JP2019503122A - 周囲音響低圧イコライゼーション処理 - Google Patents

周囲音響低圧イコライゼーション処理 Download PDF

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Abstract

パッシブアンビエント式インイヤ型モニタが、周囲音が外耳道に通り抜け、内部ドライバによって生成される音と合成されることを可能にする一方向性音響フィルタを含む。音響低圧イコライゼーション処理装置の予め定められた空間容量が、音響フィルタを内部ドライバと連結し、生成された音と周囲音との合成音を、低周波音をほとんど劣化させずにユーザに伝達する。

Description

[関連出願]
本出願は、2015年12月15日に出願された米国仮特許出願第62/267,705号及び2016年12月14日に出願された米国特許出願第15/378,288号に関連し、また両出願に基づく優先権の利益を主張するものであり、両出願は、あらゆる目的のために、それらの全体の参照により、全体が本明細書に完全に記載されているかのようにここに組み込まれる。
本発明の実施形態は、概して、イヤピース(イヤホン又はインイヤ型モニタ)への周囲音の取り込みに関し、より詳細には、音響用イヤピースの(特に低周波の)アンビエントイコライゼーション処理に関する。
ミュージシャンや演奏者などは、正しいテンポ及び/又は正しい音程を保つために、自分自身及びバンドの他のメンバ又は演奏者の音を聞く必要がある。そうするには、モニタリングと呼ばれる方法が用いられる。これまで、演奏者が演奏中に関連する他の音を聞くために、フロアウェッジと呼ばれるオープンスピーカが用いられ、演奏者の音声、楽器、及び/又は楽曲を一緒にミキシングしたものが提供されてきた。
数年前に、旧式補聴器型のカスタム成形されたインイヤ型モニタが市場に導入された。それらのカスタムインイヤ型モニタは、フロアウェッジに取って代わった。カスタムインイヤ型モニタによって、演奏者に必要とされる機材の量が実質的に減少し、全体的なステージ音量が低下し、全体的なモニタリングレベルがより低くなることを可能にすることで、演奏者の聴覚障害のリスクを減少させた。
インイヤ型モニタは非常に小さく、通常、外耳道のすぐ外側及び中に装着される。その結果、モニタの音響設計は、小型コンポーネントを利用した非常にコンパクトな設計に適していなければならない。モニタには、特注品(すなわち、カスタム成形)もあれば、汎用の「フリーサイズ型」イヤピースが用いられることもある。汎用イヤピースは、限られた範囲のカスタマイズを提供する着脱可能で置換可能なイヤチップスリーブを含むことがある。
カナルホンやステレオイヤホンと呼ばれることもあるインイヤ型モニタはまた、録音された音楽とライブ音楽の両方を聞くのによく用いられる。
録音された音楽の典型的な適用例には、CDプレーヤ、フラッシュ若しくはハードドライブベースのMP3プレーヤ、ホームステレオ、又は装置のヘッドホンソケットを用いる同様の装置などの音楽プレーヤにモニタを接続することが含まれるであろう。あるいは、モニタは、無線で音楽プレーヤに連結されてもよい。ライブ音楽の典型的な適用例では、ステージ上のミュージシャンが、演奏中に自分の楽曲を聞くためにモニタを装着する。この場合、モニタは、ベルトパック型無線受信機に接続されるか、又は、ミキサ若しくはヘッドホンアンプなどのオーディオ分配装置に直接接続される。この種類のモニタは、ステージ用ラウドスピーカを用いることに関して多くの利点を提供し、これらの利点には、フィードバック前ゲインの向上、空間/ステージ音響効果の最小化/排除、ステージノイズの最小化を通じたより鮮明なミキシング、ミュージシャンの可動性向上が含まれる。
インイヤ型モニタは、隔離というよくある問題に直面する。インイヤ型モニタの隔離とは、インイヤ型モニタがもたらす遮音によって生じる周囲音量の低下である。観客の声を聞くために、演奏者によっては、片方のイヤピースを外すか、又はインイヤ型モニタがもたらす隔離の利点を依然として享受するために、周囲マイクチャネルの音量を上げることもある。多くのアーティストにとって、観客との交流は重要である。しかし、両耳がふさがれている場合、観客と交流するのは非常に困難であることが多い。この問題に対する1つの解決手段は、片方の耳だけにインイヤ型モニタを用いることである。しかしながら、この解決手段が用いられる場合、インイヤ型モニタを利用している片方の耳でミキシングしたもの全てを聞くには、音量が危険なほど大きくなり得、装着者を傷つけることがある。従来技術において知られ、また多くのインイヤ型モニタのメーカーによって知られている別の解決手段が、「アンビエントポート」と呼ばれる選択肢である。残念ながら、アンビエントポートを用いると、低音/低周波応答の実質的な低下をもたらすことになる。
したがって、低周波フィデリティの実質的な低下がない周囲音を供給し得るインイヤ型モニタ、イヤピース、及びイヤホンを提供する必要がある。
本発明のさらなる利点及び新規の特徴が、続く説明の中で部分的に記載されることになり、以下の明細書を検討することで当業者には部分的に明らかになり、又は本発明を実施することで分かるようになり得る。本発明の利点は、特に添付の特許請求の範囲に示される手段、組み合わせ、構成、及び方法によって実現され達成され得る。
本発明は、低周波特性をほとんど劣化させずに、インイヤ型モニタの内部音ドライバによって生成される音と周囲音を合成する。本発明の1つの実施形態によれば、パッシブアンビエント式インイヤ型モニタが、外耳道ストークに連結されたハウジングを含む。ハウジングはさらにフィルタと関連しており、これにより、フィルタは外表面及び内表面を含む。周囲環境からの周囲音波が、フィルタを外表面から内表面へ通り抜ける。インイヤ型モニタはさらに、1つ又は複数の音ドライバを含み、これらの音ドライバは内部音波を生成する。内部音波は、1つ又は複数の音ドライバ、外耳道ストーク、及びフィルタのそれぞれに連結される音響低圧イコライゼーション処理装置(SLED)によって、周囲音波と合成される。SLEDは、外耳道ストーク及び/又はハウジングを一体化したコンポーネント、又は別個の装置であってよい。SLEDは、内部音波及び周囲音波を外耳道ストークへ伝える予め定められた空間容量を含み、これにより、外耳道ストークにおける内部音波の周波数応答の程度が周波数応答の予め定められた範囲内になる。この予め定められた範囲によって、低周波特性が維持される。
上述されたパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの外耳道ストークは、外耳道を完全にふさぐイヤチップを含む。さらに、音響フィルタは、内表面から外表面へ通り抜けるあらゆる内部音波を実質的に低減させる一方向性音響フィルタである。一方向性音響フィルタはまた、外表面から内表面へ通り抜ける周囲音波を減衰させる。音の減衰量は変化し得るが、1つの実施形態において減衰量は0〜10dBであり、別の実施形態において減衰量は10〜25dBである。
上述されたパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの周波数応答の予め定められた範囲は、1つの実施形態において20〜20000Hzにわたる内部音波の±4dBであり、異なる実施形態では、外耳道ストークにおいて20〜2000Hzにわたる内部音波の周波数応答の予め定められた範囲は、±4dBである。
本明細書に示される本発明はまた、パッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法を含む。そのような方法は、外耳道を完全にふさぐようにインイヤ型モニタを構成することを含む。この事例において、インイヤ型モニタは、外耳道ストーク、1つ又は複数のドライバ、フィルタ、及び音響低圧イコライゼーション処理装置を含む。本方法は、1つ又は複数の音ドライバ、外耳道ストーク、及びフィルタのそれぞれの間にSLEDを挿入することで継続する。その後、フィルタからの周囲音波と、1つ又は複数のドライバからの内部音波とが、SLEDによって受信される。それらの合成音波は、予め定められた空間容量を通ってSLEDにより外耳道ストークへ伝えられ、これにより、1つ又は複数のドライバによって生成された内部音波の外耳道ストークでの周波数応答の程度が、周波数応答の予め定められた範囲内になる。
上述された方法は、フィルタを通り抜ける内部音波を実質的に低減させ得る。さらに、いくつかの実施形態においてフィルタは、インイヤ型モニタに入る周囲音波を0〜10dB及び/又は10〜25dB減衰させる。周囲音は減衰するが、内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は、±4dBに制限され得る。1つの実施形態において、外耳道ストークにおける20〜20000Hzの内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は±4dBに制限され、一方、別の実施形態では、外耳道ストークにおける20〜2000Hzの内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は±4dBに制限される。また、さらに別の実施形態において、外耳道ストークにおける20〜200Hzの内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は、±4dBに制限される。
本開示及び以下の詳細な説明において説明される特徴及び利点は、包括的なものではない。多くのさらなる特徴及び利点が、図面、明細書、及び特許請求の範囲に照らして、当業者には明らかであろう。さらに、本明細書に用いられる文言は、主に読みやすさ及び教育的目的のために選択されたものであり、発明の主題を詳述したり限定したりするために選択されたものではないかもしれず、特許請求の範囲への参照が、そのような発明の主題を決定するために必要であることに留意されたい。
添付図面と併用される1つ又は複数の実施形態の以下の説明を参照することで、本発明の特徴及び目的、並びにそれらを実現する方法がより明らかになり、本発明そのものが最もよく理解されるであろう。
本発明の1つの実施形態による、ユーザの外耳道をふさぐインイヤ型モニタの側面破断図を提供する。
従来技術で知られているような完全閉塞型及び非閉塞型のイヤホン及びインイヤ型モニタの比較を提供する。
本発明の1つの実施形態によるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの側面破断図を提供する。
本発明の1つの実施形態によるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの別の実施形態の側面破断図である。
本発明の実施形態によるカスタムパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの代替の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態によるカスタムパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの代替の実施形態を示す図である。
本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する1つの組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する1つの組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する1つの組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する1つの組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する1つの組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する1つの組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する1つの組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する1つの組立工程の斜視図を示す図である。
本発明の一実施形態を示す図であり、本発明の1つの実施形態による、マルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図であり、本発明の1つの実施形態による、マルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図であり、本発明の1つの実施形態による、マルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図であり、本発明の1つの実施形態による、マルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図であり、本発明の1つの実施形態による、マルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図であり、本発明の1つの実施形態による、マルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図であり、本発明の1つの実施形態による、マルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す図である。 本発明の一実施形態を示す図であり、本発明の1つの実施形態による、マルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す図である。
本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。 本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。 本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。 本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。 本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。 本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。 本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。 本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。 本発明の組立中のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを描写した側面図を示す。
図9と共に本発明の1つ又は複数の実施形態によるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの約20〜20000Hzの範囲における周波数応答のグラフを示したものであり、一方向性音響フィルタを用いた周囲音チャネルを有する本発明のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタと、開放ベント(又は、双方向性音響フィルタ)を有するインイヤ型モニタとの比較を示している。
一方向性フィルタ及び周囲音チャネルを有する本発明のパッシブアンビエント型トリプルドライバ付きインイヤ型モニタを、一方向性フィルタを有するが専用の周囲音チャネルを欠いたパッシブアンビエント型トリプルドライバ付きインイヤ型モニタと比較したときの対比を示している。
パッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための、本発明による方法の1つの実施形態を示すフローチャートである。
これらの図は、例示目的のためだけに、本発明の実施形態を図示する。当業者であれば、本明細書に示される構造及び方法に関する代替の実施形態が、本明細書に説明される本発明の原理から逸脱することなく利用されてよいことを、以下の説明から容易に認識するであろう。
本発明の1つ又は複数の実施形態により、ユーザは、ユーザの耳に聞こえるようにイヤピース又はモニタのスピーカを駆動する音源装置(すなわち、ラジオ、オーディオプレーヤ、及び他の同様な装置)から入ってくる信号(すなわち、音楽、音声など)及び近くの周囲音を両方とも、低周波スペクトルにほとんど損失を与えずに聞くことが可能になる。本発明の1つの実施形態によれば、アンビエントフィルタリングベントにより、例えば、ライブステージ音、車の騒音、音声、警報のサイレン及びインジケータといった音が、外界から外耳道へ通り抜けることが可能となる。この周囲音の伝達は、内部ドライバによって生成される音の低周波応答を劣化又は低下させることなく実現される。
低周波出力の損失は、インサートイヤホン又はインイヤ型モニタによくある問題であり、それらの小型スピーカによって動かされる空気の容量は、スピーカが動かす必要がある空気の全質量に依存する。このことは、低周波応答において特に明らかである。本発明の1つの実施形態において、低周波エネルギーの保存は、アンビエントチャネル内の空気に対して一定限度の抵抗性効果を有し、空気(及び音響波形)が音チャネルから出ないようにする膜を含んだフィルタを、インイヤ型モニタに組み込むことで実現される。さらに、内部スピーカ、これは本明細書でドライバとも称されるが、そこからの音とアンビエントベントは、スピーカからの信号源が妨げられずに外耳道に到達することを可能にする音響経路を介して、非常に注意深く制御され、一方、周囲音は、減衰フィルタによってもたらされる縮小による低下した状態でしか耳に到達しない。最後に、アンビエントベント(チャネル)及び音響経路内の一定量又は一定容量の空気は、容量、長さ及び直径の寸法仕様によって非常に厳密に制御されている。それらの組み合わせにより、インイヤ型モニタは、低周波出力の損失を最小限にした状態で、ハイフィデリティサウンドの再生音をドライバ/スピーカから出力し、それと同時に、低周波応答の損失を最小限にした状態で、周囲環境の周囲音を供給することが可能になる。
以降、本発明の実施形態が、添付の図を参照して詳細に説明される。本発明は、以降、ある程度の詳しさで説明され示されるが、本開示が例としてのみ行われていること、並びに部品の組み合わせ及び構成における多くの変更が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者により用いられ得ることを理解されたい。
添付図面に関連した以下の説明は、特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定められる本発明の例示的な実施形態を包括的に理解する際に役立つように提供されている。以下の説明には、こうした理解に役立つための様々な具体的な詳細が含まれるが、それらは単なる例示とみなされることになる。したがって、当業者であれば、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に説明される実施形態の様々な変更及び修正が行われ得ることを認識するであろう。また、よく知られた機能及び構造の説明は、明瞭且つ簡潔を目的に省略されている。
以下の説明及び特許請求の範囲に用いられる用語及び単語は、文字通りの意味に限定されるものではなく、本発明の明確且つ一貫した理解を可能にするために、単に発明者が用いるものである。したがって、本発明の例示的な実施形態に関する以下の説明は、例示を目的に提供されるものであって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定められる本発明を限定する目的で提供されるものではないことが、当業者には明らかであるべきである。
「実質的に(substantially)」という用語が意味することは、説明される特性、パラメータ、又は値が厳密に実現される必要はないが、例えば、許容誤差、測定誤差、測定精度限界、及び当業者に知られている他の要因を含むずれ又はばらつきが、効果を妨げず、特性が提供することを意図された量で発生し得るということである。
「インイヤ型モニタ」とは、周囲(環境)音の鼓膜への伝播を遮断するように、一部が外耳道の外側部分の全体をふさぐ装置である。本発明の解釈上、インイヤ型モニタは、カナルホン、イヤピース、及びステレオイヤホンと同義である。
「周波数応答」は、刺激に応答するシステム又は装置の出力スペクトルに関する定量的な尺度であり、システムの動特性を表すのに用いられる。周波数応答は、入力と比較した場合の、周波数に応じた出力の大きさ及び位相の程度である。オーディオシステムでは、入力信号を歪みのない一定の振幅で再生することが目的である。そのためには、システムの帯域幅限界まで、均一な(平坦な)大きさの応答が必要になるであろう。本発明の文脈において、周波数応答は、インイヤ型モニタのスピーカ/ドライバによって生成される信号に関する振幅の損失及び/又は歪み源の程度である。例えば、4dBの周波数応答は、最初に生成された信号と比較して4dBの損失を示す。
本発明の解釈上、「閉塞(Occluded)」とは、閉鎖、遮断、又はふさぐことを意味する。インイヤ型モニタに関して、この装置は外耳道を完全にふさぐ又は閉塞するので、その結果、インイヤ型モニタ内で生成された音、又はインイヤ型モニタを通り抜けることが許された音だけが外耳道に伝達され、最終的に鼓膜に伝達される。
全体にわたって、同じ番号は同じ要素を指す。図の中では、特定の線、レイヤ、コンポーネント、要素、又は特徴のサイズは、明瞭にすることを目的に誇張されることがある。
本明細書に用いられる用語は、特定の実施形態を説明するという目的のためだけのものであり、本発明を限定しようとする意図はない。本明細書で用いられる場合、「a」、「an」、及び「the」を用いる単数形には、複数形も含まれることが意図されている。ただし、別のことが文脈上で明確に示されている場合を除く。したがって、例えば、「コンポーネント表面」への言及には、そのような複数の表面のうち1つ又は複数への言及が含まれる。
本明細書に用いられる場合、「1つの実施形態」又は「一実施形態」へのあらゆる言及は、その実施形態に関連して説明される特定の要素、特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。「1つの実施形態」という文言が本明細書の様々な場所に現れるが、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。
本明細書に用いられる場合、「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、「includes(含む)」、「including(含む)」、「has(有する)」、「having(有する)」という用語、又はこれらのあらゆる他の変化形は、非排他的包含に適用されることが意図されている。例えば、列挙された要素を備えるプロセス、方法、物品、又は装置が、これらの要素だけに必ずしも限定されるわけではなく、明確に列挙されてはいない、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に本来備わっている他の要素を含んでもよい。さらに、「or(又は)」は包括的orを指すものであり、反対のことが明確に述べられていない限り、排他的orを指すものではない。例えば、A又はBという条件は、Aが真であり(又は存在し)Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)Bが真である(又は存在する)、並びにA及びBが両方とも真である(又は存在する)のうちいずれか1つによって満たされる。
別途定められない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術的用語及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者が普通に理解する意味と同じ意味を有する。一般に用いられる辞書に定められている用語などは、本明細書及び関連技術分野の文脈においてもそれらの用語の意味と合致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書に明確に定められていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味に解釈されるべきではないことがさらに理解されるであろう。よく知られた機能又は構造は、簡潔さ及び/又は明瞭さを目的に詳細に説明されないことがある。
ある要素が別の要素に「接している」、「取り付けられている」、「接続されている」、「連結されている」、「接触している」、「搭載されている」などと称される場合、一方の要素が他方の要素に直接に接している、取り付けられている、接続されている、連結されている、若しくは接触していてよく、又は間にはさまれた要素が存在してもよいことがまた理解されるであろう。反対に、例えばある要素が別の要素に、「直接に接している」、「直接に取り付けられている」、「直接に接続されている」、「直接に連結されている」、「直接に接触している」と称される場合、間にはさまれた要素は存在しない。別の特徴に「隣接」して配置されている構造又は特徴への言及は、隣接する特徴に重なり合う又はその下にある部分を有し得ることも、当業者によって理解されるであろう。
「下に」「下方に」、「下の方の」、「上方に」、「上の方の」などの空間的に相対的な用語は、ある要素又は特徴の別の要素又は特徴との関係を、図に示されるように説明するのに、説明しやすいように本明細書で用いられることがある。空間的に相対的な用語は、図に示された向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きも含むことを意図していることが理解されるであろう。例えば、図の中の装置が逆さにされた場合、他の要素又は特徴の「下」又は「下方」と説明された要素は、今度は、他の要素又は特徴の「上方」に方向付けられるであろう。したがって、「下」という例示的な用語には、「上」及び「下」という両方の向きが含まれ得る。装置はそれ以外(90度回転、又は他の向き)に方向付けられてよく、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述語は、それに応じて解釈されてよい。同様に、「上向き」、「下向き」、「上下方向」、「水平方向」などの用語は、別途具体的に示されない限り、説明目的だけのために本明細書で用いられている。
図1Aは、本発明の1つの実施形態による、ユーザの外耳道をふさぐインイヤ型モニタの側面破断図を提供する。図1Aに示される本発明の実施形態において、ハウジングが、音響低圧イコライゼーション処理装置(以降、「SLED」)と接続する1つ又は複数のドライバ(スピーカ)を含み、SLEDは、それらの内部スピーカによって生成された音(内部音)を耳道115の中に配置された外耳道ストークへ伝える。本実施形態において、外耳道ストークは膨張性イヤチップ130に収められる。イヤチップは、圧縮されて外耳道に挿入されると、外耳道115の側面領域をふさぐように膨張する。そうすることで、インイヤ型モニタは外耳道をふさぎ、耳の外側の周囲音が外耳道に入り鼓膜120に到達するのを実質的に防ぐ。比較すると、図1Bに示される小型イヤホン140は、外耳道115の外側に存在する。小型イヤホン140によって生成される音は、小型イヤホンの不完全な密閉によって外耳道に「漏れる」周囲音と合成される。これにより、装着者は、内部スピーカの音量の大きさを上げる必要があり、その結果、内部スピーカは外部音源と競合することになり得、インイヤ型モニタが提供し得る利点の1つが無効になる。同様に、小型イヤホンによって生成される一定の音が、同じ不完全な密閉によって漏れて、外耳道115又は鼓膜120に届かない。低周波音は、そのような漏れの影響を非常に受けやすく、その結果、外部小型イヤホンの低周波特性は概して、外耳道がふさがれているインイヤ型モニタなどの低周波特性を欠くことになる。
周囲音を減衰させる一方向性音響フィルタが、本発明のインイヤ型モニタの外側部分に配置され、ハウジングと連結される。周囲音の予め定められた減少振幅が、一方向性音響フィルタによる周囲音波の減衰の程度によって決定される。音響フィルタは、減衰した周囲音を1つ又は複数のドライバによって生成された内部音と合成する予め定められた空間容量又はチャネルを介して、SLEDにも連結される。その後、それらの合成音波は、外耳道ストークへ伝えられ、最終的に鼓膜へ伝達される。
図2は、本発明の1つの実施形態によるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの側面破断図を提供する。本実施形態において、ハウジング210は、2つ1組のスピーカドライバ220を含む。他の実施形態では、ハウジング210に収められるドライバ220の数は、複数のドライバのうち1つ又は複数であってよい。図2に示される各ドライバは、SLED230に連結する。この破断図に示されるように、SLEDは、各ドライバ220によって生成される内部音波を共通チャネル245の中で合成する内部ドライバチャネル235を含む。示されるように、共通チャネル245及び内部ドライバチャネル235は、鈍角で交わる。この角度により、外耳道ストーク240へ向かう内部音波の反射が促進される。ドライバから出る波などの縦波音波が平坦な表面に衝突した場合、反射面の寸法が音の波長と比較して大きいならば、音はコヒーレントな態様で反射される。可聴音は、非常に広い周波数範囲(20〜約20000Hz)、したがって非常に広い範囲の波長(約20mm〜20m)を有することに留意されたい。その結果、反射の全体的な特性が、表面のテクスチャ及び構造に従って変化する。例えば、多孔性材料はある程度の音エネルギーを吸収し、表面が粗い材料(粗さは波長に対してのものである)は、音エネルギーをコヒーレントに反射するのではなく様々な方向に反射する、すなわち、音エネルギーを散乱する傾向がある。
本発明は、波長に対して滑らかな円錐状の表面を用いて、外耳道ストーク240へ向かう内部音波の反射を促進する。異なる実施形態において、チャネルは平坦な反射面を備えた長方形である。共通チャネル245は、それぞれの内部ドライバチャネル235に対して、予め定められた鈍角で方向付けられている。それらの角度は、イヤピースを外耳道に適合させるために、解剖学的考察に基づいている。当業者であれば、SLEDの内部チャンネルの構成及び向きが、ドライバから外耳道ストークへ、そして最終的にはユーザの鼓膜への音の伝播を最適化するために変わってよいことを理解するであろう。
図2のインイヤ型モニタはさらに、インイヤ型モニタハウジング210の内部空間250に通じるSLED共通チャネルの上部ポートを示す。内表面217及び外表面216を有する一方向性音響フィルタ215がハウジングに組み込まれ、外耳道ストークと実質的に反対側に設けられている。一方向性音響フィルタにより、周囲音波はフィルタを周囲環境からインイヤ型モニタの内部空間容量へ通り抜けることが可能になる。周囲音波は、内部空間容量250に入ると、ハウジングの内部表面によって共通チャネル245の開口部へ進行方向を変えられる。内部空間容量250は、音波の唯一の出口が共通チャネル245になる状態で調整されている。一方向性フィルタ215は実質的に、内部反射したあらゆる音波がハウジング210から出るのを防いでいる。
図3は、本発明の1つの実施形態によるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの別の実施形態の側面破断図である。図2に示される実施形態と同様に、本実施形態は、内部ドライバチャネルを通って内部音波を共通チャネル345へ方向づける2つのスピーカドライバ320を含む。これらの音波は、内部ドライバチャネルに向かい合う表面の形状及び状態に基づいて、外耳道ストーク340に向かって反射される。ここでも、ハウジングは、一方向性音響フィルタ315を組み込み、これにより、減衰した周囲音波がフィルタを通り抜け、インイヤ型モニタの内側部分に入ることが可能になる。図2に示される実施形態と違って、本実施形態は、一方向性音響フィルタ315を共通チャネル345の上部に連結する周囲音チャネル360を含む。内部ドライバチャネルと同様に、周囲音チャネル360は、外耳道ストーク340へ向かう周囲音波の反射を促進するように、ある角度で共通チャネルと合流する。
周囲音チャネル360の空間容量は、所望の周波数応答の予め定められた範囲に基づいている。反射された音波が通って移動する容量及び圧力を制御することで、内部音波の周波数応答が最適化され得る。
周囲音フィルタの一方向性により、低周波音波がインイヤ型モニタから出ることが妨げられる。双方向性のアンビエントベント又はポートは周囲音をインイヤ型モニタに取り入れることができるが、そのような取り込みとのトレードオフにより、特に低周波で周波数応答が劣化する。本発明は、インイヤ型モニタ内部の音ドライバの周波数応答を犠牲にすることなく、周囲環境を反映したユーザ音を提供することで、この欠点を解決する。
図2及び図3に示される実施形態は、汎用のフリーサイズ型のインイヤ型モニタを表している。カスタムインイヤ型モニタが、個人の耳の外部構造を実質的に再現するように構成される。したがって、カスタムインイヤ型モニタでは、外耳道を外部音/周囲音から隔離するための装置能力が増す。カスタムインイヤ型モニタを用いる個人は、周囲の状況に関する音を日常的に求めている。特定の歌又は歌詞に対する観客の反応は、演奏者がより良い演奏を提供するために、どのように観客と交流するかに影響を与え得る。
図4A及び図4Bは、本発明の1つの実施形態によるカスタムパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの代替の実施形態を示す。図4Aを参照すると、カスタムインイヤ型モニタが、適応シェル420と接合されるフェースプレート410を含む。適応シェルは、耳の外側部分及び外耳道の外側部分に関する解剖学的構造を反映する。インイヤ型モニタの内部には、内部音波を生成するための1つ又は複数のドライバ460が存在する。本実施形態では、内部音チャネル440が、これらのドライバに連結され、外耳道内に存在する適応シェルの部分470に方向づけられる。
図4Aのインイヤ型モニタはさらに、フェースプレート410の外面に取り付けられた一方向性音響フィルタ430を含む。フィルタ430は、減衰した周囲音がフィルタの外表面からフィルタの内表面へ通り抜け、カスタムインイヤ型モニタの内部に入ることを可能にするように構成される。周囲音の減衰量は、ユーザの必要性に基づいて変わる。1つの実施形態において、フィルタは周囲音を0〜10dB減衰させることができ、別の実施形態では、フィルタは周囲音を10〜25dB、又は25〜50dBも減衰させることができる。当業者であれば、本発明のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタと関連するフィルタ430が、ユーザの好みに基づいて修正されてよいことを理解するであろう。フィルタは、異なる暴露レベルに対して一定の減衰レベルの範囲で利用可能であり、妥当なレベルの雑音が減少することを保証する。さらにフィルタは、線形減衰又は非線形減衰を伴う異なる減衰レベルで設計される。
図4Aに示される実施形態において、フィルタの内表面は、アンビエントベントチューブ450に連結される。アンビエントベントチューブは、カスタムインイヤ型モニタの適応シェル420を通り抜け、減衰した周囲音を外耳道内に存在するシェルの部分470に伝達する。本実施形態において、アンビエントベントチューブ450及び内部音チャネル440の末端部は、外耳道内のカスタムインイヤ型モニタの端部470において共存する。
図4Bは、カスタムパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの別の実施形態を表す。図4A及び図4Bの両方に示される実施形態は、ユーザの耳の解剖学的外部構造に適合するカスタム適応シェル420を提供し、インイヤ型モニタ内に含まれる1つ又は複数のドライバ460によって生成される音波及び周囲環境の周囲音を外耳道に与える。
前の実施形態と同様に、一方向性音響フィルタ430により、周囲音はフィルタを外表面から内表面へ通り抜けることが可能になる。フィルタを通過すると、周囲音は、アンビエントベントチューブ450を介して外耳道に方向づけられる。同様に、1つ又は複数のドライバ460のそれぞれによって生成される音波が、1つ又は複数の内部音チャネル440によって外耳道に方向づけられる。当業者であれば、音チャネルが柔軟なチューブを用いて実装され得ることを理解するであろう。また、本発明は、複数の実施形態を参照して詳細に示され説明されるが、形態及び詳細の様々な他の変更が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われ得ることを、当業者は理解するであろう。
図4Aに示される実施形態と違って、図4Bに示される実施形態は、周囲音波を内部音波と合成するように働くSLED480を含む。合成音波はその後、外耳道内に位置するインイヤ型モニタの末端部470に伝達される。
本発明のインイヤ型モニタは、ハイフィデリティドライバによって生成される音波を近くの環境からの周囲音と合成する。一方向性音響フィルタを介した周囲音の取り込みにより、インイヤ型モニタは、聴音周波数スペクトル全体にわたり、最小限の周波数応答の劣化をもたらすことが可能になる。具体的には、低周波が、周囲音源の取り込みにもかかわらず維持される。
本発明の新規性を示すために、音楽演奏環境におけるインイヤ型モニタの使用を検討する。演奏者は、インイヤ型モニタによって自分らが観客から隔離されているという不満をもらすことが多い。演奏中に、ミュージシャン及び演奏者は同様に、観客から受ける反応で成長する。しかし、ステージに配置される旧式のウェッジモニタにいくつかの利点を与えるインイヤ型モニタは、そのような反応を生み出すことができない。各インイヤ型モニタは、グループの各メンバに独自の音のミキシングを提供して、個人個人の体験を高めるように、個々に調整され得る。例えば、観客がバランスの取れたベースとリードギターの両方の組み合わせを聞きたいとしても、ベース奏者が、リードギターより強調された曲を聞きたいと望むかもしれない。従来のインイヤ型モニタは、環境からの隔離という代償を払って、そのような利点を提供している。
従来技術のよく知られた解決手段は、インイヤ型モニタ内のドライバを介したパイプで送られる音が周囲音と合成され得るように、モニタの中にアンビエントベントを含めることである。しかし、そうすることで、内部で生成された音の周波数応答が劣化する。これは、特に低周波領域に関して当てはまる。
本発明によって、音楽グループの各演奏者は、インイヤ型モニタによって生成される音の品質を犠牲にすることなく、周波数スペクトルの全体にわたって周囲音を体験することが可能になる。アンビエントベントは、一方向性音響フィルタを用いて制約される。フィルタ及びSLEDは、減衰した音がインイヤ型モニタに入ることを可能にするが、インイヤ型モニタから出るいかなる音も実質的に減少させる。例えば、フィルタを外表面から内表面へ通り抜ける音の減衰量は10dBであってよいが、フィルタを内表面から外表面へ通り抜ける音の減衰量はかなり大きい。その結果は、従来のインイヤ型モニタと同等の実質的に閉ざされた環境である。聴音スペクトルの全体にわたる周波数応答が、周囲音を含めてもまだ維持される。
音楽演奏者の例に戻ると、各メンバは、モニタからの全スペクトルの音を受け続けていても、観客から反応を即座に受けることができる。本発明を適用するより良い例示が、ミュージシャンが聖歌隊だけでなく会衆もサポートすることを任されている礼拝かもしれない。聖歌隊及び残りのミュージシャンによって生み出される音は、マイク又は他の入力装置を介してミュージシャンにそれぞれ供給されるが、会衆からは、いかなる形態の音の入力もない。本発明のアンビエントフィルタ及びSLEDを用いると、会衆はこの体験の中で不可欠な要素になる。
本発明は、ミュージシャン及び演奏者が同様に周囲音を受け取ることを可能にする一方で、完全に閉塞されたインイヤ型モニタ内のドライバによって生成される音楽のフィデリティを維持する。図5A〜図5Hは、本発明の1つの実施形態による、単一のドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する組立工程の斜視図を示す。図5A〜図5Hは、組立の8つの別々の段階を示す。しかしながら、当業者であれば、それらの段階が長い生産及び組立工程の単なる一面であることを理解するであろう。さらに、本明細書で説明される本発明と合致する他の組立工程及び設計が企図されており、それらは特許請求された発明の範囲内にある。
図5Aは、インイヤ型モニタの下半分のハウジング510を分解して示しており、ここには、右下方に伸びる外耳道ストーク540と、2つの電子接触点を有する単一のドライバ520とが含まれる。単一のドライバ520の音ポート(不図示)が、下部ハウジング510に適合した内部音チャネル530に結合される。図5Bは、ハウジングの下半分に配置されたドライバを示す。下部ハウジングユニットの内部チャンネルには、SLEDに含まれる周囲音チャネルを受けるように構成された差し込みポート545が存在することに留意されたい。
図5Cは、本発明の1つの実施形態によるSLED550を示す。SLED550は、周囲音チャネル557の細長い半チャネル部分を有する円形の開口553を示す。上部ハウジング555は、SLED550と結合して、フィルタの内表面と、内部音チャネル535との連結部との間に、周囲音チャネルを形成する。図5Dは、ドライバと結合されたSLEDと、下部ハウジングとを示す。
図5Eに示される上部ハウジング555は、SLED550の上に配置され、下部ハウジング510と結合する。図示されていないが、上部ハウジング555の内部は、SLED550の上部と結合して、周囲音チャネル557の形成を完了する。上部ハウジング555の丸穴560は、図5Fに示される一方向性フィルタ570の組立品を受け入れるように構成される。予め定められた程度の減衰量を備えた一方向性音響フィルタ570が、シール575にはめ込まれ、上部ハウジングの円形の受け口(穴)560に配置される。図5Gに見られるように、SLED550の円形部分553は、フィルタ組立品580の下面を受けるために、上部ハウジング555から突出している。ハウジング555とフィルタ組立品580との結合により、図5Hに示されるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ590の1つの実施形態が形成される。
図6A〜図6Hは、本発明の一実施形態を示し、ここではマルチドライバを有するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの組立工程に関する別の図を示す。図5A〜図5Hのように、図6A〜図6Hも組立の8つの別々の段階を示し、ここでも、当業者であれば、それらの段階を長い生産及び組立工程の単なる一面として理解するであろう。さらに、本明細書で説明される本発明と合致する他の組立工程及び設計が企図されており、それらは特許請求された発明の範囲内にある。
図6Aは、「兼用ブーツ」650(SLEDの別の実施形態)を分解して示しており、ここには、図5A〜図5Hの場合とは異なる周波数応答に合うように調整された、著しく長い周囲音チャネル652(下半分部分が示されている)が示されている。本実施形態の複数ドライバ620(「マルチドライバ」)構成の結果として、SLED650は、この説明において合計3つの音入力経路、すなわち、周囲音チャネル652からの経路が1つと、マルチドライバ620に結合するポートからの経路が2つとを有する。マルチドライバ入力ポートのうち一方の部分が図に示されており、マルチドライバパッケージのより大きい部分に関する他方のポートの図は、SLEDの下側の周囲音チャネルによって遮られている。すなわち、図5A〜図5Hと違って、マルチドライバのそれらの音ポート(不図示)は、SLED650の2つの入力ポートに直接結合する。もちろん、それらのポートの数及びサイズは、所望の周波数応答に従って変わり得る。図6Cは、下半分のハウジング610に配置されるドライバ650を示す。下部ハウジングユニットの内部チャンネルに、SLEDに含まれる周囲音チャネルを受けるように構成された差し込みポートが存在することに留意されたい。
SLED650は、ここでも、細長い半チャネル652を有する円形の開口653を示す。上部ハウジング660は、SLED650と結合し、フィルタの内表面と、内部音チャネルとの連結部との間に周囲音チャネルを形成する。図6Dは、ドライバ620と結合されたSLED650と、下部ハウジング610とを示す。
図6Eに示される上部ハウジング660は、SLED650の上に配置され、下部ハウジング610と結合する。図示されていないが、上部ハウジングの内部は、SLEDの上部と結合して周囲音チャネルの形成を完了する。上部ハウジング660の丸穴665は、図6Fに示される一方向性フィルタ組立品680を受け入れるように構成される。一方向性音響フィルタ670は、シール675にはめ込まれ、上部ハウジングの円形の受け口(穴)665を通って配置される。図6Gに見られるように、SLED650の円形部分653は、フィルタ組立品680の下面を受けるために、上部ハウジング660から突出している。ハウジングとフィルタ組立品との結合により、図6Hに示されるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ690の1つの実施形態が形成される。
本発明のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する別の例示の実施形態が、図7A〜図7Iに示されている。図5A〜図5H及び図6A〜図6Hは、パッシブアンビエント式インイヤ型モニタの様々なコンポーネントを斜視図で示すが、図7A〜図7Iは、側面から見た図を示す。図7Aは、音響ドライバ720である。本実施形態は、単一のドライバと周囲音チャネルとの結合を説明するが、当業者であれば、1つ又は複数のドライバが、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に示された設計に用いられ得ることを認識するであろう。実際に、本発明は、ユーザの要求に応じて、フィルタ及びドライバの異なる組み合わせを含むパッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関する複数の実装例を企図している。
図7A〜図7Iに戻ると、図7Aのドライバ720は、SLED750の1つの実施形態と接合されて、図7Bのドライバ/SLED組立品725を形成する。この場合、SLED750は、外耳道ストークに向かう音の反射を促進するために、ドライバポートに対して方向付けられた内部音チャネル722を含む。上部ハウジング760はその後、ドライバ/SLED組立品725と接合されて、周囲音チャネル755を形成する。
図7Eは、SLED750、ドライバ720、及び上部ハウジング760を合体した組立品の側面図を示す。この側面図は、一方向性フィルタ780の受け口と、周囲音チャネル755と内部音チャネル722との連結部とを示す。本実施形態は、SLEDではなく上部ハウジングにフィルタ受け口を作ることに留意されたい。
図7F及び図7Gは、一方向性フィルタを上部ハウジングに連結する様子を示す。合体した組立品735はその後、SLEDの内部音チャネルを外耳道ストークに位置合わせするように、下部ハウジング710に配置される。図7Iは、本発明の1つの実施形態による、組立後のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ790の側面図を示す。パッシブな周囲音チャネルは、内部音チャネルと結合し、ドライバのスピーカによって生成される音波及び環境の周囲音を外耳道ストーク785に伝達する。
パッシブアンビエント式インイヤ型モニタの特性を示すために、以下の周波数試験のグラフを検討する。図8及び図9は、約20〜20000Hzの範囲で、本発明の1つ又は複数の実施形態によるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの周波数応答のグラフを示す。各グラフでは、ドライバによって生成され、外耳道ストークの端部で測定された音の周波数応答が、関連したあらゆる歪みと共に示されている。これらのグラフは、一方向性音響フィルタ及び空間容量の様々な組み合わせを用いて、本発明の比較を示す。
グラフは、周波数応答の広がり、この事例では20〜20000Hzの結果を用いて表すのに、本装置/本設計/本発明を利用した結果を示す。周波数応答及び歪みの両方の結果が、それぞれ実線及び点線でグラフに表されており、完全閉塞式イヤピース設計の特性限界及びパラメータが破線の「限界」線で表されている。破線は完全閉塞式インイヤ型モニタの周波数応答限界であり、dB単位の出力がグラフの左側に数字で表されている。歪みの限界線は、明瞭さを目的に省略されている。しかしながら、歪みの割合がグラフの右側で読み取れる。太い点線は、イヤピースを通って外部表面から外耳道に伝わるベントを有するイヤピースの試験結果であり、実線は、本発明の原理を用いたイヤピースを表す。太い実線は、試験用のインイヤ型モニタの周波数応答である。図示されるように、太い点線で示されるモニタはそれぞれ、700Hzと20Hzの間の低周波応答出力が著しく減少(劣化)しており、本発明に従って作られたイヤピースを表す太い実線は、完全閉塞式インイヤ型モニタ用に設定された限界線のかなり近くで低周波応答を維持している。対応する(太くない)実線は歪みを表しており、本設計を用いるモニタでは、完全閉塞式インイヤ型モニタに対して設定された限界線をはるかに下回っているのに対して、ベントを有するイヤピースの(太くない)点線は、低周波応答の信号対雑音比が著しく低下した状態を表す歪みを示している。
図8は、パッシブアンビエント式インイヤ型モニタに関して、周囲音チャネルを有する一方向性音響フィルタを用いる場合と、開放ベント(又は、双方向性音響フィルタ)を用いる場合との比較を示す。このグラフは、開放ベントを有するインイヤ型モニタを、本発明による一方向性フィルタを有するインイヤ型モニタと比較した周波数応答が、約700〜20000Hzの範囲で実質的に同じであることを示す。700Hzより低い周波数では、両者の結果は分かれ始める。本発明によるパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ830の周波数応答は、20〜700Hzの範囲でも実質的に平坦なままであるが、開放ベントを有するインイヤ型モニタの周波数応答820は、激減している。このグラフは、低周波スペクトルに対する、インイヤ型モニタにおける開放アンビエントベントのマイナス効果を示している。同様に、開放アンビエントベントに関する信号歪み840は、700Hz未満で許容できないレベルに増加している。一方、本発明のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ850は、許容レベルにとどまっている。
図9は、一方向性フィルタ及び周囲音チャネルを有するパッシブアンビエント型トリプルドライバ付きインイヤ型モニタを、一方向性フィルタを有するが専用の周囲音チャネルを欠いたパッシブアンビエント型トリプルドライバ付きインイヤ型モニタと比較したときの対比を示す。図2及び図3は、類似した設計のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタを表す。前の例と同様に、両方の設計は、700Hzを超える周波数で許容できる周波数応答を示す。しかしながら、周波数が低下すると、各設計の周波数応答は分かれ始める。周囲音チャネル930を利用するパッシブアンビエント式インイヤ型モニタは、平坦な周波数応答を示すが、周囲音チャネルを欠いた設計920では、周波数の低下に比例して周波数応答が悪化する。
内部音波が通って移動する空間容量は、周波数応答の決定において重要な要素である。音は、圧力波による分子の振動であることを想起されたい。分子を「押し動かす」たびに、いくらかのエネルギーが熱となって失われることになる。このため、音は、音が通って伝播する媒体の熱となって失われる。音波の減衰は、ほとんどの材料で周波数に依存する。低周波は、高周波ほど十分に吸収されない。このことは、低周波がより遠くに移動することを意味する。反射も周波数に依存する。高周波はよく反射するが、低周波は障害物を通り抜けることが可能である。
低周波音の圧力波は、高周波の圧力波より波長が長い。また、低周波音の圧力波はより遠くに進み得るが、より多くの分子を押し動かすことでそうなる。開放された環境では、これらの分子を「押し動かす」ことが、制約された環境の場合よりも困難になる。誇張した例を検討してみる。同じ容量の空気が異なるサイズの2つの容器に追加された場合、小さい方の容器では、より大きな圧力の増加を感じるであろう。ドライバは、音波を作り出すことで、圧力パルスを作り出す。アンビエントベントが外部環境に開放されている場合、空気の容量が非常に大きいので、低周波の圧力変化は分からない。しかし、その空間が制約された場合、圧力は維持される。本発明の重要な一面が、音チャネルの内部空間容量の管理が許容できる周波数応答を実現するのに不可欠であるという認識である。内部ドライバの観点から、本発明のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタは、閉じたシステムである。外耳道は完全にふさがれる。鼓膜が一方の障壁を表し、一方向性フィルタが他方の障壁を表す。閉ざされた環境では、小さいドライバの低周波音波が平坦な周波数応答プロファイルを生成する。しかし図8に示されるように、システム(インイヤ型モニタ)が環境に対して開放された状態に保たれると、適切な周波数応答を維持するという低周波ドライバの能力は低下する。ドライバのサイズは、装置全体が耳の中に存在するので制約される。当業者であれば、耳を覆うヘッドホンが、ドライバ(スピーカ)のサイズを増加させることでこの問題に対処し、この低周波の低下に対応することを認識するであろう。
一方向性フィルタを用いてインイヤ型モニタをふさぐことでも、開放ベントと比較して、低周波応答が改善される。このことは、図8と図9との差異を観察することで容易に明らかとなる。しかし、適切な低周波応答は、音チャネルの空間容量を正確に管理することでのみ実現され得る。これには、内部音チャネルと結合される周囲音チャネルの容量が含まれる。ドライバの組み合わせごとに、周波数スペクトル全体に対して平坦な周波数応答を提供する予め定められた空間容量が特定される。フィルタは一方向なので、設計を変更することなく、周囲音について異なる減衰レベルが用いられ得る。しかしながら、ドライバの能力を制約された空間容量と相関させるために、ドライバ及び音チャネルの異なる構成には、異なる周囲音チャネル構成が必要となる。
周囲のパッシブな音をインイヤ型モニタに供給するのに用いられ得る方法の例を示すフローチャートが、説明に含まれている。以下の説明において、フローチャートの各ブロック、及びフローチャートのブロックの組み合わせが、特定の機能を実行するための手段の組み合わせ、及び特定の機能を実行するための段階の組み合わせをサポートすることが理解されよう。フローチャート例の各ブロック、及びフローチャート例のブロックの組み合わせが、特定の機能若しくは段階を実行する専用ハードウェアベースのシステム、又は専用ハードウェアの組み合わせによって実装され得ることも理解されるであろう。
図10は、パッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための、本発明による方法の1つの実施形態を示すフローチャートである。このプロセスは1005から始まり、外耳道を完全にふさぐようにインイヤ型モニタを構成する段階1010を伴う。上述されたように、また本発明の1つ又は複数の実施形態に従って、インイヤ型モニタは、外耳道ストーク、1つ又は複数のドライバ、フィルタ、及び音響低圧イコライゼーション処理装置(「SLED」)を含む。
SLEDは、閉じたシステムを確立するために、1つ又は複数の音ドライバ、外耳道ストーク(及び最終的には鼓膜)、及びフィルタのそれぞれの間に挿入される(1030)。1つ又は複数のドライバのそれぞれは、SLEDのポートに伝達される内部音波を生成する(1050)。SLEDはまた、一方向性音響フィルタを通って減衰した周囲音波を受信する(1070)。
次にSLEDは、周囲音波及び内部音波を予め定められた空間容量を通って外耳道ストークへ(1080)、そして最終的には鼓膜へ(1095)伝え、これにより、1つ又は複数のドライバにより生成された内部音波の外耳道ストークでの周波数応答の程度が、周波数応答の予め定められた範囲内になる。
周波数応答の範囲は、ドライバ及び予め定められた空間容量の組み合わせに基づいている。1つの実施形態において、外耳道ストークにおける20〜20000Hzの内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は±4dBであり、一方、別の実施形態では、外耳道ストークにおける20〜20000Hzの内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は±6dBである。他の実施形態では、20〜200Hzなどの低域周波数範囲、又はパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの実装に必要とされる他の範囲に注目してもよい。
同様に、一方向性フィルタによる周囲音の減衰は、実装に基づいて設定されてよく、線形ベース又は非線形ベースの周波数減衰を経験し得る。本明細書に示される例は、娯楽又は演奏環境で利用されるようなパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの実装に注目しているが、本発明は、産業環境にも同様に適用可能であってよい。地下鉄の乗客でも、イヤホンのスピーカで聞いている音の品質を犠牲にすることなく、振幅を低下させて周囲音を取り込むことが有益であると気づき得る。ハイフィデリティの音楽を地下鉄で聞きたいが、次の停車駅に関するアナウンスも知りたいという個人を検討してみる。
本発明の実施形態により、ユーザは、周波数応答の劣化がほとんどないか全くない状態で、且つ周囲音を取り込んだ状態で、ハイフィデリティサウンドを体験することが可能になる。周囲音の取り込みは、多くの場面で、特に再生された音の品質を犠牲にすることなく周囲音の取り込みが行われた場合に、ユーザの体験を高める。
本発明のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタの1つの実施形態が、以下のものを備える。
・ハウジング。
・外耳道ストーク。
・フィルタ。フィルタは外表面及び内表面を含み、周囲音波がフィルタを外表面から内表面へ通り抜ける。
・1つ又は複数の音ドライバ。1つ又は複数の音ドライバは、内部音波を生成する。
・音響低圧イコライゼーション処理装置(「SLED」)。SLEDは1つ又は複数の音ドライバのそれぞれ、外耳道ストーク、及びフィルタに連結されており、SLEDは、内部音波及び周囲音波を外耳道ストークに伝える予め定められた空間容量を含み、これにより、内部音波の外耳道ストークでの周波数応答の程度が、周波数応答の予め定められた範囲内になる。
パッシブアンビエント式インイヤ型モニタは、以下のことを含めた他の特徴を含む。
・外耳道ストークはイヤチップを含み、イヤチップは外耳道を完全にふさぐ。
・フィルタは一方向性音響フィルタである。
・一方向性音響フィルタは、内表面から外表面へ通り抜ける内部音波を実質的に低減させる。
・一方向性音響フィルタは、外表面から内表面へ通り抜ける周囲音波を減衰させる。
・周囲音波は、予め定められた減少振幅で一方向性音響フィルタを通り抜ける。
・一方向性音響フィルタは、周囲音を0〜10dB減衰させる。
・一方向性音響フィルタは、周囲音を10〜25dB減衰させる。
・周波数応答の予め定められた範囲は、±4dBである。
・予め定められた空間容量は、周囲音波の減衰の程度に基づいている。
・外耳道ストークにおける20〜20000Hzにわたる内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は、±4dBである。
・外耳道ストークにおける20〜20000Hzにわたる内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は、±6dBである。
・外耳道ストークにおける20〜2000Hzにわたる内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲は、±4dBである。
・SLEDは、外耳道ストークを一体化したコンポーネントである。
本発明によるインイヤ型モニタにパッシブな周囲音を供給するための1つの方法が、以下の段階を含む。
・外耳道を完全にふさぐようにインイヤ型モニタを構成する段階であって、インイヤ型モニタは、外耳道ストーク、1つ又は複数のドライバ、フィルタ、及び音響低圧イコライゼーション処理装置(「SLED」)を含む、段階。
・1つ又は複数の音ドライバ、外耳道ストーク、及びフィルタのそれぞれの間にSLEDを挿入する段階。
・1つ又は複数のドライバが、内部音波を生成する段階。
・SLEDが、フィルタを通る周囲音波と、1つ又は複数の音ドライバからの内部音波とを受信する段階。
・SLEDが、周囲音波及び内部音波を予め定められた空間容量を通って外耳道ストークに伝える段階であって、これにより、1つ又は複数の音ドライバによって生成された内部音波の外耳道ストークにおける周波数応答の程度が、周波数応答の予め定められた範囲内になる、段階。
インイヤ型モニタにパッシブな周囲音を供給するための方法はさらに、以下の段階を含んでよい。
・フィルタを通り抜ける内部音波を実質的に低下させる段階。
・フィルタを通って受信された周囲音波を減衰させる段階。
・フィルタは、周囲音波を0〜10dB減衰させる。
・フィルタは、周囲音波を10〜25dB減衰させる。
・周波数応答の予め定められた範囲を±4dBに制限する段階。
・周波数応答の予め定められた範囲を±6dBに制限する段階。
・周波数応答の予め定められた範囲を限定する段階は、予め定められた空間容量に基づいている。
・外耳道ストークにおける20〜20000Hzの内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲を、±4dBに制限する段階。
・外耳道ストークにおける20〜2000Hzの内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲を、±4dBに制限する段階。
・外耳道ストークにおける20〜200Hzの内部音波に関する周波数応答の予め定められた範囲を、±4dBに制限する段階。
当業者であれば、本開示を読むと、本明細書の開示された原理によって、パッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するためのシステム及びプロセスに関する、さらに追加の代替の構造及び機能設計を理解するであろう。したがって、特定の実施形態及び適用例が示され説明されたが、開示された実施形態は、本明細書に開示されたまさにその構造及びコンポーネントに限定されないことを理解されたい。当業者には明らかとなる様々な修正、変更、及び変形が、本明細書に開示された方法及び装置に関する構成、動作、及び細部において、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われてよい。
特に、前述の開示に関する教示は、他の修正を当業者に示唆するであろうことを認識されたい。そのような修正には、本質的には既に知られており、本明細書に既に説明された特徴の代わりに、又はそれらの特徴に加えて用いられ得る、他の特徴が含まれてよい。複数のクレームが、複数の特徴に関する特定の組み合わせに対して、本出願に明確に述べられているが、本明細書における開示の範囲には、明示的に又は黙示的に開示された任意の新規な特徴若しくは複数の特徴に関する任意の新規な組み合わせ、又は、それらの一般化若しくは修正も含まれ、そのような特徴が、現在、いずれかのクレームに請求されているのと同じ発明に関するかどうか、また本発明が直面したのと同じ技術的問題のいずれか又は全てを軽減するかどうかが当業者には明らかであろうことを理解されたい。出願者は、そのような特徴及び/又はそのような特徴の組み合わせに対して、本出願又はそこから派生する任意のさらなる出願の出願手続き中に、新たなクレームを考案する権利をここに留保する。

Claims (25)

  1. ハウジングと、
    外耳道ストークと、
    外表面及び内表面を含むフィルタであって、周囲音波が前記フィルタを前記外表面から前記内表面へ通り抜ける、フィルタと、
    内部音波を生成する1つ又は複数の音ドライバと、
    前記1つ又は複数の音ドライバ、前記外耳道ストーク、及び前記フィルタのそれぞれに連結された音響低圧イコライゼーション処理装置(「SLED」)であって、前記SLEDは、内部音波及び周囲音波を前記外耳道ストークに伝える予め定められた空間容量を含み、これにより、前記内部音波の前記外耳道ストークにおける周波数応答の程度が、周波数応答の予め定められた範囲内になる、SLEDとを備える、パッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  2. 前記外耳道ストークはイヤチップを含み、前記イヤチップは外耳道を完全にふさぐ、請求項1に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  3. 前記フィルタは一方向性音響フィルタである、請求項1に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  4. 前記一方向性音響フィルタは、前記内表面から前記外表面へ通り抜ける内部音波を実質的に低減させる、請求項3に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  5. 前記一方向性音響フィルタは、前記外表面から前記内表面へ通り抜ける周囲音波を減衰させる、請求項3に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  6. 前記周囲音波は、予め定められた減少振幅で前記一方向性音響フィルタを通り抜ける、請求項5に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  7. 前記一方向性音響フィルタは、周囲音を0〜10dB減衰させる、請求項6に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  8. 前記一方向性音響フィルタは、周囲音を10〜25dB減衰させる、請求項6に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  9. 周波数応答の予め定められた範囲が±4dBである、請求項1から8のいずれか一項に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  10. 前記予め定められた空間容量は、周囲音波の減衰の程度に基づいている、請求項1から9のいずれか一項に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  11. 前記外耳道ストークにおける20〜20000Hzにわたる前記内部音波に関する周波数応答の前記予め定められた範囲は±4dBである、請求項1から10のいずれか一項に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  12. 前記外耳道ストークにおける20〜20000Hzにわたる前記内部音波に関する周波数応答の前記予め定められた範囲は±6dBである、請求項1から11のいずれか一項に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  13. 前記外耳道ストークにおける20〜2000Hzにわたる前記内部音波に関する周波数応答の前記予め定められた範囲は±4dBである、請求項1から12のいずれか一項に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  14. 前記SLEDは、前記外耳道ストークを一体化したコンポーネントである、請求項1から13のいずれか一項に記載のパッシブアンビエント式インイヤ型モニタ。
  15. 外耳道を完全にふさぐようにインイヤ型モニタを構成する段階であって、前記インイヤ型モニタは、外耳道ストーク、1つ又は複数のドライバ、フィルタ、及び音響低圧イコライゼーション処理装置(「SLED」)を含む、段階と、
    前記1つ又は複数の音ドライバ、前記外耳道ストーク、及び前記フィルタのそれぞれの間に前記SLEDを挿入する段階と、
    前記1つ又は複数のドライバが内部音波を生成する段階と、
    前記SLEDが、前記フィルタを通った周囲音波と、前記1つ又は複数の音ドライバからの内部音波とを受信する段階と、
    前記SLEDが周囲音波及び内部音波を予め定められた空間容量を通って前記外耳道ストークに伝える段階であって、これにより、前記1つ又は複数の音ドライバによって生成される前記内部音波の前記外耳道ストークにおける周波数応答の程度が、周波数応答の予め定められた範囲内になる、段階とを備える、パッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  16. 前記フィルタを通り抜ける内部音波を実質的に低下させる段階をさらに備える、請求項15に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  17. 前記フィルタを通って受信された周囲音波を減衰させる段階をさらに備える、請求項15に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  18. 前記フィルタは、周囲音波を0〜10dB減衰させる、請求項17に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  19. 前記フィルタは、周囲音波を10〜25dB減衰させる、請求項17に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  20. 周波数応答の前記予め定められた範囲を±4dBに制限する段階をさらに備える、請求項15から19のいずれか一項に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  21. 周波数応答の前記予め定められた範囲を±6dBに制限する段階をさらに備える、請求項15から20のいずれか一項に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  22. 周波数応答の前記予め定められた範囲を制限する段階は、前記予め定められた空間容量に基づいている、請求項15から21のいずれか一項に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  23. 前記外耳道ストークにおける20〜20000Hzの内部音波に関する周波数応答の前記予め定められた範囲を±4dBに制限する段階をさらに備える、請求項15から22のいずれか一項に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  24. 前記外耳道ストークにおける20〜2000Hzの内部音波に関する周波数応答の前記予め定められた範囲を±4dBに制限する段階をさらに備える、請求項23に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
  25. 前記外耳道ストークにおける20〜200Hzの内部音波に関する周波数応答の前記予め定められた範囲を±4dBに制限する段階をさらに備える、請求項24に記載のパッシブな周囲音をインイヤ型モニタに供給するための方法。
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