図示しない)とを有してもよい。第1クラウン厚さは、打球面の背部のクラウンまたはクラウン内径移行部に位置してもよい。第2クラウン厚さは、第1クラウン厚さの背部でクラブヘッドの後部に向けてクラウン上に位置してもよい。第1クラウン厚さは、第2クラウン厚さよりも厚い。更に、第1クラウン厚さは、第2クラウン厚さに向けて、任意の外形にしたがって次第に移行してもよく、または、第1クラウン厚さは、例えば階段のように、第2クラウン厚さに急激に移行してもよい。
第1クラウン厚さは、クラブヘッドの前端におけるクラウンのどの部分を有してもよい。例えば、第1クラウン厚さは、クラブヘッドの前端におけるクラウンの5%,10%,15%,20%,25%,30%,35%,40%,45%,50%、または、任意の部分を有してもよい。第2クラウン厚さは、クラブヘッドの後部におけるクラウンの任意の部分を有してもよい。例えば、第2クラウン厚さは、クラブヘッドの後部における40%,45%,50%,55%,60%,65%,70%,75%,80%または任意の部分を有してもよい。
クラウン厚さは、クラブヘッドのクラウンの任意の部分における第1クラウン厚さと第2クラウン厚さの間で移行してもよく、クラウン厚さ移行部を画定する。クラウン厚さ移行部は任意の形状でよい。例示的な実施形態では、クラウン厚さ移行部は、米国特許第7,892,111号のベル状と同様なベル状曲線を画定し、この米国特許は参照することにより本明細書に包含される。第1クラウン厚さは、打球面とベル状曲線との間でクラウン上に配置され、第2クラウン厚さは、ベル状曲線とクラブヘッドの後部との間に配置される。
例示的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドがフェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッドの場合は、第1クラウン厚さは約0.022インチ(0.056cm)であり、第2クラウン厚さは約0.019インチ(0.048cm)である。更に、例示的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドがハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドの場合は、第1クラウン厚さは約0.024インチ(0.061cm)であり、第2クラウン厚さは約0.019インチ(0.048cm)である。
フェアウェイウッドタイプまたはハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドの他の実施形態では、第1クラウン厚さは、約0.029(0.074),0.028(0.071),0.027(0.069),0.026(0.066),0.025(0.064),0.024(0.061),0.023(0.058),0.022(0.056),0.021(0.053),0.020(0.051),0.019(0.048),0.018(0.046)、または、0.017(0.043)インチ(cm)より薄く、第2クラウン厚さは、約0.024(0.061),0.023(0.058),0.022(0.056),0.021(0.053),0.020(0.051),0.019(0.048),0.018(0.046),0.017(0.043),0.016(0.041),0.015(0.038),0.014(0.036),0.013(0.033)、または、0.012(0.031)インチ(cm)より薄くてもよい。
クラウン内径移行部は、クラブヘッドのクラウンの応力を消散及び/または低減し、これにより、第1,第2クラウン厚さが先のデザインに比して減少する。例示的な実施形態では、先のデザインに比して、第1クラウン厚さは約17.2〜24.1%減少し、第2クラウン厚さは約20.8%減少する。第1,第2クラウン厚さの減少は、先のデザインに比して、クラブヘッドの重心の低下(ソールにより近く配置される)を可能とする。クラブヘッドの重心の低下は、ボールのギアリング及びスピンを減少することにより、クラブヘッドの性能特性を改善する。
図9に移動すると、段付内側薄肉部を設けたゴルフクラブヘッドの種々の実施形態は、ゴルフクラブヘッドの製造方法900を包含する。方法900は、ボディを準備すること(ブロック910)を包含する。ボディは、打球面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンとを有する。いくつかの実施形態では、ボディは更に、クラウンからソールに延びるスカートを有する。方法900は、更に、打球面から、ソール、クラウンまたはスカートの少なくとも1つに内径移行部を設けること(ブロック920)を包含する。方法900は、更に、内径移行部の第1段を設けること(ブロック930)、内径移行部の第2段を設けること(ブロック940)、及び、内径移行領域の第1段と第2段との間に段移行領域を設けること(ブロック950)を包含する。いくつかの実施形態では、ブロック910,920,930,940及び950は、クラブヘッドのボディの鋳込みによる等で、互いに同時に実行することができる。他の実施形態では、ブロック920,930,940及び/または950の1つまたは複数は、実施例として、機械加工工程を通してブロック910の後で実行することができる。
II.バックキャビティを有するゴルフクラブヘッド
1つの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブの上部クラウン区域に配置されたバックキャビティを有する。多くの実施形態では、バックキャビティは、ゴルフボールを打球したときにボックススプリング効果を提供することができる。バックキャビティは、クラブヘッドのソールの内径の厚さの変化(カスケードソール)と組合わせ、ばね状効果を提供することができる。
いくつかの実施形態は、より「アイアン状」の外観と感覚とを提供する中空構造のクラブヘッドが特徴のクラブヘッド(中空デザインを有するハイブリッドまたはフェアウェイウッドまたはアイアン)に向けている。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、平坦な打球面とアイアン状の外形を特徴とすることができ、これは、アイアンと同様な改善された加工性と正確性とを提供することができる。クラブヘッドの頂部レールの下方に配置され、下部クラウンに沿うバックキャビティは、中空構造を有するハイブリッド、フェアウェイウッド及びアイアン用としてデザインされている。バックキャビティは、ヒールからトウまで、クラブヘッドの頂部レールの直下で上部クラウンまたは後部に沿う全チャンネルでもよい。頂部レール及びキャビティは、任意のデザインでよい。いくつかの実施形態では、キャビティは、約90度の角度を有し、ゴルフクラブヘッドのクラウン領域に目標とするヒンジポイントを提供する。このヒンジまたは座屈領域は、頂部レールが広い体積区域にわたってより大きなインパクト力を吸収し、キャビティ及び頂部レールを、その当初の配置に戻るときに、打球面に戻るより大きなリコイル力により、スプリングボードとして作用させ、これにより、より大きな力をボールに付与するのを可能とする。このキャビティデザインによる大きなクラブ面の撓みは、スピンを減少し、インパクト時のゴルフボールのロフト角を高くし、更に、標準のゴルフクラブヘッドよりも、同じクラブスピードでボールスピードを早くすることができる。
標準のハイブリッドクラブヘッドでは、頂部レール及び上部クラウン領域はこのデザインのキャビティを有しない。本開示との比較では、そのような標準のハイブリッドクラブヘッドにおける打球面の曲げまたは撓みは少ない。標準のハイブリッドは、キャビティを有しないことにより、クラブの頂部レールに伝達されるエネルギが少ないため、大きなスプリングバック効果を得ることはできない。開示したバックキャビティを有するゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールのより大きなインパクト力を吸収し、この後、打球面に戻すのを可能とする。多くの実施形態では、キャビティの角度は、打球面が標準のゴルフクラブよりも大きく撓むための座屈ポイント、または、塑性ヒンジ、または、目標ヒンジを提供することができる。
打球面におけるキャビティのリコイル効果は、(1)打球面に対するヒンジ領域からボールに伝達されるスプリング効果にある程度起因する、上部クラウンキャビティ(または、バックキャビティ)を有するクラブヘッドと無いものとの同じクラブヘッドスピードに対するより高速のゴルフボール速度、(2)キャビティの上部のヒンジポイントがクラブで吸収されるより大きな力に反作用し、代わりに、より大きな力をボールに伝達し、これにより、ボールが打球面から後方にスピンするのを阻止されることにある程度起因する、クラブとのインパクトの後のゴルフボールの少ないスピン、(3)ヒンジ及び打球面がボールに対してダイビングボードまたはカタパルトとして作用することに起因する、インパクト時にゴルフボールに対するより大きなロフト角を提供する。いくつかの実施形態では、キャビティは、ボール速度を約1.0〜1.2%増大し、打出し角度を約0.4〜0.7度増大し得る。
図に移動すると、図10は、ゴルフクラブヘッド1000の実施形態の後部トウ側斜視図を示し、図11は、図10の実施形態によるゴルフクラブヘッド1000の後部ヒール側斜視図を示す。ゴルフクラブヘッド1000は、ハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドとすることができる。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドまたはフェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッドとすることができる。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000は、バッジまたは個別調製ポートを有してない。
ゴルフクラブヘッド1000は、ボディ1001を有する。多くの実施形態では、ボディは中空である。いくつかの実施形態では、ボディは少なくとも一部が中空である。ボディ1001は、打球面1012と、ヒール領域1002と、ヒール領域1002に対向するトウ領域1004と、ソール1006と、クラウン1008と、を有する。クラウン1008は、上部領域1011と下部領域1013とを有する。上部領域1011は、頂部レール1015を有する。いくつかの実施形態では、頂部レール1015は、平坦で、より高い頂部レールまたはスカートとすることができる。平坦かつより高い頂部レールが、打球面1012上のミスヒットに対してティーからのプレイ性を増大する理由を説明する。
いくつかの実施形態では、ボディ1001は、ステンレス鋼、チタニウム、アルミニウム、合金鋼(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17−4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti7−4、Ti6−4、T−9S)、アルミニウム合金、または、複合材料を有することができる。いくつかの実施形態では、打球面1012は、ステンレス鋼、チタニウム、アルミニウム、合金鋼(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17−4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti7−4、Ti6−4、T−9S)、アルミニウム合金、または、複合材料を有することができる。いくつかの実施形態では、ボディ1001は、打球面1012と同じ材料を有することができる。いくつかの実施形態では、ボディ1001は、打球面1012と異なる材料を有することができる。
多くの実施形態では、キャビティ1030は、頂部レール1015の下側に配置される。多くの実施形態では、キャビティ1030は、頂部ボックススプリングデザインを有する。多くの実施形態では、頂部レール1015及びキャビティ1030は、打球面1012の全体の曲げの増大を提供する。いくつかの実施形態では、打球面1012の曲げは、約2%から約5%のエネルギの増加を許容可能である。キャビティ1030は、打球面1012をより薄くするのを可能とし、付加的な全体曲げを可能とする。いくつかのフェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッドの実施形態について、キャビティ1030は、ソール1006に向けてより厚くしたクラウン1008の逆スクープまたはへこみとすることができる。
図10を参照すると、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000は、更に、クラウン1008の下部領域1013にトウ領域1004の近くにインサート1062を有することができる。いくつかの実施形態は、ソール1006に内部重りを有する。多くの実施形態では、インサート1062は、タングステンまたは他の高密度材料を包含してもよい。多くの実施形態では、インサートは、重心(CG)を打球面1012から後方に約0.04インチ(1mm)〜0.10インチ(2.5mm)移動し、打出し角度を3.5%〜5.5%増加し、これは、ティーからの高いまたは低いミスヒットのプレイ性を増大することができる。
多くの実施形態では、CGは、クラウン1008の下部領域1013で、トウ領域1004とソール1006との交差部の近くにある。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000のCGは、CGy平面に沿って0.597インチでCGz平面に沿って0.541インチにある。慣性モーメントIxxについて、ゴルフクラブヘッド1000により、G30アイアンよりも20.5%増加し、Rapture DIよりも28%増加した。Iyyについて、G30アイアンよりも1.7%増加し、Rapture DIよりも22%増加した。
いくつかの実施形態では、約3グラム(g)から約4gが、頂部レール1015に付加される。ほとんどの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000の全質量は同じままである。いくつかの実施形態では、ソール1006またはトウ領域1004から質量を除去し、頂部レール1015への質量の付加を相殺することができる。いくつかの実施形態では、約3gから約4gの質量を頂部レール1015に付加することで、回転に抵抗するゴルフクラブヘッドを支援することができる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドのCGは僅かに上昇する。
図12は、1つの実施形態による図10の断面線XII−XIIに沿うゴルフクラブヘッド1000の断面を示す。図12に示すように、打球面1012は、高領域1076、中領域1074及び低領域1072を有する。多くの実施形態では、クラウン1008の上部領域1011は、後壁1023と、後壁1023の下側でかつ隣接するキャビティ1030の頂壁1017と、頂壁1017の下側でかつ隣接するキャビティ1030の後壁1019とを有する。
いくつかの実施形態では、クラウン1008の上部領域1011の後壁1023の高さ1280は、約0.125インチ(0.318cm)から約0.75インチ(1.91cm)、または、約0.150インチ(0.381cm)から約0.400インチ(1.02cm)にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、クラウン1008の上部領域1011の後壁1023の高さ1280は、約0.175インチ(0.445cm)、0.275インチ(0.699cm)、0.375インチ(0.953cm)、0.475インチ(1.21cm)、0.575インチ(1.46cm)、または、0.675インチ(1.71cm)にすることができる。いくつかの実施形態では、クラウン1008の上部領域1011の後壁1023の高さ1280は、ゴルフクラブヘッド1000の高さの約5%から約25%とすることができる。いくつかの実施形態では、頂部レール1015の長さは、ヒール領域1002からトウ領域1004まで測定して、ゴルフクラブヘッド1000の長さの約70%から約95%とすることができる。
クラウン1008の上部領域1011の後壁1023の高さ1280は、本明細書に記載のように、ゴルフボールとのインパクトの際の打球面1012の応力の少なくとも一部をキャビティ1030で吸収することを可能とする。本明細書に記載の後壁高さ1280よりも高さの高い後壁を有するゴルフクラブヘッドは、キャビティに達する前の頂部レールに沿うインパクトの分散が増大するため、本明細書に記載のゴルフクラブヘッド1000よりもインパクト時の応力吸収が少ない(そして、打球面の撓みを少なくできる)。
いくつかの実施形態では、キャビティ1030は、クラウン1008の下部領域1013の上側に配置され、クラウン1008の上部領域1011と下部領域1013とで少なくとも一部が画定される。キャビティ1030は、頂壁1017と後壁1019と底部傾斜部1021とを有する。第1屈曲ポイント1082が、キャビティ1030の頂壁1017とキャビティの後壁1019との間に配置される。第2屈曲ポイント1086は、キャビティの1030の後壁1019と底部傾斜部1021との間に配置される。
いくつかの実施形態では、後壁1019の高さは、第1屈曲ポイント1082から第2屈曲ポイント1086まで測定して、約0.010インチ(0.25mm)から約0.138インチ(3.5mm)、または、約0.010インチ(0.25mm)から約0.059インチ(1.5mm)とすることができる。例えば、後壁1019の高さは、約0.01インチ(0.25mm)、0.02インチ(0.5mm)、0.03インチ(0.75mm)、0.04インチ(1.0mm)、0.05インチ(1.25mm)、0.06インチ(1.5mm)、0.07インチ(1.75mm)、0.08インチ(2.0mm)、0.09インチ(2.25mm)、0.10インチ(2.5mm)、0.11インチ(2.75mm)、0.012インチ(3.0mm)、0.13インチ(3.25mm)、または、0.14インチ(3.5mm)とすることができる。多くの実施形態では、頂壁1017の頂点は、頂部レール1015の頂点の下側、約0.125インチ(0.318cm)から約1.25インチ(3.18cm)、または、約0.25インチ(0.635cm)から約1.25インチ(3.18cm)とすることができる。例えば、頂壁1017の頂点は、頂部レール1015の下側、約0.125インチ(0.318cm)、0.25インチ(0.635cm)、0.375インチ(0.953cm)、0.5インチ(1.27cm)、0.625インチ(1.59cm)、0.75インチ(1.91cm)、0.825インチ(2.10cm)、1.0インチ(2.54cm)、1.125インチ(2.88cm)、または、1.25インチ(3.18cm)とすることができる。
多くの実施形態では、キャビティ1030の後壁1019は、打球面1012に実質的に平行にすることができる。他の実施形態では、後壁1019は、打球面1012と実施的に平行ではない。多くの実施形態では、キャビティの頂壁1017は、第1屈曲ポイント1082に向けて移動したときに、打球面1012に向けて傾斜する。この頂壁1017の配置は、インパクトの応力をキャビティ1030に向けて導く座屈ポイントまたはヒンジポイントまたは塑性ヒンジを生成し、インパクト中の打球面1012の撓みが増大するのを可能とする。
クラウン1008の下部領域1013は、キャビティ1030の底部傾斜部1021を有する。多くの実施形態では、第2屈曲ポイント1086は、底部傾斜部1021に隣接して、頂部レール1015の頂点の下側、少なくとも約0.25インチ(0.635cm)から約2.0インチ(5.08cm)、または、約0.5インチ(1.27cm)から約1.5インチ(3.81cm)とすることができる。例えば、第2屈曲ポイント1086は、頂部レール1015の頂点の下側、少なくとも約0.25インチ(0.635cm)、0.5インチ(1.27cm)、0.75インチ(1.91cm)、1.0インチ(2.53cm)、1.25インチ(3.18cm)、1.5インチ(3.81cm)、1.75インチ(4.45cm)または2.0インチ(5.08cm)とすることができる。いくつかの実施形態では、底部傾斜部の最大高さは、クラブヘッド1000のソール1006から第2屈曲ポイント1086まで測定して、ソールの最も下のポイントの上側1006、少なくとも約0.25インチ(約0.635cm)から約3インチ(約7.62cm)、または、約0.50インチ(1.27cm)から約2インチ(5.08cm)とすることができる。例えば、第2屈曲ポイント1086は、ソールの最も下のポイントの上側、少なくとも約0.25インチ(0.635cm)、0.375インチ(0.953cm)、0.5インチ(1.27cm)、0.625インチ(1.59cm)、0.75インチ(1.91cm)、0.825インチ(2.10cm)、1.0インチ(2.54cm)、1.125インチ(2.88cm)、1.25インチ(3.18cm)、1.375インチ(3.49cm)、1.5インチ(3.81cm)、1.625インチ(4.12cm)、1.75インチ(4.45cm)、1.875インチ(4.76cm)、2.0インチ(5.08cm)、2.125インチ(5.40cm)、2.25インチ(5.71cm)、2.375インチ(6.03cm)、2.5インチ(6.35cm)、2.625インチ(6.67cm)、2.75インチ(7.00cm)、2.875インチ(7.30cm)、または、3.0インチ(7.62cm)とすることができる。
キャビティ1030は、更に、少なくとも1つのチャンネル1039(図10)を有する。多くの実施形態では、チャンネル1039は、ヒール領域1002からトウ領域1004に延びる。チャンネル幅1032(図12)は、チャンネル1039を通して実質的に一定とすることができる。いくつかの実施形態では、チャンネル幅1032(図12)は、約0.008インチ(0.2mm)から約1インチ(25mm)、または約0.008インチ(0.2mm)から約0.31インチ(8mm)とすることができる。例えば、チャンネル幅1032は、約0.008インチ(0.2mm)、0.016インチ(0.4mm)、0.024インチ(0.6mm)、0.031インチ(0.8mm)、0.039インチ(1.0mm)、0.079インチ(2mm)、0.12インチ(3mm)、0.16インチ(4mm)、0.20インチ(5mm)、0.24インチ(6mm)、0.28インチ(7mm)、0.31インチ(8mm)、0.39インチ(10mm)、0.59インチ(15mm)、0.79インチ(20mm)、または、0.98インチ(25mm)である。他の実施形態では、チャンネル1039のチャンネルトウ領域幅は、チャンネルのチャンネルヒール領域よりも小さい。他の実施形態では、チャンネルヒール領域幅は、チャンネルトウ領域幅よりも小さい。他の実施形態では、チャンネル1039のチャンネル中央領域幅は、チャンネルヒール領域幅またはチャンネルトウ領域幅の少なくとも一方よりも小さくすることができる。他の実施形態では、チャンネル中央領域幅は、チャンネルヒール領域幅またはチャンネルトウ領域幅の少なくとも一方よりも小さくすることができる。いくつかの実施形態では、チャンネル1039は対称である。他の実施形態では、チャンネル1039は非対称である。他の実施形態では、チャンネル1039は更に、少なくとも2つの部分的チャンネルを有することができる。いくつかの実施形態では、チャンネル1039は、1つまたは複数のブリッジで遮断された一連の部分的チャンネルを有することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のブリッジは、クラウン1008の上部領域1011の厚さとほぼ同じにすることができる。
本明細書に示すように、チャンネル幅1032は、インパクト時に打球面1012から応力を吸収可能である。本明細書に記載のチャンネル幅よりも狭いチャンネル幅を有するゴルフクラブヘッド(例えば、明瞭でないキャビティを有するゴルフクラブヘッド)は、インパクト時に打球面から吸収できる応力は少なく(クラウン1008の上部領域1011の材料が少ないため)、したがって、本明細書に記載のゴルフクラブヘッド1000よりも打球面が受ける撓みが少ない。
多くの実施形態では、キャビティ1030は、更に、バックキャビティ角度1035を有する。バックキャビティ角度は、キャビティ1030の頂壁1017と後壁1019との間で測定される。多くの実施形態では、バックキャビティ角度1035は、約70度から約110度とすることができる。いくつかの実施形態では、バックキャビティ角度1035は、約80度から約100度とすることができる。いくつかの実施形態では、バックキャビティ角度1035は、約70,75,80,85,90,95,100、または、110度である。多くの実施形態では、バックキャビティ角度1035は、ゴルフクラブヘッド1000がゴルフボールをインパクトしたときに、頂部レールヒンジポイント1070における座屈ポイントまたは塑性ヒンジまたは目標ヒンジを提供する。いくつかの実施形態では、頂部レールヒンジポイント1070における壁厚は、キャビティ1030の頂壁1017におけるよりも薄い。
図13は、図12のゴルフクラブヘッド1000の断面におけるクラウン1008を、図10の同様な断面線XII−XII線に沿うキャビティ無しのゴルフクラブヘッド1200に平行に配置した図を示す。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000は、後角度1040と、頂部レール角度1045と、打球面角度1050とを有する。上部領域角度1040は、上部領域1011の頂壁1017から後壁1023まで測定する。多くの実施形態では、後角度1040は、約70度から約110度とすることができる。いくつかの実施形態では、後角度1040は、約90度である。頂部レール角度1045は、上部領域1011の後壁1023から頂部レール1015まで測定する。多くの実施形態では、頂部レール角度1045は、約35度から約120度、または、70度から約110度とすることができる。いくつかの実施形態では、頂部レール角度1045は、約35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,95,100,105,110,115、または、120度とすることができる。打球面角度1050は、打球面1012から頂部レール1015まで測定する。多くの実施形態では、打球面角度1050は、約70度から約160度、または、70度から約110度とすることができる。いくつかの実施形態では、打球面角度1050は、約70,75,80,85,90,95,100,105,110,115,120,125,130,135,140,145,150,155、または、160度である。
図13を参照すると、いくつかの実施形態では、打球面1012と後壁1019との間の最小間隙1090は、約0.079インチ(2mm)から約0.39インチ(10mm)である。例えば、打球面1012と後壁1019との間の最小間隙1090は、約0.079インチ(2mm)、0.16インチ(4mm)、0.24インチ(6mm)、0.31インチ(8mm)または0.39インチ(10mm)とすることができる。いくつかの実施形態では、打球面1012と後壁1019との間の最小間隙1090は、約0.55インチ(14mm)未満、0.47インチ(12mm)未満、約0.39インチ(10mm)未満、約0.31インチ(8mm)未満、約0.24インチ(6mm)未満、または、約0.16インチ(4mm)未満である。更に、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000の上部領域1011の打球面1012と後壁1023との間の最大間隙は、最小間隙1090よりも大きい。更に、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000の下部領域1013の打球面1012と底部傾斜部1021との最大間隙は、上部領域1011の最小間隙1090及び最大間隙よりも大きい。
図21は、図12に示すゴルフクラブヘッド1000の断面と同様な、ゴルフクラブヘッド1000の断面図を示す。ゴルフクラブヘッド1000は、キャビティ1030と、上部領域1011と、下部領域1013とを有する。上部領域1011は、上部外側後壁1023を有し、キャビティ1030は、キャビティ外壁1025を有し、下部領域1013は、下部外壁1027を有する。多くの実施形態では、打球面1012から垂直に上部領域1011の後壁1023まで測定した最大上部距離1092は、約0.20〜0.59インチ(5〜15mm)とすることができる。例えば、最大上部距離1092は、約0.20インチ(5mm)、0.24インチ(6mm)、0.28インチ(7mm)、0.31インチ(8mm)、0.35インチ(9mm)、0.39インチ(10mm)、0.43インチ(11mm)、0.47インチ(12mm)、0.51インチ(13mm)、0.55インチ(14mm)、または、0.59インチ(15mm)である。更に、打球面1012から垂直にキャビティ外壁1025まで測定した最小キャビティ距離1094は、約0.16〜0.47インチ(4〜12mm)とすることができる。例えば、最小キャビティ距離1094は、約0.16インチ(4mm)、0.20インチ(5mm)、0.24インチ(6mm)、0.28インチ(7mm)、0.31インチ(8mm)、0.35インチ(9mm)、0.39インチ(10mm)、0.43インチ(11mm)、または、0.47インチ(12mm)である。更に、打球面1012から垂直に下部外壁1027まで測定した最大下部距離1096は、約0.98〜1.57インチ(25〜40mm)とすることができる。例えば、最大下部距離1096は、約0.98インチ(25mm)、1.02インチ(26mm)、1.06インチ(27mm)、1.10インチ(28mm)、1.14インチ(29mm)、1.18インチ(30mm)、1.22インチ(31mm)、1.26インチ(32mm)、1.30インチ(33mm)、1.34インチ(34mm)、1.38インチ(35mm)、1.42インチ(36mm)、1.46インチ(37mm)、1.50インチ(38mm)、1.54インチ(39mm)、または、1.57インチ(40mm)である。多くの実施形態では、最大下部距離1096は、最大上部距離1092よりも大きく、最大上部距離1092は、最小キャビティ距離1094よりも大きい。
多くの実施形態では、キャビティ1030は、ゴルフクラブヘッド1200または他の標準のゴルフクラブヘッドよりもゴルフボールの速度を増大することができ、標準のハイブリッドクラブヘッドのスピン速度を低下でき、標準のハイブリッド及びアイアンクラブヘッドよりも打出し角度を増大することができる。多くの実施形態では、キャビティ1035の形状は、ばねのレベル及びゴルフクラブヘッド1000の応答タイミングを決定する。ゴルフボールが、キャビティ1030を有するクラブヘッド1000の打球面1012をインパクトしたときに、打球面1012は、ドラム状にスプリングバックし、クラウン1008は、制御された潰れ態様で屈曲する。多くの実施形態では、頂部レール1015は、キャビティ1030を有しないゴルフクラブヘッドの頂部レールよりも、より大きな容積空間にわたってより大きな応力を吸収できる。キャビティ1030の長さ、深さ及び幅を変更できる。これらのパラメータは、クラブヘッド1000の全体のデザインに、どの程度スプリングバックを設けるかについて、コントロールする。
ゴルフボールをインパクトしたときに、打球面1012は、キャビティ1030の無いゴルフクラブよりもより大きな距離に内方に屈曲することができる。いくつかの実施形態では、打球面1012は、キャビティ1030の無いゴルフクラブヘッドの打球面よりも、約10%から約50%多くの撓みを有する。いくつかの実施形態では、打球面1012は、キャビティ1035の無いゴルフクラブヘッドの打球面よりも、約5%から約40%、または、約10%から約20%多くの撓みを有する。例えば、打球面1012は、キャビティ1035の無いゴルフクラブヘッドの打球面よりも、約5%,10%,15%,20%,25%,30%,35%、または、40%多くの撓みを有することができる。多くの実施形態では、キャビティ無しでクラブのバック部を有しない標準の打球面よりも、ヒンジに起因する打球面1012による引込み距離、及び、キャビティ1030の曲げの双方がより大きくなる。
多くの実施形態では、ゴルフボールをインパクトしたときの頂部レールヒンジポイント1070に沿ってより大きな座屈が生じるため、キャビティ1030を有するクラブヘッド1000で面撓みがより大きい。しかしながら、キャビティ1030は、頂部レールの頂部レールヒンジポイント1070に沿う大きな応力分散を提供し、スプリングバック力は、キャビティ1030及び頂部レール1015から打球面1012に伝達される。キャビティの無い標準の頂部レールは、このヒンジ/座屈効果を有せず、頂部レールの大きな容積区域にわたる高レベルの応力吸収も無い。したがって、標準の打球面は、打球面1012ほど多くの接触及びリコイルが無い。更に、打球面1012の大きな領域及び頂部レール1015の双方が、標準の頂部レールを有しかつキャビティの無い標準のゴルフクラブヘッドの同じクラウン領域よりも、より大きな応力を吸収する。多くの実施形態では、キャビティ無しの標準のクラブにおける同じ区域よりも、キャビティ1030の上により大きな区域に沿ってより大きな応力が存在するが、キャビティを有するクラブヘッドとキャビティの無いクラブヘッドの耐久性は同じである。クラブの後端により大きなスプリングを付加することにより(打球面1012に向く頂壁1017の内方傾斜により)、構造体の容積全体でより大きな力が移動する。応力は、ゴルフクラブヘッド1000の打球面1012及び頂部レール1015のより大きな区域にわたって観察される。ピーク応力は、標準の頂部レールクラブヘッドで見ることができる。しかしながら、より多くのピーク応力がゴルフクラブヘッド1000に見られるが、材料の大きな容積にわたって分散される。ゴルフクラブヘッド1000のヒンジ及び曲げ領域(すなわち、キャビティ1030の上の領域及びキャビティ1030自体)は、応力が限界座屈閾値に達しない限り変形しない。キャビティ1030及びその移動は、座屈閾値の臨界K値より下となるようにデザインすることができる。
図22〜図30は、面撓みの増大のためのキャビティ2030、3030、4030、5030、6030、7030、8030を有するゴルフクラブヘッド2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000の他の実施形態の様々な例を示す。図26及び図27を参照すると、ゴルフクラブヘッド2000は、打球面2012及びボディ2001を有する。ボディ2001は、ヒール領域2002と、ヒール領域2002に対向するトウ領域2004と、ソール2006と、ソール2006に対向するクラウン2008と、前端2010と、前端2010に対向する後端2011と、キャビティ2030と、を有する。
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド2000は、ハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッド、またはドライバタイプのゴルフクラブヘッド等の中空ボディタイプのゴルフクラブヘッドである。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド2000は、アイアンタイプのクラブヘッドとすることができるか、または上記で説明したクラブヘッド1000と同様に少なくとも一部を中空にすることができる。
クラブヘッド2000がドライバタイプのクラブヘッドである実施形態では、クラブヘッド2000のロフト角は、16度よりも小さくすることができ、15度よりも小さくすることができ、14度よりも小さくすることができ、13度よりも小さくすることができ、12度よりも小さくすることができ、11度よりも小さくすることができ、または、10度よりも小さくすることができる。更に、多くの実施形態では、クラブヘッド2000の容積は、400ccよりも大きくすることができ、425ccよりも大きくすることができ、450ccよりも大きくすることができ、475ccよりも大きくすることができ、500ccよりも大きくすることができ、525ccよりも大きくすることができ、550ccよりも大きくすることができ、575ccよりも大きくすることができ、600ccよりも大きくすることができ、625ccよりも大きくすることができ、650ccよりも大きくすることができ、675ccよりも大きくすることができ、または、700ccよりも大きくすることができる。
クラブヘッド2000がフェアウェイウッドタイプのクラブヘッドである実施形態では、クラブヘッド2000のロフト角は、35度よりも小さくすることができ、34度よりも小さくすることができ、33度よりも小さくすることができ、32度よりも小さくすることができ、31度よりも小さくすることができ、または、30度よりも小さくすることができる。更に、クラブヘッド2000のロフト角は、12度よりも大きくすることができ、13度よりも大きくすることができ、14度よりも大きくすることができ、15度よりも大きくすることができ、16度よりも大きくすることができ、17度よりも大きくすることができ、18度よりも大きくすることができ、19度よりも大きくすることができ、または、20度よりも大きくすることができる。これらの実施形態では、クラブヘッド2000の容積は、400ccよりも小さくすることができ、375ccよりも小さくすることができ、350ccよりも小さくすることができ、325ccよりも小さくすることができ、300ccよりも小さくすることができ、275ccよりも小さくすることができ、250ccよりも小さくすることができ、225ccよりも小さくすることができ、または、200ccよりも小さくすることができる。更に、これらの実施形態では、クラブヘッドの容積は、300cc〜400cc、325cc〜400cc、350cc〜400cc、250cc〜400cc、250〜350cc、または、275〜375ccとすることができる。
クラブヘッド2000がハイブリッドタイプのクラブヘッドである実施形態では、クラブヘッド2000のロフト角は、40度よりも小さくすることができ、39度よりも小さくすることができ、38度よりも小さくすることができ、37度よりも小さくすることができ、36度よりも小さくすることができ、35度よりも小さくすることができ、34度よりも小さくすることができ、33度よりも小さくすることができ、32度よりも小さくすることができ、31度よりも小さくすることができ、または、30度よりも小さくすることができる。更に、クラブヘッド2000のロフト角は、16度よりも大きくすることができ、17度よりも大きくすることができ、18度よりも大きくすることができ、19度よりも大きくすることができ、20度よりも大きくすることができ、21度よりも大きくすることができ、22度よりも大きくすることができ、23度よりも大きくすることができ、24度よりも大きくすることができ、または、25度よりも大きくすることができる。これらの実施形態では、クラブヘッド2000の容積は、200ccよりも小さくすることができ、175ccよりも小さくすることができ、150ccよりも小さくすることができ、125ccよりも小さくすることができ、100ccよりも小さくすることができ、または、75ccよりも小さくすることができる。更に、これらの実施形態では、クラブヘッドの容積は、100cc〜150cc、75cc〜150cc、100cc〜125cc、または、75cc〜125ccとすることができる。
クラブヘッド2000がアイアンタイプのクラブヘッドである実施形態では、クラブヘッド2000のロフト角は、35度よりも小さくすることができ、30度よりも小さくすることができ、29度よりも小さくすることができ、28度よりも小さくすることができ、27度よりも小さくすることができ、26度よりも小さくすることができ、25度よりも小さくすることができ、または、24度よりも小さくすることができる。更に、クラブヘッド2000のロフト角は、12度よりも大きくすることができ、13度よりも大きくすることができ、14度よりも大きくすることができ、15度よりも大きくすることができ、16度よりも大きくすることができ、17度よりも大きくすることができ、または、18度よりも大きくすることができる。これらの実施形態では、クラブヘッド2000の容積は、100ccよりも小さくすることができ、75ccよりも小さくすることができ、60ccよりも小さくすることができ、55ccよりも小さくすることができ、または、50ccよりも小さくすることができる。更に、これらの実施形態では、クラブヘッドの容積は、25cc〜75cc、25cc〜50cc、40cc〜60cc、45cc〜60cc、または、40cc〜50ccとすることができる。
多くの例では、キャビティ2030は、クラブヘッドがアドレス位置にあるときに接地面2058、前面2060、及びロフト面2064に関連して記載することができる。アドレス位置では、ホーゼル2066を通って中央に延びるホーゼル軸(図示しない)は、正面図から見ると接地面2058に対して60度の角度に位置し、側面図から見ると接地面2058に対して90度の角度に位置する。前面2060は、クラブヘッド2000の最前点に隣接して、接地面2058に対して直角に位置する。ロフト面2064は、打球面2012の幾何学的中心に接して位置する。
図26及び図27を参照すると、図示の実施形態では、キャビティ2030は、クラブヘッドのソール2006上の打球面2012の後ろに位置する。これらのまたは他の実施形態では、キャビティ2030は、打球面2012に対するインパクト応力を低減し、打球面厚さを低減する能力をもたらすことができる。更に、これらのまたは他の実施形態では、キャビティ2030は、ゴルフボールとのインパクト時の打球面撓みを増大させ、ボール速度と移動距離とを増大させることができる。他の実施形態では、キャビティ2030は、ソール2006、クラウン2008、または、ソール2006とクラウン2008との組合せ等のクラブヘッド2000の任意の好適な区域上に位置することができる。例えば、他の実施形態では、キャビティ2030は、クラブヘッド2000のクラウン2008の上に位置することができる。更に、例えば、キャビティ2030は、ソール2006の近くの打球面2012の少なくとも一部の上に位置することができる。更に、例えば、キャビティ2030は、クラブヘッド2000のクラウン2008とソール2006との両方の上に位置することができる。
多くの例では、キャビティ2030は、クラブヘッド2000のヒール部2002の近くからトウ部2004の近くまで延びる。更に、多くの例では、キャビティ2030は、クラブヘッド2000のヒール部2002とトウ部2004との間を中心とすることができる。他の例では、キャビティ2030は、ヒール部2002からトウ部2004までクラブヘッド2000に沿って任意の距離を延びることができる。更に、他の例では、キャビティ2030は、クラブヘッド2000のヒール部2002に向けてオフセットされるか、トウ部2004に向けてオフセットされることができる。
他の例では、キャビティ2030は、複数の個別部(図示しない)を有することができる。例えば、キャビティは、クラブヘッドのトウ部2004の近くに位置する第1キャビティ部(図示しない)とクラブヘッドのヒール部2002の近くに位置する第2キャビティ部(図示しない)とを有することができる。これらの例では、キャビティ2030は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または、任意の他の数の個別部等、任意の数の個別部を有することができる。
キャビティ2030は、更に、クラブヘッド2000の前端2010の最も近くのクラウン2008及び/またはソール2006に隣接する前エッジ2046とクラブヘッド2000の後端2011の最も近くのクラウン2008及び/またはソール2006に隣接する後エッジ2048とを有する。更に、キャビティ2030は、ヒール部2002からトウ部2004、外面2052、内部表面2054、及び外面2052と内面2054との間の最小距離として測定される厚さ2056に延びる長さを有する。図26及び図27の図示の例では、キャビティ2030の厚さ2056は、キャビティ2030の前エッジ2046の近くから後エッジ2048の近くまで実質的に一定である。更に、図26及び図27の図示の例では、キャビティ2030の厚さ2056は、クラブヘッド2000のヒール部2002の近くからトウ部2004の近くまで実質的に一定である。他の例では、キャビティ2030の厚さ2056は、クラブヘッド2000の前エッジ2046の近くから後エッジ2048の近くまで任意の外形に従って変化することができる。更に、他の例では、キャビティ2030の厚さ2056は、クラブヘッド2000のヒール部2002の近くからトウ部2004の近くまで任意の外形に従って変化することができる。
図26及び図27を参照すると、キャビティ2030は、更に、主部2038とインセット部2036とを有する。キャビティ2030の主部2038は、前エッジ2046と後エッジ2048との間でクラブヘッド2000のソール2006から内側に延びる。インセット部2036は、打球面2012に向けてキャビティ2030の主部2038から延びる。多くの実施形態では、主部2038及びインセット部2036は、ロフト面2064に平行に、キャビティの長さに沿って各位置で前エッジ2046を通って延びる複数の軸2047によって形成される平面によって分離される。多くの実施形態では、キャビティの長さに沿った各位置は、約0.1インチの長さの増分で画定することができる。他の実施形態では、キャビティの長さに沿った各位置は、0.100インチよりも短い長さ、0.075インチよりも短い長さ、または、0.050インチよりも短い長さの増分で画定することができる。
インセット部2036は、インセット部の無いキャビティを有するクラブヘッドと比較して、ゴルフボールとのインパクト時の打球面撓みを増大させる。更に、インセット部2036は、インセット部の無いキャビティを有するクラブヘッドと比較して、ゴルフボールとのインパクト時により広い範囲に応力を分散させる。多くの実施形態では、インセット部2036によるゴルフクラブヘッド中での応力のより大きい分散は、キャビティ2030の前エッジ2046または後エッジ2048において応力集中が発生するのを阻止する。
多くの実施形態では、キャビティ2030は、クラブヘッド2000のロフト面2064または打球面2012からオフセットされる。いくつかの実施形態では(図26)、キャビティ2030の前エッジ2046は、ヒール領域2002の近くからトウ領域2004の近くまで延びる一定の距離だけロフト面2064または打球面2012からオフセットされることができる。他の実施形態では(図示しない)、キャビティ2030の前エッジ2046は、ヒール領域2002の近くからトウ領域2004の近くまで延びる変化する距離だけロフト面2064または打球面2012からオフセットされることができる。例えば、他の実施形態では、打球面2012の中心の近くのキャビティ2030の前エッジ2046は、クラブヘッド2000のヒール領域2002の近く及び/またはトウ領域2004の近くのキャビティ2030の前エッジ2046よりも打球面2012の近くに位置することができる。
多くの実施形態では、キャビティ2030の前エッジ2046の少なくとも一部は、ロフト面2064に対して直角な方向に測定される、1.0インチ以下の距離2049だけロフト面2064または打球面2012からオフセットされることができる。他の実施形態では、キャビティ2030の前エッジ2046の少なくとも一部は、ロフト面2064に対して直角な方向に測定される、0.75インチ以下、0.50インチ以下、0.45インチ以下、0.40インチ以下、0.35インチ以下、0.30インチ以下、0.25インチ以下、0.20インチ以下、0.15インチ以下、0.10インチ以下、または、0.05インチ以下の距離2049だけロフト面2064または打球面2012からオフセットされることができる。例えば、多くの実施形態では、キャビティ2030の前エッジ2046の少なくとも一部は、ロフト面2064に対して直角な方向に測定される、0.025〜0.075インチの間の距離だけロフト面2064または打球面2012からオフセットされる。
多くの実施形態では、打球面のフェース近傍にキャビティ2030の前エッジ2046の少なくとも一部が位置することは、打球面からより遠くに位置する前エッジを持つキャビティを有する同様のクラブヘッドと比較して、インパクト中にクラブヘッド2000によって貯蔵される内部エネルギを増大させ、したがって、ゴルフボールへのエネルギ伝達を増大させることができる。ゴルフボールへのエネルギ伝達を増大させると、ボール速度と移動距離との増大が可能になる。
例えば、一実施形態では、ロフト面2064に対して直角の方向に測定される、打球面から0.05インチのオフセット距離2049にキャビティ2030の前エッジ2046の少なくとも一部を位置することは、キャビティを持っていないクラブヘッドと比較して、約8.6パーセントだけクラブヘッド2000に貯蔵される内部エネルギを増大させた。更に、例えば、一実施形態では、ロフト面2064に対して直角の方向に測定される、打球面から0.10インチのオフセット距離2049にキャビティ2030の前エッジ2046の少なくとも一部を位置することは、キャビティを持っていないクラブヘッドと比較して、約2.9パーセントだけクラブヘッド2000に貯蔵される内部エネルギを増大させた。これらの例では、打球面2012から0.05インチに位置する前エッジを持つキャビティを有するクラブヘッドは、打球面2012から0.10インチに位置する前エッジを持つキャビティを有するクラブヘッドと比較して、ゴルフボールとのインパクト時に約5.6パーセント多くの内部エネルギを貯蔵した。したがって、打球面2012のより近くにキャビティ2030の前エッジ2046を位置することは、ゴルフボールとのインパクト時にクラブヘッド2000に貯蔵される内部エネルギを増大させ、ボールへのエネルギ伝達の増大、ボール速度の増大、及び移動距離の増大を可能にする。
図26及び図27を参照すると、キャビティ2030は、更に、前後断面に関して記載されることができる。前後断面は、クラブヘッド2000の前端2010から後端2011に向けて延びる、接地面2058及び前面2060に対して直角に位置する平面にとられる。前後断面は、キャビティの長さに沿ったどこにでも位置することができる。例えば、図27は、キャビティ2030の中間点に位置する平面に沿ったクラブヘッドの断面図を示す。
図26及び図27を参照すると、キャビティ2030がソール2006上に位置するとき、キャビティ2030は、更に、頂点軸2068を有する。頂点軸2068は、前面からのオフセット距離2076に位置する。キャビティ2030のオフセット距離2076は、一定とすることができるか、またはキャビティ2030のオフセット距離2076は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで変化することができる。
頂点軸2068は、ヒール部2002からトウ部2004に延びるキャビティ2030の長さに沿った各位置におけるキャビティ2030の最も深い部分または最大深さ2074を画定する。ソール2006上に位置するキャビティ2030の最大深さ2074は、ロフト面2064に対して平行な方向に前エッジ2046から頂点軸2068まで測定される。キャビティ2030の最大深さ2074は、一定とすることができるか、またはキャビティ2030の最大深さ2074は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで変化することができる。例えば、キャビティ2030の中間点にとられた前後断面におけるキャビティ2030の最大深さ2074は、クラブヘッド2000のヒール部2002の近くまたはトウ部2004の近くにとられた前後断面におけるキャビティ2030の最大深さ2074とは異なることができる。
図26及び図27を参照すると、キャビティ2030は、更に、前面2078と裏面2080とを有する。前面2078は、キャビティ2030の前エッジ2046から頂点軸2068に延びる。裏面2080は、キャビティ2030の頂点軸2068から後エッジ2048に延びる。したがって、前面2078と裏面2080とは、キャビティ2030の頂点軸2068によって分離される。図26及び図27を参照すると、キャビティ2030の前面2078の少なくとも一部は、前エッジ2046の近くから頂点軸2068に向けた方向に打球面2012に向けて延びる。これらのまたは他の実施形態では、キャビティ2030の前面2078の少なくとも一部は、打球面撓みの増大とキャビティ2030とクラブヘッドボディ2001とにわたる応力分配の増大とを促進するために打球面2012に向けて延びる。前面2078は、前面外形の少なくとも一部がクラブヘッド2000の打球面2012に向けて延びるような任意の外形を有することができる。多くの実施形態では、打球面2012に向けて延びる前面2078の一部は、キャビティ2030のインセット部を形成する。
前面2078は、更に、クラブヘッド2000の任意の前後断面において最前点2082と最後点2084とを有する。最前点2082は、前面2060または打球面2012の最も近くの前面2078に沿って位置し、最後点2084は、前面2060または打球面2012から最も遠くの前面2078に沿って位置する。最前点2082は、前面2060から第1距離D1に位置し、最後点2084は、前面2060から第2距離D2に位置する。第2距離D2は、キャビティ2030の少なくとも1つの前後断面において第1距離D1よりも長い。第1距離D1及び第2距離D2は、一定とすることができるか、または第1距離D1及び第2距離D2は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで変化することができる。例えば、キャビティ2030の中間点にとられた前後断面におけるキャビティ2030の第1距離D1は、クラブヘッド2000のヒール部2002の近くまたはトウ部2004の近くにとられた前後断面におけるキャビティ2030の第1距離D1とは異なることができる。更に、例えば、キャビティ2030の中間点にとられた前後断面におけるキャビティ2030の第2距離D2は、クラブヘッド2000のヒール部2002の近くまたはトウ部2004の近くにとられた前後断面におけるキャビティ2030の第2距離D2とは異なることができる。多くの例では、第1距離D1に対する第2距離D2の比率は、キャビティ2030の少なくとも一部において1.0よりも大きいか、1.05よりも大きいか、1.1よりも大きいか、1.15よりも大きいか、1.2よりも大きいか、1.25よりも大きいか、または1.3よりも大きい。
図26及び図27を参照すると、軸2086は、キャビティ2030の前面2078の最前点2082と最後点2084とを通って延びる。図示の実施形態では、軸2086は、クラブヘッド2000の打球面2012と交差する。多くの実施形態では、軸2086は、クラブヘッド2000の打球面2012と鋭角に交差する。更に、軸2086は、クラブヘッド2000のロフト面2064に対して角度2088に位置する。多くの実施形態では、角度2088は、打球面に向けて延びない前面を持つキャビティを有するクラブヘッドと比較して打球面撓みを増大するために、0〜90度、5〜85度、10〜80度、または、15〜75度にわたる。角度2088は、一定とすることができるか、または、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで変化することができる。例えば、キャビティ2030の中間点にとられた前後断面におけるキャビティ2030の角度2088は、クラブヘッド2000のヒール部2002の近くまたはトウ部2004の近くにとられた前後断面におけるキャビティ2030の角度2088とは異なることができる。
多くの実施形態では、キャビティのインセット部2036は、高さ2040と深さ2050とを有する。図示の実施形態では、ロフト面2064に対して平行に測定されるインセット部2036の高さ2040は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで一定である。図示の実施形態では、キャビティ2030の高さ2040は、クラブヘッド2000の前端2010の近くから後端2011の近くまで変化することができる。例えば、図示の実施形態では、キャビティ2030の高さ2040は、クラブヘッド2000の前端2010の近くから後端2011の近くまで増大する。他の実施形態では、キャビティ2030の高さ2040は、クラブヘッド2000の前端2010の近くから後端2011の近くまで任意の外形に従って変化することができる。
更に、インセット部2036の高さ2040は、クラブヘッドのヒール部2002からトウ部2004まで任意の外形に従って増大または減少することができる。例えば、インセット部2036の高さ2040は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで増大することができる。更に、例えば、インセット部2036の高さ2040は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで減少することができる。更に、例えば、インセット部2036の高さ2040は、クラブヘッド2000の中心からヒール部2002及びトウ部2004に向けて増大することができる。更に、例えば、インセット部2036の高さ2040は、クラブヘッド2000の中心からヒール部2002及びトウ部2004に向けて減少することができる。
図示の実施形態では、ロフト面2064に対して平行な方向に前エッジと最前点2082との間の距離として測定されるインセット部2036の深さ2050は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで一定のままである。他の実施形態では、インセット部2036の深さ2050は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで任意の外形に従って増大または減少することができる。例えば、インセット部2036の深さ2050は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで増大することができる。更に、例えば、インセット部2036の深さ2050は、クラブヘッド2000のヒール部2002からトウ部2004まで減少することができる。更に、例えば、インセット部2036の深さ2050は、クラブヘッド2000の中心からヒール部2002及びトウ部2004に向けて増大することができる。更に、例えば、インセット部2036の深さ2050は、クラブヘッド2000の中心からヒール部2002及びトウ部2004に向けて減少することができる。
図26及び図27の図示の実施形態では、前面2078の外形は単方向である。更に、前面2078は、打球面2012に向けた方向にキャビティ2030の頂点軸2068に向けて延びる。これらのまたは他の例では、前面2078の最前点2082は、キャビティ2030の頂点軸2068の近くに位置し、最後点2084は、キャビティ2030の前エッジ2046の近くに位置する。他の実施形態では、前面外形は、多方向であることができ、前面の少なくとも一部が、打球面2012に向けた方向にキャビティの頂点軸に向けて延びるような任意の外形を有することができる。
図26及び図27の図示の実施形態では、キャビティ2030の裏面2080は、実質的に直線である。他の実施形態では、キャビティ2030の裏面2080は、任意の形状を有することができる。
他の例では、キャビティ2030は、キャビティ2030の主部2038がクラブヘッド2000のソール2006から内側に延び、インセット部2036がキャビティ2030の主部2038からクラブヘッド2000の後端2011に向けて延びるように配向されることができる。これらの例では、前面2078は、任意の外形を有することができ、少なくとも一部または裏面2080は、クラブヘッド2000の後端2011に向けて延びることができる。
図22及び図23は、打球面3012及びボディ3001を有するクラブヘッド3000の他の実施形態を示す。ボディ3001は、ヒール領域と3002と、ヒール領域3002に対向するトウ領域3004と、ソール3006と、ソール3006に対向するクラウン3008と、前端3010と、前端3010に対向する後端3011と、キャビティ3030と、を有する。クラブヘッド3000は、キャビティ3030の前面3078が多方向であることを除き、同様の特徴を参照する同じ番号を持つクラブヘッド2000と同様であることができる。これらのまたは他の実施形態では、前面3078は、複数の方向にキャビティ3030の前エッジ3046から頂点軸3068に延び、したがって、前面3078の少なくとも一部は、打球面3012に向けて延びる。
図22〜図25、図28、及び、図29を参照すると、これらのまたは他の例では、キャビティ3030は、インセット部3036を有し、更に、前エッジ3046からキャビティ3030に延びる側壁3032と後エッジ3048からキャビティ3030に延びる内壁3034とを有することができる。インセット部3036は、側壁3032に対して第1角度3042に位置し、内壁3034に対して第2角度3044に位置する。図示の実施形態では、第1角度3042は、約90度である。他の実施形態では、第1角度3042は、約85〜95度、約80〜100度、または、約75〜105度の範囲にあることができる。更に、図示の実施形態では、第2角度3044は、約90度である。他の実施形態では、第2角度3044は、約85〜95度、約80〜100度、または、約75〜105度の範囲にあることができる。
これらの実施形態では、クラブヘッド3000のキャビティ3030は、それぞれ、クラブヘッド2000のキャビティ2030の主部2038、インセット部2036、前エッジ2046、及び、後エッジ2048と同様の主部3038、インセット部3036、前エッジ3046、及び、後エッジ3048を有する。更に、クラブヘッド3000のキャビティ3030は、それぞれ、クラブヘッド2000のキャビティ2030の頂点軸2068、前面2078、及び、裏面2080と同様の頂点軸3068、前面3078、及び、裏面3080を有する。したがって、クラブヘッド3000の前面3078の少なくとも一部は、打球面3012に向けて延びる。
図24は、打球面4012及びボディ4001を有するクラブヘッド4000の他の実施形態を示す。ボディ4001は、ヒール領域4002と、ヒール領域4002に対向するトウ領域4004と、ソール4006と、ソール4006に対向するクラウン4008と、前端4010と、前端4010に対向する後端4011と、キャビティ4030とを有する。クラブヘッド4000は、キャビティ4030が打球面4012の後ろであって、クラブヘッド4000のクラウン4008上に位置することを除き、同様の特徴を参照する同じ番号を持つクラブヘッド3000をと同様であることができる。これらのまたは他の実施形態では、キャビティ4030は、ゴルフボールとのインパクト時の打球面撓みを増大させ、逆回転を低減し、及び/または、打出し角度を増大させ、ボール速度と移動距離とを増大させることができる。更に、これらのまたは他の実施形態では、キャビティ4030をクラウン上に少なくとも部分的に位置することは、更に、打球面の低い位置でのインパクトのために打球面の曲げを増大させることができる。
図24を参照すると、キャビティ4030がクラウン4008上に位置するとき、キャビティ4030は、更に、天底軸4072を有する。天底軸4072は、前面からのオフセット距離4076に位置する。キャビティ4030のオフセット距離4076は、一定とすることができるか、またはキャビティ4030のオフセット距離4076は、クラブヘッド4000のヒール部4002からトウ部4004まで変化することができる。
天底軸4072は、ヒール部4002からトウ部4004に延びるキャビティ4030の長さに沿った各位置におけるキャビティ4030の最も深い部分または最大深さ4074を画定する。クラウン4008上に位置するキャビティ4030の最大深さ4074は、ロフト面4064に対して平行な方向に前エッジ4046から天底軸4072まで測定される。キャビティ4030の最大深さ4074は、一定とすることができるか、またはキャビティ4030の最大深さ4074は、クラブヘッド4000のヒール部4002からトウ部4004まで変化することができる。例えば、キャビティ4030の中間点にとられた前後断面におけるキャビティ4030の最大深さ4074は、クラブヘッド4000のヒール部4002の近くまたはトウ部4004の近くにとられた前後断面におけるキャビティ4030の最大深さ4074とは異なることができる。
図24を参照すると、キャビティ4030は、更に、前面4078と裏面4080とを有する。前面4078は、キャビティ4030の前エッジ4046から天底軸4072に延びる。裏面4080は、キャビティ4030の天底軸4072から後エッジ4048に延びる。したがって、前面4078と裏面4080とは、キャビティ4030の天底軸4072によって分離される。図24を参照すると、キャビティ4030の前面4078の少なくとも一部は、前エッジ4046の近くから天底軸4072に向けた方向に打球面4012に向けて延びる。これらのまたは他の実施形態では、キャビティ4030の前面4078の少なくとも一部は、打球面撓みの増大とキャビティ4030とクラブヘッドボディ4001とにわたる応力分配の増大とを促進するために打球面4012に向けて延びる。前面4078は、前面外形の少なくとも一部がクラブヘッド4000の打球面4012に向けて延びるような任意の外形を有することができる。多くの実施形態では、打球面4012に向けて延びる前面4078の一部は、キャビティ4030のインセット部を形成する。
図24を参照すると、キャビティ4030は、更に、主部4038とインセット部4036とを有する。キャビティ4030の主部4038は、前エッジ4046と後エッジ4048との間でクラブヘッド4000のクラウン4008から内側に延びる。インセット部4036は、打球面4012に向けてキャビティ4030の主部4038から延びる。多くの実施形態では、主部4038及びインセット部4036は、ロフト面4064に平行に、キャビティ4030の長さに沿って各位置で前エッジ4046を通って延びる複数の軸4047によって形成される平面によって分離される。多くの実施形態では、キャビティの長さに沿った各位置は、約0.1インチの長さの増分によって画定されることができる。他の実施形態では、キャビティの長さに沿った各位置は、0.100インチよりも短い長さ、0.075インチよりも短い長さ、または0.050インチよりも短い長さの増分によって画定されることができる。
インセット部4036は、インセット部の無いキャビティを有するクラブヘッドと比較して、ゴルフボールとのインパクト時の打球面撓みを増大させる。更に、インセット部4036は、インセット部の無いキャビティを有するクラブヘッドと比較して、ゴルフボールとのインパクト時により広い範囲に応力を分散させる。多くの実施形態では、インセット部4036によるゴルフクラブヘッド中での応力のより大きい分散は、キャビティ4030の前エッジ4046または後エッジ4048において応力集中が発生するのを阻止する。
図30は、打球面5012及びボディ5001を有するクラブヘッド5000の他の実施形態を示す。ボディ5001は、ヒール領域5002と、ヒール領域5002に対向するトウ領域5004と、ソール5006と、ソール5006に対向するクラウン5008と、前端5010と、前端5010に対向する後端5011と、キャビティ5030と、を有する。クラブヘッド5000は、キャビティ5030の裏面5080が凹状であり、それによって、ゴルフボールとのインパクト時のクラブヘッドの変形に適合し、撓み及びエネルギ貯蔵の増大を可能とすることを除き、同様の特徴を参照する同じ番号を持つクラブヘッド2000と同様であることができる。他の実施形態では、キャビティ5030は、任意の他の湾曲形状を有することができる。例えば、他の実施形態では、キャビティ5030の裏面5080は、凸状であることができるか、または任意の他の外形を有することができる。
これらの実施形態では、クラブヘッド5000のキャビティ5030は、それぞれ、クラブヘッド2000のキャビティ2030の主部2038、インセット部2036、前エッジ2046、及び、後エッジ2048と同様の主部5038、インセット部5036、前エッジ5046、及び、後エッジ5048を有する。更に、クラブヘッド5000のキャビティ5030は、それぞれ、クラブヘッド2000のキャビティ2030の頂点軸2068、前面2078、及び裏面2080と同様の頂点軸5068、前面5078、及び裏面5080を有する。したがって、クラブヘッド5000の前面5078の少なくとも一部は、打球面5012に向けて延びる。
図28は、打球面6012及びボディ6001を有するクラブヘッド6000の他の実施形態を示す。ボディ6001は、ヒール領域6002と、ヒール領域6002に対向するトウ領域6004と、ソール6006と、ソール6006に対向するクラウン6008と、前端6010と、前端6010に対向する後端6011と、キャビティ6030と、を有する。クラブヘッド6000は、キャビティ6030の裏面6080が凹状であり、それによって、ゴルフボールとのインパクト時のクラブヘッドの変形に適合し、撓み及びエネルギ貯蔵の増大を可能とすることを除き、同様の特徴を参照する同じ番号を持つクラブヘッド3000と同様であることができる。他の実施形態では、キャビティ6030は、任意の他の湾曲形状を有することができる。例えば、他の実施形態では、キャビティ6030の裏面6080は、凸状であることができるか、または任意の他の外形を有することができる。
これらの実施形態では、クラブヘッド6000のキャビティ6030は、それぞれ、クラブヘッド3000のキャビティ3030の主部3038、インセット部3036、前エッジ3046、及び、後エッジ3048と同様の主部6038、インセット部6036、前エッジ6046、及び、後エッジ6048を有する。更に、クラブヘッド6000のキャビティ6030は、それぞれ、クラブヘッド3000のキャビティ3030の頂点軸3068、前面3078、及び、裏面3080と同様の頂点軸6068、前面6078、及び、裏面6080を有する。したがって、クラブヘッド6000の前面6078の少なくとも一部は、打球面6012に向けて延びる。
図29は、打球面7012及びボディ7001を有するクラブヘッド7000の他の実施形態を示す。ボディ7001は、ヒール領域7002と、ヒール領域7002に対向するトウ領域7004と、ソール7006と、ソール7006に対向するクラウン7008と、前端7010と、前端7010に対向する後端7011と、キャビティ7030と、を有する。クラブヘッド7000は、キャビティ7030の裏面7080が凹状であり、それによって、ゴルフボールとのインパクト時のクラブヘッドの変形に適合し、撓み及びエネルギ貯蔵の増大を可能とすることを除き、同様の特徴を参照する同じ番号を持つクラブヘッド4000と同様であることができる。他の実施形態では、キャビティ7030は、任意の他の湾曲形状を有することができる。例えば、他の実施形態では、キャビティ7030の裏面7080は、凸状であることができるか、または任意の他の外形を有することができる。
これらの実施形態では、クラブヘッド7000のキャビティ7030は、それぞれ、クラブヘッド4000のキャビティ4030の主部4038、インセット部4036、前エッジ4046、及び、後エッジ4048と同様の主部7038、インセット部7036、前エッジ7046、及び、後エッジ7048を有する。更に、クラブヘッド7000のキャビティ7030は、それぞれ、クラブヘッド4000のキャビティ4030の天底軸4072、前面4078、及び裏面4080と同様の天底軸7072、前面7078、及び、裏面7080を有する。したがって、クラブヘッド7000の前面7078の少なくとも一部は、打球面7012に向けて延びる。
図25は、打球面8012及びボディ8001を有するクラブヘッド8000の他の実施形態を示す。ボディ8001は、ヒール領域8002と、ヒール領域8002に対向するトウ領域8004と、ソール8006と、ソール8006に対向するクラウン8008と、前端8010と、前端8010に対向する後端8011と、キャビティ8030と、を有する。クラブヘッド8000は、クラブヘッド8000のキャビティ8030が打球面8012とクラウン8008との間の移行に位置することを除き、同様の特徴を参照する同じ番号を持つクラブヘッド4000と同様であることができる。これらのまたは他の実施形態では、インセット部8036は、キャビティ8030の主部8038よりもクラブヘッド8000の後端8011の近くに位置することができる。
他の実施形態では、キャビティ8030は、クラブヘッド8000の打球面8012とボディ8001との間の任意の移行領域上に位置することができる。例えば、他の実施形態では、キャビティ8030は、打球面8012とソール8006との間の移行領域に位置することができる。
図22〜図30を参照すると、本明細書で説明したキャビティ2030、3030、4030、5030、6030、7030、8030を有するクラブヘッド2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000は、ゴルフボールとのインパクト時に増大した内部エネルギを貯蔵することができる。貯蔵されたエネルギの増大は、増大したエネルギをインパクト時にゴルフボールに伝達することを可能とし、それによって、キャビティを持っていない同様のクラブヘッドと比較して、またはインセット部を持つキャビティを持っていないキャビティを有する同様のクラブヘッドと比較して、ボール速度と移動距離とを増大する。
例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で説明するキャビティを有するクラブヘッドは、キャビティを持っていない同様のクラブヘッドと比較して、100マイル/時のスイング速度でのゴルフボールとのシミュレートされたインパクト時に約48〜90%多くの内部エネルギを貯蔵した。更に、例えば、表1を参照すると、図28に示すクラブヘッド6000は、インセット部の無い同様のキャビティを有する同様のクラブヘッドと比較して、100マイル/時のスイング速度でのゴルフボールとのシミュレートされたインパクト時に4.0%多くの内部エネルギを貯蔵した。更に、例えば、表1を参照すると、図30に示すクラブヘッド5000は、インセット部の無い同様のキャビティを有する同様のクラブヘッドと比較して、100マイル/時のスイング速度でのゴルフボールとのシミュレートされたインパクト時に約4〜10%多くの内部エネルギを貯蔵することができる。
更に、図22〜図30を参照すると、本明細書で説明するキャビティ2030、3030、4030、5030、6030、7030、8030を有するクラブヘッド2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000は、より広い表面区域を介してインパクト応力を再分散し、それによって、キャビティを持っていないか、または、インセット部を有するキャビティを持っていない同様のクラブヘッドと比較して、クラブヘッドの耐久性を増大することができる。インセット部を有するキャビティを持っていない多くのクラブヘッドは、キャビティの前エッジの近くに高い応力を経験する。それとは反対に、本明細書で説明するキャビティ2030、3030、4030、5030、6030、7030、8030を有するクラブヘッド2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000は、インパクト時にクラブヘッド及び/またはキャビティのねじり曲げを増大することを可能とし、それによって、前エッジ及び後エッジにおける応力集中を低減し、クラブヘッドの耐久性を増大するためにキャビティのより広い領域にわたってインパクト応力を分散することを可能とする。
例えば、表1を参照すると、図28及び図30に示すクラブヘッド6000及び5000は、100マイル/時のスイング速度でのゴルフボールとのシミュレートされたインパクト時に、インセット部の無い同様のキャビティを有する同様のクラブヘッドのピーク応力よりも17〜25%小さいピーク応力をインパクト時に経験した。
III.カスケードソール及びバックキャビティを有するゴルフクラブヘッド
いくつかの実施形態では、バックキャビティを有するゴルフクラブヘッドは、更に、段付薄肉部を有するカスケードソールを備える。図14は、実施形態によるゴルフクラブヘッド1100の断面を示し、これは図10の同様な断面線XII−XIIに沿うゴルフクラブヘッド1000(図10)と同様にすることができる。ゴルフクラブヘッド1000(図10)と同様に、ゴルフクラブヘッド1100は、ボディ1101を有する。ボディ1101は、打球面1112と、ソール1106と、クラウン1108と、を有する。打球面1112は、高領域1176と、中領域1174と、低領域1172と、を有する。クラウン1108は、上部領域1111と下部領域1113とを有する。上部領域1111は、頂部レール1115を有する。多くの実施形態では、キャビティ1130は、頂部レール1115の下側に配置される。ゴルフクラブヘッド1100は、更に、内径移行部310と同様なカスケードソール1310を有する(図3)。内径移行部1310は、第1厚さの第1段1315と、第2厚さの第2段1317と、段移行領域1316とを有することができる。いくつかの実施形態では、カスケードソール1310は、頂部レール1115に対して更に柔軟性を付与することができる。多くの実施形態では、カスケードソールに組み合わされるバックキャビティは、打球面に更に大きなスプリング効果を付与する。いくつかの実施形態では、カスケードソールを有するバックキャビティは、打球面の撓みに約3%〜5%多くのエネルギを許容する。カスケードソール1310は、2段以上の任意数の段を有することができる。例えば、カスケードソール1310は、2,3,4,5,6または7つの段を有することができる。
カスケードソール及びバックキャビティを有するゴルフクラブヘッド1100は、カスケードソールまたはバックキャビティのみを有するゴルフクラブヘッドよりも、打球面に対してより大きなリコイル力を付与することができる。これは、上述のように、内径移行部及びバックキャビティの双方から組み合わされて増大されたリコイル力による。打球面に対して増大したリコイル力は、撓みを増大させ、これは、ゴルフボールに適用されるインパクト力を増大し、これにより、ゴルフボールの速度を増大する。いくつかの実施形態では、キャビティ1130と内径移行部1310とを双方を有するゴルフクラブヘッド1100は、球速を増大し、打出し角度を増大し、良好な距離コントロールを提供することができる。種々の実施形態では、ゴルフクラブヘッド1100は、球速を約1%から約4%増大することができる。種々の実施形態では、ゴルフクラブヘッド1100は、球速を約1%,2%,3%または4%増大することができる。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1100は、ゴルフボールを打球面の高領域1176でインパクトしたときに、球速をより大きく増大する。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1100は、打出し角度を約0.5度から約1.1度増大することができる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1100は、打出し角度を約0.5度、0.6度、0.7度、0.8度、0.9度、1.0度または1.1度増大することができる。
カスケードソール及びバックキャビティを有するゴルフクラブヘッド1100の実施形態をテストした。全体として、カスケードソール及びバックキャビティを欠いた対照ゴルフクラブヘッドを比較したときに、キャビティ付ゴルフクラブヘッドはゴルフボールの速度の増加及び打出し角度の増加を示した。キャビティ付ゴルフクラブヘッドは、カスケードソール1310(図14)及びキャビティ1130(図14)の組合せからの組合されたスプリング効果により、打球面のあらゆる接触位置に対して、ゴルフボールの速度の上昇及び打出し角度の増加を示した。いくつかの実施形態では、部分的にキャビティ1130(図14)のスプリング効果により、ゴルフボールの速度及び打出し角度のより大きな増大が、打球面の高い部分(例えば高領域1076(図12)または高領域1176(図14))での接触で観測された。図19〜20は、閉じたバックデザイン及びキャビティ付ゴルフクラブヘッドと同様なロフト角を有する標準のアイアンタイプのゴルフクラブヘッド(対照ゴルフクラブヘッド)と比較したゴルフクラブヘッド1100(キャビティ付ゴルフヘッド)の実施形態のテストの結果を示す。図19は、ゴルフボールを打球面の高領域でインパクトするときの対照ゴルフクラブヘッドと比較したキャビティ付ゴルフクラブヘッドのゴルフボール速度の増加を示し、図20は、ゴルフボールを打球面の高領域でインパクトしたときの対照ゴルフクラブヘッドと比較したキャビティ付ゴルフクラブヘッドの打出し角度の増加を示す。
特に、図19は、対照ゴルフクラブヘッドと比較したときに、キャビティ付ゴルフクラブヘッドのゴルフボール速度は、ゴルフボールを打球面の高トウ領域でインパクトしたときに、約1.9%(または、約2.5mph)、ゴルフボールを打球面の高中央領域でインパクトしたときに、約2.1%(または、約2.8mph、若しくは、約4.5kph)、ゴルフボールを打球面の高ヒール領域でインパクトしたとき(キャビティ付ゴルフクラブヘッドの全て)に、約1.5%(または、約2.0mph、若しくは、約3.2kph)増加することを示す。対照ゴルフクラブヘッドの高トウ領域でゴルフボールを打球面にインパクトしたときに、ゴルフボールの速度約132.5mph(213.2kph)であり、一方、キャビティ付ゴルフクラブヘッドの高トウ領域で打球面にインパクトしたときに、ゴルフボールは、約135.0mph(217.3kph)に達する。対照ゴルフクラブヘッドの高中央領域でゴルフボールを打球面にインパクトしたときに、ゴルフボールの速度約133.4mph(214.7kph)であり、一方、キャビティ付ゴルフクラブヘッドの高中央領域で打球面にインパクトしたときに、ゴルフボールは、約136.2mph(219.2kph)に達する。対照ゴルフクラブヘッドの高ヒール領域でゴルフボールを打球面にインパクトしたときに、ゴルフボールの速度約134.0mph(215.7kph)であり、一方、キャビティ付ゴルフクラブヘッドの高ヒール領域で打球面にインパクトしたときに、ゴルフボールは、約136.0mph(218.9kph)に達する。
図20は、対照ゴルフクラブヘッドと比較したときに、キャビティ付ゴルフクラブヘッドの打出し角度は、ゴルフボールを打球面の高トウ領域でインパクトしたときに、約4.2%(または、約0.6度)、ゴルフボールを打球面の高中央領域でインパクトしたときに、約4.8%(または、約0.7度)、ゴルフボールを打球面の高ヒール領域でインパクトしたとき(キャビティ付ゴルフクラブヘッドの全て)に、約6.4%(または、約0.9度)増加することを示す。ゴルフボールが対照ゴルフクラブヘッドの高トウ領域で打球面をインパクトしたときに、打出し角度は約14.4度であり、一方、キャビティ付ゴルフクラブヘッドの高トウ領域で打球面をインパクトしたときに、打出し角度は約15.0度である。ゴルフボールが対照ゴルフクラブヘッドの高中央領域で打球面をインパクトしたときに、打出し角度は約14.5度であり、一方、キャビティ付ゴルフクラブヘッドの高中央領域で打球面をインパクトしたときに、打出し角度は約15.2度である。ゴルフボールが対照ゴルフクラブヘッドの高ヒール領域で打球面をインパクトしたときに、打出し角度は約14.1度であり、一方、キャビティ付ゴルフクラブヘッドの高ヒール領域で打球面をインパクトしたときに、打出し角度は約15.0度である。
図17は、ゴルフクラブヘッドを製造する方法1700を示す。方法1700は、ボディを準備すること(ブロック1705)を包含する。ブロック1705でボディを準備することは、打球面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンとを有するボディを備える。多くの実施形態では、クラウンは、上部領域と下部領域とを有する。いくつかの実施形態では、上部領域は頂部レールを有する。多くの実施形態では、キャビティは、頂部レールの下側に配置され、クラウンの下部領域の上側に配置される(ブロック1710)。いくつかの実施形態では、キャビティは、少なくとも一部がクラウンの上部及び下部領域で画定される。キャビティは、頂部壁と、頂部壁に隣接する後壁と、後壁に隣接する底部傾斜部と、キャビティの頂部壁及び後壁間で測定されるバックキャビティ角度と、少なくとも1つのチャンネルとを有する。
いくつかの実施形態では、方法1700は、更に、クラウンの下部領域にトウ領域に向くインサートを準備することを包含する。いくつかの実施形態では、インサートはインサート1062(図10)と同様である。
いくつかの実施形態では、ブロック1705において、カスケードソールを有するボディを更に備えるボディを準備する。カスケードソールは、打球面からソールまで内径移行部を備える。多くの実施形態では、内径移行領域は、内径移行部またはカスケードソール1310(図14)と同様にすることができる。いくつかの実施形態では、内径移行領域は、第1厚さを有する第1段と、第1厚さよりも薄い第2厚さを有する第2段と、第1段と第2段との間の段移行領域とを備える。
IV.カスケードソール及びバックキャビティを有するゴルフクラブ
図15に移ると、図15は、ゴルフクラブヘッド1500と、ゴルフクラブヘッド1500に連結されるシャフト1590とを備えるゴルフクラブ1500を示す。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブ1500のゴルフクラブヘッド15000は、ハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドを備える。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド1500は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドまたはフェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッドとすることができる。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1500は、ゴルフクラブヘッド100またはゴルフクラブヘッド1000(図10)と同様とすることができる。ゴルフクラブヘッド1500は中空ボディとすることができ、打球面1512と、ヒール領域1502と、ヒール領域1502に対向するトウ領域1504と、ソール1506と、クラウンと1508を有する。クラウン1508は、上部領域1511と下部領域1513とを有する。上部領域1511は、頂部レール1515を有する。ゴルフクラブヘッド1500は、更に、頂部レール1515の下側で、クラウン1508の下部領域1513の上側に配置されるキャビティ1530を備える。
図16は、1つの実施形態による図15の断面線XVI−XVIに沿うゴルフクラブヘッド1500の断面を示す。いくつかの実施形態では、キャビティ1530は、上部領域1511と下部領域1513とで少なくとも一部を画定することができる。多くの実施形態では、キャビティ1530は、頂部壁1517と、後壁1519と、底部傾斜部1521と、頂部壁1517及び後壁1519間で測定されるバックキャビティ角度1535と、少なくとも1つのチャンネル1539とを有する。いくつかの実施形態では、頂壁1517の頂点は、頂部レール1515の頂点の下側、約0.25インチから約1.25インチである。いくつかの実施形態では、頂壁1517の頂点は、頂部レール1515の頂点の下側、約0.375インチである。いくつかの実施形態では、底部傾斜部1521は、頂部レール1515の下側の頂点を少なくとも約0.50インチから約2インチとすることができる。多くの実施形態では、バックキャビティ角度1535は、約70度から約110度とすることができる。いくつかの実施形態では、バックキャビティ角度1535は、約90度とすることができる。
多くの実施形態では、上部領域1511は、キャビティの頂部とキャビティの底部傾斜部を有するクラウンの下部領域とを備える。いくつかの実施形態では、上部領域1511は、更に、キャビティの1530の頂部壁1517に隣接する後壁1523と、キャビティ1530の頂部壁1517と上部領域1511の後壁1523との間で測定される後角度1540とを備える。多くの実施形態では、後角度1540は、約70度から約110度である。
他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ホーゼルを有することができる。ホーゼルは、ホーゼルノッチを有することができる。ホーゼルノッチは、ロフトのアイアン状範囲とし、ライ角を調節可能に配置することができる。図16に示してないが、ゴルフクラブヘッド1500は、更に、カスケードソールまたは内径移行部をソールに有してもよい。
本明細書で論じたエネルギ貯蔵特性を有するゴルフクラブヘッドは、様々な実施形態で実施することができ、これらの実施形態の前述の議論は、必ずしも全ての可能な実施形態の完全な説明を示すものではない。むしろ、図面の詳細な説明及び図面自体は、エネルギ貯蔵特性を有するゴルフクラブヘッドの少なくとも1つの好ましい実施形態を開示し、段付内側薄肉部を設けたゴルフクラブヘッドの他の実施形態を開示することができる。
(条項1)ゴルフクラブヘッドであって、中空ボディと、打球面と、ヒール領域と、前記ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンと、前記クラブヘッドの前記打球面の後ろであり、かつ、前記クラブヘッドの前記ソールの上に配置されるキャビティと、を備え、前記キャビティは、前記ソールに隣接する前エッジと、前記ソールに隣接する後エッジと、前記前エッジと前記後エッジとの間を前記ソールから内側に延びる主部と、前記主部から前記打球面に延びるインセット部と、前記キャビティの最も深い部分に沿って位置しており、前記ヒール領域から前記トウ領域に延びる頂点軸であって、前記キャビティの裏面から前記キャビティの前面を分離する前記頂点軸と、を有し、前記前面は、前記前エッジから前記頂点軸に延び、前記裏面は、前記頂点軸から前記後エッジに延び、前記前面の少なくとも一部は、前記打球面に向かって延びる、ゴルフクラブヘッド。
(条項2)前記クラブヘッドの容積は、60ccよりも小さい、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項3)前記クラブヘッドの容積は、40〜60ccの間である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項4)前記キャビティの前記前エッジは、前記打球面から、0.50インチ以下の距離だけオフセットしている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項5)前記キャビティの前記前エッジは、前記打球面から、0.10インチ以下の距離だけオフセットしている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項6)前記キャビティの前記前エッジは、前記打球面から、一定の距離だけオフセットしている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項7)前記打球面の中心の近くの前記キャビティの前記前エッジは、前記ヒール領域と前記トウ領域との少なくとも1つ領域の近くの前記キャビティの前記前エッジよりも前記打球面に近い、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項8)前記キャビティの前記前面は、さらに、前記クラブヘッドの側部断面図において、前記打球面の最も近くに位置する最前点と、前記クラブヘッドの前記側部断面図において、前記打球面から最も遠くに位置する最後点と、を有し、前記最前点と前記最後点とを通って延びる軸は、前記打球面と鋭角に交差する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項9)前記前面の前記最前点と前記最後点とを通って延びる前記軸は、前記クラブヘッドのロフト面に対して5度から85度の間の角度に位置する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項10)前記キャビティは、さらに、前記ヒール部から前記トウ部に延びる長さを有し、前記クラブヘッドのロフト面は、前記打球面の幾何学的中心を通るように配置され、複数の軸であって、前記キャビティの前記長さに沿った各位置において、前記ロフト面に平行に延び、前記前エッジを通る前記複数の軸によって形成される平面は、前記キャビティの前記主部と前記インセット部とを分離する、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項11)ゴルフクラブヘッドであって、中空ボディと、打球面と、ヒール領域と、前記ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、クラウンと、前記クラブヘッドの前記打球面の後ろであり、かつ、前記クラブヘッドの前記クラウンの上に位置するキャビティと、を備え、前記キャビティは、前記クラウンに隣接する前エッジと、前記クラウンに隣接する後エッジと、前記前エッジと前記後エッジとの間を前記クラウンから内側に延びる主部と、前記主部から前記打球面に延びるインセット部と、前記キャビティの最も深い部分に沿って位置しており、前記ヒール領域から前記トウ領域に延びる天底軸であって、前記キャビティの裏面から前記キャビティの前面を分離する前記天底軸と、を有し、前記前面は、前記前エッジから前記天底軸に延び、前記裏面は、前記天底軸から前記後エッジに延び、前記前面の少なくとも一部は、前記打球面に向かって延びる、ゴルフクラブヘッド。
(条項12)前記クラブヘッドの容積は、60ccよりも小さい、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項13)前記クラブヘッドの容積は、40〜60ccの間である、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項14)前記キャビティの前記前エッジは、前記打球面から、0.50インチ以下の距離だけオフセットしている、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項15)前記キャビティの前記前エッジは、前記打球面から、0.10インチ以下の距離だけオフセットしている、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項16)前記キャビティの前記前エッジは、前記打球面から、一定の距離だけオフセットしている、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項17)前記打球面の中心の近くの前記キャビティの前記前エッジは、前記ヒール領域と前記トウ領域との少なくとも1つ領域の近くの前記キャビティの前記前エッジよりも前記打球面に近い、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項18)前記キャビティの前記前面は、さらに、前記クラブヘッドの側部断面図において、前記打球面の最も近くに位置する最前点と、前記クラブヘッドの前記側部断面図において、前記打球面から最も遠くに位置する最後点と、を有し、前記最前点と前記最後点とを通って延びる軸は、前記打球面と鋭角に交差する、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項19)前記前面の前記最前点と前記最後点とを通って延びる前記軸は、前記クラブヘッドのロフト面に対して5度から85度の間の角度に位置する、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
(条項20)前記キャビティは、さらに、前記ヒール部から前記トウ部に延びる長さを有し、前記クラブヘッドのロフト面は、前記打球面の幾何学的中心を通るように配置され、複数の軸であって、前記キャビティの前記長さに沿った各位置において、前記ロフト面に平行に延び、前記前エッジを通る前記複数の軸によって形成される平面は、前記キャビティの前記主部と前記インセット部とを分離する、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
1つまたは複数の請求要素の置換は、再構成を構成し、補綴ではない。更に、問題に対する利点、他の有利な点及び解決を、特別な実施形態に関連して説明してきた。しかしながら、問題に対する利点、他の有利な点及び解決、並びに、任意の利点、有利な点または解決を発生させまたは明らかとさせる任意の1つまたは複数の要素は、このような利点、有利な点、解決または要素がこのような請求の範囲に明示的に述べられていない限り、請求の範囲の任意または全ての要素の重大な、必須の、または、本質的な特徴若しくは要素を構成するものではない。
ゴルフに対する規則は、時々変更される(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)等のゴルフ標準組織及び/または管理機関によって、新しい規則が適用されることがあり、または、古いルールが撤廃若しくは変更されることがある)ため、本明細書に記載の装置、方法及び製品に関するゴルフ用品は、任意の特定時におけるゴルフのルールに適合しまたは適合しないことがある。したがって、本明細書に記載の装置、方法及び製品に関するゴルフ用品は、適合または非適合ゴルフ用品として、公表され、売り出され、及び/または、売却されることがある。本明細書に記載の装置、方法及び製品は、この点について制限されない。
上記実施例は、ドライバタイプのゴルフクラブとの関連で記載されているが、本明細書に記載の装置、方法及び製品は、フェアウッドタイプのゴルフクラブ、ハイブリッドタイプのゴルフクラブ、アイアンタイプのゴルフクラブ、ウェッジタイプのゴルフクラブ、または、パタータイプのゴルフクラブ等の他のタイプのゴルフクラブに適用してもよい。一方、本明細書に記載の装置、方法及び製品は、ホッケー用スティック、テニスラケット、釣り竿、スキーのストック等の他のタイプのスポーツ用品に適用可能としてもよい。
更に、本明細書に記載の実施形態及び制限は、実施形態及び/または制限が、(1)請求の範囲に明示的に主張されていない、及び、(2)均等論の下で、請求の範囲における表現要素及び/または制限と等価または潜在的に等価である場合、公開主義の下で公衆に提供するものではない。